AAバトルロワイアル4−AA BATTLEROYALE

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1TAKUYA
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               ,ll!!!゙゙゙゜







AAバトルロワイアル:http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1047654130/
AAバトルロワイアル2―THE SURVIVAL PROGRAM―:http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049193384/
前スレAAバトルロワイアル3http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1054026979/l100
前スレ AAバトルロワイヤル・雑談スレッド http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049261056/

詳細は>>2-5辺り。



2TAKUYA:03/08/12 12:47 ID:pj9W+GO/
3(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 12:47 ID:BjPUMUvB
名簿
【男子1番】1さん               【女子1番】あいぼん
【男子2番】イマノウチ              【女子2番】あめねこ
【男子3番】ぃょぅ                【女子3番】ぁゃなみレイ
【男子4番】おにぎり               【女子4番】あらやだ
【男子5番】ギコ                【女子5番】ありす
【男子6番】コリンズ              【女子6番】ぃゃん
【男子7番】さいたま太陽大佐           【女子7番】えー
【男子8番】さいたま左             【女子8番】ガナー
【男子9番】さいたま右             【女子9番】花瓶
【男子10番】ジサクジエン            【女子10番】しぃ
【男子11番】タカラギコ              【女子11番】じぃ
【男子12番】ダマレコゾウ            【女子12番】ちびしぃ
【男子13番】ッパ                 【女子13番】つー
【男子14番】ニダー               【女子14番】でぃ
【男子15番】激しく忍者              【女子15番】のー
【男子16番】8頭身               【女子16番】フサしぃ
【男子17番】ヒッキー               【女子17番】びぃ
【男子18番】フーン               【女子18番】モナカ
【男子19番】ぼるじょあ              【女子19番】モネー
【男子20番】モナー               【女子20番】ルルカ
【男子21番】モララー              【女子21番】レモナ
4(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 12:47 ID:BjPUMUvB
地図
   |    A   .|    B   .|   C  |    D   .|   E   .|   F   .|  G   |    H   .|   I    .|
______.|______.|______.|______.|______.|______.|______.|______.|______.|______.|
   |
 1 |              _,,,,,   ,,,,,,,    _,,,,,-'''"" ̄'Z,,,,_      北
   |  /'''''"''''"\,,._.,,-''"""  "''"   ""''"" 林 林     i,        ↑
______.|  i,崖             医      林 林       i        西←┼→東
   |  'i,,    林 林   家        林 林 林    'I,,,,        ↓
 2 |   ''I,,,   林林林  家家  畑畑畑           "''I       南
   |    'I,   林    家    畑畑畑            \,,,
______.|    /             畑畑畑畑              """'''ヽ,._.,
   |   /'                      森森森森森          "''ヽ,,,
 3 |   i    廃 廃             森森森森森森森森           \
   |   /   廃 廃     学 荒     森森森森森森森森森森森         "'i,
______.|  ,/            荒荒       森森森森森森森森森森森森          'i,
   | i;                   森森森森森森森森森森森森森         /
 4 |  'i,    原原原原         森森森森森森森森森森森森森        /'
   |   ""'-, 原原原原原原       森森山森森山森森山森森森      ,/''"
______.|      'i, 原原原原原原原原   森山森山森山森山森山森山     ,/'
   |      ,i'  原原原原原原      山山森山山森山山森山山森    'i,
 5 |     /  家                山山山山山山山山山山       "'i,,
   |     i'  家                山山山山山山山山山山山        \
______.|     ''\,,       ,,-,,         山山山山山高山山山山山         "'ヽ,,
   |       ''i,,    ,/'   ''i,,        山山山山山山山山山山   家        ''-,,
 6 |         ''i  /''     "'i,,         山山山山山山       家家       'i,
   |         "''"        'i,,                                 ,i'
______.|                    'i,                               i'
   |                     'i,     ,/''"''-,,,          岩岩岩岩      'i,
 7 |   船                 'i   i'     "''-,,,,      岩岩岩岩岩岩     'i,
   |                      i;'   /'        ""''-,,,    岩岩岩岩岩岩岩   'i,
______.|                      'i,灯,i            "''-,,    岩岩岩岩岩岩岩  'i,
   |                       "''"              ""'''--,,,     岩岩岩  'i,
 8 |                                            "''''-,._.,         'i,
   |        船                                      ""''--,,     'i,
______.|                                                    "-,,    'i,
   |                                                      "''-,,   'i,
 9 |                             船                          "'-,,〃崖
   |
______.| 
5(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 12:48 ID:BjPUMUvB
絶対のルール

・武器に無理があるものは避けよう。マグナムはありだとしても、ロケランやレーザーはどうかと
・化け物、兵士とかその類は避けよう。いやマジで。基本的に生徒同士の殺し合いがメインで
・ルールは原作どおりでいいんじゃない?あまり色々弄ると収拾つかなくなるかと
・本部からの定期連絡と禁止地域発表はしっかりとやろう
・登場人物…最低限でも自分のに出るAAは、AA辞典見るなりして一応性格やらを掴んでおこう
・リレー形式なので一人で一つのキャラの話を最後まで進展させるというのはできるだけやめよう
・中心的役割のキャラはできるだけ生かそう。
・前に書いた人の文章を端から端までよく読む。
・原作のBRをとにかく知っとくこと。
・前に書いた人の展開がどう気に入らなかろうとスルーは無し。(よっぽどひどい展開だったりしたら別にOKだが・・・
・当たり前のように乱入者は出さない。
・総じて自己中な行動はしてはならない。

6TAKUYA:03/08/12 12:49 ID:pj9W+GO/
4に追加
林=林   森=森   畑=畑   山=山   船=船    崖=崖    岩=岩場
      灯=灯台  廃=廃屋  高=高台.  家=民家  医=医療所 原=原っぱ  学=学校(出発地点)荒=荒地

7(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 12:50 ID:BjPUMUvB
http://maruheso.tripod.co.jp/aadic/
2ちゃんねるAA大辞典
8TAKUYA:03/08/12 12:52 ID:pj9W+GO/
 ―凶悪犯―             ―学校生徒―
|2      |            | 1       |
|      |            |         |
|      |            |         |
 ―――――             ――――――

どっちのストーリーにするか投票中現在凶悪犯側リード
9TAKUYA:03/08/12 12:56 ID:pj9W+GO/
他の人の投票が気になりますね。
どうなるんだ?
10名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 13:00 ID:xeUrPAF1
凶悪犯にイピョウイヨ━━━━(゚ω゚=≡=゚ω゚)━━━━ウ!!?
11名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 13:00 ID:pj9W+GO/
 ―凶悪犯―             ―学校生徒―
|2      |            | 2      |
|      |            |         |
|      |            |         |
 ―――――             ――――――

1ッぴょぅ
12名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 13:00 ID:pj9W+GO/
11は無視してください間違った
13名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 13:02 ID:pj9W+GO/
正しくは
 ―凶悪犯―             ―学校生徒―
|3      |            | 1     |
|      |            |         |
|      |            |         |
 ―――――             ――――――
ですた。凶悪に決定

14膝の爆弾 ◆LLVegDyAFo :03/08/12 13:02 ID:xZQDt+O5
>>TAKUYAさん
雑談スレッド使用しましょうよ。
15TAKUYA:03/08/12 13:03 ID:pj9W+GO/
そうですね。いつの間にかここに書きまくっていた。
16(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 13:03 ID:BjPUMUvB
締め切り過ぎたので凶悪犯でいきますYO
17(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 13:05 ID:BjPUMUvB
20XX年某日―――
都内某所にて。


とある一室の大きい円卓の周りを、6人の男が囲んでいる。
その中の、一人の長髪の男が、全員に捲くし立てる。
「犯罪者が最近急増中だ。何故か分かるか?」
長髪の男はそう言うと、他の5人をぐるりと見回した。
「そりゃー・・・どうだろう。全然分からん。」
大きな丸眼鏡をかけたいかにも『ヲタ』風の男が答える。
「簡単な事だ。みな刑罰を軽く見ているのだ。犯罪をする物は誰もかしこも
『どーせ何年か務所に籠もるだけでいいんだ』とか『弁当がつくだけですむだろ。』
とか甘く見てる輩が多いんだ。分かるか?」
長髪の男がそう言うと、5人の男がうんうん、と頷いた。
そして長髪の男が更に続ける。
「どうすればいいか・・・分かるかな?ロムスカ君。」
長髪の男がそう言うと、『ロムスカ』と呼ばれた男は、少し考えた後にこう答えた。
「やはり・・・刑罰をきつくする・・・?懲役の年数を増やすとか。」
長髪の男は溜め息を漏らすと、また話し始めた。
「違う、違うよロムスカ君。いいか。簡単な事だっての。
見せしめにすればいいんだ。」
「見せしめ?」
ロムスカが不思議そうに首をかしげる。
「そう。ようするに、今刑務所に入れられてる囚人を無差別に選び、
殺し合いをさせるのさ。そしてそれをテレビで生中継させるんだ。」
長髪の男がそう言うと、周りがしん、と静まり返った。
「思ったより効果があると思うんだがなあ。
見せしめになり犯罪者が減る、我らの愉悦にもなる。
一石二鳥じゃないか。なぁ?」
しばしの沈黙。
その沈黙を一人の大きい耳のAAが破った。
「・・・天才的です。ひろゆき様。明日にでも決行しましょうよ!」
『ひろゆき』と呼ばれた男は静かに頷いた。
そして先程よりも一層声を張り上げ、こう捲くし立てた。



「囚人同士での殺し合い、名づけてAAバトルロワイヤル。
面白そうだろう?明日40人程度囚人を連れてきてくれ。
思い立ったらすぐ決行。つー訳で明日だ。明日。分かったな?
以上。解散!」

18TAKUYA:03/08/12 13:09 ID:pj9W+GO/
キタ―――――(゚∀゚)――――!!ありがとうございます。


19TAKUYA:03/08/12 13:23 ID:pj9W+GO/
AAバトルロワイアル----
それは凶悪犯AAにとっては、死刑に等しい言葉だ。
だが、その中には、罪のない者も含まれている。
しかし、明日開催されるこのプログラムは避けようもないことをAAたちは、
知らなかった。
もちろん囚人AAたちには知る由もないが・・・
深夜、あの長髪の男。そうひろゆきがAAたちが眠っている、牢屋の前にたった。
そして、低い声でつぶやく。
「さて、明日がお前達の命日かもしれんな・・・ま、せいぜい楽しませてくれよ。」
ひろゆきは一つため息をつき、その場をあとにした。
夏の鈴虫がリーンリーンと鳴いている。
20TAKUYA:03/08/12 13:27 ID:pj9W+GO/
21TAKUYA:03/08/12 13:47 ID:yuBdxIws
ついでに雑談スレッド2のURLhttp://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1053297731/
22(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 13:57 ID:BjPUMUvB
〜刑務所中央ホール〜(Cの3あたり。学となっているが、刑務所ということで。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/doctor-NH/s2-mapk.htm の5。

刑務所にいる囚人42人が中央ホールに集められた。囚人達がざわめく中、長髪の男が言った。
「えー、囚人諸君、これから、君達にしてもらいたい事がある。」
【囚人番号16番】八頭身は、なにが始まるのかと、早くも怯えている。長髪の男は言った。
「これから君達の中から、最も強い囚人を選び出す。そのために、『AAバトルロワイアル』をしてもらう。
要するに、"殺し合い≠セ。」
一気に囚人達がざわめいた。中には叫ぶ者もいる。
「静かに。静かに。勿論、ただで、とは言わない。最後まで勝ち残った者には、出所を命じる。つまり、ここから出てもいいということだ。
"出所≠ニ言う言葉でざわめきがいくらかおさまった。
「これから係員が君達にバックと、あと首輪をつける。それまで待っておいたまえ。」
しばらくして、20人ほどの男が、バッグと首輪を持ってやってきた。そして、10分ほどで全員に首輪がつけられ、バッグが手渡された。
【囚人番号5番】ギコが、首輪をいじくってみたが、そう簡単には外れそうになかった。
「バッグの中には武器と食料。水が入っている。この催しは4日間。食料は2日分しかないから、他の奴を殺して手に入れることだ。」
女囚の中にはなき始めた者もいた。
「言い忘れていたが、2時間ごとに禁止区域を設定する。禁止区域は6時間ごとに放送するからな。入るとその首輪が爆発するぞ。」
皆恐怖で声も出なかった。
「それでは、囚人番号1番の者から外に出てもらう。ここもいずれ禁止区域になるからな。」
そして係員に半分強制的に囚人番号1番から外に連れ出された。
【囚人番号20番】モナーは、ぶつぶつつぶやいている。
「なんでこうなったモナ・・・?」
長髪の男が叫んだ。
「さっさと逃げねーと殺されちまうぞ〜?」
その言葉に恐怖を覚え、外に出た囚人たちはとっさに遠くへ逃げていった。
もう外は暗くなっていた。その闇の中で6人の目が光った。
23610:03/08/12 14:06 ID:qpJhgwj5
割り込み失礼します。こちらに書いた方がいいと思ったので。
先程雑談スレにて【番号17】びぃをづーに変えると言われていましたが、
上記の名簿に変化がないようなのですけれど・・・
24釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/12 14:23 ID:FHo9nn3W
【囚人番号13番】ッパは、A−1の当りの崖で、腰を落ち着けていた。
ッパは、必死に何故自分がこうなったのかを重い返していた。

それはとんだ出来心だった。
とある某有名スーパーで、僕は窃盗を行った。
そしてあっというまに捕まえられてしまったのだ。
僕には、2年の懲役が科せられた。
そして今年でちょうど2年。もうすぐ出所する予定だったのだ。
それがこんなプログラムに・・・

くそっ。冗談じゃない。
凶悪犯が蠢くこのゲームで俺が生き残れると思ってるのか?
例えば【男子6番】コリンズや【男子15番】激しく忍者。
前者は、荒らし行為、曰く大量無差別虐殺を行ったらしいし、
後者はいわゆる『殺し屋』らしいのだ。
武器に恵まれてるならいいさ。
それなのに・・・

ッパはディパックの近くに放り出されている物体を横目で見た。
その物体とは、 ダーツ(しかも的付き)の奴だ。
『子供のおもちゃセットLダーツセット』なんて書いてやがる。
何が子供のおもちゃセットだぁ?なめてるのか?

ッパははぁ、と溜め息を漏らし、床を見つめた。
無意識のうちに、涙が頬をつたる。


―――僕は何のために生きてたんだろう。

25(・∀・)/:03/08/12 14:41 ID:PzsQogJR
AABR4〜猛獣たちの宴〜
 2ch共和国AAサロン県内、AA刑務所Eブロック。そこに彼らはいた。
【男囚20番】モナーと【男囚21番】モララーだ。彼らはAAサロン
県下一帯を舞台に2人組で暴れまわり、2001年6月5日にタイーホされ
るまでに21人を殺害し(うち8人は女性)、金品2500万円相当
を強奪し、4人をレイープ(1人は中学生)した。
 強盗殺人や婦女暴行などの罪で、2人とも懲役120年を宣告され、
現在に至る。

 その日は、なぜだか作業(家具作り)の終わりが遅かった。
疲れた体をひきずって、【男囚20番】モナーと【男囚21番】モララーはシャワー
室へむかっていた。

  モナー:「ふーーーっ、今日は大変だったモナね。」
  モララー:「ああ。漏れら2人でタンスを2つも作ったんだからな。」
  モナー:「あの『ネオ麦』に命令されるなんて、ついてないモナ。」
  モララー:「まったくだ。」

雑談をしているうちにシャワーを浴びおわり、2人は食堂にむかった。

  モララー:「そういやーさー、お前アレ知ってる。AABR法。」
  モナー:「あー。そういえばラジオでやってたモナねー。囚人同士の殺し合いモナ。」
  モララー:「それがさ、その対象にココが選ばれたらしいんだよ。ぃょぅに聞いたんだがな。」
  モナー:「多分ガセモナ。モナは信じないモナ。」
  モララー:「いやいや。ネオ麦とクックルが話していたのを聞いたらしいぞ。」
  モナー:「絶対ないモナ。どーせ大丈夫もな。」
26(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 14:43 ID:BjPUMUvB
19番ぼるじょあは、B-4の原っぱに身を潜めていた。
「エェー、何でこうなったんだろう・・・ェェ-・・・」
ぼるじょあは、5年前、自分の会社の上司を刺してしまったのだ。上司は死亡。懲役30年の重罪になった。
会社の経営がうまくいかず、当ってきた上司についに我慢が出来なくなり、やってしまったのだ。
「エェー、そんな事考えてもしょうがないね。エェー、武器は何かな?」
バッグの中をゴソゴソやっていると、ずしりと重く、長いものが手に触れた。出してみると、それは、ウージー9ミリサブマシンガンだった。
ぼるじょあが名前を知るはずもなかったが、説明書を見て分かったのだ。
「エェー、弾もちゃんと付いてるね。エェー、当りみたいだね。」
ぼるじょあは、一応便利な武器が手に入ったし、食料も確保しなければならないので、外に出ることにした。
ウージー9ミリサブマシンガンを装備して走り出したぼるじょあを闇が消した。
27(・∀・)/:03/08/12 14:43 ID:PzsQogJR
モナーは信じたくなかった。いくら情報通のぃょぅからの情報でもだ。それはモララーも同じだった。
そうこうしている間に食堂につき、Eブロック専用の最高にマズイ食事をもらうと、食事用の長い
机に座った。
 モナーの後ろには【男囚14番】二ダーがおり、キムチをだせと騒いでいたし、前では【男囚5番】ギコが
ぶつぶつ文句を言いながら食事をしていた。向こうの方では【女囚10番】しぃがギコの方を見ていた。
 いつもと変わらぬ食事風景。しかし、なにかが違っていた。Eブロックのメンバーしかいないのだ。
いつもならAブロックの流石兄弟などがいるはずなのに・・・
--------------Eブロックの香具師等だけが遅れてきた?
モララーはそう思った。しかし、作業の時間は全てのブロックで統一されており、それはありえないはずだ。
そういえば、同じ家具作りの【男囚10番】ジサクジエンも残っていたな・・・
 ふと横を見ると、モナーが机に突っ伏して寝ているではないか。それだけならモララーも気にならなかっただろうが、
モナーだけではない。その場にいる3分の2以上の囚人がているのである。
-------------なぜだ・・・
そう思っているうちに、モララーにも睡魔は襲ってきた。視界がゆがみ、激しい脱力感がある。
-------------寝たらダメだ。・・・。寝たらダメだ。・・・。寝たら・・・・・。
抵抗もむなしく、モララーは眠りにおちた。数分後には、全員が、そうなっていた。
28(・∀・)/:03/08/12 14:46 ID:PzsQogJR
>>25,>>27はつなげておねがいします。
29名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 14:55 ID:qpJhgwj5
「・・・ッは、はぁ、はぁっ・・・」
【男子5番】ギコは、E4の森の中に潜んでいた。今は夜、この暗さが自分を森に溶け込ませてくれる、そう考え、とりあえずここまで走ってきたのだ。
「チッ・・・とんでもねーことになっちまったぜゴルァ・・・」
一人寂しく呟く。緊迫した空気の中、気が狂いそうになるのを必死で押さえた。

ギコは暴力団の一員だった。地域で対抗していた暴力団との発砲事件が起こり、逮捕されたという過去を持つ。
少し前の彼なら、出所に興味は無かっただろう。暴力団に入ったのも、世界に嫌気がさしてのことだったのだから。
しかし、今の彼は。
「しぃ・・・」

刑務所で、しぃに会った。【女囚10番】しぃ。
ちらちらと見かけるだけだったのが、次第に親しくなり、刑務所という限られた空間の中で、生きる意味を見つけさせてくれた女。
・・・しぃは大丈夫だろうか。そんな事を考える。
しかし、今は他人の事を考えている場合ではない。

どこからともなく梟の声がする。落ち着け、大丈夫だ。落ち着け・・・
なんとか精神を落ち着けたギコは、とりあえず自分の武器を確認した。
ディパックを開け、手を突っ込んでみる。食料と水、それに・・・
「これは・・・」
固い手触りの『それ』。月明かりが反射して不気味に輝くそれは、どう見ても・・・銃。
スミスアンドウエソンM59オートである。
銃を手に取り、ギコは少しにやりとした。この感触。
暴力団にいる時、何度か握った事のある物。
・・・大丈夫だ、俺は生き残れる。ギコはそう思った。

「とりあえず、しぃを捜すかゴルァ・・・」
ギコはそう呟き、腰を上げた。
30(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 14:57 ID:BjPUMUvB
>>26>>27
もうBRは始まっているYO
31鵺 ◆fHZBrRW3B6 :03/08/12 14:59 ID:nYAlZEnF
【囚人番号1番】1さんは、南へと走っていた。
南に何があるわけでもない。
ただ、少しでも遠くに行って長く生きたい―。
そう思ったからだ。

彼は、まだ刑務所に入って1ヶ月にもならなかった。
暴行罪。それが彼の罪状だった。
―思えば、僕の一生は 奴らに滅茶苦茶にされてしまったんだな…。
1さんは
1ヶ月ほど前の事だ。
いつものように追ってきた八頭身達。
あまりのしつこさに、1さんはたまたまポケットの中に入っていたカッターナイフで8頭身の一人を刺してしまったのだ。

…あいつらさえいなければ…。
1さんの頭の中にそんな考えが浮かぶ。

…待てよ?
このプログラムに、8頭身も一人参加しているはずだ。

…ここなら誰を殺しても捕まる事は無い。
むしろ、最後まで生き残れば社会に復帰する事も出来る。

「…やるっきゃないな。」
そう言って、1さんは立ち止まりバッグの中を調べた。

…食料と古びたスリッパが一足。
武器のあまりの貧弱さに、1さんは気が遠くなるのを感じた。
32(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 15:01 ID:BjPUMUvB
>>25>>27だったYO
33鵺 ◆fHZBrRW3B6 :03/08/12 15:01 ID:nYAlZEnF
スミマセン、>>31の8行目訂正
×1さんは
○1さんの目から涙がこぼれ落ちる。
34名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 15:01 ID:Ac4CpzXm
原子爆弾投下!全員死亡。
35釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/12 15:41 ID:FHo9nn3W
・・・まぁ、このダーツセットでも優勝、=出所の生き残りが無いとは限らない。
一応刃物な訳で殺傷能力はある訳だし。
・・・でもたぶん銃器などの『当り』系武器にはとてもかなわないだろう。
しかし不意をつけば・・・ダイジョウブかもしれない。
ッパはそんなことを考えていたが、正直殺人などという汚らわしい行為に手を染めたくなかった。

ッパはふと、がけ下を見やった。
水面が月光に照り栄え、ちらちらと輝いてる。
ばしゃん、と大きく水面が揺れたかと思うと、銀鱗を持った魚が飛び出し、また水の中に戻っていった。

とても―――切ないよ。
故郷の親達は僕をどう思っているのかな。
今更なんなんだけど・・・
とんでもない親不孝者でごめんなさい・・・

ッパは心の中で、自分の出所を待っているであろう親に感謝をしていた。
もう・・・会えないかも知れない。
結局ずっと周りの人に迷惑をかけ、
あんな犯罪に手を染めてしまった自分が馬鹿らしくなって来た。
こんな僕に・・・他の人を殺し・・・家に帰る権利が何処にあるだろう。
そもそも今、生きている意味なんかあるだろうか。

―――一つも無い。―――

少しでも外れだの優勝の可能性があるだの不意を付けばだの
そんな事を考えていた自分が恥ずかしくなって来た。
もう誰にも迷惑はかけない。
自分の迷惑をかけてばっかの汚らわしい人生に今ここで決着をつけよう。

彼は、放り出してあるダーツセットの袋から、ダーツをッパと取り出した。
その切っ先を、喉仏の当りに突きつける。
ひんやりと冷たく、奇妙な安心感を与えてくれた。

悔いは・・・無い。

ッパはそのまま切っ先を真っ直ぐ喉に突き刺した。
「うがっ・・・」
ッパは小さく呻くと、どん、と床に倒れこんだ。
生暖かい血が、体を伝る。
ッパは自分を突き刺してしまった事を少し後悔しながら、
『これでいいんだ、これでいいんだ、』と自分に言い聞かせた。
しだいに意識が朦朧とし、視界に白い部分が増えていく。
ふっ、と地面の硬い感触が消え去った。
そしてッパは、崖下にごろごろと転がり落ちていった。

彼は海に消えて逝った。
浮き上がる事はもう無かった。

【残り41人】


・・・勝手に殺しちゃってごめええぇぇぇん!!つい勢いで・・・(つД`)・゚・。

36膝の爆弾 ◆LLVegDyAFo :03/08/12 15:59 ID:GnfWXk4I
モナー(男子20番)はようやく状況を理解した。
「モナは、ここで死ぬことになるモナか・・・?」

モナーはE-4の森まで一目散に走り落ち着いたところで、デイパックをがさがさと漁った。

がさがさと漁った。

がさがさと・・・

がさ

・・・・・・・!


氏ぬこトなるデす


背後から現れた影に、モナーの肩はバックリと切られた。
影に与えられた武器は、ナイフであるようだ。モナーはうっとうめきデイパックを持ち去り、一気に逃げた。
また影は、モナーの肩から無理やりナイフを抜こうとしたのでモナーの肉体の中でナイフの刃が折れてしまったのだ。
しかし、それは両刃ナイフだったので。まだ、刃はある。問題は、ないだろう。

マさ力、そレにシても、いマのモナーの反射ネ申経には感服したデす。
まサかあノ―瞬で狙ってた背骨力ら肩に移すトは、お見ソれでスタ。

でぃ(女子14番)は感服のあまりそこにを動かなかった。

【残り42人】
37(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 16:30 ID:BjPUMUvB
「ふぅ、ふぅぅ、ふぅぅぅ・・・」
H-7あたりの岩陰に身を隠した6,7,8番の固い絆で結ばれたさいたまトリオは、まず自分の武器を確認する事にした。ガサガサと、バッグを探る音がして、それぞれが自分の武器を取り出した。
たいようは特殊警棒、右はラプターマグナム、左は鎖だった。
「警棒・・・」「当りださいたま!」「鎖ださいたま・・・」
そして武器を片手に付属の説明書を読んでいたときだった。近くの岩陰から女学生60人殺害の、通称「殺人鬼」、コリンズが出てきたのだ。3人いれば怖くないはずだが、かなり怯えていた。
それもそのはず、この3人は単なる窃盗でタイーホされたのだ。殺人などというおおそれた事じゃない。そして、そのコリンズの手にはAIMS−20が握られていた。高性能の銃である。
そしてそのAIMS−20の銃口が太陽に向けられた。
「や、やめろぉぉぉぉぉっ!!」
右が叫び、ラプターマグナムを構えた。しかし、コリンズはニヤリと笑った。
ターン!ターン!銃声が二回聞こえ、それと同時に人が倒れる音も2回した。たいようと、ひだりが撃たれたのだ。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっっ!!」
右は夢中になってラプターマグナムを乱射した。
「チッ」
コリンズはたいようと左のバッグを掴むと、一瞬にして闇に消えた。
「くそっ!くそぉっ!」
悔しさで胸がいっぱいだったが、同時に孤独と言う事を覚えた右であった。
「頑張らなくちゃ・・・」
闇は走り出した右の姿を消した。

【残り39人】
一気に2人・・・(;・д・)
38名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 16:55 ID:qpJhgwj5
【女囚8番】ガナーはB3の廃屋で身を縮めていた。
誰も来ません様に、そう祈っていた。

軽い出来心で始めてしまった覚醒剤。
刑務所に放り込まれても、たいしたことはないと思っていたのに。
まさか、こんな殺人ゲームに巻き込まれるとは思ってもみなかった。

「やだ、死にたくない・・・やだよぉ・・・」
彼女の武器は、ベレッタM92F。支給武器の中でいけば、当たりの分野にはいるだろう。
しかし、それを使う度胸が彼女には無かった。
殺すのも嫌だし、殺されるのも嫌。そういう考え方をしている者から死んでいくのだとわかっていても。

キィィ・・・

ガナーはびくっと顔を上げた。誰かが入ってきたのだ。
「だ、誰!?」
ガナーは虫食いのタンスの影に隠れて、声を上げた。
「誰よ?返事しないと撃つわよ!?」
声が震えているのがわかる。『撃つ』というのだって、所詮脅しだ。撃つ度胸などない。
「・・・ふ、ふーん、殺すの?」
少し怯えたような返事が返る。
【男囚18番】フーンだ。物事にあまり関心を持たない、やる気を見せないことで知られている。のんびりしているとも、消極的とも言われている。何故刑務所にいるのか不思議だと、皆言っていた。
ガナーはタンスの影から顔を覗かせた。
「ふーん、ガナーさんか。びっくりしたよ。」
フーンは少しほっとしたようなそぶりを見せた。おそらくいつものように、参加意識が無いのだろう。
ガナーはすっかり安心し、フーンの方によっていった。
「あぁ、フーン君でよかった。もっと凶悪な人だったらどうしようかって・・・」
「ふーん、僕でよかったのかな。」
「コリンズとかよりましよ。だってあなた・・・」

ぐどっ。

ガナーの言葉は続かなかった。
彼女の眼が大きく見開かれる。フーンは表情を変えない。ずるり、とガナーの足の力が抜け、床に滑り落ちる。
フーンはガナーの左胸からアイスピックをずるりと抜き取り、彼女の手からベレッタM92Fを拾い上げた。
「ふーん、いい武器だね。もらっとくよ」
ガナーの死体を前に、フーンは表情を変えない。ガナーのディパックの中身を自分のそれに移し返ると、フーンは踵を返し、血腥い廃屋から出ていった。
「ふーん、僕は行き残るからね。生き残って、シャバの世界に戻って・・・」

・・・僕をこんな所に放り込んでくれた『アイツ』に、復讐するんだからね。

まだ夜は、明けない。

【残り38人】
39(・∀・)/:03/08/12 17:13 ID:xxawvzt4
>>32すいません。書いてる間に進んでしまってました・・・(つД`)シクシク・・・
40雪 ◆.e.0QDoF6o :03/08/12 17:19 ID:gihFm/3L
「あははっ、優勝したら無罪放免ですねっ。」
男囚11番、タカラギコは、C-1の医療施設に居た。
『殺し合い』という言葉を聞いて、少しも緊張しなかったのは
唯一この男だけだ。死へ恐怖感というものが無いのだ。

刑務所を出発して、すぐさま走った。体力が尽きるまで。
結果、医療施設に着いた、というわけだ。

「とりあえずどんな武器なのか見る必要がありますねっ。」
暢気な顔をしてデイバッグを漁ってみた。食料、水、懐中電灯。
その他もろもろの物が出てきた。最後にデイバッグから
出てきた物は、タカラギコへの配布武器。

「・・・・・あははっ。」
黒く光るそれを見て、一瞬「当たりか?」と思ったが、
生憎それは『当たり』の部類に入らない物だった。

うーん、ナイス。政府も良い嫌がらせをしてくれる。
中から出てきた物は、エアガン。何の変哲も無いエアガンだった。

「まあ、何とかなるでしょう。あははっ」

・・・本当に暢気なものだ。

【残り38人】
41(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 17:20 ID:BjPUMUvB
「ニンニン♪」
E-1の林に身を隠した15番忍者は、さすがに疲れていないようだ。しかし恐怖はどっと出てくる。
「激しく恐怖・・・」
忍者はバッグがあるのを思い出した。武器をみてみようという気になったのだ。
忍者の武器はコルト・357マグナムリボルバーであった。
「激しく当り♪」
しかし、古風な日本忍者にとって、外国の武器は使用法を覚えるのに少してこずったが、何とか覚える事が出来た。
「激しく手裏剣の方がイイ!」
ないものをねだってもしょうがない。
忍者は外に出ることにした。行き先はD-7の灯台。高いところならなにか見えると思ったのだ。
忍者は軽快な足取りで灯台へと向かった。
日がもう昇り始めていた。
42(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 17:30 ID:BjPUMUvB
>>40エアガンという武器は入ってませ〜ん
使用武器は、
〜銃〜
いわゆる当りである。
1 ラプターマグナム    右
2 AIMS−20        コリンズ
3 SG−5コマンドー
4 クーロンTYPE40
5 ウォルフラムP2K
6 フリネージAUTO12
7 ドイチェM9K
8 ストームM9-32
9 フリネージAUTO12
10 ミルティク・マーク6MGL
11 スミスアンドウエソンM59オート    ギコ
12 コルト・ハイウェイパトロールマン38口径
13 ウージー9ミリサブマシンガン
14 シグ・ザウエルP230 9ミリショート
15 コルトガバメント45口径
16 ハイスタンダード22口径2連発デリンジャー
17 イングラムM10サブマシンガン
18 ブローニングハイパワー9ミリ
19 ベレッタM92F          ガナー
20 コルト・357マグナムリボルバー  激しく忍者
〜拳銃以外〜
まだコレは使える方である。
21 両刃ナイフ   影(いまだ不明
22 ダイバーズナイフ
23 軍用ナイフ
24 短刀(錆がういている)
25 防弾チョッキ
26 ナタ
27 ボウガン
28 ヌンチャク
29 パチンコ
30 特殊警棒   たいよう(死亡
31 毒薬
32 鎌
33 鎖      左(死亡
34 テグス(釣りの糸
35 5`ハンマー
〜日常用品〜
要するに外れである。あまり使えない。
36 文房具セット
37 文化包丁(錆びている
38 ダーツ(的付き   ッパ(死亡
39 ブーメラン
40 アイスピック   フーン
41 水鉄砲(プラスチック製
42 スリッパ     1さん
だったと思う。
43名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 17:35 ID:oUdVyhJS
>>42
1 ラプターマグナム    右
2 AIMS−20        コリンズ
3 SG−5コマンドー
4 クーロンTYPE40
5 ウォルフラムP2K
6 フリネージAUTO12
7 ドイチェM9K
8 ストームM9-32
9 フリネージAUTO12

これは007ナイトファイアのパクでは?
44名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 17:37 ID:nR4virgd
>>42さん
両刃ナイフの影はでぃ(だと思いますけど・・・あの文章だと)、
ベレッタM92Fはガナーからフーンへ(ガナーは死亡)、
特殊警報と鎖はコリンズへ(多分荷物と一緒に持っていった)
・・・だと思います。
45(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 17:43 ID:BjPUMUvB
>>43いや〜、武器見つけるために検索エンジンでさがしたらコレが出てきて、まぁその007ナイトファイアとは知らんかった・・・
そうだったのか・・・まぁ気にしな〜い
>>44ご忠告有難う。
〜銃〜
いわゆる当りである。
1 ラプターマグナム    右
2 AIMS−20        コリンズ
3 SG−5コマンドー
4 クーロンTYPE40
5 ウォルフラムP2K
6 フリネージAUTO12
7 ドイチェM9K
8 ストームM9-32
9 フリネージAUTO12
10 ミルティク・マーク6MGL
11 スミスアンドウエソンM59オート    ギコ
12 コルト・ハイウェイパトロールマン38口径
13 ウージー9ミリサブマシンガン
14 シグ・ザウエルP230 9ミリショート
15 コルトガバメント45口径
16 ハイスタンダード22口径2連発デリンジャー
17 イングラムM10サブマシンガン
18 ブローニングハイパワー9ミリ
19 ベレッタM92F          フーン(元ガナー所持
20 コルト・357マグナムリボルバー  激しく忍者
〜拳銃以外〜
まだコレは使える方である。
21 両刃ナイフ   影(いまだ不明
22 ダイバーズナイフ
23 軍用ナイフ
24 短刀(錆がういている)
25 防弾チョッキ
26 ナタ
27 ボウガン
28 ヌンチャク
29 パチンコ
30 特殊警棒   たいよう(死亡(元コリンズ
31 毒薬
32 鎌
33 鎖      左(死亡(元コリンズ
34 テグス(釣りの糸
35 5`ハンマー
〜日常用品〜
要するに外れである。あまり使えない。
36 文房具セット
37 文化包丁(錆びている
38 ダーツ(的付き   ッパ(死亡
39 ブーメラン
40 アイスピック   元フーン
41 水鉄砲(プラスチック製
42 スリッパ     1さん
あと、死亡者と生存者のリストも作ってみよう
46(・∀・)/:03/08/12 17:46 ID:0vXErK0f
 ゲームが始まって30分。【男囚15番】激しく忍者はE-3の森の中にいた。
彼は「殺し屋」というやつで、もうすでに180人は殺している。それゆえ、
戦闘テクニックもそれなりに備えていた。
 「ちっ・・・・・・。激しくついてないぜ・・・・」
しかし、いくら彼が強くとも、支給された武器が卓球のラケットではどうにもならない。
 「隠れて襲撃の機会を狙うか・・・・」
彼は、とりあえず待つことにした。
47(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 17:46 ID:BjPUMUvB
 【男子1番】1さん                【女子1番】あいぼん
 【男子2番】イマノウチ               【女子2番】あめねこ
 【男子3番】ぃょぅ                 【女子3番】ぁゃなみレイ
 【男子4番】おにぎり                【女子4番】あらやだ
 【男子5番】ギコ                 【女子5番】ありす
 【男子6番】コリンズ               【女子6番】ぃゃん
×【男子7番】さいたま太陽大佐            【女子7番】えー
×【男子8番】さいたま左             ×【女子8番】ガナー
 【男子9番】さいたま右              【女子9番】花瓶
 【男子10番】ジサクジエン             【女子10番】しぃ
 【男子11番】タカラギコ               【女子11番】じぃ
 【男子12番】ダマレコゾウ             【女子12番】ちびしぃ
×【男子13番】ッパ                  【女子13番】つー
 【男子14番】ニダー                【女子14番】でぃ
 【男子15番】激しく忍者               【女子15番】のー
 【男子16番】8頭身                【女子16番】フサしぃ
 【男子17番】ヒッキー                【女子17番】びぃ
 【男子18番】フーン                【女子18番】モナカ
 【男子19番】ぼるじょあ               【女子19番】モネー
 【男子20番】モナー                【女子20番】ルルカ
 【男子21番】モララー               【女子21番】レモナ
              【残り38名】
48名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 17:47 ID:nR4virgd
早いかもだけどリスト

【男子1番】1さん 暴行罪(カッターで8頭身を刺した) スリッパ
【女子1番】あいぼん
【男子2番】イマノウチ             
【女子2番】あめねこ
【男子3番】ぃょぅ               
【女子3番】ぁゃなみレイ
【男子4番】おにぎり              
【女子4番】あらやだ
【男子5番】ギコ E4 スミスアンドウェスンM59オート 暴力団で発砲事件 しぃ捜索 
【女子5番】ありす
【男子6番】コリンズ 荒らし行為、大量無差別虐殺(女学生60人) AIMS-20、特殊警報、鎖 太陽と左の持ち物もって逃げる H7
【女子6番】ぃゃん
×【男子7番】さいたま太陽大佐  窃盗 特殊警報 H7で死
【女子7番】えー
×【男子8番】さいたま左 窃盗 鎖 H7で死
×【女子8番】ガナー 覚醒剤乱用罪 B3にて死 ベレッタM97F 荷物はフーンが持ち去る
【男子9番】さいたま右 窃盗 ラプターマグナム
【女子9番】花瓶
【男子10番】ジサクジエン            
【女子10番】しぃ
【男子11番】タカラギコ C1医療施設 エアガン
【女子11番】じぃ
【男子12番】ダマレコゾウ            
【女子12番】ちびしぃ
×【男子13番】ッパ A1 窃盗懲役二年 ダーツ(しかも的付き)『子供のおもちゃセットLダーツセット』
【女子13番】つー
【男子14番】ニダー               
【女子14番】でぃ E4 両刃ナイフ
【男子15番】激しく忍者 いわゆる『殺し屋』 E1林 コルト・357マグナムリボルバー D7灯台へ           
【女子15番】のー
【男子16番】8頭身               
【女子16番】フサしぃ
【男子17番】ヒッキー               
【女子17番】づー
【男子18番】フーン B3廃屋 アイスピック、ベレッタM92F 免罪
【女子18番】モナカ
【男子19番】ぼるじょあ ウージー9ミリサブマシンガン B4 上司を刺し殺した
【女子19番】モネー
【男子20番】モナー モララーと強盗殺人や婦女暴行 E4から逃げる 肩パックリ切られ負傷
【女子20番】ルルカ
【男子21番】モララー モナーと強盗殺人や婦女暴行
【女子21番】レモナ
49名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 17:48 ID:nR4virgd
>>41>>46
+激しく矛盾+
50(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 17:49 ID:BjPUMUvB
>>46
忍者の話はすでに私が書いていますが何か?
51(・∀・)/:03/08/12 17:54 ID:1PQEsynp
>>50
ごめんなさい!!知りませんでした!!
スルーしてください。
52名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 18:01 ID:nR4virgd
【男囚21番】モララーは一人、B2の林を歩いていた。
もう夜が明けている。いつもなら呑気に「いい天気だね」なんて言っていられるのだが。

ディパックから出てきた武器は『毒薬』。使い用によっては強力だが、直接戦う時には使えそうにない。
「これは、頭脳戦だね・・・」
さすが政府、面白い物を支給してくれる。強盗殺人や婦女暴行で投獄されたモララーに、良心は残っていないかの様に見えた。
その眼に輝くのは、殺人に快感を憶える光で。
「ひさしぶりに、蘇ったよ・・・」
適当な相手に毒を盛って、武器を頂く所から始めようか。
そういえば・・・

「モナーの奴、まったく・・・」
モララーは呟いた。
「一人で行くなよ・・・」
一緒にワルを働き、一緒に投獄された相棒の事が、彼の頭に浮かんだ。

【残り38人】
>>25さんの内容を受けてみました
53名無し:03/08/12 18:01 ID:+8kZcPvP
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  |_/_ヽ_|/|_/_ヽ_,|/.U U         お前も逝っちまったか、

54名無し:03/08/12 18:01 ID:+8kZcPvP
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55(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 18:09 ID:BjPUMUvB
  激しく落ち          
      ∠ ̄\∩
        |/゚U゚|丿
      〜(`二⊃
       ( ヽ/
        ノ>ノ
       UU
流されないように常時ageで話を繋ぐんだぞ!
56名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 18:14 ID:nR4virgd
マジ、落ちてた?
でも今見た所サロン板の一番上に来てますよ
57(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/12 18:19 ID:BjPUMUvB
俺が落ちるんだYO            
      ∠ ̄\∩
        |/゚U゚|丿
      〜(`二⊃
       ( ヽ/
        ノ>ノ
       UU
流されないように常時ageで話を繋ぐんだぞ!
58名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 18:20 ID:nR4virgd
勘違いしたようでスマソ(汗
2分ほど逝ってきまつ…
59釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/12 18:55 ID:FHo9nn3W
【囚人番号14番】ニダー。
3年前に彼は刑務所へと収容され、檻の中で暮らしてきた。
そんな彼が犯した犯罪とは『公務執行妨害』。
とある韓国料理レストランでキムチを馬鹿にした警官に食って掛かり、お縄になった。
彼には6年の懲役が科せられた。
そして、刑務所で3年の月日が流れ、今に至るわけである―――


「くそっ・・・酷い事になっちゃったニダ・・・」
【囚人番号14番】ニダーは今C2の民家にて腰を落ち着けている。
彼は、刑務所から出発してから全速力で走り、ここに辿り着いたのだ。
ニダーは自分の支給武器であるコルトガバメント45口径を見やりながら、後悔していた。
そう。キムチを馬鹿にした警官に食って掛かった事をだ。
あんな事が無ければウリはこんな事をしないですんだのに・・・
二ダーははぁ、と溜め息を漏らした。
「これからどうするニカ・・・?」
ニダーは無理に殺しあう気は無かった。
チョパーリが行った大量虐殺のような残虐な行為は、どんな状況でもしないように心に誓っているのだ。
二ダーは祖国の誇りというものをいつも意識して行動しているのだ。
彼の愛国心は他の者の非ではない。
しかし、過剰な愛国心により、捕まってしまったわけだが・・・

二ダーはこれからどうしようか考え、悩んでいた。
もし最後まで生き残る気があるのなら、やはり進んで人を殺さなくてはならない。
それは避けて通れない道である。
しかし、祖国の誇りにかけて、それは絶対にやりたくなかった。
彼が思っている事はたった一つ。

―――脱出―――

人里離れた孤島からの脱出というのはあまりにも無謀な物で、彼自身にも分かっていた。
しかも海には見張りの兵隊もいるらしいのだ。アイゴー。
脱出の方法など思いつかない。
少なくとも彼自身の頭脳では考え付かない。
二ダーは一つの案を思いついた。

仲間を集めよう。

仲間さえいれば何かが出来る。
囚人の中には何かの道のプロフェッショナルもいるわけだ。
頼りになる仲間さえいれば―――脱出も可能である。

二ダーは自分から動かなければ何も起らない事を分かっていた。
先程からずっと座っていたベッドからゆっくり立ち上がった。
何事も行動。待っているだけで何かが起こることはありえないニダ。
とりあえず仲が良い囚人、ギコら辺から探すとしよう。(全AA人気トーナメントで仲が良くなった。
「ウリナラの意地を見せてやるニダ!」
そう叫ぶと、彼は闇夜の中へと消えていった―――

60(・∀・)/:03/08/12 19:06 ID:n8b6HBIa
【男囚2番】イマノウチはC-2の家の1つに隠れていた。どこか近くで銃声が
聞こえたし、イマノウチ自身、支給された武器は文房具セットであったし、
誰もいないうちに隠れた方が得策だと考えたからだ。
 「マダダレモイナイ・・・。ブキヲサガスナライマノウチ。」
それに、誰かの家なら包丁くらいはあると考えたからでもある。こう見えて
イマノウチは2ch国中を震撼させた殺人鬼で、女性や子供を背後から刺殺するという
手口で8人殺している。どうしても使い慣れた包丁がほしかったのだ。
 台所・・・無い。ここの住人が持っていったようだ。イマノウチは、次に物置を探した・・・
ここにも無い。居間・・・、座敷・・・。1階はさがし尽くした。
階段を上がり、再び物色を始める・・・。しかし、何も無い。
 「チクショウ、ケチンボメ。ホウチョウクライオイテイケ。」
イマノウチは焦り始めた。2階の小部屋は4部屋あるが、そのうち3部屋は探しつくした。
残っているのは、1番小さな部屋を物色し始めた。すると、モデルガンやらエアガンやら、
"武器の形"をしたものがごろごろ出てきた。
―――――――――――――モシヤ。
そう思い、さらに気合をいれて探してみると・・・・・・。
 「・・・アッタ。アッタゾ!!」
イマノウチのカンは当たった。ナイフだ。それもかなり大きい。
丈夫そうなブレード部。30pはありそうな刃渡り・・・・
―――――――――――――ヤッタゾ。
グリップを握ると、安心感と伴って、興奮がイマノウチを包み込んだ。
 「コノヘヤノヌシハ、ブキマニアダッタノカモナ。」
そう一言いうと、イマノウチはその家をあとにして、獲物を探しに向かった。
彼の目はぎらぎらと光っていた。それは、狂人の目だった。
61(・∀・)/:03/08/12 19:09 ID:n8b6HBIa
>>60忘れてました。
【残り38人】
62釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/12 19:10 ID:FHo9nn3W
>>59忘れてました。(汗
【残り38人】
63 ( ・∀・)さん:03/08/12 23:30 ID:eAF2qapR
【男囚16番】8頭身は3-Bの廃屋の一角にいた。
「ハァハァ、1さんどこかなぁ・・・・」8頭身はいつものように言っていた。
彼が犯した罪とは「ストーカー」であった。
あまりのしつこさから1さんに訴えられたのである。(1さんに刺された8頭身とは別)
彼の刑期はそれほど長くなく、入っては出、入っては出を繰り返しているのが日常であった。
「どうしてこんなことになっちゃったんだろう」8頭身は大きく溜息をつく。

「そういえばバッグの中身はっと・・・」彼は思いだしたようにディパックを開けはじめた。
中からは2日分の食料、それと弓のようなモノが出てくる。
「これは・・・・?」8頭身は説明書を読み驚きを隠せなかった。「ボウガン・・・・」
8頭身は一瞬恐怖を感じた。なにせ彼の罪は悪魔で1さんを追ったことだけ。
武器など使ったこともない。「なんでこんなモノ・・・・」
この武器は全ての武器の中では悪い方ではない。しかし、彼はこんなモノ欲しくはなかった。

「僕が欲しいのは1さんの愛だけだ!」彼はそう言うと徐に立ち上がり、廃屋を出ていった。
「待ってて1さん!今合いに行くよ!」彼は全速力で夜の野原へ駆けていった・・・

【残り38人】

64ω゚ぃょぅ:03/08/13 00:21 ID:nlSaJLGR
――――自分は、犯罪は犯していない。濡れ衣だった。
母も、父も、自分の目の前で死んでいった。・・・虐殺されて。
……しかし、証拠は何一つ残っていなかった。
警察は、誰かを犯人にしないと、警察の評判が落ちるとでも思ったんだろう。
あの時、部屋に居たのは、確かに自分と親、だけだった。
犯人にするのに、一番適当だったんだろう。

「・・・なんで、こんな目に合わないといけないんだょぅ・・・」

【男子三番】ぃょぅは震えていた。
恐い。寂しい。でも誰も側に居てくれない。
味方なんて一人も居ない。自分は何一つ悪いことなんてしていないのに。
どうしても涙は出てくる。声を殺して泣こうと思っても、声は漏れてくる。
思いっきり泣くこともままならない此処で、耐えようと思っても辛すぎた。

【残り38人】
65名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/13 01:50 ID:rmRg7WKp
ゲーム開始から20分後、Cの4の原っぱ───

