AAバトルロワイアル5 -You must survive.- Part2
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■■■■■■AAバトルロワイアル雑談スレ■■■■■■
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1067821682/ ※ここは本文を投稿するスレッドです。雑談や感想などは上記の雑談スレでお願いします
尚、この作品はAAバトルロワイアル4の続きではなく、完全なる別世界の物語です。
詳細は
>>2-6くらい
このスレは、小説「バトル・ロワイアル」と同様に
アスキーアート(AA)のキャラに「殺し合い」をさせるスレッドです。
内容はリレー小説形式ですが、もちろんAAも受け付けています。
ちなみにAAキャラは学生の設定になっているんでその辺りを了承しておいてください。
−−書き手のルール−−
投稿はsageでお願いします。dat落ちしないかと不安になりますが
基本的に書き込みのあるスレは落ちません。
「60日ルール」もどうやらなくなった為、
作品の書き込みだけで倉庫落ちは免れられるはずです。
基本的には学生という設定のキャラを戦わせます。
あくまでも「普通の学生」なので、超人的な能力を持つようなキャラは敬遠するようにお願いします。
○ ハッキングのスキルを多少ながら持っている
× 傷が勝手に治る体質
また、プログラム運営側や、兵士達、更に反政府団体などの、「学生」以外のキャラが戦闘に参加したりするのは
過去に起こった騒動に発展する場合がありますので敬遠するようにしてください。
生徒はあくまでも平等に扱ってください。この物語の主人公は生徒であり、特定の人物ではありません。
生徒には始まると同時に武器や食料が入ったデイパックを支給されます。
支給される武器は基本的には何でもいいんですが、「あまりにも強すぎる武器」は敬遠するようにしてください。
○ サブマシンガン
× ロケットランチャー
人が書いていたキャラを書き続ける場合は、そのキャラの状況を、ログを読むなりして理解してください。
どこのエリアにいるのか、今は何時か、怪我を負っているか、誰かと一緒にいるのか、武器は何だ…など。
矛盾した設定を残すと後にも響いてくるんでこの辺りは特に気をつけるようにして下さい。
あまりに矛盾した内容の場合は雑談スレで議論後、スルーされることもあります。
そして、書くキャラの性格などを最初からつかんでおいて、その性格に沿った物語を展開していくと
読み手にも「ああ、コイツの性格が出てるなぁ」など読みやすくなります。
例えばモナー。彼がいきなり凶暴な殺戮キャラになったら、少々困惑してしまうものでしょう。
キャラの性格などは、「AA大辞典」や、各板にあるそのキャラの専用スレなどで掴むといいでしょう。
参考:AA大辞典(仮)
http://maruheso.at.infoseek.co.jp/aadic/
生徒名簿
AABR担当官:モララー
【男子1番】アサピー .【女子1番】あめねこ
【男子2番】アヒャ 【女子2番】ありす
【男子3番】
>>1さん 【女子3番】ぁゃなみレイ
【男子4番】イマノウチ 【女子4番】ガナー
【男子5番】ウワァァァン .【女子5番】ザーボン
【男子6番】おにぎり 【女子6番】しぃ
【男子7番】ギコ 【女子7番】ダーヤス
【男子8番】キユ .【女子8番】づー
【男子9番】さいたま右 【女子9番】でぃ
【男子10番】坂田師匠 .【女子10番】ニラ茶娘
【男子11番】ショボーン 【女子11番】ねここ
【男子12番】シナー .【女子12番】・
【男子13番】ッパ .【女子13番】みるまら
【男子14番】ドクオ .【女子14番】モラリ
【男子15番】ネーノ 【女子15番】モナエ
【男子16番】八頭身 【女子16番】モネー
【男子17番】フェラーチョ .【女子17番】モナカ
【男子18番】ぼるじょあ 【女子18番】モニカ
【男子19番】メモラー 【女子19番】リル子
【男子20番】モナー 【女子20番】ルルカ
【男子21番】山崎 渉 【女子21番】レモナ
| A | B | C | D | E | F | G | H |
______.|_____|_____|._________|_____|_______|_______|._________|_____|
|
1 | + + + + / 北
______.| +i''" ̄`i+ + + + + + + + +i ̄i + /. ↑
| +i" `i + + + i ̄ ̄ ̄ ̄i i ̄i+ +i ̄  ̄i + / 西←┼→東
2 | +i''" i' i ̄ ̄゛i+ + i i i  ̄ ̄ ___i/+ ↓
______.| + +i ̄ i i___  ̄ ̄ i i エリアC __i _!" + 南
| +i ̄  ̄i i i i _i/
3 | +i" i i エリアB i i _i ∠____ ├──┼──┤
______.| +i" エリアA i i i i i i" ̄ ̄ ̄`i | 0 1.5 3 (km)
| +i_ i i i i ____i i エリアD .i |
4 | +i_ i i i i__i┌┐i ____._i | 〜
______.| +i _____,i i、_________i__,, -ー" i i _i,-‐‐┘
| +i'' _i,.-----------┐i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄i| i i__i/
5 | +i ___i/ ┌'/ i| . ̄ ̄ 〜
______.| +i__ i,i" 〜 i/ i| p
| +i,,/ |i__ i| ヽニ>
6 | /+ └、 i i| _
______.|/ + |i エリアE i|_|○|
| __|i i ○|←エリア51 〜
7 | 〜 Li_ i| ̄ ̄
______.| q \i,,__ i| p
| <ニ/  ̄|i_____ i| 〜 ヽニ>
8 | 〜  ̄ ̄|i___i|
______.|  ̄ ̄
「アサピーさん?アサピーさん?」
そこにはただ、アサピーが居た。倒れている。
その手には妹のブローニング。
「そんな・・・そんな・・・・」
あたりに血のにおいが立ちこめる。
妹は暗い部屋の中、目が慣れてきた。そこにあるのは
アサピー(だったモノ)。頭の半分が血にまみれ、一部消え失せている
物体だった。妹はそれを確認したその直後、
のどにこみ上げてきたものを戻した。もう何も考えられなかった。
ただ、気味の悪い物体から直ぐに離れた。部屋を出て、家から
出ようとしたが、足がすくんで廊下で座り込んだ。
「どうして・・・どうして・・・」
また戻した。そして泣いた。
(また・・・人が死んでしまいました・・・私は・
・・どうすれば・・・)
ブローニングと鞄を忘れたことを思い出したが、今はただ、泣いた。
「どうすれば・・・良いんですか・・・?」
ただ混乱していた頭を抑えようと誰に、と無くつぶやいた。
・・・・・・・・・ガチャ・・・・・
その直後、玄関が開く音がした。妹の思考が一時停止する。
(誰か来ました・・・)
とりあえず直ぐ横の物置に隠れた。
足音は走ってさっきまで居た部屋に向かい、
自分の前を横ぎり、部屋へと入った。
(!!あの部屋には銃があります!!)
その足音は部屋の中を物色し、部屋から出てきた。
そして、家中に届くように言った。
「誰か居るアヒャ?」
(アヒャさんなのです!!こ、殺されます!!)
「・・・バックが2つあったアヒャ!アサピーは人殺し
するような人柄じゃ無いアヒャ!だれが居るアヒャ!!」
(気づかないで・・・気づかないで・・・なのです・・・)
しかし、その思いは打ち砕かれた。ふるえる身体が
その家庭の家族写真のアルバムを棚から落とした。
「・・・物置アヒャ・・・誰が居るアヒャ・・・?」
アヒャは物置に手をかけた。
(もう・・・終わりなのです・・・
>>1さん・・・アサピーさん
・・・今行くのです・・・・)
妹はもう観念して目をつぶった。
八頭身(男子十七番)に襲われた後、南に走ってD-5へと辿りついた。
モナー(男子二十番)はレモナ(女子二十一番)に正面にあるビルに入ろうと話し掛け、正面のビルへと入った。
中は廃れていたが、入り口の隣にある部屋へと入り、そこに落ちつくことにした。
そして、八頭身に襲われてから六時間が経ち、そろそろ定時放送が始まる頃だ。
人数も少なくなり(六時の時点でもう生存者は半分近くだったはずだ)、銃声もあまり鳴らなくなってきている。
しかし鳴っているのは事実だ。
正面のレモナを見た。定時放送が気になるようで、腕時計を見ている。
モナーとレモナにとって唯一の武器、ボウガンはレモナが持つことにした。
果物ナイフはなくしてしまったので、モナーは丸腰ということになる。
レモナを見ながら、モナーはさっきからずっと気になっていたことを思い出す。
―――レモナは、どうしてこんなに精通しているモナ?
―――あたしね―――
そこで会話は途切れていた。レモナはこのことを切り出さなかった。忘れてしまったのかも知れない。
今聞こうと思ったが、どうせ定時放送の割り込みが入るだろう。今はやめておいた。
予想通り、定時放送が始まる。モララーの活発な声はビルに中にも届いていた。
「元気か〜!もう一日が過ぎました。友達も半分以上が死んでいます。んじゃ死亡者から―――」
ゲームが開始してから一日が過ぎたことに気付く。もう一日なのか―――
「男子一番、アサピー君、四番、イマノウチ君、女子二十番、ルルカさんの三人です」
再び生徒の顔が思い出され消えていった。そういえばまだ、おにぎり(男子六番)やギコ(男子七番)は健在だ。
彼らと合流することができないだろうか?
「禁止エリアは、一時からB-2、三時からG-3、五時からD-6だ。じゃー頑張れよー」
モララーの放送は途切れた。地図と名簿にチェックをつけていく。もう生き残りは半分以下。
これ以上死亡者を増やしたくない。脱出は早い方がいい。そして、目の前にはレモナがいる。
なんとなく、なんとなくだがレモナは脱出の方法も知っていそうな気がした。
「レモナ」
モナーは切り出した。レモナの視線がモナーに向いていた。真剣に話すことにしよう。
「もう生存者が半分ないモナ。脱出しようモナ。レモナなら、何か知ってるんじゃないかモナ?」
レモナは少し考えた様子の後、苦笑する形に笑っていた。
「ごめんなさい、あたしは脱出の方法なんて知らないのよ」
「えっ?」
モナーの口が半開きになった。あれだけ精通しているのなら、脱出の方法も知ってそうな気もしたが。
見当違いだったのだろうか?
「じゃ何でこんなに手際がいいモナ?」
ビルの入口にはまた鳴子トラップを仕掛けている。
「話の続きがまだだったわね」
モナーから視線を外し、部屋の入り口を見つめながら、レモナは語り始めた。
「朝鮮という国があるのは知ってるでしょう?」
「知ってるモナよ。チョパーリニダニダカサハムニダな国モナね」
「ええ、その朝鮮国では、極秘裏にあるプログラムが進行されているわ」
「それがこのBRと関係があるモナか?」
「大アリよ。そのプログラムの名前こそBR、バトル・ロワイアルなんだから」
「えっ…つまりどういうことモナ?」
「朝鮮国でもこのゲームが行われているということよ」
「え…」
「このAABRは朝鮮のBRを真似たプログラムよ。どこかの馬鹿が提唱したんでしょうね」
「ど、どうしてそんなことするモナ?」
「朝鮮国は紛れもなく優秀な兵士の召集のため。この国は違うわ。完全なるクーデター防止のためよ」
「クーデター防止?」
「この国は自治が進んでいないわ。内戦は時間の問題とか言われてる」
確かに、テレビのニュースとかではよく取り上げられる問題だ。
「つまりこのゲームを大々的に報道させることで、人を信じてはいけないという気持ちに世間を動かすのよ」
「よくわかんないモナ…」
「中学生のクラスが殺し合い、信じられるものも信じられなくなるわ。クーデター側も内部を疑い始めるのよ」
「つまりそれだけのために、僕達は殺し合いを?」
レモナは即答した。
「そうよ」
「…そんなことって」
モナーの中で、冷めていた怒りという感情がふつふつとやって来た。
しかしそれを抑え、モナーはレモナへと聞いた。
「何でこんなこと知ってるモナ?」
レモナの視線が床へと移動した。
「…ある筋の情報よ。名前は言えない。けどあたしはこのことでこのゲームというものに警戒することができた」
レモナは視線を上げた。
「だからこんなに手際がいいのよ。けどごめんなさい、脱出の方法までは、知らないのよ」
「…」モナーの表情が曇る。
「情報をくれたのは、朝鮮を脱出した元BR優勝者よ。だから情報は確かだわ」
とりあえずモナーはそのことを信じることにした。口調は真剣そのものだった。
「脱出は難しいと言わざるを得ないわ。だけどあたしはモナー君に生き残って欲しいの」
「…どうしてモナ?どうして僕にそんなに執着するモナ?」
レモナはぽかんと表情を変えたが、おかしそうにくすくすと笑うだけにとどまった。
モナーはわけがわからない。レモナはモナーにゆっくりと話した。
「―――ほんとに、鈍感なのね」
「?」
「あたしがこれだけ言って、行動しているのに」
「えっと…」
「けどあたしは、モナー君のそういう所がとても好きだわ」
「えーっと…あの…」
「つまり、好き、大好きってことよ」
「えええぇぇっとその、あの…」
モナーは顔が真っ赤になりながらも、言った。
「あ、ありがとう…レモナ」
【残り19人】
9 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/05 18:46 ID:KeDsqcUh
生徒名簿
AABR担当官:モララー
【男子1番】アサピー ―死亡― .【女子1番】あめねこ ―死亡―
【男子2番】アヒャ 【女子2番】ありす
【男子3番】
>>1さん ―死亡― 【女子3番】ぁゃなみレイ
【男子4番】イマノウチ ―死亡― 【女子4番】ガナー
【男子5番】ウワァァァン 【女子5番】ザーボン ―死亡―
【男子6番】おにぎり 【女子6番】しぃ
【男子7番】ギコ 【女子7番】ダーヤス
【男子8番】キユ ―死亡― 【女子8番】づー
【男子9番】さいたま右 ―死亡― 【女子9番】でぃ
【男子10番】坂田師匠 ―死亡― .【女子10番】ニラ茶娘 ―死亡―
【男子11番】ショボーン ―死亡― 【女子11番】ねここ ―死亡―
【男子12番】シナー ―死亡― .【女子12番】・
【男子13番】ッパ .【女子13番】みるまら ―死亡―
【男子14番】ドクオ ―死亡― .【女子14番】モラリ ―死亡―
【男子15番】ネーノ 【女子15番】モナエ ―死亡―
【男子16番】八頭身 【女子16番】モネー ―死亡―
【男子17番】フェラーチョ ―死亡― .【女子17番】モナカ ―死亡―
【男子18番】ぼるじょあ ―死亡― 【女子18番】モニカ
【男子19番】メモラー ―死亡― 【女子19番】リル子 ―死亡―
【男子20番】モナー 【女子20番】ルルカ ―死亡―
【男子21番】山崎 渉 【女子21番】レモナ
10 :
スパス12:04/04/06 08:33 ID:t58I2myb
前回失敗した物ですwどうも。
八頭身(男子16番)は走りつづけていた。やっと走るのを止めたあと、
そのまま地面に座った。泣きながら「畜生!!なんなんだよみんなそろって!」
とつぶやいた。
ぁゃなみレイ(女子3番)が現れた。
「君も・・やる気なのかい・・・?」そう聞くと
ぱぱぱぱぱぱぱ
八頭身はそのまま地面に倒れた。
ぁゃなみは八頭身の支給武器を探しに八頭身の死体へ向かっていった。
八頭身は飛び起きた。
ぁゃなみのみぞおちに拳を入れてぁゃなみはマシンガンを取り落として吹き飛んだ。
八頭身はマシンガンを拾い、叫んだ。
「友情ってなんだよ。仲間ってなんだよ。愛ってなんだよ。
>>1さんってなんだよ。俺ってなんだよ。お前は一体なんなんだよーーーー!!」
そう言って八頭身はマシンガンを乱射した。その弾丸のほとんどがぁゃなみの体にあたり
ぁゃなみは痙攣している。
「そうだ・・・・。僕はこの答えを解くためにも負けられないんだ。」
そう言ってもう一度八頭身はマシンガンを発射させるともうぁゃなみはもうピクリとも動かなかった。
八頭身の狂気が再び始まろうとしていた・・・・・・・。
【残り18人】
ああ〜ぁゃなみ死んじゃったよw。
これいいのかな〜?
>ぁゃなみのみぞおちに拳を入れてぁゃなみはマシンガンを取り落として吹き飛んだ。
意味不明
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/06 13:00 ID:Lp4juCVa
【男子5番】ウワァァァン は武器を取られてから、他人の家に忍び込み包丁を集めていた。
そう、いまは虐めなんてないんだ。復讐も簡単だ。今はこの42本の包丁がある。しぃに
会いたい。他は死んでも構わない。
しかし、包丁だけでは銃にはかなわない。リーチが違いすぎる。そう思ったとき、そこらに
あったほうきやモップから棒だけ抜き取り、先端に集めた包丁を接着剤、紐、ガムテープを
つかってくくりつけた。だが、外れる。そこで、釘を使うことにした。釘なら近くの工事現
場で簡単に手に入る。というわけでとりあえず外に出た。殺風景な景色の住宅街に建設中のビ
ルが並んでいる。工事現場には武器になりそうなものがたくさんあった。とりあえず
釘を探すことにした。
モップやほうきのぼうよりもいいものがあった。鉄パイプだ。これならディバックに
たくさんつめた包丁がそのままはいる。くぎなんかいらなくなる。鉄パイプを拾った。
意外と軽い物だった。すぐに包丁を先端の穴に入れた。入りにくいが、ぎりぎり入る
大きさなら、止めるものがなくてもいい。そう思った。できた。
リーチが長くなった包丁、槍が、
これなら銃にも対抗できる。
不意打ちなら、
ほかの包丁も落ちていた鉄パイプの穴に入れ、槍が11本かんせいした。
あとの小さい包丁は手持ちとしてディバックにつめた。タオルにグルグル
巻きにして。あとモップの棒も持っていった。
槍は修学旅行用に持ってきた手さげのバッグに横から突き刺し、一番使いやすい
1本とモップの棒を手にしぃを探しに出発した。
【残り18人】
13 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/06 13:56 ID:+hlh56eP
食料―――
それが最大の問題だった。支給されたパンでは足りるわけがない。ウワァァァン は
考えていた。というわけで他人の家にまた入ることにした。窓を包丁でやぶって。
おじゃましまーす。
入ると誰もいるわけがない。真っ直ぐ台所へ向かった。冷蔵庫は中身が腐っているだろう。
そこで、缶詰とお菓子を探した。押し入れ等を調べると簡単にてにはいった。
かに缶、シーチキン、果物、とにかくたくさんあった。あと缶切りが欲しい。
しかし見当たらない。もうどうでも良い。集めた包丁で突き破った。汁が飛び散ったが、
関係なかった。スプーンをてにとり、なんでもいいから口に入れた。
夢のようである。こんな絶望のなかでたらふく食べれることは夢のようであった。
お菓子も缶詰もみーんなとてつもなくおいしい。
生まれてから一番おいしいと思った。勢いよく缶詰を片っ端から空にした。
このいえに残された食料をすべてたべてしま
ったとおもうと、散ばった缶を後にしぃを探しに行った。
家を出てから数百メートル歩いた。
疲れている。
そう思ったとき、食べたせいか急な眠気がした。
そう思い、あの廃屋で休むこととした。
このまま倒れるわけにはいかない。
そう思いながら古びた廃屋のドアを開けた。
??????????????????????????
そこにはずっと僕が探しつづけていた【女子6番】しぃと【男子15番】ネーノが座って
いた。
【残り18人】
14 :
スパス12:04/04/06 18:13 ID:t58I2myb
・【女子12番】は物置の中で死を覚悟した。
アヒャに殺されると思った。しかし…
「なにしてる?そんなところで」
予想外にもアヒャ【男子番号2番】は冷静に・に話しかけてきた。
「あ、あ、あの、私、その」
・は言葉につまった。気が動転して何を話していいか分からなかった。
「まあもちつくアヒャ、アサピーを殺したのはおまえか?」
アサピーの死体を見たはずなのに異常とも言えるほどアヒャは冷静だった。
「ちちち、違うのです!わ、私、眠ってて、その、目が覚めたら、その、アサピーさんが」
・は嘘をついてはいない。アサピーは・の銃で自殺をしたのだ。
しかし問題はアサピーの死の原因をアヒャがどう捉えるかだ。
「自殺か、その手もあったかアヒャ…」
「え?」
アヒャは何かを考えていた。
「アサピーの手には銃が握られていたアヒャ。
よくドラマで自殺に見せかけるために死者に銃を握らせたりするが
この殺人ゲームではそんなことする必要ないアヒャ、殺人は合法アヒャ」
アヒャは手に持つ牛刀を振り回した。
「そして自殺も合法アヒャ、権利アヒャ」
「ひぃ!」
・は悲鳴をあげた。アヒャに殺されると思った。
「アヒャ族を知っているか?俺はそのアヒャ族だ。あと5年も生きられないアヒャ」
アヒャは・に語りかけた。
「え、アヒャ族ってそんな、アレって都市伝説なんじゃ…」
「都市伝説じゃないアヒャ、これがアヒャ族の証拠アヒャ」
アヒャは学生服を脱ぎ右腕を・に見せた。
右腕には比較的新しい銃で撃たれたような傷痕があった。
「これはさっき銃で撃たれた傷アヒャ、もうふさがっているアヒャ」
・は驚きを隠せなかった。アヒャ族のことはテレビぐらいでしか見たこと無いからだ。
「前にテレビで見たことあるのです。
列車事故に巻き込まれたアヒャ族の人が足を切断されたけど、
包帯を巻いただけで元通りに足がつながったというのを見たことあるのです」
「その話を知ってるのかアヒャ、なら話が早いアヒャ」
アヒャは・の方を振り向いた。
「俺はこのゲームに優勝しても刑務所行きアヒャ。もう何人も殺したアヒャ」
「でもそれは政府からの命令なのです。アヒャさんは悪くないのです」
「いや、俺はだいぶ前に自分がアヒャ族だと知った時から人を殺し続けたアヒャ。
優勝しても殺人罪で刑務所に入れられ残り少ない人生を鉄格子の中で過ごすアヒャ。
だから俺が生き残りシャバで暮らすには優勝するだけではだめアヒャ」
・はまた衝撃を受けた。アヒャが殺人事件を起こしていたとは。
「じゃ、じゃあ、アヒャさんはどうするのですか」
「この牛刀で自分の首をぶった斬るアヒャ」
「そ、そんな」
・は愕然とした。しかしアヒャは冷静に・に向かって喋り続けた。
「もちつくアヒャ、ただ首を斬るだけではないアヒャ」
「で、で、でも、でも、首なんか斬ったら、普通死ぬのです」
アヒャは・の話を聞きながら物置の中を見回した。そしてダンボールの上に置いてあるガムテープを見つけた。
「良いものをみつけたアヒャ、・、ヒモかタオルを持っているか?」
アヒャはガムテープを手に取りながら・に向かって話掛けた。
「タオルならあるのです」
・はバッグからタオルを取りだしアヒャに手渡した。
「よしこれで完璧アヒャ」
「なにが完璧なのですか」
・はアヒャにたずねた。・にはアヒャが何を考えているのかさっぱり分からなかった。
「まずこのタオルをひも状にして俺の首をしめるアヒャ、
そして牛刀で首を切り落とすからこの首輪を取るアヒャ、
最後に首を元通りに繋げてガムテープで固定するアヒャ」
「ええ〜!!!」
・は思わず声に出して驚いた。もはや正気とは思えない。
「いいか!首は骨の部分に合わせて固定するアヒャ」
「何言ってるのです!本当に死ぬのですよ!」
「死んでも別にいいアヒャ。今はより確率の高いほうに賭けるアヒャ」
「そんな死んでもいいだなんて…」
アヒャはタオルをヒモ状にしながら・に話した。
「俺の首をガムテで固定したら首輪を機械に詳しそうなやつ、ッパあたりに見せるといいアヒャ
もしかしたら首輪の解除方法が見つかるかもしれないアヒャ」
「でも、でも、そんなことできないのです!」
「じゃあ、これならどうアヒャ」
アヒャは自分の荷物の中からサインペンを取りだし、首の真中と左右に縦に線を引いた
「これなら分かりやすいアヒャ、この線の位置に合わせて首を固定するアヒャ」
「だからそういう問題ではないのです!首なんか切ったら絶対に死ぬのです!」
「大動脈がつながればOKアヒャ。あとは神経関係に障害がなければ元通りアヒャ」
「モララー様、あの、アヒャの奴がなにか滅茶苦茶なこと言ってますが…」
首輪からの通信で生徒達の会話を盗聴している参謀がモララーに話しかけた。
「ン〜、好きにさせれば」
モララーは夜食の牛丼をほおばしながら投げやりに答えた。
「やっぱり牛丼はうまいな、国産牛だからなんの心配もないからな」
「あの…アヒャの首輪を爆破しますか?」
「その必要はないからな、ルール違反はしてないし」
モララーは牛丼を食べながら参謀の方に振り向いた。
「それに知りたくはないか?アヒャ族とはいえ本当にそんなことが可能なのか」
「しかし、もし、もしもアヒャが生き延びたら…」
参謀の言葉を遮る形でプログラムを管理している技術士官がモララーの方に話しかけた。
「あの、アヒャの生体反応が消えました」
「本当にやっちまったようだな。ま、いいさどうせ首輪が無くたってここから逃げきるのは不可能だからな」
【残り18人】?
18 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/08 16:24 ID:pKNUMD94
アヒャは自分で牛刀を振り落とした。もちろん、大きな力で。アヒャの首がゴトッと鈍い音を立てて
落ちた。
「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
妹はアヒャの言った通り、血だらけの首輪をはずした。驚かないわけがなかった。失神してしまいそ
うである。錆びた鉄の臭いが強烈にした。もちろんアヒャは気絶している。急いで首を合わせ、
ガムテープを巻きつけた。
それはあまりにもできの悪いホラー映画である。
固定した後、妹は一気にのどにたまったものを出した。
その後、彼女は失神した。
19 :
fusianasan:04/04/09 17:57 ID:67bbWNZI
山崎渉は死んだ
【男子7番】ギコはD-3の木陰で休んでいた。
【男子4番】イマノウチの死体を目の前にして。
ギコは【男子16番】八頭身が逃げた後イマノウチのデイパックから
武器などを奪い、近くにあった木陰で日と休みしていた。
ギコはこれからどうしようか考えていた。
なにが起こったかは正確にはわからない。
銃の様子から察するに、きっと暴発でもしたのだろう。
兎に角これで一人減った。目的に少しだけ近づいたということだ。
結果的に自分の手を汚さずに、だ。
しかしこれはあくまで結果論でしかない。
ギコはあの瞬間、本当に死を覚悟した。
あの瞬間ギコの頭の中に今までのこと全てが思い出された。
たぶん「走馬灯」というやつだろう。
しかし、目を開けた時自分は生きていた。
これはとてつもないラッキーだ。
普通あんなことは起こらないだろう。
しかし現実に起こったんだ。
俺はラッキーだ、ついている。ギコは確信した。
そしてこう思った。
「もし俺がラッキーなら絶対に死なない。そうだ、絶対そうだ!」
ギコは自分の運を信じた。これで全てうまくいく――
ギコは今からでも誰かを消しに逝こうか、と思ったが。
今日は明日に備えて休むことにした。
【残り18人】
21 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/10 13:38 ID:tTDpBp6k
【女子12番】・はあのホラー映画を見てから何分、いや何時間気を失ったか分からなくなった。
10秒気絶しても、30年気絶してもたいした代わりはないと聞いたことがある。アヒャの首を
ガムテープで固定した後、妹は我慢していたものを全て出した。もう何時間も何も食べていない
が、これだけはいくらでも出てきた。しかし、妹はそのことも何年も前のことであり、忘れてい
るようだった。
目を開けると、そこにはあの、世にも奇妙なホラー映画の化け物役となった首にガムテープを巻
きつけたアヒャが倒れていた――否――死んでいた。
そういえば、アヒャは自分で自分の首を大きな牛刀で切り落としたのだ。自分で死んでもいい、
と狂ったような事もいいながら自ら命を絶った。その証拠に妹に手にしっかりと絶対にはずせな
い首輪が握られている。アヒャの血で銀色だったものが赤くなっている。気が付いたら自分が吐
いた物の臭いも感じさせないくらいの錆びた鉄の臭いがした。いや、血の特色的な臭いである。
鼻を摘んでみたが、全く効果がない。首輪の血には妹が気絶する数秒前まで生きていたアヒャの
ぬくもりがまだしている。そう考えるとまた吐きそうになった。だが、もう何もでない。胃には
何も無いのだろう。あれからいったいどのくらいたったのだろうか。そう気になった妹は支給さ
れた時計を見てみた。だが、妹の時計は壊れている。気絶した時にポケットに入れていたせいか、
壊してしまったのだろうか。仕方ないからアヒャの時計を探した。ディバッグを探してみると、
アヒャ以外のAA達のパンや武器があった。とにかく時計が欲しかった。
あれから数分もたっていない時間を時計のはりは動きながらさしている。
そのとき、アヒャの体がだるそうに起き上がった。
そう、あの死体のはずの物が――
また失神してしまいそうだった。悲鳴を上げたいが声が驚きすぎてでない。
心臓がありえないくらいのスピードで動いているのに止まりそうだ。
もういや。こんな不気味すぎるホラー映画は。
妹は腰が抜けて動かないとき、振るえながら思った。
【残り18人】
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/10 13:43 ID:tTDpBp6k
>>21訂正
【女子12番】・はあのホラー映画を見てから何分、いや何時間気を失ったか分からなくなった。
10秒気絶しても、30年気絶してもたいした代わりはないと聞いたことがある。アヒャの首を
ガムテープで固定した後、妹は我慢していたものを全て出した。もう何時間も何も食べていない
が、これだけはいくらでも出てきた。しかし、妹はそのことも何年も前のことであり、忘れてい
るようだった。
目を開けると、そこにはあの、世にも奇妙なホラー映画の化け物役となった首にガムテープを巻
きつけたアヒャが倒れていた――否――死んでいた。
そういえば、アヒャは自分で自分の首を大きな牛刀で切り落としたのだ。自分は死んでもいい、
と狂ったような事もいいながら自ら命を絶った。その証拠に妹に手にしっかりと絶対にはずせな
い首輪が握られている。アヒャの血で銀色だったものが赤くなっている。気が付いたら自分が吐
いた物の悪臭も感じさせない程、すごすぎる錆びた鉄の臭いがした。いや、血の特色的な臭いである。
鼻を摘んでみたが、全く効果がない。首輪の血には妹が気絶する数秒前まで生きていたアヒャの
ぬくもりがまだしている。そう考えるとまた吐きそうになった。だが、もう何もでない。胃には
何も無いのだろう。あれからいったいどのくらいたったのだろうか。そう気になった妹は支給さ
れた時計を見てみた。だが、妹の時計は壊れている。気絶した時にポケットに入れていたせいか、
壊してしまったのだろうか。仕方ないからアヒャの時計を探した。ディバッグを探してみると、
アヒャ以外のAA達のパンや武器があった。とにかく時計が欲しかった。
あれから数分もたっていない時間を時計のはりは動きながらさしている。
そのとき、アヒャの体がだるそうに起き上がった。
そう、あの死体のはずの物が――
また失神してしまいそうだった。悲鳴を上げたいが声が驚きすぎてでない。
心臓がありえないくらいのスピードで動いているのに止まりそうだ。
もういや。こんな不気味すぎるホラー映画は。
妹は腰が抜けて体が動かないとき、振るえながら思った。
【残り18人】
23 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/11 13:06 ID:Ri7crRXj
ある高校の三年生にTというがいじがいます。T君は自分のことをおたくと逝ってませんが、
ものすごいおたくです。エロ本を塾に持ってきていました。
,,.nm,,.._ ,,.,..,,.
,.'´ `n, n'´ ` m,
../' '' ヽ `ヽ, ,.'´ ,.:::... '!
/' . ヽ ''ヽ _ /' / ´ '3
{ .: i `' ̄ ;.0.; ̄´ 〈 3
ヽ, ヽ / "´" \ / /'
ヽ、, `'‐-- '´ l || ヽ--‐'´,.ノ'
`''‐-i ● r '''ヽ. ● r‐''"
!.:.:. .i::::::::::::i .:.:.:.i
i:.:.:.:. 、 ヽ.____.ノ , .:.:.:.!
ヽ:.:.:..  ̄ ̄ ̄`''′ .:.:./
'> 、.,_. l l ,.:/
/::::::::::::`'''`,ヽ ,,,,,..ノ ''"´::::::ヽ
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-l-./ `'''ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..,,::::ヽ
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{ .レヽ- 、___,,.. r::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
.ヽ .ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
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'‐-..,,,.. -" {---‐--‐'..,, ,. -‐- 、
,. -‐‐-、'//./ `ヽ、ヽヽヽ/::::::::::::::`ヽ
/:::::::::::::::::::ヽ// `ヽ、ヽ{:::::::::::::::::::::::::}
〈::::::::::::::::::::::::} / `' ‐- ...,::::::::::::ノ
〈 、:::::::::::::::,.ノ ` '''''' ´
`'‐---‐ '´
26 :
(TдT):04/04/11 14:11 ID:f4ZcBac9
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/11 21:17 ID:L7Rt9O3b
age
29 :
ぎこねこ:04/04/12 18:31 ID:HT+m1fgm
じゃぁsage
30 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/12 20:40 ID:dfae1o1k
あ
∧_∧ ∧_∧
_( ´∀`) (´∀` )
三(⌒), ノ⊃ (
>>30) くだんねーことで、
 ̄/ /) ) | | |
. 〈_)\_) (__(___)
∧_∧ .∧_∧
( ´∀) (´∀` )
≡≡三 三ニ⌒)
>>30.) ageてんじゃ
/ /) )  ̄.| | |
〈__)__) (__(___)
∧_∧ ,__ ∧_∧
( ´)ノ ):;:;)∀`)
/  ̄,ノ''
>>30 ) ねーよ!
C /~ / / /
/ / 〉 (__(__./
\__)\)
ヽ l //
∧_∧(⌒) ―― ★ ―――
( ) /|l // | ヽ ヴォケがーー!
(/ ノl|ll / / | ヽ
(O ノ 彡'' / .|
/ ./ 〉
\__)_)
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´∀`)< オマエモナー
( ) \_____
| | |
(__)_)
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/14 22:20 ID:heJ4ZMRG
荒らしは消えろ!!誰か続きを書いてくだんしょ。
今回のは結構イイ出来だからさ。
34 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/17 23:10 ID:GiQnsBgg
モララー【担当官】は、いすに腰掛けながらタバコをすっていた。(食後の一服)
そこへあわただしく、盗聴担当の参謀が部屋に駆け込んできた。「モララー様大変です!
アヒャ【男子二番】が、首輪をはずした模様です。
「なるほど、アヒャの奴生きていたか、まあ首輪が無かろうとあるかろうと、ここから出る事はできない
けどな」そういってモララーがニタリと笑った。【残り18人】
35 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/20 19:48 ID:2HOL3hzI
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●●●●●●●●●●●●●●●●不合格●●●●●●●●●●●●●●●●●
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36 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/20 22:55 ID:2/C9KbYg
モララーがニタリと笑った。
「どうせこの島の周りは軍が完璧に包囲している。逃げ出そうとしても蜂の
巣だ。大体あいつにはあの厄介者、妹がついている。ここから出るのは不可
能さ」
そういうとまた食後の一服を楽しんでいる。
参謀が叫んだ
「しかし万が一ということがあれば!」
モララーは言った
「まあ、そう熱くなるな。生き残ったときはその時はそのときさ。第一アヒ
ャはルール違反なんて何もしていない。万が一はその時さ。」
モララーは食後の一服もすませ、愛媛みかんを美味しくいただいている。
参謀は溜息をつくと、ぶつぶついいながら部屋をでていった。【残り18人】
「・・・ど・・・どこにいる・・・アヒャ・・・?」
「え?」
妹はアヒャの発した言葉に疑問を持った。
「ま・・まさか・・・」
「スマソ・・・目が見えないみたいアヒャ。」
おそらくは一時的にせよ、回復力の高さにせよ、脳内の血液状態や、
無理矢理な接続手術がたたったのだろう。視覚を司る部位の細胞が
崩壊していた。
「・・・ご・・・ごめんなさい!なのです!」
「いや、攻めている訳じゃ無いアヒャ。大丈夫アヒャ。」
「で、でも・・・」
「生き物は五感が一つでも欠けるとほかの感覚が補助しようとするアヒャ。」
「そうですか・・・こ、これからどう・・・!!」
そのとき、首にガムテープを巻き、血だらけのアヒャが突然、
妹に走りより、口を塞いだ。ただでさえ精神が安定しないゲームのなか,
ホラー映画のような状況に妹は失神するかと思うほどに驚いた。
「な・・・なんなのです?!」
「し!!静かにするアヒャ!!」
妹は押し黙った。アヒャは見えない目を妹にむけ
(声で場所を特定しているのだろう)黙らせた。
「・・・この家を挟んで・・・北から一人、南から一人・・・
歩いてくるアヒャ。北は向こうおよそ100m、南はおよそ150m・・
多分、アサピーの銃声を聞きつけたアヒャ。」
「!!ど、どうしましょう・・・・」
「まずは落ち着くアヒャ。二人を合わせればそいつらをぶつけてその隙に
逃げられるかもしれないアヒャ。」
「で・・・でも・・・」
「人の事を考えるなアヒャ!!とりあえず自分の事アヒャ!!
安全圏に行くまで人の心配をしている暇は無いアヒャ!!」
アヒャは小声で、しかし力強く行った。とてもさっきまで
~死んでいた~とは思えなかった。
「でも・・・足音は・・南の奴は歩き慣れてないアヒャ。
でも北の奴はかなり慣れてるアヒャ。それに少し足も早いアヒャ。」
「一体・・・誰なんでしょう・・・」
二人の居る家に向かっている二つの影。
MDウォークマンを持った男、山崎渉と
表情を持たず、感情を持たない冷血な少女、ぁゃなみレイであった・・・
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/21 20:23 ID:7MNpFPtG
ありす【女子2番】はC-5の海岸あたりにいた。(電線があって海岸にはおりていないが)
ダーヤスから離れたあと、ほとんど止まらず走り続け、ここまでたどり着いたのだ。
ありすはその場に腰を下ろした。
ありすは黙って、デイパックから簡単な救急セットを取り出した。
ダーヤスに切られた所、手裏剣が刺さった所に簡単に包帯を巻いた。
(これからどうすればいい?)
ありすはそんな事を考えていた。
あの二人組と合流するか。
やっぱり生徒を殺しまわるか。
ありすの頭にいろいろな考えが浮かんだ。
が、ふと思った。
何故自分はこんな事で迷ってる?
最初、自分は他の生徒を殺し、優勝しようと思っていた。
現にッパとおにぎりを襲い、殺そうとした。
なのに何故?
さっきまでの自分なら迷わず生徒を殺しまわる道を選んだだろう。
まさか、
あの二人に影響された?
あの二人とはッパ&おにぎりを指している。
なんで?
私は優勝しようとしていたのに。
脱出なんかこれっぽっちも考えていなかった。
ありすは頭を振り、全ての思考を打ち消した。
『優勝』『脱出』
どっちだ。
どっちの道を行けばいい。
道は二つに一つ。
二つに一つしかない。
否
何なのかは分からない。
このときありすは、まだわからない『3つめの道』を探そうと思った。
どうすればその道を通れるのか、その結果がどうなるのか、一体その道は何なのか、さえわからない。
それを知るためには、動くしかない。
ありすはゆっくりと立ち上がり、デイパックを拾い上げ、走り出した。
今はまだ知らない、生徒を殺しまわって、優勝するのでもない。危険を冒して、脱出を図るのでもない。
3つめの道を探しに。
【残り18人】
【女子8番】づーはF-2のビルでまだ仮眠をとっていた。
いや、仮眠ではなく熟睡と言ったほうが正しいだろうか。
無理もない。今までずっと緊張していたのだ。疲れているのも無理はない。
彼女は夢を見ていた。時計が鳴って、朝飛び起きて、クラスの友人と一緒に登校して・・・
なんにも変わらない、いつもの風景―――づーは自分の席につき授業の準備をしていた。
「ガラガラッ」
先生が入ってきた。しかし何かが違う。
いつものネオ麦先生とは違うスーツに身を包んだ男。
その男は教壇の前に立つなりこう言い放ったのだ。
「えー、これから皆さんに頃し合いをしてもらおうと思います」
ハッ!
づーは目覚めた。自分がいるのは教室ではない。
薄暗い部屋。
そうだ、私達は頃し合いをしているんだ――
いきなり現実へと引き戻された。
自分の手にはバット。今まさに自分達は頃し合いをしている。
づーは溜息をついた。
そのときだった。
「ここなら大丈夫よね」
その声にづーは驚いた。
隣には人はいなかったはずだ。まさか私が眠っている間に来たのか?
それとも眠る前に聞いた足音か?様々な疑問が浮かんできた。
が、なによりもあの声は【女子9番】でぃ!
まさか隣に自分の標的がいるとは。
これはチャンスだ。でぃを殺すならイマノウチ・・・
と、意識もせずイマノウチのように考えていた。
自分の親の敵に復習するために。
【残り18人】
ウワァァァン【男子5番】は何が起こっているのか分からなかった。
楽しそうに喋っている僕の探しつづけたしぃ【女子6番】と、
僕に武器をくれたネーノ【男子15番】だった。もっとも彼は人殺したが。
ん・・・?人殺し・・・?
「そうかそうかそうかそうか・・・・彼は人殺しだ・・・彼は僕の大好きなしぃを
殺そうとしているんだ!・・・・そうはさせないぞ・・・」
そうするとネーノが「やあ、また会ったね。玄関で何ぶつぶつ言ってるんだい?
入りなよ。」と言った。
その言葉はウワァァァンには「よう、また会ったな。しぃを殺すのに協力しろよ。」
と聞こえた。そこでウワァァァンは完全にぶち切れた。
「ウルサイ人殺しがああああああああああああ!!!!!」
その手にもっているマシンガンをネーノに向けて乱射しすると、
ネーノはゴプッと血を吐き地面に倒れた。
「しぃ!!大丈夫かい!?間に合ってよかった!!」ウワァァァンはいうと、しぃに
近寄っていった。「や・・・やめて・・・こないで・・・」
「何言ってるんだい!!早く逃げるン・・・・・」
ウワァァァンはその言葉が終わらないまま地面に倒れた。
見るとネーノが煙が上がっている銃を手にしていた。
そしてネーノは倒れるとすぐしぃはネーノに駆け寄った。
「ネーノ君!!ネーノ君!!」
「もう俺・・・・死んじゃうんじゃネーノ?だ・・・からよく聞いて・・欲しい
ん・・じゃネー・・・ノ?」
ネーノは血を吐きながら言葉を続けた
「ホントは・・・・今言っちゃいけ・・・ないんだけど・・・
ギコが・・・君の・・・事・・・好きだったんだ・・・」
うんうんと泣きながらしぃは頷いていた。
「早く・・・ギコを探した・・・方が・・・・」
グフッと血を吐きそのままネーノは冷たくなった。
しぃはネーノの死体にキスをし、そのまま武器を回収してさっさとその場を立ち去った。
―――――――――ギコ君を、探さなくちゃ――――――。
そう心に誓って走りつづけた。 【残り16人】
43 :
usen-219x123x154x132.ap-US.usen.ad.jp:04/04/22 14:51 ID:sjxMDfrE
[^^]
Domain Information: [ドメイン情報]
a. [ドメイン名] USEN.AD.JP
e. [そしきめい] かぶしきかいしゃゆーずこみゅにけーしょんず
f. [組織名] 株式会社ユーズコミュニケーションズ
g. [Organization] U's communications Corp.
k. [組織種別] JPNIC会員ネットワーク
l. [Organization Type] JPNIC Member's Network
m. [登録担当者] MH3499JP
n. [技術連絡担当者] AT047JP
p. [ネームサーバ] ns01.usen.ad.jp
p. [ネームサーバ] ns02.usen.ad.jp
p. [ネームサーバ] ns03.usen.ad.jp
y. [通知アドレス]
[email protected] y. [通知アドレス]
[email protected] [状態] Connected (2004/12/31)
[登録年月日] 2000/12/15
[接続年月日] 2001/02/14
[最終更新] 2004/01/01 01:55:06 (JST)
まだ生きてるAAの名前を書きますた。
生徒名簿
AABR担当官:モララー
【男子2番】アヒャ 【女子2番】ありす
【女子4番】ガナー
.
【男子6番】おにぎり 【女子6番】しぃ
【男子7番】ギコ 【女子7番】ダーヤス
.【女子8番】づー
【女子9番】でぃ
.
.【女子12番】・
【男子13番】ッパ .
.
【男子16番】八頭身
.
【女子18番】モニカ
【男子20番】モナー
【男子21番】山崎 渉 【女子21番】レモナ
46 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/23 19:38 ID:VnMvLhGY
>>42 ウワァァァンはマシンガンをもっていたっけ?
あと前にネーノに会ってたの!?
あと
>>45 ウワァァァンが入ってないぞ
>>46会ってるよ。食料とマシンガン渡されたけど食料は捨てて、マシンガンだけ持ってたよ。
48 :
◆qFT30hHsUk :04/04/23 21:12 ID:2IDzajeW
このスレ前のAABRの雰囲気があっていい。
そういや前のAABRはどうなったんだ?
いいところで収録終了されてるのでちょい悲しい。
ハア・・・・ハアハア・・・・・
しぃ【女子6番】は走りつづけた。転んでも転んでも自分の心の中で「転んでも泣かない。。。」
と言い聞かせながら何度も何度も走りつづけた。
ハアハアハアハア・・・・流石に疲れた。もう走りつづけて1時間ほどになる。
それにしてもディパックが重い。重すぎる。彼女はウワァァァン【男子5番】の
マシンガンとディパックをそのまま持っていたからだった。
マシンガンは別として・・・・ウワァァァンのディパックが重すぎる・・・・
一体なにが入っているのだろう。しぃはウワァァァンのディパックをあけた。
がしゃがしゃがしゃがしゃ!!しぃはドキッとした。
中から包丁がいっぱい出てきたのである。約40〜50本ほどの。
包丁はいい。一応頼りになる武器だからだ。
それよりもこの音を聞きつけられたら・・・・・
しぃはまた全力で走り始めた。
【残り16人】
眠れねぇ・・・。
ギコ【男子7番】すぐに目を覚ました。先程の興奮がまだ覚めないようだ。
やっぱり・・・少しでも早く、生き残りを消す・・・そう思った。
ガサガサッ・・・。
近くの茂みから音がした・・・誰か居るようだ。
ギコは手持ちのマシンガンを構えた。
茂みから出てきたのは・・・八頭身【男子16番】だった。
「お前は・・・八頭身!!」
ギコが驚きの声を上げる。すると、八頭身はマシンガンを構えた。
「・・・そんな物騒なもの構えて・・・君も、ヤル気かい・・・?」
口調は落ち着いてるものの、ギコは八頭身から、狂気を感じた。
「テメェ・・・とうとうイカれたか・・・いっそ俺の手で・・・」
ギコがマシンガンで撃とうとしたその時・・・。
「2人とも、止めて!!」
しぃ【女子6番】が、2人の間に入り込んできた・・・。
【残り16人】
>>51続き書かせてもらいますね?
ギコはしぃを凝視していた。ネーノと一緒にいるはずのしぃが何でここに?
「もう争いはやめてよ。見たくないよみんなが死ぬの・・・・」しぃは泣きながら
そう言った。
「何でおまえがこんな所にいるんだ!!」
「君もヤル気なのかい・・・・?」八頭身はぽつんとそう言った。
コノヤロウ!!関係無いしぃまで巻き込むつもりか!!
ギコはものすごく腹が立った。もう全神経が右手に持っているマシンガンに込められていた。
「もう・・・・大事な人は失いたくないの・・・・」
え?ギコは心の中でそう思った。
「まさか・・・・ネーノが・・・?」
こくりとしぃが頷くとギコは驚きを隠せなかった。
「そんな・・・・まさか・・・ネーノぐァ!!」
八頭身は一瞬の隙を突いてギコに体当たりを食らわした。
ギコはもの凄い勢いで吹き飛んだ。その瞬間をしぃは唖然と見ていた。
ギコはすぐ体制を取り戻すとすぐしぃに「早く逃げるんだ!!早く!!」
しぃは戸惑いながらもギコの言うとおりにした。
「逃がさないよ。」八頭身がそう言うとマシンガンからおよそ3〜5発の鉛弾が噴き出し―――――――
しぃはくるりと半回転するとそのまま地面にもんどりうった。
「しぃいいいいいいいいいいいいいい!!畜生てめえ!!」
ギコは銃をかまえて八頭身もギコに銃を構えていた。
憎しみのギコと・・・・残虐な八頭身・・・・・
今・・・戦いの火蓋が切って落とされた。
【残り16人】
がんばれ!
ぱぱぱぱぱぱぱぱぱ
ぱらららららららら
ギコ【男子7番】と八頭身【男子16番】はおたがいにマシンガンで打ち合いを続けていた。
「くそっもう弾が少ねぇ・・・・」ギコはそう言うと八頭身はにやりと笑った。
なんてこった。ギコはそう思った。自分と八頭身は大体同じ数ぐらい弾を撃っているはずなのだ
それなのにまだあの笑みときたら・・・・弾に余裕があるに違いない。これは早めに決着をつけなくては・・・
ギコはそう思った。
ぱららららららら
マシンガンの弾が八頭身の腹の各部にヒットした。
八頭身はそのまま倒れるとギコはしぃの方に走り寄った。
「大丈夫か!?しぃ!!」ギコはしぃを抱き起こすとそう言った。
「ギコ君・・・・・勝ったんだ・・・」「ああ・・・・八頭身は死んだ・・・・」
ギコは振り返ると唖然とその光景を見ていた。
イマシンダハズノハットウシンガナンデコッチニマシンガンヲカマエテイルンダ???
(もちろん八頭身の防弾チョッキのおかげであると言う事を全然ギコは知らなかった。)
ぱぱぱぱぱぱぱぱぱ
ギコの体に5個ほどの穴が開くとギコはそのまま前のめりに倒れた。
八頭身はギコの武器を回収するとそのまましぃの近くにあるディパックを取りに近づいてきた。
その瞬間――――――――――
ひゅっとなにかが八頭身の頬を掠めた。
何かと思って正面を見ると包丁をかまえて立っているしぃが居た。
八頭身は少し驚いた。女子で言えば非力な方の彼女にこんな体力があるとは・・・
八頭身はしぃのディパックの回収を諦めて走ってどこかへ行ってしまった。
見るとギコが立っていた。体に5発の鉛球を受けながらも。
二人は同時に倒れた。「ねえ・・・・ギコ君・・・・」
「な・・・・・ん・・だ?」「最後にお願いがあるの・・・・」
「ん・・・・?」「抱きしめてくれないかな・・・。」
「・・・・・・・・・・分かった・・・・・」
二人はそう言って抱きしめ合ったまま絶命していた。
ちょうどその頃八頭身がギコとしぃがくたばったと予想して武器を回収しに戻ってきた所だった。
【残り14人】
スパスとかいうゴミの文は全てスルーですので他の人は気にせず書いてくださーい
全部文字だから内容がさっぱりわからない
想像力が足りません。
59 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/25 20:23 ID:dCb4L/DV
しぃ。何があったんだ?ネーノと一緒じゃなかったのか?
「もう争いはやめてよ。見たくないよみんなが死ぬの・・・・」しぃは泣きながら
訴えた。
しぃ・・・。だがこいつを誰かが止めなければ命が危ない。お前を元の生活に戻すためにも泣かないでくれ。
「何でおまえがこんな所にいるんだ!!」
「君もヤル気なのかい・・・・?」
やはり狂ってるか・・・しぃまで巻き込む奴は俺がゆるさねェ。
今すぐお前を蜂の巣にしてやる・・・・・・!
「もう・・・・大事な人は失いたくないの・・・・」
え?何を言ってるんだしぃ。冗談だよな?
「まさか・・・・ネーノが・・・?」
しぃは泣きながらこくりと傾いた。あんなに武器を持った奴が・・・どこをどうすれば死ぬんだよ・・・。
「そんな・・・・まさか・・・ネーノぐァ!!」
八頭身は一瞬の隙を突いてギコに体当たりを食らわした。
な・・・・!ちくしょうあの野郎!!だが今しぃを巻き込むのは良くない。
ギコはすぐ体制を取り戻すとすぐしぃに逃げるように伝えた。「早く逃げるんだ!!早く!!」
たのむから逃げ延びてくれよ・・・・。だがその思いも八頭身によりすぐにぶち壊された。
「逃がさないよ。」八頭身がマシンガンをかまえると――――――――――――
ぱらららららららら。響く銃声。一瞬の事だった。
しぃに無数の穴が開いて、その穴の所々から鮮血が噴き出ししぃはドサリと倒れた。
え?・・・・・・・・・・・・・・嘘だろ?
「しぃ?しぃ?・・・・・・・・・・てんめえええええええええええええ!!」
ギコはスパスを八頭身の腹に撃ち込むとそのまま八頭身は吹き飛んだ。
早くしぃを診療所へ・・・・・・・・・八頭身の状態。他のやる気になってる奴が襲ってくる。
そんなことはどうでもいい!!早くしぃを診療所へ!!邪魔だこんなもん!!
そう思いギコはスパスをほうり捨てて、しぃの方向に走っていった。
早く。早く!!ギコはしぃを担ぐとそのまま診療所へ向かっていった。
禁止エリア?そんなもんクソ食らえだ!早く。しぃを!!
その頃八頭身は
「う〜ん痛いね〜やっぱり。防弾チョッキ着てても痛いって感じる事はあるんだ。」
ん?あれは?八頭身が見つけたのはスパスだった。
僕ってラッキーだね。八頭身はスパスを拾い上げた。
八頭身に全ての感覚が戻ってきた。スパスの扱い方も。どこを撃てば相手を手っ取り早く殺せるかなども。
八頭身は暗闇の中不気味な笑みを浮かべた。
【残り16人】
しぃ。何があったんだ?ネーノと一緒じゃなかったのか?
「もう争いはやめてよ。見たくないよみんなが死ぬの・・・・」しぃは泣きながら
訴えた。
しぃ・・・。だがこいつを誰かが止めなければ命が危ない。お前を元の生活に戻すためにも泣かないでくれ。
「何でおまえがこんな所にいるんだ!!」
「君もヤル気なのかい・・・・?」
やはり狂ってるか・・・しぃまで巻き込む奴は俺がゆるさねェ。
今すぐお前を蜂の巣にしてやる・・・・・・!
「もう・・・・大事な人は失いたくないの・・・・」
え?何を言ってるんだしぃ。冗談だよな?
「まさか・・・・ネーノが・・・?」
しぃは泣きながらこくりと傾いた。あんなに武器を持った奴が・・・どこをどうすれば死ぬんだよ・・・。
「そんな・・・・まさか・・・ネーノぐァ!!」
八頭身は一瞬の隙を突いてギコに体当たりを食らわした。
な・・・・!ちくしょうあの野郎!!だが今しぃを巻き込むのは良くない。
ギコはすぐ体制を取り戻すとすぐしぃに逃げるように伝えた。「早く逃げるんだ!!早く!!」
たのむから逃げ延びてくれよ・・・・。だがその思いも八頭身によりすぐにぶち壊された。
「逃がさないよ。」八頭身がマシンガンをかまえると――――――――――――
ぱらららららららら。響く銃声。一瞬の事だった。
しぃに無数の穴が開いて、その穴の所々から鮮血が噴き出ししぃはドサリと倒れた。
え?・・・・・・・・・・・・・・嘘だろ?
「しぃ?しぃ?・・・・・・・・・・てんめえええええええええええええ!!」
ギコはスパスを八頭身の腹に撃ち込むとそのまま八頭身は吹き飛んだ。
医療施設は無いのか!?・・・・・・・・・八頭身の状態。他のやる気になってる奴が襲ってくる。
そんなことはどうでもいい!!早くしぃを!!邪魔だこんなもん!!
そう思いギコはスパスをほうり捨てて、しぃの方向に走っていった。
早く。早く!!ギコはしぃを担ぐとそのまま医療施設を探しに東へ向かっていった。
だがここは10年前に破棄された土地。医療施設なんかあるわけが無い。
それでもギコは諦めなかった。ただ・・ほんの一握りの可能性にかけて。
禁止エリア?そんなもんクソ食らえだ!早く。しぃを!!
その頃八頭身は
「う〜ん痛いね〜やっぱり。防弾チョッキ着てても痛いって感じる事はあるんだ。」
ん?あれは?八頭身が見つけたのはスパスだった。
僕ってラッキーだね。八頭身はスパスを拾い上げた。
八頭身に全ての感覚が戻ってきた。スパスの扱い方も。どこを撃てば相手を手っ取り早く殺せるかなども。
八頭身は暗闇の中不気味な笑みを浮かべた。
【残り16人】
63 :
うひょひょ:04/04/26 20:07 ID:GAWLC+L1
ギコは歩いた。あてもなく歩いた。耳元にしぃの息遣いを感じる。
それはだんだん弱く、儚いものになっていった。時間がない。
「しぃ、あきらめるな!!こんなところで‥‥‥」
‥‥‥‥どれくらい歩いただろうか。ここはどこだろうか。
「ギコ‥‥く‥ん‥‥」
しぃの体力には限界がきていた。彼女を背負うギコも、足もとがふらつく
ほど疲労しきっていた。
‥‥‥その時、近くの草むらから音がした。
「動かないで!!」何者かの声が響いた。
「くそっ!!これまでか‥‥?せめてしぃだけでも!!」
ギコは覚悟を決めた。霞んだ目を草むらに向けた。
そのの目にうつったのは、ボーガンを構えた女子生徒の姿だった。
64 :
うひょひょ:04/04/26 21:56 ID:mZq1wP7n
モナーはレモナを連れてD-5のビルから出た。7時を過ぎたあたり
だろうか。
‥‥‥モナーはこのふざけたイベントが始まってからずっと、なるべく
犠牲者のでない方法を考えていた。しかし、なにもできないまま
時間が過ぎてしまい、結局、半数以上の人が死んでしまった。
自分のせいではないと分かっていても、ひどい罪悪感のようなものが、
心にまとわりつくのだ。早く、なんとかしなくては‥‥‥
夜に外を歩くのがどんなに危険なことかは分かっているが、そう考えると、
じっとしてられなかったのだ。
「とにかく、早く協力してくれる人を探すモナ」
さいわい、おにぎりや、っぱは生きている。あの二人は間違いなく
信用できる。
そんなことわ考えて歩いていると、隣を歩いていたレモナがグイッと
腕をひっぱった。
「静かに!」
モナーはレモナに引っ張られて、草むらの中に身を潜めた。
65 :
うひょひょ:04/04/26 22:16 ID:mZq1wP7n
モナーは草むらからレモナの指差す方向を見た。ギコだ。背中に誰かを
背負っている。ギコは足もとがふらつき、ひどく疲れた様子だった。
「どうするモナ?」
モナーの問いかけに、レモナは
「とにかく、敵か味方か確かめるべきだわ。あの様子じゃ、すぐには
抵抗できないだろうし」
と言って、素早く立ち上がり、ボーガンを構えた。
「動かないで!!」
「ギコ!」
【男子7番】ギコは驚いていた。
目の前にはボウガンを持った女子。あれは確か【女子21番】レモナだ。
それよりもあいつは・・・
「モナーじゃねぇか・・・」
自分の目の前にいるのは紛れもなく【男子20番】モナーだ。
「どうしたモナ?大丈夫モナか?」
モナーはゆっくりとギコに近づいていった。
そのときだった。
「くるな!」
「待って!」
ギコとレモナ、二人は同時に叫んだ。
「相手にはやる気があるのかもしれないのよ!?
まずはそれを確認するのが先でしょう。」
レモナは一気に思っていたことを吐き出した。
「でもギコはそんなことしないモナ。モナは信じてるモナ!」
まったく・・・レモナは少々呆れていた。
それと同時に心配もしていた。
彼は優しすぎる。相手を疑うことができないのだ。
このままではいつか誰かに裏切られ、殺されるかもしれない。
ギコは二人のやり取りをただ黙って聞いていた。
聞いている限りでは、やつらにやる気はなさそうだ。
そのときだった。
「ドサッ」
「!!!!」
二人が同時に振り向いた。
そこにはギコが倒れていた。
無理もないだろう。傷だらけの体でしぃを負ぶって来たのだ。
ギコは緊張の糸がきれたのだ。
「まったくもう。」
レモナはあまりよくはないというような顔をした。
「大丈夫モナ。やる気だったら敵の前で寝たりしないモナ。」
相も変わらずモナーは楽天的。
こうして夜はふけていく・・・
【残り??人】
「よくいままで歩いてたモナね……」
レモナが手早くギコの傷を確認するのを見て、モナーは素直な感想を言った。
「コイツは大丈夫よ。弾が身体に残ってるけど、見てのとおり臓器はなんでもないから」
痛かったと思うけどね、とレモナは付け足した。
「ただ、こっちのコは……」
しぃの青白い顔と対照的に、セーラー服が真っ赤に染まっている。
レモナは深刻な顔でしぃを見下ろした。そして思い出したようにしぃの首に指を当てた。数十秒そうして、脈をとっているらしかった。
「よくわからないわね」
「何がわからないモナ?」
「彼女の容態。……モナー君、支給のパン余ってる?2人に分けてあげて」
「わかったモナ」
モナーは身を低くしたまま草の中を動いた。
レモナの隣に置いてある自分のディパックの中を探す。パンは少ししか残っていなかったが、修学旅行の宿で食べようと思っていたカップスープの素があった。
食べることもあるだろうと思って、ディパックに移しておいて正解だった。
「モナー君」
レモナに後ろから声を掛けられた。
「レモナ、スープの素があったモナ。火を沸かせば作れるモナ。空き缶か何か――」
モナーは口を閉じた。じっとレモナを見つめた。
レモナはぎゅっと唇をかみ、目を伏せた。そして顔を上げ、はっきりと言った。
「彼女、もう長くないの」
「え?」
「あの傷じゃ助かりようがないわ」
モナーは言葉を失った。
「ギコ君を起こしてあげて」
レモナは静かに言って、左手のこぶしでぎゅっと目を拭った。
見てはいけないものを見てしまったような気がして、モナーは目をそらした。
68 :
うひょひょ:04/04/27 01:48 ID:cASlbNej
モナー達とギコ達が合流している頃、ッパはおにぎりと一緒にF-4の沿岸部
に来ていた。
はぐれてしまったありすが心配だが、今は彼女を心配している
暇はない。一刻も早く、このゲームをどうにかしなくてはならないのだ。
この場所からだと、昼間なら海越しにエリア51を眺めることができる。
夜でも本部の明かりを確認することができた。ふたりは不気味に輝く
その光を眺めながら、このゲームを終わらせる方法を考えていた。
「どうしよう?このままじゃみんな‥‥‥。みんなで助かる方法はないの
かなぁ。それに、もうなるべく銃は使いたくない‥‥かといいって、壊れか
けのパソコン一台で何かできるとも思えないし‥‥」
いくら悩んでもいいアイデアはうかばない
「大丈夫だワッショイ!なんとかなるワッショイ!星でも眺めれば、なんか
思いつくかもしれないよ。」
おにぎりには励ましの言葉しか言えないが、ッパは彼にとても感謝していた。
正直いって、星なんか眺めているヒマは無いと思ったが、なんとなく空を
見上げようとした。
「んんっ!?」
69 :
うひょひょ:04/04/27 02:27 ID:cASlbNej
ッパは海と空の間に一本の糸のようなものを見つけた。それを目でたどって
いくと、エリアEの海辺に沿って、エリア51の方に続いている。
間違いない!!電線だ!!
