モララーのビデオ棚in801板58

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445GS3兄×坊ちゃま 2/3:2010/06/29(火) 18:42:54 ID:WPjbFlpT0
あの頃…
近くに住む仲のよかった女の子が引っ越して行った。
それは“別れ”というものを深く考えさせられる人生で二番目の出来事だった。
自分にはどうすることも出来ない。
運命の理不尽さと、現実をどうすることもできない己の無力さと。
いろいろな事から逃げたくなる自分が情けなくて、一人で頭を冷やす為に出かけた公園に彼はいた。
ふわふわと柔らかそうな巻き毛が風に揺れ、猫のような大きな瞳が印象的で思わず見とれる。
「だれ?」
あまりにも不躾に見詰め過ぎたらしい。
不機嫌そうな表情と声に、らしくもなくたじろぐ。
それが出会いだった。

その後どうやってか話をし、彼が近にある馬鹿でかいお屋敷の子供であること
今日はそのお屋敷でティーパーティとやらがあり、母親の友人達に人形代わりの扱いを受けて
それに辟易として逃げ出してきたことを知った。
くるくるとよく動く表情で「人を着せ替え人形か何かだと思っているのか!」と怒る彼は正直とても可愛くて
うっかり笑ったら、ひどく怒られた。
ほんの少し話しただけだが、彼は自分の感情を偽ることをしない。
それをどうしようもなく眩しく感じたことを覚えている。

その後、特に約束をする訳ではないが会って時間があればルカも交えて遊ぶような関係になった。
俺達が年下だと知ったときの憮然とした表情は忘れられない。
「今に見てろよ!」「少しくらい背が高いからって偉くはないんだからな!」
偉そうにした覚えはないんだが…

その年頃の男だったらするような、所謂荒っぽい遊びに彼が加わることはなかったが理由は直ぐに知れた。
彼はピアノを弾くのだという。
一度だけ聞いたそれが、子供の習い事の域をはるかに超えていることは
専門的な知識などない子供に過ぎない自分にすら分かった。
弾いているときの真剣でありながらも楽しそうな表情、
弾き終わったあとの「どうだ」とでも言いた気な表情も容易く思い出せる。
意地っ張りではあったが、己の感情を偽る事をしない彼の存在はどんどん自分の中で大きくなっていった。
446:GS3兄×坊ちゃま 3/3:2010/06/29(火) 18:44:24 ID:WPjbFlpT0
ある時…自分には分からないピアノに関する話を楽しげに語る彼にどうしようもなく腹がたって意地悪をしたことがあった。
寒い冬が終わり、暖かい日差しに満ちた公園は気持ちがよく
黄色いたんぽぽの花と、その綿毛が風に揺れていた。
せっかくの陽気に身体を動かしたい自分と、自分には分からない話を続ける彼と…
訳も分からず苛々して、ふわふわと揺れるたんぽぽの綿毛を千切って手にし、彼に向かって吹いた。
「何するんだよ」
話を中断された為か、頬に当たる綿毛の感触の為か、その両方か
不機嫌な声でこちらを睨む。
やっとこっちを向いた嬉しさと、これまで放っておかれた苛立ちでつい言ってしまった何処かで聞いた都市伝説じみた話。
「知ってるか?たんぽぽの綿毛が入ると、耳が聞こえなくなるんだぜ」
「嘘だ!」
バッと、音がしそうな猛スピードで彼は耳を押さえる。
「嘘なもんか」
まさか彼がそこまで激しい反応を示すとは思いもしなかった。

そこで止めればよかった。
子供同士の意地の張り合いのようなものだったのだから。
「なあ、耳、聞こえなくなったらどうする?」
なのに続けてしまった。
瞬間、彼の表情は怯えを含んだものになり、大きな瞳には涙が浮かんで
「嘘だ!」
もう一度叫ぶようにして言うと、彼は走り去っていった。
…今なら分かる。
音楽を志す彼にとって耳がどれほど大事かということ。
耳が聞こえなくなると言う事が、普通に暮らす自分とは比較にならないほどの恐怖だということ。
大切な存在になりつつあった彼を、酷く傷つけてしまったということ。

そうして決定的な仲違いと言う程ではないが謝ろうと言う思いと、それ程の事でもないだろという意地との間から少し距離が出来た。
もともと学年が違うのだから、顔を合わさないようにすることは容易い。
一抹の寂しさを抱えながらも、ギクシャクとした感じが解けないまま夏を向かえたある日、偶然顔を合わせた彼から
「ウィーンに行ってしばらくは帰らない」
と、告げられた。
447GS3兄×坊ちゃま ごめんなさい終わらなかった:2010/06/29(火) 18:45:17 ID:WPjbFlpT0
またか…と思った。
別れは何時だって突然、避け難い現実として目の前に現れる。
だから後悔しないように、大切な奴には優しくしようと思っていた…ハズだった。
…でも、出来なかった。
そしてもっと恐ろしかったのは、自分を置いていこうとする彼に酷い言葉をぶつけそうになった事。
やり場の無い感情が一気に溢れて、
「そうかよ!」
とだけ言ってその場から逃げた。…そう、自分は逃げた。

