『バッキャロォー兄貴イィ…何しやが…っくあぁッ!』3bro.
何か書きたいがアイデアが微妙。
誰かお題をください。
では病弱な兄×弟をリクエスト。
逆はよくあるので病弱兄攻めというのを読んでみたいです。
どうやって攻めるのかも気になります。
>>915ありがとう!
レス見返してたら色々インスピレーション涌いたので、
取り敢えず
>>915のシチュ書いてみます。
それ以外も書けそうなので、出来たら棚の方に投下するかもしれません。
とにかく書きます!
兄×弟ができましたら、ぜひこちらに…
ほしゅ代わりに
桜は見ていた
桜は見ていた
ずっと自分の袂で数々の恋人たちを見てきた
何百年にも渡って微笑ましく見てきた
そして今年の花を開いた季節に彼は見つけた
「ああ、あの者達は、また兄弟で巡り合ったのか」
困ったものだ、とこっそり桜は呟いた
920 :
風と木の名無しさん:2010/03/20(土) 20:15:30 ID:p4SavHmsO
病弱兄×弟
失敗…
病弱兄×弟
兄「くっ…お、弟…兄さんはもうダメだ……」
弟「何いってんだよ兄貴。」
弟「ふっ…兄さんのことなんて忘れて、また人を好きになって、
お前だけでも幸せになってくれ…兄さんの願いはそれだけだ…ゲホゲホ…」
弟「何をバカな…寝言は寝てから言えよ。」
兄「ううっ、目が霞む…もう限界だ…」
弟「ただの花粉症だろ。汚いな、鼻かめよ。」
兄「弟、花粉症を舐めるなよ。チーン夜だって鼻詰まって眠れないし、
酸欠と寝不足でで頭痛いしハックション目は痒いし涙留まらないしズズズズー」
弟「知らんがな。それにさ、ボソッ兄貴忘れて他の人好きになるとか無理だって。馬鹿じゃねーの。」
兄「は?聞こえねーよ何だってー?ズルズル」
922 :
マヨ:2010/03/24(水) 03:09:43 ID:OICGpaOL0
兄弟でマヨネーズプレイ。駄目な人はマヨで避けてください。
6レスお借りします。
923 :
マヨ 1/6:2010/03/24(水) 03:11:01 ID:OICGpaOL0
この世の中には数え切れないほどのフェチが存在する。
手足唇等の人体の一部や、コスプレ、ロリータや熟女好み等がその代表例と言える。
そして、フェチズムを持つ者は、日常生活の何気ない瞬間にエロを感じ、煩悶することも多いだろう。
まさしく現在、弟はスーパーの売り場で目に入ったある物に欲情した自分を恥じていた。
棚の前で真っ赤になり俯く彼の後ろを、金切り声を上げながら子供が走り去り、親がそれを追い掛け回している。
頭上のスピーカーからは間の抜けたスーパーのオリジナルソングが垂れ流されている。
周りは恐ろしいまでの普遍的日常。
エロ本やアダルト品であれば、隔離されたそれ相応の場所においてある為このような状態にはならずに済む。
しかし、だ。弟の眼前にあるものは、只の食料品、マヨネーズである。
元々、弟はごくノーマルな嗜好しか持ち合わせていなかったのだ。マヨネーズをこよなく偏愛するのは彼の兄である。
兄なりに、自分の変態性はよくよく理解しているらしく、付き合う女性にはマヨネーズプレイを強要したりはしなかったようだ。
しかし、彼にとってノーマルなセックスは、ゲイの男性がカモフラージュに女性と結婚し子作りをするような虚を覚えるらしく、いつしか兄はノーマルなセックスからは遠ざかっていた。
ある日弟は、不自然にマヨネーズを買い込む兄を問いただし、ついにはそのフェチズムを知ってしまう。しかし兄を責める気にもなれず、おどけてこう告げてしまった。
「じゃ、なんだ。兄貴はマヨネーズぶっ掛けられた俺にも欲情できるっての?」
「もちろん。何なら試してみるか」
「嘘だ、兄貴が俺におっ勃つワケないじゃん」
弟は自分が失言をしたことに気付かず、そして自分の首を絞めていることにも、もちろん気付かなかった。
兄は自分のフェチを受け入れてくれる相手を切望していることを、すっかり失念していたのである。
