AAバトルロワイアル6

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1(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw
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AAバトルロワイアル・雑談スレ Part2
http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1083422521/


>>2 ルール ※必見
>>3 名簿
>>4 地図
>>5 過去ログ、保管サイト
2名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/17 15:49:02 ID:sdTLU6B3
2⊂(゚ー゚*⊂⌒`つ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
3(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/17 15:49:44 ID:o3NgO9ss
−−全体のルール−−
ゲームルールは基本的に原作通り。そのためにも、原作のBRを知っておきましょう
本部からの定期連絡、禁止地域発表はしっかりとお願いします。
リレー小説ですので、書き手の皆さんは協力してください
活躍中や主要なキャラを急に殺したりの自己中行為は禁止します


−−書き手のルール−−

◎投稿はsageでお願いします。
dat落ちしないかと不安になりますが、基本的に書き込みのあるスレは落ちません。
「60日ルール」もどうやらなくなった為、作品の書き込みだけで倉庫落ちは免れられるはずです。

◎基本的に普通の学生達が戦います
あくまでも「普通の学生」なので、「傷が勝手に治る」「銃弾を体で受け止められる」
などの超人的な能力を持つようなキャラは敬遠するようにお願いします。

◎物語の主人公は生徒全員であり、特定の人物ではありません
プログラム運営側や、兵士達、反政府団体などの、学生以外のキャラが戦闘に参加したりするのは
過去に起こった騒動に発展する場合がありますので敬遠するようにしてください。

◎あくまで、「殺し合い」の物語です
原則的に戦いがメインですので、脱出思考の生徒をあまりに多く残したり、人数合わせの事故を起こすと
アクションの楽しみがなくなってしまいます。考慮してください。

◎武器について
生徒には始まると同時に武器や食料が入ったデイパックを支給されます。
支給される武器は基本的には書き手の自由ですが、
ロケットランチャー等、あまりにも強すぎる武器は敬遠するようにしてください。

◎物語は全てつながっています
人が書いていたキャラを書き続ける場合は、そのキャラの状況を、ログを読むなりして理解してください。
現在の位置や時刻、負傷の有無、仲間の存在、所持している武器…など。
矛盾した設定を残すと後にも響いてくるんでこの辺りは特に気をつけるようにして下さい。
あまりに矛盾した内容の場合は雑談スレで議論後、スルーされることもあります

◎その他

場面が変わった直後は、「生徒名【出席番号】」のように表記をお願いします。
(例)[…モナー【男子19番】はそのとき、滝を下っていた…]
場面の最後には【残り○人】と必ず入れてください。死亡者を書くともっとわかりやすいかも

そして、書くキャラの性格などを最初からつかんでおいて、その性格に沿った物語を展開していくと
読み手にも「ああ、コイツの性格が出てるなぁ」など読みやすくなります。
例えばモナー。彼がいきなり凶暴な殺戮キャラになったら、少々困惑してしまうものでしょう。
キャラの性格などは、「AA大辞典」や、各板にあるそのキャラの専用スレなどで掴むといいでしょう。


参考:AA大辞典(仮) http://maruheso.at.infoseek.co.jp/aadic/
4(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/17 15:50:22 ID:o3NgO9ss
 2-ch組生徒名簿

 AABR担当官:ギコ教授


 【男子1番】アヒャ           【女子1番】あいぼん
 【男子2番】1さん           【女子2番】ありす
 【男子3番】ウララー          【女子3番】えー
 【男子4番】おにぎり          【女子4番】カウガール
 【男子5番】ギコ            【女子5番】ガナー
 【男子6番】コリンズ           【女子6番】 花瓶
 【男子7番】流石兄者         【女子7番】妹者
 【男子8番】ジサクジエン       【女子8番】 しぃ
 【男子9番】したらば          【女子9番】 じぃ
 【男子10番】シラネーヨ        【女子10番】ちびフサ
 【男子11番】タカラギコ         【女子11番】つー
 【男子12番】ダマレコゾウ       【女子12番】でぃ
 【男子13番】チャンコ          【女子13番】のー
 【男子14番】ネーノ           【女子14番】ののたん
 【男子15番】激しく忍者        【女子15番】フサしぃ
 【男子16番】ヒッキー          【女子16番】ミナー
 【男子17番】八頭身          【女子17番】モナエ
 【男子18番】フサギコ         【女子18番】モナカ
 【男子19番】モナー          【女子19番】リル子
 【男子20番】モララー         【女子20番】ルルカ
 【男子21番】ようかんマン       【女子21番】レモナ
5(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/17 15:57:38 ID:o3NgO9ss
   |    A   .|    B   .|   C  |    D   .|   E   .|   F   .|  G   |    H   .|   I    .|
______.|______.|______.|______.|______.|______.|______.|______.|______.|______.|
   |
 1 |              _,,,,,   ,,,,,,,    _,,,,,-'''"" ̄'Z,,,,_          北
   |  /'''''"''''"\,,._.,,-''"""  "''"   ""''"" _,,,,,-―"''-  i         ↑
______.|  i,崖        _./ ̄ ̄ ̄"'''ヽへ/  林   \,i ,     西←┼→東
   |  'i,,   / ̄'i,__/''''   林               / 'I,,,,       ↓
 2 |   ''I,,, 'i,  林      ,-''""" ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  "'',I     南
   |    'I, \    / ̄ ̄''-,,      \   住宅    \  \,,,
______.|    /  / ̄ ̄住宅   ''-,,      ""'''--へ_    /    "'''ヽ
   |   /'   'i,______/          _,,,,, ""'''-''''_,,,,,     "''ヽ,,, 
 3 |   i            __      /''''"""  "''''"""  "''       \  
   |   /            |分校|    /''               \      "'i,   
______.|  ,/ _           ̄ ̄    |       森         'i        'i,  
   | i; /   ̄ ̄''ヽ            |                  'i       /  
 4 |  'i,  ̄\    \,,,         |              __   'i       /' 
   |   ""'-,ヽ住宅  ''ヽ-,,,       'i,             /  \ /     ,/''" 
______.|      'i,|         \      'i,,   ,,ヘ      \    'i    ,/'
   |      ,i'\_______|      'i,,  /  \    /    'i     'i, 
 5 |     /  .___   / ̄ ̄ ̄\   \丿    ヽへノ     /     "'i,
   |     i'  |診療所|  /       .|    "'ヽ            \    \  
______.|     ''\,,  ̄ ̄ ̄  ,,-,, 商店   \   ''-,,       山    ''''-,._   "'ヽ,, 
   |       ''i,,    ,/'   ''i,,    .   '''--,,   "'''ヽ-     岳    \    ''-,,
 6 |         ''i  /''     "'i,,__     /      "''''-,._.,    地   'i,    'i,
   |         "''"        'i,, ""''-,,, i'           "\     帯 'i,   ,i'
______.|                    'i,       .,,-'\,,,,,       \      'i,    i'
   |                     'i,     ,/''"''-,,,  ""'''ヽ,._.,   "''''-,._.,  'i   'i,
 7 |                      'i   i'     "''-,,,砂浜  \      'i,/    'i,
   |                      i;'   /'        ""''-,,,  'i,            'i,
______.|                      'i, ,i            "''-,,,\             'i,
   |                       "''"              ""'''--,,,            'i,
 8 |                                            "''''-,._.,         'i,
   |                                               ""''--,,      'i,
______.|                                                    "-,,    'i,
   |                                                      "''-,,   'i,
 9 |                                                        "'-,,〃
   |
______.|
6(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/17 15:58:27 ID:o3NgO9ss
過去ログ・保管サイト

AAバトルロワイアル
http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1047654130/
AAバトルロワイアル2―THE SURVIVAL PROGRAM―
http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049193384/
AAバトルロワイアル3
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1054026979/
AAバトルロワイアル4
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1060659888/
AAバトルロワイアル4〜第2幕〜
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1067155406/
AAバトルロワイアル5 -You must survive.-
http://aa3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1074789165/
AAバトルロワイアル5 -You must survive.- Part2
http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1081063746/
AAバトルロワイアル・雑談スレッド
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049261056/
AAバトルロワイアル・雑談スレッド2
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049261056/
AAバトルロワイアル・雑談スレッド3
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1060612603/

(=゚ω゚)ノ ◆iyou.Tr.92氏のAABR保管庫(AABR1〜2途中まで)
http://www5e.biglobe.ne.jp/~battle/

フライ ◆1P5hsLgCIM氏のAABR4保管庫
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Part/1772/

ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk氏のAABR5保管庫
http://aabatoru.hp.infoseek.co.jp/
7(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/17 16:00:30 ID:o3NgO9ss
>>1を変更

>>3 ルール ※必見
>>4 名簿
>>5 地図
>>6 過去ログ、保管サイト
8名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/17 16:22:57 ID:lfWzCydt
終劇
ぽこたんがのこったお。      //
    / .人
    /  (__) パカ
   / ∩(____)   あ、ぽこたんインしたお!
   / .|( ・∀・)_
  // |   ヽ/
  " ̄ ̄ ̄"∪

9Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/17 17:57:05 ID:7yUi/A7O
「さて・・諸君はこの問題をどうやって片付けるのか、お聞かせ願いましょう・・」
薄暗い会議室のメンバー達は『案』が浮かばないようで、沈黙を保っている。
「どうやら、『鯖負担』と『転送量』に関する案は無いみたいですね。」
「そういうあなたも案が無いのでは?」
オマエモナーと言わんばかりの突っ込み。
しかしそれをあっさりスルーし、教授帽のギコ種の男は話し始めた。
「この国、『2ちゃんねる』は『転送量』『鯖負担』『厨房』等で大量の問題を抱えています。
まずはこの国を支える『鯖負担』と『転送量』をなんとかしなければいけません。

だが、現在この国の『鯖負担』『転送量』の7割をしめるのは我々アスキーアート。『AA』です。
『AA』を減らせれば『鯖』の負担も『転送量』も少なくて済む。
だが、どうやって減らすか?
チャイナみたいに一人っ子政策をしても、すぐに効果が得られる訳ではありません。

そこで私が考え出したのは『AAによるAAの殺し合い』」
スクリーンに血文字で『AsciiArtBattleRoyale』と映し出されている。
「『鯖負担』『転送量』が減らせて、
なおかつ国防に使える人材も探せる。一石三鳥とはこのことです。」

「では、『AABR』法に賛成の方、手を挙げて・・

その前にあなた達に『拒否権』はありません。」
いつの間にか会議メンバーの後ろには教授帽をかぶったAAが立っている。それぞれ拳銃や軽機関銃を持って。

「では聞きましょう。『AABR』法に賛成の人。」
ほとんどのメンバーが手を挙げる。
しかし1人だけ手を挙げない。
「こんなことをしていいと思っているのか?」
「あなたに『拒否権』はありません」
「こんなことをしてはd」

パーン

怒りを込めた発言は最後まで言うことも出来ず、目がアヒャったギコ種の女に射殺された。

「では本案を可決します。」

こうして、『AABR法』は可決された。
10Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/17 19:12:10 ID:7yUi/A7O
マターリ県サロン市2-ch組は定番の修学旅行でお決まりの狂都行きバスに乗っていた。

前の座席では【男子2番】1さんと【男子4番】おにぎりが仲良く会話し、
それを後ろからハァハァしながら見つめている【男子17番】八頭身がいる。
「・・でさ、128頭身君が・・」
「え!?それは驚きだよ」

「1さ〜ん、漏れは1さんを逃さないッ!」
そうは言えど、八頭身は身動きの出来ない座席にいる。
「1さんへの想い、届け!」

中央の座席では【男子5番】ギコと【男子19番】モナー、【女子8番】しぃと【女子21番】レモナがマターリとした会話をしていた。
「狂都・・放流寺とか面白そうモナ」
「馬鹿野郎、狂都は狂都府警や逝天堂のすくつなんだゴルァ」
「それってMXやny厨にとって危険なんでしょ?」
「あたしはモナー君がいればいいの!」

マターリとした時間。

【男子11番】タカラギコは何時の間にかほとんど寝てしまったクラスメイトを見つつ、
自身も眠気に襲われていた。
(・・アレ?何故運転手がガスマスクを・・)


目覚めた時は教室の中だった。
皆も机で寝ている。

首に違和感を感じる。
違和感を感じる原因は・・

・・首輪?
よく見ると皆も銀色の首輪がついている。

「その首輪、いじらないでください。爆発しますよ?」
教室に入ってきた教授帽のギコが警告する。

ジリリリリリ
教授帽が持ってきた目覚し時計で皆も目が覚める。

「はいみんな起きて下さい。
重要な話があります。」

「今日は皆に、『殺し合い』をしてもらいます。」
11Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/17 19:29:48 ID:7yUi/A7O
突然の『殺し合い』発言にざわめく生徒達。

「はい静かに。講義のときは静かにしてください。

この国はダメになりました。
『鯖負担』『転送量』・・
原因は、AAが多すぎるからです。
そこで、今日は皆に殺し合いをしてもらいます。

生き残れるのは一人だけ。優勝者には国からの生活保障があります。」

「先生!ふざけないでください!」

ヒュッ

【男子17番】八頭身の顔の横を掠める包丁。八頭身の頬から血が滴る。
「これは夢ではありません。現実です。

さて、皆さんそろそろ出発しましょう。
詳しいルールはそこの包丁の人に聞いてください。」

ふと教授の横を見ると教授帽を被ったAAがいた。
包丁を持ったギコ族のアヒャった包丁女が解説する。
「コノゲームデハ最後ノ1人ニナルマデ殺シ合イヲ続ケル。
モチロン、殺シ合イヲ加速サセルタメ、ソノ首輪ヲ用意シタ。
爆発条件ハ
・クラスの誰かの死亡が無いまま24時間経過する→全員あぼーん
・禁止エリアに入ったとき
・政府に逆らったとき
ダ。
禁止エリアハ6時間毎ニ発表サレル。
1時間後・3時間後・5時間後ヲ予告スルノデメモ必須!

デハ、出発シテモラオウカ・・」

出発順序は男子→女子→男子で、番号が少ない人から
12名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/17 20:42:09 ID:a8Rl1GEN
「えーと先生?それとも教授?とにかく質問があるアヒャ。」
誰もが驚きと恐怖で沈黙する中、一人の生徒が普段と全く変わらない調子で言った。
それは一番最初に出発することになっている【男子1番】アヒャだった。
「・・・君は確かアヒャくんだったね?何だね?」
「この島の地図とかはないアヒャ?それと、俺の持ち物は?」
「そうだな、説明が不足だったようだな。」
というとそのギコは、包丁女に近にあったバックを持ってこさせた。
「この中に、島の地図に若干の水と食糧や予め会わせておいた時計が入っている。それと、殺しあうための武器だ。銃からナイフまでピンキリだ。
君たちが出発するときに、荷物と一緒に渡すことになっている。・・・では早速君から出発してもらおうか。」
アヒャは無言のままバックを受け取り、廊下へと消えていった。





13(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/17 20:46:51 ID:o3NgO9ss
アヒャの次はあいぼん、そして1さんと続き、それぞれドアの外へ消えていった。
教室内は妙に静かで、空気が沈没している。
おそらく、あの包丁女のせいだろう。八頭身の主張の結果を見ると、みんな動くに動けないのだ。

おにぎり【男子四番】は、大きな声で「ワショーイ」と叫び、
その場を和ませたい気持ちを抑え、少し顔を動かして辺りを見回した。
多くが、緊張を隠せない様子だ。しかしその中で、激しく忍者【男子15番】や、
モナエ【女子17番】が妙に落ち着いているように見えた。
何しろ、お互い学校でもあまりいい噂が流れていない。
ヒッキー【男子16番】も、緊張している様子はあまり無かったが、
どちらかというと落ち着いているよりも、落ち込んでいると言った方が正しいかもしれない。
しかしヒッキーはいつもそうだった。何でも両親が――

「男子四番、おにぎり君」
ギコ教授の声が響いた。自分が出発する番になったのだ。
立ち上がって、教授の指差すドアへ向かった。

ドアの外は薄暗い廊下になっていて、目の前にはたくさんのデイパックが掛かった台と、
その隣にギコ教授と同じような服装をした男が立っていた。手にはしっかりと銃がある
一つを持って行けということなのだろう。その男は見ないようにして、一番上にあったものを掴んだ
廊下を進むとすぐに出口は見つかり、観音開きのガラス扉があった。
外はもう真っ暗だ。夜になっているらしい。外に出て歩き始めた。
14ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/17 21:07:43 ID:iRtaHudw
モナー【男子19番】は次々と生徒が出て行くなか、どんどん不安が大きくなっていた。
(あー、どうするモナ・・・殺しあいって・・・)
そんなことをモナーが思いはじめていた時だった。
「じゃぁ女子4番 カウガールさん」
(もう女子4番かモナ・・・)
さらに不安が大きくなる。

次々に生徒が出て行っている。
「じゃぁ次、女子17番 モナエさん」
呼ばれるとモナエは黙って立ち上がり、デイパックと自分のバッグを取り、出て行った。
その顔は驚く程あおざめていた。

「じゃぁ男子18番 フサギコ君。」
「フンッ」
フサギコは椅子を蹴って立ち上がり、ギコ教授の方へ歩いていった。
「お、君はギコ族だね?がんばってくれたまえよ。」
そういったギコ教授をフサギコは思いっきり睨みつけた。
そのままフサギコは二つのバッグの山から両手で同時にバッグを取り、速い足取りで出て行った。

「えー、じゃぁ次、女子18番 モナカちゃん。」
「はい。」

(って次はモナの番だモナーーーー!!!)
モナーが今頃気付いた事実を心のなかで思い切り叫んだ。

「はい、次、男子19 モナー君。」
「は、はい!」
何故か大きく声を上げてしまった。
「お、君元気イイ!!ね。君に赤丸つけておくよ。」
「は、はい。」
モナーはさっきまでの生徒と同じようにデイパックと自分のバッグを持ってでていった。
15ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/17 21:08:39 ID:iRtaHudw
教室から出ると、出口はすぐそこだった。
大きなドアから外に出ると、広いグランドが広がっていた。
「よかった誰も居ないモナ・・・」
出口に待ち伏せ、ってのがありそうで不安だったのだ。
「うん。やっぱり皆は殺し合いなんかしないモn――――――」
モナーお決まりの語尾をつけようとしたとき、太ももが熱くなった。
「モナッ!?」
モナーはあわてて回りをみわたした。その工程の途中でふとももにケガをしたことに気付いた。
何処にも、誰もいない。
「何だモナ・・・?」
そう思ったモナーの、今度は肩に熱が走った。
そして、今回はその原因を突き止めることができた。
「矢!?」
そう後ろから矢が飛んできて、肩に掠ったのだ。
モナーは後ろを見た。暗くて良く見えない。そういえば今は何時なのだろう。
モナーは目を細めて後ろ、校舎の中を凝視した。
(見えた、あれはリル子ちゃんだモナ!)
リル子はガタガタ震えながら、内股の状態でボウガンを構えていた。
「リル子ちゃん!?やめるモナ!こんなこと―――――」
説得を試みたモナーにまた矢が飛んできた。
流石にこれはヤバイと思ったモナーは踵を返し、急いで逃げ出した。
走りながら、デイパックを漁り、武器を探した。

短い刀が一本入っていた。
それを握り、モナーは走って校舎から離れていった。

【残り42人】
16Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/17 21:26:06 ID:7yUi/A7O
【男子11番】タカラギコは突然の『殺し合い』宣言に戸惑っていたが、
次第に、生き残ることへの執着が湧いてきた。
「僕は生き残る。クラスメイトを殺してでも。」

校舎から出る。
(そういえば次はつー・・ヤバい!)
過激なつーに狙われては命が足りないかもしれない。
とりあえずタカラギコはここから急いで離れることにした。

タカラギコ:バックパック未開封
現在地:C3分校→C4

【残り42人】
17名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/17 22:37:03 ID:RxKpd4E/
【男子1番】アヒャは診療所に辿り着いていた。最初の出発者なので、先んじて貴重な医薬品を手に入れようと思ったのだ。
深夜だったが、月が明るく照っていて移動に不自由は無かった。
彼のがバックを開けて見つけた武器はアーミーナイフだった。
銃以外の武器では最高の物だといえよう。アヒャにとっては。

彼の境遇について説明しておかねばなるまい。
彼は生まれついてのアヒャ族ではない。元は普通のAAだった。
5歳のころ、家族旅行の途中に、交通事故に遭った。出会い頭の衝突。回避不可能だった。
両親は即死。後部座席に乗っていた彼は一命を取り留めたが、頭と左腕に大怪我を負い、左腕を失った。
しかし、それ以上に大きなものを彼は失った。
通常のAAがアヒャになるということは、多少なりとも脳へ異常が生まれるということである。
彼の場合は知能や精神には全く傷害は発生しなかった。失ったのは一つ。たった一つ。
『恐怖』の感情を失ったのだ。
恐怖が無くとも他の感情は正常で、学校でのアヒャは特に変わったところは無かった。
勉強は苦手だったが、片腕のハンディを克服するために身体を鍛えたため、いつの間にか並みの健常者を超える運動能力を身につけてた。
だから友達も多かったが、しかし、彼のそんな感情の欠落を知る物はいなかった。
18名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/17 22:37:49 ID:RxKpd4E/
さて、アヒャの目論見通り診療所には手付かずで大量の医薬品があった。
役に立ちそうな薬をバックに詰め込み、そして今後どうするかを考え始めた。
彼にとって自分が死ぬことは少しも恐ろしくなかった。むしろ他の誰かが生き残った方がいいと考えていた。
とはいえ、脱出や自殺などは彼の頭には全く無かった。脱出は無理だと考えていたし、何もしないまま自殺したらそれこそ虚しい。
(さて、これからどうしたものアヒャ・・・?)とは思ってもても、彼の頭にいい考えは浮かばなかった。
その時、彼は何者かの気配を感じ取った。
(!?・・・もうここに誰かが?)
彼は窓から入った月の光を映すナイフをしっかりと握り締め、その気配へと近づいた。
次の瞬間だった。
彼の眉間に銃口が向けられた。その動きには一瞬の無駄も無かった。
だがアヒャも、その一瞬の間に銃の持ち主の首にナイフを突きつけた。
お互いに少しでも動けば片方、あるいは両方が命を落とすこととなる。
アヒャは銃を持ったそいつの顔を見て、いつもと変わらぬ調子で
「アヒャ?あんたは・・・。」
特徴のある帽子に、短く切られた美しい髪。
彼に銃口を向けているのは【女子9番】 じぃだった。
19Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/18 01:47:57 ID:fhBy5uZt
【男子11番】タカラギコは商店で道具を揃えようとC5へ移動している。

(・・武器、まだ見てませんね)
走りながらディパックの中身を漁る。

あったのはいわゆる「バズーカ」。
これで攻められてはたまらないと、政府が弾薬を抜いたのだろう。

・・こんな弾無しバズーカでどう戦えと。
【残り42人】
20 ◆39NC4AfM7Y :04/10/18 14:30:23 ID:9W68pqTL
ジサクジエン【男子8番】は分校を出てすぐ真東の森の中に身を潜めていた。
いつもはクラスの中でも愛らしいと人気の彼の顔は、
しかし今は恐怖のために引きつっていて台無しになっていた。
その小さな両手は、自分の荷物とデイパックの紐を握り締め、小さく震えている。
力が入りすぎて、両の掌は血の気を引かせていた。

――ヤダ、ヤダ。何、これ。なんで僕はココにいるの。

両目に涙を一杯に湛え、ジエンは更に体を小さく屈めた。
一人は怖い。けれども、誰かと一緒にいるのも嫌だ。
誰かに見つけてもらいたい。けれども、その誰かが僕を嫌いだったら。
友達のおにぎり【男子4番】やダマレコゾウ【男子12番】と話がしたい。
けれども、もし彼らが自分に武器を向けてきたら、どうすればいいんだ。
寂しさと恐怖からくる、相反した二つの考えがジエンの小さな胸を押しつぶす。
その子供っぽい外見からは想像できないが、ジエンはそんなに楽観主義者ではなかった。
その上、おかれている状況が、彼の性格を更にネガティブなものへとかえている。

――ヤダ。帰りたい。嘘だって、言ってよ。冗談だって、ドッキリだって、誰か言って。

ぼろぼろと涙がこぼれた。
どれほど願っても、先ほど分校で見た、八頭身【男子17番】の頬を掠めた刃物のきらめきは
脳裏から消えてはくれない。
荷物を受け取って出て行く生徒たちの疑心と恐怖と怯えにまみれた表情は目に焼きついて離れない。
目にしてきた全てが、この状況を事実だとジエンに思い知らせてくる。
それを受け入れたくなくて、ジエンは目に強く掌を押し付けた。
掌の冷たさが、体温でほんの少し温もる。それはジエンの恐怖に凝り固まった心を解しはしなかったが、
それでも随分安心させてはくれた。
ジエンが小さく溜息を吐いた、次の瞬間。

ガサガサっと近くの茂みが揺れた。
21 ◆39NC4AfM7Y :04/10/18 14:31:54 ID:9W68pqTL
ジエンはビクリと体を震わせ、慌てて手元に荷物を引き寄せた。
地面に体を擦りつけるように体制を低くし、いつでも飛び出せるように荷物を抱え上げる。
その揺れた茂みを、ジエンはきつく睨みつけた。
唇を痛くなるほどにかみ締めて、呼吸が不自然に浅くなりつつあるのも気付かずに。
「――だ、誰?」
そう言いながら、ジエンは一歩ずつ茂みに近づく。
眉間が痛くなるほどに力を入れて、ジエンは少しずつ、ほんの少しずつ足を進める。
「誰か、いる?……おにぎり?ダマレコゾウ?」
友人の名前をあげながら、ジエンは皮膚がピリピリと緊張に痛むのを感じた。
口をあけるのすら辛いほど、頬の筋肉は硬くなっている。
茂みに右手が触れようとした、その時だった。
ジエンの右手のほんの脇から、なにか黒いものがにゅっと突き出される。
何だろうとジエンが首を捻る前に、それは火を噴いていた。
低い音と共に発射された弾丸は、ジエンの頬をかすめて近くの樹木に食い込んだ。
「――ヒッ」
ジエンは小さく呻き声をあげて、一歩後退した。
茂みががさりとなり、その中にいた誰かが姿をあらわす。
真っ黒な銃――ジエンは知る由も無かったが、その銃はワルサーP5という名称だった――を
構えて真っ青な顔をしてジエンを見つめているのは、したらば【男子9番】だった。
ジエンはしばらくその顔を呆然と見つめていたが、したらばが銃口を自分に突きつけているのに気付くと、
もう一度叫び声をあげて、今度こそ駆け出した。
「待つにょら!」
したらばのそのふざけた語尾も、今は異様な緊迫感に震える。
「待つにょら待つにょら!逃がさないにょら〜っ!!」
したらばはそう叫び、銃を乱射しながらジエンを追いかけ始めた。

――長い鬼ごっこの始まりである。


したらば→ワルサーP5
ジエン→???
【残り人数42人】
22ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/18 19:57:06 ID:gHy1un5p
流石兄者【男子7番】は分校から走り続け3-Eの森まで来ていた。
「ふぅ、ここまでくれば安心かな・・・」
兄者はその場にドッと座り荷物を降ろした。
「あぁそういえば武器は・・・」
兄者は自分に渡されたデイパックを漁った。
そして出てきたもの、それは―――――――
「ハリセンかよ!!!!」
兄者はデイパックから出てきたハリセンを地面に叩きつけた。
何処かからチーン、と音がした気がした。
「ちょっ・・・マジどうしよう・・・」
兄者は何かなかったかと自分のバッグを調べた。
「武器になりそうなものは、シャーペンぐらい・・・?」
兄者はこのまま鬱になりそうな勢いでショボくれていたが、突然「ハッ」と顔をあげバッグの中を調べ出した。
「たしか、多分入れたハズ!!」
そして中途半端な大きさのダンボール箱が出てきた。
兄者はそのダンボール箱を開け、中身をとりだした。
「あったパソ!!」
中からでてきたのはノートパソコンだった。
向こうで2chを見るために持って来ていたのだ。
兄者はしばらく「やった!」と言う顔をしていたが、やがて冷静な顔に変わった。
「ていうか、繋がらないよな普通・・・」
音量を低くして、パソコンの電源をつけた。
インターネットエクスプローラーのダブルクリックした。
(開け・・・開けぇ・・・)
心の中で強く願った。ネットが繋がるように。
そして、ページがパッと開いた。

「!!?」
パソコンにはどうみても「2ちゃんねる」が開いている。
「開い・・・た?」
真ん中の壺をクリックして見る。
広告と板の一覧が表示された。
「うそ!開いた!マジで!?」
兄者はそのページを消し、メールソフトを開き、親にメールを書き始めた。

「今俺はバトルロワイアルという殺人ゲームに参加させられている。
 早く助けにきてほしい。頼む母者」

あまり時間はとれないので、簡潔に打った。
するとすぐに返事が帰って来た。
23ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/18 19:57:48 ID:gHy1un5p
「ここクリック!!→http://xxx/xxx/
兄者は頭に「?」マークを浮かべたが、そこに脱出のヒントがあると思いクリックした。
するとパソコンにみなれた光景が広がった。
無数に広がるウィンドウそのなかにあるグロ画像。
「ブ、ブラクラ!?しかも精神的!?」
兄者はワケが解からなくなっていた。


こちらはAABR本部
「ププッ、本当にパソコン持ってた人居たんですね、『擬似インターネット』意味あったんですねこれ。しぃ助教授教授。」
ギコ教授が笑みを浮かべながら言った。
ギコ教授が話していた相手、しぃ助教授はギコ教授の顔だけをとっかえたような顔をしていた。

「ギコ教授はいい加減杉るんです。どんな状況になっても準備を整えておくべきです。」
「じゃぁ、繋がらないようにするだけでいいんじゃないですか?」

「それはこだわりです。でも彼が丁度『2ちゃんねる』にアクセスするとは。一番に擬似インターネットに組み込んだHPなんですよね。これ。」
「へー、ドンピシャ。」
「ドンピシャはちょっと違いますけどね。」
「でもまぁ母親のふりをしてメールを返信とは、しかも精神的ブラクラ。」
「彼が行きそうな100のページを作りましたから。彼のデータに『ブラクラを踏む習性あり』って書いてあったんで。本能で踏んだんじゃないでしょうか。まぁそれ踏まなくてもウイルスも送ったんで問題ないですけど。
 これであのパソコンは使えませんね。もうパソコン持ってる人は居ないでしょう。携帯なら持ってるかも知れませんがそっちは圏外です。」
しぃ助教授はサラッっと言った。
「でもいいんですか?こんなとこにいて。妹が知ったら撃ち殺されるかも知れないですよ?」
「まぁ隠し通しますよ。隠せなかったらどうなるかわかんないですけどね。」
「・・・たくましいですね・・・」


一方兄者は
「あーどうするんだYO。インターネットまで手が回ってたのか?」
今度こそ本当に鬱になりそうだった。
「どうする・・・戦うしかないのか・・・」
兄者はさっき地面に叩きつけたハリセンを見た。
「あれじゃ戦えないよなぁ・・・」
ボブ・サップでもハリセンで人を殺せるかわからない。ボブ・サップなら素手の方が強いと思うが。
「あー、ちょっと・・・マジどうしよう・・・」
兄者はバッグとデイパックを持ってフラフラと歩き始めた。
「マジどうするんだYO」

【残り42人】
24(;・∀・)凸Lv.2 ◆HP7743lu6Q :04/10/18 21:37:56 ID:s+/tW1GA
【男子16番】ヒッキーは分校を出た後すぐ、A-1の崖に来ていた。
ここまで誰にも会わずに来れたのは運がいいということなのか。
ヒッキーは崖が見渡せる位置にある岩場に腰掛けていた。
もちろん傍らにデイパックを置いて、だ。

ヒッキーは日頃から何をするにも無気力で、クラスでも発言などはすることがなかった。
休み時間や弁当の時も教室の隅でいつも一人でいた。
たまに【男子19番】モナーや【男子4番】おにぎりが話しかけてくることはあった。
しかしヒッキーはいつも何も言うこともなくうずくまっていた。

「コレカラドウシヨウ・・・。」
何をするでもなくこの崖に来てしまった。
いや、ヒッキーは死ぬつもりでこの崖まで来た。
自分の支給武器は先ほど確認していた。
水鉄砲―――誰もが一度は幼少のころ撃ったことがあるだろう。
水かけ遊びなどに用いる遊具。無論、こんなもので人を殺せるわけがない。
その前に殺すつもりはないが、こんな武器じゃ生き残れるわけもない。

支給武器は水鉄砲、友達もいない、生きることにも疲れた―――。
「コノママココカラトビオリタラシネルノカナ・・・。シヌッテイタイノカナ・・・。」
このまま夢が覚めればいい。これは悪い夢だ。僕は授業中に居眠りをしているんだ。
起きたら先生に怒られる・・・のか・・な・・・・。眼からはとめどなく涙が流れてきた。
「シニタクナイヨ・・・」
崖からはきれいな夕日が見えていた。
しかしヒッキーには涙でぼやけて見えるはずもなかった。

「ウツダ・・・」

夕焼けの空にはヒッキーの声が空しくこだまするだけだった。


【残り42人】

【男子16番】ヒッキー
支給武器:水鉄砲
25Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/18 21:54:56 ID:fhBy5uZt
なんとか商店についた【男子11番】タカラギコは武器と隠れ家を探そうとしていた。
弾の無いバズーカを背負って。

「さて・・どうしたものか」
とりあえず近くの雑貨屋へ隠れる。
「こんな弾無しバズーカでは撃てないし、ぶん回しても重くて当たりにくい。
・・もうだめぽ」

ほとんど諦めたタカラギコは雑貨屋の中でビデオでも見ることにした。
「お、『2ちゃんのキャラにスタンドを発現させるスレ』のビデオ・・!」

73 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん :04/05/07 20:16 ID:jJSDmTCj
>>69-70
なんだ、釣りのつもりか。

最近流行ってるんだけど、↓のコピペ知ってる?

スレと関係ないんだけどさ、俺「釣り」とか「釣り師」っていうのは、
   釣り師→ ○  /|←竿
          ト/  |
          │.  ~~|~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
          八   §←餌(疑似餌)     >゚++<

の組み合わせだと思ってたんだけど、
最近自称釣り師がダイレクトで自分の本音を攻撃されて「釣れた!」とか
言ってるの多いよね。
 これは、どっちかというと、

      ..釣れたよ〜・・・│
      ────y──┘
 
       ・゚・。 ○ノノ。・゚・
    ~~~~~~~~~~│~~~~~~~~~~~~~~~
           ト>゚++< ミ パクッ
     ジタバタ  ハ
         ノ ノ


「なっ、なんだ?
か、体がうごかない!?

ハッ!!」

「こ、これは?」
「モララー!ギコ!一体どうしたモナ!?」

76 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん :04/05/07 20:17 ID:jJSDmTCj
   ヽ
ってつわあぁぁぁぁぁあぁぁそっち目的だったのかッ!



ぶら下がってきます。


「話し掛けても無駄だ。
見えてるだろーし、聴こえてるだろーが、答えちゃくれねーよ。」
「!!」

26Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/18 21:55:54 ID:fhBy5uZt
「知っているか?
煽りにのって釣られた人間は、その瞬間、
魂のエネルギーが限りなくゼロに近づく。
その魂は、てめーでクソの始末もできねぇ赤ん坊よりも、
無防備な状態になっちまうのさ。」


「たやすかったぞッ!
釣られたてめーらの魂を縛るのはな!」


「そうか・・バズーカを使って釣ればいいんだ・・」

【残り42人】
【男子11番】タカラギコ:何かを考えついた模様。現在C5の商店

ビデオとして、http://dolcediehardthecat.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/test/read.cgi/standlog/1000000018/63-80nから使わせていただきました
ID:3OMQZ41z氏、お借りします
27(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/18 23:05:49 ID:PPbBJyIn
激しく忍者【男子15番】は、すばやく移動し、今は森の中にいた。エリアではF=5にあたる
今は夜でかなり暗いのだが、彼の目には全く支障が無かった。何しろ育った環境が違うのだ。
暗闇で物を見るのは、初歩の初歩である。

小さい頃から忍者として厳しい訓練を積み重ねてきた彼にとって、
学校教育なんて一種の「気休め」でしかなかった。
師匠は、それを利用し、人間の動きを読み取ることを――、とは言っていたものの、学校では休みたかった。
修学旅行も同様だ。通常の授業から出て何かをするのも面白いと考えたのだ。
しかし、その結果がこの「AA削減運動」とは、――激しく誤算

そして、そのゲームはもう始まってしまった。生き残るために必死になっているやつがいる。
もちろんのこと、だからと言って、はいそうですか、とおとなしく殺されるわけには行かない。
第一、自分は忍者である。そこらの中学生と戦うように訓練してきたわけではない。
また、厳しさに耐えてきた人生を棒に振るわけには行かないのだ。
つまり、ゲームに勝って生き残ることが、自分には当然とされる。

そう思うと、早速、デイパックを開いて武器を確認した。
上のほうには水や食料が入っていて(実際、この類のものは容積の無駄でしかない。
五日くらいは断食しても平気なように体ができている)、さらに手を伸ばすと、奥の方にやっと金属の感触があった。

引っ張り出して唖然とした。それは紛れも無く、ただのフォークだったのだ。
「激しく――不運」
思わずそう呟いた。
これとフォークがセットなら、ステーキをかなり素敵に食べられそうなのだが、
何度確かめても入っているのはフォークのみだ。そして残念ながら、ここにはステーキも無い。

しぶしぶそのフォークを懐に仕舞い、少しずつ移動しながら日が開けるのを待つことにした。


【残り42人】 [時刻:午前三時過ぎ]
28名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/18 23:21:17 ID:CaatBaO/
【男子14番】ネーノは、森の中を走っていた。
支給されたバッグの中を見ると、ある物と食料類などが入っていた。
そのある物とは、鎌。
雑草でも刈らせるのか、と言いたかったが、刃物類なので、一応安心はした。
「これで首でも狩ってやれるんじゃネーノ?」
29ピアニシモ:04/10/19 17:53:19 ID:cixKtOKR
【女子2番】ありすは分校から東へ東へと走っていった。
支給されたバッグの中に入っていた拳銃―――ワルサーP38という正式名称など知っても知らなくても同じだったがそれをスカートとワイシャツの間にはさんで走っていた。
ありすはふと何かに気づき、急停止した。
「道が・・・整備されてる?」
確かに煉瓦とおぼしき物体で舗装された道があった。
しかし、明らかにもう数十年は使われて無い様子だ。
「・・・行くしかない・・・。」
ありすは両手でP38をにぎった。
30名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/19 20:03:34 ID:Edhr9+0v
【男子1番】アヒャと【女子9番】じぃは睨みあったままだった。
じぃの首筋にナイフを突きつけ、自らも銃口を向けられながらもアヒャは考えていた。
(こいつ、只者じゃないな。)
動いたら殺られる、という状況はじぃの方も同じなのだが、アヒャに対して全く隙を見せないうえに、背後に対しても集中力が途切れていない。
もし今誰かが背後から襲ってきても、アヒャが何もしなければそいつを倒すことはできるだろう。
「よっしゃ、お前についていくぜ。」
唐突にアヒャが口を開いた。流石に全く隙は見せないが、じぃもぽかんとした顔をしている。
「お前についていくと言ったんだ。」
そう言うとアヒャは突きつけていたナイフを手から離した。ナイフは診療所の清潔な床に落ち、跳ね返って小さく跳ねた。
「私を利用して優勝する気?」
ややあって、じぃが問い掛ける。一触即発の状況から一方的に銃を突きつける状況になりやや余裕が生まれたのだろう。
相変わらず向けられている銃口を気にもせず、アヒャはいつものようにアヒャヒャと笑って、
「まぁ半分はその通りだな。俺は見てのとおりカタワなんでね、俺なんかよりも他の奴が生き残った方がいいと思っただけアヒャ。
嫌だって言っても勝手についていくぜ。」
「なら、私がこのまま引き金を引いたら?」
「そりゃあ仕方ないだろ。ナイフを捨てた俺の自業自得アヒャ。」
「・・・じゃあ、私がそれを許したとして、最後に二人だけになったらどうするの?」
「そんな状況にはならないと思うアヒャ。やる気で、いい武器を引き当てた奴は他にもいるだろうし、いざとなったらお前は躊躇わずに俺を見捨ててくれると思うアヒャ」
アヒャの話を聞いてしばらく黙っていたじぃだったが、やがてゆっくりと銃口を下げた。
「・・・・・・勝手にすれば?」
そう言うと、近くにあった椅子に腰を降ろした。
アヒャや周囲に対する警戒を解くことは無かったが、鋭かった視線が少し柔らかくなったような気がした。
「それなら、勝手についていくアヒャ。ところで・・・」
さっき物色した医薬品から必要な分をじぃに渡そうと取り出しながら、アヒャは尋ねた。
「お前は、何者アヒャ?」
ぴく、とじぃの身体が動き、目つきが再び鋭いものになった。
「さっきの動き、全く無駄が無くて、どう見ても銃の扱いに慣れた者の動きだったアヒャ」
じぃは無言のまま、彼を知らないものには狂っているとしか思えない、アヒャの目を見つめた。
31Mr名無し:04/10/19 23:01:47 ID:DUw7/Lrz
【男子6番】コリンズは分校から出て、ひたすら東の森に向かっていた。
重い荷物を全て片手で背負い足早に歩いていた。

普段コリンズは学校へ来ても授業を抜け出し、サボりっ放しの毎日を過ごしていた。
特にウララーやフサギコとはいつも一緒に悪事を働いたりしている、いわゆる彼らは不良だ。
万引き、恐喝、暴力と起こした問題は数知れず。警察まで騒がせた事もあった。
しかしそんな彼でも一つだけ誇れるものがある。

剣道だ。

幼い頃、親の強引な誘いで剣道を始め、日々竹刀を片手に剣道の練習に明け暮れていた。
そのせいか、県内では強豪と恐れられ一目置かれる存在にまでなった。
しかも、この前の全国大会では個人でベスト4という快挙を成し遂げる程の実力を持つことも。
おかげで近隣の高校からは「ぜひ彼をうちの学校に」という誘いの言葉も絶えなかった。

「ここ何処だ?」
森に入ってから随分進みすぎてしまった様だ。
「ちょっと奥まで入り過ぎたか。」
コリンズはそう呟くと近くの木に寄りかかり、支給されたバックと自分の荷物を横に置いた。
すると段々とまぶたが重くなっていった。睡魔が襲って来たのだ。
「ダメだ、ダメだ。寝ちゃダメだ!」
コリンズは急いで目を擦った。それもそうである。現在時刻は4時。普段ならまだ夢の中だからだ。
「とりあえずここがどこら辺か知っておこう。」
コリンズは横に置いたディバックを開け、地図を取り出し自分が何処に居るのかを確かめた。
場所はF−3あたりであろうか。正確ではないが今まで進んだ距離で何となくの自分の位置を調べた。
「そう言えば支給武器が配られてるんだったよな。」
そう思いつくとコリンズは重いディバックを手前に持ってきて中をいろいろと探った。
そして何故このバックが異常に重い理由もわかった。
「マシンガン?」
説明書を見るとそこには「イングラムM10」と書かれてあった。確かにマシンガンだ。
コリンズは微笑を浮かべた。
もともとコリンズはエアガンを集めるのが好きで、扱いには使い慣れていた。
恐喝など脅すときにいろいろと役に立つからだ。(さすがに本物はヤバイと思ったのだろう。)
「エアガン集めがこんなところでも役に立つとはな。」
早速コリンズは試し撃ちをしてみた。
ぱららららららら
音が森全体に響き渡るのを感じた。
「本物だ。」
コリンズは不気味な笑顔を浮かべた。
「バトルロワイヤルか・・・面白そうだな。」

コリンズは勝利を確信した。
このマシンガンと剣道で鍛えた自慢の豪腕さえあれば、41人を敵にまわしたところで自分には勝てない、と。

【男子6番】コリンズ
支給武器:イングラムM10(マシンガン)
場所:F−3あたり

【残り42人】
32Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/19 23:41:57 ID:yNqFE5Tu
【男子21番】ようかんマンもC5に向かっていた。
友を殺したくないから逃げる。
そのために、隠れ家の周りに張る糸を手に入れに商店へ来た。

道の傍らに血が垂れている。
ようかんマンは友を助けるために血を辿っていった。

ゴッ
頭に鈍い打撃が来る。
それと同時にようかんマンの意識は途切れてしまった。
「こうも簡単に罠にかかるとは・・」
打撃の主、【男子11番】タカラギコは2撃目をかまして完全に逝かせる。
「まさか今ごろケチャップに引っかかる香具師がいるとは驚きですね。」
ケチャップで敵を誘導し、敵が釣れた時に鳴子代わりの鈴がなるように仕組み、路地の角でガッとする。
いきなりつれてこられたばかりで動揺した人の心理を利用した罠。
ようかんマンのデイパックを調達し、隠れ家へ戻る。

しかしようかんマンのデイパッグも、武器が竹槍というどう考えてもふざけた武器だった。
これでどうしろと言うのだ。

【残り41人】
死亡:【男子21番】ようかんマン タカラギコの弾無しバズーカで殺害される
33ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/20 10:37:36 ID:ijOEZQYs
モララー【男子20番】はE-2にある家を物色していた。
「食べ物か武器でもないかな・・・?」
モララーの支給武器はテレビショッピング等でよくみる「スチームクリーナー」だったため、これではすぐ殺されると思い武器を探しているのだ。
モララーはデイパックに入っていたライトを使って捜索していたが、やはり暗くて物を探しづらかった。
「もういいや、電気つけちゃえ!」
モララーは壁にスイッチを見つけるとパチッと押した。
電灯が2回程点灯し、電気がついた。
「ふぅ・・・これで探しやすい・・・!!?」
モララーは腕で汗を拭いながら、安心した表情からいきなり険しい表情に変わった。
「てゆうかなんで・・・なんで、」

-電気が点くわけ?-

普通に考えたら電気等も落ちて使えなくなっている筈だろう。
だが、使える。これは・・・
モララーは台所らしきとこに行って、水道の蛇口をひねってみた。
予想どうり、勢い良く水が出た。

-ここは生きている-

「ということは・・・」
モララーは台所にあった戸棚の引き出しを開けた。
その引き出しには缶詰やインスタント食品などが詰まっていた。
「キャッホーウ!!!」
モララーはもったいないからという理由でデイパックに入っていたパンと水には一切手を付けていなかった。
つまりこれが始まって何も食べていなかった。
つまみを引いて開ける形の缶詰を探し出し迷わず口に入れた。
「(゚д゚)ウマー」
あまり、『シーチキン』をそのまま食う姿は格好良くは無かったが、そんなこときにしてられない。
モララーは「腹が痛くなったらいけないから」と言う理由で食べるのをやめ、デイパックに缶詰とインスタント食品、缶切を入れた。
「じゃぁ武器探しっと」
モララーは立ち上がり、そのまま水道の下の戸棚を開けた。
予想通り包丁が4、5本あった。
その包丁全ての刃を布に包み、デイパックに入れた。
その他に、カッター、アイスピック、エアガン等をデイパックに入れた。
あと、救急箱から薬や包帯などを拝借した。
「まぁこんなもんかな・・・」
普通の民家に銃などある筈もないのでそんなに捜索しなくてもいいだろう。

モララーは包丁を一本握って、民家を出た。

【残り41人】
34サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/10/20 12:59:47 ID:5Tatp0xe
リル子【女子19番】は分校の出口への長い通路を歩いた。
頭の全体は朦朧と霞がかかっている癖して、ほんの一部は嫌にさえている。
気持ちが悪い。
リル子はぐずりと鼻を啜ってのろのろと足を進めた。風邪を引いたのか、すこし熱っぽい。
十月も半ばの夜は冬かと思うほどに冷え込む。リル子もその冷気にやられたのかもしれない。
目の前がふらふらと揺れる。頭がぐらぐらする。
恐怖はそれほどなかった。まだ自分のおかれた状況がよく理解できなかったせいかもしれない。
ともかくリル子は重い体を引きずって通路をやっと歩ききった。
そうして殺し合いの会場へと放りだされたリル子の目に最初に飛び込んできたのは、誰かの無防備な背中だった。
それを目にした途端、リル子は驚いた。本当に純粋な驚きだった。
当たり前のことだが、この島には先に出て行った生徒たちがもういるんだ。
そんな驚きが去ったあとには、隠れていたはずの恐怖がむくむくとリル子の中で大きくなった。
その生徒たちはもう行動を開始しているんだ。銃や、ナイフや、武器を手にして。
もう三十五人もの生徒が。この島中に、うろうろと。殺し合いのために。
――目の前の男子も。
リル子は恐怖と寒気にがたがたと震えた。
震える手でデイパックを探り、そこに入っていたボウガンを抱える。
矢をつがえて、構えて、引き金を――引き金を――
ビインっと弦を思い切りはじくような音と共に、矢はあっけなく発射された。
反動も小さい。
矢は目の前の相手を掠めて暗闇の中へと消えていった。
当たらなかった!リル子はさらに酷くなる震えの下でそれだけを考えた。
矢の束から一本引き抜き、もう一度つがえて、引き金を引く。
また同じような音がして、矢が、やはり同じように相手を掠めて消えた。
突然、相手が振り返った。隣の席の男子だったはずだ。名前は――ええと、思い出せない。
本格的な風邪に朦朧とする視界の中で、その誰かが何かを叫んでいた。
よく分からなかったが、機械的に矢を番え、もう一度射た。
誰かは、それ以上は何もせずにどこかへ去っていった。
――ああ、良かった。追い払った――
そう喜びを感じたのも一瞬。リル子の体から力が抜け、彼女の体は地面へと倒れこんだ。
激しい咳が気管をいためる。目の前がぐらぐらと揺れる感覚に、リル子は小さく呻き声をあげた。
そのままリル子は意識を失った。意識の失う前、誰かの声が聞こえたような気がした――

リル子→熱のためダウン
【残り41名】
35ピアニシモ:04/10/20 17:34:53 ID:SFQT7Ehe
【女子2番】ありすは煉瓦の道を森の奥へと進んでいたら、一つの建物に行き着いた。
道と同じ煉瓦で出来たまるで歴史の教科書から引っ張り出したような洋館が堂々と聳え立っていたのだ。
ありすはその横に置いてあった石造りの名盤の文字を見つめた。
かなり擦り切れたりしているがかろうじて読めるその名盤をありすは疑いながら朗読した。
「・・・島海軍・・・将校クラブ・・・。」
ありすは洋館を再度見返るとあることに気づいた。
―――電線!!
使われてなくなって久しいこの将校クラブにまだ電線が通ってると言うことは・・・。
ありすはそう思い洋館の裏へ駆け込み、プラスチックの箱のような器具を見た。
「電気メーターが少し回ってる・・・。ガスメーターも・・・。」
つまりだ、この洋館の最低限のライフラインはそれが使えるかどうかはわからないがまだ生きていると言うことだ・・・。
近くにテラスのようなドアを発見し、引いてみた。
やはり鍵がかけられているのか無反応らしく、ありすは鍵に銃口を押し付けて撃った。
パアンと言う乾いた音の後で扉を開けるといとも簡単に扉は開いた。
ありすは入ってすぐにあった大きな電気スイッチを入れると、大きな洋室―――と言うよりダンスホールが
広がっていた。
「とりあえずここで一晩過ごすとするか・・・。」

【女子2番】ありす E-4内の廃棄された将校クラブに進入。
【残り41名】
36名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/20 18:14:50 ID:55Pcup+S
 リル子【女子19番】は眼を覚ました。と同時に頭に強い頭痛の波が押し寄せてきた。
――ああ――なんて嫌な夢を見たんだろう。リル子はぼぉっとする頭で思った。確か、あたし達が殺し合いをしろ。なんて言われて、それで、ボウガンで――
いや、とにかく嫌な夢だったわ。・・・そういえば頭が重い・・・仕方ない、学校は休んで、今日は家でゆっくりと――
「気がついたか?」
突然声がしたので、リル子は体を起こした。そして2つ理解した。1つ目、ここが自分の部屋ではないこと。2つ目、さっきのが夢じゃないこと。
 リル子は、どこかの家の安っぽいソファに寝かされていた。おでこには冷えた手ぬぐいが置かれてあった。
「気がついたか?」
さっきと同じ声がした。リル子は、声のした方を見た。
 そこには、フサギコ【男子18番】の姿があった。フサギコは、立ち膝の状態でリル子の顔を除きこんだ。
「よかったぜ。誰かの声がしたんであわてて戻ってみたら、あんたが真っ赤な顔して倒れててよ。んで、あんたを担いでここ――えっと、3−Cかな・・・にある家の中に寝かせたんだ。」
――え?――リル子は、まだボンヤリする頭で考えた。殺さなければ生きれないこのゲームの中で、さっきのあたしは正にうほ、いい獲物・・・・だ。フサギコから見れば、「殺らないか?」と言っているようにさえ見えただろう。しかし、フサギコはわたしを助けた。何故――――
「そうだ。お粥、作ってやるよ。やっぱり病人にはお粥だろ?」
 言うが速く、フサギコは立ち上がると、出口に向かおうとした。
「あ」
 かすれた声でリル子が言った。
「ありがとう・・・」
「なに、礼を言われるほどのことじゃない。いいから、寝てろ」
――礼を言うべきことじゃないの――フサギコの返事に心の中につっこみ、リル子は再び眠りについた。

【残り41人】
37名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/20 19:00:57 ID:SOBch0wr
「この森という地形を生かして・・・襲い掛かってくる奴等の首を狩ってやれるんじゃネーノ?」
【男子14番】ネーノは、地図を取り出しながら呟いた。
「今はEの3辺りか・・・此処から北上すれば、住宅を漁っている香具師等と鉢合わせするんじゃネーノ?」
言ったや否や、太陽の位置を確認し、北の方角と思われる方向へと走っていった。
「襲い掛かって来たら・・・首を狩る。襲い掛かってくる奴等が悪いんじゃネーノ?」
彼、ネーノは2のE辺りへ向かっていた。
クラスメイトだろうと、襲い掛かって来たら全力で倒す。
それが、生き残る術。
流石に、襲い掛かって来ない奴とは戦うつもりは無い。
38(;・∀・)凸Lv.2 ◆HP7743lu6Q :04/10/20 20:55:48 ID:dpT3FMZD
「ハァハァ・・・1さ〜ん!待ってYo!」
「キ・モ・イ・ヨ〜!」
事の発端は数時間前になる・・・

【男子2番】1さんは分校を出てすぐ島の北にある林に来ていた。
実は分校を出て暫くは分校付近をうろついていたが、なにかいやな気配を感じたのだ。
いやな気配とは言うまでもない「彼」のことである。
神出鬼没のモンスター・・・まさに生物兵器(バイオハザード)。
そんな彼の気配から逃げるためにここまで来たのだ。

「ふぅ・・・ここまで来れば大丈夫だろう・・・。
それにしてもこんなゲームに放り込まれるなんて・・・、ついてないよなぁ・・・。」
1さんがついてないのはいつものことだが、今日は輪をかけてついていない。
「そういえばデイパック開けてないな・・・。」
そういうと傍らにあるデイパックを徐に開け始めた。
デイパックの中を弄る手になにかが当たった。
持ち上げようとするとなかなかの重量感がある。
しかし銃ではないようだ。銃にあるはずのトリガー等がないからだ。
「なんだろう・・・。!これは・・・教科書で見たことがあるぞ。」
彼のデイパックに入っていたのは地雷だった。
3個も入っていた。1さんは今までデイパックが重かったことがやっとわかった。
「これを僕の周りに置いとけば・・・とりあえずやられはしないかな・・・。
でもこれで誰かが死んじゃったらどうしよう・・。」
心の優しい1さんは、いくら生き残るためとはいえ人を殺すことなどできるはずがない。
1さんが埋めようかどうか迷っている、そのときだった。

「やっとみつけたよ〜!会いたかったよ1さ〜ん!」
1さんはその声に背筋が凍りついた。
この声、荒い息、大きな足音etc・・・
今僕の後ろにいるのは紛れもなく【男子17番】八頭身!
「1さん!僕といっしょに行動しようよ!」
一緒に行動?八頭身が真後ろにいるというだけでも鳥肌が立つ。
それのなに一緒に行動しろと?
その前にこれは殺人ゲーム。むやみやたらに人を信用してはいけない。
とりあえず・・・

「八頭身キモイヨ〜!」
1さんは荷物を抱えて走りだした。
「ああん!待ってよ1さ〜ん」

もう一つの鬼ごっこが始まった。


【残り41人】
【男子2番】1さん:支給武器・対人地雷
【男子17番】八頭身:支給武器・不明
39ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/20 21:36:20 ID:ijOEZQYs
ウララー【男子3番】2-Cを彷徨っていた。
支給武器は何の変哲も無い日本傘だった。
だが、結構丈夫な傘だったので、上手く行けば殴り倒せる。銃以外の武器なら勝てるかもしれない。
と、思ったが傘ではどうしようもないので森で太い木の棒を拾ってきた。
「全く、日本傘なんか支給するから僕がこんな木の棒なんか使わなくちゃいけないのさ。」
ぼそっと愚痴をこぼす。
その時、
「誰だ!?」
後ろから声がした。
振り返ってみると、それはギコ【男子5番】だった。
「ウララーか・・・」
ギコがウララーを睨みながら言った。
そのギコにウララーは、
「うわ、君耳いいね。あのぼそっと言った言葉が聞こえたの?」
と陽気に言った。
「そんなことはどうでもいいだろ。大事なのは・・・」
ギコはデイパックから支給されたと思われる銃、ザウエル P220を構えた。
「お前にやる気があるか無いかだ。」
するとウララーは、
「ん、やる気?そうだね、生き残りたいけどこんな武器じゃねぇ」
そう言うと日本傘を取り出し振って見せた。
「それがお前の支給武器か?」
ギコが銃を構えたまま聞いた。
「ああそうだよ。」
「そうか・・・」
ギコがやっと銃を降ろした。
「俺はある女子を捜しているんだ。お前誰かと会ったか?」
「いや、君が初めて。」
「そうか、ならいい。がんばって生き残れよ。」
そう言うとギコは踵を返した。
「ちょっ、ちょっと待って。」
「ん?」
「ぼくを殺さないでいいの?」
「ん?ああ、だってやる気が無い奴を殺すのも・・・待て・・・」
40ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/20 21:36:57 ID:ijOEZQYs
「え?」
「動くな!!!」
ギコがまた銃を構えた。
「へ!?」
「絶対動くなよ!!」
そう言うとギコは銃の引き金を引いた。

パン、と言う音と共に弾が発射された。
しかしそれはウララーに当たることなく横を通りすぎて言った。
「うわ、てめぇ!ぼくが死んだらどうするんだ!?」
と叫んだ。
しかし、それを叫び終わった後で後ろからドサッと音がした。
「後ろを見ろ。」
ギコがそう言う前にウララーは振り返っていた。
そこにはミナー【女子16番】が倒れていた。
「お前に銃を向けていた。」
ギコはそれだけ言った。
「ぼくを助けた?」
「まぁそれもあるが、やる気の奴は減らしときたい。あいつが殺されるからな。」
ウララーはポカンとギコを眺めた。
そしてふいに口を開いた。
「一緒にさがしてやろうか?」
「何?」
「ぼくが一緒に探してやろうと言ってるのさ!」
ウララーはバッっと立ち上がり大きな声で言った。
「お前は信用できるのか?裏モララーの一族はワルなんだろ?」
「はは、ワルか。そうだな、確かに俺は生き残りたいけど自分を助けた奴を早々ころそうとは考えないさ。殺すとすれば最後。二人になったらだ。」
「そうか・・・」
ギコがウララーの方へ歩み寄った。
「よろしく。」
ギコが手を出した。
「よろしく!」
ウララーがその手を握り、握手を交わした。

「じゃぁ行くか・・・」
「ちょっと待って。」
「何だ?」
ウララーは倒れているミナーのが死んでいることを確認すると同時に武器を取った。
「日本傘じゃ不安だからさ。」
「フッ、じゃぁ行くぞゴルァ!」

【残り40人】
41Mr名無し:04/10/21 01:00:29 ID:pNnLeWRd
「当りの武器を引いたーヨ。でも・・・」
【男子10番】シラネーヨは支給武器であろう物を抱えながらそっと呟いた。
「弾5発じゃ足り無すぎるーヨ!」
彼が引いたのは「H&KPSG‐1」と言うスナイパーライフルだったのだが、弾は何故か5発しか入っていなかった。
バックの中を念入りに探すと底から紙切れが見つかった。紙切れにはこう書かれてあった。

『そう何発も弾があったらすぐ殺せちゃって面白くないからね、あえて5発にしておいたよ。ギコ教授より。』

「なーにが面白くないだーヨ!たった5発でどうやって生き残れって言うんだーヨ!」
腹を立てたシラネーヨは紙切れをぐしゃぐしゃに丸め、部屋の窓から投げ捨てた。

場所はA‐4。シラネーヨは分校を出てすぐ、ひたすら西へ進み南に建物が見えたのでここへやって来たのだ。
今彼が居る所は、住宅街の中でもひときわ目立つ、高さが5〜6m程の建物の最上階だった。
あまりにも目立つので誰も近寄らないのだと思ったのだろう。
しかも彼の支給武器はこの場所にとても適応した代物だった。シラネーヨもその事に気付いたのだろうか。
「でもここって結構遠くまで見渡せるから、この武器に最適の場所だーヨ!」
シラネーヨは興奮気味に歓喜した。早速バックから説明書を取り出し何度も読み返し、やり方を必死に頭に叩き込んだ。
読み終わると をしっかりと握り締め、肉眼で獲物を探した。
これでも視力はかなり良い方で、遠くの物を探すのはシラネーヨの得意分野でもあった。
獲物を探すこと10分、獲物はすぐに見つかった。
「格好の獲物第1号見つけたーヨ。」
どうやらそれは女子のようだった。ひどく周りを警戒していたが、しかし今の彼にはそれが誰であろうが関係なかった。
狙いを定めようとするが、ちょこまかと動かれなかなか標準が合わせられなかった。
「頼むから大人しくしてろ!」
と呟くがそれでも止まってくれる筈が無く、むやみやたらに引き金を1回素早く引いた。
しかし発射された弾丸は女生徒の頬を掠ってしまっただけであった。
いきなり飛んで来た物にびっくりした女生徒はその場から立ち去り、近くの住居に隠れてしまった。
「ああああ〜!!外した〜!!」
シラネーヨは銃を床に投げだした。かなり神経を集中させたのだろう、汗が一滴垂れていた。
「残り4発、この戦いに勝つ為にはもっと慎重に使わないといけないーヨ。」
シラネーヨはそう言うともう一度銃を持ち直し、再び窓から新たな獲物を探しはじめた。


一方、その狙われた女子は冷や汗をかきながら恐怖におびえていた。
「何処に居るの・・・ギコ君・・・。」

【男子10番】シラネーヨ
支給武器:H&KPSG‐1残り4発(スナイパーライフル)
場所:A‐4の高い建物

【女子8番】しぃ
支給武器:?
場所:A‐4の何処かの家

【残り40人】
42ピアニシモ:04/10/21 17:51:23 ID:6TiG0zwj
どうやらこの将校クラブは最近また誰かが再利用したらしく、少し行くと工事器具やコンセントなどが剥き出しになっていた。
【女子2番】ありすは2階へ上がる階段を駆け上がった。
そこはいくつかの部屋があるフロアだった。
「一つずつ調べてこ・・・。」」
ありすが扉を開けるとそこは映画なんかによく出てくるような、少し豪華そうな洋間だった。
おそらくここが将校クラブだった時代からこのままだったのだろう、埃だらけの机と椅子がたった一つある部屋。ありすはその机により、机の引出しを一段ずつ開けていった。
万年筆・・・クリップ・・・わら半紙・・・およそ戦闘に使えない事務用品や何かの書類・・・。
その中からありすは大きな黒いケースを見つけた。
「ナ・・・?ワ・・サ・・・?」
ありすはそのケースにかかれた文字を読もうとしていたが英語らしい文字の上に、薄暗いので何が書いてあるのかわからなかった。
しかし、その文字を読もうと必死になるありすは2階の電気がつかないことを予想し、ボロボロになった赤いカーテンをつかんで、思いっきり引いた。
月明かりが埃だらけの部屋に舞い込んだ。
その多少幻想的な世界の中でありすはその英語らしい文字を解読しだした。
「何これ・・・。英語じゃない・・。」
確かにそこにかかれた文字は英語のスペルではない、しかしその上のエンブレムだけは彼女にもわかった。
鍵万字―――すなわちナチス・ドイツを示す紋章。
ありすはケースの取っ手をずらし、ケースを開けた。
「・・・・・ウソでしょ・・・。」
ケースの中身は拳銃だった。
しかも彼女の銃と同じワルサーP38、ご丁寧なことにマガジンも2つほどついている。
「持ってって・・・いいよね・・・。」
ありすはP38とマガジンをケースから抜き取り、もう一丁と同じく服とスカートの間に入れた。
「殺人・・・決行だよ!」

43名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/21 20:21:48 ID:ifSADgwn
沈黙が部屋を支配する。
【男子1番】アヒャの問いかけに、【女子9番】じぃは答えなかった。
何か、只ならぬものが影にあると感じたのか、アヒャが
「言いたくなきゃ言わなくていいアヒャ。誰だって言いたくないことはあるものアヒャ。」
と言うと、じぃも頷き、その話は結局流れた。
代わりにアヒャはじぃも医薬品を狙ってここに来たことや、彼女の銃がベレッタM92という名前だということを教えてもらった。
「さて、これからどうするアヒャ?」
これからの行動を決めなければならない。のんびりしていると別の生徒が医薬品を狙ってやってくるかもしれない。
診療所に篭城してそんな生徒を待ち伏せる手もあるが、電気が切られているのだろう、水道も水が出ないし冷蔵庫の食糧も腐っていた。
それに、篭城と言うことは自ら退路を絶つということである。自分たちより強力な武器を持った生徒が現われた場合、第一撃を外したら勝ち目は薄い
もちろんそんなことはじぃだって分かっている。
「私は、商店に行こうと思っていたの。便利な物がたくさんあるはず。もちろん食糧もあるし、運がよければ武器になるものもあるかもしれない。」
「それなら早く出発した方が良さそうアヒャ。同じ考えの奴だっているはずだからな。」
一度決まれば行動を起こすのは早い。遅れれば、それだけ敵に出会う可能性が高くなるのだ。
二人は慎重に周囲に敵がいないかを確認し、一応安全だと分かると商店の方に向け歩き始めた。
「ところで。」
(声が大きい!)
全く状況を理解しているとは思えないアヒャの声をじぃは慌てて制した。一瞬の油断が死を招く、これはそういうゲームなのだ。
(ごめん、ところでさ、)
(何?)
(お前のこと、何て呼べばいい?)
(はぁ!?)
流石のじぃも、意外な質問に面喰う。呼び方?こんなときに何を言っているんだ?
(いや、行動を共にするなら、『お前』ってのはないと思うアヒャ)
(・・・・・・じぃでいい。)
(それじゃあじぃ、よろしくアヒャ。)
本当にこいつは状況を理解しているのか?そう思ったじぃだったが、それでも、こんな状況でのアヒャの言葉に、じぃはかけがえの無い何かを感じ始めていた。

【女子9番】じぃ 支給武器 ベレッタM92 アヒャと共に商店(C−5辺り)に移動中

【残り40人】






44ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/21 20:31:53 ID:JDO21lKl
でぃ【女子12番】はゲーム開始時から歩き続け、C-5の商店に来ていた。
(ここらまで来れば安心できます・・・)
彼女は元々しぃだったのだが、5歳の時に爆発事故に会い、方耳と声を失ってしまった。
おかげで感情表現があまりできない。
発言の時は看板に文字を書いて見せたり、身振り手振りで伝えたりしていた。
(あ、そういえば武器をみて無かった・・・)
でぃは心の中だけで呟き、デイパックを開けた。
中に入っていた武器はスタンガンだった。
(・・・微妙)
スタンガンでは気絶させることはできても、人を殺すことは難しい。
ひとまずそれをデイパックにしまい商店を散策することにした。
看板に「八百屋」や「魚屋」と書いてあったが、野菜や魚はそこにはなかった。
(あ、あれはスーパー?)
スーパーらしき建物の自動ドアだったと思われる扉をこじ開け、中に入った。
そこには普通のスーパーとほとんど変わらないほど商品がそろっていた。
食料もあれば(賞味期限切れが多いが)包丁などの武器もある。
まず賞味期限が切れていないものを片っ端からデイパックに入れ、次に刃物コーナーに向かおうとした。
すると、

ガチャン

と音がした。
方耳分の聴力しかないが、その音はでぃにもはっきり聞こえた。
「あー、やっちゃった。」
と言う声も聞こえた。
でぃは音を立てないようにそーっと包丁を一つとった。
「まぁこれだけあれば大丈夫でしょ。」
その声の主はレモナ【女子21番】だと分かった。
(ばれないで・・・!!!)
心の中で願った。
レモナが店から出ようと思ったのか、こちらに向かってきた。
でぃはビクッと体を震わせ、足音を立てないよう、そそくさと陳列棚の影に隠れた。
「ん?足音が聞こえたような・・・?」
その言葉を聞いたでぃは、
(やばい!!!)
と思った。
レモナが陳列棚と陳列棚の間を一つ一つ覗いている。
でぃはさっと棚の裏に隠れた。
レモナの足音が小さくなるのを聞いてでぃは一安心した。
しかし、それもつかのま。

ペタペタペタペタペタペタペタンッ

何処からか変な足音が聞こえた。
でぃは周りをみわたしてから上を見た。
その顔めがけて何かが振ってきた。
(!!?)
間一髪でそれをかわしたが、腕に切り傷ができていた。
これは刃物で切られた傷だ。
でぃが腕をおさえながら顔をあげると、そこに居たのはレモナではなくちびフサ【女子10番】だった。
「えーと、まずは一匹目、方耳猫ちゃん・・・なんちって!」
言い終わると同時にちびフサは包丁をもって飛びかかってきた。
(くっ!)

45ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/21 20:32:59 ID:JDO21lKl
でぃはそれをかわしそのまま一気に逃げた。
「あ、逃がさない!」
ちびフサも追いかけてきた。
でぃは走りながらデイパックを振り落とした。
(なんか武器になるものはっ)
武器を探していたでぃの目に飛び込んできたのは掃除道具を売ってるとこにあった「ほうき」であった。
そのなかから適当に一本ほうきを取り出し、ちびフサを迎え撃つために構えた。
「死ねぇ!」
ちびフサがまたもや飛びかかってきた。
それをでぃはバットのスイングのようにほうきを振り、ちびフサを打った。
「ぐえ!」
ちびフサの小さなからだは2m程飛ばされ、さらに地面を滑った。
起き上がろうとするちびフサにでぃはほうきやちりとりなどを適当になげつけた。
10本目のほうきを投げ終わると共に、走り出し、ちびフサとの距離をつめた。
「きぃあぁ!」
さっき投げた10本目のほうきが命中して、一秒もたたないうちにでぃがその頭にほうきをふり降ろされた。
「くぁっ」
ちびフサは小さく声をあげ気絶した。

でぃは珍しく息をあらげていた。
しかし、ちびフサが気がつく前に出て行かなければならないと思い、落としたデイパックを拾った。
包丁や食料を手早く集め、出て行こうと出口に向かおうとしたその時。
「でぃさん!?」
それはまぎれもなくレモナの声だった。
(やばい!忘れてた!)
しかし、ここで隠れるのも往生際が悪い。レモナの前に出た。
「やっぱり・・・でぃさんね?」
レモナはデイパックともう一つ自分のバッグを下ろた。
「私はクラスメートを殺す気なんかない。あなたはどうなの!?」
でぃは何処からか看板をサッと出した。
『まだ決めていない。でも防衛はする。』
するとレモナは、
「そう。ならいいわ。あと、あれは貴方がやったの?」
レモナがちびフサのが入る方向指差しながら言った。
でぃは看板に張ってあった紙を破り、出てきた新しい紙にこう書いて見せた。
『ちびの方から襲ってきた。気絶しているだけ。』
するとレモナは安心し様子だった。
「良かったわ。あ、それと、モナー君みなかった?」
でぃは最初良くワケが分からなかったが、やがて察した。
『見ていません。』
そう書いた看板を出しているでぃの顔はにわかに微笑んでいた。
「わかったわ。ありがとう。じゃぁ!」
レモナは自分のバッグとデイパックを拾うとさっさと開きっぱなしの扉から出て行ってしまった。
でぃは看板を上げたままボーっとすていたが、ちびフサのことを思い出すと、自分もスーパーから出て、扉を閉めた。

【残り40人】
46ピアニシモ:04/10/21 21:32:18 ID:6TiG0zwj
【女子2番】ありすはもう将校クラブから出て、分校の方へと向かっていた。
先ほど手に入れたもう一丁のワルサー――――おそらく政府側のずさんな調査からくる取りこぼしが
鈍い銀色を放っていた。
「人を撃ち殺すのなんて簡単ね、だってみんなやってたもん。」
ありすには父親や兄が憲兵なので、人を撃ち殺すシーンを昔から幾度と無く見ていた。
「引き金さえ引いちゃえば・・・ね。」
彼女は自分の心にそう言い聞かせてきた。
友達も撃ち殺さなきゃいけない。
それはこういうゲームなんだ、と。

パアンッ!!

その銃声にありすは気がつき、両手にP38を構えると銃声の方向へとダッシュした。


【男子8番】ジサクジエンは【男子9番】したらばとの長い鬼ごっこの最中だった。
―――殺サレルッ!―――
ジエンがそう思った時、ジエンの前に一人の女子が立っていた。
ありすがP38をしたらばに向かって撃ったのだった。
一発撃つごとに血が、肉が飛び散る。
ジエンには、ありすが天使にも悪魔にも見えたのだった。
【残り40名】
47名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/21 23:00:21 ID:ftqNGGYa
【男子14番】ネーノは、住宅街へと向けて、只、駈けていた。
右手にバッグを担ぎながら。
そして遂に、E-2、住宅街へと辿り着いた。
「運が良いなら・・・食料とかあるんじゃネーノ?」
そして、一軒の住宅のドアを握った。
ガチャ、ガチャとドアノブが鳴っているが、開かない。鍵が掛かっているという事だろう。
ネーノは、右手に担いでいたバッグから、鎌を取り出した。
「オラ!開けよ!」
鎌をドアに食い込ませ、人が入れる程度の入り口を作った。
中に入ると、中から鍵を開け、その後にドアを開けた。
「逆に不利になるかもしれないんじゃネーノ?まあ、いいんじゃネーノ?」
外から差し込んでくる光のおかげで、住宅の一階も明るい。
ネーノは、その住宅の台所へと向かった。
台所の下を開けてみると、非常食の缶詰などが入っていた。
それに、刃物等も入れてあった。
更に、サラダ油と、チャッカマンを発見した。
「・・・こいつとこいつで・・・住宅街を全て・・・せるんじゃネーノ?」
必要な物を持ち出していくと、火の準備に掛かった。
48(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/21 23:29:44 ID:5BLvXOjw
激しく忍者【男子15番】は木の枝から枝に飛び移り、尚且つ静かに移動していた。


マシンガンの銃声が聞こえたのはつい先程のことだ。
銃声はそれっきりで鳴らなくなった。つまり、その銃弾が確実に誰かを仕留めたと言うことに違いない。
そこらの拳銃と違って、マシンガンは火力が違う。
不可抗力でなく、明白に相手を殺すために撃ったなら、持ち主が残っていると後々になって面倒だ。
仲間がいない状態では、面倒なやつは初めに潰しておいた方がやりやすい。
残っている生徒の数も多く、自分が殺したことが判断されにくいからだ。

銃声はほぼ真北の方角からだった。距離も、そう遠くは無いはずだ。
地図は頭に叩き込んでおいたので、この森は、北に数百メートルほど広がっていることは把握していた。
普通に歩く分としてはあまり遠い距離ではないのだが、いつ誰に襲われるかわからず、
通常以上に神経を使わなければならない状態では、あまり速い移動はできなかった。


そして、森の端の方にたどり着き(E〜F=3になるはずだ)、耳を澄ました。
しかし、神経を研ぎ澄ます必要も無く、それは現れたのだ。
今いる木の近くにまとまって茂っている藪を、音を立てながら誰かが歩いていたのだ。
思わず、心の中で口笛を吹いた。oO(+激しくラッキー+)
それは誰であっても、クラスメート――つまり、これの参加者ということには間違いないはずだ。
敵を一人減らすということは即ち、自分の優勝に近づくというわけだ。
激しく忍者は支給された食器、もとい武器のフォークを握り締めた。

その誰かはあまりに無防備だった。武器を持っているかは見えなかったが、
辺りを見回すこともせず、ただ草を掻き分けて進んでいた。
忍者は静かに木から下り、そちらに向かった。そして、フォークの射程距離まで近づいた。

そのときだ、一瞬の油断だろうか、忍者であろう自分が藪に足を引っ掛け、かなり大きな音を立ててしまったのだ。
「誰だ!」と前にいる誰か――男子六番のコリンズだった――が言い、こちらに振り向いていた。
まずい、と思い、焦りながらも激しく忍者は持っていたフォークを振り上げて、そちらに投げた。
しかし体勢も悪かったこともあり、フォークはコリンズの首筋(首があるようには見えないが)を
ざっくりと切り裂いただけで、致命的なダメージは与えられなかった。

コリンズは少しうめいただけで、すぐさま反撃に入っていた。手にもっていた銃を持ち上げ、忍者の方を狙っていた。
次の瞬間には、ぱららららっ、という回転の速い火薬音が響いていた。先程聞いた音と同じだ。こいつがあの音を作ったのだ。

それを、横っ飛びして避けられたのは奇跡的だった。
元々フォークを当てるために可能な限り近づいていたので、銃器にしてみればかなりの近距離なのだ。
銃器に対してはあまり学習していなかったが、相手に背中を向けて逃げるのはまずいに決まっている。
そこで咄嗟に、目立つように木の上に飛び上がった。
木の上で一旦停止すると、一転して切り返し、今度はすばやく藪の中に隠れた。
空蝉の術の応用である。木の上にいるように見せかけるのだ。案の定、コリンズは木の上にマシンガンを放った。

着地する瞬間に考えた。これはあまり使いたくなかったのだが――。
激しく忍者は懐にある手裏剣に手を伸ばした。
修学旅行ではまず使うことは無いと思っていたので、多くは持ってきていないのだ。
手裏剣は確実に消費する。無駄には使いたくない。一発で仕留められるだろうか。
あまり考える時間は無かった。本能的に、一枚の手裏剣を持った右手を振り上げ、横手から鋭く放っていた

空を切りながら、手裏剣はコリンズの方へ飛んでいった。
そして、かつっ、という乾いた音が響き、今度こそ間違いなくその後頭部に突き刺さった。
コリンズの体が前に倒れるのに少し遅れて、マシンガンが地面に落ち、がしゃんと音を立てた。
すぐさま激しく忍者は藪から飛び出し、その銃を拾い上げた。
持ち上げて今は倒れているコリンズに向けたが、全く動かず、生きてはいなかった。


結局、コリンズのデイパックからは他の武器は見つからず、そのマシンガン――イングラムM10を拾うと、
念のためフォークと手裏剣を回収し(手裏剣は一度刺さると威力が格段に下がり、もう使えないのだが、証拠を残さないためだ)、
ひとまずその場から離れることにした。
49(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/21 23:34:56 ID:5BLvXOjw
【男子6番 コリンズ】 死亡

【残り39人】
50Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/22 07:38:42 ID:ICsBbxZw
トラップの資材を集めている最中にドタバタ騒動に気づく。
(他の香具師・・一旦隠れますか)
STAFF ONLYの扉の中に隠れて様子見。
(あの声だとレモナとちびフサ・・。『方耳猫』・・でぃもいるのですか
・・早く去ってほしいんですけどね)
51Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/22 07:39:39 ID:ICsBbxZw
【男子11番】タカラギコはトラップの資材を集めている最中にドタバタ騒動に気づく。
(他の香具師・・一旦隠れますか)
STAFF ONLYの扉の中に隠れて様子見。
(あの声だとレモナとちびフサ・・。『方耳猫』・・でぃもいるのですか
・・早く去ってほしいんですけどね)

【残り39人】
52名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/22 19:22:31 ID:uRg3CjIc
沈黙が部屋を支配する。
【男子1番】アヒャの問いかけに、【女子9番】じぃは答えなかった。
何か、只ならぬものが影にあると感じたのか、アヒャが
「言いたくなきゃ言わなくていいアヒャ。誰だって言いたくないことはあるものアヒャ。」
と言うと、じぃも頷き、その話は結局流れた。
代わりにアヒャはじぃも医薬品を狙ってここに来たことや、彼女の銃がベレッタM92という名前だということを教えてもらった。
「さて、これからどうするアヒャ?」
これからの行動を決めなければならない。のんびりしていると別の生徒が医薬品を狙ってやってくるかもしれない。
診療所に篭城してそんな生徒を待ち伏せる手もあるが、住居と独立した診療所である。水はあるが食糧はほとんど無かった。
それに、篭城と言うことは自ら退路を絶つということである。自分たちより強力な武器を持った生徒が現われた場合、第一撃を外したら勝ち目は薄い
もちろんそんなことはじぃだって分かっている。
「私は、商店に行こうと思っていたの。便利な物がたくさんあるはず。もちろん食糧もあるし、運がよければ武器になるものもあるかもしれない。」
「それなら早く出発した方が良さそうアヒャ。同じ考えの奴だっているはずだからな。」
一度決まれば行動を起こすのは早い。遅れれば、それだけ敵に出会う可能性が高くなるのだ。
二人は慎重に周囲に敵がいないかを確認し、一応安全だと分かると商店の方に向け歩き始めた。
「ところで。」
(声が大きい!)
全く状況を理解しているとは思えないアヒャの声をじぃは慌てて制した。一瞬の油断が死を招く、これはそういうゲームなのだ。
(ごめん、ところでさ、)
(何?)
(お前のこと、何て呼べばいい?)
(はぁ!?)
流石のじぃも、意外な質問に面喰う。呼び方?こんなときに何を言っているんだ?
(いや、行動を共にするなら、『お前』ってのはないと思うアヒャ)
(・・・・・・じぃでいい。)
(それじゃあじぃ、よろしくアヒャ。)
本当にこいつは状況を理解しているのか?そう思ったじぃだったが、それでも、こんな状況でのアヒャの言葉に、じぃはかけがえの無い何かを感じ始めていた。

【女子9番】じぃ 支給武器 ベレッタM92 アヒャと共に商店(C−5辺り)に移動中

【残り39人】
53ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/22 21:08:23 ID:5morhyk3
3-D。
ここでまた、『三つめの鬼ごっこ』が行われていた。
逃げているのはチャンコ【男子13番】
追いかけているのは妹者【残り7番】だった。
「まつのじゃ〜おとなしく殺されるのじゃー」
ドラクエにでも出てきそうな剣を振りながら妹者が叫んだ。
「誰が待つかっ!死にたくないっての!」
チャンコもデイパックを持ったまま必死に逃げる。
チャンコの武器は筒の中に筒が入る形で伸び縮みする槍だった。
妹者の武器に勝てなさそうな事もないが、チャンコ自体やる気は無い。クラスメートを殺したくないのだ。
「ま〜つ〜の〜じゃ〜!!」
妹者はこの鬼ごっこがはじまってから「待て」と言ったのは「13回目」だった。
(ああくそ・・・それにしても足速いな。女子で、しかも流石家なのに・・・)
流石の兄者と妹者が兄弟なのに、何故同じクラスになったのかと言うと、兄者が5年留年し、妹者が2年飛び級をしたのだ。
しかし、チャンコは兄者しかみていないので、流石は『ダメ一族』だと決め付けていた。
実際兄者は足もそれほど速くない。

(でもこの妹はっ!)
チャンコも全力で走っているのだが、妹者との差が開かない。縮まりもしないが。
「お、やった!森に入る!」
チャンコの目の前に森が見えてきた。
「あ、やばいのじゃ!森に入ってしまうのじゃ!」
森なら逃げる方は姿を隠せ、有利だ。
相手が戸惑っている間に逃げればいいし、余裕があれば攻撃してもいい。
チャンコが大きな森の根を飛び越えた。
「やった!・・・あり?」
勢い良く木の根を飛び越えたのはいいが、その大きな木に隠されて、森と自分がいるところに段差が1m程あるのに気付かなかった。
「いて!!」
チャンコは豪快に尻餅をついた。
だが痛がってる暇はなかった。
すぐ、妹者が同じ様に木の根を飛び降りてきた。
剣を思いっきり振り上げた形で。
「うそぉ!」
54ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/22 21:08:44 ID:5morhyk3
妹者はそのまま剣を思いっきり振り下ろした。
「やったのじゃ!!」
「くそっ」
チャンコはデイパックを振り、正確に妹者の頭を殴った。
「きぃあ!」
妹は小さくうめき声を上げたが、剣を構えた形は解かれなかった。
「やべ!」
チャンコは首を振ってそれを交わした。
しかし、そのまま剣が妹者の体と一緒に落ちてきたため、剣はチャンコの肩に当たってしまった。
「いっつ!」
チャンコは態勢を下げ、横移動してさらに剣が食い込むのを防いだ。
妹者は着地に失敗すると思っていたが、剣を両手で構えた形のまま正確に着地した。
「!!」
チャンコはそれを見て自分もサッと立ち上がった。
「鬼ごっこは終わりなのじゃ。さぁおとなしく殺されるのじゃ。」
「それはごめんだ!」

チャンコはデイパックの中から槍を取り出し、デイパックを投捨てた。
「あ、めんどうにも戦うことになったのじゃ?」
「死ぬのはごめんなんでなっ」
チャンコは途中ぐらい言ったところで走りだした。
「ふっ、そんな短い槍で勝てるわけないのじゃ!」
妹者は剣を片手で構えた。
(あの槍は包丁と同じようなものじゃ。リーチが無いからこっちのほうが有利じゃ)
妹者は勝利を確信した。
「よーし!」
チャンコは槍を思いっきり横構えた。
「そんなとこからやっても届くわけないのじゃ!」
「結果を見てから物を喋れ!!」
チャンコは横に構えた槍を思いっきり横に振った。
カチカチカチカチ、と言う音と共に槍が伸びた。
「!!」
そして槍の刃は妹者の腹を切り裂いた。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
妹者が大きな悲鳴をあげた、剣をほうりなげ地面をのた打ち回った。
「痛い!!痛いぃぃぃ!!!」
「うるせーな、そんなこと言われなくてもわかってるよ。」
チャンコは頭をぼりぼり掻きながら言った。
「これ便利だろ伸びるんだよ。スイッチを押しながら引っ張ると。でもスイッチえお押して横にズラスとスイッチ押しっぱなし状態になるだろ?
 それで思いっきり振ったら遠心力で槍が伸びるんだよ、分かる?」
「痛いぃ!!」
尚も痛がり続ける妹者に向かって、チャンコは息をふぅっと吐いた。
「まったく、僕はクラスメートを傷つける気なんかなかったんだよ。これは君がしつこく追いかけてきたからの結果。自業自得。因果応報。」
痛みがひいてきたのか知らないが、妹者はだまってうずくまっていた。
「じゃぁ俺もう行くからじゃぁ。」
チャンコは槍をベルトに引っ掛け、デイパックを拾い上げて歩いていった。

残された妹者はまだ蹲っていた。

【残り40人】
55(;・∀・)凸Lv.2 ◆HP7743lu6Q :04/10/22 21:44:54 ID:hGZjAGjH
「やっと去りましたか・・・、やれやれです。」
【男子11番】タカラギコはレモナたちがいなくなったのを確認すると、
ようやくスタッフルームから出てきた。
「あんなに人がいる中で、トラップの材料集めなんてできませんよ。」
タカラギコは少し愚痴った後、また材料集めを再開した。
先ほど隠れている間、スタッフルーム内でもいろいろな物を見つけることが出来た。
これは思わぬ収穫だった。まさかあんなものがあろうとは。
「・・・これぐらいでいいですかね。」
あらかたスーパー内を散策した後、タカラギコはスーパーをあとにした。
そしてまた民家の方へ向かっていった。
あの家を完璧な城にするために・・・


【残り39人】
56名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/23 21:04:15 ID:E6FVs1PO
【男子1番】アヒャと【女子9番】じぃは無事、商店に辿り着いていた。
時刻的には深夜だったが、雲ひとつ無い夜空にもうすぐ満月になろうかという月が出ていて移動に不自由はなかった。
商店街とおぼしき所に入って、最初に目に付いたスーパーに入ってみたのだが
「何かの気配がする・・・」
店内に入るなり、じぃが静かに、しかしはっきりと言い、ベレッタをしっかりと握り締めた。
スーパーというよりよろず屋というべきその店は、明らかに先客がいた形跡があった。注視すると、僅かに足跡らしき物もある。
足跡は複数合ったが、どれも店外と向かっていた。ただ一つを除いては。全く物音はしなかったが、確かに小さな足跡が続いている。
慎重に進んでいったじぃの目に飛び込んできたのは、床に伏しているちびフサ【女子10番】だった。
(死んでいるアヒャ?)
(気絶しているだけみたい。・・・どうする?)
(生きているってことは、こいつがやる気の無い奴を襲って、返り討ちってところか・・・。だったら・・・。)
アヒャは右手のアーミーナイフを握ると、躊躇無く無防備なちびフサの喉に突き刺した。
かっと目を見開いたちびフサは、首から大量の血を噴出しながら数回痙攣して動かなくなった。
血溜まりに沈むちびフサの死体を尻目に、何事も無かったかのようにナイフについた血と脂を拭い取る。
「けっこう残酷なのね。」
じぃその声には微塵の恐怖も含まれていない。まるでこういうものを見慣れているかのように淡々とした声だった。
「残酷?俺は最後に複数の、しかもさっきまで仲間だった奴が残って、殺しあう方が残酷だと思うアヒャ。」
と言ってアヒャはちびフサの死体に向かって軽く両手を合わせた。
さて、スーパーの中には既に物色されていたとはいえかなりの物資があった。
菓子類や飲料・缶詰などをバックに手分けして詰め込み、念のため電池なども頂いておいた。これで食糧に困ることはないだろう。
スーパーを出たとき、じぃが何かに気付いた。
「アヒャ見て。車がある。」
スーパーの小さな駐車場には、古い軽トラックが停められていた。
「車があるということは・・・。」
じぃが何かを思いついたような表情をし、歩き始めた。

ちびフサ【女子10番】 気絶中にアヒャに刺され死亡

【残り38人】


57ピアニシモ:04/10/24 13:59:43 ID:FKufRMCw
パン!パン!パン!と言う連続した銃声にジエンは震え上がった。
女子はしたらばに計5発の弾丸を打ち込んだあと銃身を握り、グリップを思いっきりしたらばの頭に叩きつけたのだ。
―――――コノ女子・・・。―――――――――――
「危なかったわね、ジエン君。」
女子の正体は自分の班の女子、ありすだった。
「ア・・・。アリガト・・・。」
そう言ったときにはありすはしたらばの銃を取って、自分の銃の弾と照らし合わせていた。
「9mmパラベラム・・・。うん、使えるみたい。」
ありすはジエンの方を再び向き、微笑んだ。
「大丈夫、あたしは殺さないから・・・。」
―――殺さない―――
その言葉はこのゲームのシビアな現実を押し付けるようだった。
「ねえジエン君?」
「・・・ナニ?」
「私達、チームくもっか。」
「・・・・・・・。」
ジエンには信じられなかった。
このシビアなゲームにチームなんて言葉が存在したなんて。
「・・・・・ウン!」
「ありがと!ところで、ジエン君の武器・・・。」
「ア・・・アノコレナンダケド・・・。」
ジエンが見せたのは不器用な日曜大工みたいな銃だった。
「なにこれ・・・!リベレーターじゃない!」
「リベレーター?」
「一発しか装填できない上にすぐに暴発する、すごい精度の悪い銃よ!」
「ナンデソンナコト・・・。」
ありすは銃を真剣な眼差しでリベレーター見ていたままだったが、口元が微笑んでいた。
「私の好きな漫画家の書いてる漫画に載ってたの・・・。ほら私漫画化になりたいし・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
何もいえなかった。
もしここで死んでしまえばそんなこと出来なくなってしまうかもしれないのだから。


58ピアニシモ:04/10/24 14:45:10 ID:FKufRMCw
「・・・でね、その漫画家の違う漫画があるんだけど。その漫画の主人公がね・・・こういうの。」
ありすとジエンは森の中を先ほどの将校クラブへと歩いていた。
「『家に帰ろう。誰にも止める権利は無い』ってね・・・。」
「・・・・・。」
「私達も家に帰ろうね・・・。」
「エ、デモドウヤッテ帰ルノ?一人シカ勝チ残レナイナラ・・・。」
「逃げるの。」
逃げる?どうやって・・・?
「ジエン君にあげた銃。」
ジエンはありすがくれた銀色の美しい彫刻まで彫られたワルサーP38を見た。
「これねえ、さっき言った将校クラブで見つけたの。こんなものが島にあること自体おかしいでしょ?」
「ウン・・・。」
「きっとこの島の調査はすっごいずさんだったと思うの。きっとまだ何か逃げ道があるはず!」
その行動力にジエンは何もいえなかった。
「絶対に帰ってやるんだから!」

59名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/24 20:41:45 ID:RiYyiWVW
「よし、そろそろ、じゃネーノ?」
ネーノは、サラダ油を、先程入った家の付近に撒き始めた。
「・・・この火を見つけた奴は、恐らく、此処に来る。俺は逃げて・・・見つけた奴同士で殺し合って貰いたい。そうなれば、かなり、数は減る。」
全ての油を撒き終わると、先程家から持ち出したチャッカマンを撒いた所に近づけた。
「・・・一気に火が付いたんじゃネーノ?さて、逃げるか。」

燃え上がる炎を背に、彼は先刻まで居た森に向かって走っていった。
60ピアニシモ:04/10/25 17:27:02 ID:JHcnW8Sc
将校クラブの中にはいろいろな物があった。
とてもずさんな調査だったのか、そこらに工事用のプロパンガスや頭をかち割れそうな大きな金槌。
少し物騒なものでは15センチ砲の弾やガスバーナーなども置いてあった。
「すごい・・・こんな物まである。」ありすは何に使うのかチェーンソーを取り出していった。
ここまで人を殺す道具が揃ってたら逆に政府を疑いたくなってしまう。
「コレヲドウスルワケ?」
「ここをふっ飛ばす。」
「エ!?」
彼女の言葉に何が隠されているのか、ジエンはわからなかった。
61Doooooooom ◆hKpFmeWCOk :04/10/25 18:53:24 ID:WenCRW8G
 【男子7番】流石兄者は3-Eの森から南下を続けていた。ちょうど山岳地帯の
中のF-6のあたりだろうか。G-6あたりが頂上だろう。まず第一に、山岳の山頂を
目指すモノは居ないだろう。その魂胆で歩いていた。思わくば妹者にあいたかった
が、妹者は案外、タフなヤツだ。大丈夫だろう。そんな勝手な考えの上で行動していた。
まぁあながち、彼の予想も間違ってはいないが・・・
歩いている間に、ちょっとしたコンビニ等があったが、得られた物は食欲を満たす
物しか無かった。
「はぁ・・・これからどうすりゃいいんだ・・・」
さっきからコレばっかりだ。口を割って出てくるのは弱音。全く、自分に嫌気がさす。
親しいヤツはたくさんいる。でも、多くのヤツは自分も信じられなくなり、
ただ混乱するだけだ。という事はよく分かっている。俺がそうだからな。
そんなとき、眼前に現れたのは、山小屋の様な家ともいえるか分からないような
ボロ屋。警戒しつつも入っていこう。入り口の近くたったら、もう木の少ない岩肌
が見えている。もう山頂なんだろう。
「こんにちは・・おじゃまします・・・」
なんでこんな事を言うんだ!?俺もついに狂ったか?あ・・もう駄目だ。混乱している
よ・・・おれ・・・
そのネガティブな思考は次の瞬間、消え失せた。小屋の中からの声によって・・・
「ダ・・・ダレダ!?ソノ声ハ兄じゃカ!?」
「え!?あ!はい!」
何だ俺!なんで返事しちまってんだよ!
声の主は【女子11番】つー だった。手には奇妙な形の銃が握られている。
PCの画像で見たことがある。FN P90だ。いつだったか、この国の大使館が
何処かの国で占拠されたとき、現地特殊部隊が突撃に使用して、大成果をあげた
ものだ。あんなのにつかまったらかまったものじゃない。逃げようとしたが、
あっさりこけた。そうだ、俺、体格の割に運動神経わりいんだ・・・刹那・・・
62Doooooooom ◆hKpFmeWCOk :04/10/25 18:54:32 ID:WenCRW8G
「ア・・・アッッヒャヒャヒャヒャ♪」
「へ?」
「イイゾ!面白カッタ!行ッテ良イゾ!」
「は・・・?そんなことでいいのかよ。俺は敵なんだぜ?」
「ソンナノ関係ネェヨ!元ハクラスメイトダロ?」
「・・・死ぬなよ・・・ツー・・・」
「オマエモナー!」
別れたその後、兄者は山頂にたどり着いた。少し寒いが、厚手の制服はそれを凌げる
分の保温効果はあった。標高の高いとは言えない山から見下ろす街は、至極、
静かだった。そう。まるで誰もいないかのように・・・
その時、山頂の小屋と思われる物を発見した。さっきとは違い、民宿みたいだった。
さっきの事もあり、警戒しながら近づいたが、中はもぬけの殻だった。
「・・・誰もいないか・・・」
管理室、食堂、小部屋・・・みんな完全な状態で残っていた。いつ部屋から登山客が
「おはようございます。きょうの朝飯はなにかなぁ。」
なんて言ってきても違和感が無い。ベランダにでて、下を見ると、大きめの倉庫の
様な建物が有った。何か武器が有るかもしれない、そう思った兄者は、さっそく
降りて、その倉庫の南京錠を針金ではずした。手先が器用な事が唯一の救いだった。
中には、スコップ、つるはし、そして・・・
「す・・・すげぇ・・・猟銃だ・・・」
散弾式猟銃が三丁、立てかけて有った。その上には釘で板が張られており、
“弾は管理室。しけらないように注意。”
とあった。管理室には、鍵の掛かった引き出しがあり、それを蹴って開けると、
三十発入りの弾箱が十数個、出てきた。しかし、空箱もあり、結局、入っていた
箱は6個と半分、といった所だろうか。しかもかなり旧式の猟銃で、装填数は
三発。一発撃つ事にトリガーを引き、弾を買えねば成らない。空の薬莢が時々詰まって
しまい、その場合、引いた状態で自ら取り出さねば成らない。と説明書きが
添えて有った。管理室はそうとう使えそうで、厚手のかなり重い猟用のベストや、
少量の薬品、缶詰、カップ麺(相当昔の物だが、賞味期限はあと数週間有った)・・・。
「これでなんとか対抗できるな。優勝も夢じゃ・・・!?」
その時、山の下の方で銃声が起きた。単発の銃声、それに引き続く連続音・・・
「連続音・・・?・・・ツーだ!!」
急いで山小屋をでる。山頂の岩に登ると、そこには木の陰から拳銃をだして、
ツーの小屋に向かって撃っている人影と、その窓からの閃光。明らかに戦闘中だった。
「くっ・・・そ!」
猟銃にはスコープがついていた。汚れては居るが、望遠率は高い。とりあえず岩に
へばりつき、上半身だけ起こしてねらいを定めた。スコープに映る人影は
コルト ローマン を持った 【女子4番】カウガールだった。

【残り38人】 【女子4番】カウガール←(攻撃中)→【女子11番】つー
        【男子7番】流石兄者 (一定の距離より様子見)
63ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/25 20:04:23 ID:6ruetWh1
僕はは突然変異によって生まれた。
モナー族の中で、大耳になったり丸耳になったりすることは多々あったが、僕のようなかんじに生まれてくる子供は前例がなかった。
だが、モナー族はまったりした種族なので、僕は差別なども受けずのびのびと生きてきた。
-なのにこのゲームは・・・-

おにぎり【男子4番】は3-Gに居た。
支給武器は木刀。まるで話にならない。
「ワショーイ・・・」
いつもと違い元気なく声をだした。
座っていたおにぎりは立ち上がり、木刀を振ってみた。
ブンッ、と空気の切れる音がした。だが手応えはない。
おにぎりはその瞬間虚しさに襲われた。
―これで人を殴ったら殺せるだろうか―
そんな疑問が頭をよぎった。
しかし、おにぎりはあわてて首を振った。
(僕は殺す気なんてない。これが使えようがそうじゃなかろうが関係ない!!)
そう心の中で叫んだ。
そのとき、

ガサガサッ

64ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/25 20:05:07 ID:6ruetWh1
草を踏む音がした。
おにぎりは反射的に木刀を強く握り、振り返った。
そこにはウララー【男子3番】が抜き足差し足、の形で静止していた。
「あは、あはははは・・・」
ウララーが笑ってごまかそうとしたのはバレバレだった。
おにぎりはデイパックを投げ下ろし、木刀を両手で構えた。
「ウララー君・・・君は僕を殺そうとしたの・・・?」
「いや、ちがっ・・・」
「僕を殺す気だったのかぁぁぁぁ!!!!」
おにぎりは木刀をふり上げ、走り出した。
「ちょっ、タンマ!」
ウララーは両手を前に出して、それを否定した。しかし、それはおにぎりには聞こえてなかった。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ちょっと待てゴルァ!!!」
大きな声とともに、銃声がした。
おにぎりの足元の土がえぐれて、おにぎりの足についた。
おにぎりは目を大きく見開き、声が聞こえた方向を向いた。
そこにはギコ【男子5番】が立っていた。
「ギコ・・・君・・・君も僕を――――」
「んなわけあるかボケェ!」
おにぎりが言い切る前にギコが否定した。
「そこまで俺らは優勝にこだわってない。被害妄想はなはなしいぞゴルァ!」
「え、あ・・・ゴメン・・・」
おにぎりは正気を取り戻した。
ギコがこっちに歩いてきた。
「ちょっと、待ってなんでウララー君は僕の背後に・・・?」
おにぎりが素直な疑問をぶつけた。
「ああ、遠くから話し掛けた相手の支給武器が銃だったら撃たれちゃうジャン。こっちの武器も銃だから応戦しちゃったら殺しちゃうじゃん?近くに行ったら襲われても格闘で対抗できるからね。」
ウララーはさらっと言った。
「なるほど・・・」
通っているようで通ってない。そんな感じがしたがとりあえず相槌を打っておいた。
ギコがこちらへ辿りつくなり言った。
「で、大事なのは、お前のこのゲームに対する考えだ。お前は友達を殺すきだあるか、否かだ。」
「ゲームに対する考え・・・」
結局自分はどうしたいのだろうか。
友達は殺したくない。
でも死にたくない。
なら脱出か。できるか?
「脱出したい。」
おにぎりはとりあえず希望だけで答えた。
「そうか、良かった。じゃぁ、お前しぃを見なかったか?」
「え?いや、見てないよ?」
「ああ、そうか。じゃぁな。」
ギコはさっと振り返りさっさと歩き始めた。
「ィ`よ!」
ウララーも一言残してギコの少し後ろを歩いた。

おにぎりの心に少しだけ、希望の光が射した。

【残り38人】

65ピアニシモ:04/10/26 18:20:31 ID:dUR+rk+A
「ここをふっ飛ばして奴らの気を引かせる。その間に分校を撃つの!」
ありすの言葉は無茶苦茶だった。
「エ・・・?」
「こんな小さな島に将校クラブがあること自体おかしいもの。きっと昔ここには軍港か何かがあったの。
軍港があるならきっと砲台とかもあるはずよ!」
その先はジエンにもわかった、分校のメインコンピューターを破壊したら首輪も機能しなくなる。
つまり、自由になるのだ。
「デモ・・・ソンナノドコニ・・・。」
「見て・・。」
ありすはワルサーを見つけた部屋で煌々と電気をつけ、先ほど引っ掻き回した書類の中から一枚の紙を見つけた。
『・・・島港湾地図。・・海軍第・・・・・師団。』
インクがにじんで見にくくなっているものの、この島の地図には違いなかった。
「ほらココ。第3砲台って山の上の砲台。ここなら十分分校を狙えるわ!」
支給された地図のG-6の山岳地帯の場所に『第参番砲台』という文字があった。
「必要なものは大砲の弾・・・ある!予備の火薬・・・プロパンガスで代用すればいいし・・・。それと・・・。」
ありすはジエンに赤い電動のこぎりを渡した。洋画の殺人鬼が振り回すような電動のこぎりを・・・。」
「チェーンソー・・・ある!あとは・・・ジエン君外出て。」
二人は部屋の外へ出て、ありすはドアから少しはなれたところからワルサーを撃った。
ズガアアアアアアアアアアン!!!!!!ものすごい轟音が将校クラブ中に響き渡った。
「ガスバーナー!!」
ありすはガスバーナーで館内中に火をつけ、外へ逃げ出していった。

しかしそのころ、その第3砲台―――G-3で戦いが起こっていることを二人は知らなかった。
66名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/26 19:32:56 ID:bfcn1SLn
「・・・はあ、はあ。少し、休憩するのがいいんじゃネーノ?」
森の中を走っていたネーノに、暫しの休息が訪れた。
とは言っても、何時、誰かに襲われるか解らないが。
息が整うと、また直に発とうとした。
が、ガサガサ、と言う物音が聞こえ、慌てて木の陰に隠れた。
どうやら、この音は足音の様だ。
急いでいる様子も無く、スタスタと歩いてきた。
「チャンコ!チャンコじゃネーノ?」
無謀にも、どの様な武器を持っているかも分からないチャンコの前に飛び出した。
「うわっ!・・・なんだ、ネーノかよ。・・・お前は戦う気はあるのか?」
「・・・俺は襲われない限りは戦いはしないんじゃネーノ。ところで、そのお前の傷は?」
「・・妹者に攻撃された。仕方なく反撃したんだが・・・」
その場に、しばしの沈黙が流れた。そして、チャンコが話を切り出した。
「・・・ネーノ、俺は自分からは攻撃しない事にしている。襲われたら別だがな。・・・ネーノ、一時的に組まないか?」
「良いんじゃネーノ?俺は住宅街から食料を貰ってきたから、食料はある。・・・宜しくな。」
「ああ、此方こそ!」
こんな所で友情を深めた二人は、固い握手を交わした。
67名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/26 19:55:31 ID:BrjDTY46
スーパーを出たじぃはしばらく商店街を歩いていたが、やがて探し物を見つけ立ち止まった。
「やっぱり・・・ガソリンスタンドよ。」
恐らくは島で唯一のガソリンスタンドは、小さいものの比較的最近まで機能していた形跡があった。
「タンクローリーまであるアヒャ。」
そのガソリンスタンドにはタンクローリーが一台停めてあった。調べてみると、灯油を満載している。島の住民への配達に使っていたのだろう。
「このタンクローリーを分校に突っ込ませたら、木っ端微塵だアヒャ。」
しかし、言葉とは裏腹に、アヒャの言葉には真剣さが無い。
「アヒャも気付いていたんだ、突っ込ませるなんて多分無理だってこと。」
この島は、大抵の設備が生きている。電気も使えるし、ハズレ武器を設定するのが無意味なほどに武器になるような物が豊富にある。
始めは、政府側の調査が杜撰なのだと思った。しかし、二人ともタンクローリーを見て考えを改めることとなった。
いくら調査が杜撰でも、こんな物騒なものを見逃すということはありえない。このタンクローリーが突っ込めば、分校など跡形も無く吹き飛ぶこととなる。
当然ゲームは強制終了し、一応は島から逃げ出すことも可能だろう。
さらに、海沿いを歩いて商店までやってきたのだが、何隻か漁船があった。海には監視の船も無く逃げ出そうと思えば逃げ出せそうである。
他にも、細かい点を挙げればきりが無い。少し工夫すればゲームをぶち壊せそうな要素がいくらでもある。
「政府が全く調査をせずにこの島を会場に選んだなんてことはあり得ない。なのにあまりにも無防備すぎる。」
「ということは、俺たちが知らない何かがあるってことだアヒャ。」
「そう。タンクローリーが突っ込んできても、それどころか爆弾を落とされても防御できるような仕掛けがあるとしか考えられない。」
「何かは分からないがその仕掛けとこの首輪で、殺し合いを強制させる訳だな。よくできたルールだアヒャ。」
と言ってアヒャは、その忌まわしい、冷たい首輪に触った。
気がつけば東の空が白み始めている。6時になれば禁止エリアが発表され、そしてそこに入ればこの首輪が爆発するのだ。
「ところでじぃ、何でガソリンスタンドなんか探してたアヒャ?」
「油はいろいろと便利だからね。それに分校に突っ込ませるのは不可能としても、あのタンクローリーも使えるからね。」
少し近くを探すとポリタンクがいくつも見つかった。必要量のガソリンと灯油を入れ、しっかりと蓋をする。
このゲームを戦い抜く上で必要なものはあらかたそろった。しばらく商店街に用は無い。
明るくなれば危険度も増す。二人は日が出る前に移動した方が良いと判断した。
「日が昇る前に森へ移動しよう。同じ考えの奴もいるはずだけど、ここにいるよりはましだからね。」

【残り38人】 アヒャ・じぃ森へ移動開始



68(;・∀・)凸Lv.2 ◆HP7743lu6Q :04/10/26 21:52:41 ID:kIDAnEnx
【男子11番】タカラギコはC-5の民家に戻ってきていた。
勿論、新たなトラップを作るために、だ。
タカラギコは民家一帯をトラップだらけにしようと考えていた。
一つ、自分が入れる家があればそれで十分だと思ったのだ。

どれくらい時間が経っただろうか。
ようやく考えうるトラップが全て完成した。
とはいっても、流石に一人では知恵も体力にも限界がある。
そのため、新しく完成したものは3つほどであった。
この中で自分がとどめをささなくてはいけないようなものはない。
一番最初に作ったものと比べれば大きな進歩だ。
なので、結局タカラギコは一番最初に作ったトラップのある家に潜んだ。

「食料はだいぶありますし・・・まぁ大丈夫でしょう。」
タカラギコはこのゲームでの勝利を確信していた。
もう陽はだいぶ傾いている。もうすぐ定時放送の時間だ。
「さて、いったい何人いなくなってくらたんでしょうか。」
タカラギコの顔は自然と笑っていた。
もう、彼に人を殺すことへの躊躇いはない。


【残り38人】
69Doooooooom ◆hKpFmeWCOk :04/10/27 18:19:27 ID:92f0RvGi
こんなつもりじゃ・・・
【女子4番】カウガールは冷や汗でびっしょりに成りながら、木の陰に居た。
小屋にきて、ドアを開けたらツーに出くわしたのだ。驚いて放ってしまった
手にあったコルト ローマンは、天井に当たったが、つーの警戒度を最高潮に
するには十分だった。連続音。足を見事に貫かれた。それにより、逃げ切ることが
逃げなくなったのだ。裏を返せば・・
「なんとしても・・・倒さなきゃ!」
意を決して木の陰から飛び出し、構えた時、山頂からの爆音と、はじけた頭上の枝の
音により、戦闘中の二人は動きを止め、山頂を見た。大きな岩の上に、誰かが居る。
実は兄者、しっかり伏せたつもりが、岩の前に出すぎており、半身はしっかり
確認出来ていた。

「あ、ヤベッ!はずした!」
兄者は直ぐに弾を換えようとしたが、しっかり弾詰まりを起こしてしまった。
「が〜!堅い!糞!とれろ!くそ!」
結局取ったのはそれから1、2分もしただろうか、それも、ずいぶん荒い策を取って
しまい、微妙に銃身が曲がってしまった。コレで撃ったら恐らく、暴発か何かを
起こして、無事では済まない。せっかく見つけた武器を、いつもブラクラを踏んだ
FMVを殴りつけるように、しかもそれよりずっと荒く扱った罰だろう、。
その頃にはもう、カウガールの姿は無かった。
代わりにそこにいたのは倒れたつー・・・
「つ・・つー!」
急いで山頂から降りる。急な岩場に足を取られ、何度かすねを打ったが、
それよりも人命が大切。というグロ慣れした人間とは思えない思考が本能的に
働き、すぐさま場にたどり着いた。
「つー!おい!つー」
「ヤ・・・ヤツハ・・・ドコダ・・・?」
「カウガールか?・・・知らない・・・何処か行ったと思うが・・・」
「ヨシ!ナラヨシ!」
直ぐに跳ね起きたツーの頭は、兄者の鼻に直撃し、兄者は人間のモノとは思えぬ
うめき声を上げて突っ伏した。
「ア・・・ゴメン・・・ヨ・・・」
「あ・・・あぁ・・・いい。大丈夫だ。」
「トリアエズ、一人ハ危険ダト分カッタ!オマエノアジトニ案内シナ!」
「は・・・はぁ?」
突然の提案に、困惑しながらも、兄者自身、一人が危険な事は分かっていた。
しかし、もし仮に最期に二人になったら・・・格好いい男はそこで潔く氏ぬんだろうが、
俺はその勇気を兼ね備えているだろうか?でも一人は心細かった。一路、二人は
山頂の山小屋へ・・・

「は・・・はぁ・・・意外に傷が深い・・・」
カウガールはあの場で、突然倒れたツー(実際はフリだったのだが・・・)を
好転と、その場を去ったのだ。彼女は地図を広げ、状況を把握することにした。
取り敢えず、薬局でも有ることを期待し(診療所はとっくに物色されていることが
予想されたため、除外した)、商店街を通り、住宅地へ向かって身を隠そうと考えた。
とっくに住宅地には先客が居そう・・・頭によぎった考えを振り払い、ただ休息の場
を求め、彷徨った。彼女の目指している地区、A-4には、不機嫌なスナイパーが
潜んでいるとも知らずに

【残り38人】
【女子4番】カウガール →商店街経由で住宅地へ
【女子11番】つー →兄者と行動を共にする。山頂の山小屋へ
【男子7番】流石兄者 →ツーと行動を共にする。山頂の山小屋へ
70Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/10/27 23:03:52 ID:UIX8WmYy
【女子3番】えーはC5の商店に来ていた。
うっかり大切な食料を落としてしまったため、
商店で食料を仕入れようとしていた。

香ばしい匂いがする。
これは・・メロンパンだ!
えーは猛ダッシュをする。目標はメロンパン!
「えー、メロンパン何処ぉー?」

メロンパンはある民家のテーブルに置いてあった。
問答無用でメロンパンを食う。

メロンパンを食い終えた後、奇妙な感覚が体を襲う。
奇妙な感覚は苦しみへ変わり、そしてえーは息絶えた。

数分後、【男子11番】タカラギコがえーのいる民家に入る。
「まさかスーパーにあの農薬があるとは・・」
農薬「逝ってよしEX」。その即死にいたる毒性ゆえ、つい最近使用禁止指定され、回収処分になった。
メロンパンにこれを振り掛け、これで放置する。
そしてこれに引っかかった香具師を感知するために張った糸で、早く武器を回収する。

そして居城へ戻り、C5付近の監視を再開する・・

【残り38人】
【女子3番】えー→タカラギコの罠により毒殺
【男子11番】タカラギコ→えーを毒殺。デイバック回収後、接近する香具師の監視
71ピアニシモ:04/10/28 18:48:59 ID:9x9sL8p/
『消火班、館内に回れ!』
『出火原因は何だ!』
『ガスバーナーか何かによる放火です!』

そんな馬鹿みたいな台詞が将校クラブのほうから拡声器を通して聞こえた。
もう何分走っているだろう・・・私こと【女子2番】ありすと【男子8番】ジサクジエンは山の頂上を目指して
ただただ藪の中を走った。
背中のディパックの他に大砲を撃つのに必要な物資の入った袋をしょい、ジエン君はチェーンソーを両手(?)に持ちながら。

生きていたライフライン・・・

地図になど載っていなかった将校クラブの建物

大量の武器になりそうな物や重要書類の数々

何故ここまで調査がずさんなのか・・・。私の中にこんな疑問は芽生えはしなかった。
あの教授帽―――おそらく国家関係か警察のキャリアが上を納得させる為にろくに島を調べもせずに
ウソの報告書をでっちあげていたのだろう。

―――あの腐りきった警察らしい手段ね――――

その時、姉―――――ぁゃ波レイの台詞が私の中で蘇った・・・。

―――――レイは何でも知っていた。
それは、彼女が反政府テロリストだったからだ。
この国の警察の杜撰な態度―――――警察のトップに立つはずの人間が裏金や殺人をやっていた事・・・
事件も適当な犯人をでっち上げては裁判所に金をつかませていたこと・・・
表に出ないはずの事実ばかりを知っていた。
―――――――だから彼女はその国家に殺された。
私が見た最後の棺の中のレイは青かったはずの髪が赤黒く染まり、頬中に無数の傷があり
体には鞭の跡らしきものが無数に残っていた・・・。
そんなレイを父と兄は
「国家の恥だ。」
と言ったのだった。

もうこの瞬間、私は兄も父も―――いや私以外全員の彼女の身内が彼女の敵なんだとわかった。

“帰ろう、もう誰に求める権利は無いんだよ。”
“なーに?お姉ちゃんそれ?”
“うん・・・、私の好きな漫画の台詞。”
“かっこつけ・・・。”
“うるさい!”

私の中に幼いころのレイとの会話が蘇った。

レイ・・・

この戦いから逃げたら絶対にお線香あげてあげるから・・・

ありすはそう思いながらも藪の中を走り続けていた。
72名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/28 23:42:09 ID:ZV7nzKSC
ギコ教授【AABR担当官】がいるBR本部では6時間に一度の放送の準備にしていた。

「そろそろ定時放送だな、禁止エリアが書いてあるメモを持ってきてくれ」

「はい、教授」

情報員のジョルジュ長岡がメモをギコ教授に渡した。

「教授、お話があります」

「なにかね、ジョルジュ君」

ジョルジュ長岡はギコ教授の隣に立ち両手を後ろに組んで話を始めた。

「はい、私は情報員として生徒達の会話を聞いておりますがどうやら島中に武器、もしくは武器になるような物が残っているようです。
そして島にあるものを利用して分校を爆破しようと企む生徒がいます。
過ぎたことはあまり言いたくはありませんが少し事前調査が杜撰なのでは?」

ギコ教授は笑いながらジョルジュのほうを向き、話し掛けた。

「調査はしたぞ、念入りにな。
ただ、生徒達の手に渡っても問題無いとされる物は放置した。
それに万が一分校が爆破されたとしてもAABRの進行には何ら問題はない、本部は既に移動した。
過去のAABRで本部に手製の爆弾をぶつけて爆破した奴が現れて以来本部は移動するようにしたからな」

しゃべり終えるとギコ教授はニラ茶を飲み始めた。

「なるほど、それなら私は安心して( ゚∀゚)∩おっぱい!おっぱい!が出来ます」

「そ、そうか・・・頑張ってくれまえた」

「今回の生徒達の中ではありすとじぃに期待できそうです」

本部にはジョルジュ長岡のおっぱい!おっぱい!の声が響き渡っていた・・・
【残り38人】
73サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/10/29 16:37:17 ID:9udnbTMp
森の上の柔らかい土の上、妹者【女子7番】はまだ蹲っていた。
傷はそれほどは深くなかったが、流血も痛みも酷く、動くことすら出来ない。
妹者はただ地面をがりがりと引っかき、苦しさを紛らわせることしか出来なかった。
脂汗が彼女の土にまみれた頬に一筋の道を作る。
「――うう、嫌じゃあ……、嫌なのじゃ、死にたくないのじゃ――」
妹者の瞳から、大粒の涙が溢れ出した。
涙は後から後から、途切れることなく流れ続ける。
痛みや苦しみ、死の恐怖もあったが、妹者の涙の直接の原因は――悔しさだった。
妹者は小さなときから努力を積み重ねてきた。
駄目な兄を反面教師とするように、周囲に認められたいという一心で。
毎日毎日、勉強をし、運動をした。
あまりにもそれらのことに夢中になりすぎたせいだろうか、友人は、一人もいなかった。
それは寂しかったが、なんとか自分を納得させることはできた。
自分は皆が遊んでいる間にこんなに努力してきた、だから輝かしい未来が待っているんだ――
――それなのに。
「こんなところで……こんなところで死ぬわけには……いかないのじゃあ……」
自分には未来がある。希望がある。そのための実力だってついているはずだ。
幸せにならなくてはいけないのだ。
こんなところで死ぬわけにはいかない。
「死ぬわけには――」
そう妹者が呟いた言葉にかぶさるように、誰かの声が響いた。

「あ、モンスター発見っ」

え?と首を捻る間もなかった。
74サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/10/29 16:37:41 ID:9udnbTMp
瞬間、がつんっと鈍い音とともに、妹者の後頭部に衝撃が走った。
妹者の顔面が土中にめりこむ。ばたんと一瞬その手足が動いた。
顔を上げるまもなく、再び衝撃が妹者に襲い掛かる。
悲鳴は土のなかへと消え、苦痛を表す行動はバタフライの真似事のように間抜けだった。
また衝撃。
妹者の体が大きく一度震えた。そして、その体から何もかもの力が一瞬で抜け落ちた。
土になにか液体が染み出し、妹者のセーラーも染める。
それでも衝撃は止まらなかった。一度、二度、三度。執拗なまでに、続いた。
妹者の頭の形が原形をとどめないほどに変形した跡、やっとそれは終わった。
手に持った百科事典をごとんと地面に落とし、ルルカ【女子20番】は荒げた息を治める様に、
深く息を吸い込んだ。
地面に落ちた百科事典の角はへしゃげ、汚れていた。地面に落ちたせいでは、もちろんないだろう。
「あーあー、疲れたあ。もう、ルルカったら運動不足!てへっ!」
ルルカはそう言うと、自らの拳で頭をこつんと叩いた。
「腕も痛いし、武器も潰れちゃうしさっ。ま、モンスター退治ができたらからいいんだけどね〜」
うんうん、と頷き、ルルカは足元に転がる『モンスター』を足先で蹴った。
『モンスター』はぴくりとも動かない。
その反応に満足したのか、ルルカは右の拳を振り上げた。
「勇者ルルカはモンスターを退治した!経験値100!レベルアーップ!」
土の上に転がる、これも何かに塗れた剣を取り上げて、ルルカはそれを持ち上げ、やはり叫んだ。
「勇者の剣を手に入れた!装備ッ」
ルルカは転がるデイパックを手にもち――アイテムを手に入れた――剣を担ぎ、
森の奥へと足を進めた。
機嫌よく鼻歌を歌いながら。

聴く人が聞けば、それが何の曲か分かっただろうか、それは、巷で有名なRPGのテーマ曲だった。


【女子7番】妹者→百科事典による撲殺
【女子20番】ルルカ→電波ゆんゆん、妹者の武器及び所持物回収

【残り37人】
75Doooooooom ◆hKpFmeWCOk :04/10/29 18:06:20 ID:w5I1FmET
【女子4番】カウガールは愕然としていた。商店街を漁っていた中、
ちびフサ【女子10番】の屍体を、ある商店で偶然、見つけてしまったのである。
(今まで私は・・・何をしていたんだろう?自分の事に必死で、自分の事だけを考えて
さっきだって、つーさんが倒れていたんだから、助けてあげるべきだった。そうだ。
兄者さんが撃ったのも、私がつーさんを撃ったから・・・それでつーさんに敵だと
思われたから・・・結局・・・悪いのは私・・・)
その時、頭によぎるのは、バスの中で聞き流していたみんなの・・・大切な
クラスメイトの声・・・
・・・放流寺とか面白そうモナ・・・
・・・狂都は狂都府警や逝天堂のすくつなんだゴルァ・・・
・・・ 128頭身君が・・・・・え!?それは驚きだよ・・・・
・・・あたしはモナー君がいればいいの!・・・
何だか涙が溢れてきた。こみ上げてくる空しさにも、悲しさにも似た、この感情を
抑えられない。彼女の中で“正義感”という、心の支えが力強くそびえ立った。
先ほど、薬局で包帯や消毒を手に入れ、手当を済ませていたため、そこそこ早く
歩くことは出来た。もっとも、それ以前に彼女は考え事の境地に有るような状況
なので、元からそんなことは気にしていなかったが・・・
(あぁ、私はなんてエゴイストだったんだろう・・・私は・・・生きたいんじゃない。
みんなの死体を踏み台にして生きようとしてたの?私は!?だったらどうだった
んだろう。この空しさの中で死んでいく・・・、みんなが・・・放っておけない。)
そんなことを考えながら、市街地へ歩いていった。その姿は、あまりにも無防備だった。
道の先には、6mほどの、ペンシルビル・・・?のようなモノが立っている。
何気なく、見上げた。窓ガラスが光って、彼女の目に焼き付いた。
(そうだ。みんなで逃げよう。みんなで団結すれば、出来ないことはないよね。)
その光は、彼女にとっては神からの祝福か、教えに見えた。
(そうだよ。私、やってみるよ。かならz)
彼女の思考は遮られた。先ほどの猟銃とは違った、何かがはじけるような音。
それが、スナイパーライフルに装着されているサイレンサー音が、かすかに
聞こえたのだと分かる前に、彼女は右目のまぶたのあたりに鉛玉を受け、
後頭部から脳漿を散らし、整備された道路の中央分岐線に沿うように仰向けに
倒れた。
「やった・・・やってやったーヨ!ざまーみろだーヨ!」
さっきまで不機嫌だったスナイパーは、初めての狩りの成功に酔いしれていた。
先ほどまで、少女だった肉塊は、残った左目から、涙を流したように見えた。

【女子4番】カウガール ←(頭を打ち抜かれる)←【男子10番】シラネーヨ(A-4)
76ピアニシモ:04/10/29 19:41:40 ID:1Xy/T7+e
【女子2番】ありすと【男子9番】ジサクジエンは第3砲台にたどり着いた。
と言ってもそこには砲塔も何も無く、山小屋が一つあるだけだった。
「ココガ・・・第3砲台?」
「あの山小屋・・・。」
ありすはガチャンと山小屋の戸をあけた。
そこには【女子11番】つーと【男子7番】流石兄者がいた。
「兄者君?つーちゃん?」
「ア・・・アリス?」
「ありす・・・。」
4人は武器を構えたまま膠着状態となった。
「ねえ、二人とも。ちょっと聞いて。私達は分校をふっ飛ばす為にここに来たの。協力して・・・。」
「ふっとばす・・・って。」
ありすは山小屋の床の一部を思い切り引っ張った。すると、埃くさい匂いとともに地下への階段が現れた。
「兄者君、協力してくれるんだったらC組のビスケたんの写真をあげる。」
「なにーーーーーーっ!!」
兄者は大声をあげてすぐにありすの手を握った。
「まあ信用できるようだし・・・協力しよう・・・。」
「アタシモナ。」
「2人とも・・・。行くよ!」
ありすは暗い階段を下りていった。

ありすたちの降りていった先は大砲のあるおおきな部屋だった
「ここだけは杜撰な調査も何もいえないわね・・・。こんな隠し部屋に大砲あるなんてね。」
ありすは大砲に飛び乗って弾を装填した。
「操作わかるのか?」
「漫画で読んだ。・・・よし!ジエン君そこのコンソールのボタン押して!」
ジエンがコンソールのボタンを押すと、大砲は上昇し、天井が空いて、いつのまにか夜明けの島が見えた。
「目標・・・分校!!」


77名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/29 20:15:21 ID:BRmPQXeM
【男子10番】シラネーヨは、カウガールの武器を回収していた。
「ほほう、コルト ローマンだーヨ」
彼はデイパッグも一緒に拾い上げ、次の獲物を待とうとした時――
 ガサガサッ
近くの茂みが揺れ、彼は顔を強張らせた。
「だ、誰だーヨ!」
すると、そこからはモララー【男子20番】が現われた。
あの後、林を通ってきたのである。その手には包丁が握られている。
「シラネーヨか・・・」
緊迫の空気がシラネーヨとモララーを包み込む。


【男子10番】シラネーヨ→A―4にてモララーと遭遇
【男子20番】モララー→A―4にてシラネーヨと遭遇

【残り37人】
78ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/29 21:10:24 ID:Q6qGIfuh
ギコ教授は壁に掛けられた時計を見た。
「そろそろかな・・・」
ギコ教授は原稿の取ると、
「おーい、今から放送するから喋るなよー!」
と叫んだ。
ギコ教授は『放送室』と言う札が下がっている部屋の戸を開け、椅子に座った。
その中から放送ボタンをカチッと押した。
島中に「シュー」と音がなる。

ピーンポーンパーンポーン
「はーい、ギコ教授でーす。第一回の定時放送始めるぞー。
 禁止エリアと死亡者発表するから聞いとけー!
 じゃぁまず死亡者、【男子6番】コリンズ、【男子21番】ようかんマン、カウガール【女子4番】、妹者【女子7番】、ちびフサ【女子10番】、ミナー【女子16番】です。
 いい感じのペースですね。これを保って下さーい!
 えーっとじゃぁ次、禁止エリアね。
 禁止エリアは基本的に二時間に一つです。何時に何処がと言う形で発表します。
 えーっと、8時にG-4、10時にD-7、12時にE-5です。
 メモできましたかー!?
 こんな感じに6時間ごとに発表するからなー、メモの用意はしてたほうがいいですよー!
 それではご機嫌よう、さようならー」
ピーんポーンパーン

ギコ教授はもう一度放送ボタンを押し、放送を止めた。
ふぅ、と一息つくとこう言った。
「さて、死亡者が発表されてどうなるんでしょうねぇ・・・?」
79ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/10/29 21:11:07 ID:Q6qGIfuh
そして、その放送を聞いていた流石兄者【男子7番】は地獄に突き落とされた気分だった。
さっき分校爆破して脱出しようと決めて、希望に満ち溢れていたのに。
「・・・・・・」
兄者はデイパックに入っていた名簿にコリンズ、ようかんマン、と印をつけて行っていたが、その手が妹者の上で止まっっていた。
「アニジャ・・・?」
つーが兄者に駆け寄る。
つーは兄者が泣いていることに気付いた。
名簿の上に水が落ちて黒くなっていた。
「・・・・・・・・・・・」
つーもこの時ばかりは明るく笑い飛ばすことが出来なかった。
1分程なき続けた兄者に、ありすが話し掛けた。
「流石君。こんなこと私が言うのもなんだけど、泣いても何も始まらない。妹者さんの為に泣くのは私達が脱出してからでも遅くない。
 いや、私達は脱出するまで泣いちゃ行けない。常に前向きじゃないと行けないのよ。それに――――――。」
ありすが続けて何か言おうとしたそのとき。
「ヤメルアヒャ、アリス・・・」
と言うつーの声がありすの声を遮った。
「オレハ泣ク時ハ泣イタ方ガイイト思ウアヒャ。ソレデスッキリシテカラ――――」
「いや、いいんだつー。」
今度は兄者がつーの声を遮った。
「俺は大丈夫だ二人共・・・」
兄者は名簿の妹者とその他にピッと線を引き、目を擦りながら立ち上がった。
そして、パッと顔を上げ、言った。
「よし!さっさと分校破壊して逃げるぞ!」
兄者はありったけの元気を出して言った。
「流石君・・・」
「さぁ!発射だ!」
兄者はありすとつーを見ながら言った。

「チョットマッテ・・・」
何処からか声が聞こえた。
「ん?」
「え?何ジエン君?」
「ジエン!?」
兄者とつーが声を合わせて言った。
「ホラ、ヤッパキヅイテナイ・・・」

【残り36人】
80名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/29 21:16:14 ID:Azo0zwXM
「なあ、チャンコ。この森には、他の香具師等が居るんじゃネーノ?」
彼等二人は、歩いてはいるが、早歩きである。
「そうだな・・・危険な奴等に出会うと、危ないな。取り敢えず、そういう奴等に会って攻撃されたら、反撃しよう。迷わずな。」
二人は、ネーノが数時間ほど前に居た住宅街へと引き返していた。
一日中歩いていては、疲労も溜まる。なので、住宅街に隠れる事に二人の意見は一致した。
だが、チャンコはネーノによって燃やされた住宅の事を聞くと、不安げな表情を浮かべながら呟いた。
「・・・もしかして、住宅街は全焼してるんじゃないか?」

住宅街へと辿り着くと、火は鎮火されていた。
だが、ネーノが火を点けた家は全焼していた。
誰が鎮火したのかは解らない。だが、少し予想はついた。
「・・・主催側が、恐らく鎮火したんじゃないか?住宅に包丁など在ったんだろう?」
「ああ・・・それがどうしたんだネーノ?」
「俺達に武器、食料の援助をしたようなもんだ。此処とかに来ればな。・・・何故そういう事をしたかが解らないんだよ。」
81ピアニシモ:04/10/29 22:00:09 ID:1Xy/T7+e
「いくよ・・・。」
ありすは照準を引き絞り、分校を狙った。
「発射ァッ!」
ズガアアアアアアアアアアアンッ!!!
島中に響き渡るものすごい轟音のあと、何かが壊れるような音がして、沈黙がまた走った。

「やったよ・・・。分校は木っ端微塵・・・。」
4人は山小屋の外に出て、話し出していた。
「コレデモウコンナタタカイハオワルンダ・・・。」
「ええ・・・、死んでいったみんなの分も私達ががんばらなきゃ・・・。」

しかし、その時また島中に「シュー」と言う音が聞こえた。
ピンポンパンポーン
「アーアー、ギコ教授だぞー。さっき分校を爆破した不届き者がいたようだけど、そんなことしてもムダだぞー。
もう本部はとっくのとうに移動してるんだからなー、じゃーなー。」
その一言に、4人の顔は青くなった。

抜け出せない?

