久しぶりに長編。
技術的には超軽いけど、気分的に重くて途中あたりが特に滅入りそうな感じ。
【 泣いたもの勝ち 】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
140 :
(1/77):2005/05/12(木) 23:00:51 ID:zKOUnPrU
彼女が死んだ。
____
|__ノヽ、__|
|:::∧∧:::|
| (;;;;;;;,,) :|
 ̄ ̄ ̄
141 :
(2/77):2005/05/12(木) 23:01:30 ID:zKOUnPrU
∧_∧
( )
( )
| | |
(_(_)
俺は悲しむことを周りに許して貰えなかったんだ。
142 :
(3/77):2005/05/12(木) 23:02:02 ID:zKOUnPrU
不可抗力の発作的病死。
俺にとっては突然過ぎた。
∧ ∧
( )
と つ
∧_∧ ( ノ
( )') (/^ヽ)
( ノ
| | |
(_)_)
最期に見たのは「明日仕事行きたくないなぁ」と
口を尖らせる彼女の顔
最期に話したセリフは「また明日」
:∧_∧:
:(Д ):
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| :U U ):
_____| :(__(_⌒):
だって
「明日」があると思ってたんだよ。
143 :
(4/77):2005/05/12(木) 23:02:44 ID:zKOUnPrU
泣いたよ。涙止められるワケないじゃん。
∧_∧
(∩∩ )
(ノ ヽ )
| | |
(_(_)
飯も食えなかった。食べたくないんだからしかたないじゃん。
144 :
(5/77):2005/05/12(木) 23:03:42 ID:zKOUnPrU
でもみんな言うんだ。
「オマエはこれから幸せな未来がある人間だ」って。
∧_∧
( д ) ∧_∧ ∧ ∧
( つ つ ( − ) (っ )
) ) ) ( ) とと |
(_)_) | | | | )〜
(_(_) UU
「生きていれば絶対いいことがあるんだ」って。
俺が今にも氏にそうな思いつめた顔してるって?
命を絶つんじゃないかって心配してる?
∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧
( ) ( − ) ( )
/ つ ( ) と ヽ
だからこの人達は、俺に命を粗末にすることの愚かさ、
人生の素晴らしさを教えようとしてるのか。
145 :
(6/77):2005/05/12(木) 23:04:24 ID:zKOUnPrU
じゃあさ、
その素晴らしい人生と命を失ってしまった
彼女はどうなんだ?
____
|__ノヽ、__|
|:::∧∧:::|
| (;;;;;;;,,) :|
 ̄ ̄ ̄
「オマエはこれから幸せな未来がある人間だ」
彼女にはもう幸せな未来などない
「生きていれば絶対いいことがあるんだ」
彼女にはもういいことは絶対に起こりえない
命を大事にできなかった彼女は
それほど哀れで愚かな存在だって言うのかよ?
146 :
(7/77):2005/05/12(木) 23:05:12 ID:zKOUnPrU
誰もわかってくれない
俺の命より愛しかった彼女
∧∧_∧
( ) )
/ と )
( ノ( (
(/^ヽ)_(_)
愛してるよ、今でも。誰よりも。
そして愛してくれたよね。幸せだった。
世界も未来も輝いて見えたのは君がいたから。
147 :
(8/77):2005/05/12(木) 23:05:39 ID:zKOUnPrU
:::: ∧_∧
::::::: ( Д )
::::::: と と )
:::::::: ( ( (
:::::::: (_(_)
なんで急にいなくなっちゃうんだよ。
148 :
(9/77):2005/05/12(木) 23:07:27 ID:zKOUnPrU
本当にどこにもいなくなっちまったのか?
それとも古くからの言い伝えのように霊魂になったのか?
λ
(シ iヽ
ヾ)
∧_∧
( Д )
( )
魂があるのなら俺に逢いにきてよ
夢でもいいから声をきかせて
___ ∧_∧__
|____ ( − ) |
|\ _,〜´ ̄ ̄'ヽ ̄ヽ
| .\ノ ゞ ヾ \
\/ \ _,. - 、_,. - 、._ \
\ \________\
\ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
\||________|
一度でいいから姿をみせて
オマエがそっちの世界で寂しいと思うなら
俺を連れて行ってくれてもいいんだよ?
λ
(シ iヽ
ヾ)
___ ∧_∧__
|____ ( д /) |
|\ _,〜´ ̄ ̄'ヽ ̄ヽ
| .\ノ ゞ ヾ \
\/ \ _,. - 、_,. - 、._ \
\ \________\
\ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
\||________|
オマエがいなけりゃこの世に価値なんてない
…そこに魂があるのなら…
俺をこの苦しみから救ってよ?
∧ ∧
( ∧_∧
/U ( )
( (∩ と )
(/^Uと_)_)
前、俺が失敗して落ち込んでた時、
酷い大雨だったのにわざわざ俺のところに来て
そばにいてくれたよね。
___ ∧_∧__
|____ ( ∩∩) |
|\ _,〜´ ̄ ̄'ヽ ̄ヽ
| .\ノ ゞ ヾ \
\/ \ _,. - 、_,. - 、._ \
\ \________\
\ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
\||________|
…そこにいるのなら…どうして助けてくれないんだよ?
