. ___ ___ ___
(_ _)(___)(___) / ̄ ̄ヽ
(_ _)(__ l (__ | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ }
|__) ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
l⌒LOO ( ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_, _)フ 「 | ロ | ロ |
( ・∀・)、__)  ̄フ 厂 (_,ィ |
 ̄  ̄
◎ Morara's Movie Shelf. ◎
モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ]_||
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
|[][][]._\______ ____________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| / |/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |[]_||
|[][][][][][][]//|| | ̄∧_∧ |[][][][][][][][].|| |  ̄
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ ) _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |
|[][][][][][][][]_|| / ( つ|8l|.|[][][][]_[][][]_.|| /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__)_)
前スレ
モララーのビデオ棚in801板37
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1208708594/ ローカルルールの説明、およびテンプレは
>>2-9のあたり
保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://morara.kazeki.net/
★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★
ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。
(1)長時間に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(>>3-
>>7辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」〜「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。
※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、スレを占拠しないためにも投下ペースや分量を配慮して下さい。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。
相談・議論等は避難所の掲示板で
http://s.z-z.jp/?morara
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
| いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
| | [][] PAUSE | . |
∧_∧ | | | . |
┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | | | . |
| |,, ( つ◇ | | | . |
| ||―(_ ┐┐―|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
| || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
テンプレ1
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| きっと楽しんでもらえるよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
テンプレ2
_________
|┌───────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^──────────────
└──────│たまにはみんなと一緒に見るよ
└───────────────
_________
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
テンプレ3
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < みんなで
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < ワイワイ
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 見るからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < この体勢は
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 無理があるからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
テンプレ4
携帯用区切りAA
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
中略
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
中略
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
|
| ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
| ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
| ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
| ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
| ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
| ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
| ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
\___ _____________________
|/
∧_∧
_ ( ・∀・ )
|l8|と つ◎
 ̄ | | |
(__)_)
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 媒体も
| 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
| 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
\_________________________
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| じゃ、そろそろ楽しもうか。
|[][][]__\______ _________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | |/
|[][][][][][][]//|| | ∧_∧
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
|[][][][][][][][]_||/ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |
(__)_)
1>乙です!
スレ立てありがとうございました!
※ナマモノ注意!杜の都の牛タン球団
ガラスのエース(21)×ちっこいおっさん(12)
※前回37で投下しましたが容量オーバーのため続きが書き込めませんでした;
改めて投下します。初投稿です、よろしくおねがいします!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
★ ★ ★
昨日は真夏のような暑さで、今日は真冬のような寒さだった。
一体今は何月で、そして日本の季節でいえば今は何なんだろうかって、
疑問に思う。
まして、ここは遠く離れた場所。
我が球団の本拠地からも、そしてあの人がいるであろう場所からも、
もっと遠く、遠くの。
『おう、元気か?そっちはどうだ?』
すっかり夜も更けて、部屋の外から聞こえていた喧騒が寝静まったころ。
電話をかけるには、相手を気遣わなければならない時間であったにもかかわらず
それを忘れさせてしまうような元気な声が、耳に響いてきた。
相変わらず、こっちの都合なんか考えちゃいない。
でもそれが何とも、この人らしくて
俺は思わず声を挙げて笑ってしまった。
『なんだよ、何か可笑しいことでもあったのか』
「いいえ、別に何でも。それより、そっちはどうですか?」
『俺か?俺は元気だよ。今日は雨で試合が中止になったけど』
そうか、どうりで。こっちも寒かったから、きっと向こうはもっともっと寒いだろうと
思っていましたよ。その言葉を喉の奥にとどめてから、
俺は小さな声で呟くように言葉を零した。
「こっちは、試合ができました。
ただ、明日は雨の予報なので中止かもしれないですね」
『そうか。じゃあ、マーはそのまま投げるのかな』
「それはわかりませんけど・・棚可は、やる気十分みたいですよ。
馳世部くんが合流して、いい刺激になっているようです」
合流して、という言葉の前をあえて濁してしまったことに気がついて、
俺は軽く手のひらで口を覆った。
馳世部くんが来たから、この人がここにいないわけではないのに。
急に黙ってしまった俺を気にする風でもなく、
電話の向こうの人物はのんびりとした口調で言葉を繋いでいた。
内容のほとんどが棚可を心配しているような言葉だったので、ため息一つ吐いてから俺は、噛みしめるようにその名を呟いた。
「・・草乃さん」
『ん?なんだよ』
「俺には、何か言うことないんですか?結果、知ってるんでしょう」
我ながら、意地の悪い問いかけかもしれない。
それでも俺は、草乃さんの言葉が聞きたかった。
いつものように笑いかけてくれて、いつものように励ましてくれた存在が
グラウンドにもベンチにも今日はいなかった。
一人のチームメイトが二軍に落ちただけ。
それだけのことで、無様な投球をするわけにはいかない。
エースという称号を背負ってしまっている以上は、そんなことは百も承知だった。
だからせめて、向こうでがんばっているであろうこの人に自慢できるような
投球をしたかったのだ。
ほんの少し沈黙が舞い降りて、電話の向こうからため息とともに言葉が響いてきた。
『岩熊・・』
「・・はい」
『お・・おまえって奴はぁああああ!!!
なんだ、あの6回のピッチングは!お前、相手を舐めてかかってんじゃねぇぞ!』
夜中ということもあって、てっきり小声で褒めてくれるのかと思っていた俺は
受話器に耳を近づけすぎていた。
だからなおさら、草乃さんの大声が耳をつんざくように響き渡ってきて
俺は腰かけていたイスからずり落ちそうになってしまった。
『いくら大量援護があったからってな、気を抜くにも程があるぞ!
そういう態度を相手に見せちまうと、
お前にスキがあるんじゃねぇかって勘ぐるだろうが!
だから、あんな連打ばっかり撃たれちまうんだぞ!』
電話の向こうの草乃さんは、きっと近所迷惑も省みないような勢いでがなりたてている。
受話器からツバが飛んできそうな気がして、
俺は握りしめていた電話を耳から遠ざけてしまうが、
怒っている草乃さんの姿を想像してみたら何だか可笑しくなって
きてしまって、こみ上げる笑いを噛みしめながらいつしかその言葉に耳を傾けていた。
あぁ、まったく変わってない。いつもの、あのグラウンドでの草乃さんだ。
それが嬉しくて、怒られているのに嬉しくなって、俺は笑いが止まらなかった。
『だいたいお前は・・って聞いてんのか?!クマ!!』
「え?あ、はいはい。聞いてますよ。
全くをもって、草乃さんの言う通りですね。
エースたるもの、油断を見せちゃいけないんですよね。はい、その通りです」
『・・岩熊』
「それに、投手陣の柱として後輩に無様な姿を見せちゃいけないんですよね。
ははは、いっつも草乃さんに言われてることなのに」
胸の奥が妙にくすぐったい。別に悲しいわけではないのに、
まるで泣いてしゃくりあげるような勢いで、もう言葉が止まらなくなった。
忘れたことなんて一度もない。いつも、言われ続けていた言葉はずっと胸に
刻まれ続けている。あの、穏やかな口調と、はち切れんばかりの笑顔まで、
すぐに思い起こせるほどに。
胸が疼くように痛くて、俺は笑いを止めることができなかった。
草乃さんは、何も言わずに黙って聞いてくれていた。
こんな時のタイミングも、変わらなかった。どうしても、精神的に崩れそうになって
吐きだしたくてたまらない時、この人はいつも、ただ黙って俺の話を聞いてくれて。
そして、いつもこう言ってくれたのだ。
(クマ、よく聞け。お前はいつだって、一人じゃない)
『クマ、よく聞け。お前はいつだって、一人じゃない』
(俺は、いつでもお前のそばにいるから)
『俺も、すぐにお前のそばに行くから。だから待っててくれ』
遠く遠く離れた、天気も季節も違う場所にいる、
ただ一人のチームメイトの存在がここにいないことが、たまらなく寂しくて。
そしてたまらなく愛おしくなって俺は
いつのまにか目尻に涙を貯めて電話を握り締めていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ちっこいおっさん一軍復帰おめでとう!
でっかいクマーがじゃれつく姿がたまらなくハァハァで
勢いで書いてしまいましたが反省はしてない。
お目々汚し失礼しました!
>1乙!
1000行かなくても容量オーバーで埋まる事、IEで容量チェックできる事を
テンプレに入れた方がいいかもしれないな。
>>16 まさか熊ーとちっこいおっさんの話が読めるとは…!
おっさんかわええぇぇ
>>1乙です
>>16 まさか熊ーとちっこいおっさんの話が読めるとは…!おっさん復帰よかったな、クマーw
>>1乙です
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 4コマ漫画/ラデ/ィカル/・ホス/ピタル 木神×影山
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| マイナス1巻ぐらい昔に遡ったお話
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※業界の詳しい事情は不明なので学会はファンタジーです
影山がドアを閉めるなり木神は当たり前のように馬鹿力で抱き締めてきた。
息苦しさと懐かしい匂いでクラクラする。骨が軋む。
体中の力があっという間に抜け切りそうで影山は慌ててどうにかその胸を押し返した。
「ホテルに荷物を置いたら久しぶりに一緒に食事でも、という話だったろ?」
「あれ、お前そんなに腹減ってんの?」
悪びれる様子も無く注がれる真っ直ぐな視線と脳天気な口調に
思わず言葉に詰まった瞬間、唇が塞がれる。
くすぐるような口髭の感触…するりと絡んでくる馴染みの舌になすすべも無く
影山は意識を遮蔽するように目を閉じた。
同期とはいえ早々に医局を抜けてしまった木神と
未だ大学に籍を置く影山が仕事絡みで顔を合わせる機会はもうほとんどない。
そうなる事を承知で、むしろ密かにそれを望んで袂を分かって何年かが過ぎていた。
なのにこうして学会に来ると人込みの中に無意識に木神を探してしまう自分が影山は嫌だった。
緊張しているのは研究発表前だからだ、と誰にともなく胸の内で言い訳しながら
スーツにネクタイ姿の見慣れない木神を見つけて胸を躍らせ
誘われればこうしてのこのこと木神の宿に付いて来てしまう。
こんな事してちゃいけない、これで終わりにしよう、前回もそう思ったのに…
---------どうしようもないな…
諦めて広い背中に手を回すとせっかちな熱い手がシャツの下にもぐりこんで来た。
地方都市の持つ空気のせいか公然と勤務を離れられる解放感からか久々に抱き合う木神は激しかった。
息を切らしながら手を伸ばしてかつて馴染んだ身体に触れる。
その熱も重みも声も匂いも全てが懐かしくいとおしい。
忘れかけていた生々しい肉の快楽が押し寄せ、
友情だけあればいいのだと自らに繰り返し言い聞かせてきた欺瞞を粉々に打ち砕く。
その敗北感すらもう今は心地良かった。
「…どういうつもりだ木神」
「何が?」
「何が、って…相変わらずいい加減だな」
影山が呆れた口調で背中を向ける。
ビジネスホテルの狭いベッドに男2人ではそれだけで転げ落ちそうだ。
もっとましなホテルも取れるだろうに自分自身には無頓着な木神らしい。
「…付き合ってる女のコ、いるんだろ」
「落っこちるぞ、こっち来い」
「誤魔化すな!」
「昔馴染みと旅先で一夜を共にする、オトナとしてごく自然だと思うぞ?んん?」
のっそりと身を起こした木神が影山を背後から抱き寄せ耳元に唇を寄せる。
「お前だって、その気で付いてきたくせに」
「と…友達とこういうのは…全然自然じゃない」
「やれやれ、つれないなあ〜さっきまでしがみついてきて可愛かったのに〜」
ブツブツぼやく低い声と耳に触れる唇や息が身体に残る熱を煽る。
絶対、わざとやっている。
「お前はッ!人がどんだけ…!」
向き直った影山の抗議は木神の唇で封じられた。そのまま押さえ込まれ体重をかけられる。
そうだ、いつもこうだ。
必ず巻き込まれるのになぜか嫌じゃないこの優しい強引さと図々しいような逞しさが、やっぱり好きだ。
もうずっと、長い間想っている。どうすることもできないほど。
「……重い」
「好きだろ、重いの」
憎たらしい微笑みを捕まえて口付けると天地がひっくり返って
影山の身体は木神の上に乗せられた。
「俺も好き」
最早まばたきするのも億劫なほど身体がだるい。
眼鏡をかけたかったがどこに置かれたのかわからないし訊ねる気力もない。
木神の胸に頭を乗せたまま指で髪を梳かれる心地よさに身を任せて
眼鏡がないと思考力も鈍るようだ、などと影山はぼんやり考えた。
「お前こそどういうつもりなんだよ影山
いつまで大学に御奉公続けるんだ?いいように使われてるだけだろ」
訊ねる声はいつになく真面目な響き。
「…今更他所では生きて行けないよ」
「だからさあ……俺んとこに来い、って」
「ふーん、それプロポーズ?」
「…誤魔化すなよ」
真面目に返されて影山は泣きたくなった。
「俺んとこの病院手が足りなくて医者探してるんだ
お互いフォローし合えるしさ、本気で考えてみてくれよ」
木神と一緒に仕事ができたらそれはどんなにいいだろう。
でもそれは自分には過ぎた幸せではないかと影山は考えていた。
自分が木神の人生に必要な人間かどうか全く自信がなかった。
彼と一緒にいたい気持ちと同じだけ強く、彼の真っ当な人生を奪う事を恐れていた。
だからこそ進路を分け別の道に身を置いたはずなのにこうしてずるずると関係を続けている。
踏み出す事も引くことも出来ず"木神のため"と自分を誤魔化して奇妙な距離を置いている。
多分それも木神には解っているのだろう。
影山がその自分の狡さを責め続けていることすらも。
「どーせまたお前はめんどくさい事ウジウジ悩んでるんだろうけど、無駄だぞ?
いい加減幸せになろうよ〜ジジイになっちゃうぜ」
見かけよりずっと繊細な男は、しかしいつもの人懐っこい調子に戻って笑った。
「あー、あと付き合ってるコもいないから」
「…え?」
「さっきプロポーズしただろ?いつでも荷物送って引っ越して来いよ」
「バーカ」
髪を梳いていた手が頬に置かれた。たくさんの患者を救ってきた外科医の手。
この手をとっていいのだろうか。自分も救われていいのだろうか。
わからない。しかしいずれ自分で決めなくてはならない。
今はとりあえずこの旅先の一夜を自らに許すことにして影山は押し寄せる睡魔に飲み込まれた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 思い余って自家発電失礼致しました
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>1乙です!
>>25 まさかラデ/ィカ/ルの、しかも木神×影山を読めるとは思ってませんでした。
一巻の頃から大好きなんだ。ありがとう!
1乙です
>>25 萌えた!
ジジイになっちゃうぜがらしくて好きです
ありがとう!
>>21-24 何という萌え!!
こんな時間なのにみwなwぎwっwてwきwwたwww
元ネタ知らないけど、理想の攻めだよーありがとう!
>>25 禿萌えた!この2人が読めるなんて嬉しすぎる
超GJです!!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )i棒の捏造カプ 仁川×大高知ネタコピペ改変だよ!
この前大高知さんとデートしたんですよ、初めてね。
で、生まれて初めて男をホテルとか誘ってみたわけですわ。
正直男同士でも簡単だと 思ってたのよ。
匿名とか普通にやってるからさ。
あのね、俺が間違ってた。あれは経理マンができることじゃない。ヒーローだね、ヒーローができることだよ。
最初に部屋に入った時さ、めちゃめちゃびびって肩にそろ〜って触れて腰にもそろ〜っと触れたのよ。
10秒くらいかけてさ。ですぐになんか怖くなって両方離しちゃったのさ。
そしたら大高知さんがさ「はっきりしろ!」とか言うの。
同じ過ちは2度繰り返さないのが俺よ。
だから肩を抱いたのさ。えぇ、そりゃもう抱きましたとも。全てを忘れて抱いたよ。
清く正しい警察官とか男同士とか最初は優しくしようとか色々忘れてね。
だって大高知さんがはっきりしろって言ったからね。
そしてらエライ事になった。
もう大高知さんすごい号泣。8カラットのすごい大粒の涙。ユニコーンだって大集合。
それでロビー降りてみたらいつのまにか居た匿名が俺の事すごい見てんの。あ、このホテルはミニャトさんの事件の…ホントごめんなさい。
正直「男同士ならシティホテルだぜ!」なんて見栄張らないで素直にベッドが回るラブホにすりゃよかったと思ったよ。
心の底から見栄はった事を後悔したね。
でもホテル出て大高知さんと「ここ今イチっすね!やっぱ記念日は三ツ星じゃないと」とか言っちゃてんの。
ホント俺ってダメ人間。
誰か大高知さんを幸せにして下さい 。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 卜゙ラマになった漫画「新人たち(要英訳)」の原作版で 岡/新
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 設定は原作版で、ネタばれ要素あるかもです
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナマエ フセルカ マヨッタンダゼ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「あ、やべえ」
体育の授業前に、体操着に着替えようと、鞄を探った岡田が小さな声で漏らした。
「どうしたよ、岡田」
不思議そうな顔で桧山が尋ねる。俺は岡田の呟きと桧山の問い掛けに何となく反応し、
岡田のほうを見遣る。
「ん、ああ、なんでもねーよ」
まだ鞄を探りながら、そう答えた岡田に、桧山はそうか?と納得しない表情をしながら
も、それ以上は尋ねない。
また若菜の方を向いて、今日はぜってーお前にゃ負けねーなんて言いながら、笑いあって
いる。
今日は体育で野球をやるというので、各自やる気満々、特に湯舟と関川と若菜と桧山は、
やけに燃えていて、1番活躍した奴は今度の休みに飯をおごってもらうなんて賭けまで
企画していた。
四人とも既にジャージに着替え、はしゃぎまわっていた。
しかし、その話も、日直で黒板消しを几帳面に済ませ、自分も着替えようと机に戻った
御子柴の一言で立ち消えになる。
「野球部員は、体育の野球は参加できねーぜ、ソフトならいいみたいだけど。俺らは今日
審判やれってさ」
飯代を賭けていた四人と、何故か学校指定ジャージを着ずにユニフォームを着ている平塚
が一斉に御子柴を見る。
「はあ? マジかよ!」
まず不平を漏らしたのは若菜だ。次いで関川。
「くっそー! せっかくの合同体育だから、恵子ちゃんも見てるっつーのによ!」
「ぜってーお前なんか見てねーし! つかお前何髪おろしてんだよ!本気かよ!」
「うっせーよ! 変なパーマのくせに!」
「んだとこら!」
ヒートアップした関川と湯舟は髪の互いの髪のつかみ合いをしている。
「あんまやってるとハゲんぞ、お前ら」
鞄を探るのを諦め、ジャージのズボンに履き替え始めた岡田が、二人を窘めた。
俺はなんとなく、その光景からは目を逸らす。
「俺は塔子ちゃんに捧げる愛の特大場外ホームラン打つって決めてんだよ!」
「平っち、今日八木休んでるじゃん」
「だからだよ! 俺のホームランで元気になってもらうんだよ…愛の力でよ…ボールを
塔子ちゃん家までよ…」
うっとり話す平塚に今岡は多少うんざり顔だ。
「平っちのホームランくらいで風邪治ったら苦労しないよ…てか八木んちまでって、
遠すぎだし」
「ったくよ、今日の日直の身長考えて板書しろっつの、御子柴届かねえじゃねーか」
ひとしきり騒ぐ連中に、さっきまで御子柴の黒板消しを手伝っていた安仁屋も加わり、
またうるさくなる。
「いいじゃねえか、審判。下手くそのプレーでも、ミスを見て半面教師にするってのも
悪かねー。まあ第一俺の150キロなんざ体育の授業で見せるまでもねーよ、なあ」
学ランについたチョークの粉を払い、得意げに御子柴に同意を求める。
「いや、授業で150は投げんなよ、受けるやつ大変だろ?」
安仁屋の軽口もまともに返す、真面目なうちのキャプテンに苦笑しつつ、皆一応は納得
したらしく、今度の試合まで勝負はお預けだなんて言いながらグラウンドに向かう為に
各々立ち上がる。
岡田の席の方からも、着替えが済んだらしく、椅子をずらす音が聞こえてきた。
俺は学ランを着て俯いたままだったので、岡田が着替えたのに安心して顔を上げる。
そしてすぐにはっとする。安心?
何故野郎が着替えるのに、ここまで意識してしまうのか判らない。
俺はおかしくなってしまったのか?
俺は昨日の練習中に、左の足首を傷めた。幸い、大事には至らなかったが、安静にしておく
よう言われているのでどのみち体育は見学する予定だった。
学ランのままで問題ないだろうと、着替えてはいない。
二人とも、先行ってるぜ、と声をかけ、他の連中が廊下に出ていく中、岡田が俺の席の
近くに来ていた。
「新庄、足首、大丈夫かよ」
岡田は、4月とはいえまだ寒いこの時期になぜか上半身半袖だった。
ジャージは着ていない。
「…大丈夫だ、それよりお前、」
驚いた顔をしていたのか、岡田が言葉を重ねる。
「あ、ジャージ? うちの弟のと間違えちまったんだよな、お袋が慌ててたらしくてよ」
まあ自分で用意し忘れてた俺が悪いんだけどよ、と苦笑している。
「半袖で立ちっぱなしはさみーだろ、風邪引いたらどうすんだよ」
「…心配してくれんだ」
「…わりいかよ…」
昨日、足首を捻挫したときに俺のところに1番早く駆け付けたのはこいつだった。
念のため練習着のまま行った病院から戻ったら、もう部活は終わりの時間だった。
帰り道でもしきりに俺の足を心配し、野球道具の詰まった重い鞄を持ち、辛かったら
言えよ、杖になってやっから、なんて言いやがって。
こいつはなんでこんなに、俺のことを心配してやがるんだろう。
いつもやけに冷静で、達観してやがる。その岡田の優しさは俺をひどく胸高鳴らせる。
なんでこんなに胸が高鳴るのか、自分で不思議だった。
しかも、岡田はわざわざ俺の家まで荷物を持ってついてきてくれた。
荷物まで持たせて悪かったなんて思った俺は、岡田を自分の部屋に招いた。
いきなり悪いからいいよ、と遠慮する岡田に、両親と妹の不在を伝え、無理に部屋に
上がらせる。
「悪かったな、荷物重かっただろ」
「ん? そうでもねーよ、それより俺のほうが悪かったな、上がりこんじまってよ」
捻挫した方の足を延ばして、床に座ると、横に岡田が座ってきた。
そういえば、気がつけばほとんど俺達は横にいる気がしてきた。どんな時も。
「…岡田、なんか飲むか、とってくる」
立ち上がろうとする俺を制し、岡田は二本のスポーツドリンクをバッグから取り出した。
「昼休みによ、野球部員につって差し入れもらったんだよ、渡そうと思ったらお前、
怪我すっから」
唇を片側だけ上げて、少し眉根を寄せ笑みを浮かべる。こいつはよくこういう顔をして
いる。ひどく楽しい、とかじゃない、かと言って冷たく笑っているわけでもない。
自分を、じゃなく人を安心させるための笑顔だ。
「…わりー」
部室冷蔵庫に入れていたのか、口をつけたスポーツドリンクはほのかに冷たい。
一口飲んで思わずため息をつく。つい、左の足に視線を向けてしまう。
「…次の試合までは時間あっからよ、気ぃ落とすなって、川藤はスペシャルメニュー作る
って意気込んでんぜ」
心を見透かされているかのように、岡田の言葉は俺が今抱えている不安、苛立ち、全て
包み込むように投げ掛けられる。
「…わりーな」
他に言葉が見つからなくて、また謝罪の言葉が口をついて出る。
「なあ、新庄」
呼びかけられ、俯いていた顔を上げると、それまでのいつもの笑みが消え、真剣な表情の
岡田の顔が近くにあった。
「俺、多分お前のこと好きなんだわ」
至近距離、ほんの30センチほどしか離れていない距離に岡田の顔があり、そのまっすぐな、
本当にまっすぐな目で射竦められ、俺は目を見開いた。
「なんつーか、多分一年ときから好きなんだったんだろうけどよ、それが友情なんだか
恋愛なんだかわかんねーまま、ここまできちまった」
俺は指一つ、まつげ一本動かすこともできずただただ聞いていた。
そんな俺を見て、岡田は目線を落とす。
「最後の甲子園予選まで、あと数カ月しかねーのに、わりい…変な話しちまった」
立ち上がる岡田の表情は暗い。ゆっくりと自分の鞄をとり、肩にかけ、この部屋を出て行く
準備をする。
「でも、俺後悔してねーぜ、最初はキモチワリィ、なんて拒絶されて、嫌われたら
どうしようなんて思ってたけどよ、少なくとも、口きいてもらえねーとか、そんな
こたねーんじゃねーのって考えてよ、だってお前そんな奴じゃねーもんな」
手前勝手な希望的観測なんだけどな、と付け加えて岡田はさみしく笑う。
俺は何も言うことができなかった。ただ驚いていたのだ。チームメイト、仲間から告白
されたことに?
いや、違う。岡田が、俺を。そして、俺も岡田を。
いつの間にかはわからないが、好きに、なっていたのだ。
今の岡田の言葉でそれに気がついた。
「じゃ、また明日な、さっきのことは忘れてくれていいから」
最後に、傷めた俺の左足を見つめると、そのまま俺の部屋を出る。
ペットボトルは置き忘れ、そして、俺の返事はきかないままで。
「岡…」
追い掛けようとしても、痛む足がそれを許さない。
いや、違う。
俺は、追い掛けられなかったんじゃない。追い掛けなかったんだ。
思考回路がうまくつながらなかったなんて言い訳にはならない。
「くそ…」
そのまま固い床に倒れ込み、早く明日がくればいいと願った。
きっと明日になれば、あいつは何もなかったように学校に出てきて、朝練をし、授業に
出て、部活をしてそしてそのうち俺と会話をする。
その時だ。今日出来なかった返事を、俺はあいつにする。
多分あいつは忘れろっつったろ、なんて言うけど、そんなこと知ったこっちゃねえ。
諦めが良すぎるのは悪い癖にもなると、思い知らせてやりたいのだ。
「岡田、ほら」
「、ん」
自分のロッカーからジャージを取り出して、岡田に投げる。
「…新庄」
「いいから着ろよ、洗濯してあっから臭くねーし、風邪ひくよりゃマシだろが」
「や、でも」
珍しく戸惑いの色を隠せない岡田に、次の一打。昨日のリベンジ。
「…お前が俺のこと心配なのと同じくれー、俺だってお前が心配なんだよ」
勘のいいこいつのことなら、これでもう解る筈だ。
「昨日のことは、忘れろつったろ」
眉を寄せ、ジャージをぐっと握り締める岡田。やっぱりそうだ。
「忘れらんねーよ、だって俺が後悔してんだよ、お前にあの時答出せなかったのが」
岡田は一瞬少し戸惑ったような顔をして、しかしすぐに笑顔を見せる。
誰かを安心させるためでもない、その笑顔は岡田の内側から自然に溢れたものなんだろう。
俺にだってそれくらいはわかる。
「…ジャージ、借りんぜ」
表情を隠すためか、俺のジャージを頭からかぶる。
両の腕を通そうと、もそもそと動くたびにドレッドの毛先が、ジャージの襟からちらりと覗いた。
そうしてすぐに岡田の頭が出てくる。
「ファスナー、開けて着ろよ」
「着終わった後に言ってんじゃねーよ、もう着ちまったつうの」
生地の余った腕やなんかが、ちょっと着心地が悪いのか、少し引っ張って皺なんかを
伸ばしている。
「やっぱでけーよな、お前」
170センチの岡田と185センチの俺じゃ、サイズはやはり違っていて、照れ臭そうに笑う
岡田に、こちらも少し笑う。
「お前の匂い、するぜ。昨日の部屋と同じ匂いだ」
「そうか?」
「ああ、俺にはわかるよ」
遅刻しそうだからもう行こうぜ、と言われて、足を進める。
しかし傷めた足はまだ思うように動かない。
「岡田、先行け」
「いいよ、お前と一緒に行く」
「バカ、遅刻すんぞ」
怪我人の俺に歩調を合わせて悠長に横を歩く岡田に促す。
「何だったらサボるか、二人で。両思い記念日っつってよ」
「アホか…」
くっくっと二人同時に笑う。と、すぐに岡田は真剣な表情で、前を見据えて語りだす。
「昨日はよ、家帰ってすぐ寝ちまって…ああ、明日なんか永遠に来なきゃーいい、なんて
思ってよ」
「俺が、お前のこと受け止められねーっつったら、お前、どうしたんだ?」
「忘れ…らんねーだろうな、少なくとも卒業までは。俺、こう見えてけっこー執念深いタチ
だからよ。まあ、アプローチはしねえだろうけどな」
「そうか…」
「でも、言わずに諦めるってのも、やっぱ違うと思ってたからよ、まあ、その結果がこれっ
って、なんつうか、瓢箪から駒ってやつだよなあ」
グラウンドに出ると、他のやつらからおせえんだよ!とせき立てられる。
新庄にジャージ借りてたんだよ、今行く、と岡田は手をあげ、俺に振り向き、ジャージ、
サンキュな、と俺に言った後で、俺にしか聞こえない声で言った。
「ジャージ間違えたのもよ、本当は昨日のことあって、うろたえてたんだよな、お袋
じゃなくて俺のミスだ」
好きだぜ、それだけ最後に呟くと岡田は駆け出していった。
____________
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ キャラのイメージ壊してたらスマソ・・・
| | | | ピッ (・∀・ ;)
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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>>32 超々GJ!!
禿萌えたー
原作の岡田と新庄はやっぱいいなぁ(*´Д`)b
半なま注意
81台場マムシ×ヒダカ 第ニ部・第一幕(全7回)
第一部は前スレ483-495
ドドSマムシ×ドドMヒダカ、続く怒涛のドエロ展開!
寧ろ、都合によりドエロのみ!
ドエロは続くよ!何処までも!
続き過ぎちゃってまた二分割だよ!
申し訳ない…でもやっぱり反省しない
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
窓の向こうから聞こえる街の雑踏が、やけに遠くに感じる。
小屋の中には、肉の擦れ合う音と二人の間を行き交う水音、荒く混じり合う吐息で満たされていた。
マムシの呼吸に合わせながら、飛鷹は無心で腰を振っている。
追い縋るような飛鷹の唇と舌を、マムシは強く吸い迎え入れる。
マムシは羽交い締めしていた右手を外し、飛鷹の口元に添えた。
唇を優しくなぞると、飛鷹はマムシの唇から離れ、その指を甘噛みする。
マムシが人差し指と中指を口の中へ滑り込ませると、無我夢中でしゃぶり始めた。
ユラユラとマムシの右手は口の中で踊り、それを追うように飛鷹は舌を這わせる。
口腔と坑口を犯される快感に、飛鷹はマムシの手首を掴んだ右手から力が抜け、ゆっくりとその手を下ろす。
そのまま起立した竿に触れようとした瞬間、マムシの右手がそれを征した。
「あっ…」
突然自由になった唇は狼狽え、驚きの声を漏らし、飛鷹は腰を止めた。
「…駄目だよ、手を使ったら」
何を言われたのか、快楽の霞がかる頭では理解できなかった。
戸惑う表現を浮かべる飛鷹の唇を舐めながら、マムシは続ける。
「手を使っちゃ駄目だよ…ここだけで、いけるでしょ?」
そう言うと、マムシは激しく腰を打ち付けた。
「あっ!あっ、あぁっ!」
突き刺される衝撃に、飛鷹は思わず声を上げ仰け反った。
マムシは砕かんばかりに飛鷹の坑口を攻め立てる。
飛鷹の右手はマムシに絡め取られ、破裂しそうに熱く反る竿から遠ざけられた。
左手を下ろそうにも、攻撃的に打ち付けられる衝撃に堪えるように、掴んだマムシの左手首を離せずにいる。
悲痛な喘ぎ声が小屋の中に響き、激しく揺さぶられ、反る竿は為す術なく震え、先走りの汁が零れ伝ってゆく。
「飛鷹さんは、ところてん、だもんね」
そう言うとマムシは打ち付けるのを止め、ゆっくりとうねるように腰を回した。
「ふ、あっ…はぁ、あぁ、んっ」
飛鷹は息を付く間もなく坑口を犯され続け、喘ぐ声を止められない。
再度マムシの手から逃れようと抗うてみるが、束縛の手を外せずにいた。
マムシの手は、飛鷹の手の甲から指を絡め握り締めている。
「手を…離せ…離してくれ」
マムシは飛鷹の言葉を無視し、耳を噛んだ。握り締めた手をゆっくりと引き上げる。
たまらず飛鷹は左手を伸ばすが、軽く手首を捻られた。
「…頼むから、手を、離して…もう」
膨張仕切った竿は天を仰ぐように反り、小刻みに揺れている。
快感を溜め込み痺れる竿の感覚に堪えきれず、飛鷹の背中は仰け反り、腰が突き出た。
それに合わせてマムシの腰も飛鷹を追う。
僅かでも刺激を与えようと懸命に竿を揺らすが、結果的に自ら腰を振る形となり、高まりは頂点に近づく。
壮絶な快感は牙を剥き、飛鷹を襲い苦しめる。
「いいよ…もっと動かして…締め付けてよ」
マムシは飛鷹の耳元で囁いた。
絶望的な、声にならない悲鳴が飛鷹の喉からほとばしる。
散々飛鷹を打ち据えたマムシは一息付くと、覆い被さるようにして飛鷹の上半身を沈めた。
飛鷹はなすがまま深く畳に沈められ、息苦しさに呻いた。
「お誂え向きだ」
マムシは上半身を戻しながら飛鷹の両手を後ろに引き上げ、腰の辺りで組ませ片手で拘束すると
もう一方の手で膝近くに落ちていた飛鷹のネクタイを拾い上げ、手首を縛った。
完全に両手の自由を奪われのた打つが、その頭をマムシは更に深く沈め、飛鷹の顔が更に畳に近づく。
マムシは、その広い背中を見下ろし、逞しい肩に噛みついた。
噛みつかれた痛みに眉間に皺を寄せるが、充血した竿の、張り裂けそうなうねりに痛みはかき消される。
おもむろにマムシは飛鷹の腰を掴み、再び激しく攻め立て始めた。
「っ!あっ、あっ!んっ、んぁっ」
為す術なく追い立てられ飛鷹は甘い声を出すしかなかった。
押し出されるようなもどかしさに襲われ、打ちつけられるほどに極まりは急速に竿の内部を這い上がってゆく。
「もう…あっ、駄目、あっ、イク」
飛鷹の中で何かが弾け、頭の中は真っ白になり、一度も竿を扱く事なく、精液を放出させた。
駆け巡る快感の痺れに、飛鷹は汗の吹き出た体を痙攣させ震えている。
マムシは腰を止めると、満足そうにその様子を眺めていた。
譫言のような、言葉にならない声が無意識に唇から漏れ、弾む息を整える事もできない。
吹き出した精液はすぐに止まらず、断続的に射精し、その度に飛鷹の腰が小さく跳ねる。
「悪いけど、俺、まだイってないんだよね」
そう言うとマムシは飛鷹の髪を掴み頭を上げさせる。そしてまた激しく腰を振り始めた。
快感の波に漂い意識が遠のいていた飛鷹は、再び現実に引き戻され声を上げる。
激しく打ち据えられる度に、萎び始めた竿が哀れに揺れていた。
やがてマムシも絶頂を迎え、飛鷹の坑口の奥へと熱い精液を放った。
マムシは余韻を楽しむように口腔の中で暫し留まっていたが、ゆっくりと自分の竿を引き抜く。
抜かれた瞬間、飛鷹は小さく声を漏らした。犯され続けた坑口は赤く腫れ、不在を惜しむように蠢いている。
飛高はマムシの体が離れると膝から力が抜け、完全に畳に臥した。
マムシはここでようやく服を脱ぎ捨てた。
ネクタイで拘束した飛鷹の腕を解放すると、そのまま後ろから抱きしめ、上半身だけ引き起こす。
飛鷹はされるがまま寄りかかり、マムシの肩に頭を乗せた。
足はだらしなく開き、弛緩した体を預け快感の余韻に浸る。
マムシの首元に顔を寄せ、荒い呼吸で腹が波打つ。時折、喉を鳴らし溢れた唾液を飲み込む。
「扱かないで、イっちゃったねえ」
飛鷹の頭を抱え、マムシは髪を撫で口づけを繰り返しながら、意地悪く嘲笑するが、飛鷹の耳には届かない。
マムシの首元に寄せた顔を擦り付け匂いを嗅ぐと、いつもと違う匂いがする。
その事が、ある人物に対する後ろめたさと、翻弄された屈辱を思い出させた。
快感の波が徐々に引き、自分を取り戻し始めてゆくのに対し、攻め立てられ疲れた体は重く、まだ動かす事ができない。
そんな飛鷹をよそに、マムシは抱きすくめるように腕を回し、一気に飛鷹の両方の乳首を抓り上げた。
その瞬間、飛鷹は自分の身に何が起こったのかわからなかった。ただ、突然襲ってきた猛烈な痛みに絶叫した。
衝撃から逃げようと体が大きく跳ねたが、マムシに抱きすくめられているせいで、逃げ出す事すら叶わずにいる。
構う事なくマムシは飛鷹の乳首をキツく摘み上げ、こねるように弄んでいる。
イったばかりの敏感な体は、襲い来る痛みを倍増させ、激痛に堪えきれず、飛鷹は悲鳴を上げ続けた。
「助け…あっ、助けて…、もう」
もがく体は前のめりになり、腕は、その先にいるはずもない誰かに助けを求めるように、悲しく伸びている。
ただ、この苦しみに、激痛だけではない何かが潜み出している事を、飛鷹は感じずにはいられなかった。
精を放出し萎びた竿が、僅かに動きを見せだしている。
マムシは不適な笑みを浮かべ、尚もその手を止める事なく、人差し指を少し伸ばし、飛鷹の乳首の先を引っ掻いた。
「ひっ!う…あっ」
痛みが快感が勝った。いや、痛みが快感を増幅させたのかもしれない。
震えていた竿が段々と首をもたげ出している。
「本当に、飛鷹の親分はイヤらしいねえ…」
少し力を抜き、人差し指で乳首の先を擦りながら、マムシは笑う。
「どっちのが気持ちいい?こっち?」
そう言うやいなや、マムシはまず左側を抓る。飛鷹は痛みに呻く。
「それとも、こっち?」
「あっ!んっ、あぁっ!」
マムシはニヤリと笑った。
「…右だね」
飛鷹は痛みと恥ずかしさに歯軋りしながら振り返り、マムシの顔を睨み付けた。
「マムシ…手を、離…せっ」
苦しげに首を回し、凄む飛鷹をマムシは冷たく笑い、憎々しげに睨むその顔に、マムシは顔を近づけ唇を奪う。
だが飛鷹の唇は固く閉じ、その口づけを拒絶する。
マムシはさもわかっているといった風情で目を細め、飛鷹の乳首を今度は優しく撫でた。
甘く疼くような感覚に思わず開いた唇に、素早くマムシは舌を忍び込ませる。
荒く唇を吸われ、飛鷹も釣られるように順応し始めた。
唇を重ね合わせたまま、飛鷹の胸を撫で付け、口づけに夢中になっている隙に、マムシはそっと胸から両手を離した。
下ろした手を被せるように飛鷹の手に添え、指を絡ませ、ゆっくりと両腕を引き上げると、苛まれた胸元へと導いた。
「んっ、あっ…」
マムシはその手を動かし飛鷹の胸を撫で回すと、必然的に飛鷹は自らの指で己の乳首を愛撫している事になる。
「そう…そうやって、自分で気持ちいいところ、弄りなよ」
自分で慰める事を強いられた飛鷹は抗議の声を上げようとするが、その唇はすぐに捕らえられ、苦情は口腔に消えた。
悔しさに憤る飛鷹だったが、拒絶する事は許されなかった。
唇が一瞬離れ、恨み言を言おうとマムシを睨むが、快感に麻痺し始めた口を上手く動かす事ができない。
マムシはその頼りない口元に食らいつき、更に強く飛鷹の胸を撫でさせる。
乳首を擦られる快感と、温かく柔らかなものが指に触れる心地よい感触に、飛鷹は思わず引き込まれてゆく。
我知らず人差し指に力が入り、より確実に感度のポイントを探り始める。
名残惜しそうにマムシが唇を外した。唾液が糸のように互いの舌を繋ぎ、二人の視線が絡み合う。
マムシはその目を見つめたまま、飛鷹の右手を胸元から外し、今度は僅かに膨らみかけている飛鷹の竿を握らせた。
不思議そうに見つめる飛鷹に、マムシは恩着せがましく囁いた。
「さっき、あんなに触りたがってたでしょ?いいよ、思う存分扱きなよ」
今更そんな事を言われても…飛鷹はマムシの思惑を計りかね、その目の奥を覗き込んでいる。
マムシは目を細めた。
細めるほどに眼光は冷たく光り、飛鷹を刺す。蛇の名を持つ男は、獲物を見据える。
飛鷹は動けずにいた。ただその刺すような視線を見つめる事しかできない。
マムシはそのままゆっくりと飛鷹の手を動かし、竿を扱かせ始めた。
「ふっ、あ…あぁ…」
凶暴な視線とは裏腹な、あまりに優しい動きに、飛鷹は思わず声を漏らした。
マムシの手に誘導され、自らの手で扱かれる竿を人事のように見やる。
マムシは飛鷹の肩に顎を乗せ、二人の視線は飛鷹の竿に注がれている。
「さっきは扱ごいてイってないから、まだ残ってるでしょ」
そう言うと今度は左手で飛鷹の玉を揉み解す。飛鷹は自由になった手で悪戯に動くマムシの手を掴むが、引き離せない。
優しい愛撫に竿は再び猛り始め、少しずつ天を仰ぎだした。
先ほど出切らなかった精液が漏れ出すと、マムシは人差し指でその鈴口を押すように撫で回す。
飛鷹は堪らず体を仰け反らせ、吐息に恍惚の声が混じる。
喘ぎ始めた飛鷹の耳を甘噛みしながら、優しく丁寧に手を動かし、飛鷹を追い込む。
マムシに促された手は、やがて意識を持って自分から竿を握り締め扱き始めていた。
それを見止めると、マムシは玉を揉んでいた手を離し、飛鷹の左手を掴み引き上げ、胸元に誘った。
「ほら、ここも自分で気持ち良くしてごらん」
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
いやー
ドエロって、ホントにいいもんですね
この続きは明日お届けします(多分)
予定を大幅に超えた為、途中投下しますた
兄貴が可愛くて、筆が滑る滑る…
はっ、反省なんて、してないんだからねっ!
>>45 GJGJ!!兄貴エロすぎまっす。
明日の続きも楽しみにしております。
>>53 マムヒダキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
兄貴エロいよ 兄貴'`ァ,、ァ(*´Д`*)モウタマリマヘン
続きをwktkしながら待ってます
>>53 待ってた!若干M入ってる兄貴エロ渋いよ兄貴
文章も読みやすくてあっという間に読み終えてしまいました
続きお待ちしてます
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 昭和の大スターとそのライバル
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 知れば知るほど801の礎だと思うのです。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
なんでこんなことになっちまったんだ。」と思わず心の底でつぶやいた。
「今度の仕事はバケーション込みなのよ。」
そう聞いていたから俺の撮影は終わっていたのにもかかわらず、ここまでついてしまった。
「なんかさ、せっかく地中海まで来ていいカンジに焼けてきたのに、尻だけまだ白いんだよね。」
と、唐突にアイツは短パンの裾をめくり上げた。
「おおー相変わらず白いな。尻だけもやしっ子みたいで可愛そ。」
その白い尻がちょっとだけまぶしく感じられたのは内緒のはずだった。
「パンツはいてるみたいだねよえ。そうだ尻だけ焼こう。」
[へ!?」
「うん。尻だけ焼くからさ、手伝ってよ。キレイにオイル塗れないよ。斑になったらやだもん。」
そんな剣呑な台詞を吐きつつ、アイツはバスルームにおいてあったサンオイルを持ってきた。
「え・・・ああ・・・いいけど。手伝うけどさ・・・」
まさにバケーションといった俺の東京のマンションのリビングルームに相当しそうなだだっ広いベランダで、アイツは素っ裸になりデッキチェアに横たわった。
「!!!!!!!!!」
「うお、わりい、手がすべった」
「‥オイルつけすぎだよ‥」
「ゴ・ゴメン」
なんで俺が謝らなきゃいけないのかさっぱりわからない。
でもいつも謝るのは俺。なんでだ。
アイツの白い尻は見た目同様、滑らかで、ヒヤッとしていてまるで美術の授業で触った大理石の像を思い出させる。
「俺も尻白いよな、焼いた方がいいかな。」
よくわからんが突然頭の中に黄色いサイレンが回り始めた。そう、工事現場に良く見るアレだ。
焦った俺はわざと乱暴に作業を中断し、オイルのボトルを放り投げる。
「そうしたら?塗ってあげる。」
振り返ったアイツの目が俺の股間で止まった、と、思う。
「・・・なんで硬くなってるわけ。尻しか触ってないじゃない。」
ゆっくりと伸ばされた手が俺の股間をなぞり上げる。
「うっせえな。」
アイツがうっそりと俺の顔を見上げる。
大きくまるで星を抱えたような瞳が潤み、頬が見る見るうちに上気してくるのがわかり、俺は息を止めて見入ってしまった。
「ちゃんとしてあげるからさあ、うつ伏せになりなよ。」
「なんでこんなことになっちまったんだ。」
と、何度もつぶやきつつ思い出したんだ。一見年下に見えるこのかわいらしい優男に、俺は今の今まで逆らうことができたためしはない。
そして今も逆らうつもりは全くない。
俺は嬉々として薄っぺらな布切れを放り投げた。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ スレのみなさんに感謝するだお
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>61 GJ!萌えたよ〜!
過去映像でしか見られんけど、あの頃の二人は美しかったねぇー
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < ドラゴンゾの
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < ハウリングスター×ライナです
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < スレも進まないけど投下!
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
「俺!ライナ!レゾナンス!」
ハウリングスターはライナの部屋に飛び込むなりそう叫んだ。部屋の中央にあるソファに座っていたラ
イナは慣れたように表情を崩すことなく、淹れたばかりの珈琲を啜って窘めるように言う。
「ハウリングスター、この部屋の扉は確かに君なら指紋認証すら無しで入れるよう設定しているけれど
、あまり突飛な行動は慎んだほうがいいと毎回言っているだろう。せめて言葉は明確にしてくれないと
こっちも行動できない。主語述語は当然だけど、できれば助詞も欲しいな」
「ライナ、」
「さっきの言葉は敵が来たからレゾナンスするぞって意味にしか捉えられないけど警音は鳴ってない
よ」
「違うんだって!だから、俺とライナの初レゾナンス時の話だよ!」
「……ハウリングスター、おいで」
ライナはどうも要領を得ないハウリングスターを手を振って傍へ呼ぶ。ソファーがコの形に並べてある
にも関わらず、ハウリングスターは当然のようにライナの隣にどすんと座った。ライナはすっと立ち上
がりカップに珈琲を注ぐ。砂糖一つとミルクを一つ入れ、ハウリングスターの前に差し出した。
「どうぞ」
また元の位置へと座りなおしたライナと淹れてもらった珈琲を見比べ、ハウリングスターは少し拗ねた
ように唇を尖らせつつも大人しく珈琲を口に含む。甘めのそれはハウリングスターの体を温めるように
染み渡った。ハウリングスターは甘党というわけでもなかったが肉体派の彼はブラックのままで飲む
ことを好まない。ライナが用意してくれた珈琲はちゃんとそのことを踏まえていてどこかこそばゆいよう
な感覚をハウリングスターに与えた。
「落ち着いた?」
隆々とした筋肉を惜しげもなく晒した格好で珈琲カップを両手で支えながら飲む姿はどこか可愛らしく、ライナは自分のドラゴン贔屓も中々のものだと一人ごちた。
元々ドラゴンは自分の憧れを投影したものであるからして、贔屓になるのは当然だったがこれは度が過ぎているな、と度々感じることがあるからもう末期である。
ハウリングスターは上目でライナを見たかと思うとそのまま顎を上げ珈琲を飲み干す。宴会じゃないんだけどな、とライナはそれを見ながら思う。カップをソーサーに戻したハウリングスターはライナを窺うように見、謝罪を口にした。
「……悪かった」
「いいよ。それで、どうしたんだい」
「俺とライナの」
「うん」
「レゾナンスの時の」
「うん」
「――映像データ」
ライナはギクリと固まった。しかしそれは一瞬のことであり、誰が見てもその動揺は読み取ることはできないだろう。そう、ハウリングスター以外は。
いついかなる出撃時にも備えられるようにマスターとドラゴンはペアで行動するよう決められている。
しかし男の親友同士が一緒の部屋で生活し行動するわけではないように、ライナとハウリングスターもまた、常に共にいるわけではなかった。
女同士であるアキラとマキナは同じ部屋で生活していたが、それは「見苦しくない」という世間一般の観点によって許されるのであって、
どこからどう見ても成人男性のライナとハウリングスターが同居しているなんてあまりにも寒い冗談だった。
またジークリンデとアマデウスは流石に同じ部屋で生活はしていないだろうが、家族のような関係であり
そもそも自分の部屋で過ごす率の少ないお嬢様であるから殆ど共にいると言っても過言ではないだろう。
ライナの秘密主義傾向からしてもこのペアが一番一緒にいる率が低い。
しかしそれを補って余りある実力がライナの隊長という位置を支えているのも事実。
ハウリングスターはライナの一挙手一投足も見逃さないようにじっと見つめた。ライナはそれに気付かないはずがない。
が、あえてその突き刺さるような視線を無視して「それがどうしたんだ」と返す。
「さっきアキラとマキナに会ったんだんだ。自分たちのレゾナンスデータを一緒に見たんだって話をしてたんで、俺にも見せてって頼んだんだけどな」
「断られたんだろう」
「そうそう」
「当たり前だよハウリングスター。アキラは女性だ。胎児のドラゴンがマスターとなる人間のDNAを把握するためにアキラは裸になる必要がある。
そんなもの、研究者や同性ならともかく君に見せられるはずがない」
「……そう言われた」
「だろう?それにカズキとギオのを見たじゃないか」
「あんなん遠くから撮ったのしか見れてないじゃねーか」
「それも仕方ないだろう、あの場にはアキラもマキナもジークリンデもいたんだ。彼女らにも酷だしカズキにも酷だろう?」
理路整然としたライナの説明にハウリングスターはぐっと詰まる。
「じゃあカズキとギオの、ちゃんとカメラワークを駆使した映像が見たい」と言えば
「カズキの許可を取れ」と変態を見る目つきで言われるだろう。
これ以上カズキとギオのレゾナンスについて語ることは不利と言えた。
と、いうかそもそもカズキとギオのレゾナンスシーンが見たいわけではない。
「俺とライナの」
「断るよ」
「何でだよ!」
「君こそ何で拘るんだ。アキラとマキナが羨ましいか?」
ライナは皮肉のように言う。カーテン越しに入り込む日光が霞みのようにライナの白い右頬を暈した。
影となった左側の目が絢爛と光る。領域を間違えるなと釘を刺すようなそれにハウリングスターは一瞬体を強張らせた。
ライナは肝心なところまで踏み込ませてくれない。隠し事の苦手なハウリングスターに対して、ライナには小さなことから大きなことまで秘密が多すぎた。
理論を完全に武装してハウリングスターの追随を逃れるのに長けていた。いや、ライナならば他の人間からのどんな追従をも逃れることができるだろう。
ハウリングスターはそれが悔しい。
その他大勢と自分が一緒くたにされているその事実が悔しい。
「羨ましい」」
言葉は思っていたよりもずっとすんなりと出た。ライナの目が僅か見開かれ、青色の両眼にハウリングスターが映る。
ハウリングスターはライナのシャツの首元を掴んで引き寄せた。いつも眇められているとこの多いその瞳が自分の顔で埋め尽くされているのを見て少しだけ安心する。
「っ、ハウリングスター」
「羨ましいに決まってんだろ。ライナは俺のマスターだ。ライナのことなら何でも知っておきたいと思うのは俺の我が儘か?違うだろ」
「……ハウリングスター」
ライナは掴まれた首元を外そうとすることもせず、ただハウリングスターを見つめていた。暫くしてそっと目が伏せられる。長い睫毛がそっと白い頬に影を残す。
「何か、言えよ」
「見たいのか」
「へ!?お、おう」
「でも許可しない」
「ええ!?」
じゃあ何なんだよこの流れは、と突っ込むハウリングスターに、ライナはしかし目を合わせることなく「許可はしない」と繰り返した。
「どういうこった、それは……」
ハウリングスターがまたライナに詰め寄ると、ライナの頬が僅かに、ほんの僅かに染まっているような気がした。それを見定めるためにじっと観察していると、それに気付いたライナが渾身の力でハウリングスターを振り解く。
「な、何だよー!」
「この話はこれで終わりだハウリングスター。いいか、僕は許可しない」
ライナは屹然と立り上がり、不満そうな顔でクエスチョンマークを飛ばしているハウリングスターを置いて部屋を出ようと歩を進める。自動扉はライナに反応して硬質な音を立てて開いた。そこに。
「よ!」
「アキラ、マキナ」
「な、ハウリングスターいるか?」
「……いるが」
「なぁ、ハウリングスター!」
「ん、ああ何だ?」
「何だじゃねーよ、お前レゾナンス見たいって言ってたろ」
アキラはずけずけとライナの部屋に入り込み、ソファで呆然としたままのハウリングスターに話しかける。
マキナが「アキラちゃん、人の部屋に勝手に入っちゃだめよ」と嗜めるが「ライナの部屋だし見られて困るもんを置いておくはずないだろ、綺麗だし問題ないって」と取り合わない。
一方ライナはそれどころじゃなかった。嫌な予感が彼を征服していた。もしかしてアキラは――
「持ってきてやったよ、お前のレゾナンス!」
にっこりとアキラが健康的に微笑み、その腕の中にあったパソコンをハウリングスターに渡す。
「バッカだなお前、俺らのデータは流石に見せられないけど自分のデータを見れないはずないだろ。指紋認証になってるぜ、それ」
「本当か!?」
「ああホント……」
「っっ、ハウリングスター!」
ライナは珍しく荒い声でパートナーの名前を呼ぶ。表情にも焦りの感情が滲んでいた。アキラが驚いたようにライナを見た。
「ど、どしたのライナ」
このままでは見せてもらえない。そう野生の勘で感じ取ったハウリングスターはアキラに借りたパソコンを片手でひょいと持ち上げ、リビングとなっているこの部屋から更に奥の部屋へと逃げる。
「ハウリングスター!」
それを追ってライナが奥の部屋へと消える。残されたアキラとマキナはぽかんとそれを見ていた。
「俺のパソコンなんだけど……」
「アキラちゃん、流石にこれ以上殿方の部屋に入り込んでは駄目よ」
「分かってるよ、……でもあんなライナ珍しいな」
「そうね。でも何となく予想付いたわ」
「……?」
「だってアキラちゃん、可愛かったもの」
「はぁ?」
訳が分からないとばかりに顔を崩すアキラの隣でマキナはしっとりと笑み、「後で返しに来てくれるわ」とアキラを促して退出した。
それにこれ以上ここにいたらドラゴノーツ部隊の軋轢を生むことになるわきっと、というのは口には出さなかった。
「ハウリングスター……それをこっちへ寄越すんだ」
「断る!」
ここは譲れないとばかりにハウリングスターも強気で返す。
書斎である部屋は古い紙独特の甘い香りが充満している。殆どの書籍が今やデジタル化されているというのに、ライナはわざわざ本を買って読むことが多かった。
古い学術書はそれこそハウリングスターの読める単語が並ばないほどで何だかライナが自分とは違う世界に住んでいるような気がしてしまう。
ハウリングスターはちっと軽く舌打ちをした。
本を読む人間だとは思っていたが、四方の壁に置かれた本たちはとんでもない量で、その分ハウリングスターの知らないライナがあるのだと誇示されているようだ。
全く、気に喰わない。
「ハウリングスター」
ならこれくらい知ったっていいだろ。
ハウリングスターはじりじりと迫ってくるライナから逃れるように下がる。そして開いている右手で更に奥の扉を開けた。
「っ、ハ……」
ライナの虚をついて扉の向こうへ逃げ、素早く鍵を掛ける。パスワードを勝手に設定しなおしてライナの侵入を塞ぐようにした。ほっとしてよくよく目を部屋に当てれば、そこは寝室だった。
「ハウリングスター、開けろ!」
「開けてみろよ」
ドンドンと叩かれていた扉は静まり、その代わりに向こう側で電子音が聞こえる。
ライナが自分のパソコンを持っていればコードで繋いで認証させパスワードを解除し、簡単に部屋に入れるはずだったが残念ながらライナのパソコンはこの部屋にないことは知っていた。
(ライナは解けるだろうか)
ハウリングスターはゆったりとした大きなベッドに腰掛け、パソコンを置き起動させる。
どうやらセーフモードに設定してあったらしく、立ち上がりは早かった。その上ご丁寧にデータが指紋認証のところで保存してある。
「サンキューアキラ」
至れり尽くせり。右手の人差し指をポンとタッチすれば認証しましたという字が浮かび上がる。動画再生のソフトが認証を受けて動き出した。
「うんうん、カズキと同じこの場所だな」
着物のような服を着ていたライナがそれを脱ぐ。白い服の下はやはり白い肌で、ハウリングスターが同性ながら綺麗だと思った。
暗い部屋。青白い人工光。部屋の中央にあるドラゴンの卵。これが自分だと分かってはいても信じがたいほど生々しい。ライナはこれを見て何か思っただろうか。
恐ろしいと、毒々しいと、思ったのだろうか。
「ハウリングスター!」
「今見てる」
「……!」
忙しなく電子音が聞こえる。やはり解けないのだろうかとハウリングスターはどこか冷静な頭で思った。
ライナだからな。仕方ないか。いや、仕方なく思えないから俺は今これを見てるんだろうが。
そうだライナ、俺はお前にも理解してほしいから小さな謀反を起こしているのだ。
画面の中のライナは長い足でドラゴンへと近付く。現代の科学の進化によって鍛える必要のない足の裏がペタペタと音を立てているのが可愛らしかった。
何となくそんな音はライナに似合わない。
『これが……』
画面の中のライナが喋る。ハウリングスターは次に来る言葉に備え、身を堅くした。
『いや、……君が、僕の』
ハウリングスターは思わず飛び上がり、画面をまじまじと見つめた。画面の中でライナが笑っていた。いつもの飄々とした笑みではなく、思わず感情が零れ出たような――
『パートナーか』
「らいな、」
「っハウリングスター!」
「ライナ!?」
明らかにパソコンからではない声にビクっとして後ろを振り向けば、開け放たれた扉と緑に光るランプ。そして凄惨なオーラを漂わせるマスターが一人。
「今すぐそれを止めろ」
「……ライナ」
「だから、」
「ライナ!」
近付いてきたライナの腕を引き寄せ、ベッドに一緒に倒れ込む。しっぽがあったら千切れそうなほどに振られているに違いないほどの上機嫌で、ハウリングスターはライナを抱きしめた。
「……え、?は?」
ハウリングスターの胸元に頬を付けるような状態で抱きしめられ髪をぐしゃぐしゃに掻き回され、ライナは怒りもどこへやら、毒気を抜かれたような顔で困惑した。
「ライナ、好きだぜ!」
「は、へ!?」
「パスワード、当てたんだな」
「っ!」
瞬間ライナの白い頬に朱が走る。ハウリングスターの腕の中でもがく珍しいライナに更に上機嫌となってハウリングスターが抱きしめる。
その力強い腕はライナの望み投影したもので、振り解けないことは明白だったがそれで大人しく抱かれているほどライナは割り切れなかった。
精一杯の抵抗は児戯にも等しい弱小さだったがそれでも抗戦しつつ毒を吐く。
「僕は君の考えそうなことを入れただけでっ」
「ん!でも俺ちゃんと耳でも聞いたから」
へ、と掻き乱される頭を抑え、ハウリングスターの指先を追えばベッドに座しているアキラのパソコン。さっと、ライナの顔色が変わる。
パスワードを当てたことを純粋に喜ばれ照れていた頬が青く染まる。その変化にハウリングスターは何だ何だとパソコンのほうに顔を向けようとした。
「っ、ハウリングスター!」
その制止も既に遅く、動画は無情にも再生を進める。
「パートナー」というパスワードを当て、画面の中でも言葉にしてくれたライナにハウリングスターがじゃれついている間、パソコン内ではドラゴンの卵の核から出た数本の糸がライナの情報を得ようと蠢いていた。
太い血管のようなそれはマスターとなる相手のDNAから自分の姿となるべきイメージを探し出す。
卵は主に、相手が差し出した腕に血管のような管を数本突き刺して検索を始めるはずだった。
カズキの時もそうだったし、アキラとマキナもそう言っていた。数本で、腕のはず。しかし、何か、多い。
目の良いハウリングスターが見間違えるはずはない。多い。そして目標が明らかに腕だけじゃないような。
『……っん、』
「っわああああああぁっ!」
「へっ」
画面の中の自分の声を誤魔化ためか、はたまた恥ずかしさ故か。
ライナはこれも滅多にないほどの慌て方で画面の前で腕を振りながら大声を上げる。
「ライナ、今の」
「っ!違う、違うんだハウリングスター!」
『ぅ、……く、』
「だっ、え、だって、これ」
「許可しないと言ったはずだ!」
ライナは真っ赤になりながらパソコンを抱きかかえ体全体で画面を隠すが、音までは隠せない。
結果、ハウリングスターの耳にはライナのあられもない声がしっかりと届く。
あられもない声とは言っても無理矢理声を押し殺し殺し殺してそれでも洩れ出た声、と言ったところであったが、逆にそれがライナらしさを際立たせていた。
ポカンとしていたハウリングスターも、ライナの身体を弄るような動きの管とライナの殺した声の雄を擽るような響きに徐々に顔を赤らめる。
「れ、レゾナンスって……あれ?」
「っ!」
頭の回らないハウリングスターの隙を見つけ、ライナはプレイヤー自体を乱暴に閉じた。
動画データまで削除したかったが許可には少々手間がかかる。舌打ちしたい気分だった。まさかこんなことになるとは。
「何かいっぱい…え、何で?」
「……ハウリングスター」
「腹とか脚まで、いや、変なところだけ触ってなかったのが残、違う、幸い…」
「落ち着くんだ」
声と映像が頭の中で反芻される。生唾さえ飲み込めず、ハウリングスターは視線を彷徨わせる。動悸が激しく、ライナの顔を見れなかった。
が、直接目には入れずともライナの白い肌が視界に入る。そう、白い……
白くなかった。ハウリングスターは思わずライナの顔を凝視してしまう。
ライナはやや伏せ目がちに、その白い肌を赤く染めてもごもごと舌の上で言葉を探しているようだった。落ち着けていないのはライナも一緒だった。
「ラ、ライナ」
「珍しい、例、らしい」
訥弁は動揺の証。ライナはこれ以上ないまでに言いにくそうに言葉を紡ぐ。
「波長が合いすぎたのだろうと言うのが結論だった。でないと説明がつかないと……
最初僕らが監視されていたのは実験体だったからだけじゃなくて、そういう意味もあったんだよ」
「つまり、ええと。……俺はライナが好きすぎて、……ライナも俺を好きすぎたってことか?」
「っ!」
ストレートな物言いにライナは更に頬を染め上げる。「合ってる?」と問いかけてくるドラゴンには自分が告白にも似た言葉を発しているという考えは微塵もないのだろう。
さっきから自分だけが振り回されている気がして、ライナはハウリングスターを睨んだ。
「な、何だよ」
「そうだよ。ハウリングスターの言う通りだ。僕が君を好きすぎただけだ」
負けじと言い返したそれが、ハウリングスターにどのような影響を及ぼすか、ライナは理解していなかった。
ぼっと灼熱のごとく燃え上がったその顔は髪の毛と同じくらい鮮やかに染まっている。
「ハウリ、」
「らいなが」
ハウリングスターは顔を固まらせたまま呆然と呟く。
「らいなが!」
顔が動かないだけでなく舌も回らなくなったようだ。衝撃の大きさが伺える。ハウリングスターは呆気に取られるライナの前でロボットのように立ち上がった。
「らいながおれをすきだって!」
ライナからすれば今更な話だ。言葉にしたことこそなかったが、好きでなければ組んでもいないし創造すらしていまい。
だがその言葉こそが重要なのだということをライナは知らなかった。そしてハウリングスターの舞い上がった姿に自分の言葉の重さを自覚し、こちらもまた真っ赤に染まる。
「は、ハウリングスター、」
「ライナ!俺!好きだって!」
「あ、ああ」
何だか冒頭で聞いたような語感に思わずライナは頷く。ハウリングスターは無表情に固定されていた顔を満面の笑みに変え、ライナに詰め寄った。
「俺も、ライナが好きだ!」
そう言うや否や、ハウリングスターはライナに口付ける。表面を触れ合わすだけのそれは児戯にも等しいものであったが、ライナはあまりのことに頭が白く染まる。
目の前に濃い肌色があり、瞑った目の上には長い睫毛が揺れていた。
おそらく数秒のことであったろうそれは永遠のように長く、ライナが目を回すには充分な時間だった。
「ごちそうさま!」
良い返事を残して、ハウリングスターは喜色を零しつつ部屋を去る。ベッドの上、パソコンとライナだけが取り残された。
ライナは白く長い指を唇に添えて、さっき自分の身に何が起こったのかを反芻しようとする、が、頭が働かない。
「な、な、な」
嵐のように現れたドラゴンは嵐をライナの中に置いて帰った。
だけではなく、自分とライナが両思いだと施設中に言いふらし、また別の嵐を巻き起こすのはまた別の話。
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < アニメも漫画も終わったけど
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < やはりゴンゾだったけど
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 <好きしょ!なのだ!