その後すぐに、ウィーンに行くのは一時的なもので秋には戻るのだと知ったが
あの時の「また置いていかれるのか」という恐怖感と苛立ちと情けない自分と…
久しぶりに聞いた彼の名前はそんな苦いものを思い出させた。

「全然変わってなかったよ」
ルカの声が、思い出から現実へ浮上させる。
「そうか」
「うん」
それだけ言うと、自分の部屋へと入っていった。

『変わってなかった』という彼を、少しだけ見てみたいと思った。
本当に変わっていないのだろうか?
あの真直ぐにこちらを射抜く瞳は…
だとしたら
退屈で煩わしい事ばかりだと思ったコウコウセイカツとやらが、少しは楽しくなりそうな予感がした。


□STOPピッ◇⊂(・∀・)オワリデスドウモシツレイシマシタ

たんぽぽイベと、兄に啼かされていたぼっちゃまに萌えすぎた
しかし、すっごい尻切れトンボにorz
448風と木の名無しさん:2010/06/29(火) 23:45:52 ID:QoHvgqN7O
>>442
面白かった。ぜひとも続いてほしい
449「甘い罰」1/7:2010/06/30(水) 00:29:17 ID:4ZHkaoa20
Silver Soul(和訳)の土×篠
新撰組動乱編の後日談を捏造&妄想
痛めのエロがあります注意!

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


「ありがとう」と、その人は言った。

大きな夕日が山の端に落ちかかり、夕闇が迫る中で
その人の頬を伝う涙が、やけに輝いて見えた。
そうして、笑顔で、その人は死んでいった。

俺はただ、呆然と立ち尽くしていた。
・・・泣く事さえ、できなかった。
450「甘い罰」2/7:2010/06/30(水) 00:31:00 ID:4ZHkaoa20
その日以来、俺は一睡もできないでいる。
食事も喉を通らない。
何も無い壁を見つめて、昼も夜も無い時を、ただ過ごしていた。

このまま、ゆっくりと死んでいけるだろうか。
いっそ、切腹でも申し付けられれば、喜んで受けるのに。
処分の沙汰すら無いなんて、ありえない。

あの人は死んでしまったのに。
おめおめと生き残って、死ぬ事もできないなんて。
何故、俺は生きているのか。
答えのない疑問を、ただ繰り返す。

そんな俺の目の端に、ゆらりと黒い影が立った。
鼻を突く煙草の匂い。
彼だ。
あの人を、殺した、彼・・・土方十四郎。
451「甘い罰」3/7:2010/06/30(水) 00:33:31 ID:4ZHkaoa20
「・・・篠原」
低い声が、俺の名を呼ぶ。
目を合わせずに、俺は小さく「はい」と応えた。

ふうっと長く紫煙を吐いて、彼が話し出した。
俺を気遣うようなその声色に、心が波打つ。
なんで、こんな俺の事を、気遣うんですか?
俺たちが、反逆したばかりに、あんたは組を追われて
死にそうな目にあったのに。

「副長」
彼の話を遮る様に、俺は口を開いた。
「あ?」
不機嫌な声が応える。
「俺に、罰を、下さい」
腹から絞り出した声は、震えていた。
「・・・お前には、上から、一ヶ月の謹慎処分が下ってる」
「そんなに、軽いもので済む筈がありません!」
両の拳を握り締めて、俺は叫んだ。
「俺の、罪は・・・そんなっ・・・!」
声も拳も震えている。
「局中法度に反したんです!本来なら、切腹ものでしょう?!
 処分が下りないなら、いっそ俺を、殺してください!」
彼の目を、正面から見据えて、俺は声を振り絞る。
俺を射抜く鋭い眼光が、瞬間、強まった。
452「甘い罰」4/7:2010/06/30(水) 00:36:02 ID:4ZHkaoa20
あの人を切ったその刃で、俺の命も絶って欲しいと
そうすれば、この罪から逃れられると
そう思った、のに。

バシッと痛烈な平手打ちを受けて、目の前に星が飛んだ。
反動で斜め後ろに倒れこむと、黒い影が圧し掛かってきた。
「俺もなぁ、この間の騒ぎのせいで謹慎くらっちまって、くさくさしてんだよ」
ふっと俺の鼻先に、煙を吹きかけて、にやりと口元を歪ませる。
「篠原・・・お前、夜の相手、しろや」
俺は、暫く彼が何を言っているのか、理解できないでいた。
しかし、彼の手が、乱暴に俺の衣服を剥ぎ取っていく事で、ようやくその意味を悟った。

