. ___ ___ ___
(_ _)(___)(___) / ̄ ̄ヽ
(_ _)(__ l (__ | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ }
|__) ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
l⌒LOO ( ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_, _)フ 「 | ロ | ロ |
( ・∀・)、__)  ̄フ 厂 (_,ィ |
 ̄  ̄
◎ Morara's Movie Shelf. ◎
モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ]_||
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
|[][][]._\______ ____________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| / |/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |[]_||
|[][][][][][][]//|| | ̄∧_∧ |[][][][][][][][].|| |  ̄
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ ) _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |
|[][][][][][][][]_|| / ( つ|8l|.|[][][][]_[][][]_.|| /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__)_)
前スレ
モララーのビデオ棚in801板39
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1214552910/ ローカルルールの説明、およびテンプレは
>>2-9のあたり
保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://morara.kazeki.net/
★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★
1.ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。
(1)長時間に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(>>3-
>>7辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」〜「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。
※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、連投規制やスレ容量(500KB)を確認してスレを占拠しないようお願いします。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。
相談・議論等は避難所の掲示板で
http://s.z-z.jp/?morara
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
| いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
| | [][] PAUSE | . |
∧_∧ | | | . |
┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | | | . |
| |,, ( つ◇ | | | . |
| ||―(_ ┐┐―|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
| || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
テンプレ1
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| きっと楽しんでもらえるよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
テンプレ2
_________
|┌───────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^──────────────
└──────│たまにはみんなと一緒に見るよ
└───────────────
_________
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
テンプレ3
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < みんなで
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < ワイワイ
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 見るからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < この体勢は
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 無理があるからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
テンプレ4
携帯用区切りAA
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
中略
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
中略
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
|
| ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
| ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
| ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
| ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
| ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
| ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
| ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
\___ _____________________
|/
∧_∧
_ ( ・∀・ )
|l8|と つ◎
 ̄ | | |
(__)_)
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 媒体も
| 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
| 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
\_________________________
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| じゃ、そろそろ楽しもうか。
|[][][]__\______ _________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | |/
|[][][][][][][]//|| | ∧_∧
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
|[][][][][][][][]_||/ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |
(__)_)
1乙です
乱れた息が堪えようもなく溢れ出す。
立てた膝が崩れそうになって、腰を貫く痛いほどの快感に思わず指を噛んだ。
「っ……んぅ……ッ」きり……と、歯に力が乗る。自ら銜えた指すら、快楽の前
に形を失いそうな錯覚。
「さ…く……ッ」
「……指は駄目ですよ」
労るような優しい声。下肢を揉みしだいていた手が、そっと冨田の唇から指を奪
う。
「大切な……体操のための指でしょ」
「あッ、…!!」
歯形のついた右手の人差し指を、口腔に含まれる。丁寧に舌が這う感触。脳が焼
けるようだった。背を反らせて冨田は、甘い声を張り上げた。
再びゆっくりと動き始める両手の感触。かり首をキツく締められて、先端に爪を
立てられる。がくがくと、震える腰。裸の背筋に、汗が伝う。
先端からじわじわと、先走りが溢れる。ぽたりと、膝にたわんだズボンに滴った
。ひっそりと櫻井が笑う。濡れた指先で根本から、やわな皮膚を擦り上げられる
。「……っん、さ、く……」
「……辛くない?」
優しい声が囁く。咄嗟に大きく首を振った。煽るように、胸元を舐め上げられる
。濡れた、生暖かい感触が、しこった乳首を丁寧に辿る。押しつけられた舌の感
触。軽く歯を立てられて、支配された下肢がびくびくと震える。櫻井の手の中で
、……誇張を始めた下肢。燃え上がりそうな熱を帯びて、息が詰まる。関節の浮
いた櫻井の指。絡まり付き、擦り、爪を立てて、丁寧に愛撫する。跳ね上がった
鼓動が限界まで来る。身体中を支配し吹き荒れる快感にもう、唇を噛むことも出
来ない。「ぁッ、……く……ッ、ぁ……ッ!!」
手が……呟いた。櫻井は、笑っただけだった。更に激しく擦り上げる動きに翻弄
されて、腰が抜ける。咄嗟にしがみついた櫻井の首。無我夢中でその頭を胸に抱
き込んで──果てる瞬間、声をあげていた。
力の抜けた身体を、櫻井が支えてくれる。へたりこんだ尻に、櫻井の膝が触れた
。限界まで燃え上がった身体が、じりじりと疼きを放つ。大きく身震いして、潤
んだ目をゆっくりと開いた。
「……櫻井くん」
掠れた声が、愛撫の激しさを物語る。はしたないほど乱れた自分に気付き、冨田
は櫻井の首筋に埋めた頬を赤く染めた。抱かれたいと思う自分を恥じたりしない
……考えて、息をのむ。夢中になって脱ぎ捨てたTシャツとインナーは、テーブル
から半ばずれ落ちたまま、手を伸ばせば届く距離に未だ鎮座している。
伸びてしまった前髪が、額からこめかみへ滑り落ちる。明るいままの照明を、落
として欲しいと乞うことはなかった。脳裏に焼き付けるのだ。櫻井の姿を。考え
ながら、覆い被さるように身体を寄せた櫻井から視線をそらす。
「……顔、熱い……」照れ隠しのように呟いて、両手で顔を覆った。その手に、
櫻井の唇が降ってくる。指の隙間越し、櫻井の優しい微笑を見つめて、余計体温
が跳ね上がる。けれど、ヤメロなんて死んだって言いたくはない。
裸の肌に、櫻井の掌が伝う。乳首に絡まった指が、やわやわと刺激を加えて蠢く
。触られるだけで神経が其処に集中して、背筋がびりびりと痙攣する。開いた唇
から吐息が零れた。じれったいほど丁寧に、執拗に乳首を責められて、その敏感
さに驚く。気恥ずかしくなるほど容易く、果てたばかりの下肢が反応を始めた。
「……ッ、あっ……!」
快感に、腰が跳ねる。咄嗟に踏みしめようとした足は、絡んだズボンが邪魔をし
て、ままならない。珍しく焦る冨田に、櫻井が笑ったのが分かった。乳首を責め
る手はそのまま、空いた片手が、ゆっくりと内股を滑る。
「……脱がせて良いですか」
「……」
「嫌なら止めます」
「……大丈夫だから」
顔を隠したまま、冨田はその羞恥を必死で堪えた。こんなとき、感情が表情にで
にくくて良かったと思う。櫻井の体温が離れてゆく感触。膝に添えられた手が、
布を払ってふくらはぎを滑る。徐々に下ろされてゆく圧迫感に、思わず嘆息を零
せば、立てた膝頭にそっとキスされた。下着ごと、そうやって拘束を解かれて、
床に落ちる衣擦れの音を聞く。「本当に……駄目なら、そう言って下さい」情動
が隠しきれない声。少し掠れているのに気付いて、冨田はそっと、指の隙間から
櫻井を伺った。上着を、手早く脱ぎ捨てて。櫻井が、立てた膝を押し開きその間
に、身体を押しつけてくる。本能的な恐怖と発作的な衝動を、寸前で冨田は押し
とどめた。貫かれる衝撃を、思い出す前にシーツを掴む。コットンの生地に爪が
ひっかかるような感触。目を閉じて、思わず息をのむ。
「……冨田さん」
「……いいから」
言葉を封じるように静かに言う。これ以上何かを問われれば、間違いなく泣き言
になりそうな気がした。閉じた瞼のした、櫻井の面影を思い出す。目を閉じても
開いても。櫻井が此処にいるのは間違いない。内股に触れた、堅い筋肉の感触。
熱を帯びたままの下肢に、櫻井の指が絡まる。軽く上下に擦られただけで、声が
出た。瞼に涙が滲みそうになる……息を詰めて、奥歯を食いしばって。
「……指だけは、噛まないで下さい」
囁きが、……内股に触れた。
何をされるのか分からなくて顔を上げた冨田は、自分の下肢に顔を埋める櫻井を
見て、え、と呟いた。
「……さくら……」口腔に含まれた瞬間、それ以上言葉が続かなくなる。がくん
とシーツに沈んだ身体が、いきなりの生々しい悦楽に一瞬で硬直した。ねっとり
と絡んでくる舌。触れた歯がいたぶるような曖昧さで上下する。一番敏感で弱い
箇所を責め立てる直接的な快感。一気に燃え上がった身体がシーツの上で、陸に
打ち上げられた魚のようにびくびくと戦慄く。シーツを握りしめて、下肢から響
いてくる刺激を堪えた。指を噛むなと封じられれば、声を塞ぐことも出来ない。
肩を反らせて腰をひくつかせながら、必死で、その衝撃を受け止める。
キツく吸い上げられて、眼球が爆発しそうなほどの熱を覚えた。
「……ッ、ん……はッ」
「……かわいい、冨田さん」
「ッ、ぁ、……っ…」
蹴った踵が、不意にシーツから浮く。捕まれた足首はそのまま、櫻井の肩に乗せ
られた。ふくらはぎに触れた肩胛骨の感触。下肢を支配されたままの格好で、腰
が大きく浮くのが分かった。こんな格好……混乱で思考が上手く働かない。腰を
折られて、開いた内股に櫻井の右手が伝う。
下肢を吸う濡れそぼった音。より近くで聞いて、冨田はたまらず両手で唇を覆っ
た。自ら封じた吐息が熱い。指を焦がすような息に、今更脳天を突き抜ける羞恥
を知る。「……声、聞かせてください」乞われた瞬間、首を振っていた。額に浮
いた汗がこめかみへ伝い落ちる。
「なんで」
「……だって……」
「だってなに」
「……年上なのに」
押し殺した声で冨田のつぶやきを笑って、櫻井は冨田の先端に強く歯を立てた。
「ん……ッ、んぅ……」
「そこが気になるんだ、冨田さん的には」
くつくつと笑う櫻井。揶揄に聞こえるのに。……優しいと感じてしまうのは何故
だろう……。
思わず弛緩した尻を、櫻井の右手が撫で上げた。じわり、とその指先が、双丘の
割れ目を伝う。最奥の入り口に、触れた指先の感触。咄嗟に息をのんで、瞼に力
を込める。
「……まだこれからだから……」
含まれたまま囁かれて、息がこすれる感触に、腰が震えた。……柔らかな箇所を
擦るように蠢く指先。簡単に熱くなった皮膚を、指の腹がやわやわと押す。それ
だけで内股が痙攣するほど突っ張った。櫻井の背中で、踵が空を蹴る。
「アッ、アアッ!!」指の先を入れられただけで、全身が燃え上がるかと思うほ
ど、感じた。下肢を愛撫する動きが、尻を責める動きと連動する。舐め上げられ
噛まれて弛緩するたび、少しずつ少しずつ櫻井が内側を侵略する。肉がこすれる
感触に、冨田は堪えきれなくなって喘ぎ悶えた。頭の中身を泡立て器で手荒くか
き混ぜられたような感触。意識が明滅する。強く吸い上げたまま激しく上下する
櫻井の唇。根本まで飲み込んだ指が、……やがて抜き差しを始める。丁寧に内壁
を擦る律動。悪戯に爪で抉られた箇所は、下腹部が弾けるほどの刺激で冨田を翻
弄させた。一気に高まった熱を、もう自力ではどうすることも出来ない。爆発す
る……感じる全身から熱い血が、一カ所に集中して弾け飛びそうで。
其処に這わされる舌の感触が、狂おしいほどに、気持ち良い。「口……はな…」
これ以上我慢できない……咄嗟に飛び出た声は、懇願を帯びて震えていた。腰を
揺らめかせて今にも果てそうになる衝撃を堪えながら、無意識に櫻井の髪に両手
を絡ませる。強く髪を引いて抗議して、それでも櫻井は赦してくれない。もっと
激しく責め立てられて、下肢と、粘膜を激しく擦るリアルな快感に、もう、どう
しようもなくなる。
「はッ、く……ッ」
それだけは駄目だと。叫ぶことも出来なかった。容易く翻弄され支配されて、…
…櫻井の思うままになる。
達する瞬間、冨田は全身を強ばらせて声にならない悲鳴を上げた。射精する瞬間
、腰から先端に突き抜けたうだるような激しい快感に、意識が吹っ飛びそうにな
った。果てて、びくびく戦慄いた腹が、開放感にゆるゆると力を失う。ぎりぎり
寸前まで堅く強ばっていた身体が、軟体動物になったように脱力して、シーツに
落ちた。
うっすら開いた目で、果てた残滓を櫻井が飲み干すのを見た。そこまで赦せるの
か。考えて、冨田はうだるように熱を帯びた頬を、ゆっくりと背けた。目を閉じ
て、乱れてしまった息を整える。
恐怖も何も感じないのに。羞恥を忘れることだけ出来ない自分は、相変わらず堅
物なのだと少し、笑った。
>>16 テンプレ直後の投下なので余計にあれなのだが、
とりあえずテンプレ読んでくれ
新スレの第一投下がスレ汚しとは・・・
中身は禿げ萌えたんだけどな…
テンプレ読んで、また次回作期待してます
前スレ「世の終わりまで」とは別次元です。
3P注意。漫画は読んでいなくても大丈夫です。
腐女子の聖書 マンガシリーズ@
「新約聖書T 救世主(メシア)〜人類を救いし者〜」
男前イエス様×デレデレアンデレ&最初ウェーブだったのに途中からストレートになってるヨハネ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
(エルサレムティーン ニサンの月号 読者体験告白コーナーより転載)
シャローム!いつも楽しませてもらってます。初投稿です☆
ぼくは元漁師で、今は求道者としてユダヤの各地を旅している男の子です。昨日、とん
でもない体験をしちゃいました。
うちの先生は結構有名なラビです。名前出すのは色々とヤバいんで伏せさせてもらいま
すけど、ラディカルな活動してて、神通力もある若手の人です。男のぼくもドキドキする
くらい、姿も声もすごくカッコよくて、今大人気なんですよ☆
その先生が、昼間、ぼくと兄弟弟子のヨハネを部屋に呼び出したんです。二人だけに特
別な個人授業をしてくれるっていうんです。
「いつも私が言っていることは何だね、アンデレ」
寝台の上に腰掛けた先生が、左側に座ったぼくに向かってそうお尋ねになります。
「はい、先生。隣人愛です。ぼくたちは互いに愛しあわなくてはなりません」
「よろしい。他には何があるだろう、ヨハネ」
先生は右側のヨハネの方に向き直りました。
「神の愛は律法を守れない罪深い人々全てに及ぶこと、神の国の到来が近いことです」
金髪で、憎らしいほど美少年のヨハネが、ボーイソプラノですらすらと答えました。
「その通りだね」
先生は徐に頷いたかと思うと、いきなり、ヨハネの肩を掴んでガバッと寝台に押し倒し
ました。
「せっ、先生、何を!?」
驚いたのはヨハネだけではありません。確かに、普段から少し変わった人ではあります
から(水の上歩いて来たりとか)、ぼくたちも大抵のことにはもうびっくりしないつもり
でした。でも、さすがにこれは予想外の出来事です。
「何って、愛だろ、愛」
凄艶と言えるほど美しいお顔をにっこりと微笑ませて、先生はそう仰いました。
「あ・・・・あっ、先生、お戯れを・・・・」
先生に耳を舐められ、首筋を吸われて、ヨハネが身をくねらせ、娼婦のような艶めいた
声を上げます。
抵抗虚しく、先生の手がシュルリと帯を解き、素早く衣服を脱がせてゆきます。次第に
露になる、羨ましいほどきめの細かな白い肌。ぼくと同じ元漁師だとはとても思えません。
「やっ、やめて下さい、お願いです」
ヨハネが顔を赤らめ、目を潤ませて哀願します。
先生は彼の乳首をつんつんつつきながら、からかうようにお答えになります。
「誰が聞いたって、もっとしてほしいと言ってるようにしか思えないぞ、かわいいヨハ
ネ」
ぼくは先生に命じられた通り、お預けを喰らった犬のように大人しく、寝台の隅に退い
て、ヨハネが先生のキスと愛撫に我を忘れて乱れてゆく様を見守っていました。部屋中に
彼の甲高い嬌声が響き渡って・・・・ぼくは、ぼくは嫉妬で気が狂いそうでした。
いい趣味してんじゃん、先生。
く、悔しーっ。最初に先生の弟子になったのはこのぼくなのに。やっぱり先生は、素直
で朗らかな性格で、顔立ちも愛らしいヨハネが一番お気に入りのようです。うーん。残念
ながら金髪ではないけど、気立てや見た目のよさなら、ぼくだって負けてやしないのに。
粗野でヒゲもじゃでムサ苦しいペトロ兄さんと違ってさ。
ヨハネの奴、普段は大人しくて、どっちかというとイジられキャラのくせに、先生に快
感を与えられるや、俄然大胆になったようです。先生のローブの胸元を結んだ紐を解いて、
布を引っ張ってずらそうとしています。紐の間から乳首だけを出して、舌と唇で転がすと、
先生が、「うっ」と超セクシーな声を上げたりして。いけね、ぼくも勃ってきた。
ヨハネはしつっこく、赤ん坊みたいに先生のおっぱいをぺろぺろちゅっちゅしています。
先生はヨハネの蜂蜜色の髪にきれいな長い指を絡ませ、祈りや瞑想でハイになった時みた
いに、熱に浮かされたような目で喘いでおられます。ああ、ぼくもああやって先生をよが
らせてみたい。
強気になったヨハネは、いきなり体勢を逆転させ、先生を組み敷いて、ローブを首まで
捲り上げました。その下は腰布一つしかお召しになっていない裸です。無駄な肉のない、
かといって貧弱でもない、すっきりと引き締まったお体はいつ拝見しても惚れ惚れします。
ヨハネは腰布の端から、その、先生の大切な所だけを引っ張り出して弄び始めました。
ああっ、先生のそんな所をそんな風に、本当にいいんだろうか。でも先生は歓んでいらっ
しゃるようです。茶色のさらさらロングヘアを振り乱して身悶える様が何とも色っぽくて、
ぼくもつい、自分の同じ所に手をやっちゃいます。
ヨハネは先生の太腿の間に顔を埋め、ええと、ああもうめんどくさい、オチンチンを咥
えこんで、淫らな水音を立てて吸いまくっています。先生ったら、ヨハネにご奉仕しても
らいながら、自分で胸を揉んだり、乳首を捏ねくり回したりしてあんあん言っててすげー
エロ。それを見ながら自分のを出して扱いてると、とても我慢しきれなくて、早々と手の
中に射精しちゃいました。
先生が身を起こし、ヨハネを四つん這いにさせました。ローブを脱ぎ、腰布をほどき捨
てます。葡萄酒色に染まった長大なモノがぼくの目にもはっきりと見えました。大柄な先
生に相応しい立派さです。これがヨハネの華奢な体に、更には自分の中にも捩じこまれる
のかと思うと、少し怖くなりました。
ヨハネの奴も同じことを思ったのか、さっきまでの勢いはどこへやら、かわいそうに、
泣きそうな顔をして震えています。
そんなぼくたちに、先生は、安心していいよという風に微笑んでみせました。
「ヨハネ、力を抜いて。大きく、ゆっくり息をして。そう、そうだ」
先生の充血した部分が、わからないほど少しずつ、ヨハネの体の中に呑みこまれてゆき
ます。羞恥の為か、ヨハネは顔を紅潮させていますが、苦痛は感じていないようです。
「もうちょっとだからね」
すっかり埋没すると、先生は暫く、ヨハネを慣れさせようとするかのように静止してお
られました。やがて、猫科の動物が交わる時のようにうなじを噛んで、動き始めます。最
初はゆっくりと、次第に速く、強く。
「あっ、あああっ、ひゃ、先生、いいっ」
掻き回しながら、先生の手が前に回されます。「やんっ!」ラズベリーのように色づい
た乳首を摘ままれ、全身の血が流れこんでるんじゃないかと思えるほど大きく膨らんだ所
を揉みしだかれて、ヨハネの浅ましい快楽の悲鳴がますます高くなります。
「んっ、ああっ、先生、アンデレが・・・・見てるっ」
嫉妬の炎が再び、胸の内を熱くジリジリと焦がすのを感じながらも、ぼくは、彼らの行
為を何一つ見逃すまいと、二人が絶頂に達するその瞬間まで、まばたきもせず見入ってい
たのでした。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
長いので今日と明日と明後日に分けます。
一行目で既にワロタ
いいなこういうノリ
シャローム!で吹いた。スイーツ(笑)
>>20 すげえ笑ったw
続き投下楽しみにしてます!
投稿雑誌風吹いた。
姐さんマジで芸風広いな!続き楽しみにしてますノシ
いいなこういう芸風wGJ
32 :
終わりなき縁:2008/08/25(月) 04:22:48 ID:p3tKJkQT0
初カキコです。
801スレ【魔王になって勇者犯したい。】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1198362551/l50 ↑のスレの
>>599からの流れをオリジナルで書かせて頂きました。
魔王×勇者 です。
上記スレに行けば大体の話の流れは判りますがお付き合い頂けると嬉しいです。
ファンタジーです、グロは…多分無いです。
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この大陸の日の光が微かにしか届かない暗き世界、闇の境界と呼ばれる場所に聳える城。
常に月に照らされ青白く不気味に聳えるその城の頂点には魔王と呼ばれる者が居た。
闇と魔物を侍らせ境界を越えた人の世界に恐怖を与える存在。
人はその魔王を駆逐せんと何年にも渡り刃を向け続けた。
だが人と魔族と言う壁の差は余りのも高く何十何百という人間が彼の前に散って逝った。
人の世界が栄えれば栄えるだけ闇の境界の先をも手に入れようとする愚かなる人の王が現れ
その度に王に命じられた者が魔王に挑み、魔王はそれをあっさりと散らすと人の世界に恐怖を与えた。
今日もまた闇の境界の城の麓に人の軍勢が攻め行った。
「…くぁ〜……」
城の一番高い部屋にある玉座に腰掛け、頬杖をつき欠伸をしながら城の主は水晶に映し出されている城の内外の様子を眺めていた。
「下らん……」
果敢にも剣一本で魔物に挑み呆気無く肉塊にされる兵士達の様子もとうに見飽きて水晶の映像を消した。
五月蝿い断末魔を聴こえないように部屋に結界を張ると玉座の背凭れに体重をかけて魔王は溜息を吐く。
何時から魔王と呼ばれ、何時からこの玉座に座り続けているだろう…
途方も無いほどの永い時間を非力な人間達の喚く声に耳を貸し、
哀れ過ぎる位の力量の差に挑んでは散っていく、
受け継がれた力と記憶は
【魔王は勇者に倒されるべき存在】
と語るが今まで現れた勇者と名乗る人間は自分をこの玉座から動かす事もできなかった。
気紛れに自分から動けば恐怖に許しを請い殺す気も失せさせた。
いっそこの下らぬ世界から離れる為に自刃をしてみたものの、不老不死のこの体には多少の痛みを与えるだけだった。
意識を思案へと潜らせていた魔王は結界が揺らぐのを感じ目を開いた。
結界を解き外の音に耳を立てると階下からの声は減り、
石造りの階段を上り、ゆっくりとこの部屋に向かって来る足音が聞こえた。
この階まで辿り着いた者が来たのは何年振りだろうか、
魔王は若干の期待を胸に玉座に座り直して扉を見据える。
扉番の魔物が動き、幾分時間はかかり扉が勢い良く開いた。
開いた、と言うよりは吹き飛ばされた拍子に飛び込んだという感じだった。
部屋に敷いてある絨毯に叩き付けられた来訪者は痛みに耐えるようにその場に数秒蹲ると
荒い息を切らせながらゆっくりと身を起こし目の前の玉座に座っている者に焦点を合わせた。
「…あんたが…魔王か…?」
その者は青年と呼ぶにはまだ幼い外見で、揺れる松明の微かな灯りに映える茶色の髪と瞳、
此処まで潜り抜けた防具は先ほど水晶で見た兵士達より貧相な物だった。
今までの経験から【勇者】と言うものを外見で判断する事を辞めた魔王は
視線を目の前でこちらを伺う戦士に向けたまま口元に笑みを浮かべた。
「そう呼ばれている、お前が今度の【勇者】か?」
魔王が発した単語に戦士は首を傾げながら剣を構えた。
「今度…?あんたは今まで何人の勇者を倒したんだ?」
「さぁな、お前が聞いてきた物語の数だけ対峙はしている」
魔王は視線を外し自分の長い黒髪を指に巻き付けてつまらなそうに返すと戦士は魔王に切りかかった。
が、戦士の剣は魔王の指一本で止められ、まるで弦を小さく弾くような仕草だけで吹き飛ばされ壁に叩き付けられた。
呻き声を上げながら崩れる戦士に魔王は視線を向ける事無く相変わらずつまらなそうに天井を見上げた。
戦士は弱々しく立ち上がり、何度も切り掛かるも全て同じように指一本で止められ身体ごと弾き返されては
壁や床、たまに天井に打ち付けられ、ダメージの蓄積は目に見えていた。
「まだやるか?」
ヒビの入った剣を杖代わりにしぶとくもまた立ち上がろうとする戦士に漸く魔王は視線を向けた。
「そのままでは私に触れる事無く死ぬぞ、魔導の一つでも使ってみたらどうだ?」
「………の……ぃ……」
「何?」
叩き付けられた影響か声も擦れた戦士は力を降り絞って床を蹴り、まるで矢のように魔王へと跳んだ。
一直線に向かってくる剣先をまるで枝を避けるような仕草で魔王は戦士ごと剣を払うが、
剣の影の死角から出てきたナイフが魔王の髪を掠った。
払われた剣は壁に刺さり二つに折れ、戦士は玉座の横に力なく転がった。
「……ほぅ、魔導なしで私に向かい、微かではあるが一撃を与えたのはお前が初めてだな」
床に散った数本の髪の毛を腰を曲げて拾い上げると魔王は少しだけ楽しそうに目を細めた。
「……ぃ……」
「何だ?言いたい事があるなら聞いてやる、命乞い以外だがな」
腕を立て、懸命に起き上がろうとするも蓄積されたダメージが戦士の身体を覆いその場でもがく様にしか動けずにいた。
「そ…んな…もの、使…えな…ぃ…」
「…は?」
微かに聞こえる呻き声に魔王は視線を久し振りに戦士に向けた。
「魔導が使えないとは、勇者の質も堕ちたものだな…」
「…勇者…なんて…只の肩書きだ、オレは…そんなのじゃない…」
漸く身を起こせた戦士は身体を引き摺らせながら折れた剣を拾い上げた。
「確かに只の肩書きに過ぎない呼称だな、ではお前は何―――」
戦士の動きを目で追っていた魔王は剣を拾い上げようと屈んだ拍子に外れた肩の防具の隙間から覗いた肌に見えた紋様に眉を顰めた。
「……お前、奴隷か?」
その言葉に戦士の身が固まり、もう遅いと頭で判ってはいるが肩の敗れた部分を手で隠した。
この世界には店や屋敷で奉公する商業奴隷と傭兵や兵士に徴収される戦闘奴隷が居る。
奴隷にも階級があり、魔王の前に居る戦士の肩に刻まれた紋様はその中でも一番下の階を表す者だった。
戦士は震える手で折れた剣先を魔王に向けた。
「アンタが居る限りこの国から戦いもなくならない!
馬鹿な王が戦いの度に税を跳ね上げ自分の兵を使わずに俺みたいな奴隷をアンタに向かわせてるんだ!!」
剣を振り上げ魔王に切り掛かるが、今まで微動だにしなかった魔王はその腰を上げ玉座から離れると
戦士は玉座に体当たりをする形になったが直ぐに体勢を立て直した。
玉座から立ち上がった事で戦士は魔王の全身が漸く認識できた。
自分よりも頭一つ分は高い長身に腰まではある長い黒髪を緩く束ね、
闇夜のような濃紺の衣装とマントを翻して自分の足元に転がっている戦士の折れた剣を手に取っては何かを考えていた。
「成程、最近の兵の脆弱振りはそのせいか…、奴隷を向けられるとは私も嘗められたものだ」
いっそ、また滅ぼしてやろうか
まるで唄うように笑みを湛えながら発せられたその言葉に戦士は叫びながら拳を振り上げ突進する。
あと数センチと迫った処で戦士は己の身に嫌な音が静かに響いたのを感じた。
視線を眼前の魔王から自分の腹に下ろすと自分の剣が突き刺さっていた。
「勇敢なる奴隷よ、お前はこの国が好きか?護りたいものは在るのか?」
血が口へと逆流するのを感じながら戦士は顔を上げ魔王を睨みつけると
黒髪の隙間から覗く切れ長の目の中の銀色の瞳にふと吸い込まれるような感覚を覚えた。
「ぁ…んたに……判る…もん…か…っ」
「あぁ、判らんな。弱者の気持ちなどーー」
悔しくはないのか?
聞こえた囁きに戦士は目を見開いた。
眼前の魔王はその秀麗な顔に冷たい笑みを湛えている。
「…な…ん…だと…」
「只の奴隷として人の愚かな王に命じられたまま此処に来、使い捨ての物のように死ぬのは悔しくはないか?」
腹から流れ出る血と共に頭に上がった熱も下がっているのか魔王の低い声が戦士の脳に響く。
「お前程度の力の者は飽きるほど此処に来た、だがお前だけが勇者でもなければ戦士でもない、奴隷だ
本当に勇者に成りたくはないか?」
「黙れ!!!!!」
声を振り払うように腕を振り上げ魔王を蹴って腹に刺さっている剣ごと強引に引き離れると戦士は数歩下がったその場に崩れた。
血が流れ出る腹を押さえ、息も絶え絶えながらも戦士は魔王を睨み付けると、
魔王は戦士の血で染まった剣を宙で振り何かの陣を描いた。
描かれた陣から発せられた光が戦士を包むと腹に開いた穴が塞がった。
「…何のつもりだ…?」
治ったのは腹の傷だけで今までのダメージも流れ出た血も回復した訳ではなく戦士はその場に膝を付いたまま魔王の様子を見ていた。
「私の問いに答える前に死なれるのが嫌なだけだ、問いが聴こえていたなら答えろ」
先ほどとは逆転して今度は魔王が折れた剣の切っ先を戦士に向けた。
戦士は魔王の意図が理解出来ないまま眉間に皺を寄せ、魔王が言った言葉を思い出し少しだけ考えて口を開いた。
「…この国が好きかどうかは判らない、…護りたい者は奴隷のオレに有る訳なんか無い…」
そこまで口にして攻撃の後以外で初めて戦士は魔王から視線を外して俯いた。
その時、魔王の目には目の前の人物は戦士ではなく年相応の少年が映っていた。
「…どうすれば良いんだ……」
「ん?」
「オレは…アンタを倒せなければ此処から帰れない……」
言葉にならない微かな泣き声が魔王の問いの答えを表していた。
「……お前、名は?」
泣き伏せる少年に魔王が柔らかい声で尋ねた。
「……ない、…ずっと…番号で呼ばれてた…」
手の甲で涙を拭いながら少年は開いた手で肩を掴んだ。
文様と共に刻まれた数字が今までの自分を表す単語だった。
「勇者に名が無いのは困るな、私が付けてやろう」
「………は?」
少年が顔を上げると魔王は剣を指先でくるくると回しながらブツブツと考えていた。
「アンタ……何考えてんだ…?」
「ん?名も無き奴隷を私を倒す勇者にするだけだ」
くすくすと楽しそうに笑いながら魔王はまた剣で宙に何かを書いた。
「……読めない…」
「…力以外に教養も必要だな、【タトラ】だ」
「意味は…」
「特にない、私が呼び易い言葉だと思っただけだ。
さて、タトラ、先ずはお前を奴隷から勇者にしなければな」
魔王はそう言うと遊んでいた剣を握り直して徐に自分の束ねていた髪を切り落とした。
「なっ?!?」
「戦利品はこんなもので良いか、後は…」
「アンタ何考えてんだ?!」
先程から一連の事が理解出来無い少年、もといタトラは驚いた顔で立ち上がると魔王に足を引き摺りながら近寄った。
「長年の戦いに私も飽きてきた、終わらせる為にお前には私を倒す勇者になって貰う」
「意味判んねーよ!?オレは今アンタを倒さなきゃ帰る事は許されないんだよ!!」
「そんな事は私が知った事ではない、お前は私を倒せるよう強くなるだけで良い」
今にも殴り掛かれる程近付いてきたタトラの目の前に魔王が掌を翳すとタトラの目の前が暗くなり力なく崩れた。
魔王は扉番の魔物を呼び足元に倒れたタトラを拾わせると悪戯をする子供のような笑顔を浮かべ、
血が乾き黒く染まった剣を振り何処かへと繋がる瞬間移動の陣を描いた。
(スイマセン、ナンバリングミスであと+3あります。お付き合い下さい)
闇の境界から最も近い国では国の中心の王宮で王が落ち着き無く自分の玉座に座らず部屋を行ったりきたりしていた。
「えぇい、まだあの魔城は落ちぬのか?!奴隷共め、やはり役に立たぬか!」
典型的な惰性を貪ったようなふくよかな身体の王はぜぇはぁと息を切らせ、玉座の横に常備している酒瓶を掴んだ。
「あの地の力さえ手に入れば他の隣国への侵攻が容易いというのに…」
「陛下ーっ!!大変です陛下ーっ!!」
「何だ?!魔王討伐の報告が来たのか!?」
「違います、お逃げ下さい陛下!」
慌しく入室してきた兵に怒鳴るように声を上げた次の瞬間、兵の後ろに居る者を見て王の顔から血の気が引いた。
「これはこれは人の国の王、また代替わりしたようですね」
そこには優雅にマントをたなびかせながら自分の2倍もの大きさはあろう魔物を従えた魔王の姿があった。
「…ま…まぉう……、こ…この城に何をしに来た?」
「前に来た時は貴方はまだ幼い王子でしたがこうも醜く成長するとは人とは面白い物だ」
恐怖から震えてヒキガエルの様な声を発する人の王に魔王は皮肉を混めて歪んだ笑みを浮かべる。
「下らぬ戦を終える為の相談といった所でしょうか」
そう言って魔王が指を弾くと背後に控えていた魔物が魔王と王の間に何かを投げ捨てた。
「こ…こやつは…?」
「貴方が私に向けた兵と称した戦闘奴隷の一人ですよ、
勇敢にも私も下まで辿り着き、久方振りに私に刃を入れた人間です」
魔王がざんばらになった後ろ髪を指で示すと人の王は魔王と倒れている奴隷が握り締めている髪を交互に見た。
「ど…奴隷が魔王に……?」
「貴方は自分の欲のために自分の兵を使わずに奴隷を仕向けたのでしょうが、
正規の兵より奴隷の方が役に立っているようですね?
そこで提案ですが、その者を勇者に頂けませんか?」
「何だと?奴隷を祭り上げろと言うのか!?」
魔王の提案に王は一瞬眼を見開き、憤慨して怒鳴り上げたが魔王の背後の魔物が唸ると直ぐに身を縮ませた。
魔王は手を軽く上げて魔物を宥めると瞳の冷たさを一層増して王を見た。
「提案ではありますが人の貴方に拒否権はありませんよ、
無駄な労力を注ぎ続けるより一つの物の質を上げてみては如何ですか、
彼には素質がある、私を倒すという素質が」
王は魔王の言葉に唸るだけになっていた。
「貴方は彼に勇者として必要な物を最低限与えればいい、彼は自分で強くなるでしょう」
「そ…それなら良いだろう…、その提案を呑んだ見返りはあるのか?」
王のその一言に魔王は一瞬だけ人が良さそうな笑顔を浮かべ、瞬時に自分の力を衝撃波に変えて王室の壁一面にヒビを入れた。
いきなりの人外な力の解放に吹き飛ばされた王は腰を抜かし失禁した。
「何処までも愚かな人の王よ、彼が強くなり私を倒してこの国が平和に成る時が見返りだと思え!
私がその気になれば今此処でこの国を滅ぼしてやれるが?!」
「判った!何も望まん、こやつを強くする約束しよう!!」
「判れば良い、…あ、これは彼への餞別だ」
にっこりと笑顔を浮かべると魔王は背後のものに持たせていた折れた剣を手に取り、
タトラの横に移動すると掴ませていた髪の毛を取り黒く乾いた血の部分に貼り付けると小さく呪文を唱えた。
「これが私を倒せる唯一の、お前だけにしか扱えない剣だ」
折れた剣が鈍く輝くと形を変え、濃紅の美しい剣に変わった。
魔王はその剣をタトラの手に持たせると屈み込み意識の無いタトラにそっと耳打ちした。
「お前が私を倒しに来るまで待っているよ、タトラ…」
身を起こし満足げに笑むと魔王はマントを翻して闇の境界へと帰って行った。
奴隷から勇者へと変わった少年が目覚めたのは数日後、
濃紅の剣と共に彼は魔王を討つ為に修行の旅を始める―――
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| | | | ∧_∧ 誤字脱字多くて
| | | | ピッ (・口・ ;) ホントゴメンナサイ
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|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
R/D/潜/脳/調/査/室 久/島×波/留。50年前。
シャワーを浴びる事で、私の身体からは情事の汚れと熱とが流されてゆく。私は広くはないユニットバスの壁に手をついてうな垂れ、シャワーヘッドから降り注いでくる湯を頭や背中に浴びていた。
薄汚れた排水溝に流れ込んでゆく泡交じりの湯を眺めやる。全く私は一体何をやっているのだろう。自問してしまう。
後悔だか逡巡だか自分でも良く判らない感情には、長々とは浸らない。排水溝に流れ込む湯に白い泡が見当たらなくなった時点で、私は蛇口を捻った。シャワーから湯を止める。
カーテンを開けた向こう、洗面台に引っ掛けてあるバスタオルと掴んである程度の水分を身体から拭き取ってバスタブから上がる。
短い髪はタオルで掻き回してしまえば適当に水分が抜けてゆく。それでも前髪から垂れてくる水滴が鬱陶しい。脱ぎ捨てていたスラックスを履いた後、暫く鏡と向き合って髪を拭き上げた。
もう髪から水滴が垂れてこない段階に至ったと感じた時点で、私はシャツを羽織る。上部2,3個のボタンを開けた状態で、他のボタンはきちんと閉めた。
バスタオルを洗濯籠に放り、別のタオルを手に取る。首筋にそれをかけ、髪から僅かに伝ってくる水滴を留めるようにする。前髪を掻き上げ、手櫛で適当に整えた。本来ならばドライヤーできちんと乾かしたいが、今は置いておく。
日本ではない場所だからか、そこまでランクが低い訳ではないホテルであっても室内の扉の建て付けは少々悪い。ともかく私はノブを掴み、捻り上げた。
軋んだ音がして抵抗を覚えるものの、開かない訳ではなかった。ユニットバスから出て、短い廊下の向こうにある室内に視線をやる。
天井にある室内灯の灯りは通常の状態で、夜の部屋を照らし出していた。逗留先としているだけあって内装は簡素で、ベッドの他には壁内蔵のクローゼットと、壁に張り付いている机と椅子と小さな棚程度しかない。
そのベッドの中では、黒髪の男が収まっていた。うつ伏せになって枕を抱くように縮こまって、どうやら眠っているらしい。
シーツを肢体に絡み付かせてはいるが、その逞しい身体を全面に覆っている訳ではない。露になっている腕や肩のラインが美しい。筋肉の着き具合で考えたならば、男としては理想的な身体ではないだろうか。
「――おい」
私はベッドサイドまで足を進める。彼を見下ろし、呼びかけた。若干不機嫌な声を出してやる。
「ここは私の部屋だ。寝るな」
返事はない。そもそも、動きもしない。
その状況に、私は溜息をつく。上体を曲げて彼を見やった。その黒髪は後ろで纏められているものの、現在では乱れてしまってゴムは引っ掛けられている状態になってしまっている。
その解けかけている黒髪が首筋に掛かり、そこに残された紅い痕を隠していた。…と言うか、痕を残してしまっていたか。まあ、構うまい。
私はベッドに突っ伏している彼の横顔を覗き込んだ。彼はそこに弛緩しきった表情を浮かべ、瞼を伏せていた。その口許からは穏やかな寝息を立てている。
そっと、目許に掛かる前髪を指先で掻き上げてやる。頬が少し濡れているのは、汗や涙だろう。形のいい唇からは、つい先程まで、熱い吐息を漏らしていたはずだった。
そんな風に私は彼の寝顔を眺めていた時だった。不意に私の下で、彼が身じろぎした。口許から声を漏らし、顔の向きを変える。うっすらとその瞼が開かれた。
私はその様子を見ていた。不思議そうに私を見上げるその瞳には、徐々に焦点が合ってくる。段々と自分が何を見ているのか、脳が認識を始めているのだろう。
やがて、彼はにっこりと微笑んだ。私を真っ直ぐと見上げ、言う。
「――おはよう」
「…ああ」
何処となく能天気なその声に、私は静かに答えた。こちらは笑いの成分を何も含ませない。前髪を弄んでいた指先を彼の額からゆっくりと上げてゆく。
「やっと起きたのか」
「んー、何か首筋に冷たい感触がしたから」
「何だそれは」
彼の笑顔と暢気な声に呆れつつ、私は前髪を掻き上げた。――と、そこがまだ水分を含んでいた事に気付いた。流石に派手に垂れてくる事はないが、時間を置いたら水滴が溜まる程度には。彼の首筋に、ここから水滴でも落ちてきたか。それに気付く。
しかし、そんな事は彼には言うつもりはない。私は曲げていた身体を起こした。彼を上から見下ろす格好に戻る。
「ともかく私のベッドを占拠しないでくれ。さっさと帰って自分のベッドで安らかに眠れ」
そう告げ、私は片手を横に振った。出て行けと言わんばかりの(いや、実際にそう言っているが)態度を取る。そんな私に対し、彼は笑みを漏らした。仰向けに寝転がり、自分で前髪を掻き上げた。
「酷いな。性欲処理が終わったら、俺は用済みか」
「そう言う事だ」
「こう言う面でも人遣いが荒いな」
澄ました態度を取る私に、特に傷付いた様子もない。笑って彼は上体を起こした。頭に手をやって顔を何度か横に振る。
「俺の服は?」
「そこにあるが」
問われて私は壁を指し示した。備え付けのハンガーに彼が纏っていた黒シャツやジーンズを掛けておいた。勿論、事が終わった後に、私がそんな風に世話してやった訳だが。
と、彼は私に向かって右腕を伸ばした。私は何を求められているのか判らず、彼の顔を見ていた。
「服、渡してくれよ」
「…シャワー浴びてからで良かろうに」
「いや、自分の部屋で浴びるから。早く出て行ってやるよ」
――普段は図々しいくせに、妙な所で遠慮する奴だ。まあ、そうしたいのならば、それでいいだろう。私は壁際まで足を進めてハンガーを手に取り、ベッドサイドに戻ってくる。彼に手渡した。
彼は微笑んで頷く。黒シャツに腕を通し、羽織る。筋肉が均等についている美しい身体を覆い隠す、いつもの服装だ。
それから身体をずらしてベッドに腰掛ける格好になり、足を投げ出した。そこにインディゴブルーのジーンズを通してゆく。腰まで引き上げる。
服を纏った後に、彼の手が自らの髪に伸びる。そのまま後頭部まで撫で上げた。指が髪の合間を縫い、解け掛かっているゴムに行き当たる。
「あー…解けてる」
「そのまま寝ていたからな。当たり前だ」
寝ていれば無意識に身体を移動させてゆくものだ。結び目を下敷きにすれば、そうなって当たり前だった。ところが彼は私を見上げ、にやりと笑ってみせて言う。
「お前が俺に圧し掛かってがんがん突きながら、ついでに髪も掻き回してくれたしなあ」
「それ以前に君が私の上に乗っかってた時に、腰を揺らしながら自分で掻き回していただろうが」
「…そうだっけ?」
私の反撃の言葉に、彼はきょとんとしていた。…私がやった事については元来の記憶力を発揮するくせに、自分でやった事は覚えていないのか全く。
この分では、自分がどんな顔をして、どんな鳴き声を上げて、私と寝ているのか。その辺をちゃんと理解しているのかも怪しいものだ。
彼が私の上に跨ってがくがくと揺れ、それに合わせて声を漏らす。堪えるように顔を振り、片手で頭を抱えるように髪を掻き上げ、徐々に大きく掻き回していた。
時折喉を反らし、空気を求めるように喘ぐ。そんな風にして、彼が自らの欲求に任せて腰を揺らしている。
私はその腰に両手を伸ばして支えてやっているが、ゴム越しであっても繋がった下半身に伝わる衝動は物凄く、視覚や聴覚に伝わる行為でそれが増幅されてゆく。
そうなるとこちらとしても堪らなくなり、軽く突き上げてやると彼は鳴き声に紛れ込ませつつも切羽詰まった声で私の名を途切れ途切れに呼ぶ――…思い返すだけでも淫蕩な光景だと言うのに。
そう言うものを体験させられたら、私としても彼を引き寄せて倒し、そのまま唇を奪って圧し掛かるしかなかろう。それが昂った性欲と言うものだ。
そう言う私の心中のぼやきなんぞ、彼は全く知る由もない。手探りで後ろ髪の髪留めのゴムをいじっている。手で覆うようにして掴み、無造作に引っ張ろうとしていた。
が、その時、痛みを訴える声を口許から漏らしていた。顔が歪む。
見るとゴムに髪がしっかりと絡みついている。これではゴムを引いても、絡まった髪がゴムを離してくれないだろう。
「――これでは駄目だ」
私は溜息をつきつつそう言った。彼の前に立つ。両手を彼の手元、後ろ髪に伸ばした。
「何だよ」
「私が解いてやる。大人しくしていろ」
言いながら私は視線をそのゴムへと固定する。ゴムが4重程度の輪を形成して髪を止めていた訳だが、今ではそれがずれてその合間に髪の束が挟み込まれていた。
確かに私が彼の髪を掻き回した事は事実であり、この状態の責任の一端は私にもある。だからと言う訳でもないが、私は慎重にゴムを摘み上げる。絡み付いている髪を指で弾き、どうにか抜き取ってゆく。
ある程度ずらして解いた段階で、その輪をゆっくりと髪から抜く。そうすると残っている輪の部分にも余裕が出来てくる。
たまにゴムがぱちんと音を立てるが、基本的には静かだった。彼も黙って私の作業を受け容れている。
手元に余裕が出来た事で意識が反れ、彼の横顔に視線がゆく。酷く美しい顔でもないが、充分に好感が持てる顔だ。その醸し出す雰囲気から、女性に人気があるのも頷ける。
しかし、彼は公私共に私に付き合ってくれている。とりあえずは、今の所は。
仕事では人体実験紛いの行為までやってくれた上、プライベートでは私に身体を許してくれている。どちらも私が迫り、それらを彼が受け容れてくれた結果だ。
しかし、何時までそんな状況が続くのかは、私には全く判らない。
どちらも、それを打ち切る主導権は彼にある。私には彼が絶対に必要だが、自由奔放な彼にはどうだか判らないのだから。
色々考えつつも作業は滞りない。早い内に私はゴムから髪を開放していた。私の手の中に黒いゴムが残り、それを手首に引っ掛ける。彼の割合長い髪が肩まで降り、首筋を覆い隠した。
解いてみたら結構癖っ毛なもので、あちこちで髪が跳ねている。おそらくこの状態では彼だと気付かない同僚も居るような気がした。
その辺りからも私の虚栄心は満足する。何も寝るまでもなく、彼のこんな姿を知るのは私だけなのだと。無論、寝ているのも私だけだろうが――多分。絶対と言い切れないのが、彼と言う存在だ。
彼は微笑んで私に手を差し伸べる。全く私の考えなど知る由もないだろう。
「ゴム、返してくれよ」
言われた私は彼に視線をやった。すぐに要求に応える事はしない。何となく、出来なかった。普段見る事がない彼の姿は新鮮で、目を奪われる。
彼は首を傾げ、怪訝そうな顔をする。私の前に来ている日に焼けた手が、所在無げに広がっていた。
衝動的に私はその手を強く掴んだ。そのままその手を引き寄せると、引き摺られるように彼の上体も私の方に来る。
バランスを崩した彼に被せるように、私は唇を奪った。舌先でそのまま押し割り、舌を侵入させて彼のそれを絡め取る。彼の口から一瞬驚いたような怯んだような声が漏れたが、私はそれを飲み込んだ。
掴んだ彼の手が強張っていた。しかしそれもすぐにほどけてゆく。私はそれを見計らい、ゆっくりと指を絡めた。掌を重ね、お互いの指の感触を確かめ合う。やんわりと擦れる掌の感触に震えを覚えた。
舌が絡み合う口許からはねっとりとした感覚がする。敏感な粘膜から相手の体温を感じ取る。その口を吸い上げ、舌先で内部を突付いた。
自由な手が彷徨い、彼の首筋に触れる。そこを撫で上げると彼が震えるのが伝わってきた。張り詰めた感触がする。
そのままその手を後ろに回し、彼の後頭部に差し込んだ。すっかり解けていた髪を梳る。――結局私は、彼にこうするのが好きらしい。
私の背に軽い圧迫感と暖かさを感じる。どうやら彼の腕が回されてきたらしい。私は自分同様に、彼にも好きにさせた。
指を立てて背中を這い回る手の感触がする。肩の周りを撫で上げられ、不意に首周りに空気が触れた。そこにかけておいたタオルを落とされたらしい。
指の間に入り込んでくる髪の感触を味わいながら、私は口付けを続けていた。時折呼吸をつくと、どちらともなく合間から吐息が漏れる。しかしすぐに角度を変えて互いに唇を重ね、味わっていた。
そうやって、どの位の間、唇を重ねていただろうか。
私はようやく顔をゆっくりと上げていた。彼の口許から舌を引き抜いてゆくと、唾液が僅かに糸を引いていた。そこに溜息のような息が漏れる。
彼の後頭部に手を回したまま、私はそのまま彼の顔を見ていた。濡れた唇に色気が溢れている。口許からちらつく赤い舌が悩ましい。彼の手が私の背中を滑り落ちる。その掌の熱さがシャツ越しに感じられた。
重ねた掌を、ゆっくりと解いた。汗ばんだ感触がする。それから私は彼の頭から手を離した。さっと髪を掻き上げてやる。彼はそんな私の様子を見上げていた。
「…何だ?」
「いや、もう1回やるのかなと思ったんだけど」
「君はどうだか知らないが、私にはもうそんな元気はない」
「じゃあ泊めてくれないのか、やっぱり」
「君にもこのホテルに部屋は割り当てられているだろうが」
「そうだけどさ」
言いながら彼は自分で頭に手をやって撫で上げていた。ベッドから立ち上がる。口許に手の甲をやり、濡れたそこを拭った。
彼は無言でまた私に手を差し伸べる。私はその掌の上に、黒いゴムを落とし込んだ。彼はにっこりと笑ってそれを受け取り、指を曲げて握り締める。
「じゃあ、また明日」
「ああ。仕事に支障が出ないように休んでくれ」
彼は私に笑い掛けそう言い、私もそれに応じた。
それは普通の挨拶だった。1時間ほど前には身体を、そしてつい先程には唇を重ねていたとは思えない程に、自然な。
結局彼は髪を纏め直さずに部屋の出口へと向かう。肩まで伸びている後ろ髪が、彼が動く事で微かに揺れた。私は彼の背中を視線で追っていたが、それは扉の向こうに消えていく。
そう言えば、結局彼の首筋に痕を残していた事を告げていない。まあ、いいか。明日にでも目敏い同僚が彼をからかうかもしれないが、私は涼しい顔をしておこう。
それにしても。彼にはもっと愛情を込めて接すればいいのだろうか。抱いておきながら、このようにぶっきらぼうに接するのは、何か間違えているだろうか。
そんな風に接しても彼は全く気にしてはいないようなので、ついそうしてしまう。男同士だと言うのに何の葛藤もなく、当初から本当にあっけらかんとベッドに付き合ってくれるものだから。
経験の有無以前の問題として、容易くラインを乗り越えた様子から、彼は友情と愛情の区別を全くつけていない風だった。彼に無理を強いている私としてはそれでいいのかもしれないが…。
しかし、では具体的にどうすればいいのか。私にはその方法が全く判らなかった。何せ、他人をこれほどまでに必要とした事など、今までなかったのだから。
この執着を愛と呼ぶべきなのかも判らなかった。彼と身体を重ねるのはこれは愛だと納得したいがためなのかもしれない。世間一般的にはそれこそが愛を確かめ合う行為なのだから。
もっと長い時間悩めば、色々と判るのだろうかと、少しだけ思う。が、時間を掛ければ判るものでもないだろうとも思っていた。
――直感的に、「私にはこの男が必要なのだ」と悟るのも、考え物だ。私は自らの感覚に、内心苦笑せざるを得なかった。
とりあえずは男の生理の哀しさか、腰が軽くなった感触に満足しておく事にしよう。そう思い、私は床に落ちていた、僅かに湿っているタオルを拾い上げた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ちょいと規制に引っ掛かっておたつきましたが、どうにか投下終了できました。
ともかく、波/留の後ろ髪は、久/島が存分にいじってやってるといいよ!