気が付いた時には、ビニールシートを敷いたマットレスの上で、マヨネーズまみれにされていた。
全身ぬるぬるでさらに独特の油っぽいにおいが鼻を突く。
弟に馬乗りになった兄は、恍惚とした表情で弟の性器にマヨネーズのチューブを搾り出している。
生ぬるく重いものが、性器を流れ落ちる感触にたまらず自らの手を伸ばそうとすると、その手は払いのけられ代わりに兄の舌がそれに触れた。
924 :
マヨ 2/6:2010/03/24(水) 03:11:46 ID:OICGpaOL0
「は、ばっ、何してんだよっ。きたねーじゃ、ねーかっ」
「何言ってんだ。俺はマヨネーズを舐めてるだけだぞ」
ねっとりと舐め上げられる舌に否応なく昂ぶっていく体とは裏腹に、弟の心は恐怖に支配されていた。
兄弟でこんな事になるなんて。
ゲイでも何でもなくて、ついさっきだってバイト先の女の子をどうやって口説こうかなんて考えていたのに。
それにいくらフェチだからって、そうそう近親相姦おまけにゲイの壁を乗り越えられるものなのか。
「っつ、は、ぐっ」
不意に目の前が白く膨れ上がり、下半身の重だるさが消える。兄の口淫で達してしまったらしい事実に、より脳内が混乱する。
「ああ、やっぱりこうやって誰かと分かち合うのも良いな」
「弟でもか」
「まあ最初はどうかと思ったがな。大丈夫だ。マヨネーズ無しの女とのセックスの百倍は良いぞ」
そう言いながら、兄は恍惚とした表情でディスペンサーに詰め替えたマヨネーズを取り出した。
口が細く、お好み焼きやたこ焼きの上に線状の模様を描き出すものだ。
「冷たいかも知れんが、まあ大丈夫だろう」
何が、と聞く前に弟はマヨネーズまみれのマットレスにうつ伏せにされた。
顔にまとわり付く乳状のそれに気をとられている隙に、ありえないところを兄の手で広げられていた。
「は?あ、あああああ」
恐らくディスペンサーの先を尻の穴に突っ込まれている。
そしてその中身を、体の内部に注ぎ込まれているらしい。
異様な、下痢のような感触に弟はのたうち、ぼろぼろと涙をこぼした。
先程兄が忠告したとおり尻に注がれた物はひんやりとしており、未知の感触と不安を与える。
腰をわななかせ泣きじゃくる弟の反応もそ知らぬ風で、兄は容赦なく自らの快楽を追う行動に出る。
白い液体を詰め込まれた弟の穴に指をねじ込み、狭い肉洞を拓くように動かした。
「き、持ち悪っ、っぐ、ふうっ」
「でも痛くないだろう。ぬるぬるだからなあ」
立ち込める汗とマヨネーズの匂い。指先に伝わる油分たっぷりの肉が蠢く感触に、白く重たい液体に塗れたお互いの体。
何もかもが兄の性感を煽り立てる。そこにはもはや兄弟や性別を超えた世界があった。
925 :
マヨ 3/6:2010/03/24(水) 03:12:31 ID:OICGpaOL0
「じゃ、俺もそろそろ」
久しぶりに他人と分かち合い、満たされたフェチ心に兄はこれでもかというほどに煽られ、その性器は満たされる為の刺激を待ちわびてそそり立っていた。
弟の尻穴からぬらぬらと光る指を抜き去り、自らの性器を宛がう。
何度か液体に滑りながらも、あっけなく挿入は果たされた。
「う、っく、っ」
痛みはない。只すさまじいまでの圧迫感で、口から内臓が全部出てしまいそうなくらいだった。
もちろん弟のペニスはとうに萎えてしまっている。
「キツいな。少し緩めろ」
容赦なく奥までねじ込んだ兄は、中を軽く掻き混ぜ無茶を言う。
しかし弟は、あまりの状況に泣きながら只、荒く呼吸を繰り返すことしか出来ない。
兄としては今すぐにでもぐちゃぐちゃにかき回し逐情したいのだが、あまりの締め付けにそれは得策ではないと悟り、取りあえず弟を宥める事にした。
うつ伏せる弟を肩から強引に振り向かせ、マヨネーズ塗れの顔に口付けていく。
額から頬にかけてを舐めとるように舌でなぞり、鼻や唇を軽く食む。
その優しげな感触に弟は目を細め、止め処ない涙も少しずつひいていく。
あえて唇は避け、落ち着かせるために首筋から肩を舐め上げていく。