ああ、それも、いいかもしれない。
あの人を殺した男に抱かれるのは、浅ましく生き残った俺に相応しい罰であるような気がした。
俺は、一切の抵抗をせず、ただ荒々しい行為に身を任せて目を閉じた。
453「甘い罰」5/7:2010/06/30(水) 00:38:31 ID:4ZHkaoa20
「・・・っ、うぁ・・・っ」
優しさの欠片もない手淫。
ただ俺を射精に導くためだけに、上下に強く扱かれて
時折、痛みすら感じながら、それでも俺の中心は、どんどん張り詰めていく。
程なく、俺は彼の手の中に、白い精を吐き出した。

「ふ・・・あっ!」
一息付くまもなく、俺のモノを弄っていた長い指が
今、出したばかりの白濁液を、今度は俺の後孔に塗りこめていく。
「つっ・・・う・・・」
無遠慮に指を出し入れされて、引きつるような痛みに眉根を寄せる。
「痛ぇか?」
今まで、無言で俺を責め続けていた彼が、口を開いた。
感情を押し殺しているような、低い声。
「・・・いいえ」
表情を読まれないように、視線を外して静かに答えると
いきなり、指を2本に増やされた。
「ぅ、あっ!」
「痛ぇだろ?」
俺の短い悲鳴に被せる様に、また彼が尋ねてきた。
「っ、痛く、ありませんっ!」
確かに、引き攣れるような痛みは増すばかりだけれど
あの人が受けた痛みに比べれば、微々たるものに思えた。
454「甘い罰」6/7:2010/06/30(水) 00:41:18 ID:4ZHkaoa20
片腕をもがれ、あまつさえ、志さえももがれたあの人の痛みは、如何ばかりだったろう。
俺も、その痛みが欲しかった。
あの人に従ってどこまでも、死出の道ですら、一緒に歩んで行きたいと思っていたのに。
生き残ってしまった俺には、もっと酷い痛みが与えられなければならないはずだ。
そして、それは、あの人の仇であった彼から与えられるのが、一番相応しい。
「もっと・・・痛くして・・・酷く、して下さい」
荒くなる呼吸の下で、そう訴えた。
彼の、短い舌打ちが聞こえたような気がした。

彼は、俺の両足を抱え上げると、慣らしきっていない俺の後孔に熱い肉棒をぐいと食い込ませ
俺の内側に、力ずくで押し入ってきた。
「あぁっ・・・!」
焼け付くような痛みが全身を走る。
「っ・・・はっ・・・」
奥へ奥へと穿たれる度に、この身が引き裂かれるようで、声も出ない。
俺の中に、根元まで埋め込んだらしい彼が、ふっと息を吐いて、また俺に同じ問いを投げてきた。
「痛ぇだろう?」
俺は必死でかぶりを振った。
「痛ぇだろうが!」
ぐりっとまた一段と深く突かれて、反らせた背が大きく跳ねる。
その背に彼の両腕が回されて、俺は熱い腕に抱きしめられた。
耳元で、低音の呟きが響く。
「男に貫かれてんだ、痛ぇに決まってんだろが」
「痛・・・く、な・・」
「意地はってんじゃねぇ!」
深く繋がったままで、乱暴に腰を使われて、息も出来ないほどに揺さぶられる。
「あ、あ、っ・・・あぁっ!」
「いいか、この痛みがお前への罰だ。足りなきゃ何度でも与えてやる」
455「甘い罰」7/7:2010/06/30(水) 00:43:13 ID:4ZHkaoa20
この痛みが俺の罰?
だとしたら、なんて甘い罰だろうか。
俺が欲しかったのは、こんな痛みじゃない。
自然と涙が溢れ出した。でもこれも、俺が流したかった涙じゃない。

それなのに、俺を抱きしめる男は、流れる涙を唇で掬い取り、俺の瞼に優しく口付けた。
「覚えとけよ。これで、お前は俺のもんだ。そして俺は、この体も心も丸ごと近藤さんのもんだ。
 ・・・つまり、お前は、近藤さんの・・・真選組のもんってこった。
 もう二度と、俺たちを裏切るんじゃねぇぜ」

違う、違う。俺はあの人のものなんだ。
あの人が死んでしまった今でも、これからも、ずっと・・・
・・・ああ、そうか。
この痛みを抱えたまま、生き続けていく事が、俺の本当の罰なのか。
「俺のものだ」「裏切るな」と言ってくれた彼を、これからも裏切り続けて
ただ痛みを与えられるためだけに、体を重ねていくことが俺の罰。

そして、あんたの罰でもあるんですよ、ねぇ、副長。

俺は何故だか腹の底から可笑しくなって、笑おうとしたのに、溢れる涙が止まらなくて
ただひたすら、俺を犯す熱い躯に、縋り付く事しかできなかった。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ヤンデレ難しい…お目汚し、失礼しました
456風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 03:31:55 ID:xFbu5MR5O
>>455
乙乙!萌えをありがとう!!
まさか土篠を棚で読めるとはw
篠は攻め推奨派だったけど、篠受けにも目覚めそうだ…
切ないけど、ヤンデレよかったです!
457風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 13:36:56 ID:F+mRKioc0
>>395
乙! なんて懐かしい……
貴重なものをありがとう!