「おにぎり君!!君ってスゴイかも!!!?」
おにぎりはワケがわからず、口をポカンと開けている。
「電柱が新しいから、たぶんこのゲームのために仮設されたものだ、
間違いないよ!!もしエリア51の電力がこの電線から供給されてると
したら?!!まぁ、海にもケーブルが通ってるかもしれないし、
電力の供給源がこの電線だけとは限らないけど‥‥」
おにぎりはまだ理解できずにいるが、喜ばしいことだというのは理解
できた。
「よ〜し、これはいいことを知ったぞ!どこか建物に入ろう。いろいろ
考えることがあるから。」
「ワッショ〜イ!」
二人は海辺をあとにした。
俺は死んだ。
いやあ、全く情けない死に方だよ。
突然不意打ちされてお仕舞い。
彼女を守る役目をギコ君に押し付けて即効退場。
全く情けないね。
せっかくここまで上手くいってたのにさあ・・・
フェラーチョを殺して。
武器を沢山手に入れて。
ぼるじょあを追い詰めて。
しぃちゃんと会って。
守ってみせると誓いを立てて。
ここまでは何もかもが上手く行ってた。万事OK、付け入る隙微塵もなし。
どこから狂った?
どこから俺の算段は狂った?
ウワァァァン君。
彼だ。
彼が狂わした。
しぃちゃんの幼馴染で・・・しぃちゃんも『守ってあげたい人』みたいな事言ってた・・・その彼が全てを。
何で彼があんな暴挙に出たのか・・・知らない。知るわけが無い。
なんにせよ・・・様子がおかしかった彼をみすみす家に入れてしまった俺がいけなかったんだ。俺のミスだ。
ああ・・・しぃちゃん大丈夫かな・・・ギコ君の奴あんま遠く行ってないといいんだけどな・・・
・・・しぃちゃんを最後まで見守ってやれないのが・・・くやしいな・・・
ごめんね・・・じぃ・・・俺・・・おれ・・・最後まで守ってやれなかったよ・・・
でも・・・その俺もすぐにお前のところへ・・・
行けない。
動く。手。
動く。足。
体の節々が痛い。
痛い。その感覚。俺の体に・・・まだ。
え・・・?ええ・・・?
動く。体が動く。
乾いた唇を舌で湿らす。
息を吸う。吐く。
鼻汁を啜る。
動く。
目も・・・開く。
俺は、俺は、
イ キ テ イ ル ?
あろうことか・・・俺は死んでいなかった。
そりゃそうだよな。ウワァァァン君にマシンガン(俺が渡した奴だったけな。)で撃たれたものの・・・全然当ってないんだから。
右の二の腕、薬指、腰、脇腹・・・当ったのはそこだけ。全然致命傷には至っていない。
ウワァァァン君と俺の距離は実際あんま近くなかった。ウワァァァン君の手元は震えていた。だから狙いが狂った。・・・結果的に俺は死ななかった。
・・・俺はまだ生きている。
腰が痛むが、大した痛みではないので十分立つ事は出来る。
少し寝ただけで錆び付いてしまった足にふるいをかけ、俺は立ち上がった。
途端に体中に気持の悪い気だるさと眩暈が伝う。
だけど、ここで倒れるわけには行かない。・・・探さなきゃいけないから・・・しぃちゃん・・・と、多分ギコ君も。
武器は・・・無い。しぃちゃんが全部持ってっちゃったのかな・・・
武器が一つも無いのでは余りに心細い。・・・せめて武器になりそうなものを一つくらい持ってかないとね・・・
そう考えた俺の目に、ウワァァァンの死体が目に入る。
予想通りマシンガンやディパックは根こそぎ回収されているようだった。
「・・・お前他にも武器仕込んでねぇのかよ・・・」
独り言を呟きながらも、俺はウワァァァンの学生服をまさぐった。内ポケット、ズボンのポケット・・・無い。
僅かな望みを抱きながら、俺はウワァァァンの学生服とズボンを剥ぎ取って見る事にした。
・・・他の奴に見られたら誤解されちゃうかもな・・・俺・・・
そんな事を考えながらも着々とウワァァァンの着てる物を脱がす。
苦労して学ランを脱がした時、俺は気付いてしまった。
「・・・生きてる。」
あろうことかウワァァァンも同じように生きていた。
的確に心臓を狙った撃ったはずだが、どうやら心臓には届いていなかったようだ。
だけど、既に呼吸はほとんど止まっていた。・・・生きているようだけどじきに死ぬかな・・・
ウワァァァンはもう武器を仕込んでいないようなので、俺はウワァァァンから離れた。
見回す限り、もうこの狭い家には武器になる物なんて残っていないようだ。
・・・生身で外をうろつけっ、てか。
この殺し合いゲームでは、生身=死を現すのは勿論分かっている。
だけど、俺は行かなければならない。
しぃちゃんの為に・・・じぃの為に。
・・・そうだ。俺は武術だって根性だって意地の悪さだって・・・一級品の筈だろ?
それに・・・一回死んだはずなのに俺はまだ生きている・・・死なないさ・・・死ねないさ・・・
自分自身に強がりながら、俺は戸を開けた。
もう二度と死ぬものか。
72 :
どぶんぬ:04/04/27 19:24 ID:hDHNXIA7
「・・・・・コ・・・・」
聞いたことのある声だ。
「・・・・ギコ・・・・」
・・・・モナーか。まったく、「警戒」という言葉が頭にないのか?あいつは。
普通、こんな腐れたゲームに放り込まれたら、人間不信に陥る。よほど、信用できる
ヤツとしか共に行動することは・・・・できないはずだ。
モナーとオレはそんなにいい仲じゃなかったはずなのに。
助けてくれた。オレを―――・・・・違う。しぃとオレを・・・!!
目を開けると、おっとりした、モナーの顔が飛び込んできた。
「よかった・・・。目が覚めたんだね。」
モナーの口の動きより、脳に入ってくる言葉が若干遅れている。
・・・・しぃは・・・ッ!?
「・・・・ッ」 ゆっくりと頭を動かした。
そこには、真っ青な顔で赤い服をまとったしぃが横たわっていた。
73 :
岸和田:04/04/27 19:27 ID:wvBSavBf
山崎渉は歩きつづけていた。
向かっているのは、アヒャと妹のいる家だった。いや、はずだった。
山崎渉は迷っていたのだ。
「いや、参ったなあ」
一体ここはどこなんだろう、と山崎渉は考えた。
しかし足は止めなかった。足を止めてはいけない。怖い。
―ええと、地図なくしちゃったみたいだしな。一応僕生き残りたいから殺さなきゃいけないし。
でも人がいない。前の僕だったら嬉しかったかもしれないけど、今はなぁ…
「くそぅ、何故地図を無くしちゃったんだ。ありえない」
山崎渉は歩きながらデイパックをさぐってみた。
パンと水、コンパスと……
あれ?
「ちくしょおおおお……」
山崎渉は絶望した。叫びたかった。でも叫べなかった。
「武器、なくした……」
最悪だ。何なんだ僕は。これじゃ100パーセント死ぬぞ。
何で僕はそのことに気付かなかったんだ。これじゃ殺せない。
「何で武器を無くすんだ……」
山崎渉は足を止めた。
「僕は何て馬鹿なんだ」
山崎渉は地面に座り込み、体を丸めた。
「一体ここはどこ?」
「僕は……………馬鹿だ。多分AABR史上最高の馬鹿だ」
山崎渉は笑い始めた。
「聞こえてるんだろ?笑えよ。殺そうと思ったときに武器はない。こいつは面白いねえ?あはははははは」
山崎渉は笑いを止める。
「っていうか」
山崎渉は立ち上がり、泣き出した。
「っていうか誰か僕を助けて下さいよおおおおお!!!」
その山崎の叫び声はとてつもなく、大きかった。
74 :
うひょひょ:04/04/27 21:05 ID:0SnstBMk
山崎渉は泣き続けた‥‥‥途中、自分が大きな声で叫んでいることに
気がついたが、そんなことはどうでもよかった‥‥‥山崎渉は泣き続けた。
‥‥‥‥‥‥気がつくとだいぶ時間が経っていた。彼はようやく泣きや
んだ。急に辺りのの静けさが耳に入った。ヒューヒューと風が耳元で鳴る。
山崎渉は言い知れない脱力感と虚しさに襲われた。また泣きたくなったが、
声と涙は枯れ、もはや泣く気力もなかった。
ドサッ!!
彼はデイッパクを肩から下ろした。乱暴な置き方をしたので、半開きの
チャックから荷物が飛び出した。
コンパス、パン、ガム、そして‥‥‥‥MDウォークマン。
「坂田師匠‥‥‥」
枯れたはずの涙が一筋、彼の頬を濡らした。
「しぃ!おい、しぃ!どうしたんだ!しぃ!目を開けてくれよ・・・」
【男子7番】ギコは必死で【女子6番】しぃの体を揺すっていた。
「やめるモナ!ギコ、しぃちゃんはもう・・・」
「やめろ!言うな!それ以上言うなぁぁぁ!」
ギコは絶望の淵に突き落とされたような気がした。
あの後【男子20番】モナーと【女子21番】レモナはD-5のビルへと戻っていた。
勿論ギコとしぃを連れて。
そこでレモナは出来る限りの治療を施した。そして今に至るわけだ。
「ちくしょう。ちくしょう!俺は・・・しぃを守れなかった!ネーノとの約束を守れなかった!」
ギコは自分が許せなかった。ゴッ、ゴッと地面を殴っている。
「ギコ!やめるモナ!ギコの手がぼろぼろになってしまうモナ!」
モナーは止めたがギコは聞く耳も持たず相変わらず地面を殴り続けていた。
「ギコ・・・」
モナーは心配していた。これもモナーの正確故か。
ちくしょう。ちくしょう。ギコの手から血が吹き出る。
モナーはもう見てられないといった様子でそっぽを向いていた。
「今は・・・一人にさせて上げましょう。ね、モナー」
レモナに促されるとモナーはしぶしぶ外に出て行った。
「ごめんな、しぃ・・・。俺はお前を守ってやることが出来なかった。
ネーノとの約束も・・・果たせなかった。俺はどうしようもないやつだ。」
ギコはひたすら自分を責め続けた。
ギコの目から一筋の涙が流れ落ちる。そのときだ。
「・・コクン・・・」
!!
しぃが目覚めたのだ。
「しぃ!しぃ!よかった・・・助かったんだな!」
ギコの顔に安堵の表情が浮かぶ。
「いいえ・・・。私はもうだめよ・・・」
「そんなこと言うな!いっしょにこの糞ゲームから脱出しよう!な、しぃ!」
ギコはしぃを元気付けようとしている。
「いいえ・・・。私はもうすぐ死ぬわ・・・。でもねギコ君、自分を・・・責めない・・・で。
そして・・・私の分までたくさん生き・・・て」
「そんな!待ってくれよ、しぃ!」
ギコはしぃの手をぎゅっと握る。すると、しぃもギコの手を強く握り返した。
「ありがとうギコ君・・・。私も・・・ギコ君のこと、ダイス・・・キだった・・・よ・・・」
シィガ・・・シンダ?
そんな。嘘だ、お願いだよ。もう一度目を開けてくれよ。なぁしぃ。
ギコはしぃの手を強く握った。
「!!!!」
一瞬だった。だが、確かにしぃはギコの手を握り返した。
「・・・・ありがとう、しぃ。俺はお前のことを絶対に忘れない。
そして・・・お前の分まで強く生きてやる!」
【残り17人】
(イマノウチはまだギリギリ生きているということで・・・)
76 :
殺人中毒者:04/04/27 21:32 ID:SZ2c3F2J
;::;:;;i " ____:::ヽ /::::____ .i;:;;'
i´`;;;i. <.◎_>;:: .:::;く_◎>- 、 i;:;'⌒i
. i` i;;; `ー'''''" ::; :::`''ー'''’ ヽ;;/ |
.. |i ;;´ ノ :、 、;; ;i
. ! ; i /´ ; ヾ ;;ソ/
ヽ`、| /(..;=、_/っ..)、 i,ノ
何故 オレはまだ生きてるんだ!?
77 :
うひょひょ:04/04/27 21:45 ID:0SnstBMk
ネーノはしぃとギコを探していた。いつ敵に出会うか分からないが、そんな
ことはどうでもいい。今は二人の無事を確認することで頭がいっぱいだった。
しばらく歩いていると、無数の血痕を発見した。それは近くの
茂みから道にかけて広がっていた。しかし死体はなかった。
「誰かが争ったんじゃネーノ?」
そう思ったとき、ネーノはあるものに気がついた。草むらにハンカチが
一枚、落ちていたのだ。だいぶ前に見覚えがある。
「しぃのハンカチじゃネーノ??」
ネーノはハンカチをポケットに押し込んだ。血痕は道づたいに東の方に続いて
いる。まさかという不安を胸に、ネーノ血痕をたどった
しぃ復活コール
79 :
釜飯:04/04/27 22:22 ID:TG3yuy0d
復活!!
∧ ∧___
/(*゚ー゚) /\
/| ̄∪∪ ̄|\/
| |/
 ̄ ̄ ̄ ̄
八頭身【男子16番】はてきとうに歩いていた。
獲物を見つけたらすぐ撃ち殺す。それが僕の、僕なりのルールだ。文句は言わせないよ。
ん?この臭いは血の臭い?八頭身はある場所で足を止めた。
八頭身はすぐその家へと向かっていった。
・・・・・足跡も聞こえるね。まだ中に誰かいる。
さて、ちょっと運動しようか。
その家はアヒャ・妹・山崎渉が居るその家だった。
【残り17人?】
しぃ復活コール
82 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/28 17:42 ID:zRgeMgEB
____
/■\ /おにぎり\
(´∀`) \ ワッショ|
(つ つ) |イ!! \
(_(__) \____|
83 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/28 17:44 ID:zRgeMgEB
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 取り敢えずぅ、 |
| |
| ぬ る ぽ ♥. | ,. . _
|_______| --' 、  ̄ ̄ヽー- 、
| | ヽ ̄ヌ , , \ 、 「 ̄ 7
| | ヽ ル /_ /ハ |ヽ、\ V ./
| | ポ'il/ ヽl \ヽ. V
,. -{-、 __ .| ii i! o o | il |
{ Y/ l il |、 Д | li |
`t-く ヽN ` --- <ヌルポ
| | `ー-- 、 /ギ子♥ヽ `丶、
| |  ̄ヽ ノ >-' !
| | ,.ィ`=== r'^ヽ、_,/- 、
| | , '" // !'~`V-─ 、 )
| | < _,/ / / /i \ (_ノ ヌ
i_j /ヽ ' / / ! ,> ル
/_ > 、 」__/ _」, ィ'´ 「 ポ
:::`ー':::::::::::::::::::::::::::::ヽこノ::: ♥
84 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/28 17:48 ID:zRgeMgEB
モウコネェヤヽ(`Д´)ノ ウワァァァァン /\__/\
モウコネェヤヽ(`Д´)ノ ウワァァァァン ( ´∀` ) 太りました・・・
モウコネェヤヽ(`Д´)ノ ウワァァァァン ( )
モウコネェヤヽ(`Д´)ノ ウワァァァァン (__)___)
モウコネェヤヽ(`Д´)ノ ウワァァァァン
85 :
グループホーム:04/04/28 18:16 ID:meiUEs2p
r''"''ー-,,_
| "''ー──‐---''ヽ
| /
| |
、--───‐ノ''ー-,,,_ |
`ヽ \ "'''ー-,,,_ |
\ \ "''''ー--┤
/\ "'''-,,,__ |
/ r‐\ "'''ー‐-.,,,__ |、
/ ||,-`| \ "` \
/ ヽYi | /`-,,_ \
| \ | | "''ー-,,,_ \
| ‖ | |"'''''┬--,,,_ \
| | | ゙、 | `ー-'
| | ゙、 、 > |
゙、 /| ,、゙、 `ー- .,__ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,へ / ノ,イ二ヽ、 ‐- ̄ / <
>>1 あばよ
ノ `''y''i|.r''⌒ヽヽヽ-、 人,,,/、 \_______
_,,,-‐'''"\ r'"‖| | | | ゙''" ゙、
/ ,,--`-|| .(l| ゝ`ー‐' ,人-.,,_ \
| / ||) rヽ、゙、。/ ゙、 "''ヽ、 、 __ "''-,,_
.| / ,-─i゙、ヽ `''`i! ||、 ゙、. | `ゞ`=i-"、` ̄
| | / /ト、`Tヽ<||‖ \ ゙、|、 | ゙、 \
| | / / | `‐`r、 ゙i!()ー‐--、 ゙、ヽ、 | ゙、 \
| ゙、| / r''"" ̄ ̄ ̄ ̄| |"'''ヽ、_ヽ ゙、 Y二|゙、 ゙、 /|
.| / | / 、.____|_|,,_ )) ゙、〈 ‐->| ゙、 / |
| ゙、. 〉 ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄""ヽ´ ゙、| || / |
.| |゙、. 〉 _丿 ゙i ‖ / |
86 :
岸和田:04/04/28 18:46 ID:yeziUTPU
山崎渉は目を閉じ、いままでの人生を思い返した。
―もともと大した人生じゃなかった。人にくっついて流れてただけだった。
何か良い事をしたかな?いいや、していない。
それどころか―ひとを殺した。
なにをやってたんだ僕は?
なにひとを殺そうとしてたんだ?
山崎渉はMDウォークマンを握り締め、イヤホンをそっとつける。
もうこの世界にいない坂田師匠の声がする。
「やっぱり……ひと殺しちゃ、駄目だよね」
山崎渉は立ち上がり、走り始めた。
―何か…何か僕にできることを…やらなくちゃいけない。
偶然か必然か、山崎渉の走っている方向はアヒャと妹のいる家だった。
【残り17人】イマノウチは死ぬ寸前
87 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/28 19:43 ID:TjEZCH9M
ちょっと……
メインキャラがうまくいきすぎじゃ……ない?
職人さん来ねぇかな。
89 :
うひょひょ:04/04/28 20:05 ID:tNR7X2GY
モナーはビルの外を歩いていた。胸が張り裂けそうだった。隣のレモナは
唇をかみ締めて静かに泣いていた‥‥‥思えば、このゲームが始まって
からレモナは一度も弱音を吐いた事がなかった‥‥‥けれど、しぃのことで
感情を抑えていた糸が切れてしまったのだろう。
「あたし‥‥あたし‥‥‥‥‥あたしにもう少し、力があれば‥‥」
「レモナ、確かに今の僕達じゃなにもできないモナ‥‥‥‥でも、自分を
責めるのはよくないモナ。‥‥‥‥今は奇跡を祈るしか‥‥‥」
モナーはそこで言葉を切り、うつむいた。こみ上げてくる想いで、
それ以上言葉を続けることができなかったのだ。
長い沈黙が続く‥‥‥
「おい!!」
突然声がして顔をあげると、暗闇に血をまとったネーノの姿があった。
レモナの顔が一瞬にして冷め、口を開きかけたが、それより早くネーノが
言葉を口にした。
「しぃは!?しぃとギコを知らないか!!?」
∧_∧
( ・∀・) | | ガッ
と ) | |
Y /ノ 人
/ ) < >__∧∩
_/し' //. V`Д´)/
(_フ彡 / ←
>>83
91 :
岸和田:04/04/29 08:58 ID:4ITw7Upj
山崎渉は走り続けていた。
何かしなくてはならないことがある。
そう思いながら走り続けた。
「何かしなくちゃ、何かしなくちゃ」
しかし山崎渉はぴたりと足を止めた。
「家、がある。誰か、誰かが歩いてる……」
―誰だろう?あの家に向かってるな…家に誰か居るのかな?休みたいだけかな?
まあ、どちらにせよ―――
「おーい、そこの人!ちょっと待ってよー!」
山崎渉は人影に向かって走っていった。
人影が振り向く。
「誰なの?だーれー?」
山崎渉が走りながら聞く。
バアアアアアアアアアアアアン!
「え……?」
山崎渉の肩に痛みが走る。何だ?これ?
バアアアアアアアアアアアアン!
「ぐいっ!!」
今度は腹に痛みが走る。山崎渉は倒れこんだ。
山崎渉は腹に手をあてた。生暖かい、赤いもの―。
血
痛い痛い痛いっ!!わけわからないなんで血が出てるんだなんでこうなるんだ
よくわからないなにもわからない
山崎渉は思い切り叫びたかった。叫んでこの痛みを誰かに伝えたかった。
しかし、ヒュ―ッという声がわずかばかり出ただけだった。
痛みはますますひどくなるみたいだった。
「ヒィ……ハア、う、ひぃ……」
足音が近づいて来る。
ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ
「うまく当たんなかったな……とりあえずこれで死んでよ」
ぐしゃ
誰かが何かを言い終わった瞬間、山崎渉の全ては止まった。
視界はぷつりと途切れ、思考は止まった。
大きな石によって山崎渉の頭は潰れていた。
人影―八頭身は家に向かって歩き出した。
山崎渉はほんの少しだけ役に立ったのかもしれない。
何故ならさっきの銃声は、家にいるアヒャと妹に聞こえていたからだ。
【残り17人】
92 :
岸和田:04/04/29 09:08 ID:4ITw7Upj
じゃなかった、16人。
あとイマノウチのストーリーを書いときます。
イマノウチはかすかに残った意識のなかで考えていた。
―ああ、僕死ぬんだぁ…もう、終わり……むかつく。
なにも見えない。なにも聞こえない。
―もう、終わりだ。誰もいないとこに……もうどうでもいい…
しぃちゃんもネーノもモララ―もこのゲームも優勝者も
何もかもどうでもいい。
しぃちゃんを、純粋に助けたかっただけ、だった。
しぃちゃんに何かしようとしてたネーノ、たくさん殺したネーノが
生き延びる。さっき、ネーノの声がした…
何でネーノが生き残る?
ぷつり
【残り15人】
イマノウチじゃなくてウワァァァンでしょ〜?バカバカァ〜
・・・じゃなくて。続き書かせてもらいますよ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ネーノが生きる。
僕じゃなくてあの人殺しのネーノが。
生きる。
生き残る。
・・・朦朧とした意識の中、ネーノの奴がこの家を出て行く音を聞いたな。
きっと殺し逃したしぃちゃんをまた殺しに行くんだ・・・
いや、違うか。きっと参加者全員を殺しに行くんだ!
まずい、駄目だ。止めなきゃ。止めなきゃ。
あいつは危ないんだ。不良なんだ。
殺される。しぃちゃんも、ギコさんも、みんなみんな、
コ ロ サ レ ル
ああ、でももう僕は動けない。
今にも意識がとんでしまいそうだ。
胸が熱い、焼けそうだ。いや、焼けてるのか?
どうしよう。僕はどうすればいいんだ。このまま死んでしまうしかないのか?
・・・ネーノぉ。ネーノぉぉ。
今までの学校生活で僕を虐めてきたネーノ。しぃちゃんを殺そうとしたネーノ。
ああ、ネーノが憎らしい。 殴ってやりたい。あの綺麗な顔をグシャグシャにひしゃげさせてやりたい。
撃ち殺してやりたい。あのマシンガンで・・・あの、マシンガン・・・で・・・
矛盾してる。
あのマシンガンをくれたのは誰だ?・・・ネーノ。
何でネーノは僕に武器をくれたんだ?
ああ、そういえば武器じゃなくてパンもくれたっけな。
・・・なんで今更そんな事思い出すんだ?
もっとネーノの悪事を思い出せ。憎悪でこの錆び付いた体を動かすんだ。
今までの学校生活で僕を虐めてきたネーノ・・・しぃちゃんを殺そうとしたネーノ・・・
違う!これも矛盾してる!
ネーノは実際僕を虐めたことは一回も無かった!
それどころか僕に銃を・・・パンを・・・
あ、ああ、あああ
何で今頃こんな事思い出すんだよ。
つか何で今まで僕はこの事を忘れていたんだ?わずか数時間前の出来事のはず。
ええい、そんな事はどうでもいい。もっと、もっとネーノの悪事を・・・
憎悪を煮えたぎらせろ。怒りの炎を心に詰め込むんだ。
しぃちゃんを殺そうとしてたネーノ・・・人殺しのネーノ・・・人殺し・・・人殺し・・・
ああ、よく考えたらこれも矛盾してるじゃないか。
奴は武器を持っていた。武器を持ってたならさっさとしぃちゃんを殺してたはずだ。
なのに奴は殺していなかった。それどころか・・・楽しそうに、話を、
ネーノと、しぃちゃん。しぃちゃんも、笑ってた。笑って・・・楽しそうに・・・話を・・・ハナシ・・・ヲ・・・して・・・
ああ、もう駄目だ。それ以上考えちゃいけない!壊れる、壊れる!今まで僕の信じてきた事、やってきた事全てが・・・壊れる!
駄目、駄目ぇ。壊れる、壊れる、壊れ・・・
全くの誤解だった。
照り映える陽光の下、三人で遊んだっけ。
えーと・・・何してたかな?鬼ごっこ?かくれんぼ?缶蹴り?うーん、その日によって違かったなぁ。
僕、しぃちゃん、ギコさん・・・三人で楽しく遊んでた。
みんな・・・勿論僕も・・・笑ってた。幸せを存分にかみ締めながら笑っていた。
えーと、中学に入ったらギコさんとは違うクラスになって分かれちゃったけど、しぃちゃんとは同じクラスだったね。
でも、何か周りの雰囲気的に・・・話しずらかったってゆーか・・・そんな感じでしぃちゃんとは話せなかったわけね。
その・・・僕陰気で弱気だから新しい友達は出来なかったわけよ。
で・・・何かクラスの不良が・・・フェラーチョが・・・僕を虐めに掛かったんだ。
初めはさりげなく殴られたりぶつかられたりされるだけだった。全然苦しみにも思っていなかった。
だけど次第に彼らの行為はエスカレートしていくんだ。
でも、まだ僕は大丈夫だった。今の僕を保ち続けられていた。
・・・いつかは虐めが止む。・・・大丈夫。みんな僕の事を可愛そうって思ってる。だからいつか助けが入る。
甘い考えだったっていうか・・・なんつーか僕はフェラーチョの事を知らなさ過ぎたんだよね。
・・・あいつは他人の人生なんかどうとも考えちゃ居ないんだよ。
いつだったっけな・・・音楽かなんかが終わった後教室に帰った時だったな。
次の授業の為に教科書を出そうとして引き出しをまさぐったらさ・・・何かゴワゴワしてて・・・見知らぬ布が入ってんだよ。
僕がそれを出そうとしたらさ・・・後ろからいきなりフェラーチョが声を出してきたんだ。
「あれ〜?ウワァァァン君引き出しになんか沢山入ってるようですね〜?」
あいつクラスのみんなに聞こえるような大声で言いやがったんだ。
ほとんどみんな集まってきた。僕の机の周りに。
みんな不思議そうな顔してたっけな。フェラーチョとかその周りの一部の奴らはニヤニヤ笑ってた。
「ちょっと拝見!」
『あ・・・』
フェラーチョの手が伸びてきた。
僕の机の中にフェラーチョの手が入っていて・・・引き抜いた時にはその手に体操服が握られていた。
「おや〜!?体操服が出てきましたよ〜!?誰のでしょうね〜!」
ここまで聞いたとき、僕は自分が何をされたのかやっと理解しました。
「ええと・・・?リル子さん!リル子さんの体操着です〜!なんと!なんとウワァァァン君の引き出しから出てきましたよ〜!?」
途端に周りからざわめきが巻き起こります。リル子ちゃんが悲鳴を上げました。
「お〜?もっと出てきますよ〜?こいつは何枚体操着を仕込んでるんだ〜!?」
僕の机の中から無数の女子物の体操着が引っ張り出されていく。
そして、体操着の名前を一枚一枚丁寧に読んでいく。
・・・勿論僕は体操着なんで盗んだ覚えはないよ。
・・・多分フェラーチョだ。
フェラーチョが全てをやったんだ。
僕はそれに気付いたとき、突然涙がこみ上げてきた。
我慢できず僕はみんなの前で泣きじゃくったよ。
「おや〜、泣いちゃいましたね〜。何に対して泣いてるんでしょうか〜。家に持って帰って変な事が出来なくなっちゃったからですかぁ〜!?」
フェラーチョがそう言うと、クラスの男子のほとんどが大爆笑しました。
女子は・・・僕のことを汚い物でも見る様な目つきで見ています。
「・・・虫。」
誰がボソッとつぶやく。
「変態。」
「泣き虫。」
「変態虫。」
「変態虫。」
「変態虫!」
女子が、男子が、みんなで僕のことを虫と、変態虫と呼ぶ。
変態虫コールの中、僕は一人泣き続けた・・・
・・・まぁ、そこからは流れ流れだったね。
教室に入れば、扉の近くで話していた女子共が散って遠ざかっていく。
机には彫刻刀で悪戯書きされている。
誰からも話しかけられなかった。
話しかけられなかったけど・・・僕が来るたびにヒソヒソ話が聞こえてくる。
「変態虫が来たぞ。」
「気持悪い・・・」
「ちゃんと体操着が盗まれないように気をつけないとね・・・」
「ホントホント。あいつあの体操着持ち帰ったら家で何してたんだろうな・・・」
「やだ。想像しちゃったじゃない。」
「ホント虫みたいな奴だよな。」
「ゴミ虫よね。」
「やだ、あいつこっち見たよ。」
「気持悪い〜!」
「おいてめぇ、見んじゃねえよ!変態菌が移るだろうが!」
痛い。
痛いよ。
視線が。みんなの言葉が。
痛いよ。
孤独だった。
友達は一人もいなかった。
ただ、虐げられるだけの生活。
教師や親のネットワークを通じて僕自身の親にも行き届いたんだろうか・・・親も僕を変な目で見る。
誰もがみんな目で訴えている。
「変態虫は死ね。」
「変態虫は帰れ。」
「死ね。」
「死ね。」
「死ね。」
「逝ってよし。」
やめてくれぇぇぇ
誤解なんだよぉぉぉ
やめてくれよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
温もりが欲しかっただけなんだ。
ただ誰かと一緒にいたかっただけなんだ。
人に・・・人の優しさに触れていたかっただけなんだ・・・
ホントは・・・誰でもよかった。
人であるならば・・・僕と一緒にいてくれるならば誰でもよかった。
温もりが・・・欲しかっただけだから。
あの時の・・・あの時の幸せを・・・もう一度・・・もう一度位・・・味わって・・・
それも・・・もう無理なんだね・・・
結局最初から最後まで・・・幸せを・・・温もりを・・・自分から逃がしていたんだ・・・
ネーノを・・・ネーノ君は・・・僕に銃をくれたし、食料もくれた・・・家にも入れてくれようとして・・・
それを、それを・・・僕はぁ・・・!
僕は馬鹿だ。
笑ってしまいたいくらいに馬鹿だ・・・
まさかこの馬鹿さ加減に今頃・・・こんなタイミングで気付くなんて・・・
笑おう・・・笑っちゃえ・・・あははは・・・あははははははははは・・・
ああ、眠いや。
異常に眠気がする。
多分僕はもう死ぬんだろう。
でも・・・別に悲しくないや・・・
それどころか・・・暖かい・・・
『死』が僕を包んでくれる・・・
死ぬ事って・・・こんなに暖かかったのかぁ・・・
・・・やっと本当の温もりが味わえたような・・・そんな気がする・・・
・・・このまま僕は・・・この温もりに包まれて・・・誰も知らない世界へと行くんだなぁ・・・
・・・でも、死ぬんなら・・・生まれ変わるのなら・・・最後にもう一回位・・・夢を見せて欲しい・・・な・・・
僕が僕であったあの頃の夢を・・・もう一度・・・
【残り15人】
100ゲットのためage
99get
100get
101 :
岸和田:04/04/29 16:49 ID:ae15+wOF
イマノウチでなくウワァァァンでしたね。ごめんなさい
>>10遅いですが10修正しますね?
ぁゃなみレイ【女子3番】は歩いていた。
あたしには勝たなきゃいけない理由があるんだ。でもそれはみんな同じのはず。
でも死の恐怖。そんなのは論外だ。ただの臆病者の言い訳だ。
「チクショォ・・・・チクショォ」誰かの泣き声が聞こえた。
ほらでた。どうせ怪我でもして痛がってるのだろう。
そんなに泣きたいならあたしが楽にしてあげるわよ。
そう思ってぁゃなみは人影へ近づいていった。少し近づいてその人影は八頭身【男子16番】
のものだとわかった。
「君も・・・ヤル気なのかい?」八頭身はそう聞いてきた。
やはり。どっかで武器に自信があるからって戦闘を起こして怪我をして逃げてきたって
寸法だろう。ぁゃなみは直感的にそう感じた。
ぁゃなみは何も言わずにマシンガンをすばやくかまえるとそのままフルオートで乱射した。
八頭身の体に複数の鉛球がヒットし、八頭身はガクガク体を小刻みに揺らすと
そのまま地面に倒れた。―――――――これが臆病者の結末よ。―――――
ぁゃなみはそのまま八頭身の支給武器を探しに八頭身の死体に向かっていった。
一瞬の出来事だった。
ぁゃなみは腹になにか衝撃を受けてそのままずるりと地面に倒れた。
「ハァ・・・・・ハァ」何なのこいつ?まさか不死身?いやそんな馬鹿な。
八頭身はそのまま視線をぁゃなみにおろしていた。
こんな・・・・臆病者に・・・やられるなんて・・・そんなのいやだ・・・
ぁゃなみはもう一回八頭身の体にマシンガンをかまえた。
ゴキッ
何かが音を立てた。ぁゃなみに走る激痛。八頭身がぁゃなみの右手を蹴ったのだと理解するには数十秒かかった。
ぁゃなみはマシンガンを落とすとそのまま地べたを転がった。
「く・・・・・ああ・・・」八頭身はマシンガンを拾うとそのままぁゃなみにマシンガンをかまえた。
そして八頭身は叫んだ。
「友情ってなんだよ。仲間ってなんだよ。愛ってなんだよ。
>>1さんってなんだよ。俺ってなんだよ。お前は一体なんなんだよーーーー!!」
え?ぁゃなみはそう思った。なんだ・・・・そういうことか・・・・・
八頭身は
>>1さんの死により狂ってしまった。そして正気に戻されまた何かをたくらんだが
それも失敗。そして・・・・・・・・この状況だ。
なんだ・・・・・彼の生きたいと言う理由・・・・あたしと全く同じじゃない・・・・
泣きたい気持ちだった。好きな人を失いこんなに悲しそうな人をあたしは・・・
殺そうとした。
ぱぱぱぱぱぱぱぱぱ
ぁゃなみの体に穴が5個。額・両腕・両足・・・・・
初めて私が心を開け、ずっと好きだった。
ぃかり君。もうあたし・・・・・ダメだわ。先に・・・あの世へ行ってるわね。
ぁゃなみはそこで思考が中断した。
八頭身がまた・・・・・狂気に目覚めた・・・・・・
【残り15人】
ぁゃなみレイ【女子3番】は歩いていた。
あたしには勝たなきゃいけない理由があるんだ。でもそれはみんな同じのはず。
でも死の恐怖。そんなのは論外だ。ただの臆病者の言い訳だ。
「チクショォ・・・・チクショォ」誰かの泣き声が聞こえた。
ほらでた。どうせどっかで攻撃されて痛がってるのだろう。
そんなに痛いならあたしが楽にしてあげるわよ。
そう思ってぁゃなみは人影へ近づいていった。少し近づいてその人影は八頭身【男子16番】
のものだとわかった。
「君も・・・ヤル気なのかい?」八頭身はそう聞いてきた。
やはり。死にたくないという気持ちで脱走を試みどっかで襲われてきた。そう言うとこだろう。
ぁゃなみは何も言わずにマシンガンをすばやくかまえるとそのままフルオートで乱射した。
八頭身の体に複数の鉛球がヒットし、八頭身はガクガクと体を小刻みに揺らすと
そのまま地面に倒れた。―――――――これが臆病者の結末よ。―――――
ぁゃなみはそのまま八頭身の支給武器を探しに八頭身の死体に向かっていった。
一瞬の出来事だった。
ぁゃなみは腹になにかの衝撃を受けてそのままずるりと地面に倒れた。
見ると八頭身がダサダサのファイティングポーズをかまえていた。(破壊力は並じゃないが。)
「ハァ・・・・・ハァ」何なのこいつ?まさか不死身?いやそんな馬鹿な。
八頭身はそのまま視線をぁゃなみにおろしていた。
こんな・・・・臆病者に・・・やられるなんて・・・そんなのいやだ・・・
ぁゃなみはもう一回八頭身の体にマシンガンをかまえた。
ゴキッ
何かが音を立てた。ぁゃなみに走る激痛。八頭身がぁゃなみの右手を蹴ったのだと理解するには数十秒かかった。
ぁゃなみはマシンガンを落とすとそのまま地べたを転がった。
「く・・・・・ああ・・・」八頭身はマシンガンを拾うとそのままぁゃなみにマシンガンをかまえた。
そして八頭身は叫んだ。
「友情ってなんだよ。仲間ってなんだよ。愛ってなんだよ。
>>1さんってなんだよ。俺ってなんだよ。お前は一体なんなんだよーーーー!!」
え?ぁゃなみはそう思った。なんだ・・・・そういうことか・・・・・
八頭身は
>>1さんの死により狂ってしまった。そして正気に戻されまた何かをたくらんだが
それも失敗。そして・・・・・・・・この状況だ。
なんだ・・・・・彼の生きたいと言う理由・・・・あたしとほとんど同じじゃない・・・・
好きな人を失いこんなに悲しそうな人をあたしは・・・
殺 そ う と し た。
罪悪感がこみ上げてきたがそれもすぐに打ち砕かれた。
ぱぱぱぱぱぱぱぱぱ
ぁゃなみの体に穴が5個。額・両腕・両足・・・・・
初めて私が心を開け、ずっと好きだった。
ぃかり君。もうあたし・・・・・ダメだわ。先に・・・あの世へ行ってるわね。
ぁゃなみはそこで思考が中断した。ぱぱぱぱぱぱと言う死神の子守唄と共に。
八頭身がまた・・・・・狂気に目覚めた・・・・・・
【残り15人】
山崎 渉【男子21番】が死ぬ前。
アヒャ【男子2番】と妹【女子2番】はもう家を出ていた。
「まずいアヒャ。誰かやられた可能性が高いアヒャ。」「なぜ・・・そんなことが分かるのです?」
「普通なら相手が死ぬまで銃声は止まないはずアヒャ。でも今だとぴたりと止んだアヒャ。」
バァァァン かちゃ バァァァン かちゃ
この銃声は昼間にかなり聞こえた音だ。やばい。たぶん今ゲームの中で一番殺してる奴だ。
一体誰なんだ?妹は後ろを振り返ると巨体が見えた。
まさか・・・・・・八頭身【男子16番】!?
アヒャは驚愕した。普段はキモいが心優しい彼。そんな彼が何でこんなことするんだ?
バァァァァン かちゃ
「ングッ・・・・・・・・」アヒャは背中に一発鉛を喰らった。
「どうしたのです!?アヒャさん!?」「何でもないアヒャ。とにかく・・・突っ走るアヒャ!!」
シー―――ン
おかしい。八頭身が何もしてこないのは絶対におかしい。
アヒャはそう思い「妹!!後ろを振り向いて八頭身の様子を調べるアヒ・・・」
妹はゴキッという音と共にアヒャが倒れるのを確認した。
そして・・・彼女には休む暇はなかった。何も言わず彼女はアヒャを背負うと
そのまま速度は落ちた物の走った。
アヒャさん・・・・私が必ず助けるのです・・・・
後ろを振り返ると八頭身はもういない。妹はそれを確認すると、妹は廃ビル(らしきもの)に入った。
その頃八頭身は、アヒャ・妹がいた家に戻っていた。
使えるものはないかなァ・・・・・
そう思って家を探し回っていると、アサピーの死体が見えた。
アサピーの死体には銃が握られていた。ふーん・・・・なかなか使いやすそうだね。
さらに近くにあったディパックの中もあさった。中には弾薬が入っていた。
ご丁寧に。弾までつけてくれちゃって。
八頭身はそれらをディパックに詰めるとそのまま家を出た。
【残り15人】
死者の声。
無念のままに逝った奴は、成仏できずにこの世をさまようというが・・・
化けて出たか?
・・・・・・
確かにそこにはネーノがいた。
しぃが死んだといっていたネーノが、今俺の目の前でこうして立っている。
再会の感動とかよりも先に、そういう疑惑が湧いてくる。
「ギコ!しぃちゃんは・・・しぃちゃんはいないかい!?」
ネーノがこちらに駆け寄ってくる。
「お前・・・死んだんじゃねぇのかよ。」
死んだ。
そうだ。確かネーノは死んだはずだ。
「死ななかったんだ。」
ネーノは一言だけそういった。
「そんな事はどうでもいいんだ!しぃちゃんは!?」
「何が死ななかったんだ、だよ!!」
考えるよりも先に手と口が動いていた。
俺はネーノの学ランの胸倉を掴んだ。
「ギ・・・ギコ・・・?」
ネーノが捻り出す様に言う。
「お前のせいだよ!約束破りやがって・・・!お前・・・どの面下げて戻ってきやがったんだよ!!」
ギコは、やり場の無い怒りを全てネーノにぶつけるようにして言った。
そこまで言うと、ネーノがハッ、と顔を強張らせた。
「まさか・・・しぃちゃん・・・が・・・?」
ネーノが信じられない、と言った様な顔をする。
「ああ。そうだよ!お前の・・・お前のせいで・・・!」
ギコは泣きながらネーノの胸倉を力強く捻った。
しばらくして、ネーノが静かに言う。
「・・・お互い様、だろ・・・。」
うああああ・・・うあああああああ・・・!
そうだ。ネーノだけじゃない。俺も、だ。
俺も・・・俺もしぃを守ってやれなかったんだ・・・
溜まっていた感情が一気にふきだすような気がした。力が抜け、ギコはその場にへたり込んだ。
「あーあー、二人とも何があったモナ?喧嘩はよくないモナよ。」
モナーが焦ったように割り込んでくる。
ネーノは一瞬モナーの方を振り向いた後、ゆっくり言った。
「・・・話を聞こうか。」
「そうか・・・そんな事が・・・」
「ああ。」
ネーノは溜め息をつくと倒れたしぃの方に目をやった。
「八頭身の奴・・・もう殺したのか?」
「生死は確認してないけど・・・腹に一発ぶち込んだから・・・死んだだろ・・・」
そこまで言ってて何で自分があいつの生死を確認しなかったのか不思議になった。
ネーノはそれを聞くとまた溜め息をついた。
「・・・そうか。殺しちゃったか・・・」
ネーノが若干悔しそうな響きで呟く。
「何だよその言い方・・・殺して欲しくなかったとでも?」
ギコが半笑いでたずねる。
「ああ。」
ネーノが短く答えた。
「・・・その、な。しぃを殺した奴だぞ?狂っちまって見境無く殺しまくってる奴だぞ?そんな奴を殺して欲しくないって・・・」
「そういう意味じゃない。」
ネーノが言う。
「じゃあどういう意味なんだよ?」
ギコが訝しげにたずねる。
ネーノは、こっちを向いて普段は絶対見せないような引き攣った笑いを見せた。
「そういう意味じゃないんだよぉ。」
ネーノの顔つきが見る見る変わっていくような気がした。
「出来るならば俺の手で・・・」
ネーノの目がドロリと鈍く光る。
「そいつのはらわたを抉ってやりたかった。」
ネーノがククッ、と声を上げて笑った。
ギコは、背筋にゾクッとした嫌な物を感じたような気がした。
今のネーノの目・・・八頭身の自我を失くした狂った目とはまた違う狂気を帯びている。
「夢の中でフェラーチョとかを殺しまくってるより実物にやった方が断然いいからねぇ。
殺しても殺しても消えない怨恨・・・もし八頭身が生きてたなら・・・そいつで少しは遊べたんだけどなあ。」
ネーノが指をコキコキと小刻みに動かす。
「大切な人を死へ追いやった奴らを自分の手で殺すのは・・・破壊するのは・・・
この世の何よりも甘美だっ、て何処かの小説家が言ってたっけ・・・
上手い事言うよなあ。俺、それすごい分かるよ。」
再びネーノが笑う。
「ネーノ・・・お前は・・・」
「だって、事実フェラーチョを殺した時そうだったもん・・・
愛する人を死に追いやったその元凶。それのはらわたを抉った時。顔を滅茶苦茶にしてやった時。その瞬間は、今までに無いくらいに甘い瞬間だった。
あの顔・・・悲鳴・・・臓器の感触・・・復讐と殺戮と破壊の喜びは・・・今までの何よりも大きかったよ。」
ネーノは一呼吸置くと更に話を進めた。
「勿論いまだにまだその喜びはこの手の内に、脳みそに残っている。・・・いや、残っているというよりは・・・溢れそうなんだ。
俺の頭の中で声が聞こえるんだよ。まだ血が足りない。もっと壊したいっ、てね。
・・・でも、さ。もうあいつらはみんな死んでるんだよ?壊したくても・・・壊せないじゃないか。
おもちゃが欲しいんだよ。喜んで殺せるようなおもちゃが、仇が、生贄が・・・欲しいんだよ。」
ネーノはそこまで一気に言うとふぅっ、と溜め息をついた。
・・・奇妙な静寂が訪れる。
「・・・危ない性格モナね・・・」
今まで黙っていたモナーがふと口にする。
「・・・かもね。」
ネーノがククッ、と笑い声を漏らした。
その笑い声は、先ほどの狂った声ではなく、いつものネーノの笑い声だった。
「まぁ、とにかくもう少しで定時放送のはずだから・・・本当に死んだのか、それとも生きてるのかすぐ分かるはずよ。」
レモナが言う。
・・・もうそんな時間なのか。
ギコは、デイパックについている時計を見やった。
針は午前5時47分を指している。
・・・夜明けは近い。
107 :
岸和田:04/05/02 20:48 ID:hvNFd0LO
八頭身は歩きながら考えごとをしていた。
いや、考えていたのは八頭身ではなく、狂った八頭身にわずかばかり残った正常な
人格だった。
>>1さん…………
皆、自分がかわいくてかわいくてしょうがないんだ。
だから皆……皆、死んでいったんだ。
皆、それぞれの想いを持って死んでいった。
……でも、わかるもんか。
好きだった人を失う悲しみがわかるもんか。
皆薄っぺらい。感情なんて脆い。
本当に、本当に好きだった人が殺される怒りが、悲しみが、わかる奴が僕の
クラスにいるか?
嫌
居ない。
糞。馬鹿ばっかりだ。死ね。全員死ね。
殺して……やるよ……
殺して……
殺……
八頭身の高ぶった感情を癒す事が出来るのは、もはや血のみだった。
8頭身はすべてを殺しましたとさおしまい
_,,..、-―-- .,
,..-''" `ヽ、
,. '" _,,... - __ ヽ、
/ ,..=-‐''~ ̄_ ~'''- 、 ヽ
, ′ /,,..-'''"~ ̄::: ̄~'''-ヽ, ヽ
/ ,、'7:::,:'//:::,:´/∧::、:::゛,:::::ヽ、 ゙',
/ .......//,:///!',:://// ',:::!!:::!i::::ヽ:, ...゙,
l ........./n,V::;l;jl-ユTト:{:{ }!}」j:,l!:}:::!l:゙, ...〉
゛, .......,';「rll:´kr_テ'::「`| ノ_,='`メ!l::;;ll!l:l./
゛、../ ハ l!::l| 「!-'lj r'::/`/イ,:ノノ |!'
,ソ//:::|!:::l!  ̄ '-" ,':::イ!../'
/://::;;ハ::::ll\ .__ ' ,,::':::,!l:| これからも私を応援してくださいね
ノ:イ/:/;/;;`ヾ、_ ` 、 _ .イ::く;;ノメ!、
,. '"',イ;'::/;/;;:;-"! ,,_!ヽ、;;;:!:::!::| ヘヽ
_,,-"/..'/:::/;;;-'" !__/ ,,‐''_`、`''-.,,:! ゙';ヽ、
.,-'":;; ',/,,',.-< ゙'〈 '",-'┐ ,,'"ス、 ゙;:、、、
,.-'"::;;/.'/',/^ヽ``、、 ゙, <ノ ノ' / ,ハ, ゙;:'; ヾ、
/"/:;;/ '‐'/,「`ヽ、 ` 、 = __ ゙、 'v'"/`、' 'l ',::', ヾ、
l' /::;'" ,.:';:"/;;! `.ー、~''ーニ.,ハ, ハ'" ヽ, ゙, !::;! ヾ!
!:/ /:/ /:/;ト、 ...゙, | _| \_,ノ::.\= 、._ l ,!、 l::;! ll
!:! ,//' /::/::ハ ',.. ゙',l ,-',-ト、 `'ー-、ヽ, 7./l ト`、, !ノ 丿
'、 // /:/:,/_,,l ゛、.. ゙',. ヽ:Vヾ、、、_ ~///,ノ l;;:',ヾ'
/,' ,!::/!ll`i;;;| ヽ.. ヽ `/: ヽ ニニ‐=/ノr' ,' l;!l,:l 'ヾ;、
,!:! !::l'l:!l::!;;:::ハ ヽ、. ソ' : ........,~7, ,l / !;;!ll!! ヾ;、
l;! ,!::| !!|:l;;;:::!:l゙、 ,.`/ : .......//'l | ,!/ ....|;;!:!l! ゙;l
112 :
ラフメイカー:04/05/03 23:33 ID:Svp7itB3
>>111 ムードブレイカー?冗談じゃない!
そんなもん(このスレに)呼んだ覚えはない
>>112ハイハイ、フラッシュ見たからって歌わないようにw
115 :
ぎこねこ:04/05/04 11:33 ID:HrZHxdh7
116 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/04 11:54 ID:EeDSugCL
午前6時ー
八頭身は、何も考えずに歩いていた。
しかし、一言だけ、ぽつりとつぶやいた。
「俺の前に立つ奴は皆頃してやる・・・・・・・。」と。
そして、F-2のビルにやって来た。
づーとでぃのいる所だ。
八頭身がF-2のビルに入っていった。
づー&でぃ「ん・・・誰だろ・・・ってうわっ!!」
バァァァァァン!!
八頭身が、づーとでぃを瞬殺したのだった。
そして、こう言った。
「皆頃してやる・・・・・。」とだけ。
【残り13人】
118 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/05 01:54 ID:MnJ8oM8Q
職人支援あげ
>>117の書き込みは、スパス12氏とは無関係なので、ご注意ください。
『えー、午前6時になりましたー。みんな元気にやってるかー?
じゃあ、まず死んだお友達の発表なー。
まず、【女子3番】ぁゃなみレイ、【男子5番】ウワァァァン、【女子6番】しぃ 、【男子21番】山崎 渉 の4人だー。
さーて、禁止エリアの発表なー。7時からD-4、9時からG-4、11時からG-2だー。エリアDは封鎖するからみんな気をつけてなー。
・・・あと、このゲームに、というかお前たちのクラスメイトに異種がいるそうだが・・・何やっても無駄だからなー。じゃあ、さよぉーならー。また来週!』
そこで放送はプツッと途切れた。
それを聞いたとき、ギコは己の耳を疑った。
「・・・八頭身が・・・死んで居ない・・・!?」
確かに俺は奴の体を撃った・・・いくらあいつが生命力が高かったのだとしても、普通の人間なら死んでるはずだ。
どういう事だ?・・・頭が混乱する・・・
「おや・・・?ギコ君。・・・詰めが甘かったようだね。」
ネーノが笑い声交じりに言う。
「いや・・・確かに俺はショットガンをあいつにぶち込んだぞ。弾は全部当たってた。普通なら即死のはずだ!」
ギコが、「そんなの認めない」というかのように叫んだ。
ネーノは、それを聞くと少し考えてこう言った。
「・・・高性能のマシンガンやショットガンから木刀とかナイフとか日本刀とか・・・幅広い武器を生徒に供給してる奴らなら・・・
うーん。きっと防弾チョッキかなんかつけてたんじゃないか?」
「防弾チョッキ?」
ギコが聞き返す。
「ああ。防弾チョッキ・・・ボディーアーマーとも言うね。その名の通り弾から身を守ってくれる道具なんだ。
痛みを感じることはあるそうだけど、かなり丈夫らしいよ。」
ネーノがさらりと言った。
「・・・ネーノ君、くわしいわね・・・それ、私が言おうとしたのに。」
レモナがボソリと呟く。心なしか少々悔しそうな響きも混じっているような気がした。
「それにしても・・・」
続いてネギコも呟く。
「定時放送とかで改めて聞かされると・・・実感しちゃうよね・・・」
あえてギコは主語を隠して言ったが、その場にいる誰もがしぃの事を言っているのだ、という事が分かった。
・・・重油を流し込んだかのような沈黙が続く。
「・・・ネーノ。探しに行かないのか?」
「へっ?」
ギコが、他愛の無い一言で沈黙を破った。
「・・・ほら。お前・・・八頭身のこと殺した言っていってたじゃないか・・・探しに行かないのか?」
ギコがそう言うと、ネーノは顔をしかめた。
「なーに言ってんのさ。そんな危ない事しないよ。探しに言っといて結局他のやる気になってる奴らに殺されたら元も子もないからね。」
ネーノが軽くあしらうように言った。
その一言は、ギコの予想を見事に裏切ってくれた。
・・・そういえばこいつ、いつも妙に冷静なんだよな。
・・・というか・・・こいつの性格・・・掴めない・・・
・・・危ない性格だと思ったら・・・こんな冷静で・・・気まぐれとかの一言では済まされないくらいこいつの性格・・・分からない・・・
「・・・いやに冷静ね。不良達の一角で、しかも危ない性格の持ち主だと思ったのに。」
レモナがふっ、と言い出した。
「そうかい?」
「・・・そう。」
「・・・そう思う?」
ネーノが念を押すようにもう一度言う。
「・・・思う。ねぇ?モナー君?」
話を回されると思っていなかったのか、モナーは少し戸惑った後こういった。
「あ、うん・・・っていうか・・・ネーノって・・・レモナと同じ感じがするモナ・・・」
モナーがぼそりと言った。
「はぁ?どういう事?」
レモナがあきれたように聞き返した。
「その・・・なんてゆうか・・・二人とも妙に冷静ってゆうか・・・物知りってゆうか・・・大人っぽいってゆうか・・・
とにかく・・・そんな所モナ・・・」
モナーがしどろもどろになりながら答えた。
ネーノとレモナが顔を見合す。
「・・・似てる・・・と思う?」
「いや・・・全然。」
それだけでその会話は終わった。
「ネーノ・・・お前、しぃが死んだ事どうにも思ってないのか?」
ギコが不意に呟いた。
「どういう事?」
ネーノが聞き返す。
「その・・・な。八頭身が、しぃを殺してるって奴が生きているって事分かったのに、冷静に振舞っているなんて。・・・どうも、どうにも思ってないとしか思えないんだよ。」
ギコが神妙な面持ちでそういった。
「それはさっき言ったじゃんか。意味も無く飛び出るなんて不毛だって。・・・それに、さ。」
ネーノはそういうと、更に一呼吸置いてこう言った。
「それに・・・もう少し彼女の顔も見ていたいしね。」
ネーノは、倒れているしぃを見やった。
いまにも泣き出しそうな顔つきで・・・見つめていた。
「まるで生き写しだ。」
ネーノがしぃの顔を見つめながら言った。
「彼女の愛用していた帽子をかぶせれば・・・たぶん・・・もっとソックリになるかもね。」
彼女・・・しぃと話していたあの内容を聞いていたギコには、その彼女というのが誰か分かった。
「正直言って『あの時』と同じくらい悲しい。再来だ。・・・でも、泣くわけにはいかない。泣くわけにはいかないんだ。
・・・泣いてしまえば、彼女が死んでしまったと認めてしまう事になる。・・・泣くわけにはいかない。・・・だからって、去るわけにもいかない。
・・・ようやく気付いたんだ。・・・俺が出来ることは、彼女の傍に居る事だけだって。敵討ちなんかは二の次だ。・・・するべき時にすればいい。
・・・まぁ、実際すぐに殺ってやりたいんだけどね・・・これを我慢するのが、一番彼女の為に、そして僕の為になるからね。」
「・・・・・・」
ギコは何もいえなくなっていた。
ネーノは・・・俺なんかよりずっとしぃの事を考えていた。・・・しぃが好きになるわけだ。
・・・そうだ。もし、しぃが今生きていたのならば・・・おそらく八頭身を殺しに行くより、自分と一緒にいてくれる方を望むだろう。
命より大事な物は愛、か。・・・よく言ったものだ。
「・・・ネーノ君、いい事言うわね。」
レモナが不意に口を挟んだ。
「でも、大切な人が死んだって言うのに、一気に感情に流されない人なんてはじめて見たわ。
・・・何かあったの?」
「・・・いや、一回死に掛けた時、ずっと昔の事を思い出してね・・・そんだけ。」
「・・・ふぅん。」
レモナは、何か引っかかるような言い方でそう言った。
朝日が彼らを照らしていく――
【残り15人】
age
124 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/06 17:58 ID:PgvsufLD
__,,,,... -―‐-、__
=ニ_" ̄-...._,二 ,,..=''" ""''=-、_
~~'''''‐、_ ''=;;;>ー`'―――--、 ヽ、 ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
`/ ヽ ヽ‐-、 ヽ / .る る と ま |
|エ`l =''''エヱ,'' ‐/ /\ .l l. る る う じ 〈
/(・)`| /(・) > ヽ \| |. る る お か 〉
/〈  ̄ "' ,`ー- ' i /\ | 〉 .る る る る |
. l::::ヽ___ヽ 。゚ , ' l ヽ__ / 〈 る る る |
|::::::r〜‐、 / ,r、`i/ l. る る る 〈
. |::::::))ニゝ / 2り / _ノ る る ,〉
|::::(_,, / (_/|-=二__ る /
!:: "" / 入. | \____/
`ヽ、__,,,,........,,,,_/ / || |l|
. 〕;;;;;;;;;;:::::=''" _/|| ||/ |
_|| ̄|| ̄|| ̄ ||. ||,/|| ヽ
'" ̄ || || || || /| \
`ー---‐―'''"
福田家/サザエ「1!勉強しなさい。勉強。」
福田家/マスオ「サザエ。そんなに言わなくてもいいじゃないか。1は精神異常者なんだから。」
福田家/タラ「1がまた糞スレを立てだですぅ。」
磯野家/波平「こりゃ1!また糞スレを立ておったなぁ。」
磯野家/船「またこんなスレが出来たものですねえ。」
磯野家/カツオ「またこんなスレが立ったんだってねぇ。」
磯野家/ワカメ「もう1ったら、またこんな糞スレを立てて。」
人間/ジャムおじさん「アンパンマン、新しいスレだぞ。」
人間/バタ子「アンパンマン、このスレをやっつけちゃって。」
犬/チーズ「アンアン。」
パン/アンパンマン「1め、またこんなスレを立てて。許さないぞ。アーンパンチ。」
菌/ばいきんまん「ハッヒィフッヘェホー。このスレを叩き潰してやる。」
菌/ドキンちゃん「もうこのスレ飽きちゃったわ。やーめた。」
ウサギ/園長先生「みんな。早くこのスレから逃げましょう。」
カバ/カバ夫「やめるんだ1。こんなスレを立てるなんて。」
人間/西郷隆盛「おいどんはーこのスレに出兵を考えてるでごわす。」
人間/大久保利通「西郷さん。お互いにがんばって、このスレを倒しましょう。」
人間/板垣退助「このスレ死すとも、駄レスは死にはせん。」
AA/モナー「1オマエモナー。」
AA/ギコ「1の駄スレ、ゲェェットォー。」
AA/しぃ「キョウモゲンキニシシシシィィ1ノクソスレハニャニャニャーン」
タレント/長井秀和「1のスレは糞スレだ。間違いない。しかも1は精神異常者だ。気をつけろ。」
警部/銭形幸三「1はとんでもないスレを立てていきました。そうです。駄スレです。」
泥棒/石川五右衛門「また、つまらぬスレが立ってしまった。」
泥棒/ルパン三世「1レスも付かなかったスレかぁ。俺はそんなものには、興味はない。」
泥棒/次元大介「ルパン。このスレははっきり言って駄スレだぜ。駄スレ。」
泥棒/峰不二子「ねぇルパン。この駄スレを盗んできて。過去ログ行きにするの。うふ。」
ネズミ/ミッキー「やあ。プルート。ここの駄スレは、過ごしやすかったかい。」
格闘家/早乙女らんま「またやりやがったな1。同じ手は喰わん。」
格闘家/天道あかね「大きなお世話よ。1!」
アナウンサー/古畑伊知郎「おおっっと、また新しい駄スレがたってしまったあー。」
妖精/ミルモ「にょほほー。また新しい駄スレが立ったぜぇ。」
妖精/リルム「1がこんなスレを立てるなんて、思ってもいませんかったですわー。」
妖精/ムルモ「お兄たまよりこのスレのほうが、かっこ悪いでしゅ。
ぐぇっふぇっふぇっ。はやく1はこのスレからたちさるでしゅ。」
妖精/ヤシチ「やい1。今日こそお前を倒してやる。」
妖精/パピイ「まったく、1は馬鹿なんだから。反省ちなちゃいよ、はんちぇい。」
俳人/松尾芭蕉「古スレや、駄レス飛び込む、キーの音。」
弁護士/成歩堂龍一「意義あり、
>>1は不正なスレを立てた。このレスが記録だ。」
裁判官/裁判長「
>>1の反証は、レス側の主張をくつがえす力を持っていない!
被告、
>>1に、この場で判決を言い渡します。【有罪】では本日はこれで閉廷」
幼稚園児/しんのすけ「1は道程だぞ。ワァハッハッハッハハァ。」
赤子/ひまわり「たぁたいのゆぅー。」
博士/阿笠博士「新一。また新しい駄スレが発明されたぞ。」
精神異常者/やまと「またこんなスレ立てるんですか。許さんです。
そんなやつは水に顔突っ込んで死ねよです。」
猫型ロボット/ドラえもん「まったく1は駄スレばかり立てて勉強しないんだから」
猫型ロボット/ドラミ「1たら本当に世話がやけるわね」
先生/のびたの先生「こら1!宿題を忘れて駄スレばかりたてて。廊下に立とれ!」
母/>>1の母「すいませんうちの1が駄スレをたててしまって・・・」
父/1の父「駄スレばかり立てるんじゃないわかったか!」
管理人/ひろゆき@管理人「1のスレを駄スレと見抜けない人には掲示板を使うのは難しい。」
127 :
最凶の道化:04/05/07 20:33 ID:3/URQ2KU
,..-──- 、
/. : : : : : : : : : \
/.: : : : : : : : : : : : : : ヽ
,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :', 殺し合いねぇ…キキキ…
{:: : : : :i '⌒' '⌒' i: : : : :}
{:: : : : | ェェ ェェ |: : : : :}
. .{ : : : :| ,.、 |:: : : :;!
