信じようと、信じまいと―
∧_∧
(´∀` )
(. /と )
/ ̄[] ̄ ̄/三/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
北海道1966年2月4日、千歳空港に向けて乗用車で
走行中の家族があった、その日の不思議な出来事
. , ,――──,──― 、
___. // ∧∧ // ∧∧. ||. \____________
__[//__(゚_*_,//[ ]゚Д゚,,)_|| _ \__ ______
lロ|=三= |ロロ゚| ̄ ̄ | ̄ ̄∪ :|  ̄ ̄ ̄||  ̄ ̄ ̄───__
| ∈口∋ ̄_l__l⌒l____|___l⌒l__|| ̄ ̄ ̄__───
 ̄ ̄`ー' ̄ `ー' `ー' `ー'
──────────────────────────
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
空港まではほぼ一本道であるはずなのに
ずっと進むといつのまにか逆方向を走っているのだ
, ――─ 、、───、‐ 、
___________/ |煤ネ∧. \\∧∧ \\____
__/__,||_(;゚Д゚[ ] \\_;゚)__\\]_
___ ___ || | ∪ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|゚ロロ|=三=|ロ|
____ ̄ ̄ ̄ ||__l⌒l___|____l⌒l____,l_ ̄∈口∋ |
─── ̄ ̄ ̄_ `ー' `ー' `ー'  ̄`ー' ̄ ̄
───────────────────────────
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
何度向きを変えても、元の場所へと戻されてしまい
結局予約した飛行機を乗り逃してしまった
, ――─ 、、───、‐ 、
___________/ :|| ∧∧ \\∧∧ \\____
__/___||_(;‐Д[ ]\\;‐).__\\]_
___ ___ || | ∪ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|゚ロロ|=三=|ロ|
____ ̄ ̄ ̄ ||__l⌒l___|____l⌒l____,l_ ̄∈口∋ |
─── ̄ ̄ ̄_ `ー' `ー' `ー'  ̄`ー' ̄ ̄
───────────────────────────
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
しかし乗り損なったそれは、その日に東京湾へ
墜落した羽田沖全日空遭難事故の機体であったという。
∧∧て
(;゚Д゚). ∧∧て
____(つ日)____(゚ー゚;)
/ \ ____と. )
.<\※ \______|i\___ヽノ〜
ヽ\ ※ ※ ※|i i|.====B|i.ヽ
\`ー──-.|\.|___|__◎_|_i‐>
 ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄|
\|____|〜
小松左京氏と星新一氏が鍾乳洞に出かけた。
∧_∧ ∧☆∧
(,,`o-o´). (,, ´∀`)
( ) ( )
| | | . | | |
(__)_) (__)_)
429 :
2/5:2009/04/02(木) 03:53:29 ID:DBoHtwpc0
γ;;;";;;~゙;;:;;:::Y~;;::;;;''";;::;;;;⌒/;;::;~;;;v;;;;;ヽ,,
;;::;;ヽ;;;l;::;::::;;;;/;;::;;/;;;;::;;;、;;l;;::;;;);;;:::;;;;√;;;:)
;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;/;;;;;::;;ヽ;;;:::へ;;;::>;;::::;;ソ;;Y;;
:;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;√;;::::人;;:::l;;::;;::;;::<出口>;;::;;>::
;;;::人:;;;;;::ヾ;;::::;;V;;;:::;;)~;;;:::;;;/iiii!:::..l;;::;;ヽ;;>:
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v:::::::::;;;;:y;;::;;;;:ノ;;;:::::;;<;;;::;;;;liiiiii!i!::::..:...l;;-;;::~v;;>
√;;;::::::/;;:::::ヽ;;:::::vヾ;;;::::ノiiiiii!i!::::..:.....l;;::::;;ヽ;;)
;;、;;;llv;;;v::~::;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;::liiiiiiii!i!:::..:.......l;;;:::::ノ;;l---------------
;;::::;;Y;;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;;;::ノiiiiii!i!i::::..:........l;;;::ヽ;;::l ◎
;;:::::ノ;;;:::::::√;;::::人;;::::ノiiiiiii!i!i!:::::::........(;;;:::/;;;::> ヾ|ノ
"-~゙`ー-'"-、-"ー"゙~~''''''''''''''''''''''''''''''''ー-"ー"゙~
∧_∧
.(`o-o´,,) ∧☆∧
と と )─-,、 (∀` ,,)
( ( )-- l ( )
し´ し´ー-─' .| | |
. (_(_,,)
見物を終えて、外で休んでいると、
430 :
3/5:2009/04/02(木) 03:55:52 ID:DBoHtwpc0
γ;;;";;;~゙;;:;;:::Y~;;::;;;''";;::;;;;⌒/;;::;~;;;v;;;;;ヽ+ +
;;::;;ヽ;;;l;::;::::;;;;/;;::;;/;;;;::;;;、;;l;;::;;;);;;:::;;;√γ⌒ヽ
;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;/;;;;;::;;ヽ;;;:::へ;;;::>;;::::;ソ(,, ´Д`) +
:;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;√;;::::人;;:::l;;::;;::;;::<出口/⌒ ヽ
;;;::人:;;;;;::ヾ;;::::;;V;;;:::;;)~;;;:::;;;/iiii!:::::.| | | |
;;::::;;;);;;:::;Y;;;;::..;;ヾ;;;:::(;;:::::;;;ゞiiiii!i;;:::ノ \\./.| |
v:::::::::;;;;:y;;::;;;;:ノ;;;:::::;;<;;;::;;;;liiiiii!i!::::/ .\\.| |
√;;;::::::/;;:::::ヽ;;:::::vヾ;;;::::ノiiiiii!i!::./ /⌒\し'(ノ
;;、;;;llv;;;v::~::;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;::liiiiiiii./ /;; ;;;;> )-------------
;;::::;;Y;;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;;;::ノiiiiii!/ /;; ;;;;;;;/ / ◎
;;:::::ノ;;;:::::::√;;::::人;;::::ノiiiiiii!i!し';; ;;;;;;;(_つ ヾ|ノ
"-~゙`ー-'"-、-"ー"゙~~''''''''''''''''''''''''''''''''ー-"ー"゙~
∧_∧
ミ,, `o-) ∧☆∧
と と )─-,、 .ミ ,,)
( ( )-- l ( )
し´ し´ー-─' .| | |
. (_人_)
出口からお坊さんが出てきた。
431 :
4/5:2009/04/02(木) 03:58:26 ID:DBoHtwpc0
すると星氏は
γ;;;";;;~゙;;:;;:::Y~;;::;;;''";;::;;;;⌒/;;::;~;;;v;;;;;ヽ そ
;;::;;ヽ;;;l;::;::::;;;;/;;::;;/;;;;::;;;、;;l;;::;;;);;;:::;;;√γ⌒ヽ て
;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;/;;;;;::;;ヽ;;;:::へ;;;::>;;::::;ソ(,,´Д`,)
:;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;√;;::::人;;:::l;;::;;::;;::<出口/⌒ ヽ
;;;::人:;;;;;::ヾ;;::::;;V;;;:::;;)~;;;:::;;;/iiii!:::::.| | | |
;;::::;;;);;;:::;Y;;;;::..;;ヾ;;;:::(;;:::::;;;ゞiiiii!i;;:::ノ \\./.| |
v:::::::::;;;;:y;;::;;;;:ノ;;;:::::;;<;;;::;;;;liiiiii!i!::::/ .\\.| |
√;;;::::::/;;:::::ヽ;;:::::vヾ;;;::::ノiiiiii!i!::./ /⌒\し'(ノ
;;、;;;llv;;;v::~::;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;::liiiiiiii./ /;; ;;;;> )-------------
;;::::;;Y;;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;;;::ノiiiiii!/ /;; ;;;;;;;/ / ◎
;;:::::ノ;;;:::::::√;;::::人;;::::ノiiiiiii!i!し';; ;;;;;;;(_つ ヾ|ノ
"-~゙`ー-'"-、-"ー"゙~~''''''''''''''''''''''''''''''''ー-"ー"゙~
∧_∧ .∧☆∧ 、_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_,
Σ ,, ;`o-) (,,, ´∀)) < やや!鍾乳洞から大入道が出てきた! (
と と )─-と ノ ) これが本当の「大は小を兼ねる」だーッ!(
( ( )-- / /> > ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒`
し´ し´ー-(,,_)(,,_)
・・・とはやし立てた。
432 :
5/5:2009/04/02(木) 03:59:37 ID:DBoHtwpc0
さすがの小松氏も驚いて
γ;;;";;;~゙;;:;;:::Y~;;::;;;''";;::;;;;⌒/;;::;~;;;v;;;;;ヽ
;;::;;ヽ;;;l;::;::::;;;;/;;::;;/;;;;::;;;、;;l;;::;;;);;;:::;;;√γ⌒ヽ
;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;/;;;;;::;;ヽ;;;:::へ;;;::>;;::::;ソ(# ´Д`)
:;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;√;;::::人;;:::l;;::;;::;;::<出口/⌒ ヽ
;;;::人:;;;;;::ヾ;;::::;;V;;;:::;;)~;;;:::;;;/iiii!:::::.| | | |
;;::::;;;);;;:::;Y;;;;::..;;ヾ;;;:::(;;:::::;;;ゞiiiii!i;;:::ノ \\./.| |
v:::::::::;;;;:y;;::;;;;:ノ;;;:::::;;<;;;::;;;;liiiiii!i!::::/ .\\.| |
√;;;::::::/;;:::::ヽ;;:::::vヾ;;;::::ノiiiiii!i!::./ /⌒\し'(ノ
;;、;;;llv;;;v::~::;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;::liiiiiiii./ /;; ;;;;> )-------------
;;::::;;Y;;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;;;::ノiiiiii!/ /;; ;;;;;;;/ / ◎ +x_
;;:::::ノ;;;:::::::√;;::::人;;::::ノiiiiiii!i!し';; ;;;;;;;(_つ ヾ|ノ ∧☆∧ .'
"-~゙`ー-'"-、-"ー"゙~~''''''''''''''''''''''''''''''''ー-"ー"゙~_ ヽ(´∀` *)7 ワーイ
∧_∧ /`ヽJ ,‐┘ ワーイ
. (,, ;`o-) ´`ヽ、_ ノ "
,,-ー─-,、 / つ `) )
| --- l ( /
`ー--─' (_(,,_)
/(
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| これ、星ちゃん、およしよ .|
| およしってば |
と制止したものの聞く耳持たず。
お坊さんは怖い顔で二人をにらんでいたという(実話)。
〜終わり〜
出典は星氏の本のどれか。
マジかw乙
おちゃめだなwww乙
保守
昔はSF作家同士仲がよかったと聞くが、
こういうこともあったんだなぁw
名前は見なかったことにしておいて。
>>437 小松・星・筒井・平井あたりはプライベートでも仲がよくて、しょっちゅう
一緒に飲みに行ったりしてたからね
銀座に行き着けのバーもあったというし
そのへんのアホ話から派生した短編なんかもわりとある
hosyu
筒井康隆氏が作家になったばかりで、まだあの狂気のような作風じゃなかった頃。
| :| [BAR] . |ニl /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| .| | .|
| :| | | | /. ;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; \ | | .|
| :| | |_| ∧∧ .\|_| .|
| :| |_| (*゚д゚) \ ..|
| :| | /つ筒つ .\|
| :| / ( / \
| :| / し`J ∧☆∧ \
|_ .| ∧_∧ (∀` *)
|/|_ | (,,*`o-o) ( )
|//|_|/ と つ | |\ \
|//::.. | | | (_,,) (,,_)
|/::.. (_(_,,)
|::...