あの漫画読むまで、イエスにエロスを感じたことなんてなかったのに。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
先生はぼくに、服を脱いでこっちに来るように仰いました。先生が脱がせて下さるんじゃ
ないんです。ヨハネのことは脱がせてやったのに。
まあ、先生にじっと見つめられながら自分で脱ぐのも悪くはないか。
「よく辛抱したね。いい子だ、アンデレ」
裸になってヨハネの隣に身を横たえたぼくを、先生はあの逞しい腕でそっと抱きしめ、
とろけるようなキスをして下さいました。先生と舌を絡ませながら、横目でちらっとヨハ
ネを見遣ります。彼の焼けつくような眼差し。今度は彼が辛抱する番です。わざとヨハネ
に見せつけるように、先生の背中に回した手に力を込め、更に激しくキスをねだりました。
先生の唇が、顎から喉を伝って、胸元へ降りて行きます。焦らすように舌で肋骨をなぞ
られ、右の乳首をしゃぶられちゃいました。「あん・・・・」おヒゲがちくちくします。でも、
それがまたすごく気持ちいいんです。
「先生、左も吸って・・・・。お願い」
「右のおっぱいを吸われたら左のおっぱいも差し出す、うん、私の教えをよく実践して
いるね」
先生は鹿爪らしい顔で頷き、左の乳首を口に含みます。そうしながら、左手で自分の唾
液に濡れた右の乳首を、右手でヨハネの右の乳首をくりくりぷにぷに。巧く触られてビク
ンビクン。
かと思うと、
「かわいそうに、虫にでも刺されたのかな。こんな所をこんなに赤く、パンパンに腫ら
しちゃって。どれ、私が治してあげよう」
とか涼しい顔で仰りながら、二人同時に手でイカせて下さいます。善き羊飼いは口八丁
手八丁、とっても有能なのです。
それにしても、いつも清廉潔白な先生が、ほんとはこんなにイヤらしいなんて夢にも思
わなかった。前からぼくやヨハネを見ながらこんなこと想像してたのか?まさか、最初か
らこれが目的で弟子にしたんじゃないだろうな。この変態淫乱ドスケベラビ。
ぼくのその気持ちが伝わったかのように、頬杖をついたヨハネがぽつりとこう洩らしま
した。
「・・・・先生がこんなことなさるなんて」
恨みがましい響きや、非難めいた意味あいはなく、ただ、素朴な感想を口にしただけ、
という感じです。
先生はふっと微笑んで、彼とぼくの肩に掛布を掛けて下さいました。
「こういう先生もあるんだよ。私が神の子であることに間違いはないが、同時に、若く
健康な一人の男であることにも間違いはないからね」
いや、だからって二人まとめてベッドに引っ張りこまんでも。
でも、そう仰った時、何だか少しお寂しそうに見えたのは、気のせいだったのでしょう
か。すぐにその表情は消え、いつもの力に満ちた先生が戻ってきました。
「あなたたちも、恥じることはない。肉体に感謝し、肉体を祝福しなさい。心の赴くま
まに生きなさい」
うーん。いいことを言ってはいるんですが、そんな説法口調で喋ってほしくないですよ
ね、こんな時に。
それって要するに、自分の性のあり方に率直であれって言ってるんだと思うんですけど、
もしも先生が死後、ものすごく偉い人に祭り上げられたりしたら、絶対この教えはなかっ
たことにされそうな気がする。
「というわけで、肉体を祝福しよう」
先生は掛布の中に潜りこむと、ぼくのおなかにキスをして下さいました。そのまま、温
かい舌がツツーッと下半身に降りて行きます。
「ひあっ!」
さっき先生の掌に出してすっかり柔らかくなっていた所をいきなり、パクッと咥えられ
て、思わず仰け反りました。
「やあっ、だめっ、先生、汚いっ」
上半身を起こし、慌てて制止します。ああ、いけない。忽ちむくむくと大きくなってし
まった。先生の口に吸いつかれ、舌に絡みつかれる感触は最高なのですが、先生にそんな
屈辱的なことをさせるわけにはいきません。
「先生、ぼくのそんな所・・・・あっ、絶対にお舐めにならないで下さい」
掛布を被ったまま、無心にしゃぶっておられた先生は、口を離し、目を上げて、真顔で
仰います。
「私がおまえを舐めなければ、おまえは私と何の関わりもない」
ちょ、ちょっと待って下さい。それはないでしょう。
「で、では、どうぞ思う存分舐めて下さい。チンコだけじゃなく、玉々も、お尻の穴も」
思わず口走ってしまいました。ああ、恥ずかしい。先生もヨハネも笑っています。
何だか、きっとうちの兄さんも同じことを言うだろう、という気がしました。まあ、兄
弟ですから。それにしても、なんで急に兄さんのことなんか思い出したんだろう。
「アンデレ・・・・私の愛しい子。おまえは私を愛しているか?」
先生の舌と指が神殿の柱を伝い降り、二つの生命の揺籃を愛でます。
「はい、主よ。あ・・・・あなたがご存じの通りに。・・・・ひゃあんっ!」
「そうだろう。何が汚いものか。私に対する愛に満たされたおまえは清い者だ」
舌が後ろの小暗い至聖所を這い回り、密やかに忍び入り、ぼくは、熱したバターのよう
に融けてしまいました。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
いや、べつに自分は本のセールスではないですが。
>>55 神がかり的GJ
一文一文がいちいち腹筋を刺激してならないww
正座でwktkしながら続きを待ってます
>>55 God Jobっす
次からは厠で読まないようにするわw
>>55 変態ラビww
いいぞwもっとやれwww
Amenwww
某化炉マスター×海人。マスター視点。オリキャラ注意
後編がなかなか切れずに中編になりました
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) ジサクジエンガ オオクリシマース
急に寒さを感じて、真っ暗な夢から意識が戻ってくる。
酒が抜けたんだろうか。まあ、あれだけ飲めば冷えるか。
薄く目を開けると、パソコンの電源が落ちている。
少し重い頭を動かして、違和感を覚えた。下にあるのが、枕の感触じゃない。
冷えた体に少しずつ温もりをくれるそれは、自分のものじゃない。
明らかに他の、人のもの。
そこまで考えて、まだ寝ぼけてるのか、と我ながら呆れる。
この部屋にオレ以外の人間が、誰がいるってんだ。
バカバカしくなって仰向けになると、
オレが枕だと思っていたのは、誰かの膝の上で。
そこには人がいた。
寝ぼけ眼が一気に覚めて、混乱が頭の中を一気に走り出す。
泥棒か。空き巣か。強盗か。入る家間違えてるぞ。他を当たれ。
ウチにあるモンで価値のあるものなんてパソコンくらいしかねえ。
でも持ってかれるわけにはいかねえんだ。大事なモンが入ってるんだから。
仕事用ファイルとか書きかけの譜面とかあいつが―――
あいつのことを考えた瞬間、何故か急に混乱が解けた。
冷静になったところで、未だ何もしてこない不振人物の顔を見てやる。
見たことのある顔が、眠るように目を閉じていた。
見たことあるどころか、毎日見ている顔だった。
「……………カイト……?」
無意識に名前を呼ぶと、そいつは目を開けた。
「………マスター……?」
聞き慣れた声で呼ばれて、オレは飛び起きる。
外からの光で少しだけ照らされたその人間は、いつも画面の向こう側にいる
“カイト”と寸分違わなかった。
ああ、人間って混乱が脳みその許容範囲を超えると、何も考えなくなるんだな。
そうやって納得するくらい、オレは落ち着いていた。
ただ単に訳が分からなくなって、呆然としていたとも言えるが。
それはカイトも同じだったようで。
向こうは明らかに驚きを顔に出したまま固まっていたが、
何度か瞬きした後、突然オレの腕を掴んできた。
「……マスター、なんですよね?」
当たり前だろ、と思うような質問に、おう、とだけ答える。
「お前は、カイトなんだよな?」
オレもオレで当たり前だろ、と思われるような質問をして、カイトが頷く。
「どうして………?どうしてマスターが?」
「それはこっちの台詞だ。なんでお前がパソコンから出てきてるんだよ」
お互いに同じような問いかけをして、同じようにまた黙る。
カイトが相当混乱してるのが分かる。まあ、それが普通か。
だってあり得ないことが起きてるもんな。
あり得ない?そうだよ、あり得ないよな。そうかこれは夢か。
にしてもリアルな夢だな。さっきの温かさとか、カイトに掴まれてる感触とか。
一人そんなことを考えていると、それまで静かだった部屋に、音が生まれる。
すすり泣くような声をたどると、カイトの顔が崩れていた。
「……何、泣いてんの」
「っ…すみませ……でも………こんなに近くに、マスターが……」
軽く溜息をついて、オレは手を伸ばして、カイトの頭をぽんぽん叩いてやる。
髪の感触がリアルすぎて、夢なのか現実なのか区別が付かなくなりそうだ。
「…それは、泣くほど嬉しいって意味でとっていいのか?」
オレの問いに、カイトは頷く。腕にあった手が、オレの手に移る。
なんでこれが夢なんだろうな。虚しくなる。
「…まあ、なんでこんなことが起きたのか分からねえけど
オレも、お前と一緒だよ」
そう言って、オレはカイトを抱き寄せてみる。まだ目は覚めない。
そのまま宥めるように頭を撫でていると、カイトが恐る恐る手を伸ばしてきた。
背中に回ってきた手の感触が、温かい。
「マスター。…俺、ずっとこうしたかったんです」
カイトの言葉に釣られて、オレは見下ろす。
「マスターに触れたい。マスターに触れられたい。ずっと、思ってたんです。
そうすればもっとマスターを好きになれるって。…思ってたとおりでした。
俺、今までで一番、マスターが大好きです」
そう言ってカイトは、赤くなった目を細めて笑う。
お前は、いつもそうだ。恥ずかしげもなく好き好き言いやがって。
その度に、オレがどれだけ我慢してるかも知らないで。
オレはカイトの顔に手をやると、口付けた。
一瞬、驚いて身を竦ませるのを無視して、より深く繋ぐ。
舌のぬるついた感触が、生々しい。しばらくそれを楽しんで、口を離した。
「…画面越しより、こっちの方がいいだろ?」
オレが聞いて、息を吐きだしたカイトの顔が赤くなる。
しかし今度はそっぽを向かないで、小さく、何度も頷いた。
ああ、もう夢でいいや。実際、リアルすぎて現実と変わらないし。
むしろ夢だからいい。こんな夢、今後一生見ないだろ。
一息吐いて、オレはそのままカイトを布団の上に押し倒した。
ぼふ、と布に沈む音がして、二つの体がくっつく。
「え……っま…マスター……!?」
カイトが驚きと混乱が混ざった顔を向ける。何か言いたげな口を、もう一回塞ぐ。
「言ったろ。コイビト同士なら、もっと他のことしたいって」
今度はすぐ離して、少し気恥ずかしくなって小声で言ってみる。
カイトは再び顔を赤くした。相当混乱してるのか、口が開いたままだ。
「お前がどうしても嫌っていうんなら、我慢するけど」
軽く頭を撫でて、一応聞いてみる。実際、我慢できる自信はないが。
しばらくオレを見たり、視線を逸らしたりを繰り返して、沈黙が続く。
「………嫌じゃ、ないです」
大分経って、カイトの返事が、再び回された手の感触と共に返ってきた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
また頃合いを見て最後まで投下します。乱文失礼
2回目です。短い上に間接的な表現ばかりですみません、
試練:新訳の医者です。原作に人気が無いのが悲しい…
相手は皆さんの想像に任せます!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
簡素な部屋に熱気と湿り気が充満していた。
二人分の重みを背負ったソファーの軋む音が、行為の野蛮さと卑猥さを表している様だ。
むせ返る汗と性の臭いは彼等を興奮させ、より高みへと連れて行く。
ここまで来れば、もう引き返す事は出来ないだろう。
どうしてこんな破目になったのか、と組み敷かれた彼は今更ながら後悔していた。
儀式の継続、自殺、s人化、uりえんの入手、決闘…
彼はループによるそれらの事象に既に飽ききっていた。退屈と厭世さで満たされていた
思考はどれも無茶なものばかりで、新しい何かを起きればと彼は躍起になっていた。
どうせこの地獄は永遠に続くのだから、せめてループに変化位は欲しい。例えそれが滑稽なものだろうと。
が、ふざけ半分でやってみた行為がここまでになるとは予測できず、
彼は冷徹な仮面を剥がされざるを負えなかった…いや、自ら剥いだのかもしれない。
抵抗は快楽の波に掻き消され、野卑で野蛮でギトギトした欲望に、冷徹だった彼は次第に魅了されていく。
そうして表皮を剥がされ、最後に残ったのは動物の、原始的な本能だった。
彼は引き返すことを止めた。そして、それを迎えるかのようにサイレンの轟音が鳴り響き
彼は諦めた様に、ゆっくりと瞳を閉じた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)イジョウ、ジサクジエンデシタ!
※修正
×新しい何かを ○新しい何かが、です。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|感想とかありがとうございます(前回いいわすれた
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|続き物、六回目です。まだ続きます。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ニャー
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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がくぽは早起きだ。
いったん四時に目が覚めるが、山崎が寝ているので、もう一度寝る。七時くらいになると、本格的に置きだして、山崎を起こしだした。
「主様!今日は買い物に行くのじゃろう!起きるのじゃ!」
「んーんー、まだ七時、あと一時間〜。アルバイトが休みの日は一日中寝たいんだよー」
「あるばいと?何じゃそれは。まあいい、とにかく八時になったらもう一度起こすぞ」
そして八時になっても芋虫のように布団に包まって出てこない山崎を、扇子がはたいた。
「まだ八時…あと一時間…」
「これ!約束と違うではないか!早く起きろ!」
「あと一時間…ぐー…」
しょうがないので寝かせておく。
昨日作ったカレーを、昨日の山崎の見よう見まねで、火をつけて焦がさないように混ぜながら温める。
ご飯も温める必要があるかと覗けば、勝手に保温されていたことに驚いた。
「…いい匂い」
芋虫がおきてきた。
カレーの匂いに釣られて、腹をすかせた山崎が布団から出てきた。
ついでにエプロンをしているがくぽが可愛らしくて、目を奪われた。
「がくぽ」
「!起きたか、主様」
ふり向いたがくぽは、ふりふりのエプロンをしていた。
「ぶはっ、どっ、どこから持ってきたのそれ…」
思わず吹く。
だが、そのエプロンに見覚えがないわけではなかった。
昔、かなり昔、彼女に着てもらおうと購入したものだ。今でこそ彼女はいないが、まさかそれをがくぽが着るとは思わなかった。
メイドさんよろしくふりふりのついたエプロンを揺らしながら、おたまを持ってがくぽが言った。
「箪笥をいじったら、これが出てきたものでな。もったいないから着てみた。変か?」
変か、と聞かれて、そうですといわないのがこの山崎の変態どころ。
むしろ可愛い。
山崎は思った。
「ねーがくぽー起こしてー」
再び毛布の中に入ると、がくぽのほうに右手を高く上げた。
それを両手でがくぽがつかんで起こそうとしたとき、逆に、山崎が引っ張った。
「あっ!!」
倒れてきたがくぽをしっかりと抱きとめ、そばにはおたまが転がってるが気にしない。
「主様、何のつもりじゃ!!」
腕を押さえつけられてはかなわない。
「おはようのキスは?」
「…。!なっ、何を言うか!接吻なんてこれとしているがいい!」
一瞬何のことだか分からなかったが、昨日のKAITOの、キスは接吻という意味だという台詞を思い出し、赤くなった。
と、空いている手でおたまを拾われて、山崎は思いっきり唇につけられた。
「そんなのとキスなんてしたかねーよ!」
おたまをどかすと、強引に口付けをする。
歯列をなぞって、唇も甘くかんで、舌と舌を絡ませる。
「んっ、ふぁ、はあ…卑怯じゃ…」
やっと唇が話されたころには、がくぽの力は抜けていて、いつの間にやら押し倒されていた。
するりと衣服の下に、山崎の手が入る。
「…あ…」
胸の突起を痛いくらいにつまむと、がくぽが体をそらしてよがった。
「んはあっ!」
「がくぽはここが弱いねー」
両方の手で、胸の突起をつぶしたり引っ張ったりする。
がくぽはそのたびに愛らしい声を出してよがった。
ふるふると首を横に振る。
「どうしたの?」
「や、それ以上したら、狂い、そ…んんっ!」
胸だけの刺激にしては強すぎるし、しかし達するには刺激が弱すぎるのだろう。何度も何度も首を振る。
「あっ、あ!もう…許し…」
下のほうはどうかな。
そう山崎は思ってエプロンをめくってズボンの上から性器をなぞった。
立ち上がっている。
「胸で感じた?」
「な、何を言うか!あ…!」
片手で胸をいじくりながら、もう片方の手はズボンの中に入っていく。
しっかりと性器をつかむと、表情を見ながらしごいていった。
戸惑った表情から快楽を帯びた表情へ。
頬にわずかに赤みが差し、性器も先走りの液が出てきた。
「あっ!あっ!ふ…あ…、…!」
早々に達してしまった。ハアハアと口は開いたままで呼吸をしている。
その様子があまりにも色っぽくて、胸と性器から手をはずして、がくぽを抱きしめた。
シーツに広がる紫色の髪が、揺れる。
「…こっちも慣らさないと」
「え、あ、んんっ…」
足を高く持ち上げられる。ズボンを下ろされて、吐き出された精液を利用して、後孔を押し広げていく。
恥ずかしい格好に、頭に血が上るのを感じたが、ぐっとこらえた。
指が入れられる。くちゅくちゅと中を慣らすようにもう一本の指が入れられる。
「ふぁっ…主…様あ…!」
思わず甘い声が漏れる。
早く入れてほしくて、体中がうずいて、山崎の服をつかんだ。
「ん?何?」
「もう…。早く…。一昨日のように…」
「入れてほしいんだ?」
にやりと笑う。
とたん、かあっと顔が熱くなった。
「…。そう…じゃ…」
「了解」
がくぽの頬に口付けを落とすと、自分の性器を出した。それはがくぽの痴態を見ていたせいか、もう入れる準備はできていた。
「…しなくていいのか?」
がくぽが口を開いた。
「ん?」
「前みたいに…口で」
「ああ、いいよ。このまま入れるから君はそのままよがってくれれば」
と、一気に挿入する。奥のほうまでそれは届いて、びくんとがくぽは体を震わせた。
「あ…あー!!」
腰を早く打ち付けられ、良い所を擦られ、がくぽの頭の中はぐちゃぐちゃだった。
ただ己を支配するのは快楽。
涙が悲しくもないのに、痛いわけでもないのに、ぼろぼろと流れてきた。
「あっ!ああん!主様…!」
口を小さく開けて、その唇に彩られた紅が情欲を誘う。
アンドロイドの癖に。
男の癖に。
なんて色っぽいんだ。
まるで悪口でも言うかのように、山崎はつぶやいた。
一房髪を掬い取ると、その髪に口付ける。
そして腰を振るスピードを速めた。
中が締まって、強烈な快感が襲ってきた。
「出すぞ、がくぽっ」
「ああっ、あっ!んあっ、はあっ」
がくぽは口元を押さえながら、何度かうなずいた。
「っ…!」
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 7に続きます
| | | | ピッ (・∀・ )今回はエチーのみ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
前作含め、沢山のレス、本当にありがとう。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
先生は枕元から香油の小瓶を取ると、栓を抜きました。濃密な花の香りが部屋いっぱい
に立ち籠めます。中身を片手に空け、ぼくたちの髪や肌にたっぷりと塗って下さいました。
先生に言われて、お互いの体に塗りあうこともしました。ちょっと照れくさそうに、で
も気持ちよさそうにしてるぼくたちの様子を、先生は満足そうに見ておられました。
「先生にも塗っていいですか」
ヨハネが言うので、ぼくも慌てて声を上げました。
「ずるいぞ、ぼくだって」
ヨハネと二人で、ぺたぺたと先生に塗りたくります。髪に、頬に、首筋に、胸に、おな
かに、背中に、手足に。オチンチンや玉々や、ピンピンにとんがったおっぱいにも塗っちゃ
う。香油に塗れてぬらぬら妖しく光るピンク色のおっぱいを、更に二人で押し潰したり捻
り回したり息を吹きかけたりして、散々遊び倒します。先生はそれだけでイキそうなくら
い、おもしろいように感じまくっていらっしゃいます。
やがて、先生が仰いました。
「アンデレ、仰向けになって足を開いて」
ついさっきぼくらをビビらせたあの馬並みの逸物が自分の中に入れられようとしている
のを見て、再び不安になりました。確かに、神の息子の息子(ややこしい)があんまり貧
相だとカッコつかないけれど。でも、何もこんなに隆々としてなくたって・・・・。
「アンデレ、大丈夫だよ、痛くないよ。リラックスして」
寝台の端の方に寝そべったヨハネが声をかけてくれます。気のいい奴です。
「アンデレ、恐れてはいけない。私を信じて、私に全て委ねるんだ」
言いながら、先生がゆっくりと、ぼくの中に入って来られます。
「・・・・なんかそれだけ聞いてると、すごく高尚なことを語っているみたいなんですが」
つい皮肉を言ってしまいます。香油のおかげで滑りがよくなっているせいもあるのでしょ
うが、本当に、ちっとも痛くありません。でも、べつに快感もありません。先生と肉体が
結ばれていると思うと嬉しくはあるのですが、ただ、これまでに味わったことのない種類
の感覚、というだけです。無理に譬えるなら、体の中にシナイ山が聳え立ってるような感
じでしょうか。
先生は心外だというように目を丸くなさいます。
「何を言うんだ。言ったろ?これは授業だって」
そして、片目を瞑って仰いました。
「神は一つ、真理は一つ、我々は一つ。一つでありながら、あらゆる時、あらゆる場所
に存在するものなんだよ」
すごくよくわかったようで、やっぱりよくわかりません。
でも、先生が動き始めると、そんなことはもうどうでもよくなってしまいました。
「ひっ・・・・ひゃあああっ!何これ、先生、やだっ」
ぼくの固くなった所が先生の体に擦れます。それだけではなくて、どうやらぼくの奥に
も、刺激を受けると気持ちのいい場所があるみたいなんです。ズッコンバッコン突き上げ
られる度に、先生の大きなオチンチンの先っぽがまともにそこに当たるんです。生まれて
初めての、頭がおかしくなるくらいの快楽です。
「あっ、あっあ、先生、もっと・・・・んんっ、だめっ」
ああ、こんな姿、兄さんにはとても見せられません。弟が男にチンポ突っこまれて、きゃ
んきゃん言って腰振ってる所なんか見た日には、さしも豪胆な兄さんも泡を吹いて卒倒す
るでしょう。しかも、その男というのは兄さんが世界一尊敬するあの先生なんですから、
ショックのあまり自殺するかも知れません。
「せ、先生、もしかして・・・・これが神の国?」
無我夢中で先生にしがみつきながら、やっとのことで尋ねます。
「その通り。これが涅槃、ニルヴァーナだよ、アーナンダ」
「へ」
「いや、ごめん。一瞬時空を超えて、他の誰かの意識とシンクロしたみたいだ。気にし
ないでくれ。
それはそうと、アンデレ・・・・おまえの中、温かくてよく締まって気持ちいい・・・・ううっ
・・・・私もそろそろ・・・・」
「ああーっ!先生!イクッ、イッちゃう!いっぱい出して!!」
先生の歓喜の大潮がざああっとぼくの中に溢れ出し、一瞬遅れて、ぼくも至福に到達し
ました。
暫くの間、失神していたのでしょうか。
頬っぺたをぴたぴたされて、気がつきました。先生とヨハネが覗きこんでいます。
「気持ちよかったの?」
と先生がお尋ねになります。
声に出して答えるのが恥ずかしかったので、子供みたいにこくこく頷きました。先生は
とてもやさしく、ぼくをぎゅっと抱きしめて下さいました。正直に言うと、行為の間より
も、その時の方がずっと、幸せな気持ちでいっぱいでした。
そのあとは何をしたかっていうと、先生に言われて、ヨハネとも軽くキスしたり、抱き
あってお互いの体を触ったり舐めたりしました。二人とも少しぎこちなかったけど、先生
がご覧になっていると思うととても興奮したし、気持ちよかった。それからもう一回ずつ、
先生に入れてもらって、終わってからも一時間くらい、三人でイチャイチャしてたでしょ
うか。日も暮れてきて、部屋も薄暗くなってきました。ぼくもヨハネもさすがに草臥れて、
先生の両腕を枕に、ぼんやりと窓の外の夕焼け空を眺めていました。
突然、戸口の方で音がして、ほっそりとした人影が立っているのが見えました。
「先生、これは・・・・」
お使いにでも行っていたのでしょう。会計係のユダが買い物袋を取り落として、呆然と
寝台の上のぼくたち三人を見つめています。勿論三人とも裸のままです。し、しまった。
確かにまずいシチュエーションではありますが、でも、うちの兄さんや、ヨハネの兄貴
のヤコブじゃなくてまだよかった。潔癖なナタナエルとか、一番俗っぽいようで、その実
一番純情なマタイとか。ユダは何ごとに対しても割と超然としたような所がありますし、
とりわけ口の堅い男ですから、見られたからってそんなに気にしなくてよいと思います。
とはいえ、個人的にはあまり好きじゃないんですけどね。無愛想で何考えてるのかわか
らないし。目つき悪いし態度でかいし。時々、微妙に空気読めないし。前髪を顔の前に垂
らしてたり、耳飾りしてたりして気取ってるし。
「ユ、ユダ・・・・」
何やら先生の様子が変です。いつも鷹揚で、滅多なことでは驚かれない先生が、説法が
スベった時みたいに焦っておられます。単にエッチの現場を第三者(この場合は第四者か?)
に覗かれた、という以上の慌てようです。
しかし、もっと意外だったのはユダの奴のリアクションでした。
「先生!ひどいじゃないですか、あんまりだ!」
女のように形のよい、赤い眉を逆立てて、彼は叫ぶように言ったのでした。声が上擦っ
ています。拳を握り、体を震わせ、どうやら涙を浮かべているようです。
「俺は・・・・俺はこんなにクールビューティなのに!そんなにヨハネやアンデレみたいな
ロリ野郎の方がいいんですか!しかも二人を両側に寝かせるなんて、なんて破廉恥な!
夕べもあんなに愛して下さったのは、おまえだけだって仰ったのは嘘だったんですね!
一体、これが神の子のなさることなんですか!」
先生は蒼白になって、苦しい弁解をなさいます。
「いや、あのね、ユダ、私はね、その、博愛主義者だから」
「何も聞きたくありません!わああん先生なんか大っ嫌いだ!先生なんか、先生なんか、
銀貨三十枚で祭司長に売り渡してやるうう」
ユダは泣きながら、夕暮れの街に飛び出してゆきました。
ど、どうしたらいいんでしょうか。白けた雰囲気で黙りこくっているぼくたちに、先生
はいきなり、場違いなほど明るい声でこう宣言されました。
「喜びなさい。今や、預言は成就された」
先生の仰る預言というのが何のことなのかは、例によってさっぱりわかりませんが、そ
れにしたって、何かもっとましな方法はなかったんでしょうか。
もし、先生の偉大な生涯とその教えが書物になって、後々の世までも、多くの人々の生
きる糧となる、なんてことがあるとしたら――。
まさか、この顛末をこのまま書くわけにはいかないでしょうに。
おしまい。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
先生、色男すぎて受難シーンがなんかエッチです。
>>77GJwww
前作ともども、本当に素晴らしいよ!
モニタに向かって吹いたのは久々だwww
>>82 あんた!最高だよ!
涅槃に吹いて銀貨30枚で腹筋クラッシュしたw
>>82 聖なるお兄さん自重wwww
笑いすぎて涙が出てきたぜ。
なんだか磔もプレイの一環にしか思えなくなって来たじゃねえかww
>>82 GJ
画面の前でニヤけた顔が戻せないw
もうキリスト教徒の友人の顔がまともに見れない気すらしてきた…
>>82 神の息子の息子で盛大に吹いて更にまさかのオチで変な声出た
まさかあの出来事にそんな背景があったなんて
>>82 朝っぱらからえらいもんを読んじまったwwww
さっきから笑いすぎてリアルに orz な姿勢で痙攣してるww
ついでに昔、例の漫画のユダのチッスシーンでときめいた事も思い出したわww
とにかく姉さんGJでした!シャローム!
…………………ぶふっwww
>>82 これは言わずにおれないw
テラGJ!
ゴルゴダは浮気の代償かよw
>>82 GJ、マジお疲れ様でした。
ええもん見させてもらいました、ありがとう。
>>82 GJ!!
もう毛根は死滅した…
そして腹筋を返してくれww
>>87 そんなこと言わないで…
日曜に挙動不振になってしまうじゃないか
日曜に神の家で挙動不審なのはこのスレの姐さんなのだと思っておこう。
95 :
ズルイ大人:2008/08/28(木) 00:40:33 ID:nJGrIooJ0
元ネタはあるけど、キャラを見たら萌えないと思うので色々伏せさせていただきます。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「…ん…あぁっ!!」
しなやかに目の前の痩躯の背が反り返る。
有職の地位にありながら王子の教育係の所為か、細い体に似合わず腕も立つ男が、自分に体を開いて喘いでいる。
一年間、一緒に旅をして階級を超えた信頼を築いてきた。それ以上は気持ちを見せないように、仲間として振舞っていたはずなのに。
甘い果実酒の酔いが一線を越えてしまった。
とろりとした甘い匂いを纏い、うっとりとした顔でキスを繰り返し一言だけ囁いた。
「抱いてくれ」
酔いの所為にして誘ったお主と、酔った振りをして誘いに乗った自分と、どっちがズルイのだろう。
お互いに隠して築いた気持ちは口にしないズルイ大人。
「出して…良いか?」
後から言えば、頷くように動く頭。
睦言のない、獣のような交わりをどう思っているのだろうか。
逐情し、弛緩する体を腕の中に抱き込みながら、お互いが正気に戻ったら、この思いを語り聞かせてやろうと心に決めた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
制服に弱いんですよ、鼓笛隊みたいなあの格好 ダイスキダー orz
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| アシモフ御大の鋼鐵都市シリーズから、イライジャ.と
| ダニ一ルのお話です。保管庫の素晴らしい話に敬意を表して。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 自分のサイトにも後でUPさせてもらいます。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 自分とこじゃ誰にも読んでもらえなさそうなので。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ピコ手上等!
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
97 :
1/7:2008/08/28(木) 18:49:48 ID:9sklmmNV0
「パートナー・イライジャ。ありがとうございます」
唐突な礼だった。脈絡のない感謝だった。高速走路網に乗り移ろうと身構えていたベイリ.は、背後にぴった
りとつき従うパートナーを振り返った。
今事件の相棒はそんな彼を重々しい落ち着いた表情で見つめ返す。そうしながら二人は、より流れの早い移
動帯に危なげなく乗り移った。それは鋼鉄都市で生きて四十年以上になるベイリ.にとってなんの支障もない動
作だった。だが、この都市に足を踏み入れてまだほんの数日である相棒――――ダニ一ルもまた、同じくらい
に躊躇いのない素早い動きだった。
くそったれめ。心中でそうごちて、しかしベイリ.は仕方がないと思い直す。
相手はロボットだ。どこどこまでも人間そっくりに作られているとはいえ、その中身は鉄製の骨格にオーロ
ラご自慢の最新鋭の陽電子頭脳ときている。腕力も体力も敏捷力もなにもかも、ただの人間とは比較にならな
い。言うだけ無駄の事実にいちいち腹を立ててどうする。
そうは思っても、不愉快な気分を受け流すにはやはり、多少の時間がかかった。わざとらしくないふうを装
ってごほんと咳払いし、ややつっけんどんに「なにがだ?」と問う。
自分はこのロボットに「ありがとう」と言われるようなことは何一つしていない。
しかしロボットはこの世で唯一、絶対に気まぐれを起こさない存在だ。人間のように、ふと何かを思いつい
たり、必要もないのにその場凌ぎの出任せを口にしたりはしない。行動のすべてに徹底した三原則の縛りがあ
り、それゆえにその裏には明確な理由がある。今回もベイリ.には窺い知れないことながら、ダニ一ルには「あ
りがとう」と言うべきなにかの理由があるのだろう。
98 :
2/7:2008/08/28(木) 18:50:39 ID:9sklmmNV0
追跡者はもう完全に振り切っていた。高速帯に乗り合わせた一般人にしても、挙動のおかしな者は一人もい
ない。話しこむうちに予想外の場所まで運ばれてしまわないよう、ベイリ.はいったん減速帯へと避けた。
そのうえで、そつなく後ろをついてきたダニ一ルに、催促の顎をしゃくる。ロボットは落ち着いていた。
「一言お礼が言いたかったのです。多少なりともあなたが私を受け入れて下さったように思われましたので」
「なんだって?」
「はい。ですから、パートナー・イライジャ、私はあなたに一言お礼が言いたく……」
「それは聞いた! ちゃんと聞こえてる! 意味が分からなかっただけだ」
唖然としたベイリ.の表情になにを勘違いしたのか、心持ち声を大きく復唱し直すダニ一ルに、ベイリ.は手荒
く手を振って黙らせた。そうしながらじろじろと無遠慮に、従順に口を閉ざした相手を眺めまわす。つつまし
く直立不動で立つロボットは、一見するとどこにも異常はないように思われた。
異常がない? だったらなぜこいつは、よもやぼくがおまえを受け入れただなんて思うんだ。
不審な表情にベイリ.の疑問を察したのか、ダニ一ルが「説明させていただいてもよろしいでしょうか」と水
を向ける。黙れと言葉にして命じられたわけではないにせよ、自分が喋ることで悪感情という危害を人に与え
ぬよう、ひっそり抑えられた声だった。
「良いだろう。君はいったいなぜ、ぼくが君を受け入れただなんてそんな馬鹿なことを考えたんだ? 君もよ
く知ってのとおり、ぼくは大方の地球人と同じでロボットが嫌いだ。人間の仕事を奪うし、理性的ではあって
も分別がない。加えてこちらの指示がなければなにもできない愚鈍ぶりときた。君はたしかに、地球産のロボ
ットとは比べようもないぐらい優秀だ。それは認める。しかしそれでも君はロボットだ。ロボットでしかない
んだ。だったらなぜ、ぼくが君を受け入れただなんて思う?」
99 :
3/7:2008/08/28(木) 18:51:20 ID:9sklmmNV0
ベイリ.がそう捲くし立てている間、ダニ一ルは感情の表れない重々しい無表情でじっと耳を傾けていた。
宇宙人とはかくあれかし、というイメージそのままの秀逸な面差しが、愚直に自分を見つめている。
その目に非難の色などあろうはずもないのに、ベイリ.は心の片隅に滑りこんできた後ろめたさに内心どぎま
ぎした。ロボットに対する憤懣を当のロボットに言い立てる絶好の機会だというのに、どうしてかそんな気持
ちが失せていく。焦りに話を切りあげて、ベイリ.は再度なぜだと問うた。
「私はロボットです、パートナー・イライジャ。地球におけるロボットの特殊な立場や環境については、ファ
ストルフ博士とサートン博士の監督のもと、私の陽電子頭脳に細大漏らさず入力されております。したがって
パートナー・イライジャがいま言われましたことについても、私はそれを事実として受け入れるのみです」
ですが、とロボットは続ける。
「あなたが多少なりとも私のことを受け入れてくださった、と私が考える理由、その論拠につきましては、こ
れは単純にあなたが私の手を振り払われなかった、その一点に尽きます。わずかそれだけのこととお思いにな
られるかもしれませんが、初めてお会いしたときから今までのあなたの態度や言動を考えますと、それでも十
分過ぎるほどにあなたの心の変化を私は感じたのです、パートナー・イライジャ」
「おまえの手を振り払わなかったと言ったな、それはいつのことだ?」
「追跡者から逃れるために移動帯を飛び移っていた最後のときのことです」
羞恥心や気恥ずかしさという心の機微とは無縁のロボットは、落ち着き払った態度でそう言い終えると、ふ
たたび口を閉ざした。生身の人間であればありえない直立不動の姿勢は目立つ。だがさいわい、その人間そっ
くりの姿が彼をロボットだと周囲の人間に悟らせなかった。
100 :
4/7:2008/08/28(木) 18:53:06 ID:9sklmmNV0
ベイリ.はどう答えるべきか、考えあぐねた。
ロボットのいう「移動帯を飛び移っていた最後のとき」がいつかは理解した。
それは時間にして一時間かそこいら前の出来事だった。セクションキッチンから始まった監視と尾行を撒く
ために、高速帯とそれを繋ぐ支走路を駆け巡ったあのときのことだ。
二人が次々に移動帯を乗り移るたびに、追手は一人二人と振り切られた。しかし最後の最後でベイリ.は他の
無辜なる乗客に足をとられ、あわや高速帯に転倒――――という事態をダニ一ルに救われたのだ。ロボットで
ある彼は、その万力のような腕でベイリ.を後ろから抱え、そのままひょいと移動帯を渡り終えた。
あのとき。確かにベイリ.はダニ一ルの手を振り払わなかった。
どころか、周囲も巻きこんだ悲惨な事故を未然に防ぎ、息を切らした自分をがっちりと抱えて立つ彼にベイ
リは確かな安心感さえ感じていた。彼がいてくれた、彼がいるから大丈夫だ。追手はもういないと告げる彼の
言葉にほっと息をつき、ベイリ.はダニ一ルがロボットであることに感謝したのだ。
それを彼は、ベイリ.がダニ一ルを受け入れたからだと言う。心をわずかに許したからだという。
だから礼を――――、「ありがとうございます」と言ったのだ、このロボットは。
…………ありがとうございます、だって?
「なんてこった!」
ベイリ.はまるで喉首を締められたような掠れ声でうめいた。
ありがとう。ありがとう! 私を受け入れてくださって、とそれは礼を言われるようなことだろうか。
101 :
5/7:2008/08/28(木) 18:53:43 ID:9sklmmNV0
ベイリ.には彼を受け入れたつもりはまるでなかった。ダニ一ルはロボットで、ロボットは人間に奉仕し服従
するために造られた非生物で、どれだけ見かけが人間そっくりだろうがそれは少しも変わらない。
ベイリ.にとってもそれは同じことだ。ダニ一ルはロボットで、宇宙人殺しという特殊な事件の解決のためだ
けに今回引き合わされた相棒で、ただ…………ただパートナーというだけだ。
「ダニ一ル」
「はい」
「ダニ一ル、君はぼくを、その、……なんだと思っている?」
「と、言いますと?」
質問の意図が判断つかなかったのか、ロボットの無表情な面にわずかに戸惑いの影が浮かんだ。
じっと見つめてくる青い目を(ベイリ.はちらりと「無垢な子供の目」と思い、即座にその考えを否定した)
見返しながら、ベイリ.はどう言葉を継ぐべきか頭を悩ませた。
風防プラスチックのない支走路で強い風にさらされて冷えているはずの頬が、熱をもっているのが感じられ
る。手のひらに汗をかいているのは、これはそう、自分は緊張しているのだ。
ベイリ.は自分がなにをしようとしているのか、正確に把握していた。莫迦なことを! とベイリ.の地球人と
しての部分が叫び、刑事としての部分がそれをこう否定する。――ダニ一ルは信頼のおけるパートナーだ。
「えぇと、だからぼくたちは現在、ある事件を解決するためにチームを組んでいる仲なわけだ。君は君の所有
者からそう命じられてぼくと行動を共にしているわけだが、それについて不満はないのかね」
102 :
6/7:2008/08/28(木) 18:54:25 ID:9sklmmNV0
「さきほどパートナー・イライジャ自身も指摘されましたが、私はロボットです。ですから与えられた命令が
なんであれ、私はそれに従うのみであり、不満を抱くことはありません。どのような命令にも従います。今回
の協力者がたとえあなたでなくとも、私は私のできうる最善を尽くし、この事件の解決に努めるものです」
「なら、君にとってパートナーはぼくじゃなくても別に問題はないんだな」
「はい、……ですが」
そこでダニ一ルはふと口を噤み、――それはロボットとしては非常に珍しいことだった。頭脳の陽電子ポテ
ンシャルの理解しがたい揺らめきがそうさせたというように――ダニ一ルはしばしの間、ベイリ.をじっと見つ
めていた。そしておもむろに口を開いてこう言った。
「ですが私は今回のこの、難局極まる事件の解明において、私のパートナーがあなたであることは非常に喜ば
しいことだと思っています。確かに私たちは双方の所属する組織により巡りあわされた仲でありますが、パー
トナー・イライジャ、私はあなたがパートナーで良かった。あなたならこの事件をきっと解明できるだろうか
らというだけでなく、あなたは私のこれまで知らなかった知識や考え方を教えてくれるものと思うからです」
それがなぜなのかは、私にもよくは分からないのですけれど。
ロボットはよどみない口調とは裏腹の、戸惑いをかすかに滲ませた声で語り終えた。
ベイリ.はさて自分はどうするべきか迷い、天をちらと仰いだ。ポケットにしのばせたパイプが無性に恋しい。
それを求めて腰の近くをさまよった手を、ベイリ.は思いきってダニ一ルへと突きだした。
「パートナー・イライジャ、これは?」
103 :
7/7:2008/08/28(木) 19:00:09 ID:9sklmmNV0
「握手だよ、ダニ一ル、握手だ」
恥ずかしさを堪えるために声が苦々しいものにならないよう、ベイリ.はかなりの努力を払って言った。
ダニ一ルはさしのべた手をちらと見、握手だという言葉に背を押されたようにそれをとった。彼の手はあた
たかく、適度な柔らかさと力強さでベイリ.の手を握り返してきた。
これがどういう意図でもって差し出されたものか、このロボットは本当に理解できているのだろうか?
ベイリ.は疑念に駆られながらも、ダニ一ルの手を自分から強く握り返した。
「ダニ一ル、君がそう言ってくれて本当に嬉しいよ。君は確かにロボットだ、だがロボットだからといって君
が信用のおける奴かそうでない奴かは、誰にいわれずともぼくにも分かっている。君以外の誰でも、今回の事
件解明にふさわしいロボットはいないだろう。ぼくにとっても、君以外のロボットと組まされていたら、こん
な気持ちになんてならなかったに違いないんだ。ぼくはその、……君がパートナーで良かったと思うよ」
だからこの握手は、改めてこれからよろしくというぼくの気持ちなんだ。本来なら宇宙市のゲートで初めて
会ったときにこうするべきだったのに、君がロボットというだけで意地を張ったぼくを許してくれ。
ベイリ.は照れくささを隠すように、握った手を大仰に振って離した。
ダニ一ルは「ありがとうございます」とそつなく礼を言い、しかし改めてベイリ.を見返したその面には、確
かに微笑といえるものが浮かんでいた。多分にまだぎこちなさが勝っているけれど、その微笑みはベイリ.の口
元もまた優しくほころばせるものだった。
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 終わりです。長々失礼しました。 規制に危うく引っかかるとこだったorz
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>96 姐さんGJ萌えた
ありがとう、超ありがとう
>>96 GJ。
シチュやキャラ描写はもちろんだが、文体も格好いい!
上から目線な表現になってスマンが、
いい意味で外国小説の翻訳みたいで。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
世界で三番目になった四人。
仲の良過ぎる家族パロディ。
ヤマもオチもあったもんじゃない。
閑静な住宅街の一軒家に、近所でも仲が良いことで評判の、男ばかり三人+一匹の家族が暮らしています。
この家族が毎朝欠かさないのが、ワンコの散歩を兼ねたジョギングです。
先頭はお父さん、その後ろに中学生の弟くん、その後ろの高校生のお兄さんが、同じ速さでついてくるワンコのリードをしっかり掴んでいます。
家族揃っての微笑ましい光景。実は、三人とも優秀なアスリートなんです。こうしていると、ワンコもその仲間のようですね。
お決まりのコースを回ってから、朝ご飯です。
お父さんがワンコにも餌をやりにいくと、思い切り飛び付かれました。
顔を舐め回されるのも、笑って、されるがままです。
「早く食べないと」
お兄さんが、お父さんの首に腕を回して、ワンコから離そうとします。
「時間なら大丈夫やって」
お父さんは笑っていますが、お兄さんは、メッ、とちょっと睨んでやります。弟くんは、いつまで経ってもだなぁ、と苦笑い。
ワンコがおとなしく「待て」をしたところで。
「「「いただきます」」」
みんなの声がきれいに揃いました。
お父さんが会社へ、兄弟が学校に行っている間、ワンコはお留守番です。
三人と一匹は、晩ご飯もできるだけ一緒にとるようにしています。
それから、一日の疲れを癒すのが、お風呂。
仕事と練習とで、今日もお父さんはお疲れ。口の辺りまでどっぷりとお湯に浸かります。
「父さん、入るよ」
お兄さんがガラス戸を開けて入ってきました。
全身洗って、お父さんがちょっと手足を折り畳んだところに、お兄さんが入ります。
肩までとはいきませんが、男二人が十分浸かれる、広い湯船です。
「あの…部活のことなんだけど」
お兄さんが話を切り出しました。
風呂場でゆっくり相談に乗ってもらうのは、日常茶飯事。裸の付き合いと言うヤツでしょうか。
お父さんは優しく微笑みながら、真剣にお兄さんの話を聞いています。自分も通ってきた道ですから、よくわかるんですね。
「アレ、兄貴も」
そこに、弟くんが半分開けたガラス戸から顔を覗かせました。
お父さんは、コイコイ、と手招きします。
入ってきた弟くんがガラス戸を閉めてすぐ、茶色い影が向こうに現れました。
「なんや、お前もか」
お父さんが眉をハの字にして笑いました。
それで気付いた弟くんが開けてやると、ワンコが入ってきました。
こんなこともたまにあるのです。
ヤレヤレと微笑みながら、お兄さんは湯船から上がり、ワンコを洗ってやります。お兄さんのシャンプーが好きなワンコは、とても嬉しそう。
入れ替わるように、弟くんが湯船へ。濡れた細い髪を、ワシワシとお父さんが撫で回します。弟くんは、くすぐったそうに笑っていました。
こうして今日も仲良く、一家の夜は更けていくのです。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
きっとみんなお父さん大好きなんだ! とだけ言い残して行く。
>>107 GJ!
なんだかほんわかした
お父さん愛されてるw
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某在阪王求団、兄×弟
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 長文、お目汚しスマソ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
……一足踏み出す事に、腰から足にかけピリピリとした痛みが走り、俺は眉をし
かめる。
23日、3位決定戦。対アメリカ。
俺……荒い/貴浩と、全日本代表は銅メダルを賭けて戦った。……が、結果はごら
んの通りだ。
負けた原因は、怪我人が多かったからとか、準備期間が少なかったからとか、
いろいろ言ってる人もいるけど、俺はそんなの全部言い訳だと思う。
負けた原因は簡単……。俺達の力が足りなかっただけだ。
球場までの道のり、ホテルまでは皆一様に暗く、無口だったが、空港などに着
くころには、多少明るい顔も戻ってきた。だけど、敗戦のショックが色濃く残る
。
あの時、なぜ打てなかったのか……。
機内から荷物を待っている間、俺は思わず思考にとりつかれる。と、
「荒い」
肩を叩かれ、振り向くとヤノさんがいた。
「お前、何を暗い顔をしてるんや。笑わな、福が逃げてまうで」
笑顔で俺にそう言うヤノさんに、「そうですね」と答えると、
「北京じゃ辛い想いもしたけどな。明日以降に絶対生きてくるんや。だから、切
り替えていこ、な?」
自分にも言い聞かせているのか、笑顔の中にも少しの苦しみが見える顔で。
そういうヤノさんに、俺は頷くと、
「荒いは素直でええ子や」
手を伸ばし、俺の頭をヤノさんは撫でた。
その行為をくすぐったく思いながら、思わず目を細めると、
「お前はこのまま帰るんか?」
ヤノさんが尋ねるので、俺は一呼吸置いた後、
「……神宮に行きます」
とだけ答えると、
「そっか。でも、腰があるんやから、早く病院行くんやで。あまり無理すんな」
ヤノさんは言い、俺は頷きながらも、
「ヤノさんは、……神宮行かないんですか?……会わないんですか?」
と尋ねると、彼は苦笑した。
「せやかて、大阪帰ればすぐに会えるしなあ。……それに、今、会っても、絶対
に迷惑がかかる。あいつの顔見たら、……恥ずかしい話、平静でおれんからな」
苦笑いするヤノさんに、俺も思わず笑う。と、
「でも、荒いは別やで。いっぱい甘えてこい」
ヤノさんが言うので、俺は首を降った。
「別に、そういうわけじゃないですよ。……ただ、バッターボックスに立ってる
カネさんが見たいだけなんです。……俺も会うとどうなるかわからないから、そ
れは自重します」
俺が答えると「そっか」とヤノさんは軽く答え、カートを引きながら、自動扉を出る。
最後に背中越しに、「お疲れさん」と手を振りながら。
見送りながら、俺も手を振る。そして、いつの間にか荷物引き取り場に俺一人
になった事に気がつくと、慌ててそこを後にしたのだった。
成田空港から慌ててタクシーをチャーターし、神宮球場へ向かったものの、す
でに雨天中止が決定したあとだった。
意気消沈した俺に、同行してくれたトレーナーが「赤坂に行きますか?」と声
をかける。だが、俺は断り、
「一人でゆっくりしたいんで」
と告げると別のホテルを用意してくれた。
本来の仕事とはまったく異なるのに、俺の為に走ってくれた彼に、俺は丁重に
お礼を言うと、素直に好意に甘えることにした。
ホテルに着き、荷物も身につけた衣服もそのままにベッドに身を投げ出す。
鎮痛剤のおかげで、だいぶやらわいでいるが、腰は相変わらず鈍痛を訴える。
薬がきれると激痛になるこの痛みを受けながら、俺はあえて「罰」として受け取
っていた。
ペナントレースの大事な時に打てなかった罪、北京でのふがいない自分に対す
る罪。そして、自分のあさましい欲望の為に、大事な人々を裏切った罪……。
目を閉じると、闇の中、鉢さんの顔が浮かんでは消えた。
「……会いたい」
思わずこぼれ落ちた言葉と同時に、扉をノックする音が響いた。
『誰だろ』
俺は腰を捻らないように身体を起こすと、扉を開き、思わず声をあげた。
「カネさん!」
そこにはぶぜんとした顔で俺を見上げる鉢さんの姿。
俺は信じられないものを見たように、あんぐりと口を開いたまま彼を見つめる
と、鉢さんは俺の許可もなくズカズカと部屋へと足を踏み入れた。
「……腰、大丈夫か?」
部屋の中央までたどり着いてから、俺に背中を向けたまま尋ねる。その言葉に
「はい」と答えると、間発いれずに、
「嘘つけ」
と返ってきた。
その言葉に俺が何て答えようか迷っていると、いつの間にか鉢さんは俺をま
っすぐ見つめ、
「見てたらわかるわ。全日本の時は、ブッサイクなスイングしよって」
と笑う。
だが、よく見ると目が笑っていない。
俺はそんな鉢さんを見ながら、なんて話を反らそうかと考える。と、思わず
疑問が口をついてでた。
「……そういえば、なんでこのホテルがわかったんですか?」
「宿舎であいつに会うたんでな。そしたら教えてくれたわ」
同行していたトレーナーの名前を出し、俺は思わずうなだれる。
『そういえば、口止めしてなかったな……。いや、カネさん相手に黙っていられ
るはずもないか……』
俺が心の中呟くと、
「なんじゃ?来たらあかんかったんか」
と鉢さんは言う。その言葉に、
「いいえ!そんな事は」
と咄嗟に俺は答えていた。
瞬間、みるみる顔が火照ってくる。結局、この人の前では、取り繕ったりする
ことはできない。
あんなに会いたくて、焦がれた鉢さんなのに、ちょっと手を伸ばせば触れら
れるのに、出来ない。
怖いのだ。
周囲の反対をおしきって、北京に行き、醜態を晒したこと。
それにも関わらず、致命的な怪我を負ってしまい、もしかしたら俺は野球がで
きなくなるかもしれない事。
俺の野球は鉢さんが教えてくれた。
野球と鉢さんは俺の中で同じくらい大切な物だ。……なのに、俺は野球を自
分のエゴで汚してしまった。
そんな俺を鉢さんは軽蔑するのではないかと。
俺は固まり動けなくなる。と、鉢さんは突然俺を抱きよせると、背中を何度
も叩いた。
優しく、そしてゆっくりと。
鉢さんが俺の背中を叩く度、鉢さんの想いが流れこんでくる。
『よく頑張った。お疲れさん』
鉢さんの手のひらから伝わる優しさ。
それを受けながら。俺の頬を一筋の涙が伝う。刹那、それを止めようとしたが
無駄で、涙は粒から流れへと変わった。
「カネさん……!カネさん、カネさん!」
いろいろと伝えたい言葉はあるはずなのに、俺は鉢さんの名前を呼ぶことしか
できず、ただひたすら子供のように泣き続けた。
……鉢さんの優しい腕の中で。 俺が嗚咽をあげる間中、ずっと彼は抱きしめ
てくれていたのだった……。
「落ち着いたか」
それからしばらく後。
泣きやまない俺を鉢さんはあやすように、ベッドサイドへ連れて行き、そこで
ずっと傍にいてくれた。
平静を取り戻してから、俺は自分の演じた醜態に恥ずかしくて穴でも掘って逃げ込み
たくなる。が、鉢さんは、
「荒いさんがワシに迷惑かけるのはしょっちゅうじゃけんのう。慣れたわ」
と笑っている。
それを見ながら、
「……すいません」
と俺が言うと、
「謝らんでもええ。謝るならまず怪我を治せ。そんで、グラウンドに戻って来い」
と鉢さんは俺を見、言った。
それに俺は頷くと、
「ええ子じゃ」
と鉢さんは俺の頭を撫でてくれた。
その心地よさに俺が目を細める。そして、
「俺、カネさんのこと大好きです」
と俺は思わず彼の顔を見呟くと、
「知ってるわ」
と鉢さんは苦笑いしながら俺に答えた。
それを見、俺は微笑む。
ちなみに、鉢さんの俺に対する気持ちは、握った手の熱さから伝わってくるのだ。だか
らあえて尋ねることはない。
腰の痛みは絶えず俺の苛み、不安に落とす。
だが、傍らに鉢さんがいてくれる限り、そんな闇はすぐに消えていくと俺は信じて
____________
| __________ |
| | | |
| | |> PLAY | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・;)タイトル番号間違えたりでもう何がなにやら
| | | | ◇⊂ ) __
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>>119 GJです!
パソコンの前でニヤニヤが止まらないw
いいものを見せて頂きました、ありがとう
>>111-119 GJ!!
鉢粗スキーの自分はもうたまりません!
ネ申文をありがとうございました!
122 :
新板設置について相談中@新板スレ:2008/08/29(金) 03:35:36 ID:R1cvlOVR0
>>119 ありがとう…ただただありがとう…(泣笑)
前スレの姐さんたちの話でかなり満足してしまったので途中でやめてたけど、
今週死んじゃう前に一矢なりともと、たまらず書ききってしまいました。
今更ながらに、金ドラおバカチンピラ×小悪魔弁護士。
2、3話前後で考えた話なので、矛盾があっても華麗にスルーで何卒。
弁護士の発言、行動は す べ て 計 算 です。
初めてで至らない点が多いかと思いますが、不備があったらご指摘お願いします。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「どうも、すいませんでしたー」
だらりと立ち上がり、のろのろ謝罪を述べる。
悪いなんてこれっぽっちも思ってないけど、言われるままに謝って
ドカッと椅子に座り直すと、目の前にいた女は声をあげて泣き出した。
あー、うぜえ。べつにそんなに好きだったわけじゃねえのに、こんな女。
ただの都合のいい金づる。
最初は従順だったくせに、だんだん反抗的になってきて、しまいにゃ警察駆け込んで。
ちょっと金借りて殴ったくらいでムショ暮らしなんて、冗談じゃない。
「…もう、心配はいりませんから」
隣から涼しげな声が降ってくる。
凛と透き通るその声に、女は泣くのをやめて顔を上げた。
安心させるように優しげな微笑をたたえて、女にハンカチを差し出す、俺の隣に座る、この男。
天使の弁護士、だなんて最初は笑っちまったけど。
実刑確実といわれていた俺を弁護して、あっという間に示談成立。おまけに慰謝料も肩代わり。
なんでそこまでしてくれんのか訊いたら、この女のためだという。
弱者の味方、天使の弁護士ねえ…。
そんな聖人君子みたいなやつ、実際にいるのかよ。
相手側の弁護士に連れられて、女とその親が帰っていく。
事実上、これで俺も晴れて無罪放免…ってちょっと違うか。
とにかくこの件は終了、この先生の役目も終わったってわけだ。
終わり…?
「行きましょうか」
黙々と仕事を済ませ、事務的な声で告げると、弁護士先生は立ち上がろうと少し腰を浮かせた。
「なぁなぁセンセー」
椅子にどっかり座ったまま、両手をポケットに突っ込んで動かない俺の様子に、ようやくこちらに顔を向ける。
「…どうか、しましたか?」
すましたその声も、態度も、俺の気に入らない人種のそれと何ひとつ変わらないというのに。
なぜだろう、何か気になる。
「俺さー、ちょっとセンセーに相談があるんスよね」
「…なんでしょう」
まっすぐこちらを見返してくる瞳は、穏やかなのに、どこか人を寄せ付けない威圧感がある。
「や…俺、これからどうすっかなー、とかさ」
特に考えがあって引き止めたわけじゃない俺の答えに、先生は表情ひとつ変えず、ただ小さく溜息を吐いた。
「…それは…ご自分で考えられたほうがいいんじゃないですか」
にべもなく言い放つと、静かに席を立つ。これが天使の弁護士だって?
「ちょ、待てよ」
慌てて追うように立ち上がり掴んだ肩が驚くほど小さくて、不覚にも一瞬言葉に詰まった。
「…まだ、何か…?」
少し間近に見下ろした睫毛が一度、ぱちりと瞬いて、その奥にある黒い瞳が俺を見上げる。
少し潤んだように照明を受けて輝く瞳に、ほんのわずか、目を奪われた。
「早多さん…?」
「…あー…、だから…あのさ、」
言葉をなくして言い淀む俺を、先生は静かに見つめて、その先を待つ。
その瞳に追い詰められるように、自分の鼓動が早くなっていくのがわかった。
何がしたかったんだろう、俺は。
ただ、このままこの人との関係が終わってしまうのは、何かもったいない気がしたのだ。
ふ…、と、ふいに目の前のすました弁護士が、小さく顔を綻ばせる。
「…っ」
ドキリとした。
そんなふうに、綻ぶように微笑った顔を、初めて見たかもしれない。
「早多さん」
その口唇から、優しく俺の名が紡がれる。
肩に乗せたままだった俺の手を、その手がやんわりと包んではずした。
「…すみません。今日はこの後予定があるんです。この話はまた後日、改めてしませんか?」
両手で俺の手を暖かく包んで、視線は見上げる高さの俺に戻される。
「…後、日…?」
「ええ。私でお役に立てることがあれば、お話聞かせてもらいますよ」
ふわり、と周りの空気が変わるような、不思議な感覚。
少し首を傾けて、上目遣いに微笑むその男に、俺はただ魅入っていた。
…そこには、天使がいた。
「あーきたきた。センセー、遅いよ」
予定が空いたからと、連絡があったのはその翌日。
すぐに手頃なバーに呼び出す約束を取り付けた。
「すみません、お待たせして」
現れたのは、いつもと変わらずネクタイをキッチリ締め、バッジを胸に
堅物そうなカバンを提げた弁護士先生。
「それで、ご相談というのは…」
席に着いた途端、仕事の顔になる。
こんなとこまで来て、色気がないことこの上ない。
「まあまあ、堅い話は後にして、先生も飲んでよ」
「仕事中は飲まないようにしています」
グラスを掲げてオーダーを取ろうとする俺を、静かな声が制する。
それは何?今日は仕事だから来たんだと、あらかじめ牽制してんの?
「そーんなこといわずにさぁ」
肩に腕を乗せて絡む俺を無視して、先生はアルコールのないものを注文した。
「…酔ってるんですか?」
肩口に顔を寄せた俺の息がかかったのか、少し蔑むような視線が見下ろしてくる。
ああ…いいねその瞳。ゾクゾクする。
「センセーはさぁ、何で俺みたいなやつの弁護なんか引き受けてくれちゃったわけ?」
天使の弁護士先生が。
揶揄をたっぷり含んで擦り寄るように訊ねる俺には少しも目をくれないで、天使は出されたグラスに口をつける。
「あなたのことは、笠井さんからよく頼まれていますから」
カラン、と氷のはねる音がする。
「あと…、競澤さんからも」
ピクリ。
「…へ〜え…」
口うるさい友人たちの顔を思い浮かべて、小さく舌打ちした。
そんな俺を横目で眺めた先生が、言い聞かせるように、にこりと笑う。
「仲間思いのいいご友人ですね。羨ましいです」
「どうだか…」
悪態をつく俺に、クスリとまた小さく笑みを零す。
それがどこか儚くて眩しくて、それでいて握り潰したくなるような衝動を煽る、
えもいわれぬ微笑。
ゴクリと、喉が鳴った。
「…ところでさぁ…、俺、センセーにお願いがあんだけど」
初めて会ったときから感じていた、不思議な違和感。
「…なんですか?」
ようやく本題に入ったと、俺に向き直る律儀な弁護士先生。
堅苦しいスーツを身に纏ったその姿からは、一片の穢れも見えない。
だけどさ。
長いこと腐った世界ばっか見てっとわかんだよ。
あんたはただの聖人君子じゃない。
憂いのある瞳に、時々灯される妖艶な色。
魔性の香り。
偽善者面した天使の仮面の下に、どんな顔隠してんだ。
それを俺に今夜、見せてよ。
「…こんなとこじゃ、できない話」
殊更顔を近づけて、声を潜めて囁く。
この意味、わかるっしょ?