ヾ: :: :i r‐-ニ-┐ | : : :ノ
_∧ ゞイ! ヽ 二゙ノ イゞ‐′ ∧
( \ __/ \` ー一'´丿 \ . //~⌒ヽ スチャ
|( ● )| i\ _,,ノ|、  ̄/// / \ /i |( ● )|
\_ノ ^i | _,,..r''''" ノ | \`', / / / ̄`''ー | i^ ゝ_ノ
|_|,-''iつl/´ ヽノ| /\ / 、│ l⊂i''-,|_|
[__|_|/〉ヽ、 / |/ );;;;/\/ 'く /〈\|_|__]
[ニニ〉 ', ヽ. | /⌒| / ゚/ / 〈二二]
└―' '─┘
128 :
↑:04/05/08 13:46 ID:+sPvR0MV
バーか。
このスレもうだめぽ。
アヒャの首チョン書いた奴は死んで詫びるしかないな。
131 :
珍味:04/05/08 19:25 ID:LPA/2dyd
132 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/09 17:09 ID:uuude3DP
アヒャを強くしたらどうだろう?
133 :
うひょひょ:04/05/11 20:49 ID:fUan923U
俺はこのスレが好きだ!!
このスレの復活を心から願う!!
同志、職人の降臨を烈しくキボンヌ!!!!!
あげちゃえ!!(ひとこ無いから)
D-5のビルの前―――
【男子20番】モナー達は相変わらず語らっていた。
ずっと不良だと思っていた【男子7番】ギコや【男子15番】ネーノがそんなに恐ろしくなかったこと。
ネーノと【女子21番】レモナに意外な共通点があったこと。
話せば話すほどみんなの意外な一面があらわになってくる。
やっぱりこれがクラスメイトの本当の姿モナ・・・
ほんの数日前までは普通のどこにでもいるような中学生だった。
しかし、いきなりこのゲームにぶち込まれていきなり殺し合いをさせられている。
なぜこんなことをしなければならないんだ?もうその疑問は誰も考えなくなっていた。
いや、誰もが心の奥底にしまいこんでしまった。
いくら考えても無駄だ。
今はこうして楽しくおしゃべりをしている。
しかし、もしこの4人が生き残ったら殺しあわなければならない―――
もう考えるのはよそう。
モナーが考えを止めたときだった。
「しぃは・・・本当に幸せだったと思うわ。」
突然レモナが切り出した。
今、背後に建つビルで安らかに眠っている【女子6番】しぃのことだった。
ギコとネーノの大切な人。今はもう永遠に起き上がることのない人―――
「いきなりどうしたモナ?」
モナーは不思議で仕方がなかった。
ギコもネーノも今はそのことをあまり思い出したくないはずだ。
なんでこんなときに・・・
モナーにはレモナの意図がわからなかった。
「だって、ギコ君とネーノ君、二人もの人に大切にされていたのよ。
彼女、とても幸せだったと思うわ。」
そういい終えたレモナの顔はなんだか寂しそうだった。
このときばかりは鈍感なモナーにもなんとなくわかった。
「レモナ。」
「なあにモナー君。」
レモナはモナーの方を振り向いた。
「僕がレモナのことを大切に思うモナ。絶対に・・・絶対に守って見せるモナ。」
今まで守られてばかりだった。しかし、いざというときは。
「( ´,_ゝ`)プッ」
???
「あーっはっはっはっは!」
突然みんなが笑い出す。
「どうしたモナ?なんかモナ面白いこと言ったモナか?」
モナーは唖然としていた。
「ありがとうモナー君。」
笑いながら、涙眼になりながらレモナがそういった。
「大好き」
!!
そういうとレモナはモナーに口付けした。
【残り15人】
このスレは崩壊した。
一人の書き手のために。
あれ―――――何で俺は生きてるんだ?
暗いビルの中アヒャ【男子2番】は目を覚ました。なぜか視力が戻っている。アンビリーバボー。
「目を覚ましましたか。アヒャさん。」
妹【女子12番】はそういうとまた何か作業を始めた。
「で・・・俺は何で生きてるアヒャ?八頭身に背骨を折られて意識を失ったはずアヒャ。」
そのとおり。あれが夢だったとは何より思いがたいしそれに背中の痛みが証明している。
「それは・・・・・・・・」
妹は声を止めた。足音が聞こえる。
妹は急いでドアに走りより、鍵を閉めてドアから離れた。
バキィ!そう音を立てるとあっけなくドアが蹴破られていた。
「ここにいたのか。
>>1さんのため僕は優勝しなくちゃならないんだ。悪いけど
死んでもらうよ。」
そう八頭身【男子16番】がいうと妹にマシンガンをかまえ――――
「やめるアヒャ!!八頭身!!」
静寂を破る声。
「君から死にたいのかい?」八頭身はそう聞くとアヒャにマシンガンをかまえた。
妹はもうなにがなんだか分からないような表情をしている。
「
>>1さんを殺したのは・・・・・・・・俺アヒャ。俺は抵抗しないアヒャ。
だからせめて妹だけは見逃してやってほしいアヒャ。」
八頭身と妹は驚いたような表情をしている。クソッたれ。殺すんなら早くしろ。
「そうか・・・・分かったよ。妹は見逃す。だけどお前は絶対許さない。」
俺の命も残り少ない。人生でも振り返るか。
【残り15人】
unnnkoijijyijkijv
142 :
(=゚ω゚)ノ ◆8mJcqZK61A :04/05/17 00:08 ID:pR3APn5B
俺はなんのために生きていたアヒャ?
俺はなんのために生まれてきたアヒャ?
>>1さんを殺す為?…違う。
このゲームで殺される為?…違う。
俺 は 何 の 為 に 生 ま れ て き た ん だ ?
一人の男は目を開けた。
その瞳には、赤い壁、泣き崩れる女、自分に殺意を向ける男が映っていた。
自分に殺意を向ける男は言った
「もう覚悟はついたかい?」
泣き崩れる女は言った
「お願いです!やめて下さい」
一人の男は言った
「ああ、早くしろアヒャ」
その声と同時に黒い塊の口は一人の男の頭に向けられた。
一人の男は目を閉じた、自分の体内に光が入るのを拒んだ。
もう終りなのか…
一人の男がそう思った、そうなるハズだった。
「ブシュ」
体の肉が引き裂かれる音。
もう何回も聞いた、永遠に聞きたく無い音。
一人の男は思った。
ああ、目を開けたら地獄かな?
だって人殺しだし。
一人の男は自嘲気味に笑った。
しかし、一人の男は異変に気付いた。
「何故死なないアヒャ?」
そう喋ると目を開けた。
一人の男の瞳には赤い液体が滴った刃、それを持つ女、右肩から下が45度ほどずれている男。
「はあ?」
一人の男からはその声が出た。
同じ時に
「うああああああああああああああああああああああ」
断末魔の叫び声。
刃を持った女は言った
「早く、逃げましょう!!」
まだ俺には運が向いてるアヒャ。
【残り15人】
ageてしまった…
首吊ってきます_| ̄|○
アヒャは動かなかった。いや動けなかったと言った方がいいだろうか。
俺はまだここで死ぬわけには行かないアヒャ。じゃないとなんで首輪を外したアヒャ?
な ん で 体 が 動 か な い ア ヒ ャ ?
アヒャは背中の痛みのせいだと認めなかった。俺はあいつのためにここで死ぬわけには行かないアヒャ!
なんで体が動かないアヒャ!
ああ・・・・コリンズ。俺はここまでかもしれないアヒャ。スマソ。
小学校の頃アヒャアヒャ言ってる基地外野郎とレッテルを貼られたアヒャね。
そんな時―――――希望がお前。コリンズだったアヒャね。
よくコリンズとつるみいろんなこといっぱいしてきたアヒャ。
コリンズの家に遊びに行ったとき一緒に見てたニュース・・・・・・それがネオ麦茶事件
だったアヒャ。俺達はそれを見て尊敬したアヒャ。そして一緒に牛刀を買いに言ったアヒャね。
覚えているか?ってあいつはもうあの世だもんな。聞こえるはず無いアヒャね。
アヒャヒャヒャ・・・・・・・・・。
もう手遅れだった。このスレは。
億単位の制作費をかけて創られるはずだった、AAバトルロワイアル5。
AAサロン社の人気シリーズで、前作4はシリーズ最高の傑作と評された。
撮影は最初は順調だった。
だが、この映画のシナリオは複数の書き手によって作られる。そこが面白いのだが、今回はそれが負の方向へ働いた。
ある一人の書き手が引き起こした、アヒャ首切り復活事件。
これは、スタッフを失望させた。スレは停滞した。
もうダメだった。
それでも一部の書き手たちは微かな希望を信じ書きつづけたが、最早修正不能だった。
特定のキャラだけが使用され、話は矛盾が積み重なった。
そして、遂にその日がきた。
打ち切り。
どうしようもなかった。
>>145はいそこ、勝手に打ち切らないように
ッパ【男子13番】とおにぎり【男子6番】はあの『線』を見つけた、近くのところの廃屋の中に居た。
「じゃぁ説明するよ。」
おにぎりが小さく頷く。
「さっきみつけたアレ。アレは多分電線。AABR本部へ電気を供給しているはず。
だとするとアレを切れば、メインコンピューターを管理できなくなる。つまり首輪は爆発しないはず。その間にコンピューターを破壊する。」
「えーっと、コンピューターの電源が落ちるなら壊さなくて良いんじゃない?」
おにぎりが訊く。
「いや、多分非常電源みたいなものがあるはず。それを付けられたら終わり。ドッカン。」
「・・・・・・・」
おにぎりが口ごもる。
「でもねおにぎり君。それが付く前にそのコンピューターの所につけば・・・・」
ッパが一息入れ、
「首輪と一緒に壊す事はできる。」
おにぎりは、
「そ、それって死んじゃうってことじゃないか!」
と怒鳴る。
「そりゃぁ僕だって死にたくないけど…」
ッパは少しテンションをageて、
「まぁそこまで着くぐらいだったら壊せるでしょ。」
「ッパ君ねぇ…」
「さぁ、この廃屋を出るよ。もう作戦は決行する。」
おにぎりは、なぜこんあ早く?と訊こうとしたが、ッパはもう友達が死ぬのは嫌だ、と考えていることを悟った。
「・・・・・・」
「ねぇおにぎり君。」
「何・・・?」
「あんな遠くにあるものどうやって切るの?」
その線は人が行くことのできる崖から3m程離れていた。
このAABRで支給されている、一番長い刃物でも届かないだろうし、ッパと工具など届くはずがない。
「そ、そりゃぁこれで…」
ッパがッパ!とではなくゆっくりと銃を取り出した。
フーン、弾を当てろと。
「無理じゃない?」
「いや、打ちまくれば一発ぐらい…」
「・・・・・・・」
再び沈黙が流れる。
「まぁ仕方ないか・・・」
おにぎりも銃を取り出す。
「よし、じゃぁ12の3で撃つよ。」
おにぎりが頷く。
「12の3!」
パァン
パァン
パァン
何度か銃声が響く。
「肩痛ッ!」
二人が声を合わせて言う。
しかし、線は切れていない。
今度はきちんと狙いを定める。
パァン
また銃声。
パァン
また銃声。
線は切れていない。
プチッ
「この〜〜〜〜!!」
パァンパンパパバンパッパパァン!!!!
連続で銃声がなる。
撃ちまくったのはッパだった。
おにぎりは耳を塞ぎ、目を瞑っていたが、
「やった!!」
と言う声で目を開けた。
「切れた?」
「切れた!これで、本部の電力は…―――――」
ッパが言葉につまる。
おにぎりは線を確認した。
確かに線は切れていた。
海に上に線が浮いていた。
じゃぁ何?
おにぎりはAABR本部の方を見た。
電気はついていない筈だけど…
「あれ?」
【残り15人】
いやあ。あの時は泣いたよ。コリンズ。あんなとこでお前が逝っちまうなんてな。
中学1年の夏休み。お前は家族と旅行へ行くと言ってどっかへ行っちまいやがった。
退屈だったな。なんせお前以外友達いないんだもんな。牛刀を磨きながらテレビ
をみてたら「ただいま!ハワイ行きの飛行機がハイジャックされました!
乗客は50名!すごい状況になりました!」そのニュースを見て内心ドキッとしたよ。
その飛行機がお前が乗って行った飛行機そのものだったもんな。
そして飛行機会社や政府の取った行動は何だと思う?戦闘機3台ほどでたったひとつの飛行機を攻撃しやがった。
乗客関係なく。無差別に。攻撃しやがった。もちろん墜落したよ。10秒ほどでな。
左翼右翼が折れて。本体からも火が吹いて。そして爆発。あらまあなんてことでしょう。
俺は恨んだよ。あんな形で解決させやがった政府を。俺は物心ついたときから
牛刀を持って政府に関係する奴をぶった切ってきた。無差別?それは政府の作った事だろう。
住民に震え上がらせすごい悪人に仕立て上げることをしたかったんだろう。
フン。俺は生き延びる。そしてこのゲームで優勝したら。死んでもいい。
死んでもいいからモララーの首をこの牛刀で必ず取る。殺してきた奴にはすまないと思ってる。
だから。コリンズのかたきを取る。モララーを殺してみせる。天国で見ててくれ。
コリンズ・キユ・毒男・
>>1さん。そのためにも。まずは八頭身をどうにかしなければならない。
アヒャは力がみなぎるような感じがした。
「妹!すぐ逃げろ!ここはどうにかするから!!窓から突っ走れアヒャ!!」
「いやなのです!アヒャさん1人おいてけないのです!」
アヒャハァ・・・・とため息をつくとまた言葉を続けた。
「早くしろアヒャ!!すぐ追いつくアヒャ!!窓からまっすぐ走れアヒャ!」
「・・・・・わかったのです。すぐ追いついて下さいね!?」
妹はそのまま窓から何も言わずに走っていった。
――――――これで、いいアヒャ。―――――――――――――――
アヒャは壁に立て掛けていた牛刀を拾い上げるとそのまま八頭身の体に向け突進していった。
「アヒャアアアアアアアアアアアア嗚嗚呼ああ嗚呼!!」
八頭身はスイとマシンガンをかまえるとそのままフルオートで連射した。
アヒャの体の所々に当ったのだけどもそれにも動じなかった。
今アヒャ!!ブッ刺せるアヒャ!!
ゴッ
八頭身にも何があったかわからなかったらしい。驚いた顔をしていた。
な ん で 刺 さ ら な い ア ヒ ャ ?
アヒャはそのままゴッゴッゴッとなんども八頭身の体に刃をつきたてたのだけれども
刺さらなかった。
ぱぱぱぱぱぱぱ
ズルリとアヒャの体が地面に落ちると八頭身はなるほど。と思った。
「へえ〜。これって防刃の能力もあるんだ。」
「なあ。アヒャ。」「ん?なにアヒャ?コリンズ。」
「お前ニュース見たろ?最近はニュースでも糞なことばっかだ。」「だから?」「だ・か・ら」
「この牛刀をもって二人でいつか糞政府を潰そうぜ?」
【残り14人】
妹は走った、ひたすら走った。
後ろを振向きたかった、振向けなかった。
銃声が鳴響く、ふと、後ろ向く。
なんとなく、なんとなく、全てがわかった気がした。
そこで、彼女の足は止まった。
「君との約束は守ってあげる。でも…
あの人は僕が手を出さなくても死ぬと思うけど?」
穴だらけ肉塊に声をかける男はそう言い、笑みを浮かべた。
暗く、底の深い笑み。
【残り14人】
150 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/18 15:37 ID:PeLIV0nf
ただいまこのスレを死ぬ気でコピーしてます。
どうせ消えたら見れなくなると言うわけで
死ぬ気でコピー(修羅場
アヒャさんかっこイイ!
どうせなら最後辺りまで伸ばしてくれ>職人さん
モララー【担当官】はアヒャが死ぬ様子を本部から覗っていた。
「ふ〜ひやひやしたよ。もし八頭身が殺されるとヤル気の奴が1人になっちゃうからな。
そんで持ってそいつが殺されると脱出思考の奴とかしか残らないからな。首輪を全部
爆発させなきゃならない。そしたら給料が・・・・おっとこれは言っちゃダメだな。」
参謀は泣いていた。モララーは笑い出した。
どうせ自分が泣いていることなのだろう。言わせておけ。そう思っていた。
だが予想とは違った。
「反AABRの参加者。そんなに子供が死ぬと悲しいかいww?」
え?
モララーは続けた。「知っているよ。君の素性も。全部。反AABRかぁ・・・・。
君は使えると思ったんだけどねぇ。」
すでに参謀は手にもっていたAKを構えていた。
「うん。そうくると思ってたw。」モララーは一言言うと自分がさっきまで座っていた
ソファーを立て参謀の弾を避けた。
参謀は弾を詰め替える時にはもう遅かった。モララーがしゃがみこんでいた
ソファーから立ち上がりハンドガンをかまえていた。
ドゥン
参謀の両腕が朱にそまっていた。「がっががががぐ!!」そう叫び声をあげると
モララーが「敗因かぁ。そだね。しいていうなら・・・・・・・・・」
―――――――――僕が前回のAABRの優勝者のカンかな?――――――
・・・・・・・・・・・パァンパァンパァン
それを聞いた後の反応が遅かった。もう参謀の頭はぐちゃぐちゃだった。
【残り14人】
穴だらけの肉塊への笑いは突然途絶えた。
「さて、僕も行かなくちゃ」
8頭身は立ち上がった、しかし地面に顔を埋めた。…断末魔の叫び声とともに…
「う、思ったよりも深かったな」
8頭身はそう言い、トマトジュースが溢れている右肩を見る。
緊張が解けたせいか、痛みがズキズキ痛む。
「う、
>>1さん、でも僕は行くよ」
8頭身はそう言い、歩みだした…。
…彼が行き着く先はどこだろう?…
【残り14人】
正直このスレもう馬太目 ぽ..._〆(゚▽゚*)
(´-`).。oO(自分の文章がショボイのもあるんだけどなあ)
>>151 漏れもモララー前優勝者設定で書いてたりした、
そんなわけで微調整して投下、連投スマソ
モララーは死体に向かって話し始めた。
「まったくあの時はビビッたよ、修学旅行は中止で殺し合いだもんな〜
ん?そりゃぁ、ためらいはあった。てゆうか、脱出しようと頑張ったもんさ。
でも脱出しようなんて言っても聞いてくれる奴は一人も居なかったさ。
だから殺してやった。あの分からず屋供をね・・・
この世なんてそんなもんさ、自分は11人しか殺してないのに、優勝だもんなぁ。
優勝した時は全然悲しくなんかなかったね。てゆうかかなり嬉しかった。ひろゆきって言ったかな?担当官が自分の名前を優勝者として呼ぶんだ。そりゃぁ嬉しかった。」
モララーは着ていたシャツを脱いだ。
そのからだには大きな切り傷の跡のがあった。
「見て、この傷。最後の二人になってウララーと殺りあった時の傷。日本刀で切りあったんだ。
時代劇を見るたびに思い出すよ。」
モララーは服を着て、椅子にこしかけた。
「それでだよ?いきなり家に電話が掛かってきて『AABR担当官になれ』だよ?ありえなくない?
まぁ上手く成功すれば高給だし、観戦してるのも面白そうだから引き受けたけど。」
モララーはふぅっと一息つき、
「そんなわけで、このゲームは成功させなきゃならないんで。この世は金だよ。ハッハッハ。」
モララーは椅子に着いていたボタンをポチッと押した。
死体の下に床が無くなり、そのままどこかへ落ちていった。
「残念ながら裏切り者はボッシュートです♪」
【残り14人】
漏れはアヒャ首切り後の話はAABRとして認めんぞ。
勝手にやっててくれ。
157 :
うひょひょ:04/05/20 19:14 ID:4u9tXkEJ
もうアヒャのことをツベコベ言うのはやめよう。
これからこのスレを、前スレを越えるものにすればいいのさ。
それでは職人さん、ひき続き、お願いします。
もう無理だよ。
ていうかつべこべの意味分かってるか?
159 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/21 16:37 ID:zPOraEFX
そんなこと厨房が分かるわけないだろ?
だからほっとけって
>>155修正
モララーは死体に向かって話し始めた。
モララーは懐に銃をしまった。
「そう、僕は前AABR優勝者。すごいでしょ。あの時はビビッタよ…」
―――――――あれは今から18年前の事さ・・・
「わー、AAサロン山が見える〜」
「全く君が良心的発言ばかりするから…」
「やっとかょぅ!疲れたょぅ!」
「モコーリ♪」
「ぃぇぁ」
そう、あれは楽しみにしていた修学旅行当日だった。
みんながいろいろ言ってる中、いきなりマスク被った香具師らがバスに入ってきてなんか撒いて、気が付いたら檻の中さ。
「はい、私が新しい担任のひろゆきです♪」
なんて、聞こえてきて、まぁそこからは「殺し合いします」とか言って皆が焦って、ルール説明があって。
それで僕はいきなり外に出されて…
「ダシューツしようよ!」
僕はみんなにそういったさ、でも皆襲ってきた、銃を、刃を…向けて来て…
だ・か・ら殺してあげたんだよ。あの分からず屋供をね。
僕は殺しまくったさ、11人も殺した。逆に考えれば、11人しか、だけどね。
そして最後の二人、ウララーとの対決さ、二人共、刀しか持ってなかった。
それで、斬りあいさ。結局勝ったのは僕だった。酷い傷は負ったけどね。
痛がってるとこにいきなり放送がかかってきて、「君が優勝」だって。
とにかく嬉しかった。痛みも和らいだ。
―――――――――まぁそんな感じ、
「それでいきなり電話がかかってきて、『AABR担当官になれ』って。ありえなくない?
まぁ成功すれば高給だし、観戦してるのも面白そうだから引き受けたけど。」
モララーはふぅっと一息つき、
「そんなわけで、このゲームは成功させなきゃなんないから、君にここで殺されるわけにはいかんのです。」
モララーは椅子に着いていたボタンをポチっと押した。
死体が横たわっていた所の床が無くなり、そのまま何処かへ落ちていった。
「残念ながら裏切り者はボッシューットです♪」
【残り14人】
161 :
とらたろう:04/05/21 21:22 ID:BgoJ0+rt
アヒャの件が問題なんだから、いっそのことAAバトルロワイアル5を「AAバトルロワイアル IN パラレル」
って題で別物にしたらどう?このスレをスタート(つまり1として)
ある程度の限度内で超能力有で。
このレスの”アヒャ”なんていい例になると思うが・・・
すご過ぎるものはこのスレのアヒャみたく限定条件をつけるとか
こんな提案どう?
提案したとこで関係ない話でスマそ
>>367、それだと今までの話が崩れ去るような気がするんだけど
俺的には、アヒャの復活は面白いと思う。
それにこれは人間じゃないんだからあくまでもAA
の殺し合いだからそれほど、詳しく設定は決めなくてもいいと思う
妹【女子12番】はふらふらと歩いていた。
一体なんなのです?さっきから。好きな人はすぐ死んじゃうし。
せっかくいい人を見つけたと思ったらまた殺されちゃうし・・・・・・・・
でもあいつらは所詮そこまでの人間だったという事なのですだって
dmk;lx;kfl;lzfdj;mん;こぅdfjぽいじぽsgksぽ
gvjンL;kdlkjsgしどぽgどpfpsぎdぽいうdごpごgjd
いじょごおぽいじおおじょpじdgsじょpっごぎjjpじぇgじょjp
何でこんな事を思っちゃうのです!?
「どうすればいいのですか・・・・・・・・?アヒャさん・・・・
>>1さん・・・・。」
「多分死ねばいいのよ。」
へ?
ヒュンヒュンヒュンヒュン。
何か風を切るようないい音がした。(すくなくとも妹にはいい音のように聞こえたが)
ぶすぶすぶすぶす。続いて何かが刺さる音。
「えああああああああああああ!?」背中から立て1列にかけて激痛が走った。
たたたたたたたたたたた。誰かが走る音。
「あ・・・え・・・・・こないd・・・」
「やだよ。せっかくの獲物なんで見逃す必要があるの?」
ドスッ。
首に背中の痛みとはくらべものにならない激痛が走る。
「あ・・・・がえ・・・・・・ゲぽごぷ」妹は口から大量の血液を吐くと、
そのまま息を引き取った。
「やだ!?この子武器持ってなかったの!?」その影の正体は紛れもなくダーヤス【女子7番】だった。
「
>>1さん。アヒャさん。アサピーさん。私結局何のために生まれてきたのです?」
【残り13人】
164 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/25 06:56 ID:Jr3xvCCl
age
ッパ【男子13番】とおにぎり【男子6番】は一体何が起こるのかワクワクしていた。
「ねえ。ねえ。おにぎり君。何が起こるんだろーね。」ッパが言った。
「首輪の無効化とか・・・・本部の爆発!!」「爆発!?おにぎり君・・・・
ありかもしんない。それ。」「でしょでしょ!?」とありもしないような事で盛り上がっていた。
「あ!!!!!」
本部の電気がふっと消えた。「やったー!!大成功だよおにぎり君!!!」
その頃本部の中では・・・・・・・・
「うえあぃ!?」モララーが奇声をあげた。電気がふっと消えたからだ。
「モララー様!!大変です!!中からブレーカーを落とされました!!」
モララーにはもちろん犯人は誰だか分かっていた。なかなかやるじゃないか・・・裏切り者君。
「懐中電灯は!?」「用意してませんでした!!」「何!?」
そうするともう1人の兵隊が連絡をしに来た。
「報告します!!ッパとおにぎりによってあの線が切られました!!」
「何?あの線が・・・・・・・あーっはっはっはっは!!こりゃ傑作だ!!」
「あの・・・モララー様。なんなのですかその線は?」
「実はね・・・・・・・あの線・・・・・・・・」
―――この分校の予備電源のスイッチなんだ――−―
【残り13人】
明かりがついた。
「まあ俺も詳しい話は知らないんでね。あとはBRの技術科の奴に聞いてよ。」
モララーはそう言うとソファーに座り1ぷくを楽しんでいた。
「ハッ!!モララー様。」そういうと兵隊は部屋から出た。
「それにしてもこれ以上ほっとくとあいつら何するかわからないからな・・・・・・」
そういうと首輪を爆発させるリモコンを取り出しボタンを押した。
「ジ・エンド。」
あれ?何で爆発しないんだ?ピッピッピッ・・・・・
まさか!!「あの線・・・・他の電力を吸い取るんじゃないだろな・・・・・・・」
そう思い盗聴器を使ってみた。しーーーーーーーーーーーーーーーーん。
何も聞こえてこない。生徒等を監視するモニターもあのアヒャが死んだ家
しか写らなくなってしまっていた。どう言う訳か禁止エリアだけはちゃんと首輪の機能のうち無効化されていなかった。
「しまった・・・・・報告書に書いておかなくては・・・・・・・・
あの線は失敗だと。」
【残り13人】
「ところで・・・・」
モララーは煙を吐き出しながら、ぽつりと言った。同時に煙草をぽいと捨て、懐から参謀を射殺した件の拳銃(ワルサーPPKS。プログラムの時は、これで2・3人殺した。4・5人だったような気もするが)をすっと抜き出した。
「いるのは分かってるんだ。出てきなよ。別に撃ったりしないからさ」
銃口を宙に泳がせながら、更に言った。その言葉に呼応して、3人の兵士がカラシニコフを構えて現れた。
「これはこれは、゛反BR団体"の皆さん。ようこそエリア51へ。まあ、もともとここに居たんだけどな」
兵士は塑像のように表情を動かさず、ずっとカラシニコフを構えたまま動かない。これも塑像のようだ。
「アハハハ・・・・僕が気付いてなかったとでも思ってるのかい?準備段階でバレてるんだよ、君達の計画は。
兵士としてAABRの本部にもぐりこみ、隙を見て僕を殺し、生徒を回収して脱出する・・・。まったく隙だらけの計画だ。本当に君達みたいなテロリストがよく考えそうな計画だよ・・・」
モララーは独り言のように言葉を紡ぎ、大声で笑った。笑いが止むと、また独り言のような話を続けた。
「僕はここまで知っておきながら、わざと見逃してやったんだ。この機会に君達を排除するようにと、上からお達しがあったしな」
そこまで言ってから、モララーは一旦言葉を切った。何秒か置いて、すぐに続けた。
「さて、やるならやりなよ。そいつで僕を撃つんだろう?そんで、そこのコンソールで首輪を無効にして、呼びかけをするんだろう?
僕は別に構わない。もうプログラムも膠着戦に入ってきたし、ッパとおにぎりが電線を切ったせいで首輪はほとんど機能しない。
どのみちプログラムの続行は不可能だ。だから、僕としては君達を始末して、その後で生徒も殺す。柵に流れた高圧電流はここからでも解除不能だからね。さて、君達はどうする?」
モララーはふっと笑むと、軽く足を動かした。兵士は互いに目配せし、カラシニコフの引き金を引いた。
瞬時にストロボのような閃光が銃口から迸り、銃弾が吐き出されたが、その時すでにモララーはソファごと消えていた。どうやら、床に仕掛けが施されていたようだ。
兵士の1人が禁止エリアを管理するコンソールへと走った。慣れた手つきで、全ての禁止エリアを解除していく。もう1人が放送用のマイクを取って、生徒達に呼びかけを開始した。残りの1人はカラシニコフを構えて、辺りの様子をうかがっている。
「君達、聞こえるか?我々は反BR団体の者だ!我々はたった今、本部を占拠し、全ての禁止エリアを解除した!まもなく輸送機が救出に来るから、至急エリア51まで来たまえ!
繰り返す、全ての禁止エリアは解除した!至急エリア51まで来たまえ!輸送機が救出に来る!君達は全員生きて帰れるんだ!」
「やれやれ・・・・」
モララーは呟いた。彼は本部の隠し通路を出て、ふたたび本部の裏手から中に入ろうとしているところだった。そこで、彼らの呼びかけを聞いたのだ。
「占拠ねえ・・・・。中には兵士だって残っているんだし、政府軍の応援も間もなく来る。ずっと密かに会場の近辺で待機してたからね。テロリストのボロ輸送機なんて数秒で落ちるだろう。それに・・・・・」
――――君達が助けようとしている生徒が、必ずしも脱出を望んでいるとは限らないからな。
八頭身【男子16番】はその放送を聞いたが、彼らと脱出しようとする気持ちは起こらなかった。
彼らと脱出すれば、当然自分はお尋ね者になる。そうなれば、明日をも知れぬ逃亡生活を送ることになり、1さんの供養など到底望めなくなる。
「僕は優勝して・・・・・1さんを弔ってやらなくちゃ・・・。それを邪魔する奴は、誰であろうと・・・・」
ぶつぶつ呟きながら、八頭身は本部へと向かった。
反BR団体とクラスメイトとを殺し、正式な優勝者となるために。そして、1さんを供養するために。
【残り13人】
おにぎり【男子6番】はッパ【男子13番】を必死に説得していた。
「あれは絶対罠だよ!!だっておかしいだろ!?そもそも脱出する気があるんなら
なんで今まで助けずに放置してたんだ!?」
ッパは言い返した。
「罠だと思っても僕は行く!!だって今はつべこべ言ってられないんだよ!?
分かってる!?頭大丈夫!?おにぎり君!!」
「・・・・脱出できたとしてもそこに何が待ってるって言うんだよ!?
当然僕らは居場所突き止められて殺されちゃうんだよ!?」
「うるさい!!馬鹿!!お前なんかどっか行け!!」
そのッパの発言が口論の引き金となった。
「お前・・・・・いっぺん死んでみるか?・・・・・・」
そういっておにぎりはS&Wを取り出してッパに構えた。
「何言ってんだよ・・・・・冗談だろおにぎり君?」
ドゥン。あっけなかった。黙らそうと思ってわざと外そうとした銃弾が見事に
ッパの眉間を貫いていた。
その後は頭から噴水が飛び出し目が見開かれたままッパの体は地面に崩れ落ちた。
おにぎりは銃を投げてそのまま海を走っていた。
「もうやだ。信用してた人にまで裏切られた気分だ。僕は自殺する。」
意味もなく靴がきれいに並べられそう書かれた紙が靴の中に入っていた。
5分後おにぎりは海に儚く浮いていた。具が(たらこ)海水に混じりすごく気持ち悪い色をしていた。
ダーヤス【女子7番】はそんなおにぎりの姿を見送り、拳銃2丁を素早く拾い上げてつぶやいた。
「結局このゲームでは最後の最後で人を信用できなくなったり、裏切ったりするのよ。
前世でまたAABRするんなら人を信用しないようにすることね。」
【男子11人】
ガナー【女子4番】は自転車でエリアを移動していた。
自転車は支給武器ではなく(支給武器はスペツナヅナイフ3本で、ロシア軍の暗殺用武器。
スイッチを押すと刃が飛ぶ代物となっている。大当たりに近い方だ。)
ゴミ捨て場で見つけた。フェラーチョの死体もあった。もっとも彼女は虐められている分けでもないが
ただ単にいるだけでウザかったのでツバを吐きすて自転車で轢いてやった。
彼女はもともとヤル気だった。支給武器で言えば運がいいのだけども、
彼女には人に出会う運が無かった。ねここに出くわしたけどスイッチを押す間もなく
八頭身に射殺された。
ズサアアアアアア。ガナーは自転車ごとこけた。
いてて・・・・あたし今までで一度も自転車でこけた事ないのに・・・・
今日は厄日なのかな・・・・・・
そう思い手を見ると生命線の半分以上が傷になっていた。
――――――今日は本当に厄日か?
【残り11人】
おにぎり【男子6番】はッパ【男子13番】を必死に説得していた。
「あれは絶対罠だよ!!だっておかしいだろ!?そもそも脱出する気があるんなら
なんで今まで助けずに放置してたんだ!?」
ッパは言い返した。
「罠だと思っても僕は行く!!だって今はつべこべ言ってられないんだよ!?
分かってる!?頭大丈夫!?おにぎり君!!」
「・・・・脱出できたとしてもそこに何が待ってるって言うんだよ!?
当然僕らは居場所突き止められて殺されちゃうんだよ!?」
「うるさい!!馬鹿!!お前なんかどっか行け!!」
おにぎりの頭の何かが切れた。
そういっておにぎりはS&Wを取り出してッパに構えた。
「何やってんだよ・・・・・冗談だろおにぎり君?」
ドゥン。あっけなかった。黙らそうと思ってわざと外そうとした銃弾が見事に
ッパの眉間を貫いていた。
その後は頭から噴水が飛び出し目が見開かれたままッパの体は地面に崩れ落ちた。
おにぎりは銃を投げてそのまま海を走っていた。
「もうやだ。信用してた人にまで裏切られた気分だ。僕は自殺する。」
意味もなく靴がきれいに並べられそう書かれた紙が靴の中に入っていた。
5分後おにぎりは海に儚く浮いていた。具が(たらこ)海水に混じりすごく気持ち悪い色をしていた。
ダーヤス【女子7番】はそんなおにぎりの姿を見送り、拳銃2丁を素早く拾い上げてつぶやいた。
「結局このゲームでは最後の最後で人を信用できなくなったり、裏切ったりするのよ。
来世でまたAABRするんなら人を信用しないようにすることね。」
【残り11人】
おにぎり【男子6番】はッパ【男子13番】を必死に説得していた。
「あれは絶対罠だよ!!だっておかしいだろ!?そもそも脱出する気があるんなら
なんで今まで助けずに放置してたんだ!?」
ッパは言い返した。
「罠だと思っても僕は行く!!状況わかってる!?頭大丈夫!?おにぎり君!!」
「絶対罠だって!!兵士が助けるなんて絶対おかしいだろ!?」
「うるさい!!馬鹿!!お前なんかどっか行け!!」
その発言によりおにぎりの頭の何かが切れた。
もうおにぎりもッパも正常な神経を保てなかったのかもしれない。
おにぎりはS&Wを取り出してッパに構えた。
「何やってんだよ・・・・・冗談だろおにぎり君?」
どん。あっけなかった。黙らそうと思ってわざと外そうとした銃弾が見事に
ッパの眉間を貫いていた。
その後は頭から血のシャワーが飛び出し目が見開かれたままッパの体は地面に崩れ落ちた。
「もうやだ。信用してた人にまで裏切られた気分だ。僕は自殺する。」
意味もなく靴がきれいに並べられそう書かれた紙が靴の中に入っていた。
おにぎりは海に入り銃を自分のこめかみに突きつけ―――――
どん。銃声音が響き海水を揺らしおにぎりの抜け殻がぷかぷかと浮いていた。
頭のご飯粒が海に浮かび脳みそ(具。今日はたらこ。)が海水と混じり半透明のピンク色となっていた。
ダーヤス【女子7番】はそんなおにぎりの姿を見送り、拳銃2丁を素早く拾い上げてつぶやいた。
「結局このゲームでは最後の最後で人を信用できなくなったり、裏切ったりするのよ。
来世でまたAABRするんなら人を信用しないようにすることね。」
【残り11人】
ありす【女子2番】は今からどうするべきか考えながら歩いていた。
そこは、いくつもの木が植えてあり、森のような場所だった。
考えるとはいっても全くといって良いほど案は浮かばなかった。
ガサッ
そこの林から音が聞こえた。
ありすは何も武器を取り出さず、黙ってその方向へ近づいた。
ガササッ!
そこにいた誰かが姿を現わした。
「まって…私はあなたに危害を加える気はないから…」
それはモニカ【女子18番】だった。
ありすの目が驚きによってカッと見開かれた。
それもそのはず。モニカには右腕が無かった。
これにはさすがのありすも驚いた。
「あなた…右腕が…」
モニカが小さいが、はっきりした声で答える。
「あぁこれ…?ちょっとやられちゃった…」
「かなり出血してるわね。もうじき死ぬわ。あんた。」
モニカが本当にいまにも死にそうな声で答えた。
「そ、そう…?やっぱり…?」
「一体誰に?」
「確かアヒャ…だった…かな…?」
モニカが急に弱りだした。
「本当は・・・死にたかないけど・・・こんなになったら・・・もう無理だし・・・
だから・・・だから・・・こんなことをした・・・モララーを殺してやりたい・・・」
「!!」
バタッ
モニカは重力に身をゆだね、そのまま倒れた。
ありすはモニカの方へ駆け寄った。
モニカは既に死んでいた。
ありすは立ち上がり、心の中で呟いた。
解かったかもしれない。
第三の道。それは…
-ただ、モララーを殺してやる事だったのかもしれない-
【残り10人】
173 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/30 20:06 ID:LAJOz+ze
age
放送忘れてたんで修正ーーーー
「フーン、今更こんな放送を・・・」
ありす【女子2番】は今からどうするべきか考えながら歩いていた。
そこは森のような場所だった。
その途中で、あのBR反対組織の放送を聞いた。
しかし、これは考えるまでもなく答えが出た。
「無視。」
まず、あてにならないから。そして何より、禁止エリアが心配だから。自分だって死にたかない。
そして、先程考えていたことに頭を戻す。
考えるとはいっても全くといって良いほど案は浮かばなかった。
ガサッ
そこの林から音が聞こえた。
ありすは何も武器を取り出さず、黙ってその方向へ近づいた。
ガササッ!
そこにいた誰かが姿を現わした。
「まって…私はあなたに危害を加える気はないから…」
それはモニカ【女子18番】だった。
ありすの目が驚きによってカッと見開かれた。
それもそのはず。モニカには右腕が無かった。
これにはさすがのありすも驚いた。
「あなた…右腕が…」
モニカが小さいが、はっきりした声で答える。
「あぁこれ…?ちょっとやられちゃった…」
「かなり出血してるわね。もうじき死ぬわ。あんた。」
モニカが本当にいまにも死にそうな声で答えた。
「そ、そう…?やっぱり…?」
「一体誰に?」
「確かアヒャ…だった…かな…?」
モニカが急に弱りだした。
「本当は・・・死にたかないけど・・・こんなになったら・・・もう無理だし・・・
だから・・・だから・・・こんなことをした・・・モララーを殺してやりたい・・・」
「!!」
バタッ
モニカは重力に身をゆだね、そのまま倒れた。
ありすはモニカの方へ駆け寄った。
モニカは既に死んでいた。
ありすは立ち上がり、心の中で呟いた。
解かったかもしれない。
第三の道。それは…
-ただ、モララーを殺してやる事だったのかもしれない-
【残り10人】
づー【女子8番】は舌打ちしてベットにもぐりこんでいた。
でぃ【女子9番】だけならまだしも余計なオプションがついていたからである。
その存在はガナー【女子4番】だった。ガナーを最初に殺す手もあったのだけどそれはしなかった。
まず手にナイフが握られておりリーチならこっちが上だが近づかれると勝てる見込みがない。
さらにガナーに勝てたとしてもでぃである。でぃの武器がハズレでない限り
絶対に勝てない。ガナーを襲ってる隙に撃たれたり切られたりしたらこっちがやばくなる。
どうすればいい、どうすればいい・・・・・・
「そこにいるのは誰!?」ガナーが言った。
チッ・・・・・この状況で見つけられちまったか・・・・・・・
づーは観念してベットから出た。もちろん手に金属バットを握って。
「何だ・・・・あんたか。」ガナーはそう言った。
「私たち仲間を探してるの。仲間にならない?」ガナーはさらにそう聞くとすぐさまでぃは口を開いた。
「・・・・ダメよ。こいつは。ガナーちゃん。いつ裏切られるか分からないわよ。」
「あんた自分が何いってんのかわかってんの?こんな状況下でそんなこと言ってもしょうがないじゃない。」
「こんな状況だから言ってるのよ。いつ寝首をかかれるかわかんないわ。」
でぃとガナーは口ゲンカをしだした。チャンスは今だけ・・・・忘れてたわ・・・・・
私の目標はガナーじゃなくでぃ・・・・・・アイツダケ!!
づーは金属バット振り上げてでぃに突進していった。
「ああああああああああああああああああああああああああ!!!」
チャンスは・・・・・今!!
づーはそのまま勢いに乗り金属バット振り下ろした。
ドゴッ。手ごたえがあった。流石に殺した相手が長年恨みを持っていたでぃといえども
人が死ぬのは見るに耐えなかった。
目を開けるとづーは驚愕した。
視界にあったのは驚いた表情のでぃと顔の潰れて痙攣しているガナーだったからだ。
【残り10人】
F-4の廃屋―――
そこに【男子13番】ッパ達はいた。
「ねぇ。」
【男子6番】おにぎりが突然話し掛けてきた。
「なんだい?」
ッパにはおにぎりの言いたいことがなんとなく分かっていた。
「さっきの放送。どう思う?」
やっぱり・・・ッパはそんな表情をした。
そのことならさっきからずっと考えている。
『あの線』を切ってからここにつくまで。ずっとだ。
あんなもの罠に決まっている。
と言いたいが、放送の声は確かにモララーではなかった。
ほんの少しの希望にかけて見るか?
いや、あれが罠だったら禁止エリアに引っかかってドカンだ。
でももし本当だったら?本当にこの糞ゲームから脱出できるとしたら?
たぶん今はいくら考えても無駄だろう。
「あれが本当だという確証はないよ。もう少し様子を見よう。」
そうするべきだ。その「もう少し」の間に殺されてしまうかもしれない。
だけど、みすみす自分から訳もわからないものに突っ込んでいく必要はない。
ッパは自分で納得していた。
「ッパ君がそういうなら僕は信じるよ。確かに僕も怪しいとは思ってたんだ。」
良かった。そうだよな、今まで一緒に頑張ってきたんだ。
そしてこれからも―――
「いっしょにお菓子を食べませんか?」
「ワショ――イ!」
【残り12人】
づー【女子8番】は舌打ちしてベットにもぐりこんでいた。
それは5分前のことだった。暗殺しようとしてでぃ【女子9番】に忍び寄ったまではいいが
ガナー【女子4番】がでぃの事を心配になって様子を見に来た。それだけの事だった。
ガナーを先に殺すのが一番いいのだがそれはしなかった。
まず手にナイフが握られておりリーチならこっちが上だが近づかれると勝てる見込みがない。
さらにガナーに勝てたとしてもでぃである。でぃの武器がハズレでない限り
絶対に勝てない。ガナーを襲ってる隙に撃たれたり切られたりしたらこっちがやばくなる。
しかもそれ以上に問題なのは位置関係だった。ガナーはでぃの隣にいたのである。
でぃにもし向かって行ったとしてもガナーに横から刺されるのがオチだろう。
どうすればいい、どうすればいい・・・・・・
「そこにいるのは誰!?」ガナーが言った。
チッ・・・・・この状況で見つけられちまったか・・・・・・・
づーは観念してベットから出た。もちろん手に金属バットを握って。
「何だ・・・・あんたか。」ガナーはそう言った。
「私たち仲間を探してるの。仲間にならない?」ガナーはさらにそう聞くとすぐさまでぃは口を開いた。
「・・・・ダメよ。こいつは。ガナーちゃん。いつ裏切られるか分からないわよ。」
「あんた自分が何いってんのかわかってんの?こんな状況下でそんなこと言ってもしょうがないじゃない。」
「こんな状況だから言ってるのよ。いつ寝首をかかれるかわかんないわ。」
でぃとガナーは口ゲンカをしだした。チャンスは今だけ・・・・忘れてたわ・・・・・
私の目標はガナーじゃなくでぃ・・・・・・アイツダケ!!
づーは金属バット振り上げてでぃに突進していった。
「ああああああああああああああああああああああああああ!!!」
チャンスは・・・・・今!!
づーはそのまま勢いに乗り金属バット振り下ろした。
ドゴッ。手ごたえがあった。流石に殺した相手が長年恨みを持っていたでぃといえども
人が死ぬのは見るに耐えなかった。
目を開けるとづーは驚愕した。
視界にあったのは驚いた表情のでぃと顔の潰れて痙攣しているガナーだったからだ。
でぃは何が起こったのか分かっていた。ガナーちゃん・・・・・なんで・・なんで・・
私なんか守ったの?
でぃにはガナーが潰れた顔でニコッと笑ったように見えた。しばらくして痙攣が止んだ
これはもうガナーの魂があの世へ帰ったという証拠だった。
許さない。絶対に許さない。づー!!
づーとでぃはしばらくにらみあったまま対峙していた。
【残り11人】
178 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/04 18:02 ID:1I5jA4ME
↑ 兵器補給廠 *野*村*哲*也*
| タヒネズミ血手系漏れらミモンヒ素意図
| UGサーチライ お花畑三十郎
| RIP
| みかんこみばえ 68至れスも昼しりにモ化ひれ氏
┼ TEMPTER おやすみず ほほィ ぶるー3
| 修正職人 Cat acid
| SpitfireMkI バントライン Antonio ふらっと
| TM ナナスィー test人 ギコバーミヤン
| 再殺部隊 七瀬さん りえ
| 不審者 まだ名無し しのやん
↓ 臨時大会委員 でし。 ( ● ´ ー ` ● ) さくたんさくたん
↑ 兵器補給廠 *野*村*哲*也*
| タヒネズミ縦粉比せと四問期゚意図地セもヒンやソ゜イ弾も引けエデン間も個や絵消し瀬
| UGサーチライ お花畑三十郎
| RIP
| みかんこみばえ 68とちスコレラの無しと目費のなめし
┼ TEMPTER おやすみず ほほィ ぶるー3
| 修正職人 Cat acid
| SpitfireMkI バントライン Antonio ふらっと
| TM ナナスィー test人 ギコバーミヤン
| 再殺部隊 七瀬さん りえ
| 不審者 まだ名無し しのやん
↓ 臨時大会委員 でし。 ( ● ´ ー ` ● ) さくたんさくたん
179 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/04 18:03 ID:1I5jA4ME
ごめん
コピペ間違ったうえにageてしまった
しかも文章消えちゃったよ
180 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/04 18:08 ID:1I5jA4ME
さがしてみたけど文章やっぱり消えてた
ほんとにごめんなさい
ゆるしてください
またageちゃった
ほんとにほんとにほんとにごめんなさい
どうかyゆるしてくだされ
放送を聞いて、モナーとレモナとギコとネーノの四人は、考えを巡らせていた。
モナーはどうもさっきの件の驚きから抜けきれていないようだったが、
レモナはもう真剣な顔をして考えこんでいた。
ギコは時々思い出したように耳の後ろをぽりぽり掻き、そして腕を組んだ。
ネーノはずっと下を向いていた。
「論外だ」
そう口を開いたのはネーノだった。
ほかの二人も黙ってうなずく。
少し経ってからぼんやりしているモナーが周りを見て、ちょっと焦った声で
「モ、モナもそう思うモナ」と言った。
「只、このゲームの本部がこんなことをやるとは考えにくいんだ」
ネーノがゆっくりと言う。
「だって、一応このゲームには結構な金がかかってるし、上のほうでは
かなりの金賭けてトトカルチョみたいなのをやってるみたいだし……」
でも、とネーノが言った。
「これがホンモノの正義の味方だとしても、論外だよ。
輸送機なんてこの島に居る兵士の装備があれば一撃だよ。首輪は、まぁ
大丈夫かもしれないけど――」
「ちょっと待てや」
喋ったのはギコだった。
「死人が殆ど出てない……多分やる気の奴は八頭身くらいなもんじゃないか?
もうこのゲームは膠着してる……それで首輪が無効になったとするなら、
俺たちを殺しに来る可能性がある」
「もうわかんないモナ」
モナーが深くため息をついた。
「何故誰もこない・・・?」
反BR組織の一人が生徒の所在地を写したレーダーを見ながら言った。
「だから言ったんだ。」
何処からか声がした。
「モ、モララー!?何処にいる!」
「フフフフフフフ・・・」
パララララララ
突然何処からか銃弾が雨の用に飛んできた。
組織の数人がグッと唸り、絶命した。
「何が起こった!?」
組織の数人が驚愕して、叫んだ。
「バカだなぁ・・・ここはAABRの本部なんだよ?そんな簡単に占領なんかできるわけないじゃない。
ここはね。忍者屋敷みたいに改造してあるんだ。」
突然ガチャンと音がした。組織の人間がその方向を見るとモララーが手ぶらで立っていた。
「こ、この!」
組織の人間がマシンガンを連射した。
が、そこにモララーは居なかった。
「な、落ちた!?」
モララーは消えたのではなく、突然空いた穴に落ちたのだった。
「アハハハハハハハハハ!無駄無駄!ここは僕の庭だからね!」
するとまた突然どこからか矢が飛んできた。
それが一人の心臓に命中した。
「アハハハハハハハ!逃げ惑いなよ!ここなら僕は姿を見せなくても喪前らを殺すことができるんだからな!」
パラララララララ
また銃弾が飛んできて、数人が倒れた。
残りは一人となった。
「アハハハ。残るは君一人だね。大丈夫苦しませずに殺してあげるから。」
するとその残りの一人が話し始めた。
「全く君は変わったょぅ。昔はあんなにマターリしてたのにょぅ。」
モララーの眉がピクッと動いた。
モララーが天井からシュッと飛び降りてきた。
「お前は…何故生きているんだ、お前は俺が18年前のBRで殺したはずだ!!」
その一人がパサッとフードを脱いだ。
「ぃょぅ!!!!!」
「フッ・・・そうだょぅ。確かに僕はお前に殺されかけたょぅ。でも生きていた。それだけの話だょぅ。」
「で、でもどうやって脱出したんだ!?」
「あの首輪はナイフとマイナスドライバーを使えば外せるんだょぅ。」
「そうか・・・しかし君は反AABR組織に入っているんだろう?なら・・・」
モララーがマシンガンを構えた。
「僕の敵だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
パラララララララララララララ
モララーはマシンガンを連射した。
ぃょぅはそれらを走って避けた。
「僕もこの18年間で特訓したんだょぅ。」
ぃょぅは懐からべレッタを取り出し、モララーを撃った。
銃弾はモララーの肩を捕らえた。
「ぐぁ!」
ぃょぅが上から落ちて来て、日本刀振り下ろし、モララーの頭にあたる寸前で止めた。
「もうだめだょぅ。今から僕の命令にしたがうょぅ。」
ぃょぅは日本刀を片手で構えたままべレッタを取り出しモララーに向けた。
「フフフ、それは残念ながらできないな。」
モララーは手にしていたボタンを押した。
ジリリリリリリリとサイレンがなった。
「フフフ、もうじきこの予備校中の兵士が来る。お前はまず殺される。」
「くっ」
ぃょぅはバリンと窓ガラスを割って飛び降りた。
「え?ここは3階。」
モララーが窓から身を乗り出し、外を見ると、日本刀を抱えて走っていくぃょぅの姿が見えた。
「フー全く・・・」
モララーはなんとなく地面を見下ろした。
すると何か空き缶のような物が転がっていた。
「ん?・・・手榴弾か!!?」
モララーはいそいでそれを拾い上げ窓から投げ捨てた。
ドォー――ン
大きな音をたてそれが爆発した。
「うわっ!」
予備校のガラスが数枚割れた。
「全くやってくれたね・・・」
しばらくして、兵たちがやってきた。」
「全く君たちも君たちだ。いくらこのサイレンがなるまで絶対持ち場にいろって言われてても普通あんな放送があったら来るだろ?」
モララーがフゥっと息を吹いた。
「まぁいいや、君たちに特殊任務を与えるからな。この島に生徒じゃない香具師が紛れ込んだからそれを殺すんだ。いいな?」
兵士達がハッと敬礼し、部屋から出て行った。
「あ、そうそう。」
モララーはそういうと椅子に座り放送を始めた。
ピーンポーンパーンポーン
「えーっとさっきは何処かの糞どもが変なこと言ったけどあれは全部間違いです。脱出は無理です。エリア51に来たら死んじゃいますんで、絶対来ないで下さいね。給料引かれちゃいますから。以上です。皆頑張って殺し合いしてね♪」
ピーンポーンパーンポーン
モララーは疲れた用にハァっと息を吹いた。
「あと、あいつだけ殺せばすべて丸く収まるからな。」
【残り11人】+ぃょぅ
185 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/07 18:22 ID:YN8C0wnm
保守
186 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/08 01:32 ID:Tksaln/b
GOOD!
駄文ばかりだな・・・。
モララーの放送を聞いた途端、場に妙な空気が流れた。
「やっぱり……」
レモナが小さく呟く。
その『やっぱり』が、『やっぱり』行かなくて良かったという安堵の言葉なのか、
『やっぱり』脱出なんて不可能なのかという絶望の言葉だったのかは、モナーには図りかねた。
しかし、ともかく退路はたたれたのだ。
残りの道は、ここで殺されるか、優勝するか、知恵を絞って脱出するかという三つの道に絞られたという事になる。
――一番理想的な道は三つ目なのだが、果たして可能なのだろうか。
モナーはどうも、このことについては希望を持つことができないのだった。
「これからのことなんだけど」
レモナが場の皆を見渡して言う。
「いつまでもここに居てたってしょうがないわ。皆、どうするの?」
ネーノはいつも通りの表情でレモナを見つめている。
ギコは眉根を寄せ、呟くようにいった。
「俺は――無謀かも知れねえけど、あいつを殺してえ」
あいつ――無論、八頭身の事であろう、その単語を口にしたとたん、ギコの目の中で燻っていた炎が一気に燃え上がったように、モナーの目には映った。
レモナは、そう、と呟いてネーノの方へ顔を向けた。
「あなたは、どうするの?」
「さっきも言ったとおり、俺はそんな危ない真似はしないよ。
やる気になっているヤツだって、ひょっとしたら八頭身だけじゃないかもしれないしね」
ネーノはそう言いながら、何か紙をがさがさと広げた。
地図の裏側に、何か汚い字で書きつけてある。
それはどうやら、死者の情報らしかった。全生徒の名前が書き連ねてあり、死者の名前が傍線で消されている。
「――こんなの良く書いていたわね」
「ああ、何か役に立つと思ってね」
ほんの少し嫌悪感に顔をゆがめたレモナに、何とも思ってなさそうな顔で答えて、
ネーノはペンを手にした。
先程放送で流れた名前に線を引いていく。
ペン先が真っ黒な線を引いていくのを、モナーはぼんやりと眺めていた。
もはや、この行為に残酷だとか、そういった感情は沸いてこなかった。
慣れてきたのだろうか、とも思う。
よどみなく動いていたペン先が、一箇所でふと止まった。『しぃ』と書かれている、その一センチほど上で。
「――ネーノ」
ギコが小さな声で言う。その言葉が何を意味したのか、モナーには分からなかった。
しかし、ネーノには何か伝わる物があったらしく、ペン先はしばらく空中を彷徨って、やがて引っ込んだ。
「今生きているのは、俺たち、おにぎり、ッパ、ダーヤス、モニカ、ありす、づー、でぃ、妹、ガナー、そして八頭身だね」
キュッキュッとその名前を円で囲んでいく。優勝候補者。ふと、そんな単語が脳裏に浮かんだ。
とんとん、と八頭身の名前の横をペン先で指し、そこにバツ印をつけて、
「こいつはもう、やる気になっているのは決定だろう」
そう言いながら、再びペン先を今度はおにぎりの横に持っていき、ネーノは顔をあげ、モナーを見た。
「モナー君は、おにぎり君と友達だろう。彼の性格では、もうやる気になっていると考えられるかな」
モナーはその問いに、首をかしげた。
賑やかで、朗らかなムードメイカーといった感じのその友人に、『殺人』という言葉は似つかわしくないように思える。
それに、まだ共通の友人であるッパも生きているのだから、二人で行動しているという考えもできるのでは無いか。
ッパ自身も、やる気になるようなヤツにはモナーの目には映ったことは無かったし。
モナーは自分の考えをネーノに話した。
ネーノは頷き、ッパ、おにぎりの名前の横に丸印を描いた。
「性格で判断するのも……やる気になっているかもしれないわ。八頭身だって――」
「分かってるさ。僕はあんまり彼らの性格を知らないからね。判断材料にするだけだよ」
続いて、ネーノはペン先をありすの横へと持ってきた。
ありすのことはあまり知らない。ソフトボールか何かの部活に所属しているのは知っているが――
レモナもギコも、知っている事はあまり多くないようだった。
ネーノは少し考えてから、ありすの名前の横に、三角印をつけた。
ダーヤスのことは、本当に何ひとつ分からなかった。
友人もあまり居ないようだったが、苛められている様子も見られず、
ただ独りぼっちでずっといるような生徒。ネーノはこの生徒にも三角をつけた。
妹は大人しい生徒。クラスでは目立つ方ではなかった。三角印。
づーは、でぃを苛めていた。一応バツ印。
ガナーはごく普通の生徒。三角印。
モニカも特に変わったところは無い生徒。三角印。
ううん、とネーノが唸る。
「やっぱり三角印ばっかりで分からないなあ」
「うん……。まあ、今のところの生存者が分かっただけでもよかったモナ」
「まあ、この中にも、もう死んでしまった人が居るかもしれないんだけどね」
そう溜息とともに言い放って、ネーノは地図を畳んだ。
「――ん?」
今まで黙りこくったままじっとしていたギコが突然顔をあげ、虚空を睨んだ。
「どうしたモナ?」
「――見てみろよ」
モナーはギコの目線をゆっくりと辿り、荒野の果てを見た。
まばらに見える高層ビルの谷間から、光がもれ出てきていた。
レモナとネーノも気付いたのか、腰を浮かせる。
「あ、あれは何モナ!?」
「分からねえ。けど、あの光、ちょっとずつ近づいてきてるぜ」
レモナが、デイパックから磁石を掴みだした。
それとほぼ同時に、ネーノが地図を破かんばかりの速度で広げる。
地図と磁石を交互に見ながら、レモナは小さく呟いた。
「あの光は南から――エリアEの方から来てるわ」
「いや、むしろエリア51から、といったほうが正しいんじゃネーノ?」
次第に、騒々しい音が耳に届くようになった。
「ヘリコプターまでお出ましかよ」
ギコが憮然とした表情で呟く。ネーノが小さく笑った。
「俺達を殺すつもりは無いんだよな、給料ひかれるからな」
「そうよ。でも、あのヘリは武装ヘリ」
レモナも同じような表情を浮かべている。
「どうしたモナ?訳がわからないモナ!」
殆ど叫ぶようにいうモナーに、レモナはにっこりと笑いかけた。
「きっと、この会場内に殺さなければいけない人物――さっきの放送の団体が逃げ込んだに違いないわ。
そいつを殺そうと、ああやってヘリまで出動させているのよ」
「そうだ。反BRの団体」
クックとネーノは喉を震わせて笑った。
「ひょっとしたら。本当にひょっとしたら俺たち、助かるかもしれないな」
「そうよ。――鬼ごっこに勝てばね」
レモナは、まだ訳のわからないといった顔をしているギコとモナーにウインクした。
「いい?今から出発するわよ。勝利の切り札をあいつ等より先に探し出すのよ」
【残り11人】+ぃょぅ
192 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/13 19:52 ID:DH/z+T4C
保守
まだッパ&おにぎりは廃屋にいた。
「やっぱり・・・」
ッパが呟いた。
当然さっきの放送についてだろう。
「だね、いかなくて正解だったよ。」
おにぎりも言った。
「で、今からどうする?」
ッパが聞く。
「んん〜。やっぱり仲間を探す?」
「仲間かぁ・・・そうだね。じゃぁ逝こうかおにぎり君。」
「ワショーイ!」
おにぎりがそう言った直後話声がした。
「おい!そっちはいなかったか!?」
「いや、いない。くそ、何処へ逝ったんだ!?」
「ん?おにぎり君ストップ!」
「え、なんだワショーイ。」
ッパは手を振っておにぎりに伏せろと訴えかけた。
おにぎりはそれを理解し伏せた。
ッパがそぅっと窓から外を覗く。
外に「明らかに生徒ではない」奴らがうろついていた。
ッパはおにぎりの横に伏せ、ヒソヒソ声で話し始めた。
「外に誰かいる。多分AABRをやってる奴らの兵士だ。」
「え、何でだワショーイ?」
「いや、それはわかんないけど、きっと奴らにとって都合の悪い事が起きたんだ。」
「え?本当?」
「うん、会話からして誰かを探してるみたいだ。」
「あ、もしかして反BR組織の人じゃないの?ワショーイ。」
ッパはコクンと頷いた。
二人は音を立てないように立ち上がり、もう一度窓から外を覗いた。
「フゥ、もう逝ったみたいだね。」
ッパが安心したように言った。
「おにぎり君、僕たちが今からやるべき事。それは、反BR組織の人を探しに逝くんだ!」
「OKだワショーイ!!」
「その必要は無いょぅ」
え?
