341 :
( ´∀)・∀),,゚Д)さん:
この前、ボクは2つ上の先輩にある話を聞きました。
その話を聞いたもののところに3日以内に霊が現れる、という
どこにでもあるような話しでした。
ボクはお泊まり会みたいなものにその時は参加していました。
それで少し怖くなって、早く寝ました。
しかし
何もおこらなかったのです・・・・3日たっても、、、
先輩に聞いてみると「嘘だよ〜〜ん」
「・・・・・・・・嘘かい」
ほっとしました。正直言ってほんとにほっとしました。
そうしているうちにお泊まり会も終わり、それぞれの家へと帰ったのです。
ところがどうでしょう。それから数日たってもその日のことが、昨日のことのように
忘れることが出来ず、夜、、、、思い出してしまったのです。
どしゃぶりだったその日の夜は、暴風雨警報がでるくらいの大雨でした。
雨の音でテレビが聞こえなかったので
その日は早く寝ることにしました。
夜中の午後1時か2時ごろ・・・ボクは暑さのせいで目が覚めました。
すると辺りは嘘のように静かで、雨の気配など全くしませんでした・・・
「・・・・・??雨やんだのかな??」
そう思った瞬間 !
ドンッ!!!!ドドンッ!!!!!!!ドンッッドンッドンッ!!!!!
窓ガラスを叩く音が聞こえました。
しかしそのガラスの叩き方が尋常ではなかったのです。
耳をふさがないと鼓膜が裂けてしまいそうなほどの爆音でした。
本当におかしいのです、どうかんがえてもガラスが割れるくらい叩かれているにもかかわらず、
親も、近所の人も、誰も、ボク意外誰一人として気づいていない・・・
暗闇の中、ベッドに横に何かの気配を感じました・・・・・じわじわと目を向けてみると・・・
死体が・・・・いや・・・死体かどうか分からなかったけれど瞬間的に
ハッキリ見えてしまった・・・飛び散る肉片がその顔にかかり、首の皮膚から肉
食堂がちぎれていたことをハッキリ確認した・・・・
ボクは気絶することも出来ず、布団にもぐりこみ、ガタガタ震えて朝が
来るのを待っていました。
このことを急いで先輩に言うと、先輩は半泣き状態で僕に謝ってきたのです。
それは、この話を聞いて死んだものがおよそ2人はいる事。
行方不明でニュースや新聞に載っていること・・・・全てを聞いたのです。
これは霊を言葉に乗せて、人から人へ移す移住霊法というなの陰陽法らしい・・・
ボクは呪われてしまったが・・・・5人にこの話をすれば助かる。
そう聞いたから・・ここに・・・投稿しました・・・・・ごめんなさい
1/12
突如襲った山の吹雪が、二人の測量技師を、アディロンダック山岳地帯の中心部にとじこめてしまった
チャールズ・カーニイとスティーヴン・エスティロウ。長年のコンビで親友だった
` 。 ′ ′′ ヽ ο ′ ′′ 。 ′ ο ′ ′′ ′′ ο ′
。 ′ ′′ ′ ο ′ ′′ 。 ′ ο ′′ 。 ′ ο
` ο′ 。 ′ 。 ′。 ′
。 ′。 ′′ 。 ′ ο ′ 。 ′ ο
ο ′ 。 ο ′ ′′ 。 ′ ο ′′ 。 ′ ο
。 ′。 ′ ′′ ′ ο ′ ′′ 。′ ′′ ο ′
′。 ′ ο′ ′′ ヽ ο ′ ′ ′′ ヽ ο ′
′′ 。 ′ ο ′′ ′ ο ′ ′′ 。 ′ ο ′
′′ 。 ′ ο `) ,;;⌒`)′′ ′ ο⌒ヽ ′ ′′ 。 ′ ο ′
∧∧ ⌒ヽ ′ 。 ′。
⌒ヽ ′ ο ′ 。 ``) ,;;⌒`) (ω・` ) ( ゚д゚) ⌒ヽヾ
,; ,;⌒ ,;;⌒`) と ノ (| y | ⌒ヽ
⌒ヽ ,;;⌒`) u-u 。_| |_ ′ ο ′ ⌒ヽ
,; ,;⌒
⌒⌒⌒⌒ ⌒ヽ
一時間ほどの悪戦苦闘ののち、ついに山小屋に到達することができた
幸運なことに、薪も豊富に蓄えてあった
乾燥させた玉蜀黍が、いくつも棚においてあった
2/12
唯一の希望は、1本の電信線にかかっていた
チャールズ・カーニイは一夜の苦患に衰弱していたが電信機をおいたテーブルにむかい、スイッチを入れた
∧,,∧
(´・ω・)
(っ┌──┐
 ̄ ̄/.|三|三|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
.└───┘ \
──────────────────────────────
∧_∧
(´Д` )
┌──┐と)
. / ̄ ̄ ̄||三|三|\ ̄ ̄ ̄ ̄
/ └───┘
ロウンリ・ヒル
ノース・クリークの電信技師は、<無人の丘>からの呼び出し音を最初に聞いたとき、自分の耳を疑ぐった
二人の男が、アディロンダック山岳で吹雪に遭遇し、一人が肺炎にかかっている・・・・・
3/12
「スティーヴン」 病んだ親友は、しずかに言った
| スティーヴン。どうやらおれはだめらしい。だが、スティーヴ
\___ _____________________
|/
_ ∧,,∧__
/| |( -ω-) | |
||, 〜〜'⌒⌒ヽ〜-.、
||\ ' ,⌒ ` ゙ヽ
||\.\|| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄|| (゚д゚ )
\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| | y |)
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| _| |_
「おれが死にきったと確認するまでは埋葬しないでくれよ。仮死ということもありうるからな」
それからまた、あえぎあえぎ、くりかえして言った
「いいか、スティーヴ。おれを生きたまま埋めないでくれよ」
4/12
その夜、脈搏と呼吸を調べてみて、エスティロウはカーニイの死を確認した
石灰シャベルで穴を掘り、死骸をおさめて、祈りをあげた
` 。 ′ ′′ ヽ ο ′ ′′ 。 ′ ο ′ ′′ ′′ ο ′
。 ′ ′′ ′ ο ′ ′′ 。 ′ ο ′′ 。 ′ ο
` ο′ 。 ′ 。 ′。 ′
。 ′。 ′′ 。 ′ ο ′ 。 ′ ο
ο ′ 。 ο ′ ′′ . ▽ 。 ′ ο ′′ 。 ′ ο
。 ′。 ′ ′′ ||′ ο ′ ′′ 。′ ′′ ο ′
′。 ′, ο′ ′ || ヽ ο ′ ′ ′′ ヽ ο ′
′′ 。 ′ ο ′′ | ̄|′ ο ′ ′′ 。 ′ ο ′
〜〜〜〜〜
5/12
翌朝、彼がベッドからはい出て、炉の火をかき立てに次の部屋にはいると、テーブルの前に、
チャールズ・カーニイがすわっているではないか!
身動きもせず押し黙って、両目をカッとみひらいている・・・・・
∧,,∧
(゙゚゙ω゙゚゙)
(m m)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
6/12
その日一日、エスティロウのこころは、疑惑と戦慄から、しびれたように凍りついていた
夜のとばりが下りるとともに、彼は全身の気力をふるいおこして、現実の問題と取り組むことにした
チャールズ・カーニイの死骸を、もう一度、仮の墓穴にもどした
` 。 ′ ′′ ヽ ο ′ ′′ 。 ′ ο ′ ′′ ′′ ο ′
。 ′ ′′ ′ ο ′ ′′ 。 ′ ο ′′ 。 ′ ο
` ο′ 。 ′ 。 ′。 ′
。 ′。 ′′ 。 ′ ο ′ 。 ′ ο
ο ′ 。 ο ′ ′′ . ▽ 。 ′ ο ′′ 。 ′ ο
。 ′。 ′ ′′ ||′ ο ′ (゚д゚i|!) ′′ 。′ ′′ ο ′
′。 ′, ο′ ′ || ヽ ο ′ | y |) ′ ′′ ヽ ο ′
′′ 。 ′ ο ′′ | ̄|′ ο ′_| |_ ′′ 。 ′ ο ′
〜〜〜〜〜
7/12
朝になって、室内に足を入れてみると、昨日と同様、テーブルの前に、チャールズ・カーニイがかけていた
∧,,∧
(゚゙ω゙゚゙)┐
m mソ .|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
( ゚)
/| |\
「最後まで、正気を失わないようにがんばろう」エスティロウは日記に書いている
8/12
またも終日、彼は山のなかを、落ち着こうとはげしく望みながら歩き続けた
幻覚に悩んでいたにちがいない。なにもかも、なまなましい悪夢のなせるわざか
彼は山小屋にもどって、思いっきてドアをあけた
____________
|| ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄||
||。 .′, ο|| ||
||ο′, 。. || ||
(゚д゚i|)゚ ′|| .0 ||
| y |), .ο|| ||
_| |___||____||
∧,,∧
(;;;;:::... )
| ̄ ̄ ̄|ヽ
チャールズ・カーニイはやはりすわっていた
9/12
その夜、三度目の埋葬をすますと、エスティロウは寝にいくのが怖かった
テーブルの前、空になったカーニイの椅子にむかいあって、襲ってくる眠りと闘った
疲労がついに、彼に勝った。その頭がしだいに垂れて・・・・・
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ (゙д゙;)
/ \| y |)
あかつきのうす明かりが、彼を目覚めさせた
チャールズ・カーニイが、またしても正面にすわっている
その目は、なにを見るともなく、空間を見つめていた
∧,,∧
(゙゚゙ω゙゚)/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ (゚д゚i|!)
( m / \| y |)
神よ、救いたまえ!
エスティロウは、そう日記に書いた。それが最後の記入であった
10/12
救援隊はきこりが二人、医師、ノース・クリークの電信技師クラーク氏で、やっと山小屋にたどりついた
テーブルをはさんで、二人の死人がかけていた。二人とも、頭をピストルで撃ちぬかれていた
| 殺しておいて自殺したのか?
\___ ____
\|
| かわいそうな連中だ!
\___ ______
|/
人 ∧_∧ (\_/)
/o゚ \ ( ´Д`) (´Д` )
(´Д`O)( つつ ( )
∧,,∧(ι と) ) ) ) Y 人
(・゚゙ω゙゚)/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
( m / -=y∴・(゚д゚・)
\/y `ヽ
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
| 殺したのではないな。血が出ていない
| 撃たれたときには死んでいたのだ。それに、凍ってもいたらしいな
11/12
医師はエスティロウの日記を熱心に読んで言った
| この事実は、死者の家族のために、絶対に秘密を守るようにな
| 二人は寒気と飢餓と窮乏から死にいたったのだと発表する
\___ ____
|/
.人
/o゚ \
(O´Д`)
〜(∪ ι)
∪ ∪
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
| わしの想像をいわせてもらうと、カーニイの死亡があたえた衝撃と、孤独からくる神経的な恐怖とが、
| エスティロウに夢行状態をおこさせたのだ
\
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| この日記から察すると、夜、昏睡状態で、エスティロウは埋葬した場所から死骸を掘り出して、
| 生存中、友がすわっていた椅子へもどしていたのだろう
\
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| その理由?こんな寂しいところへ、ひとりきりで残されたからじゃないかな
| 最後には、彼の精神が、はげしい緊張に負けてしまったのだ
\_____________________
12/12
エスティロウの日記は破棄され、二つの死骸は、山上の湖の、水底ふかく葬られた
O |_|
゚。 / /
( д ・)
o / |
∧,,∧ 。゚
(・ )
( ⊃⊃
ヽ⊃⊃
「怪奇小説傑作集2」
S・H・アダムズ作 「the corpse at the table」
こわーっ!
新作GJ! 痛ましいな…
ガタガタ ゴトゴト
(( (二二二):.))
ii /◎◎◎ヽ il
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li \__/ li
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,,。..,ll::;;liii|,,..,,,
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" '”・' '.......:::::.:...,。,・'"" ””" '゚゚ ' ,.,,....:::::.:...,。,'”:..., ,' / / | | \
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,__ / ,イ / /
iii■Λ (こノ l r(__ノ
(;ーДー) l l
| つ ヽ l
〜| | ノノ
し' J v
___∧_____________
/
| きみはわたしのこの記憶を消し
| その壷にもどって
| どこかに行ってしまえ
\_______________
スマソ
誤爆した
361 :
sage:2008/09/28(日) 16:50:29 ID:voGQVL6J0
sage
保守
∧_∧ ____
( ´∀` ) || SS .|
( つ| |
| | | || Hosi|
(__)_)  ̄ ̄
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 名作ショートショートをAA化しよう
\______________
∧_∧ ____
( *´∀` ) || SS .|
( つ| |
| | | || Hosi|
(__)_)  ̄ ̄
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 名作ショートショートをAA化しよーっと。なんちゃって。
\______________
たった一点のAA改変で、自分がいかに下手くそかアピールできるってのはすごいな。
1/11
| 叔母はじき降りてまいります、ナトルさま
| それまでの間、わたくしのようなものでご辛抱おねがいいたしますわ
\____ _____
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∧_∧
i\ ・∀・) i\
|\i つ _ |\i
|\| ⌒) |\ \|
. | ̄ |J | ̄ |
(\ /~~)
\\ / /゙
| || |
ノハヘヽヾ
(ワ` ソ│
と(~g~Oリ
<ハんソ>
(_/_ヽ_)
フラムトン・ナムルは後からあらわれる叔母を不当に無視せず、
目の前の姪を正当に喜ばせるようなことを言おうと努力した
そして、心の中では、こうしてまるで見も知らぬ人たちを、訪問して自分の神経衰弱の
治療の助けになるかどうか、前にもまして覚束なく思った
2/11
| このあたりに、お知り合いはたくさんいらっしゃいますの?
\____ _____
\|
| それが一人もありませんのでね
| 四年前、姉がこちらの牧師館に滞在したことがありますので、
| こちらの方々に紹介状を書いてくれたのです
\___ _____
|/ (\ /~~)
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| || |
∧_∧ ノハヘヽヾ
i\ ・∀) リ(ー` ソ|
|\i つ 0(~g~Oリ |
|\| ⌒) <ソんハゝ|
. | ̄ |J し | ̄ |
3/11
「では、叔母のことはあまりご存知ではないのですね」
「お名前とお所だけですよ」
| 叔母はちょうど三年前に、大きな不幸に見舞われました
| あなたのお姉さまがお帰りになった後なのですね
\____ _____
\|
| 不幸って?
