「散歩道」より
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『不快指数79』
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赤川次郎
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 ̄ ̄ ̄' ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄□| | |  ̄' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. , " . . ,, ,,, '. . ,, (__)_) . '' " , .
ビルから一歩外に出ると、むっとする熱気が襲いかかってきて、
私はつい足を止めた。冷房の効かないボロビルでも、ここに比べれば天国のように思える。
しかし、回れ右をして「天国」に戻るわけにはいかない。
____
∧_∧ ||\ \.. ̄| ̄ ̄|
(・∀・ ) ..|| | ̄ ̄|| : . |
⊂ <V> )] / ̄||/  ̄ ̄/ .| = |
// ソ/|二二二」二二二二二二二二」
((__[ ̄ | | | |
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◎ ◎ [__」 [__」
なにしろ中では、「課長」という名の怪物が、
私を取って食おうと待ちかまえているのだから。
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fashion | |____| | | (( ((((((((((((( ノ)))ノ)))))))))))ノ))
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Uミ , _,、 | | | |__| |__| | | || ̄|| ̄|| | ̄ ̄ ̄ | / |:::::||┬┴┬
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ノ__ゝ l_./| | | |___.△__| | | || ̄|| ̄|| ||/ ∠_| l |:::::||┬┴┬
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(;´Д`)=3. || ゚ || ゚ | | || ̄||.|  ̄ ̄|| ̄ ̄
と <V>). ゚ ゚ | | || ||. 八
□ 人 Y _| |__  ̄
し(_) / ,l l、 /
/ ^ ^^^/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
しょうがない。はやく先方のオフィスについて冷たい麦茶でも出してもらうか。
あそこは、うちのようにケチじゃないからな。
なにしろ、こちらは社長から
∩_∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(. ´-`) <一切の無駄を省け!!
( ) \__________
| | |
(___)__)
という命令が下っていて、大事な客以外には飲み物も出さない。
─全く、ひどいもんだ。
'⌒)i '⌒)i
.^|| .^||
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|| ─┐ .||
⌒ゝ' , ー 、||. ‐┴┐ ||
:::`⌒ヽ.:::::.||.::ヽ⌒)、||i. 。. . 。 .ィ.〜⌒ヽr..、 ||
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. _,;| :) l.ノ ||. | | | | | | と <V>). l. ||.\| | | |
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ し(_)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「何もかもうんざりだ」と大声で叫びたくなるような日だった。
昨日の晩も、家へ帰ったのは夜中の十二時。そんな時間でも、むっとする暑さだった。
ほとんど寝付けないまま出勤。そんな30半ばもすぎた中堅社員に
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ∧_∧ ||\ \.. ̄| ̄ ̄|
ちょっと、使いに行ってこい。 > (・∀・ ) .|| | ̄ ̄|| : . |
___________/ ⊂ <V> )]/ ̄||/  ̄ ̄/ .| = |
// ソ/|二二二」二二二二二二二二」
((__[ ̄ | | | |
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◎ ◎ [__」 [__」
だからな。 いくら手が足らないからといって…。
─しかし、今日の蒸し暑さは、また格別だった。
地下鉄の駅までは、あと十五分近くも歩かなければならない。
しばらく歩く間、私はフッとめまいを感じ、よろけた。
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|| / ,l| |::::| 喫茶.l::::|
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, .,.;;;;( ,.,;;;;,) | ̄ ̄| ̄ ̄| と <V>) ;´;` ,;;;;.,. ,;;;;).__|:::::::::::::::::::::::: |
三三三三三i/ ̄ ̄ ̄ ̄ □ 人 Y 三三三三三i/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
し(_)
このままじゃとても先方までたどり着けない。
私はほぼ無意識の内に、目の前の喫茶店にフラッと入り込んでいた。
\\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)__
./ ∧_∧ ̄ ̄ ̄/| )/)
∧∧ コンコン ( ̄(´Д`.|l)彡  ̄( .| /::::::::
(,,゚Д゚) て / (___.( <V> )_______.( |/ ::::::::::::::::
⊂ <v>丿 て / / ) ) ) .//:::::::::::::::::::
〜 | \\ / // ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/_(/ ::::::
し`J \// __ _/||
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)__ || :::::::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./| )/)
 ̄ ̄ ̄ ̄( | /:::::::
─苦いだけのアイスコーヒーも、冷房の効いた店内ではとびきりの味に思える。
しばらく休んでいる内に、ふいに近くの窓を誰かがコンコンと叩いた。
見れば同じ社の、ギコという後輩だ。私は中に入れ、と合図をした。
\\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)__
/ .∧_∧ ̄ ̄ ̄/| )/)
\\ ( ̄(l|.´Д`)  ̄( | /: ∧∧
/ (___.( <V> )_______.( |/ : (゚Д゚;) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ / ) ) ) .//:::::::::::⊂<v> ⊃< 大丈夫ですか?
/ // ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/_(/ :::::: | 〜 | 顔色、悪いですよ。
// __ _/|| し`J \_______
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)__ || :::::::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./| )/)
 ̄ ̄ ̄ ̄( | /:::::::
…そんなこと、言われなくたってわかってる!
私は、この暑さの中、きっちりとネクタイを締めて、、汗はかいていても、
少しもうんざりとした様子を見せない、この二十代の男を、宇宙人でも見るような目で眺めていた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.| よく平気だな、この蒸し暑い中で。
.\
\\  ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ .∧_∧ ̄ ̄ ̄/| )/)
\\ ( ̄(l|.´Д`)  ̄( | /: ∧∧
/ (___.( <V> )_______.( |/ : (゚Д゚ )
/ / ) ) ) .//:::::::::::⊂<v> ⊃
/ // ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/_(/ :::::: | 〜
// __ _/|| し`J
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)__ || ::::::::: \ __
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./| )/) 今日の不快指数は \ _| TV. |_
 ̄ ̄ ̄ ̄( | /::::::: 全員不快の83です /| ボイス |
/
喫茶店のテレビが「今日の不快指数は全員不快の83です」と告げた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.| あんな物を聞くと、ますますうんざりするな。
.\
\\  ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ .∧_∧ ̄ ̄ ̄/| )/)
\\ ( ̄(l|.´Д`)  ̄( | /: ∧∧
/ (___.( <V> )_______.( |/ : (゚Д゚ ) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ / ) ) ) .//:::::::::::⊂<v> ⊃< …僕にとっちゃ、不快指数は
/ // ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/_(/ :::::: | 〜 | 79までしか上がらないんです。
// __ _/|| し`J \____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)__ || :::::::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./| )/)
 ̄ ̄ ̄ ̄( | /:::::::
|\
./ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
.| なんだって?
.\ ______
\\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)
/ .∧_∧ ̄ ̄ ̄/| )/) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\\ ( ̄( ´Д`)  ̄( | /: ∧∧ .| 80以上は全員不快でしょ?
/ (___.( <V> )_______.( |/ : (゚Д゚ ) .| だから僕は79。
/ / ) ) ) .//:::::::::::⊂<v> ⊃ .<. 僕は不快を感じない、ごくわずかの一人。
/ // ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/_(/ :::::: | 〜 | いや、もしかしたら、この大都会で、
// __ _/|| し`J | たった一人の人間かもしれないんです。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)__ || ::::::::: . \_________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./| )/)
 ̄ ̄ ̄ ̄( | /:::::::
|\
./ ̄  ̄ ̄
.| ・・・・・
.\_____
私は呆気にとられていた。
それと同時に、何だか心の奥底にもやもやとわき上がってくる物を感じた。
/(゚Д゚ ) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.| 自分に、そう言い聞かせるんですよ。
.| そうすると、この暑さもなんだか楽しめちゃうんです。
.\__ ._________
|/
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.| そうかね・・・
.\
\\  ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄
/ .∧_∧ ̄ ̄ ̄/| )
\\ ( ̄( ´Д`)  ̄( | /: ∧∧ .
/ (___.( <V> )_______.( |/ : (゚Д゚ ) ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ / ) ) ) .//:::::::::::⊂<v> ⊃ .<. …ところで、これからどこかへ向かうんですか?
/ // ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/_(/ :::::: | 〜 | その様子じゃ大変ですよ。
// __ _/|| し`J \___________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)__ || ::::::::: .