ありすはとっさに降る地図を取り出して指でなぞった。
「ここ!海軍師団ってとこよ!ここならきっとすっごい深い防空壕だってあるし・・・、それに見て
E-5―――禁止エリアになってる・・・。もう白兵戦でも遠距離砲撃でもこわせないわ・・・。」
82サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/10/30 13:35:55 ID:oW3eVitH
「も……くに……」
空になった椀を台所にあった布で乾拭きしながら、
フサギコ【男子18番】はふと背後を振り返った。
背後には、痛んだ革張りのソファーが、ぽつんと忘れさられたようにある。
「何か、言ったか?」
フサギコはそう言いながら、そのソファーの上に寝ているリル子【女子19番】を見た。
床に直接あぐらをかいて座っているから、見上げる形になる。
リル子は天井の方をぼんやりと見上げながら、もう一度何かを口にした。
声が小さすぎて、フサギコの耳には届かない。
「すまん、もう一度言ってくれ。聞こえない……」
「もう、六人も……」
ふと大きくなった声に、フサギコは小さく眉をひそめた。
先ほどの放送で告げられた死亡者の数。リル子はそのことを言っているのだろう。
フサギコの方向からは横顔しか見えないリル子の顔は、青ざめていた。
血の気が引いているのは、熱のせいだけではないだろう。
フサギコはリル子を安心させようと、柄にもなく唇に笑みを浮かべた。
「大丈夫だ。ここには誰も来てないし、安全だ。熱も引いてきたし、もうそろそろ移動も出来るだろう。
それに、このクラスにそうそう人を殺す気のある奴なんていないだろうしな」
目を細く開きながらフサギコの言葉を聞いていたリル子だったが、
フサギコの最後の言葉を聞いた途端、目をかっと見開き、上体を勢いよく起こした。
体ががたがたと震え始める。顔は先ほどの比にもならないほど青ざめていた。
フサギコは呆気にとられてその様子を見ていたが、我に帰ってリル子の肩に手を乗せて
再び寝かせようとした。
「落ち着けよ!大丈夫だって言ってるだろう?」
「違う!違うわよ!大丈夫なんかじゃないわ!」
リル子はフサギコの手を振り払おうともがきながら叫んだ。
「何が大丈夫じゃないんだ?大丈夫、俺もいるだろ?だから」
「違う!違うの……!私が、私が……!」
震えが一層大きくなった。
涙の混じり始めた声に、フサギコは小さく呻き声をあげた。女の涙は苦手だ。
リル子が自らの目に拳を押し当てて、俯いた。小さな嗚咽がフサギコの鼓膜を打つ。
「――どうしたんだ。大丈夫、言ってみろよ。お前が、何だ?」
「――私が、私が……撃ったの」
83サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/10/30 13:37:02 ID:oW3eVitH
フサギコははっと目を見開いた。リル子は泣きながら続ける。
「私が、う撃ったの。こ、怖く、て、目の、めの前に人が、人がいて、そ、それで……」
フサギコは床に放ってあるリル子のデイパックを見た。
その口からはボウガンが覗いている。束ねられた矢も、見えた。
「やる気とか、そ、そういう、気なかった、はずなの、にっ……で、でも、う撃って、撃っちゃった……」
「お前……」
「わた、私……そ、その人、傷、つけたかもっ……さっきの放送の、死亡者……わ、私が、もしかしたら、こ、殺し……っ!」
そこでもう我慢できなくなったのか、リル子は声を上げて泣き始めた。
フサギコはしばらく呆然とそれを見ていたが、リル子の服に涙がボロボロ落ちているのを見て、
慌てて布をリル子の手に押し付けた。
リル子が受け取ったのを確認して、先ほどと同じように肩に手をかけてソファーに寝かせる。
今度は、リル子もそれに従った。
ソファーの背もたれに顔を押し付けるようにして泣くリル子を見ながら、
フサギコは言葉を選びつつ話し始めた。
「――お前は、確かに人を撃ったかもしれない。そいつを傷つけたかもしれない。それは、確かに間違いだろう。悪いことだ」
リル子の背が一層大きく震えた。
「だけど、だけどな。それはわざとじゃないんだろ?殺そうと思って撃ったんじゃないんだろ?
そいつが憎くて、むかついてって、そうじゃないんだろ?」
「……うん……」
「それに、そいつに申し訳ないとか思ってんだろ?謝りたいとか思ってるんじゃないのか?」
「う……うん……っ」
「だったら、大丈夫だ。そう思えるんならな」
フサギコはそう言って、ぽんとソファーの背もたれを叩いた。
「それに、お前助けたとこの周りで死体なんか見てないぞ。お前は殺しはしてない」
リル子の嗚咽が一際高くなった。
84サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/10/30 13:38:53 ID:oW3eVitH
「――俺も上手くできたかな」
泣き止み、静かになったリル子を見ながらフサギコは呟いた。
覗き込むと、リル子が眠っているのが見えた。涙の残った頬が痛々しい。
フサギコは綺麗になった椀を台所に返そうと立ち上がりながら、また独りごちる。
「まさかああやって言われ続けたことがこんなところで役に立つとはなあ……」
背後のリル子を振り返り、フサギコはふうと溜息を吐く。椀をシンクの上に置き、流し台に体重を預ける。
その体制で、胸元から古びたペンダントを取り出し、フサギコはほんの少し唇の端を吊り上げた。
「なあ、あんたの言葉はやっぱすげえよ、先生。俺更正させただけのことはあるわあ」
フサギコはそう言いながら、笑った。どこか乾いた笑い声だった。
笑いながら、ペンダントのトップとチェーンとの繋ぎ目を指先で小さく弄る。
カチンと乾いた音がして、ペンダントトップが左右に割れ、その中身が姿をあらわした。
そこには、快活そうな女性が写った小さな写真が貼ってあった。
少女のような表情で笑う女性は、今にも動き出しそうに見える。
「……なんで、なんで死んじまったんだよ……」
それを手の中に握り締め、フサギコは虚空を睨んだ。
その目はかすかに赤く充血していた。
「――あんたの敵だけは討ってやるからな。安心しろよ、先生――」

【残り36人】
85名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/30 18:03:05 ID:79I5p5kE
「死んだのは、コリンズ、ようかんマン、カウガール、妹者、ちびフサ、ミナーか・・・六人も死んだんじゃネーノ?」
住宅街の一軒でソファーに座りながら休んでいた二人は、各々メモに書き写していた。
チャンコは落胆していた。何とか説得出来ていれば・・・という思いが込み上げて来た。
「妹者を・・・俺は・・・・・・兄者に会わす顔が無いな・・・」
襲い掛かってきた妹者を、自分の安全の為に致命傷を負わせた。
妹者が悪い、と言ってくれる人は居るかもしれないが、兄者は許してはくれないだろう。
「お前は悪くないんじゃネーノ?妹者には善良な心が無く、お前を殺そうとした。致命傷を負わせただけで、その後に妹者を殺した香具師が居るんじゃネーノ?」
ネーノは慰める様に言った。が、チャンコは、それでも落ち込んでいた。
「・・・取り敢えず、今は休んだ方が良いんじゃネーノ?家の二階もあるから、上から監視してれば大丈夫だ。禁止エリアはG-4、D-7、E-5で、此処はE-2だから、大丈夫だ。」
「・・すまん。俺は少し眠らせて貰う。・・・監視は頼む。」
86名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/31 19:55:31 ID:Q4rRMqRn
「・・・予想通りだったアヒャ。」
そう呟いたのはD-3の森の中で放送を聞いていたアヒャだった。
死亡者と禁止エリアの放送からしばらく経ったとき、突然爆音が聞こえ、その直後にこの放送があったのだ。
放送では誰かが分校を爆破したが、既に本部は移動したことが放送された。
「多分新本部は今禁止エリアに指定された場所のどこかだと思う。
しかも爆撃なんか通用しない、シェルターのような所。もう本部を狙おうと思っても無駄だということ。」
と言うとじぃはスーパーで頂いてきたりんごジュースを少し飲み、軽く息をついた。
「で、これからどうするアヒャ?いつまでも受身で勝てるほど甘いゲームじゃないだろう。」
彼女たちは誰とも、気絶していたちびフサを除いては、出会っていないが、それを除いても既に5人が死んでいる。
森に潜んだ生徒も少なくないはずだ。遅かれ早かれ誰かと戦う羽目になることは明らかだ。
その時、こちらから攻撃を仕掛けるのと相手の攻撃に気付いてから反撃するのでは、生存率に雲泥の差が出るだろう。
「うん、本気で生き残るなら、そろそろこちらから動かないと。
ただしばらくは森にいようと思ってる。住宅街とかに行くのは暗くなってからじゃないと危ない。」
「確かさっきスーパーで取ってきた物の中に紐があったアヒャ。あれを使って警報機が作れないか?」
「いい考えね。このりんごジュースの空き缶を使おうか。」
森の中の多少開けた所を中心に、半径25メートルくらいに糸を張り巡らせておく。
さらに念のため20メートルほどのところにも糸を張り、それと接続された空き缶を木の上に置いた。
この距離ならば空き缶が落ちた音が侵入者に聞こえることはないだろう。
「これで禁止エリアにならない限りは一応の安全は確保できるアヒャ。」
「でも紐に気付く奴もいるかもしれない。油断はできない。」
「まぁとりあえず昼まではここを拠点にできるアヒャ。」

【残り36人】
アヒャ・じぃ D−3に立て篭もり 

87(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/31 22:48:54 ID:ArNslQcZ
どん底だった。殺し合いという残酷なゲームから抜け出せると思ったのに…
ありす(女子二番)は、ぺたりと腰を落とし、何も喋らなかった。

そういえば、今まで分校を壊すことだけを目的としていたけど、
その作戦が成功した後のことを考えていなかった。
海に逃げようにも外には見張りがあるはずだし、逃げる前に誰か「やる気」のやつに殺される可能性もあった。
――ダメだ。落ち着いて。
ありすは自分そう言い聞かせた。やすやすと殺されるわけにはいかないんだから。
隣の方で、兄者(男子七番)とつー(女子十一番)が地図を見て相談していた
ジサクジエン(男子八番)は先程から、呆然とした様子で静かに佇んでいる。

しかし、考えようとしても、「どうしよう」という言葉が頭で反響している。
ここでは一番頭を使わないといけないところなのに――

「ネエ、アリス」突然、つーが声をかけた。ありすはゆっくり振り向いた。
「スゴクオオキイオトガシタカラ、ダレカニミツカッタカモ。ニゲタホウガイインジャナイ?」
「ああ、やる気のやつがいるとまずい」 兄者も口を開いた。
二人とも、できるだけ落ち着こうとしている様子だったが、お互い落ち込んでいるのは筒抜けだ。

――話し合った結果、この小屋を離れて、山を降りることになった。
大砲はもう使えないだろうし、わざわざ片付ける必要も無い。
階段を上って、石造りの地下から、埃まみれの小屋に戻ってきた。
何かの作業室なのだろうか。木造の机があり、いかにも古臭い感じがする。窓ガラスにもひびが入っていた。

正面のドアを開け、外に出た。
88(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/10/31 22:50:35 ID:ArNslQcZ
目の前には朝もやが広がっている。朝早いせいなのか、薄ら寒かった。(「さむい…」ありすはそう呟いた)
もやの向こう、山の下のほうにうっすらと集落が見えた。山頂にいるということなのだろう。
壊れた分校は見えなかったが、今はもぬけの殻のはずだ。関係が無い。
ひとまず、山を降りるための道を探した。

舗装された道は無く、森の中を歩かざるをえないようだ。あまり安全ではないが、仕方が無い。
「こっちで、いいよね?」ありすはそう声をかけた。他の三人は了解したようだ。

次の瞬間だった。
「誰だ!」兄者が叫んだ。ありすは驚いて兄者の方を見た。
その方向――兄者の向いている方、森の中――に、人影が見えたのだ。
人影がモナエ(女子十七番)であることに、四人のうち誰かは気付いただろうか。

しかし、そのときには人影――モナエの手元が連続して光っていた。
ぱぱぱぱぱ、という小刻みな破裂音が響き、隣にいたつーが後ろに飛ばされた。
その小さい体の至る所から血が吹き出し、その場に倒れこんだ。
「おい、つー!大丈夫か!」つーの肩を掴み、兄者は叫んだ。兄者のわき腹にも、おそらく今撃たれた傷跡があった。
ありすは偶然にも無傷で、反射的にワルサーを持ち、モナエを見据えた。奇妙に無表情なモナエの顔が――
しかし再びぱぱぱぱぱ、という音が響き、二の腕の辺りに突き刺されるような感覚が走った。
同時に、隣にいたジエンが頭や胸を撃ち抜かれ、不自然に倒れた。これは完全にアヒャっていた。
――なんで?これは一体――!

またしても銃声。ジエンの体がはじけ飛んだ。
「逃げるよ!早く!」混乱したまま、ありすは兄者に叫んだ。
振り返り、ワルサーを撃ちこんだが、モナエはすっと体を動かし、当たらなかった。
兄者は瀕死状態のつーを抱え、ありすに続いた。ジエンはもう――無理だった。

森の中に駆け込み、段差を飛び降りた。これで銃弾は避けられるはずだ。何度か銃声が響いたが、そのとおり被弾することは無かった。
中心の方へ、方角もわからないまま走った。腕は痛んでいたが、さほど問題ではなさそうだ。しかし――
ありすは横の、兄者に抱えられているつーを見た。


モナエ(女子十七番)は、支給されたウージー9ミリ・サブマシンガンを下ろした。
森の中に消えていったので、これ以上の深追いはあまり利口ではない。
本当はスナイパーライフルがあると便利だったのだが、これはどうしようもない話だ。
この辺りで爆音がしたので来てみたのだが、おそらくあの連中が何かを撃って、分校を壊したのだろう。
倒れているジエンのデイパックを探ったが、武器は入っていなかった。

明け方にこれだけの音を立てることが自殺行為だと、ありす――また、その他の仲間――は今になって気付いただろう。


男子八番 ジサクジエン
死亡

【残り35人】
89ピアニシモ:04/11/01 12:19:09 ID:YEtNZxyA
森の中を走るのをやめた兄者、つー、そしてありすはその場に座り込んだ。
「……私が殺した…。私がこんな無謀な作戦を立てたから!ジエン君は!」
「この距離だったら…海軍師団までたどりつけても禁止エリアにされてふっ飛ばされるのがオチ・・・。」
「ウミニニゲルノハ…?」
「無駄よ!」
ありすは大声で叫んだ。
「海まで逃げてる間にまた死人が出るかもしれないし、もし全員無事としても軍艦が狙ってるわ!」
軍艦…その言葉にはっとした兄者はとっさにポケットから携帯電話を取り出して文字を打ち込んだ。
3人とも授業中にメール交換が出来るようにと消音モードにしていたのが幸だった。
<軍艦だよ!軍艦にはきっと大型のコンピュータが乗ってるからそれをハッキングすれば!>
ありすもすぐに制服の内ポケットから携帯を取り出して文字を打ち込み、3人に見せた。
<大砲よりは効率的な手段だけど・・・どうやって乗っ取るわけ?駆逐艦程度でも機銃で撃ち殺される・・・。>
<おそらくさっきの大砲の轟音で軍艦は気を取られてる、その隙を狙うんだ。この1時間内に行けば・・・。>
<どうやっていくんだよ?>
つーの携帯も文字で話し掛けてきた。
<おそらく・・・ありすの言っていた将校クラブにバイクか自転車くらいは置いてあるかもしれん。すぐに消火に当たったんだから多分燃えてないだろうしな・・・。>
ありすは銃を構えてうなずいた。
目指すは自分たちの街!
90ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/11/01 20:26:46 ID:HNlgcfpV
ウララー【男子3番】とギコ【男子5番】は、物資集めのために、診療所と商店に行こうとしてた途中で放送を聞いた。
ギコは入っていた名簿の死亡者の名前の上に横線を引いた。
「6人か・・・」
とりあえずしぃ【女子9番】が死んでなくて良かったが、クラスメートが死のは少し悲しかった。
「ちょっとギコ、死亡者と禁止エリア写さして」
そういって壁に紙をつけて書いていたギコの隣に立った。
「えーっと?コリンズ、ようかん、カウガール――――――」
ギコは『こいつはクラスメートが死ぬのが悲しくないんだろうか?』と思った。
「12時にE-5っと」
ウララーは紙を二つに折りたたんでデイパックに入れた。

「良かったねしぃちゃん死んでなくて・・・何?」
ウララーは明るく言ったが、途中でギコの軽蔑したような眼差しに気付いた。
「お前クラスメートが死んで悲しいとかそういうことは感じないのか?」
ギコはさっき頭に浮かべた疑問をそのままぶつけた。
「ふへ?おかしい?」
ウララーはきょとんとした表情で答えた。
「おかしい。」
ギコは表情を変えずにいった。
「・・・そうだろうねやっぱ。」
ウララーは口元に少し笑みを浮かべながら言った。
「まぁこれは育った環境上かな・・・?」
「・・・・・・」
ウララーはサラッと言った。
「じゃぁお前の育った環境ってどんなんなんだ・・・?」
ギコは聞きたいことを正直に聞いた。
「・・・話してほしい?」
「当然だ」
ウララーはふぅ、と息を吐いてから、
「じゃぁ説明するよ」
と言った。
「まずうちの祖先はモナー族。そこからモララー系のAAが生まれたんだね。で、当時は2chの良心と言われていたモララー系AAのなかに正義に飽き飽きして悪に走る者が増えてきた。
 それがウララー族の始まりさ。今から1000年ぐらい前の話だね。」
説明すると言ったが何か歴史の授業みたいでギコは少しイライラしてきた。
「そのウララー族の中でも、盗賊やってたり殺し屋やってたりいろいろあったわけ。それで内の家は・・・」
ウララーはここで間をとり言った。
「殺し屋の一族だったんだ。」
ギコは額にタラリと汗を流した。
「僕も生まれた時からいろんな修行を受けた。おかげで普通より速く走れたりするのさ。そんな感じの肉体的修行はもちろん精神的修行もやった。そのなかで人が死ぬとこなんて何回も見たし、人の死を聞くなんて余裕なわけさ。
 説明終わり。」
91ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/11/01 20:27:27 ID:HNlgcfpV
「・・・・・・」
ギコは( ゚д゚)ポカーンと口を開けて呆けていた。
いろんな事に驚きづくしだったのもあったが、何より説明の続きが気になった。
この時点で「なんでクラスメートの死を悲しまないのか」と言うことはどうでも良くなっていた。
「えーっと聞きたいことがいろいろある・・・」
ギコはこれも正直に言った。
「何?」
「まず、後ろから銃で狙われたりしたら気付くだろ、あとおにぎりに足音を消して近づくなんて殺し屋なら余裕だろ。」
これにウララーはまたサラッと答えた。
「ああ、そういう足音を消したり、気配に気付いたりするためのは10歳ぐらいからやるんだけど僕が7歳の時に殺し屋が終わったんだ。法の風当たりが強くなってね。」
一度ウララーは言い終えたが、
「ああ、でももし動かない人がそこにいたら素手で殺すぐらいのことはできる。それに100m走は9’54だよ。」
と付け加えた。
「じゃぁ最後に聞きたい・・・お前は人を殺したことがあるのか・・・?」
ギコは目を鋭くして聞いた。
「それがね、ないんだ。」
この答えを聞いてギコは安心した。
「そうか、良かった・・・」
「うん、依頼を受けるのは14からだからね。」

「てゆうかお前んちそんな創大なストーリーがあったのかよ・・・」
ギコは何もない自分の家がちっぽけに見えた。
一家の年表を書けなんていわれたら「商標登録されそうになる」ぐらいが最近のニュースだろう。
「じゃぁお前クラスで誰が死んでも全然悲しくないのか・・・?」
ギコはもう5回目ぐらいになる質問をぶつけた。
これにウララーは。
「うーん、死んじゃってこまるのは、君としぃちゃん、あと・・・」
                         
                          ―あいつだね…―

【残り35人】
92Mr名無し:04/11/02 17:30:59 ID:MSn8HSZN
こちらは【男子2番】1さんと【男子17番】八頭身による鬼ごっこの最中。状況は全く変わらず林の中である。
唯一変わった事と言えば、1さんが急カーブや方向転換などをして差が6〜7メートルぐらい開いたことだろうか。
右へ左へ縦横無尽に走ったので、おかげで今の2人は自分の居場所さえ全く分からなかった。
「1すわぁ〜〜〜〜〜〜ん!!待ってYo〜〜〜〜〜〜〜!!」
「キ〜モ〜イ〜ヨ〜!!」
1さんは腹の底から叫びまくった。しばらくはこうしたやり取りが続いたが、次第に疲れてきたのだろう。
1さんは途端に叫ぶのをやめ、逃げることに専念した。何せあれから何時間が経ったであろうか。
普段もこうした1さんと八頭身の追いかけっこはやっているが、ここまで長く続けて走ったのは初めてだったからだ。
しかしこの鬼ごっこにも終止符が付けられようとしていた。
「あべし!」
突然1さんが何かに紐のような物に引っかかり転倒してしまったのだ。このことは1さんにとって致命傷以上の問題だった。
すぐ後ろから謎の地球外生命体が追いかけて来ているのに、こんな所で転んでしまうとは不覚だった。
(もう・・・終わりだ。)
1さんは観念して目を閉じ、その時を待った。
「・・・・・・・・・ん?」
しかしあろうことか八頭身は、襲ってくるどころかなんと1さんが転倒した事に気付かず通り越してしまったのだ。
その証拠に目の前には後ろ姿で走っていく八頭身が見えた。
「はぁ、はぁ、よかった〜。助かった〜。」
1さんは地べたに座り込むと、今までの疲れが一気に押し寄せてきた。息を切らしながら1さんは初めて見た八頭身の背を眺めていた。
(後ろ姿もまたキモい・・・。)
こんな事を思いながら八頭身とは二度と合わないよう心から願っていた。
何とか危機は免れたのだ。
しかし一難去ってまた一難、ガサガサと右の方から音が聞こえたのだ。心臓が一瞬ドキッと高鳴る。
(ま、まさか八頭身?・・・)
振り向くとそこには、拳銃を両手で構え銃口をこちらに向けていた【女子6番】花瓶の姿が1さんの目に映しだされた。

「あれ?1さんじゃん。」
花瓶は銃を下ろすと1さんに近付いて来た。それに合わせて1さんは後退りをする。
心臓の鼓動が高鳴っているのが分かるほど今1さんは恐怖の中にいた。
拳銃を自分に向けている花瓶の姿が脳裏に焼き付けられていたのだ。
花瓶が何か喋ってる。そんな事どうでもいい!早くこの場から逃げ出さなければ。どんどんこっちに近づいて来る。
く、来るな!こっちに来るな!や、ヤバイ!殺される!殺される!殺される―――――
93Mr名無し:04/11/02 17:31:57 ID:MSn8HSZN
「1さん!!」
「は、はい!!」
花瓶の大きな声に1さんは、それに負けない位の大声で返事をした。妄想から現実に引き戻された。
「私の話聞いてる?」
「え?あ、まぁ・・・。」
「聞いてないのね。」
「すいません・・・。」
1さんは顔を下げた。
「じゃあもう一度言うよ。今度はちゃんと聞いてね。さっき1さんが転んだのは私が張った罠なの。
ほら、私って出席番号早い方じゃん?だからね、ここに来る途中に家でこの縄を見つけたんだ。
それからね、この縄で木と木を縛ってそこを通って引っかかった所をこの銃で殺そうとしたわけ。」
『殺そうとした』この言葉に1さんは体がビクっと動いた。
「あ、大丈夫だよ。私1さんは殺す気無いから。」
「殺す気無いって・・・。」
呟きながら1さんは顔を横にそらした。
「まあ、何て言うか・・・助けてあげた?て言うのかな?八頭身に追いかけられてたから?はははは。」
花瓶は陽気に笑っている。本当に殺す気が無いのだろうか。恐る恐る1さんは花瓶の顔の方を向き始めた。
「でも1さん、この罠に引っかかるなんて、あなた運がいいわよ。」
急に花瓶は話を変えてきた。
「八頭身に追いかけられていたから?」
「ううん。違うよ。」
1さんは花瓶の顔を見た。花瓶は笑っている。
「へ?じゃあなんで?」
1さんには訳が分からなかった

「だってあなたと八頭身、このまま西に進んでたら崖から落ちるハメになるもん。」


【男子2番】1さん
      所持武器:対人地雷
      状況:花瓶の罠に引っかかり花瓶と会う
      現在地:B−2

【女子6番】花瓶
      所持武器:拳銃(S&W M29)、縄
      状況:自作の罠に引っかかった1さんと会う
      現在地:B−2

【男子17番】八頭身
      所持武器:不明
      状況:居る筈の無い1さんを追いかけ西へ
      現在地:B−2から西へ

【残り34人】
94ピアニシモ:04/11/02 17:32:57 ID:8wKxPz81
パアアンッ!!
ワルサーのパラベラムはつーを狙って撃たれた。
「アリス…オマエ…。」
「うるさい!脱出計画なんか立てられないの!軍艦を奪うなんてやったら絶対に死ぬわ!」
「だから殺すのか・・・。」
「もうこれしか手はないの!死ねええええええエッ!」
パアンッ!パアン!カチッ!カチッ!
彼女はどうにかしていた。つーの体は何回も跳ね上がり、それでもありすはトリガーを引いた。
カチッ!カチッ!
もう弾が無いのと、つーが死んでるのに気づいたありすはワルサーを捨てて、ジエンの唯一の形見―――リベレーターを
兄者に向けた。
「死ねえっ!!兄者ァッ!!」
「何をする気だ?そんなすぐ暴発するような銃で人が殺されるわけ無いだろ。」
「うるさいんだよおっ!はやく死んじゃえっ!」
「引き金の手が震えてるぞ・・・。」
「うるさいっ!何も知らないくせに!何もわからないくせに!みんなみんなみんな死んじまえっ!」
その時、ありすの引き金の手は引かれた・・・。
95名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/02 17:52:47 ID:t2brcTp6
激しく忍者【男子15番】は身を潜めていた。
近くに人の気配を感じたのだ。
カサッと言う音とともに、ガンッと言う鈍い金属の音。
近くにいる<敵>は銃のような武器を持っているにちがいない。
もしやるきのある奴ならば、自分のフォークと銃では勝率は無いに等しい。

ゆっくりこの場から立ち去ろうとしたその時 バササササッ 近くに止まっていた鳥が羽ばたいた。
その時身を潜めていた草や棒たちが飛ばされ相手に自分の体を見られてしまった。
敵は引き金を引き、激しく忍者を狙う。
激しく忍者は木の枝に飛び移り、間一髪で避けた。

相手はモナエ【女子17番】

モナエは冷たい瞳で激しく忍者を眺めた。
「激しく・・・・・危険」
激しく忍者は呟いた。
モナエは再び引き金を引く。
銃弾は激しく忍者の顔をかすった。激しく忍者は枝から枝に飛び移りモナエに近づく。
フォークを構え銃を殴り落とそうとするが遅く、手を打たれた。
激しく忍者は地面で受身を取ると素早くモナエを睨んだ。


【残り35人】
96ピアニシモ:04/11/02 18:23:11 ID:8wKxPz81
「死ねえっ!」
カチッ!
その時、俺は何を思ったかわからなかった。
ただ覚えているのは彼女の手に握られたリベレーター・・・。
そのリベレーターが暴発したのが俺の最後の視界だった。

俺が再び目を覚ますとありすはリベレーターを手放し、両手は真っ赤に火傷を負っていた。
「さあ…殺していいよ…。」
彼女のつぶやきは重かった。
「…いつから全員を殺すと思ってた?」
「…遠距離砲撃が通じなかった時から…、もうこうなりゃ殺してやるってね…。」
「利口な考え方だ・・・。」
そう思うのも無理は無い。
実は、俺もそう考えていたからだ。
ジエンが殺された時からだっただろうか…。もう気がどうにかしてしまったのだろう…。
「早く…殺しちゃってよ…。もうなんにも…やる気無い…。」
「さっき言ったよな…。何も知らないくせに、って…。」
「え・・・。」
「何があったか知らないが、お前に味方がいないわけじゃないんだ…。」
われながら恥ずかしい台詞だ・・・。
「ありがとうね…。でも…もう無理なんだよ…。」
彼女の言葉は鋭いものになった。
「誰か、私達二人を殺そうと来ちゃってるから…。」
97しぐれ:04/11/02 18:34:21 ID:UTUHi7CG
訂正
現在 死亡者 9名
【男子6番】コリンズ  【女子3番】えー
【男子8番】ジサクジエン【女子4番】カウガール
【男子9番】したらば  【女子10番】ちびフサ
【男子21番】ようかんマン【女子11番】つー
            【女子16番】ミナー

【残り33人】
98名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/02 20:25:41 ID:yNbqWnQG
将校クラブを目指して移動を開始したありすたちだったが、すぐに問題に直面することとなった。
「ウグッ・・・。」
兄者に背負われたつーが苦しそうな呻き声をあげた。
つーの傷は出血が酷かったが、奇跡的に重要な臓器には損傷が無かった。
しかし、一応止血はしたものの、決して軽い怪我ではない。このまま移動を続ければ命を落とすことになるのは明らかだった。
「駄目だ・・・これ以上動かすのは危険だ・・・。」
ついに兄者はつーを近くにあった大きな気の元へと慎重に降ろした。
「うん・・・血を止めただけじゃこれ以上は・・・。」
つーは意識はしっかりしていたが、息も荒くありすの目にも危険な状態であることは分かった。
「スマン・・・オレノセイデ・・・」
「ううん、つーのせいじゃないよ・・・。私のせいで・・・」
ありすは考えていた。
このままではつーの死んでしまう。自分の無謀な作戦のせいで仲間をこんな目に遭わせてしまった。
こうなったら自分が責任を取るしかないと。
「流石くん!つーちゃんをお願い!」
「何処へ行くんだ!?」
いきなり叫んで走りだしたありすに、兄者が慌てて訊ねる。
「診療所!薬を取ってくる!つーちゃんに怪我を負わせたのは私のせい!責任は私が取らなきゃ!」
「おい!」
兄者は再び叫んだが、ありすは振り向かずに駈けていった。

ありすはひたすら走りつづけたが、しばらく走るとさすがに疲れが溜まってきた。
だが、スピードは落ちたが決して止まることは無かった。
(私が、つーちゃんを助けなきゃ!)
ありすの頭にはつーを助け、何とか皆で脱出することしか頭には無かった。
おかげで、足が周囲に張り巡らされていた紐に触れたことに気付きもしなかった。

【残り35人】


99サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/11/02 22:29:41 ID:pg4MmN4w
C-5の商店街でちびフサ【女子10番】の襲撃を何とか避けた後、でぃ【女子12番】
は移動した先の住宅地、B-4のアパートらしき建物の一室にじっと膝を抱えて座っていた。
手には名簿。
先ほどの放送で流れた死亡者や、まだこの会場内で生き続けている生存者の名前が印刷されている。
死亡者を記すには余りにも無機質で、生存者を確認するには素っ気無さ過ぎる、それはそんな名簿だった。
でぃの目は、その名簿の一部分の上で止まっていた。
ゴシック体で記された、『女子10番 ちびフサ』の上で。
「――」
表情の読めないとよく言われるその顔で、でぃはその名簿を見続ける。
ともすれば脳裏に蘇ろうとする先ほどの襲撃を思い出さないように、無理矢理集中して。
しかし、そうやって気をそらそうとするにも限界があるようで。
――方耳猫ちゃん・・・なんちって!
ちびフサのおどけた仕草と甲高い声が瞬きをする瞬間の暗闇に滑り込む。
――死ねぇ!
ちびフサの殺意に塗れた声が、静寂の中に木霊する。
――くぁっ
ちびフサの小さな呻き声――もしかしたら、彼女の最後に発した音声――が何度も何度も繰り返し聞こえてくるような。
「――」
やめよう、思い出さないでおこう。これ以上は。
向こうが襲ってきたのだから、絶対に向こうが悪い。これは正当防衛だ。
ただ襲いくる暴力に歯向かっただけだ。殺してもいないじゃないか。

それなのに。

肩にのしかかるこの罪悪感は何だ?

「――っ!」
しっかりしなくては。気を落としてどうする。
悔やんでも、もう彼女は戻ってこない。
でぃは自分を叱咤するように頬を二、三度平手で叩き、名簿をポケットに捻じ込んだ。
大丈夫、これからのことを考えよう。考えていたら、何も思い出さなくて済む。
とりあえず、もっと隠れやすい場所を探そうか。それとも武器も食料も手に入ったし、ここに篭城するか――
100サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/11/02 22:31:30 ID:pg4MmN4w
ふと何かを感じて、でぃは背中を強張らせた。
『何か居る』
背中にかかる異様なプレッシャー。体に生じた傷のせいでよくじろじろと見つめられたりしたものだが、
今感じている視線――気配はそんなものの比ではない。あの時は簡単にいなせたのに、今は背中が痛いほどに緊張する。
汗が額から流れた。なんだ、なんだこの感じ!
振り向けない。まさか――霊が復讐しに来たとでも?そんな馬鹿な!
しかしこの気配は何だ?好奇でも恐怖でも軽蔑でも友好でも怯えでもなんでもない、この感覚は。
例えて言うならそう、邪悪な、非人間的な――
でぃは唾液をやっと飲み込み、意を決して――振り向いた!
「――っ!!」
いた。
セーラーに飛び散った赤い液体、スカートにこびり付いた何だかよく分からない、けれども生々しい物体、
そして、でぃにとって信じられない表情を浮かべた誰かがそこに立っていた。
先ほどちびフサの表情に見たような、けれどもそれとは全く異質な。
振り返ったのは一瞬だったのに、それらはでぃの網膜にしっかりと焼きついた。
「モンスター、二体目ぇ」
そんなちびフサに劣らないほどに陽気な声も。
そして、振り上げられた剣と、それに付着したどす黒い液体が窓から差し込む陽光にきらきら輝くのも。
じっくりと眺めたかのように、聞き入ったように、はっきりと見えた、聞こえた。
「よいしょぉっ!」
そんなふざけた声とともに振り下ろされた一撃を、すんでのところででぃはかわした。
スカートに若干の抵抗を感じたが、しかしそんなこと構っていられない。
でぃは床に放りっぱなしの荷物も捨て置き、いつのまにか開いていた扉をくぐり、外に出た。
砂利が転がる道を、必死で走る。喉がひくついた。悲鳴が出たがっているのかもしれない、そう本気で思った。
何度もこけかけ、砂利に手をつきながら、どの位駆けただろう、広場のように開けた場所に、でぃは
いつのまにか辿り着いていた。
身を隠す場所などない。けれど、もう限界だった。膝から力が抜ける。
慌てて、背後を振り返った。物陰一つない見通しの良い道には、人影は見えなかった。
追いかけてこない。それを確認した瞬間、でぃは物凄い勢いで安堵した。
額から流れる汗を拭う腕が震える。体も、震えていた。
でぃは目を閉じることが出来なかった。目を閉じれば、その暗闇に蘇るだろう。

襲撃者の、それはそれは純粋に楽しそうな――笑顔が。

【残り35人】
101(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/11/02 23:22:47 ID:v9jRfnA4
>>94>>96は、雑談スレの決議により、スルーすることになりました。代わりは>>98です。
よってつー(女子16番)は死亡していないことになり、残り人数は34人です。

>>94>>96→スルー
>>98を適用
【残り34人】

書き手の皆さん。よろしくお願いします。
102名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/03 09:32:07 ID:6d1Gsddk
「・・・ふう、ネーノ、俺はどれ位寝た?」
チャンコはネーノに声を掛けた。直に、ネーノから答が返ってきた。
「一時間位じゃネーノ?まあ、こんな状況じゃぐっすり寝られないのは当たり前じゃネーノ?」
ネーノはチャンコに振り向くと、直に窓の外に目を移した。
実際、ネーノも安眠出来ないのは当然だろう。
何時、誰に襲われるか分からない。
が、それでもチャンコに見張りを代わって貰うと、しばしの眠りに就いた。

寝ている最中に、学校生活での様々な事が頭で蘇った。
喧嘩をよくした事。初めて煙草を吸った事。モララーやギコ達と共に暴走族に喧嘩を売った事など、様々な事を思い出した。
チャンコによって揺さ振られ、目を覚ますと、何かを告げられた。

【残り34人】
103ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/11/03 18:58:52 ID:Av9U+7up
ウララー【男子3番】とギコ【男子5番】はまだ、商店&診療所に向かって移動中だった。
「なぁ、素手で殺せるって言ってたけどそうやってやるんだ?」
ギコはさっきからウララーに質問してばっかりだ。
「えーっと、こうやって指を立てて高速で溝をつくんだ。そしたら――――」
ウララーは別に嫌がっってはなく、普通に質問に答えていた。
「人間の急所ってのは真ん中の線に集中してるんだ、そこらへんを突けばいいんだよ。」
「それって・・・あれも入るのか・・・?」
「へっ?そりゃぁ・・・ねぇ?」
「ギコハハハ・・・」
そんな会話をしながら歩いていた。
「所であいつって――――――」
ギコがまた質問をしようとしたその時。

突然木の陰から声が聞こえてきた。
「つー!!」
二人はビクッと体を震わせてから体制を下げた。
ギコはウララーにヒソヒソ声で話かけた。
「兄者か・・・それと多分つーが・・・」
「だね、それとつーちゃんは怪我をしてるんじゃない?」
二人は木の向こうに居るAAが流石兄者【男子7番】とつー【女子11番】と断定することにした。
「で、どうすんだゴルァ・・・」
「とりあえず離れよう・・・」
ウララーは体勢を低くしたまま木から離れた。
「ウホッ速っ・・・」
あんな体勢なのに動くのが異常に速いウララーをギコは一歩一歩、のしのし歩きながら見た。
ギコはウララーの所にたどり着くと話始めた。
「で、どうすんだ?」
これにウララーは
「様子を見よう、二人が見えるとこまで移動するんだ。」
そう言うとウララーはクイッと手を引き、ギコを先導した。
「じゃぁこの岩の上で・・・」
何故こんなとこに岩があるのか、と言う疑問は浮かんだが自然はなんでもありなのだと言うことで納得した。
二人は岩を登りきり、頂上についた。
確かにそこには流石兄弟の兄者とつーが居た。
「やっぱつーが怪我してやがる・・・」
ギコが言った。
「てかつーちゃん本当に女子なのかな?性別キメラなんじゃ?」
ウララーは何故か楽観的だ。
「どうでもいいけど助けるのか?」
ギコが二人から目をそらさずに言った。
「確かにつーちゃんヤバイよ。それに流石君全然的確な治療ができてない。」
「じゃぁお前ならどうするんだ?」
104ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/11/03 18:59:19 ID:Av9U+7up
「縫う。」
ギコにとって超予想外の答えが返って来た。
「縫う!?麻酔とかもなしでか?」
「うん、でも患部が多いから焼いた方が早いかな?」
またしてもとんでもない答えだ。
「でも血で傷が良く見えない。傷の形によって縫うのは難しいからね。」
ギコは何処か専門的な感じがするウララーの答えに耳が痛くなっていた。
「どうでもいいけどほっといたらどうなるんだ?」
「傷の大きさによるね。こんくらいまでだったらつーちゃんなら大丈夫。」
ウララーが人差し指と親指で大きさを表した。
だがギコには良くわからなかったのでスルーした。
それよりも『つーちゃんなら』と言う言葉が気になった。
「つーちゃんならってなんだよ」
ギコは疑問をすぐ言葉に出す癖がついていた。
「あー、つーちゃんの子孫はアヒャ族で――――――」
「歴史はいい、歴史はいいから簡単に説明してくれ。」
ギコが目を細めていった。
「え?はい、すみません。えと、アヒャ族は元々自然治癒力が高い種族なんだね。で、つーちゃんの種族はその亜種なの。分かった?」
「OK、分かった。」
顔を見合わせていた二人は兄者とつーの方ね顔を向けた。
「ハァー、ハァー」
「つー大丈夫か?」
つーは二人が初めて見た時より落ち着いて見えた。
「まぁあれだったら大丈夫かな?」

ウララーがそう言ったその時。
「キャァァァァァァァ!!!!」
遠くから女子の叫び声が聞こえた。
「!!?」
ギコとウララーにはその声の主がわからなかったが、兄者の
「ありす!?」
っと言う声を聞いて声の主がありす【女子2番】だと分かった。
兄者は一歩足を踏み出したが、つーを見て足を止めた。
「くそっ!」
兄者がそういった時。
「つーは任せろ!!」
ギコがウララーと共に岩をすべり降りながら言った。
「ギコ、ウララー!?」
二人を見た兄者は驚いた様子だった。
「信用、できるのか?」
兄者が聞いた。
「じゃぁその印にこれ貸してあげるよ。」
ウララーがミナーから取った銃を投げた。
兄者は地面に落ちたそれを拾い、
「スマン!つーをよろしく!」
と言って声がした方向へ走っていった。
「あ、それ絶対返してねー!!」
ウララーが兄者の背中に叫んだ。

【残り34人】
105名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/03 19:29:26 ID:P5QEYvSz
パァン
重さ数十グラムの金属の塊が、空気を引き裂きながら薄暗い森の中を飛んだ。
そしてその進行方向上にあるのは、走り続けるありすの頭だった。
まるで意識を持ったかのように、その銃弾はありすのこめかみに食い込んだ。
頭蓋骨を砕き、脳を容赦なく滅茶苦茶にし、反対側の頭蓋骨を砕いて飛び去った。
ありすは頭から血を噴出しながらそれでも2、3歩走ったが、重力に抗う術を無くしたその肉体は栄養豊富な腐葉土の上に倒れた。
恐らくありすは自分が死んだことも分からなかっただろう。
彼女の命を奪った銃弾が放たれたときの銃声を脳が認識する前に彼女は死んでいたのだから。

「あの状況で頭を一撃・・・。大したものだアヒャ。」
アヒャが感嘆を込めた口調で言いながら、傍らのじぃに目を向けた。
そう、ありすの命を奪ったのは、【女子9番】じぃだった。
簡易警報機の空き缶が落ちるのに気付いたじぃは走り抜けていくありすを発見、それを瞬時に討ち倒したのだった。
「こちらに気付いていないようだったから見送っても良かったんだけど、消せるときに消しておかないとね。
もし、彼女が今、あるいはこれからやる気になったとしたら、こんなチャンスは無かったしれない。
普段は頭なんか狙わないんだけど、防弾チョッキのようなものを着込んでいないとも限らないから。」
珍しく誇らしげな表情をしたじぃは、何事も無かったかのようにありすのバックを回収した。
「この銃は・・・ワルサーか。アヒャ、持ってるといい。」
しかし差し出されたワルサーを残っている右手で制し、
「いや、銃だったらじぃが持ってた方が役に立つと思うアヒャ。」
「そう?ならいいけど、少し場所を変えたほうがいい。銃声を聞きつけた奴がいるかもしれない。」
「分かった。じゃあ紐を回収しないとな。」
アヒャは紐を回収し、じぃと一緒に歩き始めたが、歩きながら考えていることがあった。
さっきのじぃとの会話での彼女の台詞、何かが引っかているような気がするのだ。
だがそんなにいつまでもゆっくりと考えられている余裕は無いと思い直し、考えることは止めてしまった。

【残り33人】
106名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/03 20:14:40 ID:P5QEYvSz
「キャァァァァァァァ!!!!」
走っていたありすは立ち止まった。近くの木に銃弾がめり込み、木片が降りかかってきたのだ。
立ち止まってしまったのが命取りだった。
パァン
二発目の銃弾は今度こそ確実にありすの脳天を捉え、黄泉路へと送ることとなった。
ありすは夥しい量の鮮血と脳味噌を撒き散らしながら後ろへ倒れ、ぴくりとも動かなくなった。

銃弾の主は、【女子9番】じぃだった。
「アヒャ!早くそいつの銃を回収して!ここを離れるぞっ!」
そのじぃが、慌ててその場を離れようとする。
「分かったアヒャ!それより外すなんて、じぃの腕はそんなんじゃないだろう。」
「防弾チョッキでも着込んでいるんじゃないかと思って頭を狙ったのが間違いだった!
普段なら身体を狙うところなんだけど・・・とにかく早く!」
なんと言っても1発目を外して悲鳴を挙げられてしまった。悲鳴を聞きつけて誰かが来ることは間違い無い。
先制攻撃を狙えないこの状況では、もし敵が複数だった場合かなりの危険を覚悟しなくてはならない。
できる事なら周囲に張り巡らした紐も回収したかったが、そんな余裕は無かった。また同じ仕掛けを作ればいい。
アヒャはありすが手に握り締めていたワルサーを回収すると、それをじぃに渡し、立ち止まった。
「おいアヒャ、行くぞ!」
だがアヒャは動こうとしない。ただアーミーナイフを持って突っ立っている。
「もうかなり近くまで来ているようだアヒャ。俺が何とか食い止めておくからじぃは隙を見て敵を狙え」
じぃは何かを言おうとしたが、その時じぃの耳に誰かがこちらに走ってくる音が聞こえた。
「・・・死なないでよ」
それだけ言うとじぃは森の奥へ消えていった。
(ま、これでじぃは一応安全アヒャ。)
ギコとウララーがアヒャの目の前に現われたのはその時だった。
107ピアニシモ:04/11/03 21:13:45 ID:jIQg7jNh
「遅かったか・・・!」
流石兄者【男子7番】が脳天を打ちぬかれたありす【女子2番】の死体の元までたどり着いたのは彼女が死亡した数分後だった。
当然のごとくワルサーは奪われていて彼女の青に近い髪は少し赤く染まっていた。

兄者はありすの身辺を簡単に整理しようと制服のポケットを探った。
無茶な作戦の引き金になった古地図。
かろうじて残っていた替えのマガジン。
脱出のメモが書かれた生徒手帳。
女の子らしい小道具の数々。
そんな中で彼女の遺品の中から一つの写真が出てきた。
「これは・・・。」
それは普通の家族写真だったのだが、その写真には自分のよく知る人間の顔があった。
反政府グループの構成員、ぁゃ波レイ。
数年前テレビや新聞の紙面を騒がせた首都爆破テロの犯人。

あいつの影の多かったのも、このせいだったのかもな・・・。

兄者はありすの手を胸で組ませ、そこを去った。
108Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/11/04 00:28:49 ID:tHto6oa/
【男子11番】タカラギコは相変わらず、罠の家でマターリとしたひとときを過ごしていた。
もちろん、警戒線は張ってあるので、マターリモードと殺伐モードを瞬時に切り替えられる。

ピーンポーンパーンポーン♪
「はーいギコ教授でーす。第一回の・・」
定時放送だ。
死者に取消し線を引き、
禁止エリアには赤文字でメモをする。G-4、D-7、E-5。
自分のいるエリア、C5に近いものの、影響はなさそうだ。

あるとしたら・・禁止エリア予定地から出てきた香具師だ。
タカラギコはマターリの時間を止め、罠の考案を再開した。
【残り33人】
109ピアニシモ:04/11/04 18:00:17 ID:mknWG69I
流石兄者【男子7番】が戻ってきたのは先ほどの悲鳴から少し経ったころだった。
「アリスハ…?」
「死んでた。」
兄者の言動に少し冷たいものを感じたのは皆同じだった。
「で、これからどうすんだ?」
ギコ【男子5番】が兄者に言うと兄者はポケットからいくつかのものを取り出した。
二個の手帳(片方は生徒手帳だとわかった)と古地図、それとマガジンだった。
「ありすの遺品の一部だ、何かの役に立つと思って死体を漁ったよ。」
ありすの手帳を開くと、殴り書きでいろいろなことが書いてあった。
「とりあえずこれで作戦を立てよう。」
「前途多難だけどね。」
ウララー【男子3番】は言った。
しかし、それが現実だったので誰も何も言わなかった。
110ピアニシモ:04/11/05 17:26:19 ID:Siw5raoI
流石兄者【男子7番】はありす【女子2番】のメモを片手に地図を広げた。
「とりあえずこれからの作戦だが・・・。」兄者は【男子9番】ジサクジエンの遺品であるリベレーター―――第3砲台でジエンが
持ち忘れた銃から弾を取り出した。
「このメモによると、もう当分脱出思考は持たないほうがいいらしい。軍艦での脱出は極めて・・・無謀だ。それよりも・・・。」
兄者は銃弾を現在地からE-4に移した。
「将校クラブに立てこもったほうがいいらしい。ここなら多少のライフラインも生きてるし、何より・・・。」
「洋館特有の地形を利用して、集団でかかれば殺しやすい。」
ウララー【男子3番】はジエンの残したチェーンソー(こちらはありすが保管してたのだがつーの薬を取りに行く時置いていった)を構えて言った。
「ああ、でも銃弾はあまり使えないから・・・それこそチェーンソーや斧なんかで戦うことになるな。」
「OKOK。俺はいいとしてつーちゃんみたいなアヒャ族も刃物系統の方が慣れてるしな。なにしろ・・・」
「歴史はいいんだよ歴史は・・・。」
ギコ【男子5番】はウララーに言うと、地図の方を再び見た。
「つまりはここが禁止エリアにでもなるまで篭城戦ってわけか。」
「ウダウダカンガエテテモショウガネーダロ!ソレニショウコウクラブダカニハデンキモハリトイトモアルンダロウシナ…。」
つー【女子11番】は負傷箇所を抑えながら立ち上がった。
「イコウゼ・・・!」
111名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/07 20:56:43 ID:DIbyzq6J
森の中、開けた場所に出た兄者の目に飛び込んできたのは、ナイフを持って立っているアヒャとありすの死体だった。
地面に血の池ができ、所々に脳味噌のようなものが浮かんでいる。
「ありす・・・アヒャ、お前がやったのか!?」
兄者はウララーから受け取った銃をアヒャに向けたが、アヒャは少しも狼狽せずに
「いいや、俺じゃ無い。考えりゃ分かるだろ?ナイフでどうやって頭を撃ちぬけるんだ?」
確かに、アヒャはナイフしか持っていないし、銃を隠し持っている形跡も無い。
誰かがありすを殺し、悲鳴を聞きつけてアヒャもやって来たのだろうか?
「じゃあ質問を変えるぞ。アヒャ、お前はやる気か?」
「ああ、やる気だね。もしありすが生きてたら俺が殺してたぜ。」
といって、アヒャヒャヒャヒャと面白そうに笑った。
「アヒャ、貴様・・・!」
兄者は降ろしかけた銃を再びアヒャに向けたが、アヒャは少しも動じた様子は無い。そのうえ、
「おー怖い怖い。ナイフじゃ勝ち目が無いアヒャ。逃げさせてもらうか。」
と、全く緊張感の無い声でそう言うと、兄者に背中を向けて歩き始めた。
「やる気の奴を逃がす気は無い。撃つぞ!」
「・・・へー、撃てるのか?そういえば、妹者も死んだってな。」
「何!?」
妹者の名前を出されて兄者の声が粗くなった。自分の命に代えても守ろうとした妹者は、もうこの世にはいない。
「頭のいい妹者のことだ。武器さえありゃあ戦うにしろ、逃げるにしろ、そう簡単に死ぬはずは無い。
きっと、大した武器が入ってなかったんだアヒャ。それで、敵に襲われたんだろう。
妹者、逃げただろうな。自分の武器じゃ適わないアヒャ。でも、逃げる妹者にそいつは銃を向け・・・」
「止めろぉおおおおお!!!」
しかし兄者の叫びを聞いても振り返りもせず、アヒャは傷を抉るような口調で
「止める必要は無いだろ。今、あんただって同じ状況じゃないか。逃げる俺を殺そうとしてるぜ。
やる気の奴は生かしちゃ置けないって、あんたが一番やる気なんじゃ無いアヒャ?
やる気なら撃てばいいだろ。今なら一発だぜ。アヒャヒャヒャ・・・。」
アヒャの無防備な後頭部に銃を向けて今にも撃たんとしていた兄者だったが、指が震えていた。
妹者の顔が胸の中に蘇り、狙いを定めることが出来ない。その間にもアヒャは遠ざかっていく。
「くそっ・・・待て!」
そうやって兄者がアヒャ向け、二、三歩踏み出した時だった。
パァン
「ッ!?」
突然、凄まじい衝撃が兄者の腹部を襲い、続いて凄まじい激痛が襲ってきた。
112名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/08 19:59:27 ID:XUwwF0aC
思わず手にした銃から手を離し、仰向けに倒れた。落ち葉の香りがぷんとした。
頭では何故か、ここの林はカブトムシやクワガタがたくさんいるだろうなと関係無いことを考えていた。
「アヒャにあんな話術があったとは思わなかったよ。ヒヤヒヤしたじゃないか。撃たれたら死んでたぞ。」
仰向けに倒れたため、兄者からもその声の主は見ることができた。
近くの木の影から出てきたのはじぃだった。右手にはありすの物だったウージーが握られている。
(仲間が・・・いたのか・・・。ありすをも・・・あいつに・・・)
落とした銃を何とか拾おうと激痛に耐えながら手を伸ばしたが、ひょいと手が伸びてきてそれを拾い上げる。
「あの位置からじゃ狙えなかっただろう?誘導してやっただけアヒャ。」
そう言いながら銃を弄っているのはアヒャだった。どうやらすぐに撃てるの確かめているようだ。
兄者が最初にいた位置では、じぃが銃で狙うことはできなかった。
だが、アヒャの話術に乗せられアヒャに詰め寄ってしまったのが命取りとなったのだ。
顔は笑ってはいるが、それが逆に強烈な恐怖を兄者に与えた。
いつの間にかナイフは鞘に収められ、ベルトに挿されている。
やがてアヒャは銃を右手に持ち、その銃口をゆっくりと兄者の眉間に向けた。
「兄者、すまんな。謝って許して貰えるものじゃ無いと思うが・・・
俺は決めたアヒャ。何としてでもじぃを優勝させるってな。せめて一撃で逝ってくれアヒャ。
・・・それと、妹者のことを悪くいって悪かったアヒャ。」
最期の瞬間、兄者が見たのは何だっただろうか。
すぐ横で冷たくなっているありすか、妙にすまなそうな表情をしているアヒャか。約束を守れそうに無いウララーか。
それとも、最愛の妹か。
最早それを知る術は無い。片手で放ったにも関わらず、アヒャの銃弾は正確に兄者の眉間に着弾し、その後方にある脳の動きを停止させていた。
こうして、兄者は妹者の待つ黄泉路へと旅立つこととなった。
「・・・他にもさっきの悲鳴を聞きつけた奴がいるかもしれない。・・・アヒャ、行こうか。」
「ああ。・・・じぃ、どうしてそんな複雑な表情しているアヒャ?」
「・・・・・・いや、何でも無い」
「じゃあ行くか。おっと、警報機を回収するのを忘れたアヒャ。」
警報機の紐を手繰るよせるアヒャを見ながらじぃは考えていた。
診療所で出会ったとき、アヒャは自分を優勝させると言った。その戦いの過程で自分は死ぬだろうと言った。
だがこのまま戦い続け、もし最後の二人になったら、その時自分はアヒャを殺せるのだろうか?
・・・いや、今はまだそのことを考えるには早すぎる。まだゲームは進行中なのだ。
ちょうど紐を回収し終えたアヒャと一緒に、じぃはその場を立ち去った。

【残り33人】 【男子7番】流石兄者、アヒャにより銃殺。
113ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/11/09 19:05:13 ID:h1YBIz8U
パァン
「銃声!?」
ギコ【男子5番】が驚いた様に言った。
「まずい・・・」
ウララー【男子3番】も続いて呟いた。
「や、でもきっとお前が貸した兄者の銃の銃声だ。そうに違いない。」
そう信じ込もうとするギコに向かって。
「いや、ミナーちゃんが持っていた銃は多分コルトガバメント M1911。それとは銃声が違う。」
「銃声の違いなんかわかるかゴルァ!」
ギコが言ったことは正論だ。
「まぁ分かるんだよ。それより早く行かないと危ないかもしれない。」
「でもつー見張ってないと」
「じゃぁ僕が行くからギコ君はここに居て。」
そう言うとウララーは、まだ持っていたのか『日本傘』を持って走り出した。
取り残されたギコはつーを眺めて( ゚д゚)ポカーンとしていた。

ウララーは兄者が言った方向へまっすぐ行った。
体育では見せなかったが、異常に足の速いウララーは兄者の所へすぐについた。
いや、兄者の死体の所に。
「兄者!」
兄者の腹と頭に撃たれた跡があった。
ウララーは兄者の手首を握り、脈をはかった。
当然脈はない。
「くそ・・・」
顔をあげるとまた向こうにはありすの死体があった。
こちらも確認するまでもなく死んでいた。
ウララーは二人の武器が盗られていることを確認し、二人のデイパックを持って帰り始めた。