何処からか声がした。
二人は無意識のうちにドアの方を見た。
そこに背の低い生徒ではない誰かが立っていた。
「あわわわわ・・・」
「オマエはさっきの兵士か!?何の用だ!」
その誰かが手を左右に振りながら。
「ち、違うょぅ。僕は反BR組織の者だょぅ」
「え?」
二人が声を合わせて言った。
「僕の名前はぃょぅ。よろしくだょぅ。前回のBRの出場者だょぅ」
二人は、
「あ、どうも。」
と申し訳なさそうに言ったが、突然ギョッとした表情で、
「え!?前BR参加者ぁ!!?」
と叫んだ。
「そうだょぅ。」
すると、ッパが
「え、じゃぁ優勝者なんですか?」
ぃょぅは静かに首を横に振った。
「違うょぅ。そのBRの優勝者はこのBRの担当官、モララーだょぅ。」
「えぇ!?」
またもや二人が声を合わせて叫んだ。
「あの担当官が?」
ぃょぅはしばらく間を空け、
「じゃぁ、前回のBRについて、モララーと僕の過去について話すょぅ。」
【残り11人】+ぃょぅ
ダーヤスはいらいらと空を見上げた。
騒音を発しながら、ヘリコプターが地上を照らしながら飛んでいる。
自分に危害を加えるつもりなのだろうか。
「――もう、嫌だわ」
妹の死体から抜き取ったばかりの手裏剣を束ねながら、彼女は溜息をつく。
何が嫌なのかは、彼女自身でもわからなかった。
意味もなく呟いた言葉だった。
ダーヤスはもう一度深く溜息をつくと、手裏剣をふって血を飛ばした。
――まあ、政府が動こうが関係は無い。
私はただ優勝したいだけ。生徒を殺してしまえばいいだけなんだから。
ダーヤスは妹の死体を一度睨んでから、にっと笑った。
「運が悪かったわね。まあ、私が生き残ったら供養の一つや二つ、してあげるわよ」
八頭身は殆ど残弾の無いスパスを構えながら歩いていた。
彼のシルエットは遠くから見てもふらふらと揺れており、彼が本当に消耗しているという事が
一目でわかった。
――暑い、苦しい。喉が乾いた。
八頭身は顎を上げて喘ぎながら、それでも数歩前進しようとした。
その足が砂に取られて、巨大な体が無様に転がる。
八頭身は息を荒げながら、立ち上がろうと試みた。
しかし、体が萎えて言う事を利かない。
八頭身は力尽きて、地面に転がった。ヘリコプターが飛んでいくのが見える。
――畜生。
ここで僕は朽ちてしまうのか?優勝できないまま、誰かに殺されてしまうのか?
>>1さんの供養も出来ないまま?
「……クソッ!」
八頭身はそう自分を奮い立たせると、再び立ち上がろうと努力し始めた。
――僕はここで、死んじゃいけないんだ。絶対に。
>>1さんの、供養を――
ありすは唇をかみ締めながら煌々と灯るサーチライトを睨んでいた。
モニカの声が蘇る。
――モララーをころしてやりたい。
「――大丈夫よ」
ありすは誰に向けるでもなく、小さく呟く。
大丈夫。
「あいつは、きっと私が殺してやる」
モニカはカッターナイフを握り締めると、茂みの中へと入っていった。
「私は、あなたを許さない」
頬に涙を流しながらでぃが言う。
その呟きは、どの叫びよりもづーの耳に良く届き、どの悲鳴よりもづーの心を抉った。
足元に広がる血だまりと、友人の無残な死体。
たしかにづーが殺した者だった。けれども。
づーはぎりりと唇をかみ締め、そして叫ぶ。
「何よ。何よ、何よ!あんたさえ居なければ、ガナーも死なずにすんだのに!」
そうだ。でぃがいつものように、仲間を連れずにどこかに引きこもっていればこの悲劇は起きなかったのに。
どこかで身勝手な反論だと分かっていても、づーはそう叫ぶより他無かった。
「あんたさえ、いなければ!!」
づーはそう叫びながら金属バットを振りかざした。
振り下ろされたそれを、でぃが危うくよける。
「殺してやる!!お父さんの敵!」
「――わたしも、あなたを許さないわ」
二人の間に緊迫した空気が流れる。
戦闘の始まりだった。
【残り11人】+ぃょぅ
ネバダの予感
200 :
200:04/06/14 20:56 ID:t/FH3v/y
200
201 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/14 21:51 ID:zK6Zy5Qu
ネバダ厨は逝け。
202 :
( ´∀`):04/06/15 17:09 ID:r7JBHCGl
でぃは自分の武器をづーの手首に投げつけた
づーの武器が飛び、林の中へ入った、そしてでぃは
づーが武器を拾おうとする隙に、ダッシュでづーの前へ走った
そしてでぃは思い切りビンタをした、づーのほほははれた
づーは少し引いて、でぃの腹部に思い切り何かをぶつけた
でぃの口から血が出た、それは落ちていた石、
でぃは腹を抱えながら倒れた、づーがちかずいてきた
「うっううっうじぃ・・・うじぃ」
でぃの目から涙が出た、づーは側により、こう言った
「・・・な・・な・・そんな汚いクセして・・・このづーさまに逆らうとはねぇ」
づーはでぃを蹴り上げた、でぃは地面を引っかいた
そしてでぃは、づーの目に砂をかけた、
「うっ・・・・!!!!!!!!!」
でぃは猛烈ダッシュで背後に回った、そして自分のデイバックから
隠し持っていた、自分で作成した「D−330クロー」を、
自分の右腕の儀腕を取り外し、装着した
づーは目をこすりながら、手探りででぃを探した
「こ・・これで・・・おわりよ・・・・」
でぃはつぶやいた、そして背後から、ひざを曲げてしゃがんで
ジャンプするように、つめでづーの背中を切り裂いた
「づううううううううううううう!!!!!」
づーは白目になり、そのまま倒れた、
「このの爪には毒があるんだ・・・今ので即死じゃなくても・・・
もうじきは氏んでいたよ・・・・・」
でぃはづーのデイバックを取り、中身から必要なものを取り出した、
そしてでぃはそのままさっていった
「あーあ、もう。嫌になっちゃう」
ダーヤスはそう呟くと妹の死体から手裏剣を抜き出した。
ズルッと肉が裂ける手ごたえの後、血に塗れた刃が現れる。
血液が飛び散って、ダーヤスは余計に顔を曇らせた。
「汚れるし、武器も手に入らないし。さんざんよぉ、こいつー」
何とか全ての手裏剣を抜き出すと、ダーヤスは死体を足で軽く突付いた。
気付けば、もう体が固まり始めている。
死後硬直の始まる前に武器を全て回収できてよかった。
ダーヤスは手裏剣を軽く振り、血をはらった。
「さて、あともう何人も居ないみたいだし、もうすぐよね。次に行こうかな――ん?」
ぶつぶつと独り言を垂れ流すダーヤスの口が一瞬疑問の形で固まった。
何、あれ?声に出さずに呟いてみる。
茂みの中を走る光がダーヤスの目に映ったのだ。
何かのエンジン音も、確かにその耳に届いた。
「な、何なのかしら」
驚きに言葉を無くすダーヤス。
その疑問に答えるように、会場内に設置されてあるスピーカーから突如音声が発された。
ほんの少し苛立ったような、モララーの声。
『あー、言い忘れてたけど、会場の中にさっきの糞団体の一味が一人紛れ込みましたぁ。
君たちには関係のない人物なので放って置いてください。そのバカを殺すために、
軍の人たちが急遽出動しているけど、それも構わないでね。
軍の人たちは君たちには何もしないけど、その人たちの武器を奪おうなんて考えちゃダメだよ』
それじゃあね、バイビー。と無理矢理出したような明るい声とともに放送はプツリと途絶えた。
ダーヤスはほんの少し考える。
軍人たちがここにいる?それも車かなにかも導入して。
それって凄いんじゃない?それを奪えたら――いや、無理だ。きっと軍人なんだから拳銃を持っているに違いない。
こっちは忍者セット一式。それで突撃なんて無謀、無謀すぎるわ。
「――よし、ほっときましょう」
そう結論を出し、ダーヤスは武器を束ねてポケットに突っ込んだ。
それから数歩行きかけ、何かを思い出したように立ち止まり、そして死体へと振り返った。
「運が悪かったわね。まあ、私が生き残ったら供養の一つや二つ、してあげるわよ」
殆ど視界の聞かない森の中、八頭身は歩いていた。
手には殆ど残弾の無いスパス。それを構える腕は震え、いまにも銃を取り落としてしまいそうだった。
ギコとの戦闘からもう何時間も経っているが、彼は一度も休むことなく歩き続けていた。
顎はあがり、苦しげに喘ぎ、足を棒にしながらそれでも彼は歩き続ける。
その足を動かしているのは、ほとんど気力だった。
>>1さんへの想いだった。
――
>>1さん。
>>1さん。ゲームが始まってから今まで、一度も忘れた事の無い存在。
彼の死体は今どこにあるのだろうか。どんな死に方をしてしまったのだろうか。
どんな苦しい最後を迎えてしまったのだろうか。
なぜか、八頭身はそれが知りたくてたまらなかった。
死体でもいいから、
>>1さんに会いたかった。その骨を拾いたかった。
――会いたい、会いたいよ、
>>1さん。
「――さん。
>>1さん。
>>1さん。
>>1さん……」
気付けば、唾液を垂れ流すかのように口元から
>>1さんの名前が零れ落ち続けていた。
自分のその声を聞いた途端、八頭身は自分の目から涙が溢れるのを感じた。
もう、限界だ。
八頭身はひざを折り、そしてその場に倒れこんだ。
額が土に擦れて痛みを訴え始めたが、知ったことではなかった。
涙が溢れては、次々に地面へと染込んでいく。
荒い息の元、掠れかけた声でそれでも八頭身は
>>1さんの名前を呼び続けた。
彼は死んでしまったのだ。もういない。
そのことがなぜか、リル子にその死を告げられた時よりはっきりと感じられた。
無性に辛かった。悲しかった。
八頭身の体から、力がふと抜けた。
そのまま、久しぶりに八頭身は深く瞼を閉じた。
『――それじゃあね、バイビー!』
糞憎たらしい声の後、放送はプツリと途切れた。
ありすは溜息をつきながら耳をふさいでいた人差し指を抜く。
どれだけ指を押し込んでも、大きすぎる放送の音はありすの鼓膜へと食い込んだ。
それが何故だか無性に悔しかった。
「――悔しいわ」
ありすは呟いた。
何に対しての『悔しい』なのか。本人にも良く分からなかった。
今の体験についてなのか、このゲームに参加させられた事についてなのか、
それとも目の前で人が死んでしまった事についてなのか。
ありすは足元を見た。
どうにか伏せる事の出来た瞼、不器用に胸の上にもっていった左腕、何なのかよく分からない雑草と思しき花。
そして痛々しい、血で濡れた包帯のあと。
それらで飾り付けられたモニカは、もう冷たくなっている。
体を茂みに移すときに気付いたのだが、もうその体は固くなっていたのだった。
死後硬直がこんなに早く始まってしまうとは、知らなかった。
ありすは再びその死体へと向き直り、そして何度目かの黙祷を捧げた。
今までは死体など見たことが無かったから、他の人間を殺そうと思えた。
しかし、今自分が殺したわけでもない死体を前にして、ありすは命の大切さをほんの少し悟った。
ほんの少し前まで話していた人物が動かなくなる。それはこんなに哀しい物なのだと。
もう、仲間を殺す事など出来ないだろう。
ふと騒音を聞き、ありすは顔を上げた。
ヘリコプターが頭上を旋回していた。サーチライトが地上を照らしている。
先程の放送の通り、軍がこの中に投入されたのであろうか。
ライトがありすとモニカを舐める。その光量にありすは目を細めた。
ありすたちが団体の一味でない事が分かったのか、ヘリが再び高度を上げてどこかへ飛んでいく。
その機体を見つめながら、ありすは唇をかみ締めていた。
モニカの声が蘇る。
――モララーをころしてやりたい。
「――大丈夫よ」
ありすは誰に向けるでもなく、小さく呟く。
「あいつは、きっと私が殺してやる」
例え刺し違いになってでも、こんな事態を引き起こした奴を許しておけるもんか。
ありすはカッターナイフを握り締めると、茂みの中へと消えていった。
づーは殆ど信じられないような気持ちで立っていた。
足元には顔の潰れた友達の死体。広がる血だまり。
目の前には父親の敵。その頬には一筋の涙が流れている。
よくも、とその敵が呟く。
「よくも、ガナーちゃんを殺したな」
小さな声だった。しかし、その言葉でづーは思い知らされたのであった。
優しかった友人は、自分が殺したのだと。
違う、そうじゃない、そうじゃないんだ。
何度も何度も、頭の中で繰り返していた否定を、でぃは一言で打ち砕いた。
手に走った衝撃を思い出し、気が狂いそうになる。
しかし目の前のでぃの存在が、づーをギリギリの所で正気に引き止めた。
「――何よ、何なのよ」
固まりかけていた口が動いてくれた事に、づーは安堵を感じる。
金属バットを握り締めた手が震えを止めた事に、づーは希望を感じる。
「あんたのせいじゃないのよ?あんたがいなければ。あんたがガナーを連れてなければ
この子は死なずに済んだのよ?」
「それは勝手な言い草ってものだよ。ガナーはあなたが殺したんだ」
搾り出した言葉を即座にでぃは否定した。
づーはぐっと唸り声を上げて、口を閉ざした。手が再び震え始める。
ダメだ。このままじゃ。
「――大体、あんたの父親が全ての元凶なのよ!私がこうしてあんたを殺そうと思ってるのも、
あんたの父親のせいなんだから!」
「どういうこと?」
づーの言葉に、でぃが初めて表情を変えた。小さな、疑問の表情に。
づーは勢い込んで、あの夜の事を叫ぶように話した。
それは殆ど主観的な語りで、父親がどれだけ素晴らしかったか、
父親が居なくなった後の家がどんな様子だったかなど、関係ないこともふんだんに散りばめられていたが。
でぃはしばらく黙ってその語りを聞いたあと、ふいにづーの言葉を遮った。
「――確かに悪かったと思う。私がそれを知らなかったのも……いけないと思うし」
づーはその瞬間理不尽な喜びを感じた。でぃが謝罪の言葉を口にしたのは初めてだった。
勝利の瞬間だと思った。
でも、とづーの喜びは打ち砕かれる。
「この申し訳なさはお父さんのことについてだ。ガナーのこととは何も関係ない。
悪いのはあなただ。そして私は、あなたが私を許さないように、あなたを許さない。絶対に、だ」
でぃがそう言いきるとともに、づーの金属バットが振り下ろされた。
でぃの腕をかすって、力をこめられたバットは地面を凶悪な音を立てて叩く。
「――何よ、何よ、何なのよ!!」
づーはバットを構え、そして涙を流しながら叫んだ。
「許さない。絶対に許さないんだからぁっ!!」
「私も、あなたを許さない」
二人の間に緊迫した空気が流れる。
戦闘の始まりだった。
【残り11人】+ぃょぅ
今から18年前。
2ch学校3年生の修学旅行があった。
しかし、それは楽しい修学旅行ではなく、醜い殺し合い、バトルロワイアルだった。
BRについての説明を受けたあと、僕は外に放り出された。
恐かった。
でも、皆が殺し合いなんかするわけないと思っていた。
僕は脱出する仲間を探していた。
そしてやっと出合ったのが『モララー』
僕は迷わず、脱出をしよう、と彼に言った。
が奴はそれを無視し撃ってきた。
それで殺したと思ったのか奴は去っていった。
支給武器が防弾チョッキで良かった。
だが、あばら骨が2、3本折れてて痛みで動けなかった。
それで僕は開き直って首輪をいじり始めた。
廃屋で拾ったマイナスドライバーとカッターナイフで。
そして運良く首輪が外れた。
だが、余韻に浸っている暇は無かった。
でも、そんなこと考える前に皆を助けなきゃと思ったが、もう遅かった。
既にモララーが優勝を決めてしまっていた。
「それで返って来た僕は反BR組織を作ったんだょぅ」
ぃょぅの話が完結した。
「そんな事が・・・」
ッパが呟いた。
「で、あの、どうやって首輪を外したんですか?」
するとぃょぅが言った。
「よし、じゃぁ今から首輪の外し方を教えるょぅ」
「やったぁ!!」
おにぎりが喜びに声をあげたのとほぼ同時。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ッパが叫んだ。
おにぎりがバンザイの手を挙げたままッパに聞いた。
「どうしたの?」
「え、えとその・・・」
「どうしたんだょぅ。言いたい事があるならハッキリ言うょぅ」
「え、えと・・・盗聴・・・」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
今度はおにぎりが叫び声をあげた。
ぃょぅがサラっと言った。
「大丈夫だょぅ。君たちが切ったあの電線のおかげで盗聴は使えなくなってるょぅ」
ッパとおにぎりは顔を見合わせた。
そして、
「やったぁ!!」
と改めて叫んだ。
「それじゃぁ―――――」
ぃょぅが何か言おうとした瞬間。
ピーンポーンパーンポーン
『あー、言い忘れてたけど、会場の中にさっきの糞団体の一味が一人紛れ込みましたぁ。
君たちには関係のない人物なので放って置いてください。そのバカを殺すために、
軍の人たちが急遽出動しているけど、それも構わないでね。
軍の人たちは君たちには何もしないけど、その人たちの武器を奪おうなんて考えちゃダメだよ
それじゃあね、バイビー。』
ピーンポーンパーンポーン
突然放送が流れた。
三人はしばらくの沈黙の後。
静寂を破ったのはおにぎりだった。
「えーとこれって貴方のことですよね?」
静寂を破ったと言ってもそれはとても小さな声だった。
「当然そう言う事になるょぅ」
ぃょぅはしばらく間を空け言った。
「だから急がなきゃいけないょぅ。今から首輪の外し方を教えるょぅ」
二人はジっとぃょぅを見つめた。
「まず必要な物があるょぅ。それはマイナスドライバーと、何か短めの刃物。あと電波をだす者がいるょぅ」
するとッパが口を開いた。
「マイナスドライバーならあります。刃物は適当なものは無いと思われ・・・。」
「あと、電波を出す者って・・・」
「アヒャ君とか・・・?」
lヽ
l 」∧_∧
電波〜‖( ゚∀゚ )〜電波
⊂ つ〜電波
電波〜 人 Y
し (_)〜電波
ぃょぅは思わず吹き出してしまった。
「ブッ。その電波じゃないょぅ。携帯電話とかパソコンとかだょぅ」
「あぁ、それならあります。」
ッパがノートパソコンを、おにぎりが携帯電話を見せた。
ぃょぅが指でOKのサインを作った。
「でも、もう一つ必要な物があるょぅ。」
「何ですか?」
「首輪の現物だょぅ。僕が外した首輪は確か、43号。今、君たちがつけているのは情報によると55号だょぅ」
「え、でも絶対首輪ははずれないんじゃ・・・」
「いいから探しに行くょぅ。外に僕を探している兵士がうろついてるみたいだけど、僕の力量をもってすれば問題無いょぅ」
ぃょぅが出口の方へ歩いていくのを見て、ッパとおにぎりも立ち上がった。
ぃょぅはドアノブに手を掛け、振り向いてから言った。
「もしかしたら、首を切って首輪を外した人とかがいるかもしれないょぅ」
ぃょぅは勘が良かった。
【残り11人】+ぃょぅ
209 :
暴走男:04/06/18 22:57 ID:oiF8LxsN
八頭身は暗いいつまでも続きそうな闇の中を歩いていた。
僕が本当にしたかったこと・・・・それは何だ?
>>1さんの供養。違う。
みんなを殺すこと。違う。優勝すること。違う!!
この悲しみを誰かに分かってほしかっただけなんだ。それなのに僕は人を殺して。
誤解をされるようなことをして!!何をやってんだ僕は。
幸せが憎かった。ただそれだけのことなんだ。一体何をしてるんだ僕は。
>>1さん。何で死んじゃったんだい?僕を置いてきぼりにして。
やはり淋しいよ。君がいないと。君のその笑顔がなきゃ僕の心は晴れないよ。
僕も後を追おうか・・・・・いや。だめだ。後を追っても何にもなりゃしない。
どうする?
>>1さん。僕。どうすればいいの?
【残り11人】+ぃょぅ
モニカの供養をした後、ありすは茂みの中を歩き続けていた。
手にはカッターナイフとクナイ。
空を旋回し続けているヘリのライトを受けて、それはキラキラと輝いていた。
それと同様に、ありすの瞳も光をたたえて輝いている。
その目は、何かを探して常に落ち着き無く動き続けていた。
――誰もいないのかしら、軍の人間は。
ありすは小さく溜息をついた。
彼女は軍の人間を探している。勿論、話し合うためでも命乞いをするためでもなく。
彼女は武器を欲していたのだ。モララーを殺すための。
――軍人ならば武器の一つや二つ、持っているはず。それに、彼らは人質にもなるはずだわ。
ありすは、軍人を人質にし、モララーをおびき寄せようと考えていた。
モララーとて、部下を見殺しにするような男では無いだろう。
そう、ありすは考えているのだ。
それ故に彼女は早く軍人を捕まえたかったのだが、しかし彼らも素人ではない。
確かに声はするのだが、ありすがそちらに向かおうとするとすぐさま気配を消してしまう。
彼らもありすたち生徒を恐れているのかもしれない。
それともそう――生徒たちと接触するなという命令がモララーから下されているのかもしれない。
どちらにしろ、彼らを捕まえる事は難しい事のようだった。
油断無く辺りを見渡しながら茂みの中を歩いていたありすだったが、
その足がふと止まった。
「う、うう……」
男のものと思しき嗚咽が、ちいさくありすの耳に届く。
ありすは反射的に武器を胸の前で構えた。
用心深く辺りを見渡す。
しかし、嗚咽の主の姿はその目には映らなかった。
――空耳?
ほんの少し安堵して、肩の力を抜きかけた彼女の耳に再び嗚咽が届く。
「――う、あぁ……さん、
>>1さん……」
>>1さん?ありすは武器を構えながら、声の聞こえる方に目をやる。
足を引きずりながら、大きな男が茂みから這い出てきていた。
男――八頭身はまるで子供のようにしゃくりあげながら涙を流していた。
口元からは意味の取れない呻き声と、小さな言葉が垂れ流されている。
手には大きな銃が握られている。
その体は自分の血液でか返り血でかはわからないが、とにかくどす黒く汚れていた。
ありすは息を潜めて八頭身を見ていた。
八頭身は、何かぶつぶつと呟きながら、目をごしごしと袖でこすりながら歩いている。
ありすは八頭身の進路が自分の居る方向だと気付き、慌ててほんの少し後ろに下がろうとした。
そのスカートの裾が、茂みに触れて小さな音を発してしまう。
しまった、と思う間もなく、八頭身が顔を上げた。
袖が血に塗れていたのだろうか、目の周りに赤い液体が付着している。
「誰だ――誰だ、誰なんだぁぁあああああっ!?」
八頭身はそう叫び、銃を構えた。ガシャリと音を立てて弾を装填する。
その隙に、ありすはクナイを八頭身に投げつけた。
八頭身が銃身でそれを防ぐ。それを見届ける間もなく、ありすはカッターナイフを手に八頭身に飛び掛っていた。
体当たりを仕掛けると、八頭身はふらりとよろけた。
その長身に馬乗りになり、ありすは銃を握り、もぎ取ろうと思い切り引っ張った。
たいした苦労も無く、八頭身の手を引き剥がす事ができた。
その重量にうめきながら、ありすは立ち上がった。
ちらりと八頭身を見ると、彼は反撃する様子も無くじっと倒れ付していた。
畜生、畜生と小さく呟き続けている。
「何でだよう、何で、何で――」
「――ごめんなさい。でも、これが必要なのよ」
疑問の言葉を吐き続ける八頭身に小さく謝って、ありすは踵を返しその場を立ち去った。
八頭身はその場に蹲ったまま、涙を流し続けた。
畜生、畜生、畜生。
あれが無くっちゃ、ダメなのに。僕は生き残れないのに。
>>1さんの供養もできないのに。畜生――。
八頭身はそのまま涙を流し続けていたが、何かの物音を聞いてふと立ち上がった。
「――応答願います、応答願います!……クソッ!はぐれちまった」
軍服を着、マシンガンをストラップで肩から吊り下げたその男は、そう悪態をつくとイライラと辺りを見渡した。
どうやら仲間とはぐれてしまったらしい。八頭身はぼんやりとその姿を見つめていた。
男は八頭身に気付かない様子で、ちらちらと時計を気にしながら仲間の姿を探している。
「畜生、今日はあいつの誕生日なのになあ。もうすぐ交代の時間だったのにさ」
男はイライラが収まらないといった様子で独り言を垂れ流し続ける。
「だいたいさ、糞ガキどもが大人しく殺しあわないからいけないんだよなあ。大人に逆らいやがって。
あーあ、さっさと皆死んじまえって感じだよ。くだらねえよなあ、まったく。三流映画みたいな抵抗しやがって」
八頭身はむくりと立ち上がった。
その目には怒りの炎が燃え上がっている。なんだ、こいつは。
>>1さんや、他の皆の死を罵倒しやがって。くだらない?三流映画?冗談じゃない。
自分たちがどんな思いをしているのか、この男は分かっているのか?
「どうせ死体どもは国の実験に使われるんだからさ、供養だのなんだの……面白い冗談だぜ。まったくよ。
糞ガキの考える事は、これだから。お笑いもんだよ。つまんねえけどさあ」
八頭身は一瞬自分の目の前が真っ黒になったのを感じた。
なに?実験に使われる?じゃあ、何だ。
>>1さんを供養することもできないのか?
男はなおも一人で呟き続けている。八頭身は、ポケットから十徳ナイフを取り出した。
「あーあ、こっそり、あいつにメールくらいは送れると思ったの、に……?」
どすっと、鈍い音が響いた。
男が目を零れんばかりに見開く。信じられないといった表情だ。
それもそうだろう。自分の首に銀色の刃が突き立っているのだから。
悲鳴をあげようとしたその口にハンカチをねじ込んで、八頭身はナイフを引き抜いた。
血に塗れた刃を、顔に突き立てる。男がくぐもった悲鳴をあげた。
八頭身は自分の顔に酷く残虐な笑みが上っているのに気付いた。
それでも、止める事は出来なかった。ナイフを、次に腕に突き立てる。足につきたてる。
耳に、目に、頬に、額に、胸に、腹に、もう一度腹に、太腿に、陰部に、背中に。
何度も、何度も。悲鳴が途絶えても、体が冷たくなっても、それでも八頭身はきりつけ続けた。
気付いた時には、八頭身は血に塗れたままその場に突っ立っていた。
体中返り血に塗れている。口元には、やはり引きつった笑みが上っていた。
八頭身は目の前に転がる肉塊に目をやった。
それを足蹴にして、八頭身はその肩にかかっていたストラップをナイフで切り離した。
マシンガンを両手で持つ。今までに無いくらいのエネルギーが体に満ち溢れてくるのを八頭身は感じた。
「――ふふっふはははははっ……あはははははははっ!!」
堪えきれず、八頭身は高らかに笑った。
はぐれてしまった、少し生意気な新米の仲間を探して辺りを彷徨っている軍人たちが怯えるほどの声で。
喜びに打ち震えながら、八頭身はその場を立ち去った。
後には、恋人の誕生日を前に仕事が入り苛立っていた、運の悪い男の死体が残されていた。
【残り11人】+ぃょぅ
あれから5分が経過した。
F-2のビルの一室―――
【女子8番】づーと【女子9番】でぃは睨み合ったままその場から一歩も動かなかった。
いや、動けなかったと言ったほうが正しいだろうか。
最初の一撃を外してしまった。
これは最大のミスであった、とづーは考えていた。
でぃの支給武器が分からないのである。
この距離―――
支給武器が銃だとしたら懐に飛び込めれば勝機はあるかもしれない。
しかしこう離れていては手が出せない。
でぃのデイパックを奪うか?
いや、パックはでぃがしっかりと持っている。
それに奪おうとしても避けられてしまうのがオチだ。
―――しかし
妙だ。
この距離、当たりの武器ならもう攻撃してきてもおかしくない。
それどころか武器を出そうともしない。
でぃは先刻はっきりこう言った。
「私も、あなたを許さない」
それにしては武器を出すわけでもなくただ突っ立っている。
もしかして、もう武器を取られたんじゃ・・・
「――さない・・・」
?しかしそんな思考は一瞬にして断ち切られた。
「許さない、絶対許さない!」
はっ、武器も持たないで何が「許さない」だ。
これなら完全にこっちが有利。
「許さないのはこっちのほうよ。あんたなんか殺してやる!」
勝った。そう確信した。
「くらえ、お父さんの仇!」
づーはバットを振りかぶり突進していった。
「!?」
づーは後ろに倒れた。
肩が熱い。
腕が上がらない。
いったい何が起こった?一瞬づーには理解が出来なかった。
しかしでぃの腕には銃―――
撃たれた?いつの間に?音なんかしなかっ・・・
「ガナーちゃんの仇・・・。あんたこそ殺してやる!」
づーはとっさに踵を返した。
づーが避けた後ろの壁にはしっかりと弾の後が残っていた。
まさか、でぃの武器は・・・
――サイレンサー!――
【残り11人】+ぃょう
214 :
( ̄√)ノ ◆4vE/A8fprg :04/06/20 23:07 ID:zxU6yZB7
いや、たまらんsage
今誰が生きてるの?
モナー、ネーノ、ギコ、レモナ、ッパ、おにぎり、
八頭身、づー、でぃ、ありす、ダーヤス、+ぃょぅ
かな?
妹って死んだ?
219 :
( ̄√)ノ ◆4vE/A8fprg :04/06/22 18:44 ID:fPrXsqMz
職人さんって大体どの位の期間で来ているのか小一時間問い詰めたい
でも本当に何時来るんだろ?
固定は例外無く小、中学生(高校生がちょびっと)だから少なくとも16時以降
ぃょぅはドアノブに手をかけて言った、
「二人はここで待ってるょぅ。」
ぃょぅはそう言ってドアを思い切り開けた。
おにぎりとッパは、静かに戦闘が終わるのを待っていた。
外から聞こえる雨のようなマシンガンの銃声、
パララララララララ パララララララララララララ
それと時折聞こえる大きな銃声、ダアァァァァン
5・6分してからぃょぅが飛び込んで来た。
「一応前の方に居る敵は倒したょぅ。早くここから出るょぅ」
ぃょぅはそこまで言ってから、すぐに廃屋から飛び出した。
おにぎりとッパは唖然としてから廃屋から飛び出た。
【残り11人】+ぃょぅ
何か問題あればスルーしてくれ
223 :
222:04/06/23 20:10 ID:YHY44MKh
ちょっと修正
ぃょぅはドアノブに手をかけて言った、
「二人はここで待ってるょぅ。」
ぃょぅはそう言ってドアを思い切り開けた。
すると、不意に銃撃戦が始まった
おにぎりとッパは、静かに戦闘が終わるのを待っていた。
外から聞こえる雨のようなマシンガンの銃声、
パララララララララ パララララララララララララ
それと時折聞こえる大きな銃声、ダアァァァァン
5・6分してからぃょぅが飛び込んで来た。
「一応前の方に居る敵は倒したょぅ。早くここから出るょぅ」
ぃょぅはそこまで言ってから、すぐに廃屋から飛び出した。
おにぎりとッパは唖然としてから廃屋から飛び出た。
【残り11人】+ぃょぅ
224 :
( ̄√)ノ ◆4vE/A8fprg :04/06/24 19:24 ID:2fHnXP76
サイレンサーウマ―(°д°)――!
225 :
( ̄√)ノ ◆4vE/A8fprg :04/06/24 19:25 ID:2fHnXP76
うお!目がゾンビになってる!
職人さんがこない・・・
>>213の続き
「・・・ハァ・・・ハァ・・・クッ!」
おかしい。
もしでぃの武器がサイレンサーだったとしても多少の音は聞こえるはずだ。
何故だ?落ち着け、落ち着くんだ。奴の手に全神経を集中させるんだ。
「・・・ァァン」
来た!
づーはとっさに左へ避けた。
聞こえる、大丈夫だ。先刻はでぃを侮っていて注意力が散漫になっていただけだ。
勝てる。あの銃じゃぁ連射はきかないはずだ。
銃弾を避けながら距離を詰めれば・・・・!
「・・・ァァン」
銃声が部屋に響くたびにお互いの距離は縮まっていく。
その時だった。
「カチッ、カチッ」
しめた!弾切れだ、仕掛けるならイマノウチ!
そう思いづーはでぃに突進していった。
「オオオォォォッ!」
ゴッ
狭い部屋に鈍い音が響いた。
づーが振り下ろしたバットは見事でぃの足に命中した。
「止めだっ、お父さんの仇!」
【残り11人+ぃょう】
228 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/05 21:56 ID:QDihThJ2
保守
229 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/06 22:27 ID:lXVR/9YH
age
良スレ
231 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/11 00:08 ID:Fe9Z/YYg
保守
232 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 18:48 ID:Si+rthOm
これだけ運の強い者はいるだろうか?
八頭身は兵士から奪ったマシンガンを片手にして歩いていた。
「・・・1さん、僕は君の為に戦うよ・・・・・見ててくれるよね、1さn・・・ん!?」
八頭身は草陰に隠れ前方を目を凝らして見た。
【男子6番】おにぎりと【男子13番】ッパらしき者が廃屋から出て来たのだった。
だが八頭身は動かなかった。生徒を見つけるとすかさずマシンガンで撃ち殺すはずなのだが、見慣れない影が居たからだった。
ぃょうだ。
八頭身は見慣れない影、ぃょうを不信に思い隠れたのだ。しかし1さんの為と思うとすぐに殺意が芽生えてきた。
(距離はざっと50メートルだろうか?ここから撃てば殺れるかもしれない。でもちょっと遠すぎるかな?
いや、そんなことを考えてる暇があるならさっさと片付けよう。)
すると八頭身は、早速実行にうつった。草陰に隠れては撃ち難いので、立ち上がりマシンガンの引き金を引いた。
やべ、ageちまった。すいませんでした。
234 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/11 21:21 ID:Xunta6Iy
優勝決まった瞬間に全員出てきてドッキリっていう展開をキボンヌしてみるテスト
>>234 本当に死んでいるので無理&不可能です。
>>232の続きです
ダダダダダダダダダダ
八頭身は残り少ない気力を振り絞り撃ちまくった。
「うおおおおおおおおおおおおお」
一方ぃょう達はいきなりの銃撃に驚きを隠せなかった。しかしこちらはプロ。18年間も特訓したこともあり、
すぐにおにぎりたちに指示した。
「早く廃屋に戻るんだょぅ」
「あ、はい!」
おにぎり達は廃屋に飛び込むと、ッパはグロック17を、おにぎりは拳銃(S&W)を取り出した。
「あの姿は八頭身君だよね?」
「え?あ、ああ、たしかにあの体型は八頭身君しか居ないよ」
「君達の友達かい?」
「はい、そうです。でも八頭身君はいつも優しい人なのに。」
「このゲームは人の性格をも変えてしまうのか・・・。」
ぃょうはそう呟くと、扉から顔を出して八頭身の様子を見た。すると八頭身はいきなり走り出した。
すかさずぃょうはベレッタを片手に八頭身に向けて叫んだ。
「止まるんだ!止まるんだょう!!」
しかし八頭身は、ぃょうの静止を無視し、マシンガンの引き金を引きながら、さらに速度を上げ突進してきた。
「止まらないと撃つょう!!」
そう言いながらぃょうはベレッタの引き金を引いた。
いやしかし。本当にオリバト書いている漏れにとっては、
こんなスレがあったことが驚き。
あと一つだけ、余計かもしれないがアドバイス。
>>235氏+その他大勢の御方。
単文が続くのは文章として好ましくない。
○○は銃を撃った。
○○は地面にしゃがみ込み、銃弾をかわした。
こんな感じで単文が続くのは、目の肥えた読者にとっては
非常に読みづらい物がある。レベルひk
自分も感想頂ける様な小説書いてないのでそんなこと言える
立場じゃないかもしれないが。
「――重いわ、これ」
ありすはその華奢な腕に無骨な鉄の塊を抱えながら呟いた。
スパス12。全長は1メートル程で、重量は3キロを越す散弾銃。
それは、ソフトボールで鍛えているとはいえまだ中学生の少女には扱いきれるものではなかった。
額からは汗が流れ落ち、顎を伝って服へとしみこむ。
そういえば、今日は蒸し暑い。もう秋だというのに。
「……っ」
ついにその細い指が耐え切れなくなったのか。
スパスはありすの手の中からつるりとすべり、地面へと騒々しい音を立てながら落ちた。
その落下音にありすは背筋を凍らせながら辺りを見渡す。
幸いにも、軍人ややる気になっている生徒は辺りには居なかったようだ。
だれかが近づいてくる気配は、感じられなかった。
ありすはしゃがみ込み、スパスを再び持ち上げようとして、やめた。
指がまるで冬の寒風を受けたかのように震えている。
じんじんと痺れまで伝わり、限界が近いのが嫌でもわかる。
ありすはスパスを持ち上げる事を諦め、その場に腰を下ろした。
手を開いたり閉じたり、疲れをほぐすように運動する。
ちらりとスパスをみやって、ありすは盛大な溜息をついた。
――なんで私はこんな物を握っているの?
あの金属のバットじゃなくって、なんでこんな鉄の塊を持たなきゃいけないの?
ありすは思い出す。
夏の日差しの最中、白球を追いかけた毎日を。
練習は厳しかったけれども楽しかった事や、部活の後皆で遊んだ事など。
今まで一度も思い返した事など無いことが、脳裏に色鮮やかなまま蘇る。
――ああ、本当に楽しかった。本当に楽しかったんだ。
バットやグローブ、ボールの感触も手にとるように思い出せる。
もう一度、あの場所に帰れたら。帰ることが出来たら――
「――【ザッザ】せよ、【ザーッ】答せよ!【ザザザ】」
耳障りな雑音が、ありすを鮮やかな幻から現実の世界へと叩き落した。
【残り11人+ぃょう】
ありすはまだ痺れの残る指でスパスを握り締め、茂みの中へと体を隠した。
ノイズ交じりのくぐもった声が、彼女の鼓膜を刺激する。
その声は、しきりに返答を求めている様子だった。
無線かな、とありすは少し首をかしげる。
ということは、近くに兵士がいるのだろうか。それとも無線を支給された誰かが?
――それにしても、誰も無線に反応しない。少しおかしい。
ありすはスパスを抱え、いつでも撃てるようにトリガーに指をかけた。
この茂みの向こうから、あの無線の声は聞こえるようだ。
ありすは意を決して、茂みをわざと騒がせながら立ち上がり、銃口をそちらの方へ向けた。
「――?」
確かに茂みの音は聞こえたはずだ。
しかし、無線の音は一向に鳴り止まないし、誰かが逃げたという気配も感じない。
ありすは眉をひそめ、辺りに気を配った。
まさか、あの音声はおとりなのだろうか――
ありすは、さらに辺りを良く見ようと茂みから足を踏み出した。
「――っ!?」
危うく大声を上げてしまう所を、住んでのところで口元に手を持っていき堪える。
スパスが手から転げ落ちたが、気にしてはいられなかった。
ありすは『それ』から目を離し、過剰になりかける呼吸を収めるように口元を必死で押さえつける。
足がガタガタと震え始める。耐え切れなくなって、ありすは地面にぺたりと腰を下ろした。
目を閉じて、胸元と口元を抑えながら恐怖に耐える。
やがて、彼女の強靭な精神が体の震えを止めてくれた。
彼女は大きく息を吐き出す。
そして、決心を固めると『それ』のほうへと目を転じた。
『それ』――軍人の死体は、ひどい有様だった。
先程ありすが弔ったモニカの死体よりも、何倍も凄惨な体を地面に投げ出している。
暗い緑色の防弾チョッキ――あいにく、防刃機能はついていなかったようだ――を切り裂いて、
その下の軍服と肌が抉られている。
手にも足にも、至る所に深い傷ができている。
その傷口からは、もう血が流れきったのか桃色の肉が見え隠れしていた。
脱げかけたヘルメットの影から見える表情。それは、ありすの知らないものだった。
彼女では計り知れないほどの、恐怖と苦痛をあらん限り塗りたくったようなそれは。
その肩口に据え付けられている無線からの音声も耳に届かないほど、ありすはその死体に見入っていた。
――ひどい。ひどい、これは――
彼女の苦手なスプラッタ映画に出てきそうな死体。
あたり一面にぶちまけられた、バケツでは汲みきれないだろう血液。
そのどれもが、ありすの目を恐怖で縛り付けていた。
まるで蛇に睨まれたかえるのように動けない。
――ひどい、ひどい――
彼女の脳裏にはその単語だけが浮かんでは消える。
何でこの人はこんな死に方をしなければいけなかったのか。
時折木々の間を縫って地上に光を投げかけるサーチライトの光が血液をてらてらと輝かせる。
ヘリは気付かないのか、それとも生徒同士の殺し合いだと思ったのか、
ありすたちの元へ降りてくることも無く行ってしまった。
ありすはその光さえ目に入らないまま、ずっと死体を見ていた。
指先を、先程以上に震わせながら。
――ひどい、ひどい、ひど
なんどもループする思考を、せき止めるようにそれは突然現れた。
「おい!こんな所に居たのか!心配し――」
茂みの中から、軍服を着た男が現れる。背格好からして、学生ではない事は確かだ。
ありすはその声に僅かに我を取り戻した。緩慢とも言える仕草で背後の男へ振り向く。
男は呆然とした表情で、ありすと死体を見比べる。
しばらく、呆然とした二人の男女と死体の間に無気味な静けさが流れる。
先に状況を理解し、そして動いたのは、ありすだった。
足元に転がるスパスを掴み、バネのように立ち上がる。
男がやっとこの状況を理解し、マシンガンに手をかけた時には遅かった。
ダァァンッ
すでに装填がなされ、あとは引き金を引くだけだったスパスが火を吹く。
その銃口は確かに男を捕らえていた。
男は散弾を至近距離からまともに浴び、ひっくり返る。
ありすは大きすぎる反動に、地面に投げ出された。
その痛みに呻き声をあげながらも、ありすは上半身を必死に起こした。
地面に擦ってしまった肘が痛む。しかし、その痛みを癒している時間は彼女には無かった。
スパスを捨て置き、彼女は男の手からマシンガンをもぎ取った。
そして男の状態を確認する。
肩や太腿に被弾しているようだったが、大部分は反れたか、防弾チョッキに阻まれたようだった。
それでも少々焦りながら喉元に手をやり、脈を確認する。――大丈夫、生きている。
男は気絶しているのか、身動き一つとらない。散弾を至近距離から撃ち込まれたのだから当然だろう。
骨折の一つや二つしているかもしれない。
ありすは男が生きているのを確認し、ほっと溜息をついた。
さっきは条件反射で撃ってしまったが、もし本当に男に被弾してしまったらと思うと、身の縮まるような思いだった。
彼女は、なるべく人殺しをしたくないと思っていたので。
勿論、あのモララーは例外だったけれども。
ありすはもぎ取ったマシンガンを構えてみた。
マシンガン――H&K MP5Kという名称だった――はスパスに比べると小さく、そして軽かった。
ありすはマシンガンを男から頂戴する事に決めた。
スパスは扱いづらいし、どうせもうすぐ弾切れのようでもある。
ありすは慎重に、男のポケットから予備のマガジンをこっそり抜き出す。
それを自分のポケットに滑り込ませると、急に体に力がみなぎったように彼女には感じられた。
勿論それは錯覚で、そしてそのせいで八頭身は更なる狂気に陥ったのだが彼女はそれを知らない。
そして、彼のように狂気に陥る事も、勿論しなかった。
ありすは倒れ付した男と、そして無線を交互に見た。
そして、しばらく考え込むと、荷物の中からベルトとタオルを取り出し、それで男の手足を縛りつけた。
【残り11人】+ぃょぅ
242 :
名無嶋茂雄:04/07/16 20:39 ID:tmpQisfN
やっとここまで読み終わった・・・ふぅ
243 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/16 21:29 ID:zrdX/nYt
あげてみたり
244 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/17 18:54 ID:0306vDZI
age
245 :
Z氏:04/07/17 19:00 ID:p+zEYb10
全部よんだけどおもしろぃょぅ
全部読んでみたけどおもしろぃょぅ
つまんね
247 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/18 18:04 ID:jFFbLBBW
おもしろいぞ
248 :
名無嶋茂雄:04/07/18 21:10 ID:MkiwqgWZ
職人さんや何処・・・
ダァァン ダァァン ダァァン
ぃょうのベレッタが火を噴いたと同時に、八頭身の体は崩れ落ちた。銃弾の一発が足に命中したのだ。
ぃょうはひとまず安心してベレッタを提げた。自分よりも何倍も背の高い相手が、マシンガンを持って突進してきたら
誰だって恐怖を感じるだろう。長年特訓しているぃょうでもこんな経験は無かった。
こんなに恐怖を感じたのは、前回のAABRでモララーに日本刀で斬り付けられた時以来だった。
(あの時は本当に心の底から怖かった。なにせあんなにマターリしていた親友に、いきなり日本刀で斬り付けられたんだもんなあ。)
そんな事を思っているのもつかの間、その油断が命取りとなった
「なんてね」
この八頭身の一言でぃょうは現実に引き戻された。え?銃撃で倒れたんじゃないのか?再びぃょうはベレッタを構えるが遅かった。
ダダダダダダダダダダ
八頭身のマシンガンが容赦なく火を噴く。
「ぐわああぁぁ。」
扉から出していた左腕がマシンガンの銃撃を食らうと同時に、ベレッタも遠く弾き飛ばされた。
「しまった!ベレッタが。そうだ、ッパ君その銃を貸してくれ!」
「え?あっ」
ッパは答える間もなくぃょうに銃(グロック17)を取られた。
「予想外だ、生徒の奇襲を食らうなんて・・・計画の内に入れておくべきだっt」
「もうやめてください!」
不意のおにぎりの叫びに、ッパとぃょうは反射的におにぎりへ振り向いた。
「もうやめてください!本当は八頭身君はこんなことをする人柄ではないんです!」
おにぎりの発言に続くかのようにッパも付け足した。
「そ、そうだよ、落ち着いて話し合えばきっと八頭身君だって、」
「これのどこが落ち着いていられるんだょぅ!!」
ぃょうは銃創のできた左腕を押さえながらおにぎりとッパを否定した。
「僕だって最初はそう思ったょぅ。だから僕は止めようとしたのに・・・なのにこのざまだ!」
ぃょうはそう言うと血まみれの左腕を見せ付けた。
「僕はここまで君達を助けたい一心で危険を冒しながらも来た。今僕は君達を守り、彼を落ち着かせる事が僕の任務なんだょぅ。
だが彼は危険すぎるから殺すしかないんだょぅ!仮に仲の良い友達だとしても現に彼はこうやって襲って来ているんだょぅ!
だから今はこうやって対抗しているんだょぅ!君達はこのまま死にたいのかょぅ!?」
おにぎりとッパは答えられず黙って聞いていた。
「とにかく僕は君達を助けに来たんだょぅ!理由はどうあれ邪魔する者は・・・殺すしかないんだょぅ!」
ぃょうはおにぎり達の制止を振り切り、扉から身を乗り出しッパのグロックを構えた。しかし目の前はなぜか暗かった。
上を見上げてみると、太陽が八頭身の頭で隠れていた。ぃょうは目の前までに八頭身が来た事に気づかず、八頭身は
いきなり廃屋から出て来たぃょうを見下ろす形になった。
「邪魔する者は・・・殺す」
やばい。しかしそう思った時には既に遅し、ボグッと鈍い音がすると、ぃょうの体が吹っ飛ぶと同時に意識も飛んだ。
右のアッパーをあごに食らわせたのだ。数メートル先の所へ倒れるとぃょうは二度と動かなくなった。首の骨が折れていたのだった。
八頭身はそれを確認もせず廃屋へ入って来るとッパは息が詰まりそうになった。これこそ真の恐怖と言えるだろう。
巨大な体に自分の血か返り血か分からない血まみれの制服、左手にはマシンガン、これを見たら誰だって恐怖という言葉を覚えるだろう。
「い、いっしょに、お、お菓子を、食べませんか?」
探す言葉が無かったのだろう、無防備なッパは震えながらも八頭身の目を見ながら言った。しかし八頭身の答えは違った。
左手に持っているマシンガンでッパを殴りつけたのだ。ッパもたまらず吹っ飛び床に倒れるとその上に八頭身が馬乗りになってきた。
マウントだ。マシンガンを横に置くと、左手でッパの首を掴み右手で顔を何度も殴りつけた。
ドゥグッ ドゥグッ ドゥグッ ドゥグッ
次第にッパの顔の原形が無くなり意識も薄れ心臓の鼓動も止まった。しかし八頭身は殴り続けていた。
「ここから出て行け!」
八頭身はッパを殴るのをやめるとおにぎりの方を見た。おにぎりはS&Wを構えていた。八頭身は立ち上がると
おにぎりの方へ一歩踏み出した。するとおにぎりは一歩退く。
「もう一度言う、ここから出て行け!」
さらにおにぎりは八頭身へ忠告を言うが、なおも八頭身はおにぎりへ歩み続ける。
ダァァン
廃屋に銃声が響き渡ると八頭身がよろけた。おにぎりが八頭身の(防弾チョッキを着けた)腹に銃撃したのだ。
「これが最後だ、ここから出て行け!」
おにぎりがまた叫んだ。その顔にはいつもの笑顔は無く、怒りに満ちていた。銃口は八頭身の顔へ向けられていることからおにぎりは
本気だと言うことが感じられた。するとそれを悟ったのか、八頭身はおにぎりに背を向け扉へと歩き出した。
ッパの隣に無造作に置かれているマシンガンを拾うと、おにぎりへ振り向いた。依然としておにぎりは鋭い眼差しで八頭身を睨んでいた。
「次会った時は容赦なく撃つからな」
おにぎりは静かに言った。その言葉には大事な親友を目の前で失った恨みが込められていた。八頭身は何も言わず血まみれの背を
おにぎりに向けると再び歩き始め、廃屋から出て行った。その姿を見送るとおにぎりは、力が抜けた様に膝を折り座り込んだ。
「・・・う・・・うぅ・・うっうっ・・・・うわああああああああああん」
おにぎりの目から涙がこぼれた。その目から溢れてくる感情は今まで一緒に居てくれた友を守れなかった事であろうか。
それとも目の前で友を殺した者(八頭身)を殺せなかった悔しさであろうか。その熱い物をこらえきれなくなったおにぎりは泣き続けた。
残されたのは目の前に広がる血の海と今無き友の亡骸、そして自分達を助けるためにやってきた者の残骸、
手に握られた一丁の拳銃だけであった。
「うわぁぁぁぁん・・・・ぐすっ・・・・ぐすっ・・・うぅぅ・・・・・なn・・・・なん・・で・・・・・・・・
なんでこうなるんだよおおおおおおおおおおお!!」
その声はマシンガンを片手に、平然と歩いている八頭身にも聞こえていた。
悪夢はまだ終わらない・・・・・
【残り10人】
251 :
名無嶋茂雄:04/07/19 10:33 ID:xcHERiCq
割り込みスマソ。なんか読んでたら書きたくなっちゃった、気に入らなかったらスルーして…
8頭身が立ち去ったあと、おにぎりは独り廃屋の中でもう誰とも判断のつかないほどに顔をつぶされた友達のそばで泣き続けていた。
もうどれくらいの時間がたったのだろう…。もはやおにぎりにはそんなことはどうでもよく、ただただ悲しいだけだった。
泣きながらおにぎりは、自分の横で眠りについた友達のことを思い出していた。
あぁ、四月にクラスが替わったときに僕は親しかったほとんどの友達とクラスが離れてしまって寂しかった。
そんな友達や、唯一同じクラスになったモナー君も
次第に新しいクラスに溶け込んで、新しい友達もできたみたいだった。
もちろんもナー君は僕を独りにするつもりなんてなかったはずだけど、ぼくは寂しかった。
僕も友達を作ろうと思って毎日ワショーイワショーイって踊って友達を作ろうとした。でも、みんなは僕を変な目で見つめるだけで、
友達になってくれる人は一人もいなかった。
それでも不器用な僕は、独りがいやだったか、寂しいのをまぎらわせるためか、踊り続けた。そして僕はますます独りになった。
そんなある日、僕に声をかけてくれたのがッパ君だった…
その日も僕は踊っていた。誰も見ていない、いや見てみぬフリをしている悲しい踊り…。そこに突然、
「一緒にお菓子を食べませんか?」
正直言ってる意味はよくわかんなかったけど、僕はうれしかった。
そうして僕は「ワショーイ!」と即答して、二人でお菓子を食べた。このとき食べたお菓子の味は、今でも忘れない。
そのあと二人で先生に怒られたっけ、お菓子食べてるのがバレて…
それから僕はゆっくりだけど、クラスになじんでいった。友達もたくさんできた。ッパ君が現れなければ僕はずーっと
独りで踊ってたのかと思うと今でも鳥肌が立つ。今の僕があるのはッパ君のおかげ。
ッパ君にはどれだけお礼を言っても足りないだろう。
いきなりこんなわけのわからないゲームに放り込まれても、ッパ君は僕に「一緒にお菓子を食べませんか?」と言ってくれた。
二人で協力して今まで生き延びてきた。
そんなッパ君が…
死 ン ダ ?
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
信じない信じない信じない信じないイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ――――――――――――
しかし、彼が目を開けた時に見たものは、紛れもなく彼の親友の死体だった。おにぎりはしばらく動かなかったが、
いきなり立ち上がると、泣きながら「ワショーイ!ワショーイ!」と踊り始めた。
それは、無残に死んでしまった友への追悼の踊りだった。悲しい、悲しい踊りだった…
【残り10人】
252 :
名無嶋茂雄:04/07/19 19:44 ID:HiYLFIoV
age
テメェ・・・ageてんじゃねえよ・・・
254 :
名無嶋茂雄:04/07/19 22:13 ID:qTDM8y55
さらにage
255 :
名無嶋茂雄:04/07/19 22:14 ID:qTDM8y55
さらにage
sage進行・・と言いたい所だが、人少杉
「終わらない悪夢」
「雲行きが怪しくなって来たモナ」
4人達が出発してから第一声はモナーで始まった。
「さっきまで蒸し暑かったのになあ。」
ギコが返す。
「雨は降ってほしくないな。毛並みが乱れるし。それに、傘、忘れたから
「そういえばモナも忘れたモナ」
「え?二日目雨降るって先生が言ってたの知らなかったの?」
「そんなこと言ってたかモナ?」
「はぁ・・・、あきれたわ、聞き忘れたのね。」
「しかしモナー君も相変わらずだな。ま、その時はその時でいいんじゃネーノ?」
4人はそんなことを話しながら歩いていた。
――――――――移動する前――――――――
「この会場に紛れ込んだ反BR組織の者を政府の人間より先に見つける事よ、そうでしょ?ネーノ君」
「ああ、運良く見つけ出せば俺達はこの糞ゲームから、おさらばできるんじゃネーノ?」
「何で分かるんだモナ?」
「んもう、とろいんだから。反BR組織の人間だったら首輪の外し方ぐらい知ってるはずなのよ。
だから一刻も早く見つけ出して今ネーノ君が言ったとおり、ここから脱出するのよ。
その為には、まず効率よく探すのが先決よ。と言ってもばらばらで探すのは駄目、まとまって
くまなく探したほうが良いわ。1人では何かと不便だからね。それに・・・」
「それに?なんだゴルァ?」
「ギコ君、あなたが今一番殺したがっている人も居るからよ。」
「っ!!」
「八頭身君モナね。」
「そうよ、モナー君。いざ見つけたとしても1対1でかなう相手ではないわ。ましてや相手はかなりの長身、普通に
殴っただけでも骨折は免れられないし。こういう時こそチームワークがとても重要になってくるのよ。」
「で、でも俺は今度こそはやられないぞゴルァ。」
「それはどうかしら?いきなり後ろから銃で撃たれたり、殴られてもあなたは平気でいられるかしら?
だからこそまとまって行動した方が安全かつ効率的なのよ。」
「じゃ、じゃあ聞くけどモナ達はこれからどうすれば良いモナ?」
「そうね・・・今言ったとおりまとまって行動するべきね。確かここはD‐5辺りみたいだから、上手くいけば
鉢合わせになるE‐5辺りに移動すると良いね。」
「やけに戦略的なんじゃネーノ?」
「どうも私って人に影響されやすいタイプみたいなのよ。例えば、モナエちゃんとか。」
レモナの意見に3人とも賛成したので、E‐5へ進むことにした。そして今ここに至るわけである。
笑いの絶えない話、思い出を語り合う話、いつまでもこうしていたいのは誰もが思う最高の場の雰囲気だった。
ずっとこのまま時が流れてくれれば良い、モナーは1人すっかり曇天となってしまった空を見上げながら思った。
そうだ、これだモナ。ワショーイばっかりやっていたおにぎり君、学校にお菓子を持って来て怒られたッパ君、
ところかまわず1さんを追っ駆け回してた八頭身君、授業中先生に何度も注意をされてもなお喋り続けるシナー君、
これがモナの通っていた学校モナ、モナのクラスモナ。思いだしては消える、とてもとても儚いものだった。
出来ればこのまま帰りたい、しかし事はそう上手くはいかない物であった。
「ねえ、ネーノ君ってさあ・・・って、あれ?」
レモナがネーノに話し掛けたがレモナの隣にはネーノは居なく、後ろへ振り返るとネーノはただ前方の遠くを見ていた。
「ところで一つ聞きたいんだが・・・」
ネーノが皆に問い掛けると、3人はネーノの顔を見る。
「はっきりとは見えないんだが・・・あそこに居るのは何だ?」
ネーノが指差す方を3人は振り返った。薄っすらだが白い電柱の様な物が立っている事が見えた。
モナーはそれがなにかだと分かると、一瞬にして顔が青ざめた。
「来たわね。」
レモナがボウガンを構える。
「決着だゴルァ。」
ギコの毛が立ち、武者震いを起こす。
「この時を待ってたんじゃネーノ?」
ネーノが拳と拳を合わせる。
段々と見えてくる影、ゆらゆらと揺れていることが分かる様になってくると全員が息を飲んだ
そう、その影こそ
「八頭身君だモナ」
259 :
名無嶋茂雄:04/07/20 12:31 ID:urKYv4Ec
>>227の続き
ガンッ!!
「やった!しとめた!これでお父さんもうかばれる!」
づーは自分の振り下ろしたバットから伝わる確かな手ごたえを感じて勝利を確信した。
「ッつ!」
しかし次の瞬間左足を急激な痛み・・・というよりも熱さを感じ、づーはガクッとその場に座り込んだ。見ると、太ももから血が流れている。
何よこれ!何が起こったの!?状況を完全に理解できないまま自分の振り下ろしたバットの先を見ると、机が真ん中から二つに割れたようになっていて、崩れた机の下から
手が伸びていた。それは紛れもなくでぃの手であり、その手に握られている木片にはづーの血がついていた。
―――――づーがバットをでぃに振り下ろした瞬間、
でぃはとっさに弾の切れた銃を捨て、ベッドの脇にあった机の下にもぐりこんだのだった。何年も放置されて木が腐っていたのであろうその机は、づーの一撃によって簡単に壊れてしまったが、
でぃへの衝撃はいささか防げたようだった。そしてでぃは、とっさに目の前に転がった机のかけらをづーの足に突き刺した。そして今に至るわけである。
づーは状況を理解するのに数秒を要した。それはでぃが崩れた机の下から這い出してくるには十分な時間であった。でぃはおきあがると、近くに産卵している木片の中でも
ひときわ長いものを(といっても12cm程度だが)を拾い上げ、先ほどづーをさしたものを右手に、今拾ったものを左手に持ち、づーにむかって構えた。
その目には、ガナーを殺されたことに対する怒りの炎しか写っていなかった。
その目を見てづーは一瞬ひるんだが、すぐにもう一度バットを構えて立ち上がった。左足が痛んだが、そんなことは父への愛が忘れさせてくれた。
大丈夫、相手が持っているのはただの木のかけらだ、こっちのが絶対有利だ。そう自分に言い聞かせて先手を打ったのはづーの方だった。
「あああああぁぁぁぁあぁぁあああ!!!!!!」
ガンッ!バットが床を叩き、叩かれたところが少しへこんだ。づーは、いきなり走り出したことにより左足が痛み、よろけてしまったのだ。
でぃはそのチャンスを見逃さなかった、立ち上がろうとするづーの背中に両方の木片を突き立てた。づーが痛みで倒れこんだ隙に、でぃはさっき捨てた銃をつかみ、づーの後頭部めがけて力まかせに振った。
ごんっ!
と鈍い音がして、づーは気絶した。でぃはしばらくづーの様子をうかがっていたが、しばらくすると自分のデイバックから変えの弾を出し、銃につめた。そして銃口をを静かにづーの頭に持っていくと、
づーが小さく「・・・・お父・・・さ・・ん」と言ったのが聞こえた。しかしでぃは無表情のまま引き金を引いた。
パシュッ
と小さい音がして、づーは死んだ。父の敵を取れなかった悔しさを抱いたまま・・・。
260 :
名無嶋茂雄:04/07/20 19:22 ID:vBRSiGnT
でぃはしばらく動かないまま部屋の中を見ていた。ベッドの上で顔をつぶされて横たわっているのはガナー・・・
・・・トモダチ
そして目の前にうつぶせになって倒れているのはづー・・・
・・・トモダチ・・・コロシタ・・・ワルイヤツ・・・ワタシガ・・・コロシタ・・・・・・!?
今になってでぃは、人を殺したことを後悔し始めた。でぃの心の中でづーの「お父さん」という声が繰り返される。
あぁ、私はとんでもないことをしてしまったんじゃないだろうか?
タイシタコトジャナイワ、ダッテアイツハガナーチャンヲコロシタンダモノ、トウゼンノムクイヨ。
でも・・・人を一人、殺した・・・
ダカラソレハアイテガカッテニオコリダシテオソイカカッテキタノガワルインデショウ?
だってそれは、私のお父さんがあの子のお父さんを殺したからで・・・
ソンナコトアナタニカンケイナイジャナイ。アナタガヤッタワケジャナインダシ、ソレニガナーハモットカンケイナイワ。
ガナーちゃん・・・?
ソウヨ!アイツハゼンゼンカンケイノナイガナーチャンヲコロシタノヨ!アンナニムザンニ。
ガナーちゃん・・・づー・・・
ナンデコンナヤツノコトカンガエテルノヨ!ワルイノハコイツジャナイ!ナンデアナタガカナシマキャイケナイノ!?
悲しむ・・・?私・・・今・・・悲しんでる?
ソノトウリヨ!ガナーチャンヲコロサレテカナシイデショウ?ダカラコンナヤツシンデトウゼンヨ!
私・・・もう、悲しみたくない!悲しまないためには・・・
ダカラモウコイツヲコロシタンダカラソレデイイデショ?
違う・・・!この変なゲームを潰しちゃえばいいんだ!
