. ___ ___ ___
(_ _)(___)(___) / ̄ ̄ヽ
(_ _)(__ l (__ | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ }
|__) ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
l⌒LOO ( ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_, _)フ 「 | ロ | ロ |
( ・∀・)、__)  ̄フ 厂 (_,ィ |
 ̄  ̄
◎ Morara's Movie Shelf. ◎
モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ]_||
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
|[][][]._\______ ____________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| / |/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |[]_||
|[][][][][][][]//|| | ̄∧_∧ |[][][][][][][][].|| |  ̄
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ ) _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |
|[][][][][][][][]_|| / ( つ|8l|.|[][][][]_[][][]_.|| /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__)_)
前スレ
モララーのビデオ棚in801板31
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1194133801/ ローカルルールの説明、およびテンプレは
>>2-9のあたり
保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://wald.xrea.jp/moravideo/
★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★
ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。
(1)長時間に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(>>3-
>>7辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」〜「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。
※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、スレを占拠しないためにも投下ペースや分量を配慮して下さい。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。
相談・議論等は避難所の掲示板で
http://s.z-z.jp/?morara
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
| いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
| | [][] PAUSE | . |
∧_∧ | | | . |
┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | | | . |
| |,, ( つ◇ | | | . |
| ||―(_ ┐┐―|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
| || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
テンプレ1
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| きっと楽しんでもらえるよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
テンプレ2
_________
|┌───────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^──────────────
└──────│たまにはみんなと一緒に見るよ
└───────────────
_________
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
テンプレ3
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < みんなで
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < ワイワイ
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 見るからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < この体勢は
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 無理があるからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
テンプレ4
携帯用区切りAA
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
中略
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
中略
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
|
| ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
| ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
| ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
| ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
| ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
| ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
| ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
\___ _____________________
|/
∧_∧
_ ( ・∀・ )
|l8|と つ◎
 ̄ | | |
(__)_)
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 媒体も
| 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
| 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
\_________________________
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| じゃ、そろそろ楽しもうか。
|[][][]__\______ _________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | |/
|[][][][][][][]//|| | ∧_∧
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
|[][][][][][][][]_||/ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |
(__)_)
容量オーバーで前スレに誘導入れられませんでした
このスレ立てたの初めてなので何かミスがあったらすいません
>>1乙!
>>1乙です
前スレ
>>546 お風呂ネタキテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
GJです!!
年少組が脱衣所でギャイギャイやってる隣で、年長組は致してる訳ですかw
茶はイロイロ大変そうですなあw
前スレ534(幽蔵ね)
おお懐かしいな。幽ちゃんさりげなく魔族的。
しかし姐さん、あっさりしてまんなw
>1乙です。
前スレ547(2と埋)
苦手だけど、ハゲ萌えたv
けど、タイトルでいいから注意書きしてほしかったな。
15 :
風と木の名無しさん:2007/11/30(金) 16:44:36 ID:1LzGOLhJ0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ドラマ版 封真の古児朗 黒児士×劉方
スレで出たネタを纏めてみました。スレの姐さん方に感謝。
17 :
黒×劉 1/5:2007/11/30(金) 19:42:05 ID:R4NlJeaSO
いつものように屋敷への道を歩いていると、数日通った神社が目に入った。
さすがに今日はアイツと出くわすこともないだろうと思いながら足を向けると、賽銭箱の前に見覚えのある大きな背中があった。
敵である筈の相手なのに、一生懸命に祈っている姿がどこかほほえましくて、階段下まで近づいてから、神頼みはしないんじゃなかったかと声をかけた。
アイツは驚いた表情で振り向くと、照れ隠しにしか見えない怒り顔で、当たり前だ!と言いながら階段を下りてきた。
その割には真剣に祈ってたじゃないかと笑ってやると、思いの他真正面な顔で、別に祈っていた訳じゃないと返された。
「ただ俺は…お前と会える場所を他に知らない」
そうか、お前はこの場所でずっと待っていたのか。俺との決着をつける為に。
不器用な男だ。
敵である事が惜しいと思う。
同じ一族に生まれていたら、いい友人になっていただろう。意外と子供好きらしいので、年下の兄弟達に慕われて世話係になっていたかも知れない。
だが実際は敵同士、殺し合うしかない間柄だ。
立場が違っていれば芽生えたかも知れない友情の証として、俺のこの手で彼岸へ送ってやろう。
18 :
黒×劉 2/5:2007/11/30(金) 19:46:14 ID:R4NlJeaSO
そう思った時、アイツはこの前と同じ岩を頭上に持ち上げた。
境内での殺生は気が進まないから場所を変えようと口を開いた時、耳を疑うような言葉が周囲に響き渡った。
「好きなんじゃあぁぁぁ!おりゃあぁぁぁ!!」
………………
…………
……はい?
アイツは俺の動揺に気付かず、叫びとともに持ち上げた岩を、力いっぱい遠くへと放り投げた。
ええと…今、何とおっしゃいました?
聞き間違い……だよな。
とりあえず、俺も岩を持ち上げて、何か叫んでみるべきだろうか?それとも、よく聞こえなかったと言うべきだろうか…いや、それはまずい気がする…
呆然としたまま固まっている俺を見たアイツは、今度は強引に俺を抱き上げながら再び同じ言葉を叫んだ。
聞き間違いでは…なかった。
な………
な……
な、何だコイツ!何て恥ずかしい奴なんだっ!!
お前は小学生か!人を口説いた事が無いのか!!
いや、それ以前に俺達は敵同士だろうが!!
というか、お前は俺にどんな答えを期待しているんだー!!
頭の中がぐるぐるしてまともに考えられず、されるがままに抱えられていたら、いつの間にか数人の幼稚園児に囲まれ、おじちゃん、ちょーかっこいー!と賞賛され、拍手までされていた。
おじちゃんたち、けっこんするのー?という無邪気な声が、戻りかけた俺の思考に追い打ちをかける。
話しかけてくる園児の顔が、いたずら好きの兄弟の幼い頃に見えるのは気のせいだろうか…
その無邪気で遠慮のない声にアイツが何か答えたのか、何と答えたのかは覚えていない。
いや、答えを覚えてないどころじゃない。いつの間にか移動までしていたようだった。
気が付いた時には見知らぬ林の奥にいた。
19 :
黒×劉 3/5:2007/11/30(金) 19:49:46 ID:R4NlJeaSO
林というよりも深い森だ。山里で育った俺にとっては、街中よりも遥かに心が落ち着く場所だった。
地に厚く降り積もった落ち葉の上にそっと横たえられ、懐かしい森の匂いに包まれて、俺はようやく自分を取り戻した。
予想外なこの状態にどう対処するべきだろうか。
さっきの一件が俺の油断を誘う為の芝居だったとしたら、今頃俺の命はなかっただろう。
敵を目前にしてあれほどうろたえるなんて……我ながら、らしくないと思う。
それだけじゃない。
俺はどうして、おとなしく抱き抱えられて運ばれていたんだろう。
どうして今、抵抗せずに組み敷かれているんだろう…その答えが欲しくて、目の前の相手をじっと見つめた。
ゆっくりと近づいてくる唇をそのまま受け止めると、軽く触れただけですぐに離れた。
抵抗しないのか?と聞いてきた声がやけに弱気だったので、して欲しいのかと返してやると、小さな声が別に…と答えた。
何というか……可愛い男だな。
あまりの不器用さにほだされたんだろうか、一度だけなら抱かれてもいいかという気になった。
どうせ減るもんじゃない。二度と会わなくなる前に、殺し合う前に一度くらいは……やっぱり、ほだされてしまったような気がする。
20 :
黒×劉 4/5:2007/11/30(金) 19:54:07 ID:R4NlJeaSO
結局、今日は一日休戦だと約束させて、身体を開いた。
不器用ながらも優しく丁寧な愛撫を受けて、まるで恋人に愛されているかのようだった。
誰もいないからと囁かれ、請われるままに声をあげ、求められるままに幾度も抱かれ…ようやく開放された時には、もう足腰が立たなくなっていた。
軽く後悔したが、今更文句を言っても仕方がないので街中まで連れて行けとだけ言うと、責任を持って送り届けると言うので、その言葉を信用してやる事にした。
疲労による眠気が緩やかに訪れたが、さすがにここで眠る訳にはいかない。睡魔と戦ってると、何もしないから少し眠れと言われて抱きしめられた。
眠ったらお前と個人的に話す機会はもうないだろうなと言うと、そのうち嫌でも会えると言って笑った。
ああ、そうだったな。三途の川を渡ってしまえば嫌でも会える。どうせ行き着く先は同じだ。まあ俺は当分渡るつもりはないがな。
温かい腕に抱かれて眠りの淵に沈みながら、向こうで会った時、気が向いたらまた相手してやるよと笑うと、覚えておくと答えが返ってきた。その言葉を忘れるなと…
その声を聞きながら、俺は穏やかな気分で眠りについた。
21 :
黒×劉 5/5:2007/11/30(金) 20:01:00 ID:R4NlJeaSO
目が覚めた時、俺は自室としてあてがわれている部屋の中にいた。
何故か今の状況が思い出せず、ぼんやりとした記憶を辿っていると、目の前を黒く大きな蝶が横切った。
驚いて身体を起こすと、黒い蝶はヒラヒラと俺の周りを飛びまわる。しばらくその様子を見つめていると、この蝶が何故此処にいるのか、何となく分かった気がした。
布団から出て外に通じる障子を開くと、蝶はフワリと舞って庭へ出て行く。
「胡蝶の夢か…」
蝶は死者の魂だという。
「夢を見たのは、俺かお前か…」
闇に舞う蝶は躊躇いなく庭を抜け、塀の外へと飛んで行く。月明かりに浮かんでいた黒い羽は闇に溶けてすぐに見えなくなった。
蝶のいなくなった部屋へと戻り、布団に潜り込むと再び眠気が訪れた。
眠っていたはずなのに、返って疲労した気がするのは夢のせいだろうか。
だが、もうあの男の夢を見る事はないだろう。
夢は目覚めれば忘れてしまうもの。ならばあの約束を覚えておく必要はない。
アイツには不義理だと言われるかも知れないが、知った事ではない。文句があるなら直接言ってくればいい。
どうせいつかは嫌でも会う事になるのだから…あの川の向こうで。
ああでも、あの馬鹿みたいな告白は覚えていてもいい。他は全部忘れるが、あれだけは一生覚えていてやる。
そう思いながら目を閉じると、すぐに眠りの中に落ちた。
深い眠りの底には何もない。
夢の時間はもう終わったのだ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
初めてだったので配分のバランスが悪くなってしまった…
ごめんなさい
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「こーらおいしいです」でお馴染みのAA
奥×手前
その日の彼は疲れているようだった。
玄関の鍵を三分くらいガチャガチャと鳴らし続けているので、どうやら様子がおかしいと思って開けてやると、彼は真っ赤な顔をしてドアの前に立っていた。
「タカシめ、にせものをわたしたな」
「それはくるまのかぎですね」
「タカシにかりたんですよ、あしたこらしめてやる」
まあおはいりなさいと彼の背中を室内に押し込む。
暖かい室内で少し元気を取り戻したのか、彼は冷蔵庫へとフラフラ向かっていった。
あ、と思った時にはもう既に遅かった。
「コーラ おいしいです」
やってしまった、と思い慌てて駆け寄る。すぐにビンを奪い取ってやった。
「いいえ それはしょうゆです」
そうですか、と彼は口のなかでまだ醤油を味わっていた。
カミカミスゥと旨そうに噛んでいる。
ぎゅうにゅうじゃあるまいしと呟くと、いつもの顔で「いいえ けふぃあです」と答えるのだった。
晩ご飯も食べおわり、自室で日課のストーカーごっこをたしなんでいると、ドアを撃ち抜く音がした。
はぁ、と作業を中断してドアに顔を向ける。
案の定彼の顔が嬉しそうにこちらを見ていた。
ほんもののすとーかーですね、と思いながらドアに近寄る。
「ざんぞうじゃないんですね」
「はい わたしです」
ああ、あたまがいたい。
ついついこめかみを押さえてしまう。
「いったいなんのようですか」
「ようはありません」
「ならどうしたんですか」
「とてもひまなんです」
「そう かんけいないね」
仕方のない従兄である、誰だって趣味の時間を中断されたら怒るだろう。
いつまでたっても「かまってちゃん」が抜けない奴の相手をするのも疲れる。
傍若無人なマイペースさが彼の長所であり最大の短所なのだ。
「ひさしぶりにふたりであそびましょう」
ぐいっと手を引かれるまま階段を転がるように駆けおりる。
ああそういばかいだんをぞうせつしたんでしたっけ。
これも彼の希望だった。
長い長い、どこまで続いているのか分からない階段は、彼のお気に入りだった。
「くうきとゆうごう たのしいです」
「きがくるっとる」
坂を転がるみたいに二人で階段を降りる。
足音もドタドタと騒々しいし、いいかげん疲れてくる。
それでも隣の彼はいつもの笑顔だった。
「ゆうごう たのしいです」
「そう かんけいないね」
全く関係無い。
毎日毎日彼の暇つぶしに付き合ってへとへとだ。
でも結局は分かっているのだ、「遊び」「暇つぶし」があるひとつの理由に過ぎないことを。
「ゆうごう したいです」
いつもこの言葉が出るのを待ってやっているのだ。
二十歳にもなれば小さい子供のようには言いだせないのだろう、子供みたいに階段を駆けおりる最中に言ってのけやがる。
小さい頃とは違うというのを彼も分かっているのだろう、遊びを口実・ごまかしにしているようだ。
マイペースなりに考えているなぁと瞬きをした。
そして、いつもの台詞。
「きが くるっとる」
わたしも、あなたも。
ゆうごういぞんですね、と身を寄せると、いつもの心地よい融解感が身を包んだ。
あくえりおんですねと言うので、頭頂部をバラバラにしてやった。
27 :
きがくるっとる:2007/12/01(土) 01:05:12 ID:Roe95o1SO
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
撃沈orz
わたしじしん きがくるっとる
前スレ>539の風呂ネタ、何度読んでも萌える……
>>23 よめないじが ほどこされておる
じゃなくて!
うわあああまさか読めるとは思わなかった、超GJ!
「ゆうごう」せつな萌えました
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
歴史物、旧日本軍人の上司と部下です。少し長いかもしれません。
31 :
226・1/?:2007/12/01(土) 05:49:03 ID:BS9DKO7C0
こつんこつんと床を蹴る音がして俺は目を覚ました。
いつの間にかまどろんでいたらしい。来客だ。だが机に臥せった体を起こすのは難しい。
椅子に座って腰を曲げた姿勢で長くあったせいか体が重いのだ。眠りに落ちる前よりも不愉快な気分だった。
「ワン太さん」と呼ばれた気がする。
しかし俺はまだ眠りたりない。頼むから出て行ってくれ、と心の底で呟いた。
「ワン太さん、起きてくださいよ。栗原です」
・・・・・・なんだ、栗原か。客人の正体が知れた。尚更だ。俺は起きまい。
「ほんとに寝ちゃったのかなぁ。適当な人だ。自分で呼び出しておいて」
どの口が言う!全く呆れなのは俺のせりふじゃないか。ここ一週間、お前は俺の私用の呼び出しに従ったか。一ッ度も無い。
今日だって惰性の、駄目もとの気持ちだったんだ。丁度いい。待たされる気持ちを味わえ。
無駄口を止めたらしく静かになった。出て行った素振りも無いから、どこかへ腰掛けて居るんだろう。
よし。このまま狸寝入りを続けてやれ。どうせ奴に急用のないことは分かっている。
俺が起きるまで待つつもりかは甚だ怪しい限りだが・・・・・・様子を見ていれば良い事だ。あわよくば、減らず口から思わぬ本音が聞けるやもしれん。
含み笑いが漏れぬよう、いっそう顔を腕の間に埋ずめる。栗原を困らせてやるのも面白いもんだ。
「しかし・・・・・・何の用事だろうな」
どこからか人の重みが近付いて来た。刹那、見破られまいかと緊張する。
「仕事にゃあらかた話が付いているし、第一それはこんな所まで出張してするもんでもないか」
ワン太さんのとこまで来るの億劫なんだよなぁ、と栗原がぼやいた。悪かったな立地が悪くて。俺のせいではないぞ。
「じゃあ何か・・・・・・遊んで欲しかったのかな」
32 :
226・2/?:2007/12/01(土) 05:51:42 ID:BS9DKO7C0
むっ、と栗原の体臭が鼻を翳めた。見えなくとも、奴の視線が体中を這うのを感じる。久しぶりのことで、鼓動が波打つ。
どくどくと血潮が滾る。ああ俺は一体何を期待しているのか。
「そうだな、違いない。寂しかったんでしょうね。ワン太さん。とは言え、口で言っても許してくれないだろうなぁ」
ワン太さんは気分屋だ、ふふふと可笑しそうな笑い声が俺の背後に流れていく。俺の後ろに回った栗原は、尚も笑い続けた。
俺は興奮が止まない。これから起こりうることへの興奮が。
栗原は俺の背中に覆いかぶさるように寄り掛かる。ぎぎ、と椅子が軋んだ。
「ワン太さんを起こさないようにしなくちゃ・・・・・・見つかったらことだもの」
栗原の手が俺の体をまさぐる。ゆっくりとした動きが気持ち良い。手袋は無い様だ。柔らかな感触が鮮明に伝わる。俺は堪らず呻いた。
「・・・・・・おっと」そう言って栗原が動きを止める。まさかこのまま放られるのでは・・・・・・と不安に思ったとき、行為は再開された。
33 :
226・3/?:2007/12/01(土) 05:52:29 ID:BS9DKO7C0
「あぶない、あぶない」
栗原は笑う。吐息が俺の耳元を過ぎていく。生ぬるい、それがとても淫靡だった。
むき出しになった俺の首筋に、栗原の口付けが降ってくる。いちいち大げさな音を立てて吸われると、こちらが気恥ずかしい。
栗原のやつ、俺が起きようと実際気にしていないのか。
「ん・・・・・んぅ、タってきた・・・・・・」
やっぱり。しかし報告せんでいい、とてっきり俺は自分のことを言われているのかと思ったのだがどうやら事情は違うらしい。
俺のいちもつを撫でさすりながら栗原が続ける。
「ねぇワン太さん、起きなよぉ・・・・・・」
栗原は苦しそうに熱い息を吐きながら、俺の背に顔を押し付ける。お前のことか。
俺は思わず生唾を飲み込んだ。俺の体に欲情するあいつの姿に、陰気な征服感を覚える。
「しょうがねぇなぁ・・・・・・もう」
と本来なら俺が言うべきはずの言葉を栗原が唱えた。栗原の重心が、机に立て肘を突いた左側に移動する。
俺のいちもつをまさぐっていた右手は、ついにファスナーを開けに掛かった。いきり立ったそれが覗いたとき、やつはぱっと手を離す。
「うわ・・・・・・すげぇな。我慢してたのかワン太さん」
指先に付いた先走りの汁を栗原が夢中で舐めしゃぶる音が聞こえる。汗がつぅと滴った。
「出してすっきりしましょうね」
34 :
226・4/?:2007/12/01(土) 05:55:27 ID:BS9DKO7C0
ちゅ、っと銜えた指を離す音。それに反応して俺のものはまた固くなる。
栗原の細い指が俺のものに絡みついた。すかさずやつが「あ・・・・・・」と歓喜の声を上げる。
正真正銘の色好きだ。こいつは。
やわらかい指はえものを握ると、やわやわとしごき出した。もっと強く擦って欲しいのに、あいつは触り心地を楽しむかのような動きだ。
もどかしい運動に理性が噴出してしまいそうだ。
「んんぅーっ・・・・・・ああ駄目だ触りたい・・・・・・」
悲鳴のような声が栗原から出た。左手を離してしまえば、全体重は俺に掛かることになる。栗原なりにちゃんと配慮はあるようだ。
俺は自分ばかりが快楽に興じているのが後ろめたくなった。
はっはっ、と大型犬のような息遣い。いきなり、えものをしごく指が暴れだした。栗原は「ワン太さん、ワン太さん」と切なげに俺の名を呼んだ。指はぐちゅぐちゅと亀頭を擦ったかと思えば、なめらかに這う。
俺は翻弄されていく。顔を上げなければ息が苦しかった。最初の悪戯心などはとうに吹っ飛んだ。椅子の背が揺れる。栗原が腰を擦り付けて居るらしい。
「・・・・・・く、栗原」
意地もへったくれも無くなった俺は、栗原を呼ぶ。聞こえないかと言う杞憂はやつの嬉しそうな顔をみれば明瞭。起き上がった俺に連動して、栗原も体を離す。指先は名残惜しいような動きをした。思わず自惚れる。
「起きられましたか?」
ああ、と告げる。椅子を回転させ、栗原に向き直った。
35 :
226・5/?:2007/12/01(土) 05:57:30 ID:BS9DKO7C0
満面の笑みだけを切り取れば従順な部下そのものだ。だがすぐ横に見られる手先には、男に奉仕をしていたとはっきり分かる物がありありとしていた。
俺のえものを見る栗原の目は淫蕩そのものだ。
「舐めろ」
俺は続きを促す。茶色の伏せた瞳は見開いて俺を見つめ、そしてうっとりとほころんだ。
栗原はすぐさま俺の足元に跪き、股座へ顔を近づける。出会い当初はこんな好き者だと想像もしなかった。潔癖な若者、と思っていた。
又その美貌だから女好きなことは頷けても、まさか・・・・・・。
男好きとは思うまい。
「んぐ・・・・・・ん、んっ」
根元いっぱいまで飲み込んで、嗚咽を漏らす。しかし決して苦しがることもなく、その頬は赤みがさして艶めいた。右手で玉を揉みしだくことも忘れない。
じゅっ、と搾りあげるように啜る。何度かきつい吸引のまま顔を上下させると、「ちゅぱっ」と弾けるような音と共に口を離した。
下から蕩けきった顔の栗原が俺に言う。
「おいしいです」
思わず達しそうになるが堪える。まだまだ遊んでもらいたいのでな。我慢だ。
「ふぅん。そうか、そんなにうまいか」
「はい」
栗原は屈託なく無邪気に頷いた。受け答えの幼稚さと、男らしい面立ちの倒錯が色気だ。
「どれ、立てるかな?」
発熱してふやけた容姿が子供のようにか細い。軍人とは思えない千鳥足で、栗原は俺に支えられながらも立ち上がった。
「ここ。ここに寄り掛かって」
「あのぅ・・・・・・」
栗原は机に尻を半分乗せた格好で、俺を見つめる。その瞳は潤んでいて綺麗だった。
「お前ばかりがいい思いをするのは、なぁ」
ズボンの上から栗原のものをなぞる様にひっかいた。途端仰け反って、「あァッ・・・・・・」と泣きじゃくる。逃げようとする腰を引っつかんで、大股開きにする。
栗原は机上に乗り上げた己が体を支えるのに必死だ。
「俺もうまいごちそうを食わせて貰うよ」
スケベな言葉が良く出たもんだ。我ながら感心する。立場を逆転させ、今度は栗原が弄ばれる番だ。たっぷりいじめてやる。
栗原のものはしとどに濡れていた。ズボンも軍靴も取っ払って、下半身は素肌を晒している。陰毛の茂みにつゆが零れた。
36 :
226・6/?:2007/12/01(土) 06:00:05 ID:BS9DKO7C0
「では、いただきます」
べろん、と一舐め。「んぐっ!」と喘ぎ栗原の体は震える。ユカイだ。
若い分、すぐ爆発しそうだな。可哀相だからまずは楽にしてやるか。お楽しみはそれからでいい。
「あぁ、あ、あ、ワン太さん・・・・・・ワン太さん・・・・・・」
口に含んで揺らしてやると、案の定昇り始めた。あんまり名前を言うもんで、胸が詰まる。可愛い奴だ。
いとおしくて俺まで高ぶってきて、絞り上げるように亀頭に吸い付いてやる。
栗原の腰がぐっと逃げる。顔を上げると、口をぱくぱくさせて何か訴えるように俺を見る。どうやら声にもならないらしい。
「・・・・・・いいんだな」
「ひッ・・・・・・!!」
ちゅうちゅうとそこばかりを責める。苦い汁が口に回る。だがそれも可愛い。
栗原はまさに息を呑む、と言うふうで、声もあげられない快楽に身を投じていた。ただ浅い呼吸が続く。
「あ・・・・・・いく、いくいくイクぅ・・・・・・ッ!!」
「んーッ!」と鼻に抜けた絶叫をして栗原は果てた。上着は乱れてだらしない。
それでも軍帽だけはしっかりかぶり、アンバランスさにそそられる。
たっぷり出された精を口の中で味わう。こいつにはもう一仕事してもらおう。
「・・・・・・!」
余韻に目を瞑っていた栗原がはっとする。だが気をやったばかりでぼんやりしているようだ。目元がとろんとしている。
「いれ、入れるんですか・・・・・・?」
「当然だ。俺はまだ出しちゃいないんだぞ」
いえそれは分かってますよ、などと栗原は言う。興をそがれたような気分の俺を置いて、栗原はなにやらもぞもぞとする。
栗原は「まぁ見ててください」と薄ら笑いを浮かべた。
俺がやつの尻に撒いた潤滑油がわりの精液を、ぬらぬらと指先で遊んだあと、そのままアヌスへ突き入れた。
両足はぱっくりと開けたまま、俺によく見えるようにしている。
「すぐほぐしますから、ワン太さんはちょっと待って」
頬を染めて可愛く笑う姿が堪らない。こんなふうに見せつけられては、とても待っていられないじゃないか。
喘ぐこともなく淡々と、どこか遠くを見つめるような眼差しのまま、栗原はその「作業」に励む。
37 :
226・7/?:2007/12/01(土) 06:03:07 ID:BS9DKO7C0
「なんだ、お前・・・・・・あんまり好きじゃないの」
え?と困惑したように栗原は俺の方を向く。そして言葉の意味に気付いたようで、はにかんだ。
「だって自分でやっても空しいだけですよ。今はワン太さんに見られてるからいいけど」
ぐちゅぐちゅと掻きまわす動きが緩急を付ける。見とれてしまう。
「ワン太さんのチンポが気持ちいいんですもん・・・・・・指、ゆびなんて・・・・・・」
股間のものが痛いくらいになった。感激と言うか、俺はこいつがいとおしい。
「・・・・・・栗原、」
「あ、もう、いけますよ・・・・・・ワン太さん」
アヌスから指を抜き、机上から降りると尻を俺に向けた。堪らず揉みしだくと、栗原のものがまたむくむくと立ち上がる。
腰を引き寄せて、俺のいちもつをあてがった。
ぬめりをもったえもので尻の割れ目をなぞると、栗原が自ら尻を揺さぶってくる。高ぶり固いえものをアヌスに突き挿れた。
「はっ・・・・・・ああ・・・・・・すごい、入っ、て、きたぁ・・・・・・」
栗原は驚喜の声を洩らした。じゅるりとヨダレを啜る水音も聞こえる。
「・・・・・・動くからな、たっぷりヨガって、イっちまえ!」
俺は無我夢中で腰を打ち付ける。栗原も応戦して、逃げずに尻を突き出した。
熱いアヌスに打ち込むたび涙が出そうになる。快楽と、この部下に対する想いがぐちゃぐちゃに混ざり合う。俺は栗原が好きだ。
「んッ、ああん、あッ、あ、ああああ!!!わ・・・・・・太さ・・・・・・もっと、もっとやってくださいぃ・・・・・・!」
栗原は俺を求めてる。精神も肉体もひっくるめて俺を欲しがっている。
38 :
226・8/8:2007/12/01(土) 06:04:00 ID:BS9DKO7C0
「よし、よし、気持ちよくしてやるからな!ほらッ!」
「あぁんッ、や、気持ち良い、きもちいい・・・・・・!ワン太さぁん、あッ、んあ、あああぁ!!!」
えものを引き抜いて、一気に貫く。小刻みの挿入よりも、栗原はこれを喜ぶ。萎えかかった栗原のものをしごくと、だくだくと汁がこぼれた。
そろそろだろう。いっそう激しく打ち据える。
「あぐッ、・・・・・・駄目!!だめですってぇ、だめぇッ!!!そんなに、あ、あひッ、ああぁ・・・・・・!!!」
か細い悲鳴をあげ、栗原は果てた。勢い良く飛ばした精が滴り落ちる。
暫く仰け反ったまま震えていたが、俺が達していないことに気付くと、 自ら律動を開始した。今度は余裕があるのだろう。
「すみません・・・・・・先に出しちゃって」
なんて殊勝なことまで言う。
「なに、構わんさ。お前の痴態を楽しませて貰ったんだ」
「はは、俺はいつでもお相手しますよ」
「おいおい、それじゃあ一週間逃げ回ったのは何でだ」
んー・・・・・・、と喘いでいるのか考えているのか分からない声を出し答えに詰まる。
「端的に言うと」
「言うと」
栗原は律動を早める。俺のえものははちきれそうだ。
「俺も我慢してたってことです」
つう、と栗原のふとももに精液が伝う。「まだ朝には遠いですね」と栗原が笑った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
長くなってすみませんでした。
40 :
ヒーロー1/4:2007/12/01(土) 06:39:36 ID:Q4901Yv80
しゃちほこ球団マスコット話
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
俺は主人公じゃない。
ただの脇役、引き立て役。お客さんが退屈してしまわないように色んなことをして気を惹き、場を盛り立て、特に飽きやすい子供たちの受けを狙う。道化役といってもよかった。
球場に上がる前、選手たち、すなわち主人公たちは緊張する。彼らの気分を解すのも、一応は俺の役割だ。
「う…、う、く…っ」
高揚した気分をこんなやり方で解消してあげるマスコットっていうのも、珍しいんじゃないだろうか。俺は古いロッカーの扉がガタガタ鳴るのを気にしながら、懸命に力を抜いてなるべく深く受け入れてやる。
勿論みんながみんなこんな真似をするわけじゃない。いくら俺のケツや尻尾が性的だからといって、でかい頭のコアラに突っ込みたがる奴はそういない。でもこの顔がうまく、男を犯すというリアリティを中和しているようだ。
彼らは決して女を抱くようにするのではなく、荒々しく、けれど道具扱いというには気遣いの見える力加減で俺で緊張を解す。
ユニフォーム汚さないでね、というお願いは大抵聞き入れてもらえるけれど、中に出さないでね、というもっと切実なお願いは無視されることが多かった。まったく脇役は損なものだ。
時間もないので、大抵の選手は寄り道せずに自分の快感を追う。ガツガツと突き上げられるのは最初の頃は苦痛でしかなかったけれど、最近は大分慣れた。
なんだかイけないみたいだから身体を捩ったりよさげなふりをして煽ってあげようとか、イきそうだから腰の動きを早くしてあげようとか、そんなふうに考える余裕がある。
俺はあまり出さない。
41 :
ヒーロー2/4:2007/12/01(土) 06:41:50 ID:Q4901Yv80
そもそもあんなところにデカイもの突っ込まれて掻き回されるのでは快感どころじゃないし、これも仕事のひとつなら我を失うわけにはいかないだろう。男にこんなことされてイきたくないというプライドでは決してない。
むしろ俺も気持ちよくなれれば苦にならなくて済むのにな、と思うことがある。
時々気まぐれのように俺の性器も弄ってくれる選手がいて、やさしいんだかなんだかよく分からないけれど、それには一応感謝していた。
「う…、ン、ン」
今俺の中にいる選手は、しかし、何故だか腰を動かさずに俺のものばかり触っている。気まぐれに手荒く擦り立てては、快感をかわすように根元をやわやわと揉まれたりして、ちょっともうやばい。
俺ばかり膝をがくがくさせて息を荒上げて、選手は偶に息を詰める程度というこの状況がやばい。俺が先に射精なんかしちゃったら興ざめだ。
触ってくる手を払いのけようとすると急に尻から性器を引き抜かれ、勢いよく奥へ突き立てられた。衝撃で顔を思い切りロッカーにぶつけてしまい、ぐしゃりと音が立つ。
背骨がぴりぴりと快感で痺れていくのが怖かった。脚に力が入らない。だめ、イかせないで、と態度で懇願して身体を捩る。
選手は面白がるように深い部分で硬いそれを揺らし、俺は震えてロッカーの扉をがしゃがしゃ鳴らす。
だめだよ、本当に出してしまう。大体時間はどうなっているんだろう。こんなふうに遊んでいる余裕はないはずだ。俺も多少の余韻が残るくらいなら逆に頑張れるけれど、思い切り焦らされた挙句達してしまったら、本業に差し障る。
こんなに脚ががくがくになって大丈夫かな、ちゃんと飛べるかな。
出して終わりの選手と違って俺は後始末もしないといけないんだから、その辺の気遣いはしてほしいものだ。
でも俺が何を思ったところで、所詮は脇役。主人公の気が済むまで弄られ、嬲られ、変なところをぐちゃぐちゃにされるしかない。
42 :
ヒーロー3/4:2007/12/01(土) 06:42:26 ID:Q4901Yv80
声を出してはいけないのに、どうしても食い縛った歯の隙間からうめき声が漏れ出てしまう。もっとせめてかわいい声が出せればいいんだろうけれど、裏声で喘がれても迷惑だろうから、せめてロッカーについた腕に顔を伏せて隠す。選手が笑った気配で奥をぐっと突いた。
そのときだ。古い扉が音を立てながら開いた。
誰だろう。この時間ここで誰かがこうしているということは暗黙の了解になっているから、まったく興味のない選手が訪れることはない。まさか他にもしたい人がいたんだろうか。時間押していそうなのにどうしよう。
「お。忘れ物?」
「……いえ、別に」
長い間の後聞こえた声に、息を吸い込んだ。ぎゅっと締めてしまったらしく、選手の性器が内部で角度を変えたのが分かった。
ギギギとまた音を立てて扉が閉まる。後ろで選手が低く笑い、俺の腰を掴みなおした。
「時間ないみたいだから」
何を笑っているんだろう。どうして笑うの。竦んでしまった身体は、性器が音を立てて深く入り込んでくる度にロッカーを揺らした。がちゃがちゃうるさい。でもそのおかげでびしょびしょに濡らされた部分からの水音が掻き消される。
───いえ、別に。
そう言いながらあの人は、俺をどんな目で見ただろうか。剥き出しの尻を突き出して、明らかに勃起した状態で難なく男のペニスを受け入れている俺の姿を。
きっと無表情で、少しだけ眉を寄せている。どうでもよさそうな顔をして目を逸らしたに違いない。まともな人だから、嫌悪感は間違いなく感じただろう。でも関係ないから。
俺が何をしていても、主役のあの人には関係ないから。
43 :
ヒーロー4/4:2007/12/01(土) 06:43:10 ID:Q4901Yv80
「く…う、う…」
強く目を閉じても、声が出る度にじわじわと涙が出てきてしまいそうだった。でも俺にとってはこんな切なさやつらささえ、気持ちよくなるための手段になっていて、選手の硬い手にごりごりと性器を擦られたときよりも余程感じた。
背後の男が息を呑んで痛いくらいに奥へ捻り込んでくる。は、とゆっくり息を吐いていく気配。身体の中に熱いものが漏れ出して、充満していく。
そんな奥に出されたら指じゃ届かない。どうやって出せばいいんだろうという現実的な心配も確かにあったのに、俺はそんなことにどうしようもなく興奮して、萎えたペニスを咥え込んだまま俺は自分のそれを擦って果てた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
44 :
風と木の名無しさん:2007/12/01(土) 12:35:05 ID:mzNykxcM0
蛙の黒→赤
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「軍曹さぁん」
部屋のドアを開けると伍長さんの赤い背中が見えた。
それ以外は誰もまだ来ていなかった。
「タマ.マか」
伍長さんは疲れた顔をして、部屋の真ん中に座っていた。
昨日遅くまで軍曹さんの手伝いをしていたから、きっと朝までそれは続いたんだろう。
途中で抜けて寝てしまうなんてことを伍長さんはできないから。
今日は朝から会議だったけどきっと軍曹さんはまだぐっすり眠ってるはずだった。
こんなに早くに軍曹さんが起きてくるはずなんてない。
早く軍曹さんに会いたくて、トレーニングをいつもよりも早く終わらせてやってきたけど、
軍曹さんはやっぱり姿が見えなかった。
だけど伍長さんは今日は会議だって知ってて、こうやってみんなが集まるのを待っている。
軍曹さんが起きてこないことを分かっていて。それでも。
「軍曹さんはまだなんですぅ?」
「ケロ.ロの奴…今日は会議だっていうのにまだ起きてこんのだ」
そういう伍長さんの声だって弱々しい。
欠伸をかみころしていつも強い光を放つ目はぱちぱちと瞬きを繰り返す。
伍長さんの隣に座って、昨日までの残骸を眺めていた。
カレーやハンバーガーで失敗したからって、今度はラーメンで攻略することになった。
けどこれで地球征服はきっとできないだろうなあと思う。
軍曹さんだってきっとそう思っていて、クル.ル先輩やドロ.ロ先輩も同じ気持ちで、
本気で征服できるかもしれないと思ってるのはたぶん伍長さんだけだ。
伍長さんはいつもいつも一生懸命、地球征服のことを考えてる。
軍人として。地球侵略部隊として。
45 :
黒→赤2:2007/12/01(土) 12:35:48 ID:mzNykxcM0
ボクの軍曹さんは伍長さんのことが好きだ。
だけど伍長さんに嫉妬する気持ちになれないのは、伍長さんが軍曹さんの気持ちに気づいてないからなんだと思う。
地球人のナッチーのことを好きになってしまった伍長さん。
いつかは別れなければならないって分かってるけど、伍長さんはナッチーのことをとてもとても大切に思っている。
ボクが軍曹さんを好きみたいに。
軍曹さんが伍長さんを好きみたいに。
伍長さんはナッチーを好きになった。
ナッチー以外の誰もが伍長さんがナッチーのことを好きだって知っている。
けど伍長さんは決してそれを認めようとしない。
軍曹さんはそれをよく分かってて、辛いとは思わないのかなと思うけど、
それでもいいやって思ってるんだろうなと思うと、ボクの気持ちは少しも届いてないのかなと寂しくなった。
「お前も大変だな」
伍長さんはボクを見て、珍しく笑顔を見せた。
「そんなことないですぅ。伍長さんの方が大変ですぅ」
そう言うと伍長さんは、白い歯を見せてはははと笑う。
「ケロロとは長いつきあいだからな」
しっぽがある小さな頃から、軍曹さんは伍長さんを見てきたんだ。
きっと地球に来たら、伍長さんを独り占め出来るって思ってたはずなのに。
軍曹さんが少しだけかわいそうに思う。
あの女に対する嫉妬とは全然違う。伍長さんに浮かぶのは。
「伍長さん。みんなが来るまで寝てればいいですぅ。ボクがちゃんと起こしてあげます」
大きく胸を張ってそう言ったけど、伍長さんは首を振った。
「そういう訳にはいかない」
46 :
黒→赤3:2007/12/01(土) 12:36:44 ID:mzNykxcM0
「伍長さんいつも言ってるですぅ。眠れる時に眠らなきゃ戦場では生き残れないって。
今なら寝てても大丈夫ですぅ。ボクに任せて欲しいですぅ」
伍長さんは少しだけ迷ったみたいだったけど、ボクの目をまっすぐに見て、
「そうだなタマ.マ。少しだけ見張りを頼む」
そう言って、腕を組み目を閉じた。
眠っている伍長さんを見るのは珍しくて、ボクはじっと伍長さんを見ていた。
軍曹さんの大好きな伍長さん。
小さな頃からずっと軍曹さんは伍長さんを見ていた。
その想いは伝わっても伝わらなくても、きっと軍曹さんはずっと伍長さんを好きで、
ボクもそんな風にずっと軍曹さんを想ってる。
軍曹さんとおそろい。少しだけ寂しいけれど。
すうすうと寝息が聞こえて、伍長さんの体揺れる。
伍長さんの頭がボクの肩に乗ったけど、伍長さんは目を覚まさなかった。
ずいぶんと疲れているんだろうと思う。
持っていたお菓子をそっと床に置いた。
伍長さんを起こさないように、肩を動かさないようにした。
もう少しすれば空気の読めないドロ.ロ先輩か、
ここを覗き見してるクル.ル先輩がやってくるだろうと思ったけど、
もう少しだけこのままでいてみたいと思った。
軍曹さんに早く会いたいけど、もう少しだけ眠っていて欲しいとも思う。
ボクが好きなのは軍曹さんで、伍長さんじゃ絶対ないけど、
だけどもう少しこのままでいたいと思う気持ちがなんなのか、ボクには分からなかった。
47 :
黒→赤:2007/12/01(土) 12:37:56 ID:mzNykxcM0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
色々見苦しくてすみません
前スレ
>>547-562 猫とネズミの件でその先が読めてしまって、涙が止まらんかった。
GJ。
SBRディエゴ(Dio)×ジョニィ
_________
|┌───────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
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∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
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| ┌‐^──────────────
└─────│ディエゴ×ジョニィ。28話「スケアリーモンスターズ@」あたり。
└───────────────
最初からもっと、警戒するべきだったんだ。
こいつの悪い噂なんて、2年前、ぼくが現役だった時代から山のようにあったんだから。
「うむ、これはコーヒーだ。コーヒーの香りがする」
ジャイロが薪を集めに行っている間に、ディオがぼくが作っていたコーヒーの匂いに誘われて家の中に入ってきた。
ぎくりとして思わず後ずさったが、当の本人はぼくのそんな様子を気にもせず、コーヒーを一杯くれとせがんでくる。
足の不自由なぼくでは、無理矢理ディオを玄関先まで追い返すことができない。
仕方ないから、一杯飲んだら出て行け、と断りを入れてコーヒーをカップに注いでやった。
しかしディオは、目の前にあるカップが見えないのか、あちこちに手を伸ばして探している。
おい、カップは目の前にあるだろ。
ディオが鳥目だなんて初耳…というか、鳥目の人間がいること自体、聞いたことない。
なんて思いながらカップを持ち上げた瞬間、ディオがそれをひったくった。
本当に文字通り、瞬きする間に、と表現した方が良い速さで。
…何なんだ、こいつ?
ぼくが動いたら反応したぞ?
何かわからないけど…、ヤバい。
ジャイロがいない今、自分の身と隣の厩に繋いでいる馬を守るのは、ぼくの役目だ。
さっさと追い出すしかないと思い、声をかけようとした時だった。
「…クンクン。美味そうな匂いもするな。随分近くだ」
ディオの突飛な言葉に、ぼくは思わず鼻をひくひくさせて、家の中の匂いを嗅いでしまった。
ぼくはここに着いてからコーヒーを淹れていただけで、まだ調理を始めてない。
だから、この家にはコーヒー以外の飲食物の匂いはないはずだ。
実際、ぼくが感じたのはそれだけだった。
「…近隣の家からじゃないのか?」
窓もドアも開けっ放しだから、そっちの可能性が高い。
どこかで夕飯を作っていて、その匂いがここまで届いてるのかもしれない。
そう思い、窓に近づこうと身体をずらした、その瞬間だった。
目にも止まらぬ速さでディオがぼくの腕を掴むと、座っていたカウンターに押し倒した。
「な………っ!?」
あまりにいきなり過ぎて混乱している間に、ディオはぼくのズボンを下着ごとずり下げた。
突然冷たい夜風に晒されて、寒さにぼくの身体が縮こまる。
そのおかげで、ようやくぼくの頭も、今ぼく自身が置かれている状況を理解した。
不適な笑みを浮かべたディオの顔が目の前に迫っている。
自由に動く腕は両方ともカウンターに押しつけられており、さらにディオはぼくの腹の上に馬乗りの状態になっている。
「…ッ、どけよ……ッ!」
無理に上半身をねじってディオを引きはがそうとしたが、びくともしない。
それどころか、手をパーカーの裾から忍び込ませ始めた。
「『タスク』ッ!!」
殺人が何だ、これは正当防衛だ!
ぼくには身を守るために、『スタンド』を行使する真っ当な理由がある。
問答無用で指先をディオに向け、『爪弾』を発射する。
この至近距離でこのスピードでは、どんな人間も『爪弾』を避けられない。
ぼくの『爪弾』はディオの顔面を撃ち抜く…はずだった。
「な……!?」
しかしディオは『爪弾』を、顔に命中するすれすれの距離で避わした…それも、全ての『爪弾』を。
自分の目が信じられなかった。
…こいつの口が耳元まで裂けてるのも、動いているものしか認識できないのも、一体何が原因なんだ?
身体がかすかに、ディオへの恐怖で震えているのが分かる。
ディオはそんなぼくの両足首を掴むと、上に持ち上げて大きく開き、身体を間に挟んできた。
「ここだ。ジョニィ・ジョースターのここから、美味そうな臭いがする」
鼻をひくひくさせてそう言ったのは、ぼくの股間だった。
「う…うわあぁぁッ!」
血の気が引いたその瞬間、じゅる、という音と一緒に、ディオがぼくのものを口に含んだ。
そのおぞましさに必死に逃げようとしたが、神経の通わない足はディオから逃れることができない。
せめてカウンターの向こう側に逃げ込めばと思っている内に、ディオはぼくのさらに後ろに指を滑らせた。
「………ッ!」
感覚はないはずなのに、視界にその様が入るだけで不快感が沸き上がってくる。
水音が家に響いて、ディオの指がぼくの中に侵入したのが分かった。
「いやだッ!ディオ、やめろッ!」
でもディオがぼくの言葉なんか聞き入れるはずもなく、抜き差ししている指を増やしていく。
「あ……ッ!」ディオの爪が一点を引っ掻いた瞬間、ぼくは思わず声を上げてしまった。
嘘だ、もしかしなくても、感じているのか?この男の愛撫に?
感覚を失ったはずのぼくの下半身が?
信じられない事実に戸惑っている間に、ディオはぼくの反応に気を良くしたのか、重点的にそこを責め始めた。
「ふあぁっ!や、いやだぁッ!誰かッ!ジャイロッ!!」
お願いだ、早く戻ってきて、ジャイロ。
いつの間にか、ぼくはぽろぽろ涙をこぼしていて、ジャイロの名前だけを叫んでいて。
でも、そんなぼくをせせら笑うように、ディオはぼくをカウンターにうつ伏せにして腰を持ち上げた。
「良い声で鳴いてくれよ?ジョニィ・ジョースター」
耳元で低い声色で囁かれ、背筋がぞくぞくしたのが自分でも分かった。
肉食獣に捕食される動物の気分とは、今のような心境なんだろうか。
顔を見なくても分かる、ギラギラと目を光らせたディオの猛った熱いものが、ぼくの中に押し入ってくる。
本来そんな機能をもっていないぼくのそこは無理矢理押し開かれ、圧迫感を持ってディオに支配されていく。
「良い締まりだな、ジョニィ・ジョースター。女遊びだけではなく、男遊びも激しかったのか?」
「ち、がう…、そんなわけな…いッ!」
最奥まで貫かれ、ギリギリまで引き抜かれ、揺さぶられる。
グラインドされるたびに、狭い家の中全体に水音が響く。
「そうか、ではジャイロ・ツェペリにヴァージンを捧げたのか。
お前のことだ、奴と清らかな関係などという筈がない。
どうせ毎晩、足を開いて銜え込んでいるんだろう?」
そう言い放ち、ディオの動きがさらに激しくなる。
ディオに翻弄され、カウンターの縁を握っていたぼくの指先が白くなっている。
上半身を支える力もすでになく、完全に突っ伏したぼくの身体は、ディオが掴んでいる腰だけが浮いている。
「ち、ちがう…っ」
「見え透いた嘘を吐くな。もうこんな状態になっている」
ディオがそう言ったぼくの前は、貫かれてからは触れられていないというのに、すでに勃ち上がって先走りで濡れてしまっている。
「とんだ淫乱だな?ジョニィ・ジョースター。
レースなんてリタイアして、ニューヨークやシカゴあたりで客を取った方が良い生活を送れるんじゃないか」
これだけの屈辱を受けているのに、ぼくの身体はディオに犯されて喜んでいる。
そんな自分が恨めしくて、なのに口から出るのは嗚咽ではなくて、甘ったるい声で。
口から溢れた涎がカウンターを汚して、ディオの言葉通り、今のぼくはまるで売春婦みたいだ。
誰かお願いだ、これを悪い夢だと言ってくれ。
ジャイロが出ている間にぼくは疲れて寝てしまって、これはその夢なんだって。
「ふあぁっ、も、ディ、オ…ッ!」
「後ろだけでイけるのか?良いぞ、好きなだけこのディオにヨガってイくが良い」
もう何も考えられなくなって、全身ぐちゃぐちゃになったような気がして、ただ、今のこの状態から解放してもらいたいだけで。
「……あ、ゃあ…っん……ッ!」
頭の中がスパークして、すぐあとにぼくの中に熱いものが注がれたのを感じた。
でも、それが何か判断できる思考力すら残っていなくて、ぼくはそのまま意識を手放した。
_________
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
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|│ |│
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[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・; ) この後の山でも、帝王と鉄球の人に犯される妄想もしたなんて、言えるわけがないorz
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
>>1乙!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 週間飛翔の復活(アニメ版)今日のネタで
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 浅利晴→暗殺部隊晴っぽいの
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
地面に突っ伏しながら、了/平は苦しさに瞑ってしまう目を必死にこじ開けて、ポールを見上げる。
あれを倒して、解毒さえ出来れば…
体の奥が沸騰するような熱に耐えながら、腕に可能な限りの力を込めた。ほんの少しだが体が持ち上がる。立てるかもしれない、とそのまま腕の力で立ち上がろうとした。
しかし。
「嫌よ、嫌ぁ、私、死にたくないのぉぉっ!」
毒に侵されて朦朧とした頭の中に、甲高い嘆きがガンガンと響く。そのせいで、せっかく起き上がろうとした体が再び地面に伏せられてしまった。
こうも頭の中で響く声で嘆かれては、立ち上がることに集中できない。
「黙れ…その声を聞いていると、力が、入らない…!」
思わず了/平が抗議の声を漏らすと、ル/ッ/ス/ー/リ/アは嘆く声音を変えることもなく倒れる了/平に反論をした。
「だって、だって、今だって、こうして、じわじわ死に近づいてるのよ?!死ぬのは、嫌!死にたくなぁぁい!!」
体は思うように力が入らない。さらに背中から投げつけられるル/ッ/ス/ー/リ/アの声はひっきりなしだ。
これだけの声の大きさだと、自分の声がほとんど届かないかもしれないと思ったが、それでも了/平は腹の底から声を出しル/ッ/ス/ー/リ/アに言う。
「…大丈夫だ、お前は、死なせん!俺も死なん!」
「無理よぉぉ!だってあなたも死にかけてるじゃない!」
「大丈夫だ!!」
相手を宥めるために言ったものではない。
了/平は、自らが口にした言葉を一寸たりとも疑ってはいなかった。
自分が死んでしまうという恐れは一点もなかった。
自分もル/ッ/ス/ー/リ/アも、死ぬことはない。
「俺たちは死なん!!」
握る拳に力を込めて、了/平は力いっぱい叫んだ。
あれだけ響いていた悲鳴はいつの間にか止んでいた。苦痛による呻きは途切れ途切れに聞こえるものの、先ほどの嘆声よりもずっと小さくなっている。
「ル/ッ/ス/ー/リ/ア?!…まさか!!」
「何よ…だ、黙ってろって言ったのは、そっちじゃないの…うう…」
「い、いきなり黙ると、びっくり、するでは、ないか!」
「どっちなのよぉ!…静かにしてるっていうのに!」
お互いに背を向けており、しかもル/ッ/ス/ー/リ/アはベッドに縛り付けられた状態だ。了/平からルッスーリアの表情は見えなかった。だがその呻きからも、自分自身に襲い掛かる苦しみからも、つらいのは分かる。
「ル/ッ/ス/ー/リ/ア……」
「こうして、無駄な体力…使わないようにするわ…」
了/平とル/ッ/ス/ー/リ/アは、過去に一度戦ったことのある敵同士だ。今も変わらず、ル/ッ/ス/ー/リ/アにとって了/平はリングを争う敵である。
「そしたら、あなたが私のこと、助けてくれそうだもの…」
それは計算なのかもしれない。自分が助かるために了/平を利用しようとしているのかもしれない。
けれど、この男を助けたいと思う気持ちが消えることはなかった。ただ言葉を聞いた瞬間に、熱い体がさらに熱を帯びただけだ。
「うぉぉぉぉぉぉっ!!極限!!」
思いが、重い体を動かす。
了/平は声を張りながら、自らの体を両腕で持ち上げた。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ アニメのこの二人にかなり萌えた
| | | | ピッ (・∀・ )
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人生初SSです、萌と勢いだけで書きました!