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ" ミスばっかりですみませんでした!
74 :
風と木の名無しさん:2008/05/22(木) 23:56:41 ID:MkDF9V0DO
元ネタ知らないがハウリングスターカワユス
半なま注意
81台場マムシ×ヒダカ 第ニ部・第二幕(全9回)
第二部第一幕は
>>45-53 ドドドSマムシ×ドドドMヒダカ、怒涛のドエロも最終展開!
♪ド-エロよ、ドエロ-よ-、兄貴はド-エ-ロ-
ドラマではマムシとヒダカ、絡み無いのにね
マムシに至っては、1回しか出てないのにね
妄想力逞しいけど反省はしてない
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「ほら、ここも自分で気持ち良くしてごらん」
マムシはそう言うと、掴んだ左手で飛鷹の右の乳首を擦らせた。
「あっ!あぁっ、あっ」
堪えきれず飛鷹は嬌声を上げる。
「こっちが…いいんだよねえ」
親切ごかしてマムシは飛鷹の左手を動かし、無理やり自分で愛撫させた。
「いや、だ…あっ、あ、んっ」
必死で抗うが、飛鷹は襲い来る快感を振り払う事もできず、強制された自慰を止められない。
マムシは飛鷹の体を、後ろに倒れ込まないように胸で背中を前に押し、拘束していた手をそっと離した。
「…そのまま、続けな」
耳元でそう囁くと、マムシは飛鷹を見据えながら、悠然と前に回り込んだ。
飛鷹はマムシに睨まれ、自慰をしたままの姿を崩す事ができず、痴態を晒すしか術はなかった。
「聞こえなかった?…続けるんだよ、一人で」
思わず飛鷹は息を飲んだ。
辱めを拒絶したい反面、それ以上に、マムシの罠に嵌り高ぶられた情欲を止める事は、もうできなかった。
飛鷹は、悔しさのあまりキツく唇を噛み締め、憎悪の目でマムシを睨みながら、自ら手をぎこちなく動かし始めた。
「いいよ、上手にできてる」
マムシは更に飛鷹を深みに嵌める。
相手を追い詰め執拗に絡み、締め付けるやり口は、マムシの将棋の差し方によく似ていた。
そして蛇の目で獲物を睨み据え、喰らいつく瞬間を狙っている。
あとは、その獲物を飲み込むだけ…
憎む男の前で自分を慰める姿を晒し、それでもその手を止められない己を、飛鷹は恥じる。
しかしその辱めが、ますます情欲を沸き立たせている事を、飛鷹自身が一番感じていた。
声を押し留める事もできず、目を瞑り夢中で竿を扱き乳首の先を擦る。
「乳首を、摘んでみな」
言われるがまま飛鷹は乳首を摘む。
「そう…じゃあ、こねてみな…そうだ、いいよ、続けて」
マムシは飛鷹ににじり寄りながら、指示をする。飛鷹は素直にそれに従う。
「目を開けて…俺を見るんだ」
飛鷹の顔を挟み、上に向かせながらマムシが囁く。薄く目を開け、飛鷹はマムシを見た。
「目を反らさないで、俺を見ながら扱きな」
そう言うと、マムシは飛鷹の目を見つめたまま静かに後ろに下がる。
飛鷹はマムシの視線から目を反らせず、追うようにその目を見ている。
一度放出した竿はダラダラと精液が零れるだけで、なかなか果てる様子を見せない。
寄せる快感は貯まるばかりで、吹き出す事もできず、苦しさに呻き、縋るようにマムシを見る。
マムシは飛鷹を見下ろし、その哀れな姿を堪能している。
「足を開いて…そう、もっと開いて」
言われるがまま足を開き、己の秘所をマムシにさらけ出す。全てを晒し、恥ずかしさが飛鷹をますます興奮させた。
竿を握る手に力が入る。猛然と揉むように竿を扱き、乳首を弄る指は感度のポイントを集中的に攻め蠢く。
体は反り返り、自然と顔が天井を仰ぎ、
込み上げてくる愉楽が、獣のような叫びを上げさせる。
そして、先ほどとは比べものにならない熾烈な絶頂感が飛高を襲った。
絞り出すような悲鳴が小屋の中に響き渡った。
短い射精を繰り返し脈打つ竿を握り締め、狂おしく撫で続けた乳首を強く押し潰すように指に力が籠もり、体が強張る。
吐き出す声は細切れになり、痙攣し出した体を支えきれず、飛鷹は震えながら崩れ落ちた。
マムシは悦に入った顔で、這って飛鷹の元へと近づく。
倒れ込んだ飛鷹は、あまりに大きく押し寄せた絶頂感に心と体が堪えられず、怯え出し、震えが止まらない。
近づく影に恐る恐る視線を上げると、そこにマムシの顔を見つけ、飛鷹はたまらず泣き出した。
子供のようにしゃくり上げながら泣いている飛鷹を、マムシは愛おしそうに見つめ、体を横たえ優しく抱きしめる。
「気持ち良すぎて、怖かった?」
飛鷹は何度も何度も小さく頷くと、マムシにしがみつくように抱きつき、胸に顔を埋め嗚咽を噛み殺し泣き続けている。
マムシは、腕の中で泣いている飛鷹が、ひたすら自分に助けを求め、甘え、泣いている事に陶酔した。
常に憎しみを目に湛え、拒絶を繰り返すこの年上の男を、何度負かし、犯し、こうして抱きしめた事か。
飛鷹がこの小屋に来る理由は、勝利への執念だけ。
将棋で負け、その代償に犯され続ける屈辱をいつか晴らす為、この男はここへと通い続けるだろう。
そこに、マムシへの情愛は無い。
二人の間には、将棋板と真剣師のプライドと、憎悪しかなかった。
どんな事をしても、手に入れられないもの。
それならば、いっそ壊してしまえばいい…
マムシは飛鷹の頭を撫で、慈しむように髪に口づけを繰り返すと、再び冷たく目を細め、嗜虐的な微笑みを浮かべた。
飛鷹の吐息が小さくなり、微睡みかけると、マムシは撫でていた髪を強く掴み、その顔を引き上げた。
突然の事に、飛鷹は驚きのあまり声も出ない。
「まだ…終わらせないよ」
そう言うと、いきり立っている己の竿を、飛鷹の腹に擦り付けた。
非情な宣告に、反射的に逃げ出そうとする飛鷹の髪を更に強く握り締め、捻上げる。
「もう…嫌だ、許して、くれ…もう、出な…あっ」
引きつる痛みに呻く飛鷹に、マムシは冷酷に言い放った。
「あんたは負けたんだよ」
飛鷹の顔色が変わった。
「勝負に負けたんだよ、忘れたの?」
瞳に憎しみが滲み出した顔を見やりながら、マムシは繰り返す。
「負けたんだ、将棋で、俺に」
仰け反らせた飛鷹の白い首に舌を這わせ、嘲り、憎悪を焚き付ける。
悔しさに身を捩るが、疲労した体はマムシの腕に絡め取られ動かす事ができない。
呻く度に飛鷹の上下する喉仏を舐り、マムシは白い肌に新たな跡を残し始める。
敗者である事をいつまでも忘れさせないように。
「俺が勝って、あんたは負けた、それだけだ」
口惜しく歯軋りする飛鷹の顔をマムシは両手で挟み、目を見据え、言い捨てた。
膨れ上がった怨恨だけが、今の二人を繋ぐ。
マムシは噛みつくように、飛鷹の唇を奪った。
互いの憎しみを混ぜ合うだけの激しい口づけが、飽くことなく続いていた。
曇りガラスの窓を、激しい雨が打ち付けている。
いつの間にか気を失っていた飛鷹は、その音で目を覚ました。
激情の赴くまま繰り返された行為のせいで、体が鉛のように重たく感じられる。
幾度貫かれ、幾度気をやられたか、飛鷹はもう覚えてなかった。
ここへ来た時は春の日差しで溢れていたのに、こんなに激しい雨がいつ降り出したのかもわからなかった。
沈みそうな体を引き起こすと、体の至るところで鈍痛がする。
ふと隣を見ると、横たわったマムシが薄ら笑いを浮かべ、こちらを見ていた。
飛鷹はそれに一瞥をくれると、脱ぎ捨てられた自分の服のもとへ這って行き、煙草を取り出した。
とにかく今、堪らなく煙草が吸いたかった。
マムシに背を向けたまま煙草に火を付け、思い切り深く喫むと、乾いた喉に煙が絡み付き、咳き込んだ。
それでももう一息無理やり喫み込むと、煙は体内に染み込んでいく。
噛み締め続けた唇にニコチンが沁み、飛鷹は眉を潜める。
「俺にも一本くれよ」
煙草をねだる声に振り向くと、マムシが差し伸べた腕をゆらゆらと揺らしていた。
そのまま煙草とライターをマムシの方へ放り投げ、灰皿を互いの真ん中辺りに滑らせた。
背後でライターの着火音がした。
暫く、二人は無言で煙草を喫んでいた。
窓を打ち付ける雨の音だけが、小屋の中に響いている。
飛鷹は煙草を喫み終わると、服を身につけ始めた。それを見ていたマムシも服を着た。
お互い、先ほどまでの狂乱の出来事について語る事はしなかった。
「歳、取ったよな、お互いに」
突然そんな事を言い出したマムシに、驚いて飛鷹は振り返った。
「どうしたんですか、急に」
既に自分を取り戻した飛鷹は、いつものようにマムシに敬語で聞き返した。
マムシは服を着替え終え、飛鷹の煙草をもう一本喫みながら胡座をかいて、ぼんやりと天井を見ている。
「もう…何年になるよ、10年?」
飛鷹の問いに答えず、マムシは話を続ける。
「いや、12年前か?」
「…忘れましたよ」
忘れるはずがない。飛鷹はあの日の事を今でも鮮明に思い出せる。
「あんたが俺に敬語を使い出したのは、いくつの時だったかな…」
飛鷹は、マムシの思い出話に付き合う気はなかった。ジャケットを羽織るとポケットの中を確認しだした。
「煙草、忘れてるよ」
そう声をかけられ、飛鷹はマムシの元へ近づき、差し出された煙草を受け取ろうと手を伸ばした。
その手をマムシは掴み、飛鷹を引き寄せた。バランスを崩した飛鷹は思わず膝を付き、二人の顔が接近する。
「俺は、あんたにだけは絶対に負けない…絶対にな」
肉迫する飛鷹の目を射るように睨み、マムシは宣言し、唇を寄せた。
互いに見つめ合ったまま、唇を重ね舌を絡ませる。
宴の終わりを告げる口づけは、煙草の味がした。
やがてどちらともなく唇が離れると、名残惜しそうに唾液が二人を繋いだ。
小屋の外に出ると、飛鷹は降りしきる雨を見上げる。
ため息を付き、諦めたように屋上を横切ると、古びたエレベーターで階下まで降りた。
ずぶ濡れになった飛鷹は、落ち行くエレベーターの中で、洗うように荒く顔を拭き、首を撫でた。
先ほどの出来事が、今まで何度も繰り返し挑み敗れてきた記憶が、そしてまた再びここへ来ざるを得ない現実が、
飛鷹の胸奥に去来し、大きなうねりとなって渦を巻き、飛鷹は襲いくる絶望と憤怒に吐き気を覚え、それに堪えた。
エレベーターを降り、苦しみを振り払うように頭を振り、ビルから出た。
雨の中に佇みタクシーを呼ぼうと道路を見ると、見慣れた男が傘を差し、忌々しげにこのビルを見上げていた。
その金髪の男を、飛鷹が見間違えるはずはない。
ましてや、あんなに趣味の悪い柄シャツ が、こんなに似合う奴は一人しか知らない。
驚いた飛鷹は暫し無言で雨に打たれたまま、その男を見つめた。男は、じれたように足を踏み鳴らし何かを待っている。
ふいに視線を感じ辺りを見回すと、飛鷹の姿を見つけ、転がるように駆け寄ってきた。
「兄貴!」
「…どうしてお前がここにいるんだ」
満面の笑みを浮かべ、差した傘の中に飛鷹を迎える角田に、呆れたように聞いた。
「いや、たまたま通りかかったんすよ」
ポケットからハンカチを取り出し、飛鷹の顔を拭く角田の足元を見ると、ズボンは膝下頭まで雨を吸い濡れている。
「帰りましょう、兄貴」
飛鷹は、嬉しそうに笑う角田の顔を見ていたら、泣き出したい衝動に駆られ、無性に我儘を言って甘えたかった。
「…喉が、乾いたな」
「買ってきます!」
そう言うと角田は飛鷹に傘を渡し、雨の中を走り出した。
走ってゆく角田の姿を、瞬きする事なく飛鷹は見つめていた。
僅かな時間も惜しいという風情で、自販機からペットボトルを引っ張り出すように掴み取ると、全速力で戻ってきた。
「お待たせしました、水でいいすよね?」
ずぶ濡れになりながらも、それを気にする事なく笑って水を差し出す角田の顔を見た飛鷹は、思わずその肩に頭を乗せた。
飛鷹の手から傘が滑り落ちた。
「兄貴…?」
雨が容赦なく二人を打ち濡らす。
物も言わず、ただ黙って角田の肩に縋る飛鷹の頬を濡らしているのは、雨なのか涙なのか、それは誰も知らない。
角田は、飛鷹の打ちひしがれた姿に戸惑い、その原因であろう男に怒りを覚えたが、努めて明るい声を出した。
「…兄貴、風邪ひきますよ、帰りましょう」
そう言うと、優しく抱えた飛鷹の肩を撫でる。重々しく顔を上げ、飛鷹は口をへの字に曲げ酷く疲れた顔で頷いた。
傘を拾い、飛鷹を車まで誘い、ドアを開け、車に乗せると、角田は小走りで助手席に向かい乗り込んだ。
飛鷹は座ったまま、虚ろな目で窓の外を見ている。
その様子を、角田は不安げにバックミラー越しに見つめていた。
普段より赤い唇が、あの小屋であった出来事を雄弁に物語り、悲壮感を漂わせている。
思い切って、角田は口を開いた。
「兄貴…マムシの野郎、また…」
飛鷹は窓の外を見たまま、胸ポケットから取り出したサングラスをかけ、静かに言った。
「ちょっと、何言ってんのかわかんねえな」
「なんで何言ってんのかわかんねえんですかっ!」
思わず振り返って角田が憤る。
それに薄く笑みを零し、飛鷹は背もたれに深く寄りかかる。
「いいから、車を出せ…早く帰りたい」
角田はまだ何か言いたげだったが、飛鷹がサングラスの奥の目を深く閉じた事に気が付くと、追求を諦め車を出した。
二人を乗せた車は、雨の中を猛スピードで走り抜けていった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
好き過ぎて虐めちゃうって事、あるよね?
でも、度が過ぎると嫌われちゃうゾ☆
楽しみにしてくれた方々、ありがとうございました
腐フィルター装着ドラマ展開ほぼガン無視上等!
以上の内容でお届けしております
反省はしません
>「ちょっと、何言ってんのかわかんねえな」
>「なんで何言ってんのかわかんねえんですかっ!」
この掛け合いがこれほどシリアスに聞こえた事がかつてあっただろうかw
長編お疲れさまでした。楽しみにしてた甲斐あって萌えに萌えたよ……。
ぜひとも角田には兄貴を幸せにして欲しい。
楽しみにしてた人ですw
なんというか、書いてくれてありがとう。
好きすぎて81見始めました。でもマムシはもう出ないのね…
楽しみにしすぎて朝も起きれませんでした
すごかったよ 萌えすぎて眠れない
>>84 萌えすぎて、椅子から転げ落ちました!
姐さん、あれがとう!
「何言ってるか〜」を入れてくれたら…と言っていた者ですが
飛高への愛が伝わって、素敵でした。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 短小コンプレックス持ちエロ博士xかつて自分を猿だと思い込んでた男
| 元ネタ:洋画ブラックコメディから
| 0/10
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| とんでもないCPだけど萌えてしまったもんはしょうがない
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ヘンタイ的ダヨ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
その日も、パフは早々に床に入っていた。時計の短針がちょうど10時を指す頃には、
彼はウールの毛布にくるまりながら豊満なヒップを持つ美しい女性とセックスをする幸福な夢を見ていた。
彼が寝泊りしている部屋――あるいは檻――の中にはテーブルや椅子、簡易式トイレの他には
彼がくるまっている汚い毛布以外何もなく、何か娯楽になるような物も与えられていないため、
実験が終わり研究員が帰宅してしまえばあとは寝るしかなかった。
誰もいなくなった研究室の透明ガラスの中で一人、テーブルマナーのトレーニングをし、
「博士」や研究員の真似をしてしかつめらしく脚を組んで椅子に座ってみたりしたが、結局9時になる頃には
寂しさと退屈さに拗ねてふて寝をしてしまうのが彼の生活のお決まりの仕上げだった。
だが、現在のところ、パフはおおむねこの生活に満足していた。森で暮らしていた頃とは違い
ここでは毎日決まった時間においしい食べ物が食べられるし、
――「博士」の機嫌を損ねたらひどい罰が待っているけれど――
命を脅かす獰猛な獣もいない。わずらわしくて仕方がなかったオムツも先週やっとはずれたし、
普通の人間のように服を着て過ごす生活にもすぐに慣れた。
それになにより、どうやらここには仲間がたくさん居た。今はガラスに隔てられて自由に触れることもできないが、
「彼ら」の言うこと、求めることに従順に従っていればきっといつか触れさせてくれるだろう。
そのときには、きっとセックスをさせてもらおうとパフは決めていた。いつも「博士」の隣にいる
美しい女性とセックスできれば全く言うことはないが、別に相手は誰でも構わない。
いつか見た「博士」と「女」の性行為を自分にもやらせてもらえたらと、その一心で厳しい教育や訓練にも耐えられた。
何度も電流を流された首もとの皮膚は焼けて皮が剥けていたが、パフはじっと我慢して
毎日の教育・訓練を一つ一つこなしていった。
森にいた頃よりずっと身の安全は保障されているはずだったが、パフの神経は今や以前よりずっと鋭敏だった。
彼らが求めていることは何か、自分が今していることは何か、どういう意味を持つのか。
なまじ「言葉」がまだ完全ではないぶん、パフは相手の顔色を窺う狡猾なコウモリのように彼らの機嫌を探った。
少しでも彼らの意にそぐわない行動をすれば、たちまち首輪に電流が流れ、床を這って痙攣するはめになる。
それに、彼らに自由に触れられる日、セックスをする日が、間違いを犯すたび遠くなるのは確実だった。
だからこそ、パフはいつも「正しいこと」をせねばならなかった。
自分のしていることが本当に正しいことなのかどうかをパフに知るすべはない。
彼らが喜び、求めることが「正しいこと」なのだ。パフは「博士」や研究員たちの顔色を窺い、
彼らがパフに求めることを懸命に理解しようとし、何度も首に電流を流されながら「正しいこと」を覚えていった。
だから突然研究室の明かりがつき、何かが床に落ちる激しい音が室内に響いたときも、
彼は獣じみた動きで飛び上がりながら、それら一連の出来事を引き起こしたのが「博士」だと知るや
すぐさま行儀よく起立してにっこりと人のいい笑みを浮かべた。
「は、か、せ、 こ、ん、ば、ん、は」
一語一語をはっきりと、確かめるように発音しながら、パフは正しい挨拶をした。だが、「博士」は彼のほうを
ちらとも見ずに小さな声で悪態をつきながら頭を抱えて壁に背をぶつけた。
「くそっ、くそっ」
髪の中に食い込ませた指先が白くなるほど踏ん張って、「博士」は紅潮した顔を振った。
激昂し、腕を振ってテーブルの上の小さな器具を床に払い落とす。
ガラス製品が砕け散る荒々しい音が大袈裟に響き、思わずパフは首をすくめた。
もし彼の怒りが自分の責任なら、大変なことをしてしまった。パフは青ざめた。
「くっそう。くそっ!」
「博士」の物々しい声がそう繰り返し、「博士」の固めた拳がテーブルを叩く。
がちゃんと不快な音が響き、また何かが床に落ちて割れた。
ひとしきり激昂したあと、「博士」は床に落として破損した器具類を黙って掃除した。
ちりとりで全部掬い取り、まとめて部屋の隅のダストボックスに投げ捨てた。
彼は気だるげにテーブルに左手をつき、うんざりしたように右手で顔を覆ってから、
そこで初めてガラス箱の中で心もとなく佇むパフに目を向けた。
「博士」の激昂の原因が自分にあるのか否かを死に物狂いで探っているパフをよそに、
「博士」は疲労感もあらわに漫然と微笑んだ。
「きみは気楽でいいな」
彼がなんと言ったのかパフにはまだ理解できなかったが、彼の微笑みを見たことでパフの不安は
多少なりと解消された。少なくとも、続けて長時間電流を流されるようなはめにはならないだろう。
「博士」がくずおれるようにガラス壁のそばに座り込んだので、パフはすぐさま「博士」のそばに行き
自分も同じように床に腰を下ろした。「博士」の指がいたずらにガラスを撫で、パフの目がそれを追う。
やがて、「博士」はガラスに頭をもたれかけて重々しいため息をついた。
「僕にはどっちも選べない」
「え、ら、べ、な、い」
意味もなく「博士」の言葉を繰り返すパフには構わず、「博士」は続けた。
「ライラはとても美しいし、今時珍しいくらい気立てのいい子だ。頭もいい。ああ、それにあのガブリエル、
美しいガブリエル……あの訛りときたら……!」
「博士」は拳を固め、眉間にしわを寄せて熱弁した。パフには彼の話の半分も理解できなかったが、
真剣な顔をして彼を理解しようと努めた。ガラスに顔をくっつけて、至近距離から彼をじっと見つめた。
「何故なんだ?何故女は必ず『唯一無二』を求めるんだ?必ず」
「ゆいつむに」
「そうだ。あの子か、私か、選べないのならさようなら、と。何故どちらか一方でなくてはいけないんだろう」
「さ、よ、う、な、ら」
聞き取れた単語を繰り返すばかりのパフにしばし言葉をとめ、
「博士」はガラスを隔てたすぐそばにいるパフを見返した。
濡れたグリーンの瞳が真っ直ぐに彼を見つめている。言葉の半分も理解できないくせに、
「博士」の言葉を一言たりとも聞き漏らすまいと瞳を光らせている。
ごく当たり前に一般家庭で育てられていれば、きっと今頃は美人の恋人を堂々とエスコートする
立派な男性になっていただろう。
パフの色の薄いブロンドをガラス越しに撫で、「博士」は小さく笑った。
「可哀想に。ちょっとした運命のいたずらで、きみは電流の流れる首輪をされて、
こんなガラス箱の中に閉じ込められている。言葉すら理解できずに」
ガラスに手をついた「博士」の手に、パフは自分の手を重ねた。パフより少しだけ太く、
少しだけ長い「博士」の指に、パフはなるたけ自分の指をぴったり合わせようと努力した。
何年も伸ばし続けて汚れ、絡まりあった髪と髭を剃り落とし、汚れた身体を綺麗に洗い流したのは、
わずか2週間前のことだった。ようやくパフが自分の置かれた状況を理解し、
自分が何をなすべきかを理解した頃のことだ。
「博士」や研究員、そしてことのほかガブリエルが、泥や髭の下から出てきた顔に驚きを見せた。
猿のように背を丸め、ほとんど四足歩行していた彼の背筋をしっかりと伸ばしてみると、
長身の立派な男性が姿を現した。
普通に育っていれば、きっと美しい女性と交際できただろう。ごく当たり前に人間としての尊厳と権利を有し、
堂々と「博士」のそばを闊歩していたかもしれない。
ところが、ほんの少しの運命のいたずらで、このとおりだ。「博士」は人間として、立派な研究員として、
「支配者」としてこちら側にいる。だがパフは、言葉もわからず、いつ電流が流れるとも知れない首輪をされ、
ガラスの檻の中に閉じ込められている。
そしてその電流のスイッチを握っているのは他でもない、こちら側の人間、「博士」自身なのだ。
「博士」は困り果てたように笑い、ガラスについていた手を下ろした。
「信じられるかい、パフ?ここ最近、ずいぶんご無沙汰だ。ライラとも、ガブリエルとも。
僕が躊躇しているのか、彼女たちが拒んでいるのか……
ともあれ、もう一週間もしてない。信じられるか?」
「博士」の目が尋ねるようにパフの目を見た。パフは微笑んだ。親に褒められた子供のようにはにかんで、
ガラスに両手をつく。
「はかせ」
数週間前こそ薄汚れた髪と髭に覆われ、オムツで膨れた尻をぶら下げて唸っていた彼は、
凶暴な猿そのものだった。
糞尿をお手玉がわりに弄んでいた彼には電流で制御される首輪がお似合いだったが、
今やパフは綺麗に散髪され、「博士」が新調した上等な服を身につけている。見た目は
立派な成人男性そのものなのに、彼の首には残酷な首輪が嵌ったままで、
彼が寝泊りする場所もガラス張りの檻の中のままだ。
哀れみとも優越感ともつかない感情が身体の奥から滲み出て、「博士」の呼吸を乱した。
自分の呼吸のリズムが崩れたことに、彼自身は気がついていない。
無防備に微笑んで「博士」のそばのガラスにじゃれついているパフを眺めながら、
「博士」は狂おしげに熱い息を吐いた。
「……きみは僕が何とかするよ。いいね、きっと何とかする。立派な紳士に教育してあげよう。
こんなガラス張りの檻からもおさらばできる」
ガラスを指の関節で叩いてパフに合図すると、パフは小さく笑い声を上げて両手をガラスについた。
「博士」の顔を真っ直ぐに見つめ、「博士」の反応を、ご機嫌を窺っている。
こうしてパフとやり取りを交わしていると、「博士」はしばしば従順なペットを飼っているような感覚に陥った。
そのペットが薄汚く知性もない本当の猿ならどうということはないが、
彼が飼っているのは外見こそハンサムで立派な成人男性なのだ。それも、そんじょそこらの名犬も
歯が立たないほど従順で可愛く、飲み込みの早い利発なペット。
「博士」は自身の下半身に現れた信じがたい変化に気がついた。パフの無邪気な、
どこか得意げにすら見える笑顔を見ているうち、「博士」はいかんともしがたい思いにとらわれた。
パフはとても気の毒で、哀れな男だ。ちょっとしたボタンの掛け違えで、あるいは
彼は普通の男として僕のそばを堂々と歩いていたかもしれない。
だが実際はこの有様だ。
実際はこのとおり、ガラス張りの檻の中。自分のやりたいこともままならない。
言葉も解さず電気首輪をされて僕の顔色を窺っている。
――僕よりずっとペニスも大きいのに!
連続規制解除
たまらず「博士」は固い唾を喉の奥に無理やり押し込み、さっと立ち上がってガラス張りの扉の前に立った。
この檻の鍵は単純なもので、小さい金具さえ動かせば簡単に鍵が外れ扉が開く。
「博士」は扉の金具に手をかけた。パフは何事が起こるのかと慎重に目を動かして「博士」の動向を見守っている。
「博士」が金具に指を掛け軽く弾くと、金属がこすれる音と共に簡単に鍵が外れた。
つまり、もう扉に鍵は掛かっていない。
「博士」は自分が今何をしているのかはっきり把握しないまま扉に手を掛け、そっと開いた。
薄く開いた扉の隙間に素早く身体を滑り込ませ、後ろ手に扉を閉める。内側から鍵は掛けられないが、
もはやパフが「博士」の言いつけを破って脱走を図るなどありえない話だった。
パフは何事が今起こっているのか、理解しかねている様子だった。
信じがたいように両目を見開き、「博士」を見上げている。
彼は明らかに警戒していた。「博士」じきじきに檻の中に入ったのは、実にこれが初めてのことだった。
パフの身支度や檻の掃除は他の研究員にやらせていたためだ。
「博士」はまず檻の中の異臭に顔をしかめ、ゆっくりとパフに近づいていった。
パフは石のようにしゃちこばって床に釘付けになっている。
パフのすぐそばに立ち、「博士」はパフを抱きしめた。檻の中の空気は臭かったが、
毎日身体を洗われているパフの匂いは悪くなかった。
ストレートのブロンドヘアが実に肌によく馴染む感触で、「博士」は子供にそうするように
優しく頭を撫でてやった。やがて、パフも警戒を解いたようだった。
「博士」の背に腕を回し、固く抱きしめる。「博士」のキスが額に落ちると、パフは満足げなため息をついた。
「きみが可愛いよ、パフ」
「はかせ、あい」
「ん?」
たどたどしい口調で、パフは一言一言、「博士」に理解してもらおうと懸命に口を動かした。
「は、か、せ、 あ、い」
「愛してる、と言いたいのか?"博士、愛している"と?」
「あ、り、が、と、う」
パフの大きな手が痛いほど「博士」の肩を抱きしめた。なんということはない、彼も人肌が恋しかったのだろう。
数週間も得体の知れないガラス張りの箱に閉じ込められれば無理もない。不安だったのだ。
ひとしきり抱きあったあと、「博士」はパフの顎の下に手をいれ、顔を上げさせた。
「きみを立派な人間にしてあげるためには、必要なことなんだよ」
嘘八百が意識せぬまま飛び出した。だが、どのみちパフには理解できないだろう。
パフの顎から手を離してもパフは顔を上げたまま、どこまでも素直な目で「博士」を見上げている。
それが「博士」にはどうにも耐えがたかった。パフの胸をそっと押すと、
彼はすぐに察してぱたりと床に仰向けになった。
これが正しい行動か、「博士」が求めていたことかどうか窺うことも忘れない。
「博士」が微笑むと、パフも嬉しそうに微笑んだ。
「博士」が黙ってパフの服を脱がし始めても、彼はひとかけらの疑念も見せなかった。
もともと裸で森中を駆けずり回っていたのだから、彼にとって"服"とはそれほど重要な意味を持たない。
パジャマのボタンを全てはずすと、あとは彼が自分で脱いだ。いちいち「博士」の様子を窺いながら
下のパジャマを脱ぎ、下着を脱いだ。
今や、彼は初めて出会った頃と同じく一糸まとわぬ姿で「博士」の前に立っていた。
だがそのときと圧倒的に違うのは、彼が立派な姿をしていることだ。
きちんと整えられたブロンドヘアは眩しく、以前は顔の半分を覆っていた髭も今は綺麗さっぱり剃り落とされている。
「博士」はパフの肩に手を置き、再び彼に床に寝そべるように力の加減で合図をした。
従順に仰向けに倒れたパフに馬乗りになり、額にキスをする。
これは支配欲だ。「博士」はどこか冷静にそう考えていた。
ボス猿が下級の猿に自身の力を誇示するように、あるいは犬が自身と相手の優劣差を示すように、
僕はパフにマウントしているのだ。僕がボスだと彼に教えるために。
だが何のために?
こんな行為は彼を混乱させるだけだろうし、だいいち倫理に反してる。
彼を立派な人間にするのが僕の目指すところではなかったのか?この行為はただの暴力だ。
だが、「博士」はパフのブロンドに頬をこすりつけながらもどかしくベルトを外し、
下着ごとスラックスを脱ぎ捨てた。これが愛情行為の類だと理解しているのか、
パフも「博士」の頬ずりに応えて猫のように「博士」の顎に頭をこすりつけた。
「パフ、きみは可愛い」
息が乱れ、「博士」は若干の息苦しさを感じて肩を上下させた。だらしなく開いていたパフの長い脚を揃え、
「動くな」と言いつけながらパフの脚を押さえると、パフはそれを理解したようだった。
脚を閉じたままじっとしているパフの脚の間に、「博士」は既に少し硬くなっているペニスを擦りつけた。
パフは僅かながら動揺を見せた。それまで嬉しげに微笑んでいた顔から笑みが消え、
様子を窺うように「博士」を見上げる。
「博士」が何を求めているのか、何をするのが正しいのかを探っているようだった。
「博士」のペニスが擦りつけられている内股が不快なのか、パフは閉じていた脚を開こうとした。
だが、「博士」は「閉じろ」と怒鳴りながらパフの脚を押さえつけた。
パフは「正しい行動」を理解した。
パフの内股に擦りつけたことで「博士」のペニスは完全に硬くなり、少しずつ分泌液を吐き出し始めた。
それがパフの内股に塗りつけられる形となり、ピストン運動の滑りが増す。
パフは緊張して床に横たわっていた。
「そうだ、パフ、おとなしくしているんだ。黙っていれば終わるんだ」
荒く息を吐きながら、「博士」はパフのペニスと自身のペニスを擦り合わせた。いつか見た猿の擬似交尾のように。
パフの額に汗がどっと滲み出し、戸惑っていた表情がにわかに苦悶の表情に変わった。
「う、ふう、うっ、ぐう」
パフの唇がOの形にすぼめられ、低く、かすかな声ながら、猿の鳴き声めいた音を漏らし始めた。
よくない傾向だ。だが、「博士」は擬似交尾をやめようとしなかった。
実験においても、パフにおいても、また「博士」自身においても、こんなことは
マイナスにしかならないことは重々承知していた。だが、内からこみ上げる強い意思が
「博士」を突き動かしていた。理性ではそうやすやすとコントロールできない、執拗で頑なな意思が。
これが「本能」なのかもしれないと、「博士」は汗みずくになって考えた。
「ふ、っふう、ふぐう、ふうっ」
パフのだだをこねるようにすぼめた口から、猿の鳴き声のような声が漏れる。
「博士」は構わずパフと自身のペニスを擦り合わせ続けた。
いまや、パフのペニスも硬く起立していた。無理もない、彼がここに連れて来られてからというもの、
自慰行為は固く禁じられていた。手遊びにペニスに手を触れようものなら、すぐさま首輪に電流が流された。
「博士」の細身のペニスが執拗にパフの睾丸や裏筋、内股を擦り、パフは固く目を閉じて踏ん張った。
ともすれば快感に身体の力が抜け、脚を開いてしまいそうだった。ブロンドの髪を汗で濡らしながら、
パフは「博士」のペニスを締め付け続けた。
「ああ、パフ、パフ、なんてことだ……!」
「博士」のペニスの動きが激しくなり、擦りつけられるパフのペニスを火のような快感が焼いた。
パフが絶頂に追い上げられるほんの一寸前に「博士」が果て、パフの内股やペニスにべったりと
「博士」の精液が付着した。「博士」は激しく呼吸を乱して肩を上下させていたが、
横たわるパフをよそに脱ぎ捨てた下着とスラックスを手早く身につけた。
パフが気づいたときにはすでに「博士」の姿は檻の外にあり、ガラスの向こうから気だるげな顔がパフを見つめていた。
パフは急激に冷えていく体温と去ってしまった人肌にひどい寂しさを感じ、「博士」のそばのガラスに追いすがった。
肩を揺らしながら息をしている「博士」の顔の前のガラスに両手をつき、戻ってきてくれと伝えたかった。
だがそれを伝える言葉をまだ知らず、パフはもどかしさと寂しさにむきになってガラスを叩いた。
「博士」に擦られたペニスはまだ熱く、パフの脚の間で脈打っている。パフがそこに目を落とすと、
「博士」が吐き出した精液がペニス全体に付いていた。
「パフ、もう寝るんだ。僕ももう帰るよ」
「博士」が何か言ったが、もちろんパフに理解するすべはない。たとえ電流を流されることになろうとも、
パフはガラスを叩き、「博士」にアピールした。戻ってきてくれ、と。まだ離れたくない。こっちにきて、触れてほしいと。
だが「博士」はぐったりとガラスにもたれたまま、動こうとしなかった。
パフは唇をとがらせ、「ほう」と鳴いた。寂しさを訴える猿の声だった。
ほう、ほうと鳴きながら、パフは自身のペニスに手を伸ばした。
首輪に強烈な電流が流れる。パフはもんどりうって床を転がり、背をのけぞらせて痙攣した。
悲痛なうめき声が研究室に響き渡り、「博士」の顔がわずかに歪む。
「博士」の脱力した手には首輪に電流を流す装置が握られていた。ガラスにもたれかかったまま、
電流のスイッチを力いっぱい指で押し込む。パフはついに泣き声を上げた。小猿とも人間ともつかない
悲痛な泣き声をあげて床を転がり、首をかきむしった。それでも「博士」のそばのガラスまで這ってきて、
寂しげな目で「博士」を見つめた。ガラスを叩き、ほう、と寂しそうに鳴いた。
電流によって萎えたペニスにはもう触れようとはしなかったが、結局パフは「博士」が立ち去るまで
ガラス壁から離れようとしなかった。
「博士」が去り、再び暗くなった研究室の中で一人、泣き疲れて眠るまで、パフはほうほう鳴き続けた。
「博士」は研究室を去ったその足で真っ直ぐガブリエルの家に向かい、彼女とセックスをした。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | | 以上です
| | | | ∧_∧ 途中連続規制に引っかりますた
| | | | ピッ (・∀・ ;) スマソ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
元ネタを知らないんですが萌えました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「しかし……本当に、よろしいのですか?」
「ああ〜〜!もう、さっさとやってくれよぅ!」
光覇明宗・芙玄院。
入道雲の下、じわじわと蝉時雨の響く街を一望する小山の中ほど、
近隣住民からは「坂の上のお寺さん」と親しまれる500年の古刹に、
低く深みのある戸惑いがちな問いかけと
高校2年生であるこの寺の1人息子の弱りきったような叫びが響く。
50にして衰えを見せない住職と、元気が取り得のその息子との
物理的被害をともなう親子喧嘩など日常茶飯事の風変わりな寺であるが、
この少年が寝冷えと宿題以外で困ることは珍しいし、少年と問いかけの主、
光覇明宗には剃髪の戒がないこともあり、香港あたりの映画俳優似であると
檀家や近隣の奥様方に大評判の、誠実を絵に描いたような
作務衣姿の長身青年「修行に来てる雷信さん」が顔を赤くし向かい合い、
雷信が少年の腰を抱き寄せているともなれば、前代未聞の椿事と言えるだろう。
「では……うしお殿、失礼いたします」
:::::::::::::::
事の起こりは3日前、雷信の妹・かがりの尽きない向学心だった。
「兄さん、ただいま帰りました」
姿かたちは兄とよく似、誰もが振り向く美女だが、実は兄妹は妖怪鎌鼬。
「うむ、今日も変わりはなかったか?」
「はい、皆さんよくしていただいて……ただ、一つ知りたいことがあるのです」
兄妹は対外的には修行僧と行儀見習いとして芙玄院に下宿、
妖側代表として政府および光覇明宗との会合、多かれ少なかれ生き方を
変えざるを得なくなった各地の妖の連絡・相談窓口的な役割など
2年前のあの決戦の後処理に追われている。
いつかは遠野に戻りマヨヒガを維持し仲間の復活を待つつもりだが
まだしばらくは都市部に滞在する必要があり、良い機会でもあるので
人間理解のため、ここ半年ほどかがりは街の甘味屋に「あるばいと」に通っている。
――さすがは我が妹、兄として鼻が高いぞ……
最初に入った「てろやきばっか」の店はその日のうちに追い出されたが
甘味屋は経営者が光覇明宗ゆかりの者であり、他の同僚には
正体を気取られることもなく生き生きと通う愛妹に目を細める。
かがりから初めての給金で贈られた洋服には住職一家とともに号泣し、
雲外鏡を通じ日本中の人型妖に自慢までした雷信は、
「でも雷信さ、人間にしてはシスコンだぜ?いや、いいんだけどさ!」
「何か雷信、ちょっと見ない間にシスコンに磨きかかってないかァ?」
うしおやイヅナからは苦笑交じりに揶揄されるが、
十郎のいない今、たった1人の妹を守るのは自分の役目。
しすこんと言われようと改めるつもりはない。
疑問があるなら兄のつとめとして何でも答えてやりたい。
「兄さん?」
齢400年を重ねていようと、人里離れて暮らしてきた兄妹には
人間界の風習はまだまだ分からないことが多いのだ。
「雷信兄さん?」
「……!あ、うむ?知りたい事、とは?」
笑顔で自分を見つめたまま動きを止めた兄に心配そうににじり寄り
軽く揺すっていたかがりは、ほっと息をついた。
「少しお疲れなのでは」
「いやいやそんな事はない、兄なら大丈夫だ。それで」
「はい、あるばいと仲間と話をしていたのですが…………
……初めての接吻は甘いというのは本当でしょうか?」
「!!!!?!???!!!!!??????」
「兄さん!!!」
今度は飲んでいた茶を盛大に噴出した兄を介抱しつつ続ける。
「飴のようだと申される方や、ちょこれいとぅのよう、蜜柑のようと
……それで、私の場合は何味だったかと問われ……」
「……ゴホ、すまん、経験がないと言うわけにはいかぬのか?」
本来鎌鼬には接吻の習慣はないが、流石に接吻が人間の恋人同士に
とって性的に特別な行為であることは妖も知るところであり、
妹とそういった話をするのは雷信の性格上、とても居心地が悪い。
「この年齢の人間の女でそんなはずはないと……」
「かがり、我らは人の型を取ってはいるが妖。
そのような事まで人間に倣う必要はないのだぞ」
「ですが…ああ……たとえ誰であろうと、とら様以外の方とは
そのような事……でも仕方ありません、どなたかに」
雷信は妹の涙に何より弱い。可愛い妹にそのような事をさせる
わけには行かない以上、
自分の経験を妹に伝え教えるしかないではないか。
恥ずかしいから住職の妻君にも言ってくれるなと泣く妹に、
任せておけと胸を叩いたはいいが、以来途方に暮れる2晩を過ごし。
―――うしお殿に、お願いしてみよう
考えあぐねた結論が、うしおに協力を仰ぐ事だった。
槍があろうとなかろうと、妖怪たちと変わらず接し、
悔しいけど口だけじゃ分かってもらえない事もあるんだよなぁ、
人間も妖も笑って暮らせるようになるといいよなと、
本格的に法術の指南を受け始めたうしお。
あの、まっすぐな瞳の少年なら。
詳しく理由は言えねど、どうしても必要があるので自分と唇を重ねてくれ、
けして戯れや不埒な理由からではないので何とぞと目の前で
畳に頭を擦り付ける雷信に潮はぎょっとし、慌てて立たせる 。
「ちょっ……ら、雷信、あのなそーいうことはな、人間は
好きな相手とじゃなきゃしちゃいけないんだぜ!?」
「不肖ながら、私はうしお殿を心より信頼しております!」
「そりゃ嬉しいし俺だって信頼はしてるけど男同士だしさあ!!」
「承知しております!…人間の女性にとって男との接吻に意味がある以上、
女性にはお願いできないのです」
「いやそうじゃなくて……あああ親父や母ちゃんには雷信とかがりを
できるだけ助けてやれって言われてるしなぁ……」
「そうか、そうだ紫暮殿にお願いしてみるという手が」
自分の父と目の前の雷信がキスをする姿を想像し、潮は青くなった。
どんな理由であろうと、ようやく戻った母親にそんな光景は見せたくない。
人妖友好。雷信はすごくいい奴。減るもんじゃない。困ってる。
………ファーストキス。ああ。キスは嫌だが雷信は嫌じゃない。
「わかったよぅ!!ああもう!貸すよ!!」
「有難い!この雷信、ご恩は必ず」
じわじわと蝉の声が山に響く。
「……あのさ雷信、女の人には変化できない……かな?」
「申し訳ありません、未熟者ゆえこの姿が精一杯なのです……」
一縷の望みを絶たれた潮は、勢い込んだ雷信に掴まれたままの肩を落とした。
訊けば、姿を選ばず変化できる者は相当力のある妖であり、雷信やかがりはまだ
形を意識せず「自分の」人型を取り維持するだけで精一杯だという。
それでも良いかと重ねて問う声の真剣さにやけくそで了承した途端、
右手で腰の辺りを引き寄せられる。
人を姿形で判断するつもりはない潮だが、これから自分がキスをするんだと
思うと、相手が男型の見慣れた妖であっても意識してしまう。
(クソ真面目だけどいい奴だし、強いし、きっと元の姿のまんまでも
カッコいい鎌鼬なんだろうになぁ……女の妖とすりゃいいのになぁ)
ぼんやりと、今でも自分より頭1つ分ほどは背の高い雷信の顔に見とれた刹那、
「では……うしお殿、失礼いたします」
耳元で律儀に囁かれ、ぞくりとした首すじに雷信の左手が添えられる。
頤を上に向けられ、唇が重ねられた。
(あーあ…俺のファーストキス……)
少々泣きたいような気分で、5秒たったら離れようと内心カウントをはじめ
3つ数えたその時。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!?」
口内に侵入した熱いものによる生まれて初めての感覚に潮は目を見開いた。
(べ、べ、べ、べろ入れるなんて聞いてねーーーーーーー)
反射的に離れようとするが、見た目通りがっしりとした雷信の腕に
抱きすくめられた格好のまま、離れられない。
「………………っふ……………ぅ」
どれくらい時間が経ったか、雷信の舌に口内を蹂躙されるにつれ潮の頭は痺れ、
じっとりと汗がふきだし、鼓動がおそろしく速くなる。
「、は、……………っ」
粘膜と粘膜の擦れあう感触。背筋に何か電流のようなものが走り体中が騒ぎ出す。
(まずいよ、これまずいって!!)
下半身に血が集まっていくのが分かり、同時に膝がガクガクと震えはじめる。
「っ………んん…………!!」
これは。この感覚は。
「ぷはぁっっ!!!………お、終わり、終わりなっ!!!」
「………っ!う、うしお殿?」
間一髪で雷信を突き飛ばし、一目散に厠に走る潮に
雷信は一瞬目を見開き、慌てて後を追った。
「うしお殿、大丈夫ですか!?申し訳ありません!!」
「い、いい、からあっち行って、くれよぅ」
「ですが御気分がすぐれないようですので!今何か薬を」
「いや、違っ、…………気持ち良かったんだよッ!!!!!」
厠の中から叫ぶと、扉の向こうに沈黙が落ちる。
(あああああああ俺最低だぁ……真面目な理由で頼まれたのに、
もう雷信の顔見れねえよ〜)
「………。私もです……。その、失礼いたしました…」
呆然とした呟きを残し、扉の向こうの気配が遠ざかる。
「でも、なんで……妖怪ってやっぱちょっとわかんねぇ……」
ようやく都合を済ませ、ずるずると座り込みながら潮は嘆息し
あまりの事に暫く耳に入っていなかった蝉の声に目を閉じた。
一方、雷信も境内で箒を手に取り立ち尽くしていた。
―――――この高揚感は何だろうか。
うしお殿は「気持ちよかったんだ」と申されたが、自分も確かに
今まで感じたことのない、ふわふわとした気分になったのは間違いない。
酒を飲んだ時と少し似ていないでもないこの高揚感。
接吻中に息継ぎとして顔を離した時のうしお殿の表情を思い出すと
腰のあたりが熱くなる。
――まさか。
――――まさかこれは。
「…我ら鎌鼬も、人の精気を吸うのか?」
かがりにはよく言い含めねば。
強いうしお殿だからこそあの程度で済んだが、加減の分からぬ我らが
見境なく人の精気を吸っては人間は命にも関わるだろう。
猫又等、今は人が死なぬ程度の量を吸うことで何とか共生を図っている
人型妖たちが『食事』をし難くなってしまう。
鎌鼬は雑食であり、街にあっても人と同じ食物をも糧とできる以上、
人の精気などという騒ぎの元になりかねない摂取方法は控えるべきだろう。
拠所ない場合は仕方がない、うしお殿に。
すっかり勘違いした東の鎌鼬・雷信は蝉時雨の中1人呟く。
「確かに、接吻は甘いものだ………」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! コレジュウカーン…?
>>109 GJ!!!
萌えた!禿げ萌えた!もうつるっつるに禿げた!!
そしてこの抜け落ちた髪を束にして姐さんに捧げたい!!
萌えツボをピンポイントでホアタァされました。
ごちそうさまでした。
>>109 無自覚攻めたまらーーーーーーーーん!!!!!!!!!!
久しぶりにコミックス読み返すよ!
ありがとう!
>>63 まさかハウライが読めるとは…しかも初レゾナンスネタで
やっぱりかわいいなあ、この二人
こちらこそ「ごちそうさま!」でした
原作に興味持たせる良作が多くて困るノシ
>>63 ちょ、やっと理想のハウライssに出会えました・・!
永久保存します。ありがとう
オリジ。ノベルゲーム作ろうとして挫折したブツです。
※動物虐待描写あり
※背景とか効果で補おうとしていたため、文章が描写不足です
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
餓えた狼の前に瀕死の小鹿がいれば、狼は間違いなく小鹿を喰らうだろう。
自分だって狼の末裔だ。目が回る程の空腹。今すぐ目の前の獲物の柔らかい肉で腹を満たし、甘い血で喉を潤したい。
それがもし咎められるのなら言ってやろう。
『じゃあオレは、生きるためにどうしたらよかったんだ』と。
オレは悪くない。罰されるべきは、唐突にオレを置いて消えてしまったあいつら。生きるためには仕方ない事だ。
…そうやって喰らう覚悟を決めたはずなのに、何故かオレは未だ空腹のまま。
▼ ▼ ▼
目の前の光景がぐらぐらと歪む。倒れそうになる度、四肢にぐっと力を込め直す。
――このバカ!石投げるしか能のない意気地無し連中!オレを攻撃すんなら近付いてこい!
力を振り絞ってそう吠えると、オレを遠巻きに取り囲んでいた連中は怯えた表情を浮かべて数歩後ずさった。
ああ、オレ、今どんな顔してんだろ。
オレが公園へ散歩に行けば、ヒトの子供たちが笑顔を浮かべてオレに駆け寄ってきたものなのに。
『こんな優しい顔と性格じゃ番犬にはならないわね』と苦笑したオカアサン。
回らない舌でたどたどしくオレの名を呼び、『大好き!』と首元にしがみついてきたコージ…。
どすん、と脇腹に鈍い痛みで思考が中断される。足元に転がる石。それが合図だったかのように、次々とオレを目掛けて投げ付けられる様々なモノ。
足元のものを守るように身を伏せる。もうこの繰り返しは何度目だろう。痛みも徐々に感じなくなってきた。
少しでも力を抜けば倒れそうになる足を踏ん張り、遠い空に向けて吠える。
――誰か、助けて。
――誰か、こいつを助けてくれ!
「お前ら、何してる!」
怒鳴り声がした。遠くから駆け寄ってくる青い服のヒト。慌てて逃げ出す連中。
青い服のヒトはこっちを見て、驚いたようにオレの名前を呼んだ。
…誰だっけ。ああそうだ、『コノチクノオマワリサン』だ。昔、散歩の途中でオカアサンが教えてくれたっけ。大きな手でまだ子犬だったオレを撫でてくれた。
このヒトなら大丈夫。赤ん坊だったコージの事を最高の笑顔で抱っこしていたのを覚えてる。きっとこいつの事も笑顔で抱っこして助けてくれる。
安心した途端、ふっと目の前が暗くなる。全身がずきずきと痛みだす。足から力が抜ける。
――ああ、ダメダメ。このままオレが上に倒れ込んだたら、こいつ、息ができなくなる。
最期の力で足を動かし、少しずれた場所へ倒れ込む。
走ってくる音。慌てたようにオレの名前を呼ぶオマワリサンの声。
…そして、弱々しいけど、しっかりと泣く赤ん坊の声。
――遅いよ。もっと早くそうやって泣いてりゃ、オレなんかが見つける前に拾ってもらえたのに。
ゆっくり目を閉じてため息をつくと、何となく体の痛みが和らいだ気がした。とりとめなく、大好きだったヒトたちの笑顔を思い出す。
…これが『死ぬ』って事か。寝るのとあんまり変わんないな。
最後の最後にオレが考えたのはそんな事だった。
▼ ▼ ▼
「ばかないぬ!」
べしっ、といきなり鼻面を叩かれた。
「さっさとたべて、にげちゃえばよかったんだ」
「うん。けど、色々考えちゃって食べられなかったんだ」
「おれならすぐにたべたよ」
「そっか」
「けど、おれはちっちゃいし、くちもちっちゃいからからむり」
「そうだな」
前足を子猫の頭にぽん、と乗せてみる。本当にちっちゃい。オレの前足の裏よりも少し大きいくらいだ。
「はーなーせー!ばかいぬー!」
ふしゃー、と一丁前に威嚇する姿もちっちゃくてかわいい。
「おれはおまえとちがって、にんげんなんかだいっきらいだ!」
「そっか」
「だから、つぎは『とら』になるんだ!にんげんよりつよいんだぞ!」
「凄いな」
「だから、にんげんのところにはおまえがいけ!」
「え?」
理解に困って、助けを求めるように子猫の隣の天使を見た。天使も困ったように子猫を見ている。
「…この子猫は、人間の夫婦の赤ん坊として転生先が決まっているのです。それを貴方に譲る、と…」
「おれは、うまれてすぐここにきたからなんにもない。ばかないぬはちがう。いま、おれのかわりにいけば、まだまにあう。いいたいこと、いいたいやつにいえる」
「良いのですか?ようやく傷も癒えて、希望通りの転生ができるようになったのに」
「いい!おれはとらになる!」
がおー!と四肢を踏ん張って精一杯口を開く姿にオレも天使も思わず笑みを漏らした。子猫は「なにがおかしい!こわがれ!」とオレの鼻先に必死でネコパンチをしてくる。
「不可能ではありませんし、転生先は貴方の住んでいた場所の近くで好条件ではありますが…通常ならこの子猫のように数年かけて傷を癒してから転生するのです。貴方のその傷は、転生しても身体に残ってしまうでしょう」
「だいじょぶ!あのふたり、ちまみれでぼろぼろできったなくてしにそうなこねこひろって、ひっしでかんびょうして、こねこがしんだらおおなきするおひとよしだもん!こどものきずなんてきにしない!」
何故か子猫が胸を張って自慢げに言う…何が「人間なんて大嫌い」だ。この意地っ張りな嘘つきめ。
自分の身体を見る。毛に覆われて見えないが、痣や切り傷だらけなのは死ぬ間際の痛みで想像がついた。
これが人間になっても全て残ってしまうとなると、きっと人前に素肌は晒せなくなるだろう。
…それでも。
あのオマワリサンにお礼が言いたい。コージにもう一度会いたい。あの赤ん坊がどう生きるのかを見守ってみたい。
「…お願いします」
目を閉じて頭を垂れ、そう答えた。
天使に促されてこの世界を後にする前に、一度だけ振り返って子猫に声をかけた。
「『弟か妹が欲しい』ってワガママ言ってやるから、それまでここで待ってろよ」
「なっ…!お、おれはとらになるっていってるだろー!」
みゃー!という、おおよそ虎には聞こえないかわいい悲鳴を上げながら逃げ去った子猫を見送り、再び前を向く。
一番会いたいのは?一番言葉を伝えたいのは誰?
生まれ変わっても忘れぬよう、しっかりと心にその存在を刻みつけ、オレはゆっくりと歩き出した。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ちなみにここの選択肢で5つぐらいルート分岐する予定でした。
>>122 。・。∧_∧。・。
。゚ ( ゚´Д`) ゚。
o( U U
'ー'ー'
映画化はいつですか
>>123 まて、アンカー間違ってるぞ!
