. ___ ___ ___
(_ _)(___)(___) / ̄ ̄ヽ
(_ _)(__ l (__ | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ }
|__) ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
l⌒LOO ( ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_, _)フ 「 | ロ | ロ |
( ・∀・)、__)  ̄フ 厂 (_,ィ |
 ̄  ̄
◎ Morara's Movie Shelf. ◎
モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ]_||
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
|[][][]._\______ ____________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| / |/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |[]_||
|[][][][][][][]//|| | ̄∧_∧ |[][][][][][][][].|| |  ̄
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ ) _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |
|[][][][][][][][]_|| / ( つ|8l|.|[][][][]_[][][]_.|| /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__)_)
前スレ
モララーのビデオ棚in801板28
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1182513934/ ローカルルールの説明、およびテンプレは
>>2-9のあたり
保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://wald.xrea.jp/moravideo/
★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★
ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。
(1)長時間に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(>>3-
>>7辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」〜「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。
※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、スレを占拠しないためにも投下ペースや分量を配慮して下さい。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。
相談・議論等は避難所の掲示板で
http://s.z-z.jp/?morara
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
| いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
| | [][] PAUSE | . |
∧_∧ | | | . |
┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | | | . |
| |,, ( つ◇ | | | . |
| ||―(_ ┐┐―|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
| || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
テンプレ1
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| きっと楽しんでもらえるよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
テンプレ2
_________
|┌───────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^──────────────
└──────│たまにはみんなと一緒に見るよ
└───────────────
_________
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
テンプレ3
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < みんなで
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < ワイワイ
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 見るからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < この体勢は
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 無理があるからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
テンプレ4
携帯用区切りAA
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
中略
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
中略
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
|
| ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
| ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
| ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
| ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
| ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
| ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
| ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
\___ _____________________
|/
∧_∧
_ ( ・∀・ )
|l8|と つ◎
 ̄ | | |
(__)_)
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 媒体も
| 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
| 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
\_________________________
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| じゃ、そろそろ楽しもうか。
|[][][]__\______ _________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | |/
|[][][][][][][]//|| | ∧_∧
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
|[][][][][][][][]_||/ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |
(__)_)
いちもつ!
12 :
風と木の名無しさん:2007/08/17(金) 20:04:40 ID:pEy5EgBhO
元スレにはSS貼っちゃいけなかったのでここ借ります。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 元スレ747の続き…固有名詞に変換してね。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 小悪魔くんは天使様が大好きなんだけど何せ悪魔なので割と鬼畜かも…
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
突然剣を構えた天使の躰がゆっくりと崩れ落ちた。
全身が痺れて力が入らない。なのに神経だけはチリチリと灼けるように研ぎ澄まされていた。
その側に音もなく歩み寄る悪魔。
「やっと回ったようだな…俺達の体に流れてるものは人間には毒なんだよ…
もちろん天使にもな。"媚薬"と呼ぶ人間もいるが」
傍らの剣までもが既に錆びてその用を為さなくなっていた。
「いい眺めだ…さて、―――天使様、」
靴の爪先で天使の顎を仰向かせる。
「どうして欲しい?」
ぐったりと横たわった天使が呻いた。
「…………こ……ろ…せ……」
「生憎だがそれは俺の仕事じゃないんでね、
俺達の仕事は死んだ奴を地獄に送り込むことと、生きてる奴にこの世の地獄を味わわせること。
死神に頼むんだな。―――総て終わった後で。 つまり、こういうことさ。」
天使の翼に手を掛けた。その翼にも毒は回り、根元から黒ずみ朽ちようとしている。
「俺が何をしても―――」
そのまま片翼を引き千切る。「貴方は死ねないんだよ」
「………………!!!………………………………」
「なんだ、声まで出なくなったのか。つまらんな、貴方の声が聴きたかったのに。
もう片方は少し醒めるまで待つとするか。
安心しな、この綺麗な顔は最後までとって置くから。
悪魔だって綺麗なモノは好きなんだよ。…綺麗なものが歪むのもね…
翼だってまた生えて来るさ、次は俺と同じ色のがな。…では、改めて―――」
悪魔は天使の傍らに跪き、その柔らかな髪を束に持つと、
自分の目の高さまでその身を吊り上げ、舌なめずりをしながら耳元に囁いた。
「どうして欲しい?……この時の為に何万年も待ってたんだ…飽きるまで愉しませて貰うよ」
天使が完全に意識を失うのを悪魔はそのままの体勢で見届けた。そう時間はかからなかった。
不意に悪魔の顔に泣き顔のような微笑が浮かんだ。
そしてゆっくりと腕を下ろし、天使の躰をその胸に抱き止めると静かに呟いた。
「…あぁ…これで…貴方は……永遠に…僕のものだ…」
指で梳いた天使の髪に、頬に、項に、悪魔は繰り返し優しく唇を寄せた。
「…貴方を…初めて見た時から…ずっと…
だけど…僕は…上には行けないから…こうして…貴方に降りて来て貰うしか……なかったんだ…
いっそ…貴方が…僕を……殺してくれたら……貴方と…死ねるなら……」
____________
| __________ |
| | | | 天使が目覚めたらきっと第1ラウンドですがそっちは書きません
| | □ STOP. | | 第1ラウンド→元スレ761へ続きます
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>17 GJ!!続きはどこですか?も少しヒント下さい、分からなくてゴメン…
>>17 元スレ747、761に投下した者です。
すてきな続編SSありがとう!!
ゼヒさらに続きの第2ラウンドもお願いしたいwww
>>18 一応ヒント
今、この「天使」と「(元)悪魔」はライブで「狂宴」しています。
ちなみに明日が最終日。「ナマモノ」につき取り扱い注意!
彼らのことかー!!!
明日行くのに違った目で見そうだw
元スレって数字板? 捜索の旅にでます…
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )性懲りもなくででてネタ。
蒼い炎を宿した刀の切っ先を思わせる、リングの中央に凛と立つその姿。
俺はこいつが好きだ。
自分の全てを俺にぶつけて、挙句粉々にされても、折れないその眼光。
叫び、喘ぎ、這いつくばってでも、ひたすらに俺だけをその刀で貫かんとしてくる。
まだこんなにも俺の奥を掻き乱す奴が居たのかと…ゾクゾクした。
マットの上に蹴倒され、潰され、放り投げられても、俺を睨みつける事を止めない。
「…K/o/o…ッ!」
起き上がり、唇を歪めて俺の名を呼ぶ。
ああ、心地良い旋律だ。
この世の全ての戦いに於いて渦巻く多種多様な感情を、一つに纏めて音にしたら、きっとこんな音なのだろう。
渾身の力で放ったであろう膝蹴りを俺は拳で受け流すと、同じ様に己の膝を持ち上げてこいつのみぞおちに叩き込む。
涎混じりの苦悶の声が、殊更に俺の破壊衝動を駆り立てた。
「―――――――!」
もっと、俺の名を、呼べ!
俺は興奮し、咆哮していた。
脱力した身体を持ち上げて、
――まるでそれは、愛し方を知らぬ獣が、好いた女を野に磔にするが如く。
勢いよくマットに叩き落し、組み伏せた。
三回のくぐもった打音の後、響いた甲高い金属音と炸裂する爆音。
俺は名残惜しく身体を離すと、何十分か前までこいつのものだったベルトを奪い天へとかざした。
「どうだ!俺たちはエーダブリューオー、この勢いは誰にも止められない!誰が来ようと、ここいるK/o/o様が捻じ伏せてやる!」
いつもの騒がしい声が遠い。頭の奥から耳鳴りがする。
…ただ、あいつの息遣いだけがはっきりと脳に聞こえていた。
奪い取ったベルトを見せ付けてやったその瞬間、荒く乱れた呼吸は止まり、再び俺を睨む。
『来い、原縞』
このベルトが俺の手にある限り。そしてお前が俺を倒す事を望む限り。
リングの上で何度でも、俺が飽くまで、その身体を、
『叩き壊してやる』
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
言葉を発さない狂人戦士萌え。あと原縞の打倒くぅへの執着も萌え。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 元スレにはSS貼っちゃいけなかったので
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 加筆修正して改めて投下させてください。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ワクワクキュンキュン
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
僕は関政光。これでも海上国防軍の一尉だ。
戦闘の被害を最小限に留める方法とはいえ、中学一年生の少年である和久君を
監禁する強引な軍のやり方に僕は少なからず疑問を感じていた。
沈んでいる和久君の表情、その原因である軍の人間として
彼に少しでも償いをしたいと思う僕はある行動に出ることにした。
「和久君、僕を兄貴の様に思ってくれないか。」
「あ、兄貴ですか?」「そう。僕も和久君の事を、弟の様に思って君に接するから。」
両親に別れも言えないままこの部屋で暮らしている和久君にできること、
それは自分を擬似兄弟、擬似家族の様にお互いを思うように過ごすようにして
彼の心の傷が少しでも癒えれば嬉しい。そう僕は思ったのだ。
それから僕は軍服を脱いで毎日の様に和久君の部屋を訪れた。
テレビゲームで対戦して遊んだり、自分がお勧めするDVDを一緒に見たり。
夜に和久君が辛そうな表情をしたときには布団を敷いて隣で寝てあげたり…。
そうしているうちに、僕は段々と和久君に『同情すべき少年』以上の感情が芽生えていた。
もし和久君が本当に僕の弟だったら、家族だったら。僕は今の彼の状況をどんなに悲しく思うのだろう。
「君は絶対に死なせはしない。僕が、軍が君を守ってみせるよ」
戦闘は開始された、筈だった。
「あの子を殺していい!?そんなのおかしいですよ、関さん!」
「しかし、あの子を殺さなければ君の家族や友人が、皆死んでしまう!」
敵のパイロットである少女が戦闘を放棄したのだ。
「…それなら。」和久君はさっきまで荒げていた声を落ち着かせ、言った。
「関さん、俺を。俺を殺してください。」「和久君、何を言って…」
和久君は真っ直ぐに僕の瞳を見て、もう一度口を開く。
「オレだって、関さんが演技してた事くらい分かってるんですよ」
「演技?」僕には和久君が何を言っているのか理解できない。
「関さん、オレに兄貴だと思ってくれって、言ってくれましたよね。
それでオレの面倒を良く見てくれた。でも、それは任務とかだったんじゃないんですか?
軍の偉い人とかに、『和久隆は明らかに戦うモチベーションを欠いている。
地元には戻せないから、せめて戦えるように励ましてやれ』とか命令されて」
それは違う!僕は否定しようとしたが動揺して言葉が出ない。
自分が善かれと思ってしたことが、和久君にはそう映っていたなんて。
「オレの寂しくなって関さんが隣で寝てくれたとき、本当に嬉しかったんです。
関さんみいな兄貴が、本当にいたらいいな…って。そうも思いました。
でも、関さんにとってオレは《人形》のパイロットでしかないんでしょう。
オレがどんなに関さんことを好きになっても、軍人である関さんはそうとしか見てくれない。
オレが戦って死んでも、関さんは死ぬことになっていた子供が一人死んだ。そうとしか思わないんだ。」
「そんな…」
「両親や友達には、身代わりを用意されてオレは死んだことになってる。コズエも…いない。
オレが今ここで死んでも、オレが守りたかった人達は誰も悲しまない。そうですよね?」
「違う、違うよ和久君。僕は…」
…いや、違わない。
所詮僕は《人形》との契約をしていない、パイロットが戦闘に勝利すればこれからも生きる人間。
それなら和久君は?和久君は戦闘に勝利しようが敗北しようが死んでしまうのだ。
死ぬ事がわかっている人間に赤の他人が何かをしても、救いなど無い。
僕がどんなに和久君に親しくなろうとしても、和久君の心を弄んだだけに過ぎないのだ。
「で、殺すんですか?殺さないんですか?私はせっかくお嬢様が契約させたパイロットを
殺されるのは余りいい気分ではありませんが、彼を殺してもゲームは続行できますよ。
パイロットが足りなくなれば追加契約もできますしねえ。」
コエムシが横槍を入れてくる。
「関さんじゃなくてもいい、誰かオレを早く殺してください。オレは、あの子を攻撃できない。
攻撃されるところも見たくない。オレは人を守れるヒーローになれる…そう思って契約したんです。
誰も死んで欲しくなかったんです。でもそれが叶わないなら…せめて、オレが死んでから。
オレを殺してから、あの子を攻撃してください。お願いします。」
沈黙。そして遠くから聞こえる一発の銃声。和久君が攻撃できなかった少女が撃たれたのだ。
僕は和久君の全身の力が抜けていくのが見て取れた。彼を今抱きしめて支えてやりたい。
でも、そんな権利がどこにある?僕がもう彼にできる事は……殺す…そんなこと…
「それなら私が殺してあげる。」本田千鶴の声がした。「えっ。」
僕は見た。和久君の喉元にカッターナイフがするりと入っていくのを。
右に切り裂いたところから、スプレーのように血飛沫が散るのを。
座っていた椅子から前のめりに膝をついて滑り落ち、目を開いたまま寝転がって血溜りを作る和久君の姿を。
誰かの悲鳴がコックピットに鳴り響いた。和久君は、死んだ。
その戦闘は波乱続きになったが、勝利を収めることはできた。
次のパイロットも声を受け、彼は今地元で生活してもらっている。
確実に死が約束された彼らだからこそ、今までの日常を送ってもらいたい。
もう、和久君の様な悲劇を生み出さない様に。
僕は彼の遺体が保存されているジアースの隙間に居た。
死んだ直後そのままの表情、首の傷をしている和久君。
「コエムシさん。和久君の目を閉じてあげてもいいかい?」
「どうぞどうぞご勝手に。」僕は彼の目元に手をかざそうとすると
「触ったとたんに腐り始める…」ビクッとして手を硬直させた。
「何てことは無いと思うのでご安心を」「そ、そうですか。」
お、驚かさないでくれ。和久君の目は閉じられた。まるで眠っているように見える。
なあ、和久君。僕は軍人としてではなく、一人の人間として。
最初はそうだったけれど、《人形》のパイロットではなく、君自身を好きなっていったんだよ。
だから…
「はい、これで契約完了ですよ。
あなた方二人のマガジンは次のマガジンに装填されますからね。」
僕は、契約板に手をついていた。軍人として、僕なりの和久君への、本当の償いとして。
もし死後の世界があるなら、君にもう一度会って話をしたい。
その時は君に謝って、僕に誤解を解かせてくれないか。
(終)
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>19 新スレ初の投下にすごいものが…!
もしまだここ見てたらもう少しヒントくれませんか…
>>29 19じゃないけど
「(元)悪魔」の( )を外して…あと「王子連合」をプラスする位かな。
過度の期待はしないで頂けると嬉しいのと
繰り返しになりますが『ナマモノ』につき
ご注意を。
>>30 dクス。
ぐぐったら超違うお方がひっかかってびびった…。
33 :
19:2007/08/21(火) 02:19:04 ID:RlDdyHEX0
元スレ761で「悪魔のキス」とか書いたら、リアルになっちまって
(唇ではなく手の甲でしたが)本気でビビッたよ・・・。生きてて良かった・・・。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
〜天使VS悪魔 元スレ761続き 悪魔視点〜
覚醒した天使は、その身体に眩い黄金のオーラを纏っている。
それは悪魔である自分にとって、身を焼き尽くさんばかりの輝きで
あるはずなのに、何故か心地よく感じるものであった。
「・・・美しいな・・・・・・」
悪魔の瞳から、一筋の涙がこぼれた。汚れなき、純粋なひとしずく。
「ずっと憧れてた…愛していた・・・貴方の全てが欲しかったんだ。
だけど、貴方は天使で、俺は悪魔・・・。そう・・・悪魔だから、どうしても
貴方を・・・壊したくなるのさ!!!」
しゃにむに飛び掛ってきた悪魔の一撃を、天使は静かなる風の如くかわした。
そして切なさの籠った慈愛のまなざしを悪魔に向けて、呟いた。
「・・・悪魔よ、その涙は・・・。俺を想って泣いてくれているのか・・・」
「!!」
身動きひとつ出来ず、悪魔は天使を見つめ返した。
涙に濡れた悪魔の頬をそっと両手で包み込み、天使は微笑む。
「お前の愛、確かに受け取ったよ・・・ありがとう」
天使は優しく、優しく、悪魔に口付けた。
今までに感じたことの無い、満たされた心地。
胸の奥が、温かい―
「天使のキス・・・・・・これが愛・・・か・・・・・・」
悪魔は天使の腕の中で、深い眠りに落ちた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 瓶サガ トル/フィン×アシェ/ラッド風味
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| トル/フィンが原作4巻時点よりもちょっと育ってるの想定してるけど
| | | | \ ほとんど近未来パラレルってことで
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 擬似父子に萌えなんだぜ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お前は成長し、俺は老いる。いつかはお前に負ける日も――。
時は自分に味方する。そんなことは、言われなくても知っていた。
しかし、そのいつかは果てしなく遠いと思っていた。永遠にやってこないような気さえしていた。
ましてや、その時が今だとは。
組み敷いた男を見下ろし、トル/フィンは呆然としていた。
勝った。
アシェ/ラッド。父の仇であるこの男を地に倒し、今その喉許に刃を突きつけている。
この光景を何度夢想したことか。けれど、現実となってみれば、味わうはずだと思っていた喜びは無かった。ただ驚き、惑(まど)っていた。
緊迫したやり取りの名残で、アシェ/ラッドは荒い息をしていた。喉が、呼吸に合わせて喘いでいる。
立会い人はなかったものの、望んだ通りの、公正な勝負だった。あとは、形見の短剣でこの喉笛を裂いてやれば良い。その為に研いできた刃だ。
あとほんの少し、腕を横に凪げば事足りる。それなのに、何故かこれ以上動けない。
トル/フィンもまた肩で息をしていた。手元がブレて、刃がアシェ/ラッドの首筋を浅く傷つけた。
淡く金色を帯びた夕日の光の中に、ツ、と流れた鮮やかな赤い色。視覚、聴覚、手指の感覚の順に、現実味が戻ってくる。
「……どうした。やらねェのか」
乾いた声が、トル/フィンの耳を打った。
見上げてくるのは、表情の読めない、瞬きの少ない目。いつもと変らない。それが、トル/フィンの混乱を助長した。
「どうして、テメェが負ける」
問えば、失笑が返って来た。
「まあ、そろそろだ、たァ思っていたさ」
好きなようにしろ、と言うように、アシェ/ラッドは地に背を預けた。草が微かに音を立てた。
遠くから風に乗って、悲鳴と怒号と歓声が聞こえてきた。きな臭い匂いもする。
ビョ/ルン以下アシェ/ラッドの部下たちは、近くの村を襲撃している最中だった。まさか彼らの首領が今まさに生きるか死ぬかの状況にあるなどとは、夢にも思っていないだろう。
この男がわからない。トル/フィンは思った。
野心が強いようであるのに、時折、何物にも執着しない男だとも感じる。
己の命でさえ。今も、トル/フィンがに喉笛を裂かれるか否か、賭けでもしているかのように見えた。
「っざけんな!」
「あ?」
息を整え、トル/フィンは吠えた。アシェ/ラッドの息はまだ乱れている。
自分は成長し、この男は衰えた。今自分に殺されずとも、いつかは先に死ぬのだろう。
そしてそのことを、恐らくアシェ/ラッドは何とも思っていない。
堪らない苛立ちを感じながら、トル/フィンは短剣を振り上げた。
刃は、深々と土に埋まった。アシェ/ラッドの肩口の、衣服だけを貫いて。
「ふざけるな! そろそろだと思っていた、だと!?」
地面に縫いとめられた男の、襟首を掴んで地面に押し付けた。興奮で、息が速く浅くなる。
「それなら、どうして勝負を受ける!」
僅かに、アシェ/ラッドが瞠目した。次いで、唇を笑みの形に歪める。
「なんだ。まるで、勝ちたくなかったみてえな言い草じゃねェか」
「!」
襟首を掴んだトル/フィンの腕が動揺した。
そんなはずが。
ない、と動かそうとしたはずなのに、唇はまるで言うことを聞かない。速く浅い、荒れた息を繰り返し、喘ぐばかりだった。
「あー、あのな、オレも一応、ヒマじゃねェんでな」
微動だにできないでいるトル/フィンを見上げ、アシェ/ラッドが嘆息した。
組み敷き、自由を奪っているのはトル/フィンのほうだというのに、戸惑ってしまった時点でもう、立場が逆転してしまっている。それに気付いて、く、とトル/フィンは奥歯を噛み締めた。
「やる気がねェんなら、さっさと放してくれや」
抜け、と、肩口を縫い止める短剣を顎でしゃくる。その仕草で一瞬、咽喉が無防備に晒された。身体の中でも一番、皮膚の柔らかい部分。
ぎくりとした。何故かはわからない。
「うるさい!」
トル/フィンは奇妙な感覚を振り払うように頭を振ると、もう一本の短剣を振り上げた。振り上げたが、やはり振り下ろせなかった。
研ぎ澄まされた刃が、残照を弾く。それを、アシェ/ラッドは瞬きもせずに見上げている。
動けない。そのくせ鼓動だけが速い。トル/フィンは唇を噛んだ。唇は乾いていたが、舌で湿すほどの気持ちの余裕もない。
ややあって、アシェ/ラッドが何かに気が付いたような顔をした。
「……お前」
「うわ!?」
立てた膝で、もぞりとその位置を探られてトル/フィンは悲鳴を上げた。
「な、な、何、テメ……!」
「そりゃこっちの台詞だ。何サカってんだガキ」
「ぅあ!」
股間のものが硬くなっている、その形を知らせるように腿を押し付けられた。辛うじて剣は取り落とさなかった。
「何だ? 溜まってんのか」
アシェ/ラッドの唇がニヤリと歪む。
「や、ちょ、な、テメ、畜生……ッ、」
アシェ/ラッドを組み敷いた体勢を崩すのは嫌で、意地を張ったのがまた悪かった。ぐりぐりと揉み込むようにされて、息が上がる。
ついに持っていられなくなった短剣を、トル/フィンは咄嗟に鞘に収めた。戯れに与えられている刺激を、快楽として受け取っている。あまりの情けなさに、涙目になった。
遠くで、略奪の騒ぎはまだ続いている。風に乗って、女の悲鳴が聞こえてきた。すぐには消えず、長く続く。
チラリとその方向に視線を向けると、アシェ/ラッドはまた人の悪い笑みを浮かべた。
「たまにはあいつらに混じって女抱いとけ」
「ッ、クソ、……ギャーギャー言ってる女相手に勃つか!!」
「うん?」
苦し紛れに喚いたトル/フィンに、アシェ/ラッドが眉を上げる。からかうような笑みは、苦笑いに変化していた。
「……じゃあ何だ? 親父の仇のオッサン相手なら勃つのかお前は」
今度こそ、弾かれたように、トル/フィンはアシェ/ラッドから離れた。
「な、な、な、この……っ!」
頬が熱い。半泣きの状態で頭に血が上ったものだから、のぼせた。トル/フィンは手の甲で鼻の下を擦った。鼻水が垂れそうなのだ。
「うっさい、ハゲ、死ね」
「じゃあ殺せば良かったんじゃねェのか? 父上の霊に捧げるんだろう、オレの心臓を」
ぐずぐずと鼻を啜りながらどうにかこうにか悪口を吐くと、地面の上の男がからからと笑った。
「次は必ずそうする!」
「次なあ。どうしようかねェ、お前、強くなりやがったからなァ」
トル/フィンは瞠目した。驚いたのだ。強くなったと言われたことよりも、言われて微かな喜びを感じている自分に驚いた。
成長し、戦士になって認めてもらうことは、幼い頃の目標だった。しかし、強くなったなと、頭に手を置いてくれるのは父だったはずなのだ。
この男などではなく。
「……働けば良いんだろう」
父の形見の短剣を地面から抜き、トル/フィンは低く言った。
「ああ。そうだな、オレの首に釣り合うだけの働きをしろ」
「するさ」
トル/フィンは踵を返した。走れないのは、まだ股間の興奮が続いているからである。何の気の迷いだ、と自身の身体を叱咤したところで、どうにもならない。
ああそうそう、と間の抜けた声が背中から追って来る。
「それなァ、適当に抜いとけよ、身体に悪ィから」
返事をせずに、トル/フィンは足を速めた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | | オソマツサンシター
| | | | ∧_∧ ハゲ相手には攻だけどそれ以外が相手だと
| | | | ピッ (・∀・ ) トル/フィンは受のような気がする。不思議。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
42 :
sage:2007/08/22(水) 01:06:30 ID:MenhdlLH0
43 :
42:2007/08/22(水) 01:09:04 ID:MenhdlLH0
アゲてしまった…すまんです…orz
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
今週の大三河は禿しく燃えて萌えたよ。
ツンデレな尾舘様視点、缶介他家駄帰参時捏造です。
久方ぶりに合間見える缶介は、幾分やつれた様に見えた。
越後の一冬を、牢内で過ごしたのだから無理も無い。
「尾舘様、ただ今帰参致しました。」
左右に控える重臣達も、心なしか安堵しているように思える。
缶介を知行二百貫で召抱えた折は、随分と反感を受けたものだが。
何時の間にやら、この評定の間に無くてはならぬ存在になっておったのだろう。
「缶介、お主が留守にしている間にも邑上との戦は熾烈を極めておる。
鉄砲百丁分の働き、しかと申し付けたぞ。」
「はっ。」
「越後の内情は、存分に探れたであろう?後ほどわしの元に参れ。
長生鹿毛寅がいかほどの器か、じっくり聞かせてもらおうか。」
数刻後、申し付けたとおり缶介が室に訪れた。
何やら思いつめた顔で、座し頭を下げる。
「尾舘様、この度は某の不手際をお救い下さり真に…」
「このばーーーーーーーか者が!!」
突然の罵倒に驚いて顔を上げる、その隻眼に手にした扇を突きつける。
「缶介、お主己の信条を忘れたか。『兵は詭道なり』
命あっての物種であろう。ひとまず寝返っておいて、頃合を見て
脱出をはかろうとは思わなんだのか。」
固まっていた缶介が、ふとその視線を宙に彷徨わせた。
「恐れながら申し上げます。長生鹿毛寅には、偽りの帰順など
即座に見破られ…それこそ殺されていたかと。」
「それ程の男だと申すか。缶介…少しは絆されたか?」
「は?」
「随分と口説かれていたようじゃな。人のことを欲深き男と言いつつ、
鹿毛寅も何とも欲が深い。」
兎身とやらのみに飽き足らず、缶介まで手に入れたいとは大した強欲ぶりじゃ。
扇を引き、手元に打ちつけながら一人ごちる。
ふと扇から視線を上げると、なんとも情けない顔で震える隻眼の謀将。
「尾舘様…全てご存知で」
「当然じゃ。羽月はあれで中々優秀でな、退き笊とやらには少々梃子摺った
ようだが…その様な顔をするな。最初にお主が仕入れた鉄砲は
邑上に殆ど奪われてしもうた故、新たに百丁注文した上で剣持に直に
越後まで出向いてもらうよう手配するのは中々手間がかかったのだぞ?」
ずいと顔を近づけそれにな、と追い討ちをかける。
「剣持は、若狭から船を出して越後に入港したと言っておったな。
詰る所、お主を木に縛り付けて的にする以前から鹿毛寅は鉄砲が届く事を
知っておった事になる。」
試されたな缶介。にやりと笑いかけてやると、
がっくりと力尽きたように肩を落とす。
「某は、尾舘様にも鹿毛寅にも試されていたと言う事でございますか…。」
恨めしげに見上げてくるのをそう拗ねるなといなしつつ、胸中でのみ呟く。
実の所は、そうでもあるまいよ。
鹿毛寅は、おそらく本気で缶介を手に入れたかったのだろうからな。
「ともかく無事で何よりじゃ。ほれ、杯を取れ。」
脇に寄せておいた杯と徳利を引き寄せ、朱塗りの杯を差し出すと
漸く嬉しそうに眼を細めて受け取る。酒を注いでやり、ぐいっと
飲み干す様を見やりながらふと疑問が口をついて出た。
「越後の酒はたいそうな美酒と聞いたが、どうであった。」
拳で口元を拭っていた缶介は、にやりと口角をあげて笑う。
「確かに美味ではございましたが…某の口には、やはり甲斐の酒が合いまする。」
そうであろうな、と相槌をうちつつ、遠く越後の雄に思いを馳せる。
いずれ何処かの戦場で、会いまみえる事もあるだろうが…
缶介はくれてやるわけにはいかんよ、わしのモノだからな。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
この後は二人して酔いつぶれるなり、
独占欲ばりばりの尾舘様が缶介を押し倒すなり、
お酒入って駄々っ子モードの尾舘様を缶介が床で介抱するなり、
もう好きにすればいいと思うよ。
>>44-49 通りすがりでかたじけないが、しかと拝読し奉った!
尾館様は缶介のいない日々をいかに堪え忍ばれたのかのぅ…
>>33 あ、妄想 ネ申 の姐さんだ 予言成就おめでとうございます
13-17です ご無沙汰してます
リアルの方が凄すぎてしばらく気絶してますた
それにしても
流石に美しくまとめられますなぁ…
姐さんの完成された世界に
変なもん挟んでしまってすいませんでした
自分何かしら取っ掛かりがないと書けなかったんで…
連合萌えは続きそうなので
また何かあったら来ます
元スレ無関係で読んで褒めてくれた姐さん方もありがとうございました
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )今回小さい主人公が攻めてます。本番はナシです
むりやり感動に持っていこうとしてますが、厳しいです・・・;
「花山さん・・・」
後ろから自分を蹴っていた男が宙を舞い、顔面を強打して失神した。
振り向くと後ろに花山が立っていた。
2mはあろうかという巨大な男は右頬から眉間にかけて大きな刀傷が走っており、
その迫力に恐れをなしたのか、刃牙を取り囲み暴行していた他の2人の若者は気絶した男を置いて脱兎のごとく逃げ去った。
寂しそうに笑う刃牙の肩に手を置いてしゃがみこみ、静かに微笑む。
右腕についた噛み跡に目を留めると、その視線に気づいたのか刃牙が疵跡をさする。
「ああ、これ?・・・噛まれちゃったんだ」
そう言って踵を返しすたすたと歩き出した刃牙に、花山も立ち上がって無言のまま付いていく。
「何かあったのか」
「ん・・・ちょっとね」
「話したいことがあるなら、聞いてやるよ」
ぴたりと足を止め、振り返ると「うち、来る?」と言って刃牙が笑った。
「・・・で、誰にやられたんだ?」
畳の上に腰をおろし、向かい合った格好で花山が訊ねる。
ぐっと唇を噛みしめて、刃牙は話し始めた。
「母さんをさ、抱きしめたら・・・噛みつかれたんだ」
「恋しくてさ、愛しくてさ、愛されたくってさ・・・抱きしめたら、がぶーって!
