「あう‥‥‥ンッ‥‥‥あ、あ、‥‥‥アんっ‥‥‥は‥‥‥」
トイレの木のドアに頭を押し付けられて、立ったまま、犬飼は後ろを犯される。
こんな屈辱的な姿勢で貫かれているのに、身体は感じてしまう。
ぴのにゆすぶられる度に、木のドアがリズムに合わせてカタカタ音を立てる。
「ひっ‥‥‥は、はやくっ!‥‥‥あ、葵っっ!!」
「ダメだよ‥‥‥僕はまだ満足してない‥‥‥この所、夜になっても
君は僕の部屋に来ないじゃないか‥‥‥‥‥‥僕はずっと寂しかったんだよ‥‥‥」
「う‥‥‥あああっ!もう、や!やめて!やめてくれぇ!!!」
耐え切れず悲鳴を上げる寸前で、司馬の左手が犬飼の口をふさいだ。
「う‥‥‥ううっ!」
『しっ、人が来た』
「いやああ〜〜水泳ってのはダルイねえ〜〜〜」
「暑い日にゃいいが、こう寒いとかなわねーな!一物が縮んじまうって!」
猿野と沢松だ!
「あれ?個室に誰か入ってんぞ?さてはあの水で冷えて下痢でもしたかな?
覗いてからかってやろうか」
やめろ!やめろ!猿野!来るな!来るなっっっーーーーー!!
「やめろよ、猿野!悪趣味だぞ。本当に痛がってたらどうすんだよ?辛いんだぞ。下痢ってさ」
「ああ、ああ。わかってるよ!冗談だって!冗談!」
その沢松の台詞に犬飼の身体から安心で力が抜ける。
なのに、それを見越したように司馬が腰を突き上げてきた。
『あうっっっ!!!』
悲鳴は司馬の手の中に押し殺される。
『うっ!うっ!うっ!やめてぇ!もうやめてえ!!!ああっ!ああ!』
声すら満足に上げさせてもらえずに、犬飼は突き上げられる。
カクカクと震える足に力が入らなくなってきた‥‥‥
司馬の右手が前に与えている快楽も激しさを増してきて‥‥‥
助けて、誰か助けて‥‥‥助けて‥‥‥‥‥‥
犬飼のきつく閉じた目尻に涙が浮かんで、こぼれる‥‥‥
「次は数学か。かったり〜〜〜〜」
「猿野、予習はちゃんとやってきてるか?今日は当たるぞ、お前!」
「げ!やってねえ!ノート写させてくれ!沢松!」
「しかたないな〜〜〜かりは返してもらうからな!」
「もちろん!学食のチケットでいいか?」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながら二人は出ていく。
トイレのドアがバタン、と閉まる。
それとほとんど同時だった。
「ああああああっっっっ!!!!!」
犬飼が大きくのけ反って、トイレの床に崩れ落ちたのは。
「くすくす♪悦かったよ‥‥‥冥。これでかりは返してもらったね‥‥‥ふふふ」
「ひど‥‥‥ひどいよ‥‥‥葵‥‥‥」
「君が僕を無視するからいけないのさ‥‥‥今さら僕から逃げるつもり‥‥‥?」
「‥‥‥それは‥‥‥」
逃げる?そう、逃げたかった。怖かったからだ。自分が。
これから自分はどうなってしまうのか?何もかも、司馬に奪われてしまうのではないか?
「僕は君を逃がさないよ‥‥‥愛してしまったからね‥‥‥君を‥‥‥」
愛という名の鎖。牢獄。自分から入った。
つながれる事を望んで、閉じ込められることを望んで‥‥‥
「今夜、寮の部屋で待ってるよ‥‥‥」
怪しい司馬のその瞳に魔法をかけられたように、
犬飼はただ、黙って頷くのだった。
文才ないので某所のやおい小説を改良してみた。こんなかんじ?