「問題はどうやって脱出するかだ、小僧」
「ソレガワカッタラクロウシナイ!」

【男子17番】ヒッキーは、10分ほど前から目の前の二人の会話を盗み聞いていた。
(アノ ドクトクノ シャベリカタハ・・・ ジサクジント ダマレコゾウ ダトオモウ・・・ デモ アレハ ワナカモシレナイ・・・ デテイッタラ コロサレルカモシレナイ・・・)
二人が何を話しているかは分かっている。
自分の武器が拳銃(ベレッタだが、彼にそんな知識は無い)であることも、ついさっき確かめた。
それでも出て行くのが怖い。殺されるかもしれない。(コレハ コロシアイダ・・・)
しかし、人を殺したくない。(ドウセ ボクハ ショウキョクテキナ ヒキコモリナンダ・・・)

「本部に特攻するか?小僧」
「イノチステル、イクナイ!」

──コノ二人ヲ殺セバ武器ヲ奪エル──
とっさに首を振る。
(イヤダ ソレダケハ イヤダ)
数年前のことが思い出される。
───過剰防衛。
自分の家に侵入した強盗を、包丁で殺害した。
あの時、強盗は近所の女の子の首にナイフを突きつけていた。
まだ5歳だった。どうしても助けたかった。──そして、許せなかった。
近くにあった包丁で強盗に切りつけようとして、もみ合いになり、・・・・・
結果的に女の子は助かったが、自分は強盗をめったざしにしていた。
(ボクハ サツジンシャダ・・・)
少し力が抜け、銃をとり落とした。

「そこにいるのは誰だ、小僧!」

【残り38人】
66鵺 ◆fHZBrRW3B6 :03/08/13 10:29 ID:aveCgM0/
E-5の山の中で【男囚1番】1さんは考えていた。
自分が持っているのは食料とスリッパだけ。
食料はともかく、スリッパで人を殺すなんて出来るはずは無い。
ましてや、1さんが一番殺したいと思っている八頭身は大柄だ。
ゴキブリじゃあるまいし、とてもスリッパで叩いたくらいじゃ死なないだろう。

スリッパに隠された効果は無いのか―。
そう思い、スリッパを調べようとしたその時だった。
後ろでガサガサと木の葉の揺れる音がした。

1さんは振り向いて震える声で言った。
「お…お前は誰だ!!」
「サ…サムイ…」
―立っていたのは5`ハンマーを右手に持った【女囚5番】ありすだった。

1さんは考える。こっちはスリッパで、あっちはハンマー。
普通に戦って勝てるわけが無い。
僕の人生もここで終わりなのか…。
覚悟を決めた1さんは、ありすにスリッパを見せ、震えながら言った。
「僕の武器はこれだけだ…。殺るなら殺れ…!」
しかしありすは、首をかすかに横に振った。
それが「殺す気は無い」という意味の動作だと言う事に気づくと、1さんはありすにこう言った。
「しばらく、一緒に行動しないかい?」
ありすは、しばらく考えたあと、首を縦に振った。
「じゃあ、行こうか。」
ありすは、1さんと二人で、山を降りていった。

―このゲームで人を信じてはいけない…。
67鵺 ◆fHZBrRW3B6 :03/08/13 10:30 ID:aveCgM0/
忘れてた。

【残り38人】
68釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/13 13:10 ID:4xq8lmnz
【女子20番】ルルカは焦燥していた。
何でこんな事になってしまったのだろう・・・と。

彼女が犯した罪はズバリ『殺人』であり、
自分にしつこく迫ってくる男を刺し殺してしまったのだ。
その時は迫ってくる男が悪い、自分は何も悪くないと思っていた。

今となっては何で自分があんな事をしてしまったのだろう、と悔やまれる。
家に帰りたい・・・
また平和な暮らしをしたい・・・
そうだ。・・・武器・・・
ルルカは自分のディパックを開けた。
あのひろゆきとか言う男の言うとおり2日分の食料、飲料が入っている。
そしてそれに入り混じって入っているこの物体は・・・
その物体を手にとり、ディパックから出すと、月光にキラリと怪しく滑り輝いた。
ルルカはそれが何か分かった。鎌だ。
この鎌はたぶん支給武器の中では当りの部類に入るであろう。
何はともあれラッキーだ・・・これさえあれば優勝も可能かも・・・
「私が優勝するのよ・・・フフフ・・・」


「悪いな。」
「へ?」


ドンという一発の銃声。
静まり返った闇夜の中では一層際立つ。
そして、その銃声と同時に、ルルカの後頭部がはじけた。
ルルカはドッ、と床に突っ伏した。
今は亡きルルカの後ろで銃を構えている男は【囚人番号18番】フーンだった。

フーンは顔色一つ変えずに、ルルカの手から鎌をもぎ取った。
そして、一度ルルカを見やると、また夜の闇に消え去った―――

【残り37人】 
69名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/13 14:10 ID:ZMYu5Kfy
【女子13番】つー
は万引きの罪でここにいた。
「アヒャー・・コンナコトニナルナンテナー」
つーはやんちゃだが、人殺しはしたくないのだ。
なるべく他人を傷つけないように行動するよう、茂みの中
を移動しはじめた。
「ノー、ヅー、マッテロヨ・・・オレガイクマエニ・・・シヌナヨ」
70名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/13 14:33 ID:rmRg7WKp
機を焦った、と言うべきなのだろうか。

俺は、開発したばかりの新薬を動物実験もせずに市販した。
危険なのは分かっていたが、実験には時間がかかる。
その間に、ライバル社が、盗んだ資料を使っていち早く薬を製造してしまう。
俺の長年の研究は俺のものだ。誰にも渡さない。
ライバル会社よりも2ヶ月早い発売───新薬は老若男女を問わず大量に売れた。
数週間で莫大な利益があがり、俺はなるべくして大富豪になった。

「そして、俺は業務上過失致死罪でお縄になったんだ。小僧」

ダマレコゾウはヒッキーとジサクジエンに、自分の過去を淡々と語っていた。

「キミガ アノ 『ライセン中毒事件』ノ 犯人 ナノ?」

ヌンチャクで思い切り叩かれた右手をさすりながら、ヒッキーが訊いた。
ダマレコゾウは黙ってうなずく。

「俺は出所してあの事件の罪を償いたかったが、こんなゲームに参加させられたんじゃそれももう無理だ。小僧」
「俺にできることは2つ。このゲームで悲惨な死に方をするか、この残虐なゲームを潰すかだ。小僧」
「ハナシナガイ! イクナイ!」
ジサクジエンが水鉄砲(かなり高性能な物ようだ)を持ちながら話に割り込む。
ちなみに、彼は多数の掲示板を荒らした『営業妨害』90件で捕まったそうだ。
「とにかく、俺は務所に特攻するつもりだ。小僧。そうすれば両方の結果が望める」
「ヌンチャク 1ツデ トッコウ デスカ・・・」
「黙れ小僧!俺は仲間を集めて務所を攻撃する!もう決めたんd」

瞬間、3人の間を縫うように、地面に銃弾が撃ちこまれた。
【女子3番】ぁゃなみレイ・・・・30件を越す通り魔事件の犯人である。
巨大なマシンガン(本人以外はウージーであることを知らない)を手にしている。

刹那────────
メキリッ!
鈍い音をさせて、黙れ小僧のヌンチャクがぁゃなみの顔にめり込んだ。
ウージーを落とし、ぁゃなみは倒れた。
鼻が潰れ、眉間がめり込んでいる。誰がどう見ても致命傷であった。

【残り36人】
71+激しく修正スマソ+:03/08/13 15:08 ID:rmRg7WKp
機を焦った、と言うべきなのだろうか。

俺は、開発したばかりの新薬を動物実験もせずに市販した。
危険なのは分かっていたが、実験には時間がかかる。
その間に、ライバル社が、盗んだ資料を使っていち早く薬を製造してしまう。
俺の長年の研究は俺のものだ。誰にも渡さない。
ライバル会社よりも2ヶ月早い発売───新薬は老若男女を問わず大量に売れた。
数週間で莫大な利益があがり、俺はなるべくして大富豪になった。

「だが、あの薬には中毒性があったらしい。長い間使い続けたやつは身体に大量の毒素がたまって死んだ。」
「そして、俺は業務上過失致死罪でお縄になったんだ。小僧」

ダマレコゾウはヒッキーとジサクジエンに、自分の過去を淡々と語っていた。

「キミガ アノ 『ライセン中毒事件』ノ 犯人 ナノ?」
ヌンチャクで思い切り叩かれた右手をさすりながら、ヒッキーが訊いた。
ダマレコゾウは黙ってうなずく。

「俺は出所してあの事件の罪を償いたかったが、こんなゲームに参加させられたんじゃそれももう無理だ。小僧」
「俺にできることは2つ。このゲームで悲惨な死に方をするか、この残虐なゲームを潰すかだ。小僧」
「ハナシナガイ! イクナイ!」
ジサクジエンが水鉄砲(かなり高性能な物ようだ)を持ちながら話に割り込む。
ちなみに、彼は多数の掲示板を荒らした『営業妨害』90件で捕まったそうだ。
「とにかく、俺は務所に特攻するつもりだ。小僧。そうすれば両方の結果が望める」
「ヌンチャク 1ツデ トッコウ デスカ・・・」
「黙れ小僧!俺は仲間を集めて務所を攻撃する!もう決めたんd」

瞬間、3人の間を縫うように、地面に銃弾がたて続けに撃ちこまれた。
3人はすぐに後ずさり、銃を撃った人物がいるであろう方向に視線を向けた。
【女子3番】ぁゃなみレイ・・・・30件を越す通り魔事件の犯人である。
すでに28人も猟奇的な方法で虐殺していた凶悪犯だ。
巨大なマシンガン(本人以外はウージーであることを知らない)を手にしている。
恐ろしいことに、最初の攻撃が失敗したのにも関わらず、笑っている。
どうやら精神的ダメージを与えながらネチネチと殺すつもりらしい。
銃口がゆっくりとヒッキー(の脚)に向けられ、ぁゃなみが引き金に指をかける。
(コンドコソ オシマイダ)

刹那────────
メキリッ!
鈍い音をさせて、黙れ小僧のヌンチャクがぁゃなみの顔にめり込んだ。
ウージーを落とし、ぁゃなみは後ろに倒れた。
鼻が潰れ、眉間がめり込んでいる。誰がどう見ても致命傷であった。

【残り36人】
72TAKUYA:03/08/14 08:43 ID:No0BG35m
さいたま右は太陽と左が死んだ事にこと切れ、憎しみをいだいていた。
「くそ・・・どうしてこんな事になるんだ・・・」
さいたま右はただ、つぶやいている。
なんとかならないか・・・なんて、思っていても、始まらない。
さいたま右は脱出を考えようと思ったが、いつもさいたまさいたましてる。
自分にはそんなことはできない。
とりあえず仲間を探そう。そう思った右は、
「左、太陽君達の分もがんばるよ。」



とりあえず自分はさいたまを中心に使いたいと思います。
73TAKUYA:03/08/14 09:11 ID:No0BG35m
とりあえず武器はラプターマグナム。
そう当たりなのだ。しかしさいたま右には戦おうという気もしないし、ましてやこのゲームに乗るつもりもなかった。
自分が、窃盗をしたのは悪い事である。
だからと言って、こんなことをさせる、ひろゆきが憎い。
左と太陽の命を奪ったコリンズが憎い。
だが、そんなことをつぶやいても無駄。
殺し合いは、恥に始まっている。そう彼の頭にはすでに、殺し合いの文字しかうかんでいなかったのだ。
「いやいや、考え直せ、僕。殺し合いは絶対にいけないことなんだ・・・だから・・・」

・・・ガサゴソ

────────誰だ!?

そういって現れたのは、
女子2番あめねこだった。
彼女が犯した罪は数々の強盗である。人を殺し、さらには宝石を奪い、贅沢三昧な暮らしをしていたが、
ついには指名手配されつかまってしまったのだ。

右は
「ねえ、君はこのゲームに乗る気?乗んないなら、僕と一緒に行動しないかい?」

だが、そんな右の言葉にあめネコは・・・

−−−殺す!−−−

そう言って、ダイバーズナイフを突きつけてきた。
右は軽く交わし、
「ごめんね。」
と、一言言うと、ラプターマグナムをあめネコに打ち込んだ。
あめねこはどさっと倒れ、手からはナイフも落ちた。

右はすぐにあめネコのデイパックとナイフを取り、走り出す。

「やばい・・・殺してしまッた。でも仕方ないなんとか仲間を探さないと・・・」

恥に時計の針は22:00時を指していた。

残り35人






74TAKUYA:03/08/14 09:35 ID:No0BG35m
雑談スレを見るとこっちのsage進行だった。
すみませぬ。自分のせいだ・・・
75TAKUYA:03/08/14 09:40 ID:No0BG35m
【男子1番】1さん                【女子1番】あいぼん
 【男子2番】イマノウチ               【女子2番】あめねこ
 【男子3番】ぃょぅ                 【女子3番】ぁゃなみレイ
 【男子4番】おにぎり                【女子4番】あらやだ
 【男子5番】ギコ                 【女子5番】ありす
 【男子6番】コリンズ               【女子6番】ぃゃん
×【男子7番】さいたま太陽大佐            【女子7番】えー
×【男子8番】さいたま左             ×【女子8番】ガナー
 【男子9番】さいたま右              【女子9番】花瓶
 【男子10番】ジサクジエン             【女子10番】しぃ
 【男子11番】タカラギコ               【女子11番】じぃ
 【男子12番】ダマレコゾウ             【女子12番】ちびしぃ
×【男子13番】ッパ                  【女子13番】つー
 【男子14番】ニダー                【女子14番】でぃ
 【男子15番】激しく忍者               【女子15番】のー
 【男子16番】8頭身                【女子16番】フサしぃ
 【男子17番】ヒッキー                【女子17番】びぃ
 【男子18番】フーン                【女子18番】モナカ
 【男子19番】ぼるじょあ               【女子19番】モネー
 【男子20番】モナー                ×【女子20番】ルルカ
 【男子21番】モララー               【女子21番】レモナ
              【残り37名】
か?
ただしい人数キボンヌ
76TAKUYA:03/08/14 09:43 ID:No0BG35m
訂正・ちなみにさいたま右がいるのはH−3です。
77TAKUYA:03/08/14 10:18 ID:No0BG35m
自分の書いた73を少し訂正。

さいたま右はH-3ルートに潜んでいる。彼は恐怖のあまりここに逃げ込んできたのだ。
「ハァハァ・・・・そうだ!もう一度武器を確認しよう。」
とりあえずさいたま右の武器はラプターマグナム。
そう当たりなのだ。しかしさいたま右には戦おうという気もないし、ましてやこのゲームに乗るつもりもなかった。
自分が、窃盗をしたのは悪い事である。
だからと言って、こんなことをさせる、ひろゆきが憎い。
左と太陽の命を奪った−−−コリンズが憎い。
だが、そんなことをつぶやいても無駄。
殺し合いは、恥に始まっている。そう彼の頭にはすでに、殺し合いの文字しかうかんでいなかったのだ。
「いやいや、考え直せ、僕。殺し合いは絶対にいけないことなんだ・・・だから・・・」

・・・ガサゴソ

すぐそばの草むらから音がする。誰かが潜んでいるのか?

さいたま右は怪しそうに

────────誰だ!?

そういって現れたのは、女子2番あめねこである。
彼女が犯した罪は数々の強盗である。人を殺し、さらには宝石を奪い、贅沢三昧な暮らしをしていたが、
ついには指名手配されつかまってしまったのだ。

右は
「ねえ、君はこのゲームに乗る気?乗んないなら、僕と一緒に行動しないかい?」

しかし、そんな右の言葉にあめネコは動じなかった。

−−−殺す!−−−

そう言って、ダイバーズナイフを突きつけてきた。
右は軽く交わし、
「ごめんね。」
と、一言言うと、ラプターマグナムをあめネコに打ち込んだ。
銃弾はあめネコの右胸に命中。
あめねこはどさっと倒れ、手からはナイフも落ちた。

右はすぐにあめネコのデイパックとナイフを取り、走り出す。

「やばい・・・殺してしまった。でも仕方ないんだ・・・なんとかして、仲間を探さないと・・・」

恥に時計の針は22:00時を指していた。

残り35人




78釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/14 10:21 ID:X0BDljUl
【囚人番号19番】モネーはB-3の廃墟で、冷静に今の状況を思い返していた。
殺し合いに放り込まれた・・・他の囚人をみな殺さなくては生き残れない・・・Ok。その点は十分認識したわ。
だけど問題はこの武器ね・・・
モネーは、チラリと自分の体を見た。
紺色のゴワゴワしたベスト―――
説明書にはこう書いてある。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Fortress Pacific Corp社の防弾ベスト(ボディアーマー)で、
アンダーガーメント(衣類の下に着用するタイプ)です。
Fortress Pacific Corp社は台湾で最大手のボディアーマーの製作会社で、
デュポン社・DNS社・アライドシグナル社・アクゾノーベル社等のファイバーを製品化し、
世界中に幅広くの商品を輸出しております。
台湾警察、及び軍にも正式採用されている本物です。
危険な地域へ海外勤務・出張等される商社マン等へオススメ!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・・・ようするに高性能の防弾・防刃チョッキというわけだ。
モネーはチョッキをコンコン、と軽くつついた。
・・・まぁ、当りと言えば当りなわけね。
・・・問題はどうやって他の奴を殺すか・・・だわ。
モネーは必死に思考をめぐらせた。
上文でも分かるように彼女はすでにこのゲームに乗る事を完全に決めていた。
ただ生き残りたいとか・・・そういうわけでは無いのだ。

彼女が投獄された理由は『殺人未遂』及び『銃刀法違反』である。
ある男を刺し殺そうとした所で、その男に逆に組み伏せられ、お縄になったというわけである。
それには深い訳があるのだ。

彼女はその男に深い恨みを持っているのだ。

あれはいつだったっけ。あの男を追い詰めた日の2,3年前。
彼女は親を置いて一人で実家に帰っていた。
彼女は何も知らずに実家から帰り、自分の家に向かう途中・・・
家の中から見知らぬ男が出て行ったのを彼女は目撃した。
巨大なバッグと、血が滴るナイフを手に持っていた。
最初の頃は何故血のナイフを握っているのか、あんなにでかいバッグを持っているのか分からなかった。
そして彼女は何も知らずに家のドアを開けたのだ。
その奥にあったのは筆舌に尽くしがたいほどの凄惨な光景だった。―――
79釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/14 10:36 ID:X0BDljUl


それはまさに地獄絵図と言っても過言では無いだろう。


荒らされている家の中――血の色の絨毯――
その血の色の絨毯の中心には、彼女の親が二人横たわっていた。
体中に刺し傷があり、血を吹いている。
どうやらめった刺しにされたようだ。
彼女は我慢出来ずに悲鳴を上げた。
このあまりにも突然な出来事は、彼女には耐える事が出来なかった。
何故こうなっているのだろう?誰がやったのだろう?
そんな彼女に思い出されたのは、先程自分の家から出て行った男の事である。
血が滴るナイフ――巨大なバッグ――
それで彼女はハッ、と気が付いた。

あの男がやったのだ。強盗殺人だ。

それを確かめるかのように彼女は死体の手を触った。
まだ体温が少し残っているし死後硬直も始っていない。
ようするに死んだのは最近という事になる。
部屋の状況とあの男の風貌と死体の状況から見て、やったのはあいつだ。間違いが無い。
そう思った彼女は、心に誓った。


絶対に復讐してやる。


と。

そして彼女は自分の脳内で必死に男の顔を思い出し、それを手がかりに男を探す旅に出かけた。
そして2年後――奴を見つけたわけだが・・・結局捕まってしまった。


あいつを殺さなければ私は死ねない。あいつが自分の罪の重さを実感し、死ぬまで私は死ねない。
だから――こんな糞ゲームなんかで死ぬわけにはいかない。

彼女は、自分の全てを奪った奴に復讐するために、このゲームに乗る事を決めたのだ。
はたしてその思いは報われるのだろうか。


東の空から朝日が登りかけていた―――
80名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/14 11:47 ID:D/d9LXCl
いつの時代、どこの国でも、放火ほど重い罪は無い。
連続放火魔として多数の地方を恐怖に陥れた【女子9番】花瓶にとって、
このゲームは出所できる最後のチャンスであった。
というのも、彼女に科せられた懲役は42名中最も長い2490年。
はれて出所する遥か前に、自分も国も滅びさる。

───まず一人目。
H3の岬に【女子4番】あらやだを追い詰めストームM9-32で射殺。
シグ・ザウエルP230とバッグを奪った。

二人目。
【女子15番】のーを不意討ちする。
武器が錆びた包丁であったため、捨てる。

続けて三人目───
H6の廃墟で【男子4番】おにぎりを近距離から撃ち殺す。
ナタで斬りつけられるが、ストームで防御する。

現在、H7の岩場で武器を隠し仮眠中。
コリンズに殺された【男子7番】さいたま太陽大佐と【男子8番】さいたま左の死体を利用し、
自分を死体に見せることで夜を越す。

現在時刻AM6:31
【残り32人】

武器がかぶっていたため、ヒッキーの武器をコルト・ハイウェイパトロールマンに、
ぁゃなみレイの使っていたマシンガンをイングラムに変更しまつ。
今さらな修正スマソ
81(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/14 12:34 ID:LNTRPaDm
雑談にはこっちがsageと書いてあったのか・・・?
勝手にageますがそうかお許しを
82(*・∀・)さん◇2ch.MONAw:03/08/14 12:53 ID:LNTRPaDm
あちゃ・・・
雑談読んでなかった・・・
sage進行は荒らし防止のため・・・
俺ったらもうだめぽ


○   吊ります

83(*・∀・)さん ◆DTZg4jj2sM :03/08/14 13:37 ID:LNTRPaDm
ピンポンパンポ〜ン・・・
「えー、6時間経ったので、禁止区域と現在の死亡状況を発表するぞ。」
あらかじめ森などに設置されていたスピーカーからひろゆきの声が聞こえた。
「まず、死亡者だ。男囚から。さいたまトリオのうち、たいようと左が死んだ。」
この放送を右は聴きたくないと思った。
「そして、ッパ。こいつは自殺のようだ。」
戦いの様子は首輪に取り付けてあるカメラで分かるのだ。
「アイツが自殺か・・・」
20番のモナーは少し驚いた。
「エッ、ッパガ・・・ッパノタメニガッショウスルナライマノウチ・・・」
簡単なAAとして知られていたッパとイマノウチ。(多分
仲間を失ったようで少し寂しかった。
「そして、おにぎり。これで男囚の方はおわりだ。」
「エッ・・・おにぎりが・・・」
よく踊っていた明るいおにぎりの死には男囚の半分ほどが驚いた。コリンズや忍者等の凶悪犯は除いて。
「続いて女囚。あめねこ、ぁゃなみレイ、ガナー、のー、あらやだ、だ。」
女囚・男囚共にもうこんなに減ったのか、やる気の奴がこんなにいるのか、と考えた。
「そして禁止区域を発表するぞ。」
発表された禁止区域は、刑務所の周辺、C3,C4,D3だった。
「これから15分後に設定する。さっさと出ないとその首輪が爆発するからな。
「やばっ・・・」「ニゲナイノハ、イクナイ!」「逃げないと・・・」
ダマレコゾウ・ジサクジエン・ヒッキーは焦った。そしてさっさと退散したのは言うまでもない。
もう時間は午前8時となっていた。

全部まとめて放送したけど・・・どうだろう・・・2回に分けたほうがいいのかな?
84名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/14 15:01 ID:qf87qkNv
【男囚5番】ギコはF3、F4の間近くの森の中にいた。とにかくギコは、スタートからずっと、森にい続けているわけである。相手に気付かれずに攻撃できる確率が高いから、だ。
(俺はしぃに会うまでは、生きてなきゃなんねえんだよ、ゴルァ)
殺人ゲームはもう始まっている。最初が肝心だ、うまくやれよ、そう思った。
微かに、足音を聞いた。誰かが、来る。
ギコは息をひそめ、木に背中をつけた。さあ、何処から来る、最初の獲物は。
茂みを掻き分ける、ガサガサいう音。緊張が高まる。さあ、出てこい・・・俺の、最初の獲物・・・
──ガサッ──
「そこだあぁぁぁっ!!」
ドン、ドンッ!ドンッ!!
茂みから突然現れた誰かに、ギコは銃を連射した。
「ふぅ、っ・・・」
シュゥ・・・と銃口から煙が上がる。弾丸を受けた人物が、出てきた茂みの中に倒れるのを確認し、ギコは足を一歩踏み出した。汗が滴り落ちる。
───ほらな、出来たじゃねえか。さあ、最初の獲物は誰だ。
ギコは勝利の快感を感じつつ、茂みを手で掻き分け、その死顔を覗き込んだ───

「───!!」
力が抜け、ドッと地面に膝を着いた。
蜂の巣になった死体。それは、まさしく。
「し・・・ぃ・・・。」

【残り31人】
二回に切ります(長文スマソ)。
85名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/14 15:02 ID:qf87qkNv
───ギコクン。───
初めてそう呼んでくれたのは、何時のことだったか。
入獄した時から口が悪く、孤立していた自分に笑顔をくれて。
一緒にいると楽しい、一緒にいると幸せになる。一度意識する様になってしまったら、本格的に惚れるまで時間はいらなかった。
「一緒に外の世界に戻ろうぜ、ゴルァ」
何時だったか、そう言ってみたことがある。
「懲役が終わってここから出たら、その・・・なんだ・・・お、俺と、その・・・ゴルァ」
結局、恥ずかしさに語尾をごまかして。それでも微笑んでいた、彼女。
───そのしぃを、この手で。

俺が、殺した?
一番守りたかった、その相手を?
俺が、この手で?
オ レ ガ 、 コ ロ シ タ ?

「あ、あ、ぁ・・・・。」
ガッ、と手を地面に着ける。爪が地面を引っ掻いた。
しぃが死んだ。俺が殺した。俺が、俺が。俺が・・・
「しぃ・・・」
見開かれたギコの眼が、しぃの死体を凝視する。我知らず、手がそれに伸びた。
「しぃ・・・、し・・ぃ・・・。」
体温の消えていくその身体を、必死に掻き抱く。ほとんど意味の無い、その行動。
「あ・・あ、ああああぁぁぁぁっ・・・!!」
最早正常な意識の宿っていない濁った眼で、ギコは涙を流し、天に向かって叫び声を上げた。
「あああっ、あああああっ、しぃ、しぃぃーーーっ!!!あぁぁぁあ、しぃーーーーっっ!!!」
死んだ、しぃが死んだ。俺が殺した。俺が、殺した。殺した、ころした・・・コロシタ・・・
「ああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
森の中に響く、断末魔にも似たような、悪魔の雄叫び。なんとか正常な意識を保っていた他のAA達に恐怖を与えるに、充分過ぎるそれ。その叫びは、島の遠くの方まで、響き渡り───。

グシュ・・・、グチュッ・・・
気分の悪い、肉を食い千切るような音。
グチャッ、ピチャ・・・クチャ・・・
先程ギコとしぃがいたところにあるのは、異様な血溜まりと、肉塊。
その真っ赤な肉塊は原型をとどめておらず、歯形のような跡がついていた。
───しぃ・・・
ギコはふらふらした足取りで、森の中を彷徨う。銃を手に。
その口元は、真っ赤に染まっていた。
───しぃ・・・。
意志の宿らない眼で、魂が抜けたような形相で、ギコはひたすら歩く。
それはもう、【男囚5番】のギコではなく。
AABRが生み出した、狂気の塊であった。

【残り31人】
86釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/14 15:23 ID:X0BDljUl
―――ああああああああぁぁぁぁぁぁ・・・―――


「・・・?何か聞こえたニダ・・・」

【囚人番号14番】二ダー。
彼は頼りになる仲間を探し、今はF-2の畑を一人走っている。
その途中に、叫び声が聞こえた。
本当の恐怖、絶望に直面した時のような叫び声・・・
断末魔の叫び声、という単語がよく合っている。
二ダーはその声に聞き覚えがあった。

・・・今のはギコの叫び声・・・?

間違いなくギコのニダ。何かあったニカ・・・?
二ダーは、一瞬声のした方角に向かおうとしたが、止めておいた。
何か危険な臭いがする・・・直感的にそう感じたのだ。
「ギコに何かあったニダ・・・それ故に行くのは少し危険な感じがするニダ・・・」
二ダーはそう呟き、声のした方角――F3方面には向かわず、
ギコの無事を祈りながらE1の林の方へと足を進めた。
87支給食糧アソパソマソ:03/08/14 21:27 ID:p81mlnWw
【女囚11番】じぃはE−3の森に身を潜めていた。
彼女の犯した罪は殺人だった。
彼女はとある組織に所属し、スナイパーとして活動していた。
敵対勢力、政府要人など狙撃対象は必ず仕留めていたが、ある時ミスを犯した。
都心である要人を狙撃した時、観光客のカメラに偶然狙撃の瞬間を写されたのだ。
逃げることも不可能ではなかったが、組織のためあえて大人しく捕まったのだ。
組織のことは隠し通したが、彼女は連続狙撃犯として死刑を宣告され、ここで死を待っていた。
そんな時に、この『ゲーム』に参加することとなった。
(どうせ死を待つばかりの身。死んだら死んだでそれでいい。生き残る可能性に賭けてみよう。)
スナイパーである彼女は、独り言すら言わない。
彼女に支給されたのはハイスタンダード22口径2連デリンジャー。銃の中では使い勝手のいい方では無いが、銃器の扱いには慣れている。
流石に真正面から向かっていったのでは危険が大きいので、森に身を隠す事にしたのだ。
熟練のスナイパーである彼女は、完全に気配を絶っていた。
数十分で獲物はやって来た。
パチンコを持ち、途方に暮れ歩いている【女囚1番】あいぼん(ちなみに罪状は脱税)だった。
かなりの至近距離だがあいぼんは全く気づいていない。
じぃは一切容赦せず、デリンジャーを二発続けて撃った。
弾丸は一発が右目の上辺りに、二発目が脳天を直撃した。即死だった。
(悪く思わないでね)
一瞬そう思ったじぃだったが、素早く食糧を奪い、場所を変えるためその場を後にした。
あとには潰れた完熟トマトのようになったあいぼんと、血に染まったパチンコだけが残された。
【残り30人】
88ω゚ぃょぅ ◆m3ru9dTI/2 :03/08/14 23:21 ID:qGLlBjOa
「・・・そろそろ、動くかょぅ・・・」
精神的にも落ち着いてきた。・・・だけど、人を殺す気にはなれない。殺せない。
誰かと行動するのも恐かった。だけど、生きたかった。
モナー、モララー、ぃゃんなど結構仲の良い囚人達はいたんだが、
全員殺人で逮捕されているのだ。殆ど無差別の。
信用なんて、出来るはずも無かった。

「そうだょぅ、武器が・・・」
焦っていて、まだバッグの中身を見ていなかった。
そっと開けると、そこには食料、水、そしてその下に銃があった。
「・・・鉄砲、かょぅ・・・使い方分からないょぅ。」
初めて握るその感覚。
銃は、冷たくて、心地良くて。
これに、慣れてしまいそうで、恐かった。

【残り30人】
89名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/15 04:37 ID:v4g3yGDd
【囚人番号6番】コリンズは、己の優勝を確信していた。
既に他の囚人を殺してもいる。
武器も、鎖、特殊警棒、AIMS-20と、使える物ばかりだ。
そして自慢ではないが懲役年数も1226年と、他の囚人の非ではない。(花瓶には劣る訳だが
以上を持ってこのゲームに優勝できるのは俺だけ、そう思っているのだ。

コリンズは今、B-5付近で、獲物を待っている。
途中囚人が通りがかれば、手持ちのAIMS-20で射殺しようという算段である。
殺人には手馴れている彼でも、緊張という物を感じていた。
小一時間は経っただろうか。
朝日は昇り始め、6時間経った事を知らせる定時放送も流れ、
張り詰めていた緊張がほつれそうになる。

――そういやぁ、小腹が空いてきたな。

少しの空腹を感じたコリンズは、ディパックからパンを取り出し、口にした。
感覚がおかしくなってしまったのだろうか。味が全く感じられない。
なんと。殺人鬼と呼ばれたこの俺が・・・このゲームに参り始めているのか?
ハハ、まさか。この俺が・・・ね。
コリンズは心の奥底で眠る、恐怖と絶望をひたすら無視していた。

かさっ

草の擦れる音。
コリンズはその音を聞き、ドクンと心臓が変に揺れるのを感じた。
AIMS-20を手に取り、音のしたほうを向いたときにはもう遅かった。

ダララララララ

例えるならミシンの音と言った所であろうか。
小気味の良い音が鳴り響くと同時に、コリンズの体に無数の穴が開いた。
その穴一つ一つから血を吹き出しながら、コリンズは力無く地面に崩れ落ちた。
その死に顔は、自分が死んだ事に気づいていないかのような呆けた顔であった。

「また・・・ひ・・・人を・・・殺しちゃった・・・エェー・・・」
コリンズの死骸を目の前に、ぼるじょあがウージーを担ぎ、立ちすくんでいた。
ウージーの銃口からは薄く煙が吹き出ている。
ぼるじょあはぷるぷる、と小刻みに震えていた。
その顔は、恐怖にゆがんでいる。
「ひぃぃ・・・ひぃぃぃーーー!!」
ぼるじょあは突然悲鳴を上げると走り出し、何処かへ消えていった――

【残り29人】



まぁ、いかに重犯罪者でも油断すりゃーこうなるっつー事で。
皆さんが気に入らなければスルーしてもいいですよ。
90TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/08/15 11:27 ID:pkxMwcwm
【男囚9番】さいたま右は先ほどの放送を聞いて、左と太陽が死んだ事をまた、思い出してしまった。
もう思い出したくない。そう思ったとき・・・ふと頭にあることが浮かぶ。
「そうだ・・・シャイタマはどうしてるだろう・・・」
シャイタマとはさいたま族の子供である。刑務所に入れられる数ヶ月前。右、左、太陽は散歩をしていたのだ。
捨てシャイタマを見つけたのだが、彼らはひどく衰弱していた・・・そのため3人は、
彼らを家に連れて行き、処置を施し、シャイタマたちは元気になったのだ。
それからというもの彼らはさいたま3人組になついてしまい、一緒に暮らすことになる。

「今思うと、僕達はすごく貧しくて、シャイタマたちにろくに物もたべさせていなかったな・・・」
右は続けた。
「そうだ僕達はシャイタマたちのために窃盗をおかしてしまったんだ・・・」
今思えばなんて馬鹿な事をしてしまったんだろうと思う。
そんなことしなければ今頃は太陽と左とも、幸せに暮らせただろう。僕達は取り返しのつかないことをしたんだ。
――貧乏でもいい幸せに暮らせればそれで・・・――
そんなことが右の頭に浮かぶ。


「僕らが死んだらシャイタマたちはどうなるんだ?もうさいたま組は僕しかいない・・」

だからこそ生き延びなければならない事を自分に言い聞かせさいたま右はまた、足を進める。

91名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/15 13:53 ID:MjR8QDWI
【男囚21番】モララーは、C2の家の中、手に取ったワルサーPPK9ミリをまじまじと眺めた。六発しか弾が入らないが、武器としてはかなり使える方だろう。
まだ真新しい机とテーブルクロス。その上に乗っているのは、水の入ったコップ。
そして、モララーと机をはさんで反対側に、椅子ごと倒れて死んでいるのは、【女囚6番】ぃゃん。その傍らには、食べかけのパンが落ちていた。
「まあ、こんなにうまくいくとは思わなかったな」
モララーは呟いた。
この家に入った時、中には既にぃゃんがいた。一緒に行動しないかと誘いかけ、毒入りのパンを食べさせたのだ。
「僕って運がいいな」
最初に会った相手が、刑務所内でも人一倍警戒心の薄い、ぃゃんだったこと。
彼女の武器が銃だった事。
「ありがとうね、ぃゃんちゃん」
モララーはそう言って席を立ち、家から出た。まだ毒薬は少しだけ残っている。
「さて・・・」
C3は禁止区域だから南には行けない。とりあえず東に進もうか、とモララーは考えた。
ワルサーPPK9ミリを手に、モララーは歩き出した。

【残り28人】
92緑鼠:03/08/15 15:56 ID:Ogema7n2

「あぅ……ぐぁ……っ」
 刃が肉をえぐるたびに鈍痛が走る。ナイフの刃は右肩の神経を痛めているようだった。
 歯を食いしばり、【男子20番】モナーは刃を引き抜いた。
 鮮血が吹き出し、やがて地面を彩った。朱に染まったナイフの刃が日の光に煌いた。
「……出血が、思ったよりひどいモナね」
 モナーは地図を取り出し、自分の位置を改めて確認した。
 E-4かE-5の森の辺りにいるはずだ。
 誰かに肩口から刺されたあと、一目散に走った。
 とにかく必死だったので、どれくらい走ったのかは分からなかった。
「確か、医療所があるはずモナ」
 タオルだけじゃ止血は間に合わない。モナーは地図を改めて眺めた。
 『医』の印を見出し、一度虚空を眺めた。
 C-1まではそう遠くないにしても、この出血で体がどこまで持つかは分からない。
「それから、武器は……」モナーはデイパックをあさった「あった……これは、ナタ?」
 木製の柄が付いたそれは農作業などに使うナタのようなものであった。
 刃は新品のようで、武器程度にはなる。
「とにかく医療所を目指すモナ」
 モナーは左の手で何とかデイパックを綴じ、肩にかけた。
 肩にかけたおかげでフリーになった左の手に、ナタを握り締めた。
 ゆっくりと歩を進めると、血の跡が地面に残っていくのが分かる。
 タオルで止血点を締めたのに、それでもとめどなく血液が出てくる。
 思ったより、まずいのかもしれない。
 そう思った瞬間だった―――「モナー君? そこにいるの、モナー君?!」
 モナーは体を震わせた。ナタを強く握り締め、恐る恐る声の方を向く。
「……レモナ」
 茂みの奥から顔を覗かせているのは、捕まる以前までモナーの家に居候していた、レモナだった。
93山崎 渉:03/08/15 16:47 ID:pgAuXzhJ
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
94雪 ◆.e.0QDoF6o :03/08/15 17:11 ID:Ge9QlakK
タカラギコは医療施設で役にたちそうな物を
寄せ集めてから、すぐ近くの方にある、畑へと
向かった。『パンと水』だけでは到底持ちそうに無い。
医療施設で米を見つけたが、物足りない。
畑だと言うのだから、少しは食料があるだろう。
そう思い、畑へと向かったのだ。

医療施設から持ち出した物は、『医療道具』と
『メス』だ。エアガンでは人は殺せない。

D-2の畑へと入りかかった頃、畑の所で何か
もぞもぞとしている物体が居た。

タカラギコは近くにあった大きな木に隠れ、
じっっとその『物体』の動きを見ていた。
どうやら畑の物を食べているようだ。

目をよく凝らしその物体の正体が何なのかを
確認しようとし、少し木から身を出してみた。

「パキッ」

─────── しまった。
地面に落ちている木の枝を踏んでしまった。
しかも『物体』がその音に反応したじゃあないか。
何てこった。

「・・・ダレデスカ?」

脅えた声を出したのは、囚人番号女子7番、えーだった。
しめたッ。やつは格好の獲物だ。

「やあ、えーさん。僕だよ、タカラギコさ。あははっ」
そう言うと、えーにじりじりと近づいて行った。
「イ・・・イヤ・・・、コナイデ・・」
えーはタカラギコを怖がっているようで、タカラギコが
近づいて来るのと同時に後へとさがっていく。

しかし、タカラギコはあくまでも慎重にえーを扱った。
「待ってください、えーさん。」
タカラギコはにこやかに言った。
95名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/15 17:51 ID:suyd050f
【男子15番】激しく忍者。
プロの殺し屋である彼にとって、終盤まで生き残ることはゲームに勝利することであった。

最後の二人になるまで待ち続け、相手の頭に一発撃ちこめば終わる。
最も簡単な方法。
たとえ、同じことを考える者がいたとしても、そいつが果たして終盤まで生き残るだろうか?
───絶対に不可能だ。これは自分にしかできない。
気配を消して近づく能力。一撃で確実に殺す技術。そして最後まで動かない忍耐力と精神力。
それを全て持ち合わせているのは自分のみ。
仮に途中で襲われたとしても、殺し屋である自分に敵う人物はまずいない。

「+激しく出所確定+」
思わず口元が緩む。
とはいえ、油断はならない。
相手がショットガンやマシンガンを乱射して、複数人で襲ってこようようものなら、
いかにプロの殺し屋として名をはせた自分でも、無傷で勝てる保証は無い。
そもそも、この灯台に来たのは周囲を見渡し随時警戒するためである。

「+激しく念のために武器のチェック+」
支給されたコルト・357マグナムリボルバーは6発の弾を込められる。
初めて握る銃であったので、練習として林で2発撃った。
今、銃に残っている弾は4発である。
「+激しく弾を補充+」
バッグをまさぐり、弾薬の入った袋を取り出す。
袋に手を突っ込んで弾を取り出そうとして──────

プニュ

「+激しくこの感触なに?+」
絶望的に嫌な予感がした。というのも、この荷物だけは、
どういう訳か刑務所長のクックルに直接手渡された物なのだ。
自分とクックルは、犬猿どころか、神と悪魔の仲である。
あの鳥人間が自分の荷物の一部に細工をした可能性は十分に考えられる。



唖然とした。
銃弾と同じくらいの大きさの、カプセル型ネズミ駆除ゼリー。
それが6つずつ袋に入って、合計24個。
ついでに食べ物も調べてみると、パンは忍者の嫌いなレーズンパン。
水の代わりに、同じく忍者の嫌いな激甘のジュースが入っていた。
・・・・篭城不可能。

「+激しくクックルにはめられた+」

【残り28人】
96名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/15 18:44 ID:v4g3yGDd
っていうか今回の主役系キャラって誰よ?
いなくない?
97キーピック(固定外した!!):03/08/15 22:34 ID:NITpu0i+
>>96さん
主役とかないっすよ!!
それが楽しいんじゃないっすか!!!!!!
98名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/15 23:07 ID:MjR8QDWI
キーピックさん
>>96さんは雑談スレの方にも同じ質問をしているので
返事はそちらにしてください。
あと余計な事かもですが、エクスクラメーションマークはあまりつけ過ぎない方がいいかと。
99キーピック(固定外した!!):03/08/15 23:43 ID:NITpu0i+
>>98
すいません。
体育会系なもので〜。
100名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 05:49 ID:OT5BRgvj
しぃって何で牢獄行きになったんだろうか気になります。
しぃの罪状きぼんぬ。
101名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 12:13 ID:25F84o2c
【女囚11番】じぃは場所を移動後、全く行動を起こさず、林に潜んでいた。
あの後、デリンジャーの射程には誰も入ってこなかったのだ。当たり前だ。この島は狭くは無い。
射程に、と言ったのは、少し前に【男囚5番】ギコが視界に入ったからだ。
ふらふらと歩き、手には銃を持ってはいたが全くの無防備だった。
その時、デリンジャーを撃っていればギコを倒せたかもしれない。当てる自信はあった。
だが、当てる自信はあっても、即死させられるかというと微妙な距離だった。
もし致命傷を与えられなければ、デリンジャーでは不利である。そう考えギコを見送ったのだ。
(さて・・・もうすぐ放送がある時間ね・・・。)
時刻は11時半。日がだいぶ高く昇っていた。
F-4が禁止エリアにならないことを願いつつ、じぃは林に一体化していた。
102名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 13:23 ID:G4vk3MXw
「なあ、しぃ。お前なんで刑務所入りになったんだよ?ゴルァ」
何時の事だったかギコは、しぃにそう聞いてみた事がある。
あの頃は、AABRに参加させられるなんて、思ってもみないでいた。
しぃはその事を聞くと、いつも寂しそうに笑う。
「聞いた話じゃ、窃盗・・・とか言ってたけど、ゴルァ」
「・・・ウン、窃盗。」
しぃは答えた。
「アタシ、オジイチャンガイルノ。ソレデ、ソノオジイチャンヲ養ウオ金ガ必要ダッタノ」
「・・・そうだったのか、ゴルァ」
「ソウ・・・」
しぃは続けた。
「何度モ盗ンダワ、何度モ。河岸ヲ変エタリモシタ。ケド、トウトウ足ガ着イテ、ココニ入レラレタノ」
「そうか・・・」
暴力団で騒いで、刑務所に放り込まれた自分。祖父を思うあまりに、罪を犯してしまったしぃ。
───なんでこいつ、刑務所に来なきゃいけなかったんだ?こいつはこいつなりに必死に、祖父を養って生きてたんじゃないか。
自分と違って、健気で美しいじゃないか。
「・・・悪イコトシタノニ、変ワリハナイカラ。」
しぃはギコの心を見透かしたかの様に、そう言った。顔に出ていたらしい。
彼女は自分の罪を、きちんと受け止めている。比べて自分はどうだ。たくさんの人に迷惑をかけたくせに、反省などしていなかったのではないか。
「・・・オジイチャンニハ、悪イコトシチャッタナ」
しぃはそう言って、寂しく笑っていた。

───しぃ・・・
ギコはふらついた足で、進んでいく。
───しぃ、どこにいる・・・?
既にこの世にいない想い人を捜して歩く、哀れな生命体。
彼女に出会うまで、その邪魔をした者は容赦しない、そんな形相だった。

【残り28人】
103名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 14:38 ID:ZvHmibqI



    ハハハ                             イキデキネーヨ
   ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ハライテ-       ゲラゲラ
.  ( ´∀`) < オカシイヨ        ∧_∧       〃´⌒ヽ       モウ カンベン
.  ( つ ⊂ )  \_______   (´∀` ,,)、     ( _ ;)        シテクダサイ
   .)  ) )   ○   ∧_∧      ,, へ,, へ⊂),    _(∨ ∨ )_     ∧_∧ ○,
  (__)_) ⊂ ´⌒つ´∀`)つ    (_(__)_丿      し ̄ ̄し     ⊂(´∀`⊂ ⌒ヽつ
          タッテ ラレネーヨ
104名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 14:39 ID:ZvHmibqI



    ハハハ                             イキデキネーヨ
   ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ハライテ-       ゲラゲラ
.  ( ´∀`) <  オカシイヨ        ∧_∧       〃´⌒ヽ       モウ カンベン
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   .)  ) )   ○   ∧_∧      ,, へ,, へ⊂),    _(∨ ∨ )_     ∧_∧ ○,
  (__)_) ⊂ ´⌒つ´∀`)つ    (_(__)_丿      し ̄ ̄し     ⊂(´∀`⊂ ⌒ヽつ
          タッテ ラレネーヨ
105名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 14:40 ID:ZvHmibqI



    ハハハ                             イキデキネーヨ
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106名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 14:40 ID:eODhugQj
厨房板が8月31日をもって閉鎖されます
皆様ありがとうございました
http://tmp.2ch.net/test/read.cgi/kitchen/1061012190/
107名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 14:41 ID:ZvHmibqI
    ハハハ                             イキデキネーヨ
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108キーピック(固定):03/08/16 22:19 ID:vpLdy3Xf
>>103-107
本スレに雑談するのっていいのですか???
109名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 22:24 ID:bTWVrDvq
>>109
俺もだが、お前もしとるだろ。
>>106-107は雑談ですらないし。
110名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/16 23:03 ID:wC4CUAoz
ここまで粘着されたら、もうこのスレは終わりだな

あとは勝手に荒らせば?
サロンならスクリプト荒らしも削除対象外なんだし
111名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/17 01:21 ID:/GUPKJ4j
112TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/08/17 07:38 ID:LkpijEVk
12:00
♪ピンポンパンポーン♪
「みなさん殺しあってますか?結構良いペースで進んでるから、この調子で殺しあえよ。
じゃ、死亡状況を死んだ人から発表します。

【女囚10番】しぃ
【女囚1番】あいぼん
【男囚6番】コリンズ
【女囚6番】ぃゃん
以上4名です。禁止区域はA-3だぞ。気をつけてくれよな、次の放送はまた、6時間後だぞ。」
♪ピンポンパンポン♪
113名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/17 15:36 ID:EF38VSkZ
「っふう・・・」
ここは、モニタールーム。
他ならぬこのゲームの考案者、ひろゆきとその部下達が、
囚人達の殺し合いの模様を見、管理する場所である。
正午の放送を終えたひろゆきは、一息つきソファに寝転がった。
「コリンズがこんな早く死ぬとは以外でしたね。」
一人の兵士がひろゆきに話しかける。
「ああ。コリンズは懲役年数あの42名中2位だからな〜。
そういう所から見てあいつが終盤まで残る可能性は高いと思ったんだがなあ。
・・・ところでお前ら、誰が最後まで生き残ると思う?デブヲタ。お前は?」
ひろゆきが寝転がりながら言う。
その名の通りデブでおたく風の男が言う。
「ぼぼ、僕はやっぱり懲役年数が一番多くてしかも萌えキャラの花瓶タソかな。
ぶふふ。」
「はいはい。じゃあ大耳モナー君。君は?」
「やっぱ花瓶さんでしょ。大穴でギコか?他の囚人食っちゃったし。」
「クックル君は?」
「+激しく花瓶たん+」
「ふむぅ。全員花瓶だな。やっぱ懲役年数があれだからか・・・
ロムスカ君は?やっぱ花瓶かい?」
ムスカは少し考えた後、こう言った。
「・・・あの・・・ひろゆき様。・・・優勝者はキッチリ出所させてやるのですか?」
ひろゆきはそれを聞くと同時に、大きく笑い始めた。
「ははは!当然の事を聞くな。ロムスカ君よ。」
笑いながら、ムスカに言う。
「そうですか・・・そうですよね。」
ムスカはほっとしたような表情で、目を逸らす。
そして、ひろゆきが付け加えるように言う。
「当然の事だろ?犯罪者の優勝者を出所させるような馬鹿な事をする輩が何処にいる?」
「え?」
ひろゆきが言うと、ムスカは目の色を変え、ひろゆきを見つめる。
「凶悪犯を再び世に出したらどうなると思うよ・・・特に放火魔の花瓶なんかそうじゃないか。
あいつらはもう生きて娑婆に出る事は不可能なのだよ!」
ひろゆきはそう言うと、狂ったように笑い出した。
「でも・・・それは少し酷いのでは・・・?」
ムスカが反論する。
ひろゆきは笑うのを止め、ムスカをじっと見つめる。
「不満かね・・・?」
ひろゆきは冷たくそう言い放つ。
ムスカはもう何も反論する事が出来なくなった。
「君の左目は、私への恩を忘れてはいないようだが・・・?」
ひろゆきは更に冷たく、感情の籠もらない目でムスカを見つめる。
ムスカは脂汗を流し出した。
「不満は・・・ありません。」
ムスカがそう言うと、ひろゆきは突然にこやかな顔になり、再びソファに寝転がった。
「それなら良いんだよ!」
ひろゆきはそう言うと、懐からうまい棒を取り出し、口にくわえた。



モニタールームでこんな会話が繰り広げられているのを囚人達は誰一人として知らない――
114緑鼠 ◆W8PYHOSz9A :03/08/17 22:00 ID:TrK6aEDJ
 【男子5番】ギコは放浪を続けていた。
 視点は宙空を見ていて、焦点が定まらない。
 手には銃が光り、口元にはべとりと血液が付いている。

 ――――しぃ……しぃ……しぃはどこにいるんだ。

 自我はあるといえばあったし、無いといえば無かった。
 しぃの死を分かってはいたけれど、認めてはいなかった。
 ギコの精神状態は段を追って崩壊に近づいていた。
 ギコにはそれを止める意思も、理性も、希望も無かった。

 場所で言えばF-3である。
 実は放浪を続けるうちにぐるぐると同じ森の中を回っていることに、ギコ自身は気づいていない。
 彼の求めるモノはしぃの姿、それだけだった。

 ふと、前方の草むらがガサリと音を立てた。
 無いものを在ると認識しようとするギコの精神がそれに反応した。
「……しぃ!?」
 ギコはその視線を音の方向に向けた。
 しかし、その存在はギコの求めるしぃではなく、【男子9番】さいたま右だった。

「ギコ?」とさいたま右は言った。
 構えようとしていた銃を下し、さいたま右は安堵の息を漏らした。
 ギコなら安心だと、さいたま右は思ったのだ。 

 太陽大佐やさいたま左が居ない。
 ギコはさいたま右の声を耳に捉えず、そのことを先に認識した。
 その瞬間、ギコの壊れかけた心が事実を変換した。

 ―――さいたま右は殺人鬼だ。左や太陽や……もしかしたらしぃを殺したかもしれない。

 ギコの脳内はしぃを殺したことを忘れようとし、そしてそれをさいたま右に押し付けたのだ。
 ギコの自我がゆっくりと、そして確実に崩壊していく。

「……ギコ? ギコ?」
 さいたま右はギコの表情の変化に気づいた。ギコの体毛が心なしか逆立っているようにも見える。
 右は銃を握りなおした。


 ―――――ギコが銃を構えたのは、その瞬間だった。
 「殺してやるぞゴルァァァァァァァッ!」
 ギコの咆哮が、薄暗い森に、いやというほど響いた。


*あとは……任せました。生かすも殺すも次の人次第ッス。それからトリップ付けましたんでよろしく。
115キーピック(でぃ):03/08/17 22:20 ID:u2Vm0BGI
そしてその声はでぃーにもひびいたかもしれない。
でぃーはばっと起きてさっと構えたがまわりには誰もいなかった。
もういやだった。周りの草がゆれる音もいやだった。
仲間になろうと呼びかけた連中もだめだった。
そしてさっきの声は、殺してる人がいるとゆうことを表していたのだった!!!
こうしている間にも誰かが死んでいるのかもしれないぞ。
自分に言いかけているところで後ろからぎゃぁぁと声が聞こえたような気がする。

そして、つぎででぃーに衝撃が走る!!!!