/
/
星新一氏、小松左京氏そのほかと大阪で飲む機会があった。
かなり飲んだ後、何か食べようと地下のレストランで
カレーなど食べ始めた。
(⌒) ̄ ̄ ̄∧∧ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .∧☆∧ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ (*゚д゚) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(* ´〜`) ̄ ̄..|
| | / つ つ ( ー=と) |
| | |\ ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄\
| |__ \\ \
| |\ .\\ 且 (;;;;;;_) \
|__| \ |\\__ ∧_∧ ___________\
\ | .|.|| \|⊂2(o´* ) |
\| .|.|| (⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
442 :
3/9:2009/07/16(木) 06:13:19 ID:KX3GYmsy0
すると、突然立ち上がる筒井氏。
.∧∧ ガタッ
(⌒) ̄ ̄ ̄ (*゚д゚) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.∧☆∧ ̄ ̄ ̄) / ̄\
| | ̄ ̄ ̄il / し J ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´∀` *) ̄ ̄..< ? |
| | ili ( ) ( ー=と) |\_/
| | |\ ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄\
| |__ \\ \
| |\ .\\ 且 (;;;;;;_) \
|__| \ |\\__ ∧_∧ _ / ̄\ ______,,\
\ | .|.|| \|⊂2(o´* ) .< ? | |
\| .|.|| (⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \_/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
443 :
4/9:2009/07/16(木) 06:15:25 ID:KX3GYmsy0
、_)\ ヽ、_人/WヽノしLノ( / ,
\ _) `-' ) しr_ノ (_//_
ヽ` ( ) >
< ,, ( ) (
、_) ゙ミ;;;;;,_ ( て
\ ミ;;;;;;;;、;:..,,.,,,,, <
`) i;i;i;i; '',',;^′..ヽ (_
 ̄) ゙ゞy、、;:..、) } >
ヽー' .¨.、,_,,、_,,r_,ノ′ <
Z /;:;":;.:;";i; '',',;;;_~;;;′.ヽ `フ
_ノ ゙{y、、;:...:,:.:.、;:..:,:.:. ._ 、} (⌒
て ".¨ー=v ''‐ .:v、,,、_,r_,ノ′ そ
) /;i;i; '',',;;;_~⌒¨;;;;;;;;ヾ.ミ゙´゙^′..ヽ (
< ゙{y、、;:...:,:.:.、;、;:.:,:.:. ._ .、) 、} \
_ノ_ ".¨ー=v ''‐ .:v、冫_._ .、,_,,、_,,r_,ノ′ /⌒
_) /i;i; '',',;;;_~υ⌒¨;;;;;;;;ヾ.ミ゙´゙^′.ソ.ヽ て_
> ゙{y、、;:..ゞ.:,:.:.、;:.ミ.:,:.:. ._υ゚o,,'.、) 、} (
< ヾ,,..;::;;;::,;,::;):;:;:; .:v、冫_._ .、,_,,、_,,r_,ノ′ > ※お食事中の方には大変申し訳ありませんが
) < 実話なので辛抱してください。
/⌒//^)/⌒V´Y⌒y'^) r-、(⌒ヽ∧(ヽ(^ヽ\⌒\
/ . // ` ヽ \
.∧∧ ∩ '"
(⌒) ̄ ̄ ̄ (*゚∀゚)ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.∧☆∧  ̄ ̄)/ ̄\
| | ̄ ̄ ̄ / し筒/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´Д` ;) ̄ .< !! |
| | ( ノ ( ー=と) |\_/
| | |\ ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄\
| |__ \\ \
| |\ .\\ 且 (;;;;;;_) \
|__| \ |\\__ ∧_∧ _ / ̄\ ______,,\
\ | .|.|| \|⊂2(o゚ ; ) .< !! | |
\| .|.|| (⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \_/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
444 :
5/9:2009/07/16(木) 06:17:21 ID:KX3GYmsy0
・・・筒井氏、突如下ネタトーク開始。
これが長い。しかも極端かつリアル。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| // |
| / .人 |
| / (__) .|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/ ∩(____) .|  ̄ ̄ ̄\
| ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ + . | .|( ・∀・)_ | |
| + 人 人 人 +. |,./ | ヽ/ ..| |
| (__) (__) (__) | ̄ ̄ ̄"∪ /::\ .|
| + (__) (__) (__) + | ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄:::::::;;;;;;;) .|
| + ( __ ) ( __ ) ( __ ) + .| \_―― ̄ ̄::::::::::\ _|
| ( ´∀`∩ (´∀`∩) ( ´∀`),, | ノ ̄ ::::::::::::::::::::::) |
|(( (つ ノ (つ 丿 (つ つ )) + .|/ ̄――――― ̄ ̄::::::::\..|
| ヽ ( ノ ( ヽノ ) ) ) .| ::::::::::::::::::::::::::::::::)|
| (_)し' し(_) (_)_) |\__::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ |
\_____ ___________/ ___ _______/
∨ )ノ
∩
,,∩∧∧ミ
(⌒) ̄ ̄ と`(*゚∀゚)'つ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧☆∧  ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ シ 筒 /´  ̄ ̄ ̄ ̄ (´Д` ;)オエエ...
| | ( ,ノ と と / |
| | |\ ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄\
| |__ \\ \
| |\ .\\ 且 (;;;;;;_) \
|__| \ |\\__ ∧_∧ ___________\
\ | .|.|| \|⊂2(o´;ill ) |
\| .|.|| (⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
おしゃれで好男子の筒井氏が、直立不動の大真面目でそんな話をえんえんと続ける。
それはこの世のものとは思えない光景だったという・・・。
445 :
6/9:2009/07/16(木) 06:19:02 ID:KX3GYmsy0
話の内容はあまりにもあんまりなので文字にすることは到底出来ない・・・
______
|\_~三三三\
| |  ̄ ̄ ̄ ̄|
| | ベト . |
| | ナム ..|
| | 観光 |
| | 公社 |
\_| ____|
`´
と言いたいところだが、この内容は後に「最高有機肥料」という作品になった。
好奇心のある方はお読みになるといい。カレーでも食べながら。
446 :
7/9:2009/07/16(木) 06:20:51 ID:KX3GYmsy0
その後彼は世界でも類を見ないような、妄想の権化のごとき作品を次々発表。
┌───┐
|脱走 | ,,┌───┐
うっひょう. | 追跡 ミ -=≡俗物 ..|
└○ミ、 ゙ | 図鑑 | ┌───┐
┌──┐.∧ ∧ ○ └───┘ |発作 |
|ベ観 .| (,,゚ ∀。) )))'´\ -=≡三 作品.|
| 公 ⊂ 筒 ○' アフ ,> └───┘
└──┘⊂_ /< リカ ,/
ソ ヽ、/
ならば、その酒癖もそれにしたがってすさまじく・・・
∧☆∧ ? \ ∧ ∧ /
(,, ´Д`) (^д^,,) ギコハハハ
( ) ─ と 筒 つ ─
| | | | |
(,,_)_) / . ∪^∪ \
・・・ならなかった。その後筒井氏のそんな姿を見ることは二度となかった。
447 :
8/9:2009/07/16(木) 06:22:13 ID:KX3GYmsy0
作品内に狂気を封じ込める方法を見つけたのだろうか。
| ||;;|||;;| ||;;|||;;||___ | ) ( |::Jazz:::|
| ||;;|||;;| ||;;|||;;|| [][][]|( ) | ;;;;;;;;;; |
_|三三三三 三三三三三三三三||  ̄ ̄ ̄
/|
,/ :| ∧☆∧ ∧∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄( ´Д) ̄ (д-;) ̄< ふざけた手紙や電話が来て・・・
__ / つ_と ヽ__\____________
( ⌒) / 〜
━┳━ ノ (━┳━ ━┳━ ━┳━
彼自身もあまりに作品と同一視されるといって迷惑していた。
実際の彼はとても育ちが良くて、気持ちよく同席できる人物なのだ。
448 :
9/9:2009/07/16(木) 06:24:40 ID:KX3GYmsy0
しかし、ふと目の前の人物があんな小説を書くやつだと思い出すと、
P/||仝/ ||/ . /|| / / ∧☆∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. /.||. /.__|| .g/ .||. / / (´Д` ) 。o ○| あの頭、どっかで異次元とつながってるんじゃ・・・
/ ||/ .∩/||Д/ ||/ / 目⊂ ) .\________________
_.|| .‰/ .||. / .|| / ∧ ∧___)~]
E/||&/ ||/ / / (Д゚ ,,)┳~ などと思う。
../ ||. /.__|| / / 日と \/
/ ||/ .U/|| / / /( r┳
_.|| .日/ .||./ / / `..┃
8/||凸∩∧_∧ / /::. ┻
../ || ./.| ( ) / / ̄ ̄」
/ ||/ .ヽ( ○ )/ /_|.┃~
_.|| / | | |./ . /. ┻
0/||. / (__)__/ . / オワリ
出典は星氏のエッセイ「きまぐれ暦」
乙
カレー
久々の作品じゃあ!乙!
きまぐれ暦読み直してみるかなぁ
おつ
乙でした!
1/10
2年ほど前私が引退しようとしていた頃のことでして、郊外の方にささやかな別荘でもと思って物件を捜しはじめました
そう簡単に見つかるものでもなく、10軒以上の物件を見てまわってようやく、アムハーストの不動産屋で望んでいたとおりのもの
を見つけることができました。街から2マイルほど離れたところにある小さな村の中のウェル・コテージというものでした
| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|
| ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|
~~"~~"~~"~~""~~"
井戸があったのは、その庭の端でした。もちろん、長い間使われていないもので、ただ、
それがあるせいで、ちょっと独特の面白い雰囲気になっていました
まあ、そんなふうに思っていたのです
2/10
4月の晩のことでした
もう暗くなりかけていましたが、わたしはまだ庭に腰を下ろしていました
その日は1日陽射しが強く、室内へ入ろうと思うほど寒くなってはいなかったからです
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡y─┛~
ミ ミ __ ∧ ∧
ミ ミ 〜´ティブルス(,,゚Д゚)
,.wW,, ,ww,, | ̄ ̄|JJ ∪∪ ̄ ̄U U ,,.,、 ,.wYw,,.
''"´''"''''゙'"''"`'''""`"゙゙'''"''''''"´'''"""''"`''''''"`""''''``''‐'''''"`゙゙"''''``''''"´''"''''
猫が井戸の方をじっと見つめているのに気がつきました
わたし自身は、猫が警戒しているものは全然見えませんでしたが。
わたしは立ち上がって庭の端へと歩きました
ティブルスについてくるように言ったのですが、一歩も動こうとはしませんでした
3/10
井戸の近くへ歩いていくと異常なまでの恐れと寂しさを意識しはじめ、
それがあまりにも生々しく激しいものだったので、井戸そのものから立ちのぼる強い悪臭のように感じられました
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::
:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;; ∧,,∧ ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::;;;;;; ミ゚Д゚i|!彡 ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::: ミ ミ) ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ミ ミ ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| し`J ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
~~"~~"~~"~~""~~"
堪えがたいほどのものだったので、急いでそこを離れました
井戸から遠ざかると、その恐ろしい感覚は消えました
穏やかな4月の晩に戻ったわけです
4/10
その3週間ほど後にまたあったのです
今度は、最初の晩にティブルスが見たに違いないものをわたしも見ました
溺れた婦人を見たのです
:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::
:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;_ ;;;;;;;;;;:::::::::::
:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;,' ,ノハヽ;;;;;;;;;;:::::::::::
:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;川;;:::゚リ ;;;;;;;;;;:::::::::::
:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;/ ii=ii| ;;;;;;;;;;:::::::::::
::::::::;;;;;;;;;;;;;;| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|;;;;;;;;;;:::::::::::
::::::::;;;;;;;;;;;;;;| ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|;;;;;;;;;;:::::::::::
~~"~~"~~"~~""~~"
服が水でびしょぬれになっているのが見えました
その黄金の髪、肩にぺたりと垂れていて、目は盲目のぬれた眼差しでわたしの方にじっと注がれて、見るも恐ろしいものでした
見えない霧のようにその人を取り巻いている、恐怖と不幸の感覚を、わたしはまた強く感じたのです
この衝撃的な姿がどれくらい見えていたのか、わたしにはわかりません
でも、とうとうそれは消えて、それに伴う邪悪な感覚も一緒にどこかへ行きました
5/10
翌朝直ちに、バスに乗ってアムハーストへ行き、不動産屋に会いました
ウェル・コテージについて気持ちが変わったので、できるだけ早く手放したいと告げました
引退後の静かな年月を全く知らない女の幽霊で台なしにされたくはなかったのです
| 何か特別な理由でも?