・・・・笑っちゃうよね。俺なんか、生まれて来なきゃよかったんだ・・・」
俯いてつぶやく刃牙の顔は、まるで捨てられた子犬のように寂しそうに見えた。
そんな刃牙を見つめて、花山がぽつりと呟く。
「うらやましいな、お前が」
「・・・うらやましいだぁ!?」
かっと怒りが込み上げてきて、刃牙は花山につかみかかる。
襟をつかみながら怒りで赤くなった刃牙を見つめ、言葉少なに花山が語り始める。
「おふくろが、逝った」
「えっ・・・」
「癌だ。まだぁ37だった。・・・それがこ〜んなに痩せちまってよ!」
「・・・花山さん・・」
おどけたように話す花山に、なんともいえない悲しさが刃牙を包む。
「90歳だって言われてもおかしくねえくらいで・・・ずっと寝たきりで、
壊れそうなほどガリガリで、抱きしめてやることもできねぇ」
「・・・そう、だったんだ」
「おめえは幸せじゃねえだろうけど、俺から見たら、十分幸せだよ」
「・・・・・・」
向かい合って沈黙する刃牙の心に、花山に対する同情と物悲しい親近感が生まれた。
この人は自分なんかよりもっと辛いのだろう、けれど、それを少しも見せずに暖かい目で自分を見つめてくれている。
刃牙は自分の中にある、母に対するどうしようもない気持ちが少し和らいだ気がした。。
がさごそと何かを探る音がして、花山が尻ポケットから一升瓶を取り出した。
どうやって入れていたのか、でかい酒瓶を開けて2つグラスに注ぐと、一つを刃牙に差し出した。
「・・・・?」
「森伊蔵って焼酎だ。うめえぞ。一杯飲ってみな」
刃牙はグラスを受け取ると一口飲んだ。
初めて飲む酒の濃さに苦々しい顔を花山に向ける。
「にがい・・・」
「慣れてねえからな。いい酒だぞ」
花山の手には子供のおもちゃサイズの小ささしかないようなグラスにギリギリまで注いだ焼酎を一気飲みする。
「はぁ〜・・うめえんだ、これが」
「いっつもこんなん飲んでんの?」
刃牙は一口で懲りたのか、ちびちびと舌で酒を舐めるだけだった。
「まあな、それに今日は飲みてぇ気分なんだ」
まっすぐ瞳を見つめられて何と答えていいかわからずに、刃牙は「うん・・・」と言ってグラスに視線を落とす。
2杯目の酒を注ぎながら、花山がふっと笑う。
ドアの真向かいに置いてある壁に平行に置かれたベッドが目に入る。
そこに移動し、背をもたれて軽くため息をつくと、脳裏に亡くなった母のことが思い出される。
元気だった頃の面影よりも、ベッドの上で日に日に痩せ細っていく母親の儚い笑顔だけが色濃く残っている。
手に触れたシーツの冷たい感触が嫌だった。
温かい肉の感触が欲しくて、とっさに刃牙の腕に触れる。
未だ1杯目のグラスに手間取っている刃牙がそれに気付き、「なに?」と言いながら花山の傍に来る。
ベッドにあぐらを掻いて両手でグラスを持ち一気に飲み干すと、喉を押さえておおげさに苦しむフリをする。
何回かその動作を繰り返し、ベッドでごろごろ転がっていると急に止まって、にっと花山に笑いかける。
「見てほら、歯形薄くなってる。ずっと揉んでたからかなぁ」
そう言って歯跡のついた部分の肉をつまみ上げてみせる。
赤くほてった頬と身体は、とても温かそうに見えた。
「・・・おふくろさんの事、考えてたの」
「ん?まあな・・・冷てえな」
「え?」
「このシーツ。おふくろが寝てたベッドによく似てる」
「そっか。・・・最期は、家で?」
「そのほうが良いって言ってたからな。薬品臭ぇ病院が嫌だったのかもな」
「花山さんも、おふくろさんの事愛してたんだね。」
「ああ・・・。もう一杯、いくか?」
刃牙の返事を待たずにグラスを取り上げて酒を注ぎ、問答無用に差し出した。
「ぐいっといけ、ぐいっと。もう一本あるぞ。これも上手え日本酒だからな」
「どうやって持ってきたの、それ」
「細かいことは気にすんな」
刃牙は手渡された酒を半分だけ飲み干すと、ふうっと大きなため息をついた。
「アイツを倒したら、母さんも、いつか俺を愛してくれるかな・・・」
遠い目で空を見ながら誰にともなく刃牙がつぶやく。
「俺、あの人に抱きしめられた記憶がないんだ。小さい頃はあったかもしれないけど、
俺が物心ついた頃にはあの人はいつも親父だけを見てた。あの人が俺を見てくれるのは、
俺が親父の相手にふさわしくなるように修行してる時だけ。・・全部、親父のためなんだ。
・・・花山さん、母親に抱きしめられるってどんな感じかな?愛されてる感じって、どんくらい気持ちいいのかな」
苦しそうに母親に想いを馳せて感傷的な気持ちになる刃牙の脚に、温かいものが触れた。
見ると、花山が刃牙の脚に手を置きこちらを見ていた。
「あったけえよ、母親のぬくもりてのは。俺はもう抱くこともできねえけど、この身体にしっかりと残ってる。
お前もいつかわかるさ。お前のおふくろさんはまだ生きてるんだから」
「うん・・そうだと、いいな」
「俺の胸でよけりゃ貸してやるぜ」
「はは。ありがと。うん、嬉しいけどいいや。だって花山さん身体硬いもん」
笑って花山の手をパシパシ叩くが、手はそこに置かれたまま動かなかった。
置かれた手に力が入り、太ももをぐっと掴まれる。
「花山さん?」
「身体が冷てえんだ。シーツも、ベッドも、全部冷てえ・・・」
「寒いの?布団いる?」
下に敷いていた布団を渡そうと立ち上がりかけるが、手が置かれたままなので動くことができない。
少し様子のおかしい花山が気になり、肩を叩いて呼ぶ。
「花山さん、どしたの、眠い?もう寝る?」
俯いた花山の頬を叩いて「お〜い」と呼びかける。
すると、その手をぐっと掴まれて引き寄せられる。
「ぅわっ」
不意に引っ張られ、危うくベッドから転げ落ちそうになる。
両手で握られた腕に力が込められたので、握撃をくらうのかと驚いて腕を引き離そうとする。
「ちょ、ちょっと待って花山さん!ストップ!ストップ!」
慌てた刃牙の予想に反して腕から手が離され、今度は身体全体で抱きしめられる。
「え・・・?」
「おふくろの身体が、冷てえんだ。冷たくて、嫌なんだよ」
そう言って、益々強く刃牙の身体を抱きしめる。
花山に引っ張られてベッドからずり落ちそうな体勢になっていた刃牙は、さらに引き寄せられて完全に床に落ちた。
ちょうど刃牙の頭が花山の胸に当たる位置で、押し付けられた耳に心臓の鼓動が聞こえる。
顔を上げると表情のない顔で花山もこっちを見ていた。
普段から無表情な花山だが、今は少し悲しそうに見えた。
「温かいもんに触れてないと、こっちまで凍りそうになるんだ。・・・お前の身体は温かいな」
ぬくもりを確かめるようにもう一度強く抱きしめ、刃牙の首筋に顔をうずめる。
母親を失った悲しみが身体じゅうから伝わってきて、息苦しくもあったが刃牙はそのままおとなしく抱かれていた。
抱きしめられるっていいな、と思う。強くなるために戦いを経験していくうちに、
他人に対して防衛線を張っていたのだろう。それがだんだんと薄れていく。
この人も自分には気を許してくれているんだと思うと安心する。
「花山さん・・・」
背中に回されていた花山の手がゆっくりと腰の辺りに滑り下りてくる。
ふわっと身体が浮いたかと思うと、ベッドに押し倒された。
上から覆いかぶさってきた花山に押し潰されて「ぐえっ」と潰れたカエルのような声が出る。
そのままグイグイ身体を押し付けられて、硬いベッドと筋肉に挟まれた身体がぎしぎしと痛む。
「いてっ!痛いって花山さん!腕、潰れるって」
「潰れろ。つうか潰してやる」
「何やってんの!プロレスごっこかよ、もう。あはは、いたいって」
激しくじゃれあう2人に、ベッドがミシミシと嫌な音を立てる。
腰をくすぐられて笑い転げる刃牙のヒザが不自然な異物に当たって、違和感を感じた刃牙が不思議そうな顔をして止まる。
顔の間に手を置いてヒザ立ちになった花山が動きを止めて刃牙を見下ろす。
「ふん・・・情けねえなぁ。こんな時でも体は正直なもんだ」
そう言って刃牙の手を取ると自分の股間にあてがう。硬い感触が手に伝わり、花山のソコが勃起しているのがわかった。
驚いて固まっている刃牙の顔に皮肉な笑顔を見せて股間から手を離す。
母親の死に面しても気丈に振舞っていたが、温かいぬくもりに触れておかしくなってしまったのだろうか。
組の女を抱いて辛さを精液とともに吐き出していたけれど、心は満足しきれていなかったのだろうか。情けない。
起き上がって、花山はまた溜め息をつく。
「・・・こんな時だからじゃない?」
俯いて聞いていた刃牙がぽつりと吐いた。
「こんな時だから、体が求めるんじゃないかな。俺の知り合いが言ってたけど、
悲しい時は悲しみを十分に受けて、気持ちいいときは素直に気持ちよくなればいいって」
自分にも同じような経験があった刃牙は、つらさを紛らわす快感を求める花山の気持ちがよくわかる。
寂しくて辛いから、母も自分に噛み付いてきたのだろうか。愛されたくて抱きしめて拒絶された時の悲しさは、とても痛い。
「花山さん、おいでよ。・・俺としよ」
2〜3秒の間があってから、驚いて花山が振り向くと刃牙がにっこり笑って手を差し伸べた。
「俺でいいんだったら、しようよ」
花山の太い腕を掴んで引き寄せると、ベルトに手を掛けて素早く外していく。
急な展開に慌ててその手をぐっと掴んで花山が拒否の意を表すと、刃牙が顔を上げてじっと瞳を見つめる。
「いや?」
「そうじゃなくて・・・お前、何考えてんだ」
「大丈夫だよ、俺、やったことあるし」
「は?」
「・・気持ちいいことするとさ、その瞬間だけでも嫌なこと忘れられるじゃん。だから今は色んなこと忘れて、気持ちよくなろ」
澄んだ大きな瞳に見つめられて、戸惑う花山の手を払うと刃牙は行為を続ける。
刃牙はズボンのチャックを下ろして中から半勃ちのモノを取り出すと丹念に舐めはじめた。
「んっ・・・」
陰茎を軽く擦りながら舌で割れ目をなぞられる動きにピクピクとそれが反応して、硬度を増していく。
慣れた手つきでしごく刃牙に驚きを覚えつつも湧き上がる快感に流されて、花山は荒い息を吐く。
時折上目遣いで顔を覗き見られると、妙に恥ずかしくなる。
誰に仕込まれたのか知らないが、ピンポイントでいい部分を突いてくる舌技に下半身がどくどくと脈打ち、奥から汁が大量に溢れ出してくる。
「ん・・ふうう・・う・。お前、誰としたんだ、こんな事・・」
「へ?あ・・ひひはひお、おひはん・・・」
しゃぶりながら答えるので何を言ってるのかよくわからないが、どこぞのホモ親父にでもやられたのだろう。
アゴを持ち上げて口を離してやると、開いた口の端から涎と先走りが混じった唾液が垂れ落ちる。
「あ、安藤さんに・・・教えてもらった。・・・親父の、知り合いのひと・・」
「そいつに、やられたのか?」
「ん?・・まあ、いいじゃんそんな事。ほら、力抜いて、俺にまかせてよ」
赤くなった顔を背けて、恥ずかしそうに刃牙は答える。
掴んだ根元をしごきながら、再びソレを口に含む。ゆっくりと吸い上げては舌で尿道をくじる。
滑らかなストロークがだんだんとリズムを上げて、否が応にも身体を昂ぶらせる。
刃牙の言うように、よけいな事を考えずに目をつぶって意識をそこに集中する。
陰茎を舐めるじゅぶじゅぶという音と刃牙と自分の声が混ざって、視覚がない分よけいイヤらしく響く。
「うっ・・ふうぅん・・・は、あ・・刃牙・・」
「出すとき、言ってね。・・・もうイキそう?」
熱い右手が腰から胸へ這いあがり、片手で器用にシャツのボタンを外していく。
外見に似合わず薄い色の乳首を爪で引っ掻くと花山の身体が軽く痙攣する。
興奮が高まり、少しの刺激でも反応する花山が面白くて、刃牙はペニスをしごきながら身体じゅうに手を這わせる。
内ももを撫で上げながら尻に近づき、玉の中を転がすように揉んでから、
垂れた先走りを指ですくいその下の窄みを円を描くようにくりくりと刺激する。
「おい・・・」
「花山さん、ここ、使ったことある?指入れるとすごい気持ちいいんだよ・・・」
第一関節までずぷっと人差し指を突き入れると、付け根までスムーズに挿入し
有無を言わさず中を掻き混ぜる。
急に尻の中を圧迫されて、ぐ、と喉の奥からうめき声が漏れる。
熱に浮かされた顔で興奮状態の刃牙は、うわずった声で「どう?」と聞きながら遠慮なしにピストンを繰り返す。
左手に握られたペニスがどくどくと脈打ち、絶頂が近いことを知らせる。
「うあっ・・ぐっ、ふっ、ぅんっ!」
「いい?花山さん、いい?出る?出ちゃうの?いいよ、出して」
外と内からの激しい擦り上げに、刃牙を睨みながらも声が出るのを止められなかった。
最後にぐりっと尻の奥を強く突かれた衝撃で花山は大きくのけぞりながら咆哮し、
尿道から白い液を吐き出した。
ベッドの上でぐったりと横になった花山の顔をのぞきこんで、刃牙がにっと笑う。
「気持ちよかった?花山さんすげえ声出すんだもん。俺ちょっとびっくりしちゃったよ」
自分では意識していなかったが、かなり喘ぎ声が出ていたらしい。
酒を飲んでいたとはいえ、刃牙の前で醜態をさらした自分に情けなくなり、頭を抱えて小さく唸る。
身体を見ると、はだけた胸やシャツに白い飛沫が点々と付いていた。
勢い余って体じゅうに飛び散ったのか、よく見ると、刃牙の顔や手にも振りかかっていた。
手を伸ばしてアゴにかかった精液を拭い取ってやると、気がついた刃牙がティッシュを取りにベッドを降りた。
「あんま飛ばないようにちんちん押さえたんだけどさ、急にイっちゃうから・・いっぱいかかっちゃったよ」
そう言って紙を2,3枚抜き取り、花山に渡す。
「ねえ、花山さん。どうだった?俺の指技」
ズボンの間からペニスだけを出した間抜けな格好の花山の上にまたがって、耳元に顔を寄せて刃牙が感想を求める。
射精を終えて冷静になった花山とは対照的に、刃牙はまだ興奮状態にあるようで、
顔を見上げる瞳に艶っぽい色が含まれていた。
「・・・そういう事、聞くな」
頭をぽんぽんと軽く叩いて撫でてやりながら、迫った刃牙の顔を見下ろして諭す。
出しっぱなしのペニスを仕舞いたかったが、刃牙が邪魔で身動きが取れないので諦めた。
こいつなりに何か考えがあったのか、それとも単に性欲が湧き上がっただけなのかは知らないが、
まあいいか、と穏やかな気持ちで花山は刃牙の頭を撫でる。
「ありがとな」
そう言うと刃牙はにっと笑って花山に抱きついてきた。
「次、俺の番。ね?」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)色々すんませんでした・・。
設定説明忘れてましたが、主人公ん家で二人で晩酌したときです。
また酒の力を借りてしまいました。木こりのおっちゃんからの流れも
微妙に含んでます。さようなら。
>>64 GJJJJJJ!姐さん毎回毎回
ほんとにもー!好きだ!
>>51 ネ申の称号ありがとうございますww
姐さんと素晴らしいコラボが出来てワタクシ幸せですよ〜。
王子萌連合ですねwwwありがとうございました!
ほんとにリアルが凄すぎましたなぁ・・・まだ頭が煮えてます!
では、また姐さんの萌SSが読める日を期待しつつ・・・ノシ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )生もの・ぷろやきう北の球団 長めです
俺はとある球団の内野手だ。
自分で言うのもなんだが、かなり地味な選手である。
ごくまれに紹介記事を書かれる事もあるが、修飾語としてもれなく「地味」がついて来る程だ。
長いこと一軍に定着はしているが、あまり名は知られていないだろう。
何度も言うようだが地味だからだ。
地味な俺らしく、スタメンで出る事は滅多に無い。試合終盤の守備固めが俺の主な仕事である。
これは地味に自慢になるのだが、今シーズンはまだ一度も失策を犯していない。
さらには内外野、時には捕手の代わりもこなせるユーティリティさをも兼ね備えている。
堅実な守備。それこそが俺の持ち味であり、野球人生を生き抜ぬいていく術だと言える。
――こう書くと良い選手と思われてしまうかもしれないが、そんな大それたものでは無い。
守備職人と呼ばれる事もあるが、俺なんかには恐れ多い称号だ。せめて守備の人と呼んで欲しい。
何しろ俺は地味だし暗いし無口だし。華かな舞台には縁遠い選手であるべきなのだ。
そして打撃に関してだが……この流れから察して頂きたい。
もしくは市販されている野球ゲームで俺を使ってみれば自ずと答えは見えてくることだろう。
地味なくせに自己紹介が長くなってしまって申し訳ない。つまらない話で時間を取らせてしまった。
さてそんな地味な俺にも趣味がある。それは人間観察だ。
対象となるのは専らチームメイトである。
これまた地味な趣味ではあるが、このチームを甘く見てもらっては困る。
俺とは違って個性豊かな選手たちが日々繰り広げる人間模様は、いくら見ていても飽きが来ない。
此処で仕入れた面白いネタを解説者であるOBに提供したりもするのだが、中には公に出来ないようなネタもある。
これから語るエピソードは、其の中の一つである。
あれは確か、試合直前。ベンチ前でボゥっと寝そべっている時だった。
「あーこんなとこに居たんですか。見当たらないから探しちゃいましたよー」
何だか酷く楽しげな声に顔を挙げると、ニヤニヤと締りの無い笑みがすぐ近くにあった。
手を差し伸べて来たという事は、立ち上がれとでも言いたいのだろう。
案の定、俺がその手を取ると彼は嬉しそうに俺の上体だけを起こし、そして抱きついてきた。
「ちょっと聞いて下さいよー」
密着した状態で囁かれると、息遣いや体温の細かな変化すら逐一感じられる。
今日の状態はと言うと、凹んでいる時に近いか。
「何かあったのか?」
だから俺も突き放したりせずに受け容れる。
もし無視したりでもしたらさらに凹んでしまうのは目に見えていた。
そうなると彼の貴重な毛根は、さらに危機に瀕してしまうだろう。
さすがにそんな後輩の姿を見るのは忍びない。
「いや、それが……」
彼は俺への拘束を解くと俺の隣に座りなおした。それもご丁寧に正座で、だ。
「アイツのことなんですけど」
持ちかけられたのは、ある人物に対しての相談。
またかと思いながらも、俺は適度に相槌を打ちつつ彼の語りに耳を傾けた。
この頃彼は、頻繁に恋愛相談をしてくるようになった。
その相手はというと、事もあろうに同じ球団の捕手である。
最初に打ち明けられた時は驚きもしたが、意識して彼らのやり取りを見れば「あぁ」と納得させられた。
ただ、いつだってその思いは彼からの一方通行であるのだけど。
アイツの方が彼をどう思っているのかはいまいち窺い知れなかった。
今日の相談も結局はそんな内容で、彼はハァとため息をついた。
「本当アイツ、オレのことどう思ってんだろ。オレと一緒にいる時でも他の人の話ばっかするとか酷くないですか?」
要約すると、他の奴なんて見てないでオレのことだけ見てろ、ということか。
何とも身勝手な主張だが、それだけアイツに倒錯した感情を抱いているのだろう。
だったら、
「出っ歯ーハーデルー出っ歯ーハーデ(以下エンドレス)」
とアイツの前歯を引っ張るのは止めた方がいいんじゃないか、と突っ込みたくなるのをグッと抑える。
好きな子ほどいじめたいという気持ちはわからないでもないし、アレは傍から見ていても面白い。
しかし話を聞けば聞くほど、彼が未だ独身であるのも頷ける。
思い人がアイツなのでは、結婚したくとも法律という――
いや、常識という壁が立ちはだかるのだから。
「やっぱ、あんまベタベタしてると気持ち悪いとか思われちゃうんですかね」
時に不安にもなるのか、彼はポツリとそう漏らした。
「いや、あくまで友情としてなら普通じゃないか? 例えば……ほら」
グルリと周囲を見渡すとちょうどいい例が見つかった。
俺がそちらを指差して見せると、彼も目を向け、
「あー……確かに」
と苦笑いを浮かべた。
「うちのチームではそのくらい日常茶飯事だろ」
俺たちの視線に気づいているんだか居ないんだか、その先にいる二人は普段通りのやり取りを続ける。
どんな風かと言うと、先輩の方が一方的に後輩を羽交い絞めにすると、後輩は大げさにもがいてみせたり。
やがて解放されると、後輩は先輩の首元に手刀を食らわせようとして呆気なく交わされて、逆に押さえつけられたり――
繰り返される応酬。アハハウフフ、もしくはイチャイチャという擬音がピッタリだった。
「友達以上恋人未満……友情と愛情の境目って難しいもんですね」
彼はシミジミと呟くと、俺の肩にもたれかかって来た。
正直お前が俺にしていることも充分友情の範囲を超えているんだが――
そう思いつつも、微笑で同意する程度に留めておく。
何しろ俺は地味な男、そして男気溢れる九州男児。って彼も同じ九州男児だったか。
「で、どうするんだ?」
「……何がですか?」
「告白、するのか」
「…………」
核心に迫ると、彼の口が真一文字に結ばれた。試合中ですら覗くニヤニヤが、傍と消える。
やがてポツリと告げられた言葉は、
「さぁ、どうなんですかね」
「おいおい」
随分と他人行儀な返答に俺はガクリとうな垂れた。
普段は積極的と言うか、態度がでかいくせに。何故肝心な所で消極的になってしまうのだか。
呆れていると、彼はやけに真面目な様子で俺を見つめていて。
「そう言うそっちはどうなんです?」
「は?」
「オレが告白しちゃってもいいんですか?」
「……はぁっ?」
二度目はより大きな戸惑いが零れてしまう。慌てて俺は冷静を装った。
それでも内心の動揺までは誤魔化せやしない。
いったい彼は何を言っているのだろう。突拍子も無い問いかけに目が回る思いがした。
「…………」
気まずい沈黙が流れる。其の間も彼は俺をじっと見つめていたが、
「面白く無いなぁ」
突如ニヤケ笑いを甦らせて、そう言った。
「当たり前だ」
俺は地味で暗くて無口で面白みが無いと何度言ったら……と反論しようとした所で、
「ちょっとくらい嫉妬してくれてもいいじゃないですか」
と、突拍子も無い言葉が被さる。
「誰に」
「もちろんオレに、ですよ。さり気に期待してたのになぁ」
「何で俺がお前に嫉妬しなきゃならないんだ」
彼が口を尖らせている理由がわからなくて、問いを重ねる。
「えー、だって、いつも一緒に居る人が離れちゃったら寂しいとか思いません?」
「そんなにお前と一緒に居るか?」
「充分居るじゃないですか、こんな風に一緒に練習してくれる後輩なんてそうそう居ませんよ」
「そりゃ同じポジションだし、一緒に練習するのは当たり前だろ」
「あーわかってないなぁ」
と言われても思った事をそのまま返しているだけなのだけれども。
彼はやれやれと言った風に首を振ると、自論を展開し始めた。
「例えばですよ、俺がアイツにばかりかまったらどうします?」
「別に、いつものことだろ」
「いや、そうじゃなくて本当の本当にアイツにだけ懸かりきりになるって事ですよ」
「そんなのアイツの方が嫌がるだろ」
「――だから例えばですって、例・え・ば」
彼はしきりに強調してみせたが、俺の方はというと全くイメージが浮かばない。
「考えてみれば、別にお前じゃなくたっていいわけだし」
言ってから何となく浮かんだのは、同い年の内野手二人の顔だった。
その内の一人はと言うと、先ほどイチャイチャしていた後輩の方である。
「…………やっぱり面白くない、この人」
「当たり前だ」
本日二度目のやり取りは、実に清々しいモノだった。
じわじわと染み出る彼の諦めに、勝ち誇った感が俺の心に深く残る。
彼はと言うとブツクサと文句を呟き続けていて。
「そーですよねー、何しろそっちにはしっかりした奥さんも居るし、可愛い子どもも居るし。いいなー羨ましいなー」
「だったら早くいい相手を見つけて結婚しろよ」
「無理なのわかってて言ってるんだとしたら、性格悪いですよ」
「あのなぁ、一応心配してやってるんだぞ。だから相談にも乗ってるし……」
そこまで言って、ようやくそもそもの始まりが思い出される。
「で、告白はどうするんだ?」
随分と横道に逸れてしまっていたのを無理やり修正する。
再びの問いかけに、彼は今度はニヤニヤを消す事は無かった。
「そっちがそんな風なら、まだしたくないですね」
「…………」
やっぱり、わけがわからない。
特に返す言葉も無かったので、次なる彼の行動を待っていると、
「はぁ、一石二鳥ってわけにはいかないんですね。人生って上手く行かないもんだなぁ」
「二兎を追うもの一兎も得ずってのもあるぞ」
「……うわー、結構凹みますね、それ」
彼は頭を抱える振りをしてみせてから、すくっと立ち上がった。
そして大きく背伸びをすると、
「つーかそろそろ真面目にストレッチしないとマズく無いですか?」
「確かに」
話に夢中になっている間も時間は刻々と流れていた。
いつの間にか近くに座っていたちびっ子俊足外野手の視線もどこか余所余所しい。
「じゃ、先にオレが押しますから」
彼は俺の後ろ側に回ると、そっと両手を俺の背中に置いた。
「?」
その瞬間――そう、ほんのわずかではあったが彼の指先が震えていたような気がして、振り返る。
「どうかしました?」
「あ、いや……何でもない」
思いとは裏腹に彼のニヤケ顔はそのままで、肩透かしを食らった気持ちになる。
「ふーん」
突然、背中にかかる重みが増した。彼が全体重をかけてきたのである。
「ちょっ……重……」
「さぁ、とっとと終わらせましょ」
反論の余地も与えられぬまま、なし崩し的に俺は黙々とストレッチを始めた。
まだほんの少し違和感は残っていたが、気のせいだと言い聞かせる内にソレも消えた。
以上で話は終わりだ。山もなければ落ちも無く、意味も無い。
世間ではこういうのを何と言うのだったか……地味な俺にはわからない世界の話だ。
ただ今のプロ野球界でこの手の話はタブーであり、
お偉いさん方の耳に入ればどんな処罰が下されるかは前例の通りである。
なので、この話は内密に願いたい。じゃあ何で語ったりしたのかって?
一言で言うならば気まぐれで――
俺一人の心の奥に閉まっておくのは勿体無いように思えたから、なのかもしれない。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )この二人の生イチャイチャに衝撃を受けて書いてしまった。
後悔はしていない。
オリジナルの甘い話で高校生カプ
天然気味な攻×ヤンキーの受
本文は全部で6〜7レスほど使用させていただきます
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
79 :
1:2007/08/24(金) 02:26:21 ID:pDW+68qD0
テレビや雑誌で騒がれるような学級崩壊とは縁遠く、かといって全く何の問題が無いほどに平和というわけでもない、ごくありふれた高校の屋上。
二時間目の授業開始を知らせるチャイムが鳴ってから既に5分ほどが過ぎており、
多くの生徒は当然ながら教室内で席に着き授業を受けている最中のため、賑やかな気配などはほとんどない。
ただ一人、フェンスに凭れながら退屈そうに空を見ている男子生徒の姿だけがそこにはあった。
彼は二年の生徒で、名を和田良太という。
名字が和田であるため教師が出席をとる際には大概最後に名を呼ばれる彼は、しかしその出席をまともにとられることがほとんど無かった。
『良い子になるように』という願いを込めて両親がつけた”良太”という名に反し、彼はいつの頃からか、いわゆる不良と呼ばれる存在になっていたのだ。
そんな彼はたびたび、この屋上で授業をサボる。卒業する意思はあるので最低限の出席日数を得るためこうして学校に来ることは来るのだが、
肝心の授業にまともに出ることはやはり少なく、結局のところそれが一番中途半端で無駄だと自覚しつつも、それでも良太は気付くといつも、屋上に足を運んでいた。
そして彼はここで、いつもある人物と会うのだ。
「またここにいたんだ」
不意に、良太の背後で屋上の戸が開く音がした。続いて、そう声がかけられる。ただ良太は、
かけられた声を聞いた瞬間こそぴくりと眉を動かしたもののすぐに表情を戻し、そしてそのまま何を言うでもなく頭上の空を眺め続けた。
声の主が誰かということ、そしてその人物がこのあとすぐに自分の隣にやってくるということを、彼は既に知っているのだ。
「良太?」
「……下で呼ぶなっつっただろ」
「じゃあ、和田くん」
屋上にやってきて、そして今、ゆっくりとした足取りで良太の隣までやってきた人物。
目付きの悪さも相俟って近寄り難い印象を周囲に与える良太とは対照的な幼さの残る顔立ちに柔和な笑みを浮かべる彼は名を吉田といい、
この屋上で良太がたびたび会っているというまさにその相手である。
「鍵、こっちからかけたはずだぞ」
「だから言ったじゃん、僕もここに入れるんだって」
既に顔見知りではあるが相変わらず無愛想な態度をみせる良太に、吉田はそれでも細めた目を更に細め可笑しそうに笑った。
80 :
2:2007/08/24(金) 02:28:28 ID:pDW+68qD0
吉田は良太のことを”良太”と呼ぶがそのたびに怒られるので、とりあえずは”和田くん”と呼び、
一方の良太は吉田の名字しか知らないので、必然的に”吉田”と呼ぶ。
本当は、自分の名前も知られたくないと彼は思っていた。彼は自分の名前が嫌いなのだ。
「良太は」
「……」
「あ、ごめんごめん。和田くんはなんでそんなに、自分の名前を嫌がんの?」
「なんとなく」
吉田の問いに、良太はいかにも面倒臭そうな声でおざなりに返事をした。
本当は「”良”太なのに問題児」などと親や親戚から言われ続けたために嫌になっただけなのだが、それはそれで大っぴらには言い難いもの。
だから必要以上に素っ気ない態度を彼はとった。
だがそれに対しても吉田は依然として楽しげな表情を崩さずに、ただ今度はどこか面白がるように「ふぅん」とよくわからない声を漏らした。
その声が本当によくわからない類のものだったため、良太はつい、視線を吉田の方へと向けてしまう。
それは一瞬のことだったが、吉田はその一瞬の後にこりと笑い「やっとこっち見た」と嬉しそうに言った。
そのまま、彼は良太との距離を僅かに縮める。控えめに触れる、腕と腕。
「和田」
”良太”でも”和田くん”でもなく、和田と名字を呼び捨てにした際に吉田がとる行動も、良太は知っている。
予想でもなければ伝聞知識でもない、経験に基く知識。
これは、合図だ。
「ざっけんな、お断りだバカ」
「やだよ、だって久々に和田に顔みれたんだもん」
「だもんじゃねーよキメェ!この……」
良太の文句が途切れ、屋上が静かになる。
見下ろす位置にある校庭ではどこかの学年のどこかのクラスが体育の授業でサッカーをしている真っ最中で、
かなり白熱しているらしい紅白戦の喚声が二人の耳にもはっきりと届くほど。
それでも二人の意識はそんなものには向かわず、じんと痺れるそれは全く別のものへと注がれている。
口付けあっている互いの唇の感触だ。触れ合う唇と、そして少しだけ深く合わせ隙間から絡めた舌のぬるつき。
81 :
3:2007/08/24(金) 02:30:20 ID:pDW+68qD0
「う、……ぅ」
「……ん、は……和田かわいい」
「っ……かわいい、とか……やめてくれ、マジで。寒い」
「でも本当かわいいよ、ヤンキー顔のくせにかわいいなんて、ホント……キモかわいい?」
微かに乱れた呼吸の合間、”死ね!”という良太の怒声が吉田に浴びせられた。
早朝から広がる晴天は時間を追うにつれ更に青く澄んでいき、
屋上でじゃれあう二人の男子生徒を見下ろす太陽はおだやかに光を降らせている。
一区切りついたところで良太は不再びフェンスに凭れて空を仰ぎ、吉田はその隣に腰をおろし同様に視線を上向かせた。
落ち着きを取り戻すと同時になんとなく会話も無くなり、じっと黙ったままの二人。
気まずさから良太が視線を移した校庭には先ほどの紅白戦も既に終わり生徒達がカラーコーンの回収など後片付けに入っているのが見えたので、
恐らくあともう数分でチャイムが鳴るのだろう。そこまで考えると、彼はまた姿勢を変え視線の行く先を別へと再度移した。
「え、何?」
向かった先は真横に座る吉田の顔。どうやらこっそりと良太の様子を窺っていたらしい彼は、
相手の視線が急に自分に向けられたことで珍しく驚いた顔をみせた。
それでもすぐに、普段の柔和な表情に戻る。
反射的に顔を逸らした良太は、横顔にひしひしと視線を感じながら考えていた。吉田のことをだ。
吉田の名を知らず名字でしか呼ばない、呼べない良太。
ただ実のところ、彼は名前だけでなく吉田のことを何も知らずにいた。
屋上で会うぐらいだし、そもそも同じ制服を着ているのだからこの学校の生徒であるのは間違いないだろうが、
例えば上履きやネクタイなどで学年別カラーがあるといったわけでもないために学年の判断はパッと見ではつかない。
なのでもちろん、クラスなどもわからない。何年で何組で下の名前はなんといって、そしてなぜ頻繁に、
授業中に屋上までやってくるのか。良太は口には出さずとも常々そういった点を疑問に思っていた。
82 :
4:2007/08/24(金) 02:32:02 ID:pDW+68qD0
見たところ吉田は自分のように不良といった様子でもないし、
むしろいかにも優等生といった感じなので、そうそう何度も授業をサボるタイプには見えない。
それなのに、授業をサボってばかりいる自分と、こうして何度も屋上で顔を合わせるという違和感。
顔を合わせて、そして通常ではありえないようなことまで
───触れ合うだけの簡単な、時には深く絡みあわせるように、キスを───する。
───俺も、何で大人しくさせてんだ……あんなこと
いつものように授業をサボり屋上で暇を持て余していたある日、突然やってきて、
そこから何度も何度も顔を合わせるようになった吉田という存在。
なのに未だに、ほとんどなにも知らない存在。
その気になれば生徒名簿を借りるなりして簡単にその正体を知ることはできるが、良太はそれをしなかった。
「和田くん」
「何だよ」
「下の名前、呼びたい」
良太が見る吉田の顔はいつも優しげに落ち着いてもいて、年上のようだがしかし笑顔は幼くもあり年下のようにも思えるもの。
「……呼びたきゃ呼べよ」
こんな言い方にすら本当に嬉しそうな顔をするし、かと思えばまるで全てを見透かすような目をしたりもする。
「良太」
結局はわからないと、良太は思考を打ち切りひとつ息を吐きながら自分を呼ぶ吉田の声に素直に返事をし、
そして少し笑った。今だけは不思議と、この名前も名前で呼ばれるのも嫌じゃないとそう思いながら。
だがその日を最後に、吉田は良太の前から姿を消した。
83 :
5:2007/08/24(金) 02:35:10 ID:pDW+68qD0
「山下」
「はい」
「吉岡」
「はい」
「和田」
「……」
「和田、おいコラ和田良太」
「……うっす」
「おし、和田もマルと……今日も全員出席だな」
出席を取り終え、教室内を見回す担任教師は上機嫌のまま授業に入った。
ため息混じりに教科書を出しノートを開く生徒達は、一時間目のだるさを鬱々と醸しだしながらもそれなりに真面目に教師の解説に聴き入りノートにペンを走らせる。
そんな中で、良太はこれ以上ないほどに上の空だった。
窓際の最後尾という絶好のポジションである座席に着く彼はぼんやりと分厚い窓ガラスの向こうを眺めている。
広がる空は青く、以前よく屋上で見上げていたものと同じだけおだやかに美しい。
だがそんな空とは裏腹に、良太の心は一向に晴れなかった。
彼が吉田と会わなくなって、既に二ヶ月が過ぎていた。
最初は何か用でもあるのだろうと気にしていなかったが、それまで最低でも週一で会っていたのが十日、二週間と姿を見せず、
三週間目に差し掛かった頃にはさすがに動揺し始めた。
だがそれでも平静を装おうとする彼はいつものように適当な時間に屋上で過ごし続けた。
『良太、ひさしぶり!』
そう言って屋上の扉を開け隣にやってくる吉田を、
それまでと何も変わらない態度で軽くあしらってやろうとそんなことを考えながら、ひたすら普段通りに。
だが吉田は一度も、屋上にはやってこなかった。
フェンスに凭れて空を眺める良太の耳には、かけたはずの鍵をなぜかものともせずに扉を開ける音も、
その直後に必ず続く優しい響きでそして嬉しそうな吉田の声も、一度も届くことはなかったのだ。
84 :
6:2007/08/24(金) 02:36:53 ID:pDW+68qD0
『下の名前、呼びたい』
「……」
『良太』
「……、」
日常態度にとうとう痺れを切らした教師の説得に負け、とりあえず全ての授業を自分の席で受けるようにはなったが、
気付けばいつもぼんやりと吉田のことを考えている自分に良太は気付く。それ以上に、彼はこの期間で思い知らされていた。
───会いに行ってたのは、俺の方だったか……
屋上で暇を持て余す自分がいつしか、吉田がやってくるのを心待ちにしていたのだということを。
吉田が戸を開け自分の隣にやってくることを、いつも期待していたのだということを。
ふざけるように繰り返したキスも、今ならはっきりとその意味を受け止められると良太は思った。
思ったところで、もう吉田はいないのに。
『にがっ、ていうかタバコくさっ!』
はじめてキスをした時、自分から勝手にしておきながら吉田はそう叫んだ。
そして、その直後に、良太に殴られかけた。
良太としては確実に殴ったつもりでいたものの、吉田は思いのほか優れた反射神経の持ち主だったらしく寸でのところで良太の拳をかわしたのだ。
それが更に良太の怒りを買い、結局は思い切り蹴り上げられることになったのだが。
だがそれでも吉田は懲りることなく、時に絶妙に時に強引に、良太に口付けを仕掛け続けていった。
そしてそのうち良太の方が根負けし、彼らのキスはバイオレンスが減った分、少しだけ甘さを含み出す。
『良太さ、』
『良太って呼ぶなって何回言やわかんだよこのハゲ』
『こんだけ髪あんのにハゲ呼ばわりって! んなことより、りょ……和田くんさあ、タバコやめなよ』
『おめーに関係ねぇだろうが、ほっとけ』
『あるよ、だってキスすると不味いから嫌なんだもん』
そんな理由か、とつっこみかけた良太はこの時、その言葉を実際には口に出さずに飲み込んだ。
吉田が真剣な顔をしていて、本当にキスの時の味を理由に禁煙を勧めているのだとわかって呆れたためだ。
健康だとかそもそもの法律だとかではなく、あくまでもキスの味。つっこむ気も失せてしまったらしい。
85 :
7:2007/08/24(金) 02:38:09 ID:pDW+68qD0
──結局、タバコの本数は減ったけどな
吉田と自分とのくだらないやりとりを回想しながら、良太はそこで微かに笑った。
初めて会ったのはたかだか半年前のことだが、もう随分と昔のことのように彼には思えた。
それもこれも、全ては吉田と会うことが無くなったため。
我慢できなくなり、意を決して職員室に全校生徒の名簿を借りにいったこともあった。
だが”吉田”という名字は全学年で思った以上に多く、虱潰しに探すのも難しい。
更に覚悟を決めて担任に外見の特徴を説明したうえでそういった風貌の吉田という生徒はいないかと尋ねてみたりもしたのだが、
なんでそんなこと訊くんだという当然の疑問にうまく答えられず逃げてしまったため結局は見つからず終い。
──……っと、マジで……何なんだよあいつ
良太は内心で小さく毒づく。相手は記憶の中で相変わらず人のよさそうな笑顔をみせる吉田。
───勝手に消えてんじゃねーぞクソ!