>>121 ありがとうございましたお腹いっぱいになりません
もっと続きをください
みんなが幸せなグッドエンドルートを…
流れを立ち切って本当にすみません。投下させて下さい。
07バイク乗りと言う名の電車乗りです。
赤鬼と主人公です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
こんな風に誰かを思うのは何年ぶりだろう。
小学生の時、運のない僕が転んで買ったばかりの服を泥だらけにした挙句に
手を洗った水道が壊れて全身びしょぬれになったばかりかそれに巻き込まれた中学
生に
因縁つけられてなけなしのお小遣いを取られそうになったときに助けてくれたお姉
さんに
ありがとうを言った時にもこんな気持ちになったと思う。
名前も知らないその人は、僕を助けた次の日に引っ越してしまい、今はどこにいる
かもわからないけれど。
お姉さんはまるで男の子のように中学生と殴り合い、勝ってしまった。
冬だったからか、長い赤いマフラーがとても印象的で。
『相手が誰であろうと、先手必勝よ。言葉でも手でも態度でも、何でもいいから先
に出すの。
そうすれば自分のペースに持っていけるんだから』
僕が渡した絆創膏を自分の膝に貼りながら、お姉さんはそういって不敵に笑ったの
だった。
その笑顔がすごくかっこよくて、でもなんだか恥ずかしくて、ずっとうつむいてし
まった。
お姉さんは絆創膏ありがとう、って僕の頭を撫でて、そのまま行ってしまった。
どんな時にも先手必勝。お姉さんは律儀な人だったようだ・・・。
デ/ン/ラ/イ/ナ/ーの食堂に入ると、モ/モ/タ/ロ/スがいつもの所に座っていた。
両足を軽く組んでテーブルに乗せ、背もたれにふんぞり返っている。
「・・・モ/モ/タ/ロ/ス?」
寝ているのかと思って声を掛けてみるとやはり返事はない。
よく見てみればモモタロスの顔の左右から白い線が出ていて、それを目で追うとテ
ーブルにたどりつく。正面に周りながら更にたどっていけば、それは携帯に繋がっていた。
「・・・イヤホンが入るような穴、あったんだ」
耳はなさそうだけど、会話は出来ているんだから耳はあってしかるべきだ。
内緒話も出来るみたいだし、遠い未来、耳たぶは不必要ということで退化してしま
うのだろう。
どうやら音楽を聞いている内に眠ってしまったようだ。
目をつぶっているし、ぜんぜん動かない。
「・・・・・寝てるんだよね?」
一応、声に出して聞いてみた。
これで実は起きていて、今の台詞が聞こえていたらきっと怒られる。
少し待っても返事はない。
本当に眠っているようで、なんとなく少し安心した。
僕は歌い続ける携帯を手に取り、モモタロスに背中を向けた。
みんなが消えてしまったあの時、ずっと繋がっていたいと願って生まれたこの携帯
。
あの時の気持ちを思い出すと胸が苦しくて痛くて、泣いてしまいそうになる。
この気持ちを、僕は知っている。
通話をしているように、僕は携帯を耳に当てる。
あの時、言えなかった言葉と気持ち。
何事にも先手必勝だと、同じことを言った人に。
「・・・ありがとう。大好きだよ」
言ってしまえば苦しさは少しだけ軽くなったが、顔は熱い。
どうせ誰も聞いていないんだからと苦笑して、僕は携帯を元のテーブルに置いた。
ちらりとモ/モ/タ/ロ/スの顔を見たけれどやはり反応はなくて、なんとなく少し安心し
て、少しだけ寂しかった。
来たときと同じように、僕は静かにそこから離れる。
ちゃんと言えるようになるのはまだ時間がかかりそうだ。
それでも、僕はいいと思う。
今は未来に繋がっていて、僕たちはいつかきっとどこかでまためぐり合える。
「それまでにはもう少し強くならなきゃいけないかな・・・」
心も、力も。
大切な人たちを守って行けるだけの、強さを。
「よし、頑張ろう」
一人気合を入れ、屈伸をすると良/太/郎は食堂から出て行った。
これから走りこみでもするつもりなのだろう。
「・・・・・・分かってるよ、馬鹿野郎」
食堂のドアがしまると同時に、狸寝入りをしていたモ/モ/タ/ロ/スが呟く。
携帯の音楽はとっくに終わっていて、しかも自分が嗅覚だけではなく耳もいいのを
良/太/郎は知らない。
顔が元々赤くてよかったと、恐らく生まれて初めて自分の顔色に感謝した。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
様々な捏造本当に申し訳ありません
でも大好きなんです…
お目汚し大変失礼致しました。
131 :
弁慶と牛若丸:2008/05/24(土) 23:59:57 ID:ENZN6+4y0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )史実に自分の空想を少し織り交ぜました。源義経と武蔵坊弁慶ファンは注意。801要素は……フィルター装着必須!
義経が牛若丸と云う男児を殺したのはいつであったか、おそらく元服のころだと思われる。
名は存在をあらわす。これは逆も然りで、在るものは名を以て存在を周囲に示すのである。
故に牛若丸と云う者ののちが義経自身であろうと、殺したという言葉の意に当て嵌まらぬわけでもあるまい。
ところで、義経とは別にその時代、弁慶と云う名の男が在った。武蔵坊弁慶である。
有名な話であるが、彼は京にて道行く人々を襲い、そこに通る帯刀の者と決闘して刀を奪っていった。
続ける内に刀の数は増えていき、いつしか千より一本足りぬだけの数となる。
さて、これまた有名すぎる程に有名な話ではあるが、
先の牛若丸という男児が陽気に笛を吹いて歩いていたところ、それを見かけた弁慶に突然挑まれたことがある。
何故か。単に牛若丸の腰に見事な刀があった、それだけが理由である。
弁慶は牛若丸に襲いかかるがどうしたことか、とんと勝てる気がしない。予感は当たり、弁慶は牛若丸に倒されてしまう。
残る一本の刀へ未練があったかはわからないが、弁慶はその決闘から牛若丸に仕えることとなる。
さてさて。始めに書いたように牛若丸はのちに殺されるのであるが、そして殺した方は義経である。
義経が元服の儀を以て牛若丸という存在を無くしたのだ。(ちなみに弁慶を倒したのはまだ牛若丸という名の彼であった)
では、牛若丸という男児は何処へいったのか? 義経という男に成ったのか、はたまた死んだのか。
弁慶が初めて牛若丸に遭ったとき、弁慶は何を見ていたと思う?
牛若丸という男児か、牛若丸と腰の刀か、それとも刀しか目に入らなかったか。
何であれ刀は牛若丸の所有物であったので、弁慶はおおよそ刀、それに付加して牛若丸という存在を認めただろう。
ここに一つの考えを出してみよう。
弁慶にとって牛若丸とは、千本目になる筈だった刀そのもの、とは考えられないだろうか。
そう、義経が牛若丸を殺した瞬間、一人の人間という形から解き放たれた牛若丸は、晴れて弁慶の千本目の刀に成ったのだ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>131 短い文なのにわくわくどきどきした!GJ!
続き読みたいくらいだ!
いいねいいね、こういう渋いの大好きだ。
GJ!
>>130 萌 え た
控えめな二人の関係がたまらないよ!
もどかしいやらほんわりするわで悶えた
GJ!
亀ですが
>>75姐さん、今回も素敵すぎです
まさかの号泣をしてしまいました
素敵な作品をありがとうございます
SilverSoulスレで頂いたネタで自CPに絡めて投函。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「ただいま戻りましたよ〜っと」
ほろ酔い加減で家に辿り着き引き戸を開ければ、シンっとした部屋が俺を出迎えた。
神楽は今夜は新八の家に泊まりだ。
それゆえにこれ幸いと久々に飲みに出かけたんだが、
誰もいない部屋に帰ってきて違和感を感じるなんざ、俺もそうとうヤキが回ったのかね。
紅桜の件以降たまに考え込んじまう俺を気遣ってか、
こうして時々一人にしてくれるのはありがたいんだが…
逆に賑やかな方があいつの事を考えなくて良い分楽なんだぜ。
自嘲気味な笑いが知らずに零れたが、どうせ誰も居ねぇんだ。
気にする必要もねぇ…って…
「うおっ!」
居間を横切ろうとした俺は何かに蹴躓いてそのまますっ転ぶ。
衝撃を覚悟して目を瞑ったが、次の瞬間訪れたのはポフッっという柔らかな感触と弾力感。
「なん…ああ、定春か」
床に寝そべっていた定春の腹に倒れこんだらしい。
すぐに起き上がろうとした俺は、しかし頬に感じる柔らかな毛並みと温もりに、
なんとなく顔を離すことが出来なかった。
柔らけぇなぁおい。銀さんが一日おきにブラッシングしてやってるお陰だぞー。
視線を向ければ定春は気にしたふうもなく眠ったままだ。
助かった…起きてて齧られでもしたら今度こそ彼岸を見るね!
にしても…やべぇ、なんかマジ気持ちイイ。
ゆっくりと揺れる腹が揺り篭のようで、
ふわふわと擽る毛皮が誰かの手のようで、
伝わる温もりが人肌のようで、
決してそんな甘い記憶に心当たりはねぇが、
それに近いものを確かに共有していた記憶が心の片隅に今もしつこくこびり付いている。
……ぎんとき……
耳の奥でこだまする懐かしい声。
姿も雰囲気も変わっちまってたけど、あの瞳と、
俺を呼ぶ時の独特の声音だけは変わってなかった。
俺が置き去りにした、あの時のまま…。
ツキンと小さく胸が痛み、僅かに身体を丸めて、俺はきつく目を瞑った。
あいつを思い出すと、後悔しか湧いてこねぇってどうよ。
あれが最善だと思って、それを信じてあの場から去ったのは俺自身じゃねぇか。
なんで今更後悔なんか…。
「ん…?」
不意にふわり、と身体をかすめた柔らかな感触に顔を向ければ、
定春の尻尾がふわふわと揺れて、俺を宥めるかのように優しく触れていた。
「定春…?」
顔を向けても今の姿勢からは定春の顔は見えなかったが、
スピスピと寝息が聞こえる事からして寝ぼけているらしい。
まるで母親が赤ん坊をあやすかのようなその行為に、知らずに笑みが零れる。
「んだよ、甘やかすんじゃねぇよバーカ」
そのくすぐったい様な心地よさに、笑い含みに擦り寄れば、
独特の獣臭があの黒い獣を思い出させる。
そっけないくせに、それでも気が付けばいつの間にか傍に居た。
あいつの体温を傍で感じている時だけが、まだ生きている事を実感できた時間だった。
今の俺は、お前から見たら、生きてんのかな?死んでんのかな?
もう一度会って、確かめさせちゃくれねぇか。
「なぁ、高杉……お前に、会いてぇよ」
声に出してみたら、それは自分が予想していた以上に深刻さを帯びていて、
俺は思わず嗤ってしまった。
酔いとこの温もりが相俟って、いつになく本音が零れ落ちてしまう。
こんな女々しい自分なんて、とてもじゃねぇがガキ共には見せらんねぇ。
ああ、今夜ここに居るのが定春だけで本当に助かった。
「定春ぅ〜今の、聞かなかった事にしろよ。誰にも云うんじゃねぇぞぅ。
俺とお前だけの秘密、だからな」
ぱふぱふとその身体を叩いてそう云うと、パサリ、と大きく尻尾が揺れた。
別に返事を期待してた訳じゃねぇけど…ったく、男前過ぎて嫌んなるね。
少しだけ軽くなった心を抱いて、俺は定春の温もりを感じたまま眠りに付いた。
明日はいつもよりブラッシングに手をかけてやろうと、そう思いながら。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
SilverSoul初書きが定×銀って…orz
先日のゴチにやられてしまってのオオ泉×丘村です。
二人の関係を深くは知らないので、違和感あるかもしれません。
エチ未突入ですが良かったらドゾー|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )
「行ったやないか。今度こそビリなるって」
「ウルサいよ。大体ね、俺ぁこの店初めてなんだから不利に決まってんだ!」
「泉は1位やったけどな」
その言葉にオオ泉はうっ、と詰まる。確かに彼女も初来店だが、1位だ。
「相手はセレブだもん、俺みたいな庶民じゃかなわねえよ」
「言うとけこの出ずっぱり。ギャラあがったんちゃうの?」
「あがってたら丘村さんに借りませんよ、ったく」
勝負の後、オオ泉は映画プロモーション活動の拠点であるホテルに丘村を呼んだ。
久しぶりにゆっくり呑みたかった事と、それ以外の目的を、兼ねて。
「まぁまぁ、それは忘れて飲んだ飲んだ」
「誰の金やと」
「返すってば」
「信用ならんわ」
窓際の小さなソファにすっぽりハマっている丘村、ソファの窮屈さにベッドの上で呑むオオ泉。
二人は体系も出身地も真逆の位置だけれど、何故だか、不思議と引かれるものがあって。
…勿論性格からしてどちらも口には出さない。
けれど、今日。
オオ泉には「言い訳」が出来たのだ。
丘村を口説いて、シーツに鎮める「言い訳」が。
「ねえ丘村さん」
「なんじゃモジャモジャ」
「ウルサいよ!」
モジャモジャはモジャモジャじゃ、と言いながら丘村は夜景を見ながら酒を煽る。
仕方ねぇなあ、そうぼやきながらオオ泉はそっと窓際に近付いて、丘村が座るソファの背もたれに寄りかかった。
「なんじゃあ」
「いやね、僕は今日君に借りを作ったじゃない」
「せやな」
「しかし君は僕が信用ならないという」
「きしょい喋り方しなや」
「だから信用してほしいな、と」
明らかに部屋の空気が変わり、丘村は居心地悪そうにソファを揺らす。
「信用て」
「相変わらず独り身なんでしょ」
「関係あるかい」
「ありますよ」
耳元で囁かれるのは、普段のやかましい声とは違う柔らかな甘い声。
「タマってんでしょ?」
後ろから抱き抱えられたら、もう身動きは取れない。
「はっ…離せアホンダラっ!」
「離れたらいいじゃないですか」
「タッパ違い過ぎや、この、…ぐっ!」
一通り暴れてはみるが、丘村自身がわかっているように体型が違い過ぎて話にならない。
それに。
「飲み過ぎた…」
「うん、飲み過ぎですねえ」
「ハメたな…」
「違いますよ」
僕は丘村さんに「言い訳」をあげたんです。
僕に「言い訳」があるように、あなたに言い訳があれば何かが変わる気がしたから。
「気持ちよくしますから、そしたら」
「…一円たりともマケへんからな」
「そこはまあ、出来高で」
抱きすくめた耳たぶに唇を落とせば夜が始まる。
言い訳がないと動けない、中年二人の暑い夜。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )
続きは書けたらまたうぷしに来ます。
普段はオオ泉サイドばかりなんで、関西弁に苦戦しましたorz
>>127 穏やかな情調あふれる文章に魅せられました。
人物の心中や人物間に流れる時間がゆったりとしていて、
読んでいるこっちまで温かく安らかな気持ちになりました。
初めて読んだ07'仮面乗者のSSがこんなにも素敵なものでよかったです。
>>140-144 その昔ナチュラル素材を書いていた過去を思い出して甘酸っぱくなりました
オオ泉は初めて読んだけど口調とかリアルですごく良かったです
余計なお世話かもですが関西人からすると無理に関西弁で書くよりも
標準語に近い方が勝手に脳で補完するのでしんどくないかもです
続きお待ちしております!
半なま注意
81台場カクタ×ヒダカ番外編(全5回)
本来は、前作マムヒダの連作
雨の帰り道からのつづきをカクヒダで卸す予定でした…
が、一昨日のドラマにて得た新情報で腐スイッチがポチッとな!
『暗くて狭い小部屋に男が二人いたら、する事なんざ、ひとつじゃね?』
まさに腐の精神にのっとりパイルダーオン!
番外編として、コミカルなカクヒダ(エッチもあるよ!)
こちらの掌編を卸させていただきます
反省はしない主義です
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
小遣い稼ぎの楽な仕事だ。
飛鷹と角田は、秋葉道場の隠し部屋で将棋を差していた。
時折、一応仕事とばかりにマジックミラー越しに将棋部屋を覗く。
秋葉道場の月島のオヤジに頼まれ、月に数度こうして用心棒を依頼される。
真剣師として日銭を稼げど、そう毎日カモがネギ背負ってやってくる訳でなし、用心棒の仕事もいい稼ぎになる。
「…しかし、暇だな」
飛鷹は角田と将棋を指すのに飽きて、駒を投げた。
大体、角田とは何度も指してるせいで筋が読めてしまい面白みがない。
「暇ですね…」
まだ諦めきれず次の手に悩む角田は、板上を見つめたまま、上の空で答えた。
すでに指すのを止めた飛鷹はマジックミラーに近づき、鏡の向こうの部屋を眺めている。
こちらの部屋に入るには、一万円の席料を取られるせいか、人はあまりいない。
「しかし…あんな小僧に負けるとはな」
爺さん二人がのんびり真剣を指してるのを眺めながら、飛鷹は口惜しそうに呟いた。
しかも、椅子から転げ落ちるほどの衝撃的な負け方だ…飛鷹は自虐的に笑う。
「受け師は、あの小僧が気に入ったみたいすね」
いつの間にか、勝負を諦めた角田が飛鷹の横に座りながら続ける。
「今日は来てないすね、アキバの」
飛鷹はそれに頷きで答える。
ハゲと痩せの爺さん二人の勝負は、ハゲた方が勝ったようだ。
隠し部屋の中は薄暗く、空調も古い為か、澱んだ空気が流れている。
「少し暑いな」
飛鷹はジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを緩めた。角田がそのジャケットを拾い、ハンガーに掛けた。
将棋部屋の中に客が三人入ってきたのが見える。全部で七人。なかなか道場も繁盛してるようだ。
差し当たって揉め事が起きる気配はなさそうだった。
「飽きた、少し寝る」
そう言うと飛鷹は床に寝転がった。
暫くマジックミラーの向こうを見ていた角田だったが、やはり特に何事も起こらない。
下を見ると、飛鷹が寝息を立てている。それにそっと近づくと、ベルトのバックルに手をかけた。
飛鷹の眠る顔を見ながら、起こさぬよう慎重にベルトを外し、ズボンを脱がそうとしている。
まさにズボンを引き下ろそうとした時、飛鷹がおもむろに声をかけた。
「…お前、何してんの?」
「…暇なんです」
「お前はあれか、暇だと人のズボンを下ろすのか」
「だってする事ないんすよ」
「する事ないとズボンを下ろすのか」
「そうです」
そんなやり取りをしてるうちに、すっかり飛鷹は下着ごとズボンを膝まで下ろされ、大事なところが露出している。
「仕事しろよ…」
「あっちなら大丈夫すよ、それにこっちだって大事な仕事ですよ」
角田はそう言うと、まだ萎びている飛鷹の竿を軽く揉み、口に含んだ。
「ん…」
生暖かく湿った感触に包まれ、飛鷹は小さく声を漏らす。されるがまま、ぼんやりと角田の姿を眺めていた。
竿を丹念に手と口で扱きながら、角田は片方の手で玉を柔らかく揉み始める。
「器用だな」
「馴れてますから、兄貴のいいところは全部知ってますよ」
言うだけあって、見事なまでに飛鷹のポイントを攻めてくる。
この調子で将棋も攻めてくれると、指しててやりがいがあるんだがな…飛鷹は快感に飲まれながら、頭の端で思った。
「お前、いい加減仕事しろよ、向こうの部屋どうなってんだよ」
一応、金を貰う身の上。仕事は仕事で気になってくる。
「…そんなに気になるんだったら、兄貴が見てりゃいいじゃないですか」
「なんだと」
腹立たしさに股の間で動く角田の頭を叩こうとした瞬間、飛鷹の体が引き起こされ、半回転した後、
窓に手を付く形で四つん這いにされていた。
「お前…なに、す」
言い終わらないうちに、角田は先ほど丹念に舐り、唾液が滴った飛鷹の坑口に指を差し入れる。
思わず、飛鷹の口から嬌声が漏れた。
「…兄貴、声がデカいすよ」
そう言いながらも、角田は飛鷹の坑口を攻めるのを止めない。止めないどころか前に手を差し入れ、竿を扱き出した。
飛鷹は必死で声を押し殺そうと、唇を噛んだ。目の前には、呑気に将棋を指している客の姿が見える。
薄暗く狭い部屋が、飛鷹の押し殺した声で満たされる。
丁寧に愛撫していた角田は、一度手を止め、飛鷹から離れた。
肩で息をしながら、快感の痺れに飛鷹は体を動かせずにいた。
そそくさとファスナーを下げ、すでにいきり勃っている自分の竿を引き出し、飛鷹の背後に覆い被さる。
左手で竿を坑口にあてがい、右手で飛鷹の口を塞ぎ、
「入れますよ」
ゆっくりと竿を押し入れた。押し込まれる苦しさに籠もった飛鷹の声が漏れる。角田は回すように腰を動かす。
二人は呼吸を合わせ、腰を振り出し、欲情に流されるまま、飛鷹は目を瞑り、快感の渦に飲まれようとしていた。
角田は、そんな飛鷹を羽交い締めにし、今度は左手をシャツの中に差し入れ、乳首を擦り始める。
それに敏感に反応し、飛鷹の腰が跳ね、塞いでいる角田の手を甘噛みする。
噛まれた手をそっと外し、角田は飛鷹の顎を掴んだ。そして耳元で囁く。
「兄貴、仕事してくださいよ…ほら、将棋部屋は今どうなってますか?」
気持ちよさに喘ぐ声を止められない飛鷹は、薄目を開けてバックミラー越しに将棋部屋を見た。
先ほどと差して変わらず、平和な状況が目に入る。
「壁のこっち側でこんな事してんのわかったら、あいつらビックリするでしょうね」
飛鷹は後ろを振り向き、角田を睨む。怒鳴りつけようとした、その覚束ない口を、角田は意に介さず唇で塞いだ。
舌が絡み合い、ますます飛鷹の口から甘えた息が止まらない。
「ほら、兄貴、仕事、仕事しないと」
角田は唇を外し、再び顎を掴んで飛鷹に将棋部屋を見続ける事を強要する。
見られてはいないとわかっていても、飛鷹は羞恥心に苛まれ、ますます情欲の炎を煽られ、感度は増してゆく。
だんだん、声を押し殺す事が辛くなってきた飛鷹は、再び角田を見やる。
角田はポケットからハンカチを取り出すと、飛鷹の口に噛ませた。
「いきますよ」
そう言うと、飛鷹の腰を掴み、激しく打ち付け始めた。飛鷹はハンカチを強く噛み、その衝撃に堪える。
頃合いを見計らい、角田は右手を差し入れ、飛鷹の竿を扱き出す。飛鷹は上り詰める感覚に苦しげに呻く。
やがて二人は、ほぼ同時に果てた。狭い部屋の中は二人の熱気で籠もっていた。
飛鷹の機嫌が悪い。
「いいじゃないですか、兄貴だって気持ち良かったでしょ?」
少々怯えながら、角田が口を尖らせる。
それを鋭い眼光で睨み付け、飛鷹はファスナーを上げた。
「誰かに見られたらどうすんだ」
怒りが収まらない飛鷹は駒を角田に投げつける。
「大丈夫すよ!これマジックミラーだし、部屋の鍵だって…」
「どうした?」
鍵は開いていた。閉めるのを忘れたらしい。さり気なく角田は立ち上がり、確認する振りをして、そっと鍵を掛けた。
「鍵だって閉まってますよ」
「…それならいいけど」
まだ不満やるかたない飛鷹は口をへの字に曲げ、バックミラーの向こうを見ている。
鍵が開いてたのがバレたら、飛鷹の怒りは頂点に達し、角田を殴りつけるだけでは飽き足らないだろう。
角田は何も言わない事にした。
大丈夫、この部屋を覗きにくる奴なんていやしないさ…そう角田は心の中で自分を言い含める。
そう、この部屋の事はみんな知らない。
知っているのは、飛鷹と角田。
そして、秋葉道場のオヤジだけだ。
油断大敵。
角田の将棋もそれで負ける事が多い…
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
もしかしたら、この出来事が今後の流れに影響を及ぼすかも?
それを信じるか信じないかは…私次第です
感想を寄せてくださった姐さん方、本当にあれがとうございます
カクヒダ・81ヒダ・マムヒダ…萌えが…萌えが止まりません
反省しないって、素敵やん?
オリジナル擬人化攻め小ネタ。ヤンデレ鬼畜。何の擬人化かは後で。
萌えるな―と思って書いたら言葉責めとも微妙に違ったんで棚に投下。語りかけだけです。
初めて投下します。稚拙ですが萌えていただいたら幸いです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「僕ね、君の事いっつも見てるの。
例えばそーだな―、住んでる所とか、よく行くお店とか、君の好きな子が二次元の女の子って事とか、
どんなえっちな事に興味あるか、とか、全部知ってるよ。
よく「前立腺 開発」の事とかよく調べてるよね、この間そういう本も買ってたしね。
あと「SM」のおもちゃとかのお店によく行くのは、そういうの大好きだからだよね。あんまり買ってないようだけど、やって欲しいんだよね?
ほら、鏡。自分の姿よくみてごらん。
見てこの黒い服。こんな所に穴開いてるの、いやらしいね。
下のお口にこないだ買ったバイブさんが入ってるのがわかるでしょう?どう?こんな自分見て。どんな気持ち?ねぇどんな気持ち?恥ずかしいだろうねぇ!あはは!
…あのね、僕、君の事何でも知ってるけど、知らない事、一つだけあるんだ。
君のきもちいいところ、僕しらないの。
だからね、ここに出て来て、君の体に直接教えてもらいに来たんだよ。
僕、君の事ずっとずっとずっとずっとずぅ―っと見てたんだから、たまには君の事聞いても、いいよね?」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ググルの検索履歴攻めでした―。個人的にはショタ希望
最初や最後に自分語りがつくと
どんなに萌えてもウザくなる
もっと淡々と投下できないもんかね
必要以上にスレ占拠してるような印象になるし
>>156 その通りです
以後差し控えたいと思います
ごめんなさい
>155
こりゃ、新たなる萌えを開眼させてもらったよ
>>154 ddd!
やっぱりカクヒダいいなぁ、兄貴色っぽすぎ(*´Д`*)
81ヒダにも期待してます
>>156 しかしなー、この間初めてエロパロ行ったら
あとがきどころか取材旅行記までついてたw
>>154 カクヒダが読めるとは!シアーセだ。
止まらない萌えをまた吐き出してください。
>>156 >>161 前後のコメントは、読んでおもしろい、気の利いたものなら、
長かろうが短かろうが関係ないと思う。
ちょっとしたエピソードや注釈、次回予告などはべつにウザいとは思わん。
164 :
風と木の名無しさん:2008/05/27(火) 00:50:53 ID:DyVsU5IPO
まとめサイトの掲示板で議論しる
そんなものがあったとは知らなかった<まとめサイトの掲示板
覚えてる人はいるかな?私は主人公の喋り方を完璧に忘れました。
読みづらいので注意!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
『おれ』は「いい子にしていろよ祥太郎さん。」と言って、今日もあきずに外に出て行った。
いい子にしていろと言うのはつまり、つめではしらをがりがりしたり
カリカリのふくろをガジガジしてあそんではいけないってことなのだよ。
だがね、そうしてしまうとぼくは一日、何をしていいのかわからなくなってしまうのだ。
まど辺にとりがとまったら、楽しい一日になるかもしれないが、
どうやらむこうさんはぼくがあまり好きじゃあないみたいなのだ。
ぼくはしっぽをふって、のどをならすことはあっても、かみついたことはないって言うのにな。
目があうとすぐにとんでいってしまう。もうすこしぼくのあいてをしておくれ。
ねてばっかりいるのも、きらいじゃあないけどな。
そうだ。
ぼくはよっぽど、ふかふかのまくらをペタンコにしてやろうと思っていたが
そういえばついこの前より、ぼくにはいいあそびあいてができたんだったよ。
『おれ』がぼくのほかにも猫をひろってきたんだ。かいしょうのあるやつ。
はじめてみた時は大きいし、なきごえはおかしいししっぽもないし、
とにかくへんてこなやつだなあとおもったが
なんだかいつの間にかぼくもおおきくなっていて、しっぽもないじゃないか。と気がついた。
どうやら猫というのはこの年になると、いろいろかわるものなのだな。
ながねんつれそったよくゆれるしっぽ。なくなってしまったのは少しかなしかったが
『おれ』が二つ足であるいていてもかおをなめてやれる。これはとってもうれしいことだ。
さいしょ『おれ』はぼくが大きくなったのにおどろいたのか、かおをなめられるのをいやがったが
さいきんはどうということもない。よしよしとあたまをなでてくれて、ぼくはのどをごろごろならす。
あたらしい猫のなまえは『テイヘン』という。なんだかでんかせいひんのようなひびきだ。
ぼくのりっぱななまえとは大ちがいだな。『さん』がついていないものな。
『テイヘン』はころころと毛いろのかわるふしぎな猫だが、
あたまはずうっとちゃいろいままなので、たぶんトラ猫なのだろう。
ぼくのようなきれいな黒は、おとうさんとおかあさんが黒でないとそうそう生まれないが
トラって言うのはとにかくつよくって、おばあちゃんがトラだというだけでひょいとうまれるざっしゅ猫なのだ。
よいところといえば、ぼくのなかまの黒は少しすましたところがあってとっつきづらく
ブチはなんだかおばさんくさい。でもトラはちょっとだけやかましいぐらいで、
猫づきあいのしやすいいいやつが多い。って、ところか。
まあ、ぼくにしりあいの猫なんてお母さんときょうだいしかいないんだが。
お母さんも黒、きょうだいもくろ・・・・あ、すえのいもうとだけ前足にくつしたをはいていた。
げんきにしているかな?
『テイヘン』もトラのごたぶんにもれず、うるさくてうっとうしいがわるいやつじゃない。
ぼくはこいつのあにき分として、きちんとめんどうを見てやらなきゃいけない。
・・・ほんとうはたいくつしのぎなんだが、だまっていればバレないだろう。
そうでなくてはこいつ、ねてばかりいるからな。
ねているか、『テレビ』『パソコン』ってでんかせいひんをみつめているか
『れいぞうこ』をかってにあけて(これはやったらいけないと『おれ』に言われているのに!)
『おれ』のつくったうまいめしをかってに食べるかぐらいしかしない。
ぼくにわけてくれるから、とめることはしない。
でもな、猫のしごとはいい子でるすばんをすることだ。
あと、帰ってきた『おれ』をいっぱいねぎらってやること。
げんかんでまつのはあたり前で、あたかも今おきましたってふうに
目をしょぼしょぼさせていてはいけない。もうかえってくるかな?というよりも少しだけ前のうちに
目をさまして毛づくろいをして、にっこりわらってむかえてやるのが猫のつとめなのだ。
<おい、テイヘン。>
『テイヘン』はねている。ぼくもつられてねむたくなりそうだ。
<テイヘン、おきろ。ぼくがお前のめんどうを見てやるって言うんだぞ。>
「うー・・・・ん、きっちー・・・・」
<だらしのないやつだな、おきろってば!>
『テイヘン』の口につめをたててやったら、『テイヘン』はぱちくりと目をさました。
『テイヘン』の口は(そしてさいきん、ぼくの口も)ふにふにとやわらかくてふしぎなので
しばらくおしてあそんでいたら、『テイヘン』はぼくのあたまをなでた。
「おっはよ、ニャー太。きっちーは行っちゃったん?」
<にゃーたじゃない、『しょうたろうさん』だ。きっちーじゃない、『おれ』だ。へんなやつ。ごろごろ>
「お!ちょっと今人間っぽい発音したじゃん!ニャー太喋れるんじゃね?ね?」
<猫のことばをしゃべってるぞ。お前はなんで『おれ』のことばがしゃべれるんだ?ごろごろ>
「練習したらいけるんじゃね?やべーよニャー太、お前天才猫だよ!」
<へんじをしろよ、ぶれいなやつ。ぐるぐる>
目をさました『テイヘン』は『カバン』をガサゴソとあさりはじめる。
ああいうのをかんたんにあけてしまう、『テイヘン』はきようなやつなのだ。
ぼくもさいきんぐんときようになり、まどぐらいはあけられるようになったが
外はこわいので出て行く気もしないし、かといって『カバン』や『とだな』はむずかしい。
こんどぜひ、こつをおしえてもらいたいが、はずかしいのでなかなか言い出せないでいる。
「よーし、ニャー太、渡辺大先生による国語の授業のスタートだ!」
<わたなべってだれなのだ?いいかげんにしろよ>
『テイヘン』はぜんの上にずらっと『まんが』をならべ、いきようようとしゃべりだした。
「えーっと、まず。これは本です」
<『まんが』だ。しらないのか?>
「で、これに乗ってるのが、字。」
<『せりふ』だぞ。『ふきだし』っていうのに入ってる>
「これを今から大先生様が読みあげっから、ニャー太はこれに続くこと。おーけー?」
<ひとりでだまってよめないのか>
それからの『テイヘン』のきこうといったらじんじょうではなかった。
「安西先生、バスケがしたいです。はい!」
<あんざいってだれなのだ?>
「まだあわてるような時間じゃない。はい!」
<『おれ』がかえってくるにはまだはやいものな。>
「それでも仙道なら・・・・仙道ならきっと何とかしてくれる・・・・はい!」
<・・・・・・・・・・・・?>
「乗り気じゃねーなあ、別の作者でいくか?」
<ぼくはてっきりお前のことばがわかると思っていたんだが、どうやらちがうみたいだな。
こんどことばをおしえてやる。こんきのいるさぎょうになりそうだが、ついてこれるかなあ。>
このちょうしでたくさんの『まんが』を手にとっては、
ぼくのがんめんにぐいとおしつけてなにかをしゃべるばっかりで、ちっともよもうとしないのだ。
ぼくは『テイヘン』がしんぱいになってきた。わるいものでもたべてしまったのではないかと。
それかもしかしたら、うまれつきにちょっとヘンなのかもしれない。
あたまをつよくうったとか。
「なあ、ニャー太。オレちょっと欲張りすぎた。悪かったわ。
あわよくばポルナレフのありのまま今起こった事を全部流暢に言わせたかったけどさ
流石にそれはオウムとかだよな。ごめんな。」
<ぼくはオウムだとか、そんなチャチなもんじゃあだんじてないぞ>
「先生欲張らず一個だけにする。ってか、もうニャー太が喋れるようになるまでオレこれ言い続けるし。」
<うん?>
「頑張って真似するんだぞぉー、じゃ、いっきまーす!」
「ただいま祥太郎さん。後底辺、そろそろ学校来ないとまた留年すんぞ」
「おかえりなさい!」
「おあぇりなぁい!」
「うおー、いいよいいよ!かなり発音ちけえ!マジちけえ!」
<どうだろう、いけたか?これで『おれ』はよろこぶか?>
「最高だよニャー太!天才だ!」
<>
『おれ』はどさりと『ショルダーバッグ』をとりおとすと、
ぐあいがわるそうにせをまるめながら、しぼりだすようにこう言った。
「あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ!」
今日もれいせいそうでなによりだ、『おれ』。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
途中ちょっとミスったけど気にしないよ。
底辺はAAの元ネタを見るのが好き、主人公君は純粋なスラダンファン。
>>154 ドンマイ
いつも萌えさせてもらってるよ!
172 :
風と木の名無しさん:2008/05/27(火) 10:42:15 ID:GjU/HVNj0
>>170 ちょ、萌えたんで慌ててまとめサイト飛んでって過去ログ読んできたよ!
禿萌えた!
主人公も祥太郎さんも底辺も可愛いよ可愛いよ
続き待ってる!
>>166 待ってました。GJ!
祥太郎さんいいなぁw
祥太郎さん好っきだー!
底辺も可愛いし、振り回されつつ馴染む主人公もいいわ。
※ナマモノ注意!エフ壱 眉黄身 モ/ナ/コGP後 薄味です。
ではー
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
苛立っていた。この結果にも、自分のミスにも。全て全てが裏目に出て、空回った。むしゃくしゃする。
今頃になって晴れ間の覗いてきたモ/ナ/コの夜空の雲陰に星が小さく瞬いていた。
くそっ、と呟いて見たところで虚しい。もう終わってしまったことだ。
黄身はウォッカの瓶を煽った。咽喉を一瞬カッと燃やして流れ込んだウォッカはこれが最後の一口だった。瓶をデッキに投げ出す。瓶はすでに何本かデッキに転がっていたが、それは黄身の気にするところではなかった。
今年こそはといきり立っていた分、失望は思いのほか大きかった。メットも特製のカラーリングに塗り上げた。先日のテストでもマシンは悪くなかったし、フリーもうまく行った。予選では思わぬ番狂わせはあったが行けるはずだとリラックスしていた。
それなのにこの体たらく、と黄身は自嘲し、新しいウォッカを取りにクルーザーの船室へと向かった。とにかく飲んで飲んで飲みまくって、今日のミスを忘れて次のレースに気持ちを切り替えたかった。
新しいウォッカを手にデッキに戻ると、クルーザーを係留した防波堤に人影があった。見覚えのある陰が黄身のいるデッキを見上げている。
黄身はデッキの端に近づいた。やはり見覚えのある、それどころかよく見知った人間が黄身の姿を見て少し躊躇うように「よう」と手を上げた。
黄身は思いがけないそいつの姿に少しばかりいぶかしんで眉をひそめた。何でこんなところにこいつがいるのか。
「……何してんだ、こんなとこで」
問いを投げるとそいつはもぞもぞと声を詰まらせた。おかしなこともあるものだ、と黄身は背を向け、登ってくるなら来ればいい、と無言でクルーザーへ挙がる桟橋を親指で指し示した。
慌てるような戸惑うようなそんな足取りで男がデッキへと登ってくる。「Hi」などと親しげに言ってやれるような気分では到底ない黄身は、男の姿を見据えるとゆっくりと瞬きし、肩をすくめて、新しいウォッカの封を切った。
「……やっぱりここで飲んでたのか」
と、気まずげに男は言い、作り笑いのような笑みを浮かべた。男の特徴深い太い眉毛がハの字型になっていた。
「いいクルーザーだな。報道されてた写真見たからすぐに分かったよ」
スパニッシュな訛りで早口に言う。何でこいつがここにいるのか、なんて疑問はどうでも良かった。それよりも、黄身はこの苛立ちを沈めることに全てを捧げたかった。デッキの椅子に体を投げ出すように腰掛けて、ウォッカを口に流し込んだ。
「……今日はお互い散々なレースだったな」
男が苦笑する。ああ、そうだ。散々なレースだった。今年こそ勝ってやると意気込んでいた。だが、結果は散々だった。レース内容はそれ以上に最悪だ。黄身は自嘲気味に男の苦笑に乗せて笑った。
「……まぁ、こういうレースもある」
「まぁな。でも、俺にとっちゃ大きくポイントを稼げるチャンスでもあった。こういう荒れたレース展開でもなきゃ表彰台なんて今年の俺のマシンじゃ不可能だからな」
男の言葉に、そうだな、と口元で呟いた。毎年毎年、表彰台で顔を合わせていたこいつと、今年はまだ一度もシャンパンファイトをしていない。
ああ、今日シャンパンが飲みたかった、と思いながら、ウォッカを口に含む。こんなときに限って、酔いはなかなか回ってこない。頭がいやに冴えている。
立ったまま黄身の姿を気まずそうに見ている男に、座れば?と横のデッキチェアに顎をしゃくった。そわそわと男はチェアに腰をかけた。
「……飲むか?」
手に持ったウォッカの瓶を男に掲げてみせる。
「いや……ああ、ええと、いや、うん」
「何だよ、変な奴だな」
妙に落ち着かないふうに視線を彷徨わせ口ごもる男に何だか笑いが込み上げた。黄身はニヤリと口の端を持ち上げ、レースが終わってから一度も笑っていなかったことに気づいた。ほんの少しだけ苛立ちが薄れた。
「酒、持ってくる。何がいい、フェノレナンド」
立ち上がり、落ち着かない男フェノレナンドに尋ねる。フェノレナンドは顔を上げたが、黄身と目が合うとそっと目を伏せた。
「ええと、そうだな……何がある?」
「何でも」
黄身は手を広げてみせる。不本意ではあるが伊達に酒がらみのゴシップを書き立てられているわけではない。クルーザーの棚には来客用にも自分用にも沢山の酒が並べられている。
「ウォッカにジン、ウィスキーにコニャック、ビール、ワイン、シャンパン」
「それなら、じゃぁシャンパンだ」
黄身の仕草と言葉に緊張が解れたのか、フェノレナンドははにかむように微笑んだ。シャンパン、今日飲みたくて飲めなかったものだ。黄身も釣られて笑みを浮かべた。
「お互いろくなレースじゃなかったのにシャンパンか?」
「いや、だってさ……今年お前とシャンパン飲むことなんてない気がするからさ」
フェノレナンドは少しだけ眉をひそめ、自嘲めいた表情を作った。黄身も思わず笑みを消した。
「……弱気だな」
ポツリと呟いて、まぁあのマシンじゃその気持ちも分からないではない、と思った。勝ちたいのに勝てない。ほんの少しの差なのにその差が大きくて届かない。その悔しさや苛立ちはよく分かった。そういう経験を黄身も幾度もしてきた。
「でも、当然飲めるように努力はするさ。このままただ手をこまねいているつもりはない」
黄身の胸のうちを酌んだのか、フェノレナンドはつとめて明るいふうに言った。そうだな、と黄身は微笑んだ。
「飲むか、シャンパン」
取って来るよ、と言い置いて船室に入ると、黄身は棚にある中で一番極上のシャンパンを選び出した。いつも表彰台で飲むのとは違うがまぁいい。
グラスを2つ持ってデッキに戻り、シャンパンの封を切った。小気味よい音を立てて蓋が飛び、泡が少しばかり吹き出した。グラスに注いで、互いに手に取る。
「シャンパンファイトはできないな」
フェノレナンドは笑い、黄身に顔を向けて聞いた。
「何に乾杯しようか」
「それじゃ……ろくでもないレースと自分の体たらくに」
黄身はニヤリと口角を上げ、グラスを傾けた。「乾杯」とグラスを合わせた。
* * * * * * * * * * * * * * *
それから、愚痴を吐いたり、冗談を言い合ったりしながら、好き勝手に飲み続けた。
フェノレナンドとこんなふうに語り合うのは初めてのことだった。
2人きりの空間で会話をして酒を飲み交わすこと自体がそもそも意外すぎることだ。サ/ー/キ/ッ/トやイベントで顔を合わせれば多少話はするが、お互い同じ年数のキャリアの中でそれ以上に関わりを持つことはなかった。
けれど、不思議と今のこの状況に違和感はなかった。黄身は自分の気分がどんどん良くなっていくのを感じていた。
「そういや、黄身、オークションでコノレベット落札してただろ」
フェルナンドがグラスを煽りながら言う。黄身は笑って応じる。
「ああ、落札したよ。でも、このレース内容じゃ嫌な思い出のコノレベットになりそうだ」
「確かに」
「でもまぁ、一目惚れしたクルマに罪はない。楽しく乗り回すよ」
「いいな」
「ああ。ヘ/イ/キが俺も乗せてくれって言うんだ。クルマが届いたらドライブでもして気持ちを切り替えるさ」
「……ヘ/イ/キと一緒に?」
「そう。あいつもあんまりいいレースじゃなかったしな」
フェノレナンドの表情が少し強張り、わずかな沈黙があった。しかし、黄身の気にするところではなかった。コノレベット楽しみだな、と黄身は酒で咽喉を潤した。
「……なぁ」
「ん?」
「俺も一緒に乗せてくれよ」
「でもあれ、二人乗りだぜ?」
黄身は笑ったが、フェノレナンドはいやに真剣な調子で、そうか、と呟いて溜息を吐き、ハハッと乾いたような笑い声を立てた。
そのまま沈黙が訪れた。耳を澄ますと、クルーザーと防波堤を叩く波の音がよく聞こえた。昼間は雨が降っていたというのに波はすっかり穏やかなようだった。暖かい海風が頬を優しく撫でていく。賑やかだったモ/ナ/コの町も灯りが一つ一つと落ち始めていた。
「そういやさ」
ふと、男の姿を見つけて最初に投げかけ、そのままどうでもいいと思って捨ててしまった疑問がまた頭に浮かんできた。
「お前、何でこんなとこに来たんだ?」
横のフェノレナンドを見やると、フェノレナンドは気まずげに目をそらし、眉を曇らせた。
「別に何ってこともないんだけど……散歩に。そう、散歩に出てたまたまさ、お前のクルーザーがあってさ、それで……ああ、それだけ」
まごつくフェノレナンドの横顔を少しばかり窺って、ふぅん、と黄身は夜空を仰ぎ、瓶を煽った。
気持ちのいい酔いが少しずつ回ってきている。体が芯から熱くなって、力が抜けてくる感じだ。
今日の情けないレース、思い返せば思い返すだけ自分に腹が立つ。けれど、単純に腹の底からむしゃくしゃしていた苛立ちは、はっきりと薄れていた。
これがレースだ。また次のレースがやってくる。何があるかは最後まで分からない。そういうものだ。俺はそれをよく知っている。
黄身は勢いよくデッキチェアから立ち上がった。そして、着ていたポロシャツを一気に脱ぎ捨てる。ジーンズも脱ぎ捨てる。
「えっちょ……え?何してんだよ」
フェノレナンドが目を丸くして半裸になった黄身を見ていた。黄身はニヤリと笑った。
「泳いでくる」
背中に飛んできた、は?というフェノレナンドの挙げた間抜けた声に笑い、黄身は肩を解しながらデッキの端に寄った。そして、そのまま海に飛び込んだ。
シュンッと空気が体を鋭く撫でて、ザバンと海面が裂けた。水が全身を包みこんだ。熱くなった体に冷えた海水が心地良い。そのまま、海中に体を潜らせ、何とも言えぬ開放感を黄身は全身で味わった。
「おい、大丈夫か!」
数十秒して海面に顔を出すと、泡を食ったフェノレナンドがデッキの手摺に寄って叫んでいた。雨が降ったわりにやはり波は思いのほか穏やかだ。黄身は少しだけ円を描くように泳いで海水を楽しみ、海面に体を浮かせた。良い気分だ。
「なぁ!来いよ、フェノレナンド」
黄身はデッキに向かって声を上げた。手振りをつけて来いと促す。
「……信じらんねぇ」
フェノレナンドの呟きが微かに聞こえた。そして、浮かんだ黄身の横にザバンと水飛沫が立った。
浮かんできたフェノレナンドはしかめっ面だった。黄身は肩をすくめる。
「本当信じらんねぇ」
先ほど上から聞こえた呟きが今度は目の前で吐き出された。黄身は笑った。
「……普通いきなり脱ぐか」
「泳ぎたいって急に思ったんだ」
あっけらかんとした黄身にフェノレナンドが溜息を吐く。
「泥酔すると脱ぐ癖があるってゴシップ、本当なのかと思って焦った」
黄身は声を立てて笑った。ゴシップは嘘だらけだが、その記事はあながち間違ってもいない。酒を飲んで脱いだ覚えはなくもなかった。
黄身はフェノレナンドに向かって海面を腕で薙いだ。盛大な水飛沫がフェノレナンドの顔を目掛けて飛んでいった。
「って何すんだよ!」
海水が目に入ったのかフェノレナンドが目を瞬いた。笑って今度は軽くかけた。フェノレナンドも黄身に水を飛ばした。2人の笑い声が夜の海に響いた。
黄身はふと、胸に湧き上がってくる何かを感じた。
目の前にいるのは数年越しのライバル。近くて遠い2人の間にあった独特の距離感が何か少し変わったような気がしたのだ。こんなふうに普通の友達のような時間を過ごしたのが初めてだからか。でも、一番のライバルで、ライバルであることには変わりなくて……
妙な感じだった。ただ、この感じは楽しい。心底悪くない。それは確かだった。
「なぁ」
黄身はフェノレナンドに声を投げる。
「ん?」
「ス/イ/スに帰ったらコノレベット乗りに来いよ。ドライブしようぜ」
黄身は微笑んだ。まだ悔しさはほのかに胸のうちに疼いている。けれど、どうにもしがたい苛立ちはすっかり消え失せていた。この楽しさは悪くない。こいつとバトルしているときと同じくらい楽しかった。
なぁ?と笑みを湛えたまま、返事を待つように黄身は首を傾げた。
と、黄身の頬に柔らかく触れたものがあった。それがフェノレナンドの指先だと気づくのに、黄身は少々時間がかかった。
気がつけば、フェノレナンドの顔が自分のすぐ側にあった。その目に宿った真剣な眼差しに黄身は一瞬戸惑った。黄身の唇に何かが触れた。掠めるように撫でたのは、フェノレナンドの唇だった。
黄身は笑みを消し、目を細める。瞬きするほどの出来事だったが、今、確かに彼の唇が触れて離れていった。
黄身はフェノレナンドの目をじっと見つめた。真剣な色を湛えた瞳がそこにあった。また、胸に何かが湧き上がってきた。
どこにもなくなってしまった苛立ちに取って代わった曖昧模糊とした“何か”。黄身は微かに触れられた唇を指先でそっと撫でた。海水の匂いがした。
「なぁ」
黄身はゆっくりと瞬き、先ほどした質問をもう一度繰り返す。
「何でここに来たんだ」
フェノレナンドの瞳が揺れた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
途中番号1箇所振り間違えた orz
初投稿&初めて書いたエフ壱SSだったで緊張しましたノシ
>>176 眉黄身キタワァ!!.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
うああああ海にダイブな二人とも超可愛いよ!
終わり方もすごくイイよ!
悶えたよ。体毛?そんなもんはもう無ぇ!
ありがとう、散々なレェスだったけど超慰められた…
186 :
風と木の名無しさん:2008/05/27(火) 16:11:41 ID:x6uVvp6A0
454 :風と木の名無しさん:2008/05/27(火) 15:45:27 ID:MrjnaYiSO
いちいち棚に投下しましたって書き込まなくて良いよ
どんなに良い作品だろうと
結局ただの感想クレクレ厨かと思うとレスする気も失せる…
これまで棚投下報告のない作品だってちゃんと感想レスついてるじゃん
>>31 亀だがイイ!
ヘタレジンカーがんがれ!超がんがれ!
>>176 喜びのあまり鼻血でた。
眉はナニしに来たんですね、わかります><
>>170 おおお祥太郎さん飼い主に似て冷静だw
ていうか底辺なに転がり込んでんだけしからんもっといろ
俺さんがだんだんおかんぽく見えてくる
>>176 うーん、いい距離感だ。
がっかりだった週末を萌えに変換してくれてありがとう。
ボッキリ折れたココロもちょっと癒えてきたよー。
※ナマモノ注意 工/フ/ワ/ソ 20と22
同ジャンルの連続投入になってまことに申し訳ない
あんなにテレビに20が映ってるのがとにかく嬉しかったンダヨ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
"モ/ナ/コでの一勝は他のグランプリの三勝に値する。"
やった!ボクはあのモ/ナ/コで勝ったんだ!もちろん勝つことは嬉しいけれど、ここでの勝利は特別だ。
ポールは獲れなかったしミスはあったけど、勝てたことは本当に大きい。チームの皆も喜んでくれた。
チームの打ち上げを「疲れたから先に休ませてもらうね」と断ってひとり部屋に戻ってきた時、いつもなら電話を寄越してくれる友達の顔が浮かんだ。
不運なレースアクシデントだった、そうとしか言えない。
レース途中のリタイアなんてこの最上位カテゴリーに来るまでそして来てからも、ボクも彼も今まで何度も経験してる。
彼はこれぐらいでへこたれる程度のドライバーではないはずだ。レース後コメントを出していたし、しっかりインタビューも受けていたようだった。
たださっきパーティー会場で耳にした話が急に気になって仕方なかった。
「ヌーティルが黄色旗中に3台追い越しして、ス/チ/ュ/ワ/ー/ドに呼ばれた」これはプレカンで既に聞いた話だ。
信号やフラッグを見落とすことはボクたちドライバーのミスだ。レース中にペナルティが出ればチームから無線で入ってくる。ドライバーはそれに従うだけだ。
言い訳すればあの天候だったし、話ではレース序盤のイエローだったという話だ。ペナルティは結局出されずにレース後に警告という形で伝えられたらしい。
「じゃあ結局ポイントは獲れなかったわけだ、あのドイツ人は」「まぁ、うちのチームには関係ない話だがな」
そんな意地の悪いことを話していた人もいたようだった。
ポイント圏内での完走をあと数周で失い、さらにそんな話を聞かされた彼はどんな気持ちだったか。ボクは携帯を手にして彼に電話を掛けた。
「…はい、もしもし」「スゥ?ノレイスだけど、もしかしてもう休んでた?」
「ああ、ノレイス…いや、まだ起きてた」声はいつも通りだった。
「そう…あ、あのさ今から部屋行ってもいいかな?」「いいけど…パーティーはどうしたの」
「先に休むって言って抜けてきた」「ふぅん…じゃあなんで僕のところに来るのさ」
いつもなら突っかかってこないのに…
「なんとなくだよ、迷惑だったら行かないよ」ややあってから返事が返ってきた。
「…いいよ迷惑じゃない、来てよ」わかったじゃあ後で、と電話を切ったボクは、手ぶらでは行けないと思い何本かのビールを持って部屋を出た。
ノックして出てきた顔はいつもと同じに見えた、けどよく見ると違った。目が充血してた。
「入ってよ」
ボクより背が高いはずなのに、一回り縮んでしまったようだ。
ボクが持ってきたビールを2人で飲み始めた。
様子を伺いつつ、他愛もないおしゃべりから始めた。彼はいつもと同じように相槌を打って話を聞いてくれた。
話が一段落したあと思い切って聞いてみた。
「リタイアした後泣いてたなんて聞いたけど、落ち着いたの?」
「うん…、Dr.マ/ル/ヤもコ/リ/ンもマ/イ/クも富士子も良い走りだったって誉めてくれたよ…。これまで不甲斐ない結果しか出していなかったから嬉しかった
…だから、だからあのままチェッカー受けたかったんだけど」
重たい溜め息にノレイスが顔を向けると、スゥは両手で顔を覆って下を向いていた。
「ヘアピンでフェノレナンドが肉にぶつかった後、何台かが詰まって混乱してた時だよ。気づくべきだったよ…たとえス/チ/ュ/ワ/ー/ドに言われなくても
あの時にポジションを確かめるべきだった」
おいおい、しっかりしろよ。黙って聞いているつもりだったノレイスは思わず声を上げた。
「どうして過ぎたことをそんなに責めるんだよ、また頑張ったらいいじゃないか!」
肩に回していた手に思わず力が入った。
「だって…僕は…君とは違う、恵まれている君とは」ぼそりと言葉がこぼれた。
顔を上げてこちらを向いたスゥの目はぼんやりとしてただ疲れている、そんな感じだった。ノレイスは目を合わせているのが辛かったが、
逸らしたのはスゥの方だった。ノレイスは名前を呼んで疲れた横顔を向かせた。なにげなく向いたスゥの唇に自分の唇を重ねた。
反射的に体を引いたスゥを逃がさないよう腕に力を入れた。スゥが驚いているのはもちろん分かった。
ノレイスはそれを無視して一旦唇を離し、無言で覆い被さるようにしてスゥの体をソファに押し倒した。
「…ノレ、ノレイス?」びっくりしたスゥはやっと絞り出すように声を出した。
「何す、」「いい?そんなに弱気なことが言いたいなら気の済むまで言ったらいい。ボクが聞いてあげるよ、その代わり今日のことは忘れるんだ、
君には次のレースがある、チームの信頼もある。それはとっても恵まれてることだ。そうでしょ?君にはよーく分かるはずだ」
年下の自分が年上のスゥにこんな風に言うなんて可笑しいな、と思いいつつノレイスは一気にまくし立てた。
しばらくぽかんとしていたが、まっすぐ見つめてくるノレイスにスゥの顔がふっと緩んだ。
ノレイスはまた唇を重ねた。さっきより少し長く。ノレイスは唇を離してスゥの返事を待った。
「わかった、ノレイスの言う通りだよ」弱々しく笑った。
それを見たノレイスはいじわるっぽそうに口元を上げ、「そういえばまだ言ってもらってないんだけど」と唐突に言った。
「えっ…と、何のこと」「もぅ、今日のこと忘れたの?…優勝祝いだよ」ああ、とスゥは一息吐いて「おめでとうノレイス」と言った。
「ありがとうスゥ」ノレイスは笑って返した。
「今日のこと忘れろって言ったのは君じゃないか」「あれ、そうだっけ」
とぼけて答えたノレイスは友達の脇をくすぐった。スゥはやめろと言いつつ、笑いながら体を捻じるだけで抵抗はしない。
ボクなりに彼のことは分かってるし、分かってるつもりだ。
彼はきっと大丈夫だ。今回のことを糧にして彼はきっと良いドライバーになる、ノレイスはそう思った。
友達のボクが思うんだから間違いないよ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
あー書いてて楽しかったw
エ/フ/ワ/ソ
二作品とも萌えたよ〜
全然知らないけど萌えたよ〜
今度から番組チェックする!
>>191 スゥさんの結果にがっかりだったけど、慰められました(*´Д`)
次のカニャダも波乱の多い場所だし、スゥさんの活躍に期待ですな
ぱんだ×人で、DVDのイメージで。見てない人はバレちょっとあるので注意。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「好きだ」
「鋤だ?」
「お前を愛してる」
「愛し、て・・・え、えぇぇっ!!」
そういうのはないから!って自分で言っていたくせに、何故か僕は今、そのぱんだに告白されている。
ぱんだと人間、なのに何故こんなピンクな空気に・・・。
「いいじゃん。俺、レアだぜ? 絶滅危惧種ってやつだし」
「そんな貴重なのを同性愛に走らせたって恨まれそうなんで別にいいです」
手を振って否定したのにぱんださんはスルー。ちょっとは気にして下さい・・・。
「お買い得だと思うよ〜、俺は。年齢もお前より下だし」
「年下攻めってやつですか」
って何を言ってるんだ僕は!!
ついいつもの会話みたいに突っ込んでしまったけど、そんなもう受け入れてますっていうようなこと言ったら・・・あぁぁぁっ!! 分かる! 普通分からないのに今までで一番いい笑顔してるって分かる!!
駄目だ、このままじゃ不味い。
そもそも襲われたらこっちは勝ち目がないんだから、その気だと勘違いされたらアウトだ。
俺は迷わずお前を食べるって以前言ってたし・・・いや、あれは冗談だったわけだけど、今思うと冗談じゃなかったのかな? やっぱり動物なだけに欲望に忠実とか?
そうだよ、この人っていうかこれはぱんだで、僕は人間なんだから・・・
「あ、安心しろよ。俺、原型萌えだから」
「って、ええぇぇっ!! それをそっちが言っちゃうんですか!?」
いや、だからって僕が言うことでもないんだけど、でもやっぱり僕が言うことじゃないのか!?
「えー、お前擬人化ってやつを俺にしたいわけ? 俺はこのラブリーなぱんだで満足してるしさー」
「・・・性格もラブリーだったら文句なしだったんですけど」
「そのままでいいじゃん、俺たちはさ」
「え、あぁ・・・う、うん・・・」
あれ? 僕、流されてないか?
「じゃ、今日は膝の上に座れよ。もっと話しようぜ」
「・・・そうですね」
ぱんだは嫌いじゃないし、彼との会話も、このふかふかの特等席も気に入っている。
だからいいか。
当分は、このままで。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ずっとやぐされだと思ってたよ。
>>197 gj!gi過ぎです
二人…というか一人と一匹のやりとりが映像で浮かんできた
萌えました
やぐされって何ですかw
>>197うわあー。
漫画絵で妄想したけど、萌えた!
生モノ注意
三度一致男 金×黒
めちゃイケの、熱湯風呂みてたらもう…。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
今期、レギュラーで出演させてもらっている
ドラマの番宣の収録と言う事で、
俺と伊達は別々にスタジオ入りする事になった。
今思えばスタッフの
「廊下からカメラ入ってますんで
富澤さんが、前を歩いてください」
とかいう、何言ってっか、全然わかんない指示に
警戒すべきだったかもしれない。
しかし、見事に俺は熱湯風呂にはまった。
突然の事に驚き、
茫然と雪を握り締めていると、
先に、熱湯風呂に入ったであろう相方と、目が合った。
驚いたのやら、熱いやら、悔しいやらで
俺は思わず叫んでいた。
「M‐1で優勝した時、お前
ネタでいくって、言ったじゃねぇかよ!」
強い調子の俺とは反対に、伊達は冷静にこう答えた。
「(ネタをする)番組が、ないよ。
(こういう仕事も)やっていかなくちゃ、いけないんだよ。」
収録が終わり、
先輩の芸人さんが帰った後、ユッキーナが謝ってきた。
「富澤さん、マジごめんなさい!」
「いやいや、怒ってないよ。テレビだもん。」
「怪我してないっすか?水飲んでないっすか?」
「大丈夫だって。それよりユッキーナこそ、早く着替えた方がいいぞ。風邪ひくよ」
「あたしは大丈夫っすよ〜。すぐ股冷やしましたから。キャハハ!」」
自分だって騙されて、熱湯風呂に入り
ほぼすっぴんの姿を撮られたにもかかわらず
健気に心配してくれている。
かわいいなぁ。顔も好みだし…
なんて、何度も頭を下げながら去っていく彼女の後ろ姿を見つめていると、
突然、北の偉い人に似たチンピラが 視界に入ってきた。
「富澤、ちょっと来い」
先程までの表の営業スマイルは消え、
趣味の悪い衣裳も相まって、
完全に“ナニ”りょく団の雰囲気を醸し出している俺の相方。
機嫌が悪いな、目が笑ってないから分かる。
「なによ。急ぐ話か?