(残り何人だかわかんない)


----------------------------------------------
みなさん、でぃー残しておいてくださいね!
116緑鼠:03/08/17 22:24 ID:TrK6aEDJ
あっと、ローカルルール忘れてた。
【残り28人】を>>114のラストにお願いしまつ。
117ω゚)ノぃょぅ ◆m3ru9dTI/2 :03/08/17 23:34 ID:LzlZQf6+
【男子三番】ぃょぅは、ゆっくりと、ゆっくりと歩き始めた。
右手は銃を掴んでいたが、使い方なんて分からなかった。
ただ、何か武器が在れば、と。そう思っていた。

「・・・何処へ、行けばいいんだょぅ・・・」
どんどん人が死んでいっている。
喋ったことは無いが優しそうだったしぃや、明るかったあいぼん。
仲が良かったぃゃん、そして人を殺す事に慣れていそうだったコリンズまで。
安全な場所なんてないのかもしれない。 皆、やる気になっているのかもしれない。
そう思うと、涙が出てきた。恐い。
「どうすれば、どうすれば助かるんだょぅ・・・何でこんな事をしなきゃいけないんだょぅ・・・」
皆を殺さないと助からない。だけど殺せない。殺せるはずがない。
死ぬことが出来たら楽なのかもしれないが、そんな勇気も無かった。

みんな、殺しあってるんだろうか。
今、戦ってるんだろうか。
もしかしたら・・・そうじゃない人もいるかもしれない。

「そうだょぅ・・・誰か、やる気の無い人がいたら・・・」
仲間、がいたら。やる気の無い人も居る筈だ。自分だけじゃない筈だ。きっと。
一人で行動するよりも、誰かが居てくれたら、どんなに楽だろう。精神的にも、肉体的にも。

「探すんだょぅ、仲間を・・・一人でもいいから、仲間になる人を探すんだょぅ!」
アテもない。信用出来る人がいるわけでもない。
だけど、希望が見えた気がした。

【残り28人】
118緑鼠 ◆IVwMdpCrCU :03/08/17 23:59 ID:TrK6aEDJ

 【女子14番】でぃは青空を眺めた。何も考えなくていい雲たちが優雅に流れている。
 その太陽のまぶしさに、そして空の青さにでぃは目を細めた。

 ――外ハ、コんナに綺麗なのデス。絶対に、イきテ帰るデす。

 でぃはこのゲームに乗ることを最初から決めていた。
 釈放、なんて美しい響きだろうか。
 薄暗くて臭い刑務所の中にいるなんて、もう耐えられしない。
 囚人にとって、いや……今のでぃにとって、釈放の二文字は何より求めるものだった。

 でぃの罪状は殺人だ。
 あの日、抑えていたはずの本能が、理性の箍を外して溢れ出してしまった。
 ……そして、人を食った。
 でぃ本来の自然的行動も、世の中に受け入れられるはずが無かった。
 それも、二年前の話だった。懲役60年。信じられない年数で、弁護士も唖然としていた。

 ―――つマリ、でぃガ外ニ出るチャンすハ今シカなイでス。

 でぃは刃が半分無くなったナイフを見た。
 まだ十分に刃は残っている。
 その光る刃身にまだ濁りは無い。
 モナーの赤い血液が、わずかに滴っているだけだった。

 でぃが叫び声を聞いたのはそんなときだった。
 東から、怪物がうめくような声と絶叫の二種類の声が聞こえた。
「ナんデスか、行ってミマしょウ」


 
119緑鼠 ◆IVwMdpCrCU :03/08/17 23:59 ID:TrK6aEDJ


 F−3の森の中である。
 木々のわずかな隙間から差し込む光に、ギコとさいたま右が対峙している。
 ギコの構えた銃が火を吹いた。反動でギコの手が振りあがり、銃の先端からは煙があった。
「うわああ!」
 銃弾が右の頬をかすめた。さいたま右は思わず身じろぎし、声を上げた。
「ゴルァァァァァァァ!」ギコが絶叫する。
 さいたま右はラブターマグナムを構え、ギコの向こうの木を狙った。
 あめネコのように殺すわけには行かない、なんとかギコを止めなければならない。
 ……つまり、牽制だ。
 引き金を引くと、重い反動が腕から肩にかけて響いた。
 ギコが飛び退る。敵意のある目をこちらに向けてはいるものの、銃口が反れた。
 ―――そんな一連の行動と、殆ど同じタイミングで叫び声が耳を付いた。
「アあアアアァァぁぁァ!」
 さいたま右の目が見開かれた。
 ギコの姿の奥にでぃの姿が捉えられた。その頭の半分が、赤い肉片を飛び散らせながら砕け散っていた。
 それは間違いなく、さいたま右の銃弾が貫いた跡だった。
 でぃの体がゆっくりと傾く。 どさり、と音がしてでぃは地面に伏した。
 考えるまでも無く、でぃは死んでいるだろう。
 さいたま右は開いた口がふさがらないまま、呆然と立っていた。

120緑鼠 ◆IVwMdpCrCU :03/08/18 00:07 ID:zsq0SwYg

 ギコもまた、それを呆然と見つめていた。
 さいたま右は最初から外すつもりで撃っていた。
 予想通りそれははずれ、ギコを牽制することに成功したはずだった。
 しかし、ギコが振り返ってみると、たった今絶叫を上げた張本人――でぃが倒れている。
 でぃの頭から鮮血が脈打っていて、グロテスクな置物と化していた。
 その脈も、やがて止まった。

「……何が、起こったんだゴルァ」
 ギコはさいたま右に向かって言った。自然と怒りがこもっていた。
「その、えーっと……」
 右は呆然と立ち尽くし、硬直していた。
 喋ろうとしても口がまともに動かないようだった。
「何をしたんだって聞いてるんだゴルァァ!」
 一瞬収まりかけてきていたギコの狂心がよみがえってくる。
 目の前でまた一人こいつに殺された。
 やっぱり左も太陽も、そしてしぃもこいつに殺された。
 そうに違いない。
 そうだ、そうだ、そうに決まってる、それで確定だ、こいつは悪人だ、こいつは殺人者だ。
 彼を、壮大な勘違いが再び動かそうとしていた。
 さいたま右は、さいたまポーズのまま、何も言うことが出来ない状態だった……。

【残り27人】
121名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/18 13:11 ID:4WfEzRUE
モララーはのんびり歩いていた。
ワルサーを手に入れて、少し安堵感があったのだろうか。
余裕すら伺える。現在地点は、まだC-2。
だが、かなりD-2に近いところまできてるだろう。
その証拠に、今、自分は畑の中にいる。
作戦を練るため、モララーは一度、腰を下ろした。
「うーん、このまま東に進めば林の中に入るね。北には医療所か。いざというときの
ために医療具とっとくのも悪くないなぁ」
だが、医療所にはすでに誰かが来て、医療具を持って行ってるかもしれない。
いつになくモララーは慎重だった。昔はもっと大胆だったような気がした。
「ふふふ、昔に戻る予定じゃなかったのかなぁー」
医療所に向かうため、モララーは立ち上がった。そのときだった。
どこからか声が聞こえる。近くに誰かいるのか?
目を凝らしてみるが、闇だけで何も見えない。
まだ、声は聞こえる。この声は───タカラギコか?
もう一人いるみたいだ・・・だけど、わからない。
(どうしようかな。ここで奇襲してみるか?でも、アイツらがワルサーよりスゴイ武器持ってたらマズイよなぁ)
しかも少し距離がある。ワルサーは決して遠距離狙撃に適してるとは言えないだろう。
「迷う暇があったら・・・・撃つからな」
モララーはそっと銃を構える。声のするほうを見ながら、少しずつ標準を定めた。
その時、わずかながらに動く影が見えた。
ダァン!!ダァン!!モララーは続けて二発の弾を撃った。
当たったかどうかはわからない。とりあえず医療所に行ってから、ここには戻ろう。
モララーは北へと走り出した。

【残り26人】
122(ノд`) ◆LLVegDyAFo :03/08/18 14:14 ID:a498pD29
そう、彼、モララーが予想した通り、声の主はタカラギコ(男子11番)だった。

いやぁ、ドキドキしましたよ、実際。
威嚇射撃かどうかはわかりませんが、僕の頬をかすめたんですからね。
でも、あなたが思ってるほど、このゲームは終局を迎えられないようですよ。
僕は、商用キャラでもあるんで、上手く口車を利用するのが得意なんです。
簡単に嘘でもついてしまえば、ほら、現に彼女が。

ちらりとえーを見た。くーくーと寝息を立て眠っている。

タカラギコは心の奥で笑っていた。それは、綺麗な笑いではなく、とても薄汚れた笑いであった。
くっくっく。僕の思い通りに行けば、このゲームは僕が制することになる。
このゲームは信じたら負け。でも、信用を失っても負け。
あくまで駆け引きであって、生きるか死ぬかは僕ではなく、付加価値、つまり今のところえーにかかっているんです。
えーがいることによって僕の生存率は一人の時よりも格段に高くなる。こうして付加価値を増やしつづければ、僕の身は守られるだろう。
あ〜なんと楽しいことなんだろう。生に関してこれほどまでに執着心がないのは僕だけだろうか?
簡単に言えば、「運命は天命」とタカいうことでしギょうかコね。あーサン…ははタカラはギコサン…

「タカラギコサン!」
はっ、とタカラギコはえーが自分の名を呼んでいることに気づいた。
「なっなんだい?」
「サッキカラ、ウシロニダレカイル…」
タカラギコは背筋が凍りつくのを感じた。

【残り26人】
123釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/18 16:09 ID:j4gTL0pN
【女囚17番】づーは、一番最初の定期放送が始って以来ほとんど泣きっ放しだった。
親友【女囚15番】のー の死―――
のーと彼女と、【女囚13番】つーは、全員同じ犯罪で投獄されたのだ。
その犯罪とは単なる『万引き』、要するに窃盗である。
この三人は、みんな都内某女子高の生徒であり、大の親友同士であった。
それと同時に、不良仲間であった。
いつも三人で、色々な悪事を働いてきた。
そしてとある日、づーが計画した万引きで、防犯カメラに捕らえられ、お縄になってしまう。
・・・そしてこの殺し合いゲーム・・・

自分のせいでのーが死んだ。
悔やんでも悔やみきれなかった。
つーもどうか分からない。
もしかしたら今、死の境地に立たされているのかもしれない。
それもこれも全部――全部――

全 部 自 分 の せ い だ 。

づーは声を上げて泣いた。
馬鹿な自分に、自分を恨んで死んで逝ったであろうのーに対して、泣き叫んだ。
償う事の出来ない罪。

いや・・・私も・・・のーと同じ苦しみを味わえば・・・
そう思ったづーは、自分の支給武器であるブローニングハイパワー9ミリを手に取った。
124釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/18 16:24 ID:j4gTL0pN
そのままブローニングハイパワー9ミリを自分の即頭部に持っていった。
そして引き金をぐぐっ・・・と・・・徐々に・・・徐々に・・・

「ヤメロ!」
づーは、ビクリと驚き、ブローニングハイパワーを床に取り落としてしまった。
そして声のする方向を恐る恐る向いてみるとそこには―――

「サガシタゾ、ヅー。」
涙を流しているづーにたった今優しく微笑んだその人物は―――
づーの親友、【女囚13番】つーだった。
まさしく、彼女の大親友であるつーであった。
そのつーは微笑み、言った。
「カンタンニシノウトスルノハヨクナイゾ。」
ああ。つー。つー。つー。
生きててくれた―――生きててくれた―――
づーは、嬉しさのあまり、つーにそのまま抱きついた。
「ナ、ナニスルンダ!?」
づーは、つーの胸の中で泣きじゃくった。
それは、親が子を慰めているかのような光景だった。
「・・・ダイジョウブカ。ヅー。」
つーは、泣きじゃくるづーに話しかけた。
「ワタ・・・ワタシノセイデ・・・ワタシノセイデ・・・」
づーはやっとつーの胸から離れると、ひくひくべそをかきながら言う。
つーは溜め息を一つついた。
「・・・マズハイドウシヨウ。イマノコエヲキイテダレカクルカモシレナイ・・・」
つーはそう言うと、いまだ座って泣いているづーを起こし、移動を始めた。

【残り27人】
125名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/18 17:50 ID:3wAylsVE
B4の原っぱ。そこを今、一人の囚人が歩いている。【男囚18番】フーンだ。
「ふーん、誰も・・・いなさそうだが」
フーンはそう呟き、あたりを見回した。手にはベレッタM92F。こういう広い所では、鎌やアイスピックよりも銃の方が役立つ。
「まあ、用心するにこしたことはないさ・・・」
フーンは冤罪だった。本業はジャーナリストである。
殺人現場の取材などもしていたので、新聞社にいた頃から惨殺死体やら殺人凶器やらはたくさん見てきた。危険な所にもよく派遣されていた。
そのためか、死体は見慣れている。危険な眼にもあったが、その度に無事回避してきた。その為か、彼は生き残る自信があった。
───そうだ、俺は死なない。壁の外に出て、あいつに復讐するまでは。
『あいつ』。自分の犯した殺人の罪をフーンに被せた、かつて『友』と呼んだ男。今あいつは、外の世界で、悠々と暮らしているのだろう。
───許さん。あいつだけは許さん。俺のプライドにかけて。
フーンは、人一倍プライドが高かった。罪をきせられ、牢に放り込まれた、この屈辱。
だから、自分のプライドにかけて、ここから出る。どれほど非情な男になろうとも、囚人仲間を殺しても。
そして、復讐してやるのだ。たとえそれがもとで、もう一度刑務所に戻るはめになろうとも───

───ガサッ

フーンは、ハッと音がした方を振り向き、草っ原に身を潜めた。
ガサガサ、ガサガサ・・・
間違いなく誰かいる。それも、近い。不用心に音を立てまくって、阿呆か。
とりあえず、殺せる時に殺しておくに限る。それにこの近距離───攻撃されたら、こちらもヤバいかもしれない。フーンはそう判断した。
ドンッ!!
フーンは野原を歩いている影に、銃を一発撃った。「ひっ!?」と声が聞こえる。
ドンッ!!
「ひ、いぁっ!!」
苦痛に歪んだ悲鳴。弾が命中したか、もしくはかすったか。
「ひああぁぁ!!!」
半分パニックに落ちた声が聞こえる。おそらく戦闘に慣れていない奴だと判断した。なんだ、楽勝だな。そうフーンは思った。それが、彼の気を緩ませたのかもしれない───
シュパゥッ!!
「う、ぐぅっ・・・!」
左の肩に、強烈な衝撃と、続いて熱。一瞬頭の中が白くなる。ビィン・・・と音がした。
刺さっていたのは、矢───ちきしょうめ、ボウガンかよ。フーンは舌打ちし、銃を持った手で矢を乱暴に抜き取った。
「ま、待って!ちょっと待って!!タンマタンマ!!!」
ひどく慌てた声。ザッと音がして、目の前に誰かが現れる。一瞬ヤバいと思い、フーンは銃を向けた───
「・・・8頭身?」
弾がかすったらしい脇腹を庇う様に手を当てて、フーンの目の前に立っていたのは、【男囚16番】8頭身だった。

【残り27人】
もうちょっと続けます
126名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/18 18:23 ID:3wAylsVE
時刻は十二時半、太陽の眩しい時間である。
草原の長い草にまぎれて、フーンは8頭身の隣に座っていた。
───なんでこうなったんだ??
フーンはさっきからそればかり考えている。一方8頭身はというと、彼のボウガンで負傷したフーンの肩に、衣類を引き裂いた即席の包帯を巻いていた。
この衣類はフーンがガナーに会った廃屋から、何かに使えるかもと持ってきた物である。
「はい、できた!」
8頭身はフーンの肩に包帯を巻き終えて、一息ついた。同じく8頭身の胴には簡易包帯が巻いてある。フーンの弾がかすった部位だ。
「・・・どうも」
フーンはぶすっとした調子で答えた。誰かに礼を言うのがあまり上手くないタイプである。
───さて、ここでこいつを殺って、他に行くのがいいかと思うが・・・
フーンは考えていた。撃たれたとは言え、手当を施してくれた相手を(フーンの荷物でだが)殺すのは、流石にいい気分ではない。8頭身には警戒心がほとんど見られない。「いきなり撃って来るからびっくりしたよ〜」なんて言っている。
「ねえ、1さん見なかった?」
「ふーん、会ってないぞ」
「じゃあ、このあたりにはいないのかな・・・1さぁ〜ん・・・」
まるで、飼い主に置いていかれた捨て犬だな───フーンは思った。8頭身が1さんに熱烈なアタックをしているのは知っている。刑務所内では日常茶飯事で、投獄された先でも8頭身に追っかけられるなんてと嘆いていた。
まったく、こいつは今自分が置かれている状況わかってんのかよ。
「あ、そだ!フーンさん!!」
8頭身は、突然がばっと立ち上がった。フーンは思わず構えの体勢を取った。
「一緒に1さん探してくれないかな?共同戦線だよ、共同戦線!」
「ふーん・・・って、はァ!?」
フーンは驚いた、というより呆れた。なに言ってんだ、こいつ。
「あのなお前、阿呆にもほどがあるだろ。お前と組む見返りが俺にあるか?ねぇじゃねえか!」
「あるよ、仲間がいた方が何かといいじゃない、でしょ?」
「でしょって、お前・・・」
しかしフーンはそこまで反論したところで、考えた。
確かに───人数が減るまでは、誰かといた方が有利かもしれない───かなり早いペースで減ってはいるが、まだ人数は半分ほど残っている───
「・・・、わかった。一緒に行動する」
しばらく考えた後で、フーンは答えた。馬鹿正直な8頭身、一緒にいても危険は少なそうだと判断した。
「本当!?」
「ああ。・・・ただし、俺は最後まで生き残るつもりだからな、危なくなったら容赦なく捨てるぞ、憶えとけ」
「ありがとー!」
8頭身はまるで子供の様に喜んだ。まったく、こいつは真っ直ぐすぎるんだ、とフーンは思った。小さなガキみたいに。
「とりあえず、移動するか。直射日光が暑い」
「待っててねぇー、1さああぁぁ〜〜〜ん!!!」
「でかい声出すんじゃねえこのバカ!!」
フーンは、本当に妙な事になっちまったと心のどこかで思いながらも、不思議と嫌な気はしていなかった。

【残り27人】
127(ノд^)あははっ ◆LLVegDyAFo :03/08/18 19:45 ID:1w1hykgs
タカラギコはばっと後ろを振り向いた。
誰もいなかった。否、いなかったはずだ。
彼は、他の人たちは知る由もなく、彼自身も知らずのうちに、焦燥し、興奮状態にあった。
気のせいか。そう、冷静に彼はすべてを受け止めた。

「ウエ!」

えーの言葉が彼を覚醒させた。えーを抱え一瞬に木の側から離れた。
敵は「上」にいたのだ。しかし、この敏捷さは―――――――



「激しく、殺害」



ヒュンと音がし、彼の投げた何かがトトトと木に刺さった。冷静に見れば、木を削った手裏剣に見えたかもしれない。
タカラギコはえーを抱き、デイパックを2つ持ち、速攻ダッシュした。
しかし、彼の速さには追いつかれるだろう。彼は、殺し屋なのですからね、ははっ。

殺し屋。

そういえば、昔こんなマンガを読んだことがある。泣き虫の殺し屋の話。
泣き虫で、学生時代にいじめに遭っていた人間が、ターゲットをいじめ相手に見立てて復習と称し、殺す――。
彼は、その立場なのかもしれないですね。まぁ、これはマンガの話なんですが。

いや、どうでもいい話ですね。僕の武器はエアガンだし、勝てるはずもないですし。
きっと彼の前に、僕は、無力になるんだろう。

「激しく、死亡決定――」

その声が聞こえたときに、タカラギコは、ああ、僕は死んだと思った。
気持ちだけか、背中が焼けたように熱い感じがした。

「マエミテ!マエ!」
再びえーの声が聞こえたときには、忍者の声は消えていた。
前を見ると、真っ青な大海原が広がっていた。それは、海から6mほど高い崖だったが―――
すでにその位置は、E-1の端っこの地点にいたのだ。

「うわぁぁああぁぁあぁ??」「イヤァァアアアァァ!!」
二人は、走ったまま海へ落ちていった。

未だ、使い方が微妙だった銃は、安全装置がかかっていたので撃ち方がわからなかった。
その頃、激しく忍者(男子15番)木製手裏剣3つを引き抜きにかかっていた。

「激しく、作戦失敗―――」

その場へ座り、再び木製手裏剣を作り始めた。

【残り27人】
128( ・∀・):03/08/18 21:34 ID:4WfEzRUE
モララー【男子21番】はC-2の畑に戻ってきていた。
だが、そこにはなにもなく、ただ静かな世界が広がっていた。
医療所には行ったものの、医療具も武器になりそうな刃物もなかった。
そこでしばらく休憩した後、ここに戻ってきたのだ。
「撃った弾は当たらなかったのかなぁ?」
辺りを見回しながら、ブラついていると、一本の木にある異変を見つけた。
「刃物が刺さった跡だね。誰かここで戦ったのかな?」
その跡は、キレイに並んで三つ。
ここでか勘がいいモララーは気づいた。
「こういう跡をつけられるのは・・・飛び道具だね。手裏剣か・・・・となったら忍
者クンかな・・・。だとしたら・・・まずいよ」
いくら数多の人間を殺したモララーでも相手がプロでは歯が立たないだろう。
「逃げようか」
一気に遠い場所へ行こうとモララーは考えた。
周りに気を遣いながら、モララーは地図を広げた。
「よし、このまま東に行って、それから南下。H-6の民家を目指すからな!」
極力、森や山には入らないようにしよう。ゴチャゴチャしたところはキライだ。
ふと、モララーの頭にモナーのことが浮かんだ。
「生き延びてくれよな!相棒!」
そう言うとモララーは東に向かって歩き始めた。

【残り27人】
129 ( ・∀・)さん:03/08/18 23:41 ID:Cu36zQSM
【男囚21番】モララーが【男囚20番】モナーのことを考えている時
モナーはさっきまでモララーがいたC‐1の医療所にいた。
「やっとついたモナ。医療用具はどこモナ?」
モナーは辺りを見回してみる。しかしそれらしきものはまったく見あたらない。
「せっかく着いたっていうのに、もう誰かに荒らされたあとモナか・・・」
「大丈夫?モナー君」E‐5のあたりで会ったレモナか言う。
「大丈夫モナ。」口ではそう言っていたモナーだったが
刺された肩の痛みと「せっかくここまできたのに・・・」という脱力感により
モナーは気力を失いかけていた。
「なんでこんなことになっちゃったんだろう」
「モナー君・・・」
確かに自分がしたことはとてもいけないことだ。
自分も人を殺したんだから死刑になるかもしれない。
そんなことは考えたいたがまさか同じ境遇の者と殺し合いをさせるなんて・・・
「もうこんなゲーム嫌モナ・・・」そんなときだった。

「絶対生きてでるんだからな!」という言葉を思い出した。

モララーの言葉だった。刑務所に同じ罪で入ったモララーの言葉。
「そうだったモナ。一緒に出所するって約束したモナ。」
「モナー君?」
モナーは徐に立ち上がり歩き出した。
「とりあえずモララーを見つけるモナ。考えるのはそれからモナ。」
モナーは医療所をあとにした。
「まってよう、モナー君」後ろからレモナの声が聞こえていた。

【残り27人】
130(ノд^)あははっ ◆LLVegDyAFo :03/08/19 11:13 ID:muLHUawH
フサしぃ(女子16番)は一人民家の中にいた。
彼女は、民家の物置のあたりで、狩猟用で使う「火縄銃」を発見したのだ。
これは幸運だった。なにしろ、彼女に渡された武器とは変哲もないマンガ本(GTO全巻)だったので。
いくらなんでも、ここまできてヤンキーものを読む必要はないだろう。

彼女の道のりは6-Gから6-Hにさしかかっていた。
―――今日ハコノ家デ落チ着コウ

そして、再び民家に身を落ち着けようと――――――

カタカタッ


誰カイル!!
このままじゃまずい。まずは、デイパックに刺すように入れていた火縄銃をフサしぃは手にした。
それから、そっと入り口の戸を開け――中を見てみた。
中には、モララーがいた。どうやら、ノートパソコンでも見つけたようで、カタカタと打っている。

「あーだめだぁ」
よくは見えないが、何か失敗したような顔つきをしている。
「もー今日は寝るんだからな!」
布団をファサッと敷き、壁に寄り掛かって寝ている。これは、確か昔の武士がいつ敵に襲われても大丈夫という状態の寝方だ。
彼ハ――慣レテイル。

そう思ったときには、火縄銃を彼の眉間に焦点を合わせ、引き金を引く準備をしていた。
殺スシカナイ―――――

「誰だいそこにいるのは。」
はぁぁ、とため息をつくようにモララーが言った。これが引き金になった。

「ウワァァァーーーーー!!!!」
フサしぃは引き金を4回引いた。カスンカスンカスンカスン。


アレ?

弾ガ出ナイ――
そう、彼女が拾った火縄銃は「弾の装填されていない銃」だったのだ。
しかし、声を発した後にすぐに窓から逃げていたモララーは無事だった。
フサしぃはとりあえず、その家も危険だと感じ、ノートパソコンのみを持って隣の家に身を隠した。

一方モララーは――民家を飛び出ると、
「あれ?銃声がしない。不発だったのかな。」
岩場を目指しモララーは再び歩き出した。

【残り27人】
131( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/08/19 13:06 ID:ePx2rCJj
「ありゃー、こりゃひどいや」
モララー【男子21番】がゴツゴツした岩場を歩き続けて、着いたのはH-7らへん。
そこにはさいたま太陽大佐【男子7番】と左【男子8番】の死体が転がっていた。

「武器は落ちてないね。持ってっちゃったのか。うーん、さっきから運がないねボク
は・・まあ、でも民家で手に入れたコレは良い収穫だったよね」
モララーのバッグから、鋭利な刃物が現れる。それは包丁だった。
「あと・・・これも」
米だった。量は多くないが、そのほうがバッグが重くならないから、まあよしとしよ
う。
「・・・・にしても、パソコン置いてったのはまずかったかなぁ。ま、いっか。どっ
ちにしろうまくいきそうになかったし」
大きめの岩にもたれかかり腰を落ち着けると、睡魔が襲ってきた。長い距離を歩いた
疲れが出てきてるのかもしれない。
「ここで寝るのは危険だよね。民家に戻ろうかなぁ」
そう思ったときだった。
「ねぇ、そこにいるのは・・・モララーくん?」
もたれかかっている岩の後ろから誰かの声がした。
とっさに懐にしまっていた銃を取り出す。
「ま、待って!ボク達はキミとは戦うつもりじゃないよ!」
声の主は1さん【男子1番】だった。となりには、ありす【女子5番】がいた。

【残り27人】
132名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/19 17:29 ID:3EgRrcNK
「げほ、けほっ・・・」
E1近くの海岸の砂に腹這いになって、【男囚11番】タカラギコは頭をふるふると振った。水滴がほとばしる。身体はぐっしょりと濡れ、だるくてたまらない。
【男囚15番】激しく忍者に追われて崖から海に落ちた後、えーを小脇に抱えたまま、死に物狂いで水を掻いた。その時は波がそれほど高くなかったのが幸いし、なんとか近くの海岸まで泳いで来れたのだ。
「・・・僕も相当悪運強いですね、あは、は・・・えーさん、大丈夫ですか?」
タカラギコは自分のすぐ隣でぐったりとしている【女囚7番】えーに呼びかけた。
えーは白目を向いて意識を失っていたが、どうやら息はあるようだった。
タカラギコは、ほっとため息をついた。そのため息が、安堵感からのものか何なのか、わからなかったが。
やけに身体がだるかった。無理して泳いだせいだろう。
「流石に疲れましたね・・・とりあえず、移動しますか・・・」
ここから西に行けば、医療所がある筈。既に一度立ち寄って医療器具を持ち去っていたため、もうあそこには行かないだろうと思っていたが、一番近い位置にあるのはそこだけだ。
タカラギコはえーを抱き上げると、医療所に向かって歩き出した。一瞬足元がふらついたが、しっかりと身体を支えた。
「まあ、太陽も照っていることですし、医療所に行くまでは身体も乾きますかね・・・あははっ・・・」
テンションを戻す為に無理に笑ってみるが、やはり疲れているのか元気がない。
タカラギコは医療所へ向かう足を早めた───えーをしっかりと抱きながら。

【残り27人】
133雪 ◆.e.0QDoF6o :03/08/20 03:15 ID:7mCaYiMb
何人か医療所へと入ったのか、大分荒らされていた。色々と医療道具を探してみたが、
何も無かった。幸い毛布だけはあったので、ぐったりとしているえーにそれをかけてやった。
「くそっ、医療所なのに医療道具が無いとはどういうことですかっ!!」
ぼんやりとした頭の中で、ある記憶が蘇ってきた。そうだ、自分はここを出るときに
医療道具をデイバッグに詰め込んだのだ。
急いでぼろぼろになったデイバッグを漁った。中から風邪薬らしきものを取り出すと、
えーの口を開け、水と一緒に飲ませた。

「よしっ、これで大丈夫でしょうっ。あは・・・は・・・」

少し頭がぐらついた。相当疲労があるのだろう。自分も薬を飲み、寝ることにした。

「・・・・そういえば、何故僕はえーさんを助けたのだろう・・・。」
そうだ、自分はえーと会ったとき、『弾避けぐらいにはなるだろう』と思い仲間にすることにしたんだ。
それが─────何故────?
少し考えるだけでも頭に刺激が通るので、寝ることにした。




─────── ・・・とんだお人好しですね、僕は・・・。あははっ。 ──────────

【残り27人】
134BR4:03/08/20 09:30 ID:juVZrqLq
女囚18番】モナカはD−1の林にいた。
「武器はフリネージAUTO12ね。説明書はちゃんと読んだし。」
彼女はハッカー(ハッキングをする人)とコンピューターウィルスを
作ってばら撒いていたがどじをしてしまい懲役80年の罪になってしまった。
「懲役80年っておばあちゃんになっちゃうじゃない!獄死(監獄で死ぬこと。)
 しちゃうかもしれないじゃない、人生楽しみたいわー。でも殺し会うのはいやだし、
 仲間を作って脱出!・・・そんな奴いないかしらね。とりあえず東へ行ってみますか〜。」
 
【残り27人】
135BR4:03/08/20 09:32 ID:juVZrqLq
あうあ・・・訂正
【女囚18番】モナカはD−1の林にいた。
「武器はフリネージAUTO12ね。説明書はちゃんと読んだし。」
彼女はハッカー(ハッキングをする人)とコンピューターウィルスを
作ってばら撒いていたがどじをしてしまい懲役80年の罪になってしまった。
「懲役80年っておばあちゃんになっちゃうじゃない!獄死(監獄で死ぬこと。)
 しちゃうかもしれないじゃない、人生楽しみたいわー。でも殺し会うのはいやだし、
 仲間を作って脱出!・・・そんな奴いないかしらね。とりあえず東へ行ってみますか〜。」
 
【残り27人
136BR4:03/08/20 09:33 ID:juVZrqLq
名簿
【男囚1番】1さん          【女囚5番】ありす
【男囚2番】イマノウチ       【女子7番】えー    
【男囚3番】ぃょぅ          【女囚9番】花瓶    
【男囚5番】ギコ          【女囚11番】じぃ                 
【男囚9番】さいたま右      【女囚12番】ちびしぃ       
【男囚10番】ジサクジエン    【女囚13番】つー       
【男囚11番】タカラギコ      【女囚16番】フサしぃ      
【男囚12番】ダマレコゾウ    【女囚17番】づー       
【男囚14番】ニダー        【女囚18番】モナカ      
【男囚15番】激しく忍者       【女囚19番】モネー       
【男囚16番】8頭身         【女囚21番】レモナ      
【男囚17番】ヒッキー              
【男囚18番】フーン               
【男囚19番】ぼるじょあ            
【男囚20番】モナー               
【男囚21番】モララー              
【残り27人】
137BR4のデータ:03/08/20 09:39 ID:juVZrqLq
〜銃〜
いわゆる当りである。
1 ラプターマグナム 【男囚9番】さいたま右
2 AIMS−20  【男囚6番】コリンズ 死亡
3 ワルサーPPK9ミリ【女囚6番】ぃゃん 死亡
4 クーロンTYPE40
5 ウォルフラムP2K
6 ドイチェM9K
7 ストームM9-32 【女囚9番】花瓶
8 フリネージAUTO12 【女囚18番】モナカ
9 ミルティク・マーク6MGL
10 スミスアンドウエソンM59オート【男囚5番】ギコ
11 コルト・ハイウェイパトロールマン38口径 【男囚17番】ヒッキー
12 ウージー9ミリサブマシンガン 【男囚19番】ぼるじょあ
13 シグ・ザウエルP230 9ミリショート 【女囚4番】あらやだ 死亡
14 コルトガバメント45口径 【男囚14番】ニダー
15 ハイスタンダード22口径2連発デリンジャー【女囚11番】じぃ
16 イングラムM10サブマシンガン 【女囚3番】ぁゃなみレイ 死亡
17 ブローニングハイパワー9ミリ  【女囚17番】づー
18 ベレッタM92F  【女囚8番】ガナー 死亡
19 コルト・357マグナムリボルバー 【男囚15番】激しく忍者
〜拳銃以外〜
まだコレは使える方である。
20 両刃ナイフ 【女囚14番】でぃ 死亡
21 ダイバーズナイフ 【女囚2番】あめねこ 死亡
22 軍用ナイフ
23 短刀(錆がういている)
24 エアガン【男囚11番】タカラギコ
25 防弾チョッキ 【女囚19番】モネー
26 ナタ  【男囚20番】モナー 
27 ボウガン 【男囚16番】8頭身
28 ヌンチャク 【男囚12番】ダマレコゾウ
29 パチンコ  【女囚1番】あいぼん 死亡
30 特殊警棒【男囚7番】さいたま太陽大佐 死亡
31 毒薬 【男囚21番】モララー
32 鎌 【女囚20番】ルルカ 死亡
33 鎖 【男囚8番】さいたま左 死亡
34 錆びた包丁【女囚15番】のー 死亡
35 5`ハンマー 【女囚5番】ありす
138BR4のデータ:03/08/20 09:39 ID:juVZrqLq
〜日常用品〜
要するに外れである。あまり使えない。
36 文房具セット 【男囚2番】イマノウチ
37 文化包丁(錆びている  【男囚4番】おにぎり 死亡
38 ダーツ(的付き 【男囚13番】ッパ 死亡
39 マンガ本(GTO全巻)【女囚16番】フサしぃ
40 アイスピック 【男囚18番】フーン
41 水鉄砲(プラスチック製 【男囚10番】ジサクジエン
42 スリッパ 【男囚1番】1さん 
           
【男囚4番】おにぎりを勝手に文化包丁にしたけどいいですか?
武器不明
【女囚10番】しぃ 死亡
【男囚3番】ぃょぅ
【女囚7番】えー
【女囚13番】つー       
【女囚21番】レモナ              
未登場
【女囚12番】ちびしぃ

【残り27人】
139名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/20 10:47 ID:G1IeudnE
【女囚11番】じぃはなおも全く動かずそこにいた。
ギコを見送ってから、通りかかる者はいなかった。
さわさわと、ただ風が吹き抜けるばかり。
(だれも来なくて潰しあってくれれば好都合ね・・・。)
じぃの手元には四日分の食糧があり、禁止エリアにでもならない限り無理に動く必要は無い。
出来るだけ動かず、通りかかった者だけを片付けるつもりだった。その結果死んだら運が悪かったということだろう。
(・・・お腹が空いてきたわね・・・。)
銃火器の扱いに優れ、気配を消すことの出来る彼女も,腹が減っては戦は出来ない。
じぃは袋からパンを取り出し、片手で口に運んだ。何かあったらデリンジャーをすぐ撃てるように。
パンを口に放り込み、もぐもぐやる。お世辞にも美味いとは言いがたいパンだが、空腹を癒せればそれで良かった。
パンを食べながら、じぃはあることを考えていた。
(この戦いに勝てば、本当に自由の身になれるのだろうか?)
激しく忍者、花瓶、もう死んでしまったがコリンズ、そしてじぃなどは凶悪犯である。
当然、生き残る可能性も高いが、そんなものを出所させる気なのだろうか?そんなはずあるまい。
とくに彼女なんかは、政府要人をも殺している。
彼女自身は、別に死んでも良かったが、最初から生き残るものが無いとしたら、闘うことは何の意味も無くなってしまう。
(・・・・・・・・・・・・)
しばらく考えていたが、やがて彼女は立ち上がり、移動を始めた。
(ここで、あるいはこの島を脱出して、殺し合いをさせた奴に一矢報いてやる。)
そう決心したじぃは、デリンジャーを握り締め、北へと歩き始めた。
妙な気持ちの高ぶりを感じながら。
140゚ω゚)ノぃょぅ ◆m3ru9dTI/2 :03/08/20 11:16 ID:G5RPlmLt
【男子三番】ぃょぅは、G-7まで来ていた。
岩陰で休みたかったのもあったし、人気の無い所にはやる気がない人が休んでいるんじゃないか、と思ったのだ。
だが、結局人影は見つからない。
・・・静かすぎて、恐かった。
「水、飲むかょぅ・・・」
大切に飲んでいるが、それでもやはり足りなくなりそうだ。
雨でも降ってくれれば助かるんだが、この晴天じゃ有り得ないだろう。

「ん?誰か居るょぅ?」
少し休んでいたら、誰かがこっちへ来たようだ。
どうやらこっちには気付いてないらしいが・・・
やる気があるのか無いのか分からないから、迂闊には近づけないが。

(ん・・・ちびしぃちゃんだょぅ・・・)
目を凝らして見ると、そこには【女子12番】ちびしぃが居た。
あまり話したことは無いが、聞いた話によると殺人罪で逮捕されたらしい。
(人を、殺してるんだょぅ・・・危険だょぅ)
そう思い、声を殺して、ゆっくりと覗く。
・・・武器は、軍用ナイフ。銃よりは役に立たないだろうが、
使い方が分からない自分にとっては役に立ちそうな武器に思えた。
よく見えないため、体を前に乗り出した時・・・

「っよぅぅぅぅ!」
滑って、転んだ。豪快に。
(ヤバいょぅ、見つかるょぅっ!)
殺されるかも、しれない。

「・・・ネェ、ダレカ イルノ?」
ちびしぃが、軍用ナイフを持って、立ち上がった。

【残り27人】
141釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/20 13:21 ID:jrGpfRYG
20××年・・・2ch中を震撼させた凶悪犯がいた。
無差別に子供や婦女子を音も無く刺殺するという残忍な手口で、8人ものの人間を黄泉に葬った。
2chの国民は、人一人殺されるたびに、「次は私かしら・・・」「次は僕かな・・・」と恐怖したものだ。
その凶悪犯には、いつしか一つの異名が付いていた。


『サイレントキラー』


この『サイレントキラー』が一つ殺害を行うたびに、『サイレントキラー○度目の殺害』
などのタイトルで、各新聞の一面を飾った。
しかし、その『サイレントキラー』は、以外にもあっけなく捕まってしまう。
『サイレントキラー』が、都内のアーケードで、8人目の人を殺した所で、防犯カメラに写されてしまう。
無防備に変装も何もしてなかった『サイレントキラー』は、簡単に捕まってしまったのだ。
そして、彼には終身刑が命じられ、障害牢獄で暮らすことになる・・・はずだった。

・・・それでこのゲームだ。
【男囚2番】イマノウチは、F-1の当りを歩きながら色々と考え事をしていた。
全く他の囚人に出会わず、興奮ももうほとぼり冷めていた。
・・・今は午後2時と言った所だ。
大体昼食の時間帯なので、イマノウチはディパックからパンを取り出し、口に運んだ。
「イマノウチ?そこにいるのはイマノウチニカ?」
イマノウチのすぐ後ろのあたりからとぼけた声が聞こえた。
イマノウチは、あの民家から回収したナイフを手に取り、後ろをがばっと振り向いた。
142釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/20 13:40 ID:jrGpfRYG
「ま、まつニダ!ウリは戦う気なんて無いニダ!」
後ろの人陰がまた口を開く。
イマノウチは気が付いた。こいつは【男囚14番】ニダー だ。
左手には、艶かしく光る銃が一丁。
「タタカウキナンテナイ・・?ドウイウコトダ。」
イマノウチは、二ダーに脅すように言う。
「だから・・・一緒に手を組むニダ。そしてこのゲームから脱出するニダ!」
二ダーが興奮したように叫ぶ。
イマノウチは心の中でハァ?と呟いた。
人里離れた孤島。あちら側の意思で簡単に爆発させられる首輪。
脱出なんて無理に決まってる。
ばかな夢を持った香具師がいるもんだ。
イマノウチは、ナイフをギュッと握り締めた。何はともあれスーパーチャンスだ。
・・・殺すならイマノウチ。
「ワルイケドオレ・・・ソンナノニキョウミナイカラ。」
イマノウチは静かにそう言うと、いきなり握り締めてあるナイフを、一気に二ダー向けて切りつけた。
「ア、アイゴー!?」
二ダーは叫び、ナイフを避けるように後ろにdだ。
ナイフは、わずか二ダーの顔前スレスレを通っていった。
そして、イマノウチはためらいもなく、もう一度二ダーにナイフを突き出した。
そのまま無抵抗に刺し殺せると思った。
しかし、気が付くとナイフは宙に待っていた。
踊るように空中で回転している。
二ダーだ。
二ダーが、下からナイフを蹴り上げたのだ。
ナイフはイマノウチの遥か後方の草叢に音を立てて落ちた。
武器をなくしたイマノウチは、銃を構える二ダーを見つめる事しか出来無かった。
・・・いつ目の前の銃から銃弾が飛んでくるか分からない。
イマノウチは今までに体験した事の無いスリルと恐怖を味わっていた。
しかし、二ダーはすぐに銃を降ろしてしまった。
「ウリは・・・お前を殺す気は無いから・・・早く何処かに消えるニダ。」
二ダーは呟いた。
今・・・何処かに消えろと奴は言った。
要するに・・・戦う気は無いという事だ。
何はともあれチャンスかもしれない。
銃を降ろし、油断している奴の虚をつくのは楽勝だ。
イマノウチはじっ、と二ダーを見ながら、奴に見えないようにディパックをまさぐった。
「何をしてるニカ・・・?早く消えるニダ!ウリは・・・殺す気無いから!」
手に当ったのは、消しゴムと先っちょがとんがった鉛筆、それとコンパス。
奴を殺すにはこれだけで十分だ。
イマノウチはそれを一掴みし、またじっと二ダーを見た。
「な・・・何ニダ・・・?」
妙にうろたえる二ダー。
イマノウチは少し間をおいた。
そして、手の中の消しゴムだけを、二ダーの脇の辺りに勢い良く投げつけた。
消しゴムは二ダーの真横をすぅっ、と通り抜けていく。
そして、二ダーは一瞬その消しゴムを目で追った。
完全に隙を見せた。
「イマノウチイイィィィィィィィ!!!」
イマノウチは自我を忘れ、叫んだ。
そしてコンパスを手に持ち、二ダーに突進した。


ダララララララララ
143釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/20 13:54 ID:jrGpfRYG
イマノウチの手の中にあるコンパスが二ダーの胸に刺さるか刺さらないかスレスレの所だった。
聞き覚えの無いミシン音が鳴り響き、イマノウチが横にどっと倒れた。
それと同時に、自分の肩の当りにも激痛が走る。
「痛っ・・・!」
肩には、一つ赤い穴がぽっかりと開いていた。
そこから、鮮血が吹き出ている。
誰だ・・・
二ダーは、ちょうど銃声のした方向に首を向けた。
そこには一つの人陰が静かにたたずんでいた。
マガジンをがちゃりと床に落としている。
その人陰とは、間違いなく【男囚19番】ぼるじょあその人であった。
涎をたらしながらなにやらぶつぶつ呟いている。
そして、マガジンを、手に持っているウージーに詰め込んだ。
「く、くそっ。」
二ダーは、痛む肩を無視し、その場所を走り去った。
随分遠くまで走った所で、微かだが『ダララララ』というミシン音が耳に入ってきた。
「くそっ。何で脱出の作戦に乗ってくれないニダ・・・?」
二ダーは、さっきいたF−1からまっすぐに走り、今はG-3で、途方に暮れ座っていた。
さっき起きた惨劇が、二ダーの頭の中でフラッシュバックされる。
その度に、二ダーの肩の傷と、心が疼いた。

【残り26人?】
144鵺 ◆fHZBrRW3B6 :03/08/20 16:20 ID:Sk4eYjDa
【女囚16番】フサしぃは、6-Hの民家の中に、ただ一人座っていた。
―アーア。
彼女はため息をつく。

―セッカク見ツケタノニ弾ガナイナンテ…。
彼女は、さっき隣の民家の物置で見つけた弾のない火縄銃の事を考える。
弾のない火縄銃。彼女は、使えないと思って隣の民家に置いてきてしまった。

―ヤッパリ、持ッテクレバヨカッタナ…。
本当に弾は出なくても、近づいてきた相手は、弾が入ってないなんて思わないだろう。
できる事なら取りに行きたい。しかし、今取りに行くのは危険だ。
もしも、武器を持った相手が潜んでいたら―。
考えるだけで震えてしまう。

―ソウイエバ…。
彼女は、足元に置いたノートパソコンを見る。
モララーが逃げるときに置いていった物だ。

フサしぃは、スイッチと思われるボタンを押す。
途端に、Windowsの起動音が、誰もいない民家に響く。
―アブナイアブナイ。
フサしぃは、そう呟くと音量を最小に絞った。

案の定インターネットは使えない。
きっと、外に連絡して助けを呼ぶようなことがないように使えなくされているのだろう。

―コレハ…?
マウスカーソルが、「秘密」というフォルダの上でピタリと止まった。
カチカチと、ダブルクリックの音が響く。
そして―。
フサしぃの顔に、久々に笑みが戻った。

一見誰もいないように見える民家に、キーボードを叩く音だけが響く―。
【残り26人】
145( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/08/20 21:33 ID:kW2UxpyN
モララー【男子21番】、1さん【男子1番】、ありす【女子5番】はG-7の岩場に三人揃って座り込んでいた。
1さんとありすに殺意がないと理解したモララーは、とりあえずこの二人に同行することにした。
当然ながら、いざいうときの「壁」として利用するためだったが。

「モララーくん・・・武器・・・なんだったの?」
唐突に1さんが話しかけてきた。
「え?・・・ああ、これだよ」
懐から、ワルサーを取り出す。「うわぁ・・・」と1さんが目を輝かせている。
だが、その瞬間、1さんの奥にいたありすの眼が、厳しくなったのをモララーは、はっきりと感じ取った。
(・・・・毒薬は見せないほうがいいね。二つ武器持ってたら、誰かを殺してるってバレちゃうしね)

ブルブルっと1さんが身震いをしている。
「な、なんか、おしっこしたくなってきちゃった・・・」
顔を少し赤くして1さんが言う。
「そ、その辺で・・・してくるね」
そう言うと1さんは一目散に走って行き、すぐに見えなくなった。

時間は午後2:30。太陽が照っているし、海に囲まれているせいか潮の匂いがする。何かと極楽だった。
(こーゆーのも悪くないねー)
モララーが場違いすぎることを考えていた時だった。
「?」
モララーの視界に黒い鉄の塊がいきなり現れた。
「・・・コロス」
「な!?」
瞬時にモララーは前にかがんだ。
ドガッ!!
ありすが振り下ろした5`ハンマーはモララーがもたれかかっていた岩を強打していた。

「・・・・ハズレタ」
さっきまで隣にいた、ありすだった。いつ動いたんだ?全くわからなかった。油断したか?
モララーはすぐさま距離を置き、ワルサーを構える。
「僕を襲った代償は高いからな!!」
ダァン!!ダァン!!ダァン!!
続けざまに3発弾を放つ。狙ったはずの頭には当たらなかったが、3発とも的確にありすの身体をとらえていた。
ありすの握っていたハンマーが宙に舞い上がり、ありすの身体が地面に倒れこむ。
ゴツッとニブイ音がして、ハンマーが地に落ちる。
(もうここには居られないね。さっさと退散しようかな)
ハンマーを拾うと、それをバッグに入れ、モララーは口笛を吹きながら、その場を去っていった。

【残り25人】
146(ノд`) ◆LLVegDyAFo :03/08/20 22:12 ID:p+/K0R4k
「ああっ!」

彼、1さんが放尿を終え、銃声を聞いて戻ってきたときには時すでに遅し。
ありすはぐったりとして血の水溜りの中に体を沈めていた。
血の匂いが物凄かったが、1さんはそれを気にせず、ありすにかけよった。
「大丈夫かい!?」
大丈夫なわけがなかった。彼女は見た目からして1リットルビーカー何杯分もの血液を流していたからだ。
それは、医者でもない1さんにもはっきりとわかった。

ただ気になったのはモララーがそこにいなかったことだ。
彼が、殺したんだろうか?否、第三者が乗り込んできたのでは?でも、それではモララーの死体が無い理由にならない。
やはり、彼が――でも彼は何のためにありすを殺したのか?
いや、「殺すこと」が大前提のこのゲームだ。なぜ殺したというのは間違っているかも。
なぜ銃を持っていながらも、「ありすだけを」殺したのか。
ありすが、自分のチームを破壊するためにモララーを攻撃したとは考えにくい。現に、僕が攻撃されていなかったからだ。

しかし突然、その意味を考えることが、とっても無意味になるような脱力感を覚えた。結局、彼女は死んだのだ。
そして、モララーが彼女の武器を持っているならばとても危険だ。彼女の武器の5`ハンマーを振られたら
かならず即死だろう。彼に聞こえることろで「ぬるぽ」とでも言おうものなら、銃よりも激しい攻撃をされるに違いない。

・・・実際問題、至近距離ならば彼の持っている銃よりも、5`ハンマーの方が殺傷能力有りそうだし―――。

でも1さんは、一時でも味方だったありすを失ったことにより、彼女の為に、生きなければ!という気持ちが増えた。
生き残る可能性は皆無に近いけれども、とにかく、生きたいよ。そう願っていた。
そしてそれと同時に彼には無性に謝りたい気持ちになった。
お母さん、お父さん。せっかく育ててもらったのにごめんなさい。きっと、僕が死んだと聞かされて悲しんでいることだろう。
友達たち。お金借りっぱなしでごめん。尻さん()とか本当に謝りたい。ごめん。
8頭身。君を刺してしまったことはごめんなさい。でも、しつこいのは僕もヤだから勘弁してね。

そして―――ありす。
彼女に対しては、目礼を捧げ、目を伏せさせその場を後にした。
彼女の、「悪の」生への執念を生きる『屍』として――1さんは歩き出す。

【残り25人】
147sage:03/08/20 23:33 ID:tdq8X5Pa

「+激しく完成+」

E1の林にいた【男子15番】激しく忍者(以降「忍者」)は腰を上げた。
作っていた木製手裏剣が完成したのだ。腰の隠し巾着に入るだけ入れてある。
腰の巾着という収納場所があると、攻撃の種類も豊富になってくる。その分有利だ


そのとき、何かが後方で動く音がした。忍者はすばやく木に登る
足音が近づいてくる……モナカだ。どうやらこちらのことは気づいてないらしい。隙だらけだ

殺せないことも無い。忍者の体力、敏捷力、攻撃力も考えてみて…いける。チャンスは今だ
しかし、よく見てみると、モナカの武器は、ショットガンのようだ。
手裏剣とは、攻撃範囲が違いすぎる。つまり忍者の支援武器、リボルバーを使うしかないということだ
忍者は考えた
「攻撃」→「もしも外す」→「相手に察知」→「+激しく危機+」

かなり難しい。急所を外せば終わりというわけだ。
しかし、この獲物を逃すわけにはいかない―――――思いついた

148sage ◆lBLqITVI1I :03/08/20 23:34 ID:tdq8X5Pa
「ズキューン!!」

銃声が響き、モナカの足元に銃弾が食い込んだ。高い所からだ。木の上か?