意図を持った手で、そのさらりとした黒髪を掬い上げれば、ねめつけるような視線に、
天使の眉がわずかに寄せられた。
「…じゃあ、どこならいいんです?」
訝しげに問うたその肩をガッと掴んで引き寄せる。
「っ…」
目を見開いたその顔に、鼻先が触れそうなほど近づいて、にやりと笑ってやった。
「俺、センセーん家がいいなー」
「・・・」
天使は探るような瞳で俺を見つめ返して、そして。
…口端を歪めて、小さく微笑った。
「おーすげー」
広々とした部屋と、そのガラス張りの向こうに広がる夜景。
「さっすが話題の弁護士さんは違うねー」
通されたホテルの一室を隈なく眺めて、その中央に存在を主張する、
でかいソファにどさりと腰を落とした。
質の良いそれは、スプリングがしなって俺の体重を受け止める。
「そーんなに俺を家に連れ込むの、嫌?」
続いて向かいのソファに腰かける先生に、皮肉をこめて問いかける。
「…仕事は自宅に持ち帰らないようにしています」
「…仕事、ねえ…」
ま、いいけどね。
「お、いいのあんじゃん。センセー何飲む?」
「私は結構です」
アルコールを物色する俺に、やはり先生はまだ堅苦しい姿勢を崩さない。
「んなこといわねーで、ちょっとくらい付き合ってよ」
無理矢理グラスを差し出して握らせると、諦めたようにそれを手にとり、
ようやく口をつけた。
それに気をよくして、俺も再びアルコールを煽る。
「センセーさぁ…」
両手でグラスを包んで、時折思い出したように口をつける様子から、
この天使はあまりアルコールには慣れていないのかもしれない。
「カノジョとかいんの?」
俺の言葉に、そっとグラスから口を離す。
アルコールで濡れた口唇が、艶めいて俺を誘う。
「…プライベートな質問には、お答えできません」
ふ、と笑顔でかわすその答えからは、普段からこういった質問には
慣れていることがうかがえた。
「ちぇ、なんだよ堅ぇーの」
「個人情報の厳守も、仕事のうちですから」
「自分のことじゃん」
ぼやく俺に苦笑する天使の横まで立ち上がって移動すると、
その身体に擦り寄るようにして顔を覗きこんだ。
「…なんですか」
伏せがちな睫毛がゆるりと瞬いて、湿った瞳が誘うように俺を見つめる。
「…これが弁護士バッジってやつかー」
身を寄せて、そこにある堅物の象徴に触れようと手を伸ばせば、
それまで微動だにしなかった身体が、わずかに後ずさった。
ふつふつと、そんな小さな反応に、何かが湧き上がってくる。
「んな警戒しないでよ…」
その冷静な仮面を、剥がしてみたい。
「俺さぁ…、センセーに興味あんの」
その涼しげな顔を、苦痛と甘美に歪ませてみたい。
心の奥底から湧き起こる得体の知れない衝動に、逆らうことなく手を伸ばした。
「…そろそろ本題に入りませんか」
そんな俺を白けさせるように、澄み渡る声。
「本題?本題はぁ…」
ここまできてまだそんなことを言う法の塊に、クク、と喉の奥で笑うと、
その肩を掴んで引き寄せた。
「俺さぁ、女に振られたばっかじゃん。センセー慰めてよ」
明らかに心外といった顔で眉を寄せるその表情に、ますます欲情が煽られる。
口付けようと近づけた顔は、ついとそらされた。
「…センセーは天使なんでしょ?俺にも慈悲をちょうだいよ」
甘く、ねだるようにその耳元に囁きかける。
そのとき。
ぴくり、と、腕の中の天使が身を竦ませた。
ややあって、は…と、嘲笑のような吐息とともに、その瞳が、ゆっくりと、
俺の方に傾けられた。
「慈悲、ですか…」
その瞬間。
ほんの、一瞬だけ。
天使から、すべての表情が消えた。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
長いので間をおきます。
次の方ドゾー。
人いないので続けちゃいます。
エロくもないのに長くて申し訳ナス。
放送始まる前に、再開。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「…話すことがないようでしたら、私はこれで…」
思わず息を飲んだ俺を、先生はまた天使の微笑で突き放した。
「待てよ」
離れていこうとする身体にはっと我に返り、その手首を掴んで引き止める。
「ここまで来といてそれはねぇんじゃねーの?」
おあつらえ向きのダブルベッド。その気がなかったなんて言わせない。
「…別に私は、そんなつもりでここへ来たわけじゃありません。
あなたが人のいるところではできない話だというから…」
「そう、今俺ら2人っきり。こんな密室で、やることったらひとつっきゃないっしょ」
掴んだ手首を引き寄せて、その手の甲に唇を寄せる。
囁くように距離を詰める俺から、天使はひたすら顔をそらした。
「…冗談も程々にしてください」
「冗談じゃねーんだなー、これが」
突き放す言葉とは裏腹、少しも抵抗の色を見せない相手を、逃げないようにがっちりと抱き込んだ。
「俺、先生のこともっと知りたいんだよね。このキッチリ着込んだスーツの下はどうなってんのかとかさぁ…」
匂い立つような襟元からわずかにのぞく生肌に唇を寄せて、スーツの合わせに手を忍ばせる。
「…私は男ですよ」
その音だけが切り取られたみたいに、天使の声は冷ややかに俺の鼓膜を揺さぶる。
「んなのわかってんだよ。けど…あんた見てっと、ムラムラする」
ボタンをはずそうと手をかけると、その手をやんわりと掴んではずされた。
「…付き合いきれませんね…」
呆れたような溜息とともに、俺を振り切り立ち上がろうとする。
逃げていこうとするその身体を引き寄せて、ドサリと強引にソファに組み敷いた。
「いいから抱かせろよ…」
ドスの効いた、低く押し殺した声。女ならイチコロだ。
だけどこの天使は、女と違って一筋縄ではいかないらしい。
「…そうやって、彼女にも手をあげたんですか?」
怯むことなく俺を見上げる瞳は、予想に反して、ここまできてもまだ涼しげな色を失っていない。
「あ?…女?」
こないだまで一緒に暮らしていた、ヒステリックに泣き喚く女を思い出す。
ああ、興醒めだ。いちいちこうして、痛いところを突いてくる。
最初に会ったときからそうだった。
問題起こした俺の弁護をするくせに、友人たちのように苦言するでもなく、
ただ淡々と自分の職務を全うする。
まるで俺には一かけらの関心も持っていないかのように。
それでいて、静かに追い詰められる気がしてくるのだ。
ただムカつくのかもしれない。
気に入らないと、その感情ひとつで片付くのならこれほど執着はしない。
この瞳を見るたび、声を聞くたび、得体の知れない感情が膨れ上がって、
解き放たれるのを今か今かと待っている。
どうしたいかなんてわからない。
ただ湧き起こる感情に突き動かされるまま、この身綺麗な天使を汚してやりたいと思った。
女のような顔をして、天使の弁護士ともてはやされるこの男を、女のように扱って、
その氷の仮面を屈辱に歪ませてやりたいと。
「…女なんてのはさー、甘い言葉かけて気持ちよくしてやりゃ、何でもいうこときいてくれんだよ」
下卑た笑いとともに、煽るようにスーツの上からその肢体をまさぐった。
「・・・」
何の反応も返すことなくその手の動きを目で追う相手に、期待はずれの苛立ちがこみ上げてくる。
噛み付く勢いで首筋に吸い付いて、きちんと着込まれたスーツのボタンをもどかしくはずしていくと、
細い骨格を荒々しく撫で摩った。
「センセ…」
ネクタイの結び目に指を差し込んで一気に引き下ろし、一番上まで綺麗に止まったシャツのボタンを
ひとつひとつ解いていくのももどかしくて、最後には2つ3つ、勢いに任せて引きちぎる。
「…っ…」
そこに現れた、滑らかな肌に、一瞬息を呑んだ。
ゴクリと喉を鳴らし、無防備に晒された細い肢体に指を這わせようとして。
「…子供ですね、まるで」
クス、と小さく転がすような笑い声。
「…あぁ?」
それまで一言も発することなく、無抵抗にその身を投げ出していた目の前の天使が、
盛る俺を嘲笑うかのように余裕の笑みを浮かべていた。
「…っに笑ってんだよ!」
思わずカッとなって手を振り上げると、ゆっくりとまるで祈るように瞼を伏せる。
「・・・・・・」
自分の荒い息遣いが、やけに部屋に木霊した。
薄い身体に馬乗りになって拳を掲げたまま、しばらくその影を落とす睫毛に魅入っていた。
動かなくなった俺の下で、ふ、と組み敷いた身体から力が抜けて、ゆっくりとその睫毛が持ち上がる。
その奥にある濡れた色の瞳が俺を映し出した。
「・・・」
何かを言いかけるように、天使の口唇が薄く開く。
力が抜けたようにだらりと肩を落とした俺に向かって、そっとそのしなやかな指先が伸ばされる。
そのまま優しく俺の頬に触れた感触に、ぞくりと胸の奥を不思議な感覚が這い上がった。
細く吐息を紡ぎだすその口唇に吸い込まれるようにして、噛み付くように口付けた。
「ん…」
思った以上に、柔らかくて甘い感触。
かすかに漏れた吐息が鼓膜をくすぐり、尚更興奮を増した。
抑えきれない衝動に、貪るように何度も咥内を蹂躙した。
「…は…」
やっと解放してやると、空気を求めるように喘ぐ、
腫れたように紅い口唇。うつろな瞳。高潮した頬。
「…セン、セ…」
何もかもが艶めかしくて、何もかもが、さっきまでとはまるで違う。
人を見下すような冷たい空気も、他を寄せつけないようなガードの固さも、
清廉潔白な聖人君子もそこにはなくて。
何かを訴えるように、潤んだ瞳で俺を見上げる、それは、まるで…。
「…っ…」
ふいに我に返ったように視線をそらし、俺の下から抜け出すようにして、先生は軽く身を起こした。
恥じらいを含んだその仕草に、なぜだか胸の奥を掴まれたような錯覚に囚われる。
「センセ…?」
ほんの少しの逡巡の後、すとん、と、その小さな頭が俺の胸元に落ちてくる。
「…僕も少し、酔ってるのかもしれませんね…」
俺の胸に預けた重みから、呟くように零れた言葉。
伏せた顔から表情は読み取れなかったけど。
ぐわ、と身体の奥から溜め込んだアルコールが気化するような熱が押し寄せた。
やばい。
どうしようもなく抱きしめたくなって、素直にその欲求に従った。
腕の中の小さな身体がほんの少し震えて、艶を含んだ吐息が首筋にかかる。
なあ、あんた。
誘ってんだろ?それ。
抵抗するそぶりも見せないその身体を、再びソファに組み敷いて、
乱れた着衣の隙間からのぞく白い肌に舌を這わせた。
人形のように感情の見えない高潔な天使でも、触れるとじわりと伝わってくる温度に
なぜだか少しほっとした。
今度こそヒクリと反応を返す身体に満足して、少しずつ大胆にその身を覆う布を剥ぎ取っていく。
「センセェ…」
腰のベルトに手をかけると、禁欲的なスーツに覆われた膝に、自分の昂ぶりを押し付けて、
直にこの欲求を訴えた。
「なぁ…いいだろ…?」
その問いに、答えはなかった。
ただその黒い瞳が、欲望のままに発情する俺の姿を映し出し、次の瞬間、
そっと伏せた睫毛がそれを覆い隠した。
ゴクリと、喉が鳴る。
それを肯定と受け取って、差し出されるかのように薄く開いた口唇を塞いだ。
浅く口づけを繰り返しながら、腰を支えてスラックスを引き下ろし、その滑らかな素脚を晒す。
先生はそれに協力するように、ほんの少し腰を浮かせた。
微妙な違和感を感じながらも、乱暴に触れた指先の愛撫すら悩ましげな吐息を漏らす、
艶かしい姿に目を奪われる。
「ぁ…」
頬を撫でた俺の手に、小さく声をあげて恍惚と見上げたと思うと、
その手に天使の細い指先が絡んでくる。
ぽってりと濡れた唇が、雛鳥のように餌を求めて開かれて、導かれるように俺の指が銜えられた。
「…あんた…」
やらしすぎ、だろ。
ずくん、と急激に身体の中心に熱が集まるのを感じた。
まるで指先が性感帯になったかのように、生暖かい粘膜に包まれて、絡んでくる舌の感触に煽られる。
ピチャリと音を立てて吸い付いてくる姿に理性は吹き飛んで、
堪らなくなって無造作に引き抜いた指を、意図したところを探り当て、前触れもなく押し込んだ。
「っあ…ぅっ…、く」
さすがに苦しかったのか、眉を寄せて仰け反る姿にほんの少し罪悪感を覚えて、
馴らすようにじっくりかき混ぜてやると、細い指先が俺のシャツの袂を捕まえて、
耐えるようにキュウと握りこむ。
細い身体は中の指の動きを追うようにふるり震えて、はぁ、と浅く息をついた。
見れば、一度も触れていない欲望の象徴もゆるりと頭を擡げてきている。
「…っぁ…」
初めてじゃない、とは思っていたけれど。
「…もういい?」
煽られるままに屹立した己を宛がって、滑らかな膝の裏を撫でた。
天使は一度だけ俺を見上げて、答えるように瞬きをした。
「っ…あ、ぁああ…ッ」
「…っ、すげ…ぇ」
狭い器官が纏わりつくように蠢いて、俺を奥深くへと誘う。
組み敷いた身体が大きく跳ねて、ソファの端にしがみつくよう爪を立てた。
これが、天使の本当の姿…。
清純な顔をして、魔性の香りで男を惑わし魅了する。
何度も男を受け入れることに慣れた、貪欲で淫らなその身体で。
わかっているのに、狂おしげに眉を寄せる少女のようにいたいけなその瞳に、
恥らうようなその頬に、どうしようもなく苛虐心を煽られる。
身体中が燃え上がるように熱くて、求めるまま何度も夢中で突き上げた。
くねる身体も、雫を溜めた睫毛も、淡い吐息を零す口唇も、すべてが儚くて美しくて、
それでいて危なげな色を纏って俺を誘惑する。
「セン、セ…」
追いやられた思考の端で、天使がうっすらと微笑んだ。
その肌を、どれほど堪能したか知れない。
広いベッドの上で目覚めて、その甘い感触を思い出し手を伸ばそうとして、すぐ隣にその温もりがないことに気が付いた。
「センセー?」
起き上がって、扉の向こうから聞こえてくるシャワーの音に、少しほっとする。
ほどなく音が途絶え、カチャリと開いたドアから姿を現した男からは、
もう既に先程までの甘い情事の雰囲気はかけらも感じられないけれど。
「…起きてらしたんですか」
まだ少し湿った髪。シャワーでほどよく上気した頬。
腰にタオルだけを巻いた肌には、俺の残した艶かしい痕があかあかと、あの媚態が夢じゃなかったことを証拠付けている。
「いいねー濡れた髪も色っぽい…俺またその気になりそう」
近寄って露出した肌を腕の中に絡めとり、その髪に鼻先を寄せると、
天使はするりと腕の中から逃れて俺を置き去りにする。
そのまま先生は、俺の存在など忘れたかのようにシャツを掴んで着替え始めた。
「え、ちょ…」
ボタンをキッチリ一番上まで留めて、慣れた手つきでネクタイを引き上げる、そんな仕草にまで目を奪われる。
「…用事も済んだみたいですし、私はお先に失礼します」
「ちょっと、待てよセンセー」
堅いバッジのついたスーツを羽織るその身体を、後ろから抱き込んで懲りずに再び腕の中に閉じ込めた。
「ゆっくりしてけばいいじゃん…もっと楽しもうぜ」
甘い余韻を残しつつ耳元で囁いて、ネクタイの下に手を這わせ、
シャツに覆われた身体の線を辿るように、意図を持って摩る。
しかしその手はまたすぐに、やんわりと掴んではずされた。
「仕事に関係のない用でしたら、他をあたってください」
天使の口からは、情事の名残すら感じられない。
「っ俺は…」
「早多さん」
ついさっきまで俺の下で淫らに悶えて男を魅了した人間とはまるで別人のように、
いつもの涼しくて、冷たい瞳。
確かにこの腕に抱いていたはずなのに。
「…大人の付き合いには、ルールというものがあるんです」
規制引っかかりました…ご迷惑おかけして申し訳ありませんorz
言い聞かせるように淡々と紡がれる言葉はしかし、共犯者めいた、甘い睦言のように、ざわざわと俺の心を奪う。
「あなたにそれが約束できるなら、次はもっと楽しめるかもしれませんね…」
そうさえずるように囁いて、天使は。
極上の微笑を残して、静かに部屋を後にした。
「…早多?」
足取りも軽くホテルを出たところで、後ろから呼び止められた。
振り向けば、競澤グループの御曹司…もとい、熱血刑事の元同級生。
…ああ、そういえばここ、こいつの親父さんのホテルだっけ。
「お前、こんなところで何してんだ…」
「何って…」
思わず甘い時間を思い出して、喉の奥からククッと笑いが漏れる。
「イ・イ・コ・ト」
ことさら意味ありげに言い放ち立ち去ろうとすると、その肩を掴んで止められた。
「ちょっと待てよ、また怪しげなことに首突っ込んでんじゃないだろうな」
「ちっげーよ」
離せよ。口うるさい男の手を振り払い、代わりにふふん、と不敵に笑ってやった。
「ちょっと天使と…逢引ってやつ?」
「はあ?」
訝しげに見つめ返してくる予想通りの反応に、おかしさがこみ上げてくる。
「刑事さんこそ、こんな時間までお仕事ですかあ〜?」
「お前…次何かあったら今度こそ実刑だぞ?わかってんのか?」
いつもの調子で茶化すと、呆れたように例のお小言が始まる。
「心配すんなって、俺には天使の弁護士がついてんだからよー」
そう、天使。
俺だけが知る、本当の天使の姿を思い出せば、自然ニヤつく頬を押さえられない。
あんな、極上の果実。甘い甘い天使の慈悲を、これで最後になんてできるはずがない。
「…天、使って…」
眉を顰めてそれまでと違う反応を返す級友をよそに、俺の頭の中はすでに「次」への期待でいっぱいだった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
規制に引っかかり、お時間取らせて申し訳ありませんでした。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 十胴誤厘大俵 100K×66K
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 某スレの抱きつき2ショットと部ログでハゲモエタらしいよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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「飲みすぎだって・・・宇ッチーマジで」
「うーるせ。知ってる、っつの」
ヒック、とマンガみたいなしゃっくりをして、ニヤニヤ笑っている。
その目じりがほんのり赤く染まっていて、やたらとエロさを増す。
俺の部屋の小さなテーブルを挟んで、向かいに座っていたはずのこの人は、いつの間にか横にいて。
まるでソファみたいに俺にもたれかかって、熱い身体を押しつけてくる。
失敗した。
やっぱり、この人と二人で飲むんじゃなかった。
「けーじ」
「なに」
「けーーーじ」
舌足らずな声で、小さな身体を丸めて笑っている。
ノースリーブのシャツから伸びる腕まで、アルコールに浸されて赤く染まっていて。
ああ、だめだ。クラクラする。
明日から代表合宿が始まるという日。
お互いが最高にせっぱつまってることなんて、話さなくても丸わかりだった。
ただでさえ、不安でたまらないってのに。
二人でいると、くだらない話をして笑えば笑うほど、得体の知れない不安が深く深く肥大していくようだった。
外じゃ人目が気になって酔えないというから、必然的にウチで飲むことになって。
そりゃそうだ。あの人んチは、こんな姿を見せられない人だらけなんだから。
「なんでさ。ウチに来たの」
「バーカ。おまえが来いって言ったんだろー」
違うよ、それは、あんたが仕向けたんじゃない。
あんたが、俺にそう言わせたんだよ。
だからさ。
ねえ、そういう意味だと、思っていいの?
出かかった言葉を、無理やりビールと一緒に流し込む。
バカか。そんなの、もう何年も前の話だ。
―――と。その缶が、下からさらわれた。
「ちょっと、それ俺の、」
「もーらいー」
してやったり、と子供のような顔で笑いながら、旨そうに喉を鳴らす小さい人。
ごくり、と喉仏が上下に動く。その様子すら見ていられなくて、目をつぶる。
ホント、どうかしてる。
今この人が求めているのは、同士である俺なのに。
上がりそうな息をなんとか飲み込む。
一呼吸置いて、目を開けようとした。そのとき。
ふわり、と少し湿った熱が、閉じた瞼の上を覆った。
その擦り切れてがさついた感触で、すぐに、この人の手だとわかる。
「なに、・・・っ」
開きかけた口に、今度はもっと湿った、やわらかな熱が重なった。
唇の隙間から、わずかなぬるい液体を押し込んで、あっけなく離れていく熱。
息が、止まる。心臓が跳ね上がる。
「返したろー。半分だけ」
目の前の人はまだ、赤い目もとのまま、へらへらと笑っている。
ぺろり、と自分の唇を舐めた舌を見た瞬間、頭の中が真っ白になった。
「・・・ッ」
腕の中で息を飲む、小さな身体。
身じろぎすらもできないほどに、強く抱きすくめて。
掌に収まるほどの小さな後頭部を掴んで上を向かせ、深く深く、唇を貪る。
弱く胸を叩くのは、息が続かないというけなげな訴え。
フラッシュバックのように蘇る。あの頃の記憶。
「―――はあ・・・っ」
唇をほどくと、溺れかけたみたいに必死で呼吸を繰り返す、かわいい人。
「まだできないんだ。鼻呼吸」
「・・・うるせっ」
くすりと笑うと、ただでさえ赤い顔が耳まで赤く染まった。
吸い寄せられるようにその耳をついばむと、びくりと震える腕が、わずかに俺の身体を押し返す。
その左の薬指に鈍く光る、プラチナが視界の隅に入った瞬間。
頭の中の奥の方が、一瞬で冷え切った。
俺は、何をした。
この人に、何をしてしまった?
指先が冷たくなる感覚。
あの頃になんて、もう戻れない。戻れるはずがないのに。
俺たちは。少なくともこの人は、もうすっかり変わってしまったというのに。
何を言ってもごまかしきれないような気がした。
でも何かを言わなきゃ。
この人を困らせてはいけない。何でもいいから、何かを。
思いつかないまま口を開こうとした。
小さな身体を手放しかけた、その刹那。
緩んだ拘束からするりと抜け出した腕が、俺の首元に絡んだ。
引き離されることを拒むように、ぎゅう、としがみつく。
「―――――・・・頼むよ、圭ニ」
耳元で絞り出される、悲痛な呟き。
「俺を、戻して」
「・・・宇ッチー・・・?」
「あの頃に戻して・・・頼むから、圭ニ」
泣いているのかと思うほど、その声はかすれて、掻き消えてしまいそうなほどにか細かった。
すがりつく腕に、一層力がこもる。
その腰を、俺はなすすべもなく抱き寄せた。
本当にいいの? なんて。聞けるわけがない。
この人はこんなにも、傷ついて、ボロボロで。
俺なんかにすがらなきゃいけないほど、追い詰められていて。
だから、今は。
今だけは、全てを投げ出してしまおう。
____________
| __________ | 長いので中編と後編に分けて投下します。。。
| | | |
| | □ PAUSE. | |
| | | | ∧_∧ エロガダラダラ
| | | | ピッ (・∀・ ) ツヅクラシイゾ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>141 ぎゃああああ
禿萌えたよ
ネ申よ続きを待っています
>>123 GJ
余裕なさすぎなチンピラと余裕すぎな弁護士に萌えた
>>123 け、刑事父のホテルで…GJ!
チンピラが溺れる事も全て計算づくな小悪魔弁護士に禿げました
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|服を買いに行ってます。似合うものはあるのか
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|七つ目です。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ニャー
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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「あーあ、カレーが焦げちゃった」
「…ああ…」
山崎はおたまを拾い、カレーをかき混ぜながら、つぶやいた。手には牛乳。
「まあ、これくらいなら牛乳ちょっと入れてかき混ぜれば何とかなるかな」
「…我の事はいいから早く飯を食え。買い物に出かけるぞ」
山崎がカレーを手早く食べると、服をちゃんとしたのに着替えだした。
同時に、やはりまだ大きいが、がくぽの服も新しいのに変わった。
いままでだらんとした服を着ていたが、ジーパンに着替えると、なかなかに男前である。
ぽーっと見ていたがくぽに、山崎の手が近づいてくる。
「行こうか、ここから駅までいって、隣町にあるんだ」
「…分かった」
しばらく歩くと、駅が見えてきた。そこに大勢の人が出入りするのを見て、多少興奮したがくぽだったが、中に入ってびっくり。
「主様、あれは何じゃ?」
改札や電光掲示板がある。
「ちょっと待って、がくぽの分の切符買うから」
「切符とは何じゃ?おお、この小さい紙切れであれの中には入れるのか!すごいのう!」
「紙切れ…。まあ、早く電車に乗ろうか。この改札のちょっとくぼんだ部分あるでしょ。そこに切符を入れてみて」
するとしまっていた改札が開いたのが嬉しいのか、きゃいきゃいとなにやら喜んでいる。
その様子をじっとりと皆に見られて、少々山崎は恥ずかしかった。
「これが電車か、うむ、迫力あるのう!データにはあったが実際見ると…」
「がくぽ、喜ぶのはいいけど小さな声で…」
「うむ?うむ。電車じゃ電車じゃ」
データとして電車があるということは知っていたが、見るのははじめてだったらしい。
あっちこっち見て回るがくぽに、思わず心が和んだ。
それにしても、と辺りを見回すががくぽに注目している人が多い。
これだけ髪が長くて美形ならば珍しがられてしょうがないとも思えるが、隠しておきたい気になる。
それにいい歳して電車を珍しがってるからだとも思うが。
電車の扉が開くと、さっさとがくぽの腕をひっぱって電車の中へと入れた。
「まあ綺麗なお嬢様ですわね」
目的の店に入って、店員からの一言目がそれだった。
がくぽは困ったように扇子を広げて、パタパタと仰いだ。
「我は男じゃ。おなごではないぞ」
「…」
苦笑する山崎と、店員。
「も、申し訳ありません…」
「まあよい、我に合う服を見繕ってはくれぬか?」
「はい、少々お待ちください」
この店はとても広い。
一階だけでも広いのに、二階まであって、様々な服が目白押しだった。
「がくぽ、こんなTシャツなんかどう?安いし着やすいしいいよ」
そばにあった六百円の柄のついたTシャツをがくぽに当ててみる。線が細いから、もうひとつサイズダウンさせても着れそうだ。
「…」
がくぽが黙る。そしてきょろきょろと辺りを見回すと、ため息をついた。
「我の欲しいものがないのう」
心底から残念そうにしてるのが気の毒になって、何が欲しいのか聞いてみると。
「絹の白袴と紋付」
一瞬笑顔で固まった山崎は、次の瞬間にはものすごい怒声とともにがくぽに詰め寄った。
「そんな高いものここに売ってるわけねーじゃん!大体あったとしても意地でも買わせねぇ!!この六百円のやっすいTシャツで我慢しとけ!!」
「何を言う!袴はともかく衣を破いたのは御主ではないか!そんな安物でごまかされると思うか!紋付が一番我の着ていたものに近いんじゃ!あれを改造すれば元の衣にできる!」
負けじと山崎も言う。
「紋付かわせといてミシンも使いこなせねーのに改造する気か!バーカ!バーカ!」
「馬鹿とは何じゃ馬鹿とは。安心せい、もちろん改造するのは主様の仕事じゃ」
「んだとー!」
もう子供の喧嘩である。
そこに先ほどの定員があわてて駆け寄ってきた。
「お、お客様、もう少しお静かに…」
はた、と辺りを見回してみれば、客定員のほとんどがこちらを目を丸くしてみていた。
声が大きすぎる上、がくぽが特別変わっているから、皆も注目していた。
コホン、と、山崎が咳払いをする。
「あの、店員さん。こいつ変わってますけど、似合いそうな服があったらみせてほしいんですけど…」
「変わっているなどと失礼な」
ふん、とがくぽが鼻を鳴らす。
だが実際変わっているから、山崎も苦労しているわけである。
「でしたらこちらなどいかがですか?」
笑顔の店員に渡されたものは、黒のズボン。そして試着室で試着するものの、…似合わない。
ためしに先ほど山崎が勧めた服を着ても、似合わない。
とっかえひっかえ、小一時間ほどしてみたのだが、長い髪と結い方が曲者で、どうも現代服は似合わなかった。
今着ている服だって、ちょっと似合わない上に大きい。
そのうち人形のようにとっかえひっかえされるのに飽きたがくぽはへそを曲げて、店の外に出て行ってしまった。
追いかけて出て行く山崎。
「ちょっとがくぽ、結局どれがいいんだよ」
「どれも着にくいし嫌じゃ。ん…?」
と、いじけて座り込んだ先にあったのは、浴衣を扱っている店。
立ち上がって駆け寄ると、がくぽはある浴衣に釘付けになった。
「?あ、浴衣…」
山崎も見てみるが、男性用浴衣も扱っているらしく、ショーウインドウには地味だが男性用浴衣が女性物と一緒に飾られていた。
「これじゃ!」
「は」
「主様、これが良い!」
下駄、帯、浴衣の三点セットお値段二万八千円が半額セール也。
「い、一万四千円…」
幸か不幸か昨日が給料日。
財布の中には、汗水たらして働いた金の一部が入っている。余裕で浴衣は買えるが、しかし、しかし。
「高いッ…!」
苦悩している間に、がくぽは店の中に入って浴衣を見せてもらっている。
あまつさえ着せてもらって、喜んでいるのが見えた。
足取り重くあとに続き、店に入る。
「動きやすいぞ、主様。これが良い、これが良い」
結局買わされた。
「がくぽ!冬も秋も春もそれ着てろよ!ちくしょぉぉぉぉぉぉ、本来なら全部で二千円程度で済んでいた所を…!」
「感謝するぞ、主様」
結局買ったのは青い流線の入った涼しげな白地の浴衣だった。
これなら中々に似合っている。
嬉しそうに扇子で扇ぎながら、途中コンビニに立ち寄ってアイスを四つ買い、笑顔で家路に着いた。
「…うちわも買っとけばよかったな」
とは言ったが、がくぽが扇子でいいといったため、なしになった。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ エロジャナクテスミマセン
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バトソをつないで金同になった長男と次男のSSです
次男×パパ、長男×犬要素があります
色々と至らない所もあるかと思いますがあまり深く考えずに読んでもらえると嬉しいです
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
バシャンとスパイクが水たまりを踏む。
小雨の内は我慢していたけど、ここまで降られると話にならない。
髪の毛から滴が落ちるようになった頃、仕方なく僕は室内に引き上げた。
ラウンジの椅子に座って降りしきる大粒の雨をぼんやり眺めながら、脳内を占めるのはただ一つ。
できることなら消えて欲しい感情はどうしても拭い去れないままだ。
「どうした、浮かない顔して」
その声に思考を戻されて振り向くと、僕と同じようにタオルを首にかけた4歳年上の先輩が立っていた。
「なんでもないです。すごい雨ですね、外」
渦巻く感情を探り当てられたくなくてわざとらしく話題を変えたけど、彼はおかまいなしに直球を放つ。
「言わないのか、あの人に」
「言いませんよ」
人のふり見て我がふり直せと言うけれど、まさにそれはまさに僕達の為にあるような言葉だった。
気を付けていても熱は視線に宿る。
互いに同じ悩みを抱えてるからこそ僕は彼のそれに気づいたし、彼も同じように僕の悩みに気づいた。
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| 141-147の続きです
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 148姐さんありがとう。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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「じゃあどうするんだ。いつまでもそんなんじゃ困るだろ」
「…言ったって困らせてしまうだけですから。」
相手の幸せと自分の幸せは必ずしも一致しない。
それが現実だ。
「それより、スエシグさんこそどうして言わないんですか?」
僕は負けじと尋ねる。
僕と違って彼は順調に事が進んでいるように見えたから、どうして伝えないのか不思議でしょうがなかった。
「俺も同じだよ」
「上手くいってるんじゃないんですか?」
「そんなわけないだろ。アイツにとって俺は兄貴みたいなもんだ。恋愛対象として見てもらえる訳がない」
そう言って淋しそうに笑った。
彼には彼なりに思う所があるんだろうか。
「同じだな、俺もお前も」
「そうですね」
外の雨と同じように、彼と僕の雨も止まない。
雨は嵐を呼ぶのか、それとも虹を映し出すのか―
臆病な僕達にそれは全くわからなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
スレ汚し失礼しました
160 :
158:2008/08/30(土) 00:49:23 ID:CD8NcgSa0
>>157姐さん
割り込み本当に申し訳なかった。。
利礼ファミリー切な萌えですた!GJ!
ちょっと出直してきます。。。
>>157 利礼ファミリー萌えGJです
あ〜キュンキュンwする
>>160 あ〜待っていましたよぉぉ
気を取り直して再生してくだされ〜〜
寝れません!
>>160 どうかお気になさらず…!
姐さんの作品を楽しみにしていた一人なので良ければ再生お願いします
>>161 ありがとう
もうあの4人みんな大好きだ
再生待ちの暇つぶしにでもしてやって下さい
ナマ 今週の赤絨毯でコラボを組んだ二人
もう忠学生×馬鹿りずむ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
やたらと大掛かりなダンボール製の衝立に開けられていた顔出しの穴から、ベルトコンベアーが
止まったのを確認して顔を抜いた忠学生が、隣に立つ馬鹿りむずに向けてふにゃりと笑った。
「うまくいってよかったですよねーっ」
「……うん」
番組の命令で組んだコラボ。声もテンションも高い忠学生と、どちらも低い馬鹿りずむとでは、
ある意味で水と油の芸風だったから、彼の言葉の通り上手く行ったのかは微妙な所だった。
けれど目の前でやり切った感に溢れ、ニコニコとしている忠学生にそんな否定的な言葉を吐くのも
忍びなく、客席も審査員も笑っていたからそれでいいかと馬鹿りずむは納得をする。
普段ピンで活動していると、こんな機会はただ面白いものだった。コンビを組んでいた頃を
思い出して切なくなりそうなものだったが、忠学生の挙動不審な高テンションはそんな感傷を
吹き飛ばすものだった。
忠学生の、百八十センチぴったりの背丈と同じ位の大道具。フリップとは最早呼べない巨大な
衝立を作るのも、彼がそれをぱたぱたと走りながら畳んだり広げたりするのを見るのも面白かった。
自分はただ横に立って、いつもの調子で喋るだけという楽さも良かった。
だからまぁ、楽しかったでいいのだろう。
舞台には次の芸人が立っている。今日の出番はこれで終りだ。
赤絨毯を模したベルトコンベアーの上から衝立を運ぼうとしている忠学生を手伝おと、
馬鹿りずむは手を伸ばし掛けた。その瞬間、丁度忠学生が馬鹿りずむを見た。ぱちりと視線が合う。
ふと見詰め合ってしまう形になって、お互いが口を開き損ねた。
客席の派手な笑い声に我に返る。オチは多分もうすぐだ。
あぁ、早く仕舞わなくちゃと作業を再開させようとしたけれど。
「これ、あげます!」
突然きゅっと手に握らされたのは、頭に角隠しをつけた鳥の様なものが先端に付いた長い棒。
先程彼が高らかに『とつぐんだね〜』と叫びながら操っていた二羽の内の片割れだ。
角隠しは馬鹿りずむのネタに合わせた今回だけのスペシャルオプション。
握らせた一羽に指先で触れながら、忠学生は馬鹿りずむの顔を覗きこみながら言った。
「そっちが馬鹿りずむさんで、こっちがボク」
「そうなの?」
「そうですよぉ。かわいい方が馬鹿りずむさん」
正直、馬鹿りずむには二匹の差がよく分からなかったけれど、真っ直ぐに自分を見ている
忠学生の大真面目さに頷いて応えた。
「なぁ、忠学生」
「はい?」
「ものを貰ったら、ありがとうってお礼を言う。それが礼節だ。ありがとう」
「そぉなんだねー。どうしたしましてぇーっ」
贈るほどでもない言葉に掛けたお礼を、忠学生がどう取ったのかは分からない。けれどやっぱり
彼はにこにこした表情を崩さずに馬鹿りずむを見ている。
その笑顔は今しがた手渡された鳥のようなものよりも、ずっとずっと可愛かった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
今週の二人があまりにも可愛くて書いた。モエダネェェェ、モエダヨォォォ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 141-147の続きです。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 皆さん温かい言葉ありがd!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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小さな身体を掬い上げようとすると、しがみついたまま首を横に振る。
「ベッド、いこ?」
「・・・いい、ここで」
「でも、」
なおも言い縋ろうとすると、もどかしげに、腰を支えていた左手が取られる。
掌に押し当てられた、ひどく凝り固まった熱の塊。それだけで、彼は短く息を漏らす。
「はやく・・・もう」
がまんできない、と、耳に吹き込まれる熱い吐息。
誘導した彼の手は、すでに俺のベルトを探して彷徨っている。
「―――――んあ・あッ」
腰から手を差し入れて、直接思いきり握り込むと、あられもない悲鳴を上げた。
ゾクゾクした。
そうだ、この感じ。覚えてる。
「静かにして・・・隣に聞こえるよ」
「んな、むりっ・・・―――――ぃ、あ!」
指が食い込むほど、より一層力を込めると、悲鳴がもう一段高くなった。
「けーじ・・・ぃたっ・・・」
「これくらいされる方が、好きだったでしょ」
「ゃだ、つぶれっ・・・ひあ、あぁッ」
そのまま、力まかせに上下にこすり上げる。
小さな身体がガクガクと震えて、崩れ落ちそうになるのを片手で支えてやる。
先端からこぼれる先走りの液が次々に指を濡らしていく。
「だ・・・め、こんなの、すぐ・・・っ」
「後ろに塗るの、何にもないからさ。一回出しちゃって」
「な・・・ば、かっ」
襲い来る快感に涙をにじませた顔が、それでも恥じるように赤らむ。
こんなにいやらしい身体してるくせに。そんな処女みたいな顔、よくできるもんだ。
「それとも・・・痛くされたいの?」
ぴたりと手を止めて囁くと、じれるように腰がゆらめく。
「な・・・に」
「ココに、何もなしで突っ込まれたい? 血が出るまで犯されたい?」
支えていた右手を握り込み、拳の角をグリ、とジーンズの上から後ろに押し当てる。
瞳の奥に一瞬、恐怖の色が浮かぶ。でもそれとは裏腹に、左手の中の熱は悦びに喘いでビクリと打ち震えた。
俺の中にはないと思っている加虐心を、あっけなく引きずり出す。怖い人だ、ホントに。
「とりあえず、コレ脱いじゃったら。もう滲んできてるよ」
無理やり手を突っ込んだジーンズは、ファスナーが壊れそうなほどに歪んでいた。
「汚して帰ったら、叱られるよ」
「やだ、けーじ、まっ・・・ぁ・あッ」
ゆるゆると動かしていた扱く手をまた強めながら、今更のように、シャツの上からでもわかるほどはっきりと立ち上がった胸の突起を舐め上げる。
きつめに歯を立てると、自分のファスナーにのばされていた震える手が、こらえるようにギュ、とジーンズを掴む。
「んうっ・・・」
「ほら。もう出そうなんでしょ。急がないと」
「ぬぐ、からっ、待って・・・っ」
子供みたいに舌足らずな声。すがるような眼。
本当に、あの頃みたいだ。
甘えたがりで、子供っぽくて、わがままで。年上とは思えなかった。
なのに勝手に自分で自分を縛りつけて、無理して大人のふりをして。
本当は甘えたいくせに。泣きたいくせに。
「あ・・・あっ、ばか、ダメ、ダメっ・・・」
「なにがダメなの」
「ホントに、出、ちゃっっ・・・」
「しょーがないね、まったく」
ひょい、と小さな身体を肩に担ぎあげて、尻の方からジーンズを引き下ろして、下着ごと足から抜き取ってやる。
露わになる、きれいな筋肉の、引き締まったライン。
見慣れているはずなのに、アルコールでほんのり赤く染まった肌が、やたらと欲情をそそる。
「ほら、もういいよ。出して」
「んあ、あ、やぁ、あっっ・・・―――――ァッ・・・」
少しこすっただけで、あっけないほど簡単に吐き出される白濁。勢いが良すぎて、掌で受け止めきれずに半分くらいはこぼれ落ちてしまう。
「すげ。もしかして、ひさびさ?」
意地悪く顔を覗き込んでやると、上気した顔が泣き出しそうに歪む。
「おまえっ・・・すげームカつく・・・っ」
「えー? やさしくされたって燃えないくせに」
「なっ・・・誰がっ」
「あんたドMだもんね。オレ基本Sじゃないから大変だったなー」
「・・・っっざけんなッ―――――ッく・・・」
さすがにキレたのか掴みかかってきた両手が、俺のポロシャツの首元を掴んだまま、瞬間的に強張る。
尻の割れ目に潜り込ませた親指で、ぬる、と奥の方を探っていく。
「けっこう固いね。使ってないんだ」
「く・・・ぅっ、んっ・・・」
喘ぐのが悔しいのか、唇を噛みしめたまま小刻みに震えている。
それって、ホント今更な気がするけど。
そんな顔されると、余計にいじめたくなる。
「ココが一番好きなくせに。よく子供なんて作れたね」
「―――――ッ!」
うつむいていた顔が、信じられない、という表情でこちらを向いた。
「今さら身体が思い出しちゃったら、奥さんじゃ満足できなくなるんじゃない?」
「・・・っもう、や・めっ・・・ぁ、あっ」
「うそつき。突っ込まれたくてしょうがないくせに」
ぐり、と指を二本まとめてねじ込むと、声にならない悲鳴を上げて、背中を反らせた。
きつく閉じられた瞼の端から、こらえきれない涙がこぼれ落ちる。
わかってるよ。思い出したくないことくらい。夢物語にしたいんでしょ、あんたは。
どうせ、明日になったら全てはなかったことになる。
言いわけだったらいくらでもできる。泥酔状態で、お互い記憶にないと言えばそれまでだ。
だったら、言わせてよ。こういうときぐらい。
それぐらいのご褒美はもらっても、バチは当たらないでしょ。
____________
| __________ | ドSの能邑先輩敬愛=66KはドMに決定。
| | | | 続きは明日投下します。
| | □ PAUSE. | |
| | | | ∧_∧ エロガモチョット
| | | | ピッ (・∀・ ) ツヅクラシイゾ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>165 GJ
早く明日になれと願ってしまうw
誤厘で燃えて萌えて仕方なかった自分は、
利礼も十胴も好みストライクなの読めてウッハウハだ
>>165 萌えていたところだったんだ!
マジGJ!
>163
「馬鹿りずむが子を暖かく見守る父のよう」っていう居間田のコメントに萌え萌えしてた所にこれはキタ
二人ともかわいいよかわいいよ
案外上手くいきそうなカップルだなw
>>165 うおっ萌えた!!
やっぱりこの二人イイ!!
姐様、続きを早く・・・悶えちゃうわーウハー
>>163 かわいいのうかわいいのうw
馬鹿りずむのあの渋い声と、忠学生の高い声をリアルに想像した
これはいい偽親子www
>>165 禿上がったよ!!
66KはドMかそうかそうか、そうだよな。
能邑タソの名が出たので、その過去のエピソードには能邑が絡んでたのかとか
想像してさらに萌えたッス
首長くして待ってます
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| やっとこさ終りです。待ってくれた姐さん方ありがとう!
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 仲間がいっぱいいて安心しますたw
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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「いっ、つ、・・・ぁ、あっ・・・」
「きついけど、いっかそろそろ」
「ぅあっ・・・まだ、む・りっ・・・」
「切れたらごめんね」
「けーじ・・・っ」
すがるような眼差しを打ち捨てて、小さな身体を反転させ、四つん這いにさせる。
力づくで頭を床に押し付け、腰だけを高く上げさせる。
予感に震えながら強張る、きれいに筋肉の付いた背中。
かろうじて下肢を支えている膝の間からは、出したばかりだというのに、もう次の熱が頭をもたげている。
「力抜いてよ。ホントに血ぃ出ちゃうよ」
「けーじ・・・やだ、おれ・・・っ」
「ホントに?」
先端を入口にあてがうと、高く上げられた腰がビクリと跳ねた。
先走りを塗り広げるようにこすりつけると、物欲しげに収縮する感触が伝わってくる。
「ぁ・・・ぁっ・・・」
「ホントにいやならやめるけど」
「あっ、ま・・・っ」
腰から支えていた手を放そうとすると、反射的に後ろに伸ばされた彼の手が空を切る。
身体は正直って、こういうのを言うんだろうな。
「だって、いやなんでしょ?」
「・・・けーじ・・・っ」
「じゃあ、どうしてほしいの。言ってよ」
上半身をかがめて、耳元で繰り返す。
俺のせいにしてあんただけ逃げるなんて、ずるい。
いくら夢物語だったとしても。共犯になってもらわなきゃ、割に合わないじゃないか。
「どうすんの。ねえ」
こちらを見ないまま、噛みしめられた唇が少しずつ、喘ぐように開かれる。
「―――――ぃ、でっ・・・」
「聞こえないよ」
「・・・・・・やめ、ないで・・・っ」
ぽろぽろと涙をこぼしながら。絞り出すように叫ぶ、かわいい人。
ああ、もう。どうにかなってしまえばいいのに。
「―――――ぁあ・あっっ、もっとゆっく、り・・・はああッ」
「無理だって・・・どんだけじらされたと思ってんの」
「おまえが、かってにっ・・・んあ、あ、あッ」
みっしりとまとわりつく肉をかき分けるように、腰を打ちつける。
記憶を取り戻したかのように、波打って招き入れようとするその感触に、気が遠くなりそうだ。
「ああ、ぁっ・・・けーじ、けー、じっ・・・」
理性の箍が完全に外れて、開きっぱなしの唇が、熱にうかされたように何度も何度も俺の名を呼ぶ。
貪欲に快楽を追い求める腰が、イイところを探して自らうねる。
目を覆いたくなるような痴態。そう、このギャップがたまらないんだ。
「これで満足? あんたの望みどおりだよ」
「あぁ、は、ああっ・・・もっと、して・・・ぇっ」
「どんなふうに?」
「もっと、ひど・くっ・・・」
「わかんないよ、それだけじゃ」
「こわ、れる・・・くらいっ、おくま・で・・・っ」
「・・・よく言えました」
「―――――ぁああッ、ああ、アッッ・・・けーじ・・・っっ」
脳髄をやられそうなほど、攻撃的な快感。
いっそこのまま、溺れ死んでしまいたい。
それこそ、夢みたいな話だけれど。
「おい、圭ニ、寝んなよ」
揺り動かされて、本当にうとうとしていたことに気がついた。
「タクシー呼んで、タクシー。やばいって、時間」
ひどく狼狽した顔で訴えられる。
時計を見れば確かに、そろそろ夜が明け始めるころ。
とはいえ、とその首から下をしげしげと眺める。
「あんた・・・裸のままで帰る気?」
「今から着んだよっ。やべーよ、合宿の用意ぜんぜんしてない俺」
脱ぎ捨てた服をかき集め、シャツをがぼっと頭にかぶる。
デリカシーがないっていうか雰囲気が台無しっていうか。
まあ、この人にそれを求めること自体に無理があるか。
「あーあ・・・すっきりした顔しちゃって」
「・・・なんだよ。してないってか?」
呟いた声が聞こえたらしく、半分シャツをかぶったままの顔で睨まれる。
つーか。かわいいからやめてよ。
「してないっつったらもう1回させてくれんの?」
「・・・・・」
「ちょっと、エロい顔すんのやめてくれる」
「してねーよッ」
脳天にかなり強い平手打ちが炸裂した。
「いーって! くっそー、マジで犯ってやるっ」
「あ、てめっ、本気出すなよ何階級上だと思ってんだバカッ」
かなり本気で抵抗してくるのを構わず、小さな身体を床の上に抑え込んだ。
じたばたする手足を全部閉じ込めて、誰にも見つからないように隠してしまいたい。
誰か、25秒カウントして。そう心の中でつぶやく。
だって帰したくないんだよ。
なんでわかんないの。
「重いって、圭ニ」
「ねえ、宇ッチー」
「なに」
「泣いていいかな。俺も」
「・・・終わってからにすれば」
胸の下から、ぼそりと呟かれる一言。
冗談で返されると思ったから、面食らった。
ああ、もう。本当にずるい、この人。
肝心なとこをわかってくれないくせに、それよりももっと、本当に本当に大事なことはちゃんとわかってる。
だから強いんだね、あんたは。
「ああー、ほら、明るくなってきたじゃんかよっ」
「はいはい、わかりましたよ」
解放してやると、彼は思いのほか真っ赤な顔をしていて、思わず吹き出してしまった。
殴りかかる拳を避けながら、タクシーを呼ぶために携帯電話を手に取る。
夢はもう醒めた。今日からは、ひたすら過酷な現実が待ち受けている。
でも、それも悪くない。
この人と一緒なら。
____________
| __________ | 若さを取り戻した66Kが一番を取り、
| | | | 精気と集中力を奪われた100Kが1回戦敗退という疑惑w
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ナンカイロイロゴメン・・・
| | | | ピッ (・∀・ ) デモコウカイハシテイナイ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
十胴姐様ありがとう!
素晴らしく萌えまくった!!
100kに泣けた・・・
今度は彼を幸せに・・・
十銅GJ!
萌えすぎたよー(*゚∀゚)=3
エロとドタバタとしんみりとの絶妙な加減に、のたうち回りながら読みました!
>>178姐さん、GJ!
十同激しく萌えた!
ありがとう、姐さんは神だ。。
萌え死ねた・・・
押さえ込みで泣けたよ姐さんGJすぐる
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 電脳コイル・ガチャギリ×アキラです
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| アキラ一人称でお送りします
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
191 :
コイル・ガチャ×アキ:2008/08/31(日) 15:17:23 ID:riSg8lQ60
僕は今、ものすごく幸運だ。
だって…あ、憧れの、ガチャギリさんと二人っきりで帰り道を歩いているんだから。
「…………」
「…………」
でも、さっきから全然会話が弾まない。
こういう時ってどんな話をしたら良いかな?ガチャギリさんの好きそうな話ってなんだろう?
ウッ…考えてみたら僕ってあんまりガチャギリさんの事知らないかも……。
こんな風に僕が頭を悩ませていたその時。
上空に唸るような音が聞こえてきた。徐々にその音は大きくなり……。
それはすさまじい光と共に、地上に降ってきた。
「雷か…やべえな、そのうち降るぞ」
ガチャギリさんは浮かない顔になっていたが、僕はなんだか興奮してきていた。
「すごい、大きな雷ですよ。なんか迫力があって強そうだし」
「アキラ、お前は雷怖くないのか」
「はい!昔っから、ゴロゴロ鳴り出すと心が弾んできて、ピカーってクライマックスの音が
鳴るともう気分がワクワクして来て…あ、それから姉は雷大嫌いなんですよ。普段の様子
からは想像も付かない位に怖がるから、もうそれが愉快で愉快で……」
「フーン」
ここまで語って、僕はふと気が付いた。
こういう場面では雷を多少なりとも怖がった方が、可愛らしい下級生という印象を植え付ける
ことが出来て良かったんじゃないかって。
それに、「俺が抱きしめてやるから怖くないぞ」的な展開も上手くいけばあったんじゃないか?
「フーン…」
ガチャギリさん、ちょっと引いている気がする。
しまった、僕は重大なミスを犯してしまった……。
「あ、あの…やっぱり、僕こわーい」
今更言ったって後の祭りだった。
ガチャギリさんは、口元を手で押さえて笑いを堪えていた。
「…………」
嫌だな…とてつもなく恥ずかしい。
「ウワ、降ってきやがった」
気がつくと、雨が降り出していた。
僕とガチャギリさんは大急ぎで屋根のある場所を探した。
どうにか駄菓子屋の入口の屋根付近で雨をしのぐ事が出来た。
でも長い距離を走ってきたせいで、服が濡れてしまった。
そのせいで体も冷えてしまって、何だか心まで折れてしまいそうだった。
僕はたまらず口を開いた。
「ガチャさん、寒い…」
するとガチャギリさんは眉をしかめてこちらを向き、返した。
「今のはウソじゃねえだろうな?」
ウソじゃないのに…少し鼻の奥がツンとして来た。
「ウ…ウソじゃありませ…!!」
次の瞬間、息が止まった気がした。
僕は信じられない気分になった。だって……ガチャギリさんに抱きしめられていたから。
「ウ…ウソ」
「なんだ、やっぱりウソか」
「違います、この状況がウソみたい…なんです」
嬉しくて…少しでも気を抜いたら涙が出てきそうだった。
「俺、アキラ好きだぜ」
「!!」
思いがけない言葉に僕は言葉を失った。そしてついに目から涙がこぼれてしまった。
「寒いんならずっとこうしていてやるから」
いつになく優しげな声色にますます胸が締め付けられて、僕はもう泣く事しか出来なくなっていた。
「ウッ、ヒック…ウワアアア…」
「すみません、あんな大声で泣いてしまって」
「いいっていいって、しかし雨が無事にやんで良かったな」
さっきまでの雨はすっかりやんで、綺麗な青空が広がっている。
でも雨宿りの時間が終わってしまって、ちょっと残念だ。
「あ、あの…ガチャギリさん」
「なんだ?」
「これから、ずっと僕の側に居てくれますか?」
僕は思い切って言ってみた。
ガチャギリさんの表情は帽子に隠れてよく見えない。こんな事言われてどんな気持ちかな?
「…良いぜ。お前と一緒に居ると面白いし。特にあの雷の話の時、最高に輝いてたぜ」
「…!!」
ついさっきエキサイトしてしまった事を思い出してしまい、僕はまた恥ずかしくなってきました。
「もっ、もう、恥ずかしいですよー!!」
僕は照れ隠しに、ガチャギリさんの胸に顔を埋めた。
ずっと一緒にいるからね、ガチャさん。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ キャラが掴みきれているか
| | | | ピッ (・∀・ )ちょっと不安です
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
SIMPLE DSシリーズ「THE爆弾処理班」、♯6後を捏造した男キャラ祭です
今手元に現物が無いので色々とうろ覚えな上、携帯からなので投稿に少し間が空くと思います
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
デザートウルフのキャンプから脱出して数時間。
Mの手配した爆撃機が周囲一帯を蹂躙する音も今は聞こえなくなった。
もし牢から脱出することができなかったら、
もしプラグが点火しなかったら、――今ごろ俺達はあそこで奴らと一緒に焼かれていた。
毎度のことだがいかにこの仕事が綱渡りの連続かということを痛感する。
「ディーノは、どうしてますか」
BBのことについてぼんやりと考えを巡らせていると前の席に座るミカが声をかけてきた。
少しでもディーノを犠牲にしようと考えたことを悔いているんだろう、その口調は不安げだった。
「ああ、よく寝てるよ」
当のディーノは俺のズダ袋から顔だけ出して、ぴすぴすと寝息を立てている。
いろいろと騒動があったというのに、そのあまりにものん気な様子に溜息が漏れた。
「まったくこのバカ犬が……迷惑かけやがって」
軽く頭を小突いてやると、目を覚ましたディーノがやめてよバートと寝ぼけ眼で小さく抗議の声を上げた。
「まあまあ。彼がいなければ僕達は助からなかったかもしれません。それに、」
かけたのは迷惑じゃなくて心配でしょう?と続いたミカの言葉は聞かなかったことにした。
「あと…、ローラン、でしたか。彼女にもお世話になりました」
「ああ……そうだな」
あの地に残る彼女のことを思う。彼女の境遇に、結局俺は何もしてやれなかった。
「最大の功労者が何言ってやがる。この飛行機を設計したのはミカ、お前だろうが」
しんみりとした空気を嫌ったかのように、横からミャオが話に割って入ってきた。
「おかげでやっと砂漠を脱出できるんだ。帰ったら何かしたいこととかは無いのかよ」
「お腹いっぱいゴハンたべたい!」
ディーノが目を輝かせて真っ先に主張する。
「僕は、まず帰ったらシャワーを浴びたいですね」
「だらしねえな、ミカ。……と言いたい所だがさすがに俺も同感だ」
「そうだよな。お前の仕事道具荒れっぱなしにしとくわけにはいかないしな」
さすがのミャオの肌も砂漠での遭難生活と、缶詰とチョコレートのみの食事には耐えられなかったらしい。
特徴的な顔に浮かぶ吹き出物に触ろうとした手は、ミャオに嫌そうな顔をされて叩かれた。
「痛え!」
「余計なお世話だ!それに、俺のとりえが顔だけなんて思うなよ。…………………それにしても」
そう続けたミャオは少し照れくさげな顔をした後、
「まあ、みんなで生きて帰れてよかったよな」
笑って、付け足した。
冗談めかした口調だけれどおそらく本心から言っているのだろう。
実のところ、俺も同じ気持ちでいる。
自分の能力に命をかけているような奴ばかりといえど、できれば誰も死んでほしくない。そう思う。
「それじゃあ無事ご生還、ってことで祝杯でもあげてみるか?」
少しくすぐったい気持ちになったことをごまかすように、おどけた手つきで二本の酒瓶を取り出してみせる。
「なんだよそれ。どうしたんだ」
「サボテンの鉢植えの陰に隠してあった。ちゃっかりしてるよな、ゴンザレスも。
ミカとディーノは悪いが我慢してくれ。これはオトナの飲み物だ」
「いいのか?バレたら機長殿にどやされるぜ?」
そう言いつつもミャオの口元は意地悪そうに歪んでいる。
「なに、バレなきゃいいんだろ」
お前ら分かってるな?と目で合図すると、
ミカは仕方ないですねと苦笑して、ディーノは知らないよとそっぽを向いた。
ミャオと俺は了解を得たとばかりに二人静かに酒瓶を合わせて乾杯をしようとした、
その瞬間、
がくん、と大きく機体が傾ぎ、その勢いで盛大に酒を床にぶちまけた。
どこか覚えのあるその衝撃に嫌な予感が募る。
「ゴンザレス!!もしかして、また……」
「ああ、よくない知らせだぜ。右翼にトラブルが発生した、できるだけ体勢を整えては、みる、が…」
コックピットから振り返ったゴンザレスの視線が、床の惨状と中身が大きく減らした酒瓶の間をさまよう。
「おいアミーゴ、その手に持っている酒は」
「今はそんなこと気にしてる場合か!!前見ろ前!」
「なんてこった、仕事の後に一杯やろうと思っていたのに――」
ミャオとゴンザレスが言い争っている間にも高度は下がっていく。
「こわいよジョー、飛行機がどんどん落ちていくよう!たすけて!」
「ごめんなさいみなさん。僕の作った飛行機のせいで……」
「あああもう勘弁してくれえええええっ!!!」
こうしてネオ・ドスカラス号は再び砂の海へ舞い戻ることになった。
その後、蟻塚に突っ込んだ俺達を襲った悲劇は…………思い出したくもない。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
バートとミャオの悪友めいたやりとりに萌えて書いた。このゲームのヒロインは犬だと思う
慕可路 マスター×海人 オリキャラ・エロ注意
ラストになります。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) ジサクジエンガ オオクリシマース!