458風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 13:52:08 ID:b4UYOCpyO
>>337
遅レスだけどGJです!
虹が読めるとは思ってなかった!
あああ幸せな夢に胸が締め付けられる…
459風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 00:47:24 ID:nYBWzLtD0
>>395
再開!?再開だとっ
395も457も有難う有難う

雅夢は妖しいわ小介は抜けてるわで萌えました
本当に有難う
460風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 00:47:37 ID:q0AJrf7VO
>>447
乙!

兄とぼっちゃまの関係に萌えてたから読めて嬉しいw
兄に啼かされるぼっちゃま堪らんなあ・・・
461GS3 玉×尽 1/5:2010/07/01(木) 18:51:48 ID:FwhDWPLx0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

朝から周りがどうにも騒がしい、生徒会の方もなんだか浮足立っているような気がするし……なんて、僕もそこまで愚かじゃなかった。
伊達に一年で次期の生徒会長になった訳じゃない、女子も男子も浮き足だつ二月の行事なんて、一つしかないじゃないか。
それに、僕にだって無関係というわけじゃないし……。

「思い出すなあ」
「なんだよいきなり、気持ち悪い」

設楽に気味悪がられてしまった、まあ、仕方がないか……。
もうずいぶん昔の話だ。

「ふわぁぁ〜」

自分の前を歩きながら、大あくびをした同級生の後ろ頭を見ていると、視線に気づいたのか眠そうな顔で振り向いた。

「尽、今日も寝不足?もうお姉さんのチョコ作りの手伝いって訳もないのに」
「まあねー、そうなんだけどさぁー」

いつもなら女子が騒ぐ顔は、寝不足が効いているのか若干、顔色が悪い。
ごきごきっと首を鳴らす尽とは、小学校のころからの付き合いだ。

「ほい」
「ありがとう」
「今年はいらねえかと思ったんだけど、まあ一応な」
462GS3 玉×尽 1/5:2010/07/01(木) 18:54:18 ID:FwhDWPLx0
「そんなことないよ、ありがとう」
すっかり慣習になってしまったそれは、確か小学生の頃の話だった。

『おい玉緒、どーせお前もらえてないんだろ?しょーがねーなー、ほら、ねーちゃんが作ったあまりだけどやるよ』
「……」
毎年のようにお姉さんの手作りチョコを手伝う尽は、毎年の恒例行事として僕にその残りと言うか、失敗作と言うかそんなチョコレートをくれていた。
「まあ、どーせタマは一つももらえないんだろ?」
小学校の頃は確かに尽の言うとおりだった、あの頃はスポーツができる男子が断然もてる、僕は尽と違って本当にひとつももらえなかった。
勉強も運動も要領はいいし、それでなくとも気づかいのできる尽は彼女が三人もいたとかなんとか……。
中学の一年はいつも通り尽からだけチョコレートをもらって、そして中学の二年で、僕の背がぐっと伸びた時は……。
「ちぇー、なーんでタマが俺よりでっかいんだよ、女子の視線がそっちいくじゃん」
でもそんな事を言いつつ、やっぱりチョコレートをくれた。
残りものとは言いっても器用な尽が手伝っただけあって、他のどの女の子のチョコレートより断然美味しかった。
見た目もあんまり綺麗なんで、姉にからかわれたりもしたけれど……。

