さらに、執拗に、嫌がらせのように続き(や、でもこれでおしまい)
○月○日
きょう、お友だちが言った。
「ずいぶんれんしゅうしたよな」
「オウ」ご主人さまは言った。
「じょうずになったよ、いろいろ」
「オウ」
「じゃあな」
「オウ」
━━げんきでね
━━げんきでね
○月○日
しばらく、ご主人さまのごようがおしっこだけだったせいか、
けさもぼくはご主人さまが目をさますずっと前からおきていた。
お昼すぎまではそのままだろうとおもっていたけど、でんわがなった。
「なんだ日ようの朝っぱらから」
でんわのむこうで、いいから来いはやく来いという声がしていた。
「じゃ、1じかんな」
「30ぷんで来い」
ご主人さまは出かけるしたくをしてしまったあとで、
「なんだ、いまさらっ」と言いながら、べっどのおふとんをなぐった。
そとはいいてんきだった。
でんわがなった。あと5ふんくらいだとご主人さまは言った。
でんわがなった。
「5ふんたったぞ、こんちくしょう」という声がきこえた。
あと1ぷん、ご主人さまは言った。
でんわがなった。
「1ぷんたったぞ、このやろう、ふざけんな。さっさと来い、はしって来い」
「めいれいすんな」
「1ぷんって言ったのはおまえだぞ、やくそくまもれ。
あああっ、おまえ、どっかから見てるんだなっ」
えいがかんの前で、お友だちが、手にもったでんわにどなっていた。
けいこうとうのわっかを頭にのせていた。