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./| )/)
 ̄ ̄ ̄ ̄( | /:::::::
|\
./ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.| わかってるさ。しかし行かないわけにもいくまい。
.\ ___________________
/(゚Д゚ ) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.| ぼく、行ってきましょうか?
.\__ ._______
|/
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.| なんだって?
.\
\\  ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄
/ .∧_∧ ̄ ̄ ̄/| )
\\ ( ̄( ´Д`)  ̄( | /: ∧∧ .
/ (___.( <V> )_______.( |/ : (゚Д゚ ) ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ / ) ) ) .//:::::::::::⊂<v> ⊃ .<. 予定より早く済んだんです、こっちの用事。
/ // ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/_(/ :::::: | 〜 | そこなら急げば40分で帰ってこられます。
// __ _/|| し`J | 渡すだけでいいんですね?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /)__ || ::::::::: . .| ちょっと行ってきますよ。ここで休んでて下さい。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./| )/) \___________________
 ̄ ̄ ̄ ̄( | /:::::::
|\
./ ̄  ̄ ̄
.| しかし…。
.\_____
ギコは、呆気にとられている私を残して、さっさと炎天下へ出て行ったのだ。
私は、席に戻ってきた課長のところ行き、伝票を出した。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 行ってきました
\
 ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ____
∧_∧  ̄ ̄ ̄ ̄\ .∧_∧ ||\ \.. ̄| ̄ ̄|
( ´Д`) そうか。 >□(・Д・ ) .|| | ̄ ̄|| : . |
( <V>) ____/ ⊂ <V> )] / ̄||/  ̄ ̄/ .| = |
| | | // ソ/ |二二二」二二二二二二二二」
(__)_) ((__[ ̄ | | | |
/ ̄\ / | / |
◎ ◎ [__」 [__」
40代も半ばを過ぎた課長は、
いささかぐったりした感じで腰をおろすと、その伝票を眺めていた。
./(・Д・ ) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| …交通費はどうするんだ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
| は?  ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\
 ̄ ̄|/ ̄ ̄ ____
∧_∧ ∧_∧ ||\ \.. ̄| ̄ ̄|
( ´Д`) (・Д・ ) ..|| | ̄ ̄|| : . |
( <V>) ⊂カチョー )] / ̄||/  ̄ ̄/ .| = |
| | | // ソ/ |二二二」二二二二二二二二」
(__)_) ((__[ ̄ | | | |
./ ̄\ / | / |
.◎ ◎ [__」 [__」
.|\
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
| お前がポケットに入れるのか。
| それともギコに渡すのか。
\____________
私は言葉が出なかった。
─ギコのやつ、課長にしゃべったのか?
「( ´Д`) ̄
| ・・・ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄|/ ̄ ̄ | 外にもでられんようじゃ、とてもつとまるまい。
.| 考えるんだな。
\
 ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ .____
∧_∧ ∧_∧ ||\ \.. ̄| ̄ ̄|
( ´Д`) (・Д・ ) ..|| | ̄ ̄|| : . |
( <V>) ⊂カチョー )] / ̄||/  ̄ ̄/ .| = |
| | | // ソ/ |二二二」二二二二二二二二」
(__)_) ((__[ ̄ | | | |
./ ̄\ / | / |
.◎ ◎ [__」 [__」
|\
/ ̄  ̄ ̄
| そうします
\____
課長の言い方は皮肉そのものだった。
ギコは──いま、帰るといって、席を立ったばかりだ。
私は自分でもよくわからない苛立たしさに
せき立てられるように、駆けだしていた。
-┼─ヽヽ
∧_∧ / -─
(Д` # ) / ヽ_ つ
とと ヽO
゙ヽ(_`) ≡=−
゙ヽ_,)
ギコは、エレベーターの前に立っていた。
私は、ギコにつかみかかった。
∧∧∧_∧ -┼、\ ヽヽ
(,,゚Д( #) / |
⊂ <v( .) ./ J つ
〜| │ | │
し`、(__)_)
/|
\_WW/ |WWWWWWWWW/
≫ ≪
≫ ギコ、きさま─ ≪
≫ ≪
/MMMMMMMMMMMMM、\
何が起こったのか。
気がつくと私は床にぺたんと座り込んで、肩で息をついていた。
∧_∧
(´Д` ;) ハァハァ
, へ,, へ⊂),
(_(__)_丿
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.(;・Д・ ) <. 大丈夫か?立てるか?