無理に振り向いていた姿勢をゆっくりと元に戻してやり、顔の横に投げ出してある手のひらを包み込むように握り締めてやる。
「はあ、んっ」
「少し緩んできたな。どうだ」
呼吸も落ち着き、ショックや吐き気にもどうにか慣れてくると、弟は繋がれたままの後孔を異様に意識してしまう。
身じろぐたびに、兄の熱い肉を食む様に蠕動する腸壁が、腰に重くわだかまる違和感を生む。
いやこれは違和感ではない。うつぶせている腰、というか太股に芯を持った己の性器が触れ、思わず弟は腰をマットレスから浮かせてしまう。
実の兄からマヨネーズ塗れにされ、尻に一物を突っ込まれて発情している己の体が信じられなかった。
図らずも兄に腰を摺り寄せた形になり、又結合が深まった場所が熱を増す。
「なんだ、さっきまで泣き喚いてた癖に腰振ってんのか」
「違っ!…ひっ、やめろ…」
弟の耳元にからかう様な呟きを落とし、兄は組み敷いた腰を掴み持ち上げる。
そして軽く掻き混ぜるように中を数回抉った。そのたびに弟の腰は揺れ、兄の体に押し付けるような動きを見せる。
926 :
マヨ 4/6:2010/03/24(水) 03:13:14 ID:OICGpaOL0
「あ、あはぁっ、ん。ひっ、あうっ」
「ほら、振ってるだろう。それに随分気持ちよさそうじゃないか」
「ふあっ、やめ、やだ、いっ」
兄は緩く立ち上がった弟の性器を無造作にしごき上げた。
マヨネーズに塗れて既に射精したかのような性器が、どくどくと脈を打つ。
久しぶりに与えられた明確な快感に、弟は髪を振り乱し、無意識に自らの手を股間に伸ばした。
ビニールシートからマヨネーズを掬い弟の陰茎になすりつけている兄の手は無視し、半分ほど包皮の剥けた先端を捏ねる。
「何やってんだ…ま、いいか。そのまま気持ちよくなってろ」
右の頬をマットレスに着け、あらぬ方を見ながら自慰にふけっている弟の顔をべろりとひと舐めする。
涙と汗の混ざったマヨネーズの味が舌に広がり、兄の性感をなお煽った。
「ぁ…ンぅっ、あに、ひィ…あ」
括約筋の緩みきった弟の孔を、抜け落ちそうなほど引いてから最奥まで犯す奔放な動きで犯し、兄は自らも快楽を追いかける。
「も、あ、あぁぁぁ」
ざぁ、と血が引くような感覚と共に弟は体から力が抜けるのを感じた。
張り詰めていた性器から勢いよく射精したはずなのだが、嗅覚も触覚もマヨネーズで麻痺していて、よく分からない。
しかも、出したら快楽が終りではなく、後孔にねじ込まれ続ける熱に意識が引きずられている。
明確な快楽ではない、しかし体の熱を強制的に上げられる行為に、次第に弟は従順になっていく。
無意識に腰を振るその様子に、兄は満足げな笑みを浮かべ、膨れ上がった己の熱を思い切りねじ込んだ。
「あ!はぁ、あ、っつう」
「ん、あー。ワリ。中に出した、わ」
その兄の言葉のとおり、腹の奥のほうで、熱い液体がぐちゃぐちゃと水音を立てるのがリアルに感じられる。
孔の入り口付近にわだかまるマヨネーズとは違う熱さと感触に、背筋ゾワリとした感覚が走り、弟は思わず挿れられたままの兄の性器を締め付けた。
「なんだ、まだすんのか。お前って淫乱だったんだなあ」
「ちげーよ!…んっ、動かすな!さっさと出てけ変態マヨネーズ野郎!」
ずるりと抜け出していく感触に、中途半端に上げられた熱を持て余す体が震える。
「よ、っと」
ぬちゃ、とリアルな音が響き、兄が弟の上から体を起こす。弟は未だ震えを残す体を丸め、兄の視界から消えようとした。
927 :
マヨ 5/6:2010/03/24(水) 04:21:58 ID:OICGpaOL0
しかしそれはかなわず、がっしりと体を掴まれ仰向けに体勢を変えられてしまった。
「な、んだよ!」
「まだするんだろう?さっきはそこまでマヨネーズを堪能できなかったからな」
「しなっ、ああああ、っ」
抵抗する暇もなく、蛙のように足を開かされ、あっけなく挿入されてしまう。
正常位になると、今度は弟からも兄の様子がよく見える。
にたりと笑う兄の後ろには元から用意してあったらしいマヨネーズのボトルにディスペンサ、
