>>154 最盛期も2、3年前じゃないかな
やっぱりなんだかんだ言ってアニメ化の時期は盛り上ってた
同人も…サイトとかなくはなかったが今は閉鎖やジャンル移動したとこがほとんど
サイトさんは探せばまだぼちぼち見かけるけど
コミケなんかのイベントでは虫歌サークルさんはまず見かけないよね
ラノベ同人自体、一部を除いてそんなに人口ないし、
カタログも最近は買ってないから、実際のところは分からないけど
原作が完結したら同人も終わっちゃいそうな予感
胡散臭い大人な土師と小学生大助の組み合わせが好きだ
二人の出会いのシーンはよかったなあ
挿絵の大助可愛かったし
保守がてら呟いてく。
そろそろハルキヨさん大活躍してください。
でも今ハルキヨに活躍されたらハルキヨ受けにすっ転びそうな気がしてならない。
長編だとミステリアス俺様キャラにしか思えないのに、バグのガチャポンは反則だ…ギャップ萌えしてしまう。
前はハルキヨ×大助美味しいですだったけど、今大助×ハルキヨ美味しいですになりそうだ。
二人で夕飯の買い出しに行って、出口のガチャコーナーで立ち止まるハルキヨに「1回だけだからな」とかいってしぶしぶ財布から小銭出す大助とかどこかに落ちてないかな。
新刊待ちがてらちょっと再読してくる。
ハルキヨ可愛いよハルキヨ!!
160 :
風と木の名無しさん:2010/02/18(木) 01:30:50 ID:y5SxIuHSP
>二人で夕飯の買い出しに行って、出口のガチャコーナーで立ち止まるハルキヨに「1回だけだからな」とかいってしぶしぶ財布から小銭出す大助
oi
おいそれは反則だ・・マジでグッと来たじゃないか・・
ここってSS投下は不可?
エロパロなら投下するんだけど、801はどうなのか分からなくて。棚とか利用すればいいのかな。
サイトに載せようかと思ったけど、投下してこのスレ盛り上がるならこっちに投下したい。
本当に再燃するのが遅すぎたorz
なんでアニメやってたときに萌え上がらなかったのか…あの時の自分が憎い。
162 :
風と木の名無しさん:2010/02/18(木) 20:33:19 ID:y5SxIuHSP
投下してもおkじゃね?
地下スレと同じ扱いでいいでしょ
自分以外の書き込みが複数あると無性に嬉しくなるw
ここ5年くらい基本ずっとムシウタにいるから思い入れのあるジャンルなんだよなあ
>>161が何をきっかけに再燃したのか気になる
そして投下超楽しみにしてます!
もうなんかムシウタはどのカプでも美味しく頂ける
どうも161です。
ゴーサイン貰えたので、おつまみになればと思って投下しにきました。
ハルキヨ×大助×ハルキヨ。
非エロでサーセン!あとのことはみんなの妄想にお任せする。
久々に書いたから口調やら性格、本当自信ないんだが…脳内補完よろしくお願いします。
>>163 4月に新刊出ると聞いて一気に熱が振り返したクチです。
自分でもなんでこんないきなり再燃したのか分からないw
165 :
熱 1/4:2010/02/19(金) 12:51:59 ID:WUQItMlTO
広くもないベッドの上。
すぐそばにいたはずの熱源がいなくなっていて、肌寒さに大助は彼がそこにいたであろう場所に擦り寄った。
夢と現の間にあっても、大助は人の気配に敏感だ。それは訓練されて研ぎ澄まされたものであったし、何より生来抱いていた寂しさが根本にあるものだから、訓練で身につけた技能的なものというより身に備わっていた嗅覚的なものといった方が正しい。