/l⌒l⌒lヽ. ,-、 | よし、どこか休める場所で事情を聞こう。
⊂.(_|_) ⊃[]_] \________________
とのぞき込んでいるのは課長だった。
私は、ふらふらと立ち上がり、課長と一緒に応接室に向かった。
どうやら、ギコに一発殴られて勝負はついてしまったようだ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│ …馬鹿だな、お前も。
│ ギコが告げ口した訳じゃない。俺が先方へ電話して、
│ 「お前がついたらこっちへ連絡してくれ」と言付けたんだ。
│ そしたら、ギコから電話がかかってきたのさ。
\___________ ____________
|/
.__∧_∧____
/_/(・∀・ )/:::/|
//と/<V> /ヽ_/ |
|:::|/⌒/⌒ヽノ::|:::|__.」
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
/______/
| |-----------| |
∧_∧
( )
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
| そうですか…。
\________
ギコの親切をそんな風に…。私は胸が痛んだ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│ 何も、殴りかかることはないだろう。
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//と/<V> /ヽ_/ |
|:::|/⌒/⌒ヽノ::|:::|__.」
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
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∧_∧
( )
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| いや…。何だかいらいらしていたんです。
| あいつが、不快指数は79だとか言うのを聞いて…。
| 何だかムカッとして…。
\____________________
|\
/(・Д・ )  ̄
| 不快指数?
\______
ギコの言葉を、私は課長に聞かせてやった。
ギコの言葉を、私は課長に聞かせてやった。
.__∧_∧____
/_/(・Д・ )/:::/|
//と/<V> /ヽ_/ |
|:::|/⌒/⌒ヽノ::|:::|__.」
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( )
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| あのたまらない蒸し暑さの中で、涼しい顔して、
| そんなこと言われちゃね…。
| それもあって、ついカッとなってしまったんです。
| 申し訳ありません。
\____________________
─明日、辞表を出します。
私は立ち上がりながら、そういった。
すると──課長が声を上げて笑い出したのである。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│ ハハハハハ
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.|/
.__∧_∧____
/_/(^∀^ )/:::/|
//と/<V> /ヽ_/ |
|:::|/⌒/⌒ヽノ::|:::|__.」
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( )
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
|\
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| …何がおかしいんです。
\__________
|\
/(・∀・ ) ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
| 忘れているのか?
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/ ̄ ̄ ̄ ̄
│ はあ?
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//と/<V> /ヽ_/ |
|:::|/⌒/⌒ヽノ::|:::|__.」
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∧_∧
( カチョー )
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ
|\
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 十年以上前に、同じことを暑さでへばっている
| 俺に言ったやつがいる。…お前だ。
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私?私がか?
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´∀`) < 不快指数なんて、ばかげてますよ。
⊂ <V>⊃ | そんなもの、気の持ちようで、
| | | | <愉快指数>とでも思っておけばいいんですよ。
(__)_) \_____________________
(・∀・ )お前は、そういって笑った。俺はショックを受けたよ。
(´Д` )・・・
そうか…。ギコの言葉に、何故いらだっていたのか、やっとわかった。
あれは昔の私自身だったのだ。それを見るのが、やりきれない気分だったのだ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│ …人間みんな、年をとる、ってことさ。
│ 十五年もすりゃ、ギコが、若いやつにきっとまた同じことを言われる。
│ 気にするな。ギコには俺から話しとく。
│ さぁ、もう大丈夫だろ、今日はもう帰れよ。
\___________ ________________
|/
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課長は、私の肩をポンと叩き、部屋から出て行った。
─私は、奇妙に悲しくて、同時に幸せで、そして疲れていながらも心楽しかった。
それは、自分がひとりぼっちでない、と実感できる、ごくわずかな時間の一つだったのだろう。
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ビルを出ると、外はまだ明るくて、暑かったが、不思議に不快感はなかった。
「きっと今の不快指数は79なんだ」と思うと、笑みがこぼれた。
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. , " . . ,, ,,, '. . ,, し(_). '' "
そして私は、地下鉄の駅に向かって、早足で歩き出したのだった。