荒巻スカルチノフ ./ ,' 3 `ヽーっ 4モノフ
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ト、 !. 〈/ } / ,.イ
ヽ、___ヽ、 ./ カパッ  ̄レ' _, ‐'
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./ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
ある日、小さな命が誕生しました。
彼の名前は荒巻といいました。
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/ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
荒巻は既に自我を持っていました。
自分はなんのために生まれたのか…青空を見上げながらも考えます。
ソ-、`ー─‐ァjj {ト---- ニニヽ
r`==く:. u /`ヽ===' 、_,
ヽ(⌒)_ノ:: | 〈 (⌒) ノ
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:: { }〉 lj
ヽ :: u ⌒ー '´ u /
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/ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
人に自分のことを尋ねても、答えてはくれませんでした。
それどころか不快な視線を送ってくるだけでした。
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(・ω・` )___./ ,' 3 `ヽーっ
O┬O ) / ヽ ⊃ ⌒_つ
◎┴し'-◎ ≡ `'ー---‐'''''">>>> ズルズル
答えを求めて街に出た荒巻に与えられたのは
身を引き裂かれるような痛み。
(´⌒`)
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⊂(#・∀・)
/ ノ∪
し―-J |l| |
_,,..,,,,_ ビターン!!
/ , `ヽーっ
l ,3 ⊃ ⌒_つ
)'ー---‐'''"(⌒
⌒Y⌒Y⌒
言葉を理解していない荒巻は人々が何故こうも
自分をひどく扱うのが理解できません。
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/ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'∩---‐∩
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荒巻はそれでも怒ることはありませんでした。
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\ |「 ̄ ̄ ̄ `||`l /
─ || ォ゚゚゚Πへ.:|| :| ─
/ |L二二二ニ!| ;| \
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数ヶ月が立ち荒巻はある番組を偶然目にしました。
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| ストレス発散人形 |/
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そう、荒巻は人形だったのです。
だけど、荒巻は自我を持ち生きていた。
/\___/ヽ っ
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| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| せっせ
| `-=ニ=- ' .:::::::|
\ `ニニ´ .:::::/ せっせ
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. ___/ ,' 3 `ヽーっ/ ,' 3 `ヽーっ))) / ,' 3○ `ヽー○ |
/ l ⊃ ⌒_つl ⊃ ⌒_つ ̄ ̄ ̄l ⊃ ⌒_つ ̄ ̄ ̄
/ `'ー---‐'''''" `'ー---‐'''''" ))) `'ー---‐'''''"
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自分と同じ姿をした人形が作られていく過程を荒巻はじっと見つめました。
ああ、だから自分はこんな目にあっているのかと思いながら。
_,,.. -―――- 、、
,. ‐'"´ `丶 、
/ `丶、
/ ノ '⌒i 丶 _ __,,...._
/ ‐く \  ̄ ̄ ゙i
j 、__,ノ _,,.. -''′
l ノ
| ,r''"´ ̄``丶 、 __,. -- .、
|  ̄ ̄`ヽ i
| ___,ノ ノ
! ,/
゙ 、 ,. - '
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丶、 _,,,. -‐ '"
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荒巻は目を閉じてじっと考えました。
人形であるはずの自分は何故自我を持ってしまったのかと。
このまま自分はボロボロになっていくのだろうかと・・・
∧_∧
(´・ω・) キキーッ!
O┬O )
◎┴し'-◎ ≡
_,,..,,,,_
./ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
数日後ボロボロになって道端に倒れていた荒巻を
一人の少女が見つけました。
ズルズル…
∧_∧
(´;ω;)o,..,,,,_
/ つ/ ,' 3 `ヽーっ
し―-,l ⊃ ⌒_つ )))
`'ー---‐'''''"
少女はズルズルと荒巻を自分の家へと引きずります。
その少女はいつか自分を引きずりまわした少女でした。
その子は一人で寂しくて、つい荒巻にあたってしまったと言いました。
_,,..,,,,_
/ ,' 3 /ヽ-、__
<⌒/ ヽ
/<_/____/
その晩、荒巻は少女と一緒に眠りにつきました。
彼に初めて訪れた安息の時間でした。
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./ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
荒巻ははっと目を覚ましました。
そう、少女は荒巻の夢の中の人物だったのです。
_,,.. -―――- 、、
,. ‐'"´ `丶 、
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/ ノ '⌒i 丶 _ __,,...._
/ ‐く \  ̄ ̄ ゙i
j 、__,ノ _,,.. -''′
l ノ
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|  ̄ ̄`ヽ i
| ___,ノ ノ
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荒巻は自分の記憶が薄れ始めていることに気づきました。
もしかすると自分はだんだん人形に近づいているのかもしれない…。
(´⌒`)
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⊂(#・∀・)
/ ノ∪
し―-J |l| |
_,,..,,,,_ ゴシカァン!!
/ , `ヽーっ
l ,3 ⊃ ⌒_つ
)'ー---‐'''"(⌒
⌒Y⌒Y⌒
次の日とうとう荒巻は痛みを感じなくなりました。
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荒巻はかろうじて自分の寝床にもどりボロボロの布をかぶりました。
徐々に意識が薄れていくのを荒巻はかんじました。
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/ ⊃ヽ-、__
l / ヽ
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手足の感覚がなくなっていきます。
荒巻はぼんやりと、この前見た少女の夢を思い出しました。
そうだ、このまま人形になってしまうなら…
_,,..,,,,_
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<⌒/ ヽ
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その夜
荒巻は少女と一緒に眠る夢を見ました。
永遠に続く長い長い夢を・・・・。
(おわり)