ふと目を覚ますと、傍らからあの男の匂いがなくなったことに気付かなかった。すん、と実際に軽く匂いを嗅いでみると微かにあの男の匂いと饐えた独特の臭いを感じ取った。あの男の匂いはきらいではない。だが、この己のものと男のものが混じり合った臭いは嫌いだ。
むくりと起き出し、意識を聴覚に集中させる。余計なものが混じった空気などいつまでも嗅いでいたくなかった。
水音、落ちて跳ね返る音。ああ、シャワーを浴びているのか。珍しい。
その音を聞いて男の所在を知ると、大助は再びベッドに身を沈めた。顔の左側を枕に押し付け、ドアの方をぼんやりと眺める。こうしておけば気配というものを感じるまでもなく、男がこの部屋に戻ってきてもすぐに分かる。
それほど長い時間そうしていた訳ではない。シャワーは大助がその音に気付いてからすぐに終わったらしく、ぽたぽたという音を引き連れて男が部屋に戻ってきた。
月明かりしか光源のない部屋でも分かる燃え盛るような髪。普段は炎のように暴れまくっている髪もシャワーを浴びたせいか随分としおらしい。
シャワーを浴びたからだろう。ハルキヨの顔には湿布もテープもなく、はっきりとした目鼻立ちがよく分かる。
その毛先では水滴がぷっくらと膨れては床に落ちていく。月光を僅かに浴びて落ちる雫を見て、大助は顔を顰めた。
「床拭け、バカキヨ」
「床だけ拭きゃいいのか?」
「髪乾かしてから出て来るのが常識だろうが」
166 :
熱 2/4:2010/02/19(金) 12:52:54 ID:WUQItMlTO
ここは大助の家で、ハルキヨは今夜も常と同じように気まぐれで自分の元を訪れた。大助の家は特環が提供している局員専用のマンションで、本来ならば敵対位置にいるハルキヨがこうも堂々と大助の家でシャワーを浴びている方がおかしい。
一度横になってしまうと起き上がるのも億劫だ。大助は倦怠感に抗って上体を起こした。
ハルキヨは首に掛けたタオルで髪を拭き始めたが、ここに来てから拭いても遅いのだと思わないのだろうか。
ぺたぺたと足音を立ててベッドに近寄る様から察するに、戻って床を拭こうという気持ちは皆無のようだ。
ハルキヨがベッドに座る。ぎしり、と音を立ててスプリングが軋んだ。
男の手と呼ぶに相応しいハルキヨの手が軽く大助の頬を撫でる。何も纏っていない上半身からも分かるようにハルキヨの肉体は大助と何もかも違う。
大助はハルキヨの身体を目にする度完成された身体だと思う。大助もハルキヨも違いに生傷が絶えない身だが、ハルキヨの場合はその傷すらも彼自身を引き立たせており、妙な言い方だが様になっているのだ。
対して大助の方は中肉中背、髪も真っ黒だし容姿も並。“どこにでもいる高校生”は日常的に怪我などしない。だから己の身体で唯一非日常的ともいえる傷を、大助は絆創膏で覆い隠している。
コンプレックスを刺激される――ハルキヨに羨望を抱いている訳でも、自分の考え方が卑屈になっている訳でもないが、鍛えられた身体を目の前にすると、どうして自分の身体はこうも筋肉がつきにくいのだろうと唇を噛み締めたくなってくる。
手にしてもそうだ。今大助の頬を撫でる手は温かくごつごつとしていて、節もはっきりとしている。それに比べて自分の手は荒れが目立ち掌に胼胝があるものの、男らしい手とは言い難い。
「どうした?」
「何が」
「何が、って。何の脈絡もなくむっとした顔になったから聞いたんだろーが」
はぁ、とわざとらしい溜息を吐いて、ハルキヨは大きい掌で大助の髪をぐちゃぐちゃに掻き乱した。
そして大助は今更――ハルキヨの掌が冷えていることに気付く。湯冷めにしては早過ぎる。
「お前……まさか水浴びたのか?」