いざとなると、体は自然と動くもので。我ながら感心する。
服を捲り上げて、露になった肌を軽く撫でると、カイトは小さく震えた。
口を離して、長いマフラーをゆるめた箇所へ移す。
「………ん」
舌を這わせると、息が漏れる。全く、夢だってのに生々しい。
撫でていた手を胸に移動させると、何かに引っかかる。
その引っかかった箇所を軽く摘めば、カイトの体がびく、と跳ねる。
そのまま何度か転がすと、甘ったるい声が反応として返ってくる。
「ぁ……マスター……っ」
少し前と同じ、真っ赤な顔と半泣きの目を向けられて、思わずぞくっとした。
そんな顔で見んなよ。もっといじってやりたくなるだろうが。
「これくらいで根上げてたら、この先もたないぞ」
そう耳元で呟いてやって、胸に置いていた手を更に下へ移す。
「!?」
いきなり触られたら当然か、カイトは抵抗するようにオレの手を掴んだ。
「そ……それは駄目ですマスター……嫌だ……っ」
「…の割には、キツそうなんだけど」
「ぁ……っ」
中に手を滑り込ませ、正直なそれを軽く撫でれば、カイトが声を上げる。
「男なら自然なことなんだから、あんま余計なこと考えんな」
落ち着かせるように一度口付けて、そのまま手を動かす。
悦さに負けた体が、素直に反応する。甘い声が、押し殺されて部屋に響く。
濡れてきた先端を指の腹で撫でれば、耐え切れなくなった声が返ってくる。
「っあ……ぁ……マスター……俺……おかしくなって……っっ」
必死な訴えが、またオレの理性を壊していく。
もう止められねえよ、と首に軽く噛み付いて答えて、一気に擦り上げる。
「あぁ……っ!」
びく、と体を震わせて、カイトが声を上げて
すぐに液状の感触が手に伝わってきた。
「結構、早かったな。そんなによかったか」
手にかかった液体を弄びながら聞いてみれば、また半泣きの顔になる。
この反応が、さっきからずっと、オレを煽る。
「今度は、オレがよくなってもいいよな」
しっかり聞こえるようにまた耳元で言い聞かせて、べたべたなままの手を
今度は後ろへ運ぶ。
「な……なに……するんですか……?」
さすがに怯えたような声で、カイトが聞く。仕方ないか。
「こっちも、よくするから」
頭を撫でながら落ち着かせて、そこへ指を入れる。
「っぁ……あ……!」
カイトが震えて、急に締め付けられる。肉感が指を圧迫する。
「きついのは最初だけだから、ちょっと我慢しろ」
そう言って、指を進める。カイトのが潤滑油になって、案外すんなりといく。
苦しそうにカイトの息が漏れて、少しでも和らげばとまた頭を撫でる。
「ふ………ぅぁ……ぁ……」
苦しそうな呻き声が、だんだん熱を帯びる。
そうやって見つけたイイ場所を何度も触れば、カイトは一層甘い声で鳴く。
「…柔らかくなってきたな。もう痛くないだろ」
「っは……ぁ……っ」
オレの問いに、答えようとして悦さに流された息遣いが返ってくる。
二本目が中をかき回せるようになって、カイトの反応もよくなってくる。
「ま……すた…………ぁ」
「…そろそろ、入れるぞ」
今にも溶けそうな表情を確認して、指を抜いて、十分にほぐれたそこへ
ずっと耐えてきた自分のモノを挿れた。
「っ――――――!!」
声にならない声が漏れて、肩に鈍い痛みが走って、同時に思いきり締め付けられる。
「…カイト、力抜け。動けねえしお前が辛くなる」
飛びそうな理性を抑えながら、なんとか諭してカイトに口付ける。
もう限界なんだよオレも。お前が欲しすぎて。
欲求を逃がすように、カイトに触れる。撫でて、這わせて、噛む。
そうしてるうちに強張ってる体が解けるのを待って、動く。
ゆっくりと、奥へ、何度も、何度も、カイトを欲して動く。
「ゃ……ますた……ぁ……ぁあ………っっ」
カイトのイイ所を突くたび、この上なく甘い声が漏れる。
可愛い。可愛い。気持ち良い。もっとお前の中にいきたい。
だんだん貪るように、交わる。繋がった箇所が熱い。体を撫でている手も熱い。
オレとカイト、どっちから出た熱だか分からなくなる。
「ますた……も…ぉ……!」
「っ………!」
カイトの声が聞こえて、オレの中で何かがぶつ、音を立てて切れた。
ずっとしまいこんできた、いろんなものを吐き出して、果てる。
荒い呼吸が、二人分の呼吸が入り混じって、不規則な音を作る。
「カイト……好きだよ……」
真っ白になる意識の中で、カイトを抱きしめて、
それだけはしっかりと伝えて、途絶える。
ほんとに、なんて夢だ。もう少し余韻に、浸らせて くれよ 。
もういっ そ、こ のまま 、醒 めなけ れ ―――
目が覚めた頃には、部屋はすっかり明るくなっていた。
時計を見ようとして、頭が鉄の塊のように重い。二日酔いか。
なんとか体を起こして、もう昼近いことを知る。
自然と視線はパソコンへ向いて、なんとなく気まずくなった。
まあ、あれだけの夢を見れば当然か。肌の感触とか、息とか、熱とか、声とか、
まだ体のあちこちに残ってる。
思い出して、いろいろと恥ずかしくなってきた。今のオレなら、恥の力で死ねる。
けど、あれは夢だったんだ。現実で、カイトと何かあったわけじゃない。
……やっぱりそれが、虚しいけど。
言い訳がましく納得して、パソコンの電源を入れる。
メインの起動が終わって、画面が出て、出てきたカイトは
オレを見るなり、フリーズするかの如く固まった。
「あ……おはよう、ございます。マスター」
「おう。…昨夜は悪かったな、シャットダウンまで退屈だったろ」
「え?……ああ、その、あまり覚えてないんで、大丈夫です」
そこで言葉が途絶えて、部屋は静かになる。
って、覚えてないなんてことあるのか、お前が。
「……その、眠そうですね、マスター」
「ん?……あー、ちと夢見がな。寝ることに集中できなかったというか」
そう言った瞬間、カイトが、明らかに動揺する。
なんだよその反応………………まさか。いや、ないない。
「あ……えっと、どんな夢だったのか、聞いてもいいですか?」
一人心のうちで葛藤しているオレに、カイトが遠慮がちに声をかける。
どんな夢と聞かれても、言えるわけがない。
「……んーと、詳しくは言えんが」
あの内容をどう言っていいのか困って、何度も何度も言葉が濁る。
「…幸せな夢だったよ。いろんな意味で」
だいぶ時間を掛けて、結局、率直な感想をカイトに伝えた。
少し間が空いて、そうですか、とだけ答えが返ってきた。
そのままカイトはオレから顔を逸らした。何かを言いたげに、口が動く。
「……あのですね、俺も夢を見たんです」
少し躊躇うように、カイトが言った。今度はオレが、ぎく、と硬直する。
「……へえ、珍しい。どんな夢だよ」
なるべく平常心を装って聞いてみると、カイトの頬が赤くなる。
「あの……俺も、詳しくは言えないです。……でも、マスターと同じで」
そこまで言って、カイトはオレを見上げる。嬉しそうに笑って。
「とても、幸せな夢でした」
そんな感じで、二人して確証のない幸福感に浸ったりして
何となくフワフワした感覚でいたりしたけど
それが夢だったのか、現実だったのか。
思い知ることになったのは、この後、お互いに“証拠”を見つけてから。
ああ、今、オレが突然倒れて死んだりなんかしたら
原因は羞恥なんだろうな。まったく、情けない話だ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ) イジョウ ジサクジエンデシタ!
今までの投下物にコメくださった方ありがとうございました!
>>199 待ってました!
なんか泣けてきた…幸せそうで可愛い二人に最高に萌えた。
あなたのマスカイ凄く好きなんで、機会があればまた投下して欲しいです、GJ!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
出遅れた感が無きにしも非ず? でも書きたかった。
利礼で三番目になったその夜の、犬×パパ。
浅原の肩越し、一緒にモニタを覗き込む。
「…凄ぇ」
ズラリと出てきた、写真、記事。アレが自分だけの夢や幻ではないということ、自分達が成し遂げたことの大きさを、束原は目の当たりにした。その目はいっそう輝きを増す。
「凄いなぁ」
まるでモニタに圧倒されたように、微笑って大きく息を吐きながら、浅原はイスに背を預けた。
浅原の手からマウスを奪った束原が、その中の一つの記事を読んでいると。
「ありがとう」
何度も繰り返された台詞。いやにゆっくりと吐かれた。
思わず、記事から視線を外す。
フニャリと笑った顔は、モニタに向いたままだが――近い。四人で揉みくちゃにしあった時は意識しなかったことに、今は、ただでさえ眠れないほどの鼓動がさらにうるさくなる。
お誂え向きにも、深夜のこの一角には二人きり。
持ち上がった唇の端へ、吸い寄せられるように、束原は自分の唇を重ねた。啄むような一瞬の口付け。
真っ直ぐ目が合うと、眉尻の下がった苦笑いを向けられた。仕様の無い奴だ、とでも言いたげな。
それに乗ってニンマリと笑い、浅原の頬に手をかけ、もう一度口付ける。歯列を割って舌を差し入れ、浅原の舌を絡めとって。
今度は、胸を強く押されてしまった。眉をハの字にしながらも、大人しく、束原は離れる。
「阿呆…盛んな。それもこんなとこで」
ひそめた声で咎められた。
「……じゃあ、場所変えましょう」
引き下がるつもりは無かった。
ただでさえ眠れないほどに熱を帯びていた身体には、すっかり火が点いてしまった。
「朝まで付き合ってくれるんですよね?」
昨夜、数人が顔を突き合わせていた部屋に、今は、二人。決して広くはない部屋に響くのは、噛み殺しても零れる呻き声と、糸を引くような水音。
俯せて膝を立てた浅原を、背後から抱きすくめるようにして。
裸の上半身に巻き付けた束原の左手が、厚い胸板の上で硬くなった突起に軽く爪を立てる。
右手の指は、卑猥な音を立てながら狭い内側を広げるように蠢く。人差し指で、とうに覚えた箇所を掻くと、その度に、浅原の広い背が震えた。脚の間で頭をもたげたものから、雫が滴る。
「くっ…ふ……んぁ…」
顔を覗き込めば、顰めた眉と、涙の滲む下がった目尻。唇は引き結んでいても、刺激を与えられれば、幾度となく解けてしまう。
汗に濡れた赤銅色の肌は、仲間たちも皆とうに見慣れた光景なのに。それが、表情一つ違うだけでこうも色っぽくなる。一回り以上違う頼れる人のそんな様が、束原には堪らない。
散々中を掻き回した指を抜く。その収縮する入口は、中を埋めるものを今一度待ち望んでいるよう。
束原は自分の着ていたものを脱ぎ捨てた。
「入れ、ますよ」
耳に一言吹き込むと、束原は今にも弾けそうな自身を一気に押し込んだ。
「うぁ……はあっ…!」
その背にしがみついた束原から見える顔は、苦痛に歪みながらも、また快楽で蕩けていく。
「はっ…ア…」
律動に合わせるように大きく吐く浅原の息に、上ずった声が混じる。
項や肩口に舌を這わせ、時折歯を立てながら、束原は激しく攻め立てた。
「ん、あぁっ…!」
「くぅ、っ…!」
果てると同時に中が脈打ち、その締め付けに、束原もまた絶頂に達した。
自身を引き抜き、肩を掴んで浅原を仰向かせた。お互い、呼吸は荒い。
後頭部を支えて引き寄せ、半開きの唇を貪る。
浅原もそれに応える。溢れた唾液は零れるに任せ、互いの顎の裏をなぞり、舌を絡めた。
「…っ、は」
名残惜しげにゆっくりと唇を開放した束原が膝裏に手をかけると、浅原は閉ざしかかっていた目を見開いた。
「ぉ、いっ…!」
束原は、浅原の膝に絡まっていたジャージと下着を抜き取り、その足を自分の肩にかけさせた。
高ぶった自身をまた入口にあてがう。さっき中に放ったものが水音をたて、さっきよりはお互い苦も無く、深く繋がっていく。
「お前、ッ…おかしく、ないか…っア」
ひそやかな非難めいた声は、喘ぎの狭間に消える。
「頭沸いてるから、っすかね」
耳元で冗談めかして囁き、腰を打ち付ける。
腹に触れる阿佐原のものに手を添え、擦りながら、時には先端を抉るように弄る。束原の自身を包む内側が震えた。
「あさ、はっ…さ…!」
「つか、ァ……つか、は、らっ」
束原は浅原の肩に鼻先を埋め、浅原はその束原の頭を抱きながら、二人は一緒に果てた。
「オッサンに…無理さすなよ…」
気の抜けた平手が、束原の頭を打つ。
「だって、さぁ…」
余裕など無く、気遣うことはできなかった束原。拗ねたような口振り。
後始末をすると、浅原はぐったりとまた床に横たわってしまった。
夜明けまではまだ時間がある。チームメイトが起きてくるにも。
もう少し、と、束原はまた浅原に覆い被さる。上下する厚い胸板に、ぴったりと横っ面をくっつけると、浅原は髪を梳くように束原の頭を撫でた。
心臓はまだ静かにならず、このままだと一睡もできそうにない。けれど、こうして寄り添っていれば、疲れは少し癒えていくような、束原はそんな気がしていた。それは、この人の器の大きさゆえか――愛ゆえなのか。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
コウモリが見てたかもな。
金10ドラマ
中学時代の刑事と弁護士弟
会話のみです
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
213 :
212:2008/09/03(水) 07:13:17 ID:4ywU6k3LO
と思ったらエラーで投下出来ず・・・
お目汚し失礼しました
次の方ドゾ-です
214 :
新板設置について相談中@新板スレ:2008/09/03(水) 13:35:03 ID:Uh/v6AYp0
焦って下げ忘れてしまったorz
216 :
新板設置について相談中@新板スレ:2008/09/03(水) 20:15:51 ID:ONDhA0rw0
>>211 GJ!GJ!
色気ダダ漏れなパパと余裕のないワンコに禿げ散らかした。
パパ包容力ありまくりw
スマン、sage忘れ・・・逝ってくる・・・orz
>>207 GJ!!
犬のがっつきっぷりとパパの包容力に萌えた!
パパの胸でヨシヨシされる犬…パパやさしすぎるよパパ
P4の足立→堂島です。ネタバレありなので一応三行ほど下げます。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
最愛の娘の菜々子ちゃんがワルい奴に誘拐されて以来、堂島さんは目に見えて衰弱していった。
犯人を追いかける際に負った怪我のせいもいくらかはあるだろうけれど、そんなものは微々たるもの。思うように体を動かせないことよりも、菜々子ちゃんが依然行方不明なことに心を痛めているようだった。
自らの傷の痛みを嘆く言葉なんてまったく言わないのに、ことあるごとに堂島さんは菜々子菜々子とつぶやいていた。
「菜々子」
あ、また言った。学生時代に教師の口癖を数えていたことを思い出し、僕は思わず苦笑してしまう。
そのせいで手元が滑りそうになったが、慌てて持ち直し、ほっと息を吐くと僕は剥き終えた林檎を皿にのせた。そして堂島さんの様子をちらちら窺いながら、何気ない調子を装い口を開いた。
「堂島さん、あの花どうですか?僕が買ってきたんですけど」
「花?……ああ、本当だ」
「綺麗でしょう?」
「そうか。気付かなかった」
「花があると元気が出ますよね」
微妙に噛み合わない会話も慣れてくるとそう悪くない。まるで堂島さんじゃなく別の誰かと喋っているようで時々不安になるけれど、目をやるとやっぱりベッドに横たわるのは堂島さんで。その虚ろな瞳は病院の白く陰気な壁とよく合っていた。
「よーしうまく切れたぞ〜」
置物のように動かない堂島さんには構わず、僕は切り分けたお見舞い品の林檎につまようじを差す。
堂島さんが食べられそうになかったら足立さんが食べて、と署の女性達から果物やゼリーをもらったおかけでここのところ僕の胃袋は大変喜んでいる。
幸せのお裾分けとばかりに小さく切った林檎を鼻先に持っていくと、堂島さんはわずかに眉をひそめて睨むような視線を寄越す。
「……何だ?」
「林檎ですよー?そんなことも忘れちゃいました?」
「……」
「堂島さん?」
堂島さんは何も言わなかった。おどける僕を感情のない瞳でしばらく見た後、ふっと顔を逸らしただけだった。
普段なら僕の冗談や調子に乗った発言には容赦なく怒声を浴びせてくるのに、今の堂島さんときたらからかい甲斐がない。
まさに今生死の狭間をさまよっているのは一体誰なのか、わからなくなってしまいそうなくらいだ。
「……そうだ!気分転換に庭に散歩にでも行きます?僕がダッシュで車椅子押してあげますから。
いつもと違う速度で見る景色は新鮮でいいと思いますよ」
うん!そうと決まれば用意用意、と早速林檎を片付けて立ち上がるも、堂島さんは動かない。
「堂島さん、行きますよ」
「……」
「もう、あんまり手間かけさせないでください。ほらほら!」
「足立」
「っ、はっはい!」
久し振りに名前を呼ばれ、驚きのあまり体は勝手に直立不動の姿勢をとってしまった。
けれどすぐさま別の意味で僕の体は固まった。堂島さんの目が、見たことのない不安げな色を宿していたのだ。初めて聞く心底苦しげに絞り出された声に、僕は聞き入った。
「菜々子がこのまま帰ってこなかったら、俺はどうすればいいんだ……」
「……堂島さん?」
そろそろと頼りない仕草で手が伸びてきたかと思うと、それは僕の腕目掛けて不器用にすがりついてくる。そしてそのまま、弱々しく絡まった。
予期せぬ事態の発生に、堂島さんのつむじを見下ろしたまま、僕は言葉を失ってしまった。ふれた場所から伝わる震えがますます僕の動揺を煽る。
「あ……あの?」
「なあ足立、教えてくれ……」
「え、そんな」
「足立」
懇願するような声で呼ばれ、胸が高鳴った。
この人が最愛の娘の名前を呼ぶ時、そこには疑いようのない愛情があった。そのことに少なからず僕は嫉妬を覚えたものだ。
だけどどうしたことだろう。今堂島さんが口にした僕の名前にも、愛情によく似た熱っぽい響きが確かに感じられたのだ。
「ら、らしくないですよ堂島さん?」
「そうか?俺なんてこんなもんだ。一人じゃ何も出来やしない……だから……」
悲しみに暮れた表情で零す堂島さんに、僕は腕だけではなく全身を締め付けられた気がした。
自分が今何を言っているのか、この人は理解しているのだろうか。正常な心理状態では決して言わない、とてつもなく馬鹿げたことを口走っている自覚はあるのだろうか。
それでもなお、この人が僕を求めるなんてこと、有り得るのだろうか。
「だから……何ですか?」
「……」
「……堂島さん、その」
「すまん足立……今のは、忘れてくれ」
それは消え入るような声だったけれど、僕を現実に引き戻すには十分だった。
伸ばしかけた腕からすんでのところで逃れていった堂島さんは、相変わらずの生気の抜けた顔つきではあるが何とか笑顔を作ろうとしていた。
作り慣れたはずの笑顔をぎこちなく浮かべると、僕もそっと腕を引っ込めた。
「……駄目だな俺は。お前ほどうまく冗談を言えない」
「ほんと、そうですよ。あんなの全然笑えない」
笑えない冗談でひとしきり笑い合った後、僕はさり気なく病室を後にした。
堂島さんは相当弱っている。そうだ、明日二つ目の花瓶を買おう。そしてついでに、嫌でも目に付くような派手な花を飾ってやろう。そうしたら、よりにもよって僕にあんな眼差しを向けてくるなんて馬鹿なことしないはずだ。
これで良いんだ。
あの人が望む善良な人間に、今更僕がなれるはずなどない。それにあの人をあそこまで追い詰めたのは他ならぬ僕だ。忘れていいことでは決してない。だから、これで良いはずなのに。
どれだけ言い聞かせても、心のどこかで許されたいとも願ってしまう僕は、本当にどうしようもない。
こんなことをしたかったわけじゃないのだと、あの人に信じてもらいたかった。僕は本当はこんな醜い人間ではないのだと、すがりつきたかった。
病院から逃げるように飛び出した途端、泣きたいような笑いたいようなぐちゃぐちゃした感情に襲われた。相変わらずの諦めの悪さを自嘲しながら、僕はのろのろと歩き出した。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
この二人には鬱々とした関係も似合うと思います。
00捏造設定、俺×アンドロイドグラハム&つぶれハム(ロボ)
長くなったので分けて投下するよね! 取りあえず前編ドゾー
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| なんかこれ似た奴前に観た事あるような‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| やっぱりキャラサロに話題持ち出しは禁止だよね!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
一人暮らしの俺が、つぶれグラハムを飼い始めてから3ヶ月目にして、怪我で入院をす
るはめになり、その間の5日間つぶれの世話を、同市内に住む大叔母に頼み、やっと今朝
退院してつぶれグラハムを迎えに行った時、大叔母は心底ほっとした顔で、
「やっと出て来たのね、なんでこんなペットロボを飼う気になったのか、心底わからないわ」
と俺に向かって言った時、やはりな、と俺は思った。正直、小一時間説教を垂れられる
覚悟で来たのだが、それだけ言うと大叔母は、専用フラッグに乗って遊ぶつぶれを呼んで、
つぶれの玩具や着替えの詰まった荷物を差し出し、早くこれを引き取って帰れと俺を早々
に追い出した。
「マスター、怪我はもう良くなったのかよ?」
なんとも久しぶりに聞くつぶれの声は、俺に知らず知らずの内に顔を緩ませるものだっ
た。たとえ怪我の原因がつぶれの放ったグラ☆スペだったとしてもだ。
「いや、まだ左肘の骨がひびの入ったままだよ」
尾てい骨や後頭部、顎の打撲の痛みや腫れは治まっていたが、つぶれ渾身のグラ☆スペ
を受けた時に倒れて石畳に付いた肘だけは骨にひびが入ってしまい、そこはまだギブスで
固定され動かせないでいた。
「治るのも時間の問題だよ、気にしなくていい」
「そうなのかよ? それなら私は気にしないよね!」
「うんでも左腕はまだ動かないからそれは気を付けてくれよ。それよりも、帰ったらびっ
くりするぞ」
俺はタクシーの後部座席で、脇にちんまりと座り俺を見上げるつぶれに、興奮を隠しき
れずにそう言った。
「なんだよ? 特上マッシュポテトがあるなら私はそれでいいよね!」
「もちろん美味しいマッシュポテトもあるよ、それから、君に後輩が出来た」
「後輩かよ?」
つぶれは不思議そうに俺を見つめた。自分と同タイプか、または他のユニオン製つぶれ
ジョシュアか、他国製のつぶれ達でも増えるのかと考えているのだろうか。
「帰ってからのお楽しみだ」
タクシーは20分も掛からずに懐かしい我が家の前へ到着した。タクシーの運ちゃんに、
つぶれのフラッグの運搬を頼んで、俺はつぶれの荷物を片手に玄関へ向かう。俺は鍵を開
けずに、呼び鈴を押す。つぶれはやはり不思議そうだった。
今まで俺とつぶれグラハムだけで生活していた家だ、俺がつぶれの前で鍵を手に取らずに
呼び鈴を鳴らすなんて始めての事だろう。
『誰だ?』
といきなりインターホンから低い声がして、
「俺だよ」
と短く答えると、程なく玄関に人の気配が現れ、がちゃりと内側から鍵が開けられ、扉
が開かれた。
重い玄関の扉の間から現れたのは、短いくせ毛を跳ねさせた金髪の若い男だ。白いシャ
ツにスラックス、チャコールグレーのシンプルなエプロンを身に着け、足下はサンダルだっ
た。そして玄関に現れた人間を映すその瞳は鮮やかなグリーン。どこからどうみても間違
いない、グラハム・エーカーだ。
後ろからつぶれ専用フラッグを抱えて付いて来た運ちゃんを振り返れば、いきなり現れ
たエプロン姿の金髪白人にぽかんとしている。
「運転手さんすいませんが、それ、玄関の中に置いてもらえますか?」
と話しかけるとようやく我にかえり、はいと返事をしてグラハムの手によって大きく開
かれた玄関の扉の中へ入って行く。俺は手に持った荷物をグラハムに渡し、
「ただいま。何か変わった事は?」
ときいた。
すると、俺の横にいたつぶれがつんつんと俺の服を引っ張って、
「それが後輩かよ?」
と尋ねて来た。
「そうだよ」
俺はつぶれを自由な右手で抱え上げる。
「これが君の後輩の、グラハム・エーカーだ」
「ふぅん」
「そして、これが君の先輩のつぶれグラハムだよ、グラハム」
「Yes, sir.」
軍隊めいた答えがグラハムから聞かれた。
「まだグラハムは来たばかりで何の調整も出来てないんだ、つぶれ、手伝ってくれるかい?」
「了解したよね!」
つぶれは意外にも楽しそうにそう答えて、俺の腕から飛び降りると、先に居間へと走っ
て行ってしまった。
「特上のマッシュポテトはどこだよね!」
居間の向こうから叫ぶつぶれの声が俺たちを呼んでいた。
我が家に新しく来たグラハム・エーカーは、もちろん本物のユニオン軍MSWADのトッ
プエースであるグラハム・エーカー上級大尉なわけではない。彼を模してユニオンで作ら
れたアンドロイドだ。愛玩用として作られたつぶれグラハムとは違い、アンドロイドの彼
には各種細かな設定作業が必要だった。グラハム・エーカーはどちらかと言うと、躾が必
要な上級者向けのアンドロイドだと言われているが、しかし、安くない価格でもって別の
タイプのアンドロイドを購入する気には俺にはなれなかった。付属するソフトは基本の日
常雑務処理機能がわずかばかりで、簡単な掃除と洗濯、料理は軽い朝食程度と軍隊方式の
野外炊飯は出来るものの他は学習させなければいけないらしい。他は、高度なMS操縦機
能がデフォルトである。これはオリジナルのグラハム・エーカーのスペックにほぼ忠実に
作られた趣味的要素が強い機種な為だ。その為に、戦場で使われる事は硬く禁止されていて、
ユニオン同盟国以外の国や、戦争や紛争が認められる国への輸出入は厳しく規制されていた。
日本に住んでいて良かったと俺は思う。でなければこんな簡単にグラハム・エーカータイ
プのアンドロイドは手に入れられない。たとえ家事や対人の基本性能が専用のそれに劣っ
ていても、やはり俺はグラハムタイプが欲しかった。
「まあ、いい、俺が家を空けてる間、つぶれの様子を見てくれれば十分だ」
と俺は開き直った考えをしていた。実際、家政婦を雇わなくとも、一通りの家事は自分
で出来たし、本当に欲しいのは、自分が居ない間につぶれの面倒を見てくれる相手なのだ。
これで、一日二日の出張だって心置きなく出来るし、つぶれの食事の世話が減るだけでも
随分と気楽になれた。それと、左腕が使えない間の会社への送迎だ。車が運転出来なくては、
いくらそれほど遠くないとはいえ4km以上ある道のりを、怪我をした身で鞄を持ち歩き
通う気にはなれなかった。グラハム・エーカーは自家用車の運転資格を有していて、それ
こそ今必要だと俺は思った。
俺とつぶれが自宅に帰った初日から、早速グラハムは役に立ってくれた。
まず、つぶれと彼自身用のマッシュポテトを作ってくれたし(彼らにはポテトがあれば他
に燃料補給は基本的に必要ない)、それから、左腕をL字にギブスで固定されたままでど
うにも不便だった俺の洗髪を風呂場で手伝ってくれた。
「君には介護機能もあったっけ?」
「No, sir. しかしこれくらいは出来る」
腕まくりをし、スラックスの裾をたくし上げて俺の頭をがしがし洗うグラハムの手つきは、
たしかに介護用だとしたら乱雑だ。生体部品も多く使われているつぶれや彼も考えてみれば、
代謝機能があるから毎日ではないが時折はシャワーか風呂を必要とした。洗髪くらいは出
来て当たり前か。
「そうだ、この後つぶれも洗ってやってくれ、ついでに君も風呂を使え」
「Yes, sir.」
大叔母の所ではつぶれは洗って貰っていないはずだ、気が引けてそこまで大叔母には頼
めなかった。
風呂を出て、寝間着に着替えつつ、つぶれを呼び寄せる。前開きのパジャマは、腕は通し
やすいが、左手が上手く使えない身にはボタンが留めずらい、グラハムに頼むと、すぐに
手伝ってくれた。やはりこれはいて助かる。
「つぶれ、今週はまだ風呂に入ってないだろ、グラハムに洗って貰え」
「マスターはもう終わったのかよ?」
「ああ先に使わせて貰ったよ」
つぶれが服を脱ぐのを片手で手伝いながら、グラハムに風呂の使い方やタオル等の場所
を教える。
「君、私を丁寧に扱わないと承知しないんだよね!」
「了解した」
命令するつぶれに答えつつ、グラハムもエプロンを外し、シャツのボタンを外していく。
俺はつぶれの服を全部脱がし終わると、つぶれの着替えを探しに、大叔母の所から持って
帰って来たつぶれの荷物を開けに居間へ行った。
つぶれの着替えを用意しつつ、そういえばグラハムにも着替えが必要だと思い出す。
俺と身長はそれほど変わらないし、最近少し貫禄がついて来た自分の方がグラハムより太
めだろう。とりあえず俺のでいいや、と適当に見繕う。
そうこうしていると、何やら風呂場が騒がしい。つぶれが何か騒いでいるようだ。
「どうした、大丈夫か?」
俺は着替えを持って、風呂場の扉を開けた。グラハムの裸の背中が目に飛び込んで来て、
俺の心臓がいきなり鼓動を早める。いや、これはアンドロイドだ、アンドロイド、いくら
憧れのトップエースでも、こんなに動揺すんな俺。
そして肝心のつぶれはといえば、彼用のたらいバスタブの中に立って、グラハムに何事
か叫んでいる。俺を見つけるとすぐに、
「これは私の頭を掴んで持ち上げるんだよね! ありえないんだよね! 丁寧に扱え!
丁寧に扱えと言ったんだよね!!」
と騒ぎ立てている。途中からつぶれは俺ではなくグラハムに向かって叫んでいた。
「私はユニオンのつぶれグラハム・エーカーなんだよね! ぬいぐるみではないんだよね!」
随分とご立腹な様子だ。俺はつぶれが訴える事を冷静になれと自分に言い聞かせつつ、
復唱した。
「頭を掴んで持ち上げる……?」
「そうなんだよね! 酷い扱いだよね!」
どうやらグラハムは、つぶれをたらいに入れる時にでも、頭を掴んでつぶれを持ち上げ
たとそういう事らしい。それは怒るだろう、つぶれは今までそんな事は誰にもされた事は
ないはずだ。赤ん坊のようなプロポーションのつぶれに対して、人間ならば大抵誰でも自
然に胴体を抱えるものだ。
「グラハム、つぶれを持ち上げるときは、脇の下、胴を持つんだ、わかるか?」
「Yes, sir.」
裸でつぶれのたらいの前にしゃがみ込んでいたグラハムが、俺に振り返って答える。
俺に向けられた緑の視線に、俺は追いやったはずの動揺が、また自分を襲うのを感じた。
「それから私を洗う湯の温度は38℃なんだよね! 私はあまり熱い湯は好まないんだよね!」
「承知した」
「とにかくグラハムはつぶれの指示に従うように、つぶれは後輩を良く指導するんだ。
それと着替えはここに置いとくからな、ちゃんと水分を拭き取ってから着ろ」
それだけ言って「Yes, sir.」の声を聞きつつ風呂場の扉を閉める。
こいつら大丈夫なのかと一抹の不安が湧いたが、初日からつぶれ相手にはこれは仕方が
ないかと思い直す。つぶれは自己主張が激しく、誰が相手でも遠慮はない。
片やグラハムは、まだ始動し始めたばかりの新米アンドロイドだ、細かい事はこれから教
えて行くしかない。グラハム同士、仲良くなってくれればいいんだが。
それから数日は、社長である俺が留守にしていた間の会社の諸々の決済や、溜まってい
た仕事に追われて、毎日帰宅は遅くなった。社長が数日居なくなったくらいで機能しなく
なる会社はまともじゃないからな、と親父が言っていた事をふと思い出す。実務は他の者
で回せなければまともな会社ではないと言う事らしい。中小企業ではあったが、古くから
続く危険物劇物薬物の取り扱い商社だ。一定の販路を確保して続いてきた会社は、社長が
一週間休んだくらいでは重大な支障はきたさずに済んだ。しかし専務にそのしわ寄せは行っ
ていたようで、特に彼は疲れた顔をしていた。
専務は俺が入院中も毎日一日一回は病院に顔を見せてくれていた。見舞いと社内確認や
報告の為だ。病院では彼に、
「こんな時に、結婚してれば良かったと思うだろ?」
と散々言われたが、しかし俺は随分と彼に感謝していた。俺よりも一回り以上も年上の
専務を、俺は社長就任からずっと頼りにしている。
「それはもう、叔母上に散々言われましたよ」
そうだろうそうだろう、と楽しそうに俺に言う。からかわれているのが分った。
「退院したらどうやって会社に通う気だ?」
専務はギブスの俺の腕を見ながら言う。
「それは大丈夫です。運転手は用意出来ましたから」
「なんだ、運転手付きか? 贅沢だな」
とてもそんな人間を雇えるような規模の会社ではない。
「いえ、家の事も出来るように、アンドロイドを一体用意する事にしました」
「何ぃ! それこそ贅沢だ。嫁の方が安上がりだぞ」
そのアンドロイドに今は毎日送り迎えをしてもらっている。最初の日の朝は、ギブス姿
で出社した俺に、社内の者は驚いて、誰に送って貰ったのかと尋ねられた。いや、送迎も
出来るロボットにね、とだけ答えておいた。何故かアンドロイドと答えるのが躊躇われた。
やはり少し贅沢かなと思ったし、随分と趣味に走った買い物だという自覚はあったのだ。
しかし、そのロボットがグラハム型のアンドロイドだと言う事は、当たり前だがすぐに社
内に知れ渡った。
いや、決して隠していたわけではないが、気恥ずかしさがあったのだ。白人型の美しいア
ンドロイドと暮らしているという事が。
「社長は本当グラハム好きですよねー」
と事務の女子社員ははばかりもなく俺に言った。
「元々はMSが好きなんだよ、でもさすがに本物のMSは買えないからなぁ」
皆、元々俺のMS好きが高じて、つぶれフラッグと共につぶれグラハムを可愛がってい
る事は知っていたから、それ程今回のグラハム型アンドロイド購入に驚かれはしなかった
ようで、俺は少し安堵した。
「でも、グラハムタイプはあんまり家事が得意じゃなくてな」
「じゃあ何の為に買ったんですかぁ?」
「MS談義の為かな」
「何ですかそれはー」
女子社員に冗談で返しながら、俺は彼を選んだ理由を考える。俺はまあ言ってしまえば
フラッグ好きで、オリジナルグラハムのファンなのだ。彼の卓越したMS操縦技術や戦績
の他にも、その華麗な外見を裏切る大胆で個性的な言動はファンの間では有名で、信奉者
は多い。だからグラハム型アンドロイドなとどいう物が作られるわけだろう。それに本当
にMSの知識は半端ではない、ユニオン意外のMSや、各地の戦闘データまで、公開可能
なものはびっしり彼の頭に入っていた。グラハムが来てから多忙過ぎて、ゆっくり話す時
間がまだ取れないのがくやしいくらいだ。次の週末には、いや、つぶれ達との夕食までに
帰れるようになれば、きっとグラハムと話も出来るはずだ。今日はつぶれが眠る前には帰
れるだろうか、処理が必要なメールに目を通しながら、俺は仕事を切り上げる時間を算段
した。
ようやく帰宅のメドがついて、自宅のグラハムに迎えに来てくれるように連絡を入れる。
今日は久しぶりにつぶれがまだ起きている時間で、二人で一緒に迎えに来てくれた。帰り
道の車内でつぶれはご機嫌だ。俺が居ない時はグラハムがつぶれを寝かしつけているらしい、
どんな会話をしているのかと興味深い。つぶれは寝物語が好きだ。今日は久しぶりに俺が
寝かしつけよう、夕飯と風呂はその後で良い。忙しい日々にはそういう憩いが欲しいもんだ。
「グラハムは一緒に寝ないのかよ?」
と久しぶりに俺の横で眠りにつく事になったつぶれが俺にきく。ブルーのパジャマに着
替えてオーバーフラッグの飛行形態型のぬいぐるみを抱えている、愛らしい姿だ。ぷにぷに
の感触のほっぺたをくにくにと触りながら俺は、
「グラハムの寝室は別の部屋だろ、グラハムと一緒に眠りたかったら、あっちに行っても
いいぞ」
と言った。でも今は俺の夕食の準備してるけどな。
「私はマスターと寝るよね! マスターは私が眠るまで話し相手になるよね!」
だそうだ。それからつぶれは今日あった出来事を話し始めた。家の庭を巡回に来たボス
猫を捕まえようとしたら逃げられた話や、フラッグで散歩に出たらカラスに絡まれた話。
そう言えばまだあの日の話を聞いていない、俺が夜遅くまで留守にしていて、フラッグが
壊れてつぶれが行方不明になった、俺が怪我をしたあの日の話。
そう思っている内に、つぶれはもうスリープモードに入っていた。これで朝、設定され
た時間までは非常事態に緊急起動しない限りつぶれは起きない。静かに寝息に似たスリー
プ音を立てるだけだ。自分も眠りそうになったが、飯食わなきゃだ。俺は重い身体を起こ
して、グラハムが待つだろうダイニングキッチンへ向かった。
「夕食はこれでいいか、マスター」
つぶれグラハムと同様に、グラハムにも俺はマスターと呼ばせる事にした。名前で呼ば
れるのは何か気恥ずかしいし、他に呼ばれ慣れた名称は「社長」だったが、それを家で呼
ばれるのは違う。だからマスターに落ち着いたのだ、家政婦代わりのアンドロイドとはいえ、
まさかご主人様とかグラハムに呼ばれたらそれはそれでまた恥ずかしすぎる。
「いいよ、ありがとうグラハム」
用意された夕食は、帰宅時間に合わせてグラハムが炊いてくれた白米と、他は缶詰の味
噌鯖を温めたものと、チーズかまぼこをフライパンで焼いたもの、わかめと麩のインスタ
ントみそ汁だ。他に菜もののおひたしか、酢の物でもあれば嬉しいが、グラハムに料理を
教えている暇がまだほとんど取れないので仕方がない。この際、非常用の食料で賞味期限
が切れそうな物を処分してしまおうと思っている。
「他に何かする事はあるか、マスター」
俺の横でそうきくグラハムに、
「風呂はもう湧いてるんだろ? じゃあ洗濯は明日でいいから、ここに座ってろ、あ、やっ
ぱ熱いほうじ茶煎れてくれ」
と言った。
「了解した、マスター」
グラハムは温めた南部鉄瓶に加賀棒茶を入れて、ポットの湯を湧かし直す。俺好みの熱
いほうじ茶の煎れ方を俺はグラハムに教えていた。テキパキと動くグラハムの姿を眺めて、
俺は、嫁よりずっといいんじゃないか、と思った。多分どんな嫁も一杯の番茶の為に、鉄
瓶と湯呑みを温め、置いた湯を湧かし直すような手間は毎回掛けてくれないんじゃないか
と思う。少なくとも俺ならそうだ、面倒すぎる。グラハムの手によって目の前に置かれた
湯呑みを眺めて、良い買い物じゃないかと俺は思った。
次の週末が来て、俺はやっとゆっくりと家で休みが取れる事になった。怪我をした事で、
毎週のようにあった接待や営業のゴルフの予定が全部キャンセルになり、俺は少しほっと
していた。別にゴルフが嫌いなわけじゃないが、どちらかというとインドア派だと自分は思う。
一方、グラハムは、合間を見て少しつづ教えたかいもあり、掃除機や洗濯機の使い方、ゴ
ミを出す日、一日に用意する食事の量やタイミング諸々、我が家の生活をかなり覚えてき
ていた。最初は心配していたつぶれグラハムとの仲も悪くはないようだ。
今夜は俺の指導でグラハムに夕食を作らせようと、午後に買い出しに出る事にした。片手
がまだ不自由な俺は、運転と荷物持ちをさせる為にグラハムも買い出しに連れて行く事に
する。素材の選び方を教えれば、日々の買い出しだってグラハムにさせる事も可能だろう。
出かける準備をしていると、ソファーの上で、最近グラハムと作ったと言う俺の積みプラ
のHGレジェンドガンダムとガチャポンで出したグフとを戦わせて遊んでいたつぶれが、
「私も連れて行くよね!」
と言って、ソファーから飛び降りて来た。両手にはレジェンドとグフを持ったままだ。
「グフはいいけどレジェンドは置いてけよ」
と俺は言って、つぶれも連れて行く事にする。
「私のフラッグを持って行っても良いかよ?」
と聞いてきたが、それは駄目だと禁止した。買い物に行くのにフラッグに乗られたら危
険でしょうがない。
連投規制対策
すいません連投規制に引っかかってしまいました。
続きは後程また来ます。
次の方ドゾー
元々は屋内で乗り回すような物ではないのだ、他に人が居ないのを良い事に、家では室内
で乗り回させていたりするが、他ではマナー違反だ。
近所のスーパーマーケットに着いて俺は少しだけつぶれを連れて来たのを後悔した。
つぶれは短い足で歩くのを嫌がって、グラハムに肩車をさせていた。ただでさえ目立つ容
貌をした長身のグラハムの後ろ頭に、それを縦につぶして小さくした容姿のつぶれが小さ
な手でグラハムの巻き毛を引っ掴みしがみついている。これはもう必要以上に目立ち過ぎ
ている。すれ違う人がほぼ全員振り返ってグラハムとつぶれを見るのがわかるのだ。せめ
てグラハムだけなら、ちょっと目立つ容姿の白人だ、くらいにしか思われないだろうに。
なんか凄い羞恥プレイを受けている気分だ。せめて知り合いに遭遇しませんように! いや、
でも知り合いならつぶれの事は知ってるだろうし、どちらかというとグラハムを誰だ?
と訊かれるような気がする。とにかく早く買い物を済ませて帰るぞ、この好奇に満ちた視
線はなんか居たたまれない。
そんな俺の心の内など知ったことではないつぶれが、グラハムの上から、
「ジャガイモはキタアカリが食べたいんだよね! それと今日のおやつはドーナツなんだ
よね!」
と意気揚々と指示を出してくる。
「ドーナツはどこのがいいんだ?」
と俺がきくと、
「マスターが作ったのが食べたいんだよね!」
とにこにこ笑いながら答えてくれた。俺が作った事があるドーナツは、ホットケーキミッ
クスをこねて丸めて揚げた上に砂糖を振りかけただけの簡単な物で、それがどうしてつぶ
れのお気に入りになったのか正直俺には分らなかった。
「じゃあ、今日はドーナツの作り方もグラハムに教えるかな」
と、食材の他にホットケーキミックスの購入を決めた。
製菓用品の棚の前で物色中のその時だ、
「あら名無し商会の社長さん?」
いきなり声を掛けられた。俺が心底びびって振り向くと、そこに居たのは知り合いの業
者の奥さんだ。
「こ、こんにちは、奇遇ですね」
「まあ、本当に、こんな所でお会いするなんて、よくこちらにはいらっしゃるの?」
そう話す彼女の視線は、俺ではなく後ろのグラハムとつぶれに釘づけだ。
「よく来ますよ、近いんで。まあ休みの日より、平日の夜とかの方が多いんですけど」
彼女がもの凄く俺の連れの事を知りたそうなのは目に見えたが、俺は何か言われない限り、
グラハム達について自分からは話さない事にした。
「後ろの方達はお連れさんかしら?」
やはり訊いてくるのか……。
「はい、俺んちのお手伝いさんです」
「お手伝いさん?」
「何ぶん独り暮らしで、家の隅々までは中々手が回らない物ですから、それに、怪我しちゃ
いましてね」
もうギブスははずれていたものの、まだ上手く動かせない左腕をさすりながら俺は答えた。
「まあ、そういえば聞きましたわ、怪我をなさって入院されたとか」
「ええ、もう先週退院しました。そんな大げさなものじゃなかったんですけどね、肘にひ
びが入ってしまって」
「それは不便ですわねぇ」
「ええ、それで家に来てもらったんです」
「まあそうですの、お知り合いか何か?」
「いえ、アンドロイドですよ」
「まあまあ、そうなんですの、人かと思いましたわ、本当によく出来ていて」
と彼女は一層声を高くして、感心したようにグラハムを見て話した。
「まあ、そうなんですの。可愛らしいのはうわさに聞くつぶれちゃんかしら?」
俺のつぶれ愛好はそんな所でまで有名なのか……。
「はい、つぶれグラハムと言います。賢いんですが口が悪いんですよ」
「賢いのは合っているよね! しかし口が悪いわけではないんだよね!」
俺の言葉に反応したつぶれが予想通りの主張を始める。
「まあ、そんなに賢いの、さすがねぇ」
「何も知らないくせに何で君はそんな事が言えるのかよ?」
つぶれが社交辞令というおべっかに特に敏感に反応するのは、散々体験してきている。
これには最近慣れてきたが、最初は冷や汗をかいた物だ。
「こら、つぶれ、褒められて毒づくな、だから口が悪いって言うんだぞ」
「私は素直なだけなんだよね! 別に毒づいてないんだよね!」
「すいませんねユニークな性格で。まあこいつの事は気にしないで下さい」
いきなりのつぶれからの攻撃に、彼女は顔を引きつらせて言葉を失っていた。ここは早々
に退散しよう。
「じゃあ、また、ご主人によろしくお伝え下さい」
俺はおざなりの挨拶を済ませて、その場を離れた。きっと家に帰ったならば彼女は、
突然のつぶれの失礼な言い様を、家の者に語って聞かせるのだろう。そうか、そうやって
俺のつぶれグラハムは有名になるわけだな。やっと少し理解した。でもつぶれのおかげで
彼女が興味津々で見ていたグラハムについてはあまりつっこんで訊かれなくて済んだ。
早く帰ってドーナツを作ってやろう。
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ トリアエズココマデ ツヅキハマタコンドダヨネ!
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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| この作品には下記の要素が含まれています。
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| ・ときメモGS2・お隣x若・誕生日
| ・文章の乱れ・その他萎え要素など
|
| 危険を感じた方は各自回避してください、だってさ。
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|/
∧_∧
_ ( ・∀・ )
|l8|と つ
 ̄ | | |
(__)_)
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ミチャウモンネ
夕立はしばらく前に止み、蝉が煩く鳴き始めていた。
冷房の為に閉めきった部屋の中でもまだ耳障りに聞こえる。
作業机に向かう僕の後ろから、細い腕が伸びてきて首に絡みついた。
肩に心地よい重みがかかって、紙と記号式の中から意識を掬い上げられる。
上向き気味に振り返ると、幼い眸が覗き込んで来る。
回転椅子に座っている今は、立ったままの彼の方が背が高い。
「仕事の邪魔をしない。その約束で、遊びにきていいと言ったよね。」
座面をまわして改めて向き直った。
「どうしたの。甘えん坊になっちゃった?」
「違うよ、」
そう言って膨れっ面をしたのも一瞬、ぱっと顔を輝かせる。
「貴文にね、言いたいことがあるんだ。」
「ややっ、いつ僕によじ登っても良いなんて言いました。」
「えへへ。」
子供の頃、飼いたかったのは確かに猫だったはずなのに、
気がつけば、今手に入れたいのは、ころころとした仔犬。
僕の足に跨って得意そうに笑う君は、なんて愛しい存在なんだろう。
護ってあげなくては、と思う反面、君の一生懸命さを、ひたむきさを、見ていたいとも思う。
「今日は貴文の誕生日でしょ。」
「やや、そうでしたっけ。」
「そうだよ、もうっ。というわけで、はい、バースデイプレゼント!」
一瞬、時が止まった。
否、止まったのは僕の思考回路だ。
それとも呼吸か。
「誕生日、おめでとう。」
頬を赤くしてまた、えへへ、と笑う。
その子供っぽさと、唇に触れた熱で、耳に聞こえる僕の鼓動音が濃くなる。
自分の鼓動が蝉の声より耳障り。
「貴文さ、おれのこと好きでしょ。おれ、結構、そういうのわかるんだよね。
誰かが誰かに対して、どう思ってるのか、どれくらい好きかって。
それでね。おれも貴文のこと、」
何も聞こえなくなるように、彼の唇をふさいだ。
逃げられてしまわないように、そっとやわらかい髪に手を添えた。
奥まで味わってしまおうかと考えたけど、僕の理性はまだ働いている。
……相手は、子どもだ。
身を離して、名残惜しくないと言えば嘘だけど。
「いいかい、遊くん。君はまだ子どもだ。
自分でどう思っていようと、他人から見れば間違いなく、ね。
これから大きくなるし、色々な経験もするだろう。きっと好きな女の子も出来る。
僕はもう大人で、男だから、君には相応しくない。……僕の言ってる意味、わかるね。」
「わからないよ。だっておれ、貴文のこと好きだもん。」
「そういうことを、無暗に口にしては駄目です。」
「いいの。今日は貴文の誕生日でしょ。」
「それでも、」
「いいんだってばっ。今日、おれも好きだって言いたかったのっ。
おれのこと好きになってくれた貴文に。
……おねえちゃんがキスは好きな人とするものだって言ってた。
だからキスもしたかった。プレゼントにって、考えて。
だから、おれ、今日、どうしても今日…っ…」
最後は涙声だ。
「やれやれ。どうして君はこんなに感情が豊かなんだろうね。ほら。泣かないで。」
細い身体を抱きしめた。
軽く背中を摩るとぎゅっとしがみついてくる。胸元が湿った。
「ねぇ、遊くん。」
「……」
「ありがとう。君の気持ちも、プレゼントもとても嬉しいです。
だけど、僕は大人だから、この気持ちを、子どもの君に伝えてはいけないんだ。
この気持ちを、君が知っていたとしても、ね。」
「じゃあ、」
がばっと身体が離れた。おめめがうさぎさんだ。
「じゃあ、おれ、大人になる。おれ、がんばってはやく大人になるよ。
子どもだなんて、誰にも言わせないくらい。
その時、もう一回、言う。貴文が好きだって言うよ。それなら、いいでしょう。」
「……うん。……そうだね。その頃まで、君の気持ちが変わらなかったら。」
「変わらない。」
「うん。楽しみにしてます。」
「もちろん、任せてよ。」
そう言って笑う彼を、膝からおろした。
「アナスタシアに、行こうか。誕生日には、ケーキが必要だ。」
「うん。おれ、一番おっきいやつがいいと思うな。」
「お任せします。」
「やったねっ。」
君には笑顔が一番だ、と思った言葉は飲み込んだ。
永遠や普遍なんてモノを信じるほど、僕は子どもではないけれど。
この時がいつまでも続けば良いと思ってしまう。
せめていつか、君が僕を忘れる日まで、この時が出来るだけ長く続きますように。
心の奥でそう願って、蝉時雨の中へ出て行く為に、立ち上がった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )オシマイ。
お隣はデイジーが引っ越してくる前からデイジー周辺と面識があったんだよとか
若が呼び捨て許可してくれないのは呼び捨てる人がもういるからだよとか
ラジオドラマの脳内設定全否定にもなかないめげないあきらめない。
9月4日若サマお誕生日おめでとう。お粗末さまでした。
>>240 お隣くんかわいい…。
若とずっと仲良くしてるといいよ。
>>240 ほのぼの萌えました
ちょうどネットラジオのドラマでも二人が出てるね
お隣くん、早く大きくなって若を幸せにしてくれ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|投稿中のマスガクマスカイもありますが、書いてしまいました。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|レンが腹黒いというか悪い子ちゃんです。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ レンファンスミマセン・・・!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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レンが出てきた時点でパソコンを止めて正解だった。
話は一週間前にさかのぼる。
いつものようにナスを食べているがくぽと夕食をとっていたときだ。
「主」
と、がくぽは言った。
「何?」
笑顔で、何か思い悩んでいる様子のがくぽに答えた。
何かお願い事があるのは、そわそわとしたそぶりが知らせていた。
「兄弟が欲しいのじゃ。かいとでもかまわん。めいこでもかまわん、兄弟というか、主が居ない時でも話せる相手が欲しいのじゃ」
ふむ。そういえば深夜バイトを日中のバイトに切り替えたばかりだ。
日中マスターが居ない間、がくぽは寂しいのだろう。
またがくぽのようにパソコンから出てくるとは限らないが、試してみる価値はあるだろう。
「わかった、がくぽ」
と、がくぽの手をとってまっすぐ見つめた。
恥ずかしそうに、目をそらすがくぽが可愛い。
「考えてみるよ」
「主…かたじけない」
無防備な唇に口付けをする。
とたんに真っ赤になったがくぽを、そのまま押し倒した。
そして一週間後、休みの日が入ったので、早速がくぽと少し離れたところの大型電気店へやってきた。
(MEIKOもいいけど、やっぱ…リンレンが気になるよなー。一気に二人居候が増えるのはつらいけど、うまくいけば歌も歌ってくれてがくぽと合唱できるし、話し相手にもなる。うん、こいつできまりだな)
そこの棚に並んでる鏡音リンとレンのパッケージを見て、高い声のボーカロイドもいいだろうと、それに決めた。
沢山並んでいる中からそれを選んだのは、今から思えば間違っていたのかもしれない…。
がくぽは手に取ったリンレンを見て、ぱああと顔が明るくなった。すぐにレジにもって行き、買わされた。
それから、パソコンに入れてインストールを開始すると、画面にもやのようなものが現れた。
同じだ。がくぽが出てきたときと。
やがてレンの顔が出てきて、レンはパソコンから出てくるところだった。
思わず手を伸ばす。
「君のマスターだ、よ゛っ」
みし、とレンのひざがマスターの顔を直撃した。
それからにゅるんとパソコンから出てきて、なんだか嫌な予感がしてインストールをキャンセルした。
後ろではがくぽが嬉しそうに笑っている。
「…なんだよここはよ。おい、おっさん倒れてねーで事情を説明しろ」
出てきた弾みでレンのひざに押しつぶされるように、マスターは横たわっていた。
物言わぬマスターをなじるように今度は足の裏で顔をふむ。
案外バイオレンスな性格だ…。
マスターはなじられながら思った。
「あじどけでぐれるかな」
「ああ?しかたねぇな」
足をどけると、鼻血のたれそうな鼻を押さえながら、マスターは座りなおす。
がくぽの期待にこたえたいところだが、このレンは厄介だ。
(畜生、パッケージでは可愛い顔してたくせに…性格はひどいじゃないか!)
「何か思ったろ。お前」
「いや、何も。それにお前ではなくてマスターだ、いいかい。君は歌ってもらうし、がくぽの話し相手にもなってもらう」
そう告げると、レンがかったるそうに頭をかいた。
「歌うのめんどくせぇー…。リンはどうしたんだよ。あいつが居ないと調子でない」
リンは、インストールをやめてしまったせいか出てこなかった。
もしかしたらリンはいい子かもしれない。
だがレン以上に厄介な性格だったら、と思うと、本能がキャンセルを押していた。
「インストールをキャンセルしたので出てこなかった。だから君だけで歌ってもらう。ちなみにこれからリンをインストールするつもりはない」
「何でだよ!リンを…ん?」
マスターにつかみかかったレンだが、ようやく後ろに居る、目をきらきらさせたがくぽに気づいた。
「あんた、誰?」
「お初にお目にかかる。がくぽじゃ、御主の弟にあたる。御主の事を兄者と呼んでもよいか?」
レンの手をとって、嬉しそうにほほえむがくぽ。
この笑顔には多少効いたのか、レンが目をそらして、ああ、と頷いた。
「俺の…弟?」
改めてがくぽを見るが、見掛けはどう考えても反対だ。
だが、がくぽは兄ができたことの嬉しさにすっかり舞い上がっている。
「そうじゃ、レンは兄じゃ。我は弟じゃ。仲良くしておくれ」
「そこのおっさんよりはあんた可愛げあるな。弟として可愛がってやるよ」
その言葉に感激したがくぽは、マスターに見せたことのないジーンとした表情で、まるでそれが子供のようで、かわいらしかったが、マスターとしては気に食わない行動に出た。
レンに抱きついたのだ。
レンもそれを嫌がる様子なく、受け止めていたが、レンの胸に猫のようにごろごろとのどを鳴らすがくぽが気に食わなくて、二人を引き離した。
「必要以上のスキンシップ禁止」
離されたレンが、ひざでマスターの腹を思いっきりけった。
「ぐはっ…」
思わず跪くマスターに、レンのチョップが入る。
蹲るマスターに、がくぽが心配そうに覗き込んだ。
「勝手に決めんな」
「兄者、あまり殴ったりけったりしていると、主が壊れてしまう!」
「あ?だってこのおっさんエラソーじゃん?」
「このガキ…」
ぼそりとつぶやいたその言葉が致命的だった。
今度は背中にかかと落としが落ちてきた。
「うぐあっ!」
「主!大丈夫か!兄者、もう少し優しく…」
あわててマスターをかばう姿勢を見せたがくぽに、レンも心が揺れたらしい。
それ以降はしばらくは手出しはしてこなかったが、ここまでボーカロイドにいじめられるマスターというのも情けない。
「あー、なんか俺疲れた。寝る。何だこの部屋以外にも部屋あるんだな。ここフリールームか。で、こっちはキッチンにリビングに…風呂にトイレ…と」
レンが狭い家探検をしだした。マスターは、1LDKの安いアパートに暮らしている。
家に入ってすぐに、トイレと風呂に続く扉があり、キッチンの見える部屋を覗き込めば八畳のリビング。そこから六畳のフリールームへ続く。
一人暮らしからすれば立派なものだが、場所が都内ではないので安いわけだ。
マスターは最初の蹴りがきいたのか、いまだにはいつくばって、真後ろの押入れを指差した。
「レン…布団後ろ…お前リビングのソファで寝てくれ…いや寝てください…」
「おう。ソファだな」
がらりと押入れを開ければ、今朝適当に押入れに入れた布団がマスターの上に降りかかった。最後にぽてん、と、まくらがマスターの顔をつぶす。
「…これはお前が悪いんだよな」
「はい…」
しかしそこではっと気づいて、レンは始めてあわてる様子を見せた。
「ソファだと一人しか寝れねぇじゃねぇか、がくぽはどうすんだよ!」
だがたいした用事ではなかった。
「俺と一緒に寝るんでー…気にしないで…」
「がくぽ、兄としてきく。何でこんな奴と一緒に寝るんだ?」
さりげなくひどいことを言っているが、レンにとっては普通の質問。それに、がくぽはあわてて手を振ると、すぐに顔を覆った。
「?」
「好きだからじゃ」
「あいつを?」
こくりと頷くがくぽに、ため息をつくと、ちょっと背伸びをして頭をなでてやる。
「なんかやばいことされそうになったら俺を呼べよ」
「兄者」
掛け布団と枕をリビングのソファに持っていくレンに、がくぽは優しい目で話しかけた。
ん?と振り向くレンに、がくぽは一言、言った。
「ありがとう」
「どーいたしまして」
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| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ これも続きますが
| | | | ピッ (・∀・ )短くなると思います。
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| >>224-
>>238の続きなんだよね!
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 長くなっちゃったからまたつづくんだよね!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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夕食の準備をしながら、俺がグラハムに教えたのは、まず味噌汁だ。朝も夜もこれは取
りあえず作って貰いたいからだ、毎日インスタントで、もううんざりしてきている。味噌
は大叔母が毎年一年分ごっそりとくれる、古くからの家の味だ。出汁の取り方と味の付け
方さえ覚えてくれれば、具の種類は後々教えてレパートリーを増やしていけばいい。
他は適当に買って来た野菜と肉を塩こしょうで炒める、そうだ今度はごま味噌の作り方
覚えさせよう、茹で野菜と合えるだけで簡単に俺の好物になる。大振りの茄子を直火で焼
きつつ、味噌汁レシピを覚えたグラハムには、つぶれとグラハム自身用のマッシュポテト
を作らせた。
簡素ではあったが、久しぶりの自炊の夕食にありつけて俺は至極満足だった。総菜の揚
げ物と缶詰とレトルトはもう飽きた。つぶれハムとグラハムとで囲む三人の食卓は、つぶ
れと二人だった頃よりも随分と明るく感じる。週末だし、と貰い物の焼酎で作った梅サワー
を飲みながら、つぶれとグラハムがじゃれあうのを眺めているだけで幸福だ。普段あまり
飲まない分、心地良い酔いはすぐにまわる。
「私は愛玩タイプだが、君は何タイプなのかよ? 家事用にも接客用にも不適合すぎるん
だよね!」
つぶれ指定のキタアカリを使ってグラハムが作ったマッシュポテトをほおばりながら、
つぶれはグラハムいじりをしている。
「私は凡庸型だ」
「凡庸と言っても、結局何も出来ないんじゃアンドロイドとしての汎用性は無いに等しい
んだよね! 私と違って可愛げもないよね!」
「グラハムも可愛いじゃないか十分、育てる楽しみがあってさ、少なくとも俺とつぶれの
話し相手にはなってるだろ?」
と俺はついフォローに回ってしまう。いやだって本当に可愛いと思ってるしな、つぶれ
グラハムもグラハムも。でも実際、趣味的な要素は強い機種と思っていたが、凡庸型と言っ
ても元々得意なはずの戦地でのMSの操縦や戦闘行為は無意識下で制御されているわけだし、
「汎用型って言っても、特性付けされてないのか?」
俺は当初からの疑問をグラハムにきいてみた。
「私はパートナー特性を持っているぞ、マスター」
その言葉に俺は心底驚いた、というか固まった。パートナー特性? ってそれはつまり……。
つまり生活におけるパートナーって事だ。つまりつまり、伴侶型……。
「……パートナー型、だったのか」
「そうだマスター」
俺を見つめるグラハムの目は、知らなかったのか? と言っているように思える。実際、
今の今まで知らなかったのだが。
「仕様書にはそんなこと書いてあったっけ?」
「ないだろう、パートナータイプとは俗称で、元々そういうカテゴリはアンドロイドには
存在しない、仕様書には凡庸型とのみ記載される」
「だよな……」
そうなのだ、伴侶型なんてつまりはダッチワイフでダッチハズバンド的なそれだ。購入
者の世間体的にそんな恥ずかしい記述はされない。俺が無知過ぎたのだ。いや、グラハム
タイプをそういう用途に使用している人間もいるのは知っていたが、それはあくまで行き
過ぎた趣味の結果だと……、あれっ? つまり、SEXするのに改造不要だったりすんのか、
そうか、そうなんだ……。いやでもグラハムは男性型だから、えっと、いやでも所有者は
圧倒的に男が多いって聞いたような……。食事中の俺の中であらゆる思考が交錯し、ぴた
りと箸は止まってしまっていた。完全にフリーズ状態。気が付けば、あの、にっこり目元
をわずかに歪ませた、ニヤニヤ目つきのつぶれが俺を見ている。つぶれは主人にあたる人
間の微細な意識の変化に敏感だ。愛玩用とはそういうものなのだ。
「マスターは今まで知らなかったのかよ?」
こうなってはつぶれの魔手から逃れる事は出来ない。俺は素直にこくりとうなずいた。
「初夜の翌日は赤飯を炊くといいよね!」
「了解した」
とグラハムは答えた。俺はざあっと音がして、血の気が引いて行くのが分った。
「グラハムを部屋に呼ばないのかよ?」
俺のセミダブルのベッドの上で、つぶれは人型形態のグラハム専用カスタムフラッグぬ
いぐるみを抱えていた。ぬいぐるみが左手に持つリニアライフルは試作型なのだというが、
ぬいぐるみの造形で試作型と正式採用型の違いが付けられるものなのだろうか? と言う
のが購入時からの俺の疑問だ。
「そんな必要ないだろ」
憮然と俺は答える。
「何でだよ? 私はもう寝てしまうから気にするなよ?」
またあのニヤニヤだ。
「つぶれ、下品だぞ」
「下品ではないよね! マスターはグラハムと性交したくないのかよ?」
「俺はつぶれと話しながら寝るのが好きなんだよ」
「それは答えになってないんだよね! 我慢は体に悪いんだよね!」
誰が何を我慢してるって言うんだ。
「しつこいぞ」
「私は諦めが悪く、しつこい性格なんだよね!」
「知ってるよ、もういいから寝ろ」
グラハムのパートナー特性が発覚してからの一週間、俺がつぶれを寝かし付ける時には
毎晩こんなやりとりが、つぶれと俺の間に繰り返されていた。しかし問答が長く続く前に
もうつぶれは宣言通りスリープ状態に入っている、無理に起こさない限りは朝の設定時間ま
で意識なく眠り続けるのだ。
実際の所、グラハムに対して全く性欲が湧かないわけではないのだ。その自覚があるも
んだから、俺はこの一週間ずっとグラハムと顔を会わせる度に内心動揺している。アンドロ
イド相手に、おかしいのは分っているが、あの目でじっと見つめてきて俺の指示を待つグ
ラハムの視線に晒されると、本当に息が苦しくなって早くその場から逃げ出したい気持ち
になる。その目を見返せずに、視線をよそに反らしたまま、俺はグラハムに簡単な指示を
出すだけで精一杯だ。
本当にパートナー型なのだろうか、いやしかし、グラハムが主人に嘘をつくわけもない。
グラハムが最初に家に来た時に、ユニオン軍制服姿のグラハムは、顔以外は首しか見えな
くて、肌の透明さとか、上着を脱いだ時の金の柔らかな後れ毛が巻く、耳の後ろや首筋に
見とれた。手袋を脱いだ手にも、そのうなじにも触りたいと思ったんだ。
しかし、しかしだ、それ用に購入したわけじゃないんだ。でも、初日に一度見たきりだ
けど、綺麗な躯をしていた。あれがエーカー上級大尉をトレースした躯。あそこもやっぱ
りエーカー上級大尉そっくりなんだろうか?