「何?」モナカは驚き、振り返いた。即座にショットガンを構える
しかし銃声のした方には何もいない。木から降りたのだ。

「ドサッ」

ちょうどその木の下から音がした。反射的にモナカはそこめがけてショットガンを撃つ。
命中した。距離からして、榴散弾の半分は当たっただろう。確かめるために近づいてみる

「え、枝?」そこにあったのは太い木の枝だった。弾はほぼ当たっているが、偽者ではしょうがない。外したか
でも、間違えたとしても、枝は銃を撃てない。撃ったのは人だ。ということは人が近くにいる?

「カチャッ」
「?!!!」
頭の真後ろで音がした。あまりの恐怖に動くことができない。


「+激しく空蝉+」


それがモナカの最後に聞いた言葉になった

【残り24人】


勝手にモナカ殺しちゃいましたけどいいでしょうか?
結構重要かもしれないけど、忍者と場所が重なってたんで
149名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/21 00:36 ID:lW9XtKyL
現在時刻は午後4時2分前。間違いないわ。
現在地はE3。
武器はボディーアーマーと・・・・・自作した木の槍。
相手が銃を持っていても、槍を構えて突撃すれば勝てるわね。
時間的に考えると、そろそろ誰かから食料を奪わないと本格的に拙いわ。

【女子19番】モネーは森の茂みの中で、かれこれ2時間ほどカモを待ち続けていた。
口に乾かし固くなったパンをくわえ、集中力を持続させることに専念していたが、
すでにパンは唾液でベトベトになり、かみ締めることすらできない。



身を潜めてから2時間30分
何の前触れも無く、やたら楽しそうな謡声が聞こえてきた。

(────誰か来る!)

途切れかけていた集中力が戻った。
同時に、ゲーム開始時に味わった絶望感も再び湧き出し始める。

(近くに来たら、槍を構えて突撃───近くに来たら、槍を構えて突撃───)

緊張しているためか、同じことを何回もつぶやく。

30秒と経たないうちに、歌声の主が現れた。
・・・・・・唖然とし、槍を取り落とした。

連続放火魔の花瓶。
服には血がベットリと付着し、右手にマシンガンを握っている。
それとは別に拳銃がポケットに差し込まれているので、すでに誰かを殺しているらしい。
しかし、何よりも恐ろしいのはその表情。
さも愉快そうに──とても軽快に──ウキウキと──目を輝かせて・・・・笑ってる。
更に、楽しげに歌も歌っている。
150名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/21 00:37 ID:lW9XtKyL
今まで自分が見てきたものとは、あまりにも違いすぎる目の前の人物。
いつも鉄格子の外を憂鬱そうに眺めていた静かな女性が、
心の底から笑いながら、人を殺した事実を、脳が受け入れようとしない。
緊張も集中力もプレッシャーも、全て消えうせた。
────それどころか、思考することすら困難だ。
今は、ただひたすら怖い。
槍を落としたことすら分からないほどに。
できることなら、逃げたかった。
・・・・・・相手に銃を向けられていなければ、できたはずだ。

「モネーちゃん見っけ♪」

笑った口元から白い歯がこぼれる。

「4人目ゲット!」

無垢な顔と、マシンガンから放たれる数多の銃弾。
その幾つかが、ボディーアーマーでカバーできない腕を貫通する。

「ぁぁああああああああああああああっっっっっ!!!」
「あれ? 死なないの? 他のみんなは素直に死んでくれたのにぃ〜」
「ぁ!・・・ああぁあ・・・ぃ・・・・」
「あ、でも頭が割れればモネーちゃんでも死んじゃうよね♪」

立ち上がって逃げようとするモネーをよそに、
花瓶はバッグからやや大きめの刃物を取り出す。

「頭パックリ♪頭パックリ♪」
「・・・ャ・・・ィ・・・ィャ・・・ャ」

ヒュッ  ザグッ

モネーの頭にナタが深く食い込む。
傷口から新鮮な血液が噴出し、花瓶の顔をぬらした。
キャアキャアと喜ぶ花瓶の目の前で、モネーは絶命した。
その顔は、花瓶とは対照的に恐怖で限界まで引きつり、
数秒の間、顔の筋肉がピクピクと痙攣していた。

【残り23人】
151名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/21 02:58 ID:+BQ2hzPk
【男囚18番】フーンと【男囚16番】8頭身は、B5の家の二階に隠れていた。
「そろそろ4時になるか・・・」
フーンはそう呟き、窓際の椅子に腰掛けて外の見張りをしている8頭身にちらりと目をやった。
二人は部屋の窓のカーテンを閉めて、その隙間から交代で外を見張ることにしていた。嫌々ながら共同戦線を組んだものの、8頭身はパートナーとしては申し分ない。100%の信頼などできないが、おそらく寝首をかかれることはないだろう。
フーンは珍しく上機嫌だった。それもそのはず───家を見つける前、このB5エリアを歩いていた時、面白い物を見つけたのだ。
コリンズの死体。
───放送で聞いてはいたが、まさかあいつがこれほど早く退場するとはな。フーンはくくっと笑みを漏らした。何が起こるかわからないからこそ人生は楽しいのかもしれない。
荷物がその場に放置されていた事が少し気になったが、とりあえず回収した。AIMS-20は自分が取り、特殊警棒と鎖は8頭身に。拳銃が二つある、これは心強い。
だが、気を抜く事はできない。コリンズほどの囚人を殺す事ができる奴が、まだ近くにいるかもしれないのだ。
───ジャーナリストのフーンとしては、そいつの密着取材といきたいところだね。
見張りの交代まで一眠りしようと、フーンは壁にもたれかかり、目を閉じた。
152名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/21 02:59 ID:+BQ2hzPk
スマソ書き忘れ。
【残り23人】
153TAKUYA ◆nIOG6f/4QE :03/08/21 10:05 ID:cGPvdWdu
男囚9番さいたま右は呆然としたままだ。でぃを殺してしまい、ギコには疑われる始末。
このままだったら・・・そう思った右はギコに話しかけた。
「あの・・・これはさ・・・ごめんよ僕はこんなことをするつもりはなかったんだ・・・ただ・・」
ギコはその言葉に対しさらに追求する。
「言い訳は言うな!お前がしぃを殺したのか?」
「しぃちゃん?信じてくれないと思うけど・・・僕はしぃちゃんにあってないし、見かけてもいないよ・・・」
そういうとさいたま右は腰をかける。
ギコはさいたま右の言葉であのことを思い出したのだ。



154名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/21 11:43 ID:E8FFt8kC
フーフーフーフー

・・・風景が曲がって見える――
頭の中が真っ白だ。
今が夜なのか昼なのか――目の前に横たわっている人物が誰なのか――それすらも分からない。
何故自分がマシンガンを手に持ち、そこから煙が放たれているのかも分からない。
視界が妙にぼやけて、満足に前を見ることも出来ない。
・・・今俺は何してるんだ・・・?
何も分からない。
ただ分かる事といえば、近づいた人を殺さなければいけないという事だけだ。
【男囚19番】ぼるじょあは、イマノウチを殺した場所で、そのまま突っ立っていた。
これからどうすればいいのか――今はどんな状況なのか――
それを考えているのだ。
しかし、分からない事だらけだ。
今までの記憶が途切れ途切れになっている・・・
目の前の人物は、自分が殺した、という事は分かっているのだが、どうやって殺したのか、な事はなーんにも覚えていない。
まるで夢みたいだ・・・ぼるじょあはそう思った。
・・・待てよ。
夢だとしたら?
これが現実などでは無く、夢、ようするに幻だとしたら?
そうだ。これは夢だ。夢。夢。
この変な感覚は、夢独特の物だ。
ぼるじょあはそう思いこみ、安心してその場にへたり込んでしまった。
という事はあの上司を刺し殺した事も夢なんだ。ようするに俺が刑務所で幽閉されてたのも夢。
本当は今・・・柔らかい布団で眠っているのだ。そして間も無く、目覚まし時計の音で叩き起こされ、会社に向かうのだ。
そう考えると、何故だか安心感が心の底から湧き上がって来る。
普通の思考であるならば、これが現実である事は簡単に分かるはずだが、今のぼるじょあには、もう分からなかった。
ぼるじょあは、狂っている人のように一人、大声で笑い続けた。
周りの音は何も聞こえなくなっていた。
「あははははははは・・・あははははははははは・・・エェー・・・」

ドン

一発の銃声により、ぼるじょあの笑い声が途切れ、悲痛な叫び声へと変わった。
そして、ドン また一発。
ぼるじょあの後頭部が弾け、スープが顔を現した。
それと同時に、ぼるじょあが大きく2回痙攣し、動かなくなった。
「+激しくラッキー+」
【男囚15番】激しく忍者は、マシンガンを採取し、再び歩き出した。

【残り22人】
155TAKUYA ◆nIOG6f/4QE :03/08/21 15:30 ID:l822YDXl
ギコの頭に、先ほどの自分の姿がうつしだされた。あえ
獲物を探しているところ、何者かを発見し、銃を打ち込んだ記憶が・・・だがそれはしぃだった。自分がしぃを殺してしまったんだ・・・しぃを・・・
「うわわわぁぁぁーー!!!」
ギコは突然暴れだした。ギコはしぃを殺してしまったことに大きく何かを感じている。
異変に気づいたさいたま右はすぐにとめに入る。
「ギコ君落ち着くんだ!」
しかしギコはとまらなかった。
そのまま手に持っていたスミスアンドウェスンM59オートを乱射し、それが周りの木々に当たる。
右は危険も顧みずギコに突っ込んだ。
バシッ!
その右のパンチにより、ギコはわれに返った。
「お、俺はなにをしていたんだ!」
「ギコ君大丈夫かい?」
ギコは一瞬顔の表情を積もらせた後、
「ああ、大丈夫だゴラァ!それよりさっきはすまなかったな・・・」
「え?」
ギコはそばの木に腰をかけ話した。
「さっきのしぃの件だが、殺したのは俺だったんだ・・・」
ギコは続ける。 

とりあえず2回に分けます。
156sage ◆lBLqITVI1I :03/08/22 00:57 ID:wPlj1+bl
【男子18番】激しく忍者は近くの森に入った。地図でいうと、E−3あたり。

やっと2人だ。失敗しなければ3人になっていたはずなのに。腕が落ちたか
武器は…ある。
支援武器の【マグナムリボルバー】2・3発撃ってある
手製の木製手裏剣約十枚
モナカからのショットガン【フリネージAUTO】弾はMAX
そしてついさっき、ぼるじょあから奪ったマシンガン【ウージー9ミリ(ry】だ

ウージーは曲者だ。なんせ重い。5・6kgはあるだろう。
こんなものを持っていたら、木に飛び上がることも苦しい。得意の敏捷性を生かせない


ん、重さ?
そうだ。重いならそれを生かせばいい。
157sage ◆lBLqITVI1I :03/08/22 01:14 ID:wPlj1+bl

忍者は早速作業に取り掛かった

落ちていたツタを集め、丈夫な縄を作る。
その縄でウージーを結び(もちろん弾は抜いてある)枝にかける
余った縄は地面すれすれ、ちょうど足首の高さにピンと張っておき、完成だ

誰かがここを通り、縄にかかって転ぶと、頭上から重たいウージーが落ちてくるという罠になっている

忍者は木の上で待機し、ショットガンで止めを刺せばいい。我ながらいい作戦だ


さっきから近くで叫んでいるやつがいる。そいつがかかってくれればいいだろう
もし誰も来なかったら、そのまま優勝すればいい……

激しく忍者は優勝を狙っている
158釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/22 11:01 ID:RxPEHkrg
【男囚1番】1さんは、E-3の森の辺りで、腰を落ち着けていた。
森ならばうまく木が自分の姿を隠してくれ、敵に出会う確立が少ないと思ったからである。
1さんは、積極的に他の囚人を殺す気は無い。自分一人だけ残るまでずっと隠れていようと思っていた。

僕と手を組んでくれて、束の間の安心を与えてくれたありすに報いる為にも――生き残らなければいけない。

1さんは、心の中でそう呟き、今はあの世に逝ってるであろうありすの冥福を祈った。
・・・しかし気になる。
このエリアは何か妙に血なまぐさい。あのむせ返る様な赤錆の臭いが一面に立ち込めているのだ。
1さんは、一瞬血の臭いのする方向に行ってみようとも考えたが、それはあえて止めて置いた。
たぶん血の臭いがするからには、誰かの死体があるのだろう。
1さんは、すでにありすの死体だけでも満身創意なので、正直もう死体を見るのはいやだった。
それで、死体と一緒に殺した奴もセットでいたら、どうなることか・・・
その先の事を予想し、1さんはぶるっ、と大きく身震いをした。

嗚呼、日が落ちる――

ありすに出会う前の孤独だった時。
武器がただのスリッパで、気が遠くなり、絶望した時。
自分が、犯罪を犯したキッカケを作った八頭身を憎悪した時。
夜の闇と、恐怖に飲み込まれそうで、ずっと震えていたあの時。

もう夜はいやだ。
あんな恐怖を、また体験するのは嫌だ。
自分がどうなるかを予想して、絶望の淵に追いやられるのも嫌だ。
せめてありすが傍に居てくれたなら・・・こんなに悩む事もなかったろうに。
「怖いよ・・・・・・ありすちゃん何で逝っちゃったんだい・・・?」




「5人目ゲェーット♪」
159釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/22 11:46 ID:RxPEHkrg
「は?」
突然の声にビックリし、1さんはすぐに後ろを向いた。
そこには、老魔女の如く顔を引きつらせ笑う、花瓶がいた。
その手には――ややこぶりだがマシンガンらしき物を、1さんに向かえて構えている。
「うぁ」
1さんは慌てて逃げようとしたが、目の前の石につまづき、転んでしまった。
それと同時に、花瓶のマシンガンが火を噴いた。
パララララ、と小気味の良い音と共に、倒れている1さんの頭の上を弾が飛んでいった。
もしも転んでいなかったら僕は・・・
1さんが考えていると、花瓶が再びマシンガン(ストームM9-32)を、倒れてる1さんに向け、構えた。
1さんは、すぐさま立ち上がり脚力を総動員し、地面を蹴り走った。
もう一度、パラララ、と音が鳴ったが、1さんには一発も当らなかった。
そのまま1さんは死に物狂いで走った。
花瓶と段々差がついてくる。
(ダイジョウブ。逃げ切れる。)
1さんがそう思った矢先だった。

ぴん

また何かが足に引っかかり、1さんはみっともなく再び地面にすっ転んだ。
1さんは、すぐに立ち上がろうとしたが、今回は転んだだけではなかった。

黒光りする何かが頭上から降ってくる。
何故突然自分に向かって物が落ちてくるのか訳が分からなかったが、もうそんな事考えてる場合じゃなかった。
ゴン、と鈍い音が響き、1さんの背中にそのモノが直撃した。
1さんは予想以上の痛さに、思わず「うぐぁ」と呻き声を漏らしてしまった。
あまりの痛さに、1さんは芝生の上をゴロゴロ転がる。
・・・やばいな。背骨逝ったかも。
1さんがそんな事を思うのと同時に、また銃声。
パァン、と今回はマシンガンの音ではなかった。
丁度自分があのモノに潰された所に、銃弾が打ち込まれる。
不思議な事に、その銃弾は、横からではなく、上から降ってきたのだ。
何がなんだか分からない。摩訶不思議アドベンチャーだ。

・・・どうやらそんなくだらない事を考えてる暇じゃないらしい。

1さんが、丁度モノが降ってきた当りの所を見上げると、そこにはショットガンを構えた通称【殺し屋】
【男囚15番】激しく忍者が立っていた。
激しく忍者の噂は、牢獄でも娑婆でも何度も耳にしている。
そして、自分を追いかけている【懲役2490年】花瓶も今自分のいる場所に辿り着きつつある。


どうやら運命の神様は僕を生き残らせまいとしているようだ。




誰かバトンタッチしてくらはい(つд`)
160(ノд`) ◆LLVegDyAFo :03/08/22 13:46 ID:wThwblkd
このバトルが繰り広げられている間、B-5民家には異変があった。
敵襲があったのだ。その家には、フーン(男子17番)と八頭身(男子16番)が仮眠を取っていたのだ。
原因を作ってしまったのは八頭身であった。彼は夢でまで1さんを思っていた。
「ウフフ、1さァ〜ん」
「あはは、八頭身〜」
なんとも幸せな男なのだが。彼は言ってはいけない言葉を寝言で言ってしまった。

「ぬ・・・・る・・ぽ」


「ガッ」

声が一瞬近くで聞こえた瞬間に八頭身は目を覚まし、起き上がった。がっと何かで地面が殴られ1秒前に八頭身の頭があった位置は粉々になっていた。
暗闇の中でもあの顔は忘れない。極悪非道のageブラザー(ry  いや、極悪人。
モララー(男子21番)だった。モララーは不意打ちを失敗したが再びハンマーを振りかざした。
「やめろー!!」

八頭身はものすごい勢いで体当たりをした。モララーの入ってきたと思われる入り口からモララーは外に飛び出る形で吹っ飛ばされた。
フーンが遅れながらも、「何事だ。」と銃を持ち、出てきた。暗闇の中で、フーンもモララーの握っているハンマーを目にした。
(あれが噂のガッとやってくる武器か。危険だな。)「八頭身!オレはそいつを撃つ。その場から離れろ!」
「だめだよ!フーンさん、殺しちゃだめだよ!」

八頭身は哀願している。フーンの表情が怒りに変わっていく。
「今殺さなきゃ、おまえの大好きな1さんも殺されるかもしれないんだぞ!」
「そうだけど・・・」

沈黙が走る。その時だった。

どこか遠くからうわぁぁという声が聞こえてきた。
それの方向に皆が顔を向けている一瞬をモララーは見逃さなかった。
持っていた銃でフーンを狙った。(油断は死亡の元なんだからな・・・・!)

だんと撃った一発はフーンの足元をえぐっていた。それにフーンは目をばっと見張った。そしてモララーを見た。

すでにモララーの姿はなかったのだ。そこには今誰もいなかったように何の変哲もない玄関であった。
(くそっ、逃してしまった。なぜ、オレは撃てなかったのか。躊躇だったのか?)公開の念が押し寄せる。

「なぁ八頭身――――あれ?」
八頭身の姿がなかったのだ。

「裏切りか?フーン。」
161(ノд`) ◆LLVegDyAFo :03/08/22 14:16 ID:wThwblkd
あれは1さんの声だ!八頭身は確信を持っていた。
あの場にモララーとフーンを置いてきたことはとてもいけないことだ。でも、1さんがこの近くにいる。
この機会を逃したら二度と会えないかもしれない!

1さんの声が聞こえた方向に一目散に走ってきた八頭身だったが、細かい位置まではわからず、森の中をさ迷っていた。
そこで再び八頭身はやってはいけないことをやってしまったのだ。
「1さはぁ〜〜ん、どこいにるんだはぁ〜い。」

・・・・・・・

・・・・・

・・・

静寂が戻ってき――――

「八頭身、くるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

この声は、1さんか!「くるな」という警告よりも、八頭身は1さんの声に引かれてしまった。
しかし、くるなという1さんの声は、同時にひとつの銃声を放った。


先ほどから森の奥では、激しく忍者・1さん・花瓶がにらみ合い(一人除く)を続けていた。
これは、誰もが動いたらやられるのだ。花瓶が1さんを撃つとその瞬間に忍者は花瓶を撃つだろう。
忍者が1さんを撃てば確実に花瓶は忍者を撃つだろう。そうすると必然的に、対峙すべきは――忍者と花瓶ということになる。

そんなにらみ合いをしている時だった。八頭身の声が響いたのは。
それに、彼、1さんは反応した。逃げろ、と。そして、それが引き金になってしまったのだ。

ッドンッ!ッドン!
パラッパララッパラララッ!

花瓶と忍者の打ち合いが始まった。両者は数発のうち、お互いに1発づつもらってしまった。
両方が吹っ飛び、倒れた。1さんは今のうちだと思い、這いずり回り逃げようとした。


すると、背中が何物かにつかまれ、持ち上げられた。―――殺される―――!

「やっと会えたね1さはァ〜ん♥」
八頭身が、それは、人さらいのようなスピードで1さんをお姫様抱っこをして連れ去った。
でも、1さんは、このような事しかいえなかった。
「キ、キモいよぉ〜」




そのころ、ギコ(男子5番)とさいたま右(男子9番)は会話の最中だったが付近の銃声に気づいた。
「・・・何だろう、今の銃声。銃声は2種類かな、声も聞こえた。」
「ちょっと見に逝ってみるか?ゴルァ。」

――運命は、AA達をめぐり合わせるのか―――――

【残り22人】
162( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/08/22 14:32 ID:nf3HBluZ
「ここが、灯台かょぅ・・・」
ぃょぅ【男子3番】はD-7、8の合間にある灯台の入り口に来ていた。
隣にはちびしぃが着いてきている。G-7で豪快に転げ落ち、見事に鉢合わせたが
自分がやる気がないことを必死に説明したら、なぜだがクスクス笑いながら
「いいですよ。仲間になってあげます。一緒に行きます」と言ってくれた。
その後、ちびしぃはボクが北へ行こうとすると「そっちはだめです」
と言ったり、南に行こうとすると「そっちにはなにもないです」と言ったりした。
結局、彼女に言われるままにここまできた。結果、誰にも会わなかった。
「ここに入るのかょぅ・・・?」
「はい。そうです。ここで休憩するのです」
うぅん・・・とぃょぅは考えた。確かに休憩するにはイイ場所だが、逃げ場がないょぅ
「さあ、早くいくのです」
「わかったょぅ」
なんか恥ずかしかった。男としてのプライドかょぅ?

灯台の中は真っ暗だった。
(はっ!)
ヒュッと何かが空を切る音がした。
間髪おかず背中に激痛が走る。
「ぃ、ぃょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
背中が熱かった。思わず膝をつく。
ギギギ・・・という音と共に灯台の扉が閉ざされる。外界からの光は閉ざされた。
灯台の中に完全な闇となった。
「アナタ、馬鹿ですか?このゲームで味方も何もないんです。なにがやる気がないですか。甘いです」
「ぃょぉ・・・・」
ぃょぅは立ち上がり闇雲に走り出した。ゴン!と壁に激突した。
その際にバッグと武器を落としてしまった。もうどこにあるのかわからない。

(なんでこうなるんだょぅ!)
もう開き直り、また走り出した。すると何かにつまづき、またコケた。
(か、階段だょぅ・・・!)
「上に逃げるのですか?ムダです。どうせ一番上の階まで行けば行き止まりなのです」
闇の中にちびしぃの冷酷な声が響く。だが、それを気にせずぃょぅは一気に階段を駆け上がった。
背中の痛みが一層強くなったが、屈することはなかった。


ちびしぃは落ち着いてバッグから懐中電灯を取り出した。
闇の中に薄暗い光が差し込む。
「なんなんですか、これ。電池が切れかけてます」
光の先には階段の一段目がある。そこには血も付着していた。
「さぁ、じっくりと殺してあげるです」
ちびしぃはゆっくり階段を上り始めた。
163( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/08/22 14:35 ID:nf3HBluZ
カツ・・・カツ・・カツ・・
(私は優勝するのです。私は人殺しなんかしていないのです。免罪なのです!だから優勝して表舞台に戻るのです!)
奇しくもぃょぅとちびしぃは同じ境遇だった。ただ、考え方が違いすぎた。
「もうすぐ最上階です。追い詰めたです」

最上階につくとそこには開放された扉。そしてそこから夕日が差し込んでいた。
「そうですか。展望台に逃げたのですか。どっちにしろ無駄です」
ちびしぃが軍用ナイフをより一層強く握り締め、開放された扉の元へと向かう。
チャキッ
「へ?」
展望台へと歩み出たちびしの耳に妙な音が聞こえた。
「動くな!」
ちびしぃのすぐ横、そこにはワルサーを構えたモララー【男子21番】がいた。
そしてその奥には縄で縛られたぃょぅが座っていた。


「なぜ・・・殺さないのですか?」
ちびしぃもまた、ぃょぅと同じように縄で縛られ、座っていた。隣にはぃょぅがいる。
「なぜって?いざというときにボクの壁になってもらうためじゃないか!当たり前だ
ろう?」
ヘラヘラ笑いながら、それを言うモララーに憎たらしさがあふれ出てくる。
「モララーくん、やめようょぅ・・・殺し合いなんてダメだょぅ」
「まだそんなこと言ってるのですか!そんな甘ったるい考えは捨てるのです!」
「こらこら、ケンカはダメだよ。マターリしようよ♪」
フン!とちびしぃはソッポを向く。ぃょぅは(´・ω・`)としている。
モララーはちびしぃのバッグから役に立ちそうなものを取り出している。


「さぁて、準備もできたし!ここは出るよ。ホラ、立つんだ!」
渋々二人が立ち上がる。縄はすでに解かれていた。
「縄、解いたからって逃げるんじゃないぞ!」
「わかってるょぅ・・・」

灯台の外に出た。時間は午後五時過ぎ。もう陽が傾き夕日が眩しい時間帯だ。
そういえば、もうすぐ放送の時間だ。モナーは生き残っているだろうか・・・
「これから、どうするんだょぅ・・・・」
ぃょぅが心配そうに話しかける。
「とりあえずH-6の民家を目指すよ。そこで作戦を練って、本格的な行動開始」
ここにまた、妙なグループが一つ誕生した。
164( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/08/22 14:35 ID:nf3HBluZ
忘れてました【残り22人】
165゚ω゚)ノぃょぅ視点 ◆m3ru9dTI/2 :03/08/22 15:12 ID:WJqD9zBj
―――――――不運なのか幸運なのか。
(いや、確かに味方は欲しかったけどょぅ・・・)
豪快に転んで、見つかって、斬られて、追い詰められたと思ったら助かって、
でも壁扱いされていて。
背中は痛むし、モララーくんはなんか楽しそうだし。
(・・・H-6の民家かょぅ・・・)

「モララークン、その民家に何かあるのですか?」
今自分が聞こうとしたことをちびしぃに聞かれてしまった。
「ん〜♪大したもんじゃないよ、別に。」
ヘラヘラしすぎて、何も分からない。やる気なのか、やる気じゃないのか。
だが、そんなモララーを見ているうちにだんだん緊張は解けてきた気がした。
まだ、背中の傷は痛むが。

【残り22人】
166TAKUYA ◆nIOG6f/4QE :03/08/22 15:13 ID:6tjAR10A
そのころ【男囚10番】ジサクジエン、【男囚11番】ダマレコゾウ、【男囚17番】ヒッキーの三人組はB−3に潜んでいた。
みんな無言だったが先に口を開いたのはダマレコゾウである。
「これからどうするんだ?小僧。」
その一言で全員が作戦を立てることにした。
「トリアエズアンゼンナトコサガス。イイ!」
そんな会話の中ヒッキーは、
「チズヲミルト、チカクニハイキョガアルミタイダヨ・・・」
確かに地図にはB−3の近くに廃墟があることを示してある。
だが、近くに敵が潜んでいるかもしれない・・・
「もし、その廃墟に敵が潜んでいるかもしれないぞ!小僧。」
「ダイジョウブサンニンイルカラダイジョウブダ!イザトナッタラミンナデタタカウ.カコイイ!」
そのジサクジエンの言葉に全員が賛成した。そして、廃墟を目指し3人は歩き出す。


――だが、彼らにはある、アクシデントが起こるとは知る由もなかった・・・




167釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/22 15:52 ID:RxPEHkrg
「うふふ・・・激しく忍者さんどこぉ〜?」
花瓶は、さっき一発弾が当ったものの、防弾チョッキをつけてる部分に当たったので、ほとんど外傷は無かったようだ。
それに比べ、激しく忍者は肩の部分に弾が当り、木の上から落ちてしまいもした。
そして今は、フリネージ片手に木の後ろの草叢に身を隠し、反撃のチャンスを待っている。
と、自分を探している花瓶が、自分が身を隠している草叢にそろそろと近寄ってきた。
そして花瓶は、相変わらず楽しんでいるかのようにニヤニヤ笑っている。
・・・殺しを楽しんでいるのだ。
激しく忍者は、ぞっとした。
人殺しを楽しむ人間なんて普通にいないと思っていたが・・・目の前のこの人物は、目の前のこの人物は、

・・・駄目だ。こいつだけは絶対に出所させちゃいけない。

「+激しく――殺害。+」
激しく忍者はそう呟いた。
そして、一気に草叢から顔を出し、フリネージを花瓶に向け構えた。
花瓶はビクッ、とこちら側を振り向き、ストームを構えようとした。
しかし激しく忍者が一瞬早かった。

パァン

ショットガンの銃声が当りにこだまし、花瓶は後ろざまに倒れた。
銃弾は、ピッタリ腹部の当りに命中したようだ。
「+激しく――殺害成功。+」
激しく忍者は、倒れている花瓶を見ながらニヤリと笑った。
そして、既に安心しきったのかフリネージを降ろし、花瓶の死体に近寄った。
――どうせならあいつの死に顔を見てやろう。
そんな風に思っていたのだ。
しかし、それはあまりの不用意だった。
激しく忍者が、花瓶の顔を覗こうとしたその時――
ピクリとも動かなかった筈の花瓶が、突然右手を激しく忍者の眉間の当りに合わせた。
無論ストームを持ちながら、だ。
激しく忍者は驚愕した。
ただでさえモロにショットガンが腹に当ってるってのに何て生命力だ。
しかも・・・花瓶は笑っている。
相変わらず楽しんでいるかのようにニヤニヤと。
そして、花瓶のストームが火を吹く。
それと同時に。激しく忍者が花瓶の元から飛び退いた。
そして、また花瓶が激しく忍者に狙いを定め、更にもう一発。
またもパラララという聞きなれた音が聞こえる。激しく忍者に弾が当る前に、激しく忍者は再び素早く
草叢の中に転がり込んだ。

「逃げてばっかり?もう。徹底的にやんなきゃだめねっ。」
168釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/08/22 16:15 ID:RxPEHkrg
あいつが何故生きてるのか、は置いといてどうやって奴を殺すかを考えなければ・・・
激しく忍者は草叢の中で再び考え出した。
しかし、無論花瓶は考える時間を与えてくれはしない。
花瓶は、そろそろと激しく忍者がいる草叢へと近寄った。
考えてる暇は無い。とっておきの一発をあいつに叩き込んでやる。
・・・東洋一の殺し屋とまで呼ばれた俺の実力を見せてやる。
激しく忍者は、ショットガンを再び花瓶に向けて構える。
照準は、花瓶の眉間だ。
まさか眉間をやられて死なない人間なんざいまい。
花瓶は、照準を合わせられてることも知らずに、呑気にこちらに近づいてくる。
よーし、もう一歩だ。イや・・もうちょっともうちょっと・・・
花瓶が、既に自分の間近くまでにじり寄って来ていた。
やるならここだ。ここしかない。
激しく忍者は、フリネージの引き金を一気に引いた。
勿論照準は花瓶の眉間。
これが決まれば、花瓶は終わる。

そして、パァンと言う銃声とともに、花瓶の眉間がはじけ・・・なかった。
フリネージは、引き金を引くとカシュ、カシュと乾いた音がするだけで、弾は発射されない。
そして、ついに花瓶に気づかれてしまった。
再びストームを構える花瓶。
激しく忍者は再びその場から逃げ出した。
花瓶のストームの銃弾は、空を切った。
「またぁ?逃げてばっかりジャン!」
花瓶は、だだをこねるお子供のような口回しでそう言った。
そして、ストームを構えながら、激しく忍者に近寄る。
激しく忍者は、正直弾を詰め替える暇なんかなかった。
それに、予備の弾薬が入れてあるディパックは木の上に取り残し。
わざわざ危険を犯してまで取りに行く必要は無い。まだまだ武器はある。
169緑鼠 ◆IVwMdpCrCU :03/08/22 16:31 ID:prA91rdL

「さあ、もうこれで最後のパーティよ♪」
 花瓶の表情は笑んでいながらも、どこか覇気を含んでいた。
 激しく忍者の脳裏に、今まで感じたことがないいような恐怖が走った。
 武器の利は五分五分。相手は不死身のような体力。どこからどう見ても無敵だ。
 ……だが、一つだけ、激しく忍者には絶対的に自信があるものがある。
「+ 激しく受けて立つ +」

 激しく忍者声と同時に、花瓶のストームが火を吹いた。
 地面に銃弾がめり込む音が生々しい。やわらかな土が弾け、まるで馬の蹄の跡のようになった。
 が、そこに激しく忍者の姿は無かった。
 変わりに「+ クックル +」と書いてある木の柱が置いてあった。
 囚人時代に激しく忍者がこっそり殴っていたサンドバッグ代わりのものだった。
「+ 激しく変わり身の術 +」
 花瓶の頭上の木から、忍者が飛び出した。その手には 手製の木製手裏剣があった。

 これでも俺なら十分に殺傷することができる武器だ。
 忍者は最後の賭けに出るつもりでいた。
 鋭く削った手裏剣を、花瓶の頭上から落下速度を使って叩きつける。
「上っ!?」
 花瓶が忍者の動きに反応した時には、その木製手裏剣は激しく忍者の手から離れていた。
「+ 激しく終了 +」
 クックルがいたらマウントされそうなほど格好をつけて着地した。
 それから息をつき、花瓶の死体があるであろう方向へ振り返った―――瞬間。
「そうね、これで終りねっ♪」
 目の前で、花瓶の笑顔が咲いた。アクマのようだった。
 そして花瓶のストームが、忍者の額に照準を合わせていた―――間に合わない。

――――パァン!

 銃声が響いた。
 花瓶の銃のものではないのは、激しく忍者の耳にも明確だった。
 花瓶の肩を銃弾が貫いたのだ。初めて花瓶の体に外傷が見受けられた。
「誰っ!?」
 花瓶が叫び、振り向いた。同時に、激しく忍者は飛び退った。
「動くなゴルァ!」
 銃を構えていたのは、ギコとさいたま右だった。
 さきほど銃弾を放ったのはギコのようで、さいたま右はただ構えているだけのようだった。
 この戦闘の音を聞きつけて寄ってきたのか。
 どちらにせよ助かった。今のは間違いなく殺されていた。
 花瓶はストームを握ったまま、ギコたちのほうを見つめていた―――表情は、さきほどより更に覇気をはらんでいた。

▼割り込みなら飛ばしてください……
170名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/22 18:27 ID:Q5dxCieP
【女囚11番】じぃは森の中を北に移動していた。
目指すは林。誰かが潜んでいる可能性は高いが、森のように大して広くは無い。
脱出するのであれ、殴り込みをかけるのであれ、仲間あるいはもっと強力な武器が無くては話にならかった。
いくら銃器類の扱いの達人であるじぃでも、デリンジャーでは無理があった。
と、すれば誰かに会わなくてはならない。危険はあるが本気でやる気の奴が潜んでいる可能性は森よりは低いだろう。
もっとも、誰かと仲間になった場合は、自動的に脱出ということになるのだろうが・・・。
しかし慎重にいかねばならない。裏切るために仲間を探している奴もいるはずだ。
幸か不幸か、誰にも出会うことなくF3まで来たときに、じぃの聴覚が反応した。
誰かの叫び声。微かな声だったが、北西の方から聞えてくる。
さらに注意し、感覚を研ぎ澄ますと、僅かだが銃声らしき音も聞こえた。
(北東にはやる気になっている奴がいる・・・。)
そのまま北や西に行けば、銃声の主にやられる可能性は高くなる。
(進路変更ね・・・。)
じぃはそう言うと、今度は西へ向かうことにした。
しばらく歩いて、地図を確認する。ここはG−3になるのだろうか?
Gは彼女のスペルだ。だからという訳では無いだろうが、何かが起こる気がした。
まだ日が出ているのに薄暗い森を慎重に歩いていると、自分が発したのではない僅かな音を感じた。
(誰かいる!)
まだ目では捉えていないが、彼女の全身の感覚がそれを教えてくれる。
素早く近くの比較的大きな木に身を隠し、デリンジャーを握り締めそっと覗く。
(・・・・・・あれは・・・)
肩から血を流し、小声でアイゴー、アイゴー呟いているのは、ニダー【男囚14番】だった。






171 ( ・∀・)⊃ ◆Gson/SnCLY :03/08/23 00:11 ID:UdfwnmhX
じぃがニダーを発見したそのとき【男囚14番】ニダーは海岸近くの小岩に腰掛けていた。
一通り肩の止血を済ませ、物思いに耽っていた。

――――何でニダ?――――

ニダーは不思議で仕方がなかった。
「何で誰も作戦に乗ってくれないニダ?成功すれば逃げられるかもしれないのに・・・・」
ニダーも死体なるものを見てしまった。それはこの上なく無惨な姿であった。
「何でこんな無意味な殺し合いをしなくちゃいけないニダ・・・・」
ニダーの心には、後悔の念があった。いや、後悔の念でいっぱいだった。
「もう誰が氏ぬのも嫌ニダ!ウリがこのゲームを止めてやるニダ!」
そう決心したときだった。

チャキッ
聞き覚えのある音が聞こえた。そう、あの銃を構えるとき独特の音――――
「だ、誰かいるニダ!?ウリにはやる気はないニダ!こそこそしてないで出てくるニダ!」

(ばれてしまったか・・・)
木の陰からその音の主が出てきた。
「じぃ・・・・」
木の陰から出てきたのは【女囚11番】じぃだった。
「ばれないと思ったんだけどそうもいかなかったみたいね」
じぃは少し苦笑した。
「見つかっちゃったらしょうがない。消えてもらうとしましょう」
そう言うとじぃはゆっくりとニダーの眉間に照準を合わせる。
「ま、待つニダ!ウリには本当にやる気はないニダ!
・・・そうニダ!一緒に脱出するニダ!こんな糞ゲームとはおさらばするニダ!」
ニダーはそう言った。しかしじぃは一向に銃をおろす気配を見せない。
(どうしたニダ?どうして何も言わないニダ?どうして誰も作戦に乗ってくれないニダ?)

それから数分が経とうとしていた。
最初に口を開いたのはじぃだった。
「あなた、本当にそんなこと考えてるの?」
じぃは少し驚いた表情で言った。
「そうニダ。それがどうしたニダ?」
辺りはまた静寂に包まれた。


とりあえずここまで&やっぱりコテ変えてる漏れ・・・やっぱリア厨はだめだめだなぁ・・・
172名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/23 01:22 ID:AzmuNVG/
「え〜午後6時になりましたぁ。
殺された順に囚人の名前を読み上げるぞ〜。
【女囚14番】でぃ、【男囚2番】イマノウチ、
【女囚5番】ありす、【女囚18番】モナカ、 【女囚19番】モネー、
【男囚19番】ぼるじょあ、だー。
禁止区域は30分後にE-3、1時間後にI-3、2時間後にH-3でーす。
E-3に人が固まってるようだけどすぐに散ったほうがいいぞー。
じゃ、またなー。女囚は数もすくなってきたから頑張れー。」
173あぼーん:あぼーん
あぼーん
174あぼーん:あぼーん
あぼーん
175あぼーん:あぼーん
あぼーん
176あぼーん:あぼーん
あぼーん
177あぼーん:あぼーん
あぼーん
178あぼーん:あぼーん
あぼーん
179あぼーん:あぼーん
あぼーん
180あぼーん:あぼーん
あぼーん
181あぼーん:あぼーん
あぼーん
182あぼーん:あぼーん
あぼーん
183あぼーん:あぼーん
あぼーん
184あぼーん:あぼーん
あぼーん
185名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/23 19:39 ID:kyM5SIuT
>>173-184は哀れなヒキコモリ(プ
186名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/23 23:01 ID:AzmuNVG/
ぴーんぽーんぱーんぽーん♪
突然の定期放送の音にギコとさいたま右は銃を構えたまま
はっと音がする方向を振り向いた。
「え〜午後6時になりましたぁ。
殺された順に囚人の名前を読み上げるぞ〜。
【女囚14番】でぃ、【男囚2番】イマノウチ、
【女囚5番】ありす、【女囚18番】モナカ、 【女囚19番】モネー、
【男囚19番】ぼるじょあ、だー。
禁止区域は30分後にE-3、1時間後に・・・」
この放送にギコはギョッとした。
あと30分でここが禁止エリア・・・早く脱出してしまわなければ・・・
けどどうしよう。
と、ギコとさいたまが完全に放送に気を取られているときだった。

ドン

「ぐあっ!」
一発の銃声と共に、ギコの脇腹から血が吹き出した。
それがアイズだったかのように、激しく忍者と花瓶が違う方向へ逃げ出した。
「大丈夫か!?ギコ!」
さいたま右が、慌ててギコに近づいた。
「ぐっ・・・大丈夫だ・・・くそっ、あいつら逃げやがったか・・・追わなきゃ・・・」
ギコはそう言い、立ち上がり、後を追おうとする。
「そんな傷じゃ駄目だ!手当てをしなきゃ!医療所へ行こう。」
さいたま右はそう言うと、ギコをおんぶした。
「悪いな・・・」
すまなそうにギコが言う。
「いいよ。謝らなくても。」
さいたま右はギコに元気付けるように言った。
二人は医療所へと足を進める。

【残り22人】
187名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/23 23:02 ID:SSqXqexC
さ〜て
 今日はどうやって頃そうかな〜       アルェー
    ∧_∧                   ∧_∧
   ( ・∀・)    ::∧∧::          (・3・  )
   (    )    ::(*T-゚)::          (    )
   | | |     ::ノ  |::   ,、,、      | | |
   (__)_)  ::〜O,UUつ::  (0゙,,),)~   (_(__)
                ウィィー!? ウミィー!!


             オナガイ!!
          コノコニハ ナニシテモイイカラ
    ∧_∧    シイダケハ タスケテ!!      ∧_∧
   (;・∀・)    ::∧∧::          (・3・; )
   (    )    ::(*T0゚)::          (    )
   | | |     ::ノ  |::   ,、,、      | | |
   (__)_)  ::〜O,UUつ::  (0゙,,),)~   (_(__)
                キュィーッ!! キュィーッ!!