人の気も知らねえで、と心の中で吐き捨てる彼はきつく唇を噛みしめた。
「和田、あとでちょっと職員室きてくれ」
そんな日々を送る中、良太が担任から呼び出しを受けたのは吉田と会わなくなって二ヶ月と更に二週間が過ぎた日のこと。
どうせ授業態度の説教だろうと思った良太は適当に返事をしつつも無視を決め込むつもりでいたのだが、
それを察したのかはたまた偶然か担任が口にしたある言葉によって、彼は先の考えを一瞬のうちに捨てることになる。
良太は、はっきりと聞いた。
「こないだお前が言ってた吉田って生徒だけどな、───」
86 :
8:2007/08/24(金) 02:40:20 ID:pDW+68qD0
空はこの日も晴れていた。朝の天気予報では降水確率0%の洗濯日和だと若いお天気キャスターが笑顔で伝えていた。
この晴天は来週まで続くらしく、週末のお出かけには日差し避けの帽子も忘れないで下さいね、と気遣いの言葉まで付け加えて。
そんな明るい様子を暗い気分で眺めたあと重い足取りで登校してきた良太は今、
すれ違う生徒が驚くほどの速度で廊下を駆け抜け、
廊下を走るなという教師の怒声を背中で受け流しながらひたすらにある場所を目指していた。
今朝までの気分とは真逆の、軽い足取り、跳ねる心臓は全力疾走のせいだけではない。
良太の足はそのまま階段を駆け上がる。
『こないだお前が言ってた吉田って生徒だけどな』
『! な、何、わかったんすか吉田のこと!』
『下の名前が不明っつーから確信は無いけどな、お前が言ってた見た目とか考えると多分、三年の──』
『いんの!? まだ学校いんのかよ!?』
『最後まで聞け。あとタメ口はやめろな。まあこないだまで休んでたけど、今日から来るぞ。
俺もそれ聞いてお前が言ってたこと思い出したんだけど……ってオイ、どこ行くんだ和田!』
『っ俺、腹いてーから次の時間、休む。……ます!よろしくセンセー!』
ついさっき、交わした会話が脳裏に蘇る。
そして、鉛色のようだった視界が急速に色を取り戻していく感覚も思い出す。
良太は走った。自分の教室から、人をすり抜け時に押しのけ、どうしたんだという同級生の声に答える余裕すらなく、まっすぐに。
息を切らしながら彼が駆け上がった階段、その先には扉がある。重いそれを開くとそこは屋上。
良太は迷わず手を伸ばし、勢いよく戸を開けた。
87 :
9:2007/08/24(金) 02:41:39 ID:pDW+68qD0
「───吉田ぁ!」
「良太! 久し振り! 実は家の階段から落ちて骨折しちゃってさあ」
良太の視線の先には、間違い無く吉田がいた。
この二ヶ月と二週間と十数時間、ずっと見たかった顔。
全治二ヶ月だったんだぞ!と、明るくない話を明るい笑顔で話す彼。
聞きたいことも言いたいことも、今の良太には山ほどあった。が、彼はまず叫ぶ。
「……ッ笑ってんじゃねーアホ! とりあえず……っ下の名前教えろバカ野郎……!」
治ったばかりで少しぎこちないながらも吉田は飛びつくようにして良太に駆け寄り、
そして今までで一番嬉しそうに笑いながら、自分よりほんの少しだけ背の高い良太の体をぎゅっと抱きしめた。
お互いのことこれから色々知っていこうと、それぞれが思っていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
勝手がわからなくて改行とかgdgdになってしまい、すみませんでした
>>76 いろいろあって落ち込んでいた心に一片の花びらをありがとう。癒されました
実はずっと待ってました。続きをお待ちします
>>87 GJ!!!萌えマスタ!!
なんて可愛らしいんだ…。
もしあるなら続編希望デス。
今日がバースデーイブの大佐で1本。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ラノレフの後ろを歩いていたクラ一クが、突然「あ」と「う」の中間のような
奇妙な声を上げて止まった。というより固まった。
「ん? どした?」
「あ、いやその……たいしたことじゃないんですがね」
ラノレフがわけを訊いても、妙に歯切れが悪い答えしか返ってこない。
クラ一クのそんな姿は珍しく、ラノレフは首を捻ってしまった。
「なんだなんだ、おかしなやつだな。もしかして熱でもあるんじゃねえのか?」
ラノレフは無遠慮に、クラ一クの額に手を伸ばした。
クラ一クの古い傷痕を覆うように自分の手を押し当て、
反対の手で自分の額に触れ、ラノレフは再び首を捻る。
「……別に熱ってわけでもないのか」
「体調はいつもどおりですよ。そういうことじゃないんです」
ラノレフの大きな手で少しずれた帽子とサングラスを直しながら、
クラ一クは困ったな、という顔をする。
「本当にたいしたことじゃないんです」
「そういう言い方されると、かえって気になるじゃねえかよ」
「それがわかってるから、こんな顔してるんですよ――聞きたいですか、理由」
「もちろん」
「ですよね」
クラ一クは溜息をひとつ吐くと、今度はさっきとは反対に、
自分の手をラノレフへと伸ばした。
その太い指が、意外なほどの器用さでラノレフの髪の1本だけを摘み上げる。
「ほら、これですよ」
白髪だった。ラノレフの暗い色の髪の中で、その1本だけが白く光っていた。
不似合いな白だった。
ラノレフはタフで陽気で、いつだって馬鹿みたいに騒がしい。
普段はまったく年齢というものを感じさせず、
実働部隊の中でも1、2を争う年長組だということを、皆がほとんど忘れているほどだ。
あれは5歳は逆サバ読んでるんじゃないか、
いや10歳は読んでてもおかしくないだろう、などとさえ陰では言われている。
ずっとそのままなのだろう、と誰もが思っていた。
それを真っ向から否定する、1本の白い髪。
だがラノレフは驚く風もなく、クラ一クの指先からそれを摘み取ると、
小さく「痛ぇ」と呟きながら無造作に抜いて捨てた。
「そうなんだよなー、最近時々生えるんだよ。気が付くと抜いてるけど」
「最近って、いつからです?」
「ここ数年かな。35を超えてから」
「全然気付きませんでしたよ」
「抜いてたんだから気付かねえだろ」
「……あなたでも、歳を取るんですねえ」
「何当たり前のこと言ってんだ。こちとらリーチもリーチ、
あと数時間もすりゃ。明日から花の40歳だ。
白髪の2本3本生えたっておかしくない歳じゃねえか」
「いや、それはそうなんですがね、なんていうか、その――」
クラ一クは呆然としていた。何気ない風に会話は続いていたが、
呆然、いやほとんど愕然と言った方がいいかもしれない。
打ちのめされたような気持ちで、長年の相棒を見つめていた。
ラノレフの一番近くにいるクラ一クさえ、こう思い込んでいたのだ。
この男はタフで陽気で、馬鹿みたいに騒がしくて、歳など感じさせなくて
――ずっとこうして、嘘みたいに若々しいまま生きていくのだと。
そんなことはなかった。ラノレフにだって白髪は生える。少しずつ老いていく。
いずれ筋肉も神経も衰えて、伝説の傭兵はただの老人へと変わる。
そんな当たり前のことから、自分は目を背けていた。
わけのわからない願望を抱いていただけなのだ、とクラ一クは不意に思い知らされたのだ。
ずっとこのまま。そう思っていた。思い込んだままでいたかった。
明日の命の保障すらない傭兵稼業に「ずっと」も糞もありはしないのを、
承知の上でそう信じていたかった。
こうやって軽口を叩いたり怒鳴りあったり、笑いあったりしながらずっと、ずっと。
それは幻想だった。クラ一クの幻想だった。
例え戦場で死なずに済んだとしても、時は残酷に流れ続け、
いずれは機関銃でもナパームでも倒せない「寿命という死」が、この男を迎えに来る。
「ずっと」なんてない。ラノレフでさえ、それを超越することはできない。
それは当たり前の話だったが、こうして目の前に突き詰められてみると、
なぜだかそれは凄まじく圧倒的な事実なってクラ一クを凍り付かせた。
だが、それを溶かしたのもまた、ラノレフの一言だった。
「そう言うお前だって、皺できてるぞ」
「え?」
「自分の顔なのに気付いてなかったのか? 目尻のとこな」
「それ、本当です?」
「嘘だと思うなら鏡見て来いよ。サングラス外してな」
そう言ってラノレフはにやにやと笑う。
「お前だって四捨五入で40代リーチだろ?
いい加減に認めろよ。俺もお前も、いい歳したおっさんなんだよ。
もう若くないのはお互い様ってこった」
確かに、自覚はあった。
食の好みが少し変わったとか、筋肉の上にうっすらと脂肪が乗るようになったとか、
昔は無茶とも思わずしていた無茶がキツくなってきた、とか。
自覚していた、はずなのに。
「馬鹿だな、お前。俺が歳くってんだ。お前だってそうに決まってるだろ。
ロボットや改造人間や化け物じゃあるまいし」
「そりゃ……そうですけど」
「5年ばかし差はあるけどな、俺がおっさんになりゃお前もおっさんだし、
俺がジジイになればお前もジジイになるんだよ」
そんなこともわからねえのかよ、とラノレフはクラ一クの肩を叩いた。
「そうやって「ずっと」一緒に変わっていくだけのことじゃねえか。
別にお前1人が置いてかれるわけじゃないんだぜ? 何を呆然としてやがる」
そうか。そうだった。
あまりにも単純な見落としに、クラ一クはそれこそ眩暈がしそうだった。
誰もが老いる。老いは全てに平等で、ラノレフにもクラ一クにも、
あの化け物じみた教官殿にも等しく舞い降りる。
そうだ、平等なのだ。それは誰か1人を置き去りにしたり、
誰かだけを遠くへ連れて行くものではない。
誰もが少しずつ老いていきながら、こうやって軽口を叩いたり怒鳴りあったり、
笑いあったりの日々を続けているのだ。
どんなに願ってもどうしようもなく変わっていくものと、何も変わらないものがある。
自分が欲しいのは後者で、それはちゃんと「ずっと」続いていく。
少なくとも、どちらかが戦場で倒れるまでは。
クラ一クの、サングラスで隠された表情から呆然が抜け落ち、苦笑が浮かび、
それから最後に本当の笑いがこみ上げて来る。
何も変わらない。変わっていないのに、何を馬鹿みたいに自分は動揺していたのだ、と。
クラ一クが笑い出したのを見て、ラノレフもまた笑った。
この10数年、ずっと繰り返して来たのと同じように。
笑いながら、2人は再び歩き出した。
妙な話で足を止めてしまったが、これからブリーフィングで、
その後は次の作戦に向けてのシミュレーションと訓練だ。傭兵稼業はなかなかに忙しい。
歩きながら、こんな話をした。
「ところで明日はどうします? 花の40代突入、どう祝って欲しいですか?」
「ん? 祝ってくれるっていうなら酒だな。去年と同じで」
「あなた、そう言って毎年酒ですよね」
「おう、来年も再来年もずっと酒がいいな。
覚悟しとけよ、タダ酒ほど旨いものはねえからな。しこたま飲んでやる」
「お手柔らかにお願いしますよ。一昨年なんか請求書を見て血の気が引きましたからね」
「それはお前が高い店選んだからで――」
笑い混じりのやりとりは、会議室のドアの前までずっと続いた。
数時間早いですが、大佐お誕生日おめでとう。
明日は中尉にいっぱいお祝いしてもらっておくれ!
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>78 GJ!爽やかだ…高校生2人ともカワユス
もしも続きがあるなら、自分も楽しみにしてる
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 先日の惜しい特集を見て勢いで書いてみたモナー
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 初めて書いたんで、ほぼ脚本もしくはコンテだけどなー
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ アニメノセッテイデイメージシテケレ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「なんで僕がお前なんかと腕組んで帰らにゃならんのだ!」
「それはこっちのセリフじゃ!」
友引高校から身を寄せ合い、もう一人の肩に腕を回し、端から見ると一見仲良さそうに帰る二人。
しかしその会話はどう聞いても険悪な雰囲気を伺わせる。
「これと言うのもお前があんなところにいるからこんな事に!」
「お前と僕の席が近いんだから仕方なかろうが!」
「くっそーラムの奴」
「ラムさんを悪く言うな!」
「しかもなんで俺が女役に!」
「僕だってお前なんかと腕を組みたく無いわ!腕が腐る!」
「俺だってどうせ組むならかわい子ちゃんの方が良いわい!」
仲睦まじく罵り合いながら帰る二人に、事情を知らない人々の好奇の眼差しが向けられる。
「まあ諸星さんとこの息子さん、今度は男の子と帰ってるわ」
「あそこのご家庭は複雑ねえ」
「ママー、なんであのおにーちゃん達あんなにくっついて帰ってるのー?」
「しっ!見ちゃいけません!」
事の起こりは30分程前、ラムが新しく買った機械を学校に持ってきた事がきっかけだった。
強制的にデートをさせるというその機械は、なぜかあたるとたまたま近くにいた面堂で設定されてしまったのだ。
しかもかなり強力に設定されているらしく、しのぶの力でも引き離す事が出来なかった。
ラムが慌ててUFOに説明書を取りに戻ったが、ずっと教室にいる訳にも行かず、仕方なくその姿のまま帰る羽目になり、冒頭の場面に戻る。
「…ぅぅぅ、こうなったのも全部ラムのせいじゃー!」
「だからラムさんを悪く言うな!元を正せばお前がしっかりしないからラムさんがあんな機械を使う羽目になったんだろうが!」
「知るか!」
いがみ合いながら帰り道を急ぐ中、ふと商店街の一角から香ばしい匂いがしてきた。
「お、新しいたい焼き屋が出来とる。」
「なんだ、腹が減ったのか。帰るまで持たないのか」
「成長期真っただ中の健全な男子高校生なら当然の反応じゃ」
タイミング良くあたるの腹が鳴る。
「…おごってやろうか?」
「え!?本当?面堂君、悪いなあ」
「勘違いするな!お前と帰る以上、ラムさんの手前恥ずかしい態度が取れないだけだ!」
「まあまあ面堂君、たい焼きでも食べて落ち着きなって。おっちゃーんたい焼き5つ!」
「調子に乗るな!それは僕がおごってやってるんだ!」
「いやーおごってもらって悪いね面堂君。」
「…まったく、意地汚い」
ぶつぶつ言いながらもおごってやった面堂は、フーフーしながら美味そうにたい焼きをほおばるあたるに目をやる。
「…なんだ、結局お前も食べたいんじゃないか」
「いらんわ!」
「遠慮すんなって」
肩に手を回している為片腕が使えない面堂に、あたるはたい焼きを割って分けてやる。
「…」
「なんだよ、せっかく分けてやったんだから食えって」
「!?ぁつっ!!」
なかなか食べようとしない面堂の口にたい焼きを突っ込んだ。
「大げさだなあ、少し冷ましてるしそこまで熱かないだろ」
「だからといって一気に口に入れる事は無かろう!」
「わーるかったって。」
むせてしまった自分をげらげら笑いながら見るあたる。
「…まったく、何だってこんな事で…」
面堂は聞こえない様に一人ごちる。
「あれ?そっちのチーズ入り、ちょっとうまそうだな。一口くれ」
「卑しいやつだなまったく!」
腹も落ち着いた為か、特に騒ぐ事もなく歩く二人の眼前、秋の空に夕焼けが広がる。
「…友引町の夕焼けもなかなか綺麗なものだな」
「お前、まだ見た事無かったのか。ここは坂道の多い街だから、結構夕焼けの見えるポイントが多いんだぞ」
「我が面堂家にも絶景のポイントがあるから、わざわざここで見る必要は無いからな」
「へーへー、お金持ち様は言う事が違いますねー」
「一度見に来ると良い。こことはまた違った夕焼けが見られるぞ」
「そのうちにな。あーあ、これで隣がかわいい女の子だったら申し分無いシチュエーションだったのになー」
「僕だって本来ならラムさんを誘いたいんだ!」
薄い紫色に光る雲が風に乗って流れる中、二人はグラデーション状に輝く赤い空を見つめていた。
なんやかんやで諸星家に到着。
「お、体が離れるぞ」
「やっとお前と離れる事が出来るのか、ああ疲れた…」
肩をぐるぐる回す面堂があたるに近づいてくる。
「?何だ?」
「いや、僕の意思じゃ…」
面堂があたるの頬に手を掛け、顔を寄せてくる。
「え?」
「お、おい、莫迦よせ!やめろ!」
「ぼ、僕だってやめたい!」
慌てる二人の意思とは別にくちびるが近づいて行く。
あと数ミリというところで電柱が二人を押し倒した。
「あんた達、何やってんのよー!!」
そこには肩で息をしているしのぶが立っていた。
「…し、しのぶ…」
「あ!面堂さん!ごめんなさい、こんな事をするつもりじゃ…」
慌てて電柱をどかすしのぶ。
「だ、大丈夫ですよしのぶさん。少し驚いただけで…」
頭を抱える面堂に肩を貸して立ち上がらせる。
「ごめんなさい、あたし面堂さんが心配で…」
「心配をおかけして申し訳ない。もう機械の効果も切れた様ですし、一人で帰れますよ」
「でも…」
倒れたまま呻いているあたるを残し、歩き出す。
面堂は去り際に一瞬あたるに目をやるが、その目は少し寂しげに感じられた。
「もう、なんで機械本体のリセットボタンがこんなとこにあるっちゃ!」
夜、取説を手に憤るラム。傍らには頭に濡れタオルを載せたあたるが寝ている。
意識はあるものの、呻く事しか出来ないあたるを心配げに見つめる。
「ダーリン、大丈夫?」
反応のないあたるにため息をつき、設定プランの確認する為モニターを表示する。
【放課後、腕を組んで帰る二人】
↓
【女性にとって美味しいもの(種類問わず)を買い、二人で食べさせ合う】
↓
【夕焼けを二人で見る】
↓
【家の前で別れ際にキス】
「…この機械って一度デートプランを設定したら強制リセットしない限り解除はされないはずなのに、
どうして終太郎は帰れたっちゃ?」
訝しがるラム。
秋の夕日はもうすっかり沈み、辺りはコオロギの声が響き始めていた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ SSって難しいモナ…
| | | | ピッ (・∀・;)
| | | | ◇⊂ ) __
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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>>98-104 うをー懐かしい。
きっとけ/もさま(オヴァにしかわからん単語だが)が腐女子だったらこう描いてたような
素敵エピソードですね。
ほのぼのしました。ありがとう。
>>78 萌えた
こういう青春ものっぽいの好きだ GJ!
>>98 うる☆大好きだから読めて嬉しい
うる☆っぽさが濃くて楽しく萌えられたよありがとうGJ!
>>95 まさかこの二人が読めると思っていなかったので感動した!ありがとう!
器のでっかい大佐に惚れました
今頃きっと幸せな誕生日を迎えているのでしょうね
>>98 すげー
ちゃんとあの絵で(しかもけも並の初期絵w)再生されたよ
GJ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )新CMに萌えたので吐かせてくれ。妊娠ネタ(?)スマソ
「……ねこ君、君太ったよね」
「え?」
「産後太りってやつじゃないの?」
「うるさいなぁ」
あまりにストレートな物言いに、僕は猫パンチを繰り出したが、ジョージはひらりと
かわしてしまう。
「ほら、動きが鈍くなってるよ」
背後から聞こえた笑い含みの声に、さすがに本気で腹が立って第2発を放とうと
振り返ったが、目に入ったものに一気に脱力してしまった。ジョージの意図が一目で分かって
しまったから。
―ー千切れんばかりに振られている、ジョージの尻尾。
(……なんだ、遊びたいんだ)
最近僕もご主人も奥さんも、みんな子供達にかかりきり。ジョージに構おうとしないのが
面白くないらしい。
相変わらず子供だなぁと思うと、さっきまでの怒りもどこへやら。言われた内容はぐさりと
来たけど、僕はそんな子供っぽいジョージが好きだから。
「……テレビでも見ようか」
子供達は今夢の中。あまりバタバタするのも気が進まないので、僕はそう誘ってみる。
「えー、テレビ勝手につけたらご主人に怒られるよ」
せっかく寛大な気分になって僕の方から誘ってあげたのに、ジョージはまだ不満らしかった。
「消しとけば分からないだろ?」
「ご主人がまた今月はマイナスだったってがっかりするよ」
「省エネだから大丈夫だよ。ほら、ランプも青いし」
今日は良すぎるくらい良い天気だから、太陽光発電も売電中。こういう日はテレビでも
見ながらゆっくり過ごしたい。僕は猫だから昼間は眠くて仕方ないのに、ジョージは元気だ。
こういう時には性の不一致ならぬ種族の不一致を強く感じる。今更、なんだけど。
「エッチしようよ、運動になるよ」
黙り込んだ僕にジョージは明るくとんでもない提案をしてきた。
「馬鹿!また子供ができたらどうするんだよ!」
そう、僕とジョージの間には子供がいる。しかも、犬猫2匹ずつの合計4匹も。
僕もジョージもオスで、しかも猫と犬なわけで、子供なんかできる訳がないんだけど、
なぜかできてしまったのだから仕方ない。
最初の2匹の子供が生まれたのは2年前の7月。
太っただけと思っていた僕が突然子供を生んで、しかもそれが犬猫1匹ずつだったものだから、
ご主人はビックリして腰を抜かしてしまったのだけど、結局、生まれてしまったものはしょうが
ないと笑って家族に加えてくれた。
それからしばらくは恐ろしい「あの」手術をされないかとか、子供を余所にやられないかと
僕もジョージもビクビクしていたのだけど、そんなこともなくて、いつの間にかまたジョージと
その……するようになっていたら、今年、また子供ができてしまった。
また犬猫1匹ずつで、どう見ても僕とジョージの子供と丸分かりの子供達に、ご主人達は
とっても優しく接してくれている。さすがに乳は出ない僕の変わりにミルクをやったりする手も
2回目で手馴れたもので、僕はとてもホッとしたのだけれど。
「今度こそ手術されちゃうよ」
「大丈夫だよ、うちのご主人は優しいから」
「優しいったって、もう4匹もいるんだよ?今度こそヤバイって。……されないにしても、
次の子供達こそ本当に余所にやられちゃうよ」
勿論、それも心配なのだけど、僕が一番怖いのは、ジョージと引き離されてしまうこと。
だけどそう言ったらジョージは調子に乗るから、絶対言ってやらない。
「……だってエッチってすごく痩せるんだよ」
「へ?」
「1回で100gは痩せるよ」
「嘘つくなよ。本当なら以前の僕はもっと痩せてたはずだよ」
「ねこ君がいっつもマグロで僕ばっかり動いてるからだよ。たまにはもっと積極的に
ねこ君も動いてみなよ。100gは痩せるから」
「本当に?」
そういえば、ジョージは太ったことがない。
エッチするだけで痩せられるなら、試してみても良いかもしれない。
確かに太ったのは事実だし……ずいぶん、ご無沙汰だし……
「……中で出さないでよ?」
僕がぽつりと言うと、ジョージはうん、と言って、優しく僕の頬にキスをした。
*****
「……ほら、やせてないじゃないか」
「えーおかしいなぁ」
体重計の上から恨めしげな視線をジョージに送ると、僕の方に近づいてきて
体重計を覗き込む。
「あーこれ人間用だからさー、100gくらいの差じゃ分からないよ」
言ってから僕の耳に囁いた。
「1日1回、しばらく試してみない?」
「馬鹿っ!」
繰り出した猫パンチは再び軽くかわされて、こういう時くらいはジョージに反撃できるように、
身軽な身体を取り戻そうと、僕は本気でダイエットを決意したのだった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )以上、エロなくてスマソ
ジョージボイスで> 「エッチしようよ、運動になるよ」を想像したら
激しく萌えました。GJ!
ジョージ犬天然ぽいとこが萌えスグルGJ!