ユニオンの軍関係の雑誌やWebでしか見た事がない、グラハム・エーカー上級大尉の
写真を思い出す。それから風呂場で見た、グラハムの素肌をもう一度思い出す。考えてみ
れば、じっくり裸体を観察した事はない。ましてや触ったりした事もだ。
どんな感触してんだろ。肌は柔らかいのか、結構筋肉質だし硬いのか、裸の背中は内側か
ら外光を反射して淡く光って見えて、美しい筋肉が背中から腰にかけて皮膚の下にあるの
が分かる、大理石で出来た芸術品のような躯。
思い出すうちに、俺の性欲は高まってしまった。そういえば最近抜いていない。つぶれ
がいても、夜のうちに手で抜く事は度々していた。
俺は部屋の明かりを消して、ティッシュの箱の位置を確認してから、右手をパンツの中
に突っ込んだ。俺のそれは半勃ちで、触ると久しぶりの感触にすぐに硬くなった。片手で自
分のモノを扱きながら、俺はグラハムの背中や肌を思い出していた、あの唇が俺のを銜え
たらと思うと一気に射精感が近づいた、あの顔が俺の股間あたりで動いて、金髪が揺れて、
口一杯にほおばりながら、少し困ったようなうるんだ緑の瞳が俺を見上げてきて、そんな
様子を妄想しつつ俺は達した。
達した後にあったのは、ああやっちまった、という思いだ。とうとう、エーカー上級大
尉ではなく、俺のアンドロイドなグラハムをおかずにやってしまった。そして何よりも俺
に取って問題なのは、おかずに妄想なんかしなくても、頼めば多分グラハムは実際に俺に
フェラチオをしてくれるだろうということだ。上手いか下手かは知らないが、下手な気が
する、というか、日常の基本動作以外は持ち主が教えて下さい、何も知りませんと取り扱
い説明書にはあった気がする。もしかしてフェラチオという行為自体知らない可能性もある。
どうやらSEXは知っていたようだが、つぶれが初夜と言った時も、特に質問はしてこな
かった。初夜かぁ……。本当にどうすればいいんだろうな俺。
結局この週末は俺はグラハムに料理も家事も教えなかった。天気が良いからと、洗車さ
せて、やたら広いばかりの家の庭の草むしり。そんな事をして一日を過ごしつつ、少しは
グラハムに慣れなきゃとは思ったが、でもこればかりはすぐにはどうにもならない。焦っ
ても仕方が無い、そのうち慣れるだろう、グラハムの存在に。最初家に来た時には無かっ
た緊張が今俺にあったとしても、それは俺が使うつもりのない機能のせいなのだ。使わな
いなら存在しないも同じだ。そう思って元に戻ろう。俺は自分にそう言い聞かせた。
そうこうするうちに俺の怪我は治ってきて、ギブスも外れ前のように動かせるようにと
リハビリも始めた。グラハムに手伝って貰っていた洗髪も自分で出来るようになったし、
もうすぐ自分で車の運転も支障無く出来るようになるだろう。肘を痛みなく動かせる範囲
は随分広がったし、握力も戻って来ている。
だから俺は、
「来週から、会社への送り迎えはもういいぞ」
と、朝会社へ向かう車の助手席でグラハムに伝えた。
「了解した」
といつもの返事がグラハムから聞かれた後に、グラハムから、
「では、私は今後、家事補助とつぶれ殿の相手のみが仕事という事だろうか、マスター」
と尋ねられて、どうだっけなぁと一通り考えてから、
「まあ普段はそんなものかな、料理も覚えろよ」
と答えた。最近は、そうグラハムに緊張しなくなった。でも結局俺はあまりグラハムを
見ないようになったと思う。来た当初はずっと眺めていた気がするが。
「承知した、マスター」
そうグラハムが言った時には車は会社へ到着していた。
思い直せば、その日以降からだったのだ、日に日にグラハムの調子が悪くなっていった
のは。
グラハムは時々体温調節に不備が出て、発熱して動きが鈍くなったり、燃料摂取の効率
が落ちているのか、稼働能力が落ちたりするようになった。
その不調も、俺は最初気が付けなくて、
「グラハムが壊れてるんだよね!」
とつぶれに報告されるまで、分らなかったりした。
不調の原因はグラハムやつぶれに聞いても分らないままで、だんだんと症状は悪くなっ
ていき、遂には度々昼間でもスリープモードに入るようになった。
取りあえず、公式のWebサイトを見ると、不調の場合の対処法が説明されていたが、
精密機器な上、不調の理由も個々によって様々で、基本的にはメーカーのメンテナンス担
当者がやって来てグラハムを診てくれるようだ。グラハムにはメンテナンス不足によって
不調が現れるのは珍しくないらしい。肉体的負荷にはかなり強いものの、どうやら情緒的
精神的負荷には思いの他弱く、悩みや不安を抱えるとそれが顕著であるとそこには説明さ
れていた。
悩みや不安? そんな物を感じさせているんだろうか? 俺には分らなかった。大体が
元々悩んでいたのは俺の方だ。最近やっと吹っ切れてきたのに……。
俺はとりあえずメーカーに電話を掛けて、グラハムの様子を伝え、メンテナンスの予約
を入れた。
翌週にメーカーのメンテナンス担当者は現れた。白衣姿で眼鏡を掛けて、長髪を高くに
結った奇抜な髪型をした、ひょろりと長身の男だった。名刺を渡され、
「カタギリです、よろしく」
と挨拶された。
「まずはグラハムの様子を見せてもらえますか?」
どうぞ、と俺はグラハム用の寝室に彼を通した。今朝からグラハムはスリープモードに
こそ入っていなかったが、体温は高い状態だった。グラハムは起きてくると朝食の準備を
しようとしたのだが、俺はそれを止めさせて、寝ていろと言っていた。それでも一度は、
動けるから問題ない、とまだ家事をしようとしたりして、俺はもう気が気ではなかった。
グラハムがそれを使命と感じているのは分ったが、これ以上調子が悪くなって貰っては困る
のだ。何よりも俺の心が穏やかじゃない。
カタギリさんをグラハムの部屋の通して、横で様子を見ていると、つぶれが現れて、い
きなり、
「何だカタギリが来たのかよ?」
と言うので俺は驚いた。
「つぶれはカタギリさんを知っているのか?」
「カタギリは私の友人なんだよね!」
とにこにこしているので、どこで会った事があるのだろうと俺は不思議だった。
「やぁ、こんにちはグラハム、こちらにはつぶれグラハムも居るんですね、それは良い、
あとで話を聞かせてね、グラハム」
「良いぞカタギリ、私は君に協力するんだよね!」
不思議に思う俺に気が付いてかカタギリさんは、
「つぶれグラハムには、メンテナンス担当者は出荷状態から友人として登録されているん
ですよ」
と説明してくれた。
カタギリさんは、体温を測ったり、他の何かを測定したりした後に、
「すいませんが、カウンセリングに入りますから、席を外していただけますか?」
と言うので、俺はつぶれを連れて、グラハムの部屋を後にした。
--カタギリによるカウンセリング記録--
(「まずはマスターとの関係について聞かせてね。マスターとはSEXはしているのかな?」
「していない」
「じゃあ普段はどんな事をマスターとするんだい?」
「つぶれグラハムの世話と、家事だ」
「マスターへの性的な奉仕はどんな事をしているのかな?」
「そういう事は要求されたことがない」
「マスターは君を他人に見せびらかしたり、または他人に触らせたりしないのかな?」
「しない」
「マスターは君にコスチュームプレイをさせたり、または物理的に痛めつけたりはしないの?」
「しない」
「君が彼の為にしている仕事をもう一度整理して言ってもらえるかな」
「わかった。つぶれの世話と、家事だ。家の外では買い出しの手伝いをする事も有る」
「マスターは君に性的な要求をする事はないの?」
「それは一切ない」
「マスターが君の睡眠の邪魔をしたり、食事を摂らせなかったりした事はある?」
「一度もない」
「そうか、じゃあちょっと質問の中身を変えてみようかな。君はマスターを好きかい?」
「好きだ」
「マスターは君を好きかい?」
「わからない」
「マスターに、好きだとか、綺麗だ、とか、可愛いとか何でも良いから褒められた事はあるかい?」
「一度だけ可愛いと言われたが、それはつぶれグラハムが私を可愛げがないと評した時だったので、
つぶれグラハムから私をかばっただけだと思われる」
「可愛いと言われた時に君はどう感じたのかな?」
「嬉しかった」
「君はマスターに、自分が何の為に購入されたか確認した事はあるかい?」
「ある」
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
後からまた来ます
次のかたドゾー
「その時マスターは何と答えたのかな?」
「私が自分の仕事は何かを確認した時に、私の仕事は、つぶれグラハムの世話と、
家事の手伝いだと言われた」
「君はその事に不満を持った事はあるかい?」
「ない」
「うーん、そうか、じゃあ君は、その答えを聞いた時にどう感じたかな?」
「どう?」
「わからないかい?それとも何も感じなかった?」
「わからない」
「多分わからない事が問題なんだよ。普通は入力があれば出力がある。
君は何故マスターに自分の仕事を確認したんだい?」
「わからない、したくなったからした」
「どうしてしたくなったんだい?」
「他に、するべき事がないのかマスターに確認したかった」
「で、無かったんだね」
「そうだ」
「君は他の仕事もしたいと思っているかい?」
「思っている。マスターの為に他に出来る事がないかと考える」
「じゃあ君は現在の仕事に物足りなさを感じているわけかな?」
「そうかもしれない」
「君はパートナー特性を与えられているわけだけれども、
パートナーシップをマスターとの間に感じられていないんじゃないかな」
「そうかもしれない」
「君はマスターの役に立っていると感じてる?」
「感じている」
「でも物足りないんだね」
「そうだ」
「何が足りないと思う」
「要求」
「君はでもマスターの役に立っているし、必要とされているとも感じているんだよね」
「感じている」
「うーん難しい問題だな……。君はマスターを好きで、必要とされ役にも立っている。
でも足りない何かがあるんだね」
「そうだ」
「あと、パートナーシップは感じられないか……、一緒に家事をしていても感じられない?」
「私は不器用だから、一緒にというよりも、教えられてそれに従っているだけだ。
共同作業とは感じていない」
「そっか、君たちには、一緒に何かをする事に満たされる性質があるからねぇ、やっぱりそこが問題だな」
「そうなのか?」
「それに全く満たされないと不具合が出るんだよね」
「なんとも困った性質だな」
「じゃないと、君が作られた本分が果たされないんだよね」
「本分?」
「そうだよ、君には君の本分がわかるかな?」
「マスターを手助けし役に立つ事だ」
「まあ、確かにそうなんだけどさ。君に課された本能というか、特質そのものなんだけどね」
「何の事だ?」
「君、マスターに愛されたいかい?」
「それはとても愛されたい」
「そうだろうね、それこそが君の芯になる部分だ。マスターに愛されている自覚はあるかい?」
「ない」
「マスターは君を好きかな?」
「わからない」
「マスターが君を好きだと嬉しい?」
「嬉しい」
「もし嫌いだったら?」
「悲しい」
「そうだよね、君はマスターに愛されたいんだよ、君はその為に行動する、
そして彼から何らかの愛を得れば君はこんな風に壊れる事はないんだ」
「そうなのか?」
「自覚はない?」
「ない」
「まあ、本能だしねぇ、いちいち考えないよね、
それにしても、彼は眺めて一緒にただいれば満足な人種なのかなぁ」
「わからない」
「本当に自分の趣味に合った外見をしたお手伝いさんとして君を購入したのかもね」
「そうだと思う」
「何故そうだと思うんだい?」
「マスターは私に簡単な生活補助機能以外を求めた事がないし、
パートナー特性が備わっている事を知らなかった」
「え? そうなの? 本当に?」
「本当だ。私がパートナー特性があると言ったら驚いていた」
「そうか…それはちょっと確認する必要があるね」)
--カタギリによるカウンセリング記録 ここまで--
暫くするとカタギリさんが、
「すいません、次はつぶれグラハムをお借りしたいんですけどよろしいですか?」
と声を掛けてきた。
「どうぞ」
と、俺はグラハムの部屋につぶれを送り届ける。
「ちょっと三人で話しますね」
とカタギリさんは言って、俺は部屋から閉め出されてしまった。一体何がどうなってい
るのか、すぐに結果はわかるのだろうか? 俺はそわそわしながら、ただ奇妙な三者面談
が終わるのを待つしかなかった。
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ トリアエズココマデ ツヅキハマタコンドダヨネ!
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
----------------------------------------------------------
結末が決まらないよお!
147・二人くっ付く
258・受けに好きな人がいる
369・うやむやなまま
0・投下は諦めろ。
すみません誤爆しました……
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「どこへ行かれるのです」
家と街とを隔てる囲いにかけた手が白く照らされる。
光の筋が伸びた先には見知った使用人が一人、電灯を携えて俺を睨みつけていた。
なんて鼻の利く野郎だと舌打ちしたい気持ちになる。
「たまにはこの家でお休みになられてはいかがですか。それに…」
機械的な歩調で詰め寄りながら早速説教を始める奴に嘆息する。
少し物を取りに帰っただけなのに、めんどくさい奴に見つかってしまった。
(あなたはいつかこの家を継ぐ立場なのです)
こいつの生真面目そうな顔つきも、実際お堅いその性格も俺の好むものではない。
何よりもこの家が私の誇りですと言わずとも伝わるその気魂が疎ましかった。
(いつまでもそんな浮草のようでは困ります)
家とか誇りとかきっちりとした生活とか、
そんなものは本当に、本当に、
「あなたの名を汚さぬよう……、聞いておられるのですか」
「……つまらない」
唐突な言葉に訝しげな顔をする奴にすい、と近づき戯れのように襟元を乱す。
間近で視線を合わせてやると、直立不動の姿勢の中、その目だけが正直に動揺を表していた。
「何を」
「この家に泊まるにしても、ただ夜を明かすだけというのはどうにも性に合わない」
こいつにも分かるよう、あからさまに性的な手つきで耳をくすぐれば、びくりと大げさに身体を震わせた。
「どうせならお前が相手をしろ」ゆっくりと距離をつめる。
身を引くわけにもいかずに奴は身体を強張らせ、ぎこちなく目をそらした。
少しからかうだけのつもりだったが意外にも実のある反応に心が沸き立つ。
そのまま頬から首へ、――そして開いた襟からその下へと辿ろうとした手はやんわりと遮られた。
「ご冗談、でしょう」
「ふふ、なに町娘みたいに可憐に応えろとは言わん。ただ俺の下で黙って悶えてろ」
そう言って悪どく映るよう口の端をひん曲げる。
その笑みは俺の知らないうちに熱を持っていたかもしれない。
事実、俺の顔を見て奴は平生では考えられないくらいうろたえていた。
「……わかりました。今夜のところは不問にいたします」
もう少し粘られるかと思いきや、あっさりと俺に背を向けた。よほど衝撃が大きかったらしい。
それでもしゃんと背筋を伸ばしたその姿勢はいつも通りで、その滑稽さに笑い声を投げかけたくなる。
もしもあいつが絶頂を迎えたとき、あの背中は海老のようにそり返るのか、弱々しく丸まるのか。
本当に試してみるのも面白いと跳ねる気持ちのそのままに、高く塀を飛び越えた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
本当は猫属性×犬属性を目指してたなんて言えないんだ。言えないんだったら。
フェン寝具の金良とそのコーチの話
某所で帰りの飛行機の話を聞いて思わず書いてしまった
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
別に座席のクラスが違ったから拗ねてる訳じゃない。
お金が無いのは事実だし、俺が下のクラスなのも文句はない。
…実を言えばちょっと不満だけど。
じゃあ何故イライラするのか?
答えは至極簡単、それは往路と違って彼が隣にいないからだった。
選手とコーチという時間じゃないなら尚更、たった数時間でも近くにいたかったなんて思うのは少しわがままかもしれない。
飛行機のガラス窓に映った自分のぶすっとした顔の向こうには他の飛行機と長い滑走路が広がっている。
良いことの方がはるかに多かったこの地ともそろそろお別れだ。
ふと、隣の席に人の来る気配がして空間が圧迫される。
随分と体格の良い人だな、と顔をあげると見慣れた、いや見慣れ過ぎた顔があった。
「ヲレグ?!なんで…」
「替えてもらった」
確かこの席は元々他のコーチか誰かの席だったはずだ。
それをわざわざ交換したのだろうか。
戸惑い無く隣に座った彼に何か話そうかと思ったけど、先ほど相手に刺々しい態度を取った身としてはなんとなく話しかけ辛い。
他にできることもなくまた外を眺めるとヲレグが不安そうに俺の顔を覗き込んできた。
「ユーキ、キゲン直った?」
「…いや、別に怒ってないよ」
「なら良かった」
そう言うとカチャリとシートベルトを締めた。
俺はヲレグの肩をトントンと叩いて隣の座席へ身を乗り出す。
そして、その耳元で小さく、小さく言った。
これまでの感謝とこれからもよろしく、の意を込めて。
「ありがとう」
隣の男は一瞬驚いて、それから嬉しそうに笑った。
もうすぐ離陸の時間だ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
2人がずっと一緒にいたらいいな…!
スレ汚し失礼しました
>>273 さっき二ュ一スで特集見たばっかだから
タイムリーな二人読めて嬉しい、ありがとう!
ツンデレO田も良いですね〜
「人間の気配は?」
「ない、が、森が騒ついている。我らの近くに人間たちがいる」
エルフの森。
その中の洞窟に、四人のエルフと――一人のハーフエルフがいた。
血に塗れた剣と戦闘服にメット。
人間とエルフ族は仲が悪く、ここ二十年は戦争が勃発している。
「アルシェリク。お前は分からないのか、人間の血が半分はいってるんだろ」
アルシェリクと呼ばれた人間とエルフのハーフエルフは、長い髪を揺らしてその言葉に反応した。
「俺だって好きでハーフエルフに生まれたわけじゃない。…!皆、静かに。人間がくる!」
耳のいいハーフエルフやエルフには、人間の足音がすぐに聞こえた。
剣と盾を持ち、狭い洞窟で構える。
こんな所で襲われたらひとたまりもない。
足音から、七人、八人、九人と言ったところか。
人数的にも不利だ。
がさ、がさ。
一歩、一歩と近づいてくるたび、緊張が高まる。
アルシェリクたちは、剣の柄をぎゅっと握り締める。
エルフは、人殺しが嫌いだというのに。
村を守るために殺しをするなんて、皮肉だ。
がさ。
人間の足が見えた瞬間、一番前にいたエルフが、人間の元へ躍り出た。
剣が舞い、前を歩いていた人間の首に致命傷を負わせる。
後につづく。
人間はばたばたと倒れていく。
が、人間も負けてはいない。
次々と大剣をふるい、エルフも倒れていく。
そしてアルシェリクが残された。
(相手は三人…?)
大剣を避けて逃げ回っていたが、ちらりと見えた人間は、ボウガンを構えて木陰に隠れていた。
「しまっ…!」
うわああああすみません!!AA入れるの忘れてた!!
_________
|┌───────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^──────────────
└──────│すみませんでしたああああ!!前のは無視してください!!
└───────────────
「人間の気配は?」
「ない、が、森が騒ついている。我らの近くに人間たちがいる」
エルフの森。
その中の洞窟に、四人のエルフと――一人のハーフエルフがいた。
血に塗れた剣と戦闘服にメット。
人間とエルフ族は仲が悪く、ここ二十年は戦争が勃発している。
「アルシェリク。お前は分からないのか、人間の血が半分はいってるんだろ」
アルシェリクと呼ばれた人間とエルフのハーフエルフは、長い髪を揺らしてその言葉に反応した。
「俺だって好きでハーフエルフに生まれたわけじゃない。…!皆、静かに。人間がくる!」
耳のいいハーフエルフやエルフには、人間の足音がすぐに聞こえた。
剣と盾を持ち、狭い洞窟で構える。
こんな所で襲われたらひとたまりもない。
足音から、七人、八人、九人と言ったところか。
人数的にも不利だ。
がさ、がさ。
一歩、一歩と近づいてくるたび、緊張が高まる。
アルシェリクたちは、剣の柄をぎゅっと握り締める。
エルフは、人殺しが嫌いだというのに。
村を守るために殺しをするなんて、皮肉だ。
がさ。
人間の足が見えた瞬間、一番前にいたエルフが、人間の元へ躍り出た。
剣が舞い、前を歩いていた人間の首に致命傷を負わせる。
後につづく。
人間はばたばたと倒れていく。
が、人間も負けてはいない。
次々と大剣をふるい、エルフも倒れていく。
そしてアルシェリクが残された。
(相手は三人…?)
大剣を避けて逃げ回っていたが、ちらりと見えた人間は、ボウガンを構えて木陰に隠れていた。
「しまっ…!」
言ったが早いか。
ドス、と、胸から振動が全身に伝わる。
胸にクォレルが刺さっている。
「あ…」
アルシェリクは、仰向けに倒れた。
人間は、アルシェリクを通り過ぎて、洞窟内にエルフがいないか調べたが、いないと分かるとどこかへ消えた。
森は夕暮れから夜の姿へと変えていた。
「まーいったな、はぐれちまった。ここはどこだよ。…ん」
茶髪に白い戦闘服。
彼もまた、エルフ族を殺しに来た人間の一人である。
ただ、自ら志願したわけではないので、気分がたるみがちであるが。
あたりに漂う血の匂いに、足も止まる。
よくよく見れば、五メートルほど先に数人の横たわる姿があった。
剣に手を掛ける。
(新しい血だが、倒れてるのはエルフと人間)
ふむ、と近くまで寄ると、目の前のエルフを足で転がす。
糸の切れた人形のようにごろんと転がった。
このエルフ、首が切れそうな一撃を食らっている。
大剣によるものか。胸に矢の刺さったエルフもいる。転がそうと足で触れた瞬間、そのエルフは、小さくあえいだ。
「う…」
「!」
薄く、目が開く。
「人、か」
「大丈夫か」
形のよい唇が、この男は助けてはくれないであろう種族を告げた。
だがそれだけで、また気を失ってしまった。
母上。
あなたの元へ参るときが来たようです。
浮遊した感じ、この感じは何なのでしょう。
なんだか意識が浮き沈みしているかのような違和感。
でもその違和感が、今となっては心地良い。
母上、そこに父上は居ますか?
母上…
ずきん!
胸の激痛に、思わず目を開けた。
生きている。しかもここは、先ほど仲間とともに居た洞窟だ。
胸の痛みに起き上がれず、視界のぼやけた状態で胸を見ると、そこには着ていた戦闘服は破かれ、刃物がクォレルの刺さっている付近に当てられていた。
「!?」
「起きたか、まあ起きるわな」
そこで自分は始めて、あのときの男の腕に抱かれているのだと気づいた。
「何を、する…うっ!」
火が焚かれており、そこで刃物を消毒して、肉の締まった体からクォレルを引き抜こうとしているのだと、薄々分かった。
「良いか、このクォレルを引き抜くぞ。そうすればあんたは傷を癒せる。俺は、強引に引き抜くことしかできないが、大体の救急手当てならできる。歯を食いしばれ、痛いぞ」
「いっ…あっ、ま、まっ…!」
それだけ告げると、その男はぐっとクォレルの覗いている部分を持つと、一気に引き抜いた。
「うああああああああああああああああああああ!!」
吹き出そうとする血を素早くタオルで押さえる。ぐったりと力なくなったアルシェリクを横たえると、胸をぎゅう、と押さえた。
しばらくすると血も止まってきて、幾重にもガーゼを重ねて包帯を巻いた。
「生きてるか、あんた」
ぺち、と、頬をたたかれる。
うっすら目を開けたアルシェリクに、男は安堵の様子を見せた。
「なぜ、たす、け、た」
かすれた声で、問う。
だがその疑問はすぐに払拭される。
この森は、人間が入ればたちまち迷ってしまう。
エルフの案内がなければ、町にはたどり着けない。
人間からすれば、踏み込むには魔の森なわけだ。
当然エルフ全員を殺してしまったと思っているであろう、襲ってきた人間も、迷っているはずである。もしくは、どこかでエルフを見つけて捕まえ、案内させたか。
「ふっ、駒にされるために、助け、られた、か」
大きく息を吐いて、頭を動かす。岩の洞窟で何も敷いていないせいで、どこに頭を動かしても痛い。
男はそれに気づくと、自分の荷物をアルシェリクの頭の下に敷いてやった。
「…変な人間」
思わず本音が漏れる。
助けてもらったとはいえ、まだ安心はできない。自分は人間の地が半分あるとはいえ、エルフの森でずっと暮らしてきたのだから、人間に対する不信感は高い。
ただ一人を除いては。
まだ見ぬ父にだけは、会えたなら心を開こうと思う。
生まれて二十四年。
長寿のエルフから見れば、完全に子供だ。
「変な人間で悪かったな。別にハーフエルフは嫌いじゃないし。それに別に駒なんかにするために助けたんじゃねぇよ、あの中で唯一息してたから助けたんだ。それだけ。あ、まだ動くなよ。傷が癒えてから動けよ」
ますます変な人間だと思った。
ハーフエルフはエルフからも人間からもたいていは嫌われるものだ。
仲間、とは形式上で、殺されてしまった彼らも、アルシェリクには冷たかった。
半端者だから。
村に迷い込んできた人間との間にできた子供だから。
村を襲撃してきた人間に殺された母も、自分生まれたせいでずっと村から冷たい眼で見られてきた。
「…」
「何だ?」
炎を見つめている横顔に、しばらく魅入った。
やがて視線に気づいて振り返ると、それに反応してアルシェリクも視線をそらした。
「…とことん、お人、よしだ、な」
胸が、痛い。傷がうずく。
こんな人間も居るのかと思い、苦笑する。
村人全員がこんな男のようにハーフエルフを嫌わなければ、母もつらい思いをせずにすんだだろうに。
「まあな。よく言われる。お前さ、名前は?」
「え…」
名前を気楽に言っていいものかと迷ったが、助けてもらったのは事実だし、と、教えることにした。
「アルシェリク…」
「アルシェリク」
ふむ、と数回男は頷くと、こちらに向き直って笑顔で名前を告げた。
「俺はアッシュ。俺は魔法とか使えないから救急手当てしかできないけど。あんたの怪我が治るまで付き合うよ」
_________ 続きます
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧ヒサシブリスギテ
◇,,(∀・ ) ナンバリングモシワスレテタ。ミグルシクテスミマセヌ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
>>272 むはー!可愛いぞツンデレO田!
デレデレコーツとツンデレ先取の組み合わせっていいなぁ。
>>272 ウホッこれはいいツンデレw
コーツ大人だよコーツww
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
あの時は、離れてしまいそうな指先を掴み取ろうと必死だった。
いつだって俺はお前の為に生きてきたのに、お前は理由も告げず「別れよう」だなんて……
幼なじみの勝也と俺は、中学の時にお付き合いを始めて、それから五年、別々の高校と大学だけど週末や時間の合う日なんかは一緒に外出したり、お互いの家へ行ったり、ずっと上手くやっていると思っていた。
大学に入って三カ月。勝也と俺の時間が合わなくなり、次第に勝也からの連絡が無くなって、別れ話を切り出された。
理由は話してくれない。ただ、別れたいの一点張り。俺は納得出来ず、どうしても勝也を繋ぎ止めておきたくて何度も自分の想いを伝えた。だけどそれでも別れたいと言う勝也を、俺は無理矢理犯してしまった。
結局、俺達は別れて、幼なじみにも戻れなくて。しばらくは顔も合わせない初めてのことに虚しさだけが俺を支配していたが、気まぐれで立ち寄った少し遠いスーパーで勝也がバイトをしている姿を見て、一気にあの感情が戻ってきた。
今も、俺はお前に恋してる。
お盆が過ぎて気温が一気に下がった。もう秋なのかと思ったら、月がかわって再び蒸し暑さが戻り、自転車でスーパーへ向かってる中、流れる汗が鬱陶しい。
似合わない買い物カゴを持ち、インスタント食品と少しの野菜。
レジを見れば暇そうに小袋をまとめているアイツを見つけ、俺はそこのレジ棚にカゴを置いた。
「お……預かり、します」
俺を見て、揺れる瞳。それからは俯いたまま商品をレジに通す。
「九百三十五円です」
千円札を出し、レシートと釣り銭を受け取った。
「好きだ、お前が」
スーパーのエプロンを握り、小さく頭を振る。何度目かわからない告白。そのたびに俺は振られて、それでも何度だって言ってやる。そう決めたんだ。
それから秋が過ぎ、冬の寒さに身を震わせながらも俺はスーパーへ通っている。一人暮らしを始めて自炊を覚えた俺はインスタント食品を買わなくなり、野菜や肉、調味料などを主に購入している。
「お預かりします」
相変わらず、勝也は俺の顔を見てくれないけど、少しだけ会話をしてくれるようになった。
キャベツ、挽き肉、玉ねぎ。あとは家にある材料で今夜の夕飯だ。
「今日はロールキャベツ作る」
勝也は玉ねぎの個数を入力してカゴに移す。
「手間かかるね」
話しながら挽き肉のバーコードを読ませた。
「うん、けど大量に作って冷凍しとくから」
キャベツもバーコードで入力。
「主婦みたい」
会計の為に向きを変えた勝也の、俯いた顔には笑みが浮かんでいて、俺の心臓は高鳴る。
「……笑った」
「え?」
何のことかと勝也が俺を見て、驚いた顔をする。俺は笑顔でいつものように。
「大好き」
勝也は困ったようにまた俯いたけれど、その耳が赤く染まっているのを俺は見逃さなかった。
春はまだもう少し先だけど、いつかまた、君と一緒に。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ナマモノ注意です‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 九十九の日記念投下
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「はぁ〜…」
丘村は何度目かの溜息をついた。
部活の帰り道、今日も一人でこんな早い時間に歩いている。
いつもならいつも通りに谷部とお好み焼き食べて、だらだら二人して帰るはずだった。
それなのにアイツはそそくさと先に帰ってしまい、寄り道もせず一人で帰る日々が一週間ほど続いている。
まぁ一人で帰るくらい、たまには良いのだ。
ただ、理由が何となく嫌な感じだったのだ。
部活が終わり、じゃーお好み行こか〜と口を開く前に、
谷部が制するように「僕、今日も用事あるんすわ。先帰ります」と言って、
声をかける間もなく次の瞬間には「お疲れっす!」と言って早々に部室を出ていってしまった。
「最近なんやアイツ〜」
「また新しい女できたんちゃうん」
「やりよんなぁ〜」
と部員が口々に言うのを聞きながら、丘村は何故か頭がぼうっとして嫌な気持ちになったのだ。
それですっかり元気がなくなって、他の友達の誘いも断って足取り重く帰路についているのだが。
「なんやねんアイツ…ちゅーか俺も何でモヤモヤしとんねん」
子供じゃあるまいし、と自嘲気味に笑って前をふっと見ると、ちょうど見慣れた後ろ姿が
背の低いセーラー服の子と角を曲がるのが見えた。
「あれ…アイツ」
谷部だ。
やっぱり誰かが言っていた様に、彼女が出来たのか。
そういえば谷部は『自分より背の小さい人がタイプです』って言うてたなぁと、思い出したが
そんな事より彼女が出来たら出来たで、それ以前に好きな子がいる事くらい教えてくれても良いじゃないか。
毎日一緒にいるのに何も言ってくれないなんて。
「なんやねんホンマ」
自分は谷部の事を何でも知っていると思っていた。
信頼もしていた。そして、信頼されていると思っていたのに。
一言も言わず、こそこそ女の子と会ってるなんて。
ますますつまらなくなって、丘村は家に着いた。
翌日、溜息の数は増えたまま昼休みになった。
食堂へ行くと大低部員がいて自然と集まっていたが、そこに谷部の姿はなかった。
今日会ったらうんと冷やかして、笑って自分のモヤモヤをごまかそうと思っていたがそれも出来ない。
昼食もそこそこに、食堂を出て教室に戻ろうと校舎の裏を通っていたら、
「あっ」と声がした。
見遣ると、昨日の女の子と谷部。
やましい理由などない筈なのに、谷部が見られた、という表情をしたのが気に入らなかった。
「…うっす」
「…おぅ」
取り敢えず挨拶の様なものをして、特別何も言わず、振り向きもせず、丘村は谷部に背を向けて足早に通り過ぎた。
後ろから、谷部と彼女に何か自分の事を話されている気がしたが、振り切る様に教室へ向かった。
すれ違い様に見えた谷部の目が縋るように揺れた様に見えたが、気のせいだろう。
それからの授業は全く頭に入らず、ぼーっと校庭ばかり眺めていた。
放課後、部活で谷部に会うのが何だか嫌だった。
思えば、昨日からずっと谷部の事ばかり考えている。
「何でホンマにアイツの事ばっかり」
考えているのだろう。
「もーむかつくわ…」
最後の授業の鐘が鳴った。
部活が始まってからも丘村はイライラしたままだった。
いつもならムードメーカーの丘村が、今日は誰より調子が悪いのを心配して他の部員が声をかけるが、
その間も谷部は一言も丘村に声をかけなかった。
そんな丘村と一番仲の良い谷部の態度を見て、部員達は二人が喧嘩でもしたのだろうと流していたが
部活が終わっても変な空気のままその日は皆静かに学校を出た。
皆でぞろぞろ歩いていると、谷部がすっと丘村の隣に来て、
「ちょっと付き合って下さい」
と小声で言った。
自分が谷部に思う事もあったし、谷部の言い方に意志が感じ取れて
「えーよ」と答え、皆と別れて公園に向かった。
夕飯時の公園は人もおらず、本当の二人きりだった。
ちら、と谷部を見ると眉間に皺を寄せて悩んでいる様子だったが、
その表情が男前やなぁ…と丘村はぼんやり思った。
暫く沈黙が続いたが、耐え切れなくて丘村から口を開いた。
「…で、何やねん」
「いや、あの…」
久しぶりの会話。
「昨日見たで、女の子と歩いてんの」
自分でも驚くほど、言い方に刺がある。
これではまるで、その女の子に嫉妬しているみたいだ。
「昼間と同じ子やった」
「丘村さん」
「言えよなぁ、そーゆーことは」
「違うんです、丘村さん」
「何が違うねん。背ぇ小っちゃーて可愛らしい子やん」
「違うんです!」
声を荒げて谷部が反対した。
「…違うんです、聞いて下さい」
思い詰めた表情で、谷部が続ける。
「あれね、あの子は僕の相談に乗ってもらってだだけなんです」
「え、そうなん……でも」
じゃあ、何で昼間会った時あんな態度を取ったのか。何故いまそんな苦々しい顔をしているのか。
しかしそれを聞いて、どうだというのだろう。
聞きたいと思う半面、自分が何故そこまで知りたがるのか分からなかったし、それこそ女の嫉妬の様で嫌だった。
こんな感情を持っている自分を谷部に晒すのは恥ずかしかった。気持ちを隠す様に、谷部に問う。
「何の相談してたん…まぁ言いたなかったらええけどやぁ」
結局拗ねた様な口ぶりになってしまったが、谷部は気にしていないようだった。
「…好きな人の事です」
「…ふーん」
あぁ、やっぱりか。
あの女の子が彼女じゃないと聞いて少しは感情が和らいだが、
他に好きな子がいるなら同じようなもんだ。
「どんな子なん」
「……」
「俺の知ってる子?」
「……」
余程言いたくないのだろう、谷部は黙り込んだまま地面を見つめている。
あまりに固く口を閉ざすので、問い詰めた自分が悪い様な気がしてきた。
「…えーよ、言いたないなら言わんで。…すまんかったな」
あんなに何でも話してくれた谷部に…可愛いがっていた後輩に隠し事をされるのは辛かった。
「また…話しても良いと思ったら聞かしてくれな。恋愛の事じゃなくても」
本当に、自分は谷部の事を大事にしていたのだ。
学年の枠を越えて、気がつくと常に一緒にいたし、何でも話せるのは同期の誰でもなく谷部だった。
それをいま、失ってしまったに等しかった。
「じゃあ…また明日な」
谷部からも話があったのだろうが、聞けそうになかった。
いたたまれなくなって丘村は腰を上げた。
「待って下さい!!」
ハッと顔を上げ、谷部は立ち去ろうとする丘村の腕を掴んだ。
「…何やねん」
「すいません…」
もう手を離してくれ、泣きたいんはこっちの方やねんぞ…とばかりに、丘村は谷部から目を逸らした。
気まずい空気が流れる中、意を決した様に矢部が口を開いた。
「僕の好きな人、丘村さんなんです」
「…はぁ?」
意味が分からない。
思わず谷部の顔を見上げる。
「さぁから、僕は丘村さんの事が好きなんです」
「何を…」
「ずっと…好きやったんです」
「あほか…っ!俺男やで?!」
「分かってます」
頭が混乱する中、谷部が少しずつ話し始めた。
「僕、丘村さんを初めて見た時、なんかええな〜って思ったんです。輝いてるなぁって」
「……」
「そっから丘村さんと仲良うなって、他の女の子と付き合う事もあったんですけど何か違って。
やっぱり岡村さんとおる時が一番楽しくて、落ち着いたんです」
考えてみると、それは丘村も同じだった。
だが、まだ谷部が自分をそういう風に見ていた事が信じられなかった。
「最初は気付かんかったんです。
丘村さんの事は…先輩として好きやったけど、だんだんそうじゃないんかなぁってなって…
その話をあの女の子にしたら、それは恋やでって言われて…」
「……」
「丘村さんは男やし、そんな事有り得へんと思ってたけど…なんぼ考えても好きやったんです」
「谷部…」
「急にこんな事言われたら困りますよね…すいません」
谷部の目が、昼間の様に揺れた。
「そんな…」
そんな顔すんなよ、と言った声が風に紛れる。
「一番仲良くしてもらってたし、関係が壊れてまうのも分かってたから言えずにいたんですけど
…気持ち言うたら何かスッキリしました」
そう笑う顔が哀しくて。
「僕、もう丘村さんに会わんようにします…サッカー部も辞めますね」
ずっと掴んでいた丘村の腕を、谷部が離した。
それが二人の繋いでいたものが切れるイメージと重なって、丘村は何か言わなくては、と慌てて言った。
「おまえ、自分の気持ち言うたら終いか?」
「丘村さん…」
「一方的に自分の気持ち言うて、俺の気持ちも聞かんと……勝手に離れようとすんな」
「……」
確かに、男に突然告白されて驚いている。
谷部をそういう恋愛対象として見るなんて発想すらなかった。
しかし谷部が自分から離れていくのは堪え難かった。
自分は谷部を好きなのか…?男女の枠をとっぱらったら、どうだろう?
きっと自分は、多分。
「おまえを…」
手放したくない。
「…おまえがおらんくなるなんて、考えられへん」
「丘村さん」
「さぁから…どこにも行くな…」
自分の気持ちの正体は、分からない。
でも、谷部とずっと一緒にいたいのは確かだった。
「丘村さん…好きです」
「うん」
「…抱きしめても良いですか」
「…うん」
谷部は、丘村をそっと抱きしめた。
谷部の胸は思った以上に心地よくて、安心した。
いまのこの感情は、多分、好きって言うんやろうな。
丘村は泣きだしそうな谷部の頬にそっと手を寄せ、撫でてみた。
丘村の行動に谷部は少し驚いた顔をしたが、その顔が何だか愛おしく見えて、
「おまえ…あほやなぁ」
と、丘村は笑いながら大きく息を吐いた。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ハツトウカデキンチョウシマスタ
| | | | ピッ (・∀・ ; )
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どうやら私はハーフエルフが好きなようです。
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|│l> play. │|
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( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
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└──────│二回目です。ダクエルフとエルフのハーフは続きはまっててください
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(変な奴。お節介焼きなのかなんなのか)
アルシェリクは魔法は使えるが、体力も精神力もぎりぎりでは使えない。
ハーフエルフは、膨大な精神力と少しの体力を使用して魔法を使う。
血をだいぶ失ったからか、体がだるい。
眠気も襲ってきて、アルシェリクは寝入った。
「あ、そういえば」
と、またも振り向いたアッシュだったが、アルシェリクが眠ったのを確認すると、自分の毛布をかぶせた。
自分は岩場に寄り掛かる。炎を見つめていた。
朝の光がわずかに入ってきて、外は明るいのだと認識した。
アルシェリクは、寝たままの態勢から、魔法を使った。
暖かな光が手のひらを満たしていく。
その光を包帯ごしに傷口に当てると、傷口は微々たるものながら、癒されていった。
「っは」
小さく息を吐く。
痛みはだいぶ引いたが、精神力が足りない。
まわりを見回せば、アッシュがいない。
荷物の一部を残していっていることから、出かけているのだろう。
しばらくすると、アッシュが困った顔をしながら、帰ってくる。
「…どうした」
アルシェリクが表情を隠して問う。
「いや、さ」
手には昨日止血に使ったものではない、清潔な白いタオルと、水袋。
「泉か川ないかなーと」
「綺麗な泉なら、ここを真っすぐ歩けば見つかる。案内したいが歩けんのでな」
起き上がることはできるが、歩くにはまだ早い。
「わりいな、いってくる。アルシェリクは寝ていろよ」
それだけいうと、アッシュは泉目指し駆けていく。
寝てろといわれなくても、寝るつもりだ。
体力がない。
自分荷物は、すぐ近くにあった。
中から干し肉を取り出し、かじりついた。
これで少しは腹が膨れる。
「ただいま」
すでに横になって目を瞑っていたアルシェリクは、目をあけ上体を起こした。
「…」
アッシュはタオルを湿らせ、皮袋に水を入れて帰ってきた。
アルシェリクのそばまで寄ると、おもむろに包帯に手を掛けた。
「なっ、なにをする」
「そんなに警戒するなよ。傷口綺麗にして包帯かえるんだ」
するすると包帯がとれている。ガーゼが血や肉にくっついたが、すぐに剥がされる。
魔法の効果と手当てで、傷はだいぶ癒えていた。
「うおっ、思ったより綺麗になってる!アルシェリク、魔法を使ったのか?」
アッシュは傷口の綺麗さに感動し、魔法を使ったことを見破った。
魔法を見たことがないというアッシュは、目をきらきらさせて魔法を見せろと迫る。
「…使った、が、たいして俺は使えない。火を出す程度なら…」
腕を動かすと、胸に痛みが走る。
一瞬眉をしかめるが、すぐにいつものポーカーフェイスに戻った。
右手を宙にかざし、集中してみせる。
ぽうっと、手のひらのうえに小さな火が灯った。
「すげー!ほくち箱いらないんだな!魔法って便利だなー」
無邪気な子供のようにはしゃぐアッシュに口元もゆるむ。
アルシェリクは、右手のひらの火を握り潰すと、少し横になる。
「あ、悪い、無理させたか?今肌綺麗にするからな」
水に濡らしたタオルを胸に当てる。
冷たさに、一瞬びくりと、体が震えた。
「冷たくても我慢してくれよ」
「…ん」
固まった血が払拭される。傷口はそのままに、流れ出た血を綺麗にしてくれる。しかもそれをしてくれているのは、母の仇の人間。
そして父と同じ、人間。
変な気分だ。
「お前は…俺の怪我が治ったら、俺をどうするつもりだ…?」
「ん?考えてない」
エルフの血が入っているアルシェリクは、人間と比べて、特別見目がよい。
売られるかとも思ったが、それならばとっくに逃げられないように縄で縛り付けられているだろう。
「変な奴」
「むしろ感謝しろよ」
むっとした表情で、体を拭いているアッシュに、アルシェリクは、初めて笑いかけた。
「ありがとう」
「…感謝しろといっといて何だが、改めて言われると照れるな」
頬を赤くさせて、ぽりぽりと頭をかく。
「じゃあ気色悪い」
と、アルシェリクが言った。
「うるせ!」
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|│ロ stop. │|
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ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) エチーハモウチョットサキ
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| >>224-
>>238、>>254-
>>266の続きなんだよね!
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| お誕生日おめでとうなんだよね!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
先にグラハムの部屋から出て来たのはつぶれで、その後暫くしてからカタギリさんが、
「診断書を作りますから少々お待ち下さい」
と端末をいじりながら現れて、居間のソファーを彼に勧めるまで、俺はお茶の一杯も煎
れる事さえ忘れていた事に気が付いた。
「珈琲でいいですか?」
と診断書を作成するカタギリさんに声を掛ける。
「あぁ、ありがとうございます、でも余りおかまいなく」
と柔らかく答える彼の横に、貰い物のダックワーズをお茶請けにと差し出す。診断書は
すぐに出来上がり、カタギリさんの携帯プリンターから、今日の診断結果らしき物が書か
れた紙が排出された。
「それ程複雑な原因ではありませんでしたから、グラハムはすぐに良くなると思いますよ。
でも彼が治る為にはご主人の協力が必要ですので少しお話しさせて下さい」
「はい」
と俺は少し緊張して答え、カタギリさんの正面に座った。
カタギリさんは俺に話し始める。
「とても単純な話でしてね、彼は今、自分のアイデンティティに揺らぎが生じているんですよ」
アイデンティティ? アンドロイドにそんな物があるとは想像だにしなかった。
「そうなんですか……」
「ええ、でね、ご主人には彼とはよく話し合って欲しいんです。それで大方の事は片がつ
きます。最初に彼のような情緒型AI搭載のアンドロイドを購入された方には良くある事
ですが、彼の持つ感情や思考についていまいちご主人にご理解いただけていないのが今回
の不調の原因だと思われます。出来れば彼の特性を理解してあげて下さい。それだけで
ほとんどの問題は解決します。複雑なAIは情緒的に人間のそれと余り変わらない反応を
示すものなのですよ」
研究者然としたその男は、そう穏やかな口調で俺に告げた。
「彼を、理解、ですか」
「そうです。彼からご主人に伝えるべき事は、彼に分らせましたから、後はゆっくり話を
してあげてください」
俺は、はいと答えて頷くしかなかった。
「それでも問題が解決しなかった場合は、もう一度僕にご連絡下さい。この件の担当は僕
ですので、お呼びになればすぐに伺います」
そう言いつつ自分の部署の直通番号を俺に渡す。
「まあ必要ないと思いますがね」
とフラッグで飛び回るつぶれを見ながら彼はそう言うと、帰って行ったのだった。
カタリギさんを見送ってから、俺はグラハムの部屋へ向かった。グラハムはベッドの上
で身を起こして、俺を迎えた。
「グラハム、大丈夫か?」
「Yes、マスター」
俺はグラハムのベッドの端に座って、彼を眺める。最近はあまりこうしてグラハムを観
察する事も無かったように思う。目元は熱で上気したように赤くなっていて、濃い緑の瞳
も熱に濡れている。家に来た当初の、グラハムらしさを形作っていたつり上がって大きな
目とりりしい眉は、今はまぶたが伏せ気味で、眉尻も情けなく下がっていて、随分と弱々
しく見えた。何がこいつをこんなに弱らせてしまったのか。俺のせいだとしたら、なんと
も自分が情けなさ過ぎる。
「余り大丈夫そうでもないが、でもカタギリさんが言うには君の状態はそれ程深刻じゃな
いらしい。すぐに解決して治るだろうと言われたよ」
「そうか」
「後、君に話を聞けと言われた。いや、話をしろだったかな」
その言葉に、グラハムは無言で頷いた。
俺はグラハムの顔を覗き込む。それから彼から目を反らさずに見つめ、極力ゆっくりと
声を出す。
「君の事を、教えて欲しい、俺に」
グラハムは伏せていた目を、ちらりと向けて、それからもう一度目を伏せた。
「私は……」
めずらしくグラハムが言いよどんで、彼なりに俺に言いにくい事もあるのだろうと、じっ
と次の言葉を待った。それから瞳をきっと開いて、ようやく言葉を探し終えたらしいグラ
ハムが、俺をあの瞳で見つめてくる。俺は何でこの視線から逃げていたのだろうか、こん
なに幼く、こんなに美しく、そしてこんなに愛しい瞳を。
「カタギリにマスターに伝えるべき内容は自分で考えろと言われた。自分の事をマスター
に理解してもらう為に」
そう、しっかりとした口調でグラハムは俺に伝えて来た。
「うん、教えて」
「私は基本的にマスターを愛するように作られている」
「うん」
「そしてマスターに愛されるように努力するのが本分なのだそうだ。それが本能だと言わ
れた」
「うん」
「私は現在……どのようであればマスターに愛されるのか、分らないでいる」
冷静にグラハムの言葉を聞こうとしても、心の中はとんでもない状態だった。だってそ
うだろう、なんてこった! つまりは、これが不調の理由だったのだ。
俺から愛されていない事、そして、俺から愛を引き出す方法がわからない事。生まれた
ばかりのこいつが、手練手管など備えているはずもない。
俺は自分の手が震えるのがわかる。
俺が彼の言葉に沈黙する間にも、グラハムは言葉を続けた。
「そもそも、私が、マスターから愛される可能性はあるのだろうか? それだけでも教え
て貰えないか?」
そんな事もこいつはわからないのか、いやそうか、俺が教えていないのだから当然か。
それに最近は、俺はグラハムを避けていたんだ。
「……グラハム」
俺の返事を待って、見つめてくるグラハムを、俺はただ引き寄せて抱きしめた。その躯
は想像していたよりも弾力があり、そして熱い。
「マスター?」
「グラハム。好きだよ」
俺はグラハムの背中を抱く腕の力を強くする。
「そうなのか?」
「そうだ、すごく好きだ」
「それならば問題ない」
躯を引き寄せる俺の腕と肩にグラハムの熱い手のひらを感じる。俺の胸に寄せた額も、
熱のせいか、それとも元々人よりも体温が高いのか、暖かさが心地良い。
「ところで」
と、いきなりグラハムが俺にきいてきた。
「なんだ?」
「初夜はいつがいいか、マスター」
グラハムの思考が随分と飛躍している事を、俺は新たに知る。
「えーと、だな、それは……」
「それともマスターはSEXはしないのか?」
「だから、ちょっと待てよ」
そんな事いきなり言われても困るんだよ。
「確認すべき重要事項だとカタギリに言われた。それと、伝えるべき基本情報として、私は、
食欲と睡眠浴を催すと同じに性欲も催すように作られている」
「そ、そうなのか、じゃあ、今まで射精したりしてたのか?」
俺何言ってんだろ、動揺しすぎだ。
「いやしていない、まだ性欲を催した事はない。ただ機能としてあるらしい。最初はマスター
からの刺激によってしか精通しない」
これもカタギリが教えてくれた、とグラハムは言った。俺のグラハムに何を話してんだ
あいつ……。仕方ない事とはいえ、俺よりもグラハムの事に詳しいのが何か感にさわる。
「でも無理に性交する必要はない。私の性欲はマスターとの関係に合わせて変化する。
今はただ、マスターに好かれたい、それだけだ」
じゃあ、もう何も言うな。口は閉じてろ。そう思って俺は、グラハムの赤く染まった唇に、
軽くキスした。それからやはり熱い額にキスを落とす。俺が離れると、グラハムは不思議
そうに目をぱちくりとさせた。こんな反応をしておきながら、いきなり初夜はどうすると
か言うんじゃない全く。
「好きだよグラハム」
頬を撫でながら俺はもう一度言ってやる。
「とても嬉しい」
軽やかに笑って、グラハムが俺の背中を抱きしめる。こんなにも無邪気で幸せな抱擁を
幸か不幸か俺は知らない。
--カタギリによるグラハムとつぶれの三者面談記録--
(「さて次は、君の観察眼に頼るとしようかな。つぶれグラハム。」
「何でもきけだよね! カタギリ」
「ありがとう。で、単刀直入に言って、君たちのご主人は、君たちが好きかな?」
「それはもう大好きなんだよね! まさしく愛だよね!」
「そうなんだ、それはつぶれグラハム君に対してだけじゃなく、グラハム君にもそうなのかな?」
「そうなんだよね! マスターはグラハムにぞっこんなんだよね!」
「へえ、君が言うならまず間違いないだろうね。
それで、君にはご主人とグラハム君の関係はどういうものだと言えるのかな?」
「二人はある意味バカップルだよね! 二人とも大バカ者なんだよね!
愛は表現してこそ意味を持つんだよね!」
「つまり愛はあるのに表現はされていないと」
「その通りだよね! カタギリ」
「と、いう事だけど、どうかなグラハム」
「……つぶれ殿の言う事は全く理解不能だ」)
--カタギリによるグラハムとつぶれの三者面談記録 ここまで--
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタダヨネ!
エピローグモカイチャッタンダヨネ! ソレハマタアトデダヨネ!
最終話前に、どうしても吐き出したいと思ってしまった。
初なので、読みにくい箇所などあったらご容赦を。糖度低め。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
典義が笠井を殺していたという事実は、直斗を打ちのめした。沿道のトンネルの中で、遂に精神力も限界に達し、声も無く崩れ落ちる。
雨音が、過去の記憶を呼び起こし、直斗の心の中を塗り潰していく。
深く頭を垂れ、様々な激情の波を耐えてやり過ごそうと蹲る。明日には、尊敬していた、いつでも優しかった兄を、自分の手で捕らえなければならない。証拠を集め、あの男を捕まえる為に奔走しなければならない。だが・・・。
動き出せない直斗の耳に、几帳面な靴音が近づいてくる。聞き違う筈も無く、しかしその思わぬ近さに驚いて顔を上げる。
閉じた雨傘を手にした鳴瀬が、目の前に立っていた。
殆ど会話も交わさぬまま、鳴瀬の自室に通され、引き落とされるように寝台に横たえられた。直斗の腹に重心を掛けて鳴瀬は直斗を見下ろしている。表情から感情は汲み取れなくて、それが恐ろしかった。
ほんの一昨日までの、鳴瀬の正体を知らなかった頃の自分なら、鳴瀬の部屋に招かれた時点で大いに戸惑いながらも、どこかで喜びが湧き上がっていただろうが・・・。
今は違う。苦しいばかりだ。
シャツの裾に入り込んでくる鳴瀬の手に、雨で冷えた自分の手を、重ねて。震える唇で、直斗は名を紡いだ。
「智雄さ・・・」
「鳴瀬で良いです」
どこか苛立たしげに唇を塞がれる。ぬるりと入り込んできた舌に、ぞくりと戦慄が走った。
鳴瀬の唇が、手が、確実に直斗を追い詰める。頭の芯が痺れそうになり、脳裏に警鐘が響く。
「どうして・・・っ」直斗が喘ぎ喘ぎ問うと、
「散々私を抱いておいて、今更『どうして』ですか・・・」と鳴瀬が返し。そこで初めて無表情が崩れて、微笑った。口の端に、皮肉を乗せて。目の際に、薄く涙の膜を張って。
その表情に、直斗の冷たく冷え切った心の奥に、小さいが強く、炎が灯った。
殺されるかもしれないという危惧も、憎しみも一瞬忘れ、長年自分を恨む一心で執着してきただろう目の前の男をーー愛しいと、思った。
躊躇いがちに、手を伸ばす。鳴瀬の背に手を回して、引き寄せた。
鳴瀬の瞳から、涙が一つ、雫となり毀れ落ちる。ひた、と直斗の胸に頬を付けた鳴瀬を、激情のままに、寝台に沈めた。鳴瀬の僅かな囁きが、届く。
(私が貴方に抱かれたのは、貴方が生きている事が感じられて、嬉しかったからです)
その告白の真意は、果たしてどちらにーー。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
・・・自分の技量では、これが限界。
最終話までの悶々とした気分を発散させていただきました。
お付き合い下さり、ありがとうございましたm(__)m
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| >>224-
>>238、>>254-
>>266、>>302-
>>308のエピローグなんだよね!