「おう。何でそんなに驚いた顔してんだよ」
「……呆れてものが言えないんだ。こんな真冬に水浴びするバカがいるとは思わなかった」
167 :
熱 3/4:2010/02/19(金) 12:53:57 ID:WUQItMlTO
今度は大助が溜息を吐く。
この寝室も今は空調を切っているが、それは先程まで互いに与え与えられる快楽に酔っていたからだ。あの熱があるのならば人工的に管理された空気など興ざめ以外の何物でもない。
その熱が静まって朝にかけて温くなっていく空気。互いの体温だけが寄り処で、温くなっていくのとは違った、穏やかになっていく熱を分かち合うのが大助は好きだった。
シャワー、しかも冷水を浴びたというのだからあの心地良い体温は冷え切ってしまったのだろう。暑苦しいともいえるハルキヨの体温を間近で感じながら朝を迎えることに慣れた身としては、あの熱がなくなってしまっただけで軽いショックを覚える。
少なからずハルキヨも、大助が他人の体温を好むことを知っているはずなのに。彼も獣のように交じり合い身を寄せ合う静寂を、大助と同じような気持ちで受け入れているものだと思っていた。
「バカキヨ」
お前の荒れ狂う熱が収まっていくのを、傍らで感じているのが好きだったのに。なに勝手にシャワーなんか浴びてんだよ。
その一言と視線に目一杯の恨み言を乗せつつ、大助はハルキヨを睨んだ。
その視線を受け取って、ハルキヨは「あー」と気まずげに視線を逸らした。
この男のことだから大助の心情を汲めるはずもない。気まずさに耐え兼ねた言い訳が吐き出されるに違いなかった。
「いや、熱くてよ。このままお前の隣にいたらまずいと思って水浴びたんだよ」
「そんなのいつものことじゃねえか」
「いやいやいや、そう言うことじゃねえ。なんつーか、その」
「『興奮覚めやらぬ状態なのでもう一戦お願いします、“かっこう”さま』くらい言うなら考えてやってもいい」
「興奮覚めやらぬ状態なのでもう一戦お願いします“かっこう”さま」
「…………」
自分から振った話だが、まさか本当にそっくりそのまま返ってくるとは思わなかった。そっくりそのまま、というより大分切羽詰まった感じではあったが。それだけ余裕がないということなのだろう。
大助が呆れて物が言えないのをいいことに、ハルキヨは億劫さを振り払って起きた大助の身体を簡単にベッドに沈めた。
「こっちが了承する前に押し倒すな、この駄犬」
ぺしっと軽く赤い頭を叩けば、決していいとは言い難い鋭い視線がこちらを伺ってくる。
168 :
熱 4/4:2010/02/19(金) 14:18:28 ID:WUQItMlTO
「さっきいいって言っただろうが」
「俺は考えてやってもいい、って言ったんだ。誰も許可なんか出してない」
「今流行りのツンデレかなのか、それとも王道の飴と鞭なのか俺は盛大に混乱してるぜ」
「どっちもハズレだ。躾のなってない犬を躾直してるんだよ」
「……鞭ばっかじゃねえか」
ひやりとした感覚を胸の辺りで感じる。ハルキヨが頭を押し付けていた。
乾ききっていない髪と冷えた頬。そこに大助が恋しいと思う熱はない。
「“かっこう”ー」
「何だよ」
大助の胸の辺りで頬擦りしていたハルキヨが言う。とても熱が収まらないと言っていた男と同じ声音だとは思えなかった。
大助は擽ったさを我慢して、努めて不機嫌そうな声で返す。
「お前、結構腰痛いだろ」
「ああ、どっかの駄犬のせいでな」
「だろ? だから今度は俺が上に乗ってやる」
「……は?」
169 :
熱 5/4:2010/02/19(金) 14:19:52 ID:WUQItMlTO
