◆◆月之海合唱団◆◆

このエントリーをはてなブックマークに追加
485風と木の名無しさん
 バン!!という大きな音をさせて、SUGIZOは目の前にあった簡易机を両手で殴りつけた。その音が響く中、上に乗った灰皿がカタカタとしばらく不安定に揺れる。
「おい!SUGIZO!!」
 SUGIZOの隣に座っていた真矢が、反射的にその体を両腕で羽交い締めにして、それ以上の彼の動きを留めようとする。
「分かってんだよ!!俺だって好きこのんでLUNASEAに居るワケじゃねぇんだ!!居たくているんじゃねぇんだよ!!
でもっ、でも!!好き嫌いじゃなくっても、俺がLUNASEAなのは事実だろーが!!
オマエらがLUNASEAなのは替えられねぇじゃねーかっっ!!なんでだよっ!!・・・・・・っっ・・・・」
 真矢に抱え込まれたままSUGIZOは叫き散らす。その視線の先で、思わず立ち上がったままその言葉を聞いていたJは、
唇を噛みしめながらSUGIZOから目を反らした。体の横に降りている拳が小刻みに震える。
「SUGIちゃん・・・・・・」
486風と木の名無しさん:2001/06/27(水) 00:55 ID:aoLC7GWw
 バン!!という大きな音をさせて、SUGIZOは目の前にあった簡易机を両手で殴りつけた。その音が響く中、上に乗った灰皿がカタカタとしばらく不安定に揺れる。
「おい!SUGIZO!!」
 SUGIZOの隣に座っていた真矢が、反射的にその体を両腕で羽交い締めにして、それ以上の彼の動きを留めようとする。
「分かってんだよ!!俺だって好きこのんでLUNASEAに居るワケじゃねぇんだ!!居たくているんじゃねぇんだよ!!
でもっ、でも!!好き嫌いじゃなくっても、俺がLUNASEAなのは事実だろーが!!
オマエらがLUNASEAなのは替えられねぇじゃねーかっっ!!なんでだよっ!!・・・・・・っっ・・・・」
 真矢に抱え込まれたままSUGIZOは叫き散らす。その視線の先で、思わず立ち上がったままその言葉を聞いていたJは、
唇を噛みしめながらSUGIZOから目を反らした。体の横に降りている拳が小刻みに震える。
「SUGIちゃん・・・・・・」
「RYU」
 何事かを言いかけたRYUICHIを、INORANが手の平で黙らせる。静かに椅子に座ったまま、煙草を挟んだ手を顎の下で組んで、真正面のSUGIZOを見上げた。
「・・・・・・分かってるよ、みんな。・・・でもね。好き好んでこの家に産まれて来たんじゃないって思っても、どこまでも家族は続くんだよ。
・・・おんなじことじゃない?どんな風に子供達が成長していっても、血の繋がりは消えない。どんなに時間が経っても、家族だったって事は消えて行かない。
・・・でも、永遠に家族であり続けることは出来ないんだ。ある時期に生まれた家族から離れて、新しく自分の家族を作っていく・・・そうすることが・・・
その家族の幸せなんじゃないかな。いつまでもしがみついている事の方が、不幸せなんじゃないかな・・・」
「・・・っっ・・・・」
 真矢の手をすり抜けて、SUGIZOはフラフラと椅子に座り込んだ。瞳は確かめるように他の4人をみつめていく。
 暫くの沈黙と、ライターの着火音だけが部屋に流れた。