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( ・∀・)、__)  ̄フ 厂 (_,ィ | </LトJ_几l_几! in 801板
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◎ Morara's Movie Shelf. ◎
モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。
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前スレ
モララーのビデオ棚in801板49
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1244286210/ ローカルルールの説明、およびテンプレは
>>2-9 のあたり
保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://morara.kazeki.net/
★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★
1.ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。
(1)長時間に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(
>>3-7 辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」〜「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。
※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、連投規制やスレ容量(500KB)を確認してスレを占拠しないようお願いします。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。
相談・議論等は避難所の掲示板で
http://s.z-z.jp/?morara
2.ネタ以外の書き込みは厳禁! つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。 ストーリー物であろうが一発ネタであろうが 一見退屈な感想レスに見えようが コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、 それらは全てネタ。 ネタにマジレスはカコワルイぞ。 そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは | いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね! \ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . | | | [][] PAUSE | . | ∧_∧ | | | . | ┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | | | . | | |,, ( つ◇ | | | . | | ||―(_ ┐┐―|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。 別に義務ではないけどね。 テンプレ1 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | モララーのビデオを見るモナ‥‥。 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| きっと楽しんでもらえるよ。 | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
テンプレ2 _________ |┌───────┐| |│l> play. │| |│ |│ |│ |│ |│ |│ |└───────┘| [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::] ∧∧ ( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧ / つ◇ ( ・∀・)ミ (` ) . (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒) | ┌‐^────────────── └──────│たまにはみんなと一緒に見るよ └─────────────── _________ |┌───────┐| |│ロ stop. │| |│ |│ |│ |│ |│ |│ |└───────┘| [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::] ピッ ∧_∧ ◇,,(∀・ ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ . (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒) | | └────────────────┘
テンプレ3 ,-、 //|| // .|| ∧∧ . // 生 || ∧(゚Д゚,,) < みんなで //_.再 ||__ (´∀`⊂| < ワイワイ i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜 | | / , | (・∀・; )、 < 見るからな .ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )! //:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..| . / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´ / ゙ / / / || | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\ | | / `ー-‐'´ | | ./ |_____レ" ,-、 //|| // .|| ∧∧ . // 止 || ∧(゚Д゚,,) < やっぱり //, 停 ||__ (´∀`⊂| < この体勢は i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜 | | / , | (・∀・; )、 < 無理があるからな .ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )! //:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..| . / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´ / ゙ / / / || | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\ | | / `ー-‐'´ | | ./ |_____レ
テンプレ4 携帯用区切りAA |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 中略 [][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン! 中略 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも | | ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ | ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送 | ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像 | ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ | ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像 | ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像 | ・意味不明、出所不明な映像の切れ端 \___ _____________________ |/ ∧_∧ _ ( ・∀・ ) |l8|と つ◎  ̄ | | | (__)_) |\ / ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 媒体も | 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど | 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。 \_________________________
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄| じゃ、そろそろ楽しもうか。 |[][][]__\______ _________ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | |/ |[][][][][][][]//|| | ∧_∧ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ ) |[][][][][][][][]_||/( )  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | (__)_)
>>1乙です! ID惜しいな…逆だったらネ申だったのにw
>>1 乙
早速使わせてもらいます
生(半生?)注意
オワラヒの怪物エソジソがやってるコント「ヒー□ー(ゴッドハソドよういち)」の設定で、
ゴッドハソドヨウイチ×オオバヤシです。微妙にリアルネタも混ざってます。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
沈みかけの夕日に赤く照らされた公園。 狭い敷地内に古びた遊具がいくつかあるだけのそこは昼間でも滅多に人の姿が無いのだが、 そのひっそりとした静けさゆえに、ヨウイチにとっては貴重な安らぎの場となっていた。 彼はゆるやかな風が吹くだけでもギイギイと大袈裟に軋むブランコの、 左右あるうち左の方に腰掛け、目に染みるほど鮮やかな茜色の空をぼんやり眺める。 表情に滲む疲労は色濃い。 祖父の家の蔵で見つけたブレスレットを興味本位で着けてしまった数ヶ月前、 その日からヨウイチは異形の左手と人知れず世界を護る過酷な運命をその身に負った。 左手のことは既に学校中にばれているし、戦っていることも一部には知られているが、 それでも世界中の多くの人々は、自分が少し前までごく普通の高校生であった存在に 日々命懸けで護られているのだということを知らない。 その事実はヨウイチの心に一抹の虚しさを与えるが、それでも彼は戦い続けている。 今日だって、ほんの30分前まで戦っていたのだ。 人に疎まれ嫌悪される醜悪な左手を武器に、世界を護るために敵を葬ってきた。 ──別に、そない張り切って護る義理もあれへんのになあ…… 左手に視線を落とし、内心でぽつりと呟く。無事に勝利したのに、心はちっとも晴れない。 戦いのあとはいつもこうだった。戦っている最中は、自分がこの世界を護っているのだという 使命感に突き動かされ、更には人とは違う運命が齎す非非日常的な高揚感にも手伝われ、 ヒーローとして振舞える。しかし、戦いが終わって日常が戻ってくると、ヒーローは まだ脆弱な16歳へと戻ってしまい、その狭間で、彼の胸の奥はいつもちくちくと痛んだ。
耳の奥に蘇るのは、自分を虐げるクラスメート達の声。左手が"こう"なったことで 皆から疎まれることになってしまった我が身を振り返ると、命懸けで戦うことが ひどく馬鹿馬鹿しく思えてしまう。ヨウイチは俯き、口からは重い溜め息が漏れた。 ──と、その時。 「左手バケモンのニシモリやんけ」 いきなり声をかけられて、ヨウイチは弾かれたように顔を上げた。すると視線の先に人影。 立っていたのは、自分をいじめている1人──むしろ誰より自分に絡んでくるオオバヤシだった。 「何しとんねん」 オオバヤシはゆっくりとヨウイチに近付き、正面に立つと、いつも通りの冷めた調子でそう尋ねた。 ヨウイチはふいと視線を逸らし、嫌いならわざわざ近寄らなければいいのにと内心でぼやきながら、 「ただの休憩」と小声で返す。そうしたあと、態度が悪いなどと言ってまた殴られるかなとも思ったが、 その不安は的中しなかった。代わりに、予想外の行動をとるオオバヤシを目の当たりにするのだが。 「……また、何やわけのわからん連中と戦っとったんか」 言いながら、オオバヤシは空いている方のブランコに腰掛けた。両足を地面につけたまま中途半端に漕ぎ、 ギイギイと音が鳴る。まさか進んで自分の隣に座るなんて思いもしなかったため、驚いたヨウイチは ぽかんと口を開けてオオバヤシを見た。そして、「答えろやボケ」と睨まれたため、慌てて頷く。 とりあえず彼には自分の境遇を知られているので、下手に隠す必要は無い。 一方のオオバヤシは、焦りのため必要以上にぶんぶんと頷くヨウイチを横目で確認したところで 「ふうん」と自分で訊いたくせに興味無さげな返事をした。それから、二人の間に沈黙が生まれる。
いじめっ子といじめられっ子の関係である以上、少なくともヨウイチにとって今この空間の居心地は最悪だ。 そもそもオオバヤシの意図が掴めない。クラスの誰より自分を疎んでいるくせに、何故わざわざ 接する必要のない今こんな風に近寄ってきて、しかもいつもみたいに苛めたりするのではなく 大人しく並んで座っているのか。本当にさっぱり分からず、ヨウイチは心の底から困惑した。 せめてこの沈黙をどうにかしようと思うが、自分が何かを言えばそれだけでまた睨まれそうな気がして、 ならばさっさと立ち去ろうと考えれば、余計にオオバヤシの怒りを買いそうに思えて結局なにも出来ない。 仕方なく彼は、どうか一秒でも早くこの空気から解放されますようにと天に祈った。 そんな心情を知ってか知らずか、オオバヤシは依然として冷めた調子で、再び口を開く。 「アホやろ」 「、え?」 「世界のためか知らんけど、そんなバケモンみたいな手ぇなってまで、何でお前が戦わなあかんねん」 「……、」 ヨウイチはゆっくりとオオバヤシを見た。オオバヤシはヨウイチを見ない。 だからヨウイチの視界に映るのは横顔だけ。だがこのとき彼は、こうやって横顔だけとはいえ オオバヤシの顔をちゃんと見るのはひどく久し振りのことになるのだと思い出した。 そして、ああそういえばオオバヤシはこんな奴だったとなんだかとぼけた感想を胸に抱く。 やたら手の込んだ髪型で、目が細くて色白で女受けする顔、でも手足、特に足が短くて筋肉質で、 あとそういえば今こうしてまじまじと見たことで気付いたが入学当初より少し太っている。 「ほんま、肉団子みたいやなあ……」 気付くとヨウイチはそんなことを口走っていた。それはもちろん頭に大のつく暴言であり、 オオバヤシを怒らせるには充分過ぎる。壊れたおもちゃみたいなぎこちない動きでオオバヤシは ヨウイチの方を向き、射殺すような鋭さで睨みつけた。
「誰が肉団子みたいやとコラ、ボケ」 普段より更に低い声で凄まれ、自分がとんでもない勢いで口を滑らしたと既に自覚済みのヨウイチは 左右にぶんぶんと首を振りながらとりあえず弁解を試みた。しかし極度の焦りが更なる失敗を招く。 「ちゃう、別に太ってきたからとかやないねん、入学式ん時から密かに肉団子みたいやなって思とってん!」 「入学式からて、結構長いこと思とったんやないか! お前ホンマしばきまわすぞボケェ!」 「いや、肉団子いうても悪口やなくて、むちむちしとってかわええなあぐらいの感じに受け取ってもらえれば……」 「思えるか! ほんでよう考えたら思えても嬉しないわ!」 「あ、ほな『ムキムキジョソレノソ』とかのがええかな」 「何やねんそれ!」 わざととしか思えない失言を重ねつつ、ヨウイチはさすがに今度こそ殴られると思い目を瞑った。 覚悟を決めて、歯を食いしばる。だがそのまま暫く待っても予想した痛みや衝撃は来ず、 恐る恐る目を開けると、元通り正面を向いたオオバヤシの不機嫌そうな横顔があるだけだった。 なんとなく拍子抜けし、ヨウイチはおどおどと様子を窺いつつ尋ねてみる。 「な……殴らんの?」 オオバヤシはちらりとヨウイチを見る。それから彼は、依然として不機嫌そうなまま、 しかし不思議と思ったほどは棘のない声でぼそりと答えた。 「ついさっきも戦ったとこやて言うとったからな」 「へ?」 「俺が殴らんでも、どうせそいつらのせいで怪我しとんねやろ……せやから今回は見逃したってもええ」 「……」 もしかして気遣ってくれているのだろうかと、ヨウイチは思う。思って、まさかそんなオオバヤシに限ってと すぐに否定する。だが、完全に否定することもできなかった。例え勘違いでも、思い込みでも、今ここで オオバヤシが自分を気遣ってくれたのかもしれないというその可能性に、確かに嬉しさを感じたからだ。
「……なあ」 「な、なに?」 「何でウンコのにおいやねん、その手」 「それは……僕にも、ちょっと」 オオバヤシはやっぱりヨウイチを見ない。前を向いている。ヨウイチも、オオバヤシの横顔から 視線を外し前を向いた。二人が見ているのは、地面も遊具も空気までも茜色に染まって見える公園の景色。 また、沈黙が生まれる。しかし今度のそれは、さっきと違ってヨウイチに居心地の悪さを感じさせなかった。 「あほくさ、帰ろ」 数分続いた無言の時間。それを破り、オオバヤシが立ち上がる。そして彼は、あーアホくさと呟き帰っていった。 「葬式とか出なあかんようなんのめんどいし、せいぜい死なんと頑張れや」 そう、一言だけ言い残して。独り言のような小さな声だったが、紛れもなくヨウイチに向けた言葉だ。 返事を待つことはしなかったし、ヨウイチの方も黙っていたが、ただ彼はさっき久し振りにちゃんと見た オオバヤシの横顔を思い浮かべながら、今のその言葉を心の中で何度も何度も繰り返した。 それから、友達と話している時などにオオバヤシが見せる笑顔も一緒に浮かぶ。 遠くから眺めたことしかないが、細い目を更に細くして本当に楽しそうに笑うあの笑顔は、 今ここで思い出しただけでヨウイチの胸をじわりと熱くした。そして、彼はぼんやりと考える。 ──戦って、世界護って、同時にオオバヤシを護っとることにもなるんやなあ…… ならばこれからもと思ったところで、──自分いじめる奴んこと護りたいて、どんだけマゾやねん俺──と 呆れもしたが、心は軽く弾んで虚しさも消えていた。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>12 前からすごく読みたかった…!
萌えました GJ!
>>1乙 携帯から投下します。 アニメ初代トラ/ンス/フォーマーで破壊大帝×防衛参謀 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガ オオクリシマース!
23 :
メガ×光波 :2009/07/08(水) 22:34:27 ID:MoL2cRKyO
それはつまらぬ捨て台詞だった。 今日も些細な抵抗を続けるサイバトロン戦士を圧倒的戦力―とはいってもこちらの戦力の殆どは意思を持たぬガードロボットであるが―でねじ伏せ、 さあ捕虜にするかスクラップにするかとレーザーウェーブのブレインサーキットが思案し始めたまさにその時、その言葉は投げつけられた。 「貴様のような、感情のない機械人形に何が出来るってんだ!」 一瞬、彼のその堅実なブレインサーキットは活動を停止した。 愚かなレジスタンスの言葉にいちいち反応していては、防衛参謀は務まらない。分かっていた筈なのに。悔やんでも遅かった。後に残されたのは、その一瞬の隙をつかれ敵の逃亡を許してしまったその事実だけであった。 400万年の長きに渡り、メガトロンに代わってセイバートロン星を支配し続けている、デストロン防衛参謀レーザーウェーブをサイバトロン戦士が知らぬ筈もなく、よもやガードロボットと勘違いしたわけではないだろう。 彼、レーザーウェーブも地球で戦っているデストロン達と同じれっきとしたトランスフォーマーである。 航空参謀や情報参謀に比べ目立たない存在ではあるが、そのスパークには主人である破壊大帝メガトロンへの厚い忠誠心と深い敬愛、そして普段決して表に出す事のない思慕の念が宿っている。 そのレーザーウェーブを何をもって、「感情のない機械人形」と言ったのか。…答えは自分がよく分かっている。レーザーウェーブは自嘲した。
24 :
メガ×光波2 :2009/07/08(水) 22:37:45 ID:MoL2cRKyO
「サイバトロンの侵入は未然に食い止めた。だが殲滅には至らず。追跡も考えたが破損箇所の修繕を優先した」 定期的に行われる地球との情報交換の場で、モニター越しの情報参謀へ淡々と状況を報告する。 「了解、メガトロン様ニ伝エテオク」 「サウンドウェーブ、メガトロン様は今そちらにいらっしゃるのか?出来れば…」 「メガトロン様ハ不在。スタースクリームト共ニ新兵器開発ノ材料ヲ集メニ行カレタ」 皆まで言わせずサウンドウェーブの単調な声がレーザーウェーブを遮った。 レーザーウェーブは心の内で苦笑する。元来メガトロンは行動派のリーダーであり基地にじっとしているようなタイプでないのは知っているが、今日ばかりはそれを少しだけ、呪いたくなった。もうどれだけ、お逢いしてないのだろう。 「そうか、分かった。メガトロン様に宜しく伝えておいてくれ」 それだけ言って通信を切った。レーザーウェーブはこの時だけ、感情を表さない、いや表せない自分に感謝した。もし自分がその他大勢のトランスフォーマーと同じく表情があったのならば、きっと落胆を隠せていなかっただろう。 広い通信室でレーザーウェーブは独りきり、物思いに耽っていた。 自分には表情がない。頭部に1つ、暗闇に鈍く光るアイセンサーは不気味に感じこそすれ、親しみやすさなど皆無だろう。 鼻も口もそれを補うセンサーがあるのみでレーザーウェーブには存在しない。機械の身には必要ないと言ってしまえばそれまでだが、とにかく人間並みに表情豊かなトランスフォーマーが多い中、彼はずっと少数派であったのだ。
25 :
メガ×大帝3 :2009/07/08(水) 22:41:48 ID:MoL2cRKyO
気にしたことがないわけではないが、気にしてもどうしようもない事である。サイバトロンからの評価など気にかける必要はない。今までに勝ち得たメガトロン様からの信頼。それだけが全てであった。 メガトロン、その名を反芻するだけで、スパークが疼くのが分かる。従順な仮面の下で焦がれて止まない、たった一人の、私の主。 そうだ、例えこの感情が表せずとも忠誠で示せば良い。スタースクリームのようにぶつかっていくことも、サウンドウェーブのようにしたたかに立ち回る事も出来ない、私の唯一の。 …いや違う。いつから忠誠は他者と比べる為の道具になったのだ。後ろ暗い考えを振り払うかのように首を振るレーザーウェーブ。だが一旦思考回路に染み付いたそれはなかなか消えようとしない。 メガトロン様は何故連絡を下さらないのか。私の事など忘れてしまったのだろうか。 セイバートロン星では、常にメガトロン様の側には自分が居た。遥か遠い青の惑星で、一体誰が、かつての自分の場所に居るのだろう。 精神プログラムが不安定になっているのを、ブレインサーキットに走るノイズで知る。自分で思った以上に、心が弱っていたようだ。 いけない、早く安定値に戻さなくては。分かってはいるのだが、思うようにいかない。悲しみを含んだ切なる願いは回路を苛むパルスとなり、どんどんレーザーウェーブを浸食していく。 メガトロン様にお逢いしたい、逢って想いをお伝えしたい。応えて欲しいなどとは思わない。ただ知っておいて欲しい、私にもこんな感情があるのだと。
26 :
メガ×光波4 :2009/07/08(水) 22:45:16 ID:MoL2cRKyO
事態は悪化する一方であった。この所の激務でロクに補給をしてこなかったのもいけなかった。 ブレインサーキットのノイズに反応して全身の回路が軋みだす。 なんて不様なのだろう!精神プログラムの制御すら出来ないとは。メガトロン様に見限られても文句は言えんな。 もはや自力での制御は限界に近かった。このままでは思考回路にバグが発生するのは時間の問題だろう。 「くっ…こうなったら…っ」 一瞬の判断で、レーザーウェーブは自らの意識を強引にシャットアウトした。浅ましい願望を垂れ流すブレインサーキットを半ば強制的にスリープモードへもっていく。 混濁する意識の中で、レーザーウェーブはまるで自分が泣いているかのような錯覚に捕らわれた。だがそれも一時の事、程なく彼の意識は完全に闇の中へと落ちていった―。 「さっさと起きんかこの愚か者めが!」 どれだけ意識が深い電子の闇に落ちようとも、その声に反応するのはもうすでに本能といってよいだろう。尊大で傲慢で、しかしレーザーウェーブを捉えて離さない重厚な響き。 跳ねるように飛び起きたレーザーウェーブ。慌ただしく点滅するアイセンサーに映るのは紛れもない我らがデストロンリーダー、破壊大帝メガトロンであった。 焦がれて止まなかった純銀の装甲を目前に、レーザーウェーブのスパークは狂喜に満たされる。だがそれも一瞬の事、有能なこの部下はすぐに自分の置かれた状況を理解した。 「ちょっと様子を見にきてみたら…セイバートロンを守護する立場にあるお前がこんなところでひっくり返っておるとは一体どういう事だ!」 デストロンの荒くれ者達をも竦ませるメガトロンの怒声が容赦なくレーザーウェーブを直撃した。
27 :
メガ×光波5 :2009/07/08(水) 22:48:54 ID:MoL2cRKyO
メガトロンとレーザーウェーブはデストロン軍団創立期からの付き合いであるが、だからといってメガトロンが彼に遠慮するなどということは全くない。 叱責の言葉も賞賛の声も、全てのデストロン兵士に等しく降り注ぐ。 レーザーウェーブがそれを不満に思ったことなど一度もなくむしろそんな主の一種の平等さを好ましく思っていたぐらいだが、今回ばかりは状況が悪かった。 彼の精神プログラムは悲観的な方向に大きく傾いており、いまだに修正されていなかったのだ。 「申し訳ございませんメガトロン様…もう二度とこのような事は」 「儂が訊いておるのはお前ともあろうものがなぜ、代行プログラムもガードロボットも作動させずに倒れていたのかということだ。敵に襲われた形跡もないし、ただのスリープモードにしては不自然過ぎる」 デストロンを統括するリーダーとして、セイバートロン星の管理を一手に引き受けるレーザーウェーブの異変を見過ごす事は出来ない。 引き下がる気など毛頭ないメガトロンに対し、レーザーウェーブは未だマイナスに傾いた思考回路に引きずられるまま心の迷宮をさ迷っていた。 エネルゴンの不足による動作不良と言い訳をする事も出来た。事実サイバトロンの度重なる妨害のせいで、地球からセイバートロン星へ送られてくるエネルゴンの量は決して満足したものではない。 だが故郷から遥か遠く離れた惑星で日夜エネルギー略奪に心血を注ぐメガトロンを前に、とてもそんな嘘はつけない。ならば伝えるか?この胸の真実を。 「申し訳ございません。…処罰は何なりと」 「レーザーウェーブ!」
28 :
メガ×光波6 :2009/07/08(水) 22:52:05 ID:MoL2cRKyO
言えるはずがない。400万年の時は孤独に慣れるのには充分だった筈だ。そして今、メガトロン様の存在は確かに此処にある。これ以上なにを望むというのだ。 きっとこの無機質な瞳は、私の浅ましい願望を覆い隠してくれるだろう。今までがそうだったようにこれからも。 「…そうか、あくまで言わんというのだな」 ついに呆れたような響きがメガトロンの声に混ざる。メガトロンに失望されるのは何よりも辛かったが、全ては自分が至らなかっただけの話だ。 例え補修点検係へ格下げされようとも甘んじて受け止める覚悟であった…しかしその時である。 「我らデストロンは欺瞞の民などと呼ばれる事もあるな」 「―?は、はい…」 唐突な話題にメガトロンの意図が読めない。戸惑うレーザーウェーブを尻目にメガトロンは言葉を続ける。 「だがそれは間違いだと思っておる。我々はサイバトロンのような綺麗事は言わぬ。 兵器として生まれた以上、力に忠実であり、そして力が生み出す欲望にも忠実でなければならぬ」 この言葉は鍵である、咄嗟にレーザーウェーブはそう思った。 強固な紫の装甲のさらに内部、スパークの中にある何重もの扉の先にひっそりと置き去りにした想い。それをいとも容易く暴いてしまう鍵であると。なのに。 「欲望を持たぬ者は、デストロンには要らぬ。つまらぬ建前のため己の欲望を偽るなどそれこそ愚の骨頂だと儂は考えておる」 淡々と言葉を続けるメガトロンから視線を逸らせない。真紅のアイセンサーに射抜かれて、全身の回路がジンと痺れたように動かない。 「レーザーウェーブ」 逆らうことを許さぬ支配者の声。それはまさに神の啓示に等しかった。
29 :
メガ×大帝7 :2009/07/08(水) 22:55:36 ID:MoL2cRKyO
「デストロンリーダー、メガトロンとして命じる。自身の願いに嘘などつくでない。そしてもう1つ、これはメガトロン個人としてだ。 …頼むからそんな泣きそうな顔をしてくれるな。儂の方までおかしな気分になるではないか」 レーザーウェーブのアイセンサーが驚愕に揺れる。先程の厳かな雰囲気から一転、メガトロンはチカチカと点滅する眼光を愉快そうに眺めていた。 「め、メガトロン…様…」 「何だ?わからぬとでも思ったのか?儂も見くびられたものだな」 ニヤリと不敵に笑う主人を認識した瞬間、引き寄せられ、抱きしめられた。 「地球には、目は口ほどにものを言う、という言葉があるそうだ」 メガトロンは言いながら、不安げに揺れるイエローの光を愛おしげになぞる。 「まさにお前の為にあるような言葉だな」 そのまま単眼の瞳に軽く口付けられた、それが合図だった。 「メガトロン様っ…メガトロンさまぁっ!」 メガトロンの胸部プレートへ頭部を押し付け、レーザーウェーブは泣いた。 もちろんトランスフォーマーは涙など流さないし、アイセンサーから冷却水がでるわけでもないがそれでもレーザーウェーブは泣いていたのだ。 「お慕いしております…、応えなど要りません。ただ、メガトロン様に知って欲しいのです。私は…私は…っ」 「よい、わかっておるわ」 抱きしめる腕に力を込め後頭部をさすってやると、レーザーウェーブが縋るように額を胸に擦り付けてきた。 こいつが甘えてくるなど珍しい、よっぽど思い詰めていたのだろう。 400万年の眠りから覚めた後、地球侵略にかまけてろくに連絡を取っていなかった事をメガトロンはすこし悔やんだ。
30 :
メガ×大帝8 :2009/07/08(水) 22:58:39 ID:MoL2cRKyO
深い眠りについていた自分に取って400万年という年月は実感のないものであったが、レーザーウェーブはそうではあるまい。 すまなかったと詫びるのは簡単だがレーザーウェーブは自分からの謝罪など望んではいないだろう。ならばどうするか… しばしの思案の後、メガトロンは唐突にレーザーウェーブの体を抱え上げた。そのまま簡易リペア台へと押し倒しその上に馬乗りになる。 「メガトロン様っ!?なっ、お戯れを…っ」 これから自分に起きようとしている事を瞬時に察したレーザーウェーブ。慌てて起き上がろうとするも、破壊大帝の力強い腕に押さえ込まれてはそれも叶わない。 「また妙な方向に思考回路が進まぬよう、みっちり教え込んでやるとしよう。覚悟しておれ」その時のメガトロンの、まるでサイバトロンを殲滅する作戦を思い付いた時のような悪辣な笑みを前に、レーザーウェーブのブレインサーキットは抵抗は無意味だと告げていた。 喜びと不安と期待と羞恥でエネルギーポンプが逆流しそうになりながら、レーザーウェーブはおずおずとメガトロンの広い背中に手を回したのであった。 ◎おまけ 「毎回メガトロン様ガ不在ト分カッタ時ノ落胆振リガ酷イ。見テイラレナイ」 「んなのまだいい方だぜ!俺が前にメガトロンのメッセージディスク届けた時なんざこっちが恥ずかしくなる位うっれしそうによー。やってらんねぇぜ」 メガトロンをせっついてレーザーウェーブの元へ送り出した後ひとしきり愚痴る、航空参謀と情報参謀であった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・)イジョウ、ジサクジエンデシタ! 実写に光波が出ますように!そして読んで頂きありがとうございます。
>>1 乙
お邪魔します。
実写版無宇で、銀行員×神父です
エンディングその後捏造
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
33 :
拘束1/8 :2009/07/09(木) 02:07:35 ID:cWFOQ0RO0
全身がとても重かったが、身動きが取れないのは違う理由からだった。 両腕と両足が拘束され、大の字のまま寝かされている。 両目も覆われていて視界が暗い。 病院でないことはそれで分かった。 刑務所の類でないことも、分かる。 匂いがする。 「気付いたか。」 声と共に近づいてくる気配。 足音。 その存在全てに安堵している自身を、もう諦めている。 何をされても、どんなことをさせられても。 俺は離れることなどできない。 「気分はどうだ神父様。…ああ、もう教会へは戻れないか。」 「…無事だったんだな」 「お陰さまでな。」 ぎっ、とスプリングの軋む無機質な音がして、匂いと気配とが濃くなる。 そばに、隣にいるのだ。
34 :
拘束1/8 :2009/07/09(木) 02:08:35 ID:cWFOQ0RO0
「どこか痛むか。」 「どうして助けた…」 「奴らに回収されて、お前にベラベラ話されでもしたら迷惑だからな。」 「そんな、ことしない」 「知ってるさ。…なんだ、愛してるとでも囁かれたかったか?」 「ふざッ…」 言葉と同時に脚を撫であげられ、身体が過剰に反応する。 「脚と、腕を折ったな。肋骨はヒビだ。大きく吸ってみろ、…痛むだろ。ここだ。」 薄い生地の上から触れられて、心臓が騒ぐ。 神経がすべてそこに集中するのを止められず、呼吸が浅くなってゆく。 強く押され、鈍く痛む。 「ぐ…」 「俺がお前に裏切られたときの胸の痛みはこんなもんじゃなかったなぁ、神父さん?」 「裏切ってなんか…!」 頬を張られて言葉が途切れる。
35 :
拘束3/8 :2009/07/09(木) 02:09:51 ID:cWFOQ0RO0
「……裏切ってなんかない…俺がそんなこと出来るわけ、ないだろ」 「それは、――そういう意味で?」 反応を始めている股間を揶揄され、しかしその言葉にもぞくぞくと背筋が震えた。 「本当にお前はどうしようもないな。この状況で勃つか?」 「、あ」 「勝手に感じてんじゃねぇよ」 蔑むように笑われて、その視線を全身に感じて。 どうしようもなくなって、腿を擦り合わせる。 止まらないのだ。 視界を塞がれても尚、足の指の先まで視線を感じる。 舐めるようなそれは俺にとって、その指で、舌で触れられることとなんら変わりなかった。 「っは、う…」 「…苦しそうだな。」 「んあ…ゆう…」 「どうした、発作かな?なあ?言ってくれなきゃ分からない。」
36 :
拘束4/8 :2009/07/09(木) 02:10:32 ID:cWFOQ0RO0
柔らかい声音でからかうように鼓膜までも愛撫される。 耳の中でドクドクと心臓が騒ぎ、呼吸もままならない。 は、は、は、は、と俺の無様な息だけが妙に響いている気がする。 「どうして欲しい。言ってみろよ。」 耳に直接吹き込まれた。 近い。 近い。 近い。 近い。 近い。
37 :
拘束5/8 :2009/07/09(木) 02:12:18 ID:cWFOQ0RO0
「あ…さわりたい…」 「…ん?」 「触り、たい、さわりたい、さ、触りたい触りたい触りたい、触りたい…ッ」 拘束されている腕を無理やり伸ばそうとして、折れているらしい左腕が悲鳴を上げる。 けれど痛みより触れられないことが苦しい。 ギッギッギッと耳障りな音がするたびに、腕が痛む。 同時にもどかしさでどうにかなってしまう。 「待てだ待て。落ちつけよ。折れてるんだから。」 頭の中は眼前にいるであろう男のことでいっぱいになる。 身体も満たしてほしい。 それだけになる。 だから待てと言われれば、従うことしか出来ない。 「良い子だな…ご褒美だ」 楽しそうな声と共に、唇に指先が触れた。 一瞬で離れてしまったそれを、意識するより先に舌が追いかける。 必死に舐ると、腰が溶けるように疼いて熱は上がる一方だ。 人差し指と中指で舌を擦り撫でられ、それだけで達してしまうのではないかと思った。
38 :
拘束6/8 :2009/07/09(木) 02:13:08 ID:cWFOQ0RO0
「んう…あ」 濡れた指が顎を伝い、首筋に流れる。 「触ってやる。触らせてやる。…満足だろ?」 「はあ、あ、はぁ…あ!」 「どこを解いてほしい。目か?腕か?脚か?」 他の誰にも触らせたことのないところを弄られる。 脇腹も脚の付け根も。 触られればどうしようもなく反応する。 「やめ…あ、」 「勝手に暴走して、こんな怪我して。馬鹿だなお前は…」 ヒビが入ったという肋骨に再び指が這った。 今度は直に。 ぐ、と押され、やはり痛みを感じる。 そして欲情する。
39 :
拘束7/8 :2009/07/09(木) 02:13:56 ID:cWFOQ0RO0
痛みも快楽も同義だ。 与えるもの全て俺にだけ向いていてほしい。 だから。 「復讐なんて…もうやめよう」 「……何度も言うが説教はもういい。黙れ。」 違う。 そうじゃない。 きっと俺の言葉が正しく伝わることはないんだろうなと思いながら。 その思考も、ぐずぐず蕩けていく身体と共に崩れてゆく。 「あし…あ、あしほどいて…」 「なんだって?」 「足とって…!」 「ああそれか。…目じゃなくて?」
40 :
拘束8/8 :2009/07/09(木) 02:17:48 ID:cWFOQ0RO0
嬉しそうな声音に、苛立ちながら涙が出る程に感じた。 「そういえば…確か前に一度あったな。両足拘束したままだと、上手く入らないんだっけ?」 言うのも聞くのも憚られるような猥雑な言葉が、行為の先を促したくて舌の上で暴れる。 それを奪い取るように、柔らかな舌が差し込まれた。 もう誰も殺すな。 もう誰も抱くな。 言えたら楽になるのか、もっと苦しくなるんだろうか。 今はとにかく気持ち良くなりたくて、ひとつに雑ざりたくて、必死に脚を絡めた。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!シリギレトンボ!キチクッテ、ムズカシイネ!
>>31 あああまさかの初代!!
もうこれ以上ないくらいに萌えた、これだ、私が探してたのはこれなんだよおぉ!!
感情の描写とかすごく良かった!本人は表現できてないつもりで周りにはだだ漏れとかもうね!
ありがとうありがとう、ロボにもっと光が当たりますように!GJ!
>>40 Gjすぎて歯磨き粉吹いたwktk!wktk!
>>40 GJGJ!
出勤前にいい話を見せてもらいました
ありがとう!
ツルツルに禿たまま出勤してきますw
>>43 おまおれwww
46 :
悪魔辞典 :2009/07/09(木) 19:37:17 ID:8S0bm5Bp0
>>1 乙
スレお借りします。
『デ/ー/モ/ン/ズ・レ/キ/シ/コ/ン』の弟×兄です。
1巻終了後で微妙にネタバレ気味。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
気配を消して動くことは得意だった。 いつものアランなら、それでもすぐにニックの存在に気が付いたはずだ。 こんな状況じゃなければ、きっと今も。 そしらぬ振りをして、アランの部屋の前を通り過ぎることもできた。 そうするのが普通だろう。頭ではわかっていた。あえてそうしなかったのは、どうぜ自分は 『普通』でないという皮肉めいた自覚と――漏れ聞こえた兄の声に、どうにも胸がざわつい たから。 そっと、細いドアの隙間から部屋をうかがう。 ベッドの上に、兄が座っていた。こちらからは、見えるのは丸めた背中だけ。それだけで、 彼が何をしているのか知るには十分だった。押し殺したような吐息と、かすれた声。 ぞく、と背筋が震えた。 なんだろう。ニックを首をかしげた。 この、感じ。正体のわからない、衝動。 言葉を扱うことは苦手だった。ましてや、一瞬の衝動に名前を見つけることなど。 ことさら大きな動きで扉を開けたのは、意識してのことだ。 ぎい、と。思ったとおりの音に、兄が弾かれたようにこちらを振り返った。そのはずみに、 兄の手元から床に何かが落ちる。 「……ニッ、ク」
掠れた声と、かすかに潤んだ瞳。弟の視線を受けて、その顔から血の気が引く。 兄がどういう状態なのか、ニックにわからないはずもない。たとえ本性がどうであろうと、 16年間は彼と同じ普通の男として生きてきたのだから。 「へえ」 弟のからかうような声に、アランの頬にさっと朱がさした。 「こ、これは、……その」 あのメリスにも、ブラック・アーサーに対してさえ臆することのなかった兄が、動揺も あらわに声を詰まらせる。それが面白くて、ニックは部屋の中へと足を踏み入れた。 ベッドの下に落ちていたのは、よくあるグラビア雑誌だった。取り立ててそういう用途に 限定したものではないけれど、兄はどんな顔でこれを買ったのか少しだけ興味を覚えた。 こちらに越してきてからも、アランは本屋で働いている。そこで手に取ったのかもしれない。 背をかがめて雑誌を拾いあげる。おい、という兄の声を無視して開いていたページをみると、 露出度の高い格好をした女性が挑発的なポーズをとっていた。その女性に知り合いの面影が 重なる。 髪の色こそブロンドだが、これは。 僕は誰かに愛されたいんだ、と。 いつか、そう言ったときの兄の声を思い出す。 愛というのが何なのか、ニックにはわからない。 ニックには決して与えられない、理解さえも不能なもの。 わからない。どうしてそれを、アランが欲しがるのかも。 「ふうん……なるほどな」 思いのほか冷たい声になったのは、意図したわけではなかった。
「ち、違う」 「何が違うって?」 お見通しだよ、と言外に告げる。 アランが片思いをしていた、ピンク色に髪を染めた女性。 「返してくれ、ニック」 返して、そのまま出て行ってくれ。 兄がそれを望んでいることはわかっていたが。 「なんで? これから続きでもするのか」 彼女のことを思い出して? 「ば……」 ばかなことをいうな、とでも言いたかったのかもしれない。怒りと羞恥がない交ぜになった ような、そんな顔で。ニックにとって、兄のそんな表情はひどく新鮮だった。 ――もっと。 ふいに覚えた衝動。 ――もっと、しりたい。見たい。 温かい感情をもたないかわりに、欲望に正直。それがニックの本性だ。 どうして心の声に逆らう必要がある? 別に、彼を傷つけようとしているわけじゃない。さっきまでアランが自分でしていたことを、 代わりにしてやろうというだけ。 自分でするよりずっとよくしてやるのに、文句なんてないだろう? 両の手をアランの薄い肩に置き、そのまま押す。急な動きにそのままアランの背がベッドに 沈んだ。
「ニック、何を――」 片手で肩を押さえたまま、もう一方の腕を下に伸ばす。兄の声に焦りが滲むが、ニックは 構わずに続けた。 無造作に兄のスウェットの中に手を入れる。指先がそれを捉えた瞬間、ひ、とアランの喉 から引き攣れたような音が漏れた。 「あ、っあ、だめだ……」 「どうして。気持ち良いんだろ?」 手の中に捕らえたものの反応で、それはわかる。 自分のもの以外に触れたのは初めてだったが、嫌悪感はなかった。探るように指を動かす。 「や、ああ、ニック、やめ」 アランの声に、隠し様のない艶が滲んだ。体をのけぞらせ、喉が無防備にさらされる。 「ほら、な」 あ、あ、という切れ切れの悲鳴。 女の嬌声とは違うのに、耳に快く響く。 自分が兄にこんな声を出さえたのだということに、強い満足感を覚える。 眉間に刻まれた皺。声を漏らさないようにと堪えているのか、唇が小刻みに震えている。 ぎゅっと閉じた目尻に、涙が溜まっていた。それを舌で舐めとると、兄がひくりと喉を 鳴らした。
甘い、と思うのは何故だろう。人間の涙は塩分を含んでいるはずなのに。 熱を帯びた体を煽るように、アランの喉を唇で辿りながら、彼のものに触れている 指で強く刺激を与える。 「あ、あああ、も、ダメ、だッ……は、なせっ……頼む、からっ」 兄に懇願されると、どうしても従いたくなる。 けれど、今は。 それ以上に、自らの奥底から突き上げてくる欲望に逆らえなかった。 「ニッ…ク、やめ、……も、う」 「いいから、出せば」 「よ、よく、な……ああっ」 鎖骨のくぼみを舌で探る。たまらないとばかりにアランが身を捩った。 「いい加減あきらめろよ」 「や、だって、ニック、こん、な……んうっ」 自分のちょっとした動きで、兄が過剰なまでに反応する。 それが楽しくてたまらない。 「ほら――。出しちまえって」 きゅ、と指先で敏感なところを強く触れる。煽る。 「ん、んんッ……」
アランは強く唇を噛むと、一際大きく身を震わせた。 手の中の感触で、彼が達したことを知る。 「ふ……うっ」 吐息とともに、兄の体が弛緩した。それを見届けて、そっとアランからはなれる。 彼のものに触れていた手のひらには、あきらかな快感の証拠があった。ニックの手によって、 兄に吐き出させたもの。 「ほら、よかっただろ」 つ、と舌で白いものを舐める。 「お、まえ……」 顔を上気させて、アランが身を起こそうとする。けれど力が入らないのか、がくりと腕が 折れて、またベッドに沈んでしまった。 アランはそのまま、ふて腐れたようにニックから顔を背けた。 いや。それは、どうしていいのかわからない、という顔だった。どんな目で、弟を見ていい のかわからない。そんな。 「アラン?」 兄は答えない。 彼がこちらを見ようともしないことに、ふいに不安を覚える。
もしかして。自分は、ものすごく大きな間違いを犯してしまったんだろうか。 この兄に、二度と受け入れてもらえないような。 「なあ。手伝ってやったんだろ」 「……そんな必要、なかった」 少し掠れた声だったが、答えが返ってきたことに少しだけ安堵した。 耳にしていると、もう一度手を伸ばしたくなるような。 そんな声だったけれど。これ以上兄を困らせたくはなかったので、我慢する。 「仕方ないだろ。おれが、そうしたかったんだ」 「なんで、そんな」 兄の問いに、ニックは考えた。 答えを探そうとしたのだ。けれど、どうしてもうまい言い方が見つからない。 言葉というのは難しい。結局ニックは諦めるしかなかった。 「……さあ」 わかるのは、ただ。 そうしたかった、というだけで。 「けど、さ」 ニックはベッドの端に放りだしたままだった雑誌を手にとると、無造作に兄の方へ 投げた。ばさりとグラビアページが開く。 あの女に似た『彼女』が、ニックに向かって微笑みかけた。 「コイツを使うよりは、ずっと気持ちよかっただろ?」
54 :
悪魔辞典 :2009/07/09(木) 20:05:45 ID:8S0bm5Bp0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 改行数間違えてました…orz
オリジナル・現代もの。(保管庫42〜44・48巻の余話・前編)エロは後編。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! コンドームをつけることを俗にゴムをつけるという。 だがゴムの時代はもう終わった。ゴム製コンドームが誕生したのは1844年。 2009年7月現在、国内シェア1位のコンドームは、 コンドームのCこと(株)志井商事のゴムじゃないコンドームだ。 ポリウレタン製の特殊フィルムを使用したコンドームは薄さ0.02ミリ。薄く強く熱を伝える。 薄いから着用感がない。強いから薄くても破れない。「熱を伝える」はぬくもりをもたらすに通じる。 かつてはゴムの分厚さに阻まれて、ペニスで感じることのできなかったパートナーの中のあたたかさを ゴムじゃないコンドームは瞬時に伝える事ができる。はやい話、生で挿入しているみたいなのだ。 その自然さは海外でもヒットし、志井商事はゴムじゃないコンドームの輸出でこの国に外貨をもたらしている。 しかしながら、日本人の多くがコンドームをつけることを未だにゴムをつけると言う。 「ゴムをつける」ではなく「Cをつける」という言葉をはやらせたい。 志井商事の若き専務・志井風雅(シイフウガ)にはそんな野望がある。 「C」とは志井商事の主力商品・ゴムじゃないコンドームの商品名だ。 特定の商品名が普通名詞化するのは稀有なことだがそれなりに前例はある。 食品包装用ラップフィルム=サランラップ、ステープラー=ホッチキス等々。 そんな風にコンドーム=「C」と呼ばれたい。だが野望は未だ野望のままだ。
平成になってからセックスのカジュアル化が進んだ。セックスがカジュアル化するのはかまわない。 自我がきちんと確立したうえで大人の判断としてカジュアルセックスを楽しむのは大いに結構だ。 問題なのはセックスのカジュアル化に伴う中出し! 自分と相手を大切にできない者同士の無防備なセックスだ。 志井風雅は手元の「薬事工業生産動態統計調査表」に目を落とした。 コンドームの出荷率は漸減傾向をたどっている。 中出し=コンドームを使わないセックスが増えれば、コンドームの販売数は減る。 志井商事的には由々しき問題だ。 それだけじゃない。コンドームの出荷率減に伴いSTDの新規感染者は増えている。 志井風雅は悔しい。性感染症の予防は大事で、それにはコンドームの着用が効果的なのに、 この世界にコンドームが広がらない。 挿入前に装着。それだけで守れるものがあるんだと叫びたい。 「性」と病気に関する正しい知識を伝えたい。予防法の啓発と普及と共に自社のコンドームを売りまくりたい。 「ゴムをつける」ではなく「Cをつける」という言葉をはやらせたい。暴利をむさぼりたい。 志井風雅はそんな野望に、利潤の追求に生きている。 風雅の父である志井商事社長・志井高雅は、「既存のコンドームを多売する」のは頼もしい息子にまかせ、 新商品による売り上げアップを狙い、オナニー専用及び男同士専用のコンドームの開発に勤しんでいる。
特に力を入れているオナニー専用コンドームの開発準備室室長には、 古今東西のオナホールに造詣が深い、風雅の双子の弟・典雅(テンガ)を抜擢した。 オナホとオナニーをこよなく愛しているオナホコレクターの志井典雅を、 コール社(本社:ドイツ/インゲルハイム)の日本代表はオナホのソムリエと呼んでいる。 メンテナンスの楽なオナホールを新商品として打ち出したい、オナホの生産・販売数世界1位のコール社と オナニー専用のコンドームをつくりたい志井商事は、現在オナニー専用コンドームと コンドームをつけた方が気持ちよいオナホを共同開発している。 コール社は電動オナホ−ルから、いささか不気味な代物まで、さまざまなオナホを扱っている。 2・3回使えばだらしなく口を開く、簡易低反発のキッチュで安いジョークグッズもあれば、 WHO認可取得の衛生面に特化した1デイズの使い捨てオナホもある。 1デイズの使い捨てオナホはもともと志井商事のオナホ部門が開発した商品だ。 コール社にオナホ部門が売却された為、いまはコール社の名前で売られている。 使い捨てに勝る衛生的なオナホない。毎日新しいは毎日気持ちいいに通じる。 だが一部のマニアなリピーターは、このオナホの衛生面の高さよりも スピリチュアルな使用感を評価しているらしい。 開発に関わっていた志井典雅は確信している。マニアに受けたポイントは、 含水率の高い特殊素材の持つ妖しい柔らかさ及び艶かしい吸着性と、 オナホの内側に植毛した直径8ミル(0.20o)の特殊加工毛だ。
素材の特色をそこなわず、オナホにエロくて気持ちいい極細の毛をはやしてくれたのは、 化繊と植毛のプロで志井と深い仲だった三鷹という技術者だ。 三鷹と志井は一度別れた後、ヨリを戻し再びステディな関係になったが、 三鷹が運命を感じられる男とめぐりあったため、志井は三鷹の傍に居続ける事を諦めた。 志井と別れた三鷹は一目惚れしたノンケの男=運命の男にさりげなく自分を売り込んだ。 他人から友人にのし上がり、友人から親友になった。親友から大親友になれた時、 ビバーク地に到着したと思った。 ハッピービバークの先に頂上が見えた。てっぺんまでもう少し。大親友から恋人になれたら 濃くて細やかなエッチをしようと決めていた。なのに、はやる気持ちを抑えながら、 急傾斜の続く道なき道を着実に登っていた最中、 突如上空にヘリで表れロープで降下してきたみたいな肉食系女子に、大親友をかっさらわれた。 一寸先は闇だ。まさか、結婚式に招待されたうえ、 友人代表でスピーチをするはめになるなんて思ってもみなかった。 当日、三鷹はブラックスーツにアスコットタイをあわせ、タイと同色のポケットチーフを挿し、 とても綺麗に磨いたブロウバーの伊達眼鏡をかけて式に臨んだ。 動揺を隠し、ビシッと決めたかった。 ギリギリ精一杯の強がりで洒脱なスピーチをした。ビッグスマイルで新郎新婦におめでとうを言いながら、 熱い涙がパラパラッとはしりそうになった。流すわけにはいかなかった。必死で堪えた。
三鷹は自分の事をもっとずっとカラっとした、懐の深い男だと思っていた。でも違った。 彼の幸せを祝えない。事もなげにからりと笑うことがどうしてもできなかった。 いまは晴れやかに笑うんだと腹の底で決め、無理をして口角を上げた。全身の力を使った気がした。 口元がゆがんだ笑い方にならないように、目が死なないように心を配った。 ずっと好きだった男が結婚する……。 新郎新婦のプロフィールスライドショーを見ながら、 夫婦の間に入っていく男、略して間男にはなりたくないと思った。 だけど新郎への気持ちを昇華できない。男らしく諦められない。 ワッと泣き出しそうな自分を叱咤しつつ、三鷹は式の間、目元に笑いを、口元に笑みを浮かべ続けた。 腐って泣きたい気持ちをおさえ、二次会では明るく頼もしく幹事をした。 二人の新しい門出を祝い楽しいパーティにするべく盛り上げた。 立て付けの悪い戸みたいに心が軋んだ。HPを使い果たした。三次会は中抜けした。 まっしぐらに自宅に帰り、スーツの上を脱ぎ捨てた。 片手でむしる様にタイを解き、カフスを外し、サイドテーブルに伊達眼鏡を放る。 限界だった。口を歪めて自分を嗤い、三鷹は格好悪く焼酎の杯を重ねた。 酒気帯びの溜息を吐きながら、とうもろこし焼酎を煽る。
焼酎とは思えない豊かなトウモロコシの香りに、新郎と親しくなるのに夢中だった間は、 キレイに忘れていた志井のことを思い出した。 志井も自分と同じでトウモロコシを使用したうまい酒が好きだった。 ストレート・コーン・ウイスキー派だった三鷹に、とうもろこし焼酎を教えてくれたのは志井だ。 二人してショットバーのカウンターでグラスを傾けていた夜、志井は隣の三鷹に言った。 「コーン・ウイスキーが『荒野の七人』なら、とうもろこし焼酎は『七人の侍』だ」 無口な志井がはじめてしゃべった長いお言葉がそれだった。 目を据えて、見つめ続けないとわからないくらい微かな笑みを口元に浮かべて、 志井がそう言ったのを三鷹はしっかりと覚えている。 無愛想な男がフッと浮かべた、微かだけれどまぎれも無い笑みにドキッとした。 下戸そうな顔して意外と飲むのに驚いた。 オナニーなんてしなさそうな貴婦人然とした雰囲気に反して、オナニー好きのオナホ通なのがツボだった。 あれこれと思い出しながら志井を恋しいと思った。たまらなく会いたい。 寂しさからくる一時的な感情かもしれない。 それでも、ずるい男に成り下がって、自分が振った美しい男に甘えたかった。 誘っても無下に断られない気がする。きっとまだ志井は自分を好きでいてくれている。 自惚れ屋の三鷹には、志井の中で自分が「過去の人」になっていない自信があった。 三鷹は金沢在住で志井は東京都民だ。パッと会いに行くには距離がある。 あしたの陽がのぼるのを待って会いに行こうか。酔いの回った頭でそう思った。
だけど三鷹はギリギリ踏みとどまった。また、同じ事を繰り返したくない……。 もともと三鷹にとって志井は「繋ぎの男」だった。運命の人にめぐりあうまでの仮の恋人。その程度の存在だった。だから、志井に別れ話を切り出されたときも、 「マジで? じゃあな」と簡単に別れることができた。 漠とした、しかし大変大きな喪失感に唖然としたのは、別れた後の事だ。 音信不通になっていた志井と奇跡の再開を果たし、めでたくヨリを戻せたとき、 「かけがえのなさ」が胸にしみじみと沁みた。「繋ぎの男」なんかじゃなかった。 気がつけてよかったと心の底から思った。 にもかかわらず、新しい出会いにときめいた三鷹は、自分の都合で志井との縁を断ち切った。 「バイバイ」は、簡単に言えた。 そして、追いかけていた男が結婚したいま、寂しさから再度志井を求めている。 志井の「かけがえのなさ」にあらためて気がついた。もう一度ヨリを戻したい。 我がまま過ぎる自覚はある。みっともないとも思う。でもやり直したい。やり直せる気がする。 だけどわかるのだ。例えやり直せたとしても、それは一時的。ヨリを戻せたとしても結果は同じだ。 自分は志井だけを見ていられない。きっとまた誰かに夢中になる。また同じ事を繰り返す……。 志井を巻き込んではいけないと強く思った。 いま、会いに行きたい。花束を抱くように抱きたい。けれど自分とヨリを戻すことが 志井の幸せに繋がらないなら、復縁すべきじゃないと頭でわかった。 だから三鷹は志井に会いにいくのを堪えた。
恋愛以外にいま頑張るべきことが何もないわけじゃない。 三鷹には心から打ち込める仕事がある。かけがえのない仕事があるということは、 かけがえのない伴侶がいるのと同じくらい贅沢な事だ。 三鷹はいま人造毛で蒔絵筆をつくっている。 平成20年、国会で伝統芸能を支える道具をつくる原材料及び技術者の減少が議論された。 三鷹の地元石川県では輪島の蒔絵職人たちが、蒔絵筆の入手に苦心している。 蒔絵筆に使われるのは、水毛と呼ばれる琵琶湖周辺の湿地にすむ鼠の背中の極細毛だ。 キューティクルを持たない水毛の表面構造と際立った毛先の細さが、そして腰の強さが、 漆の流れを調節する。細く張り詰めた直線を引く事ができるのは、水毛に鼠筆の精が棲んでいるからだ。 しかし琵琶湖の鼠は減った。琵琶湖といわず葦の原にすむネズミの水毛なら良質の筆になるのだが、 近頃のねずみ達はほぼRC造のビルの隙間を往来しているため、 背中の毛はコンクリートで擦れて荒れており筆に適した水毛が得られない。 原料となる毛の入手は困難を極め、筆職人の高齢化も進んでいる。 この由々しき事態を打破すべく立ち上げられたのが、産学官で構成する人造筆共同研究開発プロジェクトだ。 三鷹は化繊と植毛のプロとして地元の産業を支えるべくプロジェクトに参加した。 輪島塗は永遠に不滅だ。決して廃れさせない。筆は俺がつくる。三鷹はそう心に誓っている。 三鷹が焦がれている新郎は輪島の若き蒔絵職人だ。彼の描く蒔絵に三鷹は装飾性と遊び心とアニミズムを感じた。 一目で惚れた。彼が凛と張り詰めた直線を変わることなく描ける筆をつくりたい。 三鷹を突き動かしているのは地元の産業を思う気持ちだけじゃない。 研究者としての探究心だけでもない。「彼の為に」という私情がたっぷり入っている。 (俺が造筆に携わった筆を手にあいつが蒔絵を描く) いつか訪れるその日を、そのエロスを思うだけで、三鷹はいけそうな気がする。
たぬき、鹿、猫。じゃこうねずみ、ビーバー、ヌートリア。 現在、鼠の水毛にかわる獣毛の研究や筆に適したネズミの飼育が、 人造毛の研究開発と同時に進められている。けれど三鷹は化繊の力を、 特殊加工したナイロン6:{CO・(CH2)5・NH} nの可能性を信じている。 蒔絵師が求めてやまない村九(むらく)と呼ばれる筆・村田九郎兵衛の赤軸本根朱筆と 寸分たがわぬ穂先を持つ筆を、石油から精錬される化学繊維で再現してみせる。 三鷹はかつて勤めていた歯科衛生研究所で、六六六(ミロク)というデザイナーが考案した 360度ぐるっと毛のある歯ブラシを具現化するべく、3.6 ミル(0.09o)の極細・特殊加工毛を開発し、 歯ブラシに植毛させた実績を持つ。志井商事では、微細な加工を施した8ミル(0.20o)の 極細繊維をオナホの内側にもっさり施した。細い毛をつくるのも植えるのも大得意だ。 けれど、寒月の冴えた月のような張り詰めた直線をすぅーっと引くには、細いだけじゃだめだ。 腰が強くなくちゃいけない。ほどよく漆を含みつつ、先端には含みすぎず、 細い細い毛先に漆が適度に下りていくことも求められる。 どんな表面構造ならそれが可能になるのか、解像度の高い顕微鏡を覗き込む日々の中で、 三鷹たちのチームはクリンプ毛(縮れ毛)で液をしっかり溜め、 ストレート毛で伸ばす事を思いついた。 穂先の太さは直径0.8o、長さは25o。毛の形状はクリンプとストレート。 それが三鷹たちが辿りついた答えだ。
けれどクリンプ毛とストレート毛を何パーセントずつ混ぜるか、 毛、1本1本の直径は何ミルがベストなのかは模索中だ。 三鷹は、6ミル(0.15o)のストレート繊維を35%、 3ミル(0.075o)のクリンプ繊維を65%混ぜるのがベストじゃないかと思っている。 繰り返し実験をして確かめたい。だから、あしたの日が昇ったら研究所に行く。 志井に会いに東京には行かない。 三鷹はとうもろこし焼酎をぐっと煽り、なかなか明けない眠れぬ夜をやり過ごした。 三鷹の携帯にドイツから写メが届いたのは、酔いを引きずったまま出社の準備をしていた最中で、 送信者は気心の知れた友人にして穴兄弟の五代だった。 添付されていた志井と六六六の睦まじいツーショットを見た瞬間、酔いが覚めた。 「常務がコールの本社に来た。元気そうだろ。常務には六六六がついているから大丈夫。安心したか?」 五代は志井のことを未だにかつての役職で呼ぶ。 メールをみながら三鷹は志井を捨てた直後、五代に志井の様子見を頼んだのを思い出した。 心と体の震えにはセックスが効く。三鷹はそう信じている。 だから、自分に振られたことで志井が弱っていたら、あたたかな心の交流の伴ったセックスで 元気付けて欲しいと思い穴兄弟の五代に頭を下げた。まじめに頼んだのだが、五代には 「あんた、おこがましいよ。常務に対する配慮がまるでねぇ〜」と笑い飛ばされた。 結局その話はそれっきりになっていたのだが、五代は三鷹が志井を気にかけていたのを覚えていてくれたらしい。 様子見にこそ行かなかったようだが、出張でコール社を訪れたらしい志井を撮って、近況を教えてくれたのは、 五代なりの真心なのだろう。だけど、あまりにもタイミングが悪すぎる。 運命を感じていた男の結婚式の翌日に、志井と六六六ができていることを 匂わすような写メを送ってこなくてもいいんじゃねえ……!?
4円
支援?
支援
(・∀・;)連投規制にひっかかりました。 4円ありがとうございます。ご迷惑をおかけしてすみませんでした。 きっとまだ志井は自分を好きでいてくれている。自惚れやの三鷹は本気でそう信じていた。 六六六と志井が懇ろな仲になっているなんて想定外だ。 自分で別れの原因をつくっておきながら、どうして志井がまだ俺を好きだなんて思えたんだろう……。 自分の思考回路の恥ずかしさに今更ながら気がついた。 だけどでも、志井には六六六を拒んで欲しかった。ずっと自分を好きでいて欲しかった。 連発の花火の夜も、いつもの場所で静かに光る星みたく、純な、変わらない気持ちを 一方的に期待していた……。自惚れていた。 穴があったら入りたい。きっと土の中は暖かい。蹲って埋まって越冬したい。 志井が元気そうで良かった。こころからそう思う。 でも、去った男への未練を想起させる、憂いを帯びた表情が見たかったのも本当だ。 憎や、恋しや、と病んで、辛や、重たや、我が恋ながら…と、激ヤセしていて欲しかった。 最低なのは百も承知だ。でもそっちの方がよかった。そしたら、まっしぐらに駆けていけた。 ごめんと言って強く抱く。離しはしない。だけどもう、どうやら帰還する先はないらしい。 心に穴が空き、三鷹は自嘲した。自業自得だ。仕方ない。無性に嗤えた。嗤いながら泣けてきた。慌てて拭った。 泣く必要はない。仕事がある。泣いている暇は無い。仕事がある。それがせめてもの救いだ。 三鷹はジャケットをはおり、腕時計をはめ、伊達眼鏡をかけて出社した。 研究所で実験に没頭していたら、昼過ぎ、五代からまたメールが届いた。 「週末、出張で東京。仕事終わったらそっちに飛ぶ! 小松空港までむかえに来てよ。一緒に飲もうぜぇ〜」 たわいもないメールだった。胸をえぐる写真も添付されていない。 男同士の酒は旨い。五代と酌み交わす気を使わない酒は、きっといい気晴らしになる。 わざわざ東京から金沢まで足を伸ばして、自分と飲みたいと言ってくれる五代の気持ちも嬉しかった。 了解と送信したときは、まさか穴兄弟の五代と体の関係を持つなんて思っちゃいなかった。
これまで、セックスをする友達はたくさんいた。 だけど友達とセックスをしたのは初めてだ。 いい感じに焼けた肌。ブリーチした髪。引き締まった腹と胸。端整だが軽薄そうな容姿。 耳にピアス指にリングは当たり前。3連ネックレス&ラバーブレスが大好きで、 じゃらじゃら揺れるウォレットチェーンもお約束。五代の第一印象はチャラい男だった。 趣味はサーフィン、得技はべろチュウ。はじめて会った日、本人からそう聞かされ「らしいな」と思った。 女もいいけど最近は男派で、筋トレに命かけてる風なゴリマッチョをあんあん言わせるのが一番好き。 そうカミングアウトされた時はさすがに驚いたが、それだって、一緒にオナホをつくっていた際、 五代の金型図面おこしの速さに目を見張った時に比べればそうたいした衝撃じゃない。 チャラいサーファーないしギャル男なホストを想起させる見た目からは、 とてもそうとは思えないが、五代は精密な金型設計・製作から巨大な工場の設計までを さらっとこなす天才の類だ。 三鷹が知る男の中で一等聡くて軽い。一緒にいて楽な友達、それが五代だ。 土曜の夕方、三鷹は小松空港に五代を迎えに行った。 酒とつまみを買い込み、三鷹のマンションへ。三鷹の部屋には黒塗りのグランドピアノがある。 幅158p、高さ102p、奥行き276cm、重量500s。フルコンサート用グランドだ。 「上がれよ」 三鷹は屋根を閉じたグランドピアノの上に五代を招いた。 五代はピアノの上にあがるのも、ピアノの上で酒盛りをするのもはじめてだ。 ピアノ好きなら眉をしかめるだろうが五代はそういう事を気にしない。 先に上に登った三鷹が差し伸べてくれた手を取り、喜々として上がりこんだ。 缶チューハイやビールの空き缶、灰皿と煙草、食べかけの軟骨の唐揚げ、ソフトさきいかに柿ピー、 カイワレを散らしたポテトチップスに、青じそドレッシングをかけた三鷹のオリジナルサラダなどで、 ピアノの上はあっという間に乱れた。
五代は右肘をつく肘枕、いわゆる涅槃のポーズで長々と寝そべり缶チューハイを飲んでいる。 三鷹は寝そべっている五代に、ビールを6缶空けながら、惚れた男が結婚したことから、 志井がまだ自分を好きでいてくれていると自惚れていたことまでうだうだと語り自嘲した。 「まいってるね〜? 癒してあげよっかぁ?」 ニヤリと笑って「♪甘いお菓子をあげましょ〜 抱いてあげましょ〜」と名曲を口ずさむ五代を 「俺、バリタチなんで」と受け流し、三鷹は不敵な笑いを浮かべた。志井と竿姉妹になる気はさらさら無い。 「え〜!? 前から一度、お手合わせ願いたかったんだけどな。まいってるときが時は今でしょ」 五代には「バリタチの友人」が自分のテクで激しく果てるところを見たいという願望がある。 「お前、どこまで節操ないんだよ」 学生時代アメフトで鍛えた、それなりに重みと厚みのある自分をピアノの上に押し倒そうとした五代を 両手両脚で押し返しながら三鷹は苦笑した。 「お前と寝るのはマジ勘弁。友達でいられなくなりそう」 「小難しいこと考えんなよ。 三鷹も男同士のカジュアルセックス好きだろ?」 「まあな……」
五代を押しのけ、煙草に火をつけ深々と吸い、三鷹は低く笑ってから言った。 「彼女いたこともあるけどさぁ、男に夢中になんのは、気持ちよさが男>女だからだもんなぁ」 「そうそう、存外に」 五代は忍び笑いをし、女の子より締め付け感が凄い、男の方がイッたのがわかりやすくて萌える、 責任持たなくていいからお後もいいと、指折り数え 「と、いうわけで!」と三鷹を見た。 「と、いうわけで。じゃねーよ」 苦笑ひとつ灰皿に煙草を押し付けると三鷹は言い切った。 「俺は息子にしたい放題させてきたヤリチンなんですぅ。そこんとこよろしく、な?」 下になる気はない。だが、五代は三鷹の主張をまったく無視して、指輪を外し、ブレスを外し、 自分のデニムのファスナーを下げはじめた。 「大丈夫だって、俺はキヨッパに優しいぜ。 ハードに犯したりしねえよ!」 清童と書いてキヨッパ。五代のいうとおり三鷹は清童だ。 乙女椿のつぼみの様に固いアナルは男を知らない。五代の粗チンで清童を散らすのはごめんだ。 「ファスナー上げろ、バァカ」 そう言いながら三鷹は、五代がデニムから引っ張り出した一物をちらっと見た。 粗チンじゃなかった。なかなか格好いい。だが勝った。半勃ち状態では三鷹の勝ちだ。 勃起時はどうだろう? 「ケツ貸してよ」 目測していたら、後の孔を晒せと促された。 「断る」 三鷹は煙草に火を着け煙を吸うと、フーッと五代の顔に吹きかけた。 「お前とはやらねぇー」 「何で?」 えらく怪訝そうに訊ねる五代に三鷹は即答した。
「友達だから」 「友達だからセックスもできるんじゃねー? あんた今、結構HP減ってるみたいだし、 性欲と同情でしてやるよ。俺とセックスしたら元気が回復するぜ」 三鷹は片頬で笑い五代に二者択一をせまった。 「ニフラムで消されるのと、バシルーラで遠くにふっとばされるのとどっちがいい?」 「三鷹にホイミをかけたい」 くるむような眼で三鷹を見て五代はそう答えた。 ホイミは回復呪文だ。全快は無理だが、人一人をちょっとだけ元気にすることはできる。 大真面目に答えた五代の眼が、むかし実家で飼っていた、くいしんぼうの優しい犬にそっくりで、 三鷹は小さく笑った。からだいっぱいに、五代の誠意がトクトク流れ込んでくる。あたたかい。 その実、性欲と同情だけじゃないのがよ〜くわかった。 三鷹は五代のきらきらした強い眼をじっと見つめ、 さっきからもうずっと丸出しの元気な愚息を改めて見た。 しゃーねえなぁ……。かまってやるか! 「……とりあえずそれ、どうにかしてやるよ」 「マジで!? ケツかしてくれんの!」 「兜合わせでいいだろ。扱きあって抜きあおうぜ」 「えぇ〜! ケツがいい! ケツかしてよぉ、元気を注入してやんのに!!」 「この俺がペニスを重ね合わせてやるって言ってんだぜ? 感謝しろよ」 煙草を燻らせながら三鷹にふっと笑みをむけられ、五代はドキッとした。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
オリジナル・現代もの。攻め×攻め。(保管庫42〜44・48巻の余話・後編) |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 兜合わせ。そう呼べばペニスの扱き合いすらゆかしい。古雅なお遊びのようだ。 屋根を閉じた、ぬばたまの黒のグランドピアノのその上で、 三鷹と五代は全裸になり、股間を晒し合った。 五代は三鷹の下半身をエロい目で見た。 五代的NO.1は筋トレに命をかけている風なゴリマッチョだが、 三鷹の持つ、タフなスポーツで自然につくられた筋肉にもそそられる。超抱きたい。 五代はバリタチが快感に耐える切なげな表情が大好きだ。 三鷹が目を潤ませるのを見たい。半開きの口で喘がせたい。何より心の穴を塞いでやりたい。 五代は三鷹の股間に目を据えた。量感があり形が◎。異国的なペニスだ。 軽く扱きつつ、熱視線をそそいでいたら三鷹の尖端に先走りが滲んできた。 左手で根元を支え、濡れそぼった先端を右の指の腹で優しく擦る。 指を動かすたびに溢れるそれを、カリ高の先っぽにむらなくなじませると、 咥え煙草で五代のペニスをもてあそんでいた三鷹が咳き込んだ。 男前な顔に「やられたっ」と書いてあるのが嬉しい。 苦笑いをし、灰皿を引き寄せ、まだ長い煙草の火を消している三鷹を目で追う。 じっと見ていたら目と目がぶつかった。 勝ち誇った目で笑いかけてきた五代に、三鷹は含みのある笑顔でわらい返し、 間髪入れず、もてあそんでいた五代のそれを上下に扱いた。お遊びは終わりだ。 濡らしてやる!