顔を上げたハルキヨと大助の視線がかち合う。
上に乗るってどういうことだ、お前散々俺の上に覆い被さって遠慮なしにがつがつ突っ込んできただろうが――そう紡ごうとした舌は、捩込まれたハルキヨの舌によって動きを封じられてしまった。
口付けられたのだ、と数秒遅れて悟ったものの、目を閉じてその熱を受容しようとは思わなかった。すっと目を細めれば、同じような顔をしたハルキヨと視線が絡む。
ハルキヨは大助の表情に気付くと瞳の奥に不敵な色を浮かべた。
より口付けが激しくなる。口付けというより、互いを貪っているといった方が正しいのではないかと思う程荒々しい。
はっ、とどちらからともなく短く息を吐き出す。一旦唇を離したものの、相手が隙を見せたら即座に噛み付こうと互いが互いを牽制していた。
瞳の奥にだけ滲ませていた不敵さ、獰猛さを口元に浮かべてハルキヨが言う。
「俺のナカで俺の熱を思い知りやがれってことだ」
「……お前がよがるところとか、ぜってー見たくねえ。お前のいいとこわざと外してやる」
「お前、やっぱり悪魔だな……」
「文句あるならそのご自慢の熱とやらで俺を溶かしてみろよ」
“かっこう”の顔で笑ってやれば、向こうも同じような笑みを返してきた。
温くなりつつあった空気が再び上昇していく。大助が好む温度まで下がるには、まだまだ時間が掛かりそうだった。
終
本文長いと怒られたので1本分割しました。
お目汚し失礼しました。
GJ!良かったよー
うあああオリンピックに浮かれてたらなんか来てたー!!
超GJ!!
ふおおおおおおってなった
おおおお
砂漠に恵みの雨が…!
久々にこんな一気に萌え補給したせいで心臓が苦しいww
激しく萌えた!!
今来た今読んだ!
ありがとう!ありがとう!!
再読してたらシャチが女顔だと本文に書かれていることに今更気付いた。
どうしても挿絵の印象強くて一般的なイケメンだと思ってた。
「女の子にしては背が高いね」と言われたことがあるってことは、そんな感じでナンパされたことでもあるんですかシャチさん。
文化祭でノリノリで女装してくれるタイプと見た。
保守がてらSS投下。
ガシャポンやってる二人を探したが落ちてなかったので自分で書いてみた。
ごろりと寝返りを打った長身を思い切り蹴りたい衝動に駆られる。ごろごろとフローリングを転がる様からして、目の前の魔人は相当暇を持て余しているのだろう。
「おい、ハルキヨ」
「んあー?」
ごろんごろん。苛立つ大助のことなどお構いなしにハルキヨは床を転がる。
「何やってんだ、欝陶しい」
「床掃除」
「せめて服着て転がってくれ……」
上半身裸のまま転がられても埃が舞うだけで意味がない。背丈があるハルキヨが横になるとそれだけで部屋が狭く感じる。移動しようにも転がる身体をいちいち避けなければならないから面倒臭い。
「そんなに暇なら買い出し付き合え」
「買い出しぃ? 何のだよ」
「夕飯。どうせ今夜も食ってくんだろ? 荷物持ちくらいやれ」
「断る、面倒臭ぇ」
げしっと軽く背中を蹴りつける。
「うおっ」と声が上がるが本気で蹴っている訳ではないので痛くはないはずだ。
ただかつて共に戦った小柄な槍遣いの少女にされたことを参考に、地味にじわじわと効いてくるところを蹴り続ける。段々と痛みが重くなっていくんだよなぁ、ココ、と大助は人事のように背中蹴りマシーンに徹する。
靴を履いての蹴りではないので、次第に爪先の方が痛くなってきた。蹴る側が先に音を上げるのは、つまり負けだ。それだけは避けなければならない。
「……ハルキヨ?」