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| お誕生日おめでとうでエッチなんだよね!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
俺とグラハムの最初の夜は思いのほか早く訪れた。
グラハムをメンテナンスした日から、何故かぴたりとつぶれは、俺を夜這いにけしかけ
る事がなくなった。そして逆に俺とグラハムの関係は親密になっていったのだ。
つぶれが眠ってからの夜に手持ち無沙汰の俺は、一度居間に戻ってグラハムと一緒に映
画のディスクを観たり、しゃべったりして過ごす事が多くなった。以前なら一人で夜の時
間を過ごしていたが、今はグラハムが傍にいる。その変化は俺に多大な影響を与えている。
主に性欲に。
革製の大きなソファーに横になって、映画を観ている時に、横に座るグラハムがふと俺
をじっと見ている事に気が付いた時など、ついついその視線に俺は反応してしまう。
「グラハム、つまらないか?」
「いや、そんな事は無い、マスター。しかし、私には主人公が何を言っているのかさっぱり理解
出来ない」
アクションやSFやサスペンス物を観ている時は興味深そうにしているグラハムも、恋愛も
のや複雑な行間を読むような作品にはあまり惹かれないらしい。
俺はそんなグラハムの腕を引いて、その躯をこちらへと寄せさせる。寝転がる俺の上に覆い
かぶさるように、グラハムが俺の顔を覗き込んで、そして俺たちはキスをした。つぶれの前で
はしないものの、最近は毎日のように俺はグラハムに深いキスをしている。最初はぎこちな
かったものの、最近は慣れてきたのかグラハムは俺が舌を絡ませればそれに応えて舌や
唇を動かすようになった。その表情を盗み見れば、目を閉じてうっとりとしている時もある。
俺はそんな反応が嬉しくて、何度もグラハムの口を貪った。キスを重ねる度に俺の欲望は
大きくなって、もう正直これだけでは足りない。この後このままそれぞれの部屋に戻っても、
俺は肥大した性欲を持て余して、結局は自分でなだめるしかない。そんな虚しい夜を俺は
ついこの間経験していた。あの日の事を思い出すと余りに哀しい。俺はとうとう決心した。
この始末はグラハムと付けようと。
「なあグラハム、お前の部屋に行っても良いか?」
そう言ってから俺は、こんな回りくどい言い方ではグラハムには伝わらない事を思い出す。
案の定グラハムは、マスターは一体何を言い出したのだろう? と思案顔だ。
「断る理由はないが、マスター。私の部屋に行ってどうするのだ?」
はやり分っていない。もういい、きっぱり言ってしまおう。ここはグラハムの協力が絶対に必要だ。
「お前を隅々まで愛すんだよ、グラハム。主に躯で」
「躯で愛するとはつまり、SEXのことだろうか、マスター」
俺が照れを隠しつつそうだと言えば、グラハムは嬉しそうに顔をほころばせて、その旨を
良しとする、と意気揚々と答えると、今すぐ部屋に行こうと立ち上がった。俺がその勢いに
あっけにとられていると、早く行こうと俺を起こそうとする。
「まあまて、先に行ってろ」
「マスター、私は我慢弱い」
お前何言ってんのか分ってんのか? と俺は思いつつ、
「すぐに行くから部屋で待ってろ」
ともう一度命令して、グラハムを部屋へ行かせた。
俺は、今すぐにヤルと言っても、色々準備が必要だよなと、持って行く物を考えた。
グラハムの部屋にはベッド以外何も無いのだ、ティッシュとゴミ箱、タオル、それから潤
滑剤も……いるよな? まあとりあえず、キッチンからごま油持って行くか。他には、俺の
為に水。ゴムは無いけど……どうしても必要って事はあるまい、セクサロイドで、俺しか
使わないわけだし。
俺が思いついた諸々の物を抱えてグラハムの部屋の扉をノックした瞬間に、その扉は
開かれて、グラハムが俺に抱きついてくる。
「わっ、グラハム、ちょっと待てって」
俺は手に持った物を取り落としそうになってあわててグラハムを静止させる。ベッドの
横の床へ、持ってきた物を無事に並べる。部屋をぐるりと見渡して、グラハムに電気を
落とさせる。ちょっと暗いかと、俺は窓にひいてあった二重のカーテンの遮光用の一枚を
空けた。こんな時に田舎は便利だ。隣なんて何100メートルも先で、真っ暗な部屋では
薄い編み目のカーテンの先など見えないのだから。
家の前の道に灯る街路灯、うっすらと曇る空には月があって、それらが部屋の中を
薄暗くだが照らしていた。それで十分だろうと俺は思った。次までにはスタンドか何か
用意しよう、あまり明る過ぎるのは俺の趣味に合わない。
それから横で俺の様子を窺っていたグラハムに向き直ると、手を広げて彼を向かえた。
今度こそ良いのだと、ぎゅっと抱きついてくるグラハムの躯を俺は抱きしめて、そしてもう
一度先程のキスよりももっと熱くて長い口づけを交わした。
暗がりの中で俺はグラハムのパジャマに手を入れて、その素肌に触れた。それは暖かいのは
もちろん、滑らかで弾力があり、その皮膚の下の骨格や筋肉の一つ一つの感触までも指や手
のひらで楽しんだ。ただグラハムに触れているだけで、俺ははち切れそうに欲情していく。
パジャマを脱がせて、ベッドにグラハムを横たえさせる。暗がりに慣れてきた目にグラハムの
白い躯が見えてきて、俺はその胸筋や腹筋を撫でながら観察した。
「綺麗なもんだな、本当に」
俺のつぶやきに、グラハムは
「そう言ってもらえると嬉しい」
と素直にかえす。
俺はヘソから下へと手を這わせて、それから邪魔なグラハムのパンツの裾を掴む。グラハム
の着ている服は結局ほとんどが俺の服で、下着も俺のボクサーパンツだ。着慣れたそれを、
前に引っかからないように気をつけながら引きずり下ろせば、中々に立派なモノが顔を見せる。
俺はつい、本物もこれと同じなのかなと考えてしまう。
「あのさ、グラハム、ここもオリジナルと一緒なのか?」
俺はつい好奇心に負けてグラハムに下世話な事をきいてしまった。
「それは正確な事は私にもわかりかねる、しかし他の部分はオリジナルを正確にトレースされ
ている事から、陰茎もそうである可能性があるとしか答えられない」
「そうなんだ」
「陰茎に関しては、オプションで、他のモノに交換可能だ、これは取り扱い説明書にも公式
サイトにも未記載の情報だ」
そんな情報いらない、と俺はつい思ってしまった。まあ確かにデリケートな部分ではある
から、そこは購入者の好みに合わせられるというわけだろうが。
「俺はこのままが良いな」
別にわざわざ取り替える必要性は感じない。それに一度見たコレが後から別のモノに変わ
るなんて奇抜すぎて俺には無理だ。
「それならば問題ない」
「うん、あと言っとくが、最中はあんまりしゃべらなくて良い、その方が可愛い」
「そうなのか?」
「そうだ」
そうするとグラハムは声を出して答えるかわりに、無言で頷いた。ここで「了解した」では色
気に欠ける。いやそれでも十分可愛いんだけどさ。いきなりべらべらしゃべり出す可能性も無
くはないから先制は必要だろう。
良く出来ました、と俺はグラハム目元にちゅっとキスをして、その表情を眺めながら、その
取り替え可能だという部分に手を触れた。グラハムは躯をびくりと一度震えさせた。俺は構
わずに、手の中のそれを揉んでやる。その内にそこは熱くなってきて、徐々に大きくなってきた。
反応するそこに刺激を続けながら、俺はグラハムの肩や首、耳や胸にキスをして、もう片手
で躯を撫でてやる。グラハムが目で俺の動きを追っているのがわかる。緊張はしないのだ
ろうか? いや、しているのかもしれない、そういう事はあまり表に出さないから俺にはわから
ないが。出来るだけ優しくしてやりたいと俺は思った。いくらその機能があるとはいえ、何も
かもがグラハムには初体験なのだ。痛かったり、苦しかったりもするのかもしれない、いや、
そういう感覚もなければSEXを完全に楽しんだり、達する感覚を得る事は不可能に思える
からきっとあるのだろう。
グラハムの雄を高めてやって、体中にキスをして、それからそっと触れた後ろは、セクサ
ロイドとはいえ、勝手に濡れたりはしていなかった。足を開かせて、そこに指が入るかと
少し押し込むが、指先だけでもとても狭くて、解さなければ入りそうになかった。
俺は先程部屋に持ってきた、タオルやごま油、ティッシュをベッドの上に上げる。少量の
油でもって指先を濡らして、もう一度その硬い窄まりに指を当てる。ゆっくりとその口の
硬い部分を指先で押して柔らかくしてゆく。それから真ん中に指先を当てて力を入れると、
やっとその先の侵入を許した。
指をゆっくりと入れながら、グラハムの様子を窺うと、眉根を寄せてまた彼もこちらを
窺っている。
「痛かったら言えよ」
俺がそう言うと、グラハムは律儀にこくんと頷いて、また俺をじっと見つめている。
どのくらい時間をかけてそこを解しただろうか、どうにか指を二本入れて、中から押し
広げるように動かせば、
「くぅっ……」
とグラハムが苦しげな声を上げる。
その声にグラハムの顔を見れば、しまったと言うふうに、自分の口を手で押さえている。
「痛いのか? 苦しいか、グラハム」
俺がきけば、首を横に振っている。それにグラハムのモノは勃ったままで、ヒクヒクと
白い腹の上で震えている。悪い反応ではないらしい。
「喋るなとは言ったが、声は抑えなくていい。勝手に出るもんだ、あと、俺を呼ぶのも許可する」
「マスタ……」
グラハムの声は擦れていて、俺はその響きに一気に滾ってしまった。グラハムの躯が緩んだ
隙に、もう一本指を中へ侵入させる。ここへ早く挿れたくて仕方がない。俺は性急に指を動か
して、そこの具合を確かめる。もうこれ以上は待ってやれない。俺は油を自身に塗り付ける。
グラハムの片足を俺の肩にかけて、指で解したそこにぬめる先端を当てた。
「グラハム、力、抜け」
グラハムは俺の命令に必死に頷いて、それを成そうとする。しかし上手くいかないようだ。
俺が自分のモノに片手を添えて、腰を押し進めて侵入しようとするが、それはなかなか果た
されない。
「グラハム、息はいて、ゆっくり」
俺はグラハムを導いた。はぁーっと息を吐き出して、グラハムが躯の力を抜いて行く。
そこに俺が腰を進める。そこでやっと先端が入りかける。俺は焦らずに、と自分に言いき
かせ、
「深呼吸だ」
とまたグラハムに言った。吸って吐く、その息と同時にぐっと押し付ければぐぬっと俺の
太い部分がそこに入った。それと同時にきゅっとそこが締まって俺を吐き出そうとする。
俺は上体を倒して、グラハムの躯を押し開きながら、なおも奥を求めて腰を落とした。
「あぁっ!」
と溜まらずにグラハムが叫んだ。
「痛いか?」
俺が心配になってきけば、グラハムは違うと首を振る。本当だろうか? と少し疑った
がしかし、痛いと言われたとしても、今更止めてやるつもりもなかった。なだめてでも
最後までやってしまわなければ、もうどうにもならない。少しでも苦しませずに、早く終
わらせてやろう。俺はまだ痛い程に狭いそこで、ゆっくりとだが動きを始める。少し慣ら
せばこちらも、グラハムも少し楽になるはずだ。押し込めては少し退いて、俺は少しず
つ深く侵入を許して行くグラハムの中を感じた。
グラハムの様子を窺えば、目を閉じて、浅く短い息で俺を必死に受け止めている。俺の動
きに時折、あっとか、んんっとか声を出していて、感じている何かを外へと口から送り出
している。余りに愛しい気持ちが溢れるのが止まらない。俺は自分の躯も心も自制下を離
れてグラハムに夢中になっていくのがわかった。
俺の下で声を上げるグラハムは、シーツをぎゅっと掴み、俺に揺さぶられるままに身を
委ねて、目の淵には涙を溜めて、処女のように(実際初めてだろうに)初々しい。
顔をそらして必死に耐えるグラハムに俺は囁く。
「グラハム、俺を見て」
潤んだ瞳が俺を見つめ、それから、赤い顔を更に真っ赤に紅潮させて、またううんと身を
捩ってぎゅっと目を閉じてしまう。
「うっ、うっ……んんっ」
苦しいのか、感じているのか分らない反応ではあったが、閉じられたグラハムの目尻
からこぼれ出た涙も愛おしくて、俺はその目尻にキスをして、その涙を吸い取った。
「グラハム」
「……マスタ……」
「大丈夫か?」
こくりとうなずきグラハムは、俺の背に腕を回して来た。力が込められる指先が痛い
のに嬉しい。
俺はグラハムの為にもそろそろ終わらせてやらなければと、加速度をつけて躯を動かした。
激しい動きに合わせて、グラハムの声はうわずって、俺の腹に彼の熱いモノがあたるのが
感じられる。俺は、その声と感触に、理性を完全に失ってしまった。そしてそのままグラハ
ムに了解をとるのも忘れて、彼の中に放出してしまったのだ。これではまるで10代のガキの
SEXだ。まずくなかっただろうかと少し心配になる。
息を整えて、グラハムの様子を窺えば、息を荒げたままぐったりとベッドに身を預けている。
「グラハム……」
「マスタ……ぁ、熱い……」
喋るなと言われた事も忘れてか、グラハムは身じろぎながら俺に訴えた。後ろは俺を銜え
込んだままで、グラハムのあそこは硬く大きく猛っている。そこを俺は手で掴み、達せるよう
にと扱いてやる。
「んっ、んっ、……あっ……マスター、あっ」
「痛かったら言えよ」
「痛くな、い、んっ……!!」
始めての感覚に襲われているだろうグラハムが、片手でぐっと俺の腕を掴んで、俺の下で
身を捩って悶えている。
「ああっ! マスター! マスター!!」
俺を呼びながら、始めての精通をグラハムが向かえた頃には、俺の息子はすっかり復活して
しまっていて、そのまま第2ラウンド開始。グラハムを気遣ってやるつもりが、すっかり自分の
欲望を相手に吐き出すばかりの結果に陥ってしまった。
心地良い疲れに、狭いベッドで身を寄せて眠った翌朝、いつもより早めに起きてシャワー
を浴び、俺はキッチンへ向かった。
つぶれは昨夜の出来事に気が付いているだろうか?
キッチンでは、朝食を作りながらグラハムがつぶれに、
「赤飯とはどうやって作る物だろうか?」
と尋ねていた。
俺は飲んでいた緑茶を吹きかける。
「それは君が検索して調べればいいよね!」
「そうだな、ちょっと調べてみよう……」
グラハムはそのままオンラインで検索したらしい。
「餅米は家にあるだろうかマスター」
「いい、そんなもん作らなくていい」
俺は思わず声を荒げて叫んでしまう。
気付くも何も全てはこれでつぶれに知られてしまっただろう。
「しかし、初夜の翌日には赤飯を炊くようにとつぶれ殿の指示だ」
「そんなもの従わなくて良い!」
つぶれの楽しそうな視線が痛い……。新聞に落とした顔が上げられない。もうこれ以上
何も言うまい。
「そうなのか、それならばマスターの指示を優先する」
「グラハムは初夜が嬉しくはないのかよ?」
「とても嬉しいぞ」
二人のグラハムの会話は勝手に続いていく。
「じゃあ赤飯炊くよね!」
「何故だ? マスターは必要ないと言った」
「とても嬉しい事は祝うべきだよね! 特に初夜は結ばれた祝事だよね! お祝いには赤飯と
この家では昔から決まっているよね!」
「なんだそれは!?」
俺はとうとう堪えきれずにまた叫んだ。
「前に私が来た時マスターが言っていた事だよね!」
そんな事俺言ったか? 記憶にない……。
「分った、もう分った、いい、その伝統はひとまず今はいらない。祝いたいなら紅白のマッシュ
ポテトにしよう」
今夜帰った時にこの食卓にどんなマッシュポテトが待っているか俺には想像もつかなかっ
たが、赤飯が待ち構えているよりは幾分ましな気がした。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタダヨネ!
Happy birthday Graham!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某楽団、第六の地平線より
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 死後捏造です。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【設定説明&諸注意】
・レオン様視点
・冥王→レオン、冥王→エレフ←レオンのつもりですが、恋愛要素は皆無
・冥王様は自分のところに来たものは何でも取り込んじゃうよ派。来る者は拒まないが去る者は決して許さなry
・冥王様は悪役です。
・たぶんバッドエンド
・女の子もガッツリ登場するので苦手な方はご遠慮ください。
臓腑が焼けるように熱いのは、刺された故の痛みか、それとも悔しさ故か。
死の間際、遠のく意識の中で聞こえた母の言葉が、繰り返し脳裏を駆け巡っていた。
(レオン、エレフ……おやめなさい……)
黒い剣に身体を貫かれながらも、労るように窘めるように呟かれた母の言葉。
己に対してはともかく、何故母はあの男にまで慈愛な満ちた瞳を向けたのか。
その意味を悟ったレオンティウスの意識は、やりきれない思いを抱えながらただ暗闇を漂っていた。
永劫にも似た沈黙と呪わしいほどの安寧に身を委ねてどれだけ経ったころだろうか。
不意に、彼の耳が幽かな音を捉えた。
風の音か……否。それは少女の泣き声だった。
吹けば消し飛んでしまいそうなほど幽かに、けれど強い感情が込められた声。
これまで漆黒の闇一辺倒だった光景に変化が訪れる。前方に薄ぼんやりと浮かび上がったのは女性の人影だった。
──エレフ、お願い応えて、エレウシウス!
悲痛な声音で女は誰かに必死で呼びかけている。その姿が酷く居た堪れなくて、レオンティウスは彼女へと声をかけた。
「どうしたのだ、何故泣いている」
少女は怯えたように肩を震わせながら振り向いた。その容姿を目にして思わず瞠目する。
銀糸に紅が混じった髪色に、紫水晶の瞳。
彼女の見目が、レオンティウスが最後に雌雄を決したあの男──アメジストスと驚くほど酷似していたからだ。
そして同時に理解する。彼女は紛れもなくあの男の、そして私の──
「君が呼びかけているのはアメジストスにか。あの者の身にいったい何が」
──兄が、エレウシウスが、“彼”に取り込まれかけているのです。
「彼?」
──そう、“Θ”……タナトス。
タナトス。死を司る冥府の王。そんなものにあの男が囚われているというのか。
レオンティウスは無意識のうちに唇を噛みしめていた。
彼が運命を呪っていたのは嫌というほど知らされた。それだけに心の闇も大きかったであろうことも。
だが、それを他者につけ込まれるのはあまりに不憫だった。
命を賭して刃を交えた、誇り高き狼。彼をむざむざ死の王に渡してはならない。
意を決し、拳を固く握りしめた。
──エレフは優しかったからこそ、運命を呪わずにはいられませんでした。
──けれど私の為に運命の女神に刃向かい、闇に堕ちる姿を見るのは苦しくて、悔しくて!
──お願いエレフ、私の声を聞いて。お願いだから目を覚ましてよ……。
俯く少女の肩に手をかけ、レオンティウスは言う。
「大丈夫だ。私が必ずあの者を連れて帰ると約束しよう。だから顔を上げて、笑顔で迎えてやってくれ」
──レオンティウス様……ありがとうございます。
恭しく頭を垂れる少女の言葉に少しばかり驚いた。
「私を知っているのだな」
――はい。今はもう、全てを知っています。
「そうか。君の名を問おう」
──はい。私はアルテミシア。アルテミシアと申します。
「よい名だ。このレオンティウス、君の名に誓おう。必ずあの者を連れて戻って参ろうぞ」
──どうかご無事で、レオンティウス様。……いいえ、レオン兄様!
少女の、妹の声を背に受けて、彼は深遠なる闇へとその身を翻した。
時間の感覚はとうに失せていた。いや、既に死した身に時の経過など関係ないのだろうか。
そんなことを思いながらレオンティウスは闇の中を泳ぎ続ける。
浮いているのか沈んでいるのかもわからず、前に進んでいる実感すらない。
己がどこを漂っているのかも定かでないまま、それでも足を止めることはなかった。
とはいえ、じくじくと沸き上がる不安はどうしても拭えない。本当にアメジストスはこの先にいるのだろうか。
いたとして、無事まみえることができるのか。このまま永遠にすれ違う可能性を否定しきれない。
不安を振り払うように、レオンティウスは声を張り上げる。
「どこにいる、アメジストス!」
──“Θ”ハココニイル。
「何っ!?」
まさに唐突であった。前触れもなく、眼前に闇よりも更に暝い闇の塊が広がったのだ。
闇より深い闇はそのままレオンティウスを包み込み、彼の手足を絡め取る。
「くっ」
強い力で濃い闇の中へと引き込まれる。今まで以上に視界が利かなくなり、胸中に焦りが生まれた。
この黒い闇の塊は何だ。私を捕らえるとは、いったい何が目的なのか……
──オ前ガ“Θ”ヲ探シテイタノダロウ?
出掛かった悲鳴を飲み込むので精一杯だった。
不意に目の前に浮かび上がった白皙の相貌。ただそこにあるだけなのに、圧倒的なまでの恐怖感。
全身が総毛立った。目の前の存在が何者であるのか、語られずともひしひしと伝わってくる。
これは“死”そのものだ。間違いない、これこそ探していた冥府の王、“タナトス”。
勇猛と謳われた身でありながら何という様だとレオンティウスは自嘲する。
少しでも気を張りつめていないと、膝が笑い出しそうだった。
「タナトス。アメジストスを返してもらおう、彼はお前のものではない」
腹に力を込めて声を張り上げると、冥王はさも愉快そうに大笑した。
──無駄ダ。息仔ノ身体ハ“Θ”ノ器。彼ハ“Θ”ソノモノ。
──“Θ”ト彼ハ等シキ存在、切リ離スコトナド出来ハシナイ!
まとわりつくような粘ついた声でひとしきり笑うと、すっとその貌を鼻先にまで寄せてきた。
生気の感じられない骨張った手でレオンティウスの頬を愛おしむように撫でる。
レオンティウスはタナトスをきつく睨んだ。腹立たしいことこの上ない。
異様なまでの肌の白さはともかく、その顔立ちや紫水晶の瞳は、紛れもなくあの紫の狼そのものだったからだ。
──“Θ”ハ死ヲ以テ苦シム生者ヲ救オウ。
──“Θ”ハ死セル者ヲ等シク愛ソウ。
──オ前モ“Θ”ト一ツニナレ。
「ふざけるな。私はお前に取り込まれはしない。アメジストスも取り返す!」
──オ前ハモウ死ンダノダ。“Θ”ニ抗ウナ、“Θ”ヲ受ケ入レロ。
「断る。私は──」
──レオンティウス、貴様さえ生まれてこなければ。
不意に聞こえてきた、己を憎む呪詛の声。
聞き間違えようはずもない。覇権争いの末に自らの手で殺した彼の男。
「スコルピオス、貴方も冥府に囚われたのか……」
──生マレテコナケレバ恨マレルコトモ無カッタ。
──生ニシガミツカナケレバ更ナル苦シミニ苛マレルコトモ無イノダ。
──“Θ”ハオ前ノコトモ等シク愛ソウ。サア、“Θ”ニ身ヲ委ネヨ……。
逃れようと頭では考えても、身体は思うように動かなかった。
タナトスの指がおぞましいほど優しげに頬を撫で、首筋を伝って肩へと降りていく。
身を包む闇は揺り籠にも似た安らぎを与えてくれた。
このまま全てを預けてしまっても良いのかもしれない。心地よい酩酊感が、身体を、心を満たし始める。
何もかも投げ出せば楽になる。全てをタナトスに捧げれば……
──忘れるな!
内から沸き上がる記憶に肩が跳ねた。
──いずれお前は私の物になる。忘れるな!
苛烈で気高い北狄の女王。あの日の彼女の言葉が、意識にかかっていた霞を吹き飛ばす。
──どうかご無事で、レオン兄様!
自身の帰りを待つ者がいることを思い出す。そうだ、みすみすタナトスの手に堕ちるわけにはいかない。
「私は私だ、決してお前の物にはならない!」
腕に絡みつく闇の糸を引きちぎるようにして差し出した掌から迸った一条の雷光が、槍となってタナトスを貫く。
その拍子に全身を拘束していた深い闇がレオンティウスを解放した。
即座に後方へ飛んで距離を置くと、身体が意識した通りに動くのを確認する。
手指を繰り返し開閉しながら、先程己を呼び覚ました言葉を胸の内で反芻する。
(私の物、か。貴女の物になったつもりも憶えもないのだが)
苦笑を禁じ得ない。だが、嫌な気分ではなかった。
(今は貴女に礼を言おう、アレクサンドラ)
笑いを収めると、表情を引き締め改めてタナトスへと向き直った。
そっと、眠り子を揺り起こすように、レオンティウスはタナトスへと呼びかける。
「目を覚ませ、アメジストス。夜はもう終わりだ」
正しくは、タナトスの内に眠る紫水晶の狼へと。
──何故“Θ”ヲ拒ム。
「私は“Θ”を認めない。私に用があるのはお前だけだ」
──彼ハ“Θ”ノ物。
「いつまで殻に閉じこもる気だ、アメジス……エレウシウス! お前にも彼女の声は聞こえているはずだ!」
変化は些細ながらもはっきりと見て取れた。
タナトスの瞳に、これまでとは違う光が確かに宿ったのだ。
レオンティウスは盛大に息を吐いて、再び呼びかけた。
「手を焼かせてくれたものだ。意志が強固なのは結構だが、融通が利かなければ指導者として相応しいとは言えんな」
「アルカディア王……レオンティウス。何故私を呼んだ」
「わからぬほどお前は愚かか?」
呆れたように肩を竦める。と、そこへ、
──ありがとうございます、レオンティウス様。
彼の隣に少女が静かに降り立った。先刻よりずっと鮮明な姿で。
「今まで私は、強い力に拒まれて呼びかけることは疎か近づくことも適いませんでした。けれど、今はもう違う」
瞳に哀しみと慈しみを湛えて、アルテミシアは兄の元へと近づいていく。
タナトスの、否、エレウシウスの白い頬に指先で触れて、微笑む。
「やっと起きてくれたね。ずっと呼んでいたんだよ、エレフ」
「ミーシャ……」
エレウシウスの顔が、泣きそうに歪んだ。
「許せ、ミーシャ。君は、君にだけは、こんな暝い冥府の底にまで降りてきて欲しくはなかった」
「エレフの馬鹿。ずっと一緒にいようねって約束したじゃない」
表情を一変させ、拗ねたように兄の眉間を突く。
初めに会ったときの、悲嘆にくれた顔とは全然違う。
彼女は明るく笑う方が美しいと、兄妹のやりとりを見ながらレオンティウスは思った。
しかし、兄の方は、表情が和らぐどころかますます険しくなっていく。
「私は全てが憎い。君を殺した祖国が、君も父も母もを死なせた運命が!」
もう、あの頃のように笑うことは出来ないと彼は言う。
「私は全てのものに復讐しなければ気が済まない。何もかも、叩き壊してしまわねば私の心は救われんのだ!」
血を吐く勢いで、エレウシウスは嘆いた。
「祖国に住まう者全てを、祖国の大地を! 我らを産み落とした“運命の女神”もろとも何もかもを焼き払わねば!」
「エレフ……」
アルテミシアが苦しげに柳眉を寄せた。
エレウシウスの泣き叫ぶ姿は、まるで子供の駄々のようだった。けれど笑うことは出来ない。
彼を陥れた運命には、間違いなくレオンティウス自身も加担していたからだ。
その罪と責任は負わねばならない。たとえその罪が、意図したものではなかったとしても。
「お前が祖国と同胞を憎むなら、彼らに代わって私がその憎しみを引き受けよう。それがアルカディア王である我が務め」
けれど、と彼は一呼吸置いてから続けた。
「それとお前がタナトスへと身を堕とすのは話が違う。お前は人間だ。私と彼女とともに人の世へ戻れ、アメジストス!」
力強く、その腕を差し出す。
エレウシウスは、縋るべきか縋らざるべきか選びかねているようだった。
アルテミシアが後押しするように笑いかけると、幾許かの逡巡の後、やがて怯えた子のようにおずおずと手を伸ばす。
指先と指先が触れ合いかけた、その刹那。
──許サナイ!
それまで鳴りを潜めていたタナトスの影が、突如大きく膨れ上がった。
──“Θ”コソハ“死”ダ。
レオンティウスは咄嗟にアルテミシアを腕の中に庇う。
しかし闇は二人には襲いかからなかった。
エレウシウスが腕を横に伸ばすと、闇の群れは彼に従うように動きを止めたのだ。
闇を背後に従えるその様は、正しく冥王の名に相応しい荘厳さに満ちていた。
ふと不吉な予感が胸を過ぎる。焦りを覚えて、レオンティウスが再度腕を伸ばす。
「来い、早く!」
エレウシウスは何も応えない。
「アメジストス!」
「エレフ!」
ようやく、彼は小さく頭を振った。
そして、おもむろに口を開く。
「レオンティウス、アルカディアの獅子王よ。お前はこの冥府に相応しくない」
──“Θ”ハ死セル者ヲ平等ニ愛ソウ。
手を頭上に翳すと、目映いほどの光が暗闇の空間を切り裂いた。
「今ならまだ間に合う。この冥府を出て天にいけ。お前は地上の者たちの道行きを照らす星の光となるのだ」
――“Θ”ト共ニアレ。
「お前も行こう」
「駄目だ。私はどうしても、“運命の女神”に復讐を成し遂げたいのだ。そうでなければ私の物語は終えられない」
──“Θ”オ前ヲ愛シテイルノダヨ。
光は束となって、レオンティウスとアルテミシアを柔らかく包み込む。
「アメジストス、いや、エレウシウス。お前を置いては行けぬ!」
「エレウシウスはもう死んだ。……そう、我こそが──“Θανατοσ?”」
──ソウダ息仔ヨ。“Θ”ハオ前、オ前ハ“Θ”。永遠ヲ共ニ生キヨウ。
「認めぬ。お前は私とともに来るのだ、エレウシウス!」
「行くのだ、我が友よ。妹を託せるのは最早お前しかおらんのだ」
「断る!」
「お願いエレフ、腕を伸ばして!」
「行ってくれ! ……頼む、ミーシャ。頼む、──」
白い光は強制的に二人をエレウシウスから引き剥がした。
エレウシウスの最後の言葉は、風切り音によって掻き消された。
だが聞こえずとも、レオンティウスは彼が何と口にしたのかを悟ってしまった。
彼は最後の最後でこう言ったのだ。
兄上、と。
「ずっと一緒ねって言ったのに、エレフ!」
「何が王だ、私は大事な者を……弟一人さえ救うことが出来ないではないか!」
己の無力さに涙が零れた。
白き光は二人の涙をも巻き込んで、強烈な奔流となる。
もう一度、レオンティウスは最大の友にして最愛の弟に腕を伸ばした。
適わぬと知りながら、どうか届くことを願って。
──エレウシウス!
彼の人としての意識は、そこで途切れる。
そして、或る男の手によって冥府の扉は開かれ、【死人戦争】が幕を開ける。
地上に生きる者たちと、冥府から溢れた亡者たちの凄惨な争いによって、神話の終焉が始まった。
その光景を、空に輝く獅子宮と乙女宮は、ただ静かに見下ろすしか出来なかった。
タイトル表記5/7をミスりました。
あと、説明忘れを補足。“Θ”の読みは「我」あるいは「彼」です。どちらも冥王を指します。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ レオンサマスキスキダイスキチョウアイシテル
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乙
冥王様かっけぇwwww
くそ萌えた
>>324 元ネタ知らないのに読んでて切なくなったよ…GJ!
>287
亀だけどよいものを見せていただいた…GJ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|
>>253の続きです。バイオレンス練炭
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|短いとか嘘ついてごめんなさい
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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「主、大丈夫か?」
がくぽは、蹲るマスターの背中を優しくさする。
隣のリビングには、掛け布団をかけ、ソファで眠るレンがいる。
規則的な寝息が聞こえた。
「ちょっとつらいけど、ましになった…ありがとうがくぽ」
「主、我も寝たいぞ。十二時じゃ」
確かに時計を見れば十二時回っている。
ふぁ、とあくびをするがくぽ。
でもマスターとしてはまた愛し合いたいわけで。
「がくぽ。一回してから寝ようか。可愛いがくぽが見たい」
「主、でも隣の部屋には兄者が…」
戸惑うがくぽを抱き締めると、耳元でささやいた。
「大丈夫、がくぽが声を殺してればばれないよ」
「主…」
「あっ…ふあっ!」
電気の消した部屋、ひとつの布団に二人の姿。裸にされたがくぽが横たわっている。
肌をまさぐられ、敏感な乳首を吸われて、思わず大きな声が出る。
がくぽの口を手のひらでふさいで、しーっと静かにするように促した。
なんてったってとなりにはレンが居るのだ。
こんなスリリングなことはない。
ばれたらどうなるか、大体血祭りにされるのは容易に想像できる。
「すまぬ、主…んっ、んんっ! 」
乳首を攻めながら、手は後孔に触れていた。唾液で湿らせた指が、中へと進入する。
彼のいい所を指が擦る。自然と声は漏れたが、気を使っているのか小さな声だ。
指を一本から二本へ増やす。
しばらく慣れさせ行くと、そろそろ良いかな、と、生気をゆっくりと中へ入れた。
「ああっ…!主…」
全部収まったところで、性急に内部を擦る。中は締め付けてきて心地良い。
がくぽは目を閉じて、マスターの上下する肩に手を置いていた。
ガゴン!!と、急に音がして、目を開けると、がくぽの上にマスターが力なくぐったりと落ちてきた。
「?主?」
反応がない。
「こんのエロおっさん…」
そして上を見ると、拳を握り締めたレンが、ものすごい形相で立っていた。
「兄者!いや、これは、その、無理矢理とかじゃなくてだな」
「それでも弟に手を出すおっさんは許せねぇ…ちょっと血祭りに」
「兄者、これは同意の上で…」
「何で同意の上なんだ?」
しゃがみこんで、がくぽの顔を覗き込む。
マスターとセックスをするということ自体が疑問なようだ。そこまでしてマスターのことが嫌いらしい。
「…む…、マスターもそれを望んでた、我もそれを望んだからじゃ」
「じゃあ血祭りはよしてやるから服着てこっちおいで」
「兄者、主が目を覚まさないのだが」
マスターの下敷きになっていては下手に動けない。
マスターは白目こそむいていないが、気絶しているのは確かだ。
それに、がくぽとマスターはつながったままだ。
「よ、と」
レンがゆっくりとがくぽの体を頭の方向にひっぱる。ずる、と中からマスターの性器が引き抜かれ、がくぽは体を震わせた。
「あ、服」
そばに散らばった服を着込む。
ボディスーツは面倒なのできないでおいた。
「主、目を覚ましておくれ、主」
ぺち、と頬を軽くたたくが、目を覚まさない。
仕方なくマスターに肩まで布団をかけてやる。
「がくぽ、俺は床で寝るからがくぽはソファに寝ろ。いいな」
「主は」
と、言うと、あからさまに不機嫌そうに言う。
「あんなのほっとけ」
「兄者は主のことを嫌いなのか?」
「おう、嫌いだ」
確かに嫌いでなければ意識を失うほどの力でマスターを殴れないだろう。
「主はいい人じゃ。我に茄子もくれるし、兄者を買ってくれた。夜伽も嫌ではないのだ」
ソファに寝ながら、レンに話す。
しかしレンは余計怒ったようで、特にセックスの相手をさせてることに憤りを感じたらしかった。
「あんな事はボーカロイドのお前がする事じゃない。がくぽは毎日あんな事されていたのか?」
「毎日ではないが、大体は。最初は怖くて痛かったが、今は気持ち良いし、愛してくれるし…」
語尾が消える。
レンががくぽを見ると、恥ずかしそうに掛け布団で顔を隠すのが見えた。
「愛ねえ」
レンには分からないようだ。
そのまま二人は眠りに就いた。
「二人のえっち路を邪魔しやがって!」
性器丸出しで寝てた。
という恥ずかしさと殴られたことの怒りで、マスターは真っ赤になって怒っていた。
朝起きたばかりだというのに、レンはボーっとした頭のまま、ひたすらマスターに怒られていた。
だんだん意識がはっきりしてくると、逆に苛ついたのか、座って説教たれているマスターの顔を足の裏でけった。
「うっせぇよおっさん」
「誰がおっさんか!俺はこれでも二十六だ!」
「主、大丈夫か?なんか痛いところはないか?」
がくぽが布団を綺麗に片付けながら、マスターにこぶがないか探す。
後頭部を触ったとき、こぶが一個あるのを見つけた。
「がくぽ、その辺痛い。お前のせいだレン!」
「うるせぇよ」
またもマスターの顔にレンの蹴りが入る。
「足どけろ」
「やだ」
無理やり足をどけさせると、レンの頭をはたく。が、その二十倍の強さで、今度は鉄拳が入った。
正直ものすごく痛い。
「ッ…!レンめぇぇぇぇぇぇぇ」
本当に厄介なボーカロイドを買ってしまった。意気揚々と購入したあのときの自分を呪いたい。
「がくぽは俺のもんだ。俺の弟に手ぇ出すな」
レンが凄む。
一瞬ひるんだマスターだったが、すぐにいつものお気楽マスターに戻った。
「レン。がくぽは俺のだから。この数か月培ってきた愛はお前にはわからんだろう」
「分かりたくもない」
マスターは傍に寄ってきたがくぽを抱き締める。
「俺とがくぽはこういう関係なの!」
「おいがくぽ、本当か?」
「主、少々苦しいぞ。兄者、本当じゃ。我は主のことを愛しく思う」
「ちッ、がくぽがお前なんかに惚れてなければミンチにしてるところなんだけど」
さりげなく恐ろしいことを言うレン。
このひね曲がった性格はどこから来たのだろう。やはりダウンロードを途中でやめてエラーでも出たのだろうか。
それとこのがくぽに対する執着心と、マスターに対する極端な態度。
普通はがくぽみたいにマスターに絶対服従のはずなのに、踏みつけてくるわ殴るわ、もうしょうがない。
「レン!口で感情を表したらどうだ。口より先に手が出てるぞ」
「うるせぇよ」
やはり口より先に足が出るレンであった。
座るマスターの顔面に、何度目かの蹴りが入る。
「うぐあっ」
「兄者、暴力はやめておくれ」
焦るがくぽに、何度もけりを入れるレン。マスターはひそかに、レンを捨ててしまおうかと考えたが、そんなことしたら百倍返しが帰ってくるのは目に見えていた。
「とりあえず飯作る…げふっ、えーと、がくぽにはナスのマーボーで良いか。レンは何が好きだ?」
「バナナ」
「バナナ?」
買った覚えがない。
探してみるが、しなびたバナナ(二ヶ月もの)なら出てきた。無造作にレンの手のひらに渡す。
と、案の定レンのパンチがマスターの頬にヒットした。
「ふざけんなてめぇ」
「す、すみませんでした…」
昨日今日で一体どれだけ殴られたり蹴ったりされているのだろう。
本当に忠誠心のないボーカロイドだと思いつつ、がくぽにお使いを頼んだ。
千円を財布に入れると、
がくぽに持たせる。コンビニへは何度かいったことがあるから、道順は分かるだろう。
「がくぽ、悪いんだけどコンビニまで行ってバナナを買ってきてくれないかな」
「分かった。兄者が選んだほうが良いのではないか?」
そこまで言われて、絶対このボーカロイドにお使いを頼んだらめんどくさいとかで鉄拳が飛んでくると察した。
しかし、がくぽにはとことん甘いらしい。素直にがくぽについていくと言い出した。
よかった、がくぽは居ないのは寂しいが、これで殴られない。
新曲の鼻歌を歌いながら、マスターはせっせと料理を始めた。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 続きますぞ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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>>287 遅くなってしまったがGJ
甘酸っぱい二人に禿げました
>>332 GJ!
元ネタを知らないが萌え、いや燃えさせてもらった!
>>345 レンのマスターの扱いにちょっと目から汗が出てきたけとGJw
続き楽しみにしてます!
最終回考えるとあまりにせつなすぎて、スレのほんわかネタ連鎖に心和んで、ありえるはずもないハッピーエンディングのその後エピを考えてたんですが、間に合わず…。本編も終わっちゃいましたが、今更ながらにのっけてしまいます。
しかし終わってみると、本編最終回が最強のハッピーエンディングだったという予想外の喜びw
注)なにがどーなってか復讐終結、全員和解、その際刑事は弁護士に勢いあまって告白しちゃうも、なんだかんだでうやむや状態で、お互いどう接するか模索しつつも近寄ってみてる、てな具合で脳内保管ヨロ。
ちなみに基本的に、笑いネタ程度として読んでもらえると助かります。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「うっ、うっう…」
ズビー。
鼻をかみながら号泣する大の男を、弁護士は半ば呆れたように見つめた。
よくもまあ、アニメを見たぐらいでこんなに感動できるもんだ。
もちろん、弁護士にとっても「フランダースの犬」は名作だが。
がさつなように見えて、実は感受性の豊かな、子供のような刑事の新しい一面
を見て、なんだか微笑ましくもあった。
そっとハンカチを差し出すと、刑事は子供のようにキラキラした瞳を向けて、
小さくお礼を言った。
「…優しいんですね」
そんなふうに、素直に泣けるなんて。
決して嫌味のつもりはなかったのだけど、弁護士のその言葉に刑事は、少しだ
け悲しげに視線を落とした。
「そんなんじゃないです、俺は…」
まだふたりの間に存在する、拭い去れない蟠りを意識して、弁護士も切なくな
って瞳をそらした。
「あなただって、思いきり瞳ぇ潤ましてたじゃないですか」
といってもあんたの場合はいつもだけど、と刑事も反撃に出る。
「っ私は…っ」
かぁ…っとたちまち耳まで赤くしてそっぽを向く、思いがけない弁護士の露骨
な反応に、言った刑事も思わず慌ててしまった。
今だって目じりを赤くして、うるうるした瞳を刑事から隠すように俯くその横
顔は、たまらなくかわいい。
「…わ、たしは、ただ…悔しくて…」
理不尽な大人たちに虐げられる、まだ幼い主人公が。
「…鳴世さん…」
思い出したのか唇を噛みしめる苦しげな表情に、彼の抱えてきた11年の苦痛
の日々をまた突きつけられる。
弁護士自身はそう思ってのことではないだろうけど、大切な人を失い、頼るあ
てもなく孤独に天に召された幼い魂に、思わず目の前の彼を重ねてしまい、胸
を抉られるような息苦しさに、刑事は耐えきれずその人を抱きしめた。
「っ俺が…」
突然の行動に、弁護士は目を丸くしてされるがままだった。
「…俺が鳴世さんのパトラッシュになります!!」
「…は…?」
「最後まで絶対、あなたを1人になんてさせませんから!!…時間は、かかる
かもしれないけど…必ずあなたを幸せにします…!!」
「・・・」
勢いでぶちまけてしまったけれど、長い沈黙に、自分の行動を振り返って、刑
事は激しい自己嫌悪に襲われる。
「…す、すいませ…俺に、そんな資格なんか、…」
こわごわと、ようやく腕の中の身体を少し離して見つめると、ぎょっとした。
「なっ…なな鳴世さん…!?」
弁護士の両の瞳からは、壊れてしまったようにあとからあとから雫が伝って落
ちた。
「…っぁ…私…、ちが…っ」
瞳も耳も赤くして、逃げるように後ろを向く弁護士を、今度こそ壊れものを扱
うようにそっと、背後から刑事が抱き寄せた。
「…あなたの傍にいても、いいですか…?」
祈るように、懇願するように。ただ許しを請う。
「あなたの傍で、11年分の償いをさせてもらえませんか…?」
沈黙に押しつぶされそうになりながら、それでも覆すことなどできない、この
決意を、思いのままに訴える。
この腕の中の小さな存在が、たとえ自分を受け入れてくれなくても。
空白のままだった弁護士の11年は戻ってはこないけれど、彼の大切な人の時間
を永遠に止めてしまった事実は消えないけれど、ただ彼の新しい人生が幸せで
あるように、そのために全力をかけることを、ここで誓うと。
「その言葉を…」
ようやく搾り出すように、弁護士が囁いた。
「…そのままお返しします…」
「え…」
そっと、刑事の腕の中から抜け出して、弁護士は正面から向き直る。
濡れた瞳はそれでも、これまでで一番澄み渡っていた。
「僕が、…傍にいても、いいんですか?」
「鳴世さん…」
「償わなければいけないのは、僕の方です」
「…」
「傍に、いてください」
ちゃんとこの想いが届くように、と。
それはどうしたって、これから先も尽きることなく痛みを伴う。
互いにわかっていても、それ以外の選択肢は思い浮かばなかった。
やっぱり刑事は、目の前の儚げな人を抱きしめることしかできなくて。
それでも。
生きることを放棄したかのようだった弁護士が、頼りなく、でも意思を持って、
そっと抱きしめ返してくれたから。
「傍にいさせてください」
もう一度だけ、刑事は呟いて、それから。
そのぬくもりを確かめるように、華奢な身体を、ぎゅっとぎゅっと抱きしめ続
けた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
おそまつさまでした。
これに至るまでの前後も考えてたけど、時間切れだしダラ長くなりそうなんで、
いきなりな流れで申しわけなかったっす。
オンタイムでは終わってしまったけど、ひとしきり終わったこれからのが更に
萌えが加速しそうな予感…。
最初改行間違えてすみませんでした。
そして今頃気づいたけど、
>>309-313同志よ!!
素敵すぐる刑事と弁護士の関係に禿げ上がりました。
GJ&d!!
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| __________ | ナマモノ注意です
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| | |> PLAY. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ ) <こないだのレディオから妄想したよ
| | | | ◇⊂ ) __
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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…気に入らない。
丘村さんは、ちょっと「好きなタイプの男性は丘村さんです」
とか言われたらすぐ舞い上がりよる。
今回の娘は胸のおっきい人が好きな丘村さんの超ど真ん中、まさにボインな娘だった。
そら、だれだって好きだと言われれば悪い気はしない。
まして、ボインちゃん。仕方ないっちゃ仕方ないが…
それにしても、今夜の彼はちょっと食いつきすぎだろう。
「丘村さん、まだ見てますの」
本番が終わっても、例の具ラビアアイドルの写真を見ながら
煙草をぷかぷかしている。
「えー?ええやんけ、可愛いやん。俺の事好きやって言うてくれてるし」
こっちには目もくれず、ニヤニヤして言う。
ラジオの放送中からこの娘の話ばっかりで
それまでせっかく高校時代の話をして、
ちょっと間の懐かしさに浸ってたのに気分ぶち壊しやっちゅーねん。
もうええ加減にせえよ…と、言ってやろうかと思ったが
ヤキモチ妬いてるみたいで悔しかったから
「好きにしたら?」
とだけ言って、先に局を出ることにした。
昨日は尾ファーシリーズの本番収録の日で、
それまで練習やら何やら色々頑張ってた彼を僕は見守っていたわけで、
収録が終わっても今日のラジオまでは休み無しやったから
ラジオ終わったら何かしら労ってあげようと考えていたのに。
なぁんや、自分ばっかり丘村さんの事考えてたみたいで嫌んなる。
もう放っとこうと、車を出す。
家に着くまでの間に何度か携帯が鳴ったが、どうせ丘村さんだろう。
「運転中やから出れへんゆーねん」と無視していた。
ようやく家に着いて携帯を改めてみると、
いつもなら2、3度掛けて繋がらなかったら諦めるくせに、珍しく何度も何度も掛けてきたみたいだ。
その着歴の回数を見ただけで、ついつい顔が綻んだ自分は丘村さんに甘いんだろう。
一応怒っているのでこっちからかけてやる気はないが、
次電話が鳴ったらしゃーなしで取ったろかーと思っていたら、丁度かかってきた。
『もしもし?谷部?』
丘村さんの第一声から明らかに元気がなくて噴出しそうになったが、なんとか堪えて答えた。
「なに?」
『…怒った?』
「なんも怒るような事してへんやん、何ぃ?何かしたん?」
できるだけ冷たく返す。
…と、更に弱々しい声が聞こえてきた。
『ごめん…ちょっと調子乗りすぎた』
「何がやねんな」
『あのグラビアの娘…別に興味ないからやぁ……』
「……」
『ちょっとお前がヤキモチ…妬いてくれるかなー?と思ってんけど…やりすぎたわ…』
「うん…ちょっとやりすぎやなぁ」
『ごめん…ごめんなぁ』
そんな声で言われたら、許すしかないやんか。
「えーよ、もう怒ってへんよ」
『ほんま?』
「ほんまやから、心配せんでええから」
『ほんまに?』
「うん、でも…ヤキモチは妬いたわ」
正直に言うと、電話の向こうで『へへっ』と笑う声が聞こえた。
癪に障ったけど、嬉しそうやから、まぁええか。
気づくと自分も笑っていて、あーやっぱり自分は丘村さんに甘いなぁ、と思った。
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| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 2つに収まらなかった…
| | | | ピッ (・∀・ ; )
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完全妄想でした…
>>349 最終回見て萌えが止まらなかったから投下すげー嬉しい!
萌えましたd!
>>358 なんか二人が初々しすぎて照れましたw
カワユス
>>349-354 乙です!
最終回も相まって萌えつつ泣けました。
全てが終わった後、2人にはほっこり甘々で幸せになって欲しいですやね。
>>358 夫婦CM見た後で読んで和み萌えますた!乙!
>>350 今日が最終回のウチは
今から寂しいよ、でも萌えたよ、GJ!
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| 元スレの姐さん方アリガトウ!
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 知識浅いのに無茶しやがって……
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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彼はいつも我侭で、しかも勝手気ままに気紛れだ。それが一般的に彼を表すに相応しい言葉で、
そして誰もが望む彼という人物の姿なのだろうと僕もそう思う。しかし、全く他人に対する気遣い
が無いのかというと、そうでもなかったりもする事を僕は知っている。コートの外の彼は大らかで
勿論優しい時だってあるし、僕には見せようとはしないけれども弱気に惑う時だってあるだろう。
それに、僕は彼を他の誰よりも繊細な人だと思っている。繊細だからこそ、あんな振舞いを見せる
のだろう、と。
密に連絡を取り合う程、僕と彼の間にある距離は近くは無いし、かと言って遠くも無かった。同じ
プロプレイヤーなのだから、互いのスケジュールは何とはなしに把握出来るので、何時、何処に居る
かを察するのはそう難しくはないからだ。同じ大会に出るのならば何処かで顔を会わせるのが常だし、
彼はマメな性格でもないから、ただ彼の気が向いた時に僕は呼び出される。一方的といえばそのとおり
なのだけど、別に僕は不満も無い。彼が僕を思い出し、彼が僕に逢いたいと思ってくれるという事が
重要だと思うから。
この日も、何の前触れも無しに彼は僕に連絡を寄越した。割と機嫌が良さそうな声で僕の所在地を
確認し、そして僕の予定にはお構いなしに、ただ一言。
「逢える、な。」
と、それだけ。どうやら彼も近くに居るらしい。この簡素で横暴な要求を、僕は素直に了承した。
場所と大まかな時間を指定されたので、簡単に身支度をしてそこに向かう。彼は身なりに煩くは無い
ので、ラフな格好で充分だろう。それよりも彼を長時間待たせるなんて恐ろしい事はしたくない。
今日は機嫌が良さそうだから大丈夫だとは思うが、下手をすると一分一秒毎に彼の機嫌は下降線を辿
る事だろう。彼の眉間に段々と皺が深く刻まれていく姿を想像するのは容易かった。それが何だかお
かしくて、僕はついつい口元を緩ませる。実際、その場面に出くわしたなら、笑う事なんて出来ない
のだろうけれども。
指定された部屋に、彼はまだ居なかった。ふぅ、と安堵の息を小さく漏らしていた自分に気が付き、
思わず僕は苦笑を浮かべていた。気の短さに定評のある彼を怒らせたくはないし、何より僕は彼を待
つこの時間が好きだった。どんな顔をして彼は現れるのだろうかだとか、今日は彼とどんな会話をす
るんだろうかだとか、彼がどうして僕を思い出したのだろうかだとか、色々と静かに考える時間は楽
しい。そうしてぼんやりとしている間に、荒々しいノックで静寂が破られるのを僕は待つのだ。僕と
彼が逢うときは、大概そうだった。
今日もそれは変わる事はなく、3回のノックで彼は来訪を告げた。中からロックを解除してあげる
と、待ち侘びたかのように彼は僕より大柄な体躯を室内へと滑り込ませてくる。そしていきなり、
ぐい、と持ち上げられそうな勢いで抱き竦められた。いつにも増して性急だな、などと思う間も与え
てくれない。僕はまだ彼の惚れ惚れするような精悍な顔さえまともに見られてないというのに、
降って来るのは少々乱暴な口付け。僕は諦めて目を閉じ、大人しくそれに応えた。油断すると呼吸
ごと奪われてしまいそうで、僕は防戦一方。それでも何とか彼の動きについて行こうと懸命に彼を
追いかける。
久しぶりに二人きりになれたせいなのか、やけに情熱的な挨拶にくらくらしてきた頃、ようやく
離れて行った濡れた唇を見つめながら問いかける。
「時間が無いの?」
返事が無いのでもう少し視線を持ち上げて彼を仰ぐと、何故だ、と逆に彼が訝しげな視線で問いか
けてくる。
「急いでいるのかと思って。」
ぴくり、と彼の片眉が動く。僕は別に咎めたつもりはこれっぽっちも無いのだけれど、彼はそう
感じたのかもしれない。穏やかに挨拶を交わし、他愛ない会話を交わし、などという手順は彼には
余り興味は無いようで、今日のようにいきなり抱かれることも少なくは無い。かといって、穏やか
に始まる日が無い訳でも無いので、全ては彼の気分次第なのだ。ただ、今日は機嫌が良さそうだと
思っていたから、僕が少し驚いただけで。
「別に、そういう訳じゃない。お前は?」
「僕のスケジュールも空っぽだったから平気だよ。」
ぶっきらぼうに答える彼に苦笑すると、彼の渋面が濃くなる。
「不満か?逢いに来たんだから、当然だろう?」
「それは僕が欲しかった、って意味?」
「それ以外に何がある。」
笑いながら冗談めかして言ったつもりだったのに、ぶすっと不機嫌な顔で大真面目に返されて
しまった。自分で振っておきながら、思わず面食らう。どんな顔をしたらいいのか分からずに俯く
と、ぐい、と無理やりに顎を持ち上げられた。
「何かおかしいか?」
「いや、何も。嬉しいだけ。」
笑いながら素直にそう答えると、そのまま手首を引っ掴まれて、ベッドに放り込まれた。全く
彼は一方的で僕の都合なんか考えていないようだが、そうでもない事を僕は知っている。今だって
強引な行為ではあるが、僕を傷つけたり、試合に支障が出るような真似は絶対にしない。彼も僕も
プロなのだから当然の事だけれど、彼は人一倍その意識が高いように思う。体調が悪いから、と
僕が誘いを断っても、彼は邪推をしないだろう。根は真面目で素直な人だから。
「だったら大人しく俺に付き合え。」
でも、やっぱり彼は我侭で傲慢だ。それが悪いとは感じない僕は、彼に甘すぎるのかもしれない
と、少しだけ思った。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 笛サンヤ灘ジャナクテゴメンヨ……
| | | | ピッ (・∀・ ) 改行多スギッテ怒ラリタ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>366
おつ!gj!助コが従順だw
おおイメージ通りの2人だ、序子いいよーいいよー。
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| 他の方の投下ないようなので2セット目入ります。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| GJくれた姐さん方アリガトウ!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
再び熱い唇が降りてきて、僕の呼吸を容赦なく貪る。その間にもゴツゴツとした彼の大きな手が
シャツの中に入ってきて、直に僕の肌を撫でた。何かを確かめるかのようにしっかりと筋肉を辿って
いく手が熱くて、思わず身を捩る。久しぶりに五体で味わう彼の感触に、まだ身体が慣れていない
のだろうか。何もかもが熱くて堪らない。
乱れた息を気取られて、ふ、と鼻で笑われる。きっと僕の顔はもう赤くなっていて、余裕の無さは
彼に知られているのだろう。いつの間にか閉じていた目を開けば、満足そうに小さく笑いながら彼が
僕を見下ろしていた。
「どうした?お前はそんなに我慢が利かなかったか?」
彼の言葉の意味が理解出来ずに、彼を見つめる。まだ僕の呼吸は乱れたままだ。ぷちぷちと彼に
しては丁寧な手つきで僕のシャツのボタンを上から順に外していく。そうしてシャツを脱ぐように
視線で促され、僕は背を浮かせて袖から抜いた両腕を彼の首に緩く絡めた。片腕で僕を支えながら、
彼は僕の脱いだシャツを無造作に床に落とす。そうしてから、彼はそっと僕の耳元で囁いた。
「そんな顔をして誘うのは、まだ早いんじゃないのか?」
思わず、ぎゅ、と肩口に顔を埋めるようにして抱きつくと、彼が喉の奥で笑うのが伝わってきた。
そんな事を言われると離れられなくなるじゃないか、と抗議の声さえ出せないぐらいに恥ずかしい。
それなのに、彼は僕をベッドに押し付けながら足を開かせて、ぐいぐいと太腿の辺りで僕の下肢を
刺激してくる。
「貴方、が……ッ。」
「俺が?俺のせいか?」
彼が力づくで僕を引き剥がして、身を起こす。見下ろす表情が完全に余裕綽々なのが悔しいが、
彼は僕よりも7つも年上で経験豊富。何よりも彼の性格がこうなのだから、元より僕に勝ち目がある
とは思ってはいなかった。勝とうという気も別に無いのだけれど、それでも何となく悔しい事には
変わらない。
「貴方が、そうさせるから……ッ。」
「お前は俺より我慢強いはずだろう?」
今度こそ楽しそうに彼は笑った。そうして自分の上衣を脱ぎ、本格的に僕を攻め始めた。まずは
唇に軽くキス。そして、喉元を甘く噛んでから、舌を這わせて降りていく。跡が付かない程度に鎖骨
の辺りを緩く吸われて、思わず僕は甘い声を漏らしてしまった。そうして辿り着いた胸元を彼の熱い
舌が弄り、僕の弱い部分をやわやわと舌先で転がす。僕はもう彼の頭を抱え込むようにして、その
緩い愛撫に耐えるしかなかった。彼の癖のあるブラウンの髪が、僕の指先にくるりと絡んでは解ける。
先ほど揶揄された分、もっと、と強請るのは気が引けて、ただただ僕はもどかしさに身悶えた。
その間にも彼の悪戯な脚は、既に熱が溜まり始めている僕自身をジーンズの布越しに擦り上げ、
僕を容赦なく追い詰めてくる。僕が根をあげるのを待っているのか、それとも単に彼が楽しんでいる
だけなのかは良く分からないが、とにかく今日の彼は積極的に僕を求めてきた。それが更に僕を悦楽
に突き落とす。本当に堪らなくて、僕は自分から彼に熱を孕んだ腰を押し付けた。身体中、何処も
かしこも熱くなり過ぎていて、言葉が出てこない。
「どうした?」
彼が胸元で囁く吐息にさえ、僕の身体は震える。未だ胸元を舌先で弄っていた彼の頭を引き寄せて、
彼の唇を求めた。自分から吸い付いて、舌を絡める。懸命に彼を貪って、そうしてからようやく僕は
彼に告げた。
「早、く……ッ。」
何とかそれだけを伝えると、彼は笑って僕のベルトに手をかけた。かちゃかちゃと止め具を外す音に
さえ興奮する。僕はそれを抑えきれずに、同じように彼に手を伸ばした。彼の昂ぶりを布越しに感じて
安堵する。彼の行為は強引だけれども、彼も僕と同じように興奮しているのだ。そうして二人とも
すっかり衣服を脱ぎ捨てて、改めて抱き合う。熱の中心を擦り合わせられて、僕は仰け反って喘いだ。
「お前の方が俺よりも欲しがりじゃないか。」
揶揄されても、もうどうしようもない。露にされた僕自身を握りこまれて、思わず息が詰まる。彼の
掌の固い皮膚の感触は、今まで幾度も感じた。嫌でもその続きを夢想してしまう。これから僕はもっと
強く追い詰められて、そして彼の掌に快楽の証を吐き出す事になるのだろう。その予感は正しくて、
僕は性急な彼の愛撫に因って呆気なく果てた。
はぁ、とため息のように小さく息を吐く。しかし、それにさえもまだ熱が篭っていて、一向に僕の
身体は冷めようとはしてくれなかった。今の僕は一体どんな顔をして彼を見上げているのだろう、
とぼんやり思いながら彼を仰ぐと、彼は思いの他に優しげな表情をしていた。そして、静かなキスを
一つ落としてくれる。僕は心が凪ぐのを感じ、そのまま彼に身体を委ねた。
ぬるり、と開放した僕の体液と潤滑剤に塗れた彼の節くれ立った指が、ようやく僕の中に押し入る。
決して強引ではない仕種で、彼は浅いところでゆるゆると慣らすように指を滑らせた。ゆっくりと、
ゆっくりと僕の身体を解して、その指が二本三本と徐々に増やされる度に、中のある一点を悪戯に
掠める度に、僕の身体はびくん、と悦楽に跳ねた。彼は出来る限り僕の身体に負担が掛からないように
してくれる。こういう時に、やっぱり彼は優しいのだ。ただ、それは焦らされているようで、僕の身体
は悲鳴を上げそうなぐらいに切迫しているのだけれど。もしかしたら、彼はそれも込みで楽しんでいる
のかもしれない。それでも彼は無理やりに僕に身体を開かせるような真似をした事はなかった。
「平気か?」
彼にしがみつくようにして耐えていた僕の耳元で、彼が囁く。そのままくちゅりと耳朶を甘く噛まれ
てぞくぞくと背筋を撓ませながら僕が何とか頷くと、ようやく待ちに待った瞬間が訪れた。両脚を大き
く開かされて、彼が僕の中にゆったりと侵入を果たす。最初は浅く、少しずつ、僕は彼を飲み込んで
いった。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ マダツヅクケドキルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )ストレートデ終ワル予定…
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
おわー続き北!文うまーな上エロス
こないだの芝の試合思いだして萌えました
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 3セット目でゲームセットです。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 朝っぱらから何してんだか。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ぅ、あ……ッ。」
全てを受け入れた僕は、声を抑える事も出来ずに翻弄される。彼も我慢の限界が来たのだろう。
僕が落ち着くのを待つ間も無く、何度も何度も打ち付けられる。首筋に塗れた感触、甘く噛まれて
また僕は声を上げた。それを塞ぐかのように、今度は唇が降りてくる。僕の吐息も何もかも奪いつ
くしながら、恐らくは僕が与える快楽に眉根を寄せて彼は笑っていた。
そうして彼に貫かれて悶えながら、ふ、と唐突に脳裏に映し出される光景。薄暗いこの部屋とは
正反対に、ハレーションを起こしそうなぐらい明るい幻視。昔、といってもたかだか数年前の事を、
僕は鮮明に思い出していた。
当時の僕には憧れてやまない人がいた。彼のプレイの全てが雄雄しくて格好良く美しく見えて、
とにかく僕は彼に憧れていた。そして幸運な事に、その彼と打ち合う機会を得る事が出来たのだ。
それはとても至福な時間で、今でも本当に僕の大切な思い出で、決して忘れはしないだろう。当の
彼は忘れていたらしいが、それでも僕にとって何にも代えがたい思い出だ。
その憧れの彼が、今は僕の中に居る。その事実に半ば酔いしれながら彼を見ると、彼はいつの間に
か機嫌を損ねていたようで、鋭い眼光で僕を睨んでいた。彼の怒りの原因に見当が付かずに居ると、
ぐい、と腰を強く掴まれて無理やりに体位を変えられた。今度は僕が彼を受け入れたままで上になる。
しかし、腰を掴む彼の手の力は弱まる事はなく、それどころか益々強くなって僕の動きを完全に封じ
ていた。先ほどまで快楽の熱に浮かされていた僕の身体は、僕の意思とは関係なく続きを求めて動き
たがっているというのに、だ。そして彼は一向に動く気配を見せない。
理由を問おうにも、息が乱れて言葉が出ない。彼の鍛えられた腹筋の辺りに手をついて何とか自分
の身体を支えながら、仕方なく僕は視線で彼に僕の窮状を訴えかける。しかし、彼は冷たく僕をあし
らった。
「何を見ている……?」
意外な言葉が返ってきた。意味を考えようとした瞬間、いきなり強く突き上げられる。不意打ちの
刺激に歓喜する身体とは裏腹に、僕は混乱に突き落とされる。今までよりも激しく荒々しく下から
打ちのめされて、また僕は強すぎる快楽に震えながら何とか声を絞り出す。
「見て……た。僕の、中の……貴方、を。」
ぴたり、と彼の動きが止まり、そして益々彼の表情が歪んだ。カッとなると何をしでかすか分から
ない怖さを秘めた彼の眼差しに、思わずぞくりと背筋が竦む。
「俺は……お前にとって、過去の遺物か。」
あぁ、と僕の中の疑問が瓦解する。ほんの数瞬、先ほどの言葉どおり僕は目の前の彼ではなく、僕の
思い出の中の彼を見ていたのだ。それを彼は敏感に感じ取り、機嫌を損ねたのだろう。本当に彼は繊細
な人だ。思いも由らない事で傷ついてしまう人なのだ。僕は乱れきっていた呼吸を何とか整えて、彼の
問いに真摯に答えた。
「そんな事……ない。昔も、今も、変わらない……よ。僕も、貴方も。」
「変わっているだろう。色々と、な。」
あれから数年が経って、僕は彼と同じコートに立てるようになり、そして立場も逆転した。僕は
トップに名を連ね、彼は僕よりもランクでは下だ。でも、それでも。
「変わらない。僕にとって……貴方は、何にも代える事は……出来ないんだ。」
僅かにだけ、彼が安堵を浮かべたように見えた。でもそれは幻だったのかもしれない。再び彼が
強引に体位を変えてしまったので、僕からは彼の顔が見えなくなってしまう。僕の腰を持ち上げて
ずるりと彼が出て行くと、僕の身体をひっくり返して今度は後ろからゆっくりと貫かれる。僕は為す
術もなくシーツに顔を押し付けて、また苦しい呼吸で必死に喘ぐ。背中に何度も降ってくる唇の感触
やら、熱の溜まりきった僕自身を弄る彼の指の感触やら、そして僕の中で暴れるように突き上げる
熱い彼自身の感触やら、もう自分が何をどう感じているのか良く分からない。けれどもそれは全て
快楽に間違いなくて、僕よりも大柄な彼に抱き包まれるようにして、僕らはほぼ同時に絶頂に達し
ていた。
事が終わると彼は身体を離し、さっさとシャワーを浴びに行ってしまった。情緒も風情もあったもん
じゃないけれど、僕には文句を言うつもりも元気も無い。呼吸を整えながら、大人しく彼が戻ってくる
のを待つ。まだ彼に伝えてない言葉がある事に思い至ったからだ。彼はざっと汗を流してすぐに戻って
くる。そして、僕にシャワーを浴びるように促し、まだうつ伏せていた僕の身体を起こしてくれた。
ベッドの縁に腰掛けたまま、僕は彼を仰ぐ。そのまま僕を引き上げようと僕の両手を取った彼を
留めて、じ、と僕は彼を見つめた。
「本当は、僕は変わってしまった。」
む、とまた彼の眉間に皺が寄せられる。彼の不機嫌の前兆に、僕は笑顔で応えた。これから先、彼が
傷つかずに済む様に、と願いながら僕は素直な想いを口にする。
「貴方への想いは募るばかりだよ。」
「馬鹿な奴だな、お前は。」
そう僕を罵りながら、彼は目を細めて今日一番優しげな微笑を浮かべていた。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ハジメテナノデキンチョウシタヨ
| | | | ピッ (・∀・ ) マタ改行多スギデ怒ラリタ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
序子の一途な心と若い身体を弄ぶ、俺様な差品兄ちゃんが書きたかっただけなんだ。
反省はしている。だが後悔は(ry
読んでくれた姐さん方ホントありがとうございました。
2/3番号間違ったorz
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 短編と言うには長すぎねーか?