やっぱり霊魂なんてモンは嘘っぱち。
彼女が今の俺を助けてくれないなんてありえない、信じたくない。
|| V || ||
|| ○∩_∩ ∧ /||○ ( )/
|| ( ( )( ||))((( )))/
○∧_∧∧_∧.. || /■\/
( ( ( − ) || ∧∧/
ヽ. ( つ.||( /||
| | | | | `|| /_/ |
(_(_(__)_)...|| ̄__ |
そして日々は無情、眠れず泣いて腫らした目だけでは
仕事から逃げるいいわけにはならない。
∧_∧ ∧_∧
( − ) (´−` )
( ) ( φ と)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
\ \
職場では俺は腫れ物、
皆どう声をかけていいかわからないらしい。
俺達二人のことをよく知ってるモナー先輩に誘われた。
5つ年上で新婚、仲も良くて尊敬してる先輩。
先輩夫婦と俺達と4人で旅行に行ったこともある。
∧_∧ ∧_∧
( ) (ー` )
/ つ旦 {}@{}@-と ヽ
 ̄ ̄( ⌒ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(⌒ ノ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄し' U| ̄|
…幸せそうな先輩夫婦を見て、
俺達もよく「結婚したらあんな夫婦になりたいね。」って話してたんだ。
わかってる。先輩は今俺のことを心から心配してくれている。
┌────────────────────────
|いつまでも落ち込んでたらダメだよ、
|君はいい仕事もできるんだし、こんなとこで
|つまづきっぱなしじゃ勿体無いよ。
|まだ人生やり直しができる年齢なんだから、
|終わってしまった過去にしがみついてたらいけないよ。
└──────────v─────────────
∧_∧ ∧_∧
( ) (∀` )
/ つ旦 {}@{}@-と ヽ
 ̄ ̄( ⌒ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(⌒ ノ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄し' U| ̄|
だが吐く言葉は例のセリフ。
やり直しができない彼女の人生って何?
先輩だって彼女と一緒に旅行にもいったじゃないか。
なのに「終わってしまった過去」って、
もう先輩の中で彼女はどうでもいい存在なのか?
そして、先輩は彼女の病気を詳しく調べてくれてたみたいで、
┌──────────────────────────
|小さいうちから心臓弱かったみたいだね。
|こんなに早く亡くなってしまうなんて、よっぽど重症だったのか。
│生きていても出産には耐えられないで
|医者に出産を控えるよう言われる場合も多いらしいよ。
└───────────v────────────────
∧_∧ ∧_∧
( ) (−` )
/ つ旦 {}@{}@-と ヽ
 ̄ ̄( ⌒ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(⌒ ノ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄し' U| ̄|
┌────────────ヘ────────────────
|というか、そんな持病があったことを君は知らされてなかったのか?
|結婚も考えていた仲なんだろう?
└────────────────────────────
なんだよそれ、出産できるかどうかが女の価値なのか?
…でもそれより俺自身も気にかかってたことをズバリ言われた。
お互いを信用してなんでも打ち明け合ってる仲だと思ってたのに
彼女は持病、体に抱えた爆弾のことをずっと俺に隠してた。
∧∧ ∧_∧
( )(ー )
| つと )
( | | | |
(/ U (_(_)
…よくとれば「俺に心配かけたくない」
「病気のことで俺が離れて行くのが怖かった」だろう。
…だが逆に、そんなことくらいで俺が揺らぐと思ってたの?
知っていればもっと優しく、そして誰よりも支えになってあげたいと
考える俺の姿は想像できなかったの?
…俺は信用されてなかった…?
冷静な先輩はこういった。
┌────────────────────────────
|籍を入れて、君が苦労する前で…よかったのかもしれないよ?
└──────────v─────────────────
∧_∧ ∧_∧
( ) (−` )
/ つ旦 {}@{}@-と ヽ
 ̄ ̄( ⌒ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(⌒ ノ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄し' U| ̄|
…自分達が最高の恋人同士だったと思い込みたかった俺に。
言い返せない。すごく悔しい。
貴方からみれば俺達なんか
最初から縁の無いカップルだったんだね。
先輩は俺を励まそうと必死。
知ってるよ、俺自分が先輩には可愛がって貰ってると
今でもわかってるし、俺だって普段から先輩が好きだよ。
∧_∧ ∧_∧
( ) (` )
/ つ旦 {}@{}@-と ヽ
 ̄ ̄( ⌒ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(⌒ ノ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄し' U| ̄|
でも今はこう思う。
「 黙 れ 。 オマエになんかわからない。
オマエも一回、嫁に死なれてみろ。
それでまだそんな口がきけるのか?」 と。
遊びの誘いに乗らない俺にギコが痺れを切らしてきた。
無理にでも俺を外遊びに連れ出すって。
外の新鮮な空気吸って気持ちを切り換えろって。
∧∧ ∧_∧ γ
(,, ゚Д) ( ) γ
< | ( ) ......................................
( | | | | .::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::........
(/ U (_(_) ...:::::;;;'' ';;;:::::.......
'"""゛~"''"""゛"゛""''・、 ...::::;;;'' '';;;::::::........
"”゛""''""“”゛゛""''' "j' ....::::::;; '';;::::::::::.......
:::::ヘ :::::....ヽ :::;;;ノ ::( ......:::::::::;; ';;;;:::::::::.........
:: ゝ :::::......ノ:;;../ ~~^^ ~~~~~^^^~ ~~^^ ~~^^ ~~~~~^^^~ ~~^^~~~^ ~~~^^~~~~
高校時代の部活の親友。
あの頃からコイツとはお互いに何でも相談しあってたな。
俺が彼女とつきあいだした時も喜んでくれて、
俺の愚痴もノロケも嫌な顔せずに聞いてくれる友人。
だが吐くセリフは一緒。
┌────────────────────────
|いい加減元気だせよ。
|気持ちはわかるけど、オマエの体の方が心配だよ。
└─v──────────────────────
∧∧ ∧_∧ γ
(,, ゚Д) ( ) γ
< | ( ) ......................................