元ネタ何かと思ってたらあれかw
萌えたよGJ
>>79-89のその後の話※少しだけ絡み描写あり
もう一回だけ投下させてもらいます
あと、前回レス下さった方ありがとうございました
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
全治二ヶ月、という重い骨折で入院していた吉田が元の学校生活に復帰してから、はや一ヶ月が過ぎた。
大幅な遅れを取り戻すためにと行われる連日の補習や膨大な量の課題など、
以前までの生活に臨時で加わるそれらのおかげで彼の生活は入院前と比べかなり忙しいものになっているが、
それでも吉田は、その忙しい日々の中からどうにか適当な時間を捻出し、そしてその時間の多くを屋上で過ごすことにあてていた。
学校で一番空に近い場所、そこでの過ごし方は相変わらず。一緒にいる相手も、相変わらず。
しかし以前と今とで変わった点も多くある。
例えば屋上に向かう前に必ず短いメールを打つようになったことや、屋上で過ごすのが授業中ではなくなったこと。
良太の悪い噂を以前に比べるとほとんどきかなくなったこと、そして、
その良太が少しだけ素直に、吉田の前で笑うになったこと。
「そもそも順序おかしいよね僕ら、チューしてたのに相手の電話とか普通のこと全然知らなかったなんて」
校内にある自販機で買ったパックのいちご牛乳を幸せそうに飲んでいた吉田は、
同様に自販機で買ったパックのお茶を自分の隣で飲んでいる良太を横目で見つつぽつりと呟いた。
しみじみと噛み締めるように、そして少し可笑しそうに。一方、良太は片眉を吊り上げて吉田に視線を返す。
「そもそも俺らがチューしてっこと自体おかしいんだから、順序とか言うのも馬鹿くせえだろ」
「まあそうだけどさ、ていうか良太が”チュー”とか言うと笑えるからやめて」
「うっせタコ、んなクソ甘ったりーもん飲みやがって」
「ヤンキーのくせに健康考えてお茶選ぶような人にとやかく言われたくないですー」
以前とは違って授業の合間に会っているためこうして過ごす時間はかなり短いのだが、
その貴重な時間をくだらないやりとりに費やすことを彼らはお互いに心地良く感じていた。
だがのんきに見える吉田も三年であり、この先には大学受験を控える身。
成績自体は悪くなくむしろ良い方ではあるものの入院中の遅れもあるし、
そうでなくともいつまでものんびり構えていられるほど甘くないことを彼は理解している。
そのため、こんな風に良太と過ごす時間を作れるのもあともう少しだけなのだということも。
完全に会えなくなるわけではないが会う時間が確実に減るのがわかっているからこそ、
もっともっと良太に会いたいし話もしたいし、なにより一緒にいたいと吉田はそう強く思っていた。
「良太ぁ」
「何だよ」
「……いい天気だね」
「……話すことねーならいちいち呼ぶな」
静かに吹く風が二人の髪をふわりと撫でて通り過ぎていく。
本来の黒に薄く茶色がかった吉田の髪と、吉田よりほんの少し長くかなり色の明るい良太の髪。
───触ったらやわらかそうだな、でもちょっと傷んでるかな。
良太の髪を眺めながら、吉田はぼんやりとそんなことを考えていた。
そして同時に、脳内でまさにその髪を撫でている自分を想像して。
すると思った以上に幸福感を見出したようで彼の顔は無意識に綻んでしまい、
そんな相手に気付いた良太はその突然のにやけ顔に訝しげな視線を送る。
だが今の吉田はそれすらもを幸福に思えるほど愛に満ち溢れているらしく、
その結果、彼は勢いも手伝って大胆なことを口にした。
「そうだ良太! 今日さ、うち来てよ」
「お前んち?」
と、ここで二人の耳にチャイムの音。予鈴ではあるがひとまず教室には戻らねばならない。
こうなればゆっくりもしていられないため、吉田は立ち上がりながら改めて良太に先の誘いについて返事を求める。
対して良太はほんの短い間を要して考えたあと、まあいいかと頷き返事をした。特に断る理由も見つからなかったのだ。
「別に行ってもいいけど」
「じゃ、あとでまたメールするから。一緒に帰ろ」
「おお、適当に時間潰して待っとくわ」
「ん、ゴメンね。まあ今日うち親いないし、丁度いいから」
「? 丁度いいって何が」
期待通りの返事を得たことで吉田は元の笑顔を更に明るいものにし、
端から見てもわかりやすくウキウキと浮かれだす。
良太としても嬉しそうな吉田を見ていて悪い気はしないので、
相手ほどあからさまでないにしろ上機嫌さの滲む表情を浮かべていた。
尋ね返す声もどこかおだやかだ。もっとも、それはこの直後一瞬にして凍りつくのだが。
「初エッチすんのに」
正直すぎることを普段通りの笑顔のまま明るい声で明るく何の迷いもなく言ってのけた吉田を前に、
良太は罵声を浴びせるのも忘れてらしくもなく絶句し立ち尽くしていた。
放課後、吉田の補習も済んだ後。良太と吉田は一緒にバスに乗っていた。
バス通学である吉田の家に、これから二人で向かうためだ。
電車通学であるためバスに乗る機会の少ない良太は少し居心地が悪そうだが、
その様子はこれから向かう先での目的がはっきりしてしまっているがための、いわば緊張によるところが大きかった。
時折大きく車体が揺れ、そのたびに小さくぶつかる肩と肩。普段と同じ他愛ない会話も今はぎこちなく途切れてばかり。
「あ、良太、次──」
「お、おお」
降りるバス停が近付き、降車ボタンを押す。じきにバスは止まり、二人は連れ立って外に出た。
吉田にとっては見慣れた場所だが、良太にとっては初めて見る場所。
取り立てて珍しい景色というわけではないが、それでも馴染みのない街並に良太の気分は落ち着かない。
「じゃ、行こっか。こっからすごい近くてさ、もうホント徒歩1分とかそんなレベル」
意識した明るい声で吉田が言い、彼に付いて良太も歩く。家にはそこから本当にすぐ着いた。
マジで近いなと感想を漏らす良太に、おかげで朝は余裕あるんだよねと吉田が返す。
更に高まる緊張感を押し隠すように二人はここにきてまたあれこれと話を続けた。
「近くに美味いラーメン屋あるんだ、夜そこで食べない?」
「おー、いいぜ。俺ミソ食お」
「じゃあ僕は塩にしよっかな、あと餃子」
玄関の前になり、吉田はキーケースから家の鍵を取って鍵穴に差し込んだ。カチャリという音がし、ドアが開く。
「あーなんかすげ、人んちのにおい」
再度、ドアが閉まり、鍵をかける音。直後、ドサリと別の音が鳴った。
「な、っオイ……!」
それは、背後から急に抱きしめられた良太の手から、荷物が落ちた音だ。
「良太──……」
吉田の声は、日頃マイペースな彼のものとは思えないほど切羽詰っていた。
きつく抱きしめてくる腕。力の込め具合や密着する体から服越しにも伝わる熱に良太も息を呑む。
何か言おうとするものの、急激かつ尋常で無いほどの喉の渇きに邪魔されて言葉が出てこない。
「良太ごめん、こんな急にとか、さすがにそんなつもりなかったんだけど」
「ん、だよ」
「ごめん、……も、すぐ、部屋行っていい?」
部屋に行って何をするのか、そんなことは最初からわかっている。
だから良太は一瞬言葉に詰まったが、それでも今更はぐらかす気は無いのでとりあえず頷いた。
そして、出来うる限りに平静を装って口を開く。
「そりゃ、玄関先より部屋のがいいに決まってんだろ」
だが直後、彼は内心でひとつ舌打ちをした。自分の声が、思った以上に掠れていたためだ。
平静を装うどころかこれでは動揺が滲みすぎている。事実、背後で吉田が小さく笑ったことに彼も気付いた。
なんだ余裕あんじゃねーか吉田のアホ、と更に心の中で毒づきながら良太は浅く息を吐く。うるさく感じるのは心臓の音。
「階段、上ってすぐ……なんだ」
「……ああ」
目を合わせずに短くそう会話をし、二人は二階へと続く階段を上った。
───初めてケンカしにいった時思い出すな……
ばくばくと跳ねる心臓の動きを嫌というほどに感じながら、良太はふとそんなことを思った。緊張は限界に達している。
吉田の部屋は比較的きちんと掃除がされており、ベッド周りも小奇麗にまとめられていた。
とりあえず良太はそこに腰をおろし、吉田も続いて隣に座る。短い沈黙の後、どちらからともなく目が合い二人はそのままキスをした。
「ん……っ」
今まで何度かしてきたことだが、この日のそれは過去のものよりも明らかに熱っぽい。
絡み合う舌に興奮しつい口付けに夢中になっていた良太には大きな隙ができ、
吉田はその隙をついてまず良太の胸元に手を触れさせた。そのまま、制服のシャツ越しにもぞもぞと周辺を撫でる。
やがて吉田の手は位置を下げて腰に触れ、遂には下半身へと到達した。
依然続けていた口付けをそこでやめ、互いの口の端を唾液が伝う。
「良太、もう勃ってきてんじゃん、ちょっと」
「るせ……、んぁ」
ぐりぐりと股間を刺激され、良太は思わず声を上げた。
直後に悔しそうな顔をするが、尚も執拗に同じところを責める吉田の手によって嫌でも快感が齎され、腰から力が抜けそうになってしまう。
「脱がしていい? 自分で脱ぐ?」
わざとなのか天然なのかいちいち尋ねる吉田の息は良太同様に乱れており、
今までにみたことのない表情は明らかな興奮を示していた。良太の喉がごくりと鳴る。
直後、室内に響いたのはカチャカチャという音。良太が自らの手で自身のベルトを外していく音だ。
そのベルトを外し終わったところで手は一旦止まる。続きを引き継いだのは吉田の手だった。
良太の下肢を露わにし、既に勃起している性器を晒させる。
薄暗い部屋とはいえ羞恥はやはり強く残る。が、それ以上の興奮を良太は覚えてもいた。
その興奮に手伝われ、ついでとばかりに自らシャツをも脱いで全裸になる。吉田の視線をはっきりと感じながら。
「はぁっ……あ……」
吉田の手が直に良太の性器を握り上下に扱き出すと、良太は今また意外なほど素直に声を漏らした。
「あ、ぁあっ」
性器を扱かれながら胸元を舐められ、硬くなった乳首を舌でつつかれ良太の口からは更に声が出る。
互いの息は荒く乱れ、吉田の下肢も興奮から既に中心の膨らみがはっきりとわかるほどになっていた。
「やべ、ちょ……声、出んだけど」
「きもちい?」
「ん、……すげえ、いい……」
吉田の問いかけに、良太は蕩けた声で素直に返す。吉田は嬉しそうに笑った。が、直後、その顔が微かに曇る。
気付いた良太のどうしたのかという疑問を孕んだ視線を受け、彼は曇った表情のまま、ぽつりと呟いた。
「──前に、想像してたんだ」
「想像?」
「良太の、こういう顔とか、声とか」
「俺の……」
「……良太にエロいことしてるとことか、僕に抱かれてる良太想像して、何回か抜いた」
そこまで言うと、吉田は弱々しく泣き笑いのような顔で良太を見た。そして、尋ねる。
「ヒいた?」
良太はすぐには反応できず黙って吉田をみていたが、
吉田はその反応を自身の言葉通りに”ヒいた”のだと受け取り目を伏せた。
とそこでようやく良太が我に返り、落ち込む吉田に向け先ほどの問いの答えを返す。
「まあ、正直ちょっとびびったけどな……でもそれで引くなら、今頃お前とこんなことしてるわけねーだろ」
アホか、と付け加えたその声は本当に心底から呆れたといったものだった。
だが吉田の表情は、みるみるうちに安堵とそして嬉しさの滲んだものへと変わっていく。
「良太、良太ぁ……っ」
「んぅ、」
感極まった吉田のしつこいキスを受け止めつつ、良太もまた吉田の下半身に手を伸ばした。
触れたそこはもう充分に硬い。布越しに擦り上げると、吉田がぴくりと肩を震わせた。唇の隙間から息が漏れる。
吉田はそこで自ら先ほどの良太のようにシャツを脱ぎ、そして慌てた手つきでベルトを外した。
下着を少しずり下げると、ようやく解放された性器が既に先端を濡らした状態で露わになる。
「何、お互い擦んの?」
「できれば入れたい……かな」
「……、入れるったってよ」
「何か違うので濡らしてからね。あ、僕ちゃんと調べといたから、ネットとかで」
「調べたのかよ……それは引くな」
「えぇっ!? だって男同士とかよくわかんないし、良太も大変だろうと思って……」
「冗談だ馬鹿」
慌てる吉田を見て良太は笑った。さきほどまでの緊張が嘘のように自然な顔で。
「……しゃーねえから、任せてやる」
「ん、頑張る」
「頑張るとか言うな」
そんなやりとりをしつつ、二人は改めて唇を合わせた。
ベッドの上、良太はぐったりとした様子で横になっていた。だるさもあるが、何よりまず痛みが彼をそうさせている。
あのあと、吉田と良太はやはりかなり苦労をしながらも、若さゆえの性欲と勢いとでどうにか”初エッチ”を終えた。
二人の脳裏にそれぞれ焼きつく、相手の生々しい痴態。想像を軽く超えていた痛みにもはや感じるどころではなかった良太だが、
言葉通りに頑張っていた吉田の姿や終わった後の至極幸せそうな顔とを見たらなんだかどうでもよくなっていた。
一方の吉田は、昼間に学校の屋上で気になった良太の髪にそっと触れ、梳くようにして優しく撫でている。
カラーのせいか思ったとおり傷みがち、反して思ったほどは柔らかくなかった良太の髪。
ただその感触はしっくりと手に馴染み、予想とは少し違っていた手触りを吉田はとても好ましく感じた。
「良太、シャンプー何使ってんの?」
「あー……? 何だっけな、こないだ変えた。新しく出たやつ」
「あ、もしかして赤いやつ? 名前忘れたけど、最近よくCMやってるやつでしょ」
「おー、多分それだ」
情事の名残りが色濃い空間で二人の交わす言葉は取り立てて甘くもないが、ただ両者の声は柔らかさを帯びている。
髪を撫でられるのが心地良いのか眠たげにうとうとしだした良太にくすりと笑みながら、吉田は懐かしむような調子でぽつりと言った。
「良太が屋上行くとこ、窓からよく見てたよ」
「……?」
何の話かと視線で問う良太に、吉田は話していった。
屋上へと向かう良太がいつも通る渡り廊下は吉田のクラスの窓からちょうどよく見え、
窓際の席の自分が、授業中なのに頻繁にそこを通る一人の生徒になんとなく興味を持ち始めたこと。
どうやらそれが問題児と噂の和田良太という人物だということを知っても尚、気になって仕方がなかったこと。
「そのうちどうしても我慢できなくなって、僕も授業抜け出して屋上に行きだした」
三年で尚且つコース別授業が多く、センター科目の都合などで自習も多かったので、
授業中に教室や図書室を抜け出すことはわけもないことだった。
少し怖くもあり迷ったが、結局は勇気を出して良太に近付き、そして思いのほか親交を深め仲良くなっていって。
「まさか良太とこんなことまでするようになるとは思わなかったけど」
「そんなもん、お互い様だ」
照れ笑いする吉田にため息まじりに応えつつ、しかし良太はここでふと思った。
そういえばいつのまにか、屋上で吉田といることが自分にとって当たり前になっていたと。
最初の頃は、なぜサボるようなタイプでもなさそうなこいつが授業中に屋上に来るのかと思うこともあったのに、
いつしか当たり前になり過ぎた吉田の存在と吉田と過ごす屋上での時間にそんな小さな疑問も忘れていたのだ。
突然姿を消した吉田と、会えなくなっていたあの期間。良太は何度も後悔していた。名前も連絡先も、何も知らずにいたことを。
あんなのはもうごめんだと、口には出さないまでもそう思い、相変わらず暢気で幸せそうな吉田の顔をじっと見つめる。
と、そこで吉田がハッとした。
「あ、良太! やっぱ僕ら順序間違ってる」
珍しく生まれた甘いムードを即座に台無しにする吉田に良太は少しばかり呆れたが、
それでこそ吉田だとそうも思って、顔には苦笑が浮かんだ。仕方なさそうに、話を聞いてやる。
「今度は何だよ」
「僕らエッチまでしたのに、そういえば”好きです”とか”付き合って下さい”とかまだちゃんと言ってないよ」
だが続いて告げられたその言葉には、いくら今の良太でもさすがに閉口せざるを得なかった。
どうせ下らないことを言い出すだろうとわかっていたが、まさか今更そんなことを言うとは思っていなかったのだ。
「……アホくせ、どうでもいい」
だから良太は素っ気なく返事をし、すっぽりと顔を隠すように布団を被り直す。
だがこの程度でめげるほど吉田はやわではない。そして良太もそれはなんとなく理解している。
だから予感していた。もう逃げられないし、この場で本音を隠し通すこともできないのだと。
「どうでもよくないって、そういうのこだわりたいんだよ僕。まあいいや今言うから……和田良太くん、好きです付き合って下さい」
「…………勘弁してくれ」
「なにそれ、お断りってこと?」
「違う」
「じゃあ、まさか最初っからセフレのつもりで!?」
「うっせー勝手に話進めて騒ぐな!」
「だって」
「好きとかそんなん、……わかりきってんだから今更言わすなっつってんだよ馬鹿!」
案の定、引き出されてしまった本音。
布団を被ったままなため多少くぐもってはいたが、それでも良太のその言葉を吉田はもちろんはっきり聞いたし、
その言葉の意味とまた一向に布団から顔を出さない態度から本気さも察した。
「良太……大好き」
吉田は布団ごと、良太を抱きしめた。暴れるでもなく、ただ普段よりまた体温の上がった体が腕の中にある。
ほんの暫く後、吉田は相変わらずのくぐもった声で小さく呟かれた良太の言葉を聞いた。
それは本当に小さな、それこそ間近にいたからこそ聴こえたもの。──俺も。──という、吉田にとって何より愛しい一言。
「受験、頑張るから」
「……おお」
吉田の手に促され、良太がもそもそと布団から顔を出す。
一時的に赤味を増した頬や目元に、吉田の唇が触れた。
「無事に大学受かったら、良太の家庭教師もしよっかな」
「んな暇ねーんじゃねえの、色々忙しそうだし」
「良太のためなら時間ぐらいどんだけでも作るよ」
だから会えなくなる間の分まで、いっぱい補わせてね。
そう言って笑う吉田を見ながら良太は、少し早まったかもしれない──とうっすら思ったが、
それでもこうして吉田と過ごす時間を自分が幸せに感じていることもわかっている。
だから、結局は吉田と同じように笑った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )アリガトウ&オジャマシマシタ
あと
>>118のリンク、「
>>79-89」ではなく「
>>79-87」でしたスマソ
>130
ムハーッ!萌えました!二人ともカワイイよ…
しかし結局吉田の下の名前は分からぬまま…w
エチー中に良太はその名前を呼んでやったんだろうか?ww
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・;)やまだたいちのミラクル
おおむねギャグです。
毎晩毎晩、、、とっ、言うわけではないが、一週間にどんだけすればいいんだ
あの性欲魔人!平田に相談したが拉致があかない。
とにかくなんとか防がなければ、次の日の練習もままならない。
そうぶつぶつ呟きながら、アストロズの外人助っ人、トマス・ブラウンは夜の
廊下を足早に歩いていた。本当はもう少しゆっくり歩きながら対策を立てたいが、
あまりゆっくりしていると捕まるので、日常に足早やになってしまった。
「鍵かけてもピッキングされるし、いったいどういう育ちしてんだあの馬鹿!」
憎き仇を思い浮かべ、思わず足を止めてじだんだを踏んでいると、
背後に気配がした。
「またてめーか!!」
そいつだと思い、懇親の回し蹴りを決めようとしたが空を切った。
「あぶねーな!このバカ外人!!」
おかしいな?っと声のする下を見たら、チームメイトの大山が、何時ものリック
で頭を隠し床にしゃがんでいた。
「てめーの国ではいきなり背後の人間に回し蹴り喰らわすのが挨拶かよ!」
大山が唾を飛ばしながら怒りをあらわにトムに詰め寄る。
「わ、悪い。八木沼かと思って。」
何時もなら大山の口の悪さにカチンっと来る短気なトムだが、さすがに自分の方
に非があるのが明白だったため、素直に謝罪した。
しかし、大山は間を置かず突っ込む。
「あ?八木沼さん?なんだ、夫婦喧嘩でもしたのか?」
「誰が夫婦だー!!このハゲチビ!!」
「誰と誰が夫婦なんだよ?”八木沼っちとお前が夫婦喧嘩したのか?”なんて
聞いちゃいねーだろこのボケ外人。けけけっ。」
「むぐぐっ。」
大山はニヤニヤしながらトムを見る。口喧嘩では大山に敵わない。
トムはこれ以上言い争っては墓穴を掘ると判断し、盛大に溜息を吐いて
反論をやめた。
そして、先ほどから気になっていた人物、八木沼と自分がそういう風に見られて
いるのかと心底落ちこんだ。
「おいおい、どーしたんだ?」
何時もなら左に右にと楽しい言い合い合戦が始まるのに、今日のトムは
反撃してこない。大山は肩を落とすトムを心配した。
「いや、ちょっとな。なんだか疲れちゃって。」
膝を抱きながらうずくまるトムに、大山は取り合えずお茶でも飲もうと
談話室に誘った。
「・・・てっ、わけでさ、俺もう疲れちゃって、、、。」
珍しく素直に話すトムに、大山はちゃちゃを入れずに話を聞いてあげた。
そんなに相手にしていたら、さすがに練習にも支障をきたすのも
時間の問題のようだ。
「う〜ん、つまりあれだ、その気にさせなきゃいーんじゃね?」
見かねた大山はアイデアをだした。
「・・・つまりどういう事だ?」
トムは良く解からないと首を捻る。
「やる気が萎えるようにすりゃーいーわけだろ?例えば、へへへっ。」
大山は不気味に笑うと、持っていたリックを開け、あるモノを取り出した。
「これは、、、。」
「バニーちゃんの衣装〜!」
秘密道具を出すがごとく高々と見せつけるそれに、トムは反応に窮した。
「こんなのを着るのだ!」
大山は勇んでトムにそれ押しつける。しかし、トムはわなわなと震えだし、
持たされた衣装を大山に投げ返した。
「あほーかーーー!こんなもん着てどうにかなるわけねーだろ!!」
トムは吠えると、大山に相談なんかして損したと、談話室を
立ち去ろうとした。
「待て待て、話を聞けよ。」
大山はそんなトムの服の裾を掴んで留まらせる。トムがぶっちょう面で
大山に向き直ると、大山は得意気に話し出した。
「普通の状態で襲われるんだから、普通じゃない状態で居ればいーわけよ。
OK?」
「普通じゃ無い状態ってなんだよ。」
「例えば、俺の今のこの状態。どうだ?」
「どうだって、別に。」
大山は大きく腕を開いて自分を見せる。どうって事は無い、普通の普段着だ。
「だろ?で、俺がコレを着てみる。ちょっと待ってろ。」
そう言って大山はバニー衣装を手に持ち、物陰に隠れて待つ事数分。
「おおおおおお!これは!!」
トムは大山の格好に驚愕を隠せない。
「どうだ!」
大山は仁王立ちになって自分の格好、バニーガール姿の格好を
トムに見せつけた。
「で、どうよ俺のこの格好!」
「これは、、、普通に引くな。」
「おう、これが俗に言うドン引きと言うやつだ、、、。」
トムに言われて、自分でも良く解っている大山は項垂れて言った。
「つまり、コレを使って八木沼の野郎に引かれればいーわけだな!
サンクス大山!」
トムは対処法が出来、バニーの衣装を大事に抱え大山にお礼を言った。
「いやいや、待て待て、それじゃダメだ。」
何時も通り小躍りしそうなトムに大山は待ったをかける。
トムはどうしてだ?と口を尖らせた。
「それ、たいち用なんだよね。おめーそれ着られない。」
大山はトムの手にあるバニー衣装を取りあげた。
「なんだたいち用って?」
トムは要らぬことを聞く。
「たいち用はたいち用だ。」
「・・・そうか。なんだか良く解らないが、解った。」
大山の真剣な顔に、トムは素直に頷いた。
「で、これ!これならドン引き間違えなしだぜ!けけけっ。」
そう言って大山はまた、リックから別の衣装を出した。
「これは?」
渡された見慣れない衣装に、トムはどう言うモノかと聞く。
「セーラー服と言うやつだ。日本の男はこれが大好き、いや、そうだな、
人によってだがかなり引くと思うぞ。俺はお前が着たら引くけどな。」
大山はトムにセーラ服を渡す。トムは丈を合わせるように自分に
合わせたらぴったりだった。
「おおおお、コレで引かれるんだな!」
「へへへっ、もう惹かれる事間違えなしだな!」
お互い意味も無く笑いあう。
これでもう八木沼に悩まされることも無いと、トムはセーラ服片手に
勇んで部屋に帰ろうとしたら、またも大山に止められた。
「なんだ?これもダメなのか?」
トムが聞くと、大山はこっちこいとトムを近くにしゃがませる。
「レンタル代。三千円だ。」
大山は手を出した。
「・・・金取るのか?」
トムは訝しげな眼を大山に向ける。大山はニコニコと更に手を差し出す。
トムは渋々と財布からお金を出した。
「毎度あり〜♪今回は初回特典で、これおを付けしよう♪」
大山はいそいそとお金を懐にしまうと、またもリックから何か出した。
相変わらず四次元リックだな、っとトムは不思議に思っていると、
一枚の布を手渡される。
「何これ?」
トムは渡された布らしきモノを両手で引っ張ってみた。可愛いいちご模様
なんか付いている。
「下着だ。そのセーラー服の下には、絶対コレが必要なんだ!日本の文化だ。
神風に対抗するための必需品なのだ。」
大山は最もらしい事を言ってトムに装着の仕方を説明した。
トムも日本文化とは奥が深いな、等と思い、真剣に講義を受けたのであった。
トムは自室に戻り、その対抗策のセーラ服に身を包んだ。
一回転して回ってみる。
ヒラヒラでスカートと言うのが気になったが、自分の国には無いので、
特に自分では自分の姿に疑問は浮かばなかった。それに大山のお勧めだ。
「これでもう、悩まされることもないぞ!八木沼め!
どーんと来い!ふははははっ!」
トムは得意げに仁王立ちしていると、いきなり後ろから抱きつかれた。
「お言葉に甘えてーーートムかわいいぞーーー!!」
「ごわぁーーー!!」
トムは後ろからアタックしてきた勢いで、ベッドにダイビングした。
「何かってに入って来てんだ!このアホ!!」
トムは後ろから圧し掛かっている迷惑なヤツ、八木沼に怒鳴った。
「お前がどーんっと来いって言ったじゃないかー。」
そう言いながら八木沼は、セーラー服特有の短い上丈の為、
裾から見える背中や脇腹に手を出す。
「ぬわぁ!」
弱い素肌を触られて、トムは情けない声をあげた。
「セーラー服って、この裾から見える腰のラインがたまんねぇよな。」
八木沼は見える腰に指を這わせ、お腹の下に手を入れた。
そして薄い金髪の架かるうなじに顔を埋め、首筋に唇を落とす。
「うげぇ!マジやめろって!!」
トムの全身が大きく震える。八木沼の唇で、首筋や耳に次々と刺激が落とされ、
バタつかせていた両手はシーツを握った。
八木沼は腹に当てていた手を胸に移動させ、硬くなり始める乳首を弄りながら、
裾が捲れあがって露わになった背中に舌を這わせる。
「んっ!」
トムは刺激に背を仰け反らせた。
上がる体温に羞恥と怒りを覚え、身体が小刻み震えてきた。
ここで怒りの声を荒げたら、感じている声が出てしまう。
与えられる刺激に声が出ないように、シーツを唇に噛む。
「なになに?なんでそんなの噛んでるかな?」
八木沼はトムの声が聞こえないのに面白くなく、お腹を抱き、
いっきにトムを抱え起こした。
掴んで、噛みしめていたシーツごと起き上がるので、
トムは前のめりになりながら抱え込まれる。
「そんなの離しちゃえよ。」
八木沼が言うと、トムはぶんぶんっと顔を横に振り、シーツを抱え込んだ。
せっかくのかわいいセーラー服姿がシーツに隠されて見えない。
なかなかトムは離さないので、八木沼は仕方が無いかとトムを抱えたまま、
スカートの襞に沿ってお尻を撫でた。
「いっ!」
トムは悪寒が走り、背筋を伸ばして姿勢を正したため、
思わずシーツを離してしまった。
「あわわわっ!」
慌ててシーツを拾おうとしたが、八木沼に抱きかかえられているので、
シーツの落ちた前に体が倒せない。
シーツを捕まえようとした空を切る手が、八木沼に捕まる。
「まあまあ、落ち着けって。」
そう言って八木沼は嘲笑すると、捕まえた腕を持ち替え、トムを自分に向かい合わせた。「かわいーじゃん♪」
両腕を持ち上げて、トムの姿をマジマジと見る。
「あほかーーー!普通引くんだって!」
トムは腕を押し返しながら怒鳴った。
「えー?俺はお前好きだけどなー。」
「ばっかじゃねーの!萎えろ!引け、ドン引きしろ!」
にこにこと自分を好きとか言う八木沼に、トムは真っ赤になって抗議する。
「あーもーそんな恰好で、カワイイなぁ〜。」
八木沼はそう言うと、トムの腕を押し、足を引っかけてベッドに押し倒した。
「わぁ!」
ぼすっと音がしてベッドがしなる。そして八木沼は直ぐにスカートの中に手を入れた。
「バカーーー!」
トムは退いてもらおうと足を動かしたが、大きく割って入られて、大した抵抗が
出来なかった。スカートがめくり上がって、太ももが露になる。
スカートの紺色の対比で浮かび上がる白い肌に、八木沼は思わず感嘆の声を上げる。
「か〜っ!大山、本当イイ仕事するな♪」
そしてスカートを勢い良くめくり上げた。
「!!!」
「・・・どうした?」
八木沼がスカートの裾を持ったまま固まった。動かない八木沼に、
トムは声をかけるが返事は無い。スカートがじゃまで八木沼の顔は見えない。
トムは身体を引いて距離を取り、上半身を起こして八木沼見ると、
なんとも言えない顔になっていた。
「・・・苺だな。」
ぼそりっと八木沼は言った。下着の柄の事だろう。
「いちごだよ。」
トムは取り合えず返す。
「なんつーか、あれだ、新しいな。」
八木沼はうな垂れた。
「そうなのか?日本の伝統だって言ってたぞ。この服にはこの苺の下着だって。」
「・・・そうだな、伝統ちゃー伝統だが、、、セーラー服の下にフンドシは
ありえねーーーだろ!!おおやまーーーぶっ殺す!!」
八木沼はそう叫ぶと、勢い良く部屋を出て行った。
トムは何が何だか解らず、スカートを捲って下着を確認してみた。
「すげーなコレ!あの八木沼が引いたぞ!!」
「大山ーーーてめーふざけるなよ!!」
「てめーが仕込み代ケチるからいけねーんだろ!」
「8千円払ったじゃねーか!!」
「オプションで3千円にケチったからさー、そういう趣味もあるんだろうとなー。
けけけっ。」
「あほかーーー!!思いっきり萎えたぞ!!」
二人は朝まで叫びながら、疲れ果てるまでグラウンドをぐるぐる回っていたそうだ。
そしてトムは間違った日本の知識とお気に入りを手に入れ、しばらくの間は、
安らかに眠れ、練習も頑張れたそうな。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)色々ごめんんさい。
でも、脛毛と苺の妄想は、個人的には萌。
>>130 甘くて可愛くて幸せな気分になった
萌えたよ(*´Д`)
某3人組の真ん中のライブを(元)悪魔が観に行ったとかいう話を聞いたので
天使vs悪魔の番外編、「真ん中vs悪魔」を投下します。一応前の続きになってます。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
楽屋へ向かう廊下で、前方から男が歩いてくる。
スラリとした長身の男。
普通の人間からすれば、美しい魅力的な男、と見えるであろう。
だが、土反山奇は気付いていた。
「・・・・・・悪魔か」
「ご名答」
悪魔と呼ばれた男はニヤリと笑った。
「人間暮らしが長い割に敏感じゃないか。流石は大天使様だな」
「そんなドス黒い妖気を漂わした人間がいるか?」
「まぁそんなに警戒するなよ。今日は何もしないさ」
「ふん、『何も出来ない』の間違いじゃないのか?」
土反山奇の投げたピックが悪魔の頬を掠めた。人間のような赤い血が流れる。
「随分魔力が弱ってるようだなぁ。アイツに『浄化の術』でも受けたか?」
「ちっ・・・相変わらず嫌な野郎だ・・・」
―『浄化の術』とは、高等天使のみが為せる技のひとつで、悪魔に汚された
人間を元の状態に戻す白魔術である。術を悪魔本体に掛け、魔力を押さえ込む
方法もあるが、それはさらに限られた天使にのみ許された禁術である。―
「次の満月には力が戻る。俺を殺るなら今の内だぜ」
「江戸っ子はそんな野暮なことはしないさ。満月まで待ってやるよ」
ニカッと歯を見せて土反山奇は悪魔に笑いかけた。
「・・・つくづく嫌な野郎だぜ・・・」
言葉とは裏腹の笑顔を見せて、悪魔は踵を返して遠ざかって行った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>133 戸籍マンガって前作のたろーくんしか読んだ事ないんでキャラの顔も知らないんだけど
あの絵で想像したらむしょうに萌えた
ちょっとコミクス集めてくる
>>133 超GJです!ヤギトム大好き
苺ふんどしに大爆笑したwww
次回作も期待しとりますです
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 本放送でたぎった燃えがスレで何かを受信させた結果の代物
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 初投下なのでお目汚しはご勘弁
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ネンノタメメイシハフセルヨ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
――貴方は……どうして……
実は巨大な戦艦だった月を退け、箱舟は地上へ帰還した。
人型戦闘機から降りて空を仰ぐ男を見つけ、彼は考える間も無く走り出していた。
顔を合わせてどうしようというのか、自分にすら分からないまま。
自分の名を呼んで変わらぬ笑顔を見せる男が、何故かとても憎らしい。
「ひとまず危機は脱したな。これからのことが決まったら、俺にも一言くらい知らせてくれよ」
それだけを言い置いて去ろうとする背中は、とても大きい。
「……貴方は……貴方は、本当にそれでいいんですか!?」
男は不思議そうに振り返る。
その澄んだ目に映る自分を見るのが嫌で、彼は俯いた。
「僕は貴方の地位を奪った……それどころか、死刑にしようとした……」
――どうして、何も言わないんですか?
「そして、地上に置き去りに……いや、見殺しにしたんだ! それなのに……!」
――どうして、何も言ってくれないんですか?
「……それが、お前の出した“答え”だったんだろう?」
予想外に近くから響いた声に、彼は反射的に顔を上げた。
目の前に、憧れていた人の顔がある。
「お前は『みんな(人類)』を助けるために『ひとり(俺)』を犠牲にすることを選んだ。
それがお前の“答え”だろう。司令官として、人を束ねる者として、正しい選択だ」
彼が握り締めていた拳を、男はその大きな掌で包んだ。
「それに、お前は『みんな』を助けられないと知って、一人でも多くの人々を救おうとした。
そのどこが間違ってるっていうんだ?」
真っ直ぐに見つめてくる黒の瞳。そこに宿る光は困難を打ち破り、無理を通して道理を蹴り飛ばし、
道を示してきた。彼と自分が……多くの人が惹きつけられた、あの人のように。
予想をつけることが出来ない自由さに、苛立ちを覚えたことも少なくない。
けれど。
けれど、その道行きは、確かに希望を伴っていたのだ。
「……僕は……自分の選択が間違っていたとは思いません」
「だったらいいじゃないか」
そうではない、と彼は首を振る。
見上げないと目も合わせられないのは、とても悔しい。昔はほとんど変わらない背丈だったのに。
「間違ってはいなかった。けれど、貴方は違う選択で、すべてを解決してしまった……」
――せめて、殴ってくれたら良いのに
あんなに酷い事をした自分を、どうして許してくれるのだ。しかも、それが当然のことのように。
「……僕は、貴方が嫌いです」
俯きながら、声を押し出す。
包まれていない方の手で、ぎゅっと彼の服を掴む。
「貴方なんか、大嫌いだ……」
彼の心は絶対に捕まえられないから、せめて、その体だけ。ほんの僅かな時間だけは。
その想いを見透かしているかのように、男は笑う。
「俺は好きだけどなぁ」
空いている方の手で、彼の頭を引き寄せる。
慰めるようにその背中を軽く叩きながら、男は再び頭上を仰いだ。
かつて、初めて目にした時と同じように、宙(そら)はどこまでも広がっていた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 艦長がハーレムつくってくれればきっとみんな幸せ
| | | | ピッ (・∀・;) そしてエロなしでスマソ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>152 GJ・・・どうなるんだろうなぁこの二人
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
男はもう72時間ものあいだ眠りについていなかった。仕事上避けられないトラブルが
発生し手を尽くすもドミノ式に一度起きた問題は加速度をつけて仕事量を増やしていき
家にも帰れない、食事もまともにとれない、トイレに行く時間も惜しいという有様が
三日続いたためだった。相手方の電話を待って床に大の字になっていると意識を失って
着信音で目が覚める、慌てて時計を見ると気絶していたのはたったの五分間なんてことも
あった。この三日、口にしたものといえば机に溜め込んでいたカロリーメイトの類、
浴びるほどのコーヒー、少量のチョコレート、ミネラルウォーター、命綱のドリンク剤。
そうそう、気を利かせた後輩が差し入れてくれたカップラーメンも食べたはずだったが
味は覚えていない。仕事をしながらだったせいだ。すべての後始末が済んだのは早朝で、
開いたばかりの銭湯にでも行ってひとっ風呂浴びて、朝定食でも食べて、そんで始業時間
までちょっと仮眠をとって…と考えているうちに男はまた床で寝てしまう。気がつくと
頭を定期的に叩く何かがあった。人の指だ。ツンツンというかんじで頭をつつかれている。
「同僚くん同僚くん」その声に男は覚えがあった。同じ課の河合卓だ。いつも飄々として
何を考えてるかわからない顔で、何を考えてるかわからないことを言う変な男だ。「寝る
ならそこのソファがいいと思うよ」顔を上げるとすぐ横のソファを指差される。時計を
見ると始業時刻まではまだ一時間もあった。男はもう風呂も朝定食もどうでもよくなって
いてとにかく眠りたかった。そうさせてもらおうとソファに横になると眠りに落ちる前に
いい香りがしてきた。淹れたてのコーヒーの香りだ。まだ河合卓以外にオフィスにいる
人間はいない。
河合卓が作っているのだろう。向こうから「はーおいしい」と声が聞こえる。それは
ようございました、と男が思いながら再び眠ろうとすると河合卓は男と反対側の
ソファにどっかりと腰かけてしみじみとコーヒーを味わいはじめた。時折聞こえる
はーだのふーだのの声。気になって眠れやしない。「あの」と男が声をかけると「君も
ほしいの?コーヒー」と河合卓は立ち上がって給湯室に消えた。いや、静かにして
ほしかったんだけど、と思いながらもせっかくの厚意を受け取らないわけにもいかない。
昼寝の前にカフェインを取ると目覚めがいいという話も聞く。ありがたく受け取ろうと
すると河合卓がもってきたのは黒が見事なブラックコーヒーだった。「はい、どうぞ」
じゃない。これから仮眠する人間にブラックはないだろう。丸三日男が眠っていない
ことは河合卓も当然承知の上のはずだった。「あの、ミルクは?」と聞くと「ああミルク。
ミルクなかったよ全然ない」とのこと。それなら仕方ないと一口だけ口に含んでカップを
置いた。そしてもう一度眠ろうとすると河合卓はソファから立ち上がってどこかへ行く
気配がした。気を使ってくれたのかな、と思い眠りに落ちようとした途端響くラジオ
体操の録音。いち、に、さん、し、と河合卓の声が聞こえる。気になって眠れやしない。
「あの、どうしたんですか」とたまらず話しかけると「今朝やるの忘れたんだよね、
うっかり」と伴奏に合わせて体を動かしている。「一緒にやる?」と言われたが、男は
丁重に断った。とにかく眠りたい。けれどいち、に、さん、し、は続く。伴奏も続く。
ただひたすら終わるのを待った。十分もしてラジオ体操が終わるとまた河合卓はソファに
戻ってまたコーヒーを飲んだ。男はすっかり目が冴えていた。淹れてもらったコーヒーを
すすり、河合卓を見る。こんなに間近で顔を合わせたのは仕事のとき以外にない。男は
河合卓のことが好きだった。思いは叶わないとしても気持ちだけは告げたいと思っていた。
他の社員はまだ誰も来そうにもない。河合卓はわざわざ男のためにコーヒーを淹れて
くれた。嫌われているというわけでもなさそうだ。告げるなら今しかない、と三日寝て
いない頭で男はそう思った。神妙な顔を作り手と手を組んで視線を落とし目一杯雰囲気を
作ったつもりで男は言った。「河合さん、実は俺、あなたのことが好きなんです」男は
言ってやった!と内心でガッツポーズを決めた。河合卓は嬉しそうでも嫌そうでもなく、
まったくの無表情でしばしのあいだ男を見つめて沈黙し、やがて言った。
「で?っていう」
なんか変なとこで行数あいたりしてサーセン!
