☆名作ショートショートをAA化しよう☆第十一幕
======================== ショートショートの広場 ９
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（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉjＪＪＪ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟ−ﾟ；)! ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ (| |) ||
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ある日、学校から帰ると天使が部屋で待っていた。
私は別にキリスト教徒ではないが、頭にわっかを乗せて白い翼を持ったその女性を
他にどう呼んでいいかわからない。
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何の用かと尋ねたら、あなたの願いを三つかなえに来ました、と言う。
三つの願い事というのは昔話の定番だが、
普通そういうのは精霊か悪魔の仕事ではなかっただろうか。
そして願い事のあとには当然のようにしっぺ返しが待っているのだ。
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○
O
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(ﾟ−ﾟ；)
そんな目にあうのは嫌だが、
かといって結構ですと断ってしまうにはもったいない話のような気もしないではない。
私は天使にいくつか質問をしてみることにした。
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_＿＿＿＿＿＿__ ⊂二⊃￣l |ヽ＿_| あなたは、本当に天使なんですか？
l| |l + ｒ'´ ヽ | ｌ||￣＼＿＿＿＿＿＿__ ＿＿＿＿＿＿＿＿_
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（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉjＪＪＪ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟ−ﾟ；)! ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣＋~ ~ (| |) ||
ヾ ﾉ ヽ 〜〜〜〜＿＿＿＿＿＿＿_ | |〜 O)||
ヾ ﾉ ヽ, ／| !＼ ＼ Ｕ Ｕ ＼ ||
ゝ ｢|￣￣￣￣／￣￣ ￣￣￣￣＼ ＼ ＼ ||
ヽ_,ﾉ|｣――――| はい、そうです。 |二二二二二二二ｌ ＼ ||
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にっこりと微笑みながら答えるその姿の、輝くばかりの神々しさ。
やはり本物の天使にしか見えない。
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_＿＿＿＿＿＿__ ⊂二⊃￣l |ヽ＿_| なぜ私の願いをかなえてくれるんです？
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（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉjＪＪＪ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟ−ﾟ；)! ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ ⊂ |) ||
ヾ ﾉ ヽ 〜〜〜〜＿＿＿＿＿＿＿_ | |〜 O)||
ヾ ﾉ ヽ, !＼ ＼ Ｕ Ｕ ＼ ||
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|| ||| | あなたは素直で優しく、心がけも良い。
|| ||| | 亡くなった後には天国に召されること間違いなし、
|| ||| | と認められたからです。
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（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉつJJ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟーﾟ；) ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ (| |) ||
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思いがけず褒め上げられて、私は頬を赤らめた。
嬉しさと気恥ずかしさで胸がいっぱいになりかけたが、
ふと、あることに気がついて今度は急に不安がこみ上げてくる。
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_＿＿＿＿＿＿__ ⊂二⊃￣l |ヽ＿_| まさか私、近いうちに死ぬんですか！？
l| |l ｒ'´ ヽ | ｌ||￣＼＿＿＿＿＿＿＿__ ＿＿＿＿＿＿＿_
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（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉjＪＪＪ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟＯﾟ；) ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ ⊂ つ ||
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ヾ ﾉ ヽ, !＼ ＼ （／ヽ_,)＼ ||
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それで「最後の願い」なんていうのでは、割に合わない。救われない。
あせる私に、天使は小さく首を振った。
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|| ||| | 大丈夫。あなたの寿命はまだ、あと何十年も残っていますよ。