悪いけど、先に風呂はいってくるわ。
寒くなってきた。」
俺だって、伊達に負けないくらい機嫌が悪い。
いつもなら、多少は伊達を優先してきたが、
何だか、伊達にも騙された気がして、腹が立ってきたのだ。
飛鷹の衣裳を着ているからかもしれないが
普段より強気な俺は、さっさと楽屋に帰っていく。
楽屋に戻り、風呂に湯を入れる。
本当はダブを使用したいが、用意してないので仕方がない。
衣裳を脱ぎ捨て、風呂に浸かると、
ようやく頑なだったものがほぐれてきた。
さっきは伊達に悪い事をしたな…
と、うとうとしながら風呂に入っていると、
楽屋に誰がが入ってくる物音がした。
…伊達か、ヒメだろう。
…伊達かな。
さっき、あんな言い方しなくても良かった。
いつもだったら、素直に話を聞いたのに…。
「俺たち、やっていかなくちゃいけないんだよ」
伊達の言葉が胸に突き刺さる。
たしかに、そうだ。
俺たちは、ネタをしっかりとやれる芸人になりたいと、思ってきた。
しかし小さい事務所に所属していて、先輩もいない俺達が
ネタを見せられる場が、限られているのも事実だ。
芸能人としては一年目の俺たちは、
それこそ名前だけでも覚えてもらわなければならない。
その為に、しなきゃならない事は山ほどある。
リアクションが嫌だとか、カラオケが苦手だとか、言っている場合ではない。
M1で優勝する前までは
自分達のネタを見てもらいたい
テレビに出たい、と何でもしてきた。
不本意だが、前の事務所の命令で、裸になる仕事もしてきた。
その仕事の後、熱をだした伊達を見て、
俺は奴の見えない所で少し泣いた。
そして、その後二人で話し合い、事務所を移る決意をしたんだった。
Mー1で優勝した日の事、
一緒に戦った芸人仲間達の為にも、
これからも真面目にネタをやっていこうと社長に言いに行った事。
色々な思いが溢れてくる。
涙が頬を伝い、止まらなくなくなっていた。
「トミー」
風呂の外から優しい相方の声がする。
慌てて涙を拭う。
「あのな俺、お前の真面目な所、嫌いじゃないから。
でもさ、まぁ…。
今は、俺達にできる事を、やっていこうよ。
長くやってりゃ、納得いかない事もあるけど、
二人でずっと、やっていきたいからさ。
俺は今、そう思ってるけど。どうよ、トミー」
ゆっくりと優しく言葉を選ぶ伊達。
普段は名字で呼ぶくせに、
こういう時は、高校時代のあだ名で呼んでくる。
俺が伊達に、そう呼ばれるのが好きなのも、知っているのだ。
顔を見せるとと泣いているのがばれそうで、
俺は短く、返事をした。
「おうよ。…ちょっと何いってるか、分かんないけどな。」
「なんで、何いってっか
分かんねーんだよ!」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
番号メチャクチャでごめんなさい。
>>201ー
>>207と順に読んでください。
以後気を付けます。
この後、
伊達の買ってきたタブで、お肌つるつるになった富が
伊達とイチャつくのは当たり前ですが
その部分は、各々の頭の中で補完してくださいね。
ありがとうございました。
>>208 早朝から萌えたと同時にその回のめちゃイケ見逃した悔しさで頭がフットーしそうだよおっっ
その分は妄想で補います。GJ!
>>208 熱湯風呂後をネタにして書いてくれないかな〜と思ってたので、すごく嬉しい!ありがとう!!
ふふふ・・・湯舟でピンク色に染まる富・・・w
>>197 何、この気持ち…芽生えそうw
もふもふされちゃえばいいと思うよ!
姐さん、GJです
携帯ソウサカンのキリケイキリ。どっちがどっちでもおk
色々間違ってたらすいません。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
横たわる桐/原を見てやっと恐怖が沸き起こってきた。死ぬかもしれ
なかった。未熟だ何だの言われてきたが、実感する。
家まで送ってくれると言うが、色々な処理のためケ/イ/タは桐/原の病
室で待っていた。目を閉じていると死んでいるみたいでぞっとする。
相棒――そう、サー/ドもセブ/ンも中身がなくなってしまっている。
言わばブランク体とでも言えば良いのだろうか。彼らは果たして元
に戻るのか不安だった。全てがリセットされていると言われたらど
うすれば良い。
「…どうなるんだろう」
呟きを拾って桐/原が身体を動かした。
すっかり眠っていると思い込んでいたケ/イ/タは少し、焦った。
「責任は俺が取る」
「そーいう問題じゃないです」
「ああするしかなかった」
それは良く解っている。解っていて納得できないこともある。恨み
がましい視線を感じたのか桐/原はあからさまに機嫌を悪くした。し
かし良く考えたら、桐/原が居なければ事態はどうにもなっていなか
った。
「すいません」
「八つ当たりか」
「…そうかもしれません」
「バカに八つ当たりされるとはな」
ケ/イ/タからすれば随分年上なのだが、少し可愛らしく見えた。苦笑
したからだ。
「すいません」
もう一度謝った。
ところが桐/原はケ/イ/タにとんでもないことを要求してきた。
「本気で悪いと思ってるなら俺にキスしろ」
「はぁ!?」
キスは女の子とするもので男と、まして先輩とするもんじゃない。
焦りまくっているケ/イ/タを見て満足そうにニヤニヤしている。なる
ほど、嫌がらせなのか。
したいわけじゃない。したいわけじゃないが、しないのも悔しい。
ケ/イ/タは思い切りよく椅子から立ち上がった。
ベッドに手をついて、顔を近づけていく。
「お、おい」
焦ったのは桐/原のほうだった。まさか本気にするなんて思わなかっ
たのだ。冗談じゃないが逃げられない。
「ちょ」
言い終わる前に触れた。
真っ赤になってケ/イ/タが唇をぬぐう。良いじゃないかそれくらいと
言いそうになったが止めた。
きっとケ/イ/タには死ぬほどの覚悟だっただろうから。
触れた額がスースーするなと桐/原は思った。
「お、お、俺、外で待ってます!」
椅子を倒さんばかりの勢いで病室の外に出て行ってしまったケ/イ/タ
を唖然としながら見送った。
思わず口をついて出た。
「あの馬鹿」
――傷に障る。
そしてやっぱり嫌いだと思った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お目汚し失礼致しました。
>>213 録画してた本編見た直後に更なる燃料投入
キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
自分で要求しておきながら焦る桐イイヨイイヨー
今日イクTV作品なので苦手な方はご注意
成長パロ。そしてTVの受けと原作の攻めなイマゲです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
実習に戻ってきた食満
…用具倉庫か…懐かしいな。
よく建物が破壊されたり欠損したりする忍術学園だが、用具倉庫は元と同じ場所、同じ形でしっかり残っていた。
3つ下の後輩の、嵌とした表情が頭を掠め、誇らしくなる。
…作兵衛、頑張ったんだな。
文次郎相手でも、頑として引かなかった作兵衛、
当時の用具委員にして無口な方だったが、手がかからない子だった。手が欲しいときに当然のように後ろに控えていて、槌でも鋸でも必要なものをタイミングよく差し出して来た、
褒めると表情に出すまいとしながらも照れる姿が可愛くて…
俺には出来すぎた後輩だったな…今は委員長か
「わぁっ!」
郷愁に浸りつつ用具倉庫の角を曲がろうとした時、○井桁のカタマリとぶつかった
「馬鹿っ!角を曲がるときは気をつけろって言っただ……先輩…?」
記憶にあるより大分痩せた頬、そりゃそうだ三年なんて一番ぷくぷくしてた時期だものな…
「久し振りだな、作兵衛。」
思わず頭を撫でそうになって慌てて引っ込める。
もう最上級生だったな…。
「ちょ、待ってくださいね…しんべヱ!!今日は解散だ!!一年ボーズたち返して来てくれ。したらもう戻っていいぞ!!!」
キャーという歓声と共に○井桁が散って行く。
委員の特製上昔から下級生ほど多い委員会だったが、また一段と増えたか?
「あ、は〜い。食満先輩、後で4年長屋にも来て下さいね。喜三太や平太も喜びます。」
一年の頃は大分頼りなかった後輩が当時の彼と同じようなコロコロをじょろじょろ引き連れて遠ざかって行った。台詞に漢字が入っていた。感無量だ
「ちょ、ちょっと待ってくださいね先輩…!直ぐ…すぐ終わらせます!」
作兵衛の手の中で、穴の空いた籠がスイスイと元の形へと姿を変える。
―上達したな…
気がついたら先ほど自重した筈の右手が作兵衛の頭に伸びていた。…あぁ、俺はこの子の頭を撫でるのがとても好きだったのかもしれない。
ふと、作兵衛の顔が歪んでいる事に気が付く。
その顔はとても嬉しそうには見えずバツが悪いという顔でも無くそう、その顔は
………怒って、るのか?
「す…すまない。」
この子のこんな歪んだ顔を初めて見た。そうだよな、もう子供じゃ無い。それなりの矜持もある歳だ。
あぁ、でももうこの子のはにかんだようなあの顔は自分では引き出せ無いのか。…もう、触れない歳か…
「俺は……頼りないですか。」
作兵衛の、低くなった声が震えている。あぁ、これは本当に怒らせてしまった…
…頼りない?
「留三郎先輩…!」
唇に、感触。
………はぁ!?
「俺、もう15です!あなたの隣に、まだ並べませんか…!?まだ、子供ですか…?」
覆いかぶさるように俺の腹の上に乗った後輩の泣きそうな顔、胸倉を掴む、前より節がしっかりした指、逆光で輪郭がはっきりした首筋が妙になまめかしい。
―――触りたい。
自分の思考にビックリした。…だって作兵衛だ、後輩だ、たとえ接吻しても、だけど昔から自分はこの子を触りたいと思っていなかったか、学園に来て一番始めに用具倉庫に来たのはひょっとして…
食満が混乱としていると胸倉を掴んでいた手が震えてきた。
先程までの力は全く感じられない
…ひょっとして、泣いて…
「トメ先輩は……僕のことが…好きなんだと…………自惚れていました。
結局、何もしないなにも言わないで学園を去ってしまわれたのは、僕が…子供だったから……だと……。」
あぁ…お前は、俺よりずっと聡い子だったな。
そうか俺は…
「作兵衛」
衿から離れた指を咄嗟に自分の指に絡めた。
…どれだけいろいろなものを作り、直したのだろう。俺に追い付こうとしてくれたのだろう。昔より遥かに筋肉が付き、形の良い手。
触っていると、幸福な気持ちになる。
そのまま作兵衛を引き寄せ顎に伝った涙を舌でなぞり、そのまま瞼と小鼻に落とし、唇を吸った。
―止まらない。
作兵衛がしゃくりあげたその隙をみて舌を絡め、上顎を舐めた。作兵衛の躯が先程とは違う震え方をした。
握った手が握り返される。
体制はいつの間にか反転していた。
「大人だったら、これぐらいやらなきゃな。」
倉庫の壁に凭れかかった作兵衛の眼から再度大きな涙の粒が流れた。
「―でも、俺の方が…ずっと子供だ…。」
はだけた胸元に手を差し入れたい、後れ毛が張り付いたその首筋に口づけたい…
一度気付いてしまったらこんこんと感情が溢れ出すようになってしまった。振り払うように、昔と同じように作兵衛を抱きしめる。
「…馬鹿だな、こんな子供に捕まって。」
背中に回された腕は、もう震えていなかった。
222 :
らくらん けまとま 6/6:2008/05/29(木) 22:19:52 ID:tNijuwNrO
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
801作品スレ182に感化されてやったはずなのに反抗期じゃない。スマソ○| ̄|_
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
1985年 ○月×日
坊っちゃんと出会って、今日でちょうど二ヶ月。今日もまた、坊っちゃんと遊んだ。
坊っちゃんは暇さえあれば僕のところにやってきて、そして何時間も僕を離さない。
僕はすごく感じ易くてちょっとの刺激でもヘロヘロになって固まっちゃうのに、
坊っちゃんはいつも僕の敏感な部分にふーふー何度も息を吹きかけるから、くすぐったくて困る。
それに最中も、僕の突起をぐりぐり強く押したり連打したり……嫌ではないけど。
坊っちゃんのお母さんは、僕が坊っちゃんと遊ぶのを快く思わないみたいだ。
でも坊っちゃんは僕のことが大好きだと言ってくれたし、僕も坊ちゃんのことが大好きだから、許してほしい。
僕、坊っちゃんが僕と一緒に遊んでて、すごく楽しそうに笑う顔を見るのがなによりも好きだから。
おやつのポテトチップスの油でベトベトの手で体中触られたって、ちっとも嫌じゃないぐらい。
とにかく、僕と坊っちゃんはとっても仲良し。明日も明後日も、何年経っても、きっと仲良しだ。
1989年 △月○日
坊っちゃんは相変わらず、僕に夢中だ。
出逢ったばかりの頃とは比べものにならないぐらい、プレイの幅も広がった。
当時は専ら大きくなるキノコを食べたり亀の頭を角で何度も刺激したりだったけど、
今じゃ刺激も強いものを求めるようになって、例えばパンツ一丁で松明を拾って村の中を駆け抜けてみたり、
竹槍持って一揆してみたり、犯人がヤスだったり、開始一秒で昇天したり……旅に出たときなんて、
朝になって宿泊先の主人に昨夜はお楽しみでしたね、なんてからかわれたりもした。今じゃいい思い出だ。
飽きる暇も無く広がり続ける、僕と坊っちゃんのプレイスタイル。きっとこの先も、坊っちゃんは僕に夢中だろう。
1990年 □月×日
今日、見慣れない奴がやってきた。自分のことを「スーパー」だといって、僕のことを馬鹿にする。
確かにそいつは、僕よりも多くの色やきれいな映像を坊っちゃんに見せることができる……何より、いい声だ。
だけど僕の方が色が白くてきれいだし、アクセントの赤色もかっこよく映えてる! 坊っちゃんだって、僕の方が──
1991年 ×月○日
坊っちゃんに触れられなくなって、半年が過ぎた。
1992年 △月□日
坊っちゃんの声は、聴こえる。楽しそうな声だ。でも一緒にいるのは僕じゃない。……スーパーだ。
1993年 ○月□日
久し振りに目が覚めた。だけど僕は箱の中にいるらしい。何も見えなかった。
埃が僕の体に積もっているのがわかった。もう少し、寝よう。
起きたら今度こそ、また坊っちゃんと一緒に遊べるかもしれない。
1994年 △月○日
誰かの声で目が覚めた。誰だろう、と思ったら、そこにはスーパーがいた。
僕はスーパーが嫌いだ。僕を馬鹿にしたし、それに、僕から坊っちゃんを奪ったから。
今日だってどうせ、僕を馬鹿にしにきたんだろう。だから僕は、無視してまた寝ることにした。
でも、どうやらスーパーは僕を馬鹿にしにきたわけじゃなかったらしい。
「……今更だけど、ごめんね」スーパーは僕に謝った。何のことだって聞いたら、僕を馬鹿にしたことだって。
何だよ急に、と思ったら、スーパーは初めて会った時の自信満々な様子が嘘みたいにしょぼくれていた。
まるでそう、スーパーが来た後の僕みたいに。
「どうしたんだよ。何かあったのかい?」
「君は寝てたから知らないだろうけど、今日は大晦日。ついこの前が、クリスマスさ」
「? それが何だっていうんだ」
「坊っちゃんの今年のクリスマスプレゼント、新入りだったんだよ」
ボクなんかよりずっとすごい、新入りさ── スーパーはまたしょぼくれた声で言った。
僕は理解した。スーパーは今、本当に、かつての僕と同じなんだってことを。
大好きな坊っちゃんを新入りに奪われて、悲しくて悔しくて寂しくてどうしようもないんだ……
「……大丈夫さスーパー、しばらく寝てれば、時間なんてすぐに経つ」
「え?」
「寝て起きたら、きっとまた坊っちゃんは遊んでくれるよ。”僕ら”と」
「──……そうだね、うん。きっと、そうだね」
「そうさ。だから、一緒に休もう」
僕はしょぼくれたスーパーと一緒に、暗い箱の中で改めて眠ることにした。
見る夢はきっと、同じだ。
200×年 ×月×日
心なしか、目が覚めるまでの間隔がだいぶ長くなってきた。
僕がいてスーパーが加わった箱の中には今、更に新入りが増えている。
彼らもみんな、僕やスーパーと同じ。坊っちゃんのことが大好きで、でももう遊んでもらえなくなった身。
だけど僕らは、坊っちゃんのことが嫌いなわけじゃない。むしろ、今でも大好きで大好きで、たまらない。
だって僕らには、坊っちゃんとの思い出しかないから。坊っちゃんと過ごした、楽しい毎日の記憶しか。
200×年 ○月□日
スーパーの様子がおかしい。ひどくぼんやりして、起きていても寝ているみたいだ。
「しっかりしろよスーパー、そんなんじゃ、坊っちゃんが遊ぼうとしても遊べないぞ」
「うん……そうだ、そうだよね……うん……、……」<BR>
スーパーさん、もしかして病気なんじゃないですか? と、スーパーが言ってた新入り──
今じゃ僕らと同じ箱の住人であるステーションが心配そうに言った。
病気……そうかもしれない。でも、それなら大丈夫なはずだ。
だってほら、坊っちゃんたち人間が病気になった時に治してくれる人がいるみたいに、
確か僕らにも僕ら専門のお医者さんがいるんだ。僕らの場合は”しゅうり”って言うらしいけど。
ほんのちょっと坊っちゃんたちと離れ離れになるけど、すぐに治してくれるって昔、聞いたことがある。
でも、僕の言葉にステーションと、あと更に新入りのロクヨンが表情を曇らせた。
「実は……もう、僕らのお医者さんは、いないみたいなんです」
僕は目の前がますます真っ暗になるのを感じた。スーパーは……声なんか聴こえてないみたいに、虚ろな様子でいた。
200×日 △月×日
スーパーが、何もこたえなくなった。目覚めることも、なくなった。
……僕の方が先輩なんだぞ。なのに、なんでお前が先に……
暗い箱の中、隙間から入り込むほんの少しだけの光に照らされるスーパーは色も剥げてる。
ちらりと見た僕自身の体も、自慢の白い体がすっかり黄ばんで埃まみれだ。
ステーションとロクヨンがめそめそしてたから、泣くなって怒った。
200×日 ○月□日
目が覚めると、眩しいぐらいに明るい電気の下だった。そして、僕の体に、坊っちゃんの手が触れていた。
えっ、坊っちゃん……坊っちゃん、本当に坊っちゃん? ああ、坊っちゃんだ……!
随分と大きくなってるけど、笑った顔は昔のまんまだ。大好きな坊っちゃんだ……!
あ、ちょ、久し振りなのにそんな激しく……あ、つ、強いよ、そん、そんなれん、れんだ……連打らめぇっ
でも、うれ、嬉しい……坊っちゃんになら僕、どんなに激しくされても……
──あれ、急に優しい動きに。坊っちゃん……くすぐったい。そんな撫でられたらくすぐったいよ。
ああでも、嬉しい。どれだけ時間が経ったのかわからないけど、僕はようやくまた、坊っちゃんと会えた。
ねえ坊っちゃん、次は、ステーションとロクヨンと遊んでください。あと、動かないけど── スーパーの頭も撫でてやってください。
僕はもう満足したから、だから……ほら、満足したから、なんだか急に意識が遠のいて──……
200×日 -月-日
気付いたら僕はスーパーと一緒にいた。スーパーはいつのまにかまた、昔みたいな自信満々の元気な様子に戻ってる。
僕が坊っちゃんと久々に遊べたことを羨ましがって拗ねてるみたいだけど。ふふん。どうだ、羨ましいだろ。
でも、見てみなよ、下。坊っちゃんがスーパーの体を大事そうに抱えてる。懐かしんでるみたいだ。
スーパーが、ボクはできるならもう一度、生まれ変って坊っちゃんのところに来たいなあと言った。
僕は、初めてスーパーと意見が一致したなと思って、なんだか少し嬉しくなった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ムカシノゲームモタノシイヨ
>>224-227 GJ!リアルで泣きました
悲しい終わりを予想して読んでたから余計に感動!
>>224 GJ…!皆かわいいよ皆。
うちのこいつらも埃掃っていっぱい遊んでくるよ!
ちょ…なんだこの名作
感動したよ!GJ!
>>227 笑いもネタも泣きもあるなんて…感動しましたありがとう
目からゲームボーイが…
>>227 GJ、泣いた
ちょっとスーパーと戯れてくるよ
GJ……
SFC世代だからたまらんかった
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )絶賛放映中08戦隊 赤青
規制中につき携帯から失礼
無駄に長いです
前振り書いてるのが楽しくなっちゃいました
なんか青壊れます
236 :
赤青01:2008/05/30(金) 12:27:17 ID:yOlPYb7UO
「俺だけ入ってない…」
と走輔が呟いた
害水目蛮機獣カマバンキ
人々を幻の温泉にとらえ、その温泉の気持ちよさで閉じ込める
その間に地球をガイアーク好みに汚染する、という作戦をしかけたきた。
最初に範人が、パワーアップ後には連、早輝、軍平がカマバンキの幻の温泉に入れられてしまうも、
範人が(無理矢理連れて来られた)修行場で出会った女性に一目惚れし、その恋の力で倒すことが出来た。
一件落着、また次の話へ…というところだったのだが
我らがゴーオンレッド、江角走輔が「あっ」と叫んだ後、冒頭に続く
「そんなの、別にいいじゃない」
早輝はなぁんだ、と軽く言った
「そうだ、蛮機獣の幻の温泉だったんだぞ」
軍平もやれやれと頭を振る
「むしろ、1人だけ入れられなかったって凄いっすよ?」
さすがラッキーっすね、と連は笑う、が
「でもさ、すんげー気持ちよかったんだろ?なんにもやる気なくなっちゃうくら
いに」
走輔の問いに
「うん、極楽極楽♪だったよ」
「ああ、気持ちよすぎだった」
「全然抵抗できなかったっす」
いっせいに頷いてしまう3人だった
ちなみに範人はいまだ一目惚れの相手、汚石冷奈を探している
237 :
赤青02:2008/05/30(金) 12:30:04 ID:yOlPYb7UO
「あーっ、ヤダ!なんかヤダ!俺だけ仲間はずれじゃんかよ!」
髪を掻き毟りながら走輔が叫ぶ
「あーもう、うるさい!」
「もう蛮機獣は倒したんだ、入りたくても入れないんだぞ」
早輝と軍平が走輔を押さえつける、と連が
「…じゃあ、みんなで温泉に入ってから帰るっす」
ぴっ、と人差し指を立てて言った
『え?』
今度は走輔、早輝、軍平の3人の声が重なった
「ズバリ、この山をもう少し奥に行くと温泉があるっす、滅多に人の来ない秘湯ってやつっす」
「ほんと!でも連、何で知ってるの?」
「この間、テレビのクイズ番組に出てたのを思い出したっす」
「さっすが連!ナイス記憶力!」
きゃっきゃとはしゃぐ初期ゴーオンジャーの3人に
「まぁでも、あいつが戻って来るまでは待たないとな…」
後から入った軍平が言った
「冷奈さーん!どこですかー!!」
山にはまだ恋する少年の叫び声が響いている
238 :
赤青?03:2008/05/30(金) 12:33:46 ID:yOlPYb7UO
そんなこんなで、夕方近くになりやっと諦めた範人を回収し、ギンジロー号で山道を進む
目指す温泉は案外近く、山々に沈む夕日を見ながらの入湯になった
ただ秘湯というだけあって、簡素な脱衣所があるだけで、もちろん男女別でもない
まずは男性陣が入る、その後に早輝が
板を持って現れた
「…早輝ちゃん?なんだい、それは?」
走輔『お兄ちゃん』が問う
「んっとね、待ってる間辺りを見てたらあったの
で、こっちに『女』、反対側に『男』って書いてあるから、こういうことだと思うの」
そう言って板を温泉に突き立てた
波が立ち、湯気が立ち込める、範人が「うわあ」と悲鳴を上げた
「うんうん、きっと前に来た誰かが作っておいてくれたんだわ、ぴったり」
…こうして秘湯は混浴から男湯、女湯に分かれた
「じゃあ着替えてくるから、いいって言うまでこっち見ちゃだめよ」
るんるんと早輝が脱衣所に戻っていく
「…早輝1人で半分使うのはずるい気がするぞ」
軍平が呟く
「まぁそれは、しょうがないっすよ…」
あはは、と力なく笑う連の顔は既に赤かった
239 :
赤青…04:2008/05/30(金) 12:36:47 ID:yOlPYb7UO
「でさ、あのカマバンキの温泉と比べてどうよ?」
早輝も無事入り、そろったところで走輔が言った
「馬鹿かお前、比べるべくもないだろう」
「この地球の、本物の温泉に適うわけ無いじゃないっすか」
「そ、そうか!?」
「そうよ、なによりこうして5人みんなで入ってるんだからね」
「そうだね、それが一番リラックスできるよね〜…あぁ、でも」
溜息をついて範人が続ける
「冷奈さんも一緒だったらもっと楽しかっただろうなぁ〜」
「結局それっすか…」
「いい加減諦めろ、見苦しいぞ」
「あーあぁ、可哀相にねぇ、範人くーん♪」
「ま、縁が無かったってこった、うん」
「な、なんだよぉ、まだ振られたわけじゃないよぉ!」
と、範人の失恋(?)をからかいつつ、正義のミカタは疲れを癒したのだった
240 :
あ、赤青05:2008/05/30(金) 12:41:30 ID:yOlPYb7UO
「『じゃあ、終わったら合図するから』…って、早輝のやつ、時間掛かりすぎだろ」
そろそろ上がろうか、となって、自分が先に上がるから待ってて、と早輝が言ってから15分は経っていた
「女だからな、色々時間が掛かるんだろう」
軍平はもっともらしく頷いたが
「軍平おっとなー、…色々って何?」
「し、知るか!色々は、色々だ…」
範人の茶化しにしどろもどろになる
「おーい、早輝ー?」
たまらず、走輔が脱衣所に向かって叫ぶ、すぐに中から
「ごめーん、あとちょっとー」
と早輝が返す「お風呂上りのスキンケアは重要なのー」
「女の子は大変だぁ」
うへぇ、と範人が天を仰ぐ、空はもう真っ暗で、星が瞬いている
「…あれ?連?」
ふと、範人が気付く、どうにも静かだ、ちょっと前まで温泉豆知識を披露していたのに
「…ん、なに?範人?」
ふわふわした声で答える連、顔だけでなく、身体まで真っ赤だった
「おい、連、お前のぼせてるんじゃ…」
それに気付いた軍平が問い掛ける
「そんなことないっす…、よく風呂は肩までつかれと言われるけど、それは血圧が上がりやすくなるだけで…」
「そんなこと聞いてないぞ!いや、その話はさっき聞いたが…」
「うわぁ、連しっかりしてー!?」
明らかに様子のおかしい連に慌てまくる軍平&範人、走輔は
「とにかく上げるぞ」
冷静だった、少なくとも表面上は一番冷静だった
「早輝!悪いがスキンケアは後回しだ、連が湯あたりしてる!」
「えぇー!?だ、大丈夫!?私のせい!?」
「そんなことはいい、とにかくお前はギンジロー号に戻って、ベッドとか寝巻きとか用意しておいてくれ!」
「うん、わかった!」
「範人、軍平、連を運ぶぞ」
「うん!」「お、おう」
てきぱきと指示を飛ばす
「そうすけ…?」
意識朦朧といった感じの連の呟きに
「…風呂から上がるぞ、連」
走輔は優しく呼び掛ける
「あぁ、ありがと…」
「……おい、連!連!!」
走輔に向かって笑いかけて、連は意識を失った
「ごめんね、連、私のせいで…」
「早輝のせいじゃないよ、記憶だけに頼って、事前のリサーチをしなかった自分のせい、自業自得っす…」
「そんなこと…」
「みんなこそごめんね、面倒かけちゃって…」
「ううん、ぜんぜん大丈夫だよ、連」
「このくらい当然だ、…仲間だろ」
「うん、ありがと、…走輔も」
「一番悪いのはわがまま言った俺だ、責任持って俺が看病するからみんなはもう休んでくれ」
「でも…」「僕も手伝うよ、走輔」
「…いや範人、走輔1人に任せるんだ、…それでいいんだろ」
「サンキュ、軍平…」
行くぞ、と軍平が2人を促して部屋を出て行く、残ったのは連と、走輔
242 :
赤青!07:2008/05/30(金) 12:49:43 ID:yOlPYb7UO
「あらためて、すまない連、俺のわがままのせいで無理させちまった」
「走輔…、…あぁ、いや、うん…えーと…」
そんなことはない、と否定しようとしてさっきの軍平の態度を思い出す
否定したところで、いや俺のせいだ、違うよ、いいや俺のせいだ、と言い合いになるだけだ
だから、軍平は悩む早輝と手伝おうとする範人を連れて出て行ってくれた
走輔の気の済むように、素直に看病されるのがいいんだろう
「じゃあ、今夜は一緒にいてくれる?」
連は微笑みながら走輔に言った、言われた走輔は
「…な、なんかその言い方はちょっと、アレだぞ、連…」
さっきまでシリアス顔だったのに、困った顔で頬を赤くしていた
その様子を見て連もまた顔が熱くなる
「へ?…あ、あぁ…うん、そうっすね…」
言われてみると、確かにちょっとアレな台詞だった
あはは、と笑って
「…まだ俺、おかしいみたい、走輔」
手を取って自分の頬に当てる
真面目な顔でかっこいい走輔もいいけど、困ったように照れてる走輔も
かわいい
「ほらこんなに、熱い」
ごくり、と走輔が唾を飲み込む音が聞こえる
「熱い、走輔…」
連は、素直に看病されるのはあっさりとやめにした
243 :
赤青09:2008/05/30(金) 12:53:28 ID:yOlPYb7UO
「はい、特製オムレツ完成っす」
朝、連はいつも通り朝食を作っていた
「わぉ、今日も美味しそー、じゃあ僕運ぶねー」
「ありがと、範人」
「あー、私もお手伝いー」
「じゃあ早輝は、こっちのサラダと調味料を運んで」
「はーい♪」
競うように手伝いをする範人と早輝に、連は頬を綻ばせる、すると
「もう大丈夫なのか?連」
いつもは黙々と朝刊を読んでいる軍平も顔をだす
「もうバッチリ、本調子っすよ」
「そうか、なら良かった…ところで、走輔は?」
「あー…、何か寝ずに看病してくれてたみたいで、今疲れて寝てるっす」
というのは嘘で
244 :
赤青10:2008/05/30(金) 12:54:29 ID:yOlPYb7UO
「だめだ!連!こっちを見るな!」
「へ?」
先に目を覚ました連が走輔を起こして、まず言われたのがこれだ
「は、恥ずかしくて俺…今日、お前の顔見らんない…」
「…えーと、普通それ俺の台詞だと思うっす」
枕を抱え、こちらに背を向ける走輔に連は言った
誘ったのも連で、いくら普通の状態ではなかったとはいえ、乱れまくったのも連である
「じゃあ今日これからどうするんすか…」
「ね、寝る!寝てる!」
「もしまたガイアークが出たら?」
「そしたら敵を倒すことに集中出来るからな!思い出さないでいいから、むしろ歓迎だ!」
「…走輔、思い出して恥ずかしくなるっすか?」
ぼふぼふぼふ、と抱えた枕に頭突き、もとい勢いよく頷く走輔に
「思い出して、興奮しちゃうんじゃなくて?」
我ながらよく自分で聞けちゃうなぁと思いながら問い掛ける
走輔の身体が一瞬固まった
「連…」
「まあ、後で思い出してもう一度〜、とかよくあることっす」
自分もそんな経験がないわけじゃないので責められはしないのだが
「そういう時は上書きすればいいんすよ」
「上書き?」
蓮はそっと走輔の肩に手を置くと
「今夜また、新しく上書きすればいいっす」
耳元で囁いた
今度は完全に動きが止まった走輔に
「それまで寝たふりでもなんでもどうぞ、みんなに怒られない程度に、っすよ!」
言いながら連は部屋を出て行った
残された走輔は
「それ、逆効果だぜ、連!!」
ベッドの上をごろごろ転がっていた
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )むしろエロが蛇足でした
句点を入れると死んじゃうのか?
>>224-227 泣いた、GJ!
家のFCはまだ現役なんだぜ
でもステーション君は…黒い弟君がいるから箱に入ったままだな…
>>224-227 ホロリときてしまった・・・。
我が家のFC、スーパー、64、ステーション1、2に加えて
PCエンジンにサターン・・・。
今から掘り起こして磨いてくるよ。ごめんよ。
らくらん もんじとけま
原作43巻妄想 現物が手元にないので、聞きかじったシチュで妄想短文です
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
あれはたぶん、事故だ。
そうに違いない。
六年生の合同演習のときだった。とてもあいつらしくないミスだった。カギ縄をかけた所の地盤が緩んでいたんだろ
う。順調に崖を登っていた文次郎が落ちてきた。
ちょうど真下にいた俺は、落ちてきた奴をよける間もなく、盛大にぶつかってしまった。
「うおっ!!」
「んがっ!!」
なんという偶然にして、事故。真上から降ってきた奴の顔と俺の顔がぶつかった。なぜ頭から降ってくるんだ。
ハッキリ言って、顔面から出血するかと思った。実際ぶつかった時の衝撃は計り知れなかったのだから。けれども
そこまで酷くはならなかった。
あいつの顔をあんな間近で見たのは初めてかも知れない。相変わらずのごつい眉に、年季ものの隈、ギラギラと
した獣のような瞳。どれをとっても間近で見てよいと思えるものではなかった。
「っつ…よけやがれ!」
「お前が落ちてきたのが悪いんだろうが!!!」
その時点では、痛みよりも先に立ったのは、なぜぶつかるんだという怒りだった。
文次郎は口元を押さえながら俺を見て、眉間に皺を寄せる。特に手が出るでもなく、ただこちらをじっと見つめて
いた。その視線にいわれようのない悪寒を覚えた俺は、すぐさま首を大きくふった。
「何だよ」
「…悪かったな。顔」
「あ?…っ?!」
それだけ言うと、文次郎は何事もなかったかのように踵を返して去っていった。
まさか、謝ったのか?
「…っ、畜生」
あれ以来、文次郎を見る度にこのことを思い出している。
思い出す度に、顎が痛むような気がする。
あれは事故…なのか?
ただの事故なのに、その事故には疑問符が付いている。
事故以外の何というのか、俺には見当がつかない。
そうでないというのならば、このことを思い出して時々文次郎を一緒に思い出す、これは何なんだろうか。
俺にも、きっと誰にも、正解はわからない。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
用具委員長と会計委員長の第一次接近遭遇だといい
それでは失礼しました
新人達 校×兄←心の続きです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
屋上から教室へ戻っていると携帯が鳴った。
ディスプレイを確認する。
登録のないその11桁の数字をしばらく眺めると兄屋はゆっくりと通話のボタンを押した。
数日後、放課後の部活を終え、部室で着替えを済ませているといつものように言い出しっぺ大臣の由船が言った。
「腹減ったにゃ〜。ラーメン食いに行くにゃ〜。」
「またラーメンかよ?一昨日も食ったぜ??」
「だけど腹減ったよな。」
「確かに減った。」
「俺餃子だけでいいわ。」
「俺チャーハンも食おう。」
そんな会話が飛び交う中、和歌菜が俺に聞く。
「兄屋も行くだろ?」
「あ?あぁ。行こうぜ。」
表情を探るような心情の視線に敢えてニッコリ笑うと、心の影を踏み潰すように部室を出た。
味もわからないままラーメンを食い、ほとんど聞いてない話にバカ笑いして、みんなとバッティングセンターで汗まで流しているうちに、何故か心は落ち着きを取り戻していた。
ケツポケットの携帯のバイブが時間になったことを密かに知らせてくる。
(行くか・・・)
兄屋は立ち上がった。
「じゃあ俺もそろそろ行くわ。」
兄屋が帰った数分後、後を追うように俺は言いみんなと別れた。
まだそう遠くには行っていないだろうと思われる兄屋の姿を探そうと自然と足が早くなる。
しかしいざ兄屋らしき後ろ姿を目にした時には、安堵感と共に不穏な胸騒ぎを覚えることになった。
(どこに行ってんだ?)
いつもの帰り道とは違う方向へと兄屋は歩いていた。
そのまま声をかけず、兄屋の数メートル手前を静かに歩いてついていく。
(きめぇな俺・・・)
ストーカーにでもなったようであまり良い気分ではなかったが、尾行を続けた。
そのうち兄屋は街灯もない細い路地に入り込んだかと思うと、闇に吸い込まれるように消えてしまった。
(こんなところに何が・・・)
バレないようについていくのはなかなか難しかったが、とりあえず兄屋を見失わないようにと焦って小走りになった俺は、次の角を曲がったところで・・・。
―――ガンッ!
頭に衝撃が走り、そこで記憶は途絶えた。
「邪魔なんだよ。」
倒れた心情を見つめて黒い影は唾を吐いた。
近道のおかげで何とか間に合ったようだ。
普段ならこの時間には既に閉まっているはずの扉をそっと引くと、それは容易に開いて昼間とは違う不気味な闇が口を開けた。
「フー・・・」
頬を膨らませ1度息を吐ききると、俺は足を踏み入れドアを閉めた。
耳鳴りがするほどの静けさや目を圧迫しそうな暗闇の中で、体育倉庫特有の埃っぽい匂いだけが鼻をつく。
―――ス・・・
一瞬空気の動く気配を感じて、振り返ろうとしたその瞬間
「ぐぁっっ!」
いきなり背後から首にまわされた鉄パイプが闇に光ったかと思うと、ギリギリと俺の首を締め付けた。
「2分遅刻だよ、兄屋。約束を守らないのはいけない子だ。」
「く・・・」
もがいてもビクともしないその力に、早くも背筋が冷たくなる。
「ちゃんと謝ることはできるかな?」
耳元で囁かれた生ぬるい息の温度とその言葉の意味に吐き気がする。
さらに力が加えられ、耳元にはあの時と同じ不気味な笑い声が聞こえていた。
あまりの苦しさに、かろうじて動く手で背後の悪魔の手を叩いて肯く。
「っっぐはぁぁっっ!!」
やっと解放された瞬間、兄屋は床に倒れこみ首を押さえながら咳込んだ。
「こっちを見ろ。」
頭上から聞こえてくる声に、ゆっくり振り向くとそのままの姿勢で顔を見上げた。
「実にいい顔だ。」
兄屋の眉間には苦しみが刻まれ、汗で濡れた髪がはりついた頬は赤みを帯び、何より咳込んだせいで潤んだ瞳と荒い息は校長の更なる欲望を駆り立てるのに十分だった。
命令通り、校長を見上げたまま学ランを脱ぎ赤T1枚になる。
「謝る時はどうするのかな?」
反応を楽しむような言葉に虫唾が走る。
(クソが・・・)
兄屋は心で舌打ちして、屈辱の2文字に唇を噛み締めながら床に手をつきゆっくりと頭を下げていった。
「すいま・・・せんでした。」
この言葉を声に出すのはいつぶりだろう?もしかしたら産まれて初めてかもしれない。
―――ガッ!!
頭に何かが乗ったかと思うと、強い力で顔が床に打ちつけられる。
「聞こえないよ。兄屋。」
(こいつマジ殺す・・・)
その体勢のまま先程の言葉を繰り返すと、頭の上の足が退き反吐が出そうな顔が近づいた。その瞬間、今度はいきなり前髪を掴まれ強引に上を向かせられる。
「いい子だ。」
さっきとはうってかわった柔らかい声に思わず鳥肌が立つ。
「ごほうびをあげよう。」
兄屋の目の前に手錠が揺れ、首筋に悪魔が顔を埋めてきた。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
文字数オーバーで入らなかったのでとりあえずここまでです。
もしリクエストを頂ければ続きをちょこちょこ投下していきたいと思います。
初めてのところに投下したのでドキドキです。何か間違っていたらすみません。
>>256 二度と投下しないでいい
誘い受け過ぎてウザい
258 :
256:2008/05/31(土) 08:26:09 ID:FzWlUXLD0
自分文才無いし元ネタ知らんしよくわからんけど
ここって
>>257の姐さんが投下の基準なんだな知らなかった…
煽るのも自由 じゃやめるってのも自由
そんだけ
>>256 心情は…!
兄屋は…!
兄ツライですね、だけど心配する心情たまらないw
>>257のことなんて誰も気にしてないんじゃね?
自分も元ネタ知らんが投下するなら投下するそれでいいじゃん
リクエスト云々とかいわないで投下すればよかったんだな
257が言ってるのは「リクくれたらさらに投下します」部分についてだ
中の人の一言については前スレから揉めたし気をつけた方がいい
そもそもリクエストで投下するスレじゃないだろ。
誘い受けな投下は前々からウザがられてるのは
みんなわかってると思うんだが。
同様に下手ですが、初めてですが、も余計だと思う。
反応が気になる気持ちはわかるが黙って落として
黙って去るのが粋ってもんじゃね?と思ったりする。
本当に粋な人は無作法な人に恥をかかせるようなことは言わないと思う
スレが荒れるのは言い方のせいもあると思うよ
注意の仕方が良くない
いきなりうざい、二度と投下すんなだなんて酷すぎるわ
誘い受けもアレだけどそれはちょっと指摘すりゃ治りそうだがね
雰囲気悪いな、そろそろ絡みかまとめ行こうよ
次に投下する人がやりづらいよ
いやもっとやれ
もっと殺伐と行こう
やるかやられるかの棚で行こう
よし、ここで空気読まずにドマイナージャンルいってみようか。
型月と成田のエイプリルフール企画便乗三次創作・改良版
ランサー偽聖杯化編 アーチャールート
|>PLAY
271 :
『成就の夜 エピローグ』1/2:2008/05/31(土) 14:29:44 ID:YCvg83QU0
――知っていた。
空には満天の星、その輝きを追うは杉林。天を摩さんと突き上げる穂先の中で、
打ち捨てられ転がる人形を、その光景を、
――確かに、見知っていた。
「……久しいな」
踏み出すは黄金。傷つき毀たれてなお華麗な英雄は、汚れた人形に歩み寄る。
「お前が屈辱の土にまみれるなぞ、あの闘争以来ではないか」
「……懐かしいね」
仰臥すは土塊。泥と穢れにまみれた人形は、笑みを浮かべて英雄を歓迎する。
「君のそんなに悔しそうな顔、あの別れのとき以来じゃないか」
聖杯を模すべき穢れは去った。双方のマスターの魔力残量は、マスター自らの
生命の維持すら危うい。
偽りの術式、荒らされた地脈、修正されつつある歪み――現界が解ける瞬間は近い。
「お前との別離、二度目があるとは思わなんだな」
「君との闘争、とうとう決着がつかなかったね」
黄金が歩みを止める。足元の人形を見下ろす。
絢爛と傲慢を総身で顕す、己以外にはけして恭順せぬ英雄王は、
自ら土に膝をつき、横たわる人形を抱き起こした。
「懐かしいね」
人形が呟く。英雄の顔を悲嘆が走る。
「悲しまないでくれ、我が友よ。僕はもう安心してしまったよ」
全身を穢れに蹂躙された人形は、もはや自力では身を起こすこともままならない。
あちこちに開いた傷口からは血も肉も覗かぬ代わりに、受肉を保っていた魔力が
流れ出している。
友を葬(おく)る英雄は、どこまでも厳粛に。
人形の言葉は、どこまでも穏やかに。
「ああ、そうとも。もう僕に悲しむ理由などない。英霊の位にある限り、
僕らは二度目の再会を繰り返すことができるのだからね。かつてあった
――あるいは、これからあるかもしれない全ての有り得た聖杯戦争で、
僕は君と巡り会うことができる。永遠の別離に泣く必要なんてないんだ」
聖娼を模った土塊が、男とも女ともつかぬ美貌が、ほころぶ。
「安心したよ。君はもう孤独ではない。僕はもう泣かなくて済みそうだ」
「……友よ」
「――ああ。なんてことだ、君らしくもない。これではあの時と
あべこべじゃあないか」
英雄王の顎先を伝った雫を知るものは、崩れ往く土塊だけだ。
「また会おう、我が唯一の友よ。遥かな未来、もしくは悠久の過去で、
共に巡り逢おうではないか――」
――またいつか、どこかの聖杯戦争で。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
sage忘れたorz
>271
GJ、ドマイナージャンルといわれるとアレだが、
こういう組み合わせもあったのか!
275 :
1/2:2008/06/01(日) 16:33:08 ID:fVnnoDBlO
|>PLAY ピッ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガオオクリシマース!
元ネタはあるようなないような。
『だって君、本当に拒んだこと無いじゃないか。』
嘘つけ。
全部お前のせいじゃないか。
拒む間もなく押し倒されて。
今だって。
「ぅ……ぁ……も、ぅ…」
無理、と続けるはずだったその言葉は声どころか心ごと体すべて持っていかれるかと思うほど激しく吸われ封じられる。
やっと解放されたかと思えば息もつかせず責めたてられ、押し返す腕に力が残っていようはずもない。
こっちが抵抗『しない』んじゃなくそっちが『させない』んだろう。
けど。
何を言おうと意に介さず、まっすぐに向けられてくるその目がふと優しくなるときがある。
名前。
最初に気付いたのはいつだったか。
別に意識したわけでもなく、ただたまたま口をついて出た相手の名前。
呼ぶ前とは明らかになにかが違う。やめてくれたことなどないし、何が違うのかははっきりわからないけど。
がむしゃらに向かってくるだけの中に、我に帰った様な柔らかさ。
気付いたばかりの頃は、ただ少しでも楽になりたいってだけで名前を呼んでいた。
今は、相手の変化を見たくて呼んでる気がする。認めたくないけど。
276 :
2/2:2008/06/01(日) 16:35:52 ID:fVnnoDBlO
なんだ、やっぱり『拒まない』んじゃなくてこいつのせいで『拒めない』んじゃないか。
あんまりにも真っ直ぐこっちに向かってくるから。
そのくせ、ばかに丁寧だったり、まるでおっかなびっくりだったりするから。
タイミングを逸してしまう。
「ふ、ぁ……はっ…」
こらえきれず声の出た口元に視線を感じる。
なんだ、ひょっとして向こうも名前を呼ばれるのを待ってるのか?
……と、なると。
素直に期待に答えてやるのも面白くない。
決めた。
どうせなにも考えられなくさせられるなら、それまでせいぜい焦らしてやる。
……いつまでもつかわからないけど。
□STOP ピッ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お邪魔しました。
>>258 書き込みこそしなかったけど自分も
>>263と同じこと考えてた
反省するとこはして、今後に活かせばいいんじゃね?
とお節介を装いつつ、要は途中で豚切り逃げすなゴルァ!!
と言いたかった訳だが。
まあ書いたら投下汁
不特定多数の見る投下場所で、仲良しさんのキャッキャウフフごっこをしたいなら
感想やリク待ちもそうだけど、正直なところ個人サイトでやってほしいねんw
いい歳して「あたし下手だし〜><」「そんなことないよぉ〜w」みたいなノリはいらない。
>>275 元ネタわからんかったから自カプで脳内補完
ごちそうさまでした。
女子校みたいなベタベタな馴れ合いも度の過ぎた自治厨も
どっちもウザイんです><
281 :
1/3:2008/06/01(日) 20:02:10 ID:qoNjpDUEO
携帯からすまんが盤麺で冷静にプラトニック系。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガオオクリシマース!
いじりすぎて痛んだ髪も、腕のタトゥーも、
黒く塗りたくった眼のまわりも、ぎらぎらと光るコンタクトの眼も、
過剰なパフォーマンスも。
on the stage、その瞬間に依存するような痛々しさ。
そんなん全部無くたって、おまえは美しいって、
なあ、誰か言ってやってくれよ。俺に向かって喚く、その素顔を美しいと思うのに。
なんでいつも傷ついた眼をしてる。
282 :
2/3:2008/06/01(日) 20:04:42 ID:qoNjpDUEO
ミーティングでさらけだされた言葉の雨を、
タトゥーの這い始めた腕の白かった頃を、
鋭い輪郭を、苛々と腿を叩くその指を、俺は美しいと思うぜ。
なのになんで全部を押し隠すように飾り立てようとする?
おまえのそーゆーとこがキライだっつってんだよ。
おまえはそのままで美しい。
その言葉を与える権利は俺じゃない誰かにある。
おまえは満たされないのか?
満たされようとしないのか?
283 :
3/3:2008/06/01(日) 20:08:08 ID:qoNjpDUEO
仕方なく今日も俺は知らんふりをして煙草に火を付ける。
ついでに全部燃やしちまうか。
あいつの化粧した顔を見てヘラヘラ笑うしかねえ俺。
そんな顔、カッコイイだとか言ってやるもんか。
嘲笑?オーケイ。そうかもしれねえ。
あいつが俺を睨みかえすのもいつものことだ。
なあ誰か、まだ見ぬ誰か。
あいつを、心から。愛してやってくれよ、頼むから。
□STOP ピッ ◇⊂(・∀・)イジョウ、ジサクジエンデシタ!
投下させていただきます。
映画イソファナル・アヘアより、主人公2人。時期は二作目の無/間/序/曲の最後の辺り。
長文ですが、よろしくお願いします。
以下のもの苦手な方はご注意ですたい。
[半生、出血(微量)、暴力(微量)、801チンピラ]
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガオオクリシマース!
いまだ明るい宵の街から、事務所のある薄暗い路地へと入る前に、一寸だけ立ち止まって
ショーウィンドウに映る自分の姿を確認した。
黒革のジャケット、銀のアクセサリー、伸びた髪、無精髭、荒涼とした眼────
一目俺の姿を見れば、五歳の子供でも俺の職業をヤクザと言い当てることだろう。
もしこの俺が、実は俺はこれでも警官なんだと訴えたところで、誰か信じる人間がいるだろうか?最近自分自身ですら、時々それが信じられなくなる時があるというのに。
毎日のように俺は、無辜の人々の喉元を締め上げては、その小さな幸福を搾り取る。
無数の男を傷つけ、同じくらい多くの女を泣かせる。
どんな黒社会の人間より、俺は黒社会の人間らしく見えるに違いない。そうあるべきだった。
俺が身分を偽ってサム一家に潜入して得た情報は、上司のウォン警部の手を経て、多くの
犯罪者を逮捕させ、また幾つかの密輸ルートを潰している。
だがその一方で、毎日のように新たな若者が何人もこの黒社会に足を踏み入れ、俺は
俺自身の手で世界を汚し続ける。
これに終わりはあるのだろうか。
最初は3年だった筈の潜入が、さらにもう3年────
俺は一体、正義の階段を昇っているのだろうか? それとも罪に堕ちているのか?
過去は消えて、明日も見えない。俺は時々、闇の中をさまよっているような気がした。
……ここには上も下もなく、後も先もない。ただ無限に、暗黒だけが続いている……
仏教の経典に曰く────
人の堕ちる地獄は八種類ある。最も苦しい地獄は、その最下層にある。
そこには時間も、空間も、量の際限も無い。ただ苦しみだけが許されることなく永遠に続いていく。
────その地獄のことを、無間道(無間地獄)という。
事務所の扉を開けて、一歩中に踏み込むと、そこに妙な空気が漂っていることに俺は気付いた。
この“事務所”はサムが盗品などを動かすために尖沙咀中に設けている中継地点の一つで、
商品をプールしておくための倉庫が地下についている……というより正確には、地下倉庫の
階上に、申し訳程度に“事務所”と呼ばれる殺風景な小部屋がついている。
薄暗い蛍光灯、剥き出しの壁、スチールのテーブル、折り畳み式の椅子、狂った時計、古い電話。
テーブルでは、一応俺の兄貴分ということになっている通称馬鹿のキョンことチョイ・シウキョン
が、同僚である髭面のディトロ──関係ないが本名はデルピエロ──と向かい合って、
まずそうに麺をすすっていた。
キョンは、俺を見ると何故かホッとした様子で、箸を投げ出して飛びつくように駆け寄ってきた。
「まったく〜、どこ行ってたんだよ、ヤン! お前、いっつも居て欲しい時に限って黙って
どっか行きやがって……分かった、女だろ、さては女のとこだな!? 」
俺はただ黙ってニヤニヤしておいた。答えたくない時にはこうしておくと、キョンはいつも
都合のいいように解釈してくれる。俺は、逆にキョンに訊ねた。
「何かあったのか? 」
「それがさ…… 」
キョンとディトロが、微妙な顔つきで目を見合わせる。俺は、ここにもう一人居るべき筈の
人間が、見当たらないことに気が付いた。今日は俺たちの他にもう一人、古参の兄貴分が
詰めている筈だったが、どうやらその姿がない。
「あいつは…… 」
どこへ行った、と俺が訊こうとしたちょうどその時。
『────────────!!!!!! 』
異様な声が、地下倉庫へ通じる扉の向こうから響いてきた。
必死で耐え、こらえようとしながらも、あまりの苦痛の大きさに我知らずほとばしったとでも
いうような、くぐもっていながらも鋭い、呻きとも泣き声ともつかない声だった。
それを耳にした途端に、俺は、例の姿の見えない兄貴分がどこで何をしているのかと、
キョンたちのまずい顔の理由をいっぺんに悟った。
件の兄貴分は、悪い趣味を2つ持っている。
1つは嗜虐趣味、そしてもう一つは、鶏姦趣味だった。
それらの趣味を満足させるために、その兄貴分は手段を選ばなかった。
奴は自分の気の向くままに好みの若い男を物色し、狙いを定めると、恐喝や暴力、または
理不尽な難癖などを用いて犠牲者を絡め捕り、巣に連れ込んでは好き放題に苛んだ。
俺は、一緒に仕事をしなければならない場合は極力、角が立たないようにさりげなく兄貴分を
その趣味から引き離すようにしていた。もし俺が警官でなく、ただのヤクザだったとしても
おそらくそうしていただろうと思う。それほど、そのやり方はえげつなかった。
その辺に関しては、キョンやディトロにしても同じような気持ちだっただろうが、この2人には
器用に兄貴分をなだめておくというのは、難しい相談だっただろう。
その兄貴分は古参というだけではなく、近頃では幹部候補と言われていた。
サム一家ではキョンたちよりも長く、以前は鳴かず飛ばずだったらしいが、近年になり
方針を変えたサムが容赦ない手段を用いるようになってから、胸糞悪い仕事を喜んで
やることができるこの男は、頭角を表してきていた。
「で、相手は? 」
俺は2人に訊いた。
この幹部候補はたちの悪いことに、何らかの失態などをサムに告げると脅しては、組織の
若い者にまで手をかけると、もっぱらの噂になっていた。もし本当にそんなことでもあれば、
多少角が立とうが放ってはおけないだろう。
キョンの答えは、しかし、予想外のものだった。
「警官だよ」
「────警官……? 」
「そう。顔は見せないよう連れ込んでたけど、制服着てたよ。そりゃサツがどうなろうが
知ったこっちゃないけど、今日はその、いつもより激しくってさ。あの声だろ? 参っちまう」
(……警官……)
その言葉は、今の俺にはとても強い力を持って響いた。
実は、つい先ほどまでウォン警部と会っていた。その時の気分がまだ抜けきれずに、俺は、
会ったこともないその警官に、無視しきれない仲間意識のようなものを感じた。
助けてやりたい。
だが、“黒社会で生きるヤン”としては不自然な行動ということにはならないだろうか?
『───────!! …………!!!! 』
また、ひときわ大きく悲鳴が聞こえてくる。同時に、ガチャガチャと金属のぶつかり合うような音。
それらの音声は何か、酷く傷つけられた獣が、なんとか逃れようと鉄の檻に体をぶつけては
望みのない足掻きをしているといった、気の滅入るような情景を連想させた。
俺は、気がつくと、地下への階段に通じる扉の方に足を向けていた。
「なんだよ、助けに行くのか? 正義の味方か? 」
キョンが、丸い目をさらに丸くする。俺は肩をすくめた。
「いや、あいつに急ぎの用がある。……入ってどのくらいになる? 」
「20分……30分くらいかなぁ? 真っ最中は遠慮したいってんなら言うけど、あの様子じゃ
まだ前戯ってとこだと思うよ」
キョンが言うと、ディトロが初めて口を開いた。
「俺の昔の女は、俺にしょっちゅう前戯が短いって文句言ってたが、あれが前戯って言うなら、
あの女だって前戯なんか無しでいいって思うんじゃねぇかなぁ」
俺は扉を開けた。傍らの壁に、背もたれのない折り畳み椅子が畳んで立てかけてあったので、
掴んで提げていく。
扉を出ると短い廊下になっていて、突き当たりに地下倉庫への階段がある。照明が
消えていて暗かったが、灯りはつけずにしばらく立ち止まって、暗闇に目を慣らした。
『………!! ……! ………………!!! 』
さっきよりも、はっきりと聞こえてくる。苦悶の声、金属音、そして、何か低く喋っている、
聞き覚えのある声。そこには、嘲るような笑いが含まれているようだった。
知らないうちに俺は、椅子の脚を固く握りしめていた。
眼の奥がカッと燃えるように熱い。
凶暴な何かが肚の奥底からこみ上げてきそうになる。警部と会った後はよくこんな風に
気持ちが不安定になった。警官としての俺の誇りと、黒社会での俺の生活。いつまでも
埋まらないギャップ。疲れ、苛立ち。
近頃では耐えきれなくなると、ちょっとしたきっかけでタガが外れたようになって、時折
大きな暴力事件を起こすようになっていた。
警部からは今日もカウンセリングの受診を勧められたが、そんなものでどうなるとも思えない。
階段の上から見下ろすと、底の方は慣れた目にも闇に沈んで見えて、まるで地獄に通じる
入り口のような錯覚を覚えさせた。どっぷりと闇に身を浸すように底まで降りると、地下倉庫の
扉の脇にある、倉庫内の電源スイッチを落とした。
そして、扉を開ける。
「何だ!? 」
奥の方で、例の兄貴分の喚く声がした。よほど慌てたのか、何かを取り落としでもしたらしく、
出荷が済んだばかりの空っぽの倉庫に、ガラン、と固い音が響き渡った。
俺は黙って奥へと歩いていく。
この倉庫にはところどころ壁の上の方に、地上へ向かって開けられた換気窓があったが、
裏通りに面しているので、車でも通らない限りは、夜は大した光源とはならない。
が、俺の目は入り口の反対側の壁際に立つ黒い影と、その足下にうずくまった白っぽい何かを
ちゃんと捉えていた。逆に相手がこちらを把握するのには、まだしばらく時間が必要だろう。
奥に進むにつれて、倉庫内に元々よどんでいた埃っぽい空気に、つけ過ぎたコロンと、昂ぶった
男の体臭の混じり合ったものが紛れてくる。
そして、汗と血、かすかな死の臭い……
(────死…? 殺気が……? )
黒社会で生きるうちに身につけた俺の感覚が、ごくわずかに殺気を嗅ぎ取ったと思ったが、
それは一瞬で紛れて、分からなくなってしまった。
俺の気の迷いか、それともまさかこの兄貴分は……?
これまで、さんざん相手を痛めつけ、弄んだとしても、殺したことまではなかった筈だが……
俺は、悪態をつき続けるその男に、ゆっくりと近づいていった。
「畜生、馬鹿キョンか!? この間抜け、さっさと電気をつけやがれ! 一体何の用だ?
分け前でも欲しいのか? 俺の気が済んだ後なら、好きなように…… 」
声でその位置の見当をつけ、手にした椅子を思い切り振り上げると、力一杯振り下ろす。
「ぐっ……!? 」
相手は、くずおれそうになりながらも盲滅法に掴みかかってきたが、俺は軽くいなして
蹴り飛ばし、さらにその倒れたあたりに向かって、二度三度と椅子を叩きつけた。
十回かそこら殴ったあたりで、抵抗を感じなくなったので椅子を投げ出す。
死んではいないだろう。多分。
「……は………ぁ…………… 」
かすかな喘ぎに壁際の方を振り返り、俺は思わずドキリとしていた。
おそらくは一糸まとわない姿と思われる若い男の身体が、壊れた玩具のようにそこに
投げ出されている。
闇の中に仄白く浮かび上がった全身のいたる処に、赤黒い筋や、蒼く色の沈んだ部分が
あるのは、先ほどまで与えられていた苦痛の痕跡だろう。
苦しげな呼吸音に応じて微かに息づく傷ついた青白い肉体が、妙に蠱惑的に見えて、俺は
不思議に後ろめたいような気持ちになった。
かといって、そのままにしておくわけにもいかないので、なるべく凝視しないようにしながら、
その若い警官に近づいていって、様子を確認する。
真っ先に、ぐったりと前に投げ出された手首に2種類の金属が光っているのが目に付いた。
1つはロレックス。しかも高い方のやつ。そしてもう一つは、手錠だった。
この警官は、壁に通っている鉄パイプに手錠で繋がれて、身動きを封じられている。
俺はちょっと考えてみてから、気絶している兄貴分のジャケットのポケットを探り、手錠の
鍵を見つけ出した。
「おい」
手錠の縛めを解いて、抱き起こす。
意識がはっきりしないのか、その男は、俺の胸に身体を預けたまま何も答えなかった。
荒い息遣い。
俺は何故か次の言葉を出せず、喘ぐように上下する肩の動きをぼんやりと見つめていた。
上の道を車が通り、浮いた汗でぬめるような項の光沢を浮かび上がらせて去っていった。
と、男がひときわ深く息をつくと、静かに顔を上げた。
片手を伸ばして、何かを試すようにゆっくりと俺の頬をなぞる。
また一台、車が通り過ぎる。
光の中で、男は俺を見つめ、俺は、男のその眼を覗き込んだ。
白く整った面差しの中に、くっきりと浮き上がるような、切れの長いふたえの眼。
顔立ちそのものというよりも、その眼つきが、俺の心に強く灼きついた。
全てをを冷たく拒絶するようでいながら、その奥底に恐ろしいほどの渇望を燻らせている、
そんな眼つきをしていた。
覗き込むと、底知れぬ深い奈落の縁に立っている気がするような、黒い瞳。
────黒い…………
────────黒い、…………闇……
そこには、時間も空間もない。ただ苦しみだけが永遠に続いてゆく。
その男の眼の中に、俺は、俺の地獄を見たと思った。
引き込まれるように、奈落の縁の、その足元が崩れてゆく感覚。
堕ちてゆく。いや、昇っているのだろうか。
仏の慈悲の手の、指の間からこぼれ落ちる。落ちる。堕ちる。
ただひたすら、闇をさまよう。救いはない。そして、終わりもない。
眼の奥が熱い。凶暴な衝動が、喉元にこみ上げる。
俺は何かに憑かれたように男の肩を掴むと、その身体を押し倒し、固い床の上に組み伏せた。
男が、喉の奥で小さく苦鳴を漏らす。
弱々しい抵抗を力まかせに押さえつけて、きめ細かく冷ややかな首筋から胸元に、唇を、
舌を這わせた。全身に刻まれた傷跡をなぞり、暖かな血を啜る。
這いずるように逃れようともがく男を、引き摺り、捉えて、完全に支配する。
蒼白い皮膚の上に快楽で涅槃を描いて、血肉の奥底にくるまれた地獄を吐き出させる。
泣き叫んで、救いを求めればいい。ここは地獄なのだから、どうせ救いはない。
堕ちながら深く切り込んで、互いの地獄を掛け合わせる。
餓鬼のように貪りながら堕ち続ければ、いつかは底に叩きつけられて、解放される時が
くるのかもしれない……
────解放……
……………………死?