\___ __________
|/
| 期待していたような雰囲気でなかったというところがちょっと
\_______ _____
\|
. __ ∩-∩
ヽ| ・∀|ノ /◎\
============================ ∧,,∧
_____________ノ ミ,,゚Д゚彡
. ┏━━┓ ┏━━┓ | ミ ミ
━┳━ ━┳━ | ミ ミ
------┻---------.┻───┘ し`J
6/10
数日後、若い男が下見をしたいとやってきました
コテージを見るとずいぶんと喜んでいるようでした
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : //:.:. :.:.:. : ((.,_,.)):.:.:.:. :. ...::ヘ:. :. :. .: ::. :. :. :. :. :. .: ::. :. :. :. :. :. .: ::. :. :. :. :. :. .: ::
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:.. .: `ヽ、::::::::::::::::::::::/// ,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_i,_,i,\ ヽ: .. :ヘ:. :. :. .: ::. :. :. ヘ,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,
: :.... . :. :. :゙;:',,.:::::::::::::/[=:i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ i ̄i====]----‐‐‐‐‐‐‐l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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::::; ; : :. :. :. :. :. . . :} | ::| ; .:.| |;; ;;:;;| | }三三三{
:;、/::. :. :. :. :. :.:..ノ | ::|:.:. ;;:;;;;;; ;:;:;:;;;;;:| | .: | | || || ||
:._::=;::. :.:. :..‐〜 | ::| :{≡≡≡≡≡≡≡} : . | | | | ||--||--||
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:. .: :. ソ::::::::::::::::::::::: :| ::| :;:;:::|l ‖ l| | | ;;:;;;;| |:
:.:ヽーr⌒)‐- .、:::::::| ::| ;;;:;;:;;|l┌ U‖U ┐l|: | | | |
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::::::::::::;::::;::rーwijknwn  ̄:.:  ̄ .. ̄:.  ̄ wliwliWliwlilwli wlilijlijwlijwWlij :;;::;:;;;;;;;;wliwliw
;;;;; , ' ´~ liliiwliliwil :. :. : ::.. .:. .. ,, ,,.. .-‐ '''" "゙WililjlilijWwwliil゙゙゙ ゙゙゙゙゙゙ wwWliliwjlilijlijlw゙゙
wwliilwnw__,,-‐'''" :.. .: .: :. ,/'`゙;;;;;;;;:;;;;;;::'´゙;ll;l wliwliwli,, ゙゙゙´''` ゙゙゙´'`゙゙wwliwli゙ ゙゙ '''' ,, ゙゙´´'
「これこそわたしたちが捜していたものですよ
もし差し支えなければ、今日の夕方にでも家内を連れてきて見せてやりたいのですが。
家内が同じように気に入ったといえば、契約します」
7/10
わたしが庭で待っていると、彼等がやってきました
あの若い男、不動産屋、そして───わたしは一行の前で莫迦みたいにただ見つめるだけでした
真ん中をあの溺れた婦人が歩いていたからです
_
,' ノハヽ
川 ヮ゚リ __
(,,'A`)')と ii=iiつ. ヽ|・∀・|ノ
(| |ノ ノ__ヽ |__|
.し'J し'J | |
∧,,∧
ミД゚ 彡
ミ ミ
「また、伺いました」と若い男が言いました
「そうそう、これが家内です」
8/10
わたしは部屋を見てもらうために、3人を家の中へ招き入れました
その後で、一人で庭の方へと歩いていきました
∧,,∧
ミ ,,‐Д彡
ミ ミ
ミ ミ
,.wW,, ,ww,, | ̄ ̄|JJ ,,.,、 ,.wYw,,.
''"´''"''''゙'"''"`'''""`"゙゙'''"''''''"´'''"""''"`''''''"`""''''``''‐'''''"`゙゙"''''``''''"´''"''''
頭が少しはっきりしてきた頃、この出来事と関係ありそうな本を読んだことを思い出そうとしていました
J・W・ダンの『時間論』、ご存知でしょう
でも、まだ狼狽えた精神状態で、決意しかねていたのですが、そのとき、3人が戻ってきました。
9/10
「ドリーンもわたしと同じようにすっかり気に入りましてね。そうだね?」
若い女性は、楽しそうな笑みを湛えて頷きました
わたしの心はかちっと音をたてて決まりました
「申し訳ないのですが、気が変わりました。どうしてもお譲りすることはできません」
3人は、じっとわたしを見つめました
| でも、ちょっとあなた
| わたしたちは欲しいんですよ。もし、値段に何か不満があるならば──
\___ __________
|/
_
,' ノハヽ
川д゚リ __
と ii=iiつ. (;'A`)') 〜|・∀・|〜
ノ__ヽ (/ ノ |__|
し'J し'ヽ) < |
∧,,∧
ミ ,,゚Д゚彡
ミ ミ
/|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
| 価格は全然関係ありません。お譲りするつもりがないということです。
| わたしが言うことはそれだけです。
やっとわたしの決意は固いとわかって、3人は出て行きました
不動産屋はアムハーストへ戻る道すがら、すっかりわたしの気が狂ったのだと説明したに違いありません
10/10
数週間後、退役軍人にウェル・コテージを売却しました
これは2年ほど前のことで、それ以来、あそこには近寄っていません
当然のことながら、1つの疑問が心の中でしつこくわたしを悩ませるのです
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わたしはあの不運な若い女性の命を救うことに成功したのか、そうではなかったのか
「怪奇礼讃」
エイドリアン・アリントン作 「Lady for Drowning」
おつ
おもしろーい
良かった!久々に世界に入り込みました。
以前友人に聞かせてもらったショートショートを
ちゃんとした形で読みたいと探しているのですが
タイトルも収録してある本の名前もわからないので
さっぱり見つかりません。
ここの方々なら知ってるかもとかきこしています。
多忙な日々を過ごす青年。
そんな彼の元に1月1日、カレンダーが届く。
そのカレンダーには31日の後ろに32日がついている。
2月も3月も、、12月まで最終日の後に1日ついている。
誤植だろうとさして気にせずまたいつもの忙しい毎日を過ごすが、
31日の夜が明け目を覚ました彼は異変に気付く。
街からは人が消え、時計は31日24時でとまったまま。
奇妙に思うがゆっくり休める時間ができたと考え直し
疲れた心身を癒すためにその時間を使う。
自由な1日を手に入れた彼は余裕を持てる有意義な1年を過ごす。
12月32日を1年の疲れをとるようにゆっくりと過ごして、
そしてまた1月1日がやってきた。
しかしその日彼に届いたものは、、、
というようなお話なのですが
どなたかご存知ないでしょうか?
よろしくお願いします。
470 :
1/68:2009/09/09(水) 21:41:47 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ここに、いささか抜けたところのある、ひとりの青年があった。
彼にはまた軽率なところもあり、優秀な点は少なく
そんなことが原因で現在は失業の身だった。
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∧_∧
( ´Д`)
( ∪ ∪
と_)_)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
そして、あいにくと世の中が不景気なため
なかなか適当な職にありつけないでいた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
471 :
2/68:2009/09/09(水) 21:42:35 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
もともとあまりなかった貯金も、たちまち底をついた。
こうなると、いくらなんでも悠然としてはいられない。
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∧∧
∧__∧(゚ω゚=;)>
( ゚´Д) )
/ つ
∧_∧
(´∀` )
( {胤} ∪
Y [ ^ ]
(_)__)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
きょうも彼は、恥も外聞もなく、いつも不義理を重ねている
知人に泣きつき、紹介状を書いてもらった。
それを手にし、就職運動に、ある建築会社を訪れた。
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472 :
3/68:2009/09/09(水) 21:43:36 ID:/RRtG39r0
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受付でさんざん待たされたあげく、
やっと人事課長というのが会ってくれた。
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ii~⌒⌒⌒⌒ ∧_∧⌒i
--、___________( ・∀・) __--
i \\_________( {胤}つ__\ \
::::\ ) )________ ) ) )______) )
|\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| | .\ヽ三ヽ.___ ∧_∧
:::::::::::| |---------(` )
::| | __i.i⌒⌒⌒⌒⌒i
|\i.i .i
:::」\ i_____i
::::::::」 ー |__
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
中年のにこやかな顔をした男だったが、
いかにも油断のなさそうな目つきをしていた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
473 :
4/68:2009/09/09(水) 21:44:31 ID:/RRtG39r0
┌───────────
│ 趣味はなんでしょうか?