さらには注射器や何に使うのか分からない刷毛やヘラのような物が鎮座していた。
「いやあ、お前が受け入れてくれてうれしいよ。下手に遠慮しなくて済むし、時間も制限されないしな」
厭らしく腰を使いながら、兄の片手にはうす赤いボトルが握られていた。
「いっ、受け入れてねえっ、ぅん。あ!」
「そんなヒンヒン言ってちゃ説得力も糞もないぞ」
うす赤いものの正体は、香辛料の混ぜられたマヨネーズだったらしい。
胸に塗りつけられるとちりちりした刺激が弟を襲った。
「痒い、ってぇ」
「次は胸の開発なー」
「なーじゃねー!」
しかし抵抗しようにも、体に力は入らず下半身は犯されたままだ。
逃げようにも逃げられず、そのまま夜が明けても弟は兄からのマヨネーズ責めを喰らったのであった。
928 :
マヨ 6/6:2010/03/24(水) 04:25:18 ID:OICGpaOL0
「あれ、お前マヨネーズ嫌いだっけ」
先ほどスーパーで購入したマヨネーズを凝視していると、
ホットプレートのお好み焼きにソースを塗っている友人が怪訝そうに声をかけてくる。
「や、そういうわけじゃねえんだけど」
じゃ、かけるぞ、くれ。と言い、友人はお好み焼きの上に白くもったりした調味料をかけていく。
熱されたお好み焼きとソースが白く汚されていき、独特のにおいがつんと弟の鼻を突いた。
弟は無意識にはあ、と息を吐き、妙なスイッチが入らないよう、お好み焼きから目をそらす。
あの日、マヨネーズに対しての欲求不満を爆発させたらしい兄は、あの後朝が来ても行為を止めようとせず
思う存分、マヨネーズ代幾らだよというほどに、そのボトルを開け続けた。
その常軌を逸しつつもひどく幸福そうな様子に、弟はなんとなく絆されてしまった。
マヨネーズプレイの風俗とかそうそう無いし、動画とか写真も選べる量じゃないだろうしな、
などと意識を飛ばすほど犯されながら同情してしまったのだ。
切り分けたお好み焼きを口に運び、咀嚼する。
キャベツたっぷりで、厚焼きなソレは非常に美味しい。
トッピングの青海苔とソース、それにマヨネーズが効いていて、口福を感じる。
「旨いなあ」
「なにしみじみ言ってんだよ。確かに美味いけどさ」
目の前の友人はやたらとかみ締める弟に怪訝な視線を寄越し、箸を止める。
その視線に、何でもない、と答え弟も箸を動かし始める。
なあ兄貴。やっぱりマヨネーズは食べ物だよ。俺には兄貴がさっぱりわかんねー。
何この変態兄すごくいい。
マヨプレイでこんなに萌えると思わなかったw
弟がパブロフ並にマヨでスイッチ入るようになるまで
お兄様に調教頑張ってもらいたいw
携帯から初投稿。
インスパイア元はよくバナーで見るヒッキー弟漫画。
春先とはいえ、夜はまだ冷える。厚手のコートを着込んで、いつもの準備をした。
「ほら、行こうか。」
俺は出来るだけ優しく弟に言った。弟はそれに応えてソファーから立ち上がる。
弟の髪は素人の俺が切ったにしては様になっているが、男にしては少し長めだ。
顔を見せたくはないという弟の希望でそうなったのだが、弟の可愛い顔を隠しておくのは
勿体無いと思う半面、時々ではあるけれど、俺にだけ髪の下にある顔を見れることに少し
だけ優越感を感じていた。
「今日はどうする?車がいいか?」
弟はふるふると頭を振る。
「じゃあ歩こう。」
俺が笑いながら言うと、弟は俯いたまま小さく首を縦に振った。前髪の隙間から、
怯えたようにこちらを見る仕草は少しだけ悲しいけれど、一緒に暮らし始めた頃に比べると
こうやって顔を付き合わせて話せる分、ずっと嬉しい。怖がらせないように、
優しく弟の手を取る。弟も俺の手を弱く握り返してくれた。これまた嬉しくて、つい少し顔がにやけてしまう。
「よし、行こっか。」
玄関に鍵をかけて、弟と手を繋いだまま外に出た。今日は天気がいい。
月がきれいに出ている。風も気持ちがいい。
「歩きで正解だったな。いい天気だ。」
ちらっと弟を見るが、相変わらず下を向いたままだった。
