(壱/拾陸)
何だか苹果《りんご》の匂がする。僕いま苹果のこと考えたためだろうか。
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| / // | // / | カタタン
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|_ ∧∧ | ∧,,∧ 」 ガタタン
//! (,, ゚Д) | ミД゚,, 彡 \
// |ニ/,, ⊃二二二二二⊂ミ ノ \\
|||| |~て ) _) ( ミ〜 ||||
|||| / (/ ∪______し ̄ \ ||||
||||/ / \ \||||
|||| ̄ ̄|||| |||| ̄ ̄||||
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ほんとうに苹果の匂だよ。それから野茨《のいばら》の匂もする。
o
r ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ O ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ヽ
( いま秋だから野茨の花の匂のする筈はないのに )
ゝ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ノ
(弐/拾陸)
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,;;;;;;;;;;;, ( ・o-o)
(,,・д・)oと {V} )
( <y>ノ | | |
UU (_ )_)
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// |∧∧ ∧,,∧ \
|||| (,, ゚Д)_ _ミД゚,, 彡||||
|||| / /,, J/|| ||\(ミ ミ ||||
||||/〜( ) ) ( ミ〜||||
|||| ̄ ̄|(/(ノ し|| ̄ ̄||||
そしたら俄かにそこに、つやつやした黒い髮の六つばかりの男の子が
赤いジャケツのぼたんもかけず、ひどくびっくりしたような顏をして
がたがたふるえてはだしで立っていました。
隣りには黒い洋服をきちんと着たせいの高い青年が、一ぱいに風に吹かれている
けやきの木のような姿勢で、男の子の手をしっかりひいて立っていました。
(参/拾陸)
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__|___,,,|__ ∽ヾヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,;;;;;;;;;;;, ( ・o-o) 川*゚ヮ゚) < あら、ここどこでしょう。まあ、きれいだわ。
(,,・д・)oと {V} )c<__/゚l_j \__________________
( <y>ノ | | | /~~|゚~|
UU (_ )_) UU
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// |∧∧ ∧,,∧ \
|||| (,, ゚Д)_ _ミД゚,, 彡||||
|||| / /,, J/|| ||\(ミ ミ ||||
||||/〜( ) ) ( ミ〜||||
|||| ̄ ̄|(/(ノ し|| ̄ ̄||||
青年のうしろにもひとり十二ばかりの眼の茶いろな可愛らしい女の子が黒い外套を着て
青年の腕にすがって不思議そうに窓の外を見ているのでした。
(四/拾陸)
ああ、ここはランカシャイヤだ。いや、コンネクテカット州だ。 |
いや、ああ、ぼくたちはそらへ来たのだ。 |
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__|___,,,|__ ∽ヾヽ
,;;;;;;;;;;;, ( o-o・) 川*゚ー゚)
(,,・д・)oと {V} )c<__/゚l_j
( <y>ノ | | | /~~|゚~|
UU (_.)_) UU
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わたしたちは天へ行くのです。ごらんなさい。あのしるしは天上のしるしです。 │
もうなんにもこわいことありません。わたくしたちは神さまに召されているのです。 |
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黒服の青年はよろこびにかがやいてその女の子に云いました。けれどもなぜかまた額に深く皺を刻んで、
それに大へんつかれているらしく、無理に笑いながら男の子をジョバンニのとなりに坐らせました。
(伍/拾陸)
それから女の子にやさしくカムパネルラのとなりの席を指さしました。
女の子はすなおにそこへ坐って、きちんと両手を組み合せました。
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//! (,,゚Д゚) | ミ゚Д゚,,彡\