大助の爪先が痛くなり出した辺りから呻き声が聞こえなくなった。
ちょんちょんと爪先で突くが、ぴくりとも動かない。頭を抱えるようにして丸まっている。
しまった、やり過ぎた。過去にやられたことがあるだけに、この蹴りの重さは十分知っている。これでは荷物持ちに駆り出すことも出来ない。
ハルキヨ、と小さく呼び掛けた。やり過ぎたという反省から、大助の声も少し張りがない。肩を揺すろうとして、ぴたりとその手を止めた。
頭を抱える腕の隙間から見えた表情。口元には見間違えるはずもない笑みがしっかりと浮かんでいた。自分が心配するほどやり過ぎてはいなかったらしい。大助はそのまますくりと立ち上がり玄関に向かった。
スニーカーを履いたところで振り返り、丸まったままのハルキヨに通告する。
「じゃあ今夜お前晩飯抜きな」
「何でそうなる!」
「働かざるもの食うべからず、だろ?」
ドアを閉めようとしたが閉まらない。ハルキヨが必死な顔でドアを押さえていた。急いで羽織ったシャツは片腕が袖を通っていなかった。
「荷物持ってやるから俺の分も飯作れ」
「……作ってもらう謙虚さが足りないにも程があるな」
大助の呟きを聞いているのか聞いていないのか、ハルキヨは涼しい顔でシャツを着て靴を履き、鼻歌混じりに大助の隣に並んだ。
「何突っ立ってんだ、行くぞ」
「お前がさっさとしないからだろ!」
大助が怒鳴ってもハルキヨはどこ吹く風。
ここで怒鳴り散らしても埒が明かない。ここは自分が身を引いて大人になるしかないのだ。
体中を渦巻く不満や怒りをゆっくりと息を吐き出すことでやり過ごす。どうにか大助が諦念によって怒りを静めた頃には、ハルキヨは既に数歩先にいて「早くしろ」とこちらを睨んでいた。
大助は早足でハルキヨの隣に並ぶ半歩手前で、思い切り相手の尻を蹴ってやった。痛みにのたうちまわる様を見てようやく、すっと憤りが沈んで溶けた。
「で、今夜は何作るんだ?」
「麻婆系。茄子と豆腐どっちがいい?」
「こんなクソ暑い中麻婆かよ……」
「お前だけ主食冷や奴、主菜冷や奴、副菜冷や奴とかでもいいぞ」
「同じ豆腐なら麻婆豆腐にしてくれ」
ハルキヨがカートを押して大助が予め控えておいた食材をカゴに入れる。
中には一応豆腐と茄子が入っていたので、改めてメニューを考え直すこともあるかもしれない。
他にも野菜や果物、肉などが順調にカートに入れられていく。控えには書いていなかったが賞味期限間近のプリンが安くなっていたので二つカゴに入れておいた。
なんだかんだいいつつも買い物に付き合ってくれたお礼だとは口にするつもりもないが、夕飯後にさりげなさを装ってハルキヨにやろう。大助一人で荷物を抱えるのは大変だし、何より一人でメニューに悩みながら買い物するよりも二人で来た方が相談しやすい。
どうせ自分一人分の食事を作って食べても味気ないのだ。それどころか大助一人だと食事を作ってまで摂ることが億劫になってしまって、食事を疎かにしてしまいそうな気がする。
そういう意味ではハルキヨの存在は有り難かった。ただ単に大助の家に飯をたかりに来ているだけだとしても、少し心が軽くなる。
自分の為に料理の腕を磨こうと思ったことはないが、時折こうやってハルキヨがふらりと食べに来るものだから、大助の料理のレパートリーは順調に増えていく。
ハルキヨが本当に美味しそうにがつがつと食べるものだから、次も何か作って驚かせてやろう――そんなことを繰り返すうちに、大体のメニューならばレシピを見なくても作れるようになった。
今夜の麻婆も市販のものを使わずに全て自分で作るつもりだ。