「このままぶらぶらしようか。それとも、行きたいところあるか?」
この質問に弟が答えることは滅多にない。でもこんなにいい夜なんだから、
弟も答えてくれるんじゃないかと思った。
しばらく沈黙が続き、俺達は宛もなく夜の街を歩く。今日も適当に散歩して終わりかもしれない。それもまたいいか。
夜12時。擦れ違う車も人も殆んどいない。それでも他人を怖がる弟のため、
俺は車道の方を歩き、弟を匿うようにしてやった。そうすれば弟はほんのちょっとだけ
でも安心してくれるのだ。
30分も歩いただろうか。昔煙草屋だった角の家まで来た。
懐かしい型の公衆電話もそのままだ。小さな頃に弟と意味もなく
ダイヤルを回したことを覚えている。ノスタルジックな気持ちになりつつ、
そこを通りすぎようとすると、何かに引っ張られるような抵抗にあった。
きょとんとして振り返ると、弟が立ち止まっている。
「どうした?」
すぐには返らない返事を気長に待つ。立ち止まっただけだが、弟が自分から
自分の意思を示したんだ。時間さえかければ、弟はきっと話してくれる。
俺は笑みを絶やさないで弟に向き合った。
「…………えん。」
夜風にかき消されそうなほど小さな声だった。
「……こう、えん……」
「公園、か。いいな。行こう。久し振りだなあ。」
弟の表情は髪の下のままだ。けれど前よりも柔らかい顔になってくれているに
違いない俺は弟と歩みを合わせて、また歩き出した。
俺が弟と再会したのは二年前、俺が大学4年最後の春だ。親戚から父親だった男が死んだという報せが来たのがきっかけだった。
はっきり言えば、俺と両親だった奴らの仲は最低だった。
だから葬式なんて出るつもりはなかった。だけど叔父の一言でそれが変わった。
「お前の弟、ずっと部屋から出て来ないんだ。お前が何とかしてやってくれ。」
弟は。弟は唯一俺が大切に思える肉親だった。数少ない小さな頃の幸せな思い出には、
いつも弟がいた。いつも一緒であちこち遊びに行ったりいたずらをしたり、他愛もないことばかりしていたけれど、
それは俺にとってかけがえのない宝物みたいな思い出だった。
だけど親の離婚後はずっと音信不通で、どれだけ聞いても、
母親も親戚も弟がどこにいるかすら教えてくれなかったのに。
話によると、父親が救急車で運ばれて以来ずっとアパートに籠りきりらしい。
俺はとるものとりあえず弟の元に向かった。
弟と父親だった男の住んでいたアパートは驚くほど古くて汚い所だった。
教えられた番号の部屋を見つけて、恐る恐るノックする。
「聞こえるか、兄ちゃんだよ。ごめんな、遅くなって。ここ開けてくれ。」
俺ははやる気持ちを押さえきれずに何度も話しかけた。
しかし返事はない。日が暮れるまで弟に呼び掛け続けたけれど、結局その日は
何もなかった。けれどどうしようもない胸騒ぎを覚えて、俺は弟に父親の死だけじゃない、
何かとんでもないことが起きたんだと確信したんだ。
それから俺はずっと弟の部屋にかよい続けた。
弟が体を壊さないように飯を持って行ったり、昔弟が好きだった絵が載った本を差し入れたりした。
通いはじめて一週間もすると、次に来たときには玄関先に置いてあった差し入れは
なくるようになった。ただ、弟の姿は相変わらず見えない。
俺はそれでも時間が許す限りずっと部屋の前にいた。
時々弟に話しかけたり、ただ黙ってそこにいたり。
弟に何があったか、どんな状態にあるか何てわからない。
でもだからこそとにかく弟のそばにいてやりたかった。
今まで一緒にいてやれなかった分まで、一緒にいてやりたかった。
そんなことをする内に、いつの間にか大学の卒業式も終わり、一ヶ月が
経とうとしていた。ある日の夕方、いつものように部屋の前で過ごした後、
もう頃合いかと差し入れを置いて帰ろうとした矢先。
ぎいい。
小さな音がしてドアが開いた。
驚いて振り向くと、真っ暗な部屋から異様なモノが現れた。
胸の辺りまで伸びた真っ黒な髪。骨と不自然にひきつった皮だけの指。