ナッ、ソンナコトデキルワケナイジャナイ!ナニカンガエテルノ!?ダイタイ・・・
もうでぃには自分自身からの悪魔の声は聞こえなかった。ただ彼女の目には、
さっきまでと違う覚悟の炎が浮かぶだけだった。そうしてでぃは銃をスカートの中に忍ばせ、
づーの金属バットを持って部屋を出て行った。
去り際に二つの死体に両手を合わせて・・・
廃墟を出たづーは、まだ自分が一つの影に見られていることに気付いていなかった。
しかし影は、ぐんぐんでぃに近づいている。右手にクナイをもってでぃに近づいていくその影とは、ダーヤスだった。
【残り9人】
「――こんなもの、よね」
ありすは腰を伸ばしながら軍人の上から体を起こし、呟いた。
気絶している軍人相手に手足を縛るというだけなのに、随分時間がかかってしまった。
先程から何度頭上を旋回するヘリコプターの音を聞いただろう。
再び聞こえ始めたプロペラ音に、そういえば、とありすはふと思い返す。
この会場に紛れ込んだという糞団体の一味とやらは、今もまだ会場内を逃げ回っているのだろうか。
それとも、もうすでに兵士に見つかって射殺されてしまったのだろうか。
――まあ、まだヘリコプターが飛んでるってことは、生きてるってことかしらね。
ありすはそう結論付け、それ以上考える事をやめた。
元々、あまり興味のあった事柄でもない。
頭上を舐めていくサーチライトをやり過ごし、ありすは再び目の前の軍人を睨んだ。
男は死体のように、薄く目を開き、口元からどす黒い血液を流している。
――ありすはそれを見て、皮膚の上を流れる血液がどす黒い色をしているという事を初めて知った。
防弾チョッキの胸がかすかに上下しているのが、男がまだ生きているという事のたった一つの証拠だった。
男の手首は大判のハンカチできつく締め上げている。
ハンカチでは少々心許ないとも思ったが、銃を突きつけていれば動く事も無いだろう。
男の足を縛っているのはデザイン重視の華奢なベルトだ。
その細い革は、今にもはちきれそうに見える。――まあ、それは見方の問題なのだろう。
現に、通常使っていた時はそんな気配は見せなかったし、ドアノブに引っ掛けて強く引っ張った時でもちぎれる事は無かった。
――ありあわせの材料としては、まあまあ合格点じゃないか。
「……準備は万端。――いこう」
小さく頷いて、ありすはデイパックからペットボトルを掴み上げた。
半分ほど入っている水が、サーチライトの光をたたえている。それは素直に美しかった。
ありすは光る水を一口飲んだ。――この一口が、この世で口にする最後の物で無ければいいのだが。
ありすは蓋をしめずに、男の方へと歩み寄った。
ちょうど男の顔の上にペットボトルを持っていく。そのまま、ありすはペットボトルをひっくり返した。
相当量の水が、男の死人のような顔の上にぶちまけられる――
「――っぶはっ!げほっ!……っ」
男は鼻や口に入り込んだ水に、盛大にむせた。次の瞬間、その顔が苦痛に染まる。
咳き込んだ事によって傷が疼いたのだろう。やはり骨折しているのか――
ありすはほんの少しの謝罪の色を瞳に滲ませながら、しかし冷静にその様子を観察した。
漏れも参加させてください
263 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/20 20:57 ID:ci+8uGCJ
age!おもろい!続きを期待☆
皆さんsageる事から学びましょう
265 :
名無嶋茂雄:04/07/20 23:28 ID:B8sL0mBD
ダーヤスは獲物を探し歩いていた。ここはもうE-5辺りだろうか。
一番最初に出会ったアリスには逃げられるし(おまけにクナイを一本とられた)さ二番目の妹も
しとめたと思ったら武器を何も持っていなかった。
「あーもう!何でこんなついてないのかしら!」
自然とそんな言葉が口をつく。確かに彼女はついていなかった。支給された武器が忍者セットとかいう
ふざけたものだったし、何より妹を殺してからずいぶん歩くのに誰にも合わなかった。
「こうなったらさっきからその辺うろついてる兵士殺して武器奪っちゃおうかしら。でもいくらなんでもムリよね。」
そんな独り言を言いながら歩いていると、前方に何か動くものを見つけた。彼女はそれが兵士でないことを確かめると、
すぐさまその誰かを「獲物」だと認識し、それに向かって小さく走り出した。
(やった!久しぶりの獲物だわ!)
見るとそれは、右手に金属バットを引きずっていた。それは、こんな手裏剣なんかよりは役に立ちそうなものだった。
ダーヤスは、標的の5メートルほど手前で静かに立ち止まると、相手が気づいていないことと、
その相手がでぃであることを確認した。そして彼女はスカートのポケットから手裏剣を三枚取り出し、でぃに向かって投げ、
その瞬間に右手にクナイを持って走り出した。ダーヤスがでぃの3メートルほど手前まで来た時に、
でぃの背中に手裏剣があたった、しかしあたったのは1枚で、他の2枚はでぃの体を反れそれぞれ左右に飛んでいった。
なおもダーヤスはでぃに向かって走っていたが、でぃのところに着く前によけられてしまった。あたった手裏剣は一枚だけだったので
大して大きな傷にもならず、かえってでぃにダーヤスの存在を気付かれる結果となってしまったのだ。でぃは、
「チッ!」
と舌打ちをすると、左に倒れこんだでぃにクナイを振り下ろした。しかしでぃはそれをバットで受け止め、
急いでダーヤスから距離を置いた。そしてバットを地面に置き、スカートからサイレンサーつきの銃を取りして、
ポケットから残りの手裏剣を出そうとするダーヤスに向けた。一瞬の静寂が流れ、その後にでぃが静かな口調で言った。
「私はもう誰も殺したくないの。私はもう悲しい思いをしたくないの。だから・・・
私と一緒にこのゲームを潰さない?」
ダーヤスは、予想外の質問に一瞬しりごみしたが、落ち着いた口調でこう答えた。
「アナタ馬鹿じゃないの?できるわけないじゃないそんなこと。首輪を爆破されて死ぬのがオチよ。」
ダーヤス精一杯虚勢を張ったつもりだったが、でぃは落ち着いていた。
「協力してくれないならそれでいいの。ただ、今すぐ私の前から消えて。さっきも言ったけど、私もうだれも殺したくないの。」
ダーヤスは、手裏剣と銃では形勢が不利だと考え、黙ってその場を立ち去ろうとした。でぃもほっと息をつき、
少し安心した顔をした。
しかしすぐにその顔は凍りついた。前方7メートルほどの所にいきなり背の高いものが現れたのだ。しかもそれは銃を構えている。
マシンガンだろうか、とっさにでぃは前にいて、やはり動けなくなっているダーヤスに向かって叫んだ。
「逃げてッ!」
しかしその声がダーヤスの耳に入る前にその背の高いもの、八頭身はマシンガンの引き金を引いていた。
ぱらららっぱららららららららららら
そんな音が響いたかと思った次の瞬間には、二人とも絶命していた。そして八頭身は二人の武器を回収すべく、
死体に向かって歩き始めた。
そんな瞬間を目撃していたAAが数人いた。そう、モナー、レモナ、ギコ、ネーノの四人である―――――――――
【残り7人】
266 :
名無嶋茂雄:04/07/20 23:29 ID:B8sL0mBD
そもそもこのスレは荒らしに荒らされつつあった過去がある。
なのでsage進行。流石に人小杉なら・・ageていいかな?
・・ちなみに漏れは6になったら書こうかな?
268 :
名無嶋茂雄:04/07/21 08:53 ID:aaa+Moyp
やべ、ageちゃった。
270 :
名無嶋茂雄:04/07/21 10:39 ID:aaa+Moyp
モララーのイライラはもはや頂点に達していた。
「畜生!まだあの糞ぃょぅを見つけらんないのかダメダメどもめ!全く使えないやつらばかりだ!」
モララーはテーブルにおいてあった愛媛みかんを一つつかみ、握りつぶしながら司令室にいる兵士たちに怒鳴り散らしていた。
そこへ一人の兵士が駆け込んできた。
「報告ですッ!」
「 五 月 蝿 い よ ! 」
モララーに何かを報告しようとしたらしいが、あまりにも声が大きすぎたためモララーに怒鳴られてしまった。
「喪前はもっと声を落としてしゃべることはできないのか!?」
モララーが怒鳴る。
「ハッ!申し訳ございません!」
兵士は先ほどよりも声を落としてしゃべったつもりだったが、その声はやはり大きかった。
「だから五月蝿いって言ってんだろ!!」
モララーはとうとう切れて懐からS&Wを取り出すと、兵士に向けて打った。
パアァン!
弾は兵士の左の頬をかすめて壁に当たった。すると兵士は
「ヒッ!申・・・し訳・・ご・・・ざい・・・ません・・・」
と、先ほどとは対照的に蚊の鳴くような声で謝った。それを聞いてモララーは、
「で!?何!!?」
となおもイライラしながら聞いた。それに答えて兵士は
「ハッ、ぃょぅの死体ををF-4の廃屋付近で発見しました。」
「おぉそうかそうか、よくやっ・・・喪前今、したいって言ったか?言ったよな?てことは何か?ぃょぅは死んだのか?」
「はい、その通りであります。ただ、死体の周りで兵士が数人死んでいたことと、死因が首骨折ということから、
おそらく殺したのは生徒の誰かかと・・・」
「アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!」
兵士の報告を聞くと、モララーは声高らかに笑い出した。
「まさかあんなに助けたがってた生徒に殺されるとはねぇ!あっはっはっはっはっは!」
笑っているモララーに、兵士が付け足す。
「もう一つ、D-5付近を捜索していた兵士二名との通信が途絶えています。」
モララーは笑うのを必死で我慢しながら答えた。
「あぁ、それも多分生徒だろう。大方8頭身あたりが武器を調達するためにやったんだろう。気にしなくていいよ。
君、兵を全部戻らせて。捜索は終わりだ。」
兵士はそれに「ハッ!」と答えるとすぐに司令室を出て行った。
モララーの機嫌はもう完全によくなっていた。
「まさか、生徒にねぇ・・・ぷぷっ・・・おっといけない、生徒たちにこのことを知らせなきゃ。」
モララーは、今にも笑い出しそうなのをこらえながらマイクを取った―――――――
【残り6人】
271 :
名無嶋茂雄:04/07/21 11:48 ID:aaa+Moyp
職人支援age
>>名無嶋茂雄
sageを覚えてください
覚えちゃいるんだけどねぇ、なんか荒らしも興味ないみたいだし、
人も居ないし。
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < 職人まだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
名無嶋茂雄のID神
ID:aaa+Moyp
AAAって、モナハザか?(違う
278 :
名無嶋茂雄:04/07/22 08:21 ID:8aSNBlah
ピンポンパンポーン
「オーッス!みんな元気にやってるかー?まだ定時放送には早いけど連絡がありまーす。
さっき言ってた糞団体のヤツはもう死にましたー。よって、これから兵を撤退させるので
もう武器を奪うとかいうことはできません。以上!がんばってくれたまえ。」
島中にこんな放送が響き渡った時、おにぎりはすでにあの廃屋から出てたった一人で歩いていた。
――――数十分前
F-4の廃屋では、友への追悼の踊りを終えたおにぎりがそのばに突っ伏したまま泣いていた。
しかしその泣き声は、何の前触れもなく聞こえてきた兵士の声によって止められた。それはおにぎりに向かってかけられた声
ではないのだが、今まで泣いていて人が近づいてくるのに気づかなかったおにぎりにとっては、十分な驚きの要因だったのだ。
おにぎりが耳をすませて聞いてみると、
「―――複数の兵士の死体をハケーンしました。」
「なんだと!ぃょぅにやられたのか!?」
「はい、武器が残っていることから、おそらくは・・・」
「まだこの辺りにいるかもしれない、慎重に探せ!」
「了解!」
そんな会話が聞こえてすぐに、兵士が一人割れた窓からおにぎりのいる廃屋に入ってきた。そしてすぐにぃょぅの死体を見つけると、
急いで仲間に報告しに戻った。間もなく兵士がぞろぞろと廃屋に入ってきてしばらくぃょぅの周りを調べていたようだったが、
そのうちぃょぅの死体を運んでいってしまった。兵士が窓から入ってきたときとっさにおにぎりは物陰に隠れたが、
もう人の声がしないので出て行くと、ぃょぅのしたいと荷物はきれいに無くなっていた。おにぎりは、しばらくその奇妙なほど
静かな場所にたたずんでいたが、何かを決心した様子で口をへの字に曲げ、ッパのデイバックからお菓子だけを自分のデイバック
につめると、右手にS&Wを握り締めて廃屋を出たのだった。
そして現在、彼は幸か不幸か8頭身とモナー達のいるE-5に向かっていた。いったい何が彼をそうさせるのか、いったい彼は
廃屋をでる時に何を決心したのか、八頭身への復習か、それとも別の何かか、それは誰にもわからない。
そこにあるのはただ口を固く結んであるくおにぎりの姿だけだった。
【残り6人】
ごめんまたageちゃった。
ところで名無鴨茂雄さんは雑談スレ見てるの?
見てないっつーか見れないっつーか・・・
283 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/22 22:49 ID:XfFCyFrs
age。続きまぁ〜だぁ〜?
284 :
またあげちゃいました:04/07/22 23:02 ID:XfFCyFrs
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|o旦o
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' 旦 <コトッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
次回作ヨロ!連続あげスマソ!
| ミ ピャッ!
| 旦
「決定的なミス」
4人は自分の目を疑った。
いきなり銃声が聞こえたと思ったら、目の前に八頭身と銃声と同時に2人の体が崩れる所を目撃したのだ。
4人はこの状況を危険と察知しとっさに草陰に隠れた。
「レ、レモナ。こ、これからどうすれば?・・・」
モナーは小声でレモナに聞いた。
「そうね、マシンガンを相手とするとかなりのリスクを負うわね。いったん引きたい所だけど、
そうはいかないわ。せっかく見つけたんだから・・・先手必勝よ。」
そう言うとレモナは静かにボウガンを構えた。
「いい?一気に攻めるわよ、構えて・・・・・・・・・・って何で皆なにも構えないの?」
構えているのが自分だけだと気づくと、レモナは3人を見回した。
「モ、モナは途中で武器を落としたから最初っからなにも持っていないモナ。」
「俺はしぃを運ぶだけで精いっぱいだったから、バックは持ってきてないぞゴルァ。」
「お、俺は気絶してたし、バックはしぃちゃんに全部持ってかれたから、手ぶらじゃネーノ?」
「う、嘘っ!・・・・・」
武器を持っていたのはレモナだけだった事を知ると、レモナはしばらく声を出せなかった。
そして少し考え込むと後ろへ振り返り体を低くしながら歩き出した。
「どこ行くモナ?」
「作戦の練り直しをするわよ、いったん引きましょう。」
それだけ言うとモナー達もレモナの後を追った。しかし、その姿を八頭身は遠くからじっと眺めていた。
「チッ、見られたか。まあ、いい。どうせあいつらは直に、僕の手によって殺されるんだからな。」
八頭身は呟くとダーヤスとでぃから武器を回収した。
そして不気味な笑顔を浮かべると、マシンガンの残弾を確認し4人の後を追った。
<<>>
("∀";) - ムッハー様 -
/ \
AAバトルロワイアル初登場キャラクター。
ムッハー様は、密かに島へ上陸していた。
そう、AAたちを助け、ムッハー教に入会させようとしているのだ。
有名AAたちを助ければムッハー様のAA大辞典入りは間違いない。
ムッハー様はそう確信していた。
† ムッハー教 † HP
http://f50.aaacafe.ne.jp/~muhamuha/ 夢はAA大辞典に載ること。
12時が近い。モララーは司令室で定時放送の準備をしようと椅子から立ち上がったところだった。
「さーて、そろそろ定時放送だなーっと・・・!!」
モララーはここまできてやっと事の重大さに気づいた。
「残りの生徒の状況が・・・わからねぇ・・・。」
そう、ッパとおにぎりが電線を切ってしまったため、首輪の機能が全くといっていいほど止まってしまっていたのだった。
電線が切れたこと自体は全く問題はなく、この分校の電力もすぐに回復したがその電力の回復に当てられたのが、こともあろうか
首輪の盗聴、爆破、位置確認、それと生徒の生死を確認するための機能のための電力だったのだ。
「やべぇ・・・どうしよう、定時放送まであと十分もねぇじゃねぇか。こんなことになるなんて・・・クソッ、なんで
今まで気づかなかったんだ。・・・どうしよう。」
モララーは頭を抱えてしまった。当然、こんなことがお上にバレでもしたら給料カットどころでは済まされない。モララーは
必死で頭をフル回転させ、定時放送をどうするかを考えていた。このままでは禁止エリアすら決められない・・・。
あせるモララーにある一つの妙案が浮かんだ。
「そうか、どうせ生徒はこの放送以外では残りの生徒同士の生死の状況なんてわからないんだ・・・。なら、
でっち上げちまえばいいじゃねーか。禁止エリアだって適当に決めればそれでいいや。」
そんな独り言を言ったあと、モララーは放送の準備を始めた。
―――――このとき、モララーはあることに気づいていなかった。それは、何人かの生徒が既に仲間を見つけて共同戦線
を張っていること、もしその中の誰かが死んだと放送した場合今の本部の状況が知られてしまうことだった。
冷静に考えればすぐにわかることだが、モララーはあせっていた。そしてそのあせった思考のまま、モララーは誰を死んだ
ことにするかを決めていた。ここから、AABR本部、そしてこのゲーム自体が崩れていってしまうことになるとは知らずに、
モララーは禁止エリアを決め始めた。
?
289 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/28 06:58 ID:LlYCIg4I
age
290 :
さるびあ:04/07/28 10:17 ID:yLfujm00
これサイコー!!
ここまで読むのにすごく時間かかった・・・
早く続きが見たい
291 :
さるびあ:04/07/28 10:27 ID:yLfujm00
っていうか1さんが氏んだ所みてないんでキボンヌ
293 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/29 00:03 ID:DZC/09Kk
,. - ' ´ ̄ ̄``丶 、
,.r " _ 、 ヽ、
/ / | 、 i ヽ ヽ \
/ / / ! lヽヽ l ヽ ヽ ヽ '、
. / ,' i i l l ヽヽ l ヽ ', ', ', __人__
.,' i l l l ! ヽヽ l ', i ! i `Y´
l | i| i !| ヽヽ l i |', i |
| | !| し l! \ヽ ヾ、| | l!| ! きら
', 、 !',l 、__, ー込_、lヽ| i! l! ,' 素敵!続きちょうだい!!
.|ハ ヾi!xr',ニ‐、ヽ ソ´,‐:ミヽ! ∧」 ! きら
ノ ヽ ド' {:゚::::l i 、 {:゚::_j,.l f´n Y
`r‐ミ、`'rーf ´ | `ヾ| l 〃ラ〃
ヾ`'、| | ___`_,..... ィ|| ! ムイ,' __人__
ヾ、l | ヽr‐--一ブ |レ | i {{ `Y´
}ヾ、 `ヽ-‐ '´,..ィ| i ト、Nヽ
/_ィ,イ``ヾ""´ ト{l ト、! ヽ
,.. -- ,∠...-'´ i ト-`..`ニr―-、_
/ ,.r__二フヾー-、 _,. l! /r‐ヽ
! , ‐'´>イ`r`ー_-、 \-'"´ l! |:::::|(:::|
,レ' ,/'て_))−(ー' `ヽ, ヽ l! ヽ、ヽ_j!
/ / /ァ‐,{ーi rテ‐-、 ', i!/ , >く!
! / _,.-‐イー`ァ‐-、 ヽ |_,.人 ''" !
. | ' /て))ト--ヽー' ヽ -'´ヽ /{ノ|
l / /!-┴┴-、`ト、 /-‐'´/i \:!
ヽ // レ――‐-く,ヽ ∧‐' "_/! !
ト、 {ソ//n`i| | !イ〉ソ ノ ! ム-、,.ィ′ |
| ` ゞ//ノ ノ///ル'ト、ノノ{ }/| |
| `r┴←べニユく{ヘ`マ入! |
| l ト、二 ー`ー<´ \ |
! ! !ヽ、 _二ニヘ ヽ|
! l 人`ー .._.. -‐'´ト、 |
', ノ ,イ ヽ、` ー‐一'_´-个ヽ !
`ー' ,.イ{ `-.._  ̄ ̄ ̄,. -'´ ノ ト--'
/! ', ヽ、__  ̄ ̄ _,.- ' ノ ヽ
{i '、 ` - .._ ̄__,... -‐'´ /j「!
トヽ \  ̄ _/ノ'_}ヘ
「`!::`ヽ、`ヽ、 ___..-‐' "´,.r'´ ̄{{::l }
l|:::::::::::`''−---−''"´::::::::::::::::ぃリ
Y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::フ
続きは現在書き手さんたちの間で考え中・・・
気になるんだったら雑談スレ(
>>282)に行って下さい。
もうだめぽ
296 :
さるびあ:04/07/31 13:41 ID:Yre4ugoQ
関係ない人が書き込んだらだめなんですか?
298 :
さるびあ:04/08/01 13:49 ID:e4WZXlUQ
あ、そうなんだ。
じゃあ漏れも書いてみようかな
299 :
さるびあ:04/08/01 13:51 ID:e4WZXlUQ
と、思ったがネタが思いつかん
300 :
さるびあ:04/08/01 13:54 ID:e4WZXlUQ
300ゲトー
連レススマソ
書こうと思ったらとりあえず雑談に行ってください。
・・・っていおうと思ったけど人のこと言えないな。
「何処だ、何処にあるんだ・・・クソッ!」
モララーは一人苛立っていた。
「このままじゃ僕の首が飛ぶ。どうにかしなくては・・・」
混乱した頭では碌な考えが浮かぶはずもない。
しかしその混乱した頭でモララーは閃いた。
確かエリアDは封鎖したはずだ。この案なら・・・行ける!
死亡者は・・・八頭身が死ぬとは考えられない、ここはおにぎりでも殺しておくとしよう。
それから5分後――
「ピンポンパンポーン。みんなー元気に殺り合ってるかー!
まず殺されたお友達からー【男子6番】おにぎり!以上だ。
みんなペースが落ちてきてるぞー。
それでは、ここでみなさんに重要なお知らせがありまーす。
そろそろ人数も減ってきてみんなも飽きてきただろう。
そこで、特例だが今から30分後エリアAとエリアCを前面封鎖しまーす!
30分後だぞー、遅れるなよー!これで放送終わりまーす。」
ふぅ・・・。モララーは精一杯の虚勢を張ったつもりだった。
やった。声も震えていなかった、大丈夫ばれてないはずだ。
後はエリアBでみんなが勝手に殺しあってくれればいいんだ。
「ふふふ・・・ふふふふ・・・ふはははははは!」
司令室にはモララーの高笑いが響き渡った。
一方その頃、おにぎりは腑に落ちない表情をしていた。
「ぼくが死んでいる・・・?ぼくは生きてるワショーイ!
でもなんでぼくが死んだと思ったんだろう・・・?」
モララーは気づいていなかった。自分が最も危険な人物を選択してしまったということを。
【残り6人】
>そこで、特例だが今から30分後エリアAとエリアCを前面封鎖しまーす!
前面か
ギガプッ
304 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/08/05 22:21 ID:wfDJEpTW
保守
>>303、2ちゃんには当て字が沢山あるんだよ?
はぁ、もしかして釣り?
これって続き書いてもいいんだよね…??
307 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/08/07 01:41 ID:nUrmzMIX
どんどん来〜〜い!
あぁ…どうすればいいの?
何を…何のために…どうやって…。
ッパやぃょぅの死を目の当たりにし、再び込み上げてきた深い深い絶望。
そして、怒り。
微かでも…友達といることで得た希望を一瞬で散らし、去っていった8頭身。
どこへ向かうでもなく、おにぎりはゆっくりと、歩んで行く。
彼が…あぁなってしまったのは、大好きな
>>1さんの死であることは分かっている。
大事な人がいなくなってしまうのがどれほど哀しいことか。
でも…でも、だからって、みんなを…友達を…仲間を、殺していいはずがない。
だけど…。
どうすればいいんだろう。
ねぇ、ッパ君。
君ならどうするのかな?
大切な人を失ったら。
もしもあの時、ッパ君の代わりに僕が死んでいたら…?
君ならきっと、やるべき事を見失いはしないんじゃないか。
―――やるべき事、を。
僕に何ができる?
僕は何をすればいい?
一体誰のため…何のために。
何もかもごちゃごちゃだ。
僕はどうしたいんだろう。
8頭身に復讐?
―――それこそ8頭身と同じじゃないか。
彼は1さんの復讐のために動いてるんじゃなかったの?
ッパ君やぃょぅさんのやろうとしてたこと…みんなを助けること、を。
僕はやり遂げたい。
2人のために。
僕のために。
みんなのために。
できるかな?
ムリかもしれない。
ッパ君やぃょぅさんと手にした希望は絶望に変わった。
…それでも。
散り落ち果てた絶望をかき集めよう。
もう一度希望として輝かせるから。
「…とりあえず、今後のことを考えてみるワショーイ…」
一人でいる寂しさから、つい声をだしてしまう。
誰でもいいから話を聞いてほしかった。
誰でもいいから声を聞きたかった。
―――例え、自分自身であっても。
人が恋しくてたまらなかった。
こんな自分がみんなを助けられるんだろうか。
さっきまでの決意は、またもや大きな不安に掻き消されそうになっていた。
けれど、2人の死が頭をよぎる。
2人を殺した8頭身の姿も。
すると、束の間不安は消え、怒りと使命感のようなものが湧き上がってくる。
寂しさも、苦しさも、哀しさも、心の痛みも、…辛いこと全てが、ほんの少しの間だけ消えてくれる。
だから、2人の面影をしっかり目に焼き付けておこう。
忘れないように。―――2人がそばにいてくれたこと。
逃れるために。―――終わりのないこの苦しみから。
F−4を出てからおにぎりは、海に沿って進んでいた。
理由はなかったが、この穏やかな海の様子を見ていると少しは落ち着くような気がしたからだ。
+ + + + + + + +
傍らの森の入り口にある適当な木のしたで腰を下ろし、傍に落ちていた木切れを手に取った。
カリカリと島の絵を描き始める。
別にこんなところで書く必要なかったけれど、なんとなくそうせずにはいられなかった。
だいたいの地図が出来上がってくると、禁止エリアに×印を付けていく。
それも終わると、前回のモララーの放送時に生き残っているはずのメンバーの名前を隣に書き連ねていく。
モナー君。ネーノ君。ギコ君。レモナちゃん。……8頭身。
たった、これだけ。
あまりに少なすぎる。
ほとんど無意識に、”8頭身”の字を手で均し、その上に”ッパ君”と書いた。
「………………」
それから続けて”僕”と書いてみる。
その下に、クラスのみんなの名前を全部書いていこうと思った。
…でも、誰から書いていいのかわからなくなって、やっぱりやめた。
「…ワショーイ……」
小さくつぶやいてから、木切れを捨てて地図を消していく。
島の形がなくなると、生き残りのみんなの名前に手をかける。
”モナー君””ネーノ君””ギコ君””レモナちゃん”
残った”ッパ君”と”僕”の字をぼうっと見つめ…それも思い切って手で払った。
跡には何も、ない。
おにぎりは立ち上がり、再び歩き始めた。
もうすぐ日が沈む。
申し訳ないのですが、
>>311はスルーしてください。
後で書き直しさせていただきます。
モナーは他の三人とともに、エリアBへと引き返した。
他の生徒と遭遇しやすいエリアEを、武器も持たずに歩くのは危険だと、
レモナが提案したからだ。
一行は最初に合流した地点まで戻ってきた。
「あの野郎!いったい何人殺りやがったんだぁ!?今度会ったら・・・・・」
「落ち着け、ギコ。それより、これからどうするかが問題じゃネーノ?」
「とにかく、武器が無いのは致命的だわ。ボーガンだけじゃ、今度八頭身と遭遇したとき
戦えそうもないわ」
モナーはみんなの話から距離をおき、、一人で考えていた。
(みんな変わってしまったモナ。このゲームのせいで。八頭身君だって
たぶんそうだ。彼が悪いわけじゃない。でも彼はたくさんの友達を殺した。
それは悪いことだ。・・・・・・・だけど、だからって殺すの?「戦う」、「殺す」、
もうたくさんだ。それがあまい考えなのは知っている。けれど・・・けれど・・・)
モナーの考えとは裏腹に、他の三人の話は進んでいた。
「よし!俺が・・・しぃを背負うときに置いてきた荷物をとってくる。
弾も少し残ってたはずだ。ちょっと待ってろ。」
ギコは立ち上がろうとしたが、ネーノがそれを止めた。
「君は休んでいた方がいいんじゃネーノ?俺が代わりに
取ってくるから。」
「いいよ。俺が・・・・・・・」
ギコは言いかけたが、すぐに口を閉じた。少し無茶を
しすぎた。血は止まったものの、正直、体は限界に近い。
「20分くらいでもどってくる。じゃあな」
「絶対駄目だ!」
ネーノが食い下がった。
「20分くらいで戻るだって?
大体その怪我で20分も歩き続けるなんて無茶じゃネーノ!?行っちゃ駄目だ!」
ネーノは、声を張り上げてギコに言った。
それを聞いたギコは、少考した後、こう答えた。
「・・・うるせぇな。そんなの俺の勝手だろ?」
ギコは、まるで人事かのようにそっけなく答える。
「・・・俺の勝手って・・・何を言ってるんだおまえは・・・?
死ぬかもしれないんだぞ!?」
ネーノは、ギコの肩をゆすってなお叫んだ。
「・・・痛ぇよ。」
ギコがぼそりと呟く。
ネーノはあわてて手を離した。
しばらくの沈黙の後、次はモナーが口を出した。
「そうモナよ。ギコ、態度おかしいモナよ?
どうしちゃったモナ?」
ギコは、無言だった。聞く耳持たないというように黙って座ってる。
「そうよ。ギコ君何かおかしいわ。何がしたいのよ?」
レモナがそう言うが、ギコはなおも黙り続け、口を開こうとしない。
と、しばらくの沈黙の後、不意にギコが言った。
「・・・じゃあ、行くぜ。」
そういうと、ギコは無表情で立ち上がり、外へと歩き出した。
「待て、待てよ、おい。」
ネーノが焦ったように肩を掴んだ。
「死ぬかもしれないんだぞ?何がしたいんだ!俺たちは脱出できるかもしれないのに・・・」
ネーノがなお必死に叫ぶ。
ギコは、しばらくネーノを、3人を睨んだ後、重い口を開いた。
ギコが不意にそう言った。
ネーノは、突然の一言に唖然とした。
「何を・・・」
「一緒に勉強し、一緒に話し、同じ釜の飯を食った。」
ギコはなおも3人を睨みながら言い続けた。
「なのに、なのに・・・そいつらは皆・・・みんな・・・俺らを殺そうとした。
牙をむき、・・・刃を携えて。」
モナーは、それを聞いたとき、もう死んでしまったであろうショボーンの事を思い出した。
ギコは、一息つくと更に続けた。
「何故そうなったのかはもう分かっている。」
レモナは、心の中で密かに頷いた。
「生きてかえれないのはもう分かっている。」
ギコは、そう言うと顔を落とした。
モナーも、レモナも、ネーノも、何を言い返せない、というように押し黙ってしまった。
「だが」
しばらくの沈黙の後、ギコは更に3人を見上げ、話を続けた。
「・・・お前たちは生き残る事が出来る。」
ギコは、はっきりと言い切った。
――お前たちは。
その言葉を聞いたとき、3人はギコの決意に気付いた。
ギコは―――死のうとしている。
「そんな・・・!お前たちだなんて・・・勿論ギコ君も生き残るモナよ!?」
モナーが我慢できないかといったようにギコに向かって叫んだ。
「そうよ!貴方だけが死ぬなんて許されないわよ!
それに・・・何の為に死ぬのよ!わざわざ死ぬ必要なんて・・・ねぇ、ネーノ君!?」
レモナがネーノに同意を求める。
ネーノは黙ったままだった。
「ねぇ、何黙ってんのよ!何か言ってあげて!」
「・・・ギコはきっと分かってるんだ。」
ネーノは、静かにそう呟くと、壁際に腰を下ろし、座り込んでしまった。
「ネーノ君・・・」
「ギコは多分・・・もう生き残れないって・・・分かってるんだよ。」
ネーノは落胆したように言った。
「そんな言い方って・・・」
「ああ、そうだよ。」
ギコが不意に言った。
3人は一斉にギコの方を振り向く。
「俺がいたってお前らの足手纏いになるだけだ。」
「でも・・・だからって死ぬ事はないモナぁ」
モナーが今にも泣きそうな声で叫んだ。
「誰も死ぬなんて言ってないさ。ただ俺はお前らの足手纏いになりたくないだけなんだ。」
「でも・・・大丈夫、足手纏いなんかじゃないよ!」
レモナも、目元を潤ませながら言う。
317 :
修正:04/08/08 19:22 ID:hvSGeitm
「前までの俺らは一体何だったんだ?」
ギコが不意にそう言った。
ネーノは、突然の一言に唖然とした。
「何を・・・」
「一緒に勉強し、一緒に話し、同じ釜の飯を食った。」
ギコはなおも3人を睨みながら言い続けた。
「なのに、なのに・・・そいつらは皆・・・みんな・・・俺らを殺そうとした。
牙をむき、・・・刃を携えて。」
モナーは、それを聞いたとき、もう死んでしまったであろうショボーンの事を思い出した。
ギコは、一息つくと更に続けた。
「何故そうなったのかはもう分かっている。」
レモナは、心の中で密かに頷いた。
「生きてかえれないのはもう分かっている。」
ギコは、そう言うと顔を落とした。
モナーも、レモナも、ネーノも、何を言い返せない、というように押し黙ってしまった。
「だが」
しばらくの沈黙の後、ギコは更に3人を見上げ、話を続けた。
「・・・お前たちは生き残る事が出来る。」
ギコは、はっきりと言い切った。
――お前たちは。
その言葉を聞いたとき、3人はギコの決意に気付いた。
ギコは―――死のうとしている。
「そんな・・・!お前たちだなんて・・・勿論ギコ君も生き残るモナよ!?」
モナーが我慢できないかといったようにギコに向かって叫んだ。
「そうよ!貴方だけが死ぬなんて許されないわよ!
それに・・・何の為に死ぬのよ!わざわざ死ぬ必要なんて・・・ねぇ、ネーノ君!?」
レモナがネーノに同意を求める。
ネーノは黙ったままだった。
「ねぇ、何黙ってんのよ!何か言ってあげて!」
「・・・ギコはきっと分かってるんだ。」
ネーノは、静かにそう呟くと、壁際に腰を下ろし、座り込んでしまった。
「ネーノ君・・・」
「ギコは多分・・・もう生き残れないって・・・分かってるんだよ。」
ネーノは落胆したように言った。
「そんな言い方って・・・」
「ああ、そうだよ。」
ギコが不意に言った。
3人は一斉にギコの方を振り向く。
「俺がいたってお前らの足手纏いになるだけだ。」
「でも・・・だからって死ぬ事はないモナぁ」
モナーが今にも泣きそうな声で叫んだ。
「誰も死ぬなんて言ってないさ。ただ俺はお前らの足手纏いになりたくないだけなんだ。」
「でも・・・大丈夫、足手纏いなんかじゃないよ!」
レモナも、目元を潤ませながら言う。
「・・・お、俺と」
ギコは、どもりながら更に話し出した。
「お前らと、俺との絆は・・・ま、まだ・・・失われていない。」
ギコの頬筋には、微かに液体が・・・涙が伝わっていた。
「生き残って・・・脱出して・・・みんなに伝えるんだ・・・
友達と・・・こ、殺しあう悲っ、劇を・・・大人達のし、している事の・・・
愚かさ、愚かさを・・・このゲームのっ・・・真実っ・・・真実を・・・っ!」
ギコは、涙で顔をボロボロにしながらも、なおも喋り続けた。
「何を言っているモナ!だから、死なないって、いってる、言ってるモナ!!ギコも、一緒に政府の愚かさを皆に伝えるんだモナ!!」
「そうだ!お前は死なない!お前も生きるんだ!俺たちと一緒に生きるんだ!」
ネーノも、いつのまにか立ち上がり、ギコに詰め寄った。
ギコハ、その声が聞こえていないかのように、更に続けた。
「どうか・・・生き延びてくれ・・・」
「そんな事言わないで!」
「そうだ・・・俺は・・・もう死ぬ事しか出来ない・・・そもそも、もう・・・手遅れなんだよ・・・
それに・・・それに・・・」
「ギコ君!」
「俺は・・・しぃが・・・もう・・・居なくて・・・それに・・・傷も・・・八頭身も・・・ああ・・・とにかく・・・俺は・・・」
「ギコ君!」
「でも!」
「お前たちは・・・みんなは・・・生き延びなければならない―――」
「ギコーーーーーーーっ!!!」
ギコは、全てを言い終えると、走り出した。
何も持たず、何も背負わず、只、一人で―――
【残り7人】
モララーは司令室の椅子にドッカリと座り、煙草に火をつけた。
つかの間の休息だ。ふぅ〜っと息を吐くと、しばしの間、
全てが思い通りに進まないことへの苛立ちも、忘れることができた。
しかし、そんな心地よい気分も、騒々しい物音と声によって
すぐに打ち消されてしまった。
モララーの部下が、司令室にズカズカと入ってきたのだ。
「モララー司令!司令!!」
モララーは機嫌を損ね、返事をしなかった。
部下は勝手にはなしだした。
「司令!!上層部から、詳しい状況を報告せよ、との連絡が
ありました。これ以上、報告を引き伸ばすのは無理かと!
それに、5時間後に、高官が視察にくるそうです。
システムの破壊は反BRの所為にするとしても、
早急に生徒達の状況を把握しないと・・・・」
モララーはようやく口を開いた。
「ぅ・・ぃ」
「は?何でしょう?・・・・・・司令!?」
「うるさい!うるさいッ!!黙れ!!!」
パンパンパンパ〜〜〜〜ン!!!!
モララーは静かになった部下に怒鳴りつけた。
「早急に生徒達の状況を把握?そんなの、できればとっくにやっている。
だいたいシステムが機能しなくなった今、生徒の様子なんて
分かるワケないだろ!!?分かってるのは本人達ぐらいだろうよ。」
・・・・・・ん?・・・・・・・モララーは思いついた。大きな危険を伴なうが、
成功すれば、効果は期待できる。それに、万策尽きた今、
これしか方法は無いかもしれない。
「「「生徒にコンタクトをとってみる」」」
三人はギコの走り去ったあと、ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
追いかけなくちゃいけないのはわかっている、ギコがどれだけ無茶なことをしているのかも
全部わかっている。なのに、誰もギコを追うことをしなかった。いや、できなかった。
それは、三人ともギコが去り際に見せた涙の中に、ギコの確かな悲しみを、覚悟を感じていたからである。
しばしの沈黙の後、その場の空気に耐えかねたようにモナーが呟いた。
「これからどうしよう・・・」
二人とも黙っていた。ギコを追いかけるという消さなくちゃいけない選択肢が頭の中でグルグル回っていて、
どうすればわからなかったから。
レモナは必死で冷静になろうとしていた。冷静になって考えればきっといい考えが浮かぶはず、そう信じていた。
しかし冷静になろうとすればするほど頭がこんがらがっていった。ネーノもまた同じ気持ちでいた。
「二人ともどうしちゃったモナ・・・?」
沈黙の中で、モナーが静かに言った。
「モナは二人を信じているモナ。二人はいつも冷静で、きっとモナなんかが思いもよらないようなすごい
ことを考えている人だったはずモナ、二人ともどうしちゃったモナ?いつもの二人に戻って欲しいモナ!」
その言葉にネーノが反応した。
「お前はいいよ!いつもそうやって人に頼ってやってけばいいんだからな!でも俺たちは違う、なるべく
犠牲を少なくしようと考えて考えて・・・それでこの様だ!もう数えるほどしか生き残っていない!
いったいこれからどうすればいいのかなんて、こっちが聞きたいぐらいだ!」
ネーノは今にもモナーにつかみかからんばかりの勢いで、心の中にたまっていたものを全部はき出した。
しかしモナーは静かにこう答えた。
「確かに、モナは人に頼ってばっかりだったモナ。でも、今やるべきことぐらいはわかるモナ、今やるべきことは、
黙って悲しむことでも、こうやって言い争うことでもないモナ。今やるべきことは・・・
覚悟を持って飛び出していったギコを信じて待つことだモナ!」
モナーは静かに、しかし力のこもった口調で言った。
その言葉に、二人は何かを見出したようだった。
変なところで切れてスマソ。でもちょっとこれ以上はムリポ、続きよろ。
しかし、一体どうやって生徒にコンタクトを取ればいい?
椅子から立ち上がったモララーは、イライラと部屋を歩き回る。
生徒の居場所が分からない。そもそも誰とコンタクトを取るか。
部下は当てにならないからなぁ。僕が直々に行ったほうがいいかな?
こちらから出向いていけばまず攻撃されるだろう。何しろひどい恨みを買ってるからな。
まぁ、僕にはかなわないだろうけどね。
問題はまだある。
接触した生徒が全員の行動を把握しているなんてことはまずない。
複数の生徒と会うというのもあまりよくないだろう。
できるだけこちらの緊急事態をバラしたくはない。
あぁ―――そうだ。
ふと、モララーが笑みを浮かべた。
情報を聞きだした後の用無しの生徒には、早々に逝ってもらおうか?
そうすれば他の生徒にこちらの手落ちを知られることはない。
生徒同士で殺しあってほしかったけど…このままじゃ僕の首が危ないからね。
背に腹は代えられないってやつ。
生徒の居場所は分からないけど、エリアA.C.D、他にも指定された禁止エリアは多々ある。
しらみつぶしに探しても、それほどは時間はかからないだろう。車があるしね。
―――もっとも、間に合わなければ全員皆殺しでもいいんだけど。
お偉いさんが来るまでにゲーム終了ってことでね。
さぁ、考えなきゃ。
タイムリミットまであと5時間。
【残り6人】
「おい。…………おいっ!!聞こえないのか!?」
再び椅子に座り直し、モララーが声を張り上げる。
すぐにどかどかと慌しい足音が近づいて来、2.3人の部下がやってきた。
「モララー司令、お呼びでしょうか?」
「あぁそうさ。全く、待ちくたびれた!!」
「申し訳ありませんでしたっ!!」
部下達はモララーの機嫌の悪さに冷や汗を流す。
この人を怒らせたらどうされるか分かったものではない。
そのモララーはというと、部下を見もしないで命令を下す。
「すぐに生き残ってる生徒を調べろ。それと僕の武器、2.3人腕の立つ部下を用意しろ。車も一台」
「はっ。…しかし、首輪の発信装置は使えませんし…」
部下の一人がおずおずと切り出す。
「喪前達はアフォか!?その前までにすでに死んでるやつを報告しろ!!記録くらい残ってるだろう!!」
「これは失礼いたしました!!」
モララーの怒鳴り声を合図に、部下達はあわてふためいてその場を後にした。
「これだからしょうがない…。役立たず共め」
部屋の外から聞こえるばたばたとした騒音に苛立ちながら、一人毒づいた。
生き残りの正確な数すら分からない現状に気がつき、ますます機嫌が悪くなっていく。
皆殺しなんて言っても、全員殺せるという保証はない。
隠れ通すやつがでるかもしれない。
それが上にバレたりしたら…。
「アイツ達のせいで…!!ぶち殺してやろうか―――?」
この緊急事態に追いやったッパ、おにぎりの2人組みを思い浮かべ、この機会に借りを返してやろうかと本気で考える。
これ程までに面倒なことになろうとは、ゲームスタート時には思いもしなかった。
在るのは激しい憎悪だけ。
自分の邪魔をする、全ての存在に対して。
最後だけ修正および続き
モナーは静かに、しかし力のこもった口調で言った。
二人ともハッとなり、その言葉に目を覚まされたようだった。
「確かにその通りね。」
今まで黙ってうつむいていたレモナが口を開いた。
「レモナ・・・」
モナーはレモナの表情を見ていつもの笑顔に戻った。レモナは、今まで見せた表情の中で一番いい顔をしていた。
「モナー君の言う通り、今はギコ君が武器を取ってくるのを待つべきだわ。でも、待つだけじゃだめ。
いくらギコ君が武器を取ってきてもその後何にも策がなかったら意味がないでしょ?だから、ギコ君が帰ってくるまでみんなで
この島から脱出する計画を考えましょう。」
レモナは完全にいつものレモナに戻っていた。モナーの言葉で何かを取り戻したのだ。
「そうだモナ!それがいいモナ!やっぱりレモナは頭がいいモナ!」
レモナの言葉に、モナーが頬を紅潮させながら賛成した。どうやら興奮しているようだ。
ネーノもさっきまでの険しい表情から、いつもの顔に戻った。
「モナー、さっきは悪かった。そうだよな、これじゃあ何のためにギコが体発展のかわからないもんな。」
ネーノも、何かを取り戻したようだった。二人とも元に戻ったので、マナーはさらにうれしそうにこう答えた。
「別に気にしないモナ。モナーは温厚だモナ。そんなことより、早く作戦を考えるモナ!」
こうして三人は、それぞれの考えを話していった。
そんな頃、モナーたちを追いかけていた8頭身は近くにあった廃屋の壁にもたれかかっていた。いかに強靭な肉体を持つ
8頭身と言えど、あまりに体力を使いすぎた。そのため、四人を見失ってしまったのだった。8頭身は立ち上がると、
今までもたれていた廃屋の中に入り、横になった。体の疲れのせいか、すぐに眠気が八頭身を包んだ。
「
>>1さん・・・」
そう呟くと、8頭身は深い眠りの中に落ちていった。
【残り7人】
おにぎりは海を見つめていた。
ザザー
静かに聞こえる波の音。そして深呼吸をする。
果てしなく続く水平線の向こう、僕等が居た場所の恋しさが改めて体中に染み渡る。
しかし今はそんなことを思っても戻れない。
なぜか?
それはこのとうり、脱出不可能のデスゲーム「バトルロワイヤル」に放りこまれたからだ。
現に次々とクラスメイトが死んでいる。それが冗談ならまだしも、僕の目の前で友達が殺された。
これで本当に殺し合いをしている事がわかった。
僕はこれからどうすればいい?ここから飛び降りようかな?結構高そうだし、上手くいけば簡単に死ぬことが出来る。
そうするか・・・どうせ僕はここにいたって邪魔なだけだろうし。僕が居なくったって別に誰も悲しまないだろう。
理由は知らないけど放送で僕の名前が呼ばれているからね。
おにぎりは自殺することを決意すると靴を脱いできれいに並べた。
どうせなら遺書も書くか。まだ生き残っている生徒が見つけてくれると良いなーなんて、ははは・・・
よし、書けた。
後はここから飛び降りるだけだ。なーに、簡単なことだ。前に向かって大きくジャンプするだけ、
それだけで僕は・・・僕は・・・このゲームから・・・降りることが・・・出来る。
ッパ君に・・・会えるかな?・・・死んだ皆にも・・・会えるかなあ?
な、なんで僕は泣いているんだ?泣く必要なんて無いのに、何でだろう?
死ぬのが怖いのか?死ぬ覚悟は出来たはずだ。なのになんで僕は泣いてるんだ?
あ、足が震えてる。汗も出てきた。そ、そんなことどうでもいい。早くここから飛び降りよう。
・・・・・
体が、動かない。足を動かそうにも固まって動かない。な、なぜだ?まさか、
体が拒絶している?
「な、なんでだ。僕は死にたがっているのに、体が言うことを聞かないなんて。
足が後ろに動いてる。体が死にたくないと言っているのか?
ふざけるな!遺書まで書いたのに今更死にたくないなんて、わがままだぞ僕の体!」
おにぎりは何とかして前に進もうとするが、体が言うことを聞かない為、どうすることもできなかった。
すると足が引っ掛かり後ろに倒れた。
「いで!・・・こ、腰を打ったみたいだ・・・痛い・・・」
さらに追い討ちをかける様に急に強い風が吹くと、おにぎりの書いた遺書が吹き飛ばされた。
「あ、遺書が!」
体は言うことを聞かないし、腰はうつし、おまけに遺書は飛ばされるし。
神様はまだ僕に生きろって言っているのか?
部下が出て行ってから2、30分後。
静けさを取り戻した司令室に、軽いノックの音が響いた。
モララーはちらっとドアを一瞥し、短く「入れ」と言う。
入ってきたのは、割と小さめのバッグを抱えた一人の兵士だった。
「失礼します、モララー司令。先程ご指示されました生徒の残数、司令の武器、車と部下を手配いたしました」
「ご苦労だね。用が済んだらさっさと下がれ」
「はっ」
部下はバッグと一枚の紙をモララーに差し出し、足早に部屋を立ち去っていった。
再び一人になるとモララーは、部下から受け取ったバッグの中から数丁の銃を取り出した。
【DERRINGER SILVER】、【Strayer-Voigt INFINITY CONCEALED CUSTOM CARRY】、【.40 SWs SIDE・KICK HALF SILVER】の3丁だった。
「ふーん…。ま、いんじゃないの?これなんか手にしっくりくるね」
ストレイヤーを持ち上げながら、嬉しそうに言う。
それを机の上に置いてから、デリンジャーをズボンのポケットに突っ込んだ。
40 SWsの弾を確認し、バッグに戻す。
先程まで部下を叱りつけるために使用していたW&Sは置いていくことにした。
まるで面白いおもちゃを与えられた子供のように、モララーはニヤニヤと独り笑む。
武器の確認が終わると、今度は生き残りの生徒の記されている用紙に目をやった。
【男子6番】おにぎり 【女子2番】ありす
【男子7番】ギコ 【女子4番】ガナー
【男子13番】ッパ 【女子7番】ダーヤス
【男子15番】ネーノ . 【女子8番】づー
【男子16番】八頭身 . 【女子9番】でぃ
【男子20番】モナー 【女子18番】モニカ
.【女子21番】レモナ
「へえぇ。13人…か」
電線を切られ発信機が使えなくなてから、もう5,6時間になるだろうか。
それだけあれば更に7,8人程度死んでいてもおかしくはない。
となると、実質5,6人が生きていることになる。
「僕は担任じゃないからなぁ…。こいつ達の性格なんて知るわけないけど」
情報を聞き出せそうな生徒を探ろうと、考えをめぐらせる。
「おにぎり、ッパ、八頭身辺りはまずダメだな。盗聴を聞いた限りではモナー、レモナ無理そうだ…」
盗聴した生徒達の会話を思い浮かべる。
ま、誰が死んで誰が生きてるかも分からないのに―――考えるだけ無駄かな。
適当に探し回ってみますか。
高官がやって来るまであと4時間半。
そろそろ行動開始しなきゃいけないしね。
机の40 SWsとペン、生徒名の書かれた紙をバッグに詰める。
それを手に立ち上がり、一度部屋をぐるっと見回してから、ドアへと向かう。
部屋を出ると、傍で部下が1人待機していた。
モララーが楽しげに言う。
「出発だよ―――――」
328 :
ぷるたぶ:04/08/09 16:41 ID:tE3GNaTb
できるだけ早く。武器を回収してネーノ達のところへ戻らなければならない。
頭では分かっていても、一歩踏み出すごとの激痛で足は止まりがちだった。
走っている間、ギコは何度も後ろを振り返った。彼らが、自分を止めるために追ってくるかもしれないと考えたからだ。
自分のやっていることが無茶だということは分かっている。しぃを連れて逃げたときに置いてきた武器は、八頭身に持ち去られている可能性が高い。だがもちろん引き返すわけにはいかない。
とにかく、何か武器を探して仲間の元へ帰らなければ。
風は吹いていたが、夏の日射しが容赦なく照りつけて暑かった。ギコは額の汗を拭い、青空に目をやった。
ちょうど吹いた強い風に乗って、紙片がふわりとギコの視界を横切った。
紙くずが飛んできたのかと最初は思ったが、ここは10年放置され、人が居なかった土地だ。
目で追っているうちに、紙片は古びた電柱のそばに落ちた。
ノートを1ページちぎり取ったものだとわかった。心臓が高鳴る。これは――まだ生きている生徒からのメッセージか何かだろうか?
震える手で拾い上げた紙片には、歪んだ字で言葉が書き連ねられていた。
「ぼくが生きていく理由もないし、このまま殺し合いが進んでいくのを見ていくのがこわいです。
もうぼくは死んだことになっているみたいだから、だからここで本当に死ぬことにしました。
読んでくれてありがとう。さようなら
おにぎり」
遺書、だった。文章のところどころに、力を入れすぎてシャーペンの芯が折れた跡が残っていた。
おにぎりはさっきの放送で名前を呼ばれた。――自殺だったのか。 ギコは唇を噛んだ。
穏和なおにぎりのことだ、きっとゲーム終盤まで逃げ隠れしていたのだろう。そして、誰かが殺されるところを見たのだろうか。
ギコは文面を何度も読み返した。不自然な箇所が目につき、目をこらした。
「もうぼくは死んだことになっているみたいだから」
これはどういう意味だろう。ゲームに放り込まれた時点で死んだも同然ということか? そう解釈しても何かおかしい気がする。
文字を人差し指でなぞりながら、ギコは考え込んだ。
――この遺書が…、
さっきの放送のあとに、書かれたものだとしたら?
おにぎりの死亡を報せるあの放送が間違いだったとしたら。
ギコは東に、遺書が飛んできた方向に歩き始めた。
>>1さん・・・僕は、僕は・・・
僕はあと何人殺せば君の下へ辿り着けるんだい・・・?
>>1さん・・・
キミの元へと辿り着けるなら・・・何人だって殺してやる・・・
・・・そうだ。何人でも・・・コロシテヤル・・・
八頭身は目を覚ました。
既に日は落ちかけている。
先ほどまでは、邪魔なくらい照り付けていた日光も、今では全く感じられない。
・・・また、夜が始まるのだ。
八頭身は、懐においてある武器を見やった。
SPARS12・・・僕のパートナー・・・僕を
>>1さんの下へと行かせる為の最後の頼み。
・・・そうだった、僕は・・・
八頭身は、再びそのショットガンを手に持った。
・・・黒く、美しい。
そうだ・・・僕は・・・これで・・・みんなを殺さなきゃいけないんだ・・・
みんなを殺せば・・・
>>1さんも・・・喜んで・・・ひひひひふふふふ
とりあえず歩かなきゃ。
この廃屋を出よう。
出れば、そこには幾多の獲物が待っている。
そうだ。それを消すのが今の僕に与えられた使命なんだ。
殺す・・・みんなを殺す・・・
・・・みんな・・・獲物・・・殺す・・・
後何個獲物がいるんだろう。
あと何個殺せば終わるのだろう。
果てしない。
・・・いや、そんな事は・・・殺せば分かることだ。
・・・・殺してれば・・・いずれ・・・>>1さんの・・・ああ・・・
ひひひふふふひひひふふふ
モう訳が分からない。
何だコレは?
ナンだ、この腹のそこからわいてクル笑いハ。
殺しタイ:
面白ひ@
獲物ダ、朴のエモの牙、絵ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ
【残り7人】
「夜が来るわね。」
夜は近かった。
時計の針が示している時間は、5時43分。
今の、秋という季節のせいか、こんな時間でも既に日は落ちかけて、光が失われていっている。
・・・また、夜が来るのだ。
いつ誰に襲われるか分からない恐怖感。いくら眠気が体を襲っても、絶対に寝てはいけないという緊張感。
そんな夜が・・・また。
「はぁ・・・」
モナーが深い溜め息をついた。それに続いて、眠そうに目をごしごしとこする。
「ナンだよ。まだこんな時間なのに、もう眠たいの?」
ネーノが仕方ないな、というような響きで言った。
「うん・・・何かゲームが始まってからほとんど寝てないから・・・正直もう限界モナぁぁぁぁぁ・・・」
モナーは、言葉の終わりに気だるそうに大あくびをした。
「・・・そんなに眠いなら、もう寝てていいわよ、モナー君。後は私たちが話し進めてるから。」
レモナが、眠そうにしているモナーに言った。
「ホントモナ?じゃあ・・・本当に早速・・・遠慮なく・・・おやすみモナ。」
モナーは、嬉しそうに鞄を枕にしてさっさと寝転んだ。1分も経たないうちに、モナーは完全に寝付いてしまった。
・・・長い沈黙が続く。
「・・・ねぇ。ネーノ君は眠くないの?」
不意にレモナが言った。
「・・・別に。こういうのには慣れてるから。・・・キミこそ眠くないの?」
ネーノが聞き返す。
「あたしも・・・慣れてるし。大丈夫。」
「ふぅん・・・」
その短いやり取りが終わると、また空気は沈黙に包まれた。
話し進める、とは言ったものの、実際全然進んでいない。
ネーノは、何を考えてるのか分からないが、窓の外を虚ろな目でじっと見つめている。
・・・とても妙な空気だ。この空気には堪えられない、というかのように、レモナが口を出した。
「ね、ね。ネーノ君って親はどんな仕事してるの?」
恐ろしく不自然で、かつ他愛の無い質問だった。
「・・・何でそんな事聞くのさ。」
ネーノが当然の反応を返す。
「いや・・・ちょっと聞いてみたくってさ。」
レモナがしどろもどろになりながら返した。
それと共に、レモナは考えた。
・・・私の予想通りなら、多分・・・
しばらく経った後、ネーノはそっけない風に答えた。
「・・・只の家政婦だよ。特別な仕事なんてやってない。」
レモナはそれを聞くと、更に新たな質問を浴びせかけた。
「じゃあ、お父さんは?」
ネーノはこれまたそっけなく
「只のサラリーマンさ。」
と答えた。
レモナの予想とは全く違う答えだった。まさか・・・そんな筈は・・・
「・・・嘘でしょぉ。」
レモナは、ニヤッと笑いながら言った。
そうだ。もし私の予想が当っていないのならば、彼のこの冷静な性格は不自然すぎる。
「嘘なんかついてないさ。」
ネーノが言った。よく分からない沈黙が数秒続く。
「嘘!だってネーノ君って・・・」
「しっ、待って!」
ネーノが、突然レモナの言葉をさえぎった。それと共に、窓の外をじっと見つめる。
「ねぇ・・・どうしたの?」
レモナが心配したように言った。
ネーノが、初めて振り向き、レモナの顔を見た。
「モナー君を起こして。・・・最悪だ。着ちゃったよ、あいつが。八頭身が!」
おお、一気に進んでる!
おにぎりはどうするかが気になる。
ここはD-4の林の中。モナー、レモナ、ネーノの三人はギコを待ちながら、島から脱出するための策戦会議をはじめた。
会議を始めてすぐにネーノが口を開いた。
「そういえばさっきの放送、なんかおかしかったよな。いきなり禁止エリアを2つ、しかも30分後に同時になんて言ってたし。」
ネーノの疑問にレモナが答える。
「ええ、確かにおかしかったわ。でも、禁止エリアのほうは説明がつくでしょ?だってもう残りの生徒が少なくなってきたから
いきなりエリアを狭めて一気に殺し合いさせるつもりなんでしょ。」
「そういえばそうモナ。モナたちはもう禁止エリアから出ちゃったから安心モナ・・・・・・?」
そう言うとモナーは固まってしまった。しかし二人ともモナーの異変には気づかずに会話を続けた。
「なるほど。」
レモナの意見に頷いたネーノだったが、ネーノはレモナの説明に新たな疑問を覚えた。
「じゃあ、なんでレモナはさっきの放送がおかしいなんて思ったんだ?今の説明で、おかしいところはもう無いんじゃネーノ?」
「モナー君とネーノ君は気づいてないかもしれないけど、私たちがさっき8頭身君を見たとき、
8頭身君はちょうど誰かを殺していたのよ。」
ネーノはまだ納得がいかない。
「それは俺も見たよ。でも、それがおにぎりなんじゃネーノ?」
「いいえ、顔は見てないからあれはおにぎり君だったかもしれないけど、確かにあの時殺されたのは二人だったわ。」
「確かに、俺も8頭身の姿だけしか見てないからな。でも、どっちかが生き残ってたのかも・・・」
「それは無いわね。」
ネーノの言葉をさえぎってレモナが即答した。
「なんでだよ。」
ネーノは少しむくれている。気にせずレモナは続けた。
「あれだけマシンガンで撃たれて生きていられると思う?そんなの絶対にムリよ。だから少なくとも二人は死んでるはずなの。
なのに放送で名前を呼ばれたのはおにぎり君一人だけ。これが、私があの放送をおかしいと思う理由。わかった?」
ネーノはレモナの言っていることは理解できたが、まだ少しさっきのことを根に持って、こう答えた。
「そんなの俺達は見えなかったんだからわかるわけないよ。なぁモナー?・・・何やってんだモナー?」
モナーは島の地図を見ながら黙っていた。
「どうしたの?さっきから黙って、何やってるの?・・・!」
覗き込むと、モナーの顔は真っ青になって小刻みに震えていた。
「どうしたの!?モナー君!具合でも悪いの!?」
モナーの様子に驚いたレモナが心配そうに声をかけると、モナーはやっと聞き取れるぐらいの声でこう答えた。
「・・・モナ達が、ギコに会ったのって・・確か、D-5辺りだったモナ。ギコはあの時南のほうから歩いてきたモナ。
・・・って言うことは、ギコの武器はD-5よりも南にあるモナ。今ギコは南に歩いていったモナ。でも・・・ここより向こうは
もう、禁止エリアになってるモナ。ギコはそれに気づいてないモナ・・・。このままじゃギコは・・・死んじゃうモナ・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
モナーの言葉に二人ともそれ以上の言葉は出なかった。もちろん彼らは、もう首輪が機能していないなどと
いうことを知る由も無かったので、ただモナーと同じように血の気が引いて真っ青になりながら顔を見合わせるしかなかった。
【残り7人】
「モナー君、起きて!早く!」
レモナが、幸せそうに眠るもナーを揺り起こす。
「何モナぁ・・・?眠いモナよ。」
モナーが目をごしごし擦りながら言った。
「来た!来たのよ!八頭身が!」
「ええ!!」
それを聞いた途端、モナーはガバッと起き上がった。
「どこ・・・どこ・・・」
モナーは、目を白黒させながら、キョロキョロと辺りを見回した。
一瞬にして目が冴えてしまったようだ。
「まだ入ってきたばっか。隠れて様子を覗うわよ。」
レモナがそう言うと、モナーはウンウンウンと激しく頷いた。
それと同時に、壁にもたれかかって階段のほうをじっと見つめるネーノを見やった。
「どうしたモナ・・・?」
空気を吐き出すついでかのようにモナーが言った。
ネーノは静かにモナーを見やり、人差し指を口に当てた。
『黙れ』、という意味だという事を、モナーはすぐに悟った。
・・・重油を流したかのようなとても不快な沈黙が流れる。
・・・コツン、コツン、コツン・・・
ふと、モナーの耳に、誰かの足音が聞こえた。
・・・階段の下から聞こえる・・・
どんどん上がってくる・・・八頭身が来た!?
『ネ、ネーノ君・・・き、きた・・・!』
モナーが、耳打ちするかのように言った。
『分かってるよ。多分もうすぐここに来る・・・ボウガンを構えておかないと。』
ネーノが、ほとんど聞き取れないかのような声で言った。
『レモナさん、ボウガンを貸して。』
ネーノはそう言いながら、顔の向きを変えずにレモナの方へと手を出した。
『うん・・・分かった。』
ネーノは、ボウガンを手に取ると、階段の方に向かって構え始めた。
(多分・・・まだあいつも俺たちの存在に気付いてないっぽいし・・・
先手必勝で・・・大丈夫だよな・・・ああ・・・上手く顔に当てられるものか・・・)
ネーノは、冷や汗を流しながら考えた。
あまりこういう銃とかのコントロールに自身がある訳でもない。
ましてや、ボウガンなんて撃った事無いのでなおさらだ。
(どうしよ・・・俺・・・こんなのの扱いに慣れてねえよ・・・
レモナならこれの扱いに慣れてるだろうけど・・・だからって今更まかす訳にも・・・く、何がなんだか。)
今更後悔が押し寄せてくる。
レモナもモナーも、てっきり俺がやれるとでも思ってるのだろうか。じぃっと俺を見てる。
・・・緊張する。・・・でも、やらなければ。
ここであいつを殺らなければ誰が殺る。
ここできちんと殺っとかなきゃ、しぃも、浮かばれないし、ギコにも失礼だ。
・・・でも、予想以上に来るのが早っ・・・
『ネーノ君!もうすぐそこまで上がってきてるモナ!』
モナーが声を上げた。
ネーノはハッとして、身を乗り出し、ボウガンを階段の下の方へと構えた。
来た・・・!