「お、ケモノマンの食玩が安い」
「こっそりカゴに入れんな。自分で買えよ」
「財布持ってねぇ」
「知るか」
カゴに放り込まれた食玩を元の特売の中に戻す。じぃーっとハルキヨは戻された食玩を見続けていたが、大助がさっさと行ってしまったので泣く泣く諦めた。
いくら安くなっているとはいえ、300円のものを無断で放り込むのは気が引けた。
他愛もない話をしながらレジに並んで、会計を終えて店を出る、というところでぴたりとハルキヨの足が止まった。
大助もその視線の先を追えば、彼が好きなケモノマンのガシャポンが。
ハルキヨは見つめるばかりで「金を貸せ」とも「1回やらせろ」とも言わない。先程大助に食玩購入を断わられたのが効いているらしい。
ここで大助が「行くぞ」と言えばハルキヨは大人しくこの場を立ち去るだろう。ただし肩を落として、帰り道の会話の声には覇気がなくなっているのだ。
少なからず自分よりも二三年上の男にとって、ガシャポン一つが覇気に関わるというのは情けないというかみっともないというか。
ハルキヨのシンパとも思われる彼の一派はそんな姿をどう思っているのだろう。たまに会話を交わす未だに性別の判断がつかないあの子供なら、「そこの訳分からない感じがハルキヨの魅力」とでも笑うのだろうか。
「……一回だけだからな」
「あ?」
レジで受け取った釣銭は財布に仕舞わずポケットに入れたままだ。235円。その中から百円二枚をずいっと突き付ける。
「やりたいんだろ?」
「いいのか?」
「……さっきのやつより百円安いから、いい」
百円を無駄遣いと思う程大助は苦しい生活をしていない。これといった趣味もないものだから、特環からの給料は常に余って貯蓄に回されていた。
「さんきゅ」
本当に子供のように笑ってハルキヨは大助から硬貨を受け取る。
「荷物重いんだから早くしろよ」
通り過ぎる親子の視線が恥ずかしくて、大助はガシャポンと真顔で向き合うハルキヨに声を掛けた。
硬貨を入れてハンドルを回すだけなので大して時間も掛からない。出てきたカプセルをその場で開けると、その中身にハルキヨは破顔した。
欲しかったものが当たったのだろう。そういう顔をしてもらえるなら、二百円くらい安いものだ。
すると突然、ハルキヨが大助の片手から荷物を奪った。ハルキヨを破顔させたものは、何故か大助の空いた片手にぽんっと置かれた。訳が分からず、大助は頭一つ分は高いハルキヨを見上げた。
「やる」
「は?」
「夕飯の礼だ。俺様のこの右手に感謝しやがれ。シークレットだぞ、それ」
呆然とする大助を置いて、両手に荷物を抱えたハルキヨが先に歩き出す。
掌に置かれたものを見れば、酷く目つきの悪いライオンのキーホルダーだった。
右手の人差し指に輪を引っ掛けて軽く振り回してみる。銀の輪が夕日を受けて柔らかく光った。
「やるって、これ元は俺の金じゃねーか」
それでも彼から何か物を貰ったのは初めてだ。気恥ずかしさから、大助はすぐにその背を追えなかった。
終
改行多いと怒られたんで分割。
新刊出たらこのスレにも活気が戻ると信じてる。
スレ汚し失礼しました、名無しに戻ります。
181 :
風と木の名無しさん:2010/03/19(金) 17:24:30 ID:Y7qS887cP
乙!
ハルキヨかわゆす (;´Д`)ハァハァ
乙
ニヤニヤがとまらないwこういうほのぼの系もいいな
うおおおおおお
うおおおおおおおおおおおおおおお
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
萌えた!超萌えた!
ありがとう!!