\___ ___
|/ (\ /~~)
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∧_∧ ノハヘヽヾ
i\ ・∀) リ(ー` ソ|
|\i つ 0(~g~Oリ |
|\| ⌒) <ソんハゝ|
. | ̄ |J し | ̄ |
4/11
| 十月の午後だというのに、窓をこんなに開けはなしにしておくのを、
| 変だとお思いになるかもしれませんわね
\____ _____
\|
| 季節にしちゃ、ちょっと寒いですからね。
| でも、あの窓がその不幸と何か関係でもあるのですか
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| |三三三三三| | |i:| |i:| |:| |i:| |:|. | |三三三三三| |
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5/11
「あの窓からちょうど三年前の今日、叔父と叔母の二人の弟が、
猟に出て行きました。そしてそのまま帰ってきませんでした
まちがって沼地に、三人とも呑み込まれてしまったのです
その年は雨の多い夏だったので、今まではなんともなかった場所が、前触れもなしにいきなりくずれたのですわ
死骸はあがりませんでした。それがまたいけないのです」
少女の声は、今までの落ち着いた調子を失い、たどたどしい、人間味をおびた調子になった
| 気の毒に、叔母はそれ以来ずっと、あの人たちと、
| それから一緒に呑み込まれた茶色のスパニエル種の犬とが帰ってきて
| いつも通り、あの窓からはいってくると、思い続けているのですわ
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∧_∧ ノハヘヽヾ
i\ ・Д) リ(´-`i|!;ソ|
|\i つ 0(~g~Oリ |
|\| ⌒) <ソんハゝ|
. | ̄ |J しし| ̄ |
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ですから、窓はすっかり暗くなるまで、毎晩明けたままにしてありますの
| 叔父は白い防水外套を腕にかけて、末の弟ロニーは叔母が神経にさわるというので
| 叔母をからかう時『バーティ、なんでおまえは跳ねるのだ』を歌いながら、出て行ったんですって
6/11
| わたくし、今日のようなひっそりした夕暮など、あの人たちが三人そろって、あの窓から
| 入って来るんじゃないかという気がして、ゾッとすることが───
\_______ _____
\|
/~__)/)
/ ///
| || | ∧(((∧
∧_∧ ノハヘヽヾ ((-∀-゚)))
i\. ;・∀) │ノ;´д`)| (( ))( ((
|\i つ 0(~g~Oリ | /__ヽ))
|\| ⌒) <ソんハゝ| Y 人
. | ̄ |J しし| ̄ | (_)し
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ヴェラでちゃんとお相手できましたかしら
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| とっても面白いお話をうかがいましたよ
7/11
「窓を開け放しにしたりして、お気にかけないでくださいましな
良人と弟たちが、猟からそのまま帰って参ります
そして、いつもあの窓からはいって来るのでございます
今日は沼地でシギ射ちに出かけたのでございますから、
またさぞ敷物をめちゃめちゃにいたしますことでございましょう
男の方って、みなさん同じことでございますわね」
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∧_∧ ∧(((∧
i\ ・Д) ((∀・゚ )))
|\i つ (( ))( ((
|\| ⌒) /__ヽ))
. | ̄ |J しし| ̄ |
彼女は猟のことや、鳥が少なくなったことなどを、陽気に話した
フラムトンにしてみれば、気味悪さでいっぱいだった
彼は必死になって、もっと不気味でない話題へ変えようと努力した
夫人が彼に一片の注意しかはらわず、眼は絶えず開いた窓から、その先の芝生へと移しているのに彼は気がついた
8/11
| ああ、やっと帰って来ましたわ!
| ちょうどお茶に間に合って。それにまるで眼まで泥んこになったみたいじゃございませんか!
\_______ _____
\|
∧_∧ ∧(((∧
i\;・∀・) ((∀・゚*)))
|\i つ ∩∩))( ((
|\| ⌒) /__ヽ))
. | ̄ |J しし| ̄ |
フラムトンはちょっと身震いして、同情をこめた理解を伝えるつもりで姪のほうを見やった
少女は眼に放心したような恐怖を浮かべて、開いた窓から外を見つめていた
(\ /~~)
\\ / /゙
| || |
ノハヘヽヾ
リ(´−`i|!;│
と(~g~Oリノ
<ハんソ>
(_/_ヽ_) ,,
名状しがたい不安に、ゾッとするような衝撃をうけて、フラムトンは座ったまま振り返って、
少女が見てる方向に眼をやった
9/11
濃くなりまさる宵闇の中に、三人の人影が、芝生を横切って窓の方へ歩いてきた
三人とも猟銃をかかえ、一人は白い外套を肩にかけていた
茶色のスパニエルが、三人のすぐ後からついて来た
すぐ薄闇の中から『バーティ、なんでおまえは跳ねるのだ』を歌う、若い、しわがれた声が聞こえた
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: :. :;;;;;;;;;;;;;;;;;;.. 从 θ斤:エh u .:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;
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⌒ ⌒ ....::::::::::.:::.::;: :::... .:::: :::. ..:: :::::::: ;::::::;:;.;:;,;,.,,; ...::⌒
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〜♪ 〜♪
フラムトンは夢中でステッキと帽子をつかんだ
そして、まっしぐらに逃げ出す彼の眼には、玄関のドアも、砂利敷きの車道もぼんやりとしかうつらなかった
−=≡ ∧_∧o━━┛
−=≡ __ ( ;∀;)彡
−=≡ _|___|_⊂ o━━┛
−=≡ ( ⌒)
−=≡ c し'
10/11
「ただいま」と白い防水外套の男が窓からはいりながら言った。
| 相当泥だらけになったが、たいてい乾いたよ
| ぼくたちが来ると、急いで駆け出した男は誰だい
\___ __________
|/
∧_∧ ∧(((∧
彡´・∀・) )) ((-∀-゚)))
/ つ ∪ (( ))( ((
/|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ずいぶん変な方ですわ、ナトルさんとかいって
| あなた方がお帰りになると、さよならとも失礼とも言わず大急ぎで逃げ出しておしまいになるなんて
| あれじゃ、誰だって幽霊でも見たのかと思いますわ
11/11
| わたくし、犬のせいだと思うわ
| 犬が大嫌いだって言ってらしたんですもの。
| ガンジス川の岸かどこかで、野良犬の群に追っかけられて、墓場に逃げ込んで、
| 頭の上で犬が吠えたり、唸ったりしてる間、新しく掘った墓穴の中で、
| 一晩じゅう過ごしたことがあるんですって。恐くなるのもあたりまえですわ
\___ __________
|/
,,
/~__)/)
/ ///
| || |
ノヘハヽヾ +
│ノ ´ワ`)リ +
ノリO~g~)つ +
<ソんハゝ
(_/_ノ
即座に話をつくりだすのは彼女の得意とするところであった
「サキ短編集」
サキ作 「the open window」
GJ!面白かった!!
乙です
恐怖系だと思い込み、見事に作者の術中にはまった俺がいる
女は生まれながらの嘘吐きだな・・・
久しぶりにGJ
1/18
一九〇‐年八月二十日
クラップハム、ペニストン・ロードにて
自分は今、自分の生涯のうちでもっとも特筆しべき日だと思うことを経験したばかりのところだ
ノノ(ヽヽゝ +
+ ( ´一`)
(φ )
 ̄ ̄\三三\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
\
そこで、ことのいきさつがまだ頭の中になまなましているうちに、
なんとかしてできるだけ明細にそれを書きつづっておきたいと思う
まず冒頭に言っておくが、自分の姓はジェイムズ・クレアレンス・ウイゼンクロフトというのである
2/18
今朝、自分は九時に朝飯をたべて、一服やりながら、鉛筆でなにか描きたいものだが、
なにかうまい材料はないかなあと思って、ぼんやりそのほうへ心を向けていた
,-─-、
‖ノノ(ヽヽゝ
|| ( ´一`)
_|| ( VY─┛~
\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_\
.||.i\  ̄ ̄ 、__ノフ \
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\
.|| ゙ヽ i ハ i ハ i ハ i ハ |
.|| ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜^゙||
とびらも、窓もあけっぱなしにしてあるくせに、部屋の中は息が苦しくなるくらいムンムン暑い
この近くで涼しくって気持ちのいいところといったら、
さしづめ公衆水浴場の奥なんかが一番いいだろうなあと考えたとたん、
ふっと画想が浮かび、それから描きだした
3/18
絵づらは、裁判長が判決を下したその直後の、被告席にいる犯人を描いたものである
顔の表情から受ける感情は、完全な放心状態にひとしい愕然のそれである
∧w∧
(゚Д゚i|!;)
| ∪
[ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]
| |
| |
そのからだをささえるだけの力は、いま、この男のどこにもないように見える
4/18
自分はこのスケッチ画をグルグルと筒に巻くと、どうしてそんなことをしたのか
自分でもわからないが、そのままポケットにそれをしまった
それからいい仕事をしたあとの、めったにない幸福感にひたりながら、家を出かけた
ノノ(ヽヽゝ
( ´一`)
( )
∬ 人 Y ∬
. (__ ヽ_) ∬ ∫
家を出かけたのは、トレントンのところをたずねてやろうという下心があったのだと思う
でこぼこに波を打ってるのがはっきり目に見える、ほこりっぽいアスファルトの舗道から、
むんむんあがってくる猛烈な暑さであった
5/18
空き地からのんきな口笛の声にまじって、槌の音、たがねで石を打つ音がきこえてくる
自分はなんの気もなしに、ズカズカ中へ入っていった
∧w∧
.-‐‐( )
| ⊂ ヽ
| ( _ @
ノノ(ヽヽゝ
(一` )
一人の男がこちらへ背を向けて、美しい縞目の大理石の薄板を前にして、
余念無く仕事をしていた
6/18
その男が自分の足音をききつけて、クルリとこちらへ向きをなおしたとたんに
自分はアッといってそこに立ちすくんでしまった
从
ノノ(ヽヽゝ
∧w∧ 彡 (´一` ;)
.-‐‐( ゚Д) ( )
| ⊂ ヽ | | |
| ( _ @ (_(__)
その男は。さっき自分が絵にかいた男であった
もっとも顔は同じだが、表情は絵とまるっきりちがう
7/18
| 表はどこを見ても暑くて、ギラギラしててね
| ちょうどここは砂漠のオアシスみたいだったもんだから
\_______ _____
\|
| オアシスなんて知らないがね
| とにかく、まったく暑いや
| まるで焦熱地獄だね。まあ、そこへおかけなさいな
\_______ ______
|/
ノノ(ヽヽゝ
∧w∧ (´一` )
.-‐‐( ゚Д) ( )
| ⊂ ヽ | | |
| ( _ @ (_(__)
8/18
「あんたのいま彫ってる石、そりゃあ美しい石ですねえ」
「こいつは展覧会へ出すんでさ といったって本気にゃなさるまいが、ほんとうなんです
絵描きさんは展覧会をひらく 八百屋や肉屋だって、品評会ってもんがある
石屋だってありまさあね。どうです、これ、なんとおぼし召すね?」
ノノ(ヽヽゝ
∧w∧ (´一` )
.-‐‐(Д゚ ) ( )
| ⊂ ヽ (^⌒_ノ_
| ( _ @ しし ((@)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
石屋はどうだと言わんばかりのようすをして言った
9/18
ジェイムズ・クレアレンス・ウイゼンクロフト
一八六〇年一月十八日生
一九〇‐年八月二十日頓死
生のただなかに死はつねにあり
10/18
自分がそのときはじめて読んだ墓碑銘、上のようなものであった
自分は腰をおろしたまま、しばらく黙っていた。ゾッとする冷たい戦慄が背すじを走った
自分は石屋に、あんた、この名まえをどこで見たかといってたずねた
ノノ(ヽヽゝ
∧w∧ (´一`i|!)
.-‐‐(Д゚ ) ( )
| ⊂ ヽ (^⌒_ノ_
| ( _ @ しし ((@)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「なーに、どこでも見てやしませんよ
なにか名まえがほしいと思ってね、いちばん最初に頭に浮かんだ名まえを彫ったんでさ
どうしてまたそんなことをおたずねです?」
「ふしぎな暗合だな。ぼくの名まえがそれなんだ」
「で、日付は?」
11/18
| 日付たって、片っぽしか────
| つまり生まれたほうしか答えられないが、ちゃんと合ってる
\_______ _____
\|
| みょうなことがあるもんだね
\_______ ______
|/
ノノ(ヽヽゝ
∧w∧ (´一` ;)
.-‐‐( ゚Д) ( )
| ⊂ ヽ (^⌒_ノ_
| ( _ @ しし ((@)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
みょうどころの話ではない。自分のほうがまだもっと知っていることがある
自分はけさ自分の描いた絵のことを話した
12/18
そしてポケットからその絵を出して、石屋に見せた
するとその絵を見てるうちに、石屋の相好がだんだん変わってきて、しまいに自分の描いた男の顔にますます似てきた
∧w∧
(゚Д゚i|!;)
|口とヽ
(____)
「つい一昨日のことだったが、わたしゃ家内に幽霊なんてものはねえって話したばかりなんだがね」
13/18
| あんたね、たぶん前にぼくの名まえを聞いたことがあるんだよ
\_______ _____
\|
| いや、そういうあんたも、どこかできっとわたしのことを見かけたことがあるんだね
| そいつをつまり忘れていたんだよ、きっと。あんた、この七月にクラクトンの浜にいましたかい?
\_______ ______
|/
ノノ(ヽヽゝ
∧w∧ (´一` )
.-‐‐( ゚Д) ( )
| ⊂ ヽ (^⌒_ノ_
| ( _ @ しし ((@)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
自分はクラクトンへは生まれてからまだいちども行ったことがない
二人はしばらく黙っていた
「どうですい、中へあがって夜食でもやりましょうゃ」
14/18
妻君というのは明るい小作りな女で、田舎育ちらしいカサカサした赤いほっぺをしていた
石屋は自分のことを友達の絵描きさんだといって妻君にひきあわせた
ノノ(ヽヽゝ ∧w∧
( ´一`) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ (゚ー゚* )
( )/旦 \|旦とヽ
しばらくして庭へ出てみると、石屋はさっきの墓石に腰をかけて一服やっていた
∧w∧
( ゚Д゚)
と つ─┛~
.-(_/~),
| _し'J
| ─ |
「こんなこと言うのは失礼だけど
あんた、なにかの裁判にかけられるようなことをしたおぼえがありますかい?」
15/18
| わたしゃ見代かぎりをした人間じゃありませんぜ
| 商売のほうは、けっこう繁盛してます
| そう、三年前だったな、クリスマスに貧民保護の委員に七面鳥をあげたが、
| まあそんなことぐらいだね、思いあたるのは。あんた、おすまいはどこだね?
\_______ ______
|/
∧w∧
( ゚Д゚)
と つ─┛~
.-(_/~),
| _し'J
| ─ |
自分は宿をおしえた
ここからだと急いで歩いても、家まで帰るのに一時間はかかる
16/18
| そーらね、そういうわけだ。まあ、おたがいに物事はまともに見ることにして、あんた、
| 今夜もし家へ帰んなさると、思わぬ怪我をしなさるよ
| 馬車にひかれるとか梯子が倒れるなんてことはまあないにしても、バナナの皮、ミカンの皮
| こりゃどこにでもあるからね
\_______ ______
|/
∧w∧
( ゚Д゚)
と つ─┛~
.-(_/~),
| _し'J
| ─ |
六時間前の自分なら一笑に付したであろう、そんなばかげたことを石屋は大まじめで話した
でも、いまの自分は笑わなかった
「いちばんいいことはね
今夜十二時まで、あんた、ここにいることだよ
どうです、上へあがって一服やりましょうや
家ン中なら、ちっとは涼しいでしょうから」
意外なことに、自分は石屋の言うなりに従ったのである
17/18
自分と石屋はいま、軒の下屋の細長い天井の低い部屋にすわりこんでいる
いましがた石屋は妻君を先に寝かし、自身は小さな砥石でせっせと鑿を研いでいる
∧w∧
( ) +
@ / ⊃━─
( __ ) [ ̄]
自分はあけ放した窓の前のガタガタなテーブルにむかって、いまこれを書いている
テーブルの足が一本ぐらぐらしている。石屋は道具を持たせたら名人だろうから、
いま研いでいる鑿が研ぎあがったら、それでテーブルの足をなおすつもりなのだろう
ノノ(ヽヽゝ
( ´一`)
(φ )
 ̄ ̄\三三\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
\
18/18
もう十一時過ぎである。あと一時間たらずで自分はこの家を出る
とにかく、息がつまるような暑さだ
この暑さじゃ、人間の頭だってたいがい変になる
ノノ(ヽヽゝ
( ) \
\三と.iニニi \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\|__| ̄ ̄ ̄||
| | ||
∧w∧
(;;;::::.... )
/;;;::::....|
「怪奇小説傑作集1」
W・F・ハーヴィー作 「august heat」
乙!
最後の後ろ姿がいいねえ。
新年オツカレー
404 :
1/1:2009/01/11(日) 20:38:44 ID:jJaTk0xu0
ある日ジョンはパブで論理学の教授と出合った。
ジョンが論理学とはどんなものかとたずねると、
教授はでは実際にやって見ましょうといい、質問を始めた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| きみは芝刈り機を持ってるかい?
\_ __________________
| / /
∨ | いいや、持ってないぜ。それがどうかしたのかい?
日 ▽ U\_ ________________
≡≡≡≡≡ | /
____ [] ∨目
__B■∧____∧_∧___
(,, ゚Д)日. (∀・ )∇
― / つ――と )―――
\(___ノ (____ノ
━┳━ ━┳━
 ̄ ┻ ̄ ̄ ̄ ̄┻ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
| \
/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| と言うことはジョン、君はホモだな!