一方ギコは、
「ウララーおせぇぞゴルァ・・・」
さっきまで二人だったところで一人になると不安になる。
一応つーが居るが、眠っていた。気絶しているのかもしれないが、少なくともギコには寝ているように見えた。
「てゆうか俺しぃ捜さないといけないのに・・・」
ギコはウララーと兄者、ありすが帰って来て、つーも加えて出発するのが理想だった。
しぃは何処にいるのかわからないから、脱出に協力しながらでも彼女を捜すことはできるのだ。
しかし、今はただ一つの場所にジーッっとしている。
ギコは一刻も早く動きたかったのだ。
「ああ、早く帰って来い・・・」
そう言った瞬間だった。
114ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/11/09 19:05:37 ID:h1YBIz8U
「ハッ!!」
さっきまでずっと静止していたつーがいきなり体を起こした。
「うわっ!!」
ギコはビックリして「シェー!」のポーズになった。
「アレ・・・ギコ?ココハドコ、オレハダレ・・・?」
「ここは知らん。とりあえずお前はつーだ。」
「ナンデギコガココニイルンダ・・・?」
目が半開きのつーが訊く。
「兄者とお前がここにいてだな・・・」
「ソコラヘンハオボエテルカライイ。オマエガクルトキノハナシヲタノム」
「あ、そう。俺とあとウララーでお前らを見てたんだ、あの岩の上から。そしたらありすの悲鳴が聞こえてきて。兄者はお前をほっといてはいけないから俺たちが飛び出して、お前をみてたんだ。」
ギコが早口で言った。
「デ、ウララーハドコダ?」
「ああ、兄者とありすを捜しにいった、もうそろそろ帰ってくる頃・・・」
ギコがそういった時。
「おまたせ。」
と声が聞こえた。
その方向を見てみると、それはウララーだった。
「お、帰ってきたか・・・そのデイパックは・・・」
ギコが前半だけ明るくして言った。
「フタリハドウダッタンダ・・・?」
つーも尋ねた。
それにウララーはただ首を横に振った。
そして、
「銃もとられてたよ。」
と言った。
「・・・・・・」
二人は沈黙した。
その沈黙が数秒続いた後ギコが口を開いた。
「で、そのデイパックは食料補給のために持ってきたのか?」
ギコが訊いた。
「それもあるけど・・・もし外に出れたら形見として家族に渡してあげたい。このパソコンとか」
ウララーが兄者のデイパックを持ち上げて言った。

「あと、敵の判別もできなかったか?」
「全然分からない・・・」
「そうか・・・」
再び沈黙が流れようとしたその時。
「ジャーイコウカ。カタキウチニ」
つーが行った。
「お前、歩けるのか?」
ギコが訊いた。
「ヨユウ、ヨユウ。ソレニオマエラニモモクテキハアルンダロ?」
「うん・・・」
ウララーが言った。
「ジャァハヤクイコウゼ・・・イッショニ・・・」
つーは膝を押して立ちり、デイパックを持って歩き出した。
「オイ、ハヤクコイヨ!」

【残り33人】
115名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/09 21:30:51 ID:kRxw/YYy
「・・・おい、ネーノ。早く行こうぜ。充分休んだだろ?」
ネーノは、欠伸をしながら言葉を返した。
「ああ。そろそろ、他の区域に行った方が良いな。よし、発とう。」

「やっぱり、銃が配布されてほしかったな、ネーノ。槍や鎌や包丁、カッターじゃ困るな。」
「まあ、出来るならそっちのほうが良かったんじゃネーノ?・・・それにしても、何故北に?」
訝しがるネーノに、チャンコはこう答えた。
「林が地図によるとあるからな。食料はあるから。・・・それに、出来る限り、仲間が欲しい。」
「・・・まあ、早く行こう。禁止エリアに含まれていないだろう?まあ、その様な仲間に会えるかも判らないけどな。」

林に着くと、誰も居なかった。ネーノとチャンコは正直安堵した。
が、次の瞬間、木に一つの穴が開いた。
Vz61で、ガナーが発砲したのだった。
「わ・・・私は絶対に生き残る。フェラーチョにまた会う為にも・・・し、死んで!ネーノ!チャンコ!」
「お、おい・・・危ない!やめろ!」
116名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/09 21:33:57 ID:kRxw/YYy
チャンコは叫んだが、発砲を止めなかった。
「仕方ない!チャンコ、逝くぞ!」
二人は鎌、槍をそれぞれ取り出すと、ガナーに向かって行った。
ガナーは発砲を繰り返したが、一度も当たらず、ネーノによって鎌を腹に突き刺された。
「い・・・痛い!痛い!いたぁぁぁぁい!だ・・・だれか!たすけ・・・」
ガナーの言葉は途中で終わった。倒れたガナーを、ネーノが腹から引き抜いた鎌で首を左から右に薙いだ。
「悪いな・・・ガナー。俺達も生き残る為にやってるんだ。攻撃しなかったら反撃しなかったのにな・・・」
「・・・ネーノ。・・銃は貰っとこう。悲鳴をあげたからな、早く行こう。」
彼等は、更に北、海へと向かって行った。
脱出は出来ないだろうが。

【残り32人】 【女子5番】ガナー ネーノにより首を斬られ死亡。
117名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/11 20:01:10 ID:0zdgLcWR
【女子1番】あいぼんは途方に暮れていた。
アヒャの次に分校を出た彼女は、さっそく武器を調べてみたが、中に入っていたのは小瓶が一つだけだった。
見ると、『毒薬』とラベルが張っており、説明書もあった。

BRゲーム特性毒薬 内容量50グラム
―この毒薬は、約100ミリグラムで一般的な成人の致死量です
匂いは無く、食物に混ぜても味に変化はありません
服用してから症状が現われるまで約2時間かかります

これを見たあいぼんは早速会場東部の住宅街に向かった。
500人分の致死量である。井戸にでもぶち込めば最強の兵器となるはずだった。だが・・・
ある住宅の前に来て、彼女は電気メーターが動いていることに気付いたのだ。
(電気が生きている?)
慌てて住宅に入ってみると、水道も生きている。作戦はあっさり破綻した。
結局、しばらくふらふらと住宅街を彷徨ううちに朝になり、放送があり、それでも効果的な作戦は思い浮かばなかった。
即効性なら水に溶かしてぶっかけるなんてこともできるだろうが、遅効性ではそれも望めない。
「そういえば・・・おなか減ったな・・・。」
いつもなら朝食を食べている時間である。バックに入っていたパンを食べようとした時だった。
「そうだ!何で今まで気付かなかったんだろう!」
電気が生きているということは冷蔵庫などは健在のはずだ。当然食べ物もある。
その中の食べられそうな物に、片っ端から毒薬を仕掛ければ・・・。なんと言っても薬は大量にある。
「毒を仕掛けたら・・・誰かが来るのを待って、後をつけていけば・・・。」
思い立ったらすぐに行動を起こさなくてはならない。
毒薬を仕掛けるのが遅れれば、作戦の成功率が落ちて危険も高まる。
「とりあえず、近くの住宅全部に仕掛けよう・・・。」
と、意気揚揚と歩き始めたあいぼんだったが、その住宅街の家に恐ろしい罠屋敷が紛れているとは微塵も思いはしなかった。


118サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/11/12 15:46:20 ID:oFdwXDxg
「なんで……なんで、なんでなのよ!」
E-2の住宅街、その家々の一つ。
埃の積もった床の上に真っ白なハンカチを広げてそこに座り込んでいたモナカ【女子18番】が、
堪えきれなくなったという様子で叫んだ。
「なんで、なんで私なのよ!何で私が選ばれなくちゃいけなかったの?殺し合いなんて、
他の下賎な奴らがすればいいのよ!私じゃなくていいじゃない!
何でなのよ!何でっ!何でっ――私なの……?」
モニカのきつくつりあがった瞳から、涙が溢れ出す。
小さく口の中で何で、と繰り返しながら、モナカは立てた両膝に顔をうずめた。
床に点々と雫が落ち、埃を洗う。
グズリと鼻を啜り、モナカは涙ではれた目で呟いた。
「――助けに、助けにきてよ。パパ……」
モナカの父親は、この国の政治の中枢を握る、重要な役職についていた。
故に、モナカの家は裕福だったし、その上、モナカが一人娘だと言うことで溺愛されたこともあり、
モナカは所謂ワガママ娘に育っていた。
父親は、モナカが欲しがるものを何でも与えてくれた。
それは、物であったり、気持ちであったり、言葉であったりした。
『誕生日おめでとう』
そう言って、モナカがねだっていた大きなぞぬのぬいぐるみを買ってくれた父親。
『パパはモナカが大好きだぞ!』
たかいたかいをしながらそう言った父親。
『百点取ったんだって?偉いじゃないか!』
にっこり笑いながら、頭を撫でてくれた父親。
瞼の裏に父親の姿が蘇る。
強くて、優しくて、正義感が強い、スーパーマンみたいなパパ。
悪いやつは許さない、モナカがピンチの時にはパパが助けてやる。そういつも言っていたパパ。
「ウソツキ……ピンチなのに、来ないじゃない、パパ……」
モナカは膝頭に目を擦りつけ、小さくしゃくりあげた。
瞼の裏の父親の像が、ちいさくぶれた。
「そういえば……パパ、この前から家に帰ってきてない……」

【残り33人】
119ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/11/12 19:20:22 ID:uPsY47Gl
「なぁ」
「何?」
「お前さぁ。こう、首の後ろをトンッって叩いて眠らすとかできない?」
「は?そんな漫画みたいなこと無理にきまってんじゃん。あ、でも勢いをつけて叩けば『気絶』させることはできるよ」
「いや、いい。つーが死んじまうだろ・・・」
ギコ【男子5番】とウララー【男子3番】は先導するつー【女子11番】の後ろでヒソヒソ話をしていた。
先導すると言ってもフラフラで、見ている人はいつ倒れるかもわからない不安が生まれる。
ウララーは少し走り、つーの横に並んで言った。
「ねぇつーちゃん。おんぶとかしてあげようか?マジでヤバイよ。女の子なんだしさぁ・・・」
それにつーは答えた。
「キヲツカウナ。ソレニオレハジョシジャネェ」
淡々とした口調でいった。
「女子じゃないってどうゆうことだゴルァ」
いつのまにか横に並んでいたギコが聞いた。
「ジャァオシエテヤロウカ?」
「お願いします」
ウララーが即答した。
「ジャァオシエテヤル。オレノセンゾハ・・・」
つーが歩いたまま話し出した。
ギコは「こいつも歴史かよ・・・」と思いうんざりした。
「モトモトアヒャゾクカラハセイシテルノハシッテルダロウ?ソノトウジハアヒャゾクモソレホドアヒャッテナカッタンダガ、20000ネングライマエニキュウニアヒャリダシタ。デ、ソノナカニジブンタチノセイベツヲワスレルイチゾクガデテキタ。
ソンデナゼカシラナイガオレタチノイチゾクニハセイベツガナイ。シルシガナイカラワカラナインダナ。」
つーがそこまで言って切った。
「お前性別がわからないって、あれ・・・やっぱ、いいや・・・」
ギコが後半をあやふやにして言った。
ウララーには当然わかっただろうが、つーはわかってないらしい。
「ナンダヨキニナルナ・・・ジャァツヅケルゾ。デ、オレノイチゾクカハ、「ヨウチエン」「ショウガッコウ」「チュウガッコウ」「コウコウ」「ダイガク」ニハイルタビニセイベツヲカエルンダ。ショウガクセイノトキハオトコダッタ
ソレデシュウショクスルトキ、ジブンガイッショウドッチノセイベツデイキテイクカキメルンダ。ドッチノホウガヨカッタカデ。マァオレハトウゼンオトコニナルツモリダケドナ」
つーは話し終えた。
「それはまぁ、そんな文化が今も残ってたんだねぇ・・・」
ウララーが言った。
「んで、性別を決めたらどうするんだ?」
ギコが訊いた。
「アア、セイケッテイシュジュツヲウケル。コレデカラダカラソノセイベツニハイルワケダ」
「へーそんな技術があるんだ・・・」
「まぁ俺にはどうでもいいことだけどな」
ウララーとギコが言った。
「ジャァイクゾ」
そうつーが言った。
「や、だからおんぶしてあげるって。」
ウララーが背中を指差す。
「モウイチドイウガオレハオンナジャネェ。オンブナンカ」
「でも話を聞くかぎりじゃ今は女なんでしょ?」
「・・・・・」
「てゆうか男でも普通そうするよな。お前大怪我してるんだし。」
「ワカッタヨ・・・」
つーは二人の言葉にあまえることにした。

「よっこらしょっと!」
つーを背中にのせたウララーは、ギコに向かって。
「ギコ君。次の電柱で交代ね。」
「そんなもんあるわけねぇだろ・・・」
そんな会話をしながら3人は診療所に向かって歩きだした。

【残り33人】
120名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/14 23:55:23 ID:yntWmTrm
あげ
121Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/11/15 20:59:01 ID:pHLODaXD
【男子11番】タカラギコは政府の調査に杜撰さを感じずにはいられなかった。
未回収ならともかく、『ご丁寧に包装紙に包んだアレ』には、杜撰さもいいところだと。

恐らく、ここら一帯の通信網は本部がすべて管制しているハズだ。

とぅるるるるる とぅるるるるる
「はい、AABR本部ですが何か?」

この声は今回の担任であるギコ教授だ。ふざけた感じをしている。
「男子11番のタカラギコですが、あんな違法なものを『包装紙で包装』するって・・

・・本部の方々の仕業ですか?」

「くっくっく・・」ちょっと笑っているようだ。むかつく。
「本部の方で置きましたよ。『それ』をどう使うかをモニターするためにもね。

質問はそれだけですか?」
「はい、ありがとうございました・・」

かちゃ

・・ふざけている。本部の奴らはこういう香具師だらけなのか?

・・さて、『これ』をどう使うか・・
122Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/11/16 17:14:08 ID:lUkd304k
本部がふざけていようが、優勝したときの手続きや保証をやってくれればそれでよい。

そんなことを考えつつ、【女子3番】えーから頂いた望遠鏡を覗く。

・・ここに誰かが向かっている。

あの髪型は・・【女子13番】ののたんだ。
あいつの性格を見る限り、温和タイプなのでやる気になるとは考えづらい。

タカラギコはののたんと接触することにした・・・

【残り33人】
123名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/18 19:04:15 ID:3np/Yjt5
ageage
124サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/11/23 12:37:04 ID:WLn42crc
「何だよ、うるせーな……」
浅い眠りを妨げられて、ネーノ【男子14番】はうわ言を呟いた。
ごろりと体勢を整えなおし、また眠りの世界へ戻ろうとする。
先ほどまでの緊張の連続と体の疲れのせいか、眠気はまだ覚めない。
瞼を閉じると、ほんの一瞬で、再びすうっと気持ちいい眠りの中に入っていく。
「ネーノ、ネーノ。寝るな。起きてくれ」
チャンコ【男子13番】の囁きと、揺さぶりが再び続く。
しばらく揺さぶられながらも眠っていたネーノだったが、やがて観念したように重そうに瞼を開いた。
いつもは鋭い光を放っている瞳が、どんよりと濁って太陽の光をただ湛えている。
「……何だよ。起こしといて、くだらねえ用事だったら殺すんじゃネーノ……」
不機嫌な口調と澱んだ眼差しと今置かれている状況が、チャンコの背筋を凍らせる。
慌てて右手を振って、
「い、いやいや。それ洒落にならねえっての……。それより」
そう言いつつ窓の外を指差した。ネーノも、眠気でぼんやりとした顔のまま、指先を目でたどる。
舗装されていない道路。砂利やら何やらが転がった道の上。
その上に、何者かの影があった。
チャンコの視力では、その影が女子だと言うことしか分からない。
姿も表情もわからないから、どんな性格の奴なのか、やる気なのかということもわからない。
「何だ……誰だ?あいつ」
「分からん。女子らしいが、それ以外は……どうする。コンタクトとってみるか」
確かに、仲間を増やしてみるのもいいかもしれない。
武器が刃物だけでは心もとないし、なにより目の数が増えると言うのはそれだけ危険に遭遇する
確率が低くなるということだ。
仮眠を取る時間も効率よくなるだろう。そうなれば、自分たちの負担も少しは減る。
……だが、もしあの影がやる気だったらどうする。
刃物ならまだいいが、それこそ銃を持っていれば致命的。
のこのこ出て行って撃たれて終了だなんて、最悪だ。
それならば、このまま家に隠れているか逃げるかしたほうが安全かもしれない。
いやいや……やる気だとは限らないし、もし強力な銃火器なんて持ってたら、戦力になるのは間違いないだろうし……。
ネーノは目覚めたばかりの脳細胞を総動員して必死に考えたが、結論は出ない。
思考はいつまでたっても、仮説と望みと絶望との堂堂巡り。
そうこうしているうちに、窓の外の影は少しずつ大きくなってきていた。近づいてきているのだ。
チャンコはネーノの顔を見ていた。全ての判断をネーノに委ねる気なのだろう。
この男の生命を守るのも奪うのも、全て自分の判断次第なのだ。
ああ、何て――重要な場面で決断を迫られたものだろうか!学校生活ではこんな場面巡ってきたことすらなかったのに。
視界の角の窓の外では、ただの通りすがりか共に戦う仲間か、それとも死神になるだろう者の影が更に大きくなってきていた。
姿かたちは見えない。ただ、行動するには相手が誰だかわかってからでは遅すぎる。
今しかない。決断の時は。
ネーノは小さく喉を動かし、そして重い口を開いた。

【残り33人】
125名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/28 23:13:00 ID:K/2M9g1H
三つ目の追いかけっこ、
【男子2番】1さん以外は、終了した事など気付かなかっただろう。
そう、「鬼」の役の彼も。
【男子17番】八頭身はまだ前に1さんが居ると勘違いし、直も走り続けていた。
「あいかわらず1さん速いな〜。もう姿が見えなくなっちゃったYO」
彼は素直に1さんをあきらめていれば、走るのを辞めていたならば、
これから降りかかる災難を回避できただろう。
「ん?」八頭身は遠くから人影を確認した。
「1さんだ!!1さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
八頭身はそのまま人影に向かって全力疾走した。
その人影に接触するまであと3、2、1、・・・・・
「え・・・?」彼はおかしな事に気付いた。
金髪じゃないし、ネコ耳がある。つまり1さんではない。
危険だと思い(1さんでも撃たれる可能性があるので十分危険なのだが)
足で急ブレーキをかけた。
でも全力で走ったからにはなかなか制御できない。
地面をすべる中さらに八頭身は恐ろしい事に気付いた。
道がない。崖だ。落ちる。
八頭身は落ちる寸前手で崖にしがみついた。
そのとき、1さんではない誰かが手を差し伸べた。
なんだ、いい奴じゃんか!
八頭身は手に捕まり、引き上げてもらった。
「大丈夫にょら?」その口癖から【男子9番】したらばだと分かった。
126名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/30 18:25:32 ID:PZxgGNbi
>>125修正
三つ目の追いかけっこ、
【男子2番】1さん以外は、終了した事など気付かなかっただろう。
そう、「鬼」の役の彼も。
【男子17番】八頭身はまだ前に1さんが居ると勘違いし、直も走り続けていた。
「あいかわらず1さん速いな〜。もう姿が見えなくなっちゃったYO」
彼は素直に1さんをあきらめていれば、走るのを辞めていたならば、
これから降りかかる災難を回避できただろう。
「ん?」八頭身は遠くから人影を確認した。
「1さんだ!!1さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
八頭身はそのまま人影に向かって全力疾走した。
その人影に接触するまであと3、2、1、・・・・・
「え・・・?」彼はおかしな事に気付いた。
金髪じゃないし、ネコ耳がある。つまり1さんではない。
危険だと思い(1さんでも撃たれる可能性があるので十分危険なのだが)
足で急ブレーキをかけた。
でも全力で走ったからにはなかなか制御できない。
地面をすべる中さらに八頭身は恐ろしい事に気付いた。
道がない。崖だ。落ちる。
八頭身は落ちる寸前手で崖にしがみついた。
そのとき、1さんではない誰かが手を差し伸べた。
なんだ、いい奴じゃんか!
八頭身は手に捕まり、引き上げてもらった。
「大丈夫か?コゾウ」その口癖から【男子12番】ダマレコゾウだと分かった。
127名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/30 18:51:26 ID:PZxgGNbi
引き上げられた八頭身はその場で冷や汗を掻いていた。
「水飲むか?コゾウ」ダマレコゾウはゆっくりと口を動かし始める。
「大丈夫だよ。それより1さんを捜さなきゃ!!」八頭身は目的を思い出した。
八頭身が立ち上がった途端、ダマレコゾウがこんな言葉を口にした。
「まぁ、ちょっと待ってくれや。コゾウ」乾いた唇をなめながら
また、ゆっくりと喋りだす。
「説明するのがめんどくさいから手短に言う。俺はヤル気だ。」
八頭身は驚きを隠せなかった。何より命を助けてもらった人物に命を狙われる、
というのが八頭身の中では衝撃的だった。そして八頭身は一番の疑問を口にする。
「・・・ウソだろ?だってそれならあの時突き落とせばよかった話じゃないか!」
「それは簡単だ。だって・・・・これで殺せなきゃ、楽しめないだろう?」
ダマレコゾウは顔を引きつらせながら笑顔を見せ、懐から銃を出した。
張り詰め始める空気が八頭身になんともいえない緊張感を与える。
いまや八頭身は希望も何もなくなっていた。
そして彼の武器はいわゆるハズレ、国語辞典であったのである。
八頭身の中で導かれた答えはただ1つ。
     「逃げる」
ダマレコゾウに勝てるとしたらこれしかない。足だ。
最初に1発さえ当らなければ彼は大差をつける自信があった。
そして今、八頭身がその賭けに乗った。
後ろを振り返ると急に全力で走り出した。ダマレコゾウも多少の驚きがあった。
普通の学校生活では考えられない、計算外のスピードだったので。
1さんを守るまで僕は、死ねない!!
そう言い聞かせながら八頭身はは走った。そしてさらにダマレコゾウの計算外。
弾を込め忘れていた。そして弾を2発込めた時にはもう時既に遅し、
とでも言うのだろうか。ダマレコゾウは立て続けに撃った。
が、1発かすっただけだった。
128名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/30 19:33:35 ID:PZxgGNbi
八頭身は逃げ終え、またさっきの追いかけっこの場所、森に帰ってきた。
この辺にさえ行けば大丈夫だろう。八頭身はそう考えた。
が、その考えは甘すぎた。彼は目を閉じて一息つくとまた目を開けた。
その時八頭身に驚愕の事が起こった。
前に誰かが立っていた。八頭身は確認する間もなく―――――
ズガガガガガガガガガ!

一方、ダマレコゾウは焦っていた。彼は悪魔で善良な人間を演じたかったのだ。
そのほうがヤル気のない奴に、
騙し討ちをしやすいし殺しやすい。でも八頭身を逃がすと誰かに喋られる。
そういう可能性がある。なので必死で追いかけた。
そして彼の武器、ハンドガンは実は普通の銃より大きく、
両手じゃないと撃てなかった。
その武器の名称はソーコムといい、重さも普通の銃より少し上だった。
つまり、その銃は彼にとって合わない武器だった。
彼はその思い銃を引きずりながら走っていた。
追いかけてるうちに彼は銃声に気付いた。マシンガンの音。
その銃声は今、彼が向かっている、八頭身の居る方向だった。
その先は森で、巨体を確認した。ダマレコゾウは、警戒している。
なぜならばもし、八頭身がマシンガンを持っていたなら、
もし、こうやって引き寄せられたのが罠だったら・・・・
なによりゆっくりと近付いた。そして――――――
「終わりだコゾウ」そういうとダマレコゾウは八頭身の体に3発撃った。
八頭身の体は後ろのメリに倒れ、ダマレコゾウはまた驚いた。
自分が撃った場所と違う、頭がトマトを何度も落としたような形になっていた。
もう八頭身の元の顔も想像できないほど、ぐちゃぐちゃになっていた。
そしてダマレコゾウは気づいた。襲撃者が居る事に。
周りを見渡すと、遠くで走る忍者を見た。

【残り32人】
129名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/30 20:16:53 ID:6P4nNdKE
感想議論スレ落ちたか?
130(;・∀・)凸Lv.2:04/11/30 21:07:58 ID:4S5lSOB2
落ちました・・・
131名無しさん@お腹いっぱい。:04/11/30 21:14:33 ID:PZxgGNbi
俺、立てたいけどテンプレとか持ってないからなぁ・・・・。
132(゚Д゚ ) ◆AABR/qlTjw :04/11/30 22:35:13 ID:PSeXGPIN
AAバトルロワイアル6・雑談スレ Part2
http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1101821614/

雑談用の新スレ立てましたんで誘導しときます
133名無しさん@お腹いっぱい。:04/12/02 18:51:56 ID:cp1JHPMf
【男子1番】アヒャと【女子9番】 じぃが次の拠点に選んだのは、ありすと兄者の亡骸がある場所から50メートルほど離れた所だった。
じぃが簡易警報機の紐を張り巡らし戻ってくると、アヒャが鞄の中から何かを取り出している。
「アヒャ、何してるの?」
「義手を付けてるアヒャ。」
アヒャは左腕が肘の先辺りから、まるで最初から何も無かったかのように無くなっている。
だから学校では義手をしていた。しかし何故かバスの中ではそれを付けておらず、このゲームに放り込まれてもずっと未装着だったのだが・・・。
そんなじぃの考えを察したかのようにアヒャは
「金属だから、空港で引っかかると思って自分の鞄に入れていたアヒャ。
けっこう重いんで付けてなかったけど、銃を使うなら接近戦への備えは必要だろう。」
空港―――自分たちが修学旅行へ行く途中だったと、覚えている生徒がどれだけいることか。
話している間に装着された義手が木漏れ日を受けて鈍く輝いた。
「義手が重い?」
考えてみれば、アヒャの義手はかなり異常なものである。
最近は義手も進歩してきて、機能を重視すれば鉛筆くらいは持てる、見た目を重視すればそう簡単には義手だと分からないような義手があるはずである。
アヒャの義手はどちらでもない。形は完全に腕を再現しているが、その色と光沢は誰が見ても金属だと分かる。
手は握られた状態のまま動かず、せいぜい何かを支えることで精一杯だろう。
おまけに重いときたのではいっそ何も付けない方が良いと思うのだが・・・。
「体を鍛えるためだアヒャ。何か困ることがあれば外せるしこれでいい。
これでもなかなか便利なんだぞ。日焼けもしないし蚊に刺される心配も無いアヒャ」
とのことらしい。
「ところで、これからどうするアヒャ?」
義手を付けた左腕を軽く回しながらアヒャがじぃに尋ねた。
「こっちには銃が三丁あるし、食糧もたっぷりある。
禁止エリアにでもならない限り迂闊に動かないで侵入してきた奴を倒すのがいいと思う」
「そうだな・・・まだ30人以上残っているからな。」
自分たちから積極的に動くよりは、潰しあって数が減るのを待ったほうが得策である。
彼らの思惑通り、こうしている間にも命を賭けた戦いが繰り広げられているのだった。
134サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/12/02 19:49:07 ID:lEn+KShE
――しまった……しくじった。
モナエ【女子17番】は左の二の腕を右手に握ったハンカチで押さえながら奥歯をぎりりとかみ締めた。
薄いピンクのハンカチの下には、大きくは無いがかなり深い傷が一つついていた。
傷口はぎんぎんと響くような痛みを伴い、更にハンカチや制服を汚してどす黒い液体を吐き出し続けている。
ぱたりと雫が地面の雑草の上に垂れた。草が揺れ動く。鮮やかなグリーンに映える赤。
畜生、クリスマスには早いっていうのに。
睨みつけた雑草が視界の中で揺れ動く。
こみ上げる吐き気に呻き声をあげて、モナエは屈みこんだ。辛さを押しとどめるために、目を閉じる。
貧血かもしれない。だとすれば、動くのは危険だ。
幸いここは禁止エリアには指定されていない。それに、先程激しく忍者【男子15番】と会った現場からは離れている。
しばらくはここで身を隠していよう。
モナエは地面に腰を下ろし、小さくため息を吐いた。
――畜生、しとめるつもりだったのに。
痛みに呼応するかのように、先程の屈辱が瞼の裏に鮮やかに蘇る。
135サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/12/02 19:49:41 ID:lEn+KShE
武器を取り落とした激しく忍者は、それでも落ち着いているように見えた。
モナエはそれを見て少々驚いた。こういう局面で、人は大概慌てるなり顔を青ざめさせたりするものなのだ。
何しろ、武器を取り落とし、その上負傷しているのだから。
自分が負わせた傷にちらりと目をやる。掌近くに、血液が幾筋か流れていた。
深くは無いし、流血量もそれほどでもない。
けれども、銃で撃たれたといえばそれだけでもショックだし、利き手が使えないのは大変なハンディになる。
激しく忍者もそれは分かっているだろう。そんな素人でもちょっと考えれば思いつくことぐらい。
モナエは確信していた。激しく忍者は一般人ではない。
自分の意思なのか、それとも抗えない理由があるのか。
とにかく、何者かから訓練を受けているのは間違いない。
その上、あの身のこなしはちょっとやそっとの練習じゃ身に付かないだろう。
恐らく幼い頃からみっちり身に仕込まれてきたのだ。毎日毎日、来る日も来る日も。
――ははっ。まるでどこかで聞いたような話よね。
モナエは僅かに唇に自嘲の笑みを浮かべる。そして、この笑みが余裕の微笑みに見えればいいのに、と思った。
そんな想いを見破っているのか、全く佇まい一つ乱さない激しく忍者に、モナエは口笛を軽く吹いた。
次の瞬間、自分の口笛を合図として、モナエは武器を構え、激しく忍者に対して引き金をひいた。
連続して響く銃声。
しかし激しく忍者の方が早かった。頭上の木の枝に飛び移り、僅かに物音をさせながらも移動する。
素人ならば、彼の動きに惑わされて闇雲に頭上に向けて発砲するのだろう。そして、隙をうたれる。
あの男ならば素手でも人を殺せる。それはモナエの心の中の確信に近い位置に生まれた考えだった。
――甘いよ。
ただのかく乱だと言うことが分かったから、モナエは慌てることもせずに人影を目で追った。
時折怪しまれないように銃を撃つ。無駄弾だとは思わなかった。確実にしとめるために消費される弾だ。
――こっちだって素人じゃないの。舐めるんじゃないよ。
モナエは銃を構えた。木の枝から木の枝に飛び渡る際の、その隙をつくつもりだった。
移動するのに神経を使うはずだから、かわす事は出来ないだろう。いや、かわす事はさせない。絶対に。
……その時点で、勝敗は決定していたのかもしれない。
モナエは決して激しく忍者を見くびっていたわけではない。
むしろ、その実力を正当に評価し、そして最善の方法を尽くそうと思った。そのための実力も備えていた。
しかし、モナエは重要な可能性を忘れていた。
つまり、激しく忍者が『違う武器を持っている』という可能性を、頭から考えなかったのだ。
136サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/12/02 19:50:24 ID:lEn+KShE
激しく忍者が軽やかな身のこなしで木々の間を走り抜けるのがしっかりと彼女の目には見えていた。
彼が、枝から枝へ飛び移ろうとするのも。
――今だ!
モナエは引き金に指をかけ、引こうとした。
瞬間、何か轟音が聞こえ、左腕の一部に爆ぜる様な痛みが走った。
「!?」
突然の事態に混乱する思考よりも、長年の訓練に体が従う。反射神経とでもいうのだろうか。
素早く茂みに駆け込み、転げるようにその場を駆ける。
耳や肩、頭に近い部分に銃弾が掠めていった。激しく忍者が自分を銃で狙撃していると言うことだけは理解できた。
かなり正確だ。マシンガンを使っているだろうに、対象から大きくそれたりしない。
撃たれるかもしれない。初めて、背筋が粟立った。まさか、まさか――
けれども、左腕は激しく痛み、上からか横からか後ろからか、激しく忍者が銃を撃ってくる。
逃げなければ、と思った。切実に思った。初めて、生命の危機を感じた瞬間だった――

モナエは瞼を開いた。まどろんでいたのかもしれない。知らぬ間に日差しが変化している。
二の腕の傷口は固まりつつあった。痛みも僅かずつだがひいてきている。
その痛みと引き換えにやってきたのは、怒りだった。
「――クソッ!あいつ……よくもやってくれたわ……」
屈辱が彼女の体を小刻みに震わせる。
残り弾数が乏しくなったウージーがスカートの上で、自分も悔しいとでも言うかのように震えていた。

【残り32人】
137そこらのMD ◆LlzkpMBbVQ :04/12/03 00:09:03 ID:KcziTv8P
【男子12番】ダマレコゾウは八頭身を射殺(正式に言えば死体を撃っただけな
のだが)した後、数時間がたっていた。
ダマレコゾウは今度は激しく忍者を追っていた。
とてもかなウスピードじゃないな・・・・あのコゾウめ・・。
ダマレコゾウはスピードではクラスの中では中の下、あまり速いほうではない。
さらに重い銃を持っているので余計スピードが落ちた。
それに比べて激しく忍者はスピードはクラスのベスト3に入るほどだった
1位、【男子2番】1さん 2位、【男子17番】八頭身 3位、激しく忍者
こういう順位になっていた。他の体育の競技でも、もの凄く華麗だった。
跳び箱でも彼は必ず学年1位だろう。ただし、それを少々鼻に掛けていたので
体育の教官、クックルにボコボコにされいた事もあった。
さらに地形の事もあった。森の深くまで来てしまったので、
襲撃されてもおかしくない。
やっと走るのを辞めたら、また周りを見渡す。
横から襲撃されたらたまったもんじゃないしな。
そうするとまた人影を確認した。あれは・・・【女子14番】ののたん・・・・か?
俺は今日ついてるな、星占いでも1位確実だ、コゾウ!
彼は今にも笑ってしまいそうな顔でののたんにゆっくり近付いていった。
よ〜し、じっとしてろよ〜コゾウ〜・・・・・。
ののたんは身の危険も知らず鼻歌を歌っていた。
のんきにしていられるのも今のうちだぞコゾウ!ダマレコゾウは、
ちょうど、ののたんの後ろに回っていた。そして気付いて事が1つ。
イヤホンを付けているのか・・・?ののたんは手にMDらしきものを持っていた。
って事は音で俺の足音もかき消されるんじゃ?
ダマレコゾウはもう、爆笑しそうになった。
なんて頭悪ぃんだこのコゾウは!!もう、ダマレコゾウに躊躇はなかった。
3発、また八頭身と同じような感覚で背中に3発、銃弾を浴びせた。
ののたんはくるりっと1回転し、その場に倒れ伏せる。
「あっけなかったなコゾウ。支給武器は貰っていくぞ。」
そう言うとディパックを漁り始め、おかしな事に気付いた。
武器らしい物が見当たらない。そしてその思考が終わる前に気付いた事があった。
背中が、背中が痛ェ!!!!!!!!!!!
ダマレコゾウはその場で転がった。すると彼は目を見開いた。
確かに、3発当てたはずのののたんが、死ぬどころか・・・立っている!!
さらにその手にはベルトが握られていた。
「何故って顔してるれすね。不思議じゃないれすよ?支給武器はこれれすもん。」
そういうと彼女はセーラー服のボタンを外しセーラー服を脱ぐと、
防弾チョッキが彼女の体に装備されているのが見えた。
ののたんはさらに、一言も言わずにベルトを振り上げ襲い掛かってきた。
有無を言わさずって奴かコゾウ。
彼はすぐに起き上がると何度も言い聞かせつづけた。
畜生・・・・こんな所で死ねるかコゾウ!!
彼はあのときの八頭身のように、ギャンブルをした。
襲い掛かってくる前に撃ちまくる。それで当たり所がよければ俺の勝ち。
もし上手く当らなかったらお前の勝ちだ。ルールは分かったか小僧!!
すっと銃を持った手を上げて立て続けに撃った。
1発撃つごとに動きは鈍るのだがやはりダメージはそんなに食らってないようだ。
「あーっはっはっはっはhyるえ!!」訳のわからない叫び声をあげながら
唾液で顔をびしょびしょにしながらまだ進んできた。
気色ワリィンだコゾウ!!そう彼は心の中で叫ぶとゆっくり狙った。
もう後1歩2歩のところでののたんは眉間をぐちゃぐちゃにし、目玉を飛び出せながら
鮮血を噴き出させた。ダマレコゾウは防弾チョッキを脱がせて、自分で着ると、
背中のダメージが予想意外に大きいな・・・。クソッタレめ・・・・。
彼はB-5診療所に向かう事にした。そこに誰が待っているかも知らずに・・・。

【残り31人】
138Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/12/03 13:07:28 ID:v4mGLNGn
「一緒にお茶でも飲みませんか?」
【男子11番】タカラギコはジョークをいいつつ、【女子13番】ののたんを殺そうと企む。

だが、返ってきたのは銃弾だった。
「ッ・・」
脇腹に銃弾を食らう。
もちろん銃器なんて持ってない。
(こういう場合は・・逃げるッ!)

タカラギコは問答無用で逃げ出した。もちろん行き先は罠あり民家・・
139ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/12/03 19:09:01 ID:6n9G/f1f
「やっとついたー!!!」
つー【女子11番】を背中に乗せたウララー【男子3番】が歓喜の声をあげた。
「でも、電柱無かったね、なんでなのさ?」
そう言いながら首をギコ【男子5番】の方へ向けた。
「ハッキリ言うけどお前バカだろ。いや、あれだ。勉強はできないけど雑学はすごいやつ。よくいるじゃん」
ギコが淡々と言う。
「何で?誰も電柱が立ってないなんて言ってないよ?そういう決め付けが―――」
「ハイハイわかりました」
ギコがめんどくさそうな声をあげた。

「じゃぁ入場ーーー!!」
ウララーが目の前にある、他の小屋より少し大きな建物・・・診療所の戸を片手で押しながら叫んだ。
「やっぱバカだ・・・」
ギコもそう言いながら扉をくぐる。
そこにはある程度の医療道具や、薬が置いてあった。
「大体のものが揃ってるけどやっぱ物色されてるな」
ギコが置いてあったメスを手に取りながら言った。
「よいしょっと!」
ウララーは背負っていたつーを椅子の上に下ろした。
「つーちゃんついたよ!」
またウララーが大声をあげた。
「お前あんま大声あげんな・・・って寝てんのかよ・・・」
椅子の上にちょこんと座っているつーは気持ち良さそうな寝息を立てて寝ていた。
「つーちゃん!!!」
「フェ!?フ・・・アア・・・」
ウララーの大声でつーは奇声をあげながら起きた。
「じゃぁ治療開始するから」
そう言ったウララーの手には針やらメスやらハサミやら「それ何に使うの?」と言いたくなるようなものが握られていた。
「オイ、チョットマテ。ソノドウグデドウスルキダ・・・」
「大丈夫、麻酔あったから」
そう言ったウララーの手には注射器も握られていた。
「おい、ウララー!あっちに手術室っぽいもんあるぞ!」
ギコがいつのまに散策していたのか、扉の向こうから顔を出して言った。
「え、ホント!?じゃそっち行こうつーちゃん」
「エッ!?イヤダァァァァァ!!ソンナハサミデオレヲドウスルキダァァァァ!!」
「ハイハイ、ダダこねない」
ウララーは嫌がるつーの手を無理矢理引っ張り、多分『手術室』であるそこの入っていった。
140ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/12/03 19:10:28 ID:6n9G/f1f
「じゃぁ俺は出てるから・・・」
ギコは片手を軽く挙げて手術室の扉を閉めた。
それから数秒後、つーの「ギャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」と言う叫び声を最後に声が聞えなくなった。
「・・・・・・」
ギコは思わずブルッと体が震えた。
そして、決心した。絶対にケガを負わないと。

30分ぐらいたっただろうか。
手術室の扉が開いた。
その扉からウララーとぐったりして生気の抜けたつーが現れた。
「フー・・・手術は成功です!」
「何処がじゃ!?」
ウララーが勝ち誇った表情で言った言葉をギコが粉砕した。
「え。でも傷は全部塞いだし、痛みも少なくなった筈だよ?」
「でも精神的痛みが大きかったようで・・・」
ギコが白目になっているつーを見ながら言った。
「つーちゃんなら1時間も寝れば大丈夫。多分」
「多分ってお前・・・」
ギコが思いっきりテンションをsageて言った。
「しかも1時間もここで?」
「そうなるね。でも絶対誰かやって来る。その為に・・・」
ウララーは溜めてから言った。
「簡単な罠を仕掛ける」

【残り31人】
141そこらのMD ◆LlzkpMBbVQ :04/12/03 21:36:53 ID:KcziTv8P
【男子16番】ヒッキーはまだA-1の崖に居た。ひとりぽつんと空を眺めていた。
そこは皆が殺し合いをしているより、誰かが刺したりして味わう快感より、
よっぽど彼にとって気持ちいい空間だった。
ドウスルコトモデキナイ・・・・ウツダ・・・。
たまに耳にする銃声がなんども頭の中で動きまくって
精神がおかしくなりそうになった。
自分の中で何度も問い詰める。
ドウヤッテココデイキノビレルンダ?
自分には信用できるAAが一人も居ない。友好的な関係もない。
2年前、両親が他界したときから自分は閉じこもる事しか出来なかった。
中学1年の頃の事だった。そのときはヒッキー自身も名前に似合わず、
陽気なムードメーカーだった。が、次の事件で彼の生活は一変する。
家に帰る途中、自分達の両親が肩並べて立っているのが見えた。
アレ・・・・?センタクモノデモホシテルノカナ?
そう思った瞬間、細い目を見開いた。両親が、まッさかさまに落ちていく。
ナニヤッテンダヨ!!絶望に自分の心を壊されても、
0パーセントの希望でも諦めなかった。が、やはり0パーセント。
両親は首が変な方向に曲がり死んでいた。後で分かったのだが、
リストラによる苦痛、借金、貧しい生活から飛び降りたらしい。
ソンナノッテ・・・・・・・・・

大して眠れもしなく、次の日の朝が来た。
心を閉ざし、やるせない気持ちに包まれていた自分に、
さらにトドメをさされた。学校に着いてからこんな話が聞こえた。
「ねぇ・・・聞いた?あいつの両親自殺したんだってェ〜」
「マジで〜?気持ち悪ィ〜〜」「やばくない?両親は絶対基地外だよな?」
他にもいろいろ耳に入ってきたが、ただ彼は喧嘩も強くないし、何も出来ない。
そんな自分の弱さに、胸の内に秘めた悲しみが支配してただ泣くだけだった。
142そこらのMD ◆LlzkpMBbVQ :04/12/03 22:00:25 ID:KcziTv8P
彼はそれから連日虐められた。
「あいつ名前ヒッキーだよねェ?ひきこもりってことでしょ?キモい〜」
ヤメロ・・・・・・・・・・・
「所詮あいつ自身が引きこもりなら、親もひきこもってたんだろうね〜」
ヤメロヤメロヤメロ・・・・・・・・
「さて、問題です。このクラスの中で両親が自殺したのはだ〜れ?」
ヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロ・・・・
「どうせもうすぐひきこもり始めるんだろ?マジウザくね?」
ヤメロォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・
自分の心の中では強がってたかったけど、残念ながら
その言葉には力強さがなかった。

「おい!!皆やめろよ!!」

一つの大声。その声をあげたのはモララーだった。
モララー、アリガトウ・・・・・。思わず心の中でも泣いた。
「だってそんなこといってたら、お前等にもひきこもりが感染するぞ?」
クラス中が大爆笑した。普段優等生に見えた奴も、友達も、
声を張り上げて笑っている。その中で取り残された自分が、
なんとも言えないほど恥ずかしかった。
「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
HBの鉛筆を振り上げ、モララーに突進した。 、がすぐに鉛筆を捕まれ、
真ごと真っ二つに折られた。
「危ないでちゅよ?ひ・き・こ・も・り・君」
また爆笑の嵐。もう、肩身が狭いとかそういう問題ではなくなっていた。
それから引きこもり始めた。たまに来るクラスの寄せ書きにも、
見ることもなく破り捨てていく。そんな彼に追い討ちがかかった。
彼の親友、古い付き合いがあった友達が、
自分がひきこもったからといって虐められ、包丁で手首を切ったらしい。
それからというもの、その子の親から何度も電話がかかってくる。
「ちょっと!!あなたなんてことしてくれたんですか!!」
ほとんど同じような内容毎日留守電に入った。
チガウ・・・・・・ボクノセイ・・・ジャ・・・ナイ・・・・
「命をどんな物と見ているんですか!!!」
ダカ・・・・ラ・・・チガ・・・・・ウ・・・
「どういう教育受けて、どういう学校通って来たんですか!!」
チガウチガウ・・・ボクノセイジャナインダヨォォォォォォ!!
それからというもの、ほとんどの時間自分の親の写真を見て涙するだけだった。
143そこらのMD ◆LlzkpMBbVQ :04/12/03 22:21:27 ID:KcziTv8P
自分は自分の抜け殻に、どうすることもできなかった。
もう、励ます事も、がんばろうかという気持ちも全て泡となり消えていった。
逆に自分の心にも罵られていた。それに加えてどうする事も出来ない。
彼の家は、部屋ごとにロープが吊るされている。
それは何度も自分が自殺しようと思って踏みとどめた、
ちょっとした勇気を何でもないことに使った後でもあった。
でも、腐っても勇気。彼にとっては精神のリハビリにもなっている。
それを繰り返しているうちにこの大会に放り込まれて、
しかも全て勇気も吸収され、残った希望もいまや水鉄砲。

ヨシ。コレデケッシンシタゾ!!
何らかの決意を固めた後、彼は崖から飛び降りた。
不思議と風の感触が、肌を掠めて心地良かった。
ココハ、ボクダケノセカイ!ボクノ、ボクダケノ、ジユウナセカイナンダ!
ヒッキーはざまぁみろ!といわんばかりに笑った。
普通なら気絶する高さから落ちながら、笑った。
天国への、何のチケットもいらない電車に乗りながら笑った。
笑い声と共に、風が奏でるセレナーデと息が合いながら、笑った。
妙に風が暖かくて、まるで両親の腕の中に居るようだった。
カアサン、トウサン。アノヨデハユックリセイカツシヨウヨ。
それは、彼が最後に深く祈った言葉だった。

【残り31人】
144そこらのMD ◆LlzkpMBbVQ :04/12/04 14:44:27 ID:VfvwiWhi
モララー【男子20番】シラネーヨ【男子10番】は中10分も睨みあっていた。
無理もない、モララーの手には包丁。しかも攻撃範囲内にシラネーヨは居る
モララーも同じだった。シラネーヨの手には拳銃。
その射程距離内にやはりモララーは居た。
シラネーヨはやっと動いた。といっても後ろに下がっただけだったが。
モララーもその動きに合わせて前に進む。
攻撃範囲内から出られてはこちらが撃たれるという事を分かっていたからだった。
シラネーヨは走って近くの民家の中に隠れる。
モララーは、舌打ちしながら追いかけた、があえて違う入口から入った。
同じ入口から入ったら何時何処にやつが潜んでいるか分からない、
さらに距離を取られたら自分の負けだったからだ。
ここから、長い長い激闘の始まりだった。

【残り31人】
145Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/12/04 22:10:40 ID:KBF9aHQF
パァン

【女子13番】ののたんは【男子11番】タカラギコを銃殺しようと追いかけてくる。
何故かいつもの笑顔は消え、アヒャ化している。
「アーヒャヒャヒャヒャヒャ!最高ニハイッテ奴ダー!」
訳のわからない事を大声で叫びつつ追ってくる。

このままだと・・殺される。間 違 い な い。

タカラギコは『あれ』を作動させないように気を使いながら家の中に駆け込み、コンソールを一回触る。

そして最高にハイなののたんがタカラギコの逃げ込んだ家に入った途端!

たん♪ た♪ たらりらたん♪

場に合わないBGMが流れ・・
そして


     ||| || |
     __∩__ グチャ
     | ,.:. '.;§, |;
 ., ,・倒_@δ,_|,.': ;
 ,: 。'∽(__)_)β 。,.・;

ののたんはどこからともなく飛んできた癒し系によって家の一部と共に潰された・・

「ふう・・やれやれです。」
その危険・・いや、欠陥品な防犯システムを作動させたタカラギコは、癒し系で潰されたののたんの荷物を頂戴する。

「まずは止血・・しないといけませんね・・」
荷物を頂戴した後、家の中を漁る。

【残り30人】
146サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/12/05 15:00:53 ID:K+lnMyjc
かさり、と落ち葉を踏みしめる音に、フサしぃ【女子15番】はびくりと背筋を強張らせた。
冷や汗が額を流れ落ちる。目の前がぐるぐる回るような緊張が彼女を襲う。
数秒考えて、やっと今の音は自分が発したものだと気づいた。
一気に肩の力が抜ける。なんだ……。声に出さずに口の中で呟いてみる。
フサしぃはあらためて気を持ち直し、辺りを見渡した。
この辺り――E-3の森には落葉樹が多いらしく、落ち葉が地面に大量に落ちていた。
彼女が出発した後足早に通過したD-3辺りには常緑樹の方が多いようで、
秋めいた気候に似合わない青々とした葉を風になびかせていたものだった。
夜の闇に、それがお化けに見えて少々困ったなど――とてもではないが思い出したくないことだった。
彼女は基本的に怖がりだった。
お化け、怪談の類は勿論、虫やネズミ、その他様々なものを見たり聞いたりしては悲鳴をあげ、友人の背中に隠れるというのが常だった。
小学生のときはそれでよくからかわれ、クラスのいじめっこの男子にイタズラされたりしたものだった。
まあ、今のイジメみたいに陰険なものではなく、かわいらしいものだったのだけれど。
けれども、泣き虫だったフサしぃは毎度のように泣きながら逃げ回っていたのだった。
そのたびに助けてくれたのが、担任だった優しい先生と――
そこまで考えて、フサしぃは顔が火照るのを感じた。
やだ、何考えてるのよ、私ったら。こんな大事な時に――
瞬間、今おかれている現状をそれで思い出して、フサしぃは先程の興奮は何処へやら、俯いて地面を見た。
かさかさに乾いた色とりどりの葉が地面に落ちている。
ふと、過去のワンシーンが脳裏にフラッシュバックした。
小学生の低学年のいつか。先生と校庭を歩いていたときのこと。
校庭には落ち葉が降り積もっていて、歩くたびにかさかさと音を立てた。
フサしぃは、先生を見上げて、小首をかしげて言った。
――葉っぱは大きくなったらかさかさに枯れて落ちちゃうんだね。死んじゃうんだよね。大きくなんてならないほうが、絶対いいよね――
あれはいつのことだっけ。
先生はなんて答えてくれたんだったかな――思い出せない。最低だ。
今、そうやって――あの時なんて言いましたっけ、先生?――たずねる相手は、もういないのに。
不意に視界が滲んだ。
147サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/12/05 15:01:41 ID:K+lnMyjc
涙はどんどんと溢れ、ぼろぼろとこぼれて止まらない。
また脳裏に過去の映像が蘇る。黒と白の幕、白や黄色や紫の花、漂う煙。
――『政府に逆らったんですって!』『あらまあ!それって政治犯って事?』『学校の先生が……怖いわねえ』
ひそひそ話しているおばさんに殴りかかろうとした、自分とよく似たシルエットの男の子。
『先生を、先生を返せよーっ!!』
そう絶叫して、棺桶に取りすがった男の子を泣きながら見つめていた自分の姿。
――そうだ。その時、私は決意したんだった。
それから急に無口になったその男の子を絶対に守るんだって。
もう二度とあんな風に悲しませたりしないんだって。もう暴力なんてふるわせないんだって。
フサしぃの瞼の裏に、冷え切った、けれどその奥底になにか鈍い想いを隠した目でクラスのあの女子を見る、
かつて優しく自分を守ってくれた男の子の姿が一瞬蘇る。
フサしぃは目の辺りをごしごしと擦った。
泣いている場合じゃない。探すんだ。
探して出して、それは逆恨みなんだよって、言ってあげなきゃいけないんだ。

もう、悲しまなくったって、憎まなくったっていいんだよって。

フサしぃはもっと力をこめて目の辺りを拭った。何度も何度も拭った。
際限なく溢れる涙を、目が痛くなっても拭い続けた。

【残り30人】
148名無しさん@お腹いっぱい。:04/12/09 18:47:04 ID:Y9vv6/yf
とりあえず保守っときますね。
149名無しさん@お腹いっぱい。:04/12/10 01:07:20 ID:2sBBxqzJ
あげ
150ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/12/13 19:51:26 ID:alsi/yt/
「で、どんな感じのを作るんだ?」
ギコ【男子5番】はウララー【男子3番】に訊いた。
二人は今、この診療所に仕掛ける罠について考えているのだ。
「うーん、よくわかんないけど適当に『これは欲しい』っていう条件挙げてみてよ」
「えー、まず誰が来たかわかるようにしないとな。他は特にないけど…俺は一発で殺さないようにしたほうがいいと思う」
ギコが腕を組んで言う。
「えーっと…じゃぁ2階から作動させられるようにしよう。来る人を確認してしぃちゃんかその他信用できる人だったら声を掛けてみよう」
ウララーが2階への階段を指差しながら言った。
「まぁシステムは問題ないけど、その罠の仕組みだな、問題は」
「アレを使えば簡単そうだよ?」
ウララーが階段を差していた指を真横に向けた。
そこには縄で作られた網が壁にかかっていた。
「なんでこんなところに・・・」
ギコの素朴な疑問をウララーが即効で打ち砕いた。
「いいじゃんあるなら。きっとアンティークかなんかだったんだよ」
ウララーは明るく言った。
明るすぎてギコは「それ違うと思う」と言うタイミングを逃してしまった。
「じゃぁ設計図でも書こうか」
ウララーはデイパックから紙を取り出し、胸ポケットからシャーペンを取りだした。
ギコは壁にかかった網と格闘しながら言った。
「めんどくせぇな。その場で実験すればわかるだろ」
「んー、まぁそれもそうだね」
ウララーはあっさりと納得して紙を丸めてポイッと捨てた。
ギコは「随分素直だな・・・」と思いながら、ドアを開けた。
「さて、じゃぁ罠作ってみますか…」
ギコが縄を肩にかけて外にでた。
一緒に出てきたウララーが言った。
「じゃぁ、まず網埋めよう。」
「・・・何で?」
151ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/12/13 19:52:24 ID:alsi/yt/
ギコが問う。
「えっと、一番簡単なのは、四隅に縄を結んで縄を埋めて2階から引くってやつ」
「それじゃバレるじゃねぇか」
「あ、そうか」
「(゚д゚)ハァ?」
ギコはウララーってAAがわからなくなってきた。
結局こいつは頭が悪いのかいいのか・・・
「でも上から落ちてくるのってかなり難しいから・・・」
「重りをつけて落とせばいいじゃねぇか」
「それ結構難しいよ。真上から落とすならいいけど前に投げないといけないからね」
「・・・・・」
「・・・・・」
ギコもウララーも黙りこくってしまった。
そしてその沈黙を破ったのはギコだった。
「もうお前のでいいや・・・」
「・・・じゃぁ穴掘ろうか・・・」
ウララーは診療所の裏にあった倉庫からスコップを2本持ってきた。
「じゃぁ行きまーす」
ウララーとギコが同時に地面にスコップを入れた。
ススッと音を立て、掘れる部分まで全て地面に埋まってしまった。
「・・・・・」
二人は土を放り、もう一度スコップを入れた。
「やわっ・・・」
ギコが呟いた。
ウララーは顎に手をあてて考えていたが、やがてゆっくり顔を上げた。
「もしかしたら、この診療所はつい最近作られたのかもしれない。そうじゃなくてもここらへんを最近掘り返してる」
「だろうな・・・」
ギコがまた地面にスコップを刺した。
「ギコ君・・・僕達同じこと考えてるよね・・・」
「だろうな・・・」
二人が導き出した答え・・・それは、

-落とし穴でいいじゃん-

【残り30人】
152Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/12/16 17:57:22 ID:m1DDAJ9k
【男子11番】タカラギコが癒し系を発動させたり【女子15番】フサしぃが回想に浸ったり【男子5番】ギコと【男子3番】ウララーが罠を仕掛けていた頃・・

〜AABR本部 管制室〜
管制室の小さなテーブルでコロッケとロースカツを食べる二人組。
「・・で、配置品目一覧に入ってる『矢F』と『石仮面F』って、どういうことです?タダでさえ貴重なモノなのに・・
戦いを加速させるために『癒し系』を仕掛けたことは分かりますが・・」
「『F』って文字、どういう意味かわかります?」
コロッケを食べながら質問に答えている男はギコ教授であり、
「『F』?何かの頭文字ですか?」
ロースカツを食べながら質問をしている女はしぃ助教授であった。
「『Fake』、即ち偽者です。巧妙に作られた偽者・・ですよ。」
「何でそんなモノを・・

・・どうせアナタの悪戯心でしょう?」
「いたづらじゃありませんよ。釣りです。」
(・・この人はまったく・・かの殺人警備システム『癒し系』を仕掛けるわ、『矢』の偽者を置いておくわ・・

・・やれやれね)
153サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/12/17 15:57:27 ID:gJxnk5zp
「行くぞ、チャンコ。あいつとコンタクトを取ってみるんじゃネーノ」
ネーノ【男子14番】はそう言ってから、再び小さく喉を鳴らした。
チャンコ【男子13番】は彼の言葉を聞くと、何も言わずに頷いた。
「……じゃあ、あいつが近づくまで待とう。そんで、刺激しないようにそっと声をかけるんだ」
「それでいいんじゃネーノ」
ネーノは俯き、鎌を握った。自分の身を守るための武器。
先ほどまではそう思わなかったのに、なぜか今はその武器が手に重く感じられた。
顔を上げると、チャンコも難しそうな顔をして握った槍を見つめていた。
彼にもいろいろ思うところがあるのだろう。妹者【女子7番】のことが、ふと頭を掠めた。
その槍の何か液体が付着した刃の部分を見ないようにしながら視線を窓に転じ、
ネーノは少しの間をおいてからチャンコの方を振り返った。
「――じゃあ、行くんじゃネーノ」

――ああ、住宅地に出ちゃった……。どうしよう。
ガナー【女子5番】は肩に乗っていた木の葉を払い落とし、ため息をついた。
森のなかでの狭まった視界に慣れていたせいか、開けた住宅地はどうにも心細く見える。
それに、住宅地ならたいそう人がいることだろう。
こんな体を隠すところの少ないところで、私大丈夫なんだろうか――
頭の上にも乗っていた落ち葉に小さく舌打ちをして、乱暴に払いのける。
――もうやだなあ。早く帰りたいよう……。
早く帰りたい。帰って、お風呂に入って、それからお母さんのご飯を食べたい。
ゆっくりテレビを見て、大好きなガツみか食べて、イチゴ味の歯磨きして、それからぐっすり眠って――
欲求はあとからあとから湧いて出た。
どれもこれも、日常的なことばかり。しかしそんなささやかな願いさえも、このゲーム上で叶うことはない。
たった一人の勝者――生き残りの者だけを除いて。
生きなければ帰られないのだ。それはよく分かっている。けれど、とガナーは思う。
誰かを殺してまで生き残りたくはない。友達や、クラスメイトを殺して、そこまでして勝ちたくなんてない。
からといって、自ら死を選ぶほどに勇気あるわけでもない。
帰りたい想いは有り余るほどあるし、それに殺されるのは――やっぱり怖い。
154サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/12/17 15:58:52 ID:gJxnk5zp
中途半端だ。嫌になる。
ガナーはまたため息をついた。足を止め、何気なく辺りを見渡す。
そして、自分が道のど真ん中、一番目立つところを歩いていたのをはじめて知った。
――や、ヤバイ!
ガナーは慌ててあたりに隠れるところを探した。
住宅の陰に隠れようか、それとも中に入ってみる?誰かいたら?
ああ、どうしようどうしよう――
そんなパニックを起こしかけた思考に、スルリと第三者の平坦な声が滑り込んできた。
「――おい、お前ガナーか?」

「ガナーだろう。大丈夫か?」
チャンコはそう言いながら、住宅の扉を開け、ガナーに向き合った。槍は一応尻ポケットにつっこんである。
ガナーは呆けたような顔をしてこちらを見ていた。次の瞬間、その顔に恐怖の色が注す。
「ああ、待てよ!大丈夫。やる気はねえよ。こっちにはネーノだっているんだ。ほら」
「よう、じゃネーノ」
慌てて、チャンコは扉を大きく開いた。
扉の陰には、ネーノが立っていた。右手を上げ、短い挨拶をする。
彼の姿を見て、ガナーが落ち着きを取り戻したのを確認し、チャンコは口を開いた。
「俺たちはやる気はない。けど、もしあんたが襲ってきたらそん時は別だ。俺たちだって死にたくねーもんな。
けど、もしあんたがそうでなく――やる気がないんなら」
「俺たちと組まないか?一人よか三人の方が安全じゃネーノ」
チャンコの言葉を引き継ぎ、ネーノはガナーに小さく頷いて見せようとした。
――あれ?
そのまま、ちいさく首をかしげる。何か今、ガナーの後ろの住宅の陰に見えたような――
思わず振り返る。チャンコは何も気づいていないようだった。平然としている。
ネーノはそれで今のは見間違いだと考え、そして再びガナーに視線を戻した。

ガナーは、この状況であるにもかかわらず――わずかに頬を桃色に染めていた。
まさか、こんなときに片思い中のネーノに会えるなんて。
その嬉しさが、このゲーム始まって以来の緊張を緩めてくれる。
肩の荷がおりたような心地よさ。勿論、彼らの申し出を断ろうなんて考えは頭を掠めもしなかった。
155サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/12/17 16:00:32 ID:gJxnk5zp
「うん、いいよ」
そう素っ気無く頷いたのは、照れ隠し。
チャンコたちもその言葉で、幾分安堵したようだった。体から力が抜けているのが分かる。
「それはよかった。じゃあ、まず武器を見せて欲しいんじゃネーノ。俺たちの武器は鎌と槍。そんだけだ」
ネーノはそう言いながら、鎌を持ち上げた。チャンコもそれに倣っている。
ガナーも慌ててデイパックを探る。自分には必要ないと思い、携帯していなかったのだ。
指先が硬いものに触れる。あ、あった。
ガナーは顔を上げ、声をあげた。
「私の武器は――」
そう声を上げた瞬間、背中の一部に焼けるような熱が走った。

「アアアアアアァァアアッ!!」
ガナーの悲鳴が響く。次いで、その体が地面に倒れこんだ。
ネーノの目にも見えた。彼女の背中からチャンコの槍に付着しているものより鮮やかな色の液体が噴出しているのが。
突然の事態に、釘付けになったように動けなかった。
チャンコも愕然とした表情でガナーを見ていた。
何が起こったのか、わからない。
デイパックの中を探っていたガナーが顔を上げた瞬間、彼女の後ろの住宅の陰から誰かが飛び出してきた。
そいつがガナーにぶつかって、彼女は一拍遅れた悲鳴をあげた――ガナーが誰かに襲われたのか?嘘だろ?
「やめろーっ!」
チャンコの叫び声に、ネーノはやっと我に帰った。
見ると、うつ伏せに倒れたガナーに、何者かが何かを振り上げていた。
何だ、あれは。巨大な――剣?
その剣は、チャンコの叫びに構わずに、ガナーに振り下ろされた。
遠くにいるのに、肉が裂ける音が聞こえたような気がした。血が先程の比にならないような量で溢れ出す。
それに反比例するように、悲鳴が小さくしぼんだ。剣が再び振り上げられる。
「やめろーっ!てめえ……ルルカーっ!!」
チャンコの言葉に、初めてその襲撃者がルルカ【女子20番】だということを知った。
見た目は可愛いくせに、物凄く電波な発言をする女だった。モンスターだの勇者だの経験値だの……。
その電波女が、本物の剣を持って、本物のAAを刺している。
信じられない光景だった。
156サンキウ ◆39NC4AfM7Y :04/12/17 16:03:12 ID:gJxnk5zp
ルルカは、じっとガナーを見下ろしていたが、ややあって顔を上げてこちらを見た。
笑顔だった。溢れんばかりの、笑顔。
「モンスター二匹発見っ!勇者ルルカ、もう一度いっきまーっす!」
笑顔の女は、そう言いながら剣を構える。こちらに向かって一歩一歩歩んでくる。
――ヤバイ。
ネーノは直感的に感じた。ヤバイ。こういうのを、生命の危機というのか。
殺意を持った人間を前にすると、こんな気持ちになるものなのか。
全てを擲って逃げたくなる。――俺はこんなに臆病者だったのか?ネーノは愕然としたまま、動けなかった。
「来るなっつの!……クソッ!」
気づけば、静止の声に逆らって近づいてくるルルカに業を煮やしたのか、チャンコが槍を手に走っていた。
目標はルルカだ。今、一人のAAを殺した女。
チャンコの武器は、ルルカのものとくらべると余りにも貧弱だった。
駄目だ、駄目だ。リーチが違いすぎる。チャンコまで殺されてしまう――
ルルカもそう思っているのだろうか、より笑みを濃くしたようにネーノの目に映った。
チャンコはまだ走っていた。あと少しでルルカの攻撃範囲に入る。駄目だ――ネーノは目を覆いかけた。
「おらあっ!!」
突如、チャンコが槍を持った手を横に大きく振った。瞬間、槍がのび、その刃先はルルカの脇腹をとらえた。
切り裂く。赤い液体が、散った。
「いったーいっ!もうっ!」
叫びながら、ルルカが手に持った剣を投げつける。
重すぎたのか、その剣はチャンコの手前に騒々しい音を立てて落ちた。
「一時退却ーっ!」
叫ぶと、足元に転がっていたガナーのデイパックを抱え上げ、ルルカは住宅の陰に逃げ込んだ。
「待てよ、オラァッ!」
チャンコは叫び、その後を追いかけようとした。
その足が、剣の柄にぶつかる。チャンコは無様に地面に転がった。
その手からこぼれた槍はガナーの体から流れた血液の上を転がり、赤く染まった。