股間がカッと熱くなり、余裕をかましていた五代は焦った。 手には五代の先走りぐらいしかつけていないのに、 三鷹の扱きはローションをつけているみたいになめらかで、 とにかく速かった。それが良かった。擦りあげられ血が騒ぐ。やばい……!! 股間が六月のつゆけき紫陽花みたいなありさまだ。 不敵に笑う三鷹と目が合う。負けねぇー。五代は狐狸臭い笑みを浮かべ、 傍らに放っていた鞄を引き寄せた。 愛用のフライターグのショルダーから、金色に透き通ったローションを取り出す。 「これ、仁科先生からのお土産。三鷹によろしくって言ってたよ」 片手で開閉できるワンアクションキャップを親指で開け、中身を三鷹の股間にたらたら垂らす。 「ダミアナの葉から抽出した、『生殖器官を刺激する要素のある成分』を混ぜてあるんだって。 ちなみにボトルのデザインは六六六、形成したのは俺。片手で開け閉めできるから性交時に超便利」 五代はローションを半分以上三鷹の股間にあけるとボトルを放り、ペニスのすみずみまで伸ばした。 ローションがあるのとないのではまったく滑りが違う。さっきより3倍は速く扱ける。 五代の左手は先端から付け根までなめらかに動き三鷹を悩ませた。 どう見てもかけすぎのローションは、三鷹のペニスを伝い会陰を流れ、 アナルを濡らしながら黒塗りのピアノにポタポタしたたり落ちている。 後が濡れる感触に呼吸が乱れた。呼気も吸気も熱くなる。やばい。 三鷹のそれを扱く五代の速度は上がる一方だ。 股間がほかーっとしてくる。認めたくないが気持ちいい。本気でやばい。 三鷹は歯を食いしばり、額の汗を手の甲で拭いながら切ない喘ぎ声を漏らした。
「いいねぇ〜」 三鷹が漏らした微かな喘ぎ声に五代は眼を輝かせ、ローションまみれにした三鷹の陰嚢を転がした。 手の平で軽く弾ませ、さっと転がしたあとフェイクをひとつ入れ、やんわり握ってパッと離す。 仁科先生のローションは即効性の性的刺激剤に等しい。 だけど自分がこんなに汗ばんでいるのは、いかれたローションのせいだけじゃない。 五代の巧さが三鷹にはわかった。マジでタマの扱いがうまい。悔しいけれど息があがる。 下半身が燃える。 気持ちいい。このままじゃ先にいかされる。喘いでいる場合じゃない! 三鷹は粋な指使いで五代のペニスを刺激すると、自分のそれと重ね合わせた。 二人分のペニスに指を絡め、ぴたりと寄り添わせて、2本まとめて扱く。 何度も擦り合わせた。ローションも熱も先走りも何もかもを分かち合う。 硬くなった互いのものを強めに擦り合わされ五代は身悶えた。 三鷹の熱さが五代のそれに伝わってきて先走りが止まらない。 「気持ちいいだろ……」 はずむ息で三鷹に問われ、荒い息を吐きながら大きく頷く。 先端が熱い。やけに濡れる。腰が疼く。喉が渇く。 水分を求めて五代は三鷹の口に食らいつくようなキスをした。 股間を密着させ唇をむさぼる。五代は三鷹の舌をかっさらい、 エロい音を立てて吸いあげるとノーパンの股間をこまやかに揉んだ。
濃厚なキス中、股間を揉む。したことはあるが、されたのははじめてだ。 びっくりするほど良くて三鷹は下半身を火照らせた。 五代は数少ない友達だ。セフレにはなりたくない。扱き合い以上の事はいっさいするつもりはなかった。 キスも然りだ。なのに仕掛けられた深いキスはただ気持ちよくて、不覚にも流された。 陰嚢にやらしく絡みつく五代の指に快感が増す。三鷹は眉根を寄せ色気のある低音で喘いだ。 五代より先にはいきたくない。必死で快感に耐えた。でも、もう限界だ。 先波を越えて後波がやってくる。押さえきれない! 暴発した瞬間、全身の力が抜けた。やばいと思った時にはもう、ピアノの上に押し倒されていた。 一瞬の隙をつかれた。反撃する間もなく脚を掴まれオムツ替えのポーズをとらされる。 M字に開脚された恥ずかしさよりも焦りが勝った。五代は本気で挿入する気らしい。 いやな汗で体が濡れた。 五代は舐めるように三鷹の下半身に視線を走らせる。 土踏まずがはっきりわかる、ゆがみのない足の裏、褐色のふくらはぎ、引き締まった太腿。 今しがた放った白濁とローションで濡れそぼっている股間。エロいからだに興奮した。 「俺、アメフトやってたから括約筋ギチギチだぜ? 突っ込んでも気持ちよくねえぞ」 腹筋をつかって体を起こそうとした三鷹を、全身の力をつかって二つ折りにし、ピアノに縫いとめる。 「大丈夫、大丈夫。俺、鍛えたアナルの締まりに締まる感じ超好きだから」 五代は眼下の三鷹にニヤリと笑った。
「マジでやめろって、友達でいられなくなる」 五代を見上げ両腕で押し返しながら、三鷹は訴えた。 「なんで? セックスひとつで激変したりしないって」 五代は三鷹の目を見つめながら、内緒話をするように言った。 「俺、10年ぐらい前から孤独死する覚悟で遊んでた……」 勝手気ままに過ごすのと独りぼっちでいるのは抱き合わせだ。 「だけどあんたに会って、同じ穴の狢を見つけたって思った」 三鷹は五代だ。五代は三鷹だ。 友達や恋人をつくるのは得意でも、その関係性を持続させるのは苦手。 そんなところが二人は良く似ている。 「ヤリチン同士、話あうしジジイになっても酒のみたいって思った」 付き合う相手はとっかえひっかえしても、三鷹とは変わることなく友達でいられる気がする。 「一度セックスしたからってセックスだけの仲にはなんねーよ」 五代にとって三鷹はいろいろあっても一緒にいられる、面倒くさくても一緒にいたいと思える友達だ。 なんでも話せる。プライベートを晒せる。信頼し合える仲だからセックスだってできる。 何も聞かず何も話さずセックスだけを楽しむセフレとの さっぱり感が気持ちいい付き合い方とは根幹が違う。 「逆は? からだ繋げて恋が芽生えたら? そんで別れたらどうなる? 友達に戻れるか?」 三鷹に切り返され五代は声を出して笑った。 「三鷹って意外とセックスにロマンス求めてるよなぁ」 五代は知っている。セックスは愛より速い。かつてはロマンティックなものだったかもしれない。 きっと、秘めたり忍んだりしていたんだろう。だけど今は違う。 恋愛をしていなくてもすぐできる。セックスはカジュアルダウンした。だから、大丈夫。 「一度セックスしたからって恋人になったりしねーよ」 キスしたって赤ちゃんができないのと同じだ。 だけどセックスは、ホイミ程度の癒しの力を持っている。焚き火ぐらいにはあたたかい。 独り身のヤリチン同士が暖をとるには充分だ。三鷹の股間を揉みながら五代は笑いかけた。 「俺だって惜しいからな。三鷹を失いたくねーよ。友達でいたい」 それからちょっとためらった後、意を決した五代は控えめな笑顔で一世一代の告白をした。 「何十年来の付き合いを経て、いつか、無二の親友って呼ばれたい」
支援
友情の片思いは一等むなしい。五代はうすうす勘付いている。 三鷹はきっと、自分が三鷹を必要としているほど、自分を必要としていない。 たぶん自分は、「エロ話」と「飲み」専の連れだ。期待はあらかじかめ引いている。 だけど、本当は老年期まで一緒にいたい。親友同士になれたら超うれしい。 我ながら熱くるしい思いを、五代は全裸の三鷹の股間を揉みながら、赤裸々にぶつけた。 「ばぁーっか」 三鷹はいつになく弱気な目をしている五代に、お前は俺の最高の友達だと囁くと、 片頬でちょっと笑い、男の友情は一生もんだと男惚れしそうな表情で言い切った。 思いがけない言葉に五代の目がきらめく。 三鷹が自分を「一生ものの友達だ」と評してくれた! 三鷹と自分との間に永遠が見えた!! たまらなく嬉しかった。パッと顔に笑みを浮かべた五代を三鷹は目を細めて見つめ、 のしかかってきた大型犬の頭を撫でるように五代の茶髪をぽんぽんと叩いた。 「……いいぜ。性欲と友情でさせてやる」 五代の手揉みにその気にさせられた。下半身が疼く。セックスがしたくてたまらない。 きっと仁科先生のえげつないローションも効いている。 無性に、男同士だからできる気軽でハッピーなカジュアルセックスがしたくなった。 大いに盛り上がろう。バリタチの自分が抱かれることに抵抗感がないといえば嘘になる。 だけど好奇心が勝った。突っ込まれるのもまた一興。お手並み拝見といこーか。 こいつとならきっと気持ちいい。 突然出たお許しに目をきらきらさせている五代を見つめながら、 面白くて笑うのと同時にほほえましくて笑みが浮かんだ。
五代はフライターグを引き寄せ志井商事の主力商品、コンドームのCを取り出した。 素早く指にはめ、Cをまとった指で三鷹の後孔に触れる。 Cにはなめらかな挿入のためにメントール配合の潤滑ゼリーが付いている。 エロいゼリーのクールな刺激に三鷹は息をのんだ。清涼感が生々しい。 五代の指がそこを押すたび心臓が跳ねる。手の平が汗ばむ。体が突っ張る。 初めての「されるエッチ」に震えているウブ男と、それを自分で面白がっている冷静さを感じた。 「固いなぁ」 なかなかトロトロにならないそこを、五代に指でつんつんつつかれ、 三鷹は羞恥に染まった顔を両腕で隠し、他人事のようにぼやいた。 「言っただろ。アメフトやってたって、喰いちぎられても知らねーぞ」 「えぇー。痛いのは勘弁。ローション足そう!」 最初に垂らしたローションと、さっき出した白濁とコンドームのゼリーで濡れている 三鷹のそこに、五代は仁科先生のローションを注いだ。 ローションと精液とゼリーを五代が丁寧に指でなじませていると、 固かったそこがとても柔らかくなった。コンドームをはめた指をグッと進める。 「あ…うっ…」 まざまざと指を感じ、三鷹は声を殺して喘いだ。 あられもないところが切れそうだ。きつい。痛い。熱い。 ペニスが痛みで萎えた。そう思った。 なのに五代は、「いいの? 超、反り返ってる」なんて言いながら、後孔とペニスを弄っている。 長い指を出し入れされながら前を扱かれる。その凄まじさを、きょう知った。
「あっ、あっ…」 たまらない。耐えられない。感じた事のない快感を覚え三鷹は息を弾ませた。 先走りが垂れる。下半身が切ない。もう、いきたい。いきたくてたまらない。 こんなに濡れるのは、きっと仁科先生のローションのせいだ。あるいは五代の巧さか。 「顔見せてよ」 五代にねだられ、三鷹は両腕で顔を隠したまま首を横に激しく振った。 アへ顔を見られるのはごめんだ。 「どけち〜」 軽口を叩きながら五代はコンドームに包まれた指で三鷹の前立腺を激しく突いた。 「あ、あっ…!うッ…!」 そこばかりを16連打され、苛烈な攻めに追い上げられた三鷹は、涙ぐみながら身をのたうたせた。 はじめての快感が全身を駆け抜ける。前立腺を攻め立てられながら扱かれ、 三鷹は第二指の長い足の指をギュッとまるめて悶えた。 もうイクッ、もう、出るッ。もうダメだ! 中を強く擦られたその瞬間、足の指が反り返った。 ペニスがしゃくりあげ、熱いネバがふきこぼれる。止まらない。 激しい射精の最中、五代は三鷹の両脚を高く持ち上げV字に広げると、 吐精の快感にゆるんだそこにCをまとった勃起を押し当て、ひとおもいに挿入した。
頼む、いったん抜いてくれ! 喉元まで出かけた言葉を飲み込み、三鷹は深くゆっくり息をした。 痛みを受け止め、含まされた五代を飲み込む。 後孔の中の五代の事を一生懸命思いながら、熱い息を吐き体の強張りを逃がす。 痛いのは三鷹だけじゃない。経験上、三鷹はわかる。 締め付けられている五代だって痛いのだ。ペニスだって中に入ろうと全身で頑張っている。 先端が甘く痺れるきつい締め付けは、気持ちいいけれどとても痛い。それがわかるから、 三鷹は五代が動けるように開口部と体の力を抜くべくソフロ呼吸をこころみた。 「‥大…丈‥夫…か? 痛、かっ…たら、言え‥よ」 下から三鷹に濡れた声で労わられ、五代は萌えた。 「三鷹…、それ、俺のセリフ」 たまらなくキスがしたかった。だけど、三鷹は2本の腕で顔を覆っている。 隠された顔が見たい。超口付けたい。迷ったけれど、五代はあえて暴かず、 顔をガードしている三鷹の腕に小さなキスを落とすと「動くぜ、」と囁いた。 もう我慢できない。三鷹に煽られた。入れてるだけでいきそうだ。 ……優しくしろよ、喘ぎ喘ぎ、そう伝えてきた三鷹にせっぱつまった五代はわびた。 「ごめん、無理!!」 バスドラを踏みまくるみたいに打ち込まれ、五代の激しさに引きずられるまま腰を振る。 誰にも見せられない惚けた顔を両腕で隠し、三鷹は息を弾ませつづけた。 火照った背中に黒塗りのピアノの冷たさが心地よい。 完全無欠のロックンロールみたいなテンポのセックス中、脳内でずっとラウドなギターが鳴っていた。 三鷹のきつい締め付けにやられたのか、五代は3分も持たずに果てた。 速いとか駆け抜けるとか突っ走るとかそんな言葉がぴったりな、汗だくのセックスだった。 アラサーらしからぬ、10代並みの激しい交合を追え、 肩で息を吐き、はずむ息で五代は言った。 「超気持ちかった〜」
熱のこもった荒い息を吐きながら三鷹は恨みがましい目で五代を見た。 想定していたのは、もっとまったりした大人の男のセックスだ。 「いきなり前立腺16連打はねえんじゃねーの?」 「うわぁ〜、嫌だな。あんたカウントしてたの? やらしい〜」 「ひとがイッてる最中に挿入するやつに言われたくねえなぁ」 「だって限界だったから! あんたに2本まとめて扱かれてた時からずっと、 超いきたかったんだよ。よく持った方だって!!」 ケツを犯されてもなおバリタチ感が残っている三鷹にダメだしされ、 五代は悔しがりながらコンドームをはずした。 「いつもはもっとメロウでスロウだし、セックス中薀蓄も披露してんだけどなぁ」 全裸で煙草に火を着け、三鷹は目を細めて笑った。 「何だよ薀蓄って」 黒塗りのピアノをひと撫ぜし、五代は紫煙を燻らせている三鷹を見た。 「なんで日本のピアノは黒塗りか知ってる? ちなみに欧米の家庭用主流は木目調」 「むこうは光沢の黒塗りだと棺桶連想するからじゃねえの?」 「お、凄え! あたり!! あともうひとつあるんだけど、わかる? ヒントは伝統工芸」
「……あぁ、漆か!」 「さすが! 仕事で携わってるだけあるな。最初に国産ピアノつくった日本人が、 ニスじゃなくて漆をチョイスした流れで、国産ピアノは黒塗りが主流なんだって」 「そりゃそうだろうなぁ。日本人が木地になにか塗るとしたら漆だろ」 「美学だよな〜」 五代は、三鷹の後をほぐしながらこういう話をしたかったんだけど もう、全然、余裕がなかったと苦笑した。 「はじめてなのに散々だったぜ〜」 三鷹に笑顔で揶揄された五代はリベンジを誓い、 「どーかもう一度させてください。お願いします!」と土下座した。 「これ吸い終わったらな」 五代を焦らすようにのんびりと紫煙を味わった後、三鷹はにやりと笑い股の間に五代を招いた。 2回目のセックスは、互いを堪能する余裕があった。 二人は親友同士だからできる、情を注ぎ誠を返すセックスをし、互いの技を盗みあった。 セックス後、ピアノの上でだらだら飲んだ。夜がほがらほがらと明けてゆく。
後朝、五代に卵かけごはんを食べたいとねだられ、 三鷹は完全無農薬のアイガモ米を炊いた。 熱々の飯に新鮮なたまごを美しく落とし、国産有機醤油を絶妙のかげんでさす。 三鷹は食の安全にこだわるタチだ。贅沢な卵かけごはんを二人で食べている最中、 唐突に五代に、「ごめんな」と謝られた。 一瞬、何のことだかわからず三鷹は五代を見た。 「常務に六六六をけしかけたの俺なんだ……」 「ばーか、気にしてねーよ。謝んな」 「けどあんた、常務のこと好きだろ? もろバレだぜ? 忘れ続けることをつづけんの?」 五代に問われ、三鷹は首を横に振った。忘れない。忘れられない。 「けど、二人を引き裂く気はねーよ」 卵かけごはんをかっ込んで三鷹は言った。 「俺はケツ軽いからな〜。きっとまた志井を裏切る。もう振り回したりしねーよ……」 三鷹はハッピーエンドが大好きだ。当て馬の自覚はある。良い当て馬は笑顔で見送るもんだ。 それが当て馬の美学だろう。どうか六六六と幸せに!
三鷹は自嘲し「ごちそうさま」と箸を置いた。大丈夫、愛には餓えていない。 きのうの夜、心に空いた穴を五代がペニスで塞いでくれた。 友愛の絆が強まった。裸で付き合える友達がいる。それだけで、おなかがいっぱいだ。 仕事がある。友がいる。当面、愛とか恋はなくてもいい。心からそう思えた。 にもかかわらず、ドイツに帰る五代を愛車のプリウスで小松空港まで送った際、 三鷹はダッシュで羽田行きのチケットを買いに走っていた。 色恋は別腹だ。飛行機を見たら、たまらなく乗りたくなった。飛びたい! 自分は駄目だと悟って、潔く身を引く当て馬は格好いい。格好いいから駄目なんだ。 唖然としている五代と一緒に小松空港を発ち、羽田で成田に向かう五代と別れたあと、 三鷹は勝手知ったる西麻布の志井のマンションに直行した。 性懲りもないまま突き進む。身勝手なのは性分だ。 マンションに向かうタクシーの中で志井にメールを送った。スルーされても文句は言えない。 だけど、志井が誰を好きでも三鷹が志井を好きだった。 今まで――ごめん。今度は絶対、離さない。 だからもう一度、俺と付き合って……。 携帯を握り締め祈る。マンションまであと1マイル。返信は、まだ来ない。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! これでラストです。シリーズ完。長々と御免なさい。有り難う御座いました。
しえん
>>86 乙
井戸水のスイカから今まで、かなーり愉しませてもらった
最後だと思うと名残惜しいけど、完結オメ
半年振りに続きが読めた時とかは嬉しかったよ
>>1 乙です!
棚の49に投下した続きになります。
・カプはダ/イ/の/大/冒/険でラーハルト×ヒュンケルです。
・エロあり
・最終回後の男二人旅。エイミ不在。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
何故こいつを旅に誘ってしまったんだろう。 こいつの身体はもう壊れてしまっていて、さらに悪い事には自暴自棄なこの性格。 放っておけばよかったのに。 そこまでの男だったのだと笑ってやればよかったのだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− かつて自らの手で滅ぼそうとしたパプニカに残ると聞いた時は耳を疑った。 そしてそれを聞いたヒュンケルの仲間達が嬉しそうな顔をしていたのが嫌に頭に残った。 ただ、奴の師、そして獣王だけが複雑そうな顔をしていた・・・。 この国に残る必要も無い俺はさっさと荷造りを済ませダイ様を探す旅に出ようとしていた。 その最中に神妙な顔をしたアバンがこんな事を言ってきた。 『ヒュンケルを一緒に連れて行ってくださいませんか。』 『何故だ。急ぎの旅に病人をつれていくつもりは無い。』 手を止める事無く突っぱねてやる。 『ヒュンケルが何を考えてるのかあなたには分かっているはずです。』 『・・・吐き気がする・・・人間というのは本当に醜い生き物だな。』 手を止めてアバンを正面から見据える。 真顔のアバンはいつものふざけた様子とは全く違って見えた。 俺は懐から折れた矢を一つ取り出して見せる。 油紙につつんであるのは先端に毒が塗られているからだ。 『あいつを狙ってた兵士は殺させてもらった。』
俺の言葉にアバンの顔がひくりと引き攣るのが見えた。 『数が足りなくて今朝騒いでただろう。悪い事をしたな。』 どうせ大した戦力にもならないだろうが。そう言いながら鼻で笑う。 『いえ・・・ところでそれは・・・彼のために・・・?』 必死に冷静さを保ちながら俺を見つめてくるアバンになんともいえない不快感を感じる。 『俺は卑怯なやり方が許せないまでだ・・・。』 『偶然にしてはタイミングが良すぎはしませんか?』 『・・・偶然を装っていつかあいつは殺される・・・。アバン、あんたもあいつが殺されそうになった所にタイミングよく現れてるそうじゃないか。』 パプニカに帰ってからヒュンケルはレオナから見晴らしのいいバルコニーのある部屋を借りた。 そこからは城の大庭園が見下ろす事ができる。 日当たりも良く、彼の健康を取り戻すにも良いだろうと若い女王は快諾した。 そしてヒュンケルは何をするでもなくずっとバルコニーに佇んで、日が暮れるまでそこで過ごしている。 明るい心地の良い部屋で、ヒュンケルがどんな闇を抱いてそこに佇んでいるのか。 人の闇をある程度垣間見た人間にしか分かるまい。 大庭園には茂みが多い。そしてそこにはかつて国を滅ぼされた恨みを持つ暗殺者が潜む。 ヒュンケルは自分の滅ぼそうとした国で静かに自分の死を待っている。
たとえあの気丈な女王がヒュンケルを許しても国民の全てが彼を許した訳ではない。 そして女王は国民を愛している。信じている。自分の国の民が暗い闇を抱いて、自らの仲間を歯牙にかけようなど、微塵も思っていない。 だからこそヒュンケルは待っている。 とうとう使い物にならなくなった身体を廃棄するために。そしてそれがこの国のためだと思っている。 馬鹿ばかりだ・・・。 『死のうとしている奴を守るために、今日もまた一人死んだ。こんなバカな話は無い。 アバン、師匠としてあんたが引導を渡してやったらどうだ。』 『引導を渡す機会は、貴方にも与えられていたはずです。』 ・・・痛い所をつかれて黙りこむ。 自分は何故あの時ヒュンケルに死を与えてやれなかったのだろう。 生かしておくのも哀れだと、そう心から思っていたではないか。 本気で刺すつもりだった。本当だ。 しかし寸前でぶれてしまった。手ではない。心が。 ここで殺してしまえば二度と会う事ができない。 それが堪らなく辛かった。 放っておいてもあの状態ならヒュンケルは死んでいた。 それすら見るのが辛くて俺は走ってダイ様の元へ向かった。
引導を渡すのも死を看取るのもごめんだ。 だからこうしてこの国を出立する準備を進めている。 ・・・・・・そうだったのか・・・ 口から長い溜息が出た。 どこかで思っていた。すぐ傍であいつが死んでしまったらきっとやりきれない思いをすると。 俺の手など届きもしない場所で、気づきもしない内に死んでくれたらきっと諦められるだろうと。 そこまでの男だったのだと笑ってやろうと。 『そうだな・・・あいつは人間に殺させるには惜しい男だ。』 旅に出よう。 あいつを連れて。 そして歩けなくなるまであいつを連れまわして、とうとう動けなくなったら、 今度こそこの手で引導を渡してやろう。 『分かって頂けたようでなによりです。』 メガネの奥から人懐こそうな笑みを浮かべるアバンに苦笑する。 『あんたの望んでいる様な結末にはきっとならない。』 『でもあなたの方が私よりもあの子の幸せを分かってくれているでしょう。』 アバンの顔は少しだけ悲しそうに歪んでいた。 その顔を見て、俺は前よりも少しだけこの男に好感が持てるようになった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
女王からの命令という事もあり、ヒュンケルはおとなしくダイ様の捜索の旅についてきた。 どんな顔で旅をすればいいのかと悩んでいた矢先、隣を歩くヒュンケルの穏やかな笑みが目に入った。 それを見て別に何も話す必要は無いのだと胸を撫で下ろした。 もともと集団行動は苦手だ。なれ合いなどもっての外。 ワイワイと話をしている内はそれなりに楽しいが、終わってみるとかなり自分が無理をしていた事に気づく。 そんな自分にとって、この無口な友人と、その全てを許容してくれるような穏やかな笑みはなんとも心地の良いものだった。 たとえその笑みが、生の楔から解き放たれる事を心待ちにしている殉教者のそれと同じだったとしても。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「今、何を考えてる?」 月の光の下でヒュンケルの顔を見ながら聞いてみる。 けぶる様な銀髪、透ける様な白い肌、銀の瞳。 月明かりの下で今にも消えそうなおぼろげな色。 さらにその色の持ち主はこの世の物とは思えないほどの美人と来てる。 触れ合っていなければ、見つめていなければ消えてしまいそうだ。 天上の神もどんな罪を犯していようとこいつなら喜んで受け入れてしまうだろう。 人間を作った神もきっと人と同じくらい欲深い。 そして悪い事にこいつは死を望んでいる。 手の中の存在を確かめる様にきつく抱きしめた。 そこで感じた身体の熱さに、驚いて目を丸くする。 てっきりこいつは低体温だと思っていたのに。 ヒュンケルは俺の首に顔を埋めると、そのまま自分の背にしっかりと腕を回してきた。 こいつにもこんな熱があったんだな。と場違いな感動を覚える。 そういう事にはまるっきり縁の無い存在に思えたから。 もっともそれは初めて会ったときに感じた事だ。 ヒュンケルについては大魔王バーンにその身を使って取り入ったと様々な憶測が飛び交っており 自分もその噂を何度も耳にしていた。それにそれはどうやら本当の様だ・・・。 しかしそれを汚らわしいと思わなくなっている自分に驚く。 むしろよく魔族の中で生き残ってこれたと純粋に褒めてやりたい位だった。 こんなにも脆い人間の身体で・・・よく・・・
「ヒュンケル・・・」 髪を撫でながら優しく友の名を呟く。しかしその口からでた名は友というには甘すぎる響きを持っていた。 「ラーハルト・・・何も言わないでくれ・・・何も・・・」 弱弱しく頭を振りながら縋りついてくる様子に加護欲と加虐心を同時に煽られる。 恐らくヒュンケルの心には恐ろしい程の罪の意識が渦巻いているだろう。 自分の中の浅ましい感情に羞恥と苛立ちを覚えている事だろう。 罰ならいくらでも与えてやれる。そのためにお前をつれてきた。 ただし俺は死刑の執行官ではなく、殺さない様に細心の注意を払う拷問官だ。 「分かってる。俺達の間に言葉など必要無い。」 そう言って優しく笑いかけ一旦身体を離す。不安げな様子が愛おしい。 俺は肩にかけていたマントを地面に敷くと恭しくヒュンケルの手をとった。 ヒュンケルは観念したように瞳を伏せた。長い睫が濃い影を作り、物憂げな色気を醸し出していた。 こんな表情を無自覚の内に出せてしまうのだからこの男は恐ろしい。 征服欲を駆り立てる何かを心得ているのだろう。きっとそれも無意識の中だから尚更タチが悪い。 女を扱う様にゆっくりとその身をマントの上に横たえると、その衣服を脱がしていく。 もともと簡素な衣服しか着用しないこの男の事。ほどなくその白い肢体を目にする事ができた。
作りは繊細だが鍛えられた戦士の身体。しなやかな筋が形作る曲線は獣の様に美しい。 男の目から見て、男として綺麗なつくりをしていると素直に感動した。 そしてそれを見て欲情している自分に少しだけ絶望を覚えた。 (他の連中に比べたら随分まともだと思っていたのだが・・・) 自分の取っている行動と普段の自分のギャップに頭を痛めながらその白い身体に覆いかぶさる。 そのまま額から頬へと口付けて行く。白い肌は思っていた以上に肌理が細かくて心地が良かった。 薄い唇に辿り着くと震えが伝わってくる。 何も知らない訳が無いくせにどこまでこの男は自分を偽るのだろう。それとも本気で恐れているのだろうか。 そして俺はこの男の何を知りたいというのだろう。確かな物を何もつかめないままその唇を甘噛みする。 「あ」 反射的に開いた唇の奥に蠢く赤い舌を逃さず絡め捕る。 「ん・・・」 身体の触れた全ての所からヒュンケルの震えが伝わってくる。 弱い者を甚振る時に感じる残酷な喜びに支配されそうになる。 それを必死で制しながらできるだけ優しくその身体を解いていく。
安心させるようにその背を抱きながら自由な手で白い身体を撫でる。 首筋から鎖骨を辿り、胸の突起へ手を滑らせると、一度大きく身体が跳ねた。 それでも塞がれた唇からはくぐもった呻きしか出てこない。 気を良くしてそのまま脇腹と腰骨の辺りを愛撫してやった。 「ふっ・・・ああ・・・」 堪え切れない喘ぎが溜息の様に赤い唇から洩れた。 初めて聞く親友のそんな声に俺も煽られる。 自分から誘っておいて翻弄されるなんて情けないにも程がある。 優位に立つために容赦なく攻めさせてもらう事にした。 ヒュンケルの身体の心を握るとそのまま上下に動かす。 「あっ・・・はぁあっ!」 堪らずに大きく背を仰け反らせ喘ぐヒュンケル。 もっとその姿が見たくて括れから先端部を念入りに弄った。 なにせ男同士。どこが一番感じるのか手に取る様に分かる。 予想通りに目元まで赤く染めながら散々に乱れてくれた。 時折ちらちらと覗く赤い舌が色素の薄い肌の中で嫌に目立った。 その妖しいまでの美しさにしばし見入ってしまう。 唾を飲み込む音がやけに大きく響いた。
支援
「ああああっ!」 やがて絶頂を迎えると白い身体が大きく痙攣してから弛緩する。 はあはあと肩で息をしながらそれでも必死で顔を背ける。 その顔を覗きこんでみると歯を食いしばって今にも泣きそうな顔をしていた。 こいつは無意識に俺の中の残酷な部分をどんどん刺激する。 人の悪い笑みを浮かべながらこいつの放った物をその顔の前まで持っていき、いやらしげに糸を引く粘液を見せつけてやった。 腕の中の身体が硬直するのが分かる。 見たくもない自分の欲をあからさまに見せつけられて茫然としているのだろう。 そんな様子のヒュンケルに俺は落ち着きを取り戻す。 こちらとて危うくお前に精神ごともっていかれる所だった。 こいつは絶頂を迎える瞬間堪らなくいい顔をする。 戦場で剣をその胸に突き立てられた戦士の様な、絶望的な表情。 快楽を味わっているのはその身体の様子から分かる。 でも浮かべる表情の全てがどこか苦痛を味わっている様にも取れるのがこいつらしくて笑えた。 そのまま指先のぬめりを後孔に塗りつけてやる。 自制がきかなくなる前になんとか事を進めてしまいたかった。 欲情で高揚する精神がひどく自分を不安定にさせている。
孔の周りを指で回す様にしながらゆっくりと解してやる。 硬直していた身体がまた大きく跳ねて、腰が逃げる様にずり上がる。 それをガッチリと固定してやるととうとう観念したのか自分の腕に噛みついてその声を殺した。 苦しげなくぐもった喘ぎ。それもいい。 やがてその体内に指を侵入させると一度だけ腰が大きく揺れた。 そのまま指を動かせば快楽に慣れた身体が心得た様に動き出す。 自分の意志とは無関係に快楽を貪ろうとする己の身体を戒める様に ヒュンケルは鋭い犬歯を自分の腕に深く食い込ませた。 赤い血が伝う。その色に魅せられて一瞬息を止めた。 一見不健康にも見える青白い肌に、絹糸の様な銀糸、それに紫水晶の瞳。 そのどこか退廃的な美しさに、やはりヒュンケルは魔族好みの容姿をしているな。と苦い笑いを浮かべた。 バーンが手放さなかった理由が分かった気がする。 冷静さを装いながら指の動きを再開すると今度こそ大きな抵抗が返ってきた。 快楽によって力の奪われた腕で必死に俺の身体を拒もうとする。 「もうやめろ・・・俺ばかりこんな・・・」 「こんな・・・?」 問いかけに問いかけで返してやれば駄々をこねる子供の様に頭を振った。 俺は暴れない内にその腕を片手で地面に戒める。 そしてそこに伝っていた血に口付ける。蕩ける様に甘い血の味がする。
「ッ!!」 「こんなところまで感じるのか?」 そのまま腋の下の窪みまで舌を這わせそこをきつく吸ってやるとヒュンケルの身体の奥が指を締め付けるのを感じた。 その動きにどうしようもないほど欲情する。俺も限界が近い。 「お前ばかりが欲に溺れてる訳じゃないさ。」 中に入れていた指を引き抜いてヒュンケルの腕を自分のものに導く。 熱を持って硬く立ちあがった男の性器にビクリとヒュンケルの身体が反応する。 驚きと戸惑いの入り混じった目でこちらを見つめてくる。 その表情は異様に幼い。 「挿れるぞ。」 逃がす気は無いとばかりに両手で腰を掴むと、観念した様に足を開いた。 それからまだ血の滴っている腕を俺の首に回してくる。 それでいて拗ねた子供の様な顔で目を瞑っている。 きつく閉じた瞳の上に一度だけキスを落とすと、ゆっくりと己の身体を埋没させていく。 じわじわと侵食されていく感触にヒュンケルの身体がひくひくと痙攣した。 間近で見る長い睫が震えている。
「・・・はっ・・・」 全て収まりきった所でようやくヒュンケルが息をついた。 俺もまたきつい締め付けに耐えながら暫くその快楽をやり過ごす。 「・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」 俺が動かずにいると段々とヒュンケルの呼吸が荒くなってきた。 中がひくひくと絡みつく様に動いているのが分かる。 「た・・・頼むラーハルト・・・はやく・・・」 早くなる呼吸の中で必死に助けを求める。 「お前の方から動いてくれよヒュンケル。」 それにこう返してやれば閉じていた目を大きく開いて怯える様な顔をする。 (お前が自分から淫らな熱に身を委ねる所が見てみたい。) 「・・・・・・ッ」 ヒュンケルは悔しそうな表情で腰をゆっくりと揺らし出した。 しなやかな身体がいやらしく身をくねらせる様は中々に淫らだ。 「くっ・・・ふ・・・・う・・・っあぁ・・・・」 しどけなく開いた口から絶え間なく喘ぎ声が聞こえてくる。 切なそうに寄せられた眉と戸惑う様な瞳の色に堪らなく欲情する。
やがて本格的に快楽を追い始めた身体に俺も追いつめられる。 絶妙に締め付けてくる肉体に舌を巻きながら俺も腰を動かした。 「・・っは!!ぁあうッ!」 いきなりの俺の暴挙に抗議する様な悲鳴があがる。 しかしそんなものにかまっていられる余裕は無かった。 盛りのついた獣のようにガンガン腰を打ち付ける。 自分の喉の奥から獣の呻り声を聞いた気がした。 「ああっ!・・・ぅあっ!・・・んうっ・・はぁああっ!」 「・・・くっ・・・!」 「ラーハルト・・・ッ!」 自分を呼ぶ声に意識を戻される。快楽に潤んだ目が俺を見つめていた。 いつもの静謐な澄まし顔とは全く別の表情に堪らずその唇を貪る様に吸った。 そのまま数回大きく突き上げた所でヒュンケルの身体が大きく痙攣し、きつい締め付けが幾度も襲ってきた。 「はっ・・・ああっ!!」 「っぐ・・・」 そのまま俺もヒュンケルの中に吐精する。 それにもう一度だけ白い身体が大きく震えた。 「はっ・・・はっ・・・はぁっ・・・はぁ・・・」 気だるい心地よさを味わいながら 呼吸を整えているヒュンケルの顔を見ていたらまたむくむくと欲が頭をもたげていくのを感じた。 まったく硬度を衰えさせない熱にヒュンケルは何かよくない物を感じ取ったらしい。
「・・・早く抜け・・・。」 「・・・・・・。」 「ラーハルト。」 「・・・すまん・・・どうも抑えられそうにない。」 信じられないといった様にヒュンケルの目が大きく見開かれた。 「呆れたか?」 そう聞いてみるとヒュンケルは困った様な顔をしていた。 「いや・・・」 「思った以上だった。乱れているお前も綺麗だ。ヒュンケル。」 「・・・俺は嫌われると思っていた・・・」 「何故。」 「・・・・・・。」 「もうあまり難しく考えなくていい。・・・俺は何があってもお前を嫌わないから。」 言いながら達したばかりの敏感な身体の奥を突く。 「あっ・・・卑怯だっ!」 「どこが。」 くつくつと笑いながらもう一度唇を合わせる。 この綺麗な『親友』の全てが自分の物になる事を願いながら。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
翌朝 鳥の鳴く声に目を覚ますと、腕の中に居る筈のヒュンケルが居なくなっている事に気付いた。 (また馬鹿な事を考えているんじゃないだろうな。) 少ない語彙と行動で精一杯の想いをぶつけたつもりだった。 そしてヒュンケルはそれを拒まないという自信があった。 自分の過剰な自信と勝手に姿を消してしまったヒュンケルに苛立ちを覚える。 舌打ちをしながらもヒュンケルの気配を探す。 ちらちらと銀色の光を感じた。 急いで衣服を身に纏うとその方向へ向かって走り出した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− しばらく行くと水音が聞こえた。 森の少し開けた所に川が流れている。 「・・・こんな場所があったのか。」 薄暗い森の中でそこだけ明るい日が当たる小川。 そこに幽霊の様な茫洋とした白い影を見とめる。 「ヒュンケルッ!!」
急いでその身体を抱きしめた。冷たい。だが生きている。 「ラーハルト・・・どうしたんだ・・・」 ヒュンケルは訳が分からないといった様子で目を瞬いている。 何度も思うが本当にこいつは性質が悪い。 「いきなりいなくなるな。心配する。」 「水を浴びに来ただけだ。」 「何か言ってからにしろ。」 「お前があんまり気持ちよさそうに寝ていたから・・・」 ・・・・・・。 頭を抱えながら深い溜息をついた。 そんな俺にヒュンケルが声をかけてくる。 「悪かった・・・。本当は顔を合わせるのが怖かったんだ・・・」 「嫌わないと言っただろう。」 「・・・俺が・・・再び大切な存在を手に入れる事が許されるのだろうか・・・」 「俺は魔族だ。俺の前では人間に対する罪悪感を捨てていい。」 「・・・・・・。」 迷子の子供の様な眼で怖々と俺を見つめてくるヒュンケル。 「もしもお前が俺にとって必要の無い存在になれば容赦なく切り捨ててやる。」 腕の中の身体がピクリと反応した。 「だからそれまでは俺の傍にいろ。」 そこまで言ってようやく。 ヒュンケルの白い腕が再び俺の背に回された。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! おつきあいくださりありがとうございました! 途中規制を受けてしまった・・・(;´Д`) しかしこれで長兄受け好きな方が一人でも萌えてくれたら嬉しい。 次はクロヒュンを書きたい・・・。
>108 とても萌えました ごちそうさまです
ラーヒュンあざーす!! ラーがメロメロなのがイイっすね!! クロヒュンも期待してます。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | プ/ロ/テ/イ/ン/水/の/CM ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ゴリ×細 ゴ/リ/マッ/チョの表記:五里抹躇 | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「――――五里抹躇!」 その声に、その場に居た全ての五里抹躇たちが振り向く。 無理もない。自分たちとはほとんど真逆の、花のような存在。 その中でも群を抜いて華やかな彼が、もし自分を呼んでいるのだとしたら。 「あッ、ちょっと、待てって!五里抹躇!!」 だが俺だけは、そんな浮わついた顔(まあ細抹躇から見れば大した違いは ないだろうが)をしている奴らの間をすり抜け走った。いや、逃げた。 「五里抹躇!!!」 いつも感心するが、あの有象無象の集団の中、よく俺を見分けられるものだ。 最初は偶然かと思ったが、将太さんはちゃんと俺が俺だと判って 声をかけているようだった。 「……、……っ……はっ……」 乾いた下駄の音が追ってくる。 先程振り返り様ちらりと見えた彼は、可愛らしい浴衣を来ていた。 走りにくいだろうに、やたら速い。こっちも結構本気で走っている。
それにしても今日はしつこい。いや、しつこいとは語弊があるか――――。 おそらく全力で俺を追う将太さんを振り切るため走り続けたおかげで、さっきの 横丁からはだいぶ離れた寂しい通りに来てしまっている。 ふと、ずっと背後に聞こえていた下駄の音がしないのに気付く。 「……………。」 立ち止まる。滑稽にも辺りを見回して彼を探してしまう。 だが自分の呼吸も落ち着いてくると、そこはもはや耳が痛くなるほどの静けさと、 月明かりがあるばかりだった。 諦めた、のだろうか。 「――――!」 恐れを抱いたすぐ鼻先の角から将太さんが現れ、安堵と困惑が同時にやってくる。 途中で鼻緒が切れてしまったのか、彼は裸足だった。 「………なんで、逃げるんだよ………。アンタは俺を助けてくれただろ……」 「………………。」 手にしていた下駄をその場に投げ捨て、将太さんが走り寄ってくる。 ぶつかりそうな勢いだと思った。いや、ぶつかった。 いや、もっと正確に言えば抱き付かれた。将太さんに。 ふわり、何か良い香りがして俺は頭が真っ白になった。
「……しょ、……将太、さ…ん……」 思わずその名を呼んでしまうと、彼が目線を合わせてくる。 「………俺の名前、知ってんだ……」 「……将太さんのことを知らない奴なんて、居ないと思いますけど……」 「なんで?」 彼が形の良い眉を寄せた。 「………綺麗だから………」 言ってしまってから、物凄く恥ずかしくなる。 あ、いや、と無様に取り繕う俺の頬に将太さんの指が這わされた。 「……じゃあ、アンタも……俺のこと知ってた……?」
******* 2ヵ月ほど前のことだ。 将太さんは良く夜に走っていた。 俺もトレーニングを兼ねて、そんな彼の後ろを走っていた。 軽い……いや立派なストーキングだ。 ある夜、数人の五里抹躇が将太さんを襲った。 「やめろ!」 正直、五里抹躇が細抹躇を拐かすというのは良くある。将太さんもそれは 知っていたかもしれないし、彼の性格上、それを気に病む質ではないだろう。 でも俺は耐えられなかった。 考えるよりも先に将太さんから五里抹躇を引き剥がしていた。 「早く、逃げて!」 だが多勢に無勢とでも言うのだろうか。その場で将太さんを逃がしきるのは 無理だった。 仰向けに押し倒された彼からまた五里抹躇を引き剥がし、将太さんの上に覆い 被さり、とにかく奴らが諦めるまでそうしていたのだ。 「やめろ!死んじまうぞ!」 将太さんが叫び――――こんなことで死にはしないが――――五里抹躇たちは 去っていった。
******* 「……ずっと……ありがとって言いたかったのに、アンタいっつも逃げちゃうし……」 「……あの……もうちょっと、離れませんか……」 しなやかな将太さんの身体が絡み付くように俺に密着している。 拷問以外の何物でもない。 「やだ。やっと捕まえたから離さねえ」 おまけにこの香りがいけない。 何かフェロモンでもでているのだろうか。首筋に鼻を押し付けたくなる。 「なあ、五里抹躇は俺のこと、嫌い………?」 そんなわけないでしょう。 「そ、そんなこと、ないですけど……」 「俺はねえ…………惚れた」 将太さんは不敵に微笑むと、キスした。 俺に。俺の、唇に。 「……………!」 2度、3度、口付けられ、それから一気にそれが深くなった。 だが、されるがままだったのもそこまでで――――将太さんの舌が絡んできた瞬間、 俺は細い身体を抱き返し、その唇を貪った。 「………ン……ッ……んん…………」 浴衣の上から良く締まった尻を揉みしだくと、将太さんが声にならない悲鳴をあげる。 空いている手で髪を撫でながら耳を擽ると、色っぽい声を出しながらしがみついてきた。
「……ヤバかった……」 「す、すんません……」 唇が離れると、拗ねたように将太さんが呟いたので、俺は慌てて謝った。 「ううん。すげえ気持ち良かった。………ちょっとイキそうだった」 「えっ」 将太さんが壮絶に艶っぽい目をして微笑う。 「もっと五里抹躇とエッチなことしたいなあ………」 ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>117 ああああ!
誰かやってくれると思ってた
めっちゃイイ!!
>>117 ひとりでなんてもったいない!
是非、ぜひ続きを!
>>117 将太さんヤバい色っぽい!
五里抹躇はマスク無しと考えていいのかな…
なんにしても、激しく続編希望です
>>120 マスク有りなのに、五里抹躇の個体識別できる将太さんもよくないか?