( | | | | .::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::........
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まだ生きてる俺を大事に思ってくれてるから、心を痛めてくれてるんだろ?
なら誰よりも大事だった人間に氏なれた俺の心の痛みがわからないか?
┌────────────────────────
|…オマエがそんなんだったら、彼女も浮かばれないぞ。
|オマエのことが心配で成仏できなかったらかわいそうだろ。
|安心させてあげなよ。
└─v──────────────────────
∧∧ ∧_∧ γ
(,,-Д) ( ) γ
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成仏?心配?かわいそう? そんな霊魂ってモンはありえないんだよ。
心配で成仏できなければとっとと俺のトコにくればいいのに来ないんだ。
俺が泣こうが体調を崩そうが、彼女は「無」。
俺に関心など持ちうるはずのない、「無」に返ったんだ。
┌────────────────────────
|…オマエがツラそうな顔してたら、俺だってつらいんだよ。
|オマエの両親もほんと心配してるんだよ?
|オマエは一人じゃないんだから。な?
└─v──────────────────────
∧∧ ∧_∧ γ
(,, -Д)( ) γ
( つ( ) ......................................
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なんだ、そばにいるそっちがつらいから、俺に落ち込むのをやめろと言うワケか?
オマエが部活の大会の準決勝で負けた時泣いてたよな?
オマエだってつらい時は泣くだろ。落ち込むだろ。
あぁわかってる。ギコは本当に俺のこと心配してくれてる。
おそらく一生のうちでもかけがえのない友人。
∧∧ ∧_∧ γ
(,,, ゚)( ) γ
( つ( ) ......................................
( | | | | .::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::........
(/ U (_(_) ...:::::;;;'' ';;;:::::.......
'"""゛~"''"""゛"゛""''・、 ...::::;;;'' '';;;::::::........
"”゛""''""“”゛゛""''' "j' ....::::::;; '';;::::::::::.......
:::::ヘ :::::....ヽ :::;;;ノ ::( ......:::::::::;; ';;;;:::::::::.........
:: ゝ :::::......ノ:;;../ ~~^^ ~~~~~^^^~ ~~^^ ~~^^ ~~~~~^^^~ ~~^^~~~^ ~~~^^~~~~
だが今はこう感じてしまう。
「俺の元気を出させたい奴ってのは、
自分が俺の陰鬱な空気の被害者になりたくないから
俺の感情を押さえ込もうとしてるだけなんだ。」 と。
ヒマな時にちょくちょく会ってた
大学時代の友人モララー。
陽気な性格でコイツと俺が盛り上がると
「漫才みたい」と周りに笑われたモンだ。
∧_∧ ∧_∧
( ・∀・) ( )
と と ) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
女に対していまいち奥手で今まで恋人ができたことがない。
男からみると、義理堅いし超いい奴なんだけどね。
┌────────────────────────
|なんだよ、ホントに痩せちまったなー。
|おごるから食え食え、う〜〜、今日だけは
|そこの活平目注文したってヨシとしてやるぜっ!!
└────────v───────────────
∧_∧ ∧_∧
( >∀<∩ ( )
と ノ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ありがとう。皆そうやって奢ってくれるって言ってくれるんだけど
食べれないんだよ。気持ちだけ受け取っとく。
彼の吐くセリフはこうだった。
┌──────────────────────────
|オマエは幸せだったと思うよ。たとえ短い間だったとしても
|そんな風に心から愛せる人と恋人同士でいられたんだから。
|…ちょっとうらやましいと思うよ。
|俺なんか女とつきあったこと自体ないから。
└────────v─────────────────
∧_∧ ∧_∧
(-∀- ) ( )
と∇ と ) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
…なるほどね。恋人がいたことのない人は
失って苦しんでる事実より、
恋人がいた経験の方にしか目がいかない…か。
┌──────────────────────────
|それにオマエって、俺より全然モテるじゃん。
|オマエのことを好きになる女はこれからも絶対いるよ。
└────────v─────────────────
∧_∧ ∧_∧
( ・∀・) ( )
と∇ と ) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
…わかってない。女なら誰でもいいんじゃないのに。
それにモテるってね、俺は好きになった子に
好いて貰えるよう努力してたの。
本気で誰かを愛したこともなく
自分磨きの努力もしないで
軽々しく人を女に不自由してないみたいに言わないで欲しい。
今の俺はたった一つの宝物だった愛を失って
他のことも考えられない、飯も喉に通らない、
こんなに不自由してるのに
┌─────────────────────────────
|アハハ、俺なんてオマエと違って、
|このまんまず〜〜っと一生女と縁がなさそうで鬱だー。
└────────v────────────────────
∧_∧ ∧_∧
∩ ;-∀) ( )
ヽ∇ と ) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
それでも今バクバク飯を食ってる「オマエよりはマシ」だから
俺は自分を不幸と思っちゃいけないのか?
わかってるよ。モララーは俺を元気づけるために
俺に今後の希望を抱かせるために、
あえて本人も本気で痛い自虐してくれてるんだって。
いつも損な役回りを自然と引き受けて
それでもこうやって人を応援できる本当にいい奴。
∧_∧ ∧_∧
( ・∀・) ( − )
( つヽ@@@/ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
だけど今は酷いことを考えてしまった。
「どうして俺に愛されて、これから幸せになろうとしてた
彼女がこんなに早く命をおとしたんだ?