(──────“死”!! )
ふいに死の臭いを嗅いだ気がして、俺は我に返った。
急いで周囲を見回したが、もう殺気は感じられない。例の兄貴分も、まだ床の上に
だらしなくのびたままだ。
(気のせいか……それにしても)
俺の胸には、若い警官がまだぐったりともたれている。
また一寸光が差し込んで照らされた顔は、諦めたような、疲れたような表情を見せて
眼を伏せていた。その瞼が、こまかく震えている。
なめらかな頬には幾筋もの涙の跡が光って、全体的にひどく子供っぽく、痛々しく見えた。
(俺は、どうかしている)
では、今の“地獄”は、幻だったというのか……
タイからの密輸品の試し過ぎとか? いやいや。
それともまさか潜在的な願望が? いやいやいや。
俺は一気に憂鬱になった。そろそろウォン警部の勧めに従い、カウンセリングを受けた方が
いいのかもしれない。
俄に、小さな呻き声とともに男が身体を動かした。囁くように、俺に言う。
「俺を…………どうにか……する…のか……? 」
自分の胸の内を見透かされたようでヒヤリとしたが、すぐに、殴る前に兄貴分が言った
言葉に思い当たった。
「まさか……こいつは俺の上の者なんだが、前から反りが合わなかった。それで、何でも
いいから一度こいつを思いっきり殴ってやりたかった」
必要以上に饒舌になりながら、男を壁にもたせかけると、俺は闇を透かし見ながら、そちこちに
投げ捨てられている制服を拾い上げては男の方に投げてやった。
「大丈夫か? 」
「服から出てる部分は何とか。ごまかせるよ」
思った以上に、口調がしっかりしてきている。これなら安心していいだろう。
「この辺のパトロールか? もし奴に何か弱味でも握られてるんだったら、受け持ち区域を
変えてもらうんだな。奴は執念深いから」
俺の問いかけに、男はしばらく沈黙していたが、やがて、何か考えている様子でポツリポツリと
話し始めた。
「大したことじゃないんだ……うん、駐禁を見逃したところを見られてね。相手が可愛い娘
だったから。小さいことだけど、今度昇進試験を受けるから、告げ口されたくなかった。
……まあ、後始末は自分でちゃんとやるさ」
昇進試験と聞いて、ちょっと胸が痛んだ。陽の当たる警官の道を堂々と進んでいける
この男を羨まないようにするのは、今の俺にはなかなか難しいことだった。
視線を下に落とす。と、足元に何かがあるのを見つけた。多分男の服から落ちたものだろう、
それは手帳のようだった。
男は、着替えながら喋り続けている。話すことで自分を落ち着かせようとしているようにも
思えた。やはりショックが強かったのかもしれない。
「……今日のところは、失敗したよ。まさかこいつがここまで変態だと思ってなかったから、
油断していた。もう、こんなヘマは二度とやらない……二度と」
俺がかがみ込むと、ちょうどまた灯りが差し込んで目の前が明るくなった。
そこにはやはり、手帳が落ちていた。表紙が開いて、カバーの折り返しに裏返しの写真が
挟んであるのが見える。恋人との写真なのか、端に“with mary”と書かれているようだった。
俺は手帳を拾い上げ、男に投げ渡した。
「これで全部か? 」
「ああ」
手帳を受け止めて、男はちょっと笑ったようだった。
「君は、黒社会の人間だけど、善人だな」
違う、俺も、君と同じ警官なんだ────そう言いたい衝動を、俺は何とか押さえつけた。
「黒社会に善人はいない。善人はあんたの方だろう。警官だからな」
パラパラパラ……と、手帳のページを弄ぶ音がする。
「……そうかな…… 」
ゆっくりとそういうと、その若い警官は、後は黙って身支度を続けた。
終わった頃を見計らって、俺が口を出す。
「ここから直接外に出られる非常口がある。鍵は開いているから…… 」
「ああ、ありがとう」
その非常口は何かの時の逃走用で判りにくい位置にあったのだが、俺がその場所を教えるより
先に男がそちらの方へと歩き出したようだったので、俺はちょっと驚いた。
ここに入った時点で予め出口の確保を考えていたのだろう。思ったより肚の据わった男のようだ。
あの兄貴分なんかにちょっとしたミス程度で追い込まれるとは……
男が非常口を開けた。裏通りの灯りとはいえ、扉を開け放つとかなり明るくなる。
立ち去り際に、その灯りに半面を照らさせて、男がこちらを振り返った。そして言う。
「……そうだな、でも、善人になりたいよ」
扉が閉まり、また俺は闇の中に取り残される。
たった今、男が見せた眼つきが強く俺の胸に灼きついていた。
突き放し、拒絶しながら、同時に何かを強く訴えようとしている、その眼つきが。
数日後、件の悪趣味な幹部候補は、死体となって発見された。
死体の確認に行った帰りの車を運転しながら、キョンが興奮してまくしたてる。
「不意打ちで身動きできなくした後、メッタメタにやっつけといてトドメにあいつ自身の銃を
奪って額のド真ん中にズドン!! ……よっぽど恨んでる奴がやったんだな」
「そんな奴多すぎて、誰が犯人かなんて解らねえな」
ディトロが言った。2人とも──俺もだが──奴に好感を持っていなかったので、車内の
空気は呑気なものだった。
「マリー姐さんが殺されてからいくらやり方が厳しくなったからって、あいつはやり過ぎ
だったんだよ! だいたい…… 」
キョンはさらに、死人の棚卸しをやっている。ディトロがそれの相手をしているのを、俺は
ぼんやりと聞いていた。
「そういえばあいつ、マリー姐さんを殺した奴に心当たりがあるって、前に言ってたなぁ…… 」
「ハッタリだよ! ていうかあれ、ハウのとこがやったに決まってるじゃねぇか。それとも、
真犯人は別にいるってか? なーんだそれ」
にぎにぎしいキョンの声を聞き流しながら、何となく俺は、あの日の若い警官の眼を
思い出していた。
あの時、俺はあの男の眼の中に俺の地獄を見たと思ったが、本当にそうだったのだろうか。
俺以外にも、心に地獄を抱えて生きる男がいたのかもしれない。
あの瞳の中にあったのは誰のものでもない彼自身の地獄で、あの瞬間、闇の中で、俺の地獄と
彼の地獄が交差していたのではないだろうか。
俺は想像した。しかし、それは想像に過ぎない。
確かめる術はない。この闇の中には苦しみの他の道連れはない。未来永劫を1人でさまよう。
涅槃経第十九に曰く────
────阿者言無,鼻者名間,為無時間,為無空間,為無量受業報之界。
絶え間無きもの3つ、時間、空間、業。
罪を犯したる者は、この地獄で絶え間無き苦しみを受ける。
……その地獄の名を、無間道という。
□STOP ピッ ◇⊂(・∀・)イジョウ、ジサクジエンデシタ!
※黒社会=893業界 尖沙咀=サムサチョイ。地名
以上です。ありがとうございました。
>>284 おおー。無間道の創作はけっこう見たけどこういう視点のものは新鮮だ。
どっちのビジュで想像するか悩みました。どっちでも萌えます。
ラウの抱える深い闇が表現されてると思います。また気が向いたらお願いします。
ナマモノ注意!
三度一致男の金(ダテ)×黒(トミザワ)です
携帯からすみません
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
絞り出す様な呻き声に、俺は目を覚ました。
慌てて枕元に置いてあった眼鏡を掛けながら、電気を点ける。
並んだ布団の境界線、ラジカセのデッキを飛び越え、俺に向けられたその背に手を置いた。
「…トミザワ」
びくりと大きく肩が跳ね上がり、恐る恐る顔がこちらに向けられる。
見開いた目に、少しだけ安堵の色が浮かんだ。と同時に、飛び込む様に俺の胸にしがみついてきた。
俺は無言のまま、その震える体を抱き締め、静かに背中を擦り続けるしかなかった。
―――――*****
結成九年目になる俺達は、仙台から上京してきた時、最初は大手の事務所に所属していた。
その方がきっと仕事も取って貰いやすい、売り出し方もしっかりしてるだろうという、俺の意見をトミザワが聞き入れての事だった。
だが現実は甘く無く、不本意な仕事やネタをやらせて貰えない日々に、俺達は辟易していた。
そんなある日、電話を受け取ったトミザワの顔が久々に輝いた。
「俺の本に興味があるプロデューサーがいるって、社長から」
「本当か!」
「…はい、ぜひ、ダテも喜んで…え?」
「どうした?」
「…俺だけ来いって…?…」
そこでおかしいと気がつくべきだった。
でも俺達は舞い上がっていたから、承諾してしまったんだ。
―――――*****
翌日の夕方に帰って来たトミザワは酷い状態だった。高熱を出し、三日間寝込んだ。
元々無口で大人しい奴だったが、ほとんど口を利かなくなり、ふさぎ込む様になってしまう。
どんなに問詰めてもトミザワは何も言ってはくれず、俺は途方に暮れるばかりだった。
そうしてしばらく経ってから、ようやく事務所の先輩に事の真相を聞かされた時、俺は激しい目眩と吐き気を覚えた。
社長は業界の更なる繋がりやコネを得ようと、トミザワを生贄にしたのだ。
あの日社長に連れられたトミザワを、ホテルの一室で待っていたのは、プロデューサーと取り巻きが二人。
トミザワは奴等に拷問の様な辱めを受けた。三人がかりで好き放題、嬲って、いたぶって、弄んだ。
それは夜通し、翌日解放される寸前まで行われた。
―――――*****
俺達は小さな個人事務所に移籍した。
少ない営業とバイトの日々だったが、社長が良い方だし後輩も出来、トミザワも次第に落ち着きを取り戻していく様に見えた。
だが…
「は……」
ようやくトミザワの体の震えが治まり、呼吸も静かになったので、俺はほっとしながら背中を擦っていた手を止めた。
「…ダ…テ」
やや潤んだ目で俺を見つめてきたトミザワの両腕が、俺の首にすがりつく様に回される。
俺は黙ったまま頷き、覆い被さる様に口付けた。トミザワの熱い舌が、すぐに絡まってくる。
「は…ぁっ…」
唇をゆっくり放し、そのまま俺はトミザワの首筋に舌を這わせながら、Tシャツを捲り上げた。
蛍光灯の光の下、白い肌が目に眩しい。うっすらと紅潮が始まっている。
「ダテ、灯ぃ…」
甘えた様な舌ったらずな呼び掛けに、俺は頷き、薄桃色の乳首を甘噛みしながら、手を伸ばして電灯の紐を引っ張った。
「…っあ、は、…ぁ」
暗闇の中、俺の舌や指の動きに合わせる様な、トミザワの小さな嬌声が響く。
トランクスに手を入れると、もう少し濡れているのが分かった。
再び口付けし、片手で乳首を摘みながら、俺はトミザワのモノをゆっくり扱いていった。
トミザワは俺のTシャツの背中をきつく握り締めながら、時折肩や腰を小さく跳ね上げる。
聞こえるのは水音と、布が擦れる音だけ。
やがてトミザワの腰がビクンと跳ね、俺の手の中に生暖かい液体が放出された。
「はっぁ、ダ…テ、はぁ…はぁ…ダ…テ…はぁ…」
荒い呼吸が整わないまま、トミザワは俺の首筋に頬を擦り寄せ、ぐずる様に俺の名を繰り返す。
「トミー…」
その頬に啄む様な口付けを落としつつ、俺はトミザワの下着をはぎ取った。
トミザワも腰を浮かせて、それを手伝う。そして緩く足を開いた。
後ろの窪みに、先程俺の手の平に放たれたトミザワの精液を塗り付ける。
「んっ…ふ、ぅ…っ」
すぐに柔らかくなっていく熱い秘所から、三本に増やされていた指をゆっくり引き抜くと、俺はトミザワの腰を掴んで持上げた。
「入れるぞ…」
「…ん…」
溜め息混じりの返事を聞いて、俺は自分のモノを当てがい、ゆっくり腰を進めていった。
「っぁ、はっ、あっ」
短い悲鳴を上げながら、トミザワは俺の腰に両足を絡めて、体を大きく揺さぶった。
トミザワの秘所は俺のモノを、奥へ奥へと引き込む様に、絶妙に絡み付き、締め付ける。
余りの心地良さに俺は陶酔しながら、夢中で白い首や鎖骨、胸にしゃぶりつき、トミザワのモノを扱きながら激しく腰を振った。
啜り泣きの様な嬌声を上げ続けていたトミザワの背が反り返った。
ひゅっと喉の奥で空気を吸い込む音を鳴らすと、一瞬秘所が痛い程締まり、がくんっと腰を跳ね上げて俺の腹に精を放った。
遅れて俺も、やや乱暴にモノを引き抜くと、トミザワの腹の上で果てた。
「はあ…はぁ…は…ぁ」
ぐったりと力の抜けたトミザワの体を俺は抱き締め、しばらく重なり合ったまま横たわっていた。
やがて俺はゆっくりと体を起こすと、ラジカセの上のティッシュボックスから数枚引き抜き、自分とトミザワの体の汚れを拭いた。
暗闇に慣れた目に、トミザワが両手の平で顔を覆って泣いているのが分かる。
「…トミー…」
その頬を撫でながら、俺は抱き締める事しか出来なかった。
あの日からトミザワは、悪夢にうなされる日々を送る。
だがあの凌辱は、トミザワに恐怖と屈辱を与えたのと同時に、未知の快楽をその体に刻み込ませてしまっていた。
悪夢に怯え苦しめられながらも、強烈な欲情が沸き上がり、どうしようも無くダテに縋り付くトミザワ。
そんな己を恥、嫌悪し、泣き続けるトミザワを、ただ抱き締める事しか出来ない自分の歯痒さに、唇を噛み締める事しか出来なかった。
―――――*****
その瞬間、何が起きたのかすぐ理解出来なかった。
12月23日M-1GP。
何年も前から回りに今年は行けるだろ、と言われ続けて駄目だったから、半ば諦めていたのに。
敗者復活で名前を呼ばれた瞬間、俺は思わず自分の胸元の番号札を確かめていた。
局に向かう馬運車の中でも地に足がついてない状態だ。
「ネタ、何で行く?」
トミザワの声で我に返った。久し振りに見る、こんな興奮と喜びに満ち溢れた奴の顔。
俺は嬉しくなった。よし、精一杯やってやろう。
―――――*****
事務所に戻ったら、あの狭いアパートの六畳一間に、床が抜けるんじゃないかって位人が集まっていて、みんな泣いていた。
回りの興奮とは裏腹に、俺達は妙に他人事みたいに冷静だったので、ただただ呆然とするだけだった。
朝まで祝賀会をやり、八時からの生放送番組出演が急遽決まったので、風呂と着替えのために自分達のアパートに戻る。
「やっちゃったな」
ドアを開けて入るなり、トミザワが口を開いた。
「まさか優勝するなんてな」
ドアを閉め、電気のスイッチを入れつつ俺も答える。
「辞めなくて良かったな」
だがそれに対して、トミザワの笑顔がフッと消えた。
「…トミー?」
「…ダテのおかげだ。ダテが居てくれたから、俺、やってこれた」
「何言ってんだよ、相方なんだぞ、当たり前じゃねえか」
「違う」
トミザワは俯き、首を振った。
「俺…お前にあんな事、無理させて…」
「はあ!?」
トミザワの言う意味がすぐ判った俺は、思わず声を荒げた。
「何ソレ、無理させてって…お前、ちょっと何言ってんだか全然分かんねーよ!」
「なんで何言ってんだか分からな…いや、反対になってるし…」
二人同時に溜め息をつき、どかりと腰を下ろす。
「…確かにさ、お前への負い目はあるよ。お前があんな目に遭ったのも、俺があの事務所を選んで…」
「それは二人で決めた事だし」
「ああ、でも、助けてやれなかったとか、ホラ…」
「そういうの気にして、お前優しいから…俺のために無理して…」
「違うっつーの!」
俺の怒鳴り声に、トミザワは目を見開いて顔を上げた。
「馬鹿野郎、そんなんで男を抱ける訳ねーだろっ!好きでもなかったら勃つ訳ねーだろっ!」
「え…」
トミザワのアヒル口がポカンと間抜けに開かれた。
「そう…だったの?」
「そうだよ」
「気付かなかった…」
「気付け、馬鹿」
「俺に同情してだと思ってた」
「…あのな、俺そこまで優しくねぇぞ。後輩がダテさん抱いて下さい、っつてきたら、地球の裏までぶっ飛ばすぞ」
俺は手を伸ばし、再び俯いたトミザワの黒髪をそっと撫でた。
「肝心なとこ擦れ違ってたんだな」
「…そうだね」
「やる事やってたのに」
「馬鹿みたいだな」
「お前のあーんなとこも、こーんなとこもみんな知って…」
ぶつかった衝撃で、棚の物がバラバラ俺の体の上に落ちた。トミザワに蹴り飛ばされたのだ。
「…ってぇ!足はねーだろ、足は…」
唇に柔らかい感触。同時に頬に液体が数滴、零れ落ちてきた。
「…今までありがとう、ダテ…これからも宜しくな」
目の前には泣いてんだか笑ってんだか分からない、トミザワの顔。俺はその頬を両手の平で包み込み、口付けした。
そのままトミザワの髪を撫でながら、抱き締めて床に…
「風呂入らないと」
「良いじゃねえか、このまま…」
「違う、仕事!八時から生放送!」
「っあ、忘れてた!」
ここまできてもキマらない。まあそれが俺達らしいんだろう。
俺はケタケタ笑うトミザワを床に残し、湯を張りに風呂場へ向かった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
シリアスなラストは無理でしたw
>>314 うはwwちょっと哀しいけど萌えた!ありがとう!!
二人の絆にカンパイ!!
81台場 鈴木八段×飛鷹→このあとカクヒダの予定
半生注意
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
奨励会の一室に、駒を置く音が響く。
鈴木八段は棋盤に駒を差すと、優しく相手の青年を見据えた。
向かい合い、次の手を考える飛鷹の額には汗がにじんでいる。
なかなか次の手がでない。
飛鷹の表情が一層厳しくなる。
鈴木八段は、そんな飛鷹の表情を見ると
嬉しげに目を細める。
「君のそういう所がいいね。絶対に諦めず、投げ遣りにしない。
まるで飛車の駒のように真っすぐで、濁りがない。」
その言葉に飛鷹は棋盤から目を上げる。
厳しくした表情を少し緩めてから、一手返す。
「師匠、ちょっと何言ってるか分かんないです」
「そうかな。僕は君の将棋が好きだと言ってるのだけど」
鈴木八段が駒を置くと、澄み切った高い音が響く。
「…ありがとうございます。
お世辞でしょうけど、嬉しいです。
…俺は、あなたに憧れてここまで来たから…」
耳元まで紅潮させ、ごく小さな声で言う弟子の姿をニコニコ見ながら
「そうだったっけ?」
鈴木八段は、さらに厳しい一手で、王手に近づいてゆく。
次の一手で、勝敗が決まる。
しばらく次の手を考えていた飛鷹は、諦めた様に息を吐く。
「師匠。負けました」
「うん。そうだね」
「悔しいです」
「悔しいね。いい所まできてたんだけどね」
「早く貴方に認めてもらいたいのに…。」
「僕は君を認めているけどな」
穏やかな表情を崩す事なく、鈴木八段は飛鷹の肩を抱き、頬を撫でる。
「寝不足の様だね。くまができてる。
今日、僕と差すことが決まって、緊張していたの?
それとも、眠れない程嬉しかったの?」
頬から首元へ、指をすべらす。
飛鷹は身を固くする。
「昨日は色々考え事をしてしまって…。
今日の事とか」
「僕の事ばかり考えていてくれたのかな?
それとも…」
鈴木八段の手が、飛鷹の頬を引き寄せ唇を重ねる。
軽く口付けをしてから、飛鷹の目を見る。
「僕に勝ったらこういうご褒美を貰えるかも、
って考えて興奮していたんじゃないの?」
「何するんですか!違いますよ!」
顔を真っ赤にしながら、部屋の隅まで逃げていく飛鷹。
穏やかにほほ笑みながら、鈴木八段は立ち上がる。
「おいで。隣に布団があるから。
それとも、ここでする?」襖にもたれたまま、飛鷹は動けないでいる。
「まぁ僕は、無理矢理してもいいんだけど。
前の時みたく、君を傷つけちゃったら、かわいそうでしょ?」
座り込む飛鷹の手を優しく引き、立ち上がらせる。
「今日の君の手の、ダメだった所も教えてあげるから」
師匠に追い付き、追い越したいと願う飛鷹には、魔法のように響く言葉だ。
「僕の弱点も、教えてあげようか?
まぁ、君のがんばり方次第だけども」
(くそジジィ…策士め)。
唇を噛み締め、師匠を睨み付ける。
飛鷹は、掴まれた手を振りほどき、床に正座する。
畳に手をつき、頭を下げる。
「よろしくお願いします。
今日の俺の駄目だった所だけ、教えてください。」
「あぁ、そう。
僕の弱点はいらないの。」「結構です。自分で考えます」
「そうだね。そう言うと思っていたよ」
一手も二手も先読みされている気がして、非常に面白くない。
顔を赤くして逃げてみたり、怖い顔をして睨み付けたりしても
相手は一向に怯まず、次の手を打ち、こちらを追い詰めてくる。
穏やかな顔をして、自分を包み込んでしまう。
棋力でも精神力でも、完全に負けているのだ。
でも不思議と、この人に負けるのは嫌ではないな、
と感じてもいたが、その時の飛鷹は認めたくはなかった。
布団のなかで目が覚めた。
師匠の腕の中で、いつのまにか気を失っていたようだった。
優しく髪を撫でながら、鈴木八段は飛鷹が起きたのに気付かず、独り言を呟く。
「僕は、君が追い付いてくれるのを待っているんだよ。
君、もうすぐ26才になっちゃうからさ。
早くプロになって、僕と戦ってほしいな」
奨励会に居られるのは26才まで。
それまでにプロに成れなければ、奨励会を退会しなければならない。
せっかく近づいた、この人のいる将棋の世界から、追放されてしまうのだ。
飛鷹は目を閉じて気持ちを引き締める。
「俺は絶対プロになる。
そしてこの人に追い付き、認めてもらうまで、
将棋を辞めない」
窓の外には、初雪が降っていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
師匠×ヒダカには驚いた
静かに流れるような萌えを堪能いたしました
>>316 今度は誰かと思ったら師匠とは!
新たな萌えをハケーンしたよ ありがとう
この世界、将棋と一緒で奥が深いなぁw
三度のナマと半ナマ、どちらもゴチでした!
穏やか系策士の師匠×青年飛鷹、イイ!!萌え萌え
カクヒダにも期待wKtk
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| __________ | 描いたは良いもののどうしたら良いかわからない
| | | | ドラくえ7のキーアル一枚絵です。エロ注意
| | |> PLAY | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ttp://morara.kazeki.net/upload/img/058.jpg / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ショタくさい上藻無しってどうよ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| フヒヒwwwサーセンwwww
| | | | \
| | □STOP | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
・告白編
A「何でさっさと言わねーんだお前! 告白しに呼び出したんだろ!」
B「個人の恋愛問題に周りを巻き込むのはどうかと思うのでね」
B「いるんだろ? 野次馬…」
A「おまっ…気遣いありがとうよ!」
・デート編
A「馬鹿にしてんのか! どうしてこの雰囲気でキスを拒むんだよ!」
B「好きな人にまで痛みをうつしたくないからな」
B「できてんだよ、虫歯」
A「お前…早く歯医者行けよ…」
・お泊まり編
A「見くびってんのか! 普通こういうときは同じ布団で寝るだろ!
これは…これは初夜だぞ!」
B「弱っている相手を攻めてもうれしくないんでね」
B「できてんだろ? 痔…」
A「お前っ…やっぱやさしすぎるぜ!」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
壊れたヤンデレと健気青年のひとコマ。
悲恋っぽいです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「勝ちたいよ」
「勝つ為なら何してもいいんだよ」
そう言ってこいつは色々な奴らに迫った。
絡みつき、誰彼構わず自分に入れてくれと掻き口説く。
そんなこいつを奴らは
「何こいつ」
「男のくせにキメェ」
「そこまでして勝ちたいのかよ」
冷ややかな目で見下し、罵詈雑言を浴びせた。
それを受け、だんだんこいつは壊れていった。
「お前は俺たちの玩具だったんだよ」
ただ一人、縋りついてきたこいつを受け止めた男が最後に言った言葉。
痛すぎる現実を受け止めきれず、こいつは完全に壊れた。
「ごみばこになりたかったな」
「三年後また…やれるかな」
虚ろな目で何度も同じ呟きを繰り返す
クシャクシャになったこいつを抱き締め俺は泣いた。
「ごめん、また俺…お前を助けられなかった」
三年……その時間が長いのか短いのか俺にはわからない。
「ごめん……ごめんなさ……い……ごめん」
「戻ろうな。
馬鹿やって笑ってたあの頃に
絶対……戻すから」
腕の中でひたすら謝るこいつを俺は何時までも抱きしめ続ける。
いつかまた笑いあい、好敵手として戦える事を願いながら。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ヘイワニナルトイイナ…
____________
| __________ | 「侍チャンプルー」の眼鏡×琉球です。
| | | | ちょっとリバっぽいよ。
| | |> PLAY | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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ごつごつと骨の浮いた指先が頬からくちびるに垂れるしずくをぬぐう。
なにが起きたのか分からないという顔で彼が見上げてくるので、仁は少しだけいたたまれなくなってしまう。
断じてわざとではない。だが彼の後頭部、薄い色の髪をつかんだ手を放せずにいる。
自分の手の中で仁の陰茎が力を失っているのを見て無限はようやく状況を判断したようで、
放せよ、と小さく寄越した。つまんねえ、と続ける。気をやろうというところで彼の口の中から解放され、
落ち着いたかと思えば後ろの袋までいじられる。そうしてもう長いこと焦らされ続けて、限界を超えていた。
超えているのに無限は決定的なそれを与えてはくれない。その度ごとに仁は歯をかみしめ息を深くして、
体を鎮めなければならなかった。
つまんねえ、と無限がもう一度言う。そうして手早く手拭いで顔とてのひらをぬぐってしまうと、
仁に背を向けてごろりと床に横になった。背中の骨が薄いシャツに透けている。
緩やかに弧を描いて、腰に近いところへ消えていく。仁は乱れていた着物を直すと、
傍らに置いた刀に手を這わせた。深夜だった。
風は住み込みのバイトを見つけてそこで働いている。金子が底をついたのと、
この先働き口のありそうな宿場まで道のりがかなりあったので、手前のこの宿場である程度稼いでおかなければならなかった。
仁は昼間、小さな道場に出向いて剣術の指南をやっている。道場主は顔見知りだった。
三人で旅に出る前、仁が短い期間身を寄せていた道場だった。師範を殺したという仁の身の上を知っていながら、
道場主はなにか事情があったのだろうと言ってくれる。
仁に背を向けて転がっている彼はなにをしているか知れない。最初の頃は少ない元手で博打にでも
手を出していたのだろうが、今ではその元手も失ったか日がなぶらぶらとしているのだろう。
仁が外れに建っているこの空き小屋に帰ってきたときも、小さな窓から射す西陽にてのひらをすかせて
ぼんやりと寝転がっているのみだった。
おい、と声をかけると小さく応じる声がする。いいのか。なにが。膝でにじりより、その肩を転がした。
大の字に広がった体。薄闇に、無限の白眼がきらりと光る。下肢に触れようとするがその手をつかまえられる。
触んじゃねえよ。不機嫌そうに鼻を鳴らせた。
思わず眉を寄せると、その顔が面白いと言う。お前がそういう顔をしているときが一番気がすっとする。
口元を歪めて言い放ち、無限はもう一度仁に背を向けようとする。その肩を押さえてのしかかった。
単純に、面白くなかった。やられっぱなしではこちらの気が済まない。それはお互い様だ。
以前仁が無限のそれを手で処理してやったときも、無限は同じセリフを吐いて仁の陰茎に手を伸ばした。
あまつさえ、後ろのくぼみに仁のそれを迎え入れようとさえした。結局そのときは彼のそこが硬すぎて挿入までは至らなかったが、
己の昂った陰茎が無限のそこになんども押しあてられ、ずりずりと擦られるのに血が沸く思いだった。
あんな思いは初めてだった。
深夜、半刻前、仁がいつもの胡坐をかいて眠っているところに無限が近づいてきたのだった。
それには気づいていたから、素早く抜いて刃を彼の首に押し当てた。こえーなあ。
にやにやと笑いながら少しだけ身を引き、抜いてやるからそれしまえよ、と言う。
呆気にとられたときには、もう彼の手は仁の袴を解きにかかっていた。結果、この様だ。
無限にのしかかりそのくちびるに舌を這わせながら、そのときの無限のひどく楽しそうな声音を思い出す。
しょうがねえなあと言って無限が仁の首に手を回す。下肢に手を押しあてると、むずかるように腰が動く。
着衣の上から線をなぞる。熱い息を仁の首元に吹きかける。湿った鎖骨を時折舌で舐めた。
ざらざらとした彼の舌は、粘膜に触れるだけで結構な刺激になる。気がつけば、仁自身の体も熱くなっていた。
互いの着物を脱がせ合う。すっかり汗でおおわれている肌を押し付けあって、言葉もなく体に触れた。
上になり下になり、結局は座位のかっこうで仁は無限の尻の間に陰茎を押しあてて彼の腰を動かしている。
倒錯している。無限もまんざらでもないふうに鼻を鳴らし、腰をゆするものだからいけない。
伸びた無限の首筋の、浮き上がっている骨の形がひどく愛しい。
しかし、愛しいだなんて、そんな言葉を思い浮かべてしまう自分に呆れてしまう。
そうして突然動きを止めた仁をいぶかしんで無限が額をすりあわせてくる。どうちまちたー?
舌っ足らずに、笑みを浮かべて仁の後ろ髪をいじくる。
仁。耳元に囁かれた言葉が背筋に響く。
忘れるなよ、俺を殺すのはお前だぞ。
分かっている。自明の理だ。仁を殺すのだって無限でなくてはいけない。だが首筋に絡んでくるこの浅黒いしなやかな腕、
その手の先の爪が猫のように仁の背中を引っかくので、仁はひどく恐ろしい気持ちになってしまう。
お前だって分かっているのかと問いかけたくなる。まだ殺せる、まだ殺せると念じながら、
やはりあの最初のあのときに殺しておけばよかったと、この男だってそう思っているに違いなかった。
無限の肩口に額を押しあてると、彼もまた仁の髪に鼻先をすりつける。
蛇のような背筋を思い切り抱きしめたいという衝動をこらえて仁は、いっそ今、そう言いかけたくちびるで無限の耳を食んだ。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ レス番つけるの忘れてすみません
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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>>333 萌えた… GJ!
ありがとう!本当にありがとう!!
>>336 > 伸びた無限の首筋の、浮き上がっている骨の形がひどく愛しい。
ここ、好きだ。グッときた。
元ネタ知らない私ですが、読んでみたくナリマシタ。
>>329 これはもしやKの人まわりの事だろうか…w
違ってもヤンデレ好物なので萌えましたGJ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| シンプソンズ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 棚37に書いたセシル→ボブ→バートの続きです。タイトルは何となくつけただけ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
兄さんが変わったと気づいたのは、例の件で二人そろって刑務所にぶち込まれた後だった。
うぬぼれてて、イヤミで、根性曲がってて、威張ってて、きどってて、怒りっぽくて、
嘘つきのくせに単純でおだてに弱くてドジでマヌケなところは子供の頃から僕の知っている兄さんなんだけど・・・・
でも違う。娑婆であの数日一緒に暮らしていたときは全然気づかなかったけど。
兄さんは、あのオーディション以来の僕の知らない間に、ものすごく変わってしまったのだと、今ではわかる。
・・・・兄さんとはもう口もききたくないと、ずっと思っていた。
クラスティーショーはずっと見ていたけれど、兄さんが画面に映るたびに僕の心臓は針に刺されているような気がした。
すごく面白かったんだけどさ。
兄さんがパイを投げつけられたり、クラスティとバカみたいな殴り合いをしたり、大砲で撃ち出されたりするたびに、思わず笑ってしまった。
あの人間大砲は最高だった。
けれど見終わった後、僕はいつもあの日のこと、あの飛び散ったパイのクリームを思い出して、泣いた。
つまり毎週一回は泣いてたってこと。
あの日のニュースを見たとき。兄さんが最初の犯罪、あのコンビニ強盗で捕まったとき、僕はもう本当に、心の底から、ためらいなく笑った。
その後のふたつの殺人未遂と、選挙法違反と、失敗した爆弾テロと、兄さんが捕まるたびに僕は大笑いした。
なにもかも僕より優れていると思っていた兄さんは、ドジな悪党にすぎなかった。
いや、ドジなことは昔から知っていたけれど、それでも兄さんは頭がよくて、行動力があって、声がきれいで、足も僕より大きくて、
とにかく僕は兄さんに絶対にかなわないと思っていたから、この転落はもう本当に愉快だった。
兄は犯罪者。
僕は水力エンジニア。
こりゃ愉快。傑作だ。
まあ、今じゃあ僕もドジな犯罪者だけどね。本当に町を破壊するのってむずかしいよ。
憎い相手を殺すこともね。
・・・・まあともかく、兄さんは変わってしまった。
「兄さんは変わったよね」
刑務所の食堂で食事をしながらそう本人に言ったら、こんな返事。
「監獄にいれば人間は変わるものだ。私のような紳士でも、周りに合わせて獣にならねばならない時もある」
だって。
「たとえばこんな時?」
僕は兄さんのトレーに入っている、おいしそうに焦げ目の付いたウインナーにフォークをのばした。
ダンッ
「あだぁぁーっ!!」
兄さんが僕の足を踏みつけたのだ。しかも思いっきり。
「な、なるほど・・・・よくわかったよ兄さん」
足がじんじんする。ちくしょう、冗談じゃないか。どこが紳士だ。100%ケモノだろ。
やり返したかったけど喧嘩すると看守が飛んで来るのでやめておいた。
僕は兄さんをにらんだけど、兄さんは表情ひとつ変えやしない。
「でもそういう事じゃないんだよ。兄さんが変わったっていうのはさ、ようするにあのこと」
「なんだ?」
「バート・シンプソン」
僕がその名前を口にすると、兄さんは眉間にシワを寄せて目をそらした。
「・・・・・・・・」
「ねえ、まだあいつを殺したい?」
兄さんはそわそわと目を泳がせた後、ため息をひとつついて答えた。
「あの子を愛している。だがやはり・・・・殺したい」
「バートが憎い?」
「ああ。あの子供に出会ってから、たしかに私は変わったよ。憎悪に取り付かれてしまった。あいつのことを考えない日は無くなってしまった」
「それでも愛してるわけ?」
「愛していることも憎んでいることも、どちらも本当の感情なのだ。だが、私があの子を愛しても、どうにもならないだろう。だから・・・・殺すしかないな」
そう言って兄さんは、紙パックの牛乳をすすった。
理不尽だ。僕はそう思った。なんだよその理屈。
バートはなんだか可哀想だ。まだ小さいのに、こんな身勝手な男に命を狙われて。
昔はこんなムチャを言う人じゃなかったと思うんだけど。
兄さんは狂ってしまった。
僕にはもう一つ、不思議なことがあった。
「ねえ、兄さんは僕を恨んでないの?」
「お前を恨む?なぜだ」
本気で不思議そうに兄さんに聞き返された。ええー・・・・だって、だってさあ。僕は…
「僕は兄さんを殺そうとしたじゃないか」
「お前はまだ私を恨んでいるか?」
・・・・・・・・・・・・どうだろう。
なにを言おうか迷っているうちに、兄さんは話を続けた。
「お前が私をどう思っているか知らんが、この大犯罪者サイドショーボブがお前みたいな半人前を恨むなんてことがあるものか」
「…どういう意味さ」
「お前は犯罪者としちゃあ半人前だよセシル」
「ぐぐぐぐぐ・・・・」
むかつく。あからさまに人を馬鹿にした薄笑いで言われるから、よけいに腹が立つ。
いや、理性では、犯罪者として一人前と言われるよりマシだとわかってるんだけど。
「でも僕は兄さんを追いつめたじゃないか。結果的に僕の横領のせいでダムは崩壊して町は水びたしになったし」
「町を水没させるぐらいホーマー・シンプソンでもやった。しかも奴のほうが規模は大きかったぞ?」
「兄さんを殺しかけたことは?」
「だが殺せなかった」
「兄さんだってセルマやバートを殺せなかったじゃないか」
それを言ったのがまずかった。次の瞬間、僕はグイッと襟を両手で掴まれて、ものすごい形相をした兄さんの顔を間近で見せられていた。
「あの悪魔が私にしたことを思い出させるな!!」
兄さんの凶悪なまなざしはまっすぐ僕に向いていた。
僕ではなく幻のバートを見ているのだとしても、背筋が震えた。
暗い目。
憎しみと殺意のこもった目。
「ごめん・・・・」
僕がやっと言葉を振り絞って謝ると、兄さんは正気に戻ったようだった。
「あ・・・・すまないセシル」
そういって襟を掴んでいた手を離した。
「痛くなかったか?お前を怯えさせてしまったか?」
兄さんは心底悪かったというような顔をして、僕の肩をさすった。
「いや・・・・ちょっとびびったけど、大丈夫。気にしないで」
いやあ、本当はかなりびびった。まだ心臓がバクバクいっている。
「おいそこ!喧嘩してるのか?」
振り向くと、看守の一人がこちらに近づいてきていた。
看守というのは何かあるとすぐ反抗だの懲罰だの、ネズミが騒いでいても暴動と言い張りかねない面倒くさい奴らだから、こういうときは適当にごまかす。
「いえ、何でもありませんよ、ちょっと弟と議論していたんです」
「そうそう、その・・・・国際情勢について。やだなー兄さん熱くなっちゃって」
看守は僕らをうさんくさげな目でみまわした。
「・・・・無駄なことしてるなお前ら」
そうだね。なにが悲しくて堀の中で国際情勢について話し合わなきゃならないんだ。野球って言った方がよかったかな。でもそれもなんかなあ。
どっちがより悪党かで喧嘩してるよりマシかもしれないけれど。
それでも看守は納得して向こうへ行ってしまった。僕たちは変わり者と思われているからだろう。とくに兄さんが。
その兄さんはなんだか落ち込んでしまったようだった。
「ウインナーやるよ、セシル」
「ありがとう兄さん」
遠慮無くもらっておく。
「・・・・怒鳴ってしまって悪かった」
「大丈夫だってば。それより僕こそ謝るよ。傷をつついて悪かったね」
「出来ることならバートのことなど忘れてしまいたい。愛も、憎しみも。だがそれが出来ないんだ」
「わかるよ兄さん」
それこそ僕が十年間兄さんに対して抱き続けていた感情だ。兄さんは知りもしないけど。
でなきゃ殺そうとなんてするものか。
たった一人の、僕の兄さん。愛してるよ。
いつからか、・・・・それはもうずっと昔からだと思うけど・・・・兄さんを、そう、今現在兄さんがバートに対して使っているような意味で愛していることに気づいた。
だけど、日常のある瞬間に、本当に突然、無性に憎くなるんだよ。
オーディションのことは、兄さんが悪いんじゃないのはわかってる。
でもどうしようもないんだ。ホント身勝手だよね。わかってるよ。
僕も狂っている。
これはビョーキだ。僕と兄さんの、共通の病。
だけど、兄さんは僕の病気を知らない。兄さんは僕を見ない。
僕はその事を、このまま隠していようと思う。
「セシル」
「なに?」
兄さんは机に肘を乗せて頬杖をつきながら僕をじっと見つめていた。
「お前がまだ私を恨んでいるとしても、私はお前を愛しているよ」
「!!!!!!?」
僕は吹き出してしまった。
「なんだってえ!?」
いきなりなにを言い出すんだよ!
「なにを驚いているんだ?さっきの話の続きだよ。お前を恨んでいるかと、私に聞いただろう?」
「そうだけど・・・・」
愛しているかどうかなんて聞いてないよ。
「お前が側にいてくれると気が楽なんだ。お前が相手なら私も知的レベルを考慮せずに話すことができるし、乱暴な言葉を使わずにすむし」
兄さんが他の囚人、スネークやアイスピックなんかと話すとき、意思の疎通がうまくいかないことがあるのは知ってる。慣れれば気のいい奴らだけど、デュマやシェークスピアやオペラや古典建築の話はあいつらとはできない。
僕はそういうのにあまり興味は無いけど、兄さんの趣味の話につきあえるだけの教養はある。たとえプリンストン大のランクがイェールより下だとしてもだ。
「なにより、お前は私の弟じゃないか。殺されかけたが、愛情は変わらないよ」
「・・・・ありがとう」
僕はなんだか照れくさくなって、顔を下に向けた。
同時に、少しだけ悲しくなった。
兄さんが僕を愛してくれるというのは、兄さんがバートを愛する感情と全然違うんだ。
でもこれも理不尽な悲しみだ。
僕はバートに嫉妬しているのかな。どうなんだろう。
それでもやっぱり兄さんに愛していると言われると、嬉しいところもある。
あんな酷い事をしたのにね。
兄さんがバートを殺さないことを祈っている。
僕も今のところ、兄さんを殺したくないから。
「セシル」
「なに?」
「ウインナー、食べないなら返せ」
「やだ」
僕は急いでウインナーを口に詰め込んだ。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 我ながら捏造乙。 一番上、また番号入れ忘れちゃった・・・
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>347 シンプソンズなのにっ…ぶるぶる…
萌えた!GJ
オリジナル 変わったバイト
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「――はい、ミナカミです」
「あ、もしもし。ええと、大学の掲示板で張り紙見て電話しました、福祉学科の佐々木って言います。
今、問い合わせ大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「ええと。まず、『家政夫募集』って、あの、『夫』って字になってたんですけど、男じゃないと駄目ってことですか?」
「駄目というわけではないですが、男所帯の身の回りの世話をしてもらうわけですし。
女子大生を雇って妙な噂になるのも悪いだろうと思いまして、男性に限らせていただいてます」
「…はあ。具体的にはどんな仕事なんですか?」
「おもに炊事と洗濯です。今来ていただいてる家政婦さんが来られなくなるということなので、
週に3回くらいはお願いできるといいですね。炊事に関しては夕食と翌日の朝食を作っておいてもらいます。
今の家政婦さんもしばらくはいられるそうですから、勝手がわかるまでは彼女を手伝ってもらうことになります」
「掃除とかは――」
「今は週に一回、家政婦さんにお願いしています。彼女が来られなくなった後は、
他の業者さんを雇うかもしれませんし、余裕があるようならお願いするかもしれません」
「――わかりました。あと、うちの大学、けっこうカリキュラム詰まってるんですけど、」
「ええ、知ってますよ。教えてますから」
「え…ええ?! あ、すいません、ええと、ミナカミ…」
「三年生の衛生法規を担当してます。一年生なら知らなくても無理はないですよ」
「……失礼しました、水上先生」
「いいえ、かまいません。時間については面接のときに言ってくれれば考慮します。面接で気が合いそうなら、
ためしに2週間ぐらい働いてもらいましょう」
「…………面接、お願いしてもいいですか」
「ええ。ありがとうございます。ちなみに、料理の経験は?」
「家の手伝いしてたんで、それなりには。自炊もしてますし、一応弁当も作ってます」
「それは頼もしい。立派ですね。それでは、面接は何曜日がいいでしょうか――」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>349 GJGJGJGJ!!
自分オリジナルはどちらかというと好んで読む方じゃないけど
これとっても好きだ本当にGJ
>349
つ、続きをぜひw
ごめ、履歴残ってたorz
>>347 シンプソンズ、話全く知らないが面白かった
萌えました!
>>337 今更だけど禿萌えた!
当時すっごい好きで、でもあまり二次創作見掛けないなあと思ってたから
思わぬ所で萌えが叶って嬉シスだった
GJです!
らくらん、保健委員つながりで伊さこ
風邪ひいてそれが左/近から伊/作にうつったのには、こんなわけがあったからです、という話
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
川西左近は、夏カゼをひいていた。
「うう…なんで夏休みが少なくなった上に僕は、…夏カゼなんかひかなきゃ…」
ここは忍術学園の保健室。2年生はこの間の大借り物競争であまり芳しくない成績を取ってしまい、夏休みはたったの10日しか貰えな
かった。それでも、夏休みゼロの4年よりは遥かにマシではあったが。
左近は、その10日が終わって学園へ戻って来るなり、ぶっ倒れてしまったのだ。
おかげで、その後に学園へ戻ってきた保健委員長の善法寺伊作の世話になることに……。
「ああ…身体がだるい…熱はどれくらい…あるのかな…」
額に乗せられていた最初は冷たかった手ぬぐい。しかし現在は、お世辞にもひんやりしているとは言い難い温度になっていた。
「うう…」
「左近、具合はどうだい?」
ちょうど、代えの手ぬぐいと水の入った桶を持って、伊作が保健室に戻ってきた。
「あ…善法寺先輩っ…」
「無理して喋らなくていいよ」
左近の脇に座ると、伊作は額の手ぬぐいを取り、新しく絞った手ぬぐいを置いた。
「あ…気持ちい…」
「まだ熱は下がらないか…」
「ん…う…」
「解熱剤を投与しようかな…すぐ効くから座薬がいいかな」
伊作の最後のセリフは、熱でぼーっとした頭の左近には聞こえていなかった。
伊作は薬棚を開けて材料を取り出した。次に乳鉢と乳棒を用意して、解熱に利く薬を煎じ始める。
左近は、薬を調合する伊作の隣で、安心したのか小さな寝息を立てて寝ていた。
やがて、伊作の調合した薬が出来上がった。白い色をした伊作特製の品である。
「左近、いいかな」
頬に冷たい手ぬぐいを当てて、左近をやさしく起こす。
「う…ぁ…」
「薬が出来たから、いいかな?」
「あ…はいっ」
ぼんやりした思考で、左近は言われるままにそれを受け入れた。
「薬は薬でも、座薬だから我慢してね。じゃあ…悪いけど、脱いでくれるかな?」
「…はっ…はいっ…」
左近は少し緊張気味に寝間着の帯を解き、褌も同じように解いて下半身を露にする。
「できま…した…」
「うん、なら…入れるよ」
「は…いっ」
伊作は、四つん這いになった左近に後ろから覆い被さり、その尻に右手を這わせ、軽く開いて別の手で薬をそこに入れた。
「あっ、ひぁあっ!!んぁ…気持ちわるぃ…」
「我慢して…ね…」
左近のあまりの反応に、伊作はびっくりすると同時に、何か違うものに駆り立てられた気がした。
「んぁ、や…らぁ…」
「もう、入るから…」
否、薬はとっくに入っている。これは伊作の指。
左近の後ろを拓いているのは、紛れもなく伊作の指。
潤滑剤らしいものもなく、ただ狭苦しいその道を、伊作の指が奥へ奥へと進む。
「いたっ、いや、ら、めぇ……いたぃっ」
「…ごめん…」
「……っ…え…?」
四つん這いになっていた左近が振り向くと、伊作が己の自身に手を伸ばそうとしているところだった。
「せんぱ…っ?!…っあ、ぁう…や…やめ…っ…」
「ごめん…許してくれ…」
伊作は指を抜かないまま、左近の自身に手をかけてゆるりと扱き始めた。
「あ、ぁっ!!やぁ、あぅ…んっ!い、しゃ…くせんぱ…っん!」
「左近っ…左近っ…」
「ひぁ、あっ、あ…らめ…出ちゃ…うぅ…」
「出しちゃいな…」
「あぁ…ああああっ!!!」
伊作が先端に爪を立てると、左近は呆気なく達してしまった。先端で受け止められたために、ほとんどの
白濁は伊作の手中におさまっていたのではあるが。
「沢山…」
「ううっ……はぁ…」
「左近、口吸いしてもいいかな」
「あ…はぁっ…んむ、ぅ…ん…」
伊作は、ようやく後ろに埋め込んでいた指を引き抜いて、かたく絞った手ぬぐいで手を清める。
それから左近の寝間着を全て剥ぎ取って、ごろりと仰向けに寝かせた。
「ふう…」
「左近、いい…?」
「えっ………なにが…っあぁんっ!!」
今度は白濁をまとわせた指を、先程と同じ場所に挿し込んだ。
「ひ…っ、く、ぁ…気…持ちわるぃっ…」
「我慢して…じきによくなるから」
「んっ、ぅ、あぅう」
じゅぽじゅぽと、音が立つまで指の抽送を繰り返せば、段々と左近の顔が快楽を享受するそれに変わってゆく。
「ぁ、うぅ、ひゃっ…っあんっ!…らめぇえっ…」
「熱のせい?呂律が回ってないよ」
伊作は揶揄するように言いながら、尚も指は止めない。
「ぁっ、奥っ、奥にぃっ…」
まだ年端も行かぬ子どもが、従順に快楽をそれとして受け止め、あまつさえ欲するとは。
伊作は目を見張った。
「良い頃合いかな」
指を引き抜くと、そこはひくひくと淫らに収縮する。何かを待ち侘びているように。
「あ…っ」
「左近、びっくりしないでね…」
伊作は袴を寛げて褌を解き、左近のそこに先端を宛った。
「んっ…奥にぃっ…」
「わかった…いくよ」
言い終わるかそうでないかの間に、伊作は左近の中に己を沈めた。
「んああああっ!!!」
大きな声をあげて、左近は身悶えた。
下手をすれば伊作の形が浮かびそうなほどに薄く白いその身体は、年齢に相応しくない反応をみせる。
「すっごく…イイよ…左近っ…」
「んっ、う、うぅ…」
伊作の下で目を強く瞑ったまま、左近は布団を強く握り締めていた。
「…動くよ」
「あ…ぁっ…」
伊作に、躊躇は微塵もみられなかった。ただ、己の欲望のままに幼い身体を貫くだけ。
「ひゃ、あ、あぅう…いっ…」
「んっ…う…」
「ひゃめっ、いぁ…っ、いしゃっ、しぇんっ…」
「はぁ…っ、」
「ら…めぇっ、かぜっ…うつっひゃぅう…」
「…今更じゃないか」
何度も何度も強く突くと、左近の自身には我慢汁がまとわりついていた。それが時折、腹に落ちて水溜まりをつくっていた。
「…ふふ」
「んっ、うぁあっ、ぁ、んぅっ!」
伊作は己の下で乱れる左近をじっと見つめ、また口を吸う。
今度は深く、ねっとりとしたそれ。
左近は貪欲にその口吸いを求める。必死に伊作にしがみついて、もっと、もっと、と雛鳥が親から餌をもらうときのように。
「んっっ、左近…」
「は…うぁ、せんぱ…っ、あ…!」
「大丈夫…?」
「ん…らい、りょふれす…っ、ぁ、」
「苦しくない…?」
細い身体の下に手を入れて起こすように左近を抱きかかえると、伊作はまた一突き。
「ひゃっ、あ…うう…きも…ちいっ…」
「いきたければ、いっていいよ」
「あ、あぅ」
熱の解放を促すような律動に、幼い少年の身体はびくびくと震え、握りしめていた布団を手放して、伊作の首に腕をまわした。
そして、うわごとのように「せんぱい」と繰り返す。
「あっ、いしゃ、く…せんっ、うぁ、あっ…でちゃうよぉ…」
「…出していいよ…左近…」
勢いのいい一突きで、左近自身は、一筋の白濁を噴き出した。
それは左近の胸から顔までを汚した。
「あっ、あ…あぅぅ…」
「っは…っ…」
熱に浮かされた身体にもはっきりとわかった、伊作のその瞬間。熱い飛沫が内部に押し寄せる。打ち震える左近の身体。
これは歓喜だったのだろうか、それとも戦慄だったのだろうか。
伊作のものが引き抜かれると、そこはぽっかりと口を広げていた。白く細い身体を伝い、しとどに零れ落ちる白濁が卑猥さ
を醸し出す。
「…左近…」
意識を飛ばしてしまったのか、それに対する左近の返事はなかった。
ただ、死んだように眠っているだけだった。
自身の身支度を整えた後、左近の身体を清めていた伊作。
「っくし!」
小さな寝息を立てる左近の隣には、誰かに噂されているのか、それとも風邪の前兆なのか、くしゃみをし、鼻をすする伊作がいた。
それとは反対に、左近の熱は大分よくなったようで、最初に見たときに真赤に火照っていた顔は、すっかり元通りの色をしている。
かわりに伊作は、立ち上がった時に眩暈を覚えた。
「あれ…?」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
5/6がナンバリングミスです。すみません
それでは失礼しました
362 :
オリジナル:2008/06/09(月) 10:05:27 ID:l1ZFRFw5O
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
左胸が痛い。君を見るたび、声を聞くたび、思い出すたび、この左胸にゆっくりと棘が刺さるのだ。
鈍い痛みに慣れる事などなく、私は君を鬱陶しいと感じるようになってきて、だからといって、一日の中で君の存在が感じられないとつまらない。
居ても、居なくとも、君を考える時間は日に日に増えてゆくのに、左胸は治る気配が無い。
誰かが、それはビョウキなのだと言った。
──コイノヤマイ。
私はその言葉に笑うしかなかった。恋の病など、あり得ないのだ。私と、彼では。
誰か、には性別を伝えていなかったので、そんな言葉が出たのだろう。それとも、男だとしても……
馬鹿な事を考えようとして止めた。
薄暗い自室の中、雨粒が窓を叩く音だけが聞こえる。
「 」
君の名前を呼んでみた。左胸が、いっそう痛くなる。私も、君も、男だというのに。私は泣いた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>362 イイ!
切ない系で、胸にしみました。
「 」
の所、マイジャンルに変えて二度おいしく戴きました。
ウマイッ!
切な萌えたのに、私は泣いた。の後、ついスイーツ(笑)と
脳内補足してしまうねらーのさが…ばかばか自分のばかorz せっかく萌えてたのに
>>356 禿げ萌えたGJ
つるっつるになったぞ( ・∀・ )
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 久々にオリジ。精神系注意
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 病ンデレが好きなんだ…
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
彼は掴み所のないひとだった。まるで風に舞う木の葉のように、
一瞬一瞬で進行方向を変えてゆく。万華鏡のように、様々な表情を見せる。
けれどその中にひとつ、変わらぬ芯を持っている。
そんな彼に俺は惹かれていたのだと思う。
彼と俺とは友人だった。始まりは覚えていない。
いつの間にか出会い、妙に気が合った俺たちはなんとなく一緒にいた。
彼の隣は居心地が良かった。彼も俺の隣を居心地が良いと感じてくれていただろうか。
今となっては知る由もない。
彼は眠っている。
それはある晴れた日の事だった。本屋へと向かう途中、
滅多に着信を告げない俺の携帯がけたたましく叫んだ。
何故かどきりと跳ねた心臓を抑えつつ見たディスプレイには、彼の名前が表示されていた。
「もしもし、どうした?」
すぐに返事は返って来なかった。ただ、小さく呼吸音がしていた。
嫌な予感が増して口を開こうとした直後、彼が笑うのが聞こえた。
「なぁ、……だなぁ」
いつもの彼とは違う、掠れて小さな弱々しい声。
途切れ途切れでよく聞き取れなかったが、なんとなく胸騒ぎがした。
「今どこに居るんだ」
本屋へ向かっていた足を止め、問いかける。
家に居る、と答えを聞くと同時、彼の家へと歩き始めた。
「……何か有ったのか、大丈夫か?」
胸騒ぎが止まらない。問うとまた彼が笑った気配がした。目の前の信号が赤になる。
これを越えて次の角を曲がれば彼の家なのに。イライラして舌打ちをひとつ。
「……眠い。寝ていいかな」
やがて信号が青になり、道路を渡りきった時、しばらく黙っていた彼が言った。
眠いから声に力が無かったのか、と溜め息を吐く。
「寝ればいいけど、俺を家に入れてからにしてくれ」
「……眠くて無理…もう動けないや」
ふぁう、と欠伸が聞こえてくる。相変わらず気紛れなやつだ。そっちから電話してきたのに。
「わかったよ、じゃあしっかり寝てろ」
「…んー…おやすみ、じゃあね」
それだけ言って、ぷつんと通話が切れた。
彼の家――と言ってもマンションの5階の1室だが――の前まで来てしまっていた俺は
もう一度溜め息を吐く。本屋は反対方向だ。面倒だがどうしても必要な本があるから仕方がない。
ついでに彼の集めている本の続編をチェックしてやろう。
本屋から帰ってきて、続編が出ていたと教えてやろうと彼に電話をした。
電話に出たのは彼の母親で、そして俺は彼が自殺しようとした事を知った。
彼の母親が帰宅してみると、血溜まりになったバスタブの中で裸の彼がぐったりしていたらしい。
手首に深い傷痕があったと聞いた。リストカット。
彼の携帯は開かれたまま、俺への通話記録を映していたそうだ。
彼が最期に話す相手に選んだのは、親でもなく兄弟でもなく俺だったのだ。
俺は居てもたっても居られなくなって、彼の居る病院を聞き出してすぐに向かった。
近所で一番大きな病院。面会時間に間に合うだろうか。
汗だくで辿り着いた病室の中で、彼は真っ白な顔色をして眠っていた。
傷を縫合したのだろう、手首には厚く包帯が巻かれている。
肘の内側には点滴が繋がれ、静かに息をしていた。
彼は生きている。
安堵した俺は、久しぶりに声を上げて泣いた。
彼を罵倒しながら、さらさらの髪を撫でた。彼はすぐに目を覚ますのだと思っていた。
それから1ヶ月以上が過ぎた。彼は目覚めない。
医者が言うには身体的には何の問題も無く、脳波に異常もない。いつ目覚めてもいいはずだ。
それなのに彼はひたすらに眠り続けている。
現実の世界を拒否するかのように。俺の事すら拒否するかのように。
手首の傷はとうに塞がって、白い筋が一本付いているだけだ。
彼の寝るベッドの傍の椅子に腰掛け、そこをそっと撫でた。暖かで柔らかで、生きている彼。
「……なあ、あの時なんて言ったんだ。どうして俺に電話したんだ」
俺の問いかけは届かない。答えが返る事も無い。
それでもきっと、いつか彼が目を覚ました時には答えてくれる。
そう信じて俺は、今日も明日も彼の元へと通うだろう。
俺に彼女が出来たとしても、俺が家庭を持ったとしても、
俺たちがじーさんになったとしても、彼を俺の一番に据えよう。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オメヨゴシシツレイシマシタ
| | | | ピッ (・∀・ )
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| 某最後の幻想3プレイ時の衝撃を思い出すモナ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| そして衝撃は興奮にジョブチェンジ
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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ついに最後のクリスタルの称号を得ることができた。
次に待ち受けるのは最大の敵、ザンデだ。
僕は仲間の回復役として導士になることを選んだ。
土の優しい光が僕を包み込み、聖なる力が体中に溢れてくるのを感じた。
しかし、ジョブチェンジが完了して目を開けると、そこには普段と様子の違う仲間たち。
レフィアは目をまん丸にして、イングズは口をパクパクさせて、ルーネスは……大変だ、鼻から血が出てるよ!
慌ててルーネスに近寄り、ローブの裾で血を拭おうとしたら、正気に戻ったらしいルーネスに「バカッ!」と叱られた。
「何考えてんだ!せっかくのコスチュームが汚れるだろ!」
そのままブツブツとよくわからないことを話し続けている。
わからないなりにも、何となく僕に対しての不満なんだろうなって思ったら、悲しかった。
しょぼんとしていると、イングズに腕を引かれて泉の前まで連れてこられた。
覗いてみろと言うので従うと、そこにはありえないものが映っている。
「な、なんだよ、これ……」
「すっごく似合ってるよ!アルクゥかわいー」
後ろからレフィアの声がする。
そして伸ばされた手が、僕の頭の上の耳をふにふにする。
そう、頭の上の、耳。
僕の頭には、ついさっきまで存在しなかったはずの猫耳が装備されていた。
「やだよ、こんなの。僕賢者に……」
「ちょっと待てアルクゥ!!!!」
再びジョブチェンジをしようとする僕を止めたのはルーネスで、物凄い勢いでこっちまで走ってきた。
「いいか、俺たちが立ち向かおうとしているのは強大な敵だ!