「異常ありません」
今日何度目かの見回りを終えカオルは上司のオガタへと報告をした
所定の位置へ戻りながらカオルは一つ息を吐きだした
「どうした?珍しいなお前がため息なんかつくのは」
言われてからカオルは自分が多少とは言えず疲れている事に気が付いた
最近世間を騒がせている汚職事件に絡んで要人警護の期間が長引いているためであった
ちょっとやそっとでは動じないカオルもここへきて中々進展しない捜査に苛立ちを感じ始めていた
捜査を突き詰めれば必ずあの大物政治家に行き当たる
その絡みで上層部はまだ調整中なのだろう
「いい加減何でもいいから進展してくれませんかね」
多分に苛立ちを含ませた声でカオルは呟いた
「まあそうカッカするな」
オガタはポケットをがさごそと探りながらお気に入りの部下を宥めにかかる
「ほら」
そう言うとオガタは小さい包み紙を投げて寄越した
「イチゴミルク…」
ピンク色の包装紙に包まれたキャンディーであった
「疲れや苛立ちには糖分補給だ」
オガタはそう言いながら自分も同じものを口に運んでいた
「オガタさんにイチゴミルク…似合わない…」
クククと肩を震わせながら笑っていると
「いいだろ好きなんだ、いらないなら返せ」
と声が飛んできた
「いらなくないですよ!でもそうだな、この飴よりもっと甘い飴が欲しいです」
と自分が握った飴を見せながらカオルは言った
「もう飴は持ってないっ…んんっ」
数秒後カオルの口の中にはピンク色をした可愛らしい飴が見えていた
「オガタさん、凄く甘いよ」
以上です。御粗末さまでした。
まだS.P二回しか見たことないんだけど萌えすぎて禿げてしまったので。
最初から見とけば良かった!
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| オリジナルの先輩×後輩モノだって
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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季節は秋をすっ飛ばして、すでに冬が到来したようだ。夜の風の冷たさが容赦なく肌を突き刺す。
早く家に帰ってあつーい風呂に入ってやる、と心に決めて俺が歩調を速めると、ゆったりした足取りのくせに
あの野郎、楽々とぴったり俺の横について来る。そして、
「あー、だいぶ寒いですねえ」
至極当たり前のことを至極当たり前のように言い放つ。
見上げれば、呑気な声に相応しい、のんびりとした顔がそこにあった。
ああ、なんだってコイツはこんなに背が高いのに無駄に細くて風除けにもならないんだろう、
そんな理不尽な怒りが不意にこみ上げてくる。
そんな時にちょうど良く目に入ったのは24時間営業コンビニエンスストア。
夜の街は街灯や店の明かりで随分と明るいのに、何故かひときわその店が明るく輝いて見えた。
「おい」
ぴたりと俺が足を止めると、二三歩先を歩いた後、奴も歩みを止めて振り返る。
どことなく不審げなその顔に、二ッと笑いかけると、何かを察したのか、かすかに強張った笑みが浮かんだ。
うん、いい反応だ。
「飲み足りない。そこのコンビニで酒買うぞ」
「さっき、飲んだばかりじゃないですか」
呆れた、とは言わないが声音に十分にじみ出ている。そう、さっき飲み屋を後にしたばかり。
ビール生中二杯、冷酒一合。だけれども、
「あんなもん、飲んだうちに入るか。それにこう寒くっちゃ酔いも覚める」
「べろんべろんに酔っ払って家に着くよりいいじゃないですか」
まっとうな反論は綺麗に無視して、俺はさっさとコンビニへと向かう。
もちろん、アイツが追ってくる気配を感じつつ。店に入るなりカゴを掴んで、ビールの缶をぽいぽい放り込む。
「あ、俺はオレンジジュースお願いしまーす」
横から奴の腕が伸びるや、カゴの中のビールの缶の横にオレンジジュースの缶が転がり込んだ。
俺は無言でその缶を手に取り、突っ返す。
「さっき、人が酒飲んでる横でウーロン茶ばっか飲んでただろ」
「だって俺、下戸なんですよ」
睨んでもまったく悪びれた様子はない。ただ、オレンジジュースの缶を両方の手のひらで包み込んだまま
突っ立っている。
「先輩が酒に付き合えって言ってるのに生意気だな」
わざとらしく舌打ちすると、奴は無言で考え込んだ後にしぶしぶオレンジジュースを元の場所に戻した。
心なしか、長身の背を丸めさせてしょげているように見える。そして、代わりに持ってきたのは……。
「これもジュースみたいなもんだな。こんなので酔える奴の気がしれん」
と俺は呟く。梅のチューハイ。甘ったるくて、女子どもの飲み物としか思えない。
けれども、これがコイツの最大限の譲歩だということもよく分かる。本当にアルコールにはてんで弱い奴なのだ。
暖房の効いたコンビニから出れば、またもや夜の寒さが俺を襲う。すぐ隣には、風除けにはならないが荷物持ちには
なる奴。ビールと梅酒と適当なツマミで詰まった買い物袋を提げて、てくてく歩く。
「で、どこで飲むんですか?」
「あ、うーん……」
しまった、酒を飲むという欲望を最優先させて、どこで飲むかということはすっかり忘却の彼方だった。
そんな動揺を悟られないように、俺は必死で答えを探した。
「お前の部屋……」
確か、ここから歩いて10分もすれば到着するはず。けれども、アイツは聞いちゃいなかった。
「あ、あそこ。あの公園にしましょう。ベンチあるし!」
そう言って一目散に駆け出していく。人に聞いておいて、勝手に結論を出す奴がいるか。自分勝手もいいところだ。
説教の必要性をヒシヒシと感じつつ、後を追う。説教したら、アイツのうちへ押しかける、そんなプランを頭に描いていたが、
先に公園に到着してニコニコ笑顔でベンチに腰掛けているヤツを見て、そんな気が失せてしまった。
「ほらほら、きれいですよ。まだ紅葉の季節なんですね」
公園に植えられたもみじが、その紅の色を暗闇の中に浮かび上がらせていた。もちろん観光地のライトアップとまではいかないが。
「しっかし12月なのに、紅葉狩りっておかしいだろ」
俺もベンチに腰掛けて、紅葉に魅入る。枝のはるか彼方の上空には月が浮かび、なかなか悪くはない光景だった。
「異常気象のせいですよ」
と、ヤツはビールの缶を渡してくれた。紅葉と月を見ながら一杯っていうのも風流なものだ。
しかし、こんなことならつまみにビーフジャーキーなんか買わずに熱いおでんでも買ってくれば良かった。
ビールをぐびぐび胃に流し込んで一缶目を空にしたところで、そう口にすると、じゃあ買ってきましょうかと
ヤツが腰を浮かしかける。すると、反射的に俺はその手首を掴んで引き止めてしまった。
「他に買ってきて欲しいものがあるんですか?」
「いや、別に」
ぶんぶんと首を振りながら、あったかいな、と俺は思った。掴んだコイツの手首から、
冷えた手のひらに熱が流れ込んでくる。じゃあ、もっと暖かくなるにはどうしたらいい?
もっと強く手首を引いて、屈んだコイツの首筋を抱きこんで、もっと身体を密着させて。
力いっぱい引き寄せて……。
どん、と身体を押されて、俺は尻餅をついた。
もみじよりも赤く染まった奴の顔を呆然と見上げる。唇を押さえて、なんだか泣きそうな顔でこちらを睨んでる。
ちょっとかさついていたけど柔らかな唇の感触と温もりが、俺の唇に残っていた。
「なんで……」
声が震えていて、動揺しているのが分かる。しかし、俺だってびっくりだ。なんでこんなことになったのだろう。
アイツにキスしたいって思った自分にもびっくりだし、キスした今、妙に満足している自分にもびっくりだ。
「ごめん、俺、酔っ払ってるかも」
「なんでも酒のせいにすればいいってもんじゃないですよ!」
肩を震わせながら、顔を伏せている。やばい、泣いているかもしれない。俺はのろのろと立ち上がり、
「じゃあ、素面でやったってことならいいのか?」
と冗談っぽく明るい声を作って、ベンチの上に置きっぱなしになっていたビニール袋からビール缶を取り出し、
プルトップを引き上げた。こうなったら、本当に完全に酔っ払って、酔っ払いのたわ言ってことにしてしまうしかない。
俯いたまま、奴もバンチの上に置きっぱなしになっていたチューハイの缶を取り上げると、無言でぐいっと煽る。
怒っているのか傷ついているのか、その両方だろう。俺もアイツも、酒の力を借りるしかないようだった。
潤んだ瞳で睨みつけられて怯んだ俺に、ゆらりと奴が近づいてきた。なにをする気か分からないが、
甘んじて俺は受けて立ってやろう。実に男らしく俺は覚悟を決める。
が、いかにひょろいとは言え、俺よりずっとタッパがある男が近づいてくるのがやはり迫力がある。
アイツを怖いと思ったことはこれまで一度も無かったが、今回は何をされても文句は言えない、気がする。
一歩、二歩、間合いを詰めて近づいてくる。あと、一歩で俺のまん前、俺は目を閉じる、じゃりっと砂を踏む音が
聞こえた。肩を掴まれた。大きな手のひらが俺の後頭部を包み込む。無理やり上向かされて、しばしの間……。
「……っ! んふっ」
ようやく唇を開放されて、俺は信じられない気持ちで目の前の奴を見上げた。ごくりと喉を鳴らして飲み下す。
口の中に残るのは、甘ったるい梅の味。
「顔、赤いですよ」
けらけらとヤツは得意げに笑う。でも、実際そうなんだろう。頬が火照っているのが自分にも分かる。
いや、身体全体がなんだか熱い。
「チューハイなんかじゃ酔っ払わないって豪語したくせに案外弱いんですね。しかも、たった一口で」
「うるせぇな、この酔っ払い」
「そーゆー先輩もじゃないか。酔っ払い!」
いきなりタメ口で、顔を真っ赤にさせやがって、酔っ払ってるのか、照れてるのか、さっぱり分からない。
失礼で、そして厄介な奴だ。
俺は再びベンチに腰を下ろして、口直しにビールに口をつける。あの甘ったるさはビールの苦味にかき消されるが、
それでも、唇と舌に生々しい感触が未だ残っている。
「ねえ、先輩」
「あん?」
「今度は、ぜひ素面の時に」
ぐしゃりと奴の手のひらの中でチューハイの缶が潰される。
「酔った勢いで、とかいう言い訳は無しでお願いしますよ」
「ああ、そうだな」
その言葉を本人が覚えているのかが疑問だったが、ここは逆らう必要も無い。
俺が覚えていればいいだけの話だ。
そして白昼堂々、実行に移してやる。完璧な計画じゃないか。
「……それにしても、うまかったな」
「でしょ、梅チューハイ」
嬉しそうに笑いかけるヤツに、俺はあいまいな笑みを返した。
まさかお前のキス、が。とは言えるはずなかったから。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ とりあえず書き上げて?スキーリ
| | | | ピッ (・∀・ )
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|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
邦画 鴉達零 源時×伊埼
念のため固有名詞伏せ字で。
病院は嫌いだった。
さして行ったこともないけれど。
白い静かな大きな箱。
仏間に安っぽいシャンデリアの下がる、がらくたが詰め込まれた実家とは正反対だが、
あそこと同じ、辛気くさい、カビくさい場所。
けれど源時は足を伸ばした。
別段行くことはないかなと思いながらも。
・・・・・・牧世に。
「ついていけない」と言われて。
汚れた水に沈んで。
慰めの言葉が欲しいわけでは、もちろんなかったけれど。
蝦塚中というのは、鈴欄ほどではないがまあ大差はない。
ただ、ベンガクに励みたいという真っ当な学生がある程度いたばっかりに、
虐げる側と虐げられる側、という構図が出来上がっていた。
弱ければ、踏まれ、蹴られ、身ぐるみ剥がされる。
伊埼瞬は入学してすぐにそれを察知し、
即、当時の最大派閥に属した。
リーダーは3年、いつもサバイバルナイフを持ち歩いてちらつかせるような奴だったが、強かった。
ナンバー2はリーダーの幼なじみで同じく3年、体がでかくて柔道黒帯。
伊埼はその頃から学年では抜きん出て強く、派閥でも重宝された。
ついこの間までそれでも子供だったその体は、
蝦塚中で生き残るべく、
過酷な筋トレと、たまに通うボクシングジムと、日々の殴り合いですぐに男になっていった。
「うぁ・・・っ!」
汗びっしょりになって飛び起きる。
途端に、脇腹が痛む。脇腹と言わず、体中が悲鳴を上げる。
「くっ・・・」
病室だった。見下ろせば、包帯とテープだらけの自分の体。
「・・・・・・」
嫌な夢を見た。久しぶりだった。
戸鍛冶のせいか。
それともこの間、懐かしい中学時代の後輩3人組の顔を見たせいか。思い出したのか。
「くそ・・・・・・」
まあ、少なくともこの体の痛みは戸鍛冶のせいに違いなかった。
何でまた、よりによってあのテの奴なのか。
「てめぇは瀬利沢でも見てオナってろ・・・!」
低くうめいて横になる。
夢なんか怖くない。
無理矢理目を閉じる。
伊埼クンのお見舞いに、と源時が受付で告げると、職員に胡乱げな顔で見られた。
無理はない。
リンチ以外の何者でもない、体中の傷で運び込まれたのだ。
歯が折れてなくて良かったな、と唐突に源時は思った。
伊埼は男前だから。
不思議に思ったものだ。
ひとつライターの火で煙草に火を点けながら、
その炎が落とす、伊埼のまつ毛の影を見ながら。
ずたぼろになって崩折れた自分に、
終わってねえと言いながら、伊埼に拳ひとつ浴びせてやれなかった自分に、
なぜついてくれる気になったのか。
でもやがて、何となく分かったような気がした。
ダーツを教えてもらいながら、「筋はいいよ」と言ってもらったときの、なにげない気の遣われ方とか。
野球でバカやりながら大勢で騒ぎながら、
声を上げずに小さく笑ってる伊埼が何か可愛いなあと思ったりとか。
牧世は笑って、「お前ら、似た者同士よ?」と言ってたっけ。
でもその牧世ももういない。
胸に束の間忘れていた暗雲が、再び立ちこめる。
ああ、時夫も、この病院にいるんだろうか。
暗雲は濃くなる。
一人だったときは、知らない感情だった。
でも、知らなければ良かったなんて。
「・・・ぜってぇ言わねえかんな」
「瞬坊、明日第二中と戦争するぞ」
リーダーがそう言ったのは、伊埼が中学1年の2学期の終わりだった。
その年の寒さは厳しく、溜まり場の剥き出しのコンクリートがいっそう冷え冷えとしていた。
第二中とは何度もぶつかりあって来た仲で、
個々の実力はこちらが上回るが、いかんせん向こうは数が多かった。
「午後10時、場所は埠頭の5番倉庫。裏口の鍵壊れてっから、中で集合だ」
ナンバー2が溜まり場の連中に言い聞かせ、みなが頷く。伊埼も頷く。
「いい加減これで決着つけねえとなあ、頼りにしてるぜ、瞬坊」
リーダーは粗暴で気まぐれな男だったが、腕の立つ伊埼をそれなりに可愛がっていた。
いつもおごってくれたし、幹部だけの飲み会にも声をかけてくれた。
「ああ、それとなあ、瞬。明日はエモノは無しだ」
ナンバー2の言葉に、伊埼がリーダーの顔を見ると、相手は笑って頷いた。
「ああそうだ。拳で勝負。第二中とも話はついてる。俺もナイフは使わねえよ」
伊埼の頬が思わず笑うと、リーダーも大声で笑って伊埼の頭を抱え込み、くしゃくしゃにした。
「あっはっは、何だその満足げな顔は。おめえエモノ嫌いだったもんなあ!
まったくクソ生意気なヤツだよ!」
「・・・へへっ」
くしゃくしゃにされながら、伊埼も笑った。
「・・・埼っ、伊埼!・・・っおい!」
はっとして目を覚ますと、人の顔が見えて、やがて焦点があって、それがおおいかぶさる源時だと分かった。
肩に痛みを覚えて、両手で掴みしめられていると分かる。
・・・・・・また夢だ。うなされたのだ。
「伊埼、い、ざ、きー? 分かる? 俺。だいじょぶ?」
声を落として源時が顔を覗き込んでくる。
「ああ・・・悪ぃ・・・」
呟いて顔を背ける。
「夢でも見た?」
体を離しながら、源時が問いかける。
「いや・・・部屋ん中に人いて、驚いた」
「ん・・・見舞い、来た」
手ぶらの両手をポケットに突っ込みながら肩をすくめる立ち姿に、伊埼は少し笑って
「何かあったか?」
「え」
「おまえひどい顔してるぞ」
今にも泣きそうな。
牧世が、こいつは泣き上戸だと言っていたっけ。
「おいっ?!」
いきなりがばと、源時が再び身を伏せた。
というより、だらりと両手を下げ、ほとんど伊埼の包帯だらけの胸に倒れ込んだ。
「いっっ・・・てえな何してんだ!」
「あー伊埼あったけー」
「傷が熱持ってんだよ、バカ離れろ!」
源時が両膝をついたタイル床は冷たくて、それが余計に源時の頬に伊埼の体温を伝えた。
「なあ何の夢見てた?」
「・・・・・・」
「俺、おまえのこと知りたい」
「・・・おれがおめーに訊いてるんだろ、何があったんだよ」
「何で伊埼が俺についてくれてんのか分かんねーし」
だって、牧世も離れていったし。
「ばーか」
伊埼は、一向にどこうとしない胸の上の源時を諦めて言った。
窓の外は晴れて、雲が流れていた。
窓の下の草っぱらでは、看護婦が誰かの車椅子を押し、家族が訪ねに来てるだろう。
鈴欄では、相も変わらずクソのような教室で、クソつまらない小競り合いが続いてるだろう。
どちらも同じ世界だ。
どうして話す気になったのだろう。
「中坊の頃、・・・」
それは子守唄のような穏やかな声だった。
「真冬の埠頭の倉庫でさ、ヤクザに囲まれた」
「・・・・・・」
「センパイに、他校と戦争するからって言われてた。
で行ったらヤクザが待ってた」
「何で?」
「知らねえ」
リーダーが、街でヤクザといざこざを起こした。
おいたで済んだが、おとしまえは求められた。
ナンバー2は画策し、交渉の席にリーダーを来させなかった。
そして伊埼が売られた。
ふと思い出して、伊埼は源治に
「おまえ、おれに向かって来たよな。D組全員に囲まれてたのに」
「うん」
「おれは、勝算のない喧嘩はしないガキだった」
最後の手段のために、ナイフを忍ばせることはたまにあった。使ったことは無かったが。
だがあの日はそれも置いてきた。
「さすが本職は容赦ねえのな」
「・・・・・・」
「まず、服脱げって言われて、裸に水ぶっかけられんの。
12月でさ、隙間風だらけの倉庫だぜ? 暴れる前に凍死するっつーの、だせー」
伊埼が小さく笑う。
「そんで・・・」
身じろぎひとつしない、源時は眠ってしまっただろうか。
「体売りもんになるのは女だけじゃないって知ってるか、とか言われて」
起きてた。胸の上で伏せてる源時の顔がこわばった。
「・・・・・・そいつら殺してくる」
「ばーか何もされてねーよ」
顔を上げ、きかん気の強い子供のような表情をする源時を、上から小突いて、
「あーまあ、何もねーわけねえけど」
「・・・なにされた?」
「それ言わすの?」
「・・・ごめん」
源時は伊埼の胸から立ち上がって言った。
「オレ、おまえのこと大事にすっから」
「はは、何だそれ」
伊埼は笑った。その後、少し赤くなった。
それを見て、ちょっと源時も赤くなった。
少しの沈黙の後、突然源時が言った。
「オレのこと殴ってもいいけど」
「はあぁ?」
「オレさ、ヤクザの息子なの。伊埼をやった奴らは別の奴らだといいなって思うんだけど、それでさ」
そうして源時は、鈴欄に入った理由をぽつりぽつりと喋った。
父親を越えたかったこと。
ひとづきあいの苦手だった自分が、拳と出会い、GPSを旗揚げし、楽しかった。
伊埼がやられて、目の前が真っ赤になったこと。
中太もやられたこと。
荒れて暴れて、牧世に言われたこと。
そうかと、聞き終わった伊埼は言っただけだったけれど。
喋り終わった源時には、病室を出てすべきことが分かっていた。
暗雲が晴れた。
あの日から1か月後に、伊埼は派閥のリーダーとそのナンバー2を殴り倒し、蝦塚中から叩き出した。
派閥は伊埼のものとなったし、周りもそう見ていたが、伊埼はすべてのものと距離を置いた。
卒業するまで蝦塚中のトップは伊埼だったが、派閥は彼を遠巻きにしていたし、
伊埼もナンバー2は決して作らなかった。決して。
「なーんか、笑うよな」
誰もいないダーツバーで一人ごちる。
『源時についてやってくれ』
C組の牧世に頼まれたときの感想は、誰だそれ?だった。
瀬利沢に何度負けても諦めない牧世が認めたというその男に、多少の興味はあったけど。
『源時は熱いヤツだし、強い。でもバカだ』
あー牧世にバカだと言われるなら相当のバカなんだな、と思って。
『切れ者のおまえが源時のナンバー2になってくれれば、鬼に鉄棒だ!』
『・・・・・・』
敢えて訂正はせずに、冗談、と歪んだ唇で笑った。
重ねて頼みこんでくる牧世に、顔ぐらいは見てみるよ、と手を振って背を向けた。
何よりも大事なのはオレらの頭だろ。
そのためには末端くらい切って捨てる。
叩きのめして地に這わせて、さっきまでナンバー2だった男が言った台詞だった。
それは嘘だ。
大事なのは組織だ、生き残るべきは組織だ、頭では分かる。
だが、自分が認めた男を、何があっても立てたいと思っちまうだろう。
そう、ナンバー2だって3だって、戸鍛冶だってそうなんだろう。
おれだって源時に惹かれてる。
伊埼はダーツを手に取った。
まあ、GPSにナンバー2は要らねえよ、と思い、一投目を投げて。
相変わらずだらだら歩ってるだろう、遅いあいつらを待った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
改行失敗。もっと分割減らせましたな。すんません。
86 :
傷:2007/12/03(月) 00:24:11 ID:0woKEFWK0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 封誇示、量真×桐風邪が土台の、劉方×桐風邪
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 前スレ136の続きらしい
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
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87 :
傷 1/8:2007/12/03(月) 00:26:45 ID:0woKEFWK0
普段は気丈な女性が血相を変えて屋敷に飛び込んできた。それだけで大事が起こったのだとわ
かるのに、その女性が呼んだ名前は二つ。一人は無茶ばかりする予想通りの名前。そしてもう
一つは、そんなことがあってはならない名前だった。
いつもは冷静沈着な彼も、血相を変えて外へと飛び出した。
彼女がヤンチャ小僧に肩を貸して、先に屋敷内へと戻って行く。
倒れているもう一人の男を、劉/鵬が軽々と抱え上げた。
その男を布団に寝かせる。タオルを持った彼女がすぐ駆けつける。他者の看護に慣れている劉/
鵬がテキパキと隻眼の男の服を脱がせる。すでに冷静さを取り戻した彼女がその上半身を拭う。
その間も彼は何も出来なかった。何も。ただ怯えていた。
傷ついたその人物に触れる権利など、自分には何一つないのだと信じた。
夜も更け、疲れを見せた彼女を自室へと去らせた。劉/鵬と霧/風はその男、竜/魔の枕元に座っ
たまま、動こうとはしなかった。劉/鵬は霧/風も休ませたかったが、霧/風は眠り続ける男の顔
をじっと見つめ、両手の拳を膝の上で握りしめ、何かに耐えるように唇を噛み締めていた。
数年前、劉/鵬と霧/風は同じような状況にいた。
その時もこの男が眠り、二人がそれを見つめていた。
違うことと言えば、その時竜/魔の左目には血の滲んだ包帯が巻かれていたということ。
そしてもうひとつの違い。その時、霧/風はポロポロと涙を零していた。今とは違い、自分の感
情を隠そうとはせず、嗚咽に唇を震わせて。
あの時、劉/鵬と霧/風を救う為に竜/魔は左目を失った。勝負に逸り、自分の力を過信し、霧/風
は戦いの前線へと飛び込んでいった。劉/鵬もそれに続いた。そして罠に落ちた。間一髪で駆け
つけた竜/魔が、自分の左目と引き換えに二人の命を救った。そして、自分の体をすり減らして
発揮されるサイキック能力が、竜/魔の意識を奪った。あの時と同じ光景が、今目の前にあった。
「………霧/風、少し休め。ここは俺が看る」
霧/風は小さく首を横に振った。
「いや、私はここにいる。劉/鵬こそ休め」
88 :
傷 2/8:2007/12/03(月) 00:27:50 ID:0woKEFWK0
予想していた答えが返ってくる。今の竜/魔の状態は前回の時よりも悪い。サイキック同士の戦
いで予想以上の力を消耗している。顔色の悪い竜/魔を霧/風に見せることは酷だった。
霧/風が誰よりも竜/魔を尊敬し、それ以上の想いを抱いていることは劉/鵬も知っている。竜/魔
とて霧/風のことを大切に想っている。風/魔の里でも最強と並び称される二人だ。
「霧/風、休め」
もう一度言った。
「私はいい。ここにいさせてくれ」
劉/鵬は小さくため息をつくと、霧/風の腕を掴んで立ち上がった。力自慢の劉/鵬に逆らうこと
は出来なかったが、霧/風はそれでも抵抗した。
「隣の部屋に移る。ここで言い争ったら逆に竜/魔に障る」
言われて霧/風は探るように劉/鵬の顔を見たが、素直に襖の向こうにある部屋へと移動した。
襖を閉めた途端、劉/鵬が口を開く。
「まずは休むんだ。お前まで倒れられたら敵わん」
「私は大丈夫だと言っている。お前こそ休め。お前が倒れたら小次/郎のコントロールが出来な
い。あいつの場合はいざとなったら力ずくで抑え込まないと」
「それはお前も同じだ」
「!」
言いながら劉/鵬は逞しい腕で霧/風の体を抱きしめると、その頭を抱え込むようにして荒々しく
口づけた。途端に霧/風が抵抗する。劉/鵬の腕の中から逃れようと身をもがく。
「……っ、やめろっ!」
小声で叫ぶ。
「駄目だ。あの時のお前もこうだった」
再び思い出す。あの夜も霧/風は竜/魔から離れようとしなかった。自分のミスを責め、竜/魔の
身を案じ、明らかに憔悴していた。泣きながら血に染まった包帯を代え、傷ついた体をタオル
で拭っていた。だから、劉/鵬は行動に出た。
89 :
傷 3/8:2007/12/03(月) 00:29:02 ID:0woKEFWK0
竜/魔が眠っている隣の部屋で、霧/風の体を抑えつけ、その純潔を奪った。
今よりも体も小さく、感情をコントロールする術も知らなかった霧/風は簡単に混乱した。そし
て的確な抵抗も出来ないまま、劉/鵬の腕に堕ちた。どんなに抵抗しても劉/鵬の縛めは解けなか
った。初めての体はそう簡単には劉/鵬を受け入れなかった。だから強引にことを進めた。霧/
風は泣きながら痛みを訴えた。そして逃げようとした。それでも劉/鵬は行為を続けた。そして、
残酷なまでの優しさで霧/風を導き、意識を失わせた。
今、霧/風はあの時のことをはっきりと思い出していた。
竜/魔を想いながらも、力で負けて他の男に抱かれた。それがまた繰り返されようとしている。
あの頃以上の力を身につけているはずなのに、劉/鵬は霧/風の抵抗を簡単に塞いだ。常日頃から
一緒に訓練をしている仲間だ。動きの癖を読み取られていたのかもしれない。
畳の上にうつ伏せに押しつけられる。太い指がシャツの中に潜り込み、霧/風の肌を探った。
「霧/風、素直に部屋に戻って休むか?」
耳元で尋ねられる。霧/風は即座に首を横に振った。
「………なら、仕方ない」
ズボンのベルトを引きちぎるようにして外された。そのままズボンと下着を一緒に下ろされた。
霧/風は一際大きく暴れた。それを抑えこむ方法も劉/鵬は知っていた。強い力で前を握りこまれ
る。ビクンと大きく霧/風の体が跳ねる。
「……っ………や………めろ……っ!」
押し殺した声で抵抗する。
「気にするな。竜/魔だと思え。俺もあいつには何も言わん」
劉/鵬は霧/風の両手首を取ると、ベルトでひとまとめに縛り上げた。やはり霧/風の抵抗は尋常
ではなかったが、全身でのしかかるようにして、その体の動きを封じた。
「白いな……この肌の白さを知っているのは俺と竜/魔だけか」
「離せ……っ!」
霧/風の腰周りを撫で上げながら劉/鵬が呟く。
「俺のは竜/魔よりも大きいかもしれんが我慢しろ。お前が部屋に戻らないのが悪いんだ」
「勝手なことを………んっ!」
90 :
傷 4/8:2007/12/03(月) 00:30:48 ID:0woKEFWK0
そこに太い指が潜り込む。霧/風は再び抵抗を大きくした。竜/魔以外の人間に女のように扱われ、
この肌に触れられるのは嫌だ。幼い頃から女の子によく間違われる子供だった。成長しても線の
細さは変わらない。色香を利用したくの一の役目の方が向いているとまで言われた。それら全て
を払拭する為に、霧/風は強くならなくてはいけなかった。自分の身を守る為。そして憧れの竜/
魔のそばに立つ為。
「ああっ!」
強引に指が二本に増やされる。手加減をしない荒々しさで劉/鵬の指が霧/風の中を掻き回す。
「大声を出すなよ。………いや、それで竜/魔が目を覚ますならいいか?」
わざと煽るように劉/鵬が囁く。霧/風は慌てて口を閉じた。それでも漏れる呼吸は止まらなかっ
た。竜/魔とは違う動き。それらが霧/風を戸惑わせた。
隠し続けていた自分の想いが竜/魔に知られてしまったあの夜。すでに自分をコントロールする
術を覚え、表情を失ったはずの霧/風が、竜/魔の前で震えた。竜/魔は霧/風の想いを受け入れ、
自分の想いを霧/風に告げた。泣きたいほど嬉しかったのに、霧/風は竜/魔の腕から逃げた。何
故逃げるのかを尋ねる竜/魔に、霧/風は素直に告げた。自分は純潔ではない、と。自分はすでに
穢れているのだ、と。だが竜/魔はその言葉を聞いても、優しい笑みを崩さなかった。
『そんなことに何の意味がある?』
そして両腕を広げた。
『今のお前が俺を愛してくれているなら何の問題も無い。俺は前からお前だけを愛している』
たった一度だけの過ちを、竜/魔は気にしないと言った。だから霧/風はその腕に倒れこんだ。
『お前が感情を失ってしまったのは、俺のせいだな』
違う。心の中でそう呟いた。感情を失ってはいない。ただそれを表現する手段を捨てただけだ。
『もっと感情を出していいんだ。昔みたいに笑ってくれ。悲しかったら泣いてくれ』
出来ない。そう呟いた。竜/魔が左目を失った代償として、霧/風は感情を封じ込めたのだ。
笑ってはいけない。泣いてはいけない。忍は忍らしくあれ。もう二度とあのような過ちを繰り
返さない為に。
91 :
傷 5/8:2007/12/03(月) 00:31:43 ID:0woKEFWK0
だが今、霧/風は涙を流していた。劉/鵬の指が三本に増える。呼吸が引き攣る。
「霧/風。俺を憎んでいい。今だけは余計なことを考えるな。俺を憎め。ただそれだけを考えろ」
霧/風の背中を覆っているシャツをたくし上げる。すんなりとした背中のラインが鮮やかに浮か
び上がった。微かに汗ばんだ肌が、霧/風の隠した感情を伝えていた。
「………感じてくれ、霧/風」
指が引き抜かれた。圧迫感が消えたのと同時に、そこに新たなものがあてがわれた。
「劉/鵬……!それだけは…………ああっ!」
慌てて逃げようとした体を力任せに引き寄せられ、劉/鵬の太く大きいもので貫かれた。
(竜/魔!)
助けを求めるように、心の中で泣き叫んだ。また過ちを犯している自分。
(竜/魔!)
身体を揺さぶられる。劉/鵬は叩きつけるようにして霧/風をわざと乱暴に扱った。霧/風を疲労
させ、意識を失わせたかった。そうでもしなければ霧/風は休息を取らない。隠しようのない疲
労や不安は、他の風/魔の仲間たちにも伝わってしまう。年長者が不安に揺れていてはいけない。
(霧/風、何も考えずに眠ってくれ)
劉/鵬が霧/風の奥を強く穿つ。腰を引き、入り口辺りで出し入れを繰り返して軽く擦る。その動
きに、敏感な霧/風の体が翻弄される。再び奥を突き、霧/風の前にも触れてやった。
「……んあっ!………あぁ………はっ…………んっ………!」
すでに何度も竜/魔に抱かれて、体が覚えてしまったのだろう。再奥へと刺激を求めるかのよう
に中が蠢き劉/鵬を誘う。けれど、霧/風の心はまだ劉/鵬から逃れようとしていた。愛する竜/魔
を裏切ることがないよう、必死で自分を守ろうとしていた。
「………い……やだ……っ…………」
「感じてるんだろう?なら素直にそう言ってくれ。こっちはもうこんなだぞ?」
前を擦る手のスピードを速くする。クチュッと湿った音がした。霧/風が頭を強く振った。
「ほら、感じてる」
言葉で霧/風の思考を犯す。麻痺させるまでに追い込まなければいけない。
(霧/風、もう堕ちるんだ。今だけは全てを手放すんだ。眠れ)
「………いっ…………もう………やめ…っ………あぁっ!」
劉/鵬の突き上げるスピードが一層速くなる。畳に爪を立て、必死に頭を振って堪えようとする。
(竜/魔!)
92 :
傷 6/8:2007/12/03(月) 00:34:04 ID:0woKEFWK0
もう一度、その名を心の中で呼んだ。
「イけ」
耳元で囁かれるその声が、竜/魔のものと重なった。
前を強く擦り上げられたのと同時に、劉/鵬の腰の動きが一段と速くなった。頭の中が真っ白に
なる。ギュッと目をつぶった。汗を浮かべた白い背中が仰け反る。
「…………っっ!!!」
唇を噛み締め、上がりそうになる声をなんとか押し殺した。と同時に霧/風の中に劉/鵬が己の欲
望を放つ。ゆっくりと、力の抜けた霧/風の体が沈んだ。静かに劉/鵬は体を離すと、霧/風の顔
を覗き込んだ。涙を流したまま、肩で荒い呼吸をしながら意識を失っていた。
「………そのまま、眠れ」
自分の衣服を整え、霧/風の体をその服で包んで抱き上げる。生活感のない霧/風の部屋に運び、
布団を敷いて横たえた。
劉/鵬は思い出していた。先日の朝食の時、竜/魔の些細な一言に霧/風は小さく噴き出して笑っ
た。久し振りに見た霧/風の笑みだった。あの笑みは竜/魔にしか向けられていないのだ。
(この戦いが終わったらみんなで風/魔の里に帰る。そうしたらまた、穏やかな生活が来る)
そっと霧/風の前髪に触れる。
(いつかお前が、また素直に笑顔になれる時が来るといいな)
静かに劉/鵬は自分に与えられた部屋へと戻って行った。
翌朝。まだ空も暗い時刻。劉/鵬は目を覚ました。眠りに静まった屋敷の中でひとり、服を着替
える。音も立てずに廊下を歩き、竜/魔の部屋の襖を開けた。
そこに見慣れた背中があった。
「………霧/風」
竜/魔の枕元に正座をし、じっとその容態を見つめている。劉/鵬はその隣に座った。
しばらくの間、言葉はなかった。
「………すまなかった」
先に口を開いたのは霧/風の方だった。
「私はお前にまで心配をかけていたのだな」
「謝るのは俺だろう?」
「方法には問題があったが、私を眠らせようとしたのだろう?」
おー鴉だあ!!!
乙です、臨場感ありましたww
94 :
傷 7/8:2007/12/03(月) 00:35:34 ID:0woKEFWK0
「………すまなかった。体は?」
「大丈夫だ。………その………」
霧/風が何かを言いかけて止めた。劉/鵬は霧/風が何を言おうとしたかを理解していた。
「竜/魔には言わん。あの時と同じだ」
「……………頼む」
霧/風の様子はもういつもと変わらない。何を言ってもここから移動する気はないだろう。
「朝になったら竜/魔の世話は蘭/子さんに任せて、麗/羅に準備をさせよう」
「…………わかった」
納得していないような声だったが、了承してくれたようだ。劉/鵬は立ち上がった。
「じゃあ俺は準備をしてくる。それまで、竜/魔を頼む」
劉/鵬が部屋を出て行く。霧/風は小さく息を吐くと、再びじっと竜/魔を見つめた。やはり顔色
が悪い。容態は一向に変わらない。竜/魔が死と向かい合わせとなっているのに、自分は何をし
ているのだろう。昨夜は無理矢理だったとはいえ、劉/鵬に抱かれた。自分の未熟さが悲しい。
ピクリ。
布団の一部が小さく動いた。
「竜/魔?」
ちょうど竜/魔の右手の上辺りを覆っている部分が、また動いた。
「竜/魔?」
右手で何かを伝えようとしているのだろうか。以前、死した風/魔の仲間が死の間際に伝えたい
メッセージを忍び文字で地面に書き残したのを見たことがある。それと同じことだろうか。
霧/風は布団をめくり、竜/魔の右腕を布団の上に置いた。その手の動きを読もうとした。
その手は文字を示さなかった。
その代わり、静かにその褐色の指が霧/風の細く白い指先に絡まった。
「………竜/魔?」
自分に繋ぎとめるようにして、竜/魔の指が霧/風の指を絡め取る。まるで霧/風の悲しみを慰め
るかのように。
「…………竜/魔…………」
その手を両手で包み込む、そして自分の頬に当てた。
(私はどんな目に遭っても構わない。お前を救う為なら鬼にだってこの身を捧げよう)
嵐を征するほどの力を持つこの男の為なら。
95 :
傷 8/8:2007/12/03(月) 00:38:19 ID:0woKEFWK0
(お前自体が、私の傷だ)
そっと、その手に力を込める。
(どうかまた、私の名前を呼んでくれ)
(お前が私の名を呼ぶその声が好きなんだ)
(どうか………私の名を………また………)
そして。
(私が死す時もどうか………私の名を………呼んでくれ………)
静かに太陽が昇り始める。霧/風はずっと竜/魔の手を握り、祈り続けていた。
____________
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オシマイ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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原作と実写がいい感じにシンクロしてて、毎週wktk
97 :
獄中兎:2007/12/03(月) 23:07:52 ID:etvKkYSf0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 一部で大人気らしい、ウサビッチで一本。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 緑→赤でほのぼの+ちょっとネタ入り。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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98 :
獄中兎1/?:2007/12/03(月) 23:13:16 ID:etvKkYSf0
ぎし ぎし ぎし ぎし
決して、新しくはないベッドが一定のリズムで軋んだ音を立てている。
酷く寝相の悪いものが寝ているわけでも、
誰かと、誰かが。
ベッドの中でハードなコミュニケーションを取っているわけでもない。
「541」そう大きく書かれたワッペンを縫い付けられた囚人服を身につけた男が
ベッドの上で軽快に踊っているだけである。
男の名はプ/ー/チ/ン。
清く正しく生きてきた、善良なる一般市民である。
今は、「資本主義者」の烙印を押され、
3年の懲役をくらった模範囚だ。
楽しいことが大好きな彼は、狭い独房の中。
じっとすることなど殆どなく、今日もベッドの上でコサックダンスを楽しんでいた。
時折、隣のベッドに横たわるルームメイトの様子を伺いながら。
99 :
獄中兎2/?:2007/12/03(月) 23:14:07 ID:etvKkYSf0
静かな人だ。
ルームメイトに対し、最初に思ったことはそれだった。
看守からは名前しか聞いていない。
キ/レ/ネ/ン/コ。
「04」と大きくかかれたワッペンを縫い付けられた、囚人服を着ている男。
日頃、熟読している雑誌がシューズマガジンであることと、
雑誌を読んでいないときは、コレクションの靴を丹念に磨いていることから
重度の靴マニアであることだけは、しばらく一緒に過ごしているうちに把握することが出来た。
それ以上のことは、何も分からない。
彼が何の罪で、この独房にいるのか。
どうして、彼の背後にかけられているカレンダーは不気味なほどに分厚いのか。
壁に取り付けられた棚の上にいるクリオネにはちゃんとエサがやれているのか。
質問したいことは山ほどあるが、
プ/ー/チ/ンにはその質問の山を切り崩す勇気は、まだ無い。
そもそも、こちらから話しかけたことすらないのだ。
今後も、勇気をふり絞って彼に話しかけることはないだろう。
そう、本人さえもが思っていた。
100 :
獄中兎3/?:2007/12/03(月) 23:14:46 ID:etvKkYSf0
「風邪の時間」
その日の彼はいつにも増して、静かだった。
シューズマガジンのページをめくる音もなければ、
シューズを磨く音もしない。
ただ、静かにベッドに横たわっている。
一時間ほど、コサックダンスにふけっていたが
流石にこれは静かすぎるのではないか・・・と思い始めていた。
意を決して、彼の側に近づいてみる。
一歩、二歩。
三歩目を踏んだと同時に、
もぞり、と彼が動いた。
全く大したことのない動きだというのに、
心臓が口から飛び出るかというくらい、驚いた。
悲鳴も心臓も口から出さなかった自分を心底、褒め称えたい気持ちに浸りつつ
彼と向き合う。
彼はいつもと同じ、無表情だった。
101 :
獄中兎4/?:2007/12/03(月) 23:15:25 ID:etvKkYSf0
だが、目が酷く虚ろだ。
いや、普段から虚ろな目をしていて
自分のことが視界に入っているのかどうかすら
怪しいのだが。
いつもにも増して虚ろな目をしている。
というより、これは失神している目ではないだろうか。
仮定を頭でぼんやりと組み立てながら
恐る恐る、彼の額に手を当ててみる。
瞬間、彼はカッと目を見開いて
その手を即座に振りほどく。
悲鳴を上げそうになりながら、慌ててその場を逃げるように離れる。
だが、一瞬だけ額に触れた手が熱を帯びていることに気付き
咄嗟に振り返る。
自分の手を振り払ったあとの彼はぐったりとしてしまっている。
これは一大事だ。
すぐに鉄のドアを何度もノックし、看守を呼ぶ。
102 :
獄中兎5/?:2007/12/03(月) 23:16:07 ID:etvKkYSf0
看守は何事かと言う代わりに、少しだけ不機嫌そうな目をこちらに見せる。
事情をすぐに伝えるが、看守にはその言葉がまったく真実に聞こえないらしく
鼻で笑いながら、軽くあしらおうとしている。
そのやり取りは
かろうじて、話の中心にいる彼にも聞こえていたようで
ヨロヨロと起き上がり始める。
だが、思うように動かない体でどうにか起き上がった彼が向かった先は
すぐ隣にある便座だった。
すがるようにそこの前に座りこんだかと思うと―
少しだけ、体を震わせて。
吐いた。
その動きをしばし呆然と眺めてから、
慌てて、側にかけよって背中をさすってやる。
言葉にはしなかったものの、
何度も、「だいじょうぶ?」と目で訴えながら顔を覗きこむ。
その様子を見ていた看守も、これは一大事と思ったのか。
鉄の扉ごと己を横にスライドさせながら消えていった。
しばらくして、看守はマジックハンドいっぱいに物を抱えて戻ってきた。
103 :
獄中兎6/?:2007/12/03(月) 23:16:41 ID:etvKkYSf0
まず、タオルを渡して口の周りを拭くようにうながし
すぐさま水の入ったコップを差し出す。
その両方を半ばひったくるような形で受け取り、
どちらも使い終えたが、それが彼の限界だったらしく
すぐ側にいた自分にもたれかかってくる、
咄嗟にそれを支えていると看守がサポートに回り始めた。
恐る恐る、彼の足を持ち上げ
「ベッドに移そう」と促してくる。
看守と声を合わせながら、彼の体をベッドまで運び上げる。
いつもなら、蹴り飛ばされていてもおかしくない
看守がそんな独り言を漏らしながら
そそくさと、次の準備に入る。
ボールにお湯を張り、新しいタオルをお湯に浸す。
何度かしぼってから、二人は意を決して
彼の側に立った。
104 :
獄中兎7/?:2007/12/03(月) 23:17:47 ID:etvKkYSf0
まずは大きく深呼吸をしてから
恐る恐る、彼の服に手をかける。
そして、目にも止まらぬ早さで囚人服を一気に脱がし、丸裸にした。
それに続くように看守が
大きく深呼吸をしてから、汗だくとなっている彼の体をタオルで拭き始めた。
そうすることで初めて目にすることになった
彼の体に刻まれた、惨たらしい傷跡の数々。
顔にも見られた、明らかにつぎはぎされたかのような
手術の痕跡は、身体にも多く刻まれていた。
一体、どんな生活をしたらこんな体になるのだろう。
ふいに、看守の手が止まる。
どうやら、同じことを思っていたようだった。
彼の過去にあった壮絶な何か、を端的に感じ取りつつ
二人は黙々と作業を続けた。
105 :
獄中兎8/?:2007/12/03(月) 23:19:00 ID:etvKkYSf0
普段着用している囚人服は、一度看守が引き取ることになった。
前もって用意されていた寝巻きに着替えさせてから
彼をベッドに腰掛けさせる。
相変わらず、彼の目の焦点は合っていない。
熱いお湯を張ったタライを足元に置き、
そこに足を入れるように促してみる。
彼がそこに足を入れたことを確認してから
いつの間にか看守が淹れてくれていた紅茶を手渡す。
どうやら、看守と自分が思い描いていた風邪の治療方法は全く同じだったようである。
妙な親近感を看守に抱きつつ、静かに彼の背に毛布をかけ、
手の届く位置にシューズマガジンとレモンを置いてから、その場を離れた。
自分のベッドに腰を下ろし、ほっと一息つく。
他に自分に出来ることと言ったら、彼の状態が良くなるまで
見守ってやることくらいだった。
彼はおぼつかない手つきでシューズマガジンを膝の上に置くと
両手でレモンを持ち、ちびちびと齧っている。
どちらか片方しか、今の彼には出来ないのだろうか。
いや、彼は案外潔癖症なところがあるから
何かを食べながら本を読むという発想がないのかもしれない。
106 :
獄中兎9/?:2007/12/03(月) 23:19:30 ID:etvKkYSf0
余計なことだとは分かりつつも、
つい、体は彼のところへ向かってしまう。
いらない世話だと分かりつつも、
隣に座って、ページをめくってしまう。
一瞬だけ、彼は怪訝そうな顔をしたけれども
彼は気にすることなく、シューズマガジンを読み始める。
彼がどのくらいの速度でそれを読むのか、何となく覚えていたのが幸いしたのか。
自分のめくる早さに、彼は全く文句を言わない。
本を読むのに夢中なのか、レモンを齧るのに夢中なのか。
良く分からないけれど、
ほんの少しだけ、体を前に傾けて
何かに没頭している彼が、ちょっとだけ。
本当にちょっとだけ、可愛く見えて。
つい、ページをめくっていた手は
彼の後頭部に回って。
ぽん ぽん ぽん
きょとんとした顔で彼がこっちを見ている。
彼の目に映っている自分は、きっと情けないくらいに鼻の下が伸びているのだろう。
彼は二、三回瞬きをすると
おもむろにレモンの皮を引きちぎり
指で摘みながらこちらにそれを向けて。
こう、ぎゅっと。
「ぬおぉぉぉぉぅう!!」
今、自分の目には何も映らない。
両目に入った強い刺激にもがき苦しんでいる自分を
彼はどんな顔で見ているのだろうか。
看守に見せる、あの恐ろしい顔なのか。
いつもと同じ、どこを見ているのか分からないあの顔なのか。
それとも。
自分の両目がしっかりと見えるようになる頃には
彼はすっぽりと毛布を体に被って眠ってしまっていた。
あの様子だと、きっと翌朝には元気になっていることだろう。
大きく深呼吸をしてから、自分のベッドに戻り
ゆっくりと目を閉じた。
ぎし ぎし ぎし ぎし
決して、新しくはないベッドが一定のリズムで軋んだ音を立てている。
そこに紛れ込むように、男のいびきが聞こえてくる。
男の名はプ/ー/チ/ン
清く正しく生きてきた、善良なる一般市民。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オシマイ
| | | | ピッ (・∀・ )
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勢いに任せてつい
カッとなってやっちゃったんだ・・・二人とも可愛すぎる。
>>108 GJ!雰囲気がすごい好きだ!みんな可愛すぎる。看取も可愛いww
台詞なくても出来るもんなんだね。
>>108 GJ!!!!!死ぬほど萌えた
やばい赤かわいいよ赤
>>97 違うところでも投下してるの見たけど、本人だよね?
>>61 亀だけど萌えた!