中学の三年の時は……。

「……っ」

思い出すと、胸がチクリと痛んだ。
かすかにため息をついて、ちょうど一年前の尽とのやり取りを思い出す。

「今年で最後だなー、しってるかタマ、高校行けば頭のいい方がもてるんだぜ」
そう言ってくれた最後のチョコレート、もうもらえないと言うのは寂しかったけれど、僕は純粋に尽のお姉さんが家を出るから、だからもうわざわざ手伝う事はないからだと思っていたのに……。
「はあ……」
僕は尽も同じく内部進学だと疑ってもいなかった、直前まで一緒にスキーをして滑るだ転ぶだも全く気にしなかった尽がまさか受験生だなんて……だれが思うだろうか。
卒業式の日、春休みはどう遊ぼうか部活はどうするんだと、聞こうと思ったあの日、尽が氷室先生に言われた言葉で知ってしまった。
463GS3 玉×尽 3/5:2010/07/01(木) 18:55:14 ID:FwhDWPLx0
「合格おめでとう、推薦とはいえ難関校だったがよくがんばった、寮となると今までと勝手が違うが、まあ君なら大丈夫だろう、しかし困った事があれば連絡しなさい」
「はーい、まあ先生もお元気で」
思い出すと、今でも目が潤む。
知らなかった……。
尽がお姉さんの恩師に勉強を習いに行っているのは知っていたけど、それが外部受験をする為だなんて知らなかった。
僕らは同じはば学の高校生になって、おそらく尽のお姉さんも通った一流大学に一緒に行くんだろうと漠然と思っていた。
ずっと、一緒だと思っていたのに……。
「タマ、へへ」
「尽……寮って……」
笑顔の尽にそれ以上、何も言えず佇んでいた。
もともと喧嘩をする性分じゃないし、僕は怒っていた訳じゃない、あの時はただ……ただ無性に悲しかった。
「まー遠いけどメールとかあるからさ、あ、春休みいっぱいは遊べるぜ、ジェットコースター乗りに行こ」
「うん……」
最後のはばたき市での春休みを、僕の為に使ってくれるのは嬉しかった、でも最後、それがどんな意味か考えずにいたことは、こうして義理も含めたチョコレートに囲まれていると後悔しかない。
メールは今でもやりとりするし、ときには写真付きで送られてくる、だけど声は聞いていない、チョコレートをくれたり、ゲームセンターにひっぱりまわしたり、一日中スキーに付き合ってくれる彼は隣にいない。
「友達は、できたんだけどね……」
「なんだお前、さっきからぶつぶつぶつぶつ」
設楽は設楽でいい友人だとは思うけど、でもやっぱり尽とは違う人間で、僕が卒業式で感じたあの焦燥は……きっと設楽に対するのとは別の感情だ。
464GS3 玉×尽 4/5:2010/07/01(木) 18:56:14 ID:FwhDWPLx0
「こっちの話」
「……」
会話を打ち切ると、あからさまなため息をつかれた、けど、こんな話おいそれとすべきじゃない。
初恋の話なんて設楽にはまだ早そうだし……そうだ、きっとあれは僕の初恋だったんだ。
「もっと大人にならないとなあ」
実際に高校生になってみると、尽のお姉さんのことはかなり有名で、ここに通うのはやりづらいだろうというのは痛いほど分かった。
それを一年前の僕は実感もなかったし、無邪気に同じ高校だと信じていた僕は、そんな理由でと反対するだろう事は目に見えてる。
だから、相談してくれなかった事を恨む気持ちはない。
「大人でも子供でもどっちでもいい、早くノートを貸してくれ」
「設楽……本気で真っ白なのはどうかと思うよ」
パソコンを立ち上げて、メールが来るのを心待ちにしたり、きっとお正月には帰ってくるんじゃないかとそわそわしたり、帰ってきたら一緒に行こうと思っていたせいで、今年はまだスキーに行けてない。
「諦めが悪い、われながら……」
目の前の大量の義理チョコの包みをはぎながら、一人で感傷に浸る。
尽のことだ、向こうで可愛い彼女をとっくに捕まえてるだろう。
あいつがここに居れば、はば学の王子様なんて昔の葉月さんみたいに言われたんじゃないかと思う、チョコレートだって僕の10倍くらい……。
「変だなあ」
「どうした、チョコに果物でも入ってたのか」
「いや……」
諦めようとか思っている割に、どんどん思い出が溢れて来てしまって、包をはぎかけたチョコレートをそのまま机の上に置いた。
手持無沙汰でそのチョコレートをちょいちょいっと引っかけて遊ぶ設楽を右手でいなしながら、左手でズレかけた眼鏡を直すと、また小さくため息をつく。
来年度からは生徒会長でもあるんだ……きっと一年の時よりもっともっと忙しい。
この忙しさに紛れて、いつかただの思い出にしてしまえればいいんだけど……。
「ほら、コピー」
いなしていた設楽にノートのコピーを渡すと、ふんっと仰け反った。
「帰る、車を待たせてあるからな」
「はいはい」
やれやれお坊ちゃまのお守も大変で忙しい、今日は塾もないしそうそうに家に帰るか……。
465GS3 玉×尽 5/5:2010/07/01(木) 18:58:08 ID:FwhDWPLx0
そしていつものように習慣でパソコンを立ち上るとなんと尽からメールが来ていた。
「え?」
今日思い出したばかりのあの笑顔が見えた気がして、思わずパソコンに飛びき、慌ててマウスを握る。
『今年の成果!』
カチッとクリックでそのメールを開くと、写真が添付されて、去年と同じくらいのチョコレートの山と、おそらく尽のピースサインだけが映っていた。
この中に、いくつ本命チョコがあるんだか……。
「……相変わらずだな」
自分の携帯電話で取っているからか、最近は手ぐらいしか映っていない、いいんだけど、あいつだってこれからきっと忙しくなって、メールは減って行くだろうし……。
ふっとため息をついて、そのメールに返信するためにパソコン前の椅子に座った。