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（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉつJJ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟーﾟ；) ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ (| |) ||
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ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ ＼ ||
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よかった。ホッと胸をなでおろす。それでは、これが最後の質問だ。
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_＿＿＿＿＿＿__ ⊂二⊃￣l |ヽ＿_| 魂をとる、とか…言います？
l| |l ｒ'´ ヽ | ｌ||￣＼＿＿＿＿＿＿__ ＿＿＿＿＿＿_
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|,ﾉ´￣´⌒￣⌒⌒｀ヽ、 /⌒｀/ リ´ワ｀ﾉ⌒ヽ |l[｢l｢[[[｢｢l|＿__| | ∧∧ | ||
（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉjＪＪＪ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟ−ﾟ；)! ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ (| |) ||
ヾ ﾉ ヽ 〜〜〜〜＿＿＿＿＿＿＿_ | |〜 O)||
ヾ ﾉ ヽ, ／| !＼ ＼ Ｕ Ｕ ＼ ||
ゝ ｢|￣￣￣￣／￣￣ ￣￣￣￣＼ ＼ ＼ ||
ヽ_,ﾉ|｣――――| いいえ。 |二二二二二二二ｌ ＼ ||
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天使ははっきりと否定した。
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|| ||| | 魂は、いりません。
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|,ﾉ´￣´⌒￣⌒⌒｀ヽ、 /⌒｀/ リ´ワ｀ﾉ⌒ヽ |l[｢l｢[[[｢｢l|＿__| | ∧∧ | ||
（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉjＪＪＪ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟーﾟ；)| ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ (| |) ||
ヾ ﾉ ヽ 〜〜〜〜＿＿＿＿＿＿＿_ | |〜 O)||
ヾ ﾉ ヽ, !＼ ＼ Ｕ Ｕ ＼ ||
ゝ ｢|￣￣￣￣￣￣｢| ll＼＼ ＼ ＼ ||
ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ ＼ ||
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私の心は決まった。
これまでの行いを認めてくれるというのなら、遠慮なく甘えてしまおう。
つまらない意地などはって、こんな幸運を逃す手は無い。
私は、慎重に考えながら願い事を口にした。
467 ：11/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:32 ID:mKp6QPVF
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|| ／||| ／ | | || | 「ニニニニニニニニニニニﾆ!
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|| ||| ／ ／ | | || | | | ・ お金が欲しい | |
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（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉつＪＪ| |ｌ ニニニ|| l,＿,!＼ || ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ ＼ || ||
ヾ ﾉ ヽ 〜〜〜〜＿＿＿＿＿＿＿_ ∧∧ ＼|| O)||
ヾ ﾉ ヽ, !＼ ＼三＼ (ﾟＯﾟ；) ＼ ||
ゝ ｢|￣￣￣￣￣￣｢| ll＼＼ ￣￣□⊂ ヽ ＼ ||
ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ(__,つ ＼ ||
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天使がうなずいた。
机にあった新聞を私に差し出し、宝くじの当選発表欄を見なさいと言う。
財布の中のくじと照らし合わせると、一千万円が当たっていた。
468 ：12/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:34 ID:mKp6QPVF
「ニニニニニニニニニニニニニﾆ!
/:::l / ::ｌ | | |｜
/ :::::| / :::::| | | ・ 頭が良くなりたい ｜|
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／ ::::::::::｀ヽ |_ニニニニニニニニニニニニニ_|
/ :::::::::::::ヽ
| ::::::::::::|
|￣￣￣l .::::::::::::!
| ヽ、 .:::::::::::::ﾉ
(´ つ ＞ :::::::::::｀ヽ
＼ ＼＿__／ ::::::::::::::::!
＼ :::::::::::::::ｌ
天使がまた、うなずいた。
ためしに手元の問題集を開くと、昨日までチンプンカンプンだった問題が、
すらすらと解けるようになっている。
469 ：（ ´∀）・∀）,,ﾟД)さん：04/03/07 01:39 ID:sdxhR4OU
支援
470 ：13/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:43 ID:mKp6QPVF
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|| ／ ||| ／| | || | |
|| ／||| ／ | | || | 「ニニニニニニニニニニニニニニニﾆ!