【残り30人】
157名無しさん@お腹いっぱい。:04/12/18 17:45:42 ID:puZCZIU7
「はぁー、やっぱあきまへんわ、こんな殺し合いに
 いきなり参加させられて何が何だか解りまへんわ。」
そう言いながら溜め息を付いているのは【女子13番】のーだ、
のーは始まってからはB-4の住宅地へ逃げていっていた。
理由は二つあった、一つは自分はやる気が無かったことだ
家の中で誰にも見つからないように隠れていれば良いと思ったからだ。
二つ目は自分の支給武器がいわゆる『ハズレ』だったからだ。
入っていた物は『藁人形』と『五寸釘』と『金槌』、という
『丑の刻参りセット』だったからだ。入っていた説明書には
「藁人形に殺したい相手の髪の毛をいれて丑の刻に釘を打とう!!」と書かれていた
「もうやってられへんわ、こんな物は使えそうに無いし、
 とりあえず見つからなさそうな場所捜さへんといけまへんな。」
のーは中でもきれいそうな(と言ってもぼろぼろだが)家に入っていった、
158名無しさん@お腹いっぱい。:04/12/18 17:55:35 ID:puZCZIU7
家の中は外の見た目よりは綺麗だった
「此処ならまだ大丈夫そうやな、家の中やから雨風は防げるやろうし
 缶詰ぐらいも有りそうやし、しばらくは籠城やな。」
のーは家の中を探し回り、ようやくカニ缶やシーチキンを見つけた
「賞味期限も良し、缶切りは金槌で代用できそうやな、完璧や!」
のーは浅い安心感と深い空腹感が込み上げてきた、
缶を一つ平らげた後、そのまま眠り込んでしまった。
誰かがこの家に走って来ているのも知らずに・・・
【残り30人】
159名無しさん@お腹いっぱい。:04/12/20 07:21:46 ID:pQhtYdkB
age
160ピアニシモ:04/12/20 16:59:08 ID:zEjt5EkP
前にありすの家族の写真を見せてもらった。
フサしいはまだ思い出の中に浸っていた。
そのときにあたしは、先生の居なくなる前の日先生と一緒に居た男の人がその写真に写ってたのに気づいた。
ありすはその人がお兄さんで、憲兵隊の将校だって教えてくれた。

先生は ありすのお兄さんに殺されたんだ。

その写真にはマジックで消されてたけど、女の人も写っていた。
「この人お姉ちゃんなんだよ。」
ありすは教えてくれた。
「でもね、政府に逆らって、テロ組織に入ってて、憲兵隊に捕まって、ピストルで撃たれて、ピストルの柄で何回も何回も殴られて・・・・
殺されたんだって。」
私は何もいえなかった。
「お葬式の時にお兄ちゃんが何ていったと思う?『このアマ、恐れ多くも総統閣下に逆らったからこうなったんだ。この帝国の恥め!』って大きな声で言ったんだよ。
お父さんも、他の軍の人もみんな乱暴にお姉ちゃんの死体を扱って、ピストルの柄で殴った人もいるんだよ。死んでるのに。」
ありすの目からこぼれた涙は今でも覚えてる。

ありすは銃器や爆発物の事をよく知っていた。
もしかしたら彼女はテロリストになるつもりだったのかもしれない。

そうだ、まずはありすのところへ行こう。
それから計画を練ろう。

フサしいはそう決意した。
ありすが死亡しているのも知らずに。
161名無しさん@お腹いっぱい。:04/12/20 17:07:17 ID:k6+Z72Wq
何だこれ(´・ω・`)ショボーン
162Prof.Two ◆wIDHCRRxns :04/12/20 23:02:27 ID:9ieC7Aeo
>152に入れるべきモノを入れ忘れてたため修正。
【男子11番】タカラギコが癒し系を発動させたり【女子15番】フサしぃが回想に浸ったり【男子5番】ギコと【男子3番】ウララーが罠を仕掛けていた頃・・

〜AABR本部 管制室〜
管制室の小さなテーブルでコロッケとロースカツを食べる二人組。
「・・で、配置品目一覧に入ってる『矢F』と『石仮面F』って、どういうことです?タダでさえ貴重なモノなのに・・
戦いを加速させるために『癒し系』を仕掛けたことは分かりますが・・」
「『F』って文字、どういう意味かわかります?」
コロッケを食べながら質問に答えている男はギコ教授であり、
「『F』?何かの頭文字ですか?」
ロースカツを食べながら質問をしている女はしぃ助教授であった。
「『Fake』、即ち偽者です。巧妙に作られた偽者・・ですよ。」
「何でそんなモノを・・

・・どうせアナタの悪戯心でしょう?」
「いたづらじゃありませんよ。釣りです。」
(・・この人はまったく・・かの殺人警備システム『癒し系』を仕掛けるわ、『矢』の偽者を置いておくわ・・、悪戯心のためにここら一体の電話回線をジャックしたり・・

・・やれやれね)

( ´_ゝ`)ヌヌネネヌヌネノヌヌネネヌヌネノヌヌネネヌヌネノヌヌネネヌヌネノ
ギコ教授のポケットから携帯の着メロとしては趣味の悪い音楽が流れる。
「はい、こちらAABR本部ですが何か?なお、この回線は5秒後にあなたを巻き添えにして消滅・・しませんwwww」
(・・こいつは消防か?)
163名無しさん@├\├\廾□`/:04/12/29 16:36:52 ID:Pyg3VSCm
このスレもうだめぽ
164ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/12/29 18:36:03 ID:rD65SVVK
ダマレコゾウ【男子12番】は診療所に向かってひたすら歩いていた。
そして、
「やっとか・・・」
ダマレコゾウの目に周りの建物より少し大きな建物が見えてきた。
その玄関には『診療所』と書かれた板が立てかけてあった。
「さて、いくか・・・コゾウ・・・」
そう呟いてから俺は診療所に向かって走りだした。
このとき俺は油断しきっていた。
2発の銃声を聞くその時まで。

「!?」
その銃声の音源を見つけようとあたりを見回す工程の途中、突然体が下に落ちるのを感じた。
「え?」
軽く尻餅をついた。
そして、間髪いれずにドアをおもいっきり開けるような音がした。
反射的に上を見ると丸くて青い空と縄でできた網がかさなった。
ダマレコゾウはこのとき初めて、落とし穴に落とされたことに気付いた。
自分が尻餅をついているその左右に、真っ二つに割れたトタンがあった。
そのトタンを手にとって見てみると、2箇所、丸く穴があいていた。
割れた2枚のトタンをあわせると、その穴はぴったり一致した。
おそらく銃で撃ち抜いたのだろう、穴の周りもひびが入っている。
「やってくれるなコゾウ・・・」
さっきまで状況の整理に徹していた俺が始めて喋った。
自然に口をわって言葉が出てきたのだ。
「ギコくーん!早く来てー!!」
地上から声が聞えた。
あの声はウララー【男子3番】だろう。
「はいよー」
ザ、ザ、と足音が聞える。
ウララーの言葉からしてギコ【男子5番】だろう。

165ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/12/29 18:37:21 ID:rD65SVVK
「おーい、レコ聞こえるか?」
ギコの声だ。穴を覗き込んだりしてこない。銃を警戒しているのだろう。
「ああ・・・」
俺は誰が聞いても『無愛想』と言われそうな返事をした。
「あー、一応言っとくが俺たちはお前を殺す気はない。だが、お前が俺たちを殺そうとするなら・・・」
「そんなことはしないぞコゾウ!」
俺はギコの言葉を全部聞く前に答えた。
大嘘だった。
「・・・そうか」
穴を塞いでいた網がバッと取り払われた。
そしてその網が穴の中に垂れてきた。
「登ってこい」
ギコがそう言った。
俺は言われた通り網を使って穴からはい出た。
「フー・・・」
「すまなかったな。もう行っていいぞ」
ギコが俺を見下ろしながら言った。
そして踵を返して診療所へと歩いていった。
「・・・・・」
俺は黙っていた。
しかし顔は笑っていた。勝利の笑みだ。
俺は銃を取り出しギコの背中に狙いをつけた。
「ゲームオーバーだコゾウ」
俺は銃の引き金をひこうとした。だが、
「オマエガナー」
その声と共に俺の耳に入ってきたのは自分のものではない銃声だった。
そして、さっき感じた・・・穴に落とされるのを感じた。
「なっ!?」
落ちながらも指が止まらず、引き金をひいてしまった。
目の前の土が爆ぜた。だが、その部分は一瞬で手が届かなくなってしまった。
「コンテニュー?」
ウララーが俺の見えるとこまで来た。
その手には拳銃が握られていた。
「・・・おまえ何者だ・・・」
俺はうつむいたまま言った。
「あ、手柄独り占めするのは気分悪いから言っとくけど一回目に撃ったのはギコ君だよ」
ウララーがサラッと言った。
166ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :04/12/29 18:37:48 ID:rD65SVVK
見たときは意識してなかったが、今思い出すと、波打っているトタンの同じ列のくぼみが正確に打ち抜かれていた。
そして、今俺の両脇にあるトタンも同様に。
「じゃぁ・・・おまえら何者だ・・・」
「俺は何者でもないぜ、こいつは特別だけどな」
ギコの声だ。その声の数秒後にギコの姿も見えた。
「嘘だろ・・・絶対にお前は銃を撃ったことがあるはずだ、このゲーム内だけではないはずだ・・・コゾウ」
俺は正直な気持ちを言った。
「そうだな・・・あえて言うなら俺は・・・」
ギコはためてから言った。
「俺は小3のころからエアガンの名手だったんだゴルァ!!」
ギコが最後を大声にして言った。
「へーそーなんだすごーい」
ウララーがふざけて言った。
軽く拍手している。
「じゃぁお前は・・・ウララーはどうなんだコゾウ・・・」
「ん、僕?僕は―――」
「なんでもないぞ!」
ウララーの言葉がギコの言葉に遮られた。というより遮った。
おそらく口をふさがれたのだろう。「んぐっ!んぐっ!」とウララーの声が聞える。声じゃないか?
「こいつは・・・才能があったんだよ」
ギコが苦し紛れに言った。
「・・・・・・」
俺はもう何も言う気が無くなった。
「とりあえず今お前を出すのは危険だから、お前はここに残して俺達は行くことにする」
そう言った直後さっきの網が穴にかかった。
「じゃぁな」
ギコが軽く手をあげて俺の視界から消えた。ウララーも同様にだ。
「・・・・・・」
俺は絶望していた。

「ウララー、つー起こせ、もうここを出る」
「OK」
ギコが身支度をしながら言った。
「つーちゃん!つーちゃん!」
ウララーがつー【女子11番】の体をゆすりながら名前を呼ぶ。
「フェ!モウイヤダァ!モウヤメテkクァウェdrftgyフジコlp」
「大丈夫、もう何もしないって!」
わけのわからないことを言うつーをウララーが落ち着かせる。
「大丈夫か?」
ギコが自分の荷物から視線をそらさずに言う。
「アァ・・・マァ・・・」
つーが曖昧な返事を返す。
「まぁいい、もう出発するぞ。準備しろ」
「準備といってもここでバッグ漁ってたのギコ君だけだよ」
ウララーが言う。
「マジでか!?」
その言葉と同時にギコのバッグのファスナーが閉められた。
「えっと・・・まぁいい・・・」
ギコがめんどくさくなったのか言おうとしたことを途中でやめた。
「じゃぁ行くぞ!」
そう言ってギコは扉を蹴り開けた。
そこには二つの大きな穴が掘られていた。

【残り30人】
167名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/10 19:19:08 ID:yDLYi9ot
GJ!!ageときますね。
168名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/11 15:52:48 ID:AUbx34ZR
「もう、大丈夫モナ・・・・?」
【男子19番】モナーが呟いた。彼は出発直後にいきなり【女子19番】リル子に矢を射られそのまま
C-2の林まで逃げていたのだ。
途中でウララーたちを発見したが、息を潜めているうちにどこかへ行っていた。
「怪我もう痛くないし、そろそろ移動するモナ・・」そうつぶやくと、南のC-3のエリアまで移動していった。
もともとあまり離れてなかったので、移動するのにそんなに時間がかからなかった。
「!住宅モナ・・・」
モナーは、短刀を構え扉を開けた。

途端にいきなり何か鋭いものが頬を掠めた。
頬に大きな切り傷ができ、そこから一筋の血が流れた。しかし、あまり深くはない。
モナーは顔を上げた。
目の前には、大きな毛ダルマ・・・【男子18番】フサギコと【女子19番】リル子が居た。
リル子はベッドで小さな寝息をたて寝ていた。フサギコはリル子のボウガンで矢を放ったのだ。
「なんだ、モナーか・・・」フサギコが言った。それと同時にボウガンを机の上においた。
「リル子ちゃんモナ・・・?」
「ああ、分校の近くの森で熱でダウンしてたのを俺が見つけたんだ。
お前はどうしてここに?」
「リル子ちゃんに攻撃されて今まで林に隠れてたモナ・・・」
「なんだって!?」フサが大声を出して驚いたので、リル子が起き出した。
リル子は今の状況を理解するのに数秒もかからなかった。しかし、彼女はモナーが自分を殺しに来たと思ったらしい。
「モ・・モナー君!?嫌・・・来ないで・・・謝るから、来ないでえ!」
リル子はどうやらパニックに陥っているようだ、それを察したフサギコが彼女を落ち着かせた。
「大丈夫だ、モナーはその事で怒るほど短気な奴じゃないさ。大丈夫だから、落ち着け、な?」
「うん、うん・・・モナー君、いきなり、攻撃して、ごめんなさい。」
「別に構わないモナ。もう痛くないから。」モナーがけろりと言った。
それを聞いたリル子はまたワッと泣き出してしまった。フサギコは肩に手をあて、慰めはじめた。
それを見たモナーは、「まるで2人ともカップルみたいモナ。」と言った。
直後フサギコが顔を真っ赤にしてモナーをグーで殴ったが、リル子が笑ったので三人とも笑った。
169sage忘れた・・・鬱だ死のう:05/01/11 16:02:24 ID:AUbx34ZR
「ところで、フサの武器は何モナ?モナのは短刀だけど。」笑いが収まったところでモナーが言った。
「ああ、俺の武器は警棒だ。嬉しいことにも伸縮が自在みたいでな。」
「ふーん・・・そうだ、俺たち組まないか?」フサギコが言った。
「組む・・・チームか、いいモナ。どうにかしてみんなで生き残るモナ!」
「ああ、そうだな。とにかく、そろそろここは出たほうがいいだろう。もう風邪は大丈夫か?」フサギコがリル子に言った。
「おかげさまで、もう大丈夫。」リル子が元気な声で言った。
「よし、じゃあ南東の砂丘の方に行こう。」
三人は、武器をそれぞれ構え、F-7へ移動しはじめた。

【残り30人】
170名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/11 16:04:58 ID:AUbx34ZR
おっと、おかしいところがあるので訂正。

「ああ、俺の武器は警棒だ。嬉しいことにも伸縮が自在みたいでな。」
「ふーん・・・そうだ、俺たち組まないか?」フサギコが言った。

「ああ、俺の武器は警棒だ。嬉しいことにも伸縮が自在みたいでな。
ところで・・・俺たちでチームを組まないか?」フサギコが言った。
十一時半を回った。山向いに挟んだ森の中(E−5)、モララー(男子20番)は息を荒げながら潜んでいた。
シラネーヨの発砲した銃弾が腕に当たったが、なんとか巻いたのだ。
彼の右手には先ほど住宅街にて拾った包丁を握り締められていた。
緊迫した時間を過ごす中、彼の心の中で過去の出来事が走馬灯のように(何て不吉な!)去来していた。

現在彼が潜んでいるE−5は三十分後の正午に禁止エリアになるので、覚悟を決めて足を踏み出さなければいけなかった。
この場所は木々が密集してる事もあり思った以上に見付かりにくく、安全ではないかと思えてきた矢先の禁止エリア設定だった。
「落ち着いたと思ったら、また移動だ……むかつくぜ」
周囲を見回しながら、モララーは渋々と移動を開始した。
木々の間から断片的に窺える外の光景は、何の変哲もないのどかな島の光景に見えた。
だが、実際には殺人鬼と化したクラスメイト達が息をひそめ、あるいは堂々と徘徊しているに違いない……。
メンバーの中でゲームに乗っていそうなのはシラネーヨくらいしか浮かばなかったが、やはり他にも乗った生徒がいるだろう。
そう確信していた。 その時、前触れもなしに左手側の藪の奥から黒い人影が飛び出して来た。
包丁を構える暇もなく腹部に衝撃が走ると共に血が噴出し、瞬く間に全身へと転移した。
続いて手加減なしの血に汚れた百科事典がモララーの頭部へ命中し、意識が徐々に薄れていった。
 ――だ、誰だ……?
「……」
モララーはかろうじて黒目を上方へと向けた。揺らいだ視界の中、モララーの瞳はその女子の気だるげな嘲笑を捉えていた。
「……ん?」
耳障りな機械音が耳元で鳴り響き、モララーは意識を呼び戻された。
不機嫌そうに音のするほうを見ると、眼前の木に腕時計が固定れていた。
それは生徒全員の支給品で、アラーム式のデジタル腕時計だった。
時計の輪になった部分にセロハンテープらしきものが通され、そのテープは木を一周して繋がれていた。
アラームを止めようと歩き出しかけたモララーは、そこでようやく自らの体の自由が奪われている事に気付いた。
「な、何だよこれ!」
何と、モララーの体もロープで木に縛り付けられ、ご丁寧に両手首と両足首もまた、別のロープを使い手錠の要領で縛られていた。
――ちっくしょう! あいつ、ふざけてやがる!
モララーは必死に手首や足首を動かして束縛から逃れようとしたが、ここまで念入りに縛られてはどうする事もできなかった。
「くそっ、くそっ……はぁはぁ……」
モララーの体力は無駄に奪われ、徐々に焦燥の色が濃くなっていった。腹部の傷は浅かったようで血は止まっていた。しかし、動くと痛む。
そして、思い出したように腕時計の針へと視線を移した。
時刻は十一時五十八分四十秒、禁止エリア発動まであと一分しかなかった。
慌てたモララーは再び脱出を試みて暴れ狂ったが、ロープはびくともせずに腹部と撃たれた左手の痛みが増すだけだった。
「だ、誰か助けてくれー!」
遂にモララーは叫んだが、間もなく禁止エリアになる場所へ人が足を踏み入れるはずもなかった。
時計の針が、いよいよ最後の一周を開始した。
「俺は生きたいんだからな! こ、こんな場所で……うわぁぁあ!」
時計の秒針が、再び元あった位置に……真上へと迫っていった。
「ぐっ、あぐっ、はぁぁあああ!」
モララーのひっくり返った絶叫が島に響き渡ったのと同時に、腕時計が正午を示した。
「ぁぁぁぁぁ……!」
なおも掠れた声が喉から出続けていた。継続し続ける脅威が、脳内で残酷にモララーを侵食した。
だが、どういうわけか十秒が経過しても首輪は爆発せずに沈黙を続けていた。
「ぁあ……?」
モララーは激しく動悸する心臓の感覚を感じながら、眉をしかめて腕時計の時刻に目を凝らして再確認した。
確かに時刻は正午を経過していた。
この時計は先ほどまでモララーが着けていたものなので、時刻がずれているはずはなかった。
それで一つの可能性を思い浮かべたモララーは、周囲を改めて見回した。
更に不思議な事に、モララーの体は襲われた場所よりも森の出口に近い場所へ移動されられていた。
右を向くと、木々の向こうから森の出口が見えていた。確か地図によればあの付近からE−5エリアのはずだった。
――もしかすると、ギリギリここは禁止エリアじゃないのか?
既に時刻は十二時一分を回ったが、一向に首輪が爆発する気配はなかった。
「た、助かったのか……?」
原因は不明であれ、モララーは首輪爆発を回避できた事により安堵の色を見せてから、もう一つの考えに気付いた。
――いや、あるいはここは禁止エリアで、首輪がさっき襲われた時に何らかの原因で壊れたんじゃないのか?……
もし自分の推測が的を得ているならば、もうプログラム中に敵に狙われる事はないだろうと思った。
禁止エリアに足を踏み入れる馬鹿がどこにいるだろう?
仮に踏み込んできても首爆破でお陀仏だ。優勝者決定後、生徒達の亡骸は処理されるだろう。
が、さすがに手違いで生存している生徒までは殺さないだろうとモララーは思った。それはすなわち……
「お、俺……生きて帰れるのか?」
両手足と体を縛られた状態でプログラム終了までここにいるのは辛いが、生還できるならばそんな事はどうでも良かった。
閉じた瞼の奥、家の前でモララーを出迎える家族の姿が浮かんでいた。
殺し合いを継続しているクラスメイト達には申し訳ないと思ったが、モララーは開放感に満たされた胸中の想いを口にした。
「みんな……俺は助かったからな。俺は、生きて帰……」
刹那、鈍い爆発音が耳を打ち鳴らしてモララーの視界が唐突に跳ね上がった。
モララーは理解不能な異常現象に戸惑ったが、一秒の後には思考は終わりを告げた。
体はロープに縛られたまま、意思とは無関係に立ち続け、頭部はモララーの足元に転がっていた。
「モララ〜、喜んでもらえて何よりですね♪ アハハハハ!」
モララーの亡骸が放置された森の外でルルカ【女子20番】は森の中を覗きこみ、モララーの絶叫を継ぐように笑っていた。そして、ルルカがメガホンで叫び始めた。
『みんな〜っ、最新情報よぉ〜! 勇者ルルカがモララー君を倒しました〜!正午ジャストでぇ〜っす!』
首を失ったモララーの胴体は前方にうな垂れ、首筋からは細い血の束を幾重にも滴らせていた。
そしてルルカの嘲笑に憤慨するかのように軽く痙攣を続けていたが、やがてそれも止まった。
そのそばでは、ルルカがいじっておいた時計が今なお二分進んで時を刻み続けていた。


モララー(男子20番)
禁止エリア発動により爆死
【退場者1名・残り29人】
フサしぃ(女子15番)は先ほどからずっと(F−4)に隠れている。その表情は恐怖に支配されていた。
フサしぃは先ほどまでありすを探し、さまよっていた。そして、やっとの思いで、ありすを見つけ出した。
が、ありすはすでにこの世の人ではなかったのだ。
――もう誰も信用できない・・・信用できる人はもういない・・・―――
フサしぃは左手に握った透明な瓶を見つめる。その中には真っ黒な粘着質の艶を持った液体。
木々の隙間から差し込める陽光を反射していた。添付されていたメモには”H2SO4”と書かれている。
これが彼女の支給品であった。ふと、西の方角から聞き覚えのある声が聞こえた。
遠目からでも確認できるスレンダーな姿態。フサしぃはすぐにその女生徒が誰なのかを理解した。
ロングヘアの頭頂部で白い光沢が波を打っている。目にも鮮やかなその頭髪の持ち主は、ルルカだった。
「ルルカ……、私は生き残る為に倒さないといけない」
フサしぃはゆっくりとルルカに詰め寄った。硫酸入りの瓶の蓋は、いつでも開ける事ができるように親指がかけられている。
ルルカがフサしぃのほうに顔を向けた。その首の動きがぎこちない……まるで機械のような動きだった事に違和感を感じた。
フサしぃはルルカが気づかない程度で微かに右眉をひそめる。
「まって!私の話を聞いて!」
フサしぃは、ルルカの左手に割と細めの鉄パイプが握られているのに気づく。
フサしぃとりあえず左手に持った瓶をルルカの眼前に出す。
 ―――ごめんね・・・
「私の支給品はこれ。硫酸……」
 言うと同時に親指に力を込めると、瓶の蓋が間の抜けた音を立てて取れる。
そのまま瓶内の液体をルルカ目掛けて投げ―――ようとしたが、次の瞬間、瓶はガラスの音色を反響させながら粉々に砕け散った。
「えっ?」
フサしぃの色白の左手に硫酸が飛び散り、まだら模様のモノクローム色にペイントされた。
すぐさま手の平から血が流れ出し、三色が入り乱れる。親指と人差し指の根元は無残にも力ずくで引き裂かれたように赤い肉や神経が剥き出しになっていた。
遅れて、皮膚を剥がされてそこに次々と針を突き刺されるような激痛が走り、フサしぃが反り返って叫び声をあげる。
「アぁぁぁぁー!」
膝から崩れ落ち、地面を転げ回る。硫酸の臭気を吸い、脳震盪のように気が遠くなりそうになったが激痛がすぐにフサしぃを覚醒させる。
「敵のモンスターは毒を浴びた! キャハハハハハ♪」
ルルカの言葉は耳に入ってはいたが、それに答える余裕もなく、また、答えるつもりもなかった。
ただ、ぬるっとした感触の左手から無限に生み出される激痛にルルカは悶絶していた。
「痛い痛いいだいいだぁぁ!!!! アぁぁァァァぁぁ!!!!!」
硫酸混じりの鮮血が顔面にも飛び散り、鼻腔を、そして眼球内までも激痛を伝染させる。
狂気の表情でフサしぃは、すでに視界を奪われた状態ながらそれでもルルカを見上げ叫び続けた。
と、次の瞬間、銃声が鳴り響いた。だが、噴き出した鮮血はフサしぃからではなく、ルルカの左の太腿付近からであった。
ルルカが右のほうを向く。そこには回転式拳銃コルトパイソンを持ち、鋭い眼光でルルカを捉えているシラネーヨ【男子10番】の姿があった。
「いだいいだいいだい……いっ、痛いぃ……」
フサしぃは、状況がわからないまま荒い息を吐きながら歯をガチガチ鳴らし続けていた。
「そんなに神経を剥き出しにしてピリピリしてちゃ丸見えなんだーヨ!お前は命知らずだーヨ!」
シラネーヨが小さく叫び、銃を構えたままで一歩一歩にじり寄る。
「……ここはエスケープしたほうがいいようね・・」
それだけ呟き、ルルカが短距離走のスタートダッシュと似た姿勢でシラネーヨとは逆方向、フサしぃが先刻まで隠れていた森の中へ駆けていった。
シラネーヨも続けて駆け出したが、木々の群れの中にルルカの髪が吸い込まれるのと同時にシラネーヨは足を止めた。
残されたフサしぃに近寄るシラネーヨ。フサしぃはその足音を頼りにシラネーヨが立っているであろう方向を見上げる。無論、既に目は見えていなかったが。
「あ、あぁぁ……あー……あぁ……?」
フサしぃは、最早倒れこんだまま眉間に深い皺を刻んでうめく事しかできずにいた。心なし悲痛そうな表情を浮かべてシラネーヨが話し掛ける。
「酷いなこれは。酸か何かを浴びたのか……」
「あぁ・・あうぁあっ!!ううぅ…アアあァ……」
「ルルカも、理由もなくこんなクソゲームで裁かれるなんて嫌だったんじゃないのかーヨ? それだけの事だ、もう深く考える事はネーヨ」
それにしてもルルカの様子は異常だったな。そう思ったが、とにかく。
銃声が鳴り響き、フサしぃの体が跳ねて地面に落ちた。その左胸には鉛の弾により深く抉られて風穴が開いていた。
すぐに縁から血が絶え間なく噴き出してくる。
「……俺も、こんなゲームじゃ死ねネーヨ」
シラネーヨは苦痛の表情のままで伏したフサしぃから視線を引き剥がし、彼女のディパックと鞄を探した。
それはすぐに見付かり、シラネーヨは物色を始める。
ディパックから食料だけ貰い、その場を立ち去ろうとしてシラネーヨはもう一度だけフサしぃのほうに顔を向ける。
「このクソゲームから早く退場できたのは、ある意味幸せなんじゃねぇかーヨ?」
返事がないのは承知していたが、呟いてみた。それから快足を飛ばし、シラネーヨの姿がみるみる間に遠ざかっていく。

フサしぃ(女子15番)
シラネーヨにより射殺
【退場者1名・残り28人】

【修正】
そこには回転式拳銃コルトパイソンを持ち、鋭い眼光でルルカを捉えているシラネーヨ【男子10番】の姿があった。
                       ↓
そこにはH&KPSG‐1を持ち、鋭い眼光でルルカを捉えているシラネーヨ【男子10番】の姿があった。
176170:05/01/13 21:29:28 ID:Bq0EfOQi
「・・・これから、どうしよう・・・」
【女子8番】しぃ がデイバックを見つめ呟いた。
彼女は、A-4でシラネーヨに狙撃されたあと、B-4まで逃げてきたのだ。
「武器・・・なんなのかな・・・」
彼女はまだ一度もデイバックの中を見ていなかった。しかも、ずっと走って逃げてきたのに空腹の感覚も無かった。
また、シラネーヨの攻撃(もちろん彼女はそのことを知らないが)から逃げて一度も誰にも遭遇してないので、武器の確認も必要がなかった。
彼女は、まわりに誰か居ないかを確認してから、デイバックの中身を広げた。
そこには、懐中電灯、地図、食料など全員に配れていたものと、ゴロゴロと金属の球体が出てきた。
暗がりではそれが何か判らなかったが、一緒に入っていた説明書には、はっきりと「手榴弾」という文字がかいてあった。
「手榴弾だなんて・・!」
まさしくこれは「当たり」の部類に入るだろう。もっと出してみると、全部で十五個あることが確認できた。
彼女は恐ろしくて震え上がった。手榴弾だなんて、使うどころか、使う前に殺される。そもそも、彼女はこのゲームに参加させられた時点で死を予感していた。
だが、それでも皆のために死ぬこともできず、ただ逃げていたのだ。もちろん、死にたくない。しかし、自分が生きるために人を殺すなんてことは、自分には不可能だと確信していた。
それなのに、手榴弾だなんてーーー

考えては始まらない、そう結論付けたしぃはデイバックに道具を戻し、また歩き始めた。念のため、手榴弾は両ポケットに二つずつ、利き手の左手に手榴弾を持って。もちろん使うつもりはなく牽制のためだが。
流石に昼から夜まで歩き続けていたので、疲れが出始めていた。そろそろどこかで休もうと思った彼女は、一軒の住宅街の扉をあけた。
そこには、ぐぅ、ぐぅと小さないびきと共に人の気配があった。
おそるおそる懐中電灯をつけると、「それ」は机に突っ伏して寝ていた。あまり話したことは無い人だ。よく見ると 【女子13番】のー だと言うことが判った。
のーは良くつーと一緒にモナーを追いかけ回していたので(正確に言えばモナーやモララーにイタズラをしているつーを先輩と呼び、ついて回っていただけだが)、
話したことは席が隣りになったときぐらいだった。
話したときは会話は続かなかったけど、忘れ物しちゃったときはいつでも教科書見せてくれたっけーーー
彼女は思い出にふけっていた。
177170:05/01/13 21:32:00 ID:Bq0EfOQi
そのとき、のーが起き出した。ずっと顔に懐中電灯の光を当て続けていられれば誰でも起きるだろう。
「うーん・・・あれ、しぃはんですか?」のーが言った。
「あ・・・うん、そうだよ。」しぃが懐中電灯を消し部屋の明かりを付け言った。
「しぃはんはどうしてここに・・・私を殺しに来たんか?」のーの声が険しくなった。
「そんな!私、人殺しなんて・・・私がこれ生き残るなんて、無理だよ。」
しぃは左手を振り回し言った。のーの目がそれに合わせて動くのがなぜだかしぃには判らなかった。
「じゃあ、その左手にあるものは・・なんや?」のーが言った。
それと同時に、「丑の刻参りセット」の「五寸釘」と「金槌」を取り出した。
しぃは、驚いた。のーが武器を取り出したということよりも、何よりのーの目の奥に「恐怖」が読み取れたからだ。
しぃは、思い出した。 そうだ、私左手に手榴弾持ってたんだー
「何も言わないって事は、やっぱり私を殺しにきたんやね。なら私にも考えがあるよ。」
のーは、藁人形をしぃに向かって投げつけた。彼女がそれを見た瞬間に走り出し、脳天に五寸釘を打ち込む。まずこれで殺せるはずだ。
しかし、彼女は目前の恐怖からか、のーから一度も目を離さなかった。でも、それはそれでいい。しぃは一歩も逃げることは無理だろうー
のーが金槌をしぃの顔目がけて振った。しぃはそれを間一髪よけた。それは本棚の横に当たり、一撃で真っ二つに粉砕した。
勉強や走ることは苦手だが、怪力については自信がある。
その怪力から1人のモナーを殺したんじゃないか、という噂もたつほどだ。事実彼女はダンベルを丸め四角い鉄の塊に変えることができるのだが。
「のーちゃん、やめてっ!」しぃが叫んだ。しかしのーは聞く耳をもたない。
再び彼女は金槌を叩きおろした。今度は楽に避けることができた。テーブルが粉々になった。
「へやっ!」のーは五寸釘を背を向けて逃げるしぃ目がけ投げつけた。それは見事彼女の右肩に当たり、彼女を転ばせることができた。
しかし、転んだのと同時に、カキーンという金属が床をはねる音がした。2人とも驚愕した。手榴弾の、ピンだ・・・
しぃはとっさに手榴弾を後ろに捨て、逃げ出した。
同時に、すぐ後ろで大きな爆発音があった。
爆風でしぃは前に投げ出されたが、衝撃は少ない。後ろを振り返ると、家が赤々と燃え、崩れていた。
178170:05/01/13 21:34:58 ID:Bq0EfOQi
「なんだこの音は!?」
【男子5番】ギコがいきなりの爆発音に驚いた。この大きさは、間違いない。この近くに犯人がいる・・・
「行ってみよう!」【男子3番】ウララーが言った。
ギコの予測通り、すぐ近くに燃えさかる家を発見した。
家から這いずり逃げようとしている女子もいる。 【女子11番】つーはそれが誰かを見逃さなかった。
のーは片耳と左腕が無く、全身に火傷を負っていた。顔の半分の皮がはぎとられている。
「先・・・輩・・・」
彼女は必死にそう呟くと、力尽きた。
「ノー!ダレダ、ダレガヤリヤガッタ!」
つー、ギコ、ウララーは同時に暗がりに居る人影を見た。そして、三人とも信じられないという顔をした。
「まさか・・・嘘だろ・・・?しぃ、お前がやったのか・・・?」
ギコが、かすれた声で言った。

のー(女性13番)
しぃの手榴弾による爆死
【退場者1名・残り27人】
179kou:05/01/13 22:28:37 ID:B+6FBBWY
日が落ち夜になった頃、
「ウ〜ン・・・・・ハ!・・・コ・・・ココハ?」
【男子16番】ヒッキーが崖の上で目を覚ました、
「ボクハドウシテココニ?ガケカラトビオリタハズナノニ」
「ウウ・・・アタマガイタイ」
ヒッキーは普段日に当たら無い生活をしてきたため長時間日に当たっていたため、熱射病になり気絶していた。
「アレハユメダッタノカ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヒッキーは2〜3分ボーっとしていた、
「ノドガカワイタナ・・・・・」
水をだそうとデイパックを空けようとするがが暗くてチャックが見つからない、
「ペンライト・・・・」
ヒッキーのポッケトにペンライトがあった、このペンライトは
ヒッキーの家は電気が止められているため夜トイレに行く時などに使っていたライトです。
ライト付けデイパックを空けて水を取り出し飲んだ。
「オナカモヘッタナ」
食料を出そうとすると一枚の紙が出てきた、
「ナンダ・・・コレ?」
スーパーエアーウォーターガン取り扱い説明書、
「水鉄砲ノ説明書カ・・・・スーパー?」
なんとなく読んでみるヒッキー

説明
これは水圧と空気圧を利用して水を飛ばす銃です、
従来の物とは比較にならないほどにパワーupしました、
なぜなら気圧の最大が大幅にup
空気を送るレバーを500回ほど引き押しすると
ものすごい勢いで水が発射されます、
さらに付属している特殊な砂を入れて撃つとウォターカッターにもなります、

注意
あまり空気を入れすぎると破裂する恐れがあります、

「ウ・・・ウォーターカッター!?」

「ホントカナ・・・」
水鉄砲を手に持つ、
「・・・・・・・・・・・・」
ヒッキーは水鉄砲を見て固まったまま朝をむかえてしまった。

【残り27人】
180Prof.Two ◆wIDHCRRxns :05/01/13 22:57:39 ID:cl+XuLgy
【男子11番】タカラギコはなんとか脇腹の止血をし・・

「・・疲れた・・」
【男子21番】ようかんマンをガッしたり、【女子3番】えーを毒殺したり、【女子14番】ののたんと氏の鬼ごっこをしたり・・

「Zzzz.....」
思いっきりベッドに突っ伏す。



何処か奇妙な空間だ。
「確かベッドで寝てたハズ・・なんですけどねぇ。」
大抵こういうのは夢だったりするが・・
「タカラギコ君・・・君はこれ以上人を殺すの?」
誰かの声と長方形+手足のシルエット。
こいつは・・
「ようかんマンッ!?あなたは死んだハズでしょう!?素直に死んでてください!」
「残念だけど・・ようかん一族は『食べ残し』さえあれば復活できるの。」
そう。いつだったか、ジョークでようかんマンをかじったことがある。美味かった。

・・その後、すぐに再生する生命力を見せた。
「・・でも、


あなた食べてませんから!残念!
素直に死んでてください!斬り!」
斬りとかいいつつく蹴り殺し。

「・・このゲームに参加してしまった以上、被害者と加害者なんて関係はありません。

狩られる側と狩る側の命のやり取りしかありません。」

その後、起きたタカラギコはようかんマンの氏体に「逝ってよしEX」をかけてまた寝た。
【残り27人】
ようかんマン『夢の中でも蹴り殺され、氏体に農薬かけられて』『死亡、再起不能』
右肩の鈍痛と共に、しぃ【女子8番】は覚醒した。
ひんやりとした冷たい空気が頬を刺す。誰が掛けてくれたのか、毛布を剥いでしぃは上体を起こした。
周囲を見渡すと、高い天井の上側にはステンドグラス調の窓が三つ横に並んでおり、艶のある木製の壁は高級そうな雰囲気を醸し出している。
床へと視線を移す。広い部屋の中央には豪華な装飾が施された紫の絨毯が入口へと一直線に伸びていた。
その両脇には大学の教室よろしく三席がくっ付いた机が同様にしぃから見て奥のほうへと続いていた。
もしやと思い振り返ると、案の定背後の壁には神々の彫像が荘厳な佇まいで輝きを放っていた。
しぃは、ここが高級住宅(A-4)のリビングだと理解した。

不意に立ち眩みを覚え、額に手を添えながら思い返す。
しぃにとっての最後の記憶は、ギコ【男子5番】に銃口を向けられたあの瞬間だった。
(B-4)で、のー【女子13番】に襲われて手榴弾で何とか巻いた。しかし、家を出たところでギコ達に見つかって・・・それからの記憶がdj。
現在の状況から判断するに、彼らが気絶した自分をここまで運び、介抱してくれているという事なのだろう。
彫像のある壁の外寄り、ドアノブが回る音でしぃは顔をそちらへと向ける。ウララー【男子3番】が、何か茶碗のような物を手に姿を現した。
「あ! 目、覚めた?」
ウララーはしぃの姿を確認すると喜びに目を見開き、早足でこちらへと近付いてきた。
反射的に自らの腰を探ったが、所持品の手榴弾はどこにも携えられていない。まだ二つあるハズなのに。
やるならば素手だ。しかしとりあえずは会話を交わしておくべきだと思った。研ぎ澄まされた殺意は起き抜けで鈍っているのかもしれない。
「……あなたがここまで連れてきてくれたの?」
口に出した声が体内で異様に反響し、それで喉がいがらっぽくなっている事に気付いた。
軽く咳払いしながらもう一度周囲を見渡す。自分が気絶したであろう場所からここはそんな遠くはなかったはずだ。
「ここ、倒れてた場所からすぐ近くだけどね。ギコとつーは今、どこかで武器や食料を探してる。」
しぃの考えを復唱する感じでウララーが言い、手に持った茶碗をしぃに差し出す。湯気を立てているその湿ったご飯は、いわゆるお粥だった。
白ゴマと刻んだ何かの葉が散らされており、目にも鮮やかだ。
「ちょっと遅い昼食のつもりだったけど、それはしぃちゃんが食べて。僕はまた作るし」
ウララーはそう言ったが、しぃは受け取った茶碗を傍らに置き、言った。
「先に、話いい?」
「あっ、そうだね! しぃちゃんも気絶してる間の事は気になるよね」
そのウララーのたどたどしい物言いにしぃは少々の疑問を覚えたが、すぐにその意味を理解した。
ならば後で”あの事”を告げねばならないだろう。ウララーがすぐ近くの椅子に腰を下ろし、一瞬悲しそうな顔でステンドグラス調の窓を見上げた後に話し始めた。
「爆発音…があったから僕とギコとつーはそっちへ行って見たんだ……」
ウララーが暗い顔になり、両手で顔を覆い嗚咽を漏らした。
「……それからその家からのーちゃんを見付けて、それから私を見付けたのね」
しぃはそう言いながら、やはりここで言うべきだろうと決めた。
顔を隠し表情が窺えないウララーへ口を開こうとした時、唐突にウララーがきっと顔を上げて腰から何かを抜き出す。ギコの拳銃だった
「ねぇ、違うよね? のーちゃんを殺したのはしぃちゃんじゃないよね? のーちゃんに襲われて、それでしぃちゃん、のーちゃんに……そうだよね?」
懇願するように首を傾け、ウララーが訊いた。今度こそ言葉を切り、しぃの返答を待ち続けている。
ウララーの言葉には”嘘でもいいから”という含みすら感じられた。
銃口をしぃに向けた有利な状況にも関わらず、ウララーはしぃを撃とうとしなかった。
しぃ本人が傷を負っていた。すなわちのーに襲われたという事実もウララーに救いを与えているのだろう。
 ――それは一時の救いなのだが。
そして思い出した。ウララーも他の生徒同様、しぃが指名生徒としてノルマを達成している、すなわち少なくとも一人を殺害した事は知っている。
やはりしぃがのーを殺したという考えは、受け入れたくない”事実”として既にウララーの前に存在しているはずだ。
仮説が現実とならない事を一心に祈っているウララーの姿を見ていると、胸の痛みが強まってくる。
まるで体を侵食していくかのようだ。しかし自分はウララーに真実を告げねばならない。しぃは腹を決め、ウララーに言った。
「のーちゃんは――」
 言葉が詰まった。
「――私が殺した。私は逃げながら床に手榴弾を置いたの。それでのーちゃん・・・」
ウララーの表情が固まり、ぱっちりとした目が痛みに耐える感じで細く歪む。
「どうしてだよ……」
押し出された声はとてもお粥を持ってきた時の彼とは似ても似つかぬ、燃え尽きる寸前の炎の燻りを思わせるか細い声だった。
しぃは眼前のウララーに向けて鞭のように右手を振るう。次の瞬間にはザウエルはしぃの右手人差し指にかかっており、それはくるくると空中で回転してからしぃの手の平に収まった。
形勢逆転。銃声が聖堂内に響き、ウララーの前頭部が血に濡れて舞う。
額の中央に印を刻んだウララーは、何か言いたげに口を半開きにしたまま冷たい床へとその体を横たえていった。
――詫びないわよ。この選択は覚悟の上だもの・・・

もうだれもウララーとのーの関係については知る者はいなくなった。


ウララー【男子3番】
しぃにより射殺
【1名退場・残り26人】
183名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/14 07:39:41 ID:DwrjJqSQ
しぃキャラが変わってね?
学校から幾らも離れていない民家の中の一つ(E−2)、その台所でルルカ【女子20番】は今後の事を考えていた。
「もうネーノとチャンコはいないようね。」
ルルカはこの住宅の中で拾った双眼鏡で外の様子を眺めていた。
なんとなく、はるか向こうを見ると、二人の生徒が追いかけっこをしているのが見えた。
あまりに遠すぎたため、誰かは愚か、女子か男子かも見分けがつかなかった。
しかし、マズルフラッシュが見えないのを見るとどうやらどちらも接近戦用の武器のようだった。
――勇者ルルカはモンスターを二匹発見した!
ルルカは現場へ向かい、奇襲をかけることにした。

ルルカ移動 (E-5へ)


シラネーヨとモララーは民家の中でなお、睨み合いを続けていた。
シラネーヨの脳裏には『殺戮』の二文字しか浮かばなかった。
自分から殺されに来てくれた生徒を放っておく理由はない。それに万一、相手もやる気ならば放置しておけば逆に自分が安心できない。
シラネーヨの武器は、残り三発しかないスナイパーライフルと装填に時間がかかる回転式拳銃という奴で名称はコルト・ローマンだ。
 ――俺は生きたい。まだまだやってみてぇ事がたくさんあるんだーヨ!
その時、シラネーヨが後ろに退いた瞬間、床に落ちていた瓶に気づかず、踏みつけて転倒してしまった。
刹那、腹部に熱が走った。見ると、脇腹に包丁が突き刺さり、モララーはすでに逃走していた。
「がぁぁ! あの野郎……!」
倒れた状態でコルトの弾を撃ち尽くした。遠方にモララーが一瞬痺れたようなしぐさをするのが見えた。
恐らく命中したのは六発中たったの一発だったのだろう。
「ふざけやがって!俺をなめんじゃネーヨ!!」
シラネーヨは包丁を腹部から抜くと、モララーを追って東の方角へ向かった。
「しつけぇ!」
モララーはE-5へ向かってに走り続けた。あそこなら、あと数時間で禁止エリアになるから誰も近づかないだろう。
自分はそこからギリギリに抜ければ良い。

E-5に入るとモララーは割と木々の密集した場所を見つけ、そこへ身を隠した。
モララーの狙い通り、シラネーヨは『E』素通りし、隣接する『F』の方へ突っ走っていった。

モララー移動 (E-5へ)
シラネーヨ移動 (F-4へ)

>>184 → >>171>>175 お手数をお掛けしますが、この順で見てください。
「ネーノ、ちょっといいか?」
背後で大きめの椅子に腰掛けていたチャンコ【男子13番)の呼び掛けに振り向き、首を軽く傾げてから歩み寄るネーノ。
「なんだ?」
「考えたんだが、この辺りにまだ、あの電波女が潜んでいると思うと気が休まらねぇ。だからE-2の住宅街へ 移 動 し な い か ?」
「……ん、わかった。それじゃ、早く行こうじゃネーノ。」
言いながらネーノが自分の鞄とディパックを抱える。チャンコも同様に所持品を抱えて立ち上がった。

二人はなるべく目立たない所を歩きつつ、細心の注意を払って移動した。そして、C-5付近に差し掛かった。
「ん?」
「うぁっ!」
突然チャンコが足を止める。すぐ後ろを歩いていたネーノは、チャンコの背中に鼻っ柱からぶつかり短く声を発した。
「何、いきなり止まってんだよ?」
「そこに誰かいる。脇に隠れろ!」
ネーノの問い掛けに、前を向いたままで槍を構え、叱責するような口調で言い放つチャンコ。
ネーノも脇に隠れ鎌を持って、半分だけ顔を出して覗き見る。こめかみを汗がつたった。
「見たか?」
「ああ、見えたんじゃネーノ」
チャンコの言葉にネーノが返す。一瞬、斜面の下のほう、茂みの中に帽子が見えた。
それはすぐに茂みの中に沈んだが、二人はそれを確認していた(当然!何たって命が懸かってるんだからな!)。
「声を掛けてみようじゃネーノ。もし、相手がやる気だったとしても今なら二人だし対応できるだろ?」
「よし、俺が何とかしてみる」
チャンコはちらっとネーノのほうを向き、ネーノが無言で頷いたのを認めてから、十五メートルほど先の場所に視線を移す。
「誰だお前ら? 俺達はチャンコとネーノだ! やる気はない! 出てきてくれ!」
チャンコは茂みのほうに銃を構えたままで呼び掛け、十秒ほど返答を待つ。しかし返事は返ってこなかった。
痺れを切らしたチャンコが半歩進みかけたその時、相手の腕がこちらに伸びるのが見えた。
「あぐっ!」
続いてそこから腕の先端が二回ほど連続して小さく燃え上がったかと思うと、チャンコが大きく仰け反って尻餅を付いた。
ネーノが倒れたチャンコの背中を見下ろすと、左肩と左腕が抉られたらしく、赤い皮膚の断面がのぞいていた。
「や、やばっ……」
「チャンコ!大丈夫じゃネーノ?」
息を荒げながらも槍を構え直すチャンコに声を掛けるネーノ。しかし、すぐに聞こえてくる駆け足の音に気付く。
そこには、じぃ【女子9番】がベレッタM92を片手に土を蹴り散らし、決死の形相で全力で駆け上がってきていた。
じぃ、やる気じゃネーノ?どう見てもやる気だよな?
チャンコがとっさに近くにあった石をじぃへ投げ付ける。直前にじぃは左に飛んで茂みに姿を消した。
「クソッ!ネーノ、走るぞ!!」
チャンコとネーノが二人並んで一目散に上に駆け出す。足をもつれさせそうになりながらも地面に手を付きながら必死で走った。
十メートルほど駆け上った時、背後で銃声が鳴ったかと思うと空中を三つ筋の炎が貫き、チャンコの背中付近で血飛沫が三回爆ぜた。叩き付けられるように斜面に勢いよく突っ伏すチャンコ。
「え?」
開校記念日に登校して教室のドアを開けた瞬間のような空虚な感覚が突然ネーノを襲う。
地面に足が付いているはずなのに、感じなくなっていた。目の前の光景が別世界の事のようにも感じられた。
とにかくネーノの脳は、たった今目の前で起こった状況を理解する事を拒否したのだろう。
それによりネーノは状況把握が行えずに放心状態に陥ってしまっていた。
「ネ、ネーノ! は・・・は、早ぐぅ!」
チャンコが槍を構えたままでネーノに行動を促す。その声は震えていた。そして口から血が溢れ出した。それでネーノはようやく我に返り、先行するチャンコの後を追って駆け出した。
「チャンコ、撃たれた場所は平気なのか?」
平気なはずが無い。
「き、来たぁあ!」
チャンコはネーノの質問には答えずに後ろを向いて叫ぶ。それでネーノが振り返ると、じぃが見えた。直後、じぃが姿を現す。
じぃがベレッタM92をチャンコの背中に向けて定めた次の瞬間、じぃの横の茂みからパシュッと言う自転車のチューブから空気が抜けた時のような軽い音がして、何かがじぃの足元を横薙ぎにすくった。
じぃは側転するように宙に舞った後で横倒しになり、そのままコメディー映画のようにゴロゴロと横回転しながら下まで転がっていく。
「行く、ぞ!」
その光景を呆然と眺めていたチャンコの左手をネーノが引っ張って走る。もうじぃの姿は見えなくなっていた。
186ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :05/01/15 18:22:12 ID:QgZMySZ+
「まさか・・・嘘だろ・・・?しぃ、お前がやったのか・・・?」 
ギコ【男子5番】茫然と立ち尽くした。その目線の先にはしぃ【女子8番】。
ウララー【男子3番】も顔をしかめてしぃを見つめていた。
だが、つー【女子11番】だけは違った。
「オマエェェェェェェェ!!!!」
「ひっ」
つーがもの凄いスピードで、しぃに向かっていった。
そして、その勢いでしぃの顔を思いっきり殴った。
「テメェジブンガイキノコリタイカラッテクラスメートヲコロスカ?ア!?」
「つーちゃんやめて!まだしぃちゃんがやったとは限らないじゃん!!」
ウララーがつーを止めに入る。
だが、ギコは全く動かなかった。ただ、茫然として立っていた。
目の前で繰り広げられていることもどうでもいい。
「ギコ君!!」
その声でギコは「ハッ」と我に返った。
改めて前を見てみると、つーが地面に突っ伏していた。
「・・・つーはどうした?」
やっと言葉が出てきた。
「とりあえず、きぜt・・・じゃないや、眠らせた」
ウララーは「気絶させた」と言うと怒られると思ったのかも知れないが、ギコにはそんなことはどうでもいい。
今一番大事なことは木にもたれて震えているしぃだ。

「・・・・・」
ギコは黙ってしぃと所に向かって歩きだした。
ウララーが小走りでつーのところに行き、肩につーの腕をかける形で運んでいった。
二人が話しをするのに途中でつーが目が覚めたりしたらシャレにならない。そう考えたからだ。
「しぃ・・・」
「ギコ君・・・」
二人の目が合った。だがそんなロマンチックな雰囲気ではない。
「お前がのーを殺したのか?」
「それは・・・」
ギコはしぃの両ポケットのふくらみに気がついた。
「ポケットのはお前の支給武器か?爆弾とかそんなんだろ?」
「・・・・・・」
しぃは黙って両ポケットから手榴弾を取り出した。
それがコロンと地面に転がる。
「しぃ、状況を説明してくれ。詳しく」
それにしぃは、
「私が殺した・・・」
「何!?」
「のーさんは私が殺した!!この手榴弾で!」
しぃはそう叫ぶと地面に転がった手榴弾の一つを掴んだ。
「来ないで!早く逃げて!」
しぃの指が手榴弾のピンにかかった。自殺する気だろう。
「な!やめろしぃ!」
ギコが叫ぶ。
「・・・ありがとうギコ君・・・」
そういうとしぃは手榴弾のピンを引き抜いた。
187ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :05/01/15 18:23:18 ID:QgZMySZ+
だが、その手榴弾は左手とともに弾かれ、手榴弾が飛び、空中で爆発した。
「間一髪!」
しぃの隣にいたのはウララーだった。
もの凄いスピードで走り、しぃの左手を蹴り飛ばしたのだろう。
そして、そのしぃは気絶して倒れていた。
「しぃ!」
ギコがあわててしぃに走りよる。
「多分自分が死んだと思って気絶してるんだよ」
ウララーが二人を見下ろしながら言った。
「ケッ!ソノママシンジマエバヨカッタンダ!!」
いつのまにか起きていたつーが吐き捨てた。
(そう思うのも無理はないな・・・)
とギコは思った。
仲の良かった友達(後輩?)を殺されたのだから。
「とりあえずどこかの民家に入ろう、ここは危険だよ。2回の爆発音を聞きつけて絶対誰か来る」
「そうだな・・・」
ギコはしぃをおんぶして、歩きだした。

歩きだして5分ぐらいで、丁度いい民家を発見した。
「あそこに入ろう」
ウララーがドアを開けた。警戒して銃を構えたが、誰も居なかった。
ウララーは安心して銃をおろした。
全員入ってからドアを閉め、鍵も閉めた。
寝室を発見し、しぃをベッドに寝かせた。
「じゃぁ僕なんか食べ物作るよ、つーちゃんも手伝って」
「ハ?ナンデオレ?」
あまり乗り気ではない、というか空気の嫁ないつーの腕をウララーが引いていく。
「じゃ、なんかあったら言ってね」
「ああ」
ウララーは寝室の扉を閉めた。

ギコはしぃの寝顔を見つめた、そして考えた。
しぃは本当にのーを殺したのだろうか?
しぃがそんなことできるはずがない。
きっとのーが先に襲って仕方なく・・・
多分そうだろう
そういえば、「ギコ君ありがとう」って言ってたけど何がありがたいんだろ?
ワケがわからない

本当にワケがわからない。

【残り27人】


ルルカ【女子20番】は、診療所沿いに立ち並ぶ民家(B−4)の一つ、二階建ての庭付き家屋に入っていく生徒の集団を、数件離れた別の民家の陰から眺めていた。
先ほどのシラネーヨの銃撃によって出来た傷を治療しているところだった。幸い、表面を抉られるような傷で、歩いたり走ったりするには支障はなかった。
それに、運のいいことにこの民家を物色していたら、モデルガンと出刃包丁を発見した。このモデルガンなら相手を威嚇するには十分だ。ばれない限り。
「敵のモンスターは四匹ね……」
私物で持ってきていたミントガムを噛んでいる口を絶え間なく動かし、ルルカが首を傾げて舌打ちをした。
ルルカは、グロック19のモデルガンを両手で握りながら、再び集団が入った民家の様子を窺っている。
――生き残ったら、私は勇者としてクラスメイト達の怒りも全部、悪の大魔王(ルルカの中では政府は悪の大魔王)にぶつけるわ。
絶え間なく動いていた口の動きが止まっていた。やがてルルカの口からガムが吐き捨てられた。
ルルカは民家へと歩み寄り始めた。


ギコ【男子5番】達は、B-4の民家で休養していた。奥の台所ではウララー【男子3番】とつー【女子11番】が食事の準備をしていた。幸い、この台所で米を発見したのだ。
「あ〜くそっ、政府が電気を止めてるせいで冷蔵庫のものとか殆ど腐ってるよ!」
「ウルセーナ!ガスコンロガオイテアッタダケアリガタイトオモエヨ!」
この程度の口論はいつものことだ。
「じゃあちょっと二階で食料とか探してくるから、つー、まっててね。」
ウララーが足早に階段を駆け上がって行く。その右手にはザウエルP220が握られていた。あれがあれば二階のほうは問題ないだろう。

「さてと……」
ギコは左手の親指と人差し指、その腹の部分で鼻をさすりながら不安げな表情でしぃ【女子8番】のほうへ視線を向けた。
小柄なしぃはベッドの上で座っている。その最中、しぃは自分の手榴弾に考えを馳せていた。
「このまま何も言わずにこれを使えばみんな一緒。私だけはみ出る事はない。でも、それは裏切りと一緒。どうしよう……誰にも聞けない。誰も答えてくれない」
そのまましぃは黙ってしまう。それでも不安は更に凶悪にしぃの心で拡大していった。
「絶望に押し潰されそう……私は、私に殺されるかもしれない。一人しか生き残れないってことは、そういうことなのかな。私にどうしろって言うの? このまま……」
「どうしたんだよ? 大丈夫だって! 俺がお前を守るからよ!」
ギコがしぃの顔を覗き込みながら言った。しぃはそのまま壁によたりかかり、顔を赤面させてギコを押し退ける。
「どうしたのよ……ギコ君さ……」
そう言いかけたしぃに、ギコが紙切れを渡す。盗聴対策の筆談用メモ用紙だ。書き連ねてある文字に目を通すしぃ。
『大丈夫、俺とウララーが絶対何とかする! 俺達全員、揃って家に帰ろうな! あんなクソ政府の思い通りにはさせネェ!』
それでも不安げに顔を上げるしぃに、ギコが笑顔で、「元気出せよ!」と言った。
「私は皆の仲間だよね? 一人じゃないよね? どうしたらいいの? 私、頭おかしくなってきちゃった」
それでもまだ不安げにギコに詰め寄るしぃ。苦笑してギコがしぃの両肩をポンッと叩く。
「当たり前だろ? 俺等は仲間だって。今更そんな事訊くなよ!!」
それでしぃは少し気分が楽になった。
「……手榴弾は私なんかが持ってるより、ギコくん達が持っていたほうがいいよね」
何気なくそう呟いて立ち上がり、手榴弾を取り出す。
「私の代わりにこれ……」
だが、しぃの視線の先にギコはいなかった。階段のほうから声がする。
「何やってんだよ、ウララー! 俺の仕事を増やすなよ!」
「ちょっと食料をさがしてるだけだよー! ギコは五月蝿いなぁ!」
二階のウララーに声を掛ける。ギコからすれば、それは本当に些細な行動だったのだろう。実際、些細な行動なのだが。
だが、今のしぃにとって、それは漠然とでしかなかった絶望的感情をはっきりとしたものに変えた瞬間だった。
先程交わした会話が、全部嘘っぱちに思えてくる。頭の中が底なしに暗く澱んでいく。この環境下に於いて、しぃの精神はあまりにも脆弱だった。
「どうしてウララー君は私を気にしてくれない?私なんかいなくていいの? 誰も心配なんてしてない。誰が私を守ってくれるって言うの?」
恨み節のようにしぃの口から愚痴が吐き出される。心の奥の蓋が外れたように次々に、延々と。
「ギコ君にとって私なんてグループの中の一人。親友なんて誰も思ってない。そう、いつもそうだった。私は自分を犠牲にして相手の意見を聞いてきた。
 どんな時も誰の前でも皆のいいように使われてきた。それでも、ここに居られるなら悪くないと思った。でも、それは間違っていたの? ワカラナイ、もう、ワカラナイ……」
その間もギコは、二階のウララーに向けて声を掛けていた。数メートルしか離れていないギコとの距離が、今はもう遥か彼方に思えていた。
「私の居場所なんて無い。酷いよ、どうして? 私は相談の仕方を知らない。甘え方を知らない。どうして訊いてくれないの? どうして答えてくれないの?」