184 :
ss_1:2010/03/22(月) 19:49:32 ID:U8gzZTWY0
ハルキヨとかっこうに加えて土師さんも絡んだら良いと思い投下
*
青紫の鬱血はそいつの首には嫌に映えた。
まるで、必然であるかの様に存在するその痕は首輪のようであった。
最強の名で畏れられているそいつが、こんな拘束具を当然の様に受け入れる様は、きっとひどく滑稽であったに違いない。
何も感じず、手折られる羽にすら興味が無い死んだ瞳でその過程を受け入れたのだろう。
たやすく想像がついた光景に加えて、首を絞めたであろう人物が連想され、嗚呼畜生めと男は舌打ちする。
そいつは変わらない表情で男を見上げ、薄い唇が男の名を紡いだ。
何だと返せば、お前こそなにやってんだと言われる。
思考中だから邪魔するなど答えたら、そいつはならば今すぐ退けと言う。
もともと気に食わないが、なお腹立たしく思い、マウントポジションをとった態勢のまま腕を伸ばし、首に手をかける。
無意識にとった己の行動に男は戸惑いながらも、首を絞めたいと思う激しい衝動に抗えない。
化け物でもない人間風情が手を出せたのだ、異端である自身が出来ぬはずが無いのだという驕りにも似た感情が渦巻く。
そいつは、男の気持ちなどどこ吹く風というような無表情のまま一言、男のものでは無い名を呟いた。
185 :
ss_2:2010/03/22(月) 19:50:32 ID:U8gzZTWY0
「何で、そいつ、なんだ…」
自身の名を呼んで欲しいわけではない、けれどもその名だけは呟いてなんで欲しくなかったと言わんばかりに、男は指に力を込めた。
ほんの少し力で折れてしまいそうな首は、うかぶ鬱血が美しくもあり、醜悪でもある。
男の思考は止まらない。
この手にかけるその命の価値を考えれば、今はまだその時ではなく、やめたほうがいいに決まっているのに、止められない。
抵抗をしないのが悪いのだと理由付けようとするが、脳裏では警鐘が激しく鳴り響く。
指が食いついた首がめきめきと軋んだ音をあげている。
男は背中を駆け上がる歪んだ快楽に、嗤いを抑えられなくなる。
喉を鳴らす様はまるで獲物を捕食した野獣そのものであると言うのに、そいつは微動だにしない。
嗚呼もう知るものかと、その時になって、そいつはわずかに空いた唇から、小さく、再び、とある男の名を呼んだ。
186 :
ss_3:2010/03/22(月) 19:54:01 ID:U8gzZTWY0
あまりにありえない情を帯びた声に、男は激高し、その感情はひとまわりして落ち着きを取り戻す。
そして首を絞めていた手を緩め、鬱血が首輪の様になっているその箇所へ噛み付いた。
ようやく男を見上げていた無表情の仮面が崩れる。
何を、と驚いた相手など気にせずに男は纏っていた服を引き千切り歯を立てる。
悪魔の血は、魔人同様に赤いらしい。
ふぅ、と吐いた紫煙は朝日が差し込む部屋にとけた。
ものの少ない部屋にある大きめのベッドに腰掛け、男は隣りで眠る存在の頬を撫でた。
普段であれば、浅い眠りを彷徨っている為にすぐさま瞳をあけて睨みつけてくるのだろうが、故意に酷使させた為に今日は起きる気配がない。
その様子を尻目にため息がこぼれた。
「……馬鹿か、俺は」
嫉妬したのかと自身に問えば、今ならば即答出来る。
嗚呼、そうだとも。してしまったのだ、この俺様が。
悪魔が同種である魔人よりも人間に情を向けたというそんな事で、だ。重症ではないか。
残り少なくなった煙草を、ベッドサイドの誰のものでもない灰皿に押し付ける。
立ち上がると僅かにベッドが軋むが、部屋の住民はまだ起きないだろう。
最後に、名残惜しむかの様に顔にかかる前髪をはらってやると、男はまるで何も無かったかの様に部屋をでる。
「…なあ、なんでお前なんだ?」
そして、音も無く閉じられた扉を背にして、男はそこに居る人間に問うた。
黒いスーツに眼鏡、そして、男のものとは違う煙草。
さあ、と唇の端を歪ませて楽しそうに嗤う、そんな顔を男は睨みつけるのだった。
終
似て比であるハルキヨとかっこうに土師さんが加わったら大層美味しいと思ったんですが、ホモくさくてすいません…!
ハルキヨ→かっこう→土師さんで、みんな報われないとなお美味しい。
スレ汚し本当に失礼しました。
本編で二人が再会するのが待ち遠しいものです…!