「あいかわらずもてるな、元気か?まだ寒いけど風邪をひかないようにそれと……」

書いては消し書いては消し、気持ちが漏れないように、それでも沢山の事を話したくてその日は夜中までメールと格闘することになってしまった。
466風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 23:13:11 ID:LY8DSLIhO
>>455
乙!
土篠初めて読んで大変萌えました!
土方さんが篠崎にもどかしく思ってて冷たくするけど
優しいとこが見えちゃうのや篠崎がやたら可愛くて良かったっす!
467風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 23:17:16 ID:LY8DSLIhO
>>466
篠崎×
篠原〇
失礼しました
468風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 23:30:03 ID:g9CevGLE0
>>435-436
萌えが止まらない!
続いて欲しい
469風と木の名無しさん:2010/07/02(金) 00:00:09 ID:M3REH/UH0
>>461
萌えました。ありがとう!
470風と木の名無しさん:2010/07/02(金) 00:27:57 ID:WXy8uuHW0
>>444
ちょっと遅レスですが…
自分もイベントぽつぽつしか見てないけど話の流れがすごくしっくりくる。不思議!
そして萌えた、ありがとう
471風と木の名無しさん:2010/07/02(金) 08:17:13 ID:J0+EJ6Rb0
そろそろ次スレ?
テンプレの変更は無かったよね?
472風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 11:51:27 ID:x6MOPF+L0
スレ立て挑戦してくるよー
473風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 11:57:39 ID:x6MOPF+L0
規制されてたorzどなたかよろしくです「モララーのビデオ棚in801板59」
   ___ ___  ___
  (_  _)(___)(___)      / ̄ ̄ヽ
  (_  _)(__  l (__  | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ  }
     |__)    ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
         l⌒LOO (  ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
   ∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_,   _)フ 「 | ロ | ロ |
  ( ・∀・)、__)  ̄フ 厂  (_,ィ |  </LトJ_几l_几! in 801板
                  ̄       ̄
        ◎ Morara's Movie Shelf. ◎

モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。

   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |[]_||  |      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ]_||
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
   |[][][]._\______   ____________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |[]_|| / |/    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.||  |[]_||
    |[][][][][][][]//||  | ̄∧_∧     |[][][][][][][][].||  |  ̄
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |  ( ・∀・ ) _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.||  |
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ|8l|.|[][][][]_[][][]_.|| /
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | | |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    (__)_)
前スレ
モララーのビデオ棚in801板58
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1273650944/

ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-9のあたり

保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://morara.kazeki.net/
474風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 12:01:36 ID:QWL9312P0
いってこよう
475風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 12:03:16 ID:QWL9312P0
むりでした☆ 以下よろです↓
476風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 13:35:47 ID:zzAow6Qc0
やってみる
477風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 13:43:40 ID:zzAow6Qc0
モララーのビデオ棚in801板59
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1278218230/

ちょっと失敗したけど、何とか立てたよ
478風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 17:20:43 ID:s6EY34O3O
>>477
479風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 17:32:51 ID:x6MOPF+L0
>477
乙でしたーありがとうありがとう!
480運命の必然に関する二三の考察 1/4:2010/07/07(水) 00:30:57 ID:/fla+yaP0
梅がてら投下させて頂きます。
都市男子達 大岳と喜太郎