なんで誰とも縁もなく必要ともされてないような
こっちの男の方が無駄飯食って長生きできるんだよ…?」 …と。
…自分が嫌になる。
なんで俺こんなに周りを呪ってばかりの嫌な奴なんだろう。
∧_∧
( − )
へ,へ ヽ
(⌒(⌒__人_つ
俺の本性がこんな醜い人間だから
神様が俺から彼女を取り上げたのか?
でもさ、彼女が死ぬまでは俺そんな酷いこと考えたことなかった。
自分を心配してくれる人間を憎むなんて、
俺そこまで、落ちぶれた人間じゃなかったよ。
:,-―-、:
:<< ):
:へ,へ ヽ:
:(⌒(⌒__人_つ:
…あ、わかった。
俺、狂ったんだ。
∧_∧
( ∀ )
へ,へ ヽ
(⌒(⌒__人_つ
彼女を失った悲しみのあまり、気が狂ったんだ。
うちの親はね、本当は彼女のことよく思ってなかったんだ。
彼女の家は小さい借家で
父親の仕事は巷では中流よりちょっと下にみられる職業。
┌─────────────
| もうちょっと食べたら?
└─────v────────
∧_∧
J;´ー`)
( ) ∧_∧
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\(− )
∧_∧ \ )
( ) \
つきあってるだけだったから、ちょっと気になる程度の言い方しかされてなかったけど、
結婚を言い出したら反対してたと思う、
この世間体が大事な見栄っ張りの両親は。
∧_∧
J ´−`)
( ) ∧_∧
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\( − )
∧_∧ \ )
( ) \
┌─────────ヘ───────────────
| いい加減にしろ。オマエがそんな風にしてたって、
| 氏んだ人間が生き返るワケじゃないだろう。
└────────────────────────
この人達は彼女が死んでさぞかしホッとしてるだろうよ。
毎日両親が心配してくれてるのを知ってるのに
こんなことを言ってる俺。
┌────────────────────────
| 最近自分でも変だと思うよ。狂ってきてるんだと思う。
| 精神病院で薬貰ったらつらくなくなるのかな?
| だったら病院にいきたいんだけどいいとこ知らない?
└─────────────v───────────
∧_∧ て
J;´ o`) て
( ) ∧_∧
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\( ∀ )
∧_∧ \ )
( ) \
この後俺は怒られた。
「オマエは今がつらいだけで病気なんかじゃない、
そこは本当に病気の人が行くところだ。しっかりするんだ」
「世の中にはもっと不幸な人間はたくさんいるのに、
アナタのことはたくさんの人が心配してくれてるのよ。
彼女のことは可哀想だけど早く気持ちを切り換えなさい。」
だって。正しい意見だよな。
∧_∧
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\( − )
\ )
\
フン。精神病院通いがこの家から出るのが
不名誉だから止めたんだろ?
本当は俺のことなんてどうでもいいんだ。
…なんでこう、人の言うことが全部悪く聞こえちゃうんだろう。
∧_∧
( − )-、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (ノ ̄(ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
彼女が死んだのも苦しいけど、
自分が堕ちていくのも苦しすぎる。
わかってる。彼女のことは割り切って
早く立ち直るのが、俺にとっても周りにとっても最善だって。
∧_∧
( − )-、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (ノ ̄(ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
…アイツも俺が落ち込んでたら
本当に心配してくれたっけ。
∧ ∧
( ∧_∧
/U ( )
( (∩ と )
(/^Uと_)_)
…アイツの魂があったら、絶対俺が元気になるように願ってるはず。
俺だってもし立場が逆だったら生きてる彼女には
死んだ自分のことは割り切って幸せになって欲しいと願うもの。
∧ ∧
( ヮ ∧_∧
/U (ー )
( (∩ と )
(/^Uと_)_)
わかってる、わかってるけど
どうしても受け止められない。
∧_∧
( Д⊂ヽ-、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ダメだと思いながらも泣き明かす日々
あまりにもつらいので俺は悪魔に心を売った。
|| V || ||
|| ○∩_∩ ∧ /||○ ( )/
|| ( ( )( ||))((( )))/
○∧_∧∧_∧.. || /■\/
( ( ( ー ) || ∧∧/
ヽ. ( つ.||( /||
| | | | | `|| /_/ |
(_(_(__)_)...|| ̄__ |
え?悪魔なんていやしないよ。だが気持ちの問題。
日常生活は普通に送る、俺の内部だけの問題。
恋人同士を見たら、理不尽な不幸に見舞われるよう呪いをかけてやる。
悩みなく笑ってる奴らに、逃げられないトラブルがあるよう願ってやる。
そう、俺が体験したみたいな奴をな。
皆俺の苦しみを知ればいい。
∧_∧
(∀ )
U ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(_⌒)⌒)
/
/
彼女のいない地球に美しい環境や資源を残す必要もない。
そんなモンは俺の代で食い尽くせばいい。
俺がマトモでいることに執着する必要ない。
なにもかも俺と彼女と一緒に破滅しちまえばいいんだ。
そう吹っ切ると毎日が楽になるんだよ。
…ふと素に戻った時すっごく空しいけどね。
だから空しくならないよう常に悪意で武装する。
俺が楽になるためだったら
周りにはいくら迷惑をかけたっていい。
∧_∧ ∧_∧
( ;・∀) (ー )
と∇ と ) ∇と )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
沈黙がイヤなら、勝手に喋っとけ。
オマエらの方が俺のそばにいたいんなら
そうやって俺に気を使い続けろよ。
俺は別に独りになったっていいんだ。
どうせオマエらがいてもいなくてもこの胸の穴は埋まらないんだから。
春の人事異動。
アレか?重苦しい空気を放つ俺はここにいて欲しくないもんな。
イヤ、知ってるって。彼女が死ぬ前に、
俺が自分で希望してた部署への異動だ。
∧_∧
( ´ー`)
( ) ∧_∧
| | | ( − )
(_)_) ( )
| | |
(_(_)
たぶんモナー先輩からも上司に掛け合ってくれたんだろうな。
俺がこの場所で彼女の思い出に縛られないように。
仕事の方でやりがいを見出せるように。
…いい人だぜ。畜生。だが俺にはどうしようもない。
心機一転できそうな職場ではあるけど
いかにも俺が苦手なタイプのおばさんが一人いた。
お局様なんて可愛いモンじゃない、
俺よりは母に近い年代の太っ腹母さん的なオバタリアン。
@@@@
@ ゚д゚)
( ) ∧_∧
ハ ( Д )
( )
この手の人ってーのは、噂好きでお節介で
人のことをどんどん詮索してくるから嫌い。
案の定、会って間もないうちに質問されたよ
┌────────────────
|つきあってる女の子はいるの〜?