|| ／ ||| ／ ／ | | || | | | | |
|| ||| ／ ／ | | || | | | ・ 幸せな人生がおくりたい | |
|| ||| ／ | | || | | | | |
|| ||| | | || | |_ニニニニニニニニニニニニニニニ_|
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l| |l ｒ'´ ヽ | ｌ||￣￣￣|| | || ＼
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|,ﾉ´￣´⌒￣⌒⌒｀ヽ、 /⌒｀/ リ´ｰ｀ﾉ ⌒ヽ |l[｢l｢[[[｢｢l|＿__| | ∧∧ | ||
（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉjＪＪＪ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟーﾟ；)| ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ ⊂ つ ||
ヾ ﾉ ヽ 〜〜〜〜＿＿＿＿＿＿＿_ | |〜 O)||
ヾ ﾉ ヽ, !＼ ＼三＼ ∪∪ ＼ ||
ゝ ｢|￣￣￣￣￣￣｢| lｌ＼＼ ￣￣＼ ＼ ||
ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ ＼ ||
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ちょっと欲張りすぎかな、と思った願いだったが、天使はあっさりとうなずいた。
471 ：14/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:44 ID:mKp6QPVF
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|| ||| | あなたは、死ぬまで幸せに暮らせます。
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|,ﾉ´￣´⌒￣⌒⌒｀ヽ、 /⌒｀/ リ´ワ｀ﾉ⌒ヽ |l[｢l｢[[[｢｢l|＿__| | ∧∧ | ||
（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉつJJ| |ｌ ニニニ|| l,＿,! (ﾟワﾟ*) ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ (| |) ||
ヾ ﾉ ヽ 〜〜〜〜＿＿＿＿＿＿＿_ | |〜 O)||
ヾ ﾉ ヽ, !＼ ＼三＼ ∪∪ ＼ ||
ゝ ｢|￣￣￣￣￣￣｢| lｌ＼＼ ￣￣＼ ＼ ||
ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ ＼ ||
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その言葉を疑う理由は、私には無い。私は喜んでお礼を言った。
472 ：15/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:45 ID:mKp6QPVF
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l| |l ｒ'´ ヽ |l |l￣￣￣|| | ありがとうございます、天使さま
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|,ﾉ´￣´⌒￣⌒⌒｀ヽ、 /⌒｀/ リ´ワ｀ﾉ⌒ヽ |l[｢l｢[[[｢｢l|＿__| ｜ |／| ||
（ ノ ヽ、ししノﾉ（ハｰﾉﾉjＪＪＪ| |ｌ ニニニ|| l,＿,!∧∧ || ||
ヽ ' , ヽ ﾉ/ ハ ヽ￣ ~ ~ (ﾟワﾟ*) || ||
ヾ ﾉ ヽ 〜〜〜〜＿＿＿＿＿＿＿_ (S) ヽ || O)||
ヾ ﾉ ヽ, ｌ＼ ＼三＼ ( (__,つ ヽ、 ||
ゝ ｢|￣￣￣￣￣￣｢| lｌ＼＼ ￣￣＼ ＼ ||
ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ ＼ ||
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473 ：16/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:47 ID:mKp6QPVF
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|| ／ ||| ／ ／／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
|| ||| ／ ／ | では、さようなら。