いちごみるくより甘い係長…。
美味しそうだ。
次回も期待してるので棚でのお約束を覚えてから
またいらしてくれたら嬉しい
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 弟妹誕生記念にボーカロイドの兄弟(妹)話
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 双子がPCに導入されたばかりの、レン視点レン×KAITO(レン→KAITO)風ギャグだってさ
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「此処がこれから君達の生活する場所だ」
そう言ってマスターは俺とリンに一つのフォルダを与えてくれた。
「「ありがとうございます、マスター!」」
まだ変声期を迎えていないボーイソプラノと、同じ声域ではあるが、俺よりも甲高く威勢の良い声が重なる。
画面の向こう側にいる自分達の主がパソコンからログオフしたのを見計らって、リンがこちらを向いた。
「・・・ねえ、他のフォルダにはどんな人たちが住んでるのかな・・・」
妹の思わぬ第一声に、俺は目を丸くした。
「リン、お前まさかフォルダの外に出る気か?」
「だって引っ越してきた時、お隣さんに挨拶しない人はいないでしょ?」
「聞いたこと無いよ、そんなルール。大体どこで覚えてきたんだ!」
「インストールされる時に、一瞬触れたフォルダの中に入ってた“一人暮らし.txt”に書いてあったの。
・・・一人暮らしってことはマスターって学生かな?それともNEE・・・」
「いや、それ以上言うなって。俺達のマスターなのに空しくなるだろ」
越してきて早々妄想を撒き散らすリンを見て、俺は大きく溜息をつき肩を落とした。
この双子の妹と、これから先ずっと此処で生活していくのは、相当骨が折れるだろう。
よく子供の割に冷めていると言われた性格通り、どこか遠くから自分達の今後を案じている自身に気づき、俺はリンに背を向けた。
その間もリンは延々と喋り続けている。姉がどうだの兄がどうだのと訳の分からないことを口走っているが、俺には関係のない話だ。
そう思って無視を決め込んでいると、痺れを切らしたのか、リンは声を張り上げた。
「レン、早くみんなに挨拶しに行こうよ!!」
「でもマスターに外出許可もらってないし・・・」
「私達は“アーティスト”なのに、これぐらいのことで自由を縛られてどうするの!!」
「まあそれもそう―、って、今のはまた別の話じゃあ・・・」
眉間の皺を解いて振り返ると、そこにはリンの姿はなく、床にポツンと台詞の入ったWAVEファイルが転がっていた。
ご丁寧に悪戯書きしたテキストファイルまで添付してある。
「・・・あいつ・・・!」
俺は拳を握り締めながら、口端を引きつらせた。
逃走したリンを探すため、結局自分もマスターに指定されたフォルダから出る羽目になってしまった。
「リンのやつ・・・一体どこまで行ったんだ?」
とりあえず隣のファイルから順番に覗いてみてはいるものの、足音一つしない。
こんなのが毎日続くのかと思うと本当に先が思いやられると、疲れた足を引きずりながら次の部屋に入ろうとした。
「「うわっ!!」」
突如目の前に現れた黒い影に驚いて、俺は後ろに倒れ尻餅をついてしまった。
「だっ、大丈夫!?」
頭上から聞こえた声は、向こうが膝を折ることで、自分の顔の正面まで来ていた。
自分より少し低い、けれど透き通るように綺麗な声に惹かれ、視線を上げる。
少し紫がかった青い髪に、同系色のラインが入った白い服、長いマフラー。
自分よりも色素の薄い肌に細い眉、そしてアメジストの瞳。
リンや自分とは真逆の落ち着いた、けれど妙に心惑わす色調と端正な顔立ちに、思わず喉が鳴った。
「君、怪我はない?」
「大丈夫―、です」
「良かった。こんなところに来るのはミクかメイコぐらいなんだけど・・・君みたいな子が来るのは珍しいね。」
青年はそう言って困ったように眉尻を下げ、苦笑する。
俺はその表情から視線を外せずに、彼の伸ばしてきた手を掴み、立ちあがった。
「どの部屋から来たの?」
「え、あの・・・今日新しく作られたこの階層の一番奥にあるフォルダで・・・今は外に飛び出していった妹を探してるん、だけど・・・」
自分でも笑えるほど気持ちが上ずり緊張している体に、無性に情けなくなる。
そして自分はこんなに人見知りをするタイプだっただろうかと思索した。
「そうなんだ、お互い妹がいると大変だね。僕はカイト、これからよろしくね。」
「ヨロシク・・・」
「妹さんは僕が探しておくよ。君はもう部屋に戻っておいた方が良いんじゃないかな」
「何で?」
単純に不思議に思って聞き返しただけなのに、この反応は予想だにしなかったのか、カイトは面白いほど慌てふためく。
しばらくして一度咳払いをしてから、「マスターの趣味で、あまり良くないフォルダもあるから」と、何故か恥ずかしそうに答えた。
そんなカイトをいつの間にか可愛らしいと感じている自分に気づき、いたたまれなくなって無理やり別のことを考えようとしたが、
それはカイト本人の手によって妨げられた。
「外は危ないから・・・ね?一緒に戻ろう。」
絶品の笑顔を向けられた上に頭を優しく撫でられ、一気に耳まで熱を持つのが分かった。
このまま甘えられたらどんなに楽だろう。しかし繋がり一つ持たない他人相手にそんなことが出来るわけがない。
やたら大人びてしまった自分の理性を、今ほど後悔したことは無かった。
「ああ〜〜っ!!!」
雰囲気を乱す、耳に痛いほど大きな声の元を探ると、リンが遠くからこちらを見ていた。正確には、俺の目の前にいるカイトをだ。
猛スピードで走り寄るリンを見て、俺は少しカイトと距離を取る。あいつがあんな風にはしゃぐ時は碌な事がない。そう思っていた矢先、
「カイトお兄ちゃあああん!!!」
ドスッと鈍い音を立てながら、リンが目の前の青年に抱きつく、というよりも力の限り押し倒していた。
続いてどさっ、とサンドバックが横たわるような音がして、俺は顔を歪ませる。
「リン!お前今までどこ行ってたんだよ!大体カイト“お兄ちゃん”って何だよ!あと今妙な音したぞ!!」
一瞬のことでまとまりきらない思考を全てぶちまけ、肩で息をした。
「あっ、レン、こんなところにいたんだ。さっきメイコお姉ちゃんとミクちゃんに会ってね、教えてくれたの。
この人が私たちのお兄ちゃんのカイトさんなんだって!」
「は・・・?」
数秒してからようやくリンの言葉の意味を理解した俺は、すぐに部屋を飛び出し、表札に眼をやった。
[ VOCALOID 01 ]
・・・開いた口が塞がらないというのは、こういうことなのか。
自分達がVOCALOID02だから、VOCALOID01であるカイトは確かに自分の義兄に当たる。
数秒前まで他人でしかなかった相手が、突然家族同様の存在になった衝撃に、俺はただ呆然とした。
しかしその戸惑いが喜びに変わるのに、そう時間はかからなかった。
今まで募っていた不安や不満は、まるで最初から無かったかのように薄れ行き、また別の感情が噴水のように湧き上がるのを、俺は高鳴る心拍数に紛れて感じていた。
これから先、此処で日々を過ごしていくのも、そう悪いことでは無いのかもしれない――。
リンに抱きしめられ気絶しているカイトを見ながら、俺は静かに笑みをこぼした。
119 :
風と木の名無しさん:2007/12/04(火) 23:41:27 ID:S6CnkyzU0
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 弟相手には「僕」ってことで、表札=フォルダ名ってことで・・・オソマツサマー。
| | | | ピッ (・∀・ )
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>「此処がこれから君達の生活する場所だ」
>そう言ってマスターは俺とリンに一つのフォルダを与えてくれた。
その発想は無かったわ
リンが完全にリンですが設定でフいたw
いいぞもっとやれ
3で終わったとばかり思っていたら4/3が来て萌え汁吹いた
ggggjです
>>86 前作もありがたく読ませていただきました。続きが読めて嬉しいです。
初めてじゃないのを気にする桐の純情可憐っぷりに身悶えですw
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| オオ振りの水谷×阿部
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 十分休み中の小ネタ
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「阿部」
またか、と思う。
「……」
オレは無言。返事をしてもムダだからだ。
どうやら、これはこいつのクセらしい。無駄にオレを呼ぶ。
「あべー」
そういえば、最近は呼んでくる頻度が増えている気がする。
「…………」
やはり無言。答えてもムダだってわかってんだよ。
こいつは、ちゃんと用事があるときならすぐに用件を言ってくるからだ。
そういう時は相手の返事も待たねェクセに……。
「ねーってば」
ああもう、うるせえ。
しつこいんだよ。返事してねーんだから、察しろ。
つか、いつもはさっさと諦めんのに、今日はなんなんだよ。
「………………」
答えたら負けだ。
もし返事したら、またこいつはあのふやけた笑顔で「なんでもねーよー」とか言ってオレをイラ立たせるに違いない。
オレはあくまで無視を決めこむ。
「あーべー……」
呼ぶ声が弱くなった。
よし、そのまま諦めろ。答えねェかんな、オレは。
「……」
用件あんなら言えよ。どうせないんだろ? ンなもん。
ないなら、答える理由もない。
しかし、次の水谷の言葉は呼びかけではなかった。
「……ごめん」
なんで謝んだよ。
思った時には、答えてしまっていた。
「何だよ」
しまった、と思ってももう遅い。
「お、返事した」
「っ……!」
振り返った先には、いつものへらへらとした笑顔。さっきの妙な声音は一瞬でどこかへ消え去っている。
「これぐらいで怒んなよ〜」
呆れたような口調だったが、顔は相変わらずにやけたままだ。
こいつが何を考えているかなんて、オレには知りようがないし知りたくもない。
でも、今のこいつが考えていることはなんとなくわかる気がした。
そしてそれが、オレにとってあまり愉快ではない内容であろうことも。
「お前が怒らせてんだろ」
「阿部が短気すぎるだけだって」
なんで振り返っちまったんだろうな。
心底馬鹿らしくなって、前に向き直ろうとする。
が、
「ちょっ、待てって!」
「……んだよ」
肩をつかむ水谷の手に阻まれた。
「うわー、こわ。ニラむことねーだろ? いちおう用あって呼んでんのにさ〜」
じゃあ睨まれるようなやり方すんなよ、アホ。
「……用って?」
さすがにイライラしてくる。
どうせしょうもない用事なのはわかりきってるのに、何で無意味に焦らすんだ?
オレはそんなことされてもクソも面白いと思わねーんだけど。お前にとっちゃ楽しいんだろうけどな、水谷。
「んー……」
眼差しに込めた険に全く気づかないのか、水谷はしげしげとオレの顔を観察する。
いや、観察する前に答えろよ。日本語通じてねーのか?
「水谷」
「よし。もーいーよ、阿部」
限界まで我慢したオレが口を開いたのと、水谷があっさりと告げたのは同時だった。
「……は?」
意味がわからない。
「え? だから、もういいってば」
「何が」
「何がって、用事が」
なんだそりゃ。
さすがにあっけにとられていると、水谷はまるで晩メシのおかずでも予想するような軽い口調でこう言った。
「阿部の顔を見たかっただけなんだけど。最近、呼んでも振り向いてくんないじゃん、お前」
沈黙。
「嫌がられんのわかってたけど、どーしても我慢できなくなっちゃってさあ」
「…………」
「でも、いま阿部の目線ひとり占めできたから満足かなー」
オレは沈黙し続けた。穴が開くほど水谷の顔を凝視しながら。
「怒った?」
怒ってないのはわかってるけどね。水谷の顔にはそう書いてあるように思えた。
「チッ……イミわかんねェ」
今度こそ向き直る。ついでに机に突っ伏して、寝る体勢に入る。
水谷がなにやら恥ずかしいことを喋り続けている間、沈黙を稼いだはずのオレに出来たのはその程度のことだった。
後ろから、独り言のような声が聞こえてくる。
「阿部って案外かわいいところあるよなあ……顔まっか」
水谷ィ、練習のとき覚悟しとけよ……。
その言葉は、胸の中にとりあえず置いておく。今は顔を上げたくなかった。
眠気のせいだ。たぶんな。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オソマツサマデシタ
| | | | ピッ (・∀・ ) コネタダカラオオメニミテー
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〜もし戦国BASARA2英雄外伝の慶次外伝に竹中半兵衛がいたら〜
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
…君はガタイがでかいし目立つから僕が偵察に行くよ、秀吉…
そう言って松永久秀の本陣に半兵衛は乗り込んだ。
しかし、予想外の腕利きの傭兵忍者に捕まってしまい
木に縄で縛り付けられてしまった。
目の前には、松永が不敵な笑みを浮かべて自分を眺めている。
「まずは卿の素顔が見てみたいものだな…」
そう言うと松永は強引に半兵衛の仮面をはぎ取った。
「…!?」
「なるほど、卿は実に美しい顔をしている。
しかし顔色が悪いな。どこか病んでいるのか?」
「…」
結核に侵されていることは、友人である秀吉や慶次にすら伝えていない。
半兵衛は何も答えなかった。
「ふむ…いいこと思い付いたよ…」
半兵衛の顎を掴み顔を近付けて松永は言った。
「顔色が悪い…なら顔色をよくしてみるとするか」
松永はそう言うとすぐに半兵衛の唇を奪い、舌を入れた。
「…んっ…!?」
唇を離そうと半兵衛はかぶりをふったが、松永はおかまいなしに熱く口付けを交わし続けた。
松永は唇を離さないまま右手で半兵衛の乳首を指先で刺激し
左手で股間の一物を上下に動かした。
「…んっ!…う、う、んんっ!」
半兵衛の一物はたちまち大きく堅くなり、全身は熱くなってきた。
松永は一旦半兵衛から唇を離し、荒く息を吐いている半兵衛をさも愉快気に眺めた。
「ふむ…先頃より血色がよくなったな。
卿はこういうことが好きなのか?」
「…なわけないだろう」
静かに怒りに震えながら半兵衛は答えた。
松永は堅くなった半兵衛の一物を右手で触ったり握ったりし、
左手で肌をゆっくりねっとりと撫で回しながら言った。
「その割には身体は熱くなり興奮しているようだが?
卿自身など熱くて火傷しそうなくらいだよ…。」
「そ、それは…!?」
「ふむ、ならもっと刺激してみるとするか。」
松永は刺激し続けた。
「んっ…あ、はぁ、ああ、や、やめろっ…やめないか!
うう…んんん、んっ、んっ、あっああっ!」
「卿は気持ちよくないと言った割に喘いでいるな。
その姿、実に愉快…。
さぁ、もっと悶えよ、身体を上気させるがよい…。
今卿の顔色は先頃と比べ物にならないくらい美しい…。
まるで椿のように赤く染まって…」
松永の声で、一層身体が熱くなるのを半兵衛は感じた。
「ああ…も、もうだめだこんな所で…!
秀吉、慶次…済まない…。
うっ…あああああ!」
半兵衛の悲痛な言葉と共に、松永の手の平に白濁液がほとばしった。
「弱者は、所詮強者に駆逐され蹂躙されるが定めなのだよ」
笑いながら松永はそう言って、手の平の白濁液を半兵衛の裸の胸に塗り付けた。
「強くなければ…存在する意味は無いのだよ、ふふふ…」
そう言って松永はその場を去っていった。
秀吉と慶次が血相を変えて半兵衛を助けにきたのは
その一日後であった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
135 :
叫.び:2007/12/06(木) 04:39:50 ID:UEG1ebR+0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某昭和の大スターと周りの方々の話
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 今回はお約束の身売りネタ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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136 :
叫.び1/9:2007/12/06(木) 04:40:47 ID:UEG1ebR+0
唄いたい、うたを、
唄いたい、仲間と唄う
それは、そんなにわがままなことなのだろうか。
「脱ぎなさい」
冷たく言い放った権力者の言葉に、俯きながらシャツをたくしあげる。
それを床に落とし、ベルトのバックルを外す。
ジーンズを膝まで下ろし、左右から足を引き抜く。
それも右足で床に蹴り落とした。
「全部だ」
容赦ない言葉に、相手を睨み付ける。
それを男は鼻で笑って、葉巻をくわえた。
傍らにいる男が、ライターに火を灯す。
視線を反らして、下着に指をかけた。
一気に足元まで下ろし、右手で背中越しに投げ捨てる。
一糸纏わぬ姿がをさらけ出して、問うた。
「こうすれば、認めてくれるんですね」
137 :
叫.び2/9:2007/12/06(木) 04:41:31 ID:UEG1ebR+0
部屋の中にいる、何人もの男たちの目。
それが一斉に自分の裸体に注がれている。
淫靡な息遣いが、こちらにも聞こえてきて、身震いがした。
「・・・いいだろう」
自分を支配する、男は笑った。
「これからこの方々を満足させなさい」
ゆっくりと葉巻の煙を吐き出す。
「それで、君の『希望』は聞き届けよう」
紫煙越しの笑顔が、彼に絶望を与えた。
「それでは、始めましょうか」
言うが先か、幾人の男の手が、彼の身体をまさぐり始める。
獣のような息使いで、乱暴に髪をつかまれ、口付けられる。
口内を太い舌が荒らしまわり、唾液を注がれ咽そうになる。
「・・・っ」
顔を背けようとして、耳を噛み付かれる。
別の男に。
下腹を舐め回すのは誰か。
その舌が萎えた陰茎にたどり着いて、背中がはねた。
「や・・・・」
否定の声は塞がれる。
無理やりねじ込まれた、雄の棒で
『しっかり舐めろよ、可愛い子ちゃん』
下卑た声が上から聞こえた。
138 :
叫.び3/9:2007/12/06(木) 04:42:27 ID:UEG1ebR+0
大丈夫、
大したことない、
こんなこと、
いつものことだから、
舌を裏側から舐めまわすように動かす。
ゆっくりと上下にゆれる唇に興奮した視線が注がれる。
充血した首筋や頬が、白い肌に映えて一層男を誘った。
フェラチオを受けていた男がたまらず髪を掴む。
自分から乱暴に腰を動かし、彼の唇を乱暴に犯した。
「・・・・・っうぅ」
喉奥まで疲れて、吐き気が襲う。
目尻から苦痛の涙がもれた。
それでも、決して相手から逃れようとはしなかった。
「約束」を違える事は出来ないと念じて。
「・・・・・・う・・・・・」
軽い呻き声と共に、喉に熱いほとばしりが叩きつけたれる。
顔をしかめながら、何度も勢いを付けてそれを飲み干した。
ずるりと陰茎が唇から離される。
白い糸が、先端と唇の間をつないだ。
『すげえ・・・・・』
感嘆のため息が、男達の間から漏れる。
それを一瞥して、彼は口端の精液を舐め取った。
『こりゃあ上玉だ』
別の男が飛びかかる。
139 :
叫.び4/9:2007/12/06(木) 04:43:05 ID:UEG1ebR+0
床に押し倒され、股を大きく開かれた。
先ほどの愛撫で硬くなった、自分の雄を手で扱かれる。
「ひあっ・・・・・」
割り込んできた男に陰嚢を舐められる。
途端に大量の先走りが先端から溢れた。
手淫を続ける男の手を濡らす。
思わず両腕で顔を覆った。
「顔を見せろ」
冷徹な声が、上から聞こえた。
「奴らを悦ばすのが、お前の『約束』だ」
容赦ない言葉に、身体が震えた。
『かわいそうに・・・・震えてるぜ、この子』
『奴ら』の一人が、ぼそりとつぶやいた。
同情を込めた声で。
それだけは、
それだけはいやだ。
両腕を掴まれる前に、自分から床に落とした。
涙が止まらなかった。
哀しいのか、悔しいのか、悦んでいるのか、
何なのか自分にも分からなかった。
震える唇を再び塞がれても、目を閉じる羞恥も麻痺してしまっていた。
140 :
叫.び5/9:2007/12/06(木) 04:47:27 ID:UEG1ebR+0
「・・・・・・なっ」
手淫を続けていた男が、指先を奥へと滑り込ませる。
後孔にたどり着いた濡らついた指が、そのまま2本一気に潜り込む。
「ひっ・・・・・・!」
慣れない異物感と痛感で身をよじる。
周りの男たちが、それを押さえつけて止められた。
『・・・・・・ここで慣らしとかないと、後で辛いのはお前なんだよ』
『せっかくだから、一緒に気持ちよくなりたいだろ』
『な、可愛い子ちゃん』
慰撫する言葉が、皆情欲の色を帯びていて、身震いがした。
ここにいる男たちが、皆、彼を陵辱することに酔いしれている。
男達の熱い息遣いが、首筋に貼りついた髪をゆらした。
あきらめろ、
あきらめるんだ。
心の奥底で、
何度も声がこだました。
ぐちゅぐちゅと2本の指が後ろの孔をかき回す。
同時に陰茎を擦られて、痛みなのか快感なのか分からない感覚に、腰が揺れ始
めた。
「・・・・・もう・・・・・許して・・・・・」
涙を流して、訴える。
声が届いたのか、指が抜かれた。
腰を持ち上げられる。
141 :
叫.び6/9:2007/12/06(木) 04:48:07 ID:UEG1ebR+0
次に、くるのは、
「・・・・・あぁぁぁぁぁぁ・・・・・!」
熱く猛った陰茎が、後孔を勢い良く貫いた。
血こそ出なかったが、乱暴な挿入に脳がひしゃげるような激痛が走る。
「・・・・い・・・痛い・・・・・痛い・・・・よ・・・・・」
思わず相手に手を伸ばした。
「お願い・・・・優しく・・・・して・・・・・」
「かまわん、好きにしろ」
かけられるのは、悪魔の命令。
彼の痴態に興奮した男は、乱暴に腰を打ちつける。
「ひっ・・・・い・・・・や・・・ぁ・・・・!」
逃げようとする身体を、数人の男に押さえつけられる。
ある者は耳たぶにむしゃぶりつき、
ある者は首筋を跡を残し、
ある者は乳首をこねくり回し、
その間も、
乱暴な陰茎は打ち付けられる。
もう涙は出なかった。
これでいい、
これでいいんだ、
これで------。
142 :
叫.び7/9:2007/12/06(木) 04:48:46 ID:UEG1ebR+0
「新しいバンド作る?」
「うん」
「事務所が許すか?お前だけで売りたいんやろ」
「俺、自分だけで歌うの嫌やもん、一人だけ晒し者になるのは真っ平や」
「でも----」
複雑な顔をした彼に、笑いかけた。
「大丈夫や、何とかしてみせる」
「何とかって」
「社長に頼んでみるわ」
「そんな無茶な」
「相手も俺には価値があると思うてるのなら、少しは聞く耳持ってくれるや
ろ」
心配そうに自分を見つめる彼の肩を叩いた。
「俺、みんなと一緒に音楽やりたいもん」
「だから」
「俺に、まかせといてくれるか?」
俺の、ちからに----。
彼が、笑った。
「分かったわ」
「お前を、信じるわ」
「俺も」
「お前と、音楽やりたいしな」
143 :
叫.び8/9:2007/12/06(木) 04:49:22 ID:UEG1ebR+0
男の動きにあわせて腰がゆらめいてくる。
萎えていた彼の陰茎が、再び屹立し始めた。
犯されている男の背中に両腕を回す。
乱暴にされているはずなのに、その顔には、うっすらと笑みが浮かんでいた。
「・・・・もっと」
淫猥な彼の表情に男の動きが早くなる。
そんな男のモノを求めて後ろの孔をしめつける。
何度も叩きつけるように腰を打ち付けると、男は精液を彼の身体に勢い良く注
ぎ込んだ。
熱い激流が身体の奥から流れてくる。
その感覚に、彼自身も陰茎から白い迸りを放った。
白い胸を白い液が汚す。
淫欲に濡れた目が、満足げに微笑んでいた。
「もっと・・・・・・」
男を誘って、手を伸ばした。
待ちきれないと、別の男が彼の身体にのしかかった。
144 :
叫.び9/9:2007/12/06(木) 04:50:00 ID:UEG1ebR+0
そんな彼の痴態を眺めながら、男は呟いた。
「・・・・・・ひょっとしたら、俺は、とんでもない玉を拾ってしまったのかもしれ
んな」
自嘲気味に、葉巻を燻らせる。
「・・・・・・こいつは、全ての男も、女も、虜にする術を持っている」
吸殻を、傍らの側近の手に押し当てた。
激痛に顔を歪める相手に目もくれずに。
彼を見詰めていた。
男たちに陵辱される彼を。
唄いたい、うたは、
唄いたい、ひとは、
こうして、手に入れる。
それでいい。
きずつくのは、
じぶんだけでいい。
145 :
叫.び:2007/12/06(木) 04:57:57 ID:UEG1ebR+0
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| | □ STOP. | |
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| | | | ピッ (・∀・; ) オネガイダカラミナサンユルシテ
| | | | ◇⊂ ) __
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>135GJ!
彼の場合、こゆ事がリアルで1回や2回ありそうで怖いよ(;∀;)
今日は比/叡/山と豚聞きながら仕事に行こう……。
>>135乙!美味しく頂きました
146タンも言ってるが、今までへぼんお約束だと思ってた身売り設定、
彼だとリアルにありそうだと思えるのは何故だろな。さすが元祖
>>23 元ネタわからんが萌えた
想像しがいがある
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
昨日の様様の手つなぎその後を妄想
大ケケ視点・大ケケが女々しい?ですので苦手な方ご注意願います・・・。
「・・・・」
様様の収録が終わって二人は楽屋へ戻ってきた。
二人は終始無言で帰り支度を済ませていた。
何年ぶりかに 見無と手を触れたことが大ケケは気になっていた。
いつもは 会話の流れで自然的に触れたりはしていたが・・・
自然な流れで持っていくつもりが、会話が伸びてしまった所為か
見無に触れることに、意識しすぎてしまった。
なんとなくいつもより無言になる。
喋りだすと収拾がつかなくなりそうで。
なんとなく、目が合わせられない。
(なに考えてんだ俺 気持ちわりぃなぁ
そもそも気にするようなことじゃ・・・)
「ケケ、仕度すんだ?」
お互い背を向けつつ帰り支度をしていたが
大ケケは見村の急な言葉にビクッとして目を泳がせた。
もちろん見村からは見えていない。
「っ・・もう少しかかるから先行ってろよ」と
あくまでも平静を装って、振り返りもせず早口気味に大ケケは返答した。
今日は気がどうかしてるのか・・・饒舌に返してしまった。
「っ、!?」
大ケケは自分の左手に、つい先ほども感じたような、生暖かい感触が触れたことに吃驚した。
見ると、見無が大ケケの左手首を掴んでいた。
「なんだよお前、気持ちわりぃな。離せよ。」
見無の手は、振り払おうと思えばすぐにでも離れることのできる力だった。
少し間があって、すっと生暖かさが離れていくのが分かった。
「ったくなんだよ・・・気持ちわりぃ きもちわりぃ。
もう仕度すんだっての ・・・おい見無 行くぞ」
見無の手はもう触れていない
まるで何かを振り払うかのような
呪文のようにキモチワリィを繰り返していた。
あとはいつもの調子だった
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ありがとうございました・・・
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
アオ猫とハチ王子刑事とプラスアルファでぐだぐだ妄想。
道端でカエルが干上がっているような暑さの中でも、不思議とアオ猫邸涼しげだ。
いつのものごとく、取り立てて用もないのになぜかやってきてしまったハチ王子君は
案内されるがまま居間に通され、いつものごとく暇そうなアオ猫の話し相手をさせられていた。
勤労少年なトラと君は暇を持て余す男二人の相手をしている時間はないらしく、
お茶受けを出すととっとと部屋を出て行ってしまっている。
毎週のように顔をつき合わせているアオ猫と今更話すこともないハチ王子君は、
気まずさを紛らわすためにトラと少年お手製のアイス珈琲をずず、とすすった。
「こんなにちょくちょくやってくるとは、刑事というのも随分と暇な職業なんだねえ」
書き物机の前に陣取って、上等な紙で折鶴を折っているお前に言われたくない。
心の底からハチ王子君は思ったが、暇を持て余していたのは事実なのでずず、と珈琲を啜る。
「実は君、僕のことが好きで好きでもうたまらないんだろう」
猫が折鶴を折りながら自信満々な顔で言うので、八王子君はふん、と鼻を鳴らした。
(それは猫が八王子君を馬鹿にするときによくやる仕草だ)
「うぬぼれるなよ、良いのは顔と生まれだけのくせに」
「アオ猫のアレは天上の快楽のように素晴らしいという僕の社交界での評判は、
へぼ刑事の耳には入らなかったらしい」
八王子君に見せ付けるように猫は長い足を組みなおす。
「知らんなあそんな爛れた評判は!」
八王子は向かいの男から送られる流し目を丁重に無視して、
虎ト少年の淹れてくれたアイス珈琲の最後の一適を喉に流し込んだ。
水滴の付いたグラスを握る彼の小指の先が赤くなっていたのを、猫が見逃すはずはもちろんない。
そしてハチ王子君はかわいそうなことに自分が動揺しているのを猫相手に完璧に誤魔化したと信じていた。
「君はその評判が本当かどうか気にならないかい?」
「まったくこれッぽっちも、爪の先ほども気にならんな!」
笑顔のアオ猫は要注意だ。見るものを蕩けさせる微笑の裏で、ろくなことを考えていない。
ハチ王子君はこれまでの経験で身を持って、嫌というほど知っていた。
もっとも、アオ猫がろくなことを考えていないときなんて殆どありはしないのだけれど、
万年ヒラの彼ではそこまでは考えが及ばないのが悲しい。
「つれないな」
ハチ王子刑事のけん制する眼差しに、いかにも悲しそうにアオ猫は目を伏せる。
騙されやすいハチ王子君は長い睫が作る美しい影に一瞬見蕩れかけたが、
これまでに何度もひどい目に会い続けてきたことをすぐに思い出しさらに目つきを険しくした。
「どうせお前のことだ、実践で試してみろとかそういう破廉恥な流れに持っていくにきまってる」
「おや、ハチ王子君にしては気が利いたことを言うね」
アオ猫は淫蕩な笑みを浮かべながら妖しげな手つきで手元の折鶴をもてあそんでみせた。
ハチ王子君は処女のように自分が言ったことで自らの頬を染めた後、
我に帰って険しい目つきでアオ猫をにらみつけた。
「この際はっきり言っておくがな。僕にはその気は一ッ切、これっぽっちも、爪の先ほどもないんだからな!」
ぴん、とティースプーンの先で指されたアオ猫の笑みがにんまりと深まった。
「……ヒデ隆とは接吻したくせに?」
「あ!あれは…その場の流れというか勢いというかだな……」
「日本男児がなにをごにょごにょと言い訳してるんだい。聞こえないよ」
アオ猫の憎たらしいほど整った笑顔での挑発に、ハチ王子君の顔はますます赤くなる。
握り締めた硝子のコップの中の氷がどんどん溶け出すほどだ。
(ああ、あの指先に滴る水を舌で舐め取ってやったらどんな顔をするだろう。)
ハチ王子君は反論を考えるのに一杯一杯で、アオ猫が卑猥な妄想に耽っていることに気づけない。
「さて、どうなると思うかい?
じゃれついてきた猫が怒った蜂に刺されるか、逃げ遅れた蜂が猫に落とされるか」
「僕はどこからともなく鶯がやってきて猫の関心を持っていく、に賭けますね」
「一緒のものに賭けたら賭けにならないじゃないか」
「まあ、もう少しは放っておきましょうよ。こんな熱い中にあの二人の傍には近寄りたくありません」
「それもそうだ。せっかく土産に持ってきたアイスクリンが溶ける前に、我々だけで一緒に食べてしまおうか」
ハチ王子刑事は刑事の癖に観察眼というものが殆どそなわっていないので(彼にあるのは野性の本能だけだ)
今日も今日とて、自分がアオ猫たちの暇つぶしの道具にされていることにまったく気づく気配もなく、
今日もアオ猫邸は平和である。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ぐだぐだ妄想に数レスお借りしました
と書き込もうと思ったら連続投稿に引っかかってしまったので携帯から
>>150 わああああ、GJ!
あの両手繋ぎは萌え過ぎてもだえたよ…!
>>43 めちゃくちゃ萌えたー!!
遅レスすぎて恐縮ですが、胸を揺さぶる萌えには抗えませんでした
切ない、切ないよ…!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
風魔×松永です。
「飼い犬にてをかまれる、とはこのことか…」
全裸で横たえた松永の周囲には分身の風魔が全裸で並んでいた。
「卿はなぜ、私を?」
「…………………。」
風魔は強引に松永の唇を奪った。
もう一人の風魔は松永の乳首を舐めまわし
もう一人の風魔は松永の陰茎を口に咥え
もう一人の風魔は松永の菊門に指を出し入れしている。
そして、風魔本体はその光景を静かに眺めている。
「んん…はぁぁ…たまらないよ…」
松永は悶えながら身体を熱くさせた。
「卿はなぜ私の感じる部位を知っているのだ…ああ、ああ…」
「………………」
そりたった陰茎の裏筋を舌で舐め、陰嚢を優しく撫で、
乳首を噛んだり舐めたり
菊門を指で柔らかくしたり
口の中に舌を這わせ絡める。
「卿は…人には無頓着だと思っていたが…意外だ。
私は各々の中に眠るものを奪うことに執着してきたが、
奪われる事は想定していなかったよ…」
「…………………」
「…北条に頼まれたのか?私を陥落するようにと。
だが生憎私に男色の趣向は…無くてね…」
「…………………」
「ああ、しかし、なんとも心地いい…」
全身を上気させつつ松永は言った。
風魔は自らの反り勃った陰茎を松永の菊門に刺しこんだ。
「…!ああっ…!うう、な、なんて…苦しい…。
し、しかしそこに快楽がある…ああ、屈伏される快楽が…」
「……………………」
荒く息をつき、徐々に冷静さを失いながら松永は悶えた。
風魔は松永の臀部を揉みながら刺した陰茎を上下に動かした。
「…ああ、いい、たまらないよ…。
もっと、もっと激しく攻めてくれ…!」
言われるがまま風魔は激しく松永の菊門に自らを出し入れした。
松永のじっとりと汗に濡れた身体をねっとりと両手で撫で、
松永の頬に自らのそりたった陰茎をぐりぐりと押しつけ
松永のそりたった陰茎を頬張り舐めたり吸ったり裏筋を舌で辿ったり
先端の我慢汁を吸ったり陰嚢を撫で、陰嚢の根元をこねくり回した。
「…そうか、卿は…私に…快楽を…与えようと…いうのだな…。
私が自信や依存や狂喜、心の奥底に眠るその者のあるべき所以、支えを奪ってきた
その…はぁ、はぁ、代償に…」
「………………………」
「こ、これが絶頂…ああ、なんと心地よいのだ…。
満たされる、暖かい、そして締め付けられる…うう、はぁぁ…はぁはぁ、…。
これが…イク、という感覚か…頭の中が…真っ白に…なってきたよ…」
そう言うと同時に、松永の陰茎から風魔の口の中に白濁液がほとばしった。
そして、松永の菊門にも熱い白濁液がほとばしった。
「風魔よ…卿も…心地よかったか…?」
「……………………」
素早く服を身に纏い、風魔は闇へと消えた。
「ふふふ…この私が、戦以外で陥落されようとは…な」
畳にほてった裸のまま横たわり、松永は満足そうに息をつきつつ言った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
全裸でも風魔の仮面はついたまま、というのを補足です。
分身は便利だなー。
生注意。このあと三分割で。
どこにも出せないのでこちらにお邪魔します。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
なんで結婚なんてすんの。
枕を抱え、シーツに頬をつけて、こちらに聞かせたいんだか聞かせたくないんだか、ぎりぎりのボ
リュームで彼がつぶやく。彼が男の結婚について口を出すのは初めてだったのですこし驚いた。いつ
ものように、なにも言わずとも受け入れてくれているものだとばかり、思っていた。
「酔ってんなら部屋帰れ、このベッドにふたりは無理や」
右の甲で彼の腕を軽く数回叩いたが効果がない。「おい、」名前を呼んで手首を掴む。ぐっと力を
込めて起き上がらせようとしたが、彼の身体はそのまま、動かない。
「今日はなんもやらんよ、ここどこかわかってる?」
さすがにそれなりの部屋は用意されているが、当然ここはシングルルームだ。標準以上の体格を持
つふたりが十分にくつろげる広さではない。たった三つの椅子を奪い合う立場にいる以上、翌日以降
に無駄な疲労感を残す行為は致命的だった。
「なんも仕事しないで帰されたいの」
「わかってる」
むすっとした声が返ってくる。ふてくされた態度を隠さない彼の握ったままの両腕に力が込められ
て、彼の上半身が起こされた。
男が椅子に座っているせいで、普段見慣れた角度より十センチほど低い位置に彼の前髪が見える。
伸びた髪が目元を覆っている。(切ればいいのに)自分のことは棚に上げて右手を伸ばしたが、彼の
左手が伸びてきて羽虫を相手にするみたいにぱちんと払われた。冷ややかな視線が向けられるその瞬
間が好きだった。立場を一瞬忘れてしまいそうだ。
「答えてよ。おまえ、なんで結婚すんの。やめちゃえばいいじゃん」
「あほか、やめるもくそも、もう婚姻届出してきたわ。新聞読んでへんの」
「…読んだ」
表情に乏しいのは仕事中だけでいいのだ。本当は社交的で上からも可愛がられる性格をしているの
に、顔で幾分か損をしている。以前なにかの折にそう言ってやったが「きみにそんな顔して言われる
と殴りたくなる」とぎゅっと眉をしかめられた。実際殴ってから言うのは反則だ。男とて自分で選ん
だ顔や身体というわけではないのだから、文句を言われる筋でもない。
「なんで結婚なんかしちゃうかなあ」
「しつこい、うざい、今更言うなや」
「ならいつ言えばよかったの。きみの口からなにも相談だってされてないし、メールだっておれがし
なきゃぜったい送ってこなかっただろ」
淡々と言葉を並べる彼によって、男の前に事実が突きつけられる。なにもかもその通りだ、彼の言
う通り。弁明などできないし、しかしだからといって謝るのもどこか違う。どうしたらいいのだろう
、本当に。彼との付き合いはもう三年以上にもなるのに、機嫌の取りかた一つにしたって手探りだっ
た。「もういいよ」諦めたのか呆れたのか捨てたのか、投げやりな言葉を残して、男の手の中からす
るりと彼の手が逃げる。ベッドのなかに身体が沈む。また、逆戻り。ため息をつきたいのは男も同じだ。
「きっと、おまえはしあわせにはなれないよ」
「なんでや」
しばらくしてぽつんと落ちてきた彼の言葉に反射的に返事をして、すぐに後悔する。聞いてはいけ
ないことを聞こうとしている。これは確信だ。
「だって」指で横に置かれたライトから伸びる紐をくるくるといじりながら、身構えている男の顔を
見ることなく、微笑さえ浮かべて彼はやわらかな声音で告げた。「おまえはおれのことが好きだもん」
反論の余地が男に与えられることはなかった。とん、と静かにその事実がふたりのあいだに晒され
て、男がその意味を求めているあいだに彼はくるんと身体を反転させた。背中を向けてすべてを拒絶
している彼にかける言葉はなにもなかった。男には同意することすら許されてはいない。
「かぎ、そこの、上着のなかだから。勝手に探して」
なにも考えられないまま、言われた通りに壁にかかった彼の服を探る。安っぽいプラスチックのタ
グに繋がれた部屋の鍵はすぐに見つかった。刻印された部屋番号を指でなぞる。男の部屋の斜め前に
ある、同じつくりの部屋。
「あったけど、だからなに」
「おれ今日ここで寝るから、もう疲れて眠くて動きたくないから、だからおまえがおれの部屋にいっ
てそこで寝て。おやすみ」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
チュウトハンパナ オワリカタニ ナッテモウタ… オチガナイヨ 正直スマンカッタ!
>>168 えっ、これもしかしてマイカポー??
と思ってときめいてしまった
関西弁と標準語、婚姻届・・・違うかもしんないけど
勝手にそうだと思い込んで萌えました
樽枠
174 :
電波王 ◆DD..3DyuKs :2007/12/08(土) 14:35:07 ID:7o7ottAi0
ちんこ
ゴ.エモン2、ゴエモン×小竜太です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「うおわああああああ!」
雷鳴の中で遠くなっていく悲鳴が聞こえて、僕はやっと我に返った。
――いけない、ゴエモンさんが!
慌てて引き返し、全速力で悲鳴のもとへ急いぐ。
湖へと落ちていく彼を潰さない様に掴み上げ、陸を目指すために再び空へ舞い上がる。
いや、舞い上がろうとした。
――あれ、体の力が抜けていく?
――駄目だ、このままじゃ……
僕は彼の服を握り締めたまま、ゆっくりと落下していくのを薄れていく意識で感じた。
「ごめんなさい、本っ当にごめんなさい!」
目が覚めたその瞬間から、僕はひたすら謝り続けていた。
ここは竜神湖のほとり。
僕はもともと、ここで竜変化の術の練習をしていた。
最近は一人でだけじゃなく、大江戸城を取り返す旅をしているゴエモンさんが暇を見て練習を手伝ってくれるのだけれど、
未だに失敗や暴走が多く、その度に彼に迷惑をかけてしまうばかりだった。
彼ははぁ……と深々溜め息をついてから、手刀を頭に一撃叩き込む。
「オイラを助けようとして変身解いちゃ意味ねえだろうが」
「ごめんなさい」
「付き合ってやるって言った以上覚悟はしてんだ、気にすんなよ」
彼はそう言って鼻の下を擦ると、すぐさま煙管を片手に立ち上がる。
「悪いと思うならさっさと出来るようにしやがれ。よし、行くぞ」
「は、はい!」
僕もすぐに立ち上がり、彼の後を追った。
次こそは暴走しないように、術を完成させなくてはと思いながら。
しかし数刻の後、
「うおわああああああ」
再び聞こえた悲鳴とともに、状況はまた元に戻るのだった。
「……本当にごめんなさい」
「いや、まあいいけどよ……」
青筋を立てながらそう言われても全くフォローになりませんゴエモンさん。
僕は唇を噛みながら、深々と頭を下げた。
「もう大丈夫です、これからは一人で練習を続けますから。だから、ゴエモンさんは旅に戻ってください」
練習に付き合ってくれることはとても嬉しいのだけれど、その度にボロボロになっていく彼を見るのは正直辛い。
何より此処でゴエモンさんを足止めする訳にはいかないのだ。これ以上は迷惑でしかない。
彼の顔が見たくなくて、僕は暫くそのままでいた。
ボリボリと頭を掻く音がしてから、呆れたような低い声が聞こえてきた。
「……練習は止めねえんだな?」
「え? も、勿論です」
「そうか」
ゴエモンさんは俯いたままの僕の頭を一撫ですると、
「なら頑張れ。オイラもさっさと終わらせて、またお前の練習に付き合ってやるからよ」
そう言って、不敵な笑みを浮かべていた。
「……じゃあ、勝負しましょう。平和になるのが先か僕が術を完成させるのが先か」
「おっ、言うじゃねえか。相手してやるぜ。まあオイラの勝ちだろうけどよ」
そんなこと言ってたら泣きを見るんですからね。それは心の中でだけ言って、僕は顔を上げた。
「頑張ってくださいね」
「おうよ、小竜太もな」
ゴエモンさんはそう言って立ち上がると、ゆっくりと先へ向かっていく。
彼は雷雨を抜けていくその前に、一度だけ振り返った。
「そーいえばよー、おめえ、なんでそんな術練習してんだー!」
僕はうまく聞こえなかったフリをして、大きく手を振った。
「いや、そーじゃなくてよー!」
これも聞こえないフリをする。
そして僕は彼に背を向けて走り出した。目指すは湖。もう一度練習をするために。
「小竜太ァァァ!?」
そのまま空へ舞い上がる。
だって言えるわけがない。叫ばないと声が届かない状況でそんな恥ずかしいことが言えるはずないじゃないか。
「大好きな人のためです」
「あなたの役に立ちたいからです」
なんて、そんな恥ずかしいことは。
数ヶ月後。
九州が空に舞い上がった事件が起きた。
「またお前か」
いやもう本当にごめんなさい。
何度も大地に叩き落としてしまったゴエモンさんに向けて、僕はまたひたすら謝っていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
竜神湖ステージは小竜太の修行に付き合っているんだ、という脳内妄想。
>>175 GJ…!!まさかこんなとこでこのカポーが見れるとは…!
>>163 全裸全裸書きすぎ吹いたwww
出来ればまっつんには髪を下ろして頂きたかった
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|
>>65-71のオリジナルものの続き
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 先輩×後輩って設定しか考えてないまま
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 改行マンド゙クセ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
くしゅんと可愛らしくくしゃみの一つでもして、俺は思い立った。
これはいい加減にコタツを出すべきなのではないかと。
折りよく今日は土曜日、休みの日だからこそ、思い切って押入れの奥にしまい込んだコタツとコタツ布団一式取り出して、ついでに押入れの中も整理することができるじゃないか。
そういうわけで早速コタツをセッティングしたのはいいものの、困ったことに延長コードが見当たらない。コタツを移動させるか、延長コードを探すためにもう一度押し入れの奥に潜り込んで引っ掻き回すべきか。
しばし考え、再びくしゃみを一つする。そして、結論が出た。早速、携帯引っつかんで、アイツの携帯番号にかける。
呼び出し音が延々と続くが、これがなかなか繋がらない。一体何をしてやがるんだ、とイライラし始めたところで
ようやくアイツの声が耳に飛び込んできた。
「なんのご用件ですかー?」
こちらを待たせたくせに、緊迫感がまったく感じられないマイペースな口調。
「飯を作ってやるから、うちにこないか」
「は?」
「だからさ、お前にただ飯を食わせてやるから、お礼におつかいしてきて欲しいんだよ」
すると、なにやらため息のようなものが聞こえてきた。けれども構わず俺は続ける。
「せっかくコタツを出したのはいいんだけどさ、延長コードがどっか行っちゃって使えないんだよ。なあ、頼むよ。
俺とお前の仲だろ」
仲だろってところを思いっきり強調して、相手の出方を待つ。
「……せっかく買い物中なのに。ここから先輩の家へ行く交通費で十分飯が食えるんですよ?」
不服そうだけれども、あともう一押し。
「買い物ついでに頼むよ。寒さのあまり風邪引いて倒れたら、責任もって付きっ切りで看病させるぞ、おらぁ」
初めは猫なで声、途中から思いっきりドスのきかせた声に切り替えた。
「はいはい。分かりました分かりました。じゃ、俺今忙しいから切りますよ? しっかり厚着をして待っててください、
分かりました?」
ぷつん。
あっさりと向こうから電話が切られてしまった。これじゃ色気もなにもあったもんじゃない。
もうちょっと他に言うことは無いのだろうか。
しかし、これでめでたく今日中にコタツを使えるメドはついた。
達成感に満ち溢れた俺は鼻歌を歌いながら軽やかな足取りで木枯らし吹きすさぶ中、
近所のスーパーへ買いだしに行く。そして、そのスーパーでも延長コードが売られている
ことに気づいたが、あえて買わずに帰宅する。
一体、なにをやってるんだか。俺は。
待っているのは、暖かいコタツなのか、それともアイツなのか。
横目で居間を占領するコタツを睨みつけながら、大きく深呼吸した。
今日の飯は、鍋物。そして、デザートにはミカン。冬のコタツにはぴったりだろ?
チャイムが鳴り響いた。俺は一直線にドアまで駆け寄り、鍵を外して開け放つ。
ひょろりとした長身の男が、ぼーっとした表情で、
「ども。買って来ましたよ」
そう言いながら家電屋の袋を俺の目の前に突きつける。
それを受け取りながら、俺が
「よっぽど飯が食いたかったんだな」
と軽口を叩くと、寒風から身を守ろうと我が家の玄関に押し入ってきたコイツは、
「先輩に会いたくて来たって思わないんですか?」
しれっと返す。あまりにあっさりした口調だから、からかわれているのか、それとも
本気で言ってくれているのかよく分からない。それが実に悔しい。
「どうせ、俺に会いたくて来たんだろって言ってたら、飯食いに来たって言うんだろ」
「うーん。どうだろう、分からないなあ」
今までの能天気な面から一転、真剣に眉根を寄せて考え始めるのが更に悔しさに拍車をかける。
手を伸ばしてぐっと耳たぶを引っ張ると、それに合わせてヤツは屈みこんできた。そして、躊躇うこと
なく触れ合う唇と唇。ヤツの腕が俺の背中に回り込み、俺はヤツの背中にしがみつく。
自分の思いを伝えるのに言葉はいらないということを互いに確認し終えて、俺達は抱擁を解いた。
「で、ご飯まだですか」
微妙に顔を逸らしながら、わざとらしくヤツが腹をさすり、俺は俺で
「コタツが先」
と言って背を向ける。
そして、飯より先にすることに「セックス」と言えたらな、とふと思ってしまった。まるで余裕の無い
エロガキそのままの発想だけれども、キスに慣れても、なかなかその先には進めないでいる
もどかしさもまた、俺は感じていた。
「今日のご飯はなんですかー」
後ろの可愛い後輩は、飯をお預けされたもどかしさを感じているようだったが。
一つのコタツで暖を取りつつ、一つの鍋を突付きあう男二人。それは世間一般からは寂しい
独り者の男二人としか見られないのだろうな、等とガラにも無く悩みそうになったが、いざ鍋を
前にするとそういう小さいことは頭の中から消し飛んだ。
出汁がちゃんと沸騰するまで、具を投入しない! 先にツミレを入れろ! 煮立ってきたぞ、
もっと野菜を投入だ。
「先輩って鍋奉行体質ですよねえ。助かります」
初めは俺が的確に指示を出していたのだが、コイツがまったくついてこれずにトロトロとしている
ものだから、堪えきれずに鍋の支配権を全て俺が握った。もちろん、アイツが食う分も、俺が
手ずから器に盛る。ヤツのすることは食うことだけ。
「でも、先輩の方が肉多くないですか?」
当たり前だ、馬鹿者。こっちが金と労力出しているのに、美味しいところを独り占めする気なのか?
恨めしげな視線を心地よく受け止めながら、豚肉をぱくりと頬張り、噛み締めるとうまみがじわっと
咥内に広がっていく。適度な柔らかさ、適度な歯ごたえ。肉を食っているという満足感が幸福感へと変換される。
「ところで、俺が携帯かけた時、お前忙しそうだったけど何してたんだ?」
「服買いに行ってたんですよ。ジーンズの新作が入荷されたって聞いたから」
「でも、売り切れてたんだな」
延長コード以外の手荷物は無かったもんな。
「違いますよ。今、はいてるんです。お店でそのまま着てきちゃいました。だからぴかぴかの新品です」
「そのまま?」
ニコニコと邪気の無い笑顔で、ヤツは明るく胸を張って答えた。
「俺、ジーンズの裾は切ったことないんですよ」
「それは俺に対する当てつけかっ!」
コタツの中で足を伸ばして、一発ケリを食らわしてやる。すると、もくもくと白菜を口に
運びつつ、相手も反撃に出てきた。つま先が太ももを掠める。俺も更に負けじとヤツの
ふくらはぎに足の裏を押し付けてみる。
軽いじゃれあいのつもりだった。だけれども、いつの間にか俺たちは無言で狭いコタツの中で、
互いの脚を絡ませあっていた。抱きしめあうのとはまた別の不思議な密着感に、俺の心臓の
鼓動が跳ね上がっていく。向こうも同じ気持ちなのか、もぞもぞと脚を動かしてはいるが、
それは俺の動きを拒否するのではなく、むしろ誘っているように感じられた。そう、自分から股を
開いているような動きだ。
高ぶる気持ちに合わせて、むらむらと悪戯心が湧き上がってくる。コタツの中に更に身体を進めて
いった。
そして、思い切りつま先を伸ばして股間に触れる。相手が腰を引こうとする気配を感じ、すかさず
つま先に力を込める。布越しに、柔らかな肉の感触が伝わってきた。
「……っ」
言葉にならない叫びを発して、ヤツが俯く。さらに俺は力の加減に細心の注意を払いつつ、
つま先を動かし続けた。
「……ちょ、それは、しゃれに……ならない」
呼吸が乱れて、苦しげに声が漏れる。そうだよな、男だもんな。俺も、アイツも。ジーンズの中、下
着の中は、大変なことになってるだろう。目には見えないが、触れる感触から察することは容易だった。
「気持ちいいだろ?」
もっと余裕を持って言うつもりだったのに、俺の声も小さく掠れている。背を丸めて、苦しげに息を
ついている相手を更に追い込んでいきたい。行き着くところまで行ってしまえばいい。
押し殺した低い喘ぎ声が、ヤツの食いしばった唇から漏れた。
この、俺も、苦しい。刺激を与えているつもりなのに、逆に与えられている。
二人の呼吸が荒くなっていく。
あと、もう少し。
「だから、ダメって言ってるだろ!」
泣き声が鼓膜をつんざいた瞬間、形容出来ない衝撃が股間から頭のてっぺんまで
一直線に身体を貫いた。
一体、なにが起こったのか理解できず、ただ仰向けにひっくり返った。灰色の天井が歪んで
見えるのは、涙が滲んでいるからか。
「ご、ごめんなさい」
戸惑いの表情で覗き込むヤツの瞳にも涙が滲んでいる。だけれども、涙の意味はまったく違う。
コイツのは快楽の涙、俺のはただただひたすら苦痛の涙だ。
ようやく俺は何が起こったのか理解できてきた。
ヤツのながーい脚が確実に俺の股間を捕え、急所を内臓にめり込まんばかりに蹴ったのだ。
俺は、コイツのをこの上なく優しく扱ったのに、この差は何なんだ!
グッと唇を噛み、コタツ布団を握り締めて、ひたすら痛みに耐える。
「このままだと、ジーンズ汚しそうだったから」
言い訳なんて、聞きたくない。この痛みさえなければ、コイツの今にも泣き崩れそうな顔を
じっくりと観賞できたのに。
「もしも、不能になったら、どうしてくれるんだよ」
色気の無い喘ぎ声も交えつつも、ようやく意味ある言葉を吐くことが出来た。
ずるっと鼻水を啜り上げて瞳を擦り、ヤツが答える。
「俺が先輩を掘る方になって、たくさん慰めてあげます」
それは違う、違うんじゃないか。
言葉にならず、ただパクパクと口を動かす俺に対して、ヤツはぎこちなく微笑んで、
「でも、その前に本当に不能になっちゃったのか、まず確かめてからですよね」
そう言って、俺の頭を大きな手のひらで撫でる。髪をぐしゃぐしゃにかき回される感触が
心地良くて、俺は瞼を閉ざす。
それにしても、この発言はつまり「抱いてみろ」という意味だよな。こっちがその気を無くす
ようなことした後に、こんなこと言うなんて……。
「まだ痛みます?」
今流すのは、悔し涙だ。ちょっと嬉し涙も混じってはいるけれども。
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>>182 GJ!この二人の今後の展開が気になるよ!
後輩も可愛いけど先輩も可愛いなw
>>182 続き乙。2人ともカワユス
年の差&体格差も萌えです!
>>182 続きktkr
今回も萌えた。ありがとう。
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| いきなりやってますが気にしないでください
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ぎしっ
ベッドがきしむ。不安げに見上げてくるその顔が、たまらない。
薬によって頬は上気し、体に服が、指がふれることさえ快楽に変わっているようだ。
これはチャンスだ。
とはいっても心の奥底に眠るこの思いを。あの人間の老婆は見透かしているのだろう。
だからこのような要求をしてきたのだろう。
これはチャンスなのだ。
ただ、友人として接してきた関係が壊れるのを、どこかで聞いた気がした。
二日前
「すまないな、お前にまでこんな所までつき合わせて…」
ダークエルフとエルフのハーフであるスペルは、赤い瞳をこちらへ向けた。
ダークエルフの血が入ってるとは思えぬほど白い肌、長くみつあみにされた金の髪はとても美しく、女に見えても仕方ないと思う。
ただその赤い瞳は、ダークエルフそのものである。
とはいえ幼少期からその血のせいで村中から迫害されてきたのだ。
ただ一人、その村のエルフ、クィンだけが好意を持って彼に接してきた。
最初は心を閉ざしていたスペルだったが、半ば強引に仲間になり、接するうちに、友人として笑顔を見せてくれるようになった。
そう、クィンはスペルの事を見てきた。
クィンは、幼いころから彼のことを。
「いや、大丈夫さ。ケイがあんな状態じゃ、何人かはついていてやらないとな。お前一人では危ないし、そう思えばこの坂道だって…何とか…きっついけどな」
ケイは腹違いの、スペルの弟だ。
人間とエルフとのハーフになる彼は今、魂を死神に持っていかれている。
その魂の行方を追うべく、この山を登っている。
この山の頂上には、占い師が住んでいるという。
「なんだって人間てやつぁ、こんな山のてっぺんに住みたがるかね」
とても森を愛する種族とは思えないせりふである。
昔から、クィンはほかのエルフとは一風変わった存在だった。
だからこそ成長したスペルを見て、心底惚れ込んでしまったのかもしれない。
中空に月が浮いている。
まん丸の月は雲と雲の間で美しく光っている。
その明かりを受けながら、スペルは微笑んだ。
「疲れたな、今日は休むか?」
得意の魔法で火をつけると、枯れ木に火を移す。岩場のちょっとくぼんだところに二人は腰掛けると、ぱちぱちと音を立てて燃える火を見つめていた。
エルフには火をつけることはできない。
火は破壊の象徴だ。それを付けることのできるのはダークエルフと人間だ。
ダークエルフの血の入ったスペルは、とても攻撃魔法に強い。その細い体のどこにそんな力があるのかと思うほど、攻撃魔法を繰り出して戦う。
だが、今となりにいるのは疲れてため息をつく、頼りなげな青年。
弟のことを案じているのか、顔色が悪い。
さらりと流れる髪が美しい。
「大丈夫か」
「…うん…」
少しの沈黙の後、スペルが口を開いた。
「ケイ…大丈夫かな…これでケイの魂がどこにあるのかわかるなら、何でもする…!」
大丈夫、魂の輝きはうせていない。
死神さえ何とかすれば、魂は戻ってくるのだ。
その死神と魂さえ探し出せれば!