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

打ち合わせの為に集まった事務所の一室。前の仕事が長引いた所為で、才木の到着が遅れている。
だから二人でぼんやりと待っている訳なのだけれど、喜太郎が不意に大岳を呼んだ。
「なぁ、おーたけ」
「んー?」
「俺らさぁ、もう三十年以上付き合ってるけど」
「んー」
大岳の返事が生返事なのは、手元の雑誌を捲っていたからであって、喜太郎の言葉など耳に入れる価値など
ないと思ってる所為ではない。けれど他者が語りかけてくる言葉をおざなりに聞いていたしっぺ返しは、
すぐさま与えられた。
「舞台以外でキスって一回もした事ないよな」
「……はぁ?」
何を言われたのか脳が理解するまでに数秒かかった。そして理解した瞬間、大岳はすごい勢いで雑誌から顔を
上げた。幾多郎はというと、部屋にある小型のテレビを見ていて、大岳の方など見ていない。
画面の中では昔のドラマの再放送が流れていて、主役とヒロインが熱いラブシーンの真っ最中という
分かり易さであった。
「ないよな、って当たり前じゃないのか」
「いやぁ、普通付き合って数ヶ月もしたらするもんだろうし、行きずりで出会って数分でする奴もいるだろ。
でも俺ら三十年以上一緒にいてさぁ、した事ないよなーって」
「あのなぁ、一般的な男女関係と、男同士の……こういう付き合いを同等に並べる奴があるかよ」
「今、どういう付き合いか分からなくなって誤魔化しただろ」
481運命の必然に関する二三の考察 2/4:2010/07/07(水) 00:31:42 ID:/fla+yaP0
憎らしい事に意外と鋭い喜太郎は、テレビよりも大岳の方が面白いと踏んだのか、画面から目を離して
大岳を見た。いつ見ても離れた目だなーっと、大岳は思う。日によって目の間の距離が変わる筈もないけれど。
確かに喜太郎の言う通り、この関係をどう形容していいものか、一瞬分からなくなって誤魔化した。
まさしくその通りだ。
仕事仲間ではある。ユニットを組んで三十年以上経つし、仕事仲間と呼んでも差し支えない。
けれどやっぱりそれだけではない。でも友達と呼ぶのも違う。身内だとは思っているが、親兄弟の様な
血の繋がりはない。どんな形容ならしっくりくるのか。
喜太郎は答えない大岳の顔をじーっと見ていたけれど、ふと口元を緩めた。薄い唇が紡いだのは、ほんの一言。
「やっぱり」
顔に出ていたらしいと、大岳は何故だかばつが悪い様な気持ちになって掌で頬を擦った。才木の奴、
何してんだよ。とっとと来い馬鹿と、心の中で八つ当たりを一つ。勿論口にも出してみる。
「じゃぁ、お前は言えるのかよ」
「言えないよ」
「だったら、俺が言えなくても悪くないじゃねぇか」
「誰も悪いなんて言ってないだろ。やだねー、歳取ると僻みっぽくなって」
ささやかな反撃は、かえって攻撃の取っ掛かりを与えてしまっただけだった。あーやだやだとこれ見よがしに
連呼する喜太郎に、大岳はむくれるしかない。大体一歳年上の癖に何言ってんだと思うものの、もうこの歳に
なれば一歳程度の年の差なんてあって無きが如しだった。喜太郎が年上らしく振舞ってる姿なんて
記憶の中にもないのだし。
思えばずっと、喜太郎はこんな風だった。こうして向かい合っていると、ここが才木と同居していた
アパートの一室で、過ごしてきた時間は夢だったんじゃないかと錯覚を起こしそうになる。色んな事があった
三十年が夢だったとして、自分はもう一度同じ三十年を過ごすだろうか。
黙った大岳に喜太郎が僅かに心配そうな顔になる。
「怒った?」
「何で」
482運命の必然に関する二三の考察 3/4:2010/07/07(水) 00:32:21 ID:/fla+yaP0
「黙ったから」
「怒ってねぇよ」
「そっか」
「そうだよ」
「うん。そっか」
あからさまな安堵を喜太郎は浮かべはしなかった。大岳が真剣に怒ってみた所で、喜太郎には痛くも
痒くもない筈なのに、顔色を伺ってくるのはご機嫌を取りたいからじゃない。
例えば、この歳になっても二人は本気で喧嘩をする。演技論を巡って、口も利かなくなる程の大喧嘩に
なった事だってある。それは仲が悪いからじゃなくて、どれだけ喧嘩しても大丈夫だと知っているからだ。
本気でぶつかれる。ぶつかられても、受け止められる。五十歳を過ぎた時、大竹が戯れに「五十過ぎて
仲良しって思われるのも嫌だから、解散でもしようか」と言った事があった。才木も喜太郎もそうだね
と笑っただけだった。大岳は運命論者ではない。けれどもうこれは運命だったと諦めるしかない。
生きている間は、きっと離れられない。離れる離れないなんて、自分達で決める事じゃない。
離れてしまう関係なら、きっとここまで続いていない。
溜息をつきたかったけれど、ぐっと飲み込んで煙草の箱に手を伸ばす。
「んでさぁ、キスだけど」
「話戻すのかよっ」
危うく掴んだ箱を取り落としかけた大岳に、喜太郎がきょとんと細い目を丸くする。
「戻さないの?」
「戻してどうすんだよ」
「だってさぁ、折角振ったんだよ?」
「折角振って頂いたお話ですけどね、謹んでご辞退させて下さいよ」
「まぁ、そう言わずにさぁ、おーたけぇ」
「だからお前はどうしたいんだって」
「同意してよ」
483運命の必然に関する二三の考察 4/4:2010/07/07(水) 00:32:46 ID:/fla+yaP0
「はいはい、そうですね。したことないですね」
「どうしてお前はそう投げやりなの」
「お前が投げやりにさせる様な話題振るからだろうがっ」
前言撤回してやろうかと思ったけれど、ちぇーっとつまらなさそうな顔になった喜太郎を見ていると、
そんな気持ちもなくなってしまう。
「で、才木はまだなの?」
「俺に聞くなよ」
「遅刻は俺の専売特許なのになぁ」
「分かってんなら改めろや」
「遅れようと思って遅れてるんじゃないんだってば」
今日はしていないというのに、普段の遅刻の言い訳をすまなさそうに始めた喜太郎に、大岳は自然と
表情を緩めた。大岳自身は見えないから分かっていないが、それはひどく安心した様な、そういう
笑みだった。
大岳はふと先刻浮かんだ夢想の答えを得る。
もし今目が覚めて、才木と共同生活をしていたあのアパートで目を覚ましたとしたら、きっと同じ
三十年を辿るのだろう。どこかで道筋を違えたら、今目の前にいるのが、今自分達が待っているのが
別に人になってしまうかも知れない。
多分自分達はずーっとこのまんま。キスもしなけりゃ肉体関係も勿論ない、永遠の三角関係だ。
運命だから仕方がない。
そう心の中だけで呟いて、大岳は銜えた煙草に火を点けた。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
長年1人で萌えてます。仲良き事は美しき哉。
484風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:17:28 ID:GeaOSJ3Q0
>>480
すごい!彼ららしい空気感がなんともいえずよかったです。
永遠の三角関係ってところに感動。ありがとうございました。

