アウトロー同盟 (山崎渉、ぼるじょあ、わむて、ミノル他)2
「なにか悠々と微笑みかける異様な陰影が画面をよぎった。
同種のスレと比し何ら警抜な異彩を輝かさないかに見えた一介の深層スレが、
英雄的な大挙を成就した。
しばらく人々は、おのおの自宅やネットカフェで憮然と手にしていたマウスを漫
然と放置し、大解放された魂を天涯へ飛ばした。
「そうか、スマイリーマークを描けば抜け出せたのか――」
飽くなき野望でAA技術が濫りに乱開発された果てに創意とセンスが負の方向
に退廃しきったかに見えた暗黒な絶望の深潭で、新鮮な精彩の活路が我々の
前途に豁然と新開された。
我々の定まる所を知らない貪欲な血潮は、未知数なポテンシャルを秘蔵した基
本的AAになら、多幸のフロンティアを探求し得たかもしれなかったのだ。
然し、我々はもう二度と引き返せ無くなっていた。
厨・エイジは隠然と永続していた。
我々は又、薄汚れたマウスを怏々と把持し厨スレに耽溺するのだった。」
(厨・エイジのこだま より)