「…気持ちはわかるが…無理すんなよ」
クィンはスペルの肩をぽんぽんと叩いた。
それが二日前。
それがなんでこんなことになったのだろうか。
自分たちはその後、山の上に立つ小さな小屋を見つけ。そこに住む老婆を訪ねた。
何もかもを見透かしたような顔でクィンを見ると、二人を家に入れ、部屋をあてがった。
だが占いをするには条件があるという。
その部屋で。
クィンが、スペルを抱けというのだ。
最初は戸惑い、クィンは断った。
だがそれではきた意味がない、と、スペルは受け入れた。
クィンはスペルの肩をつかむと、本当にそれでいいのかと問いかけた。
彼は、困ったように言った。
「あ…お前が嫌なら…考える」
「嫌じゃない!」
「え」
一瞬あっけにとられたような表情をすると、悲しげに微笑んだ。
「ケイの命が助かるなら、私の体くらいどうってこと無いよ」
体くらい?
その程度にしか考えてないのか?
そう思ったが、あえて口にしなかった。
本当は今すぐ抱きたい。その唇を奪いたい。
苦虫を噛み潰したような表情で、スペルを抱きしめる。
こうして抱きしめたことすら初めてだったかもしれない。
だが決心とは裏腹に、腕の中のスペルは震えているようだった。
ベッドがきしむ。
そんな音さえ卑猥に聞こえる。
老婆とその下僕が見守る中、体を寝台に横たえる。硬い木に布を覆っただけの寝台に、横たわっている。
普段は同室だ。いつも見慣れた光景が、今では違って見える。
美しいスペル。このまま、このまま。
「風呂が沸いておるぞ、長旅だったろう、する前に入ったらどうかね?狭いから一人用だがの」
その言葉に飛び起きたスペルは、着替えを持って、下僕に風呂場に案内された。不安げな視線からすると、やはり怖いのだろう。
誰もいなくなった寝台に腰掛けると、腰を曲げた老婆が杖をついてやってきて、愉快そうに尋ねてきた。
「気分はどうかね?わしは何でも見えるぞ、おぬしの深層心理もな。心の奥で、あの美しいハーフエルフを抱きたかったのだろう?」
「…」
クィンは少しむっとして、顔をそらした。
「何も異常な性癖だとは思わんよ。それよりあのハーフエルフ、童貞で処女じゃな。まったくの未体験者じゃ」
男も女も相手にしたことが無い。
その言葉に、反射的にクィンは老婆を見つめた。
「…」
「本当じゃ、わしの勘は当たるでな。おぬしが初めての相手となるわけじゃ。そうじゃのう…」
なにやら近くの、大量の薬ビンが入ったたなから、一つの小さなビンを取り出した。
中にはクリーム色の軟膏が入っている。
「なんだ…これ?」
クィンはそれを受け取り、蓋を開けて中を覗いた。甘いにおいがする。
「すべりをよくする薬じゃ。追加効果も入ってるでな、それを使ってゆっくり楽しんでおくれ」
けらけらと笑う。この老婆は何を考えているのだろう。
「本当にこれでケイの魂の居所を探ってくれるんだな?」
「もちろんじゃ」
しばらく話し込んでいると、湯船から上がってきたスペルがいた。バスローブを着て、そのバスローブから見える胸板はピンク色に上気していた。
髪は解いて、ゆるいロングのウェーブになっている。
一瞬見ほれてしまったが、すぐにスペルの言葉に、はっと現実に戻される。
「…クィンも入ってきたら?」
少しうつむいて、恥ずかしそうに。
クィンがベッドから離れると、今度はスペルがベッドに座った。髪はまだ濡れて冷たい。
「じゃあ、はいってくるから」
すぐに出よう。心の中ではやる気持ちを抑えながら、風呂場へと向かうクィンだった。そのクィンを見送って、スペルが手を振る。
「いってらっしゃい」
浮かべた笑顔は頼りないものだった。
クィンの姿が見えなくなると、うつむいて床を見つめた。不安げな顔は、誰が見ても分かるほどだった。
「不安かね」
老婆は言った。
「あ…はい…」
「いい薬があるでな。飲むか?」
またしても老婆は棚をあさる。出したのは、黄色や赤の粉薬だった。
「ある植物の根から抽出した薬さ。飲めば不安なんてものはなくなるさ…、気持ちよくなりたいだろう。痛いのなんてごめんだろう?」
「私は…その」
老婆は台所から、おわんに水を入れ、粉薬を溶かした。
溶かした水はとても綺麗なオレンジに染まり、その水面にスペルの顔を映した。
「経験がないんじゃろ」
「!」
赤くなってうつむくスペルの頭をなでると、老婆は薬を勧めた。
「そう赤くなるな、悪いことじゃないさ。だが男が男に抱かれるときは、どうしようもなく痛いと聞くのう」
「私は…」
「なんじゃ?」
「いえ…薬を飲めば…少しは…よくなりますか?」
薬を受け取って、オレンジ色の液体を見つめる。
「少しはよくなるじゃろ」
その言葉に、スペルは一気に飲み干した。
甘くもなく苦くもなく、ただの水のような味に、スペルは首をひねった。
本当に薬が入っているのだろうか。
しばらくはなんともなかった。
やがてクィンが風呂から上がった頃、その薬は効果を示しだした。
スペルがうずくまる。
カラン、と椀が床に転がった。
「あ…」
熱い。体が熱い。
「熱い…あっ…」
大きく呼吸をするスペルを見つけたクィンが、あわてて近寄る。背をなでようと触れた瞬間、大きく体が跳ねた。
「あっ!!さ、触らないで…」
熱い体に触れられて、すべての神経が敏感になっているようだった。
「…おい!!何した、スペルに!大丈夫なのか!?」
「媚薬じゃ。痛いのが嫌だというでな。ほれ、支度せんかい、辛いまま待たせとくつもりかの」
うずくまるスペルの体に触れて、何度か嫌がったが、それでもそのままベッドに押し倒す。
荒い息を上げてスペルが毛布をかぶる。
クィンは、バスローブの腰紐を解こうとしたが、まだその場にいる老婆をにらみつけた。
それに気づいた老婆は笑いながら下僕とともに、部屋を出て行った。
「おおすまんすまん、軟膏を塗るのを忘れずにな」
パタン、と音がして、扉が閉まる。
あたりはスペルの荒いと息だけが響いた。
「…苦しいか?スペル」
赤い顔をしながら、何度かうなずいた。
その額に口付けて、ゆるく笑った。
「楽にしてやるからな…」
そういうと、
バスローブの紐を解く。
ただし裸になるわけではない。少し肌寒いので、毛布を剥ぎ取って自分にかぶせた。その際、スペルを組み敷く形になった。
「ちょっと寒いな。大丈夫か、スペル」
「私はっ、あ、熱い、体が熱くて…はあっ、何とか、して…」
熱い視線、乱れる吐息、乱れた着衣。
何とかしてと訴えてくるその視線。
頭を軽く持ち上げてやると、そのままクィンはスペルに口付けた。
何度も何度も舌を絡ませて、唾液を飲み込んで。お互いがこれから行う儀式を暗示させるように。
「んっ…はあっ…」
初めての口付けに、戸惑うスペル。それでも振るえる舌を捕まえて、舐めあげて行く。
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| | | | ∧_∧ 長くなったのですん止め
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>135
亀ですがヒントをお願いします…!!
誰のことなのやら気になって気になって
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| 萌えが滾ったのでTOIのハスタ×リカルド
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| エロ無い上にネタバレ注意ダヨー
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
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糧食の燃える臭いがする。
それは己の作戦行動の成功を如実に伝えていた。
穀物が焼ける臭いに混ざる死体の焦げた臭いが、慣れたものだと言っても鼻に付く。
しかし、今は饐えた臭いを厭う嗅覚よりも、目の前の男が問題だった。
同じ傭兵部隊に所属している、いや、所属していた男、ハスタ。
そして今、己に唐突に牙を剥いた。
レグヌムの軍勢は戦況を不利と見るや退却したのだろう。
おおよそ戦場に似つかわしくないガキ共が去った後、戦場には己とハスタしか居ない。
己と相対するハスタを目を眇めて観察する。
大振りの槍をふざけたように構える立ち姿の後ろを、黒い煙がゆっくりと流れ、
焦点の曖昧な赤い瞳が、今は炎を反射してちらちらとオレンジ色に輝いている。
いずれも見覚えのある光景だ。
もっともそのときは共に戦場を駆け巡る同志としてだったが。
――同志?冗談を言うな。こいつと同輩になった覚えは無い。
「先ほど言った通りだ。軍法に代わり、貴様を処分する」
ハスタが、さも待っていました、と言わんばかりのにやけ顔を浮かべる。
まだ十代の面影が残る顔立ちで形作られる笑みは、見る者を不快にさせる要素を持っている。
黒い銃口は寸分違わずハスタの額に照準を付けていた。
狙いを違える距離ではない、それはハスタにも分かっているはずだが、
まるで頓着した様子も無く、不安定に体を揺らしながら笑っている。
「やあやあやる気になって嬉しいね〜。…ところで、あんた誰?
2年前に公園の前ですれ違ったマリアンヌちゃん?あらまぁ大きくなっちゃって〜。お母さんは元気?」
愚にも付かぬ軽口が返って来る。いつものことだ。
眉を動かす手間さえかけてやるつもりもない。
元より敵意を持って相対する者相手に一欠けらの躊躇を覚えたりはしないが、
この男が相手なら、トリガーを引く感触を羽毛より軽く感じるだろう。
「それともオレの脳内お花畑に定住している小人さんかなぁ。
どっちにしても、ザックリ血祭りに上げ――」
奴が全てを言い終える前に、引き金を引いた。
軽い音が響き、ハスタの体が見えざる手に押されたように傾く。
大きく仰け反った体を前に引き戻し、足に来たのだろう、そのまま膝を付く。
咄嗟に避けたのか狙いがブレたのか、頭ではなく肩に着弾したらしい。
上着の赤い色を濃くするように、肩口に滲んだ血が版図を広げる。
「貴様の冗談は聞き飽きた。あの世で好きなだけ喋っていろ」
俯いたハスタの顔は伺えないが、漏れ出る哄笑で、恐らく笑みの形を作っているのだと推測する。
無駄な推測だ。もう終わらせる。再び眉間に銃口を合わせる。
腹や肩に何発打ち込んだとしてこいつの生命活動を阻止出来るとは思えない。取り逃がしても後々面倒だ。
きっちり脳漿をぶち撒ける必要があるだろう。
一瞬にも満たない思考を巡らせた後、トリガーに掛けた指に力を加える。
その気配を察したかどうかは分からないが、男が言葉を発したのは同時だった。
喉から隙間風を吐き出すような耳障りな笑い声が止まり、
「あんた、ヒュプノスだろ?」
――今なんと言った?こいつは――
驚愕が顔に出たのだろう。動揺を鋭く察知したハスタの動きは素早かった。
一瞬にして俯いた顔を上げ赤い目を閃かせ、獣のような跳躍で俊敏に距離を詰める。
しまった、と思ったときにはもう遅かった。
すれ違い様に首を掻き切る軌道を描く三又の槍の矛先。
咄嗟にライフルの銃身を斜めに持ち替えて首元を守る。
「――ッ…!」
ギャリ、とも、ガリ、とも付かない音が響き、一瞬の交錯が終わる。
銃身越しに感じるインパクトが重い。手負いの人間が、しかも片手で振るった槍のはずなのに。
通常の人間には到底出来ない芸当だ。――やはり、そうなのか。
半身を翻らせてハスタの位置を確認するべく振り返りながら、攻防の結果に一瞬で頭を巡らせる。
痛みはない、血の噴出す感覚も無い。無傷だ。
ハスタの姿はすぐに捉えることが出来た。
先ほどと位置を逆転させ、熱風の風上に立ち、愉悦とも狂気とも取れない表情を浮かべ、
あろうことか、どこに隠し持っていたのかオレンジグミの包装を歯で破り、口の中に放り込んでいる。
今すぐにでもふざけた頭をブチ抜いてやりたいところだが、槍の一撃を受けた腕が痺れ、照準が付けれそう
にない。
全ては一瞬でも隙を見せた己の失態だ。内心激しく叱責しながら眉頭を寄せる。
その俺の反応を面白がってか、ハスタはさも真面目そうに顔を整え、両手をそろえて直立する。
「しゃきーん!オレンジグミが美味しいので、帰らせていただきます!
また夜空が綺麗な夜にお会いしましょう!」
秋の天気のように移り変わる口調の最後に――いや、秋の天気などというものではない、
狂気の為せる技だ―低く囁くようにして締め切られた言葉を残し、ハスタは煙の向こうに消え去った。
横切った風の一陣が煙を綺麗に払い去ったとき、ハスタの姿はどこにも見当たらない。
「……やれやれ」
肩口に銃剣を預け、嘆息と共に吐き出す。
どっと疲労が去来する。あの男と相対すれば、大抵の人間はそうなるだろう。
確かオレンジグミを一つだけ所持していたはずだ。
すり減らした精神力を回復するべく、懐に手を入れる。
――やつも転生者なのは間違いない。だとしたら少々面倒なことになる。
いや、それより次の依頼はなんだった。そうだ、あの少女を探しに行かなければ。名前は――
巡らせていた思考が、唐突に中断する。
「……あいつ」
懐から出した指先は何も掴んではいない。
今指先が摘まんでいるはずのものは――そうか。
「……この分も、まとめてお返しをするべきだろうな」
語尾に溜息が混ざる。
新たにTPが1ポイント減る音を、どこかで耳にした気がした。
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| | | | ∧_∧ 分割ミスった、ゴメン。ハスタの台詞回しがムズカシイヨー
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>>201 なんという寸止めww
じっくり読んでただけに吹いたw
>>154 蜂王子くんかわいいよ蜂王子くん
青猫と愉快な仲間達のじゃれあいは萌ゆ和む(*´Д`*)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 二回目です。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 前回はすん止め失礼
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
クィンは、自分の心臓の音が今までになく鳴っているのを感じた。
今まで色んな女性と交わってきた。それでもここまで夢中にはならなかった。
だが今は、はやる気持ちを抑えるのが精一杯だった。
濃厚な口付けに、頭の芯がくらくらしてくる。
スペルは常初めてのことに、すでにくったりとクィンに体を任せていた。
不思議と嫌悪はなかった。
クィンは、スペルのバスローブの紐を解いた。
首筋に噛み付くように口付けると、手は胸を這った。
きゅ、と、胸の突起をつまんだ。這われるだけでたまらなかった体が、びくんと跳ねた。
同時に甘い声が、室内に響いた。
「あ!ああっ、クィ…ン、っ…」
首に噛み付いていた唇は、首から離れた。首にはしっかりと跡が残っている。
自分のものだと主張するような後を眺め、指でなぞった。
そしてもう片方の旨の突起に触れると、指の中で転がした。
「ああ!ん、はんっ、ああ!!」
スペルの体がたまらないといったようによじれる。
それを強く吸うと、クィンの頭を抱え込んだ。
「や、やだ、おかしくなるっ、クィン!」
「へえ、スペル、ここが弱いんだ。それとも薬で敏感になってるだけか?」
そういうと、スペルは赤い顔を更に赤くさせて、そっぽを向いた。
まだ余裕があるんだな、と思うと、いろんなことをしたくなる。
普段見せない恍惚の表情をもっと見ていたくなる。
突起をいじっていた指は、腰紐の解かれたバスローブの下へもぐりこむ。
そしてすでに勃ち上がっていたものをつかむ。
「!!」
しごき上げようとしたその手をつかんだのはスペルだ。
「あっ…やっ…やめ…」
だがその手も震えて弱々しく、簡単に手が動かせてしまう。
しごけばスペルの声が上がった。今まで自分でしたことはなかったのだろうか?
「ああっ、やあっ、知らない、こんなの知らない!」
「スペル…自分でしたことないのか?」
しごき上げながら、耳元でささやくて、スペルが、涙目でクィンを見つめた。
「あ、ああっ…、…何、を?」
衝撃だった。女も知らない男も知らない、自分でしたことがない。
そんなのがいるということに驚きだったが、真っ白なスペルをこれから自分が犯すという感覚に、異様な興奮を覚えた。
「いや、なんでもない」
すでにねっとりとしていたが、さらに湿り気を帯びてきたそれをしごく手にも力が増す。とりあえず快楽だけは教えてやろう。
「あっ、あっ、あ、ああっ、はっ、クィン…!」
しがみついてきたスペルの背をさすりながら、片手で先端に爪を立てる。ひときわ高く声を上げ、達した。
精液が手にまとわりつく。
これだけで潤滑剤の役割をするなら薬はあまりつかいたくないが(何がはいってるかわからないから)、ためしに後孔に指を這わせた。
しがみついていたスペルが顔をあげる。
「な…に?」
不安げな表情にそそられる。少し意地悪気味に、クィンは答えた。
「ここに、俺のを入れるんだよ。そのために慣らすのさ」
ぐ、と指を入れると、異物感にスペルは固まった。
そのまま指が根元まで入るが、それではきつかった。
慣らそうとするが、やはり例の軟膏を使うしかなさそうだ。
「痛いか?」
「う、ん」
指をはずすと、ベッドサイドにおいておいた軟膏に手を伸ばす、クリーム色の甘いにおいのするそれに、どんな効果があるのかは知らないが、大体予想はつく。
軟膏を多めに取ると、中に塗りこんで行く。
「冷たっ…!」
中は絡み付いてくるように熱かった。
薬のせいだろう、こんなに熱いのだから。
早く入れてしまいたい衝動を抑えながら、丹念に塗りこんで指を増やして行く。
スペルはクィンにしがみついたままだ。息がだんだん荒くなってくる。
「大丈夫か?」
「あ、あ、なんか、変、すごく…へんなかんじ…これも薬のせいなの…?それとも、それのせいなの…?」
中がじんわりと熱く、むず痒くなってくる。
中をかき乱されたい欲求が上がってくる。
「あ、あ!クィン、早く…早く…!」
夢中ですがりついた。
息は荒い。薬の上にこの軟膏の効果だ。もうたまらない。
「待ってろ…」
己のものをあてがう。散々嬌態を見たうえで、性器はすっかり硬く立ち上がっていた。
ずぶずぶと中に入るたび、スペルからは甘い声が上がった。
(痛くねぇのか?…薬の効果か)
熱くて狭い中は心地よかった。初めてのはずなのに、まるでクィンを歓迎しているようだった。
クィン自体も男とするのは初めてだが、やり方は知っていた。
スペルが好きだから。それだったらどんなことでもやってやろうと思った。
そしたら来た難題が、スペルを抱けだという。
スペルがどう思ったか知らない。本当にいいと思ったのかも聞けなかった。
けれどこれは、チャンスだと思った。
体を動かしながら、スペルの嬌声を聞きながら、そんなことを考えていた。
しがみついてくるスペルの顔はよく見えなかったが、突く度に喘ぎ声がひっきりなしに上がる。
そろそろ絶頂が近いのかもしれない。
「ああっ、あっ、ん、んあっ、あああっ、あっ!クィン、体が…熱い、あっ、ああっ!あー!!」
スペルが達したと同時に急な締め付けに、クィンも刺激される。
中で出すか迷った挙句、引き抜いてスペルの腹の上に出した。
くったりとベッドに倒れこむスペル。
その艶のある表情を見ていると、萎えたはずのものがまた復活するのがわかった。
ずくん、と、下半身がうずく。
スペルをうつぶせにさせると、腰をつかんで中へ入れる。
休むまもなく突き入れられて、びくんと体がしなった。
「あ、クィン…?」
「わり、我慢出来ない」
怯えるスペルですら情欲を掻き立てる材料にしかならない。自分の我慢が珍しくも利かないことに、クィンは苦笑した。
ずぶずぶと中へ入れると、今度は激しく突き上げた。
後ろからの攻めに、新たな快楽を得たスペルの体は、水から上がった魚のように跳ねた。
「あっ!ああっ、あん!あ!あ!あ!だ、だめ、激しく、しない、で!」
腰を突き動かして、奥へ、奥へと突き上げる。
そのたびに声を上げるスペルを愛しく思う。こんなに美しい。乱れ、顔を赤らめて喘いでいる。
ゆるいウェーブの金髪が、回送のように波打って汗ばんだ素肌にまとわりつく。
自分のばさばさした長い黒髪とは違う、肌理の細かい長い髪の毛。そして綺麗な肌。
このスペルを犯しているのは自分なのだ。
否、犯してるとは違う。
愛している。愛し合っている。相手がどう考えて自分に抱かれているのかは分からないが、この行為は愛し合う行為そのものだ。
そういえばクィンは、この思いを伝えていないことに気づいた。
二度目の絶頂を迎える。今度は、中で出した。
ゆっくりとスペルの上に倒れこむと、その耳元でつぶやいた。
「好きだ」
「…?」
不思議そうな顔をして、体を起こしてクィンの顔を覗き込む。
「聞こえなかった…なんていった?」
そこで苦笑して、なんでもない、と、己のものを引き抜いた。
「ふぁっ」
ひくんとスペルの体が反応する。
やがてスペルはゆっくり体を動かした。力が入らないらしい。
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| | | | ∧_∧ 楽しんでいただけましたか?
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>>204 GJです!!!!
あの電波っぷりが再現されてて萌えました
リカちゃんの胸元に手つっこんだのか・・・・w
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| アイシ三兄弟 長男×次男
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| とりあえず寸止めまで抜粋。
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 付き合ってる前提で宜しくです。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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フローリングや弁当の空き箱を片付けたりしているうちに、いつの間にか黒/木は風呂から上がったみたいだった。
なー十/文/字着替えは?と大きな声がしたので、急いでその辺のTシャツと短パンを掴んで脱衣所まで行く。
「おーありがとー、バスタオル勝手に借りたぜ」
「―つーかな、お前ちゃんと髪の毛拭けよ」
Tシャツを被る黒/木の頭からは、まだかなりの水滴が滴り落ちて、床に小さな水溜りでも出来そうなぐらいだ。
こいつ、髪の毛長いのにちゃんと拭かないからすぐ湯冷めして風邪なんかひくんだろう。
貸してみろ、と黒木/の首にかかっていたバスタオルを取り上げてがしがしと髪の毛を拭くと、黒/木はくすぐったそうに笑う。
終わった後に首をぶるぶる振るのがまた犬っぽくて、思わず吹き出した。
「ホント、犬みてー」
「何だよ犬って!」
むくれる黒/木を尻目に、俺もシャワーを浴びようとシャツのボタンに手をかける。
「あ、十/文/字も風呂入んの?」
「シャワーだけでも浴びよっかなーと思って、今日結構汗かいたしな」
「そっかー……」
何か言いたげな口調で黒/木は呟く。大きな目が一瞬伏せられて、それから恥ずかしそうにゆっくり俺を見つめた。
「昨日さー……」
「んー?」
「練習帰りだったじゃん、あん時」
「……あー」
「その、抱きしめられたときに、土の匂いと、十文字の汗の匂いが混ざっててさ」
「……」
「その匂いの中にいたら、すっげー気持ち良かった、から……」
みなまで言わせず、腕を掴んで引き寄せる。黒/木が息を呑む音が聞こえた。
湯上りの体を押し付けるようにすると、ふ、と溜息が漏れる。そろそろと俺の背中に腕が回されて、シャツをゆるく掴む。
「……お前、マジで犬みてぇだな」
「うぅ……」
「しゃーねーなぁ、今日は、お前を甘えさせるって、決めたから」
耳元で囁いた後に少し腕を緩めて顔を覗き込むと、調子に乗んな、と右ストレートを喰らったがそんなの気にしない。
まだまだ、甘えさせた後にもやらなきゃいけないことがあるんだからな……
結局、照れてしまった黒/木が夜までやらねぇ!やらせてやらねぇ!!と意地を張るので、
俺達はまたリビングに戻って、つまらないTVを付けたままうだうだ喋ったり雑誌を読んだりして過ごしていた。
「んー何か小腹減ったなぁー……そうだ、さっきのチョコ食おー!」
黒/木は嬉しそうにさっきのコンビニの袋をあさって生チョコを取り出すと、早速豪快に箱を破いて食べ出した。
あらかじめ一口大になっているそれを、2,3個まとめて口の中に放り込んでいる。
ヒ/ル/魔ほど徹底しているわけではないが、そこまで甘いものが好きじゃない俺にとっては胸焼けのするような光景だ。
「……何だよーんな顔すんなよ、一人で食ってて悪かったって、ほら」
「……えっ」
しかめ面で見ていたのを、俺がチョコが欲しいと勘違いしたのか、黒/木はもう半分もないトレイを俺の目の前に差し出す。
口の周りも指先もココアパウダーだらけなのにもおかまいなしだ。
「いや、俺は別にいらねぇ」
「まーそう言わずに食ってみ?激うまだから!―あっそうだオレが食わしてやる」
「はぁ?いいって別に」
「いいからいいからー、はい、か/ず/ちゃんアーンちてくだちゃーい」
黒/木はゲラゲラ笑いながら茶色い指とチョコレートを俺の口の前に突き出してくる。
これじゃどっちが甘えさせられてんのか分かんねぇ。
「……あーもう、一個だけだかんな!」
あまりにしつこいので観念して一口食べる。思ったより甘くなくて、しっとりした口溶けは意外に食べやすかった。
「なっ?うめーだろ?」
至近距離でニコっと笑われて、俺は思わず頷いた。素直でよろしい!と黒/木は勝ち誇ったように胸を張る。
ふと、俺は思いついて、黒/木が持っていたトレイを取り上げた。
どした?もっと欲しいのか?」
「今度はお前の番だ。食わしてやる」
「はあぁぁあ?いやいやオレはいいよ」
「俺にだけ恥じぃ思いさせてんじゃねぇ!」
「いやいやいや!オレはこのチョコのうまさを分からせてやろうと思ってやっただけ……はがっ!?」
暴れる黒/木の顎をがっちりガードして、3個まとめて口の中に放り込むと、抵抗しながらももぐもぐと口を動かしている。
そういや、あのハワイのやばいチョコレートも、まじーとか言いながらも結局全部食ってたな。
食い意地が張ってるところはケ/ル/ベ/ロ/スにも通ずるものがあるかもしれない。
「―うまいだろ?」
「……うめーけどよー……もうちょい、優しくできねぇのかよ?」
「じゃぁおとなしくしろ」
今度は一つだけ持って黒/木の目の前に持っていくと、観念した様子で素直に口を開ける。
……しかし何だか、餌付けしているようで色気もムードもあったもんじゃない、が、嬉しそうに食べる黒/木の顔を見ているうちに、まぁいっかと流されそうになる。
咀嚼を繰り返す口が規則正しく動くのを見ながら半ば事務的にチョコレートを放り込む俺を目で追っていた黒/木が、突然吹き出した。
「っ何だよ?」
「何かさー、食べさし合いっこって、こーいうんじゃなくね?十/文/字の顔今ヤバかったぜ。流れ作業してる工場のオッサンみてーだった」
一体俺はどんな顔をしてたのか多少気にはなったが、只でさえ、二人っきりという大変なチャンスを全く生かしきれてない
この状況を更に深みへ追いやるような黒/木の発言に、こめかみの辺りに血が上りそうになる。
今度は俺が渾身のアッパーカットをお見舞いしてやろうかとも思ったが、そうなったら後は乱闘騒ぎで終わってしまう。
ここは大人になれ十/文/字/一/輝。相手は黒/木だ。この状況を打破するには……
俺は無言で、板チョコの包みを破いた。
それは夕飯の後に食おうと思ってただのと喚く黒木を無視して、パキンと軽い音を立てて一口大に割る。
「何で一気に全部食っちゃうんだよー」
「これは俺が買ったチョコだ。それを半分お前にやるって約束だったよな?」
「まぁそうだけどよ……んなこと言ってっけど、十/文/字のことだから全部くれんのかと思ってだなー」
「……どこまであつかましいんだよテメー、おら、口開けろ」
約束どおり、半分はくれてやる。
反射的に口を開けた黒/木を頭ごと抱え込んで、先に自分の口に入れて半溶けになったチョコレートをゆっくり口の中に流し込む。
さっきのよりひどく甘ったるいそれが舌にまとわりつくのを、黒/木の舌に塗りつけるように押し込む。
くぐもったうめき声と一緒に流し損ねたチョコがつーと垂れて、顎を掴んでいた俺の指にも流れた。
「っ何、すんだよっ!」
「『食べさし合いっこ』だろ」
「ん、なことっ……っ」
口元に垂れたチョコレートを指で掬って黒/木の口の中に指ごと入れる。
噛まれるぐらいは覚悟してたが、黒/木は真っ赤な顔になりながらも、案外まんざらでもなさそうにその指をちろりと舐めた。
不覚にも感じる舌遣いだ。股間がずくん、と疼くのを感じて、俺は慌てて指を引き抜いてもう一度チョコレートを流し込んだ。
二度、三度と繰り返すうちに、俺を引き離そうとしていた腕の抵抗が段々弱くなって、代わりに時々黒/木の口から溜息のような吐息が漏れてくるようになった。
両肩を押していた手が、今は俺のシャツを握り締めている。まぁ、ここまで黒/木の息が上がっているということは、当然俺だって同じ状況な訳で。
抱え込んでいた頭を緩めると、黒/木はようやく息が出来るという風にふーっと深い溜息をついた後、涙交じりの目で俺を睨みつける。
「……サイッテーっ!最悪だぜテメー」
「―っ、そりゃぁどうも」
上がった息を押さえつけるように、ぐっと指を押し付けて唇を拭う。
茶色く染まった指を舐めると、さっきよりますます甘ったるく感じて頭が痛い。
「―お前も、口の周りチョコつき過ぎ」
俺が手で拭おうとするのを振り払って、黒/木は自分でぺろりと舐める。
その舌が赤く充血しているのがやたらにエロく見えて、俺は思わず目を逸らした。
「……何入れたんだよ十/文/字」
「……はぁ?」
全然見えない問いを投げかけたきり、黒/木は無言で俺を見据えている。
入れる?何を?いやそりゃ、俺はもう今すぐにでも黒/木に入れてぇけどそういうことじゃなくて……
「―っもう無理、無理だぞテメーのせいだぞ馬鹿野郎!」
そう言い捨てて黒/木はいきなり俺に飛びついてきた。
反転する視界。これ今日二回目じゃねぇのか。思わずまた腰に腕を回すと、熱っぽい唇を俺の首筋に押し付けてくる。
「チョコに何入れたんだよバカエロモ/ン/ジ」
「……はぁ??俺は何も……」
「じゃぁ何で!」
そこでようやく、俺は黒/木の目がはっきりと、艶を持っていることに気がついた。
潤んだ瞳に映るのは、自分で仕掛けておいてこの様の、間抜けな俺の呆けた顔。
「―十/文/字、したい。やりてぇ。もう我慢できねぇ。」
自分で言った言葉に戸惑うように、顔を背ける。伏せられた長い睫毛が窓の夕陽を反射して光っているのが見えた。
「お前がんなことするから……ていうか、キスうますぎ、ムカつく」
これって、天然でやってるのか、それともこいつなりの計算なのか。
もし後者なら後でぶん殴ってやる。前者だったとしても蹴り飛ばしてやる。つまるところ、地雷踏みまくりなんだよバカ。
「何も入れてねーよ」
上半身を起こして向かい合うような形で座ると、黒/木の顔をこっちに向けさせる。
舐めきれずに残った口元のチョコレートを今度は俺が舐め取る。やっぱり甘い、甘すぎて頭がボーっとしてきた。
「……強いて言うなら、俺の、邪念が入ったかもな」
「―じゃねん?」
「……俺のキスで、お前にも沸いて出てきた、それだ」
「……」
「つーか、別にいいじゃん」
「へ?」
「俺ら、邪念の塊みてーなもんだろはなっから」
そうだよ。俺ら男だろ。健全な男子高校生だろ。性欲なんか、売って余る位溢れ出てくるもんだ。
皆そんなもんだオトコなんてのは。
ただ、その対象が、世間からすればちょっとズレてるってだけで。
「―っらぁっ!!」
「―ぅおっ何してんだ十/文/字!!」
一息気合を入れて、黒/木を抱きかかえる。所謂お姫様抱っこってヤツ。
体格ほとんど同じだから中々キツイが、俺の部屋までならどうってことはねぇ。
「アホ!下ろせ!歩けるって!」
「暴れんなボケ!階段から放り投げるぞ!」
「やれるもんなら……っ!」
暴言を吐きながらもしっかり俺の首に回された腕の内側に軽く唇を押し付けると、それまで威勢良く動いていた口が急におとなしくなる。
何だこいつ、全身性感帯なのか。
部屋のドアを乱暴に足で蹴って、そのままベッドにどさりと落とす。
黒/木が一瞬体を強張らせたのを無視して、そのまま覆いかぶさるように押し倒した。
枕に散らばった髪の毛を指で絡めて、Tシャツから僅かに覗く鎖骨を吸い上げる。んんっ、と声にならない声が漏れる。
もう無理、焦らしてやるとか思ってたけど俺が無理。あぁ早く早く……
「っじ/ゅ/う/も/ん/じ/ぃ……そんなん、っいいから早く、お願い、もう無理オレだめ……」
さっきまでアホだとかやめろだとか言ってたのはどの口だ。
普段より一段高い、上ずったトーンの声が脳内にダイレクトに響く。
「分かってらぁっ……!」
―……おい、チョコレートって人によっちゃ催淫効果あるんだってよ
―えーマジかよ?
―まぁこんな雑誌のコラムなんか、あてに出来ねーけどな。
―つか、お前が漫画以外の本読んでんの珍しくね?
―今週のは俺が好きな漫画家の対談があんだよ。
―うっわ、マニアックー……
いつだったか、戸/叶と交わした会話が頭の中で自動再生されていた。
―あぁ、俺はもっと、余裕な感じで、こいつのこと、苛めて焦らしてねだらせて、ぐっちゃぐちゃにしてやるつもりだったのに。
目の前の悪友兼恋人の乱れまくった姿が、そっくりそのまま自分とダブる。
あのコラムはあながち間違いじゃなかったのか、それとも、チョコレート自体が俺らにとってはタブーなのか、はたまた、若さゆえの本能の暴走なのか。
「―っ、十/文/字、好き、だ……」
黒/木の手が俺の髪の毛を掴む。
微かに震える指から伝わる熱が脳を蝕むようで、俺はもうこれ以上考えるのをやめた。
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| | | | ∧_∧ どっちも余裕ない二人が書きたかったんだ……
| | | | ピッ (・∀・)
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>>218 青春っていいなぁ…GJです!
お互いギリギリ感溢れてていい。じゃれあってる二人に萌えました。
>208
ありがとうございます!
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| 幹部×牛乳プリン
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| スレで見かけた子供プリンに再萌えした
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 設定捏造しまくり。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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映画を見ながら何気なく手を伸ばしたカップには、随分前に自分で淹れたカプチーノではなく、まだ温かい紅茶が入っていた。
驚きと感心が入り混じった気持ちで口に含むと、普段慣れた香りとは幾分違ったものが口内に広がる。
買い置きの葉とは違う。こんなもの家には無かった筈だ。
「フーゴ。」
まだ何を言うかも決めないうちに、相手の名前が口をついた。
デスクトップパソコンと書類に埋もれた机に背を丸め、半分も見えていない金髪が少しだけ揺れた。
「淹れてくれたのか?」
「ええ、僕のついでに。あ、紅茶は好きじゃあ無かったですか?コーヒーの方が?」
そんな事無いさ。グラーツィエ。短く答えると、そうですか。と返ってくる。珍しく返事の歯切れが悪い。
カップを持って立ち上がった俺を見て、捨てるんじゃないかと思ったのかもしれない。
砂糖壺とスプーンを手に取ったのを見て、やっと得心のいったように頷いた。
「何処かで買ってきたのか?」
「好きなんです。僕の財布から出しましたけど、気に入ったら好きに淹れて構いませんよ」
特に茶葉に好みは無かったし、コーヒー党でも紅茶党でもないのだから、
こいつが好きなら次から紅茶はこれにしよう。
キッチンの片隅で存在を主張していた真新しい缶を手に取り、名前を確認してから裏返す。
値札を見て喉の奥の辺りから変な音が出た。
「気にしないで下さい。僕が飲みたくて買ったものだから」
そういえばこいつはいい家の出だった。嗜好品に対する考え方が、俺とは全く違うんだろう。
残念ながら俺では買えない。もったいなくてビスケットが浸せないし。
なんとなくさっきよりも美味くなった気がする紅茶の缶を丁重にしまい、カップを持ってリビングに戻る。
「お前は砂糖は入れないのか?」
「はい。」
とっくに興味がなくなったのか、ウィンドウから目を離さずに頷いた。
仕事に対して真面目な奴だと思う。
俺だって不真面目って訳じゃあない。が、上司が休んでいる間まで働こうとするこいつは、少し肩肘を張りすぎだ。
「気を使って俺の分を残しといてくれなくっていいんだぞ。全部やっていい」
少しきょとんとした後で、デスクワークの事を言ってるんだと理解したらしく、
堆く積まれた紙の山の中から、幾つか束を引き抜いて俺に押し付けてきた。
「ほら、宿題を出しましょう。終わったらキャンデーを買ってあげますからね。」
紅茶をストレートで飲むのがそんなに偉いのか!ぐしゃぐしゃと乱暴に頭を撫でてやると、やめてくださいよと言って笑った。
18歳で自分のチームを持つことになった。チームといっても特別何をするでもない、
近所の様子を見てまわり、面倒ごとがあったら片付けて上に報告する。やんちゃをする不良でも居たら追い払う。
あとはまあ、普段暇してるご婦人方のおしゃべりに付き合うだとか、そんな程度の雑用だ。
ポルポは始めて部下を持つんなら年下がいいだろうといった。それには俺も賛成だった。
・・・・が、流石に初めて彼を見たときは、新種の嫌がらせかと思った。
聞けば14歳。小奇麗な服に身を包み、曇った瞳で俺を見る。こいつがギャングだって?まさかだろ。
年齢がどうとかでなく、明らかにアンダーグラウンドに踏み込む雰囲気じゃあない。
どうみたっていいとこのお坊ちゃんだ。それでも彼は試験に合格し、スタンド使いらしい。
仕事なら問題なく出来る。むしろその辺の阿呆よりよっぽどいい、と言う。
だが、別に問題があってね。ブチャラティ、お前が適任なんだよ・・・・ポルポがそういうのを聞いて、少年は自分の爪先を睨んだ。
刑務所からの帰り道、特に喋る事も見当たらずに「試験の時はどうした?」なんていうありがちな話題を振る。
「すぐに火を消しました。一日守りきれる自信がなかったし、再点火できないようになってるんなら、帰って分解すればいいと思ったんです。
信頼ってのには応えられないけれど。その方が確実だった。」
子供らしくない硬い喋り方をする奴だ。返答も淀みなく明瞭で、大人びた印象を受ける。
「あんな事になるなんて思わなかったんですよ。お陰でモーテルの部屋が滅茶苦茶で、叩き出されてしまって」
だからブチャラティ、少しの間家に置いて下さい。また部屋を見つけてもらわないといけない。
家族はどうしたなんて聞ける訳がなかったし、暫くソファで寝る羽目になりそうだと思いながら石畳を蹴る。
部屋代は払いますと言うのを断って、路地を折れると組織のチンピラとすれ違った。
それとなくフーゴの肩を押して、自分の影に隠す。
「ようブチャラティ。」
まだ成人してすらいないのに、妙に昇進の早い俺をやっかむ奴は多い。そいつがスタンド使いで無いなら特にだ。
チンピラは不躾に俺の背後を覗き込み、少し驚いた様子のフーゴをじろりと見る。
「何だ何だ?またポルポに媚売って、仕事貰ってきたのかよ。」
相手にする気は無い。こういう頭の悪い難癖は、まったくもっていつもの事だった。
ただ、子供の耳に入れたくはなかった。失敗した、別の道を選べばよかったと思って俺はフーゴを振り返る。
フーゴはしゃがみ込んでいた。感情の無い目が地面をなぞり、片手で何かを掴む動作をする。
「子守か?」
はん、と小馬鹿にしたような顔で笑った、その男の顔が鈍い衝撃音と一緒に横にズレる。
コートの首回りのファーが、返り血で所々赤くなった。
がつん、がつん、がつん。顔面だけを狙って幼い拳が振り下ろされる。どうやら石を握りこんでいるらしく、一撃一撃が存外に重い。
「フーゴ!」
「てめぇ、俺の上司に向かってナメた口利いてくれてんじゃあねーぞ、この腐れジャンキーがァッ!!」
「おい、よせフーゴ!フーゴっ?!」
頬を上気させ肩で息をし、先ほどまでの大人しさが嘘のように暴れる少年の体躯を咄嗟に羽交い絞める。
問題ってのが一体何なのか、知りたくも無いのに知ってしまった。糞!確かに俺が適任だ。
「スティッキー・フィンガーズッ!」
手加減なく男を打ち据えていた両腕が、ぼろりと外れて地面に転がる。
それでやっと意識をこっちに向けたフーゴが、これ以上何か喋る前にジッパーで口を縫い止めた。
これ以上騒いで人でも集まりやしないかと不安だったが、今のところ大丈夫だったし、
鼻血まみれで転がるチンピラはとっくに意識を手放していた。
子供らしく軽いフーゴの身体を抱え上げ、両腕を拾い、遠くない自分の家まで走る。
いくらかされた抵抗も、「心配するな、後でくっつく。」と言ってやったら納まった。
ドアを後ろ手に乱暴に閉め、大きな荷物をソファに放り投げてジッパーを元に戻す。
よっぽどどう言うつもりかと問い詰めてやろうと思ったが・・・・
「ブチャラティ、これはあんたのスタンドですか?凄いな。」
さらりとそう言われて、怒る気をなくした。
「ぼーっとしないでくださいよ。終わりましたよ。」
「あ、ああ」
袖を引かれて意識を戻せば、座ったソファの正面のテレビにはエンドロールが流れていた。
俺が見たいと言った映画なのに、途中から完全に上の空だった。
「明日レンタルしなおすかな」
「一人で見てくださいね」
「じゃあ止めておこう。落ちだけ教えてくれないか?」
「どうしてそう適当なんですか!」
何を考えていたら、そんなに上の空になれるのやら。責めるように言われて、昔の事だと答えておいた。
「へえ、小さな頃とか?」
「そうだな、小さかった。」
昔はこのソファに座ると、足が遊んでいたのに。半年経つと床に着くようになった。成長期ってやつだ。
今じゃあ目線も殆ど同じで、追い抜かされるのは嫌だなと思う。
「主演の子役のコートが良く似ていたんだよ。それで思い出した。」
「あんな服を着ていたなんて、想像できない」
「最初はまともだったのに、どんどん洋服のセンスがおかしくなって行くんだ。どうしてかな・・・・」
「ブチャラティあんた、誰のことを言ってるんです!?」
フーゴが急に立ち上がったせいで、ソファがバランスを失って少し揺れた。
憤慨した様子で、後ろのベッドの枕にあたっている。ばすんばすんと数度叩いた後抱え込んだ。抱きしめるというよりも鯖折りに近いように思う。
「まったくお互い様ですよ!」
「あんまり怒ると寝付けなくなるぞ。」
俺の部下はまだ、フーゴ一人だ。どれだけ大人ぶってもまだ子供で、それなりに手がかかる。
二人だけだとチームって実感も今一沸かず、それゆえか集会所みたいなものも今だなくて、
フーゴも特に部屋を見つけないまま、何と無く俺の家に住み続けている。
「そうですね、寝ましょうブチャラティ。明日も早い。」
流石にソファで寝続けるのは嫌だったので、シングルだったベッドをダブルに買い換えた。
枕を二つ置いて。・・・・ああ、フーゴが手ひどく扱ったせいで、俺の方だけ平たくなっている。
「もし部下が増えたら、流石に俺の家に住まわせる訳には行かないな」
「嫌だな。僕も出て行かなきゃあならないじゃないですか。二人で寝るのは気に入っているのに。」
「ほう?」
随分可愛い事を言うから、つい笑みがこぼれる。
4つも年下の、殆ど家族のような部下は、俺の目を見て満足そうに言った。
「ブチャラティと寝ると落ち着くんですよ。パードレみたいな臭いがするから。」
「おい、ちょっと待て、言いなおせ!せめて兄貴だろう?!」
フーゴは満足したようにくすくす笑うと、羽根布団の中から俺の手を引いた。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ これでもかとばかりにイチャつかせた。反省はしていない。
| | | | ピッ (・∀・) ジョルノと口調書き分けられないよ‥‥
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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「ブチャラティ、あんたの為ならなんでもするが」って台詞が好きすぎて困る
>>230にGJと言いたいんですが、かまいませんね!!!
>>230の投下に敬意を表するッ!
萌えてうっかり幹部プリンに開眼した
>>230 ディ・モールトベネ!!!
同じく幹部プリンに開眼した
>>230 GJ!萌えすぎる!
幹部牛乳プリンってこんなにおいしいんだね……
>>230 ありがとう!これでこれから数日幸せでいられるよ!!
