アウトロー同盟 (山崎渉、ぼるじょあ、わむて、ミノル他)2
私の傍らの一人の紳士が、双眸を輝かせ私に語りかけてきた。
「なぁ、坊や。君は誇りに思っていいんだぞ。刻下我々は偉大な時代に生きているんだ」
私も同感だった。
われら山崎大帝国は東西の敵国を次々に攻落し決河の版図を渺茫と押し広げていた。
われら人類のプロメテウスである孤高なゲルマサキ民族が新世紀の輝かしき黎明と共に地上と史上の霊長に復権すらん不朽の宿望は見上げる星空に燦爛と馳せられていた。
私は込み上げて来る万感の感激と興奮で鳥肌に包まれ、雄々しく拡大した鼻腔から狂おしき嘆息を漏らし、一粒の熱い感涙が優しく頬を伝った。
私達は、まさしく未曾有な大時代の新風をリアルタイムで呼吸していた。
そして、其の時代の造物主、其の絶対的保証人は山崎総統其の人だった。
――当時少年だった山崎大帝国再興戦争の回想録より