122 :
美ゴキ0/8 :2009/07/12(日) 21:33:02 ID:4d6asRGA0
投下します。 「ビ.ュ.ー.テ.ィ.フ.ル.コ.ッ.ク.ロ.ー.チ」で勇者と薬剤師ネタ。 薬剤師の片思いで勇者は気づいてない感じ。 OP直後の隙間を勝手に埋めてみました。いろいろ捏造注意! |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
123 :
美ゴキ1/8 :2009/07/12(日) 21:33:57 ID:4d6asRGA0
過ぎた年月を忘れさせるほどに、きつい一撃を食らわされた。 そんな風に思っているのはおそらく自分だけで、相手は己の発言について全く意識す らしていないだろう。 つまりは自分の被害妄想が大半であるわけだが、その唇から出る言葉の鋭さは、以 前と比べてもまったく変わっていないように感じる。 ミケーレはぞっとする思いで、自らを孤島から連れ出した相手の様子を伺った。 潮風に嬲られて乱れた髪を指で梳きながら、フランコが波間から視線を戻す。振り返っ てかち合った2人の目は僅かの間絡んで、直ぐにミケーレの方から逸らされた。 勇者の足元からは震えが昇ってくる。それは彼が船の看板上にいるからというだけの 理由ではない。かと言って、これから王の眼前に無理矢理引きずり出される事への緊張 でもなかった。ミケーレは航海も謁見も過去に散々、それこそうんざりする程に経験して いて、今更彼の足を竦ませるものがあるとすれば、それは愛しい愛しいアルコールの切 れからくる禁断症状のみに限られていた。 ミケーレは己の主治医代わりであったフランコが見ていると知りつつも、懐に忍ばせた 小瓶をまさぐって取り出し、もどかしく蓋を捻った。唇に飲み口を当てて零さぬように傾け る。それでも急いた手つきのために、口内で溢れた酒が口角の歪みから顎へと流れた。 「は……」
124 :
美ゴキ2/8 :2009/07/12(日) 21:34:40 ID:4d6asRGA0
喉の渇きを潤す甘い痺れ。ミケーレにとっては吐精よりも深い快楽を、その溜息が如 実に表している。一連の動きをただ黙って眺めていたフランコは、相手とはまた違った理 由で「変わっていませんね」と呟いた。 波のさざめく音に消えてしまいそうなほど微かな囁きを、ミケーレは拾わずにはいられない。 「お前こそ、相変わらず悪趣味だ」 吐き捨てたのは多少の苛立ちと引け目を感じたためだ。フランコは責めているわけで はないと分かっていても、そのように受け取ってしまう己の精神状態をミケーレは密かに 恥じている。 しかし口に出す事もない。言の葉は代用の皮肉や揶揄で埋め尽くされて、彼は結果的 に粗野な態度しか取れなくなっている。もしもこれが数年来会っていない恋人や、呼術 のなんたるかを叩き込んでいった師相手であるならば、どうなっているかはわからない。 ミケーレにとってフランコは十年の知己であると同時に、時折痛烈な真実をぶつけてくる "敵"でもあるのだ。そのためか僅かにでも引っ掛かりを感じると、ミケーレの胸は潰れそ うなほど動悸が激しくなり、とても平静ではいられなくなってしまう。 「悪趣味。私が」 フランコは心外だというような表情をしてはみせたが、声に滲む笑みの気配から察する に、ただミケーレとやり合ってみたいだけなのだ。久しく会っていなかった友人の調子を 図っているようでもある。その意図を知ってか知らずか、ミケーレは憮然としたままで短く返した。
125 :
美ゴキ3/8 :2009/07/12(日) 21:35:49 ID:4d6asRGA0
「……何が蜜月だ」 「おや、そう表現するのに相応しい密度であったと思いますがね」 そしてフランコは含みのある笑い方をする。 愉快そうに歪められた鳶色の瞳から、彼の言う『蜜月』をフラッシュバックして、むしろ アレは地獄であったとミケーレは鳥肌を立てた。 6年前、ダーリオを亡くしてからの1ヶ月。 思い返してみると実際より遥かに長い期間であったように感じるが、たったのひと月だ。 ミケーレはその間、フランコに監禁されていた。 フランコの名誉のために補足しておくと、酒漬け薬漬け悲壮漬けの勇者の身体から、 せめてクスリだけでも抜こうという試みの結果であったりする。 荒療治だった。酒はやめられなかったが、おかげで薬は断てた。しかしいくら親友の死 にミケーレが自責の念を抱いていたからといって、かつての状態から現在のように立ち 直るには、本来長い年月が必要であるはずだ。 確かに一人では不可能だったという点においてフランコには感謝しているが、その過 程を考えると非常に腑に落ちないというか、やはり蜜月と表現するのは正気ではないと思う。 大体相手を排泄にも行かせないハネムーンが一体どこにあるというのだ。 「懐かしいですねぇ。発作の起きたあなたをこう、ベッドに括りつけて」
126 :
美ゴキ4/8 :2009/07/12(日) 21:36:54 ID:4d6asRGA0
「やめろ言うな」 「何を今更恥ずかしがっているんです。当時は私に汚れた下着を洗わせても平気な顔を していたくせに……っと、そんな事を気にする余裕もありませんでしたか」 今では赤くなってしまうミケーレを見て、いい傾向ですねとフランコは感心している。 「あなたのそういう顔を見たくて必死だったんですが、6年も経ってから叶うのは報われた と言えるんでしょうか?」 感慨深そうに尋ねられても、知るかとしか答えられない。ミケーレがフランコを少々苦 手だと思うのは、何も攻撃ばかりしてくるからではなかった。このように時おり通常の友 愛とは幾ばくかズレた発言を聞かされるからでもある。 厳しいのか優しいのか分からないのだ。自分を好きなのだとは思う。嫌ってはいない だろう。けれど何をしたいのか理解できない。 今この時も、どういう理由からミケーレの事をニヤニヤと眺めているのか、さっぱりだ。 フランコは不意に腕を伸ばして、アル中勇者が未だ握っていた酒瓶を手に取った。 命綱にも等しいものを奪われて口を尖らせたミケーレだったが、相手が先に口を開いた ので文句を言い損ねる。 「ところでミケーレ、もしもあなたがよければ……」 「……何だ」
127 :
美ゴキ5/8 :2009/07/12(日) 21:37:51 ID:4d6asRGA0
「酒を抜くのにも挑戦してみませんか?もちろん、私と」 「こ、断る!」 ミケーレは反射的に飛びのいた。良識で考えればこのままでいいはずはないが、もう 二度とあんな経験はしたくないと思ってしまう。失禁などまだまだ生ぬるい。あのときミ ケーレがフランコと2人で築いた、陰惨で、惨めで、思い返すたび消えてしまいたくなるよ うな聖域は、誰にも侵す事ができない代わりに自分自身でさえも触れたくない悪夢なのだった。 ある程度は反応を予測していたようで、フランコは軽く肩を竦めただけに止める。 「それは残念です。同じ男としてあなたのアル中由縁の勃起不全を何とかしてやりたい のですが……」 「おっ……俺の性機能は正常だ!」 「そうですか?じゃあ今度見せてみてくれます?」 「なっ」 「冗談ですよ」 お前が言うと冗談に聞こえねぇんだよ。そう言って殴りかかりたい衝動をぐっと堪えた。 フランコはミケーレのじっとりとした視線を感じながら、手に持つ瓶の一度は閉じられた 蓋を開く。瞠目した相手が喉から抗議の声を洩らすと同時に、底へ残っていた酒を一気 に胃へと流し込んだ。
128 :
美ゴキ6/8 :2009/07/12(日) 21:38:42 ID:4d6asRGA0
「お、お、おま……お前」 さっと青くなるミケーレに空瓶を投げて寄越す。咄嗟に受け取ることはできたのだが、 何と言えばいいのか見当がつかず、ミケーレはただ口を喘がせた。フランコの長い指が 濡れた唇を拭って、そのまま呆然とした相手を指す。 彼は満面の笑みを浮かべ、きっぱりと告げた。 「ついでに言っておくと、私はあなたのそういう表情を見るのも好きなんです」 ミケーレの胸の内に激しい奔流が雪崩れ込む。それは怒りというのが一番相応しい気 がしたが、戸惑いや羞恥にも似ているようだった。分析不能の感情は脳へ染み入るより も早く、先程押さえ込んだ拳をかたく握ることを優先する。あっと息を呑んだときには既に 手遅れで、ミケーレの右ストレートがフランコの目の下にきまっていた。 さすがに倒れはしなかったが、若干よろめいたフランコは突き出されたミケーレの手首 を掴んでその場に踏みとどまる。それでも笑っていた。むしろ殴られたことが楽しいのか 丁度赤くなった泣き黒子の辺りを押さえて感触を確かめている。 こいつはとんだ変態だ。 ミケーレはすぐさま結論を出した。強引に手を振り払って、本日二度目の単語を吐き出した。 「だからお前は悪趣味だって言うんだ!」
129 :
美ゴキ7/8 :2009/07/12(日) 21:39:41 ID:4d6asRGA0
フランコは俯き加減で微笑したままだ。ミケーレの方は収まりがつかず、まだ一言二言 は罵声を浴びせてやろうかと息を吸い込む。するとフランコが呟いた。その言葉は深くミ ケーレの胸に刺さり、瞬時に憤りを削いでしまった。 「あんな質の低い酒で満たされた気分になるあなたの方が、よっぽどひどい」 声は決して大きくも力強くもなかったが、怒鳴り声の説教よりもずっと心臓が冷たくなる。 ミケーレは眩暈を覚えた。船が傾いだせいだと言い張るには血の気が引きすぎていた ので、もう蹲って顔を隠しやり過ごす以外に方法はない。膝を折り頭を抱えてしまった勇 者を見下ろして、フランコはもう一度言い聞かせるように囁いた。 「本当に、変わりませんね」 「…………」 「でも、そこがまだ私の知っているあなたのようです。安心しました」 ミケーレは愚図る子供のように頭を左右に振る。 否定したかった。実際なにも成長していないのに、6年前のまま停滞している自分がい る事を認めたくはなかった。そんな情けない自分を見て、安堵を感じる奇特な友がいるこ とも信じられずに、ミケーレはただ顔を伏せている。
130 :
美ゴキ8/8 :2009/07/12(日) 21:40:42 ID:4d6asRGA0
「ミケーレ」 呼びかけに返事すらできない。完全に沈み込んでしまったミケーレを前にして、フランコ は仕方なく距離をとった。こうなってしまえば言葉は届かない事を彼は既に学習している。 看板の手すりに肘を置き、俯いた相手の青白い首筋をしばし眺めて溜息をつく。 吐息に込められた落胆が身に染みるようで、ミケーレは目に涙が溜まりそうになるのを 懸命にこらえていた。実はフランコが溜息をついた理由は呆れではなく、友人の心を支 えきれないことへの無力感だったのだが、自分の事でいっぱいいっぱいなミケーレには 想像もつかない。 ただ怖いと思った。こんなにも情けなく無力な己を、それでも自分の役目だと連れ出し に来るフランコの事を、恐ろしいと思った。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 『公式が最大手』を実感する今日このごろです。
戦国東北・叔父と甥。 大/河もBA/SA/RAも関係ない、ただの戦国萌。 エロもオチもありません。 悪者になりがちな叔父・義/光公が悪者ではありませんので、ご注意ください。
「叔父上にとっては、俺はまだ梵/天丸のままか?」 まだ歳若い甥は、酒に濡れた唇を拗ねたように尖らせる。 その子供じみた仕草が記憶にある幼い頃のままで、最/上義/光は思わず頬を緩めた。 長い睫に縁取られた切れ長の目。真っ直ぐな鼻筋と、ふっくらとした赤い唇。 甥・伊/達政/宗は、嫁いだ妹・お義に似ている。 その気性の激しさに鬼姫と呼ばれもしたが、それでもなお求婚の絶えなかった東国でも指折りの美姫、お義。 目に入れても痛くないほど愛おしかった妹姫が伊/達家に嫁いで、はや20年が経とうとしている。 そうして生まれた伊/達の嫡子が、今は伊/達藤次/郎政/宗と名乗り伊/達家の当主となった。 ここ数年は小康状態にあったとはいえ、最/上と伊/達の間に諍いの火種は絶えない。 今はこうして酒を酌み交わしても、実は知らぬだけで国境で小競り合いが起きている最中かもしれぬ。 明日にはそれが口実となり、合戦が始まっても不思議ではない、この乱世。 それでもなお、こうして人払いをして二人だけ、叔父と甥として向かい合っていることを、義/光は嬉しいと思った。
妹の子。 甥。 愛おしい、吾が同胞。 問いに答える代わりに手を伸ばし、まだ若い滑らかな頬と細い顎が作る輪郭を撫でる。 政/宗は不意に触れた手を嫌がる風もなく、 尖らせていた唇を笑みの形に変えた。 「政/宗。・・・伊/達政/宗、殿」 伊/達の当主の名で呼びかけると、一瞬眸が見開かれ、燭の明かりを受けて煌めいた。 笑みを深めた唇が花のように綻び、白い歯が零れる。 ああ、この甥は、笑い方さえ妹に似ている。 「最/上、義/光殿」 応え呼ぶ名とは裏腹に、幼く甘えつく声音。 触れたままの義/光の手へ、もっと撫でて欲しいとでも言いたげに政/宗は頬を摺り寄せた。 「叔父上の手は、温いな」 蒼褪めたように白い左の瞼が、ゆるりと閉じる。 いつの間にか杯を台に戻した政/宗の指が、義/光の手の甲にそっと添えられた。 重なりあう肌から、体温が交じり合う。 その肌を酔いに薄紅く上気させながら、触れる頬も指先も、政/宗の肌は冷え切っていた。 まるで血が通わぬようだ、と思い。 そう感じたことの不吉さに義/光は肌を粟立てた。
奥州の秋は短い。 陽射しが夏の夏の名残を匂わせても、夜の月は訪なうたびに季節を押し遣る。 日中の暖かさに体が緩んだ分、今宵は特に冷え込んでいるように感じられた。 纏う肉の薄い甥には、この冷え込みが堪えているのかも知れぬと、いまさらのように気付く。 「寒いか。いま、火鉢を持たせ・・・」 重ねられていた手が、骨の鳴るほど握り込まれる。 「、まさ・・・む、、、」 骨と骨が擦り合わされる痛みに、思わず腕を引き戻す。 引きずられ、バランスを崩した細い身体は、板敷きの床に受身も取らず倒れた。 肉を打つ、鈍い音。 「政/宗!」 まだ若い伊/達の当主は、冷たい床にうつ伏せたまま動かない。 その細い肩が、何かに耐えるように震えていた。 それでも放されぬ手。 握られた手の痛みを、関節の白く浮くほどに握り縋る指を、義/光は痛ましいという気持ちで眺めた。 伊/達の当主は、吾が甥は、吾が家督を継いだ歳よりずっと幼く、その重責を負い込んだのだ。 握られた手を預けたまま躙り寄ると、伏せた細い身体を片の膂力だけで抱き上げる。 横抱きに膝に座らせ、胸に抱き込んだ。
「どうした、梵/天丸」 強張り、怯えたように丸まろうとする身体を、そのまま腕に包んだ。 政宗が身に纏う青い衣は冷え切って、氷を抱くように思われたが、その下の身体は浅く粗い息を吐き、布を通して胸に触れるその吐気は温かい。 「梵は、ほんに愛いの」 艶やかな黒髪に頬擦りし、己の腕の中から覗く滑らかな額に口付ける。 「愛い子じゃ」 膝の上の身体を、幼子をあやすように揺らした。 「のう、梵/天丸」 布越しに交じり合う体温。 強張る身体は緩々と解け、伝わる震えが穏やかな鼓動になり、血の通わぬようだと感じた身体は、腕の中では温かかった。 「愛い子じゃ、梵/天丸」 「梵じゃねぇ」 握られていた手が急に放され、血が巡って熱を持つ。 政/宗の両腕が義/光の首に廻され、声の吐息が首筋に触れた。 「梵/天丸じゃねぇ。政/宗だ」 呟くような、小さな声。 「俺は、伊/達、政/宗だ・・・」
肩に凭れる頭を、ようやく開放された手で抱き、白いこめかみに口付ける。 強張りの解けて柔らかな甥の身体を、腕の中で柔らかく揺らした。 「どちらでも構わぬ」 弾かれたように、政/宗が顔を上げる。 いまや身体を蝕んだ病魔の影など窺えぬ、美貌を謳われた生母によく似た・・・その兄にも似通う貌。 「そなたは義と輝/宗殿の子、ワシの甥じゃ」 乱れて額に落ちかかった前髪を払ってやりながら、義/光は笑んだ。 「何と名乗ろうと、そなたはそなたではないか」
弾かれたように、政/宗が顔を上げる。 いまや身体を蝕んだ病魔の影など窺えぬ、美貌を謳われた生母によく似た・・・その兄にも似通う貌。 「そなたは義と輝/宗殿の子、ワシの甥じゃ」 乱れて額に落ちかかった前髪を払ってやりながら、義/光は笑んだ。 「何と名乗ろうと、そなたはそなたではないか」 左目が、数度、瞬く。 紅く柔らかな唇を白い歯が噛み、震える睫毛が色の薄い眸に陰を落とした。 朱を刷いたような眦に涙が溜まったように見えたが、零れ落ちる前に政/宗の顔は義/光の胸に伏せられた。 「叔父上、叔父上!」 布に押しつぶされ潜もりながら、悲鳴のように縋りつく声。 「どうか。どうか・・・」 乞いながら応えを拒むように、何を乞いるのか告げないのは、若き頭首の意地か。応えの確約など虚しい乱世の無情を思う故か。 国境を争う国の主となった、まだ歳若い甥を腕に抱きながら。 今はただ、血の繋がる二人きりだと、最/上義/光は境目さえ分からなくなる鼓動を、呼吸を、体温を感じていた。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お借りします。 飛翔の警報より、朧×揚羽です。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「アゲハ君…」 「だあぁあぁあ!止めろ!離せ!くっつくな!!」 「…どうしてだい?今は二人きりじゃないか」 「二人きりだったら抱きついていいなんて、勝手に決めんなこの野郎ッ!!」 「どうして?」 「どうしてって…、お前…」 「おかしいとは、思わなかった?」 「…何が」 「『次のゲームの対策について、皆で僕の家に集まって打ち合わせよう』だなんて」 そう言って、朧はくすりと微笑む。 「わざわざ僕の家でやる必要なんて、ないだろう?」 「それは…」 朧の、言う通りだった。 ゲームの話をするのに、わざわざ離れた朧の家でやる必要なんて、無い。 「それにね。今日のことはアゲハ君以外の誰にも言ってなかったんだ」 「………」 「とても不自然な、話だろう?正直僕は、すぐにバレると思っていたんだ」 「…そうかよ」 「だって、君が誰かに尋ねればすぐに見破られる嘘なんだからね」 アゲハの腰に回された朧の手。 その手が、アゲハの不安を煽るような動きを見せていた。
「なのに君は、のこのこと現れたんだ」 「あー、悪りぃな。鈍感だからな俺」 「違うよ」 動揺して彷徨うように泳ぐ、アゲハの瞳。 その瞳を捕らえるかのように、朧はアゲハの瞳を見据えた。 アゲハの胸中を、滲むようなどす黒い感情が覆う。 「君は、自分の意思でここに来たんだ」 「………」 「僕に、弄ばれる為にね」 「…違う…」 「…じゃあ聞くけど。どうして今、アゲハ君は僕を拒もうとしないんだい?」 「それ、は…」 「僕に触られるの、嫌いじゃなかった?」 「そう、だけ…ど…」 不安げな瞳で、朧を見上げるアゲハ。 その表情を見て、朧は唇だけを吊り上げて笑っていた。 「ああ、そうか」 「…?」 「本当はもっと触って欲しいから、わざとそんなことを言うんだね?」 「な…ッ!」 「本当に素直じゃないよね、君は」 みるみる内に赤く染まるアゲハの顔。 その細い顎に、朧は指をかけて顔を上へと向けさせた。
「その気があるのなら、とりあえず楽しもうよ」 「な…ッ!………んッ、ふ、むぅ…!!」 有無を言わせずに、アゲハの唇を塞ぐ。 これ以上、心にもない言葉を紡がせないように。 「は…ッ、あ、…ふぁ…!!」 ぴちゃぴちゃと音を立てて、アゲハ君の性感を煽るかのように舌を絡める。 僕の舌がアゲハ君の口腔を犯す。 ちょっと責めただけでも、アゲハ君はびくびくと身体を震わせて、可愛い声を上げていた。 僕の首に腕を回して、懸命にしがみついて来る華奢な身体。 片手でその身体を支えてやりながら、僕はアゲハ君の下半身へと指を潜らせる。 「…ッ!?」 ズボンの中で存在を主張する、アゲハ君自身。 僕はズボンのジッパーを引き下げると、下着の中で脈打つアゲハ君に指を絡ませた。 「ん、んッ、んうぅッ!!?」 アゲハ君自身を扱きながら、さっきよりも乱暴に口腔を犯す。 たったそれだけで、アゲハ君は身体を震わせながら僕に縋るように抱きついてきた。 上からも下からも、粘ついたいやらしい音が響く。
「…はァ、…ん、…おぼ…ろ…」 長い長いキスから開放されたアゲハ君は、僕の肩に顔を埋めて喘いでいた。 僕の手の動きに合わせて、ぐちゃぐちゃという音が響き渡る。 「凄いね。さっきまであんなに嫌がってた人間の反応とは思えない」 「…ッ!あ、んぅ…!」 「いい加減、認めればいいのに」 「ひあぁ、ん、あッ、ああッ!!」 ちょっと信じられないくらいの量の、溢れた先走りに塗れたアゲハ君自身。 僕の指で感じている。 その事実が嬉しくて、僕はアゲハ君の唇に触れるだけのキスをした。 「僕に抱かれたいから、来たんだよね?」 「…く、ぅ…ッ」 「そうなんだろう?でなきゃ、誘われたら誰とでもしちゃう淫乱なのかな」 「……ッ、やぁ…」 小さく震える、アゲハ君の身体。 その背中を撫で、あやすように語りかける。 そして、アゲハ君自身を責め立てていた手を止めた。
「答えてくれないなら、止めちゃおうかな」 「…ぁ、…うぅ…っ」 「もう一度聞くよ。分かってながら今日来たのは何故なんだい?」 「……ッ、…それ、は…!」 「正直に答えてくれたら、イかせてあげるよ」 アゲハ君の瞳が、揺れた。 きっと今、彼はとても葛藤している。 抗うのか、それとも溺れるのか。 その表情はとても魅惑的で、僕は自分の内にある何かが満たされていく感覚を味わっていた。 アゲハ君の唇が、震えながらも言葉を紡ぐ。 「今日、は」 「お前に、…抱かれに、来たんだ」 そう言って、僕の肩に顔を埋める。 僕の背中に回された手が、ぎゅっと服を掴んで握りしめていた。 ああ、可愛い。 可愛いよアゲハ君。 こんなに可愛い君を汚せるなんて。 僕はなんて幸せなんだろう。 顔を伏せたままのアゲハ君の耳元で、優しく囁いた。 「良く言えたね。ご褒美に、沢山気持ち良くしてあげるよ」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>120-121 本文に忠実に将太「さん」呼びなのがなんかウケたw
自分も五里抹躇はあの姿なのに将太さんが
見分けられてるほうが良いな
>>145 でも、マスク着用でのキッスはちょっとシュールwww
>>117 読んでから、録画であのCM早送り出来なくなったよ
引っ張ってスマソ
CP色は完全にないとも言えるよ。キャラ完全捏造注意。 新作発売が近いので書いてみた勢いだけの短文です。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
誰か俺に黒い箱(と書いてPS3と読む)をくれ! by エース 「エース殿、箱がほしいと聞いて持ってきたでござる」 「ありがとなー、リュウ。これこれ、この持ち運びやすい小さいデザイン…って、これGCだから!! 色も違うし会社も違うし!! それにGCって、今じゃもうWiiがあるってのに…」 「拙者の箱はまだまだ現役でござる。先日もクロ殿と夜まで須磨デラで対戦したでござる」 「いや、それもWiiで新作出てるんだけどな……」 新しいハードに乗り換えるのは確かに悩む。 もうちょっと待てば改良版が出るんじゃないかとか、安くなるんじゃないかとか。 まさに今PS3の新型待ちの自分じゃ買い替えなんて勧められないな、とエースは思った。 「その、よければ後日、対戦を…」 「お、ならフジオも連れてくけどいいか? お前の家が日本家屋だって言ったら見たがってたからさ」 誘いを断られなかったからか上機嫌のリュウにGCを返すと、今度はジュンが笑顔で近寄ってきた。 「エース、PS3がほしいんだよね? はい、これ」 「お、本当に? おおー、これこれ。影時間にシャドウを倒していくんだよな…ってこれP3だから!! もうハードでもないし!! わざとやってるのかお前……」 「やだなー、僕がエースにそんな酷い事するわけないよー。じゃあ、これは?」 「おー、大きい箱だな。足まで付いて…って、これナイナイ043! 俺たちと同じメイツだろ!! ハードどころか物じゃないし! お前もこんなことで大人しく出てくるなよ……」 人と話すのが苦手で、普段は俯いたままのナイナイ043は答えない。 「ほら、お前がこんな連れ出し方するから、黙っちゃっただろー」 「えー、それはエースのせいじゃないのー? 僕何もしてないもーん」 そうして二人が話している間にナイナイ043は顔を上げたが 「……僕、PS3、持ってるけど……」 その声は誰にも届かなかったという。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! まだPS3買ってないなんて言えない
>>144 このカプが読めるとは!黒い朧のキャラがよかったです
快楽に弱くて実は嫌がってないアゲハはかわいいな
投下させていただきます 下手リア 女王様墺とドM普と悲惨な弟話です。 真夜中のテンションで生まれたエロ |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
151 :
狗 (1/5) :2009/07/14(火) 10:37:27 ID:hzQvfq0Y0
注)カニバリズム描写含む 「ほら、お舐めなさい」 貴方好きでしょう?と足を差し出されると最早抵抗することも出来ない。 地に両の手を捧げたまま、唇で食む様にして靴下を脱がしていく。 幸い靴は履いていなかったから今日は砂や泥を食べることにならなくて済んだのはラッキーだった。 白い靴下を下に下ろすと咥えて居た部分が俺の唾液に汚れていて、 それを不愉快そうに薄いガラス越しに見られるとゾクゾクと体が打ち震えた。ああっ何と言う幸福。 視線だけで射精しそうになり、おれは思わずまだ靴下も脱げていない足を口に含む。 じんわりとしょっぱい・・・舌を這わし、軽く犬歯を立てると、俺の口の中から足が逃げてしまう。 「この馬鹿犬がっ!!!」 ガツッと強い衝撃が頬に走る。俺の頬を墺太利が蹴り飛ばしたのだ。 痛みに俺の体が地面に沈む。咥内を切ったのか少し鉄の味がした。 「そんなこといつ私が許可しましたか普魯西・・・」 墺太利は豪華な椅子から立ち上がると俺のような犬に向かって歩み寄ってくれる。 俺の口の中に含まれていた右足が俺の唾液で酷く汚れていて、その足でもう一度蹴られたいとさえ思った。 「それに」 「―ああ゛っ!!!」 「何ですかこのはしたない肉棒は。触ってもいないのにもうズボンを汚して」 完全に勃起したペニスを踏みつけられ、ギリギリとにじられる。 痛みは完全に快楽に代わり、墺太利に踏みつけられている。蹴られるよりもずっと。そう思うと堪らなくて俺は精液をその足に吐きだした。 「・・・早漏で最低・・・やはり駄犬ですね貴方は・・・」 白くて粘着質のそれが墺太利を汚しているのだ。もし彼の足が女性の膣なら俺の子を孕んだかもしれない。 「何を笑っているのですかこのお馬鹿さん」 その足が俺のだらしなく開いた口の中に突っ込まれ、乱暴にフェラチオでもするかの様に上下し、喉の奥を突く。 生理的にえずくが、墺太利はその足を引き抜くことなんてしなくて、俺の吐き出したザーメンと墺太利の足の味に酔いそうだった。
「また股間を大きくさせて・・・いっそ去勢でもしてあげましょうか?」 嗚呼、そうしてくれればどんなに幸せだろうか。 墺太利のその長く細い指が俺のペニスに掛かり、指揮棒でも降る様にナイフで切り取るだろう。 麻酔なんてもの使わない。墺太利が与えてくれる痛みの中でも最高級の痛みだ。勿体無くて使えるものか。 そのペニスを彼はどうするだろう。最高のオナニーとして俺の中にケツの穴に埋める?ライン川にでも沈める? 出来ればその綺麗なお口に食われたい。最高の料理方法で俺のはしたないペニスが刻まれて、豚や牛の様に食われたい。 その虫歯一つない綺麗な歯列に噛み締められ、その柔らかそうな舌で味わう。そして喉を通り胃に、体の栄養となって、残りカスは便所の中へ。 そんな事になるのなら俺は幸福で死んでしまって、その先が地獄であろうと永遠に幸福からは放してもらえなくなる。 「ほら、早くズボンをお脱ぎなさい普魯西。安心なさい今日は去勢なんてしませんよ」 そう酷く残念な事を言い、墺太利が軟らかく笑みを浮かべた。 もしも俺に尻尾が生えて居たらさっきまでパタパタと振っていたそれはすぐさま萎えて地面に伏せただろうな。 ズボンのバックルを外し、ザーメンやカウパーでドロドロになったズボンを捨てる。 外気に剥き出しになる下半身。勃起したペニスは天を向き、フルフルと震えていた。 本当は上の服も脱ぎたかったけれど、墺太利がそれを許してくれるはずなど無い。 再びイスに座り、傍観の姿勢に入った墺太利に見せつける様に足をM字に開く。カウパーが鈴口から溢れて、下へ下へと流れ落ちていく。 「さ、これで解しなさい」 ポケットの中から小さなチューブが飛んできて、俺の頬に当たり腹に落ちる。 右手でそれを拾い上げ、歯でキャップを噛み、捻ると簡単にそれは空いた。 トロトロとして、ピンクに色づいたローション。押すとドロドロと溢れ出て俺の指を、下腹部を、蟻の門渡りまで冷たいピンクで浸食していく。 「ん゛ッ!」
「ん゛ッ!」 ズプッとピンクにまみれた指が俺のケツの穴に突っ込まれる。 生温かくて、息を吸うたびにグニグニと動いた。キモチワルイ。 指なんかいやだ。自分の指なんかより墺太利の熱いペニスでガツガツ突かれて、腸に種を吐き出されて。ああションベンでも良い。墺太利のものなら俺は何でも受け入れる。 けれど未だかつてそんな最高級の快楽など与えてもらったことなど無い。いつもどこからか取り寄せたバイブやディルド等ででぽっかりと空いたそこを埋めることしか許してくれないのだ。 墺太利が犬である俺に触れるのは常に足の先だけだった。 「あっ あっ ああっ・・・」 グチュグチュと指が3本根元まで何不自由なく入るようになった。 前立腺に触れてはいけない。ここで射精などしてしまえばペニスは愚か玩具すら与えられないだろう。 「・・・もう準備良さそうですね」 そう言って墺太利は立ち上がる。 けれどいつもならここで用意される性具は彼の手に無かった。 「・・・墺太利?」 本当に俺を犯してくれるのだろうか。ああ、何と言う至福。 けれど墺太利は俺を素通りすると、俺の向こうに置かれた天蓋の引かれたベッドに向かい、カーテンを開いた。 「西っ・・・?!」 そこには寝かされたまま柱に腕を繋がれ、眠っている西、弟が居た。 「さぁ、卑しい犬は汚らしい場所を埋める物が欲しいのでしょ?」 つまり西のペニスで・・・俺を貫けと・・・ ゴクリと喉が鳴った。 「さぁ」 俺はふらりと立ち上がると、西の眠るベッドへと引き寄せられるように歩き出す。 「西っ・・・」 腰かけるとギシッ・・・とスプリングが軋んだ。 眠ったままの西に寄り添う。
足の間に顔を埋めると、洗剤とアンモニアの匂いが少し。 手を使ってはいけない、俺は墺太利の犬なのだから。 歯でズボンのボタンを外し、チャックを下ろす。そして顔を奥に埋め下着の奥のペニスを探す。 「ん・・・西っ・・・」 萎えたペニスに口付け、舌を這わす。 チュッチュッとキスをし、裏筋を撫でるとゆっくりとだが硬度が付き始めた。 それを口に含み、舌で包み喉の奥まで誘う。餌付くまで飲み込んで、ギリギリまで引き抜いて。 嗚呼っ・・・俺の西。俺の分身。俺が育てた、たったひとりの弟・・・ 「・・・ん・・・何だ?」 西が目を覚まし、腕を動かしたのかジャラリと金属がこすれる音がした。 けれど全く事態を把握していない西は、己の股間に顔を埋める俺を見つけると、声にならない悲鳴を上げた。 「兄さん何を?!」 自分が俺に何をされているのか気づいた西は逃げようと、ベッドの上をもがくが手錠に邪魔をされ俺の唇からのがれる事が出来ない。 十分固くなったペニスの上に馬乗りになると、ペニスの先端を蕩けさせた俺のアナルに押し当てる。 少し腰を下ろしただけで入ってしまうだろう。事に気づいたのかポロポロと西が涙を流す 堪らなく可愛かった。 「嫌だっ!兄さんっ・・・!」 「西っ・・・西ぃ・・・ああっ・・・!」 グプグプと卑猥な粘着音を立て、俺の中に熱い西のペニスが入り込んでくる。 一気に腰を下ろすと、大きな西のペニスに腸が押し上げられて、圧迫感が堪らなく気持ち良い。 まるでアナルから一気に引き裂かれ、真っ二つになるようだ。 腰を上げ、ギリギリまで引き抜き、また奥へと腰を下ろす。 「あっ!あっ!西っ!うあっ!」 名前を呼ぶと更に硬度が増し、西は止め処なく荒い息を吐いた。 西の熱くて大きくて太くて固いペニス。ああっこれが墺太利ならどれだけ気持ち良いのだろう。 墺太利はもっと熱いのだろうか。それともあの視線の様にもう少し冷たいのだろうか。 あの指が俺の中を蹂躙するのはどんな感覚なのだろう、あの腕が俺を押し上げる感覚はどんな感じなのだろうか。 ああっ 「―墺太利っ!」 絶頂を迎える瞬間。閉められていた天蓋が開き、幾度となく恋い焦がれたあの指が俺の顎を掴み、 西が俺の中で絶頂を迎えるのを感じながら、俺はその唇に口付けられた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! ageちゃってゴメンナサイ!
ナイト/ミュー/ジアム風オリジナル |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
訪れた人々が帰った後の博物館。 閉館時間。遠くで扉が閉まり、鍵をかける音が聞こえる。 室内の電灯は完全には消されておらず、ほのかに明るい。 人の気配がないのを確かめつつ、動きだす。 「…んー……そろそろ大丈夫かな」 狭いケースの中から外を見る。 他の仲間も同じように思い思いの行動をし始めていた。 その中から自分の所に走ってくる者がいた。 「語武浄〜!」 自分よりちょっと幼い容貌の少年、坂羅。 すっごい笑顔で、もうキラキラ輝いて見えるくらいだ。 それにつられてこっちも笑顔になる。 でも…。 「坂羅…走ったら駄目だろ。転んだりしたらどうする?」 もしも、そんな事になったら…。気が気でなかった。 「…ごめんなさい…早く会いたくなっちゃって…」 「………」
横に置かれた腕と無い体をちらりと見て、ふぅ、と溜め息をついた。 「坂羅に何かあったら嫌なんだよ。それに俺、毎晩ここにいるじゃないか」 気持ちは分かる、自分だってすぐにでも会いたい。 けど、心配でもあった。それだけ大切という事。 坂羅は落ち込み下を向いたまま、こくんと頷いた。 少しの間の沈黙。 俺は重くなった空気をなくす為に今日1日の話を切り出した。 していくうちに段々と笑顔も戻ってきていた。 (良かった。もう大丈夫だな) 自分に顔を見つめられると照れるのか、 恥ずかしそうに視線を合わせたり外したりする。 本当に可愛い。 いつも見せてくれる色々な仕草、明るくて素直なところ。 全て。全てが好き。 けれど一番良いのは、笑っている時だ。
暫く話をしていた時にあの事を思い出したのか、俺に聞いてきた。 「…ねえ…語武浄。次の場所に行かずに帰るの…?」 言われた瞬間、体がビクっと震えた。 まだ知らないと思っていたのに…。 仲間数名が帰る、その中に自分も含まれていたのだ。 この事は後々で言うつもりだった。 「…だ、誰から?」 「来てたお客さんから」 その答えに納得した。 恐らく会話で聞き、知ったのだろう。 「ごめん、お寺に戻らないといけないみたい」 「僕も一緒に戻りたい…」 流石にこれは変えられなかった。 すでに向こうへ行くメンバーは決まっていた。 2ヶ月ちょっと、待つ間は長く感じるだろう。 今まで一緒にいた。だから、離れて過ごすのに抵抗があった。
「いない間は…。…坂羅が帰ってくるの楽しみに待ってるから」 「本当…?」 もちろん!と俺は首を縦に振った。 「…それじゃ、…約束…」 そう言って坂羅は正面に立つと、囲っているケースを取り、静かに足元へ置いた。 遮っていた物がなくなり、いつもより嬉しそうなのが分かった。 「ふふ、皆には内緒ね」 「内緒って…」 不安そうな自分にニコっと笑顔を返してくる。 まったく。お前のそういう顔に俺は弱い。 「……しょうがないな」 瞼を閉じて大好きな相手の唇にそっとキスをした。 −−−−−− 人々が帰った夜の博物館。 電灯がほのかに点いた室内で物思いに耽る者がいた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>156-161 先月まで上野におわせられた神々のことか!
パンフレットの写真を見直してみたら本当に、
先にお寺に帰っちゃった人の顔が心配性の表情に見えてきたよw
幼いほうの彼が満面の笑みを浮かべたらさぞ可愛いだろうなぁ…
初めてお邪魔します。 ・深夜ドラマ「取ッ九」より、金髪刑事×帽子刑事 ・半ナマ注意。女性の描写少し有り ・エロなしですが、若干お下品です。 時系列は無印終盤〜劇場版1のどこかです。夏。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「バツ、バツ、うーんこりゃ微妙じゃのぉ、マル。バツ、マル…」 イツハラは珍しく、自分のデスクで熱心に調べものをしていた。しかしもちろん仕事ではない。 広げられた紙の上にはずらりと並んだ、絡みあう裸の男女。 俗にいう『四十八手之図』である。イツハラはそれらを独自の基準で二つに分類していた。 女の頭が床についているものが、バツ。反対に女の頭が床に触れないものは、マル。 次々に赤ペンで印をつけていく。 (こりゃ結局、キジョー位系か座位系かバックかしかなさそうじゃの。それか、立って…) イツハラが夕方とはいえ白昼、このような妄想にふけっているのには訳があった。 直接の上司である失部刑事は頭部に重大な秘密を抱えた男である。 その秘密は周囲の人間全員に共有されるものであったので、もはや秘密とは言いがたかったが 本人が必死で隠し続けているのだからしかたがない。 その秘密を暴かんとする破廉恥な現象や人間から失部(の、頭部)を守るのはイツハラの役目だった。 だからイツハラは、失部と初の夜を迎えるにあたっては万全の準備をするべきだ、 いやせねばならない、体位に関しても、と思っていた。 失部の警戒心は並大抵のものではない。「カミ」「ヅラ」といった言葉には 非常に敏感だし、失部にとってもっとも親しくまた従順な人間であろうイツハラにさえ その内奥は見せないし触れさせない。うっかり頭に触れようものなら鉄拳制裁である。 ふたりで銭湯にサボりにいく時も、不透明なシャワーキャップをかぶるという徹底ぶりだ。 事に及んでいざ本番、めくるめく官能の世界へとなった時に、失部の頭部がうっかり分離すれば 官能世界が一瞬にしてぶち壊しになるだろうことは目に見えていた。
失部は今夜初めてイツハラの家にやってくる。ふたりの間で時々開催される「違法わいせつ図画 調査会」またの名を押収品裏ビデオ秘密上映大会は、今回失部宅のデッキが故障したために イツハラのアパートで開催されることとなったのである。さらに明日は休みがひかえているから、 失部はそのままイツハラの家に泊まるつもりらしい。 いってみればホームグラウンドに引き込めるわけだった。 だからこそイツハラは柄にもなく徹底的に準備していた。 日頃購入している卑猥な雑誌にそれ系のものを一冊混ぜ、おののきながら家でそれを読んだ。 必要なものは一通り買いそろえ、起きうる事態をシミュレートし、 その上でそれらの準備をちょっと見ただけでは悟られないように隠しこんだ。 刑事としての本領発揮である。 準備を隠すのは拒絶された場合を考えてのことだった。 なにしろふたりの間できちんとした約束なり宣言なりがあったわけではないのだ。 しかしうまくいくのではないか、とイツハラは考えていた。 イツハラはシンプルな頭の持ち主ではあったが、無根拠ではない。 キスをしたことがあるのだ。
事の次第はこうだ。 数ヶ月前、失部とイツハラはいつものように飲みにでかけようとしていた。 しかし出たところで運悪く意等公安公安課長の説教に失部が捕まり、さらにそばで立ちすくんでいた イツハラは「何を見ているんだね、はやく帰りたまえ」と追い払われた。しかたがないので イツハラは先に飲み始めておいて、あとから失部が合流する手はずになったのだが、 これがいくら待ってもやってこない。ちびちび飲んでいたイツハラも酒が回るにつれひとりの さびしさがつのってきて飲むペースもあがり、2時間もすると完全にできあがってしまった。 これではだめだとよろめきながら店を出て、へたりこんでいると失部から電話がかかってきた。 「アニイーー、わしじゃよ、アニイの一番弟子のイツハラじゃよーーーー!」 「わかっとるわ、お前にかけとんのじゃアホ。なんでそんなぐでぐでやねん」 「ひとりで飲んでもつまらんのぉ、わしゃさみしいよーーー」 「きっしょくのわるいこというな。あのな、やっと出てこれたんやけど俺もう飲む気せんねや。 はよ帰っておふとんくるまりたいんや。お前ももう今日は帰れ。また今度飲も」 「いやじゃーーーーアニイーー!!」 「耳痛いわボケ、でっかい声出すな」 「アニイ、わしひとりで帰れんけ、迎えにきてくれませんかのう?」 「はあ?」失部は明らかにいら立っているらしかった。「そんなもんお前がどないかせえ」 「わしもうお金ないんじゃー、たくしー乗れんよ、アニイに見捨てられられたら帰れんよー」 「あ゙ー、ほんなら店の前で待っとけ!」
電話は切れた。まだ寒い季節だったのでイツハラがぶるぶる震えながら待っていると、 しばらくして失部の車がやってきた。立ち上がろうとしたが力が入らなかった。 クラクションが二度三度と鳴ったが入らないものは入らない。やがてものすごく面倒くさそうな 顔をした失部が車から降りてきて、座り込んだイツハラの腕をぐいと引っ張りあげた。 この時イツハラは自分でもよくわからぬまま舞い上がっていた。酒の力もあったのだろう。 冷静に考えれば2時間も居酒屋に放置し、金欠を招き、冬の夜空の下で凍えさせたのは ほかならぬ失部だといえなくもなかったが、イツハラにはしょぼくれた分太兄いに見えたのだった。 それで「アニイ!」と言いながら立ち上がった時、イツハラは感動し、感極まり、 完全に勢いだけで、ちゅっとやってしまったのだ。 「んぐ」と失部は呻き、大きな目を見開いてさらに大きくした。 「あう」とイツハラは自分に驚き、あわててあとずさった。 衝撃で酔いの醒めかけた頭に無言の鉄拳が飛んでくる。条件反射だけで「ありがとうございます」と 応え、黙っている失部の顔をうかがった。しかしそこには驚愕も嫌悪もなく、強いていえば 呆れが浮かんでいるだけだった。 「エヌピーオーっちゅうもんを考えられへんのか、お前は」 一瞬あっけに取られたあと、TPOのことらしいと気づく。失部は続けて、元気やないか、 はよ車乗れ、ひとりでとぶつぶつ言いいながら運転席に乗り込んでいった。 帰り道も特に普段と変わりなかった。馬鹿な話とエロい話と課長の愚痴で一通り盛り上がり、 イツハラは帰宅した。そのまま布団に倒れこみつつ、なぜ激怒されなかったか考える。 (1)アニイは普段からあんまりそういうことを気にしない。 (2)わしが酔っ払ってたから、大目に見た。 (3)その他。 答えは出なかった。
しえん
その日からイツハラは隙を見つけては、冗談半分・好奇心四分の一・正体不明の気持ち四分の一で 失部にキスを試みた。隙といっても常に狙っているわけでなし、機会はあまり多くない。 ちゅっ、ばしーん、ちゅっ、ばしーん、を繰り返し、 数ヶ月後の現在、戦績はキス4・鉄拳7・拒絶0。 鉄拳が勝っているのは、一度勢いをつけすぎて頭部の秘密をおびやかしたためである。 とはいえ失部の反応は、特に反応がないという意味で良好といえた。 ある時は機嫌がよかったらしく、イツハラのオールバックをぐしゃぐしゃとかき回しながら 「かわいいやっちゃなお前はー」と笑っていたこともあった。 問題と言えば、これらの戦績がすべて酒の上のものだということくらいだった。 イツハラが知りたいのは『どこまでが大丈夫なのか』である。好奇心を満たし、失部が何を思って いるか確認し、あわよくば少し困らせたい。中途半端な失敗をしたくないから最後までしっかり 準備をしただけのことで、あとは酒の上のおふざけとして楽しむつもりだった。 体位についてはひとまず見解が出、イツハラが悦に入っているとうしろから声がした。 「おい、うまいこと借りれたぞ。行こか」にやにやしながら立っていたのは当の失部だ。 「あっ、りょ、了解ですじゃ」とっさに四十八手をかばんに滑り込ませる。 「イツハラそれなに?」 「資料じゃよ。資料」 「ふーん」書類にはあまり目を通さない失部は、興味を失ったらしかった。
運転しながら、イツハラは助手席の失部に話しかける。 「アニイ、今日のビデオは、どんなんじゃろ」 「わからんなあ、見てみんと」と失部はビデオやDVDの詰め込まれたビニール袋をのぞく。 「ジャンルとかは、わからんのですかいの」 「さあなあ。でもな、これ持っとったやつ。もぉのすっごい、変態らしいぞ」 「そら、楽しみじゃのー!」 「うっへへへへへ」 ふたりで下卑た笑い声をたてているのがたまらなく楽しい。 イツハラは計画をたてたことを半分忘れそうになった。 ほどなくマンションの駐車場に着いた。車を降りた失部が、外の熱気に「あつっ」とつぶやく。 「今日えらい暑いな。イツハラ」 「はいっ」 「家着いたら、風呂貸して」 「ええ、ええですよ…あ」 「ん?」 イツハラの視線の先には一匹の猫がいた。首輪もなく、痩せたさび猫である。 「ブンじゃ」 「ブン?ああ、猫か」 駐車場の砂利で足音を立てぬよう、イツハラはそっと近づく。失部も無意識にそれにならう。
支援
すみません、さるさんにひっかかってしまったようです。 見苦しくてごめんなさい というわけで [][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
狂おしく支援。続き待ってます。
鳥九きたー! 姐さん、待っとりますけん!
いけるかな… |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ フタタビオオクリシマース! 「ブンー。わしじゃよー」猫はふたりに気づいたが、逃げはしなかった。 「なんや、ぶっさいくな猫やな。ぜんぜんかわいないやん」 「ブンはかっこええんじゃよ。集会にも来んし、孤高なんじゃけえの」 「嫌われてるだけやろ。イツハラ、俺暑い」 「なんか持っとったらやるんじゃけど、なんもないのう」 「お前なあ、野良猫にぽんぽんエサ…。イツハラ、俺はよ風呂入りたい」 「すんません。でも最近、触らしてくれたんじゃ。のー、ブン…あだぁっ!」 「そらなあお前」一撃して逃げ去る猫を見やり、失部が笑って言った。「ちょっとエサやるくらいで そうそう信用せんやろ、猫は。おら、もう行くぞ」 歩き出すと、砂利の音がさっきよりも大きく響く気がする。イツハラはひっかき傷を口で吸った。 「わし、信用、ないんですかの」 「知らんけど、どっちかっていうと俺は猫、あんまりやな。犬と違っていうこと聞かんからなあ」 「いつもはもうちょっとなついちょるのに…」 「あ」 今度は失部が足をとめた。 「アニイ、どうしました」 「エサで思い出した。俺らのエサないぞ」 「エサ?」 「わからんのかい。酒とツマミ。ないやんけ」 「あ、忘れちょった。ちょっとむこうにコンビニあるけえ、行きましょう」 「おう、お前行ってこい」 「アニイはどうするんじゃ」 「俺は風呂入る。お前なんか買うてこい。鍵!」
ふたり分の酒だのツマミだのを抱え、イツハラはマンションにたどり着いた。 マンションといっても、アパートに毛が生えた程度のものだ。 鍵の開いた部屋に入ると、すでに風呂場からは水音がしていた。 「♪あなたがっ、…〜ぁ、#%@&、*$ぃ〜」 失部はなにか上機嫌で歌っているらしい。水音がやむと、湯船につかる音とため息が聞こえた。 なんとなく声をかけそびれていると、失部は風呂からあがって洗面所を適当に探り、 バスタオルやドライヤーを使い始めた。恐るべき遠慮のなさである。 イツハラはといえば、妙な緊張を感じていた。隠したものたちが心配なのではない。 それらはもっと奥まった場所に片付けてあるからだ。 一人暮らしのこの部屋で、くつろいで風呂まで入っている他人がいるということに緊張していた。 これではなんだかそう、まるで家族か、恋人ではないか。 「あのう、アニイ、酒買うてきました」呼びかけに不意をつかれたらしく、一拍おいて 「おお、そうか」という答えがドライヤーの風越しに返ってきた。 ずいぶんと丁寧な頭髪のケアが終わると、開襟シャツにズボンの失部が洗面所からでてきた。 頭はさっき別れた時となにひとつ変わらずセットされている。蒸れないのかと思うが、 蒸れよりも見栄が大事なのだろう。 「あーあーええ風呂やった。一応わかしといたぞ。入り」 「わ、わし?…ほいじゃ、そうします」ますますイツハラは緊張する。 「先飲んどくなー」
ひさしぶりにつかった湯船は、いつもよりも少し熱かった。一人暮らしではシャワーが多い。 失部はテレビを見ているらしい。じっとしていると漏れ聞こえてくる失部の笑い声に 耐えられず、イツハラは早々と風呂からあがった。 あまりにも失部の振る舞いが自然すぎて、くすぐったい感じが我慢できなかったのだ。 「あれ、お前早いなあ。ちゃんと洗ったんか。百まで数えなあかんで」 缶を片手に失部がからかう。イツハラは部屋着に着替え、失部の横に腰をおろした。 「よっしゃ、ほんならさっそく見よか」待ちきれないというふうに袋をあさる。 「変態てどんなんかのう」イツハラも缶を開けながらにやにや笑う。 「ウンコとかかもしれんぞ〜」 「マジもんの盗撮かもせんのう!」 「いっぱいあるからな、どれにしよかなー、よし、最初は…これやっ!」 「ウォー!」 ビデオをもったいぶって取り出し、再生ボタンを「せえの!」で押すと、来るべき 変態ワールドが始まった。少し幼い顔つきの女が下方から映し出され、ふたりは唾をのむ。 画面の女はまずゆっくりと靴下を脱ぐ。じれったいほどである。素足になると今度は 脇からストッキングが手渡され、女はそれを履く。しばらく歩き回ったのち、 また脱ぐ。今度はルーズソックスが現れ、やがて脱ぎ捨てられ…
「なんじゃこれ」失部がとうとうつぶやいた。 「さっきからずっと脱いだり履いたり、脱いだり履いたりしとるのお」 「しょーもない。はずれやな」一通り早送りで見たあと、さっさと次と入れ換えた。 「変態ってこういうことじゃったんかの」 結果からいえば、イツハラの推理は的中した。ふたりが思い描いていたようなわいせつ図画は たったのひとつで、しかも局部がまったく映っていないというものだった。 あとはすべて、水をかけあう女だのビスケットをヒールで砕く女だの風船とじゃれる女だの、 ふたりからすれば非・エロティックに分類される特上の変態ワールドが粛々と繰り広げられて いたのである。 「あほかーー!」うなぎとたわむれる女にむかって失部は叫び、リモコンの停止ボタンを連打した。 「アニイ、今のが最後じゃよ。完全にはずれじゃけえのう」 「何考えてんねん!俺はモザイクの向こう側が見たいんじゃー!」 イツハラはけっこうおもしろがって見ていたのだが、じっと黙っていた。 「くそっ、あいつらちゃんと仕事しとんのか。テキトーなもん押収しやがって」 今や苛立ちを肴にして、失部は酒を煽っている。 イツハラも少しあてがはずれて困っていた。予定では違法なわいせつ図画によって生理的な欲求が 生じ、また酒も十二分に入り、お互いがそういう雰囲気になったところで、おもむろに持ちかけるはず だった。これまでの上映会でも、競ってトイレに駆け込むようなことはままあったのだ。 今回は見送るか。しかし次もここで行うとは限らない。絶好の機会なのだ。失部の家で 持ちかけるのも手だが、準備ができない。 イツハラが逡巡していると、すっかり興がそがれたらしい失部がイツハラの万年床にごろりと横になった。
「イツハラ、今日はあかんわ。もう寝よ」 「寝るてアニイ、まだ早いですよ」 「そんなんいうたかてお前、見るもんないし、やることないしやな、寝るしかないやないか」 言ってみるか。言ってみるか。 「アニイ、」 「お前どこで寝んの」イツハラの布団で眠る気らしい失部が尋ねた。 「へっ」 「どーこーでー寝るんですかって。布団もう一組ぐらいあるんやろ」 「いやあ…」 「なんや、ないんか」失部が嫌そうに首をもたげる。「ほんなら俺、お前と添い寝か」 「い、いや、冬用のがあるけえ、そっちで…」言ってからイツハラは後悔した。 「ほんなら、そっちで寝え」失部はもうすっかり布団にくるまっている。 イツハラは押入れからもぞもぞと重たい布団を取り出すと、失部の横に並べた。 敷布団はないので、床に直で寝るのである。冬用の布団は、かぶると重苦しかった。 ほかにしようがない。どんよりとした気持ちが、さらに布団を重くする。 「明日、釣堀でもいくか。なあ、イツハラ」 「はあ」 気のない返事をしながら、イツハラは天井を見上げた。ふと手をのばして、電球のヒモを引く。 カチ、カチ、と音がして、豆電球に切り替わった。 背骨が痛い。後頭部も痛い。布団が重い。 みじめだ。
横でむっくりと、起き上がる気配がした。上半身を起こし、こちらを一瞥したのが 薄暗がりの中でかろうじてわかる。失部が自身の頭に手をやると、不思議なことが起こった。 頭が分離したのだ。 失部は分離した頭を傍らにそっと置くと、また横になった。ややあって、ようやく事態を 飲み込んだイツハラが勢いよく上半身を起こす。 失部は向こうを向いている。しかし布団から突き出た頭にはあるべきものがない。 いや、もともとあるべきでないものがあったのだが、ともかく、それがない。 さんざん迷ったあげく、イツハラはかすれた声でひそひそと呼びかけた。 「アニイ。アニイ、」 返事はない。しかし眠っているはずはないだろうと思った。 失部の肩は不自然に強張っていて、唯一の目撃者であるイツハラを意識しているのが豆電球の明かりの 中でさえ明らかだった。 「起きとるんじゃろ」 かすかにわなないた肩を見ているうちに、なんだかたまらなくなってくる。 なんでじゃろ、こげな頭しとるのに、いうこともやることもめちゃくちゃじゃのに、と思った。 上半身をぐっと乗り出して、失部の体の向こう側へおおいかぶさる。 ちゅっ。 奇襲を済ませると、イツハラはすぐに布団の中に逃げ込んだ。 ばしーん、は、いつまで待ってもこなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 支援をくださった方ありがとうございます!長々と申し訳ないです 無印見返したら、初期は部下に頭を触らせない設定だったので つい妄想しました。
>>181 乙&ありがとうございました!
ヅラ可愛いし、やっぱ金髪が一番好きだw
分類した四十八手が使われる日が来ることを願ってるよ
>>181 この二人を見れるなんて…!
萌えすぎて幸せだ。乙&ありがとう!
>>138-144 亀スマソ
揚羽は気持ち良くしてもらえばいいんだ
朧の言葉攻めに禿げたw
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ナマ。紅烏の神と餅。餅視点 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| あまりカプっぽくないよ | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ デテクルバンドハオコノミデドウゾ | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スタジオでの作業の合間、長椅子に座ってボーッとしていると、つい先日聞いた話を思い出した。 この最近、レーベル内で、休止や解散が多い気がする。 先日聞いた話というのも、メンバー同士何度も互いのレコーディングに参加し、ライブで共演・サポートしてきたバンドの休止情報だった。 「僕達……」 声に出すつもりはなかったのに、無意識のうちに言葉が口から出ていた。 「ん?」 少し離れた椅子に座って作業を続けていた彼が手を止めてこちらを向いた。 「僕達もいずれ、解散だ休止だって時が来るんですよね」 普段は「その時」の事など考えもしないのだけど、たまに誰かの解散・休止情報を聞くとなんとなく脳裏をよぎる事がある。 「過去に何度か、僕たちにもそういう噂があったじゃないですか。 その時には『ないない』って笑い飛ばしてましたけど、でも永遠には続けられないんですよね……」 少なくとも今、自分達はまだまだ続けられる状態にある。先の事も、こうしたいああしたいとメンバーやスタッフと話している。 最近立て続けにそんな話ばかり聞いていたから、少しナーバスになっているだけだとは思うのだけど。 「駆け出しと言える頃からずっとこのメンバーでやってきてるのに、離れたくないですよ」 視線を彼の方には向けずに、前方に落としながらそう呟いた。 視界の外で椅子から立ち上がる音が聞こえ、続けてこちらへ近づいて来る足音がした。 僕の横の空いたスペースに彼が座ったのがわかったが、それでもそちらへ目を向ける事はしなかった。 不意に彼の手が僕の頭に乗せられる。
「まだまだお前には教える事がたくさんあるんだよ」 そう言われて、軽く撫でられる。 その時、彼の手から、存在から離れたくないと思った。 ずっとこのバンドで一緒にいたいとは、他のメンバーに対しても同じように思っている。 彼の他にも尊敬する先輩はいる。 でも他の人達に対して思う以上に彼と一緒にいたい、学びたい、ついて行きたい。 もし、今の彼の言葉に、少しでいいから僕と離れたくない気持ちが入っていたらいいなと思いながら、僕の事を撫で続けている彼に寄り添った。 ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ うまく締められん。他の姐さん方の偉大さを思い知った | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【MMO】FF11で801 Part2【RPG】より着ましたー こんなところあるんですね、お目汚し失礼します
「あれ!隊長これから、どこかに、お出かけですか?」 赤い髪を短く刈り上げた、白い鎧に身を包んだエルヴァーンの青年は ガチャガチャと音を立てながら、少し前にすれ違ったブリガンダインを着込んだ青年を 少し顔をほころばせながら、呼び止めた。 隊長と呼ばれた若いヒュームの男性は振り返り答える。 「ああ、フェリモシェルじゃないか、うん、ちょっと医者に行こうかと」 それを聞いた時に、赤い髪の青年の顔は曇ったように見えた。 「あの医者の所に行くんですか・・・?」 「うん、最近体がこってるみたいで、いいオイルマッサージをしてくれるとか」 「お、オイル・・・マッサージですか?」 赤い髪の彼はほんの少しの間、百面相のように表情を変えたと思ったら 隊長と呼ばれた青年に詰め寄った。 「そんな・・・ドラゴンの口に入るより危険ですよ!!!」 「僕も一緒に行きます!」 「何を言ってるんだフェリモシェル、ただのマッサージだ」 「僕も行きます!」 「大体お前は今、見回り中だろう?ちゃんと仕事しろよ」 「うっ!・・・でも、これも見回りのうちです!!」 結局、赤い髪の青年に押し切られ、二人で上層の医者に会いに歩き出した。
「おや、どうしたんですか?今日は一人で来ると思ってたのに」 物腰の柔らかな、柔和な表情を崩さずに 薄い金髪を結わえた青年は、彼らを迎え入れた。 「自分の部下なんだが、どうしても一緒に来るといって聞かなくて」 すこし困ったような表情を見て、愕然とするフェリモシェルだったが へこたれては居られないとばかりに、貼り付けたような笑顔で かの隊長の幼馴染に自己紹介を始めた。 「初めまして、モンブローさん、お話は隊長から、よく聞いています」 「それはそれは^^」 内心フェリモシェルは焦った。 『あれ?もうちょっと動揺しそうな、はずなのに・・・』 よく考えてみれば、オイルマッサージで、あんな事やこんな事したら 普通に逮捕な訳だし、しかもあろうことか、相手は隊長な訳だし いやでも、ただのオイルマッサージにしても、医者が普通にうらやましいな・・・ などと逡巡していると、ハーブティを差し出された。 「どうぞ、美味しいですよ^^」 『き、キターその手に僕は乗らないぞ!』 「僕は、ハーブティダメなんです、すいません^^」 それを聞いたウォルフガングは 「何いってるんだ、この間俺にハーブティ差し入れてたの、お前じゃないか?」 「いいえ、隊長、あれは特別なハーブティで、普通のハーブティはダメなんです」 きっぱりと断る。 「オカシな奴だなあ」といいつつウォルフガングはハーブティを飲み干し 「隣の診察室に行く」と立ち上がった。 「ちょ、ちょっと待ってください、僕も!その診察のところ見ますね!!!!」 「申し訳ありませんが、そんなことは出来ません^^」 にっこりと笑う医者の目は笑ってないように見えた。 「医者の言う事が尤もだ、ホントお前いい加減にしろよ?」 少しばかり怒ったような隊長も可愛い・・・などと思いつつも 「じゃ、じゃあ隣の部屋で待ってますね!」 どうにか隣の部屋で待つ権利を得ようと食い下がる。 「よろしいですよ^^ごゆっくりどうぞ^^」
診察室の隣の部屋に通された、部屋には、炊き始めたお香が満ち始めていた。 隣では二人だけでオイルマッサージをするのか、うらやましい・・・ 建物には他に誰も居ないようだが、いくら幼馴染でも特別扱いすぎる。 しばらく聞き耳を立てて床に座っていると 首元にチクリとした痛みがあったが、それは蚊のさした程度の痛みで、さして気に留めなかった。 フェリモシェルはやがて 隣の音を聞き漏らすまいとする己の意思とは無関係に無限の暗闇へと堕ちていった。 それを覗き穴で確認した医者は一人ごちた 「ふむ、『ナウマンゾウでも3秒で眠りに着き、目覚めは朝まで』という謳い文句、嘘ではないようだな」 念の為その部屋の外から鍵を閉めた。 「さて・・・」 折角の機会に、飛んだ邪魔が入ったが これで心置きなく・・・久しぶりの・・・
まずはウォルフの着ていたブリガンダインを脱がせて 鍛えられた体があらわになり 下着も何もかも脱がせてから、ハーブの温めの浴槽でゆっくりと体をほぐし タオル一枚つけただけの格好で、ベットに言われるまま横たわる。 うつ伏せで背中からマッサージをされる 何かしら、いい香りのオイルを手に馴染ませ、背中や肩、腕そして腰まで されるがままになっているウォルフだが 彼の医者の指は、まるでピアノでも弾くかのように優しく、とても気持ちがいい、が わき腹あたりに指が触れた時、少しくすぐったくて声を出してしまう 「・・ぅ」 すると、医者はすこし意地悪そうな声で耳元で囁く 「隣の部下に声が漏れてしまいますよ?」 耳元で突然囁かれて、自分の声の、はしたない響きに驚く まるで、あえぎ声のような・・・ 自分の手の甲を口元にもってきて、こらえるようにふさぐ 「んん・・・」 それを見てニヤリと笑い、ウォルフの体を正面に向きなおさせる 「ほら、手をちゃんと真っ直ぐにして・・・ね?」 まるで小さい子に言うように優しくだが、また、耳元で囁く ウォルフの頭に医者の甘い声が響いて、恥ずかしさに耐えるのが困難になってくる。
今度は首元から胸に掛けて、ゆっくりと撫でるように、まるで愛撫のように チラチラと指先で乳首を軽く、しごく、と桜色のそこは少し硬くなる オイルのヌルヌルが余計に敏感にさせるのかジンジンとした快感が止まらない 「おや、どうしたんですウォルフ・・・乳首が勃起していますよ?」 また耳元で囁かれる、自分の体の変化を指摘される。 隣の部下を気にしてか、何も言わないで首を力なく左右に、いやいやをするように振る 「いいんですね・・・ここ・・・」 そのまま執拗に乳首を虐める、ぴんぴんと勃ってしまった乳首をゆっくり楽しみながら 「何も言わないと判りませんよ?」優しく問いかける。 片方の乳首を口に含むと舌でペロペロと転がし少し前歯で甘く噛まれ もう片方の乳首は親指と人差し指でつまみクリクリと、なぶりられる ウォルフは声が出るのを必死で抑えて、シーツを引っ張ってしまうと見咎められた。 「いけない子ですね・・・」 今度は下半身に手が伸ばされる。
「おや、下の方も勃起していますね・・・」 体に伝えられる刺激で、硬くなってしまっている。 優しく撫でられて、息を呑むが声は出さない。 隣で部下が聞いているかもしれないのだから・・・ ふと医者は首を傾げる 「おかしいですね、いつもより感度が、良いんじゃないですか?」 「隣で聞き耳を立ててる部下が気になるんですか?」 「ダメですよ、こんなになってるのに・・・」 言うとウォルフ自身の先に出ている先走りの液体を ゆっくりと指で亀頭の先にグリグリと塗りつけ、くちゅくちゅと湿った音を響かせる。 ジンジンした快感が体中を暴れまわる 「・・・や・・め」 ようやく抗議の声が出るが、既に、もうその声は抗議してるようには聞こえない。 息も荒くなってきているし、何より体は正直だ。 「大体こうなる事は判ってたんでしょう?・・・なぜ連れてきたんです」 「それとも・・・見せたかった・・とか?」 ふるふると力なく、かぶりを振るしか出来ない。 オイルが、ついてしまっているのも構わずベットの上にモンブローも上がり、衣類を脱ぎ捨てる 抱え込むように足の間にウォルフを座らせる エルヴァーンの体にヒュームの体は、すっぽりと収まる 片手でウォルフ自身を包むように上下に、しごき出す もう片方の手で、その下の玉袋を揉みしだく 「あ・・はあ・・・・」 ウォルフは自分の乳首を、いじりだした、なんて欲望に正直な体なのだろう 腰のあたりがモジモジ動き出す。 もはや隣の部下の存在など快楽に押し流されたようだ。 満足そうに、その様子を見て囁く 「自分で自分の乳首を、しごくだなんて・・・」 「うん・・なかなか、いい具合に育ってますね」 その声はウォルフには届いていないが、お構いなしにモンブローは彼に快楽を与える。
もう昇天してしまいそうなウォルフの男根から滲み出るモノは トロトロとヨダレのように糸を引き出していた。 「・・もう、いかせ・・て、く、ください・・・」 頬は紅潮して、瞳は潤んだまま、必死で押し殺した小声で訴える。 「なんて可愛い事を・・・」 「でも、ちゃんと、私も、良くしてもらわないと困りますよ、だから・・・」 言うなり、ウォルフのアナルに、くちゅくちゅと音を立てオイルを絡めた指を滑り込ませる。 「・・・あっ」 その時、少しだけウォルフの白い液体が、ぴゅっと、もれ出てしまった。 「ここで感じるんですか?フフフ・・・いやらしい体ですね・・・」 耳元で、耳たぶを、かじりながら囁かれる、ウォルフは、もはや少しも我慢など出来なかった。 ドクンドクンとドロリとした、すこし黄色い濃い液体が漏れ出る。 「・・・ふっうっ」 恥辱の余りに涙が流れ、ピンクに上気した頬を流れる。 「もう出してしまいましたか、仕方ありませんね」 瞳を背けるウォルフの体を正面を向かせ仰向けに倒して 涙を唇で拭い、優しいキスをして「愛しています、貴方だけを」と囁き 上から覆いかぶさるようにモンブローは自分のものを突き立てた。 ウォルフは必死で声を押し殺した、普段はもっと声も出てしまうのに まだ声が出せるほうがマシだとも思った。 モンブローの腹に丁度、自分のモノの先が当たり、先ほどの液体とオイルが混じり ヌルくちゅと音を立たせる、声を上げられないので、押し殺したまま必死でモンブローに、しがみ付く 液体の音と荒い呼吸とベットの軋む音が、やけに大きく聞こえる。 モンブローの耳元で囁く 「そん・・な激しいの・・・」 「変、に、なる・・」 モンブローも、そんなウォルフの言葉に、たまらず クラクラと目眩のような感覚と共に己の欲望を吐き出した。
隣の物音を聞く気満々で 昨日どこで寝てしまったのか、全く記憶に無い。 朝だ・・・ チュンチュンという小鳥のさえずりと共に 赤い髪の青年はとても気持ちよい朝を迎えてしまった。 白い鎧を着たまま寝てしまい、体のあちこちが悲鳴を上げる。 僕は昨日どうしたというのだろうか? 隊長は先に帰ってしまっていて 朝食を一緒に食べれず残念な思いをした それにしても、隊長のブリガンダイン姿は可愛かったと ちょっと福目だったと思いつつ 医者はしょっちゅう、隊長のあんな姿を見てるのかと 何かとても理不尽な怒りで腹立たしい気もしつつ 赤い髪の青年は、一日見回りの途中で医者のところに来てしまって どう言い訳を始末書に書こうかと頭を悩ませながら それでも自分は、きっと隊長を守れたに違いないと 無駄に確信しつつ、家路につきましたとさ。 終わり。
お目汚し失礼しました、やっとやっぱり長すぎてしかもこれから出かけるので 大急ぎでやっつけでスイマセン、ではまた。
>>22 〜31
死ぬ程萌えた!!!!!!
有り難う姐さん!!!
貴方は私にとってのネ申だー!
>>190-198 FFにこんな萌えがあったとは!
お医者さまの言葉遣いがいやらしくてよかったです
初めてお邪魔します。 09戦隊 赤×光です。幼馴染みとの再会に萌えすぎて投下。 ・半ナマ注意! ・エロなし、チュウまで ・十八幕と十九幕の間ぐらいで妄想 一応作品補足。 赤(タケル):ゲドウ衆と呼ばれる化物と戦う家系の18代目当主の若き侍。文字力を操 って化物と戦う。殿として孤高を貫こうとしていたが、家臣4人+幼馴染み1人によっ て段々くだけてきている。 光(ゲンタ):赤の幼馴染みの寿司屋。幼少時に一家夜逃げし赤と別れる。赤から餞別 に貰った文字力の道具から、オリジナルの電子文字力を生み出し戦線に駆けつけた。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
強くなりたい。 大切な友達の運命についておぼろげながら理解した時、そう思った。 ─よし!稽古して、タケちゃんが殿様になったら、俺家来になってやるよ。だから、侍 にしてくれよな!─ ─うん!─ 別れの時に誓ったあの言葉は、今の俺の中でまだ息づいている。 戦いのときに受けた怪我の手当やら、ついでだからと風呂までよばれてしまい、結局 俺は今日屋敷に泊まる事になった。すぐ後ろの客間には既に布団が敷いてある。しかし なかなか眠気がやってこないものだから、仕方なしに夜風に当たって気を紛らわせてい たところだ。 「俺もとうとう侍か〜……」 夜の静けさに満ちた庭を見つめながら、つい口から言葉が漏れた。縁側には自分以外 誰もいない。外道衆との戦いで初めて侍として名乗りをあげ、その時に得た高揚感がま だ体から抜け切らず、体が熱い。こりゃ今夜は寝れそうにねぇなぁ……参った参った。 そう思ってごろんと寝転がったところに、影がさした。
「……ゲンタ?」 「あ、タケちゃん……いや、今は殿様か」 いつの間にか俺の後ろに、俺が命を預けた主君でもあり、幼馴染みのタケちゃんがい た。タケちゃんは少し不満そうな顔をしながら俺を見下ろす。 「お前までそう呼ばなくていい」 「だったらタケちゃん、どうした?」 俺は体を起こした。そしてタケちゃんに座るよう促すと、タケちゃんは俺の隣に胡座 をかいて座った。その横顔には昔小さかった頃には見えなかった、風格のようなものを 感じる。 「もう夜だ。じいもリュウノスケ達も寝た。お前も寝た方がいい」 「そうなんだけどよー……なんか、眠れねぇの。なんかこう……気が昂ってる、っちゅー かなんというか」 言いながら左腕は勝手に空を切る。俺の剣術は我流の片手一文字。誰かさんに「邪道」 と言われようとも、これが俺の剣術だ。 「タケちゃんこそ、起きてていいのか?」 「俺も似たようなところだ」 ふっ、と息を漏らしてタケちゃんは空を見た。俺もつられて見上げると、でっかい半 月が屋敷のすぐ向こうでこっちを照らしていた。 「昔、こんな風に夜更かしして、じいに叱られたの覚えてるか?」 「あぁ!あったあった!」
当時の記憶がすぐさま浮かび上がった。 「俺、親父とケンカして夜中に飛び出したはよかったんだけど、行くとこなくてつい屋 敷に潜り込んだら、タケちゃんはここでビービー泣いてたんだよなー」 「そこまで思い出さなくていい!」 タケちゃんが俺の膝を小突いた。俺はケラケラ笑いながら思い出話を続けた。 「あの時、タケちゃんから初めて、自分が殿様になるとかいう話を聞いたんだっけか」 「ああ、そうだな」 タケちゃんの親父さん達が、アヤカシと戦っては傷ついて帰ってくるのを、タケちゃ んはいつも怖がってた。もし帰ってこなかったらどうしよう、って泣いていたあの姿は、 今でも忘れることができない。 優しくて、怖がりで、でもだからこそ強くなろうとしていたタケちゃん。 俺が侍になる決心をしたのは、あの時タケちゃんが抱いてた恐怖を俺も知ったからだ。 しばらく昔談義に花が咲いた。この庭も昔とほとんど変わってないのも影響したかも しれない。 「おー、あの木、懐かしいなー」 俺は屋敷のヘイに寄りかかるようにして立っている松を指差した。 「あっこからよじ登ってよく出入りしてたんだよなー」
「器用に寿司盆まで持ってな」 言いながら立ち上がり、二人で松に近づいた。 「怖い時こそ食え!とか言って、無理矢理寿司口に詰められたな」 「へへ、あれは確かにちとやり過ぎたか」 俺は昔より太くなった幹にもたれて、タケちゃんを見た。普段殿様であろうとする姿 はなく、今はただのタケちゃんだ。 「ゲンタ」 「ん?」 「まだ、言ってなかった言葉があった」 「んん?なんかあったっけ?俺はもうじゅーーぶん、言った気がするぞー?」 「俺が言ってないんだ」 タケちゃんが俺の目を見た。俺の事を、あの時の約束を思い出してくれて、俺を侍と して認めてくれたタケちゃん。面影は変わっても瞳はあの頃のままだ。 「ゲンタ、おかえり」 「……へ?」 「この町は、俺とゲンタが産まれて、育った町だ」 夜風が庭を吹き抜けて行くのを感じた。 「だから、おかえり。ゲンタ」 タケちゃんは俺の目の前で、嬉しさと懐かしさが入り混じったような笑みを浮かべて いた。俺は胸をぐちゃぐちゃに捏ねくり回されていような、そんな感覚が押し寄せてき て、情けない事にしばらく声が出なかった。
「それは……反則だぜタケちゃん」 ようやく声が出た、けど、なんかくぐもってないか?俺の声。 「ゲンタ、どうした?」 「え……?」 タケちゃんの声が間近で聞こえるまで、俺は自分が泣いているのに気づかなかった。 「あら、俺、何で」 手の甲で拭ってもなかなか止まらない。嗚咽ではなく、涙がただただ流れる。なんだ これ。 「やべ、みっともねぇなぁ、俺」 なんだか急に恥ずかしくなってきて、俺は曖昧に笑いながら目をこすった。 「ゲンタ」 タケちゃんの声がした。とか思っていたら、俺はタケちゃんに抱きしめられていた。 そういえば、俺もタケちゃんが泣いてた時に、よくこうやって慰めてたっけ。 「戦うのは、怖いか?」 耳元で聞こえるのはその言葉と息遣い。 「俺は、今でも怖い。逃げ出したくなることだって何度もあった」 タケちゃんはそう独り言のように呟きながら、ゆっくりと俺の背中を撫でる。 「……俺、だって、怖いよ」 俺はその肩口に手を回し、強く力を込めた。 「だけ…ど、俺は、皆を、守りたい。だか、ら、決めたんだ」 涙が邪魔して、うまく喋れない。でもそれが、恐怖を越えて湧き上がる、俺の力。 「俺もだよ、ゲンタ」
タケちゃんが、俺の目を覗き込んだ。お互いタッパが伸びたもんだ。なんて考えたり していたら、 「帰って来てくれて、俺の力になってくれて、ありがとう」 月明かりを反射するその瞳に俺が映っていた。 「……おう、よ」 うまく言葉が続かず、そう言うしかなかった。いつもならもっとこう、喋り倒したく なるのが性分なのに。 俺は、帰って来たんだ。俺が居た場所。そして、タケちゃんの居る場所。 そう思うと何だか急に嬉しくなって、それがますます涙になってこぼれていった。な んだ。嬉し泣きしてんじゃん、俺。 「ゲンタ、お前が泣き虫になってどうするんだ」 呆れたようなタケちゃんの声。 「泣け、る時、に、泣ける男が、粋、ってもん……」 あぁだめだ。カッコつけてみても全然様になんねぇ。 「もう、泣くな」 タケちゃんの困ったような声が聞こえる。あーあ、昔と逆だぁねぇ。とかなんとか思っ てたら、急に頬を生暖かくて柔らかいものがつたっていった。 「え……?」 目尻の水滴が優しく吸われる感触。そして、口元に柔らかいものが押し当てられた。
──あれ……? どこかで聞こえる水の流れ。風に木々が擦れる音。全てが体を通り抜けて行く。 もしかして、俺、今、タケちゃんに、チュウされてる? 「……止まったか?」 ボーゼンとしている俺に、少し離れて不思議そうな顔を向けるタケちゃん。 「えー……っと、何をされたんでしょうかお殿様?」 胸のつかえはすっかり取れていた。かわりに、あっという間に顔に血が上る。 「こないだチアキが読んでた雑誌に、こうすると相手は泣き止む、って書いてあった ぞ?」 何食わぬ顔でそういうタケちゃん。こりゃ全く他意なんかありゃしねぇ。 「……あんなぁタケちゃん」 俺は大きなため息をついて、タケちゃんの胸に拳を当てた。 「そーいうのは、好きな人が泣いてる時にするもんなの!」 「俺はゲンタが好きだぞ」 うわーお……真顔でそーいうこと言いますかこの殿様は。 「そうじゃなくて……!」 「嫌だったか?」 そ、そう言われると返答に困る……。 「嫌じゃ、ねぇけどよ……」 「なら、よかった」
タケちゃんは安心したように笑みを浮かべた。その顔は反則だ!反則過ぎる! 「俺だったからよかったものの……」 俺は口元がものすごく熱いことをあえて無視しながら、 「タケちゃん、チュウってのは、好き同士でするもんなの!むやみやたらにするもんじゃ ないの!」 「ゲンタは俺のこと好きじゃないのか?」 「いや大好きだけどもよ……」 うおう口が滑ったよおい…てか分かってて言いくるめられてる、ような気がする……。 「もう、どこにも行かせないからな。ゲンタ」 そう言って、またしても視界が塞がれた。 この若い殿様は……昔から変わってない。 大事なものは徹底的に距離を置くか、手元から離さない。でも、全部ひっくるめて守 ろうとする。 だから俺は、そんな殿様を守るため、もっと強い侍になろう。 ……とはいっても、ちょっと苦しいよタケちゃーん!離してくれー!! 終
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 最初ナンバリング抜けてすいません。 萌えすぎて勢いで書いた。後悔はしていない。
>>211 禿萌えた!!!