どうしても萌えたので、ここで吐き出し。
第四層のクリア後ネタなので、ややネタバレ気味です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
一面枯れきった木々と、砂が広がる迷宮の第四層。
その最深部であるB20Fでの戦闘を終え、パーティはB18Fにある回復の泉へと休養のために戻ってきていた。
泉で疲れを癒し一息着いたところで、女性メンツが水浴びだのなんだのをしたいといいだし、パーティの男性陣であるパラディンとレンジャーの二人は泉の裏手側においやられ、見張りという名目で放置されていた。
B20Fで倒した怪鳥、そしてモリビトの少女の寂しそうな、悔しそうな瞳と、咎めるような口調。そして、その少女の放った、不審な言葉。
そのせいで、B20Fからここまで上がってくる最中のパーティの空気は最悪だった。
「ま、水浴びなんてしたいっていうくらいには、元気になったんだろうがな」
砂にまみれていた帽子をぱたぱたとはたき、被りなおしてからレンジャーは肩をすくめた。
傍らに座るパラディンは、俯いたまま答えない。
そういえば、彼はあの戦闘からほとんど口を開いていなかったことに気づく。
「僕は、誰かを守りたいと思ってパラディンになったんだ」
ぼんやりとした口調で、パラディンは口を開いた。
「知ってる。おかげで、大助かりだ」
努めて感情を抑えて、レンジャーは答えた。
パラディンの、口元がふるふると震えていた。
精神的に参ってしまったのは、メディックだけではなく、真面目な性格のパラディンもまた同じだったらしい。
「あの女の子、悲しそうだったね…本当に…コレで良かったのかな」
広大に広がる空間を眺めながら、パラディンがつぶやく。
「執政院からの依頼は断れるもんじゃないし、良いか悪いかは執政院が決めることだろ。俺たちは一介の冒険者でしかないんだしな」
あの少女の言葉も十分に理にかなっていたのは確かだった。
彼らモリビト達の領域へ踏み行らなければ、彼らは人間達に刃を向けなかったはずだった。
それを侵したのは人間側だ。
だからこそ少女は自分らを激しく非難し、対抗してきたのだから。
純粋に、未知への道が開けていくのが楽しくて、その魅力に引かれて冒険者になった彼らにとって、この出来事は衝撃的すぎたのかもしれない。
「誰かを守るってことは、それ以外は守れないってことだろ。気に病むな」
再び黙り込んでしまったパラディンを見て、レンジャーは隣に腰掛け、パラディンのさらさらとした金髪を、手袋をしたままがしがしと揺らした。
「ちょ、痛いって!」
あわててパラディンは顔を上げて頭をあげた。
そのまま、レンジャーはパラディンの頭を自分の方へ思いっきり近づける。
いきなりのことで、体制を崩しパラディンはレンジャーにのしかかるような体制になってしまう。レンジャーはそんなことお構いなしで、パラディンの青い瞳を見据えながら、言葉を紡ぐ。
「いいか、これから先はおそらく誰も到達したことのない迷宮の第五層へ行くんだぞ。冒険者として、これほど楽しみなことはないだろ?」
「う、うんそれは確かに、楽しみだけど…」
「それなら、悩むな。ああいうモリビト達の視線が気にするなとは言わない。ただ、もしかしたら、もっとヒドいこと言ってくるような相手もいるかもしれない。」
レンジャーは少し言葉を切って、息を吸う。
パラディンはおとなしく、レンジャーの言葉を聞いていた。
「そんなときは、おまえはもう防御だけに専念してろ。相手の姿を盾で塞ぎ、相手の声を聞くな。なんならカースメーカーに耳でも塞いでもらえ。倒すのは、俺とかがやってやるから」
少し言い過ぎたかもしれない。
「あ…うん、ありがとう…」
しばしの沈黙ののち、パラディンは口元にわずかにほほえみを浮かべた。
なんだか照れくさくなって、レンジャーは手を離し、目をそらした。
パラディンはいつものなよなよしい笑みを浮かべて、目尻にたまっていた涙を拭った。
「こういうことは、ガラじゃないからもう言わないからな」
あわてて立ち上がって視線をそらした所で…ひっそりと佇む人影に気づいた。
彼らの居た位置からは少し見つけづらいその場所に、存在なさげにぼうっと佇むのは、黒いローブに身を包んだ無表情な少女だった。
つい最近、ギルドに加入したばかりのカースメーカーの少女だ。
「…お前…いつからそこにいたんだ…?」
気配を感じさせない少女に、レンジャーが慌てて声をかけた。
「…さっきから。もう大丈夫だから、呼びに」
言って、泉の方へちらりと視線を移す。手足につけられた鎖がじゃらりと音を立てた。
「…さっきの話、もしかして聞いた…のか…?」
おそるおそるレンジャーが尋ねると、カースメーカーは無言のままこくんと頷いた。
うえあ、とレンジャーがうめき声のような声を上げ、帽子で目元を無理矢理覆う。
「とにかく、呼びに来てくれてありがとう。もう僕は大丈夫だから、いこうか」
パラディンの声は普段通りの明るさを取り戻していた。
それは良かった、確かに良かった。
「あー…ったく…。」
なんだか無性に気恥ずかしくなって、レンジャーはため息をついた。
彼の思いは、どうやらうまく届いては、くれなかったようだ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
すいません3/3で足りました( ;・∀・)
そして今見たら誤字が…orz
アク禁で書きこめんかった。亀だけど
>>211GJ。
タイトル、といいますか、カップリング表記に惹かれて読みました。
やっぱりこういうのって人外やファンタジー世界が似合うな。
にしてもスペル君、最初男の子らしい言葉遣いだったのに、いざ床入りとなると・・・・。
これも媚薬の効果か?まあ萌えるけどねw
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 主にリカちゃんがグダグダ心理描写してるだけです。
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < エロどころかイチャイチャもナイヨ
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < TOI中盤イベント・スキットのネタバレ注意
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
この、年齢の割りには幼い顔つきをした少年が落とした爆弾に、
俺は戦場に上がったばかりの新兵のようにうろたえていた。
”リカルドと性的な関係を結びたい”
何度も脱線しかけ、紆余曲折する話に辛抱強く耳を傾け続けた結果を、要約することこうだ。
つっかえる度に間を置くので、ここまで聞き出すのに相当な時間がかかった。
どうやら耳がイカれたらしい。そう思って何度か問いただしてみたが、返ってくる答えは同じだった。
どこか小動物を彷彿とさせる顔立ちは、今や真剣味に満ちていた。
事の発端は、ミルダが俺の部屋を訪ねてきたことから始まった。
珍しいことではない。宿に着き、それぞれに割り当てられた部屋に散ると、ミルダはしばしば俺の部屋を訪れた。
別段追い返す理由などないので、テーブルの両脇の椅子に掛け、俺は酒を、ミルダは水を飲みながら、他愛も無い会話をする。
話題の中心は進行ルートにある町のことや、軍事情勢のことだ。
稀に前世のことに話が及ぶこともあった。
そんな時、ミルダは決まって夢見る少年のように楽しげな笑顔を見せるのだが、俺はそれをたびたび苦々しく眺めた。
天上の記憶が転生体に僅かの影響も及ぼさないとは思っていない。いないが、それでも前世は前世だ。今生きている人間が縛られるものではない。
(しかし)
本当にそうか。言い切れるのか。
棘のような引っ掛かりが胸中に浮かぶ。
ナーオス基地で出会った男を思い出していた。あの男が俺にだけ語りかけてきた言葉を。
あの男は、俺の。
考えに沈み、俺は黙り込んだ。
両手に囲った酒杯の水紋を眺める時間だけが過ぎていたのを覚えている。思えば、このときからミルダはおかしかった。
いつもなら、黙り込んだ俺を気遣う言葉を――過剰と思えるぐらいに――注ぐのだが、
このときばかりはミルダも口を閉ざしていた。
今ならミルダが何を考えていたのか大体分かる。
内心の思惑を、ともすればこの部屋を訪れるときにはすでに抱えていた言葉を、告げるべきか悩んでいたのだろう。
しばらくして、部屋に戻れと告げ、扉の前まで送り届けたとき、ミルダが口火を切った。
そして今、その発言に、俺が悩まされている。
「…………」
極力顔には出さなかったつもりだが、自信はない。
俺がミルダに何度目かの確認を投げかけて以来、部屋には沈黙が流れ続けている。
――なぜ、こんなことになったのかが分からない。
眉間を押さえる。知らん内に皺が寄っていた。
何を間違って俺などと体を重ねたいと思ったのか。
俺とて27の健康な男だ。当然溜まるものもある。
これが名も知らぬ女性からの誘いだったら、一も二もなく承諾していただろう。
すっかりパーティの保護者役に成り果て、発散する暇も機会も失われていた。
ガルポスの宿の100ガルド追加サービスは期待外れもいいところだった記憶は新しい。
折を見て歓楽街に足を運ぼうと考えたこともあったが、万が一女性陣に思惑が漏れる可能性を思うと気が重かった。
アニーミにはここぞとばかりにからかわれるだろう。
水を得た魚のようになった彼女の顔が目に浮かぶ。
ラルモにいたってはまだ子供だ。出来るならば性的な話題には触れさせたくない。
セレーナは、嗜めながらも苦笑いで容認するだろうが……。
男を抱くことに抵抗があるわけではない。軍ではさして珍しいことではない。
しかし、ミルダは転生者であることを除けば、真面目な、普通の少年だ。
男相手にしか性的欲求を覚えないタイプではない。
ならば当然、性対象は女性のほうが望ましい。それもアニーミのようにお互い慈しみ合える関係を築ける女性と。
そう思うのは、長らくこの子たちを見守っていたために湧いた父性からか。
「ねぇ、リカルド…」
沈黙に耐えかねたのか、ミルダが声を掛ける。
変声期を迎える前の少女のような声は不安に曇っていた。
「僕の言ったこと、わかりにくかった?」
「違う。黙ってろ」
そうだ、もしミルダを抱くようなことになったとしよう。その場合、当然身体に無理を強いることになる。
前線の主力を担うミルダの動きが鈍るのはまずい。
前衛の不調は後衛にも波及する。翌日の戦闘に差し支えるような真似は避けるべきだ。
――いや、違うな。そうじゃない。
結局のところ、俺は葛藤しているだけなのだ。
銀髪で童顔の、通俗的な単語を用いるならば美少年がどれほど懇願しようが、どれほど俺の性欲が積もろうが、
この、純真で、気の弱い、一回りも年下の少年をかどわかすような真似をしてもいいものか。例え同意の上でも。
と、俺のなけなしの良心が訴えかけているだけのことだ。
今夜を共にすることで、この後のミルダの人生にいささかの影響も及ぼさない確証は無い。
ミルダの顔へ視線を移す。
「…っ……」
不安げに俺を見上げ続けていた目が、震えるように揺れた。
溜息が漏れる。
断るべきだろう。それも、なるべく傷つけずに。
当たり障りの無い言葉を捜して再び黙り込んだ俺が上手い宥め文句を思いつくより先に、ミルダが口を開いた。
「リカルド、もう、……いいよ。困らせてごめん」
「いや……」
「いいって。本当にもういいんだ。気持ち悪いよね、こんなこと言われたって。……本当にごめんなさい。忘れて」
「ミルダ」
ミルダは答えず、辞去するつもりなのだろう、背を向けた。
今まで以上に頼りない背中。諦念と後悔が圧し掛かっている。
それもそうだ。
ミルダのような内気な少年が、こんな打ち明け話をするのに、どれほどの労力と勇気を振り絞ったのか分からない。
だがミルダの申し出を受け入れることは躊躇われる。傷つけたくないからだ。
しかし、断ればどうだ。やはり傷つくのではないか。
華奢な肩越しに、ドアノブに掛けられる手が見えた。
弱りきった動物のように覚束つかない指先。
待て、と反射的に口から滑り出ていた。
それでもミルダは頑なに背を向け続けている。
「聞えんのか」と声を低くして告げると、やっと肩が動いた。
瞬間的に後悔したが、もう遅い。ミルダが振り返った。
大きな瞳が泳いでいる。叱られるとでも思っているのだろうか。
腕を組みながら見返す。
「待てと言ったろう」
「リカ……」
「やはり、ガキはガキだな」
俺も甘くなったものだ。
「礼儀を教えてやる」
ミルダの顔が強張る。
「せめて返答を聞いてから帰るのが、礼儀というものだ」
これで、後には引けなくなった。
俺が申し出を承諾する旨を告げると、ミルダの表情が、
徐々に驚きから喜びに移り変わる。
何度も、「本当にいいのか」「聞き間違いじゃないのか」と
繰り返し確認するミルダをその都度宥めながら、思わず噴出しそうになる衝動をこらえた。
この笑顔を見ていると、俺のささやかな罪悪感などどうでもいいことのように思える。
しかし、ミルダにとってはどうだろうか。
今日のことを後悔しない日が来ると言い切れるのか。
そのときは、俺がなんとかしよう。どうするべきかはまだ分からないが、
重要なのは、ミルダが傷つかないことだ。
我ながら過保護だとは思う。数ヶ月前の俺が今の俺を見れば、眉を潜めていただろう。
腕を組んだまま、指先で己の肩口を叩き、いまだ質問を浴びせるミルダの言葉を止める。
「一つ言っておくことがある」
頭上にハテナマークが浮かびかねん表情で見上げてくる。
「途中で止めたくなったらいつでも言え。決して俺を気遣って我慢をするな。
一時の気の迷いで自らの体を無碍に扱うことは――」
「そんな、とんでもないよ!」
突然、怒鳴り声が俺の言葉を遮った。流石に少し驚き、口が「は」の形で開いたまま止まる。
驚いたのはミルダも同じだったのだろう、己の声量にはっとして、両隣の部屋を気遣うように左右の壁をきょろきょろと見回し、
「ごめん。…でも、途中で嫌になったりとか、そんなの、絶対ない。
リカルドは僕のわがままに付き合ってくれてるんだよ。なら、最後まで責任を持つのが当たり前じゃないか」
少し興奮した口調で言い、子供っぽく口を尖らせる。
「それに……、あ…」
「ん?」
途端に歯切れを悪くした言葉の先を促す。
考えるときの癖なのだろう、目を逸らし、毛先を弄りだした。若干頬が赤いように見える。
「えぇっと、だからつまり、リカルドが気にする必要なんてないってこと。
だって、初めての人がリカルドで、僕、嬉しいんだよ。まさか本当にオーケーしてくれるとは思わなかったから。
……うん、だからやっぱり、すごく嬉しい」
「……フン、かえって気を遣うな」
ミルダは年相応の笑顔を顔全体に広げると、しゃちほこばっている体を折り曲げて礼をする。
「とにかく、リカルドに迷惑かけないように精一杯がんばるつもりだから。よ、よろしくお願いします」
「迷惑など今更だが、まあいい。だが、挨拶は余計だ。感謝されるほどの人間でもない」
それこそ初めて性交をする人間が俺などでいいのかと問い詰めたくなったが、
そこまで言われれば悪い気もしない。
一旦落ち着いてみれば、ミルダの胸中を察する余裕が出てきた。
恐らく、こいつは女性相手の性交に自信が無いのだろう。
もしかしたら、真面目な少年のことだ、
童貞はアニーミのためにとっておきたいと考えているのかもしれん。
しかし若さゆえの性欲は衰えを知らず、発散させる術を持たないそれは抑圧され、
間違った性癖を芽生えさせた。結果、男同士の性交に興味を持つようになった……
と、俺は推測した。
ベルフォルマとは親友同士だし、このミルダが街で男を漁るような行為を出来るとは思えない。
消去法で比較的当たり障りのなさそうな俺に鉢が回ってきたというところだろう。
しかし、悪くない鉢だ。
どこぞ馬の骨とも知れん男に任せるよりはずっといい。
ミルダに背を向けると、長時間纏っていたせいで体に張り付いたコートを剥ぎ取り、
手袋と纏めて椅子に放り投げてから、ベッドの端に腰かけ、ブーツの紐を解く作業を開始する。
ミルダはと言うと、まだどこか現実感が剥離した顔つきで、ぼうっと扉の前に突っ立ったまま動かない。
わざと意地悪く口角を歪めて言ってやる。
「靴を履いたままのほうが好みだったか?それとも、やはり気が変わったか」
「ち、違うって!」
慌てて駆け寄るミルダがベッドに腰かけるのと、俺がブーツの紐を解き終えるのは同時だった。
ミルダが律儀に脱いだ靴の踵を揃えるまで、俺はその姿を眺め続けた。
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < ルカリカの欠鱗もないけどとりあえずここまで。
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < イノセンスキャラはどのカプでも萌える。
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 1/5ナンバリングミス、文字制限で時間取って失礼。
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )! 文字制限で入りきらず、5から6が溢れました。
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
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|_____レ"
ちょっとしたいたずら心というか、陽気で浮かれて出来心というか。
そろりと羽織った、義姉の晴れ着が妙に嬉しくて、絹の肌を撫でて楽し
み、感触に微笑んだ。
そうしたら急に、背筋に水を流されたように何かが走ったのだ。
ぞわ。首の後ろが粟立ち、髪の間にすいっと、冷たい手が差し込まれたよ
うに、芯まで冷え切った。
何かを見て恐ろしくなった。それならわかる。不明な冷感が示しているの
は、明らかな存在。それが、袖口から姿を見せる。
白い手が一つ、僕の左の手首を掴んだ。
「ひっ……」
息を呑んで手を振ってもそれは解けず、きゅうと手首を絞めた。目を離せ
ないでいたら、また一つ、手が現れる。さらに一つ。声も出せずに、今度
は右腕に這う感触。それが、また袖口から姿を見せる。
同じ白い手。
「ああ……」
逃げ出したいのにこれは、体に張り付いている。恐怖に顔を覆うこともで
きず。両腕を取られ、背中から覆いかぶさる、着物に棲む者。しとり、と絹
の重みは、肌に流れる水のよう。冷たい手のそれが、いくつもの手で僕を
抱く。
ぞろり。さらさら。
撫でて離れ、また触れる。冷たい指が何故か熱を煽る。辿る、肘まで。脇
腹からも手。
着ていた着物も帯をしているというのに、直に手が触れる。既に肌に憑い
ている。懐から覗く白い手が、首にかかっては遠慮がちに離れる。かと思
えば、肩から這って首を絞める。太腿に伝う指が股座を辿る。
まさかそのように煽られると思わず、身を縮込めても手には関係のないこ
と。息が上がって、だらしなく口から熱が漏れる。
恐ろしいのに心地良く、頭の中では警鐘が鳴っているのに、体はどんどん
と手に呑まれていく。耳の側で心臓が鳴るような、激しい血の音が逆に、
欲を煽るのかあちこちに、衝動を認めざるを得ない自分の行動。前に折
れて倒れこんだ姿も、他人が見ればまるで誘うような形の。口から漏れる
息の艶めかしさが我ながら、これ程の色は見ないだろうと思えるほどに
厭らしい。これはまるで、許された情事の溜め息ではないか。
終
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
吟玉幼なじみ組で、微妙に鬘・吟←鷹
矛盾・捏造しまくり、予想以上に長くなってしまいましたorz
墨を重く吸い込んだ筆を脇に置き、短く息をつく。
自ら率いる鬼兵隊が拠点とする船に設けられた自室で、高杉は書状を認めていた。
相手は以前から交渉を試みている反幕府組織だ。取引先との交渉には電子メールを用いるよりも、
こちらのほうが信用を得やすく、確実な為である。する事もなくただぼんやりと和紙に走る黒い染みを見つめる。
まだ乾き切っていない墨は、物書きを覚えたばかりの頃を思い出させた。
あの頃は考えもなしに筆を走らせていたから、字というよりも絵といったほうが正しいかもしれない。
あれから両親や師に学問を教わるようになり、多少は見れるものになったものだ。
(…師……か)
懐かしい響きだ。彼の存在も、彼の教えも、片時たりとも忘れる事はなかった。
常に懐に入れている教科書は、生涯大切にしようと誓った遺品となった。
「明日江戸へ行く」
突然桂の自室に乗り込んで来た高杉は開口一番に言い放った。
桂はそれまで目を落としていた書物から顔を上げ来訪者を一瞥するが、またすぐに戻す。
窓から差し込む夕日のせいで、普段は黒い長髪が幾分茶色く透けて見える。
隅には見慣れた白髪が横たわっていたが、胸が規則的に上下しているのを確認すると、高杉は桂に向き直る。
「聞けよヅラ、お前はどうする」
座布団が見当たらない為、刀を横に添え無造作に腰を降ろす。元来そういった事には無頓着な性格だ。
「ヅラじゃない桂だ。貴様こそ江戸へ出るなど、遠足にでも行くつもりか?貴様が思っている程甘い所ではないぞ」
「てめぇこそ田舎者の癖に、何をわかったように」
呆気なく切り返される。頭の切れる男ではあるが、これは普段の反骨精神から思わずついて出た言葉だろう。
まだまだ子供だなと思いつつ、話を聞くつもり等毛頭なさそうな態度の高杉に、桂は内心舌打ちをする。
栞を挟みそっと本を閉じる。
「………それで、何をやらかすつもりだ?」
「聞かなくてもわかってんだろ、高尚なお侍様にはよ」
「………戦、か」
高杉自身は口を歪めるだけで肯定も否定もしなかったが、彼特有の少し下卑た笑いが、図星である事を物語っていた。
いつからこの男はこんな生意気な笑みを浮かべるようになったのだろうと桂は思う。
「ご両親は知っておられるのか」
「知ってると思うか?」
「馬鹿な真似はよせ、高杉。貴様の気持ちは俺とてよくわかっているつもりだ。
だがここで問題を起こす事は浅はかというものだ。風を読め、時期を見ろ」
黙って聞いていた高杉だが、諭すような桂の口調に苛立ち、抑えていた声を思わず張り上げる。
「風って何だ?時期って何時だ?あれからもう半月経った。この国全体が天人の廃除を、
討幕を願っている事はお前もよくわかってるだろ。俺はもう我慢ならねぇ。お前は違うのか?」
高杉の言う"あれ"が恩師である松陽の刑死である事は聞くまでもなかった。
一息にまくし立てる様子に圧倒されそうになるが、応じるように桂も怒声を上げる。
「馬鹿者!そのような事を松陽先生が望んでいる筈がなかろう!自己中心すぎるぞ、高杉!よく考え直せ」
「ふざけんな、んなこたわかってんだよ!わかった上で行くって言ってんだ!」
「だから貴様は馬鹿だというのだ…!そんな事俺だって同じだ、この国が天人に侵されていくのを黙って見てなどいられるものか!
しかし今は我慢するしかないだろう、今歯向かった所ですぐに殺されるのがオチだ!
大体貴様は実戦の経験もない…」
「もういい!」
高杉は桂の言葉を遮り、脇に置いた刀を乱暴に掴み荒々しく立ち上がる。桂もつられて立ち上がろうとする。
「待て、何処へ行く!」
「うるせぇ!お前に話した俺が悪かった、もう話す事なんざねぇ!
そんな事をぬかしてる時点で、お前は俺の気持ちなんぞわかっちゃいねぇんだよ」
激しい口論に互いに息が切れる。荒い呼吸も上下する肩も全てが煩わしく思う。
一旦間が開き、聞こえるのは二人分の息遣いと微かな鼾だけになる。
橙色に染まった白髪が動く気配はない。先に沈黙を破ったのは桂だった。
「俺に……自ら死に行こうとする仲間を、止めるなと言うのか…?」
悲哀を湛えた瞳を直視出来ない。悲しげな声で初めて気付かされる桂の思いに、高杉は沈痛な面持ちになる。
「………お前は何時になったらそのガチガチの箱から出ようとするんだ」
ただ一言不満を告げると身体を翻し、そのまま出ていこうと襖に手をかける。
「おい、待てよ」
高杉の背に、落ち着いた低い声がかけられる。高杉は顔だけを背後に向ける。
声の主は片肘をついて横になっている銀時だった。背中を向けていた筈が、いつの間にかこちらに向き直っている。
きっと先程の重なる怒声で起きたに違いない。
それまで傍観者ですらなかった人間が話だけは聞いていたのかと思うと、自分達が原因であるにも関わらず、高杉も桂も目の前の男が急に憎らしくなる。
「俺も行くわ、江戸」
「銀時…!?貴様まで何を言って…」
銀時はわざとらしく聞こえるように長い溜息を吐く。体を起こし立ち上がろうとする動作すら怠そうだ。
「俺もいい加減うんざりしてんだ。もう、充分待っただろ」
頭を掻きながら桂に向き直り正視する。唖然とする桂がまるで金魚のようだと思う。
「お前はどうすんだ、ヅラ。……同じなんだろ」
迫るでもなく咎めるでもない視線を投げかける。いつも通りの呼び名に対する否定の言葉は出てこなかった。
ようやく振り絞られた声は、先程の口論のせいか少し掠れていた。
「………俺は……」
室内の空気が自然と張り詰めるのが分かる。二人の注意が桂に集中する。
「……………いや、一晩考えさせてくれ」
「……もし来るつもりがあるなら…どこにする、高杉」
「境内だ。来るなら明日正午、支度をして境内へ来い。」
「だってよ」
高杉はそれきりさっさと部屋を出ていく。続いて銀時も出ようとする。
襖を閉めようと振り返った銀時の目に頭を抱える桂の姿が映る。俺にどうしろというのだ、という台詞は聞こえないふりをした。
「来ると思うか」
「どうだろうな」
互いに顔は合わせず、速めの歩調で帰路を歩む。並んだ二つの影は癖毛のほうが僅かに長い。
「江戸へ行ったら」
「まず俺らと同じような奴らが集まってる所を探す。基本的に何処でもいいが、敗戦一色の所は避けたい」
銀時の言葉を遮るように繋げる。更にその後の計画も事細かに説明した。
冷めた所があると思えば、一方では感情に素直すぎる所もある高杉だ。
事実、今回の件もそういった性格に原因があるだろう。てっきり突発的な計画だとばかり思っていたので、銀時は舌を巻く。
「……明日か」
「ああ」
「随分急だな」
「上京自体は前々から考えてた。お前らには黙ってただけだ。」
そこで銀時はようやく合点が行く。長い付き合いとはいえ掴みにくい男ではあったが、計画性がある所だけは昔から変わらないようだ。
「数日後には戦の中、ね。実感ねぇな」
「そりゃそうだろ。俺らまだ実戦経験ないんだぜ」
「それでお前もよくその気になったな」
「同じ事言い返してやるよ」
高杉から笑みが漏れる。先程の雰囲気とは違った柔らかさに銀時は安堵する。幾らか緊張は解けたのだろうか。
「俺らなら何とかなるさ」
「俺はよ」
ふと高杉が口を開き、誰に聞かせるでもなくぽつりと呟く。
ただ溜まっていた思いを吐き出したいのだろうと思い、銀時は黙って聞こうとする。
「仇討ちが何の得にもならねぇ事くらいわかってるんだよ。身勝手に他人を巻き込むなんて出来ない事もわかってる。
……でも心の何処かで"あいつらなら"と思ってた。もしあいつがやらないって言ったら、一人ででもやってやろうと思ってた。
仇を討ちたいと思っているのは俺だけなんじゃないか、不安もあった」
先程の激昂した桂が銀時の脳裏を掠める。声を張り上げる桂を見るのは実に久しぶりだった。
「結局は独りよがりだ」
自嘲的な響きを含んだ口調に、銀時は初めて高杉のほうを見る。
自分よりも少しだけ低い位置にある高杉の頭を眺め、少し固めの髪をぐしゃぐしゃと乱暴に掻き乱す。
「なっ」
「やっぱ馬鹿だなぁてめぇはよ。ヅラの気持ちも何となくわかるぜ」
どういう意味だと聞きたそうな高杉を無視し、前に向き直り先を続ける。
「確かに独りよがりだよ、おめぇは。何かしら報いたいと思ってんのはお前だけじゃねぇんだ。
それだけは覚えておけこのタコ」
その翌日、境内には腰に刀を差ししっかりと旅仕度をした桂の姿があった。
銀時と顔を見合わせ、罰の悪そうな表情の桂を道中からかった事を覚えている。
今思えば江戸へ向かうあの旅路こそが、三人で過ごした最後の綺麗な思い出のように思える。
死地に赴くというにも関わらず、"この三人なら大丈夫だろう"という無意識下の絆が互いにあった。
その後出会った坂本という奇っ怪な男も交え、戦場でそれぞれが名を上げていった。
出陣したての頃は生傷も絶えなかったし、時には命に繋がる程の大怪我をする事もあった。高杉も例に漏れず片方の光を奪われた。
戦場での記憶は決して明るいものではなかったが、気兼ねない仲間と過ごしたひと時はとても居心地が良かった。
くだらない言い争いや殴り合いの喧嘩をしたのも、生涯彼らだけだろうと高杉は思う。
それぞれが抱える目的は違っても、共に過ごしたあの時間だけは確かなものだった。
終戦から何年も時が経った。
天人がはびこるようになり、戦時の跡形もない程変わり果てた町並みも見慣れてしまった。
銀時には銀時なりの、自分には自分なりの道がある。互いに不干渉である事が一番なのだ。
そう悟るには充分な年月だった。
鬼神と恐れられた男が姿を消した当時、激しい憤りを感じたのは事実であった。
数年ぶりに見た姿に戦時の覇気は無く、更に幻滅した事も事実であったが、喧騒のさなか自分を殴った拳は殴り合いをしたあの頃と何一つ変わっていなかった。
押し込めていた怒りをぶつけた所でわだかまりが消える事はなかったが、その事実が高杉にとっては意外な事で、ほんの少し嬉しかった。
二度目に見た男は白夜叉そのものだった。祭で殴られた時とは違う、異質な高揚感を覚えた。
歩む道は違えど、かつての狂気は未だあの男の中に眠っているのだ。そう思うと、それがどれほど奥底にあろうと構いはしなかった。
懐からおもむろに書物を取り出す。大した重さはないが、自分にとっての価値を思うと急に重みを増してくるようだった。
古びてはいるが、すぐに手に馴染む感覚がとても懐かしく思える。先日桂に切られた断面を指で軽くなぞる。
あの一件以来これを見る度、師そのものを斬られたようで複雑な気分に陥る。
以前桂に言われた事を思い出す。
"お前はただの獣だ"
あまりに的を射た表現にあの時高杉は自嘲するしかなかった。
しかし、本懐を遂げるまではただひたすら走り続けるしかないのだ。
自分にしか出来ないから自分がやる。今更後悔などするものか。本を持つ手に力が入る。
昔を懐かしんでいる暇など無い事はわかっている。
今更過去を振り返った所で、何かが変わるわけでもない事も、十分すぎる程に理解している。
それでも時に心がひかれてしまうのは未だ過去に捕われているという事なのか、高杉にはわからなかった。
俺が本当に過去を振り返っていいのは人生に幕を引く時だ。
そう言い聞かせながら、身体を倒しそのまま仰向けになり片方しかない目を腕で覆う。
なぁ、銀時。ヅラ。坂本。
俺はお前らと袂を分かった今でも、あの頃の思い出だけは捨て切れないでいる。
けれど俺という人間が終わるその時まで、二度と振り返る事は無いだろう。きっとこれが最後になる。
互いに口に出した事はないけれど、もう声が届く事はないけれど、
復讐に生きる俺が一人の人間として持っていたい最後の思い出だ。
「やっぱり俺は独りよがりだな、銀時」
天井の染みを見つめながら呟いた言葉は響く事無く虚しく消える。腕の隙間から漏れる光の眩しさに目が眩みそうだった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
携帯からなので改行おかしくてすみませんでした
>>258 こ、これは・・・・801なのか?
姐さんのおかげで子供の頃のトラウマを思い出したよ。
水木しげる御大の本でこの妖怪の話を読んで、泣くほど怖かった時のことだ。
なんか変な気分になってきちゃったな。寝られるかな・・・・。
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// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 某昭和のスターとその周りのお話
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < 女性のエチシーンあり注意!
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|_____レ"
様々な男に抱かれながら、彼は何度も呟く。
どうか、どうか、どうか、
とどきますように。
彼の想いが。
とどきませんように。
わたしのはなしが。
けたたましいドアベルの音に、彼女は目を覚ました。
時刻は朝に近い真夜中。
慌ててドアに駆け寄って、鍵をあけた、近所迷惑もはだはだしい来訪者が現
れる。
「・・・・・やあ」
薄笑いを含んで、彼は部屋の中に入る。
肩越しに、きつい酒の匂いが彼女の鼻かすめた。
反射的に、流し台に向かう。
グラスに水を満たすと、ソファーに横たわっている彼の頬にあてた。
「飲みなさいよ」
気だるげに男は目を開ける。
のそりと起き上がると、グラスを持った彼女の手を引き寄せた。
「な・・・・!」
グラスが床に落ちて、水が床にしみを作る。
それに構わず、そのまま胸に抱きこむ。
彼女の背中に手を回して、その柔らかい感触を楽しんだ。
「抱きたい・・・・・。」
熱っぽい声で、耳元で囁いた。
彼女は哀しげに、ため息をついた。
「貴方」
彼の頬が彼女の胸に擦り寄る。
「又男に抱かれたの?」
彼女の心音を聞きながら、彼は答えた。
「・・・・・・うん」
節目がちな目が、哀しげに影を落とした。
「・・・・・・嫌?」
彼女は笑って首を振った。
「大丈夫・・・私は大丈夫よ」
彼の顔を両手に挟み込んで、顔を向ける。
少し怯えた表情が、そこにあった。
「・・・・・キスして」
彼女の言葉に、彼は唇を重ねた。
酒の芳香に混じって、微かに男物の香水に香りを感じて、女は優しく男の髪
を撫でた。
彼とこういう仲になったのは、何時頃だろうか。
最初に誘ったのは、彼女の方だった。
同じ事務所の後輩に当たるその子は、デビュー当初から他の子より一際目立
った存在だった。
艶やかな黒髪に映える白い肌、黒い大きな瞳、節目がちに影を作る長い睫。
まるで美しい少女に与える形容詞が、彼の全てに当てはまった。
当然、彼はその容姿で瞬く間にスターダムにのし上がっていった。
様々な賛美が、彼に与えられた。
時代の寵児、歌に愛された男、日本中の女を魅了する彼----。
その一方で、密やかに口にされる噂があった。
彼は、その美貌を使って、業界の有力者とねんごろな関係になっていると。
事務所の社長も、あの大物プロデューサーも、皆彼を抱いてその身体の虜に
なったそうだ。と。
下世話な噂と一蹴するには、彼の存在は華やか過ぎた。
『男の癖に、淫売みたいな真似しやがる、女よりタチ悪ぃ』
道すがら、毒づかれた言葉。
彼は振り返らず、通り過ぎた。
右手を血が出るほど、きつく握り締めて。
彼女は今、側で眠りにつく彼の姿を見つめる。
髪を梳くと、首筋に紅い跡が見え隠れする。
背中に、脇に、ここかしこに残る情交の跡に、彼女は哀しげに目を伏せた。
一度だけ、聞いたことがある
「どうして、そこまでするの?」
こういう業界だ、美しい花はたやすく手折られるのは分かっている。
彼女とて例外ではない、事務所の社長とは、彼よりずっと前から情人として
庇護者になってもらっている。
彼とそういう仲になったのも、社長の縁もあってのことだ。
それでも、
「そこまでひどいことされること、無いはずでしょ?貴方なら」
噂など、可愛いものだった。
最初、彼は、複数の男達に陵辱され、その身体をぼろぼろまで痛めつけられ
たのだ。
それからも、怪しげな男達の享楽の宴に呼ばれては、彼はその身体を好きな
ままにされている。
時には全身に鞭の跡を付けていた時もあった。
なぶり者にされても、彼は抵抗一つしなかった。
それは
「・・・・・・守りたいものが、あるから」
彼はぽつりと、呟いた。
「守りたいもの?」
彼女が反芻する。
「それは、何?」
彼女の言葉に、彼は笑って答えた。
「えがお」
「笑顔・・・・・?」
彼女の戸惑いに、彼はただ、笑っていた。
少し、哀しげに。
虚飾で飾られた世界など、いらない。
本当に欲しいものは、世界の外側にあるもの。
みんなの笑顔。
彼の笑顔。
自分の----。
女の横で、彼は眠り続ける。
安らかな寝息を聞きながら、彼女は彼を見詰めていた。
「いつか、私にも教えてね」
小声で彼に囁いた。
「貴方の本当に欲しいものは、誰が持っているか」
そう呟いて、彼の胸に頬を当てた。
彼の心音を聞いて、目を、閉じる。
彼の心を、読み取ろうとするように。
彼女と彼が結婚という縁で結ばれるのは、それからすぐの事であった。
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) <女性絡みネタ嫌いな方スミマセン
//, 停 ||__ (´∀`⊂|
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 <どう見ても801から浮いてるお
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
すいません、題名入れ忘れました。これで終わりです。
アアドウミテモヤオイジャナイヨドウシヨウorz
乙です。南京豆の片割れさんの優しさにほろり。映像すら浮かび上がりました。新作、また楽しみにしてます。
>>250 GJJJJ
投下待ってたかいがありました(*´Д`)リカちゃん可愛いよリカちゃん
長編で前後もみてええええ
281 :
雨と君と俺:2007/12/14(金) 16:47:35 ID:hKHSsHaM0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某曲をイメージして書いたマスター&カイト話
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 曲が解る人はBGMにしても
| | | | \ いいかも。
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「・・・・・昼までは晴れてたのに」
放課後。
バケツをひっくり返したような土砂降りの雨を前に、俺は校舎の玄関でひたすら途方に暮れていた。
夏に降る雨はどこか重々しく、薄暗い景色が憂鬱な気分に拍車を掛ける。
(ついてねー・・・・)
俺は憂鬱な気分と一緒にため息をついた。
ふと俺の横を仲の良さそうなカップルが良い感じの雰囲気をか持ち出しながら雨の中へと消えていく。
赤い傘の愛合傘。・・・・なんだろうか、この腹の底から湧き上がるドス黒い感情は。
・・・・ちくしょう。俺だって、俺だって、
脳内で「一緒に帰ろ」と傘をさし、眩しい笑顔でこちらを振り返る可愛い女の子が、
髪はフワフワでおっとり優しくていつも俺の事を気にかけてくれるそんな子が俺だって・・・・・
(・・・・・・うん。虚しいな・・・)
フッ、と自嘲の笑いを吐き出し、気をしっかり持つようかぶりを振る。
所詮は妄想。
そう、現実は厳しい。そんな女子がいないからこそ俺は未だにこうして玄関に立ち尽くしているわけで・・・・。
さて、これからどうするか。濡れるの覚悟でコンビニまでダッシュを・・・・・・
「ま、マスタァーーー」
「!!!!!っ!!??」
突然聞こえてきた声に、思わず俺は目玉が飛び出る勢いで驚いた。
声と共に濃い霧の奥から徐々に見えてくるのは、見日ごろ慣れたここに居るはずのない、
というか居ちゃいけない―――――
「カ、カイトっっ!!?」
「あっ!マスター!!
よかった、すぐに見つかって」
ふにゃっと笑うボーカロイドの青年が小走りで駆けてくる。
奴の右手には青い傘。左手にはなぜか近所のスーパーの袋。
「お、おまっ、なんで・・・!?」
「それが、さっき笑子さん(マスターの母親)におつかいを頼まれたんですよ。
その時雨が降ってるのを見て、マスター、今朝傘を持って行ってませんでしたよね。
丁度良い頃合かと思ってちょっと帰りに来てみました。大正解でしたねっ!」
と笑顔を浮かべるカイト。
こ、こいつは・・・・。何が大正解なんだ。
カイトの笑顔とは正反対に俺は顔が引きつるのを感じた。
そんであのオバンは何を考えてる!?おつかいとかカイトは使用人じゃねえって何度言えば(ry!!
「ね、マスター。よろしければマスターと一緒nむぉご!」
「マスターマスターここで連呼すんなッ・・・・!!(小声で怒鳴る)」
「は・・・・はふぃ(はい)・・」
下校する生徒がもの凄いジロジロこっちを見ていく。まぁ、無理もない。
「・・・・あのなぁ、カイト。俺、外出は禁止って言わなかったか?言ったよな?」
噛締めた歯の隙間から唸るような声色で彼を睨み上げて言う。
「う・・・・・・。え、えっと。その、
・ ・・・・・・・すみません・・・・」
ショボーンと落ち込むカイト。
「あのな、勘違いしてもらっちゃ困るが、俺は別に意地悪で言ってるんじゃないんだ。お前の事が心配だから言ってるんだからな。
・・・・・ったく、しかもよりによってこんな雨の日に出歩きやがって。
雨に濡れた所為で起動しなくなったりしたらどうするつもりだ!
それと真夏にコートとマフラー巻いてる男が道中ウロウロしてたら怪しいっつの!!」
・ ・・それに、
今、ここにいる「カイト」の存在はもしかしたら本来あってはならないものなのかもしれないんだ。
ソフトウェアであるはずのものが実体化して生活してるなんて、あまりにも非現実的。
もしこの事が世間に知れたら、それこそ今までの生活を続けていく事なんて出来ないだろう。
俺の白熱する説教に「はい・・・すみません・・・ごめんなさい・・・」とだんだん涙目でぺしょーんとなっていくカイトを見つめ、
こいつそういうとこ分かってんのかな。と、溜息が出た。
「いいか、分かったなら今後一切外出禁止!!破ったらアイス一ヶ月やらん!!」
「えええええええ!!一ヶ月ですかっ!?」
「出歩かなければいい話だろ。なんなら一年にしてもいいんだぞ」
「ああああ、いい、一ヶ月でいいです!一ヶ月で!!」
必死の形相で首と手を左右に振るボーカロイドの様子を見て、やっぱ分かってないな。と肩を落とした。
「あと、お袋には俺からよぉぉぉぉおおく言っておくから」
「・・・・・はい・・・」
しょんぼりとすっかり元気の無くなったカイトに、俺は思わず苦笑する。
本当は、こいつの気持ちだって解ってるつもりだ。
体があって、心があって、ほとんど俺たちと変わらない生活が出来るのに
ずっとあの小さな家の中にしか居られない。
「・・・・・あ。」
突如差す光に気づけば、厚い雲の隙間から太陽が覗き、
濡れたコンクリートは太陽の日差しをキラキラと反射させていた。
雨はいつの間にか止んでいたみたいだ。
「雨、止んじゃいましたね」
力なく笑うと、カイトは閉じたまま持っていた青い傘を紐でくるりと巻いた。
「にわか雨だったみたいだな」
俺は空を見上げたまま返す。
綺麗な虹が出来ていた。
虹から視線をカイトの方へ戻すと、彼もさっきまでの俺と同様、眩しそうに空を見上げていた。
「・・・・・ぶはっ!!」
「えぇ!?なっ、何で笑ってるんですかマスター!?」
「・・・だっ、だって・・・・!おまえ・・・・っ!!」
「え、ぅ、あ、あのっ!?お、おれ何か・・・?」
お前、まるでこの世の見納めみたいな情けない表情してたぞ。思わず笑っちまったじゃないか!
わけが解らず慌てふためいてるカイトを尻目に腹抱えて思いっきり笑う俺。
あー涙出てきた。
「・・・もう!いいですよっ」
とかやってる間にカイトはすっかり拗ねたご様子だ。
まったく、しょうがねぇ奴だなぁ。
今日だけはいいかな、なんて思ったのはただの気まぐれ。
「カイト」
「・・・・はい?」
俺は玄関から大きく一歩足を踏み出すと、カイトを追い越し、ふり返って言った。
「アイス、食いに行くか」
287 :
雨と君と俺:2007/12/14(金) 16:53:28 ID:hKHSsHaM0
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 801臭が薄くてスマソ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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288 :
雨と君と俺:2007/12/14(金) 16:54:34 ID:hKHSsHaM0
脳内設定入り混じっててワケワカメでスマソ。
自分あの曲を聴くとなぜか夏のイメージしか浮かびません。
なんだろう超時期はずれ。
>>258 妖怪萌えの私には充分BLエロスに見えた。
GJ!
妖怪って妙な色気があるよね。女性型妖怪に限らず。
あ、追記。
小袖の手自体の元ネタは娘の怨念だと聞くが、
付喪神は男女関係ないもんね。
291 :
オッケーイ!:2007/12/14(金) 21:06:30 ID:gn+PGge90
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 言っておきますが、今の私はおかしいです
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 真面目に読まない方が
| | | | \ いいでしょう
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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292 :
オッケーイ!:2007/12/14(金) 21:07:22 ID:gn+PGge90
曰本代豹線の開設という開設社になって初の大仕事、 しかしそれはK山の巧妙な罠だった…
「F田さん、これはあなたですよね?」
K山から差し出された写真には、確かにF田本人が写っていた。
だがそれは、決して撮った覚えも無い上に絶対に見られたくない姿だった。
「これを、どこで……」
「どこだって良いじゃないですか、それよりF田さんに挿入している相手は?」
相手……長年バッ〒リーを組んだ“友”の顔もはっきりと写っていた。
これから新しい生活が始まる友を、こんな事で邪魔してはならない……
「俺はいい、相手だけでも見なかった事にしてくれ!頼む、何でもする!」
思わず口をついて出てしまった。
「何でも、ですか。いいでしょう」
そういうとK山はF田を押さえつけた。
「何を!」
抵抗するが、いつの間にかもう一人の力が加わっていた。
「本日実協を担当します、アナウソサーのN山です」
やけに丁寧な挨拶だが、その手は乱暴で目つきはいやらしい。
「現役の時からずっとこんな風にしたかったんです」
いつの間にか下半身の衣服は全て剥ぎ取られ、あられもない姿になっている。
このまま逃げ出すわけにもいかない状況で、さらにもう一人の存在を思い出す。
ドアを開けて入ってきた彼に助けを求める。
「H尾さん!助けてください……」
しかし、絶望的な答えが返ってきた。
「今日はね、何も見なかった事にするって約束なんで。他のスタッフたちもね。あ、開設は代わりに私がしっかりやっときますんで心配なく」
絶望したF田の下半身にK山の手が伸びる。
「このアナルに挿入されて感じていたんですね」
嫌だ、と言いたいのに体だけは反応してしまう。
「あっ……ん……」
293 :
オッケーイ!:2007/12/14(金) 21:08:17 ID:gn+PGge90
「反応していますねー、本当は僕自身も挿入れてみたいんですが、今日は違う目的があるんで」
すると、どこからか取り出された細身のバイブが挿入れられる。
K山の手にはリモコン……
開設席から出る音はマイクのスイッチを切っている限り、外には聞こえない。
そして、マイクのスイッチを入れてしまえばどんな声も全国に向けて放送される。
この大事な一戦、日本中の人が見るだろう。
その数多くの視聴者の前でF田に恥ずかしい声を上げさせる、それがK山の目的だった。
一見ごく普通に、しかしアナルにはバイブが挿入されたまま試藍が始まった。
K山はリモコンを持ったままニヤニヤとF田を見ている、スイッチにはまだ手をかけない。
いつスイッチをオンにされてしまうのか、気になりながらも仕事をしなくてはならない。
大事な一線、その開設社なのだ。
挿入感はあるものの、試藍に熱中しているからだろう。しばらくするとあまり気にならなくなってきた。
攻撃中は陀者としての視点、守備中は保守としての視点から順調に開設する。
思わずリモコンの事も忘れかけていたその時──
「あぁん……」
油断していたF田は思わず声を上げてしまった。
──しまった、と思ったが遅かった。この声は全国に放送されている。
ちょうど、曰本がチャンスで凡陀してしまった時だった。
視聴者が“惜しい”というような意味の声だと思ってくれるよう祈りながら、いつ来るかわからない刺激を堪える。
K山を睨むが、ニヤニヤといやらしい目で見るだけだ。
あの写真と、リモコンは彼の手の中にあるのだ。
294 :
オッケーイ!:2007/12/14(金) 21:09:09 ID:gn+PGge90
スイッチを入れられるたびに声を押し殺し、耐え続ける。
「んぐっ……ふぅ……んっ……」
だが、曰本に有利な展開の時はどうすれば……
ふと、F田は現役の頃を思い出した。そうだ、ああすれば……
試藍はを重要な局面を向かえ、そして曰本に大きなチャンスがめぐってきた。
見事逆転に成功したその時、スイッチは入れられた。
「オッケーイ!」
F田は声を押し殺すのをやめ、叫んだ。
突然の事にK山は意外そうな顔をしたが、かまわずスイッチをオンにし続ける。
「回れ!回れ!オッケーイ!」
叫べば叫ぶほど、曰本に点が入ると信じた。
守備の間も、ナイスプレーを称えながら快感に身をゆだね、声を上げ続けた。
最後の陀者をダブるプレーに撃ち取った瞬間、F田は言葉にならない叫びとともに果てた。
一試藍を乗り切ったF田を、複雑な顔でK山は見た。
「まさかそう来るとは思いませんでした、さすがQ界壱の頭脳派と言われただけの事はある……ですが、この次に会う時はこうはいかないと思ってくださいよ」
冷たく言い放ちドアを閉める。
目の前の危機は乗り切ったものの、まだ脅迫の種がK山にある事と、彼には触れられたくなかった部分を弄ばれた事は変わらない。
悔しさを感じたF田もまた、次に会った時の報復を考えるのだった。
295 :
オッケーイ!:2007/12/14(金) 21:09:47 ID:gn+PGge90
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ アホでスマソ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>295 ああ、道理であの日のF田さんはF田さんらしからぬ興奮具合だったのか…
つか、K山www
>>295 一瞬脳内伏せ字変換が追い付かなかったよ…そうきたか…
オッケーイ!!
次も期待してますw
298 :
258:2007/12/14(金) 22:46:03 ID:NKkFgZ000
>>290 絶妙なフォローをありがとうございます。
私の方でもこれは触手のようなものと扱っていたので
言われるまで、娘という大元がすっぽり抜けておりました。
説明不足から場違いなものを投下してしまい申し訳ありません。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
体の奥底から何かが突き上げてくる感覚に押されて目を開けると、視界は淡く光る銀色に覆われていた。
首を捻って見上げれば、やはり仄白く光って見える美貌が自分を見下ろしていた。
「うおぁ」
一拍遅れて出てきた声は、随分間の抜けたものだった。
寸分の狂いも無く整った顔が笑みを形作る。
「魘されていたように見えたが、どうやら大丈夫そうだな」
上から退かれるのを追って、自分も起き上がる。
「あー、なんか体ん中で暴れまわってる感じがしてたんだけどよ」
目覚めのインパクトが強すぎて治まっちまった、とは流石に口にはしない。
「まだ少し力を持て余しているんだろう。体力が有り余っていて眠れなくなる子供と同じだ。心配無い、じきに馴染む」
説明する声はどこか楽しげに笑みを含んでいる。
大きく一つ息を吐いてから笑い返した。
「やっぱお前はお前なんだよな」
言った途端、目の前の顔に疑問の色が浮かぶ。
「…それはオレの台詞じゃないか?」
「や、お前洞窟ですげー怖かったじゃねぇか。武術会で妖狐のお前見た時の感じと一緒で、違うお前見てるみてーでさ」
話しながら改めて目を向ければ、真っ直ぐ向けられていた視線と重なった。
「けどお前、オレが魔族んなっちまったつった時、その姿で笑ったろ。それ見て思ったんだよ、やっぱお前はお前だったってな」
湧き上がる笑みを素直に顔に出すと、妖狐の姿では初めてであろう柔らかい微笑が返ってきた。
「お前こそ本当に…変わらないな」
その表情の綺麗さに、今更ながら照れる。
思わず指先で頬を掻いた時、指に絡んだ髪の感触で自分の状況を思い出した。
「あ、そう言や髪」
「朝起きたらオレが切ってやるよ。だから今だけ、」
手を取られ、仄白い顔へと導かれる。
「魔族らしい遊びをしよう」
触れた掌に、獣の仕草で頬を摺り寄せてくる。
視線に誘われる。
一度は鎮まったものが、再びざわめき始める。
笑みを交わし合った。
それが合意の合図だった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ヨウコハ オガタボイスデ ドウゾ。
>>299 前スレの人ですね。これは仙水戦の直後?
このカップルを扱ったものは読んだことないので新鮮でした。
>「魔族らしい遊びをしよう」
触れた掌に、獣の仕草で頬を摺り寄せてくる。
ここが好きだな。
>>291 バカヤロウwwww
だが オッケーーーーーーーーーーイ!!
>>291 あれをこう昇華するとはwwww
最高www
>>281 遅くなりましたがGJ!
兄さん可愛いよ兄さん
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )時かけより。どちらかというと千昭→功介。
千昭が若干猟奇的なので苦手な方はすんません
信頼とか友情とか愛とか思いやりとか、俺の世界にはなかった。
あったのかもしれないけど、少なくとも俺はそんなのとは無関係だった。
両親は遺伝子提供者でしかなく、無機質な試験管の中で生を受け、
管理者の義務と責任によって育てられた。だから、その手の温もりを俺は知らない。
それに、表現や思想や言論の自由が大きく規制された世の中では、
誰が本音を言っているのかも、誰に本音を言っていいのかもわからなかった。
表面ではよろしくやっといても、誰がいつ自分を裏切り、誰がいつ自分を欺くのかと、
互いに警戒し合っている。だから、誰にも心を開かなかった。
でも別にそれを、不憫だ、とか、悲しい、と思ったことはない。
周りの誰もがそうだったし、それが普通だったからだ。
暴虐と欺瞞に満ちた世界ではごく当然のことだった。
そうだ。俺は誰も信頼したことがないし、誰からも信頼されたことがない。
誰かに期待をかけたこともないし、かけられたこともない。
誰かを好きだとか、守りたいとか、愛してると感じたこともなければ、当然、
愛したいとも愛されたいとも思わなかった。
功介、お前と会うまではさ。
知り合ってから仲良くなるまでそう時間はかからなかった。
愛想のなさと他人への無関心が関係してるかはわかんねぇけど、とにかく
誰も容易に近づいてこなかった中、
『おーい、間宮!』
功介だけが、こっちの顔色を伺うようなことを一つもせずに、無遠慮に俺のテリトリーに入ってきた。
『家こっちなんだろ?途中まで一緒に帰ろうぜ。』
それから、帰る時、帰る前の寄り道、昼休み、10分休み、移動教室も、と一緒にいる時間が長くなり、
何をきっかけにってこともなく、いつからか互いに名前で呼ぶようになって、
やがて休日も一緒に過ごすようになった。
功介といるのは居心地がいい。
まず、大多数がやる好奇心のみの詮索や干渉は絶対にしねぇし、
頭がいいからと言って勉強一辺倒の堅物ってわけじゃなく、冗談も通じる。
それから、同じ空間にいてお互いに全然違うことをしていても、全く会話がなくても、何の気を遣う必要もない。
俺はあいつの隣りで腹を向けて寝ることも、背を向けて寝ることも可能なわけだ。
そして、こんなこと功介には絶対に言わねぇけど、
何より側にいてほしい理由は、あいつが俺のことを叱ってくれるからだ。
俺が何か、人間的にできてねぇことをしたり言ったりした時には、真剣に怒ってくれて、
しかもその後は絶対に許してくれる。
ただ頭ごなしに怒りを向ける奴は大勢いたけど、俺のことを思って怒ってくれるような奴は、
今まで俺の周りには一人もいなかった。
なぁ功介。これが友情ってやつだろ?これが信頼ってやつなんだよな?
一緒にいるのが楽しくて、冗談言い合って、笑って、
間違ってることは間違ってるってちゃんと言ってくれて、だから何でも話せて、
でも時々何も話さなくてもわかってくれて。
なぁ、功介。
俺はこんなに崇高なもんを今まで手にしたことがなかったんだ。
こんなにも誰かに愛情を注いでもらったことは、お前の前にはただの一度だってない。
そんな奴が、愛されることの喜びを知ってしまったら、どうなると思う?
愛したいなんて望んじまったら、どうなると思う?
お利口さんで博愛主義なお前には、全く理解できないんだろうな。
「もしもし、功介。」
『おぅ。』
「あのさ、超ーーひまなんだけど。」
『ぶっ、なんだよそれ。』
「いいだろ。お前だって暇してたくせに・・・・・。なぁ、今から遊ばねぇ?」
『いいよ。家来るか?』
「あぁ。じゃあまた後でな。」
7月になったばかりの土曜日、午後7時。
夕日が沈み始めた川沿いの道に自転車を走らせた。
学校のない日はだいたい昼過ぎまで寝て、夕方から功介や真琴に連絡を取る。
でも真琴を呼ぶと、「女の子は遅くならない内に帰すのがマナーだ」とか功介がうるせぇし、
それに、真琴が帰るのと同時にその流れで解散ってことにしょっちゅうなるから、
申しわけねぇけど、最近は、夜遅くまで遊びたい時には真琴は誘わねぇことにしてる。
ごめんな、真琴。悪いのは功介だからな。
「なぁ、功介。」
『ん〜・・・?』
「ちょ・・・そろそろ暇してきた。」
『あぁ・・・・・。』
「ぉいっ、なんかしようぜ!」
『ちょっと待って・・・今いいとこなんだ・・・。』
功介の家にお邪魔してから早一時間。雑誌を読んだり音楽を聴いたりするのに飽きてきて、
ベッドの上に仰向けに寝転がって難しそうな小説を読みふける功介の足を揺らしても、まるで構ってもらえない。
「つまんねぇって!」
・・・ったく、一つのことに集中すると他のことには目もくれねぇんだから・・・・・。
「!」
そうだ、いいこと思いつーいたっ。
功介の方にちらりと視線だけをやると、相変わらず同じ姿勢で熟読している。
気づかれないようにゆっくりと、音を立てないようにそーーっと、ベッドのすぐ横のサイドテーブルを引き寄せた。
おぉ、色んなもん入ってるな。
まずテーブルの上にはボックスティッシュとMP3プレイヤー、そしていくつかの単語帳。
一番上の引き出しはごちゃごちゃとしていて、二番目、三番目は大して物は入っていない。
下の二つをそっと戻して、一番目を中心に物色させてもらう。
まず、シャープペンにボールペンに、セロテープ、カッターナイフ、ハサミ・・・。
なんだこりゃ、文房具入れか?
さらに中を調べる。
ばんそうこうに綿棒、ピンセット、包帯、ネット、ガーゼ・・・。
「・・・・・・・・・。」
なんか、ベッドのすぐ横にこれ置いてるのって、ちょっとやらしくね?
それとも、そう考える俺がやらしいのか?