\___________
____
__|____|__ ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( 》 ゚Д゚) < 悪いがそれはガイシュツなんだわ
( '⌒つ ) \_____________
/ / /
(___)__)
>>276-288 ( 》 ゚Д゚) ヽヽヽ < ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( )つ┬──┬ | ほらな?
| || └──┘ \_____
(___)__)
それ以前に同じネタがいくつもこのスレに投稿されたのも知ってるさ
いきなりオチというのはめずらしい
─━ 靴箱の前に男物の靴が一足出ていたので母さんに訊いた ━─
┌─────────
|この靴はどなたの?
└───/─────
┌────────────────
│何を言っているの?父さんのじゃない
└──\──────────────
∧∧ ./_____/|
(*゚ー゚) /∧ | | | |
___(l^!{^)______(- ゚* )_________.| 。| 。 | |
ノ_j,|__ゝ i つ / |__|__|/
し' J ∪ J / /
./ /どつ
___________________/ / どつ
|/
┌─────
│……そうね
└──/───
∧∧ /_____/|
(*゚ー゚) ∧ヘ .| | | |
___(l^!{^)_____ ( *゚ -)_________ | 。| 。 | |
ノ_j,|__ゝ 〜 U i / |__|__|/
し' J (/ J ./ /
./ /どつ
___________________/ / どつ
|/
─━ 母さん大丈夫かしら。とっくにいない人のことなんか。 ━─
─━ 靴箱の前を通りかかると娘が訊いた ━─
┌─────────
|この靴はどなたの?
└───/─────
┌────────────────
│何を言っているの?父さんのじゃない
└──\──────────────
∧∧ ./_____/|
(*゚ー゚) /∧ | | | |
___(l^!{^)______(- ゚* )_________.| 。| 。 | |
ノ_j,|__ゝ i つ / |__|__|/
し' J ∪ J / /
./ /どつ
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┌─────
│……そうね
└──/───
∧∧ /_____/|
(*゚ー゚) ∧ヘ .| | | |
___(l^!{^)_____ ( *゚ -)_________ | 。| 。 | |
ノ_j,|__ゝ 〜 U i / |__|__|/
し' J (/ J ./ /
./ /どつ
___________________/ / どつ
|/
─━ 娘は時々同じ質問をする。まるで父さんなんていないとでも言いたげに。 ━─
┌─────────
|この靴はどなたの?
└───/─────
┌────────────────
│何を言っているの?父さんのじゃない
└──\──────────────
∧∧ l二二l__ /_____/|
(*゚ー゚) /∧ (,,゚Д゚) | | | |
___(l^!{^)______(- ゚* )____ (_||__||)__..| 。| 。 | |
ノ_j,|__ゝ i つ .| ゚T゚| / |__|__|/
し' J ∪ J .し' J / /
./ /どつ
___________________/ / どつ
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┌─────
│……そうね
└──/───
∧∧ l二二l__ /_____/|
(*゚ー゚) ∧ヘ (,,-д) | | | |
___(l^!{^)_____ ( *゚ -)____ (_||__||)__ | 。| 。 | |
ノ_j,|__ゝ 〜 U i | ゚T゚| /..|__|__|/
し' J (/ J .し' J ./ /
./ /どつ
___________________/ / どつ
|/
─━ 妻と娘がまたおかしな会話をしている。 ━─
─━ 靴箱の前に立っている私の、足元だけ見つめながら。 ━─
ショートショートの広場20より
「靴」 やまちかずひろ
でした。
嗚呼・・・・・・
otu
おとうさん…
いつの間にか新作ラッシュが来てたのか
どいつもこいつも良作だ
靴が無いから実は妻と娘は死んでいると考えたら・・・
ふとこのスレのことを思い出した保守
信じようと、信じまいと―
∧_∧
(´∀` )
(. /と )
/ ̄[] ̄ ̄/三/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
北海道1966年2月4日、千歳空港に向けて乗用車で
走行中の家族があった、その日の不思議な出来事
. , ,――──,──― 、
___. // ∧∧ // ∧∧. ||. \____________
__[//__(゚_*_,//[ ]゚Д゚,,)_|| _ \__ ______
lロ|=三= |ロロ゚| ̄ ̄ | ̄ ̄∪ :|  ̄ ̄ ̄||  ̄ ̄ ̄───__
| ∈口∋ ̄_l__l⌒l____|___l⌒l__|| ̄ ̄ ̄__───
 ̄ ̄`ー' ̄ `ー' `ー' `ー'
──────────────────────────
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
空港まではほぼ一本道であるはずなのに
ずっと進むといつのまにか逆方向を走っているのだ
, ――─ 、、───、‐ 、
___________/ |煤ネ∧. \\∧∧ \\____
__/__,||_(;゚Д゚[ ] \\_;゚)__\\]_
___ ___ || | ∪ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|゚ロロ|=三=|ロ|
____ ̄ ̄ ̄ ||__l⌒l___|____l⌒l____,l_ ̄∈口∋ |
─── ̄ ̄ ̄_ `ー' `ー' `ー'  ̄`ー' ̄ ̄
───────────────────────────
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
何度向きを変えても、元の場所へと戻されてしまい
結局予約した飛行機を乗り逃してしまった
, ――─ 、、───、‐ 、
___________/ :|| ∧∧ \\∧∧ \\____
__/___||_(;‐Д[ ]\\;‐).__\\]_
___ ___ || | ∪ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|゚ロロ|=三=|ロ|
____ ̄ ̄ ̄ ||__l⌒l___|____l⌒l____,l_ ̄∈口∋ |
─── ̄ ̄ ̄_ `ー' `ー' `ー'  ̄`ー' ̄ ̄
───────────────────────────
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
しかし乗り損なったそれは、その日に東京湾へ
墜落した羽田沖全日空遭難事故の機体であったという。
∧∧て
(;゚Д゚). ∧∧て
____(つ日)____(゚ー゚;)
/ \ ____と. )
.<\※ \______|i\___ヽノ〜
ヽ\ ※ ※ ※|i i|.====B|i.ヽ
\`ー──-.|\.|___|__◎_|_i‐>
 ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄|
\|____|〜
小松左京氏と星新一氏が鍾乳洞に出かけた。
∧_∧ ∧☆∧
(,,`o-o´). (,, ´∀`)
( ) ( )
| | | . | | |
(__)_) (__)_)
429 :
2/5:2009/04/02(木) 03:53:29 ID:DBoHtwpc0
γ;;;";;;~゙;;:;;:::Y~;;::;;;''";;::;;;;⌒/;;::;~;;;v;;;;;ヽ,,
;;::;;ヽ;;;l;::;::::;;;;/;;::;;/;;;;::;;;、;;l;;::;;;);;;:::;;;;√;;;:)
;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;/;;;;;::;;ヽ;;;:::へ;;;::>;;::::;;ソ;;Y;;
:;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;√;;::::人;;:::l;;::;;::;;::<出口>;;::;;>::
;;;::人:;;;;;::ヾ;;::::;;V;;;:::;;)~;;;:::;;;/iiii!:::..l;;::;;ヽ;;>:
;;::::;;;);;;:::;Y;;;;::..;;ヾ;;;:::(;;:::::;;;ゞiiiii!i!:::.:.l;;:::/;;:ヽ
v:::::::::;;;;:y;;::;;;;:ノ;;;:::::;;<;;;::;;;;liiiiii!i!::::..:...l;;-;;::~v;;>
√;;;::::::/;;:::::ヽ;;:::::vヾ;;;::::ノiiiiii!i!::::..:.....l;;::::;;ヽ;;)
;;、;;;llv;;;v::~::;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;::liiiiiiii!i!:::..:.......l;;;:::::ノ;;l---------------
;;::::;;Y;;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;;;::ノiiiiii!i!i::::..:........l;;;::ヽ;;::l ◎
;;:::::ノ;;;:::::::√;;::::人;;::::ノiiiiiii!i!i!:::::::........(;;;:::/;;;::> ヾ|ノ
"-~゙`ー-'"-、-"ー"゙~~''''''''''''''''''''''''''''''''ー-"ー"゙~
∧_∧
.(`o-o´,,) ∧☆∧
と と )─-,、 (∀` ,,)
( ( )-- l ( )
し´ し´ー-─' .| | |
. (_(_,,)
見物を終えて、外で休んでいると、
430 :
3/5:2009/04/02(木) 03:55:52 ID:DBoHtwpc0
γ;;;";;;~゙;;:;;:::Y~;;::;;;''";;::;;;;⌒/;;::;~;;;v;;;;;ヽ+ +
;;::;;ヽ;;;l;::;::::;;;;/;;::;;/;;;;::;;;、;;l;;::;;;);;;:::;;;√γ⌒ヽ
;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;/;;;;;::;;ヽ;;;:::へ;;;::>;;::::;ソ(,, ´Д`) +
:;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;√;;::::人;;:::l;;::;;::;;::<出口/⌒ ヽ
;;;::人:;;;;;::ヾ;;::::;;V;;;:::;;)~;;;:::;;;/iiii!:::::.| | | |
;;::::;;;);;;:::;Y;;;;::..;;ヾ;;;:::(;;:::::;;;ゞiiiii!i;;:::ノ \\./.| |
v:::::::::;;;;:y;;::;;;;:ノ;;;:::::;;<;;;::;;;;liiiiii!i!::::/ .\\.| |
√;;;::::::/;;:::::ヽ;;:::::vヾ;;;::::ノiiiiii!i!::./ /⌒\し'(ノ
;;、;;;llv;;;v::~::;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;::liiiiiiii./ /;; ;;;;> )-------------
;;::::;;Y;;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;;;::ノiiiiii!/ /;; ;;;;;;;/ / ◎
;;:::::ノ;;;:::::::√;;::::人;;::::ノiiiiiii!i!し';; ;;;;;;;(_つ ヾ|ノ
"-~゙`ー-'"-、-"ー"゙~~''''''''''''''''''''''''''''''''ー-"ー"゙~
∧_∧
ミ,, `o-) ∧☆∧
と と )─-,、 .ミ ,,)
( ( )-- l ( )
し´ し´ー-─' .| | |
. (_人_)
出口からお坊さんが出てきた。
431 :
4/5:2009/04/02(木) 03:58:26 ID:DBoHtwpc0
すると星氏は
γ;;;";;;~゙;;:;;:::Y~;;::;;;''";;::;;;;⌒/;;::;~;;;v;;;;;ヽ そ
;;::;;ヽ;;;l;::;::::;;;;/;;::;;/;;;;::;;;、;;l;;::;;;);;;:::;;;√γ⌒ヽ て
;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;/;;;;;::;;ヽ;;;:::へ;;;::>;;::::;ソ(,,´Д`,)
:;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;√;;::::人;;:::l;;::;;::;;::<出口/⌒ ヽ
;;;::人:;;;;;::ヾ;;::::;;V;;;:::;;)~;;;:::;;;/iiii!:::::.| | | |
;;::::;;;);;;:::;Y;;;;::..;;ヾ;;;:::(;;:::::;;;ゞiiiii!i;;:::ノ \\./.| |
v:::::::::;;;;:y;;::;;;;:ノ;;;:::::;;<;;;::;;;;liiiiii!i!::::/ .\\.| |
√;;;::::::/;;:::::ヽ;;:::::vヾ;;;::::ノiiiiii!i!::./ /⌒\し'(ノ
;;、;;;llv;;;v::~::;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;::liiiiiiii./ /;; ;;;;> )-------------
;;::::;;Y;;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;;;::ノiiiiii!/ /;; ;;;;;;;/ / ◎
;;:::::ノ;;;:::::::√;;::::人;;::::ノiiiiiii!i!し';; ;;;;;;;(_つ ヾ|ノ
"-~゙`ー-'"-、-"ー"゙~~''''''''''''''''''''''''''''''''ー-"ー"゙~
∧_∧ .∧☆∧ 、_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_,
Σ ,, ;`o-) (,,, ´∀)) < やや!鍾乳洞から大入道が出てきた! (
と と )─-と ノ ) これが本当の「大は小を兼ねる」だーッ!(
( ( )-- / /> > ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒`
し´ し´ー-(,,_)(,,_)
・・・とはやし立てた。
432 :
5/5:2009/04/02(木) 03:59:37 ID:DBoHtwpc0
さすがの小松氏も驚いて
γ;;;";;;~゙;;:;;:::Y~;;::;;;''";;::;;;;⌒/;;::;~;;;v;;;;;ヽ
;;::;;ヽ;;;l;::;::::;;;;/;;::;;/;;;;::;;;、;;l;;::;;;);;;:::;;;√γ⌒ヽ
;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;/;;;;;::;;ヽ;;;:::へ;;;::>;;::::;ソ(# ´Д`)
:;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;√;;::::人;;:::l;;::;;::;;::<出口/⌒ ヽ
;;;::人:;;;;;::ヾ;;::::;;V;;;:::;;)~;;;:::;;;/iiii!:::::.| | | |
;;::::;;;);;;:::;Y;;;;::..;;ヾ;;;:::(;;:::::;;;ゞiiiii!i;;:::ノ \\./.| |
v:::::::::;;;;:y;;::;;;;:ノ;;;:::::;;<;;;::;;;;liiiiii!i!::::/ .\\.| |
√;;;::::::/;;:::::ヽ;;:::::vヾ;;;::::ノiiiiii!i!::./ /⌒\し'(ノ
;;、;;;llv;;;v::~::;;^:;;:ノ;;::;;;;:::;::liiiiiiii./ /;; ;;;;> )-------------
;;::::;;Y;;;:::;ヽ;;;;;;;;:ヽ;;:;:;;;;::ノiiiiii!/ /;; ;;;;;;;/ / ◎ +x_
;;:::::ノ;;;:::::::√;;::::人;;::::ノiiiiiii!i!し';; ;;;;;;;(_つ ヾ|ノ ∧☆∧ .'
"-~゙`ー-'"-、-"ー"゙~~''''''''''''''''''''''''''''''''ー-"ー"゙~_ ヽ(´∀` *)7 ワーイ
∧_∧ /`ヽJ ,‐┘ ワーイ
. (,, ;`o-) ´`ヽ、_ ノ "
,,-ー─-,、 / つ `) )
| --- l ( /
`ー--─' (_(,,_)
/(
/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| これ、星ちゃん、およしよ .|
| およしってば |
と制止したものの聞く耳持たず。
お坊さんは怖い顔で二人をにらんでいたという(実話)。
〜終わり〜
出典は星氏の本のどれか。
マジかw乙
おちゃめだなwww乙
保守
昔はSF作家同士仲がよかったと聞くが、
こういうこともあったんだなぁw
名前は見なかったことにしておいて。
>>437 小松・星・筒井・平井あたりはプライベートでも仲がよくて、しょっちゅう
一緒に飲みに行ったりしてたからね
銀座に行き着けのバーもあったというし
そのへんのアホ話から派生した短編なんかもわりとある
hosyu
筒井康隆氏が作家になったばかりで、まだあの狂気のような作風じゃなかった頃。
| :| [BAR] . |ニl /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| .| | .|
| :| | | | /. ;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; \ | | .|
| :| | |_| ∧∧ .\|_| .|
| :| |_| (*゚д゚) \ ..|
| :| | /つ筒つ .\|
| :| / ( / \
| :| / し`J ∧☆∧ \
|_ .| ∧_∧ (∀` *)
|/|_ | (,,*`o-o) ( )
|//|_|/ と つ | |\ \
|//::.. | | | (_,,) (,,_)
|/::.. (_(_,,)
|::...