姐さんありがとう!!!
>>211 同じく!!
すげえ萌えた!!
寿司屋いいよ寿司屋!!
個人的に光×赤だったけど、これもいいなと思ったよ!!
>>211 ありがとう!ありがとう姐さん!!
光受ってあんまり考えたこと無かったけど
全然萌えるじゃないかー!!
しつこく長兄受けを書いて申し訳ありません・・・ ・カプはダ/イ/の/大/冒/険でクロコダイン×ヒュンケルです。 ・エロあり ・処刑前夜。ちょっとだけミスト×ヒュンあり。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
クロコダインとヒュンケルを捕えた夜、ミストバーンは嫌に不機嫌な気分だった。 たとえ玩具の一つに過ぎないとはいえ、十数年にもかけて育て上げた弟子、ヒュンケル。 その愛弟子が自分に向ける暗い眼差し。それはいい。 だがあの獣王に対して向けるあの柔らかい表情はなんだ。絶対的に信頼しているかの様な、あの。 ミストバーンは苛々としながらヒュンケルの捕えられている牢へと向かった。 ーーーーーーーー 「ミストバーン!?」 再び姿を見せたミストバーンに驚きを隠せないヒュンケル。手足を鎖で戒められ何もできないその哀れな姿に仄暗い満足感がミストの心を満たしていく。 「ヒュンケル、貴様には死ぬ前にきつい仕置きをさせてもらうとしよう。」 「・・・・・・。好きにするがいい。ただしクロコダインには手を出すな。」 「!?おい!ヒュンケル!!」 突然の事態に獣王が焦った声を上げる。 「心配するな。お前たちは勇者共を誘き寄せるための人質。殺しはしない。」 言いながらミストは黙ったまま自分を睨みつけるヒュンケルの首に鋭い爪を突き立てた。 「ぐあっ!」 爪の先には何らかの毒が塗られていたのだろう。短い痙攣の後ヒュンケルはガックリと全身の力を抜いた。 「ヒュ、ヒュンケル!!貴様何を!」 「貴様が知る必要はない。」 ガシャッ ミストはヒュンケルの体を鎖から解放すると両の腕で抱き上げ、部屋から出て行った。 後に残されたクロコダインはただただ親友の無事を祈る事しか許されない。 「くっ、奴め・・・何を考えている・・・・・・!!」 ーーーーーーーーー
どれほど時間が経ったのだろう。友を心配するクロコダインにとっては永遠ともとれる時間だった。 やがて牢の前に再びミストの気配が現れる。 牢の中に入ってきたミストの腕にはやはり気を失ったヒュンケルが抱かれていた。 ミストは無造作にその弟子の身体を獣王の前に放り出す。 ドサッ 「ヒュンケルッ!!」 「これはこれは・・・麗しい友情というやつか。しかし獣王、この男はお前が友と呼べる程『綺麗』な身体ではないぞ。」 嘲笑うかの様なミストバーンの言葉に地面にひれ伏したヒュンケルの身体がひくりと動いた。 「お前の鎖も外してやろう。どうせ逃げられはしないのだ。」 そういいながらクロコダインの枷を解いてやる。 クロコダインは急いで友を介抱するためにヒュンケルの元へ走り寄った。 「ミストバーン・・・なぜだ・・・お前なりの情けのつもりなのか?」 クロコダインの言葉には答えないまま、嫌な含み笑いを残してミストバーンは消えた。
訳が分からないがとにかくヒュンケルの手当をしなければ。 急いでヒュンケルの身体を検分しようとその白い身体に手を伸ばす。 その指がその身体に触れた途端、苦しげな呻きと共にヒュンケルが身体を震わせる。 「ヒュンケル!無事か?どうした、苦しいのか!?」 「う・・・クロコダイン・・・俺は大丈夫だ。だから・・・このまま放っておいてくれ。」 「何を言っている・・・ただでさえお前は重傷だと言うのに!」 こちらに背を向けて胎児の様に身体を丸めているヒュンケルの身体をクロコダインが抱き起こす。 窓からの薄明かりがヒュンケルの顔を照らした。 彫刻の様に整った端正な顔が苦しげに歪められている。 切れ長の瞳に長い睫毛。いつも引き締められているそれが今は険がとれ、潤んでいる。 形のいい唇から吐き出される吐息が嫌に熱く感じた。 端麗な容姿の持ち主だとかねてから思ってはいたが、色香を感じたのは初めてだった。 それはヒュンケル自身が養父であるバルトスの望む通り、常に男らしく振る舞っていたせいかもしれない。 もともとこの男は思わず触れてみたくなる様な妖艶な美を生まれ持っていたのだ。 まさしく触れてはならない禁忌を目の当りにして獣王は戸惑いを隠せなかった。 「クロコダイン・・・」 対するヒュンケルはその瞳の奥に暗い火を灯しながら熱のこもった瞳を向けてくる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ミストバーン殿もお人が悪い。」 牢から出たミストを待ち構えていたのはザボエラだった。 美しい愛弟子の顔を堪能した後に見るその醜悪な姿にミストは不快感を感じた。 「失せろ。お前の用は済んだ。」 「キヒヒ・・・まあそう言わず・・・」 続けようとした言葉は突然のミストの攻撃によって遮られた。 ザボエラの首すれすれの所でミストの鋭い爪が止まっている。 「さっさとその醜悪な姿を私の前から消す事だ。さもなくばお前の首をこのまま掻き切ってやっても良いのだぞ。」 「ヒッ」 ザボエラはミストの只ならぬ気配に恐怖し、早々にその場から姿を消した。 「・・・ふん。」 残されたミストはモヤモヤとした不快感をその胸に残しながら回廊の奥へと消えていった。 ーーーーーーーー
「はぁっ・・・はぁっ・・・」 ミストが己の爪からヒュンケルへと注入したのは強力な媚薬だった。 それはザボエラが目上の者に取り入る際によく渡していた物だ。 生殖能力こそ脆弱な人間に劣る魔族。いや、だからこそ性欲に至って魔族は人間よりも貪欲だった。 さらに女の魔族は数が少ない。 性欲を持て余した魔族達を統率するために、こういった媚薬を利用したいわゆる『サバト』の様な物が地上でも月に一度は開かれる。 集会にあつまった魔族共は媚薬に支配されるまま男も女もなく交わる。 もっとも肉体を持たないミストにとっては全く無意味な宴だった。 彼にとっての意味のある宴とは、あの方と愛弟子の『それ』のみだった。 祭壇に衣服をはぎ取られた美麗この上ない青年が捧げられている。それを取り囲むのは上級の魔族達。 「いいのか?こいつはバーン様のお気に入りだったはずだろう。」 山羊の様な角を生やした悪魔がミストに訪ねる。 「この男はバーン様を裏切った。あの方の寵愛を一身に受けておきながら許されざる事だ。 好きにするがいい。」 ミストの言葉に魔族共がどよめく。 「なるほどこいつはバーン様が地上を制圧する前祝いといった所かな。」 「その通りだ。地上を制圧した暁にはお前たちにも役に立ってもらう。」 「そういう事なら有り難く頂戴するとしよう。」 言うが早いかヒュンケルの白い身体にいくつもの手が伸ばされる。 ミストは快楽に歪む愛弟子の顔を、静かに見つめていた。 そしてその宴は白い身体が意識を失い、完全に弛緩するまで続けられたのだった・・・。 ーーーーーーー
「クロコダイン・・・」 愛しげに頬を撫でてくるその白い手に獣王は身体の奥底が熱を帯びていくのを感じた。 ザボエラの強力な媚薬は今尚もヒュンケルの身体を蝕んでいる。 ヒュンケルは火照った身体を鎮めるためにひやりとした逞しい獣王の身体にその身を預けた。 親しい友の腕の中はヒュンケルを安心させる。幾度も死線を潜り抜けてきた最愛の友。 子が親に甘えるかの様にヒュンケルは獣王の首に腕を回し、その白い肢体を密着させた。 「ヒュ・・・ヒュンケル・・・」 ごく自然な動作で簡単に煽られる。 獣王はその媚態を目の前で見せつけられごくりと唾を飲んだ。 今自分が頭に思い描いている事は紛れもない禁忌。しかしヒュンケルの媚態にはそれを容易く犯させるだけのものがあった。 クロコダインは自分を突き動かそうとしている浅ましい衝動に自分が魔獣であった事をまざまざと自覚させられる事となった。 「あ・・・う」 再びヒュンケルの苦しげな呻きが聞こえる。クロコダインにはヒュンケルが何を求めているのかがすぐに分かった。 自分で自分を慰めようとするヒュンケルの手を逞しい手で戒める。 「・・・・・・?」 意識が相当混濁しているのか、無垢な子供の様な瞳で自分を見つめてくるヒュンケルに苦笑する。 そして クロコダインはミストバーンの思惑にも気づいてしまった。 ーーーーーーーー
「あっ・・・ふ・・・ああ・・・」 艶を帯びた嬌声を上げながらヒュンケルが体を捩る。 獣王はその可愛らしい抵抗を造作もなく押し止めながら彼の下肢へと舌を走らせる。 もともとボロボロだった衣服は冷たい石の床に脱ぎ捨てられ、ヒュンケルは一糸纏わぬ姿を獣王の前へと晒していた。 いつもの彼ならば羞恥のあまり憤死しかねないだろう。 だが今日の彼は先ほど注ぎ込まれた媚薬と妖魔共の精によって思考と肉体を散々に乱されていた。 あまりの快楽に仰け反りながら紅い舌をさらし、浅い呼吸を幾度も繰り返す。 そして白い肌の中で一際目立つ朱の尖りに目を奪われた。 無意識の内にそこを無骨な指で弄ってやる。 すると腕の中の白く美しい生き物がビクビクと跳ねるのが分かった。 獲物をさらに追いつめるべく、ざらりとした舌で銀色の茂みに埋もれた彼の男の印を舐め上げてやる。 彼の全身が一瞬引きつり、四肢が突っ張るのが分かった。 「いっ・・・あ・・・うぅっ・・・!」 細かい震えが伝わってきたと思ったら、今度は大きく痙攣して白い身体が弛緩する。 「ふ・・・ぁ・・・」 とろりと夢を見ている様な顔でヒュンケルは獣王の腕にその身を預けていた。 彼は確かに自分の手で絶頂を迎えた。しかしその証がクロコダインの手を汚す事は無かった。 先ほどのサバトで散々悪魔共に身体を弄ばれた後だったのだろう。 つくづくミストバーンの悪趣味には呆れる。
決して達する事のできない身体で火照った身体を持て余すヒュンケルの様を楽しんでいるに違いない。 (そういえば・・・男でも後ろだけで達する事ができるという話を聞いたな・・・) 色事にはからっきしのクロコダインにこういった事を吹き込むのは例の大魔導士師弟以外無い。 クロコダインは安心しきった様子でその身体を自分の腕に預けている親友の身体を検分する。 広い肩幅は戦士にとって欠かせない部分だ。そして剣を持った腕を振るうには鍛えられた胸筋もまた欠かせない。 ヒュンケルの身体は戦士の手本の様だった。しかし胸から腹にかけて引き絞られたかの様に細くなっている所を見ると、本来は線が細いのかもしれない。 (こんな所に俺の物が入るのだろうか・・・) 尚も荒い呼吸を繰り返すヒュンケルを前に大まじめにそんな事を考えている辺りが獣王といえば獣王らしい・・・。 そんな獣王の心を知ってか知らずか焦れたヒュンケルの身体が意思を持って動き出した。 「ヒュ、ヒュンケル!」 突然の事に驚いていると飢えた野獣の様な目とかち合って言葉を失う。 そのままヒュンケルは無骨な腕の中からするりと抜け出すと、猫の様に足下に擦り寄る。 その様は貴族が好んで飼育する長毛種の獣の動きによく似ていた。 どこまでも白いその獣は主人のご機嫌を取るかの様に獣王の無骨な足に舌を絡めてくる。 紅い舌と白い首筋と、そしてその慣れた舌使いに獣王は軽い目眩を感じた。 (バーンとの関係は噂で聞いていたが・・・これほどとは・・・それにしても六大団長の時代からよくも涼しい顔をしていられたものだ・・・) 魔物に育てられた青年にまともな神経を期待する方がどうかしているのかもしれないが、とにもかくにもクロコダインはヒュンケルの普段とのギャップに驚かせられるばかりだった。
「おい、ヒュンケル・・・!」 とりあえずヒュンケルの行動を止めようと腕を伸ばした所で獣王は完全に固まってしまった。 ヒュンケルが獣王の鎧の下から大きく起立した自身に指を絡めようとしていた所だった。 先ほどの媚態に散々煽られたせいか痛いほど立ち上がっている。 なんともいえない決まり悪さをクロコダインは味わった・・・。 だがそんなのおかまいなしにヒュンケルは猫の様な姿勢でその太い肉棒に舌を絡める。 むせ返る様な男の匂いがじわじわと自らを追いつめる熱を刺激する。 「は・・・あふ・・・ん・・・うう・・・」 含みきれずに落ちた唾液が唇から垂れる。その雫の伝う感覚すらヒュンケルを深く煽った。 先端を口に含み、尖らせた舌で刺激する。そしてきつく吸っては裏筋から舐め上げる。 師とバーンに教え込まれた動きが相手を刺激すると共に自分の快楽をも刺激していく。 鳥肌が立つ様な快楽を感じながらヒュンケルは一心に舌を動かした。 「ぐっ・・・」 そんな猛攻に獣王が耐えられる訳もなく(失礼)情けない事に呆気なく達してしまった。 澱の様に溜まっていた欲望がヒュンケルの顔を汚す。 「はぁ・・・はぁ・・・」 クロコダインは茫然と自分の精をかけられた白い顔を見つめた。 大量にかけられたそれはぼたぼたと零れ落ち、彼の白い胸元へと落ちて行った。 美しい顔が自らの精によって汚れた様子にどこか凶暴な満足感を得る。
支援
「あ・・・スマン・・・」 我に返り急いで指で拭おうとするとその指先を先ほど性器にされた様に舐められる。 「ん・・・くふ・・・」 ぴちゃぴちゃと背をしならせて舌を絡めるヒュンケル。 目を閉じて快楽だけを追い求める様子は酷く淫靡だった。 そうしてしばらく指を舐めてから、ヒュンケルはその太い指を自分の最も欲する部分へと導く。 逞しい獣王の腕に股がる様にして、自らの中に獣王の指を迎え入れると一際高い声で鳴いた。 そして獣王もまた自らの指を締め付ける肉の壁にこれまで味わった事の無いほどの欲望を感じた。 しかしこのまま挿入すれば彼の身体を傷つけてしまう事は明白だった。 クロコダインは優しく指を抜き取ると力の入らないヒュンケルの身体を支え、壁に手をつかせる。 そうして彼の身体が崩れ落ちない様に腰を抱く。 ヒュンケルは冷たい壁に頬をよせ、自分を煽る熱を逃がそうと苦しそうに喉を鳴らしていた。 それをなだめる様に髪を梳くと、クロコダインは彼の腰を抱えていた腕でそのままその太腿まできつく固定してしまう。 そしてその隙間に猛った自らの肉棒を差し込んだ。 「はっ・・・ぁう!!」 「ぐぅ・・・」 きつく閉じられた腿がまるで性器のように獣王の太い陽物を受け入れる。 痛みに近い極上の快楽だった。 さらにお互いの性器が擦れて堪らない快感を脳髄に伝える。
ふと自分を挟みこんでいる白い股の上で紅い内壁がひくひくと動いているのが目に入った。 先ほど散々注ぎ込まれた物がゆっくりとそこから溢れだし、自分と白いヒュンケルの股を伝って行く。 何故か酷く腹が立つ光景だった。 「ふはっ・・・んぁああっ」 クロコダインはその孔に太い自分の指を入れると中をかき出す様に動かした。 その指の動きに耐えられずに、背をビクビクとしならせながらヒュンケルは壁に縋りついてそのままずるずると膝をついた。 「はっ・・・はぁ・・・ん・・・」 腰だけ高く上げられた獣の様な姿勢。 白い背と腰骨から美しい曲線を描く尻が嫌に目についた。 その白い肌の中に咲くような一点の朱が己の獣性を刺激する。 疼いて疼いて自制の効かない身体で尚も自分を慰めようとする白い手を掴むと、そのまま後手に落ちていた鎖で戒める。 肩越しに物欲しげな眼でこちらを見るヒュンケルと目が合った 切れ長の目が潤み、その目元がうっすらと朱に染まっている。 ざらざらとした舌でその白い背を舐めてやると猫の様に背をしならせて甘く鳴いた。 もう自分を抑えられる自信が無かった。 クロコダインはヒュンケルの身体を仰向けにすると白い足首をつかみ、その身体を割開く。 そして両の足首を高くかかげたまま、己の欲望を深く一息に突き刺した。
「くはああああっ!!」 ミシミシと軋んだ音が聞こえる様だ。 狭い狭い内壁へと己の巨根を沈めながらクロコダインは思った。 自分を受け入れるために開かれた白い足が小刻みに震えている。 「はっ・・あっ・・あう・・・んぁ・・・あ・・・」 かつて無い大きさのモノを銜え込んだ肉体が悲鳴をあげる。 そして麻痺した脳がその苦痛をこの上ない悦楽に塗りつぶす。 理性など完全に消し飛んでいた。 自分を追いつめる熱の底からさらに追い上げる様に突き込まれた灼熱の棒。 少しでもそれを味わいたくて思わずきつく締め上げてしまう。 「はぅ・・!」 形まではっきりと分かってしまう程に締め付けてヒュンケルはさらに自分を追い込んでしまった。 そしてそれがその熱の持ち主まで煽っている事にヒュンケルは気づかない。 「くっ・・・ヒュンケル、許せよ!」
たまらず獣王はヒュンケルの細い腰をつかむと、そのまま激しく抜き差しを始めた。 嵐の様に襲ってくる快楽に意識を飛ばされまいとヒュンケルもまた逞しい獣王の身体に足を絡める。 先ほど流し込まれた妖魔共の精が掻き出され、グチュグチュと淫媚な音を立てた。 ヒュンケルは意識の底で水面下から自分を眺めている様な奇妙な気分を味わった。 あまりの快楽に目の前がチカチカする。 何か叫ぼうとしたがそれは声にはならず掠れた喘ぎが喉からもれるばかりだった。 妖魔共に散々に搾り取られ何も出るはずの無い己の陽物から何かが伝うのを感じる。 自分の身体の上で逞しいクロコダインの身体が動いているのが見えた。 (・・・こんな事に巻き込んですまない・・・) どうしようもなく申し訳ない気持ちがふいに襲ってくる。 媚薬の効果が切れ始めているのだろう。 快楽に揺さぶられながら愛しい友の事を思う。 けして嫌わないで欲しい。傍にいてほしいと。 思わず目の縁から涙が伝った。
その涙に気づいたのだろうか、獣王が腰を曲げて自分の方へ顔を寄せてくる。 ヒュンケルは後ろ手に縛られた苦しい姿勢から必死に上体を起こすと、その顔に軽く口づけた。 「ヒュンケル・・・」 クロコダインはヒュンケルの腕を戒めていた鎖を解くと、その腕を己の首に回させた。 「・・・・・・。」 どこまでも優しい友の心に、先ほどから感じていた身を焦がす熱とは別の温かさを感じた。 「いいか?」 優しい声に無言で頷く。 戦場では一人前の戦士として先頭に立って戦ってきたが、他の部分では自分はまったく子供だ。 お互いに自分の限界が近い事を知りながら強く腰を揺すった。 「は・・・あ・・・ん・・・ん・・・」 目が霞み、外界の音が遮断される。確かな物は目の前の逞しい身体だけ。 けして離すまいと、ヒュンケルはその首に必死で縋り付く。 一方のクロコダインも相当に追いつめられていた。 貪欲に絡み付いてくる肉壁に搾り取られるかの様に動かれる。
(まずいな・・・) クロコダインは目の前のヒュンケルの顔を見ながら思う。 (癖になってしまいそうだ。) 仮面の剥がれ落ちたヒュンケルの顔は幼く、泣きそうに歪んでいた。 その顔にたまらなく煽られる。 「くっ!」 堪らず深く幾度も突き込む。 「ふ、あ、ああああぁー!!」 やがて腕の中の身体が大きく痙攣して獣王のものをきつく締め上げる動作を繰り返す。 「うぐっ!」 そしてマグマの様に熱い液体を愛しい身体へと注ぎ込んだ。 白い肢体がもう一度大きく跳ねる。 「ひっ・・・くはっ・・・!」 太い肉棒によって出口の塞がれた熱い液体が内壁を満たす。 「は・・・」 そのままヒュンケルは意識を失った。 倒れ込んだ自分をクロコダインが胸で受け止めてくれた事をこの上無く幸福に思いながら。 ーーーーーーーーー
「く・・・俺とした事が・・・」 クロコダインは自らの犯した罪の意識に苛まれながらゆっくりとヒュンケルの身体から己を抜いた。 相当深い眠りに落ちているのだろう。僅かに身体が反応しただけでその後はピクリとも動かない。 しかしたった今まで己を埋めていた穴からはどろどろと先ほどまでの情事の証が流れ出てきた。 「この後はどうするんだ・・・」 こんな事になるのなら最後まで魔導士の師弟の話に付き合うのだった・・・。 軽いため息をついた所で腕の中に抱きしめていた身体が動くのを感じた。 「お・・・おう、起きたかヒュンケル・・・」 「・・・すまない。」 ぼんやりと力の入らない身体でヒュンケルが発した第一声がそれだった。 呆れるやら情けないやらでクロコダインはどっと疲れが押し寄せてくるのを感じた。 「それはこちらの台詞だ。あんな状態のお前に俺は・・・」 「違う。お前は悪くない。俺が・・・俺のせいだ。でもどうか・・・俺を嫌わないでくれ。頼む。」 「ヒュンケル何を言う。俺がお前を嫌うはずが・・・」 「昨日の俺はどうかしていた。まるで何かに操られるみたいに!そしてそれをおれの精神が許してしまった。 俺はそれが堪らなく怖い。また何か恐ろしい事をしてしまうのではないかと・・・そして・・・」 「そして・・・?」
「お前に、お前たちに見捨てられてしまうのでは無いかと・・・」 そこまで言うとヒュンケルは両の目から静かに涙を零した。 クロコダインは幼子をあやす様にそんなヒュンケルの身体を包む。 「クロコダイン・・・?」 「俺は信じる。」 静かな、それでも確かな口調でクロコダインは続ける。 「たとえお前がどの様になっても、俺はお前を最後まで信じ抜く。」 見捨てられる訳があるまい。 行き場を失った幼子の様なあの表情を見てしまったからには。 獣王は安心させる様にヒュンケルの顔を優しく見つめる。 再びヒュンケルはその逞しい身体にその身を預けた。 処刑の時刻を知らせるために上ってきた太陽の光が、牢の窓から射し込んでくる・・・。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
今更なネタですが再燃したので投下。 飯があの世で…なゲームを元ネタに捏造。アニメSPと矛盾あり。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
良いことを教えてやろう。 不快に鼓膜を打つ笑い含みの声に、俺は声がした方向を睨みつけた――つもりだったが、 激痛と出血のせいで視線さえも自由ならず、虚ろに見上げることしか出来ない。 「今日俺が1人で来たのは、最初からこれが目的だったんだよ、孫悟飯」 そんなことは、もうとっくに分かっていた。 彼らが――特に、17号が、自分の抵抗を弄んで楽しんでいることくらい。 そのために多少の危険など無視してしまえる程に、彼らと自分との間には絶望的な実力差があることも。 「殺せ……」 各個撃破の好機も活かせなかった自分の無力に失望していた。もう、どうでも良かった。 俺の反応ににやりと笑って、17号は赤黒く濡れた左腕の裾を踏みつける。 獣の咆哮のような悲鳴。 「あいにく、自分がいない時に殺すなって18号に言われてるんでね。次は殺してやるよ」 その後の記憶はない。気がついた時には、消毒液と血の匂いに満ちたベッドの中にいた。 今にも消えそうな俺の気を心配したトランクスが、助けにきてくれたらしい――絶対に来てはいけないと、 言っておいたのに。 そして、1年後。俺は再び人造人間達に挑み、17号の予告通り殺された。
そこに立つのは、何度目だろう。 地下室の一室に置かれたカプセル、その中に悟飯さんは横たわっている。 2年経っても、細心の注意を払って冷凍保存されている身体は、肌の色と凍りついた体温を除けば、 生前と何も変わらないように見える。殺された時の惨状を思えば、綺麗すぎるほどだ。 ――だから、決心がつかないと、きっと母は思っているだろう。 「……そうじゃないよ、母さん」 俺は1人呟く。 俺が悟飯さんの遺体を保存することに固執するのは、たったひとつの可能性に賭けたいからだ。 遠い宇宙のどこかに存在するはずの、たったひとつの可能性に。 タイムマシンが完成して過去に行くことができたなら、人造人間を倒して平和を取り戻せたなら。 ――その可能性を確かめに行くつもりだった。 「……必ず、還ってきてもらいますよ、悟飯さん」 ――それから、さらに8年。 悟飯は22歳のまま。トランクスは24歳になっていた。
「いいかげんに目を覚ませ!悟飯!」 ピッコロの魔貫光殺砲の直撃を受けた悟飯の身体が、光を失い雲の海に向って落ちるのを、 傍にいた悟空が抱きとめた。ふぅ、と息をついてから、悟空が上空のピッコロに抗議する。 「こんなとこで危ねぇだろ、ピッコロ。地獄に落ちたらどうすんだ」 「だったらお前が止めてやれ!」 ピッコロとて、やりたくてやってるわけではない。 人造人間に殺された後、天界にやってきた悟飯の魂は、いわゆる怨霊と化していた。 悟空やピッコロの言葉も届かない幻覚の世界で、人造人間と戦い続けている。 1人で人造人間の幻覚と戦っている分にはまだ良いが、先刻のように他人に襲いかかることが続けば、 閻魔が言う通り、完全に魂を消してしまうという選択を取らざるを得なくなるだろう。 その方が悟飯のためなのかもしれないが、正気を取り戻す可能性に、まだ2人は賭けていた。 「人造人間はとっくにトランクスが倒したんだぞ、悟飯」 無駄と知りつつ、気を失っている悟飯に向って悟空は、何度目かの言葉をかける。 と、その時だった。不意に、悟飯の姿が悟空の腕から消えた。 数瞬の沈黙の後。弾かれたように悟空がピッコロに飛び付いて叫ぶ。 「ピッコロ、お、おめえ、どうしてくれんだ!!もう絶対元に戻らないんだぞ!?」 「そんなはずは……あの程度の攻撃で……」 ピッコロは呆然と呟いた。確かに全力の魔貫光殺砲だったが、あの程度で「殺せる」はずがない。 きっと何か別の理由があるはずだ、と思考を巡らせて、ピッコロははっとする。 「ま、まさか閻魔の奴、勝手に!?」 ほとんど殴りこみの勢いで問い詰めた閻魔の回答は、悟空とピッコロの予想外のものだった。 「悟飯なら生き返ったようだ。トランクスとかいう奴が、ドラゴンボールで生き返らせたらしい」
温かい手が頬に触れるのを感じて、目を開けた。 ぼやけた視界の向こうから、聞き覚えのある声がする。 まるで、恐ろしい悪夢から目覚めた直後のよう。自分の身体と意識全てに、酷い違和感があった。 つい一瞬前まで、俺は確かに何かを見、何かを感じていたはずなのに、何ひとつ思い出せない。 ――俺は、確か……。 「悟飯さん!悟飯さん!」 俺は瞬き、声の方向に目を凝らした。 「トランクス……?」 名前を呼んではみたが、頼りない呼びかけになってしまったのは、彼が俺の知る少年より随分と 年上に見えたからだ。逞しくて、キリリと硬質な顔立ちの青年が、俺の呼びかけに涙で顔を ぐしゃぐしゃにして泣き出している。 「おかえりなさい。この日を、どんなに待ち焦がれていたか……」 そう涙声で言われて、俺はようやく何が起きたのか理解した。俺はやはり、あの時死んだのだ。 ――そして本来なら、決して目覚めることのない筈の眠りから、目覚めた。 あの日と同じように消毒液の臭いがするが、眠っていたのは、きっと年単位の長い時間。 「……トランクス、無事で良かった」 自分が蘇ったことは、どうでもよかった。 その長い時間をトランクスが生き延びてくれていたことが、嬉しかった。
「最初は、10年も経ってたらダメだって言われたんです。でも、肉体も魂もちゃんと 現存しているんだからってポルンガに喰いついて……残り2つの願いを諦めるってことで、 了承してもらえたんです」 とんぼ帰りの宇宙船の中で、俺は、悟飯さんにこれまでの事情を説明した。 別の次元での人造人間との戦いのこと。この世界の人造人間を倒したこと。 別の次元の彼の父から、新しいナメック星の場所を教えてもらって、はるか宇宙まで旅に出たこと。 「俺も、ピッコロさんを生き還らせたくてナメック星に行ったけど……そこまでしてくれたって 聞くと、なんだか、申し訳ないな。それに――」 悟飯さんは苦笑して、なんでもない、と首を振った。 「……それより、だいぶ復興は進んでるんだろ?トランクスが人造人間を倒してくれたお陰で」 言いかけた言葉の先など予想がつく。だから、俺は言った。 「ええ。悟飯さんが学者を目指せる程度には」 「学者!?」 悟飯さんはひどく驚いたようだったが、すぐに素に戻って、 「……そんなこともあったなぁ」 なんて、妙に老成した口調になる。まるで、もう終わったことのように。 「まいったなぁ。ブルマさんか母さんに聞いたんだね。そんな子供の頃の話なんてもう――」 「どうでもいいんですか?」 俺はつい声を荒げた。
どうでもいいはずがない。別の次元で会った、幼い悟飯さんの笑顔が脳裏を掠める。 どんな憂いもない笑顔――あんな笑顔の悟飯さんを、俺は見たことが無い。 悟飯さんは俺をまじまじと見て、やがて、ごめん、と言った。 「ごめん……ありがとう」 悟飯さんは、1本だけの腕で、精一杯、俺を抱きしめる。 頼りない、縋るような抱擁になった。力強かった腕も、今となっては俺より細い。 こんな腕1本になっても戦いを選んだ悟飯さんに、今更ながら衝撃を受けた。 悟飯さんは、顔を伏せたまま言う。 「君の気持ちは嬉しいよ。……だけどまだ、人造人間が倒されたって実感がないんだ。 君を疑うわけじゃないんだけど、地球に戻ったら、まだあいつらがいる気がする。だから、 もう少しだけ、時間をくれないか」 俺は、自分を恥じた。俺だって、人造人間を倒した直後は、目標を失って自失に陥ったというのに。 今の悟飯さんに、夢だの希望だのを要求するのは、酷すぎる。 謝りたかったが、お互いに謝罪合戦になってしまいそうだったから、俺は言った。 「いくらでも待ちますから……幸せになってください。俺、そのために、悟飯さんに 生き還ってもらったんですから」 心から、生き還って良かったと思ってもらいたかった。 戦いのない人生を歩んでほしかった――それが本来の悟飯さんだって、気づいたから。
エロなくてすみません。序はエログロ控え目ですが、次回暗転します。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
※半ナマ 映画「プライべート・ライアソ」のライベソ(機関銃手)×ジャクソン(狙撃手)です。 登場人物の外見や名前の表記など基本的な部分は映画版を想定してますが、 映画でカットされた原作の設定やエピソード(小説版に収録)もかなり含まれてます。 性描写も少しあります。申し訳ないですが、10レスほど使わせてもらいます。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
まるで我が子を守るかのようにスプリングフィールド銃を大事そうに抱えるジャクソンの姿というものは、 彼を知る者であれば二秒と経たず頭に思い浮かべることができるほどに馴染んだ光景だった。 だというのにその大切な銃は今、持ち主の手を離れ、兵舎の床に無造作に転がされている。 「いつも思うが」 一人の男──ライベソが言った。 「本当に可愛くねえ目だ」 彼の声は実に愉しげで、気に入りのゲームに熱中している時と同じぐらい弾んでおり、 そしてそこに、いくらかの情欲をも滲ませている。視線の先にいるのはジャクソン。 自分より1つ年下で敬虔なクリスチャンである彼はライベソにとって、 腕は確かだが生意気で口の減らない戦友であり、呆れた田舎者であり、そして今は、犯す相手だ。 「……どけよ、ライベソ」 愛用の銃と同じで床に背を預ける羽目になっているジャクソンが、相変わらずの南部訛りで言った。 いや、言ったというより吐き捨てたと表現するべきかもしれない。それほどに、彼は苛立っている。 ライベソはにやりと笑い、「学習しろ」と呟いた。はぐらかすような返事はその実はっきりと、「どく気はない」と伝えている。 今みたいにジャクソンを組み敷くのは初めてではなく、どけと言われて素直に従ったことは一度も無かったからだ。 ジャクソン自身もそれを思い出し理解したため、彼は視線で射抜くようにライベソを睨む。 自分を睨む鋭い目を見返すライベソはぞくりとした快感を覚え、本当に射抜かれたかもしれないとぼんやり思った。 _____________________
「──ん、──ぅ、──……っ、」 乱暴に服を剥ぎ取り施された愛撫はお世辞にも丁寧だとは言えない代物だが、 抱かれる味を覚えてしまっているジャクソンの肉体に火を点けるにはそれでも充分な力を持っていた。 押し広げられた肛門に強引に捩じ込まれた指が無遠慮に動き、その動きに逐一反応してしまう。 確認することもなく増やされていく指は狭く熱いその中で好き勝手に暴れ粘膜を擦り上げた。 「ふ……、──……っ、ぅ」 獣のように四つん這いにさせられて、尻を突き出したまま逃げることも許されない。 迂闊に声などあげまいと、ジャクソンは必死に唇を噛み締め喘ぎそうになるのを堪えながら恥辱に耐える。 しかし我慢しようとすればするほどに意識はそちらへと傾いて、理性もどんどん侵食されていくような気がした。 その証拠に、自分の中で動くライベソの指、その太さや動きに意識を集中させている自分にはたと気付く。 前立腺を刺激され、その刺激に反応し自分の肛門がきゅうっと締まったことも、わかってしまう。 「……っふ……ふぅ……っ、ん、……っふ……、」 力を入れることすら億劫になったのか、ジャクソンは項垂れ、ぶるぶると震えていた。 息苦しさもあって顔は赤く染まり、それどころか薄っすらと血管を浮きあがらせる首筋までもが赤い。 「……っ、……ぁ……」 唐突に指が引き抜かれると、乱暴に解された穴はそのくせ未練がましくひくついてみせた。 その反応はもちろん本人の意思によるものではないが、ライベソは実に満足げな顔をする。 「ジャクソン」 名を呼び、ライベソはジャクソンの体の向きを強引に引っくり返した。正面からぶつかる視線。 優しい愛撫でなくとも悦んでいたことは、硬く張り詰めたペニスがわかりやすく証明していた。 先端をべとべとに濡らし、赤く腫らして、脈打っている。普段の澄ました彼からは想像もつかない姿。
「キリストが見たら何て言うかね」 揶揄するライベソを、ジャクソンはまた睨みつける。それが相手の好む仕草だとも知らずに。 ライベソは口の端を吊り上げ笑うと、ここでもまだゲームの最中であるかのような調子で言った。 「まあいいさ。とにかく力抜いとけよ……コツは覚えてるだろ」 大きく開かせたジャクソンの足を抱えるようにし、ついさっき指で散々に犯した穴に今度はペニスを押し当てる。 ジャクソンは咄嗟に身を竦ませ、何かを言おうと口を開けたが、実際には痛みに喉を引き攣らせただけに終わった。 自分の中に、圧倒的な熱の塊がめり込んでくる。初めて味わうわけではない、それでも、辛い。 「あ゙、ぁ゙……!」 たいして待ってやることもせずにライベソが腰を使いだすと、さすがに堪えきれなくなって、 ジャクソンは苦しげに声をあげた。首を仰け反らせ、無防備に喉を晒して。 小刻みな息遣いが空気を振動させる。痛みと息苦しさに歪む顔はライベソの目に随分と扇情的に映った。 「ふ、ぅ、──っく、──ぅ、う、」 「、っは、」 自分の動きに合わせジャクソンが従順に声をあげる。それが愉しくすらあり、ライベソは激しく腰を打ちつけた。 硬い尻にぶつかる音は拍手でもしているようでひどく間の抜けたものだが、構う気にもならない。 「ぐ、──っう、──っは、──はぁ、──あ、ぁ、」 暫くすると、ジャクソンの声色も変化してきた。意地を張るのを諦めたのか、それとも呑み込まれたのか。 目を閉じ、奥深くまで貫かれ激しく突き上げられることで生じる快感を素直に受け入れているかのように、喘ぐ。 意識しているのかどうかは定かでないが、ライベソに合わせ自らも腰を揺らしてすらいた。 何度も抱かれて、その味を忘れずそれどころかきっちり覚えているからと、健気に訴えかけるように。
「ジャクソン」 耳朶に舌を這わせ、ついで息を吹きかけるように、ライベソが囁く。 「イキたきゃ、自分で、握っとけよ」 腰を動かしながら、僅かに上擦る声で告げたのは、尚も恥辱を与える言葉。 ジャクソンは、感情によるものではない涙によって潤んだ目で、目の前の相手を懲りずに睨んだ。 「相変わ、らず、……っ悪趣味、だ……、っこの、」 ──クソ野郎──と、口汚く付け加えた彼の目に映るライベソは口元を歪ませ笑っている。 もう一度、今度は心の中で同じ言葉を繰り返したあと、ジャクソンは諦めたように自らのペニスを握った。 「ン……、」 ここまで一度も触れられずに、しかし限界間近に張り詰めていたペニスは触れるだけで強い快感を生む。 たまらなそうな顔で鼻にかかった声を漏らすジャクソン、彼のアナルも同時に締まりをきつくし、 そのためライベソも僅かに目元を歪めながら同じようにたまらないといった様子で小さく呻いた。 「……っん、あ、ァ、──あ、」 自らの手で己を刺激するその行為にジャクソンが夢中になるのに時間はほとんどかからず、 ライベソは腰を打ちつけながら、再び目を閉じ先ほどより更に深く快感に身を委ねているジャクソンを凝視した。 同じ男の性器を根元まできっちり咥え込み突き上げられながら、同時に自慰に耽る様は淫らとしか言いようがない。 この男をこんな風にしたのは、紛れもなく自分自身だと、ライベソは心の中で呟いた。 憎まれ口を叩く以外には聖書の一節を唱えるのが癖である口は尖った顎に唾液を垂らしながらだらしなく開いたまま、 祈りの言葉を呟くこともなく、快楽に浸りながらただひたすらに喘ぐだけ。 自らの性器を握り夢中になって扱き続ける姿は教えに背く罪でしかない。だからこそ、ライベソは満足する。 今、きっとジャクソンの中に主はいない。この男を支配し、心も体も満たしているのは自分だと、そう思えたからだ。 _____________________
「お前に"抱かれてやる"たび、俺は罪を重ねる羽目になる」 激しいセックスを終え、暫し余韻に浸るようにしながら荒い呼吸を繰り返したあと、 のろのろと起き上がったジャクソンが服を着ながらぼそりと言った。声は不機嫌でも上機嫌でもない。 「だったら俺は大罪人だな」 一方のライベソの声は、真面目に取り合う気がないと明らかなもの。 そうしながら彼はきっとまたジャクソンが睨んでくるだろうと予想しており、実際その通りだった。 あまりにも思った通りなのが可笑しくてライベソは吹きだしそうになったが、どうにか堪えて話を続ける。 「いっそ俺を撃っちまえばどうだ、そうすりゃお前の罪もそこでカウントストップだ」 「何?」 「そうだな例えば、俺が機関銃の手入れをしてる最中に、物陰から一発」 狙撃銃を構え、撃つ真似をしながらのその言葉は相変わらずふざけた調子には変わりない。 しかし今度はさっきより少しだけ真面目さが滲んでもいて、だから、 ジャクソンは眉を顰めて暫し言葉を探し、考えて、それから慎重に返事をした。 「俺の腕なら、お前の額のど真ん中を撃ち抜き一瞬で殺してやるなんてことはあんまりにも簡単過ぎる」 「……相っ変わらずだな。まあ、否定はしねえよ」 「へえ、俺の腕を認めてるのか」 「残念ながら」 ライベソは肩を竦める。これは嘘ではなく、ジャクソンの腕をもってすれば簡単なことだ。 しかし実際にはそうしない。なぜかというと理由は単純で、自分と彼とが味方同士だから。 「もっとも、俺の銃は味方を撃つためのものじゃないから、実際には不可能と言えるんだろう」 ジャクソンがそう理由を話したところで、ライベソの解答が正解であったということが確定する。 「だから、俺がお前を撃ち殺すのは、せいぜい戦闘中の混乱でうっかり誤射した時ぐらいだな」 しかし付け加えられたその憎まれ口は、珍しくライベソよりもうわ手だった。 「……は、お前でも誤射の心配はするんだな」 些細な負けとはいえ相手がジャクソンだからこそ悔しくて、ライベソは不貞腐れた口調でそう言い返す。 ジャクソンはいつものライベソのように口の端でにやりと笑い、「アーメン」と言い残し出て行った。 かわいそうに今まで放っておかれていたスプリングフィールドを、しっかりと腕に抱きながら。 _____________________
「ポーカーで大負けした上に、部屋に来ればろくでもない声を聞かされ廊下で待たされた。ああ全く良い日だ!」 部屋を出ると、ライベソはしかめっ面をした〆リッシュと鉢合わせた。 顔を見るなりまるで呪いでも吐くようにそう嫌味を言われ、ポーカーについては知ったことではないが 後半については素直に自分の──いや、自分達の非を認め彼は不機嫌な友人に素直に謝る。 「悪かった。お詫びに葉巻を」 「それだけか?」 「なんだったら聖書も付けるか」 しかし本気で謝る気まではなかったようで、ゆえに〆リッシュは呆れて天を仰いだ。 そんな彼が、ここで急に神妙な面持ちになり、ライベソの腕を掴み引き寄せる。そして、囁く。 「……俺は、お前らがどういう関係なのかサッパリわからん」 急に腕を掴まれ面食らっていたライベソは、今度はその言葉で更に面食らった。 だが彼はすぐに微笑むと、クイズに行き詰まった子供にヒントを与えるようにゆっくりと返事をする。 「仲間だ。お前と同じ」 「それは知ってる」 「何回かセックスもしてる」 「それも知ってる。知りたくなかったけどな」 「どっちも知ってるなら、わからんこたないだろう」 「馬鹿言うな、どっちも知ってるからこそわけがわからないんだろうが」 〆リッシュの顔は依然として真剣で、おかげでライベソも真剣な顔になった。だが、はぐらかす気は健在だ。 友人が何を言わんとしているかはなんとなくわかる。わかるが、答える気にならなかったために。
「恋人なのか」 「まさか」 「じゃあ何で寝るんだ」 「勘弁してくれ、青臭いガキみたいなこと言いやがって。恋人以外と寝ることだってあるだろ」 「そりゃまあ、俺にもあったが、でも相手は男じゃない。……なんで、よりによってジャクソンなんだ?」 「キツイ顔が好みでね。俺の顔が甘いから」 「真面目な話だ」 ライベソは再び笑顔になる。 そして、尚も続きそうだった〆リッシュの言葉を意図的に遮り、口を開く。 「なあ〆リッシュ、ひとつ不満があるんだが──」 「不満?」 「恐らくお前が誤解してるだろうってこと」 「どういうことだ」 「そうだな、うまく言えるか不安だが……俺は別に、あいつを何かの代わりにしてるわけじゃない」 「……、」 「ついでに、あいつがいなけりゃ別のを適当に、なんて気もさらさら無い」 そこまで言うと、ライベソはポケットから葉巻を取り出し〆リッシュのポケットに捩じ込んだ。 そして、挨拶がてら片手を軽く上げて離れていく。背後から、〆リッシュの声が飛んできた。 「なあ、それってつまり──」 引き止めるような言い方だったが、ライベソは振り返らない。代わりに、小さく呟く。 「アーメン」 別に何かを祈ったわけでもない。ただ、ジャクソンの真似をしただけだ。 _____________________
オマハ・ビーチは地獄と化した。ついさっきまで生きていた大勢の仲間が今は死体になっていて、 生きている者は血に染まった砂浜を、敵が降らす鉛の雨から逃げながら必死に駆けて行く。 目標地点に向かう途中、ライベソは視界の端にジャクソンの姿を捉えた。 余裕など微塵もない状況で、なのに、その一瞬だけ妙な安堵を彼は胸に抱く。 「誰か小隊の者を見たか!」 「ジャクソンがいた!」 ホ-ヴァ-トの声に、ライベソはジャクソンの生存を短く伝えた。そこでまた余裕は消える。 海に捨てたBARの代わりを急いで調達し、任務の遂行と生命の保持しか、考えない。考えられない。 「ジャクソン」 地獄が過ぎた後、新たに命じられたろくでもない任務のさ中、ライベソはこっそりとジャクソンを呼んだ。 長く歩き続け、束の間の休息を三ラーから与えられた時のことだ。ジャクソンがライベソに呼ばれたことに、 〆リッシュは気付いていたがあえて気付かないふりをした。もちろん、何を話しているかだって知らない。 「お前、この先も生き残れると思うか」 ライベソが、彼にしては珍しく少し自信なさげな声で尋ねた。ジャクソンは一瞬目を驚いた顔をしたが、 少しだけ考えたあと、相も変わらず我が子のようにスプリングフィールド銃を抱きながら、短く答える。 「全ては主の御心のままに」 比較的おだやかな声だった。だからこそライベソは複雑な気分にさせられる。 もっとも、あえて平静を保ち普段通りの顔でにやりと笑ってみせたが。 「お前はどう思うんだ、ライベソ」 「俺?」 「生き残れると思うのか、お前自身のこと、それから他の奴──例えば、俺のこと」
今度はジャクソンの方が、珍しい様子を見せていた。彼がこんな風にライベソに質問することは滅多に無い。 「断言はしないが、そんな気はするな」 ライベソは、さっきとは違う種類の、なんだか困ったような笑みを浮かべる。 彼は子供の頃から運が良く、そして、勘も良かった。だからこそ、彼は言ったのだ。 自分も、仲間も、生き残れる気がすると。それは不安を隠す嘘。心にもない科白。 _____________________ ルーガーを手にしたドイツの戦車兵は、恐らくなら自分の死を知ることもなく息絶えた。 ライベソは鐘楼を振り返り、見上げた。ここから姿は見えないが、そこにいて、自分を救ったジャクソンを思う。 たった数十秒の間に、ホ-ヴァ-トに続いてジャクソンにも救われ、彼は自分の命の価値が重くなるのを感じた。 自分も、報いなければならない。そのためには生き延びることだ。そして任務を全うする。 今、この場で走り回っている戦友たちを、同じように救うために、彼は改めてそう強く誓った。 一際大きな音が響いたのはその直後のこと。 ついさっき見上げたばかりの鐘楼が、ほんの僅かな間に、粉々になっている。 誰かが叫んでいるのが聴こえた。ティーガー戦車にやられたらしい。 崩れた鐘楼。きっと、その光景が突きつける現実は教会の死と、そして、ジャクソンの死。 一緒にいたパーカーと共に、きっと鐘楼と同じでもはや生前の姿など完全に消え失せてしまっているだろう。 ライベソは駆け出した。戦場を生き抜き、同じく生きている仲間を救うために。 今またジャクソンの──仲間の死に直面した痛みとそして喪失感は強大だ。 これまでの戦いで戦友を、今回の任務では力パーゾとウ工イドを、それぞれ失った時と同じ苦しみが襲う。 しかし、いつ自分が死ぬかもわからない混乱の中、一人の仲間の死だけを嘆き悲しむことはできなかった。 事実、今この瞬間も、別の仲間が死んでいる。だから、彼は走った。それしかなかった。 _____________________
ホ-ヴァ-ト、そして三ラーの死を目にし、〆リッシュの死をも知らされた。 痛みを堪えとぼとぼと歩くア八゚ムの背を眺めながら、ライベソは目を閉じ仲間の顔を一人一人思い浮かべる。 三ラー、ホ-ヴァ-ト、〆リッシュ、力パーゾ、ウ工イド、そして、ジャクソン。 ウ工イドの死の際、彼に請われジャクソン祈りを捧げたシーンが脳裏に蘇る。 『天にましますわれらが父よ……』 おだやかに唱えるジャクソンの声も、はっきりと蘇る。静かで、そしてやっぱり、南部訛りの祈り。 彼は、死ぬ間際に何を思ったのだろう。一生かけても知り得ることのない真相をライベソはぼんやり探る。 どうせ、また聖書の一節を口ずさんだのだろう。もしくは祈りの言葉。それか、主への呼びかけ── 思い浮かぶのは偏った予想ばかりだが実際はそれが正解でもあり、ジャクソンが死の直前に口にしたのは ──イエスよ──という、キリストへの穏やかな呼びかけだった。もちろんライベソがそれを知ることなどないが。 「思い浮かんだ顔はあるか? そして、その中に──」 呟いた独り言に返る答も無い。ただ、そうであればと思うことしか彼にはできない。 あの、生意気で腕の良い田舎者の戦友が、最期に一瞬でも自分の顔を思い浮かべていればと。 ライベソは、さきほど三ラーのポケットから抜き取った手紙を取り出した。 力パーゾが父に宛て、ウ工イドが書き写し、三ラーに託され、そして今、自分が"引き継いだ"もの。 「天にましますわれらが父よ……」 ウ工イドのために祈ったあの日のジャクソンを思い出し、同じように祈る。 ただ声に出したところで、ジャクソンの南部訛りが無意識に伝染しており、そのせいでライベソは苦笑した。 「冗談じゃねえ、俺に訛りを伝染しやがって、あの迷惑な田舎者」 力無く悪態をつく。そして彼は血や泥や埃で汚れた顔を両手で覆い、子供のように嗚咽を漏らした。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>252 ちょ・・・!gj!めちゃくちゃgj!
もはや頭に毛が残ってないぐらい最高に萌えた
久々にこの映画観たくなったよ
携帯から失礼します 鳳のある日の楽屋 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「ありがとう」―――― もう何年も言ってない。というより、言う勇気がないだけだったりする。 自分が言っても、嘘クサくなるって分かってるから。第一、奴は昔から鈍クサい性格だから、言っても軽く流されるだけかもしれない。 「どうした」 そんなことを考えていたから、急に話しかけられてまごついてしまった。 「・・・何でもねぇよ」 ついそっけなく答えてしまう。駄目だな俺・・・ 「口に出すほどのものじゃないだろう」「え?」 「ありがとうとか悪かったとか、言われなくても粕画は分かるんだよ」 「行動に出るからな」「・・・だよな」 そうだ、俺は知らず知らずのうちに、態度に表れてたんだ。そう思ったら、さっきまでの悩みが馬鹿馬鹿しく思えた。 やっぱり、奴を選んで正解だったんだ。 「・・・粕画」 「もし、落ちこぼれになる日がきても、俺といてくれるか」 「もちろんだとも」 「・・・そろそろか。和歌囃子、粕画はこれで失礼するよ。73のセットは時間がかかるのでね」 まだ温みの残る自分の手を見つめて、楽屋を出る奴の背中に呟いた。 「痛ぇんだよ、馬鹿力」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 一応ナンバリングしましたが、1回ですんだのに気付かず・・・ お目汚し失礼致しましたorz
257 :
日寄り 竹馬 :2009/07/20(月) 20:57:35 ID:7CIIP/dhO
規制かかってるので携帯から 日寄り、飛鳥組より竹馬です 若干暗め&過去捏造 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
その日は、朝からずっと雨が降り続いていた。 湿気が室内まで入り込み、服を皮膚に張り付かせる。 その感覚が情事の後を思い起こさせて、皮膚にざわりとした疼きを与えた。 「馬子様?」 私は目を上げて、怪訝そうな部下の顔を見返した。 「ああ、すまない。先を続けてくれ」 無表情が板についていると便利だ。私は書類に手を延ばし、涼しい顔で仕事を こなしながら、心の底ではあの男のことを考えていた。 雨が続いている。しとしとと空気を濡らす。 こんな夜には、あの男が訪ねてくるかもしれない。 私たちは会う際に約束を交わしたりしない。あの男がふらりと来て、私の気が 向かなければ帰ってもらう。それだけの脆い関係だ。 闇の中で息を殺していると、庭でざばりと水音がした。 続いて障子がすっと動き、黒い影がするりと部屋の中に忍び込んできた。 「起きていたのか」 澄んだ水のにおい。私は起き上がって、枕もとの布を差し出した。 「身体を拭け。床が濡れる」 男は言われたとおりにした。彼は土砂降りの中でも傘を差さない。 「君は冷たいな」 「そうでもない。お前のような男を受け入れるのだからな」 かすかな月明かりが男の輪郭を浮かび上がらせている。 氷のように冷たい指が私の頬に触れた。 「愛している」 耳元で囁かれて、私は息を吐いた。 割り切っているはずなのに、冷えた心が揺れる。
「どうして、昼間は会ってくれない?」 「また、その話か…言っているだろう。仕事があると」 「でも、君たちには休日というものがあるんだろう。私はよく知らないが」 「私のような立場になると、そうそう休むわけにもいかなくなる」 「……太子はそんな風に見えない」 「あれを基準にしないでくれ」 ───私が忙しい身なのは事実だ。だが、その気になれば、どこかへ出かける くらいの時間は作れる。忙しいというのはただの口実だ。 本当は、この男と距離を保っておきたいのだ。 「こんな風にセックスするだけでは、情緒がないのではないか?…君がそれで いいなら、かまわないが」 黙りこくっていると、竹中は突然に抱きついてきて私を押し倒した。 きぬ擦れの音。らしからぬ性急さで身体をまさぐられながら、昔のことを思い 出していた。 この男と出会った頃、私はまだ子供であった。初めての恋、幼い恋。彼は私の すべてだった。 しかし、人の心が移ろうのは世の習い。 それからしばらくして、私は一方的に彼を捨てた。本格的に政治の世界に入る にあたって、彼のような人外との交わりは汚点になると思ったからだ。 あまりに打算的な考えに、私は自分で驚いた。彼を愛していなかったわけでは ない。しかし私は、先の見えない関係よりも保身と出世を選んだ。 彼は何も言わずに別れを受け入れた。 いつかこんな日が来ると、はじめからわかっていたのかもしれない。彼はその 姿のせいで、それまでにも散々な仕打ちを受けてきていたのだから。
彼と離れてからすぐに私は大臣となった。血を血で洗うような権力争いの中で、 少年時代の甘い記憶は遠ざかっていった。 時が過ぎ、太子の親友になっていたこの男と再会したときも、私はさほど驚か なかった。 彼は私にとって、少し苦味ばしった過去。それ以上でもそれ以下でもない。 この男にとっても同じようなものだろうと、そう思い込んでいた。 だが、はずみでこんな関係に戻ってしまってから、私はある疑念を抱いた。 もしかして、年を取らないこの男は、ずっとあの時の想いを抱いたまま、私に 復讐する機会をうかがっていたのではないだろうか? ひどく情熱的な指先や唇を受けるたびに、恐ろしい結論に到達しそうになって 混乱した。 「気持ちいいか?」 「ああ…」 嘘ではなかった。後ろから貫かれ、犬のように両手足をついた私は嬌声をあげて いた。 「あうっ……あっ!くっ」 「可愛いよ」 低い声で囁かれて、燃えるように感じた。強引にねじふせられ、軽い屈辱感が 快楽をあおる。 腰を掴まれて、ずくずくと熱い塊をねじこまれる。 「許して、くれ」 「……なにをだ?」 「すべてを…」 内臓の中からわきあがる快感に揺られながら、泣きたくなった。 いまさら許してくれといって、何になる? 竹中は優しかった。抽迭を続けながら、大丈夫だと何度も言った。
「仕方ないことというのは、あるものだ。私はよくわかっている……君を、責め たくない」 体勢を変えさせられ、横向きに寝かされた。責めたくないという言葉と裏腹に、 急に乱暴になった抽迭が私の体内をかきまわす。 竹中は私の片足を肩に担ぎ上げると、器用に腰を使いながら私に語りかけた。 「君を、ずっと見ていた…」 「く…うっ……ぁア……うぅ」 「すごいな、朝廷中が、君を怖れている」 「ん…っく……は…ッ」 「昔の君からは、想像もつかない」 「あ、アア、た、け……か」 「この屋敷も、ずいぶん大きいしな」 快楽で朦朧とする意識のなか、済んだ低い声を浴びる。 「私は、君に、何も与えられないから。君の決断は、正しかったよ」 「あ……ぐっ!」 なにか、言わなくては。否定しなくては。 無駄な焦燥を感じていると、突然、内部の楔の動きが止まり、竹中が静かに こう言った。 「馬子。愛している、と、言ってくれないか」 「………な」 なぜだ。 その唐突な要求に、私は絶句した。 さまざまな返事が浮かんでは消える。 しかし、彼がふたたび動き出した瞬間、私は反射的にその言葉を口にしていた。 「愛している」 その言葉は、恐ろしいほど自然にこぼれた。
「……もう一度」 「愛して、いる…」 「もう、一度」 言われるままにくり返しながら、涙がこみあげた。私は感じながら泣いていた。 熱い炎に焼かれていた。 竹中、これがお前の復讐なのか。 夢を見た。私がまだ無邪気な子供だった頃の思い出。 「竹中、ずっと一緒にいよう」 「……どうしたんだ、急に」 「なあ、一緒にいよう、いてくれるだろ」 「君さえよければね」 「いいに、決まってるだろ。なあ、一緒にいよう、好きだ、好きなんだよ」 「私も、馬子が、好きだよ」 「……キスしてくれよ」 竹中の唇は冷たかった。顔を離すと、彼は不思議な笑みを浮かべてこちらを 見ていた。 「……愛してるよ、馬子」 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>262 元ネタ知らないけど萌えました
大人な雰囲気が良かったです
オリジナルでぬるいですが投下します |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
彼はいつもベンチに座っていた。 僕は毎週火曜と木曜にギター教室に通っていて、帰りは近道のために公園を突っ切っている。 その公園のベンチに彼は座っていた。 子供を遊ばせる親や、ジョギングする人達、冗談を飛ばしながら話す休憩中のビジネスマン。そんなのどかな風景の中、 スーツ姿でファイルを開き、忙しそうに電話をしたり、ノートパソコンをいじくる仕事モードの彼は、少し浮いてみえた。 もしかしたら毎日いるのかもしれない。 太くはないけれど、長くくっきりとした眉毛が印象的で、僕は彼のことをこっそり『眉毛スーツ』と命名していた。 ただ、最近は何もしていないことが多い。 パソコンを開くでもなく、ケータイを手にすることもない。コーヒーの入った紙コップを手に、ぼんやりと空を見つめている。 子供の遊ぶ姿を眺めたり、僕みたいな通り過ぎていく人を目で追ったり、俯いて考えごとをしているようなときもあった。 その日は長々と講師に引き止められてたせいで、教室からの帰りが遅れてしまった。 所詮喋ったこともない赤の他人だし、単なる好奇心だってことは分かってるけど、彼のことが何となく気になる。 何というか、植物の観察日記でもつけているような気分なのかもしれない。 いつもより1時間以上遅いからさすがにいないな。あんな感じでずっと座っているわけじゃないだろう。 そんなことを考えながら、いつものように公園に入っていった。 ところが、ベンチに人の影が見える。 いや、まさか、と目を凝らしてみると、まぎれもない『眉毛スーツ』だった。 思わず彼を見つめながら近づいてしまったけれど、向こうもこちらを見ていた。 よく考えれば僕が彼を知ってるように、彼も僕を知っていたとしてもべつに不思議でもなんでもない。 だから、自然に声をかけた。 「まだ座ってたの?」 「今日だけさ、君がなかなか来ないものだから」 「悪かった。コーヒー一杯おごるよ」 まるで友達同士の会話みたいで、お互いに笑ってしまった。 彼の笑顔は、ただでさえたれ気味の目がよけいに下がって、とても幼い表情になった。
近くのコーヒーショップで、彼は自分のことを色々話してくれた。『眉毛スーツ』の本名はジェイク。 半年前に会社が倒産して今は求職中だという。 ニュースに出るくらい大きな会社だったらしく、同じレベルの会社を当たっては、ことごとく拒否されていた。 「結局、大企業に勤めてたってだけで、僕にはキャリアがない。若すぎるんだ。だんだん自分が最低の人間に思えてきて、ここんとこ探す気も失せてきた。公園にいると周りが皆幸せにみえて辛い。でも家にいると外に出る気もなくなりそうになる。それに吸血コウモリ……」 そこで彼は慌てて口を押さえた。 「吸血コウモリって?」 「ハハ、怒らないで聞いてほしいんだけど、君のことをそう名付けて見てたんだ。だって君、口の両端にピアスしてるだろ。おまけにいつも黒いフードをかぶってるから、まるで牙を持ったコウモリみたいでさ」 こっちは君を『眉毛スーツ』と呼んでたけどね、と言いたかったけど、更に落ち込まれたら困るので止めておく。 エドって名前だと教えると、彼は僕の名前を反復した。 「ずっと『吸血コウモリ』って感じで見てたから。間違えないようにしないとね」 ジェイクは僕の目を見つめてエド、エド、といつまでもつぶやいていた。 彼はとても饒舌な人間だった。こんなに喋る人だとは思わなかったと言うと、ごめん、話したかったんだ、と謝られた。 「べつにいいよ。色々溜まってたんじゃん? 仕事決まったら教えてよ。飲みにいこう。今度はあんたのおごりでさ」 ジェイクはその言葉に頷いて、きっと、と約束してくれた。 けれどそれっきり、ジェイクは公園に来なくなってしまった。 それから2ヶ月くらいたった。 僕はいつも通りベンチのそばを通って家に帰ってる。でもジェイクの姿はない。 あの時とても明るい性格に見えたけど、こんなご時世だし、と最悪なことまで考えてしまう。 彼のことを思うと不安で仕方がない。 こんなことなら、ケータイの番号でも交換しておくべきだった。 なんだかんだ言って僕らはお互いのファーストネームしか知らない。
公園に入ると真っ先にベンチを見る癖がついてしまった。 「あ」 誰かが座っている。でもスーツじゃない。スーツじゃないけど、ポロシャツにジーンズの男性だけど、あの眉毛、 「ジェイク!」 まぎれもなく彼だった。たれ目の笑顔が手を振っている。 自分の中でジェイクがかなり大きな存在になってることに驚いてしまう。気がつくと彼に向かって突っ走ってた。 僕が抱きつくと、彼は少しびっくりしつつも、背中を軽く叩いてくれた。 「心配したよ。急にいなくなるなんてさ」 「ごめん。情けない姿を君に見せたくなかったってのもあるし。あれから本気出してね。やっと仕事が決まったんだ」 身体を離さずに、僕は彼の言葉にただ頷いた。またどこかへ行ってしまいそうな気がしたから。 「約束を果たしにきたのさ。今から飲みにいこう。もちろん今度は僕のおごりで」 「当たり前だよ。僕を不安にさせた分も加算させてもらうから」 僕の子供じみた言葉にジェイクは笑うと、耳元で囁いた。 「好きなだけどうぞ。仕事が決まったのも君のおかげみたいなものだからね、吸血コウモ……エド」 まだ、『吸血コウモリ』と僕の名前の切り替えがなってないみたいだ。 心配させた挙げ句名前を間違うものだから、僕はふざけ半分で首に噛みついてやった。 てっきり驚くと思っていたのに、お返しのようにジェイクは僕の耳を軽く噛んだ。 「君に噛まれたから、僕も吸血鬼になってしまったかな」 彼のジョークかもしれない。僕は吸血コウモリでもないし、吸血鬼でもない。 むしろ彼が吸血鬼なのかもね。 ジェイクに耳を噛まれた途端、僕の身体は熱くなって、力が抜けてしまったから。
ありがとうございました! □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>265 はわ〜萌えた(*´∀`*)
過去の数作からすっかりファンになってしまいました。
いつも素敵なお話ありがとう!