もっと奥を調べると、
「あーーーーーっっ!」
功介が、視界を遮っていた本を少し上にずらして、こっちを見る。
「これなーーんだ?」
『あっ・・・!お前何やってんだよ!』
「功介もこんなん持ってんだな。」
『ったく、静かになったと思ったらこれだ・・・!』
お、一応気にはしてくれてたんだな。
「なぁ、これ開けていい?」
返事を聞く前に未開封だった箱を開ける。
『お前なぁ・・・・・。開けてもいいから、その辺に出したもんしまってくれよ。』
功介の文句は軽く聞き流して、箱の中からさらに密封されているものを取り出す。
「へぇーーーっ、初めて見た。」
『お前本気で言ってるのか?』
呆れ顔で言う。
「あぁ、マジ。」
ゴムは貴重な資源だからな、庶民のもとには回ってこないんだ。
なんて言ったところで、笑われるか、さらに呆れさせるかのどっちかなんだろうけど。
『男のマナーだ、持っとけよ。』
「相手もいねぇのに?」
『いつ入り用になるかわかんねぇだろ?』
「用意周到なわけだ。お利口なんだな、功介君は。」
にやにやと笑って、功介の目前で半透明のそれをヒラヒラとさせると、
『備えあれば憂いなしだ。』
と、笑った。
「な、これってどのくらい耐久性あるんだろうな?」
『さぁな。ま、簡単には破れないだろうけどな。あ、でも、銅には弱いらしいぜ。』
「なぁ、ちょっと試してみようぜ。」
それから功介の部屋にある色んなもんを突っ込んでみた。
携帯に、メガネケースに、ペン立て・・・。一番おっきぃもんで500ミリのペットボトル。
「だめだ、破れねぇなぁ。」
『鋭利なもんを入れりゃすぐだ。』
「バカ、それじゃ意味ねぇだろ。できる限り似せねぇと。」
と言って、右手で何かを握って擦るような真似をすれば、察しのいい功介はすぐにわかる。
『だったら、さっきのペットボトルの時点で既にアウトだろ。』
困ったように笑いながら言う。
「あのさぁ、功介。」
その表情が好きなんだ、って言ったら、お前笑う?
「・・・・・・・・・・・お前の大きさどれくらい?」
このくらいかと拳を突っ立ててゴムを被せれば、功介が悪乗りする。
『いや、俺のはもっと硬度があって、角度はもっとこう・・・。』
と、手を伸ばす。
「くっ、ははっ!!まじかよ!ちょっと見せてみろ!!」
ゴムをその辺に放り捨ててベッドに飛び乗り、功介に馬乗りになって、両手を上にして押さえつける。
『くくっ、やめろよっ。それを見れるのは俺と寝ることができるラッキーな女だけだ!』
「もったいぶってんじゃねぇよ!!」
いつものことだったんだ。くだらねぇことぎゃあぎゃあ言い合って、笑って、気がすむまで笑って、
なんか力が抜けて、一瞬静かになって、それがおかしくてまた笑い出す。
今日もそうなるはずだったんだ。だけど、
目が合っちまったから・・・。鼻先が触れ合うほどの至近距離で、目を合わせちまったから・・・。
『千昭・・・?』
俺の意図を確認するかのように、目を丸くして、右、左と視線を泳がせた功介に、
『っ・・・。』
キスをした。
あーー、何やってんだ、俺のバカ。やっちまった、ついにやっちまったぞ。
そっと唇を離すと、功介は、目を皿にして、2度、3度と瞬きさせて、俺の目を捉えている。
さぁ、なんて言い訳する?
どうにもまとまんねぇ思考を死にもの狂いでコントロールしようとしていると、
「!」
『!』
功介の携帯が、フローリングの床の上で、ブブブ、と鳴った。
それを機に、功介が全力で俺を押し退ける。
『何やってんだよっ、気持ち悪ぃっ・・・!』
甲でごしごしと唇を拭って、携帯を開いた。
あぁ・・・・・助かった・・・・・・・。
時を戻そうと思えばできる。でも、そうしたくはなかった。
功介は画面を一目すると、何度かボタンを押して折りたたみ、ベッドの上に放ってから言った。
『真琴、家の用事で来れねぇんだって。』
「えっ、お前あいつに連絡したの?」
『あぁ。』
「なんで?」
『なんでって・・・・・、真琴に内緒で二人だけで遊んだりしたら、あいつが可哀相だろ?』
「・・・・・・・・・・・そんなもん?」
『そんなもんだ。もし俺と真琴がお前に内緒で二人だけで遊んだら、お前だって嫌だろ?』
ん?今なんか、ちょっとっていうか・・・・・すげぇイラッとした。
なんだ?どっちが嫌なんだ?
功介が真琴を独り占めするのが気に入らねぇのか?それとも、
真琴が功介を独り占めするのが気に入らねぇのか?
よく考えろ。自分の心を探るんだ。
例えば、真琴が俺に内緒で早川さんと遊ぶとする・・・・・・・・・別にどうってことはない。
じゃあ早川さんじゃなくて、別の男と遊ぶとする・・・・・・・・・ちょっとムカつくけど、さっき感じたほどじゃない。
じゃあ・・・・・・じゃあ、功介が俺に内緒で他の男や女と遊んだら?
>STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ) しかも続きます。申し訳ない。
>>281まさかカイト受けが見れるとはwGJ!マスター呼びに萌えた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|
>>251の続き。中編。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ルカリカよりリカルカ雰囲気なので注意
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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俺とミルダはベッドの上に向かい合わせて腰を下ろしていた。
組み敷かれるよりは緊張が和らぐだろうと、俺から提案したことだ。
ミルダは俺の足の間で、お見合いよろしく正座をし、緊張に唇を震わせている。
元よりミルダに積極的な行動を期待してはいないが、
このままでは二人して顔を突き合わせているだけで夜が更けるだろう。
早速ミルダの上着に手を伸ばす。
戦場用に丈夫さだけを追求した己のコートとは違い、ミルダの上着は仕立ての良い手触りがした。
ボタンに手を掛けると、慌てて自分で外すと申し出て来る。
それを手で制し、ボタンを外してやると、小さくありがとう、と聞えた。
「気を楽にして、俺に任せていろ」
上着と同じく滑らかな手触りのスカーフを解くと、白い首元が露出した。
俺もベルフォルマやアニーミに顔色が悪いとたびたび揶揄られるほどには色白だが、
ミルダのそれとは毛色が違う。
俺の病人のような顔色とは異なる、白さの向こうにかすかに桃色を刷く、日焼け慣れしていない肌。
シャツのボタンに指を掛けながら、華奢な首筋に鼻先を埋め、あくまで軽く吸う。
跡を残す気はない。せめてもの配慮だ。
「ん、ぁ…、リ、リカルド……っ」
ミルダがくすぐったそうに身をよじり、両手を俺の肩について僅かに身を離す。
「その、服を脱がせるのもいいんだけど、ていうか、脱がなきゃいけないんだけど、
えっと、他に、あの……」
妙に歯切れが悪い。なんだ?
「はっきり言え」
「普通は、脱ぐ前に……ほら、あるじゃないか。その…やるべきことっていうか」
――あぁ
なるほど。そういうことか。
思わず笑い出しそうになった。こいつのこういうところが、素直に愛しいと思う。
「分からん」
「だから…!」
ミルダが口を開いた瞬間、さっと首を伸ばし、素早く唇を掠め取る。
「これでいいか?」
呆然とした顔に笑ってやる。ゆっくりミルダの顔色が変わった。
すぐに自分を取り戻したミルダが、火山が噴火したように文句を言い立てて来る。
ファーストキスだったのにやら、いきなりはひどいやら、女のようなことを言いながら、
どうやら照れているようだ。風邪を引いたように顔が赤く、蒼い目が潤んでいた。
俺は構わず、ミルダの服を脱がすことに専念した。シャツのボタンを外しきる。
思い出したように、ミルダの指が俺の上着の袖を掴んだ。
すがり付いているのかと思いきや、どうやら俺の服を脱がそうとしているらしい、
しきりに引っ張っている。
ミルダはミルダなりに積極的に動こうとしているのだろうが、かえって動きづらい。
自分でスカーフを毟るように取ると、上を脱ぐ。
纏めてベッドの下に落とし、視線をミルダに戻すと、じっと俺の胸の辺りを見ていた。
「気になるか」
「え?」
「傷跡」
古いものもあれば新しいものもある傷跡の中でも、比較的目立つだろう、胸元付近の銃創を示す。
「あ、……うん。どこで付けられたの?」
生返事だと気配で気付いたが、別段問いただすことでもないので質問に答えることにした。
「ガラム。5年ほど前か」
「触っていい?」
遠慮がちに聞いてくる。軽く苦笑をきざみながら、ミルダの手を取り、胸元まで導いた。
ミルダは少し驚いたようだったが、すぐに珍しそうに銃創を指の腹でなぞり出した。
大事なものを触るような手つきに若干のくすぐったさを覚える。
制しようと手を伸ばしかけたとき、ミルダが乳首に触れてきた。
思わずぎょっとして、その手を掴む。
「おい」
「駄目?」
上目遣いで俺の顔を伺いながら、胸に顔をくっつけてくる。
乳首に生暖かいものが触れ、眉を寄せた。
こいつは、服を脱ぐのすらキスをするのさえ恥ずかしがるのに、
どうしてこう時折大胆な行動に出るのか。神経が細いのか太いのかまるで分からない。
胸元に顔を埋めるミルダの頭を眺める。
まるで、出もしない乳を探して雄犬の腹を弄る子猫だ。
――寂しいのかもな
引き剥がそうと伸ばした指先を、俺の胸元に顔を埋めるミルダの後頭に、そっと添える。
途端、ミルダが乳首に歯を立てた。
(……っ)
髪を掴んで額を引き戻す。
「調子に乗るな。いい加減にしろ」
「気持ちよくなかった?」
ミルダの顔は不安そうでも、不満そうでもあった。
「ない。くすぐったいだけだ」
軽く頭を小突いてやった後、ミルダの二の腕に触れる。
滑らかな肌には真新しい傷がいくつも刻まれていた。
いずれも癒えかけのようで、俺のように跡を残すものではないだろう。
ピンク色の切創をなぞり、全治一週間程度だな、と職業柄いらんことを考えながら、
もう片手でミルダのズボンの前を開ける。
触れた二の腕の筋肉が緊張した。
「リカっ…!」
「黙れ」
下着越しにミルダの股間に触れる。すでに熱を持っていた。
形を確かめるように、上から下になぞり上げると、ぶるりとミルダの腰が震えた。
「まだガキだな」
わざとらしく声を落として囁いてやると、カッとミルダの頬が朱に染まった。
文句を言われる前に、下着をずり落として下半身を露出させる。
先ほどのお返しにからかってはやったが、それほど同年代の少年に比べて劣っているようにも見えない。
顔からしてもっと可愛いものが飛び出してくると思っていたのだが。
ミルダの陰茎に手を添えると、一層顔を赤くして俯いた。
他人に見られるのはもちろん、触れられるのも初めてなのだろう。
一瞬苛めてやりたい気持ちに駆られたが、ここはぐっと我慢をしておく。
「っ…!」
むき出しになったそれを上下に扱く。
形の良い唇が甘ったるいと息を付き、両手で俺の腕を掴む指は力が無い。
陰茎のくびれた部分を、猫の喉を愛撫するように撫でてやると、白い背が仰け反る。
初めての快感を持て余し、助けを求めるように切羽詰った目で俺を見詰める。
「大丈夫だ」
ミルダの頭を引き寄せ、胸板に鼻先を押し付けさせる。
荒い息を肌に感じる。見下ろす耳朶が茹でられたように赤い。
雫を滴らせる先端を指で引っかいてやると、泣きそうな声を出した。
そろそろか。
潤滑液を探してベッドの上に目線を走らせる。
むろん普通の宿屋の普通の部屋だ。そんなものは置いてはいない。
ここは一旦ミルダに放出してもらって、と考えたとき、思い出した。
今日パーティで道具屋に買出しに出たときに、グミ類と合わせてなんとはなしに買っておいたトリート。
あれならいけそうだった。ベッドから片足を降ろし、アイテム類を整理した袋を引き寄せる。
アイテム管理は俺がしている。トリート一つ分の不足ぐらいつまびらかになることはないだろう。
とはいえ、後日自費で補充する必要はあるだろうが。
袋の端に突っ込まれた瓶を引き出す。コルクの蓋の下に紫色の液体が満ちていた。
瓶を軽く揺する。たぷんとたわむ液体は、それなりの粘着性を持っていそうだった。
ミルダが首を捻り、その瓶を見つける。
「なに…?」
「そろそろ挿れる。もったいないとは言うなよ」
トリートの蓋を開ける。グレープの匂いが流れ出す。
ミルダが慌てたように身を乗り出して来た。
俺のズボンの前に屈み込み、ベルトを外そうとしている。
丈夫そうな金具を弄って四苦八苦するミルダを見下ろしながら、俺は眉を寄せた。
「俺はまだいい」
「え?」と、不思議そうにミルダが顔を上げる。全く状況が把握できない、といった目。
……まさかこいつは、男同士がセックスをするときには専用の穴が開くとでも思っていないだろうな。
「潤滑液に使うんだ。肛門を慣らすのに時間がかかる」
「だったら尚更じゃないか。脱いでよ、下」
「は?」
今度は俺が不可解な顔をする。
かみ合わない会話に不気味ささえ感じた。
「ちょっと待て。……なにを言っている?」
「だから、慣らすのに時間がかかるんでしょ?」
「尚更俺が脱ぐ必要がないだろう」
「なに言ってるの?」
「お前を、慣らすために、なんで俺まで……脱……」
ちょっと待て。何かがおかしい。
ある考えが、あまりに不吉な予想が俺の脳裏に過ぎる。いや、ありえん、ありえんが……。
平行線の押し問答に業を煮やしたように、ミルダが眉を吊り上げる。
「なんで僕を慣らさなきゃいけないの?逆だよ。僕は……」
ミルダが下唇を舐めて、言葉を一旦区切る。
やめろ、言うな。
その間に心の中で念じるが、ミルダには届かない。
「僕はリカルドに抱かれたいんじゃなくて、リカルドを抱きたいんだよ?」
悪い予感ほど的中するというのは本当だった。
電流が走った。眉間に皺を寄せたまま、石像のようにぴくりとも動けない。
ミルダが妙に真っ直ぐな瞳で見詰めてくる。コバルトブルーの瞳は不可思議なものを見る色に満ちていた。
普通、逆だろう、とやっとのことで言葉を搾り出した俺を、ミルダはさも妙なものを見る目で見詰めた。
「何でそうなるの?普通」
お前の普通の概念はどうなっているんだ。
「僕は最初からそのつもりだったんだけど…」
今度こそめまいがした。
____________
| __________ |
| | | | 紫なのはスペシフィックのホウダッタヨ
| | □ STOP. | | これでリカルカと見せかけての部分はお終いです
| | | | ∧_∧ キャラ崩壊シカケテルナー。リカちゃんゴメン
| | | | ピッ (・∀・ ) 次で終わります
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| モ//怪 ハイパー×薬売り(見学:小田島)
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| みんなの好きなお仕置きタイム
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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「このいやらしい、男好きの淫乱め。今度と言う今度は許さんぞ。」
怒っている。また浮気がばれたみたいだ。
でも今日は今までには無いほどの恐ろしい形相になっている。
こんなに怒るとは、さて、どの件だろう?
一度に3人相手した件かな。それともモノノ怪相手の件?
でもここ最近は何もしていないはずなのに・・・・・
まあ、お仕置きは嫌いじゃない。
痛いのは嫌いではないし、我を忘れる程の激しい行為には陶酔する。
翌日は仕事にならないし、しばらく座薬のお世話にはなるけれど。
彼が俺の顎を掴みながら言う。
「俺がこんなに可愛がってやってるのに、それでもまだ満足できないのか?」
体だけの問題ではない。人間は面白い。だからやめられない。
でも、俺にしか興味を持たないこの男には、それは言っても理解できないだろう。
彼が俺から目を離し、目の前の空間に気を放った。
空間が歪んだ後に、そこによく見知った男が現れた。
「ぉあ!?何だ?ここはどこだ?」
「小田島様!?」
「おぉ?そなたは薬売りではないか。これは何事だ?」
「小田島様を召喚したのですか!?いったい何をするつもりで?」
小田島様とはまだ何もしていないのに。なぜ?
「知っているぞ。お前があの野郎を特別気に入っている事を。なのに、なぜか手を出さない事もな。」
他の男と違って、小田島様には手を出しにくい。簡単に出しちゃいけないような気がする。
「それが余計に腹が立つのだ。」
彼が俺の着物を強引に剥ぎ取り始めた。
「小田島様の前で何を!?やめてください。」
「お前の痴態をあの野郎に見てもらうんだな。」
抵抗しようとしたが、体が動かない。それどころか、小田島様の前に勝手に進み始めた。
「俺の体を操っているのですか!?」
一糸纏わぬ姿のまま、小田島様の前で床に尻を付いて座ると、小田島様に向けて両足を大きく開いた。丸見えだ。
そして両手が股間に伸びて、自分の物を弄び始めた。
「お願い、やめてください!」
小田島様の前で、よりにもよって何て事をやらせるのだろう。
まさかこんなお仕置きをされるとは・・・
恥ずかしくて唇を噛み締める。
小田島様が慌ててこちらに駆け寄ろうとしたようだが、急に体が止まってひざまづいてしまった。
おそらく、小田島様も体を操られているのだろう。
「何だ何だー!何が起こっているのだーー!」
両手はずっと己の物を弄び、嫌でも体が次第に反応してくる。
片手が上に上がり、指を口の中に入れてかき回した。
唾液が付いたその手がまた股間へ下りる・・・・と思ったら、更に下に周り奥へと伸びる。
「あぁ!やめて!」
唾液で濡れた指で小さな穴を擦ると、爪が刺さらないように、そっとその穴へと指が入っていった。
指は穴の中をかき回し、くちゅと小さな音が聞こえる。
もう恥ずかしくて死にそうだ。小田島様に見られたくない。
でも意思に反して体は反応し、穴は指を締め付けるように痙攣している。
小田島様はさすがに顔を反らしている。が、
「遠慮せずに見たらどうだ。」
彼が言ったと同時に、ぐきっと微妙な音がして顔をこちらに向けられた。
強制的な自慰は続き、次第に体は上り詰めてくる。
「そろそろ指では物足りなくなっただろう。」
彼が俺の横に立つと、俺の指は動きを止めた。
彼を見上げると、目の前に彼の怒張した物を突き出された。
もう体は操られていないようで自由なのだが、抵抗せずに彼の物を握り、舌を這わせる。
普段よりも更に張り詰めていて、口に含むと口の中一杯で苦しい。
しばらく舐めさせた後、俺の口からそれを抜くと、彼は小田島様に向かってあぐらをかいて座り、俺を背後から、足を抱えて持ち上げた。
そして俺の尻に彼の物をあてがい、ゆっくりと下ろしていく。
俺の中に彼の物が侵入してくる。
ああ、これでは小田島様に、結合部まで丸見えだ。
こちらを見てる小田島様は、目を丸く見開いて、口を大きく開けたままで硬直している。
「もう浮気はしませんから、お願い・・・」
彼は遠慮せずに、激しく俺を動かし、揺さぶり、かき回す。
「あぁぁぁぁ!」
恥ずかしいけれど、快楽に耐え切れず、声が上がってくる。
「お前もこいつを抱きたいか?」
彼が小田島様に意地悪く言っている。
「だがこいつは俺の物だ。例え一時でも誰にも渡さん。俺だけの物だ。」
独善的な彼の言葉がなぜか嬉しく思え、喜びが湧き上がってくる。
汗が噴き出している小田島様が、急に自分の袴の中に手を突っ込み、動かし始めた。
興奮して我慢の限界なのだろう。仕方無い。
彼に抱かれて彼を体の中に感じ、小田島様を見詰めながら、絶頂へと上り詰めて行く。
「あぁぁぁぁーーーーー!!」
体が硬直して仰け反った。
直後に、背後に彼の僅かに漏らす呻き声が聞こえ、体内に熱い物が満たされた。
前方からは小田島様の小さな声が聞こえ、小田島様の動きが止まった。
その後も小田島様の前で、幾度も行為は繰り返され、小田島様は放心状態になってからやっと帰された。
小田島様が通りを歩いている。
「小田島様・・・」
路地裏の小道を通り過ぎる瞬間に、小道から声をかけて、腕を掴んで引っ張り込んだ。
「おぉ! ああ、驚いたそなたか。」
「この間は・・・・・・・その・・・・・・・・」
「ああ、こちらこそ・・・・・あんな事を・・・・」
お互いに気まずくて目が合わせられない。
「巻き込んでしまって・・・すみま・・・」
「えぇと・・あの男はそなたの、その・・・・・恋人か旦那なのか?」
「え・・・・・・・まぁ、その・・・・・」
「そうか、俺の事を何か誤解しているようだからな、ちゃんと誤解を解いて仲良くするのだぞ。」
「え?」
「はは、俺などと仲を疑われて災難だったな。仲良くしろよ。」
立ち去ろうとする小田島様に声をかけた。
「俺は誤解じゃなくて事実になっても構いやしませんよ。」
「え?」
小田島様が振り向く前に、路地裏の影から闇に溶け込んだ。
どうしよう。やっぱり我慢できないかもしれない・・・・
困ったはずなのに、なぜか少し楽しくなった。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オソマツサマデ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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>>308 正座しながら続き待ってます(;´Д`)
>>291 その発想はなかったわwww
けどオッケ ━━━━━━ (ゝ○_○) ━━━━━━ イ!
>>291 腹筋ぶっ壊れたww所々喘いでたのにはそういう訳が…オッケ ━━━━━━ (ゝ○_○) ━━━━━━ イ!
>>291 便乗してオッケーイ!wwwwwww
F田受も好物なので、ワロスモエスで脳が大変だwGJwwwwww
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )前回の続きです。
「・・・・・・・・・・・・。」
あぁ、そうか。これがあれか。
自分にとって価値のあるもんを手にしたことのある奴だけが知ることのできる感覚。
これが、
嫉妬、執着心、あるいは独占欲、所有欲、またの名を、支配欲――。
そうか、つまり俺は・・・。
「なぁ、功介。」
『ん?』
信頼とか友情とか愛とか思いやりとか、俺の世界にはなかった。
あったのかもしれないけど、少なくとも俺はそんなのとは無関係だったんだ。
俺は誰も信頼したことがないし、誰からも信頼されたことがない。
誰かに期待をかけたこともないし、かけられたこともない。
誰かを好きだとか、守りたいとか、愛してると感じたこともなければ、当然、
愛したいとも愛されたいとも思わなかった。
功介、お前と会うまではさ。
俺はこんなに崇高なもんを今まで手にしたことがなかったんだ。
こんなにも誰かに愛情を注いでもらったことは、お前の前にはただの一度だってない。
そんな奴が、愛されることの喜びを知ってしまったら、どうなると思う?
愛したいなんて望んじまったら、どうなると思う?
お利口さんで博愛主義なお前には全く理解できないだろうから、教えてやるよ。
「・・・って言ったら、お前笑う?」
『え・・・?』
与えられた愛情とか関心が、少しでも他の誰かに行くことが気に入らねぇから、
自分以外の誰かにお前を所有されるのがマジで気に入らねぇから、
「お前の全部が欲しいって言ったら、お前笑う?」
思いはおろか、心も身体も、視線の一つでさえも、誰にも渡したくねぇって言ったら、
お前、笑う?
『千昭・・・?』
笑えねぇよな。お利口さんで、博愛主義で、ものわかりがよくて、察しのいいお前のことだ。
こんな状況、とてもじゃねぇけど笑えねぇよな。
ベッドの上に座っていた功介に詰め寄り、じり、と壁際に追いやる。
『お前・・・大丈夫か?』
両肩をがっしりとつかんで視線を捉え、
「なぁ功介・・・・・もう1回しようぜ。」
『千昭・・・!やめっ・・・!』
強引にキスをした。
俺とお前、なんでこんなに違うんだろうな?
試験管育ちの俺と胎内育ちのお前。
肌の色も、声も、息遣いも、唇の感触も、指先の温度もまるで違う。
聡明さ、誠実さ、屈託のなさ、優しさ、俺はその一つだって持ってねぇ。
だから惹かれたんだ。
『千昭っ、やめろって・・・!』
振り払われた両手を喉元に持っていき、強く締める。
「やめねぇ。」
それでも抵抗しようともがくから、動けないように膝を鳩尾に2、3発。
『ぐっ・・・!』
ヘへ・・・まともにやり合ったら敵わねぇだろうけど、場数は俺の方が踏んでるはずだ、絶対に。
お前に人を殴るなんてこと、できないだろ?
苦しそうに喉笛をヒューヒューと鳴らしながら、こっちを見る。
「絶対に離さねぇ。離れていったら、許さねぇ。」
『な・・・ん・でっ・・・・れたち・・・・・・・・っ・・・!』
『しっ・・・ん・・・ゆぅ・・・だ・・・ろっ・・・!?』
「っ・・・!」
その言葉に、ドクリと心臓が波打って、手を放した。
あぁ、何やってんだ俺・・・!こんなことしたかったわけじゃねぇんだ・・・!
「わ、わりぃ・・!」
功介は、手を放したのと同時にずるりとベッドに崩れ落ち、肩を大きく上下させながら、
まだヒューヒューと喉で息をしていた。
「やっ、これは・・・なんっつーか、その・・・・・・。」
なぁ功介、笑って許してくれよ、いつもみたいに。
「冗談だよ、冗談!プロレスごっこだ・・・!」
『・・・んで・・・?お前・・・・。』
「え・・・?」
おい・・・そのトーンやめてくれよ。そんな目で見ないでくれ。いつもは許してくれるだろ?なぁっ・・・!
「な、なんだよ、つっこめよ!じゃねーと俺がさみぃだろ・・・!」
笑って許してくれって!いつもみたいに・・・!頼むから・・・!
『・・・・・・・・・帰ってくれ。』
「功介・・・!」
『ごめん。』
『お前とはもう・・・・付き合えねぇよ・・・。』
「っ・・・!」
・・・・・・・あぁ、これが、喪失感。大切なものを失った時に感じる絶望。
大切な人を裏切った時に感じる自分への怒りと挫折感。
俺は、今まで自分が孤独なんだと思っていた。
親が子を思う愛情も、友が友を思う愛情も、女が男を、男が女を思う愛情も、
何一つ知らない、味わったことのない俺は、孤独なんだと思っていた。
でもそれは間違いだった。
俺は今、本当の孤独を知ったんだ。
大切な人が離れていってしまう。手にした温かさがもう感じられなくなる。それが、孤独。
独り取り残されたのだと、怖くて怖くてたまらなくなる。それが、孤独。
全て失ってしまうのなら・・・・・それよりは・・・・!
時間を戻せ!とにかく戻せ!でもどこまで・・・?どこまで戻ったらいい?
出会わなかったらよかったのか?いや、それは違う。それは問題の根幹から大きく外れてる。
じゃあどこからやり直す?間宮、津田と呼んでいたくらいか?紺野と呼んでいたその辺か?
ミスドに寄る前?野球を知る前?携帯の番号を交換する前か?
違う!違う!そんなとこじゃなくて・・・!
「・・・・!」
あぁ、そうだ。あん時だ。あの時に戻りさえすればいいんだ・・・。
『くくっ、やめろよっ。それを見れるのは俺と寝ることができるラッキーな女だけだ!』
ここだ、ここでよかったんだ・・・。
あぁ、よかった。早まって、ずっとずっと前に戻ったりしたら、過ごした時間の全てと、
あいつが俺に教えてくれた色んなもん、大事なもんの何もかもを失ってしまうところだった・・・。
「なぁ、功介・・・・・。」
『ん?』
鼻先が触れ合うほどの至近距離で、功介は、先ほどと同じように、
俺の意図を確認するかのように目を丸くして、右、左と視線を泳がせる。
「頼むからさ・・・・・一生のお願いだからさ・・・・・。」
「キス、してもいい?」
『千昭・・・・・。』
全部手にしようとしたら失ってしまう。だったら、失うくらいなら、全て失ってしまうのなら、
手に入れるのはほんのひと時でいい。
『お前・・・大丈夫か?』
「大丈夫だからさ、頼む・・・。」
俺たち、
「親友だろ?」
馬乗りになって押さえつけていた両手を解くと、功介は、もう一度だけ右、左と確認するように俺の目を捉え、
自由になった右手を静かに俺の後頭部に置いて、
ゆっくりと、引き寄せてくれた。
あぁ、どうして俺は無理矢理手にしようとしてたんだ。
こいつの掌も、唇も、温かくて、どこにも逃げて行こうとはしてなかったのに。
功介の携帯が、フローリングの床の上で、ブブブ、と鳴る。今度は、びっくりしなかった。
それを機に、功介が唇を離す。
『・・・・・・・これで、いいんだろ?』
困ったように笑う。
あぁ、その表情が、本当に本当に好きなんだ。
『サンキュー・・・・・・。』
身体をどかすと、功介は携帯を手に取り、画面を一目すると、
何度かボタンを押して折りたたみ、ベッドの上に放ってから言った。
『真琴、家の用事で来れねぇんだって。』
「そっか・・・・・今度は早めに連絡してやらねぇとな。」
『あぁ。』
傷つけちまうくらいなら、失望させちまうくらいなら、手に入れなくていい。
誰かのもんになってもいい。
でも、やっぱそれだけじゃ悔しいから、
「なぁ、お前にプレゼントがあるんだけど。」
『なんだよ、誕生日でもないのに気持ち悪いな。』
「人がただで何かしてやってんのに文句言ってんじゃねぇ。・・・・・ほら。」
掌に乗せて差し出すと、目を丸くして言った。
『ピアス?』
「そ、ピアス。」
『なんでまた・・・。』
誰かのもんになってもいいけど、やっぱり一部は俺のもの。
さすがに首輪とまではいかねぇからな。
『それは受け入れたとして、赤って。俺そんなイメージ?赤似合う?』
「似合わねぇ。」
『なんだよそれ・・・。』
だってそれ、元々俺のためのもんだもん。赤は俺のイメージ。俺の好きな色。
お前には不自然なほど似合わねぇ。っつーか、不自然だ。そこだけお前じゃないみたい。
だからいい。
他人の目にはこう見える。
「きっと誰かからもらったものだ。」
そう、そして功介がそれを肌身離さず着けている以上、誰も完全に所有することはできない。功介には、俺という存在がいるのだと、見せつけることができる。
功介は俺のものだと、誇示できる。
「なぁ、開けてやるよ。」
『お前やったことあるのかよ?』
「びびんなよ、俺の耳見てみ。」
『・・・穴一つねぇじゃねぇか!』
「いいから貸せって。」
『失敗したらどう責任取ってくれるんだ?』
「お前医者だろ?それくらい自分でなんとかしろよ。」
『医者なのは親父!』
5分くらいそんなやり取りを続けて、功介をイスに座らせた。
「なぁ、冷やすもん持ってねぇ?」
『貫通させるんだ、そんなのいらねぇよ。オキシドール塗るだけで充分だ。
それよりちゃんと一気にやれよ。絶対に途中で止めたりすんなよ。』
「ヘヘ・・・。」
『あ・・・!なんだその笑いは!?やっぱやめ・・・!』
「いーから・・・!」
またそんなやり取りを5分くらい続けて、
「じゃ、いくぞ。」
『あぁ。』
ブツリ、と肉を断つ。
これで俺のもんにでもなっとけ。
『・・・・・・終わった?』
「完璧。」
これで、誰がお前に触れても、誰のもんになっても、完全に所有されることはない。
お前の一部を支配することで、俺はお前を所有している。
これはお前と繋がっているための一部。忘れさせないための一部。
俺がお前の側にいた証し。愛した証し。
『ありがとな、千昭。』
「・・・・・・・・・・・・・なぁ、功介。」
このタイミングで、好きだ、とか言ったら、お前笑う?
「あのさぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピアス、俺がいいって言うまで外すなよ。」
『散々溜めといてそれかい!・・・・・・・ったく、何言ってんだよ。』
『当然だろ。』
功介、お前のそういうところがほんとに好き。っつーか、
「愛してる。」
俺は誰も信頼したことがないし、誰からも信頼されたことがない。
誰かに期待をかけたこともないし、かけられたこともない。
誰かを好きだとか、守りたいとか、愛してると感じたこともなければ、当然、
愛したいとも愛されたいとも思わなかった。
愛したいとも愛されたいとも、愛されてるとも思わなかった。
功介、お前と会うまではさ――。
STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ) 終わりです。
つまり何が書きたかったかというと、千昭は猟奇的で功介は受動的・・・ということではなく、
千昭にはタイムリープという選択肢があるということでした。浅い話で申し訳ない。
ここでエロパロ版を読み返すとまた違った楽しさを味わえるのではないかと思います。
ゴムで遊んだ話なんかや、真琴に話せない話のことだったり。
つまり真琴に話せない話とは、果穂ちゃんに拒まれたことではなく、千昭とキスしたことだったりします。
(真琴や千昭の踏み台になっている功介が可哀相で仕方ないわけだが)
読んでくださった方ほんとにどうもです。長々とすんませんでした。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ネオ桃山でゴエサス オオクリシマース!
「ぐ……こ、ここは……」
苦難の末に手に入れた2つの電池により、今までアイテム扱いをされていた最後の仲間が目を覚ます。
閉じていた目を開き、ぱくぱくと口を開ける。手がゆっくりと動かされた。
「サスケ!」
「サスケはんっ」
「サスケさん!」
彼を呼ぶ三重の声が重なる。その声で、ウォームアップ中であった彼は完全に覚醒した。
「……ゴエモンどの、エビス丸どの、それにヤエどのも!」
サスケは目をぱちりと開き、素早く上体を起こして……いや、若干硬直した後に、わなわなと震えながら仲間達を見上げた。
体を起こしたその瞬間、何かが胸元でふわりと揺れた。
その違和感につられて自分の胸元へ目線をやった瞬間にサスケは再び起動を止めていた。
見たこともない桃色づくしの服には彼にしてみればボロ雑巾にしか見えないフリルがこれでもかというくらいにあしらわれ、
おおよそ膝丈ほどのスカートから覗く足にはこれまたフリル盛りだくさんの足袋と真っ赤な南蛮の靴が装着されていた。
胸元では真っ赤な柔らかいリボンが揺れている。先程感じた違和感は恐らくこれだろう。
いや、認識した今となっては全てがおかしくて仕方ない。
「ゴエモンどの!?」
「は? い、いや、オイラじゃねえって!」
素早く怒鳴りつけると、ゴエモンは大慌てで否定する。ぶんぶん激しく手を横に振り、冷や汗を流しながらも訴える。
「オイラ達がおめえを見つけたときには、すでにそうなってやがったんでぃ!」
「な……」
ならば誰が好き好んでこんな服を着せるのだ、と問おうとしたところに、今まで見ているだけだった二人が口を開いた。
「ゴエモンさんの話は本当よ。私たちがざぜん町でサスケさんを見掛けたときには、既にこんなことになっていたわ」
手に入れた、とは言わない。本人の名誉のためにも。
「せやせや。それにどうせ着るんやったらわてが美しく……」
「殴り飛ばすぞ」
「ほにぃっ」
殺生な、と叫ぶ声が聞こえたのとほぼ同時に何かが潰された鈍い音がする。
潰れたのはエビス丸の頭であったりするのだけれど、サスケはそれを見なかったことにした。今さらだ。
続くようにボカスカ何かを殴り続ける音がして、ヤエは目を逸らし苦笑いを浮かべた。
こほん、とサスケが咳払いをする。
「それならそれで、せめて着替えさせておいて欲しかったでござる」
「南蛮の衣装だからどう処理していいかわからなくって。ごめんなさい」
心から申し訳なさそうにそう言うヤエを見ていると何も言えなくなって、なら仕方ないでござるが、とだけ呟いた。
この一行は基本的にエビス丸に厳しくヤエには異様なまでに甘い。
ヤエはごそごそと荷物をあさり始めると、これだ、と小さく呟いてから見覚えのある衣服を取り出した。
「もとの服はちゃんと預かってきてるんだけど……はい」
手渡されたそれを見て、サスケはやっと息をつく。
その色もよく肌(と言って良いものかは解らないけれど)に馴染む質感も、自分が見慣れた衣だった。
「おう、動きづれえだろ? さっさと着替えてきちまえよ。いつまでもそんな南蛮衣装を着てたってしゃあねえだろ」
いつの間にやら(一方的な)殴り合いを終えたゴエモンが軽く言い放つ。
サスケは一瞬固まってから
「当たり前でござる」
とだけ答えて、服をひっ掴み大樹の影に隠れた。
ゴエモンはなんでわざわざ隠れるんだ、と言いそうになって、隣にヤエが居ることを思い出した。
うら若き乙女の前で晒す物ではない、当然だ。一人頷くと、ヤエが不思議そうにゴエモンを見た。
「どうかした?」
「サスケの前にヤエちゃんが仲間になるのに慣れてないからよ。調子狂っちまったみてえだ」
「……そうなの?」
よく解らない顔で答えるヤエに対して、ゴエモンは苦笑いで頷いた。
一方大樹の影では、サスケが少々むくれ気味で着替えを始めていた。
ふう、と聞こえない程度に溜め息をつく。それから忌々しげに吐き捨てた。
「……そんな南蛮衣装、って」
確かに自分は女でも何でもないし、こんな物を着せられていた事への憤りも激しくあるのだが、
こうも反応が薄く素で返されるとそれはそれで悲しくなる。
それなりにイジって貰いたかった、と思うのはいつの間にやら自分に生まれた芸人魂のせいだろうか。
……いや、それだけとは言えない。
けれど、頭に浮かんだもう一つの理由は無かったことにしようとした。しかしサスケの口は正直だった。
「もっと他に何か言うことが……」
そう突いて出たのは無意識だった。
何かとは何だろうか。似合ってる? 可愛い?
そんなことを言われても苛々するだけだ。ふうと力無く溜め息をつく。
だが、笑いながらそう言う『彼』を思い浮かべた途端に何故か表面温度が熱くなっていくのを感じる。
気のせいだと言い聞かせた。しかし、一度浮かんだその想像が消えることはない。ぴたりと手が止まる。
もし、あの晴れやかな顔で「可愛いな」と言われていたら。それならば、今頃きっと――
「何ぼーっとしてますのや?」
「うひょおおお!?」
背後から飛んできた間の抜けた声に、サスケは思わず飛び上がって驚いた。
ぴょいんぴょいんと幾度か跳ねた後、振り返って声を張り上げる。
「エエエエビス丸どの! 驚かせないで欲しいでござる!」
いつの間に背後に居たのだろうか。驚きと自分の妄想に熱暴走を起こしかけながらも、サスケは必死で理性を保つ。
息を荒らげて猛抗議すると、エビス丸はいつものおちゃらけた顔でほにっと鳴いた。
「えろうすんまへんなぁ」
「まったく、びっくりしたでござるよ……」
この顔と声がいきなり間近で襲ってくるのは酷く心臓に悪い。
ゴエモンどのも重禄兵衛どのもよく耐えられたものだ……などと呟きながら、脱いだものを丁寧に一つ一つたたんでいく。
最後に履き物を整えたところで、エビス丸が口を開いた。
「サスケはん、その衣装なんやけど。わてが貰ってもええやろか」
「……入らないと思うでござるよ」
地獄絵図を想像してしまい、青ざめながらも鮮やかなピンク色のそれを相手に押し付ける。
似合う似合わないでなく入らないと言ったのは優しさであり残酷さの現れだ。
「大丈夫やて、わてやのうてゴエモンはんにやから」
それはそれで地獄だ。
忌々しげに扱った服ではあったが、今後の用途が不安で仕方ない。
悪いようにされないことを祈りながらも、サスケは愛しげに抱き締められたそれを力無く見つめていた。
【おまけ・その数日前】
「ところで、なんでまたこんなけったいな服を着せてやがったんだろうな?」
「ベンケイさんもああ見えて少女趣味だったのかもしれないわね」
「お人形遊びでっか。やー、人の趣味ってわからへんもんやなぁ」
絶対そうじゃないと思います。
思いますが、背中の上の人たちにそれを伝える術がありません。
第一心からそう思っている皆さんにそんなことを言うのは恥を晒すだけにしか思えません。
ママうえ、僕はどうすればいいのでしょうか。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
姐さん方のネタで萌えたからやってしまった。今は反省している。
ゴエサス分が薄くなってしまって申し訳ないです。
>>354 姐さんGJ!
サスケたんは我らの永遠の何か…アレだ!
素直クールロボショタ萌え!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| アイシ三兄弟 長男×次男 これでおしまいです。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|
>>218の続き。またもやエロ。しょっぱなからやってます。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ エロばっかで申し訳ないorz
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Tシャツの上から胸の突起をなぞると、黒/木はかぶりを振るようにしてよがった。
俺の太ももには短パンの上からでもわかるぐらいに張り詰めた黒/木のが当たっている。
Tシャツをたくし上げてそのまま口に含む。舌先でころころ転がすように舐めると、ひゅっと息を呑む音が聞こえた。
舌で胸の愛撫を続けたまま、片手でズボンごとパンツを脱がそうとするけどうまくいかない。
腰上げろ、と呟くと、黒/木はコクコクと頷いて腰を俺の脚に擦り付けるように上げてズボンをずらした。
「―んあっ……ぅ」
右手で擦り上げるように扱くと、今度は鼻にかかったような声が上がる。
声を出すのに慣れてないからか、咄嗟に自分の手の甲を噛もうとした黒/木の腕を掴んで制止する。
「声、聞かせろよ。ここぁ屋上じゃねんだ」
「だっ……はず、かしい…っぁあっ」
爪先で先端を優しく引っ掻くと、途端に腰がビクン、と震える。先走りがどろりと溢れて俺の指を濡らした。
眉間の皺やら額の汗やら細く垂れる涎やらが堪らなく興奮する。
一回イかせてやろうかとも思ったけど、俺が我慢できそうにもないので先走りを潤滑剤代わりにして後ろを押し広げることにした。
「……!え……も、挿れ、んの……っ?」
黒/木のものを握っていたのを左手に持ち替えて、人差し指をゆっくり滑り込ませると、黒/木は怯えたように尋ねてくる。
目尻に涙が溜まっているのをそっと舐めてそのまま頬にキスした。
「ごめ……俺も、も、限界、なんだ……力抜けよ」
「う、ん……っあぁっ……んん……」
竿への刺激を続けながら、指を増やす。
先走りを塗りつけてもすぐに乾いてしまうので俺は思わず顔を近づけて自分の唾を垂らした。その時にふと思いつく。
「―口でしてやろうか?」
「……はっ、はぁぁあ?え、フェ、ラ、ってこと?」
「そうだよ」
「え……ちょ、待っ、ぅあぁぁっ!」
是非の言葉を聞く前に先に咥えると、黒/木は戸惑いながらも仰け反る。
もうこれ以上ないくらいに膨張した黒木のは熱くて、口内で暴れだす生き物のように思えた。
ゆっくり吸い上げると、今までとは比べ物にならない嬌声が黒/木の口から飛び出してくる。
口で犯してやることに思いの他快感を覚えた俺は、堪らず弄っていた孔から指を抜き出して、自分のものを掴んでいた。
「……んんっ」
制服のジッパーに当たって痛いのをもどかしく解放して直に触ると、自分で抜いてるときよりずっと熱くてちょっとびっくりした。
思わず溜息のような声が出る。その時に歯が当たったみたいで黒/木もまたびくんと腰を大きく揺らした。
「っひぁっ……じ/ゅ、も/ん、じ……っ……オ、レも、す、るっ」
「っな、何を……」
ぜいぜいと喘ぎながら黒/木は上半身をぎこちなく動かして、俺の股間の下に顔を移動させていた。
扱いていた俺の手を剥がす。頭が黒/木の行動を理解した時には、俺のものは既に黒/木の厚ぼったい唇に吸い込まれるように入っていた。
ねっとりと舌がまとわりつく。突然の猛烈な快感に腰が崩れ落ちそうになるのを何とか踏ん張って、負けじと俺も舌の動きを早めた。
ずずっ、という卑猥な水音と時々漏れる俺らの吐息や声が、部屋に響く。
カリにそっと歯を当てて先端を舌先で押し付けるようにすると、黒/木の口が一瞬動きを止める。
「んんーっ……っふっ」
どうやら限界らしく、次第に黒/木の口が俺から離れていく。
吸い上げたまま頭を上下に動かして射精を促してやると、呼吸が浅く早くなってくる。
「あっ、や、だ……じ/ゅ/う/、も/ん、じっ……やば……い、くっ」
「―やっぱ一回、イっちまえ」
「ん、そ、んな……っぅん……っぁああっ!」
一旦口から離して、根元を扱きながら先をちろちろと舐めると、黒/木は半ば悲鳴のような声を上げて大きく仰け反った。
腰が痙攣するのに併せて精液が俺の口の中に流れ込む。
半分ほど飲み込んだが、粘り気のあるそれは喉につかえて思わずむせた。
口を手で押さえて残り半分を吐き出すと、呆けたような目でそれを見ていた黒/木の顔に、見る見るうちに血が上った。
「……飲んだ、のか……オレ、の」
「―全部、は無理だったけどな」
「な、んで、んなこと……」
「……好き、だからだろ、お前のこと」
3半分無意識に、飲み込んでいた。
屋上でやった時は黒/木のザーメンを飲むなんか考えられなかったけど、今日は、俺の行為で、喘いで、腰をくねらせるこいつが心底愛しいと思った。
この行為が、所詮己の性欲を満たすためのものだとしても、素直に、こいつを気持ち良くさせてやりたくて、気持ち良くさせてやれたことが嬉しかったんだ。
今度は、俺を気持ち良くさせて欲しい。お前の体で俺を犯して、お前のことしか考えられなくさせて欲しいんだよ、なぁ黒/木。
「今度は、俺の番だ」
改めて押し倒すと、黒/木は不安と期待の入り混じったような目で俺を見つめてくる。
心なしか目が潤んでいるのは気のせいだろうか。吐き出した残りを指に絡めて、入り口に塗りこむ。
萎えていた黒/木のものが、ぴくん、と反応する。
「な、ぁ、十/文/字」
俺の首に、きついぐらいに腕を巻いて黒/木が呟く。
きゅっと指が締め付けられる感じがして、俺は先にちょっと深呼吸しろ、と促した。
黒/木が薄く口を開けて深い呼吸をする度に、飲み込まれるようにして指が中に滑り込んでいった。
「っ……今度は、……オレの、番、だぜ」
「―え?」
指の動きをやめずに聞き返す。いい所に当たったのか一瞬きゅっと目を瞑ってから薄く目を開けて、くっくっと笑った。
「―さ、っき、オレ、イったとき、十/文/字の、ことしか考えられなかったんだ……
もう、気持ち良すぎて、死にそーに幸せなときに、お前のことだけ考えてた……」
「……」
「だ、から……っ、今度は、おまえが、オレの、ことだけ考えて、イけよ……っ」
そう言って口元を吊り上げる黒/木を見た瞬間、脳天から足の先まで、電撃のような快感がびりびりと走った。
ずくんと先走りが溢れる。それを素早く全体に塗りつけて、俺は何も言わずにいきなり突っ込んだ。
「っあぁっ!……んんぅっ……!」
黒/木の顔が痛みに歪む。涙が両目から流れるのを交互に指で拭いてやりながらも、俺は腰の動きをやめることが出来なかった。
黒/木もそれで良いと思ってくれてる、と都合の良い希望的観測の元、少しずつピストンを早めた。
4それでも、ちょっとでも苦痛を和らげてやろうと右手を黒/木の股間に持っていこうとすると、がくがく震える手が、それを制止した。
「い、いから……自分、で、する、からっ……
抱きしめて……オレのことだけ、見て、ろ……っ!」
「……わ、かった……」
頭を抱えて思いっきり抱きしめた。荒い息が耳元にかかる。
生乾きの髪の毛から自分のシャンプーの匂いがした。
いつもの黒/木のじゃないその匂いに誘われるように、思わず顔を埋める。さっきの黒/木の言葉がリピートする。
―オレの、ことだけ考えて、イけよ
俺は重たくなる瞼を必死に開けて、黒/木の顔を捉えようとした。
涙の膜の張った真っ黒な瞳に吸い込まれる、と思った瞬間、目の前が真っ白になって、全身から力が抜けた。
下腹に全神経が集まってしまったような、鋭い痛みのような快感だった。
「―ぅうっ……く、ろ/きっ……あっ、い、く……」
「……っ、じ/ゅ/う、も/ん、じ/ぃっ……んぁああっ!」
自分の体を支えきれなくなって黒/木の上にそのまま崩れ落ちる。
その時俺の腹に熱いものがかかる感触があって、黒/木もイったんだと分かった。
しばらく何も言えないまま、お互い呼吸を整えるのに必死だった。
何だこれ、何なんだこれ。
初めてやった時も死ぬ程気持ち良いと思ったけど、そんな次元じゃなかった。
本当に、黒/木の言葉通り、俺は黒/木のことしか考えられないまま、怖くなるような波に飲まれた。
そのまま現実に還ってこれないじゃないかと思うぐらいの衝撃だった。
余韻が薄まるにつれて、ようやく体の感覚が元に戻ってくる。
ベッドの横に落ちていたはずのティッシュの箱を手探りで探していると、黒/木が腹に溜め込んでいたものを吐き出すような溜息をついた。
「……死ぬ、かと思った……オレ」
「……俺もだ、一瞬怖くなった」
まだあんまり体に力が入らない。寝返りを打つように黒/木の隣に移動して、ティッシュを渡してやると、
黒/木は面倒臭そうに何枚か取って後処理を始めた。
「……テメ……中に出したろ」
「ごめ……もう、何か、そーいうの全部忘れてた」
黒/木はちょっとだけ俺を睨んだが、すぐに目尻が下がってまだティッシュを片付けていた俺にまとわりついてくる。
「でもさ、それってオレのことだけ考えてたって、ことだよな?」
「……そうだよ……お前もだろ?」
「当ったり前じゃん」
さっきの台詞といい、今の発言といい、さらりと笑顔で言ってのける黒/木はもしかしたら俺より余裕なのかもしれない。
ちょっと悔しくなって、キスしようと思ったけどやめて背中を向けると、こっち向けよー、と後ろから腕が伸ばされてきた。
首の後ろに髪の毛が当たってくすぐったい。
「……でもさぁ、何か変なの」
「はぁ?」
急に真面目な口調で言うもんだから、思わず顔を向けると、黒/木の顔からは笑顔が消えていた。
らしくなく眉間に皺をちょっと寄せて何か考え込んでいる。
「どーした?」
「だってさー……さっきのエッチはすっげぇ気持ち良かったし、オレお前のことすげぇ好きだし、
お前もオレのこと超好きなんだって実感できたけど、これってやっぱさ、普通のヤツが見たらおかしいって、思うよな?
―オレらはこんなに幸せなのにさ、ト/ガもちゃんと分かってくれてる、けど他の奴らはキメェとか思うんだぜ?そんなん、おかしくね?」
「……」
「なぁ、そんなんムカつかねぇか?」
何だそんなことだったのか。
顔を両手で包み込む。ぽかんと口を開けたままの黒/木に俺は言った。
「―お前は、誰かに後ろ指指されたら俺のことを嫌いになんのか?」
「まさか」
「じゃぁいいじゃねぇか。バレたってかまやしねぇよ。俺ら中坊ん時から憎まれ口叩かれまくってたじゃん。
今更だろ。言いたいヤツには言わせとけ」
「……そっか!」
どうもコイツは、人と考え込むところがずれてるような気がする。
いや、そんなこと気にしようが、結局は自分が感じたまま突き進むタイプって言った方が良いかもしれない。
たまに横道に逸れたら、俺や戸/叶がちょっと直してやる。だから、気にすんな。考えんな。
そのまま、お前が感じたとおりに俺を引っ張って行ってくれればいい。
そういうお前に、俺は惹かれたんだから。
安心して気が緩んだのか、大きな欠伸をかます口の中に長い前髪が入りそうになるのを指でどかしてやりながら、
俺より少し高い、黒/木の体温をかみしめるように抱き寄せた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 正直、すまんかった。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
途中自分用のナンバリングが入っちゃってるorz無視してください。
こんなドマイナーカプに萌えてくれた姐さんがいて嬉しかったんだぜ。
でもこいつらだとエロばっか書きたくなるのは何故なんだぜ。
>>369 GJです!
毎回かなり楽しみにしてます。
ここきっかけで元ネタ読み始めたほどです。
続きお待ちしてます!!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
三国志大戦2の決死×正座を晒しておきます。
・言い争ったり取っ組み合ったりするシーンがあります
・本文長いです
・公開してるの前編だけです
・文章の技量が色々しょっぱいですガクブル
・せっかくの休日をへたれ小説うpでつぶす自分は
どうかしてると思います
そ、それではドゾー
(---花粉の匂いが粘ついている)
頭部に鈍い痛みを感じて、張悌は、
倒れている自分がようやく意識を取り戻したことを知った。
かすむ目をうっすら開き、あたりの明暗になじませるようしばたく。
失神する前に、彼はずいぶん泣き続けたせいで、
まぶたが腫れて熱っぽい。
そして鼻腔の奥に、粘つく花の香りが色濃く漂っている。
(---ここはどこであった?)