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>158 GJwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
書き忘れてたけど主人公は同僚が苗字で名前が男ね。
>>158 GJ!!あああ何これ、やばい萌えたw河合卓w
こういう飄々とした輩は実にけしからんですよ
>>158 GJ!あのAAに萌えてた自分には最高のプレゼント!
河合卓が今アツイ!GJ!!
なんか某古畑とイメージかぶった
この夏、天使・悪魔・野獣・仔猫の狂宴に萌えた姐さん達に捧ぐ。
野獣視点でお送りしますよ。(前シリーズとはあんま繋がってないかな・・・)
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
いつからか、オレは独りだった。
この広い荒野で、眼に映るものは全て只の獲物。
非情な野獣と呼ばれ、鮮血を見るためだけに狩りを続ける日々。
奴らと出逢うまでは―
初めに逢ったのは、小さな仔猫だった。
「今日の朝食はコイツにするか」
ぼんやりと思いながら見つめたオレに『朝食』が声を掛けてきた。
「こんにちは!」
怯えることもなく、真っ直ぐな眼でオレを見て笑ってやがる。
「わぁ〜本物の野獣さんだ!すごーい!!」
「ボクすっごく憧れてたんだ!ものすごく強いんだもん」
「ねぇねぇボクとお友達になってよ!!」
純粋なのか、バカなのか。
どっちにしろこんな面白いヤツは知らねぇ。こんなことは初めてだった。
付いて来い、とは一言も言っていないが、それ以来、仔猫は俺の傍にいる。
次に逢ったのは、悪魔だった。
野獣と悪魔―
『狩る』本能を持ち合わせた者同士、すぐに戦いになったのは言うまでもない。
力はほぼ互角。一太刀合わせるたび、俺の身体にヤツの強さと、冷たさと、
弱さと・・・、そして哀しさが伝わってきた・・・。
「お前も俺と同じだな・・・」
不意に身を離した悪魔がオレに向かって呟いた。
その眼は酷く淋しそうで、しかし何故か安堵しているようでもあった。
「お前とは、そうだな・・・互いに変わった時に・・・また手合わせ願いたいな」
それ以来、悪魔は時折俺の傍に来る。
最後に逢ったのは、天使だった。
仔猫や悪魔に出会う前のオレなら、ヤツに迷うことなく飛びかかっていたに違いない。
そして次の瞬間、黄金の光に身を焼き尽くされていたことだろう。
だがオレは―
仔猫に逢って、愛情を知ってしまった。
悪魔に逢って、哀情を知ってしまった。
天使を一目見たオレは、何故だか涙が止まらなかった。
あぁ、そうだオレは・・・この人に逢う時をずっと待っていたんだ・・・。
天使は何も言わず、ただ優しい眼差しを向けて、俺の頭をそっと撫でた・・・。
それ以来、オレは天使の傍にいる。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
天使・悪魔・野獣・仔猫の狂宴に萌えた姐さん方に触発されて、悪魔の方で
なにかが降りてきたので投下してみます。でも相手も悪魔なのですみません。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
再会は、ほんの偶然、だった。
「久しぶり。どうしたの?」
そこに居たのは、かつての相棒。
「“蒼い風”が天使とつるんでる…って雀共が煩くてな。」
「ああ、そのこと?…アンタ、もしかして妬いてる?」
耳元に吐息がかかる程の距離で蒼い悪魔が囁く。
「…さあ?それはどうかな?」
「アンタの3眼にも見えるだろう?あの子猫。」
「ああ、アレか?確かに、面白そうだな。」
やはり、といった風にシニカルな笑みが浮かんだ。
「―――あの極上の魂を狙っているのはこっちだけじゃないんでね。だから天使様とゲームをしてるのさ。」
「しかしあの子猫に向こうも目を付けたとは、少々危険だな。」
「なに?今更心配してくれるんだ?」
クスクスと笑いながら耳朶に軽く舌を這わせる。
「火遊びも程々に、な。」
相手は不快そうに眉をひそめ、そっけない。
「…ねぇ『淋しいから抱いて』って言えば?」
視線が交錯する。僅かな間があってフッと鼻で笑われた。
「生憎と、俺はそんなに暇じゃなくてな。」
「ふーん?まあいいや。」
射抜くようなキツイ視線。誘われるようにゆっくりと口唇を重ねる。
そういえば、最後に口付けを交わしたのは、いつだったのだろう?
「天使との遊びに飽きたらどうせまた、来るんだろう?」
僅かに熱を帯びた紅い瞳が揺らいだ。
「さあね、考えとくよ。」
相変わらず素直じゃない相手に笑みがこぼれる。
「お互い、忙しいのは事実だからな。」
「そうだね、もう戻らないと。」
最後に軽く触れるだけの口付けを交わす。
「じゃあね!」
パサリと、乾いた音を立てて蒼い羽が舞い上がった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>167-168 GJ!!!!
赤い悪魔キタワァ!!(n‘∀‘)η。.・*'・*,,☆
天使も悪魔も大好物なんで、スピンオフしてくれても嬉しい!
ところで何気に仔猫ピンチなんじゃ?www
天使や悪魔は3次元のナマモノだけど、ある意味2次元以上にファンタジーwなんで
けっこー描きやすいのではwww
>>168 お相手はやはり「○い風」ですかね?
自分も天使と悪魔どっちも好きだ。
>>167-168 イイワァ…(ため息)
相手は169の言うように赤いかた?
ところで蒼いかたは何ゆえにオネエ言葉なのでしょうか。
そういうキャラだったっけ?
といいつつ自分の中ではなぜかお母さんキャラが根強く残っている…orz
河合卓かわいすぐるよということで河合卓AAからです。
高等科の話です。
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
特定の上級生たちの怒号が廊下の先々でこだましている。もう毎朝の慣習のようになっているから、
どの声が誰某か当ててみせることが出来て僕は同級生からちょっとした尊敬を集めている。
例の八人の上級生たちに朝っぱらから引き止められてああだこうだと言われるのには神経が
ほとほと弱る。最初の頃は義理で付き合ってはいたが、日を置かずせかせかと付き纏われたのでは
閉口する。だから最近は彼らと遭遇しないよう、秘密の裏口から学校へ入るようにしている。
これは下級生に駄賃をやって作らせた物だ。
今日はもう直ぐ人と会う約束があるのだが、出かける前に教室へ寄っていかなければならない。
昨日提出し忘れた日誌を先生へ届けるようだった。
教室を覗くと人はまばらだった。だから僕の机の傍らに居る友人が目立った。
僕に気付いた二ツ星はきまり悪そうな態度を一瞬見せ、それから「やあやあ」と快活に捲し立てながら
近づいて来た。何故か二ツ星の雰囲気に呑まれてしまって、「その日誌を取ってくれ」と言えなかった。
「よ、お早う朝川。今朝はいつもより早いんだな」
「うん、用事があってね」
教室の戸に寄りかかる格好の二ツ星を退けて行こうとしたのだけれど、二ツ星は通せんぼの
姿勢を崩さない。
「煩い奴等だよ。朝から晩まであの調子らしいぜ」
喧騒の出所を顎でしゃくって、二ツ星は僕へ目配せする。僕は二ツ星の要領の悪い会話に焦れた。
「なあ、すまんが通してくれ」
「お、日誌だろう?」
二ツ星は厳かにそれを僕へ差し出した。僕の顔を覗き込んで、してやったりの様子だ。
言う前に気付いていてくれたのだろうか。驚いた。
「・・・・・・あ、あぁ。そうだ、これだよ。ありがとう!」
「こういう時、外国ではトンクスって言うんだぜ」
「え? 変わっているな。英語でもなさそうだ」
二ツ星に礼を言い、僕は約束の場所へと駆けた。教室の掛け時計が待ち合わせの時間をとうに越していたのだ。
「ぼんやりしている訳じゃなさそうだ」
僕は実は気の利いている友人に満足した。更に二ツ星は、落第しそうな成績を省みて熱心に勉学に励んでいるようだ。
「しかし、トンクスって言葉は何語かなぁ。聞くのを忘れてしまった」
事が済んだら教えてもらうことにしよう。
思わぬことに動揺してばらばらになった思考を引っかき集める。慣れない駆け足のためすぐ汗ばむ。
「伊田君に会わなけりゃ」
日誌は無事先生の元へと届き、僕はやっと目的地へ到着した。養護室の戸を軽く叩く。
「おおい・・・伊田君、伊田君」
返事が無い。ただの空室のようだ。
「困った。僕が遅いのを苛立って帰って行ったんじゃなかろうな」
「そんなわけないだろう」
突然、音もなく戸が引かれた。伊田君の恰幅の良い体が目の前に立ちふさがる。
驚きで心臓がどくどくと早鐘を打っているが、下級生に情けないところを見せられない。
僕は面食らいながらも口を開く。
「・・・・・・きみ、な。下級生なんだから敬語を使いなさいよ」
「へえ。でもぼくは藤先輩の同胞ですから。ウエでもシタでもありません」
「しかしだなぁ、今はほら、ほらちゃんとしているぞ。どういうつもりだ」
全くどういうつもりとはどういう事だ。自分でも言っていることが把握できない。
僕はこの伊田 勝(いたすぐる)と言う下級生、そして校則破りの共犯者が会う度
苦手になってきている。
「・・・・・・フゥン。まあ気分で使い分けているだけですから、先輩も付き合って
くださいよ。それより」
伊田君がずいっと手を出す。切り替えの早さに一時置いていかれたが、僕は大慌てで
伊田君の掌に瓶を押しやる。
「道路工事の見返りにしちゃあ少ないんだがねー」
文句を言いつつも満足そうな表情だ。しかし伊田君の言う天照第三の刺客と対等になれるとは何だろう。
まあいい。もう関係の無いことだ。僕はほっとする。もうこれで伊田君と会うのは最後になる。
それでつい気が緩んでしまった。口が滑った。
「通路ったって、君。木の囲いをぶち破っただけじゃない」
「誰に必要なのかなんて聞かないがさ、精神安定剤なんて物騒だからやめなさいよ」
伊田君も去るものだと思って、僕は彼に背を向けた。
「言ってくれますね」
背後に気配を感じて振り向こうとすると「おっと」などと言いながら伊田君は僕の視界をその大きな手で
遮った。中途半端に向き合うような体勢は妙に緊張する。
「伊田・・・・・・やめてくれよ」
もう威厳もへったくれもないのだろうが。「すまん」と謝ると、伊田君は案外あっさり「それでよろしい」
と謝罪を受け入れた。だが空気は気まずいままだ。僕は何となく帰る気にならなかったが、だからと言って
何もないので取りあえず誤魔化しに目を擦る。
伊田君が初めてあの目つきで僕を見ている。上級生なんかがやる、僕の気に食わない目つきだ。
「なんだい。気味悪いね。君がだんまりなんてさ。静かになるのが嫌いなくせに」
顔を弄る事でしか気を紛らわせられない。目の周りがひりひり痛む。伊田君は止めようとしない。眠そうに細めた目で
僕の体を眺めているようだ。頭のてっぺんから順繰りに足の先まで視線が這う。
「きっ、気分が悪い」
僕は、今度こそと逃げの姿勢を取る。伊田君はというと、ただ僕に付いてくるだけだ。横に並んだ伊田君は僕を見ずに喋った。
「朝川さん。朝川さんはぼくを選びましたね。それはぼくが他の奴等とは違ったからでしょう。
朝川さんはぼくを信じていたんです。ぼくなら朝川さんを「見ない」だろうって。でもそれは大きな間違いですよ」
「ぼくは朝川さんをずっと見ていました」
僕と伊田君は立ち止まった。伊田君の真剣な声からは逃げてはいけない気がしたのだ。そうだ確かに伊田君は誰とも違う。
「・・・・・・ずっとって、どれくらい」
「そりゃ・・・・・・わかんないです。ず、ずっとはずっとでしょ・・・・・・!」
僕は伊田君を見た。正面から見た。僕が黙っていると、伊田君はらしくない表情で僕を見返した。
「本気なのかな」
伊田君の目がゆらゆらとあちこちへ動く。僕は一歩、距離を詰めた。
「・・・・・・そう、です。本気で朝川さんを慕っています」
「そうか」
伊田君はもう震えてはいなかったし、いつも通りの堂々たる姿を取り戻していた。だから僕も燻っていた気持ちを確かめるべく
言葉を繋ぐ。
「いいね」
「は」
「どうかな、同胞。僕の君への苦手意識の正体を教えてほしい」
「ええ・・・・・・」
二人揃って、歩き出す。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
長くてすまんかった・・・orz
「*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレ」に投下しようと思ったけど
あまりにもお題と物語がズレてしまったうえ、長文になりそうなのでこちらに。
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「来ないでね。危ないから。」
危ないのはそっちだろ、と言い返したが、気にもしない様子で中原が喋り続ける。
「俺さ、そんな悪いことしたと思えないんだよね。思えないから、駄目なんだよな。
友人を無理やり犯しといてさ。まあ、勢いでヤっちゃったわけじゃないし、
ずっとやりたいと思ってたから、かえって満足してるんだよ。最悪だろ?。」
耳を塞ぎたかった。でもできない。それをしたら、中原を救えなくなる。
中原を助けなきゃいけない。僕達は今、夜中だというのに学校の屋上にいて、
中原はフェンスを越えて、あと2、3歩で下に落ちてしまいそうなところに立っている。
でも、中原を助けるというのは、もちろん、その場所から離れさせるという意味ではない。
そしてある意味、その通りの意味だ。
中原が危ない。
「そうなんだ?本当、最悪だよ」なるべく軽い口調で言う。作り笑いをしてみたが、上手くできたと思えない。
「何 笑ってるんだよ、藤野、お前が大っ嫌いな性犯罪だぞ。」胸がズキリと痛む。・・・がんばれ、自分。
「そうだな。でも今はお前のが心配だよ。危ないってマジで」一歩踏み出す。
「動かないでってば。」強い口調で言われ、黙ってしまう。ああ、もう。自分の馬鹿が。
僕が小5のとき、中2だった姉が、変質者に襲われた。
そのころまだ僕がガキだったのと、姉を傷つけまいと思ったのとで、「どこ」までされたのかは訊いていない。
それでも、僕は、姉が泣いているのを見て、許せなかった。
性犯罪が好き、なんて人は当事者以外いないだろうけども、僕は一般の人よりはるかに性犯罪を嫌っていた。
自分の性欲をいまいましく思うほど、だ。
幼馴染だった中原は、僕の悩みを何度も聞いていたから、それを知っていた。
「お前、さ。俺を今どうしようと思ってるわけ。警察に連れていきたいの?望むなら行くけど」
「違う」間髪いれず答える。「そんなことしない。」
「じゃあどうするのさ。今、俺はここから飛び降りようと思っている。お前はそれを止める。
警察に連れていって、罰をうけることも許してくれない。なんなの。
今までどおり普通にできるとか思ってんのか?俺を許すのか?
お前が毎日のように悩んでた、性犯罪を許せない、っていうのは、
その程度のことだったのかよ。」
叫びだしてしまいたかった。耳をふさいで、ギャーだのワーだの、何でもいいから
声に出して、中原の声を消してしまいたかった。それを何とか押し止めたら、今度は体が勝手に動いた。
よろけるように走って、中原のいる側のフェンスにしがみつく。
「動くなよ。」すぐさま中原が言い、僕は言い返す。「嫌だ。」
「だったら、お前が聞かせろよ、お前が考えてること。全部。」
「それは・・・」
言葉が出ない。
─どう言えば、中原が助けられる?
いや、違う。どう言えば、とかそういう風に考えるのがまず駄目なんだ。
僕がいま、でたらめな慰めの言葉を言っても、中原は飛び降りる。素直に言わなければならない。
僕が思っていること、全部を、口に出さなければならない。
息をすって、大きく吐いて、また吸った。
「許せないよ、やだよ。誰が許すもんか。なんだったの、あれ。
だんだん気持ちよくなってくるだなんて、嘘だね。痛いだけだった。気色悪かった。
実を言うと今でもお尻が痛い。へたくそ。まあ男同士だから仕方ないかもだけどさ。
ああ、問題はそこじゃないよな。気持ちよかろうと気持ち悪かろうと、僕は強姦が許せない。
僕は今まで中原を友達だと思ってた。本当に、こんな最高の友人はこの先、一人もいないだろってくらい。
だから中原に抱かれるなんて考えてもみなかった。僕は君に抱かれていいなんて思ってない。
君の一方通行だよ。恋愛は自由だよ、君が僕に片思いしようと君の自由だよ。でもそれを勝手に行動に移すのはどうなの。
なあ、なんであんなことしたんだ?ずっと隠していれば、いや、普通に告白して、フラれていればそれですんだんだ。
性犯罪なんか起こすやつは、死んじゃえばいいんだってずっと思ってた。
でも僕は中原に死んでほしくない。すごい矛盾してるよな、わかってるよ。
生きてほしい。前みたいに戻れなくても、生きててほしい。」
頭の中でぐちゃぐちゃになってたものを、一気に吐き出した。言葉にしても、まだぐちゃぐちゃだったけど。
呼吸をととのえて、もう一言付け足す。
「我侭でごめん。」
フェンス越しに、中原の目を見る。中原も僕の目を見る。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!出かけてきます。誤字脱字あったらすいません
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ちょっとラストの方向変えたのでもうちょっと続きます。
とりあえず今日は前編だけということに。
「我侭。うん、本当それだな。何だよ今の」一息ついて、中原が薄く笑って言った。
中原が少しでも笑ったことに安堵した。よかった、今なら救える、
そう思った瞬間、中原がまた口を開いた。
「ふざけんなよ。」
場が再び凍りつく。真剣な目だった。でも一瞬、その目が濡れてるように見えた。
「そんな矛盾だらけの言葉で、俺が納得すると思ったのかよ。
笑い話にして、そのまま終わらせる気なのかよ。ふざけんな。
俺はお前が好きなんだよ。もう一回抱きたいって思ってる。また急に襲うかもしれない。
お前はそのたび俺を許すのか?俺のこと好きでもないくせに?」
なんて答えればいいのかわからず、ただ首をフルフルと振った。見間違いじゃない、中原は、泣いている。
「お前にとって俺が大切な存在だって、そんなこと知ってるよ。
知ってるからつけこんだんだ。卑怯者だよ。お前の姉さんを襲ったヤツと一緒だよ。
油断してる隙をねらって、襲ったんだよ。なあ、こんなやつを何でまだ庇うんだよ。」
やめろ、もう、何も言わないでくれ、そう言いたかったけど、口が動かなかった。
涙ばかり溢れ出てきた。急に脱力感におおわれ、立っていられず、フェンスにもたれかかる。
そんな僕の様子を見て、中原が一息ついてから、言った。
「ごめん、苦しめて。」
中原もこちらによってきて、フェンスにもたれた。僕と中原はフェンス越しに額を合わせる形になった。
「お前が好きなんだ。何の言い訳にも、ならないけど。」
何か、喋らなければならない。そう思って口を開いたけど、呻き声のようなものしか出なかった。
中原は苦しそうに、目をギュッと閉じて、歯を食いしばっている。
今、目の前で起こっていること全てが夢であればいいのに。そう願うくせに、中原の姿から目をそらせない。
ごめん、愛してやれなくて。友人だと思ってて。
僕がもとから中原を恋愛対象に見ていれば、中原は無理やり僕を襲うことはなかった。そう思う。
後悔ばかりが頭をよぎる。でも、今は後悔なんて何の意味も持たない。これからのことを考えなくちゃいけない。
これからのこと?これから、僕と中原はどうなるというのだろう。
中原が足音もたてずに、一歩後ろに歩いた。さらにもう一歩、と、さがっていく。
中原、待て。呼び止めたつもりだったけど、これは声になっているのだろうか。自分の声が、わからない。
フェンスをよじ登りたいのに、手が震えてなかなか上手くいかない。とにかく、中原を止めなくちゃいけない。
中原、待て。いかないで。君には生きててほしいって、言っただろ。
僕のこと好きなんだったら、言うことききなよ。ねぇ。
僕も君が好きだよ。君が僕を好きだという、その好きとは違うだろうけど。
でも本当に好きなんだよ。失いたくない。離れてほしくない。だから、もう、いいよ。
何がいいのかって言われたら、上手く答えられないけど、とりあえず死ななくていいよ。
強姦は許せない。君が僕にやったことは強姦だ。でも君だけは許したい。
我侭でごめん、本当ごめん。何回でも謝るから、だから僕の言うこと聞いて
なかはら、なかはら、なかはら。
ようやくフェンスの上にしがみつくように座ることができた。そこで一度息を整える。
どこまでしっかりと言葉にできたかわからない。
それでも、中原は、僕が呼んでいるということは伝わったらしい。
こちらを振り向いて、にこっと笑った。
中原は落ちた。
僕は思いっきりフェンスを蹴った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
後編はものすごいちょっとだけになると思います
あと文章がなんか横長くてすいません
ぬぉぉぉぉ!!!なんという焦らしプレイ!
続き待ってます!
185 :
1/4:2007/09/03(月) 03:30:36 ID:D4WC06MG0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガオオクリシマ~ス!
※親友×誘い受け
※モデルはいるけど信じられないほど捏造したのでなんかもう別物
「ほんとひどいよなー。今日は俺と約束してたのに。ドタキャンだぜ、ドタキャン」
「ああそう」
人の部屋に押しかけてきて、当然とばかりにベットの上に寝転がり膨れっ面で
ブツブツと文句を足れる親友に、同じベッドの上で壁にもたれて本を読みつつ、
俺は気のない返事を返した。
どうやらコイツの恋人が、コイツを置いて同僚と食事にいってしまったらしい。
まあ付き合いの大事さがわからない歳でもあるまいし。
ただ単に愚痴をこぼしたかっただけだろう。
「なあなあ」
「何?」
「しよ」
「…腹いせに浮気かよ」
「ふん。もういいんだ、あんな人。どうせ俺のことなんかヤりたいときに
ヤれる便利な道具としか思ってねーんだ」
乱暴な口調とは裏腹の、寂しそうな表情。本心からの言葉じゃないのは一目瞭然だ。
置いてかれて寂しいなら素直にそう言えばいいのに
186 :
2/4:2007/09/03(月) 03:31:14 ID:D4WC06MG0
「お前の腹いせに付き合う義理は無いな」
「何だよ。冷たいな〜」
「いつもこんなんだろ」
「いや冷たいって。なあ、いいだろ?お前ともしばらくしてないし」
人の話なんか聞いていやしない。
寝転がっていた体を起こして、俺の腿に手を置いてそのままさすり始めた。
その手が腹から胸へ、服の上を滑り、俺の肩をつかむ。
肩を円を描くように何度か撫でると、両手で俺の頬を挟み軽くキスをした。
そのまま俺の頭を抱えて自分の首に押し付ける。唇に触れる皮膚の感触。
何もしないでいると一層抱える腕の力を強くする。
俺は渋々口を開いて強く噛んだ。相手はそれに満足して俺の頭をはなす。
首筋にポツンと赤い跡が浮かんでいた。
誰が見ても、一目で浮気の跡だと解るだろう。当然、あの人にも。
だけどコイツはバレるのを承知で他の男に抱かれる。
いつだったか、バレるといつもより優しくしてくれると、苦笑まじりにいっていた。
こんな手段でしか愛されていることを確かめられないコイツを少し哀れに思う。
それでもコイツが俺の所にくる回数は、あの人と付き合う前に比べれば
随分減っているのは確かだった。
187 :
3/4:2007/09/03(月) 03:31:49 ID:D4WC06MG0
お互いよく知った体だ。手慣れた愛撫であっさりと火をつけられた俺は、
おかえしとばかりに相手を押し倒した。
舌や指で弱い部分に触れてやれば簡単に快楽に溺れる。
服の上から胸を触られるのが好きだとか、耳たぶ噛まれるのに弱いとか
内股を撫で上げられると体を震わすことだとか
自身を強めに擦り上げてやれば切なく喘ぐことだとか。
そんなことをいちいち覚えてる自分が嫌になる。
俺の攻めに堪らず声を上げ、腰を揺らす姿はあいかわらずーーーいや。
「変わったな」
「…は…何?…っん」
「反応がよくなった」
なんというか、喘ぎ方にわざとらしさがなくなって反応が素直になった。
「やっぱりあの人、上手いから?俺も今度お願いしちゃおうかな」
「…何だよそれ。なんかやっぱ今日、やさしくない」
甘ったれたものいいに、プツンと俺の中の何かが切れた。
「恋人以外に簡単に足を開くようなヤツに優しくしてやる理由があるか?」
冷たく言い放つと、一瞬目を見開き驚いた表情を見せる。
いつだってコイツが甘えてきたときには、何も言わず受け入れてやっていた。
その俺がこんなことを言うなんて思ってもいなかったのだろう。
「いつまでも甘やかしてもらえると思ったら大間違いなんだよ」
相手はグッと唇を噛んで俺の顔を睨みつけ、不機嫌な声を出す。
「…萎えた。帰る」
そういって起き上がろうとした、が、
俺は相手の体を押さえつけ逃れることを許さない。
188 :
3/4:2007/09/03(月) 03:33:06 ID:D4WC06MG0
「離せよ!」
「自分から誘っといてそれはないだろう」
抵抗を始める相手を、体重をかけてさらに押さえ込む。
体格はそう変わらないが、上にいる分俺の方が有利だ。
睨んで来る瞳から目をそらして、俺は一気に相手を貫いた。
「…や…い、たあっ…!」
久しぶりのコイツの中は、十分に慣らしていなかったせいか、少しキツい。
それでもなんども抜き差しを繰り返すうちに徐々に声が艶を帯びる。
「は…あっ」
「なんだよ、感じてんじゃねーか。」
「…る、っさい…っああ!」
体の下で苦しそうに眉根を寄せる相手を、俺はどこか醒めた目で見ていた。
傷つけるだけ傷つけてやる。そして俺から離れて行けばいい。
――早くあの人のところへ行ってしまえばいいんだ
胸に走る痛みを無視して、俺は腰を打ち付けた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
何度か中に吐き出した後、繋がったままぐったりともたれかかってくる体に
そっと腕を回して、少しだけ力を込めた。
そのまま意識が飛びかけている相手の耳元に唇をよせる。
『 』
こぼれ落ちた気持ちは、吐息にまぎれて届かなかった。
□STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)ナンカモウ…テラカオス!
名前欄ミスった…。
>>185 姐さんGJ! セツナイなあ…でも萌えた〜
>>185 姐さんの元ネタモデルはもしやマイカプかも!?
なんて思うほどにツボにどんぴしゃ。
すごく萌えました。ありがとう!切ないし、エロもいい。
親友ホモ最高だ。また何か浮かんだら書いてください。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマスヨー!
※もうすぐ渋谷公会堂で公開プレイが開催されるMJ×SI
※ナマモノ、中年、文化人注意
※とんまな感じです。
「どうせ俺達さあ、ホモだって思われてるんだから。ホモになっても一緒じゃない?」
「ぜんぜん違うだろ! うわさすりゃ本当になんなら、『噂の真相』潰れてねえよ!!」
「あ、そう?」
オレの渾身のツッこみを、いつものネズミ笑顔で流す、みうらさん。その鼻息が、オレの眼鏡を曇らせている。
「でもさあ。俺はチャンスだと思うんだ」
更に説明するならば。心をこめて世話をした植物が揺れるベランダの窓ガラスには、
床に寝転がったオレと、オレに馬乗りになるみうらさんの姿が映っており、
窓際に置いたテレビでは、前回のスライドショーの映像が流れ、
みうらさんのとんまなスライドに、はしゃいだオレがツッこみを入れている。
過ぎし日のオレよ。知恵を貸してくれ。オレは、どうしたものか。
「だって他の奴とホモになったら、お互いすごい騒がれちゃうじゃん。
俺なんか、こないだ離婚したばっかだから、マスコミの食いつきが違うよ。
いとうさんだってさ、娘さんとか、浅草のご町内の人とか、顔向けできないだろ。
でもさ。俺といとうさんがホモだったら、みんな『ああ、やっぱり』って言うだけだよ。
このチャンスをさ、逃すことはないじゃん」
「だから、なんでアンタ、ホモ前提で話進めんだよ!」
去年のオレが笑う。テレビの中で。
オレよ、オレを裏切るのか。
禅問答な気分になっている間にも、みうらさんの鼻息はどんどん荒くなる。
鼻息だけではない。オレの浴衣のあわせは、着々とみうらさんの手によってはだけられており、
お得意のカメラのフラッシュが、何度もたかれている。
まさかとは思うが、今度の全国ツアーで、オレたちのホモスライドを映すつもりか。
「わかんないけど、アレかな」
「まぶしいっつってんだろ!」
至近距離で怒鳴ったため、みうらさんのサングラスに、オレの唾が飛んだ。
ブラックホールに弱々しく輝く新星の光、そんな修辞が浮かぶ間に、唾は乾いた染みになる。
シャッター音、胸元をまさぐる手、煙草くさい息はお互い様だが、より、みうらさんのほうがヤニがきつい気がする。
「うん。ごめん。アレだよ、レオピン」
フラッシュを取り外し、再びシャッターをきるみうらさん。そっちじゃねえだろ!