奴らと対峙するのに必要なもの、それはお前の優しさなんだ!
お前の優しき心が俺を癒してくれる、そう、心身ともに!たしかに回復サポートとして必要というのもある!
だけどそれ以前に、お前がいてくれることが、お前が導士であることが俺のモチベーション!
ひいてはお前のアイデンティティーでもあるんだ!
いいよな!?わかってくれるよな!?じゃあジョブはそのままで!」
ルーネスは向かい合うと僕の肩を両手でしっかり掴み、力強く訴えてくる。
「ルーネス……」
鼻血が顎まで垂れてきてるよ。
その晩、飛空挺インビンシブルの寝室にはルーネスと僕しかいなかった。
慣れないジョブでの熟練度上げに疲れたっていうのもあるし、何だかルーネスの息が荒くて具合が悪そうだったので、二人して早く休もうってことになったんだ。
ベッドはちゃんと人数分あるんだけど、何故だかルーネスは僕と同じベッドに潜り込んでくる。
何でも、村の生活が恋しいから昔みたいに一緒に寝たいらしい。
どうでもいいけど至近距離だとルーネスの鼻息がもろに直撃するよ。
「二人とも、まだ寝ないのかな」
「レフィアなら熊と組み手してるよ。あいつ、今夜中に熟練99達成させるとか言ってさ」
レフィアは女の子なのに勇ましくてすごいな。
僕なんて男のくせしてこんな変な服着てるっていうのに。
「イングズならデブチョコボの裏で交換日記書いてるよ。みんなに読まれたくないってさ」
モグのところに全部データで残っちゃうのに。
でも好きな人がいるっていうのは羨ましいな。
「……なあ、だからいいだろ?アルクゥ」
やけに熱のこもった口ぶりでルーネスが言ってきた。
「たまんねえよ、昼間っからそんな萌えアイテム目の前にぶらさげられて」
ハァハァ荒く息をしながら、太ももに熱くて硬いものがグイグイ押し付けられる。
ルーネスの言ってる意味がわからないけど、僕は恐くなってきた。
「猫耳ってお前、猫耳とかねーっすよマジでもう!ハァハァハァハァ!」
「やっやめてよルーネス……」
ルーネスが僕のローブの裾を捲り上げて、太ももを触りまくってくる。
なんか手とか汗ばんでるし、申し訳ないけどすごく気持ち悪い。
いつのまにかルーネスは裸になってるし、押し付けられたモノ(何と男の大事なアソコ、信じられない!)の先っぽから出る変な汁を体中に塗りつけられるし。
ルーネスは興奮しきっててもう人間の言葉を喋ってくれない。
「ネコミミ!ネコミミ!」
「もっ、やだってば、アアッーー!」
視界の端で、枕元の椿の花がポトリと散った。
翌日。
やたらツヤツヤしたルーネスが、腰を庇うようにしているアルクゥに寄り添っては追いやられる姿が何度も目撃された。
(・∀・)オワリ!
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| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ サ、ジュクレンアゲノ シゴトニモドルカ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 今日のクライマックス直前あたりのお話だよ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 設定のおかしなところはご勘弁を
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
僕のせいじゃない
あの人はあきらかに逸脱している
あの人が今やっている事は、会社に対する重大な背信行為と言っていい
あの人は今日もデスクでパソコンに向かい、血色のない白い横顔を見せていた
まるであの夜の出来事が夢であったかのように
――「零湾のデータだ、渡しとけ」
もうこのフレーズを何度聞いただろう
この部署に配属されて1年
配属当初は、何だか掴みどころのないこの先輩とは
適度に距離をとってうまくやっていけばいいと思っていた
うまくやっていく自信はあったのに、いつからこんなことになったのか
この人の零湾にかける情熱を知って
いつも見せる淡々とした表情にも、微妙なバリエーションがあることを知るうちに
深みに嵌ってしまったようだ
思い返せば子どもの頃から今日まで、何かに執着したことなんてなかった
来るものは拒まず、去るものは追わずが
人付き合いの上でのモットーだったはずなのに
あの人の唇から「零湾」の名前が出るだけで
胸がざわめく自分に気づいてしまった
もうこれ以上、零湾にどんどんのめり込んでいくあの人を、隣で見ていたくない
全部あの人のせいだ―――
こんなのは本当の自分じゃない
一度きりの出来事だとしても
あの人の体温を知ったら、欲が出た
あの夜の出来事は、あの人にとっては
ほんのちょっとの気まぐれだったのかも知れないけれど
あの人の心はどんな形をしてるのだろう
あの人の肌と同じように、血色のない乾いた…清潔な触り心地をしているのか
初めて心から手に入れたいと願ったもの…
でも、それも今日でお終い
もうどうなったって構わない
あの人に憎まれることになろうが
あの人の記憶に何らかの傷跡を残せるのなら
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 今日は兄弟も盛り上がってウハウハだよ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
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381 :
オリジ 先生×助手:2008/06/11(水) 03:32:47 ID:lAj6pkuo0
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| オリジナルで先生×助手。ギャグかエロしかない
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 足りないところは妄想で
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
暗闇の中、電気のスイッチを見つけられずに彼はしばらく立ち往生した。
彼がここで働き始めてから三年程経つが、夜に訪れるのは初めてのことだ。
それは単純に彼の勤務時間が夕方までと決まっているためでもあるし、
彼が「先生」と呼ぶ人物がここで頻繁に寝泊まりしているせいでもある。
やっとスイッチを見つけ出し、明るくなった室内を彼は真っ直ぐ応接室に向かう。
ノックもせずに扉を開けると、すぐソファで寝ている男が視界に入った。
服装はワイシャツにスーツのズボン、ソファからは足が半分以上はみ出しているという、
およそ快適に睡眠できるとは思えない状態にも関わらず「先生」は起きる気配もない。
彼は大判の封筒を二つのソファの間にあるローテーブルに放り投げた。
とりあえず用事をすませた彼はちらりと先生に視線をやった。
暦上ではもう夏といっても言いぐらいなのに、今夜は肌寒さを感じるような気温である。
一瞬迷った後、彼は先生の寝ているソファからローテーブルを挟んで向こう側に
置いてあるソファからブランケットを取り、先生に掛けた。
普段の彼ならば、仮に先生から「それ取ってよ」と頼まれたとしても、
「自分で取って下さい」と冷たく突き放しただろう。
彼が自らのちょっとした善行に満足していると、先生が何か不明瞭な言葉を呟いた。
恥ずかしい寝言でも言ってないかと彼は目を輝かせながら先生に顔を近付ける。
まるでそれを見計らったかのように先生の腕が伸びて来て、彼を抱きすくめた。
また何かを呟きながら。
「先生!」
「い、たい…」
彼が真っ赤になりながら先生の頭を思いきり叩いたところで、
ようやく先生は目が覚めたようだ。
まだ半開きの目で頭を撫で擦っている。
彼は先生の腕が緩むと同時に、後ろのローテーブルに背中をぶつけるほど後退していた。
ようやく先生は起き上がり、目の前で尻餅をついたまま座り込んでいる彼を見る。
「なに、どうしたんだ…。夜這いか」
「変なこと言わないで下さい!逆です!」
「夜這われに来たのか」
いつものように言い返そうとした彼は、ふと動きを止める。
「そうか。意外と積極的だったんだな」
「……。あの、寝言で誰かの名前呼んでたみたいですけど」
真面目な表情になった彼を見て、先生も真顔に戻る。
そして、深く溜息を吐いた。
「あぁ…。聞いたのか」
「すみません。不可抗力というか…」
頭を下げる彼に、先生は悲しげに微笑みながら首を振ってみせる。
「いいんだ」
全く見たことのない表情の先生が、彼の脳裏に焼き付く。
彼は頭の中で膨大な知識からこんな場合にかける言葉を探そうとしたが、
見つけることができなかった。
彼が困惑しているのを察したのだろうか、先生はいつもの調子に戻って笑う。
「『僕が慰めてあげます!』とか無いのか?」
また彼から返事は無かった。
先生は今日二回目の無視に密かに傷付いていた。
おもむろに彼は立上がり、先生の隣りに座る。
そして、
「俺が…慰めてあげましょうか」
小さく呟いた。
先生は暫く固まった後、向き直って彼に両手を伸ばす。
「じゃあ…」
「は、い…」
彼の両頬を先生の手が包む。
そのまま、先生は顔を寄せて唇を合わせた。
彼の身体が固まる。
ゆっくり唇を離した先生は、彼の身体をソファに押し倒す。
「あっあの…」
彼は自分の状況を確認するように視線を彷徨わせた。
「おかしくないですか…?」
「おかしくないさ」
先生は顔を近付けて優しく囁く。
「妄想のしすぎで夢にまで出て来ちゃうぐらいだからな」
「は…?」
「ちなみにさっき呼んでたのは多分、君に付けたあだ名だ。
君が名字で呼ばないと怒るから、こっそり名付けて呼んでいた」
彼は絶句している。
「しっかり俺を慰めてくれ。全裸で」
「慰めませんから!!しかも全裸でなんて!」
彼が逃れようと暴れる。それを容易く押さえながら先生は続けた。
「君は確かにさっき言ったはずだ。『俺が慰めてあげましょうか』と」
「それは…」
「まさか忘れたはずないだろう。君が」
彼は何か言おうとして口を開くが、言葉が出てこなかったのか黙った。
そして悔しそうな表情で先生から顔を背ける。
「…自分の能力がこんなに嫌になったの久し振りです」
「そんなことないさ。一度見たものを完璧に覚えられるというのは素晴らしい才能だ。
それに今回は視覚の問題ではないから、能力のせいでもない」
先生は歌でも口ずさみそうな様子で、彼のシャツのボタンを外して行く。
彼は所在無さげにきょろきょろしている。
全てのボタンを外し終えた先生は、彼の胸に手を置いた。
「つるぺた」
「人を幼女みたいに言わないで下さい!」
「君なら意外とあるかと思ったんだが…。いたっ」
またもや彼に思いきり頭を叩かれた先生は拗ねたように口を尖らせた。
「可愛くないですから」
「失礼だな」
そう言いながら、先生が急に身を屈めた。
一気に近くなった顔の距離に、彼は赤面する。
しかし、先生はソファの下から何か拾っただけだ。
「はい」
先生は彼の腕を掴んで頭上に持って来させる。それを、さっき拾った物で縛り始めた。
「先生?!」
「何かする度に叩かれていたら俺の頭が心配だろう。
ネクタイだから幅も広いし痛くないだろうから、安心してくれ」
結び終えたネクタイを、彼は解こうと両手を動かしてみる。ネクタイに緩む気配はなかった。
「先生…」
不安そうな彼の声が聞こえているのか否か、先生は彼の身体に舌を這わせて行く。
手は身体のラインをなぞるように撫でている。
彼は時折、びくっと身体を強張らせる。
「やはり、こう何か膨らみが無いと面白くないな」
「じゃあ止めて下さい」
「すまなかった。今のは最近流行っているという『ツンデレ』だ。
分かりやすく言うと、『あ、あんたの胸なんて触っても」
「可愛くないですから」
冷たい視線と口調で切り捨てる彼を、先生は不思議そうに覗き込む。
「気持ち良くないか?」
「気持ち良くはないですね…くすぐったいですけど」
彼の言葉に頷いた先生は、彼の股間に手を伸ばすと服の上から撫でた。
彼が小さく声を上げる。
「なるほど。確かに勃ってもいない」
先生は彼の足下に座るような形になると、彼のズボンや下着を脱がし始めた。
「待って下さい!先生っ」
「汚れたら困るだろう。それに君が全裸は嫌だと言ったからシャツはそのままにしてある。
まぁそれは俺の趣味でもあるが」
彼はすでに耳まで赤くなっている。
そこに、先生の手が彼のモノを握った。
「っう…」
先生が手を上下に動かす。
「あ、…せんせっ、やっぱ無理です!」
彼の言葉に先生が動きを止める。
彼は涙目になりながら先生を見上げた。
「そういえば君は童貞だったな」
「何で知ってるんですか!そうですけど…」
「男前でかつ瞬間記憶能力という能力を持っている完璧に見える君にも、弱点はある
ということだな」
「あっ、もう…やめて、くださいっ」
先生の手が再び動きを再開すると、彼は眉根を寄せながら首を横に振る。
しかし、蒸気した頬や漏れる声、何より完全に勃起したモノを自覚して彼は自己嫌悪に陥った。
「…君の記憶能力を、今だけ貸してほしいぐらいだ」
「な、んですか…」
小さな声を彼は聞き取れなかったらしい。
何でもないと答えて、先生は彼の嬌態に見入った。
「さっきの話だが」
「…っはい」
「やはり見たものしか完全に記憶できないのか?」
「先生、喋るんだったら…あっ、手、止めて下さいっ」
なるべく声をあげないように必死な彼だが、先生はあっさり断った。
「もういきそうなんだろ?で、どうなんだい」
「……見たもの、だけ、です」
「そうか。感覚も覚えていられたら自慰し放題なのにな」
「先生!や、あっ」
先生は親指で彼の先端部分をぐりぐりと押さえた。
彼の声が高くなる。
そこで先生は手を止めた。
「先生…」
彼が僅かに非難めいた声をあげる。
「じゃあ、しっかり記憶しておいてくれ」
そう言うと先生は上半身を屈めて、彼のモノを口に入れた。
先生が何をしようとしているのかと行動を目で追っていた彼は、その光景を見て
今度こそ言葉を失った。
先生が形を確認するように緩やかに舐め上げている最中に、
「や、もう…あぁっ!」
彼は射精した。
「まさか急に出すとは」
「…」
「しかも口の中に」
「先生」
「勢いで飲んじゃった、というのは本当に有り得るんだな」
「先生」
「初めてということを差し引いても、君はそうろ」
「先生!もう何回も謝ってるじゃないですか!」
拘束も解かれ、服も元通りに着た彼が首まで真っ赤にして怒る。
先生はと言うと、涼しい顔で一服している。
彼は先生を睨みながら立ち上がった。
「俺帰りますから!」
「あぁ」
足音荒く帰って行く彼を見て、先生は煙草を置いた。
「君はずっと今夜のことが忘れられない」
彼が立ち止まる。
「まぁ俺も暫くは今夜の君の姿で自慰だろう」
彼から反応は無い。
「我慢できなくなったら、また来れば良い。その時は俺もどうにかさせてもらうが」
彼は顔だけ振り向くと
「ぜっったい来ません!」
と叫んで扉を閉めた。
「あれが本当のツンデレというやつか…。勉強になる」
____________
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| | | | ∧_∧ 朝には読み返せない感じ
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sage忘れ申し訳ありませんでした。
先生×助手すごい好き〜!
是非是非、先生のジイ編 助手の反芻編 最後まで編も読みたいですよ!
ブラァヴォ〜!!
先生×助手 大好きです
笑いありエロあり
ツンデレ有り。
飄々とした先生と、可憐な助手さんに、非常に楽しませてもらいました!
>>376 萌えるというよりワロタw
ルーネスの扱いヒドスw
先生と助手、萌えたよ!
ぜひとも続きをお願いしたいです、気が向いたら本当に、ぜひ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 新人 枝奈津×兄 です。 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ※エロ注意。
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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もう1年程前のことになる。
甲子園まであと1歩の大事な試合を次の日に控え、俺達野球部は最後の調整を終えるとその日は早々に帰るようにと監督から指示されていた。
が、ベンチ入りが決定していた俺は若干練習にも熱が入りすぎたのか、気がつけば暗くなったグラウンドに1人残されてしまっていた。
――――――そろそろ帰るか。
部室を開けてももう誰もいない。切れかかった蛍光灯が空っぽの室内を寂しく照らしているだけだった。
練習着を脱ぎ捨て、汗を吸ったTシャツを脱ぐ。タオルで適当に体を拭き普段の白シャツを羽織ったその時、「カチャ」とドアが開く音がした。
――――――最悪。
振り向いて確認しなくてもわかる。いつでも1番会いたくない男がドアを開けてゆっくりと入ってくる気配がした。
枝奈津・・・同じ学年で俺とレギュラー争いをしている男だ。
野球のセンスや技術に関しては認めてやらないこともないが、いつも何を考えているかわからない笑みを浮かべ、常に上から目線で話すこの男が俺は大嫌いだった。
――――――忘れ物か?
声をかけることはしない。着替えの手を休めず背中で相手の動向を探るが、枝奈津は何をするでもなく部室の中央に立っているようだ。
――――――さっさ帰ろ。
薄気味悪いものを感じた俺はベルトを締め、薄っぺらいカバンを抱えると無言で部室を出ていこうとした。
「なぁ兄屋。」その瞬間バカでかい図体が俺の名前を呼んだかと思うと、壁のように前に立ちはだかった。
――――――んだよ。
面倒くせえ。返事をするのも顔を見るのも面倒臭かった。こいつに関わるとろくなことがないことくらい猿でもわかる。
横を向いたまま無視して脇を通り抜けることにした。
「待てよ。」ドアに手を伸ばした俺を片手で阻止すると、枝奈津は壁のスイッチに手をかけいきなり部室内の灯りを全部消した。
「おま・・何だよ!」「兄屋」「だから何だっつんだよ!気持ち悪ぃな!電気つけろ!」
薄い闇の中でより大きく見える男が、じりじりと近寄ってきた。
「そうカッカすんなよ。仲良くしようぜ1年同士。」笑いを含んだ低く小さな声のあまりの迫力と気味の悪さに、思わず後ずさる。
「冗談じゃねーよ。誰がてめえとなんか。」枝奈津を見上げてそう言うと、俺は後ずさる足を止めもう一度外へ出ようと試みた。
「わっかんねえ野郎だな・・・。」枝奈津の声が聞こえた瞬間、俺の体は強い力で突き飛ばされロッカーにぶつかって派手な音を立てた。
――――――ヤバい。
頭を打って尻餅をついた状態からすぐに体勢を立て直そうと手をついて立ち上がった瞬間、今度は腹に一発食らい床に倒されてしまった。
間髪入れず両手両足が息苦しい程の力で押さえ込まれ、天井が見えるはずの視界は枝奈津の顔でいっぱいになった。
――――――こいつ・・・マジかよ・・・。
闇の中でもギラギラ光る瞳と少しも乱れていない呼吸。
枝奈津は本気で俺に向かってくる気だ。
「てめえふざけんな!何のつもりだ!」苛立ちと恐怖から怒鳴り散らす。もがけばもがくほど枝奈津を喜ばせることになっているとはこの時は知らず、とにかく岩のようなこの男から逃げ出すのに精一杯だった。
「毎日こんな格好ばっかしやがって。誘ってんだろ?あ?」枝奈津がシャツをつかんで言う。
「バーカ!誰が誘うかよ・・・ぅわっ・・やめっ・・・」元々数えるほどしか止まっていなかったシャツのボタンが枝奈津の両手によって簡単に弾け飛ぶ。
1枚纏うものを失っただけで、露わになった肌が不安な温度になっていくのを感じた。
「誘われてやるっつってんだよ。兄屋。」耳元で囁いた唇は、まだ頭が混乱している俺の唇に当たり前のように重なろうとしていた。
触れる寸前で我に返った俺は頭を必死に振って枝奈津の攻撃をかわす。
唇を諦めた唇は少しずつ場所をずらしながら下のほうへおりていき、その度に体に電気が走ったような衝撃が訪れた。
枝奈津のごつごつした指が繊細に触れる場所、ざらつく舌が這う場所はなぜかいちいち的確で、次々と押し寄せる快楽の波に決して飲み込まれまいと必死でブレーキをかける俺を
嘲笑うかのように上へ上へと上らせようとする。
――――――こいつ、知っていやがる・・・。
どんな女とでも得られなかった快感を、こいつはいとも簡単に探り当て俺に差し出してくる。
ちょっとの反応でも見逃さない枝奈津は楽しくてたまらないという顔を近づけてまた耳元で囁いた。
「我慢しなくていいんだぜ兄屋。声出せよ。」「だ・・誰が出すかよ!早く離れろ変態!」
隙をついて暴れる俺を容易に押さえ込むと、枝奈津は俺のベルトを片手で器用に外し始めた。
「素直じゃねーなー。」「ちょ・・待て!待てって!!枝奈津!!!」どんなに叫んでもここには誰もいないこと、こいつが手を止めないことくらいわかっていた。
だけどこのままじゃ・・・間違いなく俺は・・・。
「おまえ感じてんじゃん。」ズボンの中に無遠慮に手を突っ込まれ絶望に向かう俺の背中を、枝奈津が笑いながらどんどん押してくる。
「誰が・・おまっ・・やっ・・頼む!もうやめてくれ!」「嬉しいねー。そんなに気持ちいいかよ?」「・・てめえぶっ殺すぞ!」「いいからイけよ・・」
凄みのある声で囁いた枝奈津は俺のその瞬間を見届けようと右手のスピードとは裏腹に、左の手でゆっくりと俺の髪を撫でていた。
「マジやめ・・・!枝奈・・・!!」容赦ない枝奈津の手の動きを阻止したいが、体が言うことを聞かない。
「イけ。兄屋。」「・・・ぃやっっっ!!!」押し寄せる快感を振り落とすように頭を振る。髪の毛が顔に纏わりついて邪魔だ。
「イけよオラ。」「・・・あっ・・も・・・!!!」強く閉じすぎた瞼が震える。
――――――誰か助けてくれ!
「イけ!!」「・・・ふ・・・ぐぁ!」のけぞった喉を通って噛み締めた唇から吐息が漏れたのと、枝奈津の手に熱が放出されたのは同時だった。
――――――何やってんだ俺。。
熱を失ったはずなのに、体が跳ねるように熱い。
最低だ・・・よりによってこんなやつに。
枝奈津がくっくっと肩を震わせ笑う。「最高だなおまえ。顔も声も体も。エロ過ぎだろ。」
「のけよ・・・クソ野郎。」まだ俺の上に乗っかる枝奈津に言い放つと、重たい体の下から抜け出し舌打ちして自分から起き上がろうとした。
「・・・なっ!」立ち上がろうとしたその時、ベルト部分をゴツい手につかまれたかと思うとそのまま後ろに思いっきり引っ張られ、もう1度床に倒されてしまった。
「いって!てめえいい加減にしろよ!」やみくもに振り回した拳は枝奈津の顎あたりをかすめただけで、バランスを崩した俺は逆に強烈な一撃を腹に食らってしまった。
「ぐぁ・・・」腹を押さえうずくまる俺を仰向けに転がすと、「冗談だろ兄屋。」枝奈津は2発3発と蹴りを入れてきた後、俺の体に跨り今度はあっさり唇を奪った。
逃げ惑う舌を執拗なまでに追いかけ吸い上げる荒々しいキスは普段の枝奈津からは想像できない程感情がむき出しになっているようで、俺は少し驚いていた。
「本番はこっからだよ。」怪しく笑う男にもう抵抗する気力はほとんど残っていない。
「何で・・・。」「あ?」「何でこんなことすんだよ・・・。」慣れた手つきであっという間に俺のズボンとトランクスを脱がせた枝奈津に今更なことを聞く。
「決まってんじゃん。」自分のベルトを緩めながら枝奈津は笑う。
「俺を見ろよ兄屋。」俺の片足を自分の肩に乗せながら枝奈津は笑う。
闇の中で絡み合った枝奈津の視線はどこまでも暗く真意が読めない。
でも何故かこの時、逃げるより先にどこかで次の言葉を待ってる俺がいた。
「俺だけのモンになれよ兄屋。」ケツの穴に熱の塊が宛がわれ、それは一気に夜と俺の体を真っ二つに裂いた。「ぐあ゛――――――っ!!!」
そして次の日の試合。
あいつは試合中に相手チームのピッチャーを殴り、いとも簡単に俺らの夏を終わらせた挙句、何の挨拶もなく他校へと転校していったのだった。
もう一生会いたくなかったこの男に。
野球と共に記憶の彼方に葬り去ったはずのこの男に。
俺は1年後、また振り回されることになる。
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ シツレイシマシタ | | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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401 :
399:2008/06/11(水) 14:06:19 ID:KhnywlYa0
あれ?なんかズレた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
絵奈×兄!
読みたいと思ってたから凄く嬉しい!
しかもゴカーンの闇絵奈
毛根死んだ、つるっ禿げになってもうた…
しかし悔いはない
姐さんありがとう!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
いつぞや揺揺定刻の六弦と四弦で投下した者ですが、今度はPと四弦で書いてみようだなんて無謀な挑戦。サイトに上げたやつを若干手直ししました。
ジャンルがジャンルなので、覚悟のある方のみどうぞ。
ああ、こんなにもイレギュラーな存在が「調和」を叶えようとしているだなんて。自分が産まれたことより君に出逢えたことより、この生命自体が奇跡に等しい。
***
「……」
「もう大丈夫?」
「…いしは…さ…」
「まだ、って顔だね。気にしないでいいからゆっくりして」
太股の上で優雅な曲線を描く黒髪とは対照的に、恐ろしく不健康な色合いに染まっている輪郭の内側。これが非日常の出来事でないのは、悲しい現実だ。どろどろと陰鬱な光彩を放つ痛ましい瞳。
「また無理した?」
「してない…」
「嘘つかない」
「ー僕は、あの時、自分に出来るだけのこと…やりました。…無理じゃない」
解っている、そんなことは。ただ君は自分で思っているより自分のことを把握出来ていない。そして彼らに対してー或いは、彼にー自身がどれだけ献身的かも知らない。認識する必要が無いならそれはそれで構わないけれど、例えばこんな時。
野良猫のように死に様を隠し通すつもりなんじゃないか、どこか確実に掴んでやらなきゃ違う次元に吹き飛んでしまうのではないか。幻想だか錯覚だか盲信だか、とにかくそう不安にさせる君はひどく現実的。そんなナリしといてさ。
「…やだ」
「どうして?」
「触らな…で」
「ー今日は雨だったね」
雨は嫌い。髪を不必要に湿らせる、古傷を疼かせる。結果、君は不機嫌になる。
だから、触れるべきでない、本当は。優しさで顔を背けてやらないと…彼のように。
「…泣くことないじゃない」
「嫌なんです、こんなの…自分の、体なのに…全然」
「指使いは相変わらず素敵だった」
「でももっと…丈夫だったら、良かったのに…」
(ーいけない子)
そんな風に振る舞うから、余計触れたくなるのに。例え神経を逆撫でするとしても君を独占出来る唯一の機会。雨は嫌いだけど、そこだけは。
顔を覆う手を取ると、余程弱気になっているのか、珍しくゆるりと絡んでくる指。
「サカモトくんは、そんな人じゃない。君が一番知ってるよね」
「……」
「例え死んだって君は何処にも行けないんだよ。ーこんなことじゃ離れられない。揺らいだりしないから」
この冷たい皮膚の裏側に、ベースを歌わせる源がある。自分がもう少し力を込めれば、きっと容易く折れてしまうそれ。
…渇いた音、断末魔の悲鳴。そして、どうなる?
(いけない子、だね)
空いた手で髪を梳くと、抗議の証拠に固く閉じられる瞼。湿気なんて杞憂に過ぎないと告げても聞く耳を持たない。
「ーイシハラさん、嫌い」
「それだけ言えたらもう平気だね」
「……」
「多分もうすぐみんな帰って来るよ」
「目、が」
「大丈夫、赤くなってない」
目の縁を拭って微笑むと、色はまだ薄いけど漸く緩む唇。
「久しぶり見たな、カメカワくんの泣き顔」
「ー見ないで、下さい」
「今隠してどうするの…」
ねえ、君はもっと発散したって構わないんだよ、どうあっても決して此処から逃げられないんだから。居場所なんて腐る程作ってあげるのに。
(…そしたらこっちが倒れるか)
「…ー」
「ん?」
袖口を掴まれ、漆黒の海になだれ込んでいた意識が引き戻された。噛み合わない視線、見え隠れする舌先。
「ありがとうございます…」
「ーいいえ」
うっすらと、雪原に一滴だけ血の雫を落としたように、頬が赤らんだ。…卑怯なんだよ、この短時間で色とりどりの毒を目に刺してきて。もうこれ以上は耐えられない。
「…もうじき雨も止むから」
そろそろ普通に話をしよう。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
貴重なスペースありがとうございました。
>>395 枝奈津×兄
萌え最高です
ありがとうございました!
なんか枝の迫力と兄の色っぽさがリアル
>>395 ゾクっとしました
グッジョブっす!はげた…
>>407 ジャンル分からないのが悔しいくらい
萌える作品ですね。
話し言葉が適度に艶っぽくて、甘いような、悲しいような
うすピンクの霧がかかったような
そんな不思議で、魅力的な世界でした。
GJです!
GJ!全身の毛が禿げた。萌えすぎて。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ラッキーが武器のヒーローの漫画
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 世×天というマイナーです。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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ある日、電話が鳴った。
「もしもし」
「もしもし天才マン?私だ、よっちゃんだ」
「なんだ、よっちゃんか。わざわざ電話を掛けてくるなんて何かあったのか?」
本当は電話がとても嬉しかったのだが、そっけなさを装ってみる。
当たり前なのだが、そんな装いさえも私は天才なので完璧にこなすことが出来る。
「まあ大したことじゃないんだが、来週あたりに地球に行くことになりそうでな」
「会長のお使いか?」
「そんなとこだ。で、会えないだろうか」
さらりと言われたその言葉に一瞬、反応が遅れた。
しかし、それはたったコンマ数秒のこと。きっとわかるまい。
「わざわざ私に?急ぎじゃないのか」
「ああ。むしろ半分休暇みたいなのものでな。超ちゃんにも『ゆっくりしておいでよ』なんて言われて
しまった」
……もしかして、会長は私たちのことを知っているのだろうか。
いや、それはない。私の天才的な頭脳が否定の答えを返しているのだから。
「それなら良いんだが。とりあえず具体的な日にちが決まったらまた連絡してくれ」
「ああ。……そうだ。大事なことを忘れていた」
「?」
大事なこと、なんだろうか。
「私が地球に行くことも、お前に会うことも誰にも秘密だ。勿論パシリにも」
「…………」
受話器の向こうで少し、よっちゃんが笑っている。
言われたことの意味がよく分からない。
つまりはアレなのだろうか。そういうことか。そうなのか。
何か言わなければならないのに、口が動かない。
天才の私が何も分からない。どういうことだ。
とりあえず何か返すんだ。何でもいい。
「……それを知ったら、パシリが拗ねるぞ」
『何で俺だけ仲間外れにするんだよー!』と言って泣きついてくる姿が容易く想像できる。
「知られなければ良いだろう」
さらりとそんな事を返してくる。
くそ、この私がよっちゃんのペースに乗せられているというのだろうか。
「まったく……」
口元がゆるむ。
顔を合わせないで会話をするということの利点はこれだろう。
「嬉しいか?」
「?!……自意識過剰じゃないか?よっちゃん」
まったくいきなり何を言い出すんだ。
「そうかもな。言ってみただけだ」
嘘吐け。
……まあ、私の反応も同じようなものか。
「では、今日はこの辺で……」
切るのは惜しい気がしたが、何時までも話すわけにもいかない。
お互い忙しいヒーローの身なのだから。
「そうだな……」
しかし、電話というのはどのタイミングで切ればいいだろうか?
この場合の切り方は天才の私でもよく分からない。
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| | | | ∧_∧ お粗末さまでした。
| | | | ピッ (・∀・ )
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>>367 非常に萌えた
彼と俺の距離がもどかしくていい!
続きとかあったら投下待ってます
>>416 うわああああ!まさか世天が読めるとは!
すげー萌えた!GJ!
>>341 341のおかげでボブ萌になってしまった
もう一度ボブ出演見てくるよ、GJ!
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| 13日/の/金曜日&お誕生日記念にフレ〒゙ィvsジェイソンを。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ネタバレ&半ナマ&ノリは軽いですが流血注意です。
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ニュージャージー州ブレアーズ夕ウンに程近い場所に位置する、深夜のキャンプ場である。
キャンプ場の名前はクリス夕ルレイク・キャンプ場。美しい湖と豊かな自然に囲まれたこの
場所には、しかし、いつも血生臭い噂が絶えなかった。ってゆーかむしろ、現在進行形で血
生臭い。
そう、キャンプ場はまさに血の海と化していたのだ。
「田舎ってのも、案外なかなかいいもんだ。なぁ、お前もそう思うだろ?」
ねっとりとした絡みつくような猫撫で声で囁き、男は頭の上の帽子を指で弾いた。
奇妙で、不気味な男だった。醜いケロイドに覆われた身体の上から、ぼろぼろの薄汚れた赤
と緑のセーターを着ていて、手袋をしていた。ただの手袋ではない。剃刀のように鋭いナイ
フが四本もついた、とても恐ろしい手袋だ。
しかも、そのナイフ爪のついた手袋は、とてもよく使いこまれていた。獣の肉を切るような
野蛮な使いかたはしない。ましてや、紙や植物をきるなんてとんでもない。このナイフ爪は、
もっと上品で、素晴らしく楽しいことに使うのだ!
「緑は沢山あるし、のどかだし、夏には馬鹿なガキどもが沢山来るし……まさに、
フレ〒゙ィ・クルーガー様にうってつけの避暑地ってわけだ!」
大袈裟な手振り身振りを交えて、男は叫んだ。
フレ〒゙ィ・クルーガーとは、エルム街に潜む殺人鬼の名である。元は小さな子供ばかりを
狙って殺す連続殺人鬼だったが、彼は怒りに燃える殺された子供たちの両親にリンチにあい、
焼き殺され……そして、蘇った。
しかも、今度はただの人間じゃない。他人の夢の中に忍び込み悪夢を見せて殺す、夢魔とし
て蘇ったのだ! フレ〒゙ィ・クルーガーは恐怖心を糧にして絶大な力を得る、不死身の殺
人鬼として蘇ったのだ!
が、フレ〒゙ィにとって誤算だったのは、恐怖を糧にして力を得るということはつまり、裏
を返せば恐怖がなければ極端に弱体化してしまうということだった。
そこで長年フレ〒゙ィによって我が子を殺されてきたエルム街の大人たちはフレ〒゙ィの存在
を隠し、子供たちにフレ〒゙ィを忘れさせることにした。それによって、フレ〒゙ィはどんど
ん弱体化していった。
もはや夢の中で子供を殺すどころか、人々の夢の中に入ることさえままならない。
夢に入れない夢魔はただの豚、いや、それよりももっと悪い。ただの木偶の坊だ。
不死身の身体を得たって、なにもできないんじゃ仕方がない! それに、このまま人々に
完全に忘れ去られてしまったら、死よりももっと恐ろしい未来が待っている……完全なる
消滅だ! もしそうなれば、もう二度と蘇ることさえできない!
しかし、フレ〒゙ィはしぶとかった。彼は以前の力を取り戻すための策を思いついたのだ。
この作戦が成功すれば、エルム街に戻って、また馬鹿なガキどもを思う存分殺して回れるぞ!
「かつてジェイソン・ボーヒーズによって、恐怖のどん底に陥れられた
クリス夕ルレイク・キャンプ場は、今度はフレ〒゙ィ・クルーガー様によって惨劇の場にな
る……お前もさぞ安心して永眠できるだろ?」
そう言うと、フレ〒゙ィは下品な笑い声をあげた。とても愉快だった。やっとこの生意気な、
図体ばかりでかいウスノロの糞餓鬼を抑え込んでやったぞ!
フレ〒゙ィの爪が、地面に突き立てられた親指ほどの太さをした鉄製の棒を叩く。棒は地面
と、そして目を見張るような大男の身体を深々と貫いていた。
棒は大男の右腕と右肩、左手、それに胴体と足にも沢山刺さっている。どれも完全に貫通し
ており、まるで昆虫の標本のように地面に縫い止められているので、大男は身動きが取れず
にいた。しかし、大男はわずかな苦痛の悲鳴さえ漏らさない。しかも、悲鳴を堪えているわ
けでもないようだ。
ホッケーマスクをかぶり、今はどす黒い血にまみれたぼろぼろの服に身を包んだ大男の名前
は、ジェイソン・ボーヒーズといった。このクリス夕ルレイク・キャンプ場に住み着く、フ
レ〒゙ィと同じ不死身の殺人鬼だ。
本来であればエルム街にいるはずのフレ〒゙ィがクリス夕ルレイク・キャンプ場にいるのも、
このジェイソンが目的であった。身動きの取れない自分の代わりに、そそのかしたジェイソン
をエルム街で暴れさせ、そこの住人たちに自分が復活したと思いこませる。そうすれば、ま
たフレ〒゙ィへの恐怖心が街に蔓延し、フレ〒゙ィはまた無敵の力を手に入れることができる
というわけだ! まさに完璧な計画!
が、しかし、ここでひとつフレ〒゙ィに思わぬ誤算が生じた。それなりに力を復活させたは
いいものの、まぁなんとゆーか色々あって、何故かジェイソンと真正面から戦うことになって
しまったのだ。あんな馬鹿力野郎とタイマンしろだって? 冗談じゃない!
ジェイソンは真の不死身の怪物だ。夢の中ならばともかく、現実世界でジェイソンとまともに
やりあってかなうはずがない。ならばどうするか。奴になくてフレ〒゙ィにあるものを利用
すればいい。つまり、オツムを使えってことだ。
「なかなか良いざまだぜ。俺の家に持って帰って、飾っておきたいくらいだ」
仰向けの状態のまま動けずにいるジェイソンの腹の上に跨って、フレ〒゙ィはにたにたと笑い
ながら言った。ジェイソンは答えない。というか、今まで彼がしゃべったのを、フレ〒゙ィは
一度も見たことがない。無口というよりも、馬鹿だからお喋りさえまともにできないんだろ
う。
資材置き場からこの棒を拝借しておいて、本当に良かった、とフレ〒゙ィは思った。人の頭
さえ素手でふっ飛ばす(引き千切るんじゃない、ふっ飛ばすんだぞ? 信じられるか?)こ
の馬鹿力野郎も、こうなっては動けまい。
しかし、身体を縫い止められていながらも、ジェイソンは抵抗を止めない。諦めるとか別の
作戦を考えるとか、そんなことをする頭さえないのだ。だから、ただじたばたと身体を揺
すって暴れる。鉄の棒に貫かれた傷口から、じくじくと膿混じりの腐った血が大量に噴きだ
すが、それも気に留めない。
ジェイソンは手足等の末端部を主に地面に縫い止められているから、暴れると必然的に胸か
ら腰の辺りが大きく上下に動く。その動きがなんとなく性行為を思わせ、そういえば、と
フレ〒゙ィはふと考える。
さっき、馬鹿なティーンエイジャーの女に「あんたの爪みたいな、足の間にある小さいも
のと違って、ジェイソンのあれはきっとあの鉈くらい大きいし、立派よ!」と言われたばか
りだ(見たこともないくせに、まったく失礼な女だ!)。
さて、ジェイソンのあれは、奴の足元に転がっている鉈くらい、本当に大きいんだろうか?
確かに図体はでかいが……いや、でも、こいつ童貞だしなあ。あ、それは大きさに関係な
いか。頭は三歳児並みだし、意外性を取ってあれもそれぐらい小さかったりして……。
いざ考え始めると、やはり男としてそれなりに気になるものである。思わず悶々と考え込
んでしまったフレ〒゙ィは、ある一つの単純明快で簡単な解決方法を思いついた。
そうだ、実際に見て確かめれば良いじゃないか。
フレ〒゙ィはジェイソンの腹の上から膝の辺りに移動すると、ジェイソンのベルトに手を掛け
る。利き手には例の爪付き手袋をしたままだが、慣れた手付きで器用にベルトを外した。
フレ〒゙ィの思いもよらない行動に、ジェイソンがきょとんとした顔でフレ〒゙ィを見る。死
体みたいに生気のない濁った瞳だが、殺人鬼にしては驚くほど純粋な目をしているな、と
フレ〒゙ィは思った。まったくこれだから三歳児ってやつは。
「今日は特別にお前に、大人の遊びってやつを教えてやろう」
楽しげに言い放つと、フレ〒゙ィはジェイソンのぼろぼろのズボンに爪を引っ掛け、ゆっく
りとおろしていく。ジェイソンは意味が分からない、とでもいう様子でちょこんと首を傾げ
て見せる(大男にそんな動作されても可愛くない)。
フレ〒゙ィはにやついた顔で思った。そうだ、今まで散々苦労させられたんだ。この餓鬼
をちょっとからかってやるのも良いかもしれない。童貞失う前に処女膜失うことになるか
もしれないなあ! いやはやお気の毒に!
「はじめてはちょっと痛いかもしれないが、なあに、鉄の棒に串刺しにされるよりは痛く
ないだろうよ。っていうか、そういえばお前、痛みとか感じるのか?」
これで奴に感覚がなかったりしたら、ちょっと俺って空しいかも。
ふとそんな考えが頭を過ぎる。しかし、彼の心配は杞憂に終わった。何故なら…………
ジェイソンが地面に縫い止められた左手を、破損も気にせず力任せに引っ張り、フレ〒゙ィ
を思い切り殴りつけたからだ。
「おぉおおおおっ!?」
まるで玩具のように軽々とふっ飛ばされるフレ〒゙ィを尻目に、ジェイソンはぼろぼろの
左手で右手に刺さった棒を引っこ抜く。そして、身体に刺さった棒を次々に引き抜く。
これでようやく自由の身だ!
派手に地面に転がり落ちるフレ〒゙ィに、ジェイソンはゆっくりと歩み寄……りかけ、ズ
ボンがずり落ちそうなことに気づき、立ち止まってベルトを締めた。ついでに、足元の
愛用の鉈を拾う。
「っ畜生! この糞餓鬼がっ!」
顔から派手に着地したのか、血まみれの顔を手で押さえつつ、フレ〒゙ィが罵った。
ジェイソンは、勿論無言である。
「人が甘い顔してりゃ調子に乗りやがって……切り刻んで魚の餌にしてやる!」
フレ〒゙ィが飛びかかってくる。ジェイソンが鉈で応酬する。
戦いはまだ、終わる気配を見せなかった。
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| | | | ∧_∧ Jトン誕生日オメ!
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>>420 びっくりするくらい萌えたよ!このノリ大好きだww
明日絶対DVD借りてくる!
>>420 GJ!萌えた
原作のビジュアルはちょい苦手なんだが萌えた!
>>420 関心しつつ萌えた。
こういう切り口もあるのですね。
殺人気は殺人鬼のくせに、確かにかわいい所もありますよね。
「Ρ$УЯΕΝ」の龍(ヒリュー)×辰(タツオ)です
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「さて…何か言いたい事はあるか?」
銀髪の男は足元で咳き込む少年の顎に手をやると、その顔を強制的に上に向けさせた。
幼さを残すその顔に表情は無く蒼白い。
そして少年の口元からゆっくり滴り落ちる白濁の滴は、何が行われていたのかを生々しく物語る。
「…ぁさ……ん…」
唯一血の気の宿る唇が微かに動き、洩れた声が刹那空気を振るわせた。
「…あぁ?聞こえねーよ」
男がサディスティックな笑みを浮かべる。
その切り裂くような視線には、「お前など誰も助けに来ない」と嘲笑うような絶望が含まれていた。
(朝河さんー…)
辰央の光の無い瞳から一筋の涙が不意にこぼれ落ちる。
滅茶苦茶に穢されたまだ未熟な身体には、随所に征服の証が見て取れた。
麻痺した脳が感じる事の無い痛みが、消えそうな心に追い討ちをかける。
(…ごめんなさいー…)
目の前の男とは正反対に、今は思い出の中の飛龍は優しく辰央を愛してくれていた。
遠退く意識の中、辰央はこの世界へ来る前に最後に触れた優しい温もりを、必死に記憶から探っていた。
…ーそう、あれはサイレンに行く前日の事である。
飛龍は薄闇の中眼下に露になった細い肢体にそっと触れた。
鍵をかけた部屋には早くも深い吐息が響いている。
「…辰央」
「…ーはっ、ぁァ…朝、河さ…んぁ…ッぁ…」
感じやすいのか、甘いくぐもった声は辰央の意に反し呼吸に混じり零れ落ちる。
きつく瞳を閉じた紅さす顔は、普段の病魔に耐えるそれとはまた違う。
固くなった胸の突起に舌を絡めると、さらにその身体は小さく弧を描いた。
「…本当に行く気なのか?」
飛龍の問い掛けに薄く眼を開き、
壊れそうな硝子細工に触れるような愛撫に身悶える辰央は小さく頷いた。
「…ーそうか」
急に芽生えた寂しさの理由はわからない。
ただそれは、失う事の哀しみとよく似ていた。
「…俺達が二人で一匹だって事、忘れんなよ」
初めての意見の相違に、かける言葉が見当たらない。
誰よりも強く想っているのに、それを伝える事の出来ないもどかしさ。
飛龍はそれらを行動に託す事にした。
「…!?だ…駄目です、朝河さ…僕…ぼくっ…ぅあ…!」
羞恥心からか、辰央の強く閉じられた瞳には涙が滲んだ。
下着の中のそこに手を添えて、飛龍はゆっくりと撫で回す。
「ひぁ…や、んっ…!く…ぁッ…朝河さ…ん、ぁ…!」
手の動きに合わせて、細い身体が幾度も跳ねた。
普段と違う甘い快感を纏う震えが止まらない。
息が苦しくて、身体中から力が抜けていく。
「…大丈夫か?」
飛龍は手を止めると朱に染まった耳元で囁き訊ねてみた。
返事は無かったが、その変わりに
飛龍の背に弱々しく辰央の両手が回された。
言葉はいらない。
ただそれだけで、辰央の意思は十分飛龍に伝わった。
徐々に濡れ始めた熱い塊を擦る手は、次第に円滑に動かしやすくなっていく。
短い喘ぎさえあげる余裕を失った辰央の深く早い呼吸が、飛龍の頭の中で幾度も反響する。
空いている片手で頬を伝う涙を拭ってやると、辰央は微かに微笑んだ。
「辰央ー…」
どちらからともなく唇を重ね、行き場に戸惑う舌同士が絡み合う。
本当は手離したくなどない。
このままひとつに溶け合い一緒にいたかった。
なのに何故、自分は"行かない"という結論を下してしまったのだろうか。
そして何故それを変えようとしないのか。
いくら悩んでも、飛龍の求める答えは見つからない。
するとその時、辰央の身体ががくりと大きく震え、回された腕にも力が入った。
これまでに無いくらい密着した状態で、辰央は声を絞り出す。
「ぁ…!も…駄、目…ッ…!朝…さ…!!」
辰央が限界を伝えるのとほぼ同時に、飛龍の掌には熱いものが迸る。
そして肩に回された手は糸が切れたようにするりと離れ、辰央はベッドに力無く沈み込んだ。
汗でへばりついた白い前髪をよけると、焦点の合わない細い目は飛龍を見上げていた。
思い起こせば初めて辰央を抱いた時、想像以上に喘ぐ彼を心配した飛龍は一度手を止めた。
病弱な身体に大きな負担がかかる事は避けたかったからである。
ところが辰央は、泣きながら途切れ途切れに"やめないで"と訴えた。
初めてだった事もあり、その場はそのまま飛龍は手を引いたが、未だにその涙の理由だけはわからずにいた。
一方辰央にとって飛龍が自分を心配してくれるのは、嬉しくも哀しくもあった。
本当はもっと飛龍の想いに応えたいのに、自分が病弱なせいで飛龍は遠慮しているのである。
自分ばかり達して果てて、いつも昔から結局は何もかもしてもらってばかり。
それが辰央にとって一番心苦しい事だった。
飛龍が引くと辰央もそれ以上何も言えず、大きな胸に額を預け瞳を閉じる。
そうして辰央は自分が病弱でなければと何度も運命を恨んでいた。
しかしそうでなければ飛龍と結び付かなかったのも恐らく事実である。
いつも目の奥が熱く眠る事ができないが、そんな時は優しい腕の中で声を殺して涙が渇れるまで静かに泣いていた。
今となってはあの苦しみさえ愛しく懐かしい。
貪るような乱暴な口付けも、身体に残る支配の痕も、何もかもが一方的過ぎて現実だとは信じたくはなかった。
動かないとはいえ抵抗どころか声ひとつ出せなかった自分が情けなく恨めしい。
声の出ない辰央の口元は、「朝河さんごめんなさい」と何度も微かに繰り返していた。
すると舌打ちと同時に上向きの体勢を解放されたのも束の間、銀髪の男は辰央の片手を引っ張りあげた。
「…何だ、まだ立てるじゃねえか…怠けやがって…!」
辰央はふらふらで自分を支えるのもやっとだった。
いくら過去を夢見て焦がれようと、「朝河さん」と愛しい名前を叫ぼうと現状は打開されないし、穢された事実が消える訳ではない事はわかっている。
「お前は一生俺に尽してればいいんだよ…このガキが…」
同じ名を繰り返し声にならぬ声で呼んでいるのに気付いたのか、男の声は殺気を帯びていた。
そして手が離されるのと同時に、辰央はその場に崩れ落ちた。
口内で溶けて消える言葉達はそのまま哀しみへと姿を変え、一筋だった涙はいつの間にかとめどなく溢れてくる。
そして視界もぼんやりと暗く滲んでいく。
*
朝河さん、ごめんなさい。
僕は貴方が世界で一番大好きです。
だからどうか嫌わないでください。
僕が貴方の「頭」でいてもいいのなら、2人で1匹だと今でも僕を迎えてくれるなら、前みたいに僕を抱きしめて、遠慮なんてしないで力一杯痛いくらいに愛して刻み付けてください。
消す事はできなくとも、一時でもこの悪夢を忘れ去れるならば苦痛さえ快楽だから。
穢れた身体で貴方に触れる事が赦されるのなら他に僕は何も望みません―…。
辰央はそう祈り、静かに目を閉じた。
あの眠れずに泣いた夜の翌朝のように、目覚めればそこに笑顔で名を呼ぶ飛龍がいると信じて―…。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
切ないのって難しい…
それでは、ありがとうございました!
>>430 スレで予告受信したときから待ってた
激しくGJGJ ありがとう姐さん!!
飛辰の悲恋ぶりは本当にガチですね
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
R/D/潜/脳/調/査/室 久/島×老/波/留。
電脳設定はかなり想像+捏造。
彼の検査結果には、異常は見られなかった。作業が終わった医療用アンドロイド達が私に一礼をし、室内から出てゆく。
ほぼ彼のための医療ルームとなっているこの来賓施設の一室には、私と、ベッドに横たわる彼とが、残された。
「――これで僕は大丈夫だと言う事が、君にも納得出来たかな?」
ベッドに全身を預けた白髪の老人は、微笑んで私を見上げて言った。
「検査上はな。しかし無茶はするなと常々言っているだろう」
涼しい顔の彼に、私は小言を言い募る。今回だってそうだ。いくら他の未帰還者を救うためとは言え、自分もそこに飛び込むなどどうかしている。
「でも上手く行ってるじゃないか。いつも」
「君には結果オーライな行動が多過ぎる。それこそ50年前から」
「良く判ってるじゃないか」
「…お前な」
私は呆れた。この男、確信犯か。
ふと、機動音がする。見ると彼のベッドがゆっくりと起き上がってきていた。電脳制御により、彼が自分で操作しているらしい。
彼はベッドに上体を起こす格好になる。彼の動かない脚はシーツを掛けられたままで覆われていた。
「君はすぐに僕を叱るが、それも50年前のままだな」
彼の視点が私の隣に移動する。彼は私を見て、懐かしむように言ってきた。全くそうだ。彼が突っ走り、私がその後ろから調べる。我々はそう言う関係だった。
50年前からそうなのだから、今更矯正は出来ないだろう。むしろその要素がなくなったら、彼ではなくなるのかもしれない。だから私は諭すのを今回は諦めた。
溜息をつく。私は彼の顔を見ながら、ベッドに腰を下ろす。彼の横顔が隣にあった。
「いつも君が無事だと決まっているなら、私も心配などしないさ」
言いながら私は手を伸ばす。彼の頬に、軽く触れた。全身義体である私の手に備わっている感覚点が、彼の肌の感触を生脳に伝えてくる。
皺が刻まれ、瑞々しさも失われてしまっている老いた頬。それは50年前とは変わってしまった感触だが、今も当時と同じように彼に触れる事が出来るのが、心底嬉しい。
彼はまるで猫のように目を細めていた。私の姿は義体として当時の姿を留めている。
彼が私から感じる感触は、50年前と同じなのだろうか。だとしたら義体にした甲斐があるのだが。
不意に彼は身じろぎをした。その手を胸元にやる。そこは検査のためにシャツを大きく開いたままになっていた。
「どうした?」
「何だか寒くなったよ」
私が問うと、彼は苦笑気味にそう答えた。来賓施設である以上空調は快適な温度に設定されているが、肌を露出していては流石に少々寒いかもしれない。
彼は指をシャツの下の方にあるボタンとそのホールに持って行き、合わせる。自分で前を閉めようとしていた。私はその様子を見ていて――不意に、感情が動いた。
「待て」
私は短く言い、彼の手を押し留めた。
「え?」
怪訝そうな声が上がる。彼の手が止まり、私を見た。
私はもう片方の手では、彼の頬に触れたままだった。その頬を撫で上げ、自らの顔を近付けてゆく。
不思議そうに私を見る瞳が視界に入り――私は彼の唇に、自分のそれを重ね合わせた。
私の行為に驚いたらしく、一瞬彼の体が震えた。やんわりと彼の両手が私の両肩に触れ、軽く押してくる。しかし私は構わない。それを無視し、舌先で彼の唇を抉じ開ける。
頬を撫でつつももう片方の手を彼の顎に当てる。軽く彼の顎を引き、口を開かせた。柔らかく熱い感触がする。私は彼の口腔に深く舌を差し込んだ。口を吸い上げ、中で彷徨っている彼の舌を捉えて絡め取る。
ふと気付いた時には、彼の両手は私の肩に置かれるままとなっていた。ともすれば私の身体を軽く引き寄せようかと言う感じにも思える。
私は僅かに顔を傾けると、彼もそれに付き合ってくる。軽く息をついた後にまた私がその唇を奪っても、彼は抵抗せずに応じた。
唇の感触を楽しみながら、私は片手を伸ばす。手探りに首筋に触れ、そのまま辿り喉元を撫で、鎖骨をなぞる。彼のシャツは胸元で大きく開いたままだったため、私の手はそのまま入り込んで肩のラインを撫でた。
露出した肌からは若干冷えた感触がする。やはり寒いと言うのは錯覚ではなかったようだ。そう思いながら私は手を更に進める。肩口から胸元に掛けて大きく存在する彼の傷痕をなぞり、そして胸の突起を探り当てた。
それをそっと押し潰すように触ると、彼は塞がったままの口から軽く息を漏らした。微かに首を振ろうとしていた。とりあえずは充分に彼の唇を堪能した私は、ゆっくりと口を離した。
離れた瞬間、彼は息をつく。全身義体の私には呼吸の必要がないので、今となっては判らない感覚だ。彼の濡れた口元が半開きになりそこから吐息が漏れている。半身を起き上がらせているベッドに身体を預け、彼は顔を振った。
そんな中だが、彼の胸元に潜り込んだままの私の手は、更に悪さをする。2本の指で突起を摘み上げ、軽く力を込める。すると彼は眉を寄せた。
「…何をしているんだ君は」
掠れた声が聴こえた。そこに非難めいた響きはない。軽く呆れているような声だった。だから私は少し笑う。片手では相変わらず頬を撫でてやりつつ、言う。
「私に言わせるのか?」
「僕はもうこんな身体だぞ。そう言う事は出来ないだろう」
「50年前はしていた事じゃないか」
「だから、今は…――」
私が彼の頬を舐め上げた事により、彼の言葉は中断する。頬からは強張った感触が伝わってきた。私はそこに軽く口付ける。
そして私は一旦身体を剥がし、靴を脱いだ。ジャケットを脱ぎ捨て、サイドテーブルに放る。そしてベッドに上がり、膝を立てて彼の身体を跨いだ。
「君の身体に負担を掛けるような事はしないよ」
私がそう笑い掛けても、彼は未だ釈然としない表情のままだった。まあ、いいか。強硬に嫌がる訳でもないのだから。
ゆっくりと彼の身体に被さる。私は彼の首筋に唇を落とした。白く細い首筋。私はそこに舌を走らせる。
最中に再び手を胸元に差し込んだ。弄りいじる。首筋から鎖骨へと舌を進め、それから傷痕を舌先でなぞった。
ベッドに身体を預けたままの彼が、首を傾ける。私から顔を背けるような角度で、深い息をついた。
「――私のせいだな。この傷は」
「…そうじゃない」
無残な傷痕を見ていると、罪悪感を感じた。呟くように言った私の言葉に、呼吸の合間に躊躇いがちな声が返ってくる。
舌先が胸の突起に辿り着き、突付き、舐め上げた。軽く甘噛みすると、上からくっと堪えるような声がした。
片方も相変わらず指先でいじり続けている。戯れつつ視線を落とすと、彼の手がシーツを強く掴んでいた。
私は手での責めを中断した。その手で脇腹を撫で下ろす。そのまま片手で彼のベルトを緩めに掛かった。
「…おい。ちょっと待て」
「何だ」
「それはどうなんだ」
彼は相変わらずベッドに身を任せてはいるが、微かに上気して来ている様子だった。気だるい感じで私にそう言う。
私の手はそのまま潜り込む。そのまま握り掴んでいた。
「厭ではないのだろう?」
言いながら私はゆっくりと根元から先端までを擦り上げる。
何かを言おうとした彼の口を、私はまた口付けて塞いだ。圧し掛かるように身体を押し付けつつ、少々強引に舌を絡める。
絡ませた指を上下させ、刺激を与えてやると、彼は息を詰まらせた。何か声のようなものを上げようとしているが、私はそれすら飲み込んだ。唇の隙間から吐息が漏れる。
暫く続けた後に、口を離すと彼は大きく息をつく。そこに、私は強く先端を擦り上げる。彼の身体が跳ね上がるように動いた。掠れた喘ぎが口から漏れる。強い刺激が来たらしい。
彼が顔を振ると、後ろで纏められている白髪が揺れる。細い喉が反り返った。瞼を閉じて何かに耐えている様子だが、顔が上気してきている。
手から伝わる感触も変わってきていた。徐々に硬く大きくなりつつあるような感触。更に、指に絡んでくる粘液。
「我慢するのは身体に悪いぞ?」
私は耳元で囁き、口に含む。彼は微かに震えていた。
「――僕は」
短い声がした。目許を潤ませている。身体を揺らしているのは堪えているのか、それとも求めているのか。
そして彼の口元から短い呻きが漏れ――私の手の中で白濁が勢い良く弾けた。
濡れた唇から荒い息を漏らしている。頬を紅く染め上げ、目許からは涙を流していた。顔を動かし、ベッドに押し付ける。
私はそれらの表情を全て見ていた。凄まじい色気だと思う。これに私は50年前からやられていたのだったか。姿は変わってしまっても、昔も今も、彼は美しい。私は自らの首に自由な片手をやり、ネクタイを少し緩めた。シャツのボタンを上からいくつか外す。
「――それで、君は…どうするんだ…」
荒い呼吸の合間に、彼の口からそんな言葉が紡ぎ出される。掠れた調子になってしまっていた。
「私はそんな君を見ているだけでいいんだ」
「…随分と大人しくなったものだな…」
「50年前と違うのは、メ夕ルが存在し、私は全身義体であるという事だ。脳内に適当なプログラムがあるから、私は君を抱いて射精に至らずとも絶頂感を得る事は出来る」
彼のこんな仕草から得られる衝動を水増しし、性的快感を増幅させる。それでいて義体の性器への回路を遮断し、絶頂の結果である射精には至らないようにする。現在ではそう言う事が簡単に可能だった。
私が用意しているプログラムは、挿入行為がなくとも男は充分な絶頂感を得る事が出来る。そのために女性には負担を掛けないセックスが可能となり、また射精を伴わないために汚して後始末に困るような事もない。
便利なものだ。だから、私は彼との行為に至った時のために、負担を掛けないようにしようとこのプログラムを用意していた。
今はまだそのプログラムを走らせてはいない。最初からそう言うものには頼りたくないから、いよいよ切羽詰まった時に初めて施行するつもりだった。
「…こう言う事でも、用意がいいんだな」
その声には若干、呆れの成分が含まれていた。
「まあな。突っ走る君の相手をして来ると、自然に用意周到になるものだよ」
私はそう答える。中に潜り込んでいた指を解き、手を引き抜いた。顔の前に持ってくる。白濁に濡れ、べとつく手。粘り気を指先で広げ、その指先を1本、軽く口に含んだ。
苦い味が口に広がる。全身義体である私は、成分的に食料となり得るようなものをあんまり口にしない方がいいのだが、味を感じる程度ならば構わないだろう。
そんな事をしていると、不意に彼の手が伸びた。私のその手首を掴む。そして、彼はそれを自分の方へと引いた。私は不思議に思うが、されるがままだった。
彼は濡れた私の手を、自分の顔の前に持ってくる。伏目がちの目がそれを見ているらしい。そのまま手を口元まで近付けて――舌先が覗いた。赤い舌が軽く、私の指先を舐め上げた。
「――おい」
私は少し驚いた。舌先に粘り気のある白い液体が絡め取られるのを見やった。そんな私の顔を、彼は上目遣いでちらりと見上げる。
何だか瞳に含まれている成分に、悪戯っぽいものがあるように感じられた。彼は手の甲に口付けてから、言う。
「今の僕には、この位の事しか出来ないからね」
そう言って再び口を私の指に付ける。唇で指を先端から根元までなぞり、それから舌で大きく舐めて来た。
手首を掴む角度を変え、上手い具合にあちこちを舌を走らせる。付着していた白濁が舐め取られ、彼の口元で唾液と絡んで唇から覗く。
唐突に彼は私の指を1本、口に含んだ。熱い口内の感触が私の人差し指を包み込む。そして舌が絡んでくる。吸い上げられる感触。
――プログラムは走らせているのか?