前回萌えてくれた姐さん達ありがとう!! 再度09戦隊 赤×光です。 寿司屋の設定を読み返していたら、萌えというより燃えたので妄想。 ・半ナマ注意 ・エロなし、チュウまで ・DCDコラボの終了時ぐらい 前の話がこないだのコラボ放送とのテーマが被って、 ものすごくビビったのは内緒だ。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 過去と今とを繋ぐ為に 「ここが書庫だ」 ヒコマじいちゃんの案内の元、俺はシバ家のある一室に辿り着いた。 「おおおーーー!!すっげー!!」 目の前に広がる文字の山に、俺は思わず声をあげた。 「オリガミについての資料は、この辺りにある」 「サンキューじいちゃん!」 さっそくじいちゃんが示した辺りの書物を手にとる。歴史と風格を漂わせるその本は、おそらくどれもこの 世に一冊しかないのだろう。いわゆる秘伝書ってやつだ。 「あまりうるさくしないのであれば、しばらくここに居てよいが…」 じいちゃんは少し目配せして俺を見た。本当ならここはシバ家の者しか入れない場所なのだ。だからいつも はじいちゃんがここから必要な資料を引っ張り出してきている。 「しないしない!」 俺は目の前の知識の宝庫に、胸が踊る思いだった。 俺は床に積み重ねられている本達の隙間に腰を下ろし、スシチェンジャーを傍に置いた。これを読み解けれ ば、新しいオリガミや、今の戦力の増強に繋げられるかもしれない。そう思うだけでワクワクする。 「あぁゲンタ、今夜はお前の分の………まぁよい。しっかりやれよ」 じいちゃんが何か声をかけてくれたみたいだけど、俺はすでに膨大な知識の中へ飛び込んでいた。 今まで出てきたオリガミについてのモチーフや武器としての扱い、開発してきたモヂカラの構成、そしてそ こに込められた侍達の知識と並々ならぬ決意が、今俺の中に染み込んでくる。俺がイカちゃんの秘伝ディスク から、自分なりに得てきたモヂカラの知識と、過去の文献とを擦り合わせては、それを何回も繰り返し繰り返 しモヂカラを作って試してみる。この世の人々を守るために、俺はここにある全部を知らなきゃならねぇ。 どれくらい経っただろうか。 「…タ。おい、ゲンタ」 聞き覚えのある声が頭上から降ってきて、俺は唐突に自分を取り戻した。 「え?あ。おうタケちゃん!」
殿様自らやってくるなんて、まぁ本当はここは家の者しかはいれない場所なんだから、タケちゃんが来ても おかしくはないか。 「どんな感じだ?」 タケちゃんは俺の隣にあった踏み台の上に腰掛け、俺の手元に見た。 「すげーなやっぱ!俺なんかが思いつかなかったことや、創った者の思いとかいっぱい詰まってる。例えば、 これなんかシシオリガミについてなんだけどよ、偶然か必然か、もう一体別のオリガミが一緒に産まれたとか どうとか……」 「そんな古い記述まで読んだのか!?シバ家独特の記述も多いだろうに」 「それはまぁ、フィーリングと根性でだな……」 「……」 「いゃあでもまだまだだよ〜。タケちゃんかじいちゃんに聞きたい部分も沢山あるし、一晩くらいじゃ全部は 読めねーわ」 「全部読むつもりなのか?」 「とりあえずモヂカラとオリガミについてはな。あとはシバ家の歴史も知っときたいかな…」 「歴史までとなると、俺だってまだ全部は読みきれてないぞ」 「ありゃ、殿様がまだなら、俺はもっと時間かかるわー」 いつの間にか張りつめていた集中の糸は切れ、俺は大きくため息を吐き出した。 「タケちゃんはどのへんまで読んでるんだ?」 いつの間にやらタケちゃんは隣で歴史書に目を落としていた。 「武術と剣術の指南書は一通り読んだ。後はモヂカラの稽古を兼ねて、歴史書の書き写しが、半分越えたぐら いだ」 「そっか、たまに新しそうな紙があるのは、最近書き写したやつなのか〜」 「紙はどうしても痛むからな。写しは必要だ」 お互い書物からは目を離さずに喋っているが、タケちゃんも俺も、この落ち着いた雰囲気に、中々味わえな い静けさを噛み締めてる。 「そっか。受け継ぐ、っちゅーのは、そういうことだもんなー……」 しみじみと、これらを残してくれていた過去の侍達に想いをはせる。 この世を守る為に戦い続けてきた代々の侍達。その中には俺みたいな奴もいたりしたんだろうか。 俺はふと、タケちゃんの読んでいる歴史書の表紙に目が行った。紙の色が鮮やかなところを見ると、随分最 近のやつらしい。
……あ、 「それ、タケちゃんの親父さんか?」 「……ああ」 俺は自分が読んでいた本を一旦止めて、タケちゃんの読んでいる方を覗き込んだ。17代目のシンケンレッ ド、タケちゃんの親父さん。外道衆の親分である血祭りドウコクを自らの命と引き換えに封印した偉大な侍。 俺がこの町を離れたすぐ後に、外道衆の強襲があって、先代のシンケンジャー達はその戦いで大きな傷を受け たと聞いた。 「タケちゃん……辛く、ね?」 「何がだ?」 「いや、その……親父さんの生き様、知るってのは」 言葉にしてから、しまった、と俺は思った。辛いに決まってるじゃねぇかよ。 だけどタケちゃんから返ってきた返事は、意外なものだった。 「…親父とはあまり話す機会がなかったからな。親父の小さかった頃を知るのは楽しい」 「…そっか」 なんだ、さすがタケちゃん。俺が心配するような事でもなかったかな……。 「でも、」 「ん?」 「まだ、最後の章は、読めてない」 タケちゃんは、そこで歴史書を閉じた。 「……だったら、余計気ぃ入れて勉強しねぇとな」 俺の言葉に、タケちゃんは少し不思議そうな顔をして俺を見た。 「タケちゃんの代で戦いが終わったら、読めるようになるんだろ?その部分も」 「…そう、かもな」 「だったら、俺ももっともっと、強くならねぇとなぁ」 そこまで言ったところで、いつの間にかタケちゃんが俺の目の前にいた。 「タケちゃん?」 「……最初に拒んで、すまなかった」 脳裏に、一瞬あの日の光景が蘇ったような気がした。 「気にしてねぇよ」 俺は、タケちゃんの胸の真ん中に手を置いて、
「俺の命は、もうここに預けちまったからよ」 口元が自然と緩んだ。そうだ、もう俺は侍として生きるんだ。タケちゃんが、皆がこれ以上苦しまなくても 済むように。 「俺も、タケちゃんと、みんなの分丸ごとここに抱えてっから」 そう言って、俺は自分の胸を指した。 「……ゲンタ」 タケちゃんの手が、胸に置いた俺の手を握り込んだ。 「頼んだ」 「おうよ!」 そう言って、お互い笑った。やっぱこの笑顔は、どうやっても守らなきゃなんねぇ。 …そんなことをおぼろげに考えていたら、急に視界がと口が両方ともいっぺんに塞がれた。 「ちょ…!」 口元からタケちゃんの体温が伝わってくる。それが身体中を駆け巡って、俺の心臓が強く脈打った。 タケちゃんは最近隙あらばといったぐあいに、俺とチュウしたがる。俺としては拒む理由が特にないものだ からタチが悪い。 「ゲンタ」 「……え?」 タケちゃんの呼びかけに返事をしたその口の隙間から、舌を差し込まれた。 「わっ…!」 ビクついて逃げようとした俺の舌にまで簡単にからめとられてしまう。ったく…どこでこんなこと覚えてく んだかこの殿様は……。 しばらくしてタケちゃんは満足したのか、俺から離れた。 「……不意打ち、やめてくんねぇ?」 ついそんな言葉が漏れる。多分俺の顔は真っ赤になっちまってる。 「そうか?俺は面白いけどな」 「面白がるなよタケちゃん……」 こんなところで、結局はタケちゃんのペースになっちまう。 「ところで、お前何か食べてきたのか?」
ほらもういつものタケちゃんに戻ってる。 って、飯? 「え?あ、もうこんな時間か!そういや腹減ってるなーとは思ってたんだよ」 「お前なぁ……」 タケちゃんは呆れたように頭を振ってから、立ち上がった。つられて俺も立ち上がって、本を棚に戻した。 「黒子達にお前の分の夕食も用意させた。じいが言ってただろ?」 「マジかよ?いいのか?」 「何を遠慮することがある」 言いながらタケちゃんはさっさと書庫から出て行ってしまった。 「あ、ちょっと待ってくれよタケちゃん!」 俺も慌てて後を追う。と、 「あれ?ゲンさんや!」 「何でゲンちゃんがそんなとこから出てくんの?」 廊下の向こうから広間へ向かう途中のチアキとコトハちゃんが俺を見つけ、不思議そうな顔をした。 「いやー、オリガミの資料読みにきたんだけど、タケちゃんが夕飯食ってけって」 俺は二人の近くに行き、両方の肩に手を置いた。俺、もう顔赤くねぇよな? 「マジで?一緒に食おうぜゲンちゃん!」 「今日は賑やかになりそうやな〜」 二人の屈託のない笑顔に、俺も思わずつられて笑った。俺たちの一歩前を歩くタケちゃんも、笑っているよ うだった。 終
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! ありがとうございました! 赤が光を後ろからだっこする姿が見れて、朝から萌えすぎて死ぬかと思ったぜ。
>>234 亀だが萌えた。個人的に17飯を心の底からお待ちしてます。
>>265 亀ですがたまらん!この雰囲気いつも好きです
ありがとう
先日の赤劇場の市ず流コントから 天然さわやか教師×ツンデレ不良生徒 純愛(?)もの 注:中の人は男同士ですが、キャラ設定は男女なので 苦手な方はスルーしてください |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
彼女は学校の屋上で腕組みし、遠くをにらみつけながらいらいらと足をゆすっていた。眉間には不機嫌そうなしわが刻まれている。雲にかすんだ夕暮れが茶髪に反射して きらめき、セーラー服のタイが風に揺れていた。 タバコを取り出そうとカバンを探り、思わず舌打ちした。 (そういやこの前、邑上に渡しちまったんだったっけ) 彼女が待っている相手は────生徒指導かつ彼女の担任教師である、邑上。 生徒の話に耳を傾ける真剣さ、熱っぽい授業、おまけに男前と三拍子そろえば 人気者にならない訳はない。男子からも女子からも、邑上は絶大な支持を受けていた。 そして、彼女もまた────。 はじめは、うっとおしいおせっかいヤローだと思っていた。あまりのしつこさに 殴ってやろうと思ったことも一度や二度じゃない。 殴らなかったのは、顔がけっこう好みだったから、あのハンサムな顔に傷をつける のはおしいと思ったから、それだけだ。 それでも、無視されても罵倒されても自分を見捨てようとはしない邑上の態度に、 彼女は変わっていった。 一部の不良仲間をのぞいて、生徒はもちろん教師陣にまで遠巻きにされる彼女に、 真摯に向き合おうとするのは邑上だけだった。自分が何か問題を起こすたび、悲しげな 顔で懇々と諭す邑上を見て、彼女はひそかに喜びを覚えた。邑上が自分にかまって くれるのが、嬉しかったのだ。 実際、邑上は他の生徒の誰よりも彼女に目をかけた。それは自分がたびたび問題を 起こす不良だからなのだとわかっていても、彼女はときどき、邑上にとって自分は 特別なのだという錯覚に陥った─── 「ごめん、遅れて!」 「おせえんだよぉ!!!!!」 駆け足で登場した待ち合わせの相手に、清美は大音量の罵声を浴びせた。 「オマエ、どんだけ遅れてんだよ!?教師が時間守らねえって、どういうことだよ!?」 「すまん、急に大事な電話が入っちゃったんだ。ゴメンな」 すまなそうにそう言ってから、邑上はトレードマークのさわやかな笑顔でにっこり 笑った。
「まあ、いいよ……許してやるよ」 「ありがとう」 そのまま黙り込んだ清美を気遣うように、邑上があたりさわりのない話題を持ち出す。 「そういえば、合唱コンクール、ありがとな。出てくれて」 「はあ?別に、てめえのために出たわけじゃねえし!?」 「そうだったな。でも、先生は、清美の歌声が聞けて、うれしかったよ」 「あ?!………ああ、そ、そうかよ」 (なんなんだよ、やめろよ!ときめいちまうだろ) 「清美はやっぱり、歌が上手いな」 「別にオマエにほめられても、うれしくねえよ」 「そうか、ま、とにかく、ありがとう」 無邪気に微笑む邑上の顔を見ていられなくて、清美は思わずうつむく。 「ところで、なんなんだ?話って」 邑上は何気ない口調で切り出したが、彼女の肩がぴくりと大きく動いた。 「その前に、一つ、聞きてえんだけど」 「ん?」 「オマエ、アタシのことどう思ってんだ?」 清美は髪をいじりながら、ぶっきらぼうに尋ねた。 「好きだよ」 あっさりと答えた邑上の言葉に、心拍数が一気にあがる。 「清美は、少し乱暴なところもあるけど、やさしいし、ひたむきだし、いつも一生懸命で ……おれの、大事な生徒だよ」 ほめられている。なのに、清美の心は暗くなった。 生徒。 「そうだよな…」 「ん?」 「けっきょくよお、テメーにとって、アタシは、生徒でしかねえんだろ」 「きよみ?」
「可愛いとか綺麗だとか、さんざん言っといて、その気もないのに気ィ持たせるんじゃ ねえよ!」 怒鳴りながら、コンクリートの地面にバッグを力任せに叩きつける。邑上の驚いた顔が、 視界の隅に映っていた。 「ど、どうしたんだ、突然」 「アタシ、帰るからな」 「ま、待てって」 急に腕をつかまれた。大きな手。その瞬間、カッと正体不明の怒りが湧き上がる。 「触んじゃねえよ!」 撃たれたように邑上は手を離した。 顔は見ていないが、邑上がどんな顔をしているか容易に想像できた。 邑上が悪いわけじゃない。それぐらい、わかっている。一人で勝手に舞い上がって、 勘違いしたのはこっち。 (あーあ、バカみてー) 早く、帰ろう。立ち去ろう。そう自分に言い聞かせても、足が動かなかった。 「きよみ……ゴメンな」 「なんだよ、なんで……謝るんだよ」 「先生が、悪かった」 静かにたたずむ二人の影が、夕焼けに長く伸びる。 「清美も、女の子だもんな。好きでもない男の人に、軽々しく可愛いとか、言われたく ないよな」 「そんなこと、誰も言ってねえだろぉ!オメー、バカか?!」 ずれまくりの邑上の論点に、うつむいたまま怒鳴る。 「じゃあ、どうしてそんなに怒ってるんだ?」 「だから………もぉ、わかれよ!なんで気づかねえんだよ、好きだって、言ってるだろ!」 「………え?」 はっ、とした。 つい怒りにまかせて、本心を吐き出してしまった。そんなつもりはなかったのに。 邑上は押し黙ったまま、何も答えない。
お互いに沈黙が続いた。 コンクリートの無機質な模様を見ているうちに、熱いものがこみあげて視界がゆがんだ。 (泣くなよ、活け田清美ともあろうものがよ) 自分みたいなやつが泣いたって、絵にならない。女にしてはガタイもいいし、背も 邑上より高いのだ。泣いて絵になるのは、小さくて可愛い女の子だけ。 「帰る」 それだけやっと言い捨てると、彼女は先ほどたたきつけたカバンを拾い上げた。 消えてしまいたかった。 入り口が開いているのを気づかず拾った拍子に、カバンからマスカラがころころと 落ちる。 「あ……」 邑上が黙ってその黒い小瓶を拾い上げる。受け取ろうと手を伸ばしたら、なぜだか 避けられた。 「返せよ」 「清美」 「返せよ!!」 「帰らないでくれ」 驚いて顔を上げると、いつになく真剣な顔の邑上と眼が合う。 「先生、言わなきゃいけないことが、あるんだ」 「聞きたくねえ」 「………なあ」 「聞きたくねえよ、やめろよ!こんな時に説教なんて、聞きたくねえよ。鈍いてめえ だって、それぐらいわかるだろ!ほっといてくれよ」 「確かに、先生は鈍いけど」 突然、温かみを感じた。邑上の腕に抱きしめられている。息を呑んだ。 「ごめんな」 「なんで……あやま…」 「こういうこと、男の方から普通言うものだろ。なのに、女の子に言わせてコメンな」 「なんで……そんな」
わけがわからない。本当にわけがわからない。パニックだ。なぜ、邑上は自分を抱き しめているのだろう。そして、なぜいつまでたっても離さないのだろう。 「なん…えっ??おま、じゃあ、オマエ、アタシと、付き合ってくれんの?」 「それはダメだ」 「ナンでだよ!!!!!!!」 思わず腕から離れて、力いっぱいツッコむ。 「今、そういうカンジじゃなかったのかよ?!なんでこの流れで断るんだよ!」 「清美はまだ、おれの生徒だから」 「え?」 「清美が卒業するその時になったら、ちゃんと告白しようと思ってたんだ」 がっしりと肩を掴まれ、のぞきこまれる。濁りない二つの目が、すぐ近くてまっすぐに 自分を見つめていた。 「もし……二年後、お前が卒業して、その時もまだ先生のこと好きでいてくれたら、 その時は、付き合って欲しい」 清美はわけもわからないまま邑上の視線を浴び、足元から這い登ってくる居心地の 悪さと戦っていた。 嘘だろ、コイツが、なんでこんなこと。 「なんで………アタシは気にしないっていってるだろ、教師と生徒でも」 もじもじとそうつぶやくと、邑上は答えた。 「わかってる。でも、先生はきちんとしたいんだ。清美のことがホントに大事だから」 「二年なんて……オマエだって、心変わりとか、するだろ」 「先生は絶対、心変わりなんてしない」 邑上の口調は一切の迷いがなかった。 大人の邑上には自信があるのかもしれない。だけれど、自分には迷いがあった。 二年なんて、長すぎる。 「無理だよ。そんなの」 「……………」
「なげえよ、長すぎるよ。そんな、二年も先のことなんて、わかんねえよ」 不安を吐き捨てると、邑上は一瞬悲しそうな顔をした。しかし、次の瞬間にはあの さわやかな笑顔を浮かべて、それを覆い隠した。 「そっか、わかった。なら、しかたな……」 「だ、誰も待たねえなんて言ってねえだろ!」 「え、じゃあ?」 「わかったよ、待ってやるよ。待ちゃあいいんだろ!?バカ正直なやつだなあ、待って やるよっ!」 「ありがとう!」 もう一度、抱きしめられた。それから、これ、返すよ、と言ってマスカラを渡された。 初めて触れた邑上の手は、少し汗ばんでいて、温かかった。 「じゃあ、最初は交換日記から始めようか」 「はあ?」 いや、交換日記って。ふつうメルアドとかじゃねえの? その、あまりにも時代遅れな単語に清美は眼を丸くした。邑上はその様子にも気づかず、 ニコニコと幸せそうな笑顔でこちらの返事を待っている。 (うわ、コイツ、やっぱりちょっとずれてんな) 「バカじゃねえの?いまどき、交換日記してるヤツなんて、いるわけねえだろ」 「………え?イヤだったか?」 途端に慌てる邑上。それを、少し可愛いと思った。 「わかったよ、ノート、買ってきてやるよ!!!」 そう言って、照れ隠しに肩を殴ると、邑上は清美の大好きなあの笑顔を浮かべて笑って くれた。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! うん、ツンデレに萌えてしまったんだ ツンデレは正義!!
出だしの一行、改行しました すみません
あああ…何やってるんだOTL ×改行しました ○改行失敗しました
>>280 ぬおおおおおおGJ!
同士がいて嬉しい!
>>280 ktkr
見ながら終始ニヤニヤしたww
GJです
来年の太河のキャストがいろいろ発表になり 過去の漫画(公共放送の)とか色々考えてたら物凄いパッションが襲ってきたので 勢いのみで書きました。 ○訛りは適当です ○歴史も適当です ○エロとか皆無なので苦手な方はスルーを。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「瀧さんは卑怯ぜよ」 そう岡田似蔵が呟いたのは何回目に説得した時だったか。 人を斬るのはもう止めろ、折角の腕をもっと他に活かすべきだと、 会うたびに説得しようとする瀧馬に、そう彼は呟いた。 「……卑怯?わしがか」 「そうちや」 「おんしゃ何を言いよるが?」 答えない似蔵に瀧馬の心は僅かに苛立つ。 少なくとも、生まれて今まで世に卑怯と言われる行動は取っていないはずだ。 卑怯な行動を取ろうものならばあの優しくも恐ろしい姉にどんな目に合わされることか。 だから、というわけでもないけれど、お天道様にも姉にも恥じるような行為をしたことはないと、 たとえ貧しくとも胸を張って生きてきた。……それにも関わらず。
「人を闇討ちするがは卑怯と言わんが?」 苛立ちが思わず強い言葉になる。諍いをするために似蔵に会いに来たわけではないのに、一体自分は何を言っているのだろう。 瀧馬は息を吸い心を落ち着ける。今日こそ似蔵に己の思いを分かって貰わねばならない。 「わしゃあおんしに戻ってきてほしい思っちょる。武市さんは間違っちょるぜよ。……似蔵さん、意味のない人斬りはいかんちや」 「―――そんなことは分かっちょる!」 瀧馬が肩に置いた手を似蔵が振り払う。似蔵らしからぬ強い語気に瀧馬は虚を突かれた。 「……なら、なんで続けちゅうが」 「わしゃあ、学が無いき。政のことはむつかしゅうてよう理解せん」 似蔵が俯いてぽつぽつ語る。貧しい岡田家に学問に費やす金があろうはずもないことは瀧馬もよく知っていた。 そして、その事実が似蔵の中に澱のように溜まり淀んでいることも知っていた。 「そうやき、政を考えるのは武市さんに任そうて決めたぜよ。わしゃあ、わしに出来ることをするき」 自らの刀を見つめて似蔵は呟く。濁りのないその目に瀧馬は再び苛立った。 「その武市さんが間違っちょるゆうちゅうんだ!武市さんが頭もええし気ぃも真っ直ぐなのはよう知っちょる。 けんど今度は間違っちょる、……人斬りでは何も解決しぃやせん!」 「ほうか。ほんなら教えちょくれ、瀧さん」 それまで俯いていた似蔵は目をあげる。瀧馬の目をひたと見据えて口の端を上げた。あれは笑っているつもりだろうか。
「わしゃあ怖くてたまらんき。夷狄が日本を攻めようとしちょるこの時に、頼みの幕府は弱腰やき。 戦になったらわしや家族のような犬ころは死ぬ。武市さんや瀧さんもぜよ。皆みぃんなやけ。 怖くて怖くてわしゃあ考えた。阿呆なわしがどうすれば日本の役に立つが?どうすれば皆助かるが? 考えて考えて考えて、そんでやっとわしゃあこれしかないと思ったぜよ」 似蔵は瀧馬の前に刀を突き出した。その手が少し震えているのは寒さか怒りか―――恐怖のためか。 「武市さんだって考えて考えて選んだ道を進んじょる。……瀧さん、おんしゃ何しちゅう?何もしちょらんき。 何もせんで人ばっかり咎めて、咎めるけど他の道も示さんき。おんしゃ卑怯ぜよ」 瀧馬は何一つ言いかえせなかった。 瀧馬が武市や似蔵が間違っていると言うのは、瀧馬にも異国への不安や幕府への怒り、 そして何より何もできないことへの焦りがあるからだ。 何もできない、何をしていいのかが分からない己が歯痒く、自分の道を見つけたはずの武市や似蔵が、 少なくとも瀧馬から見れば間違った道へ進んでいることへの焦りと怒りがあるからだ。 しかし、彼らを責めることが自分の道ではないことも、そしてそれが何かを成すことにはならない事も、 坂本瀧馬にはとてもよく分かっていた。
「騰海舟先生とお見受けするき」 瀧馬が出した結論も、人を斬ることだった。日本に仇なすと言われる騰を斬ることこそ瀧馬が選んだ道だった。 結局瀧馬も己の腕しか使えるものはないのだ。 「おう、俺が騰だよ。あんたぁ誰だい?」 「土佐脱藩、坂本瀧馬ぜよ。お命頂戴しに参ったき」 「なるほどなあ。よく来たな、まあちょっと上がっていけ」 名乗った瀧馬に騰は笑う。命を取りに来たと言われた男の対応ではなかった。 「……わしゃあ、お命を」 「分かってるよ。俺を斬りに来たんだろ?斬るのはいつでも出来るからよ、とりあえず上がって茶でも飲まねえか?」 そういうと騰は瀧馬に背を向けて屋敷へ入る。そのあまりの無防備さに瀧馬は肩すかしを食った。 斬って捨てる機会を見失い、瀧馬は騰の後を追う。 屋敷に入ると、奥の座敷に騰は胡坐を掻いていた。警戒しつつ追ってきた瀧馬に自分の前を示して騰は再び笑う。 「座んなよ。誰も居やしねえって。とりあえず、話を聞かせてくれねえか。俺を斬ろうってんだ、それなりの理由があるんだろ? それともあんたはなんだい、相手に理由も言わずにいきなり切って捨てる只の人斬りなのかい?」 にやにやと笑う騰に瀧馬は憮然とする。言いなりになるのも癪だが、只の人斬り呼ばわりされては放っておけない。 瀧馬は騰の目の前に腰を下ろし、刀も下ろした。それでもいつでも斬れるように手元からは離さないよう警戒は怠らない。 「……おんしゃ日本を異国に売ろうしちょる聞いたき。日本のためにせられん」 あえて厳めしい顔を作り瀧馬は言う。ここで侮られるわけにはいかない。 「なるほどなあ。あんた日本のために俺を斬りに来たんだな」 「そうちや」 重々しく頷くと、騰がいきなり立ち上がった。刀に手をやろうとする瀧馬を騰は制する。 「待ちなよ。あんたに見せてえもんがあんだって」 そう言うと、勝はなにか球状のものを持ってきた。台がついているその球を瀧馬の前に置くと、騰は座りなおした。 「こりゃあ何なが」 「何だと思う」 「……異国の大砲の弾なが」 瀧馬が精一杯の推測を述べると、忌々しいことに騰は大笑した。
「こんな台座がついてちゃあ大砲に詰まっちまうって。これはな、―――世界よ」 「世界?」 「そう。これぁ地球儀っつてな。俺たちの世界の地図だ。メリケンもエゲレスも南蛮も、勿論日の本だって載ってらあ」 瀧馬は地球儀を掴んだ。これが、この丸いものが世界の地図か。 「と、土佐は、日本は何処にありよるが!?」 瀧馬は必死に地球儀を回すが、異国の文字ばかりで「日本」の文字が見当たらない。 騰が地球儀をとり、ある小さな島を指さした。 「これが日の本、俺たちの日本さ。土佐は……この辺、だな」 「このこんまいのが日本ち言いよるけ」 瀧馬は呆然とした。この大きな世界で、こんなにも小さいのが日本だというのか。 「俺はよぅ、瀧馬。俺はこの小せえ日本が異国と武力で戦をして勝てるたあ思えねえんだよ。 そりゃあ一対一の果たし合いじゃ侍は負けねえかも知れねえさ。 けどよ、異国は鉄砲だ大砲だ軍艦だってたんまり持ってやがるのよ。果たし合いに応じるたあとても思えねえんだよ」 「日本が、負けるが」 「ああ、今のままで勝てるたぁどうしても思えねえなあ」 瀧馬は目眩を覚えた。無駄だ。瀧馬が騰を斬ろうが何をしようが、武市が似蔵が何を考え何をしようが、全てが無駄なのだ。 ―――この小さな日本は、負けて異国に取り込まれる。
「お前さん、勘違いしていやがるな」 頭を抱え込んだ瀧馬を見て騰は薄笑いを浮かべた。 「俺はな、『武力で』勝てねえっつったんだ。全て勝てねえなんて言ってねえよ。……俺はここで勝負しようと思ってるんだ」 こめかみを叩いて騰は瀧馬の顔を覗きこむ。 「……頭?どう使うぜよ」 「商売よ。まず世界の異国相手に貿易して銭儲けるのよ。異国だって商売相手をいきなり攻めねえだろうさ。しばらくはな。 銭儲けて儲けて金貯めて、それで―――日本に軍艦を買う」 「日本に軍艦が来る……」 「そうよ。軍艦揃えりゃあ異国もそう簡単に攻め込めねえだろうよ。異国への牽制代わりにもなるし、 でっけえ船がありゃあこっちが異国に行って日本に足りねえものを学んで来れるぜ。 ―――どうだい瀧馬、俺の考える日本は。その刀振り回してよ、この小せえ日本で斬り合うよりよっぽどいいと思わねえか?」 瀧馬は言葉が出なかった。今まで霧の中をどれだけ彷徨っても見つけることの出来なかった自分の道が、急に明るく輝いた。 瀧馬の歩むべき道。 日本の歩むべき道。 それを示された今、武市の、そして似蔵の歩んでいる道はやはり間違っているのだ、と思った。 今度は瀧馬が彼らに示すのだ。武市の頭脳も似蔵の剣の腕も、使いようはいくらでもあるはずだ。 幼いころからの友人たちを間違った道から救うのは瀧馬しか居ない。 ……大切な人を救うことができるのは瀧馬しか居なかった。 瀧馬は騰の前にきちんと正座して頭を下げた。 「わしゃあ感服したき。わしを弟子にしとおせ、騰先生」 坂本瀧馬はようやく彼の道の第一歩を歩み出した。 〈了〉
リアルエラい人は大変だなあ…… 訛りも歴史もちょっとは調べたけどやっぱり適当でお送りしました。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>291 土佐弁萌えたー(´д`*)
リアリティがあっていいかんじです 大河がますます楽しみになった!
乙でした
300 :
黒=執=事 :2009/07/24(金) 22:17:40 ID:PpSQIc7i0
ただセバスチャンにお仕置きがしてみたかった それだけです。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「有能な執事、いや手下をお持ちのようだ。シエル・ファントムハイブ伯爵。 …だけどちょっと度が過ぎましたね」 すでにセバスチャンの両手は鋼鉄の手械によって拘束されている。 あいかわらず冷ややかな顔で睨みつけているのを一瞥すると 卓にあった水差しの水を、タラタラとセバスチャンの顔にこぼした。 水は漆黒の髪を濡らし、身に着けている上質なコットン製のウイングチップに吸い込まれていく 「…顔を洗って出直せ、と言いたい所ですが…お仕置きをしないといけませんね」 そう言ってセバスチャンのシャツに手をかけると、一気に下方に向かって引き剥がした。 ボタンが飛び濡れた肌があらわになる。 そして顎を掴み無理矢理上を向かせると口の端を曲げてほくそえんだ。 「女王様(クイーンマザー)の忠実な番犬…もう少し可愛い声で啼いたらいかがですか?」 「セ…セバスチャンに何をする気だッ!!」 シエルは叫んだ。 「いい子にしないから痛い目をみるんですよ」 革をしなやかになめした拷問用のキャットテイルが ヒュウと音を立てて剥かれたセバスチャンの背中に爪を立てた。 肌はみるみるうちに赤みを帯び、悲鳴とも吐息ともつかない声が歯の間から細く漏れる。 「…やめろ…やめろ…ッ」 かがみこんだセバスチャンの胸の中で、シエルは震えながらしがみついていることしかできない。 また一打。 綺麗な形の喉仏が上下し、首元にはうっすらと冷や汗が滲む。 「セバスチャ…セバスチャン…セバスチャン……」 シエルが涙に濡れた顔をこすり付けると、セバスチャンは耳元に唇を寄せ小さく囁いた。 「…私はぼっちゃんの魂しか欲しくないんですよ。解っておいででしょう?」 「セバスチャン……」 また鞭が空を裂き肌を打つ。 シエルは一層強く、その胸にしがみついた。 悲痛な吐息とうらはらに、その肌はやや熱を帯びてきたようだった。
「おやおや、伯爵はずいぶんしおらしいじゃないですか。そうしていれば育ちの良い貴族の子息に見えるのに」 そう言いながらセバスチャンの両の手の手械をつかんで半身を起こした。 膝立ちのまま両腕を頭の後ろに引き上げたため、背中一面についた鞭の傷跡がひきつり 痛みにビクッと身体がしなる。足元のシエルが小さな悲鳴をあげた。 「く…ッ! もう少し優しくお願いできませんか?愛撫にしては手荒すぎる」 「ククッ…ほう、余裕だな。では趣向を変えよう…伯爵はどうご覧になるかな?」 暗い光を放つセバスチャンの瞳を見つめながら、鞭でゆっくりと汗のにじむ頬をなで 首筋から胸元に視線を這わせた。 そして今度はやや手首を返すようにして引き締まった尻に向かって鞭を落とした。 パーンッと派手な音と同時に強烈な熱感が叩きつけられる。 痛み?…いや熱は痺れるような細波となって腰骨を震わせ、背筋を這い上がっていく。 まるでエクスタシーのように。 「いろいろな打ち方をご存知なんですね」 思わず”反応”してしまったことは想定外だったけれど。 セバスチャンは下を向いたまま……口の端をクッと上げて小さく笑った。 「鞭も使い方ひとつだ…拷問にもなるし愛撫にもなる。やはりこういうのが好みかな?犬畜生の君達は」 仕置き人の1人がニヤニヤと赤ら顔で笑いながら近づき、乱暴にベルトのバックルをはずし下穿きを落とした。
厳つい鉄の手械を付けた両手は高くかかげられ 腕には濡れたシャツが中途半端に絡み付いている。 濡れそぼった髪。そらした喉元は汗を浮かべ、白い胸元から引き締まった腹に伝って落ちていた。そしてその先の…屹立した”それ”。 「いい格好だ…こんな子供の伯爵の側に就けておくにはもったいない」 その目はすでに欲情し暗く曇り 舌なめずりをしながらセバスチャンに近づいてきた。 そして首筋に舌を這わせながら、茂みに手を伸ばし手のひらで揉むように弄ぶ。 薄く開いたセバスチャンの口から「ン…」と苦しげに小さく息が漏れ その反応を確かめて薄く笑うと、さらに後ろの秘所にも指をのばしていく。 そうしながら顎をつかみ、ベチャベチャと音を立てて舌をむさぼっていた。 シエルはこの先に起こる事は知っていた…卑しい下等な虫ケラ共… 喉元が締め付けられそうになるのを感じながら、セバスチャンの足元できつく膝を抱えていると ドサリと音を立てて仕置き人が崩れ折れてきた。 「な、何…っ!?」 その身体はまるで腑抜けの人形の様に変わり果てている。 シエルは息を飲み、後ずさった。
「な、何だこれは……」 「あなたの最期までけして離れない、と申したはずですよ。マイロード?」 「…お前…!」シエルは、はっとして睨みつけた。 誘惑する赤い呪われた瞳。しどけなく差し出した顎も、傷跡生々しい上気した肌も 下卑た男達の前に吊るした甘美な毒にすぎなかったのか。 「悪魔のくちづけ…とでも言いましょうか。これでこの方達にもよく解ってもらえたでしょう。 …ああ、こんなに無骨な物をはめてくれて…坊ちゃん、はずして頂けます?」 この悪魔め…! 憎々しげにセバスチャンを睨みつけながら、同時にシエルは感じていた。 自分が毎夜口にしていた甘い甘い毒。劇薬も重ねるごとに慣れてしまっていたのか? そして、悪魔と結んだ契約。 もう、2度と、逃げることは、できない… 「坊ちゃん!早くお願いしますよ」 すねるようなセバスチャンの声にシエルは我に帰った。 くそっ!こいつ貸しを作った気でいるな。雇い主はこの僕だ。 「ふん、みっともない格好しやがって。貴様にはその方が似合いだ」 そう毒づきながらシエルは、セバスチャンの下腹に顔を寄せ口に含んだ。 甘い甘い、魅入られたら逃れられない毒薬…それでもいい、と思った。
305 :
黒=執=事 :2009/07/24(金) 22:25:36 ID:PpSQIc7i0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! お目汚し失礼致しました。
うおおおおお 素晴らしい出来であります
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 「ケンタ!」 俺が密かに思いを寄せているとも知らず、童顔の先輩は満面の笑みで抱きついてきた。 インタビューの真っ最中。カメラのシャッターを切る音が絶え間なく聞こえているというのに。 「こんな格好で撮られんくてもえぇのに…」 「えぇやん、俺、ケンタ大好きやねんから」 「……」 『大好き』というフレーズに体が反応する。 その言葉は冗談というか、いじり甲斐のある後輩だから、という意味で言っていると分かっているのに。 上手い具合に脳内変換して、勝手な妄想して、そしたら何か元気になっちゃって。
「サトルさん、えぇ加減にせぇやー」 「あれ、俺のこと嫌いになった?」 「や、そんなんちゃいますけど…」 昨日の晩に抜いたばっかりなのに。 目の前数センチのところにある顔が、悲しそうな表情になるのを見たら、ますます元気になってしまう。 いくら天然な先輩でも気付くだろうと思うと、死にたいくらい恥ずかしくなってくる。 「ケンタ」 「すいません!ちょっとトイレ行ってきます!」 サトルさんに背中を向けたまま、ロッカールームを出て、前屈みの小走りでトイレへ駆け込む。 これ以上抱きつかれていたら、あの場所で達しかねなかった… 俺、何でこんなに早いんだろう… 「サトルさんのアホ…」 あの天然の笑顔を思い出し、俺はひとりごちながら達した。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 球団誌にあんなの載せるから書いた。 でも反省している。
>>307 GJ!
元ネタの方々は知らないのですが、
妄想後輩から天然先輩への片想いというのがとても好みです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 「正さん」 不意に後ろから抱きつかれた。 自分より少し小さい、年下の同僚。 「暑いよ」 「でもこうしたいから」 「汗くさいじゃん」 「気にしない気にしない」 満面の笑みをたたえた同僚には、言い返したところで猛暑の涼風に過ぎないのだろう。 「怒るよ」 「その顔もかわいい」 振り向き様に唇が触れた。 明らかに意図的だ。 「ホントに怒るよっ!」 「はいはい」 振り上げた拳をひらりとかわして、同僚はロッカーに消えていった。 残された僕に、残されたモヤモヤ。 「ずるいよ…」 1枚どころか2枚も3枚も上手な同僚に、気持ちの整理がつけられない僕は、まだまだプロになりきれていないらしい。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! だっちゃと怒るよっ!に萌えた。 反省はしていない。 相手は一応40で書いたが、好みの後輩で脳内変換してください。
>>277 遅レスだけどGJ!
幼馴染いいよ幼馴染
そして赤父のくだりにちょっとじんわり涙が・・・
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 前提:最後の時間旅行のクラウスに連れ去られるのは、アロマではなく、少年ルーク。 レイトン×ルーク、レイトン←クラウスを前提とした、クラウス×ルーク。 ※該当キーワード(主観):暴力、強姦、愛無し、後味悪い、クラウス外道。 ※苦手な方は十分ご注意ください。 「はぁ、っ…、く…クラウスさん、離してください」 ぜえぜえと息を吐くルークに、クラウスは思わず笑みがこぼれる。 「君、レイトン先生の助手だろう?それで務まるのかい?」 真っ赤な顔をするルークをついついからかってしまう。そんな余裕など、本来ならありはしないのに。 クラウスはルークを引きずりながら兵器の中へと駆ける。鉄筋の音が耳の奥を突き刺し、不快感を与えるが、気にしてなどいられない。 もう駄目だというように、ルークが膝を付きそうになるため、仕方なくクラウスはその体を抱える。案外軽いものだ。昇降機まではすぐ。クラウスはかまわず全力疾走で階段を上がっていく。 昇降機のボタンをぶつかるようにして押すと、クラウスはルークを抱えたままその場にズルズルと座り込んだ。 「はっ…はぁ…、さ、さすがにキツイ…」 轟音をさせながら上昇していく昇降機の中で、しばらく二人の息づかいだけが聞こえる。走ったせいで、被っていた帽子がずれたのか、クラウスは少年を抱える腕を放してきゅっと帽子を被りなおした。その隙にルークはクラウスから逃げようと、先ほど入った扉を激しく叩く。 「無駄だよ」 余裕の笑顔で答えていると、昇降機が不安定に停止し、目的の階に到着したことが知れた。 「うわっ!」 バランスを崩したルークは、扉が開くとそのまま前に倒れこんだ。 顔だけ上げると、目の前には空調を目的とした大きな羽が、緩慢に回転している。その時、ルークの体をゆするほどの大きな風が吹いた。 「ひっ…!」 高さに怯えて真っ青になって震えるその姿に、クラウスは己の中に嗜虐心が沸くのを感じる。 「ルーク君、あまり暴れると、落ちて死ぬことになる」
どうやってこの少年を苦しめてやろうか? ロンドンだけではなく、もはやこの国全てへの復讐へと気持ちが膨らんでいる。しかし、この少年への復讐心が沸くのはなぜか。 復讐?復讐などではない。 10年前のあの日、同じ苦しみを味わったレイトンの傍で、幸福を感じているこの少年に嫉妬しているのだ。 できることなら、自分が彼の傍にいたかった。同じ痛みを抱え、お互いの傷を庇い合いたかった。死へと向かう自分を止めてくれた彼の傍に居たかった。 歩くには十分だが、暴れるとなると危険な幅の床を引きずり、クラウスはガラス牢のある場所までルークを移動させる。 「さて、ルーク君。ここで大人しく死ぬのを待つか、今すぐ死ぬか選べ」 これだけ騒ぎを大きくしている。それに、この要塞はロンドンを破壊し尽くしたところで止まりはしない。そんなに”やわ”な構造ではないのだ。停止する時は、この兵器が破壊されるときだ。 「こ、こんなことして。ただじゃ済みませんよ!?」 「フッ…そんなことは分かっているさ。どちらにせよ、僕は生きては戻れないし、おそらく君も」 果敢にも言い返してくる目の前の少年が可笑しくて、クラウスは笑い声上げてしまった。ルークの、恐怖で縮こまった様子と、口にする言葉とのギャップが可笑しい。 「いいえ、先生がきっと、絶対来てくれます!僕は信じています!」 レイトンを信じている。その言葉に、ピクリとクラウスは眉を寄せる。レイトンと少年の信頼関係を誇示されているようで、拳に力が入る。 「先生、先生…。君は先生がいないと何もできないようだ。お荷物の君を、彼は助けに来てくれるか?」 「お、おにも…つって…!!」 言われたくない一言だったようだ。顔を真っ赤にしている。 「ここへ来る時、何度も止められていたんじゃないのか?」 「っ!!」 耳まで真っ赤にして、その目に涙まで溜めている。図星だったようだ。 「お、おまえなんかに、先生の何が分かるって言うんだ!」 道を塞ぐクラウスに向かって、ルークは掴み掛かる。しかし、10歳という年齢差には勝てるはずもない。 容易く引き剥がすと、クラウスはルークの肩を掴み、そのまま冷たい床に押し倒した。無防備にさらされた腹部を膝で押さえつけると、ルークの口からはうめき声が漏れる。
「君こそ何を知っている。僕は10年前から、あの日から彼を忘れていないっ。ずっとみてきた!」 ルークが苦しむのもかまわず、クラウスは膝にさらに体重を乗せていく。 「先生の苦しみすら知らないおまえが、あの人のことを口にするな!!」 乾いた音と共に、クラウスは自分の手にじんわりと痺れを感じた。ルークの唇を見ると血が滲んでいる。頬を叩いた拍子に切ってしまったようだ。 でも、罪悪など感じない。それよりも、自分よりずっと後になって現われたこの少年への嫉妬や苛立ちといった憎悪だけしか感じないのだ。 どうすれば苦しむだろうか、どうやって傷つけようか。 気紛れにルークの唇から溢れる赤い血を指で拭ってやると、睨み付けてくるその視線とは裏腹に、小さな肩が震えているのに気がついた。謂れのない暴力に免疫などないのだろう。 一瞬だけ、過去の自分の境遇が頭に浮かぶが、それを振り払うかのように首を振る。 指に付着した血を少年の襟元に擦り付けると、そこには小さなシミができる。 こんな小さなシミでは足りない。 もがいて暴れるルークの腕を片手で床に抑えつけ、空いたもう片方の手で顎を掴んだ。 「…放せっ!」 クラウスは掴んでいた顎を自分に向かせると、揶揄するかのように笑みを浮かべる。 「ねえ……君は…もう先生に抱いてもらった?」 静かに抑揚なく発せられたその言葉に、ルークは一瞬ぽかんとしてしまう。「何を言っているんだ」という気持ちが顔にしっかり出ている。 「先生は君をどんなふうに抱くんだい?」 「なに…言ってるんですか」 クラウスは、ルークとレイトンとの関係がただの友情や、師弟関係などではないことに薄々気がついているのだ。肉体関係の有無については知りようがないが。 しかし、この様子では先の質問の真意など分かっていないようだから、二人の関係は体を交わすには至っていないのだろう。自分で自分を紳士と言うくらいだ。レイトンがこんな子どもに手をだすとも思えないが。 「子どもだね…。君は本当に、子どもだ」 「…子どもの、何が…悪いんですか…」 息苦しそうに返ってくる言葉には、怯えと憤慨がない交ぜになっている。 「何もできないだろう。子どもじゃ、大人にはまともに相手にされない」 「そんなこと……ありません…。少なくとも、先生は…」
声のトーンを落とすこの少年の過去に何があったのかは知らないが、それでも、自分よりはいい、そう思えてならない。 「そうだね…彼なら」 自分の体が凍っていくような錯覚を覚えた。死んだほうがマシだと、そんな気持ちをこの少年にも味あわせてやりたい。自分でも意外なほどの嫉妬心だ。 クラウスはルークに乗せていた膝を下ろし、掴んでいた腕を放すと、倒れたままのルークの襟を掴み上げた。そして、まるで噛み付ように少年の口を自らの口で塞いだ。 「ん…っんぅ…」 締め上げられたこともあり、空気を求めて開くルークの口に舌を滑らせ、深く深く口内を貪る。口内を探り、奥に逃げようとする舌を追って絡めると、ルークの口からは苦しげな息がこぼれる。襟を掴む手のひらに爪を立てられようが、クラウスは唇を解放しようとはしない。 ルークは足をバタつかせはするものの、体の大きさの全く違う男をどかすことなど到底できるはずもない。息苦しさに抵抗し続けることもできず、とうとう手足には力が入らなくなってしまう。 やっと唇を解放されると、どちらのものともつかない唾液が少年の口端を伝う。体にはほとんど力が入らず、かろうじて胸が酸素を求めて上下しているだけだ。 苦しさで潤んだ瞳が、ぼんやりとクラウスを見つめるが、自分に何が起こっているのか理解しているようには思えない。 自分が13歳だったときとは大違いのその危機感の無い様子に、クラウスは苛立ちを感じてしまう。少年の恵まれた環境を妬み、気づかぬうちに眉を寄せている。 まだ性差を感じさせない柔らかな足を抱え上げて、逃げられないようにしてしまうが、ルークにはそんな逃げる気力は残っていない様子だ。 クラウスがベルトに手をかけ金属音をさせながら緩めていると、やっと自分の身に何が起きようとしているのかを把握したルークは、ギョッとした表情で声を出す。 「な、何してるんですか。やめてください!!」 ルークは驚きと恐怖で声を震わせながら、力なく腕を振る。手のひらがパチンとクラウスの頬にぶつかり、咄嗟のことで、つい「ごめんなさい」と言葉が出てしまった。 「…君は……馬鹿だなぁ、こんなことをされているのに。それがイラつくんだ」 緩めたベルトとズボンを、下着ごとずらすと、冷気に晒された少年の体に鳥肌が立つ。 「あまり暴れるな」 「っう、わ!」
クラウスは言葉で牽制しながら、萎えた性器を掴んで無理やりに扱くと、不快感を隠さないルークに妖しく笑った。 「キモチ、悪い…っ」 青くなったり赤くなったりするその表情で、不快の言葉を零すものの、ルークは性急に与えられる刺激で次第に体温が上昇していくのを感じる。望まぬ快感に、唇をきつく噛んで耐えているようだ。 「本当に気持ち悪いだけかい?」 明らかな恥辱目的の言葉をかけながらも、クラウスはその手を止めようとはしない。止めさせようと掴んでくる小さな手の爪が肌に食い込むのもかまわない。 「…っん……く」 「気持ち、良いんだろ?はっきり言えばいいじゃないか。それとも最初は先生がいいかい?」 『先生』と言ったとたんに、腕に食い込む爪に力が加わった。意外なことに、この少年は多少なりとも先生との肉体関係を意識していたようだ。 「生意気なやつ…」 クラウスは憎々しげに舌打ちすると、ルークの性器を掴む手に力を加えた。 「…っんぁ…っふぇ」 思わず高い声を上げるルークは、悔しさと羞恥心で瞳に涙を浮かべた。 「な、なんで……こんな…っう、ひっく」 「君には……分からないと思うよ、フフ」 結局は八つ当たりの延長でしかないこの行為に、クラウスは自虐的に笑う。冷静であれ、大人であれと思ってきたこの10年間だったが、自分はたいして成長していなかったようだ。こんなにも幼稚な行為で自分を慰めている。 冷たいままの自分の手で、少年の火照る腹部や胸部を撫で回す。 こんなお子さまとかわらない自分に嫌気が差してくる。 手の中にある性器の先端を指でこすり、絶頂を促す。嫌々と首を振るのは当然無視だ。 「あ、…ふぁっ」 ルークの体がびくりと痙攣すると、その性器からはぬめった液が飛び出し、クラウスの手と少年の白い肌を汚した。 「気持ち良かったんだ、はしたないな」 含み笑うクラウスを、放心して眺めているルークは、その瞳に色情を浮かべている。潤んだそれは次第に揺れ、次から次へとしずくが目じりを濡らす。 「ぅ、うぅ…ひっく、…ふぇぇ」 クラウスは、声を上げて泣き出す目の前の少年に、うんざりした様子で目を細めながらも、その辱める行為を止めようとはしない。力の抜けた太ももの片方を押し上げ、ぬるつく指でルークの尻の奥を探る。
「ひっ…さ、触るな…やだ、やだぁ!!」 探ったそこに、指を無理に入れる。そもそも、入れるためにはできていない。痛がり、泣いて止めろと言うのも聞かず、クラウスは中をかき回す指を増やす。 「普通なら、こんな状況では慣らしてくれないさ」 ルークが知っているはずもないが。 熱を帯びたため息を吐くと、クラウスは自分のベルトとズボンを緩め、興奮した性器を取り出す。 ここまでする必要が?と一瞬、脳の片隅を過ぎるが、体の熱にそのまま身を任せてしまう。 「入れるよ」 指を引き抜き、その穴に自分の性器をあてがうと、ゆっくりと圧し進めた。 「いっ…いた…い、痛い、やだっ…やめてよ、…っく…せんせぇ…」 ルークの涙でぐちゃぐちゃになった顔の横に手を突くと、指でその涙を拭い、真上から顔を見下ろした。 「そんなに嫌なら、僕をレイトン先生だと思っていればいい」 そう呟いても、目の前の少年の耳には届いていないだろう。いつの間にか落ちてしまったルークの帽子をその手に掴むと、視界をふさぐようにそれを被せた。 自分でも、なぜそんなことをしたのかは分からない。ほんの少しの懺悔のつもりだろうか。 腰を進め、痛がる声を聞きながら、自分の快感を追う。 ルークのレイトンを呼ぶ声は、目の前の人間と重ねるためではなく、ただ一心に助けを求めてのものだ。耳障りでしかたがない。 萎えていたルークの性器を掴むと、再び刺激を与えて高ぶらせていく。 ルークは苦しいのか、それとも善がっているのか判断の付かない声を上げる。 だんだん速まる腰の動きにあわせて、手の中の少年の性器を扱く。たまに盗み見る少年には帽子が被さり、どんな表情なのか見ることはできないが、赤く染まる頬や、歯を食いしばる様に、隠れていた嗜虐心が沸く。 自分の弾んだ息、少年の苦痛と快感にあえぐ声、そして粘着性のある音がひどく耳に残る。 こんな茶番もそろそろ終わりにしなくてはいけない。 「…っ、出すよ…」 「…はぁっ、…や……だ…やっ」 クラウスは絶頂を迎えると、大きく息を吐いた。息を整える間も無く、自分の下にいるルークの性器を握りなおし、ルークにも再びの絶頂を与える。 クラウスがルークの中から性器を抜くとき、小さなうめき声が耳に入った。
ポケットからハンカチを取り出し、自身と、少年の体の汚れを軽く拭い、大きな羽の回る底へ投げ捨てた。抱えていた足を下ろし、服を調えて少年の上体を起こしてやると、ぱっと手を払われてしまった。「手など貸すな」という意思表示だろう。 気だるい様子で落ちた帽子を深く被りなおすと、少年は服の袖でごしごしと目を擦る。 「はやく……あっち行け…」 俯いたままのルークに言われ、クラウスは立ち上がった。顔を見せようとしない少年の、震える小さな肩から視線を逸らしながら。 牢のスイッチを入れ、中に閉じ込めたルークを見ることも無く、そのまま背中を向けた。 あの少年を汚したことに対する悦はあるものの、自分自身は何も変わらない、救われない事実や、二人の関係を絶つことすらできそうに無い自分に失望する。 10年前のあの日に死んでいた方がどれだけ楽か、そう繰り返し自分に問いかけていたことを思い出す。 「これで終わりにしよう」 嗚咽を押し殺した声を背にしながら、クラウスは全ての終わりに繋がる階段に向かった。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! らぶらぶもいいけどたまには鬼畜
>>312 原作は知らないんだがちょうど映画館で予告編観たばっかりだった。
描写素晴らしいです。絵が浮かんだ!GJ進呈させてください。
>>291 すばらしい!
漫画で竜以が好きだったのを思い出し
萌えがぶり返した!
タイガ見たことなかったけど、俄然興味がわいてきたよありがとう!
>>310 もしや美人様…!
あの人の「怒るよ」なら余計に構いたくなるのは必至…。
ごちそうさまです。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 下手リアのス/ー(典)さんとフ/ィ/ン(芬)キャラ伏せ字。 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 丁さんの家に住んでた頃。方言分からない御免。 | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
モイモイ 芬です。 僕は今北欧の王者こと丁さんの家で下っ端やっています。 丁さんの家には色んな国が住んでいるんですけど、とにかく個性が強烈なんです。 家長である丁さんは『北欧のラテン』と言われる程陽気な方で、少し熱しやすく後とても鈍感な人です。 その丁さんをいつも地味にいびっているのが諾さん。ミステリアスで何を考えてるのかよく分かりません。 諾さんの弟の氷くんは僕より年下で常にクールなんです。クールガイ…は言い過ぎですかね。 あともう一人、僕を拾って来て育ててくれた暴れん坊典さんです。 正直最初は怖くて目を合わせる事も出来なかったんですけど、今は暴れ過ぎて丁さんに折檻された後の典さんの 手当や食事の世話で少しづつ話せるようになりました。 典さんは常に手錠に繋げられ、たまに目隠しされたままの時もあります。 「典さん 食事を持って来ました 一口でいいから食べて下さい」 「ん 今腹減ってね」 「… 典さん お願いします もう暴れないで下さい 傷ついていく典さんをもう見たくないです」 最近みんな変です。丁さんは四六時中典さんの事ばかりで周りが見えなくなっていってるし、 典さんは丁さんに対して反抗的だし、諾さんは…やっぱりミステリアスだし。
「僕に出来る事って何もないですね 無力です」 僕がうつむくと手錠をつけたままの典さんの手が僕の顔に触れ、その後ゆっくりキスしてきました。 「あ、あの 僕もう行きますね」 初めてのキスが血の味だなんて…。しかも舌を入れられるなんて。 怖くて動けなかったじゃないですかぁぁ(涙) でも嫌ではなくむしろ良かっ…いやいやいや違いますってばぁ。 同室の氷くんが冷ややかな目で僕を見ています。 それから、僕は典さんに手当てや食事の世話をする度にキスされるようになりました。 やっぱり怖いもんは怖いですけど、典さんの僕へのまなざしが少し優しいような、や、実際は 目を合わせてないので分からないんですけど。睨んでるかもしれない。 そんなある日、お昼にみんなで川遊びに行く事になりました。 昼間五人で外に出掛けるなんて何年ぶりか忘れましたが、僕張り切って沢山お弁当作りました。 丁さんもはしゃいでいて川辺で滑りそうになったので僕は支えたんです。 「芬おめぇちいせぇのに力持ちだっぺな〜」 僕が小さいんじゃなく丁さんと典さんが大きいんですってば。
「決めた!俺芬を嫁にするっぺ!」 突然丁さんの大きな体が僕を抱きしめたので体勢を崩し川にダイブ、何が何だか。 夜になり、僕はまた手錠に繋がれた典さんに食事を持って行きます。 昼間の丁さんは何だったんでしょう。 丁さんはいつも典さんと諾さんに夢中なのに。それに目つきや声が少し怖かった。 誰かにわざと嫌がらせをしているような…。 扉を開けて僕は驚きました。典さんの手錠の鍵が外されていたのです。 「どうして!?」 「…諾が来て…」 典さんがぼそりとつぶやきそのまま黙りこみました。 諾さん…どうして? 「…典さん えっと じゃあ今日は自分で食べれますね 僕はこれ で 」 典さんに右手を強く掴まれたと思った瞬間、身体を冷たい床に押し倒され、僕の両足を開き身体を乗せてきました。 「典…さん?」 服を乱暴に破き、典さんの舌が首すじを舐め、抵抗しようにも典さんに両手を掴まれて
「典さん 嫌だ やめて下さい 嫌だ やめて!」 典さんは止めず手を僕の下半身に 「嫌だ こんなの 典さんにこんな事されるなら死んだ方がマシだ! 僕を殺してくだ…さ…」 典さんの手が止まり僕の身体が自由になりました。 僕は急いで逃げました。 怖かった 怖かった 怖かった 泣いていた 典さん。怖かったのは 僕なのに!どうして…どうして。典さん。 翌朝、僕は諾さんになぜ典さんの手錠を外したか問い詰めました。 諾さんは小さな声で言いました。 「解放したかった」 …誰を?聞きたかったですけど、僕は何も言えませんでした。 「…今度また典が暴れてあんこに閉じこめられたら俺はまたあいつの手錠を外す 典は…多分家を出る」 典さんが家出?典さんが。 僕を拾ったり、育てたり、キスしたり、抱きしめたり、襲ったり、泣いたり、
『典さんにこんな事されるなら死んだ方がマシだ!』 典さんには優しくして欲しかった。 僕は典さんの事を思いのほか好きになってたみたいです。 でも典さんはやっぱり暴れん坊で、暴れて丁さんに閉じこめられました。 諾さんが折檻部屋から出て来ました。 典さんは沢山荷物を持ち、肌寒い夜に出発するようです。 「忘れモノですよ!」 同じく沢山の荷物を持った僕。 旅なんてした事ないですけど、もの凄く怖いですけど 「ぼ ぼ 僕を 忘れ 忘れ」 誤解をきちんと解かないといけませんし、 典さん、これからもよろしくお願いしますね。 数日後 典「で、女房」 芬「何言ってるんですかぁーー!」
____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ 以上です。本家、アニメで北欧をジャンピング正座して待ってる。。 | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>322 GJ GJ!