「キヨーレオピン?」
にんにくを主成分とする薬液、キヨーレオピンが、滋養強壮に良いとオレに教えたのはみうらさんだった。
体調が優れないし気分も浮かない、そうぼやくオレに、みうらさんは明るく言ったのだ。レオピンいいよ、と。
以来、オレは、みうらさんの薦め通り、レオピンを愛用、いや、レオピンに頼った生活を送っている。
「レオピン飲んだから。いとうさんの家来る前。今日も元気出すぞーって」
「そんな元気いらねえよ! みうらさん。オレ今、本気であきれてるよ」
「そーお?」
シャッター、ネズミ笑い、シャッター。混じって、帯が解かれる音。
いや、音だけが感じ取れるわけではないのだが、オレの脳は、音声以外に、現状をモニタリングすることを
拒否しているため、みうらさんの指がどこに触ってどうのとか、体温がどうのとか、
同じく、寝覚めに鬱の気配がしたためレオピンを飲んだオレの身体が現在どうであるとか、
そういった、他の感覚器官に関する描写するわけにはゆかぬのだ。断じて。
「だから撮んなよ!」
手が出た。頭をこづいた衝撃で、みうらさんのサングラスがずれる。
ねずみ笑いしたみうらさんの目が、血走っているように見えたというのは、
ポルノの文脈に沿いすぎた印象であり、真実ではないだろう。そう願いたい。
「やっぱ和だよね。和のエロス。仏(ブツ)と同じフェロモン出るよ、和は。
いとうさんだってさ、俺が遊びに来る日にわざわざ仏(ブツ)スタイル着てるってことは、
フェロモン接待するつもりなんでしょう」
「浅草来てから和服凝ってるって、アンタになんべんも言ったでしょうが」
浴衣を、仏(ブツ)スタイルと呼んだところで流行る見込みはないし、もはや今年の夏は終わるのだ、
録画映像のオレならば、そうツッこんでいただろう。いや、フェロモン接待のほうか、指摘すべきは。
「来たね、マイブーム。いとうさんのマイブーム、今、和服なんだ。気が合うじゃん俺たち」
「だから何十編も言ったって5秒前に言ったよ!」
「そーお? まあいいじゃん。とにかくさ」
みうらさんがカメラを床に置く。
両手が、オレの肩をがっちり捕まえ、床に押さえつけた。
「俺、決めたんだ。いとうさんと、本物のホモになろうって」
何故、オレはみうらさんを振り払おうとしないのか。
「この場合、眼鏡をかけたままホモになるべきなんだけど、実際、ジャマだよね。ほら」
サングラスのフレームが、オレの老眼の入った眼鏡にがつがつぶつかる。
すなわち、みうらさんはオレにキスしようとしているのである。
四十も過ぎた男が、やや年少とはいえ、中年と呼ぶのもおこがましい眼鏡野郎に。
「わざとぶつけんなよ! こないだレンズ替えたばっかなんだから」
そこじゃねえだろ、と、去年のオレがツッこむ。そう、問題はそこではない。常に、そうした表層の事象ではない。
オレは何故、うやうやしく両手で眼鏡を外すみうらさんを、放置しているのか。
お互いレオピンの力を借りている、体力的には互角、そのうえオレのほうが僅かばかり若い。
互いに中年と呼ぶのもおこがましい年齢にさしかかりつつあり、不摂生な生活を送るみうらさんよりも、
精神面では躁鬱のけがありながらも、健康に気を配り、オフの日には病院廻りを欠かさぬオレのほうが、
腕力も体力も持久力もある。力ずくで、引きはがせない相手ではないのだ。
では何故か。決まっている。走り出したみうらさんは、止まらない。
本人が飽きるか、懲りるかするまでは、誰がどんなに止めようが、愚弄しようが、笑おうが、
どうあっても、止まらない。そして、オレもそう嫌ではないのだ。みうらさんとホモになることが。
「俺、前も思ったんだけどね。いとうさん、眼鏡はずすと目、大きいよね」
「何十年も付き合いあんのに、今思いついたみたいに言いますかね」
「言うべきタイミングってあるじゃん。今だもん。タイミング。言うしかないでしょ」
ヤニくさい指が、眼孔をなぞる。心底ヤニくさい。日暮れ前、土いじりを手伝わせたせいもあり、
土とヤニの匂いが、つんと鼻をつく。
「タイミングを言うなら、なんで今なんだよ。せめて三十代のうちでしょうが」
ホモになるなら、チャンスはいくらでもあった。
仏友として、全国の寺院をめぐった日々、二人、異国のホテルで心細さを噛みしめた夜、
ハワイでスライドショーをやった時でもよかった。女装バンドの時でも。
何故、それが今なのだ。理屈が通らぬことに我慢できないオレは、それが、気になった。
もとより伝統文化に衆道はつきものであり、興味はある。相手を選ぶならば、若さと美貌だけが売りの
そこらの青少年よりも、長年の付き合いで気心の知れたみうらさんと、という心境でもある。
だが、何故今なのだ。オレが気がかりなのは、もはやその一点のみであった。
「逆に考えようよ、いとうさん」
片手で器用につるを畳み、みうらさんが、カメラの脇にオレの眼鏡を置く。
TVの収録の時に教えた通り、大きな音が鳴らぬよう、つるをクッションにしている。感心した。
「四十だからさ、最後のチャンスだよ。これでズルズル五十になったらさ、
俺たちホモどころじゃないよ。死とか、迫ってくんじゃん」
「タナトスを身近に感じたからこそ、エロスを求めるもんじゃねえのかよ」
「俺、正直自信ない。だってさ、相変わらずカスハガは集めなきゃなんないし、
とんまつりもようやく認知されてきたしさ、ゆるキャラもブームになったし、
やりたい事は山ほどあるわけさ。なのに五十の俺は、今の俺より動きが鈍いよ。時間がかかるんだよ。
ホモとかさ、慣れないことは、今のうちに手をつけておかないと。新しい挑戦はできなくなるよ」
一理ある。老いることは、新しいものを拒絶していくことだ。
現在のオレの意志にかかわらず、オレの脳髄は徐々に硬化し、新しい世界を受け容れることはできなくなる。
なにかを始めるならば、今だ。みうらさんの主張は正しい。
たとえ、みうらさんの掌が脇腹や胸をまさぐり、舌が顔中を舐め回し、サングラスが頬に押しつけられ
貼り付いてははがれていようとも。
「もういいよ、めんどくせえ。好きにしろよ、みうらさん」
「やったあ」
じゃあ俺も、そう言ってみうらさんは、相変わらず「珍妙」としか言いようのない柄のTシャツを脱ぐ。
たるんだ腹は、あきらかに四十代の中年男のものだ。
オレはみうらさんの腹をつまみ、揺らした。たぷたぷと肉が揺れた。みうらさんは笑って、接吻しようとした。
瞼に貼り付くサングラスは、オレの顔の脂と、オレの唾が作った染みで、白く曇っている。
「いいけどさ。アンタのサングラス、じゃまじゃねえのか。みうらさん」
「あっ、そっか」
慌てて外したサングラスが、がちん、床にぶつかる。折り畳んで置けよって言ったろうが。
「いとうさんから見て、サングラス外した俺、どんな顔に見える?」
「眼鏡取ってんだから、見えるはずないだろ!」
「そっかあ」
みうらさんはねずみ顔で照れたように笑い、それから、オレたちはとうとう、本物のホモになったのだ。
テレビの中、一年前のオレたちの映像にツッこまれながら。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタッ!
>>192 なんというハードコアww
ゴローたんが激しく嫉妬しそうだ
ごっそさんですた!
マニアックwwwwおやじ2人イイヨイイヨー!GJ!
レオピンの力がマイブームになりそうだ
まさかこの二人が読める日が来るとは思わなかった。
すごいよみ○らさん、すごすぎるよ!
うわー
>>192超GJ!
理屈っぽさが成功っぽいwwww
ちょwwwGJ
あまり詳しくはないが、昔のR/2/5の二人旅記事にほんのり萌えてたので嬉しい。
>>192 笑いながらもしみじみ萌えましたw
おっさんいいよおっさん!
>>192 その二人かああああ
なんかなんか…や、やらしい…!
>192
さすが葬儀委員長を頼んだ仲だけはあるwGJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガ オオクリシマース!
ここで全く空気を読まずに終了ドラマ。スレのリク以上にネタに走りそしてエロが無くなった。
※木兆→鷹前提ですのでご注意下さい※
「杭単、ちょっといいか」木兆ちゃんがホームスに入って来た。「…これだ」
可愛らしいクッキーの入った透明な袋。「うわぁ!美味しそう!いただきます」
皆一斉に声をあげ手をのばす、…が。
「ちょっと待って下さい!木兆ちゃんこれみんな私のですよねそうですよね?」鷹野が木兆にウィンクした。
「あぁそうだ…特別製だからな、味わって食えよ?」木兆も鷹野にウィンク。
他の皆はブーブーと、二人の仲を冷やかした。
「うるさい!」木兆は怒鳴り、つかつかと出て行く、
「あ、待って下さい!」鷹野がその後をついて行く。
良介は眉をひそめ見ていたが、暫くして二人の後を尾行し始めた。
鷹野と木兆は小さな喫茶店にいた。木兆の前にはコーヒー、鷹野の前には超巨大パフェ。
良介は窓から覗いている。
「食べないんですか?」
「…いらん」
「美味しいですよ、はい、あーん!」
鷹野が普段は良介にやっているように、木兆にパフェを食べさせようとした。
「あ、あぁっ!」思わず良介が大声を上げる―と、謎の男にその口を押さえられ、もう何度目かの拉致監禁をされた。
「良介くん!」慌てて鷹野は立ち上がる、
「…どうした杭単、あいつの下手な尾行なら私も気が付いていた」
「良介くんがまたさらわれちゃった!」「何ィ!」
木兆も立ち上がる。鷹野は超巨大パフェに手を合わせた。
「途中ですが…残念です」
「泣くな!また奢ってやる!」
「すいません!」
そして鷹野は涙ながらに喫茶店を後にし木兆と二手に別れた。
「お久しぶりです、気分はどうですか?尾行の下手な探偵さん」
良介がうっすら目を開けると、暗い倉庫の中スラリとしたイケメン…「…有機、さん?」
有機―お好み焼き探しから始まったあの事件、毒を飲まされ辛うじて命をとりとめたはずの彼が―
「何で?回復を待って拘束したって木兆ちゃんから聞いたけど?つうか、改心したと…」
「…私もあの時は、ご飯の味を味わうのもいいな、と思ったんです」
塩じゃなく、ご飯の味を味わいませんか。それはあの時鷹野が言った言葉。
「じゃあ!」「でも、こんな私をどこで雇ってくれるんです?…考えていたら組織が私を助けに来てくれた。まだ私は見捨てられていない。そう思ったら、殺されかけたことなんてとっくに忘れていた」
「そんな…」良介は両手両足縛られている。一方の有機は片手にナイフ。
「知っていること、教えてもらおうか」有機が一歩、一歩と近づいてくる。
「ちょ、ちょ、待ってよ!そうだ有機さんホームスで働けばいいんだよ!」
「…君と、私と、鷹野聖夜が、一緒に?」有機の歩みがぴたりと止まる。
「だからそれ捨てて!つうか俺が何知ってるっていうの?俺はただ木兆ちゃんと鷹野さんがデートみたいな事してたから…」良介はキャンキャン喚く
「どうやら何も知らないらしいな」有機の言葉に良介は満面の笑みで頷く。
「君達と、一緒に…か、それが出来たらどんなにか楽しいでしょうね。でも…」キラリ、有機のナイフが光る。
「さぁ、王子様は来てくれるかな?お姫様」…有機はそう言うと皮肉に笑った。
鷹野は走った、むちゃくちゃ走った。最大の敵:商店街の食べ物の誘惑と戦い泣きながら走った。
商店街を抜けると道が別れている。
「どっちにいきましょう?」くんくんと、警察犬さながらに鼻を鳴らしてふとバスの椅子に座る、少女が近づいてきた。
「お兄ちゃん、はい、お水」可愛らしい水筒を手渡される
「あ、いただきます」丁寧に手を合わせ水を飲み干す、と…そのまま鷹野は倒れこんだ。
そして、水筒の少女がにっこりと黒づくめの男に近づいていき…鷹野もまた連れさらわれていった。
「…ほら、王子様のおでましだ、お姫様」倉庫に有機の声が響く、鷹野は縛られて良介と再会した。
「良介くん!」「…鷹野さん!なんで来るの?」
「大切な人を助けようとするのは当然です」
良介はムッとなって言った「…よく言うよ、木兆ちゃんのこと好きなくせに」「…はい?」
「べたべたしちゃってさ、いつだったかは手を取って見つめ合ってたくせに」 指輪の時のことだ。
「あれ?…良介くん、もしかして妬いているんですか?」ぴくり、鷹野の眉が動く。
「別にぃ、デート邪魔して悪かったね!」なおも口を尖らす良介に「あんなのいつも良介くんとやっていることじゃないですか」とつい鷹野の口も荒くなる。
「いつも、誰とでもするんだ。最低!」傍で聞いていた有機が小さく「ほう…」と一言
「俺だけじゃないんだ、何だ、鷹野さん、そういう男なんだ」良介は完全にすねてしまい悪態をついた
「好きな人としか、しませんよ?私はね、ホームスのみんな、湊署のみんなが、大好きです」
「答えになってないよ!じゃあ鷹野さん俺と木兆ちゃん同じ時間に約束してたらどっち行く?」「それは…」
「同じピンチならどっち助ける?同…」しゃくり上げる良介に、「そんな場合ですか」冷静に答えられ、良介は完全にそっぽを向いてしまった。
「…あとでゆっくり、ね」鷹野が優しく囁く。有機はそれをみてニヤニヤ。「面白い…」「は?」
「王子様の目の前でお姫様を汚す魔王になろうか、と思いまして」すっ、有機の手が良介の細い腰に伸びる、鷹野は庇おうと必死に体を良介の前に…。
「あぁ嫌だ死ぬのはパフェが食べたいカツ丼が食べたいベーグルでもいい!」鷹野がいきなり子供のように駄々をこねだす。
当然有機は鷹野にナイフを突き付けた。
「下手なことをしたら殺す」ナイフが鷹野のシャツを引き裂く、
「もっともその前に少し楽しませてもらうが、な」
「…良介くんには何もしないって約束してくれるんなら、いいですよ」「鷹野さん!」良介は涙目だ。
「…目を閉じて下さい。良介くんには、見られたくないんです」
「麗しき師弟愛か、それとも…」有機の手が鷹野の服にかかる…。
次の瞬間、鷹野は有機に思いきり頭突きを食らわし、有機のナイフを口で奪った。
男二人が慌てて鷹野に詰め寄る…しかし良介もその時必死に鷹野の縄を口で…解けた!「杭単、とう!」「え、ちょ、鷹野さん、俺も!俺も!」自分のも解いてほしくてじたばたする良介を尻目に鷹野のスイッチが入ってしまった。
鷹野は箸で戦う、良介も仕方なく縛られたまま頭突きと体当たりで戦った。そしてなんとか有機を捕らえ…ようやく鷹野が良介の縄をナイフで切る。
ふと倉庫を見回せば木兆が持って来たのと同じクッキー、しかし、鷹野は食べようとしない。
「そんな!鷹野さんが食べないなんて!」この異様な光景に良介はすぐさま携帯で木兆を呼んだ。
「あのクッキー、ドラック入りだったんだ…」全てが終わり、鷹野、良介、木兆の三人は波止場にいた。
「全く、食べ物を何だと思ってるんでしょうね」
首謀者は捕まった、有機はもう大丈夫…けれど。
笑い合う鷹野と木兆を、良介は正視できない。
ちぇっ、思わずでた舌打ちに木兆が気付いた「何だ乃田、妬いているのか?」
「まさかぁ」良介は鷹野に背を向けた「付き合っちゃいなよ、お似合いだよ?」
「…下らん!帰る!」木兆が怒って立ち去っていく
「ほら鷹野さん、追わないと」「…はい?」ボーッ、汽笛が鳴る。
「木兆ちゃん素直じゃないから、言えないけれど…きっと鷹野さんのこと好きなんだよ」
去りゆく木兆の影が次第にが小さくなっていく
「ほら早く」良介が軽く鷹野の背中を押す、再び汽笛。
「良介くん、私はね…」鷹野が振り返りまっすぐ良介の顔を見ると、大きな汽笛に言葉が遮られ…二人の影が近付くと、船に隠れて見えなくなった。
□STOP ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガ オオクリシマシタ!
木兆ちゃん当て馬にしてゴメンよ…(´;ω;`)誰か上手い人エロ書けたら頼む
携帯から長文スマン
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 盛り上がってた女王様艦長×語り部王です
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 語り部王が大分変態になったけど…ごめんね。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 名前フセタホウガヨカッタカナ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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ひゅ、ひゅ、と熱い吐息の音が木霊する。
ヴィラルの口端から僅かに涎が零れて、しかしヴィラルにはそれを拭う余裕は無かった。
その様子を見て、シモンはにんまりと笑う。獣の様に。
決して狭くは無い艦長室、椅子に座ったシモンの前で、ヴィラルは拘束されていた。シモンの座る椅子の前、大きな机の柱、後ろ手で括り付けられる格好で。
ヴィラルの服ははだけられ、半分程勃ち上がった雄が晒されている。その雄を、靴を脱いだシモンが足で扱いてやっていた。
シモンの動きは手慣れた様子で、指先や指の間などを器用に使ってヴィラルを責め立てる。
シュ、と扱かれる度にヴィラルの体が震えた。その様子を見る事が恥ずかしいのか、ただ嫌なのか、ヴィラルは頭を垂らした侭で。
肘掛けに頬杖をつく形でその様子を見ていたシモンが、嘗める様な視線でねっとりとヴィラルを見つめる。
ヴィラルがその視線に気付いているかは解らないが、頭を上げようとする様子は無かった。
「ヴィラル、声ぐらい出したらどうだ?」
「……、ッ…」
シモンが軽い声音でそう言う。足の動きは止めない。鈴口や雁首を的確に刺激して、ヴィラルを頂点へと追い立てる。
その刺激に耐える様に歯を食いしばって、ヴィラルは何も言葉を返さなかった。
そんなヴィラルの様子を見て、シモンは至極愉快そうに笑う。くつくつと喉の奥で響く笑い声に、ヴィラルは頭を下げたまま、ぎりりと眉根を寄せた。
先程まで半勃ち状態だったヴィラルの肉棒は完全に頭をもたげて、先走りの蜜を零しながらひくついていた。
ふとその様子に気付いたらしいシモンが一度足を止めてその様子を興味深そうに見る。ひゅー、とヴィラルの深い呼吸音。
そうしてもう一度、指先を使ってくにくにと亀頭を責める。その動きに、ヴィラルがまた短な呼吸を繰り返す。
つぷ、と蜜が溢れてきて、ヴィラルの僅かな嬌声が食いしばった歯の奥から響いた。擦りきれる様な声。限界が近いと知らせる声。
もう、あと少しで、達してしまいそうだと、しかしその瞬間。
「おねだり」
シモンが、ひょいと足を退けた。その足の指先は先端から零れてきた先走りで濡れて、その様子を見てシモンは更に笑みを深めた。
僅かに、ヴィラルが顔を上げる。あと少しでイけそうなのに、どうして、今此処で止めてしまうのか。
髪の隙間から垣間見えた驚いた様なヴィラルの目を見て、シモンはまたくつくつと笑った。半開きになったヴィラルの口から、ぱたりと涎が滴る。
「おねだりしてみろよ、ヴィラル。上手に出来たら、イかせてやる」
それまでは、おあずけ。楽しそうな様子はそのまま、シモンはヴィラルへと言う。足先は、ヴィラルの雄を触れそうな様子も無い。
「ふ、…ッ、ふざ、けるな…!」
震える喉でヴィラルが怒鳴る。ふざけるな、そんな、そんな事が出来るか、出来るものか。そんな、羞恥にまみれた言葉が。
ぐるる、と猫が威嚇する様に睨むヴィラルを、その様子を見てしかしシモンはやはり笑むばかりだった。
「『足でイかせて下さい』」
「……、?」
「『足でイかせて下さい』って、可愛くおねだりしないと、このまま放置だ。ひょっとしたら、このまま出撃する事になるかも知れないな」
「ふ、ざけっ…!」
「ふざけてない。俺がいつでも本気なのは、お前が一番知ってるだろ、ヴィラル?」
「…ぅっ…」
確かにその言葉はその通りで、いつでも飄々とした男だが、こうやって。
シモンがこうやって、至極楽しそうに笑う時は、いつでも本気の時なのだ。月を食い止めたあの時によく知った。この男は、そういう男だ。
縛られたままでは自分で抜く事も出来ない。ヴィラルは再度頭を垂らした。
生殖機能が無いと言った所で、ヴィラルはやはり男だった。こんな寸止めの状態で、いつまでも保つ訳が無い。気が狂ってしまいそうだった。
「……、ぁ…、…」
「…何?聞こえない」
「…足…、」
「足?」
「足で、…」
うん、と。頷いてシモンが次の言葉を待つ。ヴィラルの体が、喉が震える。羞恥に押しつぶされてしまいそうだった。
羞恥で、死んでしまいそうだった。
「足で、…ぃ…イかせ…ろ…ッ!」
「……ちょっと可愛くないけど、まぁいいか」
くは、とシモンが笑って、ちょいと足先がヴィラルの雄に触れる。
「…――ッぁ!!」
その瞬間にヴィラルの体がビクッと震えて、ピンと足先が伸びて、そしてその雄の先端から、白濁した精液が飛び出した。
足の、その指先が触れただけ、ただそれだけである。
かあっとヴィラルの顔が真っ赤になっていく。露出した首まで赤い。
この射精には、流石にシモンも驚いた様だった。ぱちぱちと目を瞬かせる。じっと、見つめる。
その視線に耐えられなくて、ヴィラルは伏せた頭のまま顔を反らした。そして漸く、シモンが笑い出す。
「お前、まさか恥ずかしくてイったのか?」
おかしくておかしくてたまらない、といった様子で肩を揺らす。今にも腹を抱えそうな勢いだった。
そうして椅子から降り、ヴィラルの顔へと顔を近付ける。耳許へ口を寄せ、囁く様に、言った。
「…変態だな、」
その瞬間、真っ赤にした顔を上げて、ガタガタッ、とヴィラルが暴れ出した。机の上に置いていたペンがばらばらと落ちていく。
流石に、その言葉には頭に来た様だった。けれどそんな様子のヴィラルを見てシモンは笑うだけだった。
近付けていた顔を離して傍に立ち、ヴィラルを見下ろす。愉快そうに、喉の奥を鳴らして。
「そう怒るなよヴィラル…、お楽しみはこれからだぞ?」
そう言いながら、シモンがずるりとズボンを下ろした。顔を上げていたヴィラルはその動作に目を丸くする。
「何を…」
何をする気だ、と問い掛けて、嫌な予感に口を噤んだ。シモンは楽しげに笑ったまま。笑みは崩れない。
下肢を晒したままでしゃがみ込み、再度ヴィラルの雄を、今度は手で包み込んで扱く。
やはり手や指でする方が勝手が良いのか、更に射精した直後という事もあってか、ヴィラルの雄は簡単に反応を示した。
く、とヴィラルが歯を食いしばった。その様子にシモンが、やれやれと小さく吐息する。気を抜いてしまえば楽だと言うのに。
雄が完全に勃起するとシモンは、今度はヴィラルの両足を跨ぐ様に立つ。
此処で漸く、ヴィラルがその行動の先に勘付いた。まさか、と小さく口の中で零す。その、まさかだよ。シモンの瞳が語っていた。
娼婦の様に妖艶な、うっそりとした笑みを浮かべて。シモンの腰が降りていく。
降りた先には、勃ち上がったヴィラルの雄がある。それに手を添えて導く様に、シモンは己の後孔へとゆっくり挿入させていく。
ヴィラルの顔が、赤になったり青になったりして、そして漸く、シモンの顔を見た。シモンは、にぃと笑う。
「言っただろ、お楽しみは、これからだって」
__ ____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オソマツサマデシター
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
って…って、順番打つの忘れてましたorzごめんorz
気力があったら、この後の本番部分も書きたいなあとか思ったり思ってなかったり。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
・北のローカルタレント×社長。ナマモノ注意
・方言はさっぱりです
・去年タレントがフライデーされたあたり
「さて」
扉の閉まった社長室で、自分の席についた錫井が会話を切り出した。
「…申し訳ありませんでした」
勧められた椅子にかけることなく、机の前に立ったままの大井澄が
沈んだ声で頭を下げる。
「何についてあやまってるの?」
錫井の声に非難めいた感情はひとかけらもない。
それがかえって大井澄の心をさざなみのように揺らした。
「こんなことをさせてしまうような付き合い方をしたことについて」
「…うん。返事としては合格だね」
弟子の答えに満足した師匠のような静かな微笑みを浮かべてから、
良く通る声で語った。
「先方はコメントが欲しいと言ってる。
君は本当のことと本当に思ってることを言えばいい。
FAXかなんかで送ることになると思うけど、文章を僕に見せる必要はないよ。
前にも言ったけど、恋愛のことに事務所が口出しするのも変なもんだからね。
事実無根の中傷記事なら抗議するけど、そうじゃないし」
「…はい」
「じゃあ帰っていいよ。あとの具体的なことは副社に聞いて」
思っていた以上にあっさり話を切り上げようとする錫井に、大井澄は幾分慌てた。
「あのっ」
「何?」
「僕の個人的なことで…ご迷惑をおかけしました」
社長室に呼ばれたとき、もっと謝り倒すことになると思っていた。
否、謝り続けたかった。
ようやく東京で大きな仕事を継続してもらえるようになってきた矢先のスキャンダル。
そしてそれ以上に――目の前の、愛しい人への裏切りだったから。
なのに、その愛しい人は。
「いや別に。事務所としては問い合わせに応対しただけだから。
これくらいのことなら今後にも何も影響しやしないから、心配しなくていいよ」
あくまでも事務的な優しさで答える。
社長として、所属タレントをむしろ気遣っているような穏やかな態度だった。
けれども、それで「ああよかった」と部屋を去れるはずもない。
「…社長」
往生際悪く、けれども何と切り出していいかわからない様子の大井澄に
錫井は小さく笑った。
「君は多分個人的に僕に言いたいことがあるんだろうけど」
「…はい」
「僕としては別に聞くことはないんだ」
その言葉に、大井澄は身を固くする。
何か言おうとするのに、気付けば逆に唇を噛み締めていた。
椅子に座ったままの錫井が、上目遣いを送る。
「なんで泣きそうな顔してるの。わかってたでしょ?
君が誰と付き合おうと僕は何も言わないって」
椅子の肘掛に肘をついてもたれながら、どこまでも穏やかな――大井澄にとっては、
残酷なまでの穏やかさで諭すように言う。
「聞きたくねえって突き放してるわけじゃないよ。僕には聞く必要がないことだから。
僕は、君にあげられるものは全部あげるって約束した。
だけど、僕では君にあげられないものがある。
それが欲しくなった君が、僕以外にそれを求めても何もおかしくない」
そして、ふと思いついたように言葉を足した。
「あ、それとも僕から聞いてあげたほうがいいのかな?
僕との今の関係をやめたいの?」
「違いますっ」
錫井の言葉が終わるか終わらないかのうちに、叫ぶ。
そうじゃない、全く逆だ。ただその思いがなんて言葉にすれば正しく言えるのか、
大井澄にもわからない。
「違…」
それきり声は続かず、ただ錫井をみつめるしかできない大井澄に、
錫井は困ったように笑う。
「だからなして君が泣くの。なに、君は女性とスキャンダルになったことを
僕に慰めてほしいの?」
いたずらっぽいようにも、揶揄しているようにもとれる口調だった。
大井澄は必死に自問自答する。
(俺はこの人に何を言いたくて、どうしてほしくて、今ここにいるんだ。
ひどい女に当たっちゃったね、って言ってほしいのか?)
そして、その気持ちが皆無ではないことに愕然とした。
(俺が口説き落として、人の道に逸れてまで俺を受け入れてくれた人に?
そこまで俺はご都合主義だったか? そこまで俺はこの人に甘えるのか?)
そんな大井澄の心が読めるのか。
「まあ正直ね、君にそんなに泣かれちゃうと慰めてあげたくなっちゃうんだけど、
それじゃ僕が間抜け過ぎちゃうからね、してあげないよ」
それがさっきまでの少し距離を置いた穏やかさではなくて、二人きりのときの
甘やかさが混ざった声だったことが、大井澄の胸をさらに締め上げた。
駄目だ。許さないで。そんな優しさで、今回のことをなかったことみたいにしないで。
「俺っ」
「うん?」
「俺、社長に嫌われると、終わりだって言われると、思って」
「だからどうして?」
(だって俺はあんたに黙って女と寝てたんだよ。
あんたって二人といない恋人がいるのに!)
そう叫びたかった。けれども、答えはわかっていた。
家庭のある自分が付き合っている時点で、大井澄が浮気をしようとどうしようと
一切口を出さない。錫井がそう思っていることは、口にはっきり出したことはなくても
大井澄は十分承知していた。
「最初に言ったよ。君から始めたことだから、君が終わらせない限り終わらないって。
だからもしかして終わらせたいのかなあって思って聞いてみたけど違うって言うし」
二人の関係を続けるのも終わらせるのも大井澄次第。
他に誰と付き合おうと、自分と付き合う気があるなら付き合い続ける。
終わりにしたいなら終わりにする。自分からは何も言わない。
それが錫井の、この関係に対するスタンスだから。
「覚えておいて。少なくとも僕には、自然消滅なんてありえない。
今回のことで学んだと思うけど、終わりにするときはきっちり終わりにしなさい」
そう言って錫井は机の上のファイルを書棚に戻すために立ち上がった。
「俺はっ、俺のやったことは、」
その背中に大井澄の声が縋りつく。
「あんたを…傷つけた?」
ふりむいて笑った錫井の顔は、子供をあやすようだった。
「聞いてどうするの? どっちに答えても落ちこむくせに」
そのままドア近くのコートかけにかけたあった上着を羽織ると、
もう一度机に戻って置いてあったバッグを手にした。
「さて。それじゃ僕は先に帰るよ。じゃあね」
大井澄の横を通りすぎ、閉ざされていた社長室の扉を開けて、錫井が出ていく。
その後姿を見送ることも出来ないまま、大井澄は口を片手で覆い、嗚咽を押し殺していた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>211 書き上げられたと聞いてdで来ました
女王様最高…!
>>211 艦長、素敵です、艦長!容赦ない女王様っぷりにGJ!
望むことが許されるなら・・・どうか続きを・・・
>>220 二人の関係の脆さ、社長の厳しすぎる優しさ・・・
萌えた、というよりは切なくなりました。
220さんのSS、もっと読みたいです。
機会があれば、また投下してください。
お願いします。
>>205 携帯からGJです!
余裕鷹野さんとヤキモチ良介くん可愛いよ
>>205 GJ!禿げましたw
有機さん読めて良かった!スネちゃう良介くんカワユスww
>>184 切ない親友の関係に萌えて萌えてたまりません
受の方も攻のことが実は好きなんじゃないのかなぁ・・・なんて深読みしたくなる
234 :
0/6:2007/09/05(水) 02:08:37 ID:a05X/JhW0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 箱○が生んだ神ゲー「デ/ッ/ド/ラ/イ/ジ/ン/グ」から
| カメラ小僧ケントx人間兵器フランクさん
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 女装コスチュームに着替えたフランクさんの色っぽさは異常w
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ アングル ヲ ソウサシテ フランコサンノ パンチラヲ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ネラッタノハ ワタシダケジャ ナイハズ...