「私は一生笑われ続けるのよ。みんなに、この、全てに……」
「?しぃ?どうしたんだよ!」
ようやく寝室に戻って来たギコがしぃの異常に気付く。顔を伏せたまま立ち尽くしてブツブツ言っているしぃの肩を掴んで乱暴に揺らす。
「私はどうやって誰に甘えればよかった? 暗いよ、ずっとココハクライ」
「しぃ、しぃ!」
なおもネガティブな言葉を垂れ流すしぃ。肩を揺らして何度も呼び掛けるギコ。
ガラス戸の向こう、ルルカが握るコンクリートブロックが寝室の磨りガラスを捉えている事に気付いている者は、まだ、いない。
「どうして皆、私を助けてくれないの!」
「落ち着けよしぃ、一体どうしたってんだよ!」
突然、自暴自棄になり自分勝手な愚痴を並び立てるしぃを、ギコは必死になだめていた。
しぃの精神が常人より遥かに脆弱だという事は折り込み済みだったつもりだったが、ここまで唐突に自暴自棄になるのでは、さすがにギコも頭を抱え込まざるをえない。
「おーい……」
二階を探索しているウララーを呼ぼうと階段のほうへ視線を上げたその時、喧騒を破る音がギコの鼓膜を強烈に打ち抜いた。
寝室のガラス戸が木っ端微塵に飛散するとともに寝室の床にコンクリートブロックが落ちる。
「ドウシタ!」
「なんの音?」
二階を探索しているウララーと台所にいるつーが寝室に向けて声を掛けたのだが、ギコはそれに応える余裕はない。
場違いに壮麗な人工のダイアモンドダストが降り注がれる。その中でぐらりと傾いて身を委ねるしぃを支えながら、ギコは割れたガラス戸へ視線を向ける。
そこでは小型の自動拳銃グロック19(モデルガン)を握ったルルカが、優越感漂う表情でギコを見つめていた。
「モンスター・ギコとしぃが現れた!」
ギコの懐では、しぃが唇を震わせながら虚ろな目でルルカを見据えていた。そのまま膝を付くと、しぃの右胸に深々と突き刺さる大き目の包丁が見えた。
体内から血液が押し出されるようにゆるゆると流れ続け、その口からも同様の液体が滴り落ちて床を濡らす。
しぃを支えるギコと銃(ギコ達はモデルガンだという事に気づいていない)を構えたルルカが、お互いの出方を窺いしばらく膠着する。
そのギコの脇の通路から、誰かが階段を駆け下りてくる音が聞こえていた。
「ルルカ、馬鹿な真似はよせ」
銃口をギコの胸元にロックオンしたままで彼を睨みつけているルルカに、リビングの入口からウララーが諭すように声を掛けた。
その右手にはザウエルが握られている。
「う〜ん・・・いいけど条件があるの!その銃をよこしなさい!」
ルルカが叫ぶ。
「だめだ!この銃を渡した瞬間、君は俺たちを確実に殺そうとする!」
「じゃあ、いいやっ!バイバーイ!」
続いてしぃの胸から出刃包丁を引き抜いく。同時に、しぃの体が痺れるように反り返り血が噴出した。
ルルカはグロック19の銃口をウララーのほうへ流した。そして、後退を始める。
同時にギコの眼光が鋭く輝き、割れたガラス戸の向こうから差し込む陽光を跳ね返す。
 ――逝ってよし!
ギコがルルカに飛び掛る為に膝を軽く屈伸させた、その刹那。
「うわぁぁぁぁあぁああ!」
今や、しがみ付くようにギコの腰にもたれかかっていたしぃが、突然絶叫して『何か』をルルカに向けて投げつけた。
緩い放物線を描いて室内を泳ぐそれは、縁日の風船ヨーヨーを幾分細身にしたような黒い物体だった。
しぃの右手人差し指に残った銀色の輪を見て取り、ギコはそれが手榴弾である事を認識した。
「バ、馬鹿野郎!」
しぃの手首を握り、引きずるように玄関へ逃げようとするギコ。しかしその腕をしぃが無理矢理引き剥がした。
しぃの細腕のどこに、このような力があったのだろう、火事場の馬鹿力と言う奴だろうか?とにかく。
ギコはそのままの勢いで、玄関に通じるドアの前で派手に転倒する。逆さまに映る視界の中で、ルルカが手榴弾をキャッチしてしぃに投げ返すのが見えた。
しぃが崩した正座のような状態で、呆然と手榴弾の動きを追っている。手榴弾は先程より幾分高い軌道で放物線を描き、しぃの胸元に収まった。
同時にルルカがガラス戸の向こうへ駆け出し、爆風を防ぐ為に軒下へ向けて懸命にダイブする。
ギコにはその一連の動作が映画の一幕、クライマックスシーンのように鮮明に、かつスローリーに映っていた。
「ギコ!」
背後で声がして、ギコの首筋をつー(やっと出番だ!)が掴む。そのまま玄関のほうへ瞬時に引き寄せられた。

そして、爆音と閃光がリビングを目一杯に満たす。
見開かれたしぃの目が、爆風に煽られて引き千切られる。手榴弾の破片でズタズタになった肉体は、血飛沫と共に飛散した。
 ――私はどうやって誰に甘えればよかったの?
文字通り孤独なリビングの中で、最後に一言、しぃの悲痛な呟きが響いたような気がした。
「しぃ!」
反射的にギコがリビングに舞い戻る。朝靄のように濃い埃が鼻腔を刺激する。
「ごほごほ……な、何だよこれ……」
巻き散らかされた肉片や臓器。室内に真紅の毒々しい彩りが施され、正に狂人の晩餐後のような光景がギコの眼前を覆い尽くしていた。
ギコの頬を一筋の雫がつたった。ふとガラス戸の向こうを見る。その先には、走り去るルルカの姿があった。
「野郎ぅ!!!!」
「追うな!」
ギコがルルカの背中を追うのと、ウララーが叫んだのはほぼ同時だった。ギコが膝立ちで床に手を突く。すると、床にポタポタと水滴が落ち始めた。
「俺、あいつをちゃんと分かってやれなかった。俺のせいだ……畜生…畜生!…畜生!!……」
右手で床を何度も何度も叩きながら、ギコが叫んだ。
「オマエノセイジャナイヨ・・・」
「・・・・・これ以上は考えないほうがいい・・・」
むせかえる血の匂いが充満するリビングの中、ウララーはついさっきまでしぃだった肉片に視線を落とし、無力な自分を罰するように歯を唇に強く食い込ませていた。


しぃ(女子8番)
ルルカにより爆殺
【退場者1名・残り26人】
192kou:05/01/17 17:46:47 ID:KNxMDCy2
日が落ち夜になった頃、
「ウ〜ン・・・・・ハ!・・・コ・・・ココハ?」
【男子16番】ヒッキーが崖の上で目を覚ました、
「ボクハドウシテココニ?ガケカラトビオリタハズナノニ」
「ウウ・・・アタマガイタイ」
ヒッキーは普段日に当たら無い生活をしてきたため長時間日に当たっていたため、熱射病になり気絶していた。
「アレハユメダッタノカ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヒッキーは2〜3分ボーっとしていた、
「ノドガカワイタナ・・・・・」
水をだそうとデイパックを空けようとするがが暗くてチャックが見つからない、
「ペンライト・・・・」
ヒッキーのポッケトにペンライトがあった、このペンライトは
ヒッキーの家は電気が止められているため夜トイレに行く時などに使っていたライトです。
ライト付けデイパックを空けて水の入ったペットボトルを取り出し飲んだ。
「ハ〜・・・・・・」
水を飲んだヒッキーは大きくため息をついた、
「コレカラドウシヨウ・・・・・・」
ヒッキーは何もすることなく崖の上でただ空の星を見続け夜をすごした。

【残り26人】
193170 ◆XQllV9IIuo :05/01/17 18:52:18 ID:Gks4dWNj
「コレカラドウシヨウ・・・」
【男子16番】ヒッキーが呟いた。自殺した夢を見て、しかも武器が水鉄砲だったのでしばらく放心状態だった。
夜空が美しいな・・
ヒッキーはそう思った。
「トニカク、ソロソロ移動シヨウ・・・」
ずっと星を眺めているわけにもいかないので、ヒッキーはそうつぶやき、
一応水鉄砲に水をいれるためまだ緩やかな段差のがけから海水を汲み、水鉄砲に入れた。
降りていくとき、監視している船からキラリと光があったが、ヒッキーは気にしなかった。
崖を登りきり、水鉄砲のレバーを素早くシュコシュコ引き押ししながら南へと移動していった。

『はぁ、はぁ・・・』
ヒッキーが崖から海水を汲んでいる頃、【女子12番】でぃがA-3のエリアの草原で膝をついた。
【女子20番】ルルカ におそわれ、ずっと逃げていたのだ。
全身が震えている。しかし、もう追ってきては居ないという安堵の気持ちが、でぃを落ち着かせた。
全身が汗だくで、喉がカラカラだ。とりあえず、デイバックの食料を食べることにした。

草原に座っていると、心地よい風が吹いた。優しい風だ。
この風は、人を癒してくれる、とでぃはパンをくわえながら思った。

パンを食べたあと、数十分ほどボーっとしていると、突然自分ではない、ガサガサと誰かが動く音がした。
『誰・・・?』
でぃはスタンガンを構えた。たとえ相手が自分を殺そうとしても相手を殺すつもりはない。

「ダレガイルンダロウ・・・」
【男子16番】ヒッキーだ。どうやら、自分以外に人の気配を察したらしいが彼はまだ自分がでぃということに気づいていないらしい。
ヒッキーは懐中電灯を持って草原をうろうろしていた。
でぃは彼なら大丈夫だと思い、スタンガンをデイバックにしまった。
看板に「こんばんは」とかき、懐中電灯で照らしてこちらに気づくようにした。
クラスでは大人しくあまり存在感がなかったので、ヒッキーも自分がでぃだとわかれば安心するだろう。
まさかヒッキーがこのゲームにのるとは思えないし。
194170 ◆XQllV9IIuo :05/01/17 18:53:13 ID:Gks4dWNj
『こんばんは』
「キミハ・・ディサン?」
ヒッキーは右手に水鉄砲を持ったままでぃに近づき、話しはじめた。
『そうです』
「ナンダ・・・ヨカッタ。」
『私もそう思います』
「キミハ、コノゲームニノルノ?」
『いいえ。クラスメートを殺すなんてできません。ヒッキーさんは?』
「僕・・?僕ハ・・・」
でぃはヒッキーが口ごもっているのに驚いた。彼ならすぐ「イイエ」と答えると思っていたからだ。
そう考えていると、ヒッキーが懐中電灯の光を突然でぃの顔に当てた。でぃは反射的に顔を背けてしまった。
「僕ハ、僕ヲイジメタクラスメートヲ許サナイ。ミンナ・・・ミンナ殺シテヤル。」
でぃの意識はそのセリフを聞いたところで途切れた。
ヒッキーが、真正面からでぃの頭を水鉄砲で思い切り叩き気絶させたのだ。
彼はでぃのデイバックを逆さにして中身を草原に全て出し、出てきた包丁を手に取った。
「ディサン・・・サヨナラ。」
小さく呟き、ヒッキーはでぃの胸に包丁を突き刺した。


でぃ(女子12番)
ヒッキーに胸を刺され死亡
【退場者1名・残り25人】
195kou:05/01/18 20:52:52 ID:UvwN1nNP
ギコ教授は放送ボタンをカチッと押した。
島中に「シュー」と音がなる。

ピーンポーンパーンポーン
「こんにちはー、ギコ教授でーす。第二回の定時放送始めるぞー。
 死亡者と禁止エリアを発表するから聞いとけー!
死亡者まず男子から【7番】流石兄者・【8番】ジサクジエン・【9番】したらば・
【17番】八頭身・【20番】モララー
女子は【2番】ありす・【女子3番】えー ・【女子8番】 しぃ・ 【女子13番】のー
【女子14番】ののたん・【女子15番】フサしぃ です。
かなりいい感じのペースですね。
じゃぁ次、禁止エリアね。
まず2時「E−1」・4時「7−F」・6時「D−5」です。
 メモできましたかー!?
それではご機嫌よう、さようならー」
  ピーンポーンパーン〜・・・・・

ギコ教授
「このペースで行ったら結構早く終わるな・・・・」
ギコ教授は笑顔で言った。
196名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/19 19:02:57 ID:lnx37xeK
>>195
でぃがはいってない・・・
時刻は12時を回った。モナカ【女子18番】は、放送を聞きながら民家の中(E-2)で溜息混じりに呟いた。
「どうしよう…きっと誰かがすごいやる気に…」
普段はワガママな面もあるもののしっかりした性格と皆から認識されている彼女だったが、いつ来るかも分からない殺戮者の恐怖に精神はすっかり憔悴して、
人間不信に近い状態にまで追い込まれてしまっていた。壁にもたれかかり、支給品の大型の銃、シュマイザーMP40を握り締めながら、いつ訪れるかわからない敵の襲撃に身構え続けていた。
しかし極度の緊張を保ち続けた事により、限界は確実に近付いていた。
「駄目……寝たら駄目……」
睡魔に抗いきれずにモナカの視界がぼんやりと歪んでいった。静まり返った民家の中、やがてモナカは寝息を立て始めた。


どれほどの時間が経過したのだろう、モナカは目を覚ました。まだ民家の中は薄暗いが、窓からは強い日光が差し込んでいた。この日光であれば午後3時よりは前だろうとモナカは思った。
その時、民家の奥から物音がした。振り向いた時には真横のドアが激しく揺れており、逃げる間もなくそこからシラネーヨ【男子10番】がコルトローマン(回転式拳銃)を片手に姿を現した。
「し、シラネーヨさん! 貴方もやる気なの……」
「誰とも会ってないのかーヨ?」
モナカが言い終わらないうちにシラネーヨが訊いてきた。声を掛けてきたという事は、やる気ではないのだろうか?
そうモナカは思ったが、まずは眠っている間に落としていたシュマイザーMP40を拾い上げようとした。
しかし、それに気付いたシラネーヨが即座に接近してモナカの右手を蹴り上げた。右手を壁にしたたか打ち付け、強い痛みが中指に走った。
「な、何するの!」
「会ってないんだな?」
モナカはシラネーヨを睨みつけたが、シラネーヨは動じずにもう一度訊き直した。
「会えてない!」
「なら、寂しいだろうから、あの世に行ってろーヨ。」
「いやぁぁぁ!」
ようやく言葉の意味を呑み込んだモナカは、起き上がってシラネーヨへ殴りかかった(まぁお下品ですこと)。
強く握った右手が唸りを上げてシラネーヨの頬に食い込んだが、同時にモナカの右胸の辺りに強烈な衝撃が走った。
モナカはそのまま今まで腰掛けていた場所へ倒れ込んだ。手探りでシュマイザーを探しながら同時にシラネーヨのほうに目を向け続けた。
シラネーヨは軽くよろめいたが、膝を付く事すらなく体勢を立て直して再びモナカを見下ろした。
「何でなのよ! どうして人殺しなんか……うぅっ」
突然、モナカの口から血が流れ出てきた。それで熱を帯びている胸に気付いて視線を落とし、右胸の下付近に弾痕がうたがれている事に気付いた。
続けて痛みが跳ね、モナカはたまらずに起こしかけた体を再び地面へと倒した。
「どうしてって、生き残る為に決まってるだろ? こんな事で誰だって死にたくねぇじゃねーかヨ、お前は心だけじゃなく考え方もお嬢様なんだーヨ!」
シラネーヨの声が、先ほどよりも随分と遠くからのものに感じられた。モナカは首を振り、胸元の痛みに顔を歪めながら小さく呟いた。
「ちがっ……こんな、おかしっ……みんな、で……」
途切れ途切れになってしまったが、それでもシラネーヨは理解したようでモナカへ言い返した。
「みんなで力を合わせて脱出するなりしようって? 俺達はただの中学生だぜ。どうしろって言うんだーヨ? それができないからてめぇだってここでじっとしてたんだろーヨ!」
モナカの意識は混濁し始めていた。激しく胸元が脈打ち、呼吸もままならなくなってきたのを感じながら、それでもモナカは反論した。
「こんな……優勝……して、ずっと……こうっか、い……」
これもシラネーヨは理解したようで、苛立だしげに再度反論した。
「あのなぁ、死んだら後悔すらもできないんだーヨ。今、できる事をするしかねぇだろ? こんなとこで引き篭もって、結果的に人が減るのを待っている奴に説教して欲しくねーヨ!」
シラネーヨがコルトローマンをモナカへ向けた。モナカの脳裏に家族の顔、友人だったルルカ【女子20番】達が次々と浮かんでいた。
 ――そうだ、まだみんながいる……シラネーヨさんだけでも止めないと……彼にみんな殺されちゃう……ルルカちゃんが……
だが、シュマイザーへ手を伸ばせば、確実にモナカの額に風穴が空くだろう。それほどの距離にコルトローマンの銃口はあった。
モナカはシラネーヨを見上げながら、どうする事もできない現状を苦々しく噛み締めていた。そこへ風が吹き、舞い散った木の葉が窓から入りシラネーヨの左目を掠めた。
「ちっ!」
シラネーヨが身を捻らせながら舌打ちをした。モナカの表情が瞬時に引き締まり、左手で床を支えながら右手でシュマイザーの場所を探った。
幸運にもすぐに感触を探り当てる事ができて、それを右手で握った。
 ――これが、最後のチャンス!
「うぉっ!」
慌てて銃口を向けるシラネーヨへ、モナカは甲高い声を発しながら躊躇なくシュマイザーの引き金を引いた。乾いた音が重なり、コルトローマンの銃口から細い煙が立ち昇った。
喉笛に大きな風穴を空けて、モナカの体が地面に伏した。シュマイザーを持つ右腕はすでに損傷していた。
「説教たれるなら、見下してたれろーヨ。俺は罪の十字架を背負ってでも、生きていくって決めたんだ」
シラネーヨが強い口調で言ったが、今度ばかりはモナカの反論は返ってこなかった。
シラネーヨはシュマイザーMP40を拾い上げ、モナカのディパックから中身を自分のディパックに移すと、民家の外へ駆け出していった。
199名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/20 16:50:56 ID:FW4G4rON
200170 ◆XQllV9IIuo :05/01/21 07:42:53 ID:Kq0pe7iF
ハァ・・ハァ・・
危ないところだった・・

【女子20番】ルルカが地面に膝をつけ呟いた。
彼女は数分前に【女子8番】 しぃに手榴弾を投げつけられたのだ。
ルルカはそれをすんでの所でキャッチし、投げ返したのだ。

あのモンスター達の叫び声は、間違いなくしぃちゃんは死んだのよね・・
でもあのまま逃げていたら死んでいたに違いなかった、私の正当防衛よ!!
ルルカちゃん、レベルアップね!!

ルルカはそんなくだらないことを考えまた歩き始めた。
彼女はかなり呼吸が激しくその呼吸音で新たなモンスターが近づいているということには気づかなかっただろう。

「はは、たしかにあの時はそうだったモナ〜」
【男子19番】モナーが言った。彼はチームメイトの【男子18番】フサギコ、【女子19番】リル子と小学生の時に言った修学旅行の話をしていた。
「ああ、あれは凄かったよな・・・ ん?
ジャリ、ジャリ、ジャリ、ジャリ・・・ 誰かが近づいてくる。間違いない。フサギコはそう思った。
「しっ!みんな静かに」フサギコが小声で言った。「誰かが近づいてくる・・・」
その声でリル子、モナーがそれぞれ配布武器のボウガン、短刀をかまえた。
そしてその時はやってきた・・・
201170 ◆XQllV9IIuo :05/01/21 07:43:44 ID:Kq0pe7iF
「ハァ、ハァ・・・ あれ?」
ルルカは逃げ切れたということに安堵し油断していたのだろう。自分がどんな状況にあるか気が付くまで数秒かかった。
ルルカはいきなり道路の角から三人の前にひょっこりあらわれたのだ。
リル子がビクッとした。
奴は電波だからな・・・なるべく関わりたくない。フサギコは彼女の目の前でそう思った。
血の臭いがするモナ・・・額から冷や汗を流しモナーは思った。
「・・・おい!お前は、 ・・・やる気あるのか?」
フサギコが単刀直入に言った。手にはしっかり警棒を握りしめている。
その場の空気がはりつめた。
「やる気・・・?つまり、こういうこと?」
まだ荒い息を吐き出しながらルルカは右手に構えていたモデルガンをフサギコに突きつけた。
左手にはしっかり出刃包丁を持っている。
「殺されたく、なかったら、武器を私に、渡しなさい!」ルルカが言った。
「そうか・・・OK、じゃあお前は俺たちを殺そうとするか。なら、俺もお前を殺すことにするよ。」
突如ジャキン、と何かが伸びる音がした。フサギコの所持武器、警棒が伸びる音だ。
持っているときは20cmもなかったのだが、今は65cmもある。かなり長い。
「うらあああ!!」フサギコが警棒を構えルルカに向かっていった。
「え、そんな、に勇者ルルカに、倒され、たいの!?それ以上近づいたら、撃つ、わよ!!」
呼吸の激しいルルカは途切れ途切れにそう言った。モデルガンをかまえて。
202170 ◆XQllV9IIuo :05/01/21 07:44:30 ID:Kq0pe7iF
「はん・・・撃つなら撃てよ。悪いが俺は既に死んだと思ってる。だからもう死ぬのは怖くないさ。
あと・・・ それ、モデルガンだろ?自動拳銃グロック19のモデルガンだな。
モデルガンで俺は殺せないさ・・・警棒なら、簡単だがな。頭を数回思い切り叩くだけでいい。」
フサギコが冷たく言い放ちながら、ルルカに早足で近づき始めた。
「!?」
まずい、やられる。こんなところで勇者がモンスターに殺されるの!?
ルルカはそう思った。なぜか武器がモデルガンだということと、死ぬ事への恐怖が無いという事で
ルルカはパニックに陥り、出刃包丁を出す余裕もない。
「はぁぁ!」
フサギコがとうとうルルカの目の前につき、大きくふりかぶったが、なんとかルルカはそれを避けた。
そうだ、包丁ーーー
ルルカはモデルガンを捨て左手をふった。しかし、利き腕ではない腕で出刃包丁を振っても無駄だった。
フサギコは簡単にそれをかわし、警棒で宙に浮かべた。
しかし、ルルカはそれをうまくキャッチし、すり減った体力の中どうしてあんなに速く走れるのか、という速度でリル子に迫った。
今の狙いは、女のモンスターだけ・・・喉!
ルルカは走りながら出刃包丁を利き手の右手に持ち替えた。
「モンスター一人目ぇ!!!」
「危ないモナ!」
リル子の前にモナーが立ちはだかった。
そして、直後ドスッ、という音とあふれるような朱がルルカの足下を染めていった。
203170 ◆XQllV9IIuo :05/01/21 07:45:40 ID:Kq0pe7iF
ルルカの刃はリル子に届かなかった。
そして、そこにいる全員が驚いた。
なぜなら、モナーがリル子の前に立ちはだかり、短刀を突きつけていたおかげでルルカの腹にその短刀が刺さっているということもあったが。
なにより一番なのは、リル子の放ったボウガンがルルカの額に刺さっていることだろう。
リル子は、ぎゅっと目をつぶり、涙を流していた。まるで、その現実から逃げられると思っているかのように。

「モン・・ス・・・」
しかしルルカはまだ生きていた。どうやら、矢は頭蓋骨で止まったらしい。しかし、もう虫の息だ。
「モナー・・もうルルカは絶対助からない。せめて、ルルカを痛みから開放してやってくれ・・・」
フサギコが泣いているような声で背を向けてモナーに言った。モナーは口を開き、嫌だと言いたかったが、
ルルカが口からすごい量の「朱」を吐き出したので、決心した。
「ルルカちゃん・・・今まで、楽しかったモナよ・・・」
モナーは、目から大粒の涙を流しながら腹から短刀を引き抜き、ビクンと反応し綺麗な弧を描き
後ろに倒れるルルカの首を斬りつけた。

カラン・・・という出刃包丁が地面に落ち跳ね返る音が、フサギコの「くそぉぉぉ!!」という叫び声にかき消された。

現在時刻、13:10

13:08
ルルカ(女子20番)
モナーに首を斬られ死亡確認
【退場者1名・残り24人】
204Prof.Two ◆wIDHCRRxns :05/01/22 00:23:41 ID:5+tCz9lX
・・浅い眠り。人はそれをレム睡眠という。
大抵レム睡眠状態のときは夢を見る。

・・【男子11番】タカラギコは呂律の回らないヒーローの特撮現場見学というの夢を見ていた・・

そこに『ピーンポーンパーンポーン』と言う何処にでもありそうな放送設備のチャイムが。

「ルヅザァイ!」
・・(夢の中では)場違いなチャイムにブチ切れして起きてしまった。

「・・痛てぇ・・」
まだ脇腹の傷が疼く。

「・・人が寝てるときに定時放送やらないでくださいよ・・」
・・だがしかし、定時放送のときまで寝てたタカラギコが悪い。

とりあえず禁止エリアの類をメモることにした。

(・12∀05・)
【残り24人】
それは昨年秋、まだ夏の暑い日差しが残る中での出来事だった。

当時二年だったモナー【男子19番)は三年の先輩達の引退後、当時同級生の新部長にリードされ、他の部員達と共に野球部の練習に励んでいた。
彼らの部の夏の大会の成績は実に不本意なもので、これから迎える新人体育大会に向けての練習量は、並の量ではなかった。
日々季節遅れの大量の汗を拭い、白いボールを追う日々。嫌いではなかった。むしろそんな青春を全身を通じて満喫できる事は、モナーにとって至福のひと時と言えた。
その日は委員会活動があったので、モナーは部活動後、棒になった足を急かせて教室へと向かう。拭ききれず乾いた汗が塩となってまとわりつき、とても不快だった。
スポーツタオルで首元を拭きながら廊下の角を曲がった時、近くの教室で何かの楽器の音がした。豊かな膨らみを持ったその音色にモナーは塩の不快感も忘れて足を止める。
興味を持って音の鳴る部屋に近付いて行くと、一つの教室で小学校のときから一緒で、当時、別の学級の女子生徒――ルルカ【女子20番】が、大きなラッパを捻じ曲げたような形状の楽器を吹いていた。
「ルルカ……」
少し開いた扉の向こう側で銀色の金管楽器を操る彼女に、モナーの目は釘付けとなった。表現に詰まる、暖かくも不思議な感情が湧き上がってくる。
トランペットよりもしっとりした、そしてチューバよりも淡いその楽器の音色は心の奥底に優しい風をそよがせ、モナーはすっかり魅了されてしまった。
たまたまその日は音楽室が改築工事で使えず、吹奏楽部は一般教室での練習になった事、またその銀色の楽器の名がユーフォニアムだということをモナーが知ったのは、かなり後のことだ。
それはともかく――
「あれれぇ? モナーくーん!」 
フレーズの区切りでルルカは演奏を中断し、扉の向こうに立つモナーへと声を掛けてきた。
「あ、ああ、ルルカ。いや、こそこそ覗いてたつもりはなかったんだけ、ど、さ」
不意を突かれて声が裏返る。ルルカは目を少し広げてモナーを見詰め、それからまた笑顔を浮かべて、言った。
「キャハハ!ルルカ、驚かせちゃった?」
「えっ? そんな事ないモナ。ただ、綺麗な音だなって思ったから」
モナーの彼女との交友範囲は昔からあったが、その時の会話は今までとは全く異なったものに感じた。普段窺えない一面を見たことで、新鮮さのようなものもあったのだろうか。

それ以来彼女に抱き始めた気持ちを、簡単に形容する事はできなかった。何でもない、と言っては嘘になる。かといって、好き、とまではいってないように思えた。
漠然とした根拠ではあったけれど、何となく。当時からモナーはモララー【男子20番】やネーノ【男子14番】とつるんで不良をしていた。
しかし、恋愛に着いて彼らに相談することはなかった。これが、もし恋だとして、告白してそれが成就したとしても、自分はその後の彼女との日々をしっかりとこなせるだろうか。
幾分飛躍した想像だったけれど、少なくとも今のモナーに自信はなかった。
モナーは勉強や部活はそれなりにできていたが、女の子に対する気持ちの発達というのは、最も身近な友人であるモララーの方が恐らくは上だろう――何たって彼は進行形なのだから。
「お前は、誰か好きな奴いないのかよ? 最近そういう雰囲気あるぜ?」
数学の時間、モララーが屋上で煙草を吸いながら(!)がそう言って微笑を浮かべた。モナーの心臓はどくんと脈打ち、同時に固唾が喉を下った。
その仕草を確認したモララーが煙草を吹かしながら、くく、と笑い声を上げる。
「おっ、図星か? 実は俺も、最近のお前は何か違うなと思ってたんだわ」
そう言いながらモララーは煙草を落として足で擦った。
「そういう事なら、告る場所をあいつに用意してもらってもいいぜ」
「えぇ!? ホントにそんなんじゃないモナ! 迷惑だって!」
「そうか? ま、気が変わったんならいつでも言えよな。水臭ぇぜ」
意外にも呆気なく言いながらモララーは煙草を取り出し火をつける。瞬間、どういうわけか肩透かしをくらったような微妙な気持ちになる。
複雑な感情が青い青い胸の底で、深海魚よろしく緩慢に泳いでいた。あの時、もっと執拗に問い詰められたならば自分の返答は変わっていただろうか。
これは、ルルカへの気持ちは――やはり恋なのだろうか。数ヶ月の期間を経て、モナーの憶測は確信へと迫っていた。
東に山岳地帯を臨むD-4。ぐるっと楕円形状に一周する舗装道路に囲まれた分校の姿が窺える。
ここで、その初恋の人が目の前で亡骸を晒している。何故か?とどめを刺したから。誰が?・・・自分が・・・。
どうして?・・・・・苦しみから・・・解放するため・・・。
隣ではフサギコが顔を歪めて絶叫している。後ろの方からはリル子の啜り泣きが聞こえる。
自分の目からは・・・無意識と大粒の涙が絶え間なく流れ落ちている。
何故彼女は死ななければならなかったのだろうか?

ふとフサギコに目をやると、ルルカの私物のバックを漁っていた。モナーはそのフサギコの姿が惨めに見えた。
すると、フサギコは鞄の中から何か白い粉を取り出し、語り始めた。
「こいつ・・・ヤクやってたんだ。」
モナーとリル子は唖然とした。えっ?ルルカがドラッグを?ソンナバカナ・・・・。
「こいつ、去年から誰かに無理矢理薦められて・・・やらされてたんだ・・・。だからきっと・・・あんなマネを・・・。」
「…誰なんだ…薦めた奴ってのは・・・?」
予想外の展開に言葉を詰まらせたものの、モナーは質問をした。その事実を知ったモナーは腸が煮えくり返り、悲しみが怒りへと転進した。
「俺が聞いた話では・・・つーだ。」
「・・・・・奴を・・・殺す・・・。」
声色が完全に変わっていた。そして、そんな言葉が口を突いて出た。『殺す』なんて言葉はモナーの辞書には無い言葉だった。
モナーがルルカの出刃包丁を拾い上げ、森の方へ歩き出した。するとフサギコの怒号がdだ。
「おめぇ!そんなことしてなんになるってんだ!!」
「うるさいモナ!つーはルルカを追い詰めたんだ!!だから殺したも同然だ!!」
「そうかもしれねぇ!!だが結局殺したのは俺たちじゃねぇか!!」
「!!・・・」
モナーは最後の一言で急に体中の力が抜け、その場にへたり込んで大声で泣き始めた。

結局自分は好きな人への思いを伝えられずに自らの手でその相手の生命を絶ってしまった。
幻覚に踊らされ殺戮の限りを尽くしてきた少女、ルルカの殺戮劇は自分へと思いを寄せていた人によって此処に幕を下ろされた。

PM 13:18

【残り24人】
207170 ◆XQllV9IIuo :05/01/22 10:41:58 ID:F23KUly8
「激しく、微妙・・・」
【男子15番】激しく忍者は激しく速く行動しながらそう思った。
何せ【女子17番】モナエ に利き手である控える左手を打たれたのだ。
うまく力が入らず、手裏剣がまともに投げられない。銃は放つ毎に反動で痛みが走る。
デイバックの中に包帯などは無く、しかも緑香る森の、樹木の上を行動していたのでいつ雑菌が入り手が化膿してもおかしくない。
苦痛から耐えるのは今まで厳しい修行をしてきたので辛くはないが、手が化膿してしまっては武器をまともに構えることもできないだろう。
とりあえず忍者は消毒のため、危険を顧みず診療所へ行くことにした。
勿論この状況で攻撃されては困るので、かなり時間はかかるがE-2,D-2,C-2,B-2を経由して行くつもりだった。
何しろ診療所の近くには商店、住宅があるので何人かの生徒も同じような考えをしていると思ったからだ。
しかし、この考えが自分を落とし穴に陥れるとは思わなかった。

「激しく、余裕・・」
なんとか誰にも遭遇されずにC-2まで移動することに成功した。周りに注意しながら移動していたので20分もかかってしまったが。
痛みもだんだん引いてきた。これなら消毒をするだけで済むかもしれない、と忍者は思った。

事態はB-2のエリアに入ってすぐに変化した。
樹木の上に、何か太い糸があったが、忍者は気づかなかったのだ。完全に油断していた。
忍者はそれに足を取られ、空中に投げ出された。
「激しく危険!?」
右腕だけで受け身をとったのは失敗だった。体への衝撃は少なかったが、高さが10mもある樹木から落ちたので、落ちたとき右腕だけで体を支えきれず右腕が変な方向へ曲がってしまった。
曲がった部分は変な青色をしていて、同時に激しく鈍い痛みがあった。骨折したに違いない。
「ん・・・誰かがひっかかったみたいね。」
女の声が近くにする。使い物にならなくなった右腕を引きづり、草むらへと隠れた。
「八頭身じゃなかったらいいな・・」
この声は、確か 【男子2番】1さん だ。忍者はそう確信した。
授業では修学旅行に行く前に席替えをして黒板の真っ正面、そして 1さんの隣りになったのだから覚えている。休み時間にいつもキモイヨーとどこかへ逃げ込むのだ。八頭身から逃げるために。
「大丈夫、これは樹の上からみたいよ。そこに跡があるし。」
女が言った。よく見ると、それは 【女子6番】花瓶 だった。右手に銃を構えている。危険だ。
「樹の上だから・・・・樹の上で移動できるのは、 【男子15番】の忍者君ね。この近くにいる。」
しまった、バレてしまった・・・
208170 ◆XQllV9IIuo :05/01/22 10:42:33 ID:F23KUly8
「お願いだから出てきて。私たちは誰も殺す気は無いわ。勿論、忍者君が戦うつもりなら別だけど。」
花瓶が優しく言った。とりあえず、今はその発言を信用するしかない。
草むらから忍者が出てきた。右手を左手でさすりながら。
「激しく、・・・不覚」
忍者がそう呟いた。2人は忍者に駆け寄り、右腕を見た。
「ああ、着地したときに骨折しちゃったのね。ごめんなさい。私たちは包帯を持ってないから、診療所へ行きましょう。」
花瓶はそういうと忍者の後ろへまわった。
忍者は一瞬の隙を作ってしまった。
カチッ と音がしたのを忍者は逃さなかった。
彼は素早く樹の上へ飛んだが、遅かった。これは全て嘘だ。
右腕から一筋の血が流れる。右腕はもう駄目だ。
しかし、もうほとんど左手は使えるようになったので、樹の上で忍者は手裏剣を出し、2人になげつけた。
だがそれは容易にかわされた。持ってきていたのは六枚だけなので、これ以上投げることもできない。左手を銃に持ち替えた。
空蝉の術なら片手がなくても使える。これしかない。忍者はそう思った。
209170 ◆XQllV9IIuo :05/01/22 10:43:34 ID:F23KUly8
花瓶は相変わらず誰も居ないところに銃をうっている。構えられたらすぐ移動しているからだ。
そして、二、三発撃つと銃を花瓶は撃たなくなった。チャンスは今しかない。早速実行に移した。
自分のデイバックを上の緑生い茂るところに投げつける。そして、自分は根本の草むらへと飛び降りる。そして、相手が枝に気を取られている隙にイングラムを放つ。完璧だ。
「激しく、散れ」
それが忍者の最期に言った言葉だった。
忍者が草むらに足をつけた瞬間、ズドンと音がした。そして、体がちぎれ、ふきとぶのが目に見えた。
ああ、そうか、俺は、ここで、死ぬんだな。
忍者はそう思った。そして、目を閉じた。意識はそこで途切れた。

「作戦成功だね!」
花瓶が1さんに言った。この作戦は、駄目もとでもとより忍者のみに対して行う作戦だった。
それは、樹の上に太い糸をつけ相手を転ばせ、そして落ちてきたときに1さんの地雷が発動する、というものだった。
落ちる場所がズレてしまい作戦は失敗に思えたが、花瓶がうまく演技をしてこの作戦は成功した。
210170 ◆XQllV9IIuo :05/01/22 10:44:38 ID:F23KUly8
「成功、だね。 ・・・うぉえ・・」
1さんは忍者の体が破裂するのを直視してしまった。気分が悪い。何せ、胃袋から脳味噌、性器まで吹き飛ぶのを目にしてしまったからだ。
「大丈夫?」
そう良いながら忍者のデイバックを探し始めた。どうやら、樹の上にあるらしい。ただ、自分は木登りが苦手なので諦めた。
ただ一つ地面にフォークが転がっていたので、花瓶はそれを拾い上げた。
「これからどうしよっか。また二人っきりだね。」
花瓶は笑ってそう言った。


現在時刻、13:25

13:24
激しく忍者(男性15番)
1さんの地雷で爆死
【退場者1名・残り23人】
3:04

「モナー……」
フサギコは、横に座っているモナーに声をかけた。(場所・E-4
「ルルカも、必死だったんだ…」
「……ああ。帰りたかったんだろうな。当たり前だけど、よ」
フサギコにそう返した。自分はリル子に会えていなかったらどうなっていただろう。ルルカとの運命の明暗を分けたのはそこだったのかもしれない。
もしルルカが好きな人と同じクラスだったならば、いくら薬をやっていたとは言えゲームに乗らなかったのではないか。
そう考えるとルルカに対して同情とはまた違う、感傷的な気分になった。ルルカは、もう一つの自分の運命だったのかもしれない。
やはり自分はここで言うべき事を言わねばいけないのではないか。切羽詰った状況も手伝い、気持ちが大きく揺さぶられる。
しかしそれを理解してはいるものの、胸に秘め、口にする日まで大切に温め続けた思いを迫られるようにして告げる事は躊躇われた。
また普通に恥ずかしいと言う思いもあり、それでまた自らの不甲斐なさを痛感しつつも言葉にできずにいた。

 言わなきゃいけねぇ事だ。けど……。

数分間の沈黙を経て、ようやくフサギコは声を押し出した。
「リル子」
眠たげに俯いていたリル子が、呼び掛けに反応して首を持ち上げた。二人の視線がかち合う。
「ひょっとして漏れ、お邪魔さんかモナ?」
突然の声に心臓と体が跳ね上がる。横を見ると、あぐらをかいたまま器用に船を漕いでいたモナー【男子19番】がいつの間にか目を覚ましており、フサギコに悪戯っぽい笑みを向けていた(もう立ち直ったのかよ。
「ビビらすんじゃねぇよ!!」
「ごめんごめん。漏れ、ちょっとお手洗い行ってくるからごゆっくり、な?」
苛立ちと恥ずかしさを一緒くたにした怒声を上げ、フサギコは真っ赤にした顔を背ける。モナーが腰を上げる音が聞こえ――そこでフサギコは向こうに一筋の細い煙のような物の存在を見た。
「あれ、何だ?」
フサギコは煙を差し、リル子とモナーも怪訝な表情でそれを眺める。最初に口を開いたのはモナーだった。
「火事のボヤにしては……変だモナ。誰かが仲間を呼ぼうとしてるのか……何かの合図か……どちらにしても、あれをやるのは好ましくない……。やる気の生徒に狙われやすいし」
歯切れの悪さから、推測に自信がない事が窺えた。モナーが続ける。
「誘き出し系の罠っていうのが、一番確率高いな」
今度のモナーの言葉には、確信を込めた強い響きがあった。

この比較的大規模な森の中から白い煙は上がっている。モナー達は足を止め、緩斜面の先へと目を凝らした。火と思われる物は森の中心付近で焚かれているようだった。
「どうする?」
フサギコは小声でモナーに耳打ちした。モナーは森の中を睨んだまま、押し殺した声で返してくる。
「やっぱクサイ。罠と見て間違いなさそうだモナ……」
そう言うとモナーは腕で二人を制す。そのまま抜き足差し足で前進を開始した。
フサギコとリル子は、その様子を無言で見詰める。七メートルほど進んだ後にモナーが手招きをしたので、それに応じてモナーの背中を追った。
そのまま二十メートル程度森の中へ足を踏み入れる。草木のざわめきさえも、闇に潜む何者かの呼吸に聞こえて不気味極まりない。
瞬間、空気を裂く音が耳へと飛び込んできた。頬を何かが掠め、一種小気味良い音を立てて右手の立木へと刺さる。リル子が喉の奥から掠れた叫びを上げ、フサギコの腕を掴んできた。
「オイ、こりゃ……」
フサギコはそこまで言うと絶句した。何の冗談か幹に刺さったそれは、銃弾だった。
悪寒が走り、同時に周囲の空気が揺れる。モナーと言えば恬として耳を澄まし、暗闇の先を見詰めているようだ。
刹那、その目が何かを捉えたようで、直後にモナーが二人にダイビングを敢行してきた。
「うわっ!」
三人揃って地面に転がり込むと同時に透明感のある破裂音が響き、モナーが立っていた付近からたちまち火の手が上がる。
狂気は火に包まれ、闇の中でモナー達に鮮明にその姿を浮かび上がらせていた。
「手榴弾って、テロかよ・・・・・!!」

――そういえばルルカのバックから手榴弾を取ってくるのを忘れてた。きっと誰かがソレを・・・。――

見えない敵の登場に動揺しながらも、フサギコは立ち上がろうと体を起こす。すると、フサギコの数o頭上を機関銃の弾が掠った。
「チッ!」
モナーが舌打ち混じりにフサギコを突き飛ばしてきた事でフサギコは再度突っ伏し、再び銃弾が地上数十センチ付近を抜けていった。
「相手は何モンだ?……」
身を伏せたまま、フサギコが唸るように呟いた。撃ってきたのは誰か気にはなったものの、推理している暇はない。
「一度、引き返すか?」
「易々逃げさせてはくれないみたいモナ」
尋ねたフサギコにモナーがそう返し、直後、素早く立ち上がって森の奥へと駆けていく。今度は蛇が獲物を包囲するかの如く、轟音と共にモナーの足元に円を書くように銃弾が弾けた。
「ぐぁ!!」
「モナー!」
フサギコは叫びながら、言葉を失っているリル子を抱えて立ち上がる。それからリル子の肩を一度揺すり、それからモナーへと駆け出しかけた。その音が聞こえたのか、モナーの声が森の中に響く。
「忘れたモナ? フサギコ!」
モナーの声。続いて発砲音が響き、同時にフサギコの足元の地面が爆ぜた。
「大丈夫か?」
フサギコはモナーへ駆け寄ろうとしたが、モナーの何時に無く鋭い視線に阻まれてまたも足を止める事となった。モナーは顔をこちらへと向け、厳しい口調で言い放った。
「漏れはいいから、ここは任せるモナ!」
「で、でもよ……」
「お前はリル子ちゃんを守って逃げろ!」
モナーが何としてもフサギコ達を揃って生還させたいという思いが、痛い程にフサギコの胸を打った。言葉を詰まらせるフサギコを見てモナーが遂にキレた。
「てめぇ!!コラァブッ殺されてェか!!!」
野太い声と共にモナーが体を翻し、ルルカの遺品の出刃包丁をフサギコに振りかざした。威嚇だったのか、マジギレかはわからなかった。
フサギコは、この場をモナーに託して離脱する事を決意した。
「リル子、行くぞ」
リル子を胸に抱え、腕で強く押し付ける。自らの心臓とリル子のそれが交互に、リズムを取り合っているのを感じた。
それだけで充分だった。言葉は要らないとはこういう事を言うのだろうと思った。鼓動を確かめ合い、互いを確かめ合う。リル子を守るんだという思いが累々と積み重なっていった。
フサギコはリル子との抱擁を解き、木の陰に立つモナーの背中へと叫ぶ。
「絶対に待ってるからな!」
「……早く行け!!」
振り返らずにモナーが返答し、すぐに健脚を飛ばして向こうへと駆け出していった。

 信じてるぜ、モナー!
背後では、駆け足で遠ざかる二つの足音が響いていた。時間は3:28、シラネーヨがモナカを襲ってから一時間が過ぎようとしていた。モナーには知る由もなかったが
モナー【男子19番】は振り返る事なく、木々の立ち並ぶ暗い森の奥へと緩斜面を下っていく。

着地一番、木の陰に隠れ、様子を伺う。聞き慣れた爆音が木霊し、噴きあがった紅蓮の炎が銃口の先を照らした。
オレンジの灯りの中で一瞬浮き上がった影は正しくシラネーヨ【男子10番】だった。

新たな”ゲームに乗った生徒”を前に下唇を軽く噛む。
シラネーヨと言えば無愛想な印象があったけれど、常にネーノと一緒だった。シラネーヨもまた、友人を手に掛ける禁忌を冒しての生還を決意した者なのか。

「シラネーヨぉー!」
声を張り上げるも、再度暗闇に身を隠したシラネーヨからの返答はない。矯めつ眇めつ、あくまで冷静に勝利を掴もうと息を潜めているのだろう。
しかし、やはり逃げたほうが良かったかもしれない。相手は機関銃、自分は出刃包丁だ。すると右手側から爆音が上がり、粉土と風圧がモナーを襲った。
「じょ、冗談じゃねぇモナ!」
それでモナーはバランスを崩し、傍の木へと半身を打ち付ける。
途端、モナーの中の”能力”が覚醒した。瞳が、さながら獲物を狙う肉食の獣のようにギラリと鋭い輝きを放った。

 やらねば、やられる!

全身に熱く滾る血液の流れを感じる。放出されたアドレナリンが高揚感を与え、瞬く間に引き締まった筋肉が大地を蹴った。
「おらぁ!!」
コマのように身を翻して屈み込む。耳元を掠めた銃弾にも表情一つ変えず、シラネーヨを睨み付けた。
「漏れに、こんなもの!」
息を吐く暇もなく、機関銃が連続して火を吹いたのを見ると、徹底した生への執着が窺える。モナーはそれを木に隠れながら何とかかわした。

守られて、守る事を知った。今度は自分が、フサギコ達を先導して導く番だ。そうして少しずつ、変えていかなければならない。
 ――絶望に満ちた悲しい未来を、希望ある未来へと。
「……それができるんだ、モレ達は」 
信念を噛み締めるように呟きを漏らした。すると、飛んでくる手榴弾がスローモーションに見えた。

 俺は、まだやれる! 

渾身の力を振り絞り、身を起こすと共に健脚を飛ばす。刹那、またも全身に活力が漲り、一瞬にして本能が”反撃”のシグナルを発した。
脇の立ち木を力強く蹴り、丁度三角飛びの要領で、襲い来る小規模なプロミネンスから逃れる。
器用に空中でバランスを整え、着地音に発砲音を重ねるまでの一連の動きは、正に常軌を逸していたと言える。
数メートル先の木の幹が削がれ、その向こう、シラネーヨが見えた。続いてシラネーヨの尻餅を突く音が響く。
「……何なんだテメェ……。俺の放った銃弾をと手榴弾を、たった一人で……」
狼狽するシラネーヨの表情と、怯えの色を含んだその声。シラネーヨは確かに追い詰められていたのだけれど、モナーもまた、限界を迎えていた。
器官という器官が悲鳴を上げ、覚醒から開放された体は、指先に至るまで絶えず痙攣を行い始める。嘔吐感と、強烈な眩暈が重複してモナーを襲っていた。
 ……俺……は……。

意識が断ち切られそうになるのを堪え、朦朧とした感覚の中で、それでもモナーはシラネーヨがいるであろう前方を睨みつける。
ぼやけた視界の中で、ビリジアン色の球体――手榴弾――がふわっと浮いていた。
それは万策尽きたシラネーヨの半ばやけっぱちの行動と言えただろう。実際、それに構わず相打ち覚悟で出刃包丁をかざせばモナーはシラネーヨを仕留められたはずだった。
しかし”自己防衛本能”は、それよりも自分の身を優先した。
「うわぁぁぁー!」
右手脇、畑の畦に似た土の出っ張りが見える。斜面に埋まった拳大の石を足場に跳躍し、モナーはその向こうへ身を隠そうと試みた。
しかし、思わず出っ張り部分に膝を突いた。それでも即座に地面を蹴り、前屈みのまま奥の窪みへとスライディングする。
刹那、熱風が頭上で荒れ狂った。白い頬を土まみれにして転がり、全身を襲う鈍い痛みを堪えながら片膝立ちで起き上がる。
「シ、ラネ……!」
爆音で引き裂かれた鼓膜が痛む。そのまま出刃包丁を構えたつもりだったのだが、次の瞬間には冷や汗と共に体を強張らせた。
眼前、丁度地面の窪んだ付近に投げ出されている出刃包丁はモナーの物で、その取っ手を握ったまま転がっているのは、真っ赤で生々しい断面を覗かせた――見慣れた右腕だった。
球状に膨れた大粒の汗が、不自然なまでに大量に流れ落ちた。かつての戦闘でも体験しえなかった、深い絶望感がモナーを侵食する。
「あ、ああ?……」
既に視界から消えていたシラネーヨの事は、もう吹き飛んでしまっていた。右肘からは激しい脈動と共に痛みが突き上げ、堪らず再度両膝を地に落とす。
荒い呼吸音を抑える事もできず、左腕一本で上半身を支え、地面を睨み付けた。

自らの終焉すら示唆させる状況にも関わらず、モナーはなおも諦めずにいた。皆と共に築いた日々。その中で抱いた決意、覚悟、夢、希望への一念。
積み重ねたあらゆる思いに支えられ、モナーはここまで戦い、立ち上がり続けてきた。モナーの全てが、気丈にも彼を未だ奮い立たせる。
親友、初恋の人、更には敵味方関わらずあらゆる人間を不幸の底に叩き込み、今また新たな生徒達を死地に送り込んだプログラム、ひいては2ch――そして、その裏。
自分は最後の最後まで拳を振るい続けるという”誓い”が、モナーに残された原動力だった。閉じた瞼の奥に、モナーが接してきた人々の姿が映る。
走馬灯には、まだ早い。もう休もう。そんな幻聴を振り払い、モナーはもう一度心に念じた。

 まだ死ねねぇ。俺は――

その思考を遮ったのは、背後で響いた一発の激発音だった。
モナーの中心を凄まじい衝撃が突き抜け、胸元からは、汗とは違う真紅の液体が零れ落ちる。体を支える左腕が軋み、力を消失して折れ曲がった。
「……あ……」
うつ伏せに崩れ落ちたモナーは、軋む首をゆっくりと背後へと向ける。霞む視界の向こうに、人影が見えた。

もう立ち上がる力もなかった。拳を向ける気も失っていた。 もがれた右腕は、出刃包丁と共に投げ出されていた。
左手に最後の力を込め、体を転がせて仰向いた。眼前に立つ男子生徒に対し、モナーは、力なく微笑んでみせた。
梢の先から場を照らす光をバックに、シラネーヨ(男子10番)がモナーにコルトローマンを向ける様が目に入った。
シラネーヨの表情は逆光だった上、霞んでしまった視界の中でははっきりとは窺えない。けれど、震える指先が何より彼の心を代弁していた。
「フサギコ達は、もう逃げたぜ・・・」
シラネーヨの指の震えが止まり、ほんの微かながら銃口が下がったのが確認できた。暗闇の中でシラネーヨの嘆息が響く。
嘆息の意味は察する事ができなかったが、モナーはそれに自嘲の含みを感じていた。決して根拠はなかったけれど。

「何で笑えんだよ・・・俺はお前と、お前の友人を殺そうとしたんだーヨ?」
「だからなんだ?」
淡々としたシラネーヨの質問に対し、強がりではなく自然とそんな言葉を出した。黒に覆われたシラネーヨの顔に変化はない。
数瞬の間を置き、再びコルトローマンが持ち上がりかける。モナーはまたも言葉でそれを遮った。
「お前は、生きようと精一杯にがんばってんだろ?・・・漏れがお前に負けたのは・・・生きようとする心がお前に劣っていたからだモナ・・・。」
「……。すまねぇ……。」
シラネーヨの言葉は幾分上ずっているように思えた。モナーが守り抜こうとしているフサギコ達を殺そうとする自分にどうしてそんな言葉を。
そんな疑問と、そこからくる動揺があるのだろう。口中に鉄臭さを感じて吐き捨てる。
血は、失われた右腕の断面から生まれた赤黒い血だまりに混じり、土に染み込んでいった。肘の激しい脈動が気持ち悪かったが、言葉を続けた。

「シラネーヨは。どうしてだ?」
言葉の意味を察したのか、シラネーヨが表情を変えたようだった。コルトローマンを握る右腕が一度痙攣しかけたのが見えた。 
「決めたんだーヨ」
冷たいが、凛とした声でシラネーヨの返答が響いた。強い決意のこもった声。それでモナーは絶望の波に呑まれそうになったが、どうにか持ち堪え、シラネーヨへと視線を向け続ける。

シラネーヨはコルトローマンの照準をモナーの額へと合わせ――数秒そうした後、それを胸元へと移した。
モナーは安らかな表情のまま、既に覚めぬ事のない眠りへと就いていた。

胸へと放たれた銃弾は、モナーの意識を破壊する。残響が消えた後には、数分前の喧騒とは裏腹な深い静寂が場を支配していた。
モナーの眠りを妨げぬ配慮か、シラネーヨが足音を立てぬよう立ち去っていく。


3:47
モナー【男子19番】
シラネーヨにより射殺
【1名退場・残り22人】
216名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/24 18:41:58 ID:n71XK9XL
モナーの口調変わりすぎ。
しかもモナーの一人称は「漏れ」じゃなくて「モナ」だ。
217kou:05/01/24 22:43:51 ID:EkXaNt7l
おにぎり【男子4番】はギコ達と分かれたあと森の奥(F−4)を歩いていた、
「なんとなく森の奥まで来たけどどうしよう・・・」
おにぎりは疲れて木にもたれかかって休んでいると少し先の木にハシゴがかかっているのを見つけた、
「なんで木にハシゴが?」
木に近づいてみると木の上に小屋があった、
「ターザンでも居たのかな?」
とギャグ言いつつハシゴを登る、
「ワ・・ワショーイ!」
と言いながらハシゴを登り切り小屋を見るとドアになにか文字が書いてある、
「なになに・・・2chぼーえーたいひみつきち!?」
子供の秘密基地だったようだ、だが大人が作るのを手伝ったのか作りはしっかりしていた、
「とにかく入るワッショイ」
中は風が吹き込んでて少し荒れていたがイスやテーブル・ハンモックまであった。
「とりあえず休むワショーイ!」
おにぎりはハンモックに乗り疲れていたのかすぐに寝てしまった。
「すーすー」

数時間後・・・・
ピーンポーンパーンポーン
「ワショイ!?」
おにぎりは定時放送でおどろき飛び起きた、
そして死亡者の多さにおにぎりは急に怖くなった
「ど・・どうしよう・・み・・・みんなやる気なんだ」
「と・・・とにかく武器を持たなきゃ」
おにぎりは小屋の中になにか無いか探した、
使えそうなのは、「パチンコ」・「カッター」・「カナヅチ」・「工事用ヘルメット」等、
おにぎり色々集めた後、自分は何をすれば良いのか分からず木刀を持ってボーっとしていた。

時刻12;34
この時は【残り24人】
218名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/26 00:38:22 ID:Ar+BwfEr
【女子21番】レモナはC-5のスーパーであっただろうテナントででぃと気絶したちびフサと遭遇後、同エリアにある商店街の中の一つの店舗に来ていた。
「ここは…、お肉屋さんかなぁ?」
店舗の前にある小さな看板に"逝ってよ..._〆(゚▽゚*)精肉店"と書いてあるのを見て、レモナは呟いた。
ただ、他の店舗と大きく違うところは、階段が店舗となるであろう箇所の右側に階段があり"店舗住宅一体型"と言う所だろう。
「逝ってよ..._〆(゚▽゚*)精肉店って…衛生管理とか良くなかったんだろうな」
と、自分の恐怖を少しでも軽減するために軽口を叩き、休憩を取るために階段を上った。
階段を上るとマンションで良く見かけるタイプのドアが一つあった。
中に入るためにドアノブを捻る。
ドアを開けると広がるのは、至って普通の洋風リビング。
「以外に綺麗だね…お邪魔しまーす」
返答する人は居ないのは理解しているが、それでもこの非日常を少しでも日常に近づけたい一心での行動だろう。
土足で入る事に躊躇ったが、もしもの事があるので自分の良心を無視する事にした。
中に入って確認すると、以外に広いリビングの中に大きなテーブル、玄関側にキッチンがあり、奥の方にはドアが二つあり、一つは寝室、一つはトイレ、お風呂場に続いていた。
少し横になりたいので、レモナは寝室に入る事にした。
寝室は青と水玉で統一されたベットが一つ、脇に小さなテーブル、その上にスタンドライトだけがあるシンプルな構成。
レモナがそのベットに横になると今までの事が走馬灯の様に蘇る…。
219名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/26 00:39:29 ID:Ar+BwfEr
「レモナちゃん、凄いモナ!優勝モナよ!!」
「モナー君が応援してくれたからだよ♪」
「え…、そ、そんな事無いモナ!レモナちゃんの練習の成果だモナ!!」
ここは板内の体育館。
【男子6番】コリンズがそうであった様に、レモナもまた剣道やっていた。
素行の悪かったコリンズとは違い、、レモナは努力家であったため、メキメキと腕をあげ、ついに板内でも有数の選手となった。
コリンズを天の才と称すなら、レモナは努力の人だろう。
そして板内の大会優勝戦に彼に無理を行って来てもらったのだ。
もちろん普段の努力の成果もあっただろうが、彼が見守っていてくれると思うだけで特別な力が沸いて来る気がした。
そして…優勝。
彼とともに喜んだ。
周りの目など気にしない。
彼と一緒の事で喜べるだけで、嬉しかった。
でも、その一方で、彼が自分とは違う人に気がある事も察していた。
そんなのどうだって良い。
そんな事で、自分の思いは変わらない。
変えることができないのだから。

そんな心地の良い夢ととともに彼女は目を覚ました。
「やば…結構眠っちゃったかな?」
時間にしてはどの位だろう、そんな一時の幸福。
レモナは重いまぶたを擦りながら、やらねば成らぬ事を思案する。
「まずは…、デイパックの中を整理しなきゃ!」
デイパックの中には、先ほどテナントで調達した携帯食品、出刃包丁、ライター、家庭用油、懐中電灯、双眼鏡、支給された水、食糧、地図。
そして…支給武器の日本刀…菊一文字則宗。
全長で約105cmもあり、幕末の人斬り集団、新撰組一番組長・天才剣士沖田総司が愛用していたとも言われる刀。
この刃とレモナの剣術があれば優勝は難しくも無いだろう。
が、無論その気は無い。
この刃が染まるときは、彼を守る時と決めた。
金属が重なる音とともに鞘を抜く、自分の顔が表れる。
決意の表情。
それを崩し、笑みを浮かべてみる。
その時。
ピーンポーンパーンポーンと場にそぐわない効果音とともに、死亡者の名前が告げられる。
そこにちびフサの名前がある事に驚いた。
でぃが殺したのではない、それは知っている。
だとしたら、誰が殺ったのか。
答えられる事が無い疑問とともに時間は過ぎて行く。

【女子21番】レモナ
C-5の精肉店にて休憩中。
武器・日本刀(菊一文字則宗)
時間・第一回放送終了後。
この時は【残り36人】







漆黒の空のその下、丘の上で焚かれた焚き火が照らす揺れ動く二つの影。寄り添うその姿から二人は恋人同士のように見えた。
だが彼らの”時間切れ”はわずか五分後に迫っている。
「それじゃあ、俺は逝くよ」
焚き火の前に寄り添って座っていた男女のうち、男性のほうが何か意を決したような表情で立ち上がる。
女性の方は何か言おうとするものの、言葉にはならずに口を開けたまま切なそうな表情で男性を見上げている。
「俺はお前を記憶の中でしか残す事が出来ない。けれど……お前は違う。きっと……」
そこで言葉を打ち切り、男性が拳銃を自らの頭部に当てる。その黒い銃の光沢が、焚き火に映えて吸い込まれんばかりの美しい輝きを放った。
女性が泣き崩れながら悲鳴を上げる。それを見下ろしながら目を瞑って歯を食いしばる男性。最後に一言、思った。

 ――俺達の子供を、頼む――

一発の銃声が満点の星空の向こう、漆黒の闇の遥か先まで駆け抜けていった。

共和国戦闘実験プログラム第十四号
残り一名/プログラム終了
PM 5:30
ギコ教授(担当教官)は学校の職員室の机に座り、書類のような物を眺めていた。
職員室の窓にも教室や廊下同様に鉄板が貼ってあり、夕日の届かないこの部屋では唯一の照明源である天井の蛍光灯が室内に白色の明かりを放っている。
ギコ教授の向かいの机では、数人の兵士が各々の席に用意されたデスクトップの机を揃って覗いている。
室内にはその他にも職員室では普段お目にかかれない数々の機材が所狭しと職員室内を占拠していた。
やがてギコ教授は一枚の紙に、赤ボールペンで何やら二箇所チェックを入れると兵士のほうを向いて話し掛ける。
「どうだー、テナーは今生き残ってる奴等の中で誰が優勝すると思う?」
 その言葉で、テナー(専守防衛軍兵士)が『気を付け』の姿勢で声高々に返答する。
「はい、自分はネーノ(男子14番)が優勝すると推測致します!」
その返答に表情を緩めてギコ教授が返す。
「そうだなー奴は勉学も運動も万能だしなー、人望もある。後は仲間を落としていく事ができれば優勝は固いだろうなー。本命中の本命だなー。じゃあニダー。お前はどうだー?」
その声に反応したのは、ギコ教授の向かいの席でパソコンを覗いていた兵士であった。エラが特徴的なニダー(専守防衛軍兵士)もまた、テナー同様に声高々に言葉を返す。
「はい、ウリはウララー(男子3番)を推薦致しますニダ!実戦での戦闘力は一番ではないでしょうか!」
その返答にはギコ教授は何故か渋い顔をしてゆっくりと首を数回往復させて呟く。
「奴は教育長も買っておられるが、教育長もお前もまだ読みが浅いなー。あいつはつーと行動していたからな。爆弾を抱えて行動するようなもんだぞー。
 油断してると後ろからいつブスリと刺されるか分からないからなー。私はウララーは優勝は無理だと思うがなー。それじゃあ女子は誰かいないかー?」
ギコ教授の言葉に、ニダーとは別のパソコンを覗いていた女兵士が口を開く。モニカ(専守防衛軍兵士)という女だ。
「はい、自分はじぃ(女子9番)とモナエ(女子17番)を推します!」
「良い目をしてるなーモニカ、あの二人は運動神経も良いしなー。やる気になれば充分優勝を狙えるぞー。」
そう言ってからギコ教授は再び机のほうを向き、書類を手に取ってペンで何かを書き始めた。その書類には各生徒の詳細なデータとオッズ(倍率)が書き記されている。
生徒達のほとんどは、このプログラムが政府の連中の中で賭けの対象にされているとは夢にも思っていないだろう。
死んだ生徒の名前の脇に赤い×印が記された名簿を見つめるギコ教授。そこに彼は新たに○印を書き加えた。
タカラギコ(男子11番)の名前の横に。
「教官。私はタカラギコが優勝するとは考えられないのですが?」
不意に一人の兵士がギコ教授に話し掛ける。これはギコ教授がタカラギコが優勝すると予想している事に対して言っているのだ。
「ん〜タカラギコか? 確かにやる気なのかどうなのかよくわからないよな。あの性格じゃあ。」
ギコ教授は、機嫌を損ねるどころか一層上機嫌になり、満面の笑みで脇に立つ兵士を見上げる。
「なぁ、お前は競馬で馬に賭けるとしたら、何を参考にする?」
質問に対して質問で返され、戸惑いの顔を見せる兵士。しばらく考え込み、ギコ教授の質問に答える。
「はい、筋肉の張り具合にその日の天候、馬場の状態……他の競争相手、前の出走成績……そんなところでしょうか」
「ん〜、お前は大事な事を忘れているな〜。その忘れている部分こそが競馬ならではの面白い所なんだがなぁ?」
そのギコ教授の言葉に眉をひそめて考え込む。やがて何かを思い出したらしく、確信を秘めたぱっちりとした目をギコ教授に向ける。
だがすぐに再び何かを考え込み、やがて訝しげな目でギコ教授に話し掛ける。
「それと教官がタカラギコを推すのと関係があるのでしょうか?」
「にぶいなぁ、もう答えは出ているじゃないか。タカラギコのようなサラブレッドはちょっといないぞ?」
首を捻り、右手を顎に当てて悩む兵士を見て、ギコ教授は勝ち誇ったように高々と笑った。
「タカラギコの父親はプログラム参加者、そして母親は……同じプログラムの優勝者だよ」
小さい目の大人しそうな顔付きとは打って変わって血の付いた包丁を持った男子生徒が民家に入っていく。
ヒッキー【男子16番】は、一時間半ほど前にでぃ【女子12番】を殺害した後、隠れ場所と使えそうなものを探しに診療所の集落(C-5)に来ていた。
既に誰かが訪れた形跡のある建物もあったが、やはり必要最低限のものがないといけないと思い、恐る恐るながら数件の民家や店に侵入していた。
「銃デモ支給サレテイレバ・・・」
ヒッキーは憎らしげに脇に置いてある自分のディパックを見る。その中には支給品として水鉄砲が入っている。少なくともヒッキーにはこの状況での用途は考え付かない品だった。
当然ヒッキーの耳にも、この数十分の間に数発の銃声が耳に入っている。やがて缶詰と包丁をディパックに入れて足早に雑貨屋から外へ駆け出すヒッキー。
彼は学校では虐められ虐げられ、家に引きこもっていた。
 ―――僕はクラスメートたち全員を許さない・・・皆殺しだ・・・―――
そう、ヒッキーはやる気なのだ。現に一時間半ほど前にクラスメートを殺害している。一通り、家の中を物色すると民家の外に出ようと玄関へ駆け出した。
民家の玄関を出た直後にヒッキーの前頭部で強烈な火花が弾けた。数歩駆けてから膝を折って前のめりに倒れこむヒッキー。起きようとしたが体が痺れて動かない。
同時に今までに体験した事のないほどの嘔吐感が襲ってくる。
「ウ、ウァァァァ……」
うつ伏せの状態のまま、だらしなく半開きになった口から涎を垂れ流し呻き声を上げるヒッキーをタカラギコが微笑しながら見下ろしていた。
その右手には民家で拾ったであろう、金槌がにぎられている。
「あらら、ひきこもり君ですか? だったら生きてる必要は無いですね。」
タカラギコが勢いをつけて金槌を打ち下ろした。どもった音を伴ってヒッキーの後頭部が窪み、金槌の出っ張り部分が頭蓋を砕いて脳天にめり込む。
右腕が跳ねるように一度反り返り、そのまままた地面に落ちた。
「ハハハ・・・所詮、『ひきこもり君』なんてそんなもんですかね。」
そう言うとヒッキーのディパックから必要な物を自分のディパックに移し変えて玄関のトラップを仕掛け直す。