八頭身の異様に大きい図体と、その顔。見えた。いる。来た!とうとう、きた、きた、来た!
チャンスは一瞬だ。
あいつが驚いてる隙に、正確にあいつの顔を狙って、引き金を引いて・・・
バァン
耳を貫通するような凄まじい音が聞こえたと思ったら、ネーノの耳を何かが掠った。
それと同時に、階段から直線状に位置する壁に、焦げた穴が開いた。
あいつが撃った。俺より先に。
それだけは分かる。でも、何で?普通なら最初から構えてた俺の方が早く撃てるだろ。なのに何で・・・
そうだ。多分あいつも、俺たちの存在に・・・
気付いて・・・
「逃げるぞ!!」
ネーノは、2人の方を振り向き、声を張り上げた。
「う、うん。」
「こっちよ!」
レモナが率先してビルの廊下を走り出した。
続いてモナーが、ネーノが走り出す。
バァン
また、聞こえた。
今度は、近い、さっき俺達がいた所のすぐ横の壁に、・・・
「くっそぉぉ!!何でだ!!」
ネーノは走りながら後ろを振り向いた。
八頭身が凄まじい速さで追いかけてきている。無論銃を構えながら。
気持ち悪い、と、今はそれどころじゃないな。
「このやろ・・・!」
ネーノは、苦し紛れに八頭身に向かい、ボウガンを放った。
バシっという嫌な音が聞こえ、矢は八頭身の足に、太ももの部分に刺さった。
八頭身が豪快に廊下に倒れ込んだ。やった!
ネーノは再び、元の方向へと首を戻した。
・・・長い廊下だ。
「なぁ、こんな長い廊下、撃たれずに走り抜けられるかな!?」
ネーノが、息を切らしながらレモナとモナーに向かって叫んだ。
レモナが答える。
「そこの部屋に入りましょ!」
バタン
「ハァ、ハァ、ハァ・・・」
3人は、ごっと部屋の壁にもたれ込んだ。
どっと、疲労感が体を襲う。
モナーも、レモナも、汗をかき、激しく息を切らしていた。
「大して走ったつもりは、無いのに・・・もう、こんなに、疲れちまって・・・」
ネーノは、息も切れ切れに言った。
「・・・もう、ネーノ君ったら、しくじっちゃって。何やってんのよ・・・全く。」
レモナが不満そうに漏らした。
「仕方ないだろ!だって八頭身の奴、俺達がいる事が分かってたんだぞ?仕方ないじゃんか!」
ネーノはむくれながら不満そうに言った。
330と332が繋がってないから、繋ぐぞ。
>>332の続き
「どうする?知らせに行くしか無いんじゃネーノ?」
ネーノはそう言いながら立ち上がり、辺りの様子を
見回しし始めた。安全を確認すると、すぐに出発した。
「それじゃ、行ってくる」
「頼むわ。気をつけてね」
レモナは不安そうな顔でネーノを送り出した・・・・・・・・
・・・・・・・が、ネーノが歩き出そうとした時、それを止めた。
「待って!!・・・・・・・・やっぱり、行かない方がいいかもしれない。」
ネーノもモナーも不思議そうな顔でレモナを見た。
2人が質問をいれる前に、レモナが口を開いた。
「・・・・・・・・・ギコを信じましょう。ここで動くのは危険だわ。
ギコも自分のために私たちが危険を冒すのは望まないはずだわ。」
それに、ギコなら大丈夫よ。自分で気づくわよ。・・・・大丈夫よ。」
レモナは半ば、自分に言い聞かせるように言った。
ネーノとモナーはコクリと頷いた。
「モナーもギコを信じるモナ」
気が付けば辺りは暗くなりかけ、真っ赤な太陽は
いつのまにか漆黒の闇に飲み込まれようとしていた。
「夜が来るわね。」
>>330へ
「・・・ちょっと待って。」
レモナが何かを気付いたように呟いた。
「何?」
ネーノとモナーがレモナの方を振り向く。
「何で八頭身、私たちの存在に気付いてたのかしら。考えてみたらおかしいよね?」
レモナが言った。
考えてみればそうだ。不自然すぎる。
まさか探知機なんてもの持ってるわけじゃあるまいに。
「うーん、何でだろ・・・」
モナーがうなる。
そうだよ。何でだろ・・・
「あ。」
レモナが、何か思いついた、という風に、わざとらしく手の平を叩いた。
「何?分かったの?」
ネーノが言った。
レモナは、八頭身が何で自分達の存在に気付いたか分かったようだ。
「うん、そうよ。多分、単純に私たちの声が聞こえちゃったんだと思うわ。」
レモナは、さらりと言った。
「声が聞こえた?そんな馬鹿な。みんな聞こえないくらいの声で話してたよな。モナー。」
ネーノはモナーの方を振り向いた。
モナーは、何も答えずうつむいていた。
「一人、八頭身が来る直前に大声を上げた人が居るんだけど・・・
まぁ、いいや。とにかく、これからどうするか考えないと。」
レモナは、そう言うとモナーの方を睨みつけた。
モナーは、心なしかさっきよりも汗の量が増えてるような感じがした。
「武器はボウガン一つ。部屋に使えるものはなし。やっぱ、これしか方法がないのかぁ。」
レモナが提案した方法は、この部屋のどこかに隠れて、不意打ちをしようという単純な作戦だった。
「じゃあ、何処に隠れるか考えないといけないモナ。どうするモナ?」
モナーが言った。
そうだ。隠れる場所を考えないといけない。
ネーノは、部屋をざっと見回した。
と、ネーノの目に、ロッカーのような物が目に入った。
「あそこはどうかな?」
ネーノは、ロッカーに向かって指をさした。
「あ、いいモナね。じゃあ、早速隠れるモナ。」
モナーは力なく笑うと、ロッカーの方へと駆けていった。
「駄目だわ。」
それをレモナがすぐにさえぎった。
モナーの足が止まる。
「はえ、何でだモナ?」
モナーが不思議そうに返した。
「そんな所、見つかりやすいし、何より身動きが取れなくなるわ。」
レモナが冷静に言う。
・・・・確かに考えてみればそうだ。
「じゃあ、何処に隠れるんだ?」
ネーノが言う。
レモナは、フッと笑うと、こう答えた。
「単純だけど、いい場所があるわ。・・・八頭身の行動にもよるけどね。」
先程の放送を不審に思っていたのはレモナだけではなかった。アリスもまたその一人である。
不審には思ったものの、念のため今はE-4にいる。数多くの廃ビルが建ち並んでいるこの場所なら、どこかで休めると思ったからだ。
しかし、その考えはすぐに打ち破られた。
それはちょうどありすがひときわ大きい廃ビルに目をつけ、入り口からだいたい50mぐらいまで近づいた時だった。彼女の目に
何か大きいものが写った。ありすはとっさに近くにあったビルの陰に隠れ、様子をうかがった。その大きなものはゆっくりとありすが
入ろうとしていたビルの中に消えていった。あれはなんだったのか?決まっている、8頭身だ。あんなに多き生徒がほかにいるはずがない。
ありすは一度8頭身と接触したが、もう二度とあんなものには近づかないほうがいいのはわかっていた。アリスは休むという考えを捨て、
八頭身がでてこないのを確かめると、走ってその場を去った。
そうしてアリスは今E-4の端、ちょうど崖になっているところで立ち止まっていた。地図を確認すると、そこはあと一歩でも踏み出すと
禁止エリアに引っかかってしまうことに気づいた。
「全く、運がいいのか悪いのか・・・。」
自然とそんな言葉が口をついた。
「まぁ、8頭身ともはちあわせしなかったし、こうして禁止エリアギリギリで止まったんだから運がいいのかも・・・。」
そんなことを呟きながら、さっき後方で聞こえた銃声を思い出していた。
(誰かあのビルの中にいたのかな?だとしたらちょっとかわいそうだな。でも、そうしたらもっとはなれとかないと、私が危ないな。)
そんなことを考えていたとき、前方に何かが見えた。それを確認すると、アリスはとっさに草陰に隠れた。
(動いてる、でもフラフラだわ。・・・ちょっと待って、あそこは禁止エリアのはずじゃない!なんであの人は生きてるの?)
ありすが動揺して身動きがとれずにいると、そのふらふらしていた影はとうとうぱたっ、と倒れてしまった。
(どうしよう・・・助けようか?でもあれが生徒とは限らないし・・・それに生徒だとしても、何らかの方法で首輪をはずした生徒かもしれない。
でも、そうじゃないかもしれない。声をかけてみようか?いや、そんなことをしてもし近くに八頭身がいたら・・・
でも本当にだれか生徒が死にかけてるかもしれないし、どうしよう・・・)
ありすは迷っていた。少し前までのありすだったら迷わず無視していたはずだ。死のうというなら死ねばいい、
また自分が優勝に一歩近づくだけだ、そう考えたに違いない。
しかしアリスは今、そんなことは少しも考えていなかった。むしろ助けようかどうかを迷っている。なぜか、それはおにぎり
とッパに出会ったからである。彼等は明るかった、その明るさの中でアリスは少しずつかわっていった。
(こんなとき、あの二人ならどうしただろう?)
自然とそんな考えが頭をよぎる。そしてありすはとうとう結論を出し、その倒れた生徒のもとへと走っていった。
(私は、このゲームから脱出する。――――そう、なるべく多くの人と――――)
ありすの首輪は爆発しなかった。しかし、ありすはそれに安心するよりまず、目の前に倒れている誰かを助けることしか考えられなかった。
そうしてアリスはその生徒のもと間で一気にかけて行った。そして倒れている生徒の顔を覗き込んだ。
「――――――ギコ・・・君・・?」
幸い、気絶しているだけで死んではいないようだが、このままではいずれ死んでしまう。
ギコのことはあまり知らなかったが、今はそんなことを言っている場合じゃない。とりあえずギコを安全な場所へ移そうと肩を抱えあげた時、
ありすは崖際でうずくまっている影を見つけた。一瞬敵かとも思ったがどうやら違うようだ。
とりあえずギコをおろしてかばんから懐中電灯を出して影に向けた。そこに浮かび上がってきたのは、アリスのよく知っている人物だった。
「おにぎり君・・・?」
「うぅ・・・腰が痛い・・・」
腰を打つことがこんなにも痛かったなんて、思っていなかった。
するとおにぎりは何を思ったのか、仰向けになり大の字になった。
今彼の心は無心だった。
こうしていれば時間も気にせず何もかも忘れることが出来るからだ。
―――ッパ君、ぃょぅさん―――
おにぎりは心の中でボソッと呟いた。
いつも僕の傍らに居たッパ君、しかしそんな彼は今は心の中でしか見ることが出来ない。
ッパ君の楽しそうな笑顔・・・あのときどうして僕は八頭身君の顔を狙わなかったのだろうか?
多分人を殺したくないって言う僕の本能かな?だろうな・・・
僕はこれからどうすればいい?ってまた振り出しに戻っちゃったよ。
脱出か?この首輪がある限りそれは不可能か・・・
優勝を目指すか?いやいや、人殺しなんてそんなの無理に決まっているし、やりたくも無い。
仲間を探すか?でもこの体じゃあ当分動けないなあ。
今の僕にはどうする事も出来ないか・・・とりあえず誰かが来るのを待つとしよう。
おにぎりは目を閉じた。
・・・・・・・・・・
生き残れるのかなあ、僕。
いや、生き残れる訳が無いか。八頭身だっているし、
それにあの不良軍団をまとめ上げていたフェラーチョだって一番最初に殺されたゲームなんだもんなあ。
ああ、楽しかったなあ。僕の人生。もう満足だ。もう死んでもいい。
死にたい、死にたいけど僕の体が言う事を聞いてくれない。
そもそも僕はなぜここに居る?まずはそれを問いたい。
今のおにぎりにはいつも笑顔のおにぎりが跡形もなくなってしまった。
おにぎりは絶望のふちに立たされていた。そんなとき何処からか声が聞こえてきた。
「人は何かをする為にこの世に生まれて来るのだよ。」
この声は、英語担当の丸耳先生の声だ。確か丸耳先生って心理についてもかなり詳しかったんだっけ。
おにぎりの頭の中に当時の記憶がよみがえる。それはまだおにぎりに友達がいなかった頃だった。
「君には個性がある。」
「個性?」
「そう、個性だ。個性というのは一人一人が持つ言わば目印のようなものだ。君にはその個性が飛び抜けて目立つ。」
「つまり変な人って事ですか?」
「まあ、そう解釈してもおかしくないがってそうは言ってない!個性があると言う事はすなわち、
クラスでも目立つ存在となる訳だ。つまり君にはクラスの雰囲気を盛り上げるムードメイカー的な
存在が似合うと言っているんだよおにぎり君。それに君には何かと内気な面も見える。自分に自信を持ちなさい。」
「自信?」
「そう、自信だ。一度きりの人生。それにまだ10数年しか生きてない若者なんだから、失敗は幾らでも出来るんだよ。
俺達大人から見てみればうらやましい存在なんだから、自信を持て。分かったか?」
「は、はい!」
「あれ?君の返事はハイだっけ?」
「ワ、ワショーイ!」
「ははははは、面白い奴だ。いつでも相談に乗るから遠慮なく来い。分かったな?」
「ワショーイ!!」
それから僕は丸耳先生を見習い今まで過ごして来た。そしたらいつの間にか周りには友達がいた。
丸耳先生は学校の先生でもあり僕の恩人でもある。そんな人にもう会えないなんて・・・そんなの嫌だ。
僕は、僕はもう一度先生に会いたい!
「自分に自信を持て」この言葉を胸に。
おにぎりは目を開けた。
「僕は何をしにここに居るんだ?八頭身に復讐する為か?自殺する為か?いや、違う。
そうさ、今こそぃょぅさんがしようとしていたことをやるんだ!ぃょぅさんの意思を僕が受け継ぐんだ!
過去を悔やむのはやめよう!前向きにいこう!自分らしさを持とう!自信を持て!」
そう言うとおにぎりに生気が溢れてきた。
「そうだ、今こそ勇気のおにぎりダンスを、ってんなことやっている場合か!」
自分で自分に突っ込むと早速おにぎりは体を起こし頭をフル回転させた。
「真っ暗になると前が分からなくなるから早目に行動しよう。と言ってもこの体じゃあ動けないんだよなあ・・・
それに行く当てもないし・・・どうすれば良いか分からないし・・・
そうだ、さっきの12時の放送。なんかおかしいと思ったんだよなあ、僕死んでないのに勝手に殺しておいて。
それに死んだ筈のッパ君が放送で呼ばれないのも怪しい。きっと本部で何かが起きたんだ。
それだ、そうに違いない。そうとしか考えられない。よ〜し、本部の秘密を僕がばらしてやる。」
おにぎりはゆっくりと立ち上がった。するとどうだろう、腰の痛みが少しばかり軽くなった感じになった。
「丸耳先生、ありがとう。おかげで元気が出たよ。」
ふらつく体でおにぎりは荷物を持ち、日が沈み暗闇が空をおおいかけている中、とりあえず海岸に沿って西に向かい歩き出した。
風向きがおにぎりを後押ししてくれるかのように追い風に変わった。
一方、先程おにぎりがいた場所には靴が二足きれいに並べてあった。
勿論とうの本人は全く気づいていなかった。
しかしこれが、今からここへ来る者に大きな誤解をもたらそうとは誰も思ってはいなかった。
「さぁてと。誰かいないかなー?」
ガタガタと振動を伝える軍用車の助手席から、モララーは外に目を凝らす。
エリア51を出、まずはじめに南へ向かうことにした。
と言ってもE-8はすでに禁止エリアに指定されているので、E-7の端までだ。
時間にそう余裕はないが、とりあえず一周して生徒を探してみよう。
「静かだねぇ…。銃声の一つや二つ、あってもおかしくないんだけど」
生徒を見逃さないように時速30キロの速さで、車窓からの外観が後ろへと流れていく。
のろのろ走っていてもやはり車、エリア51の出発から5分も経たない内にE-7の終わりまで来た。
「そろそろE-8じゃないか?」
振り返らずに前を見たまま、後ろの席で地図を広げている部下に声をかける。
運転している部下は、一旦車を止めた。
「そのようですね…モララー司令」
「それじゃーD-7方面に。島端と禁止エリアに沿って一周だ」
「はっ」
運転席の部下が車を発進させ、右折する。
単純計算だが、一周なら1時間ちょいで済む。
そうすると残り時間は3時間半に少し足らない程度。
生徒がやすやすと話しに乗ってくれるなんて思わない。
それでも僕の首のためだからね。
拷問してでも吐いてもらわないと。
「あーっはははははははははは!!」
突然笑いだしたモララーを、後ろの部下が不安げに見つめる。
馬鹿らしくてしょうがない。
何がだろう?
そう考えることも、何もかも。
そうだ。隠れてるのだ。
八頭身はにぃっ、と笑った。
「どこに隠れてるのかなぁ〜?早く出てきてくれよぉ。」
八頭身は、猫撫で声を上げながら、部屋をうろついた。
そんな八頭身に、ふと、ロッカーのような物が目に止まる。
八頭身は、気味悪く思い切り口を引き攣らせ、笑った。
八頭身は、スパスをかまえながら、ロッカーへと歩み寄っていた。
ロッカーの前に立つ。この中には・・・獲物が・・・僕の獲物が・・・
「大丈夫だよぉ・・・別に僕は何も・・・」
八頭身は、ロッカーに手を掛け、
「しないからさぁ!!」
一気に引き開けた。
それと同時にスパスをロッカーの中に一発、ぶち込む。
がァン
あれ?
ロッカーの中には、ネーノも、モナーも、レモナも、誰も入っていなかった。
もぬけの殻。中には誰も。いない。誰も・・・じゃあ何処に・・・他に隠れられる場所なんて・・・
そんな馬鹿な・・・何処に・・何処へ・・・
「行ったんだぁ!?」
「ここだ。」
ガァン
声が、後ろから、した。
それと共に、銃が・・スパスが・・・俺の手が・・・蹴られて・・・
誰の声だ・・・?怖いよ・・・
・・・ネーノの・・・声だ。
後ろだぁぁっ!!
「おっと、動くなよ。」
ネーノが、ボウガンを後頭部に突きつけた。
レモナも、僕から奪い取ったスパスを即頭部の辺りに突きつけている。
何でだ!?こいつら、何処に隠れてた!?
「お前ら、何処に隠れてたんだよぅ」
八頭身は、自分でも情けなくなるくらい小さな声で言った。
その質問に、レモナはすぐに答えた。
「ドアの裏よ。このドアが内側に開くのと、
貴方がゆっくりとドアを開けたのが幸いしたわ。」
そういう言うと、レモナはニヤッ、と笑った。
ドアの裏・・・くそっ、そんな誰でも気付きそうなところに気付かないなんて!
「万策尽きたわね。」
レモナが静かに言った。
「早速死んでもらおうか。」
ネーノが、冷たい声で言い放った。
それと共に、向けられる。ボウガン。スパス。・・・弓矢、銃。
ひぃぃぃぃぃぃぃ
「やめるモナ!」
ガチャリ
八頭身は、ゆっくりとドアを開けた。
中には、予想通り人は一人も居なかった。
そうだ。隠れてるのだ。
八頭身はにぃっ、と笑った。
「どこに隠れてるのかなぁ〜?早く出てきてくれよぉ。」
八頭身は、猫撫で声を上げながら、部屋をうろついた。
そんな八頭身に、ふと、ロッカーのような物が目に止まる。
八頭身は、気味悪く思い切り口を引き攣らせ、笑った。
八頭身は、スパスをかまえながら、ロッカーへと歩み寄っていた。
ロッカーの前に立つ。この中には・・・獲物が・・・僕の獲物が・・・
「大丈夫だよぉ・・・別に僕は何も・・・」
八頭身は、ロッカーに手を掛け、
「しないからさぁ!!」
一気に引き開けた。
それと同時にスパスをロッカーの中に一発、ぶち込む。
ガァン
あれ?
十段が、あたる音。いつもとは違う、無機質な・・音。
ロッカーの中には、ネーノも、モナーも、レモナも、誰も入っていなかった。
もぬけの殻。中には誰も。いない。誰も・・・じゃあ何処に・・・他に隠れられる場所なんて・・・
そんな馬鹿な・・・何処に・・何処へ・・・
「行ったんだぁ!?」
「ここだ。」
ガァン
声が、後ろから、した。
それと共に、銃が・・スパスが・・・俺の手が・・・蹴られて・・・
誰の声だ・・・?怖いよ・・・
・・・ネーノの・・・声だ。
後ろだぁぁっ!!
「おっと、動くなよ。」
ネーノが、ボウガンを後頭部に突きつけた。
レモナも、僕から奪い取ったスパスを即頭部の辺りに突きつけている。
何でだ!?こいつら、何処に隠れてた!?
「お前ら、何処に隠れてたんだよぅ」
八頭身は、自分でも情けなくなるくらい小さな声で言った。
その質問に、レモナはすぐに答えた。
「ドアの裏よ。このドアが内側に開くのと、
貴方がゆっくりとドアを開けたのが幸いしたわ。」
そういう言うと、レモナはニヤッ、と笑った。
ドアの裏・・・くそっ、そんな誰でも気付きそうなところに気付かないなんて!
「万策尽きたわね。」
レモナが静かに言った。
「早速死んでもらおうか。」
ネーノが、冷たい声で言い放った。
それと共に、向けられる。ボウガン。スパス。・・・弓矢、銃。
ひぃぃぃぃぃぃぃ
「やめるモナ!」
不意に、モナーが叫んだ。
レモナとネーノが、呆気に取られてもナーの方を振り向く。
「なんでだよ。コイツは何人も殺してきたんだぞ?何人も、何人も。
それを止めろ、と・お人よしもいい加減にしろよ。」
ネーノが仕方ないな、というような響きで言う。
「それでも!・・・きっと何か理由がある筈だモナ。
・・・八頭身君は元々いい人だったモナ!
だから・・・多分・・・きっと怖かったんだモナ!絶対そうモナ!」
モナーが必死に叫んだ。
「でもね、モナー君。あいつ・・・八頭身・・・
怖かったら殺してるなんて、そうは見えなかったわよ。」
レモナが冷静に返した。
だが、モナーは怯む事無く言う。
「それでも!話し合えばきっと分かってくれる筈だモナ!ね、八頭身君!」
モナーは、微笑みながら八頭身のほうを振り向いた。
八頭身は、今にも泣きそうな顔をしている。
「有難う・・・モナー君・・・こんな僕にそんな事を言ってくれるなんて・・・ごめんね・・・ごめんね・・・」
八頭身は、いいながらボロボロと泣き出した。
嘘泣きには見えない。八頭身は、本当に泣いている。
「ねっ!?だから言ったモナ!八頭身君は元々いい人だったんだって!」
モナーは、嬉しそうな顔をして二人のほうを振り向いた。
二人は、そのモナーの顔を見ると、何も言い返すことが出来なく、ただ銃を降ろす事しか出来なかった。
「八頭身君。僕達はもう仲間モナ。一緒に脱出する作戦を考えようモナ。」
モナーは、そう言うと八頭身に手を差し出した。
だが、八頭身は手を取らずに、7,8歩後ずさる。
「そんな・・・僕には・・・そんな権利ないよ・・僕は人を殺しすぎた・・・」
八頭身が、しゃっくり混じりに言った。
「でも、大丈夫だモナ。みんなこのゲームがいけないんだモナ。
キミは悪くない。いけないのは大人たちだモナ。」
モナーは優しく、なおかつ芯の通った声で言った。
八頭身が更に目を潤ませる。
「・・・そうだね・・・僕・・・ごめん・・・」
「そうだモナ!じゃあ・・・僕の・・・手を取って・・・」
モナーは、手を差し出しながら、八頭身の元へと一歩一歩歩み寄って行った。
ドクン
心臓が、高鳴る。
ネーノは、言い様のない妙な不安感に襲われた。
怖い。
この後、何かが起きる。
そんな予感がする。
八頭身・・・あいつ・・・
何であんな沢山後ずさったんだ・・・?
怖い。
八頭身・・・彼は・・・
ドクン
「モナー、行くなァァァァ!!!」
それを叫ぶだけで精一杯だった。
バァン
一瞬だった。
彼の、モナーの頭が、弾けた。
ニィッと、八頭身が笑う。その手に、小振りな銃を持ちながら。
モナーが死んだ。
ザッザッザッザッザ・・・・・・・
「ハァ・・・・ハァ・・・・」
おにぎりは海岸ぞいをエリアBに向かって走っていた。
「くそぅ、何でもっと早く気づかなかったんだ!」
――――それはおにぎりが決意を胸に歩き出してすぐのことである。
「あれ?そういえばさっきの放送で禁止エリアのこと何か言ってたっけ?」
急に禁止エリアのことが不安になってきたので、地図を取り出して見てみた。地図にはそれぞれ禁止エリアにバツ印と禁止になる時間が書かれていた。
「こうしてみると、もうあんまり動けないなぁ。」
そう呟きながら今自分がいる辺りを探した。
「ここは多分F-4辺りだと思うけど・・・!」
おにぎりは見てはいけないものを見てしまったのかもしれない。おにぎりの地図のF-4にはしっかりとバツ印がついていた。
そしてその下に目を移すと、そこにはおにぎりの字で12:30と書いてあった。それでもまだ状況をつかめないおにぎりは
腕時計に目を移し、そこに浮かび上がっている文字に驚愕した。支給品の腕時計のデジタル画面に冷たく浮かび上がっていたのは、12:27という、
あまりにも残酷な現実だった。これらを見た瞬間おにぎりの頭の中は真っ白になった。しかし一瞬の後におにぎりの真っ白な頭の中にある一つの言葉が浮かび上がった。
―――移動しなくちゃ―――
そして今おにぎりは崖沿いを走っている。腕時計を見ると、もう12:29をさしていた。それを見るとおにぎりはその場にズザーッと転んだ、そして仰向けに
倒れたまま、泣いた。理由はわからなかったが、ただどうしようもなく寂しくて、不注意だった自分が恨めしかった。
「くそぉ」
そう言うとおにぎりは起き上がってその場にうずくまった。
(くそっ、何で僕はこんなにバカなんだ!こんなことで死んだらッパ君もぃょうさんもうかばれないじゃないか。もう丸耳先生にも会えない・・・)
そうして自分を呪いながらおにぎりは、満天の星空の下泣いた。今までの思い出が次々に浮かんでは消えていく。
「これが走馬灯ってヤツなのかな・・・」
そんなことをつぶやきながら思い出に浸っているおにぎりを、不意に強い光が照らし出した。
振り返っても逆光で誰が自分を照らしているのかわからなかったが、直後に聞こえた声で誰なのかわかった。
「おにぎり君・・・?」
「ありす・・・さん?」
「モナー君!!」
レモナがモナーの元へと駆け寄った。
音を立てて銃が床に落ちる。
モナーは、眉間を正確に打ち込まれている。
モナーは確実に死んでいた。
「次はお前の番だよ!」
八頭身はそう叫ぶと、銃をネーノの方に向けた。
「くそっ、」
バァン
再び銃声がした瞬間、ネーノは転がるようにして横に避けた。
起き上がりざまにボウガンを八頭身の眉間に構える。
無論八頭身も銃をこちらに向けて構える。
――映画とかで良くあるパターンだな、オイ。
ネーノは、そう思いながらも、間髪入れずに八頭身の眉間に向かってボウガンの引き金を引いた。
バシュ、という乾いた音が響き、矢は真っ直ぐと八頭身へと向かっていた。
そして、刺さる。八頭身の肩に。八頭身はまだ銃を撃っていなかった。
「うがっ・・・」
八頭身が、うめき声を上げて銃を取り落とす。
なんだ?肩の部分には防弾チョッキは当ってないのか?
運がよかった。どうやら八頭身の運より俺の運のほうが勝っていたようだな。
八頭身は、肩を抑えてよろめいている。無防備だ。無防備すぎる。
ネーノは、前に進むのと共に立ち上がり、それと同時に八頭身の頬を思い切り殴りつけた。
ボグッ、という詰まった音が辺りに響き、八頭身はその大柄な体を、豪快に地面にたたきつけた。
「うう・・・」
うめき声を上げる八頭身。立たせる暇を与えてはいけない。
倒れた反動で浮いている八頭身の足を、ネーノは足で強引に地面にたたきつけた。
八頭身の履いている革靴が、恐ろしく甲高い声を上げる。
八頭身が、床に大の字になる。ここからが本番だ!
ボウガンの矢を入れ替えてる暇は無い。なら、選択肢は一つ――
ネーノは、勢い良く八頭身の肩に突き立っている矢を引き抜いた。
「ああっ!」
八頭身の肩から、鮮血がドォッ、と吹き出す。
そのまま、その矢を勢いに任せて振り下ろす――
狙いは、無論八頭身の顔。ボウガンの矢を振り下ろしているとき、八頭身の顔は恐怖一色に染まっていた。
「ゆるしてください!!ゆるしてくだだい!!」
振り下ろしている途中、八頭身の喚き声が聞こえた。
許しを請うている。あれだけの事をしていて。あいつは、許しを請おうとしている。
しぃを殺した。モナーを殺した。
二人を殺したのはお前だ!
許す物か。許してどうになる。
お前を殺すのは俺だ。
狂っちまったせいだとしても、お前が殺したのには変わりない。
せいぜい後悔しやがれ。死ね。死ぬべきだ。
矢を引き抜いて、振り下ろす。その一瞬の間に、ネーノはそれだけの事を考えた。
それ程にこいつは・・・八頭身は・・・恨みがましい。
全てお前が
全てをお前が
全てにお前が
「くっそおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ジュクッ
気持ち悪い肉の音がして、矢は、八頭身の口に突き刺さった。
声を上げる間もなかった。ボウガンの矢は、八頭身の口蓋垂を突き破り、八頭身の首の後ろの付け根までに達した。
八頭身は、何度か痙攣して、完全に動かなくなった。
だが、ネーノは八頭身が絶命したと分かっていても、何度も何度も矢を引き抜いては突き刺しを繰り返していた。
グチュグチュ、という肉ずれの音が、ネーノの耳には心地よい夜想曲のように聞こえていた。
「モナー君・・・モナー君・・・」
ネーノは、血まみれの矢から手を離すと、レモナの方を見やった。
モナーの死体に縋りつき、しくしく泣いている。
しばらく経つと、ようやくレモナの泣き声は収まってきたようだった。
「・・・レモナ。」
ネーノは、レモナに呼びかけた。
レモナが振り向く。目が真っ赤に充血していた。
「・・・ネーノ君。・・・あたし・・・」
そう呟くと、またも一筋の涙がレモナの頬を零れ落ちた。
「あたし・・・モナー君を守れなかった・・」
レモナは苦し紛れにそう言うと、また涙を拭い始めた。
「・・・レモナ。モナーが殺されたのは、君のせいじゃないよ。そんなに自分を責めない方がいいよ。」
「・・・違う。」
レモナが震える声で言った。
「全部、全部、あたしがいけないんだわ。私たちのクラスがこのゲームに選ばれたのだって、全部私のせいなのよ!!」
レモナが、声を震わせながら叫んだ。
「そ、そんな、何わけ分からないこと言ってるんだよ。」
ネーノは、そういって宥めようと手を差し出した。
が、レモナはそれを手で振り払った。
「いい!?よーく聞いて。
私はね、ここにいる普通の生徒とは違うのよ!」
「普通の生徒とは違う・・・?」
レモナは、一体何を言っているのだろうか。
ただの誇大妄想とは思えないけれど。
「私はね・・・あの糞政府の施設で生まれ育ったのよ!
お父さんが政府の兵隊だったからね!
私は、政府の病棟で生まれて、政府の施設で育てられて、生まれた頃から色々な訓練をされてきたのよ!」
レモナは、そこまで言うと息を一つ切った。
政府の施設で生まれ育った?色々な訓練を?
・・・・・・・・・・・・
「それで、ね。辛い訓練に、教育に耐えられなくて、私、お母さんと一緒に政府の施設を逃げ出したのよ!
それから、私は政府に隠れながら暮らす毎日だったわ!政府では、脱走者は追いかけて殺すのがルールだからね!
でも、晴れて普通の学校に上手く入れた。政府も、私の存在を忘れてると思った。だけど・・・これよ!」
レモナは、そこまで言うと懐においてある八頭身のものだったマシンガンをバシンと床にたたきつけた。
「多分、政府の人達は私をここで始末するつもりなんだわ!
ああ、違う。多分訓練を受けてない一般人と訓練を過去に受けている人とではどの位違うのか、とかそういうデータを取ってたのかもしれない!
考えてみたらおかしいでしょ。幾万もある学校の中でちょうど私たちがこのゲームに選ばれるなんて!
ああ、もう、とにかく、私が、私が居たせいで、このクラスは、こんなゲームに、巻き込まれたのよ!!
しぃさんも・・・ギコ君も・・・モナー君も・・・貴方だって・・・もうほっといて!」
レモナは、そこまで言うとモナーの学生服に顔を埋めて大泣きし始めた。
・・・レモナ・・・
子供の頃の記憶が蘇る。
朝早く起きて、訓練。
お昼も、訓練。
夕方は、ずっと勉強。
夜も、深夜まで訓練。
訓練、訓練、訓練、訓練。
ただ、兵隊の子供だというだけで、この扱い。
少し愚痴を漏らしたり無駄口を叩いたりしただけで、太い木刀で肩を叩かれる。
訓練で少し失敗しただけで、泣くまで殴ったり蹴られたりされる。
そんな毎日が堪えられなかった。
私は、お母さんと一緒に寮を抜け出した。
私とお母さんは、とにかく走った。
お母さんが密かに溜めておいたお金で、幾多もの駅を乗り継ぎ、ついにこの場所へ辿り着いた。
それから何年が経っただろう。
もう既に政府は私の存在を忘れたと思っていた。
なのに、何で・・・?
もういいじゃないか。
欠伸が出るほど時間が経ったじゃないか。
なのに、何で。
殺すなら私だけを殺せばいいじゃないか。
なのになんでみんなまで・・・
泣く事しか出来なかった。
考えれば考えるほど涙が溢れてくる。
10年位前からずっと抑えていた涙が・・・今頃・・・出てきて・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・私は・・・
「レモナ。」
声が聞こえた。
ネーノ君の声。
ネーノ君が、私の背中に手を置いた。
「やめて触らないで!私なんかに構わないで!全部私のせいなのよ!」
レモナは、ネーノの手を振り払った。
つもりだった。
だが、レモナの腕は、ネーノの手につかまれていた。
「やめて!離してよ!私なんかに構わないでよぉぉ!!
恨んでるでしょ?貴方私の事恨んでるでしょ!?分かってるのよ!!みんな私の事を恨んでるのよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
レモナは、腕を滅茶苦茶に振り回した。
もういい。どっかへ行ってくれ。
これ以上人の顔を見るのは辛い。
特にそれが心を許した人の顔となると・・・
私は私は私は私はあああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
離せ、離せ、離せえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
離せぇぇぇえええええええええj路エーgr家jgps:子ぺそfdckれいfvjsdcわえ
jンfjtgh素言うrh布施j後rせjふぃおせrじゅfrせjるghtrjhml
gじゅfsjgsふぇj;えsdrつぃjボsfjbv;fjヴォ絵gjりhdすぁせdrftgyふじこlp
「レモナ!」
パァン
とてつなく大きな音が聞こえたかと思うと、私の頬が焼けたように熱くなる。
突然の出来事に、レモナは何も言えなくなった。
「俺は君の事を恨んではいない。何でか分かるか?」
ネーノが、冷静な顔でそういった。
「そんなの分かるか。」
レモナは、頬を押さえながら吐き捨てるように行った。
「多分、この事をモナーやギコ、しぃ、・・・他の生徒達に言っても、君の事は恨まなかったと思う。
・・・だって、分かってるから。もっと根本的に、何が悪いかをね。」
・・・もっと根本的に。何が悪いか・・・
あ・・・
「悪いのは君じゃない。」
ネーノが、ニッ、と微笑む。
「確かに俺も、このゲームが始まってから、大事な人が何人も死んだ。
でも、俺が恨んでいるのは、君なんかじゃない。
俺が恨んだのは、その大切な人を殺した本人。そして、このゲームに参加させた、君じゃなくて、政府。」
政府・・・
レモナの脳裏に、モララーのせせら笑う姿が浮かんだ。
「・・・俺、やっと気付いたんだ。このゲームですべき事が。
他の人を皆殺しにして優勝する事じゃない。武器を調達する為に関係ない人間を殺す事じゃない。
しぃの仇を殺すためじゃない。ちっぽけなキッカケを恨む事じゃない。」
ネーノはそこまで言うと、一息おき、深呼吸を1,2回した。
「俺が、俺たちがすべき事は・・・」
ネーノは、レモナの目を暫く見つめると、言った。
「みんなで脱出して、大人達の愚かさを、このゲームの真実を伝える事だ。」
「そうだろ?」
うわぁあああああああああ・・・
レモナは、ネーノに縋りつき、大声で泣き出した。
ネーノは、静かにレモナの背中に手を回し、抱きしめてあげた。
今はそれしか出来ない。
・・・けど、みんなで脱出して・・・政府の事を世間に知らせ・・・愚かさを世に伝えるんだ・・・
そして・・・いつか・・・きっと・・・しぃも・・・モナーも・・・・今生き残っているクラスメイト達も・・・・・・彼女も・・・
何も後悔、不自由なくそれぞれの場所で暮らせるように・・・してあげるんだ。
そして・・・・・・・・・・・・俺は・・・・・・・・・
【残り6人】
351 :
残り生徒:04/08/10 19:03 ID:2Pnk+4fw
【男子6番】おにぎり 【女子2番】ありす
【男子7番】ギコ
【男子15番】ネーノ
.
【女子18番】モニカ
.【女子21番】レモナ
モニカは死んだんじゃ?
名無嶋茂雄氏
それだと残りが5人になりますよ?
ありゃ。
それ、私のミスかもしれません。
八頭身の分生徒の数をマイナスしてませんでした・・・(汗
すいません、っつー事で
【残り5人】
355 :
さるびあ:04/08/10 20:39 ID:3xutyKB3
>>351 モニカはアヒャに腕切られてありすに会ってから死にましたよ
356 :
351:04/08/10 20:53 ID:2Pnk+4fw
>>354氏
まぁ、マターリがんがって下さい。
↓に正しい生徒表を貼っておきまつ。
【男子6番】おにぎり 【女子2番】ありす
【男子7番】ギコ
【男子15番】ネーノ
.
.【女子21番】レモナ
俺的にギコが優勝になる予感
モララーは焦っていた。禁止エリア際を周っても、いっこうに生徒は見当たらなかった。
やむなく車を降り、生徒が隠れそうな場所をいくつか探ったものの、成果は無かった。
時刻は4時30分。捜索を始めてから、既に一時間が経過していた。
「まずいな、タイムリミットまであと2時間ってとこかぁ?
・・・他に奴らがいそうなのは・・・エリアBのビルが怪しいな。」
モララーはエリアBのビルに向かおうとした。だがすぐに引き返すことになってしまった。
本部にいる副官から連絡が入ったのだ。
「司令!例の高官から連絡がありました。反BRの司令部襲撃について報告
したところ、〜すぐに状況を自分の目で確認したい〜とおっしゃられ、急遽、
予定が早まり、あと30分ほどで到着するそうです。」
「なにぃぃぃいい!!わかった、すぐ戻る。」
万事休すとはこのことだ。本部を目指しながら、モララーは必死に頭を巡らせた。
(・・・・・もはやここまでか・・・・・・・・いや、・・・・危険な方法だが、一つだけ逃げ道がある。
驚きから訪れた静寂を破ったのは、ありすだった。
「おにぎり君…どうして…だってあなた……」
「ちょっと…」
ありすはこの世に存在しない謎の生命体でも発見したかのように、まじまじとおにぎりを見つめる。
もう一度会うことができたのは嬉しい。しかしそれよりも何故彼が生きているのかが不思議でたまらなかった。それに―――…。
一方のおにぎりは眩しそうに目を細め、ありすの姿を何とか確かめようとしていた。
「あ、あぁ…ごめんなさい」
そう言って、ありすが懐中電灯のスイッチを切る。
ようやくおにぎりにもありすの姿を捉えることができた。
すると自然と口が開き、何か言葉を紡ごうとしたのだが―――
「ありすさん…ありすさん……」
情けない声でありすの名前を呼ぶことしかできなかった。
頭では自分が何を言いたいのかは分かっている、けれどそれは言葉になろうとしてくれない。
そんなおにぎりの様子を見、ありすが代わりに口にした。
「おにぎり君。…ッパ君は?」
おにぎりを見つけてすぐに気づいた。ッパの姿がないことに。
ケンカでもして別れたのかもしれない。けれど、それなら死んだおにぎりがここにいるはずがない。
おにぎりはぽかんとした表情でありすの顔を見た。
一瞬の空白。
「ッパ君…?」
自分から言おうとしていた彼の名前が妙に空虚に思える。
「あぁ、ッパ君ね……」
おかしいな。何よりも大切な友達じゃないか。忘れることなどできもしない彼の名前が遠く聞こえる。
おにぎりのぼんやりとした言葉を聞き、なんとなく、ありすにも何があったのか想像がついた。
「ッパ君なら死んだよ」
それは、”想像”から”事実”へと変わる。
「そう…」
それだけ言うと、ありすはおにぎりに手を差し出した。
モララーに復讐する理由がまた一つ増えた。もう十分過ぎるくらいだわ。
「いつまでそんなところに座ってるの?まだ他に――7,8人生きてるはずよ。見つかるわ」
おにぎりは差し出されたありすの手を見つめ、顔を上げて正面から目を見据える。
「僕はみんなを助けるんだ」
さっきまでの呆然とした様子はどこにもなかった。
ありすの手を掴み、ひっぱってもらいながら立ち上がる。
「誰にも見つけてもらえないなら僕がみんなを見つけるさ。そしてここから逃げ出してみせる」
いきなりどうしたのかしらといぶかしみながら、ありすが応じる。
「私は…モララーに復讐するの」
ありすもおにぎりの目を真剣に見つめ返し、静かに言う。
「あいつを殺してやるのよ。それが私の―――」
「違う違う違うッ!!」
叫び声でありすの言葉は遮られる。
「モララーに復讐するんじゃない。ここから逃げ出すんだ、みんなで。ありすさんも一緒だよ」
「残念だけどそれはできそうにないわ」
まだそんな希望を持つことができるのか。ありすは半ば呆れ、感心しながらおにぎりの言葉を頭の中で繰り返した。
『ありすさんも一緒だよ』。できることならそれもいいかも知れない。そんな未来も有り得るのかも知れない。けれど私の歩もうとする道は…。
「復讐なんて望んでなかった」
誰が、とは言わない。
おにぎりは少し弱々しく続ける。
「お願いだからありすさん。忘れないで、…ッパ君のこと、を」
忘れないでの一言には、思った以上に勇気が要った。彼の死を受け入れたくないという思いがまだ強く残っていることに自ら驚嘆する。
ほんの7時間前には隣にいたのに―――。
そんなッパの死を『そう』の一言で片付けられるのは嫌だった。
心の中でだけの存在となったッパを誰かが忘れていくたびに、その面影が薄れてしまいそうで怖かった。
「ッパ君はみんなを助けようとしてたんだ。もちろんありすさんのことも。ッパ君の―――」
おにぎりが言葉を詰まらせる。
「――死を―――意味のないものにはしたくないんだ……」
「忘れやしないわ」
”モララーへの復讐”という道を見い出させてくれたッパ君も、…おにぎり君も。そっと心の中で付け加えた。
ありすは一度大きく息を吸う。
「来て、おにぎり君。話は後にしましょう。手伝ってほしいことがあるの」
「………。――わ、ワショーイ…!」
ありすは力を取り戻したおにぎりを背に、崖を下りはじめる。
ディバッグを拾い上げ、おにぎりが後を追って走り出した。
2人のいた岸壁からわずか15m程下ったところ。
暗さで見えないが、そこに誰かが横たわっていることは浮かび上がる影で分かった。
「だ、誰…?」
前を歩くありすを通り越し、おにぎりが影の元へ駆け寄った。腰の痛みはいつの間にか退いていたが、そんなことなどどうでもいい。
ありすが再び懐中電灯を点け、気を失っている一人の生徒―――【男子7番】ギコを照らし出した。
「ギコ君よ。…だいぶ弱っているわ。彼を運ぶのを手伝ってもらえないかしら?」
「も、もちろんだワショーイ!!」
こんなにも自分のすぐそばに倒れていたなんて。どうして気づかなかったのだろうか。
自分を責める言葉ならいくらでも浮かんでくるのに…それは全く何の役にも立ちはしない。
おにぎりは肩に下げたディバッグを下ろし、ギコの脇に手を差し込んで抱えるように起き上がらせる。
「大丈夫?」
ありすがおにぎりのディバッグを持ち上げ、手伝おうかと声をかける。
おにぎりはおぼつかない足取りで、よろよろと森の入り口へ足を向けた。
「…だ、大丈夫だワショーイ。それよりどこへ行けばいいの?」
「そうね、とずりあえずそこら辺の茂みでいいわ。あまり移動すると誰かに見つかる危険もあるし――ギコ君の体力的に、そう動かさないほうがいいと思う」
人一人抱えるのがこんなに大変だなんて…。想像以上の重さにおにぎりは押しつぶされてしまいそうになる。
なんて情けないんだろう。
そんなことを考えられたのははじめのうちだけで、すぐに息が上がり、一歩前に進むので精一杯になった。
ありすはギコの傍に置いておいた自分のディバッグももう片手で肩に掛けると、ゆっくりとおにぎりの後をついて行った。
「ここでいいわ。…お疲れ様」
隠れるのにちょうどよさそうな茂みを見つけ、ありすはしゃがんでおにぎりを見上げる。
おにぎりはぜいぜいと荒い息をしながらも、ギコをそうっとその場に横たえた。…目覚める気配はないさそうだ。
終えるとすぐにありすの脇にへたり込む。
「わ、ワ…ワショー…イ…」
すぐには整わない息で、ありすが言うと思っていた彼の口ぐせを、やはり口にした。
それを聞いてありすがふと微かな笑みを見せる。
「さぁ、これで少し時間ができたわ。さっきの話の続きをしましょう?」
「………」
おにぎりはただ首を縦に振った。
それを見て、ありすが話し始める。
ッパとおにぎりから離れから、今までのことを。
その頃、東京丸の内・・・・・。
「どうだね、今年のプログラムは」暗闇の中から一人の男の声がした。
「よさそうなのが多いですね、大臣。」ひろゆきはその男と共に長い廊下を歩いていた。
男はまだ若かった。しかしその目にはいかなる物もひれ伏すであろう狂気の光があった。
この男こそ’81年度プログラム最優秀優勝者である現陸軍大臣だった。
「このプログラムが終了しだい、わが国は米帝空軍ハワイ基地へと奇襲をかける。いわばこのプログラムの優秀者こそが英雄となるのだ。」
「ハッ!大臣。」
この男は壊れている・・・・。ひろゆきにもそれは確認できた。
「韓半民国総書記と核協定を結んだ。これよりわが国は独逸、伊太利、そしてアルカイダを始めとする世界中の反政府のテロ組織と手を結ぶ!!
いわばこれは連合国国家への報復である!!」
「大臣・・・・・。」
もはやこの男は止められなかった。
「ネーノ君。」
「何?」
レモナが、ネーノの名前を呼んだ。
眼は相変わらず腫らしているが、涙は収まったようだった。
「その、さ。これからどうする?」
レモナは、数時間前に既に出た質問を、再び繰り返した。
「・・・うん、どうしようか・・・?」
ネーノはそう言うと、深く溜め息をついた。
今まであった出来事が、衝撃的過ぎた。
脱出の方法を考えるとか、それどころではない。
沈黙が続く。時間が流れてるのか流れてないのかも分からないような静寂が、二人を包み込む。
「・・・あの、さ。」
その静寂を先に破ったのは、ネーノだった。
この静寂に堪えられない、といったような響きではなく、何か邁進的な事を思いついた響きだった。
「どうしたの?」
レモナが顔を上げた。
「これからギコ君を探しに行こうと思う。」
ネーノが、決心したように言った。
レモナが驚嘆したように口を半開きにする。
が、しばらく経った後、レモナも意を決したように言った。
「・・・そうだね。八頭身はもう死んじゃったんだし、これから脱出の方法を考えるんだもんね。」
ネーノが、コクリと頷く。
「うん。・・・俺たちは今からここで他の奴を殺すわけでもないし、自殺するわけでもないからね。
脱出は勿論みんなでする。みんなでこの糞ゲームの詳細を世に教えてあげなきゃ。」
ネーノは、そこまで言うとギュッと拳を握り締めた。
「・・・じゃあ、そろそろ行こうよ。何か嫌な予感がするんだ。さっきの放送といい、反BRの団体といい・・・
ほっといて、助けを待って脱出出来るような状況じゃないような気がする。
・・・これは、まぁ、単なるといえば単なるなんだけど・・・単なる予感だけどね。」
そこまで言うと、ネーノはククッと笑いながら、立ち上がった。
レモナも、続いて立ち上がる。
「私もそんな感じに考えてた。」
レモナも、ネーノの真似をして、喉を震わせククッと笑った。
「・・・でも・・・正直・・・何かあれだよなぁ・・・」
ネーノが、すぐ隣に居るレモナにも聞こえない位の小声でボソリと呟く。
「何?どうかしたの?」
レモナの丸い眼がネーノの方を向く。
「い、いや、何でもないよ。じゃあ、行こうか!」
ネーノは、しどろもどろになりながら答える。
レモナが不思議そうにしばらくネーノを見つめた後、クスリと笑った。
「じゃ、行こっか。」
ネーノが声を掛けた。
レモナは、静かに頷いた。
ガチャリ
部屋のドアを押し開ける。
途端に吸う空気が変わったような気がする。
ネーノは、気にせず部屋を出た。
レモナも、ネーノに部屋を出ようと思ったが、不思議と自然に首が部屋の中を向いてしまう。
レモナの目には、二つの死体が目に映っていた。
ネーノが、レモナの方を振り向く。
「どうしたの?レモ・・・ナぁ・・・」
レモナの方を向いた瞬間、ネーノはレモナが二つの死体を・・・八頭身を・・・モナーを見つめている、という事が分かった。
ネーノが始末悪そうに頭をかく。
「・・・まだ、そっちは振り向かないって約束だろう。」
ネーノが溜め息混じりに言う。
「・・・うん、そうだね。」
レモナは呟くように言うと、ドアをガチャリと閉めた。
その後、レモナは下を向くとフゥ、と溜め息をついた。
しばらくの沈黙の後、レモナは決心したように頭を上げた。
「じゃ・・・いこっか。」
レモナは、やっとの思いでそうやって言うと、強がるようにニコリ、と大きく微笑んだ。
ネーノも不安が解け、ニッ、と大きく口元を歪め、微笑んだ。
「よし、行こうか!」
ネーノが一際大きな声でそう言う。
それと共に、冷たい廊下を二人は歩き出した。
レモナは、約束を一度だけ破って、足を止め、一瞬だけ後ろを振り返った。
モナー君・・・
微笑むモナーの姿が頭に浮かぶ。
しかし、レモナはモナーの姿を頭から振り払い、すぐに前を向いた。
まだ考えちゃ駄目・・・脱出するまでは・・・絶対に思い出さない・・・
・・・大丈夫・・・ネーノ君がいるから・・・さびしくないよ・・・絶対大丈夫・・・
レモナは無言でそう誓い、再び歩き出した。
モナーは、あの部屋の中で、死んだときそのままに横たわっている。
だが、死んだ直前とは違い、白い床に横たわり、まるで眠るように目を閉じているモナーは、本当にただ眠っているだけのようだった。
【残り5人】
リアルタイムキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
「サンフランシスコをに核ミサイルを発射しろ。」
陸軍大臣の言葉は丸の内の核ミサイル発射場に響いた。
「同型ミサイルをロンドン、パリ、モスクワへ発射だ。
その後わが国の最強部隊を欧帝列強へ進撃だ。」
それは大東亜共和国の全面戦争を開戦する、という言葉だった。
「陸軍大臣!!君は今何をしているのかわかるのか?」
「ああ総理、今から世界中の敵国へ予告文章を発進してください。もうすぐ世界最高のショーが始まりますから。」
総理と呼ばれた中年男は彼を止めるように前へ踊り出た。
「いいか!!君がやっていることはわが国を破滅させることだ!!まだ時期ではない
今すぐ攻撃を・・・。」
ズダァン!!
総理はドサリと床に倒れた、陸軍大臣の手には小型のダブル・デリンジャーが握られてる。
「わが国に臆病者は要りません、総理。」
「大臣、今年のプログラム生徒数が残り5人となりました!!」
一人の情報将校が彼のもとに駆け寄った。
「書類を見せたまえ。」
彼は書類に目を通すとにやりと笑った。
「このギコという生徒が優勝だと思うな・・・。」
近くでは核ミサイルの秒読みが始まってる。
「昔の私に目がそっくりだ。」
はーい、みなさーん。
>>367はスルーですよ(ry
『はーはー・・・えっと・・・6時になりましたね・・はーはー・・・皆さん・・・元気ですか・・はーはー・・・』
(司令。お汗がダラダラ垂れてます。機材に落ちる前に拭いてください。)
(ああ、ごめん。)
『・・・・・・・・・・・・・・・・
えと死亡者を発表したい所なんすが・・・戦いも膠着してるようですし、特例として面白いゲームを提案しました♪・・・あ。』
(・・・司令。台本を落とさないで下さい。)
(ごめんごめん、ああー、もう!)
『今から、君たちの首輪の機能を全て停止します。
なので、生き残った皆さんは、至急エリア51まで来てください!
えと、今から10分以内に来れなかった人は、即首輪を爆破させます!
早く来てくださいねー。・・・あと、首輪の機能を停止した事を利用して逃げようとしても、
海に居る兵士達が貴方達を射殺しまーす。真っ直ぐ来てくださいよー。
じゃ、10分後なー。待ってるぞー。じゃ、終わり!』
ガチャリ
「ふぅ・・・」
モララーは、副官に渡されたハンカチで顔を滅茶苦茶に拭いた。
モララーは、今の放送でいくつもの嘘をついた。
まず、今から首輪の機能を停止する事。首輪の機能はずっと前から止まっていた。
それと、首輪を爆破する事。首輪を爆破させる事なんて出来るわけがない。
あと、海に居る兵士がいる、という事。今、海には兵士の船なんて一つもない。
何故なら、高官を迎えるためにエリア51のヘリポートに皆出払ってるからだ。
これは最後の賭けだった。
首輪の機能が停止した事を全てごまかし、なおかつ高官たちを喜ばせるイベントを行うための。
「司令!只今高官がご到着なされたようです!!」
突如、副官が大声を上げた。
その一言が、モララーの胸に深く突き刺さる。
「ええー!?もう着ちゃったの!?早すぎる・・・」
モララーは、困った顔をしながら、脳をフル回転させた。
どうすればいい・・・?予想以上に早いぞあいつは!
どうする・・・どうする・・・
そうだ。
直接話・・・というか足止めしに行けばいいじゃないか。
「おい、お前。」
モララーは、副官に手招きをした。
「はい、ナンでしょう司令。」
副官が不思議そうな顔をした。
「今すぐヘリポートに行くぞ!高官を、ジェントルを足止めしに行くんだ!」
「敬礼!」
「敬礼!」
「敬礼!」
ヘリコプターから、何人もの兵隊、耳の両脇に妙な髪飾りをつけた、男とも女とも分からないような綺麗な顔の人、
そして、シルクハットを被った男が、満を持して降りてきた。そう。彼が、高官、ジェントルモララーである。
「おー、お出迎えご苦労貴様ら。」
ジェントルは、軽く薄笑いを浮かべながら、真面目な顔で敬礼する兵隊達を見回した。
そして、前を見た瞬間、二人の男がこちらに走ってくるのが見えた。
目を凝らしてみると、それがモララーだということが分かった。
「ここ、高官!!」
モララーが、汗をダラダラ掻きながら走った。
丁度高官がヘリコプターから出てきたところだった。
モララーは、ジェントルの前に止まった。
途端に、胸から一気に疲れがこみ上げてくる。副官も息を激しく切らしていた。
「やあ、モララー君。放送直後だというのにお出迎えご苦労。」
ジェントルが、涼しい顔をして言った。
こんにゃろう、俺の苦労も知らないで・・・
「で、今、プログラムの状況はどんな感じかね?」
ジェントルが言う。
モララーは、走ってくる時に脳内にインプットしておいた台本を読み始めた。
「状況ですか。あのですね、只今プログラムが膠着状態でございまして・・・
先日位から死者が全く出てきてないんですよ。そこでですね、今私が新しいゲームを提案しまして」
モララーは、記憶している事を忘れないようにぺらぺらと早口で喋り続ける。
「新しいゲーム?」
ジェントルが顔をしかめる。
「はいそうなんですよ。このまま放っといても全くゲームが進まないのでね、
そこでですね、今生き残った生徒みんなにエリア51の本部の個室で殺し合いさせようと思いまして。
ほら、あれですよ。催眠ガス?っつうか興奮化ガスみたいなのがあるじゃないですか。
あれを使ってですね、個室で生徒達に殺し合いをさせるんですよ!
ガスによってどんどん昂ぶっていき、人を殺したくなっていく生徒達!
欲望に負けてなるものか、という生徒達の葛藤!そして、儚く散っていく希望と友情・・・いやぁ、すごいですよぉ。
そうですねぇ。殺しあっていくその様を間近で身ながら賭けが出来ますよ!
リアルタイムで殺し合いが進行するので、競馬気分で緊張感も抜群です!
とにかく、何てゆーか総合的に人間心理などの研究も一気に進む事請け合いですよぉー。」
モララーは、汗を掻きながら一気に喋った。
一気にこんな喋ったのは久しぶりだ。でへへ、どちくしょう。
「・・・いや、口で言うと面白そうなんだがな。そんな型破りな事して大丈夫かね?
総統陛下がお怒りになられるかもしれないぞ。」
ジェントルが、多少焦ったような口調で言う。
「いや、大丈夫ですよ!大体、膠着状態のまま生徒全員の首輪爆破!なんて事になるよりはよっぽどいいでしょう?
いつまでも同じ手法に拘ってるといいデータは取れませんよ!高官!」
モララーはそう言うと、力なくへへへと笑った。
ジェントルが、ばつの悪そうな顔をする。
「まぁ・・・上に何を言われても知らないぞ漏れは・・・」
ジェントルが目を伏せた。
そうだ。確かに上から何を言われるか分からない。
だが、このまま首輪も操作できない生徒の状況も分からない状態でほっとくわけには行かない。
そちらの方が、上に何を言われるか分からない。
「ささ、分かってくれたなら行きましょ、高官。」
モララーが、微笑んでジェントルを手招きした。
それと共に、前を歩き出す。
「・・・・・・」
無言でついてくる高官ジェントルモララー。
と、エスコートするように歩くモララーに、一人の男が寄りかかった。
「・・・おい、モララー。」
高官と一緒にヘリから出てきた、男である。
彼は、モララーの耳元で息を吹きかけるように行った。
「あれ、なんだよオレモナーもいたのか。何か用か?」
モララーが始末の悪そうな顔をして、呟くようにいった。
「いやぁ、オレもなーちょっとこのプログラムの様子を知りたくてさー・・・
・・・えと、今回のプログラムに元々俺の子供だった奴がいるようなんだけど、今生き残ってるか?」
オレモナーが怪訝そうにたずねる。
モララーは、部下に手渡された生き残りの生徒が書いてある用紙を、頭に思い浮かべた。
あれ?そもそもこいつの子供なんて名前だよ。
「レモナっていう名前なんだ。すぐに母親ごと施設からいなくなっちゃったし、ほとんど愛着も湧いてないから
別に死のうが死にまいがどっちでもいいんだけどさーとりあえず成長したその姿を一目くらいは見たいじゃん?一応父親だからさー。」
オレモナーが、心を読んだかのように自分の娘の事をペラペラ喋りだした。
政府の施設を抜け出した脱走者・・・ああ、10年前くらいにいたなぁ、そんな奴。
レモナ・・・あいつそうだったのかぁ。
・・・確かまだ生き残りの中に居たよな。
「ああ、まだ生き残ってると思うよ。おめでと。」
モララーが、短く言う。
「おー、生きてるのかー。やるなーあいつも。
おおきくなったかなー。っていうか、オレが顔出したら驚くかなーあいつ。そもそも覚えてないかなー。どっちかなー。」
オレモナーが、もうモララーに向かって話してるのかどうかも分からないような口調で喋り続けた。
・・・ったく、五月蝿いな。こっちは今疲れてるってのに!
・・・あー、そういえばあの放送からもう少しで10分経つなぁ。
・・・大丈夫かな?
ちゃんとあいつらみんな来てるかな?
暴れたりしてないかな?
本部の方は警備の兵を沢山置いといたから大丈夫だとは思うが・・・
ガキの癖して妙な警戒心起こしてないだろうな、アイツら。
・・・もし、何人か来てなかったとしても、何も出来ないんだよな。
【残り5人】
「どう思う?」
あの放送の後始めに口を開いたのは【女子2番】ありすだった。
「どう思うって・・・、どういうこと?」
【男子6番】おにぎりは半ば理解に苦しんでいた。
「今確かにあいつは、モララーは首輪の機能を止めるといったわ。
でも私達はもう15分も前から禁止エリアにいる。
そして私達は生きている――この意味が分かる?」
普段クラスではあまり喋ることのなかったありす。
その彼女がこうもいっぺんに色んなことを言ったので、おにぎりの頭は混乱していた。
「単純に考えれば・・・、首輪の機能が解除される前に禁止エリアにいても
首輪は爆発しなかった。まだ死んでいない僕の名前がひとつ前の放送で呼ばれた・・・!」
おにぎりは先ほどの疑問がやっと確信に変わった気がした。
「じゃぁまさか――」
ありすはこくりとだけうなずいた。
やっぱりッパ君とやったことは無駄じゃなかったんだ。
あの電線、やっぱりあれは――
:::::僕達の命の綱だったんだ!:::::
【残り5人】
age
―――ほぼ確実にこの首輪は機能していない―――
自ら導き出した答におにぎりは心底喜んだ。
「でも、何でそんなことになったのかしら?」
アリスには原因がわからなかったが、おにぎりにはわかっていた。
「ッパくんと僕とでね、電線を見つけたんだ。で、この銃でそれをきったんだよ!」
おにぎりは興奮しながらS&Wを出してアリスに説明した。
「じゃあそれが原因で首輪が機能しなくなったのね。」
ありすもおにぎりの話を聞いて合点がいった。
「そしたらさっきの放送は信じないほうがいいわね、きっとあの学校みたいなところで
殺し合いでもさせる気だったんでしょ。」
「そうか・・・じゃあエリア51に戻らないとして、これから僕たちはどうしよう?」
おにぎりの質問にアリスが呆れ顔で答えた。
「そんなの決まってるじゃない、仲間を探すのよ。みんなでここから脱出するって決めたでしょ?