|| ||| ／ | もう二度とお会いすることはないでしょう。
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_＿＿＿＿＿＿__ ｒ'´ ヽl lヽ＿＿＿ヽ | || ＼
l| |l / ﾉﾉﾉ从ﾉノ|｜ｌ||￣￣￣|| | || ＼
||―‐(⌒⌒⌒)―‐|| /⌒｀/ リ´ワ｀ﾉ⌒ヽ_|||￣￣￣|| ⊂,,,⊃ || ＼
|,ﾉ´￣´⌒￣⌒⌒｀ヽ､ ししノ⊂ハｰﾉﾉつＪＪl| |ｌ[｢｢[[[｢｢ｌ|＿__| ｜ || ||
（ ノ ヽ ﾉ/ ハ ヽ _____ｌ| ||ニニニ,|| ｌ,＿,!∧∧ || ||
ヽ ' , ヽ、 * 〜＋〜〜￣ ~ ~ (ﾟーﾟ；) || ||
ヾ ﾉ ヽ､ + ﾟ * _＿＿＿＿＿＿＿__ (S) ヽ || O)||
ヾ ﾉ ヽ, ｌ＼ ＼三＼ ( (__,つ ヽ、 ||
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ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ ＼ ||
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天使のさりげない別れの言葉が、ふと気になった。
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ⊂二⊃ ‐、＿＿＿| 待ってください。
_＿＿＿＿＿＿__ ｒ'´ ヽ ヽ＿＿__| 私が死んで天国へ行けば
l| |l / ﾉﾉﾉ从ﾉノ|｜ｌ||￣￣| また会えるんじゃないんですか。
||―‐(⌒⌒⌒)―‐|| /⌒｀/ リ´ワ｀ﾉ⌒ヽ_|||￣￣＼＿＿＿＿＿_ ＿＿＿＿＿＿＿＿_
|,ﾉ´￣´⌒￣⌒⌒｀ヽ、 ししノ⊂ハｰﾉﾉつＪＪl| ||[｢｢[[[｢｢||,＿__| ｜ |／ || ||
（ ノ ヽ ﾉ/ ハ ヽ _____ｌ| ||ニニニ,|| ｌ,＿,!∧∧ || ||
ヽ ' , ヽ、 * 〜＋〜〜￣ ~ ~ (ﾟーﾟ；) || ||
ヾ ﾉ ヽ､ * + ﾟ _＿＿＿＿＿＿＿__ (S) ヽ || O)||
ヾ ﾉ ヽ, ｌ＼ ＼三＼ ( (__,つ ヽ、 ||
ゝ ｢|￣￣￣￣￣￣｢| lｌ＼＼ ￣￣＼ ＼ ||
ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ ＼ ||
!|_| !|_| ＼
475 ：18/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:48 ID:mKp6QPVF
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
| あなたはもう、天国へは行けません。
＼＿＿＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|／ || Ｏ||
⊂二⊃ ヽ人从ノ ||
ｒ'´ ヽ ∧∧ ／￣￣￣￣￣￣￣
/ / / _,ノ ＿＿(ﾟＯﾟ；) ＜ ええっ！？
/⌒｀/ / / /⌒ヽ ｌ ヽ ＼＿＿＿＿＿＿＿
ししノノノノﾊＪＪＪ ＵＵ_,,）〜
＋ ﾉ/ ハ ヽ + ／￣￣￣￣￣￣／!
ﾟ 〜〜+〜 ／ ／／|
＋ * ／ ／／ ｀~
ｌ二二二二二二二ｌ／
|_|,! |_|,!
驚く私に、天使は説明を始めた。
さっきまでの慈愛に満ちた表情は消えて、口調もビジネスライクなものに変わっている。
476 ：19/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:49 ID:mKp6QPVF
⊂二⊃
⊂二⊃ ∧＿∧ ∧△∧
∧＿∧ （；´Д｀） （´∀｀ ） 从 ∧△∧
（ ；´Д｀） /⌒/ ｌ⌒ヽ ⊂⊂ ヽ (()ﾉ ∧△∧ （´∀｀ ） 从
/⌒/ つつ しし| ∪∪ＪＪﾉ ∧△∧ （´∀｀ ） ⊂⊂ ） (()ﾉ
し ⊂＿__) ) （_＿）＿） （´∀｀ ） ⊂⊂ ! ( ﾉ
⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽヽ⌒ヽ⌒ヽ⌒ヽ ⊂⊂ ヽ ヽ ﾉ )ノ
:::::::::::::::::::::: :::::: ::...... :: ::... :: ::... ﾉ ヽ､ ｌ )ノ
「 今、天国は満員状態なんです。なにしろ、
ほんの一握りの極悪人以外の魂は、全部こちらへ来ることになっているものですからね。
天国の人口は増える一方なのに地獄はいつまでたっても閑古鳥。
この極端なバランスの悪さは、決して望ましいことではありません。」
477 ：20/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:50 ID:mKp6QPVF
┏━ ━┓ 素直
┃ ∧∧ ┃ ／
(ﾟーﾟ*) ＿＿＿／
＿＿ (| |)
／ | |〜
やさしい ┃ し'ヽ） ┃ 心がけ(・∀・)ｲｲ!!
