機動戦士ガンダム第801小隊

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760風と木の名無しさん
駄文(9)
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僕の頭を撫でるこの手は誰の手なんだろう・・・
親父?いや、違う。

ああ、大尉だ。
そうだ。


「カミーユ、以上で話しは終わりだが、わかったか?」
「あ、・・・いえ、すいません。」
クワトロは小さくため息をつく。
書類を机の上に投げ置く。
「しょうがないな、カミーユ。シフトが昨日から今日までずっと徹夜で寝てないの
は仕方のないことだが、話しくらいは聞いてほしいものだな・・・」
そう言われると、さっきまで我慢に我慢してた睡魔がさらに襲ってくる。
顔を下に向けて申し訳無さそうにするしかない。
「3時間だ。」
「え?」
「仮眠をとるといい。作戦はそれからだ」
「すいません」
そういってクワトロの部屋を後にしようとしたカミーユを言葉で引き止める。
「わざわざ部屋に戻らなくてもよかろう。ここで寝ていけばいい」
「え、でも大尉の仕事の邪魔に?」
「寝てる人が起きてる人の仕事の邪魔になるという話はきいたことないな。ほら、
上着を貸しなさい」
761風と木の名無しさん:2001/07/30(月) 18:44 ID:WVeB3Mn2
駄文(10)
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言われるままに上着を預け、いつもクワトロが睡眠にしようするだろう備え付けの
ベットに横になる。
まくらもとにクワトロが座り、上掛けをカミーユの胸元まで引き上げる。
そしてそのまま手をカミーユの髪の毛へ滑らす。

「すいません。ちょっとベット借ります・・・」
「3時間たったらすぐに起こすからな。」
「はい。」
目を閉じると、そのまますぐにでも眠りの世界へ入ってしまいそうだ。

だけど髪の毛を撫でてくれる大尉の大きな手をもう少し感じていたい。

結局、あの戦争の間はプラトニックな関係を突き通し、からだの関係なんていえる
ものは何一つなかった。
こうやって髪の毛を撫でる程度の身体の接触。



「カミーユ・・・」
しばらく間(カミーユの息が整う間だけど)ジュドーはカミーユを横抱きにして子
供をあやすように紺色の髪の毛に指を通し弄んでいた。

こういうのって、何もかも終わったあとにするようなことなのに、オレなにやって
んだろう。
762風と木の名無しさん:2001/07/30(月) 18:45 ID:WVeB3Mn2
駄文(11)
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「カミーユ?」
ふと目をやると、見上げている蒼い瞳とぶつかる。
自分を見てる?
いや、違う。
誰を見てるんだ?

その形のいい唇が幽かに動いてる。
「え?なんていってるんだ、カミーユ?」
言葉にならない音ではなく、確かに何かを口にしている。
慌てず、騒がずに、カミーユの声をもっと吐き出してやろうと、ジュドーはカミー
ユの髪を撫でる手を休めなかった。
それが返って自分を傷つけることになるとは知らずに。

「・・・クワトロ・・たい・・・い・・・」
すっと、カミーユのしなやかな腕が自分の首にまわされる。
それはほんの一瞬の出来事のように思えた。
カミーユが自分の知らない名前を口にする。(なんでこういう状況で!)
強くはないが、首にまわされたカミーユの腕に力が隠る。

そんなにすがりつかれても、オレはクワトロってやつじゃないんだぜ?

怒りはいつのまにか冷静さに変わる。
そして徐々にどす黒い嫉妬へと変わっていった。