┌────────────────
│子供まで、やらなくてよかったかNA?
└───────v─────────

   ∧_∧   ∧_∧
  (・∀・ )  (・3・  )
  (    )  (    )
   Y  人   Y  人       、,,.,.,,,λ_,,,  ,、,、 …
   (__)_)  (__)_)    と´;;メ;;@(#゙;;-゙) (q゙,;),)~ …
                     "''"∵"''"'';
┌──ヘ────────────────────────
│大丈夫!!しぃは不滅だからね、絶滅なんてしないんだよ。
│…それに、ゴキブリは核戦争でも生き残るって言うしな!!。
└───────────────────────────
188名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/23 23:04 ID:kyM5SIuT
>>187
今更しぃ虐殺ネタなんて流行らねーんだよヴォケが!
スレ違いも甚だしいからさっさと氏ねカス!
18924時間テレビ実況 ◆LLVegDyAFo :03/08/23 23:52 ID:xRXjvgyd
「激しく忘れ物」
激しく忍者は荷物をとりに戻ってきた。
「激しくこれ必要なし」
ウージーなどの銃器類は林の中に捨てた。弾も入っていないし、誰かが拾っても
つかうことはできないだろう。激しく廃棄。

「激しく移動開始。」
忍者は使い勝手のよい自作武器を片手に持ち、デイパックを片方の腕にかけ
その場を後にした。

【残り22人】
----------------------------------------------------------------------

>>188
コピペニマジレスカコ(・A・)ワルイ!
190名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/24 03:01 ID:rhnC3C+z
「危なかったな・・・あと数センチずれてたら足が吹っ飛んでたぜ」
誰もいなくなったB5の家で、フーンは呟いた。結局あれから移動していない。
戦闘の跡が残っている室内。ハンマーで叩き割られた跡、銃痕のついた床板。
───8頭身の野郎、交代で仮眠を取る予定だったのに、寝ちまいやがったな。
危険になったら捨てるつもりで一緒に行動したはずが、捨てられた。自分もまだまだだな、と舌打ちする。
───さて、どうする。
フーンは悩んだ結果、隣の家に移り、そこで夜を明かす事にした。夜は絶好の『狩り』の時間となりえるが、同時に危険でもある。
このゲームでは、下手に動くのは賢明とは言えなさそうだ。
そう考え、彼は判断を下した。
・・・実際、出ていった8頭身が気になり、戻って来るかもしれないとの期待があったせいでもあるが。

【残り22人】
191名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/24 07:35 ID:DywDSnX+
                 2ちゃんねるを引き立てるキャラクターたち
┌──────────────────────────────────────────────┐
│  ∧_∧           ∧_∧  /■\  ∧_∧  ∧_∧  ((( ))) ∧∧  (-_-)   ∧ /∧ ∧   .|
│ ( ´∀`)   (・∀・)    ( ´_ゝ`) ( ´∀`) (  ^^ ) ( ´Д`) ( ´Д`) .(,,゚Д゚)  (∩∩)  (゚∀゚( ゚∀゚ ) . . . |
| 【モナー】【ジサクジエン】【ふーん】【おにぎり】【山崎渉】【八頭身】 【1さん】 【ギコ】【ヒッキー】 【さいたま】    .|
|                                                                    |
|   ∧∧    ∧_∧   ∧∧   ノノノノノ  ●  ●、     ∧ ∧    |    |  λ_λ  ∧_∧      |
|  ミ,,゚Д゚彡  (  ・3・)  (=゚ω゚)  (゚∈゚*)          \   ( ´ー`)   ( ・∀・) ( `ー´) ( ・∀・)      |
| 【フサギコ】【ぼるじょあ】【ぃょぅ】【クックル】 【ぞぬ】 ▼ | 【シラネーヨ】【マララー】 【ネーノ】 【モララー】    .|
|                                                                    |
|   ∧ ∧   ∧,,∧   ∧η∧  /■ヽ          円_円   ∧_∧  ※しぃはゴミですので         .|
|  (,,・∀・)  ミ,,・∀・ミ  (,,・Д・)  (,,・∀・)   ▼・ェ・▼ ¥・∀・¥ <ヽ`∀´>    入りません              |
| 【ちびギコ】【ちぴフサ】 【レコ】 【おにーに】【ビーグル】 【マニー】 【ニダー】                      |
└──────────────────────────────────────────────┘
192名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/24 10:34 ID:llSkKcVx
しぃを苛めると、皆がかまってくれるからなぁ。
かまって欲しいんだね。
ヒキコモリとか、はやんねぇんだよとか、やめろとか、
声をかけて欲しくて仕方ないんだよね?
かまってあげたよ。満足かい?(ゲラ
とりあえず、次回から放置な。
193名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/24 10:53 ID:CdLoSq8/
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194名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/24 10:57 ID:CdLoSq8/
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  'll!!llli,,     llL,,,,llllllli,,、                ,,,,,,llllllli,"゙!lllll,      ゙!llllll
195ぼるじょあ ◆yEbBEcuFOU :03/08/24 16:45 ID:o5At0sY+
         「う〜〜っ」
  ∧_∧    ∧ ∧    ∧_∧
 ( ・3・ )   (・3・)    ( ・3・ )
 ( つ⊂ )   (つ⊂)   ( つ⊂ )
  ヽ ( ノ   ( ( )    ヽ ( ノ
 (_)し'     U U'    (_)し'


        「ぼるじょあ♪」
  ∧_∧    ∧ ∧    ∧_∧
 ∩ ・3・)∩∩ ・3・)∩ ∩ ・3・)∩
  〉    _ノ ヽ    _ノ  〉    _ノ
 ノ ノ  ノ   て ,) )   ノ ノ  ノ
 し´(_)    U´ ヽ⊃  し´(_)
196ぼるじょあ ◆yEbBEcuFOU :03/08/24 16:57 ID:4gavps1R
     llllllllllll                               lllll
          lllllll                              lllll
        lllll                                llllll
    lllll  llllllllll  llllllllll                        lllll
  lllll      lllll    llllllllll    lllllllllllllllllllllllllllllllllll   lllllll
 lllll      llllllllll    llllllllll                  lllllllllllllll      lllll
llllllllll      llllllllll  llllllllll                  lllll    lllll  lllllllll
        llllllllll                          lllll      llllllll

       ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧  ∧_∧
      ( ・3・ ) ( ・3・ ) ( ・3・ ) ( ・3・ )
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197ぼるじょあ ◆yEbBEcuFOU :03/08/24 17:00 ID:4gavps1R
                 こんなところに
 スキーリだYO!       トイレがあって
  ゴルァ            助かったYO!
   ∧∧            ∧_∧       ______
  (,,・3・)           (  ・3・)       |__|__     . |
   |ヽ)(/           /○  つ_∧    .  (・3・,)´| 紙  |   _______
 〜|  、。     ∬  ∬(_(_⌒)゚- ゚,,)      (・3・,)´| \50 .|   | ← 公衆便所 |
   U"U ヽ。 ∬  ∫  ,; しし' (_@     . (・3・,)´|     |     ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄
"""""""|;;:。ヾ;;;;,:.,∬..,.';"://;:'|"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
     |:::,;,':l! l。∧λ。●;∬| 
     |l..';':。`(゙O;゚#n)゚_゚__:,;':i|
     |li,;/;;;(n;'ヾ)::;/\l|
     |;/| ̄ ̄ ̄ ̄|\/;|
     |,,;; .| 肉便器 |/;;'ノ
     `ヾ゙; ̄ ̄ ̄ ̄∵ノ
198ぼるじょあ ◆yEbBEcuFOU :03/08/24 17:01 ID:o5At0sY+
                                   //                    |
                                  //     」              |
                                  //     7Γ               |
                                   //_                     |
                                     ||| |                    |
                                     |  |                 /
                   ダンッ                | u |                 /
                        ダンッ            |  \                |
                    \    _             |  \              |
  マトリクスー            _―\\ || |   ___      |__  ̄ ̄―______-/
    ━−‐‐‐             ) ( ̄ ̄ ̄(Ξ (|| ||       |   _______|__
━ ∧_∧‐‐ ━−‐‐‐     ̄―//  ̄ ̄(Ξ  (|| ||  ___|―― _________|_
  (  ・3・)ーっ__ ミ アルェー /  ダンッ   (Ξ  (|| ||≪| _―― ̄ ̄              |
  ⊂ニ__  ̄ヽ\                   | ̄― ̄/ ̄  ____―――――――――
       (__)_)                 ( ̄(0_/ ̄ ̄ ̄
                        ( ̄ ̄/
                           ――⌒――ヽ
                          /         ヽ
                        /           ヽ
                       /              ヽ
199名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/24 19:24 ID:mf8U+LQL
荒らしながらもsageてる御前等萌え
200名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/24 20:50 ID:qraOHNTn
「じゃあ聞くわ。」
【女囚11番】じぃが【男囚14番】ニダーに言った。
「相手が自由に爆破できる首輪をつけてどうやって脱出するの?仮に首輪を外したとしてどうやってこの島を出るの?脱出できたとしても、それは国家反逆罪。どこか逃げる当てはあるの?」
「それは・・・・・・・・・。」
じぃに一気に言われ、言葉に詰まる。
「・・・じゃあお前はどうしようとしていたニダ?」
ニダーが逆に問うた。
「私は、この戦いをさせた奴に一矢でも報いるつもりだったわ。」
「どうやって?」
「禁止エリアに踏みこんでもすぐに首輪は爆発しない・・・。出発地点に全力で突っ込めば、爆発までに一人くらいは・・・。」
「何考えてるニダ!!!」
じぃの言葉は途中で遮られた。
「自分から死にに行くなんて・・・そんなの・・・絶対脱出方法はあるはずニダ!」
「・・・とりあえず大声は止めて・・・。感づかれたらどうするの?」
ニダーを左手で制しながら、じぃは思った。
(こいつは本気で脱出を考えている・・・・・・。殺し合いをしないために・・・。)
「分かったわ。脱出の方法を思いついたのなら、協力してあげる。ただしそれが無理だと分かったら、私は奴らを狙う。邪魔をするならあなたも殺すわよ。」
「それでもいいニダ!ウリとお前は仲間ニダ!!!・・・あ、すまないニダ・・・」
大声を出すなと言われたのを思い出したのか、ニダーが詫びを言った。
(仲間・・・。)
組織にいたころのメンバーも、確かに仲間だった。
だが、スナイパーという性質上、実際に任務を遂行するときは一人。正確な意味で一緒に闘う仲間はいなかった。
「言っておくけど、敵も誰かと組んでいる可能性もあるわよ。いずれ裏切るつもりで。だからこれで安心とは思わないでね。」
口ではそう言いながらも、じぃは考えていた。
(こいつと一緒なら・・・あるいは・・・。)
僅だが、希望というものがじぃの心の中に出来ていた。
201名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/24 22:03 ID:Lb8L0SX4
じぃとニダーが和解を遂げたときであった。それは、突然にやってきた。
両者に希望や夢やそのような考えが巡っている、まさに「生」への執着が生まれたときであった。

危ないニダーッッ!!


トトトトッと音が鳴った。それは、「彼」、いや攻撃を受けた本人にとってはサクッという小気味よい音だったかもしれない。

彼、ニダーの頭に4つの手裏剣が刺さっていた。ニダーはじぃの上に伏せるような形で倒れた。
しかしニダーはまだ頭から手裏剣を抜いていなかったので出血は少量、薄くしか刺さってはいなかったので致命傷にはなり得ていなかった。

「何者ニダ!」
ニダーが叫ぶとそこに一人の男が降り立った。その男は返事をすることがなかった。
「ニダー、どいて。私はこの男を撃つ。」
じぃが銃を構えた。その男との距離はゆうに10メートルはある。狙いは、外れない。
しかし、その男はにやりと笑った。男はひゅっと何かを投げるとそれがじぃの銃口に突き刺さった。

二人はあぜんとした。この、狙いのよさは――?二人の目が、一瞬、銃口に釘付けとなった。

その一瞬、目をその男に戻そうとした、刹那―――――



なぜ、この男は

目の前にいるニダ?


今度は確実にその男の持っていた武器(近くで見れば「木製くない」だということがわかったが)によって
ニダーの両目がえぐられた。眼の奥からは白い何かの液体と、涙に似た透明な液と、血があふれ出ている。
ニダーは目が見えなくなった衝撃で、狂い始めた。
「アァぁァアあァァぁあアあァアア!!!」

きゃぁとじぃがその場から離れると、今度は四つん這いになったニダーの首元にそれを突きつけた。
何かが首筋に触っている感覚はニダーの脳にも感じ取れた。
「やめッ!やめるッ!やめてニダっ!もうッやめるッニダッ!」

遅かった。すでに「それ」はずぶずぶとニダーの首に深く突き刺さりそれを抜くと地が噴出した。

「死にッ・・・たくない・・・生きたかッ・・・・た・・・。」
「激しくうざい。」
あおむけになったニダーの額に「それ」をサクッと刺し、足で踏みつけた。
勢いよく踏みつけたためにニダーの顔は原型をなくし、彼の脳はその場に飛び散った。

そして、その男、【男子17番】激しく忍者は、ニダーの今は見る影もなくなった死体をぐちゃぐちゃと右足で踏みつけると、
じぃを次の狙いに定めた。

「激しく容赦無し。」

残り21人
202名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/25 01:09 ID:ipLp//6A
【男囚21番】モララーにH−6の民家へ連れられている。
こんな信用出来なさそうな奴に付いていっていいのだろうか?
【女囚12番】ちびしぃは心底心配していた。
本当なら手始めにいよぅを倒し、それから順調に表舞台への復帰の階段を上っていけるはずが・・・
これはかなりの誤算であった。
そして、「モララークン、その民家に何かあるのですか?」
と聞こうにも
「作戦でなんですか?」
と聞こうにもモララーは
「ん〜?さぁ、何だろうねぇ。」
と曖昧な返事を返す。
大体懲役87年もののモララーだ。信用出来る訳が無い。
軍用ナイフも奴にボッシュートされてしまった。

・・・もしかしたら私はとても危ない道を渡っているんじゃないか・・・?
そんな気分にもなってしまうのも必然だ。

それから、H−6の民家へと足を進め、小一時間は経っただろうか。
モララーは相変わらずニヤニヤ笑ってるし、いよぅはオドオドしながら後に付いていってる。
「モララーくん?僕達は一体何をしようとしてるんだよぅ?作戦って何だよぅ?」
「あ〜?秘密。」
いよぅとモララーが何気なく話している。
モララーの奴、やはり秘密を隠し通している。
既に日は落ち、梟の鳴き声と、木の葉と木の葉が擦れる音しか聞こえなくなっていた。
場所はGー6と言った所だ。
モララーはあれから何も言わず、ただただ歩いている。
と、そこでちびしぃにある考えが浮かんだ。

モララーについていっても自分だけが優勝出来る可能性は薄い。
あの「秘密」やら「壁に・・・」などの発言から見て99・999999999%奴は私達を利用しようとしている。
ちびしぃはディパックの中に手を突っ込んだ。
A−1の当りで見つけた秘密兵器が入っている。
勿論モララーはこれの事を知らない。
ちびしぃの手に冷たい感触が感じられた。

――やるなら今しかないです。
203名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/25 01:21 ID:ipLp//6A
ちびしぃは、それの尾端を掴むと、じりじりとモララーの背後に移動をした。
モララーは、その動きを全く気にする様子も無く、ただ歩いている。
いよぅも、全く気づいていない。
そして、今目の前には、モララーの背中がある。
チャンスだ。さぁ、モララー・・・さよならです。
ちびしぃは、ディパックから取り出した、『それ』を、モララーの背中目掛けて突き刺した。

「うぎゃあぁぁっ!?」
みちゅ、といった感じの変な感触がし、『それ』の突端がモララーの背中に突き刺さった。
そして、悲鳴を上げるモララー。
ちびしぃは、『それ』を引き抜き、H−6とは逆方向に走り出した。
ドン、ドンと後ろのほうで立て続けに銃声が聞こえたが、ちびしぃに直撃する事は無かった。

――成功なのです。私は一人で優勝を狙うデス。

ちびしぃは小声で呟いた。

その手には、ッパが崖の上に残したダーツセットが握られていた。


「くそっ、あいつ許さないんだからな!」
モララーは、床を思い切りばしっと蹴った。
蹴った反動で背中が激しく熱くなる。おろろ、蹴んなきゃよかった。
「あの・・・大丈夫かよぅ?」
いよぅが怪訝そうにたずねる。
「だだ、大丈夫じゃないに決まってるだろうがぁ!!」
モララーは変に苛々し、怒鳴った。
そして、その振動で再び熱くなる背中。おろろ、怒鳴らなきゃよかった。
「あいつ次に見かけたら絶対痛い目にあわせてやるんだからな・・・」
モララーはそう呟き、再びいよぅと共にH−6へ向かった。
それをいよぅが心配そうな目で見つめている。

【残り21人】
204名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/25 02:04 ID:BcjU4eMD
チビしぃちゃんが、モララーを刺した。危ない子だとは分かっていたつもりだが。
やっとちょっと安心出来てきた所で、こんな事になるとは。
モララーはイライラしてるし、背中を痛めているからかフラフラしているし、
【男子三番】ぃょぅは、また不安になってきた。
「・・・ここらへんだからな!」
地図を見ながらモララーが言った。
正直民家に行くのが嫌だった。何があるか分からない。
だからといって逃げるわけにはいかず、
大人しく着いていくしかなかった。

5分ほど歩いただろうか。
やっと、H-6の民家の前まで着いた。
「ふぅ、やっと着いたからな!・・・ん?物音?」
モララーが言ったので、耳を澄ましてみると、
確かにカタカタという音がする。
「・・・まさかあの女、ぼくのパソコンをイジってるんじゃ・・・」
「・・・パソコン、かょぅ・・・」
あの女というのが誰かは分からないが、とりあえずモララーはパソコンの為に来たのか、という事は分かった。
「いいか?1、2の3で入るぞ?」
「マジかょぅ・・・」

「いくぞ・・・1、2の3!」
そう言ってドアを開けた瞬間、ぃょぅの体が宙に浮いた。
何が起こったか一瞬分からなかったが、どうやら自分だけドアの中にほおり投げられたらしい。

「い・・・ぃぉょぅぅぅぅ!」
「・・・! いやあああああ!」
パソコンを弄っていたらしいその女性にぃょぅが直撃した。
「だ・・・誰?」
そう尋ねながら、【女子16番】フサしぃが火縄銃を構えた。

「無駄だよ、その火縄銃は不発だって分かってるから」
「・・・モララー君!」

――――二人にどうやら何かあったらしいが、ぃょぅは今だに何が起こっているか理解出来なかった。
205名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/25 02:05 ID:BcjU4eMD
―――――――――パァン!

銃声がいきなり響いた。モララーが急に撃ったらしい。
銃弾は誰にも当たらなかったが、フサしぃとモララーの力の差を示すには充分だった。
(どうやっても、勝てっこないわよね・・・)
フサしぃはそう考えながら、逃げる道を探していた。

「あ・・・あのさ、パソコン弄ってたことは謝るし、見たことも全部忘れるから・・・ね?」
説得しようととりあえず話してみるが、モララーは表情一つ変えない。
怒ってるのか、笑ってるのか、よく分からない。

(あんまり銃の腕は無いみたいだけど・・・それでもこの近距離だったら・・・そうだ!)
「モララー君!もし撃ったら、このパソコン落とすわよ!」
「・・・!!」
子供を脅しているような単純な脅しだったが、モララーにとってとても大切なものだってことは分かっている。
(これで、撃てないはず・・・・)
そう考えながら、ゆっくり裏口へ向かう。

「おい!ぃょぅ!そいつのパソコンを奪え!じゃないとお前を撃つぞ?」
急にモララーが叫んだ。銃口をぃょぅの方に向けている。
「え?ええ?ど・・・・ぃょ?」
(スキありっ!)
フサしぃがパソコンを投げて裏口から逃げた。
「うぎゃあああああああああああ!」
モララーが慌ててキャッチする。
・・・その弾みに、モララーの持っていたデイバックが宙に投げ出された。
「ぃ・・・ぃょぉぉ!」
咄嗟にぃょぅはデイバックをキャッチし、一気に窓から逃げた。
逃げるつもりは無かったようだが、恐怖感からか混乱しているようだった。

「く・・・糞ぉぉ!覚えてろ、あいつら・・・」
チビしぃに刺され、フサしぃにパソコンを投げられ、ぃょぅに逃げられたモララーはキレていた。
食料と、軍用ナイフはデイバックに入れたままだった。

【残り21人】

206BR4:03/08/25 10:22 ID:2/QgWoak
【男子15番】激しく忍者はモナカの死体に近づいた。
忍者はモナカの右手で握っているフリネージAUTO12を取るためだ。
忍者はモナカが死んでいることを確認した。
「+激しく死んでいる+」
忍者はモナカのフリネージAUTO12を取った。

ふと忍者がモナカの左手を見た。
何か紙みたいのを握っている。
忍者はそれを取ってみてみた。

正しいコンピューターウィルスの作り方
「+激しく何だこれ+」

【残り23人】


207BR4:03/08/25 10:25 ID:2/QgWoak
あうあ・・・訂正>>148の後にいれてください。
【男子15番】激しく忍者はモナカの死体に近づいた。
忍者はモナカの右手で握っているフリネージAUTO12を取るためだ。
忍者はモナカが死んでいることを確認した。
「+激しく死んでいる+」
忍者はモナカのフリネージAUTO12を取った。

ふと忍者がモナカの左手を見た。
何か紙みたいのを握っている。
忍者はそれを取ってみてみた。

正しいコンピューターウィルスの作り方
「+激しく何だこれ+」
忍者にはどうでもいいものだった。

【残り21人】
208名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/25 18:00 ID:ioS7n/XO
【女囚11番】じぃにニダーのことを考えている暇は無かった。
【男囚17番】激しく忍者が手裏剣を投げてきた。
寸でのところで横に跳び、手裏剣をかわしたじぃを容赦なく次の手裏剣が襲った。
「ああっ!」
じぃの左腕に手裏剣が刺さった。だが痛みを感じている暇すら無い。
今刺さった手裏剣を抜く。幸い傷は浅いようだ。あっさり抜けた。そしてデリンジャーに刺さった手裏剣も抜いて投げつけた。
素人のじぃが上手く投げられるはずは無い。あっさり後ろに跳んで避ける忍者。
その忍者の眉間を狙い、デリンジャーを構える。
「+激しく無駄+」
熟練した者なら、銃口の向きや指の動きで、弾を避けることができる。忍者に弾丸は当らない。
はずだった。
「・・・・・・・・・!」
忍者は信じられなかった。頬に走る痛み。じぃの放った弾丸は、眉間にこそ当らなかったが、忍者の頬をかすめた。
かすめたとは言っても、マンガなどのようにつつっと血が流れる程度ではない。弾丸は忍者の頬の肉を数ミリ削り取り、亡き者としていた。
暗殺の際、相手に今より遥かに近い距離で発砲されたことは何度もあったが、当てられたのは初めてだった。
何か熱い、ぬるりとした感触が頬を伝うのを感じた。
「+激しくこいつできる+」
このまま闘えば、勝ったとしても深手を負う危険は高い。そうなれば優勝など不可能だ。
まあいい。今無理にやらなくても、いずれ準備を整え葬り去ればいい。
瞬時にそう考え、じぃの方を見ると、すでに二発目を撃たんというところだった。
「+激しく一時退却+」
そう言って、森の方へと退却を開始した。
じぃが物も言わずにデリンジャーを一発、ニダーの銃を拾ったのかさらに三発ほど撃ってきたが、幸いにも当ることは無かった。
(行った・・・・・・。)
じぃは足を止め、ニダーの死体のある海岸へと歩いていった。ぐちゃぐちゃの肉の塊がそこにはあった。
(・・・・・・・・・)
じぃはしばらく肉塊の前でじっとしていたが、やがてデリンジャーと、ニダーの遺したコルトガバメントに弾を込めた。
そして傷の手当てをし、ついでにニダーの食糧と水に砂を混ぜる。自分の分はあるので、他人に奪われないように。
そしてじぃは森へ歩き始めた。見晴らしの良い海岸にいれば絶好の標的だ。さっき襲われたのもおそらくはそれだろう。
(ニダー・・・・・・見ていろ・・・必ず・・・。)
その『必ず』が何を意味するのかは分からない。
ただ、ニダーだった肉塊に、じぃの零した涙が輝いていた。




209( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/08/25 18:46 ID:zucsyj0l
「・・・・・・よし、落ち着こう」
民家の床にドッカリ座ったモララー【男囚21番】は、そう呟いた。
デイバッグは失ったものの、ワルサーは持っている。ついでに毒薬と包丁もある。
まだ武器に関しては大丈夫といえる範囲だ。
「問題は食料だね」
それを考えるとぃょぅに対する怒りが湧き上がってくる。
「まあ、僕が油断したのもいけなかったけどね。さて、それよりパソコンだ、パソコン」
フサしぃから受け取った。パソコンの電源を入れる。
「・・・・・・・んん?」
自分が操っていたときの状況と随分違う。やっぱりフサしぃも何かをやろうとしていたのだろう。
「あらら、これじゃあ・・・・」
  ワケ     ワカ      ラン ♪
  ∧_∧   ∧_∧    ∧_∧
 ( ・∀・)  ( ・∀・)   ( ・∀・)
⊂ ⊂  )  ( U  つ  ⊂__へ つ
 < < <    ) ) )     (_)
 (_(_)  (__)_)    彡(__)

「あきらめよっか」
パソコンの電源を落とし、モララーが「ふぅ」と息をついたときだった。
ガサッ・・・
「ん?・・・まーた、誰かきたのかなぁ?」
息を殺し、そっとワルサーを構える。
「だ、誰かいるかょぅ・・・?」
・・・・・・・・・ん?
ぃょぅ【男囚三番】だ。モララーはプッツンきそうだった。さっき逃げた、あのバカが、のうのうと戻ってきた。
背中の痛みもぶっ飛ぶくらい腹が立っていた。
(ボクがこの家を出たとでも思ってるのかぁ・・・!?蜂の巣にしてやるぞ・・・!)
とりあえずモララーは物陰に隠れた。一応、ぃょぅも武器を持っている。
軍用ナイフと・・・・ん?食料も持ってるはずだね。
そういえば灯台の一階で拾ったぃょぅの武器も入っている。たしか拳銃だった。
210( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/08/25 18:52 ID:zucsyj0l
ガチャ・・・と扉の開く音がする。
「誰もいないのかょぅ・・・・モララーくんもどこかに行っちゃったのかょぅ・・・」
(ここにいるからな!)
ぃょぅが、さっきまで自分が座っていた場所に座り込んだ。
そこにはパソコンと自分の血痕が残っている。
「もう7時半かょぅ・・・・外はもう真っ暗だょぅ。怖くて歩けないょぅ」
(今だ!)
「動くな!」
「ぃょっ!?」
モララーは物陰から飛び出し、ぃょぅに銃口を突きつけた。
「モララーくんだょぅ!」
「動くなって!!」
ピタッとぃょぅの動きが止まる。それを見てモララーはニタ〜っと笑う。
「さ〜っきは、よくも逃げてくれたねぇ・・・・(# ・∀・)」
「ゴ、ゴ、ゴ、ゴメンだょぅ!さ、さっきは慌てちゃってょぅ!」
またぃょぅがジタバタ暴れだす。
「動くな!!!!」
ピタっととまる。これを繰り返しても面白いかも・・・とかモララーは考えてしまった。
「とりあえずバッグを返すことだね!」
「わ、わ、わ、わかったょぅ」
ぃょぅはすぐさまバッグをモララーに渡した。
「ぃょぅくんさぁ・・・生き残る気あるのかい?」
モララーはちょっと呆れ気味だった。ぃょぅは何か・・・僕たちとはズレている。
「そりゃあ生き残りたいけどょぅ・・・」
「じゃあ、なんで戻ってきたのさ?僕がいる可能性が高いことくらいわかってただろうに。バッグもあっさり渡してさ」
ぃょぅは神妙な面持ちになって、こう答えた。
「だってょぅ・・・あのままだったらょぅ・・・モララーくんに悪かったからょぅ・・・」
大真面目な顔でぃょぅがそれを言った。馬鹿正直で悪気が全くないぃょぅの言葉にモララーの怒りは静まっていった。
「ははははは!変なヤツだなぁ、ぃょぅくんは!正直、絶対殺してやるって思ってたけど、そんな気なくなっちゃったや」
「ぃ、ぃょ・・・?」
モララーが笑いながら、銃をしまう。
「よぉし、ぃょぅくん。キミはこのBRでの僕の相棒だ!」
「ぃょ!?」
モララーが床に座り、ぃょぅを見上げる。
「これから、一緒に行動だよ。縛ったりしないし、武器も渡す。よろしく頼むよ」
「ちょ、ちょっと待ってょぅ!ボクは戦いたくないんだょぅ」
「あー・・・そっか」
モララーのテンションがガクッと下がった。
「だ、だからょぅ!だ、脱出の方法をさぐろうょぅ!」
「脱出〜?・・・・・・・・あ、そうだ」
モララーはふと思い出した。さっき自分がワケワカランと投げ出したパソコンだ。
「ぃょぅくんさ・・・パソコン使えるかい?」
「ある程度なら使えるょぅ」
モララーは床に置いてあるパソコンを拾い上げ、電源を入れる。
「これ・・・どうにかなるかい?」
「貸してみてょぅ・・・これ、フサしぃちゃんが持ってたヤツだょぅ」
ぃょぅがディスプレイを覗き込み、マウスとキーボードを操り始める。
「あ・・・・」
ぃょぅが呟く。ぃょぅのディスプレイを覗き込む眼には希望があふれ出していた。

【残り21人】
211sage ◆lBLqITVI1I :03/08/25 21:41 ID:kygKH8/n
【男囚1番】1さん          【女子7番】えー
【男囚3番】ぃょぅ          【女囚9番】花瓶
【男囚5番】ギコ           【女囚11番】じぃ
【男囚9番】さいたま右       【女囚12番】ちびしぃ
【男囚10番】ジサクジエン     【女囚13番】つー
【男囚11番】タカラギコ       【女囚16番】フサしぃ
【男囚12番】ダマレコゾウ     【女囚17番】づー
【男囚15番】激しく忍者      【女囚21番】レモナ
【男囚16番】8頭身              
【男囚17番】ヒッキー              
【男囚18番】フーン                          
【男囚20番】モナー
【男囚21番】モララー

【残り人数】

【男囚13人・女囚8人】

【合計21人】
212(・∀・)/ ◆tAH0KASl9A :03/08/26 12:37 ID:Wz8C7G56
「これは・・・、ウイルスだょぅ!!」
「ういるす・・・・?」
「これを見るょぅ!!これはウイルスの動作プログラムだょぅ。」
言われるがままにモニターをのぞきこむと、白黒の画面には「/」や「:」などの半角の記号や、「public class BRclasher」
「public static void main」などの意味不明な英文が映っていた。
「あっ・・・・!」
紛れも無くそれはウイルスだった。すこし見ただけではわからなかったが、そこにはこのゲームを破壊する要素が詰まっていた。
「そうだょぅ。これを使えばゲームを終わらせられるょぅ。」
「でも・・・作りかけだな。これじゃ使えないぞ。」
モララーはプログラムの意味はわかったが、あまりにも高度すぎるものなので工業大学中退のモララーには作ることができない。
どうしようと思ったその時、ぃょぅが口を開いた。
「大丈夫だょぅ。このくらいなら作れるからまかせてほしいょぅ。」
「何、本当か?」
「本当だょぅ。これでも僕はプログラマーだったょぅ。」
本当かどうかはわからない。だが、ここはぃょぅに任せた方が得策だ。モララーは2,3秒ほど考えた後、
「わかった。たのんだぞ。」
と一言いうと、そのまま床に横たわった。
「疲れたなぁ。すこし寝るからな。」
と言って目を閉じた。カタカタという音を聞きながら、モララーはまどろみはじめた。
【残り21人】
213名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/26 15:30 ID:2+vvnQfW
D-7の灯台で、【女囚13番】つー、【女囚17番】づーが腰を落ち着けていた。
づーは、まだ泣き止んでいなく、今もひっくひっく、と小さく泣き声を漏らしている。
「ダイジョウブカ?ヅー。」
つーがづーに言う。
づーは、つーの方を振り向くと、いきなりつーに抱きついた。
「ホワ!?」
そして、づーはまたさっきのように大きく泣き始めた。
つーは困ったような顔をしながらづーを必死に慰める。
そして、づーは泣きながら啜り声で言う。
「ワタシタチ・・・フタリイッショデハイキノコレナインダネ・・・」
一旦そう言うと、づーはまたつーの顔を見た。
「モシ、ワタシタチフタリガイキノコッタラワタシヲコロシテ・・・」
づーは泣きながら言う。
つーは、少し困ったような顔をした。
「ヅー・・・ソウデモナイゾ。ワタシタチハフタリイッショニイキノコレル。」
つーは励ますように言った。
づーは少し首をかしげる。
「フタリイッショニイキノコレル・・・?デモヒトリシカイキノコレナインジャナイノ?」
づーがそういうと、つーはニヤリと微笑んだ。
「ダッシュツスルノサ。モウテハウッテアル。」
つーは言った。
づーは意味が分からない、とでも言うようにより一層首をかしげた。
そしてつーが続ける。
「デハモンダイデス。ダッシュツシヨウトシテウミニデタリスルトクビワニシンゴウヲオクラレ、バクハツスル。サァドウスレバイイデショウ?」
づーは、「分からない」と首を横に振った。
つーはふっ、と溜め息をつく。
「カンタンナコトサ。ソノシンゴウヲコチラニオクレナイヨウニスレバイイ。」
「オクレナイヨウニスル?ド・・・ドウヤッテ?」
づーが不思議そうに言うと、つーはニヤッ、と一層笑い、ディパックから何かを取り出した。
「コ・・・コレハ・・・?」
づーが言う。
つーは、その物をづーの目の前に置き、こう言った。
「コイツヲツカッテ、ヤツラノコンピューターヲショートサセチャウノサ。」
づーの目の前には、PCと、携帯電話らしきものが置いてあった。
214ひみつの検疫さん:2024/06/21(金) 14:37:13 ID:MarkedRes
汚染を除去しました。
215名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/26 21:52 ID:vCHXn+yV
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ダダダダダダダダダダダダダダ           ダダダダダダダダダダダダダダッ
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しぃちゃん超可愛いぃぃ ヽ(≧∇≦)ノ しぃちゃん超可愛いぃぃ ヽ(≧∇≦)ノ しぃちゃん超可愛いぃぃ ヽ(≧∇≦)ノ
しぃちゃん超可愛いぃぃ ヽ(≧∇≦)ノ しぃちゃん超可愛いぃぃ ヽ(≧∇≦)ノ しぃちゃん超可愛いぃぃ ヽ(≧∇≦)ノ
しぃちゃん超可愛いぃぃ ヽ(≧∇≦)ノ しぃちゃん超可愛いぃぃ ヽ(≧∇≦)ノ しぃちゃん超可愛いぃぃ ヽ(≧∇≦)ノ
>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1
217TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/08/27 16:02 ID:7dBFl8kb
【男囚5番】ギコと【男囚9番】さいたま右は二人でC-1の医療所を目指している。
とは言うもののギコの方はさっき撃たれたわき腹からの出血はひどく、そのため右も急ぎ足で医療所を目指していた。
「す、すまねえなゴラァ・・・」
ギコが言う。やはり傷のせいか声もあまりでないようだ。それに右も答えた。
「困ったときはお互い様だよ。もう少ししたら医療所に着くから安心してよ。」
右は苦笑いを浮かべた。
「はは・・・そうかゴラァ・・・あとはお前に任せて少し休むぞ俺は・・・」
ギコはそう言うとすぐにねむりに入ってしまった。
「ああ、そうしてくれよって、もう寝たのか早いなギコ君は」
右はまた苦笑しながら言う。彼らはすでに友人に近い関係になっているのかもしれない。
なんにせよ。ギコの回復を願う、右。なんだか少し元気も出てきた。
「さて急ぐか。」
右はさらに急ぎ足で、医療所を目指した。なるべく彼に負担をかけないよう・・・・。

AABRのFLASH追加いたしました。
AAバトルロワイアル〜第3章〜
http://kinggiddrano1.hp.infoseek.co.jp/AABR.3syou.html
219名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/28 14:49 ID:4ii4XRHK
落ちそう
220名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/29 16:57 ID:S/DOwydQ
ヤヴァイよ。
221名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/29 17:56 ID:1+ZObNOf
age
222名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/29 18:12 ID:Z4kNgpxw
しばらく見てなかったけどちっとも進んでねぇな
223名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/30 11:25 ID:KBoZgnAm
夏休み明け間近だからな。
224名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/30 12:21 ID:kBjMY0sL

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                                    '・,.、 . ,.、’、(  )   > ドバババババー


225名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/31 15:49 ID:G6UG1iUl
sageておくか
226名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/31 19:41 ID:+2pRwVrh
夏休みと共にこのスレ終了〜!
227名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/01 09:52 ID:n1+BTl1o
再開。
俺は続きを楽しみにしてる。
228(ノд`) ◆LLVegDyAFo :03/09/01 11:43 ID:Z2tlGnfp
8頭身は1さんを連れていまだ走っていた。
「8頭身そろそろ下ろしてくれよ〜ぉ。」
「ダメだよ1さん、愛の逃避行はまだまだ続くんだからさっ!」

それを聞いたとき、キモッと思ったがそれは口にせずにしておいた。
何しろ僕は彼に命を助けられたのだから。それにしても、背中が痛む。
さっきやられたのは浅いものではなかったのかもしれない。現に、8頭身の腕から身動きができない。

8頭身の動きが止まった。どうしたんだい、8頭―――
脳がそれを考えて言葉にして発する前に、何が起こったかが1さんには気づいた。
逆さまに運ばれていた1さんには逆方向の廃墟が見えた。しかし態勢を立て直すと真正面にある風景が見えた。
目の前に広がる懐かしい風景、いや、思い出したくもない風景。

「分校だよ。1さん。」
「・・・」
その坂の下りには分校がそびえたっていた。きっとその中には担当者やらがいるのだろう。
でも、禁止エリアとやらで進むことはできない。その状況は、学校帰り、買い食いしたいのに金がないという状況そのものだった。

「・・・・・・。」
彼らは無言のまま分校を見つめていた。やがて8頭身が座ろうといったので、その場に座ることにした。

「帰ることができるのかな・・・。」
「さぁぁ、どうだろう。僕には今のところどうなるかわかんないや。
今自分の運命は天にあると考えているからね。。。まぁ、この状態じゃ」
1さんが自分の背中を指差した。
「生き残るのは無理だろうけどね。」ちょっと笑ってみせた。

「ダメだよ、1さん!希望を失っちゃだめだよ!僕が必ず家に帰してあげるからね、ハァハァ」


1さんは小さな声でありがとう、と言った。それは8頭身に聞こえたかどうかもわからないほど小さいものだったので。
彼らがそのように会話をしているころ、1さんと8頭身の目に、暗闇の中でもその姿がはっきり写った。



そこから逆の方向に見える廃墟の元へ、数人の誰かがあるって行く姿を。

【残り21人】
229名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/01 12:15 ID:/ym73OFw
あるって行く姿を。
230(ノд`) ◆LLVegDyAFo :03/09/01 12:37 ID:Z2tlGnfp
歩いていく姿。タイプミステイクン
231(・∀・)/ ◆tAH0KASl9A :03/09/01 13:03 ID:xsNwAZ6p
H-8の岩場。【女囚16番】フサしぃはそこで休息をとっていた。
H-6の民家から全力で走ってきたのだ。息は切れて喉はカラカラ。歩くどころか
立っていることすらままならない。ここまで来ればモララーも追ってはこないだろうし、
何よりもうフラフラだ。元文化部にしてはなかなかやるじゃないか、私。
「はあ、はあ、はあ」
体全体が焼けるように熱い。水だ。水をのまなきゃ。
デイバッグから水のボトルの引っ張り出し、フタを開けるとすぐに飲み口にかぶりつく。
あっという間にボトルをカラにすると、ぼんやりしていた頭がだんだんとはっきりしてきた。
ここはH-8の岩場だということもようやく分かった。それに、夢中になっていて気がつかなかっ
たが、なぜか火縄銃ももっていた。全く、なんでこんな役に立たないもの持って来ちゃったん
だろう。こんな重い物かついでたんじゃ、疲れて当然だわ。
間抜けな自分に呆れつつ、フサしぃは火縄銃を足元に投げ出した。
あの家でPCを見つけてウイルスを作り始めたとこまでは良かった。しかし、タイピングが遅かった
が為に、作り上げることができなかった。タイピングがモナカちゃんぐらい速ければ、ウイルス
を送れてたのになぁ。そういえばモナカちゃん、どうしてるかな。大丈夫だと良いけどな。
この島のどこかにいる親友のことをかんがえているうちに、フサしぃは少しだけ眠くなった。
「ねむいなぁ・・・。でも寝たら危ないわ。えーっと、いまは・・・・・18:50。まだ寝るには
早いわね」
自分がいるところは島の端の岩場。自分以外に囚人がいる可能性は低いが、安心はできない。
「もう少しだけ待つかぁ。20:00ぐらいになったら寝ようかな」
彼女が一人で考え事をしている間に秋の太陽は沈み、島全体が闇におおわれていった。
2回目の夜が訪れようとしている・・・・・・。

【残り21人】
232名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/01 15:33 ID:wT1Jd9a4
ひろゆき「おい。ウィルスを作ろうとしている輩がいるそうじゃないか。」
兵士「はっ!そのようでございます」
ひろゆき「・・・・・万が一のためにミサイルを用意しておけ」
兵士「・・・了解!」
ロムスカ「・・・・・」

【残り21人】
233釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/01 19:06 ID:dgVoySjw
【女囚12番】ちびしぃは、G-6の当たりから全速力で走り、今は森の辺りを彷徨っていた。
日は既に完全に落ち、当たりには光も何も無く、ただただ闇が広がっているだけだった。
孤独、恐怖、絶望をひしひしと身に感じながら、ちびしぃはただ歩いていた。
・・・今の彼女の手持ちの武器は、血で錆びたダーツ一本だけである。
殺傷能力はかなり低く、リーチも短いのであまりにも心細かった。
そして、彼女は、何処かに使えそうなものが落ちてないか・・・落ちてないか・・・と藁にも縋る様な思いで、歩いていた。
しかし、使えそうなものを探そうにも、暗闇で当たりが殆ど見えない。
彼女は、ディパックに懐中電灯が仕込んであるのを思い出し、ディパックから懐中電灯を取り出した。
・・・少々リスキーだが、仕方ないだろう。
ちびしぃは、懐中電灯のボタンをぱちっ、と押した。
先端から、多量の光が漏れ、当たりを照らす。
闇に目が慣れてしまったせいか、目が潰れそうなくらいに明るかった。
と、懐中電灯をつけてから、前方にある、ある物に気が付いたのだ。
「あ・・・あれは・・・」
艶かしく黒光りするその『モノ』
何処かのサイトで見たことがある。ちびしぃの記憶では、それは間違いなくウージーサブマシンガンであった。
それを見た途端、ちびしぃは腹の底から笑いがこみ上げてきた。

――なんで運がいいでしょう!私は――!

ちびしぃは、さして警戒もせずにウージーに向かって走りよった。
草叢からウージーを掴み、持ち上げた。
ひんやりと冷たく、それに予想以上に重い。
強力な武器を手に入れた喜び、安堵感が彼女を包んだ。
そのまま、ウージーを片手に、ちびしぃは恍惚とした表情で突っ立っていた。
そんな彼女を正気に戻させたのは――



ぴっぴっぴっ



一つの電子音――
ちびしぃの首筋から、その電子音は鳴っていた。
234釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/01 19:20 ID:dgVoySjw
ちびしぃは、びくっ、と体を震わせ、電子音が鳴っている首輪を触った。
ぴっ、と一回鳴るごとに、細かく振動する。
何故、突然電子音が鳴り出したのだろう。
この瞬間まで、ちびしぃは首輪の存在すら忘れていたが、強引にその存在を思い出させられた。

「あ・・・!」

ちびしぃは突然気づいた。
ちびしぃは、そのままディパックの中から電子地図を取り出す。(電子地図は自分のつけてる首輪に反応し自分の現在位置を地図上に記す。無論全員に配られている。)
電子地図の、『E-3』と書かれた区域に、自分は入り込んでいた。
それを見た途端、ちびしぃの脳内に、電撃のようなショックが走った。
・・・数時間前の放送で・・・確か・・・
"禁止区域は30分後にE-3、1時間後に・・・"
ちびしぃは、更に時計を取り出し、時間を確認した。
7時55分・・・あの放送から既に1時間55分、約2時間経過している。
ちびしぃは、その突然のアクシデントに、硬直してしまった。

という事は無論、私は禁止エリアにいるわけで。

要するに・・・つまり・・・?つまり・・・?