ヒッキー【男子16番】
タカラギコにより撲殺
【退場者1名・残り22人】
>>222 修正
やがて缶詰と包丁をディパックに入れて足早に雑貨屋から外へ駆け出すヒッキー。
                  ↓
やがて缶詰と包丁をディパックに入れて足早に民家から外へ駆け出すヒッキー。
224170 ◆XQllV9IIuo :05/01/29 18:22:01 ID:5jTDtZfB
「ナァ・・コレカラドウスルンダ?」
【女子11番】つーが聞いた。
今ここはB-4の住宅地だ。しかし、内装は他の家屋とは違う。
壁は全面血の赤で染まっている。そして、床には臓器や肉片などが焼けてこびりついている。
数分前、【女子8番】しぃが 【女子20番】ルルカに向かって死ぬ間際に手榴弾を投げたのだが、
それを投げ返され、しぃが爆風で吹き飛ばされたのだ。当然即死である。
その光景を目撃した 【男子5番】ギコはルルカに殺意を抱いていた。
当然だ。ギコはしぃに淡い恋心を抱いていたからだ。実はその恋は相思相愛だったのだが、
ギコがそれを聞く前にしぃは死んでしまった。怒りはすでに沸点まで達していたのだ。
「オイ!ドウスルンダヨ!」
つーが大きな声で聞き直した。ギコはテーブルクロスを硬く握り締めふさぎ込んでいる。
「とにかく・・・そろそろどこに移動しよう。食欲・・・無いだろ?」
【男子3番】ウララーがしぃの武器であった手榴弾(残り12個のようだ)をデイバックに入れ言った。
「なぁ、気持ちはわかるよ。だけど、いつまでもそんなふうにしてたら、しぃちゃんも悲しいと思うよ。だから、元気だせ。」
ウララーはギコに言った。だが、全く返答は無い。ウララーはやれやれとギコに見えないようにポーズをした。
数分後、三人は各々の武器を構え外へ出て行った。
225170 ◆XQllV9IIuo :05/01/29 18:22:54 ID:5jTDtZfB
十分も歩いただろうか。もう日が暮れ始めていた。当然だ。今は、秋なのだから。
空は赤々と燃えていて、太陽はまるで饅頭のように見えた。
これから夜の戦いが始まるのか、とウララーはそう思った。一体、明日の今ごろにはどれだけの生徒が生きているのだろうか。
そう思うと、ウララーは嫌な気分になった。一応自分も殺し屋の一家だから誰かを殺すなんて慣れたことだが、クラスメートは別だ。今まで共に楽しく過ごしてきた仲なのだから。
嫌な気分は少しずつ大きくなっていった。流石に、ウララーも自分が嫌になってきていた。
はぁあ〜と大きなため息をついた。そして息を吸った瞬間・・・気が付いた。

この気分は、自分が変なことを考えているからではない

「みんな、気をつけろ。血のにおいがする・・」
五感には全て自信がある。産まれた時からそう仕込まれてきたからだ。そして嗅ぎ慣れたこの「におい」は、明らかに血だ。
それを聞いたつーとギコは、ギョッとしたが、すぐ武器をかまえた。
小さな足跡を発見して、次第に歩くペースがスローになっていった。周りを警戒しているのだ。
砂や土は被っていなく、くっきりとあとが残っているので、どうやらまだ新しいようだ。ルルカの足跡なのかとウララーは疑がった。
それでも、少しずつ近づいていっているうちに、「泣き声」が聞こえてくるのに誰も気づかないわけではなかった。
それは、まるで男の泣き声だ。ナニカアッタノカ・・?とつーは思った。
そして、交差点についた。泣き声がかなり大きく、また誰か2人が慰めている声も聞こえる。
すぐそこにいる・・と三人は確信した。どうやら相手も三人のようだ。
226170 ◆XQllV9IIuo :05/01/29 18:23:54 ID:5jTDtZfB
「僕がまず飛び出す。相手が僕たちと戦うつもりなら、援護してくれ。行くよ・・・」
そういうとウララーは銃を構え飛び出した。交差点の奥でうわっ、という驚きの声が飛んだ。
「なんだ、モナーたちか・・出てきても大丈夫だよ。相手は銃を持ってない。」
「なんだ、驚かすなよ・・・死ぬかと思ったじゃねぇか。」
ウララーと【男子18番】フサギコは同時に言った。そう、フサギコ、【男子19番】モナー、 【女子19番】リル子のグループだ。
ギコ、そしてつーが武器をそのまま構え出てきた。

モナーは、つーを見逃さなかった。

アイツダ・・アイツガルルカヲコロシタンダ・・・・・・・・・・
モナーの思考回路はストップした。体中の血管が怒りで沸き立っている。それは自分が殺したことを忘れようとしているようだった。
次の瞬間には既にモナーはルルカの血の付いた短刀をがむしゃらに振り回しつーに向かっていった。
しかし、その短刀はつーに触れることは無かった。
ウララーが日本傘で短刀をはじき返したのだ。バキッと言う音がしたあと短刀はくるくると回りながらルルカの数メートル手前まで飛んでいき地面にささった。
「モナー!落ち着け!!くそぉっ!」
フサギコがとっさにモナーの首に警棒ではさみ動けなくした。
しかし、それでもモナーはつーを殴りたいらしく、暴れていた。
227170 ◆XQllV9IIuo :05/01/29 18:24:38 ID:5jTDtZfB
「つー!!お前が!お前がルルカを殺したんだ!!!」
ルルカという名前を聞いて、ウララー、ギコ、つーはピクリと反応した。しかし、つーは2人とは違う反応をしていた。額から冷や汗がながれていた・・・
「落ち付けってば!!クソッ!」
フサギコが暴れるモナーを必死に止めていたが、数秒後モナーはウッとうめきだらりと気絶した。
リル子がボウガンの柄の部分でモナーの頭をたたいたのだ。思い切り。
フサギコはモナーを地面に寝かせた。
「どういうことだ?・・・ルルカは死んだのか?」
ギコが、数十メートル奥に血を流し倒れている生徒をみながら無理矢理声を落ち着かせて言った。「ルルカ」はギコを静かな怒りに落とさせるには簡単なキーワードになっていた。
「ああ・・・ルルカは俺たちに襲いかかってきた。だから、戦闘になったんだ。
とどめは・・モナーが刺した。」
「じゃあ・・・じゃあ、なんでモナーはつーが殺した、だなんて言ったの?」
ウララーが口を挟んだ。そして、地に伏せているモナーとつーを見た。顔が青ざめている。
「これ・・」リル子はポケットから白い粉を取り出した。「ルルカさんは麻薬をやってたらしいの・・
つーさんに、無理矢理進められて。」
全員の目が、つーに向けられた。
「わ・・私は、ルルカさんが幻覚を見て、だから、モンスターとか言ってたんだと思う・・・」
「オレノセイジャナイ!!」
リル子の震える声をつーが遮った。
「うるせぇ!お前がルルカに薬を薦めなければ、しぃは・・・しぃは死ななかったんだぞゴルァ!」
今度はギコがつーの発言を遮る番だった。彼は銃を投げ出しつーに馬乗りになり殴りかかった。
しかし、それはすぐに収まった。フサギコは警棒でギコの頭をたたきノックアウトした。ギコはつーに乗っかったまま気絶し前のめりに倒れた。
228170 ◆XQllV9IIuo :05/01/29 18:25:55 ID:5jTDtZfB
「全く、どいつもこいつも血の気が多すぎだから・・・。」
「同感。フサはルルカちゃんを殺して、悔いは無いの?」
「もし俺がルルカの立場だったら・・・麻薬やって幻覚症状を見て人を殺して、
これ以上罪を増やす、大切なものを失ってしまうくらいなら、天に召されたほうが俺はマシだと思うね。」
フサギコが吐き捨てた。しばらくウララーとフサギコはにらみ合いをしていたが、やがてリル子の発言によってそれは終えられた。
「ねぇ・・・これからどうするの?」
周りが凍り付いたように静かになったが、やがてウララーがただ一言返事を言った。
「・・・組むか?」
「これだけ人数居れば、簡単には死なないだろうしな……まぁ、よろしく」
そんな色気の無い会話をしたあと、2人は地図を出しどこへ行くか相談し始めた。
「俺たちは最初F-7あたりへ行こうと思っていたんだが、次回禁止エリアになるらしいから・・
そうだな、逃げやすいE-2あたりか・・・」
「で、E-2に行ったあとどうするんだ?」
「とりあえず俺は林で潜伏して夜をあけるのが一番だろうと思う。
別に森でも構わないんだが、逃げにくいし何より深夜の森ほど道の判らないものは無いだろ?
それに俺たちは銃を持っているのが多いから、当たらないと困るしな。
まぁ、逆も言えるわけだが」
「じゃあ、すぐ出発しよう。何回か爆発音が聞こえたろ?それで誰かが来るかもしれない。」
そう言うと、ウララーはギコとモナーを起こしデイバックを背負った。

今、ここに一番仲の悪いグループが誕生した。

【現在時刻:3:52】

フサギコ達:
B-4→E-2へ
4:40
モナエ【女子17番】は窓から少し顔を出した。彼女は少し前まで海岸沿いの道を素早く移動していた。
途中で道が分かれていたので、地図を見ると、どちらへ行っても住宅街につながっている道だと分かった。
その住宅街は地図で言うと島の北西に当たる場所C-2に存在している。 
しばらく進んで住宅街に入ると、その周りに家があり、どの家から狙撃されてもおかしくない雰囲気だった。
無駄に町の中を歩き回っていると危険と判断したので、目に付いた家に飛び込んだ。 
家の中を少し探索し、包丁や、アイスピックを見つけることができた。 何かあった時に武器として使えるだろう。 
だが、多分それらの物は使う機会はないだろう。何故なら、彼女の武器は銃だったからだ。「ウージー9mm」という、サブマシンガンだ。
弾薬は十分鞄の中に入っているし、問題ないだろう。とにかく、この家に立てこもったのは正解だったようだ。
当然、雨戸は閉めた。大体の雨戸は閉まっていたのだが、この家の住人が閉めるのを忘れたのか、二つ開いていた。
閉める時にかなり大きな音が鳴ったので、少しばかり緊張したが、誰も襲ってこなかった。
さらに、かぎを壊した玄関のドアは近くにあった家具で塞いだ。
これで、ここが禁止エリアになるまでじっとしていられるわけだ。 ひとまず、 安心。

2:50を回った頃、二階の窓を静かに開けて、彼女は外を覗き込んだ。銃声が聞こえてきたのだ。
窓を開けて、耳を澄ますと、E-2から機関銃の音が聞こえてきた。それが何度か続いて、その内、その騒ぎは収まった。
そして窓からその騒ぎのした方を見ているのだが。あれは明らかに銃撃戦ではない。
何者かが一方的に撃ち殺したと考えてもいいだろう。銃声が二種類聞こえたがまあ、混戦になったとしたらもっと聞こえてもいいはずだ。
とにかく、グループ同士ではないはずだ。当たり前だ。気安く仲間なんて作ったらいつ後ろから撃たれるかわからない。

今は4:40。また、外覗いてみたのだが、誰も居ないようだ。そして、窓を閉めようとした、その時!
「!!」
モナエは何かに気づいて急いで荷物を抱え上げた。早くこの家から出なければならない。
何故なら、今、かなり大型の銃を持ったシラネーヨ【男子10番】と目が合い、シラネーヨが家の中へ突入してきたからだ。
まったく。せっかく苦労して雨戸を全部閉めて、ドアも家具で塞いだというのに。一階から窓の割れる音がする。
すで一階に進入したようだ。するとモナエは信じがたい行動をとった。二階の窓から一気に飛び降りたのだ。 
しかし、難なく地面に降り立つ(凄い脚力!)。刹那、東の方向へ向かって一目散に駆け出す。
その時、妙な音が連続した。その音には聞き覚えが・・
「ううっ?」
自分の口から変な声が出た。しょうがないだろ。腹に何か突き刺さってきたんだから。
モナエは分からなかったが、それは、紛れも無く、弾丸だった。
後ろを振り向くと、十数メートル先にある、先ほどまで自分が潜伏していた住宅の一階にシラネーヨがやたらでかい銃を構え、立っていた。
いきなりシラネーヨが窓を乗り越えて、さらに撃ってきた。モナエはそれを避けた・・ つもりだったが、左肩に当たった。
「ちっくしょう!」
モナエは全力で走った。後ろでさっきのものとは違う銃声がしたが、今度は当たらなかった。 腹と肩の傷が痛むが、
それよりも気になる事があった。今の銃声。さっきE-2の方で聞こえた銃声と同じだ。その時に聞こえてきた銃声と同じだ。野郎。 
シラネーヨか。いい度胸だ。貴様はみんなの命を犠牲にして、一人だけで生き残ろうと言うのですねぇ? おーけーい。
「畜生!死ねっ!!」
そう言って、モナエは後ろへ向き直り、マシンガンを撃ちまくった。 ぱららら という歯切れの良い音がして、
腕に細かい反動が連続して伝わった。それと同時に地面や壁が弾で削られ、破片が飛び散った。しかし、そこにシラネーヨの姿は無い。 
構わず、マガジンの中の弾を全部撃ち切り、空になったマガジンを引っこ抜いて、新しいマガジンをグリップに差し込んだ。
そのまま、すでに見えている門に向かって走った。すると、また後ろから銃声がした。くそ。一体どこに隠れてたんだ。
門を足で蹴り倒して、道路へ出た。右は五十メートル以上の直線。 左に行けば、すぐに曲がれる。 と、言う事で、左へ向かった。
カーブを曲がり、逃げ切った と思った時。後ろでまた銃声が鳴った。すると背中に三つほど穴が開いた。また撃たれた。
しかしそれでもモナエは走り続けた。モナエはたまに後ろに振り返ってマシンガンを撃った。しかし、その度にかわされる。腹が立つ。
今彼女は東に向かって走っている。もう少しでDラインに差し掛かる。そうしたら、またどこかの家に隠れればいい。
しかし、後ろにはぴったり二十メートルぐらいの距離を保ってシラネーヨが追いかけてきている。
うかつに家の中に逃げ込んだら奴の思うつぼだ。逃げ場が無くなって、追い詰められて殺される。だがこのまま逃げ続けても埒があかない。

――いっそのこと、奴を片付けてしまおうか・・・。

そう考えながら彼女はまた曲がり角を見つけた。 よし。反撃のチャンス。あの角に隠れて、そこから撃ち返せばいい。 
さっそく、そこに駆け込む事にした。後ろで銃声がしているが気にしている場合ではない。モナエの走った後を追って、
地面を弾着が列を成したが、今度は当たらなかった。モナエはようやく反撃の機会を得る事ができた。ようし。
――調子に乗りやがって。いつまでもこの私が逃げてると思ったら大間違いだ。

すぐにシラネーヨに向かって撃ち返した。シラネーヨは間一髪避け、近くの民家の門に滑り込む・・・と思ったら腕辺りに着弾し、血飛沫が上がる。
しかし、尚も撃ってくる。モナエも撃ったが、それと同時にシラネーヨも壁越しに撃ってきた。急いで身を隠すと、花崗岩の石垣が音を立てて削れた。
そこで負けずにモナエは撃ち返したが、また門に当たった。畜生。あの少し見えてる頭を狙えれば・・。
しかし狙ってる隙に撃たれる可能性がある。そう考えながら、なんとなくまた撃った。連射するつもりだったが、
ウージーの内部機構が、がちっと音を立てて弾切れを告げた。すぐに空になったマガジンを引っこ抜いて新しいマガジンを・・ 
と思ったが・・しまった。ベルトにさしてあったマガジンがもう無い。後は鞄の中のやつのみ。いちいち鞄を開けている暇は無い。 
その時、シラネーヨがこちらの弾切れを知ったのか、防御体制を解除して、突撃してきた。 まずい。 
しかし、シラネーヨの方を見ると、鞄の中からマガジンを取り出そうとしているのが目に入った。奴も弾切れ・・。
そこで、彼女はもう行動を取っていた。 先程民家で見つけたアイスピックと包丁をそれぞれベルトとブーツから引き抜き、
石垣の陰から飛び出した。右手に包丁。左手にアイスピック。
さっきまでは役に立たないだろうと思っていたが、やっぱりもらっておいて正解だった。 へへ。二刀流ってやつ?

「はぁっ!」

すかさずシラネーヨに包丁を向けた。が、シラネーヨの右手が彼女の腕を掴んで、包丁はシラネーヨの目前で止まった。
今度は左手に持っているアイスピックを振った。しかし、それはシラネーヨにより蹴り飛ばされた。 
こうなったら切り札を出すしかない。切り札と言っても、いつも持ち歩いているバタフライナイフ(!!)だが。
ポケットからすぐにそれを取り出し、素早く刃を起こした。しかし、それもシラネーヨの左ストレートによって殴り飛ばされた。
隙だらけ。今のシラネーヨの格好は。坊や。いける。右手は私の手を掴んでいて、左手は今横に大きく振られている。
そこでモナエはシラネーヨの顎に膝蹴りを喰らわした。シラネーヨは吹っ飛び、地面を滑った。はやく逃げなくては。
モナエは全速力で走っていった。やがて、シラネーヨは追ってこなくなった。


ふと視線を目の前の住宅街に移すと、小規模なビルのような建物が目に入った。
あそこになら、保健室とかに治療用具のような物があるかもしれない。いくら鍛えた体とはいえ、十発近く銃弾を浴びたら、そりゃ、ぼろぼろになりますよ。
とにかく、治療しなければ。

モナエが去った後の住宅街は、以前の静けさを取り戻し、時々、湿った夏の風が道路を通り抜けて、

わずかに散った木の葉を巻き上げていた。

場所移動
モナエ     E−2→D−3
シラネーヨ   E−2
4:30
ギコ一向は合流後、結構な距離を移動してきた。比較的古びた建物を見つけた。
この辺鄙な島には珍しい3階建ての雑居ビルのようだ。正面玄関は床のタイルが割れ、下のコンクリートが見えている。
ギコとモナーが二人で内部に入っていった。

腕時計の内部機構の稼動音が聞こえるほどあたりは静まり返っていた。時々鳥のさえずりや風の音が耳に届くだけで、
ほとんど無音に近い状態だ。今はその時計の音だけが聞こえる。 

「おい。いいぞ。入って来い。」

ギコが玄関の奥の方からフサギコ達を呼んだ。中には誰もいないようだ。
このビル、外見も去る事ながら、中身も素晴らしい汚れようだ。辺りに蜘蛛の巣があり、壁には落書き。 廊下を歩くと、
ぎしぎし音が鳴る。しばらく中を見て回った後、一階の部屋に腰をおろす事にした。ぼろぼろで汚いが、デスクと椅子があった。
ウララーは椅子に座り、モナーは中をうろうろしている。つーはなるべくモナーから離れた場所に座っている。
ギコとフサギコは「使える物が無いか探してくる」と言ってまたどこかへ行ってしまった。リル子は何をして良いか分からず、部屋の真ん中で突っ立っていた。
「リル子ちゃん。座りなよ。」
ウララーで言った。リル子はそう言いながらも、どこに座っていいのやら、わからず、おどおどしていた。
「ここに座れば?」
モナーが言った。そちらを向くと、モナーはいつの間にかデスクに掛けていた。すると、ギコがいきなり戻ってきた。
「お前ら。今の聞こえたか?」
いきなり言われても困る。
「え?何が?」
リル子が訊き返すと、ギコではなくモナーが答えた。
「銃声が聞こえたんだモナ。しかもかなり近い。」
それを聞いてギコは頷いた。しかし、リル子はまだ現状を理解していないようだ。
「え?私には聞こえなかったけど?」
リル子がギコの方を向いて言ったが、ギコの耳にはその言葉は届かなかったようで、ギコはまた喋った。
「今から見張りを立てる事にする。」
そう言ってギコはどこから拾ってきたのか、古びた双眼鏡をみんなに見せた。塗料が所々はがれている。
「この建物の屋上にこれを持って三十分交代だ。」
ギコの一方的な話でリル子の頭は混乱したが、何とかその状況を把握することができた。 
つまり、今、銃声が聞こえるほど近くで、撃ち合いがあった。だから、もしかしたらその銃声の主がここに来るかもしれない。
それで何も対策をしないのはあまりにも無用心すぎるので屋上に見張りを立てて、
誰かが来たらすぐに気が付けるようにしておくというわけだ。しかも、撃ち合っていた奴の内、どちらかはマシンガンを持っている事から、厳戒態勢ってわけだ。
誰だか分からないが・・
「その双眼鏡どこから持ってきたの?」
ウララーの声でリル子の思考は中断された。
「二階の事務所だ。」
ギコが答えると、ウララーは、ふぅん と言った感じで口の形をゆがませ、さらに訊いた。
「んじゃあ、誰が最初に見張りする?」
「モナが行く。」
ウララーの問いに、答えようと立ち上がったつーの前にモナーが言った。 何だか、故意につーより先に答えたような感じだった。 
モナーが見張りに立ってから十五分程経った。リル子は相変わらず何をしたら良いのか分からず、ただ部屋の端で呆然と突っ立っていた。
ギコはフサギコ、ウララーと一緒に食料を探しに行ってしまった。 ・・また独りになってしまった。
その時、前にルルカの額に矢が刺さる情景が再び頭の中をよぎった。狂人と化したルルカ。そして、そのルルカ致命傷を与えた自分。
・・・もうやめよう。その事を悔やむのは。今は、脱出の方法を考えるべきだ。いつまでも過去の事にこだわっていたら、今やるべき事がおろそかになってしまう。
そうだ。何か・・脱出の手立ては・・無いだろうか。そうだ。仲間を集めればいいのでは?大人数で考えれば多分案が浮かぶはずだ。
今、ここにいるもの以外で、生きている者で最も頼りになりそうなのは、ネーノ、モナエだ。
ネーノは・・どうだろうか。彼は殺し合いを進んでやるような人じゃないし、なによりも成績が優秀だ。彼はなにか脱出の方法をかんがえてくれるかも。
あと、モナエは比較的信用できるかもしれない。普段はあまり口を利いたことは無かったが、話してみるとなかなかいい人だった。それに、結構頼りになりそうだ。
是非仲間にしたい人の一人だ。 いっいや。もちろん他の人も仲間にしたいんだが。 しかし・・モナエや、他のみんなはまだ生きているだろうか。
さっき、誰かが誰かを襲ったようだが。その時、戦った人は無事に逃げられただろうか。いや、あの銃撃戦では無事ではすまないだろう。
いや。その人も誰かと一緒にいたら?そうだ。自分たち以外は、みんなバラバラになっているとは限らない。もしかしたら、みんなグループを作っていたりして・・いや。
そんな事は有り得ないだろう。少しの確率はあるが。とにかく、銃撃戦に巻き込まれた人の無事を祈る事しか、今は出来ない。
「食料があったぞ。」
いきなり声がしたのでリル子は思わずボウガンを声のした方へ向けた。しかし、そこにはフサギコーがいたので、なんだ と安心して、ボウガンをしまった。
彼の手には大きな袋が抱えられている。
「食料って・・それ?」
「そうだ。米なんだがな。つーは、モナーの所に行った。交代時間だからってな。」
時計を見たらもう5時近くになっていた。それにしても、ここは時間が経つのが早い。
「よぉ。戻ったモナ。」
「あっ。お帰り。」
もうモナーが戻ってきた。もう三十分経ったのか。その割には全然脱出に関して進展が無い。このままじゃまずい。フサギコがタバコ(!)を吸いながら言った。
「リル子、さっきから何黙ってんだ?もっと明るく行こうぜ。暗くなったら何も始まらないぜ。」
フサギコの能天気な言葉に再びリル子は現実に戻された。
「ありがとう。だけど・・やっぱり不安なの・・・。」
「分かってる。俺だって不安さ。なんせ、こんな状況だもんな。」
「そうね。」
それで、また会話が途絶えた。
5:00

 ・・目がかすんできた。体もだるい。さっきまで感じていた痛みも、もう感じなくなっている。足も、ほとんど動かない。
誰にこんな目に合わされたんだっけ。あぁ。シラネーヨか。あいつ・・何で・・?いきなり殺そうとしてきやがった。
脱出の方法、ちゃんと考えたうえで、私を攻撃したんだよな?くそ。とにかく・・だるい・・

前身血まみれになりながら、モナエはふらふら歩いていた。シラネーヨから受けた傷は、彼女が思ったよりずっとひどいようだ。
弾は全部貫通していて、体内に残ってはいないが、おびただしい量の出血で、彼女の体の機能はほとんど正常には動いていない。
かろうじて足を動かす事が出来る。もう、鞄を持っているのも疲れた。このマシンガンも・・ いやいやいや。駄目だ。これは絶対に手放してはいけない。
鞄の中には食料が入っているし、弾も入っている。銃も捨ててはいけないぞ。いけない。捨てたら鞄の中の弾が使えないだろう・・・?
あれ?違うや。銃を使うために弾を捨ててはいけない。ああ。弾じゃない鞄だ。鞄の中に弾が入ってるから、鞄を捨ててはいけない・・?
ああもうめちゃくちゃになってきた。脳が正常に機能していない。もう、息もするのもだるくなってきた。

――・・・死ねないよ。この程度じゃあ・・

私はこのままではもう死んでしまう。多分、あの雑居ビルに治療するような場所はあるだろう。
そこまで行かないと、死んでしまう。プログラム・・こんな不理屈な理由で死んでたまるか。

もう、その「ビル」は目の前に迫っていた。あとは、この坂を登りきるだけ・・もう少し。もう少しだ。
その時、何気なく建物の屋上を見ると・・?   あれは・・人?  人が・・

その瞬間だった。火薬が爆発する音。銃か? 同時に、その人影から光が。 
その出来事をうまく認識する前に、モナエの左肩に殴られるような衝撃が伝わり、骨が砕ける音がした。さらに、
その勢いで彼女の体は左に一回転し、うつ伏せに倒れた。

撃たれた。
「銃声だ!」
ギコがザウエルに飛びついた。今のはリル子にも聞こえた。モナーにも聞こえたようだ。モナーは短刀を鞘から抜く。
「今のは上からだ!つーが撃ったのか!?」
ギコが血相を変えて窓際に駆け寄り、しゃがんで壁に背中を引っ付けた。あの銃声は聞いた事はないが、間違いなく、つーが撃ったのだ。
「そうだっ!つーが撃ったんだよ!あの銃声は、間違いない!」
ウララーは机の下に隠れている。そこじゃ危ない!
「フサ!つーの所へ行け!何があったのか訊いて来てくれモナ!」
「承知!」
モナーから短刀を受け取り、身を伏せてドアへ走り廊下へ出た。ここの構造は、さっき少し歩いて回ったので頭に入っている。すぐに階段を見つけて、駆け上がった。
どんどん上った。ここは体力の見せ所だ。この雑居ビルは3階しかないので、すぐに屋上に通じるはしごにたどり着いた。 
すばやくはしごを上り、つーを探し・・あ。いた。柵から身を乗り出し、FN P90 を構えている。再び、撃った。
「おい、どうしたんだ、つー!」
フサギコが声をかけると、つーは驚いた様子も無く、ゆっくりとフサギコの方へ体を向けた。
「敵か・・?」
フサギコが再び訊こうとする前に、フサギコは驚くべきものを見た。
「・・・・ナンデモナイ・・・」
そう言いながら、つーがフサギコへ銃を向けたのだ。
「おい・・?冗談はよせよ・・。」
フサギコは全然わけがわからない。こいつ、何やってんだ?
「ウッセェ!!モウイイヤ。仲間ガ増エスギチマッタ!!コレ以上イタラ、最後ニ困ル!!」
そう言うと同時に、FN P90が火を噴いた。
「うわっ!」
とっさによけたつもりが、弾が、大腿に命中し、その衝撃からか、短刀を落としてしまった。
「ぐぁっ!なっ何しやがる! お前正気か!?」
かろうじて物陰に隠れて、つーに向かって言い放った。
「正気ダ。正気ダカラコソ、今、ココデテメェヲ撃チ殺ス。」
つーの言葉が聞こえた。 ・・何?何を言ってんだ?つーは。 撃つ?俺を撃つって?
「アッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
つーの狂った笑いと同時に、足音が聞こえてきた。こっちに来る!!
「うあああっ! く、来んじゃねぇ!!」
フサギコは、今隠れていたコンクリートのブロックの影から大型の給水タンクの陰へと、飛び移った。
それと同時に、フサギコが元いた場所に火花が散った。つーがまた撃ったのだ。
「・・・隠レテモ無駄ダァッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。」
さっきからつーは何を言っているんだ。仲間じゃないか。俺ら。何で?何で急に・・
「てめぇ、つー!!! ついに気でも狂ったか!!? 冗談ならいいかげんにしやがれ!」
「冗談?アッヒャヒャヒャヒャヒャ!!馬鹿カ貴様。モウオ前ラハ用済ミナンダヨ。アトハテメェらヲ殺シテ武器ヲカキ集メテ残ッタ連中ヲ始末スルダケダ。」
また撃ってきた。その弾はフサギコの腹部に数発着弾した。
「グゃぁぁあ!!!ふ、ふざけ・・・!!ぇぁ!!!」
フサギコの口から血液が噴出される。
「オトナシククタバレ!!」
逃げなくちゃならない!モナー達の所へ戻って、事情を話さないと!
ふと横を見る。何かが見えた。
その場面は、気のせいかもしれないが、スローモーションに感じたような気がした。あまりにも衝撃的な物が・・!
その「何か」は、モナエだった。血まみれで、倒れている、モナエ! つーの野郎!モナエを・・撃ち殺したのか!!
これで分かった。つーは、俺らを利用して、最後まで生き残って、最後になったら僕らを始末するつもりだったんだ!
それが、モナエが現れて、数が多くなりすぎると困るから、その理由で、彼女を殺したんだ!そして、ついでに、俺も殺すのか!

――あの・・最低野郎!! 許せねぇ!!

刹那、銃声と共にフサギコの視界が激しく揺らぎ、同時に思考の一切の切断を余儀なくされた。

フサギコ【男子18番】
つーにより射殺
【退場者1名・残り21人】

武器・短刀 モナー→フサギコ→つー
「フサは殺されたんだ・・・」
ギコが重い口調で全員に話し掛けると全員が頷く。すると、つー以外、全員のいる職員室の前から足音が聞こえた。
「みんな、モナーと俺はここで応戦する、だから皆は逃げろ!!」
ギコの言葉でモナーとギコ以外の2人が窓から出て行くと同時に、廊下側の一枚の窓が吹き飛んだ。破片が部屋側に飛んだ。という事はつーの弾丸によって割られたのか・・?
その出来事が引き金になったように、ギコが撃ち始めた。時々つーも撃っているようだが、ほとんどその音は聞こえない。
「ちっくしょう!当たらねえ!」
ギコはモナーとは少しはなれた場所で、壁を盾にして撃っている。モナーはリル子から渡されたボウガンをたまに撃っていたが、一発も命中することなく弾切れ。
「これじゃ埒があかないモナ!」
「るっせぇ!!無駄口をたたくな!集中しろ!遊びじゃねぇんだぞ!!」
二人とも大分いらだっているようだ。そりゃ、生死をかけた戦いだ。神経が磨り減っていくのは当然だ。その時、またつーが撃ってきた。
「うわぁっ!」
同時に、ギコが後ろに吹っ飛び、その衝撃でザウエルを落とした。つーが歩み寄りながら、ザウエルを拾い上げる。
「ギコ!!」
モナーが急いでギコに駆け寄る。早くつーを殺らないと、死ぬかもしれない。どこを撃たれたのかも分からないが。
「畜生!!ざけんなぁぁぁ!!!!」
「バカヤロぉ!!!行くな!!!」
ギコの静止にも従がわず、モナーはイノシシのごとくつーに突進していった。もうモナーの怒りは頂点に達していた。
――ルルカを追い詰めただけでなく、ギコまで、撃ちやがって!もう許さねぇ!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!地獄に叩きおとしてやるぅ!!!!!
大声で叫びながら、モナーはつーに突進した。
「ヒャヒャヒャ!!馬鹿メ・・・」
気付いた。なんと自分は無防備なんだろう。しまった。感情的になりすぎた。短刀が、こっちを向いて・・

『あれれぇ? モナーくーん!』

ん・・・?ここは・・・?

『キャハハ!ルルカ、驚かせちゃった?』

ここは・・・あの教室・・・?

スーッ とあの日の回想が消え、現実に戻される。
「ギコモ遊ボォ〜!アッヒャヒャヒャヒャ!!!」
最後にモナーを一瞥して小さく手を振ってから、つーは玄関の向こう(おそらくギコは逃げたのだろう)へと走り去っていった。
モナーが這いずって体をずらすと、胸から血が噴き出しているのが見えた。
「畜生ぉぉー!」
何度も大声で叫んでいると、次第にモナーの意識は再び遥か遠くへ旅立って行った。

モナー【男子19番】
つーにより失血死
【退場者1名・残り20人】

武器・ザウエルP220 ギコ→つー
先ほどまで居た雑居ビルの住宅街の前の森(E−3)、恐怖に支配された面持ちで周囲の様子を窺う男子生徒の姿がある。ギコである。
「し、信じられるのか? この状況下でも、なおも俺は?」
モナー【男子19番】らと合流できたところまでは良かったが、雑居ビル(E−2)でつー【女子11番】がギコ達を裏切った。
フサギコから奪ったと思われる短刀でモナーを刺したつーの行動を見てギコは戦慄した。
 ――駄目だ、やっぱり誰も信用できない!
つーがモナーから短刀を引き抜いている間に、ギコは一目散に逃走した。勿論つーは追ってきたが、ギコの脚力が勝り何とか逃げ切る事ができた。
しかし不安と恐怖心は拭い去る事はできずに絶えずギコに付きまとっている。
 ――次は俺が放送される番かもしれない……そんなのは嫌だ!もう、誰にも容赦はしねぇ!
しかしギコは、一切の所持品を持っていなかった。不覚にもつーから逃げるのに夢中でディパックを集落に置いてきてしまったのだ。
「やべぇ……やべぇよ……」
ギコは絶望感に抗いながら、唇を噛んでもう一度周囲を見渡す。山道に被さる木々の隙間、曲がりくねった道を二人の生徒が並んで歩いているのが見える。
遠目からでもギコの目に鮮やかに映っていた。
「ん、あれは……ウララー? 一緒にいるのは……リル子なのか?」
ウララー【男子3番】がリル子【女子19番】と歩いているのを見て、ギコは思わず笑みが零れた。
――よかった・・・無事だったのか・・・
「おーい、俺だ、ここだー!」
 ――頼む、気付いてくれ!
「見付ケタァ」
ギコの真後ろで聞きなれた独特のダミ声が響いた。ギコは慌てて真横に飛び退きながら、その声の主のほうを向く。
「アァ〜捜シタヨ〜ギコォ。」
そこではつーが短刀を片手にだらしなく上体を泳がせて立っていた。
「……やばい!」
ギコの最大の失態は、つーから逃走する際にディパックを始めとして何も持たずに逃げた事であった。
自らの支給武器であるザウエルは、皮肉にも眼前の殺人鬼の右手に渡っている。
ギコは混乱寸前の精神を必死にコントロールし、打開策を弾き出そうとする。じりじりとギコが後ずさりし、つーは逆に歩み寄ろうとするが距離は縮っていない。
ギコは、つーの運動神経は明らかに自分より下だと認識していた。体育の時間でも目立っているのはもっぱらギコのほうだ。
つーと言えば二言目には『だりぃ』と言って試合等を放棄してしまっている。
「脇をすり抜けて逃げられるんじゃねぇのか? いや、上手くすれば刀や銃を奪う事だって……そうだ。俺のほうが運動神経は上だ! 勝てるだろう絶対!」
「アッヒャヒャヒャ!!諦メロヨォ!!」
自信を込めた表情でつーを見据えるギコ。一方、つーは肩に掛けていたディパックと鞄を地面に下ろす。
「ヒャヒャヒャヒャヒャ!!来ルンナラ来イヨ!!」
心底満足そうにつーが満面の笑みを湛えながら短刀を無造作に振り回す。つーの胸元で短刀が十字の残光が煌いて、その刃先が糸の様に映る細い残光を吸い取った。
微塵も恐怖心を見せないつーを前に、再びギコに一抹の不安が去来する。しかし、新たな感情がそれを押し流した。
「クソッタレ! 舐めてんじゃねぇ、俺の方が上だゴルァ。判断力麻痺させてんじゃねぇぞ殺人鬼が!」
瞬く間にギコの怒りが恐怖心を凌駕する。ギコは唾を喉の奥に流し込み、一度自らを促すように深く頷いてから地面を強く蹴った。
雑草で滑りかけたが、それでも充分なスタートダッシュだった。つーの目が見開かれ、大きく上体がしなるのが見えた。
 ――裏切り者が!短刀を握ってる右腕を両手で押さえて、そのまま腹部に強烈な蹴りを御見舞してやる!!

つーとの距離を縮めると同時に身を屈め、短刀を握る右手に狙いを定める。不意にその視界に映る短刀がつーの手から落ちた。
「えっ?」
呆気にとられて見開かれたギコの目に何かが投げ付けられた。視界が遮られ、そのままバランスを崩して激しく転倒する。
「うっ、うわぁぁぁ!」
ザラザラしたその粉状の物に眼球が傷付けられるのを生々しく感じながらギコは転げ回る。
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!ミエミエナンダヨ!!ギコォ!!」
つーが左手を広げると、微量のチョークの粉が舞い落ちる。広げられたその手の平は真っ白になっていた。
――さっき、ビルにいた時何かコソコソやってるとおもってたら・・・これをバッグに入れてたのか・・・!!
つーがバッグを探り、何かを取り出す。
「コレコレ」
つーが左手に何かを握ったままで、必死に目を擦るギコの腹部を思いっきり蹴り上げた。体をよじり倒れ込むギコの腹部に更に四度爪先が食い込み、ギコが涙を滲ませる。
「サァ〜イキマショウッヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
つーがギコ馬乗りになって左手に握った何かを彼の口中に突っ込む。
「んんぉ、んぁ!」
暴れる間も与えずにつーがギコの口を左手で塞ぎ、そのまま右フックを鼻っ柱に打ち込んだ。ギコが画鋲と血を吐きだしながら地面に熱烈キスを施した。
「ごはぁぁっ! つー、手前っ……」
「次行ッテミヨォ〜ッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
仰向けのままでつーを睨み付けるギコの顔面を思い切り蹴り飛ばしてうつ伏せにする。そのままその背中に腰掛けてつーが再びポケットに手を入れる。
勿論、取り出した左手では無数の画鋲が黄金色に輝いていた。馬乗りのままで画鋲を再びギコの口に捻じ込み、両手で彼の下顎を掴む。
「ごっ、ふぉごぉぉぉー!」
これから何が行われるかを察したギコが、呻きを発しながら両手を地面に何度も叩きつけて抵抗した。恐怖に染まる瞳には、未だにチョークの粉がまばらにこびり付いている。
つーが口元を歪め、上体を徐々に後方へ反らす。地面に突っ伏したギコの上体が反り上げられ、口の中では画鋲が次々と皮膚を貫く。
「ぼぉっ、ごぶぉっ!」
唇の端から血を流しながらギコが首を振るが、それは口中での画鋲の活動を更に促進させるだけであった。やがて鼻からも血が流れ出し、鉄の味と息苦しさが膨れ上がる。
「フィニッシュダァ〜ッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!」
つーが右手をギコの下顎から放す。開放されるのかと一瞬思ったが、当然そんな甘いものではなかった。喉仏付近に食い込む冷たく鋭い感触にギコの全身が戦慄する。
右手で短刀の柄を、左手で剣先の峰を掴んでギコの首に食い込ませる。鋭い刃が擦れ、喉笛付近に焼けるような痛みが走った。ギコの頬を涙が伝う。
「やふぇ……ふぇぉぉぉ!」
ギコは何かを言いかけたが、つーが上体を倒れんばかりに仰け反らせたのでその声は絶叫に変わった。ゴリッという嫌な音がして、ギコの喉から真っ赤な血飛沫が広角に噴射される。
「アーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!!!」
狼狽した表情を上空に向けて激しく痙攣するギコにも構わず、つーが可動範囲の限界以上まで上体を反り上げた。
不意にギコの右腕が真上に跳ね上がり、それが頂点に達したのと同時に彼の背骨が粉砕された。
つーがギコの首に食い込んだ短刀を握ったままで後方へ倒れ込み、そのまま大の字になって狂気の雄叫びを上げる。
「ヒャァーヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
つーがゆっくりと立ち上がり、ありえない角度で首の部分と腰の部分が二つ折りになったギコの遺体を躊躇する事無く、むしろ楽しむように何度も踏み付けた。
つーは自分のディパックと鞄を肩に担いで立ち去っていく。後には余りにも無残なギコの亡骸が、出来の悪いマリオネットのように陽光の下でポツリと残されているだけだった。

モナー【男子19番】
つーにより失血死
ギコ【男子5番】
つーにより背骨粉砕殺
【退場者1名・残り19人】
240名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/30 21:56:41 ID:/CMGB5xI
>>234-239
お前キャラ狂わせてキャラ殺すストーリーばっかり書いてるな。
文法がうまいのは認めるけど殺してばっかりじゃおもしろくないんだよ。
241サンキウ ◆39NC4AfM7Y :05/01/31 13:55:04 ID:4xcC4rK2
あいぼん【女子1番】はE-2付近の林と住宅地の境目となっている道路を歩いていた。
林側から吹いてくる風が涼しい。
あいぼんは辺りを見渡し、誰も居ないことを確認してから木陰にしゃがみ込んだ。
走り、歩き続けていたために、日ごろ運動らしき運動をしない彼女のふくらはぎはパンパンになっている。
それを揉み解しながら、あいぼんは小さくため息をつく。
もう片方の手でデイパックを引き寄せ、その中に無造作に手を押し込む。
その中にあったものを握り、手をやはり無造作に引き抜いた。
握られていたのは、薄茶色の小瓶。中に粉末が入っていて、ラベルにはでかでかと『毒薬』の文字が躍っている。
「あーあ……これからどうしようかな……やっぱり住宅地に毒を仕掛けるべきかなあ?」
ため息に乗せるように独り言をこぼす。小瓶を軽く上下に振り、粉末を揺らす。
小麦粉のような白くさらさらとした粉は、ラベルの文字がなければ体に害がありそうなものには見えない代物だ。
しかし実際には恐るべき毒性を秘めた一種の兵器と呼ぶべき――ただし遅効性の――粉末なのだ。
右手にその瓶を握りこみ、あいぼんはまたため息をついた。
あいぼんは、他の多くの生徒と同様に疲れきっていた。
緊張の連続に、吹き付けてくる砂埃に、よく眠れない環境に。そして、ゲーム自体に。
精神が参ってしまうくらいに、頭が回転しなくなるほどに、強く疲労していたのだった。
一刻も早く終わらせて、家に帰りたい。普段は鬱陶しい母親の姿が妙に恋しい。
――はやくこの毒を皆に食らわせて、こんなゲームなんて終わらせよう。
あいぼんには、クラスメイトにそれほど仲のいい友達がいなかった。
つまりは、このクラスにあいぼんには手を組むべき仲間も同情しかねないような友人も居ないというわけだった。
それがあいぼんをいわゆる『やる気』の生徒にさせた要因であった。
ふと、あいぼんは左手に広がる住宅地を見て、ひとつぶるりと体を震わせた。
つい数時間前に遭遇したC-5での状況が頭を掠める。
242サンキウ ◆39NC4AfM7Y :05/01/31 13:56:32 ID:4xcC4rK2
あいぼんは自分のアイデアにうきうきしながら手近にあった住宅地、C-5に向かった。
「はやく薬をばら撒いてやろうっと」
あいぼんは住宅地の影に隠れつつ、そろりそろりと移動した。
他のクラスメイトに見つかったら厄介だ。
何せこちらは致死性の高い毒を抱えているとは言え、毒は毒。飲ませなければただの粉末。
銃やら刃物など、殺傷力の高い凶器にはまるで歯が立たないだろうということが容易に想像できる。
生きるための毒を仕込むために誰かに殺されてしまうなんて、そんな笑えない真似をするわけにはいかない。
あいぼんは足音だけでなく、吐息さえ殺して毒を仕掛けるための食料を探し続けた。
ところが。
あちこちの家を覗いてみたものの、食料はなく、毒を仕込むことが出来なかった。
「何よ、これ!……ひょっとして、住宅地に食べ物なんておいてないのかしら……」
そう考えると合点がいった。
殺し合いゲームの場で、そのゲームの主催者が生きるための食料をあちこちに置いていく必要があるだろうか。
確かに自分が最初に見かけた家では食料があったが、あれは取りこぼしで、
他の家には全くそういった類のものは置いてないのかもしれない。
「そんな〜!せっかくの計画が……」
あいぼんはがっくりと肩を落とした。潤んだ目から涙が落ちないように、二三度瞬きする。
実際には、彼女が覗いた家々はただ単に生徒に取られていただけで、
集落の奥の方にはまだ手付かずの食料が残っていたのだが、彼女はそんなことは知らない。
計画失敗に重くなった心を抱え、あいぼんはよろよろと道を歩いていった。
最後の望みが潰えてしまったこともあって、周りのことに全く気を配っていない状態だったが、それすらにも気づかないままで。
ひどく無防備な姿のまま数件の家を素通りした時、突如異様な音があいぼんの耳に届いた。

たん♪ た♪ たらりらたん♪

この場にそぐわない、愉快な音色。それにつられてあいぼんの足が止まった。瞬間。
鼓膜を破るかと思うほどの轟音とともに傍らの家の一部がぐしゃりと潰れる。
一瞬の出来事だった。砕かれた家から空へと木屑が舞い、金色の粉雪のようにはらはら落ちる。
それを美しいと思えるほどに感受性があるわけでもなく、またそんな状況にあるわけでもないあいぼんは呆然と家を眺めていた。
木屑と塗装材の臭いに混じり、何か臭気があいぼんのほうにも漂ってくる。
鼻を掠めた瞬間、それが血液のにおいだということに彼女は気づいた。
彼女の家は開業医をやっており、血の臭いをかぐのは日常茶飯事だった。
そして、ぐわんぐわんとまだ響いている音に小さく混じる、誰かの安堵に満ちた声。
「……やれやれで……」
男子の声だということは分かった。ただ、それだけだった。
小心者であったあいぼんは、――この状況では小心者でなくてもだろうが――逃げ出した。
何度も何度も転びながらも、必死で逃げ続けた。
243サンキウ ◆39NC4AfM7Y :05/01/31 14:00:54 ID:4xcC4rK2
「あー、どうしよっかな……。この住宅地にはひょっとして食料があったりして……」
そして今、彼女は自分の素晴らしいアイデアに未だにしがみついていた。
あの状況からいって、恐らく誰かが誰かに罠を仕掛け、見事に殺害に成功したのだろう。
それだけ、住宅地には人が集まりやすいということがあいぼんにも想像できた。
それならばこのアイデアはなお捨てがたい。
しかし、人が集まりやすいということは先ほどのような危険がいつ襲ってくるか分からないということにもなるだろう。
怖く、恐ろしい。けれど毒は仕込まなければいけない。死にたくない。殺さなければ。
生きたい、死にたくない、危険に近づきたくない。その危険にしか自分の生きる道はない、行け、殺せ。
ジレンマが彼女を少しずつ追い詰め始める。
「――だめだだめだ!落ち着かなきゃ」
彼女は自らを叱咤し、目を閉じ、気持ちを落ち着かせることに専念した。
いつのまにか汗の浮いていた額に、吹き付ける風が涼しい。どこかで虫が鳴いている。
辺りは全く静かだった。自分の激しい呼吸音と心臓の音しか聞こえない。それもやがて、少しずつ収まってくる。
深呼吸し、あいぼんは瞼を開いた。
彼女は再び考え始めた。住宅地の食料ではなく、また新しい計画を立てるために。
これ以上住宅地に固執していても、自分の体に障るだけだ。
しかし、あのアイデア以上のものは、今の彼女の頭にはひりだせそうもない。
彼女は暫く唸りながら考えていたが、はっと顔を上げた。何かに気づいたようにデイパックを探る。
「そうだ、そうだそうだそうだ、そうだ!この手だ!」
興奮したようにデイパックの中を探り続ける。
ところが、探し物が見つからないといった様子で、まどろっこしい、と言わんばかりにデイパックをひっくり返す。
がしゃがしゃと騒がしい音を立てて中身が地面に滑り落ちた。
地図、私物のペン、筆箱、そこから転がった消しゴム、そして、――水、パン、住宅で見つけた食料品。
食べかけのものもあるが、充分な量があった。節約して食べたかいがあったというものだ。
「食料がないなら、自分のを使えばいいんだ!」
そういいながら、私物の入ったバックも探る。持ち込んだお菓子が、きちんと納まっていた。
それもあわせれば、大量の食料を毒入りに作り変えることが出来そうだ。
「これだけあれば十分……うふふっ!」
あいぼんは計画を思いついたときと同じほどのこぼれんばかりの笑みを浮かべ、早速『調理』を始めようとする。
その様子は、学校生活では見れないほどに機敏で、かつ生き生きしていた。

【残り19人】
244名無しさん@├\├\廾□`/:05/01/31 18:23:04 ID:hYYfakHQ
モファ ヘファはスルーなので残り19人では無いとおもふ。
245170 ◆XQllV9IIuo :05/01/31 19:01:55 ID:AdpRXQZP
「よし、やっと脱出できたぞ・・・」
B-5の診療所の扉のすぐ、なぜか大きな穴の底から 【男子12番】ダマレコゾウがはい出てきた。
診療所に行こうとして落とし穴にはまり、ギコたちを撃とうとするがまた落とされる。
彼の身長は、60cmしか無かった。確かにレコ族はまれに八頭身の体型の子が産まれることもあるが、たいていの場合大人でもちびギコと身長に殆ど差は無い。そのため、2m半はあるだろう落とし穴は、彼にとっては抜け出すのは困難だった。
「全く、あいつらユルさんぞコゾー!」
彼はそういうと地団駄ふんだ。まだ、先ほどあった定期放送では言われてないのであいつらは死んでいない。絶対、殺して武器を奪おう・・・ソーコムは自分の体型にあっていない。
「とにかく、ギコはどこ行きやがった・・・」
彼はそう口の中で呟き、辺りを見回すために小さな首をきょろきょろ動かした。
すると、前方に2人の男子がいるのを発見した。誰だ・・・?1人は槍を、もう1人は鎌を持っているようだ。こちらには全く気づいてない。
仕方ない、まずはあいつらを殺すぞコゾウ。
ダマレコゾウはそういうと慎重に、音を立てずに近寄り始めた。ソーコムが重たく、何度も引きづりそうになったが頑張った。
少しずつ近づいていく内に、だんだん声が聞こえてきた。

「どこへ・・・?」
「まぁ、商・・・・・・、もう・・・ネーノ?」

最後の発言で判った。OK、1人は【男子14番】ネーノか。これは用心しないと・・・あいつは、運動もできるし頭がいい。自然と、ソーコムを持つ手に汗がにじむ・・・
突然だった。ダマレコゾウは、ソーコムをうっかり落としてしまった。ガシャッ、という音が辺りに響いた。
246170 ◆XQllV9IIuo :05/01/31 19:03:45 ID:AdpRXQZP
「誰だ!?」
【男子13番】チャンコの声が返ってくる。チャンコだと!?あいつも運動できるやつじゃないか!
「お、レコじゃネーノ?お前、俺たちを殺す気は無いよな?」
ネーノが、いつものつり目でダマレコゾウに話しかけてきた。バカめ。やる気なやつが「はい」なんて言うか。
「そんなわけないだろうコゾウ!!」
レコは明るい顔を無理矢理作り、ソーコムを拾い上げた。よかった、どこにも異常は無いみたいだ。
「本当か?」チャンコが聞き直してきた。じっと目を見て、だ。気持ち悪い。そんな気俺には無いぞコゾウ!
「本当だ、俺が人を殺せるか、コゾウ!」
「いや、そうとも限らないさ・・・その身長の低さで、相手を油断させられる。お前の武器銃だし。
それと、お前ほんとは殺る気たっぷりだろ?人はな、嘘をつくと目の動きが変わるんだよ。」
ギョッとした。え?目で嘘がわかる?何者だ、こいつ・・・
「さて、ネーノ君。俺たちは、確か「向かってきた奴は殺す」だったよな?」
「確かにそのつもりなんじゃネーノ?」
2人は会話をしたあとダマレコゾウに微笑み、そして武器を構えた。
「じゃあ、仕方ないな、コゾウ。死ね!!」
そして、ソーコムから火が放たれた。まず、目標はチャンコだ。
しかし、それは当たらなかった。銃が宙に浮かび上がるのと一緒に手に痛みがはしる。
レコが見たのは、チャンコが手を振り、そして槍が伸びてはじき落とされたシーンだった。
銃を拾おうにも、チャンコに切られて終わりだろう。もう諦めるしかない。
「くそっ、ここは一時退却だぞ、コゾウ!」
銃を蹴り飛ばしてネーノ達に拾えないようにして、ダマレコゾウは背を向けて走り出した。結局元の場所に戻るのか、コゾウ!
背を向ける一瞬、周りの視界が目に入る。なぜか、その時銀色のようなものが顔をかすめたような気がした。しかし、そんな錯覚気にしているほど時間は無い。急いで逃げないと、殺されるーーー
247170 ◆XQllV9IIuo :05/01/31 19:04:52 ID:AdpRXQZP
直後、背中に激しい衝撃があった。レコはその衝撃で宙に浮かび上がりそうだった。いや、実際に浮かんでいる。すごく派手に、レコは目の前に転んでしまった。鼻をすりむいた。
背中を見てみると、細い刃物がささっていた。手投げナイフだ。そこからは少しずつ、じわじわと血液が流れていく。
「おー、かなり命中率いいな、ネーノ。」
「当然じゃネーノ?」手に数本のナイフを持っている。あいつが投げたのか。
そう思っているうちに、痛みがのろのろと、しかし激しくやってきた。手の痛みが消え去るようだ。
「さて・・・もう楽にしてあげるか。」
チャンコが、槍を構えこちらに向かってくる・・・嫌だ、やめてくれ、死にたくない・・・
痛みでかすれた視界の中、銀に輝くものが横に流れていくのをはっきりと目撃し、意識が戻らなくなった。

「俺たちに向かってこなかったら、こんな事にはならなかったのにな・・・」
殺したくなんてなかった。俺たちは、ガナーの事さえも救えなかったんだ・・・
実は、チャンコは【女子5番】ガナーがネーノに気があるのを知っていた。だから、ガナーの武器だった10本の手投げナイフをネーノが持つように薦めたのだ。
「このゲームに参加した、いや参加させられた以上、誰かを殺さなきゃ生きていけないんじゃネーノ。それが、嫌でも。
勿論、俺たちは自分から相手を殺すわけじゃない。でも、相手が向かってくるなら、応戦して相手を倒すのが普通じゃネーノ?
・・・深くは気にしないほうがいいんじゃネーノ?悪いのは、全部政府じゃネーノ。」
「・・・ありがとう。そう言ってくれて・・・」
「どういたしましてじゃネーノ」
例え、いつかどちらかが死ぬととしても、その言葉はありがたかった。悪いのは、確かに政府だ。
そして、決めた。もし、俺がこのゲームで生き残ることができたら、隙をついてあの教授達を殺す。護衛にすぐ殺されるのは判っていた。でも、それでも一矢報いることはできるだろう。
生き残れたらの話だが。
「さて、もうそろそろ行こう。ソーコムは俺が持つよ。」
いつもの口調で、チャンコはネーノに言った。

【現在時刻:14:40】

14:40
ダマレコゾウ(男子12番)
ネーノ達を殺害しようとするも返り討ちに合い死亡

このとき【退場者1名・残り23人】
248レル:05/01/31 19:04:53 ID:52PLL4z1
ダマレコゾウ【男子12番】はB-5の診療所でギコ達の作った落とし穴にはまり、ぼーっと空を見上げていた。
何度も穴から出る努力はしてみたが、穴は深く、ほぼ直角に掘られていたのでどうしようもなかった。
周りに落ちていた石を使って上がろうとしたがそれも無理。
「どうすればいいんだコゾウ・・・」
腹からぐぅ、という音が聞こえてきた。そういえばまだ食料を食べてなかったな・・・
デイパックから食料を取り出し食べようとしたその時。
「!!」
一瞬穴の上の方に影が見えた気がした。
「誰かいるのか!?コゾウ!」
叫んだ後で(しまった!)と悟った。
つい叫んでしまったが向こうがやる気の生徒だったら逃げ場がないことに気付いたのだ。
離れていた影がまたこちらに近づいてくる。やっぱり誰かいたんだ。
(やる気じゃない生徒であってくれ!)
ダマレコゾウは必死に祈っていた。
そして、その誰かがひょっこり顔を出した。上にかかっている網のせいでよく見えないが、ネコ耳などからしてタカラギコ【男子11番】だということがわかった。
彼とはほとんど話したことはないが、いつも敬語を使い、いつも礼儀正しくしているのでやる気にはなってないだろう、とダマレコゾウは思った。
「そこにいるのはもしかしてダマレコゾウさんですか?」
タカラギコが話しかける。こんなゲームに放り込まれても口調はいつもとかわっていない。
「そうだ。コゾウ。俺はギコ達に落とし穴に落とされてこんなことになっちまったんだコゾウ。いきなりでなれなれしいかもしれないが助けてくれないか?」
すっかり安心しきったダマレコゾウはなんの躊躇もなく助けを求めた。
「ギコにおとされたんですか。それは災難でしたね〜。今助けますよ。」
タカラギコが見えなくなったと思うと、穴にかかっていた網がするすると引いていく。
(やっとでられるぞコゾウ!)

249レル:05/01/31 19:07:49 ID:52PLL4z1
>>245-247
あ!かぶっちゃいましたね。
170さんのほうがいっぱい書いてますし、>>248はスルーしてください。
250レル:05/01/31 20:48:26 ID:xLiBb3z3
だが、網が引いやのにタカラギコの顔が見えない。
「お〜い。何してるんだ?コゾウ。」
ダマレコゾウが呼ぶとタカラギコはまた顔を見せた。
「何してたんだ?コゾウ。まぁいい。早く引き上げてくれコゾ・・・」
ぱん、という音と共に左腕に強烈な痛みが走った。
「ぐあっ!?」
反射的に左腕を押さえしゃがみこんだ。左腕からは暖かい物・・・血が流れている。
(なんでだ?コゾウ!俺は・・・撃たれたのか?)
そんなことを考えているうちにまた銃声が鳴った。
それと同時に今度は腹部に痛みがくる。
「げほっ!」
咳き込むと口から血が噴出した。
見上げるとタカラギコがいつもと同じ表情で銃ダマレコゾウを見下ろしていた。ダマレコゾウの支給武器――――ソーコムを構えて。
(そういえば・・・落とし穴に落ちるときソーコムは外に落としてしまったんだんだ・・・コゾウ・・・)
「僕、ちょうど銃が欲しかったんですよ。この銃威力もそこそこですし、ちょっと重いけど使いやすいですね。」
だがダマレコゾウにはその言葉はほとんど聞こえてなかった。大量出血で体のほとんどが麻痺していたからだ。
「貴重な銃をくれたこと感謝しますよ。ダマレコゾウさん。」
ダマレコゾウは最後の力を振り絞って喋った。
「黙れ・・・コゾウ・・」

タカラギコは顔がぐちゃぐちゃになって痙攣しているダマレコゾウが動かなくなったのを見ると、またどこかへと歩いていった。
手にソーコムを提げ、いつもと同じ表情で。

【残り23人】
251レル:05/01/31 20:51:08 ID:xLiBb3z3
すみません間違えました。

【残り22人】
252名無しさん@├\├\廾□`/:05/02/01 18:47:06 ID:Td0NMV00
モファ ヘファ
お前、長編でも似たような内容になってたな。
あの時はギコ狂わせて、今度はつーですか。一々サロンまできてやるなよ。
253170 ◆XQllV9IIuo :05/02/05 10:57:47 ID:x8mZjryJ
「コレカラドウシヨウ・・・」
【男子16番】ヒッキーが呟いた。自殺した夢を見て、しかも武器が水鉄砲だったのでしばらく放心状態だった。
いい天気だな・・・そういえばこんなに外にいるのって久しぶりだ・・・
ヒッキーはそう思った。
「トニカク、ソロソロ移動シヨウ・・・」
ずっと空を眺めているわけにもいかないので、ヒッキーはそうつぶやき、
一応水鉄砲に水をいれるためまだ緩やかな段差のがけから海水を汲み、水鉄砲に入れた。
降りていくとき、監視している船からキラリと光があったが、ヒッキーは気にしなかった。
崖を登りきり、水鉄砲のレバーを素早くシュコシュコ引き押ししながら南へと移動していった。

『はぁ、はぁ・・・』
ヒッキーが崖から海水を汲んでいる頃、【女子12番】でぃがA-3のエリアの草原で膝をついた。
【女子20番】ルルカ におそわれ、ずっと逃げていたのだ。
全身が震えている。しかし、もう追ってきては居ないという安堵の気持ちが、でぃを落ち着かせた。
全身が汗だくで、喉がカラカラだ。とりあえず、デイバックの食料を食べることにした。

草原に座っていると、心地よい風が吹いた。優しい風だ。
この風は、人を癒してくれる、とでぃはパンをくわえながら思った。


だんだんと、太陽が傾き始めた。
空が赤々と燃え始めている。
これから、「夜」が始まるのだ。

今夜はどうしよう・・・
数十分ほどボーっとしていると、突然自分ではない、ガサガサと誰かが動く音がした。
『誰・・・?』
でぃは右手の中にあるスタンガンを握り締めた。たとえ相手が自分を殺そうとしても相手を殺すつもりはない。気絶させるだけ・・・そう、気絶させるだけ。
夕日で眩しく、人影が誰だかわからない。身長が低いみたいだけど・・・
「ダレガイルンダロウ・・・」
【男子16番】ヒッキーのようだ。どうやら、自分以外に人の気配を察したらしいが彼はまだ自分がでぃということに気づいていないらしい。
ヒッキーは水鉄砲と懐中電灯を持って(なぜまだ明るいのに懐中電灯を?とでぃは思った、)草原をうろうろしていた。
でぃは彼なら大丈夫だと思い、スタンガンをデイバックにしまった。
看板に「こんばんは」とかき、懐中電灯で照らしてこちらに気づくようにした。
クラスでは大人しくあまり存在感がなかったので、ヒッキーも自分がでぃだとわかれば安心するだろう。
まさか、あの「ひ弱なヒッキー」がこのゲームにのるとは思えないし。
254170 ◆XQllV9IIuo :05/02/05 10:58:50 ID:x8mZjryJ
『こんばんは』
「キミハ・・ディサン?」
ヒッキーは右手に水鉄砲を持ったままでぃに近づき、話しはじめた。
『そうです』
「ナンダ・・・ヨカッタ。」
『私もそう思います』
「キミハ、コノゲームニノルノ?」
『いいえ。クラスメートのみなさんを殺すなんてできません。ヒッキーさんは?』
「僕・・?僕ハ・・・」
でぃはヒッキーが口ごもっているのに驚いた。彼ならすぐ「イイエ」と答えると思っていたからだ。
そう考えていると、ヒッキーが懐中電灯の光を突然でぃの顔に当てた。でぃは反射的に顔を背けてしまった。
「僕ハ、僕ヲイジメタクラスメートヲ許サナイ。ミンナ・・・ミンナ殺シテヤル。」
でぃの意識はそのセリフを聞いたところで途切れた。
ヒッキーが、真正面からでぃの頭を水鉄砲で思い切り叩き気絶させたのだ。
彼はでぃのデイバックを逆さにして中身を草原に全て出した。中には、油やマッチ、菓子などが入っている。中身を確認すると、懐中電灯を置きその中の一つの包丁を手に取った。
「ディサン・・・サヨナラ。」
小さく呟き、ヒッキーはでぃの胸に包丁を突き刺した。
だんだんと辺りは暗くなっていく。彼はのろのろとデイバックを整理し始めた。
マッチは必要、油も持っておこう・・・食料もだ。ん、飴かぁ、今舐めようかな。

255170 ◆XQllV9IIuo :05/02/05 11:00:32 ID:x8mZjryJ
突如、銃が放たれるような轟音が響き渡った。鼓膜が破れそうだ。この近く、いや・・・すぐ、後ろか・・・?
銃弾は当たらなかったらしい。しかし、全身から嫌な汗が出てきた・・・まずい、ただ1人だけじゃ殺し足りないよ・・・鬱だ・・・
「何が許さないダーヨ?」
ヒッキーの背後から声が聞こえた。おそらく銃声をつくった犯人だろう・・・、確かこの声は、【男子10番】シラネーヨだ。彼にはなんども殴られ、蹴られ、金を奪われた。先生でさえ見て見ぬふりをしたのだ。こいつが居なければ・・・・
次第と、シラネーヨに対する憎しみと殺意で頭が埋め尽くされていく。
シラネーヨはヒッキーの怒りには勿論気づかず、いや怒らせているのだろう、続けた。
「許さない?みんな殺す?ヒキコモリのお前に何ができるんダーヨ?
社会の屑は社会の屑らしく、バカで、カスで、存在する価値のなかった両親の元へ逝っテーロ!」
そういうとシラネーヨは高笑いした。
「・・・僕ノ両親ヲ侮辱スルナ・・・!!」
ヒッキーの声が一変した。完全にキレている。
体中の体液がわき上がるのをヒッキーは感じた。コイツハカナラズコロス・・・
「おっと、動くナーヨ。動いたらお前を殺スーヨ。」
ヒッキーの耳にその声は届かなかった。いや、聞いてなかったのだろう。
右手に包丁を構え、シラネーヨに特攻をかけた。
「ったく・・このッ!」
シラネーヨのシュマイザーMP40が火を噴いた。しかし、それはヒッキーが目の前にいるのに当たらなかった。
辺りはもう暗くなっている。「夜」が始まったのだ。しかし、ヒッキーは懐中電灯の光を消してから草原に置いたので、シラネーヨにヒッキーの姿をとらえることはできなかったのだ。
しかし、至近距離となっては話は別だった。
「バカが、死ネーヨ!」
シュマイザーの銃口はヒッキーの頭へ向けられた。そして、すぐ引き金は引かれた。
・・・音がしないだと?バカな、間違いなく引いたはず・・・
シラネーヨは混乱した。ヒッキーがどこにもダメージを受けず、攻撃を続けてくるからだ。
彼は攻撃をかわしながら再び引き金を引こうとした。そして、気が付いた。

右手人差し指と中指が、無い・・・?