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
※ゲームの性質上ゾンビ・残虐(?というか微妙に気持ち悪い表現)あります注意※
※三日目の「ケントの約束に遅れてきたバージョン」のイベントに脚色しました※
235 :
1/6:2007/09/05(水) 02:10:24 ID:a05X/JhW0
「フランキー、遅かったじゃないか?」
入り口前に群がっていたゾンビを蹴散らし、PARADISE PLAZAに飛び込んだ瞬間、
特徴のある甲高い声と共に大きな機材を背負った小柄な男が走り寄ってきた。
首から下げたカメラを大事そうに抱えながら、時折彼の進路を阻むゾンビを蹴り飛ばしながら
真っ直ぐこちらに向かって走ってくる。反射的にすぐさま背を向けて逃げ出したくなったが、
気づいたときには既に男の手がフランクの肩をいかにも親しげに叩いていた。
「待ちくたびれちゃったよ。すっぽかされたのかと思ったぜ」
守衛室がPARADISE PLAZAになければ間違いなくすっぽかすつもりでいたのだが、残念ながらこの通りだ。
かんに障るきんきん声で延々と喋り続ける男を前に、フランクは人知れずため息をついた。
「だけど、安心しましたよ。ウエストさん、あなたもプロだったんですねえ」
「悪いけど、さっさとしてくれないか?あいにくと、あんまり暇じゃないんだ」
こうしてホールの真ん中に突っ立って話し込んでいる間にも、血肉に飢えたゾンビたちが続々と
彼らに向かって群がってきていた。その都度話を中断し、ゾンビを蹴散らさねばならないのがひどく面倒だった。
むろん、この小男とゾンビ集団の真っ只中で「プロ・カメラマンのプライドをかけた勝負」の真似事をすること事態も
気が進まなかった。なんだって、わざわざこんな状況で意地の張り合いをしなきゃならないんだ。
――――こんな状況だからこそ、なのかもしれないな。こいつも、特ダネを求めて
わざわざこんな所まではるばるやってきたんだろう。
初対面からフランクに対して異様なまでのライバル意識を燃やしてくるこの男の気持ちも、
疎ましさを禁じえないとはいえ分からないではなかった。
結局のところ、俺もこいつも「一番のスクープ」を撮りたくて仕方ないのだ。
もっと凄い写真、もっと価値ある写真を。
相変わらずべらべらと長々喋りながら、突然ケントがフランクの顔面すれすれを拳銃で撃ち抜いた。
フランクの至近距離でゾンビの頭が弾けた。
236 :
2/6:2007/09/05(水) 02:12:06 ID:a05X/JhW0
とても心地よい匂いとは言えないゾンビの返り血を手の甲でぬぐいながら、
フランクはケントの首から下げられたカメラに向かって手を伸ばした。
カメラには触れずに、指先で合図する。動物を呼ぶように人差し指を動かしてみせると、
ケントがいやに歪んだ笑みを浮かべた。
「さっさとしてくれ、長話していられる状況じゃない」
「分かりましたよ、せっかちですねえ」
慇懃無礼な口調と細められた目に異様なまでの苛立ちを覚えながら、
フランクは差し出されたカメラを受け取った。
「僕のカイシンの一枚です」
内にこみ上げる自意識と自尊心が抑えきれないのか、ケントはいかにも自信ありげに顎を上げ、
こみ上げる笑いを口元に浮かび上がらせて歯を剥き出した。
その間も、周囲に群がるゾンビは絶えない。フランクがカメラを見ている間、
ケントは周囲のゾンビ達の処理に勤しんだ。
画面に映し出されているものを見て、フランクは僅かに首をかしげた。
被写体は若い男である。モール内に居た生き残りだろうか。
よくよく目を凝らしてから、フランクの表情が明らかに変化した。
それを盗み見ていたケントが勝ち誇ったように高笑いし、フランクの周囲を足早にうろつき始める。
男の口元に何かがあった。今にも男の口内へ入り込もうと身をくねらせる巨大な蜂の幼虫。
ゾンビの体内から出てきたものと同じものだった。
「凄いでしょう?どうです?ゾンビが出来上がる瞬間のシャシンですよ」
興奮するにつれて、ケントの身振りが激しくなる。フランクの周囲をぐるぐると歩き回る様子は、
まるでステップを踏んでいるようだ。
「やる気になれば僕だって、もっと」
呆然とケントを見つめるフランクの額に、ケントの拳銃が押し付けられた。
「もっと凄いシャシンを撮れるんですよ」
ホール中に響き渡るかのような甲高い高笑いをフランクの眼前に浴びせながら、
ケントは興奮しきって身をよじらせた。
「拘束してね、けしかけるんです。……ゾンビを、ね」
唾でも飛んできそうな勢いに、フランクは顔を歪めてケントから顔を背けた。
ケントの拳銃が痛みを覚えるほど強く押し付けられる。
まともに立っていられないほど激しく笑いながら、ケントはフランクの手からゆっくりとカメラを抜き取った。
237 :
3/6:2007/09/05(水) 02:13:59 ID:a05X/JhW0
「……持ってるもの全部、僕に渡すんだ。一つ残らずね。逆らったら、分かるだろ」
ケントの拳銃が瞬時にフランクの額から離れ、今まさに彼らに襲いかかろうとしていたゾンビの頭を撃ち抜いた。
至近距離にいた彼らは二人揃ってゾンビの返り血を浴びた。
「……服も脱いでもらうよ。全部とは言わないよ、こんな公共の場で丸裸なんて、
きっとフランキーも恥ずかしいだろうからね。パンツ一丁でカンベンしてやるよ」
言いきるなり、何かの発作のようにきんきん声で笑い始めたケントを前に、
フランクは成すすべもなく唇を噛んだ。
それから間もなくして、フランクは下着一枚という格好で首を天井に繋がれ、
ケントのカメラのフラッシュを浴びていた。むろん武器のようなものは全て取り上げられてしまっていた。
間近でフラッシュを浴び、思わず顔を腕でかばうフランクを見て、ケントはますます声高に笑い始めた。
「高名なカメラマン、フランク氏、シュザイ中に無念のジュンショク!」
絶好のアングルポジションを探しているのか、時たま群がるゾンビを殺しながら頻繁にカメラを構えて
フランクの周りをぐるぐると走り回っている。
「これは最高のシャシンになるぞ。歴史に残る一枚に!」
その時、間近に迫ったゾンビがフランクに組み付いた。必死にもがいたが、
肩口にゾンビの腐った歯が食い込んだ。
頭にかっと血が上り、反射的にゾンビを背負い投げすると、
ケントは大はしゃぎで投げ飛ばされるゾンビを撮り、
噛まれた肩口から血を溢れ出させるフランクを撮った。眩暈がした。
「この一枚でオレが一番になるんだ!」
一声叫んで、ケントは子供めいた仕草で飛び上がった。
手にしたカメラでとりつかれたようにフランクを撮影し続ける。
傷を手で押さえながら、フランクはさっと周囲に視線を巡らせた。ベンチ、植物の鉢、ゴミ箱――――
まともな武器になりそうなものは皆無だが、とにかくやってみるしかない。
こんな場所で、こんな格好で、こんな奴に殺されるだなんてまっぴらごめんだ。
238 :
4/6:2007/09/05(水) 02:15:36 ID:a05X/JhW0
足元にあった植物の鉢にさっと手を伸ばすと、ケントは手にしていたカメラを一瞬で離し、
腰に差していた拳銃を取り出した。
フランクが手にした鉢をケントに投げつける前にケントの銃弾が鉢ごとフランクの身体を突き抜け、
思わず噴水の中へ倒れこむ。続けざまにケントの飛び蹴りがまともに入り、身動きできなかった。
周囲にフランクの血が飛び散り、途端に噴水の水が真っ赤に染まった。
のろのろとこちらへ向かってくるゾンビを一瞥し、何とか起き上がろうともがくが、
ケントの銃弾がこちらを狙っている限り身動きはかなわない。それ以上に、体力的に限界が近づいてきていた。
やつの飛び蹴りは一発の銃弾よりも遥かに強力なのだ。
ふと、こちらを狙っていたケントの拳銃が外れた。
そばにいたゾンビの頭を撃ち抜いてから、さっと腰元に拳銃を差す。
再びカメラを手にしてフランクを撮影し始めたケントを見て取って、
フランクは再び周囲に視線を巡らせた。
あのゴミ箱を壊せば、中から何か役に立ちそうなものが出てくるかもしれない。
なるたけ素早く立ち上がり、ゴミ箱に向かって走り出そうとしたフランクを見て、
すぐさまケントはフランクに向かって駆け寄った。小柄なだけに、いやにすばしっこいやつなのだ。
首輪に繋がれた鎖を引っ張られ、フランクは勢いよく後ろに倒れこんだ。
再び噴水の中へ激しい水音を立てて叩き付けられ、同時に締め付けられた首元に痛みが走った。
呼吸が出来ない。起き上がれない。どちらが天井でどちらが床かも分からない。
もがくフランクを首輪を引っ張って起き上がらせ、ケントは再び高笑いした。
びしょ濡れになって激しい息をつくフランクを半ばうっとりと眺め、
フランクの疲弊しきった顔を間近から覗き込む。
「もっとバイオレンスなシャシンが欲しい」
首輪を強く引かれ、フランクは間抜けなうめき声を上げて後ろに倒れた。
首元を血が出るほど掻きむしりながら、血に汚れた水を大量に飲みこんだ。
「泣き叫んでくださいよ。理性なんかかなぐり捨てて、ぎゃあぎゃあ泣き喚いてくれないと。
見てるこっちが切なくなるくらい、さめざめと泣いてくれてもいい。もっとドラマティックなシャシンが欲しい」
239 :
5/6:2007/09/05(水) 02:17:01 ID:a05X/JhW0
激しく咳き込むフランクの横腹を強かに蹴りつけ、ケントは素早くフランクの後ろに回った。
成すすべもなく首元を押さえて咳き込むしかないフランクの下着に手をかけて、ケントは再び大笑いした。
「エロティカな要素も欲しいなあ。バイオレンスで、ドラマティックで、エロティカなシャシン――――
文字通り、三拍子揃った最高のシャシンが欲しい」
濡れそぼった下着が引っ張られる感触に反応し、フランクは身をよじった。
何とか立ち上がってケントから離れようとするも、立ち上がる矢先にケントの飛び蹴りが背後から飛んでくる。
ついにはうつ伏せに倒れこんだまま動けなくなったフランクに上からのしかかりながら、
ケントはフランクの顔を覗き込んだ。
「ゴメンね、フランキー?でも、ずっと大切にするからさ、このシャシンは――――
だって何たって、これは僕の最高傑作になるんだから……」
ゆっくりと濡れそぼった下着が脱がされていくにつれて、
素肌に感じる空気の感触がいやに奇妙に感じられた。
ずるずると半ば強引に脱がされていく下着はいったん足首で止まり、
ケントの手が足首をつかむ感触がして、やがて下着は取り去られた。
僅かな力を振り絞って後ろを振り向くと、青い下着がゆらゆらと噴水の水に浮かんでゆらめいていた。
それが妙におかしな光景に見えて、フランクは低い声で笑い始めた。
「最高だ……最高のシャシンだよ、フランキー?……最高の……」
震える手がフランクの腰を掴み、ぐいと後ろに引っ張った。抵抗する気力も体力もないフランクは
そのままずるりと引きずられ、ケントの腰元に尻を押し付けられた。
布越しでもはっきりと分かるケントの股間の昂りを尻に感じ、こいつ勃ってやがる、と、
ばかに冷静に考えていた。そんなに「最高傑作」とやらが嬉しいのか。
俺は最悪の気分だ。
いやにゆっくりとジッパーを下ろし、昂りきったそれを取り出してフランクの尻に押し付けた途端、
ケントの甲高い叫び声がフランクの鼓膜をつんざいた。
その直後性急に体内に押し込まれた怒張にフランクも叫び声を上げ、反射的に後ろを振り向いた。
240 :
6/6:2007/09/05(水) 02:17:32 ID:a05X/JhW0
ケントの首元にゾンビが食いついていた。噛まれた傷口から鮮血が溢れ、フランクの背中に降り注ぐ。
手につかんだカメラを半狂乱で振り回しながら、フランクの背中に爪を立てる。
ゾンビに襲われてもなお勃起したままのケントのペニスがズクズクと奥を突き上げ、
ひどい激痛が下半身を苛んだ。
半狂乱のため、フランクから離れてその場を逃げるという考えも浮かばないらしい。
――――そういえば、生き物は生命の危機に晒されると、
子孫を残そうという本能で勃起するのだと何かで聞いた事があったな。
間の抜けた考えを愚かだと思うより前に、フランクの意識が遠のいた。
「気絶」や「失神」の類の遠のきではない。
「子孫を残そうという本能」ではないが、ある種のフランクの本能的な部分が悟っていた。
これは「死」の遠のきだ。
ケントの甲高い叫び声が次第次第に小さくなっていき、やがて完全に消え去った。
耳が聞こえなくなったのだととっさに思ったが、そうではなかったらしい。
ケントの叫び声が消えて間もなく、ずるりと萎えたペニスがフランクの中から抜き去られ、
フランクの背中にどさりと何かが覆いかぶさった。
いまや死体となり、もう間もなく新たなゾンビとして血肉を求め始めるであろうケントの重みだった。
それとほぼ同時にして、からんと妙に軽い音を立ててフランクのそばにケントのカメラが落ちてきた。
画面に映し出された光景を目にして、フランクは最期の吹き出し笑いをした。
ゾンビに噛まれながらフランクを犯すケントの慌てふためいた顔が映し出されていた。
カメラを振り回している間に撮れたものだろう。
なるほどこれなら、十分にバイオレンスで、ドラマティックで、エロティカだ。
「お笑い作品」としてなら、最高傑作だったかもしれない。
己の命をかけて最高に滑稽な「シャシン」を見事に撮り上げた同業者へ敬意を表しながら、
フランクは意識の遠のきへと身を任せた。
まだまだ、レベルが足りなすぎるのだ。ステータスを保存して、終了しよう――――
You dead.
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| なんという題名入れ忘れ…
| スマソ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| フランクさんの目は良く見るとすんごくカワユイと思うんだ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 女装スルトキノ コエガ スケベダト
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) オモウノハ ワタシダケジャ ナイハズ...
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
>>241 ちょ、まさかデッ/ドラくるとは思わなかったんで吹いたw
フランクさんかわいいよね、ついつい変な服着せてしまうw
姐さんGJ!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 昨年復活した某バンドの新譜が元ねたです。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 文章では巻き舌の「ルーーーシアの」が届けられないしなー。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
こいつは多分一人っ子でオボッチャマだったんだろうな。
そんなことをぼんやりと思いながら、飯を掻き込んでいるルームメイトの横顔を見つめた。
俺が買ってきたテイクアウトのストロガノフその他のロシア料理の数々。
せっかく2人分あったのにほとんど自分ひとりで食っちゃてんじゃねえか。
容器ごと食ってしまいそうな勢いだが、こいつが飯を食う姿を見ているのはそんなにいやな風景ではない。
早いこたあ早いんだが妙にスマートに食いやがる。
誰かに奪われることを警戒しての早食いではない、自分以外の人間も充分に与えられて育った気の利かなさだ。
ストロガノフをテイクアウトにしてくれた店は俺のいる組が最近始めた表の商売用の店で、小さいけど本格的なロシア料理を作ってくれる
。
こいつは関連企業といえば聞こえがいいが、いわゆるロシアンパブで用心棒をしている。
店に勤めるお姉ちゃんたちは、昼はウエイトレス夜はホステスそしてそれ以外の仕事をあれこれしながら稼いでいる。
俺は北の生まれで多少のロシア語が分かるから、ちょいちょいその店に顔を出すことが多いのだ。
改めて飯を独り占めしている、ルームメイトに顔を向けた。
とにかく体格が良い。
そりゃストロガノフ1人前じゃたりないわな。ってくらいでかい。
俺だって日本人としちゃあ小さな方じゃないが胸の厚みがマズ違う。
軍隊経験もあるし、サンボだかマンボだかの上級者で柔道もやるらしい。
鋼のような体、意志の強そうな顎、色素の薄い瞳が感情を隠すとその鋭い眼差しに素性が分かっている俺でもぞっとすることがある。
俺はなんでこんな男と二人で暮らししてんのかなあ、別に社宅代ケチるほど組は困っちゃいねえぜ。
と改めてしみじみ見つめていたら、ふと顔を上げて俺を見つめ返してきた。
「タベル?」
ようやく自分が俺の分まで手をつけちまった事に気がついたらしい。
その白っぽいグズグズな塊をひと掬いしたスプーンを俺の口元にそっと差し出す。
「ゴメンネ、タクサンタベチャッタヨ。」
「いい。食ってきた。全部お前んだ」
「ホント?ムリシテナイ?」
ポトンとスプーンの端からストロガノフがすべり落ちた。
「ゴメン、ゴメン」
さっと、やつの手が伸びて俺の手を包む。
手の甲にこぼれたストロガノフを舐め取り、その後何度も手の甲を嘗め回した。
「俺まで食う気か」
「コレ、タベチャッタラネ。ツギニタベル」
「欲張りだな」
俺は手の甲を這い回る舌の感触を全身で受け止めながら、ゆっくりとネクタイを緩めた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ ) 来週は北海道でロシア料理〜美味しいストロガノフあたらいいな。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
・
>>221-226の数日後あたり
・まさに今現在オフレコにされてる重大発表が明らかになる前に
終わりにしておく
「君はおしおきが欲しいんだよね」
錫井の言葉は、大井澄の心情を端的に表していた。
自分でもわかっていた。
罰を与えられなければ許してもらえない。罰を受ければ、罪が許される。
罰は許されるための儀式だ。
だが、別な理由にも気付いていた。
罰を与えられることは、罪を犯したと認めてもらえたこと。
大切な人に、不義を働いたと、責められること。
なんて自分勝手な言い草だろう。
浮気をしておいて、浮気を責められないと、愛されてないと嘆くなんて。
自分に嫌気さえ感じながら、大井澄は目を伏せて、こくりと頷いた。
結局何をどうしようと、自分の考えていることくらい錫井はお見通しだと
承知していたから。
そんな大井澄の様子に、錫井は小さく微笑んで立ち上がった。
座った大井澄の前まで来ると体をかがめ、訝しげに顔を上げた大井澄に
覆い被さるように、その頭をそっと抱いた。
「社っ…」
思いも寄らない錫井の行動に言葉を失う大井澄の耳に、
頭の上から優しい声が届く。
「だからおしおき。君を、目一杯甘やかしてあげる」
大井澄の呼吸が止まる。
何を、それじゃあ罰にならない、そう言おうとしても、あまりのことに
陸に上がった魚のようにうまく息も吸えない大井澄の髪を、
あやすように錫井の指が撫でる。
「僕に甘やかされるほど、君は罪悪感を抱くんだろう?
胸に痛みを抱えたまま、君はもっと僕を好きになればいい。
それが君へのおしおきだよ」
ほんとに僕は君に甘いよなあ、と笑いながら錫井は体を起こして、
今度は大井澄の髪をくしゃくしゃにかきまわした。
呆けたような顔で、大井澄が見上げる。
「あんたは…ほんとに…」
「なに?」
笑う錫井の顔を間近で見たくて、椅子から立ち上がった。
「ほんとに…おっかない人だよ…」
錫井の頭をぐい、と自分の肩に引き寄せ、強く抱き締めた。
くすくす笑いながら背中を撫ぜてくれる手に、胸が締め上げられる。
(いつか、好きになりすぎて本当に心臓麻痺で死ぬんじゃねーか)
それも、本望だった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
昼になったら全部成り立たなくなる発表があるかもしれないので
取り急ぎ妄想は妄想として完結させておいた
どっちにしろ北のタレントに幸あれ
北のタレントさんがブレイクする前の初期のシリーズで、天パがフリフリのジルベール風(古い!)
ブラウス、錫意は攻め風出で立ちで豪華ホテルで気取ってイロイロしてたって、本州の人は
見てるのかな、DVDになった?あれは腐を狙ってたよなあ…
>>247さん待ってたよ、禿げた!ツルッ禿げになった。有難う
姐さんの書くおっかねえ社長が大好きだ!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
>>176 からの続きです。中原くんは心の中では意外とへたれです
「何、やってんだよ」
謝らなきゃと思っていたのに、藤野の姿を見て出た言葉はそれだった。
布団をかぶっていて胴体は見えないが、左足はギブスで固定されているのがわかる。
布団からはみ出ていた右手は包帯でおおわれていた。
頭にも包帯が巻かれていて、顔にもあちこちにガーゼがはられている。
かろうじて目と口が見えるくらいだ。
きっと布団をめくればもっと痛々しい傷があるのだろう。
「生きてるぶんだけマシだよ。感謝してよ、死なないでやったんだから。」
喋ると顔がひきつって痛んだのか、言ってから苦い顔をしていた。それでもまだ口を開く。
「僕が死んでたら、君は罪悪感で潰れてたんじゃないかな」
「や、今にも潰れそうだ。何その格好」
「中原も似たようなもんじゃないか。」怒りがこみあげてくる。「全然、違う。」
俺と藤野は生きていた。
あの高さで、下はコンクリートで、生きているはずがなかった。
だけど、あのとき、藤野が俺に飛びついてきた。守るように強く抱きしめられた。
藤野は俺よりも勢いよく飛び出した。その衝撃で俺と藤野は真下のコンクリートではなく、
その少し奥の茂みに落ちた。
そしておそらく、藤野は俺の下にまわってクッションになったのだろう、藤野の怪我は俺よりも酷かった。
俺も右足にギブスをつけられていたし、肩やら頭やら、
あちこちに包帯を巻かれていて、昨日ようやく体を起こしていいと言われた。
そして今日、藤野の面会謝絶が終わった。怪我の規模が、違いすぎる。
「何で助けたんだよ。そんなんなってまで。」
「言っただろ、僕は中原に死んでほしくない。」
「でも俺は死にたかったんだよ」
「それは中原の勝手で、中原を助けたのが僕の勝手なんじゃないかな。」
淡々とした口調で、それでも重い声だった。「そして、これからは、君の勝手は許されない。」
俺と向き合う姿勢が、この前と全く違うかった。こちらを睨む目に、強い意志が感じられた。
「ずっとそればかり考えてたんだよね。
どうすれば中原を許せて、どうすればそれに中原が納得するのか。これからのこと。」
「これから?これから、どうするんだ。俺とお前のこの言い合いはまだ続くのか?
俺の中ではもう決まってるんだけど。納得なんか絶対しないよ」
「勝手に自己完結するなよ。だから、それはもう、許されないんだってば。」
藤野が苦笑しながら言う。それでも、この前のように、無理に笑っている感じはなかった。
「僕はさ、やっぱり、傷ついたんだよ。中原に抱かれて。
それ以上に、中原が死のうとしたのが一番怖かった。どうすればいいのか全然わからなかった。
・・・中原、君は僕に迷惑をかけすぎだよ。
だからこれ以上 僕を困らせることはしないでほしい。
だから、僕の前から消えるなんか許さない。君がそうしたくても。」
以前よりは直球で的確な言葉になってはいるが、・・・またこのパターンか。頭をわしゃわしゃと掻く。
「前にも、言っただろ。また襲うかもしれないって」
「こんなことがあっても、まだ好きなんだ。すごいな。」藤野が意外そうな顔をする。ふざけてんのか。
「こっちのセリフだ。まだ俺と離れたくないとか。必死に嫌われようとしてんのに。」
「その、嫌われようとしてる、ってのは、中原が逃げてるだけじゃないか。」
図星をつかれた。そう、こいつがまだ俺を大事に思ってるのが一番ややこしいんだ。
藤野からしても、そう思ってるのかもしれない。
「君は、もう僕を襲えないよ。」
「何を根拠に断言できる?俺に罪悪感とかがあるから、大丈夫とでも思ってるのか?
俺だって今はとても発情できる気分じゃないさ。
でも、性的な衝動って、頭で考えてることは通じないだろ。」
藤野もそれで散々悩まされたはずだ。たとえ性行為をどれだけ嫌っていても、
自分の性欲をおさえるのには限界がある。頭でわかっていても、体が快楽を求めてしまう。
「わかってるよ。でも君は僕を襲わない。それは、襲う、と言わないから。」
「は」
「いいよ。抱いて。」
呆けた。藤野は何を言っているんだろう。
ようやく頭が働き、反応をすることができた。焦りと怒りで、早口になる。
「何、言ってんのかわかってんのか。お前、俺を好きじゃないだろ。いや、好きでも、
愛してるとか、そういう好きじゃないだろ。なのに、抱く抱かれるの関係があっていいのか。
だいたい、気色悪いとか、痛かったとか、へたくそとか、散々言ったくせに。」
「愛とは違うくても、僕が君に抱かれることを許するんだから、いいんじゃないかな。
痛いのは、我慢する。というかもっと気をつかって、優しくやろうという心構えはないんだ?」
「どうしたんだお前、頭うったのか。ああ、いや、うってるんだっけか。
今はそんなこと言えても、お前が、俺の他に好きなヤツができたらどうするんだ。
そうなったら俺のこと嫌になるに決まってるんだ。そうなったら俺もお前も苦しいだけだ。」
「他に好きな子ができないように、がんばってよ。」
真剣な顔で、藤野と思えないセリフが次々と飛び出してきて、頭がまた混乱する。
両手で顔をおおい、わざと聞こえるようにため息をついて、その場にしゃがみこむ。
「そんなくらい、好きなんだよ。君が。」調度、右腕の場所に俺の頭がきていたのか、髪をなでられる。
「愛していないのにか?」藤野の右手は包帯で覆われているので、頭に硬い感覚が残る。
「でも、初恋の相手の人とか、姉貴とか、部活の先輩とか、みんな別の意味の好き、だけど、
その中でも中原がぶっちぎりで好きだよ。むしろ、恋や家族愛や尊敬より壮大な何かがある。」
「・・・無責任なこと言うな。自惚れるし、期待する。」
「むしろここまでやってて、まだ友人ランクなのが不思議だよね。だから、変わろうよ。
ここから変わらなきゃ、何も進展しない。」
顔をあげると、藤野と目があった。にこ、と笑う表情には、同情や哀れみなどなかった。
「・・・とか言って、やってる最中に泣いたりしたらごめん。」
軽く噴出す。「どんだけ自由なんだお前」
「どこまでも自由なんだよ。困ったことに。」藤野も笑いながら言う。
本当は、今日、怪我させたことをあやまって、本当に悪いことをした、散々心配かけてごめん、とか、
適当に平気なフリをして、藤野の安心した顔をみたら、姿を消すつもりだった。
なのに、なんだこれは。
また俺は藤野と笑っている。
はりつめていた気が抜けたせいか、涙が出てきた。
見られまいように、しゃがみこんだままうずくまったけど、ああ、きっとバレたな。
そう思ったとき、藤野の右手が髪からはなれて、おえつを堪えるような声が聞こえてきた。
顔をあげると、右手で目元を隠しながら、藤野も泣いていた。
もう、隠す必要もないと思い、泣いた声のまま、「藤野、好きだ」、と何度も囁いた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! お目汚しすいませんでした。
>>258姐さんGJです!なんだこのふたり…禿萌えたです!
ふたり生きててよかったよー。大好きだ!
>>258さま、見事な焦らしプレイ続編に禿げました
この2人に幸多かれ!
去年四月に解散した某clown(要二重翻訳)の夫婦です。
ライヴDVD見て泣きながら妄想。
携帯から5レスお借りします
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
理由なんてない、ただ暇だったから。
なんとなく部屋を片付けていたら昔のCDを見つけて、
高い所苦手なのにブックレット撮影でビルの屋上に上ったなあとか、
なんとなく懐かしくなって、ふと、思い立っただけ。
だから、これは偶然以外の何物でもない。
「何してんのあーた…」
呟きが風に溶けた。目の前には、大の字になって眠る元リーダー。
アナタだって、高所恐怖症の癖に。
彼の眠る其処が、俺と彼が空に近付ける、限界点。
俺は彼の右隣にそっと腰を下ろした。
彼の隣に並ぶのは、どれくらい振りだろう。
もう何十年も会っていない気がする。
そんなことは、ないのだけれど。
会いたかった、ずっと、会いたかった。
何処にいても、何をしていても、左側が物足りなくて、
淋しくて、寒かった。
彼の右に立つ権利を自ら捨てたのは紛れも無く俺自身で、
それについて後悔なんかしていない。
俺は、彼の右と同等以上の可能性を見つけたから。
けれど、彼に会うには、その行為は後ろめたいもので、
だから、会えなかった。
居合わせて、気まずい部分もあるけれど、
それ以上に満たされるのを感じた。
彼が隣にいるだけで、心が潤っていく様な感覚がする。
(その名を冠する俺が、潤される側なのか!)
目を閉じれば鮮やかに浮かび上がる、あの時間。
会場を埋め尽くす人の波、彼が腕を振り上げれば、昏い海から
無数の腕が生え、波が揺らぐ。
瞬間、痛い程の光が差し、無数の笑顔が照らし出される。
銀色のテープが舞い、俺は上手へと――
ふと我に返り、苦笑いする。
後悔は無いけれど、未練はあるのかもしれない。
あの空間は、俺のすべてだったから。
耳の奥で鳴り響く唄をなぞる。
跳びはねるような、かつてアンコールラストの定番だった曲。
毎日が灰色な訳でも人形みたいに操られている訳でもないけれど。
目の奥がつきりと痛んだ。
目を閉じる。
左を向けば、あの頃の四人がいて、寂しがりやの相方がわざわざ
コーラスを同じマイクで歌う為にこちらに走ってくるのが見えた。
笑いあって、コーラスパートを口ずさみ――
重なる歌声に、はっとして目を開けた。
隣で寝ている人物に目を向ける。その瞼は閉じられた侭だ。
けれどその唇は小さく蠢いていて、その隙間から懐かしい声が
零れていた。
俺は、あの頃と同じ様に、彼の歌に声を重ねた。
歌が途切れ、少しの沈黙があった。
「おはよう」
声を掛ければ、無言の侭、膝に頭を乗せられた。
もごもごと程良いポジションを求めて動き、結局は俺の腹に顔を
埋め、腰に腕を廻してきた。
「どうしたの、あーたが甘えるなんて珍しい」
「……寒い」
聞けば漸く返される、たった一言。
俺は彼の髪に指を入れて、言った。
「こんな所で寝てるから。また喉痛めるよ?」
すると今度はまたしても言葉の無いままに、首を横に振られた。
「何、嫌な夢でも見た?」
髪を指先で梳きながら問えば、今度は返事があった。
「…逆」
「逆?」
「…幸せな、夢、見た。…幸せ過ぎて、目覚めたくなくなる位に」
両腕が、あるんだ、と。呟く声に手が止まる。
彼から、右腕を奪ったのは、俺。罪悪感に目を伏せた。
「……ごめん」
「どうして謝るんだ」
死ぬ迄この五人で、と、高らかに宣言したアナタの言葉を
嘘に変えたのは、紛れも無く俺だから。
でも、
「でも、さ、勝手だってわかってるけどさ、」
もう、そんなこと思う権利なんて無いのかもしれないけど、
「両腕を失っても、それでも、
アナタの唄がまた、この世に生まれてくる事が、嬉しい」
例え、それを聴く場所が、アナタのすぐ隣でないとしても。
ふと、彼の腕が腰から離れた。
目を向ければ、彼もこっちを見ていて、
目が合えば、その手が伸びてきて――
「痛っ!」
デコピンをかまされた。
これも懐かしい、懐かしいけれど本気で痛い。
「なっ、何すんですかアータ!」
「ばーか。馬鹿タレ目!」
タレ目言うな。
「腕無くした位で歌う事を止めてたまるか。
お前は俺がそんな軟な男だと思っているのか!」
言う彼は、あの頃と同じ顔で笑った。
「じゃあ俺そろそろ帰るわ」
30分位休憩のつもりだったんだけど、とぽつりと零れた声に、
今もなお彼に振り回されているのだろう二人に、胸中でこっそり
十字を切った。
「うん。二人によろしくね」
「おう」
立ち上がり、扉を開け立ち去ろうとする彼に、
「……じゃあね」
寂しさを押し込め笑って別れを告げれば、
「…またな!」
にやりと意地の悪い笑顔で返される。
ばたん、と音をたてて扉が閉じた。
青空の下、宛の無い再会の約束。
まるで誰かさんの唄みたいじゃないか。
今の俺には、もう一度彼等と歌う可能性は無い。
けれど、人は不変じゃないと彼は言った。
ならば長い長い時を経て、いつかまた俺が変わったならば、
再び彼の右隣に立つ事もあるのだろうか?
267 :
クラウン夫婦:2007/09/09(日) 01:43:28 ID:9+zDlt2iO
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
まだ立ち直れてないんですけどね。
>>258姐さんずっと待ってました
すごいこの二人の関係が好きだ
いいもの読ませていただきました
ありがとう
永遠の本命盤大好きな夫婦ありがとう
>>267姐さん
彼の両腕がなくなった当時を思い出して泣きました
私もまだ立ち直れてないけど明日は一人でお祝いする
じ.ゃ.り.ン.子.チ.エの猫2匹
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
オレが戻ってきた頃には、花見の季節は終わっていた。
オヤジに挨拶をしようかと思ったが、それよりオレは、一人で持病のノイローゼを克服したことを、奴に自慢したくてならなかった。
だがどこに行っても奴は居ない。チエちゃんの店、ひょうたん池、オバアはん家、花井のオッサンの家やカルメラの店、果てはレイモンドのものだった持ちビルまで行った。それでも奴の姿は見なかったし、見たという噂も聞かなかった。
オレはただざわざわしていた。こおゆう胸騒ぎは当たりやすい。父さんが死んだ時もこんな気持ちになった。だが奴に限って、そこらの与多猫にやられることはないだろう。そお思っているからこそ、腑に落ちない気持ちになる。
だからオレが奴を探し始めて三日後、オレと奴のフナの保管場所に奴が現れた時は、かける言葉もなくなっていた。
「ジュニア…」
「何しとったんじゃ、お前」
春の夜の風は、肌寒い。小鉄は漬物石の上に立って、どこかを見ていた。いつもの場所のはずなのに空気が違うと思ったのは、多分気のせいじゃない。
「ちょっと面倒ごとを処理しとってな。それよりオマエこそ、ノイローゼ治ったんか」
「オレはもう一人でもノイローゼを治せるんじゃ」
ただ山に行って暴れてきただけだ。だがもう小鉄にぐちぐちと絡まずに治すことができるとゆうのは、確実にオレの自信になっていた。
小鉄は「そおか」と言って、なぜか嬉しそうな顔をした。そんな表情のちょっとした差も分かるぐらい、こいつの顔は見飽きている。
「面倒ごとてあれか、月の輪の雷蔵のことか?」
「あぁ…」
「…なんや、オレかてそんな毎回詳しく聞く気はないで。そない不機嫌そうな顔せんでも」
「オマエに話があるんや」
遮るように言われた。小鉄がオレの方を見る。いつもの寝ぼけたような雰囲気はどこにもない。
「わしは旅に出る。もうこの町には帰って来ん」
「な、なんでや」
「飼い猫が出てく理由なんか一つしかないわ」
思わず一歩踏み出していた。その足が何か水のようなものを踏む。どけてみると、それは血だった。オレのやないし、小鉄は血の出るような戦いはしない。
「若い頃に無茶しすぎたんやろうな。そうでなくとももお年や。病院なんか行きたくないから、そお長くはやれんよ」
「…お前、」
「せやから、オマエが雷蔵を倒したっちゅうことにせえ。わしも最後はのんびりしとう思とるからな、ヨボヨボのとこに与多が現れたらかなわんわ」
ゆっくりと石を下りてきた。なんだかんだ頼りがいがあると思っていたその背中が、今は弱々しく見える。
「じゃあな」
なんてことない、見慣れた笑顔。だけどこれは意味が違う。オレの横をすり抜けて、小鉄が歩いていく。
「チエちゃん、悲しむやないか」
オレは思わず振り返って言った。小鉄は立ち止まるが、振り返らない。
「遅かれ早かれ、いずれはこおなるモンやろ。なんも今じゃ駄目ちゅうこともないし」
「テツが調子づくで」
「そらわしが何年おっても同じことじゃ」
「今更どこで死んだかて一緒やないか」
「飼い猫には飼い猫の領分があるんや」
「それに、…それに…」
何か言わなければ。そう思っても言葉が出てこない。ノドがカラカラになって、声を出すこともむつかしい。
「…はじめはなぁ、なんじゃこのジャリ猫と思うてたよ。勘違いでタコ殴りにされるしな。まぁ主人同士の付き合いやからと優しくしとったら、つけあがってノイローゼなんちゅうもんになるしな」
胸が
「でもなぁ、野球も、メンコも、ベーゴマも、相撲も、カブも、遊ぶ為だけにやるちゅうのは、なかなかおもろかったで。釣りも散々やったしな」
ざわざわする。
「釣りちゅうたら、覚えとるか。ここで与多猫が三味線の為に猫を売ってたやんか。あれで皆で大阪湾まで走った時、オマエ調子づいてヤクザ猫ボコボコにしとったな」
その倍以上ボコボコにしてたのは誰や、と言おうとして、オレは口を開けた。
「行くな」
するっと出てきた言葉に、オレが驚いた。だがなかばヤケクソでオレの口は勝手に続ける。
「どこにも、行くなや。ずっと居れ。領分なんぞ気にするな」
「…わしは…」
「また野球もメンコもベーゴマもしようや。釣りも、パチンコも、水泳もしょう。お好み焼きも食お」
「…そんな風に遊んどって、わしが死んだら、辛いのはオマエやないんか」
思わず蹴り飛ばした。少なくとも、そのつもりで踏み込んだはずだった。だがオレは足についた血で理性を取り戻した。
考えてもみなかった。小鉄が、死ぬことなんて。考えてもみないほどにオレ達は呑気にしていた。オレの生活から小鉄を取り除くことなんか、想像もできない。
振り向いた目の疲れた色に、今度こそ本当に言葉を失う。
「行くな」
そお言うのが精一杯だった。
「勝手やな」
「勝手や。勝手なオマエの弟子なんやから」
「弟子やったっけ。オレはオマエのこと、友人やと思てたけど」
オレ、と言った。小鉄がそお言うのを聞いたことがない。
ふっと笑う。それはオレが今まで見たことないような優しい顔だった。
「しゃあないな。友人の頼みとあったら断れんわ」
「…ほんなら」
「おるよ。泣かれたらわしが悪いみたいやんけ」
「泣いとらんわ」
なんとかいつもみたいに冗談を言う元気も出てきたようだ。さっきみたいに頭が真っ白な状態ではない。
だけど、オレにはまだ気がかりなことがあった。
「オマエ、こそっと出てこうとか、思っとらん?」
「思っとらん。なんや、信用ないんか」
「じゃあ、なんでこないに胸がざわざわするんや」
まだ胸がざわざわするのだ。しかもさっきのざわざわとはなんか違う、かゆいところに手が届かないようなざわざわだ。
これには覚えがある。確か、姉さんと会っていた頃のような、そんな…
「…いや、それはないな」
「なんやオマエ、一人で納得してからに」
いくらなんでも小鉄はない。それだけはない。そおゆうことにしたい。
「とにかく今日は寝ようや」
「おお。…ほれジュニア、星がきれいやで」
少し肌寒いから、少しぐらい近づこう。そお思いながらオレは寝た。朝起きた時には、小鉄の胸に頭を押し付けていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
関西方面でないので方言はおかしいと思いますが許してください
こいつらの萌えキャラっぷりはとても異常
>>272 うわー・・・まさかのカップリング、そしてなんという切な萌え・・・!