└────────v────────
∧_∧
@@@@ (− )
@ ^д^) ( )
( ) | | |
ハ (_(_)
噂のネタ集めのための単なる好奇心のくせに。
それとも何か、俺が独り身だったら
余計なお世話でも焼いてくれる気なのか?
いかにもそういうことが好きそうだな、このババァ。
昔の俺なら、こういう相手は適当に流してた。
だけどアンタは困らせてやるよ。
重苦しい空気に巻き込んでやる。
アンタは俺を傷つける質問をしたんだって自覚するといい。
┌─────────────
|半年前に亡くなりました。
└────────v─────
∧_∧
@@@@ (− )
@ ゚д゚) ( )
( ) | | |
ハ (_(_)
驚いたか。予想の範囲外だっただろ。
この後寡黙になる俺を アンタはどう取り繕うんだ?
どうやって必死に慰めるんだ?
┌────────────────────
| あぁ〜、じゃあ今が一番つらい時期だね。
└────────v────────────
∧_∧
@@@@ Σ (Д )
@ ゚−) ( )
( ) | | |
ハ (_(_)
驚いたのは俺だった。この人は他の奴らみたいに
慌てて俺を慰めようとしなかった。
┌────────────────────────────
| 私もね、若い時に付き合ってた人に氏なれたことがあるのよ。
| バイクで事故っちゃったのよ。
└────────v────────────────────
∧_∧
@@@@ (Д )
@ -д) ( )
( ) | | |
ハ (_(_)
この後彼女はすぐ他の人に呼ばれて仕事に戻った。
┌────────────────
| こればっかりは
| つらいけどしょうがないよねぇ。
└──────v─────────
ハイハイ ∧_∧
/ @@@@ ( Д )
アラヤダさーん (゚д゚ @ ( )
\ ( ) | | |
ハ (_(_)
彼女は俺を慰めなかった。
だけど今までの誰の言葉より俺の現実だった。
「つらいけれどしょうがない」
たったそれだけの会話だったのに
他の誰の言葉よりも癒されてしまった。
∧_∧
( −)
(ニ) つ
ii ⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⊂⊃し'
木
゚ ゚ ゚
皆が俺に元気になることを、立ち直ることを要求する中
彼女だけが俺の今を「つらい時期」だと認めてくれたんだ。
∧ ∧
@@@@ ( )
@ ^д) と |
( ) | )
∧_∧  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| ハ UU
( ) / |
(ニ) つ /
ii ⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
⊂⊃し' |
木
゚ ゚ ゚
今は夫にも子供にも恵まれて悩みもなさそうな彼女、
でも彼女はこの俺と同じ苦しみを知ってる人間なんだ。
だとしたらもう一つ、彼女に聞きたいことがある。
∧_∧
@@@@ (Д )
@ ゚д゚) と )
( ) ( ( (
ハ (_(_)
この苦しみのトンネルからは
いったいどうやったら抜け出せるのかと。
返ってきたのは信じられないくらいありきたりな答え
┌────────────────
| 時間が解決してくれるのを
| 待つしかないね。
└──────v─────────
∧_∧
@@@@ Σ (Д )
@ -д) と )
( ) ( ( (
ハ (_(_)
助かる方法はそれだけ?
他にもっと、早くこの心の傷を癒す方法はないの?