"禁止区域は6時間ごとに放送するからな。入るとその首輪が爆発するぞ"


禁止区域に入ると、首輪が爆発するわけで。

つまり、私は・・・死・・・


ボン


その瞬間首輪がぼん、と破裂し、ちびしぃの首から上が無くなった。
顔の上半分は、遥か前方の草叢にぼとっと音を立てて落ちた。下半分は跡形もなかった。消え去っていた。
そして、司令塔を失った胴体は、噴水さながらに血を吹き出し、床に崩れ落ちた。

後に残ったのは、彼女の死体と、血で濡れたウージーだけだった――

【残り20人】
235名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/03 18:34 ID:cKlXymna
保守
236名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/03 19:16 ID:wupZ4Bgv
これ系のスレって保守するようになったらもうおしまいだよな
237名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/05 01:16 ID:zB5L9CEd
「ふぅ・・・ここいらで休憩しようか。」
【男囚20番】モナーと【女囚21番】レモナは、行動を共にしていた。
そして、今はC-2の当たりで、休憩をしている。
モナーは、ディパックからパンを取り出し、口に運んでいた。
そして、それをレモナがまじまじと見つめている。
「ねぇ・・・モナー君・・・本当に私の事覚えてない?」
レモナが、モナーに言う。
「ほほえてはいほ・・・っへははっはほほないっへ・・・」
モナーがパンを口に含んだまま言った。
レモナはがくり、と首を垂れる。
「そっか・・・覚えてないよね・・・結構昔の事だしね。」
レモナはぼそっと呟いた。
そして、そのトーンのまま続ける。
「ほら。モナー君。小学校3年生の時さ・・・一緒のクラスだったじゃない?覚えてない?」
レモナがそう言うと、モナーはパンを飲み込んだ後に、少し考え、やがて手をぽんと叩いた。
「あーっ!そうだそうだ!レモナちゃんだ!いたいた!モナの隣にいたモナ!」
モナーは明るい声を出し、レモナの方を振り向いた。
レモナは、微笑みながらうんうんと頷いた。
「そっ!思い出してくれたのねー。」
レモナはさっきよりも声のトーンが明るくなった。
そして、そのままの調子で続ける。
「そういえばさー。モナー君って何でこんな刑務所なんかに投獄されたの?」
レモナがそう言うと、モナーはふっ、と俯いた。
「それはちょっと・・・言えないモナ・・・」
モナーは低い声で呟いた。
レモナはそんなモナーを元気付けるように言う。
「何で投獄されたのか・・・理由はどうあれ私はモナー君はほとんど悪いことはしてないんだと思う。
だってモナー君、自分の意思で犯罪するような人間じゃない・・・私はそう思ってるから・・・」
「・・・どうしてそう思うモナ?」
モナーが怪訝そうにたずねた。
「そりゃーもう・・・ほら、小学生のときさ、モナー君って・・・『平和の象徴』みたいなこと言われてたじゃない?
優しくって・・・思いやりがあって・・・可愛くて・・・」
レモナはそう一気に言った後、少し間をおいた後、こう続けた。
238名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/05 05:10 ID:zB5L9CEd
「だから・・・その・・・さ。私・・・そんなモナー君の事・・・
あの・・・好きだった・・・ってか・・・その・・・今もそうだけど・・・す・・・・好きなのよね・・・ウン。」
レモナをどもりながらそう言いのけると、頬を赤らめ、俯いた。
モナーも少し恥ずかしくなって、レモナから目を逸らした。
少しの沈黙が流れる。
「・・・あはははは!何かずっと心の中にあったモヤモヤが晴れたみたいな感じ!生きてる内に言えて良かったよ〜。」
レモナは、突然笑い出し、そう言った。
それは、無理に明るく振舞ってる様にも見える。

・・・好き・・・か。

それはモナーにとっては始めてだった。
異性から告白されるなんて・・・
しかもこんな絶望ゲームの最中。

・・・レモナが、自分のところにやってくる前。
恐怖と戦いながら、暗い道を歩いていた。
モララーの誘いに、しぶしぶ乗ってしまい、暴挙を犯した自分をのろいながら、歩いていた。
傷つき、逃げたくなっても歩き続けなければいけなかった。
頼る物は無い・・・縋る物は無い・・・
まさに新の地獄。地の獄であった。

今ではどうだろうか。

自分と行動を共にしてくれる人間がいるのがこんなに素晴らしい事だとは。
自分を思っている人が傍にいてくれるのがこんなに素晴らしい事だとは。

自分の近くに座っている『レモナ』
モナーにとってはそれは『希望』そのものといっても過言ではなかった。
しかし、モナーは、何故だか分からないが、暖かい涙が目玉一杯に溢れていた。
「どしたの?モナー君?」
心配そうに見つめるレモナ。
モナーは、ただ無言で、そのレモナをきゅっと抱きしめた。
「モ、モナー君・・・」

ずっとこうだったらいいな。
これが娑婆だったらいいのにな。

そんな事を考えながら、モナーは更に強くレモナを抱きしめた。
レモナも、モナーの背中に手を回す。


それは一時の幸せ。
しかし、幸せの後には必ず不幸がやってくる。
何たってこれは、自分以外全てを殺さなければならないデス・ゲームなのだから・・・

【残り20人】
239名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/05 15:07 ID:EeIwAPnE
ひろゆきが電磁兵器でパソとか壊して対策するものあり
240名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/05 20:16 ID:7SI6XxlO
偶然あったCD-Rに焼くかもね
241名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/05 23:31 ID:cDsMG4x1
偶然あったロケットランチャーで偶然見つけた廃校を偶然破壊して偶然助かっちゃうのもありかもね(プ
242名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/06 00:24 ID:ktYXzoUS
        (⌒\  ∧_∧
         \ ヽヽ( ´_ゝ`)
          (mJ    ⌒\ 
           ノ    / /  <二度とやりませんから許して下さいね(^^)。
           (  (⌒V⌒)∩                        山崎パン
       /\丿∩│   │/  〔 ̄ ̄ ̄ ̄〕                
       (___へ_ノゝ __ノ    ◎――◎
243名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/06 10:20 ID:nzG6C1dR
>>241
トリプル偶然・・
244名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/06 18:50 ID:v90PpKkd
>>240-241
もう兄&初代の焼き返しはやめようやw
245名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/06 21:20 ID:D/Xc/E/H
【女囚11番】じぃは場所を移動し、今はG−5に僅かにある森にいる。
近くには山があり、加えて平野も望むことができる。
(・・・さて、これからどうしようかしら。)
ニダーの死は皮肉にも、じぃにコルト・ガバメントという武器をもたらした。これを使えば闘うこともできるだろう。
最初は自分が死んでもいいと思っていた。だが、今はニダーの為にもできるなら脱出したい。
考えた末、彼女は考えた。
一緒に脱出を考えてくれる仲間を探す。失敗して殺されたら運が悪かったと諦め・・・そして仲間になるような者が死んだり、私と誰かだけになったとしたら。
(蟷螂の斧だろうが、奴らに特攻をかけてやる。)
そうと決まれば話は早い。とりあえず誰かが居る可能性がある家を目指すことにした。
だが、ここから近い家の方向からは、移動時になにやら物音を聞いている。つまりは、やる気になっている奴のいる確率が高い。
少々危険だが、Aー5付近の家を目指すことにした。
山なら隠れて進めるし、危険な平野部も今は夜。銃撃戦になればこちらの方がかえって有利と考えたのだ。
(ニダー、お前の死は無駄にしないぞ。)
じぃは家を目指して山を進み始めた。
日が沈んでからも残っていた明るさも消えうせ、夜空には星が輝いている。
さらに夜は、更けてゆく。


246名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/07 00:30 ID:qkzSWTDq
時間は少し遡る。

午後5時43分、B-3の廃墟。
その小屋は、おそらく、数年前までは個人がアトリエとして使っていたものなのだろう。
壁に持たれかかるように多数の油絵や版画が放置され、
大きな机の上にはスケッチや鉛筆、素人には用途不明な道具が散乱している。
油絵の具の香りは既に無く、あらゆる物に埃が積もっていた。

「・・・デ、 コレカラ ドウスルノ?」

とりあえず思ったことを、ヒッキーが命の恩人に尋ねる。

「とにかく休憩だ、小僧。ついでに物品の調達。
 使い込んで鋭くなったペインティング・ナイフとか、武器になりそうな物を探すんだ、小僧」

あまりにも凄い埃を気にしながら、ダマレコゾウが答える。

「ナイフ ジャア フアン ダヨ・・・ ホカニ ナニカ ナイ?」
「ペインティング・ナイフの他に武器になりそうな物か?
 例えば・・・そうだな・・・」

ダマレコゾウの目が、壁際に放置されたエッジングらしき版画に向けられる。

「・・・銅版版画の腐食液とか、ジエンの水鉄砲の武器になるな、小僧」
「フショクエキ?」

ジサクジエンも、もはやリーダー格となったダマレコゾウに尋ねる。

「上級者が銅版版画を作るとき、銅版を硝酸の中に入れて腐食させて溝を作るんだ、小僧。
 硝酸は強力な酸だから、その水鉄砲で撃てば十分に武器になるぞ、小僧」
「ソレッテ コレ?」

ダマレコゾウが声のした方を振り向くと、
ヒッキーが硝子の器を両手に抱えているのが見えた。
247名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/07 00:39 ID:qkzSWTDq
硝酸、ペインティングナイフ3本、筆洗い用の油(ダマレコゾウ曰く
「揮発性が高いので火炎瓶として使える」らしい)を 手に入れた3人は、B-3の廃墟を後にした。
ヒッキーとジエンはもう少し休憩していたかったらしいが、ダマレコゾウが断固主張を通したのだ。

「今から取りに逝くのは、特攻にどうしても必要な物だ、小僧」

ダマレコゾウは確かそう言っていた。
特攻に必要な物とは、爆弾だろうか。それとも銃だろうか。
どちらにしても、刑務所のエリアに入れなければ意味が無いのに・・・
──────ヒッキーはいろいろと考えてみたが、ダマレコゾウの言動を理解するには、彼には知識が足りなかった。
最も、かつて研究者だったダマレコゾウに知識で敵う者など囚人の中にはいないのだが。


午後6時25分。3人はC-2の民家に辿り着いた。
玄関から中に入り、ヒッキーとジサクジエンは居間に腰を下ろした。
ふと、ヒッキーはダマレコゾウが消えていることに気付いた。

「アレ・・・? コゾウサンガ イナイ」
「ソノウチ カエッテクル! イマハ ヤスム イイ!」

何処から持ってきたのか、座布団に一人だけ座りながらジサクジエンが応じる。
硝酸の瓶が3つ入ったおかげで、元から水鉄砲用の水で膨れていた彼のバッグは相当な重さになっていた。
体力の無いジエンには、このバッグを運ぶのは明らかに重労働であった。
彼の顔にははっきりと疲れの色が見て取れる。


5分と経たないうちに、ダマレコゾウは戻ってきた。
───手には、前見たときは持っていなかった銀色の何かを持っている。
ジエンは疲れて眠ってしまっており、彼の存在に気付いたのはヒッキーだけであった。

「オカエリナサ─」
「黙れ、小僧」

声を落として、やや怒りを込めて、ダマレコゾウは答えた。
ぁゃなみから奪った銃をバッグから取り出し、ヒッキーにその銃口を向ける。

「気が変わった。俺はゲームに乗るぞ、小僧」
「・・・・エ?」
「どんな状況でも、簡単に人を信じるなということだ、小僧。・・・・氏ね」
                           _ _
マシンガンの銃声が室内に響き、暫くすると3人の反応が本部のレーダーから消えた。
248名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/08 19:49 ID:zoRNb+KH
午後8時18分。
ダマレコゾウたちの入ったC-2の民家に、すでに人影は無かった。
居間の天井と壁と畳にはマシンガンのものと思われる銃痕が連なり、
硝煙の香りが極僅かに残るその部屋で銃撃戦が行われていたこと
────少なくとも、ゲーム参加者にはそう思えるであろう────を想像させた。


しかし、これはどういう状況だっのだろうか。

プロの殺し屋は首を傾げた。
まず、死体が無い。
それどころか、血痕すら無い。
・・・・だが、壁、天井、床の六方全てに銃弾が撃ちこまれている。
そして嗅ぎなれた硝煙の香り。
銃撃戦、それも相当激しいものが行われたことは間違いない。
しかし、これほど激しい銃撃戦で、負傷者が出ないはずがないのだ。

「+激しく異常な状況+」

激しく忍者には幾度となく銃撃戦の経験があるが、これほど奇妙な
銃撃戦の現場は未だかつて見たことがなかった。
何より、その状況をより理解不能にさせているものが畳の上に存在した。
銃撃戦の場に、絶対にあるはずがない物。
普通は居間ではなく、台所にあるべき物。
忍者はその“燃えるゴミ”を摘みあげると、再び首を傾げた。

「+激しく何故アルミホイルの空き箱がここにある?+」
249名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/08 19:50 ID:zoRNb+KH
「カモフラージュとはいえ、銃弾を使いすぎた。残り26発しかないぞ、小僧」
「ソンナコト ヨリモ 首ガ 痛イン ダケド・・・」

首を指差しながら、ヒッキーが愚痴った。
彼の首にはゲーム開始時に配られた首輪がついていた。
しかし、その首輪はアルミホイルで完全に覆われていた。
            ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「・・・絶対に外すなよ、小僧。今外したら氏ぬ」

彼らはその時、最初に集まった場所、現在は禁止エリアとなっているC-4の原っぱに隠れていた。
首輪のアルミホイルがそれを可能にしたのだ。

金属は電磁波を遮断する。
アルミホイルで覆った物が、電子レンジで温められないように。
ダマレコゾウはまさにその性質を利用して、首輪を不能にしたのだ。
彼らの首輪はもはや、自分たちの現在地を相手に教えることも無ければ、
首輪を爆発させるシグナルも受け付けない。
すなわち、禁止エリアにも入れるし島から出ることもできる。
しかし────

「コレデ ダッシュツ デキル! シマ ダッシュツ スル! イイ!」
「陸地まで泳げるなら脱出してみろ、小僧。200kmも泳げるのならな」

そう、この島は最も近い陸地でも200kmは離れている孤島なのだ。
しかも、周辺は大型の鮫の生息域として知られている。

「いいか、小僧。このアルミホイルは悪魔で敵の本部に特攻するための物だ。
 脱出するなら、これとは別に乗り物が必要だ、小僧」

ダマレコゾウが念を押す。
どうやら、自分以外の無駄死は避けたいようだ。

「あの部屋にヒントとしてアルミホイルの箱を残しておいた。
 少し知識があれば、すぐに使い方が分かるはずだ、小僧」

しばらく押し黙ってから、更に続けた。

「今夜、俺は本部に特攻をかける。闇に紛れての奇襲だ、小僧。
 敵は絶対に油断している。うまく逝けば、このゲームを潰せるはずだ、小僧」


【残り20人】
250名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/08 20:30 ID:NLLilM69

『でも・・・つーちゃんウィルスなんて作れる訳?』
【女囚17番】づーが、【女囚13番】つーが用意したPCにそう打ち込む。
『大丈夫さ。』
つーがそう打ち込むと、
づーも続けて文章を打つ。
『大丈夫って・・・専門学校にも通ってないのに?私の知ってるつーちゃんはただの不良学生のはず・・・』
つーは、ニヤリと笑うと、恐ろしく早く文章を打ち込んだ。
『・・・俺は小学生、中学生のころ友達がいなくて、一種のヒッキーになっていたんだ。
それで、家にいてもやる事が無くて・・・それで暇つぶしに父さんのPCを弄んでいた。
そしたら、父さんが直々にPCの事を隅々まで教えてくれたの。
づーちゃんにはいわなかったけど・・・家の父さんはその手のマスターなんだ・・・
それで俺は、PCの莫大な知識を得た。クラックや簡易ウィルス、いや、本格的なウィルスだって作れる。』
づーは、その文章を見るとぽかん、と口をあけた。
そして、少し経った時、づーの顔に見る見る笑顔が広がっていった。
『凄いよつーちゃん!まさかつーちゃんがそんな凄い人だなんて・・・』
つーは、その文章を見ると、照れくさそうに笑った。
『なぁづー・・・BUMP OF CHICKENってバンド知ってるか・・・?』
『え?』
『いいかづー。BUMP OF CHICKENってのは俺が最も好きなバンドなんだけどさ・・・バンド名がいいんだわ。
BUMP OF CHICKEN・・・意味は"腰抜けの一撃"、"臆病者の衝突"。』
『"腰抜けの一撃"、"臆病者の衝突"・・・?』
づーが首をかしげる。
『いくら腰抜けだろうが臆病者だろうが、逃げてばっかりでは駄目だ。自分が理不尽だと思うもの、悪いと思うものには、
自分の立場がどうあれ一撃を、衝突をするんだ。
俺らを自分の手のひらで躍らせている糞政府に俺らの意地を見せてやるんだ。
必ずしも自分よりも権力があり、強いものが勝つとは限らない。
"窮鼠猫を噛む"って言うだろ?ボクシングで噛ませ犬が逆に噛み付くこともあるだろ?
俺は・・・とんでもない事を考える奴らに俺らが権力のあるものの人形ではない事を示したい。
俺の大事な友達に死のきっかけを与えた奴らに、一矢を報いたい。
・・・頑張ろうぜ。づー。・・・奴らに食らわそうぜ・・・"腰抜けの一撃"を・・・"臆病者の衝突"を・・・
この理不尽で凄惨なゲームから・・・抜け出そうぜ。』
つーは一気に入力して、一息つくと、づーに向かって微笑んだ。
づーは涙を流しなら、こう入力した。

『うん!!』

【残り20人】
251名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/08 23:02 ID:LtL0+/tt
・・・夜が近づいてきた。孤独感が増して、嫌な気分になる。
武器も何もなく、今襲われたらひとたまりもないだろう。
「・・・今、何してるのかなぁ・・・」
【女子16番】フサしぃは、あの日の事を考えていた。

―――自分が、逮捕された日。

自分の罪は、窃盗だった。
―――彼の、フサギコの、強盗。
貧乏で、もう永くは無い母親の入院費だけで一杯一杯で・・・
彼はコンビニへの強盗を働いた。目撃されたのは毛。充分でない目撃情報。

――今、彼が逮捕されたら・・・
おそらく、お義母さんは、彼が出所する前に死んでしまうだろう。
母親のそばにいてあげてほしかった。私にも優しくて、私たちの交際も認めてくれた。
せめて、最期の時ぐらいは、息子と共にいてほしかった。

だから、罪を全て私が被った。後悔なんてなかった。
彼は泣いて、何度も謝りながら、「お前が刑務所から出た時に結婚しよう」、と言った。

今まで、彼と結婚するため。頑張ってきたのに。
模範囚として、一時でも早く彼の元に帰れるように、頑張ってきたのに。

「フサギコくん・・・逢いたいよ・・・」
彼の事を考えるだけで涙が出てくる。
天国にいるお義母さんにもまだお礼を言っていない。遣り残したことがありすぎる。

「・・・武器、探そう。」
そう言って、また立ち上がった。

【残り20人】
252アヒャ>(゚∀゚ ) ◆tAH0KASl9A :03/09/09 00:44 ID:pQxwCouy
【女囚13番】つーと【女囚17番】づーは民家で見つけたPCとケータイを使って
ハッキングを行い、島から脱出するという絵をかいていたが、見事に失敗した。
ケータイはまったく繋がらず、PCはエラーをおこして動かなくなり、最後にはバッテリー
が切れて使い物にならなくなった。ツキが無いとはまさにこの事だ。
目的を失った2人は、力なく窓際に座っていた。
「アア・・・ジシンアッタンダケドダメダッタナ・・・・・」
夕暮れ時の灯台(【D−7】)の中でつーがぽつりと一言いった。
「デンパガツナガンナインジャショウガナイヨ・・・・モウダメダヨ・・・・・」
づーも一言、ぽつりと言った。声がうわずっていた。
「モウダメナンテイワナイデヨ・・・・・。マダキボウハアルヨ・・・」
つーの声も震えていた。泣きたいのを我慢しているせいだった。
「ダメナモノハダメナンダヨ。イクラネガッタテカナワナイヨ!モウオワリナンダ!!」
「ヅー、ヤメテ!!。ソンナカンガエナンカキキタクナイ!!」
つーが怒鳴り、そして泣き出した。大きな声をあげて、泣き出した。
「アタシダッテイヤダヨ、コンナゲーム!。イキテカエリタイヨ!マタミンナトアソビタイヨ!モットモットイキテイタイヨ!!」
泣いているつーを見つめたまま、づーは何も言えなくなってしまった。
いつも笑っていたつーが泣いている。泣き虫の私なんかよりもずっと強い、あのつーが泣いている。
喧嘩にまけたときも、補導されてパトカーに乗せられたときも、それに有罪の判決が言い渡されたときだって、
いつでもポジティブにものを考えていたつーが絶望して泣いている。そのことが信じられなかった。
「ツー・・・・」
づーがつーに、おそるおそる声をかける。すると、つーははっとして顔を上げ、涙をぬぐうとづーのほうを向き、
「ゴメン、ヅー・・・アタシマデコンナチョウシジャ、キボウナンテモテナイヨネ・・・・・・・・」
と言い、窓の外を見た。つーの視線の先では、綺麗な夕日がさんさんと輝いていた。
「キレイダナ・・・ホラ、ヅーモミテヨ」
つーに促され、づーも窓の外を眺める。
「キレイ・・・・・コンナユウヒミタノ、ハジメテダナ・・・・」
「ノーニモミセタカッタナ・・・」
のーの名前を聞き、づーの目に再び涙がうかんだ。
「ノー、ゴメンネ。アタシノセイデ・・・・」
言葉が続かなかった。続けるのはあまりに辛すぎた
253アヒャ>:03/09/09 00:46 ID:pQxwCouy
下を向き、肩を震わせるづーに、つーが優しく声をかける。
「ヅー、オマエノセイナンカジャナイ。ワルイノハアイツダ、ヒロユキダヨ。コンナゲームニアタシタチヲホウリコンダヒロユキナンダヨ。オマエノセイナンカジャナイ。ゼッタイニチガウ!」
「デモ・・・。アノトキ、アノコンビニデアタシガシッパイナンカシナカッタラコンナコトニハ―――」
「ヅー。」
つーが言葉をさえぎって言った。
「ヅー、ダカラヤメテ、ソンナネガティブナカンガエカタ。モットマエヲミヨウヨ。」
「ウン・・・・ソウダネ・・・・・・」
それから数10分、2人は黙ったまま夕日を眺めていた。死んでしまったのーのことを思っているのか。あるいは新たな脱出の
手段を考えているのかはわからない。2人はただ、黙って夕日を眺め続けた。
「・・・・・ネエ・・・・・・・・」
はじめに沈黙を破ったのはづーだった。
「モシモダッシュツデキタラ、フタリデペットショップヲヒラコウヨ。シンジャッタノーノユメダッタデショウ。」
のーはいつも『ワテッテドウブツズキヤロ。イツカペットショップヲヤリタインヤ。ツー、ヅー。ソントキハタノムデ。』と言っていた。づーはそのことを思い出したのだ。
「ウン、ヤロウヨ。モウノーハイナイケド、アタシタチニイツモ『ツー、ヅー。ソントキハタノムデ。』ッテイッテタモンネ。ノー、ヨロコンデルダロウナ。」
そう言って、つーは微笑んだ。寂しそうな笑顔だった。
――――――――言いたいことはそれだけ?
づーが『ソウダネ、キットヨロンデルヨ。』と言おうとしたその瞬間、聞きなれない女の声がした。
「ダレダ!!」
2人がほぼ同時に振り向き、その姿を確認した。全身に真っ赤な返り血を浴び、両手に銃を持って笑っているその女の姿を。
【女囚9番】花瓶が立っていた。ストームM9−32の銃口を2人に向けて。
「ヅー、フセテ!!」
すぐ近くにあるテーブルを蹴り倒すと同時につーが叫んだ。2人が伏せたその直後、「バララララ」というミシンにも似た
音とともに壁が砕け、コンクリート片が2人の頭の上に降りかかった。
「アイツ!!」
テーブルからつーが顔をだし、ベレッタM93Rのフルオート連射を花瓶の胸部にむけて撃ちはなった。
フルオート拳銃特有の強烈なリコイルショックがつーの細い腕に伝わり、銃口から多数の鉛弾が吐き出される。
あまりの反動の強さに驚いたつーは反射的に目を閉じてしまったため、花瓶の死を確認できる状態ではなかった。
胸部に10数発の鉛弾を撃ち込んだんだ。死んだに決まっている。つーはそう思っていた。通常ならばそうなるはずだと。
しかし次の瞬間、その考えは打ち崩された。ぱん。という音とともにはしった右肩の衝撃によって。
「キャーッ!」
254アヒャ>:03/09/09 00:47 ID:pQxwCouy
つーの身体が半回転し、ベレッタM93Rを取り落とした。右肩を押さえて悲鳴をあげ、床を転げまわるつー。
出血がひどく、かなりの重症だ。これでは戦うことなどできない。
「ツー!!チクショウ、アイツ!」
づーがブローニングを構え、花瓶にむかって6発撃った。そのうちの2発ははずれ、、残りの4発はすべて胴体にヒットした。
すると、花瓶に異変が起きた。10数発銃弾を撃ち込んでもけろりとしていたあの花瓶が、腹部を押さえてうずくまっている。
二丁の銃を床に落とし、両手で腹部を押さえている。どうやら腹に被弾したようだ。
――――――――逃げるなら今だ!
づーはそう思い、2つのディパックとつーのベレッタを拾い、床に倒れているいるつーを起こして肩で支えると、階段にむかって
走り出した。走り出したとき、バラララララという音がしたが。づーには聞こえなかった。大急ぎで階段を駆けおり、灯台の外に
でた。目的地は医療所だ。このままではつーが死んでしまう。絶対に助けなきゃ。
島に夕闇が広がる中、づーは走った。友を助けるために、走った。
【残り20人】
255名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/09 21:25 ID:faZ1KYjd
『お姉ちゃん・・・お姉ちゃん・・・』
『・・・う・・・あ・・・』
『あたしの体・・・こーんなにどろどろになっちゃったよ・・・
なんにもしてないのになんで・・・?』
『・・・う・・・・・・・ああ・・・』
『体・・・燃えちゃったよ・・・死にたくないよ・・・お姉ちゃん・・・』
『あ・・・うあ・・・・・・はぁ、はぁ、はぁ、』
『皮膚が焼け爛れて・・・気持悪いよ、お姉ちゃん。どうすればいいの?』
『・・・う・・・あ・・・どうも・・・しなくて・・・いい・・・
はぁ、はぁ、はぁ・・・綺麗だった・・・ね・・・』
『・・・え・・・?』
『炎って・・・あんなに綺麗なんだね・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・
それで・・・焼け爛れた人間も・・・これまた・・・きれ・・・い・・・あはは・・・あは・・・』
『どうしたのよぉ・・・?お姉ちゃん・・・?』


ナゼオマエハコロシツヅケル?


『綺麗な炎が見たいから・・・』


カワイソウニ・・・
アイツハムカシノデキゴトヲセイテキコウフントトリチガエテイルンダ。
ホノオヲミルコトデコウフンヲオボエテヤガル。キョウジンメ・・・
シケイヨ!シケイヨ!
シンダホウガマシダナ。
アウイウヤツガイルカラコソコッカハクサルンダ。
ヨクボウノタメニナンニンノヒトヲヤキハラッタンダ?
シネ!
シネ!
シネ!
ナニガキレイナホノオダ、キョウジンメ。
トラウマモココマデキタラモウイジョウダナ。
イカレテルンジャネーノ?
アタマガクルクルパーニナッテルンダナ。
ハヤクシンダホウガマシダワ!
カワイイカオシテナンテヤツダ・・・
ニンゲンジャナイゼ!
シネ!
シネ!
シネ!



256名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/09 21:27 ID:faZ1KYjd
キレイナホノオガミタイカラ・・・?
ジブンジシンノヨクボウノタメニヒトヲコロス・・・?
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイチャイケナイ
ソンナワタシハイチャイケナイ
ソンナワタシハイチャイケナイ
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シネ!
シネ!
ソンナワタシハイチャイケナイ
ソンナワタシハイチャイケナイ
ソンナワタシハイチャイケナイ
シネ!
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイッタイナンダ
ソンナワタシハイチャイケナイ
ソンナワタシハイチャイケナイ
ソンナワタシハイチャイケナイ
ソンナワタシハ、ソンナワタシハ、ソンナワタシハ、ソンナワタシハ、ソンナ、ソンナ、ソンナ、ソンソンソンソンソンソンソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソソsssssssssssssssss
sssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssfdsgフュレgycgsbdycgwダygfyダbcdyガcysダcgヂュアfギュアfyヅsgクy


ワタシハイッタイナンナンダ


・・・ソンナコトハベツニドウデモイイ。コロサナキャ。コロサナキャ。アノキレイナホノオヲマタオガムタメニ・・・コロサナキャ。
ニクカイ、ホノオ、ワタシ、サツリク、シタイ、ブキ、コロス、コロス、コロコロコロコココココkkkkkkkkkk

ヤラナキャダメナンダ。
257名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/09 23:35 ID:Ns3/e8Ny
【男子11番】タカラギコは、少しいらいらしながら時計を見た。夜の8時半。彼等は、結局まだC1の医療所にいた。
「あははっ、かなり時間が経っちゃいましたね・・・丸一日ここにいるじゃないですか・・・」
あきれたようにそう言って、ちらりと窓の外を見やる。もう外は暗くなっていた。
タカラギコの隣で、一緒にいた【女子7番】えーが、ベッドの上で寝息をたてている。
「いつまで気絶してたら気が済むんでしょうね!まったく・・・」
悪態をつきかけて、タカラギコはぴたりと動きを止めた。
───足音と、話し声が、聞こえる。
とっさにタカラギコは、えーのベッドの回りにカーテンを引き、その中に自分も隠れた。エアガンは武器にはならないし、メスも銃が相手では心もとない。戦いは避けた方が無難だ。
声が大きくなってきた。タカラギコは息を殺し、カーテンの内側から耳をそばだてた。
ガチャリ───ドアが開いた。
「はあ〜、着いたね・・・大丈夫?ギコ。」
「ああ、大丈夫だゴルァ・・・」
カーテンの向こうで、二つの影が動く。あれは───あの声は。
【男子5番】ギコと、【男子9番】さいたま右だ。
よりによってギコとは。タカラギコは内心舌打ちした。あまり仲がいいとは言えなかった囚人。
「待ってて、医療具探すから」
さいたま右がそう言うのが聞こえた。ギコがすぐ近くのベッドに腰掛ける。タカラギコは、心臓が高まるのを感じた。頼むから、こっちに気付くな。乱暴者のギコのことだ、絶対に武器を持ってる。見つからない方がいい。
タカラギコが、そう思ったときだった。
「う、ぅう〜ん・・・」
全身の毛が逆立った気がした。えーが、うめき声を上げたのだ。
「誰だゴルァ!!」
ギコが警戒まじりの声で叫んだ。

【残り20人】
258名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/09 23:53 ID:PtbdkQJM
【女囚9番】花瓶が見たのは最後の走馬灯だったのかもしれない。
そして花瓶はそのまま息絶えた。

【残り19人】
259名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/10 14:03 ID:mcDQmy0E
人間はそんな簡単に死なんだろ。
大体走馬灯の意味が違うぞ。
260名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/11 01:07 ID:E/J954uE
         ∧∧  
        ( ・∀・)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ((  )) < ヤマナシ始めたよ
         | |    \______
261名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/11 22:49 ID:5gOmSueW
タカラギコ(男子11番)は慌てて後ろを振り返った。眠っていたえー(女子7番)が、上半身を起こして、こちらを見ている。まだ何も読み取れない様子であり、目をこすっていた。
起きてしまったのだ。どうしてこんなタイミングに。タカラギコはそう思ったが考えを打ち消し、とっさにエアガンを掴み、向こうにいるギコ(男子5番)とさいたま右(男子9番)の影に構えた。すぐにカーテンの向こうから、ギコの大きな声が響いてきた。
「誰だ!答えろゴルァ!」
えーがびくっと体を震わせ、ようやく事態を了承した。急いでデイパックの中にあるらしい武器を取り出そうとしていた。
そう言うと向こうの影も銃を構えたようだった。向こうは恐らく実銃―――、このままではまずい、とてもまずい。
エアガンと銃、もちろんこちらが不利。ここは一旦、話し合おうか。しかし――――

タカラギコは、ギコが嫌いだった。ギコも恐らく、タカラギコが嫌いだった。
もともとタカラギコの家は、大手おもちゃ企業の社長。タカラギコはその息子で、もちろん将来を約束されていた。
ギコはその正反対を生きたような男。誰にも必要とされず、ただ生きているだけの男。
囚人として入所したタカラギコの目に飛び込んできたのは、自分とよく似た、ギコだった。
だが雰囲気は暗く、うつむいているだけで、ロクに口も開かなかった。
暴力団の抗争で捕まってしまったという、どうしようもない男だと知った。そんなギコを見て、タカラギコは内心嘲笑っていた。

ある日、タカラギコは初めてギコに話しかけた。もちろん友達になるわけじゃない。ちょっかいをかけるためだ。
「ギコだったよね。君は暴力団に入っていて捕まったんだって?ダメだなあ、そんなんじゃクズがどんどんクズになっていくよ」
ギコは何も言わなかった。当たり前だ、あんな暗い男が、何も反論できるわけない。第一本当のことを言ったんだ。
自分もささいなことで捕まってしまったけど(憂さ晴らしにスプレーで落書きをしてたら捕まった)、出所すればゆくゆくは社長に就任、満足する生活が待っている。
ギコは出所しても同じような生活。誰にも必要とされず、それこそクズのような生活が待っているだけだ。
そう言った後ギコの元を離れようとした。その時だった。後ろから、ギコが突っ込んできた。
すぐにタカラギコは体当たりを食らった。「うぐっ」とうめいてその場に倒れこんだ。その上からギコが覆いかぶさって、タカラギコを殴り続けた。
10秒ほどしてからすぐに周りの警備員が取り押さえ、ギコは部屋へ戻された。タカラギコもすぐに部屋に戻った。
タカラギコは部屋の中で憤りを感じていた。どうしようもないくせに、妙にプライドは高い。そういう、身分をわきまえない奴は大嫌いだったからだ。

その後というもの、ギコとタカラギコは出会うたびに一触即発の雰囲気になり、いつの間にか犬猿の仲として刑務所内に知れ渡った。
時々ギコがしぃ(女子10番)なんかと話していた。すぐに好意があるのが分かった。
まあ、クズはクズらしくどうでもいい恋でもして自己満足に浸ってればいいですよね―――
タカラギコ自身、恋なんて馬鹿らしいことをするわけがないとするわけないと思っていた。だから、ますますギコを軽蔑した。ギコもタカラギコを軽蔑した。

そういう、正反対の二人だった。
262名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/11 22:50 ID:5gOmSueW
「答えろゴルァ!!」
もう一度ギコの怒鳴り声が響く。とりあえずここは一旦仲間になるか?しかし、ギコと行動するのは嫌だ。自分が許さない。
とりあえずここは打開策を考えるかと思った、その時だった。もう一度ギコの声が響き渡った。
「答えないと撃つぞゴルァ!!」
タカラギコは焦った。仲間にならないと死ぬ、だが仲間になりたくない。その思いが交差して、口が開かなかった。
しかしその時、別の声が割り込んだ。
「ア、アノ、エーデス。タカラギコサントイッショニイマス。ヤルキハアリマセン」
えーだった。その声を聞いたギコが、真っ先に声を上げた。
「タカラギコ・・・」
奴は自分を恨んでいるはず。殺されるか。どうなるか。
とにかくこちらはギコの下にはつきたくなかった。武器の面では向こうが上だ。仲間になった瞬間、自分はギコの下になる。
それは嫌だった。クズなんかにこき使われるのは。恥辱としか言いようが無かった。
とにかく、ここは打開策を考えなくては―――
「えーとタカラギコかぁ。ギコ、とりあえず銃を下ろそう。向こうがやる気だと、もう攻撃してるはずだ」
さいたま右の声が聞こえた。チャンスだ。銃を下ろせば少しは楽になる。
しかし、ギコは銃を下ろそうとせず、言った。「タカラギコがいる。あいつは信用できない。銃を下ろすのは無理だ」
―――くそっ、馬鹿のくせに警戒心だけ強い―――

タカラギコは焦った。このままでは殺されるのは時間の問題か。交渉の余地はない。
攻撃するだけだ。だが―――エアガンとメスだけでは、勝ち目がない。
タカラギコはえーの方を振り返った。ベッドの上に無造作に置かれたデイパック、銃があった。大きな―――ショットガンだろうか。そうだ、えーのデイパックに武器があったのだ。
ショットガン―――弾が入っているのだろうか。しかし、有効な武器はない。ショットガンしか使うものはない。

タカラギコは決断した。
263名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/11 22:51 ID:5gOmSueW
一気にえーのいるベッドまで走った。ギコの手元の銃が動いたが、もう関係ない。
ベッドの上のデイパックとショットガン(レミントンM31RSだった)をひったくるようにして掴み取ると、一気にベッドの反対側に落ちるようにして移動した。
そしてエアガンを手にとり、呆然として座っているえーの影から撃った。ぱっ、と情けない音がしたが、牽制にはなったようで、向こうの二人の影が避けるようにして動いた。
ようやくエアガンだと気付いたようで、ギコの声が聞こえてきた。
「何のつもりだゴルァ!!撃つぞ!」
「落ち着いて!話し合えば何とか・・・」
二人が叫んでいたがタカラギコには関係ない。逆に一気に撃ってこないでよかったと思った。
「タカラギコクン、ナニヲ…」
えーも何か言っていたが、もちろん無視した。レミントンのマガジンを確認した。弾は入っている。準備はいい、あと狙いを定めて――――
しかし目に飛び込んだのは、カーテンを開けたギコだった。銃を片手に構え、こちらを見つけたようだった。えーが体を後ろに下げた。
すぐにギコはレミントンを確認したようだった。そして、ギコの指が引き金にかけられた。えーが体を硬直させ、撃たれると覚悟した姿が目に入った。
―――撃ってくる!

その瞬間、タカラギコは自分でも考えられない行動を取っていた。

ベッドの上にいたえーを抱きつけるようにしてこちらに引き寄せ、ベッドの向こう側に引きずり込んだのだ。
そのすぐ後にギコが引き金を引いた。ぱんっ、と破裂音が聞こえて、どこかに当たったような音がしたが、タカラギコに当たった様子はない。

何故―――弾除けとするはずだったえーを―――庇った?
あのままえーに命中させて撃っていればこちらが勝っていたはず、何故危険を冒してまでえーを庇った?
何故?どうして?

タカラギコの中に一つの結論が浮かんだ。
「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!!」

そんなはずはない、ボクはそんなことには無関係なはずだ、ギコがしぃに好意を持ってることを知って馬鹿にしたし、そういうものは全く無関係だと思っていた。
だが、今の行動は何だ?何なんだ?何故えーを庇った?今死なすのはもったいなかった?
―――そんなはずはない、さっきの行動は何かの間違いだ。さっきの行動が間違いじゃないとしても、この結論は何かの間違いだ。
ボクが、ボクがえーのことを―――


好きだなんて―――
264名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/11 22:51 ID:5gOmSueW
その時だった。もう一発銃声が聞こえ、タカラギコは我に返った。
―――そうだ。考えている暇はないんだ。今は戦わなくては!
すぐにレミントンを手にとり、ベッドから身を乗り出した。銃を構えたその時、目に飛び込んだのは―――
ギコがもう一丁、銃を構えていた。タカラギコの表情が、驚きのものに変わった。
さいたま右の銃を、とっさに持っていたのだ。
どん、という音がして、タカラギコの胸に衝撃が来たかと思うと、後ろに吹っ飛んだ。撃たれた、と直感した。
「ぐあっ」とうめき、冷たい床に叩きつけられた。
すぐに熱さと痛みが押し寄せた。レミントンも手元から離れ、床を滑っていた。

タカラギコは、生きるか死ぬかの境目で、何か場違いなことを考えていた。
―――ボクはえーのことが好きだったのか?だとしたら何故?別に接点もなければ話したこともあまりない、だとしたら、何故?
一つ思い辺りがあった。

刑務所の中で、えーが他の囚人たちにちょっかいをかけられていた。
えーは逃げられない様子で、困った顔をしていた。
そこに自分が割り込んで、止めてあげた。
えーはとても感謝してくれた。

それだけのことだった。
けど、いつもはそんなものには見向きもしない自分が、何故止めたんだろうと、少し思った。
それだけのことだった。

―――あのときから、ボクは既にえーのことが好きだったんだろうか。
そうじゃなければ、何故あの時止めたのだろうか。
ギコがしぃと話しているとき、ボクはギコを鼻で笑ったけど、
その時、既にえーのことが好きだったのだろうか。

誰一人愛したこともないくせに、愛の全てを知ったように思っていた。
ギコのような人間より、自分のような人間の方が、どうしようもないと、初めて思った。
265名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/11 22:52 ID:5gOmSueW
撃たれてから沈黙が続いた。ようやく口が開いた。
「に…」
「タカラギコクン…」
「逃げ…ろ…」
もう命はないと分かった。だから、今ようやく見つけた守るべき人を守ることはできない。
だから、今言えるのは、逃げろという言葉だけだ。
恋のことなんか全然知らないくせに恋を馬鹿にした自分に、「好きだ」と言える資格はないと思う。
どから今は―――

「逃げろ」

それだけを言っておく。


目を閉じた。
いつか―――言えるようになろうと思う。
何も知らなくても、たとえクズみたいな人生を送っても、絶対、君の前で言えるようになろうと思う。
「大好きだ」って。


そのままタカラギコは目を開けることはなかった。
その後、沈黙が続いたが、えーはレミントンとデイパックを掴み取り、走り去った。
ギコとさいたま右は、追う事すらできず、その場に立ち尽くした。

辺りはもう、真っ暗になっていた。

【残り19人】
266名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/12 01:49 ID:Bl9ZO/Dn
───バタン。
不意に階下から物音がし、【男子18番】フーンは部屋の押し入れの箱を漁るのを止め、ベレッタM92Fを手に取った。遂に誰か来やがったか。音を立てないよう慎重にドアを開け、壁に背をつけて階段の方に近付く。
階下から、足を引きずる音がする。すぐ近くだ……階段を降りてすぐの居間を歩いていると推測できた。
「…ね…ぇ、誰も……いないの?」
声から察するに、入ってきたのは女囚。息が荒いのは、負傷しているからだろう───勝てる。
「……ぁぁ、ここ…おうちね……」
とす、という足音。
(1…2の……)
フーンはゆっくりと数えた。「3」で階下に飛び出して、一気に蜂の巣にしてやろう。楽勝だ。そう考えた。
「炎が、見たいわ……炎が……。」
(……3っ!!)
床を蹴る。拳銃を構えて、階段を駆け降りた。標的となる人物が目に入り、反射的に引き金を引く。銃声が響き渡った。
銃を撃った反動で階段を一段踏み外し、フーンは前のめりに床の上に落ちた。慌てて起き上がる。───殺ったか?標的の立っていたところを見遣る。
刹那───フーンの目に───自分に向けられている銃口が見えた。
ダララララッ!!
壁に、大量の銃痕。危うく命中するところだった。ギリギリのところで銃撃を避けたフーンは、マシンガンらしき銃を手にした人影を見た───
「花瓶か!?」
またも銃声。フーンは壁の角に一時身を隠し、ベレッタM92Fの弾を詰め替えた。先程ちらりと見たところ、花瓶は腹部を庇うような姿勢で立っていた。やはり負傷しているのだ。
もちろん、凶悪な放火魔として世間を騒がせていた花瓶のことは知っている。あの頃は新聞社がネタに困らなかった。
「うふ、ふ……今度、こそ、5人目……ふ、ふふっ……」
ダララララッ!!
マシンガンの音。壁をかすめた弾が、チュンッと不愉快な音を立てている。
「フーン、さん……でしょ?ふふ……わかって、るんだから……」
「……ふーん、そうかい。噂通り凶悪だなアンタ」
「いやぁね……あたしは、ただ、炎が……見たいだけ、よ」
「炎?」
「そう。綺麗、よねぇ……炎……炎を見るために、殺すの……」
こいつ、精神イッちまってるな。フーンはそう思った。こいつを出所させたら間違いなくヤバい。新聞社は喜ぶかもしれないが。
「だから、あたしのために、死んで、ね。フーンさん」
267名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/12 01:50 ID:Bl9ZO/Dn
ダガガガガッ!!
花瓶のストームM9-32が再び火を吹く。まったく、ミスったな……フーンは思った。楽勝だと思ったら、強敵じゃないか。
ここらで腹をくくる必要があると考えはじめたフーンの横で、不意に銃声が止み、ゴトンと音がした。
「っ、う、げほっ!!」
一瞬の隙。フーンは銃を構えて壁から飛び出した。どうやら腹部の傷が疼いたらしい、花瓶は腹部を押さえて体をくの字に曲げていた。
ドン!ドンッ!!
ベレッタM92Fが火を吹く。次の瞬間、花瓶の両足から鮮血が吹き出した。
「ぎゃあッ!!」
花瓶が悲鳴を上げ、床に倒れた。フーンはさらに一発花瓶に撃ち込もうと体勢を整えた。
ガゥン!
「っ!!」
フーンの手が一瞬痙攣し、ベレッタM92Fが跳んだ。床に這いつくばっている花瓶。手には、シグ・ザウエルP230 9mmショート。ベレッタは床に落ちた衝撃で、部屋の隅に滑っていった。───ヤバい!
ガゥン、ガゥンッ!ガゥンッ!!
銃声と共にフーンは、胴体に衝撃と熱を感じた。激痛が広がる。八頭身にボウガンで撃たれた時の比ではない。
「ぐ…ぁ……っ、」
バランスを崩し、倒れる。喉の奥に熱いものが上がってきて、たまらず吐いた。目の前の床が、鮮明な紅に染まった。
───ああ、気分悪ィ。口の中で血の味がする。なんか、やけに、だるいし……
「……ねえ、なんで……?」
花瓶が言う。片手の銃からは煙が上がっていた。
「あたし、は……炎が、見たかった、だけなのに……なんで?」
「そんなに……炎が好き…か?」
自分の声がかすれているのを情けなく思った。こくりと、花瓶が小さく頷く。
───ああ、もうどうでもいいよ。どうでもいい。正直、疲れたよ。もう、いい……
「ふ、ん……だったら、な…」
フーンは近くに落ちていた自分のディパックから、小さな品物を取り出した。家の雑貨物入れを漁っていて、偶然見つけた品───チャッカマン。
「くたばっち、まえよ……」
───お前の好きな炎と一緒に。

フーンがカーテンに着けた火はあっという間に広がり、家を包んだ。その一階の居間に横たわったまま、花瓶は燃え盛る炎を見ていた。
「あぁ、綺麗……ねえ、フーンさん、綺麗よ、ねえ……綺麗……」
炎から目を背けずに、花瓶はぽつりぽつりと言った。フーンは返事をしない。声も最早届かない。
「……きれ……ぃ……。」
真っ赤な、美しい炎。それが、花瓶が最後に見たものとなった。
真っ暗な中、燃え盛る家だけが、煌々と明るかった。

【残り17人】
268名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/12 17:38 ID:TkanpIRX
ぃょぅ(男子3番)は、時間を忘れてモニターに見入っていた。
指はロボットのようにキーを叩き、かたかた、という音だけが小さな民家の中で小さく響いている。
横では、モララー(男子21番)が床に横たわり、小さな寝息を立てていた。

ぃょぅがパソコンに残された製作途中のウイルスを作成し始めて、もう2時間くらいが過ぎたのだろうか。
既に辺りは真っ暗で、パソコンから発せられる明かりだけを頼りにキーボードを打ち続けている。
製作途中のウイルスはかなり強力なものであり、一年前くらいに流行ったウイルスだと分かった。
有名なウイルスのことくらいは独学で勉強していたので、コード等のことは簡単だ。
ウイルスを作成した後のことを、ぃょぅは考えていた。

まずウイルスを作成した後やることは、置いてあるはずの奴らのサーバーコンピュータに入り込むことだ。
ここにウイルスを送り込み、奴らがサーバーコンピュータをチェックしたと同時にウイルスが作動する。
サーバーコンピュータをチェックされる方法は、プログラム主催者とでも名乗ってサーバーチェック要請のメールを送ればいい。
奴らのプログラム運営の為に必要なコンピュータ全てのデータを削除した後は、サーバーが落ちてしまう仕組みだ。
その後ウイルスに感染したコンピュータの画面にグロテスクな画像が表示され、大音量で「ちんこ音頭」がずっと流れる仕組みだ。
これが成功したらプログラム中止の放送が流れるはずで、殺し合いは一時中断、その間に仲間を集めて、奴らへ襲い掛かる。

しかし、この計画には、大きな問題があった。

ぃょぅには、特定のコンピュータに侵入する技術など持ってはいなかった。
電力は遮断されており、バッテリーも予備のものがあるのだが、時間が来ればパソコンは使えないのだ。
だからぃょぅには、ウイルスを作成した後、すぐにやらなければいけないことがあった。

―――つーを捜す。
つー(女子13番)。少し前に聞いたことがある。彼女はパソコンに侵入する技術を持っているはずだ。
彼女は放送でまだ呼ばれていない。生きているのだ。バッテリーが死ぬ前に彼女を捜し出さなければならなかった。

ぃょぅは何とかウイルスを作り上げた。少しアレンジした所もあるが、威力は変わらない。
あとは、つーを捜せば、この作戦は成功だ。プログラムが中止され、生徒全員で奴らを倒す。
まだ自分たちに生きる資格はあるはずだ。

【残り17人】
269 ( ・∀・)⊃ ◆FRszqapSGg :03/09/12 23:40 ID:aR1sPwOK
「はぁ・・・はぁ・・・やっと着いた・・・。大丈夫だつー、絶対に助けてやるからな。」
【女囚17番】づーは【女囚13番】つーを背負いC-1の医療所の前に立っていた。
「とりあえず医療用具を探さないとな・・・」
そう言うとづーはゆっくりと扉を開けた。

「!!!!!!」

づーはいきなり転んでしまった。
「いてて・・・ちくしょう、なんなんだよこれ――――――」
そこまで言ったとき、づーは自分が躓いたものの正体に気づいた。
「これは・・・」
そこにいたのは胸などから血を流し息絶えている【男囚11番】タカラギコだった。
刑務所の中ではあまり話したこともなく、正直言うと少し煙たいところもあった。
そんなタカラギコが今目の前で倒れているのだ。
(まさか・・・ここには「やる気」なやつがいるんじゃ・・・)

「なんで撃ったんだよ!」
(誰かいる!この声は・・・)
ベッドの陰からそっとのぞき込んでみる。
思った通り、づーがみつけたのは【男囚9番】さいたま右の姿だった。
「だからさっきからすまないって言ってるだろゴルァ!」
(この声はまさか・・・)
どうやら【男囚5番】ギコもいるようだった。

「じゃぁ、なんでそんなに気がたってるんだよ!」
この言葉に一瞬ギコは言葉を失った。
確かにタカラギコとは仲が悪かった。
とはいえ、殺したいとは思ったこともなかった。
「すまない・・・」
それからギコが口にした言葉はこれだけだった。

その後再びどれくらいかの沈黙が流れた。
(っは!そうだった、こんなことをしてる場合じゃない!早く医療用具を探さないと・・・)
そう思い立ち上がろうとした。そのとき
「ガタッ!」
音を立ててしまったのだ。
(しまった、気づかれた!)
「誰だゴルァ!」
ギコの声が夜の闇にこだまする。
「落ち着くんだ、ギコくん!」
270 ( ・∀・)⊃ ◆FRszqapSGg :03/09/12 23:53 ID:aR1sPwOK
(そうだ、相手にやる気があるとは限らない。)
幸いさいたま右がギコをなだめているので、その場は少し落ち着いた。
(出るしかないか・・・)
「づー・・・」
ギコがぼそっと言った。どうやら戦意はないようだ。
「どうしたんだ!怪我してるじゃないか!」
さいたま右が叫ぶ。
(よし!戦闘は免れそうだ!)
「俺たちにやる気はない。医療用具を探しに来ただけだ。」
づーが言う。
「本当だろうな・・・」
ギコが言った。
「疑うのはやめようよギコ君。あっちには怪我人がいるんだよ?」
「そ、それもそうだな。」
その場の空気が軽くなる。

「で、医療用具は?」
づーが言う。しかしなかなか答えは返ってこない。
やっと開いた口から出てきた言葉はもっとも聞きたくない言葉だった。
「それがないんだよ・・・。僕たちもさっき来たばっかなんだけど。」
そんな・・・づーの全身の力が抜けていく。
「ちょっと待てよ?」
さいたま右が言葉を発する。
「もしかしたらタカラギコがもってたんじゃないか?」
そうか、そうかもしれない。いや、そうであってくれ。
づーは必死にタカラギコのディパックを漁った。

271名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/13 18:13 ID:QOp2cqB+
「タカラギコクンッ・・・ ───タカラギコクンッ・・・・・・!!」
涙を流しながら暗闇を走る影。えー(女子7番)である。
「・・・・タカラギコクンッ・・・・ ナンデ・・・ ナンデ・・・」

   ──────逃げろッ──────

その言葉と、タカラギコの死顔だけがえーの脳裏には写っていた。
何故、自分なんかを助けたのか。何故、死ぬという時にあんな優しい顔をしたのか。
・・・何故、死ぬ直前になってまで自分に「逃げろ」と言ったのか。

顔を涙でくしゃくしゃにしながら、息の切れるまで走った。
「タカラギコクンッ・・・ヒトリナンテイヤ・・・・ッ・・・ワタシ、ドウスレバイイノッ・・・・!?」

             ガッ。

石に躓き、思いきり顔から地面にぶつけてしまう。
少し低い声を出すと、倒れた状態から起きあがらなくなった。

刑務所に居たときの思い出が、頭をぐるぐると回った。
よく自分を苛めてきた奴らのこと、刑務所での暗い生活のこと、その生活の中でも
仲の良かったしぃのこと、自分が苛められていた時に助けてくれたタカラギコのこと。

寝心地が悪く、暗くて嫌な刑務所だけど、少しだけ温かい思い出があった。
生活が制限されていて、苦しかったけれど、楽しい時もあった。
自分が出所したら、もう二度と刑務所なんかに来ないように反省しようと思っていた。
出所したら保母さんになって、子供達と仲良くるという夢もあった。
密かに好きであったタカラギコに、いつか告白しようという思いもあった。

そんな自分の人生を、こんな所で失ってしまうのが、たまらなく悔しかった。
自分のせいでタカラギコを殺してしまったことが、たまらなく悲しかった。

そんな思いが次から次へと涙へと変わっていく。
心が押しつぶされ、涙がどぼどぼと出てくる。

死にたくない。こんな所で死にたくない。嫌だ。嫌だ。嫌だッッッッッッ!!!!