/
/
星新一氏、小松左京氏そのほかと大阪で飲む機会があった。
かなり飲んだ後、何か食べようと地下のレストランで
カレーなど食べ始めた。
(⌒) ̄ ̄ ̄∧∧ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .∧☆∧ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ (*゚д゚) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(* ´〜`) ̄ ̄..|
| | / つ つ ( ー=と) |
| | |\ ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄\
| |__ \\ \
| |\ .\\ 且 (;;;;;;_) \
|__| \ |\\__ ∧_∧ ___________\
\ | .|.|| \|⊂2(o´* ) |
\| .|.|| (⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
442 :
3/9:2009/07/16(木) 06:13:19 ID:KX3GYmsy0
すると、突然立ち上がる筒井氏。
.∧∧ ガタッ
(⌒) ̄ ̄ ̄ (*゚д゚) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.∧☆∧ ̄ ̄ ̄) / ̄\
| | ̄ ̄ ̄il / し J ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´∀` *) ̄ ̄..< ? |
| | ili ( ) ( ー=と) |\_/
| | |\ ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄\
| |__ \\ \
| |\ .\\ 且 (;;;;;;_) \
|__| \ |\\__ ∧_∧ _ / ̄\ ______,,\
\ | .|.|| \|⊂2(o´* ) .< ? | |
\| .|.|| (⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \_/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
443 :
4/9:2009/07/16(木) 06:15:25 ID:KX3GYmsy0
、_)\ ヽ、_人/WヽノしLノ( / ,
\ _) `-' ) しr_ノ (_//_
ヽ` ( ) >
< ,, ( ) (
、_) ゙ミ;;;;;,_ ( て
\ ミ;;;;;;;;、;:..,,.,,,,, <
`) i;i;i;i; '',',;^′..ヽ (_
 ̄) ゙ゞy、、;:..、) } >
ヽー' .¨.、,_,,、_,,r_,ノ′ <
Z /;:;":;.:;";i; '',',;;;_~;;;′.ヽ `フ
_ノ ゙{y、、;:...:,:.:.、;:..:,:.:. ._ 、} (⌒
て ".¨ー=v ''‐ .:v、,,、_,r_,ノ′ そ
) /;i;i; '',',;;;_~⌒¨;;;;;;;;ヾ.ミ゙´゙^′..ヽ (
< ゙{y、、;:...:,:.:.、;、;:.:,:.:. ._ .、) 、} \
_ノ_ ".¨ー=v ''‐ .:v、冫_._ .、,_,,、_,,r_,ノ′ /⌒
_) /i;i; '',',;;;_~υ⌒¨;;;;;;;;ヾ.ミ゙´゙^′.ソ.ヽ て_
> ゙{y、、;:..ゞ.:,:.:.、;:.ミ.:,:.:. ._υ゚o,,'.、) 、} (
< ヾ,,..;::;;;::,;,::;):;:;:; .:v、冫_._ .、,_,,、_,,r_,ノ′ > ※お食事中の方には大変申し訳ありませんが
) < 実話なので辛抱してください。
/⌒//^)/⌒V´Y⌒y'^) r-、(⌒ヽ∧(ヽ(^ヽ\⌒\
/ . // ` ヽ \
.∧∧ ∩ '"
(⌒) ̄ ̄ ̄ (*゚∀゚)ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.∧☆∧  ̄ ̄)/ ̄\
| | ̄ ̄ ̄ / し筒/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´Д` ;) ̄ .< !! |
| | ( ノ ( ー=と) |\_/
| | |\ ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄\
| |__ \\ \
| |\ .\\ 且 (;;;;;;_) \
|__| \ |\\__ ∧_∧ _ / ̄\ ______,,\
\ | .|.|| \|⊂2(o゚ ; ) .< !! | |
\| .|.|| (⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \_/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
444 :
5/9:2009/07/16(木) 06:17:21 ID:KX3GYmsy0
・・・筒井氏、突如下ネタトーク開始。
これが長い。しかも極端かつリアル。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| // |
| / .人 |
| / (__) .|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/ ∩(____) .|  ̄ ̄ ̄\
| ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ + . | .|( ・∀・)_ | |
| + 人 人 人 +. |,./ | ヽ/ ..| |
| (__) (__) (__) | ̄ ̄ ̄"∪ /::\ .|
| + (__) (__) (__) + | ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄:::::::;;;;;;;) .|
| + ( __ ) ( __ ) ( __ ) + .| \_―― ̄ ̄::::::::::\ _|
| ( ´∀`∩ (´∀`∩) ( ´∀`),, | ノ ̄ ::::::::::::::::::::::) |
|(( (つ ノ (つ 丿 (つ つ )) + .|/ ̄――――― ̄ ̄::::::::\..|
| ヽ ( ノ ( ヽノ ) ) ) .| ::::::::::::::::::::::::::::::::)|
| (_)し' し(_) (_)_) |\__::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ |
\_____ ___________/ ___ _______/
∨ )ノ
∩
,,∩∧∧ミ
(⌒) ̄ ̄ と`(*゚∀゚)'つ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧☆∧  ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ シ 筒 /´  ̄ ̄ ̄ ̄ (´Д` ;)オエエ...
| | ( ,ノ と と / |
| | |\ ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄ ̄ ̄(;;;;;;_) ̄且 ̄\
| |__ \\ \
| |\ .\\ 且 (;;;;;;_) \
|__| \ |\\__ ∧_∧ ___________\
\ | .|.|| \|⊂2(o´;ill ) |
\| .|.|| (⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
おしゃれで好男子の筒井氏が、直立不動の大真面目でそんな話をえんえんと続ける。
それはこの世のものとは思えない光景だったという・・・。
445 :
6/9:2009/07/16(木) 06:19:02 ID:KX3GYmsy0
話の内容はあまりにもあんまりなので文字にすることは到底出来ない・・・
______
|\_~三三三\
| |  ̄ ̄ ̄ ̄|
| | ベト . |
| | ナム ..|
| | 観光 |
| | 公社 |
\_| ____|
`´
と言いたいところだが、この内容は後に「最高有機肥料」という作品になった。
好奇心のある方はお読みになるといい。カレーでも食べながら。
446 :
7/9:2009/07/16(木) 06:20:51 ID:KX3GYmsy0
その後彼は世界でも類を見ないような、妄想の権化のごとき作品を次々発表。
┌───┐
|脱走 | ,,┌───┐
うっひょう. | 追跡 ミ -=≡俗物 ..|
└○ミ、 ゙ | 図鑑 | ┌───┐
┌──┐.∧ ∧ ○ └───┘ |発作 |
|ベ観 .| (,,゚ ∀。) )))'´\ -=≡三 作品.|
| 公 ⊂ 筒 ○' アフ ,> └───┘
└──┘⊂_ /< リカ ,/
ソ ヽ、/
ならば、その酒癖もそれにしたがってすさまじく・・・
∧☆∧ ? \ ∧ ∧ /
(,, ´Д`) (^д^,,) ギコハハハ
( ) ─ と 筒 つ ─
| | | | |
(,,_)_) / . ∪^∪ \
・・・ならなかった。その後筒井氏のそんな姿を見ることは二度となかった。
447 :
8/9:2009/07/16(木) 06:22:13 ID:KX3GYmsy0
作品内に狂気を封じ込める方法を見つけたのだろうか。
| ||;;|||;;| ||;;|||;;||___ | ) ( |::Jazz:::|
| ||;;|||;;| ||;;|||;;|| [][][]|( ) | ;;;;;;;;;; |
_|三三三三 三三三三三三三三||  ̄ ̄ ̄
/|
,/ :| ∧☆∧ ∧∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄( ´Д) ̄ (д-;) ̄< ふざけた手紙や電話が来て・・・
__ / つ_と ヽ__\____________
( ⌒) / 〜
━┳━ ノ (━┳━ ━┳━ ━┳━
彼自身もあまりに作品と同一視されるといって迷惑していた。
実際の彼はとても育ちが良くて、気持ちよく同席できる人物なのだ。
448 :
9/9:2009/07/16(木) 06:24:40 ID:KX3GYmsy0
しかし、ふと目の前の人物があんな小説を書くやつだと思い出すと、
P/||仝/ ||/ . /|| / / ∧☆∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. /.||. /.__|| .g/ .||. / / (´Д` ) 。o ○| あの頭、どっかで異次元とつながってるんじゃ・・・
/ ||/ .∩/||Д/ ||/ / 目⊂ ) .\________________
_.|| .‰/ .||. / .|| / ∧ ∧___)~]
E/||&/ ||/ / / (Д゚ ,,)┳~ などと思う。
../ ||. /.__|| / / 日と \/
/ ||/ .U/|| / / /( r┳
_.|| .日/ .||./ / / `..┃
8/||凸∩∧_∧ / /::. ┻
../ || ./.| ( ) / / ̄ ̄」
/ ||/ .ヽ( ○ )/ /_|.┃~
_.|| / | | |./ . /. ┻
0/||. / (__)__/ . / オワリ
出典は星氏のエッセイ「きまぐれ暦」
乙
カレー
久々の作品じゃあ!乙!
きまぐれ暦読み直してみるかなぁ
おつ
乙でした!
1/10
2年ほど前私が引退しようとしていた頃のことでして、郊外の方にささやかな別荘でもと思って物件を捜しはじめました
そう簡単に見つかるものでもなく、10軒以上の物件を見てまわってようやく、アムハーストの不動産屋で望んでいたとおりのもの
を見つけることができました。街から2マイルほど離れたところにある小さな村の中のウェル・コテージというものでした
| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|
| ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|
~~"~~"~~"~~""~~"
井戸があったのは、その庭の端でした。もちろん、長い間使われていないもので、ただ、
それがあるせいで、ちょっと独特の面白い雰囲気になっていました
まあ、そんなふうに思っていたのです
2/10
4月の晩のことでした
もう暗くなりかけていましたが、わたしはまだ庭に腰を下ろしていました
その日は1日陽射しが強く、室内へ入ろうと思うほど寒くなってはいなかったからです
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡y─┛~
ミ ミ __ ∧ ∧
ミ ミ 〜´ティブルス(,,゚Д゚)
,.wW,, ,ww,, | ̄ ̄|JJ ∪∪ ̄ ̄U U ,,.,、 ,.wYw,,.
''"´''"''''゙'"''"`'''""`"゙゙'''"''''''"´'''"""''"`''''''"`""''''``''‐'''''"`゙゙"''''``''''"´''"''''
猫が井戸の方をじっと見つめているのに気がつきました
わたし自身は、猫が警戒しているものは全然見えませんでしたが。
わたしは立ち上がって庭の端へと歩きました
ティブルスについてくるように言ったのですが、一歩も動こうとはしませんでした
3/10
井戸の近くへ歩いていくと異常なまでの恐れと寂しさを意識しはじめ、
それがあまりにも生々しく激しいものだったので、井戸そのものから立ちのぼる強い悪臭のように感じられました
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::
:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;; ∧,,∧ ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::;;;;;; ミ゚Д゚i|!彡 ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::: ミ ミ) ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ミ ミ ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄| し`J ;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::
~~"~~"~~"~~""~~"
堪えがたいほどのものだったので、急いでそこを離れました
井戸から遠ざかると、その恐ろしい感覚は消えました
穏やかな4月の晩に戻ったわけです
4/10
その3週間ほど後にまたあったのです
今度は、最初の晩にティブルスが見たに違いないものをわたしも見ました
溺れた婦人を見たのです
:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::
:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;_ ;;;;;;;;;;:::::::::::
:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;,' ,ノハヽ;;;;;;;;;;:::::::::::
:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;川;;:::゚リ ;;;;;;;;;;:::::::::::
:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;/ ii=ii| ;;;;;;;;;;:::::::::::
::::::::;;;;;;;;;;;;;;| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|;;;;;;;;;;:::::::::::
::::::::;;;;;;;;;;;;;;| ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|;;;;;;;;;;:::::::::::
~~"~~"~~"~~""~~"
服が水でびしょぬれになっているのが見えました
その黄金の髪、肩にぺたりと垂れていて、目は盲目のぬれた眼差しでわたしの方にじっと注がれて、見るも恐ろしいものでした
見えない霧のようにその人を取り巻いている、恐怖と不幸の感覚を、わたしはまた強く感じたのです
この衝撃的な姿がどれくらい見えていたのか、わたしにはわかりません
でも、とうとうそれは消えて、それに伴う邪悪な感覚も一緒にどこかへ行きました
5/10
翌朝直ちに、バスに乗ってアムハーストへ行き、不動産屋に会いました
ウェル・コテージについて気持ちが変わったので、できるだけ早く手放したいと告げました
引退後の静かな年月を全く知らない女の幽霊で台なしにされたくはなかったのです
| 何か特別な理由でも?
\___ __________
|/
| 期待していたような雰囲気でなかったというところがちょっと
\_______ _____
\|
. __ ∩-∩
ヽ| ・∀|ノ /◎\
============================ ∧,,∧
_____________ノ ミ,,゚Д゚彡
. ┏━━┓ ┏━━┓ | ミ ミ
━┳━ ━┳━ | ミ ミ
------┻---------.┻───┘ し`J
6/10
数日後、若い男が下見をしたいとやってきました
コテージを見るとずいぶんと喜んでいるようでした
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : //:.:. :.:.:. : ((.,_,.)):.:.:.:. :. ...::ヘ:. :. :. .: ::. :. :. :. :. :. .: ::. :. :. :. :. :. .: ::. :. :. :. :. :. .: ::
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : //:.:. :.:.:. :.:. :.:. :.: .: .:: .:.. :. .:.. :.ヘ:. :. :. .: ::. :. :. : ____________
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : //:.:.:.:.:======‐ヽ:.::.::.:.:..ヘ:. :. :. .: ::. :. :. ヘ,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_
::: : : : : : : : : : : : : : : : : //:.:.:./,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,\ ヽ. ::.:..: ヘ:. :. :. .: ::. :. :. ヘ,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,,
‐- 、::::::::::::::::::::::::::::::::::://:.:/,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_\ ヽ: :. .:.ヘ:. :. :. .: ::. . :. :ヘ,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_
:.. .: `ヽ、::::::::::::::::::::::/// ,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_i,_,i,\ ヽ: .. :ヘ:. :. :. .: ::. :. :. ヘ,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,i,_,
: :.... . :. :. :゙;:',,.:::::::::::::/[=:i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ i ̄i====]----‐‐‐‐‐‐‐l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
..:. . :. :.::. :.:. :~`-, | ::| ::; | | | | :;:;,;,;,:;,,
::::; ; : :. :. :. :. :. . . :} | ::| ; .:.| |;; ;;:;;| | }三三三{
:;、/::. :. :. :. :. :.:..ノ | ::|:.:. ;;:;;;;;; ;:;:;:;;;;;:| | .: | | || || ||
:._::=;::. :.:. :..‐〜 | ::| :{≡≡≡≡≡≡≡} : . | | | | ||--||--||
; l:;;::;:;::; :ノ::::::::::::::::: :| ::| |l┌┐ ‖ ┌┐l| : | |;;:;;:; | | || || || ::;:
.:.:;::;:: :;.i~::::::::::::::::::: :| ::| |l │ ‖ │l| | | ;;:;;;;| | }三三三{
:. .: :. ソ::::::::::::::::::::::: :| ::| :;:;:::|l ‖ l| | | ;;:;;;;| |:
:.:ヽーr⌒)‐- .、:::::::| ::| ;;;:;;:;;|l┌ U‖U ┐l|: | | | |
:::::::;:;::;::::;::;:;::: :. }:::::::| ::| ;;;:;:;|l │ ‖ │l| ;| |;;;;;:; | |;;;;;;wliwliwwliliw;;;_wliwlw_
:::::::;::::;::::;:;::::::: : } wli|,,_ ;;|,,____,,|l ┘ ‖ ┘l|,,___,,__|__,,|,,__,,__|__,,.. .-‐'''""~;;:;,:;,:;wliiwliililw :;:;:;:;
::::::::::::;::::;::rーwijknwn  ̄:.:  ̄ .. ̄:.  ̄ wliwliWliwlilwli wlilijlijwlijwWlij :;;::;:;;;;;;;;wliwliw
;;;;; , ' ´~ liliiwliliwil :. :. : ::.. .:. .. ,, ,,.. .-‐ '''" "゙WililjlilijWwwliil゙゙゙ ゙゙゙゙゙゙ wwWliliwjlilijlijlw゙゙
wwliilwnw__,,-‐'''" :.. .: .: :. ,/'`゙;;;;;;;;:;;;;;;::'´゙;ll;l wliwliwli,, ゙゙゙´''` ゙゙゙´'`゙゙wwliwli゙ ゙゙ '''' ,, ゙゙´´'
「これこそわたしたちが捜していたものですよ
もし差し支えなければ、今日の夕方にでも家内を連れてきて見せてやりたいのですが。
家内が同じように気に入ったといえば、契約します」
7/10
わたしが庭で待っていると、彼等がやってきました
あの若い男、不動産屋、そして───わたしは一行の前で莫迦みたいにただ見つめるだけでした
真ん中をあの溺れた婦人が歩いていたからです
_
,' ノハヽ
川 ヮ゚リ __
(,,'A`)')と ii=iiつ. ヽ|・∀・|ノ
(| |ノ ノ__ヽ |__|
.し'J し'J | |
∧,,∧
ミД゚ 彡
ミ ミ
「また、伺いました」と若い男が言いました
「そうそう、これが家内です」
8/10
わたしは部屋を見てもらうために、3人を家の中へ招き入れました
その後で、一人で庭の方へと歩いていきました
∧,,∧
ミ ,,‐Д彡
ミ ミ
ミ ミ
,.wW,, ,ww,, | ̄ ̄|JJ ,,.,、 ,.wYw,,.