//,;;;;;;;;;;/,, ⊃二二二二二⊂ミ /ノノ∽、\
|||| (,,. ・д) ) _) ( (ー゚*川 ||||
|||| ( ∪<i,,(/∪______し-|l゚゙i__ゝ ||||
||||/ヽ-- J `(~/~ノ\||||
|||| ̄ ̄|||| UJ ̄ ̄||||
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/ ∩_∩ __|___,,,|__ \
//( ´ー`) (-o・ ) \\
|||| (,, つ )_ ({V} ) ||||
|||| /ゝ_ ) ) ( ( _ノ \ ||||
||||/ /__)__) (_(__\ \||||
|||| ̄ ̄|||| |||| ̄ ̄||||
(陸/拾陸)
,;;;;;;;;;;;,, / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(,,.>д<) < ぼく、おおねえさんのとこへ行くんだよう。
( ∪<i,, \_________________
ヽ-- J
腰掛けたばかりの男の子は顏を変にして
燈台看守の向うの席に坐ったばかりの青年に云いました。
____
__|___,,,|__
(-o・` ) 青年は何とも云えず悲しそうな顏をして、
({V} ) じつとその子の、ちぢれてぬれた頭を見ました。
. ( ( _ノ
(_(__\
/ノノ∽
∩∩川
ヽlヽi__ゝ 女の子は、いきなり両手を顏にあててしくしく泣いてしまいました。
(~|゚~ノ
UJ
(七/拾陸)
お父さんやきくよねえさんはまだいろいろお仕事があるのです。
けれどももうすぐあとからいらっしゃいます。
それよりも、おっかさんはどんなに永く待っていらっしゃったでしょう。
わたしの大事なタダシはいまどんな歌をうたっているだろう、雪の降る朝にみんなと手をつないで
ぐるぐるにわとこのやぶをまわってあそんでいるだろうかと考えたり、
ほんとうに待って心配していらっしゃるんですから、
早く行っておっかさんにお目にかかりましょうね。
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__|___,,,|__
,;;;;;;;;;;;,, (-o・ )
(,,. ・д) と{V} )
( ∪<i,, .| | |
ヽ-- J (__(__)
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うん、だけど僕、船に乗らなけぁよかったなあ。 |
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ええ、けれど、ごらんなさい、そら、どうです、あの立派な川、ね、あすこはあの夏中、
ツインクル、ツインクル、リトル、スター をうたってやすむとき、いつも窓からぼんやり白く見えていたでしょう。
あすこですよ。ね、きれいでしょう、あんなに光っています。
(八/拾陸)
泣いていた姉もハンケチで眼をふいて外を見ました。青年は教えるようにそっと姉弟にまた云いました。
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//! (,,゚Д゚) | ミ゚Д゚,,彡\
//,;;;;;;;;;;/,, ⊃二二二二二⊂ミ /ノ∽\\
|||| (,,. ・д) ) )____ ( (゚* 川 ||||
|||| ( ∪<i,,(/__|___,,,|_____し-|゚゙i___ゝ ||||
||||/ヽ-- J (::.... ) (~/~ノ \||||
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わたしたちはもうなんにもかなしいことないのです。
わたしたちはこんないいとこを旅して、じき神さまのとこへ行きます。
そこならもうほんとうに明るくて匂がよくて立派な人たちでいっぱいです。
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│そしてわたしたちの代りにボートへ乗れた人たちは、きっとみんな助けられて、
│心配して待っているめいめいのお父さんやお母さんや自分のお家へやら行くのです。
│さあ、もうじきですから元気を出しておもしろくうたって行きましょう。
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青年は男の子のぬれたような黒い髪をなで、みんなを慰めながら、
自分もだんだん顔いろがかがやいて来ました。
(九/拾陸)
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/ ∩_∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
//( ´−) < あなた方はどちらからいらっしゃったのですか。どうなすったのですか。
|||| (,, つ )_ \_____________________________
|||| ./ゝ_ ) )