こういうのが読めるから棚チェックは欠かせない!
485風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:27:34 ID:YunvQOHz0
>>480
まさか棚で彼らの物語が読めるとは!
会話がそのまま脳内再生されました有難う
486風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 02:00:39 ID:SzrD6JIK0
>>480
GJ!!
487風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 03:46:58 ID:gDNZvCY5O
>>480
見つけた瞬間悲鳴をあげてしまった…
ありがとう!!
488風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 07:16:20 ID:hgcuuqfi0
>>480
同じく悲鳴を…
ちょうどDVDボックスを買ったところでタイムリーでした
ありがたやありがたや
いいもの読ませてもらいました
489風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 14:40:09 ID:KvlO/VkX0
>>480
ナイス埋め&超GJ!
いいものを読ませてくれてありがとう
4901/2:2010/07/09(金) 20:51:41 ID:zqXFzpk40
穴埋め小ネタ。ヤマなし意味なしオチなし。『薔薇の下』3男×5男。『蜂蜜薔薇』時代。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

組み敷いた赤毛が俺の律動に合わせて揺れる。
同時に小さなうめき声も。
のけぞる肩を片手で押さえもう片方の手を腰に沿え、制止の声も無視し、
俺は、奴の、中へ、熱を解放した。


湯を浴び身を清めて戻ってくると上半身を起こしぼんやりとしていたライナスと目が合った。
「なんだ」
「いいえ、なんでも」
ふっと穏やかな笑みを浮かべライナスはのろのろと動き出した。
床に散らばった己の衣服を拾い、ゆっくりと身に着けていく。
シャツを羽織り、ボタンを留め、ズボンに足を通し、サスペンダーを留め・・・
「あの、そんなに見られているとやりにくいんですが」
眉根を寄せ苦笑する。お人よしを絵に描いたような表情。
無性に腹立たしくなり、後ろから手を引きもう一度ベッドに引き込んだ。
「っ・・・!グレグ、いきなり何をするんですか」
4912/2:2010/07/09(金) 20:52:22 ID:zqXFzpk40
抗議の声など無視し首に噛み付く。
ぎりぎりと肉を引きちぎらんばかりに。
「い、いたいいたい!やめてくださ・・・やめ、おい止めろって言ってんだろーが!!」
俺の頭を殴ろうと振り上げられた手が下ろされる前にどんっと思い切り突き飛ばす。
一瞬何が起こったのかわからない、といった間抜けな顔をした後、
状況を理解したのか思い切り睨みつけてきた。
「さっさと出て行け。ここは俺の部屋だ」
「勝手なことを・・・!」
「明日もあのおろかな庶子たちに知恵を授けてやるんだろう牧師様」
「あの子達は素直ないい子だ。そんな言い方は止めろ」
「俺はアルの決定には従う。だが認めたわけではない」
「くっ・・・」
そうしてライナスはさっさと部屋を出て行った。
扉がしまりきる前に、ちらりとこちらに目をやって。
その目に確かに憎しみが浮かんでいる事に安堵した。
「そうだ。それでいい」
俺もお前を憎んでいる。今までもこれからも。
どうかいつまでも憎ませてくれ。
俺にお前を許させたりしないでくれ。
俺を許したりしないでくれ。
いつまでも、俺にお前を穿つ理由を与えてくれ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!5ナンシテンモカキタイカモ
492風と木の名無しさん:2010/07/09(金) 22:49:11 ID:jm+Ykfxy0
>>491
元ネタしらないけど萌えた!GJ!
最後の1行がいいねー
良いもえをありがとう
493名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 00:36:36 ID:7Md5uBIA0
これで埋まるかな

次スレ
モララーのビデオ棚in801板59
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1278218230/


    ウァ゛ー  
    ∧ ∧γ⌒'ヽ
    (,, ・∀i ミ(二i
    /  っ、,,_| |ノ
  〜( ̄__)_) r-.! !-、
          `'----'


    ウェ゛?
    ∧ ∧γ⌒'ヽ
    (,・∀・ i ミ(二i
    /  っ、,,_| |ノ
  〜( ̄__)_) r-.! !-、
          `'----'
494名無しさん@そうだ選挙に行こう
テスト
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  (_  _)(___)(___)      / ̄ ̄ヽ
  (_  _)(__  l (__  | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ  }
     |__)    ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
         l⌒LOO (  ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
   ∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_,   _)フ 「 | ロ | ロ |
  ( ・∀・)、__)  ̄フ 厂  (_,ィ |  </LトJ_几l_几! in 801板
                  ̄       ̄
        ◎ Morara's Movie Shelf. ◎

モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。

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   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
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