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|
| | | | \ 文才がないからしかたねーよ
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
オニョ×ウキョ(微エロ有)と瓶×ウキョです。
ウキョさん病んでます。が、一応ハッピーエンドです
予告編見ちゃったらどうにも止まらなくなっちゃったんだぜ
>>385 GJ!
横暴さと優しさが兄ちゃんぽくてすごくイイ!
投下してくれてありがとう
「で、椙下はどうしてるの?」
人もまばらになり始めた生活暗然課の片隅、匿名係室の椅子に深々と腰掛け
斧田は格田に尋ねた。
「どうって、以前とあまり変わりませんねえ。ただ少し不眠気味だと仰るので
外回りの仕事は他のモンに任せて、書類整理を主にお任せしてます」
「そう。どうもありがと」
瓶山が突然ここを去り海外に渡ってから、もう3ヶ月近くたった。
あれだけ長い間共に戦い、時には反発し、深く信頼し合ったあの二人が決別するなんて、と
二人を知る全ての人間は思ったものだった。
しかし椙下は意外なほど冷静で、日常の業務をそつなく淡々とこなし
初めから瓶山などいなかったように振るまっていた。
かつての固い絆など忘れてしまったかのように。
もう日付も変わろうかと言う深夜、官僚との食事会を終えた斧田は
後部座席のシートに身を沈め軽く眼を閉じた。明日も早い、今夜はもう帰って休もう。
ふいに「不眠気味」と言った格田の言葉が頭をよぎった。
それが小さな棘のように心の隅を捕らえて離さない。
斧田は自宅へ向かっていた車を、椙下のマンションへと向かわせるよう運転手に命じた。
警視庁にほど近い場所にある瀟洒な佇まいの最上階の部屋は、あの篭城事件のあと
せめてもの慰みに、と斧田が買い与えたものだった。
しかし実際には詫びるつもりと言うより、匿名係室と同様椙下をここに縛り付け、
手元におくための鳥篭として、と言うほうが正しいだろう。
自分のしたことは間違っていない。こうでもしなければ間違いなく椙下は自分の下を去っていた。
斧田は表情を変えず、エントランスの部屋番号を入力し、チャイムを鳴らした。
応答はない。
もう一度チャイムを押す。やはり応答はない。
斧田はキーケースから鍵を取り出し、エントランスの扉を開けるとまっすぐ椙下の部屋に向かった。
玄関のチャイムを鳴らしてもやはり返事はない。斧田は持っていた鍵でドアを開け
静かに室内に入っていった。室内の照明は落ち、物音ひとつしない。
リビング、キッチン、バスルームと姿を探すも見つからず、最後に寝室のドアをそっと開けた。
椙下はそこにいた。
薄く柔らかな毛布に頭からくるまり、ベッドの端に腰掛け、ヘッドフォンでバロック音楽を聴いている。
少し離れた場所からでも聞き取れるほどの大音量だ。チャイムに気付かないのも無理はない。
斧田はそっと近づき、ヘッドフォンを外した。
椙下は少し顔を上げ、ちらりと斧田を見た。急な来客に驚いた様子もない。
すぐに視線をそらし、言葉もなくただ静かに暗闇の中で座っている。
「不眠気味だというから心配して来たんですよ。
こんな音で音楽を聴いていたら、そりゃ、眠れないでしょ」
返事はなかった。
「お前さえよければいつでも帰って来なさい。少しは気分転換になるかも知れないよ」
自分で逃げられないように閉じ込めおいて今さらこんなことを言うのか、と思うと
斧田は自嘲気味に小さく笑った。そして椙下を見る。
怒るか、軽蔑するか、冷たく突き放すか
しかし椙下は斧田の存在などまるで気付かないといった風情で再び耳にヘッドフォンを押し当て、
毛布にくるまると、軽くうつむき眼を閉じた。
その瞬間、斧田の中で縛り付けていた理性が弾け飛んだ。
乱暴に毛布を剥ぎ取るとベッドに押し倒しあっという間に唇を塞ぐ。
両手首を片手で押さえつけたままパジャマのボタンを外し、首筋に舌を這わせた。
ヘッドフォンが外れ、重々しいバロックが囁くように流れてくるのを聞きながら、
今度こそどんな眼で自分を見るだろうと組み敷いた椙下を見下ろす。
だが椙下は深い吐息ひとつもらさず、漆器のような深く黒い瞳を
どこを見つめるでもなくぼんやりと泳がせている。
斧田はゆっくりと身体を起こし、軽くため息をついた。
憎しみさえ感じさせないほど、椙下の心に自分は存在しないのか。
「童話にあったよね。北風と太陽がどちらが旅人のマントを脱がせるのか勝負するって話。
僕はお前のマントを脱がせる事はできなかった」
静かに起き上がり乱れたパジャマを整えている椙下にそっと毛布を掛けると
斧田は立ち上がり、寝室のドアに向かって歩き始める。そして小声でつぶやいた。
「彼なら、できるのかな」
やはり椙下は何も言わない。そして再びヘッドフォンを押し当てると、
斧田が現れた時と全く同じ姿勢で、音楽に没頭していった。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
続きは明日うpさせてください
初めてだからすごく緊張したんだぜ。これでいいのかなドキドキ
>>393 388です、割り込んでごめんなさい。
なんという間の悪さだ自分…
>>394 キニシナイ!
皆さんありがとうございます。
ホントに瓶は太陽だよ…ジープの似合うこと似合うこと ウウッ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ナマモノ注意
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| もうこうとしか見えない…
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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今日の結果をふまえるとこうなっちゃうんだぜ…
ここ2年間ずっとこんな風に思え(ry
今季何回目かのスタソドの歓喜の声が、まるで遠くからのように聞こえていた。
相手チイムの逆転の風景を見るのには慣れていたけれど、それが自分の
失投によるものであれば話は別だ。笑えない。
笑えるもんじゃない。
無言で球場を出るバスに乗り込むと、昨日完封で勝利を飾った仲のいい先輩が、
一番後ろで半眼でこちらを睨んでいた。
「…っス」
「バッカ」
顔を伏せたままおもむろに、少し遠くへ腰掛ける自分に、小さな声が飛んできた。
罵倒されても仕方ないとはわかっていた。
「ちからー」
先輩が呼ぶ。少し振り返るだけで応えると、先輩も顎をしゃくって合図するだけだった。
彼が示したその先の、あえて見ないようにしていたスペースに、斧寺はやっぱり
目をやることが出来ない。
もう他の船手もわいわい言いながら乗り込んできていて、そんな気配に紛れているけれど、
その先の、バスの一番前あたり。長い髪と薄い肩が少し見えている。
「せっかく頑張ってたんだ、けどな」
「…ハイ」
「ばぁか、ちから」
先輩も、あいつに謝っとけ、とは流石に言わなかった。けれど言いたいことはわかっている。
ただいつものことだけれど、どうやったって償いにはならないことも。
今日はやっぱり誰に誘われても外出する気になれなくて、疲れた体とそれ以上に
重い脳みそのまま、着いた途端ホテルのベッドに突っ伏した。
堅めのスプリングが、斧寺の丈夫な体をよく跳ね返す。自分が打たれて負けた日には、
こういうベッドの仕打ちすら、優しくないなと哀しくなる。
Tシャツから出た腕、伸びた足、それぞれで空しくシーツを掻き抱く。
けれど凹むのはお門違い、とその重い脳味噌のどこかが言う。
打たれたのはお前だけど、今日はただの一戦とは意味が違っただろ?と言う。
「…」
わかってるよ、と一人呟いた声が、ホテルのベッドシーツ特有の厚ぼったい中に
こもって沈む。
今日はあいつの、せっかくの地元戦だった。見に来ていただろう知人や親戚の目の前で、
必死で投げきろうとしていたことはよくわかっている。チイムの優勝も近づいていて、
だからこそ一つでも貪欲に勝ちに行こうとしていたことも。
斧寺はじっと目を閉じる。
ここ数試合の疲れが彼自身の気付かない部分に蓄積していて、少し痛々しさすら感じたことも、だ。
まだ二年目だ。プロの厳しい世界は、まだまだ生き抜いていくには険しすぎる。
それでも少しずつ、確実に強くなって、必死で勝とうともがいていたのを、斧寺はもう何度も
見てきていた。
そこまでわかっていて、勝たせてやりたくて、なのに後を受けた自分の一球でジ・エンド。
どうしたって、こんなこと、償いなんか出来ない。流石に顔をあわせられない。
二年目のあいつが頑張った成果を、俺が壊してどうするよ。
ロッカーが隣どうしの、ホームでなくて良かった。
「はあ〜…」
彼が端整な顔から想像できないくらい情けないため息をついたとき、ホテルの部屋のドアが
こんこん、と誰かにノックされる。
正直体も心も重すぎる。誰にも会いたくないし口も利きたくなかったけれど、ノックはそのあと数秒
あけて、またこんこん、と続く。決して強くなく、でも耳に残るやり方だ。
そうなると持ち前の律儀さがどうにもならなくて、斧寺はゆっくり体をおこす。
誰だろう、さっきのあの先輩だろうか。もしくは人をちっとも年上だと思っていない、態度のでかい
後輩のあいつか。(その場合、ああ何を言われるやら。ああもう。)
「…っ、って…」
「…ども」
「き、し…」
あまり何も考えないようにして開けた扉の先に、よりにもよって、と斧寺は心の中で天を仰いだ。
あわせる顔のないはずの、今日の先発投手。長い髪と薄い肩、ぎこちなく人懐こく笑う彼。
自分より8cm低い身長のせいか無意識か、この上目遣いに何度やられてきたことか。
「やっぱ、力さんも、ご飯行かなかったんだ」
そう言って彼は小さく笑った。
一瞬でいとおしさと申し訳なさで、頭の中がはちきれそうになった。
扉を閉めたとたん抱き締めたのは、正しかったのかどうか本当にわからない。
けれど彼は少し驚いたように体を硬くしたけれど、決して押し退けようとはしなかった。
「…あの、さ」
「うん」
「何て言うか、…俺、ダメで」
「…多分力さん、気にしてるだろうと思って」
「え」
肩の辺りから耳に直接、声と息が届く。たまらなくて斧寺が顔を上げようとしたら、
今度は彼の手が伸びてきて首の後ろを掴まえる。顔を見ないで聞いて欲しい、の意。
「お疲れ様でした」
「…お前こそ」
「力さんとか、皆最近疲れてるから…ホントは俺が頑張って、全部投げなきゃいけなかったんだけど、
ごめんなさい」
彼は淡々と言う。言いながらゆっくり髪を肩に当ててくる。
身じろぎが、わずかな体温のずれが、腕の中。
また頭の中がいろんなもので埋め尽くされる。
「俺、また頑張りますから」
「…」
「…だから」
「うん、うん、俺も頑張る」
こうなったらもう夢中だ。ごめんな、好きだよ、助けてやりたい、でも言葉なんて何も上手く出ない。
息をするのが苦しいくらいに、胸の辺りから何か溢れてくる。頭の中から押し広げてくる。
鸚鵡返しにするのが精一杯。腕にはますます力をこめて、彼の息遣い一つも取りこぼさないように
抱き締める。
暑いよ、苦しいよとくぐもった笑い声が耳をくすぐる。髪のひとふさと、さっきの扉だけが見える。
手放して、その先にやりたくない。
だけど離さなければいけない時も来る。
今すぐの現実の問題としても、近い将来のこととしてもだ。そうだお前は段々強くなっている。
「…」
俺が頑張っても、それをあっさり飛び越えていくんじゃないかと思う。
いつか俺が必要でない時もくるんじゃないのか?
そうなったらどうしよう、なんて、男らしくない。ああ、俺はかっこ悪いな。
でも、夢中なんだってことに、理由なんかないんだよ。
「大丈夫、ですよ」
彼がさっきの手でぽんぽんと、斧寺の背中をあやすように叩いた。
「一緒に頑張るんです」
まるで全てを見透かしたように、彼はそう言ってぎゅっと、肩に顔を埋めてきた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 3個に納まらなかったYO、ごめんね
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>406 燃えて萌えて俺達辛抱たまらんっつーのGJ
>>406 GJ!
洗髪とりりぃふの関係ってたまらんね
409 :
1/3:2008/09/15(月) 02:46:38 ID:WaKewe4aO
|> PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) ジサクジエンガオオクリシマース!
あんまりぽくないかな。 某RPG のつもり。
なんだ、これは。
これが唯一望みを託し、待ち続けたものだというのか。
産まれる前は暖かな光の中にいた気がする。
産まれ出たのは闇の中だった。
襲いかかって来るものを返り討ちにしていたら、いつしか王と呼ばれるようになっていた。
が、すり寄ってくる魔物どもも、いつの間にか対立していた人間とやらも、どうでもよかった。
ただ、嫌わしかった。
いるはずのない、いるべきでない、本来自分のものでない世界。
捨ててしまいたかった。終らせてしまいたかった。
しかし、強すぎる力の為に自らの手ではそれは叶わず、他の魔物どもにも、まして人間にも果たせよう筈もなかった。
だからこそ期待した。
その昔、大魔王を討ち果たした勇者の末裔の出現に。
やっと終わる。嫌わしいだけの闇の世界が。
相対した時には悦びさえ覚えた。
どこか自分と同じ匂いのする人間。
たった一人でここまでたどりついた勇者。
終わる筈だった。終わらせてくれる筈だった。
なのに。
410 :
2/3:2008/09/15(月) 02:48:08 ID:WaKewe4aO
なんだ、これは。
刃を手放し鎧も砕かれ魔力さえ使い果たして倒れ付した人間。
命こそ尽きていないものの、この様では再び立ち上がることすら出来ぬだろう。
この人間が来るまでどれだけ待った?
次の勇者とやらが来るまで後どれだけ待てば良い?
もう無理だ。もう待てぬ。
終らせる事も叶わぬなら、いっそすべてを我が闇に取り込んでくれる。
手始めに、そこで倒れている人間。
あれ程までに待ち焦がれ、かけた期待を裏切ってくれた男。
ただ堕とすだけでは飽きたらぬ。この我が絶望思い知らせてくれる。
刃を交える前に出した提案を再び持ちかけた。
迷った挙句、自らヒトを捨てこちら側へつく事を選んだ。
世界の半分と引き替えに。
411 :
3/3:2008/09/15(月) 02:49:08 ID:WaKewe4aO
何を驚いている?
我は嘘などついていない。
我等が世界は闇の世界。
その闇を半分にしたところで闇は闇。
我が力に屈し薄情なヒトを捨て我と共に世界を治めると、自分で選んだではないか。
もう遅い。既にお前はこちら側のものだ。
すべてを取り込み、世界もろとも闇に沈むのが先か。
お前の様な勇者が現れ、我等を滅ぼすのが先か。
永い付き合いになりそうだ。
ともあれ、ようこそ。我等が闇の世界へ。
□STOP ピッ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お邪魔しました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
昨日の続きです
昨日投下した文章を読み返してみて
やたら読みにくい、何故?と思っていたのですが
行間をまるで空けてなかったんだなorz
お楽しみいただければ幸いです
先日瓶山から届いたメールには、様々なエピソードと共に、元気でやっていると記されていた。
最後は椙下の体調を気遣う文章で締められており、写真が添付してあった。
沢山の子供達にもみくちゃにされながら、弾けるような笑顔でこちらを見ている。
広い空の下で一日中、強い日差しと風の中に立っているのだろう瓶山の日焼けした笑顔は
匿名係室の狭いデスクに居た時よりずっと魅力的だ。
行きたければ行けばいい、と最初に突き放したのは自分だった。
陽の差さない息の詰まるようなこの部屋は、彼に似合わない。
皮肉でなく本心からそう思った。
出合って8年。長い歳月はすっかり自分を変えてしまった。
彼が自分の部下として配属されたばかりの頃は、なんて足手まといなんだろうと思っていた。
計算し尽くした上での自分の行動に、いちいち口を挟まれるのが不愉快で
明らかに傷つくであろう嫌味をたっぷりと浴びせたことも度々あった。
自分の言葉で心を痛める姿を見るのは決して愉快ではなかったが、申し訳ないとは思わなかった。
今まで幾人もの部下が同じように傷つき、ある者は罵声を浴びせながら、
ある者は憎しみのこもった眼で涙を流しながらここを去っていった。
だから彼もすぐ、ここから居なくなるだろうと思っていた。
それでいい
ここは自分一人のための牢獄だ。問題を起こしたとはいえ前途ある若い部下が
この狭い部屋の中で警察官として生きる目的を失い、朽ちていくのを見るのが耐えられなかった。
だが彼だけは、なぜかここから立ち去らなかった。
離れるチャンスは幾度となくあったのに逃げ出さなかった。
それどころか冷たく背を向けた自分に対して手を差し伸べ、一緒に行こうと笑いかけた。
とまどいつつその手を取ってしまった瞬間、彼の将来を奪ってしまったという罪悪感と共に
今まで感じたことのない甘やかな感情に侵食されていくのが分かった。
そして心に決めた。
彼がここに居る限り、自分は全てを失っても彼を守り抜こう
彼が理由は何であれここを去ると決めたなら、笑顔で送り出そうと。
だから彼が突然、海外へ渡りたい、と思いつめたように報告した時も驚きはなかった。
ただ、ついにこの日が来たのだな。と思った。
それなのに、なぜこんなに空虚なのだろう。
いつだって覚悟はしていた筈なのに。
瓶山が去って幾日もしないうちに、必ず彼が夢に現れるようになった。
もともと浅い眠りではあったが、それが却って夢の生々しさと、目覚めた後の虚無感を強くさせた。
覚醒しているときは、無意識に耳が彼の声を求めている事に気付いた。
もう、ここには居ないのに。その事は誰よりも自分が知っているのに。
だから、夢を見ないように、眠るのをやめた。
声を思い出さないように、音楽で耳を塞いだ。
重々しいバロック音楽はいつの間にか終わり、胸を抉るような切ないピアノソナタが流れ始めた。
「大丈夫ですか!?」
ある日の午後、依頼された書類の束を受け取った瞬間、椙下の膝ががくんと落ち床に倒れこんだ。
「顔色が悪いですよ、今日はもうお帰りになったほうが…」
若い巡査が肩を支えながら、心配した様子で声を掛ける。
「…大丈夫です。早退するかどうかはこの書類を済ませてしまってから考えます」
何事もなかったように散らばった書類をまとめ、いつもの冷静さでデスクに戻ると一枚一枚に目を通し始める。
結局依頼された全ての業務を片付けると、終業時間となっていた。
泥のような足取りで自宅に戻る。
冷たいシャワーで汗を流し身支度を整えると、いつものように全ての灯りを消し、ヘッドフォンを手繰り寄せた。
毛布を繭のように巻きつけ、ベッドの端に静かに腰掛ける。
頭がぼんやりする。手足の先に重りを取り付けたように疲労が蓄積しているのが分かる。
それでも、単純とはいえ山のようにある雑務を黙々とこなしていく匿名係室での時間に不満はなかった。
怖いのは一人きりになる時間だ。耳を裂くような激しいオーケストラに気持ちを逃そうとしても、
ともすれば身体は眠りの淵に誘い込もうとする。
ふっと一瞬でも眠りに落ちてしまえば、そこにはどんなに手を伸ばしても触れることのできないあの鮮やかな残像が
狂おしいほどの甘さを湛えて現れる。
もう、限界かもしれない。
改行多すぎと言われてしまったorz
1スレ分追加します。ゴメンナサイ
会いたい、と思った
封印していた強い感情がじわじわと湧き上がり、それはあっという間に大きな波となって全身を侵食していく。
わずかに残った理性が、そんな事を考えても無駄だとあざ笑っても、
体中の細胞が一つの大きな意思を持って動き始めるのを止める事ができない。
身体が強く震え出すのを感じ、思わず自分自身を抱きしめる。
最終章に向かって高まりを増していくオーケストラに会わせる様に叫びが発せられようとした瞬間、
ぐっと強い力で抱き寄せられた。
この腕の感触には記憶があった。無理矢理忘れようとしても決して忘れる事ができなかった、
しかしどう望んでも二度と戻らないあの力強いしなやかな腕だ。
きっと夢なのだろう。これまで何度こんな甘い悦びの幻に翻弄されたことか。
しかしいっそもう夢にずぶずぶに溺れるのも、狂いはじめた自分には丁度いいのかもしれない。
抱きしめられたまま腕の中で向きを変えると、視線を上げずに毛布の間から腕を伸ばし、首元に縋りつく。
ヘッドフォンが外され、耳元で囁きが聞こえる。
「卯京さん、痩せちゃいましたね」
思わず顔を上げた。
いつもならここで幻は消えてしまうはず。
そこには瓶山がいた。
「…どうして…」
額に小さなキスを受けながら、震えたかすれ声で呟く。
「向こうでの仕事、大急ぎで片付けました」
自分が今どんな表情でいるのか分からないが、瓶山は少し困ったような穏やかな笑顔で
しきりにそんな顔しないでと囁きながら、繰り返しついばむような軽いキスをくれる。
そしてゆっくりと腕をほどき、真剣な眼差しで正面から見つめると、
求めて止まなかったあの柔らかな弦楽器のような声ではっきりと言った。
「俺は、匿名係の瓶山ですから」
外界を遮断する繭のように身体を覆っていた柔らかな毛布がするりと滑り落ちた。
「ただいま。卯京さん」
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 以上です。おそまつさまでした
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 結局瓶の仕事って何だったんだ?
| | | | \
| | □ STOP | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ シンガプーラ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
以上です
GJ頂いた姐さん方ありがとうございました
ほんと頼みます…公式…
>>412 GJ!
太陽はやっぱり太陽でしたね
……本当に、公式頼むよ。
太陽は一つしかないんだよ……orz
>>420 GJ!最後の毛布が落ちるところ、象徴的でぐっときました。
ウキョさんよかったね・゚・(ノ∀`)・゚・。
あとシンガプーラかわゆすwwww
>>420 GJ!!
太陽の匂いのする男最高。でも向こうの方が似合うことにめちゃくちゃ納得しちゃった。
ここまで自分を押し殺すだろうウキョさんはよく考えれば801的にはすごい秀逸なキャラだと思う。
初めてのうpで心臓がドキドキバクバクです。
仲良しこよしなゲ仁ソ「宵子」の捏造文です。
エロ無し、ヤマ無し、オチ無し、意味無しの文章になっております。
言葉遣いが変だったり、くどい部分があったら、
教えてくださるとうれしいです!
それでは、
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ある春の日のこと。
桜が華やかに咲き乱れている。そして、たくさんの人々がその輝かしい美し
さを見に、または、春のうららかな空気をたっぷり吸いながら、どんちゃん騒
ぎをするため、桜で有名なこの公園に来ている。
二人はその前者のほうの人々と同じく、桜を見に来ていた。が、人が多過ぎ
てうるさいし、人混みにもみくちゃにされてまともに会話さえ出来ない状態だ。
「おーい!有野ぉ!どこや!!」
一人が叫ぶ。
「僕はここや濱口ぃ!はぐれんなよ!!」
もう片方もそれに応じて叫び返す。
そうして声を掛け合いながら、なんとかはぐれずに公園内を歩んでゆく。
ところで、公園の少し外れ、左側を見ると、二人が居る場所の半分ほどしか
人は居ない。桜も人が多いところと比べると咲ききっていない。八分咲きとい
ったところだろうか。
あと、少し暗い。どちらかというと桜以外の若葉色の木々が映えているから
だろう。春はあらゆる生命の繁栄する季節だ。
こちらの方へは、満開の一歩手前が好きとか、人混みが嫌いな人達くらいし
かいないのだ。
この二人もその「人混みが嫌いな人達」であるはずだったのだが、どういう訳
か今日は自ら人混みの中にいる。
*
人が多い。余りにも多いので、全世界の人間がこの公園に集結しているんじ
ゃないかという錯覚に襲われる。自分達のライブでもこんなに多くの人はいな
かったと思う。席が決まってたりするし。でも、公園は違う。来るもの拒まず、
去るもの追わずだ。自由に人が入ったり、出られたりするから際限無く増える
ことが出来る。
あぁ。人が多いなあ。桜なんか見えないなあ。有野とも話せないなあ。むし
ろ、はぐれそうやなあ。
わざわざ苦手なとこへ突っ込んでいってなんだけれども、やっぱり無駄に疲
れるなあ。やっぱ有野の言うとおり、向こうの道を歩けばよかったかなあ。
そんな事をうだうだうだうだ考えていたら、自然に顔がうつむいていたらし
い。ふと気づくと目に映るものは自分の靴や人々の足だけになっていた。
はっとして顔を上げる。
……いない。有野が。
はぐれてしまったのだろうか。オレはあわてて左右上下前後と首をぐるぐる
させ、ついには走り出して、色んな人にぶつかってその度に「すんませんっ」と
謝りながら有野を探す。
が、見つからなかった。大声で「有野ぉーーー!!!!!!」と叫んでもダメだった。
別に全く知らない場所な訳でもないのだから、携帯を取り出し、メールで「
ごめん。○○の前に居て。すぐ行くから。」とでも送ればすむことだろう。
だが、オレは有野とはぐれてしまってくやしくなった。なんだか涙が出てき
そうになってきた。
この花見はオレが誘った。最近二人での仕事は段々元通り増えてきていると
は思うけれども、やぱり少ない。ラジオで言っていた通り、流石に三週間も離
れていたのは確か、初めてだったような気もするけれども、三日四日と会わな
いことは結構よくある。
そしてやはり、有野が結婚したことにより、離れていた「少しの距離」が、も
のすごく開いてしまった気がする。
有野はかなりヨメさんを愛して、家族を大切にしている。その愛に相方(つ
まりは「男」だけど)が勝てるはずが無いのだ。
だからオレはたまには一緒に出歩くのも良い、というか、たまにでも一緒に
歩いたりしていないと、本気で離れ離れになっていくような気がしたから、花
見とか色々理由をつけて有野を誘った。
なのに、その花見でもオレ達は離れ離れになる。これがオレ達の運命(さだ
め)なのだろうか。
*
人が多い。「とても」なんて言葉では到底表せないほどに人が多い。
きっと後ろ斜め右で少し驚いてた顔をしているアイツは「自分達のライブと
かでもこんなん見ること滅多に無いよなぁ、たぶん」なんて思ってると思う。
大体は当たっていると思うから後で聞いてみよう。
それにしてもわざわざ、少し苦手な「人混み」へ入ったのは何故だろう。「桜
を見にたくさんの人々が来る」という情景を見たかったのだろうか。いや、そ
んなに深くこういう事を考えるやつじゃないはずだから、きっと感覚的にこの
場所にしたんだろう。
そんなことをつらつらと思って心を豊かにしていると、ふと妙案が思い浮か
んだ。
濱口を僕とはぐれさせてみよう。絶対泣くぞアイツ。
僕はどうやら、イタズラなどを思い浮かんだときは目が少し細められて、ニ
ヤリと笑っているらしい。だから、今もそのニヤリとした笑みを浮かべている
んだろう。
早速作戦を実行しようと思って、後ろ斜め右に居る相方の姿を見る。何やら
考え事をしているようで、俯いている。
よし、今や!
心の中で掛け声をし、すばやく人にぶつからないよう気をつけながら、左側
に見える人が少ない、緑地帯へと移動する。そして、木の陰に隠れ、相方を見
失わないようにじっと見つめる。
案の定、しばらくしたら焦って顔を上げ、キョロキョロして、僕を探してい
る。とうとう走り始め、僕の名前を叫ぶ。
そして相方は、唐突に足を止めた。
僕は何だろうと思い、目を凝らした。
……泣いている。それもすごい悔しそうに。
うわっ。本当に泣いてる。
想像はしてたけど、本当に泣く姿を見ると、急に自分がとても悪いことをし
たような感覚がする。
「そろそろやめたほうがええな」
僕はそうつぶやき、人混みにぐちゃぐちゃにされて、でも立ち止まっている
相方を救出に向かった。
*
いきなり誰かに腕をガシッと?まれた。痛い。
だが、拒否の言葉も発する前にどんどん、ぐいぐい引っ張られていく。
そして、さっき左手に見えていた緑が生い茂っている、人が少ない地帯へ出
た。
オレは引っ張られる間も、ここに着いてからも少し俯いていたから、そのオ
レを引っ張っていた人が誰だか分からず、ついつい
「いっつ……お前なんやねん!!」
と腕をぶんぶんしながらキツイ声で言ってしまった。
すると腕を?んでいた人物は
「おう、ごめんな。痛かったか」
と言って、その手を放した。腕は解放され、痛みは無くなった。
だが、オレはその声を聞いて、自分の顔が上気してきて、目頭が熱くなるの
を感じた。
そして考える前に口から「有野ぉぉ!!!!」という言葉が出てきて、そのまま勢
いで有野の胸に飛び込んでいた。
有野は一瞬びっくりした様子だったけど、すぐに何故か
「ごめんなぁ。」
と言いながらオレを抱きしめ、頭を撫でていた。
*
桜より、若葉色の木々が映えている小道を二人が歩いていた。その左手には
満開の桜が咲き乱れていて、人が多い道がある。
彼等は横に二人並び、朗らかな表情で会話をしながら、時々二人そろって立
ち止まり八分咲きの慎ましい桜達を眺め、春に似つかわしくない若葉色の木々
を眺めて
「きれいやなぁ」
「そうやなぁ」
という取るに足らない感想を漏らし、また歩んでゆく。
「そうや、これからオレの家に行こう」
「んーええよ。じゃあ何かゲームでもする?」
「オレ達は年中ゲームばっかやな。んで、何やる?」
「たまにはレトロゲームとかやらん?」
「いやや。それだけはいやや」
「なんで?」
「有野は、ゲーセンでレトロゲームやりまくってるやん。オレめっちゃ不利や
ん」
「じゃあ、僕と濱口くんで協力プレイとか」
「ん〜。それならええよ。分かった。やるで!」
「そうと決まったら、急がな!」
「おう!…よっしゃ!燃えてきたあ!」
二人は笑顔で歩んでゆく。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
タイトル忘れてました。
「桜」でお願いします。
途中できづいたのですが、伏せるのを忘れていました・・・。
更には、途中で分母を増やしちゃったりして、本当にすみませんでした。
萌えも全然無いし…。
>>420 GJ!
姐さんのおかげでil一本夢に見た。ありがとう!
映画「闇騎士」より、宿敵二人。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
436 :
1/2:2008/09/15(月) 22:17:04 ID:sH+3hcDdO
「ヘイ、ヘイ、コウモリちゃん(Batsy)、今夜はずいぶんと手ぬるいじゃないか。取調室で俺に
飛び掛ってきたときの気概をどこへやった? 日曜に懺悔室でお説教でもされたのか?」
問われた彼は鼻を鳴らす。すでに今夜の決闘は済んだ。こいつが何を言おうと、それらはすべて
彼の動揺を誘うための敗者の戯言に過ぎない。仰向いた宿敵の胸に腰を下ろし、相手の腕を
膝で押さえつけ、5atmanはゴッサム史上最悪の犯罪者の動きを注意深く封じていた。
「すぐに警察が到着する。俺がすべきことはお前の拿捕だ。私刑じゃない」
「ヘイ、どうしたよ、ベル? そんなキスで怪物を王子に変えられるとでも思ってるのか?」
クラウンメイクの狂人は現状を恐れたふうもない。敵の尻に組み敷かれている事実などないかの
ように、彼はにやにや笑いを見せつけた。こういった挑発は初めてではない。今回のネタは
“美女と野獣”だ。彼は不快げに目を細めた。
「――変える? ばかばかしい、お前に更生の可能性があるなんて夢は見ちゃいない」
「そうかい! そうだよなあ、俺はいつだって俺だ。じゃあ次は配役を逆にしてみようか!」
けたたましい笑い声に、5atmanは眉を顰めた。Jok3rはおどけるような上目使いで彼の様子を窺う。
「ゴッサム市民の言うことにゃ、俺は犯罪界の道化王子なんだろう? 王子は王子らしく、
ヒロイン(The Beauty)の呪いを解いてやるのが筋ってもんだ。前にも言ったろう、 お前は
呪われてるんだ。お前はルールに縛られて、無理矢理人間の形をしてるだけなんだよ。
怖がるな。俺に任せろ。俺がお前を救ってやる」
Jok3rの舌が鳴る。
「元の怪物に戻してやるよ。安心しろ、うんと優しく――」
拳が飛んだ。
437 :
2/2:2008/09/15(月) 22:18:24 ID:sH+3hcDdO
「ぐ……!」
グローブとプロテクターで固められた重い拳に頬げたを張られ、口内を噛んだ Jok3rが苦鳴を
漏らす。怒りのあまり声も出せずに喘いだ5atmanに気つけとばかりに揺すぶられ、彼は
頬まで塗りたくられた赤い化粧を歪めた。
「ハ、ハハ、ハ、ハア! いいじゃないか、だいぶ上手くなってきた! いい調子だが
黙りっぱなしじゃ風情がねえな。サービス精神は大事だぜ? 俺の言ってる意味がわかるか?
もっと『舌を使う』んだ……ガっ! 」
二発目。
「か、ぁ……! ハ、いいぞスウィートハート、素敵なキスだ! 気が遠くなる! お前はどうだ?
鏡を見てみろよ、お前の中の怪物は……う、ぐッ!」
こじ開けた口に移動用のロープを丸めて突っ込み、5atmanは宿敵の軽口を塞ぐ。遠慮の
ない手つきにJok3rはえづいた。くぐもった声で咳き込んでなお愉しげに笑む彼を、 5atmanは
膿んだ傷にでも臨むかのような目で見下ろした。
白んだ空を切り裂いて、警察車両のサイレンが近づいてくる。闇に浮かんでいるときは一種
神秘的な色すら見せた彼の白塗りが、黎明の光の中では妙にうら寂れて見えた。おそらく、己の
5atスーツもそうなのだろう――ブルースの印象を確認するすべはない。ここには鏡がないのだから。
ちらりと通りを確認したブルースは、角を曲がってこちらへ急行するパトカーの群を認める。
赤と青の回転灯が、彼らの影に色を添えた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
「投下する」なんて言う必要はねーんだ…
その言葉を頭の中に思い浮かべた時には! 行動はもうすでに終わってるんだからな!
>>435 実際映画であってもおかしくなさそう!
萌えに悶えた
GJ!!
>>435 「頭」でなく「心」であなたの気概を理解したッ!萌えたッ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|続きです。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|ハーフエルフと人間。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
四日目の朝になった。
包帯は毎日まきなおし、水がなくなればアッシュが持ってくる。
時々森の中で動物も狩っているようで、今朝はウサギの肉を持ってきた。
体力と精神力が回復するたびに、怪我はほぼ塞がりつつあった。
肉を焼いて手渡してくる。それを受け取って、かじりついた。
「あの、さ」
「?」
「俺たちって、何か似てるよな」
突然そんな話を言ってきた。思わず、ぽかんとしてしまう。
どこが似ているというのだろう。
「あんたほど綺麗な顔はしてないけど、俺は」
自分はハーフエルフで、彼は人間。生い立ちもまったく違うはずだ。
髪の長さだってアルシェリクは背中まであるけれど、アッシュは短い。
…あ、ああ、よく見れば目元が似ているかもしれない。釣り目で目つきが悪くて、生意気だといわれたこの目と似ている。
「目元か?」
「あと髪の色とか、全体的な、なんていうか、雰囲気とか」
明るくおせっかいなアッシュとは、正直雰囲気が似ているとは思えない。
アルシェリクはどちらかというと根暗で、仲間との共存を拒んできた。
それも生い立ちのせいである。
「そう、か?」
「うん、何か他人とは思えない。この前お前が笑ったとき、そう思った」
「そんなこといわれても、他人は他人だ。ああ、ちゃんと礼はする。この森を抜けたいときがあればいつでも言ってくれれば案内する」
少しうつむくアッシュ。わずかに笑う。
「悪いな、それまで拘束させて。怪我が治るまで下手に動いたらまたうろついてる人間に見つかりかねないからな。村に戻りたいだろ。アルシェリク」
その言葉に、若干眉を寄せて、いつもとは違う低い声で、しゃべりだす。その言葉には憎悪の色がこもっていた。
「あんな…母上を見殺しにした村なんて…戻りたくもない…!」
「…アルシェリク?」
「なぜ俺はあんな村のために戦っているのだ、俺が死んで喜ぶ奴のほうが圧倒的に多い」
目には憎悪の色が、炎のように宿る。
アッシュには、なんていって良いか分からなかった。
アルシェリクは迫害されている?
ハーフエルフだから?
「しばらくすれば死んでいたかもしれないのに、折角、あの村から離れるチャンスがあったのに、なぜ、俺は生きている」
頭を両手で押さえて、憎い、と繰り返す。そして涙がこぼれた。
「お前が助けなければよかったのに!俺は…俺は…!」
混乱している。
自分の生を呪うがゆえに、助けてくれた人間に八つ当たりしてしまう。
彼は何も知らない。何も悪くない。
むしろ好意で助けてくれたことを感謝するべきではないか。
けれど今のアルシェリクは、まるで…子供だった。
誰かを恨まなければ生きていけなかった。
またあの村に戻るのかと考えただけで、耐えられなかった。
殴られるかと思った。ここまで理不尽に攻めて、殴られるかと。
だがふってきた言葉はあまりにも優しいものだった。
「ごめんな。俺、お前がそう思ってるの知らなくてさ…。でも助かったのは運命なんだよ、だから生きてくれよ」
そういうと、やさしく抱きしめる。
「…!」
手を振り払うでもなく、アルシェリクはじっと抱き締められていた。
温かい。
抱き締められるのは何年ぶりだろうか。
「なぜ怒らない?助けてくれたアッシュを攻めたのに」
「ん?俺怒ってないぞ。今まで苦しかったろ、全部吐き出しちまえ」
ああ、誰かにいってほしかったこと。
憎しみとか、心の闇とか、氷解していくようだった。
「…アッシュ…」
この人間は優しすぎる。
こんなハーフエルフの苦悩を受け入れるなんて。
「ごめん、ありがとう」
それが精一杯の礼だった。緊張の糸が切れて、眠気が襲ってくる。
ゆっくり目を閉じると、アッシュの腕の中で眠ってしまった。
ぽと、と、頬からあごに伝った涙がアッシュの腕に落ちた。
(こいつも、苦労してんだなあ…)
アッシュは光の入ってくる天井を見上げ、そのままの体制で火に当てていた肉をとった。
「お前は、人間か。迷ったのか?」
ざ、と大剣を持って近づいてきたのは人間だった。
考え事をしていたので、つい火を見ていたが、足音にはっと顔を上げる。
腕には、体重を預けて眠るアルシェリク。
まずい、彼がハーフエルフだと気づけば殺されてしまうかもしれない。
だが幸運なことに、長い髪がハーフエルフの証である耳を隠しているせいか、不審にはあまり思われないかもしれない。
ぎゅ、と抱きしめる腕に力がこもる。
相手は三人。
「そいつは?」
「仲間だ、怪我をしているからここで手当てをしている」
「人間か」
「何だ、あんたたちは迷ったのか」
男たちは甲冑の下から見える眼光には光がない。
疲れきってるという様子だった。
「ああ、エルフがいないもんでな、案内させることもできない。悪いがここで少し休ませて貰っても良いか」
ここで断ったら怪しまれるだろう。目をそらすと、数回頷いた。毛布を、アルシェリクの肩から頭にかけてかける。
「…ん」
少し、アルシェリクが動いた。
(今は目を覚まさないでくれよ)
「…女か?」
洞窟に入ってくると、甲冑をはずす。
甲冑を着込んでいるということは、布地の戦闘服のアッシュより一段上の階級の戦闘士ということになる。
「男だ」
「そうか。エルフならともかく、人間の女がここに居るはずないな」
「そ、うだな」
リーダーと思われる男が、じっとアルシェリクの顔を覗き込む。
「男とは思えないほど美しいな」
「そうか?」
エルフは美しいものが多いというが、その血を半分持っているのだから、アルシェリクも美しい部類に入る。
しかし気になるのは、妙に興奮しているこの男だ。何かやらかさなければ良いけど、と、思った。
「あ、水がない」
皮袋の中は空っぽだった。そういえば、傷の手当てにも水を使用したし、何度も水を飲んだ。アルシェリクの皮袋にも水はわずかにしか残ってなかったので、汲みに行くことにした。
アルシェリクの耳が見えないように、そっと横たえる。
人間に囲まれた状態で彼を置いていくのは不安だったが、日が暮れる前に早く水を汲みに行くことにした。
がさ。
「この服…エルフのじゃないか?」
毛布をはいで。服に手をかける。
「まあ、これだけ美形なら男でもエルフでもかまわないさ」
包帯で巻かれた体が見えてくる。
薄い肉のついたからだ。無駄な肉がなくて美しい。
ただが男たちからすれば、胸が女のようにないことは不満だったろうけど。
ズボンのベルトを取って。
男がズボンに手をかけたとき、その目が開いた。
「…何をする」
「ちッ、起きたか」
男が目配せすると、ほかの男が動いた。腕を押さえつけ、口を手でふさぐ。
「んぐっ…!」
首を振って、アルシェリクは抵抗する。口が開ければ、噛み付いてやることもできるのに、それすらできない。
がっちり体を押さえ込まれていて、ハーフエルフの力ではそれを振り払うことはできなかった。
それでも足をばたつかせて抵抗するが、リーダーらしき男に押さえつけられた。
まさに犯しにかかろうとズボンと下着を脱がしにかかった男の頭に、タオルがぶつけられた。
水に濡れたタオルで、しぶきがアルシェリクにもかかる。
「お前ら何やってんだよ!アルシェリクは怪我人だし男だぞ!!」
それはアッシュだった。
舌打ちしながらも、男たちはアッシュも仲間に、と誘うつもりらしい。
駆け寄ってきたアッシュの手首をつかむと、いやらしく笑った。
「お前も女断ちしてるんだろ?ならこいつ犯っちまおうぜ?」
その瞬間、すらりと剣が光った。
アッシュが剣を引き抜いて、リーダーらしき男の首に当てていた。
「上司だからとか仲間とかだから、って、俺は容赦しねぇぞ。今すぐそいつを解放しろ」
さすがに首に剣を当てられて、一歩退く。
リーダーの危機に、ほかの男たちも手をのける。
「くっ!」
手をのけた瞬間を狙って、思い切り噛み付く。
男は皮手袋越しとはいえ、思い切り噛まれ、苦痛を表情に出した。
「アッシュ…!」
暴れたので少々体力を使ってしまった。
アッシュの足に背中を寄せると、脱がされかかったズボンに手早くベルトを巻いた。
暴れたものだから、傷が少し開いたらしい。痛みがじくじくと胸から響く。
「…出て行け!この洞窟から出て行け!」
完全に切れてしまっているアッシュは、今にもリーダーの首をはねそうだ。
彼らはあわてて荷物を整えると、洞窟付近から逃げていった。
「…あんのやつらぁ〜!!アルシェリク、何もされてないか!?」
剣をしまうと、がっしとアルシェリクの肩をつかんでこちらを向かせた。
やはり男に襲われたことがショックで、少々落ち込んでいるらしい。
目をあわせようとしないアルシェリクを、アッシュは寝かせてやる。
「大丈夫、すまない…。二度も助けられたな」
胸の包帯からは血がじわじわと染み出して、汚していた。
「あ、血が…」
「暴れたから傷口が…」
しっかり巻いていた包帯が、アッシュの手によってばらける。覗いた傷口に、アッシュは舌を這わせた。
「んっ…アッシュ…?」
「静かにしてろ」
あいつら、よくもアルシェリクを…。
確かに男だけれど、中性的なイメージを持つアルシェリクは相手にちょうどよかったのかもしれない。
だからって。
だからって。
くすぐったさに目を閉じるアルシェリクは、アッシュのその行動を拒否しなかった。
「嫌じゃ、ないのか?」
「…?何でだ?」
「嫌じゃないのか。俺なら何もしないと思ってる?」
その瞬間、びく、と、アルシェリクの体が強張った。
アッシュの目に、凶暴な色が見えたからだ。
「アッシュは…」
そ、とアッシュの頭に手を置く。
「俺にひどいことはしないだろ?」
そういうと、彼はやわらかく笑った。でもその笑顔が何か気に入らない。
自分のこの感情が何なのか分かりつつある。それがとても危険なことだとは分かっている。でもそれが、まったく彼には伝わっていない。
アッシュは不意を撃ち、彼の唇を奪った。アルシェリクの手を握って、もう片方の手は肌をさまよう、さすがに驚いたのか、アルシェリクは大きく目を開いて、首を振った。
だがそれでも許さない。舌を入れて、唇はそのままで。
「っは、っん!」
唇を離してはまた追うように唇が合わさる。
つかんだアルシェリクの肩は、わずかに震えていた。
「怖い?」
唇を離して表情を覗き込む。
二人の舌に伝う唾液が、なんだかいやらしかった。
小さく頷く彼に、アッシュは何もしないで抱きしめた。
「ごめん、暴走した。俺、さ、お前のこと好きみたいだ。奴らに襲われたお前見て、このまま犯してしまおうかとも考えた」
びくっとアルシェリクの体が震える。
そんなことをすればもちろんアルシェリクを襲った人間とやっていることは変わらないし、そんな気持ちがわいてきただけでも謝るべきだ。
「ごめん、ごめん。胸の傷は大丈夫か?」
いつものアッシュだ、と思うと、自然に緊張が解けてきた。
「少し、痛い」
「床で寝てる?それとも俺の腕の中で寝てる?」
「…どちらでも」
腕の中が良い、なんていえない。少しうつむいたとき、顔が赤くなったのが見えた。
「じゃあ…腕の中で寝てろ。何もしないから」
寝そべっていたアルシェリクを起こし、抱きしめなおす。
ごつごつした石に身を横たえるより、抱きしめられたほうが心地良い。
自分は思ったより、アッシュを受け入れているのではないだろうか。
アルシェリクはそう思いながら、目を瞑った。
「…くう…くう…」
(…)
可愛らしい寝息をたてて、アルシェリクは眠っていた。
薪がそろそろなくなる。
足しておかねば。
近くに落ちていた枝を放り込む。
「…ふう」
そろそろ寝るかとその態勢のまま、目を閉じる。
今日は随分性急に口付けしてしまった。
怯えているのが手に取るように分かったのに、やめてやることができなかった。
でも。抱きたいのは本当だ。
いつからだ?
恐らく彼が襲われてからだ。
自分の中にこんなにどろどろした感情が芽生えていたなんて。
忘れよう。今は寝よう。
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| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 次からお色気シーン入ります
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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映画版DMC 佐治×根岸
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
あとちょっと
あとちょっとだったのに
届かなかった
『待って、待って下さい』
必死で追う僕 逃げるあなた
『待って、先輩!』
伸ばした手にも触れず、その声にも振り向かず、先輩は行ってしまった
あの時から再開は出来ないまま時間だけ過ぎて行った
やっと会えたのに
卒業してから一度も会えなくて連絡が取れなくて
会いたくて、たまらなかったのに
届かなかった
今日も
そしてあの時も
大学に入学して、大好きな音楽が出来るサークルを探していた時に出会った先輩
アコースティックギターの音色が奇麗だった
優しい歌声が素敵だった
歌う姿がとても輝いていた
初めて出会ったその時に僕は恋に落ちたんだ
僕と先輩は好きな音楽も趣味も本当によく似ていて、すぐ気が合って仲良くなれた
「やっぱり恋愛は音楽を生み出す一番のエネルギーだよね」
「そうなんですか?」
「うん。好きな人の何気ない仕草とか、その時の風景とか、思い出す度に素敵なフレーズが浮かんでくるよ」
「根岸先輩は本当に歌を作る為にうまれてきたような人ですね」
先輩には好きな人がいたから
先輩が一途に想っている事を知ってたから
キラキラなオーラ全開で話す先輩を目の前に、当たり障りのない事しか僕は言えなかった
恋をお菓子に例えて”甘い”と言った先輩に
僕は、精一杯に平然を装って本心と違う事しか言えない
「僕、根岸先輩の歌、大好きです」
それがその時の僕に言える精一杯の言葉だった
「ありがとう。そう言ってくれるのは佐治君だけだよ」
そう言って僕だけにくれる笑顔が大好きだった
愛してるよ、好きだよ、なんて言葉は僕にはもったいなくて
それ以上は望まないと誓っていた
望めばきっと駄目になってしまうから
きっと今の関係が壊れてしまうから
「いつか一緒にバンド組んでさ下北でライブとかしたいよね」
「先輩とだったらどこへでも行きますよ!」
でも……それでも……
もし、僕の思いを伝えられたらどんなに楽になっただろう
この手で、あの細い体を抱き締めたらどうなっていただろう
あの温かい手で受け入れてくれたかな?
それとも首を横に振って拒絶したかな?
そんな勇気も出ないまま離れてしまったからもう分からないけれど
根岸先輩、
僕の恋は甘い恋なんかじゃない
スイーツには程遠くて
想うたびに辛くて苦くて、胸が張り裂けそうな恋なんだ
”夢で逢った頃から僕らは恋人さ
僕は知ってたよ 僕らがきっと出会うこと”
だから、せめて夢の中では甘い恋人でいさせて下さい
そしてもう一度、会える時が来るとしたら、その時は
”時を越えておいでよ
ここで待っているから”
その時は、僕の気持ちを伝えてもいいでしょうか?