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さっきの燈台看守がやっと少しわかったように青年にたずねました。青年はかすかにわらいました。
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|||| (,,. ・д) ) )____ ( (゚* 川 ||||
|||| ( ∪<i,,(/__|___,,,|_____し-|゚゙i___ゝ ||||
||||/ヽ-- J (o-o・ ) `(~/~ノ\||||
|||| ̄ ̄|||| ( {V} ) UJ ̄ ̄||||
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いえ、氷山にぶっつかって船が沈みましてね、わたしたちはこちらのお父さんが
急な用で二ヶ月前一足さきに本国へお帰りになったのであとから発ったのです。
私は大学へはいっていて、家庭教師にやとわれていたのです。
(拾/拾陸)
ところがちょうど十二日目、今日か昨日のあたりです、
船が氷山にぶっつかって一ぺんに傾きもう沈みかけました。
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ノゝ~~ ノゝノゞ ~~~~ ノゞノゝ ~~ノゞノゝ 。 ノゞゝ~~~~ノゞ ~~~~~ノゝノゞ ~~ノゝ~ノゞ
月のあかりはどこかぼんやりありましたが、霧が非常に深かったのです。
(拾壱/拾陸)
ところがボートは左舷の方半分はもうだめになっていましたから、とてもみんなは乗り切らないのです。
もうそのうちにも船は沈みますし、私は必死となって、どうか小さな人たちを乗せて下さいと叫びました。
/⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ
/⌒ヽ ´ ____/⌒ヽ /⌒ヽ
´ /⌒__|___,,,|__ ∽ヾヽ ~
⌒ヽ ,;;;;;;;;;;,, ( ・o-o) 川*゚-゚) /⌒ヽ
(,,・д・)oと {V} )c<__/゚l_j
( <y>ノ | | | /~~|゚~| /⌒ヽ
/⌒ヽ /⌒ヽ/⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ
/⌒ヽ /⌒ヽ ~/⌒ヽ´
近くの人たちはすぐみちを開いてそして子供たちのために祈って呉れました。
けれどもそこからボートまでのところにはまだまだ小さな子どもたちや親たちやなんか居て、
とても押しのける勇気がなかったのです。
それでもわたくしはどうしてもこの方たちをお助けするのが私の義務だと思いましたから
前にいる子供らを押しのけようとしました。
/⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ
/⌒ヽ ´ ____/⌒ヽ /⌒ヽ
´ /⌒__|___,,,|__ ∽ヾヽ ~
⌒ヽ ,;;;;;;;;;;,, ( ・o-o)川*゚-゚) /⌒ヽ
(,,・д・)oと {V} つ<__/゚l_j
( <y>ノ | | | /~~|゚~| /⌒ヽ
/⌒ヽ /⌒ヽ/⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ
/⌒ヽ /⌒ヽ ~/⌒ヽ´
けれどもまたそんなにして助けてあげるよりは、このまま神のお前にみんなで行く方が
ほんとうにこの方たちの幸福だとも思いました。
それからまたその神にそむく罪はわたくしひとりでしょってぜひとも助けてあげようと思いました。
(拾弐/拾陸)
けれどもどうして見ているとそれができないのでした。
子どもらばかりボートの中へはなしてやってお母さんが狂気のようにキスを送り
お父さんがかなしいのをじっとこらえてまっすぐに立っているなど
とてももう腸《はらわた》もちぎれるようでした。
∧,,∧
/⌒ヽ ミ ,,;Д彡
/⌒ヽ ∧∧つ
( 。>o) ||
/⌒ヽ/⌒ヽ ∧∧つ ∧ ∧ ∧ ∧
/⌒ヽ. (, -д)|| (ДT ,,)(>_<。*)
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/⌒ヽ || ミд<。,,ミ(;Д;,,)
/⌒ヽ~~ || ハハ λ_λ )
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⊂ と__,,)二) |
|\|゙゙゙゙|゙゙゙゙゙|/|
| `ーnー´ |
〜\ .| | /〜
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(拾参/拾陸)
そのうち船はもうずんずん沈みますから、私はもうすっかり覚悟してこの人たち二人を抱いて、
浮べるだけは浮ぼうとかたまって船の沈むのを待っていました。
/⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ
/⌒ヽ ´ ____/⌒ヽ /⌒ヽ
´ /⌒ __|___,,,|__∽ヾヽ ~