└───────v──┬───────────────
│ はい。テレビや映画でスパイ物を
│ 見るのが大好きです。
└───v───────────‐
ii~⌒⌒⌒⌒ ∧_∧⌒i
--、___________( ・∀・) __--
i \\_________( つ/ ̄/')_\ \
::::\ ) )________ ) ) )______) )
|\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| | .\ヽ三ヽ.___ ∧_∧
:::::::::::| |---------(` )
::| | __i.i⌒⌒⌒⌒⌒i
|\i.i .i
:::」\ i_____i
::::::::」 ー |__
┌──────^────────────────
│ あまり現実的な性格ではないようですな。
│ で、前につとめていた会社をなぜやめたのですか。
└───────┬─────^────────────────‐
│ やめたのではありません
│ ご存知のように、世の中は不景気です。
│ 会社が企業縮小のため人員整理をやったのです。
│ つまり、やめさせられたというわけです。
└──────────────────────
474 :
5/68:2009/09/09(水) 21:45:21 ID:/RRtG39r0
┌──────────────────────
│ それはお気の毒。しかし、なんとか残れるように、
│ 努力してみればよかったでしょうに。
└───┬───────‐v──────────
│ やってみましたが、だめでした。
└───────‐v───────
ii~⌒⌒⌒∧_∧⌒⌒⌒~ii
,-、_________( ・∀・ )_________,-、
i l________と {胤} つ_______l i
| |__________| l |__________,| |
| ̄ ̄ ̄ ̄/三/ ̄ ̄ ̄ ̄|
| |
| /三/ ∧_∧ .|
(; )
i⌒⌒⌒⌒⌒i
┌────────‐^─────────
│ なるほど、つまりあなたは会社にとって
│ 不必要な人間と判定されたわけですね。
└─────┬──‐^─────────
│ はい……
└─────
475 :
6/68:2009/09/09(水) 21:46:09 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────
│ なぜこの会社に就職したいのですか。
└─────v────┬────────────────────
│ ほかにもいろいろ回ってみたのですが、
│ どこも不景気だそうで、断られてしまいました。
│ ですから、ぜひやとってください。
└──────v─────────────‐
∧_∧ ∧_∧
l⌒l ・∀) (Д` l⌒l
| l つ ∪ l l
| └‐ ┐) .||  ̄ ̄ ̄ || (┌‐‐┘ |
|_____| |_| ̄ ̄ ̄|_| _|l  ̄ ̄ l|_
┌──────^───────────────────────
│ あなたはたぐいまれな正直な人ですな。ええ、もちろんやといますよ。
│ この不景気を乗り切るための、なにかアイデアなり計画なりを
│ お持ちでしたら、大いに働いていただきたいと思います。
│ ひとつ、それをお話し下さい。
└─────────────────────────────
476 :
7/68:2009/09/09(水) 21:47:05 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
まったく、意地の悪い人事課長だった。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌──────
│ その……
└───v──‐
∧_∧
( ´Д`;) 。o(そんなもの持ちあわせてないよ……)
( {胤} )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
こっちが現実的でなく、有能でなく
人のいい性格であることを暴露し
そのうえ、まだからかおうとしている。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
477 :
8/68:2009/09/09(水) 21:48:01 ID:/RRtG39r0
┌──────────────────
│ あなたは奥ゆかしい性質のようですね。
│ どうぞ、ご遠慮なくおっしゃって下さい。
└───────‐v──────────
ii~⌒⌒⌒⌒ ∧_∧ ニヤ
--、___________( ・∀・) ニヤ
i \\_________(つ{胤} )___\ \
::::\ ) )________ ) ) )______) )
|\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| | .\______\ ∧_∧
:::::::::::| |-----------| | (; Д )
::| | __i.i⌒⌒⌒⌒⌒i 彡 (つ/三/
|\i.i .i 彡 人 Y ]
:::」\ i_____i し(_)
::::::::」 ー |__
┌──────^────────
│ もういいんです。だめならだめと
│ 早く引導を渡して下さい。
└──────────────‐
478 :
9/68:2009/09/09(水) 21:48:51 ID:/RRtG39r0
.. .... .. .:.:.:..: .:.:.:. . ... :. .:.:.:.: .: .... .:.:.:..... .. .... .. .. . ... :. .:.:.:.: .: .... .
" ; ;ヾ ; " " ヾ ; " ; " ; ; ヾ, .. .:.:.:.: .: .... .:.:.:...... .... .. .:.:.:.:. .. ... ....:.:.:.: .: .... .:.:.:.. .. :... .. ..
; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ . .:.:.:.... .:.:.:..... .. .. :. .:.:.:.: .. .:.:.:.:.:.:.:.... .. . . ..:.:.:..: .:.:.:... .
" ; ;ヾ ; " " ヾ ; " ; " ; ; ヾ, . .. .... .. ......:.:.:.:.:... .. . .. ...:.:.:.:.:.... .. .. .... .:.:.:.:.:...... .. ... .
; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ .. .... ...:.:... .. . . .. .:...:... .. . .. .. . .. .... .. ..
" ;ヾ ; ;";ヾ; ;"/" ; ;ヾ ;ヾ "" .. . .... ... . . . ..... .
ヾ ;"; "i "; ;ヾ; ;ヾ; ;メヾ " ┌──────
゛ ヾ;i;;ii ;iiメソ ヾ; ;ゞ " │ ふぅ……
""|l!|| ll|ソ "" └───v──‐
l;l!ll |l| ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, ,
|:l||l |l| ,,iiiii;;;::..゙ ,,iiiii;;;::. ゙ ,,iiiii;;;::. ゙,,iiiii;;;::. ゙∧_∧,,iiiii;;;::. ゙,,iiiii;;;::. ゙ ,,iiiii;;;::. ゙,,iiiii;;;::. ゙ ,,iii
|;l!l| ||l iiiiii;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::iii__( ´Д`)___ :::::::iiiii;;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::
|ill|| lll⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒|≡≡∪ {胤} )≡≡|⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
二llil|l l!|二二二二二二二二二二.`┳━ ) ) ) .━┳ 二二二二二二二二二二二二
、.,.|::l|| !!|、.,., ,.、.,┴ (_)__)[ ^ ]┴.、.,.,
.,.,,.、.,.,,.、
゚ 。
o(もっと泣きつけばよかったか……
いや、どっちにしろだめだったろう)
479 :
10/68:2009/09/09(水) 21:50:06 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
青年は悲しげに自分の手を見ると
そこに一枚の紙がにぎられてあった。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ∧ |
| <⌒> |
/ /⌒\ / ̄:::::: /
/ __]皿皿[-∧- /
/ ∧._/\_|,,|「|,,, /
/ Π . ∩ |'|「|'''| /
/ |「| ̄ ̄ ̄ ̄|「| ̄ /
/ 囲囲 /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
さっき帰りがけに、履歴書といっしょに
机の上にあった書類を持ってきてしまったのだ。
のぞいてみると住宅の設計図で
一端にその所在地が記してある。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
480 :
11/68:2009/09/09(水) 21:51:12 ID:/RRtG39r0
ヾi;;ii ;iiメソ ヾ; ;ゞ; "ェェェ:iiiiii i i i iiiiii三 iiiiiiiiiiiiiiiiiiiイ ─ | | ィ |=ェェィ├─┤:: |
""|l!|| ll|ソ ""ニニニニニニl小ニニニニニニニニニニニニニl ||i⌒「i i r , - ァ -,-、-、ii円_
l;l!ll |l| ,,,,,, , ,,,,,, ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ ヽ, ,,,,,, ,,
|:l||l |l| ,,iiiii;;;::..゙ ,,iiiii;;;:: ( あの会社にとって大切な書類かもしれない )。゙ ,,iiiii;;;::. ゙
|;l!l| ||l iiiiii;;;;:::::::iiiii;;; ;; ) 引き返して渡すべきだろうか……否ッ!!(;;;;:::::::iiiii;;;;;:
|ill|| lll⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、ノ⌒ヽ/⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、ノY⌒Y⌒Y
二llil|l l!|二二二二二二二二二二二二 ゚。 二二二二二二二二二二二二二二二二
、.,.|::l|| !!|、.,., ∧_∧ ,.、.,.,,.、.,..、.,.,
(` )
( ) ,.,,.
、.,.,,.,..,.,,.、.,.,,. ||三三三三三三三三|| .,.,,.、.,.,,.、.,.,,.、.,.,,.、.
.,.,,.、.,.,,.、.,.,,.、 ||三三三三三三三三||
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
,, ,,,二,, ,,;;:;-,,;;.,,.二二二二二二二二二二二二二 ,,;::,, ,,,二二,, ,,;;:;-,,;;.,,,, ,,,二,, ,,;;:;-,,;;.,,,,
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
( ∧_∧ ニヤ (
) ( ・∀・ ) ニヤ )
( ( {胤} ) (
⌒ヽノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、ノ
゚。
∧_∧
(# ´Д`)
( {胤} 9
/|
|\/\/\_/ !/\_/\_/\_/|
/ \
\ あんなムカつく野郎に /
/ 果たす義理など無いッ!! \
\ /
|/∨\/\/\/∨\/\/∨\|
481 :
12/68:2009/09/09(水) 21:52:27 ID:/RRtG39r0
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
) しかし、不景気とは思えぬでかい家だな……
( こっちは金も職もなく、こんなに哀れな
) 立場だというのに、社会はあまりに不公平だ
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ/⌒ヽ、
。゚
∧_∧
__ ( ´Д` )___
|≡≡0l三三l0≡≡|
`┳━( ) ) .━┳
┴ し' し' [ ^ ]
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
( 盗みに入ってみるか
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_
。゚
∧_∧
__ (:::::∀::::)___
|≡≡0l三三l0≡≡|
`┳━( ) ) .━┳
┴ し' し' [ ^ ]
482 :
13/68:2009/09/09(水) 21:53:32 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
青年はなけなしの金を使い
バスに乗って家のそばまで出かけた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
___
| |
| ̄ ̄ ̄
∧
<⌒>
/⌒\
_________]皿皿[-∧-∧、
/三三三三三三∧._/\_|,,|「|,,,|「|ミ^!、
__| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩ |'|「|'''|「|||:ll;|
/__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「| ̄ ̄ ̄ ̄|「| ̄ ̄|
/_| ロ ロ 「 ̄ ̄ ̄ | | 田 |「| 田 田 |「|[[[[|
|ll.|ロ ロ,/| l⌒l.l⌒l.| | |「| |「|ミミミミミミ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
門標の名前から電話番号を調べ
公衆電話からかけてみると、留守番の婆やと思しき声で
「みなさんご旅行中で、わかりかねます」との返答があった。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
483 :
14/68:2009/09/09(水) 21:54:24 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
世の中の不公平さに直面したことで生まれた
胸のもやもやを打ち消すため。
そしてなにより生活のためだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
\:::: :: : . . . . . . .: : :::. /
\ : . . . (⌒)i . . . . : /
\ |
\ _ o, / .| |
| |ヽ _,/ .| |
|`i. .| | | ̄ ̄i.| | |
|::::| |_|/ ̄ ̄ \ | |
|::::| |:::..... . . . \ | |
|o ! / \| |
|::::| /  ̄!
|::::| / ∧_∧ \
|:: / (` )。o( ここが浴室で
|,/ と ) こっちへ行けば食堂が……)
/ 人 Y \
,/ (_(__) \
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
夜になるのを待ち、青年は侵入した。
図面を覚えこんでいるため、まごつくことはない。
そして……
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
484 :
15/68:2009/09/09(水) 21:55:22 ID:/RRtG39r0
|| :|
|| :|
|| :| _____
|| :| | || _________
'' | | || /::<><>::/:<><>>:/|
| | || |!三三三i|!三三三i|/|
| |[] || |!三三三i|!三三三i|/| _______BT__. <二
∠ | | || |!∧_∧i|!三三三i|/ / r=====┐ШШ / .|..::
_ |__|_____||_|( ;´∀)!三三三i| /__| |___/ |_<二
/| / |( つ≡ .三i|/ ||─‐|___|─‐|| / .|..::
|/ と と__) |l |」 .|」 .||/ .<二
|
┌────^───────
| よしっ! 札束発見!