少しがっかりした。
だけど彼女がそういうならそれが真実なんだろう。
俺はつらいと思ってていいんだ。
つらい時期なんだから無理に立ち直らなくてもいいんだ。
そう思うことでまた少し楽になった。
|| V || ||
|| ○∩_∩ ∧ /||○ ( )/
|| ( ( )( ||))((( )))/
○∧_∧∧_∧.. || /■\/
( ( ( − ) || ∧∧/
ヽ. ( つ.||( /||
| | | | | `|| /_/ |
(_(_(__)_)...|| ̄__ |
この苦しさをどうしてもわかってくれない周りの奴らに
イラついてた俺だったけど、
こればっかりは本当に味わったことのある人にしか
理解できない感覚なんだろうな。
┌─────────────
| そうか、新しい職場にも
| なじめたか。よかったな。
└──────v───────
∧_∧ ∧_∧
( ー) (∀` )
/ つ旦 {}@{}@-と ヽ
 ̄ ̄( ⌒ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(⌒ ノ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄し' U| ̄|
「この気持ちを理解して貰えなくてもいい」
そう思うことでもホッとした。
…俺は馬鹿だ。馬鹿すぎる。
∧_∧ ∧ ∧
( Д ) ( ,,)
( ) と |
| | | | )
(_)_) U U
…なんで彼女が死んで一年やそこいらで
別の女の子を好きになってしまうんだろう。
∧_∧ ∧ ∧
(///Д/) (,, ー)
( ) と つ
| | | ( |
(_)_) U U
あんなに泣いて暮らしてたのに
あんなに狂うほど思いつめていたのに
なんで俺はこう薄情なんだ。
自分で自分が情けない。
∧_∧
( Д )-、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (ノ ̄(ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
死んだ彼女に永遠の愛を誓うんだと
何度も自分に言い聞かせてたじゃないか。
なんなの、この意志の弱さは。
君のことを忘れるつもりなんかない。
今でも全部覚えてる。
君の顔、君の言葉、君と作ったたくさんの思い出。
___ ∧_∧__
|____ ( − ) |
|\ _,〜´ ̄ ̄'ヽ ̄ヽ
| .\ノ ゞ ヾ \
\/ \ _,. - 、_,. - 、._ \
\ \________\
\ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
\||________|
夢の中でいいから逢いに来てよ
君の感触を忘れないように
___ ∧_∧__
|____ ( − ) |
|\ _,( U〜U'ヽ ̄ヽ
| .\ノ ゞ ヾ \
\/ \ _,. - 、_,. - 、._ \
\ \________\
\ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
\||________|
そして夢に現れない彼女
でもね、君が遠い世界にいってしまったとしても
もう「無」になっっていたとしても、本当に愛してるよ。
そこにいてもいなくても
愛してるって言わせて
溜め息のようなその言葉が今の俺を支える呪文。
…だけどどうしよう。日に日に
新しく出会った彼女のことも
好きになっていくのが止められない。
∧_∧ ∧ ∧
(///−/) (ー )
( ) と つ
| | | | )
(_)_) U ヽ)
…そういや前の彼女もこんな風に
好きになってしまってたんだっけ。
…たぶん俺はこの女の子のことも
前の彼女と同じくらいの情熱で愛せる。
∧_∧ ∧ ∧
(///Д/) (ヮ )
( ) と つ
| | | | )
(_)_) U U
…けどそんなのって…俺だけずるくないか?
前の彼女にも申し訳ないけど、
この子だって代用品じゃないんだ。
俺の寂しさを埋めるために利用するみたいで
この子に対して失礼だ。
ギコに相談してみた。昔から恋の悩みも全部ギコにしてたから。
┌─────────────────────────
|よかったなぁ〜〜〜、気になる人ができて。
|本当によかったよ。一時のオマエはどうなるかと思ったから。
└─────v────────────────────
∧ ∧ ∧_∧ っ
(,,^Д^) (− ) っ
と∇と) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今まで俺を心配して何度も遊びに連れ出してくれたギコは
昔のように自分から相談を持ちかけた俺の報告を本当に喜んでくれている。
…友達をやめないでいてくれてありがとね…。
┌────────────────────────────
|でもこんな状況の俺なんかだと向こうに迷惑になるかもしれない。
└────────────v───────────────
∧ ∧ ∧_∧
(,,^Д) ( Д )
と∇と) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌────────ヘ────────────────────
|オマエって昔から最初はそうだよなー。
|迷惑かどうかなんて、普段の相手の反応みてたらわかるだろ?
└────────────────────────────
…相手の反応?
…ウン…。好意を持ってくれてると思う。
∧_∧ ∧ ∧
(///−/) (ヮ )
( ) と |
| | | | )
(_)_) U U
俺、前の彼女に死なれた話もしたんだよね。
「そうだったんだ…」と言ったきり
変な慰めもしてこなかった。
∧_∧ ∧ ∧
( − ) ( )
( ) と |
| | | | )
(_)_) U U
潤んだ瞳で俺をみつめたまま。
思わずこっちが目を逸らしてしまった。
俺が本当に彼女を好きになったら
もうたぶん後には引けない。
でも一人で生きることなんて
考えられないほど好きになってしまってから
また彼女を失うことになったらどうしよう?
それがたまらなく怖い。
あんなにつらいのはもう嫌だ。
本当はもう誰も好きになりたくないんだ。
∧ ∧ ∧_∧
(,,゚Д゚) (∩∩ )
と∇と) ( ノ ヽ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌──ヘ────
| あのね…。
└──────
┌────────────────────────────
|縁起でもないけど、じゃあまた今度の彼女が亡くなるとするよ。
|オマエは自分の気持ち、伝えとくのと伝えとかないの
|どっちが後悔すると思う?
└───────v─────────────────────
∧ ∧ ∧_∧
(,, ゚Д) (−∩ )
と∇と) ∩ ヽ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
…そんなの…後者の方が後悔するに決まってる。
┌───────────────────
|今の好きって気持ちを後悔なく使えよ?
└───────v──────────
∧ ∧ ∧_∧
(,, ^Д) ( − )
と∇と) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
前の彼女には全部渡しきれなかった俺の愛。
今度は「好きな人が生きている」喜びを
自覚しながら注げるの…か?