□STOP ピッ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
映画の根岸と佐治君が本当に可愛い過ぎて書いてしまいました
佐治君は学生時代から根岸に片思いしてたと、
ついでにサリーマイラブは彼の片思いソングだと信じてます
文章がおかしくて申し訳ありません
お邪魔しました
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
粕ピアンプリンスの角/笛から。
最後の戦闘シーンでの、兄と弟の阿吽の呼吸がたまらんかった…
眼前にまさに黒々とうごめく軍隊が、大地を蹴る音がする。
突き上げられる槍や雄たけびすらも飲み込んで、まるで巨大な得体の知れない生物のように、
それは蠢いて迫ってくる。
圧倒的に、飲み込もうとしてくる。正面から当たれば、わずかなこちらの手勢などひとたまりも無い。
ぞっとした。
ときの声と震えが感覚を這い登って、有無を言わせぬ恐怖を脳天につれて来る。
傍らの兄がゆっくり呟く。戦場なのに、なのにそれは聞こえた。
「エド、お前も粕ピアンと行け」
ひゅう、と、息遣いの一つまでも。
「やなこった」
「エド魔ンド!」
「正義王は、一の王の右腕だ」
自分の心臓の鼓動にあわせ、弟は呟く。聞こえている。
兄にもこの声は聞こえている。
「だから僕は、ピートの最後の砦だろう」
そんなことも忘れたのか?と弟はまた呟いた。視線は全く前から外さずに。
投石器から飛び狂う岩弾の空を切る音も、それが地響きを立て周囲に飛び込む様も、
不思議とその声を邪魔しない。
眼前の草原に迫り来る敵軍は、意識を離して見ればまるで美しいかのように黒々としている。
少しずつ殺そうと、近づいてくる。
その腕が、剣が、槍が。自分に、兄の金髪に、青い目に。
「忘れたわけ、ない」
まだ剣は構えない。ひたと、弟と同じく前を睨むだけ。そうだ、こんなことは何度もあった。
過去の王の時代のこと。弟に背中を預けたことも、留守居を任せて遠征したことも、全権を委ねて
危うい外交旅行に送り出したことも。白い魔女との戦いから始まってロンドンに帰って、そして
先ほどの一騎打ちの算段も。
今はかつてのように、エド魔ンド王、と呼びはしない。彼も兄ぎみ、とは言わない。
けれどふたつからだに流れる、王の血がまるで共鳴しているかのようだ。いつかの風景、思い出、
重なってはぼやけ、その先の黒い大軍勢を覆ってはまた消えたりした。
こんな絶望は初めてだ。
けれどこの国では、いつもどこか感じていたのかもしれない。
「エド、ぼくと一緒に死ぬ気か」
「死なせるかよ」
「…」
「兄さんだけは」
それが僕の矜持だ、と弟は呟いた。何時の間にか大きな無音で、耳が押しつぶされそうだった。
この声は、この風景は、どうして繰り返すのだろう。覚えている。
ひとつ、ふたつ、数を数えながら、胸は張り裂けそうだった。着慣れた重い鎧の下で、
重なる鎖帷子の下で、肌はもう千々に切り裂かれて燃えるように熱かった。
そして、けれどかだからこそか、お前は逃げろとその一言が出なかった。
自分の隣に居るというその信念は、絆というには重すぎたし、信頼というには孤独すぎた。
三、四、五。
何故だろうか、この絶望。けれど決して哀しくは無い。
この国の力なのか、己の力なのか。甦りつつある記憶のせいか。
呟くように数えながら、その数と共に我が身から消えていくものをピー田ーは感じる。六、七、八。
やがて最後には、焼け付き落ちた肌の下から、なめらかですらあるものが甦って大地を踏んでいた。
この国とともに生きるなら、それがさだめとでも言おうか。
ナル弐アの至高の王は、永遠に変わらない。
ちらりと気配だけで隣を見た。最愛の王弟がそこにいた。
目はあわせない。
あんたを死なせない。
お前は逃げろと言えない。
九。
死に場所を奪うことは。
死に場所を奪うことだけは。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
DVDが楽しみだ…
このシーンからラストまで、また舐めるように見たいw
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某在阪王求団、トリめぐ。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 互いの呼び方は「けいさん」「トリちゃん」で 。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ テキトーデゴメンネ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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イニングが変わる。この回先頭打者の彼は、バッティンググローブをはめ、レガースを装着
すると足早にベンチを出た。
右手に持ったバットの先で軽くヘルメットを叩き、両肩をぐいぐいと反らして気合いを入れる
後ろ姿はいつも通りなのだが、今日は ── 正確には5回表の打席から ── それとは別の
激しい感情が陽炎のようにほとばしっているのが見える。
うっかり触れると引火して火だるまになってしまいそうなくらいの ──
そんなことをぼんやり思っていると、間隔を空けて隣に座る四番打者がおもむろに席を立った。
ちら、と動かした視界に、氷のうを後頭部に当ててベンチ裏へ姿を消す背番号6が映る。
本当に大丈夫なんですかと駆け寄って問い詰めたい衝動と、そんな軽率なことが許される
はずもなく、他人事のように振るまわなければならない暗黙の義務感とのせめぎあいに
鈍い音を立てて心臓が揺れた。
気づかないままに眉をひそめ、表情をこわばらせていたらしく、斜め後ろに座る背番号9から
「おーいトリー、顔イッとんでー」というありがたい小声の茶化しを頂く。
誰の顔が、とそちらを睨みつけようとした矢先、球審の甲高い叫びが耳をつんざき、思わず
意識が横滑りにホームベースへと向いた。
視線の先で彼は落ちるボールを強振でもしたのか、およそ不細工な格好でくるくる身体を
回転させながら打席を大きく外れているところだった。
きゅっと口許をへの字に結び、打席に入り直す姿には余裕が感じられない。
両手に持ったバットを斜め前に倒して間を取るルーティンも省いて、すぐさま構えの体勢を取る。
明らかに焦燥に支配され、空回りしている。
ふとネクストサークルを見やると、同じことを感じていたらしい背番号25が、怪訝な表情を
浮かべて打席の方向を見つめていた。
一度もベンチを振り向こうとはしない。なるほど、さすがにこちらは余裕がある。
敬愛する人物が頭部死球を受けたくらいでは動揺しない。根底に絶対的な信頼があり、
加えて動揺することを件の人物が良しとしないからだろう。
ゴチソウサマデス、と心の中で舌を出しておく。
ピッチャーが投球体勢に入った。投げ下ろされたボールに反応して黒いバットが振り出される。
引っかけただけの打球はあっさり遊撃手に捕られる。脇目もふらず一塁へ走る彼は
その瞬間、勢いよく地面を蹴った。
送球が一塁手のミットに収まった直後、土煙が立ちこめた。彼は絶叫とともに頭から
ベースに突っ込んだ。
余韻はない。アウトの宣告を受けるまでもなく立ち上がり、ユニフォームの前面にこびりついた
泥を払いながら駆け足でベンチへと戻ってくる。
ヘルメットを取りながら最前列に腰を下ろすと、前屈みのまま彼はしばらく動かなくなった。
荒い息遣いに、彼と同い年の背番号8が心配そうに言葉をかけるが、それに応じる余裕も
ないのか二、三度頷いただけで顔を背けて立ち上がり、ベンチ裏へ去っていく。
尋常ではない様子に腰を浮かせかけると、ちょうど入れ替わりに背番号6が戻ってきた。
しばらく逡巡するが、意を決して手近にあったタオルを取ると、背番号9に「打席が回りそう
だったら大声で呼んでください」と言い置いて、彼の後を追った。
薄暗い通路の途中、壁に半身を預ける形で彼は背中を丸めていた。
苦しげな呼吸音が反響する。茶色の短髪からしたたる汗がぽたぽたと床に落ちるのが見えた。
「恵さん」
近づいて声をかけると、彼はこちらを振り向いて驚いたような顔をした。
左手は胸の上の布地をぎゅっとつかんだまま、息切れはおさまっていない。
「打席……」
「呼んでもらうように言ってあります」
「俺は大丈夫だから……戻って……」
「すごい汗じゃないですか」
手に持った白いタオルを広げ、頭からすっぽり包むように彼にかぶせる。熱い。
行き場のない激情が未だ、彼の全身から放たれているのだ。
いたたまれなくなって、背後から両腕を回してタオルごと彼の身体を引き寄せた。
「トリ ──」
「今日、怒ってますよね、ずっと」
相手投手に対してなのか、自分自身に対してなのか、それは分からないけれど。
確かなのは、四番打者が頭に死球を受けたのがきっかけだということだ。
「俺が、塁に出なきゃ、って……。でも、打てなくて」
本当はホームランの一本でもぶちかましてやりたかったけど、それは無理だから、と
早口につぶやいて、彼は苦笑した。
「情けない。負けられないのに」
塁に出ることで繋いで、四番が雪辱を果たす舞台を整えたかった。
けれどその役割を果たせない自分自身に憤っている……と、いうことらしい。
(この試合は負けられない)
それはベンチにいる全員が共有している気持ちであり、彼ひとりだけのものではない。
なのになぜか時折、彼はそれを一身に背負いこもうとする。
選手としてはきわめて小柄な部類に入る身体を、躊躇なく投げ出そうとしてまで。
「……」
ひとつ息を吸いこみ、視線を上向ける。そういう人だと知っている、昔から。
だから自分にできることと言えば。
「今日ダメなら、次頑張ればいいじゃないですか」
負け試合の時は決まって、「また明日です」とコメントを残す三番打者を思い出しながら
彼の耳元にささやく。
「今日なんか恵さんが打たなくても粗いさんが打つでしょうし、どうせ鉢さんは自分の
仇は自分で討つでしょうし」
まあ当然俺も打ちますし、と付け加えると、彼は「ふふっ」と吹きだして肩を揺らせた。
「……なんか微妙だなあ」
それって励まそうとしてるの、けなしてるだけじゃないの、俺のこと ── そう言いながら
彼はこちらを向いて、上目づかいに笑う。
その黒目がちな瞳に重なるように、繋がった視線の距離をゼロにした。
触れ合った唇から彼の熱が伝播し、頭の片隅がじんと痺れる。
「ん……」
唇を離すと、彼は鼻にかかった声を漏らした。汗のにじむ額にもそっと口づけ、腕の中の
身体を反転させて壁に背中を預けさせる。
伏せられた瞼に唇を落とし、頬の輪郭をなぞり、そしてふたたび唇をついばむ。
先ほど分けあたえられた熱を彼に返し、さらには互いの間で増幅させるように、深く深く
口腔内で舌を絡めあわせる。
かすかな水音が鼓膜に刺さり、煽られるばかりの衝動が止まらない。
身をかがめ、角度を変えて何度も口の中に割って入る。舌を吸うと、彼は押し殺しながらも
喘ぎの入り混じった息を吐いた。
「ト、リ……っあ……」
やっと解放された唇でこちらの名前を紡ごうとするが、すかさず耳たぶを咥えたので
言葉にならずに終わる。
黒いアンダーシャツのハイネックに指をかけてずらし、あらわになった首筋に舌を這わせる。
とどめとばかりに彼の喉仏にかみつくと、びくりと全身を震わせた。
ここは球場の廊下で、他の誰かが通る可能性があって、ましてや今は試合中で ──
なけなしの理性を呼び起こし、行為を中断させる要因はいくつもあるはずなのに
熱に灼かれた脳の中枢がそれらを全てシャットアウトする。
半開きの唇から扇情的な吐息を漏らし、濡れた瞳で見上げてくる彼に、溺れかけている。
(誘ったのは)
止まらない。ベルトに手をかけようとした、その時 ──
「!」
ベンチと通路を隔てる扉の蝶つがいが軋みをあげた。
間をおかず、スパイクがコーティングされた床を擦る独特の音が近づいてくる。
「おおい、トリー。トリちゃーん」
我に返り、聞こえてきた声の人物の姿が見える前に、素早く通路のくぼみに身を潜めた。
「……あれ?」
足音が止まる。
「けーいっちゃん? どうしたん、具合悪いんか?」
いや、ちょっとあの、と、タオルで顔を隠しているのか、こもった声で彼が受け答えをするのが聞こえる。
「酸欠で……でもたいしたことないんで、すぐ戻ります」
「ホントに? けどしばらく大丈夫やで、ダンスのねーちゃんらの時間やし。で、このへんトリちゃん
通らんかった?」
「……。さあ、見てないですけど……」
「ふうん……。あいつさっき打席きそうやったのにおらんから、監督とか怒ってんねんけどなあ」
「見かけたら言っておきますよ」
「うん、頼むわ」
声の主はそう言って立ち去りかけたが、数歩進んだところで「あー、それとな」と付け加えてきた。
「余計なお世話だけどさ、あいつにあんましサカんなって言っときな」
(!)
瞬間的に物陰から飛び出しかけたが、ぐっとこらえる。
足音がベンチの方向へ去っていくのを聞き届けてから、そっと顔をのぞかせると、通路の壁に
もたれて座りこんでいる彼と目が合った。
「……だってさ」
じろ、と物言いたげに睨まれる。
「もう、この変態」
「否定はしませんけど」
「郁浪さんに思いっきりバレてるし」
「まあ、そりゃあ……ねえ」
あのシチュエーションでバレていないと思うほうがむしろおかしいのだが、あえてそれは
口に出さないでおく。
(それに、誘ったのは……)
溜め息混じりに呟き、彼に視線をやる。当の本人はこちらの無言の主張には全く気づかず、
「何?」と首を傾げてくる。
「いえ、先に戻りますね」
「トリちゃん」
彼の傍を通りすぎようとした瞬間、ぽつりと投げかけられた言葉。
「ありがとう」
「……どういたしまして」
我ながら芝居がかっているなと思いながら慇懃に会釈すると、一人ベンチへと続く通路を歩いていく。
自分が彼にできることなど、たかが知れている。
だから本当は見返りなど、期待してはいけないはずなのだ。
期待してはいけない ── まして、求めてしまうことなど。
(でも、求めてる)
溺れてしまっている。勝手なうぬぼれでなければそれはお互い様の話で。
ああ、相当だ、と苦笑する。
唇の感触。
冷めない、熱。
>>465 「5/6」のナンバリングが抜けてしまいました…すみません。
____________
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ シリスボミデゴメンヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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>>461 ちょ!ネ申キタアアアア!まさか、この二人が読めるなんて夢のようです!それもラブい。
ありがとうありがとう。こんなに嬉しいことはないです!
>>450 佐治くん切ないな…。
可愛いSSに萌えさせていただきました。
初うpです
世界で三番目になった4人のうちの犬×次男です
ナマモノでエロなので苦手な人はスルーしてください
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「ちょ、冷たいって」
「あは、ごめん、落ちちゃった」
絶対わざとだ
なんだよ、そのわざとらしい笑顔は。そりゃ、エッチした後暑いしのど乾いたからアイスほしいっていったのは俺だし
わざわざコンビニまで買いにいかせたのも俺だけど
なんでアイスを俺の体に落とすんだよ
「汚れちゃったね、きれいにしなきゃ」
俺の胸元にアイスを舌できれいになめていく
これをやりたかったのかぁぁぁぁぁぁ
「ちょ、束原、んっ」
どさくさに紛れて乳首噛むなよ
「なに?俺はただアイス舐めただけだよ」
白々しいんじゃ、このボケ!
束原はつっこむだけだろうけど俺はつっこまれてさんざん泣かされるんだから、
もうワンラウンドやったら身がもたない……
ん?
あれ?
なんでそんなににやついてるんだ?
「高比良さん、どうしたの?下熱くなってるよ」
うわぁぁぁ、何起ってるんだよ、俺
自重しろよ、俺
エッチ思い出しただけで起つとか童貞かよ
あ、童貞はエッチしてないか
とかそんなことじゃなくて
「束原?」
「熱くなってるからさまさなきゃね」
バニラアイスのカップを逆さにして中身を全部自己主張始めたあれに落とした
「ちょ、んっ、冷たいって、んぁ」
胸に落としたときみたいに舐め始めた
アイス舐めるからペロペロといつもと違う感覚でまた俺のが大きくなった
ほんとに自重しろよ、俺
「なぁ、束原ぁ」
「ん?なに?アイス食べたい?」
しゃくだけどこうなったら逆に素直になってやる
「違くて、んぁ、束原がぁ」
「俺が何?」
「束原が食べたいの」
固まった束原の顔が一瞬にしてなだれた
「たぁかぁひぃらぁさぁぁぁぁん」
抱きつかれて押し倒された
「なんだよ」
「なんでもない〜ふふふ」
「ほんとになんだよ」
「えへへ、高比良さん可愛いぃ」
誰のせいでこうなったと思ってんだよ
責任持てよバカ犬束原
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
エロしかないし、落ちてないし姐さん方のお目汚しになってしまったorz
ほんとすんませんでした
>>470 おお、この二人でしたか!バカ犬ワロタw
リーマン姿で犬が次男の手を引いてるようなツーショット画像思い出してさらに萌えたよ。同じ会社だしなー。ありがとうございました。
>>467 神様ktkr
ごちそうさまでした、ありがとうございました
>>450 根岸×佐治派だけど、大変萌えさせて頂きました!
切ない…サリーマイラブ聞き直してきます
勇気を出して引っ張り出してきました
ナマモノで某在β反王求団0105です
お嫌いな方はスルーして下さい
|>PLAY ピッ ◇⊂
何度目だろう。気がつくと目が彼を追っかけている。
試合前の特守を始めたばかりなのに、もう泥まみれだ。右に左に振られる打球を追い躊躇なく飛び込んで行く。
顔にまで泥が付いているが、気にする様子もなく無心に打球を追っている二塁手。
見ているだけの自分が汗ばんでくるのに苦笑してベンチから離れた。
「何や辛気臭い顔して」
と絡んでくる196を軽くあしらって水を飲む。仲良しの196だが、今は相手に出来ない。頭の中には彼しか居ない。
僕は何を苛々しているんだろう、今年になって初めて連携プレイを練習した時から抱き続ける感情…
シーズンが始まっても苛々は治まる事もなかった。呼吸が合わないのかと考えたが連携プレイは完璧だった。
そんなある日故障で彼が戦列を離れた。治まる筈の苛々は一層激しさを増す。
彼が復帰した時ベンチで声を出す姿を見て、思った。
そこは貴方の居るべき場所じゃない、こっちに来い
グラウンドに戻ると彼は居なかった。同じ内野手の先輩を捕まえて訊ねる。
「ランダウンの事で確認があるんスけどメグさん何処っすか?」
素振りしてくる言うてたからミラールームやろ、と答えてくれた先輩に礼を言いミラールームへ向かった。
ミラールームに彼は居た。素振りはしておらずTシャツに短パンというラフな格好でストレッチをしている。
ドアを細めに開けて周りを気にしながら覗き見る。しなやかで鋼の様な筋肉に見惚れていると苛々が治まって来るような気になり、
それはそれで別の苛々を生み出すようで再び苦笑が漏れた。ドアから離れ踵を返そうとした時に声を掛けられた。
「トリだろ、入って来なよ」
彼からは死角になっており自分の姿は見えない筈で無視して立ち去る事も出来たが、彼の更なる一言がさせなかった。
「トリ居るんだろ?見えなくても分かるぜ」
ドアを大きく開けて鏡越しに目を合わせる。失礼しますと口ごもりながら後ろ手にドアを閉めた。
「鍵掛けといて、邪魔されるの嫌なんだ」
そう言って再びストレッチを始めた彼に近づいて話し掛ける。苛々は消え去っていたが心臓が口から飛び出しそうだった。
「ランダウンの時なんスけど…」
彼は動きを止めてジッと見てる、もう何を言っているのか自分で分からなくなっていた。
あ、泥が付いてる。
思った瞬間右手が彼の頬に伸びた。親指の腹で泥を拭う、何故そんな事をしたのか分からない。分からない事ばかりだ。
不意に世界がぐるりと回った。
伸ばした右手を引っ張り込まれ彼に組み敷かれていた。
呆然とする自分を見下ろし、ランダウンなんてどうでもいいじゃんと笑う彼はいつもと同じで、でも知らない男の様にも見える。
「もっと早く来ると思ってたよ」耳元で囁かれ身体中の力が抜けてしまった遊撃手に覆い被さり、触れるだけのキスをする。
消えた筈の苛々は別の顔で現れる、欲情している自分の顔だ。
その変化を見て取り、じゃあ遠慮なくとばかりに深く口づけて捩じ込まれた舌はまるで彼自身のように柔軟な力強さで口腔を犯していく。堪らず漏れた声は女のようだった。
いつの間にか彼の右手が短パンの裾から侵入しており下着の上から欲望を煽り立てていた。裏側の敏感なラインを絶妙な指使いで撫で上げる。
なんでこんなに気持ちいいんだろう、分かんないや。分からない事ばかりだけど、気持ちいい事だけは分かる。あぁ、そういう事か…
突然彼が身体を離し囁いた。
「今日はここまで」
このままじゃあ試合に差し障りますよと上擦った声で抗議するトリを見下ろし、ニヤリと笑うとクルリと背を向け歩き出した。
肩越しに投げられた言葉を聞いて哀れな遊撃手は「分かんねえよ…」とこぼした。
抜いちゃうほうが差し障りあるんだぜ
□ STOP ピッ ◇⊂
何か色々すみません
長いしエロくないし( ゚∋゚)はアホだし…
483 :
父×次男:2008/09/17(水) 13:06:40 ID:QDxaeGzv0
調子にのってまたきました
世界で三番目になった4人のうちの父×次男です
やまも落ちもあったもんじゃねえ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
会えない日にはガラスの瓶にビー玉を
カランと音をたてて、また一つ増えるガラス玉
寂しさを紛らわせたくて始めたビー玉遊び
彼が言い出したものだった
娘さんが遊んでいたものをもらってきたたくさんのビー玉を俺に手渡してこう言
ったんだ
「会えない日は一つビー玉を瓶に貯めて?ビー玉が瓶いっぱいになる前には会え
るから」
約束どおり、彼は瓶いっぱいになる前には必ず会いにきてくれた
俺も律儀に約束守ってビー玉貯めるから俺の部屋にくるたびに彼はくすぐったそ
うに笑う
蛍光灯越しに瓶を見るときらきら輝くいくつものビー玉
二人で行った海の色
二人で走ったトラックの色
彼に手渡したバトンの色
俺に笑いかけてくれるあの笑顔
きらきら輝くビー玉からいろんなものが思い出される
ぶつかり合ってはカランカランと音を立てるビー玉
音を聞くたび浮かんでは消える彼の顔
もうたくさん貯まったからきっと明日は会えるはず
瓶いっぱいになる前に
早く会いたいよ、朝原さん
□ STOP ピッ ◇⊂
なんか謝罪しか浮かばない
ほんとすみませんでした
486 :
ナマモノ 「ゲーム」:2008/09/17(水) 15:21:10 ID:KJn5SPnSO
ナマモノ注意です。懲りずにヘッタクソな宵子捏造。
エロ無し落ち無しです。すみません。
では
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
487 :
ナマモノ 「ゲーム」 1/3:2008/09/17(水) 15:22:17 ID:KJn5SPnSO
ゲーム
「蟻野ぉー」
「なんや、葉間口」
「そろそろ、違うゲームやらん?」
「なんで?」
「……飽きたからや。単調すぎるんやもんこのゲーム!」
「ええー。今のってきたとこやん。ここで止めたら絶対次やるときはここまでできへん」
「なんで、そんなに一つのゲームに固執してやり続けるねん」
「なんでってもなぁ。『そこにエンディングがあるからや!』じゃあかん?」
「別にあかん訳やないけど…。っつかエンディング無いけどなこのゲーム。
―ああ、じゃあなんでこのゲームずっとやっとんのか教えてくれへん?」
「ええよ。
―このゲームな、俺がゲーセン復帰した時にやったんやけど、
スタッフと対戦して、めっちゃハンデつきまくりやねん!
それで勝って嬉しいか、課長?って事で、特訓しとるんや!!」
488 :
ナマモノ 「ゲーム」 2/3:2008/09/17(水) 15:23:30 ID:KJn5SPnSO
あぁ。そんなことか。
こいつは普段は適当に、丁度良く諦めたりするやつだけど、
昔から妙なところでこだわりとかプライドがあって、それがよくこいつを変なイメージに仕立ててたと思う。
あんまりゲーセンでの事は気にしてないと思ってたけど、すっごい気にしてたんだなあ。
「葉間口?おーい葉間口くん?」
呼ばれる声がして顔を上げた。すると目の前に蟻野の顔があって、びっくりしオレは座りながら後ずさった。
489 :
ナマモノ 「ゲーム」 3/3:2008/09/17(水) 15:24:30 ID:KJn5SPnSO
「びっくりするわー。いきなり目の前とか……」
「だって葉間口くん、僕が『特訓終了してええから違うゲームやろかー』って
言っても自分の世界に潜りこんでいて、全然気づかないんやもん」
「え?お前そんなこというてたか?」
「ゆうてたよ。んで全然反応無いから顔の目の前で大声で呼んでやったんや」
「そか。すまん。考え事してた」
「ふーん
―じゃあ何やる?それとも時間的にアレやしそろそろお開き?」
「えっ!お開きゆうても、オレほとんどお前の練習相手にしかなっとらんやんけ」
「そうやね。やっぱ、何かやるかー。何がいい?」
「じゃあオレあれがいい。この前お前がやってた、なんや、女の子が主人公の……」
490 :
ナマモノ 「ゲーム」 おわり!:2008/09/17(水) 15:25:40 ID:KJn5SPnSO
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ううーん。ほのぼのって難しいですね。
大阪弁めちゃめちゃですみません。
失礼しました……!
流れ豚斬って刀語虹置いていきますね。
BMI19の引きこもりがいけないのだよ!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「………」
膝の上に乗せられて、後ろから腕を回されて。
たったその程度のことですっぽりと七花の腕の中に収まってしまった自分に苛立ちながら、銀閣は目を閉じた。
この男が何をしようとしているのかは分からないが――むしろ分かりたくもない――逃れようがないのなら、寝てしまえばいい。
眠ってしまえば、とりあえず不快感からは逃れられるはずだ。
そう考えて眠ろうとした銀閣のすぐ後ろで、七花が舌を突き出した。
「……!?」
暖かいものが耳を包む感触にぞわりと震えて、銀閣は目を見開く。
一呼吸遅れて舌に耳の後ろを舐められたのだと気付き、反射的に肘が出た。
「寝るなよ」
「寝でもしなきゃ、やってられるか。気ッ色悪ぃ」
どすりと、鈍い音がして。
避けるでも受け止めるでもなく、平然と肘を受けた七花を見て、銀閣の眉間に深い皺が寄った。
抜け出そうともがく身体をこともなさげに押さえ付けて、七花が銀閣の肩に顎を乗せる。
まるで、猫が甘えているようだ、と。
一瞬とはいえ考えてしまった自分自身に銀閣の顔が歪んだ。
擦り寄るように揺れた頭の、無駄に長い髪に首筋をくすぐられて、銀閣が髪束を押し退ける。
「あんたが寝たら、おれは一人でどうすりゃいいんだ」
「知らねぇな」
嫌でも視界の端に映るようになった七花の顔が、不服そうにむくれる。
心底鬱陶しげに顔を歪め、銀閣は再び目を伏せた。
「……先に寝たら、遊ぶぜ。あんたで」
ぽつり、と。
拗ねた子供めいた声で呟かれた、ろくでもない内容に、くっつく寸前だった銀閣の両瞼は弾かれるように開かれた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
1/2付け忘れましたスマソ…!orz
493 :
探偵語り:2008/09/17(水) 22:12:06 ID:Zn+dnZ4p0
土11ドラマ まさかの警部←探偵
甘さもエロさもなんもなし
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「探偵!事件だ!」
その声に、喜び勇んで飛び出そうとする自分を必死に押さえる。
落ち着けー落ち着けー。彼の相手は助手がしてくれてる。はい深呼吸、すー、はー。
髪型チェック、よし。顔色チェック、よし。服装チェック、よし。もっかい深呼吸………よし。
「おお、いたか探偵!また事件なんだ」
……いつだってこの人は僕を「探偵」と呼ぶ。他の人は名前で呼んでくれるのに、この人だけだ。
まるで、僕が探偵だから構ってくれてるかのよう……って、実際そうなんだけど。探偵やーめた、な
んて言ったらもう見向きもしてくれないよ、きっと。
うーん、悔しいなあ。
僕が大っ嫌いな死体のある場所なんかにわざわざ出向く理由、絶対気付いてないんだろうなあ、こ
の能天気おっさん。
「さあ、現場へ急ぎましょう」
ええ、ええ、行きますとも。あなたと少しでも一緒にいられるならね。
って、終わっちゃってるやん! 犯人捕まっちゃってるやん!
簡単に自白すんなや犯人! お前も嬉しそうに報告すんなや寝グセ!
ここで解決しちゃったら次の事件までまた会えないんやぞー!
……ああもう、しゃあない、またいつもの手でいきますか。
だから、もう少しだけ付き合ってくださいよ、警部。
「この簡単な事件、俺が33分もたせてやる!」
496 :
探偵語り:2008/09/17(水) 22:17:47 ID:Zn+dnZ4p0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ポーカーフェイスぶってる探偵の本音妄想してたらあっさり暴走
本命は別なのに、まさかこの二人で書けるとは思わなかった
>>432 ちょいといたずら心起こす蟻とすぐ不安になる葉間がええわー
>>490 こんな素のふたりを見てみたいなぁ
コンビ単独出演番組が少ない中、投下してくれてd!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ナマモノ注意、バツテリーネタ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ニョウボウ役なのに旦那なんだな
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
鉄人才甫手27とパーム簿ーラー47の、タメ年バツテリーで。
適度に下品で、適度にほのぼの?
怪我しながら頑張る才甫手に萌えたんだぜ…!
前日の試合で思いっきり死王求を食らった左肩は、次の日にはどす黒く腫れ上がっていた。
鎮痛剤の世話になりながら何とかプロ手クタを身に付けて、痛え痛えと頭の中ではひいひい言いながら
頑張ったらば、神様ってのは良く見てるもんだ、と糸田川は今になってしみじみとした。
苦手の相手血ームピッ血ャーから試合を決定する勝利才丁点、うん、俺にしちゃ出来すぎじゃねえか?
これで夕勝まで、また一歩前進したということになる。
お立ち大で程よく浮かれてロッカーに帰ってくるまでは、いい気分で正直その痛みも結構忘れていた。
周りのテンションも結構高くて、その話題に誰も触れなくなっていて、さて帰ろうかと着替え始めてそして。
「ぐぉっ」
湯ニフォー務を脱いで阿ンダーシャツをめくりあげた瞬間、見えない後ろからむんずと誰かが、
ピンポイントで左肩を掴む。
それも冗談でなく、尋常じゃない握力で。
「ってぇっ!!」
「っはあ、奇襲成功」
誰だ、と思いながらも痛みとそのために不自然になった肩の角度で、脱ぎかけのシャツから首を抜く
のも一苦労だ。
けれどその声、その指、考えなくても普通にわかる。左手で掴む時点でお前しかいねえ。
悪戯好きなのは今に始まったことじゃないが、しかしこれは、悪戯とかいう問題じゃねーぞ帆葦!
「…ってぇな!!何しやがる」
ぶすっとしたごつい顔を振り向かせても、当の相手は飄々と動じた素振りも見せない。
普通なら糸田川のこういう顔は、少なからず威圧的で若手には相当恐れられていたりするんだが。
「遅い。腹減ってんだから待たせんな」
ロー手ーションからして今日はベンチ入りもしていなかったサウ素ポーは、もうすっかり着替えて
王求場を出る気満々だ。
そういえば、飯でも行こうと誘ったのは自分だったと、また今になって糸田川は思い出す。
「…っあ、悪い」
「…その間、忘れてたな、お前」
「忘れてねえよ、だから待ってろ」
気づけば自分が最後だった。着るのも脱ぐのも苦労してるせいだ。
ロッカー中央のプラスチックのベンチにどっかと腰掛けて、帆葦はジーンズの足をだらだらさせて言う。
「しっかし腫れたな、みごとに」
「あー。腕上がんねーわ」
「いーじゃね、普段からロクに使わんだろ」
「そりゃ、お前と違って右投げだからな…っでもな、生活するのには、なぁっ…」
「おーいさっさと着替えろ」
「だから肩が抜けねんだよ!!」
今度は着替えのシャツから頭と片方だけ腕を出して、見ようによっては間抜けな姿で、糸田川は振り返って
怒鳴る。
気ままな帆葦の言い分は、珍しくはない。ないけれど、あー畜生。
たまにこんな風に何ともいえない顔で見上げたりして、俺をゾクゾクさせてるのにも気づいてないってのは
どうなんだ?別んとこが腫れあがるっつーんだよ。
何で髪伸ばしてんだとか、どうでもいいだろとか、最近の会話も思い出す。
好きなんだよなあ、今のお前の髪の長さ。
「っへ、さくさく脱げってか?帆葦積極的だな」
「おい、変な方向に取んな」
「お前が脱がしてくれたらなーぁ、ええ?いっつも逆だしな?」
「左手潰しきるぞ」
笑えない冗談を言うときの帆葦は、頬だけ少し吊り上げるような笑い方をする。悪魔だ悪魔。
打てば響くという言葉があるが、帆葦の場合はああ言えばこう言う、だ。
こっちが水を向けてもさらっと流す技術も一流だと思う。
毎回持っていくのに、だから本当に苦労させられている。
「つーか、だから今日はマジでアレだ、お預けだ、帆葦」
「いい気になってんな、っつの。飯行くぞ」
もう一度続ければ本当に、本当の本当にうざそうに、全く動じないで返される。いつものこと。
逆に言えば人によれば地雷発言でも、こいつなら言ったところで傷つきゃしないだろう、といった強さと
安心感もある。
まあ、本音を言えば動揺する可愛げも少しくらいはあってもいいもんだが。
全く、俺よりよっぽど肝が据わってるときてる。
「何だぁ、ヤる気になったらしつこいくせに」
「お前ががっついてんだ、バァカ」
「へっ、何言ってんだよ、この前お前が俺のムスコにぶち当てたときなんか…」
「はぁあ!?」
細川はにやにや笑いながら、わざと見せ付けるようにちょいちょいと己の股間を指差した。
「あん時結局ヤれなかったの、お前のせいだろって。ガンガンに腫らしやがってよ」
「アホが!勝手に取り損ねた下手くそっ」
「お前がだろ、ワンバンさせてわざわざ俺のアレをだなぁ」
「俺の王求にそんな王求威ねぇわ!!」
帆葦が細い目を全開にして怒鳴る。負けん気の強さが逆回転している。
馬鹿みたいだが事実は事実だ。地面に叩きつけられたその簿ールを、後ろにそらすまいと体で止めにいった
挙句のオチ。
あの日はその前から、久しぶりに時間を合わせられるなとか、柄にもなくちょっと期待してたりしたんだが。
「…」
「…そこで黙んなよ」
気を抜くと訛る。前のめりにしていた体をはあ、とため息をついて、また偉そうに反っくり返る。
じじじっと天井の蛍光灯が、場違いな合いの手を入れる。
「…」
だからお前がいいんだ、なーんて言ったらさあどうすんだろかな。
「…まあ、自業自得っつーな。変な体勢で突っ込んで振るから、そんなとこ避けられんわけだ」
「……。」
なおも黙っていると、帆葦は勝手にもごもごと呟いて、無理やり話題を修正していた。
独り言でも文句をつけているあたりはたまらなく、らしい。
「いいじゃねえか、それで今日はヒーローなんだし、これだってお前の左腕じゃなかろーに」
「当たり前。俺の左をお前のと一緒にすんな、悪王求撃ちが」
「おーよ」
さらっと流すと案の定、ちょっとだけ黒くした髪をがしがし掻きながら、帆葦が目を上げる。
「あぁ?」
「ど真ん中なんかつまらんだろーよ」
「何言ってんだぁ、当たらんだけだろ」
「…だからお前がいいわけで」
「はっ」
「お前みたいなの打つの、俺くらいだろが」
淡々と言ってやった。わざと何気なく、そ知らぬふりで己のロッカーを整理する。
タオルやアンダーを上げ下げするだけの、そんな時にも左肩は相当痛いが、まあそうだな。
これが、お前の左腕でなくてよかったよ。
俺は丈夫が取り柄だし、と己自身に呟いてうんうんと勝手に頷いて、糸田川はふと背後から何も聞こえない
ことに気付く。
負けず嫌いで自由好き。誰かに押さえつけられるのも縛られるのも大嫌い。
だからこっちが所有権なんて主張した日には、そんなわけあるかと吐きすてるだろうと予想はしていた。
今まで何度も、ああ、あまりにも簡単に想像できていた。だから言うなんて、実は怖くて怖くてさ。
馬鹿話ばっかりで、適当にあしらって、そんなくらいしかないのかなとか思ってた俺は、あー繊細!
繊細だっ、たらありゃしねえ。何を言っても暖簾に腕押し、鋼の心臓のお前とは大違い。
「…って、帆葦?」
振り向いた先で糸田は、そう簡単には見られない珍しいものを見た。
帆葦が、ただただ難しい顔をして、そっぽを向いて黙っている。
耳が少し赤いような気が、ほんのちょっとした。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 左腕のフカーツは萌えだな
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>498 ここでこのカプが読めるとは…ここが2chでなかったら!!
姉さんありがとう!!!
>>493 警部が受けに見えて仕方なかったので、
すっきりした形で萌えました!
ありがとう、すごく楽しかったです!
507 :
498:2008/09/18(木) 02:45:49 ID:yObkWbmt0
レスくれた姉さん方トン!
才甫手は「誰もうてない悪ダマはうてるのに、ど真ん中がうてない」
のがツボなんだ。
だから超難関悪ダマ=47でw
>493
GJGJGJGJ!!!
あわわわわわわまさかここで探偵話が読めるなんて!
心理描写がなんとも…探偵カワイイよ探偵!
姐さんゴチでした!
>>455 遅レスだが萌えた!
ありがトン
兄弟たまらん
このスレ
>>20等や前スレで聖書にて妄想してくださった姐さん
今もここをご覧になっておられるでしょうか
今日ビーエスで「じーざすくらいすとすーぱーすたー」やってましたよ
あれ見ると一気にユダ→主で萌え上がる自分です
ご気分向いたらぜひ〜
でもさすがに自分では書けないw
大学で神学科も卒業している真面目クリスチャソの自分ヘタレorz
JーザスCライストS−パースターに関しては、もし日本のミュージカルに
嫌悪感がなければ是非、劇団春夏秋冬のナマ舞台を見るのもオヌヌメするw
ここの歴代ユダの濃さは筆舌に尽くし難いぜ…!
役者さんによってはツモンやペテ口も愛が濃かったりするぜ…!
514 :
盲目の赤 0/4:2008/09/19(金) 00:26:29 ID:arJb/CoyO
もとねたあるにはあるけど完全捏造です、が、一応、なまダメな方はスルーしてください。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
あと何年あるのか、無意識におわりを数えるのは、もう癖になってしまった行為で、
それもこれも、あのひとが口癖のように言い続けているのがいけない、と、思う。
戻ってきた部屋はひどく広々として静かだった。
自分の呼吸が響き、道具を置いた小さな音さえ波紋のように広がる、この時間は嫌いじゃない。
毎日毎日、場所と時間が変わりはするものの、
ある種とても単調な生活の繰り返しだった。
殻だけになった自分にまた魂を詰め込んで、明日も明後日も力の入らなくなるまで走り抜けて、
くたくたになって部屋に帰ればあとは泥のように眠るだけ。
十数時間後には、疲れが取れていなくても身体中が痛くても、誰もがこの場所に戻ってくる。
傍から見れば馬鹿げているのかもしれないけれど、
それを心底楽しめているのだから自分たちはとてもしあわせだ。
この場所へ飛び込んで、いちばんはじめに出会えたひとがあのひとだったことは、
自分にとって人生最大の幸運ではなかったかといまでも思っている。
かけられる言葉ひとつひとつが新鮮で、毎日が高速で過ぎ去っていく。
あのひとがくれる知識も情熱も、なにひとつ零れ落ちてしまうことのないように、
すべて吸収していこうとしているのだが、ただ、それには自分の容量が明らかにたりない。
思い通り動かない身体も、袋小路にはまる思考も、
なにもかもあのひとの要求する水準には届かない、実力がたりない。
そして本当に、時間が、たりない。
秋が近付くにつれ、あのひとがおわりを口にする数が増えていった。
ひとりごとのような発言を拾い集めては、周囲が煽るように憶測を重ねては騒ぎ立てる。
その根拠のない噂を聞く度に一喜一憂を繰り返した。
どれだけ自分があのひとを頼りにしていたのか、
わかってはいたつもりだが、改めて晒されてしまった気分だった。
情けないのとは、またすこし、違う。
あのひとに失望されやしないかと、そればかり。
自分があのひとに対して、
萎縮しているだのなんだのと批判する者がいることは知っている。
そのことを全面的に否定する気はないが、
きっと彼らはあのひとの存在の大きさを理解していないのだろう、と思う。
同じ肩書をもらうのにも申し訳ないほど偉大すぎるあのひとの傍らで、
なにも感じないわけがなかった。
そんな単純なことすら想像できない、
貧相な想像力を持った彼らになにを言われようと気にならなくなるまで、
大した時間はかからなかった。
気にするべきことはそんなことではない、自分のやるべきことをやればいいだけだ。
評価はかならず形になって表れる。
取捨選択が大切だと言うが、今の自分は、
他人に百褒められるよりもあのひとに一叱られる方が何倍も嬉しくて有意義だ。
あのひとが居てくれるのはあと何年? あと何ヶ月?
いつかおわりが来るものなのだと、わかっていても、縋り付かずにはいられない。
誰もが認める歴史を築いてきたあのひとの背中は、はるか彼方、
いま自分のいる場所からは影を捉えることすらできない高い高い位置。
どっかりと構えて、いつもの不敵な笑顔でこちらを見下ろしているんだろう。
その背中に輝くあのひとの象徴を、実力で奪い取りたい、自分のものにしたい、
あの日宣言した目標は、冗談でもなんでもない本気で、今でもずっと思っていることだ。
あのひとはわすれてしまっているかもしれないけれど、
いつか認めてほしい、おまえにと言ってほしい。
だから早く、早く、はやく。
あなたのようになりたいのだと自分が告げたら、笑うだろうか。
あのひとは喜んで、くれるだろうか。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
sage忘れたり時間かかっちゃったり、申し訳なかったです。
>>514 これはもしや、夏のはじめに熱闘を繰り広げたアレですか?
…すんごい萌えました!!ありがとう乙!!!
初めての投下です
世界で三番目になった四人の、次男×パパです
閉会式で一緒だったので萌えました……
ナマモノ注意、エロ無しほのぼの、かな
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガ オオクリシマース!
閉会式は佳境を迎えて、色彩と音のうねりが最高潮に達していた。人でごった返すフィールドでは、あちこちで記念撮影のフラッシュが光り、歓談の輪ができる。楽しげな表情、楽しげな声は、終わりを惜しむより最後まで楽しんでやるとでも言いたげだ。
(でもやっぱり、終わりはやるせないな)
思いを込めて、鷹平は側の浅原を盗み見る。浅原は、今年初めの合宿で知り合ったオーストラリアの選手と話していた。DJのように流暢でなくとも、適切な言葉を丁寧に話す様は、鷹平にとって尊敬の対象だ。
そのうちに鷹平にもお声がかかり、簡単な自己紹介の後、一同で記念撮影をして別れた。笑顔で見送った浅原が、右隣の鷹平へ向き直る。
「英語、パーフェクトやないか」
「大したこと言ってないですよ。ハローとか、ナイストゥミーチューとか」
「いやいや、基本が即言えるんなら大丈夫やって」
お墨付きをもらったような気がして、鷹平は胸の内を打ち明けた。
「――実は、海外に拠点を置いて練習することも選択肢の一つとして考えてるんです」
浅原がうなずく。
「このまま日本でやっていてもいいのかなって。もっと速く、強くなりたいし」
あなたのように。
「個人もリレーも、もっと上に行きたいです」
あなたがいなくても、リレーは大丈夫だと言われるように。
銅メダルは確かに最高の記念だ。でも、そこにこだわっていては先に進めない。
それに、進む先にはもう、浅原はいない。
(――どうせ、いないのなら)
いっそ新しいことに打ち込めば、気も紛れるだろうか。
忘れたいわけではない。とらわれて、立ち止まりたくないから。
思い出した時に、その熱で自分を奮い立たせていけるように。
このリレーは、最高の、最後の彼との記念にしたかった。
「お前なら、上に行けるよ」
喧噪の中、浅原の言葉はしっかりと伝わってくる。
「バトンパスで気苦労せんかったら、リレーももっと上に行ける」
――それは、彼の心残りなのだろうか?
「悪かったなぁ、……俺の悪いクセのせいで4年間気苦労させて」
浅原は、アトランタ伍輪でバトンパスに失敗した。前の走者が追い付けず、渡せなかったのだ。以来彼は時としてスタートの加速に一瞬のためらいを負うようになった。
自分が直接関わった原因ではないが、鷹平にもその一瞬のためらいは痛かった。
最高のタイミングで渡してくれると思えばこそ、迷い無く彼は加速できるのに。
信じてもらえていない、などということは、4年前の初めての時ならいざ知らず、今は無い、と思いたい。
けど、失敗の許されないこの最後のレースで、ためらいはゼロであってほしかった。信じて、スタートを切ってほしかった。全ては、彼のために。
信じて。
「『絶対、渡しますから。出てください』」
心の叫びと、2日前の自分の決意と、それを復唱する、
今目の前にいる浅原の声が、一つになった。
「あの時――バトンパスの練習が終わった後、お前が言ってくれて、それで『そうか、信じて何も余計なこと考えんと思いっきり出りゃいい』って、」
吹っ切れた、と浅原は清々しく笑った。
「アンカーのゴールで、末代まで残る成績が決まる。一つでも上行きたくて、0.01秒でもタイム縮めたくて、必死こいとった。けど、今思えばそれも、気負っとったんやね。気が急いて。……なにも、焦らんと、きっと鷹平は渡してくれるって。信じたから」
言葉を切ったその刹那、互いの視線がつながれた。浅原の目の真摯な色に、引き込まれる。
「――気付いた?『信じた』の中にお前居るの」
「え……?」
「『シンジ』て、お前の名前」
照れを隠すようにはにかんで、くしゃりと笑う。それがいとおしくて可笑しくて、鷹平は思わず吹き出した。
「それってオヤジギャグじゃないですか!」
「オッサンのギャグなんてみなそんなモンや。……って、こら、」
背後からしがみつくように抱きついた鷹平に、浅原は苦笑した。
「ここはツッコミ入れるところやろ」
「そんなの即出来たら、お笑い行ってますって」
ひとしきり笑いあった後、浅原が呟いた。鷹平にだけ、届く声で。
「――最後の最後に気持ちよく走らせてくれて、ありがとな」
万感の思いが、胸を打つ。
「……あなたが、気持ちよく走ってくれたのなら、僕はそれで幸せですよ」
夜空に花火が打ち上げられる。弾ける音が響き、夜空を染める色彩と光に、誰もが顔を上げて注視する。……誰も、一つになっている二人に注意など払っていない。
「このままでいていいですか?……せめて、花火が終わる時まで」
「しょうないなぁ」
浅原の声の温かさが、くっついた背中から伝わって、体中に満ちていく。
幸せな熱に、鷹平は目を閉じた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・)イジョウ、ジサクジエンデシタ!
花火って綺麗だけどほんのり切ないよね、っていう
な、泣けました…
ググググGJです ありがとうございます。
花火を観ながらって切ないなぁ…
>>527 泣いていい?ねえ、泣いていい?
萌えるとか通り越して感動だよ
海外行きたいって次男の話きいてやっぱ父の影響かなとは思ったけどさ
私の理想の二人を文にしてくれてありがとう!!!
>>527 すごくいい!GJ!
実際これに近い会話はしてるんじゃないかなあ。
インタビューでパパについて語るときの
次男のなんとも言えない表情が印象的だ…。
>>518 あわわわ、これはもしや、お爺ちゃんに直立不動で叱られるシマリスの語りですか?!
>>479を反対目線でいきます
某在β反王求団 0105です
|>PLAY ピッ ◇⊂
何度目だよ、俺に穴でも開けるつもりなのかな。
試合前の特守を受けているときに焦げ付く様な視線を感じ地面に臥せたまま笑いを噛み殺した。
トレードでここに来て初めて連携プレイを練習した直後から見られているけれど視線は日に日に強くなるばかりで、
本人はその視線の意味が分かってないみたいだ。モテる奴はこれだから…
「タチが悪いよ」
と呟き左へ抜けようとする打球に飛び付いた。
特守を終えベンチに戻ると視線の主はおらず仲良しの同僚と軽口をたたく声だけが聞こえる。何となく予感めいたものが閃きミラールームへと向かって行った。
軽装に着替えストレッチを始める。無心で筋肉を解し、伸ばししていると閉めきっている筈のミラールームに外の空気が微かに混じったのが分かった。
バレてないと思っているんだろうなと笑いを噛み殺し声を掛ける。「トリだろ、入って来なよ」
ドアの向こうで躊躇しているのが分かる。もうひと押し
「見えなくても分かるぜ」
なんで分かったのかと言いたげな面で入って来たトリは未だ気付いて無いみたいで、連携の事なんかをモゴモゴと話し出す。
本当に鈍いなぁと少し腹が立って来た平里予はトリを見つめる。いつもトリが平里予を見つめるのと同じ焦げ付く様な視線で…
不意にトリが手を伸ばして平里予の頬に触れて来た。泥が付いていたらしく指で拭っている。
未だ分かってないと思った瞬間にトリの右手を引っ張り込み床に押さえつけた。モテる奴はこれだから…
軽くキスしてやると瞳の色が変わった。欲情を自覚したなら遠慮しなくてもいいだろうと深い深い2度目のキスをする。
舌を絡めとり歯列をなぞると女のような喘ぎ声を出すしたりするので、悪戯心が起きてしまう。
短パンの裾から右手を差し入れて持ち上がる欲情を柔々と揉みしだき爆発寸前にまで持って行くけど、今日はここまで。
不満そうな奴に理由を教えてやると、理解不能といったような表情をするので本日三度目の苦笑が漏れた。
未だ分かってないのかよ。お前は俺に惚れてんだよな。
□ STOP ピッ ◇⊂
やっぱ( ゚∋゚)はアホだし
本当にすみません
>>536 ありがとうございました!GJ!
そういうめぐもかわいいよめぐ
トリのヘタレというか・・・そんなんもかわいいよw
>>435 萌えた!素晴らしい。
この二人の愛憎ははかりしれんとです…!
498姉さんの慧眼に今更ながらワロタw
今日の言式合見てて実感!
確かにとんでもない悪球打ちw
491KB警報
>>530 乙です
梅るべくオリジナル投下。
今日はよく雨が降ったので雨の話。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
日本列島に台風が接近しているらしいと俺が知ったのは、朝のホームルーム直前に隣の席の西谷がにやにやとしたり顔で言ってきた時であった。
時間ぎりぎりに起きて朝の連続テレビ小説を見ながら飯をかき込むことを日課にしている俺は、天気予報など見ているはずもなければ、置き傘などという殊勝なことをしているはずもない。
ましてや出がけに傘を差し出してくれるほど、うちの母親は俺の健康面を心配していない。
言われて初めてまじまじと見上げてみると、確かに上空ではいかにもこれから降らせますよといった調子で雨雲らしきものが俺を嘲笑っていた。
「お前傘持ってきたのか」
西谷はわかりきったことを聞く。いや、それは問いかけではなく断定だった。
その証拠に、視線を移すと西谷はまごうことなき満面の笑みを浮かべている。
返事をするのも悔しくて睨みつけたが、すっとぼけて首傾げやがる。こいつ本当に性格悪い。
「……西谷君甘いよ?台風キタら雨降るー!うっしゃ傘さすぜー!って考え方とかね、もう古いから。
時代遅れ甚だしきことこの上なし」
「はあ。今時山田なんて時代錯誤な名字してるやつに、遅れてるなんて言われたかないけど。で?」
「……まあ、ね?雨降れば傘さす。持てる者は持たざる者を指差しバカにし笑い物にする、
ってのは一昔前の構図なわけよ?」
「ふんふん」
「今はね、もはや今はね、雨に対抗する唯一にして最大の武器が傘なんて、古い古臭すぎると思うね俺は」
「さすが早生まれなだけあってお考えがぶっとんでますね山田先生」
「うん、西谷君にはまだ早い話だと思うけど、聞いてくれたまえ。
僕はね、雨に傘で対抗するのはある意味負けだと思うんだよ」
「ほうほう」
「きっとね!傘さして縮こまって小走りで駆ける僕達を、雨や雨雲達は『フッ、卑小な人間どもめ……』と嘲笑っているに違いないと、
僕は思うんだよ?」
「じゃあ、雨に笑われないためにはどうすればいいんですか山田先生」
「答えは簡単さ。逆に思う存分濡れればいいんだよ。俺はお前に濡らされてるんじゃない、自分から濡れにいってるんだ!
ざまあ見やがれ雨!お前の企みは潰えたぞってね!」
「……お前はいつになっても変わらないな」
やけくそ気味に人差し指を突きつけてやると、西谷は表情を変えた。人を小馬鹿にしたようなその表情は、不本意ながら対俺専用の表情と言っても過言ではないくらい珍しいものだ。
そこにうっすらと微笑みを加えて西谷は口を開く。
「素直にしとけば入れてやったのに」
言葉とともに繰り出されるでこぴんを優雅に避けながら、俺は祈るように空を見上げた。
宿題をしていなかった時ほど当てられ、髪型を失敗した時に限って真っ先に気づかれる。
人生とはそういうもの。願えば願うほど、まるで坂道を転がるかのごとく事態は悪い方向に吸い寄せられてしまう。
俺の願いを無視して雨は勢い良く降っている。というか降り始めた二時間目と比べると、放課後の今の方が明らかに激しい降り方をしている。
ああああ、このやろう楽しそうに降りやがって。
「降ってるな」
「降ってんねー」
「持ってないんだろ」
「持ってないんだよー」
「入る?」
西谷は嬉しそうだ。手にしているのはビニ傘の分際で、一丁前に強者ぶってくる。しかしながら持ちかけられた提案が魅力的なのは確かだった。
「……そう言えば山田、覚えてる?」
俺は首を横に振った。こいつと共有している出来事は忘れたいものから墓場に持っていかざるをえないものまでとにかくたくさんありすぎて、曖昧に問われてもとっさに見当がつかないのだ。
わずかに表情をゆるめて西谷は続ける。
「前に俺が傘忘れた時のこと」
「前って?」
「一学期。確か梅雨入りしたかしてないか、ってくらいの日」
「えー?……あっ、あーはいはいわかったわかった。確か今日みたいに朝は曇ってただけの日ね」
「うん、その日」
「その日が?」
「その日さ、お前傘もなく下駄箱で立ち尽くす俺に何て言ったっけ?」
貫くような眼差しを向けてくる西谷が、あの日の俺と重なる。
やはり人生は悪い方に転びやすいようだ。
「……何か言ったっけ?」
「ふうん?“別に俺はいいんだよ?お前が風邪引いても俺には関係ないし”」
ご丁寧に西谷はあの日俺が言った傲慢な言葉を繰り返す。一字一句同じかどうかは定かでないが、人を苛立たせる言い回しは見事に再現されていた。
俺のすっとぼけもお見通しというわけだ。やれやれ、これだから幼馴染みは困る。
騙せる気なんて全くしないわ、帰宅部同士のせいで帰りは必然的に一緒になるわ。おまけに幼馴染みの烙印はいつになってもつきまとい続けるわで、最悪だ。
力が抜けてへなへなと腰を下ろすと、ここぞとばかりに西谷の手が頭にかぶさってきたが、そんなの気にしていられない。
「西谷君はさあ……もう少し人の気持ちに敏感になるべきだと思います」
「と言いますと?」
「だって恥ずかしかったろ?俺だって恥っずかしいに決まってるよ!あんなのとんだ羞恥プレーですよ!えーえー先に言わせたの俺ですけどね!」
「うるさい」
「ごめんなさい」
「……そんなに優位に立ちたかった?」
「別に……そーいうんじゃないけどさあ……」
西谷は俺の猫っ毛がお気に入りのようで、撫でくり回したり引っ張ったりしてくる。どうやら俺が言うまで止めるつもりはないらしい。
「……あのさあ?」
「うん?」
「そんなに聞きたい?」
「そうだな。お前が俺に言って欲しかったくらいにはね」
「そっか……」
西谷の後ろに広がる景色は一面雨に彩られている。本当は雨なんかどうってことないのだと言えない自分が心底恨めしかった。
「……西谷」
「何?」
「“俺と相合い傘してください”」
数ヶ月前耳にした言葉は、口にしてもやはりめまい息切れ動悸を誘発するものだった。
「うん」
どうしようもなくしまりのない声を出すので、とりあえず俺は西谷の脛に一発食らわせてやった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
山田さん、時代錯誤なんて言わせてごめんなさい。
犬×次男で非現実的。犬が犬です(←ん?)色々ありえないッスwどうか皆々様、広い心でorz
朝、目が覚めたら犬になっていた。ラブラドール?ゴールデン?鏡に前脚をかけて見てみると栗色の大型犬。
どうしよう…発せられる声は『ワン』ばかり。
どうしよう、どうしよう…!こんな姿じゃ仕事も、練習も、選手としても……!!!
不安になった俺の頭に浮かぶのは貴方の顔。
気がつけば部屋を飛び出して、無我夢中で走っていた。
道行く途中、物珍しげに俺を見る人もいれば捕まえようとする奴もいた(当然捕まるけるわけないけど)。
そんなこんなでたどり着いたいつもの練習場。
束原がいない、束原はどうした。そんな話で持ち切りの騒がしい腐ィールドの中、貴方の姿を見つけた。
嬉しくて、何かホッとして、泣きそうになって。
思いっきりダッシュして抱き着いた。
「うわっ、鷹平危なっ!!」
「え?うわぁっ!!!」
自分の今の姿を忘れていた。抱き着いたつもりが、鷹平さんを巻き込んで転倒。
「………犬?」
「わんっ!」
―俺だよ、鷹平さん!気付いて!!―
「なんだって腐ィールドに犬がいんだ?人呼んで何とかしようか?」
何だって!?冗談じゃない!!!俺は此処に居るし、保健所送りなんて堪ったもんじゃない!!!
そう思ったら唸ってたようだ。
鷹平さんはそんな俺を可哀相に思ったみたいで。
「じゃあ、今日一日僕がコイツ預かりますから、それから考えませんか?おすわり!」
嬉しくて、嬉しくて、もちろんすぐに座る。そしたら貴方も楽しそうに、
「僕の言うこと、聞きますね!」なんて笑顔。
「わんっ!」
―ありがとう鷹平さん―
貴方が優しい人でよかった。
練習は再開された。俺はおとなしくおすわりで待て。駆け抜ける貴方を目で追いながら。
そんな中でも、やはり俺の話で持ち切り。ちゃんと此処に居るんだけどな…ちゃんと元に戻れるのかな…切なくなった。
日が暮れて、一日が終わり。
さっき先輩と話していたように、鷹平さんと帰って来た(家は汚しちゃいけないからと、とりあえず足は拭かれた)。
「ねぇワンコ…」
ソファーに倒れ込んだ鷹平さんが、俺に向かって話し掛けた。
そんな彼の隣に居座る。
「今日ね、つかぽんが来なかったんだ。うんとねー、お前に似てる奴が居るんだよ。」
心臓が跳ねた。
「メールも、電話も…してみたんだけど…返事返って来ないんだ、だから……」
「…なんかあったのかなって………不安、で………」
ごめん、ごめんなさい鷹平さん。
心配かけてごめんなさい。
もどかしいよ。
今すぐ俺は無事ですって、貴方の隣に居ますって伝えたいのに…
伝えたいのに……
貴方を悲しませたくないよ。
鼻を鳴らして、頬の涙を舐めたら、「お前には僕の気持ちがわかるのかなぁ?」って頭を撫でられた。
そのまま眠ってしまった鷹平さんのお腹辺りに頭を乗せて、俺も眠りについた。
(t平さんSideで)
「………(…朝)?」
目覚まし無しで自然に目が覚めた。ここは、ソファー?
帰ってすぐ寝てしまったらしい。
昨日は……………!!!
と、記憶が明確になってきたところで腹辺りに感じるのは……
「(重っ……!!)!」
何か腹に乗っている…!そうだ、昨日は犬を預かってきて、それで…と目線を下に移すと、
なんだか見慣れた茶色い猫っ毛。
「つ…つかぽん!!!??」