ぐしゃぐしゃの色褪せた服。足元にはいつくも散らばる、真っ黒に塗り潰された紙。
幽霊みたいに不気味なソレが、俺の宝物だった弟だと気付くのに随分と時間が
かかってしまった。そんな俺を我に還したのは、弟の小さくも悲痛な叫びだった。
「――ぃちゃん――…す、けて…」
公園にはすぐ着いた。昔と違って真新しい遊具がいくつか並んでいるが、
大体似たようなものが似たような場所にあって面影がある。
近くのベンチの埃を払い、弟と一緒に腰を下ろした。弟の息は少しばかり上がっている。
軽く背中をさすってやれば、弟の少し呼吸が整いやすくなるような気がした。
「頑張ったな。偉い偉い。」
弟の左手の甲を撫でながら言ってやる。本当は頭を撫でてやりたいけれど、
弟は手を頭より高く上げられることが嫌いだから、やってはいけない。
いつかは撫でてやりたいとは思う。でもまだ今はその『いつか』じゃない。
今はじっと待つ時だ。それにその『いつか』をのんびり待つことも、弟となら苦ではないし、
弟をここまで放っておいた俺が焦るだなんで許されない。
「やっぱり懐かしいなあ。ジャングルジム、一緒に登ったっけ。」
まだ小さかった頃、俺達は家にあまりいたくなかった。
その代わり色んなところに遠征しては無邪気に遊んでいた。
この公園はその中でもよく来ていた場所だ。
昔のことを思い出しながら、隣の弟をちらっと見た。息はもう落ち着いたらしく、
唇はきゅっと結ばれている。リンゴみたいだった頬っぺたは、今じゃ面影はない。
微かに見える首の付け根には、変色したケロイドが見えた。堪らず顔が歪んでしまう。
「――を、描いたの。」
突然の声に一瞬息が止まった。その声は紛れもなく弟のものだった。
「いっぱい、絵を描いたの。」
もうすぐ18になる弟の話し方はあまりに幼い。
親戚から聞いた話では、中学にすらまともに通わせて貰えなかったらしく、
親しい友人なんて全くいなかったということだから、
どうしようもないことだ。
「公園には、お兄ちゃんがいるから、だから、いっぱい描いたの。」
はじめ弟が何を言っているか分からなかった。
けれどすぐにそれが何を指しているのか気付いた。
弟を俺の家に連れていった後、あのゴミ溜めみたいなアパートを片付けに行った。
文字通りゴミに埋もれた部屋は虫が這い、壁には赤茶けた染みがいくつかついていた。
床に投げ棄てられられた煙草の吸殻が、弟の体に残る火傷の形とぴったりあうと
いうことがわかったのは、それから随分後だった。あの吐き気がする光景は、
今でもはっきり覚えている。
そんな部屋の一角に、不思議なものがたくさん落ちていた。
ボロボロになった弟を初めて見た時、弟の足元に落ちていた紙だ。
真っ黒に塗り潰されていたと思ったものは、懐かしい風景が描かれた紙だった。
校庭、商店街、原っぱ、駅、港。
昔弟と遊んだ場所が、紙の中にはあった。
「僕、お兄ちゃんと一緒にいた時、とっても幸せだったの。」
弟は言う。
「だから、いっぱい、お兄ちゃんと一緒にいたとこ、描いたの。」
「いっぱい、描いたら、お部屋を、いっぱいに、したら、
また、幸せに、なれると、思ったの。」
吃りながらも、弟は一週間一生懸命俺に話してくれる。
俺はそれを黙って聞く。弟の心に、精一杯耳を傾ける。
「――でも、だめだったの。」
それ以上を弟は語らなかった。でも俺にはそれで十分だった。
「ありがとな、ありがとう。でももう安心だよ。
兄ちゃんはずっと一緒だから。いっぱい幸せになろうな。」
肉が抉られた右の二の腕に触れないように、弟を抱き締めてやる。
少しして、腕の中から弟の嗚咽が聴こえだした。
「ごめんなさい、ごめん、なさい…」
「大丈夫、大丈夫。何にも心配しなくていいんだからさ。」
赤ん坊をあやすように優しく弟宥めてやる。
「兄ちゃんお前と一緒にいられて、本当に幸せだよ。」
心からの言葉は、弟に届いただろうか。俺にはわからない。
さわさわと夜風が吹き抜ける公園には、ただ小さな咽びが響いていた。
>>931 GJ!