不意に私の脳に彼の声が響いた。電通だった。口が塞がっていても会話が出来る。これも50年前とは違う点か。
「いや、まだだ。しかしこの分ではそろそろ準備しておくべきかな」
言いながらも私は彼の顔を見ていた。目を伏せて私の指を口に含み、舐め、口付ける。その度に湿り気のある音が立つ。白濁を舐め取りつつも指には唾液が纏わり付く。流石に苦いのか、少し眉を寄せていた。
私に奉仕してくる様子。確かに私の身体に何かを訴えかけてくる。
義手に備わっている感覚点はそれ程多くはない。だから、生身程に私に対する入力はない。しかし視覚でそれを補っている。まるで手元で感じているかのように、脳で錯覚している――のでなければ、私はここまで興奮に襲われていないだろう。
更に、私には過去の記憶がある。お互いに若い頃、彼と寝てきた記憶が。今の彼は身体が老い、両脚が不自由なので、あまり無理は出来ない。
しかし昔はそれこそ色々とやってくれたものだった。それと今の光景が重ね合わされる。
私は息をついた。身体が熱い。そろそろまずいようだ。脳内でプログラムを探査しつつ、前に倒れ込む。彼に身体を預けた。
顔を彼の肩口に潜り込ませる。彼の表情を楽しんでおいて何だが、私自身はそう言う表情を見せたくはない。
彼は私の行動に驚いたらしい。手を舐める作業が停まる。
プログラムを施行した途端、いきなり衝動が来る。息が詰まる感覚がする。私は瞠目した。反射的に、目の前に見える首筋に噛み付いた。強く吸い付き、音を立てる。
これは合法プログラムであり、義体だけではなく生身の人間にとってもメジャーな代物であるはずだった。なのにここまで来るとは。
今までは使う相手がいなかったので、私にとっては初めて使った事になる。その刺激が強いのかもしれない。
衝動に私は突き動かされる。濡れた手がそのまま彼の手を掴む。がしりと指を絡ませ、強く手を合わせ――。
「――うわ、何を――!」
次の瞬間、悲鳴にも似た怯んだ声が私の肩越しに聴こえた。一気にその細い喉が反り返る。荒く大きな息がその口から漏れた。息を求めるように呼吸している。
私は掌を合わせ電通し、自ら感じている快楽を彼にも横流ししたのだ。突然来た衝動のせいか、彼は手を振りほどこうとするが、私がしっかりと指を絡めたためにそれは適わない。
掌を介して私の快楽を横流しし、更にプログラムを開放して彼にも働き掛けるように仕向ける。
確実に彼をプログラムの影響下に置きたいのならば彼の電脳をハックする必要があるだろうが、そんな大袈裟な事はしない。私と同じような快楽に苛まれている今ならば、彼はすぐそこで施行されているプログラムの影響を受けるはずだった。
そのうちに、喘ぐ声が彼の口から漏れてくる。荒い呼吸を伴っているために、言葉としては判然としない。その身体を捩じらせる。
私自身も上気して来ている。顔を肩口から上げ、彼の顔に接近させた。そのまま荒々しく唇を奪う。彼の声を飲み込んだ。
空いている片手で彼の頭を掴む。撫で回すうちに彼の白髪に指が入り込み、梳る。後ろで纏めているために感触がもどかしい。
もっと彼を感じたくなる。身体をもっと重ね合わせたくなり、私は電脳経由でベッドを操作した。起き上がっていた上部がゆっくりと倒れてゆく。
そこに身体を預けていた彼と、私は、そのまま倒れ込んだ。勢い任せに身体が押し付けられ、ベッドが軽く軋んだ。私はそのまま彼を強く抱いた。脚を割り込ませ、全身を密着させる。
彼の自由な腕が彷徨い、私の身体に伸ばされた。強く回される。肩の辺りを掴む手に力が入っているのが判る。
深く口付け続ける最中、彼は私を求めるように舌を差し出してきていて、私もそれに応じた。互いに唇を貪りつつも、電通で彼は私の名を呼んでいる。縋るような、切ない声が脳内に響く。
プログラムにより増幅された快楽は一定の度合いで保たれているはずなのだが、我々はそれ以上を自力で得ているようだった。私は彼の全てを感じながら、強い衝動に突き動かされる。
シナプスに電流が走るようなイメージがする。眉間が痛み、呼吸の必要がない私だと言うのに、息が詰まる。脳内で何かが弾け、それが身体に広がってゆく。熱い感情が身体を支配し、そして不意に身体が弛緩した。ゆっくりと彼に被さる格好になる。
それを受け容れる彼の身体も、くたりと力を失った。どうやら互いに絶頂を迎えたようだった。
互いにプログラムの影響を受けた格好になるために、絶頂を迎えても射精に至っていないのは私だけではない。生身の彼もそうだった。
私の下でぐったりとしている体が熱い。身じろぎしている体が纏うシャツの胸元から覗く白い肌はほんのり紅く色付いている。
繋がったままの掌からは、彼の感覚が未だに伝わってくる。どうやら共有状態にしてくれているらしい。それともプログラムが強制的に働き掛けているのだろうか。
これは今後はあまり使わない方がいいのかもしれない――少なくとも彼に電通して横流しするのは止めよう。
しかし今の感覚は確かに素晴らしいものだった。合法プログラムでさえこうなのか。庶民の技術も捨てたものではない。
妙な感慨を抱きつつ、私は重なったままだった手を解いた。名残惜しく指が彷徨う。色々なものでべとついた感触はまだ残っていた。
私は頭を軽く振った。行為の後に来る気だるい感覚は昔と変わらない。ゆっくりと腕をベッドにつく。彼に被さった身体を引き剥がしにかかった。
ふと、視線が彼の首筋に行く。私はそれを見て、気付いた事があった。
「…どうかしたのか?」
動きを止めた私の様子を怪訝に思ったのだろう。彼はそう訊いてきた。心なしか、声の調子はぼんやりとしている。
私は素直に事実を告げ、詫びる事とした。
「すまない、首に痕を残してしまった」
「何だって?」
途端、慌てた声がする。彼の手が首筋に伸び、私が見ている箇所を探るように触る。しかし当然だが、触った感触で判るようなものではない。
「目立つ所じゃないだろうな」
非難めいた視線が私に突き刺さる。さっき噛み付いた時につけてしまったのだろう。白い肌に赤い痕が映えてしまっている。
「襟でぎりぎり隠れるかと言う箇所だ。君のその白い肌では目立つかもな」
「ばれたらまずいじゃないか」
それは、あの少女の事を思っての発言なのだろうか。教育的措置か、それとも――…何だ?私は彼女に嫉妬でもしているのか?彼と深い所で繋がり合っている彼女に。
「アンドロイド達なら余計な事は考えないだろうし、事前にその件について問わないように命令しておけばいい。あのお嬢さんは、中学生だろう?まだこんな事、判らないさ」
私の部下で最近彼の部下ともなった青年については――まあ、大人なのだから、察してくれるだろう。相手は誰なのかとかは、置いておいて。
私はそう言い募ると、彼は眉を寄せた。不機嫌そうな顔。しかし先程までの性の感覚を漂わせたままの陰影を持つ表情。
私は笑ってその頬に唇を落とした。年甲斐もなく、もっとじゃれ合いたい気分だった。
「――さて」
しばし彼に触れた後、私はベッドから下りた。床に脱ぎ捨てていた靴を履き直す。
そして横たわった彼に両手を伸ばし、シャツのボタンに手を掛ける。胸元が開く程度までボタンは開けられていたが、更にそれを進めた。
全てを外してしまい、私は彼の腕を取る。袖口のボタンも外してやり、そのまま腕をシャツから引き抜いた。
彼はされるがままに、私に脱がされる。色素が薄い肌が露になる。私はシャツを脱がせてしまい、その上から覆うようにシーツを被せた。脚から胸までにシーツが掛かる格好になる。
「…どうするんだ?」
「君はこのままでは帰宅出来ないだろう。私が洗ってやるよ」
私は笑った。自らのシャツの袖を捲り上げ、肘より上に来るようにする。
この部屋は来賓施設だけあって、バスルームも備え付けてある。とりあえず電脳制御で浴槽にお湯でも張り始める事としよう。
「…君がか?」
「アンドロイドにも見せたくない姿だろう?」
「洗いながらまた変な事を始めないだろうな」
「君の裸身に欲情しない保証はしかねるな」
臆面もなく言い放った私に、彼はうんざりしたような顔をして溜息をついた。
「何だ?昔は良くやったじゃないか」
「まあ、そうだけどさ…」
50年前はむしろ彼の方が喜んで私に色々してきたものだったが、変わったものだ。人間とは更生出来るものなのかと私は思いつつ、上体を曲げた。
腕をそれぞれ、彼の膝の下と首の下に差し込む。そのまま抱き上げようとした。
すると、彼の腕が伸びた。私の首の後ろに回る。軽い力で私はそのまま引き寄せられた。顔が近い。彼は私を見ていた。
不意に彼の手に力が入り、私の顔を更に引き寄せた。同時に彼も少しだけ伸び上がる。
彼は私の唇に、軽くキスをくれた。
私は少し驚いた。表情にも出ていただろう。力はすぐに抜かれ、私は顔を少し離して彼の顔を見た。そこには楽しそうな表情がある。
「――君が望むなら、仕方ないかな」
彼はそんな事を言った。その台詞を認め、私は少し笑った。
軽く頷き、私はそのまま腕に力を込めて、一気に上体を上げて立ち上がった。昔とは較べ物にならない程に軽くなった彼の身体を抱き上げる。
あの事故を経て50年を一瞬で見送った彼は老い、その50年を待った私は全身義体として当時の姿を維持する事と引き換えに人間ではなくなった。お互い、50年前とはあまりに違ってしまっている。
しかし、内面はそれ程変わってはいない。少なくとも、あの当時のように繋がる事が出来る。
この50年は確かに辛かった。体験しないに越した事はなかった。しかし、今の状況はそれ程悪いものではない。
――私はそう思うが、彼もそう思ってくれているだろうか?
私は彼を抱き上げたまま、部屋の向こうにあるバスルームへと向かう。
腕の中に居る彼は身体から力を抜き、私に従っている。目を細めて私を見上げていた。私はそんな彼に笑いかけた。
これから、取り返せるものは、取り返せばいい。私はそう思いながら歩みを進めていった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
連投規制に思いっきり巻き込まれまくってすいません。
ストレッチャーの上で胸をはだけて上体を起こすエロス溢れる爺に悩殺された勢いのまま書いたが、後悔はしていない。
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|│l> play. │|
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( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
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└──────│dvd発売記念?ダヨ
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身体の芯から突き抜けるように熱が飛びだして行った。
抱え込んだ腕の中ではキタさんが荒い息をしている。
覚悟、もしていたし、なにより自分の望んだ事の筈なのに、一気に血の気が引いた。
――ヤバイ。
「キタさ・・・・・」
ごめん、と慌てて身体を離そうとすると、反対にキタさんが首に抱きついてきた。
その肩を抱きしめようにも、たった今まで抱え込んでいたはずの腕が竦んで動かない。
これ以上この人に触れるとただ傷つけるだけなんじゃないか。
ただこの人を汚してるだけなんじゃないか。
自分の寂しさをこの人に押し付けてるだけなんじゃないか。
心が近づいて、同じ日々を歩いて、二人で優しい時間を――。
それだけで充分だった筈なのに。
「うっ・・・へ・・たさん、へいたさ・・・」
嗚咽まじりに名前を呼ばれる。
「キタさん。ごめん、キタさんごめん・・・キタさ・・・」
ぽとぽとと背中に暖かい雫が落ちてくる。
泣かせてしまった。
当たり前だ。
無理やり身体を繋げて、挙句泣かせて、何がしたいんだよ、俺は。
「ちが・・・う・・・」
「い、痛かった?」
ふるふると首が振られる。
「嫌だったよな・・・?我慢させちゃったな。」
無理な事なのも酷い事なのも判ってる。
それでも俺はこの人から離れられない。
「・・・違うんです。」
ぐすっと鼻をすすりながらそれでもしっかりとキタさんは言う。
「へいたさん。・・・ありがとう。」
耳元に掠れた声でキタさんは囁く。
こんな風に人に触れられた事は無かったから、
触れられた所から、全身で大事にされるのが分かったから、
こんなに幸せな事だと知らなかったから。
ありがとう、
もう一度キタさんはそう言った。
口の中で小さくもう一度ごめんと呟いて、今度こそしっかりと抱きしめた。
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|│ロ stop. │|
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ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) オイラの手元には未だ届かないのさ
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初めてのガチュン直後ですな。
>>450-452 姐さんGJGJGJ! 可愛いよ北さん…!
姐さんの手元にも早く届きますように!
>>407 亀ですが激しくGJ!!!!!
いつもありがとう!
457 :
風と木の名無しさん:2008/06/15(日) 04:42:16 ID:TQa3nvVz0
あげ。
すばせか、ヨシュネク。イメージとしてはヨシュア編五日目辺り。
スレの696姐さんが素敵な呟きをしていってくれたので書いてしまった。
頻繁に女性キャラの名前が出てきますので、苦手な方はご注意をば。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「彼女のこと、助けたいんでしょ?」
助けたい。助けなくちゃいけない。ハチ公での待ち合わせが、まだ済んでない。
シキに教えてもらった色んなこと、まだ何も返せてない。
そのためにはこいつの協力が不可欠なんだ。
「僕の言うこと聞けるよね」
だから。
こいつは俺のパートナーだから。
なんで急にこいつがこんなことを言い出したのかは分からない。
ろくにミッションも出ない今回のゲームに飽きたのだろうか。元々、こいつはミッション自体面倒くさがってたように思うのだが。
そもそもなんで参加してるのかわからない生き人のこいつのことだから、俺の立場から理解するのは難しいことなのだけれど。
渋谷の喧騒がすぐそこに聞こえる、薄暗い路地の壁でなぜかこいつに押さえつけられている。
本来ならいつ誰が来てもおかしくないこんな場所で、と思うところだが今現在UGに属している俺たちにはあまり関係がない。
ただあちらから見えなくても、こちらは見えているというのがやりづらいことに変わりないのだが。
易々と押さえ込まれた身体も、にやにやと何食わぬ顔をしているこいつの視線も屈辱的以外の何物でもない。
ないが、今の俺には悔しさを堪えて顔を背けるくらいしかできなかった。
もちろんこいつが唐突に「暇だからやらせてよ」などと頭が沸いたとしか思えない台詞を吐いたときは、止めろ嫌だ離せと散々に抵抗したつもりだが、
シキの名前を出されては大人しくする以外に何も術などない。
パートナー、だから。
こいつがいなくては、俺はこの渋谷でたったの一日も生き延びることができないのだ。
それではシキを助けられないから。
「ふふ、急に大人しくなったね。もう少し元気にしてくれても僕は楽しいんだけど?」
まさぐるように服を捲る手も、目の前にあるスミレ色の瞳も、俺の知らないものだ。
こんなに近い距離でこいつと接するのは初めてで、落ち着かない。
そもそも何をどんな風にされるのか全く予想がつかなくて正直怖かった。同時にこんな理不尽な目に合わされる憤りも当然感じていて、
入り混じる感情をどう発露していいかなんて分からない。
「う、るさい……いいからさっさと済ませろっ」
こいつが生き人だと死神にばれたあの件のせいで、力づくではこいつには敵わないことを見せ付けられた。
バッジも使わず禁断ノイズを一瞬で葬った様を見せ付けられては、俺ごときがどれだけ抵抗しても無駄なんだろうと思う。
せめてもに、目の前の余裕綽々な笑顔を睨みつける。
「そうそう、それくらい元気なほうがいいな。さっさと済ませるかどうかは僕が決めるけど」
ボタンのない俺の服の裾を捲りながら、するりと入り込んだ手が腹を撫で上げた。
思いの外冷たい手の感触に肌が粟立つ。反射的に震えた身体にも構わず、ずうずうしく触れてくる腕を思わず掴んだ。
抵抗しても無駄だと分かりつつ身体が勝手に動いてしまったのだが、それがこいつにはお気に召さなかったらしい。
ふーと嫌そうに溜息を吐きながら、命令される。
「そういうの面倒だから、後ろ向いてくれる?壁に手、ついて」
嫌々ながら従うと、後ろからこいつに抱えられているような体勢になる。いよいよもってこいつにされるがままの、
屈辱的な格好に唇を噛んだ。
ヨシュアはヨシュアでこの体勢に満足したらしく、先ほどの続きのように俺の身体を撫でてくる。
震える身体に構うことなく当たり前のように下肢へと伸びる手に、咄嗟に脚を閉じた。
けれどもそんな些細な抵抗も脚の間を割るように入り込んだ膝にあっけなく崩されて、股間を押し上げるように圧迫されれば息を荒げるしかない。
ぞわぞわと肌を走る感覚から目を背けるように、ぎゅっと目を瞑った。
「シキ、シキってネク君いつもそればっかりだからさ。なんとなく、腹立たしくて」
ぼそりと呟かれたその言葉はこちらに聞かせる気がないであろうほどにささやかで、ほとんど聞き取れなかった。
何かとても大事なことだったんじゃないかと聞き返したくても、腹の中を掻き回すゆびに意識のほとんどを持ってかれてしまえば叶わない。
こいつの気まぐれでどの程度手酷く扱われるのかと怯えていたものの、思っていたよりも乱暴にはされなかった。
けれどもだからといって溺れるほどの快感を与えられるでもなく、必要最低限という言葉がふさわしい行為に思える。
後ろから抱えられたまま局部を掴まれて、初めて他人の手に撫で回される感覚に逆らう間もなく射精させられた。
そのまま吐き出した白濁を潤滑液代わりに後ろを開かれて、今は増やされたゆびが探るように内部を動き回っている。
開かれたばかりのときのような痛みは和らいだものの、がくがくと震える膝はヨシュアに支えられていなければすぐにでも崩れ落ちてしまいそうだ。
「は、ぁ…ぅく…」
壁についた腕に額を押し付けて、身体中を支配する違和感に耐える。
何度も何度も中を行き来するゆびに、痛みとは違う感覚が襲ってくるのを先ほどから自覚していた。
理不尽極まりない命令をされて嫌々身体を開かれているはずなのに、その感覚はまごうことなく
快感に分類されるであろうことが何よりも理不尽だと思う。
気持ちとは関係なく身体は素直なもので、屹立したもので自分が快楽を得ていることはヨシュアにもとっくにばれているはずだ。
ヨシュアの行為の意味も、心とかみ合わない肉体の反応も、何もかもが分からず自分の意思とはちぐはぐで、
生理的な涙で濡れたまぶたがまたじわりと熱くなる。
「な、んでっ……」
咄嗟に口をついて零れた言葉は、あまりにも漠然としすぎていて自分でもどんな解を求めているのか分からない。
ヨシュアのことも、自分のことでさえも分からなかった。
「ここでもちゃんと感じるようにできてるんだよ。そんな顔しなくても、身体がそうなってるのさ」
零れた言葉は自分の反応について戸惑っているのだとヨシュアの耳には届いたようで、投げやりな解説をくれた。
そういうものなのかと理解はしても、到底心はついていけない。一瞬覚えた安堵も、すぐに掻き消えてしまうほどに微々たるものだ。
「う……ぅくっ……」
ゆるゆると首を振っても散らばることなく襲ってくる感覚に、ただひたすら震えながら耐えるしかなかった。
「もういいよね」
天気の話をするような軽い響きで言われてすぐ、ずるりと体内の指が引き抜かれる。
あまりにも唐突な変化にあっけなく膝が崩れて、ヨシュアの手に支えられた。
荒くなるばかりの呼吸を整える暇もなく、熱いものが押し当てられる感触。
声を上げようとする前に、有無を言わせず押し込まれた。
「……っ!」
痛い。熱い。
先ほどまで体中を暴れまわっていた感覚など比にならないほどに、ただその二つの感覚だけに全身が支配される。
「あ、あっ、ぁ」
「力、抜いて。って言っても無理かな」
容赦なく割り開かれて、唇から勝手に悲鳴のような声が漏れる。
飄々と後ろから聞こえるヨシュアの声が、どこか遠い。
ぶるぶると頭を振っても、こいつを拒む要素にはなりえなかったようだ。痛みを訴える身体とは裏腹に、
散々内部を掻き回されたせいか押し込まれたものがずぶずぶと容易に入り込む。
いつの間にか前に回されたゆびに萎えたものを握られて擦られれば、簡単に力が抜けてしまった。
我が物顔で体内を蹂躙するものに今の感覚が痛みなのか快感なのかもわからず、ただ声を上げて震えた。
自分のことですら分からないのに、こいつのことなんて到底分かるわけない。
ただ、今こいつはどんな顔をしているんだろうとそればかりがやけに気になった。
後ろから貫かれる体勢に、こいつの様子を伺うことができないからかもしれない。
こいつがどうしてこんなことをするのか分からないし、果たしてこの行為がシキを救う手助けになるのかも
気まぐれなこいつ相手では正直わからない。
パートナーなのに、どうしてこんなに分からないことだらけなんだろう。
身体を支配する痛みに、熱に、さっきから視界はぼやけるばかりでろくにものを写さない。ただ容量を超えた液体が、
ひっきりなしにぱたぱたと零れていくのをぼんやりと感じた。
俺は、こいつを分かりたいんだろうか。
ふと、俺のことが分からないと訴えた揺れるピンクの髪と、茶色の瞳を思い出す。いつのことだったか、あいつに出会って、すぐだ。
死神に唆されて俺はあいつを殺してしまうところだったのに、なんてお人よしなんだろうと思った。
あのとき、お前はなんて言ってただろう。
なぜだか無性にヨシュアの顔が見たくなって、必死に後ろを振り向いた。
声を出そうにも唇から漏れるのは意味のない音ばかりでどうすればいいのか分からない。
けど、単なる偶然か気まぐれか、ぐ、と身体を持ち上げられて反転させられた。
貫いたままのものが内部を暴れる感触に、息が詰まる。
「ひ、ぅっ」
「なあに」
落とされる声音にも、やっと見つけたスミレ色にも、感じ取れる色が何もない。
この閉ざされた理不尽な世界で今誰よりも近しいはずの存在が、どうしてこんなに遠いんだろう。
どうして、お前はそんな顔をしてるんだろう。
何かを伝えたいのに、どうすれば伝わるのか分からなくて、闇雲に手を伸ばした。
柳色の柔らかな髪の毛をすり抜けて、こいつの首に腕を回す。まともな声が出るか分からなかったので、ぐぐ、と精一杯引き寄せた。
「お、れはっ」
思ったとおり、まともな声なんて出なかった。でも掠れようとなんだろうと、伝えたかった。
「おまえの考えてること、知りたい……っヨシュアのこと、もっと分かりたいよっ」
最後は感情が高ぶりすぎて涙声に近くなってしまった。
実際ひっきりなしにこみ上げてくる熱いものが、瞼から雫になって零れ落ちるのが止められない。
そうだ、俺はもっとお前のことが知りたいんだ。分からないままでいるのはもう嫌なんだ。
シキ、お前もあの時こんな気持ちだった?
俺のことを知りたいと言ってくれた、まっすぐで必死な茶色の瞳が頭をよぎる。
こいつのスミレ色に、俺はどんな風に写ってるんだろう。シキみたいになれるとは到底思わないけど、
せめてこの気持ちのひとかけらでも伝わればいいのにと思った。
お前は、何をしようとしてるんだ。お前が俺を殺したのか?
お前にとって、俺は何だ?
「……」
沈黙を守ったままのヨシュアが怖い。
せめてすぐに隠れてしまった表情だけでも確かめたくて、長くかかる前髪に震えるゆびを伸ばす。
が、触れる直前で払いのけられてしまった。どうしていいかわからなくて、行き場のない手のひらをぎゅっと握り締める。
はぁ、と大げさな溜息が聞こえた。
「興醒めだな」
え、と顔を上げようとする前に、腰を掴まれた手に力がこもる。
そのまま、その手で強引に俺を穿っているものを引き抜かれた。
「ん、ぃ…あ、あぁぁっ」
急激な喪失感に身体がついていけず、内部の粘膜がひくつく。乱暴な動作にがくがくと身体が震えた。
あまりに唐突な行動に疑問を持つ暇もなく痛みで萎え中途半端に屹立したものを掴まれて、擦り上げられる。
「あ、あっあぁ」
先ほどまでの乱暴な手つきが嘘のように優しく扱かれて、あっけなく達してしまった。
「はっ、はぁ…」
追いつかない呼吸が苦しくて、ひゅうひゅうと喉が鳴る。
もう脚どころか体中のどこにも力が入らなくて、支えを失った身体がずるずると壁沿いにへたりこんだ。
しばらく、耳障りなほどにうるさく響く自分の呼吸音だけが聞こえる。
荒い息を抱えてぼうっとしていると、すぐ横に誰かが座り込んだような衣擦れの音。
同時に肩にふわふわとくすぐったい感触とわずかな重みを感じた。
座り込んだ俺の隣にこいつが腰掛けたんだと理解するまでに、少々時間がかかった。一度に色々なことがありすぎて
到底まとまらない頭も、ようやく少しずつ疑問を感じ始める。
こいつから言い出したくせに、なんで途中で止めたんだ?っていうかなんで隣に座るんだ。
ぐるぐると渦巻く思考を持て余しながら、動かない身体にもどかしさを感じる。
乱暴を働いた相手の隣にいけしゃあしゃあと居座るこいつの心情はまったくもって理解できない。
理解できないが、こいつを払い退けるのにも殴りつけるのにも今の身体では到底無理だったので、
仕方なくそのままにしてやった。
重い頭をどうにか動かしてこいつに目をやると、うつむいた頭のつむじだけが見える。
表情の見えないその角度から見たこいつは、ひどく子供っぽく見えた。
どうしてそう思ったのか分からないけれど、なんだかその頭を撫でてやりたい気持ちになって、
でも重い腕は俺の命令など聞いてくれずろくに動かなかったのでそのまま見つめるに留めた。
お互い無言のまま過ごしていると、唐突に沈黙を破ったのはヨシュアのほうだった。
「ネク君が変なこと言うから、萎えちゃったよ」
ぼそりと呟かれた言葉に、怒りを通り越して呆れてしまった。
なんだそれは。どうしてこんなことをされた俺のほうが文句を言われなくちゃいけないんだ?
こうして座っているのもやっとなほど悲鳴を上げている身体をどうしてくれる。
むしろ俺はこいつがやる気を失くしたせいで助かったと言えば助かったのだけれど、
もやもやと言葉にできない気持ちが胸の辺りにわだかまる。
そもそもずうずうしくこの場に居座るヨシュアに、憤りも殴りかかってやりたい激情も湧いてこない自分が不思議だった。
怒りと言うよりやっぱりそれは呆れに近いような、溜息を吐きたいような気持ちにはなるものの、
この場にふさわしいような激情と言うものは程遠い。
もうここまでされたらどうしようもないと思って、開き直っているのかもしれない。
あるいは、疲れきった身体にまともな思考も出来ないだけなのか。
ふふ、と聞きなれた声が鼓膜を揺らした。それはなんだか自嘲気味に、
ともすれば泣きそうなようにも聞こえて胸がざわめく。
怒るどころか、そんな笑い方をするこいつをむしろ心配している自分に驚いた。
「ごめん、どうかしてたみたいだ」
吐き出す言葉とともに上げられた顔に浮かぶ表情は、今まで見てきたそれと合致するものがない。
くすんだスミレ色に、また胸がざわめいた。
どうかしてた?
全くだ。腹立たしいくらい、これほど今のこの状況にふさわしい言葉もないなとおもう。
本当ならそんな一言で済ませようとするこいつを一、二発どころでなく殴るくらい許されて然るべきだと思うのだが。
それでも俺が指先一本動かさなかったのは、そう言ったこいつの表情がなんだか寂しそうに見えてしまったせいだ。
俺の願望がそう見せただけかもしれないが、見えてしまったものはしょうがない。
こいつを殴る気などそれで失せてしまったのだから。
幕開けも幕切れもあまりに唐突で、ただだんまりと背中に当たる外壁に身体を預けるしかできない。
隣では、俺の肩に頭を預けるヨシュアの柔らかい髪の感触。何なんだろうな、この状況は。
全くもって理解しがたいことばかりで、このまま目を閉じてしまえば明日には何事もなくなっていやしないかと
妄想じみたことを考えた。
とはいえ下肢を汚す不快感は紛れもなく現実のもので、今の自分の格好ばかりはどうにかしなければと重い、気だるい腕を動かす。
幸い下衣はほとんど脱がされていたお陰で、身体についた精液を拭うだけで済みそうだ。
まあ、前から後ろから汚れているのでそれが問題なのだが。
ポケットを探ってみたものの、いつぞや駅前でもらったのであろうなけなしのポケットティッシュくらいしか出てこなかった。
ハンカチの一枚でも出てくればと思ったが、自分の雑把な性格では無駄な期待だった。
絶対足りないだろうなこれ。
とりあえず努力はしてみようかと一枚ずつ綺麗に折り畳んで使ってみたものの、使いかけだったそれはすぐに終わってしまった。
拭えるだけ拭っては見たものの、十分とは言い難い。
どうしたものかと途方にくれていると、す、と横から手を伸ばされる。
「使う?」
白い手に乗せられているのは、大判の青いハンカチ。
見るからに高そうな。つかブランド名入ってるし。
正直、困った。
「た、すかる……けど、んな高そうなの、使えないっつーか」
無体を働いた相手に何を遠慮しているのかと我ながら疑問に思ったが、かと言って素直に受け取ろうなどとも思えないのだから
どうしようもない。
まごまごと言葉を濁すこちらに対し、ヨシュアはどうでもよさそうに言う。
「別にいいよ。そのままじゃ気持ち悪いでしょ?」
それはもちろんそうなのだが。
差し出されたままの手を前に戸惑った。
「明日になれば参加者の疲れとか汚れの状態はリセットされるけど、寝るまでそれだと多分気持ち悪いよ」
そうなのか。相変わらずゲームに関しては無駄に詳しいな。
「あ、ああ…」
いつまでもこいつが手を引っ込めなさそうだったのでおずおずと受け取ってはみたものの、やっぱり使いづらい。
ハンカチの青とにらめっこするのを見かねてか、折り畳まれた布は再び溜め息を吐いたヨシュアの手に拐われた。
「ネク君が使いづらいなら僕がやるけど?」
いつのまにか身を起こしたヨシュアに見下ろされていて、ぐ、と肩を掴まれる。
反射的にびくりと身体が震えると、触れた手はすぐに離された。
「どこに触られても文句は受け付けないけど」
どうする?と視線で問われて、もしかして気遣われたのかと気が付いた。
そりゃ、自分に乱暴を働いた相手に触られるなんて普通は嫌なんだろうけど。
実際はそんな気持ちは微塵もわいてこず、さっきのは本当に(たとえば目の前に手をかざされたら咄嗟に瞼が下りるような)
単なる反射だったのだ。
それなのにこいつに誤解をされていたら嫌だなと思ったので、睨むように言い返した。
「お前のせいで汚れたんだから、お前に拭いてもらう」
驚いたように軽く見開かれたスミレ色を見て、なんだかとても恥ずかしいことを言ってしまったと思ったものの、気付かないふりをした。
しばしスミレ色とにらめっこしたあと、ハンカチを掴んだヨシュアの手がゆっくりと俺の身体に伸ばされる。
皮膚にへばりつく残滓を丁寧に拭われると、残っていた不快感も和らいだ。
腹から太腿から際どいところを触られていても驚くほど嫌悪感などはわいてこない。
こいつの手付きが思いの外優しく、いやらしさの欠片もなかったせいかもしれない。
もう殆ど不快感も感じないくらいまで拭われると、そのまま衣服の乱れまで直された。
疲れきった今の体ではそれだけの些細な動作でも億劫だったので、無意識にほっと息をつく。
が、なんとなく母親の手を借りて衣服を脱ぎ着する子供を彷彿とさせて少しばかり居心地が悪かった。
ベルトのバックルまで止め終わったらしいヨシュアは、何も言わず先程と同じように隣に腰を下ろす。
相変わらず傍から離れようとしないのは何か意図してのことなんだろうか。
まあ、パートナーなのだからお互い離れた方が危険なのだけれど。
どうしてとか、なんでとか、色々問い詰めたいきもちもあったのだけれど、うまく言葉にできない気がする。
だから、ただ何となく。理由を問われたって、自分でも分からない。しいて言うなら、ひどく手持ち無沙汰だったので。
何も言わないヨシュアの、無造作に投げ出された手をそっと握った。
触れた瞬間ぴくりと動く指を感じたが、特に振り払われるわけでもなくましてや握り返されるでもない。
その反応のなさに逆に安心して、体温の低い手のひらを温めるように指を絡めた。
自分でも馬鹿なんじゃないだろうかとは思ったが、やっぱりこいつに対する嫌悪感などはわいてこないのだ。
ひどく放っておけない気にさせるこいつを見かねて、何かしたいとすら思ったのかもしれない。
むしろ、人のことを弄ぶようにのらりくらりとかわす昼間のこいつよりも、
今は少し近い場所にいられてるんじゃないだろうかと思う。
ああ、うん、馬鹿なんだろうな、俺。
「俺、は」
もう辺りは通りの目映いネオンを残して暗くなっていた。
いつもならとっくに意識を飲み込んでいる闇も、遅ればせながらもうすぐ訪れるだろう。
その前に、何かこいつに言っておいてやりたいと思った。
「お前がなんでこんなことするのか分からないし、めちゃくちゃ苦しいし痛かった、けど、
やっぱりお前が何を考えてるのか知りたいし、お前のこと……分かりたいと思う」
伝えたいことは自分でも把握しきれてなくて途切れ途切れになる。けど、思ったままに言葉にした。
「だから、いっぱい考えるから」
シキが俺にしてくれたみたいに。うまくできるか分からないけれど。
やっぱり、こいつは俺のパートナーだと思うから。分からないままでは、きっとダメだと思うから。
ふふ、とこいつの吐息が柔らかく空気を揺らす。
笑ったのだろうその表情を見やると、どことなく弱々しかった。
「ネク君て、やっぱり変だね」
遠くの街灯を緩やかに反射して白く浮き上がる髪も、瞳も、訳もなくこちらを寂しくさせる。
俺を道具のように扱ったヨシュアと、今のヨシュアと、どちらが本当なのかあるいは両方なのか、今の俺にはまだ分からない。
ただ、こいつのこんな表情も纏う雰囲気も、きっと今この暗がりでしか見られないんだろうとぼんやり思う。
だから、また殺伐と追われるだろう明日が訪れるまでは、こいつの手を握っていようと思った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
要するにお互いまだ気づいてません、みたいな話に
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471 :
新人 枝×兄 1/11:2008/06/16(月) 15:04:22 ID:3RAvdgK40
あの事件から1年。
野球もせずただの不良になり下がった生活をしていた俺らは、新しく赴任してきた教師・皮等と出会い、また野球への情熱を取り戻していた。
*****
「ちっ・・」何だか最近バッティングの調子が悪い。普段の部活後、1人バッティングセンターに来ていた心情は今日3回目の空振りにため息をついた。
――――――このまんまじゃ俺もレギュラーやばいかも・・・。
次のボールに気合を入れて構えた時、後ろからいきなり笑い声が聞こえた。
「うわ!だっせー!!」「ボールちゃんと見えてまちゅかー?」不快なトーンに振り向くと、赤髪と金髪の他校の生徒が笑いながら心情を見ている。
「何だとコラ・・・」カラン。バットが転がる。心情が外へ出て行くとその2人はニヤニヤしながら立っていた。
「あれ?ニコガクのやつじゃん?」
「へー。ニコガクってまだヤキューやってんだー。」
「だったら何だっつんだよ!」むしゃくしゃした心情は赤髪の胸倉を掴んだ。
「じゃあさ兄屋ってやつもまだいんじゃねーの?」思いがけない名前が出たことに驚き金髪を振り返る。
「おまえじゃなさそーだしなー。」心情の手をはねのけ、上から下まで舐めまわすように見ていた赤髪が下品な笑いを浮かべていた。
「兄屋に何の用だよ」
「何って・・・」「なぁ・・・」赤髪と金髪が顔を見合わせて同時に笑う。
「1発ヤラせてもらおうと思って。なぁ?」「ギャーハッハッハ!!!」
「てめえ!!!」笑った金髪のほうの髪を掴む。
「兄屋はそんなやつじゃねーよ。誰と間違ってんだよ。」
「あれ?アニヤケーイチ。野球部じゃねーの?」
「・・・・・」こいつら何を言ってんだ?
「あれ?おまえもしかして知らねえの??」金髪が手を振り払い怪訝な表情の心情に顔を近づける。
「何がだよ・・・?」
「アニヤって奴、枝奈津の最初の男なんだろ?」
――――――枝奈津・・・。
忘れもしないその名前とアニヤの横顔がシンクロする。
「ふざけんな!そんなわけねーだろ・・・。」思わず笑いが出る。どこのガセネタだよ。
「ギャーハッハッハ!!マジで知らねーんだ!!だっせ!!」
「俺ら散々枝奈津から聞いてんのよ。何でも問題の試合の前の日、枝奈津が兄屋を部室で犯ったらしいぜ。」
――――――問題の試合の・・・前の日?
恐らく1年前のあの試合のことを言っているのだろうが。
あの部室で・・・兄屋が・・・?
――――――そんなはずはない。俺はいつだって兄屋のそばにいるはずだ。あの日だってきっと・・・。きっと・・・。
思い出せるはずもない記憶を無理矢理手繰り寄せていると、赤髪が馴れ馴れしく肩を抱いてきた。
「なぁなぁ。やっぱおまえから見ても兄屋ってムラムラすんの?」
「そりゃそーだろー!あの枝奈津が最高だっつってんだから。肌とか声とか堪んねえらしいぜ!な?そーなんだろ?」金髪の声がだんだんと遠くなる。
「いいよなーそんな奴といつも一緒で。毎日やりたい放題じゃん!」誰が・・・。
「なー今度俺達にも1日貸してくれよー!兄屋君を。」おまえらなんかに・・・。
――――――ガコッ!!
――――――ガコッ!!
心情の肘鉄をまともに食らい、鼻を押さえて倒れた2人の髪を掴むと心情は顔を近づけて凄んだ。
「いいか。枝奈津に伝えろ。今度兄屋に指1本でも触れたらその時は俺がぶち殺すってな!」
「近えよな・・・」「あぁ確かに近え・・・。」
和歌菜と比山の声が聞こえてないのだろうかこいつは・・・。
「ボディビルダー気取りか。」「ボディガードだよ比良っち。」
こいつらの声も。
「兄屋歩きづらそうだにゃ。」「確かに。エア二人三脚だな。」
こいつらの声も。
「ねえねえ席川から言ってあげたら?」「何で俺が!見ろよあの顔。鬼だぜ鬼。」
聞こえてねえのかっつーの。
「なぁ・・・心情。」堪らず足を止めて顔を見上げる。
「あ?」正しく鬼の形相の大男が目だけで返事をする。
「何か・・・あったのか?」とりあえず下手に出て聞いてみる。
「別に何もねえよ。」周囲に並々ならぬ警戒心をむき出しにしながら心情が答える。
「ちょっと・・・歩きづれえからよ。もうちょっと離れろよ。」
そうなのだ。最近この男の様子がおかしい。特に登下校時は俺の歩きを妨げる近さでぴったりくっついて歩くから堪らない。
何かがあったに違いはないのだが、それが何かはわからないままだ。
「何で俺が離れなきゃいけねーんだよ!ぶっ殺すぞ!」
心情が俺の顔に唾を飛ばしながら理不尽なことを叫ぶ。
――――――いや、何でって・・・。
こんな時の心情に何を言っても無駄だ。俺は早々に諦めて好きにさせることにした。
いつもの土手に着くと並んで寝転がり、すっかり日も落ちた空を眺めてジュースを飲んだりとりとめもない話で練習後の疲れを癒していると、高校野球の情報誌を読んでいた巫女芝がポツリと言った。
「この学校、喧嘩で半年間の活動停止だって。もったいないよなー。俺らより百倍甲子園に近いっていうのに。」
「そういや俺らも半年だったよな。」
きっとこの時俺ら全員の頭の中に1年前のあの試合が甦っていただろう。
縦縞のユニフォーム・背番号10番のあの男が相手ピッチャーにバットを振り下ろした場面が・・・。
――――――枝奈津。
記憶の彼方に葬り去った名前と顔が甦ってきそうで、俺は大きく息を吐いた。
「つまんねえこと思い出してんじゃねーよ。」
まるで自分に言い聞かせるように・・・。
「あれ?そーいや比山は?」
「あー。あいつバッセン行くってさ。」
「おめーも行ったほうがいいんじゃね?由船。」
「ばっ・・バカ言うにゃー!」
――――――ブーブーブー
携帯のバイブが鳴る。ディスプレイに出た【比山】の文字を見て通話ボタンを押した。
「もしもし?」
「兄屋ー?久しぶりじゃねーか。」
「・・・枝奈津・・・?」
隣の心情が弾かれたように立ち上がった。
枝奈津が指定した場所に走って行くと、そこには2人の男に両腕を掴まれて傷だらけの比山がいた。
「比山―――!!!」
「和歌菜!!!やめろ!!!」
走り出そうとした和歌菜を席川が止める。
「よー。おまえら、元気だったか?」金属バットを肩に担いだ男が首を傾げてこちらへ歩み寄る。
「枝奈津・・・」1年前とは髪の色こそ違えど、態度も口調もあのころのままだ。
「この2人がよ、この間心情に世話になったみたいでよ」
――――――心情に・・・?
よく見ると比山の腕を掴んだ2人は顔に怪我を負っていた。
「今日も来るかと思ってバッセン張ってたら、先にこいつが来たからよ。昨日のお礼、たっぷりさせてもらったよ。」
「てめえ!!!」
「返してほしかったら・・・」久しぶりに見るあの不気味な笑いに思わず目を背けたくなる。
「おまえと交換だ。兄屋。」金属バットが俺に向かって伸びていた。
「ふざけんじゃねーぞコラ!!!」「心情やめろ!!」
心情が走り出し、枝奈津の胸倉を掴む。
「てめえなんかに兄屋を渡すかよ!!!」拳を振り上げたその時だった。
――――――ガッ!!
「ぐふっ」枝奈津の膝をまともに腹に食らった心情が体を折る。
「心情!!」
「来るな!!」心情が俺を手で制止する。
「何だよおまえ。まさか兄屋に本気で惚れてんのか?」
――――――何言ってんだあいつ。そんなわけ・・・
「だったら何だっつーんだよ!!!」心情の言葉と気迫に俺だけじゃなく野球部全員が息を飲んだ。
くっくっくっと肩を震わせ枝奈津が笑う。
「奇遇だな。俺もだよ。」
「なるほど。だからこいつらがバラした俺と兄屋のラブラブ話に腹が立ったって訳か。」
枝奈津が心情の顔を覗き込み挑発を続ける。
――――――そうか。心情が・・・知っちまったのか。
最近の心情の俺に対する奇妙な行動もこれで合点がいく。
心情はただ唇を噛み締めていた。
「残念だったな。あの話・・・ホントウだよ。なぁ!兄屋!!!」
「・・・・・」思い出したくもないあの夜が・・・。
「こいつらの前で言ってやれよ!1年前の夜、俺と部室で何があったかをよ。」甦ろうとしていた・・・。
「やめろ!!!」心情が枝奈津に掴みかかる。
「おまえには無理だよ。」凍えるような枝奈津の冷たい目が心情を射る。
「おまえに兄屋は無理だ。手に負えねえだろ。」
「うるせーよ!!」
「見せてやろうか?おまえらが見たことない兄屋の顔。」企みに顔を歪めた枝奈津が心情の耳元で囁く。
「なっ・・・」
「こいつら助けたかったらこっち来いよ。なぁ! 兄屋―!」
「来るな!!」心情と比山の声がダブったその時。
「ぐあっ」
「比山!!」
比山の背中に金髪と赤髪が蹴りを入れ、比山はそのままぐったりと動かなくなってしまった。
「てめーこの野郎!!」和歌菜が堪らず走り出すのを間一髪で俺は止めた。
「離せ!」「やめろ和歌菜!俺が行く。」
「・・・兄屋。」興奮した和歌菜の手から力が抜けていくのが分かった。
枝奈津のほうへゆっくりと向かいながら、振り向いて告げる。
「巫女芝、皮等に連絡するんじゃねーぞ。あと・・・」もうすでに涙目の巫女芝に笑って言う。
「目ぇ瞑ってろ。お子ちゃまの目には毒だからよ。」
「兄屋・・・。」心情が柄にもなく弱気な顔で俺を見る。
「何て顔してんだよ。比山を頼む。」「俺・・・」
「大丈夫だって。すぐ終わる。」
枝奈津の前まで来ると、まずは枝奈津の後ろにいる金髪と赤髪に聞こえるように言った。
「来たぜ。さっさとそいつ放せよ。」
枝奈津の合図で腕を解かれた比山がそのまま前に倒れそうになるのを、心情が抱き止め連れて行く。
代わりに赤髪と金髪が俺のまわりを囲んだ。
「で?どうしろって?」俺は枝奈津に向き直ると腹を括った。
「相変わらず物分りのいい男だな。」
「ゴタゴタうるせえよ。さっさとしろよ。」
ゆっくりとこちらに歩き出した枝奈津は俺との距離を更に縮め、あの日のように目の前に立ちはだかったかと思うと俺の顎を掴んで上を向かせ一気に唇を重ねてきた。
「うわわっ」背後で小さく聞こえたのは巫女芝の声か?目ぇ瞑ってろって言ったのに・・・。
「んん・・・」枝奈津の手が腰に回り、口の中に深く差し込まれた舌が俺の記憶を呼び覚まそうとする。
ゆっくりと透明な糸を引きながら離れた唇は一旦俺の首筋まで下りたかと思うと再び舌でなぞりながら耳元まで戻ってきた。
「会いたかったぜ。兄屋。」吐息のような声で枝奈津に囁かれるとあの日と同じように背中に電気が走るような感覚に陥る。
「なぁ枝奈津早くこっちにも回せよ。」周りで見ていた金髪と赤髪が早くも待ちきれないとばかりに騒ぎ始めた。
「ふっ。誰がおまえらに渡すかよ。こいつは俺だけのもんだ。な?そうだろ?兄屋。」
「勝手に決めんなよ。」肩に乗せられた腕を手で払うと枝奈津の顔も見ず俺は答えた。
「へー強気じゃん。ならおまえのチームメイトの前で再現してやろうか?1年前のあの夜をよ。」
――――――こ・・・ここで?
1年前のあの夜が完全に記憶の中で甦り、かすかに体が熱を帯びてきていた。
「何だよ?脱げねえんだったら脱がしてやろうか?」金髪が俺の学ランに手をかけてくる。
パンッ・・・金髪の手をはねのけると俺は枝奈津の顔を見ながら学ランを脱いだ。
「やめろ兄屋―――!!」心情の声が聞こえて思わず手が止まる。
「何だよ兄屋。さっさと脱げよ。」半笑いの枝奈津がわざと心情たちに聞こえるように大きな声で命令する。
「ちっ・・・。」俺は続いてTシャツに手をかけると一気に脱ぎ捨てた。
「兄屋―――!!」いくつかの声が同時に重なって響いた。
「ふーん。抵抗もしないなんて賢くなったもんだな。それともあれか?俺とヤリたくてヤリたくてうずうずしてたとか?」
金属バットで俺の上半身を軽く突きながら枝奈津は言った。
「ふっ。そんなんじゃねーよ。」ベルトに手をかけながら俺は言う。
「あ゛?」
「俺よぉ、また今あいつらと野球やってんだよ。」
「・・・・・」
「おまえがダメにしちまったあの試合の続きをよぉ、あいつらとやって甲子園に行くんだよ。」
「・・・甲子園・・・?」
「ギャーハッハッハ!!」「腹いてー!こんなカスチームで甲子園だって!!」金髪と赤髪が笑い出した。
「枝奈津。おまえらが何と言おうと、俺らマジなんだよ。だからこんなところで喧嘩してせっかくのチャンスを無駄にするような真似、もったいなくてできねえよ。」
「黙れ・・・。」
「殴るなりヤるなり好きにしろよ。あいつらにも絶対手は出させねえからよ。」
「黙れっつってんだよ!」
――――――ガッ!
「兄屋!!」
枝奈津の拳が左の頬にまともに食い込み俺は吹っ飛ばされた。
「いきがってんじゃねーよ・・・たいした才能もねえくせによ!」
「くっっっ!!!」腹を蹴られ背中を蹴られ丸くなった俺はやっとの思いで立ち上がる。
「枝奈津・・・怖ぇかよ?俺らが・・・。こんなとこまで這い上がってきた俺らが怖ぇかよ!」
口の中の血を唾と一緒に吐き捨てると枝奈津をまっすぐ見据えた。
「うるせーんだよ!!」
「兄屋後ろ!!」
――――――ゴンッ!
誰かの声が聞こえたと同時に首に強い衝撃を受けて、前方にいた枝奈津の足元に倒れこむ。
「わかんねーみてーだな。」
後方から俺の両脇を誰かが抱えこみ身動きを取れなくすると枝奈津が言った。
「痛ぇ思いしねーと・・・。」
両足からズボンとトランクスが抜き取られ、ケツにコンクリートの冷たさが直に伝わってきた。
「うはっ!こいつまじエロ!!」「たまんねー体してんなー!!枝奈津、次俺な。」
「やめろ―――!!」
「心情!!!」
心情がこちらに走ってくる音がしたかと思うと枝奈津が金属バットを手に立ち上がった。
「邪魔すんじゃねーよ」頭上で枝奈津の声がする。
「いいのかよ・・・エースの右手が潰れても。」右手にひたりとつけられたバットの冷たさと右手を失ってしまうかもしれない恐怖に、俺は今日初めて体が震えた。
「心情・・・手ぇ出すな。」
「兄屋!」
「頼む。」
「特等席で見せてやるよ心情。おまえの最愛の男が乱れるところをよ。」
「枝奈津!!やめろ!!」心情が叫びはこの男には届かないようだ。
俺の上半身にキスの雨を降らせ始めた枝奈津は自分のベルトを緩めるとズボンを脱ぎ、俺の足に手をかけてきた。
――――――くそっ!
またあの日と同じ痛みと屈辱を味わうのか・・・。この1年、1人で隠し通しているうちに、ようやく記憶の中から消し去ることができそうな気がしていたのに。
よりによってチームメイトの前でこんな醜態を晒すことになるなんて。
――――――ツイてねえな。
ケツの穴にあの日よりも熱い熱の塊を感じる。
これから次々に訪れるはずの快感と痛みの波に備え俺は強く瞳を閉じた・・・その時だった。
ウーーーーーーウーーーーーウーーーーー
「ヤベ!枝奈津、サツだ!」
突如聞こえてきたサイレンに弾かれ、金髪・赤髪が枝奈津の腕をとり俺から引き離した。
「い・・行くぞ枝奈津!」
慌ててカバンを抱え走り去る2人に引っ張られながら、枝奈津は最後にニヤリと笑って俺に言った。
「愛してるぜ。兄屋。」
「兄屋!急ぐぞ!」体にデカい学ランが掛けられたかと思うと俺は心情に抱えあげられた。
「とりあえず散ろうぜ!捕まんなよ!」丘田の声を合図にみんなは走り出したようだが、俺はどこへ向かうのかもわからずただ心情に体を預けていただけだった。
なぜかスイーツ(笑)を思い出した
――――――カチャ。
部室のドアを開けるともうほとんどのメンバーが着替えを済ませていた。
「おう兄屋、遅かったな。」努めて普通に接してくれる和歌菜の気遣いがありがたい。
「悪ぃ。」それだけ言うと俺も急いで練習着に着替え始めた。
――――――カチャ。
「おい心情おせーぞ!」比山が今入ってきた心情に怒鳴る。
「兄屋・・・」俺を見つけると心情は一直線に俺のところへやってきた。
「よっしゃ!俺らはそろそろ行くかー!」和歌菜がみんなに声をかける。
「おい巫女芝行くぞ。」席皮が巫女芝の腕をとる。
「え?え?ちょっと待って!まだスパイク履けてな・・・」「いいから来いよ!」「空気を読め!空気を!」
「キャプテンのくせに」「だっせーな」「え?え?何?何?あれ?兄屋は?」
――――――まったく・・・。
「気を使ってるつもりかよ、あれで。なぁ?」俺は2人きりになった部室で心情に笑いかけた。
「兄屋。もう大丈夫なのか?」心情が真顔で尋ねてくる。
「あぁ。心配かけて悪かったな。」「あぁ・・いや・・その・・。俺もおまえのこと守れなくて・・・悪かったよ。」
「そんなことねぇよ。感謝してる。」「あのさ・・・。」
「あ?」「あの時言ったこと・・・。」
「ん?・・あぁ。」
――――――「まさかおまえ兄屋に惚れてんのか?」「だったら何だっつーんだよ!」枝奈津と心情のやりとりが頭に浮かんだ。
「気にしてねえよ。」俺は笑って立ち上がった。
「・・・・・」「行こうぜ。外。」「本気だから。」
「あ?」「あれ、本気だからよ。」
そう言うと心情は背を向けていた俺の手をとって振り向かせ、頭の整理がつかない俺にいきなり唇を重ねてきた。
「守ってやるよ。俺がどんな時でもそばにいて、おまえのこと守ってやるよ。」
「心情・・・」
それだけ言うと心情は耳まで真っ赤にしながら外へ出て行ってしまった。
「ふっ。勝手にしろよ。」
俺は1人で笑うと勢いよくドアを開けグラウンドへ走って行った。
夏はもう目の前だ。
終わり。
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
sageは半角で。
ま、またしても絵奈兄!
絵奈→兄←心は最高ですね!禿げ萌えしましたw
次々に毛根がやられてもはや手の尽くしようもないですがやはり悔いはないです
至福をありがとうございます!
絶望する先生の小噺
ストー/リーテラー×先生で、「理非知らずの抱擁」
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
暗闇に更に深い闇を落とすその影は、遠目にはひとつに見えたことだろう
。実際にはふたりぶんの人いきれ。ふたりぶんの熱。久藤は大切な人を抱え
て息を詰めた。糸色はその腕の中で何度と無く声を上げる。呻きと言うには
あまりにも色めいた甘い吐息。悩ましげに眉根を寄せても、その小さな口は
拒絶ということをしなかった。終ぞ、しなかったのだ。拒絶されれば。久藤
は考える。拒絶されれば、決してこんなにはしなかったろう。けれど糸色は
久藤を受け入れている。それどころか潤む目で久藤を見つめ、笑おうとする
のだ。快感に流されそうになりながらも、その笑みは酷く官能的なものにな
る。紅潮した頬、濡れて束になった睫、薄く開かれた唇。自然久藤は糸色を
抱く腕に力を込める。強く抱かれるままに挿入の角度は深くなり、連動する
ように糸色が鼻にかかった声を上げる。声を切欠に二人はもう一度見つめあ
った。糸色の細い体は震えながら久藤の腕に収まっている。
「可愛いですよ、先生。」
久藤が糸色の顔を覗き込むように言うと、糸色はわざとらしく目を逸らした
。
「それは、男性への褒め言葉ではないですね……。」
糸色は自分の外見を気にしてそんな風なことを言った。緩い抽挿のせいで途
切れ途切れになった言葉の裏に、拗ねたような色を孕ませて。それが久藤に
はどこか可笑しく感じられて、一際強く糸色を突き上げた。不安定な体が撥
ねる。
「……っっ!」
「声、我慢しないで下さいよ。」
殺した声だって甘く響いたけれど、思いながら久藤は揶揄するように言った
。
「それは、っ、出来かねます。」
糸色がそう言う間にも久藤は緩やかに抽挿を繰り返した。声が途切れる。
「わざと、でしょう。なら、…キスして下さい。」
そう言ったのは糸色だった。意外さに久藤は動きを止めて糸色の顔を見つめ
る。
「声を出したくないだけです! 私からは届かないので。」
久藤が何も答えないので糸色は慌てて付け足すように言った。縛られた腕を
差し上げて見せる。久藤は笑って、糸色の腕の縄目近くに口付けた。そして
糸色の体を強く抱き寄せて、唇にも。けれどすぐに唇を離しては言う。
「このままイきますか、先生?」
糸色は答える代わりにわざとらしく目を伏せ、再び顔を上げてはまたじっと
久藤を見つめる。久藤は満足げに微笑んでから今度は舌を絡める深い口付け
をした。二人が同時に果てるその瞬間まで。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)イジョウ、ジサクジエンデシタ!
その場のノリだけで書いたもので
まだキャラが掴めてない、かも、です…orz
お粗末さまでした。
>>471 すっごい良かった!!ありがとう。
まさかの衆前レイポが描かれるかとドキドキしましたw
>>486 そんなことナイナイ!>まだキャラが掴めてない
出来かねます、とかギリギリのトコで強がってる先生が言いそうー
その強がりが通せなくなった瞬間の描写なんかあるともっと萌えw
ここでは、小説を書くときも当て字ですか?(名前を呼ぶときなど)
>>492 テンプレなり過去ログなり読んでから質問しようよ
>>493テンプレは何回も読みました。
過去ログはダウンロードなどをしていないため、見れないんです
>>494 わざと?
お子様は半年ROMってて。
半年以上ロムってそれならここはあわないから巣にお帰りください。
496 :
493:2008/06/18(水) 20:31:34 ID:EtEdkYEJ0
テンプレには伏字推奨の記載はなかったんだなスマソ。テンプレ読め>自分
>>492は空気を読めばいいと思う
正直、伏せ字は読みづらいからよしたほうがいいとおもう。
>>494過去ログは保管サイトで読めるよ
同意。伏せ無しが推奨かな。
どっちにしても保管庫に入れる時は身もフタもなく修正されるしなw
81台場 飛鷹受け 雪の日のお話
※皆様へのお願い※
同じ81ネタですが、マムシヒダカの作者さんと私は、別の人ですので、
サブタイトルをつけました。
少しだけ角田×飛鷹
鈴木八段×飛鷹の続きです。
前編は
>>316-321になります。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
飛鷹は事務所の一室で、角田と将棋を打っていた。
飛車角抜きのハンデをつけても、角田の棋力は飛鷹には及ばない。
窓の外を見ると、少し前から降り始めた雪が
周囲の景色を白く彩っていた。
「兄貴〜。今年はめずらしいっすね。こんなに雪降るなんて。
でも俺、雪は嫌いじゃないなぁ。
地元でね、あっ、仙台なんですけど
よく馬鹿な雪像つくったり、雪ン中にダイブして遊んだり
楽しかったなぁ〜」
勝負を諦め、飛鷹の右隣に並ぶと子供のように無邪気に微笑む。
いつのまにか、飛鷹の右隣が、角田の指定席になっていた。
「あぁ、そうか。俺は雪、あんま好きじゃねぇな」
飛鷹がぽつりと呟くのを、角田は聞き逃さなかった。
「どうしてですか?
初めて俺と兄貴が会ったのも、
こんな雪の日だったでしょ?
俺はその時の事、ずっと覚えてるし、
雪がなかったら、兄貴とこんなに仲良くなれなかったかも…」
暗い雰囲気を察してか、
明るく必死に訴える角田だったが、飛鷹の耳には届かない。
雪を見ている飛鷹の目に浮かんだ虚無の影には、
その時の角田は気付かなかった。
―――25才になった。
飛鷹は、自分の将棋に限界を感じていた。
奨励会では26才が、タイムリミットだ。
…今年しかない。でも、もう…
相変わらず、師匠は良くしてくれている。
なんとかそれに答えたいが、
焦るばかりで何も改善していかない。
理由は、分かっている。
去年から、師匠の鈴木八段と体の関係を持つようになり、
集中力が無くなっていた。
そして、今まで将棋に傾けていた情熱が
鈴木八段への愛情へとシフトしてゆき
将棋で勝ちたいと、前ほどに思わなくなっていた。
飛鷹の将棋は、変わってしまっていた。
「どうしたの?
最近心が乱れているね。
僕の好きだった
君の将棋が、変わってしまった様に思うけど…」
心配そうに師匠が言うのを、飛鷹は黙って聞くしかなかった。
実は飛鷹だけでなく、師匠である鈴木八段にも
不調の波が忍び寄ってきているのだ。
格下の相手にさえ、時に負ける様になった八段を
弱くなった、年のせいだ、
とあからさまに非難する者も、弟子のなかにはいた。
そんな非難の声を耳にするたび、
飛鷹は覚悟を決めなければ、と唇を噛み締める。
鈴木八段が、飛鷹の手に触れる。
「君を、こんな風に変えてしまったのは僕なんだろうね?」
師匠の寂しげな声に、飛鷹は目を上げる。
「違います!俺が勝手に…勝手に貴方を好きになったから…。」
「違わないよ。君が不調なのは、全部僕のせいだ。
大切な君を、自分の欲で汚してしまった…」
鈴木八段の声が、悲しみに震える。
「師匠…」
飛鷹は少し前から考えていた事を
今こそ言わなければ、と心に決めた。
息を吐き、声がかぼそくならないように
意識してはっきりと言った。
「俺は、今日で奨励会を辞めます」
鈴木八段の、顔色が変わる。
「飛鷹くん!何を言っているんだ」
「もう決めてきました」
「だめだ…だめだ!辞めないでくれ!