えーは、涙でぐしゃぐしゃになった地面から立ち上がり、よろよろと近くの木へとよりかかった。
少し溜め息をつき、涙を拭いとった。そして、一生懸命泣きそうな情け無い顔を直した。

そして、空の月や星を見ながら、呟いた。


  ────── 今、自分と同じく月を見て、自分と違い幸せな思いをしている人は何人いるのだろうか ──────

そう言うと、また泣いた・・・。


                                                           【残り17人】
272名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/14 20:36 ID:dUa/RSQI
『キモイ』
その一言だけで片付けていた。
彼の気持ちも・・・自分への思いも全てを無視して。
自分自身の彼に対するこの『キモイ』は、彼をどんなに傷つけていただろう。
今思えば――とても愚かしいことである。

【男囚16番】8頭身・・・
『何で助けてくれたの?』
そう問う。
『1さんが好きだからだYO!』
そう返される。
『何で僕なんかがすきなの?』
そう問う。
『好きだから好きなんだYO!』
そう返される。

――人に愛された事――

そんな事は今まで一度も無い。
そう思っていた。
しかし、随分身近な所にいたじゃないか。
8頭身に対しては、いつもただ『キモイ』と思っていただけで、『愛されている』とかそんな事はあまり意識していなかったのだ。
でも――危険を冒してまで自分を助けてくれた。
改めて、8頭身の思いを知った。
今では、そんなのも悪くないかな、そう思っている。
『一途な人』
僕はそんな人が好きだ。
8頭身に対しては、ただ『しつこい』とか思っていただけだった。
それが今、考えてみると8頭身は本当に僕を一途に思っていてくれたんだな、そう思う。
危険を省みず助けてくれた――いつも僕をストーキングする――そのように僕に対する一途な感情を持っている彼は、
あまり嫌いではない。


ま、キモイ事には変わりないんだけどね・・・


【男囚1番】1さんと、【男子16番】8頭身は、大体C-2の当たりの草叢で、腰を落ち着けていた。
目の前には、恐らく政府の奴らが待機してるであろう分校が見える。
自分達はこんな思いをしているっていうのに、奴らはあの分校の中でのうのうと暮らしているのかと思うと、無性に腹が立ってくる。
――くそっ。 僕達はこんな思いをしていると言うのに・・・
あ、そうそう。
「ねぇ・・・8頭身・・・」
1さんが言うと、8頭身はニコニコしながらこっちを振り向いた。
「なぁ〜に?1さぁ〜ん?」
1さんは、その顔を直視せずに話しかけた。
「もしも・・・もしもだよ。僕とお前だけが生き残ったら・・・どうする・・・?」
そう言うと、8頭身は対して迷う事もなく
「勿論1さんを生き残らせてあげるさ!」
と言った。
「何でそう言えるんだい・・・?
自分だけが助かりたいとは思わないのか!?
僕なんかの為に自分の命を投げ捨てられるのか!?」
1さんは、少し熱くなり、8頭身に言った。
8頭身は、その1さんをほけ〜っと見つめる。
・・・熱くなりすぎたかな。
そして、しばしの沈黙の後、8頭身が静かに口を開く。
273名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/14 20:58 ID:dUa/RSQI
「・・・漏れはね、1さんが滅茶苦茶好きなんだYO!・・・だからさ、1さんの為なら別に死んだっていいのさ。」
8頭身はそう言うと、1さんに向かってニコっ、と微笑んだ。

――死ぬなんて言うなよ。

対して意識もしてないのに、目の奥一杯に涙が溢れてくる。
8頭身に、自分の涙なんて見せたくなかった。
1さんは、うつむき、その涙を手で拭った。
「わわっ?1さん泣いてるの?」
そんな1さんを8頭身が心配そうに見る。
「な、泣いてなんか ヒグッ ないぞ!」
1さんはどもりながら叫んだ。
8頭身はバツの悪そうな顔をして、またそこに座る。

――死ぬなんて言うなよ。

そう言いたかった。
だけど・・・まだいいや。

「おっ!?1さん見て見て!火だよ!火!」
8頭身が突然叫びだす。
何事か、と8頭身の指差すところを見つめると、綺麗な火が闇の中にポツリと輝いていた。
「・・・誰か死んだのかなあ?1さん・・・?」
8頭身が脂汗をかきながら1さんに尋ねた。
知るか。と言いたかったのだが、8頭身の後方にいるそれを見た瞬間声など出せなくなっていた。


【男子15番】激しく忍者が、手裏剣のようなものを、8頭身目掛けて振りかぶっていた。


心臓が、どくん、と近くの8頭身にも聞こえそうなくらい大きく高鳴る。
8頭身は、無論その忍者の存在に気付いていない。
1さんは、考えるよりも先に、本能的に体が動いていた。




「1さん!何で!?」
274名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/14 21:14 ID:dUa/RSQI
――僕なんかの為に死ぬな。

それが本当に声になったのかも分からない。
ただ――1さんの喉に、木製の手裏剣が深く突き刺さっていた。
今までに味わった事も無いとてつもない『痛み』が、1さんを襲う。
そのまま、1さんはどっ、と床に突っ伏した。
「1さぁぁん!!」
8頭身が半泣きで、1さんの元に駆け寄る。

伝えたかった。
もうすでに死の淵。花畑が見えていた。
しかし――死ぬ前に――たった一つ、たった一つだけ伝えたい言葉があった。
しかし、喋ろうともゴボゴボ、と口の中で血が泡立つだけで言葉にならない。
「え!?何?」
8頭身は耳を傾ける。
そして、1さんは必死に喋ろうとした。
しかし、無情にも言葉になっちゃくれなかった。
ただ――ただごぼごぼ、という擬音だけ。

どさっ

1さんの目の前で、8頭身が崩れ落ちる。
後頭部の当たりに、1さんの喉に突き刺さってるモノと全く同じものが突き立っていた。
そして、その奥から激しく忍者が木製のくないを持ち、こちらに近づいてくる。


別段、恐怖や、憎しみや――そういった類の感情は生まれなかった。


ただ・・・ただ、ただ――ただ――!


伝えたかった。
8頭身に対する思い。
今までのアイツに対する反応の償い。
その全ての感情を含めた、『その』一言を、最後に・・・最後の最後に伝えたかった。

そう。





『ありがとう』って。





しゃくっ

【残り15人】
275名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/14 21:28 ID:dUa/RSQI
修正よん♪と可愛く言っても許しちゃくれないのは目に見えてるわけだが。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――僕なんかの為に死ぬな。

それが本当に声になったのかも分からない。
ただ――1さんの喉に、木製の手裏剣が深く突き刺さっていた。
今までに味わった事も無いとてつもない『痛み』が、1さんを襲う。
そのまま、1さんはどっ、と床に突っ伏した。
「1さぁぁん!!」
8頭身が半泣きで、1さんの元に駆け寄る。

伝えたかった。
もうすでに死の淵。花畑が見えていた。
しかし――死ぬ前に――たった一つ、たった一つだけ伝えたい言葉があった。
しかし、喋ろうともゴボゴボ、と口の中で血が泡立つだけで言葉にならない。
「え!?何?」
8頭身は耳を傾ける。
そして、1さんは必死に喋ろうとした。
しかし、無情にも言葉になっちゃくれなかった。
ただ――ただごぼごぼ、という擬音だけ。

どさっ

1さんの目の前で、8頭身が崩れ落ちる。
後頭部の当たりに、1さんの喉に突き刺さってるモノと全く同じものが突き立っていた。
そして、その奥から激しく忍者が木製のくないを持ち、ゆっくりこちらに近づいてくる。

別段、恐怖とか、怒りとか――そういった類の感情は生まれなかった。

ただ・・・ただ――ただ――!


8頭身に伝えたかった。
キミに対する思い。
今までのキミに対する反応の償い。
その全ての感情を含めた、『その』一言を、最後に・・・最後の最後に伝えたかった。

そう。





『ありがとう』って。





しゃくっ

【残り15人】
276TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/09/15 09:41 ID:NLrn2i5p
♪ピンポーンパンポーン♪
――4回目の放送が島中に流れた。
「アーアーアー・・・マイクOK・・みなさんこんばんは。6時間たったので、死者と禁止区域を発表します。
【男子14番】ニダー、【女子12番】ちびしぃ、【男子11番】タカラギコ、
【男子18番】ふーん、【女子9番】花瓶、【男子1番】1さん、【男子16番】8頭身
以上7名。禁止区域は、10分後にB−5、30分後にF−6、1時間後にC−1だ。
だいぶ人数も減ってきたぞ。もう少しだからがんばれよ。
それと脱出しようとする人もいるかもしれないが、それは無駄だってこともよーく頭に入れとくんだな。以上だ。」

     ♪ピンポーンパンポーン♪

本部にいるひろゆきはコーヒーカップに口をつけ、パソコンのキーを撃ちながら、何かをし始めた。
「今に見てろ・・・全員脱出できないようにしてやる・・・最後の一人になるまで殺しあうって約束だからな・・・」
ひろゆきはもくもくとキーを打ちながら軽く微笑んだ。
277名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/15 14:07 ID:Fsb4G4PG
ぃょぅ(男子3番)は定時放送が終わった後、起きてきたモララー(男子21番)に事情を説明した。
「そうか…とりあえずつーを探せば良いんだな!」
つー(女子13番)は定時放送で呼ばれなかった。ということはまだ生きている。
「そうだょぅ…けど、どこにいるかわかんないんだょぅ…」
禁止エリアと死者にチェックを入れつつ、ぃょぅが答えた。
「それはしょうがないだろ、当てずっぽうに探していけばいいよ」
「とりあえずここを出るんだょぅ」
そう言ってぃょぅが民家を出るため地図をデイパックに入れようとした時だった。
ぶぉん、と音がした。
「何だ?」
「PCの警告音だょぅ」
確かにそれは一般的なPCの警告音だった。しかし、今は誰もPCに触ったりはしていない。
ぃょぅは疑問に思いながらモニターを覗き込んだ。
その瞬間、ぃょぅの表情がこわばった。
「どうしたんだよ?」
モララーが聞く。ぃょぅは、「何でだょぅ!」と言いながら、PCをいじっている。
バッテリーはまだあるんだょぅ、ケーブルも刺さっているし―――
結論が出た。
ぃょぅが口を開いた。

「電話回線が――ストップされたんだょぅ」
「どういうことだ?」
「ネットに接続できないんだょぅ。だから―――」
ぃょぅが間を置いた。
もう一度口を開いた。
「奴らのPCに侵入できなくなったんだょぅ。ウイルスを仕掛けることができないんだょぅ」

【残り15人】
278名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/15 18:15 ID:3yZ3mBDx
黙れ小僧とかも死んだことになるんじゃないのか?
279名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/15 18:16 ID:wlBJK767
「侵入できなくなっただと・・・?」
モララーが凄まじい形相でいよぅに迫る。
「そ、そうだよぅ・・・」
「こんの役立たずめ!」
モララーはそう叫ぶと、手中の5`ハンマーを、いよぅの近くに振り下ろした。
ハンマーは、いよぅの脇の柱にガッと当たり、当った所がべこっと凹んでしまった。
「よ・・・よぅ・・・」
いよぅはしどろもどろだ。
「さっさとどっかいっちまえ!さぁ!早く!」
モララーが叫ぶ。
いよぅは、何も言わずにPCとディパックを持ち、その場を走り去る。
「二度と来るなボケ!」
モララーはそう言うと、ワルサーPPK9ミリを取り出し、いよぅに当らないようにガゥンと撃った。
すぐに、いよぅは夜の闇に紛れて、見えなくなった。
後には、モララー一人が残された。
「・・・脱出は無理・・・か。」
モララーは、手元のワルサーを見やった。
・・・やるしかないな。
モララーは小声でそう呟くと、ワルサーをぎゅっと握り締め、闇の中へと足を進めた。

【残り15人】
280名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/15 20:01 ID:DfqDyjiC
クックルは何時でも寡黙だった。
クックルにはある作戦があった。
元々、クックルは正義感が強い。ひろゆきは危険思想者ということで、
何とか始末できないかと、裏組織から依頼されて潜入。現在に至る。

戦闘なら誰にも負けない。例え相手が銃で、こっちが素手でも
例えこっちが一人で敵が百人でも…だ。
不可能を35年間の地獄の訓練によってそれを可能にした。

罪悪感はある。

クックルはこの仕事を終えたら自害し、果てるつもりだった。
281名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/15 20:01 ID:DfqDyjiC
この仕事を引き受るきっかけは、ある日のことだった。

―――――――末期ガン―――――――

医者からこう宣告された。
ちょうど2年前のことだった。
それがきっかけで前々から考えていたこの仕事を引き受けた。
刑務所長としてひろゆきに接触することに成功した。

ひろゆき(相変わらず…何を考えているのか…)
クックル「お前には関係ないこと…」
ひろゆき「…!」
クックル「いや…関係は大アリだな…」
ひろゆき「今日はよく喋るんだな…」
クックル「・・・・・・・・・・・・・・・・」

クックルは、また強ばった表情でモニターをじっと凝視していた…

――――――忍者よ…そういえば貴様との勝負はまだ決着がついていなかったな…――――――
282( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/09/15 21:17 ID:/aVKpfYR
モナー【男子20番】は立ち上がる。
「いつまでも、じっとしてちゃいけないモナ」
「モナーくん・・・」
右手にギュッとナタを握り締め、左手でレモナ【女子21番】の腕を持つ。
「・・・とにかく仲間モナ、レモナの武器は・・・」
クーロンTYPE40。銃器ではあるが・・・やはり心配が残る。仲間が欲しい。
「仲間を・・・」
「モララーくんとか?」
モナーは考え込む。モララーは確かに頼もしい。だが・・・もし残りが自分たちだけ
になったとき、モララーは容赦なく自分たちを殺すんじゃないだろうか。
「できれば・・・ギコや・・・」
語尾に「や」をつけたがそれ以外浮かばなかった。やはりモララーしかいないか。
「ギコかモララーを探すモナ。とりあえず・・・西に進むモナ」
「うんっ」
レモナの手をしっかり握り締め、モナーは闇夜を歩き出す。





「・・・・・しまったなぁ」
モララー【男子21番】は後悔していた。またよくないクセがでてしまった。どうも自分は怒りっぽい。
冷静に判断してぃょぅを追いやるのは間違っていた。
「ま、仕方ないよね」
やってしまったものは仕方ない。それなら次を考えるだけ。
「仲間にするなら・・・相棒かギコあたりがいいだろうなぁ」
手に持ったワルサーを見つめ、モララーも闇夜の中へ消えてゆく。

【残り15人】
283名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/15 22:51 ID:wlBJK767
クーロンTYPE40・・・ナタ・・・
武器もOK。
モナーは、その二つを持ち、レモナに言った。
「じゃ・・・行こうか。」
レモナは柔和に微笑んだ。
「うん♪」
モナーは、レモナの手をしっかりと握り、西へと足を進めた――

ぶきゅっ

それはあまりにも突然の出来事だった。
肉が弾ける様な気持悪い音と共に、レモナは横様にどっと倒れた。
モナーは、しばらく何が起こったのか認識出来ない。
しかし、数秒後、どうしようもない絶望がモナーの体中に広がった。
――倒れているレモナ――その側頭部に刺さっている銀色の――

ああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・・・・・・・・・・・・・

「レモナァぁ!!」
モナーは、倒れているレモナに駆け寄った。
「もな・・・くん・・・にげ・・・て・・・」
レモナはただそう言うと、がくりと首を垂れた。
おそらく最後の力を振り絞って言ったのであろう。レモナは絶命した。

『す・・・・好きなのよね・・・』

好きだって
そう言ってくれたね。
モナも
好きだったよ。
たとえ
モナが死のうとも
君だけは守って見せるよ。



守れてないじゃないか―――ッ!!


モナーは、『うああぁぁぁ・・・』と声をあげ、泣いた。
初めて人を愛した。初めて人に愛された。
しかしこの瞬間――全て消えた。
そして、すぐにレモナを殺した張本人がすぐ近くにいることに気が付いた。
【男子15番】激しく忍者だった。
ボウガンを、こちらに向けている。
モナーは、反射的にその場から離れた。
その次の瞬間、ボウガンの矢は、丁度自分がいた所に突き刺さっていた。
そして、激しく忍者はゆっくりと顔を上げ、ボウガンの照準をこちらに合わせた。
「+激しく殺害・・・決行+」
そしてそう言うと同時に、再びボウガンを放つ。
モナーはとっさにそこら辺の草叢に身を隠していたので、外傷はなかった。

『もな・・・くん・・・にげ・・・て・・・』

レモナは最後に、モナーにそう言った。
しかし、モナーは逃げる気など毛細血管の先端程も無かった。
思いはただ一つ。

――レモナ。君の仇は絶対取るモナ!――
284名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/15 23:04 ID:wlBJK767
モナーは、ナタを握り締めると、激しく忍者に向かってまっすぐ走りよった。
そして、力強く振り下ろす。
しかし、空しくもナタは空を切るだけで激しく忍者には当らなかった。
そして、隙だらけになったモナーの体目掛けて、ボウガンを放った。
「あぐぁっ!」
矢は、モナーの腰に刺さり、とんでもない痛さがモナーを襲った。
そして、激しく忍者はそのモナーの顔を目掛けて更に一発打ち込む。
モナーは、ぐるりと半回転をして、矢を避けたのだが、その反動で草叢に豪快に倒れてしまった。
モナーは、腰が痛み、その場から動けなくなってしまった。
激しく忍者はニヤリとほくそえむと、再びボウガンの矢を放とうとした。
――こんな所で死んで溜まるか!
モナーは体中の力を総動員し、ごろりと横に転がり込んだ。
ボウガンの矢は再び何も無い草叢に突き立った。
激しく忍者は少なからずも動揺の色を隠せないようだ。
モナーは、腰から矢を引き抜き、動揺している激しく忍者目掛けて投げつけた。そしてそれと同時に近くの民家に駆け込んだ。
矢は、激しく忍者の頬をすぅっ、と切り裂いた。
忍者の頬から、薄く血線が流れ出す。
「+激しく油断+」
激しく忍者はそう呟くと、ボウガンに新しい矢を詰め込み、モナーの逃げた民家へと足を進めた。

(くそっ・・・忍者の奴め・・・)
モナーは箪笥の裏に座り込み、腰に先程見つけた包帯をぐるりと巻きつけた。
そして、ナタを左手に、クーロンを右手に持つ。OK.完全武装だ。
「早く来るモナ・・・」
モナーは激しく忍者が来るのを今か今かと待ち続けていた。
しかし、ドアは開く気配が無い。忍者が入ってくる気配が無かった。
――逃げたのだろうか?
モナーは、好奇心に突き動かされ、そっ、と入り口のドアへと向かう。
そして、外を覗こうとしたその時――
ドガッ!と凄い音がして、ドアが蹴破られた。
「モ、モナ゙ッ!?」
モナーは、驚き、しりもちをついた。そしてその反動でクーロンとナタが自分の手から離れる。
そして、その敗れたドアの奥から忍者が現れ、ボウガンをモナーの額に突きつけた。
「+激しく捕獲+」
モナーは、しりもちをつき、武器も手を離れていたので、成すすべが無かった。
ただ、されるがままにされるしかなかったのだ。
忍者は、ボウガンの引き金をぐぐっ、と引いていく・・・
「・・・なんでモナ・・・?」
モナーはすぅっと隙間風のような声で呟いた。
激しく忍者の、引き金を引く指が止まる。
「そんな凄い奴なのに・・・お前なら・・・政府らに一矢報いて・・・脱出なんか出来たかもしれないのに・・・」
モナーはそう言い終えると、キッ、と力強く忍者をにらんだ。
忍者は相変わらず冷たい目でモナーを見据えていた。
そして、真近くのモナーにもほとんど聞こえないような小さな声でこう言った。


「分かってくれ・・・」


モナーはその台詞を聞いた途端、何か言いようも無い変な気持ちに襲われた。
忍者は、今までモナーが聞いた事の無い『激しく』がつかない台詞と共に、
今までモナーが一度も見た事の無い表情を見せていた。
その表情は、冷たい冷酷な殺人鬼の表情ではなかった。悲壮感が漂い――とにかく何か言いようの無い表情だった。
しかし、またすぐに冷酷な殺人鬼の目に戻り、ボウガンの引き金をぐぐりと引き始めた。
そして、モナーは先程の忍者の表情を見た途端、何かどうでもいいような気持ちになってしまった。
忍者を睨むのも止め、ふっと目を瞑る。
・・・レモナ。今逝くモナ・・・
285名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/15 23:09 ID:wlBJK767
ボウガンの矢は、たやすくモナーの額を貫通し、すぐにモナーもレモナの後を追う形になった。
忍者は、そのモナーの死体から矢をぶちりと引き抜き、再びボウガンにセットした。
そして激しく忍者は、その場にへたり込んでしまった。
「+激しく疲労困憊・・・+」
激しく忍者はそう呟くと、ボウガンをディパックにしまい込み、ベッドルームへと向かった。
「+激しくしばらく睡眠+」
激しく忍者は、そう言って、すぐにベッドに横になった。
そして、ものの1秒も立たぬうちに、スースー・・・と眠りについてしまっていた。

【残り13人】
286sage ◆lBLqITVI1I :03/09/15 23:27 ID:JDhfUxKS
モナーとレモナは、C−2の家付近。草叢があるところを歩いていた。
「あそこに見える家の中で、何か役に立つものを探さないと…」
モナーは何度もそう思った。レモナは銃を持っているが、自分の鉈は近距離用だ。
もし、あの中に残されたバッグがあれば、戦力の足しにはなってくれるだろう

しかし、家まであと数十メートルのところで、足に何かがぶつかった。
モナーはのけぞった。レモナは悲鳴をあげそうになった。
それは、8頭身と1さんの死体だったのだ。
放送で、死んだのは知っていたが、ここまで近くで死んでいるとは知らなかった
初めてだ。この大会が始まって死体を見たのは。

有名だった――といっても8頭身に付きまとわれてるのを知っていただけだが――
1さんが、それにその原因の8頭身が自分の足元で死んでいるなんて

信じられない。信じたくない…などと思っているうちに時間だけが過ぎていく
レモナは、ただ目の前の現実だけを見ている。何も考えていない。考えられない状況だった
287sage ◆lBLqITVI1I :03/09/15 23:28 ID:JDhfUxKS
モナーは我に返り、死体を見直してみた。1さんは喉と胸
8頭身は首筋を何か鋭いものでさされた跡がある
しかも、1さんは正確に心臓。8頭身は正確に脊髄を貫いている
ここまで正確に急所を狙い、一撃で人を殺せる人は少ないだろう
殺人者の代表である花瓶は死んでいるのだから、残るは【男因15番】激しく忍者しかいない
武器は、アイスピックだろうか…

2人の死体に触ってみると、まだ温かい。殺された直後ということか。
と、言うことは、まだ激しく忍者が近くにいるということ…

「早く来るモナ!ここら辺は危ないモナ!」
それに気づいたモナーは、ほぼ放心状態のレモナを引き寄せる。……が、

「待って、モナーくん」
レモナが言った。怯えているが、しっかりした声だ
「『殺人者は犯行現場には戻らない』ってことを聞いたことがあるの。
証拠なんかを残さないために…。だから、ここは落ち着いて、様子を見るべきじゃない?」


そうだ。それなら自分も聞いたことがある。ただ、逃げようとばかり考えていて、
大事なこと、つまり相手の動きを考えておくのを忘れていた。
レモナの言うとおりだ。しかもこの2人は銃器で殺されていない。
接近戦なら鉈があるし、銃もある。様子を見ながら進む。それでいい
288sage ◆lBLqITVI1I :03/09/15 23:30 ID:JDhfUxKS
そのとき、【男因15番】激しく忍者は、草叢を走っていた
「+激しく食料取り忘れ+」
激しく忍者は、武器のボウガンはいただいていたが、
荷物になるのでバッグは置いていったのだ。
そういえば何も食べてない。食べないのには慣れていたが、流石に腹が減ってきた

クックルから渡された食料は食料と呼べるものではない
他から奪ったものも、無いに等しかった。
8頭身や1さんなら、まだ食料が残っているかも…

そう思い、激しく忍者は8頭身と1さんのいる所に戻っていった



先客がいるとは夢にも思わず…


286-288

>>283の前に入れてください
289( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/09/16 00:30 ID:MzpzPXf8
ジサクジエン【男子10番】とヒッキー【男子17番】は出しうる全ての力で走っていた。
ダマレコゾウ【男子12番】が特攻を仕掛けた。しかも、一人で。
ほんの少しの間、席を空けた。二人が戻ったときには、一枚の紙とアルミホイルだけが残っていた。
「俺は特攻する。小僧たちはできるだけ仲間を。このアルミホイルを使い仲間を集めてくれ。では、さらばだ小僧」
そう記された紙だった。ヒッキーはダマレコゾウの後を追おうとしたが、ジサクジエンがとめた。
今、自分たちだけが彼に加勢しても、さほど効果がない。ましてや足手まといになる可能性もある。
今は彼が残した紙に従い、仲間を集めること。
「ハヤク・・・ハヤクシナイト・・・」
「ダレモイナイイクナイ!」
眼に映るは、闇と星空。人の気配すらない。場所はA-5あたり、時間は・・・午前1:00。
もうそろそろダマレコゾウが特攻を仕掛けて一時間になる。

早く・・・早く誰か・・・!
その時、わずかながらに物陰が見えた気がした。




C-4にある少し高い丘。そこから見下ろす木製の分校。
とても忌々しく、憎い。ゲームと称し、無意味な殺し合いをさせる。
「そろそろ行くか小僧」
右手にヌンチャク、左手にヒッキーの武器のコルト・ハイウェイを握り締める。
自殺行為かもしれない。だが、俺はやる。少しでも奴らに攻撃を仕掛け、ダメージを負わす。
それで俺が死んだとしても、このゲームを壊すのに一役買えたのなら、悔いはない。
ジサクジエンやヒッキーを仲間集めに行かせたのは、仲間を集めるためではない。
あいつ等を死なせないためだ。死ぬのは俺だけでいい。
「行くぞ・・・」
高鳴る心臓、震える手を抑え、丘を駆け下りだした──そのときだった。
「マッテ!!!」
大人しくも力強いヒッキーの声がダマレコゾウの耳を貫く。
「な・・・!?小僧・・・」
「イワレタトオリナカマツレテキタ!イイ!」
そこには先ほどまでいたジサクジエン、ヒッキーに加え、じぃ【女子11番】という名の女が立っていた。

【残り13人】
290名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/16 08:18 ID:F601vTwl
医療所。既に定時放送から三十分は経過していた。
定時放送で一時間後には禁止エリアになってしまうことが分かった。早く移動しなくては、禁止エリアにかかってしまう。
タカラギコ(男囚11番)のデイパックからは幸い基本的な医療道具が出てきた。
戦意のあるなしは置いといて、ギコ(男囚5番)とつー(女囚13番)の撃たれた個所を手当てすることにした。消毒液をでたらめに塗り、包帯を乱暴にぐるぐる巻きにした後鎮痛剤を飲んだだけだが、少しは楽になった。
「ふぅ…助かったぞゴルァ」
ギコが言った。脇腹の傷は出血の割には大したことがなく、さいたま右(男囚9番)は胸を撫で下ろした。つーも、さっきは喋ることもなかったが、手当ての後少しは楽になったようで、荒い息をしながらづー(女囚17番)と話していた。
「もう禁止エリアに入る。早くここを出よう」
さいたま右が言った。ギコがうなずき、つーとづーもこちらを見た。
「これからどうする?」
づーが、ギコとさいたま右を見ながら言った。続けた。
「あたし達脱出したいの。さっきもハッキング作業をしてたけど、結局失敗して…」
「失敗したんならどうやって脱出するんだゴルァ」
ギコが割り込んだ。づーが黙り込んでしまったが、そこからはつーが続けた。
「それを…これたら考えるんだよ…人数が多い方が…考えやすい…」
「ギコ、彼女たちはやるつもりなんだ。希望があるなら、僕もつー達に賛成だな」
さいたま右が賛成の言葉を続けたが、ギコは切り出した。
「…俺は乗らないぞゴルァ、やるならお前達だけでやってくれよゴルァ」
「どうしてだよ?」
さいたま右が疑問の言葉を投げかけて、ギコはまた言い出した。
「脱出なんてもんは無理だと思うんだよゴルァ、今の生徒の数ではとうてい兵士たちに太刀打ちはできないだろう」
「兵士と戦うんじゃなくてさ、島から脱出するだけでいいんだ」
つーが言ったが、ギコは気にせず続けた。
「第一首輪はどうする?禁止エリアにひっかかると爆発するんだから、結局向こうが操作すれば爆発するだろう。それに、首輪をはずすと爆発するかも知れないだろゴルァ」
「そうなる理由がどこにあるんだよ」
「なら何でハッキングをやる前に首輪をはずすことをしなかった?理由はわかる、外すと爆発するかもっていう恐怖心があったからだゴルァ」
みんな黙ってしまった。その後、さいたま右が言った。
「結局ギコは何がしたいんだ?」
「どういうことだゴルァ」
「出会った時からおかしかった。しぃを殺したのは誰だとか言って、いきなり襲いかかって、しぃを殺したのは自分だって言って、衝動的とは言ってもタカラギコを殺して」
「……」
「そして脱出しようと言ったら猛反対。このゲームで何がしたいんだ?僕と一緒にいて死ぬのを待ちたいのか?」
「そんな…わけねぇだろがゴルァ」
「じゃあ僕を利用して生き残りたいだけなのか?」

ギコの表情が怒りの色に変わっていた。
291名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/16 08:19 ID:F601vTwl
「違うっつってんだろがゴルァ」
「じゃあ何がしたいんだよ!」
さいたま右が一喝すると、ギコはうつむいたまま黙った。
「……しぃ」

しぃを守ってあげたかった。
たった一人の大切な人を俺の命で守ってあげたかった。
だが、死んでしまった。
俺が殺した。

守るべきものはなくなった。
ならどうして生きている?
しかしこんなクソゲームで死にたくない。
だからどうする?
………

「おい!」
さいたま右がギコの肩を揺さぶった。ギコが顔を上げた。
「もう何が何だかわからなくなったんだゴルァ」
「は?」
「答えが見つからない。お前たちといて、何か意味があるのかどうか。脱出して、何か意味があるのかどうか、がゴルァ」
「脱出したら、もちろん新しく人生を送ればいいさ、過去の過ちを消して、新しく生きればいい」
「……」
「まだ俺たちは生きたい」
「……」
「新しく生きて、新しく家を持って、新しく守るべきものを見つけて、新しく誰かを愛せばいいだろう?」
「だが俺には何もないんだゴルァ」
「そんなの誰が決めたって言うんだよ!」
「守るべきものはなくなった。愛すべきものもなくなったんだゴルァ」
「だから、新しく見つければいいんだ!」
「そんなことはできない。あいつは俺の全て。あいつの他に守りたいものはないんだゴルァ」
「じゃあお前はどうしたいんだ?その人を追って自殺するのか?」
「それは俺のプライドが許さない―――だから俺は」
ギコがスミスアンドウエッソンを持ち上げた。
「だから俺は全員殺す」
ギコがおもむろに発砲した。
292名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/16 08:20 ID:F601vTwl
ぱん、と乾いた音がしてさいたま右が吹っ飛んだ。額のど真ん中に小さな穴が開いていた。
さいたま右が宙に一瞬浮かんだ。倒れた。
「……」
ギコは黙ったままだった。つーとづーも、動くことができなかった。

―――まだ俺たちは生きたい―――
俺が殺した。
―――逃げろ―――
俺が殺した。
―――ギコクン、ワタシ―――
俺が殺した。

ギコは腕だけを動かし、横にいるつーと、づーに銃口を向けた。
「……」
「だめ!」
づーが、とっさにつーをかばうようにして、動いた。
ギコはその行動を見て驚いた表情を浮かべ、時が止まったように動かなかった。
しかしその目からは涙が溢れて、頬を伝っていた。

づーはつーを守るために生きていた。
タカラギコはえーを守るために生きていた。
さいたま右だって、残された者のために生きようとしていた。

俺は何だ?

自分のふがいなさに、思わず涙がこみ上げた。バカだ。どうしようもない。
守るべきものを持っているまともな人間を殺した。
だけどこんなゲームで死にはしない。バカバカしく優勝してから、死んでやる。

だがつーとづーを撃つことはできなかった。
ギコはそのままさいたま右と自分のデイパック、更にさいたま右が持っていたラプターマグナムとダイバーズナイフを奪うようにして取った。
「―――もうすぐ禁止エリアに引っ掛かるぞ、行けよゴルァ」
そう言ってギコは医療所から走り去っていった。

【残り12人】
293( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/09/16 18:25 ID:MzpzPXf8
>>289の修正でつ。どうも自分は詰めが甘いですね。今回はそんなことがないように・・・。


ジサクジエン【男子10番】とヒッキー【男子17番】は出しうる全ての力で走っていた。
少しだけ席をはずした。その間にダマレコゾウ【男子12番】はどこかに消えていた。3人が座っていた場所には一枚のメモとアルミホイルだけが残っていた。
「お前たちはアルミホイルで仲間を集めろ。俺は特攻に必要な武器を探す」
そう書かれた紙だった。怪しい。怪しすぎる。ジエンの武器も、ヒッキーの武器も、今までに集めた物もなくなっていた。
すべてダマレコゾウが持っていった。もしかすると・・・・彼は一人で・・・。
「ナカマ・・・ナカマヲハヤク・・・ダレカ・・!」
今すぐダマレコゾウを追うこともできた。だが、自分たちだけでは足手まといになる。
とにかく早く仲間を見つけて彼の元へ合流する。彼が妙なことを起こす前に早く・・・。
「ナンデダレモイナイ・・・!!」
「イクナイ!!」
時間は午前1:00、場所はA-5あたり。そろそろ走り始めてから30分が経とうとしている。
眼に映るは、闇と星空。人の気配すらない。
「アッ・・・!」
ヒッキーがつまづき、転んだ。
「ウウ・・・」
「ケガシタ!?」
ただの擦り傷だったが、ヒッキーには大きすぎるダメージだった。もう立ち上がれない。
「タテナイ・・・」
ジエンがなんとか、ヒッキーを持ち上げる。ヒッキーも大きく深呼吸をし、なんとか体勢を立て直す。
「イコウ・・・」
再び走り出そうとしたときだった。
わずかながらに物音が聞こえた気がした───






C-4にある少し高い丘。そこから見下ろす木製の分校。
とても忌々しく、憎い。ゲームと称し、無意味な殺し合いをさせる。制限時間を迎えれば、自分一人で特攻する。
「そろそろ時間か」
ダマレコゾウは制限時間を設けていた。ここに来て約25分。制限時間まであと五分。
右手にイングラムM10サブマシンガン 、左手にヒッキーの武器のコルト・ハイウェイを握り締める。
そして身の回りあらゆるところにナイフを隠す。武装はまず問題ない。
ヒッキーたちはおそらく来ないだろう。人を信じやすい奴らだ。今頃、のんびりと仲間を探しているんじゃなかろうか。
それに待ち合わせ場所を書かなかった。仲間を見つけたとしてもどこに行けばよいかわからないだろう。
一人で行くとならば、それは自殺行為といえるだろう。だが、それで俺が死んだとしても、このゲームを壊すのに一役買えたのなら、悔いはない。後は奴らと、その仲間に任せるとしよう。
そんなことを考えていると、制限時間まであと一分となっていた。
「よし、行くぞ・・・」
高鳴る心臓、震える手を抑え、丘を駆け下りだそうとした──そのときだった。
「マッテ!!!」
大人しくも力強い声がダマレコゾウの耳を貫く。
「な・・・!?小僧・・・」
「イワレタトオリナカマツレテキタ!イイ!」
そこには先ほどまでいた二人に加え、じぃ【女子11番】という名の女が立っていた。
その首輪はしっかりとアルミホイルで覆われていた。

【残り13人】
294名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/17 12:20 ID:BLdN15Dl
木製の分校。ゲームが始まった場所。
少し荒れた地面に立つその分校を真下に見据えるC-4の小高い丘。そこに一つの決意を固める4人が立っていた。
ジサクジエン(男子10番)、ダマレコゾウ(男子12番)、ヒッキー(男子17番)、じぃ(女子11番)。
4人の首にある首輪には、銀色の装飾が施され、電波を遮っている。禁止エリアに入っても大丈夫なようにだ。
そして今、4人は分校への突入を図ろうとしていた。無謀なのは分かっているが、やらないことに意味はない。
A-5で見つけたじぃに事情を話すと、ひろゆきに対する思いはかなりあったようで、すぐに賛同してくれた。
それぞれ武器を持ち、突入のタイミングを計っている。ダマレコゾウの腕時計が2時を指したら突入だ。
今、1時59分。秒針は30秒を過ぎた。
「いいか…覚悟しろよ小僧」
秒針は40秒を指した。
「ワカッテル」
「タビノミチズレ!!イイ!!」
「もちろん」
3人が答えた。
秒針が50秒を指した。ダマレコゾウは、みんなの鼓動が大きくなるのが聞こえた気がした。
「行くぞ小僧!」
ダマレコゾウが一気に丘を駆けた。3人がそれに続き、全力で走った。
時刻は2時をまわっていた。


分校。モニターを見ているのは、クックル(刑務所長)であった。
ひろゆき(プログラム担当官)を殺すために刑務所に派遣された裏組織の人間。
彼だけは、ダマレコゾウたちがここに特攻をかけるのを、知っていた。
ダマレコゾウたちがアルミホイルで首輪を不能にしたこと―――
あれで防げるのは電波、そう、電波だけなのだ。
なのでこちらからの首輪を爆発させる電波は効かない。もちろん禁止エリアも効果は無い。
しかし生徒の心臓の動きを元にしている生存確認用のランプはまだ点いていた。
点いていなかったら前の放送でとっくに名前は呼ばれている。
それに盗聴もまだ効果はあった。普通ならとっくにバレていて、迎撃準備が整えられていることだろう。
しかし、まだこちらにはバレてはいなかった。
クックルが盗聴の係をやっていた時に、ダマレコゾウたちのやりとりを聞いた。おもしろい、と思った。
そこでひろゆきに頼んでモニターの係もやらせてもらったのだ。これで、衛星でも使わない限りはダマレコゾウたちの計画はバレないのだ。
そして、ダマレコゾウたちが今ここへ向かったのも、知った。

ぱらららららららら、とタイプライターのような爆音が続いた。
クックルは何も言わず、オートマチックの拳銃を構えて、どこかに向かった。
295名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/17 20:39 ID:jJLmaEF/
どうなったのかな
296名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/17 20:57 ID:hjkEH+tM
ザザザ……
風が吹く。C1エリアの隣、D1エリアの林に、【男子5番】ギコの影があった。とりあえず禁止エリア予定地から出ようと走ってきたギコは、今は木に背をもたれかけて、体を休めていた。
真っ暗な中、一人ぽつんと座り込んでいると、先程のことが頭に浮かんできた。さいたま右と口論になって彼を撃ったこと、つーとづーを撃たなかったこと……
不意に、医療所に行こうとさいたま右が肩を貸してくれたときのことが浮かんだ。
自分も疲れているだろうに、それでもギコに無理をさせまいとした彼。
「……なんで……」
ギコは、いつの間にか手が震えているのに気付いた。
「なんで撃っちまったんだ……ごるあぁッ!!」
ドッ、と地面に拳を叩き込む。整えたはずの呼吸がまたも乱れた。
……なんで撃った。
ギコの頭に、自分を正当化する考えが思い浮かんだ。あいつが悪い。俺の話を聞いてくれないから。俺の言ったことに耳を貸さなかったから。あいつが……
……本当に?
ギコは首を振った。本当にそうか?
答えが見つからない、と俺は言った。あれは本当のことだ。もうしぃもいない。出所したところで何もないのだ。生きる目的が見つからなかったのは本当だ。
……なら、さいたま右は?

『僕はまだ死ぬわけにはいかないんだ』
不意に、さいたま右の声が頭に浮かんだ。……あの声を聞いたのは、いつだった。医療所に向かっている途中だった気がする。
『家族が、残ってるんだ……血はつながってないけど、家族みたいな子達が。シャイタマ達が……』
そうだ。あの時さいたま右は、家で自分達の出所を待っているであろうシャイタマ達のことを、ちらりとギコに話した。
『僕がいなくなったら、あの子達はどうなると思う?僕はまだ生きていたい……あの子達のためにも……』
さいたま右は複雑な表情でそう言っていた。

……あいつにはまだ、守る物があったんだ。
ギコは思った。
……それなのに、俺はあいつを殺したんだ。
「……ぁぁあぁ……」
思わず嗚咽を漏らし、ギコは顔を両手で覆った。
「さいたま……すまねぇ……許せゴルァ……」
ギコは地面に蹲って、絶えずさいたま右への謝罪の言葉を呟いた。しかし、今さら後悔したところで、さいたま右は戻ってこない。
しばらくの間林の中には、虫の鳴き声に混じって、ギコの鳴き声が響いていた。

数十分経ち、時刻は一時を回った。ギコは再び木にもたれかかり、ぼんやりと医療所がある筈の方向を見遣った。
……今頃はもう、つーとづーもほかのとこに行ったんだろうな。そんなことを考えながら、空を見遣る。
月が出ていた。
ギコはゆっくりと、しかししっかりとした足で立ち上がった。目には、新たな決意の光が見える。
月を見上げて、ギコは自分が殺した者を一人一人思い出した。
……しぃ。お前を殺してしまって、すまない。もし無事に出所できたら、俺は一生お前を想って生きる。愛すべき者は確かになくなったかもしれないが、愛はまだ確かに残っている。
……さいたま右。お前を殺したことを、俺は生涯恥ずべき汚点として憶えているだろう。俺が出所したら、シャイタマ達の面倒は俺が見てやる。それが、お前にできる唯一の償いだと俺は思う。
……タカラギコ。お前のことは好きじゃなかったが、お前は死ぬ間際にえーを逃がしたよな。そういう優しさを持ってたのを知らずに撃ってしまった。謝って済むことじゃないが、俺はお前を忘れないよ。
ギコは天の月を真っ直ぐと見上げ、目を細めた。
……月ってのは、なんであんなに綺麗なんだろうな……
す、と両腕を上げる。月に向かって。
……俺はあの月と違って、薄汚れているのだろう。だが、それでも。
口を開く。いつだったか、しぃを殺した時のように、ギコは大声で雄叫びを上げた。
その声はあの時の断末魔のような叫びとは違い、強い意志を込めた叫びで。
……殺した者達の分まで、俺は生きよう。
そんな意志の現れであった。

【残り13人】
297名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/17 20:59 ID:hjkEH+tM
すまん、間違えた。
【残り12人】
298名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/19 21:39 ID:Vs0G1qDw
ひろゆきの組織を潰すだけなら簡単だった。
しかし、あるデータを奪わなければ任務達成とは言えなかった。
幹部の持っているデータを全てつなぎ合わせて始めて価値があった。
クックルはそのデータを奪って、ひろゆきの考えている計画を完全に抹消するつもりだった。
しかし、そのデータはひろゆきの心臓の鼓動と連動していて、ひろゆきの心臓が停止すると
データはネットを通じて何者かのてにわたってしまう。

数分前…

デブヲタ「ちょ…ちょっとトイレ…」
デブヲタが席を立った。クックルにとっては大チャンスだった。
(―残気合―)
クックルはその場にダミーを置いた。ダミーと言っても、それは気でできている。
見抜くことはできない。そこにクックルがいるという先入観も伴って…

クックルはデブヲタを仕留め、データの一部を奪うために後をつけた。

―そしてトイレ―
デブヲタはトイレについた。用をたす直前に、背後に凍るような視線を感じた。
デブヲタ「誰だ!!?」
そこにいたのは紛れもなくクックルだった。
頭の悪いデブヲタでも、すぐに自分の危機を感じた…

クックル「データをよこせ。」

クックルは格闘技の構えとは少し違う右手を突き出して、広げた妙な構えをとった。

デブヲタ「う…うわァ!!!た…助け…!!」
クックル「世直し。」

―――――バズン!!!―――――

クックルの右手から凍るような気迫が滲み出た後、デブヲタは真っ二つになった。
クックル「…データは確かに頂戴した。」
と、一言言った後
「35年かけて身に付けた奥義だ…破れはせん。
ダマレコゾウが来るらしいな…一緒に奴等を消すか…」と呟いた。
299名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/19 22:06 ID:Vs0G1qDw
ムスカはひろゆきに失望した。
彼はここへ来てまだ一週間足らずの新人、ここの上司が、こんなにも冷酷な男とは知らなかった。
そして、前のクックルの一言。頭のいい彼は確信をもった…

仮にAと言う人物がいるとしよう。
悪徳金融業者やマフィア、腹黒い政治家などから現金を奪い、持ち主に返す…
当然、政府は黙っていないだろうが、民衆からはとても評判の良かった男だ。
連続殺人事件なども、この男の手によって解決されることも多かったらしい。
当然、政府は自分の手柄にしたが…
連続殺人事件等、凶悪犯の犯人が殺害されていたりするのは大抵、Aのお陰だとムスカは知っていた。

クックルが、その「A」であることを、警察官だったムスカはほぼ確信を持っていた。
これが、偶然、クックルを接触したために、完全な確信に変わった。
ムスカ(まずい…これでは私も共犯者…あわよくば命はない…何とかせねば…)

クックルに勝つことはほぼ不可能と考えて良い。
選択肢は限られた。

ひ ろ ゆ き を 裏 切 る ・ ・ ・

先ほどの冷酷な態度も手伝い、ムスカはその選択肢を実行しようとしていた。
300報告:03/09/21 18:17 ID:3Snu2Jsp
雑談スレでの話し合いの結果、
>>289>>293-294>>298-299はスルーに決定。
301釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/21 20:02 ID:9xn+eSeX
ダマレコゾウらが、分校に特攻をしようてしているのを露知らず、えー(女子7番)は絶望の中をただ一人歩いていた。
今までは思い人が傍にいてくれてたのでさして絶望や、恐怖、不安感などは直接感じていなかった。
しかし、その心の支えであった思い人―――タカラギコはもうこの世にはいない。
怖いよ・・・寂しいよタカラギコ君っ・・!


出会いは僅か1年ほど前――
その性格からなのか、えーは他の囚人の奴らに絡まれ、虐められていた。
そこをタカラギコが割り込み、助けてくれた。
そして、柔和な微笑みを私に見せて・・・こう言ったんだっけ。

『大丈夫?怪我はないかい?』

そんな言葉が――嬉しかった。
そんな言葉だけで――潤された。
そんな言葉をかけてくれたタカラギコが――好きになった。
それだけの事だけだった。
でも、えーはタカラギコの事を本気で愛し、思い慕った。

それ故に―――・・・

思い出せば思い出すほどに涙が溢れてくる。
どうすればいいの・・・私・・・

えーは鼻水をぐずぐず啜りながら、夢遊病者のように当たりをさ迷い歩いた。
時計の指針は、2時35分を指していた。

「ッはぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
えーは、息を切らしそこら辺の岩に腰を下ろした。
地図を確認すると、どうやらここはF-5の高原らしい。随分歩いたものだ。
こうして座り落ち着くと、またタカラギコの事が頭にフラッシュバックされる。
何度も。何度も。
思い出したくない、とは思っていても頭が勝手にタカラギコの事を考えてしまう。
それほどまでに彼女は彼を思っていた。
・・・ああ・・・これからどうすればいいの・・・私・・・
下を向き、考えた。これからの事、タカラギコの死の事、牢獄に投獄された事、『死』の事・・・
そんな事を考えていると、既に枯れたと思っていた涙が再び目玉の奥から伝う。
「ひ、ひぐっ、ひぐっ・・・」
そして、えーはまた泣き出してしまった。
泣いたのがこれで何回目なのか、本人も分からなかった。
分からなくなるほど何回も泣いた。
いっそ・・・死んでしまおうか・・・
そんな風に考えていたときだった。

しゅるっ
302釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/21 21:00 ID:9xn+eSeX

「え・・・?」

首。
えーの首に何か長いものが絡み付いていた。
それが縄だと気付くときには、それがきつく締まっていた。
「・・・・・・!!」
縄が、えーの喉仏をきつく締め上げる。
気管が押しつぶされ、悲鳴を上げようにも声が出ない。
苦しい苦しい苦しい―――ッ!!
えーは縄と首の隙間に指を入れ、必死にもがいた。
無論全く外れる気配が無かった。
――苦しいよ・・・助けてぇ・・・タカら・・・ぎこくん・・・
えーは、既にこの世にいない思い人の名前を、心の中で詠唱した。
縄は、更にきつくえーの喉を締め上げる。
声も何もかも押しつぶされ、悲鳴も上げられず、嘔吐も出来ず、ただされるがままにされるしかなかった。
頭の中に白い部分が増えていく。
えーは燃え尽きそうな残る意識の中で、手や足、頭を滅茶苦茶に振り回し必死に抵抗する。
縄はビクともしなかったが、自分の首を絞めている人物の顔が一瞬――一瞬だけ見えた。
その人物は、囚人の中では比較的仲の良かった【女子16番】フサしぃその人であった。
フサしぃは、涙を流し小さく「ごめん・・・ごめん・・・」と呪文のように呟いている。
えーは一瞬驚いたのだが、すぐに空白に取り込まれてしまった。
えーは抵抗する力も失い、残る意識も全て燃え尽きていった・・・




『大丈夫?怪我は無いかい?』


たから・・・ぎこくん・・・?