256170 ◆XQllV9IIuo :05/02/05 11:01:20 ID:x8mZjryJ
「君ガ探シテイルノハ、コレカイ?」
ヒッキーが水鉄砲をもっている左手でシラネーヨになにかを投げつけた。白くて、しかし紅くそまった細長い肉片・・・やっと謎が解けた。これは、俺の指だ。
なぜ、こんなに速くやつは動ける?「ひ弱なヒッキー」のはずなのに?
「ううっ、くそ・・・だが、俺はここで死ぬわけには行かないんダーヨ!!」
彼は右手の痛みを必死に振り切り左手でシュマイザーを再び握った。

・・・ん?ヒッキーが銃を構えている・・・?

海水がシラネーヨの顔にかかった。その冷たさと、少し口に入った砂と濃い塩水の味で、彼は怯んでしまった。
目をあけると、既にヒッキーは目の前からいない。逃げた?いや、こんな格好な相手を逃がすわけがない・・・、、、
「くそっ、どこにいるんダーヨ!?」
「声デワカルダロ・・・オ前ノウシロダヨ」
すぐシラネーヨの背中に包丁が振り落とされた。激しい痛みとともに血が滲み出てきたのがわかる。
「痛ぅっ・・・この!カスがぁ!」
シラネーヨはがむしゃらにシュマイザーMP40を発砲した。しかし、それはすぐに終わった。
足を切られ転倒してしまったのだ。シュマイザーは宙を舞い、シラネーヨの前方数メートルの草原に着地した。
ヒッキーは攻撃を止めなかった。痛みは右腕、腹、胸へと増えていく。楽に死なせはしない・・・ヒッキーはどうやらそう考えているらしい。
「うがぁっ・・あ・がはぁっ!・・たのむ・・・ゆる・・、して・・・」
シラネーヨの口から血が吐き出された。目がかすんでなにも見えない。俺はここで死ぬのか・・・
「ハァ?何ヲ言ッテルンダ君ハ。頭ガ狂ッタカ?オ前ノヨウナ人類ノ敵ヲ誰ガ許スト?
僕ハ直接トドメハササナイ、社会ノクズヲ楽ニ死ナセハシナイ」
・・・本当にこいつは引きこもりだろうか?何も言えない、反抗のできないいじめられっ子だったのか?
そんな疑問を無視して、ヒッキーはシラネーヨの腹の傷口に向かっておもい切り蹴った。その衝撃と痛みでシラネーヨは気絶した。しかし、なお「社会の屑」をヒッキーは許さなかった。なぜなら、彼はまだ生きているのだから・・
257170 ◆XQllV9IIuo :05/02/05 11:02:10 ID:x8mZjryJ
ヒッキーはシラネーヨのデイバックをあさり始めた。すると、小瓶が六個入っている。
シラネーヨの懐中電灯で照らしてみると、無色透明の液体のようだ。いかにも実験に使うようなゴム栓のふたをあけ、シラネーヨの傷口にかけてみた。
「・・ッ!!ヒィッ・・あ・・ぐぁぁ・・!」
シュウウ・・という音とともに皮膚がとける変な匂いがする。水酸化ナトリウムか、硫酸?どっちにしてもこれはいい武器になる・・・ヒッキーは口元の笑みを隠すことができなかった。
実はシラネーヨは、【女子15番】フサしぃを殺した後すぐどこかへ移動しようとしたが、武器になると思い彼女から濃硫酸の瓶を奪っていたのだ。
まさか、武器と人物を見て一番油断してしまう生徒に渡るとは誰も、政府も予想していなかっただろう。
「コレハ使エルネ・・・ソロソロ、君モ生キルトイウ鬱カラ開放シテアゲヨウカ・・・」
ヒッキーはそういうとでぃの持っていた油をシラネーヨにかけ、マッチで火をつけた。
シラネーヨは生きたまま燃えていく。それはとてもおぞましいものだった。
「・・グ・・ギギ・・」
シラネーヨは赤々と燃える炎につつまれながら死亡した。

「コレデヨシ・・・次ハ、誰ヲ狙オウカ・・・」
ヒッキーは、水鉄砲の中身を慎重に全て濃硫酸に入れ換えた。手はちゃんと軍手をつけている。
右手に水鉄砲、そして尻ポケットには包丁、シュマイザーMP40がある。H&KPSG-1は流石に邪魔だったので、埋めた。
もし誰か来たとしたら、掘り返すかもしれなかったが、わざわざA-3の西側にある崖まで移動して投げ捨てるのが面倒だったからだ。
デイバックには無くなったときのための濃硫酸がまだ三瓶ある。準備完了、完璧だ・・・

彼は、とにかく誰かを殺すことしか頭に残っていなかった。
デイバックを背負うと、2人の男女の死体を背に彼は満面の笑みでB-3のエリアへ移動し始めた。

【現在時刻: 17:15】

16:34
でぃ(女子12番)
ヒッキーに胸を刺され死亡
17:10
シラネーヨ(男子10番)
致命傷をうけたあと焼死

【退場者2名・残り20人】
258Prof.Two ◆wIDHCRRxns :05/02/06 23:29:17 ID:5chvwKDf
【男子11番】タカラギコは診療所でダマレコゾウのソーコムや薬を調達してC5の民家に戻る。

・・タカラギコはギコ族の亜種と思われているが、本当のところは亜種ではない。
彼に遺伝学上の親などいない。タカラ社の『人造AAプロジェクト』により、数多くの遺伝子によって作られたAAなのだから。



あなたは『ラカタ教団事件』を覚えていますか?
100年前、異世界から来た『ラカタ教団』が純粋なギコ族を捕獲していた事件。
その後解放運動や武力行使により、なんとか『ラカタ教団』に捕らえられたギコ族は全て解放された。

それから1年後、『ラカタ教団事件』により苦戦を強いられたこの国『2ちゃんねる』は国民の強化を理由に、AABRを始めた。
今と変わらないシステムで。もちろん反対する国民は非国民と非難され、特高に目をつけられる。
・・第一次AABR制定から49年後。少子化を理由にAABRは廃止された。その廃止の年、最後のAABRでは優勝者と準優勝に値する生徒の遺伝子が極秘に回収された。

回収された遺伝子を組み合わせ、書き換えて出来た存在がタカラギコ。
彼の体の元になっている遺伝子を占めるのは『記録上優勝者』ちびしぃと『参加者』ギコタク。
相思相愛でありながら、AABRで最後の2人になった時、互いに恋人を殺すことは出来ず。
崖から飛び降り自殺をした。数秒の差でギコタクが死んだため、ちびしぃは『記録上優勝者』となった。


・・彼もまた、孤独である・・
【残り23人】 [17:59]
259名無しさん@├\├\廾□`/:05/02/07 18:46:00 ID:do05McsD
喉が熱い。熱くて痛い。
そこから彼の血潮が、命が溢れ出し、冷たい地面を赤く汚していく。
(僕は、仲間が・・・何で君・・・が・・・)
それ以上のことを考えるのはもう不可能だった。思考は深く暗い闇の中へと沈んで、永遠に失われた。

彼が見つけたささやかな拠点には致命的な欠陥があった。
そこは飛び降りられる高さではなく、出入りには梯子を用いるしか無かった。もし敵が来れば逃げ場は無い。
だから彼は、彼に多少の安心感を与えてくれた秘密基地から離れざるを得なかった。
だが彼はには希望があった。今この瞬間にも確かに殺し合いが続いてはいるが、そうではない生徒がいることを知っていたのだ。
彼は森の中に希望を捜した。きっと自分と同じ考えの生徒がいるはずである。あては無かったが、希望があれば進んでいけた。
数分、それとも十数分だろうか、彼の目の前に見知った顔が現れたのはその時だった。
彼はほとんどの生徒と友達だったが、そいつもまた彼の友達の一人であった。
自分の背負った障害を何ともしないそいつと突然変異種として誕生した彼は気が合ったのかもしれない。
そいつは手に銃を持ってはいたが、いつものように笑いながら自分から動く気は無いと言った。
彼が仲間にして欲しいという旨を伝えると、快く応じて彼の『縄張』に迎え入れてくれた。
柔らかい木漏れ日が降り注ぐそこにはもう一人女生徒がいた。
なかなかの美人ではあるが、クラスでは誰とも仲良くしようとしない。それ故多少浮いていた存在だったと言えるだろう。
その彼女がそいつと一緒にいるのは意外だった。銃の手入れをしているその姿はいつもと何かが違うように思えた。
260名無しさん@├\├\廾□`/:05/02/07 18:49:54 ID:do05McsD
そんな時である。そいつが彼に訊ねてきたのは。この殺人ゲームの中、どこで何をしていたのかと。
彼はそいつに促され、『希望』の話をした。このゲームの恐怖に押しつぶされ狂いかけていた自分を救ってくれた二人の『希望』
そして、方法は分からないが、それでもこの島から絶対に脱出するという、自分の『希望』を伝えた。
彼はそいつに協力を頼んだ。この島から脱出するために協力して欲しいと。そいつの目をまっすぐに見据え、『希望』に満ちた瞳だった。
しかしその瞬間に、そいつが彼女と目で会話をしていた事など彼は知らなかった。
そいつは彼の質問に答える代わりに、思い出したように言ったのだった。
「信用できない訳じゃ無いが、何てたってこんな状況だ。身体検査くらいはさせてくれ。」
・・・このゲームで生き残るためには、彼はあまりにも誠実すぎた。正直すぎた。
彼の喉にそいつの刃が食い込んだのは彼が言われるがままに後ろを向いたまさにその瞬間だった。
反射的に悲鳴を挙げようとしたが深く喉に突き刺さった刃はそれすら許してはくれない。
焼けるように熱い感覚とそいつへの問いかけ―実際には彼の思考の中でだけだったが―を最後に彼の意識は暗黒へとずり落ちていった。
彼には自分が何故そいつに殺されねばならないのか、そのことを考える猶予すら無かった。
もっとも、その方が彼にとってせめてもの幸せだったかもしれない。
そいつの頭の中には彼女を生かすという目的しかなく、そのためには手段を選ばぬ気でいたこと、
彼の命を奪ったそのアーミーナイフは、彼を殺す前に哀れな生徒の血を吸っていたこと、
あいつが近づいてくる彼の様子を知っていて、殺そうと思えば引鉄を引くだけで殺せたこと、
そしてそれをしなかったのは彼を物資と情報の運び手程度にしか考えていなかったことを知らずに逝けたことは。
やや傾いてきた太陽からの光線の、木々に阻まれなかった一筋が、今では単なる血と米の塊になった彼の死に顔を照らしていた。

15:13 【男子4番】おにぎり、アヒャに喉を刺され死亡
261名無しさん@├\├\廾□`/:05/02/08 12:53:41 ID:kilBCOFX
じりじりと機械の動く音やデータの膨大さに悲鳴をあげるハードディスクの音、
そして兵士がバタバタと走り回る教室の中、ギコ教授はのんびりと書類を片付けていた。
判子を押した書類の束を、四隅をぴっちりと几帳面にあわせ、ホチキスでとめていく。
その作業の合間には、鼻歌さえも混じっていた。
「ご機嫌ですね、教授」
咎めの調子を少々滲ませながら、しぃ助教授が額をハンカチで押さえながら
床に蛇のように渦巻くコードを避けつつ歩み寄ってくる。
ギコ教授の机の前までやってくると、無造作に束ねられた紙の束をこれも無造作にどさりと置いた。
教授は汗まみれの助教授に片眉を上げて見せた。
ペンや判子などをごそごそと取り出しながら、
「大変ですねえ、貴女ほどの身分のものがつかいっぱしりですか」
そう言うと、書類に目を走らせた。
「ええと、――ほほう、あの男、この生徒にかけていたのか。見る目ないなあ――」
「人手が足りないんですよ。首輪の統制、機械の制御、生徒の見張りだけで手一杯なんですから。
やっぱり予算削減なんて駄目ですよね。貧乏なのは知っていますし、予算を減らしてその分儲けようって言う魂胆も分かりますが――
ほら、教授、手を休ませないで下さいよ」
露骨に怒りの色が混じった声に、教授は慌ててペンをとった。
その様子を見て、しぃ助教授は目を閉じため息をついた。顔に浮いた汗をハンカチで拭う。
「暑いんですか?」
「暑いですよ。走ってきましたし、それに機械熱がすごくって。皆汗だくですよ。涼しい顔してるのは
あなたぐらいです」
「恐い顔して言うのはやめてください。働きますから。――まあ、それなら私たちにとっては良かったってことなんだろうな」
「は?」
唐突に呟かれた、会話の流れから離れた独り言のようなギコ教授の言葉に、しぃ助教授は思わず聞き返した。
「先ほど気象庁から連絡があったんですが、暗くなってから天気が崩れるんだそうです。
雨も風も強くなって、気温も大分下がるとか。まあ、朝になれば天候は回復するらしいんですけど」
262名無しさん@├\├\廾□`/:05/02/08 12:55:23 ID:kilBCOFX
「そうなんですか……」
しぃ助教授は窓の外をそっと見た。六時に近づきつつある夕暮れの空は、言われてみれば雲が多いような気がする。
もし大雨が降ったり、雷が落ちたりしたら――大丈夫なんだろうか。
「今までのプログラムで、そうやって大幅に天気が崩れたことってありましたっけ?」
そう彼女が尋ねると、待ってましたとばかりにギコ教授がぺらぺらと喋りだす。
「以前に一度だけ。そのときは崖崩れが起こって、結局生存者ゼロでしたからね。
それ以来、会場に選ぶ島は地盤などしっかり検査してから選びますからね。補強もしましたし、今回は大丈夫ですよ。
もし雷が落ちて停電になったとしても、予備電源は確保してあります。
雨に乗じて不穏な行動をとろうとしても、無駄です。首輪は勿論のこと、見張りの装備は様々な状況を想定して作られてますから」
「……完璧ですね」
「備えあれば憂いなし、です」
自信満々に言う教授に、助教授は呆れ返った。備えあれば――というか、その重装備が財政圧迫の原因じゃないのか。
やはりこの教授、馬鹿なのか。――いやいや、上司を馬鹿にするのはよくない。
ともかく気を落ち着かせようと窓の外を再び窺って、彼女は僅かに驚いた。
先ほどからほんの少ししか経っていないのに、雲が動いているのが目に見えて分かる。
「しかし、我々には好都合でも生徒には辛い戦いになるでしょうね」
教授がポツリと呟く。
しぃ助教授は増え続ける雲を眺めつつ、この状況で起こる様々な不都合を頭に思い描いてみた。
雨や気温による体温の低下、視界の不明瞭化、ぬかるみによる足元の危険。
運が悪ければ武器をなくしたり火薬をしけらせたりするかもしれない。
最悪、崖から転落してそのまま死亡なんてことが起こる可能性もあるだろう。――けれども。
「まあ、別にどうでもいいんですけどね。無事に終われば」
そう呟くギコ教授に、彼女は思わず初めて大きく頷いてしまったのだった。

【残り23人】
263名無しさん@├\├\廾□`/:05/02/21 20:09:45 ID:gkN0xYy5
一応保守っとくぞ。
漏れはおにぎりが動いたんだと思うがね。
264ピアニシモ:05/03/03 18:27:14 ID:r+gaD+YD
むせ返るような機械熱の中ギコ教授は席を立った。
「どこへ行くんですか?教授。」しい助教授が聞くとギコ教授は
「電話だ。ここでは受信条件が悪すぎるのでな。」といって外へと出ていった。

外はかんかん照りの天気だったが、分校の中よりはマシだった。
ギコ教授はカチ、と携帯を開けて電話帳の一つの番号をプッシュした。
トゥルルルルルルルル
トゥルルルルルルルル
ガチャ
『はい、ウリナラ地方プログラム本部の大耳モララー少佐です。』
「ギコ教授だ。」
『ああ、お前か。どうなんだそっちは?』
「なかなかいけてる。」
『こっちもだよ…。』
電話口の大耳モララーの声は妙に平静だった。
そういえば、こいつとどれほどの付き合いになるだろう―――ギコ教授はふと思った。
 
「なあ、俺たちっていつ頃からの付き合いだっけ…。」
ギコ教授の質問に大耳モララーは、はあ?とあきれ返ったような声で言う。
「いやなぁ…急に気になってさあ…。」
『うーん、俺らが消防の頃からだった気がする。でもあんま覚えてないんだよ…。』
「俺もそんなんだと思うんだよ、でも“あれ”でそれまでの記憶がほとんどぶっ飛んじまってる。』
『そうだよ、あの“プログラム”から前の記憶があいまいなんだ。それより後のこと…士官学校に入った時のことや、俺が軍法会議にかけられたこと…。お前の二階級降格も鮮明に覚えてるのにな。』
それから、二人の間にしばしの沈黙が走った。
まだプログラムの優勝者が二人制だった頃に生き残った人間が、プログラムの運営に当たってるというのだからこれほどおかしいものは無い。
『で、そっちの生存者は…?』
「残り23人だ。」
『こっちはもう優勝者が出た、女子21番のカルタンだ。後始末が終わりしだいそっちにいけそうだが?』
「ああ、こっちも人手不足のようだからな。頼むよ。じゃあな。」

ツー・・・
ツー・・・
ツー・・・
ギコ教授は白衣に携帯電話をしまって、分校の中へと戻っていった。
265( ´_ゝ`):05/03/04 23:06:17 ID:d7qgTNi7
スレ沈静化してるからピアニシモ殿みたいに他の組織の人出すよ?
266170 ◆XQllV9IIuo :05/03/05 14:33:47 ID:ikG7CfzJ
「ふむ・・・誰も来ません、ね。」
ポツリと、彼は呟いた。
彼の名前は【男子11番】タカラギコ。大量に仕掛けられたトラップの家の中、二階の寝室のベッドの上であぐらをかいている。
その右手には銃、ソーコム、そして望遠鏡。
寝室の扉には扉が開いた瞬間竹槍(殺して奪いましたよ。誰だったか忘れましたけどね。)が落ちるように仕掛けられている。

彼は正午からずっと誰かが来て罠に掛かるのを待っていた。
そもそも、家の玄関の入り口にある、たん♪た♪たらりらたん♪を避けられる奴らは少ないだろうが。
途中、なんとなく(今思えばかなり危険な行動だったのかもしれない、)同じエリアにある近くの診療所へ行ったところ不審な穴と重い銃があり、中には【男子12番】ダマレコゾウが落ちていた。
もちろん、殺してその銃ーーソーコムは自分のものにし、彼は家へと戻ってきたのだ。
クラスメートを、自分の手で殺した。
特に何の感情もない。
別に仲が良かったわけでもない。

「誰も来ないのなら、私から出向くことにしましょうか・・・」
彼は、ため息混じりに荷物を全て整理し、一度罠を解除してから外側よりまたそれを仕掛け
(これが一番大変だった。なぜなら外側から見てバレないようにするためで、某映画のようにちゃっちゃとやるのはとても難しいのだ、)ソーコムを構え、出発した。
辺りは、既に深い藍色のようなもので、完全に夜というものではないようだが、それでも遠くのものは見ることはできないほど暗い。
その状況で、彼は自分がネコ目を持っている(ギコみたいなのと一緒にしないでくださいよ?……)事を感謝した。
267170 ◆XQllV9IIuo :05/03/05 14:35:16 ID:ikG7CfzJ
外は、秋の夜だからか、肌寒かった。来ていた上着(家から拝借したもの)をぎゅっと握り締め、天を仰ぐと、既にいくつか星が輝いていた。
息が白い、ですねーーー
こんな状況下でこんな事を考える自分が、バカらしい。
本当に私は、生き残れるんですかね……ふいに、不安になった。
バズーカに使う弾があればまだ勝機はある。あれならきっと一撃で誰でも殺せるはずだ。
せめて、手榴弾でもあれば……
そう考えながら適当に進んでいたら、民家らしき建物が密集している地域へと足を踏み入れていた。

地図で確認すると、いつのまにか東に進んでいたらしい。そこは商店街ーC-5だった。
……ふむ。診療所の近くよりはこちらの方が良かったですかね。
タカラは、悔しさで唇を甘噛みした。なぜなら、診療所のほうは電気、水道、ガスが全て死んでいるからだ。勿論、ここが生きているという保証も無いのだけど。
商店街には、勿論民家が数軒、そしてコンビニ、八百屋、魚屋などがあった。
周りは、シンと静まりかえっている。明かりは勿論ついていないので、ネコ目であたりが暗くても大体見える彼でも中学三年生。流石に全く人気のない商店街に恐怖というものを感じないわけではなかった。
そう、周りには全く人の気配が無い。ーーーただ一軒を除いては。
商店街を進んでいくうちに、ある一軒が目に映った。たとえ、目が悪くてもそれは見えたはずだ。
暗がりで全く明かりも無く人の気配も無い住宅街の一軒。精肉屋の二階の窓から光が漏れ、明るくなっていたのだ。

……どうやらあそこにはバカが居るようですね。まさか、カーテンも閉めないなんて。
タカラは、周りに誰も居ないことを確認し、精肉店の入り口から中に進入した。
中はとくに荒らされた、争った形跡はない。まぁ、荒らす必要は無いはずなのだが。誰も居ないんだし。
268170 ◆XQllV9IIuo :05/03/05 14:36:16 ID:ikG7CfzJ
一階は電気がついていなかったが、今付けると二階にいる何者かに気づかれる可能性があったので懐中電灯の明かりが頼りだった。
流石に、ネコ目でも見える範囲と見えない範囲がある。特に、屋内のような場所では、だ。
ここは住宅と店舗の一体型になっていて、比較的広めにできているようだった。
奥に進んでいくと、階段があった。そこから上、二階を覗くと、やはり電気がもれている。
シャッ、シャッ、と奇妙な聞き慣れない音がするので、どうやら誰かが居ることは間違いないようだ。彼はソーコムを握り締め、できるだけ音を立てないように階段を上り始めた。
途中、古くなっているのか木造の階段がミシッ、パキッと軋む音がして、そのたびに彼はビクッとなっていたが、それでもその奇妙な音は止まらない。どうやら、気づいていないらしい。
ならば、好都合だ。相手が驚き、武器を構えるまえに頭か胸、せめて腕を打ち抜く。二撃目で確実にとどめをさす。そして、ここを二番目の拠点にする。
彼は、音のする部屋の扉を少し開け、中の様子を窺った。

シャッ、シャッ、シャッ、という音は、どうやら刃物を研ぐ音だったらしい。
それは、出刃包丁だった。大きな砥石で磨かれているので、すばらしい切れ味だろう。
相手の武器が出刃包丁だけなら、勝機はあるーーー
彼は、相手が誰なのかを確認せずに部屋へ侵入し銃を構えた。
「動くな!いや、動かないで下さいねッ!」
「・・!?だっ、誰!?」
【女子21番】レモナだ。彼女は出刃包丁を持ったまま、タンスの影に隠れた。
「タカラ君?私は、このゲームに乗るつもりなんてないの!ただモナー君に会いたいだけ!
お願いだから、銃をおろして?私たちが、戦う理由なんて無い!」
レモナは悲願の声でそう言った。どうやら、本当にそう思っているらしい。
しかし、勿論そんなつもりはない。
彼女も、自分の手で殺す。
特に何の感情もない。
別に仲が良いわけでもない。
269170 ◆XQllV9IIuo :05/03/05 14:37:17 ID:ikG7CfzJ
「そうですか。でも、僕はこのゲームに乗ることを決めました。
戦う理由はそれで構いません。ーーーもちろん、僕はモナー君も殺して生き残ります。」
彼はそう付け足した。怒るかなにかで、レモナを銃の当てられる範囲に出そうと思ったからだ。
しかし、意外と彼女は冷静で、物音立てず、動かずにその話を聞いていたので、彼は少々焦りながら話を続けた。
「貴方の好きな、モナー君が殺されてもいいんですか?いいんですね?
僕は、誰だって殺します。このゲームで生き残るためなら。そもそも、そうでしょう?
たとえ、モナー君と貴女が生き残っても、結局は、どちらかが死ぬしかない。貴女にそれができますか?
僕は、貴女にはそれができないと断言します。最終的には、貴女は死ぬ運命にあるんですよ。
モナー君が死んでも貴女はそれを追うはずですから。
だったら、いつ死んでも変わらない。……だから、大人しく、殺されて下さい。
すぐモナー君も殺してあげますから。」
……決まった。これで、絶対彼女は動くはずだ。
僕の特技は、「口げんか」ですからね・・相手を論破するなんて簡単な事です。

「……そう、ね。確かにそうかもしれないわ。私はモナー君が死んだら自殺するかもね。
でも、私は全ての可能性を捨てない。モナー君が生きている限り私は何も諦めない!」
直後、彼女は予想通り飛び出してきた。よし、これでアナタを殺せますよッ・・・!
しかし、レモナはすぐタカラに突撃するようなことはしなかった。タカラが引き金を引く寸前、彼女は右手に持っていた刃物をタカラに向かって投げつけた。
「うわっ!」
タカラは飛んできた刃物を避けるためにしゃがんだので、銃弾が逸れてしまった。
立ち上がり後ろを振り向くと、どうやら先ほどの出刃包丁らしい。彼はそれを確認するとすぐに前を向いた。

目の前には、長い刀(彼女の配給武器の菊一文字則宗だが彼はそれを知らない)を今すぐ抜こうとして、そして自分に突撃してくるレモナの姿が映っていた。
銃を構え直す暇は無かった。すぐ、鞘から抜かれ振り上げられた銀の刃がタカラの右腕を切断した。
270170 ◆XQllV9IIuo :05/03/05 14:38:17 ID:ikG7CfzJ
「っ痛ぅ・・・ぐああっ・・」
タカラはその場にしゃがみ込んだ。血が噴水のように、いや、実際に噴水となって吹き出している。
「言ったじゃない。私は、どんな可能性も、捨てないって。」
超然とした、声だった。
「くっ・・くそっ・・」
タカラはソーコムを左手で構え発砲した。しかし、両手で扱っていた物を利き手ではない方でいきなり使いこなせるはずはない。しかも、手負いの身で。
引き金をひいたときの反動が強烈で、その時の激痛はまるで頭に五寸釘を打ち込まれたようだった。もちろん、銃弾は見当違いな方向へ放たれ、彼女の数メートル右にある壁、かかっていた絵画を打ち落とした。
「・・・もうその怪我じゃ無理よ。本当はこんなことしたくないけど・・・楽にしてあげるね。」
「くっ……待って、待って下さいよ・・・」
金色に光る彼女の髪と、銀色に輝く彼女の刀と、赤色に踊る自分の血と。
それが、【男子11番】タカラギコが最後に見た光景だった。
271170 ◆XQllV9IIuo :05/03/05 14:38:43 ID:ikG7CfzJ
「モナー君、どこに居るのかな・・・」
電気が生きているならば水道も生きているはず。
その考えは見事的中し、風呂場で暖かいシャワーを浴び自分と菊一文字則宗についた血を洗い流すことができた。
疲労しないように体はよく拭き、(バスタオルも脱衣所で見つけられた)さびないようにもう一度出刃包丁と菊一文字則宗を入念に砥石で磨きあげた。
とりあえず、夜はどこかで明かさなければならない。規則的、健康的な生活を送る彼女には夜更かしなんてできない。
しかし、銃声で誰かが来るかもしれないと思った彼女は、できるだけ近いエリアにあるB-3のエリアにある住宅街へ移動することを決めた。
裏には林がある。万が一のときはそこから西へと移動してE-2へと移動すればいい。
死体はそのまま放置だ。電気をつけて放っておけば、誰かが釣れるかもしれない。
ソーコムは弾丸だけ抜き取り捨てた。自分には使いこなせない、何より邪魔だったからだ。
準備を整えると、彼女は移動を始めた。
愛する人、モナーを守るために。

【現在時刻:17:54】

17:20
タカラギコ(男子11番)
レモナに斬殺される

【退場者1名・残り22人】
272ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :05/03/05 20:07:50 ID:THaMZabq
「何、この空気・・・?」
ウララー【男子3番】が、呟いた。
さっきから静寂が回りをつつんでいる。
誰一人として声を発さない。厳密には、ウララーが声を発したが、誰にも聞えていない。
自分は最後尾を歩いているつー【女子11番】の一つ前を歩いている。
先頭は、モナー【男子19番】とフサギコ【男子18番】だ。
つーとモナーがいがみ合わないための配慮だろう。
ここで、ウララーに一つの疑問が浮かんだ。
何故、二人がいがみあわなければいけないんだ?そうか、つーが薬をルルカに進めたからだった。
長い沈黙のせいで頭が悪くなったのだろうか。こんなことは誰でもわかってる。
「ねぇ」
ウララーが今度は全員に聞える声で言った。
全員の視線が一斉にこちらに向く。だが、今更ひるむことも無い。
「えーっと、つーちゃんが薬をすすめたとかそんな話だけど、いろいろハッキリさせたいとこが・・・」
直球すぎただろうか。いや、こうゆう事は直球で言った方がわかりやすい反応を得られる。これで間違っていない。
「ウララー、お前もうちょっと空気嫁よ」
ギコ【男子5番】君は、一度気絶させられて不機嫌なんだ。そう考えることにした。
「でも気になるでしょ・・・?」
そういいながらゆっくりつーの方へ振り向いた。
その表情は意外とさっぱりした物だった。
「オレガ500gホドカッテルルカニウッタ、ナニカフマンカ?」
つーはさらりととんでもないことを言った。まわりは驚愕と怒りが入り混じったような表情を浮かべた。
だが、ウララーは違った。
「嘘だね」
ほとんど間を開けずに言った。
「ナゼソウイエル?」
つーも表情を変えなかった。
だが、ウララーの知識の方が、つーより上だった。
「麻薬は小麦粉じゃないんだから、麻薬500グラムってったら3000万〜5000万ぐらいするんじゃない?それを中学生のつーちゃんが?」
いいながらウララーはこの知識が間違っているように思えてきた。だが、つーに本当のことを言わせるにはたとえ嘘でも自分に有利なことを言わなければならない。
「ソレハ・・・」
つーが口ごもった。
これがウララーの狙いだった。こうなればもう買ったも同然。
「あと、その麻薬売ってるとこはどんなだった?」
「エット、ヒクイビルトビルノアイダニアッテ――――」
「嘘だね」
言い終わる前にウララーが言った。
「今視線が右上にいったよ、これは見たことのない情景を想像してる証拠」
これもただ小説で読んで知っただけの知識。本当かどうかはわからない。
「・・・」
だが、つーに抗議をさせないためには十分だった。ウララーが言っていることが正しいからだろう。
「どういうことだ・・・?」
黙って二人の話を聞いていたギコが聞いた。
「つーさん、説明して」
ギコよりも長く黙っていた、リル子【女子19番】が言った。ウララーもリル子の存在を忘れそうになっていた。
フサギコだけは、つーを見つめて黙っていた。

273ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :05/03/05 20:08:57 ID:THaMZabq
いつのまにか全員の足が止まっていた。
5人分の視線がつーに注がれる。
つーがゆっくり話し始めた。
「ソノマヤクハ・・・ヒロッタ」
それだけだった。6人を妙な沈黙が包む。
「そ、」
最初に口を開いたのはモナーだった。
「そんなわけないモナ!麻薬を拾った?3000万円もするものがそこらへんに落ちてるわけ無いモナ!」
それはほぼ全員が考えたことだろう。
「ホントウノコトダ、ソレヲヒロッタアトタマタマルルカニアッテナ。クレトイワレタカラヤッタ。ソレダケダ」
つーが冷静に言った。
「ありえ―――」
フサギコとギコが声を同時に言った。いや、言いかけた。
「いや、ありえるかもしれない」
「「「「はぁ?」」」」
つーとウララー以外の全員が声を合わせた。見事なハモりだった。
何故かそれを聞いて少し動揺してしまった。
「え、だからこれはあくまで可能性の一つなんだけど・・・」
今度は5人の視線がウララーに突き刺さった。
ウララーは少し気まずくなりながらも話し始めた。
「えっと、これはこのBRを運営してる側の策略?、じゃないかな」
「どういうことだ」
ギコが急かすように言った。
「つまり、麻薬をやってたりする生徒がいると何かいい事があるのかもしれない、このBRはAA削減のためだけにあるわけじゃなさそうだね・・・」
ウララーが言いおわって、つーが何か言おうとするのが見えた。
だが、それより先に何かが音を立てた。
チャンチャンチャンチャン・・・♪
何かの音楽だった。何か寂しげなそんな感じがする。
1秒ほどたってから全員がほぼ同時に、その音楽がウララーの持っているバッグから鳴っているとわかった。
ウララーはバッグを地面に置き、ファスナーをあけ、中を漁った。
すぐにバッグからウララーの手が抜かれた。その手には黒い携帯電話が握られていた。ウララー自身のものだろう。
「非通知・・・」
どうやら電話がかかってきたようだ。
「電話!?」
やはりギコとフサギコが声を合わせて言う。
ウララーは全員の顔を見回してから通話ボタンを押した。
「もしもし」
『着信ナシ見ました?電話がかかってこない虚しいデブヲタの話』
携帯電話からギコ教授の軽快な声が響いてきた。

【残り22人】
274名無しさん@├\├\廾□`/:05/03/05 20:18:56 ID:rKYNXzwo
午後6時。普段ならまだ日が沈む時間では無いが、空はいつの間にか雲に覆われ既に薄暗い。
まだ雲が無い、淡いサーモンピンクの東の空が同様に覆い尽くされるのもそう遠くはないだろう。
冷たい風が吹き始めた島に能天気な音が響いた。定時放送である。
ピーンポーンパーンポーン
「こんにちはー、それともこんばんはですかね?午後6時の提示放送です。
【男子4番】おにぎり、【男子10番】シラネーヨ、【男子11番】タカラギコ、【男子12番】ダマレコゾウ、【男子15番】激しく忍者、【女子12番】でぃ、です。
みんなかなりいいペースですね〜。嬉しいですよ〜。では次は禁止エリアの発表で〜す。
午後8時にA-3、午後10時にI-8、そして午前0時にB-5です。聞き逃しても二度は発表しないからなー!
それじゃあみんな頑張れ!武運を祈るぞー!ではごきげんよう。」
ピーンポーンパーンポーン

放送が終わり、ギコ教授ふうと軽く息をつくと、とは静かに言った。
「・・・それにしてもタカラギコが死ぬとは・・・。待ち伏せはこのゲームにおける最良の策だというのにそれを捨てるとは、愚かなことです・・・。」
「最良の策・・・ですか?」
傍にいたしぃ助教授が書類、ちょうどタカラギコ死亡についての、を処理しながら問う。
「あくまで過去は過去ですが、過去のBRでのデータを参照すると、優勝者の戦法には待ち伏せが多いんですよ。
無駄な体力を消耗せず、先制攻撃な可能な点からですかね。もちろん万能ではありませんが、それでも有効なことは確かです。
事実、今回のBRでもアヒャ・じぃとタカラギコだけでかなりの生徒を手にかけていますから。」
そこまで言い教授はコーヒーを啜る。眠気覚ましのために相当の濃さだったが一気に飲み干した。
「そうなるとやはり・・・じぃが優勢ですか?」
教授は笑って答える。
「そうですね。侵入者対策があり水・食料も十分。仲間の数が多ければ多いほど危険性が増す内部崩壊も二人ならまず安心。
なにより、やる気の無い生徒でも生かしておかない情け容赦のない殺しっぷり・・・。しかしそううまくいきますかね?」
「・・・何かあるんですか?」
「最後の二人まではあっさりいくかもしれません。・・・しかしアヒャを殺せるかですね。
長いBRの歴史の中で、恋人同士や、約束を交わした男女が最後の二人になったことは一度や二度ではありません。
ですが・・・七割近くはどちらかが恐怖に押しつぶされ相手を殺害。残りも時間切れや心中、逃亡を図って失敗・・・。
ま、その前に死ぬかもしれませんが、ろくな結果になってませんね。」
そう言うと教授はキーボードを叩き始めたが、にわかに手を休めて言った。
「一度・・・過去に一度だけあったんですがね。恋人を生かすため、自らの命を捨てた男がいたことが・・・。」







275Prof.Two ◆wIDHCRRxns :05/03/21 01:26:37 ID:Qj3RJ0bO
タカラギコは目覚めた。レモナに斬殺されたハズにも関わらず。
「・・ここは・・?」
大きな扉と雲の上。
ここは、いわゆるあの世と呼ばれる場所。
ハ_ャリ_ク兄弟が真理なるモノと出あったりプッチンプリン神父が目指す場所である等の噂が尽きない。

そこに彼らはいた。
コリンズ、ようかんマン、カウガール、妹者、ちびフサ、ミナー、流石兄者、ジサクジエン、したらば
八頭身、モララー、ありす、えー、しぃ、のー、ののたん、フサしぃ、おにぎり、シラネーヨ、ダマレコゾウ、激しく忍者、でぃ。
全員、現時点で死んでいるAA達である。
「あ、タカラギコはん、いらっしゃい。」
のーが何処にあったのかリーフティーを持ってくる。
「・・ここは?」
「ここは・・天国やな・・多分。」

「・・天国・・ね。実在するなんて思ってなかったですが・・

もし本当に天国なら僕たち地獄行きですかね?」
そんなことは誰も知らない。読者さえも。
「まあ、暇な時間、お茶でも飲んですごしまへんか?」

ある者は望遠鏡で島の様子を覗き、ある者は恋人のことを思い、
生存者はまだ戦う・・

【残り22人】
276ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :2005/03/24(木) 20:21:13 ID:+dUqz/iG
「着信ナシ?」
おもわず聞き返してしまった。
『知りませんか?ホラー映画ですよ』
ギコ教授はウララー【男子3番】が予想した通りの返事をした。
「それくらい知ってます。てゆーかどうでもいいです」
ウララーは返答を待ったが、1秒たっても声が聞えなかったので、こちらから聞いた。
「なんの用ですか?」
これにギコ教授は、
『いや、疑問が残ったままだと戦いにくいと思って。気が利くでしょ?』
「自分でそんなこと言う人の70%は自己中なんですよ」
ウララーの言葉にギコ教授は笑ってこう言った。
『アハハ、口が達者ですね。でも、あなたの命なんかボタンを一回押すだけで奪えることを忘れないように』
もちろんウララーはこのことを忘れているわけではない。ただ、ギコ教授は首輪を爆発させることはないという確信を持っていた。これといった理由は無いが。
「ちゃんと分かってます」
ウララーはそれだけ、淡々と言った。
『ハハ、まぁいいです。それより、私が貴方に電話をしたのはですね、さっきも言った通り疑問を解決してあげるためです』
「つーちゃんのことですか?」
ウララーはそう言いながらつー【女子11番】の方を見た。その顔からは動揺などは微塵も感じさせない。
『そっちの方が気になりますか?じゃぁ、そっちから説明してあげます』
ウララーはここでやっと、ギコ教授が会話を聞いていたことを前提に話していることに気づいた。
「一応聞いておきますけど、当然盗聴はしてたんですよね?」
これにギコ教授は少しふ抜けた声で言った。
『ええ。他の人は違っても貴方だけは気づくと分かってましたよ。殺し屋さんですもんね』
その言葉から、このゲーム中にウララーの家の事情を知ったわけではないことが分かった。
「知ってたんですか?」
ギコ教授は声の調子を全く変えずに答えた。
『ええ、あなたのクラス全員の事はちゃんと調べてありますよ。その上でこのクラスにBRを行わせることを決めたんです』
「そういうことですか?」
ウララーが聞き返した。
『全国にはたくさん学校がありますよね?さらにそれ×の…そうですね5ぐらいのクラスがあるわけです』
ウララーは黙って聞いていたが、だんだんとギコ教授の言いたいことが分かってきた。
『その中からBRを行うクラスを選んだのが私です。では、何故あなたのクラスを選んだか…』
ウララーの中で答えはもうでていた。
「僕が…居たから…?」
やはりギコ教授の声の調子は変わらない。
『察しがいいですね。そうです、貴方が居たからですよ』
「な――――」
ウララーが何か言おうとしたが、それはギコ教授の声に遮られた。
『じゃぁここでこのBRを行うもう一つの目的を説明しておきましょう』
ウララーもそれを今聞こうと思ったのだ。殺し屋なんて面倒な者が居るクラスは避けた方がいいんじゃないか。
だが、もうウララーは答えを分かってしまっていた。
「何かデータ的なものがとりたかったんでしょう。窮地に立たされた時の行動、武器の扱い方、仲間、裏切り」
これには流石にギコ教授も少し関心した様子だった。
『やっぱり頭がいいですね。そうですよ、だから貴方みたいな人が居た方がおもしろいことになると思いまして』
やっぱりか。ウララーはそう思った。
277ノレ@|T∀Tノ ◆shamanZZXk :2005/03/24(木) 20:22:07 ID:+dUqz/iG
『でもですね、理由はまだあるんです』
ギコ教授が静かな口調で言った。
もう一つの理由?ウララーには検討がつかなかった。
「なんですかそれは?」
これにギコ教授は少し笑いながら言った。
『トトカルチョって知ってます?誰が優勝するか賭けてるんですよ』
ウララーは何も言わなかった。だが、怒りの炎は静かに燃え上がり初めていた。
『だったらやっぱり大穴と本命ってのが必要じゃないですか?そこで私は賭けのしやすいこのクラスを選んだわけです』
やはりウララーは何も言わない。
『あ、私は貴方に賭けさせてもらいましたよ。殺し屋ですし』
この言葉にウララーの怒りが爆発した。
「いい加減にして下さい!命をなんだと思ってるんですか!?殺し合いの賭けなんか…AAのすることじゃありません!」
ギコ教授はおどけて、
『恐いですね。殺し屋さんの口からそんなセリフが出るとは思わなかったですよ』
「僕の家は―――」
『知ってますよ、国から秘密裏に依頼を受けて脱獄した死刑囚の始末をしてるんでしょう?』
ウララーは声を荒げそうになるのを抑え、落ち着いて言った。
「そうです、人を何人も殺した悪人だけを殺しています。映画の様に誰でも殺しているわけではありません」
『ふふ、でもそれではあなたの家族も人殺しじゃないですか?』
ギコ教授のおどけた声にウララーは真面目に答えた。
「もちろんそれが正しいとは思いません。でも、本当の答えも分かりません。だから・・・」
ウララーは溜めて言った。
「生きてそれを探そうと思います」
ギコ教授の声も少し真面目になった。
『そのためにはクラスメートを殺さないといけませんよ?』
「いえ、そのようなつもりは全くありません。失礼します」
ウララーはそう言って一方的に電話を切った。

「もしもし、もしもーし」
ツーツーツー
「切れてますね」
ギコ教授はそう言って終話ボタンを押した。
「それにしても教授。生徒にあんなこと吹き込んでいいんですか?」
しぃ助教授だ。いつのまにそこに居たのだろうか。
「彼はそんなこと感づいてましたよ。だからそのうやむやを消してあげるために電話を」
「何故?放っておけばいいのに」
「タカラギコ君に死なれてしまいましたからね、彼の勝率を少しでも上げておかないと大損です」
ウララーには「君に賭けた」と言ったが、正確にはタカラギコとウララーの二人に賭けていた。
「ところで、しぃ助教授は誰に賭けたんでしたっけ?」
「私ですか?私は…じぃちゃんです」
「ぷっ」
思わず吹き出してしまった。じぃ【女子9番】という読みは悪くないが、『じぃちゃん』という言葉が可笑しかった。
「ふふふ、悪くない読みですね。倍率低いですけど」
倍率はウララーが3倍、タカラギコが7.5倍、じぃが4倍となっていた。
「大丈夫です。100万が4倍になれば400万ですから」
ギコ教授は素で驚いた。
「100万!?そんな大金を賭けたんですか!?」
「私はこの賭けに生活を賭けているんです」
「・・・流石ですね」
ギコ教授がボソリと言った。
「では、忙しいので」
そう言うとそそくさと何処かへ行ってしまった。
その背中を見ながらギコ教授は呟いた。
「賭けに賭ける、か」
そう言った後、ギコ教授はまた噴出してしまった。

【残り22人】
278ピアニシモ:2005/03/26(土) 13:25:23 ID:UNEBWQ9X
「…それ以上にこの大会には腐った政府をぶっ潰す人間を選ぶ為の『抽選会』でもある。」
ギコ教授は小さな声でつぶやいた。
そう、このプログラムの本当の目的は金の亡者になりきった政府上層部に一斉蜂起をかけるための優秀な兵士を抽選する為の抽選会。
トトカルチョなどカモフラージュの一つに過ぎない…。
そして冷酷なプログラム監査官を演じるのも政府上層部の豚どもを根絶やしにする為のカモフラージュ…。
「助教授、ちょっとこっちに来てくれ。」
俺は大きなこの国の地図をデスクいっぱいに広げた。
「このプログラムが終わり次第、例の計画を発動するからアレの用意をしといてくれ。」
「アレ・・・ですか?」
「そうだ、アレだよ。」
アレ…プログラム監査官もとい反政府軍人同盟の1人、しぃ助教授の頭にそれに該当するものは一つしかなかった。
BGM109、国会議事堂および周辺官庁街攻撃用に同盟がアルカイダから極秘に購入した核ミサイルのことだ。
それを用意するということは…。
「いよいよ武装蜂起ですか?」
回りの兵士…反政府軍人の仲間たちの間にも緊張が走った。
「ああ…。誰が勝つかわからんがこのプログラム終了後に我々は議事堂および官庁街に核ミサイル攻撃を仕掛け、政府に一斉蜂起する!」
279名無しさん@├\├\廾□`/:2005/03/26(土) 13:32:19 ID:Sw4WFMVj
── =≡∧_∧ =
── =≡( ・∀・)  ≡    ガッ     ∧_∧
─ =≡○_   ⊂)_=_  \ 从/-=≡ r(    )
── =≡ >   __ ノ ))<   >  -= 〉#  つ>>278
─ =≡  ( / ≡    /VV\-=≡⊂ 、  ノ 
── .=≡( ノ =≡           -=  し'
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
                  |
                  |
                  | 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
                  |      オ ホ ー ツ ク 海
280名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/04(月) 15:10:57 ID:Oghyrp90
このスレなに?小説じゃん。AAじゃないじゃん。
もうやめろ
281名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/06(水) 20:31:19 ID:5D1HWJxX
>>280
何で辞めなきゃなんねーの?
あんたが来なけりゃ
めでたしめでたしなんですよ〜〜〜
282名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/06(水) 22:10:20 ID:+9nzpqxK
('A`)
283名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/07(木) 17:32:46 ID:3nzYWIIv
静かに期待してますよ(´・ω・`)
284名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/08(金) 16:42:33 ID:31o5IwBE
AAバトルロワイアルっていろんな所にあるんですね。
ここは初めてなのでとりあえず時間かけて話を読ませてもらいまーす
285名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/08(金) 18:26:37 ID:t8ozvkKn
>>1板違いだな削除対象だぞ!
286名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/08(金) 19:09:54 ID:rpAsYcNU
もう春なんですね。
287名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/09(土) 11:32:16 ID:pEBUvVPb
消去対象でも読みたいな(´・ω・`)
288名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/09(土) 14:32:34 ID:CTn9B1n8
桜前線が停滞してるスレはここですか?
289名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/09(土) 17:03:59 ID:ubdYOs8s
兄者が死んだ…
290280:2005/04/09(土) 19:09:47 ID:i3ZCK+Hd
>>281
書いてもいないくせに偉そうにするなよ。何様だ?
しかもageちゃって・・・あーあ、俺は知らねーぞ
ここは荒れ放題になるだろうな・・・お前のせいでな

あと俺は間違ってることは言ってないからな
そこんトコよろしく
291名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/09(土) 19:26:18 ID:f4rUgRK1
春になると>>280-281のような基地外が大量に湧き出るな。
292名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/09(土) 19:33:59 ID:+Noj0kB7
>>279-291
お前ら全員基地外だよ。書かない奴は帰れ。

俺もだけど。
293名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/09(土) 21:09:37 ID:raguZKlN
age
294名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/09(土) 22:23:00 ID:2LrsIPWQ
はぁ・・・ついに6は終わりか・・・
295名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/10(日) 18:13:04 ID:5zvUAuTp
>>294
そのようだなぁ
296名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/10(日) 18:51:29 ID:mgItC3oo
age
297名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/10(日) 18:54:01 ID:RUyAB8eK
どうでもいいけど何でAAサロンなのにこれはAA使わないの?
298名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/10(日) 19:49:23 ID:mgItC3oo
>>297
初代スレの>>1に聞いてくれ
ついでにage
299名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/10(日) 19:50:00 ID:mgItC3oo
しまった上がってなかったあ
300名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/10(日) 20:05:57 ID:ajNjMuLd
300
301名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/10(日) 20:33:16 ID:g9CIkz4P
ヽ(゜∀゜)ノバトルロワイヤル
302名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/11(月) 01:18:36 ID:947wxkNQ
age
303名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/11(月) 18:47:14 ID:DKwqXWA9
>>290
age age age age age age age age age age age age age age age age age age
304名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/11(月) 21:51:42 ID:VJFq33I5
age
305名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/11(月) 22:09:39 ID:STEwfZbb
もう誰もやる気無くなったみたいだねw
306名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/18(月) 21:38:44 ID:yQ2icjGS
 /   ̄ ´~~゙''''    ゙''‐- ..,,         ,, ‐'    `゙ヾミッ、,,   ヽ::|::::/::::::::::::::::::::::::::::
,,イ|                i'        i"         `'‐='   `'|/i!:::::i::::::::::::::::::::::::
 i | :::::::ヽ::::ヽ::::::ヾ::    ゙、        l       〃:::::       i//::::ハ::::::::::::::::::i:::
  i i \\\\\ヽ     )       ヽ        ′′′   / /:::::/:::::::::::::::::::|::::
!  | i            ,,ィノ         <         :::: :    /:::::/:::::::::::::::::::/::::
i!  i i!            /i/    ,r''''‐y'''.;、  \             /:::::/:::::/::::::::::::/:::::
゙i!  | i          /⌒' 、 Y:::::::::''::;;;;'.;.Y'⌒゙i           /::::::/::::::/::::::::::::/::::/i
 i  i ゙!         ん、,,__ヽノ:::::::::::::::::::;;;;;{,__,,,r''          /:::::::/::::::/::::::::::::/:::://
゙、ii! ゙| i           ノ  ゝ;;;:::::::::::::::::::;ノ 。 `i          //:::::/:::::/::::::::::::/::::::/:::
ヾ!トl ゙iU          i  。l '゛..  ‐ー:::::i    |         //::::::/::::::/::::::/:::/:::::i!::::::
 iiミ! ハ             i  l ,,,,::: :::;;;;;...{ ° ゙、       //::::://::::/::::::/:::::/::::i::::ii::
 i!ヾ!i ゙、!         , '  |::: ::::ヽ   ..}     |゙ヽ......,.,.,.,,,///://::://::::/::::://::::i::::リ::
 !ヽヾi  i゙、  ___,,,/   }:: :  ;;;::: ::::::::}     レWノ'レi/、//::/:://:/:::/::/:::ハ:i |::
、、iヾミヽ ヾ''~川リ i i゙、     {....../   ゝ ::..{        "  ∨ノ / i/::///:/ .|:i i:::
! | i ヾ、゙、 ヽ、!i i|ヾ ゙、゙、゙、    }:: :  ;;;::: ::::::::}            /i  ,ニニ--..,,/ |! !ノ::
ヾ ! ヾ、ヽ ゙ヽi |!iヾ、ヽヽヽ  ノ  ,,,,::: :::;;;;;...{             ,,!r''~      `~゙'''''ヽ、


307もしゃもしゃ:2005/04/25(月) 17:42:32 ID:5NFh6jHC
何で終わるんだ・・・w
俺結構楽しんで見ていたんだがな・・w
308ななえあ:2005/04/25(月) 17:57:04 ID:px+1ojEw
>>306もっと作って
309もしゃもしゃ:2005/04/26(火) 15:21:27 ID:dZCi6Kgv
>>308に同意
310もしゃもしゃ:2005/04/26(火) 15:22:30 ID:dZCi6Kgv
誰かいねぇのか。
暇だ
311名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/28(木) 19:21:22 ID:/Q6u6Sl6
>>280-281のような基地外がいたからね。
このスレ本当に終ったな
ゴッチ!
312名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/29(金) 16:30:06 ID:MXR53gbE
むしろ
基地外は
>>311
313名無しさん@├\├\廾□`/:2005/04/29(金) 20:39:05 ID:1BoFJxyB
>>312
オマエガナー
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
314あぼーん:あぼーん
あぼーん
315名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/03(火) 22:20:21 ID:StG/PpXl
続きが見たいです。。。
316名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/04(水) 16:22:09 ID:ZSf8XXNg
続き、きぼんぬ
317名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/05(木) 15:24:07 ID:tniHdELN
完結ってことで
318名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/05(木) 18:44:40 ID:SKpDQGuw
そういうことだね
319名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/05(木) 18:46:32 ID:x06GuKuy
1シネ
320名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/05(木) 22:29:54 ID:pVhmBAbS
納得できんな
321モナー2:2005/05/06(金) 07:46:48 ID:m3llK4Nv
荒らしは放置
322名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/06(金) 23:00:38 ID:eUwide1g
真剣に続きを見たいです。
途中で止まってしまうと悲しいです・・・。
323名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/06(金) 23:29:50 ID:kQU94KUh
 , ∧∴' _ ・ ;.
  ∴", ・,' *∵ζ。
  +・.;ヾ∵ ,>.
    *;・∵
  〜( つ つ
〜〜 人 ヽノ
〜〜(__(_)
324名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/07(土) 10:26:43 ID:9d2b9vtW
オマイラ静かに汁!!!
325名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/07(土) 10:51:01 ID:78IXVbUa
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/qa/1115430181/
久しぶりに裏2chへの逝き方が公開されてるぞ!!

みんなもコピペして他のスレにも教えてあげよう!
326名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/07(土) 10:52:33 ID:9tQqDwqE
>>324
嫌wwwwwwwwwwwwwwっうぇ
327名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/13(金) 21:24:06 ID:aNzid/9h
>>322禿同とです...
次の作品に期待するとです...
328名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/14(土) 20:52:36 ID:iJwaIdUE
>>327
もう無理っぽいよ。
俺も期待したいけど
329名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/21(土) 16:33:53 ID:1uGBBwX7
続き チン☆⌒ 凵\(\・∀・) まだぁ?
330名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/22(日) 00:10:30 ID:BGnVNkVR
まだ
331名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/24(火) 23:33:19 ID:3la3YHrJ
( ゚д゚)ホスィ…
332名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/27(金) 17:33:43 ID:xePKl9eG
あんまりあげるとピアニシモが来るぞ
333名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/27(金) 19:24:22 ID:Qrz9voZY
>>332
何じゃそりゃ
334名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/29(日) 06:31:39 ID:wjNfXtVV
>>333
全くわかってないな。このスレのこと。
335名無しさん@├\├\廾□`/:2005/05/30(月) 19:54:15 ID:T5vhxT+L
>>334
知らないよ
だ・か・ら?
336名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/03(金) 07:41:21 ID:SgCGXeRR
>>355
だから?何?
337die >>336:2005/06/03(金) 17:01:36 ID:8YYDnVgw
>>336
馬鹿じゃねーの?お前っ!!
俺は335だ呆け!スカム!
つーか俺が訊いてんだよ!、お前日本語理解できてんのか?
俺の質問に答えたらどうだ?それとも答えられねえのか?
あっ、お前みたいな人間じゃあ無理か・・・そりゃしゃーないな
338336:2005/06/05(日) 14:30:43 ID:/SjcEXtA
>>337
うん。
わからないなら知らなくていいじゃん?
339名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/05(日) 18:24:19 ID:AUTa6Iqw
>>338
いや、答えになってないよ?
やっぱスカムだな。お前日本人?つーか人間?
340338:2005/06/06(月) 07:30:22 ID:Ap8h2GLr
>>339
答える気ないから。
人間かどうかもわからないの?
341名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/06(月) 20:09:15 ID:vqsP5ph6
>>340
ごめん、1つ忘れてた。お前生き物?

それと答える気が無いっつーか答えられないだけだろ? 人外!?
違うか? じ・ん・が・い
342名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/07(火) 00:44:01 ID:O1TLhhyR
てか、ピアニシもを知らない時点で333の負け
343340:2005/06/07(火) 07:50:58 ID:GoFk0tkn
342の言う通り。ピアニシモを知らない333が悪いんだろ。
生き物じゃない物体がPC操作できるわけ?そりゃすごいな。
このスレ全部読めばピアニシモが何者かぐらいわかるだろ。
調べもせずに文句ばっか言ってる厨房に「生き物?」とか言われたくないね。
答えないの333の態度が悪いから。人に聞く前に自分で探せ消防が。
344( ゚д゚)ポカーン さん:2005/06/07(火) 16:42:12 ID:Hm1953nW
我も知らんガナー
345名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/07(火) 16:55:52 ID:O1TLhhyR
そういえば、このスレの>>1から読み直せば、ピアニシモが何をしたかがわかる
まあよほど暇があれば見とけ。見るだけ無駄だけど

読まずに文句言うなよ
346名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/07(火) 19:30:09 ID:FQfRxwBE
>>1-345
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
347名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/07(火) 19:30:24 ID:FQfRxwBE
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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348名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/07(火) 19:30:34 ID:FQfRxwBE
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349名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/07(火) 19:30:45 ID:FQfRxwBE
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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350名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/07(火) 19:30:56 ID:FQfRxwBE
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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351名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/07(火) 19:31:13 ID:FQfRxwBE
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
352名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/07(火) 19:31:26 ID:FQfRxwBE
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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374murder:2005/06/07(火) 19:38:30 ID:FQfRxwBE
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
375murder:2005/06/07(火) 19:38:41 ID:FQfRxwBE
>>1-345
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
376名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/08(水) 13:46:41 ID:7CUB+9pN
age
377<:2005/06/10(金) 17:59:53 ID:owhAAn3y
sage
378名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/16(木) 17:57:07 ID:cYoglIzz
>>334-341
ワラw
379murder:2005/06/18(土) 21:36:20 ID:mIWcu1L0
>>342-343 >>345
別に知らなくていいし。
知ってどうする?


つーか皆分かってると思うけど、荒らしたの俺だからね。
もうここには来ないと思うな。
まぁ頑張って続き書いてくれ。俺の知ったこっちゃないがな。
何か言ってくると思ったが何も無かった・・・正直なんかショボかったな。
期待はずれって言うのかな?
まぁその御陰で楽しかったといやぁ楽しかったがな。
しかし・・・何だかなぁ・・・
そして最後に教えてやるよ。スカムとは、
scumと書き、人間のクズ・カス という意味なのさ。
じゃあな、頑張れ。スカム共!
皆死んで来い♪
380名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/19(日) 00:03:49 ID:2DAFrwht
ここまで構ってもらいたがる奴を俺は初めて見た
381485:2005/06/19(日) 10:12:20 ID:HuxyPwJm
>>380
禿同
382名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/19(日) 20:02:17 ID:WwLlrFuL
早く埋め立てようよ。


















どうせ
383名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/19(日) 23:22:40 ID:2DAFrwht
>>382
続きが気になる
384名無しさん@├\├\廾□`/:2005/06/22(水) 16:07:59 ID:iG5lPOh4
頑張れ!あと4KBだ!!!

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ダダダダダダダダダダダダダダ           ダダダダダダダダダダダダダダッ
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385( ´゜ω゜`)っ且 さん:2005/06/23(木) 18:51:43 ID:dLe2nyah
ピアニシモ


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386sxdg:2005/06/28(火) 21:19:03 ID:AyScrIS/
387名無しさん@├\├\廾□`/
>>1-345
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
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死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死