それに、いまこのゲームのプログラムが機能してないんだったらチャンスじゃない。」
「あっ、そうか!」
アリスはため息をついて続けた。
「さっきここに来る途中に廃ビルの中から銃声が聞こえたの。だから私は戻って中にいる人たちに
このことを伝えてくるわ。おにぎり君はここで彼の看病をして待っていて。」
「そんな、危ないよ。だって銃声がしたんでしょ?僕が行くよ。」
おにぎりがそういうと、またもアリスはため息をついた。
「全く、どこまでお人よしなのかしら。あなたが行ってもどのビルかわからないでしょ?
だから私が行くわ。」
「そんな・・・だけど・・・」
おにぎりはなかなか食い下がらなかった。
「ああもう!行ってくるから、30分待って私が戻ってこなかったらあなたも来て!」
ありすはイライラしてきたのでおにぎりにそう告げると走っていってしまった。
「え?あっ、ちょ・・・あーあ、行っちゃった。」
おにぎりが肩を落としているとありすが振り返って
「大丈夫!すぐにもどるわ!」
と大声で言った。そしてすぐに向きを変えると、また走り出した。
その姿を見送ったおにぎりの耳に何か聞こえてきた
―――うぅ、
おにぎりがおどろいて後ろに目をやると、ギコが目を覚ましていた。
「ジェントルモララーめ・・・、軍を裏切り追って・・・。」
東京丸の内、陸軍庁では陸軍大臣がガチャンと電話を戻した。
「どこに姿をくらませたかはつかめたか?」
「ハッ!!陸軍官邸にはすでに姿は無く、おそらく岡山付近の小島で電波発進を行っている模様です。」
陸軍大臣はさっと立ち上がる。
「見つけ次第ポアせよ。」その言葉の意味はつまり『一刻も早く奴を捕まえ、粛清せよ』
という言葉だった。
その時、はじかれたように大臣室のドアが開いた。
「大臣!!ジェントルモララー元韓半民国占領軍司令官が新たなゲームを始めました!!」
その一言に、彼のまだ若い顔は青くなった。
「電波を逆探知し次第、国内防衛軍主力部隊を直行させろ・・・。ええいっ!!私が行くッ!!」
彼は軍用のカーキの外套を羽織り、陸軍庁の屋上へと向かった。
陸軍庁の屋上に停められたアパッチに彼は乗り込み、乱暴にガンと扉を閉めた。
『大臣、今場所が確認できました!!』ヘリの無線が枯れに話し掛ける。
「どこだっ!!どこに奴は潜んでいる!!」
『瀬戸内海の小島、白石島です!!』
彼は焦ったようにヘリを出す。
チャッ・・・。彼は軍人手帳の裏に忍ばせた写真を見た。
―――――――――――――ありすっ!!
陸軍大臣は声にならぬ声で生き別れた妹の名前を叫んだ・・・。
>>375 話を肥大化させんなよ。
それに、AABRは架空の世界の話ですから。東京丸の内って何処やねん。瀬戸内海って何処やねん。
そういうのはAABRじゃなくて普通のバトルロワイヤルでどうぞ。
↑はスルー。
本スレ陸軍大臣は一種の外伝として保管&スルーするのがイイと思われ。
Q:今回のAABRで一番好きなキャラは?
A:モララー
理由・・・モララー必死だな(w(謎
Q:今回のAABRで一番嫌いなキャラは?
A:八頭身
理由・・・虐殺に走った
Q:今回のAABRで一番燃えたシーンは?
A:None
理由・・・None
Q:今回のAABRで一番納得のいかないシーンは?
A:虐殺8さん化
理由・・・虐殺に走った→ぶっ壊れ
Q:今回のAABRで死に方が泣けたキャラを答えよ。
A:None
理由・・・None
Q:今回のAABRで一番好きなキャラは?
A:モララー
理由・・・一番大切にされてない?・・・
Q:今回のAABRで一番嫌いなキャラは?
A:アヒャ+八頭身
理由・・・無理がある。
Q:今回のAABRで一番燃えたシーンは?
A:None
理由・・・None
Q:今回のAABRで一番納得のいかないシーンは?
A:メインキャラ集合
理由・・・キャラ変わり杉・・・ネーノとか・・
Q:今回のAABRで死に方が泣けたキャラを答えよ。
A:坂田師匠
理由・・・死に方つーかイイヤシ
380 :
さるびあ:04/08/20 10:15 ID:ccIs7FVe
八頭身が死んじゃったw
やる気の奴がいなくなったけどどうすんの?
「今あの放送、どこまで信じていいのかしら?」
「そうだな・・・」
二人が廃ビルを出た直後に放送があったが、レモナとネーノはその放送を鵜呑みにすることはできなかった。
今の放送もそうだが、この一つ前の放送もあまりに不自然すぎた。
「これは、うかつにエリア51には近づかないほうがいいかもしれないわね。」
「確かに・・・。なんかゲームとか言ってたし、どうせろくでもないことさせるに決まってるな。」
そう言った後、ネーノはさっきの放送を思い出してすぐに不安が頭をよぎった。
「でも、さっき10分以内に来ないと首輪を爆破するとか言ってたよな。それは大丈夫なのか?」
「確かに・・・」
ネーノの言葉にレモナも不安になった。
「あまり時間がないから整理して考えましょ。まず12時の放送だけど、何でモララーは死亡者を
おにぎり君一人だけしか発表しなったのか・・・」
レモナの疑問にネーノも続けた。
「そうしたら今の放送だって死んだやつを発表してないぞ。まぁ、それは人数が少なくなったからかも知れないけど・・・」
「死んだ人を発表しないことをごまかすために、わざとゲームなんて言いだしたのかもしれないわ。」
「このままじゃいつまでたってもラチが明かないなぁ・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
10分という限られた時間の中での議論なのに先が見えてこないので二人とも黙ってしまった。
そんな時、レモナにある考えが浮かんだ。
「何でモララーは私たちをエリア51に集めたいのかしら・・・」
「そんなの、ゲームをさせるためだろ。」
ネーノが答えたが、レモナの中で「考え」は「確信」に変わっていった。
「違う・・・モララーの目的はゲームなんかじゃない。私たちの、今の状況を知るためよ!」
ネーノもようやくレモナの言わんとしていることがわかった。
「そうか、あいつは今俺たちがどういう状況なのかわからないんだ。どれだけ生きてるかも、どこにいるのかも!」
「そうよ、それだったらあのおかしい放送も全部説明がつくわ!つまり―――――」
「つまり今この首輪は―――――」
「!!」
二人が核心に迫ろうとした時、レモナがこちらに走ってくる人影に気づいた。
382 :
375:04/08/20 15:08 ID:5FmY+Ouu
じゃあ独立しますよ。
383 :
382:04/08/20 15:31 ID:5FmY+Ouu
新スレかけなかったのでまたお世話になります。
事前に※この文はアナザーストーリーですとかでも入れとけば、
このスレで書いてもいいと思うよ。
とりあえず雑談スレに行きたまえ
「おい、どういう事だよ!」
モララーは、見張りの兵士に問い詰めた。
今生き残っている生徒は、誰一人エリア51に着ていない。
着たらこの部屋につれてくるようにいっておいたのに。
兵士は、焦りながら答えた。
「いや、すいません・・・でも、エリア51及びその付近のエリアには、生徒らしき影が一つも見つかりませんでした。」
モララーは、それを聞いたとき、目の前が暗くなるような錯覚に陥った。
何て奴らだ!ガキの癖に!ガキ!ガキ!!
「どうしましょう?司令?」
兵士が、しどろもどろになりながらモララーに問いかける。
――どうしましょうとか言われてもさあ・・・どうすればいいんだよ!
モララーは、後ろをチラリと見た。
ジェントルモララーが、変な目でこちらを見つめている。
どうすればいいんだろう。
このまま待っていても、多分永遠にやつらは来ない。
だからといって放置しておいてもいけない。
どうしようか・・・どういう作戦でもいいから・・・奴らは・・・ここに・・・
モララーは、脳をフル回転させ悩んだ。
しかし、結論は以外に早く思いついた。
――そうだ。脅してでもここに来らせればいいじゃないか。
モララーは、ニヤッと薄気味悪く口元をゆがめると、放送機器の元へと歩み寄っていった。
「おい、モララー君。何を・・・」
ジェントルモララーが言う。
モララーは無視して、放送機器のスイッチを入れた。
赤いランプがスイッチの横に点る。
モララーは、マイクに口を近づけた。
そして、息を大きく一度吸うと、思い切り叫んだ。
『てめえら!!大人に逆らうのもいい加減にしろよ!!』
モララーの怒号が、部屋中に、恐らく島中にも響き渡る。
横で、副官が目を丸くしてこちらを見つめている。
もう一度、大きく息を吸う。
精一杯の力を込め、マイクに息を、声を噴き出す。
『いいか!?こっちはてめえらの命を握ってんだからな!?
その気になりゃあヘリコプターにでも乗っててめえらを皆殺しにすることも出来んだ!!
・・・これから20分待とう。それでもエリア51に来なかった奴は・・・いや、来なかった奴がいなかった場合・・・
生き残ってる生徒全員を俺達が直々に殺しに行くからな!!これは脅しじゃない。言う事を聞かねば本当に殺る!
いいか、20分後だぞ糞餓鬼ども!絶対にエリア51に来いよ。これが最後のチャンスだ!!』
モララーはそこまで言うと、荒々しく放送機器のスイッチを切った。
途端に、堰を切ったような静寂が流れる。
その部屋に居るモララー以外の誰もが、突然の出来事に硬直していた。
・・・ふぅ、終わった。
これで奴らが来てくれるといいんだがな・・・
それでも来なかったら強引連れてくるしかないか・・・
・・・『サバイバルゲーム』。もしこのゲームでいい成果が出たなら、クビどころか昇進する可能性もあるかもしれない。
なんとしてでも成功させるのだ。なんとしても・・・
チャカッ・・・。モララーの頭に何かが押し付けられるのがわかった。
「そこまでだ、モララー大佐。」モララーが振り向くとそこには彼がいた。
しかし今の彼は陸軍大臣の彼とは違った。
「君も軍に逆らうのはいい加減にしたまえ。なんなら君も今この場で粛清しても良いんだぞ。」
「・・・・・陸軍大臣殿自ら出勤とは、何かおありで?」
「これから死ぬ人間に言うことなど何も無い。」
ダブルデリンジャーが押し付け、彼は歯をギリ・・・とかんだ。
「ああ、聞いたことありますよ。昔プログラムで死にかけた小生意気な若造の話を・・・。」
「黙れエッ!!!」
「その男には妹が一人いた。」
「黙れ!!!今この場で撃ち殺すことも出来るんだ!!!」
彼の声が荒ぐ、それを面白がるようにモララーは話を続けた。
「その男の妹の名前は、ありす。」
―――――――――――――――――――っ!!!
「そして男の名はフ・・・・。」
ズダアンッ!!
銃声が当たりに響く。彼は無残に頭を打ち抜かれたモララーを見た。
「もう後戻りは出来ん・・・、おい貴様らっ!!!」
彼は硬直しきっていた他の人間に怒鳴りつけた。
「エリア51およびその他のエリアを緊急閉鎖せよ!!!」
生徒の為だ。俺がどうなろうともいい。
↑アナザーストーリーなので、皆さん、たのんます。
ではアナザー気にせず。
―――最後のチャンスだ!!』
「これで決まりね。」
【女子2番】ありすにもう迷いはなくなった。
後は他の人たちと合流して脱出するだけ・・・
そう考えていた。
「お前は・・・おにぎり!死んだんじゃなかったのか、ゴルァ!」
一方その頃目を覚ました【男子7番】ギコは驚きの声をあげていた。
「なんで僕が死のうとしたことを知ってるの?」
【男子6番】おにぎりは腑に落ちない表情をしていた。
それを見て、ギコは呆気にとられていた。
「これを書いたの、お前だろ?御丁寧に名前まであるんだから・・・」
ギコの言葉と同時に差し出された紙切れを見て、おにぎりはやっと事を理解した。
だが、おにぎりにはもうひとつ疑問があった。
「それはそうと何でギコ君はあんな所にいたワショーイ?」
そうだ。何故ギコが禁止エリアなんかにいたのか?
おにぎりにはその理由が知れなかった。
「なんだ、そんなことか。」
予想外に――かどうかは判らないが、ギコは渋ることもなく話し始めた。
自分が武器を取りに戻っていたこと。
その途中で力尽きてしまったこと。
そして、自分がモナー達と行動していたこと―――
ギコの話を聞いておにぎりの顔にも希望が湧いてきていた。
まだ仲間はいる。
これなら脱出も出来るはずだ。
僕達が電線を切ったんだ、僕達を殺したくても見つけられるわけがない。
「ワショーイ!」
おにぎりはギコにいきなり抱きついた。
「おい、ちょっ、俺は男と抱き合う趣味はないぞゴルァ!」
【残り5人】
390 :
おもしろくかく!:04/08/21 21:00 ID:mKO1mnuz
そういうとギコはおにぎりにいった。
ギ「おい・・・お前なぜ死んだはずなのに生きてるんだ?」
お「・・・さぁ?わからないんだ・・・」
ギ「おい・・・わか・・・わからないだと?ありえないぞ!ゴルァ!」
ギ「それにしてもお前。いきなり抱きつくな!」
お「ごめん・・・」
ギ「まぁ・・・とりあえず今何人いるかわからない。」
お「と・・・いうと!?」
ギ「まだ八頭身が死んでいるかどうかがわからないことだ!」
お「・・・・」
ギ「もし!あいつがいきていたら!しぃを殺した・・・あの八頭身がいきていたら!」
お「・・・」
ギ「俺は死んでも!あいつを恨み続ける!」
【残り5人】
391 :
うんこ ◆JSSPlf/3Dg :04/08/21 22:44 ID:fFJM7v9K
男子生徒99番うんこの話
彼に支給されたのは核だった
使った
地球が吹っ飛んだ
俺は生き残った
何故だ
まあいい
俺は月で生きるさ
じゃあな地球
糸冬
392 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/08/22 01:09 ID:B9vWdbI2
師ね
あの時、俺は間にあわ無かった。
俺はまた間に合わなかった、もうゲームは終了していた・・・。
あのギコという生徒は昔の俺そっくりだった。
モララーに恋人を殺され、恨み続けた自分に・・・・・。
「いますぐ生存者を救出し、エリア51を緊急閉鎖しろ!!その後この島を核爆弾でふっとばす!!!」
それはプログラム制度撤廃せよ、という言葉だった。
「しかし陸軍大臣、それは明らかに法違反です!!」
「法がどうした!!今はこんなことを行うより米帝制圧を目的にするのだ!!」
彼は落ち着かない様子で煙草をすった。
「まず島民を批難させてその後遺体と生存者を回収しろ!!」
「これで全員か?」
「ハッ!!生徒全員の遺体を回収しました!!」
「生存者は?」
「2名です!!」
彼は生徒の乗ったヘリに乗り込んだ。
「離陸しろ。吹っ飛ばす。」
ヘリは静かに離陸した。
ヘリの壁にへたり込む彼に一着のコートがかかった。
「あたたかい?」
少女は弾丸のせいで目が見えなかったらしい・・・。しかし少女にはそれが誰かわかった。
それが兄であったことを。
「ありす・・・・・。」
彼は大粒の涙をこぼした・・・・。
OK。行けるとこまで逝ってやろうじゃねえか・・・。
BR法はその三日後に陸軍大臣の案で撤廃された。
彼はそれが原因で職を退き、その次の年にホワイトハウスで自爆テロを図って死んだ。
彼は逝った。
一人の少女を残して。
その後その少女がどうなったかは知らない。
彼の後を追って死んだとも言われているし。
彼の後をついでテロリストになったとも言われている。
まあ、そんなことは今となってはどうでもいいことなのだが・・・・。
394 :
さるびあ:04/08/22 15:05 ID:2zUO95yG
↑スルー
395 :
うんこ ◆JSSPlf/3Dg :04/08/22 15:55 ID:DPmNetk8
残存キャラは?
今何名?
まずageるな。それと空気嫁。そして氏ね
そうしたら教える
本スレでもめるのはやめてくれ
「ええ〜!!!」
・は思わず声に出して驚いた。もはや正気とは思えない。
「いいか!首は骨の部分に合わせて固定するアヒャ」
「何言ってるのです!本当に死ぬのですよ!」
「死んでも別にいいアヒャ。今はより確率の高いほうに賭けるアヒャ」
「そんな死んでもいいだなんて…」
アヒャはタオルをヒモ状にしながら・に話した。
「俺の首をガムテで固定したら首輪を機械に詳しそうなやつ、ッパあたりに見せるといいアヒャ
もしかしたら首輪の解除方法が見つかるかもしれないアヒャ」
「でも、でも、そんなことできないのです!」
「じゃあ、これならどうアヒャ」
アヒャは自分の荷物の中からサインペンを取りだし、首の真中と左右に縦に線を引いた
「これなら分かりやすいアヒャ、この線の位置に合わせて首を固定するアヒャ」
「だからそういう問題ではないのです!首なんか切ったら絶対に死ぬのです!」
「大動脈がつながればOKアヒャ。あとは神経関係に障害がなければ元通りアヒャ」
「モララー様、あの、アヒャの奴がなにか滅茶苦茶なこと言ってますが…」
首輪からの通信で生徒達の会話を盗聴している参謀がモララーに話しかけた。
「ン〜、好きにさせれば」
モララーは夜食の牛丼をほおばしながら投げやりに答えた。
「やっぱり牛丼はうまいな、国産牛だからなんの心配もないからな」
「あの…アヒャの首輪を爆破しますか?」
「その必要はないからな、ルール違反はしてないし」
モララーは牛丼を食べながら参謀の方に振り向いた。
「それに知りたくはないか?アヒャ族とはいえ本当にそんなことが可能なのか」
「しかし、もし、もしもアヒャが生き延びたら…」
「ま、いいさどうせ首輪が無くたってここから逃げきるのは不可能だからな」
【男子2番】アヒャが牛刀を振ることはなかった10秒たっても、1分たっても
「なんでアヒャ?」
目を開けてみると妹が牛刀を持っている手を押えていた
「やっぱりだめなのです」
「どうしてアヒャ?首輪さえ取れれば助かるかもしれないのに」
「でもアヒャさんが死んでしまうのかもしれないのです」
「何度言わせるアヒャ?死んでも別にいいアヒャ」
――そう彼は死んでもいいと言っている…みんなが助かるためにすべきか…
だがもし失敗して彼が死んでしまったら自分にも責任がある。それに彼が死んだら
また1人ぼっちになってしまう。この状況で1人になるのはもういやだった
「やっぱり死んだらだめなのです」
しばらくして彼から返事が来た
「わかったアヒャ…今回はやめとくアヒャ」
――よかった彼と居る時間が少しでも増えて
だが安心してまもなくこの2人に危機が迫っていた
【残り19人】
初めまして_| ̄|○皆さんアヒャが死んだところを気に入って無さそうなので
書き直しましたが(アヒャは首を切らなかった)気に入らなかったらスルーしてください_| ̄|○
驚いたのはありすの方だった。
目の前に二つの物体、いや、二人の生徒が座っていたのだ。
慌てて、元々兵士のものだったクルツを持ち上げた。
しかし、その直後には、片方――レモナ【女子21番】がマシンガンを自分に向けていることがわかった。
自分より早く、反応したのだろうか。それとも、来るのが見えていた?
レモナの隣には、ネーノ【男子15番】がいるが、これは様子からして銃を上げる様子は無い。
ありすはそのまま硬直してしまった。
この二人は、ビルから逃げてきたのだろうか。それとも、ビルにはまだ人が残っているのだろうか。
いや、今はそんなことは関係ない。脱出するために、できるだけ仲間を集めなきゃいけないんだ。
状況に少し焦っていたが、何とか心を落ち着かせるようにした。
「言いたいことがあるの。銃を下ろしてくれない?」
まず、ありすはそう言った。そして、「このゲームから逃げ出せるかもしれないの」と付け加えた。
レモナはありすの目をしっかりと見つめながら「この首輪のことね」と言った。
ありすは頷き、そしてまず自分から銃を下ろした。
それを確認したらしく、レモナはマシンガンを地面に置いた。
「私たちもそのことを考えてたの。聞かせてくれる?」
レモナの言葉にありすは安心し、話を始めた。
おにぎりから聞いたことを中心に、今は首輪が機能しなくなっていることを説明した。
死亡者が発表されていないのはそのせいで、モララーには、自分達がどこにいるのかもわからなくなっている。
そしてそれは、ッパとおにぎりが本部の近くにある電線を切ったことが原因だということ。
また、今はおにぎりやギコと一緒にいて、首輪が使えないのを利用して脱出しようと考えていたこと、
そのために仲間を探そうとしたら偶然二人に会った、ということを説明した。
「――ギコ君は怪我をしてて、あまり動かさない方がいいと思う。だから、
一緒におにぎり君のところまで来て欲しいの」
「でも、脱出するって、方法はあるの? 20分すればヘリが殺しに来るはずよ。
海には船がいる。エリア51に行けば、これも皆殺しにされるわ」
「だけど、人がたくさんいれば何かいいアイディアが浮かぶと思って……」
自分で言っていても自信がなくなってきたが、仲間少ないより多いほうがいいはず。
「まあ、いいんじゃネーノ?」さっきから黙って聞いていたネーノが口を開いた
「仲間はたくさんいたって悪くないんだから、ひとまずおにぎりのところに行ってみよう」
「ネーノ君、ありがとう」
ありすが言うと、ネーノは無言で立ち上がった。レモナもそれに続き、
三人でもといた場所に進み始めた。
駄スレsage
クソスレ確定。
「ぐえぇ、はっ・・・はなせゴルァ!」
おにぎりは、窒息寸前になっていたギコに突き飛ばされて仰向けに倒れた。
「ハッ・・・ハッ・・・危うく死ぬところだったじゃねぇかゴルァ!こっちはケガ人だぞ。」
「ごめんごめん。で、モナーたちはどこにいるの?」
ギコに怒鳴られたにもかかわらず、おにぎりには少しも反省せずの色が見えない。
そんなおにぎりをみて深くため息をつくと、とりあえずギコは質問に答えた。
「確か俺が別かれたのはD-5のビルん中だったな、多分今もそこにいるはずだ。」
ギコの回答におにぎりの顔はよりいっそう明るくなった。
「そうか、じゃあありすさんは間違ってなかったんだ!」
ギコには、おにぎりの言う意味がわからない。
「?どういうことだゴルァ。」
「実はね、ありすさんがここに来る途中でビルの中から銃声を聞いたみたいなんだよ。
だから、今ありすさんはそのビルに向かってるわけ。・・・どうしたの?」
おにぎりが説明を終えてギコを見ると、顔が真っ青になっていた。そして一瞬の後、
ギコはおにぎりに怒鳴り散らした。
「バカかお前は!ってことは今モナーたちが誰かに襲われてるってことじゃねぇか!」
それだけ言うとギコは立ち上がってそのまま走り出してしまった。
「あっ!待って!まだ傷が・・・それに武器も・・・」
おにぎりは、もう何を言ってもギコはとまらないだろうと思って、一瞬躊躇したが
ギコを追いかけることにした。
―――畜生!誰だ?誰に襲われてるんだ?8頭身だけは御免だぞゴルァ!―――
ギコは、走りながら考えた。
銃声がした・・・という事は、間違いなくあいつらは誰かに襲われてるんだ。
もし、八頭身だったら・・・
遺伝なのかどうか知らないが、あいつの身体能力は異常だ!殺されちまう!
八頭身に撃たれ、死んでゆくネーノが、モナーが、レモナが頭に浮かぶ。
いやだ!また誰か死んじゃうのは嫌だ!
こんな事になるのなら・・・わざわざあの輪から外れるんじゃなかった!!
くそう、くそっ、くそう。これじゃ逃げたみたいじゃないか!俺は・・・俺は・・・
俺は、ほとんど泣きながらD-6への方へと走っていった。
傷が痛む。でも、それどころじゃない。行かなきゃ。行かなきゃならない・・・
俺は、笑う膝に篩をかけながら走った。
実際は、正常時の半分の速度も出ていないが、とにかく必死に走る。
目の前に、ビルが見える。
ネーノが、モナーが、レモナが、そして俺がいた、あのビルだ。
・・・あの中で・・・あの3人は・・・
「ゴルァァァァァァァァ!!」
俺は、気合を搾り出すように、大声を出した。
それと共に、床を思い切り蹴り、更に走り出す。
「おい、お前・・・ギコか?」
声が、聞こえた。
この暗さに目が慣れていないせいか、はたまたこの暗闇のせいか、
いや、多分両方だ。俺は見えていなかった。
俺のすぐ目の前に、その3つの人影があった。
「わっ、」
突然ぬぅっと現れたように見えた俺は、思わずしりもちをついてしまった。
「あちち・・・」
しりの辺りに鈍痛に顔をゆがませながらも、俺は、人影の方を見上げた。
3人の人間が、そこにはいた。
「うわぁぉっ、ギコぉっ!生きてたのかぁぁ!」
「ギコ君!?ギコ君よね!?」
大声が上がった。
俺は、目を2,3度瞬きさせ、もう一度その人影をじぃっと見つめる。
それから1,2秒後、俺は気付いた。
「ネーノ!!レモナ!!」
嬉しさのあまり、俺は飛び上がっていた。
「よかった・・あたし・・・」
「無事だったんだな!」
二人は、歓喜の表情に満ち、俺の体をベタベタと触ってきた。
再び、二人の顔をじぃっと見つめる。こいつら、ちゃんと生きてた!
ありすもそこにいた。少しだけ笑顔を含んだような顔でこちらを見つめている。
だが、俺はすぐに異変に気付いた。
だれか・・・足りない。
・・・いや、モナーが・・・いない。
「モ、モナーはどうしたんだ?」
俺は、焦ったように聞いた。
二人が居るのに、ありすもいるのに、あいつだけいない。・・・モナー。
歓喜に満ちていた二人の顔が、一瞬にして暗くなるのが分かった。
それと共に、俺も分かった。分かりざるを得なかった。
「ギコくん、ありすさん。はぁ、はぁ、ネーノくん、も・・・レモナさん、も、こんにち、は。はぁ、はぁ。」
丁度おにぎりが追いついてきた頃だった。
おにぎりは、俺たちの妙な雰囲気に困惑しているのか、キョロキョロとお互いの顔を見回している。
俺は、言った。
「・・・死んだ・・・のか。」
返事は、無かった。
ただ、沈黙だけが返ってきた。
俺の予想は・・・的中していたのだ。
ネーノが話してくれた。
あのビルで俺が行った後に八頭身が襲ってきた事・・・
八頭身を倒した事・・・
そして、モナーが死んだことを・・・
「・・・ごめん。俺・・・」
俺は、下を向きながら謝った。
・・・モナーが死んだのだって、元はといえば・・・多分俺のせいになるんだろうし・・・
「・・・謝る必要なんかないんじゃネーノ・・・?
あそこで八頭身が襲ってくるなんて誰も思わなかっただろうし。」
ネーノは、そう言うと慰めるように俺の背中を叩いた。
背中の衝撃が、ギコの目玉を揺さぶる。
・・・また、出そうだ。
「と、とにかくさ。私たちが元いた所に行こうよ。おにぎり君、荷物おきっぱなしでしょ。」
ありすが言う。
俺たち3人は、無言で頷いた。
「はぁ・・・」
思わず溜め息が出た。
まさか、こんなに突然モナーに会えなくなるなんて・・・
あの時、ビルから出て行ったとき、みんなに会えなくなる事は覚悟してたけど・・・
実際、死んだとなると・・・・・・・・・・・・
とてつもなく重い沈黙が、4人の間に流れ続けている。
「ああ、もう。このままじゃ話がすすまなぁい。
落ち込むのは後にしよっ、今は脱出の方法を考えるんでしょっ!」
ありすが堪りかねたように言った。
そりゃそうだ。何分間もこの調子だもんな。
「このままじゃモララーが来ちゃう。っていうか、あの放送からもう12分経ってるわよ!
急ぐ気ないのぉっ!?あと8分よ!」
ありすの声は焦っていた。
そりゃそうだ、とも思ったが、俺は不思議と焦る気持ちにはなれなかった。
・・・そういえば・・・何かどうでもよくなってきてるな、俺。
痛みも、死も、別に・・・いつからだったか、殺されるのなんか怖くなくなっている。
いや、むしろ・・・
「一体モララーは何を考えてるんだろう・・・」
「あたしたちの人数が分からないだけで『殺す』なんて脅しいれるのなんておかしいわよね。」
「うん・・・やっぱ私達に殺し合い、とは限らないか。何かひどいゲームでもさせるつもりなのかな・・・?」
「でも、給料引かれるって言ってたよね。」
「そうよね。モララーにそんな度胸あるのかしら・・・あたしはあいつの性格知らないけど。」
「半ばやけくそになってるんじゃネーノ?首輪が機能しない。俺達が分校に来ない。やりかねないよ。」
「つかそもそもあたし達以外に生き残りって居るのかしら。」
「さぁ・・・」
「私はいないと思う。だって銃声も何もしないし、いる気配が無い。」
「いる気配がないって・・・」
「で、結局どうするの?」
「隠れようか。」
「・・・無理じゃない?」
「そりゃそうだよね。あ、分かってていったんだけどさ。」
「ネーノ君・・・あなたねぇ・・・真面目なのか不真面目なのかどっちかに絞ってよ。」
「っていうか、ギコ君、大丈夫?僕、ちょっと心配なんだけど。」
「大丈夫じゃネーノ?目開けてるし。休ませてあげようよ。あいつが一番怪我酷いし。」
「そうだね・・・」
「じゃあ、話し続けましょうか。あたしはね・・・」
何か、どうでもよくなってきた。
脱出だとか、脱出しないだとか。
意識はハッキリしてるけど、確実に生への執着心は薄れてきている。
俺・・・どうしちゃったんだろ・・・
しぃ・・・モナー・・・
俺はぼんやりと、何か真剣に話し合っているネーノたちを見ていた。
不思議なことに何を話しているのか、確かに耳に声は届いているのだが
脳までその言葉の意味が浸透していかない。
これが言葉が右から左に通り抜ける、というやつか。
そういえば昔っからそう言われては親に殴られてたっけ。
痛かったなあ、あの拳。あのくそ親父め。ああ、畜生。どうでもいいことばかり考えちまう。
血が流れすぎたのか、目の前がぐらぐらする。
そのぐらぐらとゆれる視界の中で、俯きがちにレモナが何か話している。
――そういえばあいつ、泣いてないな。
今ごろ気づいたその事実に、俺はふと首をかしげた。
おかしいだろう。あんなに好きだった奴を亡くしたのに、涙の一つも見せないなんて。
男だったらそうやって涙をこらえるのもわかるが、レモナは女だし。
それに、耳元にかすかに届く声も、いつもと寸分の変わりもない。
涙で曇ってもないし、絶望で言葉すくなになっている訳でもない。
いつも通りに周りに話し掛けて、いつも通りにその返答を聞いて、いつもどおりに――
好きな奴が死んだんだぞ?
なんで悲しまないんだ?それとも――お前の気持ちはそんなもんだったのかよ。
ネーノだってそうだ。
短時間とはいえども一緒に過ごした仲間を亡くしたっていうのに、顔色一つ変えやしない。
もっと悲しんで見せるなり何なり、できるだろうに。
そういえば、しぃが死んだときにも八頭身を殺しにも行かなかった。「敵討ちは二の次だ」って。
でもそれは結局、八頭身に殺されたくないために、自分の身可愛さに殺しにいけなかったってことを
格好良く言い換えただけの話じゃないのか?
……なんだ、お前らってそうなのかよ。
好きな奴が、仲間が死んでもそうやってすました顔していられるような奴なのかよ。
俺の肩に、重い疲労と絶望が圧し掛かる。
こんな薄情な奴らと生き残ったって、どうしようもないじゃないか。
しぃが、モナーが死んでしまって、俺の中の「生」への渇望はひどい勢いで萎えてしまった。
後に残るのは、疑心、不安、絶望、怒り、総じてマイナス思考の膨大な塊のみ。
こんな塊を抱えたまま脱出案を練ろと?希望をもって歩き続けろと?こんな『仲間』と手を組んで?
「――もう、止めよう」
気づけばそんな言葉が、口元から零れ落ちていた。
なんかギコが主人公みたいになってきたな
また4みたいにギコが唐突にやる気になって意味わからんキャラ化か
「もう――止めよう。」
その声に、4人は一斉にギコの方を振り向いた。
「何・・・何が?」
おにぎりが言う。」
「もういいじゃないか、脱出なんて。
このまま脱出なんかしてどうなるっていうんだ?脱出して何をしろと?
・・・しぃも死んじまった。お前らだって、大切な人が死んじまったんだろ?
脱出しても、無駄に生きても意味が無い。」
ギコが、冷たく無調に言った。
ネーノが始末悪そうに頭をかく。
「あのなぁ、無駄に生きるとか・・・無いでしょ。
お前だって家族がいるんじゃネーノ?」
「あんな糞親父、会いたいとも思わないね。」
ギコは、すぐに言い返した。
「・・・まぁ、どうでもいいけどさ。みんなはどうあれ、とにかく俺は帰る気は無いから。
とりあえず言っておきたかったんだ。俺は帰らない。ここで死ぬ。」
ギコは抑揚の無い声でそう言い切った。
辺りに妙な沈黙が流れる。
「・・・ま、待ってよ。
何、それ。俺たちと一緒に脱出するんじゃネーノ?」
「そうでしょギコ君。いつまでも引きずってちゃ駄目だよ!」
ネーノが、レモナが、戸惑ったように聞き返した。
瞬間ギコの眼つきが鋭く変わる。
「・・・よくそう軽く言えるな。
お前たちには分からないだろうよ。俺はしぃが好きだった。
自分以上に大切な存在だったんだ!
しぃがいない生活なんて、俺にとっては意味が無い。全く意味が無い!
・・・お前たちには分からないだろうな。
特にネーノ!何だお前は。しぃが死んでも?モナーが死んでも?全く悲しむ素振りを見せないじゃねえか!
・・・たとえばあの時。しぃが死んだとき、八頭身を殺しに行かなかったよな?
「敵討ちは二の次だ」なんて言って、本当は自分が可愛くて、殺されたくないのを誤魔化しただけなんだろ!?
すました顔で、何事も無かったように、脱出?生き残る?・・・ふざけるな!」
ギコが、興奮したように大声をあげ叫んだ。
「・・・あのね、ギコ君。
あなたがいなくなった後あのビルで何があったか・・・」
「そう。お前もだよ。」
ギコは、レモナの言葉をさえぎると勢い良くそちらの方を振り向いた。
レモナの顔に不安そうな色が点る。
「お前だって、モナーが死んだのに悲しむ素振りを微塵も見せない!
いつもと同じように、まるでモナーなんて存在が無かったかのように話してるじゃないか!
お前の気持ちはそんな物だったのかよ。あー?
お前らみたいな奴らに俺の気持ちは分からない!分かってたまるか!」
ギコは、嵐のように言い終えると、肩で息をしながら俯いた。
「何よ・・・それ・・・」
レモナは呟くように言うと、ギコを睨みつけるように見据えた。
ありすとおにぎりは、困惑したようにお互い顔を見合わせている。
そんな3人を尻目に、ネーノはギコの目の前に座り込んだ。
「ギコ?」
ネーノが、静かに呼びかける。
「・・・何だよ?」
ギコもまた、呟くように言い返した。
「・・・一緒にみんなと生き残ろうよ。」
ネーノは、ギコの目を真っ直ぐ見据えながら言う。
ギコは、小さく「ハァ?」と呟いた。
それと共に、
「・・・お前、俺の話聞いてたのか?
俺は生き残らない。生き残ったって誰も悲しまない。誰も俺の事を知らない。痴呆もいい加減にしろよ。」
呆れたように言い返した。
ギコは、大きく溜め息をついた。
――何が一緒に生きて帰ろうだ。
・・・結局お前もそうか。人の話を聞く事もせず、馬鹿みたいに脱出、脱出って・・・
「ギコ。」
不意にネーノが言った。
「今度は何?」
ギコは、仕方無さそうにネーノの顔を見上げた。
ネーノは、しばらくギコの顔を見据えると、言った。
「俺達が・・・いるじゃんよ。」
――俺達が・・・いる。
ネーノはそう言った。
俺達・・・ネーノ・・・レモナ・・・おにぎり・・・ありす・・・
・・・そういえば・・そうだったな。・・・でも・・・
「・・・でも、何何だよ。何が『俺達がいる』、だ!
他人の死に顔色一つ変えないような薄情な奴にそんな事言われたくないね!」
ギコは、ほぼ衝動的にそう言った。
何故か、自然とそう言いたくなった。
無性にそのネーノの言葉に逆らいたくなる。いや、受け入れたくなくなる。
「薄情な奴・・・だって?」
ネーノのその一言が、ギコの思考を中断させた。
「レモナの赤く腫れている目を見たか?
レモナはモナーが好きだったんだ。涙一つ流さない訳が無い。
流してたよ。俺の目の前で。沢山・・たーくさん・・・流してた。
俺だってそうだ。しぃが死んだとき、モナーが死んだとき、泣きたくなったさ。
・・・でも、さ。泣いてるだけでどうしろ、と?泣きながら死ね、と?
その考えは間違ってるんじゃネーノ、ギコ。
死んでどうする?死ねば間違いなく、誰かが悲しむじゃんか。
そうだよ。お前だって同じクラスメイトじゃん。
しぃも、モナーも同じクラスメイトだ。
彼らが死んだとき・・・俺は、レモナは、お前は悲しんだ。
それと同じように・・・お前が死ねば、俺は、レモナは、おにぎり君は、ありすさんは、悲しむ。」
ネーノは、そこまで言うとハァ、と溜め息をつき、再び言い始めた。先程よりも、激しい口調で。
「・・・・・・ふざけるなよ。よく軽々しく死ぬなんていえたな、お前。」
ギコは、あまり聞いた事の無いネーノのそんな言葉に、ビクリと反応した。
ネーノの目は・・・心なしか潤んでいるようにも見える。
「もう絶対死ぬなんて言うな。・・・嘘でも、生きるって、生き残るって言えよ!」
ネーノは、叫んだ。
・・・ネーノの叫び声。
ギコは、初めてネーノの叫び声を聞いた。
・・・途端に――俺は、恥ずかしくなった。
何を考えていたんだろう俺は。
勝手にこいつらの事を『薄情』だとか『自分勝手』だとか決め付けてさ・・・
それで、挙句の果てに死ぬなんて・・・
何て俺は自分勝手だったんだろう。
・・・恥ずかしい。
「そう、そ。」
ギコは顔を上げた。
レモナが、先程よりも穏やかな顔でこちらを見つめている。
「しぃやモナー君は、もう帰ってこないけど・・・一生私達が覚えておいてあげよ!だから、死んじゃ駄目!」
そう言うと、レモナは軽く微笑んだ。
・・・これ以上・・・人が死ぬのは・・いや・・・だ・・・
俺も勿論同じだ。そうだ。こいつらも無論同じなんだよな。
そりゃそうだ。俺もお前たちもみんな同じクラスメイト。
みんな同じなんだ・・・
「・・・ギコ君。」
続けて、おにぎりが口を挟む。
「僕だって親友のッパ君が死んじゃったんだ。・・・でも、生きるよ!
ッパ君の為に、ぃょうさんの為にさ、前向きに生きるんだ!」
おにぎりはそう言うと、ギコを元気付けるように『ワショーイ』と呟いた。
・・・前向きに・・・生き・・・る。
そうだ。こんな後ろ向き野郎じゃしぃに嫌われちゃうもんな。
ギコは、ふふっと笑った。
「ギコ君?」
今度はありすだった。
「脱出・・・しましょうね。」
ありすはそう言うと、口を傾かせ微笑んだ。
――脱・・・出・・・
そうだ、脱出だ。
死んだみんなの思いを引き継いで・・・脱出するんだったよな・・・
「死んでしまった、というのは消せない『事実』なんだ。
でも・・・『事実』を『幻想』にする事は・・・・俺達には出来ない。
だから・・・さ。その『事実』をきっちり受け止めてさ・・・
彼らの事を一生胸に刻み、前向きに生きようよ。ここを脱出してさ!」
最後は、ネーノだった。
俺は、気付けば泣いていた。
自分の恥ずかしさに、クラスメイト達の励まし、優しさに。
悔し涙、嬉し涙、悲し涙・・・恐らく、俺は全ての種類の涙を、その時流していた。
・・・しばらく経っただろう。
涙を流しきったその目の奥には・・・クラスメイトがいた。
それと共に・・・希望があった。
「さ、考えよーか!」
ネーノが張り切ったように声を出した。
「おーけー。」
「うん。」
「分かった。」
「よーし。」
各々返事をすると、先ほどのように輪になり、話し合いの陣形を象った。
その中には、無論ギコも混じっている。
3人は話し合った。
脱出の事を・・・話し合った。
「あ、あーーーーーーーーーー!!」
突然、ありすが柄に無く大声を上げた。
4人は、ビックリしてありすの方を振り向いた。
ありすは、信じられない、と言ったような目で時計を見ながら突っ立っている。
「ど、どうしたんだい・・・?」
ネーノが、声を震わせながら言う。
ありすは、青ざめた顔で4人を見回すと、重々しく口を開いた。
「もう・・・20分・・・過ぎてるわ・・・」
4人には、瞬時の言葉が胸に深く突き刺さった。
・・・タイムリミットだ。
ありすの言ったそれは、今の5人にとっては死刑宣告に等しい言葉だった。
5人は、何も言い返せずに、凍ったようにその場に固まってしまった。
「噴射!!」
声が、聞こえた。
あの声だ、と、その場に居る誰もが数秒にも満たない時間の中、思った。
瞬時に、円になっていた5人を、轟音と共に霧が襲う。
それと共に、その5人の意識は瞬時に刈り取られた。
「ご苦労様で、し、た。 ゆーっくりお休み♪」
男は、モララーは、子供のようにそう言うと勢い良く指を鳴らした。
ピン、と小気味良い音が鳴ったかと思うと、数人のガスマスクを被った兵隊達が、手分けをして5人を車の中に運んだ。
・・・今、車は、深い眠りについた5人を乗せて、エリア51へ高速に向かっている。
「こんばんはぁ。モララーです。
ジェントルさん?生徒を全員確保できましたよ。
・・・え?はい。5人です。
えーと・・・【男子6番】おにぎり、と、【男子7番】ギコ、と、
【男子15番】ネーノ、【女子2番】ありす、【女子21番】レモナの5人です。
え?それで本当に全員かって?・・・えーと、はい、そうです。
根拠?いや・・・別に無いですけど・・・まぁ、でもいいでしょ。もし他に生き残りが居たとしても一人や二人でしょうし。
いやー、それにしてもラッキーでしたよぉ。エリア51から意外に近いところにこいつら居るんですもん。
建物に入ってたら探す手間が増えたけど・・・全く。馬鹿なおかげで助かりましたぁ。
・・・はい?トイレ?・・・全部出し切ってくださいよぉー。多分アレは、見逃せない展開になると思いますし。
・・・・・・ん?オレモナーじゃんか。お前まだ居たの?
あ?本当だよ。ホントホント。さすがお前の娘だねー。
・・・・・・結構可愛いじゃんよ。やるねえ、女男。
・・・・・・は?・・・本当にアレをやらせるつもりかって?
・・・やらせるに決まってるじゃんよ!なんたってこれは俺のクビがかかってるんだからな!
・・・まぁ、心配はしてるけどさあ、これしか俺には残されてないんだよね。
・・・あー?・・・さっきジェントルさんと一緒に説明しただろ?だから反乱軍の奴らが電線をブッ切っちゃったんだって。
相変わらず忘れっぽいねお前。昔から変わってないなー。
・・・何?・・・殺し合わせるよりも?他にもっといい方法が無いのか、と?
・・・なんなんだおまえー。だから言ったろ?このまま不毛な事やらせてたら逆に無能無能言われるだけじゃんよ。
つーかなんでお前そんなに俺の案を否定する訳?俺ってそんなに残酷?そんなに酷い?
・・・ま、確かにそうだけどさあ、別に生徒達と俺達は関係ないしー。
お前の娘さんだって、昔から生き別れてたからほとんど他人だろー?そんなに心配すんなって!
・・・は?・・・面白い面白い。やっぱBRを管理者側から見るのは最高だね。
・・・うん。そういやー、このBRの管理者になるってのは、夢だったんだよねー。あのゲームに放り込まれたときからさ。
・・・それで、今はこうしてゆっくり見れる立場に居る。夢が叶ったんだ。最高だよ。
・・・・・・そんな事言うなよ。・・・何?お前妙にトゲトゲしいな。何だよ、『おかしいよ』って。
・・・おかしくない、おかしくない。そりゃーこのゲームの苦しさは痛いほど覚えてるよ。
・・・でもさ、人間ってそんな物だろ?
自分が体験した酷い事を他人にやらせるのって、快感だろ?
みんなそうじゃないか。人間は、所詮自分勝手な生き物なのさ。
他人は苦しんでいる。自分は苦しんでいない。他人は死にそうな目にあっている。自分は安全。
・・・そのギャップが・・・さ。俺にとっては最高の愉悦・・・快楽なんだ。
・・・俺は、上辺の『哀れみ』なんていう物は一切排除しちゃってるから。自分は自分。他人は他人。
・・・・・・ふふ、俺はそういう人間だからな。・・・女男には分からないかな、この気持ち。
・・・え?・・・ああー、もしも君だったら可愛そうだとか哀れだとか思うよ。
だから言ったろ?俺はあくまで赤の他人の事を言ってるのー!
・・・・・え?・・・・・・・・そんな事言われても・・・・・・うん・・・・
今更俺にどうしろって言うの?あいつだけ・・・えーと、レモナだったか?逃がせって言うの?
・・・・・・ふぅ。・・・お前の気持は分かるよ。分かるけどさぁ・・・
確かに、まぁ、まがりなりにも自分の子供な訳だしね。そう思うのも分かる。
・・・でも・・・・・・仕方ないじゃんよ。
・・・悪い。・・・・・・分かってくれ。・・・一生のお願いだ。
・・・・・・は?・・・6回目?・・・気にすんな、馬鹿。
・・あ、うん。もうついてるついてる。もう2分くらい前からついてるよ。
・・・今から司令室に行くから。ジェントルさんにも行っといて。
・・・・・・それと、バーサクガス。ナイフ5本。頼むよ。
・・・うん。えー・・・うん。・・・・・・ああ、出来ればしたくなくなってきたな。
オレモナーよぉ・・・そーゆーことは・・・もっと前から言ってくれよな・・・
・・・うん。・・・大丈夫。馬鹿じゃないって。そういうもんだよ、人間は。どたんばまで来なきゃ本当の気持ちに気付かない。
・・・・・・俺も・・・そうじゃないのか、だって?・・・・・・・・・わはは!ふざけるな女男の癖に!
・・・・・・ああ、分かったよ。分かった分かった。じゃあ、今いくわ。バーイ。」
どうでもいいが、モララーって殺されてなかったか?
416 :
414:04/09/01 23:32 ID:bvyneUuI
ジャー・・・コロコロコロ
ジャー・・・コロコロコロ
ジャー・・・コロコロコロ
トゥルルルルルルルルルルルルル・・・・・・・・
『アーアー、クックル少佐か?私だ。陸軍総統だ。
ジェントルモララーの居場所をつかめたようだが、お前の支部で作っている核ミサイル
あれを飛ばす準備をしといてくれ。場所は・・・現在プログラムの行われている島だ。
クックル・・・。私・・・いや俺が死んだときは妹を頼む・・・。
ザザ・・・ああ、俺のジェリコでモララーの野郎の腐ったノーテンぶちかます日が来たんだ・・・。
・・・・・ジェントルモララー、ああ奴はもう殺したよ。ジェリコを口にくわえさせて・・・41AEでノーテンに風穴開けたよ。
・・・敵討ちさ。俺の恋人の・・・。
・・・・・司令室からモララーが出てきたところをぶっ殺すんだよ。
・・・え、俺?いいんだよ。
・・・・もう俺はこの世に存在しない男なんだから。
・・・・・・・・プログラムの時に俺は死んだことになってるんだからさぁ。
・・・・・・・・・そんなこと、モララーの野郎も同じだがな。
・・・・・・・・・じゃあ、ありすのこと、たのんだぜ。
・・・・・・クックル、じゃあな。
・・・・・・・・オーケイ、やれる所まで殺ってやるさ。』
ガチャ、ツーツーツー・・・・・・・・・
陸軍大臣編 スルーしてください。
保守
異常に重い瞼を、強引にこじ開けた。
そこには、見慣れない景色が広がっている。
何処かの部屋だろうか。
まだ冴えない頭を振り、俺は冷静に今までの記憶を手繰り寄せた。
俺のほかの4人の生徒。脱出の方法。殺し合い。タイムリミット、霧・・・
そうだ。俺は・・・いや、多分俺達は・・・捕まったのだ。あいつらに。政府に。
・・・また、捕まったのだ。
窓の外に見える、秋の紅葉。
車の中を交錯し、縦横無尽に飛び回る生徒達の叫び声。
溢れる期待。止まぬ希望。
そんな物は、全て一瞬にして消え去ったのだ。
そう。このバトルロワイヤルによって。
いつのまにか眠っていた生徒全員は、目が覚めると見知らぬ場所にいた。
見慣れない景色。異様な雰囲気のその部屋。
そして、そこから全てが始まったのだった。
よくよく考えてみれば・・・
今の俺達の状況は・・・全くあの時と同じなのかもしれない。
見慣れない景色・・・異様な雰囲気の部屋・・・
・・・そうか。俺は・・・俺達は・・・多分・・・また・・・
「冗談じゃないよ・・・本当に・・・」
『サバイバルゲームを始めます♪』
『サバイバルゲームを始めます♪』
突如、声が部屋の中に響いた。あの、声だ。
忘れたくても忘れられる物か。担当官モララーの声。
こいつの声が聞こえると、絶対に碌な事は起こらない。
・・・多分これからも・・・碌な事が起こらない・・・のかな・・・
『みなさん起きましたかぁ?みなさんがここに集まってくれたのは他でもありません♪』
モララーが話し続けた。
俺は、無性に煙草を吸いたくなって懐をまさぐった。
しかし、煙草の中身は全てなくなっていた。
・・・そうだよな。ネーノの奴に上げちゃったんだよな・・・何でそんな事忘れちゃってたんだろ・・・
『皆さんがあまりに殺し合いをしてくれないのでね。急遽、こ・こ・で・殺し合いをしてもらう事になりましたぁ♪』
モララーの声が、俺の耳に嫌というほど響く。
耳が痛くなった。しかし、その声の意味は嫌というほど俺の脳に浸透していた。
『ルール説明をしましょー。今回はあまり複雑なことを要求しないのでね。しっかり覚えてくださいよぉ。』
・・・んなこと言われなくても嫌でも覚えなきゃいけねぇだろうが。
俺は、心の仲で悪態をついた。
最悪だ。
聞きたくなくてもこの声の音量が異常にでけぇせいで勝手に耳に入ってきやがる。
認めたくないのに・・・さぁ・・・
また、泣きたくなって来た。
『さぁて、まずはですねぇ。みなさんの近くにナイフが一本置いてあると思います。』
僕は、そういわれるとすぐに近くの台にナイフが一本置いてあるのが分かった。
とりあえず、その手に持ってみる。
大して重さは感じられない。
・・・そうか。これで殺し合いをしろってこと?
冗談じゃないよ。そんなの嫌に決まってる。
また僕達5人で脱出の方法を練れば大丈夫・・・
『・・・まぁ、もうこれで何をするかはお分かりですね?
・・・そうです。最後の一人になるまでこのナイフ一本で殺しあってもらいます。
・・・いやぁ、まぁ、みなさんがそれをしたくないのは同じでしょう。
・・・でもぉ、今回はそれをせざるを得ない、いや、したくなると思います。』
僕は、わけが分からなかった。
せざるを得ない?したくなる?
そんなこと言われても、僕は絶対にそんな事はしない。
そんな事はしないから、されないから、僕はこんなに安心しているんだ。
それを?せざるを得ない?したくなる?なんだよそれは。
『まず、理由@
ここからは絶対に脱出できないんです。
・・・ここは、エリア51の本部の地下エリアなんですけどね、上のほうとこのエリアには、巨大な分厚いドアで遮断されているんです。
それを、ナイフ一本で、ましてや貴方達高校生ごときに突破できるわけが無いですよね。
・・・ということでぇ、脱出はまず不可能という訳です。これで、貴方達は殺し合いをせざるを得ません。』
・・・なんだよ。それは。
・・・なんだよ。耐性は万全って事?
・・・そりゃあそうだよね。同じ失敗を犯さないのは当たり前だよね。
・・・って事はさぁ・・・何が・・・何だか・・・あああああぁぁぁ!!
『さて、理由Aですけどぉ
貴方達の食料を全て没収させていただきました。
つまり、貴方達があまりダラダラしていると、お腹が減って死んでしまうわけですね。
前と違って、誰も食料を持っていません。
つまり、何かが食べたくても、このゲーム中には、もとい他に誰かが生き残りが居る場合は、何も食べられないわけです。
・・・優勝した人にはたんまり食わせてあげましょう。
そのためにもぉ、早く殺しあっちゃってくださいねぇ。』
僕は、さっきまであったディパックも何もかも無い事に、今更気がついた。
・・・期せずして、腹の虫が唸る。
・・・お腹、減ったなぁ・・・
たべたい・・・なぁ・・・
・・・いやだ、いやだよぉぉぉぉ
『それで、理由B。
これが最後ですけど、これで、貴方達は殺し合いをしたくなります。
貴方達の部屋の外に、我ら政府の新兵器、〔バーサクガス〕が漂っているんです。
本来は私が本部から念のためにと持ち出した代物なんですけどね。こんな所で役に立つとは・・・
・・・それでですけどぉ、読んで字のごとく、このバーサクガスには、貴方達を興奮させる作用があります。
ガスの成分が、貴方達の鼻の穴、目玉、口、毛穴の一つ一つから入っていき、
血を、電波を、脳を汚染しながら、貴方達の体を這い回ります。
・・・つまりですねぇ、変えちゃうんですよ。強引に。貴方達の考えてる事を。
・・・ガスが命令する事は、一つです。・・・「みんな、殺す。」
ははは!・・・つまり、貴方達は、殺し合いがしたくなっちゃいまぁーす♪』
・・・いやだ。そういう事なの。
冷静に考えると冷静に考えるほどおかしくなりそう。
実際ドアを見るまでは分からないけど・・・まさかこのチャンスをモララーが逃しはしない筈。
それに、食料。確かに、お腹減ったわ。何か食べたい。
それで、今のバーサクガス。
あいつがあんなに自信満々に言うって事は・・・きっと、効果あるんだわ。
以上の事から出された結論は・・・勿論・・・
――脱出は不可能、つまり、誰かを殺す、あるいは死ななきゃいけない――
いやだ。殺すのも嫌だし、死ぬのも嫌だ。何、それ。何、それ!
『さーて、私の『始め』の合図で、貴方達のいる部屋のドアが開くと思います。
・・・それと共に、貴方達の殺し合いが始まるのです。
貴方達が一人になるまで、このゲームは永遠に終わりません!
・・・貴方達は殺すのです!殺しあうんです!
・・・さーて、3分上げます。
ゆーっくり考えてくださいね、いろいろな事を・・・ね。』
・・・失敗・・・した。
・・・おにぎり君に、みんなと無駄に仲良くなっちゃったせいで・・・みんなを殺したくなくなっちゃってるよ、私。
・・・・・・失敗・・・しちゃった、かも・・・
なんてゆーか・・・
どうしたらいいの?
ナイフを手に取る。
大して重くない。
いや、むしろ軽いくらいだ。
私は、本能的に指の端っこを小さく切りつけた。
「痛っ・・・」
結構痛い。
切れ味は鋭いようだ。
・・・肉も、結構簡単に切り裂けた。
血が、溢れてくる。
赤色の、むしろ茶色に近いような色の液体が、私の指を伝い、手の甲にも流れてゆく。
「あたたかい・・・」
無意識に、そういう言葉が出ていた。
いやだ、何を言っているんだろう私。
『さーて、3分たちましたぁ。
準備はできました?・・・じゃあ、ゲーム・・・開始ですっ!』
その一言により、見もしなかったこの部屋のドアが、勢い良く横に開いた。
それと共に、この部屋に流れるように入ってくる、霧。
色の無い薄い霧が、私の鼻腔からすぅっと入っていく。
私は、無意識に先ほど切りつけた指から流れ出る鮮血に、魅入っていた。
モララーの一言に、突然ドアが勢い良く開いた。
それと共に、薄い霧が部屋の中に入ってくるのが、僕の目に見えた。
染み込むように部屋を汚染していくその霧。ガス。
そして、その霧は僕にも・・・
「止めろぉぉ!!!」
僕は、無意識に叫んでいた。
叫ぶと同時に、床を思い切り蹴りつけ、部屋の外へと走り出した。
怖い。怖い。
霧が、僕の体の中に入ってくる。
汚染される。殺したくなってしまう。
みんなを・・・みんなを、殺したくないのに、殺したくなっちゃうだろぉぉ!!
僕は、ひたすら部屋の外を走り続けた。
暗い廊下を、ひたすら全速力で走り続ける。
何処まで走っても、霧は僕の周りを漂い続けている・・・!
止めろ!止めてくれ!
止めろ、霧!僕の中に入ってくるなぁぁ!!
どっか行ってくれよぉ、お願いだから、どこかに行ってぇ!僕に近づかないでくれぇ!!
無我夢中で廊下を走り回る僕。
それでも、霧は僕の中に入り込み、僕を汚染し、蝕んでいく。
・・・走ってる途中、小さく僕が変化していっていることが嫌でも分かる。
僕が、変わっていく。
僕が変わり、僕が消えていく。
僕が・・・僕は・・・はぁーー・・・?
僕は、自分が既に走っていない事に気が付いた。
肩から息をしながら、周りを見渡す。
いつのまにか、僕はトイレのような所に入り込んでいた。
仕切りのドアも何も無い、公衆便所のようなトイレだ。
勿論、この部屋にも薄い霧が延々と漂っていた。
僕は、霧から逃げるという行為自体が馬鹿馬鹿しく感じ、もう再び走り出すようなことはしなかった。
とにかく、僕は、そのトイレの中だけをふらふらと魂の抜けたように歩き続けた。
「うわ!!」
僕は、大声を上げると、尻餅をついた。
・・・ビックリした。
目の前に人がいたのだ。
いつのまに、僕の目の前に人が立っていた。
僕は、頭を数回振ると、その『人』の姿をもう一度確認しようと立ち上がった。
・・・・・・・なんだ、鏡か。
僕は、それが鏡だと分かると、何故か突然安心したような気分になった。
僕は、安心したせいか、ひたすら馬鹿にするように鏡を見つめ続けた。
僕。鏡の中の僕。
みずみずしいお肌・・・お肉・・・はぁ・・・なんだか・・・
あれ?
奇妙な違和感を感じる。
何か、妙な昂ぶりを感じる。
・・何だ、この湧き上がるような変な感触。
僕は、自然と右手に握っているナイフの柄を、ぎゅうっと握り締める。
左手の方も、自然と這い回るように指を動かしてしまう。
何?この気持ちは。
無性に腹がたつ。
無性に何かを壊したくなる。
イライラする。
落ち着かない。
顔面が引き攣る。
何かを、急かしている。
ひひっひ、ああ、何だか・・・ふぅ・・・はひっ・・・
バリィン!!
僕は、ほぼ無意識に自分が移る鏡を、ナイフで叩き割っていた。
甲高い音が鳴り響き、鏡に蜘蛛の糸のように亀裂がいくつも走る。
僕は、更にもう一度ナイフを鏡に、『僕』に、『生き物』に、突きつけた。
・・・気持ちよくもなんとも無い。
僕は・・・なんていうか・・・こんなものいらないよ。
欲しいのは・・・もっと・・・ひひっひ、ふふっは、えーと、ああ・・・きき、
「ッパ君・・・」
僕は、無意識にそう呟いた。
それと共に、自分の左手を見つめる。
これは、ッパ君の手ぇー。僕の親友の手、いや、『生き物』の手ぇー。
ははっ
裂けちゃえ。
とてつもない勢いで振られたナイフの刃が、左手を容易く貫通する。
僕は、特に何も考えずにナイフの刃を手の平から引っこ抜いた。
手の平から、おびただしい量の血があふれ出してくる。
赤い。血。この臭い。血。血の、臭い。血。痛い。ははっひ、
僕は、手の平の赤黒い血を、舌でベロリと舐め取った。
暖かいな。美味しいな。
ッパ君の血、美味しいな。
・・・いやだ、僕、汚染されてる。
何に?はぁ、何に汚染されてんだろう。
んな事関係あるか?
ナイフを足に突きつける。痛い。でも血が
ナイフをお腹に突きつける。痛い。でも血が
ナイフを肩に突きつける。痛い。でも血が
ナイフを腕に突きつける。痛い。でも血が
ナイフを首に突きつける。痛い。でも血が
溢れる。血が。
暖かい血が気持ちいい血がひひっはふふひっひ
自然と笑みがこぼれる血が吹き出る痛いでも血が
これが汚染されてるって事なのかぁひひ血が血血がうぇひひ血がなんだよぅ血が
血が、吹き出るよぅ、声が、聞こえてきたよぉぉぉ、
ワショー イ ワ シ ョ ー イ ワ シ ョ ー イ
【おにぎり死亡 残り4人】
『えーと、おにぎり君が死亡しました。自殺のようですね。
皆さんはちゃんと殺しあってくださいねー。んじゃま、他に死人が出次第また発表しまーす。さよならー。』
突然モララーの声が部屋中に響いた。
・・・なんだよ。発表すっなら発表するって言ってくれよ。ビックリしちゃったじゃん。
・・・つーか・・・おにぎり君・・・死んじゃったのかぁ・・・自殺・・・か・・・
俺は、壁にへたり込みながらぼんやりと天井を見つめた。
・・・なーんでこんな事になったんだろ・・・
俺は、考えた。
考えてる合間も、妙なガスが酸素と共に体に送り込まれてく。
だけど、別に気にならない。だって、ナイフないし。人いないし。
ナイフは、部屋の隅っこに無造作に置いてある。
握っていたらまずい事になりそうだと思い、放り投げておいたのだ。
・・・正解だった。
もしあんなの持ってたら、今ごろ自分の体中を切り刻んでただろうしね・・・
・・・そうか。多分おにぎり君も・・・自分の体を切り刻んじゃったんだろうな・・・
とても可愛そうに思える。
おにぎり君・・・元気な奴だったな。
あの雰囲気、どことなくモナーに似てた・・・な。
何はともあれ・・・
また・・・人が死んだ・・・のか
「ネーノ?ネーノか・・・?」
声が、聞こえた。
ドアの外から、ギコがゆっくりと入ってきたのだ。
「・・・やぁ、ギコ。」
俺は、寝転がりながら言った。
ギコが、よく判断しにくい顔で、こちらに近寄ってくる。
右手に、鋭いナイフを握り締めている。
「・・・ネーノ。気分はどうだい?」
ギコが、俺の目の前に座り込み、言った。
「気分?・・・最悪だよ。お前はどうなんだ?」
俺は、まずそう聞き返した。
「気分?・・・ああ、俺も最悪だ。・・・分かると思うけど、何かさ、やばいんだ。」
「何が?」
「最初にここに送り込まれたときはさ、絶対にみんなを殺したくないって思ってたんだけどさあ・・・
それがさぁ・・・今ではどうなんだ。人が、殺したくてたまらないんだ。」
ギコの手が振るえ、ナイフが床に何度もぶつかり、乾いた音が立つ。
「なんていうかさ、俺、スプラッタもんとかは嫌いなんだよ・・でも、なんてゆーか、
ああ、その・・・好奇心がさ、働いちゃうんだよ。
肉の感触とか、血の味とか、体の中身とか、どんな風になっちゃうのか、楽しみで楽しみで、堪まらなくなってるんだ。」
ギコは、そういい終えると、ニヤリと薄く笑った。
俺は、思わず背筋が凍った。
「なんでかわかんねーけど、落ち着かないんだよ。
きっと、相手がお前じゃなかったらもう殺してるぜ、俺。
ああ・・・なんてゆーか、ひひっひ、うぎ、きりきり、おかしいんだよ・・・俺、ゴルァァ、」
ギコの顔は、細かく震えている。薄く笑いながら、小刻みに震えている――
「俺の血は、いやという程見たけど、お前の血はどうなんだ?