│ これさえいただけば……
└───────────‐
┌──────
│ おい、泥棒
└──ヽ(───
∧_∧
Σ(;´∀` )
(つ≡と)
485 :
16/68:2009/09/09(水) 21:56:27 ID:/RRtG39r0
∧_∧
( ´_ゝ`)
/ ヽ ∧_∧ ヒィッ
━∪━━━ (Д` ; 彡
| | | ( つ≡0
(__)_) と_)_)
_____
| ノノノノ||
∧_∧ ∧_∧ ノワァッ!!(゚∈゚ )||
─ニ三 (´Д` ;) Σ( ; ) /ヽノ´||
─ニ三 ( つつ と つ ( 〈 ||
─ニ三 / ゝ 〉 ノ 人 ヽ ヽ彡 ||
(_(__) (_) (_) \ ||
ノノノノ
(゚∈゚__)
∧__∧ /⌒ )
( ´┏┓`) ミイ //
∧_∧ / ヽ | ( (
( ´_ゝ) 〈 〈 〉 〉 | ) )
/ ヽ | | | ∧_∧ | //
━∪━━━ .(__)_) (´Д`i|l) | ノノ
| | |. (つ と) |ノノ
(__)_) (__)_) 彡ヽ`
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
強そうな男が三人も出現し、青年はへなへなとなった。
ひざまずいて、あわれみを乞う以外にない。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
486 :
17/68:2009/09/09(水) 21:57:12 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────‐
│ 恐れ入りました。ほんの出来心です。
│ お願いです。このまま見のがして下さい。
┌┴────────────v─────
│ 見のがしてやらないこともない。
│ だが、そうなるともっとひどいことになるぞ。
└──v────────────────
ノノノノ
(゚∈゚ )
∧__∧ /⌒∨⌒ヽ
( ´┏┓`) ホジホジ / ヘ ト )
∧_∧ / σ ヽ \ヽ) ノノ
( ´_ゝ`) ヽノ 〉 〉 彡/\/ヽミ
/ ヽ | | | ∧_∧ | /| .ノ
━∪━━━ .(__)_) (Д` i|l ) | ノ/ソ
| | |. (つ と) |ノ ヽミ
(__)_) (__)_) 彡ヽ
┌──‐^───────
│ どうなるのでしょうか。
┌──^───────┴─────────────────────
│ この部屋には隠しカメラが仕掛けてある。
│ きみの行動は札束をつかむまで、すべて映画フィルムに収めてしまった。
│ 我々はその札束を隠し、フィルムを警察に届けることにする。
└───────────────────────────────‐
487 :
18/68:2009/09/09(水) 21:58:12 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────‐
│ それはひどい。金を盗みもしないのに
│ 濡れ衣を着せられてしまうとは……
┌┴────────────v─────
│ いずれにせよ泥棒じゃないですか。
│ さあ、ご遠慮なく、どうぞお逃げください。
└──v────────────────
ノノノノヾヽ ♪
∧__∧ ( ゚∋゚)ノ│
( ´┏┓`) スポッ /⌒\/⌒ /
∧_∧ / σ・ ヽ (__⌒ミ /
( ´_ゝ) ヽノ 〉 〉 ♪ ノ /
/ ヽ | | | ∧_∧ ( \/ヽ
━∪━━━ .(__)_) (Д`゚ ) \_彡)
| | |. と と ) //
(__)_) (_(_つ ヽミ
┌───────‐^────────────────────
│ ああ、いったいどうすればいいんだ。
│ 盗みもしないのに警察に追われ続けなければならないとは……
┌──^──┴────────────────────────────
│ まあ、そう泣くことはない。ゆっくりと話しあおう。いい解決案が出るはずだ。
└────────────────────────────────
488 :
19/68:2009/09/09(水) 21:59:05 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────────────
│ どうせ金を払えば見のがしてやるとか言うんでしょうが……だめです。
│ そんなお金はありません。だからこそ、ここへ忍び込んだのです。
│ こんなことになるなら、あんな図面はすぐに捨ててしまえばよかった……
┌──┴───────────v───────────────────‐
│ みんなそう言うが、いまさら後悔しても手おくれだ。
│ はじめから仕組んであったんだから。
└─────v────────────────
∧_∧
( ´_ゝ ∧_∧
/ | (´Д` ;)
┌─────────────────────────────────
│ なんですって。なにかわけがありそうだ。
│ たしかに、こう三人もそろって待ちかまえているとは、手はずが良すぎる……
└─────────────v───────────────────‐
∧_∧ ?
( ´,_ゝ ∧_∧
/ | (´Д` )
489 :
20/68:2009/09/09(水) 21:59:52 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────
│( ´Д`) 罠だったのか……(あの人事課長もグルか?)
┌──┴──────────────────────────────────‐
│( ´_ゝ`) まあ、そういったところだな。ここの図面は、要所要所に効果的に配布してある。
│ 電話には、頼りない老婆の声が答えるようレコーダーが仕掛けてある。
│ それに誘われて、今までに何人もやってきた。
│ その中から、役に立ちそうな者を選ぼうというのだ。
└─────────────────────────────────────‐
|| :| _____
|| :| | || _________
'' | ∧__∧ .|| /::<><>::/:<><>>:/|
| .(´┏┓` ) || |!三三三i|!三三三i|/|
| (つ━・~ ) || |!三三三i|!三三三i|/| _______BT__. <二
∠ | ( ( ( || |!三三三i|!三三三i|/ / r=====┐ШШ / .|..::
_ |__.(_(__)__||_|!三三三i|!三三三i| /__| |___/ |_ ノノノノ
/| / |!三三三i|!三三三i|/ ||─‐|___|─‐|| / ( ゚∋゚)
|/ |l |」 .|」 .||/ /⌒∨⌒ヽ
| / ヘ ト )
┌────────────────────────
│(# `Д´) あまりに酷い仕掛けだ。警察に訴えてやるぞ。
└─────┬──────────────────
│( ´,_ゝ`) どうぞ、ご自由に。
└────────────‐
490 :
21/68:2009/09/09(水) 22:00:50 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
こう言われ、青年は答えにつまった。
こっちは弱みを握られてしまっている。
青年はおとなしく質問した。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌────────────────‐
│ ……なにをやらせようというのです。
┌───┴─────────v─────────────
│ いまは言えない。きみの住所氏名を書いておいていってくれ。
│ きみを調査し合格と決まれば2日後に連絡する。
│ そうしたら、またここに来てくれ。
└──v────────────────────────
∧_∧
( ´_ゝ) ∧_∧
/ ヽ (Д` )
━∪━━━ と )
| | |. | | |
(__)_) (__(__)
491 :
22/68:2009/09/09(水) 22:01:53 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
青年はポケットにあった履歴書を出した。
反抗しても無駄だろうと思えたからだ。
相手はうなずき、青年をおとなしく玄関から送り返してくれた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∧_∧
( ´_ゝ` )
/ ヽ
〈 、 , 〉
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
やがて連絡があり、青年がふたたび家を訪れると
先日の貫禄のある男が迎えてくれ
合格の通知を告げられた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
492 :
23/68:2009/09/09(水) 22:02:47 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────────────────
│ 君は悪ずれしていない点が良い。
│ 経験豊富な泥棒は自己を過信し、団体行動に適さないから困る。
└─────┬─‐v─────────────────────
│ 褒められているんだか、貶されているんだか……
│ ところで、なにをやるのか教えて下さい。
└──────‐v────────────────
| | | | | |
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| | | ∧_∧ | | |
| | | (´<_` ) ∧_∧. | | |
| | | / ヽ (´Д` ) | | |
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Y 人 Y 人
(__) J (__)__)
┌─────^─────────────────
│ 教えるからには秘密を守ってもらう。
│ また、入ったら抜けることが許されない団体なのだ。
│ 忠実に働けば昇進もするが、もし裏切ったら……
└──────┬───^────────────────‐
│ わかってますよ。今更しりごみできません。
│ 秘密は守ります。なんという団体なんですか。
└────────────────────
493 :
24/68:2009/09/09(水) 22:03:39 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────
│ いいか、われわれは陰謀団ミダスに属するものなのだ。
└─────┬─‐v───────────────────
│ なんですって。世の中を乱す陰謀団なんですか
└──────‐v──────────────
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| | | ( ´_ゝ`) ∧_∧ | | |
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Y 人 Y 人
(__) J (__)__)
┌─────^────────────────────
│ 英語風に読めばマイダスと発音される。
│ このミダスというのはギリシャ神話に出てくる王の名で……
└─────────────────────────‐
494 :
25/68:2009/09/09(水) 22:04:48 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────
│( ´Д`) で、あなたがボスなんですか。
└───┬───────────────────────────────
│( ´_ゝ`) そうだ。これからは私をボスと呼んでくれ。
│ しかし、私の地位はそう高いものではない。
│ 私の上にはビッグ・ボスというのがあり
│ その上にはグランド・ボス、もっと上にはロイヤル・ボスがいる。
└────────────────────私ナドハマア課長クラスダ──‐
ヽ. l. l l. / .:::::::::::::::
ヽ l. ._i_ .l ./ .:::::;__;;. /
| 、 l_ ‐ l ‐ _l ./ ..::::::;;.|::::::L/
| 、 . l. ! ./ / ..::::::/ .|::::::|
|. 、 /. / / /_.::::/ . _」|::::::|
| |:::|⌒○ / _...○⌒|::_「 .|::::::|
| |:::| ,.=_, '┌ . ~ | |. -‐'|::|_, -‐ '" !::::::!