┗━ ━┛
「 そこで、天国行きが確実な人間の中から無作為に何名かを選び出し、
その方の三つの願いを叶えることで
死後の天国行きを辞退していただいた、と見なす新システムが、
本年度から採用されることになったのです。」
478 ：21/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:51 ID:mKp6QPVF
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|| ／||| ／ | あなたはその記念すべき第一号。
|| ／ ||| ／ | 天国への扉は永遠に閉ざされましたが、
|| ||| ／ ／ | 死亡するまでの幸福は、さきほど約束されました。
|| ||| ／ | どうぞ限りある人生を有意義にお過ごしください。
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|,ﾉ´￣´⌒￣⌒⌒｀ヽ､ ししノﾉ（ハｰﾉﾉつＪＪl| |ｌ[｢｢[[[｢｢ｌ|＿__| ｜ || ||
（ ノ ヽ ﾉ/ ハ+ヽ_____ｌ| ||ニニニ,|| l,＿l∧∧ || ||
ヽ ' , ヽ、 * .. ::::::..＋ﾟ ￣ ~ ~ (ﾟロﾟ；) || ||
ヾ ﾉ ヽ､ + ﾟ * _＿＿＿＿＿＿＿__ ｌ ヽ || O)||
ヾ ﾉ ヽ, l＼ ＼三＼ ＵＵ__,）〜 ||
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ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ ＼ ||
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私は絶望した。 生きている何十年かは間違いなく幸せ。
でも、死んだ後は地獄行き、それも永遠にだなんて！！
479 ：22/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:53 ID:mKp6QPVF
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_＿＿＿＿＿＿__ ｒ'´ ヽl lヽ＿＿＿ | ひどい……どうして私が！？
l| |l / ﾉﾉﾉ从ﾉノ|｜ｌ||￣￣￣| 私は何も悪くないのに！！
||―‐(⌒⌒⌒)―‐|| /⌒｀/ リ´ｰ｀ﾉ⌒ヽ _|||￣￣￣| 悪い事なんかしてないのに！！
|,ﾉ´￣´⌒￣⌒⌒｀ヽ、 ししノﾉ（ハｰﾉﾉｊＪＪJl| |l|[｢｢[[[｢｢＼＿_＿＿__ ＿＿＿＿＿＿＿＿
（ ノ ヽ ﾟ::::＋:::+:::::._____ｌ| ||ニニニ|| l,＿,,! |／ || ||
ヽ ' , ヽ、 +::::::ﾟ ￣ ~ ~ ∧∧ || ||
ヾ ﾉ ヽ､ _＿＿＿＿＿＿＿__ (ﾟOT*)⌒ヽ| O)||
ヾ ﾉ ヽ, l＼ ＼三＼ U U(__,つ＼ ||
ゝ ｢|￣￣￣￣￣￣｢| ll＼＼ ￣￣＼ ＼ ||
ヽ_,ﾉ|｣――――――|｣ ~ ＼ｌ二二二二二二二二ｌ ＼ ||
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泣きながら訴える私に、天使は聖母のように微笑んで答えた。
480 ：23/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:56 ID:mKp6QPVF
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|| ／ ||| ／ | 確かにあなたは素直で優しく、心がけも良く、
|| ||| ／ ／ | 悪いことも何もしていません。
|| ||| ／ | でも、ただひとつ…
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481 ：24/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:57 ID:mKp6QPVF
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|| ||| ／ | 運が、 悪かったんですね。
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482 ：終 25/25 ◆6666P.Z.IE ：04/03/07 01:58 ID:mKp6QPVF
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そうして、天使は完全に消えた。