''"´''"''''゙'"''"`'''""`"゙゙'''"''''''"´'''"""''"`''''''"`""''''``''‐'''''"`゙゙"''''``''''"´''"''''
頭が少しはっきりしてきた頃、この出来事と関係ありそうな本を読んだことを思い出そうとしていました
J・W・ダンの『時間論』、ご存知でしょう
でも、まだ狼狽えた精神状態で、決意しかねていたのですが、そのとき、3人が戻ってきました。
9/10
「ドリーンもわたしと同じようにすっかり気に入りましてね。そうだね?」
若い女性は、楽しそうな笑みを湛えて頷きました
わたしの心はかちっと音をたてて決まりました
「申し訳ないのですが、気が変わりました。どうしてもお譲りすることはできません」
3人は、じっとわたしを見つめました
| でも、ちょっとあなた
| わたしたちは欲しいんですよ。もし、値段に何か不満があるならば──
\___ __________
|/
_
,' ノハヽ
川д゚リ __
と ii=iiつ. (;'A`)') 〜|・∀・|〜
ノ__ヽ (/ ノ |__|
し'J し'ヽ) < |
∧,,∧
ミ ,,゚Д゚彡
ミ ミ
/|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
| 価格は全然関係ありません。お譲りするつもりがないということです。
| わたしが言うことはそれだけです。
やっとわたしの決意は固いとわかって、3人は出て行きました
不動産屋はアムハーストへ戻る道すがら、すっかりわたしの気が狂ったのだと説明したに違いありません
10/10
数週間後、退役軍人にウェル・コテージを売却しました
これは2年ほど前のことで、それ以来、あそこには近寄っていません
当然のことながら、1つの疑問が心の中でしつこくわたしを悩ませるのです
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わたしはあの不運な若い女性の命を救うことに成功したのか、そうではなかったのか
「怪奇礼讃」
エイドリアン・アリントン作 「Lady for Drowning」
おつ
おもしろーい
良かった!久々に世界に入り込みました。
以前友人に聞かせてもらったショートショートを
ちゃんとした形で読みたいと探しているのですが
タイトルも収録してある本の名前もわからないので
さっぱり見つかりません。
ここの方々なら知ってるかもとかきこしています。
多忙な日々を過ごす青年。
そんな彼の元に1月1日、カレンダーが届く。
そのカレンダーには31日の後ろに32日がついている。
2月も3月も、、12月まで最終日の後に1日ついている。
誤植だろうとさして気にせずまたいつもの忙しい毎日を過ごすが、
31日の夜が明け目を覚ました彼は異変に気付く。
街からは人が消え、時計は31日24時でとまったまま。
奇妙に思うがゆっくり休める時間ができたと考え直し
疲れた心身を癒すためにその時間を使う。
自由な1日を手に入れた彼は余裕を持てる有意義な1年を過ごす。
12月32日を1年の疲れをとるようにゆっくりと過ごして、
そしてまた1月1日がやってきた。
しかしその日彼に届いたものは、、、
というようなお話なのですが
どなたかご存知ないでしょうか?
よろしくお願いします。
470 :
1/68:2009/09/09(水) 21:41:47 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ここに、いささか抜けたところのある、ひとりの青年があった。
彼にはまた軽率なところもあり、優秀な点は少なく
そんなことが原因で現在は失業の身だった。
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∧_∧
( ´Д`)
( ∪ ∪
と_)_)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
そして、あいにくと世の中が不景気なため
なかなか適当な職にありつけないでいた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
471 :
2/68:2009/09/09(水) 21:42:35 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
もともとあまりなかった貯金も、たちまち底をついた。
こうなると、いくらなんでも悠然としてはいられない。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∧∧
∧__∧(゚ω゚=;)>
( ゚´Д) )
/ つ
∧_∧
(´∀` )
( {胤} ∪
Y [ ^ ]
(_)__)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
きょうも彼は、恥も外聞もなく、いつも不義理を重ねている
知人に泣きつき、紹介状を書いてもらった。
それを手にし、就職運動に、ある建築会社を訪れた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
472 :
3/68:2009/09/09(水) 21:43:36 ID:/RRtG39r0
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受付でさんざん待たされたあげく、
やっと人事課長というのが会ってくれた。
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ii~⌒⌒⌒⌒ ∧_∧⌒i
--、___________( ・∀・) __--
i \\_________( {胤}つ__\ \
::::\ ) )________ ) ) )______) )
|\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| | .\ヽ三ヽ.___ ∧_∧
:::::::::::| |---------(` )
::| | __i.i⌒⌒⌒⌒⌒i
|\i.i .i
:::」\ i_____i
::::::::」 ー |__
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
中年のにこやかな顔をした男だったが、
いかにも油断のなさそうな目つきをしていた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
473 :
4/68:2009/09/09(水) 21:44:31 ID:/RRtG39r0
┌───────────
│ 趣味はなんでしょうか?
└───────v──┬───────────────
│ はい。テレビや映画でスパイ物を
│ 見るのが大好きです。
└───v───────────‐
ii~⌒⌒⌒⌒ ∧_∧⌒i
--、___________( ・∀・) __--
i \\_________( つ/ ̄/')_\ \
::::\ ) )________ ) ) )______) )
|\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| | .\ヽ三ヽ.___ ∧_∧
:::::::::::| |---------(` )
::| | __i.i⌒⌒⌒⌒⌒i
|\i.i .i
:::」\ i_____i
::::::::」 ー |__
┌──────^────────────────
│ あまり現実的な性格ではないようですな。
│ で、前につとめていた会社をなぜやめたのですか。
└───────┬─────^────────────────‐
│ やめたのではありません
│ ご存知のように、世の中は不景気です。
│ 会社が企業縮小のため人員整理をやったのです。
│ つまり、やめさせられたというわけです。
└──────────────────────
474 :
5/68:2009/09/09(水) 21:45:21 ID:/RRtG39r0
┌──────────────────────
│ それはお気の毒。しかし、なんとか残れるように、
│ 努力してみればよかったでしょうに。
└───┬───────‐v──────────
│ やってみましたが、だめでした。
└───────‐v───────
ii~⌒⌒⌒∧_∧⌒⌒⌒~ii
,-、_________( ・∀・ )_________,-、
i l________と {胤} つ_______l i
| |__________| l |__________,| |
| ̄ ̄ ̄ ̄/三/ ̄ ̄ ̄ ̄|
| |
| /三/ ∧_∧ .|
(; )
i⌒⌒⌒⌒⌒i
┌────────‐^─────────
│ なるほど、つまりあなたは会社にとって
│ 不必要な人間と判定されたわけですね。
└─────┬──‐^─────────
│ はい……
└─────
475 :
6/68:2009/09/09(水) 21:46:09 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────
│ なぜこの会社に就職したいのですか。
└─────v────┬────────────────────
│ ほかにもいろいろ回ってみたのですが、
│ どこも不景気だそうで、断られてしまいました。
│ ですから、ぜひやとってください。
└──────v─────────────‐
∧_∧ ∧_∧
l⌒l ・∀) (Д` l⌒l
| l つ ∪ l l
| └‐ ┐) .||  ̄ ̄ ̄ || (┌‐‐┘ |
|_____| |_| ̄ ̄ ̄|_| _|l  ̄ ̄ l|_
┌──────^───────────────────────
│ あなたはたぐいまれな正直な人ですな。ええ、もちろんやといますよ。
│ この不景気を乗り切るための、なにかアイデアなり計画なりを
│ お持ちでしたら、大いに働いていただきたいと思います。
│ ひとつ、それをお話し下さい。
└─────────────────────────────
476 :
7/68:2009/09/09(水) 21:47:05 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
まったく、意地の悪い人事課長だった。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌──────
│ その……
└───v──‐
∧_∧
( ´Д`;) 。o(そんなもの持ちあわせてないよ……)
( {胤} )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
こっちが現実的でなく、有能でなく
人のいい性格であることを暴露し
そのうえ、まだからかおうとしている。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
477 :
8/68:2009/09/09(水) 21:48:01 ID:/RRtG39r0
┌──────────────────
│ あなたは奥ゆかしい性質のようですね。
│ どうぞ、ご遠慮なくおっしゃって下さい。
└───────‐v──────────
ii~⌒⌒⌒⌒ ∧_∧ ニヤ
--、___________( ・∀・) ニヤ
i \\_________(つ{胤} )___\ \
::::\ ) )________ ) ) )______) )
|\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| | .\______\ ∧_∧
:::::::::::| |-----------| | (; Д )
::| | __i.i⌒⌒⌒⌒⌒i 彡 (つ/三/
|\i.i .i 彡 人 Y ]
:::」\ i_____i し(_)
::::::::」 ー |__
┌──────^────────
│ もういいんです。だめならだめと
│ 早く引導を渡して下さい。
└──────────────‐
478 :
9/68:2009/09/09(水) 21:48:51 ID:/RRtG39r0
.. .... .. .:.:.:..: .:.:.:. . ... :. .:.:.:.: .: .... .:.:.:..... .. .... .. .. . ... :. .:.:.:.: .: .... .
" ; ;ヾ ; " " ヾ ; " ; " ; ; ヾ, .. .:.:.:.: .: .... .:.:.:...... .... .. .:.:.:.:. .. ... ....:.:.:.: .: .... .:.:.:.. .. :... .. ..
; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ . .:.:.:.... .:.:.:..... .. .. :. .:.:.:.: .. .:.:.:.:.:.:.:.... .. . . ..:.:.:..: .:.:.:... .
" ; ;ヾ ; " " ヾ ; " ; " ; ; ヾ, . .. .... .. ......:.:.:.:.:... .. . .. ...:.:.:.:.:.... .. .. .... .:.:.:.:.:...... .. ... .
; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ .. .... ...:.:... .. . . .. .:...:... .. . .. .. . .. .... .. ..
" ;ヾ ; ;";ヾ; ;"/" ; ;ヾ ;ヾ "" .. . .... ... . . . ..... .
ヾ ;"; "i "; ;ヾ; ;ヾ; ;メヾ " ┌──────
゛ ヾ;i;;ii ;iiメソ ヾ; ;ゞ " │ ふぅ……
""|l!|| ll|ソ "" └───v──‐
l;l!ll |l| ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, , ,,,,,, ,
|:l||l |l| ,,iiiii;;;::..゙ ,,iiiii;;;::. ゙ ,,iiiii;;;::. ゙,,iiiii;;;::. ゙∧_∧,,iiiii;;;::. ゙,,iiiii;;;::. ゙ ,,iiiii;;;::. ゙,,iiiii;;;::. ゙ ,,iii
|;l!l| ||l iiiiii;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::iii__( ´Д`)___ :::::::iiiii;;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::
|ill|| lll⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒|≡≡∪ {胤} )≡≡|⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
二llil|l l!|二二二二二二二二二二.`┳━ ) ) ) .━┳ 二二二二二二二二二二二二
、.,.|::l|| !!|、.,., ,.、.,┴ (_)__)[ ^ ]┴.、.,.,
.,.,,.、.,.,,.、
゚ 。
o(もっと泣きつけばよかったか……
いや、どっちにしろだめだったろう)
479 :
10/68:2009/09/09(水) 21:50:06 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
青年は悲しげに自分の手を見ると
そこに一枚の紙がにぎられてあった。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ∧ |
| <⌒> |
/ /⌒\ / ̄:::::: /
/ __]皿皿[-∧- /
/ ∧._/\_|,,|「|,,, /
/ Π . ∩ |'|「|'''| /
/ |「| ̄ ̄ ̄ ̄|「| ̄ /
/ 囲囲 /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
さっき帰りがけに、履歴書といっしょに
机の上にあった書類を持ってきてしまったのだ。
のぞいてみると住宅の設計図で
一端にその所在地が記してある。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
480 :
11/68:2009/09/09(水) 21:51:12 ID:/RRtG39r0
ヾi;;ii ;iiメソ ヾ; ;ゞ; "ェェェ:iiiiii i i i iiiiii三 iiiiiiiiiiiiiiiiiiiイ ─ | | ィ |=ェェィ├─┤:: |
""|l!|| ll|ソ ""ニニニニニニl小ニニニニニニニニニニニニニl ||i⌒「i i r , - ァ -,-、-、ii円_
l;l!ll |l| ,,,,,, , ,,,,,, ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ ヽ, ,,,,,, ,,
|:l||l |l| ,,iiiii;;;::..゙ ,,iiiii;;;:: ( あの会社にとって大切な書類かもしれない )。゙ ,,iiiii;;;::. ゙
|;l!l| ||l iiiiii;;;;:::::::iiiii;;; ;; ) 引き返して渡すべきだろうか……否ッ!!(;;;;:::::::iiiii;;;;;:
|ill|| lll⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、ノ⌒ヽ/⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、ノY⌒Y⌒Y
二llil|l l!|二二二二二二二二二二二二 ゚。 二二二二二二二二二二二二二二二二
、.,.|::l|| !!|、.,., ∧_∧ ,.、.,.,,.、.,..、.,.,
(` )
( ) ,.,,.
、.,.,,.,..,.,,.、.,.,,. ||三三三三三三三三|| .,.,,.、.,.,,.、.,.,,.、.,.,,.、.
.,.,,.、.,.,,.、.,.,,.、 ||三三三三三三三三||
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
,, ,,,二,, ,,;;:;-,,;;.,,.二二二二二二二二二二二二二 ,,;::,, ,,,二二,, ,,;;:;-,,;;.,,,, ,,,二,, ,,;;:;-,,;;.,,,,
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
( ∧_∧ ニヤ (
) ( ・∀・ ) ニヤ )
( ( {胤} ) (
⌒ヽノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、ノ
゚。
∧_∧
(# ´Д`)
( {胤} 9
/|
|\/\/\_/ !/\_/\_/\_/|
/ \
\ あんなムカつく野郎に /
/ 果たす義理など無いッ!! \
\ /
|/∨\/\/\/∨\/\/∨\|
481 :
12/68:2009/09/09(水) 21:52:27 ID:/RRtG39r0
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
) しかし、不景気とは思えぬでかい家だな……
( こっちは金も職もなく、こんなに哀れな
) 立場だというのに、社会はあまりに不公平だ
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ/⌒ヽ、
。゚
∧_∧
__ ( ´Д` )___
|≡≡0l三三l0≡≡|
`┳━( ) ) .━┳
┴ し' し' [ ^ ]
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
( 盗みに入ってみるか
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_
。゚
∧_∧
__ (:::::∀::::)___
|≡≡0l三三l0≡≡|
`┳━( ) ) .━┳
┴ し' し' [ ^ ]
482 :
13/68:2009/09/09(水) 21:53:32 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
青年はなけなしの金を使い
バスに乗って家のそばまで出かけた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
___
| |
| ̄ ̄ ̄
∧
<⌒>
/⌒\
_________]皿皿[-∧-∧、
/三三三三三三∧._/\_|,,|「|,,,|「|ミ^!、
__| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩ |'|「|'''|「|||:ll;|
/__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「| ̄ ̄ ̄ ̄|「| ̄ ̄|
/_| ロ ロ 「 ̄ ̄ ̄ | | 田 |「| 田 田 |「|[[[[|
|ll.|ロ ロ,/| l⌒l.l⌒l.| | |「| |「|ミミミミミミ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
門標の名前から電話番号を調べ
公衆電話からかけてみると、留守番の婆やと思しき声で
「みなさんご旅行中で、わかりかねます」との返答があった。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
483 :
14/68:2009/09/09(水) 21:54:24 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
世の中の不公平さに直面したことで生まれた
胸のもやもやを打ち消すため。
そしてなにより生活のためだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
\:::: :: : . . . . . . .: : :::. /
\ : . . . (⌒)i . . . . : /
\ |
\ _ o, / .| |
| |ヽ _,/ .| |
|`i. .| | | ̄ ̄i.| | |
|::::| |_|/ ̄ ̄ \ | |
|::::| |:::..... . . . \ | |
|o ! / \| |
|::::| /  ̄!
|::::| / ∧_∧ \
|:: / (` )。o( ここが浴室で
|,/ と ) こっちへ行けば食堂が……)
/ 人 Y \
,/ (_(__) \
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
夜になるのを待ち、青年は侵入した。
図面を覚えこんでいるため、まごつくことはない。
そして……
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
484 :
15/68:2009/09/09(水) 21:55:22 ID:/RRtG39r0
|| :|
|| :|
|| :| _____
|| :| | || _________
'' | | || /::<><>::/:<><>>:/|
| | || |!三三三i|!三三三i|/|
| |[] || |!三三三i|!三三三i|/| _______BT__. <二
∠ | | || |!∧_∧i|!三三三i|/ / r=====┐ШШ / .|..::
_ |__|_____||_|( ;´∀)!三三三i| /__| |___/ |_<二
/| / |( つ≡ .三i|/ ||─‐|___|─‐|| / .|..::
|/ と と__) |l |」 .|」 .||/ .<二
|
┌────^───────
| よしっ! 札束発見!