| |:::| .:ll || | ! | | |:::|: ‖ ::|::::::|
| |:::| .:ll || | ! | | .「|:::|: ‖ ::|::::::|
| |:::| ,;ll ..|| | !,. | | !.! :|: ‖ ::|::::::|
| |;;」. _ `└' -.L.l、. ‖ ::|::::::|
|/ ‐ . , ` 、」::::::|
┘ └‐-
┌───────────────────
│(; ´Д`) なんだか大きな組織のようですね。
└───┬───────────────────────────────
│( ´_ゝ`) ああ、普通の人の想像を越えた、巨大な秘密結社なのだ。
│ 団員の数は多く、各分野に潜んでいて、実力もある。
┌───┴───────────────────────────────
│( ´Д`) それで、なにをやろうというのです。
└───┬─────────────────────────────
│( ´_ゝ`) まずは入団の手続きをする。いずれ上からの指令が来たら
│ それに基づいてみなと一緒に働いてもらうことになる。
└─────────────────────────────
495 :
26/68:2009/09/09(水) 22:05:44 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
入団の手続きはあっさりしたものだった。
皮の表紙の帳簿のような大判のノートに署名させられただけだった。
青年は名を書き、指紋を押した。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌─────────────────────────────
│ では、団の基本方針を教えよう。
│
│ 『いかなる犯罪も戦争よりはましである』
│
│ これが陰謀団ミダスの主張だ。
│ これによってすべての計画が立てられ、行動がなされているのだ。
└─────────────v────────────────
∧_∧
( ´_ゝ` )
/ ヽ
l⌒l⌒lと つ
⌒⌒
496 :
27/68:2009/09/09(水) 22:06:52 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────
│ では、入団したのですから
│ 手帳とかバッジとか、必要な品をひとそろい下さい。
└────────v──────────────‐
∧_∧
(; ´_ゝ)つ≡
/ ノ ∧_∧
ヽ_9 ノ (∀` )
〉 ゝ 〉 ∪ ∪ )
(__(_) (_(_つ
┌───────^────────────────────
│ ばか。にこにこするな。これは遊びでも悪ふざけでもないのだぞ。
│ 真剣にして現実的なものなのだ。この点を決して忘れるな。
│ また、行動に気をつけて、個人で悪を働くな。
│ 上からの指令が届き次第連絡する。これは当座の小遣いだ。
└───────────────────────────‐
497 :
28/68:2009/09/09(水) 22:07:58 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
かなりの額の札束を渡され
青年の身と心は引き締まったが、彼はまだ半信半疑だった。
この間までの哀れな状態に比べると
あまりの変化に夢のような気分だったのだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_ _(\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
(\( |\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
::::::::::\ | ) ̄ ̄ ̄.∧_∧ )
−− :::::::::::::: \| ).________ ( ´∀`) )\//
::::::::::::::::::\\._ (つ ) \. \
−−−−:::::: \)_\ ̄ ̄⊂⊃ ̄ ̄\\ /
. ||\_ __ \\/
−−−− :::::::: || __(\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
−− (\( |\. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
::::::\ | ) ̄ ̄ ̄ ̄
−−:::::::::::::::::::\ |.. )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ろくな食事をしていないため、レストランに入ったが
まず安い料理を注文した。偽札でないかと警戒したためだ。
しかし、支払ってみると通用した。
青年は別な店で豪華な食事を摂りなおした。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
498 :
29/68:2009/09/09(水) 22:08:53 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
さらに勢いにのって、キャバレーに入った。
気前よく金を使ったので、女性にもてたことは言うまでもない。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌──────────────────
│ ねえ、お若いのに景気がいいのね。
│ きっと、才能がおありなのね、素敵だわ。
└─────v────────────‐
∧_∧
XノハハヘX ∧_∧ ∧ ∧
/~二二二二ノ*^∀^)c(´∀` )つ(ー゚* )二二二二 ̄ヽ
// | § ∩ ,つ/ / o日o l | |
|____ (__, ) )( つ ) _ ( (⌒ノ_____,| |
/ ____/ ̄ ̄ ̄日 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| __/ |
/ /| /日 ヽ二/./:;;;;|| | /
┌──────^──────
│ いや、それほどでもないよ。
└────────────‐
499 :
30/68:2009/09/09(水) 22:09:44 ID:/RRtG39r0
┌────────────────
│ どんなお仕事をなさっておいでなの。
└────┬─────‐v─────
│ うっ……
└─‐v───
∧_∧
XノハハヘX ∧_∧ ∧ ∧
/~二二二二ノ*^∀^)c( ´Д`)つ(ー^* )二二二二 ̄ヽ
// | § ∩ ,つ/ / o日o l | |
|____ (__, ) )( つ ) _ ( (⌒ノ_____,| |
/ ____/ ̄ ̄ ̄日 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| __/ |
/ /| /日 ヽ二/./:;;;;|| | /
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
青年は答えかけたが、思わず口をつぐんだ。
誓いを忘れなかったためではない。
陰謀団ミダスに属しているなどと言ったら
子供っぽい冗談と思われ
軽蔑されて笑われるぐらいがおちだからだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
500 :
31/68:2009/09/09(水) 22:10:47 ID:/RRtG39r0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
┌─────────────────────────────
│ よく秘密を守ってくれた。あのキャバレーの女にミダスのことを
│ 一言でも漏らしていたら、きみは除名となり罰を受けていただろう。
│ 試験をみごとに通過した。今後ともよく気をつけてくれ。
└───────v─────────────────────
∧_∧
( ´_ゝ`) ∧_∧ / ̄ ̄
/ ヽ (´Д` ) < はい
ヽ_つ ∪ ( ) \__
〉 ゝ 〉 | | | 。
(__(_) (__(__) ゚(あの女もミダス団員だったのだろうか)
501 :
32/68:2009/09/09(水) 22:11:36 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
やがて何人かの男が集まってきた。
ボスはみなを前にして言った。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌──────────────────────────
│ よく聞いてくれ。本部からきわめて重要な仕事の指令がきた。
| 都心にあるラルフ宝石店を、夜になってから襲うのだ。
| この種類の仕事はミダスとしては新しい分野だが……
└──────v───────────────────‐
_______________
||
||
|| ∧_∧
|| ( ´_ゝ`)
|| / ヽ__________
 ̄ ∪ l 〉
/ l |
(,__,ノ、__,)
∧_∧ ∧_∧ .∧_∧ ∧_∧
( ) ( ) ( ) (Д` ; )。o(もっとスマートな犯罪をする団体と
思ってたのに宝石店強盗って……)
502 :
33/68:2009/09/09(水) 22:12:46 ID:/RRtG39r0
_______________
|| ┌─────┐
|| │ 。. |
|| ∧_∧ / |
|| ( ´_ゝ')─‐───┘
|| / ノ__________
 ̄ ∪ l
/ l |
(,__,ノ、__,)
∧_∧ ∧_∧ .∧_∧ ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ) ( ) ( ) (Д` ; ) < 殺人はやらないんでしょうね
\____________
┌──────‐^────────────‐
│ 殺人はやらん。もっとも
│ きみがへまをして、誰かを殺せば別だがね。
└───────────────────‐
503 :
34/68:2009/09/09(水) 22:13:54 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ラルフ宝石店の襲撃はうまくいった。
金属を溶かす薬品で通用口の鍵をはずし侵入。
気配に気付いてやってきた宿直員を催涙ガスで無力化。
宿直員をおどし、金庫を開けさせ現金を奪った。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_____
| |
∧_∧. | |
( ; ´Д)っ占<|0 |
/:::つV::ノ | |
(::::::::⌒) | | ノノノノ _
( ゚∋) [_三_]_ ___
/⌒ ∨⌒l ( xд)|::::::::::::::::::|ヽ
+ ; / つ|◎:::::::::::::|:::|
* ☆_+
: , xヾ:、__,..-,へ.........._
__ く '´::::::::::::::::ヽ ∧_∧
[_三_]_ .{:::::::::::::::::::::::} <_` )
ヽ(l|i゚∀゚)ノ ヽ、__;;;;::/ /:::::::::::ヽ
\ \ ⊂ ̄ヽ'::::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
そして更に時限爆弾でおどし
警察に通報されるまでの時間をかせいだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
504 :
35/68:2009/09/09(水) 22:14:38 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
店の前をたまたま通りかかった女性を人質として拉致し
待たせてあった用意のスポーツカーに乗り全速力で走らせる。
後ろのほうで爆発音がし、人びとが騒ぎ始めていた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
// / / ;;:::/
ヤ,\/ / ;;::/
ヤ, V/ ;;::/
, .. -―――――ヤ, //7::/ __
,,..-''" ヤ,/_;;:::/ヽ、\皿#,,\ ∧_∧
,,.. - ''"゙゙;>ー―---――;=''''"゛゛⌒ヽ, ̄ィ7 /〉 ''´ ∧_∧ (´┏┓`;)
,,. '" ,,. '" / / ヽェソ 乃▲ /, (; ´Д∧__∧V::::::ヽ
∠二フ/___,___/∠二フ/ r'⌒ヽヽ_/´ // (:::::つ( ゚‘Д‘):::[と_〉
〔`゙`ー―――――――――'''''"゙´ ノ/ ∩ |  ̄__!/ノ 〉:::ゝと つ|::::〈
〉同〉―― [二二] ―――j同>=:;つ_ノ ∪ノ/ ̄ `ー―(_)__)ヽつ_つ_)
 ̄ ̄ー― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ー―''´
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
事前に各所に取り付けた信号機を操作する装置によって
夜の街を停止することなく突っ走る。
途中で人質の女をおろし、郊外の森の中の隠れ家へとたどり着いた。
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505 :
36/68:2009/09/09(水) 22:15:34 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────
│ みな、ご苦労だった。まあ、酒でも飲んでくつろいでくれ。
| 休む時にはすべてを忘れてのんびりしてくれ。
└────────────────v───────‐
\三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三/
'''- ,,_ | i| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i |
||i;i;i;i; | .| i| _____ |i |
||i;i;i;i; | , | i| ロロ:|::::::::::::::::::::::::::| ∧_∧ |i |
||i;i;i;i; | , | i| _□ |::::::::::::::::::::::::::| ( ´┏┓`) ,____ |i |
==== | ,-、゙ .| i|: | ゚ |: .|::::::::::::::::::: | (::::::::V:::つ━・~ |`ll ̄ ̄ ̄l |l_____________|i |
||i;i;i;i;i;⌒Y⌒| ii ) | i|  ̄ |:::::::::: ∧_∧ ):::::)::::) .|、|___:,|、|| ̄ ̄ ̄||
||i;i;i;i; |. || `-' | i|____|___ ( ´_ゝ`)__(_)___|`||ニニニニ|||l[「「[[[「「l|
||i;i;i;i; |. || /:'. .,: .:'. .,: .:'. .,: γー/::::::V:::::つ−、 __'. .,:.:'. .,:.゙ヽ||____________||||ニ ∧ ∧
||i;_,-'"' || ./. .,: .:'. .,: .:'. .,: .:'. i i__ とノ:::::l|l:::〈__i_ii:'. .,: .:'. .,∧_∧ .:'. .,: . .:'. .,: .:' . ミ ゚Д゚彡''-
'" || /'. .,: .:'. ._,--、:'. .,: .:'. .i___| ̄  ̄ ̄ ̄ ̄\ i.. ..:'.(Д` ).,:.:'. .,: .:'. .,: : : /つ日___
||:'. .,: .:'. .,: .:'.| .:\.:`ー 、:'. .,:| \.:.:'とと:::::::/.: |:'. .,: .:'. ., ;: ::(:::|`- ,
//|\,'ノノノノ. .,;;;i',',',',',',',',') i:'. .,:iニニニニニニニニ i:'(⌒(',',',',',',',','i;;. .,: .:'. .,: .:'. .,: | |`- ,
./. .,: .:'. .,: (゚∈゚ ).:';;;;;|______,,j/:'..,:|il:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|i|.::'. .ヽ|______,,j;;;;;:.,: .:'. .,: .:'. .: ̄: .;;;;;`- ,
/:'. .,: :'. ./⌒∨⌒ヽ:'. .,: .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,::'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: . ;;;;`-
┌──────────────────^────────────
│ たしかに成功はしましたが、あれだけ派手に
│ 危険をおかしたわりには収穫が少ないと思います。
│ 現金だけでなく宝石や何もかもごっそりと持ってくればよかったでしょう。
└──────────────────────────────‐
506 :
37/68:2009/09/09(水) 22:16:19 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────────────
│ 余計なことを言うな。これが本部からの指令だったのだ。
| 新入りが不思議に思うのも無理はないが
│ 陰謀団ミダスの偉大さはいずれわかるだろう。
└─────────────v───────────‐
!
∧_∧
( ´Д` ) / |
| .:\:::::V::::) / ∧_∧ チラッ |
i',',',',',',',',')⌒) / <_` )゙ |
|______,,j/ iニ /:::::::::::::ヽニニ i
γー――――― 、
| / i___________i:
_________ _ i__________i
/|
_______ / .|
/| | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_____/ .| | < 先ほど都内のラルフ宝石店に
| | | | 強盗が押し入り……
[][][][][][]| | | \_____________
[][][][][][]| | |
507 :
38/68:2009/09/09(水) 22:17:12 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────
│ ひどい……爆弾で店内が血だらけだ。
| だれも殺さない約束だったのに、あの宿直員を……
└─────────v─────────────‐
\ | /
∧_∧ ____
(´Д`i|l) l ̄ ̄ ̄l |`l
と:::::V::::::つ |___:l |
)::::)::::) ||ニニニニ| l
(_)_). ||____________|/
∧_∧
( ´_ゝ
/::::::::::ゝゝ
|:::::::::::::::ヽ_ノつ━・~
┌───────^──────────────────
│ よく画面を見ろ。宿直員はあの写真の片隅に写っている。
│ あれは、ある病院から手に入れた血液だ。
│ 瓶に入れて持っていって、一面にばらまいてきた。
└───────────┬────^─────────‐
│ また、なんでそんなことを……
└──────────────
508 :
39/68:2009/09/09(水) 22:18:25 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────
│ こうしたほうが派手でいいじゃないか。
└───────‐v─────────
l^ヽ /^l
l ヽ / .:|
l ヽ __/ .::|
| .:|
l .:::|
| -− −- ::::|
| ノ .:::::|
ヽ `ヽ ..:::/
\ ー‐ ノ
ヽ、 /
_,,..-一='''"~〈 -─- 〉~``''=ー-、..,,_
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┌─────────‐^─────────
│ ものごと、ショッキングでなければならぬ。
│ なあ、そうじゃないかい。
└───────────────────
509 :
40/68:2009/09/09(水) 22:19:31 ID:/RRtG39r0
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
┌────────────────────────────‐
│ まさか、こんなふうに襲撃されるとは、予想もしていませんでした。
│ わたしは途端に目をやられ、わずかにできたことは
│ ちょうどそばにあったテープレコーダーのスイッチを
│ 悟られぬように押すだけでした。
└──────────v──────────────────
|| | | || __ || | | ||
|| | | || [_三_]_ ∧_,,,. || | | ||
|| | | || (;゚д゚) (゚-;;゚#) .|| | | ||
|| | | || ( )¶ ¶ l;; ;;ヽ || | | ||
|| || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| || ヌルポヌルポこんばんは ||
|| || ||
┌────────^───────────
│ ではここで、視聴者の皆様にも
│ 実際のテープの内容を聴いて頂きましょう。
└───────────────────‐
510 :
41/68:2009/09/09(水) 22:20:44 ID:/RRtG39r0
______ ┌────────────────────
|::::| | 本物の犯罪記録だけあって、凄い迫力だ……
|::::| │ 視聴率もうなぎのぼりです!
|::::| └────‐v───────────────
|::::|
(サア、金庫ヲアケテ金ヲ出セ)
|;;;;| ∧_∧ (ココニハ、オ客様カラノ預カリ品ガ……)
// ___ (∀´;(0))
// / ◎ /| ⊂ P )
// / ━━ / | ( < ┳┛ λ_λ
// / ━━ / |(__)┃ (ー´ ; ) 。o(なんというビッグコンテンツ……!)