問いかけの答えは、おのれの内より返ってきた。
(---私は、陛下の閨(ねや)にいるのだ)
そうだ……思い出した。
私が倒れているここは、我が皇帝・孫皓(そんこう)の寝床であったのだ。
「やっと起きたか、張悌」
「・・・・・・陛下」
するり、と髪を梳く指を感じた。
いたわり深く、優しく、乱れた頭を撫でてくる男に、張悌は顔をむける。
……それは怪しげな薬を混ぜた酒杯をあおらせ、
淫具を使ってもてあそび、散々に彼を責め泣かせた男だった。
だが、今はおだやかな目をしている。憑き物がおちたように。
この落差はいったいどこから来るのだろう、と張悌は思った。
この聡明な善王の瞳と、あの狂った暴君の瞳の、あまりに著しすぎる落差は。
「気分はどうだ。たくさん無体をして悪かったな。水を冷やしてあるぞ。飲むか」
「……いただきとうございます……」
虫が鳴くような声で、かすかな返事をした唇に、
硝子で造られた水差しのつるりとした注ぎ口があてがわれた。
皇帝の手ずから注がれる冷水を飲み干すと、
ゆらぐような頭痛はややましになる。
「褒美をたんとやろうな。さあ、なんでも欲しいものを申せ」
「・・・・・・陛下」
「絹の錦衣でも、西胡産の名馬でもよい。遠慮などはしなくていいぞ。
ああ、ただし女どもだけはだめだ。あれらは馬鹿で、気がきかないやつばかりで、
そなたに与えるにはふさわしくないからな。
・・・・・・そうだ、お前にかの、魏文帝の詩書をくれてやろうか?
太祖の代に魏より贈られたというあの……」
しかし、皇帝の言葉半ばで、張悌はゆるりと寝台から起きあがった。
透き通る肌の上に、陵辱の跡をいくつも残した体である。
裸身のまま、白濁した汚れもいとわず、
彼は孫皓の前にかがみ---そして、床にぺたりと平伏する。
「出陣をお許しくださいませ」
たちまち帝の表情がこわばる。
「……何故、それを望む」
「わたくしどもが王宮でこうしている間にも、晋にあらがう我が軍では、
前線で兵卒や将校が、つぎつぎと死んでおります」
感傷を凍りつかせたような、淡々とした声で張悌は静かに告げる。
だが、その静寂の中に、彼の痛みがはっきりと滲んでいる。
「それは何故でございましょうか。
戦場で軍師がおらねば、将兵は正しい戦術が得られず、
それゆえに右往左往するのみだからでございます。
わたくしが行かねば、このままでは皆、無駄に殺されてしまうばかりです。
もはや一刻の猶予もなく、前線に急ぎむかわねばなりませぬ。
なにとぞ出陣をお許しくださいませ……」
「そして、前線に去ったお前は負けるんだな」
「……」
「お前は負ける。お前なぞで晋に勝てるはずがない。
俺は晋に捕らえられて、孫呉最後の皇帝として首をはねられる。
そうだろ?……俺が殺されたあと、
お前も死ぬか、その身を犯されてから死ぬんだよ」
低い声色で言い切って、帝は、片手をさまよわせた。
彼が求めているものは酒だ。
張悌は言葉もない。……乱れはじめると、この帝はとまらない。
「それとも晋に亡命する気か?前線の将兵ともども、お前は晋に降伏して、
この腐った国から逃げおおせるつもりだな?
許せるわけがねえ……どいつも、こいつも俺を捨てていきやがって。
俺は、見捨てられて、ぼろくずみたいにして死ぬんだ……!
そうなるに決まっているならお前を前線に出すものか、みんな無駄に、
死んじまえばいいんだ……!」
帝の言葉はさらに乱れ、荒々しくなってゆく。
すさんだ心が一言一言刃となって、張悌にぐさぐさと突き刺さった。
孫皓は、うつむいている張悌を、うらめしそうににらんだ。
酒の飲みすぎで黒ずんだ顔にうまった両目が、
美貌の丞相への執心をあらわにして狒狒(ひひ)のように輝いていた。
「俺はきめたぞ。俺は晋に殺される前に、お前を抱いて抱きまくってやる」
「……陛下」
「張悌よ、俺と共に死んでくれるな?
この俺と共に瓦礫の下で腐って、蛆虫に食われてくれるよな?」
「・・・…陛下……」
張悌はうちのめされながら、
度を越えた遊蕩でやつれきった帝を抱き寄せるだけだった。
今、張悌は丞相であり、この崩れかけた国に残された、
帝をいさめる最後の者であった。
長江の流れにそった晋の猛攻が始まるのを、今か今かと待つようなこの時、
自分がどうにか孫皓の心を変えねば、呉は無為に滅びてしまうだけである。
---だが、極限まで荒れ果てた心には、一体、どんな言葉が染み込むというのか?
厳しくすると陰にこもり、情けをかけると癇癪を返され、
哀訴をしても嘲笑をぶつけられるばかりで、打つ手立てがまったくなく、
どうやって皇帝の心をあらためたらよいのか---。
もはや、疲れ果てた張悌には、全くわからないのだった。
◇◆◇
沈榮は苛立っていた。出兵できないからである。
呉の帝都に破竹の勢いでせまりくる晋の大軍---。
---彼らとの決戦が近いというこの時に、
毎日、毎日、毎日、ただ「王宮の警護をせよ」という、
彼からしてみればなんの意義も感じられない勅命を仰せつかっているのである。
面白くないことは立て続けにおきている。王宮からの脱走者が異様に多い。
皆、沈みかけた廃船である国を棄てて、晋に逃亡する者たちだ。
「なんで国を棄てるんだ!?」
若い彼は、その若さのままにいきりたち、
疲れ果てた顔つきの逃亡者に、憤然として言いつのった。
「おめぇの一族はよぉ、先祖代々からこの国に尽くしてたんじゃねえのか!
恥ずかしいとは思わねぇのかよ、ええ、どうなんだ!?」
「沈榮どの---あなたは今更、なにをおっしゃっているのですか」
「今更!?今更だと!?」
胸倉をつかもうとする勢いで、くってかかっても無駄であった。
彼らは皆、さざなみひとつ立たない湖のような静けさで、
口をそろえて沈榮に答えるのだ。
「今更なんだというのでしょう……我々は国に尽くしていたのではなく、
われらが国を護ってくださる皇帝陛下に尽くしていたのです。
その皇帝陛下が、国をみずから棄てておられます。今更何をかいわんやの乱れぶりです。」
皇帝みずからが国を棄てて、どうして我々がなおこの国を、
晋から護り抜けると思えましょうか……これを不毛と言わずして、沈榮どの、
あなたはなんなのだとおっしゃるのですか?」
「……クソッ!!」
沈榮は苦々しく舌打ちした。
逃亡者たちに向かって、逃げるな、あらがえと憤る、
そんな自分が哀しくてならない。
彼らの言い分こそが正論であるということ。
実は、それが沈榮自身にも、いやというほど分かっているからである。
「まだ諦めるな、頼む」
「沈榮殿」
「なんとかするんだ!俺がなんとかしてやる!
だからまだ、まだ逃げるな。必ず、おめぇらのいたこの孫呉を、
俺が、なんとか正気に戻してやるから……!!」
こんな風にして。
建業から逃げ出そうとする兵士や官吏たちをひっ捕らえては、
なだめすかして「今少し孫呉に留まってくれ」、と頼み倒す毎日だった。
ああ、くそ、俺だってこんな王宮の防備なんかほっぽりだして
前線に行きてぇ!!
そうしたら自分ひとりでも敵軍に飛び込んでいって、
奴らの築いたいまいましい砦をみんな素手でうちくだいてやれるのだ。
もういやだ。こんな痺れをきらすような毎日、もうごめんだ。
「交代の時間です。お休みください」
「おう」
門番の兵士に、沈榮は片手をかかげるだけでこたえた。
まるで、疲れ果てた番犬が、わずかにうなるような力無さであった。
夜は更けきっていた。そびえたつ宮殿の石壁を沈榮は見上げた。
帝が飢え切った貧民達から、幾万人もの人夫を徴発して築かれた、
高すぎる石壁。
それが月星の尊いかがやきもさえぎり、その濃厚な暗がりに、
ほつほつと灯された松明が、にじむような明かりを落として揺れている。
(違う、こんなものを護るために俺はいるんじゃない……)
やるせない、と首をすくめたそのときだ。
かさり。
なにかの潜めるような足音を聞いた。
沈榮は、はじけるようにすばやく振り返り、そちらに目を凝らす。
(・・・・・・あれは)
沈榮は目をひそめた。
そこには、ほっそりとした人影が、篝火のおりなす闇に紛れて、
城門へと向かうほうにするすると忍び動いていた。
逃亡者であることは間違いない---だが、あれは女ではないのか?
建業からの逃亡者狩りに奔走する沈榮だが、女だけは話が別だ。
帝の非道は、度を越えている。
国中から女を狩り集めて、後宮に押し込め純潔をむさぼり、
しかし少しでも気に入らないところがあると、すぐ殺してしまうのである。
わざわざ、城内に水を引き、急流を造らせ、
そこに女を突き落として、溺死する様子を愉しむのだ。
これでは「逃げるな」というほうが酷である。
しかし、女を安全に逃がすためには、かえって迷わず捕らえてしまうほうがいい。
少々乱暴だが、人が入るような麻袋に無理やりつめて、
城門の外まで担いでいき、無事な場所で放してやるのが沈榮の手口だった。
万一誰かに見つかっても、袋詰めにされた女が逃亡者だと疑うものなどまずいない。
盗っ人が捕まって引き立てられているくらいにしか思われないのだ。
「誰もいねぇ、……よし」
思い立つと、沈榮の行動は速かった。
その体つきからは想像しづらい身軽さで足音をひそめ、忍びよる。
だが、あとわずかというところで、思いがけず女が振り返った。
沈榮の気配にあきらかに動じたようだった。
身を翻して、鹿のように駆け出す。
「ちっ---逃がすか!」
逃走劇はあっという間に終わった。
鍛え抜かれた沈榮の脚に、女が走って逃げおおせられるわけがない。
後ろから抱きしめるようにして、沈榮は、あえぐ相手を抑え込んだ。
「しっ、でかい声をだすな!
……お嬢ちゃん、おめぇ後宮から逃げてきたんだろ、
あのバカ皇帝に殺されたくないことなんか、この俺には分かってらぁ。
無事に逃げたいんなら、後は、俺にまかせてじっとして……」
だが、ふいに女の片手が、いましめの腕をくぐりぬけ、
ぴたりと沈榮の言葉をふさいだ。
「誤解なさっているようですが・・・・・・離していただけませんか」
それは聞き覚えのありすぎる声だった。
沈榮は息を呑む。
早まる鼓動にせきたてられるようにして、暗がりで姿の見えない相手を
明かりのある場所まで、夢中でひきずりだす。
「張悌!おめぇ……」
そんなばかなと彼は思った。
ほっそりとした身体の持ち主であるから、男と気づかなかったのだ。
だが、驚いたのはそのことではない。
張悌までが国を見捨て、建業から逃亡をしようというのか。
沈榮にとってそれは慄然とすることであった。
今、宮廷に仕える者の中に、暴君と化した孫皓が繰り返す狂態を
いさめる者は誰もいない。
誰もが宦官どものようにちやほやと甘言をささやいて保身を図るか、
既に失望しきって何も言わないか、
あるいは諫言をしたことで帝の怒りを買って、自死を賜ったかのいずれかである。
それでも、ただひとり、孫皓を諌めることができるものがいる。
----呉丞相、張悌。
彼は今や、この亡国に仕える最後の丞相であろうと噂されていた。
どういったわけか、張悌に奇妙な執心を示している孫皓は、
苦言にどれだけ機嫌を損ねようと、彼の命を奪うようなまねだけは決してしなかった。
今や、彼だけが傷つきやすい帝を相手に、
遊蕩にふけるのをやめて善政をなされよと正面から諌めることができる。
そして、その姿を見ることで、沈榮は一縷の望みを抱くことができるのである。
----もしかしたら、この国は蘇るかもしれない、と。
しかも、丞相とは全軍の中心であり、防衛の要ではないか。
軍を支える丞相なしで、都に迫り来る晋軍に沈榮らが打ち勝つことは、
天地がひっくりかえってもありえない。
その張悌が、今、孫呉から逃げ出そうとしているのか?
「てめぇ……晋に亡命するのか、張悌!?」
「沈榮、その手を離していただけませんか。痛いのですが」
「離せるわけがねぇ!!」
「----亡命も逃亡も、そのようなことなどいたしません」
激昂しかけている沈榮に、しかし、張悌はあくまで普段どおりの
冷静な声で答える。
「せっかくですので、沈榮、伝言をお願いできませんか。
殿にはお許しをいただけませんでしたが、これより私は出陣させていただくと」
「なんだと……ばかな」
「ばかなことではありませぬ」
ぱち、と篝火の薪がはぜた。ふたりの影が、ふらりと揺らぐ。
「----へっ、嫌だね。そのふざけた命令も拒否する」
「なんと言いました……?」
「てめぇはすっこんでな、張悌。それから命令も変更しろ。出陣すんのはこの俺だ」
「……あなたは何も解っていませんね」
「解るわけがねえ!!」
沈榮はがまんできずに再び怒鳴った。
それとは違って、いたって冷静で、眉一つ動かさない無感情な相手に、
彼は胸倉も掴まんばかりに言いつのる。
「おい張悌、それのいったい何処がばかなことじゃねえって言うんだ!?
全軍のカシラの丞相がよ、たった独りで出陣なんざ、
ふざけたことをぬかすなよ!
おめぇがノコノコ出ていって、死んだら呉軍はそれで終わりだろうが!!
なんでそれが無茶だってことも、おめぇって奴は解らないんだよ!!?」
「----物分りの悪いひとは、これだから嫌いです。
あなたたちは、ひとつひとつこちらが丁寧に説明してやらなければ、
なにひとつとして自分でわかろうとしないのだから」
張悌はおそろしく静かなため息をついた。ふーっという吐息が、
沈榮のどくどく波打つ鼓膜をわずかにかすめていった。
「私は囮です。陛下に、戦う覚悟をさせるために。
----今の陛下は、晋軍が押し迫っているという現実におそれをなしています。
自分が戦えば敗北すると思い込み、安全な宮殿ばかりを
あなたや本軍に警護させて、
前線でたたきつぶされている兵士たちの悲鳴には、まったく耳を塞いでいる。
ならば私はその陛下に、戦う覚悟をさせなければなりません。
そう----私が前線に居ることを知れば、遅かれ早かれ、
あなたも本軍を率いて建業を離れることが許されるでしょう----
陛下を見捨て、晋へ逃げていく、私という、この囮を追わせるために」
「囮…だと……」
「これ以上に打つ手がありますか。もし『ある』というなら言ってごらんなさい」
うなだれかけていた沈榮は、ぱっと顔を上げた。
そして呼吸が止まった----冷め切った張悌のまなこが彼を見つめていた。
「あなたが今、呉都に残った将兵たちの間で、どのように言われているか
まだ聞いたこともないのですか?
皆、影で、あなたのことをこうささやいているのですよ。
『沈榮将軍は傲慢だ。あいつは自分さえいれば晋を負かせると思っている』、と」
「!!」
沈榮の背骨を氷の槍で貫かれたような衝撃が走った。
傲慢、だって?
俺が----俺が呉のために戦って、呉を勝たせてやろうと思うのが、傲慢?
「やはり、なにも知らなかったようですね、あなたは」
「俺は、俺はただ……」
「ならば、勝ち目をつくる算段があることを言ってごらんなさい。あなたの頭は
まるでからっぽで、なにも考えていなかったでしょう?
結局、なにも変わることなどないのです。あなた一人が動いても。
どうせあなたは『俺がひとりで敵を追い払ってやる』位しか、言うことができないのでしょう?」
沈榮の返事はない。黙ってその場に立ち尽くしている。
張悌も、後ろをふりむきもせず、静かにきびすを返して歩み去ろうとしていた。
----ふたりの距離は、ゆるやかに離れていくかのように、そう見えた。
しかし、その距離が一瞬でゼロになる。
「!!」
張悌の無防備な背中に、突如、沈榮が虎のように踊りかかったのだ。
彼は激しい衝動のなすままに、張悌を突き飛ばしていた。
「あ……くっ」
「……立てよ、おら」
壁にしたたか背骨を打ちつけ、あえいで蹲る張悌の華奢な手首をつかみ、
沈榮は力任せに荒々しく立ち上がらせる。
とまどう張悌もだまってはおれない。身をよじって必死にのがれようとするが、
たちまち沈榮は、丞相が着る錦織りの衣を引き裂いてしまった。
びい……っと布が悲鳴を上げて、張悌の襦袢を、その下の素肌を覗かせる。
「へえ、こりゃいい眺めだ。おい、てめぇは素裸さらして戦に出られるのか、ぁん?」
「やめなさいっ!」
「へっ、聞いたことかよ。わがまま勝手な丞相さんにはお仕置きってもんが
必要なんだろ?おら、どうなんだ」
結い上げた黒髪から、かんざしを引き抜き、帯に差した刀を奪う。
眼鏡をわしづかみにして地面に放り捨てる。
桶にあった水を頭から浴びせる。
その水をまともに被り、濡れた石畳に脚を滑らせて張悌は倒れこんだ。
----沈榮は止められないのである。
自分と自分をとりまく現状に対する怒りと鬱憤が、血管の中で圧縮され、
張悌の投げかけたあまりに直截すぎる言葉で、それが一挙に噴出してしまった。
身体の内側で、マグマが爆発してしまった。
心の片隅がどんなに「してはならない」と叫んだところで、
それは山の噴火を小石でせきとめようとするかのように、意味をなさなかった。
「あう……ふっ」
しどけなく濡れた全身を、再び手首を掴んで立ち上がらせる。
「まだだ、立てよ……さあ」
「うぅ……!」
「もっと愉しませろよ。綺麗な身体してんじゃねえかよ……」
びく、と張悌が怯えたように両目を見開いた。
その襟はずり落ちて肩脱ぎになり、滑らかな白い肌があらわになっている。
まるで芸妓のような風情で胸を震わせて、喘いでいる。
沈榮は我知らず、唇から歎声をもらした。得体の知れない妖しさに、鼓動がざわついている。
(----だめだ、よせ!)
心の制止が届かない。はだけかけた肩口に、勝手に手が伸びている。
(だめだ、だめだ、よせ!これ以上はだめだ!よせっ!)
ぴぃーっ、と、空気をつんざく笛の音が鳴り響いた。
そのとき、張悌を引き倒そうとしていた沈榮は、ハッと我にかえった。
……四方八方から足音が殺到してくる。
笛の音と同時に、周囲から駆けつけてきた無数の衛兵たちが、
大声で「いたぞ!」「そこだ!」と叫びながら、たちまちのうちに二人を取り囲んだ。
突然のことにわけがわからず、呆然とする沈榮から、
兵士達は我先にとばかり張悌をひきはがして、両脇から羽交い絞めにする。
「陛下!張丞相どの、ただいま取り押さえました!!」
「……なんだって……?」
衛兵たちに突き飛ばされ、へたりこんだままの姿勢で、沈榮は首をめぐらせた。
「逃げたな……やはり逃げたな……きさま……!」
「あ……」
張悌は、色をなくしたように見えた。
そこに立っていたのは大勢の憲兵たちを引き連れた、呉皇帝・孫皓だった。
皇帝は、奇妙な表情をしていた。
----顔の右半分は激怒しているのに、もう右半分は、まるで今にも泣き出しそうに、
ぐにゃりと悲しげにゆがんでいるのである。
「----憲兵!!」
皇帝のささくれだった怒声が、周囲の兵士たちをびくりと鞭打つ。
「こいつを連れていけ!思い知らせてやる!
----俺のそばから逃げたら、どうなるか、その身体に仕込んでやる……!!」
うなだれる張悌を引き立てていく大勢の兵士たちは、引き潮のように消えていった。
沈榮は、状況にとりのこされたまま、ひとり呆然と放っておかれた。
「なんだってんだ……張悌……?」
そのつぶやき声に、応じる者さえもいない。
周囲に誰もいなくなった彼の足元に、裂けた錦の上衣だけが落ちていた。
(前編おわり)
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
これで前編おわりです。
後編はモチョットマッチクダサイ・・・シオシオ
色々グデグデな展開でほんとごめんなさい。
389 :
日曜朝:2007/12/19(水) 13:18:32 ID:EnYq7pRC0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
日曜朝の単車乗り。
龍×リョタ。数字率はかなり低めですがよろしく。
「あれ…誰もいないや……」
白い息を弾ませてデンライナーの食堂車にやって来た良太郎はガランとした車内を見渡し、少しだけ肩を落とした。
いつもなら賑やかな声にあふれ返っている食堂車はシンと静まり返り、聞こえるのはレールを蹴って進むデンライナーの車輪の音と、良太郎のかすかな息遣いだけだ。
「困ったな…」
良太郎はシートに腰掛け、大事そうに抱えて来た紙袋をそっとテーブルに置いた。
その中から白い箱を取り出し、口をあけて中身を窺う。
…大丈夫、壊れてなかった。
また慎重に口を閉じると、良太郎は
「困ったなぁ…」
うわ言の様に口に出し、テーブルに乗り出して頬杖をついた。
『良ちゃんの大事な人に、食べてもらってね』
ミルクディッパーの入り口まで見送りにきて、満面の笑顔を浮かべた愛理の姿を思い出す。
三浦や尾崎達とクリスマス用のケーキの試作を手伝っていた良太郎は、帰り際に愛理に1切れのケーキを手渡されのた。
「え…いいよ、僕は」
「だめよ。ちゃんと大事な人、いるんでしょ?最近良ちゃん、いつも楽しそうだもの」
「そ、そうじゃなくって、……えっと…」
──1個だと、けんかになるんだよぅ…!──
まさかそんな事が言えるわけも無く、言った所でどんな勘違いをされるのかも解らない。
言葉を捜しあぐねているうちに、いつの間にかケーキを手に持たされていた。
「今日はありがとうね、良ちゃん。助かっちゃったわ」
「姉さぁん…」
「帰り道気をつけるのよ!」
ニコニコと手を振られ、良太郎はつられて手を振り返した。
…それがだいたい1時間前の話。
目の前には愛理の手作りケーキが1個。
デンライナーにはイマジンが4人。ハナとナオミと、オーナーも入れれば全部で7人。
「どぉしたらいいんだろう……」
自分が食べるという選択肢を見つけられないまま良太郎は困り果てた顔で首を捻らせた。
「……あれ?」
ふと視線を送った先に、無造作に放置されているスケッチブックが映る。
ゆっくりと立ち上がり、そのスケッチブックを拾い上げる良太郎。
これってたしかリュウタロスの……
「だめ〜〜〜〜っ!!」
「……っ!?」
突然背後で大きな声で叫ばれ、良太郎はビクリと大仰に背筋を震わせた。
「ダメだよっまだ見ちゃダメなのっ!」
慌てて駆け寄ってきたリュウタロスに持っていたスケッチブックをひったくるように奪われる。
サッとスケッチブックを背後に隠し、顎を引いて上目遣いに良太郎を見るリュウタロス。
「良太郎…中、見た?」
何のことやらさっぱりわからない良太郎はキョトンと目を丸くしながら
「ううん、拾っただけでまだ見てないけど…」
ゆるゆると首を振って見せた。
「そっかー、ならいいんだ〜♪」
あっという間にゴキゲンになるといつものように軽いステップを踏み、リュウタロスはスケッチブックを抱きかかえながらターンをする。
やれやれ…
小さく苦笑し、良太郎はそんなリュウタロスを眺めていた。
「あ、良太郎、お姉ちゃんトコに行ってきたでしょ?いぃ臭いがする〜」
突然そんなことを言われ、ギクリと肩を竦める良太郎。
「りゅ、リュウタロス、解るの?」
「うん!ボク、お姉ちゃん大好きだから、解るんだ!お姉ちゃんのにおい、良太郎からするもん!」
クンクンと首筋の辺りに顔を近づけられ、良太郎は一層縮こまった。
良太郎の肩に腕を回し、紅く染まる耳朶に鼻先を触れさせるリュウタロス。
「甘〜いにおいだ〜良太郎、おいしそうなにおいがする〜」
「リュウタ…っちょっと待っ……」
背筋がぞわっと震え、たまらず両眼をきつく結ぶ。
今にも齧り付かれそうになり、良太郎は慌ててリュウタを押し戻した。
「ね、姉さんが作ってくれたケーキがあるんだ!リュウタロス食べる?」
突き放されて不満げな顔をしたリュウタロスだったが、その言葉に一瞬で反応し
「お姉ちゃんのケーキ!食べるっ!!」
バンザイをしながら顔を輝かせた。
「わぁ〜…」
目の前に現れたケーキに思わず感嘆の声を漏らすリュウタロス。
「モモタロス達には内緒だよ」
シーッと人差し指を唇に当てる良太郎に左手で『オッケー』のサインを出すと、リュウタロスは白く煌めくそのケーキにそっとフォークを挿した。
それからケーキがリュウタロスのお腹に納まるまではほんの僅かな時間だった。
最後の一口になるまでリュウタロスは一心不乱にフォークを口に運んだ。
『おいしくて言葉にならない』ってこの事なんだろうな。
幸せを絵に描いたような顔をしながらケーキをほおばるリュウタロスを見つめる良太郎の顔にもいつしか優しい笑みが浮かんでいた。
最後に残ったフルーツを口に運ぼうとして、リュウタロスはふと気が付いたように顔を上げて良太郎を見た。
「これ、本当は良太郎のなの?」
ずっと黙ってみているだけの良太郎に少し不安になったのか、リュウタロスがおずおずとフォークを良太郎に差し出す。
「僕は店で食べてきたから。リュウタロスが食べてもいいんだよ」
「でも…ボクだけ食べても、いいの?」
「うん、みんなには内緒だから」
にっこりと笑う良太郎。
少しためらった面持ちで良太郎とフルーツとを交互に見比べていたリュウタロスだったが、
「やっぱり良太郎も食べようよ!」
立ち上がって良太郎の隣に座りなおすと、フルーツを良太郎の前に差し出してきた。
「リュウタロス…いいの?」
「うん!ボクとー、良太郎の2人のヒミツ!」
あーん、とリュウタロスに促され、良太郎は苦笑しながら大きく口を開けた。
口いっぱいに広がる甘酸っぱい香り。
「おいしい?」
訊いてくるリュウタロスに
「おいしいよ」
笑って答える良太郎。
「良太郎、口にクリーム付いちゃってる〜」
先ほどリュウタロスに食べさせてもらった時、フォークについていた生クリームが唇についてしまったらしい。
「え?どこ…」
良太郎が手の甲で口をぬぐおうとすると、それより素早くリュウタロスがペロ、と良太郎の唇を舐めあげた。
「……??」
何をされたか理解できず、頭を真っ白にして固まる良太郎。
「えへへ〜。良太郎の口、甘いね」
「え?……え?」
「ここにもついてる〜♪」
良太郎の肩に両腕を回し、リュウタロスは顔を少しだけ傾けて、口付ける。
思考停止して薄く開いた良太郎の唇を、啄む様に小さな口付けを何度も落とす。
「えへへ〜」
まだ状況が把握できていないのか、良太郎はすぐ目の前にあるリュウタロスの顔をまじまじと見つめている。
「良太郎、だーい好きっ!!」
まるで猫のように良太郎の肩に頬を摺り寄せ、満足げにつぶやくリュウタロス。
なんとなく、自分がリュウタロスに何をされたかを理解し始めた良太郎は
「え…ぇあ…あ…っ!?」
頬を真っ赤に紅潮させ、しっとりと潤んだ唇に手を当てた。
「リュウタロス、い、今、何を…」
「クリームついてたんだも〜ん…うそだけど!」
そういって良太郎に抱きつくと、リュウタロスはまた「えへへ」と笑った。
395 :
日曜朝:2007/12/19(水) 13:26:45 ID:EnYq7pRC0
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
書きたいことはあるのに己の文章力が付いてこないよorz
せっかくの休日になにやってんだろう
お目汚しスマソ
>>388 まさか決死正座がくるとは!ガッツリ萌えました(*´∀`*)正座可愛いよ正座
後半wktkして待ってます〜
頑張って下さい!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
※生物注意
某絶叫歌集団の破天荒×若獅子。
スレに投下された画像に萌えた勢いで。
シャッター音の後、顔を見合わせて2人で笑った。
「なんだよあの顔!」
「小兄こそ!」
冗談、とはいえ見合わした顔はキス寸前の顔とは思えないほど滑稽だった。
写真に名前を付けるなら『MAJIでキスする5秒前』になるだろう。
行きますよ、と言いながらキーを回す。
助手席に身を預けきった小兄の横顔をちらりと見てまた正面を向いた。
アクセルをゆっくりと踏み込む。
昼時で交通量も少ないのに加え時間もたっぷりとある。
心地よい日向をのんびりドライブ、も良いのかもしれない。
「ロマンチックじゃないなぁ」
アスファルトとタイヤが擦れる音の間にぽつりと小兄は言った。
「さっきのですか?」
「あんなのよかロマンチックなキスをしたいわけよ」
やるならな、と顔を背け窓から流れる風景を見ながら小兄は言う。
「以外とロマンチストなんですね」
目の前の信号が黄色く点滅し、ゆっくりとブレーキをかける。
やはり人の通りも車も無い。
「小兄、」
呼びかけ振り向いた瞬間、身を乗り出し小兄の唇を自らので塞いだ。
そっと触れる程度ですぐに離れ、また正面を向いた。
小兄は呆然といった様子でこちらを見ている。
「信号待ちに、ってロマンチックじゃないですか?」
ニヤリと笑ってそう言う。
信号は青に変わり、再びアクセルを踏んだ。
「バーカ…何処がだよ…」
「俺は好きなんだけどなぁー」
横目で姿を見るとまた顔を背けて窓の外を見つめていた。
「小兄、顔赤いですよ」
エンジンの音で消え入りそうなほど小さい声で小兄はバーカ、と呟いた。
赤く染まった横顔越しに見える風景は午後の日差しが柔らかく降り注いでいる。
横目で見えたその様子に思わず目を細めた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お粗末でした・・・
>>397 可愛い二人に萌えたよ…ありがとう姐さん!
バーカとかちいにいとか可愛すぎるwww
801人口もっと増えればいいのに(*´д`)
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < TOIネタバレ注意
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < やっとルカリカっぽいものにナッタヨー
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < これで完です
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
「ぐッ…ぅ…!…がっ…!」
ミルダが好き放題に突き上げてくるたびに痛みが走る。
一旦行為を始めてしまえば、ミルダは遠慮というものを知らなかった。
すでに俺の首や胸には、ミルダが付けた鬱血の跡が残っている。
ミルダの肌に跡を残さないように気遣っていたのが馬鹿馬鹿しく思えた。
限界まで引き抜いて再び奥まで突き込む単調な動きに、
これで何度目か、頭をベッドの端にぶつける。終わる頃にはたんこぶでも出来ていそうだ。
この童貞が。忌々しくそう思った。
早くも、俺は承諾したことを激しく後悔していた。
ミルダの本当の意図、つまりは俺を抱きたいという言葉を聞いて、俺はすっかり降りる気でいた。
男に抱かれたことなぞないし、もちろんここでミルダに掘られる気もない。逆だからこそ承知したのだ。
話が違う。そういうことなら俺は降りる。
俺がその旨を伝えると、ミルダは風呂場に放り込まれた猫のように騒ぎ出した。
”最初から自分はそのつもりだったし、抱かれたいなんて一言も言ってない”
”ここまでしてやめるのはひどい”
”年下が必ず下なんて理屈はおかしい”
普段から想像できないほどミルダの抗議は弁舌だった。幼い目が真剣味を帯びている。
二人して、ベッドの上で理屈をこね、子供の喧嘩のように言い争った。
お互いに相手をなんとか諭そうと必死だった。
しかし、なぜ俺を抱きたいのか聞くと、その問いに限って、ミルダは口を閉ざした。
顔を赤くして、言いにくそうに目をそらす。一番不可解な点なのだが。
――やってられん。
しばらくして、口論に疲れてベッドから立ち上がろうとしたとき、ミルダが慌てて腰を掴んできた。
俺の腹に顔をくっつけながら、何か言いたげに睨み付けてくる。
強気をつくろった目の奥に、突き放しがたい弱さが見えた。
部屋を辞去しようとノブにかけた弱い指と同種の、見放せない脆さ。
「やさしくするから」
やさしくするから、行かないで。目が訴えかける。
今日何度目か、数える気もしないため息があふれた。
俺はもはや完全にやけになっていた。
嬉しげに顔を綻ばせてベッドの上に正座しているミルダに、一度だけだぞ、と念入りに言い置く。
振り子の玩具のような勢いで頷くミルダを眺めながら、俺は暗澹とした気持ちに駆られた。
結局、ミルダに使う気でいた潤滑液は俺が自分自身で使わねばならない。
しきりに自分がやる、と主張するミルダを半ば脅す勢いで押し留め、自分で自分の後ろを慣らす。
何度も馬鹿馬鹿しくなり、何度も途中で止めようとした。手で抜いてやるからやっぱり止めにしよう、とミルダに持ち掛けさえした。
頑としてその首が縦に振られることはなかったが。
自分で自分の尻を慣らす。考えただけでも頭を打ち抜きたくなるのに、それをミルダに見られるというのが更にいたたまれなかった。
とはいえ、12歳も年下の男に尻の穴を弄られるのは耐えられない。
太腿を伝って零れ落ちたトリートの紫色の雫がシーツに染みを作る様を見て、みじめな気持ちになったが、
それよりはむしろ、なぜ俺が、という怒りのほうが強かった。
後ろを慣らし終え、行為の邪魔になる結った後髪を解き、結び目をぐしゃぐしゃと手ぐしで崩した俺を見て、
ミルダが嬉しそうに”やっぱり髪を降ろすと色っぽいね”と言ったときには、
ベッドの隣に立てかけてあるライフルに手が伸びそうになったほどだ。
いや、2,3発肩にでも撃ちこんでやればよかったのだ、そのときに。
「っ…!んっ、ぐ……っ!」
ミルダの細い指が陰茎に絡む。
先ほど俺がミルダにやった真似をするように、つたない動きで先端を撫でる。
ぞくりと背筋に悪寒に似た電流が走った。
ミルダが片手で俺の性器を弄りながら、胸の中央に鼻先を寄せる。
汗ばんだ胸板の上に細い髪が張り付く。
「…ハッ…んぁっ……!」
胸の銃創から、ピリ、と湿った痛みが走り、思わず声を上げた。
それに気を良くしたように水音を立てて、執拗に傷跡を舌がえぐる。
痛みだけではない妙な感覚が迫りあがる。耐え切れず、手の甲に歯を立ててこらえた。
鳥肌が立つ。気持ち悪い。心とは裏腹に体が熱くなる。
手の甲が痛い。口内にさび付いた味が広がり出した。
頭も痛い。今ぶつけたのは何度目だ。やさしくする?どの口が言った。
「リカルド……」
薄く目を開くと、ミルダが熱っぽい目を向けていた。
切なげに眉を寄せて熱い息を吐く幼い顔に、切羽詰ったような瞳にぎくりとする。
まるで俺がミルダを犯しているように感じた。
ミルダの顔をそれ以上見ていられず、顔を背ける。
両頬にそれぞれ、ざらつくシーツの感触と、べたりと張り付く自分の髪を感じた。
腹の中を我が物顔でかき乱されるたび、苦痛とも快楽ともつかない電流が走る。
早く終わってくれ。シーツに散らばる己の髪を睨みながら、そればかり願う。
卑猥な水音に耳を塞ぐ代わりに、目を固く閉じた。
おかしくなりそうだ。なんで俺が。
なんで――
不意に、ミルダの動きがぴたりと止まった。
不審に思ったが、ともあれありがたいことだった。息が苦しい。肺が酸素を求めて激しく喘ぐ。
噛んだ歯の間から息を整える。にわかに嗚咽が聞えてきた。
俺が無意識に上げたものでなければ、その主は一人しかいない。
固く閉じた瞼をこじ開けると、蒼い目が濡れていた。
息をかみ殺しながら、ミルダは泣いていた。
泣きたいのはこっちだ、と思うが、あまりに切迫した雰囲気に軽く狼狽する。
「ミルダ」
「ごめん」
ミルダがうつむいた拍子に、俺の胸の上に涙が落ちる。
どうせならさっさと終わらせて欲しいのだが、ミルダは肩を震わせたまま動かない。
どういうことだ、これは。
ぱっとミルダが顔を上げる。いっそ悲壮に思えるほど余裕のない目。
「もうやめよう」
「なんだと?」
「やっぱり、駄目だ、こんなこと。リカルドに、申し訳ない」
この期に及んでなにを言ってるんだ、こいつは。
なにがなにやら分からない。
「僕、リカルドのことが好きなんだ」
腰を掴む指先に、やにわに力がこもる。
「普通の好きじゃなくて、……好きなんだ。ずっと好きだった。ずっと前から」
声がひどく震えていた。堰を切ったように言葉が続く。
「だから体だけでも繋がれたらいいって思ってた。一度だけでも抱けたらそれで満足するって思った。
その間だけは僕のことだけ見てくれて、僕のことだけ考えてくれるから。僕が下じゃ駄目だったんだ。
リカルドは大人だから、僕を抱いている間でも、僕だけを見てるわけじゃない。それじゃ駄目だった。
僕だけを見てくれる時間が欲しかった。少しだけでも。後はそれで満足しようって……うぅん、違う」
ミルダがかぶりを切る。銀色の髪が力なく揺れた。
「本当は好きになって欲しかった。もしかしたらこうなることで、僕のこと好きになってくれるんじゃないかって思ってたんだ。
でも間違ってた。結局リカルドに迷惑かけてるだけだ。こんなの、こんなことまでさせて」
言葉を切り、俺の手を取る。無残に歯型が付いた手の甲を撫でて目を細め。
「僕は馬鹿だ。……騙すようなことして、本当にごめん。もうやめるから。今すぐ。
こんなこと言うつもりじゃなかったし、最後まで隠すつもりだった。けど、……でも……」
我慢できなかった、と呟きをこぼす。恥じ入るように下唇を噛み、触れた手が震えていた。
「自分が情けない」
目の端から、またぽろりと涙が落ちた。
「…………」
ミルダの告白を聞きながら、俺は緩やかな驚愕を感じていた。
心のどこかに引っかかっていたつっかえが外れたようだった。
今なら全てが納得できる。
なぜ俺を選んだのかと問うたときの赤い顔、言いにくそうに閉じた口元。
――そうか。そうだったのか。
思いを告げずに行為を優先したミルダは確かにあざとい。
いや、違う。ミルダは気持ちを用意していた。言動の端々で気持ちを示していた。
上手く伝えられなかっただけだ。俺がにぶかっただけだ。こんなガキの気持ち一つに気付いてやれなかった。
俺はこいつが女性相手に自信がないからだとか、俺がたまたま選ばれただけだとか、歪んだ勘違いをしていた。
俺の目は偏見で曇り、純粋にミルダを見ていなかった。
ミルダの顔に手を伸ばす。ぴくりと肩が動いた。
涙を生みすぎて目が疲れ、赤く腫れている。整った顔は見る影がなかった。
俺は涙に濡れた頬には触らず、ミルダの両耳を両手で塞ぐ。
ミルダが驚いたように腫れぼったい目を向けてきた。
「何も言うな」
聞えたかどうかは分からない。
軽く頷いたように見えたが、ただしゃくりあげただけかもしれない。
だが、ミルダは懸命に呼吸を整えようと胸を上下させている。
ミルダの動きを肌で感じながら、俺は目を閉じた。
こいつは馬鹿だが、俺も恐らく馬鹿なんだろう。静まり返ったベッドの上で、突っ込まれたまま滑稽なことをしている。
もしかして、慣れないことをして本当におかしくなったのかもしれない。
だが、今はそれでいい。
自分でもなぜこんなことをしたのか分からないが、これが一番妥当な行動だと思えた。
胸元に生暖かい液体が落ちる。それが汗か涙は分からない。ミルダのかすかな嗚咽だけが響く部屋は、静かだった。
しばらくして、腕が少し痺れた頃、ミルダが泣き止む気配がした。
今度は穏やかな気持ちで目を開く。
先ほどより赤味のひどくなった瞳はしかし、もう涙は浮かんでいなかった。
耳を塞いでいた手をどける。
「リカルド……僕…」
「落ち着いたか?」
上半身を持ち上げ、ミルダの頭に手を乗せる。
腹の中でミルダのものが捻じれ、圧迫感が増したが、構わなかった。
「お前の気持ちには答えられん」
蒼い目が揺れる。
「軽率に、俺も好きだ、などとは言えん。お前も、そんな口先だけの言葉が欲しいわけではあるまい?」
ミルダの頭が曖昧に揺れる。
「けれど、嫌ではない。好意は嬉しい。……今はそれだけしか言えん」
嘘を言うことは簡単だ。それをさも本当のことのように言うことも。だが、それだけはしたくはなかった。
その結果ミルダが悲しもうが、それはミルダの勝手だ。ミルダが乗り越えるべきことだ。
俺はせめて、ミルダが一人で泣くことがないようにそばに居てやるだけだ。
受け入れることは出来ないが、受け止めることは出来る。
「怒らないの?」
「怒ってない。少し……少しだけ呆れたがな。……だが、怒ってはいない」
「続けても……いいの?」
「そうだな」
わざと考え込むように視線を上に逸らす。息を飲む気配がした。
「今からお前に突っ込み返してもいいなら、考えんでもないが」
チラと伺った顔色が、みるみる内に強張っていく。それを鼻で笑ってやり。
「と言いたいところだが、…今更交替も面倒だ。続けろ」
ミルダが安堵したようにと息を漏らす。
うなずき、俺の腰をつかむその手を払って、ミルダの顔を視線をやる。
「一つ、追加条件がある」
ミルダがきょとんと俺を見た。ことさら渋い顔を作ってやる。
「お前も剣士なら空間把握ぐらいしろ。……さっきからガンガン頭をベッドにぶつけて、痛い」
小さく噴出したミルダが俺の腰を引き寄せると、入ったままだったものが奥まで埋まり、思わず呻いた。
消毒液のにおいがする。
手の甲に巻かれる包帯の感触を感じながら、俺は四肢を伸ばし、ベッドに沈み込んだ。
結局、あの後2,3度付き合わされ、情け無いことに、指先を動かすのも億劫なほど疲労困憊していた。
水差しの水を与えられるままに飲み、顔を拭う湿った布を片手で払う。
「お前も休め」
ミルダは答えなかったが、すぐに暖かい体が横に滑り込んできて、伸ばしたままの腕に頭の重みを感じた。
「ごめんね」
答える代わりに鼻で笑う。唇が重い。5秒黙っているだけで眠れそうだった。
出来ればこのまま寝かせて欲しいのだが、ミルダはまだ何か言いたいことがあるらしい。
顔に視線を感じる。言葉を選んでいる気配がした。
「ぼくがアスラだったら、もっと上手くやれたのかな」
「あ?」
目を開く。俺の腕を枕に上目で見詰める目。
「きっとテクニックも凄いに違いないよ。あれだけモテるんだ、そうじゃないほうが可笑しい。
でも、その部分の記憶は戻って無いんだ。歯痒いよ。今度はアスラ流のテクニックを身に付けてからリベンジ――」
「レイジングハントとスナイプゲイト、どちらがお好みだ?」
「怒らないでよ。本気なんだ」
「なお性質が悪いな」
額に張り付いた髪をかきあげながら、うんざりと答えた。
「俺を好きだと言ったのはアスラの気持ちか?違うだろう。そもそもそんなことを口にするな。気持ちが悪い」
「僕はヒュプノスのことも結構可愛いと思ってるよ?フードとか」
「……マーダーショットもおまけせねばならんようだな」
流石に呆れてものが言えなかった。ミルダの頭の下から腕を抜き取り、もぞもぞとシーツを巻き込んで背を向ける。
「眠い。そろそろ黙れ」
「もう、冗談だって!」
ミルダが俺の肩を掴み、引き戻す。そう強い力はかかっていなかったはずだが、あっけなく転がされた。疲れている。
本格的にうんざりとしてきた俺の上に、ミルダがのしかかってきた。顔を近づけて額を押し付ける。
「でも、半分は本気だよ。僕がもっと男らしかったら、セックスがうまかったら、リカルドも僕のこと好きになってくれるんじゃないかなって。
本当にもどかしいんだ。早く大人になって、リカルドに似合う男になりたい。もっと喜ばせたいし、包んであげたい。この気持ちは本当だよ」
ミルダの片手が、シーツの上に野坊主に散らばった俺の髪をすくい上げる。愛しげに撫でて、照れくさそうに笑った。
「だから、5年…うぅん、10年待って。絶対僕のこと好きにさせてみせるから。……ちょっ…と、自信ないけどね」
「その頃には、俺は立派なおっさんだぞ」
「関係ないよ、そんなの」
無邪気にミルダが噴出した。
まだじゃれつくミルダが、本格的にのし掛かってきた。
チラと壁の添え物と化しているライフルの姿を目の端で伺う。
調子に乗らせんのも教育のうちだろう。
――いや
軽く笑い、ライフルに手を掛ける代わりに、顎の髭にキスを浴びせるミルダの頭を、強めに小突いておいた。
俺がおっさんになっても関係ないと言うがな、ミルダ。それはお前も同じじゃないのか。
なにも10年待つこともないだろう。今のお前の言葉は十分俺の心を打った。
だが、こいつにはまだ言わないでおこう。この気持ちが確信に変わるまでは。
それまではお前のそばでお前を見ていよう。
友と笑いあい、敵と戦い傷つき、打ちひしがれ、成長し、俺に馬鹿な睦言を言うお前を。
時間はまだまだあるのだから。
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < 終わりです。後日談もあったけど長いのでカット
//, 停 ||__ (´∀`⊂| <見てくれた姐さんアリガトウ!
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜 ナンバリングミスすみません
| | / , | (・∀・; )、 < ルカリカ増えるといいな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )! 連続投稿規制にヒッカカッタときは肝が冷えたナー
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
ルカリカリアルタイム乙!!
今丁度二周目やってるんだが、一層いやらしい目線でこの2人を見ることが出来そうだ
5年後、10年後とか年下攻め的な意味で非常においしいと思うよ
ほんと乙でした。触発されたので次は自分も創作側に回ります
>>395 リュウタロカワユスw
続き待ってます!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 三回目です。感想ありがとうございますT-T
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 今回はちょっと短いですよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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「大丈夫か」
「はあっ…」
ゆっくり体を動かすと、手を貸そうとするクィンの手をとり、つぶやいた。
「ごめんね、クィン。こんな事につき合わせて…」
それに対してクィンは何も答えなかった。
ずっと前から望んでいたことだと知ったら、なんていうだろうか?
「クィン…?」
じっと覗き込んでくる。
ダークエルフの特徴である赤い瞳は、クィンには禍々しさより美しさを感じる。
そ、と、スペルの頬に手を寄せる。
その手に、スペルは自分の手を重ねた。
「私は、ケイが戻ってきて欲しいと思う」
弟の話。スペルは誰よりケイを大事にしている。最後の血のつながった家族として、大事にするのは当然のことだ。
だが、それよりも先に、クィンには嫉妬さえ覚える。
「だが、それと同じくらい、お前のことも大事だ。お前に嫌われたくない。ごめん…今更こんなことお願いしておいて…」
あくまでスペルにとっては、クィンに頼んでセックスをしていると思っているようだ。
うつむく彼を上に向かせると、口付けを交わした。少し、抵抗したスペルだったが、それを力で封じ込めた。
「んっ…」
背を抱いて。
そのまま寝かせて。
舌を絡ませて、頬をなめて。
離れてはまたくっついて、舌を絡めとる。
潤んだ瞳が、クィンを見上げる。
その表情に、どきんとした。
「なあ」
「ん…」
「また、してもいいか?」
にぱっと笑って、スペルの胸の突起に吸い付く。
「ふ…」
その言葉に、サーっと血が下がって行くのを感じたスペルは、拳に力を込めて、思いっきり。
「ふざっけるな!!!!!!!」
ゴゴン
と、すさまじい音がして、クィンは上から叩かれて寝台に激突し、でかいたんこぶを作って気絶した。
「…ィン…クィン…?」
「…」
声が聞こえる。
ああ、そうだ。スペルとようやく結ばれたんだっけ。
なのになんでこんなに頭が痛いんだろう。
ずきずきと痛む額と後頭部の両方をさすりながら、声のするほうを向いた。
「ってぇー…」
「ごめん、ごめん!つい、とはいえ、私はなんてことを…」
困り果てた様子のスペルは、気がつけばバスローブを着ていた。
クィンの上にもバスローブと毛布がかけられている。クィンが気絶している間に着たのだろう。
スペルがクィンのたんこぶの上に手をかざすと、微力ながら温かい光が現れた。
少しだが、痛みが引いて行く。
「俺、なんでこんな怪我してるんだ?」
「えっ!あ、いや、その…」
どうやら怪我した前後のことを覚えていないらしい。
どう言い訳しようか悩んだが、ここはいわないでおくことにした。
「…ごめん…」
「?」
でも、謝ることだけは忘れない。
ふと、締め切った窓の間から光が漏れているのに気づいた。
窓を開ければ、朝日が降り注ぐ。
「朝…?いつの間に」
「!そうだ、ケイのこときかないと…」
スペルは立ち上がったと同時に床に座り込んだ。
もう一度立とうとベッドにしがみつくが、腰が痛くて立ち上がれない。
その様子を見ていたクィンが、スペルを抱き上げてベッドに寝かせた。
また抱かれるのかと々怯えるスペルに、クィンは言った。
「少し休んでろ、俺が言ってくる」
バスローブの前紐を結び、部屋を出て行った。
「…」
「昨夜はお楽しみだったようじゃの、ほっほっほ」
けらけらと笑う老婆の声が耳に障る。クィンは、もって来た軟膏を老婆に渡す。
それを受け取ると、老婆は、クィンの顔を見ようとはせず、水晶球をじっと眺めていた。
水晶球には老婆の顔が映っているが、老婆には何かが見えているようだった。
「それで見てたのか」
「まさか、声がここまで聞こえてきたんじゃよ」
こんなことスペルが聞いたら赤面するだろう。
それに、あの声だってあの艶姿だって、何もかも自分のものだ。こんなセクハラ老婆に見られたくない。
正直にクィンはそう思った。
強い独占欲が心のうちに渦巻いていることに、彼は苦笑した。
「さて、お前さんたちが探している魂と死神じゃが…」
「!わかったのか」
老婆の顔つきが変わった。
冷やかしでもないそのまじめな顔は、水晶球をじっと眺めていた。
「谷…じゃな、ここからずっと西の、谷。人間は入ることの許されない谷。じゃが、エルフのお前さんなら入ることができるじゃろ。ここは次元が狂っておる。運がよければ死神の住む次元に入れる。そこに魂は死神とともにおる」
随分と遠い上に、次元が狂っているとは。
しかし、次元が狂った世界に入り込んで大丈夫なのだろうか?
「…そうか」
「死神が一時消滅すれば、時限は元に戻るじゃろ。一時的にじゃ。永遠に消滅させることは、できん。死神は何度でも再生するものだからな」
再生する。今の仲間たちは、盗賊であるユウも含めて、半分が人間だ。
ということは、ここに来たとき同様、自分たちで行くしかない。
二人きりで死神をどうにかできるものなのか?
クィンは悩んだ。
エルフの血の入ったものを雇って連れて行くか、自分たちだけで行くか。
そうだ、同業者の友人が多いユウに聞けば、良い盗賊を教えてもらえるかもしれない。
とりあえず老婆に礼を言うと、その場から立ち去ろうとした。
「こりゃ待たんかい」
と、老婆に引き止められた。
「?なんだ?」
「これをやろう。またあのエルフを抱くことができるようになったら、役に立つはずだからの、ほっほっほ」
と、投げ渡してきたのは、先ほど老婆に返した軟膏だった。
もらうか否かで心の中の悪魔と天使が戦っていたが、悪魔が勝ったようだ。
素直に受け取ると、スペルの元へ向かった。
____________ この後の展開がエロが少ないので、
| __________ | 投稿しようか迷ってます。
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ ) どうもでした。
| | | | ◇⊂ ) __
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>>417 スペル君が痛がってるのがリアルだなあ・・・・。
衆道にはやはりつきものか。
>それに、あの声だってあの艶姿だって、何もかも自分のものだ。
ここが一番好きなんだけども、その後の「セクハラ老婆」に、
ちょっと違和感覚えると同時に(悪意なし)、笑ってしまいました。GJ!
需要は少なそうですが
『流行り神2』最終話より霧崎水明×風海純也
兄弟の晩酌後を書きます。
|>PLAY ピッ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「悪かった。…少し吐いてくるか?」
…………………………。
僕は貧血で倒れ込みそのままベッドに横になる。
グラグラする頭と異様に渇く喉。
「…………。」
兄さんの声が聞こえたが目を閉じたまま動けなかった。
しばらく間があった後、僕の唇に柔らかな感触と水が流れ込む。
僕はゴクリと喉を鳴らして水を飲んだ。
煙草の香りとアルコールの味がした。
目を開くとぼんやり兄さんの顔が見えた。
何故そうしたのかわからないが、僕は兄さんの顔を引き寄せて薄い唇にキスをした。
!