│ これさえいただけば……
└───────────‐
┌──────
│ おい、泥棒
└──ヽ(───
∧_∧
Σ(;´∀` )
(つ≡と)
485 :
16/68:2009/09/09(水) 21:56:27 ID:/RRtG39r0
∧_∧
( ´_ゝ`)
/ ヽ ∧_∧ ヒィッ
━∪━━━ (Д` ; 彡
| | | ( つ≡0
(__)_) と_)_)
_____
| ノノノノ||
∧_∧ ∧_∧ ノワァッ!!(゚∈゚ )||
─ニ三 (´Д` ;) Σ( ; ) /ヽノ´||
─ニ三 ( つつ と つ ( 〈 ||
─ニ三 / ゝ 〉 ノ 人 ヽ ヽ彡 ||
(_(__) (_) (_) \ ||
ノノノノ
(゚∈゚__)
∧__∧ /⌒ )
( ´┏┓`) ミイ //
∧_∧ / ヽ | ( (
( ´_ゝ) 〈 〈 〉 〉 | ) )
/ ヽ | | | ∧_∧ | //
━∪━━━ .(__)_) (´Д`i|l) | ノノ
| | |. (つ と) |ノノ
(__)_) (__)_) 彡ヽ`
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
強そうな男が三人も出現し、青年はへなへなとなった。
ひざまずいて、あわれみを乞う以外にない。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
486 :
17/68:2009/09/09(水) 21:57:12 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────‐
│ 恐れ入りました。ほんの出来心です。
│ お願いです。このまま見のがして下さい。
┌┴────────────v─────
│ 見のがしてやらないこともない。
│ だが、そうなるともっとひどいことになるぞ。
└──v────────────────
ノノノノ
(゚∈゚ )
∧__∧ /⌒∨⌒ヽ
( ´┏┓`) ホジホジ / ヘ ト )
∧_∧ / σ ヽ \ヽ) ノノ
( ´_ゝ`) ヽノ 〉 〉 彡/\/ヽミ
/ ヽ | | | ∧_∧ | /| .ノ
━∪━━━ .(__)_) (Д` i|l ) | ノ/ソ
| | |. (つ と) |ノ ヽミ
(__)_) (__)_) 彡ヽ
┌──‐^───────
│ どうなるのでしょうか。
┌──^───────┴─────────────────────
│ この部屋には隠しカメラが仕掛けてある。
│ きみの行動は札束をつかむまで、すべて映画フィルムに収めてしまった。
│ 我々はその札束を隠し、フィルムを警察に届けることにする。
└───────────────────────────────‐
487 :
18/68:2009/09/09(水) 21:58:12 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────‐
│ それはひどい。金を盗みもしないのに
│ 濡れ衣を着せられてしまうとは……
┌┴────────────v─────
│ いずれにせよ泥棒じゃないですか。
│ さあ、ご遠慮なく、どうぞお逃げください。
└──v────────────────
ノノノノヾヽ ♪
∧__∧ ( ゚∋゚)ノ│
( ´┏┓`) スポッ /⌒\/⌒ /
∧_∧ / σ・ ヽ (__⌒ミ /
( ´_ゝ) ヽノ 〉 〉 ♪ ノ /
/ ヽ | | | ∧_∧ ( \/ヽ
━∪━━━ .(__)_) (Д`゚ ) \_彡)
| | |. と と ) //
(__)_) (_(_つ ヽミ
┌───────‐^────────────────────
│ ああ、いったいどうすればいいんだ。
│ 盗みもしないのに警察に追われ続けなければならないとは……
┌──^──┴────────────────────────────
│ まあ、そう泣くことはない。ゆっくりと話しあおう。いい解決案が出るはずだ。
└────────────────────────────────
488 :
19/68:2009/09/09(水) 21:59:05 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────────────
│ どうせ金を払えば見のがしてやるとか言うんでしょうが……だめです。
│ そんなお金はありません。だからこそ、ここへ忍び込んだのです。
│ こんなことになるなら、あんな図面はすぐに捨ててしまえばよかった……
┌──┴───────────v───────────────────‐
│ みんなそう言うが、いまさら後悔しても手おくれだ。
│ はじめから仕組んであったんだから。
└─────v────────────────
∧_∧
( ´_ゝ ∧_∧
/ | (´Д` ;)
┌─────────────────────────────────
│ なんですって。なにかわけがありそうだ。
│ たしかに、こう三人もそろって待ちかまえているとは、手はずが良すぎる……
└─────────────v───────────────────‐
∧_∧ ?
( ´,_ゝ ∧_∧
/ | (´Д` )
489 :
20/68:2009/09/09(水) 21:59:52 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────
│( ´Д`) 罠だったのか……(あの人事課長もグルか?)
┌──┴──────────────────────────────────‐
│( ´_ゝ`) まあ、そういったところだな。ここの図面は、要所要所に効果的に配布してある。
│ 電話には、頼りない老婆の声が答えるようレコーダーが仕掛けてある。
│ それに誘われて、今までに何人もやってきた。
│ その中から、役に立ちそうな者を選ぼうというのだ。
└─────────────────────────────────────‐
|| :| _____
|| :| | || _________
'' | ∧__∧ .|| /::<><>::/:<><>>:/|
| .(´┏┓` ) || |!三三三i|!三三三i|/|
| (つ━・~ ) || |!三三三i|!三三三i|/| _______BT__. <二
∠ | ( ( ( || |!三三三i|!三三三i|/ / r=====┐ШШ / .|..::
_ |__.(_(__)__||_|!三三三i|!三三三i| /__| |___/ |_ ノノノノ
/| / |!三三三i|!三三三i|/ ||─‐|___|─‐|| / ( ゚∋゚)
|/ |l |」 .|」 .||/ /⌒∨⌒ヽ
| / ヘ ト )
┌────────────────────────
│(# `Д´) あまりに酷い仕掛けだ。警察に訴えてやるぞ。
└─────┬──────────────────
│( ´,_ゝ`) どうぞ、ご自由に。
└────────────‐
490 :
21/68:2009/09/09(水) 22:00:50 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
こう言われ、青年は答えにつまった。
こっちは弱みを握られてしまっている。
青年はおとなしく質問した。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌────────────────‐
│ ……なにをやらせようというのです。
┌───┴─────────v─────────────
│ いまは言えない。きみの住所氏名を書いておいていってくれ。
│ きみを調査し合格と決まれば2日後に連絡する。
│ そうしたら、またここに来てくれ。
└──v────────────────────────
∧_∧
( ´_ゝ) ∧_∧
/ ヽ (Д` )
━∪━━━ と )
| | |. | | |
(__)_) (__(__)
491 :
22/68:2009/09/09(水) 22:01:53 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
青年はポケットにあった履歴書を出した。
反抗しても無駄だろうと思えたからだ。
相手はうなずき、青年をおとなしく玄関から送り返してくれた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∧_∧
( ´_ゝ` )
/ ヽ
〈 、 , 〉
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
やがて連絡があり、青年がふたたび家を訪れると
先日の貫禄のある男が迎えてくれ
合格の通知を告げられた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
492 :
23/68:2009/09/09(水) 22:02:47 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────────────────
│ 君は悪ずれしていない点が良い。
│ 経験豊富な泥棒は自己を過信し、団体行動に適さないから困る。
└─────┬─‐v─────────────────────
│ 褒められているんだか、貶されているんだか……
│ ところで、なにをやるのか教えて下さい。
└──────‐v────────────────
| | | | | |
| | | | | |
| | | | | |
| | | | | |
| | | ∧_∧ | | |
| | | (´<_` ) ∧_∧. | | |
| | | / ヽ (´Д` ) | | |
───'、|__|─ヽ ノ ( )─── '、|__|────
Y 人 Y 人
(__) J (__)__)
┌─────^─────────────────
│ 教えるからには秘密を守ってもらう。
│ また、入ったら抜けることが許されない団体なのだ。
│ 忠実に働けば昇進もするが、もし裏切ったら……
└──────┬───^────────────────‐
│ わかってますよ。今更しりごみできません。
│ 秘密は守ります。なんという団体なんですか。
└────────────────────
493 :
24/68:2009/09/09(水) 22:03:39 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────
│ いいか、われわれは陰謀団ミダスに属するものなのだ。
└─────┬─‐v───────────────────
│ なんですって。世の中を乱す陰謀団なんですか
└──────‐v──────────────
| | | | | |
| | | | | |
| | | | | |
| | | | | |
| | | ∧_∧ | | |
| | | ( ´_ゝ`) ∧_∧ | | |
| | | / ヽ (∀` ) .| | |
───'、|__|─ヽ ノ ( )─── '、|__|────
Y 人 Y 人
(__) J (__)__)
┌─────^────────────────────
│ 英語風に読めばマイダスと発音される。
│ このミダスというのはギリシャ神話に出てくる王の名で……
└─────────────────────────‐
494 :
25/68:2009/09/09(水) 22:04:48 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────
│( ´Д`) で、あなたがボスなんですか。
└───┬───────────────────────────────
│( ´_ゝ`) そうだ。これからは私をボスと呼んでくれ。
│ しかし、私の地位はそう高いものではない。
│ 私の上にはビッグ・ボスというのがあり
│ その上にはグランド・ボス、もっと上にはロイヤル・ボスがいる。
└────────────────────私ナドハマア課長クラスダ──‐
ヽ. l. l l. / .:::::::::::::::
ヽ l. ._i_ .l ./ .:::::;__;;. /
| 、 l_ ‐ l ‐ _l ./ ..::::::;;.|::::::L/
| 、 . l. ! ./ / ..::::::/ .|::::::|
|. 、 /. / / /_.::::/ . _」|::::::|
| |:::|⌒○ / _...○⌒|::_「 .|::::::|
| |:::| ,.=_, '┌ . ~ | |. -‐'|::|_, -‐ '" !::::::!
| |:::| .:ll || | ! | | |:::|: ‖ ::|::::::|
| |:::| .:ll || | ! | | .「|:::|: ‖ ::|::::::|
| |:::| ,;ll ..|| | !,. | | !.! :|: ‖ ::|::::::|
| |;;」. _ `└' -.L.l、. ‖ ::|::::::|
|/ ‐ . , ` 、」::::::|
┘ └‐-
┌───────────────────
│(; ´Д`) なんだか大きな組織のようですね。
└───┬───────────────────────────────
│( ´_ゝ`) ああ、普通の人の想像を越えた、巨大な秘密結社なのだ。
│ 団員の数は多く、各分野に潜んでいて、実力もある。
┌───┴───────────────────────────────
│( ´Д`) それで、なにをやろうというのです。
└───┬─────────────────────────────
│( ´_ゝ`) まずは入団の手続きをする。いずれ上からの指令が来たら
│ それに基づいてみなと一緒に働いてもらうことになる。
└─────────────────────────────
495 :
26/68:2009/09/09(水) 22:05:44 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
入団の手続きはあっさりしたものだった。
皮の表紙の帳簿のような大判のノートに署名させられただけだった。
青年は名を書き、指紋を押した。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌─────────────────────────────
│ では、団の基本方針を教えよう。
│
│ 『いかなる犯罪も戦争よりはましである』
│
│ これが陰謀団ミダスの主張だ。
│ これによってすべての計画が立てられ、行動がなされているのだ。
└─────────────v────────────────
∧_∧
( ´_ゝ` )
/ ヽ
l⌒l⌒lと つ
⌒⌒
496 :
27/68:2009/09/09(水) 22:06:52 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────
│ では、入団したのですから
│ 手帳とかバッジとか、必要な品をひとそろい下さい。
└────────v──────────────‐
∧_∧
(; ´_ゝ)つ≡
/ ノ ∧_∧
ヽ_9 ノ (∀` )
〉 ゝ 〉 ∪ ∪ )
(__(_) (_(_つ
┌───────^────────────────────
│ ばか。にこにこするな。これは遊びでも悪ふざけでもないのだぞ。
│ 真剣にして現実的なものなのだ。この点を決して忘れるな。
│ また、行動に気をつけて、個人で悪を働くな。
│ 上からの指令が届き次第連絡する。これは当座の小遣いだ。
└───────────────────────────‐
497 :
28/68:2009/09/09(水) 22:07:58 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
かなりの額の札束を渡され
青年の身と心は引き締まったが、彼はまだ半信半疑だった。
この間までの哀れな状態に比べると
あまりの変化に夢のような気分だったのだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_ _(\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
(\( |\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
::::::::::\ | ) ̄ ̄ ̄.∧_∧ )
−− :::::::::::::: \| ).________ ( ´∀`) )\//
::::::::::::::::::\\._ (つ ) \. \
−−−−:::::: \)_\ ̄ ̄⊂⊃ ̄ ̄\\ /
. ||\_ __ \\/
−−−− :::::::: || __(\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
−− (\( |\. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
::::::\ | ) ̄ ̄ ̄ ̄
−−:::::::::::::::::::\ |.. )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ろくな食事をしていないため、レストランに入ったが
まず安い料理を注文した。偽札でないかと警戒したためだ。
しかし、支払ってみると通用した。
青年は別な店で豪華な食事を摂りなおした。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
498 :
29/68:2009/09/09(水) 22:08:53 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
さらに勢いにのって、キャバレーに入った。
気前よく金を使ったので、女性にもてたことは言うまでもない。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌──────────────────
│ ねえ、お若いのに景気がいいのね。
│ きっと、才能がおありなのね、素敵だわ。
└─────v────────────‐
∧_∧
XノハハヘX ∧_∧ ∧ ∧
/~二二二二ノ*^∀^)c(´∀` )つ(ー゚* )二二二二 ̄ヽ
// | § ∩ ,つ/ / o日o l | |
|____ (__, ) )( つ ) _ ( (⌒ノ_____,| |
/ ____/ ̄ ̄ ̄日 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| __/ |
/ /| /日 ヽ二/./:;;;;|| | /
┌──────^──────
│ いや、それほどでもないよ。
└────────────‐
499 :
30/68:2009/09/09(水) 22:09:44 ID:/RRtG39r0
┌────────────────
│ どんなお仕事をなさっておいでなの。
└────┬─────‐v─────
│ うっ……
└─‐v───
∧_∧
XノハハヘX ∧_∧ ∧ ∧
/~二二二二ノ*^∀^)c( ´Д`)つ(ー^* )二二二二 ̄ヽ
// | § ∩ ,つ/ / o日o l | |
|____ (__, ) )( つ ) _ ( (⌒ノ_____,| |
/ ____/ ̄ ̄ ̄日 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| __/ |
/ /| /日 ヽ二/./:;;;;|| | /
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
青年は答えかけたが、思わず口をつぐんだ。
誓いを忘れなかったためではない。
陰謀団ミダスに属しているなどと言ったら
子供っぽい冗談と思われ
軽蔑されて笑われるぐらいがおちだからだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
500 :
31/68:2009/09/09(水) 22:10:47 ID:/RRtG39r0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
┌─────────────────────────────
│ よく秘密を守ってくれた。あのキャバレーの女にミダスのことを
│ 一言でも漏らしていたら、きみは除名となり罰を受けていただろう。
│ 試験をみごとに通過した。今後ともよく気をつけてくれ。
└───────v─────────────────────
∧_∧
( ´_ゝ`) ∧_∧ / ̄ ̄
/ ヽ (´Д` ) < はい
ヽ_つ ∪ ( ) \__
〉 ゝ 〉 | | | 。
(__(_) (__(__) ゚(あの女もミダス団員だったのだろうか)
501 :
32/68:2009/09/09(水) 22:11:36 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
やがて何人かの男が集まってきた。
ボスはみなを前にして言った。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌──────────────────────────
│ よく聞いてくれ。本部からきわめて重要な仕事の指令がきた。
| 都心にあるラルフ宝石店を、夜になってから襲うのだ。