// / ◎/ | ( )
/ ━━ / ∧_∧ (ヨシ、現金ダケデイイ)
/ ━━ / ((0);´w)
(オマエハ物カゲニ隠レテイロ、三十秒後ニ爆発スル)
┌──────‐^───────────────‐
│ コールセンターにも、「もっと流せ」「再放送しろ」と
│ 視聴者からの反響がひっきりなしなようです!
└──────────────────────‐
511 :
42/68:2009/09/09(水) 22:21:33 ID:/RRtG39r0
:A_A __:
:(# ・∀・/ /: ← ライバルテレビ局の局長
:( ,/_〇:
:| |:
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
A_A 人从人从人从人从人从人从人
|\ΦДΦ) /| < うちも便乗するぞ!!! >
○ < )< ○ YWYWYWYWYWYWYWYW
| > > |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────
_________
| 人質にとられた女性 |
| 恐怖の体験を語る |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧
( ‘д‘)
( )¶
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌────────^──────────────‐
│ はい、あの時いきなり男たちが現れて目の前が……
└───────────────────────
───────────────────────────
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
512 :
43/68:2009/09/09(水) 22:22:33 ID:/RRtG39r0
___________________
20XX年 ○月×日(日) |
──────────────┐┌──┐.|
宝石店強盗、爆発も. | | 厨 | |
──────────────┘ | 日 | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 新 | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 聞 | |
───────────────└──┘.|
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | .|
_____
/ | ̄ ̄ ̄ ̄∧w∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | (メ ゚Д゚)< ニラ茶総合警備では優秀な人員を揃えており
| | ノ つ 9 | いかなるビルも会社もこの種の被害には……
| |_____|| \_____________________
`-、:::::::[。・・]::::::l
_____
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ∧ ∧ ̄ ̄ ̄ ̄| ヽ
壊れ知らずの安心設計、一家に一つ >(^Д^ ) | |
できれば二つ、タカラ警報機です! | と ヽ | |
________________/ ||_____| |
|::::::[・・。]:::::::::l,r'
513 :
44/68:2009/09/09(水) 22:23:23 ID:/RRtG39r0
┌──────────────────────────────
│ 宝石店強盗の乗ったスポーツカーを我が社のカメラが激写致しました。
│ 夜間に走る車をこれだけ鮮明に撮れるのは、我が社のカメラの
│ 性能がよく使用法が簡便な証拠です。
└─────────────‐v────────────────
┌───────┐
∧_∧. │ _/ ̄ ̄\_ │
彡 ´ー` ミ ,--、 |└-○--○-┘=3│
,--、 (つY つ[ ◎ ] └───────┘
[ ◎ ] | : |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
_____
,..-''" ̄  ̄//"^、ヽ. ____
_,,..,.-;_'" __|| __ヽ \="zュ、 ̄\
. ..:,''"´"  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/_  ̄ ̄`ヽ ̄└‐┘ヽ~,,  ̄`ヽ/
∠..../___,____∠ /__r'^ヽ V´  ̄`i " r'^y'
〔巨I ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄巨五I 。i゙⌒ヽ / ̄__! / )|
〉同〉――――――――j同ヲ ̄:;∧_∧ | ‐:::;;;;;;//、 ノ
∠二_________二二_< `∀´ >丿-ー''''"" ̄ー`―'
 ̄ ̄ と {胤} つ
┌─────────────^─────────────────
│ 犯人グループの乗っていたスポーツカーは、きっとウリのとこのニダ。
│ チョッパリ警察のパトカーごときが追いつける性能じゃないニダ。
└──────────────────────────────‐
514 :
45/68:2009/09/09(水) 22:24:10 ID:/RRtG39r0
___
______ :_〉 __ノ:
/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ( )
| | ∧_∧ ホルホル :| |:
| | <ヽ`∀´>|| :| |:
| |_____|| :( # ):
`-、:::::::[。・・]::::::l :( ):
人从人从人从人从人从人从人从人从人从人
< すぐに声明を出せ! >
< パトカーの無電が妨害されたためだとな! >
YWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYW
___
(...=@=〈_
( )
| | ___
| | _〉=@=...ノ
(# ・∀・)G (・ω・`;) ハ、ハイッ
(つ ノ / つ つ
人从人从人从人从人从人从人从人从人从人从人从
< このさいだ、装備一新のために >
< 予算増額を訴えて一般の理解と支持を得るぞ! >
YWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYW
515 :
46/68:2009/09/09(水) 22:24:59 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────
│ 我が社の強化ガラスで作られた商品ケースは
| 先日のラルフ宝石店強盗事件で起きた爆発にも
| びくともしませんでした。
└───────────v───────────‐
______
|/// |
|// .|
|/ | ('A`)
| .| ( v )
| ______| l l
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(-@∀@) < 店内で爆発したという爆弾、某国製の手榴弾ではないですか?
_( <V> )__ | こりゃあ、外国の犯罪組織の侵入を許した政府の不手際を
| アサピ議員 | | 追求する必要がありますな。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| \___________________________
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そのほかにも色々あったが、みなそれぞれ効果をあげたらしかった。
事件という現実の問題を例に説明されると、頭にもよく入る。
世の中に活気がみなぎりはじめた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
516 :
47/68:2009/09/09(水) 22:25:48 ID:/RRtG39r0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
┌─────────────────────
│ これは月給だ。領収書はいらない。
│ 税金の申告もしなくていい。安心して使ってくれ。
└──────v─┬──────────────────────────‐
| ずいぶんあるんですね。みんなにこんなに払ったら
| このあいだ盗んだ現金では足りなくなるんじゃないでしょうか。
└─────────‐v────────────────‐
∧_∧
( ´_ゝ`) ∧_∧
/ ヽ (´Д` )
∪ 〉 0[]と )
/ l | 〈 < ヽ
(,__,ノ、__,) (__(__)
517 :
48/68:2009/09/09(水) 22:26:38 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────────────────
│ 心配するな。これは本部からの金だ。盗んだ現金は
│ 交通事故犠牲者救援資金にでもと、ある新聞社に匿名で寄付した。
└──────v─┬────────────────────────────‐
| あ、新聞で読みました。ぶっそうな事件といい対照で評判です。
| それがきっかけで交通事故問題への議論も熱が入り始めたとか。
| しかし、もったいないような気も……
└─────────‐v──────────────────‐
∧_∧
( ´_ゝ`)
/ ヽ ∧_∧
と つ (Д` )
┌────^─────────────────────
│ あんな金額は、ミダスの資金に比べればわずかなものだ。
└─────────────────────────‐
518 :
49/68:2009/09/09(水) 22:27:27 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────────
│( ´Д`) そういうものですかね。それはそうとあの人質にした女。
| たちまち有名になって、連続ドラマの主役になりましたね。
| これから、うまくやっていけるのでしょうか。
└───┬─────────────────────────‐
│( ´_ゝ`) やれるだろう。素質に恵まれながらチャンスがなく
│ 芽が出ないでいたタレントだ。
└─────────────────────────‐
+ ∧_∧
( ‘∀‘) ...。☆
☆。... ,,へ ~∞ヘ
〈。。〉,`´,,)。〉 +
ヽつ ハ \
/ノ ソ ハ .ノヽ
んんノんんノ .ゝ
┌────────────────‐
│(; ´Д`) それを知っていたのですか。
└───┬────────────────────────────
│( ´_ゝ`) ああ、プロデューサーの名をかたって電話し
│ あの時間に呼び出し、あの場所に待たせておいたのだ。
┌───┴────────────────────────────
│( ´Д`) 彼女もミダスの団員なのですか。
└───┬─────────────────────────────
│( ´_ゝ`) それは言えぬ。また、わたしにもわからない。
│ 上からの指令にあっただけだ。ミダスの組織が
| どこまで広がっているかは、本部だけが知っていることだ。
└─────────────────────────────
519 :
50/68:2009/09/09(水) 22:28:29 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────────────‐
| くだんのラルフ宝石店も、あの宿直員の勇気ある行動で
| 信用が一挙に高まったとか……
|
│ すると、これでPRの効果をあげた企業
| 視聴率をぐっとあげたテレビ局、売り上げをました週刊誌
│ それらのなかには当然いるんでしょうね。
└───────────v──────────────
∧_∧
( ´Д` )
( つ[] )
∧ ≡ ∧
(<_`≡´_ゝ)
/ ヽ
〈 、 , 〉
┌────^───
│ そこは極秘だ。
└───────‐
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ボスは首を振ったが、青年には次第にしかけがのみ込めてきた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
520 :
51/68:2009/09/09(水) 22:29:18 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────‐
│ これが陰謀団ミダスの使命だったのですね。
| 資金の出所の想像もついてきた。
│ 驚きました。これはひどい。
└─────────────v──────
|゙==========||===== ⌒Y⌒| ii )
|i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;||i;i;i;i;i;i;i;i;i;i || ;i; `-'
|i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;||i;i;i;i;i;i;i;i;i;i || ;i;|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .|| ̄
_____________ ||___,___,_______
∧_∧\
( ´Д`);,------、
と つ ,,.. ........ヽ.、
| | | '';,)::).............)::)
(__)_) 'i--------i: ∧_∧
i\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ((,',',',',',(<_` ) 、
|i\\ \ i\ ノ | \ \
\\_________ \ と ノ \ \
┌──────────────────────‐^───────‐
│ ひどいことはないだろう。誰も損はしていないではないか。
│ 世の中に活気がうまれ、需要がうながされ、消費が高まる。
│ 景気が徐々に上昇することにもなる。戦争なしで景気をもたらすには
| これ以外にない。それとも、戦争の方がいいかね。
└──────────────────────────────‐
521 :
52/68:2009/09/09(水) 22:30:16 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────
│ とんでもない。ミダスの方針に賛成です。
| いかなる犯罪も戦争よりはましです。
└─────v───────────‐
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ; ´Д) / ヽ
/ l 〈 、 , 〉
┌─────────^────────────────
│ 早くいえば、我々は平和を保つ社会運動に従っているのだ。
| ミダス王の手のごとく、なんでもないものを黄金に変え
| 人びとにつくしている。
┌─‐^─┴─────────────────────────‐
| そういえばそうですね……
└────────────
522 :
53/68:2009/09/09(水) 22:31:06 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────────
│ じつはこのあいだ、本部に報告に行った時
| 研究室をちょっとのぞかせてもらった。
| 驚くべきことが、いろいろと進行中だったが、そのひとつ
| ナイロンやプラスチックを腐らせるバクテリヤが完成寸前だった。
|
| そのうちばらまかれ、新聞をにぎわせるだろう。
└──────v─────────────────────‐
∧_∧ (:::) ?