『もう大丈夫だよ・・・』


たから・・・ぎこ・・・くん・・・?かえってきて・・・くれたんだぁ・・・

たからぎこ・・・くんっ・・・あたし・・・あたし・・・

「大丈夫!?怪我は無いかよぅ!?」


その一言で、えーは意識を取り戻しがばっと起き上がった。
頭がガンガンと痛む。
しばらく状況が認識できなかったが、すぐに気絶する前のことを思い出した。
フサしぃの事・・・首を絞められて・・・殺されそうになって・・・
それを思い出した時、えーは目の前の不可思議な光景に悩まされた。
背中からおびただしい出血をし、倒れているフサしぃ・・・
何があったのかと考えている時、目の前に立っている人物に気が付いた。
血に濡れたナイフを持ち、こちらを見つめているその人物は・・・


たから・・・ぎこ・・・くん・・・?
303釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/21 21:39 ID:9xn+eSeX
「あ・・・気がついたよぅ・・・」
目の前の人物は、ほっと安心したような溜め息をついた。
その人物は勿論タカラギコでは無かった。
えーは、まだ少し混乱している頭をぐりぐりと振り、目を凝らしてその人物を見た。
その人物とは、タカラギコとはあまり似ていない【男子3番】ぃょぅだった。
怪訝そうにえーの顔を覗いている。
「イヨゥサンガ・・・タスケテクレタンデスカ・・・?」
えーは、いよぅに聞いた。
いよぅは、びくっと頭を少し引いた。
「あ、あの・・・その・・・えーちゃんがフサしぃさんに首絞められてるの見たから・・・助けなきゃって思って・・・よぅ・・・」
いよぅは目を逸らしながら、照れくさそうに言った。
「アリガトウゴザイマス・・・」
えーはペコリ、といよぅに一礼をした。
いよぅがますます照れくさそうにする。
「トコロデ・・・フサシィサンシンダンデスカ・・・?」
えーがいよぅに問う。
「う・・・んと。結構勢い良く突き刺したし・・・でもそこら辺で拾った錆びたナイフだから死んではないと思うよぅ・・・」
いよぅは、その後別に訳も無く「ごめんよぅ」とえーに謝った。
「ソウ・・・デスカ。」
えーは小さな声で呟くと、フサしぃの死体(?)の方を向いた。

――思えば・・・この刑務所の中で初めて話したのって・・・フサしぃさんだった。

寂しそうにしてた私の元に来て・・・一緒に色々と話し合った。
・・・なんでフサしぃさん私を殺そうとしたんだろう・・・
今思えば本当に不思議だ。
そうまでして出所したかったのかな・・・フサしぃさん・・・

えーはそのフサしぃから目を逸らすと、改めていよぅに向き直った。
「ホントウニアリガトウゴザイマス・・・」
えーは再びいよぅに礼をした。
いよぅは軽く笑うと、一息吸ったあとにこう言った。
「あ、あの・・・えーちゃん僕と一緒に行動しないかよぅ・・・?」
いよぅはそう言った後に、またえーから目を逸らす。
えーは少し考える。

いよぅさん・・・私を助けてくれた・・・
命の恩人だし・・・一緒にいても悪いこと無いよね・・・

「イイデスヨ。ワタシト・・・コウドウシマショウ。」
えーはいよぅに向かい微笑みながら言った。
いよぅはパッ、と顔が明るくなった。
「ほ、本当かよぅ?」
いよぅは信じられない、みたいな顔をした。
「ンジャ・・・トリアエズドコカニミヲカクシマショウ。」
えーは言った。
いよぅは無言で頷く。


・・・何か、とても気分が楽になったような気がする・・・
いよぅさん・・・か。


【残り12人】
304名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/22 17:42 ID:dqb7sqB+
釜井達 ◆R89tLMP7egのIDに注目
305名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/22 18:46 ID:Ig3RsBWq
つー(女子十三番)とづー(女子十七番)はC-2にいた。
周りには住宅が立ち並び、地図でも分かるように住宅街、のようである。
医療所での騒動の後、とりあえず二人はC-2へ行くことにした。民家の一つにでも入って腰を落ち着けよう、と考えた。
既に医療所のあったC-1は禁止エリアに指定されていて、もうC-1を出てから一時間は経とうとしている。
民家にはどれも鍵がかかっていて、入る民家を探すことさえ困難であり、その間に敵に襲われたりしてはたまらない。
それに、さっきのことだが、C-2のはずれで死体を見つけた。放送で名前を呼ばれていた1さん(男子一番)と8頭身(男子十六番)だった。
彼らが放送で呼ばれたのは二時間程前だった。殺した敵が近くにいるかも知れなかった。
「…マッタク、アイテイルミンカハナイノカ? コウナッタラマドヲワッテハイルシカナイカナ…」
つーが言った。
「ソウダネ、ジャ、アソコノミンカガアイテナカッタラマドヲワッテハイロウ」
「ソウスルカ」
正面にある小さな民家だった。大して期待はしてなかった。いつものように、ドアノブに手をかけ、すぐに捻った。
ドアはあっさりと開いた。つーとづーは無言で喜んだ表情をしながら、中へと入ろうとした―――
その時、先を歩くつーの足元に、何かがあった。
「ナンダ?」
つーがデイパックから支給された懐中電灯を取り出して、その何かを照らした。
―――死体だった。思わず声を上げそうになったが、こらえた。
モナー(男子二十番)だった。額に何か刺さったような跡があった。そしてそのそばには銃とナタが無造作に散らばっている。
モナーは放送で名前を呼ばれていない。最近死んだということだ。ということは―――
「ニゲルゾ」
「エ?」
つーがづーの手を取って走り出した瞬間、さっきまでつーが立っていた場所の壁に何かが、たかっと言う音をして刺さった。
「チクショウ、ダレカガアノイエニイル!!」
そう言ってつーが支給されたベレッタを手に取った。後ろを振り返ると、一人の男がこちらを追っている。すぐに激しく忍者(男子十五番)だと分かった。
手には矢を先端にくくってある――ボウガンか?それらしきものが握られていて、しっかりとこちらに向けられていた。
「ハシレ!!」
つーはづーを前へ行かせた。ボウガンを撃たれたとき、づーに当たらせないためだ。撃たれた右肩が痛んだ。しかし気にしてはいられない。
撃たれていない左腕で、ベレッタを持ち上げた。すぐに撃った。
忍者は素早い動きでこちらへ向かっている。当たらなかったのだ。やはり走っていては狙いが正確でなくなる。それに利き腕じゃない左腕で撃ったのだ。
忍者は何も言わないままボウガンをこちらへ向けた。つーはづーの腕を引っ張ったまま真横へ、ヘッドスライディングをするように滑り込んだ。
ひゅ、と矢が空気を裂く音が聞こえた。が、当たることはなかった。不慣れなことをしたのか、手首をすりむいた。
すぐにベレッタを撃ちまくった。横にいたづーもブローニングを構えて、撃っていた。
何発かの銃声が響き、その後ベレッタがホールドオープンした。弾が切れたのだ。
「コレダケウッタライッパツハアタッテイルハズダ…」
そう言って予備のマガジンを取り出した。忍者はどうなっているだろうか。
306名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/22 18:48 ID:Ig3RsBWq
ゆっくりと忍者がいた場所に目を向けた。
―――いない、何処へ?
そう思った途端に真後ろ、茂みからがさがさっと音がした。振り返ると、木で作られたナイフのようなものを持った忍者が、飛びかかってきた。
「+激しくもらった+」
クナイを持った忍者は手前にいるづーへと狙いを定めた。
しかし、その時横にいたつーが、づーの前へと踏み込んだ。
――!
「ウォォォォォ!!」
つーが叫び、忍者へ体当りをした。忍者は逆方向へと吹っ飛んだが、手首にヒモをつけて固定してあったクナイは手から離れなかった。
忍者は上半身を起こした。つーは唸り声をあげながらもう一度突っ込んできた。忍者は冷静にクナイを掴んだ。
忍者とつーが、もう一度重なり合って、地面に押しつけられた。しかし、今度は様子が違った。つーが時が止まったように、動かなかった。
「グァ…」
つーが苦しそうな声を上げながらひっくりかえった。仰向けになったつーの胸から、血があふれていた。
「ツー!!ツー!!」
づーが大声を上げた。忍者は素早くボウガンを取り出し、づーへと構えた。
思わず、づーがぎゅっと目を閉じた。
「ヤメロ…!」
つーが小さな声を上げた。
「+激しく勝利+」
忍者の指がボウガンの引き金へと動いた。少しずつ、引き金が動いていった。

ひゅ、と空気が裂く音がした。

「ノー!!」
「ウゥ…」
のー(女子十五番)が、血を流しながら苦しそうな声を上げた。
傍には包丁を持った、花瓶(女子九番)が表情一つ変えずに立っていた。
「ヅー、ニゲロ…!」
のーが苦しそうに声を上げた。
「ケド…ケド…」
づーは支給武器を思い出した。ブローニング・ハイパワー9mmだ。助けないと、のーを助けないと―――
「アゥッ」
うめき声を上げて、もう一度血しぶきをあげたあと、のーがうつぶせに倒れた。
のーはそれからぴくりとも動かなかった。花瓶はのーのデイパックを確認すると、づーの手にブローニングがあることに気付き、走って去っていった。
「…ノー…」
のーは死んでいた。
307名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/22 18:49 ID:Ig3RsBWq
どつっ、と矢が何かに当たる音がした。づーは、自分が死んだのだ、と思った。
―――のーも守れず、つーには守られっぱなしの自分は死んで当然だ。
目を開けた。
忍者が立っていた。
その間に壁のようなものが――これは、これは――
つーがづーをかばうように立っていた。胸にはクナイで刺された傷のすぐ横、ボウガンの矢が突き刺さっていた。
ごぼっ、とつーの口から血が吹き出た。
つーが―――自分をかばった?何故?何回も守られっぱなしで、足を引っ張ってただけなのに―――何故?
づーが目を見開き、弾をもう一度装填していたブローニングを忍者に向けて、撃った。
ぱん、ぱん、と何度も続き、忍者はすぐに視界から消えた。
「ツー、ドウシテ!?」
目を閉じていたつーがゆっくりと目を開いた。苦しそうに言った。
「ヅー…オマエハ…オレヲ…イリョウジョニ…ツレテイッテクレタ…」
「ケド…アタシハツーニマモラレッパナシデ…ナニモ…」
「…バーカ…オマエダッテ…ナンドモオレヲマモッテクレタ…ケンカノトキダッテ、マンビキシタトキダッテ…ソレニ…コノクソゲームデモナ…」
「…ソンナコト…ツーニクラベタラ…アタシ…」
「…バカダナ…オマエ…ホームランキュウノバカダ…ケド…」
つーがゆっくりと目を閉じた。
「スゲーバカダケド…オレノ…サイコーノトモダチダ…」
「トモダチ…」
づーの視界は涙でよく見えなかったが、はっきり聞こえた。
最高の友達だと。
「タトエオモエガドウオモッテテモ…オレハ…トモダチダトオモッテル…ダカラ…イキロ…」
「ツー!!テアテスレバマニアウヨ!ハヤク!!」
「バカヤロウ…オレハモウダメダ…ダカラニゲロ…ソシテ…イキロ…」
ふぅ、とつーが息を吐いた。
「トモダチカラノ…サイゴノヤクソクダ…マモッテ…クレルヨナ…」
「…ウン…マモッテヤル…ゼッタイヤブラナイ…」
「…アッチデ…ノートミマモッテテヤルゼ…」
そう言った後、つーが何も言わなくなった。ぴくりとも動かなかった。
づーは暫く声もなく泣いた。その後、ベレッタとブローニングを持って立ちあがった。そのまま、走り去った。つーの遺体には振りかえらなかった。

忍者はD-2の草木が生い茂る場所で身を隠していた。づーがブローニングを撃ったとき、不意をつかれてしまった。
右腕が焼けるように熱く、痛みがこみ上げる。とりあえず衣服の一部を破り、止血をして包帯代わりに巻きつけた。
「+激しく油断+」

【残り11人】
308釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/22 21:11 ID:CDNIRmxW
激しく忍者は、腕の傷を見やりながら色々と心の中で考えていた。

生まれた時から人生のレールは既に敷かれていた。
激しく家の跡取りとして生まれ、親は自分を一流の殺し屋に仕立て上げようと育てた。
激しく家は、代々伝わる殺し屋一族であり、無論自分も殺し屋への道を行くしかなかった。
餓鬼の頃から厳しい訓練をこなしてきた。
起きては訓練。寝てる途中も訓練。
訓練。訓練。訓練。
拷問に近いような訓練も程なくやった。
鞭打ち、焼き土下座、針の山渡り・・・
本当の事を言うと殺し屋なぞなりたくなかった。
子供の頃の自分の本当の夢・・・懐かしいな。医者になることだった。
訓練の合間の休憩時間では、こっそり隠し持っていた医療の本を読み耽っていた。
・・・将来医者になれるなんて・・・全然思ってなかったがな。
結局医者への夢は閉ざされ、自分は殺し屋へとなった。
『医者になりたい』なんて現役殺し屋のお父さんに言えるはずも無かった。
成すすべもなく、流れ流れで自分は殺し屋になった。
依頼され、人を殺すたびに言いようの無い空白感に襲われる。
いっその事殺し屋なんて辞めて失踪でもしようか。
そう思っていた。
そして、自分が最後の仕事と決めてやった仕事で、『太陽』に出会った。
そいつも、自分と同じ殺し屋だった。
すぐにそいつとは恋に落ち、家庭を持った。
すぐさま殺し屋なぞ辞めて、『太陽』――激しくくの一と駆け落ちでもしようかと思っていた。
しかし・・・
自分を雇っている組織が、すぐにこの事に感づきくの一を人質に取った。
そして奴らは「もっともっと人を殺し、一定量殺したらこいつは返してやる」
と明言した。
それから自分は機械のように何人も何人も人を殺した。
そのたびに生まれる空しさは、全て噛み殺し心の奥底に押し込んだ。
しかし、すぐに自分は捕まってしまう。
『クックル』とかいうふざけた鳥人間に・・・だ。
科せられた罰は、終身刑。
懲役も何も無かった。とにかく自分は生涯刑務所の住民になる事を約束された。
娑婆に戻り、またくの一に会うのはもう無理だ・・・そう思っていた。


このゲームが開始される前までは、だ。


これはまさに最後のチャンスといっても過言ではないだろう。
この長年培ってきた殺しのテク・・・
それら全てを駆使し、自分は生き残る。
それにこのゲームにはあの鳥人間も関わっているようだ。
優勝した暁にはあの鳥人間に一泡吹かせて・・・

とりあえず、だ。

自分はこんなところで死ねない。
『太陽』が自分の帰りを待っている。
自分はこんなところで死ぬ訳にはいかないんだ・・・

だから


自分は絶対にこのゲームで生き残ってみせる。
309名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/23 11:25 ID:5MmcpH1O
「・・・とりあえず、フサしぃさんの怪我をどうにかするかょぅ・・・」
ぃょぅが困ったように呟く。そして少しこっちを覗くように見た。
「殺されそうになったから恐いだろうけど・・・放っておくわけにもいかないしょぅ」
・・・私を殺そうとしたフサしぃさん。
刑務所に入っていた時は、お姉ちゃんみたいで、安心出来た。
でも、私を殺そうとしていたんだ。

そんな気持ちを読み取ってか、ぃょぅが話し始めた。
「・・・辛いのは分かるけどょぅ、多分、フサしぃさんだって恐かったんだょぅ。
 フサしぃさん、武器、何も持ってなかったしょぅ・・・
 多分、えー・・・さんだってこと分からずに咄嗟に首を絞めてしまったんだょぅ・・・」
自分のことをどう呼ぶかで迷っているぃょぅに思わず笑いが毀れる。
「手当てだけは、してみようょぅ。向こうは、首を絞めるような紐しか無いんだしょぅ。
 悪い人じゃないし、話せば分かってくれるょぅ」
「・・・うん・・・でも、手当てって、どうするの?」
「どうすれば良いのかはよく分からないけどょぅ・・・
 医療所?みたいな所があるらしいからそこに行ってみるかょぅ?」

―― 医療所。
急にタカラギコの事を思い出してしまった。
「・・・医療所には、何も無いよ?」
「ん?知ってるのかょぅ・・・?」
ぃょぅが不思議そうに尋ねる。
だが、それ以上答えることが出来なかった。
【残り11人】
310名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/25 19:27 ID:y4dj9msW
アーヒャヒャヒャヒャ
311名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/26 02:31 ID:HDJ+K5a1
>>100
ここに出ているギコ以外のギコにストーカー行為をせまった
312名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/27 16:44 ID:fdIsyToK
;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
313名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/27 19:19 ID:raguPZB3
なんかこの頃進行してないな。続きがみたいんだけど
314TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/09/27 20:02 ID:7gAWIqI4
B−4 【男子21番】モララーは静けさの中に広がる暗闇の中ワルサーを構えじっとうずくまっていた。
「・・・いくら夜だから敵にきずかれないって言ったってやっぱり物音を立てたらきずかれるだろうな・・・」
そうつぶやくと、モララーはデイパックからパンを取り出し、食べ始めた。
空腹がだんだんと満たされていく。モララーは一息つき・・・

―――さて、そろそろ行くか・・・できるだけ物音を立てずに
そのときモララーは絶対に生きたいと考えてもいた。
今までの自分は少しやりすぎていたかもしれない・・・だから・・・
さっきまで汗でずぶぬれだったモララーの顔は勝利に満ちた満面の顔だった。
―――漏れは絶対勝つ、そして出所して、今度は満足のいく生き方をしたい。
モララーはワルサーをぎゅっと握り静かに歩き出す。
彼のワルサーはただ怪しく光っていた。

【残り11人】
315TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/09/27 20:58 ID:7gAWIqI4
少し微調整でつ。

B−4 【男子21番】モララーは静けさの中に広がる暗闇の中ワルサーを構えじっとうずくまっていた。
「・・・いくら夜だから敵にきずかれないって言ったってやっぱり物音を立てたらきずかれるだろうな・・・」
そうつぶやくと、モララーはデイパックからパンを取り出し、食べ始めた。みるみるうちに、
空腹がだんだんと満たされていく。モララーは一息つき・・・

―――さて、そろそろ行くか・・・
今思えば自分は今まで何をしてきたんだろう・・・まともに学校にも通わずいつもパソコンの前に座っていた。
そんな自分も物心ついたついたときだろうか。ちょっとばかり興味を持った女性にセクハラ行為をしてしまったことを・・・そのときはまだ中学に通っていたので少年院に入れられただけですんだ。
―――ちょうどあの時だろうモナーに会ったのは・・・
始めはどうでもいい奴だと思ったが、後にとても気の会う親友になった。
ちなみに彼もモララーと同じセクハラ行為で捕まり同年代の少年だった。

―――そうだ・・・あいつとは一緒に笑ったり、泣いたり・・・あのときの少年院での生活はとても充実していたな・・・
やがて彼らは出所し彼らも社会人となり。彼らは相変わらず仲のよい親友同士だった。そんなある日彼らは殺人映画に興味を持ってなにを思ったのか犯罪に興味を持ち当時

近所を県下に2人組で暴れまわり、2001年6月5日に逮捕され
るまでに21人を殺害し(うち8人は女性)、金品2500万円相当
を強奪し、4人をレイープ(1人は中学生)した。
 強盗殺人や婦女暴行などの罪で、2人とも懲役120年を宣告されたのだ。


―――今思うと取り返しのつかないことをしていた。モナーと仲良くやっていたあのころが懐かしい。

そんなことを考えるとモララーは絶対に生きて、モナー出所したいと考えてもいた。
今までの自分は少しやりすぎていたかもしれない・・・だから・・・
さっきまで汗でずぶぬれだったモララーの顔は勝利に満ちた満面の顔だった。
―――漏れは絶対勝つ、そしてモナーと出所して、今度は満足のいく生き方をしたいんだ。
モララーはワルサーをぎゅっと強く握りしめ静かに歩き出す。
彼のワルサーはただ怪しく光っていた。

【残り11人】

316TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/09/27 21:36 ID:7gAWIqI4
雑談スレの方から訂正したほうがいいと言われたので訂正。(すみません)

B−4 【男子21番】モララーは静けさの中に広がる暗闇の中ワルサーを構えじっとうずくまっていた。
「・・・いくら夜だから敵に気づかれないって言ったってやっぱり物音を立てたらきずかれるだろうな・・・」
そうつぶやくと、モララーはデイパックからパンを取り出し、食べ始めた。みるみるうちに、空腹がだんだんと満たされていく。モララーは一息つき・・・

―――さて、そろそろ行くか・・・
今思えば自分は今まで何をしてきたんだろう・・・まともに学校にも通わずいつもパソコンの前に座っていた。
そんな自分も物心ついたついたときだろうか。ちょっとばかり興味を持った女性にセクハラ行為をしてしまったことを・・・そのときはまだ中学に通っていたので少年院に入れられただけですんだ。
―――ちょうどあの時だろうモナーに会ったのは・・・
始めはどうでもいい奴だと思ったが、後にとても気の会う親友になった。
ちなみに彼もモララーと同じセクハラ行為で捕まり同年代の少年だった。

―――そうだ・・・あいつとは一緒に笑ったり、泣いたり・・・あのときの少年院での生活はとても充実していたな・・・
やがて彼らは出所し彼らも社会人となり。彼らは相変わらず仲のよい親友同士だった。そんなある日彼らは殺人映画に興味を持ってなにを思ったのか犯罪に興味を持ち当時

近所を県下に2人組で暴れまわり、2001年6月5日に逮捕され
るまでに21人を殺害し(うち8人は女性)、金品2500万円相当
を強奪し、4人をレイープ(1人は中学生)した。
 強盗殺人や婦女暴行などの罪で、2人とも懲役120年を宣告されたのだ。


―――今思うと取り返しのつかないことをしていた。モナーと仲良くやっていたあのころが懐かしい。

そんなことを考えるとモララーは絶対に生きて、モナー出所したいと考えてもいた。
今までの自分は少しやりすぎていたかもしれない・・・だから・・・
さっきまで汗でずぶぬれだったモララーの顔は勝利に満ちた満面の顔だった。
―――漏れは絶対勝つ、そしてモナーと一緒に出所して、今度は満足のいく生き方をしたいんだ。
モララーはワルサーをぎゅっと強く握りしめ静かに歩き出す。
彼の持っているワルサーはただ怪しく光っていた。

【残り11人】
317名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/27 22:16 ID:ovoqdr5W
【女囚11番】じぃは今はE−5の山にいる。
彼女はB=5の家を目指していたが、平地をしばらく進んだ頃に見たのだ。家が燃えているのを。
暗い夜空に、それは遠くからでもはっきりと見えた。
そしていちおう身を隠すために山に入ったところで放送があり、残りは15人と分かった。
(仲間になってくれそうな人は限られてきた・・・。)
そう、最早生き残りは自分を除いて14人・・・。
その中には激しく忍者やモナー&モララーといった凶悪犯も紛れ込んでいる。
特に激しく忍者は、ニダーを殺した。憎くないと言えば嘘になる。
だが、そもそもその様な状況を作り出したのはひろゆきだ。忍者はひろゆきに使われたのだ。それだけのことだ。
そう、絶対にひろゆき復讐してやる。できれば逃げ出して、できなくても特攻で。
・・・しかし、忍者ともあろう者が『優勝しても殺される』という可能性に気づかないのだろうか?
政府の卑怯さは分かっている。本来死刑制度の存在しない(懲役数千年という懲役刑はあるが)この国で、私は死刑を宣告された。
その理由とは、殺した相手に他国の高官が含まれていたからだ。外国人を殺しても国の法で裁くはずだった。
だが私は死刑になった。要するに、この政府は外国の圧力に屈したのだ。
もっとも、流石に国内外で問題になり、おかげで私は生かしてもらっている訳だが・・・。
忍者はその卑怯さを考えない奴では無いはずだ。・・・あるいは、気づいているが、何か理由があってやっているのか・・・?
いや、今は自分のことを考えなければ。
まだ、仲間になってくれる奴はいるはずだ。だが、もう真夜中だ。
そういえば大分寝ていない。多少のリスクは伴うが、ここらで睡眠を取っておこう。なぁに、人が近づけば寝ていても気配で分かる。
思い立てば、すぐ行動するのが彼女を最強の狙撃手たらしめていた理由だ。
彼女は比較的傾斜の少ない所を探すと、すぐに安らかな寝息を立て始めた。






318アヒャ>(゚∀゚ ) ◆qVkH7XR8gk :03/09/29 09:22 ID:F9oywjFY
D−1の林の中で【男囚5番】ギコと【男囚21番】モララーは身を隠して銃口を向け合い、
お互い無言でスキあらば撃たんと睨み合っていた。

―――――この状況に陥る10数分前―――――

モララーは仲間として信頼のおける男、モナーとギコを捜して島の東側を歩いていた。
こんなつまらないゲームで殺しあっても意味が無い。さっさと逃げ出して娑婆に戻った方が
賢明だとモララーは考えていた。しかし、自分1人でやるには難しい事が多い。
1人ではイカダ一つ作るのにも何日もかかってしまうだろう。そこで仲間を探すことにしたのだ。
H−6の民家から北に進んで行き、F−3・4の森、F−2の海岸、そしてE−1の林と仲間を探して歩き回った。
そこで獣の雄叫びに近いギコの声を聞き、D−1の林にやって来たのだ。

「確かにこっちから聞こえたんだ。だったらギコは意外と近く・・・」

モララーがそう言おうとしたとき、視界の中に人影が映った。がっしりとした身体、とがった耳、襟から覗く刺青。
岩の上に座っているその人影は、まさしくギコであった。

「おーい、ギコ!探したぞ!!ちょっとお前に話が・・・・・・」

そう言い終らないうちにギコが振り返り、こちらを向いた。モララーがギコに近づこうと足を踏み出したそのとき、
ギコが何かを投げる様な動作をした。

――――――――――――ヒュンッ

空気を切り裂くような音とともにギコが投げた「何か」はモララーの頬をかすめ、背後の木に当たった。
モララーが振り返って見てみると、そこには手術道具のメスが刺さっていた。

「何のまねだよ?ギコ」
319アヒャ>(゚∀゚ ) ◆qVkH7XR8gk :03/09/29 09:23 ID:F9oywjFY
木に刺さったメスを抜きつつ、普段と変わらない調子でモララーはギコに問いかけた。ギコは黙ったままこっちに
歩いてきた。

「いったいどうしたっていうんだよ。やっと会えたのにいきなりこんな―――――」
「悪いなモララー、俺はしぃの分まで生きなきゃなんねーんだゴルァ。だから・・・・」
「何なんだよ。何が言いたいんだよ。」
「だから・・・だから・・・・・・・・死ねやゴルァ!!」

ギコはモララーにそう言い放ち、スミスアンドウェスンを腰から抜いた。

「!!」
「すまねえ・・・本当にすまねえ。許してくれやゴルァ!」

そう言い終らない内にギコは銃のハンマーを起こし、モララーにむかって発砲した。

「ちぃっ!」

モララーは間一髪のところで銃弾を避け、近くにあった岩陰に転がり込んで銃を抜いた。

―――――――――――畜生、なんだっていうんだ。会った途端に死ねだと。くそ、上等だ。やってやろうじゃねえか。

モララーはチェンバーに弾が入っているのを確認し、岩陰から飛び出してギコに照準を合わせて入っている弾丸全てを撃ちはなった。
バン、バン、バンと爆竹にも似た音が暗闇の中で反響し、数発の鉛弾がギコにむかって一直線に飛んで行った。
「よし、やった!」とモララーは血の上った頭で思った―――――――――――――――が、その思いは次の瞬間には
驚きに変わった。
ギコがいないのだ。先ほどまで立っていた場所に。

―――――――――――何、どこだ!どこにいる!!

モララーが視線を泳がせたその時、パン。という銃声と共に足元の土が舞い上がった。
そう、ギコはとっさの判断で地面に倒れこんで銃弾を避けていたのだ。モララーの視界から一瞬消えたのはそのためだった。
320アヒャ>(゚∀゚ ) ◆qVkH7XR8gk :03/09/29 09:24 ID:F9oywjFY
「くそっ、やべえ!」

モララーは先ほどまで身を隠していた岩陰に駆け戻り、銃のマガジンを入れ替え始めた。
残っている弾は7発ちょい。マガジン1つ分しかない。これで勝てるだろうか・・・

【残り11人】
321名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 14:48 ID:a0bwhvOs
ギコが体制を整え、モララーの隠れている岩陰に1発発砲した。
岩がはじけ、砂煙が上がった。

─────今だ!!

モララーは、ギコが発砲したのとほぼ同時に岩陰から飛び出していた。
そして素早く銃を持ち直し、引き金を絞った。
目の前には、驚いた表情のギコがいる。

─────勝てる!!

そう思った。手応えはあった。
ギコの体が吹っ飛ぶのも見えた。どうやら腹に当たったらしい。
ギコはそのまま倒れ込み、動かなくなった。

(勝った……。)

以外とあっけなかった気がした。本当に死んだのか…?
近寄ってみたが、起きる気配はない。モララーはホッと息をついた。

その瞬間だった。

モララーの頭の中でギコがあざ笑ったような気がした。
(腹に当たったくらいで死ぬかよゴルァ)
気がしたときにはもう遅かった。

パン!!
322名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 14:55 ID:a0bwhvOs
モララーの体が奇妙に回転し、崩れた。
額に穴があいている。
ギコは体を半分起こした体制で、銃を下ろした。奇妙なほど無表情だった。


【残り10人】

323名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 17:53 ID:KfQISM+3
「やっぱ、イテェし死ぬって」
ギコはそう呟くのと同時に血を吐いて横になった。
その目からは急速に光が失われていく。

数分後、ギコが起き上がる事はもうない。

【残り9人】
324名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 22:14 ID:nh+q2y1P
雑談スレでの話し合いの結果>>321〜323はスルー、です。
恐縮ながら俺が書き直しさせていただきます。

身勝手さも度が過ぎるね。
モララーは、岩陰でギコが顔を出すのを待ち構えながら思っていた。
しぃの分まで生きる・・・?
だから漏れを殺す・・・?
許せ、許せ、すまねぇ、とか言っときながら殺す気満々じゃぁないの。
身勝手すぎるぜ。
モララーはぶつぶつと悪態をつきながら、銃を構えギコが出てくるのを待っていた。
モララーは、あまりにもギコが顔を出さないので、視界の外にいるギコに向かって話しかけた。
「キミには幻滅したよ。しぃの分まで生きるのか。そうかそうか。
でもたったそれだけで躊躇いなく人を殺せるなんてねぇ。」
モララーがそう言うと、カタン、と物音が聞こえた。
「自分が生き残る為に人を殺していくってのよりもタチ悪いよ。
しぃの分まで生き残る・・・?キミは自分の手を血で染めてまで思い人の為に生きるの?
違うだろ。ってかお前・・・しぃのために生き残るなんてていのいい『言い訳』作って本当は自分が生き残りたいだけなんだろ?」
モララーが挑発するように言うと、どこからかギコの声が聞こえてきた。
「ち・・・違うぞゴルァ!俺は死んだって構わない・・・けど・・・
しぃの分まで・・・俺が殺した奴の分まで生きなきゃいけないんだ・・・」
モララーはそれを聞くと、更に言葉を続けた。
「それを自分勝手で言うんだよ。俺が殺した奴の分まで生きる?キミが殺したんだろ?
自分自身の手で死に追いやった奴の分まで生きてどうするよ。キミが出来る事はそいつらの分まで図々しく生きる事じゃなくて
償う事だろ?」
モララーは執拗にギコの精神を甚振る。
「ち、違う!それはほんの手違いなんだ・・・」
「違くなんかないさ。じゃあ、キミがその人を殺したのは手違いなんだね?
だからって『手違いで殺しちまった。ゴメソ。お前の分まで生きてやるから許せ。』って思うのはおかしいんじゃないの?」
「そんなこと思ってねぇよゴルァ!!」
「じゃあどう思ってたの?そうとしか考えられないだろ。他に何かあるのかい?」
モララーがそう言うと、ギコからの返事は無かった。
「無いだろ?無いだろ?無いよな?ハハハ、キミは本当に自分勝手な奴だね。嘘はつくし、言い訳くさいし・・・
少なくとも刑務所の頃のキミはそうじゃなかっただろ?」
ギコからの返事は相変わらず無い。
「つまりキミはただ自分が生き残りたいだけなんだ。その本心を嘘で塗り固めて、自分自身を誤魔化しながら生きてるんだ。
そうでないと言えるのか?そうだろ?もしそうじゃないなら自分が殺した奴の分まで死ねよ。」
ギコからの返事は相変わらず無い。
「それとも何か?そのお前が殺した奴らもキミが『しぃのため』とか言って殺したの?
それで『しぃの為だから仕方ないんだ。許せ。お前たちの分まで生きてやる。』とか思ってるわけ?
それだったら益々キミは死ぬべきだよ。そのキミの勝手な『わがまま』に付き合わされて死んだ奴達の気持ちも考えて見やがれ。」
モララーがそこまで言い終える。しかしギコからの返事は無かった。
「何も言い返せないのかい?逃げるのかい?つくづくキミは身勝手な奴だ。」
モララーはそう言い、ハァ、と溜め息をついた。
ホントにどっか逃げたのかな。そう思ったときだった。
岩の横から、から銃を持ったギコが突然突っ込んできた。
「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ギコが奇声を上げながらモララーに体当たりをした。
突然の出来事にモララーは銃を撃つ暇も無く押しつぶされてしまった。
325名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 22:15 ID:nh+q2y1P
「ぐ・・・貴様・・・!」
モララーは、恨みがましくギコの顔を見た。
そのギコの顔は狂人その物だった。
涎を垂らし、歯を剥き出しにし、頬がピクピク引きつって、
ギコはモララーの執拗な精神攻撃で理性を失ってしまったのだろうか。
モララーはあまりの変貌振りにぞくっ、と身震いをした。
「俺は・・俺は・・・俺はぁ・・・違う違う違うぅぅぅぅぁああぁぁぁぁぁ!!!」
ギコは突然叫びだすと、頭をガリガリ掻き毟り横ばいに蹲った。
・・・狂ったか・・・
モララーは心の中でやれやれ、と溜め息をつくと銃をギコに向けた。
―――まっ、元々精神不安定な所があった訳だしね。こうなるのは当然て事か・・・
モララーはぐっ、と引き金を引こうとした。

「違う・・・違うんだぁ・・・」
ギコは相変わらず涎を垂らし、頭を掻き毟り、雑草をぶちぶち毟り取りながら暴れている。

モララーはそのギコの姿を哀れそうに見つめていた。
「どうせこのまま放っといても野垂れ死にするな・・・
わざわざ殺す事も無いか・・・」
そう思い、モララーはすっ、と銃を降ろした。


何故そう思ったのか分からない。
そういえば自分は一時期ギコと仲良くしていた時があった。
寂しそうなギコに話しかけに言って・・・そうしたら以外に話があって・・・
数少ない友達の一人でもあった。


そんなギコを躊躇い無く殺すのも忍びない。
そう思ったのだろうか。
モララーはまたハァ、と深い溜め息をついた。
狂っているギコの姿をもう見ないようにして、モララーはその場を立ち去ろうとした。
そして、モララーは自分の目頭から液体がすぅっと流れているのに気付いた。
・・・何で泣いてんだよ・・・漏れ・・・泣くような事・・・あったか・・・?
何で自分が泣いているのかも分からなく、とめどと無く溢れる涙をただ拭い、モララーはその場を後にした。
326名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 22:29 ID:nh+q2y1P
ジブンガイキノコリタイダケ・・・?
シヌベキニンゲン・・・?
違う・・・違う違う違う!

オレハナニヒトツマチガッチャイナイハズダ。

かりかりかり
かり、かり、かり

頭を掻き毟る。
雑草を毟り取る。
俺はしぃの為に生きてるんだ。
ジブンガイキノコリタイダケなんて、違う、違う、違う、
オレガコロシタミンナノブンマデイキル
そうだよ。そうだよ、
俺は人のために行きてるも同然なんだよ。
それが本当は自分の事だけしか考えてないなんて
違う、違う、違う。
嘘だ。嘘だ。嘘だ。

アいツのいてる事ハ虚言だ。嘘ダ。
俺には今非なンて無イ。
嘘じゃない。嘘じゃない、嘘じゃない、

オレハナニヒトツマチガッチャイナイハズダ。

頭を掻き毟る。
雑草を毟り取る。

頭の中にいつまでもこびり付いている肉、骨、粉。
そうだ・・・しぃは・・・しぃは・・・


オレガコロシタンダヨ。


だからその分まで生きて・・・
生きなきゃいけない・・・
罪を償うために・・・
生きたい・・・
生きたい・・・
いきたい・・・
イキタイ・・・
イキ・・・タ・・・イ・・・?

生き残り・・・たい?

そうだよ。そうだよ。そうだよ。
何でこんな事に気が付かなかった?

俺は生きたいんだよ・・・
生き残りたいんだ・・・
どうしてこんな事に気が付かなかったんだ・・・

頭を掻き毟るのを止め、
雑草を毟り取るのを止め、

ギコは夢遊病者のようにフラフラと何処かへ歩いていった。

【残り12人】
327名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/03 17:19 ID:z3TeAvbJ
ほしゅ
328名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/04 23:52 ID:g1hpf5gr
あげ
329名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/05 23:10 ID:RP/3HbMT
ほーっしゅっ
330名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/07 16:50 ID:d1nBDPG5
ツヅキマダー?
331名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/09 20:38 ID:E9MZS4/Z
捕手
332名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 19:20 ID:gJS+NT6Z
校内に咲き乱れる桜の木。
青い空。照り栄える陽光。
まだ冬の冷たさが残る春の日、
新入生は期待と不安で心を一杯にしながら、門をくぐっていく。
陽花AA女子高校――
今日は丁度入学式であり、体育館に、大勢の新入生が並んでいる。
勿論、づーもこの列の中に混じっている。
づーは、この高校で上手くやっていけるかどうかとても不安だった。
小学、中学と共に、その内気な性格のせいかほとんど友達がいなかった。
この高校でも、また孤独なままの学園生活を送るのだろうか。
づーはとても不安だった。

づーは、退屈な先生の話などは聞かず、ほとんど眠っているような状態で入学式を過ごした。
そして、気が付くと既に退場の指示が出されており、生徒達はいっせいに自分達の教室へと向かった。

づーは、指定された席に座り、机の木面を見つめながら色々と考え事をしていた。
教室では既にガヤガヤ、とざわめき何人もの生徒が話し、笑っていた。
もしかしたら何もせずに机に座っているのは自分だけじゃないのだろうか。
そう思った途端に、突然寂しくなってしまった。
・・・これからもずっとこんな感じで学園生活を送っていくのだろうか・・・

「なんか寂しそうだなぁ。大丈夫か?」

それが自分に言われているのだとは、しばらくは気が付かなかった。
呼び主は、自分の机の隣で自分をじっと見つめていた。
「あ、あなたは・・・?」
づーがそう聞くと、彼女はニッと微笑んだ。
「オレはつー!アンタは?」
つーは明るく言った。
「わ・・・私はづー。」
づーがもじもじしながら言った。
「おお、づーって言うのか!オレと名前にてるなぁ。とりあえずこれからもヨロシク、な!」
つーはそう言うと、づーの目の前に手を差し出した。
づーは、躊躇いながらも、すっとつーの手を握った。
つーはまたもニッ、と微笑んだ。

それから、つーは私の無二の親友となった。
333名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 19:22 ID:gJS+NT6Z
それから数ヵ月後、学校に転校生がやってきた。
ドアが開くと、見慣れた先生の顔の後ろに、見知らぬ女の子がいた。
「え〜、彼女は『のー』と言って、大阪の方からここに転校してきました。
皆さん仲良くしてやって下さいね。では、のーさん一言どうぞ。」
先生がそう言うと、のーが前にすっと出た。
そして、少しの間を空けると、静かに口を開いた。
「皆さん、・・・こんにちは。」
のーが静かに標準語で喋った。
その後のーの演説が始るのかと思えば、また奇妙な沈黙が流れてきた。
のーは何か喋らないし周りの人も何も喋らない。物音一つ立たない。
そして、自分の隣にいたつーが我慢できずに言った。
「何止まってんの?」
のーの頬に汗が伝う。
「な・・・」
のーが口を開く。
「何でやねん!普通ウチがこんばんはゆうたらお前らこんばんは言い返すやろ!」
のーが、突然叫び始めた。
周りの生徒達が目を白黒させる。
その中つーが対抗するかのように叫びだした。
「それが狙いかよ!それにしても黙ってる時間が長すぎなんだよ!ずっと止まってないですぐに喋りだせよ!」
のーは更につーに迫り、大声で捲くし立てる。
「うっさいな!プライドってもんがあるやろが!」
つーも負けじとのーに迫り押し返す。
「待っても何も返ってこないならすぐに喋れよ!プライドなんてどうでもいいだろ!」
「うっさいな!あんたら関東モンには分からんだろうけどなぁ、ウチはプライドを大切にする女なんや!」
「どーゆープライドやねん!」
「話聞いてりゃ分かるやろ!」
「分かんないし!」
「これだからもんじゃ焼きをおかずにして食う関東モンをいやなんや!」
「ハァ!?食った事無いし!お前らだってお込み焼きおかずにして食ってるんだろ!?」
「普通やないか!」
「おかしいよ!」
「普通だって!」
「おかしいよ!」
「いたってアベレージだよ!」
「だからおかしいって!」
「それはお込み焼きに対する冒瀆かぁー!?」
「訳分からないし!お好み焼きはおかずというより主食だろ!」
「おかずや!」
「主食だ!」
「お好み焼きはご飯と一緒に食べてこそ美味しいんや!」
「嘘付け!」
「お好み焼きとコシヒカリのコンビは最高やでぇ、何も知らんくせに口出すな!」
「何でコシヒカリなんだよ!ササニシキとかはえぬきとか千代大海とかでも良いだろ!」
「それは力士やろ!」
「嘘付け!」
「え・・・嘘ついてないし・・・」
「千代大海は米だ!よーく確認してみ・・・ん?」
「で、一体何が言いたいんやねん!」
ますますのーとつーとの口論が激しくなる。
何かどうでもいいような話題になってるような気がするのだが。
そして、いつのまにか帰すしそうな距離まで迫っているのーとつーに先生が割り込んだ。
「ハイハイ、喧嘩はよして。下らない事で喧嘩しないの・・・」
先生が強引につーとのーを引き剥がした。
その瞬間、クラス中で笑いが巻き起こった。
勿論づーも一緒に笑っていた。

「・・・千代大海は力士だった・・・」
334名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 19:31 ID:gJS+NT6Z
それからのーとつーは仲良くなった。
今日の敵は明日の仲間と言った所であろうか。
いや、怪我の功名か?いや・・・一石二鳥・・・よく分からんがそんな所だ。
そしてのーは無論づーとも仲良くなった。
三人組みで彼女らは色々なことをしてきた。
そしてある日、づーは他の二人にある提案をしたのだ。

「ねぇ、万引きってしてみたくない?」
何故そんな事を考えたのか分からない。
づーは友達が沢山出来た事に酔っていたのかもしれない。
つーとのーは黙ってそれに従った。

気が付けば薄暗い刑務所の中に三人とも放り込まれていた。

しかしのーとつーは二人とも私を責めなかった。
それどころか『ごめんね』と謝りさえもした!

そして、そして、


フタリハ シンダ。


つーは『生きろ』と言った。
刑務所へ捕まった源となった自分に一度だって文句を言わなかった。
それどころか自分を助けてくれようとさえもした。
そして、自分が死ぬ瞬間に『生きろ』と・・・そう言った。

初めての友達、つー。
自分が死ぬ間際まで友達を思いやるつー。
何よりも強く、勇敢だったつー。
頭が良かったつー。
可愛かったつー。
大好きだったつー。
虐められてたり孤独な人を見てみぬふりをしないつー。

そして、のー。

いつも面白かったのー。
喧嘩っぱやかったのー。
思いやりがあり、とても優しかったのー。
とても純粋で、大好きだったのー・・・

その純粋さも、勇敢さも、塵となり消えた。跡形も無く。
335名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 19:45 ID:gJS+NT6Z
いい友達に囲まれ、守られてきた。
そして守られたままでここまで着た。

守られっぱなしでだらしない私。
調子に乗りやすい私。
泣く事しか出来ない私。
全然だーめな・・・私。

自分の不甲斐なさに涙が出てくる。
そして、不甲斐なく、弱く、涙を流している自分自身が笑えてくる。

・・・死んだつーとのーの為に生きよう。

そう思えたらどんなに楽な事だろう。


出来るものか!


原因を作ったのは私だ。
最後まで貴方達には何もしてやれなかったね。
つーが死んだのも私のせいだ。
結局最後まで守られてたね。

罪を行えば、罰が与えられる。
つーとのーは罪は犯していない。
罪を犯したのは私だけだ・・・
そして・・・まだ罰なるものを受けていない。


原因となった自分だけが生き残るなんて出来ない。
このまま、ここで罰を・・・死ぬのを待っていようか。
ねぇ、つー・・・のー・・・
有難うね・・・そして・・・ごめん・・・ね。
づーは武器とディパックを遠く草叢に捨て、すやすやと眠りだした。


それはあまりに優しく、幸せそうな顔であった。


誰かに撃たれるまでも無く、づーはそのまま死んだ。
原因は疲労と・・・言いようの出来ない何かであった。

【残り11人】
336名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 21:47 ID:2YUouxBt
ギコは先ほどまでのやる気を持続し、森の中を歩いていた。

「漏れは、どこまで生きれるのだろうか?」

口調ははっきりと、しかし、どこかぼんやりと歩いていた。右手に構える銃も今や
引き金を引くこともなくなっていて何の意味もなさない鉄の塊であった。

そんな折、俊敏な動きで森をさ迷っていると、大きな光が出た。――「月」だ。
森の中ではほとんど見えなかった月が見え始めたのだ。それと同時に、ある建物も姿を見せ始めた。

―――分校――

そうそれは、動物の勘、なのだろうか?捨て猫は飼い主の元へ帰ってくるという。
それは定かではなかったが、とにかく戻ってきたのだ、漏れは。
しかし、何もできないのだ。首輪のおかげで。銃はあるが無力だ。


あの中へ逝くには―――方法はねぇのか・・・
方法は、方法は―――


その時、ギコの目は分校近くに動く影を見つけた。


――――殺すしかねぇよなゴルァ

337名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 22:07 ID:2YUouxBt
ギコの視点では、猫目ではっきりと見えていた。
ヒッキー・ジエン・あともう一人は誰だ?

――――――――――――――――――――――――ー

一方、ダマレコゾウら一行は、準備がすでに整っていた。あとは特攻するのみ。
皆の息が荒れていた。
「ジエン・ヒッキー。お前らがいなかったら多分この作戦は失敗に終わるだろう。
お前らがいて、この特攻は成り立つんだ、小僧。」
「ハゲドウ!コチラコソレイイウゾ!ジエン、ヒトリダッタラダレカニスグコロサレテタ!ソレイクナイ!
ダマレコゾウトヒッキーとクメタコト、スゴークイイ!ジエンガンガル!」
「ジエン・・・」
ダマレコゾウの目に熱いものがあふれた。
「ボクハ・・・」ヒッキーが口を開いた。
「タダノヒキコモリダッタ。ダレニモヒツヨウトサレナクテ、オヤデサエボクヲミハナシタ。ダケド、ダマレコゾウヤジエンニ、
ハジメテヒトリノAAトシテミテモラエタ。トテモウレシイ。キミラニ、アエテヨカッタヨ・・・。」
ダマレコゾウの目は涙でぐちゃぐちゃだった。しかしそれは、ヒッキー・ジエンも一緒だった。

「ああ、俺達は会えて良かった。ここで俺らは今生の別れになるかもしれない、小僧共。
でも、俺らは死なない。いや、死んではいけない。誰一人でも欠けてはいけないんだ。
でもきっと・・・・・・、どんな形でも・・・また会おうぜ!小僧共!!!!!!!」

熱く、しかし盗聴を気にしながら、小声で、彼らは友情を誓い合った。
手を取り合い、出発を――――











―――ドン!ドン!

それは、彼の体を貫いた。
「エッ!?」
「はっ!?」
「ウッ!?」
338名無しさん@お腹いっぱい。
その時、銃を構えていたギコは、アニメやマンガでありがちな、銃口の煙を吹くという、キザな行動をとっていた。
ゴルァ、当たったのはアイツか。あと2匹―――






「オイ!オキロ!」
「ア・・・ア・・コンナコトガ・・・」






「ダマレコゾウ!!!!!!!」彼の体は既に機能を停止していた。脳の組織がすべて死滅するまで30分もかからないだろう。

また、ドンとなり、ジエンの近くの壁に穴があいた。コレハヤバイ!
「ヴルアアアアアアアアアアアアアアア!」ジエンは狂ったように銃の音がした方向に乱射した。
「ヒッキー、ナカニトツゲキシル!ソレ、ダマレコゾウニシテヤレルコトダ!イイ!」
それを聞き、頷き、ヒッキーは窓から分校に侵入した。小さな声で「ジエン、イキロヨ」と言ったが
銃撃戦の中、聞こえた風ではなかった。ただ、ヒッキーはやらねばなるぬことが多くなった。

ダマレコゾウ。キミノブンマデ、ボクハガンバル。
ジエン。ドウカ、ボクニツヅイテクレ。イキテクレ。

【残り10人】