| この種類の仕事はミダスとしては新しい分野だが……
└──────v───────────────────‐
_______________
||
||
|| ∧_∧
|| ( ´_ゝ`)
|| / ヽ__________
 ̄ ∪ l 〉
/ l |
(,__,ノ、__,)
∧_∧ ∧_∧ .∧_∧ ∧_∧
( ) ( ) ( ) (Д` ; )。o(もっとスマートな犯罪をする団体と
思ってたのに宝石店強盗って……)
502 :
33/68:2009/09/09(水) 22:12:46 ID:/RRtG39r0
_______________
|| ┌─────┐
|| │ 。. |
|| ∧_∧ / |
|| ( ´_ゝ')─‐───┘
|| / ノ__________
 ̄ ∪ l
/ l |
(,__,ノ、__,)
∧_∧ ∧_∧ .∧_∧ ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ) ( ) ( ) (Д` ; ) < 殺人はやらないんでしょうね
\____________
┌──────‐^────────────‐
│ 殺人はやらん。もっとも
│ きみがへまをして、誰かを殺せば別だがね。
└───────────────────‐
503 :
34/68:2009/09/09(水) 22:13:54 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ラルフ宝石店の襲撃はうまくいった。
金属を溶かす薬品で通用口の鍵をはずし侵入。
気配に気付いてやってきた宿直員を催涙ガスで無力化。
宿直員をおどし、金庫を開けさせ現金を奪った。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_____
| |
∧_∧. | |
( ; ´Д)っ占<|0 |
/:::つV::ノ | |
(::::::::⌒) | | ノノノノ _
( ゚∋) [_三_]_ ___
/⌒ ∨⌒l ( xд)|::::::::::::::::::|ヽ
+ ; / つ|◎:::::::::::::|:::|
* ☆_+
: , xヾ:、__,..-,へ.........._
__ く '´::::::::::::::::ヽ ∧_∧
[_三_]_ .{:::::::::::::::::::::::} <_` )
ヽ(l|i゚∀゚)ノ ヽ、__;;;;::/ /:::::::::::ヽ
\ \ ⊂ ̄ヽ'::::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
そして更に時限爆弾でおどし
警察に通報されるまでの時間をかせいだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
504 :
35/68:2009/09/09(水) 22:14:38 ID:/RRtG39r0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
店の前をたまたま通りかかった女性を人質として拉致し
待たせてあった用意のスポーツカーに乗り全速力で走らせる。
後ろのほうで爆発音がし、人びとが騒ぎ始めていた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
// / / ;;:::/
ヤ,\/ / ;;::/
ヤ, V/ ;;::/
, .. -―――――ヤ, //7::/ __
,,..-''" ヤ,/_;;:::/ヽ、\皿#,,\ ∧_∧
,,.. - ''"゙゙;>ー―---――;=''''"゛゛⌒ヽ, ̄ィ7 /〉 ''´ ∧_∧ (´┏┓`;)
,,. '" ,,. '" / / ヽェソ 乃▲ /, (; ´Д∧__∧V::::::ヽ
∠二フ/___,___/∠二フ/ r'⌒ヽヽ_/´ // (:::::つ( ゚‘Д‘):::[と_〉
〔`゙`ー―――――――――'''''"゙´ ノ/ ∩ |  ̄__!/ノ 〉:::ゝと つ|::::〈
〉同〉―― [二二] ―――j同>=:;つ_ノ ∪ノ/ ̄ `ー―(_)__)ヽつ_つ_)
 ̄ ̄ー― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ー―''´
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
事前に各所に取り付けた信号機を操作する装置によって
夜の街を停止することなく突っ走る。
途中で人質の女をおろし、郊外の森の中の隠れ家へとたどり着いた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
505 :
36/68:2009/09/09(水) 22:15:34 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────
│ みな、ご苦労だった。まあ、酒でも飲んでくつろいでくれ。
| 休む時にはすべてを忘れてのんびりしてくれ。
└────────────────v───────‐
\三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三/
'''- ,,_ | i| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|i |
||i;i;i;i; | .| i| _____ |i |
||i;i;i;i; | , | i| ロロ:|::::::::::::::::::::::::::| ∧_∧ |i |
||i;i;i;i; | , | i| _□ |::::::::::::::::::::::::::| ( ´┏┓`) ,____ |i |
==== | ,-、゙ .| i|: | ゚ |: .|::::::::::::::::::: | (::::::::V:::つ━・~ |`ll ̄ ̄ ̄l |l_____________|i |
||i;i;i;i;i;⌒Y⌒| ii ) | i|  ̄ |:::::::::: ∧_∧ ):::::)::::) .|、|___:,|、|| ̄ ̄ ̄||
||i;i;i;i; |. || `-' | i|____|___ ( ´_ゝ`)__(_)___|`||ニニニニ|||l[「「[[[「「l|
||i;i;i;i; |. || /:'. .,: .:'. .,: .:'. .,: γー/::::::V:::::つ−、 __'. .,:.:'. .,:.゙ヽ||____________||||ニ ∧ ∧
||i;_,-'"' || ./. .,: .:'. .,: .:'. .,: .:'. i i__ とノ:::::l|l:::〈__i_ii:'. .,: .:'. .,∧_∧ .:'. .,: . .:'. .,: .:' . ミ ゚Д゚彡''-
'" || /'. .,: .:'. ._,--、:'. .,: .:'. .i___| ̄  ̄ ̄ ̄ ̄\ i.. ..:'.(Д` ).,:.:'. .,: .:'. .,: : : /つ日___
||:'. .,: .:'. .,: .:'.| .:\.:`ー 、:'. .,:| \.:.:'とと:::::::/.: |:'. .,: .:'. ., ;: ::(:::|`- ,
//|\,'ノノノノ. .,;;;i',',',',',',',',') i:'. .,:iニニニニニニニニ i:'(⌒(',',',',',',',','i;;. .,: .:'. .,: .:'. .,: | |`- ,
./. .,: .:'. .,: (゚∈゚ ).:';;;;;|______,,j/:'..,:|il:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|i|.::'. .ヽ|______,,j;;;;;:.,: .:'. .,: .:'. .: ̄: .;;;;;`- ,
/:'. .,: :'. ./⌒∨⌒ヽ:'. .,: .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,::'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: :'. .,: . ;;;;`-
┌──────────────────^────────────
│ たしかに成功はしましたが、あれだけ派手に
│ 危険をおかしたわりには収穫が少ないと思います。
│ 現金だけでなく宝石や何もかもごっそりと持ってくればよかったでしょう。
└──────────────────────────────‐
506 :
37/68:2009/09/09(水) 22:16:19 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────────────
│ 余計なことを言うな。これが本部からの指令だったのだ。
| 新入りが不思議に思うのも無理はないが
│ 陰謀団ミダスの偉大さはいずれわかるだろう。
└─────────────v───────────‐
!
∧_∧
( ´Д` ) / |
| .:\:::::V::::) / ∧_∧ チラッ |
i',',',',',',',',')⌒) / <_` )゙ |
|______,,j/ iニ /:::::::::::::ヽニニ i
γー――――― 、
| / i___________i:
_________ _ i__________i
/|
_______ / .|
/| | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_____/ .| | < 先ほど都内のラルフ宝石店に
| | | | 強盗が押し入り……
[][][][][][]| | | \_____________
[][][][][][]| | |
507 :
38/68:2009/09/09(水) 22:17:12 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────
│ ひどい……爆弾で店内が血だらけだ。
| だれも殺さない約束だったのに、あの宿直員を……
└─────────v─────────────‐
\ | /
∧_∧ ____
(´Д`i|l) l ̄ ̄ ̄l |`l
と:::::V::::::つ |___:l |
)::::)::::) ||ニニニニ| l
(_)_). ||____________|/
∧_∧
( ´_ゝ
/::::::::::ゝゝ
|:::::::::::::::ヽ_ノつ━・~
┌───────^──────────────────
│ よく画面を見ろ。宿直員はあの写真の片隅に写っている。
│ あれは、ある病院から手に入れた血液だ。
│ 瓶に入れて持っていって、一面にばらまいてきた。
└───────────┬────^─────────‐
│ また、なんでそんなことを……
└──────────────
508 :
39/68:2009/09/09(水) 22:18:25 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────
│ こうしたほうが派手でいいじゃないか。
└───────‐v─────────
l^ヽ /^l
l ヽ / .:|
l ヽ __/ .::|
| .:|
l .:::|
| -− −- ::::|
| ノ .:::::|
ヽ `ヽ ..:::/
\ ー‐ ノ
ヽ、 /
_,,..-一='''"~〈 -─- 〉~``''=ー-、..,,_
/;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;l l;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;\
┌─────────‐^─────────
│ ものごと、ショッキングでなければならぬ。
│ なあ、そうじゃないかい。
└───────────────────
509 :
40/68:2009/09/09(水) 22:19:31 ID:/RRtG39r0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
┌────────────────────────────‐
│ まさか、こんなふうに襲撃されるとは、予想もしていませんでした。
│ わたしは途端に目をやられ、わずかにできたことは
│ ちょうどそばにあったテープレコーダーのスイッチを
│ 悟られぬように押すだけでした。
└──────────v──────────────────
|| | | || __ || | | ||
|| | | || [_三_]_ ∧_,,,. || | | ||
|| | | || (;゚д゚) (゚-;;゚#) .|| | | ||
|| | | || ( )¶ ¶ l;; ;;ヽ || | | ||
|| || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| || ヌルポヌルポこんばんは ||
|| || ||
┌────────^───────────
│ ではここで、視聴者の皆様にも
│ 実際のテープの内容を聴いて頂きましょう。
└───────────────────‐
510 :
41/68:2009/09/09(水) 22:20:44 ID:/RRtG39r0
______ ┌────────────────────
|::::| | 本物の犯罪記録だけあって、凄い迫力だ……
|::::| │ 視聴率もうなぎのぼりです!
|::::| └────‐v───────────────
|::::|
(サア、金庫ヲアケテ金ヲ出セ)
|;;;;| ∧_∧ (ココニハ、オ客様カラノ預カリ品ガ……)
// ___ (∀´;(0))
// / ◎ /| ⊂ P )
// / ━━ / | ( < ┳┛ λ_λ
// / ━━ / |(__)┃ (ー´ ; ) 。o(なんというビッグコンテンツ……!)
// / ◎/ | ( )
/ ━━ / ∧_∧ (ヨシ、現金ダケデイイ)
/ ━━ / ((0);´w)
(オマエハ物カゲニ隠レテイロ、三十秒後ニ爆発スル)
┌──────‐^───────────────‐
│ コールセンターにも、「もっと流せ」「再放送しろ」と
│ 視聴者からの反響がひっきりなしなようです!
└──────────────────────‐
511 :
42/68:2009/09/09(水) 22:21:33 ID:/RRtG39r0
:A_A __:
:(# ・∀・/ /: ← ライバルテレビ局の局長
:( ,/_〇:
:| |:
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
A_A 人从人从人从人从人从人从人
|\ΦДΦ) /| < うちも便乗するぞ!!! >
○ < )< ○ YWYWYWYWYWYWYWYW
| > > |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────
_________
| 人質にとられた女性 |
| 恐怖の体験を語る |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧
( ‘д‘)
( )¶
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌────────^──────────────‐
│ はい、あの時いきなり男たちが現れて目の前が……
└───────────────────────
───────────────────────────
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
512 :
43/68:2009/09/09(水) 22:22:33 ID:/RRtG39r0
___________________
20XX年 ○月×日(日) |
──────────────┐┌──┐.|
宝石店強盗、爆発も. | | 厨 | |
──────────────┘ | 日 | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 新 | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 聞 | |
───────────────└──┘.|
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | .|
_____
/ | ̄ ̄ ̄ ̄∧w∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | (メ ゚Д゚)< ニラ茶総合警備では優秀な人員を揃えており
| | ノ つ 9 | いかなるビルも会社もこの種の被害には……
| |_____|| \_____________________
`-、:::::::[。・・]::::::l
_____
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ∧ ∧ ̄ ̄ ̄ ̄| ヽ
壊れ知らずの安心設計、一家に一つ >(^Д^ ) | |
できれば二つ、タカラ警報機です! | と ヽ | |
________________/ ||_____| |
|::::::[・・。]:::::::::l,r'
513 :
44/68:2009/09/09(水) 22:23:23 ID:/RRtG39r0
┌──────────────────────────────
│ 宝石店強盗の乗ったスポーツカーを我が社のカメラが激写致しました。
│ 夜間に走る車をこれだけ鮮明に撮れるのは、我が社のカメラの
│ 性能がよく使用法が簡便な証拠です。
└─────────────‐v────────────────
┌───────┐
∧_∧. │ _/ ̄ ̄\_ │
彡 ´ー` ミ ,--、 |└-○--○-┘=3│
,--、 (つY つ[ ◎ ] └───────┘
[ ◎ ] | : |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
_____
,..-''" ̄  ̄//"^、ヽ. ____
_,,..,.-;_'" __|| __ヽ \="zュ、 ̄\
. ..:,''"´"  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/_  ̄ ̄`ヽ ̄└‐┘ヽ~,,  ̄`ヽ/
∠..../___,____∠ /__r'^ヽ V´  ̄`i " r'^y'
〔巨I ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄巨五I 。i゙⌒ヽ / ̄__! / )|
〉同〉――――――――j同ヲ ̄:;∧_∧ | ‐:::;;;;;;//、 ノ
∠二_________二二_< `∀´ >丿-ー''''"" ̄ー`―'
 ̄ ̄ と {胤} つ
┌─────────────^─────────────────
│ 犯人グループの乗っていたスポーツカーは、きっとウリのとこのニダ。
│ チョッパリ警察のパトカーごときが追いつける性能じゃないニダ。
└──────────────────────────────‐
514 :
45/68:2009/09/09(水) 22:24:10 ID:/RRtG39r0
___
______ :_〉 __ノ:
/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ( )
| | ∧_∧ ホルホル :| |:
| | <ヽ`∀´>|| :| |:
| |_____|| :( # ):
`-、:::::::[。・・]::::::l :( ):
人从人从人从人从人从人从人从人从人从人
< すぐに声明を出せ! >
< パトカーの無電が妨害されたためだとな! >
YWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYW
___
(...=@=〈_
( )
| | ___
| | _〉=@=...ノ
(# ・∀・)G (・ω・`;) ハ、ハイッ
(つ ノ / つ つ
人从人从人从人从人从人从人从人从人从人从人从
< このさいだ、装備一新のために >
< 予算増額を訴えて一般の理解と支持を得るぞ! >
YWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYW
515 :
46/68:2009/09/09(水) 22:24:59 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────
│ 我が社の強化ガラスで作られた商品ケースは
| 先日のラルフ宝石店強盗事件で起きた爆発にも
| びくともしませんでした。
└───────────v───────────‐
______
|/// |
|// .|
|/ | ('A`)
| .| ( v )
| ______| l l
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(-@∀@) < 店内で爆発したという爆弾、某国製の手榴弾ではないですか?