187 :
ss_3:2010/03/22(月) 19:55:05 ID:U8gzZTWY0
あまりにありえない情を帯びた声に、男は激高し、その感情はひとまわりして落ち着きを取り戻す。
そして首を絞めていた手を緩め、鬱血が首輪の様になっているその箇所へ噛み付いた。
ようやく男を見上げていた無表情の仮面が崩れる。
何を、と驚いた相手など気にせずに男は纏っていた服を引き千切り歯を立てる。
悪魔の血は、魔人同様に赤いらしい。
ふぅ、と吐いた紫煙は朝日が差し込む部屋にとけた。
ものの少ない部屋にある大きめのベッドに腰掛け、男は隣りで眠る存在の頬を撫でた。
普段であれば、浅い眠りを彷徨っている為にすぐさま瞳をあけて睨みつけてくるのだろうが、故意に酷使させた為に今日は起きる気配がない。
その様子を尻目にため息がこぼれた。
「……馬鹿か、俺は」
嫉妬したのかと自身に問えば、今ならば即答出来る。
嗚呼、そうだとも。してしまったのだ、この俺様が。
悪魔が同種である魔人よりも人間に情を向けたというそんな事で、だ。重症ではないか。
残り少なくなった煙草を、ベッドサイドの誰のものでもない灰皿に押し付ける。
立ち上がると僅かにベッドが軋むが、部屋の住民はまだ起きないだろう。
最後に、名残惜しむかの様に顔にかかる前髪をはらってやると、男はまるで何も無かったかの様に部屋をでる。
「…なあ、なんでお前なんだ?」
そして、音も無く閉じられた扉を背にして、男はそこに居る人間に問うた。
黒いスーツに眼鏡、そして、男のものとは違う煙草。
さあ、と唇の端を歪ませて楽しそうに嗤う、そんな顔を男は睨みつけるのだった。
終
似て比であるハルキヨとかっこうに土師さんが加わったら大層美味しいと思ったんですが、ホモくさくてすいません…!
ハルキヨ→かっこう→土師さんで、みんな報われないとなお美味しい。
スレ汚し本当に失礼しました。
本編で二人が再会するのが待ち遠しいものです…!
>>187 すいません、二重投稿していたみたいです…;;
スルーして下さると幸い…
もうなんなんですか萌え殺す気ですかちょっともう胸が苦しくて息が出来ない生きててよかった
いいものよませてもらいました
ありがとう
新刊ゲット保守
過疎ってるとはいえ二日までが待ち遠しい
バレ解禁でいいんだよね?
ウメといいカノンといい岩井センセの男の娘は可愛すぎる。
ニィとカノンが普通にいちゃこらしててどうしようかと思ったw
端から見たらただのバカップルだったんだろうなぁ。
カノンが父親に気に入られたい一心で女の子になろうとしてたとか女物ばかり着せられてたとか、健気過ぎて素直に萌えられん。
あとハルキヨ×3とかどうすればいいのww
とりあえず同棲生活といいラストの膝枕といい、素でカノンが男だと忘れ去られてしまう
あれだ、あんまり男だと強調されないとこに萌ゆる
サラッとしたスキンシップがたまんないな
梅といいカノンといい性別不詳のチラリズムがヤバい
カノンは今後かっこうと絡むのかな?
保守
かっこう分が 足りない
保守
自分でポッキー持参して大助にポッキーゲームしようぜと誘いを掛けるハルキヨを妄想しつつ保守。
>>198 何それかわいい
散々嫌がった後にしぶしぶ、目そらしながら一口だけかじる大助とか見たい
ワンコ!ワンコ!
201 :
風と木の名無しさん:2010/11/28(日) 20:36:07 ID:Pf1FdZ0t0
保守
ムシウタにガッッッツリ嵌った今年が終わる
個人的にすごいツボだった
ジョジョに匹敵するくらいに好き
岩井先生サンクス
もしかして新規さん?
なんならハマったきっかけを教えてほしいw
友人が持ってたんです
bugと本編あわせて10冊くらい
とにかく一巻でリナの死が衝撃の一言
結構好みだったので続きは自分で買いました
新刊表紙のかっこうが可愛すぎてやばい保守