怖いの強調し過ぎワロタww
だがしかし後半感動した
携帯から失礼 勢いのまま書いた、後悔はしていない |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「何で俺のこと助けてくれなかったの」 「わか、」 「お前まで俺のこと馬鹿にして、なんなんだよ!」 (ぼく、ほんとうにばかなんです) そんなことを言ったって、あの空気が変わるはずなかった。 仲間の若手芸人、カラフルなセット、ライトはちかちかする。 粕画のフォローなんて最初から期待してない、頼れるのは自分だけ。 そう思っていたはずなのに、あんなことしか言えなかった。 笑いを取れないくせに、プライドだけ高い自分。 粕画に当たり散らす自分。 (さいてい、だ) 「そんなつもりじゃなかったんですよ」 「うるせえ」 「和歌囃子、」 「うるせえ!お前だって俺のこと、馬鹿だって思って…」 苦しくて、悔しくて、ごちゃ混ぜになった感情は涙となって溢れた。 粕画はあれで良かったことも、さり気なく庇おうとしてくれたことも知っている。 それでも今のこの感情をどうしたらいいか、わからない。 また相方に甘えるなんて駄目なのに。 「ふっ…ぅ…っく」 「そんなに泣くもんじゃありませんよ」 そっと抱き寄せられて、粕画の暖かさに包まれる。 いよいよ止まらなくなった涙は、ピンク色へと落ちていった。
頭を撫でられて、少しずつ呼吸は整っていった。 俺は何も言わない粕画にただしがみつくだけで。 きっと気を使っているのかもしれないけど、今はこの静寂が痛い。 「かすが、」 「何ですか」 「俺のこと、嫌になった?」 「ああいう時笑いも取れない、頭悪い俺が嫌になっただろ?」 「…ふふ、そんなこと、有り得ませんよ」 「うそ、だ」 嘘な訳ないでしょう、と自信に満ちた顔で笑っている粕画。 それを見ているとひどく安心した。俺の居場所はここにあるんだって。 そしたら急にたくさん泣いてしまった自分が恥ずかしくなって、顔が熱くなった。 照れ隠しにこめかみをぺしっ、と叩くとその手に口づけられる。 それは、何よりもやさしく。 (ああ、もう) 「嫌いだ、お前なんか」 「粕画は和歌囃子のこと、好きですけどね」 「ばーか。ね、ちゅーして、」 (おれってほんとうに、ばかだ) (粕画は粕画のまま、俺の横にいるんだから) (俺も俺のままでいよう)
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 大鳥書くの初なので、おかしいところあったらすみません しかし最近の大鳥は熱い
334 :
風と木の名無しさん :2009/07/29(水) 21:18:23 ID:q25p0N5jO
ロ○ン、京大ピン受。 お相手を務めますのは、出そうで出ないあのお方です。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「いいザマですね、宇治原さん」 東大が言う。足を組んでソファに深く腰掛け、 掌の上ではワイングラスをコロコロやっ ている。え、何? 失礼。漫画や映画で悪人がよくやっている掌の上でコロコロは、ブランデーグラスだそ うである。ブランデーは体温で温めて飲むものであるのに対して、ワインはよく冷やして 飲むものであり、手の熱で温くなって風味が劣るのを避ける為にグラスの柄が高くなって いるのだそうだ。やかましい、誰が教養のない低学歴じゃ。 「なんで縛るん?ひどいやん!クイズかて一緒にタッグ組んで頑張ったのに」 ベッドの上から京大が抗議する。両手首を支柱に引っ括られているにしては余裕のある 態度である。それとも、これが所謂天然ボケというやつだろうか。 「おお、そうでした。あなたがアホなせいで灘中生に敗北を喫したことはまだ記憶に新 しいですね。ぼくは恥をかきました。それと、『一緒にタッグ組んで』は言葉が重複して ますよ」 東大はブランデーを飲み干すと、徐にベッドに歩み寄り、ひらりと京大の腹の上に跨っ た。目の覚めるようなブルーのネクタイを掴む。 「これは恋人の菅さんのプレゼントですか?さすが中卒、ご趣味が悪い」 京大はむっとして訂正する。 「中卒やない。あの英語力見てたらとても信じられんやろうけど、あれでも一生懸命勉 強して、大阪府立大学経済学部に入ったんや。卒業は逃したけどな」 「同じですよ。ぼく、いえ、ぼくらからしたらね」 唇に軽蔑の笑みを湛えて、東大が言う。眼鏡の奥で、冷徹な目がキラリと光る。人が殺 されているのに、「へえ、こいつはおもしろくなってきたぜ」などとニヤニヤ、それでい て犯人が取っ捕まり、しょぼい動機を告白し出すと、「バーロー、てめえはどうたらこう たらなんだよ」と説教を始めるあの性格破綻者を彷彿させる。
京大は負けじと、しっかりとした口調で言い返す。珍しく口が達者である。 「一緒にすんな。日本一の大学出とるからいうて、そうでない人を蔑むな。 ええか、プライドを持ついうことはな、人を見下すいうことやない。世の中、いろんな 人がおって、みんな必死で生きてんねん。ネタでも言うてええことと悪いことがあるんや で。俺はおまえみたいに人を傷つけるようなことは言わんし、相方のことかて小馬鹿にせ えへん。大事にしとるよ」 さすが、その相方に人生を狂わされるまでは弁護士を志していただけのことはある感動 的なスピーチだが、その相方が普段、可憐なミルキースマイルで人を傷つけるようなこと ばかり言いまくっていることは華麗にスルーする京大であった。 反発するかと思いきや、いきなりぐっすん涙ぐむ東大を見て、どこまでも人のいい京大 は逆に罪悪感を覚え、慌ててしまう。泣かれると弱いのだ。 「宇治原さん、気づいてほしかった。ぼくはあなたが・・・・。あなたのそのやさしさを、 心の清らかさを、ぼくにも見せてほしかった。 でも、あなたはいつも菅ちゃん菅ちゃん菅ちゃん菅ちゃ(ryばっかりで、ぼくなんか眼 中にもない。なんでピンで出演した全国区のクイズ番組でまで、後ろでこっそり暮らしプ ラスって言ってるんですか! ちきしょう、なんでなんや、東大出のぼくの方がずっとあなたに相応しいのに!どうせ ぼくのものにならへんのやったら、ぼくがあなたを穢してやる、貶めてやる!」 屈折しまくった理系エリート喪男のヒステリーを起こした東大は、泣きながら京大のネ クタイを毟り取り、乱暴に胸をはだけさせた。吸血鬼よろしく、首筋に噛みつき、赤痣を 残す。あまり経験がないように思えるがむしゃらで不器用なキスで、京大は思わず悲鳴を 上げた。 「いたた・・・・」 「菅と比べて下手や、そう思ってるんでしょう。え、そうですね!」 東大が詰問する。嫉妬に狂った生っ白い男が目を血走らせ、声を裏返して口角泡を飛ば す様は、ジルベール・コクトー並みの迫力である。
「いやいやいや、そんなことないよ。仮にせやとしても、そんなん人と比べてどうこう いうもんやない。人には得手不得手があるんやし、経験の差かてあるんやから気にするこ とないよ」 実際、大阪府大の身も心もとろかすようなあの極上のキスを恋しく思いつつも、ついつ い正論で慰めてしまう。考えてみれば(いや考えなくても)、今にも強引に体を奪われよ うという者が、相手の気持ちを思いやらなくてはならない筋合いはない。寧ろ思いやって もらいたいくらいだが、果たして京大はそのことに気がついているのだろうか。 「大阪府大中退なんかに負けるものか。ぼくは絶対にあなたをイカせてみせます」 不動明王の如く炎を背負って、よくわからん方向に闘志を燃やす東大に、 「お、おう。よろしくな」 どうコメントしていいかわからず、どう考えても大ボケとしか思えないリアクションを かます京大であった。 (うじはラビットの愛し方講座) まず、このロープを外してくれへんか。逃げへんから。おう、ありがとう。あー手ぇ痛 かった。 あんな、なんぼ自分のもんにしたいからいうて、相手の同意を得ずに縛るんはマナー違 反やで。いやまあ、俺もな、ああいう風にされるんが嫌いってわけでもないんやけどな・・ ・・おっと、今のは聞かんかったことにして。いずれにせよ、あれじゃおまえを抱きしめる ことも、愛撫に応えることもできんやろ。 今まで、藤本の気持ちに気づかんかってごめんな。俺、ちょっと鈍感なとこあんねん・・ ・・あっ、そんな、子供やないんやから胸に顔埋めてくんなや。あーよしよし。おまえの髪 の毛、猫っ毛やな〜。ええ匂いするわ。はあ、なんで俺ってこんな風に、誰からも甘えて こられるんかなあ。そんな気の利く男やないと思てんねんけど。
くっ、こら、どこねぶってんねん。俺は女やないんやから、そんなとこで感じひんよ・・ ・・あっ、いや、そんな赤ん坊みたいにちゅっちゅしたら・・・・え?女やないんやから感じひ んという認識は誤謬やて?個体差はあるが、霊長目ヒト科ホモ・サピエンスのオスも、乳 頭及びその付近は性感帯であり、刺激を受けると間脳視床下部が快感物質ドーパミンを分 泌するからやて?・・・・ほんまにそれで合うてるんかいな。どうでもええけど、こういう時 あんまり色気のないこと言わんようにしよな。 でも、それ聞いて安心したわ。ほんまはおっぱい吸われるん好きなんやけど、なんか恥 ずかしいかなー思て菅以外によう言わんかってん。ごめんて、そんな怖い目で睨むなや。 もうあいつの話はせえへんわ。 おい、ちょっと待て。そんな鼻息荒うして人の腰持ち上げんな。早う気持ちようなりた いんはわかるけど、ものには順序、踏むべき段階ってものがあるやんけ。自分の欲望を満 たすことだけやなくて、相手のことも考えられるようになろな。 そう、やさしく先生の、やない、俺のここを咥えるねん。え?誰が七曲がりシップスや。 ヤリすぎやない。生まれつきこうなんや。文句やったら両親に言うてくれ。 歯を立てんように、上唇でガードしてな。先っぽ集中攻撃してみて。あっ・・・・あかんて、 そんな強うしたら。 そうそう、巧なってきた。なかなか筋がええやんか。いや、スジがええて、べつに引っ 掛けて言うてるわけやないよ。やっぱり藤本は頭がええな、呑みこみが早いわ。え、俺に そう言われるんが何より嬉しいてか。 ああ、ええ・・・・。 藤本・・・・出してええ?嫌やったら無理せんときや。ほんま、ええん? ふう・・・・。 あー、ごっくんしてくれたんやあ。ありがとう、ありがとう藤本。え、愛してたら当然 やて? でもな、藤本。愛してるから飲むとか、飲めへん奴は相手を愛してへんとか、飲めるか 飲めんかで愛情を量れるようなもんやないんやで。自分が受け入れられへん行為は、愛を 持って、「ごめんなさい」て断ろな。それで不機嫌になるとか、「俺を愛してないんやな」 なんて詰るような奴こそ、相手への愛情と敬意に欠けてんねん。
それにしても、こういうこと、むちゃくちゃ重要で基本的なことや思うねんけど・・・・。 なんで学校で教えてくれへんのやろうな? アンダーライン引くどころか、教科書にすら載ってへんやん? 「貴重なご教示、ありがとうございました。おかげ様で、多くの洞察を得ることができ ました」 ベッドの上に正座して、東大が鹿爪らしい顔で言う。 「うん。役に立ったんやったら俺も嬉しいわ」 胡坐をかいた京大も真剣な面持ちで頷き、補足する。 「精液は独特の腥い匂いがあって、飲んで美味しいもんやないんで、口直ししといた方 がええよ」 「何を仰るうさぎさん。宇治原さんのやったらマズくなんかありませんよ」 「いや、その認識は客観性と論理性を欠いてるんとちゃうか」 自分も大概色気のないことを大まじめに指摘してしまう京大であった。 「でも折角なので、お言葉に甘えることにします」 そう言って、東大が持って来たのはさっきのワインではなくてブランデー。 「これを・・・・宇治原さんのイヤらしい体に!」 東大は京大を押し倒すと、その首筋や胸や腹にブランデーを滴らせた。唇を寄せ、音を 立てて啜り、丹念に舌を這わせる。 「あああっ、ひゃっ、こそばい、こそばい、やめてやめて!」 京大は身を捩り、長い足をばたつかせて、笑い声を立てる。 「もっとしてほしい言うてるようにしか聞こえませーん、どスケベ目窪さん」 琥珀色の液体に濡れた乳首を舐め回しながら、東大の目に子供のようないきいきとした 輝きが宿る。酒精の為か、それとも京大を歓ばせて自信がついたのか、だいぶ緊張がほぐ れて、陽気な気分になってきたらしい。
「やったなー、この変態メガネ」 京大は東大の手からブランデーを奪い取り、ぐいっと一飲みした。殆ど下戸のくせに、 その場の勢いで見境のない行動を取って、大丈夫なのだろうか。それとも、ブランデーの 香りだけでもう酔っ払っているのだろうか。 「うっ、宇治原さん・・・・んぐっ」 京大は東大の頭を引き寄せ、唇を重ねてブランデーを含ませた。そうしながら、片手で 東大の乳首を弄り、続いてベルトを外し、一物を引っ張り出して弄ぶ。東大は身震いし、 目を剥いて、吐息の交じった熱っぽい哀願の声を洩らす。 「宇治原さん・・・・ぼくもう我慢できませんっ。早く、早く宇治原さんの偏差値八十一の ケツマンコにブチこませて下さいっ」 「どんなんや」 もう少し時間をかけて焦らすつもりだったが、今にも暴発しそうな東大の切羽詰まった 表情を見て、京大は態度を軟化させる。 「うん、もうそろそろええかな。でも、藤本、男とヤルん初めてやろ?ちょっと待って な」 色々と準備を整えた後、京大は東大の一物を掴んで、先端を例の箇所に当てがった。 「俺の言う通りにしてたらどうもない。怖がらんでええし、ゆっくりな。そうそう。誰 かて最初はぎこちないもんや、恥ずかしがらんでええ」 というわけで、多少手間取り、もたついたものの、京大の指導によって、何とか東大は、 目眩くような快楽の待ち受ける、地上の楽園に到達することができたのであった。 即ち、東大の勃起した陰茎部が、京大の肛門部を通過して、直腸部に挿入されたのであ る。但し、この場合に於ける肛門部及び直腸部は通称やおい穴と呼ばれ、通常のそれらの 器官とは異なった特徴、機能を備えていると考えられている。この分野に於いては、まだ 詳細は明らかにされておらず、今後の研究が待たれる。
「ああ、素晴らしい締めつけや・・・・。ぬるっとして、ほわっとして、最高や・・・・。ぼく の・・・・ぼくの宇治原さん・・・・どんなに、どんなにこうしたかったことか」 東大は情熱的に囁きながら、強く京大にしがみついてくる。それにしても、ほんの時た までいいから相方の立命のことも思い出してあげてほしいものである。 一方、京大はというと、今漸く思いを遂げて感極まっている東大をそれなりに愛おしい とは思いつつも、浮気がバレたら菅、ごっつ怒るやろうなあ、と、どえらい後ろめたさに 駆られてもいる。 あいつ、小っちゃいくせに怒ったらめちゃめちゃ怖いねんなあ。般若みたいな顔になる もんなあ。柳眉を逆立てる、って言葉がぴったりくるねんなあ。 それとも、「ひどいわ、うーちゃん・・・・あんまりや」って、涙ポロポロ零して泣くかな あ。でも、泣いた顔がまたかわいいねんなあ。時々、わざといじめて泣き顔が見たいと思 う時あるなあ。俺ってMや思てたけど、実は意外とSかなあ。 「宇治原さん、何を考えてるんですか」 東大が鋭く探りを入れてくる。京大は我に返る。 「いや、藤本の、熱うて大きいなあて。喉まで聳えてるわ」 「ほんまですか〜」 ほんまやって、と答えようとした唇は東大の唇で塞がれ、するり、と舌が忍び入って来 た。同時に、両の乳首を押さえられ、撫でられ、弾かれて、既に充分に血の通っていた所 がますますいきり立つ。 京大は快楽の交じった苦笑を洩らす。一体なんでこんなことになったのかわからないが、 とりあえず、今は東大の腕の中。勉強は並外れてできるものの、決して器用とは言えない、 自分とよく似た年下の男に抱かれているのだ。大阪府大のことは一時、忘れることにしよ う。 京大は東大の背中に手を回し、強く引き寄せた。更に更に一体感、密着感を高めようと、 両足をしっかりと相手の体に絡みつける。 東大が動き出す。京大の充血した部分が摩擦を受け、後から後から湧き出す蜜が東大の 下腹をしとどに潤す。
「宇治原さんっ・・・・ぼく、もう、イクッ・・・・出そう、出ちゃいますっ」 東大が歓喜の悲鳴を上げる。よかった普通で、と京大は内心安堵する。こんな所でサイ ン、コサイン、タンジェントなんて叫ばれたら萎えるどころやないで、と危惧していたの だ。足し算、引き算、廬山です、とあの懐かしのギャグで華麗に切り返すしかないではな いか。 「イキそうか?ええで、俺の中にいっぱい出しや」 背中をさすってやりながら、言い終わるよりも早かった。差し入れられた部分がどくんっ と脈打ち、温かな精水が勢いよく噴射され、胎内に流れ出し、満ち溢れた。 東大は暫く、射精の余韻に浸りきっていたが、やがて恍惚から覚めると、急に恥ずかし くなったらしい。あたふたとタオルケットの中に潜りこんで顔を隠してしまう様子が何と も初々しくいじらしく、ふと、十七年も前の、大阪府大と迎えた初めての朝を思い出した。 今はもう恥じらいも情緒も色気もなんもなく、尻丸出しでさっさとシャワー浴びに行き よるけどな。 「なあ、藤本」 タオルケットの端から覗いている髪に指を絡ませながら、呼びかける。 「・・・・はい」 くぐもった声が答える。京大もわざと声を潜める。 「このこと、お互いの相方には絶対内緒な。冷静沈着なおまえがあんななったりこんな なったりしたこと、田畑に知られたないやろ?」 「もうっ、知りませんッ」 京大はちょっとした悪戯心に駆られ、さっとタオルケットを剥ぎ取った。 「なっ!何するんですか宇治原さん!」 露になった顔を真っ赤にして、東大が慌てふためく。 「俺を見いて、藤本。そんで笑てくれや」 東大は困惑し、口を尖らせ、京大を睨んだ。 そして、はにかみながら、八重歯を見せて微笑んだ。 ども、ありがとうございましたー。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! タイトルは英国映画「KISS☆KISS☆BANG☆BANG」から。 Bangってのはセックスを表すスラングでもあるんだそうです。
>>344 東大キタ!
京大受けに新しい可能性を見出しました。
GJ!
>>181 ものすっごい、亀レスすみません!!!
鳥九!!!まさかの最萌アニイが!!!!
まだ作者様いらっしゃるかな〜;;
本当に本当に、ステキな話を読ませていただいてありがとうございました!!
アニイの真意が気になる!!
金髪は本当に良いパートナーでしたよね。
もっと、金髪に頑張って進展していただきたいw
ホント、ありがとうございました!久々に来たら興奮して眠れなくなったよ・・・!
携帯から失礼 英雄'sの再藻ヒです 我慢ならずに書いてしまった… |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガ オオクリシマース!
手首に飛び散った血を指先で払い、サィラーは僅かに眉を寄せた。 壁に押さえ付け磔にした男に眼を向ける。 褐色の額が切れて血液が滴り落ちているが命に別状は無いだろう。 睨み付けてくる視線の強さでそれが判る。 精神が弱まっていないことも、判る。 その強い視線を浴びながら、サィラーは酷く戸惑っていた。 手首を返すだけで息の根を止められる。 死ね、と囁くだけで殺せる力も手に入れた。 一体何故自分が彼を――モヒンタ゛ーを殺さないのか判らなかった。 実際彼はサィラーを殺そうとしたのだ。 能力を奪う場合以外は極力殺しはしないようにしていたが、 間違いなくこのドクター・スレシュは障害となる。 能力者のリストは確かに手に入れたかったが、手掛かりはある。 メモ、手帳、地図。何よりクレアの顔も年齢も知っている。 あの能力を手に入れたならほぼ無敵だ。 悩むことなどない。殺してしまえ。 脳裏に浮かぶ言葉そのままに、血が付いた人差し指を持ち上げる。 額に沿って横に滑らせるだけでカチカチと鳴る機械音を止められるだろう。 動き続けている脳が心臓が身体が、停止する。 その感覚は慣れ親しんだものだった。 感慨など無く命を摘み取る。 花を摘むように虫を踏むように、躊躇いも無く痛みも無い。
「…bye,doctor」 一歩歩み寄ると足元で資料の紙が潰れて騒ぐ。かさかさと軽やかな音を立てる。 黒い眼玉を見詰め返す。 傷の痛みからか微かに膜を張って潤んだ眼球は変わらず強い光を宿していた。 何故か背筋が戦慄く。 初めてカップを動かした時のようにぞくりとした。 「――サィ、ラー!」 ぐう、と隠った息と共に掠れた声を吐き出すモヒンタ゛ーに、 更にぞくぞくと頭の芯が震えた。 自分の脳味噌の作動音が聞こえたことは無いが、 聞こえるなら恐らく今は作動不良を起こしているに違いない。 壊れている。 壊れている。 あの眼の――所為だ。 「命乞いかモヒンタ゛ー?」 更に近付く。 無意識の内に指が延び、血と汗で濡れた顎を捕らえる。 触れた肌から震えが伝わり、 サィラーは己の表情が笑みの形に歪むのを感じた。 親指を動かしてモヒンタ゛ーの下唇を撫でる。 肉の感触に思わず食い付きたくなった。 「――君を殺さなくてはならない」 睨む眼は強いままだ。 あの哀れな女から奪った能力でその色を消すことは容易い。 けれども到底そんな事をする気にはなれなかった。 絶望と切望に身を灼かれる彼から奪うのでなければ、何一つ手に入れたくはない。
全く奇妙な感情だった。 今すぐ殺したいのか生かして置きたいのか判断出来ない。 唇をなぞる指はそのままに、サィラーは薄く汗を纏い琥珀に光る耳朶に口を寄せた。 ゆっくりと息を吐きながら囁く。 吐息が耳穴に入り込みモヒンダーの肩を揺らした。 「追い掛けて来て殺せよドクター、やってみろ」 靴の下で皺だらけになった紙が鳴る。 弱々しい音はどこか滑稽だ。 告げられたモヒンタ゛ーは、 物理的に動けない今の状況でなければ殴りかかって来そうな顔付きをしていた。 軋むように震える手足の振動が伝わってきて無性に愉しくなり横を見る。 視線の熱さに笑い出してしまいそうだった。 触れたままの唇が指に噛み付こうとするように動く。 熱を帯びた舌がぬるりと指を舐めた。 あの肉が、食いたい。 思考を巡らせる前に吟味する前に考慮する前に、獰猛な衝動が襲ってきた。 「やってみせるさ…ッ、」 不明瞭な発音で絞り出した言葉はしかし、 その末尾をサィラーの口腔内に取り込まれて消えていった。 間近で見開く眼玉を見詰め、壁に押し付けられた掌に指を絡める。 その如何にも親密な動きにモヒンタ゛ーは激昂し、サィラーは喉の奥で笑った。 「…ッ、う」 唾液を絡ませて舌肉を擦り付ける。食むように幾度も唇を吸いながら、 引き出したモヒンタ゛ーの舌をゆるりと噛む。
嫌悪感に震える彼を笑いながらサィラーはちゅるちゅると音を立てて唾を舐めた。 これが、欲しい。 手に入れたい。 出来るだけ手を加えずにこのままで。 手に入れる。 つい最近奪った能力が警鐘を鳴らしていた。誰かがこの部屋へ近付いて来ている。 負けるとは思わないが、用心はするべきだ。 ほんの僅か、唇を離して囁く。 「殺しに来い」 廊下を進む足音が、近付いて来ていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・)イジョウ、ジサクジエンデシタ!ケイサンマチガッテ ゴメン! 初書きなのでなんか違ってたら申し訳ないです…!
23レス程お借り致します アニメ トラ/ンス/フォーマー初代 情報参謀×破壊大帝 「インセクトロン・シンドローム」の後の設定 ※注意 ・非合意のエロ(ロボやおい)有り ・破壊、精神崩壊ネタあり(メガ様がかなり悲惨) ・音波が鬼畜、ヤンデレ ・過去はもちろん捏造 ・後味が凄く悪い |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガ オオクリシマース!
「儂の上から退け、サウンドウェーブ」 組み敷かれてなおその眼光は鋭さを失っておらずまっすぐに自分を貫いてくる。この赤い光が、自分は好きだった。 だがまだだ。まだ足りない。 「…回路不調。インセクトロンに侵食された感覚、消えない」 いつもと同じ、強いエフェクトのかかった単調な言葉。 だがメガトロンなら感じ取っただろう。そこに滲む怒りを。 俺としたことが、利用するはずが利用された。インセクロトンの洗脳が解けた後も回路にこびり付いたような不快感は拭えず、鬱憤は溜まるばかり。 「儂にどうしろというのだ」 物怖じせず、だが不発弾を処理するかのような慎重さでメガトロンが聞いてくる。 メガトロンは知っている。 今自分を組み敷いている部下が無感情に見えてその実かなりの激情家であることを。 「メガトロンが、欲しい」 しばしの沈黙。流石に言語パターンが少な過ぎたか。 「メガトロンの、データが欲しい。以前俺がウイルスバグに罹った時」 「あ、ああ、そういう事か」 幾つか言葉を付け加えると、主はようやく理解したらしい。 それはまだサイバトロンとの戦いが本格化する前の忌まわしい遠い記憶。 ハッキングしたコンピューターから予想外の反撃を受け、全身の回路という回路をウイルスに侵されたのだ。パーソナルコンピューターの消去寸前までいきかけたところを、メガトロンに助けられた。 その方法こそ、記憶媒体を経由しないデータ共有によるウイルスの緩和。 「儂のデータを直接お前に吸い込ませてウイルスを吹っ飛ばしたアレか」 「簡単に言えば、そうだ」 一時的な後遺症こそあったものの、ウイルスは突如流れ込んだ破壊大帝の強靭なデータに飲み込まれ跡形もなく消滅した。 それをまた、実践するつもりであった。 「他に手段は無いのか」 「データ更新、試したが消去不可能。回路交換、資材不足」 押し黙るメガトロン。彼が渋る理由は分かっている。 己のデータを一方的に搾取される形となるのだ。前回はなりふり構っていられない状況で気にもならなかったが、やはり抵抗があるのだろう。 だが、どれほどメガトロンが拒もうと引き下がるつもりなど毛頭ない。有無を言わせぬ口調でトドメの一言を放つ。 「このままでは任務に支障がでる」
メガトロンが常にデストロンの利を最優先している事、そして(これは決して自惚れではなく) そのデストロンにおいて「サウンドウェーブ」という存在がどれほど有益であるかを充分に理解した上で発言する。 「いつからそんな仕事熱心になったのだ」 「はぐらかすな」 これ以上の問答は無駄だと判断したのだろう。メガトロンはしぶしぶ口を開いた。 「分かった、分かったからとりあえず儂の上から退けサウンドウェーブ。話はそれからだ」 私室へと場所を移し、着々と準備を進める。 純銀の装甲の至る所に繋がれたコードはまるでメガトロンを拘束しているようにも見えた。大量のコードは元を辿ると数本のコンパクトな線になり、自分へと繋がっている。 寝台で居心地悪そうに身じろぎするメガトロンの上に覆い被さり、装甲を密着させる。メガトロンは少し驚いたようだが抵抗はしなかった。 「互いの機体を密着させれば、通信がスムーズになる。メガトロン、あの時、あなたが言った事だ」 そうだったか、とメガトロンは気のない返事をする。恐らく記憶装置をさかのぼることもしていないだろう。 俺だけが覚えているのか。 ウイルス消去の為の治療行為。あの時は本当にただそれだけで他の意味なんてなかった。 だがその際メガトロンは 「お互い突っ立ったままでは気分も乗らんだろう」 と、いきなり自分を抱き寄せたのだ。 そして訝しがる自分に対して持ち出したのが、先程の突拍子もない理論である。科学的根拠がないと反論したが、結局メガトロンに強引に押し切られたのだった。 …今だって、自分はそんな理論信じてはいない。今も昔もそれは「口実」でしかないのだから。 「どうした?早く始めんか」 マスクの横をペチペチと叩かれ促される。 頭を振り、深く考えると厄介になりそうな事柄をブレインサーキットから叩き出した。 「始める」 それだけ短く告げて信号を送り出す。微弱な信号がコードを伝いじわじわとメガトロンの回路へ侵入していった。 「む…」 経験があるとはいっても遥か過去の事。慣れぬ感覚なのだろう、メガトロンは僅かに身を震わせた。 やがてその信号に触発されメガトロンの神経回路が熱を持ち始める。データを吸い出す際に発生する熱は、痛痒いようなくすぐったいような何とも表現し難い感覚を伴う。
それが一つならまだ堪えられようが、無数のコードを伝わって全身の回路を苛まれているのだ。 メガトロンはきつくアイセンサーを閉じて堪えようとしているが、仰け反らせた声帯装置からは殺しきれない声が漏れた。 「く…っん…んぅ…っ」 優秀な聴覚センサーをくすぐる声がエネルギーポンプの鼓動を早める。流れ込むメガトロンのデータが更に拍車をかけた。 やはりメガトロンのデータは素晴らしい。羽虫どもの不愉快な痕跡を吹き飛ばして余りある。 高潔なデータを全身で感じ取りながら、懐かしい感覚に再び当時を思い返す。 自分はまだ未熟で余裕がなく、時折データを暴走させてはメガトロンを苦痛に喘がせた。 だがメガトロンは自らがどれだけ苦痛に喘ごうと、俺を強く抱きしめた腕だけはそのままだった。 あれから何百万年の時が経った。 俺が未熟でなくなったように、メガトロンも変わった。更なる強さを望み、そして常に強者で在ろうとした。 だが強く在る過程で切り捨てたものも数多くあった筈だ。きっと、思い出などその最たるもの。 俺の前で、いつだってメガトロンは強く在り続ける。余計なものなど全て捨て去って。 かつて一人の部下に向けた想いなど、とうに忘却の彼方なのだろう。 彼に必要ないと判断されたそれを、俺だけがいつまでも覚えている。 アイセンサーの端に堅く握りしめられたメガトロンの手が見える。 行為の最中、決して自分に触れようとしないそれを認めた瞬間、スパークの中で何かが弾けた。 「っあ…!!?」 メガトロンは一瞬何が起こったのか理解出来なかった。先ほど全身を震わせたパルス、それは紛れもない快楽信号であった。 「サウンドウェーブ…?」 驚愕に見開かれる真紅のアイセンサー。めったに見る事の出来ないメガトロンの表情を前に、スパークが暗い喜びに支配されていく。 既にインセクトロンの痕跡など完璧に消去されている。だがそれより遥かに深刻な問題が生じていた。 己の中に渦巻くどす黒いもの。これを沈める方法が判らない。ただスパークが望んでいる。 美しい純銀の装甲を汚したい。そのスパークを引きずり落とし蹂躙し支配しそして― 「サウンドウェーブ!や、止めろ!よせっ!」 もう、遅い。
強く絞った電磁波を自らのデータに織り交ぜてメガトロンへと一斉に叩きつける。 「ぐああぁぁ!」 純銀の装甲が面白い程に弛緩するのを静かに眺める。全身の回路が麻痺したのを確認し、電流を止めた。 コードを伝いメガトロンの制御系統へアクセスし、神経回路を一時的に改竄する。 手足の力をほとんど奪う一方、性感装置の精度を何倍にも跳ね上げた。 「き、貴様、正気か!?」 音声回路はそのままにしておく。 罵りの言葉も淫らな嬌声も、メガトロンから発せられるならば天上の音楽となるだろう。 下腹部の特殊コネクターを引きずり出し手中に収める。頭上から響く怨嗟の声が心地よい。 最も深い結合に使われるメガトロンのそれを軽く擦り上げると、純銀の機体が弓なりに仰け反った。 感度は予想以上に良好。ことさら先端部分には細かな回路が集中しており感度が強い。 親指の腹ですりすりと撫でてやるだけで純銀の装甲が切なげに身をよじらせる。 「触られるだけでは足りないか」 回答を求めない、羞恥を煽るためだけの言葉。 マスクを下ろしコネクターに口を近づける。根元から先端へ舌を滑らせた瞬間、罵倒が甘い悲鳴へと変わった。 熱い。口に含んでまずそう思った。自らの口内から分泌されるオイルを舌に絡めてコネクターに擦り付けるように舐め上げる。 僅かな刺激ですっかりオーバーヒート寸前のそれを癒やすように丹念に愛撫した。 「んっ、くっ…、うあっ!や、やめ、ろっ」 時折、ちゅ、とわざと水音を立てて先端を吸ってやると抑えきれなかった嬌声が降ってきた。録音媒体の容量は足りるだろうか。 やがてコネクターにメガトロン自身のオイルが絡み出した。舌をねじ込むようにして掬い取り味覚センサーの上で転がす。 オイルが奏でる水音が胸を弾ませる。舐めとって絡ませて擦り付けて。最後に強く吸い上げると大量のオイルが口内に流れ込んだ。 「くっあっ!よせっ、飲むなあぁぁ!」 メガトロンの言葉とは裏腹に、はしたなく流れ出すオイルをじっくり堪能してから、主人を口淫から解放した。 その瞬間届いた溜め息には、確かに未練が含まれていた。 「安心しろ。まだ終わらない」一本のコードを手に取り、通常より細いそれを特殊コネクターの先端へ差し込む。 「ぅあっ…な、何を…っ、外せっ」 「動くな。回路が傷つく」
パチりと小さな刺激をコネクターに送るとびくりとメガトロンが身を竦めた。 急所を内から責められるというかつてない経験を前に虚勢すら剥ぎ取られていく様はなんとも嗜虐心を煽られる。 粘液の助けを借りながらオイル排出用の僅かな隙間へと入り込んだコードは、特に繊細な神経回路の集まる部位でその動きを止めた。 「そ、そこはっやめろ…やめっ…さ、サウンドウェーブ…!」 懇願を黙殺し、先程の口淫で限界にまで感度を高められたそこに苛烈なまでの快楽信号を流し込んだ。 「あああぁぁっ!!」 絶叫が空気を震わせた。防音シャッターを下ろしてなければ基地一帯に響き渡ったであろう悲痛な叫び。天上の音楽がスパークを震わせる。 「あっああっ!あっ」 通常触れられる事などない柔らかな内部神経を、パルスを用いてぎちぎちと責め上げる度にメガトロンが激しく喘ぐ。 コードを動かし敏感な部分をこすり上げるとコネクターがヒクヒクと脈動するのが面白い。 「見てみろ」 メガトロンの後頭部を抱えて、視線を自らのコネクターへと向けさせる。 快楽信号が波打つ度に溢れ出すオイルがコネクターから滴り落ち、それが寝台に幾つものシミを作っていた。 堪えきれずメガトロンが視線を逸した。 お仕置きに火花が散るような刺激を神経に叩き込むと、たちまち痛々しい悲鳴が上がる。 「目を逸らすな」 「ぐあっ、き、貴様っ…」 頭部を固定し、強制的に視線を戻させた。 真紅のアイセンサーに映し出される卑猥な光景が、否が応でもメガトロンを追い詰めていく。 「くっ、はぁっ、はっ、も、もう―」 極限まで溜まってきているメガトロンの熱を逃そうと、冷却用オイルが特殊コネクターに集まりだした。限界が近い。 「うあっ、ああ、あ、あ」 電流が甘い疼きを伴ってメガトロンの回路を駆け抜けていく。 コネクターが大きく痙攣し、冷却オイルが排出されようとするまさにその時を狙って。 「だめだ」 制御系統へ指令を送り、溢れ出さんとするその流れを寸前でせき止める。 ひぎ、と良く聞き取れない呻きを発してメガトロンの回路がショートした。 排出機能を固くロックしたままコネクターを強く擦り上げると聴覚センサーをつんざくような絶叫が上がった。 もう少しそれを楽しみたかったが、どうやらそこまでの余裕はなさそうだ。
「排出したいなら大人しくしていろ、メガトロン」 「ぐっ…、戯言をっ、うあっ!」 コネクターを指でなぞるだけでこの反応。その威勢がいつまで保てるか。 メガトロンが拒むことは最初から想定内であり、よって二度問いかけることはしない。 片方の足首をつかみ上げ股関節を広げる。そのまま膝の裏を肩に掛けるように載せるとメガトロンの受容器が眼前に晒された。 位置関係の問題で通常のデータ通信には全く使用されないこの受容器は、しかし特殊コネクターを受け入れるのに最も適した形状をしている。 「なっ、止めろっ!くっ」 渾身の力を振り絞って暴れるメガトロン。神経回路を操られた状態で出せる力などたかが知れているがやはり少々煩わしい。加減していたコネクターへのパルスを再び強くする。 言葉にならない叫びを発して痙攣を続ける機体をそのままに、受容器へ指を這わせた。 体の中心で発生している苛烈な快感に反応してか、既に火傷しそうな熱を持っている。縁の部分を優しくなぞり、入り口へ指を差し込んだ。 この受容器は入り口こそ狭いものの、各機体で大きさの異なる特殊コネクターを受け入れる為に内部はかなり柔軟に造られている。つまり拡張が可能なのだ。 最初は侵攻を拒んだ内部も、入り口付近の内壁を撫でてやると徐々に異物を受け入れ始めた。 ゆっくりと指が飲み込まれていく。 「あっ…ぐ…くぅ…んっ」 メガトロンはコネクターへの刺激を堪えるのに精一杯で、己の中に侵入してくる異物を拒むことなど不可能である。 それを良いことに根元まで突き入れた二本の指で思うがままメガトロンの中を蹂躙する。 内壁を広げるように掻き回すと受容器全体が収縮し、きゅっと締め付けてきた。 「締め付けてきている。分かるか」 絡みついてくる内壁をこすりながら告げた言葉に戻ってきたのは屈辱を滲ませた視線。 これはなにかの間違いだと、そう訴えかけるようにきつく睨まれた。 だがもはや体はメガトロンの意志などお構いなしに快楽を享受し始めている。その証拠に受容器からは潤滑油が分泌されサウンドウェーブの指を濡らしていく。 潤滑油の助けを借りて更に内部を拡張させていく。指を折り曲げると潤滑油がぐちぐちと生々しい音を立てた。 「は…っ、あっ、ああぁっ!!?」
驚愕の悲鳴と共に突如メガトロンの機体が大きく跳ねた。 ばちん。続いて回路のショート音。 「…ここか」 性的感度の高い回路の集まる受容器にあって更に過敏な神経の集まるその場所。 おもむろに純銀の装甲を抱え上げ、自分の膝の上に跨らせるような形で座らせた。 されるがままにぐったり腰を落とすメガトロンに視線を合わせる。 回路がショートした衝撃、そしてこれから行われるであろう責め苦を想像し制止の言葉すら吐き出せない哀れな主。 破壊大帝の威厳など微塵もない惨めな表情を何故だかとても愛おしく思う。 受容器へ忍び寄るコードに対して、メガトロンはついに抵抗を放棄した。 ぱちん。ぱちん。既に何度目か分からないショート音。 極限まで感度の高められた繊細な神経を、攻撃的なパルスが休みなく陵辱している。 出口のない熱は下腹部に溜まる一方であり、ジクジクと苛烈な疼きを伴ってメガトロンを内側から苛んでいた。 解放を求めて下腹部を擦り付けてくるのはもはや無意識なのだろうか。 内部をコードで、外からは己の手でメガトロンを嬲る。 弱い部分に貼り付けた特別コードが快楽信号を絶えず送信しているその傍ら コネクターを激しく擦り上げ、オイル滴る先端部をぐにぐにと指の腹で押し揉む。 「ぁっ、あっあぁ、ん、あっ、壊れ、ひっ、やめ、ゃあぁあっ、さう、ど、うぇ、ぶ」 肩に押し付けられた唇から漏れる、壊れた言葉の切れ端を美しいと思う。 美しい音をもっと聴きたいと思うのは、サウンドシステムとして生きる以上当然の欲求だ。 受容器の浅い部分を掻き回していた指を奥に突っ込み、纏わりついてくる潤滑油を掻き出すように前後に移動させた。 「んあぁっ、な、中が、あっ熱い、あっぁあ、はっ、はいしゅ、つ、させっ」 熱い呼吸と共に吐き出される極上の音楽にしばし酔いしれるも、コードが突如無粋なエラー音を伝え大いに気分を害した。 憎き不協和音を一旦ストップさせてから、メガトロンをスキャンする。 《error_回路損傷率58%》 …少しやり過ぎたか。これ以上の回路の損傷はメガトロンを構成するシステムへの深刻な負担になる。 自分の目的はメガトロンのスパークを屈伏させることであり、破壊する事ではない。 「メガトロン」
問いかけるも返事はなく、小刻みに震える口元から壊れた響きが零れるのみ。 二つのコードに今一度強いパルスを流し込むと、比喩ではなく、メガトロンの体に火花が散った。 「がぁっ、あ、こ、壊れ、こわれ、る、や、いやだ、い、や」 「俺に従うか」 「あつ、あつい、出させ、たの、む」 「従え」 「あ、あ…」 「メガトロン」 表情を見せなかったのは最後の抵抗のつもりだったのだろうか。 サウンドウェーブの大きな肩に顔を埋めて、小さくではあるが確かにメガトロンは頷いた。 その瞬間に心が折れたのか、放心したように脱力した主人を固く腕の中に閉じ込めた。 いつもの力強さも雄々しさも全く感じられないそれをうっとりと眺める。 腕の中にある、焦がれて止まなかったもの。欲望がうねる。 下半身の装甲を開き、自らの特殊コネクターを引きずり出す。 「俺が排出する時に、あなたのコネクターへのロックを解く」 メガトロンは聞いているのかどうか怪しいが、取り敢えずそれだけ言って太股を掴みメガトロンの腰を浮かせた。 すると両肩を掴むメガトロンの手が小刻みな振動を伝えてきた。巨大な異物に内部から犯される恐怖に震えているのだ。あの破壊大帝がだ! だがその哀れな姿に嘲りなどは一切浮かばない。込み上げてくるのは更なる情欲と愛おしさ。 挿入に邪魔なコードを引き抜くと、反射的にメガトロンの背が仰け反る。 コネクターの先端部が受容器を微かに撫で、それだけでちりちりと甘い痺れが走った。ぐち、と音を立て先端を少しだけ飲み込ませる。 「ぅあ、あっ」 跳ねる腰をがっちりと掴み、一気に奥まで貫いた。 「ひっあぁああぁああっ!」 「くっ…」 とろけそうな熱を持つ内壁がコネクターを包み込み、眩暈のするような快感が神経回路を直撃した。 一度入り口付近まで引き抜いてから更に強く腰を打ち付けるとコネクターが受容器の最深部に到達する。 深々と結合した状態で自らのデータをメガトロンへと流し込むと受容器が激しく収縮してコネクターを締め付けた。 「さ、さう、うぇ、ぁぐっ、ア、あぁアあァあアあぁッ!!」 残り少ない回路が弾け飛ぶ。 とうとう発声回路までイカレた。 受容器へ流し込まれたデータは送信者の命を受け貪欲に冷酷にメガトロンの全てを犯し尽くす。
コツンと先端が受容器を突く度に雪崩を打ったように流れ込むデータをメガトロンが処理出来る筈もなく、 刻一刻と内部から「サウンドウェーブ」という存在に浸食を許していく。 自分のデータによって高貴なスパークが汚され堕ちていくその事実に堪らなく興奮して。己の全データを注ぎ込む勢いで、律動を早めた。 「はぁっ、はっ、さ、サウンド、ウェーブ…っ」 ひび割れた発声回路で、やけに鮮明な自分の名。 首の後ろに手が回され、メガトロンは俺の首筋にかじりつくように顔を埋める。 熱に浮かされた喘ぎが漏れるだけで何も言葉はなかったが、その動作だけで理解した。ついにメガトロンは俺を許容したのだ。 受容器を突き上げる振動に合わせるように、腕の中の機体が腰を揺らしてきた。微かな動きではあったがそれだけで快楽が段違いに跳ね上がる。 メガトロンも自分も、意味のある言葉は何も発せずひたすら快楽を貪った。間接部の軋む音が激しくなっていく。 熱の解放へ向かって、互いの機体を追い立てる。最期が近い。 受容器内部がきつく収縮し、熱が爆ぜた。 「ああぁっ、サウンドウェーブ!」 「…っ!メガトロン…様っ」 制御系へのアクセスが遮断される。無意識に互いの名を呼び、達したのは同時だった。 「ぁ、あぁ、あ」 崩れ落ちそうになる銀の機体をに急いで手を伸ばす。腕の中、嵐のような快楽の放流に震える背中を優しく撫でた。 ドクドクと受容器に他者のオイルを流し込まれながらメガトロン自らも濃密な熱を排出していく。 溜まりに溜まった熱は冷却オイルが切れるその時まで止まる事を知らず、腹部を汚し続けた。 胸にかかる熱い息が収まるのを待ち、ゆっくりと純銀の機体を寝台へと横たえる。 コードを回収し結合を解くと受容器からオイルが溢れ出し、太腿を伝い流れ落ちた。 メガトロンは動かない。無意識な機体の痙攣等は見られるものの、意志の伴った行動を起こす気配は全くなかった。 強制スリープかと推測し、身を近づける。 薄く開いた唇が視界に入る。戯れに口付けた、その時。 ぱちん。 再び。 ぱちん。ぱちん、ぱちん、ぱちん 馬鹿な。回路の損傷は機体の許容範囲内に収めた。何より何故、今再び回路の損傷が始まっているのだ。
依然動かないままの対象をスキャンした途端、不快なエラー音と共に飛び込んできた赤い羅列。 《error_error_error_error_error_error》《 記憶回路ニ重度バグ発生》 すぐさま頭部にコードを繋ぎ、メガトロンの記憶装置にアクセスする。 バグの原因となっている記憶ファイルを探し出しハッキングしようとして、弾かれた。メガトロン自身によって強固なロックが掛けられている。 一体これは何なのか。 その記憶ファイルから発生したバグは瞬く間にメガトロンを蝕み、苛立たしいエラー音を更に不愉快なものにしていく。 このままでは取り返しがつかなくなる。何を、何をそんな頑なに守っているのだ! 焦りと苛立ち、そしてメガトロンが守り続ける記憶への、嫉妬。 激情に突き動かされるまま、自分とは思えない乱暴さでその記憶ファイルをこじ開けた。 金属の月の下、寂れた廃墟に二人。 流れていく風景にメガトロンの記憶が流れ込んでいるのだと気付いた。 『あなたを危険な目に合わせた』 それは紛れもない自分の声。 そしてはたと気付く。金属の月輝くセイバートロン星。メガトロンと二人、見覚えのある廃墟。 あの時、ウイルスに侵された自分が、どうせ死ぬなら人目につかない場所でと考えて選んだ場所だった。 結局、すぐさま追ってきたメガトロンによってそれは叶わなかったが。…しかし。 『お前を失うわけにはいかん。…いや、違うな。失いたくなかったのだ』 胸にせり上がる違和感と共に気付いた。この続きを、俺は知らない。 これは断じて空想などでなく、事実だ。なら何故、俺は覚えていない?まさか。 一時的なウイルスの後遺症。それによって失われた記憶ファイルは後に完全に再生させたはずである。 だが記憶のほんのひとかけら、半刻にも満たない僅かな記憶の断片まで再現出来たかと問われれば、肯定は出来ない。 その欠片が、これだというのか。 俺の知らない俺の記憶は尚も続いていた。 記憶の中の二人、互いの視線が絡み合う。 ゆっくりと、メガトロンが俺に近づいていく。俺は動かない。 そのまま濃紺の機体へ静かに歩み寄り、唇を寄せて―目の前の男は、それを拒んだ。 『俺が求めているのは、強い指導者だ』 思わず呻いていた。回路が焼き切れそうな痛みを伴って、記憶が戻っていく。
今より未熟だった。今と同じく卑怯だった。 日和見で何よりも立場の安定を求めた自分が必要としたのは、特別な個人ではなかった。 感情に流されて立場を失うのは、何よりも恐ろしく思えた。 『そうか…そうだったな』 主の言葉には、未練や悲しみなど微塵も感じられなかった。 全てを振り切るように、前を向いて。 『お前に見限られんよう、頑張らねばならんな』 その時俺を見据えていたのは、いつだって魅了されて止まない真紅の光。 『サウンドウェーブ』 やめろ、やめてくれ、この先は 『お前が望むように、儂は強く在り続けよう。永遠に』 そこで、途切れた。 記憶が終わると同時にぶつけようのない憤りがスパークを支配した。 愚か者。あなたの口癖を、そのまま返そう。 忘れてしまえばいいだろう。それこそ、切り捨ててしまえばよかったのだ。臆病者の戯言など、戦いの中で邪魔なだけではないか。 破壊大帝が聞いて呆れる。あなたは横暴な指揮官ではないか。野望の為なら何だって犠牲にする、残酷な支配者だったではないか。 それが、それが!こんな下らない記憶をいつまでも守り続けて―!! 不意にエラー音が止んだ。ぱち、と最後の最後に小さく音をたてて。 大切、なんて陳腐な言葉じゃ言い表せないものが失われたのが分かったが、己からは乾いた笑い声のようなものが零れるだけだった。 赤い光が閉じられる。
金属の月の下、寂れた廃墟に二人。 差し込む月明かりの中、純銀の装甲がどこまでも美しい男に部下は言った。 「あなたを危険な目に合わせた」 一見内罰的なその言葉。だが分かる。責めているのだ、自らの危険を省みなかった主を。 「お前を失うわけにはいかん。…いや、違うな。失いたくなかったのだ」 自分達がこれから進む道を考えれば誤りでしかない感情。だが男は己を偽る事をしなかった。 沈黙を守る部下を見つめる。バイザーに隠された表情は伺いしれない。だが確かに互いの視線が絡み合うのを感じた。 そのまま濃紺の機体へ静かに歩み寄り、唇を寄せる―目の前の男は、それに応えた。 唇が触れ合った瞬間、お互いに激しく求め合った。舌を絡め取られて頭脳回路の奥がジンと痺れる。 普段寡黙な男が自分だけに見せる情熱。それが泣きたくなる程嬉しかった。 ゆっくりと、瞳を閉じて想う。 あぁ、自分は柄にもなく浮かれている。だからこんな柄にもない言葉が浮ぶのだ。 『まるで夢を見ているようだ』
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・)イジョウ、ジサクジエンデシタ! メガトロンの目がトロン、という一文を入れたかったのは内緒だ。 長文にお付き合い下さりありがとうございます!
>>344 禿萌えました!GJ!
府京前提の絡みってのがまたたまらん…!
これから高学歴と田バ藤の競演が増えることを祈ってます。
>>367 GJ!元ネタ見てないけど禿萌えたよ
興味出たので見てみます。姐さんありがとう!
>>367 悶え過ぎてトゥルットゥルッになった!
一途で情熱的な音波と純情な破壊大帝万歳!
姐さんグッジョ――ブ!!!!
>>344 GJGJGJ!!
京大優しいヤツだなww
オリジナル投入します 友達以上恋人未満的な |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「同じ部署の日本人とランチでスシ・バーに行ったんだ。 そしたら、近くにいたビジネスマンの食べ方にダメ出しし始めてね。 彼が言うには、こっちの人間はヘルシーだ何だって言って日本食を食べるけど、寿司にめちゃくちゃ醤油をつける。あれじゃ塩分の取り過ぎで却って不健康だって。 おまけに食べる量も尋常じゃない。だからあんなに太っちまうんだって。 だから僕がジムに行けばいいんじゃないかと言うと、ジムの後また食べるに決まってるって、で僕は彼に……あのさ、エド」 彼を部屋に招待したのはいいけれど、さっきから僕ばかり喋ってる。 今までは外で会っていたから、人の話し声や周りの雑音が、会話の隙間を埋めてくれていた。 今ここには僕と彼しかいない。話が途切れるとしんと空気が張りつめて、落ち着かない。 自分の部屋なのに居心地が悪かった。 「僕の話、退屈じゃない?」 エドは肩をすくめる。 最初からこんな感じだった。喋るのは僕で、横で相づちを打ちながら聞くのは彼。 向こうから話を振ってくることはあっても、気がつくと彼は聞き役にまわっていた。 別に僕がお喋りなわけじゃない。会社では結構寡黙な方だ。 「それで? その日本人に何て言ったの?」 どう考えても続きを聞きたがってるって顔じゃないな。 「そうだねって返しただけさ。おしまい」 間違ってはいなかったし。 実際僕の部署の人間を見ても、メタボ気味の上司や、ジムで無駄に筋肉がついてしまった奴、腰まわりが貫禄ありすぎる女性とか多いから。 彼女達、濃い化粧でごまかしてるけど、よけいに凄みが出てしまう。 僕の周りにはそんな人達ばかり。 エドは違う。スレンダーな身体で、ガツガツしてなくて、今までの自分には接点がなかった類の人間だ。 だからもっと彼のことが知りたい。
今度は君の話をしてくれよ、なんでもいいから、という僕の言葉に、彼は興味なさそうにソファで足を組み直す。 「エドワード・ターナー。君より6つ下の22歳。12月生まれ。レコード店でバイト中」 「知ってるよ。そうじゃなくて、趣味とか、興味あることとか。ギター習ってるんだよね?」 「マイスペースのプロフじゃあるまいし。聞いてどうなるっての」 話が広がらない。僕の話もいい加減尽きた。 部屋が見てみたいと言うので呼んだけれど、本当に部屋を見渡すだけとはね。 まるで、わざと喋ることを拒否してるようにも思えてくる。 部屋の空気が重い、というか、すごく濃密だった。 おまけに彼がさっきから僕の顔を見つめているから、どうにもおかしな気分になる。 沈黙に耐えきれず、音楽でもかけようと立ち上がると、彼は僕の腕を引っ張ってソファに戻した。 「頬に睫毛ついてる。とってあげるから、願いごとしなよ」 なんだ。だからずっと見てたのか。 きっと子供の頃、抜けた歯を屋根の上に投げたりするような子だったに違いないな。願いごとねえ。 「OK、いいよ」 目元に手が伸びてきたので、思わず目をつぶる。 「とった。目、開けて」 目を開けると、彼の顔が近づいてきて、子犬のように僕の唇を舐めた。 お互いの鼻先が微かに触れるほどの距離で、ずっと僕の目を見ている。まるで、様子をうかがっているように。 「そういうのって、普通僕が目をつぶってる隙にやるもんじゃない?」 「さっきから、目を合わそうとしないからさ」 ばれてた。
部屋で二人きりになったら急に、彼の目を見ることができなくなった。 感情がこみ上げてきて、それを抑えようとしていたから。 だからどうでもいいことをダラダラ喋って。 でも、もう理性が感情に追いつかない。そのまま抱き締めてソファに押し倒してしまった。 唇を近づけると、彼は顔をそらして呟いた。 「さっきの願いごと、何にしたの?」 「もう叶ったからどうでもいいよ」 答えるのももどかしかった。 「教えてくれてもいいじゃん。さっき興味は何かって聞いたよね? 答えるから、願いごと教えてよ」 からかわれてるんだろうか? 「僕の興味はね、君さ。もうずっと君のことで頭がいっぱいなんだ」 嬉しいけど、君は喋り過ぎだ。せっかく二人きりなのに。 僕は人差し指で口を抑えてみせる。彼は少し笑って、頷く。 細い腰に身体を押しつけると、彼は目をつぶって自分の指を噛んだ。 そう、もう声を出しちゃだめだよ。
最後ナンバリング間違えてごめんなさい! □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>377 GJ!髪の毛ふっとんだけど幸せ!
>「頬に睫毛ついてる。とってあげるから、願いごとしなよ」
から雰囲気が変わってドキッとした
二人とも可愛いよーすごいニヤニヤする
二人の当主と補首。おまけの屋主。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
コ一チとの明日の仕合の軽い確認が終わり、荷物を取りに練習場へ戻った。 球を受けるミツトの音が、室内に心地好く響く。 皆昼飯に行っているのか、ネツトの向こうには、スタツフ二人と、今日の船発のバツテリの四人だけ。 当主は補首から球を返され、一息置いてまた投げる。 逸れてしまった球を、補首は外に腕を伸ばして取った。 その当主は今年トレ一ドで入って来たばかりの船主。 確認し合う所が多くあるのだろう。 有利な仕合作りの為にも、補首は彼の癖や状態を把握しなければならない。 自分は今日の当主とは違う。 あの補首は自分のすべてを知っている。考えも、癖も、強さも、弱さも。 そして自分は彼の要求に必ず応えられる。 彼もどの当主より自分とやる方が、絶対に気持ち良いに決まってる。 投.球が止まる。 補首は立ち上がって笑みを浮かべながら当主に近付き、声をかける。 当主も応えるように笑い、補首の耳元に顔を近付けて何か囁きかけた。 補首は肩を震わせてまた笑った。 ざざざ。 胸騒ぎの音が先ほどまでの自信をゆらす。 何や、お前。 何笑ってんねん。 お前は、俺の。
「…い、おいっ」 声が聞こえ、腕をつつれてかれていたことに気付く。 振り向くと、同い年の屋主が側に立っていた。 「うわ、小さいから気付かんかったわ」 そんな悪態を聞き慣れている屋主は冷めた目で見上げる。 「そこでさっきから呼んでたんだけど」 「ああ、ごめん何」 「昼行こ」 「あー、じゃあ荷物ロッカーに置いてくわ」 後ろ髪をひかれつつも、バッグを肩にかけてドアに向かった。 大丈夫だ。大丈夫。 あいつの一番は、自分に違いないから。 小柄な屋主は、先を歩く当主の背中を見据える。 さっきブルペソを眺めていた、彼の目。 あれはまるで・・・。 振り返って、その矛先にいた人達を見る。はっと体に緊張が走る。 スタツフと話をする補首をよそに、当主だけが一人、こちらを眺めていた。 いや違う、その目はドアに向かう彼の姿を捕えている。 わずかに口元が綻んでいた。 気付いていたんだ。あいつの視線に。 その感情に。 「どうしたん」 前方から声。慌ててその隣に並んだ。 「まあ、頑張れよ」 ぽん、と肩に触れる。 「何を」 「ん?ああ、明日のこと」 当主は少し間を置いて、「当然」と答えた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! うっかり1/2をナンバリングし忘れ。すみません。 名前を書けない辺りでいつも悩むんですが、二次元三次元問わず、 好きな子で想像して頂けたらええなあと思います。
某金魚ちゃんの小説に触発されて書きました。虫注意。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 食後の片付けものをしていると、風呂場の方からガタガタと窓のはずれるような音が聞こえた。ああ、そういや、あいつまだ帰ってきてなかったんだな、と思い、濡れた手のままぶらぶらとそちらへ歩き出す。 「うるせえぞ、クロ。何時だと思ってんだ。近所迷惑だから静かに入ってこい。」 風呂の窓から大きな体を半分だけくぐらせてジタバタもがいていたペットにそう叱りつけた。 窓枠にぎっちりはまったまま、進むことも戻ることも出来ないらしいクロは、うらめしそうな目でこちらを見ている。 「陽さんが、ベランダの窓開けといてくれなかったからでしょっ…。見てないで助けてよ!」 苦しそうに固い羽を擦りあわせて、足をバタバタ動かして息を切らすクロを見ていると、つい吹き出してしまいそうになる。 「しかたねえだろ、今日は暑いから窓閉めてエアコン効かせてたんだよ。てめえこそこんな時間まで何してたんだ。タダ飯食いのくせに夜遊びたあ、いいご身分だなあ?」 助けを求めてこちらに伸ばされる足を無視して、冷たく睨んでやると、クロはびくりと体を強張らせておとなしくなった。 「そ、そんな、言い方…。」 「まあ、お前も夏の虫だしな。この季節になれば無駄に元気になっちまうのも無理ねえか。ただでさえこんな都会じゃ出会いも少なそうだし、寝る間も惜しんでメスを探したくなるのもわかるよ。」 「…っ!ちがう!そんなつもりで外に出てるわけじゃない!」
あわてて叫ぶクロの顔にそっと触れると、まるで血の通った生き物みたいに生温かかった。ああ、夏の夜を飛び回ってきたんだな、と思いながら、背中の方までなで回すと、クロは体を震わせながら捩った。 「陽さん、手、つめたい、」 「ああ、悪い。皿洗った後、手ェ拭いてなかった。」 「…洗剤残ってる。」 「洗い流してなかった。」 「手、荒れちゃうでしょ。」 「男が細けえこと気にすんな。」 「その手で撫で回されるこっちの身にもなってよ。」 「どうせてめえ、全身鎧着てんだろ」 「鎧じゃないよ!これはこう見えても皮膚なんだよ!」 「そんな黒光りしたカッタイ皮膚は認めねえ。」 つん、と指先で角をはじいてやると、クロは目をつぶってさも痛そうな顔をする。大げさなんだよ、兜かぶってるくせに。 いつまでもここでこうしていても時間の無駄なので、俺はクロの足を引っ張って助けてやることにした。 ガタガタと窓枠が鳴る。 「あ、陽さん、もっと、そっとやって…!」 「そっとじゃ動かねえだろ、お前重いんだから。」 両手で足をがっちり掴んで、軽く揺すぶりながらこちらに引くと、クロは目にうっすら涙を浮かべて「あああ」と呻きだした。 「何なんだよ、もう!」 足を握ったままクロに怒鳴りつけると、クロは「足がもげるう」とベソベソ泣き出した。 ……ああ、こいつ、本気で面倒くせえ。 「…4丁目の公園で、ツクツクボウシと知り合ったんだ。お前さん虫だろ、って向こうから声かけてくれて。」 「へえ。珍しいじゃねえか。」 俺はクロの足から手を放し、そのまま再び背中を撫でながら、とりあえず浴槽の淵に腰をかけた。
俺にはどう見ても巨大な甲虫にしか見えないこいつが、大抵の人の目には日焼けして体格の良い成人男性に見えているらしい。 以前はたまに近所の人達から、「どういうご関係ですか」なんて聞かれたりもしていたが、色々とごまかすのも面倒なので、正直に「俺のペットです。駅前の店で五千円で買いました。」と答え続けていたら、いつの間にか何も聞かれなくなった。 「人間にも虫にも、滅多に正体見破られないのにな。」 「うん、でも、そのセミにはバレちゃった。おれの体から砂糖水の匂いがしたからだって。」 「……砂糖水の匂いなんてあるのか?」 「わかんない。でも、急におれの体に止まって、砂糖水の匂いがするって…。」 「それ、カマかけられたんじゃねえの。」 「ええ!?何のために?」 「それは知らねえけど。………ふうん、そいつにいきなり触られたわけね。」 特に意味もなく、指先に力を込めて、ぎゅうっとクロの腹を押してやった。小さな悲鳴が聞こえたが、無視する。 「お前はデカイから、体に余分なスペースが多いのかもな。隙だらけにも程があんだろ。こないだも全身アブラムシにたかられて帰ってきたし。」 「っ、だって、あんな、細かいのっ…払いきれないでしょ!」 腹をぐにぐに押されて、悶えるように声を絞り出すクロの背中を舐めると、なんだか懐かしい味がする。 昔、この季節に食べた味。 「う、うわっ!わあっ!」 「ああそうか、わたあめだ。……感触は全然違うけど。お前、やっぱりかってえなあ。」 「ちょ、何考えてんの、舐めちゃだめでしょ、お腹壊すでしょ!」 もがいて逃げようとする黒い体を押さえつけて、しつこく背中を舐めてやると、ぶるぶる震えながらも、だんだんされるがままになってくる。 そうそう、それでこそお前だよ。 昆虫のペットなんて、みんな飼い主のオモチャなんだから。
子供みたいに解剖したりしないだけマシだろ。 「あう、う……んっ、陽さん……、陽さん、に、人間が、こんなことしちゃだめ…。」 弱々しく抗議する声を聞いても、胸なんか少しも痛まないし、いけない事をしているとも思わない。 「なあ、アブラムシって…たしかメスしかいねえんだよな。お前の体に何十匹ものメスが群がってたわけか。どんな気分だった?」 「どんなって…知らないよ、大体アブラムシと俺とじゃ、体の大きさが違いすぎるじゃないか!」 「なるほどね、体の相性が悪い、と。お前、そういうこと中心に考えてるわけか。変態だな。」 ………………本当の変態はきっと、俺の方だ。 「そうやって毎日発情して、甘い匂いさせてフラフラ出歩いて…。」 「よ、陽さん、」 「………お前さあ、自分がちょっと普通の虫じゃないからって、自由で万能だとか勘違いしてんじゃねえの?俺がその気になれば、お前なんかなあ…!」 再びクロの足をがっちり掴んで、握力をこめて思い切り捻ると、クロは泣き叫びながら大粒の涙をこぼした。 「ああああああ!!!」 「こんな足なんかもぎ取って、羽もむしって、標本にしちまうことだってできるんだからな。自覚しろよ、クロ。お前の飼い主は誰だ?」 「ああ、痛、いたあっ…!陽さん、陽さんです、ごめんなさい!ごめんなさああい!」 「本当にわかってんのか?お前は誰のものなんだ、もう一度言ってみろ。」 「陽、さん、ですっ…!う、うあっ、あ、おれ、おれには、陽さん、しか、いない、からっ…!!」 痛みに顔をしかめて、ボロボロ泣くクロを見ているうちに、いつの間にか自分の心の中を満たしていたどす黒いものが消えて、随分と軽くなっていた。
388 :
風と木の名無しさん :2009/08/02(日) 22:08:25 ID:s4OW+gqK0
ああ、そういえばここ、風呂場なんだよな。声、ご近所にすげえ響いてんじゃん。 ご近所さんはクロのこと人間だと思ってるのに。 なんだかまた誤解が深まりそうだなあ、でもまあいいか。 カブトムシのオスを調教して束縛するような変態だと思われるぐらいなら、人間のオスを調教して束縛するような変態だと思われた方がまだ楽だ。多分。 俺はクロを甘やかさない。美味しいゼリーもスイカも与えたことはない。外の世界には綺麗なものも楽しいこともたくさんある。 何より、今は夏。こいつが一番元気になる季節だ。 せっかく足も羽もあって、外をのびのび飛び回ってるのに、こいつは毎日その幸せを捨ててこのアパートへ帰ってくる。 逃げようと思えばどこまでも逃げられるはずなのに、必ずこんな乱暴で変態な飼い主のところへ戻ってくる。 「…陽さんっ………。」 「クロ、ごめんな。」 泣き続けるクロの足から手を放し、黒い頭に抱きついた。 クロがびっくりして息を止めた隙に、体重を使って相手を引っ張り込む。 「うぉっ!?」 クロの大きな体はその勢いでスポンと窓枠からはずれた。そのまま二人そろって後ろに転がり、頭を壁に打ち付けた。 「…………そういえば、セミはどうなったんだよ。」 「はい?」 コップの水に落とした角砂糖が溶けるのを待ちながら俺が尋ねると、目の前の甲虫はきょとんとして聞き返した。思わずその頭をひっぱたく。 「4丁目の公園でお前をナンパしてきたっていう、変態ツクツクボウシのことだよ!」
「ちょっ、なんだよ変態ツクツクボウシって!クボさんのことをそんな風に言わないでよ!」 「何だよクボさんって!」 「…その、ツクツクボウシの名前。」 「へえ。名前まで教えてもらったんだ。で、どうなったんだよ、そいつ。もう死んだ?」無表情で俺が放った質問がショックだったのか、クロは柱に倒れ込んで物凄い音を響かせた。虫のくせにリアクションがでかすぎる。 「縁起でもないこと言わないでよ!まだ死んでないよ。ただ…。」 「ただ?」 突然顔を曇らせたクロを見て、聞き返す。 「ただ、なんだよ。やっぱり死んだのか?」 嘲笑いながら見下ろすと、クロは痛みに目を潤ませながら此方を睨み付けてくる。 「違うよ、その…、人間に捕まっちゃったんだ。ほら、あの、あの、」 言いにくそうに舌を縺れさせている。 「あの、昆虫博士の網に…。」 俺は思わず大爆笑した。 「マジかよ!あのトロそうなメガネのガキに!?」 両手を叩きながらゲラゲラ笑っていると、クロが真剣な顔で叫びだした。 「笑い事じゃないよ!昆虫博士、ツクツクボウシは珍しいからって、クボさんの体をいじくり回して色々調べてたんだけど、」 「へえ。俺みたいなことやってんだな。」 ニヤニヤしながら茶々を入れたら、クロはその黒い顔を真っ赤にした。ように見えた。 「…と、とにかく、そうやってめちゃくちゃに触ったり引っ張ったりしたもんだから、クボさんの足が一本取れちゃって…。」 空気が凍りついた。 「あの瞬間のクボさんの悲鳴が耳にこびりついて取れない…。」 クロは二本の足で顔を覆ってさめざめと泣いた。はっきり言って、覆いきれていない。 「……そうか、だからお前、俺に引っ張られたときあんなに怯えてたのか。」
クロの足に指を絡ませて、俺は囁く。 「お前のこと標本にするとまで言っちまったもんな。」 覆っていた二本の足を優しくはずして、顔を撫でてやると、クロが再び俺の顔を見た。 「お前の足を取ったり、標本にしたりなんて、そんなもったいないことするわけねえだろ。こんな面白いカブトムシ、他にいねえもん。」 「陽さん。」 「第一、普通の虫ならまだしも、楽々タンス運んだり背中で2トン車止めたりするようなお前を、俺が無理やりどうこうできるはずがない。」 「う…。よくそんなの覚えてるね。」 「一度見たら忘れらんねえよ。……とにかく、俺がお前を壊すようなことになったとしたら、それはお前もそれを望んだからってことだ。」 「なんだか心中みたいだねえ。」 ヘラヘラと笑いだしたクロになんとなくムカついたので、指先で角を弾いてやると、きつく目をつぶって痛そうな顔をする。 兜かぶってるくせに。 「おい、砂糖水出来たみたいだぞ。口開けろ。」 コップに針のない注射器を差し込んで、角砂糖の溶けた水を吸い上げながら、クロの顔を叩いてこちらを向かせた。 素直に開けられた口に注射器を突っ込み、ピストンをゆっくりと押していく。 「こぼすなよ。蟻がくるからな。」 少しずつ流し込まれる甘い水を味わいながら、幸せそうにちゅうちゅう吸い付いてくるクロの表情を眺めていると、なぜかいつも世界征服でもしたかのような気分になって、頭がフワフワと酔ってくる。 だから俺はこいつを手放せない。 「なんか、いつもより甘い…。」
ぴちゃぴちゃと注射器の口を舐めながら呟くクロに、俺は微笑んだ。 「お、よくわかったな。今日は特別にいつもより角砂糖増量サービスしてやったんだよ。」 一つだけだけどな、とクロの角を優しく撫でる。 クロは注射器をくわえたまま、うっとりと目をつぶった。 こんなうっすい砂糖水にいつまでもすがっているこいつも、結局は俺と同じくらいの変態なのかもしれない。 「よしよし、味に敏感なクロさんに大盤振る舞いだ。」 こう言うと俺は、ぐぐっと一気にピストンを押し、注射器の中の甘い水を噴出させた。 「ぐ!?げほっ、ごほっ…!」 突然の意地悪に対応できなかったクロは、俺の狙いどおりむせって、砂糖水を吐き出した。 「あーあ、きったねえしもったいねえな。せっかく甘いの作ってやったのに。」 注射器に残った砂糖水をクロの頭やら背中やらにかけながら、俺はねちねちと責め続けた。 「あう、だ、だって…ひどいっ!」 こぼれた砂糖水を舐めながら、クロは涙目で俺を睨む。 「どうすんの?蟻が来ちゃうじゃん。」 すっかり甘くなったクロの角やら背中やらを舐めてやると、震えながら「ひっ、」と呻きを漏らした。 ああ、やっぱりたまんねえなあ、こいつ。 「よ、陽さん、の、せいだろっ!あ、アブラムシにたかられた時だって、元はと言えば、陽さんがおれに甘いのかけたから…。」 「………あの時ねえ…。おかしいよな。あの時も俺がちゃあんと舐めてきれいにしてやったのに。結局はお前の体が初めから甘すぎるのが悪いんじゃねえの。」 泣きながらも、どこかもぞもぞと、嬉しそうに表情を崩すクロに跨がり、甘い匂いのする背中に吸い付いた。 誰に渡せるもんか。 誰が殺せるもんか。 こんな虫ほかにいない。
何だこの独占…勘弁してくれ
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
20レスはいらなかったみたいです。失礼いたしました。
>>388 気付かずに長時間占拠してしまいました。
申し訳ありません。
投下間隔が5分以上って一体… しかもこの分(全20話)だと、途中で連投規制引っかかる可能性高杉。 まさか行数引っかかってて、毎回分割とか成形してるとか? 前スレから引っ張っておく。 > 206 名前: 投稿にあたっての注意 [sage] 投稿日: 2009/06/14(日) 13:53:35 ID:dRtiGi/N0 > 現在連投規制が厳しくなっており、10レス連続投稿すると、ばいばいさるさんに引っかかります。 > 長い作品の場合は、分割して、時間をずらして投下することをおすすめします。 > 1レスあたりの最大行数は32行、タイトルは全角24文字まで、最大byte数は2048byte、 > レス投下可能最短間隔は30秒ですが、Samba規定値に引っかからないよう、一分くらいがベターかと。 > ご利用はテンプレをよくお読みの上、計画的に。
夏休み厨じゃないの? 書きながら投稿とかバカな真似したような気がする。 年齢制限クリアしてから出直してこい。
>>395 の内容は次回からテンプレに加えたほうがいいかもね
自分で覚えればいいんでない
>>398 新規さんはどうする。
普段から棚にいる人ならいいけれど、引っかかるのはたいてい新規。
400 :
>>2 :2009/08/04(火) 15:27:01 ID:tZJiihdz0
★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★
1.ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。
(1)長時間に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(
>>3-7 辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」〜「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。
※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、連投規制やスレ容量(500KB)を確認してスレを占拠しないようお願いします。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。
相談・議論等は避難所の掲示板で
http://s.z-z.jp/?morara ■投稿に当たっての注意
現在連投規制が厳しくなっており、10レス連続投稿すると、ばいばいさるさんに引っかかります。
長い作品の場合は、分割して、時間をずらして投下することをおすすめします。
1レスあたりの最大行数は32行、タイトルは全角24文字まで、最大byte数は2048byte、
レス投下可能最短間隔は30秒ですが、Samba規定値に引っかからないよう、一分くらいがベターかと。
ご利用はテンプレをよくお読みの上、計画的に。
>>400 だけど、1レスに収まったからこんな感じではいかがだろう?