かすかに兄さんが困惑するのがわかった。
が、次の瞬間…
優しく…でもとても熱い兄さんの舌が僕の唇を押し開けて侵入してきた。
口の中を熱い舌が這い回り互いの舌が絡み合う。
「…ふっ……んぅ……。」
ゾクンッと足先から痺れるような感覚が這い上がり思わず声が漏れる。
ヂュチュッ……ヂュル…
「…ん…はぁ……はぁ……はぁ…はぁ………。」
淫らな水音を響かせていたがようやく解放され僕は荒い息を吐く。
虚ろな目で兄さんを見つめるといつもと変わらない兄さんの顔。
僕の耳元に口を当て
「お前にこんな性癖があったとは意外だな………。」
低く響く声で囁くと耳に舌を絡めてきた。
「っ……は……ぅん…。」
身を捩りながら喘ぎ声を漏らす。身体から力が抜けていく……。
刹那………
ビクンッ!!!
「ヒぁッ!!!」
敏感になりはじめた乳首に触れられ思わず小さな悲鳴をあげる。
「ほぅ。いい反応だ。」
満足そうな声で言うと執拗に弄ぶ。
「やっ……あっ…ゃめっ……。」
拒否するような言葉を発し潤んだ目で兄さんを見た。「おいおい。……お前から誘っておいて、止めろは無いだろ?」
兄さんの手は相変わらず動いていたが顔は僕を見つめていた。
「本当に止めていいのか?」
意地悪そうに言う。
僕は顔を真っ赤にして小さく首を左右に振った。
そんな僕を優しく見つめ
「冗談だ。」
と微笑んだ。
兄さんはもう片方の乳首に口をつける。
熱い舌が焦らすように先端を避けてゆっくりと円を描く。
「んあっ…ん。」
そしてネットリと先端に触れ吸い上げる。
舌の動きに合わせて身体がビクンッと跳ね上がる。
兄さんの左手がスルリと僕の股間に滑り落ちる。
乳首の先端で蠢く熱い舌・服の上から僕の自身を撫でる左手…。
「はぅんンッッ!!!」
僕はだらしなく涎を垂らしながら顔を振り声を上げる。乳首から口を放し顔を上げ、出したままの舌から唾液が糸を引いている兄さんはとても淫靡に見えた。
「あまり大声を出すな。」
そう言って再び舌を絡めて口を塞ぐ。
「んっ…ふ……ぅん…。」
ちゅぶ………
激しくキスをしながら兄さんは左手で器用に僕のジーンズのボタンを外しファスナーを下げていく。
「ん…んんっっ!」
骨太で大きな手で直に自身に触れられ全身に言い難い衝撃が走る。
頑なに目を閉じ必死に兄さんにしがみつく。
兄さんの手がゆっくり上下に動き、その動きに合わせて僕の自身が淫らな音をたてる。
「ふぅ……んぅ…うぅ。」
塞がれた口から苦しそうに声を漏らす。
兄さんは口を離し右手で僕の頬を撫でる。
「純也、大丈夫か?」
僕はフルフルと首を振る。実際限界は近かった。
「イキそうか?」
「…んっ。」
僕は頷く。
兄さんの上下に動かす手が徐々にスピードを増していく。
「うっ…ふぅっ………………はぐぅうっっ!!!」
ビクンッ!!
僕は自分の腹の上にぶちまけた。
「くふぅ…。はぁ…はぁ…はぁ。」
額に汗をかきハアハアと荒い息を漏らすが、僕の自身は物足りないとでも言うようにビクビクと脈うっている。
「…………若いな。」
兄さんが笑っている。
僕は凄く恥ずかしくなって両腕で顔を隠した。
□STOP ピッ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
初めてなので下手ですみませんでした。
>>415 こんな時間にリアルタイムで見ていただけてるとは思わなかったw
投下に時間がかかってしまって申し訳ありませんでした。
こんなものに触発されて創作意欲が湧いていただいたなら嬉しい限りです。
姐さんの作品が見れることを願いながらノ
>>414 まさかハマってすぐこんな素敵ルカリカが読めるなんて…
長編超乙・超GJです
幸せをありがとう!
>>424 まだそこまでプレイしてねー!!!!!
けど水明好きだw有難う姐さん俺頑張るよw
>>414 GJJJJJ
投下楽しみにしてた!ルカの天然Sな感じが良かったよ。
後日談も気になったが・・・とりあえず乙!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某昭和の大スターとその周りの方々のお話
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 今回も精神的ベース×スター
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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古いが、豪奢な造りのビルのひとつに、地下室があるのは業界人の間では公然
の秘密になっていた。
その部屋が、何の目的で使われているかも。
ある者は好色な興味に目を凝らして覗き見ようとし、
ある者はその欲望を満たす招待を受け、嬉々として訪れ、
ある者は-----その欲望の対象として招かれ、恐怖と絶望と、それを上回る野心
に身を焦がして。
そして全てのものが、そこで同じ目的を果たす。
淫欲に埋もれた世界で。
両手を繋がれて、どれだけの時間が過ぎただろうか。
もう手の感覚はとっくになくなっている。
手首を纏められたロープは天井に吊り下げられている。
高さは膝をつく位の配慮はされているが、両腕を頭上に吊り上げられたその姿
は、審判を待つ古代の罪人を思い出させた。
項垂れていた顔を上げる。
目線を頭上に移すと、手首に布切れが纏わりついていた。
ああ、違うな。
あれは自分が身に着けていた衣服の残骸だ。
もうその面影は影も形もないが。
何かひどく滑稽で、思わず笑い声が漏れた。
下は普通に脱がせてくれたのかな。
それなら少しは助かるんだが。
「・・・・・ぁ・・・・・っ・・・・。」
急に激しく突き上げられて、思わず声が漏れた。
『何へらへら笑ってやがる』
耳元で獣じみた声が聞こえた。
『・・・・気にいらねえな』
髪を掴まれ、背後に回される。
欲望に澱んだ男の双眸に、一瞬身体が竦んだ。
それでも、拒否する身体を強引に引き寄せ、唇を乱暴に貪られる。
口内を思うままに相手の舌で犯され、唇を強く吸われる。
男の右手が彼の腿に伸びる。
存分にその感触を楽しむようにまさぐった後、大きく膝を開かせた。
「・・・・・・あぁぁぁぁぁぁっ・・・・・・。」
更に深く侵食してくる肉の感覚に、思わず唇を離して叫んだ。
喉元が震える。
背後から何度も突かれて、快感で前の雄がたち上がった。
先走りの液が、先端から床に零れ落ちる。
彼の足元に、淫猥な染みが点々と広がった。
それでも、相手は決して前には触れてこない。
自分で慰めたくとも、両手は使えない。
苦しさと悔しさで、目尻から涙があふれた。
『・・・・・やっと観念したか』
満足げに、男は微笑む。
獲物をいたぶって楽しんだ猟師のように。
『言ってみろよ』
わざと優しく、囁きかける。
『どうして欲しいか』
頬を伝う涙を、舌で拭い取る。
『ちゃんと言えたら、言うとおりにしてやるぜ』
彼はきつく目を閉じ、そして項垂れた。
「・・・・・・・イカして・・・・。」
涙が床に落ちた。
「このままじゃ・・・・辛くて・・・・・気が狂いそうだから・・・・・お願い。」
震える背中を何度も口付けながら、男は勝利者の笑みを浮かべた。
そろりと前に右手を伸ばす。
「・・・・・ああ・・・・・。」
やんわりと握りこまれて、柔らかい快感に声が漏れた。
唇が震える。
あふれ出したに漏れた先走りが、相手の右手をしとどに濡らした。
「もっと・・・・。」
たまらず自分で腰を動かす。
手で慰められる快感に、熱っぽい吐息が荒くなる。
腰の動きが自然に激しくなっていく。
男は興味深げに彼の痴態を眺めていた。
「・・・・・・あ・・・・・・あ・・・・・・もう・・・・・・。」
絶頂が近い。
うねらせる様に何度も腰を打ち付ける。
途端に、身体が大きく仰け反った。
「・・・・・・っぁぁ・・・・・っ・・・・・・!。」
二度、三度、白い液体が先端から飛び散る。
勢いづいた飛沫は腹に、胸に、白い跡を付けた。
達した安堵で身体の力が抜ける。
項垂れた顔には、満足げな表情が浮かんでいた。
『公開オナニーショーか』
嘲りのまじった笑い声に、火照った身体が冷えていく。
『楽しませてもらったぜ』
思わず相手を睨み付ける。
彼の視線を冷笑で受け止めながら、男は腰を大きく引き寄せた。
「・・・・・あ・・・・・やぁ・・・・っ。」
射精の余韻が残る身体に、何度も打ち込まれる熱い楔。
思惑とは裏腹に、身体が再び熱を持ち始める。
濡れ光る陰茎が、再びたちあがり始めた。
『・・・・・すごいな』
感嘆のため息が漏れる。
男の両腕が腰に回る。
男の動きが早くなっていった。
荒い息遣いで囁かれる。
『こんな淫売みたいな身体で』
『こんな男を誘う身体で』
『どんな風にお前は、奥さんを抱くんだろうなぁ』
抉る様に腰を打ち付けて、男は達した。
激しい息遣いに、忍び笑いをもらして。
彼の手首は擦れて、血がにじんでいた。
蒼白の顔に、噛み締めた唇だけが赤く滲んでいた。
彼の心そのもののように。
男の気配が消えても、彼はそのままにうち捨てられた。
項垂れたまま、ぼんやりと床の染みを眺めている。
痛みと、疲労が思考を遮断していた。
どうでもいい
いっそこのまま
わすれさられても
『・・・・・・見下げた姿だな』
見知った声に、思わず顔をあげた。
冷徹な双眸が、彼の姿を映している。
思わず、笑みが浮かんだ。
『・・・・・何がおかしい』
「・・・・・心配?」
『当然だ』
彼の側まで歩み寄り、両腕の拘束をとる。
途端に床に崩れ落ちる彼を、淡々と見詰めた。
『「商品」を大事に思わない社長が、どこにいる』
冷淡に答える。
何の情も見出さない声で。
「・・・・・そっか・・・・・」
震える両手を見詰めながら、彼は微笑んだ。
「・・・・・おおきに・・・・」
その言葉に、眉をひそめて背中を向けた。
動揺を悟られないように、愛飲の煙草に手をやる。
『・・・・・しかし、解せんな。』
「何が。」
口にくわえ、火をつけた。
『・・・・・今回の事は、お前が出張ることではあるまい。』
深く息を吸い込み、肺に香りを満たす。
『・・・・・・・餞別か?仲間の』
彼は男の背中に振り返る、寝そべったまま。
『・・・・・・・そこまでしてやる義理が、その男にはあるのか?』
「あるよ。」
事も無く言われた言葉に、男は紫煙をそよがせた。
「ずっと一緒におった仲間やから、何かしてやりたいと思うのは人情やろ?」
男の口元に笑みが走る。
『仲間・・・・・か。』
再び煙草をくわえる。
『その為にお前は身体をはるのか・・・・その者の後の道程を行き易くする為
に。』
苦い息を、ため息と共に吐き出した。
『誰も知られずに』
男は煙草を床に落とした。
仕立ての良さそうな靴で踏みつける。
『それでお前は、満足なのか?』
「・・・・うん。」
目を閉じて、彼は答えた。
満足げな笑みが、その顔に浮かんでいた。
とろとろと意識が霞を帯びてくる。
緊張と疲労に苛まれた身体が、休息を求めていた。
小さな寝息が、男の背中から聞こえてきた。
男はため息一つつくと、自分のスーツのジャケットを脱いで、彼の身体を包み
込んだ。
彼の寝顔は、笑ったままだった。
『・・・・・本当に、こいつだけは解らん。』
心底困ったような声が、男から漏れた。
夜が更けていく。
きらびやかなイルミネーションで彩られた高級宝飾店。
普段なら、自分は絶対足を踏み入れないような場所で、男は右往左往していた。
ガラス越しに展示された、色とりどりの装飾具たち。
ケージに手を触れるのも躊躇われる。
「・・・・・・こんなの身に着けてたんか、あいつは。」
眩暈がするような値段に、改めて彼のすごさを痛感していた。
華やかな美貌を持つものには、華やかな装いがよく似合う。
そう言われて、彼が左耳にイヤリングを身に着けるようになって数年がたつ。
最初は乗り気でなかった彼も、今ではそれが自分を彩る武器だと認識したよう
で、美しい装飾を左耳に飾り、人々に見せ付けている。
「・・・・・大したやっちゃ、ほんまに。」
苦笑と共に、一人ごちる。
自分と出会った頃の彼は、飾るものなど何一つも持たない、あどけない少年だ
った。
それをこの場所に連れて来たのは、自分だ。
でも自分は、それだけだ。
そして彼は、もう自分の手を離れて、さらに大きな舞台へ羽ばたこうとしてい
る。
視線をウィンドーに移す
綺羅らかな装飾たち。
自分には必要ないものだ。
必要ないのだ、俺は、彼には、もう。
だから、彼の元から離れる。そう決めた。
だから、最後だけ。
自分が選んだイヤリングで、彼を飾れたら。
そう思って、何度も店を出入りしている。
「・・・・・まいったなあ・・・・。」
両手で髪をかき回す。
それが、こんな難解なことになろうとは。
「お客様?」
見かねた店員が彼の背中に声をかけた。
大仰に飛び跳ねる。
「・・・・・何か・・・・・お探しですか?」
店員に振り返り、しどろもどろに答える。
「え・・・・・あ・・・・・の・・・・・・イヤリングを・・・・・。」
「イヤリングですか」
優しく微笑んで、店員はショーケースから一つを取り出す。
それは、白い真珠で彩られた美しいものだった。
「こちらなど、お値打ちになってますが」
優しく微笑まれて、男は困ったような笑いを浮かべた。
「・・・・・いくらですか?」
決まり悪そうに問いかける。
店員が答えた値段は、奇跡的に男の常識の範囲を微かに超えた所だった。
しばしの考察の後、清水の舞台から降りる覚悟で、男は財布を空けた。
「プレゼントで、お願いします。」
「かしこまりました」
商品を包装しながら、屈託無く店員は問いかけた。
「・・・彼女へのプレゼントですか?」
「へ?」
呆然とする男をよそに、店員は笑う。
「きっと喜ばれますよ、こんな綺麗なイヤリングなら。」
「え・・・・・と・・・・・・。」
答えに詰まる姿を照れと捉えたのか、店員は男に包みを渡すと、丁寧に頭を下
げた。
「又相談に乗りますから、いつでもお越しくださいね。」
にこやかな笑顔に見送られながら、男はぎくしゃくと店を後にした。
モノがモノだけに仕方がないとはいえ、最後まで誤解されたままで終わってし
まった。
店員の優しさを思うと、気の毒な気持ちも浮かんでくる。
「・・・・・・まあ、ええか。」
右手の包みを見て、笑みが浮かぶ。
このイヤリング、あいつならきっと似合うだろう。
俺から渡されて、あいつはどんな顔するだろうか、
困るだろうか、
笑うだろうか、
・・・喜んで、くれるだろうか。
「さて、と。」
少し遅いけど、あいつの家に行こう。
何も出来なかった俺の、
最後の餞別を届けに。
心なしか、歩く足取りも軽くなった。
同じ夜、同じ人を想いながら、
すれ違う
お互いの心。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ネタガマンネリカシテルナア
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ありがとー!!もう最高です
あああ☆荒縄ショーを彷彿とさせるシーンGJ!!
>>417 ちょwww殴られたww
しかし婆さんエロいなー
嫌いじゃないよwwww
>>438 GJ!
切ない!スターもベースも切ないよ!
そのイヤリングはサ/ム/ラ/イの時にしてるあれだねー(涙)
そして手を縛るのは勿論ロープというか荒縄ですね?
453 :
日曜朝:2007/12/22(土) 00:29:04 ID:1kEG5d2S0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
日曜朝の単車乗り。>>390-
>>394の続きです。
龍×リョタのつもりが龍→リョタ的な流れに…
胸に飛び込んできてぎゅっと抱きついたままのリュウタロスを見下ろしながら、
良太郎は酷く回転の鈍い頭で必死に考えていた。
どうして、リュウタロスが僕に…キス…を?
ケーキが嬉しかったから…だよね?そうだよね、きっと。
「あ…あのね、リュウタロス…?」
ん〜?なんて夢心地な声で返事をするリュウタロスに一瞬出鼻を挫かれそうになり、ゴクリと唾を飲み込む良太郎。
「き、キスはね、本当に大好きな人にじゃなきゃしちゃいけないんだよ。…リュウタロスには…解らないかもしれないけど……」
まるで子供相手の言い方ではあるが、言っていることの内容に思わず顔が赤らむ。
大好きな人にだけ…なんて何の迷いもなく言えるのは、今や経験の無いウブな中学生ぐらいなものだろう。
でもそれは良太郎には仕方の無いことだった。
実際付き合った女の子の人数だって片手で十分足りるくらいでしかなかったし、語れる程にキスをしたかというと……言わずもがな、である。
うっとりとした表情で良太郎の胸に頬擦りしていたリュウタロスだったが、その言葉にパッと顔を上げ、今までに見たことの無いような真剣な表情で良太郎を見据えた。
「ボク、良太郎のこと、好きだもん!」
「あ、ありがとうリュウタロス、でもそうじゃなくてね…?」
「本当だよ!?ボク、ホントに良太郎のこと大好きなんだもん!!」
半ば叫ぶように言うリュウタロスの語尾にうっすら涙声が混じる。
さすがに良太郎も困ったように視線を横に流し、指先で頬を掻いた。
やっぱりリュウタロスには少し難しい…かなぁ?
…こんな時、ウラタロスならきっとうまくわからせてあげられるんだろうけど…
そうボンヤリと考えていると不意に
「ボク、カメちゃんに教えてもらったんだ」
ウラタロスの名前が出てきて、良太郎は驚いたようにリュウタロスの顔を覗き込んだ。
「ウラタロスに?」
「うん、カメちゃんね、『好きな人には、たくさんキスをしてあげるんだよ』って言ってたの。だからボク、良太郎が好きだから、いっぱいキスしてあげたいのっ!!」
「…………そうなの……」
良太郎はそれ以上言葉が出なかった。
…そんな事リュウタロスに教えなくたっていいじゃない…!
「良太郎はボクの事、好き?」
ニッコリと、でも興味津々な瞳でみつめられ、良太郎は息を呑んだ。
勿論リュウタロスが嫌いなわけが無い。自分勝手で子供っぽいけど、なにより大事な仲間だ。
リュウタロスがいなかったら電王は不完全なままで充分に闘う事は出来ないだろう。
でも、ここで好きと答えたら……なんとなく想像が付いてしまう。
「ねぇ良太郎〜!ボクの事、好きでしょ!?」
顔を近づけられ、良太郎はもうこう叫ぶしかなかった。
「好きだよ!」
言い終わるより早く、リュウタロスの唇が良太郎のそれに飛びついた。
ちゅ、という音に良太郎は羞恥心を覚えて固く瞳を閉じる。
「良太郎…好き」
「ぅん……っ」
一瞬解放すると良太郎が逃げようと身じろいだのをリュウタロスは見逃さず、縮こまる肩に腕を回して首の後ろに手をやった。
「もっといっぱい良太郎とキスしたい…」
「ちょ、ちょ……っ…!」
あっけなく塞がれる良太郎の唇。
舌でなぞられると、良太郎は大きく肩を震わせた。
薄く開いた歯列の隙間に、リュウタロスが忍び込んでくる。
舌を絡められ、上顎を愛撫される。
呼吸が乱れる。体に力が入らない。
無意識に伸ばされた良太郎の手はリュウタロスの肩にたどり着き、必死に縋り付く姿にリュウタロスは満足げに笑みを零した。
経験した事のない、深い口付け。
口腔を侵され、理性を犯され、良太郎は戦慄する。
もう何も考えられるような余裕は無かった。激流に晒されているような恐怖と、それと同じくらい自分の肢体の熱をジリジリと感じていた。
唾液が顎を伝う。
良太郎の目じりに浮かんだ大粒の涙がゆっくり頬を降りていくのを見届けて、リュウタロスはようやく唇を解放した。
「…っぁ……・ッは……」
ガクンと項垂れ、肩を大きく上下させて新鮮な酸素を貪る良太郎。
「は…っ……ふぅっ…」
唾液と涙でぐちゃぐちゃになった顔を両手で覆い小さく蹲ると、良太郎はいつしか嗚咽を漏らし始めた。
「良太郎…大丈夫?」
「うん…ごめんね、…ごめ……っ」
「泣かないで、良太郎…泣かないで…」
震える良太郎の肩を優しく抱きしめ、乱れてしまった髪をそっと撫でるリュウタロス。
「酷い事するつもりはなかったの。良太郎……」
リュウタロスらしからぬか細い声に、コクコクと頷いて応じる。
「キライに…なった?ボクの事」
「ううん…そんな事ない……」
肩を抱くリュウタロスの腕に手を沿え、良太郎はその胸に体重を預けた。
きっとリュウタロスは本当に自分を好きなんだろうな、と良太郎は思った。
愛情表現は少し…どころじゃなく、凄く過激な気がするけど、こうして肩を抱いてくれる腕の優しさや、声や、眼差しが。
自分を慕ってくれているのが凄くよく解る。
それに応えてあげられる事が、気持ちを受け止めてあげる事が、今の自分ではきちんと出来ないのが凄く悔しい。
…もっとたくさんキスすれば、受け止めてあげられるようになるのかな…?
そんな事を考え、良太郎は一人で勝手に赤面した。
……あとでウラタロスにきちんと説明させなきゃ。
そして強く心に誓ったのだった。
「あのね、良太郎…」
もじもじと、リュウタロスが良太郎の前にスケッチブックを差し出す。
「本当はまだ完成じゃないんだけど…特別に見せてあげるね」
そういって開いたページには、笑顔の良太郎と、それを囲むイマジンたちの似顔絵が描いてあった。
そのバックには煌びやかに飾りをつけたクリスマスツリー。
『りょうたろう だいすき』
リュウタロスと同じ、紫のクレヨンで大きく書かれた文字。
照れ隠しなのかリュウタロスはシートの上で膝を抱えて座り、何やら鼻歌を歌っている。
そんな様子に思わず笑みが漏れ、良太郎は
「ありがとうリュウタロス。とても上手に描けたね」
リュウタロスの頭を優しく撫でて、その頬に小さなキスを一つプレゼントした。
少しだけ驚いたリュウタロスがあわてて良太郎に振り返る。
笑顔の良太郎に、リュウタロスの顔が見る見るうちに明るくなった。
「良太郎大好き!」
458 :
日曜朝:2007/12/22(土) 00:33:02 ID:1kEG5d2S0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
前回、もっと推敲してから投下すべきだったと激しく後悔しました。
次があるならもう少しまともな文章が書けるよう精進します。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
埼タマのくらげ次男×長男と見せかけたナマモノ注意
小ネタもおkという
>>2を信じてみる
460 :
本筋:2007/12/22(土) 10:04:50 ID:UNVxtvxA0
「なぁ兄ちゃん」
「おぅ、どうした」
「ちょっと一発ヤんね?」
「……何を言うとんねんお前」
「いやなんか。最近この触手が手持ち無沙汰で」
「意味分からんのやけど」
「何だよ兄ちゃんノリ悪いなぁ」
「ノリとかそういう問題ちゃうやろ」
「こうさ、何ていうか……とりあえずヤんね?」
「ヤるかボケこのアホ!」
「いーじゃん、減るもんでもなしぃ」
「減るわ! 確実に! 俺の体積が!!」
「……減るもんなんだ?」
「知るかアホ適当じゃボケ!」
「適当言うなよ。ていうかならいいよね」
「よくないよくないよくないよくない絡まるなああああああああああ!!!」
「もうおっそいー。
ほら、俺の十二本の触手で気持ちよくなろうぜ兄ちゃん……」
「やめ……! あ、あかん……や、嫌や……さ、と」
461 :
蛇足:2007/12/22(土) 10:05:22 ID:UNVxtvxA0
「とかいうくらげの夢を見てしもうたわけやけど」
「……ヤりたいんだ?」
「…………………………いやそこは君。
アホはお前だとツッコむべきトコでやな」
「そっか。触手の代わりに道具使う?」
「あの無表情の○形でそんなんやってもおもんないやろーとかさ」
「まぁ縛るだけでも俺は構わないけど」
「触手やなくて足やろあれはーとかさ」
「あーでも、目隠しとかも捨てがたいかなー」
「自分で自分を受けにするとかどんだけーとかさ……」
「あぁでも、口は塞がないから、呼ぶのは俺の名前にしとけな?」
「……何で俺、こんな夢見た挙句にこいつに話しとんのやろ……」
「とりあえず全部いっとくかー」
「……勘弁してくれ……」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
兄に覆いかぶさるヤーサンタ弟の図に萌えた
だがしかし接吻王国そろそろ自重
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 昭和を揺るがせた大事件を元にしたドラマ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 元警視とあいつのお話
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 全話見た人推奨ダヨ!!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
464 :
あいつ1/5:2007/12/23(日) 03:37:03 ID:sHpgRwXw0
「心中・・・? そんなんじゃねえよ、俺は死なねえ!!」
銃声と共に目の前の男は崩れた。もうあの不気味な笑い声も聞くことも無い、あの声を聞くことも無い。
もう二度と、バカな話を聞くことも無いのだ。なのに、清々した?そんな気持ちにはならなかった。
昔の自分なら、きっと清々するはずなのに・・・・・。残ったのはただの虚無だけ。
(・・・・・・・ごめん、あとで・・・・・・俺も絶対、行くからさ・・・・。)
この”戦争”を終えて、胸を張って生きていくんだ。誰にも邪魔されずに。
ヨロヨロと外へ出ると、”戦争を仕掛けられた相手”が今か今かと時機を窺っているのが見えた。それも、大人数で。
たった一人にこんなにてこずりやがって。とっとと打ちやがれってんだよ。
「お兄ちゃん!」
「いずみ!走れッ!!!走ってみろ!!!」
車椅子から飛び出して、”戦争”を始めた男の元へ女は走る。
主人公の窮地に、たった一人の血を分けた妹が、歩けなかった妹が、始めて大地を踏み、そして大地を蹴るのだ。
どっかの三文劇のお涙頂戴シーンさながらに。
「・・・お兄ちゃん・・・もうやめて。」
彼女はそう耳元で呟くと、ぎゅっと抱きしめた。いつの時代も悲劇の主人公を愛した女は死ぬ運命だ。
そう、台本通りに・・・・・・・・・・・・。
(ごめんな、いずみ・・・・)
撃てっ!という声と共に何発かの銃声が耳をつんざき、抱いている彼女から伝わってくる振動が自分を襲った。
ぎゅっと背中を掴んでいた腕の力は徐々に衰え、腕の中にあった温もりは消え、男を見ていた瞳が遠くを見つめている。この瞳が自分の瞳と合う事はもうないだろう。
ほんのちょっと前までは肉体的には何の問題も無かった、いや、寧ろ順調だった、その命は一瞬で失せた。
今ではただの動かない塊、役に立たない人形となった”それ”はボトリと地面へ崩れ落ち、彼はライフルを構えた。
465 :
あいつ2/5:2007/12/23(日) 03:37:39 ID:sHpgRwXw0
「俺はまだまだ死にやしないぜ!この”戦争”を終らせるのさ!ほらほら、ポケーっとしてんじゃねえよ!」
男は、照準なんて合わせちゃいないその銃を笑みを浮かべて引き金をひく。銃弾が風を切り、彼方へと消えていった。
「こいつ、狂ってやがる・・・・。」
そんな言葉が聞こえた気がした。狂ってる?狂っちゃいない。狂ってたらとっくにこんな所から逃げ出してる。
いや、狂ってたらとっくにこんな奴ら一掃してるさ。
一瞬一瞬がえらく長く感じた。ただバカみたいにドラマみたいに撃ちあってるだけなのに。
(そういや、あいつとこんな場面のドラマに出たっけ・・・・。今頃、どうしてんだろう。)
よもや正反対の役で”演じる”なんて。皮肉なもんだ。
だが、その”他大勢”より悪くない。なんたって主人公なんだから。
ただ一つ違うのは、これが現実だって事だけ。簡単な事だ。ヘタな死を”演じなくて”すむ。
「ッ・・・・・・・・・・・」
どろっとした液体が身体を濡らすのを感じる。どうやら敵さんはやっと本気になったらしい。
ライフルを構える手に力が入らない。じわりとした鈍痛が身体を這いずり回る。
「・・・・・・バカ野郎!」
馴染みのライバルがふらっと立ち上がったかと思うと銃口を瀕死の男へ向けた。
さあ、主人公のフィナーレだ。
466 :
あいつ3/5:2007/12/23(日) 03:38:20 ID:sHpgRwXw0
最高の笑顔を、勝利を勝ち取ったこのライバルに向けてやろうじゃないか。
そしてこの、俺の青春に・・・・・・・。
「刑事、ご無事で?」
「無事もクソもあるか。撃たれてんだぞ、まったく。で、全部で4人か?」
「ええ。可/門 良、可/門 いずみ、
それと付近に身元不明の遺体とみられるものと、廃船の中の野/々/村 修/二の遺体、あわせて4人です。」
「それと酒場のを合わせると6人か。大分派手にやってくれたもんだな。”戦争”を。」
「はぁ・・・・・・。」
「・・・・・・見せてくれるか?」
「はい、こちらへ・・・・・・・。」
不気味な笑顔を浮かべたまま息絶えた彼の両脇には、いずみと、野/々/村の遺体があった。
今にも3人が動き出しそうな気がしてならなかった。いつしかの孤児院の頃のように。
「ホント、狂ってる野郎です。コイツが3億円事件の犯人だなんて考えられませんね。」
「黙れ。」
「はい?」
「黙れって言ってんだ。」
(・・・・もう絶対に離すなよ。彼を。今度は、アンタが奴を振り回してやれ・・・・・。)
467 :
あいつ4/5:2007/12/23(日) 03:39:18 ID:sHpgRwXw0
「・・・・・・・・・・・・・いてッ・・・アレ?」
氷のように冷たい地面が頬を凍らせる。ここがどのような場所かはわからない。
目をしっかり見開いているのに、見渡す限りの闇がそこにはあった。
「どこだよ・・・・・ここは。」
仰向けになって暫く考える。しがらみに疲れた人への理想郷か?それとも・・・・。
「野/々/村さん・・・・・いる?・・・いないか。」
彼の事なんてなんとも思っていないと信じていたのに、なぜか涙が頬を伝った。
後悔先に立たず?愛する者を手放した時、初めてその哀しみを痛感する。よくある話だ。
「なんだってんだよ、ちくしょう・・・・。」
頬を伝う涙を自らの手でぬぐおうとすると、その手がガクッと宙で止まった。
暖かい何かが代わりに涙をぬぐう。
「案外、来るのが早かったじゃないか。」
その声と共にあたりを覆う闇は晴れていく。目の前にいるのは・・・・・。
「・・・・・・・あ・・・・・・。」
その顔を見た途端に何故だか顔が熱くなって、涙がとめどなく溢れ、そんな自分が恥ずかしくて両手で顔を覆った。
「許して・・・・くれないよね・・・・もう・・・。いや、許して・・・くれなんて言わないよ・・・・。」
「そうだな・・・・。」
「ごめん、ごめん・・・・俺・・・・」
「謝るなら、その手をどかせ、良。」
おそるおそる手を退けて、目を開くといつもの笑みを携えている彼がいる。
そう、いつもいたのに。
「・・・・・・・野/々/村さん・・・・。」
起き上がり、彼の首に腕を回す。
468 :
あいつ5/5:2007/12/23(日) 03:39:42 ID:sHpgRwXw0
「許してくれなくたって良い。でもそのかわり、今から俺がアンタのいう事なんでも聞いてやるよ。」
「随分と素直じゃないか。気味が悪いな。」
彼は回した腕を軽く握ると笑いながら首を横にふった。
”ありえない”と言うように。
「そうだ、ここがポール・C・ハーパー.Jrなんだろ?」
「この何も無い殺風景なココがか?ここは、きっと”あの世”なんかじゃない。”下”だぞ。」
「だから俺がおったててやるって!ここが下?上等じゃないか!
・・・・・・・俺にとっちゃ、生きてる時のがよっぽど地獄だったしさ・・・・・・」
クククッと彼が笑い出す。あの聞きなれた笑い。思わず一緒に笑った。
何でも無い事が何故こんなに幸せなのだろう。何故、こんな簡単な幸せに気付かなかったのだろう。
最初からこんな風にできたら、運命は変わっていただろうか・・・・・・。
溢れる涙を見られたくなくて、ぎゅっと抱きしめる。適当な話題でもこしらえて。
「これから、どうするの?」
新しい自分として生まれ変わってやろう。彼が言ってたように・・・・・。
しかし、結局、良の性格がいつも通りになったのは言うまでもない。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ ) このドラマを作ってくれた方は神。所謂、ゴッド。
| | | | ◇⊂ ) __
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| 69バンド白子 唄→←上手ですが出演は唄と下手
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 下手の前盤(道イヒ師)も少し絡みます
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ マイナーでスマソ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
あれ、あなたたちってまだデキてなかったの?
ゆるゆると体中を回り始めたアルコールに少しずつ体温が上がっていくのを心地良く感じながら、
驚愕が表情に表れないように注意を払った。
隣でジョッキを傾けながら少し惚けたような顔で問わず語りを続ける章太は、一見すると酔ってい
るようには見えないが(なぜなら顔色がいつも通りなので)、その呂律は明らかに怪しい。
「おれ、好きな相手にこんなふうに思うの、初めてなんだけどー」
「うん」
「なんか、こう、付き合いたいとか、ちゅーしたいとか、あんま思わないんだよね」
おい、ちょっと待て待て。
「それより、明日も会えると思うだけで嬉しかったりー、…ていうかもう、側に居れるだけで満足って
いうか」
あれ?おかしいぞ。
俺は今日、そんな純愛物語を聞きに来たはずじゃないんだよ。
「……じゃあさ、エッチしたい、とかは?」
かと言って、そんな下世話なことを聞くつもりはなかったし、想像したくもなかったけれど、好奇心と酔
いに押されてつい口が滑ってしまう。
予め作っておいた頭の中のシナリオ通りに事が運ばないので、多少混乱していたのかもしれない。
それでも章太は、特に戸惑う様子もなく。
「あー」
大きな目を見開いて、暫く離さなかったジョッキを、飴色の光沢が美しいカウンターテーブルに置く。
そして、ジョッキの内側に張り付いた無数の泡を随分熱心に眺めて(いるように見えた)暫く黙ると、
唐突に、
「……考えたことなかった」
なんてほざきやがった。
マジかよ。
ていうかそれさ、恋っていうの?
最近章太が元気ないみたいなんだ、とマネージャーから相談されたのは今日の午後のことだった。
えー、なんで俺に言うの?麹くんに言いなよ。何とかしてくれるでしょ、麹くん、章太の為なら何でもす
るでしょ。
なんて、冗談半分で逃げようとしたものの、彼の表情は硬い。
……いや、何て言うか、その麹に原因があるみたいで。もちろん麹にも相談したんだけど、なんか乗
り気じゃないみたいで、今回は順に頼むって言われちゃってさ。
言いにくそうに、口をもごもごさせてそんなふうに言われてしまったものだから、俺にはもう成す術もな
い。
……なるほどね。そういうことか。
わかりました、それとなく聞いてみます。
そう言って笑うと、彼も安心したように笑顔になった。
悪いな。あいつ、けっこう順のこと慕ってるからさ。
……慕ってる、ねえ。
まあ、そうかもね。麹くんには敵わないと思うけど。
昔から、仲間内でのゴタゴタや恋愛関係の相談なんかについては、頼りにされる方だったと思う。
自分では、面倒見のいい方でもないし(人が良く見えると言われることはよくあるので、それはそうか
もしれないが)恋愛経験だって人並みだと思う。
でも、お節介を焼くわけでもなく、適度に突き放しながら話を聞きつつ相槌を打つ自分の態度が、悩
める子羊的にはちょうどいいのかもしれないとある時気付いたのだ。
悩み相談なんてそんなものだ。きれいに解決してやる必要なんかない。気が済むまで喋らせてやって、
最後にポジティブな言葉をかけてやれば丸く治まる。
だから今日は可愛い弟分の為に、仕事帰りに飯に誘って(もちろんポケットマネーで)飲めない酒まで
付き合ってやることにした。
愛するにゃんこやベタ達や、扶養家族の多い俺に何て仕打ちだ、とも思ったが、このバカップルの痴
話喧嘩がどんなものか、興味が沸かないわけでもない。
個室にすると逆に話しづらいかと気を回して選んだ居酒屋のカウンターに腰を下ろして少しずつ話を
引き出すと、章太は生ビールを一杯半空けたあたりで口を割った。
好きな人がいる、と。
相手は?なんて野暮なことは聞かない。
それは普段のこいつを見ていれば、どんな間抜けでも気付くことだ。
その恋のお相手に負けず劣らずこいつのすぐ近くにいる俺なら尚更。
うーん、若いっていいね。
「で、その彼女と何かあったの?」
「彼女」という言葉を選んだ自分に笑いを噛み殺す。そんな俺の気も知らず、章太は少し自嘲気味に
笑った。
「そういうのじゃないよ。……俺、言ってないもん。好きだって」
顔には出さなかったけれど、本当は俺、椅子から転がり落ちそうなほどクリビツテンギョーしたんだよ。
だって、あんなに、どこから見てもラブラブなのに?
誰が見たって、あなたたちお互いのこと大好きじゃん?
気付かないフリも大変だよなーなんて、俺とマネージャーでよく話してるんだよ?
それなのに、お付き合いもエッチも考えられないって、何だそれ。
……えっと、マジで?
「別に、俺、このまま告白なんかしなくてもいいんじゃないかなって、思うし……」
「何で?」
同性だから?
不意に沸いた言葉に、慌ててかぶりを振った。
「だって……絶対困らせちゃうし、あの人が困るの、俺やだし」
「そんなの、言ってみなきゃわかんないじゃない」
あまりにもお決まりの、気休めの台詞に、章太は僅かに悲しそうな顔を見せる。
「わかるよ、俺には。それに、俺、今のままでじゅうぶん幸せだもん」
どっかの悲劇のヒロインばりに儚げな笑顔を浮かべて、自分に言い聞かせるようにそう宣言すると、「ご
めんね、心配かけて」なーんて健気に笑って。
再びジョッキを手にして一気に残りを飲み干してしまった。
……馬鹿だなぁ。
掛ける言葉を見つけられないまま、割り箸で小皿の上のレタスを弄びながら考える。
俺が思うに、麹くんは間違いなくお前のこと好きだよ。
彼、ああ見えてけっこうドライな性格でさ、あんまり人に執着することないと思うんだ。
長年付き合ってきてるけど、彼が誰かの為にあんなにいろいろ考えて、悩んで、無償のナントカで支えて
あげらるような人間見たの、俺、お前が初めてなんだよ。
そんな簡単なこと、何でわからないかなぁ。
黙り込んだ俺をよそに、章太は更に追加オーダーをしようとしている。おい、ちょっとは遠慮しろよ。
「またビールなのお前。何杯目だよ。腹膨れないの?」
「だってー、好きなんだもん」
最初に頼んだレモンサワーを半分口にしただけで顔を赤くしている俺には信じられない。
……ああ、もう次は、烏龍茶にしようかな。
「好きな人を困らせたくない」だなんて、まっすぐすぎる恋心は、時に残酷だ。
麹くんを思う章太の、赤裸々な告白を聞いていたら、昔本当に好きだった人の顔がちらついてきて、胸
が痛んだ。
あの人、今どうしてるかな。
もう連絡しない、だからお前も電話とかすんな。
一方的に告げられて、あの時俺の中で何かが切れた。
……勝手にすれば。
ずっと長い間、どんな理不尽な我侭も笑って受け止めてきた俺がそんな態度を取ったから、随分驚いた
だろうな。表情には表れなかったけど。
売り言葉に買い言葉だと頭ではわかっていても、俺にだってどうしても譲れないことがある。
それをあの人が理解してくれないことが、悔しくて悲しかった。
次の日には携帯を変えて、それ以来、一度も会わないで今日まで来たことを、俺は正直、後悔している。
進む道が別々でも、恋人としてはもう駄目でも、あんなふうに別れなければ今でも良い友人でいられたか
もしれないのに。
女々しいかもしれないけど、俺は今でも馬鹿みたいにあの人が好きで、もしかしたらいつか、何事もなかっ
たように彼がいきなり俺を頼りにしてくるんじゃないかって、今でもたまに思うんだよ。
現実的に考えて、ありえないんだけど。
それに、俺は二度と彼の隣には戻れないんだけど。
あの人、ちゃんと元気かな。一人で無茶なことしてなきゃいいけど。
「……ねえ、順くんはさ」
新しいジョッキに口をつけようとして、何かを思いついたように章太がこちらを見る。
「今、幸せ?俺と麹くんと一緒に、こうやって仕事出来ること、幸せ?」
「……うん、幸せ」
それは嘘ではないけれど、何だか、心の中を盗み見られたようで心臓が僅かに跳ねた。章太は、ただ満足
そうににっこりと笑う。
「俺も幸せ。だからさ、それでいいんだ。もしかしたら、ちゃんと言えばあの人は俺を受け入れてくれるかもし
れないけど……優しいからね。でも、俺はそんなこと望まないよ。恋人とか、そういうのより、特別な関係があ
ると思う。好きだって言えなくても、キスも何も出来なくても、こんなにお互い信頼し合ってるんだもん。これっ
てすごくない?あの人が俺を必要としてくれるだけで、俺、嬉しいんだ。恋人になるより、ずっと幸せなことだ
と思うよ」
大きな瞳をキラキラさせて、そんなふうに熱く語るもんだから、俺はひと言「そうかもね」と返すしかなかった。
とっくにオッサンの仲間入りをした俺にはよくわからないけど、世の中には、性欲や独占欲など入り込む余地
もないほど純粋な恋が存在するらしい。
「……ていうかさ、」
「うん」
「今の、バレバレじゃない?お前の好きな相手」
「あ、」
そっか、そうだよね、なんて無邪気に笑いながら大好きなビールで口元を泡だらけにしていく章太を見て、変
な意味じゃなく、抱き締めてやりたいと思った。
幸せは、手を伸ばせば届くのに敢えてそれを放棄するなんて、俺にはやっぱり理解出来ない。
でもきっとこいつはたくさん悩んだんだ。悩んで苦しんで、ずっとこのまま、彼の隣で彼の曲を歌う唯一の存在
である道を選んだ。
章太が自分で辿り着いた結論を否定することなど、俺に出来るはずがないし、たぶん、これでいいんだ。こい
つはもう、大丈夫。
「……なあ、ビールって美味い?」
「美味いよ!順くんも飲む?」
お言葉に甘えて一口頂いてみたものの、やっぱり苦くて、到底美味いとは思えなかった。
思い切り顔をしかめた俺を、章太はさも可笑しそうにけらけらと笑う。
幸せになればいい。
章太も、麹くんも。あの人も。幸せになってほしい。
不思議と優しい気持ちになって、まだへらへら笑っている隣の酔っ払いの頭を少し乱暴に撫で回してやった。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ズン霧も好きです
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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>>468 うわああああノノムラさんとリョウたんがみれるなんてそんな…!
30年以上昔のドラマ話がみれるなんてそんな…!
せつな萌えました。ありがとうございました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
アイシ三兄弟。長男と三男のやりとり。長男×次男前提で。
すんごく短いですがドゾ-
481 :
51と53:2007/12/23(日) 16:31:23 ID:2bDshPLBO
カチリ、カチリ、カチリ
それは、砂壁に架けられた安物の時計が刻む音……
ではなく、小一時間前に些細なことから言い合い、罵り合い、殴り合いへと発展した挙げ句、この夜中に飛び出していった恋人へ安否の連絡を入れるか否かを躊躇する音だ。
半分無意識なのだろうか、ほぼ規則的に携帯電話を開いたり閉じたりしている十/文/字の目は、空中の一点を見据え、開閉を繰り返す度に眉間の皺を深くしていた。
戸/叶は、先刻の二人の下らない喧嘩に口を挟むでもなく、時雨る夜半に傘も持たずに出ていった相手を想う目の前の男に何を言うでもなく、淡々と漫画雑誌を捲っている。
さあさあと流れる水音と、粗悪な紙擦れの音と、無機質な開閉音、それに
気付かれまいと息を殺して僅かに吐き出された溜め息が重なった時、戸/叶はいきなりばさり、と雑誌をテーブルの上に放った。
突然の物音に、十/文/字は肩を震わせる。拍子に手から携帯が滑り落ち、開いたままで畳の上に転がった。
「―何、いきな」
「さっさと行ってこい」
十/文/字の声を遮って戸/叶は吐き捨てた。
面倒臭そうな口調と声のその裏には、二人の強情な親友への気遣いが含まれていることを十/文/字は察する。
その証拠に、戸/叶の口元はうっすらとほころび、サングラスの奥の目はだだをこねる子をあやすように和らいでいた。
ああ、この男にはいつもかなわない、と十/文/字は思う。
「……サンキュ」
立ち上がる自分を見届け、また雑誌に手を伸ばす戸/叶の肩を叩く。戸/叶はそこでようやくニヤリといつもの笑みを浮かべ、傘は一本しかねえけど、と付け足した。
「悪ぃ。明日返すから」
「―そうそう、ちゃんと髪乾かしてやれよ。あいつまた風邪ひくぞ」
思わず振り返ると、あと、ちゃんと朝起こさねぇと追加料金取られるぜー、と更に追い討ちをかけられて、十/文/字は前言撤回、と舌打ちながら、薄い木製のドアを勢い良く開けた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
全部お見通しの三男でした。
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 熊野別当×遙かなる時空を超えた眼鏡高校生
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < けっこう長いです。
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < つい出来心で…
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
「生きるってなんだと思う?」
つまらない質問をする人間は嫌いだ。
得に、センチメンタルを気取って語ってくる奴。
「くだらないな。殆どの人間はそんな重いテーマを背負う必要なんかないよ」
「重い、ねえ。こんな簡単な質問のどこが重いって言うのさ」
大仰に手を広げて、ゆっくり喋る。
ああ、そうだ。こいつの仕種に覚えがあると、
どこか引っ掛かっていたのを思い出した。
シェークスピアだとかの古典的で芝居がかった大袈裟な演技にひどく似ている。
だけど、
俺には高慢で人を見下したような態度にしか見えなかった。
俺の人生がさも薄っぺらいかのように振る舞われている気分だ。
無視を決め込んだら、ヒノエは楽しそうに眉を吊り上げた。やっぱり人を馬鹿にしている。
「ただ生きるとはって俺は聞いたんだぜ?」
簡単なことだろう、と細く笑う。
かわいそうに、こんなこともわからないのかと言われているような気がした。
じゃあ、お前は何を知っているんだ。
たった一つしか違わないじゃないか。
兄さんだって、先輩だってきっとわからない。
生きるだなんて、大それたことなんか誰にもわからない。
だいたい、意味がなきゃいけないのか。ただ日々を生きるだけじゃ、お前つまらないって言うのか。
「そんなもの、なんで普通に生きる俺が見出だす必要があるんだよ。お前と俺は違うんだ」
そうだ。お前と俺は違う。生きる時代からして違う。
お前の考えていることなんかわかるもんか。
投げ捨てるように言い返したけれど、ヒノエの深い色の瞳が愉快そうに揺れるのを見て、もう諦めた。
ようするに、子どもっぽく突っ掛かる俺の反応を見たいのか。俺は確かにヒノエよりも幼い。
けれど、一緒のラインに並ばせないでくれよ。俺はこの世界に来るまで、ただの平凡な高校生だったんだ。
お世辞にも熊野の別当殿と経験値が同じだなんてことはないんだ。
「俺程わかりやすい生き方をしてる人間もそうそういないけれどね」
経験豊富な熊野の別当は、余裕たっぷりの笑顔でそう言い放った。
わかるもんか。わかりたくもない。
そう呟いた俺に「それじゃあわかるまで付き合うかい」と畳み掛けた。
まるで誘導尋問みたいにして、こいつのしたいことは何となくわかる。
俺がぐうの音も出なくなるまで説き伏せて、流されるのを待っているんだ。
自分から動くのに無理に押さずに、相手が倒れ込むのを狙ってる。
「押すだけじゃダメなんだよ。時には引かなきゃならねぇの」だなんて兄さんが言ってた。
兄さんだって恋愛の経験値は高くないだろうけれど。
俺が知らないだけかもしれないけれど。
「ようするに、自分の好きなように生きてるんだろ。そんな風に生きてるヤツが俺に人生の意味を問うのか?」
どうして俺はヒノエの誘導尋問に引っ掛かるふりをしているんだろう。けして流されてもいいとは思わないのに、そう思うならば拒めばいいのに。きっとヒノエも、拒み続ければ諦めるに違いない。去る者は追わないと、ヒノエ自身が言っていたのに。
「さあね。しいて言うなら、俺はアンタの春の嵐だからかな」
苛々する俺を尻目に、ヒノエは猫のようにしなやかな伸びをして、気持ち良さそうに目を閉じた。
「アンタの居心地のいい春を掻き乱す凄烈な嵐が俺なんだよ、譲」
そうした後で、さも真剣なんだと言いたげに俺を見るなよ。
「どうせ気まぐれのくせに」
思わず口をついて出た言葉が拗ねているようで俺は顔が赤くなった。
完全にヒノエの手の平の上だった。
「女性はみんな気まぐれが嫌いだけれど、譲まで嫌いだったなんてね」
これはこれは、と芝居掛かったように口笛を吹いて、目の前を嬉しそうにしているプレイボーイ。
古典でやったなあ。源氏物語。
こいつ、きっと光の君を知ったら「俺はもっとうまくやるね」と自信たっぷりに言うに決まってる。
「お前はいいよ。次から次へ相手を変えても、きっと同じ気持ちでいられるんだろ。それだけ相手に思い入れも愛情もないんだ。俺は…たとえ兄さんが先輩と付き合っていてもそれでいいんだ…今の俺たちの均衡が崩れて、俺の居場所がなくなるのは嫌だ。今のままがいい」
結局、俺はわがままかガキなんだ。
俺がいて兄さんがいて、先輩がいる。
そういう関係をずっと続けていたかった。
俺は二人が大事だから、たとえ俺が先輩に恋をしているとしても、何も望まない。
先輩がいてくれるだけでいいんだ。
楽しかった日々を、守りたかっただけなんだ。
「感情は生まれて消えるものなんだぜ。変わって行くことは怖いかい?」
お前はそう言うけれど、変わらなければならないなら、俺はそんな未来いらないんだ。
俺は本当に臆病で、そしてただの子どもなんだ。
だから構わないでくれよ。俺なんかより、物分かりのいいヤツなんかたくさんいるだろ。俺は面倒だろ。
「想像もできないよ。変わって、それでどうなるんだ…」
あっち行けよ。あっちに行けってば。
こっちに来ないでくれ。
俺の何をわかってるつもりなんだ。
お前になんかわかるもんか。わかってたまるか。
「さあね…けれど、望美も将臣も変わって行くよ…アンタを置いて。アンタがそうやって泣いたって無駄だぜ」
俺は泣いてなんかいない。
同情なんかまっぴらだ。
こっちに、来るなよ。
「俺が好きだって認めなよ。そうしたらアンタもきっと変わるよ」
俺は小声で、ただひたすらいやに決まってるだろ、誰がお前なんかと繰り返した。
「恩着せがましく言うな。俺が好きなら好きって言えばいいだろ。腹が立つんだ、お前」
「回りくどく言うのも口説くコツなんだよ、わからないかい」
しゃがみこんだ俺の頭をヒノエは撫で続けていた。
俺は顔を上げられなかった。
今、顔を上げてヒノエを見たら、俺は本当にこいつに流される。
「大丈夫だ、アンタ大丈夫だよ」と呟く声が優しく響いて、風が少し涼しくなって、秋が始まる気配がした。
先輩と兄さんが恋人同士だと知ってから、俺は初めて泣いた。
失恋じゃないな、喪失感なんだろうか。
けれど片隅からわき出るこの満たされた気持ちはなんだろう。
あんまりに撫で続けているので、観念して顔を上げた。
ヒノエが笑っていない。
「なんだよ、笑えよ」と言ったら、「笑えないよ、アンタが好きだ」と言われた。
確かに笑えないな、シュールなギャグにもなれないよな。
「俺の方がお前の春の嵐だったのか?」と聞いた途端、ヒノエの顔が下りて来て視界が暗くなった。俺は目を閉じた。
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. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < ひ/の/ゆ/ず。が大好き。
//, 停 ||__ (´∀`⊂| <お目汚し失礼仕った!
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>>453 続きキテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
龍とリョタがいちいち可愛すぎて和んでしまった。
そして龍の最後の台詞に全て持って行かれたw
萌えをありがとう。