…決めたんだ。明日告白しようと思う。
君は喜んでくれる?それとも浮気者と罵ってる?
___ ∧_∧__
|____ ( − ) |
|\ _,〜´ ̄ ̄'ヽ ̄ヽ
| .\ノ ゞ ヾ \
\/ \ _,. - 、_,. - 、._ \
\ \________\
\ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
\||________|
君の気持ちは今夜伝えに来て。
明日の朝、俺が君と同じように
冷たい骸になっていたならそれでいい。
俺が他の人と愛を育むことを君が許さないなら
どんな風に罰しても構わない。
受け入れるよ。
愛してるよ。今でも。
他に誰を愛したって君は永遠に特別な人。
だから俺の運命を決めていい。
___ ∧_∧__
|____ ( ∩∩) |
|\ _,〜´ ̄ ̄'ヽ ̄ヽ
| .\ノ ゞ ヾ \
\/ \ _,. - 、_,. - 、._ \
\ \________\
\ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
\||________|
…そういえばこんな風に泣くのは久しぶりかも。
…前は毎晩泣いていたのに。
これが…時間という薬なのか…。
今までさんざん逢いたいと願っても
夢に現れたことのない彼女は
やっぱり俺には何も答えてこなかった。
|| V || ||
|| ○∩_∩ ∧ /||○ ( )/
|| ( ( )( ||))((( )))/
○∧_∧∧_∧.. || /■\/
( ( ( − ) || ∧∧/
ヽ. ( つ.||( /||
| | | | | `|| /_/ |
(_(_(__)_)...|| ̄__ |
…だから告白する。付き合って欲しいと頼んでみるつもり。
そりゃ振られるのは怖いよ。
でも好きな人が永遠にいなくなってしまう恐怖に比べれば
これくらいの勇気を出すのも振られる覚悟も
たいした痛みじゃない。
∧_∧ ∧ ∧
(////o/) (o )
( ) |U |
| | | | )
(_)_) U U
…泣かれちゃった。
俺のトラウマを知って、彼女相当悩んでたんだって。
力になってあげたいけど方法がわからなかったって。
∧_∧ ∧ ∧
Σ (///Д/) ∩ )
と つ ヽ |
| | | | )
(_)_) U U
…なんかやばくない?
俺、こんなに簡単に幸せになっていいのかな…?
∧_/∧ ∧
(///−( )
( つ と ヽ
| | | | )
(_)_)U U
だってあれほど死ぬの生きるのの勢いで
悩んで人に迷惑をかけまくった人間なのに
┌────────────────────────
|マジで〜〜!?完全に相思相愛じゃん、やるなぁ〜。
|この幸せ者っっ。
└────────v──────────────────────
| …なんか俺ってズルイ生き方してるよね。
└────v───────────────
∧_∧ ∧_∧
( >∀<∩ ( )
と ノ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌────────────────────────
|ずるいじゃなくって、元々オマエはそうやって
|幸運のチャンスを逃さない人間なのさー。
|俺なんてあの時ああしておけばよかったの後悔だらけw
└────────v───────────────────
| …ごめんね。…荒んでる時は俺、
| モララーにも当たってたと思う。
└────v────────────
∧_∧ ∧_∧
( ・∀) ( )
と と ) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌───────────────────────────
|わかってたけどいいよ。
|俺もそれでオマエを嫌いになってたら普通に関係絶ってたけど、
|そうしたいと思わなかったしな。
|なんつーか、オマエって男にも女にも甘え上手?
└────────v───────────────────
| そ、そうかぁ〜〜〜?
└────v────────────
クス ∧_∧ ∧_∧
( -∀-) Σ (Д////)
と と ) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
…そうなんだ。俺が悲しみに荒れちゃってる時も
広い懐で接し続けてくれる人達がいて。
俺は自分を思いやってくれる人達に甘え続けてた。
┌────────────────────────────
|けどそれはうらやましい長所だよ。
|俺ももうちょっとオマエみたいに器用に生きれたらなぁと思うよ…。
└────────v───────────────────
∧_∧ ∧_∧
(-∀- ) (− )
と と ) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今回も、荒んだ俺を見放さずに受け止めてくれるという
損な役回りを黙って引き受けてくれてたモララー。
そうやって自分を卑下してるけどね、
俺の人生にとってオマエは本当に大事にしたい人間の一人だよ。
今は心からそう思う。
┌─────────────────
|俺もどっかにいい人いないかなぁ…。
└────────v─────────
∧_∧ ∧_∧
(∀- ) (− )
と と ) ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
この先彼につらいことや荒むことがあっても
俺が何の力になれなくてもそばにい続けてあげたいと思う。
「オマエは一人ぼっちじゃないんだ」って。
…あ、これってギコが落ち込んでた俺に言ってくれたセリフだ。
あの時は、単なる気休めのセリフにしか聞こえなかったけど
…そうか、こういう意味が込められていたのか。
うわべだけ面白おかしく付き合いたい人間は
不幸な人間とは付き合いたがらない。
だから何人もの人達が
いつまでも元気にならない、荒んだ性格になっていく俺のことは
さっさと見放していった。
だけどあの逆境で、本当に俺への深い情を持って
俺の力になり続けてくれる覚悟のある人達を何人も確認できた。
┌───────────────────
|よかったなぁ、今度二人で遊びにおいで。
└──────v─────────────
∧_∧
( ´∀`)
( つ ∧_∧
| | | ( )
(_)_) ( )
| | |
(_(_)
慰めや具体的な力になってくれなくても、
不幸な俺のそばから離れていかなかった彼らこそが
本当に俺を支えてくれてる人達だったんだと。
そうやって、信じ愛せる友人達がいて、
その人達への心地よい「感謝」の気持ちを
実感できる今の俺は本当に幸せになったんだなと思う。
もう手放さないよ。
今度いつ不幸が訪れても、後悔のないように
毎日を真剣に、大事な人間に心残りないよう
生きていきたいと思ってる。
┌─────────────
|ついに結婚か〜。
|気持ちの整理は大丈夫?