これ以上の議論は避難所の方がいいのかも
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 「な〜ぁ〜」 「何ー?」 「ちょっとはこっち向いてくれへん?」 「やって、今俺メタルスライム狩りしてんやもん」 「ドラクエと相方どっちが大事やねん」 「あ!逃げられた!!!」 「…………」 「ん?拗ねたぁ?拗ねたんか?」 「……………」 「なーなー拗ねたん?」 「………………」 「…うーん。じゃ、こっち向いてみ?」 「ん?」 くいっ……ちう。 「…ちょっ何こんなとこで!」 「ええやろ別に。誰かおる訳やないしぃ」 「……。まあええか!」 「やろ?」
「うん。じゃっ俺もっ」 ぐいっ。がちっ、ちぅ〜っ。 「痛ぁっ!」「痛ぇっ!」 「何すんねん!」 「はははっ、勢いつきすぎたっ」 「気ぃつけろよぉ、もぅ。…あぁー、血ぃ出たぁ。いったいわぁー」 「そんなん舐めとけばええやん」 ぐいっ…ぺろっ 「………っ!」 「うーん。鉄っぽいな。あっ血やもんな、そらそうか。…あり?お前何で赤うなってん?あっ!今の嬉しかったん?」 「ちゃうわっ!なんやねん。はずかしっこんなとこでっ」 「あれぇ〜?人おらんからええんやなかったん?」 「くぅぅ〜」 「あ。そろそろ本番やで。ドラクエ、セーブせんでええのん?」 「……なんかもうええわ。」 カチッ、パタッ。 ぷい。 「あり機嫌損ねたか。あぁ大丈夫やな。お前ちゃんとスタジオまでに直しいな。そのニヤケ顔」 「今俺真顔やもん。顔の作りやもん。」
ガチャッ 『本番でーす!お願いします!』 「「あっ、はーい!今行きますぅ」」 『はい、よろしくお願いします』 バタッ 「何声そろえとんねん」 「揃えようとしとらんもん。勝手に揃ったんやよ」 「それなら尚更やん。絶対今のADさん俺らすっごい仲良しって思ったで。『わあ、本当に仲良いんだ』とか思ったで」 「別にええやん」 「何でぇ?はずかしない?」 「やって、実際仲良しやん、俺ら。」 「…まあなぁ」 「ほら、ええやん」 「ええのん?恥ずかしない?見せつけるん恥ずかしない?」 「ええよ、どんどん見せ付ける方向で行こ」 「じゃあええか、仲良しコンビってことで」 「ええよええよ」 「ま、それじゃ行こ。『まーたお前等は遅刻か』言われるん嫌やもん」 「はははは。そやなっ」 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! そろそろこども祭りで、きゅんきゅんが止まりませんで。
Aph悪友×仏のテレホン3Pです。セフレっぽいです。 名前を出さないように無駄に頑張ってみました が、南伊だけはどうしても名前が消せませんでしたorzロマ恐ろしい子! 4/4は無駄なオチなんで、ギャグなんていらないわって人は読み飛ばしてください |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
テーブルの上でコーヒーカップがカタカタと揺れていた。 地震ではない。東の方でよく起こるその現象に、ここはあまり縁がない。 何てことはない、震源は向かいのソファに踏ん反り返って貧乏ゆすりをしている俺様なオトモダチ。 子どもが見たら泣き出しそうなくらい凶悪な表情をしているのに、何でだろう俺には奴の顔に「構って!」とでも書いてあるように見える。やぁお兄さんもオワッテルね、こりゃ。 思わずクスリと笑みをこぼすと、奴の眉根が寄ってさらに凶悪なツラになった。 おいおい傑作だぞそのツラ、携帯で写メ撮ってやろうか? なーんて思ったりもしたけど残念、その携帯は今おれの手の中で、ここにはいないもう一人のオトモダチと繋がっている。 『えー何なに?どしたん?』 耳元でのんきな声がする。もう何年来だかわかんないくらい長い付き合いのそいつは、実に要領を得ない話し方をする。 おかげで、せっかくあの不憫な子がウチに来てくれたっていうのに、相手をしてあげられない。まさに不憫。 「んー、お前とばっかり話してるからね、お客様が拗ねちゃったの」 「拗ねてねぇ!!」 言えば、噛みつくようにギッと歯をむき出す。 ちょ、もー何なのこの子!チョーカワイイんですけど! こらえ切れず、おれはブハッと噴き出してソファに突っ伏した。 がちゃん、奴が立ち上がり、振動でコーヒーカップがひっくり返る音がした。 ああまずい怒らせちゃった?帰っちゃう? ごめんごめん、謝ろうと仰向けになると、視界いっぱいに奴の凶悪ヅラ。わお! 驚いたおれが身をすくめたすきに、奴はおれの手から携帯を強奪した。 「ちょっと、何すんのよ」 ぷぅっと頬を膨らませて睨み上げてやると、奴はジロリとおれを一瞥。 前言撤回。こいつ、可愛くない。 『なぁジブンら何なん?さっきから何しとるん?』 奴の手の中からのんびり声。もとあと言えばお前のせいだよトマト馬鹿! おれはぷい、とそっぽを向く。
奴はそんなおれをもう一度見下ろすと、携帯に話しかけた。 「今からこいつ襲おうと思うんだが」 おまっ、あ、コラほっぺ突っつくな!……じゃなくて!! 今こいつ何て言った?襲う?襲うって言った? じょーだんじゃないよオニーサン今日はそんな気分じゃありませんっ!! 俄かに貞操の危機を感じたおれは、奴から逃れようと手足をばたつかせたが時すでに遅し。 奴は既に、のっしりとおれの胴体の上に乗り上げ、がっしりとおれの右手をつかみ上げた。 「わーやだヤダ何すんのさヤメロ変態暴力反対!!」 「うるせぇ黙れ、歩く猥褻物!大人しくヤラレロ!」 お普憫様は実に納得のいかない台詞を吐いておれの手をひねりあげた。痛いよ! 『ええなぁ、何や二人して楽しそうやなー』 「楽しくない!お兄さん全然楽しくないよ!!」 だから助けて!電話の向こうの、気の抜けるようなマイペース声に必死で訴える。 しかし返ってくるのは愉快そうな笑い声だけだ。うわぁ役に立たねぇなコイツ! そんなやり取りを聞きながら、奴がニヨニヨと口角を釣り上げる。 ねぇお前、さっきの凶悪ヅラの方がまだ可愛げあったよ? 「お前も混ざりたい?」 奴はケセセと笑いながら、電話の向こうの役立たずに話しかける。 『うー、オレもそっち行けたらええんやけどなぁ、今口マーノのとこにおんねん』 うん来なくていい、物凄く来なくていい。 俺様だけでも手一杯なのに、ここに天然まで追加したらお兄さん、氏んじゃうから。 イヤもうね、何だか抵抗するのも疲れてきたよ。 「なぁ、お前も混ぜてやるよ」 既に涙目のおれのシャツの裾をめくりながら、奴はおれにとどめを刺す。 「お前だったら、どうやってコイツ襲う?」
きわどいところを奴の指が行き来する。 その指をおれは知っている。その仕草をおれは知っている。 なのに、噛み合わない。いつもと違う。 「おい、次どうする?ちゃんと指示出せよ」 できるだけ細かくな。指を絶え間なく動かしながら、奴は携帯に話しかける。 電話の向こうには、ここにはいないもう一人のオトモダチ。 あぁそういえばアイツ、やたらとここに触りたがるよなぁ。 なんてボンヤリ思い出していたら奴の指がスルリと移動して、おれは息を呑む。 『なー、様子はどない?』 マイペースにも程があるよこのやろう。相変わらずのゆるい雰囲気の声が俺の耳にも届く。 「様子?大分イイんじゃねぇの?ほら」 携帯の話し口が口元に寄せられる。そんな簡単に鳴くかよばぁか、唇をぐっと噛む。 『意地っ張りさんやなぁ』 クスクスと笑い声。憎たらしいったらありゃしない。 『ほな、もっと奥も触ってやり?』 今は意地張っとるけどな、ホンマは素直なエエ子なんやで? ああ、知ってるぜ。 目元にキスが降ってくる。あ、これは奴の仕草だ。 また指がするすると感覚の上を滑り、奥深くまでたどり着く。 しつこいくらいのその感じはアイツの仕草。お前はどっちかって言うと性急だよね。 「なぁ、もういいか?」 ほら、また急ぐ。お前それ、おれとアイツどっちに聞いてんの? おれならもー、いいよ。もー、好きにしちゃってドーゾ。 ゆるりと頭をなでてやると、くすぐったそうに笑った。ねぇ、ずっとその表情でいてよ。 電話口からも許可もらったのかな?指よりもっと切羽詰まった感覚を、深く受け入れる。 奴の形にアイツの仕草、合間に奴自身の仕草が混ざる。 なぁ違う、違うよ。でもその違和感に酷く煽られる、何でだ? 堪え切れなくなって思い切り泣いた。降りてきたキスはやっぱり奴の仕草だった。
何とも、惨めでお粗末な行為だった。 途中までは何だかんだ言って、まぁ良かったよ。 …電話の向こう、アイツのいる部屋にアイツの子分が突入して来るまではね。 『え、うわっちょ、待って口マーノ来た!すぐ戻るから!!待っててや!!!』 仲間外れにせんといて、な?なんてちょっと淋しげな声で頼まれたら、おれはともかく、不憫を身をもって知っている奴がそれを無視できるわけもなく、 「…放置プレイ?」 すぐ戻るっていったくせに、結局アイツは20分戻ってきませんでした。 まぁ、いいよそれは。アイツのせいでも奴のせいでもないし。 とどめはやっぱり、奴でした。 『そろそろいきそう?』 うん、二人に愛されちゃってお兄さんもう限界…だったのに。 「なぁ、こいつ最後どっちの名前呼ぶと思う?」 …引いた、引いたよお兄さん。何か電話もいつも間にか切られてたらしいよ? 愛に満ち溢れたお兄さんと、空気読めない天然を同時に引かせるなんて…うん、流石何様俺様だ。 ムカついたので最後は奴の弟の名前を呼んでやったら、終わった後、奴は床をゴロゴロのたうちまわってました☆ざまぁ見ろ! ああもぅ気分が悪いったら!!3Pなんてもう、当分しない!
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! オチと言えば普憫か起源が私のイメージw ネタならともかく、SSなんてはじめて書いたんだぜ! 書き手さんの大変さが身に染みてわかったんだぜ! 機会があれば兄ちゃんの復讐編とかも書いてみたいです。 お付き合いどうもありがとうございました!
>>400 GJ!面白かったよ
電話先の西ロマも想像した
実写版トラ/ンスフォーマー メガトロン×スタースクリーム+ブラックアウト メガ様失踪前でエイリアンタンク形態、もちろん足にはキャタピラ。 ※注意 金属生命体同士 暴力、破壊、切断表現あり 微エロ スタスクがひたすら折檻されてます |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
417 :
教育 1/6 :2009/08/06(木) 19:42:06 ID:pOKOM2fu0
「があっ!」 顔を掴まれ、圧倒的なパワーで床に叩き付けられた。 混乱する視覚機構で捉えたのは、俺を見下す銀色の機体。 …メガトロン、力と独裁の代名詞。 その巨体を目の前にすると沸き上がる、その力への尊敬、畏怖…支配欲。 彼は確かに強い支配者だが、相応しく無い。なぜならば、俺という存在があるからだ。 知力、魅力共に俺のが優れているのは明らかだが、戦闘力けだは劣っていることを認めざるを得ない。 よって俺は彼の下、日々力を貯めている。この傲慢な機体を跪かせる野望を胸に秘めて。 その引きずり降ろすべき相手に頭を踏まれ、全身がヒートする。 「スタースクリーム」 「…メガトロン閣下。何の御用でしょうか」 頭上からの独裁者らしい低く威厳のある声に、うやうやしく返事を返す。 屈辱に煮えたぎるスパークを懸命に抑える。今日は、まだ… 「近頃のお前は、己の立場を忘れかけているようだな」 「オールハイルメガトロン!私は貴方様の忠実な僕です」 慌ててお決まりの台詞を吐きつつも、冷たい声に覚悟を決める。 まただ、教育という名の折檻。
418 :
教育 2/6 :2009/08/06(木) 19:43:02 ID:pOKOM2fu0
何百年もそれを受けて理解したが、それを定期的に受けるのは俺だけだ。 No.2として着実に力を蓄える俺を牽制し、圧倒的な力の差を思い知らせるため。 そしてそれは見事なまでに効果を上げている。 「まとも」な状態で、この支配者に逆らうなど思ったこともない。 この先を考えただけで、指先は細かく悲鳴を上げていた。 それが奏でるカチカチという金属音と、跳ねるスパークの鼓動がうるさくてたまらない。 ヒートした機体に、流れ落ちる冷却液の温度をはっきりと感じる。 それは、身も心もメガトロンに鷲掴みにされる冷たさ。 先ほど頭部を踏んだ足が右肩へ移動し、一気に爪先を関節にねじ込まれた。 「ひぃっ!ぎあ、ああぁ!」 機体がガチャガチャと揺れる。 続けざまに神経回路を抉られ、金切り声が抑えられない。 ブレインに「逃げろ!」という指令がけたたましく響くが、駆動装置は作動せず床との音を立てるばかり。 長年の「教育」の賜物だった。…俺の身体は、この支配者に逆らえない。
419 :
教育 3/6 :2009/08/06(木) 19:44:03 ID:pOKOM2fu0
「ぎぃ、ひ、腕が…あ、あああ!」 「どうした、なぜ逃げない」 スピードと正確な遠距離射撃を得意とする俺に対し、超越した防御力と圧倒的パワーを誇る相手。 狭い室内、この零距離で何が出来るとでも? 身体に染み付いた痛みと恐怖の記憶が、反抗心を削ぎ落としていた。 「わた、私は閣下の物です、から…!」 「まさかこうされたいが故、また懲りずに俺のエネルギーを下げる計画を立てているのか」 「なっ…!何をおっしゃって…」 「立つ事さえ無理な機体になる。明日夜決行の予定は変更した方が良さそうだな」 バレていた。その計画のデータは、己のブレインの中のみにあり、厳重なロックがかかっているのに。 いくらメガトロンでも、その記憶領域へハックするのは不可能なはずだ!糞! 驚愕に数秒フリーズしていたが、右肩からのメキッという音で現実に戻される。 「っ、ぎいいいい!」 ガラン、と音を立てて右腕がボディから離れた。 ギンギンとした痛みに身を激しくくねらせていると、腹部を勢い良く踏まれ機体がビクンと跳ねる。 むせ返り視覚機構から冷却液が流れ、ひたすら響く情けない声に嘲笑が落ちる。 「ぐぇっ、ひぃ、ひっ、もうし、わけ」 「この愚か者め」 「が、あああああああああ!」 ガリガリガリガリガリ…と メガトロンの足のキャタピラが轟音と共に稼働した。 外殻の上には火花が散り、内部回路まで激しい振動が襲う。 その足は恐ろしいことに、徐々に下腹部へ移動して来る。 「あああ、駄目!駄目だそこは!ああああ!」 「お前は命令できる立場では、無い」 「嫌だ!ぁ、あ、があああああああ!」 敏感な下腹部からスパークへ突き渡る連続した衝撃に、足腰が反射的に跳ね上がる。 空中でバタつく両足を小銃で数発づつ的確に撃たれ、神経回路を遮断される。 バチバチと音を立てながら、ガシャンと両足が力なく落ちた。
420 :
教育 4/6 :2009/08/06(木) 19:45:03 ID:pOKOM2fu0
残った胴体と左腕が、ガクガクと痙攣する。 ひび割れた下腹部パネルを足で払い落とされるのを感じ、 やっとキャタピラが止まっていることに気づいたが、痙攣はなかなか収まらない。 「ひぃ…」 圧倒的恐怖と痛みの中、生殖器が立ち上がっていた。 なぜだ。先ほどのメガトロンの言葉が蘇る。もしや俺は本当に… 己の姿を見下しながら、メガトロンが一笑したのが分かった。 「何度もやっているうちに、お前も随分と物好きになったな」 「あぁ…申し訳ない、はぁっ、申し訳ございません…閣下っ…」 主人は言い訳を嫌う。 反逆が明るみに出、はっきりとその処罰に反応してしまっている今 何を言えば良いのか。荒い息をしながら、ただひたすら謝るしかなかった。 生殖器を軽く蹴飛ばされると、痛みに情けないほど身体が捩れる。 「このくらいでは足りぬか」 恐ろしく低い声でそういうと、メガトロンはパルス砲を展開して素早く俺の胸部プレートに狙いを定める。 あ、と思ったが止める暇もなく、近距離でそれは発射された。 ドンッ
421 :
教育 5/6 :2009/08/06(木) 19:46:03 ID:pOKOM2fu0
「…!」 外部操作により強制的にスリープモードから解除される。全身が割れるように痛い。 顔を上げると、視覚機能の大半をメガトロンの顔が占めていた。後ずさろうとして床に頭を再度打ち付ける。 メガトロンは俺に覆いかぶさっており、 剥き出しになった俺のスパークは、彼の左手に握られているようだ! その細い指は、スパークの感触を楽しむかのようにゆっくりと表面を這っていく。 「あ、あぁぁ…」 恐怖でガチガチと歯が震える。 俺の生命は、メガトロンの気まぐれで、終わる。 「うああああああああ!」 生命維持の危機を感じた機体が勝手に攻撃態勢に入った。 唯一残った左腕の武器が展開されるが、メガトロンの右手に軽く止められると、勢い良く引き千切られる。 「―――っ!!!」 激痛にもはや声も出ない。首が限界まで逸れ、目一杯開けた口からはオイルが零れ落ちた。 暴力的な支配者に今にも命を捻り潰される状態で、何も抵抗する手段が残っていない。 機体の熱と震えが止まらない。 「―――ぁ、はぁ、ああぁ…」 「…素晴らしい」 熱っぽい声に前を見ると、そこには愉悦の表情があった。あのメガトロンの顔にだ! その右手は俺の下半身に回されていて、粘着質で不快な音がそこから発生する。 俺の生殖器は、萎えるどころかオイルを流して悦んでいた。 信じられない。しかし四肢を潰され、スパークを握られたこの状態に、俺は甘美な何かを感じていた。 支配者は、ゆっくりと問いかける。 「お前は誰のものだ」 スパークが激しく鼓動する。熱い。機体も、ブレインも、お前の息も。 「…私の全ては、貴方様、のもの、です!」 こいつはいつもの決まり文句か、それとも本心か。 震える声で言い終えた瞬間、スパークと生殖器を強く握りしめられた。 「っあああああああああああああああ!」
422 :
教育 6/6 :2009/08/06(木) 19:47:15 ID:pOKOM2fu0
-------- リペア室に配置されたボロボロの機体は、一見スクラップのように見える。 その前に、白い部屋とは不似合いな黒色の大型戦闘用トランスフォーマーが佇んでいた。 「残念、実に残念だ」 ブラックアウトは1人呟く。 正確にはもう1人―スコルボノックがいるのだが、彼は足下で沈黙したままだ。 「お前の首が胴体に付いているなんてな。俺はスクラップ処理のつもりで来たんだが」 スタースクリームがまた裏切って制裁を受けたと聞き様子を覗きに着たのだが、想像以上に酷い状況だった。 もがれた両腕、かろうじて繋がっている両足。丸見えのスパークは歪み、僅かながら中身が漏れている。 小型のリペアロボがせっせと働いているが、彼らでは大きなパーツは治せないだろう。 スタースクリームは、危険因子としてサウンドウェーブに監視されている。 あれでは何を企んでも失敗するだろうに、愚かなこいつは何度もメガトロン様の命を狙う。 メガトロン様も、それを楽しんでこの野心家をNo.2として側に置いているようだった。 実際こいつの実力は高いし、主の有り余る破壊欲を丁度良く発散できるのだろう。 偉大な主に楯突くスタースクリームの態度への怒り、それでも側に置かれる事への嫉妬が入り乱れる。 この鉄屑のオイル濡れになった下半身を観て、一瞬うらやましいと思ってしまった。 メガトロン様で頭が一杯だという点では、こいつも俺も同じ…か。 苦笑すると、俺はリペアロボを追い払い、決して得意とは言えないリペアの準備に取りかかる。 なあ、お前も嫉妬と恨みが溜ってるだろ?スコルボノック? 「………」 返事は無かったが、それを気にする事は無い。パルス発生器の電源を入れるとパチパチと火花が散った。 この入り乱れた気持ちを「リペア」で発散するとしよう、ありがたく思え。 あの甲高く気に触れる声が、今日は良い音楽になりそうだ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! リベンジの「My arm!」の破壊力にやられた
まさかと思って調べたらスコたんの名前を間違えていた。 本当にすいません。
>>416 実写メガスタきたー!!
メガトロン様の鬼畜さと、スタスクのマゾっぷりに禿げ萌えました!
愛憎入り混じった主従関係に悶えまくりです…っ。ありがとう!!
427 :
風と木の名無しさん :2009/08/07(金) 03:19:56 ID:723/y1x40
>>402 GJ!
すごく良かった!
会話すごく萌えた
428はグロ
431 :
風と木の名無しさん :2009/08/07(金) 15:48:42 ID:3OcqBVh50
よかった!
>>416 鬼畜非道なメガ様に惚れた www
スタスクのドMっぷりたまらんですw
つい癖で伏字で書いてしまいました。気持ち悪いならごめんなさい。 需要があるのかも分からない、本国放送も30年以上も前、米国産擬似ロックバンドコメディドラマ捏造エピソード にてお邪魔します。あらすじ・同じ屋根の下でバンドを組んだ4人は、今日も今日とてドタバタと走り回っているの でした。てなわけで[捏造猿−ズTVショウ2009話]“Give me your peach!!”にて |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 「“It’s been a Hard day〜”♪」 マイ9と三ッキーがくたびれた気持ちで歌いながら彼らの家に帰ると、居間から楽しげな笑い声が 聞こえてきた。 二人は顔を見合わせると、疲れて帰ってきたにもかかわらず口元に笑みが浮かぶ。バンドの仕事を 探すのは容易ではないが、たまにこうして見つかることもあるし(なんと朝から歩き回って11件目に してやっと見つけたのであった)、家に戻ればかわいい二人が、彼らを笑顔で待っている。「このために 生きてるなあ」と旦那のような感慨を持ちつつ、二人はほのぼのとした気持ちで他のバンドメイトの元へ と向かった。 「どうしたんだ、Babe?」 三ッキーがいつもの口調で声をかける。するとその声にすばやくデイ美井が反応した。 「あ、おかえり三ッキー!」 振り返った彼のアーモンド色の目が三ッキーの愛嬌のある笑顔を見ると、嬉しそうに大きく輝いた。 「お疲れ様、マイ9!」 次に振り返ったピ一タ一は、マイ9の(普段からの)ちょっとだけ気難しい顔に優しい微笑を向けた。 迎えられた二人は、ほっと息をつきながら、「ただいま」と返事をした。 「ところで、なにかあったのかい?」 にこにこ笑いながら、三ッキーが二人の座るテーブルに近づいた。 「あれ、どうしたんだコレ?」 続いたマイ9の目も丸くなる。 テーブルの上には、ピンクに色づいた、おいしそうな桃が山と積まれていた。
「デイ美井がね、果物屋さんの近くをたまたま通りかかったらさ」 そう言い掛けて、いきなりピ一タ一が笑い出す。 「あ、やめてよピ一タ一! 言うなら僕がいうよ!!」 拗ねた声を上げて、デイ美井が赤くなる。なんだよ じらすなよ、三ッキーが口をへの字に曲げた。 デイ美井は、ごめんごめんと謝りながらピ一タ一を軽くにらむと、 「いや…、僕、今日たまたま果物屋さんの前を通ったらさ」「それは聞いたよ」「マイ9、落ち着いて」 マイ9の肩をピ一タ一が「どうどう」と軽く叩く。 「うん、それでね、そしたら店のおばちゃんが僕をいきなり呼び止めるんだ……ロバートって」 「へ?」「ロバート? 誰?」 「僕」 思わず聞き返した三ッキーとマイ9に、デイ美井が自分を指差して話をまぜっかえす。 「いや、だって君はデイ美井だろ? あ、もしやホントはロバートなの?」「ううん、デイ美井」 「じゃあロバートってのはなんなんだよ」「あのね、そのおばちゃんの初めての」「お、いきなりロマンチッ クだね?」 三ッキーが言葉尻を取って、冷やかす。 「つまり君は、そのおばちゃんの若かりし頃の恋の相手に似ていた。だからこんなに桃をプレゼントされた。 どうだい!?」 しかし、得意げな三ッキーとは対照的なデイ美井の声だった。 「ううん…近いけど、人じゃないんだ」「…え? 人、じゃない?」「君が?」 今度はマイ9がまぜっか えす。「ううん、僕は人」 デイ美井がきょとんと首をふる。間髪入れずに三ッキーがマイ9の鳩尾に手刀を入れ た。 思いっきり咳き込むマイ9をよそに、デイ美井が話す。 「おばちゃんが言うには、僕は彼女の」「あははははは!」「受けるの早いって、ピ一タ一!」 三ッキー は今度は言葉で突っ込む。ごめん、とピ一タ一は首を引っ込めた。
「話していい?」「「「どうぞ」」」 桃をひとつ手に取ると、かしこまって座る3人を前にデイ美井は肩をすくめて話した。 「彼女が言うには、僕は彼女の初めて飼ったハツカネズミに似てたんだって」 「「はつかねずみ?」」 三ッキーとマイ9は声を合わせた。と、デイ美井の顔にハツカネズミが重なって、二人は笑って しまった。「いいよ、絶対笑うと思ってたからさ」 デイ美井が、真っ赤な顔で頷いた。 「ごめんごめん」 マイ9が目じりをぬぐった。「でも、かわいいじゃないか。ハツカネズミだなんて」「そうだよ! ちっちゃくってはしっこくって、目がくるんと丸くって」 「「まさしくデイ美井!!!!」」 そう言って二人はゲラゲラ笑った。ピ一タ一が苦笑いしながら、唇を突き出してむっとしたデイ美井の肩を抱く。 「二人とも! いい加減にしないと桃があたんないよ!」 ピ一タ一の注意に、二人はぴたっと笑いを止めた。 「そんなあ、こんなにあるのに!?」「ごめんよデイ美井! だから桃をおくれよ!?」「君に猫が近づいたら、 追い払ってあげるから!」 三ッキーの一言に、思わずピ一タ一も噴き出した。 「ピ一タ一まで!?」 デイ美井がショックを受けた顔で三人を睨んだが、それも長くは続かなかった。とう とうからかわれた本人も笑い出す。 「じゃ、みんなで食べようか?」 デイ美井のお許しを得た3人は、声を上げて桃に手を伸ばした。いつ もポケットの中はピーピーの若い胃は、久しぶりの食べ放題に音を鳴らして喜んだ。 小ぶりの桃だったが、一口齧ると甘い蜜を口からこぼれるほどにたっぷりと潤っていた。柔らかな皮の下では、 ねっとりとした身が彼らの口に絡まって、満足感と満腹感を与えてくれる。 「うわ、おいしいね」「こんなおいしい桃、初めて食ったよ!」「デイ美井とおばちゃんのハツカネズミに万歳!」 「だからやめてよ、ソレ!」 それぞれがワイワイ騒ぎながら、我先にと桃にかじりつく。 そして、5つ目の桃に齧り付いた時三ッキーはふと、デイ美井に目が留まった。 彼は、幼い顔で口いっぱいに桃を頬ばっていた。
そのふっくらとした唇は甘い蜜にぬれて光り、白くて滑らかな頬は、桃よりも色づいている。大きな瞳を輝かせて 嬉しそうに楽しそうに桃を食べている姿は、思わず三ッキーの腰に来るほどの艶っぽさだった。 「うっ!!!!!」 三ッキーの喉が一瞬ぐっとつまった。思いっきり前かがみになりそうなところをかろうじて堪えたが、一人で そんな状態になっているのもなんか悔しかったので、彼はマイ9を道連れにしてやろうと、呑気に桃の皮をちまちま 剥いている、せいたかのっぽのバンドリーダーを、肘で突っついた。 「いやまったく、どれだけ食べても桃であることに変わりはないんだけど、つい食べちまうなあ…って、 なんだよ、三ッキー」 つまんないことをブツブツ呟いていた、今日は緑のウールハットを被ったマイ9が、ちょっと 前かがみになった三ッキーにつつかれて、振り返った。 三ッキーは何も言わないで、自分達の目の前を顎で指した。思わず、マイ9が顔を上げる。 そこには、おっとりとした顔に満面の笑みを浮かべたピ一タ一が、両手に桃を持って、自分の口を挟んで、右と左を いったりきたりさせていた。シルクのような金の髪がそのたびに揺れて、濃く色付いた桃にかする。琥珀色に澄んだ 目は、食べることへの原始的な喜びに濡れて光っていた。 その薄い唇が桃の身にむしゃぶりつく姿は、マイ9の腰を直撃した。 「うっ!!!!!!」 マイ9の喉が一瞬ぐっとつまった。思いっきり前かがみになりそうなところをテキサス魂で堪えて(莫迦)彼は 三ッキーに小声で「この野郎! なんてもん見せるんだ!!!!」 と咎めたが、三ッキーは視線を前に向けたまま 「だってさあ…!?」 と、こりもしないでマイ9に続ける。 つい、マイ9の目も前に向いた。見なけりゃいいのについ見てしまう、そんなお莫迦さんな二人の前で、デイ美井と ピ一タ一は他愛のないおしゃべりをしながら桃を食べていた。
その口の周りを、甘い香りでべたべたに濡らしながら。 口元から、蜜をこぼしながら。 「あ、いけない。喉まで流れちゃった」 とデイ美井がぼやいた。 白い首に、ぬらりと桃の液が滴り落ちる。 「んんっ! ごめんマイク、借りてる君のシャツ汚しちゃった!」 と、ピ一タ一が口に桃をほおばったまま、 蜜で濡らしたシャツをつまみあげる。 『ああ、あの口が、ピ一タ一のあの薄い唇に包まれた口があんなにいっぱい桃を入れちゃってしゃべるのも大変 そうにモゴモゴさせて…』と、もう桃どころじゃないマイ9に三ッキーが「なっ!?」と、声をかける。 「…あ、ああ、そうだな」 と、なんだか訳もなくマイ9が真剣に頷いた。 二人はそれから、顔を寄せてひそひそと話し合った。 「どうしたの、二人とも」「桃なくなっちゃうよ?」 そんな邪(よこしま)なお兄ちゃんズにまったく気付かぬかわいこちゃんズがケロリとして声をかける。 真剣な表情で話し合う二人が、なぜか顔を赤くしながらテーブルを振り返る。 「?」 かわいこちゃんズの頭に大きな「はてなマーク」を浮かべさせていることになんの躊躇もなく、 お兄ちゃんズはなぜかむっつりとしたまま寄ってくると、黙ったまま、テーブルの桃を片付け始めた。 「え?」 ピ一タ一が声を上げた。マイ9は何にも言わないで、桃を手際よく紙袋につめると、そのまま 冷蔵庫の中にしまった。 「三ッキー?」 デイ美井が声をかけてもミッキーは顔を赤くして黙ったまま、テーブルにある桃の残骸を綺麗に 集めて、ゴミ箱にいれた。 そしてマイ9がテーブルの上をふいて、すべてが元通りになる。 「なにするの? 僕達が食べてたのに」「おなかでも痛くなったの? ちょっと前かがみだよ二人とも」
そんなピーターとデイ美井に、マイ9と三ッキーはいやその、と歯切れ悪くむにゃむにゃ呟いていたが、最初に 意を決したのは三ッキーだった。 「あのさ、デイ美井。…ちょっ、ちょっと話しがあるんだよね」 いつもの三ッキーとは思えぬ歯切れの悪さにデイ美井が首をかしげる。その、ピンクのくちばしを持った白い 小鳥のようなしぐさに、三ッキーが歯を食いしばって己の中の色々に耐えている。ソレを知っているのはマイ9 だけだ。『がんばれ、三ッキー!! 男として、俺は応援してるぞ!』 と、彼は心の中で拳を握ってその様子を 見守った。『だから早く、デイ美井を部屋に連れて行け! 俺のターンを早くよこせ!』 ―――まあ、マイ9の本音はこんなところなのだが。 マイ9の刺さりこんでくる視線に、『無言でせかすなよ! こっちだってあせってるんだ!! てめえ いつか殴るぞ!!』と思いながら三ッキーは、デイ美井に歯切れの悪い言葉を続けた。 「だって桃が」「桃は、えーと、後で俺の分もあげるから」 ぐずるデイ美井に、三ッキーが業を煮やして適当なことを言った。しかし「だから、俺には君の桃を」と、つい 口が滑ると、デイ美井が眉を尖らせた。 「僕のを? やだよあげないよ!」「ああ、違うんだその桃じゃなくて」 ああもう、と三ッキーが頭を抱えると、 とうとうデイ美井の腕を取った。 「とにかく、君じゃないと話せないことなんだよ。お願い!」 三ッキーが男らしく、しかし女々しく話の 論点をぼやかして話した。デイ美井は、そんなに大変なことなの? と尋ねると「そう、すんごく大変!」と、 三ッキーが男らしくきっぱりと…泣きついた。 「…うん、わかったよ」 デイ美井がやっと頷いた。「その代わり、君の桃は」「いくらでもあげる」 君が望むなら 世界中の桃を、とまたも三ッキーが適当なことを言う。
そして、二人はやっと三ッキーとマイ9の寝室に消えた。 「…三ッキーの奴、どうしたの?」 今までのやり取りを呆然と眺めていたピ一タ一が、彼の後ろでその肩をつかむ マイ9を振り返って尋ねてきた。 「いや、まあ色々とね」 マイ9も歯切れ悪く彼に答える。「なんだよどうしたの、二人とも?」 「いやまあ、なんだなー」 ウールハットを脱いでマイ9は、いぶかしむピ一タ一に提案した。 「えーと、君の部屋で新曲の話をしたいんだけど、どうかなピ一タ一?」 「今? こないだ作ったばっかりなのに?」「ああ、えー、そうだったねえ(ちっ!)。うん、でも、い、インスピレー ションがね」 きちゃったの? ピ一タ一がきょとんと尋ねる。髪がさらりと横に流れる。 桃の香りのする彼の息に、自分の色々を刺激されて声も絶え絶えになりそうなマイ9は、 「そう、…きちゃったの」 と、消え入るように答えた。 ちょっと考えて、ピ一タ一が「うん、分かったよ」とにっこり笑った。「インスピレーションは、いつくるか分から ないものね」、と答えるピ一タ一に「そうなんだよ!」と必要以上に声を上げてマイ9は頷いた。 そして、ピ一タ一を抱えるようにして、彼はいそいそとピ一タ一とデイ美井の部屋にお邪魔した。 ここにきて、お猿さん達のお兄ちゃんチームは、やっと、世界中で彼らが一番食べたい桃にありついたのだった。 めでたし、めでたし。 「本日の一曲 「甘くて若い、なにか(要英訳)」 By 猿−ズ(マイ9・作)」 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! ちょっと下品ですいません…。つい最近いきなり萌えてしまった猿−ズですが、しかし書いた本人まだドラマをちゃんと 見たことがないのでした(酷い)。でも…偏屈なウールハットとパツ金天使のバンジョー弾きに超絶萌え……。 ではお邪魔しましたーノシ
>>433 ごめんなさい、伏字じゃなくて当て字でした。貴重なレスを使ってしまって失礼しましたーーー!
またまたお借りします。09戦隊 赤×光です。 24話の赤と光の色気が凄すぎて、書かずにはいられなかった。 ・半ナマ注意! ・エロあり ・24話終了後で妄想 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
タケちゃんを助ける事ができて、本当に良かった。 終わってからみんなで食った飯(もちろん俺の寿司)も美味かった。じいちゃんも坊 さんもリュウノスケ達も、みんな嬉しそうに笑ってた。昔約束してた寿司の握り方をタ ケちゃんに教えたりもして、本当に楽しかった。 だから、ずっとずっと誰にも気づかれないように、気ぃ張ってたんだけども。 「ゲンタ」 「ん?どうしたタケちゃん?」 寺から屋敷に戻ってきて、みんなと別れの挨拶を終えたのに、タケちゃんだけが俺を 呼び止めた。もう周りには誰もいない。 「今日はうちに泊まれ」 「えー、いいよタケちゃん。黒子の皆さんも疲れてるだろうし、俺は──」 「いいから、それ以上動くな」 ぎくり、とした。 途端、視界が霞んで、足から急に力が抜ける。 「ほらみろ」 屋台にもたれかかった俺を、タケちゃんが支えてくれた。 「分からないとでも思ったのか」 うげ、バレてた。しかもよりにもよってタケちゃんに。 「あんなにモヂカラを使って、あの戦闘を終えて、倒れない方がどうかしている」 「俺は、そのどうかしてる方なんだよ…」 「無理するな」 正直、よくここまで屋台を引っぱって来れたなと自分でも思う。 タケちゃんを取り返して、あの外道衆をぶっ倒したテンションだけで今まで何とか持 ちこたえてきたから。 「悪ぃタケちゃん、リュウノスケ達、には…」 「分かってる。気づかれたくないんだろう」 あいつら、俺に無理させたって思ってるから、ただでさえ自分達がボロボロだっての にこれ以上心配かけたくねぇ。
「屋台と折神は黒子達に任せておけ」 いつの間にやら、数人の黒子さんたちが俺の屋台を静かに屋敷の裏へと運んでいって くれた。俺も、タケちゃんに支えられながらゆっくり移動する。 「俺の部屋なら大丈夫だろう」 「……すまねぇ」 「気にするな」 俺はタケちゃんに運ばれるまま、タケちゃんの部屋に上がり込んだ。 自分で歩こうとしても、動きに体の血がついてこなくて、目眩が繰り返し襲ってくる。 そんな俺をタケちゃんは布団に押し込んで、「動くな」と念を押す始末。 水もロクに飲めないなんて。とりあえず口に含ませてもらったけど、情けねぇ。 全身が凍えるように痛いのに、汗が噴き出していく。 いつの間にか夢を見ていた。 タケちゃんと別れたあの夜のこと。 イカちゃんのディスクを眺めていただけの日々。 ただただあの時感じた悲しみや辛さだけが、繰り返し押し寄せる。 自分の選んだこの道に後悔はしていないはずなのに。 ──どうしてこんなにも、空っぽなんだ? 「…ゲンタ、大丈夫か?」 低い静かな声。俺の事を呼ぶタケちゃんの声。 「もっと早く気づいてやれなくて、ごめん」
いいよタケちゃん。俺は俺のやるべき事をやっただけだから。タケちゃんを守りたかっ たから。俺こそあのとき守りきれなくて、ごめんな。 無意識に、手を差し出していた。 ゆっくりと握られて、体中に安心感が行き渡っていく。 「とにかく、今晩はこのままでいるんだ」 ああ。ありがとう、タケちゃん。返事の代わりに手を握り返す。 でも、タケちゃんこそ、苦しそうだ。 あの変な外道衆の男に何か言われていたよな?タケちゃんも、俺が止めてみせるって 言うし、どういうことなんだよ。 そうか、あの空っぽさは、タケちゃんが連れ去られたときに感じたのと同じだ。 あんな奴のためにタケちゃんを外道なんかに落とさせてたまるか。絶対に、俺が守っ てみせる。 握られた手を、自分の方に引き寄せた。タケちゃんの体が自分の上に被さった。 「…ゲンタ?」 「タケ、ちゃんは……どこにも、行かせ、ねぇよ……」 焦点の合わない暗がりの中で、タケちゃんの顔に触れた。必死にたぐり寄せて、頬に 口付ける。どんな事があっても、俺は絶対にタケちゃんから離れねぇ。たとえこの先ど んな事があったとしても。 「無理をするな」 少し起き上がった体を、また布団に戻されて、今度はタケちゃんから口付けられる。 「俺は、どこにも行かないから…」 それから俺はタケちゃんと何度も何度も口付けあって、抱きしめた。火のモヂカラが 流れ込んでくるみたいに、触れ合っている所が熱くなる。でも、まだ、足りない。 「…寒いのか?」 なんでタケちゃんには分かっちまうんだろう?隠し事なんてやっぱガラじゃねぇ。 「寒い……俺、もっと、タケちゃんが欲しい…」 そんなバカみたいな俺の言葉に、タケちゃんは頷いてくれた。
ああ、俺、タケちゃんが好きだ。 ずっと遠く離れてても、この思いは侍になる決意と共にあって、あるのが当たり前す ぎて、気にかけた事もなかった。でもこうやって間近で触れ合ってると、それは俺の中 でどんどん膨らんでいく。 「っ……」 首筋の熱くてぬるりとした感触に、思わず声が漏れた。 「んっ……」 服の下に手を差し込まれ、するすると撫でられた。少しずつ体が熱くなっていく感覚 に、悪寒に似た何かが体を走り抜ける。 「ん……っ、ふ…」 首筋から唇までゆっくりと舐め上げられて、また唇を重ねる。一瞬あの時の夢が脳裏 に蘇り、思わずタケちゃんに縋り付いた。 「……ゲンタ、動けない」 「あ、わり……」 腕の力を緩めると、タケちゃんは自分のシャツを脱いだ。戦いの傷が残っているのが 見えた。うっすらと汗ばんだ肌同士が触れ合う。タケちゃんの体温と鼓動が伝わって来 る。タケちゃんの手がズボンの布越しに俺を掴んだ。 「う、わっ……」 ぞくぞくと体中を駆け巡る快感。しかも相手が相手なもんだから、否応無しに感じて しまう。 「はっ……くっ……」 下着も脱がされて、直接触られる。くそぅ大胆だなぁうちの殿様は。 どんどんぬめりを増すその動きに自然と腰が跳ねる。全身が昂っていくのが分かる。 「そのまま、俺を感じていろ」 「あっ……タケ、ちゃ……んっ…!」 声とともに、目の端から水滴が伝っていった。ぶるぶると体が震える。 「んっ…く、うぅっ……!」 ひときわ大きく体が震えて、先端から漏れ出て行く自分の高ぶりを感じた。何度も体 が痙攣して、吐き出していく。
「少し、辛くなるぞ」 切羽詰ったよつなタケちゃんの声。意識がまだ余韻で痺れる中、ゆっくりと頷き返す。 「いっ……!!」 ぬるりとした感触と共に、タケちゃんの指が俺の体の中に入り込んできた。 突然の痛みに思わず声が大きくなり、思わず口を塞ぐ。だけどすぐ手はタケちゃんに 外されて、代わりにまた深く口付けされた。 「ん、んっ!ん……!」 慣れない感覚にビクついてる舌を吸い出され、粘ついた音が耳に届く。俺の中を探る 指が深くなるたびに、痛みと熱さに体があられもなく震えた。 「ゲンタ…大丈夫か…?」 口を離してそう聞いてくるタケちゃん。ごめん、答える余裕がねぇ…。 「はっ…ぁ……」 力を抜こうと大きく息をついて、腕を下ろす。 「いくぞ…」 少しばかり浮く下半身。中に挿入された指に異様な存在感が添えられる。次の瞬間、 「う、あっ…!!」 さっきの指とは違う、異様な圧迫感と痛みが、俺の中を押し広げた。 「っ、くっ…ふ、ぁっ…!」 タケちゃんが俺の中を奥までゆっくりと侵食してくる。痛みと熱さが同時に襲ってき て、俺は思わず布団を握り締めた。 ふと目を開くと、タケちゃんは切羽詰りながらも心配そうな表情を浮かべていた。 やべぇよ殿様、その顔は。色気半端ねぇよ…。 「熱い、よ……タケちゃん…」 布団を握り締めた手を離して、タケちゃんの両肩に回した。途端、タケちゃんが動き はじめた。 「あっ…!あ、っ…!」 タケちゃんが俺の中で動く度に、痛くて、苦しくて、でもそれ以上の熱さで体中が満 たされていく。
「ふあ、っ……くっ…!」 「ゲン、タっ…!」 タケちゃんの喉が鳴った。と同時に、体の中をずるりと大きくえぐられる。 「んっ!あっ……、ひっ…!」 這い込んでくるタケちゃんの動きに釣られるように、俺の口からは言葉にもならない 声が漏れた。 「タケ、ちゃ…ん!…あ、あっ…!……タ、ケ…ルぅっ…!」 こんなに近いのにどんどん遠くなりそうで、俺は必死で名前を呼び続けた。 もうあんな形で離れたくない。離して、たまるか…! 「ゲンタっ……!」 お互いの全身にお互いの声が、吐息が、存在が染み渡っていくような気がした。 「んっ……!ふっ…!」 どちらからともなく唇を重ね、噛み付くように口付けを繰り返す。 「んんっ……!!」 それはお互いが果てるまで、幾度となく繰り返された。 朝に鳴くセミの声が聞こえだして、目が覚めた。 あれ……?何かいつもと様子が違うような……。ああ、そうか。ここタケちゃんの屋 敷だった。とりあえず起きないと…って、動けない。 ふと顔を上に向けると、目の前にタケちゃんの寝顔があった。 あぁ、抱えられてんのか俺。そういえば腰を重点的に体のあちこちが痛い…。 …今は思い出さないようにしよう。 「ごめんよタケちゃ〜ん…」 タケちゃんを起こさないようにそ〜っと、そ〜っと、腕の中から抜け出す。 なんとかうまく抜け出せたので、その辺に投げ出したままの服を着込んだ。 うえ〜、汗でべとべとだ…。着替えは屋台だな。
「……ゲンタ?」 唐突に後ろからタケちゃんの声。 「あ、悪りぃ。起こしちまったか」 「…もう行くのか?」 「おう、魚河岸もう始まってるしな」 シャツに腕を通し終わったところで、突然後ろから抱きすくめられた。 「大丈夫、か?」 それはあのアイテムの件?それとも昨日の夜の件?まぁ、どっちも一緒か……。 「大丈夫大丈夫!もうふらつかねーし、タケちゃんからたーっぷり元気もらったしな!」 それを聞いたタケちゃんの体が少し固まった。 おいおい…、恥ずかしいのはお互い様だっての。 俺はものすごーく名残惜しく思いながらも、タケちゃんから離れた。布団はがして、 座り込んでるタケちゃんに服着せて、それからちょっとだけチュウして、 「ありがとな、タケちゃん。大好きだぜ!」 「ゲンタっ…!」 タケちゃんの顔が真っ赤になった。わー、可愛いったらありゃしねぇ。 昨日の夜の事は全部、皆には内緒だからな。 なぁ、俺の大事な大事な殿様。 終
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! ありがとうございました! 本編であまりにも元気すぎた光は、実はこうやって弱ってたらいい…という妄想。 あの光のアイテム開発中&殿の洞窟内での色気はなんなんだ!けしからんもっとやれ!! お邪魔しました。
>>449 やべっ今ちょうど盛り上がっていた所だ…GJ!!
一回いかせちゃう殿ドS…またたのむw
生注意 高学歴ゲ仁ソ 炉算 京大×大阪府大 兄来れの女装ネタです。女装ネタ苦手な方はご注意下さい。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「ちょ、あかんって…」 『彼女』の可憐な唇から漏れる熱い吐息。 「口紅つくから、首はホンマあか……んっ」 拒否の言葉を遮るように、『彼女』の唇で唇を塞がれて。 『彼女』の口内に『彼女』の舌が侵入を果たしてきた。 「っ…もう、あかんて言うてるやろ!」 『彼女』――実は女装していた大阪府大は語気を強め、覆い被さる『彼女』――やはりこちらも女装している京大を渾身の力でもって引き剥がした。 遠目に見れば女同士の倒錯的な睦み合いは、一枚皮を剥げばやはりこちらも倒錯的な、男同士の絡み合いなのであった。 男ゲイニソが女装するというのはけして珍しいことではない。 コント等でわざとひどい化粧や似合わない服で女装をするのは、笑いをとるための極めてオーソドックスな手段といえる。 だが今日は、ゲイニソに限らない男性芸能人たちの、女装の美しさの順位を競うというテレビ番組の収録。 しかもゲイニソ界ではわりと男前の部類で名前が通っている大阪府大だけではなく、相方・京大も一緒になってのエントリー。 二人ともに女装、しかもあくまでも笑いをとることを前提としない本気メイクで飾った姿は、なかなか見られない光景である。 そのレアな姿を衆目に晒すより前に、二人きりの楽屋ではちょっとした応酬があったらしい。
「だいたい収録前やねんぞ。また化粧なおさなあかんやろが。メイクさんになんて言い訳すんねんな、あぁ?」 大阪府大は鏡に向かって乱れたウイッグを整えながらぶつぶつと文句を言う。 濃い目に化粧を施している京大が不服そうに口を尖らせる姿が、鏡面に反射して大阪府大の視界の端に映る。 「そんなん言われたってなぁ、だいだいすがちゃんが悪いねんで?」 「は?俺が?何で?」 「すがちゃんがそんなにカワイイのんがあかんねん。おまえのそんな姿見せられたら俺、ムラムラしてまうに決まってるやろ」 「っ…!」 その途端、鏡の中の大阪府大の顔がぼっと一気に赤く染まった。 「喜々として俺の前でスカート翻して、『なぁなぁうじー、どう、どう?俺、めっちゃ似合っとるやろ?』って、そんなんおまえ、襲えって言うてるも同じことやんか」 「ちっ、違うわい!」 そっそれはただおまえに似合ってるって言ってほしかったヲトメ(?)ゴコロやないか…と、大阪府大は反論してみるものの、ただの呟き以外の何物でもない音量では当然京大の耳には届かなかった。 「それにワースト3内に入ったら罰ゲーム、放水で強制的にメイク落とされんねんで?もしかしたら、すがちゃんのこのカワイイ姿、収録後には拝めんようになっとるかもしれんやろ?」 ちなみに、罰ゲームを回避したい理由がそれかい!とツッコミを入れるだけの余裕は、今の大阪府大にはこれっぽっちも、ない。 「そ、そんなこと…」 「はい、ないって言い切れるのは、すがちゃん一人のときだけですー。それやったら余裕で高得点取れるやろうけどなー、俺とセットで採点されるんやから減点は絶対免れませんー。見てみぃ、俺のこの格好。すがちゃんの足引っ張るのは目に見えてんで」 そう言っておどけた京大は、己の姿を改めて大阪府大に指し示す。 が、大阪府大の目には対京大専用特殊フィルターがかかっているので、この手の自虐ネタは傍から見るとただの馴れ合いにしか見えずに全く意味を成さないことを、京大はよく理解していた。
確かに客観的に見る限り、京大はお世辞にも女装が似合うタイプの男ではなかった。今回のコーディネートそのものは、彼のすらりとした長身によく合ったものであるが、トータルで見れば……といった出来だ。 もっとも大阪府大も、笑顔こそキュートだがけして女顔ではないので、京大の「すがちゃん一人やったら余裕で高得点」という分析が必ずしも正しいという保証もないのだが。 結局のところ、京大の目にも対大阪府大専用特殊フィルターがかかっているらしかった。 「ま、そういうわけやから、な」 何がそういうわけなのか、とにかく強引に話を締めて、京大が大阪府大の方に近づいていく。慣れないはずのヒール靴を履いたまま、徹底的に叩き込まれたモデル歩きで、ゆっくりと。彼はそのまま大阪府大を鏡台へ追い詰めた。 「ちょぉ、ホンマヤバイって、うじっ」 身長差で見上げる大阪府大に名前を呼ばれると、京大はにやっと笑い、彼、否『彼女』の耳元に口を寄せ囁いた。 「俺な、今の格好のすがちゃんとめっちゃしたいねん」 「えっ……」 自分に覆い被さるような体勢の大柄な『彼女』のストレートな告白に、小柄な『彼女』の心臓はトクンと跳ねた。 『な、なんやこれ。なんかいつもとちゃう、何かめっちゃドキドキする…』 鼻先何センチまで近づいた相方の顔が、大阪府大の瞳には何故かひどく輝いて映っていた。 それはいつものネタ女装と違う、最大限美女に見せようとするための本気メイクの所為なのか。 いつもの相手に、いつもと同じように迫られているだけなのに、姿一つ変わるだけでこんなにも心臓が激しく音をたてるものなのだろうか。何だか頭の中までぐるぐるしてきた。 「すがちゃん、ここ、熱くなってる」 京大の大きな手が、大阪府大の頬にぴとりと当てられた。 「いつもより興奮しとるん?」 「やっ、うじぃ…」 「かめへんよ。恥ずかしいことなんかあらへん。俺もいつもと違うすがちゃんの格好に、ほんまに辛抱たまらんようになってんねん」 京大は頬に当てた手をつっと滑らせて、大阪府大のロングネックレスに指を絡ませる。
「ま、ちょっと特殊なコスチューム・プレイやと思ったらええ、な?」 「んっ…ぁ」 そして二度目の口づけ。首筋にかかる自分と相方のウイッグが妙にくすぐったくて、大阪府大は軽く身をよじった。 「あっ、うーちゃん…んっ、ふ…ぅ」 先程まであんなに拒んでいたのが嘘のように、大阪府大は京大の巧みなキスに上手に応える。 『あかん、俺…今のうじに、されたいてめっちゃ思うとる…』 溶けていく意識の片隅で、僅かに残された理性だけが冷静な自己分析を行っていた―――。 カタン 「!!」 絡めあった指が鏡台の上の化粧水の小瓶にあたり、小さな音と共に倒れる。大阪府大はその音で我に返った。 「あ、あああ、あかんて!ほんまに、衣装とか汚したらシャレならんて!」 「ちょ、すがちゃん…もぉ〜、何でそこでハッとすんねん。空気読もうや〜」 「空気読まなあかんのはどっちじゃい!」 思いっきりボケとツッコミが逆転していることも気に留めず、大阪府大は再び京大を引き剥がし、鏡と向き合ってわたわたと服の乱れを整える。 「あ〜ぁ、もう…どうすんねんこれ」 バッチリ決まっていた化粧も、ところどころ崩れてしまっていた。メイクさんを呼ぶのはもう仕方ないとしても、とりあえず不自然な部分だけでも何とか体裁を整えて置かねばならぬだろう。 「す〜が〜ちゃ〜ん〜」 恨めしげな声とともに京大が背後からがばっ、と大阪府大に抱きついた。お預けくらったのがよっぽど悔しかったと見える。 「んもー、わかったわかった!俺が、俺が頑張るからっ。俺が頑張ってワースト3に入らんようにするから、っていや、その、別に俺はうじが足引っ張るとかそんなん思うてるわけやないで!ほんまにっ!」 機嫌をとるつもりがどうやら些か不適切な物言いだったと気づいたらしく、大阪府大は台詞に最後に慌てて弁解を付け加える。
「とにかく、俺らがワースト3内に入らなければええんやろ?ほんなら収録終わってから、さっきの続きできるやんか。そん時はうじの好きにしてくれてええから、な?」 「…ほんまに?」 「そんなん嘘ついてどないすんねん。ちゅーか……っちゅーか…」 「ちゅーか?」 『ちゅーか俺も、今の格好のうじと、続き…したいし』 何やら言い淀んだ大阪府大の頬にまたもや赤みが差したのを、京大が見逃すわけがなかった。 その表情から彼の考えを読み取ったのか、はたまた心の声が聞こえたものか、京大はにやにやと笑ったままなかなか大阪府大から離れようとはしなかった。 「ちゅーか何?なぁなぁ、すがちゃん、何やのん?」 「べっ、別にっ!それよりはよ退けや!お前も化粧直さなあかんやろ!」 「え〜、何て言おうとしてん?教えてくれたってええやろ、なぁ、なぁ?」 結局収録直前にメイクさんを呼びなおすまで、二人仲良くじゃれあっていたとかいないとか。 そして収録で彼らがワースト3を免れたかどうかは、また別のお話。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! ナンバリングミスりました、申し訳ありませんでした。 ラストの「また別のお話」以降は、皆様のご想像にオマカセシマスw
>>451 来ると思った。待っとったよ。
個人的には、絶対大阪府大の方がかわいいだろうと思ったのに、
京大の方が美しくて色気あってビックリしたな。
京大様、テストはいつも満点だったろうに女装はひどい点だったなw
一点差の百合プレイを脳内補完させて頂きました。
しかし一体どこでヤッたんでしょう。
>>451 素敵なお話ごちそうさまでした!
ちゅーか…が!かわええのう!!!とこっちまでニヤニヤしてしまいました。
続き待ってますw
>>451 GJ。心からニヤニヤさせていただきました
なまもの。完全捏造です。ダメな方はスルーしてください。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
思い出すのはほんの数時間前のこと、今日の自分の不甲斐ない姿ばかり。 期待も信頼もなにもかもすべてひっくり返してしまった反動で、負の感情が入り混じって大きな渦を作っている。 なにかにぶつけようにも生憎ここは自分の部屋ではないし、部屋にいるのも自分ひとりではないし、 こんなことになるのなら、外へ食べに行くという彼らの誘いに乗っておくべきだった。後悔しても遅いのは、なんだって同じだ。 「俺の部屋のポット壊れてるからちょっとお湯わけて」だなんて、あからさまな口実を連れて部屋に来たくせに、 悪びれる様子もない涼しい顔をした男が、この部屋の空気をめちゃくちゃにしている。 給湯室を探せ。他のやつのところへ行け。フロントに電話して違うの持ってきてもらえばいいだろう。 直ぐさま浮かんだ言葉は数あれど、どれも投げることができなかった。いざというときの思い切りが悪い。 そう、あのひとにも言われている通りで、反論はできない。 「…勝手につかって。さっさと帰って」 「そうする」 すっとぼけた反応はいつものことだ。調子のいい男だと知ってしまったあとだから、もうなんとも思うことはない。 男は宣言した通り、なみなみと水を汲んだポットを机まで運び、コンセントを差し込みお湯を沸かし始めた。 明らかな嘘を取り繕う必要なんてないのに、こういうところだけ無駄に律儀。 明日の朝には冷えてしまい、誰かに捨てられてしまうだろう運命のそれが不憫だ。
おまえなりに気遣ってくれているのはわかる。だから、そのやさしさがいまは不要だということをわかってほしい。 本当におれのことを想うなら、いますぐ出ていってくれよ。 ぽこぽこと部屋に響く音がだんだんと大きくなる。男は鏡台の前に置かれた椅子に座ったまま、その場所を動こうとしなかった。 ずっと、自分を見ているのには気付いている。迫りくるポットの重低音が間抜けだ。 備え付けのティーパックを手に、真面目な顔をして、「緑茶と紅茶、どっちがいい?」だなんて、 ふざけたことを、馬鹿みたいに明るい声で聞いてくる。おれにはおまえが、何を考えているのかわからないよ。 「おまえなにしにきたの」 「お茶、飲みに」 「こんな時間になに考えてんの」 「お前のことしか考えてないよ」 予想しなかった言葉に反射的に顔があがって、まっすぐな瞳に捕らえられる。 あの距離で見ているいつもと同じ強さ。逸らせないことを瞬時に悟る。 この数年で慣らされてしまった習性なのか、本能的なものなのか。 どっちにしたって、おまえはこのときを待っていたんだろう?これで希望通りだよちくしょう。
「お前のことしか、考えてないよ」 思い切りにらみつけていたのにそんなことには構わない態度で、男は同じ言葉を繰り返した。 もう一度、ゆっくり、子供に言い聞かせるみたいに、ひどく優しい声音で。 いつのまにか、沸騰がおわったのか静かになったポット。慈しむように触れていたそれから手を離して、 こちらへくるりと身体を向けた。おまえの眉間にしわが寄るのをみるのは、あまり好ましいことではない、と思う。 どれだけ距離があろうと、なかろうと。 「悪かったって思ってる」 「…なにを」 「お前になにもしてやれなくて」 なんでそんなことを、おまえが、気にしているんだよ。おまえが謝る必要なんてなにもないんだ。 責任を負うのはお前だけだから、とおまえは言うけれど、おまえは勲章をもらえない。 どっちに転んだって、名前が残るのは自分だけだ。この世界のルールはとてもうまくできている。 リターンがあるのもダメージがあるのも自分だけ。だからなにひとつ文句はない。
誰にも、おまえにも、この責任をわけてやるつもりはない。調子はよかった、それは嘘ではない。 おまえの意図がわからなかったわけでもないんだ。わからなければ従わない、いくらでも首を振ってやる。 おまえだってわかっているだろう。 「見くびるなよ、おれを」 「うん、お前はそういうってわかってたけど」 「だったら言うなよ」 「言わないと、きっと一生言えないままだろうから」 「ばかなんじゃないの」 「そうだね」 やり場のない感情をぶちまけてやれば、きっとすべて受け止めてくれるだろう。おまえは優しいから。 なにを言ってもおれには怒らない。おまえは優しすぎるんだ。 おれが、おまえのそういうところが嫌いだってこと、おまえは知らないんだろう、わかろうともしないんだろう。 「で、緑茶と紅茶」右手に緑、左手に茶色のパックを持って、さあ選べ、とばかりに差し出してくる顔が気に食わない。 変化球でかわして得意気になっているんじゃ、三流もいいとこだ。おまえ、強気のインサイドワークが持ち味じゃないのか?