・・・傷口、いつのまにか手当てされてるじゃん。
ちょっとだけ、見させてくれよ。・・・血を。どんな色してるんだ?お前?」
ギコの目の色が、完全に変わっている。とても冷たい、目だ。
「ギコ・・・お前・・・」
俺の声も、心なしか震えている。
やばい、何、この異様な雰囲気・・・
これから何が起こるっていうんだ?
ギコ、お前は。
芯まで汚染されちゃったのか?
「ネーノ。・・・綺麗な顔してるな、お前。その中身はどうなってるんだ?
おい、返事くらいしようよ。返事くらいしようぜゴルァァァ。」
ギコが、座りながらこちらへ擦り寄ってくる。
冷や汗が流れる。
後ずさりしようにも、壁にぶつかってこれ以上下がる事が出来ない。
「逃げないでクレよ。トモだちだろ?ひひっひ、こわイ?
もうおれじしン自ぶんがなにいッてルノか分かんナいよ。
手が、ふるえ、テルよ。動いちゃうヨ。おまえを、サシちゃ、うよ。」
ギコの右手が、ゆっくりと上がってきた。
当たり前のように、彼の右手にはナイフががっちりと握られている。
怖い。
「ねーの、ねーの、ネーノぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
ギコは、勢い良くナイフを振り下ろした。
凄まじい速さで、刃が振り下ろされる。
俺・・・あ・・・ギコ・・・レモナ・・・・・・
しぃちゃん・・・・・じぃ・・・・・・ああ・・・・・・あ・・・
じゅくり
ナイフはまっすぐ振り下ろされた。
冷たい刃が、俺に向かって勢い良く振り下ろされる。
一瞬の出来事だった。
ナイフの刃は、俺の胸に到達する直前に、軌道が変わった。
行き着いた先は、ギコ本人の胸だった。
「ギ、ギコ、お前・・・!」
俺は、思わず叫んでいた。
何で、ナイフがギコの胸に刺さっているんだ?
照準が狂った?いや、違う!
ギコが、自分で刺したんだ。
ナイフの軌道が狂ったんじゃない。
ギコが、残り少ない理性で、強引に自分のナイフの軌道を狂わせたんだ。
・・・なんだよ、お前・・・
「へへ・・・かっこうわるいところ・・・みせちゃった・・・かな・・・?」
ギコが、息も絶え絶えにそう言う。
「おい、ギコ!何でだよ。何でお前が死ぬんだよ!」
俺は、無意識に叫んでいた。
「だめなんだよ。おまえは、しんじゃいけないんだ。だって、さ。おまえ、は、おれの、しんゆう、だから、さ。」
ギコが、そう言う。
『親友』という言葉が、俺の胸に突き刺さる。
・・・何だよ、お前、俺の事そういう風に見てたのか。
それならそうと、もっと早く言えよ。今更言われても・・・!
俺は、言葉も出せずにひたすらギコの顔をじぃっと見つめ続けた。
ギコが、今にも消え入りそうな言葉で、喋り続ける。
「せめて、さ。しぬときくらいは、かっこよくしにたい、よな?おれも、そうだ、ぜ。」
「やめろ、もう喋んないでいいよっ!言いたい事は分かったからさぁ!」
そうだ。いい加減もう喋るな。
「いまかんがえれば、ふりょうグループで、おれがまともにはなしてたのなんか、おまえだけ、だったよな。」
こっちが辛くなるだけなんだよ。もういいよ。分かった。分かったから。あああ
「しぃを、さ。みょうにかばってた、よな、お前。おれ、すごいおまえの事、ありがたくおもってた、ぜ。」
だから、もういいって。勘弁してくれよ、ギコ。ギコっ、くっ、ぐぅぅっ、
「そういや、ウワァァァンのやつもしんじゃったんだっけな。
あいつも、かわいそうなやつ、だった・・・はずかしい、ぜ。おれ、あいつのことみてみぬふり、してた。」
そんな事どうでもいいだろ。ウワァァァン君は、お前の事なんか恨んでなかったって。
「んで、しぃ・・・モナー・・・も・・・しんだ・・・それで・・・さ・・・」
ギコの声は、ほとんど聞き取れないほどに衰弱していた。
でも、彼はまだ喋り続けている。残る力を、全て喋る力に動員している。
「もういいよギコ!お前、もう何も言うな!!言いたい事があるなら・・・もう言ってくれ!」
俺は、たまりかねて、そう叫んだ。
ギコが、顔を力なくこちらへと向ける。
「だから、さ・・・」
「俺が死んでも・・・絶対泣くなよ。約束だぜゴルァ!」
そう言うと、ギコは、ふっと笑みを浮かべた。
・・・ように、見えただけなのかもしれない。
ともかく、ギコは・・・今・・・
『えーと、たった今ギコ君が死亡したよーです。また自殺ですかね。
面白くないなーお前ら。とにかく、生き残りはあと3人ですねッ。じゃ、頑張ってくだーさい!』
モララーの声が、部屋中に響き渡る。
聞きたくないのに、俺の耳の中にその声は何度も入ってきた。
部屋の中を、何度も反射して、ぶつかりあって、俺の耳の中に、何度も・・・何度も・・・
俺は、壁にへたり込んだまま動かなかった。
動く気が、全くといっていいほどおきなかった。
いわば、俺は完全に放心していたのだ。
あれ?
何かが、おかしくなっていた。
俺は、気が付けばギコの死体を凝視していた。
何かが、湧き上がってくる。
――・・・!!
俺は、全速力でその部屋を出た。
ギコの死体を振り返らずに、廊下を何歩か走る。
・・・今、俺は何を思っていた?ギコの死体を、いや、ギコの『血』を見て何を思っていた?
俺も、汚染されていっているのだろうか。
【ギコ死亡 残り3人】
どうすればいいの?
そうとしか考えられなかった。
クラスメイトを殺すなんて事は、絶対にしたくない。
だからって、死んでしまう、というのもそう容易い事ではない。
何をしていいか分からない。
どうすればいいの?
そうこう考えてるうちに、二回目の放送は流れた。
『えーと、たった今ギコ君が死亡したよーです。また自殺ですかね。
面白くないなーお前ら。とにかく、生き残りはあと3人ですねッ。じゃ、頑張ってくだーさい!』
「ああっ・・・!」
突然、何かが抜けたような気持ちになった。
・・・ギコ君が、死んだんだ。
おにぎり君に続いて、ギコ君までもが・・・
元気がよくて、クラスの雰囲気を自然と和ませていた、おにぎり君。
柄は悪いけど、根はいい奴で、情熱的だったギコ君。
二人とも、この『ゲーム』で、死んでいった。・・・二人とも、自殺で。
あたしは、無意識に右手に握られているナイフをちらりと見やった。
蛍光灯の光りに反射し、鈍く光を放っている。
・・・これで死んじゃおうかな・・・
そう考えたときだった。声が、した。
「あ、レモナ、さん・・・」
あたしの耳に、聞き覚えのある声がした。
・・・女の子の、声・・・・
あたし以外の女の子っていったら・・・
恐る恐る、顔を上げる。
そこには、予想通り、ありすさんが立っていた。
「あ、・・・ありすさん!」
私は、自分でもみっともないと思うくらい気の抜けた叫び声を発していた。
「よかった、ありすさん・・・貴女が来てくれなかったら、あたし壊れてたわ。ありがとう、ありがとう。」
何故感謝しているのかもよく分からないまま、あたしはありすさんに向かっていい続けた。
知ってる人が近くに居るだけで、大分心が安心する。
そうだ。あたしにとって、近くに人がいるだけってのも希望なんだわ・・・
ありすさんがいれば・・・他に人間が居れば・・・何か、何でも出来そうな気がする・・・
「ありすさん、あたしと一緒に居ましょ!」
あたしは、大喜びしながら、興奮したように言った。
と、次の瞬間、ありすさんが突然口を開いた。
「へぇ・・・貴女、何で『汚染』されてないの?」
「へ?」
ありすの声は、心なしかとても冷たく感じた。
無調で、抑揚の無い声。まったく人情という物が感じられない、乾ききった、その『声』。
そもそも、言ってる意味がよく分からない。
「少し、質問させてもらってもいいかしら?」
突然ありすさんは言った。
その、気持ち悪いくらいに感情が感じ取れない声のまま。
「あ、うん・・・」
あたしは、とりあえず頷くしかなかった。
頷いた拍子に、ありすさんの左手がボロボロに傷ついてるのが見えた。
「質問@。貴女は私を殺したくないの?」
ありすさんが言う。
「ううん。殺したいなんて思ってない・・・何でそんな不吉な事聞くのよ・・・」
あたしがそう言うと、ありすは少し腑に落ちないような表情を浮かべた。
「・・・じゃあ、質問A。・・・私は今からどうするでしょう?」
ありすさんは、先程よりも熱のこもった声で言った。
それと共に、あたしの顔をじぃっと見つめる。
「・・・あたしと一緒に居ようよ!今、無性に誰かに傍に居て欲しい気分だし、それに・・・!」
「無理。だって、私と貴女が一緒に居たら、私は貴女を殺しちゃうわ。」
あたしが言い終えるよりも先に、ありすは口を挟んだ。
ありすさんの声は、少し震えていた。
「最初、私はみんなを殺して脱出しようと思ってたの。」
突然、ありすさんが言い出した。
「何を・・・」
「でも、ね。影響されちゃったのよ。おにぎり君と・・・ッパ君に、さ。」
ありすさんは、またもあたしの言葉を途中でさえぎり、話し出した。
「あの二人は・・・こんな状況になっても、希望を捨てなかった。
私利私欲に絡まれずに・・・友情を貫いて・・・このゲームから脱出しようとしてたの。」
ありすさんは、そこまで言うと、何かを考えるようにすぅっと目を閉じた。
「で、ね。私も賭けて見たくなったの。あの二人に、ね。
・・・いわば、私にとって、あの二人は『希望』その物だったのね。」
ありすさんが、深く溜め息をつく。
「でも、死んじゃった。ッパ君は、私の見ていないときに。
そして、おにぎり君は、このサバイバルゲームで。」
あたしは、おにぎり君の死が発表された放送を自然と思い出した。
「ッパ君・・・立派な人だった。希望を捨てずに・・・前向きに、脱出の方法を考えて、さ。
おにぎり君も・・・立派な人だった。友達を心の底から信じて、心の底から思って、さ・・・
私、そんな二人をとても好きで、尊敬してたよ。」
ありすさんの声は、先程よりも一層震えていた。
「そんな二人の死が、教えてくれたんだ。私のすべき三つめの道を。」
ありすさんは、そこまで言うと再びあたしの目を見つめた。
ありすさんの目は、潤んでいた。・・・涙に濡れ、光っていた。
「一つは、脱出。一つは、みんなを殺して優勝する事。最後の一つはね・・・」
ありすは、力なく口元を引き攣らせた。
言い表し様の無い気分になる。
「・・・モララーに復讐する事だって、考えてたんだ。
でも・・・それも無理。・・・でも、さっき気付いた。そんな事より、もっと簡単な道があるって事。」
ありすの声は、くぐもっている。
「ねぇ、私の言いたいこと、分かる?」
ありすさんは、私に顔を更にグイと近づけ、言った。
あたしは、もう彼女が何を言いたいのか大分予想がついていた。
大分予想がついていた・・・
彼女の・・・三つ目の道・・・は・・・
「私に残された最後の道は・・・自ら命を絶つ事、よ。」
ありすは、その言葉と同時にあたしのいる方向と逆の方向に走り出した。
「駄目!駄目よありすさん!」
あたしは、そう叫んでありすさんを追いかけようとして走り出した。
「来ないで。」
ありすさんはそう叫ぶと、振り向き、右手に持ったナイフを私にむけた。
ナイフの切っ先には、赤くて茶色いものが染み付いている。
「ありがとね。私の声、聞いてくれて。最後の最後に誰かに私の声、聞いてもらいたかったんだ。」
ありすの頬に、一筋の涙が伝っていた。
「これが私の・・・最終結論。」
そう言うと、再びありすは何処かへ向かって走り出した。
・・・もはや、あたしは彼女を止める事は出来なかった。
彼女が走り出した後、あたしはその場にへたり込んでしまった。
涙が、止め処となく溢れ出てくる。
・・・冷たい、涙が。
あたしは、涙を流し、何分もその場で声を震わせ、泣き叫び続けていた。
『えー、ありすさんが死亡したよーですね。また自殺です。
・・・生き残りはあと二人!自殺なんかしないで、絶対に殺しあってください!んじゃ、さよならっ! 』
【ありす死亡 残り二人】
あたしは、糸が切れた人形のように、ふらふらと廊下を歩き続けた。
涙は既に枯れていた。
既に涙が出尽くし行き場の無くなった悲しみは、あたしの心に空虚だけを残していく。
・・・・これで、生き残りは・・・二人・・・かぁ・・・
元はといえば42人いた、あたしのクラス。
それが・・・今では・・・たった二人?
あたしと・・・ネーノ君・・・だけ・・・
たったそれだけに・・・なっちゃったんだよね・・・
ネーノ君?
そうだ。まだこの人がいたんだ。
みんなみんな死んでいった。けど、この人がまだいたんだ。
・・・ネーノ君。
彼なら・・・きっと・・・あたしとずっと一緒に居てくれるはず・・・
いや、一緒に居たいよ・・・ずぅっと・・・ずぅっ・・・と・・・
ネーノ君・・・
ネーノ君・・・
ネーノ君・・・
自然と、ネーノ君のことで頭が一杯になる。
もう心の拠り所は彼にしかないんだ。
あたしの存在を見つけてくれる人は、今、彼しかいないんだ。
・・・ネーノ君・・・会いたいよぉ・・・
ひたすらに悲しいのに、涙も流せないままあたしは俯いていた。
・・・何でそうしようとしたのか分からない。
あたしは、ふと顔を上げ、前も見つめたのだ。
そこには、いたんだ。都合よく、彼が。
「ネーノ君!」
あたしは、ネーノ君に飛びつくようにして駆け出していた。
いた。ネーノ君。唯一生き残っている、あたしのクラスメイト。
あたしの最後の心の拠り所。
ネーノ君!・・・会いたかった・・・!
「近づかないでくれ。」
ネーノ君は、突然そう冷たく言い放った。
普段の、ゲーム中の彼の温厚な声は、微塵も感じられなかった。
あたしは、ネーノ君の数p手前で立ち止まった。
ネーノ君の顔を見る。
ネーノ君の顔・・・・・・汗が流れ続けていた。
「それ以上近づかれたら・・・間違いなく俺は君を殺しちゃうよ。」
ネーノは、声を震わせながら言った。
あたしは、瞬時に感じ取った。
・・・彼も、多分このガスに『汚染』されかけているんだ。
「君は・・・平気なの?このガスに・・・『汚染』されていないの?」
ネーノが言う。
あたしは、すぐに力強く頷いた。
「何でだろうね。・・・不思議だ。・・・でも、俺はこの様だ。このガスに早速『汚染』されかけている。
その証拠に・・・君を殺したくて。」
ネーノの右手が小刻みに動き、コキコキと音が鳴っている。
「・・・不思議だね。・・・何でだろう。僕は君を全然殺したくないのに・・・でも殺したいんだ。
・・・全く、すごい効き目なんだ、このガスは・・・
今思えば、おにぎり君もギコ君もこのガスに引っかかっていた。そして、身を滅ぼしていったんだ。
でも・・・俺はこのガスに『免疫』があるのかどうか知らんが、効き目が薄い。
でも、・・・もう限界だ。これ以上は堪えられないよ。」
ネーノ君はそう一気に言い終えると、あたしに向かって一歩踏み出した。
一層ネーノ君の手の動きが早くなる。
「な、何よ!そんな頼りないこと言わないでネーノ君!
あたしはこの通り平気だよっ!貴方も大丈夫!正気を保とうよっ!」
あたしは、元気付けるように言った。
そうだ。ネーノ君だってこうやって言えばすぐに正気に戻るはず。
・・・その証拠に、あたしはこんなに平気なんだよ!
「・・・君はどうしたいの?」
ネーノが、不意に、本当に不意にそう言った。
「・・・え、どゆ事?」
思わずあたしはそう聞き返していた。
「つまり、生き残りたいのか死にたいのかどっちかって事。」
ネーノが、溜め息混じりに言った。
・・・いきなりそんな事言われても・・・
・・・・そうだ。
あたしは生き残りたいのか?それとも、別に生き残りたくないのか?
どっちなんだ?
あたしは勿論ネーノ君を殺したくない。
じゃあ、自分は死んでもいいのか?
否。
ネーノ君を殺し、自分だけで生き残る事なんて出来ない。
だが、自殺して死んでしまう、というのもいやだ。
理由は沢山ある。
まずは、痛いのが嫌だから。
そしてもう一つが・・・あたしが死んで悲しむ人が居るから。
あたしは、幾多もの死に立ち会って、無数の悲しみを得てきた。
そのおかげで、あたしは分かった。・・・自分が死んでしまうことは、自分以外の人にどれだけ悲しみを与えてしまうかを。
・・・特にお母さん。
・・・あたしがあそこから脱出した時以来、お母さんはずっと優しく、暖かく私を育ててきてくれた。
今も、恐らくあたしが生きて帰ってくれるのを待ってくれている筈だ。
今から帰って元気な顔をお母さんに見せてあげたい。
お母さんを、安心させてあげたい。
でも、ネーノ君は殺したくない。
・・・結論がつかない。
つけたくてもつけられない。
思考がループし続けている。
殺したくない、死にたくない、殺したくない、死にたくない
どう考えても、抜け道が見つからない。
まさに、『輪廻』だ。
同じ事を繰り返し何度も何度も、永遠に・・・思い続けて・・・結論がでずに・・・回り続けて・・・
ああああああああああああああ
無性に叫びたくなった。
衝動的に、腹の底から思い切り叫び声を上げたくなった。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
あたしは、叫んだ。
腹の底から、今出せる声を全て吐き出すように。
叫んだ。
いつの間にか、ネーノ君も一緒に叫び声を上げていた。
二つの叫び声が、その部屋に大きく響き渡る。
叫べば・・・何かが変わると思った訳じゃない。
・・・・ただ、叫びたかった。大声を上げたかった。それだけ。
「なんだって・・・。」
「そう、ありすくんは自殺した。」
モララーに突きつけたジェリコが震えた、彼の顔は絶望にゆがんでいた。
「くそ・・・くそおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
ズダアンッ!!!
「ああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」
ズダアン!!ズダアン!!ズダアン!!ズダアン!!カチッ!!カチッ!!
彼は何度も何度もトリガーを引いた。
俺のせいだ。
俺のせいだ。
俺のせいだ。
俺のせいだ。
俺のせいだ。
俺のせいだ。
「ああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」
カチッ!!カチッ・・・・・・・。
ようやく弾切れに気づいたのか彼はジェリコを落とした。
そして…。
彼はベルトにはさんでいた2丁目のジェリコを右手に持ち、建物に火を放った。
「送り火だ…。」
どうかこの火が、ありすの下へ届け・・・。
「俺の分まで。」
チャキッ…
ズダアンッ!!!
陸軍大臣編(暫定版)
スルーしてください
リアルタイムキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
「死にたくない…死にたくない!!でもお願いだからネーノ君、お願い、一人にしないで。
死なないで!!一緒にいよう…ねぇ、怖いの。傍にいてよぉ…!!」
頬を伝う涙にも気づかないまま、レモナがネーノに縋りつく。
喉の奥が熱くて痛くて苦しかった。
「もう時間がない」
レモナの背中を疼く右手でぎこちなく撫でながら、ネーノがぼそりと言う。
「これが最後だ。今すぐ逃げてくれ、俺から。…だめなんだ…もう、抑えられそうにない。
早くしないと君を殺してしまう」
「嫌…絶対やだ…どうして私を一人にするの…!!ネーノ君まで、何で…。みんなで逃げようって言ったじゃない!!」
嗚咽交じりにレモナが必死に叫ぶ。
ネーノは手を止め、顔を上げて、辺りに漂う白いガスを遠い目で見つめた。
「確かにみんなで逃げようと言った。でも、そのみんなはもういない。せめて二人で逃げられればどんなにいいか…。
なのにそれさえもできそうにない」
レモナの小刻みな震えが直に伝わってくる。
こんなゲームでただ一人の生き残りになることと、死ぬこと。
どちらの方が辛いのだろうか。
ネーノはレモナに視線を戻し、口調を強めて言う。
頼むから、逃げてくれ…。
「俺は君を殺したくない。今なら自殺することもできるかも知れない…みんなと同じように。
そして君が生き残るゆっくりんだ。何も考えるな。逃げてくれれば、それでいいんだ…」
そう言いながらも、右手がそろそろとレモナの首にゆっくり伸びていく。
早く…急げいでくれ。
「できるわけないじゃない!!何言ってんのよぉおぉぉぉぉおおおお!!」
いっそう強く抱きついてくるレモナを撥ねのけることはできそうもない。
指が、レモナの首に触れた。
「………それじゃあ、ここで死ぬのかい?」
レモナの肩がビクリと跳ねた。
「死にたいのか…一人残されるのが嫌なら?ならみんなのところに送ってあげようか」
違う違う違う違う違う違う違うんだこんなことを言いたいんじゃない。
頭がぼうっとしてくる。
左手がレモナの首を掴んでしまう前に、どうか。
間に合わなくなる―――――。
「みんなに会えるんだ。モナーもいる。ここに一人取り残されるより、ずっといいと思わないかい?」
「あぁ…ネーノ君…もう―――もう、嫌…」
レモナが嗚咽する喉から声を絞り出す。
私のせいでクラスのみんながこんなゲームに放り込まれて、死んでいった。
死にたくはない、でも自分が死ぬことでたった一人でもここから逃げられるなら…。
ネーノ君の言うように、みんなに会えるかもしれない。
むしろ今、生き残ることのほうに恐怖を感じる。
それなら―――死のうか?
ネーノ君に殺されるのなら、いいかもしれない。
終わりにしたい。
何もかも。
だから、死のうか?
「・・・ふぅ。」
モララーは、司令室にいる人間は、殺し合いの様子を中継しているモニターを見ていた。
元々生徒達が殺し合いを繰り広げているあの部屋には監視カメラが設置されているので、中継で見ることが出来るのだ。
「う〜ん・・・」
モララーは、何かが腑に落ちないような表情をして、椅子をクルクル回していた。
そのまま数十秒何も言わずそうしてたかと思うと、モララーは隣に座ってる副官に突然意見を求めた。
「何でレモナにはあのガスが効いてないの?あとネーノも。」
副官は、一瞬困惑の色を顔に浮かべたかと思うと、
「いや、そんなこと言われても・・・」
と返した。
モララーの表情が、険しくなる。
「生まれた直後に、色々な免疫を体の中に注入されたせいだよ。」
オレモナーが、突如話しに割って入った。
兵士達が一斉にオレモナーの方を向く。
モララーが、感心したように唸った。
「なーるほどぉ。そういうことかぁ・・・
そういや、レモナだっけ?あいつお前の子供で何年間かは政府の施設にいたんだもんなぁー・・・」
モララーは、もう一度大きく「ふ〜〜〜ん」と唸ると、再びモニターに目を注ぎ始めた。
横に居るジェントルモララーや一般兵士達も、そのモニターを食い入るように見つめている。
だが、只一人オレモナーだけはモニターを見ずに脇の椅子でぼぉっと何かを考えていた。
「 ・・・おい、オレモナー。お前も見ろよ・・・あと二人だし、盛り上がってるよ。」
モララーは、オレモナーの異変に気付いたのかスポーツ観戦でもしてるかのような調子でそう言った。
そして、モララーは再びモニターへと目を向けた。
「レモナ死ぬなよー。お前には金がたんまりかかってるんだからなー。
モララーは、ボソリと呟くように言った。
「もう・・・止めてくれ。」
突如、そう言った人がいた。・・・オレモナーが。
突然の出来事に、モララーも、ジェントルモララーも一斉にオレモナーの方を振り向く。
「何だよ。何が言いたいのオレモナー?」
モララーが、顔をしかめながら言う。
「このゲームを終わりにしようといったんだ。
あまりに酷すぎるよ。見てられない。」
オレモナーの思い切った発言に、その場全体が異様な雰囲気に包まれる。
一般兵士が、それぞれ顔を見合している。
「ちょ、ちょっと待てよ。何を今頃言ってるんだよ。」
モララーが焦ったように言い返した。
「だって、酷すぎるよ!こんな殺し合いなんて・・・
可愛いそうだと思わないのか!?
レモナだって・・・可愛そうに。混乱しちゃってるじゃないか!」
オレモナーは、叫び声を上げていた。
モララーは、滅多に聞かない彼の叫び声に困惑しながらも言い返した。
「そりゃあ多少は思うけどさ・・・でも仕方ないじゃないか!
これが俺の任務だからな!文句をつけるんじゃない!」
突然始まった言い合いに、周りの兵士、ジェントルは目を白黒させている。
「でも・・・この生徒達を使って賭けなんかしちゃったりしてさ・・・横暴にも程があるだろ!?
それでも同じ人間なのか!?疑わしくなるよ!」
オレモナーが吐き捨てるように言う
「うるさいうるさいうるさい!文句を言うな!そう思うんだったら見なきゃいいだろ!俺のやり方に口を出すなぁっ!!」
モララーも、対抗するように大声を出し、叫んだ。
二人とも、息を荒げながら睨み合う。
妙な沈黙、雰囲気が、辺りを侵食していく。
「・・・変わったね。モララー。」
そんな沈黙の中、不意にオレモナーが言った。
「え?」というようにモララーが顔をしかめる。
「よーく思い出してみなよ。君がこの政府の一員になった理由は何だった?
・・・俺だけには話してくれたよね。『この腐った政府を中身から変えてやる』ってさ。」
その言葉に、モララーの眉がピクリと反応する。
「君は、過去このゲームの優勝者だったんだよね。それで、君はこんな糞ゲームの犠牲者をもう出さないために、
こんなシステムを排除してしまう為に政府の軍隊になったんだよね?」
オレモナーが、冷静に、冷静に、過去の事を思い出しながら言っていく。
モララーは、言い表しようの無い気持ちでそれを聞いていた。
「昔は・・・君はあんなにいい奴だったじゃないか。
俺に子供が出来た時だって、祝ってくれたじゃんか。」
オレモナーが、思い出すように語っていく。
その台詞を聴いた途端、モララーの脳にほとんど忘れかけていたあの思い出が蘇ってきた。
”へ〜、レモナちゃんかー。可愛い名前だなぁ〜。”
”可愛いだろぉ。あー、でもねぇ。正直作っちゃった事後悔してるんだよなぁ・・・”
”何でよ?”
”だってさ、軍人の子供は軍人にしなきゃいけない規律がここにはあるじゃんよ。
規律に逆らうわけにはいかないしさ。幾らなんでも子供の頃から厳しい訓練をつむなんて可愛そうだよね?”
”そうかぁ〜?お前考える事が全然軍人ぽくないよな・・・”
「ま、もう十年以上前の事だから完全に忘れてるかもしれないけど。
・・・とにかく、何があったのか知らないけどさ、君は変わった。」
そこまで言うと、オレモナーは深く溜め息をついた。
・・・オレモナー・・・なんだよお前・・・
「何だね貴様ら。くだらない内輪話はやめなさい・・・」
突然、ジェントルモララー高官が話しに割って入ってきた。
・・・何か、無性に腹が立つ。
「黙ってて下さい高官!」
モララーは、気が付くと大声を上げていた。
ジェントルモララーは、ビクリと体を震わせると、何も言わずにすごすごと引き下がった。
モララーの叫び声に、ただならぬ迫力を感じたのだった。
「モララー・・・君、変わったよ。
変わりすぎて・・・もう・・・何が何だか・・・」
オレモナーは、呟くように言うと、泣きそうな顔で口元をゆがめた。
それとともに、右手を懐に入れる。
そして、次オレモナーが懐からそれを出した時には、その右手にあるモノが握られていた。
オレモナーは、そのモノをモララーに向けながら、こう言った。
「もうオレ、お前にはついていけないよ。」
彼の手には、しっかりと銃が握られていた。
黒い銃口が、俺に向けられる。
オレモナーが、俺に、俺に、銃を向けている?
オレモナーが?
「おい!ふざけるんじゃないぞ!!」
俺は、すぐさまオレモナーに飛びかかって銃をはたき落とそうとした。
ガァン
凄まじい音が鳴り響き、俺の足元が弾けた。
オレモナーの銃口から、薄い煙が染み出している。
撃った。
ウッタ
「近づかないでくれ。・・・本気なんだ。」
呟くように言うオレモナー。
心なしか、俺は震えていた。
芯から震えていた。
・・・オレモナー。
幼稚園から一緒だった、俺の幼馴染。
中学校では色々あり違う中学校になってしまったが、その後また大学で再会した。
彼は、俺の中学、俺の学年がAABRに巻き込まれたことを知っていた。
俺は、自分達のクラスがそのAABRの対象に選ばれた事、そして自分が沢山の人を殺し、優勝した事を全て言った。
でも、オレモナーは、仕方ないよっ、て言ってくれた。
いけないのは政府だよっ、て。君じゃないよっ、て・・・
それ以降、彼は俺のAABRのことについてあえて何も触れないでくれた。
驚くほど当時と人相が変わってしまった事、傷が増えた事、無愛想になった事・・・
そして、それから何年経っただろう。奇なる事に、俺とお前は政府の軍隊で一緒になった。
俺は驚いた。彼も驚いていた。「何で君が」って。
俺は正直に言った。「この腐った政府を中身から変えてやる」って。
・・・・彼も同じ答えだった。
短く「オレモナー」とだけ答えていた。
そんな彼が・・・今、俺に、銃を、向けて・・・
何で俺こんな事を思い出せるんだ?
あいつに、オレモナーに銃を向けられた時、あいつとの思い出が流れてくるように思い出せた。
前までは、あいつの子供の名前すら全然覚えていなかったのに。
何故?
・・・簡単な事じゃないか。
全 て が 壊 れ よ う と し て る か ら
「オレは君を殺す。そして、このゲームもろとも心中してやる。」
オレモナーが、落胆する俺に追い討ちをかけるように言った。
目の端で、ジェントルモララーがとてつもなく焦っているのが見える。
何だよお前。
俺を殺すって?
何年一緒に居たと思ってるんだ。
そんな俺を殺す?
殺すのか?
「何だよお前。俺を殺すって?
何年一緒に居たと思ってるんだ。
そんな俺を殺す?殺すのか?」
思ったことが自然に口からはみ出してしまった。
俺がそう言い終えてしまうと、オレモナーは力なく笑いながら首を捻った。
・・・震えていた。顔も、目も、・・・声も。
「うん。殺すよ。・・・・・・今のお前最悪だもん・・・
・・・最悪なお前なんか見てたくないもん・・・
・・・・・・俺が幼い頃から見てきたお前は・・・違かったよ。
・・・バカ正直で、正義感が強くて、前向きで・・・・・・『いい奴』だったんだよ。
・・・・・・大学でまた会ったときも、君は『いい奴』のままだったよ。
・・・・・・ココで再会した時も・・・まだ『いい奴』だった。
・・・・・・・・・でも何年か前、俺と君の配属が変わって、しばらく会えなくなって何年か経って・・・
・・・二人共、互いにいつでも自由に会えるような身分になった頃にはお前は・・・最悪だった。
・・・今も無論・・・目も当てられないぐらい・・・・・・最悪だ。」
何が言いたい。
何が言いたいんだよぉぉ
決意が揺らいだわけじゃない。
ああ、そうなんだよ。
じゃあいつからだ?
俺が『最悪』になったのは、いつからなんだよ?
・・・俺はいつもこうなんだよ?
人の苦しみを見るのが好きな・・・『最悪』な俺は、生まれた時から既に居たよ?
君に会った時から、俺は既に『最悪』だったんだよ?
何を今更言ってるんだ。
俺はずっと前から『最悪』だった。
そうだ。これが俺の本性なんだよ。
ずーっと前から、ずーっと前からさぁぁぁぁ
それを 何を今さら 何を今さらぁぁぁぁぁぁぁぁ あ ぁ
ああ、あ ああ あ、ア あぁぁ ぁ ああ?
「・・・返事が来ないね。
・・言い返す気・・・・・・ないのかな・・・?
・・・・・・もう・・・終わりにしようよ。
・・・オレは終わりにしたいんだ。・・・このゲームも。・・・君も。・・・・・・オレも。
・・・・・一緒に、死のう。・・・モララー。」
もう・・・いいよ。
一瞬の出来事だった。
自己防衛の本能が働いたというべきなのだろうか。
初めて自分自身が『最悪』だと感じた瞬間だった。
無抵抗に崩れ落ちる、肉隗。
『ソレ』が生前美形だったという事を、その肉隗は一つも伝えていない。
・・・整っていたはずの顔は、今は見る影も無く崩れ、爛れている。
ぐ ち ゃ ぐ ち ゃ だ
「ひ、あ、いあああああああああああああああ!!!!?????」
そう。一瞬の出来事だったんだ。
オレモナーは、撃った。俺に銃を。
・・・でも、あろうことか俺は・・・本能的に撃ち返していたんだ・・・
長年培われていた軍人の本能、というべきなのだろうか。
とにかくそれが・・・俺を動かした。
何はともあれ俺は・・・近くに置いてあった銃を・・・取った。
オレモナーの銃弾は、俺の頬を掠めた。
・・・とっさに撃った俺の銃弾は・・・オレモナーの顔の中心を・・・正確に撃ち抜いた。
・・・・・・・・・オレモナーは・・・・・・・・・俺の親友は・・・・・・
はは、ははははははははははははは
何だよ。今更気付いたのかよ。
分かったよ、俺が最悪になっちまった訳が!
・・・オレモナー。・・・お前のせいだ!
お前が居なくなったから俺は最悪になったんだ!
・・・いつでも純粋無垢で、俺と常に一緒にいてくれた、オレモナー。
・・・あのAABRの時、どんくらいお前に会いたかったことか!
・・・お前の配属が変わって、俺の目の前から居なくなったせいで、俺は最悪になったんだ。
・・・・・・道を正す物が居なかった。
・・・一刻もお前に会いたいが為に、俺は常に訓練や軍事を優秀に冷静にこなしてきた。
機械のように・・・冷酷に・・・命令された事だけを忠実にこなす人間に・・・
・・・・・・そこから、だ。
偽りの非常さで心を塗り固め、冷酷、感情の無い男と称し、幾多もの人間を倒してきた。
そして、『中身から政府をぶっつぶす』という俺の最初の志を、俺はすっかり忘れていたんだ・・・
・・・そこで、道を正す物が居なかった。
・・・・・・その時点で、終わってたんだよな。
・・・で、来たんだ。あの電話がさ。
『次回AABRの担当になりませんか?』
俺さ、退屈だから断ろうとしたんだ。
でも、給料の額を知らされた時点で、俺、2回返事でお願いしますって言ってた。
何も考えず、目先の金の額だけに捉われて、俺、このAABRの担当官になったんだ。
あ り え な く な い ?
「おい!貴様、くだらない茶番劇はよしたまえ!データを早急に纏めるのだ!
・・・それと、その汚らわしい腐体を始末したまえ!」
いきなり、声が聞こえた。
ガァン
俺は、ためらいなく奴に、ジェントルモララーに向かって引き金を引いた。
・・・その引き金は、驚くほど柔らく感じた。
「こ、高官!」
兵士共が、俺の撃った男に群がる。
その数秒後、兵士達は一斉に俺をにらみつけ、銃を向けた。
「こんな事してただで済むと思ってるんですか・・・!?」
やけにごつい顔の兵士が言う。
「貴方がやった事は、れっきとした反乱になっちゃうんですよ!?」
ひょろっとした色白の兵士が続けて言う。
「うるさいねぇ君達・・・その発言は上司に対する反乱じゃないのか?
俺はお前たちみたいな一般兵士とは格がち・が・う・の。」
兵士達は、俺がそう軽く宥めただけで快く銃を下げてくれた。
一般兵士皆が、上目遣いで俺を見ている。
俺は、その兵士共に一歩近づき、言った。
「ねぇ、その銃貸してくれない?」
そう言うと、兵士は一瞬戸惑ったがすぐにその銃を俺に渡してくれた。
俺は、その黒光りする銃を、品定めを意識し手の平で何度も撫でた。
・・・イングラムM10マシンガンね・・・いい感触だ。
俺は、銃を撫でるだけ撫で終わったので、試し撃ちをしてみる事にした。
銃を構える。そこには、何人もの兵士がいる。
・・・兵士の顔色が変わる。
「わるいね。コレを無かった事にする。」
謝罪の言葉を一方的に浴びせ終わると、俺はためらいなく引き金を引いた。
心地よいミシン音が、部屋中に響く。
・・・ミシン音が鳴り止んだときには、5人位いた兵士達が一斉に床に這い蹲っていた。
「・・・ふぅ。」
一息つく。
・・・わずか数秒で、この司令室は死体だらけとなった。
・・・全部俺の手で、殺した。
・・・何の為に?
俺は、自分に問いかけた。
答えは出ている。
だが、念のためにもう一度だけ自分に聞いてみようと思った。
「モララー司令!」
すぐ後ろで声がした。
その方向を振り向く。
・・・あ、まだコイツがいたっけ。・・・AABR副官。
「何をしているんです!?せっかく上手く成功すると思ったのに!台無しじゃないですかっ!」
副官がヒステリー気味に叫ぶ。
「・・・何だようるさいな。・・・そう焦るなって。」
俺は、イングラムを床に捨てると部下をどなりつける時に使っていたW&Sを近くのテーブルから取った。
それと共に、ゆっくりと副官のこめかみの辺りにそれの銃口を添える。
「ひっ・・・・・・し・・・れ、い・・・」
副官の声が上ずる。
「残念ながら五月蝿い子には死んでもらいまっしょう♪」
そう言いながら、俺はゆっくりと引き金を引いた。
カチン
「弾切れ・・・か。こりゃ残念。」
副官の顔が一瞬緩む。
とりあえず、このままにしておくのも変だし、そのままW&Sで副官の頭を適当に殴りつけた。
勢い良く床に倒れ込む副官。
見た目失神しているようだが、血は流れていない。・・まぁ、あんま力入れてやってないし当たり前だね。
俺は、静かになった司令室を一度見渡した後、窓際の方に設置してある遊楽ソファに腰を落ち着けた。
別にあんまり長い時間経ってたわけではないが、座ったときの衝撃で体中が軋む。
・・・ぼんやりする。
頭に薄い霧がかかっているみたいだ。
・・・いや、夢みたい、だ。
・・・何の為にこいつらを殺した?
再び俺は、問いかけた。
思い出した。
AABRの時・・・俺、あいつを恨んでたんだ。
担当官ひろゆき。
何で俺達をこんなゲームにほーりこむんだよーって。
何でこんな可愛そうな俺達を助けてくれないんだよーって。
思ってた。
・・・んで、さ。
同じグループを組んでたクラスメイトの一人が裏切ったんだ。
俺以外の何人かを、確かそいつが不意打ちして殺した。
・・・でも、俺は殺せなかった。
・・・逆に、俺が殺した。
・・・そっからだったんだ。
緊張、恐怖、疑心暗鬼の末に・・・気が付けば優勝してた。
・・・優勝者としてヘリで送られる時・・・俺、笑ってた。
・・・泣きながらな。
それから、ずっと恨んでたんだ。政府のやつらを。
あのAABRで多少知恵を手に入れた俺は、政府の内部からシステムを破壊しようと考えた。
・・・随分大きな目標だったよなー、ホント。
・・・それを、さ。すっかり忘れてたんだよね。
何の為にココに入ったのか?そんな事も忘れてた。
忘れたまま・・・恨んでたはずの政府でのうのうと暮らし続けた。
挙句の果てには、AABRの担当官・・・
でも、今何もかも思い出した。
何の為にこいつらを殺した?
・・・うさばらしさ。
最後の最後のうさばらし・・・
・・・全く持って最悪極まりないよな俺・・・
AABRの苦しさを全部知ってるはずなのにさ・・・それを笑ってみているんだもんな、俺。
あの時の担当官、ひろゆきもきっとそうだったんだよな・・・
・・・俺、知らず知らずあいつと同じことをやってた。
でも、今からは違う。
最後の最後に・・・あの頃の夢を、俺は果たす。
『・・・ゲームは終わりです。エリアを遮断するドアのキーは解きました。存分に脱出して下さい。
・・・島から出たいときは、ここでのびてる副官・・・いや、角耳に言ってヘリを操縦してもらって下さいね。
脅してでもどうにでも構わないので。
・・・君たちは絶対に俺のようになっちゃ駄目ですよ!さよーならぁー♪』
俺は、言い終えると同時に建物内専用放送機器のスイッチをぶちんと勢い良くきった。
それと同時に、手馴れた操作で赤いスイッチを押す。
[保護エリア ドアロック解除しました]
大きなモニターに、不自然な日本語の文章が一瞬表れ、消えた。
・・・おわっ・・・たぁ・・・
俺は、そのまま椅子から落ちるように床に倒れ込んだ。
背中に地味な衝撃が走る。・・・落ちなきゃよかったなぁ。
・・・俺は、近くにほうり捨ててある銃を拾った。
40 SWs・・・オレモナーを撃ち殺した銃だ。
俺は、そのままそれをまっすぐこめかみに突きつけた。
・・・ひんやりと冷たく、心地よい。
・・・気持ち・・・いい・・・・・・なあぁ・・・・・・
”みんなで希望を持てば絶対に脱出できるよー!”
”はははは・・・僕が優勝者・・・!?・・・なんで・・・なんで分かってくれなかったんだよみんなぁぁぁぁ!!!”
”絶対!この糞プログラムをこの国から抹消させてみせるからなー!”
”今度会う時までに、絶対に国変えてやっからなぁ、達者でなオレモナー!”
”いつまでも・・・いつまでもこの恨みを胸に秘めたままっ!チャンスを待ち続けるからな!”
”オレモナー!絶対に変えような!この腐った国を、俺達ふったりっでさー!”
【モララー死亡 ゲーム中止 生き残り 【男子15番】ネーノ・.【女子21番】レモナ】
「終わった・・・?」
放送を聞いたネーノとレモナが同時に呟いた。
あちらこちらで、ガーッと言う音が聞こえる。
扉が開いている音だろう。
「フーッ」
殺気の抜けたネーノがペタンと座り込む。
「ホラ、休んでる暇はないわ、早く出口を探さなきゃ!」
「や、そうだけどさー、疲れちゃったから・・・」
「・・・そうね」
レモナも座り込む。
「俺さ・・・」
ネーノが何か喋りだす。
「俺さ、帰れたら反BR組織に入ろうと思ってる。」
「・・・でも今回のことで壊滅しちゃったかも・・・」
「だったら作るさ、こんなことで命を落とす子供なんかもういなくていいんだ。」
それだけ言うとネーノは立ち上がった。
「じゃぁ、行こう。」
「うん。」
少し歩いた二人の前に太陽の光が見えた。
出口から出るとそこは海の上に浮かぶヘリポートだった。
ヘリも数機停めてあった。
「・・・。」
「ねぇ今ひとつ思ったことがあるんだ・・・」
「何・・・?」
「これ、どうやって運転するの・・・?」
二人にヘリの運転経験などあるはずもない。
「・・・。」
「運転手が必要なんじゃネーノ・・・?」
「・・・。」
二人が途方にくれていたそのとき・・・
バリバリバリバリバリ
遠くからこんな音が聞こえた。
ネーノがそれを凝視してみた。
「・・・ヘリじゃネーノ・・・?」
「えっ嘘っ!」
レモナもその方向を見た確かに何かが音をたてて飛んでくる。
次第にそれはハッキリしていき、ヘリだということがわかった。
ヘリポート上空に来たヘリのスピーカーから声が出た。
『我々は反BR団体のものだ!!!!君達は生き残りの生徒か!!!!」
「そうでーす」と叫んでも聞こえるわけないので、二人で一生懸命に手を振る。
ヘリは次第に下降して、ヘリポートに足をつけた。
中から、迷彩服を着たAA達が4人ぐらい降りてきた。
「君達は、生き残りの生徒かい?」
「そうです。」
ネーノが応える。
「君達以外に生き残りは?」
「多分・・・いません・・・。」
ネーノが静に応えた。
「そうか・・・」
すすとその反BR隊の人は振り返り。
「おい!チャンコ、ぞにっく!此処の捜査をしろ!BRを管理してるやつらがまだいるやも知れん!」
と言った。
すぐに二人のAAが出て来て「ハッ!」と敬礼してから中へ入っていった。
二人はすぐに見えなくなった。
「さぁ君達、早くヘリへ乗りたまえ、何が起こるかわからない。」
「あの・・・」
ネーノが言った。
「二つ程お願いがあるんですが・・・」
「何だね?」
「僕を反BR組織に入れて下さい。」
そういったネーノを見てレモナもとっさに言った。
「わっ私も入れて下さい!こんなこと二度と起したくないんです!」
「・・・。」
その男は困ったように首をかしげた。
「でも、君達はまだ若い。いろいろ夢もあるだろう。」
そういった男に対して、
「クラスメートのほとんどが死んだなかで僕たちだけ夢を追うのは理不尽です!!」
「・・・またこのゲームが行われ、それを止めに行けば死ぬやも知れんぞ?」
これにはレモナが応えた。
「私たちは皆の分も生きなきゃいけません。でもまたこのプログラムが行われて、それを止めるためなら命も厭いません!」
「・・・そこまで覚悟しているのなら入るがいい。歓迎するよ。」
「ありがとうございます!」
ネーノとレモナが声を合わせて言った。
「で、もう一つの願いとはなんだね?」
「それは・・・この島にあるクラスメートの遺体を集めて一人一人のお墓をつくってほしいんです・・・」
「・・・わかった約束しよう。」
二人の顔に喜びの色が浮かぶ。」
「あ、あと、ギコ、しぃ、とッパ、おにぎり、ありすさんのお墓は近くにしてあげて下さい。制服に名前が縫ってあるからわかると思います。」
「あぁ、わかった。」
「それだけです。」
「そうか・・・では早くヘリに乗りたまえ。」
「ハイ。」
ネーノとレモナが歩きだそうとしたそのとき。
「あ、まだ名乗ってなかったね、私はフーン。反BR団体副長だ。よろしく。」
「よろしくお願いします。」
ネーノとレモナが敬礼をした。
フーンも敬礼をした。
ネーノとレモナが改めて歩き出した。
話している時は気付かなかったがいつのまにかヘリがもう4機ほど着ていた。
二人はフーンに先導され、ヘリに乗った。
すぐにそのヘリは飛び立った。
運転席ではフーンが無線で「生徒の遺体を・・・」みたいなことを話していた。
島が離れていく。
二人の頭に突然クラスメートとの思い出が蘇った。
ギコ、しぃ、モナー、>>1さん、ありす、ッパ、おにぎり、八頭身、イマノウチ・・・
二人の目に涙が溢れてきた。
その涙は故郷につくまで枯れることは無かった。
そして二人は帰って来た。
自分の町に・・・。
終わったのか?
陸軍大臣編(再暫定)
「ネーノ君に、レモナ君か・・・。」
陸軍大臣であり、レジスタンスの長でもある彼はそういった。
「ハッ!!陸軍大臣。しかし今回の騒動はあなたの管轄内にあり、近々解任になるとの噂もあります。」
「いいだろう。ただし・・・このくだらない制度をぶっ潰してからだ。」
陸軍大臣の手には何枚かの書類が握られていた。
「君、これを内閣に提出したまえ。私の解任と引き換えだ。」
「ハッ!!!」
(結局、俺は何が出来たんだろうか・・・。)
あのゲームから逃げ出して、人を殺してこの地位に上り詰め、そして何年も周りで人が殺されてるのを黙認した。
モララー
オレモナー
ありす
そして・・・・・。
(そうだ、北海道に家でも買って作家にでもなろうか。)
もともと文章構成はうまい方だし、まだ20代だ。
あいつの供養の為にも、おれの体験した地獄を一つ残らず小説に書いてやる。
それが俺の最後の抵抗だ。
「この糞野郎。」
彼はジェリコと軍人手帳を机の上に投げ捨てた。
「ネーノ君!」
声が、した。
後ろを向くと、こちらに手を振って走ってきているレモナの姿が見えた。
「こんな所で寝転がって何してるの?」
レモナが、身をかがめ俺の顔を見下ろすように言う。
「いや・・・ちょっと・・・引っかかることがあってさ・・・」
俺は、寝転がりながら言った。
数日前、俺達はこの町に帰って来た。
・・・『あのゲームは無かった事にする様に』と言われ、俺達は適当な駅から家へと帰っていった。
・・・・・・母親は、とても驚いていた。・・・そりゃそうだわな。死んだと思ってた息子がいきなり帰ってくるんだもの。
・・・とりあえず、その日は母親とたわいもない世間話を多々やった後に、眠った。・・・何時間くらい眠ったかな。
・・・で、朝になった。俺は自然の空気が吸いたくなった。で、ここへ来た。・・・あいつとよく来た中学校の裏山だ。
で、色々考え事してたら、何故かレモナがここへ来た。で、今に至る。
「気になる事?」
レモナが小首を傾げて言った。
「何でモララーが突然このゲームを終わらしたのか、って事・・・」
俺は呟くように言った。
「え・・・そう言われると・・・確かに・・・何でだろ・・・」
そうだ。何でなんだろう。
俺達が下であのゲームをやってる時に、上では何があったんだ?
俺達はゲームが終わった後、放送とかをしてた部屋を覗いていない。
そこで何があったんだ?
そこでどういう過程があってゲーム中止になったんだ?
「あ、そんな事どうでもいいの。電話、かかってきたよ。フーンさんから。」
レモナが思い出したように言う。
え、ええ?
「ちょ、それを先に言ってよ!」
反射的に俺は叫んでいた。
そうだよ。大事な事は先に言いましょう。
「この電話番号に、かけなおしてくれってさ。」
レモナが、手書きのメモ帳を手渡しす。
俺は、そのメモ帳に書いてある電話番号を、レモナの電話に一つ一つ丁寧に入力していく。
「あ、スピーカーつけといてね。それ、そのボタン。
あ、あたしの事は言わなくていいよ。もう言ってあるから。『入隊します』って。」
プルルルルル・・・プルルルルル・・・
無機質な呼び出し音が耳の奥をくすぐる。
・・・かかった。
やはりこちらからかけるとなると緊張するな・・・
・・・まず何て言おうか?
呼び出し音が鳴っている数秒の時間の中で、俺は考えた。
ストレートに『入隊する決心がつきましたっ!』か?
それとも回りくどく言うか?
そもそも一発で出るのか?・・・あ、これよく見たら携帯の番号だな。
・・・とりあえず、何を言おう?まず?
・・・いや、まずはあの事から聞こう。・・・彼なら、知っているはずだ。
『はいもしもし。フーンです。』
・・・電話が繋がった。
何だ。以外に一回で出たな。
「こんにちは。ネーノですけど・・・」
『やーぁこんにちはっ!反BR軍に入る決心ついた?
今、ちょっと人が死にすぎて資料纏めたりする人手が足りないからさあー。
もし入隊するなら来週くらいからすぐ来て欲しいんだけど・・・』
フーンさんの声は、あの時とは比べ物にならないほど陽気で弾んでいる。
これが素なのかな・・・まぁ、別にどーでもいいけど。
「あの・・・ちょっとその前に聞きたい事がありまして・・・」
『何だい?』
「AABRで貴方達が俺達を救出してくれたあの後・・・
貴方達あの本部の司令室・・・見ましたよね?・・・どういう状況だったんですか?」
俺がそう言い終えると、突然会話が止まった。
電話の奥でフーンが唸っているのが聞こえる。
『あ、その事については・・・直に見た奴に聞いてくれ。おれなーんも知らんし。んじゃま、変わるから。』
しばらく経った後、フーンがそう言った。
それと共に、受話器から丸い保留音が流れ出す。
・・・一息ついたな。
『はい、変わりましたチャンコですぅ。』
俺もレモナも黙りこくってから数分間、やっと声が聞こえてきた。
(・・・遅い。)
レモナがそう呟いてるのが、かろうじて聞こえた。
『えーっとね。君が聞きたいのは司令室の状況だけ?それともあそこで何があったのか聞きたいの?』
チャンコが言う。
「え、あそこで何が起こってたか知ってるんですか?」
『うん。AABR副官の角耳って奴が話してくれた。』
「・・・じゃあ、教えてください。貴方が知ってる事全部。」
『うん。分かった。』
チャンコがそう言うと、受話器の奥から紙の擦れる音が聞こえた。
紙に書かなきゃいけない程長い話なのだろうか。
とにかく数秒後、それは全て明らかになった。
『話を僕なりに纏めた奴なんだけどね。
・・・あ、途中で話を切るのはやめてくれな。興がそがれるから。
・・・えと、まず、モララー達が居る司令室では、さっき言った副官以外はみんな死んでいた。
数人のあちら側の兵士。政府のジェントルモララー高官。政府のオレモナー副官。
んでもって、君たちご存知の、AABR司令官モララー。・・・みんな、死体だったんだ。』
チャンコがすらりと言う。
みんな死んでいた?モララーも?
「ちょっと待ってください!何でモララーが死んでるんですか!?
少なくとも貴方達があの島に来る15分くらい前には生きて・・・」
『うるさいなぁ。途中で割り込むな言ったでしょ!
・・・で、話続けるよ。
AABR副官角耳・・・彼が言うにはね、色々なことがあったらしいんだ。
・・・まず、オレモナー。彼が突然自分達のやり方に異論を示し始めたんだと。
で、成り行きでモララーがオレモナーを殺しちゃって、それから何か突然暴走してみんな殺しちゃったんだと。
・・・ここまで言うと、まぁ、単にモララーが狂いだした、みたいに考える事が出来るけど・・・
何故かモララー自身も死んでたんだよね。』
モララーも・・・死んでいた・・・
という事は、あの放送が終わってからすぐに死んだのか。なぜ?
・・・えと、自殺でさ、死んでた。自らこめかみをズドン!さ。
・・・正直理由がわからないんだよなぁ。・・・でも、そこで止まらないのが僕。
ぞにっく君と一緒に彼、いや、彼らの過去とかを色々探ってみた所・・・大体分かってきた。
彼は・・・前AABRの優勝者だった。』
え?
あのモララーが?・・・前AABRの優勝者?
『で、その後政府に入ってきてるんだよ。
AABRで政府に苦渋を沢山飲まされた彼が?何で政府の軍隊に入隊するんだろう?
・・・そこは角耳が答えてくれたんだけど、どうやら、あれだ。
彼は、政府で偉くなり、そしてAABR等の腐ったシステムを一切排除する為に政府に入ったんだと。』
「え・・・」
俺は、思わず声を出していた。
モララーが?元は反政府だった・・・って?
どういう・・・事・・・だ?
『・・・驚いてる?・・・そりゃそうだよね。
・・・ま、ちょっと色つけてるんだけどさ、そんなトコ。
で、何で彼はこのAABRを受け持ったんだろう?
何で彼はこんなに変わってしまったんだろう?
・・・そこんとこは正直全然分からない。
・・・ま、僕としては彼の、モララーの親友であるオレモナー。彼が鍵を握っているんだと思うけど・・・
死者を蘇らせる事は出来ないしね。何より、オレモナーの死に方はひどかった。
・・・ま、とにかく、僕達が知ってるのはそれまで。
・・・じゃ、フーンさんにかわろっか?』
俺は、受話器の前で愕然としていた。
モララーが、前AABRの優勝者で、かつ反政府だったなんて・・・
知らない事を知りすぎた。
とてもフーンさんと話す気が起きないよ・・・
「・・・反BR組織に入隊します。・・・詳しい事は明日にしてください。・・・さよなら。」
受話器を切った。
途端に、辺りが静寂に包まれる。
「・・・信じられない・・・わね。」
レモナが呟くように言った。
俺は、無言で頷いた。
「・・・それに・・・オレモナー・・・って・・・」
レモナが小さく呟いた。
・・・レモナの顔は酷かった。
顔が小刻みに震え、青ざめている。
「どうかしたの?」
言いながら、彼女の顔を覗き込む。
だが、覗き込んだ途端に、レモナは何事もなかったかのように満面の笑みを俺に見せ、言った。
「ううん、なんでもない!気にしないでよ!」
・・・気にしないでだって?
・・・あんな酷い顔しといて気にならない訳ないじゃん・・・
・・・ま、でも・・・何かあるみたいだから・・・聞かないでおこう。
・・・とにかく・・・モララーは・・・
何があったか知らないけど・・・モララーは、最終的には決意も性格も変わってしまったんだ。
だから・・・それを何らかの方法であの時悟って・・・
言ったんだ。あの最後の放送のとき・・・
『君たちは絶対に俺のようになっちゃ駄目ですよ!』
・・・ああ、ならないさ。
絶対に、ならない。
もし、なりそうになってしまったら、お前のその言葉を思い出すよ。モララー。
一体、俺達は幾つの死を見てきただろう。
俺達は、何人もの死を見てきた。
その『死』は、癒える事無くいまだ心に深く刻まれている。
じぃ、しぃ、ギコ、モナー、おにぎり君、ありすさん、ウワァァァン君・・・
あめねこ、坂田師匠、1さん、フェラーチョ・・・
死は、絶対に消す事が出来ない物なんだ。
ならば、覚えていよう。
それは、償いでもあり、弔いでもあるんだ。
あのゲームの生存者として、死んでいったクラスメイト達の事を、『永遠に』忘れずに覚えていよう。
そして、終わらせるんだ。血塗られた殺し合いの歴史を・・・
「何カッコ付けてんの?フーンさん待ってるよ?」
「あ、・・・うん、分かった分かった!」
「おかーさんには連絡した?」
「うん、連絡したよ。」
「何て言ってた?」
「・・・あんな殺し合いから生き残って来れたんだから、今度も絶対生きて帰ってこれるだろうってさ。」
「・・・すごいお母さんね。なんか勇気あるぅー。」
「・・・いや、何か父さんもね・・・AABRの優勝者だったらしいんだ。
で、身内が死んだ試しがないから多分今回も大丈夫なんじゃネーノ?って。」
「ふーん。ホントすごいね・・・・・・で、そのお父さんには連絡したぁ?」
「お父さん?・・・知らないよ。物心ついたときには居なかったからさ。」
「へぇー。・・・離婚・・・なんだ?」
「いや、そうじゃないってかーさんは言ってたよ。俺を守るためには仕方がなかったのよとか言ってた。」
「ふーん。何かひっかかるねその言葉。」
「ああ、そうなんだよ。・・・それ以降の父さんについては何も教えてくれないんだよね。
・・・まぁ、どうでもいいんだけどさ。」
「・・・じゃあ、そろそろいこーよ。フーンさん、クラクション鳴らしてるよ。」
「うん。分かった!」
「・・・はぁ・・・・・・でも・・・あたし達、大丈夫かな・・・AABRを破壊するなんて・・・頑張れるかな・・・」
「・・・・・・俺達は生存者なんだからさ。
・・・AABRで死んだクラスメート達の分まで生きて、無念を晴らしてあげることくらいは出来ないと!」
「・・・そだね。あたし達は生存者なんだから、そんくらいやれないとね。」
「じゃ、いこーか!」
AAバトルロワイアル5 -You must survive.- end.
おめ。
465 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/09/08 20:34 ID:4/BqQv4A
エピローグは?
466 :
完成おめ:04/09/08 21:08 ID:7Z20bzO3
エピローグは458から?
次スレは建てるのか?
一応ほす。
ホッシュミ・д・ミホッシュ
保守。
補習。
h
475 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/11 15:42:45 ID:asWQ4XRf
保守age
未来に目を向け歩き出す。
その時は気づかない。
いつだって何だって続いている。
繰り返し。
ようやく掴んだ日常も幸せも、昔の絶望へと繋がっている。
二度と失うまいと強く掴んだ日常と共に、暗く深い絶望へ沈んでゆく…。
477 :
ピアニシモ:04/10/15 18:49:24 ID:370cE2KR
俺がやらずに誰が殺る?
未来なんてものは消えうせた・・・。
やってやるさ・・・。
自爆テロなんて、全然痛くなんか無い。爆弾を体中に巻いて死ぬんだぜ。
じゃあな。
| A | B | C | D | E | F | G | H |
______.|_____|_____|._________|_____|_______|_______|._________|_____|
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1 | + + + + / 北
______.| +i''" ̄`i+ + + + + + + + +i ̄i + /. ↑
| +i" `i + + + i ̄ ̄ ̄ ̄i i ̄i+ +i ̄  ̄i + / 西←┼→東
2 | +i''" i' i ̄ ̄゛i+ + i i i  ̄ ̄ ___i/+ ↓
______.| + +i ̄ i i___  ̄ ̄ i i エリアC __i _!" + 南
| +i ̄  ̄i i i i _i/
3 | +i" i i エリアB i i _i ∠____ ├──┼──┤
______.| +i" エリアA i i i i i i" ̄ ̄ ̄`i | 0 1.5 3 (km)
| +i_ i i i i ____i i エリアD .i |
4 | +i_ i i i i__i┌┐i ____._i | 〜
______.| +i _____,i i、_________i__,, -ー" i i _i,-‐‐┘
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5 | +i ___i/ ┌'/ i| . ̄ ̄ 〜
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| +i,,/ |i__ i| ヽニ>
6 | /+ └、 i i| _
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7 | 〜 Li_ i| ̄ ̄
______.| q \i,,__ i| p
| <ニ/  ̄|i_____ i| 〜 ヽニ>
8 | 〜  ̄ ̄|i___i|
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