└─v─────────────────────────
|うん、式場のことで彼女とうちの両親の
|意見が違ってて、それでちょっと今は揉めてるけど、
|両親の説得は俺がやるつもり。
└─v──────────────────────
∧∧ ∧_∧ γ
(,, ^Д)( ) γ
< | ( ) ......................................
( | | | | .::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::........
(/ U (_(_) ...:::::;;;'' ';;;:::::.......
'"""゛~"''"""゛"゛""''・、 ...::::;;;'' '';;;::::::........
"”゛""''""“”゛゛""''' "j' ....::::::;; '';;::::::::::.......
:::::ヘ :::::....ヽ :::;;;ノ ::( ......:::::::::;; ';;;;:::::::::.........
:: ゝ :::::......ノ:;;../ ~~^^ ~~~~~^^^~ ~~^^ ~~^^ ~~~~~^^^~ ~~^^~~~^ ~~~^^~~~~
┌─────────────────
|そーじゃなくて、前の彼女のことだよ。
|ほんとに大丈夫?
└─v────────────────
∧∧ ∧_∧ γ
(,, ゚Д) ( ) γ
< | ( ) ......................................
( | | | | .::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::........
(/ U (_(_) ...:::::;;;'' ';;;:::::.......
'"""゛~"''"""゛"゛""''・、 ...::::;;;'' '';;;::::::........
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:: ゝ :::::......ノ:;;../ ~~^^ ~~~~~^^^~ ~~^^ ~~^^ ~~~~~^^^~ ~~^^~~~^ ~~~^^~~~~
そりゃあ、迷ったよ。俺は死んでしまった彼女のことだって
一生忘れるつもりはないんだから。
移り気で、精神的に二股をかけているような俺は人としてどうなのか。
∧_∧
@@@@ (Д )
@ ゚д゚) と )
( ) ( ( (
ハ (_(_)
心の中で人生の先輩と思っている彼女に問うが、
┌────────────────────
| 人生の波っていうのはそんなモンだよ。
| いろいろ考えても考えなくても
| 時期がくれば勝手に節目ができてるんだよ。
└──────v─────────────
∧_∧
@@@@ (Д )
@ ゚д) と )
( ) ( ( (
ハ (_(_)
また身もフタもない「考えても無駄」という意見。
それが真理のような気もするけど
俺は自分に与えられた幸せを受け入れるために
ゴチャゴチャと納得できる答えを探す。
俺は世の中の神を信じない。
短命だった彼女の運命を決定付けるような存在がいたとしたら、
俺はそいつを絶対に許せない。
真摯に神を崇めているのに幸せになれない人がこの世にはたくさんいるのに、
こんなさんざん人に甘えて迷惑かけてた俺が幸せになるのを
全知全能の神が許しているとしたら不公平で信頼に値しない。
†
∧
|^|___
| ∩∩|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| 貴方は神に誓いますか? |
\_____________/
ドレスが着たいという妻になる人の希望でここにきたけど
金儲け主義の企業が作った似非教会に
運命を誓えるほどの偉大な何かがいるとも思わない。
いるかいないかわからない不確かなモノに祈りを捧げるなら
もっと自分の今後を見守って欲しい
運命を託してもいいほど
一方的に愛せる存在が常に俺の中にある。
|□||/ \ | ̄ ̄| / \||□|
|※||\/ ̄ ̄\ | | / ̄ ̄\/||※|
|※|| i | ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄| i ||※|
|□|| i |___ ___| i ||□|
|※|| i `'''''''''''''l| |l'''''''''''''´ i ||※|
___/|※|| i l| |l i ||※|\___
◇◇◇◇|□|| i l| |l i ||□|◇◇◇◇
 ̄ ̄ ̄\|※|| i l| |l i ||※|/ ̄ ̄ ̄
|※|| i l| |l i ||※| λ_λ
|□|| i ∧_∧___∧%∧ i ||□|(`ー´ )
/lii⌒i| ̄ ̄| ( ) ̄ (__) | ̄ ̄||\|~†~i'^'つ
|| ̄i ̄i ̄| /' ('' ̄ ̄'') /..,__,,_,.ヘ ~'| ̄|~~|~|__| ||
|| i i | ||i., |人._人| / \ |_| :|(_(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .(___χ___).(...,,,,,____,,,,...) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
夢にすら出てこないそいつは
神以上に不確かなモンではあるが
俺はひそかにそいつに誓う。
こんな俺をここまでエコヒイキして幸せに導ける
人知を超えた存在がいるとしたら君しかいないだろう?
λ
(シ iヽ
ヾ)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| 誓います |
\_____/
∧_∧
( )
('' ̄ ̄''つ
|人._人|
(___χ___)
隣にいる女性を妻として愛し生きていくことをご報告します。
俺の親愛なる永遠の女神へ