「コーヒーが飲みたい。ホットの。ブラック。外の自販で買ってきて」 「こんな時間に?」 「こんな時間に」 「眠れなくなるよ」 苦笑いをしたおまえの額を撫でてやりたくて張っ倒してやりたくて、いろいろな想いが生まれては消える。 今日はこのまま、眠れないんだろう。この想いを消化できないままじゃ、きっと、「どうせ、眠れないよ」 「どうして」 「どうして?」不思議な顔をしたおまえに、うまく返す言葉が、みつからない。 「お前は、なにを考えてるの」 おまえは、なにを聞きたいの? 喉まで出てきた言葉を飲み込んだ。オウム返しの繰り返しは、ひどく空しい。 考えていることを言葉にするということは、とてもとても難しい。伝わるように話そうとするなら尚更のこと。 おれは、おまえのきいていることが、わからないよ。
「抱え込むの、お前の癖でしょ。でも俺はそういうところ嫌いじゃないから話してほしい。 お前だけで背負って世界のおわりみたいな顔、しないでよ、もっと頼ってほしいって思ってるから」 どこか芝居がかった、張りのある、しかし優しくやわらかな声。 この男のこの声に、言葉に、何度となく騙されてきた。 おまえがいなければ、いまのおれはいなかったんだってこと、言わなければわかってもらえないのか? 「お前は余計なこと考えなくていいよ。俺のこと信じてみてよ」 なんでわからないんだ馬鹿にするなよ。そう、投げつけてやればよかったんだ。 なんでおまえはわかってくれないんだ、おれにはそれがわからない。 おれがおまえを信用していないとでも思っているのか。疑っているのはおまえのほうだろうと喚き散らしてやりたい。 しんじているよ、いつだって。あの場所からみえるのはおまえだけだ。振り向かなければ味方はみえない。おまえしかみえないんだ。 おまえを疑ってしまったらなにもはじまらないんだよ、しんじるしかないんだよ。だから騙し続けてみせてくれよ。 おまえは、ゆびさきと視線だけで、おれのことなんかどうにだってできるんだってこと、わからないの? □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 規制かかっちゃった、手際悪くてすみません
>>461 禿 げ 萌 えました
ありがとうございます
これからサマーウォーズの克彦×了平という、どマイナーを投下したいと思います。本番は無いです。 |>PLAY ヒ゜ッ ◇⊂(・∀・ )シ゛サクシ゛エンカ゛ オオクリシマース!
それは、ある日の夜のことだった。 陣内家の長男万作の息子で三男であるレスキュー隊員克彦は、仕事から帰り、飯と風呂を済ませ、居間でくつろいでいた。 夜勤も珍しくないこの仕事で、こうやってゆっくり出来ることに、小さな幸せを感じる克彦。 人の役に立つことをしろと幼い頃から言われ続けた結果三兄弟とも救助関係に就いたのは、やはり祖母の影響力の強さなのだろうか。 そんなことをふと考えながら酒をちびちび飲んでいると、階段を降りる音が聞こえてきた。 「おー、了平じゃないか。そんなとこいないでこっちにこいよ」 そこには、自分の息子、長男了平の姿があった。 きちんと刈られた坊主頭と顔の割りに腕が日焼けしていない体は、いかにも高校球児らしい特徴だ。 顔のにきびも、青春真っ盛りといった感じでまさに高校生をと言った感じである。 その顔つきは紛うことなき自分似で、よく兄弟達から『困った顔は克そっくりだ』と言われたりしている。 その了平が、克彦の顔を見るなり、何とも言えない顔で言おうか言わないかを悩んでいるような表情だった。 克彦は状況がわからず、そのまま了平を見ているとやがて決心したのか、若干うわずった声で了平はしゃべりだした。 「と、父ちゃん!そ……相談したいことがあるんだけど、俺の部屋来てくれる……?」 何事かと思った克彦だったが、息子からの相談を断る理由もなく、すぐに了承する。 「別に構わないが、お前の部屋じゃなきゃダメなのか?」 そう聞くと了平は、ぶんぶんと首を勢いよく縦に振って肯定を表す。 どうも、相談内容は本人が挙動不審になるほどのものらしい。 「わかった。それじゃあ行こうか」
克彦は了承すると、腰を上げ、二階にある了平の部屋に向かった。 ドアを開け、中に入るとよく整頓された小奇麗な部屋がそこにあった。 野球部らしく、ボールやグローブが机に置いてあり、逆に他にこれといって趣味がわかるような物が見当たらない。 我が息子ながら、とんだ野球バカに育ったもんだ、と克彦は改めて認識する。 「部屋、綺麗にしてあるんだな。俺が高校生の頃はもっとぐちゃぐちゃしてたぞ」 「そ、そうかな?なんか整頓されてないと落ち着かなくてさ」 素直な感想を述べる父親に照れたのか、了平を頭を掻きながら答える。 そういったところは母親譲りらしいと、克彦は思った。 (そういえば、息子の部屋にはいるのは久しぶりだな) 色々と部屋を見渡しながら、克彦はそんなことを考えていた。 昔は勉強を教えたりと、入る用事もあったが、思春期に入るとどうも遠慮してしまい、仕事の忙しさを相まってか入ることが無くなっていた さて、と克彦はどっかりとベッドに座り、了平が机の椅子に座ると話を促した。 「相談ってなんだ?母ちゃんにも、兄弟にも言わないから安心して話してみろ」 そう言って安心させるように切り出した克彦だったが、まだ言おうか迷っているのか、イスの背もたれを掴んで右に左に椅子を回転させなが ら思案していた。 この優柔不断さは俺譲りのようだ、と克彦は心の中で苦笑する やがて、ぽつりぽつりと話しだした。 「あ、あのさ……すごいおかしなこと聞くんだけど、真剣に聞いてくれる……?」
「ああ、当たり前だろ。父ちゃんは嘘を吐かないぞ」 そういって、ニコーと笑う克彦。 それを見た決心したのか了平はギュッと目を瞑って自棄気味に言った。 「え……えーと……お、おなにーってどうやってやるの!!!?」 息子からの予想だにしない質問に克彦は思考が停止してしまい笑顔のまま固まってしまう。 数秒が経ったあと、ショックから回復した克彦は質問の内容に驚きを隠せなかった。 「え……!?お前オナニーって……え?あのオナニーか?」 他に何があるんだよ、と若干不貞腐れた顔で背もたれに顔を少し隠し、赤くなった顔を見せまいとしている。 「やっぱり、変だよね。こんなこと相談するなんてさ」 「え、あ、いや、へ、変じゃないぞ!?変じゃないがー……お前今何歳だっけ?」 「17。今年で18になるけど、息子の年齢も忘れたのかよ?」 父ちゃんの馬鹿、と付け足す息子に克彦は慌ててフォローをする。 「い、いや忘れてたわけじゃなくてな、ただ17歳で……と、友達とそういった話はしないのか?」 自慰の経験も無いのか、という言葉を飲み込む。言って息子が更にへこんだら大変だ。 こういう時親戚の間でエロ親父と呼ばれる父さんなら、と今置かれている自分の状況に狼狽する克彦。 そんなことは露知らず了平はぽつぽつと喋りだした。
そりゃそうだろう、という突っ込みは心に留めておく。 「そんでお前『オナニーしたことないの?』って聞かれて、無いって言ったら、皆面白がって教えてくれなくてさ、俺だけ知らないのがなんか……一人ぼっちみたいに思えてきて……」 そこで言葉が途切れた了平の顔を見て克彦はぎょっとした。 ……泣いている。 高校生が オナニーを知らなくて 必死に声を出さまいとする了平は顔をくしゃくしゃにして鼻を啜っていて、まるで幼児のような泣き顔のようだった。 まさかの爆弾発言からのこの感情爆発のコンボに克彦は、混乱する他なかった。 「お前……部屋にエロ本とか隠してないのかよ!?」 そういってベッドの下を必死に確認する辺りどれぼどの大打撃だったのか容易に想像がつくだろう。 「うぅ……そんなの無いよー……俺17歳だぜ?ぐずっ……そういうのって18にならないと、ずずっ……買っちゃいけないんでしょ?」 なんというか、こんな純真少年がこんな身近にいたのかと、色々と感情のこもった息を吐く。 そしてこいつはきっと18になってもエロ本を買う勇気は無いだろうと確信する。
「はぁ……わかった。父ちゃんが何でも教えてやるから泣くのを止めろ」 ほんと?、という了平の顔はまるで天敵におびえる小動物のようなそんな可愛らしい雰囲気を持ち合わせていた。 克彦は親ながらも、この無防備な息子に今から穢れた行為を教えるのだという背徳缶に心の底にクるものを感じたがすぐに振り払う。 性知識は社会においても子孫繁栄のために大切なことなのだと、克彦は心の中で唱えた。 「あー、まず聞きたいんだがお前精通はしたことあるのか?……あー、いや、そのー……性器から尿以外のものが出たというか……」 「小便以外のもの?」 「そう、こう白くて若干べとつきのあるやつな」 そこまでいうと、思い当たりがあるのか、すこし気まずそうにしながら話した。 「えっと……2回か3回ぐらい、朝起きたらパンツの中が冷たくておねしょしたと思って見たらそんな感じのがあったってことはあるよ」 「そ、そっか。そんときどんな夢を見てたんだ?」 「え……?おぉ、覚えてない!覚えてないから!昔だったし!」 そうか、と納得する克彦に安堵した息をもらす了平に一体どんな夢だったんだと気になりつつも、嘘を吐くのが下手な自分の息子に苦笑する しかない克彦。 「とりあえずEDじゃあないんだな。そしたらお前勃起した時はどうするんだ?」 「た、勃った時は元に戻るまでじっとしてるよ」 段々とエスカレートしていく質問に必死に答える了平。 とりあえず前置きはこれぐらいにしておこう、と克彦も覚悟を決めた。
「それじゃあオナニーを教えるが、まずティッシュを用意しておけ」 その言葉に従順に従う了平は、本棚の上に置いてあったティッシュ箱を机まで持ってくる。 「そんでまぁ、やり方なんだが……了平ズボンとパンツを脱げ」 「や、やっぱり脱がないと ダメだよなぁ……」 今や了平の顔は耳までゆで蛸のように真っ赤になっていた。 その上また泣き出しそうな顔をしていた。 「脱がないと出来ないし、ここで止めたらわからないままになるんじゃないのか?」 その言葉にぐっと言葉を詰まらせる了平。 克彦はためらいで時間を延ばさせるのは余計に羞恥心を増すと考え、すこし強めの口調を心がけることにした。 その雰囲気が伝わったのか、了平は履いていたズボンをゆっくりと降ろす。 そんな息子の光景を間近で見る事の不自然さを克彦はなるべく気にしないことにする。 (どちらにせよ、ここまで来たら戻れないのだから余計なことを考えちゃいけないんだ。 ただ、そう焦らすように脱がれると、見てるこっちが恥ずかしくなってくるな……) Tシャツにパンツ一丁となった了平はいつもなら何とも思わない格好だが、これから行うことへの不安と期待で顔が汗だらけになっている。 それでも、と意を決して目をつぶると父親の前で勢いよくパンツを降ろした。 遂にさらけ出した一物は、先ほどの応答で興奮したのか、完全とはいわないまでも体積を増して持ち上がっている。 先っぽの方はまだ未使用ということで、綺麗なピンク色をした亀頭が若干皮に隠れているが見えている。 そのことも了平は恥と捉え、着ていたTシャツを最大限まで下に伸ばして愚息を隠そうとする。 「ぬ、脱いだけどこの後どうすんの!?」
「とりあえず教えにくいから、こ、こっちに来て座りなさい」 息子の気迫に思わず口調が丁寧になってしまう克彦。 ここまで来たら構うもんかと、口をへの字にして、どすっと音を立てて父の横に座る了平。 ただし、Tシャツはまだ引っ張ったままだ。 その時克彦はふと気になったことがあったので、何気なしに聞いてみた。 「お前、皮は全部剥けてるのか?」 「うん……、こういうことでしょ?」 そういうと、Tシャツの中にいた一物をさらけ出し、皮を下に引っ張って亀頭を完全に露出させる。 (うん、恥垢はついてないみたいだな。これぐらいは親らしい心配なはずだ) 「そしたらな、こう棒のところを握って上下に動かしてみろ」 こうやってだ、というと自分の股間辺りに手をやり、自分がする様子をジェスターで伝える。 それを見た了平は恐る恐る竿を掴み唾を飲み込むと、見よう見まねでやってみた。 その拙いながらも初々しく扇情的な姿に克彦の中心部も軽く熱を持ち始める。 (何を考えているんだ俺!?いくらなんでも息子の自慰の姿を見て興奮するなんて……酒飲みすぎたのかかな……?) そんな克彦をお構いなしに了平は一生懸命手を動かす。 だが、本人の顔は険しい顔から変わることがない。
「了平……気持ちよくなってきたか?」 「わかんない……なんかこれでいいのか……」 恐らく何事にも熱心になる性格が災いしてるのだろう。 緊張も相まって感情が上手くシフト出来ていないらしい。 焦った顔で必死にしごいている。 それを聞いた克彦は、自分でも大胆だと思う行動にでる。 「ちょっと、手をどけてみろ了平」 「え?なにどうしたのとうちゃ……えっ!?」 了平が手を離すと入れ替わるようにして、横から克彦の手が伸びてきた。 すると、今了平がしていた上下運動を代わりに克彦がやり始めた。 「ま、まってとうちゃ……んぁ……っ!」 「あんまり大きな声を出すとばれるから気をつけろ了平」 「そんなこと言ったって、さっきと全然ちがっって……あぅ……っ!」 途端にトーンが落ちた会話になり必死に声を抑えようとする了平は開いた手を振り払うためでなく、口を押さえるために使った。 先ほどとは全く違った快感にどうしていいかわからず、涙目で声を漏らすまいとするしか無かった。 「こうやって、リズムをつけてやるんだぞ」 「わかった、父ちゃんわかったからとめて……!じゃないと声が……!」 でちゃうと言い終わる前に口からまた小さく嬌声が上がってしまい、息も上がってきていた。
部屋の中は男二人分の熱気で蒸している。 最初は、もどかしさから手を出した克彦も聞こえてくる喘ぎ声に段々と気を良くし、動かす手に変化をつけていく。 そんな熟練者のテクニックに、抗えるはずもなく、押さえていた手を後ろについて、天井を焦点の合わない目で見ていた。 時折、亀頭を親指でいじくるとふとももが痙攣したかのようにビクビクと震える、 「熱い……」 「そしたら上も脱いでいいぞ」 その言葉に反論することもなく、手を克彦が一旦手を休ませると了平はもどかしそうにTシャツを脱ぎ、全裸を曝け出した。 その体つきはピッチャーをして申し分なく、必要な筋肉だけが体を覆っているようだった。 その、若々しい体に克彦は久しくくすぶっていた性への欲求が爆発した。 「なぁ……了平がもっと気持ちよくなりたいなら今日だけサービスしてやる。ただし誰にも言っちゃいけないぞ」 『もっと気持ちよく』その甘い言葉に誘われるように了平はうなずく。 「確かお前『フェラチオ』を知らないって言ってたよな。本来は女の人にやってもらうんだが、素直にお前にご褒美だ」 そういうと、克彦は口をあけると、息子の一物を口にくわえた。 「父ちゃんなにやって……はぁぁぁっ……ん!」 突然の行動に驚く了平だったが、すぐに快感に思考が塗りつぶされる。 ついさっきまで、自慰もしたことがなかった了平にとって刺激が強すぎたようで、全身をガクガクと動かしながら悶えている。 「ひっ……!あっ!やっ!無理無理無理!こ……えがっ!」 従順に言いつけを守ろうとする了平を無視して、克彦は舌でねちっこく先っぽを舐めあげたり、奥まで咥えこんで口をすぼめたりと、最初から手加減なしのテクニックで翻弄する。
すみません規制かかったのでどうにかして残り投下します
「ほまえはまんしるへてるぞ、ひってるかはまんしる? ひょっとひょっぱくてだな……」 「んぅ……っ!喋んないでぇぇっ!」 声の振動がも感じるのか息も絶え絶えになりながらも、必死に自分を保とうとする了平。 だが、腹筋の動きや呼吸の荒さから限界は近いと克彦は思った。 「あ……っなんかくる……なんかくるよ父ちゃん……っチンコからなんかでちゃう……! チッシュ用意しな……きゃ……口離してぇ……っ!」 その声を聞くと克彦はラストスパートと言わんばかりに竿の先から根の部分までを大きいストロークで奉仕する。 ジュッポジュッポとその卑猥な音は、了平の本能を刺激し体は欲求のまま腰を振って快楽を得ようとする。 「もっダメ……あぁぁぁ……っ!くるくるくる……!……あぁぁぁぁっ……!!!!」 了平の腰が高くあがり一物がビクビクと震えると、克彦の口の中に大量の精液が流れ込んできた。 その勢いは初めの一発で喉を直撃し、二度、三度と衰えることなく発射され、それが十数回回続いた。 克彦はむせながらも、取りこぼすことなく、それを飲み込んでいく。 少量口から手の上に吐き出すと、それを力尽きて倒れていた了平に見せつけた。 「了平……これが精液だぞ……って知ってるか。おーい大丈夫か了平」 ピシピシと軽く顔に平手をして意識を確認する。 その攻撃で目をうっすらと開ける了平 「父ちゃん……おなにーってこんなにすごいもんなんだね……」
夢見心地のような顔で了平は素直な感想を漏らす。 「ま、まぁ今回は人の手だったから、初めてのやつにしたら強烈だったかもな」 冷静になるといままで自分がした行動に恥ずかしさを覚えたのか、顔を赤くして答える克彦。 すると、段々と平常に戻ってきた了平が疑問を漏らす。 「そういえばふぇらちおって女の人がやるもんなんだよね?なんで父ちゃんできたの?」 その質問に今日一番の焦った顔をする克彦。 「いやまぁなんというか! そのぉ……俺も若い時があったからな、興味本位で兄弟で昔……ってそこはどうでもいいんだ! とりあえず男の約束は絶対守るんだからな!」 理由の説明の最後の声がよく聞き取れなかったが、父の迫力に気圧され頷く了平。 その後、何も着ていないことに気づいた了平は、父に「むこう向いてて!」と言うと5秒で服を着なおした。 そのあと、どっかりとベッドに座ると、改めて父の方をみる。 「えっと……父ちゃんどうもありがとう。俺、これでもう友達にからかわれなくて済むや」 「いやまぁ、こんなことでお礼を言われるのもなんだが、あんまり気にすることでもないと思うぞ?それとハメ外しすぎるなよ」 感謝の言葉で気恥ずかしくなった克彦は、最期を父親らしいセリフでその場を濁した。 用事も済んだ克彦は、臭いが溜まるから換気をしとくように、とだけ言うとドアノブに手をかける。 すると了平が声を掛けてきた。
「あ、あの父ちゃん……またこ、こういう相談というか特訓に付き合ってって言ったら怒る?」 その言葉に固まった克彦だったが 「……考えておく。とりあえず都合がいい時に言ってみろ。その時に決める」 そう言って息子の部屋から出ていった。 一人残された部屋で了平は椅子に座って、先ほどまでの情景を思い浮かべる。 「最初のがおなにーで次のがふぇらちお……俺と父ちゃんの手の動き全然違う感じがしたな」 そうして思い出していると了平のモノがまたパンツの中で大きくなっていく。 「やば……、また勃ってきちゃった」 本来なら元気真っ盛りの体なのだから、一回や二回で収まるはずもなく 「……教えてもらったことは復習しないといけないよな! うん! 先生もよく言うし!」 了平は大きく深呼吸をして、再度ズボンに手をかけた…… 「参ったなー……ちょっと俺もやりすぎちゃったかなー。まさか息子からあんなお願いがくるなんて」
階段を降りながら一人へこんでいる克彦。 自分の行為も去ることながら、我が息子にほんの少しでも欲情してしまった自分への罪悪感でいっぱいだった。 ただ、言葉とうらはらに下の方は、未だに熱を持ち、存在を主張している。 「由美は恭平の世話があるし、これどうしたもんか……」 一瞬頭に了平の顔が浮かんだが、ぶんぶんと顔を振ってその考えを吹き飛ばす。 「いかんいかん! 何を考えているんだ! ……久しぶりに自家発電でもしするか」 そう言って、書斎に入った克彦。 この後克彦がおかずに使ったのはもちろん今日の出来事だということは言うまでもなかった。 完 □ STOP ヒ゜ッ ◇⊂(・∀・ )イシ゛ョウ、シ゛サクシ゛エンテ゛シタ!
これにて終了です! 途中のトラブルはすいませんでした! 携帯の規制はとけないんでしたっけ…? 見て下さった方ありがとうございました!
ここは10レスでさるさん。 過剰な改行も微妙だよ。
486 :
風と木の名無しさん :2009/08/15(土) 11:32:31 ID:9s7HYL6CO
乙!
遅レスだけど
>>416 GJ!ドMスタと支配者メガ様に萌えました!
スパークを直に触りながらの問いかけとかもうたまらん…!
最初の教育とかブラのリペアを想像するだけで禿散らかしそうだ
生注意 えげれすのバンドな日本(要英訳) 眉毛ない四弦→永遠のモラトリアム青年唄 懐メロスレで興味を持って調べたら、四弦は唄をガン見するくせに 「唄はステージで僕をいつも見てるんだ。不安なんだろうね(意訳)」 なんか変な汁が出ました |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
窓の外では小鳥が囀り、俺はソファに膝を抱えながら、 昨日のあのバカげた夜を引きずっている。 ツアー中の朝はいつもこんな具合だ。頭が痛い。目が疼く。 右手で目元を覆いながら、チラチラとあの紅い口紅を思い出している。 長い前髪の隙間から挑発する唇。彼は自分の魅力をよく知っている。 鏡の前で作り上げられたナルシシズムの権化。絶世の妖婦。 ステージの真ん中でスポットライトを一身に浴び、伸ばされる欲望の触手を挑発する。 与えるつもりもないのに、身を投げ出す振りでからかっている。 それを後ろで見ながら、俺はファン達に同情する。 無駄だよ。そいつは欲しがられる自分にしか興味がないんだ。 あの頃はまだ良かった。 教室の後ろから、クラス一のお調子者の俺をただ見ているだけの頃は。 それがどうだ。 あの物静かな引っ込み思案に、今じゃこっちが振り回されてる。 板の上であんな風に不安げに、確かめるようにこっちを見てたくせに、 ライブが終わるや否や、むりやり投げ込まれたベッドで散々罵られた。 自分から誘うくせに、出美ッドはいつもオレを悪者にする。 抵抗するオレに跨り、不遜な目で、人形のような顔で、 確実に放送出来ないワーキングクラス特有の汚い言葉を吐く。 そしてそのすぐあとで甘ったるい声で、心無い言葉を囁く。 「美っ句は本当に僕のことが好きだね」 ふざけるな。自惚れも大概にしろ。そう吠える前に唇を塞がれた。 笑いながら腰を振り、俺の身体で自慰をして。散々欲望を吐き出し、 満足した美しい人形は、満ち足りた顔で世界を切り離すように眠った。
部屋に俺を一人残して。 紅茶をぼんやり飲んでいたら、マネージャーが電話を取り次いだ。 日本から?そうか、取材があったからこんな時間に起きたんだっけ。 ――ハァイ、見っ句! こちらは日本のプレスです。 今時間は大丈夫かしら?まだ眠い? 「やあ久し振り。ちょっと早いけど大丈夫だよ」 ――あら。朝から電話インタビューを受けてくださってとても光栄よ。 「こちらこそ」 ――では早速お話を訊かせてくださいね。 今回あなた達は三枚目のアルバムを出すということで、 我々としても、色々と突っ込んだお話を伺いたいと思っています。 「はは、怖いな。お手柔らかに頼むよ」 朗らかな声で、地球の裏側からのインタビューは進む。 込められた意図、今後の展望。予定されたスケジュール。 予定調和。素晴らしいね。これぞ生真面目な日本人。 でも時々彼ら日本人はどうしてこうも、怯えた振りで強かに、 コロコロと少女のように笑いながら、恐ろしい核心に触れるんだろうか。
――ねぇ、見っ句。最後に一つ良いかしら。 「ああ、どうぞ」 ――あなたと出美ッドのことなんだけど。 「……あいつがなに?」 ――怒らないで聴いてちょうだい。 やはりファンの間では、あなた達二人の繋がりという物が、 とてもバンドにとって大きいように思えます。 特にあなたは、演奏中じっと出美ッドをじっと見る癖があるわね。 「そうかな。気のせいだよ」 ――あら、こちらのファンの間では専らの噂よ? 「参ったなぁ。そんなに彼を見ているつもりはないよ」 ――そうかしら?でも出美ッドはファンを挑発するのに忙しそうでしょ。 どうやって意思の疎通を…… 「いや、いつも彼は僕のことを見ていたよ。 ステージの上でも、あの騒がしい教室の片隅でもね」 そう強がるのが精一杯だった。 インタビュアーは電話の向こうで、またコロコロと笑った。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 四弦は解散後組んだ相手から 「結局日本がやりたいだけじゃん」 とか言われていて狂おしい
お借りしまーす。 現在上映中のやや未来の虹につき、バレ注意です。 夏戦争(要英訳) スタープレイヤー中学生×天然天才高校生 映画の数ヶ月後、年末のお話です(時期外れですみません) |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
はじまりの夏の日、あの場所には、綺麗で元気なあこがれの先輩が佇んでいた。 クリスマスを間近に控えた休日、混み合う東京駅八重洲口、ふとよみがえった光景が、小磯健二の 記憶の隅を駆けていく。 今、同じ場所で健二を待っているのは、カーキ色のコートの中で泳いでいるような細身、 それから相変わらずの仏頂面。周囲には目もくれず、俯いてゲーム端末をいじっている少年。 なにもかも拒んでいるような肩先に、少しだけひるみそうになったけれど、健二は心の中で よしっと気合いを入れ、それを声にこめた。 「佳主馬くん!」 瞬間、弾かれたようにあがった顔に、確かにあの、暑すぎた夏の余韻はあって。 ふいに胸の中になにか温かいものがぱっと広がる。思わず早足に、やがては小走りになりながら、 健二は心からの笑顔で手をふった。 「別に案内なんていいって云ったのに」 「ボクが来たかったからいいんだよ」 池沢佳主馬は、健二の学校の先輩である篠原夏希の従兄弟にあたる中学生だ。 健二と共に、今やネット上の伝説になりつつあるラブマシーン事件の中心で事態にかかわり、 それを機に交友関係が始まった。といっても、東京在住の健二と、名古屋で暮らす佳主馬が 会えるのは、世界最大の仮想空間OZの中だけだったので、こうして直接顔を合わせるのは 長野で別れた日以来だ。 佳主馬の家では、母、聖美が九月末に女の子を出産したが、高齢出産だったこともあって 産後はかなり大変だったらしく、一時は姉の直美が手伝いに名古屋まで出向いたそうだ。 慌ただしく赤ん坊中心に回る家の中で、佳主馬は一人黙って我慢していたようだが、 気遣った祖父の万助が、冬休みが始まったらすぐ新潟に遊びに来るよう誘ったらしい。 ついでに、篠原家で二泊ほどして東京観光をすると聞いて、ガイド役を買って出たのが、健二だった。 なにしろ夏希は現在、受験勉強の最後の追い込み中だ。
「どこか行きたいって云ってたよね。……てか、ボクもよくこの辺は知らないんだけど」 「アキバ」 「あ、もしかして、OZステーション?あの、グッズとか扱ってるオフィシャルショップだよね」 「うん、他にも行きたいとこはあるけど、まずそこ」 ヴァーチャルの世界では毎日のように会って話しているが、やはり少々勝手が違う。 健二は不器用に距離感をはかりながら、少し前を歩く佳主馬の横顔を、こっそり眺める。 OZの中で、佳主馬は相変わらずスーパースターだ。 ラブマ事件で離れたスポンサー達は、その後再びチャンプの座に返り咲き、以前よりさらに 冴え渡るテクニックを駆使して他者の追随を許さないキング・カズマの元に、再び争うように群がった。 一方ケンジといえば、事件当初にアバターを利用されたことや、ラブマシーンの捕獲やGPS介入で やりたい放題やったことから厳しいペナルティを覚悟していたが、騒動でログの一部が消失していたことと、 警察やOZの運営サイドにあらいざらい説明して協力したおかげでか、さほどきついおとがめは受けずにすんだ。 ただし、当事者ということで管理棟への出入りが制限されてしまい、登録は残してあるものの、 現在バイトは休業状態だ。 おかげでOZでやることといえば、せいぜい買い物やチャット、ゲーム程度。ログインしなくなった わけではないものの、少々自分の居場所を見失いつつある。 そんな彼を支えてくれているのが、事件で知り合った陣内家の面々で、中でも佳主馬は、イベントや デモで多忙な合間を縫うようにして、こまめにチャットやゲームにつきあってくれていた。 黄色いラインの電車で、アジア有数の電気街に降り立つ。駅から数分の立地に、管理棟を模した 入り口の立体看板が目立っていた。日本のOZステーション一号店だ。 グッズ類はOZの中でも購入できるが、実際に手に取って眺められるというのは大きいらしく、 冬休みに入っていることもあって、店内は客でごったがえしていた。
健二も、実のところここに来るのはひさしぶりで、にぎやかなディスプレイに目をとられ、ついつい 立ち止まりがちになる。 「えーと、ここが携帯とか携帯ゲーム用の小物で、文具とかTシャツとかは上のフロアだね、なに買うの?」 「師匠に土産」 もう何を買うか目星はつけているようで、フロアを軽く見回した佳主馬は、さほど迷うこともなく どんどん先に進んでいってしまった。まるで店内を知っているような足取りで、さっぱり案内役として 役に立てていない健二は、少し落ち込みそうになる。 やがて佳主馬は、ストラップのコーナーで足をとめた。ポケットから携帯をだし、なにやら操作している。 肩越しに覗き込むと、ネットで品番を確認しているようだ。 手持ち無沙汰になってしまい、健二はびっしりと並んだストラップを、見るともなしに眺めはじめた。 OZのアバターはそれこそ無数のパターンが存在し、いまも増え続けている。そのため、キャラクター ストラップは人気のあるアバターのデザインしか作られないが、それでも数百種類はあり、壁面を 埋め尽くす様は圧巻だ。他にも、おなじみのジョンとヨーコが透明プレートに彫刻されたものや、 ラブマ事件がきっかけになって、OZの中で一大ブームを巻き起こしている花札のデザインなどがある。 花札の隣に、長い耳に和風の女学生姿のアバターを見つけ、健二は目をしばたたいた。 夏希のアバターだ。たぶん、あの花札対戦の勇姿で、ストラップにされるほど人気がでたのだろう。 なんだか懐かしく、そして嬉しくもあって、健二がそれを手にした時だった。 「……っつ」 色の洪水に飲み込まれかけていた意識が、小さな声で、一瞬にして引き戻された。 隣を見れば、少し離れた位置で佳主馬が手を伸ばしている。どうやら、目当てのものを見つけたようだ。 だが、声がもれるほど力一杯背伸びしても腕をのばしても届かないようで、健二は急いで歩み寄る。 むなしく宙をさまよう指の先にあったのは、和風アバターの装備品として人気のある、刀を組み合わせた デザインのストラップだ。そういえば、万助のアバターはイカ型の侍だったことを思い出す。
「これでいい?」 ひょいとフックから外して差し出すと、佳主馬の目元が、なにかに傷ついたようにくしゃりと歪んだ。 予想外の反応に健二が言葉を探しているうちに、表情を隠すように、そのまま俯いてしまう。 「あ……あれ?違った?」 健二は膝を折り、目線をあわせた。その時、前髪に隠れがちな佳主馬のまなざしが、何を見つけたのか、 さっと険しさを増す。 「ご…ごめん、これじゃなかったかな」 「……いや、いい」 差し出したストラップを奪いようにつかみ、佳主馬はレジの方に去っていく。 何が原因であんなに暗い顔になったのか、さっぱり見当がつかない。自分の対人スキルの低さに 途方に暮れながら、健二はふと、先ほどの佳主馬の目線の行方を辿る。 追った先には、夏希アバターのストラップをつかんだままの、自分の左手があるだけだった。 長蛇の列のレジの先で待っていると、小さな袋をリュックのポケットにしまいながら、 佳主馬が近づいてきた。 戸惑いを押し隠して軽く手をふると、佳主馬は意外そうに小さく首をかしげる。 「上のフロアにもいく?」 「健二さんは、買い物いいの?」 同時に口を開き、一瞬の間が二人の間を流れた。 「ボクは別に買うものないよ」 「でも、さっき持ってたの……」 不遜で強気な中学生にしては珍しく、歯切れ悪く口ごもる。 怪訝に思いながらも、さっきほど不機嫌そうではないことは感じ取れたので、健二は仕切り直しの つもりで、駅周囲の店の位置関係を頭の中でおさらいしながら口を開いた。 「で、どうしよ、上いく?他のお店いく?それとも、ちょっとお腹すいたとか」 「……ちょっと、喉かわいた」
「じゃ、マックでも行こうか」 ようやくガイド役をつとめられそうで、少しほっとして、健二は笑顔を返す。 今度は少し前に立ち、店頭の方向に人ごみを縫って進んでいくと、先ほどは混み合っていて よく見えなかったディスプレイが、少しひいた人波の隙間からちらっと見えた。 平台の中央に、見覚えのあるキャラクター。 「ちょ、見て見て!」 「な…なに!?」 思わず、前を歩く佳主馬の腕をひくと、なにかに気を取られていたのか、予想外の勢いで振り向いてくる。 心なしか顔が赤い。 「ケースの中、キング・カズマだよ!」 アクリルの円筒の中には、OZ最強のディフェンディング・チャンピオンの姿。それも、ラブマ戦後半の ダメージ姿で、炎と煙の中でファイティングポーズを決めている。レジンでなくポリストーン製の大型の スタチューで、リアルな陰影のある塗装を施されていた。 健二は佳主馬の手を引いたまま、ディスプレイに向かう。 「ああ、知ってる。てか持ってる」 「うわー…にまんさんぜんえん……」 台の上には、キング・カズマ関連のグッズが並んでいるが、どれもシルバーや黒を基調にした、クールな 印象のデザインだ。フラットで明るい色合いのアバター関連グッズの中で、このスペースはかなり人目を引く。 「あ、これいいな」 並んだグッズの中から、黒いレザーのベースにつや消しシルバーのプレートがついたストラップを見つけ、 健二はいそいそと手にとった。プレートには、ジャンプしている途中のようなポーズのウサギのシルエットと、 ストリート系のフォントでOZ-Martial Artsの文字が刻まれている。 「ごめん、ちょっとここで待ってて」 「え?」 「買ってくる」 「ま……待ってって!」
呼び止める声を背に、急いでレジの列最後尾に並ぶ。幸い、大量購入者がいなかったのか、列はすいすいと 進み、十分もかからずに店先に戻れた。 佳主馬は、入り口側のカプセルトイ販売機の側に、どことなく居心地が悪そうに佇んでいた。 「お待たせ!」 「うちに」 「え?」 「うちに同じの届いてるんだよ、見本で。欲しけりゃ、持ってきたのに」 さすがに周囲をはばかってか、小声で口を尖らせる佳主馬は、また不機嫌そうだ。 なんだか今日は失敗してばかりのようで、健二は軽くへこみつつも、「ちゃんと買いたかったんだよ」と返し 手にしたパッケージに目を落とした。白いビニール地に印刷されているのは、OZのロゴと、ログイン画面で おなじみの鍵穴のマーク。 「ケータイ替えたばっかりだから、ストラップも新しいのにしようと思ってて、まだつけてなかったんだ。っと、」 立ち止まっていた背中に誰かがぶつかった。軽くよろけた健二を、すぐさまのびてきた細い手が引き寄せる。 立て看板の後ろで影になる場所に、ちょうど一人分の空間があり、そこに押し込まれたようだ。 「あ、ありがと」 「とろいね」 事実だけに、笑顔も固まった。 チャットでは、佳主馬は紳士的だ。中学生に『紳士』というのも妙な感じだが、強者としての揺るがない自信が そうさせるのか、同じようにぶっきらぼうではあるものの、言動はかなり男っぽく大人びた印象がある。 ただ、外見こそギャップがあるけれど、リアルの佳主馬も本質的には同じなんだと、今更のように気付く。 無遠慮な人の流れと自分の間を、しっかりと遮るように立っている小柄な姿。 「で、マック行くの」 「あ、うん、駅の方戻ろう」 自分の中の思考に入り込んでいたのに気付いた健二は、慌ててポケットに袋をしまおうとして、手元が狂った。 白いビニール袋が、白いタイルの床に落ちる。
急いでかがみ込んで拾い、中腰のまま顔を上げると、予想外の近さに、佳主馬の顔があった。 「な、なに?」 「健二さんて、背高い方?」 「やーまー……そこそこ、かなあ」 長めの前髪からのぞく、整ったきつめの目元。間近すぎるそれに狼狽をのみこみきれないまま、本当はクラスでも 小柄な方だが、健二は、ささやかなプライドに押されて見栄をはる。 「うち、父親の家系が結構高い。篠原も、おじさんたちは高身長多い」 「うん、見たけど、知ってるけど……」 理一、侘助、頼彦邦彦克彦……と身長順に名前と顔を順番に記憶を探っていたら、出し抜けに。 本当に瞬きひとつぶんの一瞬に、健二の乾いた唇を、濡れた感触と温かい息が掠めていった。 「三年後、ってところか」 「ええ?」 「今のは予約で」 「ええ?ええ?」 佳主馬は、果物でも食べ終わった後のように、薄い舌でぺろりと自分の唇をなめてから、きびすを返してさっさと 駅の方向へ歩き出す。 痩せた背中を呆然と見送りながら、無意識に素数を数えていた健二は、3623のところでやっと我に返った。 「ええーーーーーーー!?」 混乱したまま雑踏の隙間をかきわけ、どうにか健二が佳主馬の背中に追いついたのは、それから43秒後。 何事もなかったように歩く佳主馬の耳が、傍目でも気付くくらい赤らんでいることに健二が気付いたのは、 おそるおそる隣に並んで歩き始めてから、16秒後のことだった。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>488 うっわー…^^
まさかここで日本ネタにお目にかかれるとは!
GJ!!
お借りします。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | しゃちほこ球/団 森/野選/手とマス/コットのド/アラだモナー ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 今回はB/B無しでメルヘンに挑戦してみましたカラナ | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ イゼン リクエスト クレタ カタ | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ドウモ アリガトウゴザイマス ゴルァ!! | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ここはしゃちほこドーム。 ここを拠点にする王求団には、青と水色とピンクの益子ットが居ます。 ある日、青い益子ットのド荒が子供に尋ねられました。 「ド荒にはなんでしっぽがあるんですか?」 ド荒はこう答えました。 「みんなと同じですよ。」 そういうと、ド荒はその子供のお尻のあたりを撫でました。 子供は人間ですから、しっぽはついていません。 ド荒は不思議そうに何度も確認しました。 それでも、その子供にはしっぽが見当たりませんでした。 話はすぐに切り替わり、その事は無かった事のように振舞われました。 ド荒は知らなかったのです。 自分が、周りの人間とは違う生き物だという事を。 水色の益子ットの車オロンやピンクの益子ットの派オロンの事は違う生き物だと認識していました。 竜の子供だと聞かされていたからです。 しかし、自分が何者かは誰にも言われた事がありません。 もともとド荒には生まれた時の記憶がありません。 気がついた時には、しゃちほこ球場にいたのです。 そこで働き始めて、晴れて王求団の益子ットになったのでした。 ド荒には他には何もありません。お母さんの顔も知りません。 ド荒には王求団こそが、家族だったのです。 一度「ド荒の故郷から来た人だよ」と紹介され、金色の破天荒な人に逢いました。 その人は確かにド荒に似ていましたが、耳毛は長いし、なんだか言葉が通じないし、少し違うような気がしました。 ド荒はもしかして僕のお母さんを知っていますか?と聞いてみましたが、「そんな事よりプロレス」と一蹴されてしまいました。 そしてその人は風のように現れ、風のように去って行ってしまいました。 王求団の人に「あの人にもう一度逢いたい」と言ってみた事もありました。 しかし、「もうできないだろうね。」という悲しい返事でした。
よくコアラに似ていると言われるけど、ド荒にはユーカリを消化する酵素はありません。 普通の食べ物を食べるし、好きな食べ物はコーン、嫌いな食べ物は梅干し。 ごくごく普通のアパートで、手を伸ばせば全てに手が届く質素な暮らしをしてきました。 少し頭が大きいし、腕は青いし、耳は大きいけれど、選手はみんな背が高いから気になりませんでした。 みんな対等に接してくれるし、話しもできるし、働いて貰ったお給料で、年金だって払っています。 ド荒は自分は人間だと信じていたのです。 周りの人は薄々感じていました。 しかしその大きな瞳を見ると、本当の事を誰も言えませんでした。 王求団広報の医師黒さんはしっぽの事件を聞き、とうとう言わなければならない時が来たと思いました。 しかし、いざド荒を前にするとなかなか言えません。 「コアラさんさ…」 くるっと振り向くと、大きな瞳。 何も疑っていないその瞳と、真っ黒な鼻がまるでブラックホールのように医師黒さんを襲います。 「いや、なんでもない。」 変な医師黒さん。とでも言うように、ド荒は向こうへ行ってしまいました。 「末下先生、ド荒に言ってくれませんか」 「へ?あー別に言ってもいいですけど多分笑うだけですよ」 末下先生はこの事に関して特に気にしていないようです。 「流見ちゃん…」 「いいですよ。ド荒〜〜!!」 「あっ僕の居ない所でお願いします」 医師黒さんは壁に隠れてそっと成り行きを見守りました。 「ねぇねぇ、ド荒は人間じゃないんだよ〜知ってるよね?」 またその話〜?はいはいわかったわかった そんな態度のド荒。 駄目だ、通じてない…。 医師黒さんは困り果ててしまいました。 もう、あの人しか居ない
「しっぽ?あいつそこまで馬鹿だったんですか?そこまで馬鹿だと笑えませんよね。」 王求団には、ド荒と一番仲がいいと言われている選手がいました。 31番の盛野選手です。 ド荒と顔も似ている事から、生き別れの兄弟なんじゃないかと噂される事もありました。 そのためか、身寄りの無いド荒も一際盛野選手には執着していました。 心のどこかで期待していたのかもしれません。 彼が、本当に自分の何かと繋がっているのでは、と。 「僕があいつの鼻をへし折ってやりますよ」 医師黒さんはホッと胸をなでおろしました。 最近はあまり絡んでくれなくなって、寂しい。 ド荒はそう思っていました。 ところがどうでしょう。今日は盛野選手をチラチラ見ていると、すぐに目があったのです。 よう、もりの ドキドキしながら話しかけます。 またすぐに目を逸らされるのかと思いきや、盛野選手はジッと自分を見たままです。 ド荒は嬉しくなりました。 ようよう。もりの。 盛野選手は飴を取り出すと、それを口に含みました。 俺にも 飴くれよ 「…お前人間にもしっぽあると思ってんだって?」 ド荒はきょとんとしました。 「俺にもしっぽがついてると思ってんの?無いよしっぽなんて。」 意味がわからないとお手上げポーズをするド荒。 盛野選手が何故突然そんな話をしだしたのか理解ができないのです。 「しっぽなんてないの。人間には。お前あるだろ、だから人間じゃないの。わかった?」 ド荒は自分のしっぽを触りました。 触った感触があります。この丸いしっぽは確かに神経の通った自分の体の一部です。 人間には、無い?
みんな服を着てますから、その中に隠しているのだと疑いもしませんでした。 ド荒は慌てて盛野選手のお尻を触りたいと手を伸ばしました。 盛野選手はその手を叩きます。 「お前全然違うよ。」 ド荒は周りを見渡しました。近くに居て素振りをしていた子池選手のお尻にしがみついてみます。 「えっ何?」 無い… 無い! 何度確認しても、子池選手にしっぽはありません。 近くに座っていた英海苔選手のお尻も触ってみました。 頭をぶたれました。 やはり英海苔選手にもしっぽはありません。 本当に?本当に無いの? ド荒は泣きそうな顔でキョロキョロと顔ごと動かし周りを見ました。 盛野選手が近づきます。 「なーいーの。」 ド荒はショックを受けました。 動きが止まり、頭を抱えます。 涙は流れていませんが、涙をぬぐう仕草をします。鼻水は出てきませんが、鼻をすする仕草をします。 こんなにみんなと同じなのに、そういえば涙は出ない。 こんなにみんなと同じなのに、そういえば鼻水は出ない。 こんなにみんなと同じなのに、みんなには無い…しっぽがある。 「で?」 盛野選手が問いかけます。 ド荒は泣く仕草で盛野選手を見つめます。 「なんか変わった?」 ド荒は考えます。盛野選手は何が言いたいのでしょうか。 「あのさぁ、お前以外みんな知ってんだけど。お前が人間じゃない事。お前だけだよ?知らないの。」 確かに、今日も流見お姉さんに言われました。 以前も、色々な人に言われた事があります。
だけどド荒は笑って過ごしていました。 そんなわけないと、信じていなかったのです。 ド荒はその場に泣き崩れてしまいました。 四つん這いに倒れ泣き伏しているド荒に、盛野選手がさらに近づきます。 ポイン しっぽを叩かれました。 イヤン!と倒れるド荒。盛野選手に激しく抗議します。 「変なしっぽ。」 傷ついているド荒に、あまりにひどい言葉。 ド荒は怒りました。 こんなしっぽ、無ければよかった。 こんなしっぽ、切ってしまえば、自分も人間になれるかもしれない。 こんなしっぽ。 「触りたくなるけどね」 そう言って、またポインとしっぽを叩きました。 「しっぽがついててよかったじゃん。」 叩かれるのは嫌だったので、盛野選手からしっぽを隠すように正面を向いて座ったド荒の前に、盛野選手もしゃがみました。 「お前気持ち悪いんだからしっぽくらい無いとほんっとかわいくないし。益子ットがかわいくないって致命的でしょ。」 ド荒は一生懸命盛野選手の言っている意味を考えました。 「言ってる意味わかる?」 ド荒は慌てて首を横に振ります。わからないから教えて!と盛野選手に訴えます。 「だからー、しっぽはあった方がかわいいでしょって言ってんの。」 かわいい? 「飴食べんの?」 ド荒はハッとして頷きました。 「人間じゃないくせに飴食べんの?まったく。」 そう言いながら盛野選手は手に持っていた飴を差し出しました。 近づく時に最初から一つ手に握っていたのです。 ド荒はその飴を受け取り、そのまま袋ごと口に挟みました。盛野選手は笑ってド荒を小突きます。 「 ばかだなお前はほんとに」
盛野選手は立ち上がると、そのままベンチに戻ってしまいました。 しっぽが、かわいい? これがあるから人間じゃないのに、かわいいからついてた方がいい? ド荒はますます混乱しました。どこか嬉しい気もしますが、それが何故かはわかりません。 もりの、俺、人間じゃなかったらなんなんだ? 「さぁ?益子ットでしょ。」 益子ット… 「仲間いっぱいいるじゃん。全国に。」 全国に…! そうです、ド荒はやっと気がつきました。 姿、形は違うけれど、同じ益子ットと呼ばれる仲間が、全国にいっぱいいたのです。 すぐそこに居る、車オロンや、派オロンも、ド荒と同じ仲間だったのです。 「お前が人間とか人間じゃないとか別にどうでもいいから。」 ド荒にはやはり、身内がいません。 自分が何者かもわかりません。 でも、それでもいいよ、そんなのどうでもいいんだよ、と言ってくれる人達がいます。 「そんな事よりお前はバク転失敗しなけりゃいーの。わかった?」 ド荒は得意げになりました。バク転なら、どの益子ットにも負けない自信があります。 俺には うでがあるから。 「は?また天狗ですか?」 その日の7回裏、ド荒は実況アナウンサーに10点と言われるほどの奇麗なバク宙を決めました。 盛野選手はその様子を特に見ていませんでした。 だってここはしゃちほこドーム、ド荒が居るのは当たり前の景色なのです。 いつだってここに、ド荒は居るのです。 何故ならここが、ド荒の故郷だから。
____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ 読んでくださってありがとうございました。 | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>501 リアルタイム遭遇
そして萌え泣いた
ありがとう姐さん幸せになれたよ
次スレ行ってきます
>>492 自分の求めていたカズケンがここに…!萌えました!
>>492 すばらしかった!GJ!
カズマ可愛いなー
OZショップ行ってみたいw
>>510 スレ立て乙華麗!
さりげなくいい仕事してますねぇ。
>>508 感動しましたありがとう
ありがとう ずっと続きを待ってました
ありがとう
また書いてください ぜひ
>>501 読めて良かった ありがとう 大好きだ!
>>492 こんなカズケン小説に出会えるなんて…神よありがとう…!!
カズマもケンジも可愛いすぎる
>492 GJだ!! ぜひともその先も読みたいよ!! OZステーション行きたいよ!!
>>501 ありがとう。好きなカップルだ。森乃ドSだな。だが愛のあるドSだな。時間を作ってぜひまた書いてください。
>>501 GJ!
じわっときた。
森乃のキャライイ!
埋めがてら感想レスさせていただきます、亀だけどごめん
>>55 シリーズ全部読み直した!ありがとう大好きだ…
棚だからこそ読める作品だよ、商業探してもきっとないよ
キャラクターそれぞれに味があって(・∀・)イイ!
>>111 中の人詳しく知らないんだけど萌えた、このときめきどうしよう
もうCMを冷静に見られないお…w
>>461 多分わたしの好きなふたりだと思うんだ…コソーリモエタヨー
プライド高そうな彼が理想すぎてツボ
お借りします!サマーウォーズのケンカズ小説書いたので投下します。 ネタバレニつきご注意ください。 ではどうぞ。
よく見る夢だ。 誰かわからない無数の人影に取り囲まれている夢。それはあまりに巨大で、見上げれば空にまで届きそうだった。 隙間を縫って逃げ出すとまた後から追ってくる。 僕は息を切らせて必死に逃げる。 すると遠くの方に四角い白い光が見えて僕はそこに飛び込む。 ガラ! 教室の扉が開く音だった。開けたのは僕。 放課後のオレンジ色の教室にまばらに散らばる人影。 僕の席を見た。 「ムカつく」「死ね」「チビ」「弱虫」 机の上に油性マジックで誹謗中傷の数々が書き込まれている。 「………」 あははははは、ふふふふ、とクラスメイトの笑い声が聞こえる。 僕は拳を握り締め側に居た一人に掴みかかった。
526 :
健二 :2009/08/20(木) 01:29:31 ID:KTIuLLNu0
「っ!!!」 僕は慌てて跳ね起きた。辺りを見回すと隣には母さんが静かな寝息を立てて眠っている。 僕は母さんの方を見て揺り動かそうとした。けどその時、ふっくらと膨れ上がった母さんのお腹が目に入る。 「………」 僕はスッとその手を引っ込め布団を被って廊下に出た。そうだ、納戸に行こう。 あそこに行けば誰にも迷惑をかけずに済む。 僕は布団をズルズルと引きづりながら真っ暗な陣内の長い廊下を歩いた。 たまに瓦礫に引っかかってふらつく。 そう、今この家は半壊状態。 なんせ昨日小惑星探査機あらわしが近くに落ちて爆風で家が吹っ飛び掛けたんだから。 そうだ、きっと昨日の決戦の疲れで悪い夢を見てしまったんだ。一時的なものだすぐ治る。 しかし僕の足は思った以上に上手く動いてくれなかった。 突然吐き気に襲われその場にしゃがみ込む。口を押さえたまま洗面所に向かう。 ジャー 「おぇ…」 何をしているんだろう僕は。 洗面所を出て、すぐまた廊下に腰を下ろした。もう納戸に行く気力もない。 自然と体が震えだし涙が出そうになった。 辺りは真っ暗。 恐い。
うわ!!」 「!?」 その時、ドン!と何かが僕の脇腹に思い切りヒットした。 痛! 見るとそこには白いぼんやりとした影が浮かび上がっていた。影の主はわたわたと節操なく辺りを見回し何かを探しているのがわかる。 「あった!」 パチン その声が聞こえると当たりが突然明るくなった。どうやら廊下の電気をつけたようだ。 僕は眩しさに目を細める。 誰? ぶわぶわの視界の中に映ったのは水色の服を着た髪の短い人。男の人だ。 その人は驚いたのか口を広げ僕に目の位置を合わせようと腰を下ろしてきた。 「佳主馬くん!?」 僕は目を見張った。 え、健二さん…? 「ごごごごめん!!思い切り蹴っちゃった!!!」 蹴られた僕自身より悲痛な顔をして僕の心配をしてくれているのは間違いなく小磯健二さんだった。 夏希姉ちゃんのフィアンセの代役としてこの家にやって来て、運悪くも大事件に巻き込まれてしまった人。 「………何やってるの?」 僕は警戒心を露わにして脇腹をさすりながら聞いた。 すると健二さんは頭を掻きながら「いや、ちょっとトイレに行きたくて」と言って笑う。 そして僕の方に向き直り、笑顔だけど少し冷や汗を垂らしながら 「佳主馬くんは…、何をしているのかな?」
言われてみれば健二さんより明らかに怪しいのは自分の方だということに気がつく。 こんな真夜中に布団を被って廊下の隅で丸まっているなんて。 だんだん顔が火照ってきてその場から逃げ出したくなった。 ぷしゅう、と頭から湯気を出して小さくなる僕を見て健二さんは慌てて「ごめんね!変なこと聞いた?」と謝り出す。 何で悪くないアンタが謝るんだよ…。 僕は布団から目だけ覗けて健二さんの方を見た。 アバターの子リスのようにクイっと首を傾げる。(まぁあのアバターは可愛くなかったけど…) 健二さんは今はこんなだけどやる時は本当にやる人だ。 数学の世界チャンピオンになりかけたとかどうとかで驚異的な計算力を持っていていざって時には結果を出す。 それに意外と度胸があって土壇場でも冷静だ。 普段クールに決めてても何だかんだで取り乱してしまう僕よりよっぽどカッコイイ。 僕はなんだかしゅんとなってすっぽり布団の中に身を隠してしまいたい気分になった。 けれどその時 「さっきからどうしたの?」 ポン、と布団の上から頭を叩かれた。 「佳主馬くんらしくないよ?」 笑顔の健二さんが言う。 僕らしくない…? じゃあ僕らしいって何? だって本当の僕は…
突然視界がぼんやりと崩れてきて僕は慌てて布団で顔を覆った。 頭の上から「佳主馬くん!?」と驚く健二さんの声が聞こえる。 けれど堰を切った涙は止まらなかった。僕は感情の波に飲まれ言いたいことを全部吐き出してしまった。 「僕は、僕は、本当は全然強くなんかないよっ!いつまでたってもいじめられてた時のことが忘れられないし、OZの中だってまだちょっと恐いんだっ!」 「佳主馬くん…」 「昨日、あらわしが墜落地球に向かって落ちてきてた時、皆のキングカズマへの…僕への期待が重かった。何で僕がやらなきゃいけないの?って一瞬思ったんだ。恐くて逃げ出したかった。手だって震えてた。」 「………」 「自分が世界チャンピオンになったってことは世界中の人が僕を知っているわけで、僕の一挙一同を皆が見てるんだって思うと、たまにすごく不安になる……」 何で僕は会って間もない健二さんにこんな話をしているんだろう。母さんにだって師匠にだってしたことなかった。 でも不思議と彼に聞いてほしくてたまらないんだ。 そんな僕を黙って見ていた健二さんは突然僕の布団に手を掛け、頭からふんわりとそれを落とした。 廊下にパサリと白い布団が広がる。 「泣いてるの?」 呆気にとられて無防備に頬に涙の粒を零し続けていた僕は慌てて顔を隠そうとする。 すると健二さんが突然僕を抱き寄せた。 「!?」 「こうすれば見えないよ。」 健二さんの胸はふんわりと暖かい。僕はみるみる体温が上昇していくのを感じた。 「大丈夫、大丈夫。佳主馬君は強いよ。」 よしよしと頭を撫でながら健二さんは僕にそう言ってくれた。 僕は「そ…そんなこと…」と否定の言葉を言おうとするが何故か詰まって先が出て来ない。 体も恥ずかしいから離してほしいはずなのに、つっぱろうとする手はピクピクと痙攣して動かなかった。 どうしよう、心臓が飛び出そう。
「佳主馬くんが思ってることは全部普通のことだよ。全然弱虫なんかじゃない。 それに結局あらわしの時だって、佳主馬くんお母さんと妹のこと思って頑張ったじゃない。あれ、僕すごいと思った。」 スッと肩に手を添えられ少し体を離され健二さんがはんなりと微笑む。 僕は涙の筋が一杯伝った情けない顔でぽかんと健二さんを見上げる羽目になった。 ハッと我に返り慌てて僕は布団を被り直す。そしてドキドキとした心臓のまま小声で言った。 「その…、健二さんも…、カッコ、ヨカッタ、よ…」 すると健二さんはしばらく意外そうな顔をして僕を見て、そしてくしゃっと笑った。 「ありがとう」 あ、あれ…? 何でだろう。 ずっと心臓の鼓動が早くて止まんない。 さっきまであんなに恐くて辺りが真っ暗な気がしていたのに今は…。 僕がチラリと健二さんの方を見ると健二さんがちょいちょいと自分の膝の方を指していた。 最初はどういう意味か解せなくてはてなマークを浮かべていたけど僕はわかった瞬間少し物怖じしつつも健二さんの膝に転がった。 「明日誰かに見つかったらきっとビックリされちゃうね」 「……………うん」 そう言って健二さんはまた僕の頭をふわふわと撫でてくれた。 僕はその日、嘘みたいに熟睡出来た。たいていあの夢を見た後はいつも眠れないのに。 「健二さんって、魔法使いか何か?」 「え?」 次の日の朝、僕は朝食を食べている健二さんに真顔で聞いた。 おわり。
以上です。 てか、一箇所佳主馬のセリフでおかしな部分があったのを今思い出しました。 直せば良かった・・・。 お粗末です!
乙です。 ほのぼのなカズケンに癒されました! カズマも健二もかわいい(*´д`)
>>524 乙ですが、すでに新スレに移行してます。
それと、テンプレを確認してから投下したほうがいいですよ。
>>533 まだ500逝ってないじゃん。
埋められるもの投下して何が悪いの?
あとナンバリングは「推奨」であっても「必須」じゃないよ。
そうだよね、
>>533 の「すでに新スレに移行してます」とか意味不明
>>534 お節介だったかな、ごめんなさい。
ジャンルよく知らないけど、新スレあるときはそっちに投下したほうが見てもらいやすいし、
タイトルだけじゃなくAAなんかも全然入ってないんで、知らなかったのかなと思って
一応レスしてみただけなんだ。
>>536 ジャンルの問題ではなくて、このスレに入りきらないような長編でなければ
こちらに投下するのが当然でしょう。
いや…前スレ埋めてから新スレ使いましょうってのが普通は一般的なんだが
>>536 誘導発言がおかしいって指摘されてることに気付きなさいよ
新スレ立とうが、埋め作業に入っていない以上、
まずは現行スレを使い切るのが当然だろうに…
今までもそうだけど最後の最後まで作品投下する人いるから
それを知ってる人は、スレが終わるまでちゃんとチェックしてるよ
>>536 新スレ新スレ言っているけど
当の新スレ
>>17 でこちらに誘導がかかっているわけだが
リロればよかった…orz あと5kbだから埋めますか
では埋め
5kbってどれ位なんだかきになるんだな うめうめ
梅うめ
産め産め!
梅埋め
うめ
産め
550 :
風と木の名無しさん :2009/08/20(木) 13:11:42 ID:/JDQHKvA0
あとまだ4キロバイトも残ってる… __ / \ { レ' } /: : | /二  ̄ニ=-、 { . : : :ー、 __」 r'⌒ヽ| /: : : : . { : : : : : : : : .ヽ 〉 /ヽ、 \ヘ\ 7 く二アフ /: : : . r | : : : : : : : : : \ r、 /´ |レ'  ̄ ̄ヽフ{ 〈{ /: : : : . {: 〈 : : : : : : : : : : :レ \l } ヾ r'´ }ヲ /: : : : ヽ __ : : : : : : : : : : : \ /^ヽ__/l ヽ r' ノ `ーァ=ー'_/ /: : : _,、-=ー' ̄ `\ : : : : : : : : : : : : V rヘ {`ー-rー'´ / ァ―=' rへ: : : / 「ヽ : rへ : : : : : : : : | { / r'^X: : : :} i /: : | } _/ >=' ニ ̄ ニ=-、 -、 ,| ∧,,∧ (_ァ_,ソ { /: : : : r' レ' / ヽ 「ヽ_ヽ ノ^l_ノ (・ω・`;)っ∧,,∧ 〉 r‐ __ /: : : : : ヽ { } ∨ `ー'  ̄` ク (_っ ノ (;´・ω) ヽ__/ __,ス: : : : : . } __イ / 、 } ∧,,∧ (っ ∧,,∧ \  ̄7: : r'  ̄ | { \ } ノ (( c(ω・´;) ∧,,∧ ( ;ω; ) } 厂7 } / | } r、 ,ィ ト=-" 〉 ぅ (・ω・#) っ c∧,,∧ヽ` '´ ノ / / / / { 〈 トーr―-" { { 〈_,ー、c=c- c) u-u(; ・ω) `ー ‐´ (_, ノ `ー' \ \\_,) \ \_ uーァ_ノ ノ っ゛,っ゛ 〃 \_フ ヽ_ソ し-u′
??? ? ? ? ?? ?? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ?■ ? ?? ?? ?? ?? ? ? ? ● ● ? 残り2KB ? ? ?? ? ?? ????? ?????? ?? ????? ?? ???? ????
552 :
うめ :2009/08/20(木) 13:29:26 ID:HkirBnHJ0
∧_∧ ∧_∧ (・∀・ )(´∀` ) | ̄| ̄ ̄U| ̄U ̄U ̄U ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄|\ | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|\| | ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄|\| | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|\| き み に と っ て ぼ く は さ い こ う の と も だ ち ぼ く に と っ て き み は と く べ つ な と も だ ち お な じ よ う だ け れ ど ち ょ っ と だ け ち が う ん だ ど う や っ た ら こ の か べ を の り こ え ら れ る の か な
553 :
うめ :
2009/08/20(木) 13:32:04 ID:HkirBnHJ0 ,,-‐、______,-''三ヽ 中 ( ミ,,-――――――-- 、丿 の /::/ U `ヽ 人 /:/ (;;;;;;;;;)ノ ハU(;;;;;;;;;)U ヽ な /:/ U i||| - l - lli i ど |;| 、__丿 U i い || U ,ニ,ニ、 i. な |::| U | |  ̄ | | U <三三 い 三三> U l iエエ,i 人 !!! |:::::::::ヽ、______ー___,,-''::::: |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::