ずっと、僕の側にいてくれるって、言ったじゃないか!」
「奨励会の会長にも、話はしています。
今日、ここを出ます。
俺の荷物は捨ててください」
「飛鷹君…」
「今までありがとうございました」
深々と一礼すると、飛鷹はそのまま玄関へと足を運ぶ。
「待ってくれ!」
追ってくる師匠の声に、構わず玄関の戸を開ける。
大粒の雪が、静かに降っていた。
「飛鷹君!待って…」
降りしきる雪のなかで、鈴木八段の細い手が飛鷹の腕を掴む。
「上着を、これを着ていきなさい」
自分の着ていた羽織を、掛けてやる。
その手が、そのまま飛鷹の肩を掴む。
飛鷹は前をむいたまま動かない。
後ろ向きに掴まれた肩に伝わる
その手の暖かさに、飛鷹の気持ちは崩れそうになる。
「飛鷹君…。
僕は君に言っておかなければならない事がある。
そのまま、後ろを向いたままでいいから、聞いてほしい」
肩に置かれた手に、力が入ったのを感じる。
「僕は、ずるい男だ。将棋の為に、すべてを捨ててきた最低の人間だ。
人間の心まで、捨ててきてしまったんだよ。
僕は、君を、君の将棋を見た時に
若いときの自分を見る様で嬉しかった」
二人の上に、雪が降り積もる。
「僕は、君の将棋の才能も、若さも、
若さゆえの無謀さも、未熟な所も大好きだったよ。
そして同時に嫉妬もした。
君の才能が僕を、
僕の将棋を凌ぐ日が来るんじゃないかってね」
鈴木八段の声が曇る。
「師匠?」
飛鷹は振り向こうとするが、厳しい鈴木八段の声に制止される。
「そのままで。
今の僕を、君に見られたくない」
「…」
師匠の、いつもの穏やかな口調とは逆の、暗く重たい声。
「僕は君に好意を抱きながらも、同時に嫉妬もしていた。
憎んでさえいた。
……だから、潰す事にしたんだ。
若い芽は、早めに摘んでしまったほうがいい。
僕は君に、何をしたと思う?
分かるよね。
…作戦は成功。で、今に至ると言う訳だ」
飛鷹の体が震え、一気に血の気が引く。
頭の中が真っ白になり、立っていられなくなる。
あまりの衝撃にめまいがしてきた。
師匠が俺を…憎んでいた?
「師匠、ちょっと何言ってるか…」
ぎこちなく振りかえると、
鈴木八段は、いつもの優しい瞳に哀しみを浮かべ、飛鷹を見つめていた。
「君を潰す…つもりだった。
でも、僕はいつのまにか本気になってしまっていたんだよ。
朝も夜も、君の事を考えてしまう。
今何をして、何処にいるのかと
君の声や姿を無意識に探してしまう。
君の事ばかり考えすぎて、僕は気が変になりそうだった」
鈴木八段は飛鷹を引き寄せると、力を込めて抱き締めた。
「何よりも君を大切に思っていたよ。僕が人生を架けた将棋よりも…
君を、愛していた」
「師匠…」
雪は止まずに、ますます激しさを増す。
二人はいつまでも立ち去れないでいた。
あの後、飛鷹は奨励会を離れ、
鈴木八段はしばらくしてから、自分の将棋をとりもどした。
噂では、新しい弟子をとったとも聞いた。
(雪の日は嫌いだ。あの日の事を思い出す。)
「師匠…」
寂しげにその名を呼ぶ。
『どうしたの?』
穏やかな返事をしてくれる師匠はもう、目の前にはいない。
そのかわり
「呼びました?」
人の良さそうな丸い顔に金髪、趣味の悪いシャツを着た角田が微笑む。
角田は、鈍感な男ではない。
思い詰めた表情の飛鷹に気を使って、
ことさら明るく振る舞うような優しさを持っている。
「それにしても、ピザ遅ぇなぁ〜。また迷ってんのかな」
「雪で遅れてるだけだろう…多目にみてやれ」
「まぁ、兄貴がそう言うなら良いですけど」
ちら、と飛鷹の様子を伺う。
しんしんと降り積もる雪の明かりが、飛鷹の顔を蒼白に照らす。
「ねぇ、兄貴〜。世の中に興奮する事って一杯あるけど
一番興奮するのは、ピザの配達が遅れた時ですよね!」
「間違いないな…って、お前、何言わすんだ!」
角田の額を、手のひらで軽く叩く。
コントの様なやりとりに、二人は顔を見合わせ、思わず吹き出す。
先程までの重苦しい雰囲気は消え、飛鷹の顔に笑みが戻る。
「だって、俺等がピザ頼んでから、もう一時間ですよ。待たせすぎだっつの。
腹減って腹減って…あー!俺、倒れそう」
角田はふざけ顔で床に寝転び、子供のように足をばたばたさせる。
「兄貴〜抱っこしてください」
「駄々っこか!」
笑いながら、もう一度叩いてやる。
「腹減ったぐらい気合いで我慢しろ」
「いっ…てぇ…。痛いっすよ!二回目、本気で殴ったでしょ!」
起き上がり、飛鷹に詰め寄る。
「悪いか」
「悪…くない…ですけど…」
叩かれた額をさすりながら、口を尖らせる。
「お前何でいつも、ふざけてんだよ」
呆れ顔でいいながらも、角田を見つめる飛鷹の眼差しは優しい。
角田の冗談は、いつも飛鷹の気持ちを
和ませる為のものだという事は分かっていた。
真面目な顔をした角田が、耳打ちする。
「兄貴が強く叩くから
俺、本当に興奮してきちゃった」
「SMか!お前腹減ってたんじゃないの?」
「見てくださいよ。さっきからずっと半ボッキです」
(兄貴が、切ない顔するからですよ)
本当の理由は言わず、飛鷹に腰を押しつける。
「半ボッキって言うな。ここ事務所だぞ」
「良いじゃないですか。ほら。触ってくださいよ」
「変質者か!」
「変質者でいいです。
兄貴、責任とってもらいますからね」
飛鷹を壁に押しつけ、何度もキスをする。
頬、額、唇、首筋、あらゆる所に、何度も何度もキスをする。
キスをしながら角田は
飛鷹のシャツのボタンを外してゆく。
飛鷹の体が熱くなる。目元が潤み、シャツの下から紅潮した胸元がのぞく。
「角…田…」
飛鷹の声が上擦る。
「何、エロい声出してんですか」
満足そうににやけながら、角田は自分のベルトに手を掛ける。
ピーンポーン
インターフォンが鳴る。
二人は動きを止め、顔を見合わせる。
「…無視しましょう」
「ピザだろ。出てやれよ」
飛鷹が言うのを聞き入れず、角田は硬くなった自分のモノを触らせる。
「仕方ないでしょ。こんなになってるし」
「いいから、出てこい。他人様に、迷惑かけるんじゃねぇよ」
「もー。兄貴変な所で真面目だからな〜」
ぶつぶつ言いながらも、衣服を整え、飛鷹から離れる。
角田の背中を見ながら、飛鷹は数年前の出会いを思い出していた。
(角田と初めて出会ったのも、雪の日だったな。
あの日、こいつと出会わなかったら…)
そう考えると、雪の日も嫌いじゃない。
「おまたせしましたー。ピザ届けにきました」
「遅ぇよ!何時間待たせんだよ!」
「あ、すみません。ちょっと迷っちゃって…」
「道に?」
「いえ、行くかどうかで迷っちゃって」
「またそこか!迷う所が違うだろ!」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
この流れ非常にイイ!
ネタ入れすぎでくどい
・・・何かモヤモヤしてスッキリしない
>>516 なんで絡みスレに誘導しなきゃならないの?
感想は感想でしょう
スズキ飛鷹の書き人です。ごめんなさい。
悪いのはわかってます。
ただ、続きを気にして下さった方もいた様なので
少し待って、投下したつもりでした。
もうここでは書きませんので、どうか気に入らない方はスルーして下さい。
荒らすつもりもありませんでした。
皆様スミマセン。
>>516 ありがとう。
>>518 515です
絡んだつもりじゃなかったんですが・・・すみません
何か全体的にぼやっとして、盛り上がりが無かったな・・・と
感想書いただけのつもりが、どうもごめんなさい
おまいらテンプレ
>>3をちゃんと見ろ
>コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
どんなにKYな感想レスでも全てネタということだ!
だから女神さまたちはあまり気にしないでどんどん投下してね
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
都心から、少し外れた小さなアパートの小さな一室。窓と玄関を開けっ放しにしても風が入らない一人暮らしの夏の昼下がりに、俺は畳の上で大の字になるしかなかった。
聞こえるのはたまに車とバイクが行き交う音、近所の子供が親に叱られている声、それと、うるさい蝉。
東京でも、蝉が鳴いているなんて、なんだか不思議な気がした。
外から、アパートの階段を昇る足音が聞こえ、その音だけでアイツだとわかる。
「お前、また……田舎じゃねーんだから玄関に鍵掛けろ!」
葉吉──ようきち──がインターフォンも押さず、ノックもせず入ってきて、玄関のドアが締まる音が聞こえた。
「あちーんだよー」
上半身を起こし葉吉を見れば、手には大きなコンビニ袋。
「不用心。ここ東京だぜ? こわーい人間ばっかり」
俺の正面に座り、袋からビールとつまみを出して畳に広げた。
「葉吉が心配性なだけだよ」
缶ビールを開けると、気持ちの良い炭酸の音がする。
「お前が不用心なんだって」
都会っ子の葉吉と、田舎から出てきた俺は、大学で知り合った。
葉吉がやたら田舎に興味を示し、俺がそれに応えたのがきっかけで、今では親友と呼べる仲にまで発展した。
どちらかが大学に行かない日でも、こうやって一緒に飲んだりする。
「いつかお前の実家に行ってみてぇな」
ビールを一缶空けたところで葉吉が呟く。
コンクリートジャングルしか知らないという葉吉に、森みたいな裏山を見せたらどんな顔をするのだろうか。驚くか、感動するか、どっちにしろ同じ顔になりそうだと考えて笑ってしまう。
「なんだー、お前、何がおかしい?」
酔った葉吉が、畳を這って俺の横に来るとそのまま膝に顎を乗せて睨む。
「葉吉、ヘビ大丈夫だっけ?」
赤くなった目元を撫でてやると、指先の温度が気持ちいいのが頬擦りされた。
「ヘビーぃ、は、多分……へいき?」
「よく裏山に出るんだ、ヘビ」
「でかいの?」
「いや、でかくないけど、ネズミ食った後のヘビとか結構驚くよ?」
俺の言葉にしばらく考え込むと、何か思い付いたらしく笑顔を見せた。
「お前がいるから平気」
だらしのない笑顔は、そのセリフが付いただけで子犬みたいな可愛さになるから不思議だ。
俺は黙って葉吉の頭を撫でる。葉吉はそのまま首を傾げてスルメをかじり始めた。
「お盆、一緒に来る?」
ふと思い付いた一言を口に出せば、輝いた瞳で何度も頷く葉吉。
俺はこの時、これから葉吉との関係を変えてしまう出来事が起こるなんて、夢にも思っていなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>521-523 爽やかでいい!
普通の男子二人の、かわいいやりとりと適度な距離感が心地よいですね。
続きを待ってます。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 最終幻想4の、ルビカンテ×ゴルベーザです。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 温めですが、血等のグロ表現に注意。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
彼は、私の命の恩人だった。
試練の山で、動くこともできずに死にいこうとしていた私を拾ったのは、彼だった。
『僕と一緒に来る?ずっと一緒に……いてくれる?』
血塗れになった私の手を握って、彼は笑った。幼い笑顔は、孤独に歪んでいた。
胸が締め付けられる。怪我のせいではなかった。
『僕だけを、好きでいてくれる?』
好きでいてくれるなら、助けてあげるよ。
彼の指先で、ぴちゃり、血が鳴った。
薄紫色をした瞳が、岩肌に反射した太陽光で微かに輝く。
遠ざかっていく意識を必死で引き留めながら、私はそっと頷いた。
「―――何を思っているんだ?ルビカンテ」
低い声が、物思いを遮った。わあん、と彼の声が反響する。
この部屋に窓がないせいだった。
弾かれるようにして、顔を上げる。彼は、部屋の入り口で佇んでいた。
「……部下からの報告書を整理していたんです。エブラーナの抵抗は厄介ですが直に、」
「ずっと同じ書類を眺めていたようだが?」
彼の言葉に、私は息を詰めた。
「…一体いつからそこに……」
「いつからだろうな」
黒い甲冑の奥で、彼は笑った。
幼い頃に見た彼の切なげな表情は、いつからか黒い兜に隠され、見えなくなってしまった。
彼の素顔を見なくなってから、どれくらいの時が流れただろう。
彼に拾われ、彼に仕え、彼の為に生きてきた。
モンスターの体に改造され、人間でないものになってしまったけれど、
クリスタルを手に入れて、彼の望みを叶える。その為だけに、私は生きている。
「ルビカンテ」
微かな金属音がした。彼がこちらに歩み寄り、黒い兜に手をかける。
「ゴルベーザ様……!」
彼が兜を持ち上げると、目の前で銀糸が揺れた。心臓が喧しい音をたてる。
薄紫の双眸が、電灯に照らされて光っていた。私は喉を鳴らした。平静を装った。
「どう、されたんです…?」
「…命令だ」
彼の顔が近づいてきた。避ける間もなく、私は固まってしまう。
「私を抱け」
口づけが、降ってきた。
彼はベッドの上で裸になり、全てをさらしていく。私は呆然とその様を見つめていた。
「…ゴルベーザ様……!何故こんな」
甲冑とは対照的に、酷く白い肌だった。不健康な色をしている。その白さに、胸が高鳴った。
「煩い」
彼が私の手を引き、二人でシーツの上に転がる。もう一度、口づけられた。
逃れるためにベッドに座ったが、降りようとしたところを手で制され、壁に凭れる結果となった。
「…命令だ」
「しかし、」
「命令だ」
言葉と共に、私の雄に触れてきた。
そこは既に立ち上がっている。私はどうしていいか分からなくなり、彼から目を背けた。
前を寛げられ、ゆっくりと撫で上げられる。
「……っ」
理性のたがが外れてしまいそうになる。
モンスターは性欲に弱い。彼はそれを知っていた。
しかし、私は意地でも彼を抱くわけにはいかなかった。
「…凄いな……」
完全に勃起した雄を見ながら、彼が微笑む。明らかに普通の大きさではないものが、そこにあった。
これを入れてはいけない、彼は人間なのだから。心の中で呟いた。
こんなものを入れたら、彼は壊れてしまう。
「強情なやつだ」
笑みを浮かべたまま、雄に口づける。
「本当は入れたくて仕方がないくせに。何故我慢する?」
「あなたを傷つけてしまいます!」
「お前は回復魔法が使えるだろう。問題ない」
無茶苦茶だった。水音がする。彼は自らの窄まりに、何かを塗りつけていた。
「……あなたを傷つけたくない」
声が上ずった。何も言わず、彼は私の体に跨ってくる。
体を動かして跳ね除けようとした瞬間、彼が言葉を口にした。紫色をした光が閃く。
指先すら動かせなくなり、呪縛の霊気をかけられたのだと分かった。
猛りの先に、彼の秘部が触れる。
「う……っ」
ゴルベーザ様。叫ぼうとした。声が出なかった。
彼は、ぎゅっと目蓋を閉じ、膝を震わせている。恐怖を感じているのだ。
どうしてこんなことを。言おうとするが、やはり、声は出ない。
下腹部から、嫌な音がした。
「…あ、あ………あ」
頭を私の胸に預けながら、腰を落としていく。甘ったるい血の匂いがした。
その香りに、理性が悲鳴をあげる。
「あっ……!」
彼のまなじりには涙が浮いていた。
頭の中が真っ赤に染まる。我慢の限界だった。途端、魔法の効果が緩む。
私は彼の腰を鷲掴み、力任せに押さえつけた。
「ああああぁっ!」
ぞくりと背筋に電流が走る。雄は全て、彼の中におさまっていた。
汗と共に、彼の涙が落ちてきた。
「…痛いでしょう」
言いつつ、回復魔法をかけた。
悲痛な面持ちで、彼は震え続けている。まるで子供のようだ、と馬鹿げた考えが頭を過ぎった。
獣じみた感情が、私の胸を支配していく。
「動きますよ」
彼を押し倒し、手首をシーツに縫いとめた。薄紫色の瞳が、すうっと細められる。
加減することもできず、本能のままに揺さぶった。
「あ、ああっ、あっ」
血の匂いが、部屋中に充満する。動けば切れてしまう。回復魔法をかけたところで、追いつくはずがない。
「ルビ、カンテ…ッ、ルビカンテ……ッ」
声に煽られて、抱き締めた。
「ルビカンテ、もっと……強くしてくれ……っ」
抱き締め返してきたその腕に、また煽られる。
ああ、私は彼に触れてみたかったのだ。そう思った瞬間、中に放ってしまっていた。
猛ったままのそれを、注ぎ込みながら前後させる。
「ひ、あぁ……っあ」
ぐちゅぐちゅ、といやらしい音が響き渡る。
「…お前は……あ、ぁっ……ずっと、傍にいてくれるのか……?」
『お前は』
微かな違和感に、私は一人の竜騎士の姿を思い出した。
そうか、ゴルベーザ様はあの男を。
何か凝ったものが、私の胸を締め付ける。
「…ずっと、傍にいますよ。約束したでしょう?」
ずっと好きでいると、約束したでしょう。
彼の指が、私の背に爪をたてた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
規制に引っ掛かったorz
本スレに触発されて書きました。
話はゾットのイベント後です。
>>526 ゲームやったことないから背景とかよく分からないけど禿萌えたよ!
でも同人板で見掛けたゴルベーザのエロ同人ってスレタイ思い出して
一瞬;`;:゙;`(;゚;ж;゚; )ブッってなってしまった…申し訳ない……。
絶望する先生の中の人×作者です
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
自分もよく細いと言われるが、つくづくこの人も細いと思う。
一心不乱に何かをかいている背中を眺めて、思った。
家の中だからなのかよれた薄いロングTシャツを着ている体は、普段食べているのか心配になるくらい細い。
シャツ越しでも、浮き出た背骨や肩甲骨が判った。
音を立てずにそっと近付き、すっと人差し指で背骨をなぞってみた。
びくっと面白いくらい肩が跳ね、呆れた様な顔が振り向いた。
「……待っててください、すぐ終わらせるんで」
「お仕事中おじゃましちゃった僕が悪いですし、構わず進めてください」
「………」
喋りながらも背中を撫でる。
コツコツした骨の感触が楽しくて、彼に睨まれているのに気がついていたが構わず続けた。
カチカチと時計の音が響く。
「……紙屋さん」
「はい?」
「そろそろアニメ始まるんで、テレビ点けてもらえませんか?」
「今はもうダ・カーポUですよ」
背中から胸へと移動させ、ゆっくり押し倒した。
重ねた唇が柔らかくて、硬い骨より夢中になった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>534
GJ!!テラエロス
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
改まって正座をして文庫本を読んでいたところ、急に膝の辺りに重みを感じ、
彼が視線を落とすと悪戯っぽく輝く瞳と視線がかち合った。
「膝枕ってあんまり気持ちよくないですねえ、なんか硬いし、高いし、首が変だし」
「だったら、さっさとその頭どけろよ、重い」
邪険にあしらわれても、相手は甘えるように彼の太ももに頭をこすりつけ、ひゃひゃひゃと
笑い声を立てながら彼の目の前に右手を突きつける。その手のひらには小さな目薬の瓶が
握られていた。
「俺に目薬差してくれってこと?」
こっくりとうなずく相手に彼はやれやれと苦笑し、本を傍らに置くと、目薬の瓶を受け取って、
背を丸め相手の顔を覗きこんだ。
「行くよ」
一滴、二滴、ぽたりぽたりと雫が垂れる。
「なあ、お前さ」
「なんです?」
「こっちが目薬差そうとする瞬間に目を閉じるから全然差せないんだけど……」
かすかな苛立ちを滲ませる彼の声に、相手は心外だとばかりに切れ長の瞳をぱちぱちと瞬いた。
「さっきから一生懸命開けてますよ!」
抗議の声を上げた瞬間、瞳の周りに溜まっていた差し損ないの目薬が頬に向かって一筋たらりと
流れていった。その雫を指先で拭いながら彼は真面目な顔で、
「目を開ける代わりに口開いているんだけど、その口に差してやろうか?」
と声を押し殺して言うと、相手は
「そう言えば目薬って媚薬の効果あるっていいますよね。飲み物の中に一滴入れるといいって」
改めて瞳を閉じて、待ち構えるように口を大きく開ける。
「バカだな、ほんとに」
彼は諦めたように首を振り、今度は無理やり相手の瞼をこじ開けて今度はきっちり目薬を差してやった。
一仕事終えて、やれやれと大きくため息をつくと、相手も同時に残念そうにため息をつく。
「残念。その気にムラムラになれるかと思ったのに」
「そうやってなんでもかんでもシモの方向に持っていくの、止めろよな。溜まった男子中学生か、お前は」
ぐいっと大きな手のひらで相手の頭を押しのけて、彼はそそくさと先ほど読んでいた本を取り上げた。
しかし、さっきまで夢中になって読んでいたはずなのに、今度は気が散って集中できない。
目薬で潤んだ瞳と目じりから零れ落ちる透明の雫、そして間抜けな半開きの唇。それがあることを
連想させて、どうにも落ち着かない気分にさせられてしまった。
溜まっているのは自分の方かという彼の自己嫌悪に気づいているのか、
「じゃあ、お礼に狭い穴に棒を突っ込んでぐりぐりとしてあげますよ!」
能天気な相手の声に釣られて顔を上げると、その手には耳かきが握られて、しっかりと正座をして
待ち構えている相手がいた。
「……痛くするなよ?」
「任せてくださいよ」
ぽん、と相手は膝を打ち、彼の顔に浮かんだ微妙な表情をどう捉えたのか、
「どうせ俺はシモネタ男ですから」
と屈託無く笑う。
多分、相手の考えている以上のことを自分はやらかしてしまうのだろうなというかすかな予感に
かすかに脅え、そして期待しつつ、彼はその膝に頭を預けた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
| __________ | サムライチャンプルーのむげじん
| | | | やってるだけだよ
| | |> PLAY | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
散々走った後だってのにこいつは生きのいい屍並みに血の気が薄い。判ってても時々びびる。
その死体みたいな顔でさっきまでぼーっと外を眺めてたくせに、なんか突然盛ってのしかかってきた。
おかげで板敷きの床で頭打った。痛えぞメガネ。
何が楽しんだか、えらい熱心に俺の足舐めている。
泥んなか走ってきて汚いから止めろつってんのに、殴っても止めないのでめんどくさくなって好きにさせる。
じっとしていると少し寒い。
雷を避けてとりあえず飛び込んだ荒れ寺の、比較的無事な場所を選んで腰を下ろしたはずだが、
忘れた頃に頭のてっぺんに落ちる水滴がまた冷やっこいのだ。
見上げると破れ目から暗い空を縫う雷光が見えた。音はまだ遠い。
足指の間をぬるりと生ぬるい舌が行き来する。
濡れて冷えた皮膚の表面をうごめく軟らかい感触にときどきザリザリ感が混じる。
白い頬に泥が小さくはねてる。素通しのめがねを珍しく自分で外した、
目つきが既にちょっとおかしい。
こうなるとこのムッツリ、結構荒っぽいこと勝手にやりやがる。
今も人様の前をさっさと寛げて嬉しそうに唇を寄せてきた。
袷を緩められたので、俺はそのまま自分の着物を肩から抜いてさっさと落とした。
まあ形ばかりでも屋根あって床あるだけましかね。
なんの躊躇もなく咥えた薄情そうな色の薄い唇、お上品な見た目に反して実態はえげつない。
荒れた表面で触れられるとぞくぞくする。得物を扱う人間のざらついた硬い指先だ。
俺はすぐにねを上げる。きもちいいことには抗えない、
そういう単純なところ野郎はわかりやすい。
奴は髪に散ったものを拭いもせず呼吸を弾ませながら切れ切れに口付けをねだる。
延々斬り合っても息ひとつ乱さねえ化け物が、だ。もうだいぶいかれてる。
じっとり纏わりつく衣装の内側に手を差し込んで下衣もぜんぶ緩めてやって
望まれるまま舌を絡ませ吸い上げながら、俺は気づかれないように体を起こす。
あんまりいただけねえが、自分の味が薄れるまで。
喉の奥、中心に近づくにつれて同じ温度に近づいて内心ほっとする。
ざらついた生温い表面同士が擦れあってひやりと唾液が溢れてくる。
長い口づけから開放して、息を吐ききって吸い込むタイミングで奴の後ろ襟を掴んで引き倒し、
羽織を上手く下敷きにした。よし、大人しくしてろよ、んな荒れた床じゃあ傷になるからな。
直に肌を合わせると、それだけで陸に上がった魚のように震える。
最初っからそうだ、埋められる快楽を知っていた。ぴったり体を重ねて脚も指先も絡めてやる。
引っ掛かるのは剣を握る掌だけで、あとはひどく滑らかな皮膚だ。
それを鮮やかな朱に染めて男が喘ぐ。女の脂肪ともまた違う、しなやかな薄い肉と角ばった骨組。
掴みとって柔らかく握る。頬の辺りを白く汚したまま、真っ黒い目がぽっかり虚ろのように暗い。
ばりばりと雷鳴が響いている。だいぶ近づいてきた。
ちぃと危ねえかもな、話しかけたがたぶん通じてない。普段このての危険回避には一番口煩い奴がよ。
まさぐりながら下りていくと、一番脆弱な場所はもう伝い落ちたもので濡れそぼっていた。
脚を開かせて膝の裏の腱を擽って遊ぶ。指と舌で宥めすかしながら慣らしていく。
切っ先を滑らせながらゆっくり侵入する。こういうので血を見るのは好かない。
やつは途中で焦れたらしく自分から勝手に身を沈めた。言っても無駄なので好きにさせる。
痛みが好きなのとも違って、たぶん鈍いだけだ。
あちこちあやしてやってしたいようにさせながら、すぐ自分に二度目を許す。我慢は願い下げだし痛みが減る。
繋がったままで軟らかい耳の裏から頸筋に痣を散らし肩口に軽く歯形を残す。
傷の残らないこの体の、目立つ場所に一際目立つ痕だ。
鮮やかに色づいた肢体を一瞬だけ照らしてどおんと雷が落ちた。近い。腹の底からじりじり響く。
頭上の空が光るたび目の前の濡れた体から色が飛んで真っ白く、黒い髪はあくまで暗く、
目の眩むような奇妙な視界だ。
ガキみたいな舌っ足らずで名前を呼ばれる。ほくそ笑んでまた吸う。
そのたんびにこいつが感じるのが直に判る。無いに等しい近い距離で、いいな、すげえいい。
またもって行かれそうになる。うわ言みたいにもれていた声がかすれた悲鳴に変わる。
そうだ我慢すんな。薄い耳朶を甘噛みながら二言三言促すと、骨っぽい指でてめえを慰め始める。
請われるまま突いてやる。焦らすのはもっと先だ。
緩んで潤んで、注ぎ込んだものが溢れ出しきわどい場所を伝い落ちる。
きつい腹ん中がぐうっと動いて俺も巻き込まれて押し流されそうになる。
あの声が俺のすぐ下でなんかわけのわかんねえこと言ってる。
あの冷てえ男がぐちゃぐちゃの顔で俺を欲しがってる。幾らでも、意のままになる。
どうかしてる。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | | 今大雨なんで雨宿りにしてみた
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
触発された!!
>>534さんの投下に
触発された!!
絶望する先生の中の人×作者です
以下、ナマ注意
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
―――――きた。
着信を知らせる携帯が目に入ると、反射的にその二文字を頭に浮かべて作業の手を止めた。
17年越しの想いが実った解放感からか、交わしたアドレス。
その一番太い繋がりが切れて、さすがに不規則がちになるメールのやりとり。
それでも、電話もしなくても会えなくても、お互いの生活状況はそれとなく
知れる。まったく、因果な商売についているものだ。
いつからだったろう。
曲がりなりにも自分の作品の名前を冠したラジオを、仕事場で流すことが
できなくなったのは。
いつ話題に上るとも知れない自分の名前に、君の発言に、一喜一憂を
隠せなくなってしまったから。
「――――だから、先生がこのラジオを楽しみにしてなかろうが、
ぶっちゃけ全く構わないです!!」
「むしろ聴いてなくてもいいくらいです」
あの日もそんな声を聞いた。
君の仕事の性質は知ってるし、もともとそんなキャラ作り出したのも自分
なのだから、よもや本気で落ち込もうとは思わなかったけど。
しかし元来の気質上、少しは――――そんなふうに感じかけた時だった。
「…いや、そこまで言うと、さすがに落ち込んじゃうか、も…」
お互いの卑屈さも天の邪鬼な処も承知の上だし、むしろそんな処から魅かれ
合っていったようなものだからこそ、
そんなわかりずらい優しさが物凄く嬉しかった。
しかも、その声にわずかな照れを感じた、と言ったらさすがに自惚れすぎかな。
だから、というか、気がつけばむきになったかのようにラジオの君の発言を
ネタに織り込んでいる自分が居た。
考えてみれば控えめなのか大胆なのかよく分からないメッセージが、
自分の元を離れてしばらく経つ。
その時差付きメッセージを彼が最速で目にしたのなら、ちょうど今時分。
そんな頃合いで、携帯は着信を告げていた。
(――――あ、れ)
携帯を手にするまでもなく、設定着信音でそれが彼からなのは知れていたが、
お互いに就業形態が不規則な生業な為、先ずメールを交わす我々には珍しく、
通話での着信だった。
「ちょっと。なんですかアレはー」
通話ボタンを押すと、こちらの声も待たずに不機嫌な声が受話器側から聞こえてくる。
「…アレって?」
「アニメが終わった途端にもうネタに詰まってるんですか?
こんな調子じゃ3期もアテにできないじゃないですか」
「ネタに詰まってるのは今更ですけどねー。 どうせ万年(自主規制)作家ですからー」
「そんな卑屈を言ってもごまかされませんからね」
流れるようにまくし立てる美声が、メディアを通じて耳にするのと同じ調子で、
話の内容とは裏腹に思わず吹き出しそうになってくる。
「だいたい、今週のアレなんて、肖像権を堂々と主張できそうなんですけどー」
やっぱり。
思った通りのセリフに笑いを堪えられそうになくなったその時、インターフォンが鳴った。
「すみません、お話を伺いたいのは山々なのですが、来客のようですので――――」
「電話、切らなくていいからそのまま出て」
――――まさか。
そう言えば、携帯からも同じ音が聞こえてきた気が…
「だから」
ドアを開ければ、果たしてはにかんだ彼がそこに携帯を耳にした姿で立っている。
「肖像権の料金に、あなたの時間が欲しいんだけど。…これから」
思わずにやけてしまった口元を隠すように身を翻す。
「いきなりこれから、なんて言われても暇な身分じゃないんですけどねぇ。
何せ万年(自主規制)作家なもので」
勝手知ったるなんとやら、で、彼も軽く応じながら部屋に上がり込んでくる。
「それ言うなら、僕だって万年(自主規制)声優ですってば」
「またまた、何をおっしゃいます。君は――――」
作業机に戻りつつ、からかいの声音を隠さず、彼のあるキャッチコピーを投げつける。
「――――でしょ?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
もうあんた俺のラジオ聴くな!他の仕事もチェックすんな!!
ニ コ ニ コ す ん な !!」
っはは!
さぁ、目の前の原稿をさっさと片づけてしまわなければ。
彼に、ネタになってもらったお礼を支払う為に
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
尚、登場人物の性格・行動は架空のもので
実在の作家・声優・動画投稿サイトとは一切関係ございません。
>>538-542 ぞくっとした。
暗くて、甘くて、切なくて、凄いツボな世界観。
萌えました。
>>547 そのS/ZBLはどこで配信されてますか
某良い子向けのTV番組が元ネタです
苦手な方は注意して下さい
いろんな意味でネタなので、気を悪くしたらサーセン
23日のアニメのケマとさくべが余りにも原作と違っていたので、妄想してみました
以下、苦手な方は回避して下さい
目の前は、真っ暗
目の前が見えないというのはそれだけで恐いものだとよく解る
目も口も塞がれて、
声も出せず、
自分はされるがまま、
相手に尻を向け、
四つんばいになり、
足は縄梯子で縛られて、
とても恥ずかしい格好をしている
抵抗するにも、腕すら結ばれた以上、何も出来やしない
(…まるで、狗のようだ)
そう思ってしまうのは仕方ない事だろうか
そんな事を考えていると、
「―――っ!!」
ぴりっと痛みを感じるほど叩かれた
「……め……さっ…」
ごめんない、すいません、
そう言いたいのに、痛みで呂律も回らない
否、どっちにしろ口をふさがれているので、謝ることなんて出来やしないが
尻はもう痛くて、ひりひりして、
じんじんして、
感覚が麻痺しているよう感じる
「…作、反省したか?」
はいと言いたいけど、
言えないで、コクコクと頷くことしか出来ない
痛い、
そう思う以上に、
自分の男としての部分に、熱が集中しているのがわかる
何度目かのこの行為に、慣れてきてしまってるのか、
それとも…
(…違う)
そう思いたかった
気持ちいいのか、など認めたくない、
(俺は、嫌で、本当は…何時もみたいな、)
そうだ、何時もように、優しく触れられるのが好きなのに、
(なのに…)
身体は裏切るかのように、
快楽を覚える
「許して欲しいか?」
そう尋ねられれば、
それでも、頷くしかない
でも、知っている
「そうか」
そう言ったけど、許してなんてくれない
そんな事知ってた
「作兵衛」
「…」
「勃ってるぞ」
「っ!」
そう言われると、同時に潰されると思うくらいぎゅっと握られる
「―――っ!!」
痛い、痛い、何しろ其処は急所とも言っていい場所だ
男として産まれて来た以上、そこに痛みを覚えて心地よくなるはずがない、
なのに、
(…嘘………)
自分でも解るくらい、そこからは、体液がぽとぽとと流れる
それが、何なのか解らないほどには子供ではなかった
「…っ」
そんな、そんなはずがない、と思いたい、
なのに、
「気持ちいいのか?」
「…っ」
「こんなに酷いことをされて」
「―――っ!!」
そう言われると同時に、
尻につめたい、何か異物を入れられる
「―――っ…、」
細くて、冷たくて気持ち悪い、
その上、ならされていない為、
本来受け入れるべきではない其処から、血が流れてきているのが解る
そこがヒリヒリしてとても痛むのに、
そこに通るたびに、とても気持ちよく感じてしまう
自分の性感帯にそれが当れば、それ以上の快楽が
「…っ…、………」
いつもならば、歓喜の声を上げるのだが、
それも、口がふさがれているせいで、無理である
「…、…」
認めるのは癪ではあるが、
悲しい事に、自分の感情を裏切り、それはとても気持ちが良かった
未だに痛むほどに握られたそれは、今すぐ塞がれたものを出したくてたまらないと訴える
それを知ってか知らずか、
自分を嬲るその人はそれを動かす手をただただ早くする
「…っ!!」
ぐりっと、それが力強く押され、
それと同様に、自分はふさがれていた液を自分の中から、びしゃりと出した
「…いっぱい出したもんだな」
「…っ」
その言葉ではっと思い出し酷く恥ずかしい気持ちになる
その後、何をしているのかと思うと、
ぴちゃぴちゃと音がして、
理解する
舐められているのだ、自分の出したそれを、と思うと、
顔に熱が集中してどうしようもない気持ちになる
「作」
そう呼ばれて、頭を撫でられて、
「先輩?」
そう喋れることで、
口を塞いでいたものがなくなったのだと気付く
それから、
「…っ」
鼻に、嗅ぎ慣れない匂いと、
頬に当てられたその熱で理解する
舐めろというのか、
こんな何処に何があるのか解らない状況で?
そう思っていると、
ぽんぽんと、頭を優しく叩かれる「――――っ」
厳禁なものだ
そんな些細な事が嬉しく思ってしまうのだ
自分は
仕方なく、
とりあえず口を小さく開ける
そして舌を伸ばした
こつりと何かが舌に当った
その付近を舌で動かすが、
時々舌が宙へといってしまう
仕方ないので、
腹を動かして、前へとなんとか進む
やがて、舌を伸ばすと、
頂上に伸ばせるくらいまでに辿りつき、
なんとか、
口の中へと含む
頭を上下に動かし、
何をしたらわからないほどに、
舌も動かす
「…っ」
やがてそんな事を繰り返していると、
何か苦味のある汁が舌への上にあることに気付く
それが何なのか気付き、
吸うようにちゅぱちゅぱと動かすと、
「…っ、作、出すぞ」
そう言われて、
喉にたたきつけられるように、それが出される
上手く飲もうとするが、
なかなか上手く飲み込めず、
喉の中で、へばりつくようにされるが、
それでも、なんとか飲み込む
「…はぁ…はぁ」
「良かったぞ」
そういわれるのが酷く嬉しい
「…?」
気付けば、目線にゆっくりと月明かりが照らされる
それから、足に絡まっていた縄梯子が丁寧に解かれた
「…っ」
それから、ぐっと抱きかかえられて、
「せ、先輩…!?」
抱きしめられた
と思うと同時に、
肩に手を乗せられ、
「――――っ!!」
ぐいっと、先が入ったかと思うと、
奥まで無理やり挿れられた
「・・・は…ああ…っ」
先ほどの行為と、
それによって、傷ついて出た血のせいで、無駄に滑りは良い
その上、上下に揺さぶられて、
傷口、と性感帯にあたる、
先輩の、さきほどの異物とは比べ物にならないほど大きくて熱いそれは、
間違えなく、
(…き、きもちいい…っ)
そう思えてしまうほど、好くて、
何度も揺さぶられれば、
自分からかなしかな、
淫らに腰を振っている事を自覚しながらもとめられない
もっと、もっと奥にと望んでしまう
「―――は…ああ…っ」
ぐちゅぐちゅと音がする
耳に、自分の恥ずかしい声と、先輩の息遣いの音がした
何度も揺さぶられれ、
最後に潤んだ視界の先に、
満月が見えた
おまけ
「作兵衛、昨日何処行ってたんだ?」
「えぇ、っと、ちょっと鍛錬に!」
「あーだから、腰庇ってるんだな、さくべー!」
「うるせー!」
その他3ろのメンバー(黙ってくれ…三之助、左門…)
801作品スレのさくべは何時も失敗するとお仕置きされるってのと、
ゆがんだ夜の生活があの妄想の結果やら、困る時もあるのいう台詞やら、
…まぁ、色々想像して頑張りましたが、ご期待に添えなくてすいません
自分の文章能力ではこんなもんでした
けまとまスキーよ、もっと増えろ!
もしも許されるなら、こへ金と久々伊助と竹三を書きたいものです
…全然お仕置きになってないよ!鬼畜じゃないよ!という件についてはつっこまないでやってくださいな
GJ!
結局凄く10待つがかわいいです(*´Д`)
でも
>>1-8とスレ傾向も読んでほしかった(´・ω・`)
自分語りUZEEEEEEEEEEEEE
>>558 とまつ可愛いよとまつ
でもちゃんとテンプレは読もうな
R/D潜脳/調査室 久島波留 1/9
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
雨宿り
散歩をしていたら、いきなりひどい雨でしょう? 少し軒先をお借りできないかと思って。
女はそう言って艶やかに笑った。
「何もない家ですが、お茶くらいはどうぞ」
波留が出すセイロンを女は礼を言って受け取った。
確かに外はひどい雨だった。南国特有のスコールが、樹木の幅広の葉を突き破るように降り注いでいる。
湿気が圧力を持ったように身体にまとわりついた。空を仰ぐと無数の矢が直線を描いて自分を目掛けて飛んで来るように思える。
鳥の声は止み、雨音がノイズのように聞こえた。それ以外の音が消えてしまい、波留は頭を振ってノイズを追い出そうと試みる。
波留が緩くかぶりを振るのを女はゆったりと眺めていた。
エリカ=パトリシア=タカナミ。人工島という多国籍企業の運営を決定する最高機関である評議会現五代目書記長が、
護衛も付けずに外を出歩くはずがない。ましてや多忙を極めるはずの彼女が理由もなく波留の元を訪れるわけがなかった。
久島に何か関係があるのだろうか。波留は表には出さず考えにふける。女はそんな波留の様子から目を離さない。
「あなたのほかには誰もいないのかしら」
「三人いるのですが、みな忙しいのでしばらくは帰ってきませんね」
「……そう、お一人では退屈なことね」
知っていてやって来たのだろうな。波留は物憂げに思った。彼女にとって己の近況を知るのは造作もないことだろう。
ホロンは先日ある事件で身体を酷使し、臨時でメンテナンスを行っている。
ミナモはまだ学校が終わってないので、来るのは夕方になるだろう。
ソウタは電理研の本業が忙しく、ここしばらくは顔を見せに来ていない。
つまり、タカナミは自分が一人でいることを知っていてやって来たということになる。何が目的なのだろう?
沈黙がしばらく続いた後、タカナミはふっと笑みを見せた。
「そう緊張しないで。たいした目的はないのよ、少し時間が空いたからあなたに会いに来ただけなの」
「僕自身に用ですか?」
タカナミは笑ったまま頷いた。
「私のことは知っているみたいだから自己紹介はいらないようね」
「この人工島であなたを知らない人間がいるとは思えませんよ。タカナミ書記長。それでこの老いぼれに何の用でしょう」
「自分を卑下するのはよくないわね」
タカナミは少し冷めてしまったセイロンを口に運んだ。
「それに、あなたは腕のいいダイバーじゃないの。久島本部長お気に入りのね」
やはり、久島がらみか。
「違うわ、誤解しないで。むしろ本部長には内緒にしてほしいのよ」
「仕事の話ですか」
公にできない事件でも起こったのだろうか。
「それも不正解。本当に、ただあなたに会いに来ただけなの。……会ってみたかったのよ。久島さんの想い人にね」
無言のままの波留に構わず、タカナミは外に目を移した。雨は降り続いている。
「あの人と出会ったのは私が人工島の初代プリンセスに選ばれた記念パーティの席だったわ。
もっともとても忙しい人だから、挨拶もそこそこに帰ってしまった。でも実は私はもっと前にあの人に会っていたの。一方的にだけどね」
妖艶な美しい女が遠い何者かを見るように目を細めた。
「大学の講演会に久島さんが招かれて私も聞いていたのよ。メタリアル理論の概論をかいつまんで話してた。それでも感動したわ。
なんて画期的な技術だろうと思った。私も、人の革新に迫る仕事がしたいと思った。だから人工島にやって来たのよ」
「それは、初耳です」
「誰にも言っていないもの」
波留が紅茶を入れ直すと、タカナミは礼を言って受け取った。
「プリンセスとは言ってもお人形じゃないの。仕事は多岐に及んだし中には人工島の運営に口を出せる機会もあった。
私には野心があった。だから上手いこと評議会の末席に 身を連ねることが出来たときは嬉しかったわ」
波留は話に聞き入っていた。自分が眠りについていた頃の事情である。久島以外から話を聞くことはほとんどなかったので興味深かった。
「評議会で陰険な政治ゲームをしていても、仕事はちゃんとしていたのよ。中には電理研の予算請求の審議なんてものもあった」
タカナミは、そこでまた目を細めた。
「私はそこでね、おかしなことに気づいたの」
「おかしな、こと」
「そう、おかしなこと」
波留はもはや雨のノイズが気にならなくなっている。
「繰り返し、繰り返し、さりげなくメタルでブレインダウンを起こした未帰還者についてのサルベージ技術の更新と、
それに対する安全性のテストを行うための予算請求と承認許可願いが出されていたのよ」
「ブレインダウン……」
「もちろん、メタリアル空間での安全保障は重要な問題よ、いつも問題なく許可は取れた。
でも、その案件の直接の責任者はいつでも久島永一朗本人だった。自ら実験を繰り返していたのね」
「私、調べてみたの。久島永一朗が行う実験の内容をね。被験者はいつも同じだったわ。誰だかもうあなたには分かるわね」
「……俺、が?」
呟く声は嗄れていた。
「久島永一朗はずっと繰り返していたのよ。この五十年ずっと。あなたの、魂のサルベージを」
声は哀調を帯びていた。
「調べたわ、調べずにはいられないでしょう。五十年前の出来事を。片腕を切断しても大事な人は取り返せなかった。
……あなたにとっては友人なのかしら、彼にとっては違っていたのね。確かなのはそれからあの男はあなたを海から取り戻すために
手段を選ばなかったということよ。最初は自分の理想であったメタリアルもきっと、いつの間にかあなたのための手段に成り果てていたのだわ」
波留は俯いていたが、車椅子を握る両の手は血の気を失い白く震えていた。タカナミはその手を凝視しながら口を開いた。
「何十年たったかしら。ずいぶん時が経っていたわ。思い出が風化するには十分な年月よ。でも私の耳に久島永一朗が
全身を義体化したという噂が飛び込んできた。この時代百歳を超えても肉体労働に従事できる。身体の一部を置き換えるならともかく、
全身の義体化は珍しい。何より身体を使いこなすのに時間がかかるわ。人形遣いと呼ばれるにはれっきとした訳があるのよ」
美しい女の顔がそこで歪んだ。年齢相応の老いが始めて仄見えた。
「私は評議会の会合で義体化したあの男と会った。その姿は記録で見た五十年前のままだった。私は悲鳴を上げそうになった。
あの男がもう恐ろしくてたまらなかったのよ! なぜそこまで執着するの、どうして一人の人間をそこまで求め続けなければならないの!」
「久島……」
囁くような声は、空中に溶けるように消えていく。
「皮肉よね、久島本人の才能とカリスマ性とも相まって、歳を取らないその姿は久島永一朗の神格化に一役買ったわ。
今ではこの島の研究者達は久島を神のように、いえ、神以上に崇め敬っている。
でも久島は神じゃない。人間よ、これ以上はないほどの人間だわ。愛に狂った、愚か者」
タカナミは一息つくと立ち上がり、テラスから空を見上げた。
いつの間にか雨は止み、太陽が雲の合間からオレンジ色の光を海に投げかけている。美しい景色だった。
「私の大学にあの男がやって来た時には、もうあなたは眠りについていた。私が感動した久島永一朗はすでに狂っていたのよ。
あなたを失って、片腕を失って」
俯いた波留の膝に、水滴が二つ三つと零れていく。
「ごめんなさい。五十年を失ったあなたにあまりに酷い話だった。でも人生を歪められた人間はあなただけではなかったの。
それでも、きっと誰のせいでもないのよ。誰にもどうにも出来なかったのね」
そのまま、波留の元に座り込み、女は波留の顔を覗き込んだ。
「でもね、久島はまだ迷ってる。もし、もうこのくびきから逃れたいと思うなら、今なら断ち切れるかもしれない。
あなたは最後を静かに過ごせるかもしれない。私はずっと長い間久島を通してあなたも見ていた。
同情なのか憐憫なのか自分でも分からないけどあなたが望むなら、助けてあげたい」
タカナミは本心なのだろう。それは分かっていた。しかし、波留はゆっくり首を振った。
「……そう」
タカナミは静かな笑みを見せた。
「それもまた、ひとつの選択ね」
雨、止んだわね。
呟いて立ち上がった女は、もはや迷いの表情はなかった。
「紅茶、ありがとう。美味しかったわ。ダイブの仕事があったら、私もお願いしていいかしら」
「もちろんです」
「私ね、あの男に憧れていた時期もあったのよ」
礼を言うと女は立ち去っていった。人一人が消えた余韻が空間に漂う。
波留は大きく息を吐いた。
「いつまで立ち聞きしているつもりだ」
柱の影から、スーツを着込んだ男が現れた。無表情に波留を見つめている。
「おまえも飲むか? 義体でも、少しなら大丈夫だろう。久島」
「……いつから気づいていた」
「ほんの少し前だよ。ホロンの他にもこの家にセンサーを付けていたんだな」
言う声に不快感はない。
「……お前が承諾したら、あの女を殺してやろうと思っていた」
「物騒なことを言うな」
「俺が怖いか?」
「まさか」
久島が身体の力を抜いたのが波留にも分かった。ゆっくり近づいてくる。跪いて波留の膝に頭を乗せた。
「……俺はお前がいればそれでいいんだ」
「……遠い昔にも、聞いたな」
年老いた手が、ゆっくりと久島の頭を撫でた。猫のように久島は目を細める。
「俺は五十年眠っていたが、お前は、この五十年、ろくに休めなかったんだな」
その声をじっと久島が聞いていた。
「今度は俺が見ていてやるから、お前は少し眠るといい」
「目が覚めてもお前は傍にいるだろうか」
「いるとも。おやすみ、久島、よい夢を」
久島はゆっくり目を閉じた。
「やっと、取り戻せた」
「そうだな、よく頑張ったな、久島。ありがとう」
「目が覚めたら……、」
そこで声が途切れた。久島は寝ていた。波留に頭を預けたまま無防備に。
波留は笑みをこぼす。
「ああ、乾杯しよう」
久島の頭を優しく撫でた。
「キンキンに冷やしたビールでな」
空には目の覚めるような赤い夕焼けが広がっていた。もうじきあの少女が騒々しく家に飛び込んでくるだろう。
「明日は、思い出話をしようか、久島」
波留は大きく息を吸い込んだ。きっと明日は晴れるだろう。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
まさか自分がじいちゃんに萌える日が来るとは思っていなかったとです。
そろそろ487KB
投下予定者は注意して。
>>562-570 GJ!
自分も久島の五十年をハルさんにバラすなら書記長からだろうと踏んでいたので
期待通りにネチネチ虐めてくれてうれしかったです。
それにつけてもキチガイ久島が愛おしい…
>562-570
シルバーラブ最高。GJ!
鼬外だが書記長も素敵だよ。
>438-449
遅レスだが、クシハルエロス投下あったのかー!GJ!
そろそろ次スレ立てたほうがいいだろうか?
バトルもの的な妄想。間接的に若干グロかも
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
577 :
1/2:2008/06/27(金) 08:11:17 ID:mEeRCTml0
外壁を、雨が打つ音がする。
どうにも気が晴れないのはそのせいだろうか。雨音は彼の浴びているシャワーよりよほど激しい。
彼は放水を止めて顔を拭った。冷たくないだけ雨よりはましだ。組み手の汗は流れても、出の悪い
シャワーと温い湯は彼の気鬱を払うには至らなかった。
「俺、いつまでここにいるんだろうな」
身を整えた彼は居間へと戻る。対する男はそっけない。
「ファイトマネーが尽きるか試合でしくじるかして死ぬまでだ。お前、死なないように寝技の対策を
してたんじゃないのか」
「それは…そうだけどよ。何年もやってられるような稼業じゃねえだろ、地下ファイトなんて」
男は彼を横目で眺め、呆れたように鼻を鳴らした。
「余裕が出てきたらしいな。羨ましいことだ。闇に葬られるはずだった人間が、将来の心配か?
どうせお前は墓穴から逃げ延びた身なんだろう。心配するなら明日の命にしておけ。それとも、
いまさら堅気に戻りたいとでも?」
「…おまえは、不安になったりしないのか?」
「俺は性根が性根だからな。真っ当に日の下で暮らしても、いつか限界が来ただろうよ。
金を貰ってきれいな体を切り開けるんだ、俺には似合いの生き方だ」
「……そうか」
578 :
2/2:2008/06/27(金) 08:11:52 ID:mEeRCTml0
彼の口は重い。男は小さく息を吐いた。
「手っ取り早く死にたくなったなら言え。俺が知り合いのムービーメーカーに売り払ってやる。
知人のよしみだ、特別に俺の手で捌いてやろう。世界中の解剖マニアがお前の死体に欲情するぞ」
「オーケイ、間違ってもおまえの前では死なねえ」
げっそりと鼻白んだ彼をせせら笑って、男は彼に背を向ける。
「わかればいい。組み手を続ける気がないなら、下らんことを呟いてないでとっとと帰れ」
「へいへい」
椅子から立ち上がった彼は上着をはおり、ドアへと向かう。戸棚の取っ手に掛かっていた傘を
無断で借りるべく手にとって、彼は雨音の激しさを思い出す。傘の一つや二つでは濡れ鼠は
避けられまい。ねぐらに着いたら風邪を引く前に体を拭かなければ。帰ったらとりあえず湯を
沸かそう。屑茶でもないよりはましだ。
「ドクター」
「何だ」
浴室を使うべくシャツを脱ぐ男は、彼を見向きもしない。
「さっきの悪趣味なジョークについてだけどな。…激励だとしたら礼を言っとく。ありがとよ」
「とっとと帰れ」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
現在492KB
次スレ建ててくる
>>576 お、久しぶり。もう書かないのかと思ったよ。
暗黒街的な、甘くない雰囲気がいいですね。
>>581 乙です。
間違えた…
586 :
1/5:2008/06/28(土) 09:54:40 ID:csjLUjVqO
ゲーム、りずむてんごく
宇宙人×野球少年
触手エチ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
──地球には帰れない。
青い空なんて無いこの星に連れ出されてから、ずいぶん日が経った気がする。
もう家族や友達の顔も名前も思い出せなくても、それが悲しいと思わない。
この星の生活に慣れてしまった俺は、ボールを打つだけの競技でトロフィーなんかもらったりして、少し浮かれているくらいだ。
最初この星に来てすぐは泣いてばかりで、そんな俺を懸命に励ましてくれたのは一匹の宇宙人。タコみたいに腕が何本も生えている姿で、バレーボールくらいの大きさ。
何でか俺の部屋に住み着いている。いや、もしかしたらコイツが俺を連れてきて、俺を飼っているのかもしれない。
外観は他の家と一緒だからわからないけど、家の中は全て地球の家と同じ造りをしている。宇宙人の体を考えると暮らしにくいんじゃないかと思うほど。多分、ここは俺の為の家。
ベッドに寝転んだまま、部屋の中をふらふら漂っているUFOを見つめる。
「暇?」
声を掛けたら近付いてきて、頭上にUFOが止まる。そこから宇宙人が俺の体に落ちてきた。
587 :
2/5:2008/06/28(土) 09:55:11 ID:csjLUjVqO
宇宙人の顔は常に笑っていて、言葉もわからないから感情が読めない。だけど、最近ようやく喜んでいるとか、落ち込んでいるとか、そんな空気がわかるようになった。
そして、これから行われる行為が宇宙人にとって楽しみであるという事も。
複数の触手が俺の顔を撫でる。一本は唇をなぞり、口を開けるとそれが舌の上に乗る。舌根から舌先に往復するだけなのに背筋がゾクリと震えた。
「ん、ふ……」
触手に舌を絡ませ、軽く吸ったり甘噛みしたり、まるでキスみたいに。
他の触手が上着のボタンを外す。インナーの裾ををズボンから引っ張り出し、胸元まで捲り上げられた。
「あっ」
唾液で濡れた触手が、小さく膨らんだ乳首を潰し、摘み、擦った。
「はぁ、ん……あ」
両胸に触手が這い回り、次第に愛撫の範囲が広がる。脇の下やへそ、そしてズボン越しに膨張した股間。
ベルトを外される間も、ずっと宇宙人は乳首を撫で回す。
下着と一緒にズボンを脱がされると、ほとんどの触手が俺の股間を弄る。先端は既に濡れていて、滑りを良くするために鈴口を何度も擦られ、ぬめりをまとった触手が根元からくびれまで螺旋状に巻きついた。
588 :
3/5:2008/06/28(土) 09:55:38 ID:csjLUjVqO
「はぁ、ふ……んふ」
一本の触手はずっと乳首を交互に弄くり、痛いくらい腫れたそこを引っ掻かく。
「いたっ! んっ、あぁっ」
股間に巻き付いてる触手は、ゆっくり強弱をつけながら扱き始める。裏筋の根元を強めに擦られ、鈴口をくすぐるように触手の先が掠めた。
卑猥な水音と俺の喘ぎ声が部屋に響き、それに興奮するのは宇宙人だけじゃなく俺も一緒。根元と先端を行き交う触手は次第に動きを速め、俺の視界が滲んでくる。
「あ、あ、あっ、出るっ」
キツく目を閉じて体を強張らせ射精した。胸まで飛んできた精液は乳首に塗りつけられ、敏感な俺の体が跳ねる。
「んぁっ……早く、しちゃえよ」
ここまでなら俺も満足だが、宇宙人は更に深い場所まで弄くるから、疲れる。
飛び散った精液を触手が掬う。俺は自然と足を開き、膝を立てて秘所を露わにした。最初はあんなに抵抗したのに、今じゃ少し期待している。疲れるけど、イヤじゃない。
「は、んぅ、はやく」
触手はずっと入り口に精液を塗りつけ、一向に侵入してくる気配がない。たまにコイツは俺から強請れと態度で表す。焦らして焦らして、ある時は自慰を強制され、ある時は騎乗位のように自分で入れろと顔で言う。
589 :
4/5:2008/06/28(土) 09:56:03 ID:csjLUjVqO
「っ、ばかやろ……」
俺は自分で尻を掴み秘所を開かせた。先端が入ってきて、すぐに出ていく。何度かそれを繰り返されて、また焦らされている事に気付いた。
「ん……くっ、ばか」
自分の秘所に人差し指を入れ、入り口を広げるように掻き回す。指を増やして広げてやれば、満足したのか宇宙人が触手を入れてきた。
「ああぁっ、あ、は、んっ!」
的確に前立腺を刺激するそれに合わせて腰を振る。いつの間にか自分で自身を扱き、射精する寸前で押さえ込んみながら何度もイった。
吐き出されなくて滲み出る精液が先端から秘所まで流れる。触手の動きが速くなり、せっかく我慢していたのに射精をしてしまったら止まらない。
「やっ、あ、うそっ……出て、る、あああっ! ちょっ、やめ……んっ、ん、あ!」
頭が真っ白になる。射精したのにまだ勃っていて、本当に壊れてしまうのではないかというほど突き上げられた。
「あー、あぁ! ま、またで、る……あ、あ、あ、ぅああぁっ」
秘所が触手を締め付け、震える自身から申し訳程度に飛ぶ精液。
全身に力が入らず、荒い呼吸のまま動かないでいたら触手が中から出ていった。
590 :
5/5:2008/06/28(土) 09:57:18 ID:csjLUjVqO
終わったんだと安心してそのまま意識を手放そうとしたが、宇宙人が俺の体を這って視界に入ってきた。
「え……なに?」
俺の胸元で宇宙人は口を動かし、何かを伝えたいみたいで、首を傾げると宇宙人が喋った。
「スキ」
一言、それだけなのに自分の顔が赤くなるのがわかった。
「お、おま……なに言って、んの」
慌てて起き上がろうとしたけと、宇宙人がそれを遮るようにまた喋る、
「コトバ、ベンキョウ」
日本語を勉強したのだろう。喋ることのできる言葉は少ないみたいで、俺の目の前に半透明の板みたいなものが現れた。そこに表示される、全て平仮名の日本語。
『きみが すき です』
どうかしている。こんな事があっていいはずない。
なんで、俺、ときめいちゃってるの?
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>581 乙です!
埋めないの……?
>>586 ちょ、可愛い!!凄く可愛い!
たいへんもえました!
>>586 ジャンル分からないけど禿萌えー(・∀・)
生まれて初めて、触手に萌えた〜
テラハッピーエンド
ドキドキしたw
>>586 まさかこのジャンルがくるとは思わなかったw
すんげー萌えたよGJ!
>>586 その発想はなかったw
野球少年顔ないのにかわいいと思ってたけどその発想はなかったw
GJ
>>596 興奮しすぎて二回言ったんですね、わかります
うめ
梅
楳
図
か
ず
シャァァァ
なかなかうまらんのう…。
12KBぐらい余ってんだし、短いネタならここ使えるよね。
Σ(´∀` )
自分のブラ表示だとあと容量0.4KBしかないよ?
mjd?
じゃあ、梅用に書いたのも何故か長くなっちゃったとこだし、
引き続き梅。
まだ埋まらないのでもう一回
楳
〜〜〜〜〜〜協力してくれ2ちゃんねらーたち!〜〜〜〜〜〜
毎日新聞が事実無根の記事(日本では母親は息子を愛撫するなど)を掲載。
英語版も発行されているため、海外からは軽蔑の声も上がっており、日本国民の民度を著しく下げた。
また、今回のことについて毎日新聞に抗議した女性に法的措置がとられるかもしれないというとんでもない事態も発生。
このコピペを見た人は可及的速やかに他のスレにもペーストしてください。
くわしい内容はこちら
http://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/ 〜〜〜〜〜〜協力してくれ2ちゃんねらーたち!〜〜〜〜〜〜