( ´ゝ_(::) ∧_∧
/ ヽ (´Д` )
〈 、 , 〉 ( )
┌───────────‐^─────‐
│ そんなもの、なんの役に立つんですか。
└─────────────────‐
523 :
54/68:2009/09/09(水) 22:32:08 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────
│ わかりきったことだろう。それだけ消費が増えるわけだ。
| 工場や販売店はそれだけ忙しくなり、失業者が減る。
| また、そのバクテリヤの消毒液を研究する人も出て
| 新しい産業に成長することだろう。
└───────────v────────────‐
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∧_∧
(::::::,_ゝ::)
/ ヽ
〈 _ノつ━・~
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
┌─────────────‐^─────────────────‐
│ その過程で副産物として、人間に有益な医薬が開発されるかもしれない。
| かくして科学技術は進歩し、金まわりもよくなる。
| 意義のある仕事ではないか。
└───────────────────────────────‐
524 :
55/68:2009/09/09(水) 22:32:56 ID:/RRtG39r0
┌──────────────────
│ しかし、万一、団員の誰かが逮捕され
| 口を割りそうになったらどうするんです。
└───────────‐v──────
∧_∧
( ´_ゝ)
/ ヽ
〈 _ノつ━・~
∧_∧
(` ; )
と )
┌──────^──────────────────────────
│ その点も気にするな。その寸前に国外に脱出させ
| 犯罪者引渡し協定のない外国で、ほとぼりの冷めるまで遊ばせてもらえる。
| なんの心配もせずに大いに働いてくれ。
└────────────────────────────────‐
525 :
56/68:2009/09/09(水) 22:33:46 ID:/RRtG39r0
┌─────
│ はい……
└──‐v──
∧_∧
( ´Д`;)
( )
(^)}|::::|
(^)}|::::|
┌┬|::::|
回回|::::|
凵凵|::::|
└┴|::::|
|::::|
∧_∧ (……) |::::|
トボトボ (´Д` ).。゚ |::::|
( ) |::::|
三三三王三三三王三三三王三三| Y 人 |三三三王王三王
二二二⊥二二二⊥二二二⊥二二|__ (_)__)____|二二二工工二⊥
─rェェェェュ‐─────────‐┴────────┴───────
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ \\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \\
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ \\
_________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \\
_______ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
526 :
57/68:2009/09/09(水) 22:34:38 ID:/RRtG39r0
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
) どことなく気が咎めてならない……
( 盗みはまだ許せるが、こう大掛かりに
) 人びとをだますのは、大変な悪事なのでは……
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ_/⌒ヽ、
|========= MONAMART =====○....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;|i
|_______________O....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;|i
| 。....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;;|i
|_____________|....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;;;|i
| \ \ || \ \ |....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;;;|i
| \ \|| \ \ |....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;;;|i
| \ || \/∧_∧:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;;|i
| || ((´Д` )::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;;|i
| || (( ) ''-、._:;::;:;::;:;;;;;;;;;;;;|i
| || | | | | `''-、._;;;;;;;|i
__|______||_____ ((_(__) `''-_|i
。゚
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
) 決めた。自首しよう。良心の苛責には耐えられない。
( それに、なにより……
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ/⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
527 :
58/68:2009/09/09(水) 22:35:24 ID:/RRtG39r0
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒
(
) 陰謀団ミダスから脱出した本人の告白……
( 注目度はあの宿直員やタレントになった女の比ではない。
) テレビや雑誌の取材でひっぱりだこ。
(
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ/⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
|________________|....::.:.:.::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;|i
| |....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;|i
|_____________|....::.:.:.:::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;|i
| \ \ || \ \ |....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;|i
| \ \|| \ \ |....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;|i
| \ || ∧_ ∧_∧:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;;|i
| || (::::∀( )::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;;|i
| || ( ( ) ''-、._:;::;:;::;:;;;;;;;;;;;;|i
| || | | | | `''-、._;;;;;;;|i
__|______||___(__.(__|__) `''-_|i
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
)
( 今真実を話せば、おれは最高の時の人だ。
)
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
528 :
59/68:2009/09/09(水) 22:36:17 ID:/RRtG39r0
────── -、=|! ! ||_, -──────
============、ミ/!:::|| | ||_|ヽr============
[|]_|_|」|_|,j_|_|_|_|]||::||=|| | ||_||::|||_|_]」_|_|_|_|_|_|」]
三三三三三三]||::||: || | || ||::||[三三三三三三
|_|_|_]」_|_|_|_|_|_|」||::||=|| | ||_||::||!|_]」_|_|_|_|_|_|」」
三三三三三三]||::||: || | || ||::||[三三三三三三
|_| |_|]」_|_|_|_|」]_i||::||=||/ ヾ||::||i[l| |_|]」_|_|_|_|」]_
三三三三三三]||::|| ̄ ||::||[三三三三三三
|_|_|_]」_|_|_|_|_|_|」||/ ヾ:||:|_|_]」_|_|_|_|_|_|」」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ∧_∧  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄
( ´∀` ) ∧ ∧
(0⌒l⌒0) __,(*゚∀゚)=3_
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ l\ ゝつ⌒l⌒0
/ \ |\\ ⌒'⌒
。゚
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
) インタビューのために、ミダス王のことを調べに来たが
( 『王様の耳はロバの耳』の伝説が、なんとこの王のものだったとは……
) 自分をこの床屋になぞらえて話せば、視聴者にもよく分かるだろう。
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
529 :
60/68:2009/09/09(水) 22:37:29 ID:/RRtG39r0
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: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
┌──────────────────────
│ ……というわけで、今話した事が全ての真相です。
│ お宅の局にスクープとして提供しますよ。
| いかかです?
└──────────v───────────‐
(\_/) ∧_∧
l⌒l ・∀) (∀` l⌒l
| l ∽ と l l
| └‐ ┐) .||  ̄ ̄ ̄ || (┌‐‐┘ |
|_____| |_| ̄ ̄ ̄|_| _|l  ̄ ̄ l|_
┌─────^────────────‐
│ ふむふむ。なるほど、よくわかりました。
| では、少々席を外しますのでお待ちを。
└──────────────────
530 :
61/68:2009/09/09(水) 22:38:17 ID:/RRtG39r0
| | |
| | ┌‐─‐┐ ゞヾ;ッ, |
| | |.[__]゙| ,ノノ;;;ソヘゝ |
| | |:: :: :: :: | ii |
| | └‐─‐┘ ┌┴┐ |
|_______|_______|_|_|_|_ (まだかな……)
. / └‐┘ 。゚
/ /⌒l_ ∧_∧ __/⌒l
/ / / |_ll ____ ( ´Д`) ,/ |
/ |'⌒l / /|| / /|| (つ l⌒l" :|
| └‐ ┐/ ||  ̄ ̄ ̄ ||/」 .(┌‐‐┘ | /
|_____|'' |_| ̄ ̄ ̄|_| |___|/
| | | | | | | | | |\__ガチャッ_____
(__)_) (__)_) (__)_) |
| お待たせしました。
\_________
_、l
∧_∧
(∀` 彡
531 :
62/68:2009/09/09(水) 22:39:06 ID:/RRtG39r0
┌─────
│ えっ……
└──‐v──
∧_∧
( ´Д`;)
(つ )
λ_λ ∧_∧ ヘ⌒ヽフ (\_/)
( ノAヽ) ( ^ω^) ( ・ω・) (・∀・ ) スミマセン
( <y>) ( <y>) ( <y>) (つ つ ドーゾ コチラデス
/__:__l /__:__l /__:__l 〈 < ヽ
(__)_) (__)_) (__)_) (__.(__)
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
)
( こ れ は 一 体 …… ?
)
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_
532 :
63/68:2009/09/09(水) 22:39:55 ID:/RRtG39r0
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______
/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
| | ||
| | || (:::) ∧_∧
| |_____|| ピッ (::)_<` )
l`-、:::::::[。・・]::::::l γー─── / ヽ───、
|`||ニニニニニニ| i 〔::⊂ヽ_ノ 〉 | i
533 :
64/68:2009/09/09(水) 22:42:15 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────
| ……この患者は、自分がなんとかいう陰謀団に属し
| 驚くべき悪事に手を貸したと信じ込んでいるのです。
│ パラノイアという症状で、固定した妄想が特徴です。
└───────────────────────
∧_∧
(::)_´< ` ) / |
/ / ヽ / |
| .:\ 〉 / 凹. |
i',',',',',',',',') ┐./ |
|______,,j ) iニニニニニニニニi
| / γー――――― 、
_________ _ i__________i
/| i__________i
_______ / .|
/| | ┌─────────────────────────
_____/ .| | | つまり常識では考えられないことを
| | | | つじつまをあわせて体系化し、それを信じてしまうのです。
[][][][][][]| | | └─────────────────────────
[][][][][][]| | |
534 :
65/68:2009/09/09(水) 22:43:04 ID:/RRtG39r0
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┌───────────────────────
| 社会の複雑化にともない、これからも増えるでしょう。
| ここで私は心から訴えたいのです。
└────────────‐v──────────
________
| ドキュメンタリー |
|現代の犠牲者たち|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧∧
( ゚Д゚ )
⊂ <y> ⊃
| : |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌──‐^────────────────
| この分野の研究に思いきった額の資金と
| みなさんの理解が注ぎ込まれることを。
└───────────────────
────────────────────────────
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535 :
66/68:2009/09/09(水) 22:44:11 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────‐
| また、この分野の関係者たちの待遇が
| 一段と高められることを……
└─────────v────────
∧_∧ ______
( )  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
/⌒ ヽ | |
/ /| \_ノつ━・~ | |
/ / | l`ー '____| |
γー─ とノ─ ヽ___ノ───、 ニニニl|
i i | |
∧_∧
____( ´,_ゝ`)
|| ̄ ̄ ̄ / ヽ
|| ヽ つ━・~ 〉
|| l ノ
||____ \ ヽ/
γー───────────、 / 〉 〉
i i | / / /
536 :
67/68:2009/09/09(水) 22:45:18 ID:/RRtG39r0
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|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
|| ∧_∧ | |
|| (´Д`i|l) | |
||_ミ三三三彡_| |
γー───────────、 ニニニニl|
i i | |
_______
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
||___,、___| |
||  ̄ ̄`' ̄ ̄ ̄| | ブッ
||______| |
γー───────────、 ニニニニl|
i i | |
537 :
68/68:2009/09/09(水) 22:46:17 ID:/RRtG39r0
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|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
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||::::::::::::::::::::::::::::::::| |
||______| |
γー───────────、 ニニニニl|
i i | |
出典 星新一
「妄想銀行」 より 『陰謀団ミダス』
長編乙です!
物事はどう転ぶかわからないな
乙
良作乙です!
すげー超面白い。やっぱ星新一すげーわ・・・
乙
長編乙です
ひとコマひとコマ丁寧に作ってあって
いろいろと参考になります
長編乙でした。
妄想銀行 は読んだことあるはずだけどAAにするとさらに面白いね。
モナーやギコってエヌ氏やエフ博士的な匿名性も持ってるからね。
確かにw
2ちゃんのAAと☆氏の作品って妙にしっくり来るんだよな
面白かった!乙
次スレ欲しいです