これから二人で幸せになれよ(ノД`)
>>931 なんという素敵な兄弟
心がきれいになります
素晴らしい投下をありがとう
おお、何だかんだで500KB近かったんだね
>>941、乙です!
次スレも良い萌えネタ&SSにしようぜ兄弟!
兄「おい、次スレ立ったぞ。起きろ」
弟「うーん…Zzzz」
兄「起きないとちゅーするぞコラー」
弟「Zz…!」
兄「ん、起きたか?」
弟「…起きてない。まだバッチリ夢の中だよ」
兄「嘘つけ」
弟「いいからちゅーしろ、ばか兄貴」
>>921 >>914さんですか?
病弱兄×弟ありがとうございます。
悲劇的なものを妄想してたらこうきたかww
>>923 マヨラー副長の声で再生されたw
保守もしくは埋め
温厚な保父さん兄貴×生傷絶えないケンカ好き弟
ある日、暴力団と繋がりのある悪友とトラブルになり拉致される弟
→兄が救出に向かう→弟を拉致した連中をあっさり倒す兄
→悪友は暴力団員呼び出す→暴力団員は兄を見て「あ、貴方はもしや・・・!」
→歯向かう事無く弟を引き渡す→「夕ご飯はカレーだぞ♪」と弟と仲良く帰宅
みたいなの読みたい。
コテコテお約束展開で全く構わん!(*´Д`*)ハァハァ
私も読みたいです!!
947 :
風と木の名無しさん:2010/04/04(日) 18:46:12 ID:zVHkWXVp0
次スレがdat落ちした件age
兄貴が保守らないからだ
にーちゃんなんてきらいだ
950 :
風と木の名無しさん:2010/04/06(火) 22:27:20 ID:/qzkKivrO
次スレは980くらいで立てればいいかな?
950過ぎると落ちやすいんだっけか
>>950 このニュースみたときショックだった反面、最後まで弟を助けようとした兄が立派すぎて涙(´;ω;`)ウッ
>>950 兄貴のバッキャヤロー……
現実の事件はは辛いな…弟には強く生きていって欲しい
980が次スレで良いと思います
980でもいいけど容量にも気を付けようね
ちなみにただいま490kbオーバー
何この良スレ
スレタイから想像してたのと全然違う…
フットボール好きな飲んだくれ兄の話続きドコー;;
958 :
風と木の名無しさん:2010/04/10(土) 16:38:28 ID:Y6cQApUrO
パソコン規制でダメだった…
だれかよろしく!
>>959 乙です!
投下の仕方で質問させてください
1/32や/5とか、タイトル欄に書いておきたいのですが、
皆さん、SSをどのくらいで区切れるというのを、
どうやって測っているのですか?
テキストエディタで字数計れる奴があったと思うから探してみたら?
ちなみに棚より
>1レスあたりの最大行数は32行、タイトルは全角24文字まで、最大byte数は2048byte、
>レス投下可能最短間隔は30秒ですが、Samba規定値に引っかからないよう、一分くらいがベターかと。
投稿待ってるよ!!しかし1/32とか長いなwwww良いぞもっとやれ
専ブラだと行数・容量どちらも表示してくれてるから、それを目安に。
963 :
960:
>>961、
>>962 ありがとうございます!
棚を見に行く、専ブラの機能をきちんと把握するなど
自分で出来そうなことがあった…orz、というのに
丁寧に教えていただき…
投稿できますよう、頑張ります