_( <V> )__ | こりゃあ、外国の犯罪組織の侵入を許した政府の不手際を
| アサピ議員 | | 追求する必要がありますな。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| \___________________________
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
そのほかにも色々あったが、みなそれぞれ効果をあげたらしかった。
事件という現実の問題を例に説明されると、頭にもよく入る。
世の中に活気がみなぎりはじめた。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
516 :
47/68:2009/09/09(水) 22:25:48 ID:/RRtG39r0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
┌─────────────────────
│ これは月給だ。領収書はいらない。
│ 税金の申告もしなくていい。安心して使ってくれ。
└──────v─┬──────────────────────────‐
| ずいぶんあるんですね。みんなにこんなに払ったら
| このあいだ盗んだ現金では足りなくなるんじゃないでしょうか。
└─────────‐v────────────────‐
∧_∧
( ´_ゝ`) ∧_∧
/ ヽ (´Д` )
∪ 〉 0[]と )
/ l | 〈 < ヽ
(,__,ノ、__,) (__(__)
517 :
48/68:2009/09/09(水) 22:26:38 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────────────────
│ 心配するな。これは本部からの金だ。盗んだ現金は
│ 交通事故犠牲者救援資金にでもと、ある新聞社に匿名で寄付した。
└──────v─┬────────────────────────────‐
| あ、新聞で読みました。ぶっそうな事件といい対照で評判です。
| それがきっかけで交通事故問題への議論も熱が入り始めたとか。
| しかし、もったいないような気も……
└─────────‐v──────────────────‐
∧_∧
( ´_ゝ`)
/ ヽ ∧_∧
と つ (Д` )
┌────^─────────────────────
│ あんな金額は、ミダスの資金に比べればわずかなものだ。
└─────────────────────────‐
518 :
49/68:2009/09/09(水) 22:27:27 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────────
│( ´Д`) そういうものですかね。それはそうとあの人質にした女。
| たちまち有名になって、連続ドラマの主役になりましたね。
| これから、うまくやっていけるのでしょうか。
└───┬─────────────────────────‐
│( ´_ゝ`) やれるだろう。素質に恵まれながらチャンスがなく
│ 芽が出ないでいたタレントだ。
└─────────────────────────‐
+ ∧_∧
( ‘∀‘) ...。☆
☆。... ,,へ ~∞ヘ
〈。。〉,`´,,)。〉 +
ヽつ ハ \
/ノ ソ ハ .ノヽ
んんノんんノ .ゝ
┌────────────────‐
│(; ´Д`) それを知っていたのですか。
└───┬────────────────────────────
│( ´_ゝ`) ああ、プロデューサーの名をかたって電話し
│ あの時間に呼び出し、あの場所に待たせておいたのだ。
┌───┴────────────────────────────
│( ´Д`) 彼女もミダスの団員なのですか。
└───┬─────────────────────────────
│( ´_ゝ`) それは言えぬ。また、わたしにもわからない。
│ 上からの指令にあっただけだ。ミダスの組織が
| どこまで広がっているかは、本部だけが知っていることだ。
└─────────────────────────────
519 :
50/68:2009/09/09(水) 22:28:29 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────────────‐
| くだんのラルフ宝石店も、あの宿直員の勇気ある行動で
| 信用が一挙に高まったとか……
|
│ すると、これでPRの効果をあげた企業
| 視聴率をぐっとあげたテレビ局、売り上げをました週刊誌
│ それらのなかには当然いるんでしょうね。
└───────────v──────────────
∧_∧
( ´Д` )
( つ[] )
∧ ≡ ∧
(<_`≡´_ゝ)
/ ヽ
〈 、 , 〉
┌────^───
│ そこは極秘だ。
└───────‐
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ボスは首を振ったが、青年には次第にしかけがのみ込めてきた。
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520 :
51/68:2009/09/09(水) 22:29:18 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────‐
│ これが陰謀団ミダスの使命だったのですね。
| 資金の出所の想像もついてきた。
│ 驚きました。これはひどい。
└─────────────v──────
|゙==========||===== ⌒Y⌒| ii )
|i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;||i;i;i;i;i;i;i;i;i;i || ;i; `-'
|i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;||i;i;i;i;i;i;i;i;i;i || ;i;|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .|| ̄
_____________ ||___,___,_______
∧_∧\
( ´Д`);,------、
と つ ,,.. ........ヽ.、
| | | '';,)::).............)::)
(__)_) 'i--------i: ∧_∧
i\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ((,',',',',',(<_` ) 、
|i\\ \ i\ ノ | \ \
\\_________ \ と ノ \ \
┌──────────────────────‐^───────‐
│ ひどいことはないだろう。誰も損はしていないではないか。
│ 世の中に活気がうまれ、需要がうながされ、消費が高まる。
│ 景気が徐々に上昇することにもなる。戦争なしで景気をもたらすには
| これ以外にない。それとも、戦争の方がいいかね。
└──────────────────────────────‐
521 :
52/68:2009/09/09(水) 22:30:16 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────
│ とんでもない。ミダスの方針に賛成です。
| いかなる犯罪も戦争よりはましです。
└─────v───────────‐
∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ; ´Д) / ヽ
/ l 〈 、 , 〉
┌─────────^────────────────
│ 早くいえば、我々は平和を保つ社会運動に従っているのだ。
| ミダス王の手のごとく、なんでもないものを黄金に変え
| 人びとにつくしている。
┌─‐^─┴─────────────────────────‐
| そういえばそうですね……
└────────────
522 :
53/68:2009/09/09(水) 22:31:06 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────────
│ じつはこのあいだ、本部に報告に行った時
| 研究室をちょっとのぞかせてもらった。
| 驚くべきことが、いろいろと進行中だったが、そのひとつ
| ナイロンやプラスチックを腐らせるバクテリヤが完成寸前だった。
|
| そのうちばらまかれ、新聞をにぎわせるだろう。
└──────v─────────────────────‐
∧_∧ (:::) ?
( ´ゝ_(::) ∧_∧
/ ヽ (´Д` )
〈 、 , 〉 ( )
┌───────────‐^─────‐
│ そんなもの、なんの役に立つんですか。
└─────────────────‐
523 :
54/68:2009/09/09(水) 22:32:08 ID:/RRtG39r0
┌────────────────────────
│ わかりきったことだろう。それだけ消費が増えるわけだ。
| 工場や販売店はそれだけ忙しくなり、失業者が減る。
| また、そのバクテリヤの消毒液を研究する人も出て
| 新しい産業に成長することだろう。
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∧_∧
(::::::,_ゝ::)
/ ヽ
〈 _ノつ━・~
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┌─────────────‐^─────────────────‐
│ その過程で副産物として、人間に有益な医薬が開発されるかもしれない。
| かくして科学技術は進歩し、金まわりもよくなる。
| 意義のある仕事ではないか。
└───────────────────────────────‐
524 :
55/68:2009/09/09(水) 22:32:56 ID:/RRtG39r0
┌──────────────────
│ しかし、万一、団員の誰かが逮捕され
| 口を割りそうになったらどうするんです。
└───────────‐v──────
∧_∧
( ´_ゝ)
/ ヽ
〈 _ノつ━・~
∧_∧
(` ; )
と )
┌──────^──────────────────────────
│ その点も気にするな。その寸前に国外に脱出させ
| 犯罪者引渡し協定のない外国で、ほとぼりの冷めるまで遊ばせてもらえる。
| なんの心配もせずに大いに働いてくれ。
└────────────────────────────────‐
525 :
56/68:2009/09/09(水) 22:33:46 ID:/RRtG39r0
┌─────
│ はい……
└──‐v──
∧_∧
( ´Д`;)
( )
(^)}|::::|
(^)}|::::|
┌┬|::::|
回回|::::|
凵凵|::::|
└┴|::::|
|::::|
∧_∧ (……) |::::|
トボトボ (´Д` ).。゚ |::::|
( ) |::::|
三三三王三三三王三三三王三三| Y 人 |三三三王王三王
二二二⊥二二二⊥二二二⊥二二|__ (_)__)____|二二二工工二⊥
─rェェェェュ‐─────────‐┴────────┴───────
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ \\
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_______ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
526 :
57/68:2009/09/09(水) 22:34:38 ID:/RRtG39r0
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
) どことなく気が咎めてならない……
( 盗みはまだ許せるが、こう大掛かりに
) 人びとをだますのは、大変な悪事なのでは……
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ_/⌒ヽ、
|========= MONAMART =====○....::.:.:.::::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;|i
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。゚
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
) 決めた。自首しよう。良心の苛責には耐えられない。
( それに、なにより……
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ/⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
527 :
58/68:2009/09/09(水) 22:35:24 ID:/RRtG39r0
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒
(
) 陰謀団ミダスから脱出した本人の告白……
( 注目度はあの宿直員やタレントになった女の比ではない。
) テレビや雑誌の取材でひっぱりだこ。
(
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ/⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
|________________|....::.:.:.::::::;::;::;::;:;::;:;;;;;;;;;|i
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| || ( ( ) ''-、._:;::;:;::;:;;;;;;;;;;;;|i
| || | | | | `''-、._;;;;;;;|i
__|______||___(__.(__|__) `''-_|i
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
)
( 今真実を話せば、おれは最高の時の人だ。
)
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
528 :
59/68:2009/09/09(水) 22:36:17 ID:/RRtG39r0
────── -、=|! ! ||_, -──────
============、ミ/!:::|| | ||_|ヽr============
[|]_|_|」|_|,j_|_|_|_|]||::||=|| | ||_||::|||_|_]」_|_|_|_|_|_|」]
三三三三三三]||::||: || | || ||::||[三三三三三三
|_|_|_]」_|_|_|_|_|_|」||::||=|| | ||_||::||!|_]」_|_|_|_|_|_|」」
三三三三三三]||::||: || | || ||::||[三三三三三三
|_| |_|]」_|_|_|_|」]_i||::||=||/ ヾ||::||i[l| |_|]」_|_|_|_|」]_
三三三三三三]||::|| ̄ ||::||[三三三三三三
|_|_|_]」_|_|_|_|_|_|」||/ ヾ:||:|_|_]」_|_|_|_|_|_|」」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ∧_∧  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄
( ´∀` ) ∧ ∧
(0⌒l⌒0) __,(*゚∀゚)=3_
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ l\ ゝつ⌒l⌒0
/ \ |\\ ⌒'⌒
。゚
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、
) インタビューのために、ミダス王のことを調べに来たが
( 『王様の耳はロバの耳』の伝説が、なんとこの王のものだったとは……
) 自分をこの床屋になぞらえて話せば、視聴者にもよく分かるだろう。
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
529 :
60/68:2009/09/09(水) 22:37:29 ID:/RRtG39r0
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
┌──────────────────────
│ ……というわけで、今話した事が全ての真相です。
│ お宅の局にスクープとして提供しますよ。
| いかかです?
└──────────v───────────‐
(\_/) ∧_∧
l⌒l ・∀) (∀` l⌒l
| l ∽ と l l
| └‐ ┐) .||  ̄ ̄ ̄ || (┌‐‐┘ |
|_____| |_| ̄ ̄ ̄|_| _|l  ̄ ̄ l|_
┌─────^────────────‐
│ ふむふむ。なるほど、よくわかりました。
| では、少々席を外しますのでお待ちを。
└──────────────────
530 :
61/68:2009/09/09(水) 22:38:17 ID:/RRtG39r0
| | |
| | ┌‐─‐┐ ゞヾ;ッ, |
| | |.[__]゙| ,ノノ;;;ソヘゝ |
| | |:: :: :: :: | ii |
| | └‐─‐┘ ┌┴┐ |
|_______|_______|_|_|_|_ (まだかな……)
. / └‐┘ 。゚
/ /⌒l_ ∧_∧ __/⌒l
/ / / |_ll ____ ( ´Д`) ,/ |
/ |'⌒l / /|| / /|| (つ l⌒l" :|
| └‐ ┐/ ||  ̄ ̄ ̄ ||/」 .(┌‐‐┘ | /
|_____|'' |_| ̄ ̄ ̄|_| |___|/
| | | | | | | | | |\__ガチャッ_____
(__)_) (__)_) (__)_) |
| お待たせしました。
\_________
_、l
∧_∧
(∀` 彡
531 :
62/68:2009/09/09(水) 22:39:06 ID:/RRtG39r0
┌─────
│ えっ……
└──‐v──
∧_∧
( ´Д`;)
(つ )
λ_λ ∧_∧ ヘ⌒ヽフ (\_/)
( ノAヽ) ( ^ω^) ( ・ω・) (・∀・ ) スミマセン
( <y>) ( <y>) ( <y>) (つ つ ドーゾ コチラデス
/__:__l /__:__l /__:__l 〈 < ヽ
(__)_) (__)_) (__)_) (__.(__)
ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ
)
( こ れ は 一 体 …… ?
)
⌒ヽ_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_
532 :
63/68:2009/09/09(水) 22:39:55 ID:/RRtG39r0
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
______
/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
| | ||
| | || (:::) ∧_∧
| |_____|| ピッ (::)_<` )
l`-、:::::::[。・・]::::::l γー─── / ヽ───、
|`||ニニニニニニ| i 〔::⊂ヽ_ノ 〉 | i
533 :
64/68:2009/09/09(水) 22:42:15 ID:/RRtG39r0
┌───────────────────────
| ……この患者は、自分がなんとかいう陰謀団に属し
| 驚くべき悪事に手を貸したと信じ込んでいるのです。
│ パラノイアという症状で、固定した妄想が特徴です。
└───────────────────────
∧_∧
(::)_´< ` ) / |
/ / ヽ / |
| .:\ 〉 / 凹. |
i',',',',',',',',') ┐./ |
|______,,j ) iニニニニニニニニi
| / γー――――― 、
_________ _ i__________i
/| i__________i
_______ / .|
/| | ┌─────────────────────────
_____/ .| | | つまり常識では考えられないことを
| | | | つじつまをあわせて体系化し、それを信じてしまうのです。
[][][][][][]| | | └─────────────────────────
[][][][][][]| | |
534 :
65/68:2009/09/09(水) 22:43:04 ID:/RRtG39r0
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
────────────────────────────
┌───────────────────────
| 社会の複雑化にともない、これからも増えるでしょう。
| ここで私は心から訴えたいのです。
└────────────‐v──────────
________
| ドキュメンタリー |
|現代の犠牲者たち|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧∧
( ゚Д゚ )
⊂ <y> ⊃
| : |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌──‐^────────────────
| この分野の研究に思いきった額の資金と
| みなさんの理解が注ぎ込まれることを。
└───────────────────
────────────────────────────
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
535 :
66/68:2009/09/09(水) 22:44:11 ID:/RRtG39r0
┌─────────────────‐
| また、この分野の関係者たちの待遇が
| 一段と高められることを……
└─────────v────────
∧_∧ ______
( )  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
/⌒ ヽ | |
/ /| \_ノつ━・~ | |
/ / | l`ー '____| |
γー─ とノ─ ヽ___ノ───、 ニニニl|
i i | |
∧_∧
____( ´,_ゝ`)
|| ̄ ̄ ̄ / ヽ
|| ヽ つ━・~ 〉
|| l ノ
||____ \ ヽ/
γー───────────、 / 〉 〉
i i | / / /
536 :
67/68:2009/09/09(水) 22:45:18 ID:/RRtG39r0
_______
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
|| ∧_∧ | |
|| (´Д`i|l) | |
||_ミ三三三彡_| |
γー───────────、 ニニニニl|
i i | |
_______
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
||___,、___| |
||  ̄ ̄`' ̄ ̄ ̄| | ブッ
||______| |
γー───────────、 ニニニニl|
i i | |
537 :
68/68:2009/09/09(水) 22:46:17 ID:/RRtG39r0
_______
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
||::::::::::::::::::::::::::::::::| |
||::::::::::::::::::::::::::::::::| |
||______| |
γー───────────、 ニニニニl|
i i | |
出典 星新一
「妄想銀行」 より 『陰謀団ミダス』
長編乙です!
物事はどう転ぶかわからないな
乙
良作乙です!
すげー超面白い。やっぱ星新一すげーわ・・・
乙
長編乙です
ひとコマひとコマ丁寧に作ってあって
いろいろと参考になります
長編乙でした。
妄想銀行 は読んだことあるはずだけどAAにするとさらに面白いね。
モナーやギコってエヌ氏やエフ博士的な匿名性も持ってるからね。
確かにw
2ちゃんのAAと☆氏の作品って妙にしっくり来るんだよな
面白かった!乙
次スレ欲しいです