⌒ヽ ,;;;;;;;;;;,( ・o-o)l|*゚-゚) /⌒ヽ
(,,・д・) {V} <__/゚l_j
( <y>| | |./~~|゚~| /⌒ヽ
/⌒ヽ /⌒ヽ/⌒ヽ /⌒ヽ /⌒ヽ
/⌒ヽ /⌒ヽ ~/⌒ヽ´
どこからともなく〔約二文字分空白〕番の声があがりました。
たちまちみんなはいろいろな国語で一ぺんにそれをうたいました。
そのとき俄かに大きな音がして私たちは水に落ちました。
o ゚
。 ゚ 。
゚ ゚ 。
。゚ 。
____
,;;;;;;;;;__|___,,,|__/ノ∽
(,,, ( )(‐*川
( と´ ̄ ̄`つ______ゝ
(ノ(ノ ノ ハ ノ 'i~|~~ヽ
(_(._) Uヽ)
もう渦に入ったと思いながらしっかりこの人たちをだいて
それからぼうっとしたと思ったらもうここへ来ていたのです。
(拾四/拾陸)
この方たちのお母さんは一昨年没《な》くなられました。
ええボートはきっと助かったにちがいありません、何せよほど
熟練な水夫たちが漕いですばやく船からはなれていましたから。
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/ ∩_∩ __|___,,,|__ \
//( ´−`) (-o・ ) \\
|||| (,, つ )_ ({V} ) ||||
|||| /ゝ_ ) ) ( ( _ノ \ ||||
||||/ /__)__) (_(__\ \||||
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そこらから小さないのりの声が聞え、ジョバンニもカムパネルラもいままで忘れていた
いろいろのことをぼんやり思い出して眼が熱くなりました。
. 二二二二二\ /
∧∧| //
(,,゚Д゚)
, ,,. /,,つと)
;:〜( ) )\\
∧,,∧ \\
。 ミ,,゚Д彡 \\
o 二二二二二二二二二\
⌒ ⌒ O ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒
ああ、その大きな海はパシフィックというのではなかったろうか。
その氷山の流れる北のはての海で、小さな船に乗って、風や凍りつく潮水や、
烈しい寒さとたたかって、たれかが一生けんめいはたらいている。
ぼくはそのひとにほんとうに気の毒でそしてすまないような気がする。
ぼくはそのひとのさいわいのためにいったいどうしたらいいのだろう。
`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー'´`ー
ジョバンニは首を垂れて、すっかりふさぎ込んでしまいました。
(拾伍/拾陸)
燈台守がなぐさめていました。
────────────────────────────────ー─┐
なにがしあわせかわからないです。 |
ほんとうにどんなつらいことでも、それがただしいみちを進む中でのできごとなら .|
峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。 |
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/ ∩_∩ __|___,,,|__ \
//( ´−`) (-o・ ) \\
|||| (,, つ )_ ({V} ) ||||
|||| /ゝ_ ) ) ( ( _ノ \ ||||
||||/ /__)__) (_(__\ \||||
|||| ̄ ̄|||| |||| ̄ ̄||||
──────────────∧────────┐
ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るために |
いろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。 .|
───────────────────────┘
青年が祈るようにそう答えました。
(拾陸/拾陸)
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//! (,,゚Д゚) | ミ゚Д゚,,彡\
//,;;;;;;;;;;/,, ⊃二二二二二⊂ミ /ノノ∽、\
|||| (,,. -д) ) _) ( ( -*川 ||||
|||| ( ∪<i,,(/∪______し-|l゚゙i__ゝ ||||
||||/ヽ-- J `(~/~ノ\||||
|||| ̄ ̄|||| UJ ̄ ̄||||
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/ ∩_∩ __|___,,,|__ \
//( ´ー`) (-o・ ) \\
|||| (,, つ )_ ({V} ) ||||
|||| /ゝ_ ) ) ( ( _ノ \ ||||
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そしてあの姉弟はもうつかれてめいめいぐったり席によりかかって睡っていました。
さっきのあのはだしだった足にはいつか白い柔らかな靴をはいていたのです。