小鉄、あの漫画の中で実は一番男前キャラなんだよなw
姐さんありがとう!
>267
うお! このCPが読めるとは!
実は私もまだ微妙に立ち直れてません。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 声.優のF山とS野。S→Fぽいかな?S視点
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 嗚呼クラスタ学園最終回後だよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ イマサラスギ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
補足:ラヅオ最終回にして、SはFのアドレスを知らないという話題になる。
その時の「今日聞こうと思います」というSの発言に基づいて出来たものです。
「終わった終わった!Yっちんこれから昼飯いかね?」
「おー、行く行く。じゃーな、二人とも。お疲れ様」
「お疲れ様、また明日な」
数ヶ月に渡って配信されたとあるラヅオ番組。
たった今その最終回を終えたとは思えないくらい軽い挨拶で済ませてしまった二人を少しだけそっけなく感じながら、
まぁ明日もまたイベントで会えるし、まだCD録りもあるし、と思い直す。
「お疲れ様です」
律儀にも頭を下げて先輩達に挨拶を済ませる自分の隣の男。
慌ててそれに倣うと、二人はとても先輩とは思えない懐っこい笑顔を見せて扉から出て行った。
「ホント仲いいなぁ、あの二人」
まさに今思っていたことを言われる。
歳も数個上で、声.優としても彼らは先輩で、この数ヶ月で学んだものは沢山あった。
「…お前、本当に最後まで二人に弄られっ放しだったもんな」
それでも、第一回目のラヅオよりは強くなったと思いたい。
貴方も一緒になって僕のこといじってたじゃないですか。
そう言うと「あれー?そうだっけ?」と惚けられた。
ホントにもう、この人は。
そして、その後に必ずフォローを入れてくれて、
どうしようもなくなったときは静かに助け舟を出してくれた人も貴方だった。
ふう、と一つ溜息をついて、ケータイを取り出す。
そういうことで、アドレス教えて下さい。
ずっと考えていた言葉だったから、彼が呆けた顔でこちらを眺めても構わなかった。
「何が『そういうこと』なの?」
何でもです。
自分でも強引と思える口調で押し通す。
仕事とはいえ週一で顔を合わせていたのに、自分は彼のアドレスを知らない。
今更過ぎて、何て切り出せばいいかわからなくて、でもこのまま終わるのは嫌だった。
ラヅオが終わる数回前から悩み続けていて、
いよいよ最終回ってなったときに本格的に焦り始めて、
でも、その最後の収録でこの話題が出たことが、自分の背中を押してくれたんだと思う。
「俺だけなんだっけ?アドレス知らないの」
無言で頷く。
彼の手が腰に伸びた。
だが、ケータイに触れる前に躊躇ったように止まった。
「…やっぱ教えない」
その瞬間、自分はもの凄い顔をしていたんだと思う。
気がついたら、整った顔が目の前まで来ていて形の良い唇からはひたすら同じ言葉が紡がれていた。
「ご、ごめん!嘘!冗談だって!本気にするなよ!ごめんってば!ごめん…」
そして、先程躊躇したのが嘘のように自分のケータイを慌てた様子で取り出すと開いて画面を突きつけるように向ける。
「『教えないからお前の教えろ』って言いたかったんだよ!ほらっ打てよ!」
目の前に広がる四人の笑顔。いつかの収録終わりに撮った写真。
「これ待ち受けにしよっと」とケータイをいじり出した彼を見て
アドレスを聞くなら今しかない!と妙に意気込んだのはいいが、結局は聞けなかった日を思い出す。
じわ、と目の端に込み上げたしょっぱいものを押しとどめるかのように大袈裟に笑ってみせた。
案の定再び間抜けな顔を見せた彼が可笑しくて、笑いは段々抑えられないものになっていく。
やがて、意図に気づいた彼が顔を真っ赤にして「うるさい!このゲラ男!!」と怒鳴るまでしばらく止まらなかった。
「最後にしてやられたな」
彼のケータイに自分のアドレスを打ち込んで手渡した時に言われた言葉。
さっき僕が受けたショックとは比べ物になりませんけどね。
本当はそう返したかったが素直に恥ずかしいので、笑顔を返事代わりにした。
「じゃあ、後で俺から送るから」
言って背を向けた彼の姿が、先に出て行った先輩達と重なる。
お疲れ様です。
ほとんど無意識にその背中に頭を下げると、彼は照れくさそうに笑って「お疲れ」と返した。
閉じられた扉をそのままなんとなく見つめていると、手の中のケータイが振動した。
小さな画面に表示されたのは『新着メール一通』の文字。まさか。
そのまさかだった。
『F山です。
今日はお疲れ様。明日も頑張ろう。
最初に比べてお前は大分成長したと思うよ。
お祝いに今度からあげ買ってきてやる(笑』
思わず吹き出すと、近くに居たスタッフに不思議そうな目で眺められた。
まずは第一歩。
小さな小さな一歩だけど。
一緒に出て行ったあの二人の姿を、近い未来の自分と彼に重ねる。
自分達もあんな風になれたらいいな。なれるかな。
彼に何て返事をしようかと思案しながら、
綻んだ顔を隠すこともせず、もう一歩進む為のメールをゆっくりと打ち始めた。
____________
| __________ | 声.優にハマって一週間の漏れが来ましたよ
| | | | 勢いのまま書いた。話し方もいまいちわからない
| | □ STOP. | | あくまでも模造なので事実と食い違っても許して
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・;) スマナカッタ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>272現在の長居さんの声で脳内再生したら、ちょっと泣きそうになったよ
切な…
>>267 超好きなカプなのに最初わからなかった…!
この二人が読めるなんて嬉しいよ。GJ!!!
また「あーた」が聞きたいな
>>267 最初まさかと思ったけどまさかだったー!
今日は記念日だと思ってるから嬉しかった。また5人に会いたいなぁ
>>267 泣いた
彼らがこんなにたくさんの人に愛されてることがわかって幸せだ
>>272 めちゃくちゃ好きな2匹をここで見れるとは思わなかった。
すごく切ないがすごく良い。
「こおゆう」とか、「そおか」って表記のしかたも原作に忠実っぽくて尊敬した。超GJ!
そしてノイローゼ自力克服を自慢したいジュニアに萌えたw
286 :
1/5:2007/09/13(木) 00:43:59 ID:H+1LG76j0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガオオクリシマス!
・スパルタな先輩×ヘタレな後輩。なぜか体育会系。
「じゃ、やって」
ベッドの上に寝転がった先輩に投げやりに言われて、俺は途方に暮れた。
しかし、悲しいかな体育会系の不文律、「先輩には絶対服従」を
破る勇気もない俺は、しかたなしに覚悟を決めた。
「失礼します」
我ながら間抜けなセリフを口にして、先輩のズボンをおろす。
トランクスも脱がせると、現れたのは立派なイチモツ。
自分のモノは見慣れているが、やっぱり他人のモノには抵抗がある。
自分のをする要領で、両手を伸ばし、ぬるぬると擦り始める。
「口つかえよ、口」
「…はい」
先輩の命令に従って、股の間に顔を近づける。
独特の匂いに思わず顔をしかめた。両手で支えながらおそるおそる舌先でつつく。
先端を口に含み、吸い上げ、アイスを嘗めるように、何度も根元から下を這わせた。
口の中で質量を増すものに時々咳き込みながら奉仕を続ける。
「お前さあ、後ろでイカせてみろよ」
「え!?」
「…」
「…すみません、やります」
あんまりだとは思ったものの、先輩の無言の圧力に負け、俺は自分の下着を脱いだのだった。
287 :
2/5:2007/09/13(木) 00:44:46 ID:H+1LG76j0
元気無くうなだれるムスコと先輩のとを思わず比べ…いや、今はそんなことをしている場合じゃない。
唾液と先走りでヌルヌルとした先輩のものの上に腰を落とす。
何度か滑ってようやく先端を合わせたものの、当然のことながら中々入っていかない。
「やっぱり無理ですよぉ…」
「はあ?めんどくせぇな」
半泣きで訴えると、先輩は起き上がって、枕元のバッグから何かのチューブを取り出す。
どうやらマッサージ用のクリームのようだ。
ボケーっと見ていると、先輩は俺をなかば突き飛ばすように押し倒す。
胸に膝がつくくらいに足を曲げられると、なんの予告も無く、ケツの穴にチューブをぶっさした。
「…!!」
痛みとショックで声にならない叫びをあげる。
そんな俺にかまわず先輩はチューブの中身を絞り出し、適当なところで引き抜くと、
問答無用で指を突っ込み、かき回した。
俺はただ呆然と異物感とショックに耐えるしか無かった。
「これでいいだろ。たく手間かけさせんなよ。萎えちまったじゃねーか」
俺はフラフラとなんとか体を起こすと、泣きそうになりながら再び先輩のもの口に含んだ。
さきほどの硬度を取り戻したところで、再び腰を落とす。
ぐちゅっと粘ついた音がした。
288 :
3/5:2007/09/13(木) 00:45:22 ID:H+1LG76j0
クリームのぬめりを借りて、少しずつ、相手のものが俺の中に入ってくる。
引き裂かれそうな痛みに歯を食いしばって耐えながら、少し入れては抜き、を繰り返した。
ようやく全部を飲み込むころには、俺の体は汗だくになっていた。
「ほら、動けよ」
肩で息をつく俺の尻を先輩がベチっと叩く。
痛いのと、情けないのと、いたたまれないのとで、目頭が熱くなって思わず涙がこぼれそうになる。
汗が目に入った振りをして、腕で拭ってごまかした。
両手で体を支え、腰を上下させながら、なんとかいかせようとする。
先輩も下から突き上げるように腰を動かしてきた。
呼吸が苦しくなって、天井を仰ぎ、必死で空気を取り込む。
小さくうめいて相手が達すると、俺はぐったりとその場に倒れ込んだ。
「まあ、頑張ったな」
先輩の手が伸びてきて、俺の頭を撫でる。
褒められてもあまりうれしくないんですが…。
それでも、ようやく終わったとホッと息を吐く。
すると、俺の下半身を見て先輩が不満そうに言った。
「なんだお前、萎えっぱなしじゃん。男でも後ろだけでいけるっつー話だけどなぁ」
「…そ、そんなこと言われたって…」
「ちょっとやってみっか」
「えっ…」
「ほらさっさとこっちにケツ向けろ」
先輩は、俺に後ろを向かせて手をつかせると無造作に指を突っ込んだ。
289 :
4/5:2007/09/13(木) 00:46:09 ID:H+1LG76j0
精液とクリームで滑りの良くなったそこは、ぬるりと簡単に相手の指を受け入れてしまう。
中に入れた指を曲げたり、浅く抜いてから再び深く突っ込んだり、探るような動きをする。
「ひっ」
「あ、ここか」
びくりと腰が揺れて、思わず大きな声をもらした。
最初は気持ち悪いばかりだったのに、痛みとは別の、さざ波のような感覚が体を走り抜ける。
先輩は指を増やして、さらにぐりぐりとそこをえぐった。
「あっあっ…やっ…そこ…ああ!」
優しさも何もあったもんじゃない。なのに体はその刺激に素直に反応する。
俺のものはゆるやかに立ち上がり始めていた。
何度も擦られて、あと少しで達しそう、そう思ったとたん指が引き抜かれた。
「あ…」
思わず後ろを振り返れば、ニヤリと口元に笑みを浮かべた先輩と目が合った。
「んな物欲しそうな顔すんじゃねぇよ」
腰を両手でつかまれて、尻の割れ目に硬いものがあてがわれる。
先ほどの痛みを思い出して、わずかに体が強ばった。
何度か深く呼吸をすると、息を吐き出すタイミングに合わせて先輩が俺の中に突き入れた。
「いっ…ああああっ!」
痛みと、それを上回る快感に頭が真っ白になって、俺の意識は弾けた。
290 :
5/5:2007/09/13(木) 00:46:43 ID:H+1LG76j0
翌日、練習前のアップで俺は先輩に大きく距離を離されてヨタヨタと走っていた。
下半身に力が入らなくて、すでにヘロヘロの俺に先輩の不機嫌な声が飛ぶ。
「遅い!あと一周追加!」
「はい!」
誰のせいだ!などと言えるはずもない俺は声だけは元気に返事をする。
ようやく俺が走り終わると、先輩は心底呆れた顔をしていった。
「ったく、情けないヤツだな。今夜はあれぐらいじゃすまねぇぞ?」
「ちょ、今夜もやるんすか!?」
「あたりまえだ」
「ええええ!?」
俺の悲鳴はよく晴れた青空に消えて行った。
□STOP ピッ ◇⊂(・∀・)括約筋を鍛えて活躍しよう!…ナンチテ
>>290 激しく萌えた…!
強引な先輩にいいようにされる後輩カワユス
でもカエリマスヨー
映画「ノヽ゜フューム」より。ドリュオー(精油工場のマダムの恋人)×グノレヌイユ(主人公)。
そこそこ肉体的に痛い感じですのでご注意願います。
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. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 映画は
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < 綺麗な液晶で
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 見たいもんですな!
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
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. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
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汚れた街並、娼婦のドレス、苔の生えた外壁、ラベンター畑、泥から立ち上る強烈な土の香り。その中にグノレヌイユは居た。
最高の香水を作り上げ、自らの存在を確認するために、グノレヌイユは夜を徘徊する。そして、無垢な殺人を犯す。
陽が上り、人々の活動が始まった。グノレヌイユも精油を作る作業に参加しなければならなかった。
「あのドブネズミめ!」
皆が工場で動物の脂に花を乗せる作業をする中、ドリュオーが激昂している。
そこにグノレヌイユの姿はない。
マダム・アルニュルフィが言った。
「あの子が来ないなんて、初めてだわ」
「作業に出ないなんて、何を考えているんだ!引きずり出してやる!」
ドリュオーは自らの言葉に興奮を募らせて、唾を飛ばしながら工場から出た。
荷物を運ぶ馬車を避け、泥の溜まった水溜りを避けながら、寂れた街角のグノレヌイユの部屋に行き、ドアを叩く。
「グノレヌイユ!何をしている!」
返答はない。
「グノレヌイユ!」
暫くしてから、がたりと鍵の開く音がした。
間髪居れずにドリュオーはそこへ踏み込んで、ドアを態と大げさに閉めた。
ドアが大きな音を立てると、グノレヌイユはびくりと身体を震わせる。
ドリュオーは目を丸くしているグノレヌイユに容赦なく唾を飛ばしながら言い放った。
「貴様、どういうつもりだ!どういうつもりで遅れて・・・」
言いかけて、ドリュオーが深く息を吸い込む。
グノレヌイユの体から立ち上る気配がドリュオーの鼻腔をくすぐり、
体の奥底へ入って、全身へと広がっていく。
えも言われぬ昂揚感がドリュオーを襲った。
満ち足りた幸福と愛。さらに貪欲にそれを欲する自身を感じて、ドリュオーは戸惑った。
眉間に皺を寄せて頭を振ると、ドリュオーは頬を引きつらせてグノレヌイユを睨み付けた。
グノレヌイユは眠たげな瞳を擦りながら、おどおどとドリュオーの様子を窺っている。
ドリュオーはグノレヌイユに近づくと、無意識にグノレヌイユの香りを貪った。
いや、ドリュオー自身にはそれが香りなのかの判断も付いていない。
欲望に従って、その神経の端々までをも侵食する愛を欲しているだけだ。
「マスター・・・?」
グノレヌイユが探るような瞳でドリュオーを見ている。
「しっ」と自らの唇に人差し指をあて、グルヌイユを黙らせると、ドリュオーはグノレヌイユの間近まで迫り、大きく鼻から息を吸った。
もっと欲しい。もっと欲しい・・・もっと欲しい!
ドリュオーがグノレヌイユを乱暴に掴んで腕を捻り上げ、うす汚れたベッドに上半身を押し倒した。
それまで惰眠を貪っていたのか、まだ僅かにベッドにはグノレヌイユの温もりが残っていた。
「マスター!何をするんです!」
「ジャン=バティスト、安心しなさい、悪いようにはしない」
言いながらドリュオーはグノレヌイユを背後から抱きしめ、その首筋の匂いを目一杯吸い込む。
そして溜息とともに安堵した声を漏らして、自らのベルトを外した。
「マスター、すみません、マスター、工場には行きます・・・」
グノレヌイユは背中にドリュオーの重みを感じながら、足掻いた。
ベルトを引き抜きズボンを下ろすと、ドリュオーの性器が露出される。
ただ怯え、もがくグノレヌイユがそれに気付く様子はない。
ドリュオーはグノレヌイユの下半身に手をやり、ぼろぼろのベルトを引き抜いて、ズボンを下げた。
その拍子に外れかかっていたズボンのボタンは飛んで、埃と脂だらけの床に渇いた音を立てて転がっていった。
グルヌイユがそれに目をやった瞬間、彼の下半身にドリュオーの性器が押し付けられた。
「マスター!」
何かの罰と思ったのか、グノレヌイユは目を瞑って大きく左右に頭を振った。
ゆっくりとドリュオーの性器がグノレヌイユの中にめり込んでいく。
グノレヌイユは大きく口を開けて仰け反った。汚れて垢にまみれたその顔を苦痛が支配している。
息をしようと空気を吸い込んだグノレヌイユの鼻には、様々な香りが襲い掛かってくる。
ドリュオーの口臭、髪、肌、汗、腋、性器、手のひら、埃、そして床に染み付いた脂、
腐りかけのドア、様々な香水。
グノレヌイユの耳元でドリュオーが幸せそうに呻く。
ベッドの布、へたれたスプリング、濡れた草、ガラス、最高の香水を作るための精油、
そして・・・自らの体の中の匂い。
ドリュオーは容赦なく腰を動かした。
「あぁぁぁっっ!!」
咄嗟に声を上げたグノレヌイユの口を塞いで、ドリュオーは動き続ける。
グノレヌイユは声を上げながら、目を見開いて、ドリュオーの手を見詰めた。
花、脂、ラベンダー、馬、強烈なまでのマダム・アルニュルフィの香り!そして、自らの血の匂い!
グノレヌイユは声を上げ続け、もがいて、ベッドの上で暴れた。
ドリュオーは上から押さえつけるようにしてグノレヌイユを固定し、裂けた彼の後ろから流れる血にも気を止めずに動いている。
「大丈夫だ、ジャン=バティスト。すぐに良くなる」
笑いながら言って、何度も突き上げる。グノレヌイユは叫び声を上げた。
ドリュオーの手に遮られたそれが、周囲に届く筈も無い。
ましてや、グノレヌイユは誰からも意識される存在ではない。
それは尚更、グルヌイユを絶望的にさせた。
助けを呼んでいるのではない。痛くて、怖くて、叫びたいから叫ぶのだとグノレヌイユは考えた。
ドリュオーが、ゆっくりと擦り上げるように動きを変えた。僅かにグノレヌイユの声に艶が混じる。
「やめて・・・ください!」
グノレヌイユが仰け反り、声にならぬ声を上げた。
全身を使って息をしながら、自らの肩の向こうへ見えるドリュオーを見る。
ドリュオーは満足げに緩慢で厭らしい動きを繰り返している。
抜き挿しを繰り返すたびに、グノレヌイユの唇は無意識な喘ぎを漏らした。
胸を覆う、その感情にグノレヌイユは戸惑った。頭が真っ白になり、時折香りすら解らなくなる。
自らの存在価値は香りにある。それが解らなくなるなど、グノレヌイユにとっては死と同じであった。
恐怖に全身を強張らせると、ドリュオーは低く呻いてグノレヌイユの中に精を放った。
満足して性器を引き抜くと、グノレヌイユの後ろと、ドリュオーの先端が糸を引いて離れていく。
「素晴らしい・・・素晴らしい!ジャン=バティスト」
ドリュオーの言葉を、グノレヌイユは大きな呼吸を繰り返して冷静に聞いていた。
自らの存在は?本当にあるのか?
ドリュオーの行動の意味は?この体が千切れそうな痛みはなんだ?
グノレヌイユは無言のまま瞳を閉じた。
ドリュオーは結構匂いに敏感です。ありがとうございました。
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. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < 一瞬の萌えを
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < 最大限まで押し広げる!
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>>296 GJ!!ちゃんとフィルターかけて映画
見ることにしたよ!!
>>296 ももも萌えた! GJ!
原作しか読んでなかったけどDVD出たら映画も見る!!
299 :
風と木の名無しさん:2007/09/14(金) 22:40:10 ID:LZCtO4th0
>296
ぎゃー、ここでこのカプが読めるとは!
姐さんGJ!ありがとうー
この主人公自身には匂いは全くなかったんじゃないのか
しかし萌えるwww
>296
禿げた!禿きった!
匂いは処女の香油が漏れたんだと勝手に脳内補完してました。
ドリュオー忘れててDVD見直したら香油が漏れてるシーンあったよ。
つかグル.ヌイ.ユ、道程のまま逝っ(ry orz
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/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
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└──────│天使と悪魔が降りてきたのでまずは悪魔の方から。
ネタはARE○Aから、設定は元スレの前スレからいただきました。つか、これ以外のキャスティングないでしょw
ホストの仔猫目線でお送りしますw
店の名前は万華鏡(訳)ww
オーナー・・・天使
店長・・・悪魔
303 :
万華鏡1/3:2007/09/15(土) 03:42:32 ID:Osl4FsyH0
オーナーの部屋に呼ばれていた俺は、申し訳程度にノックをするとドアを開けた。
大音量のギターの音が開店前の店内に響き渡り、俺は急いで中に入ると防音のドアを後ろ手に閉める。
音楽が鳴り止んだ。その途端・・・甘い香りと共に唇が塞がれた。
「久しぶりだね、仔猫ちゃん。今日も面白い毛並みだねw」
オーナーはいつも、そう言いながら天使のように微笑って、俺の髪を掻き乱すんだ。
これでもちゃんとして来てるつもりなんだけどな・・・。
オーナーがソファに腰掛けたので、俺はその隣に片方の膝を付き、ちょっと見下ろす感じでキスをした。
・・・いいなぁ、この角度vvv
――と、これまたテキトーなノックの音と同時にドアが開いた。
「オーナー、金曜のつ○く様のパーティーの件ですが、―――失礼、お邪魔でしたか」
ちっとも失礼とは思ってない口調で、しかも出て行く気もない様子で、俺を一瞥して店長はニヤッと笑った。
「ん?いいよ別に。・・・ああ、それ読んどくよ」
オーナーがまるで背泳ぎみたいに仰け反ると、店長が持ってた書類に手を伸ばした。
その手に書類を渡しつつ、店長が逆さまの向きでオーナーにキス。
・・・あのー、なんかごく自然にそーゆーことしてますが傍から見たらすっげぇエロいんですけど・・・つーか俺、放置ですか?
304 :
万華鏡2/3:2007/09/15(土) 03:43:26 ID:Osl4FsyH0
相当俺はムクレた顔をしていたようだ。するとオーナーがクスクスと笑いながらとんでもない一言を店長に言い放った。
「見ててもいいよ。コイツ見られるの好きみたいだし。なぁ、仔猫ちゃん?」
・・・違うでしょ!いつも 貴 方 が 視 た が る ん で し ょ ?!
「・・・見てるだけ・・・ですか?」
「参加したいの?」艶然と微笑むオーナー。
「貴方さえ良ければ」「いいよ〜。でもあんまりいぢめるなよw」「了解」・・・って、俺は無視かよ!!何話まとまってんだよっ!!
―――天使撤回。アクマだオマエら・・・
「じゃ、適当にあっためたらお渡ししますよ。―――よろしくな、仔猫ちゃん」
と謎の言葉を吐くが早いか、店長はいきなり左手で俺の頭を鷲掴みにした。
うわ何もうそっち?!・・・って、思うよな普通w 思わず目も口も閉じたけど・・・
フツーに唇だった。ああ良かった。いや、良く・・・ないかも。じゃなくて、・・・・・・良過ぎ・・・?
オーナーとはまた違う・・・だってオーナーは、綿菓子みたいに可愛くて優しくてふわふわでスウィートな人だから、
俺をホンモノの仔猫みたいに優しく扱ってくれるけど・・・
店長ときたら、一見荒々しいくせに絶対相手に傷は付けなくて、
指も爪も舌も・・・相手をイカせるためだけに磨き上げちゃってるっていうか・・・違うイキモノみたいっていうか・・・
今だって・・・俺は何一つ脱いでなくて、ボタン1つ外されただけなのに。・・・まだそんな大したことされてないのに・・・
なんか・・・もう・・・・・・堕ちそ・・・う・・・・・・
305 :
万華鏡3/3:2007/09/15(土) 03:44:22 ID:Osl4FsyH0
――確か店長って"黒豹"の異名があったとか・・・猫と豹じゃ勝ち目ないよな。瞬殺だよもう・・・
ふと、店長がオーナーにも聞こえるくらいの低い声で呟いた。
「―――仔猫ちゃん・・・随分イイ声で鳴いてくれるね。でももうちょっと堪えてくれた方がグッと来るなぁ」
これでも堪えてるんだってばっ!!恥ずかしいじゃねーかっっ!!と思ってたら、思わぬ方向から声がした。
「いや相当我慢してるよこのコwでも俺の時はこんなに鳴かないしこんな顔もしないなぁ・・・さすがNo.1v」・・・やっぱり視てたんじゃないすか・・・
「じゃあいつもはどんな顔なんですか?」「ん〜、なんかね、目が笑ってるw」「・・・ほんとに仔猫かよ」
結局散々にいたぶられて、店長と二人でオーナーの部屋を出たのは3時間も後だった・・・アイツらタフ過ぎ・・・
オーナーが涼しい顔で帰って行った後、店長が近寄って来て小声で言った。
「上手くいったな」
話を持ち掛けてきたのは店長だった。本当は少し前からそういう仲だったけど、
二人ともオーナーの手前、そうそうオープンにするわけにも行かず・・・
じゃあオーナーも交えてやっちゃえばいいんだろ?って、どんな思考回路だよ。
でもさ・・・なんか・・・オーナーを騙したみたいでさ・・・ちょっと気がひけるんだけど・・・
店長が吹き出した。「まだ気付いてなかったのか?今日一番オイシイ思いしたの誰だよ?なぁ "仔 猫 ち ゃ ん" ?」
・・・・・・ん?・・・もしかして・・・ハメラレたの・・・俺?!
「やっとわかったか。あ、オーナー明日も来るとさ。体力つけとけよ」
・・・この悪魔っ!!!
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|│ロ stop. │|
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[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) 3時間の間のコトはご自由に妄想してください。とても書けません。
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
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. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 天使が降りてきた方です。
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < 完全にキャラ一人歩きだけど絵的な美しさを心掛けました。
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜 ↑の口直しwにどうぞ。
| | / , | (・∀・; )、 < こっちも仔猫目線ですが一人称を変えてみました。
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308 :
1/3:2007/09/15(土) 03:56:08 ID:Osl4FsyH0
僕は天使様の部屋に急いだ。
お別れの時が近付いていたからだ。
天使様はこの世界の仕事を終えて、もうすぐ天界に戻らなければならないんだ。
最後に一目でも逢いたかった。
部屋の前には衛兵がいて、一瞬通していいものかというような表情が浮かんだが、
僕は構わず部屋に入って行った。だって僕だけはそれが許されているんだから。
部屋に入ったところで、何かに足を取られて危うくひっくり返りそうになった。
―――部屋一面に散らばった、・・・宝石。
ダイヤモンドに黒曜石、ピジョン・ブラッドのルビーや黒真珠、紫水晶・・・
なんだか天使様らしくない、不思議な色の石ばかり――?
その真ん中に、天使様が腰掛けていた。その翼で体を覆って。
僕は宝石を踏まないように注意しながら天使様に近付いて行った。
そしてすぐ傍まで行って初めて、誰かが翼の中に居るのに気付いた。
気付いた時点で察しは付いた。さっきから姿が見えなかったアイツだ。
だから、翼の隙間から覗き込んでみたんだ。
309 :
2/3:2007/09/15(土) 03:57:51 ID:Osl4FsyH0
やっぱり天使様の腕と翼に抱かれていたのは悪魔だった。
頭を天使様の肩にもたせ掛けて、完全に体重を預け、そして・・・静かに泣いていた。
ふたりとも何も言わずぴくりとも動かず、
ただ、悪魔の涙がこぼれる度に宝石に変わり、床に落ちては小さな音を立てていた。
僕も泣きたかった。ずっと、お傍に居させてよ。もっと、頭をナデナデしたり、耳の後ろをくすぐったりしてよ。
僕を、・・・連れて行ってよ・・・
眼を閉じていた天使様が静かに顔を上げると、僕に微笑み掛けた。
「仔猫ちゃん、お前も来てくれたんだね。」
その瞬間、何も言えなくなった。言わなくたってわかっちゃうんだろうけど・・・
悪魔もきっと同じだったんだろうな。そりゃわかるよ。だってライバルだもん。
「ごめんな。もうすぐ行かなきゃならないんだ。でも永遠のお別れじゃないだろ?
また降りて来ることもあるし、お前たちのことはちゃんと見てるよ。」
もう終わりが近いのは判ってた。天使様の体が金色の光に包まれてきたから。
「あぁそうだ仔猫ちゃん、お前がこっちに遊びに来れるかどうか訊いてみるけどね―-」
そう言うと天使様は僕の鼻先を人差し指でつついた。
「――今より体重増えてたら雲の上から落っこちるぞ」
310 :
3/3:2007/09/15(土) 03:58:36 ID:Osl4FsyH0
天使様は今度は悪魔に近寄り、耳元に何ごとか囁いた。
悪魔の眼が見開いた。
そして天使様は目映い光になって天に帰って行った。
「―――さて、俺たちも帰るとするか。俺も旅の慰めにお前を連れて行きたいけど、
黒猫ならともかく白猫じゃカッコ付かないよなぁ・・・とりあえずそこまで一緒に行くか?」
悪魔が腕を差し出して来たので僕はその肩に跳び乗った。
「・・・お前、ほんとに重くなったな。もうリバウンドか?」悪魔はそう言うとケラケラと笑った。
引っ掻いてやろうかと思ったけど、僕から見えない方の眼から涙が一粒こぼれるのが見えたから、やめた。
――もうその涙は宝石にはならなかった。
僕は悪魔の頬の涙の跡を舐めてみた。
「それ、慰めてるつもりか?・・・ありがとな。何かわかったら教えてくれよ。地上のお前の方が天に近いんだから。
ところでお前、俺が天使様に何言われたか知りたいんだろ?―――お前にだけは絶対教えないからな」
今度は本当の悪魔の顔でニヤリと笑った。でも何だか嬉しそうだった。
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// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < タイトル思いつかなかった・・・
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < 萌えに萌えた夏だった。今は反芻している。
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < でもちょっと泣きそうな自分がいる・・・
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
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| 元ネタは懐かしのシ羊楽コンビ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| でも好きに読んでちょ
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
313 :
1/2:2007/09/15(土) 04:13:20 ID:utqrkirA0
俺はあの夜を一生忘れない。
例えヤツが忘れても、それどころか最初から覚えてさえいなくても。
ライブツアーで訪れたとある地方都市の、最高級ホテルのペントハウススイートだ。
広々としたリビングを挟んでベッドルームが二つあり、そのどちらからも湖が見渡せた。
ガシャン、ドン、ドシン!
いい気持ちで眠りこんでいた俺は、けたたましい物音にびっくりして目を覚ました。
夢でも見たのかと、枕に片頬を押しつけてじっとしていると、またゴツン、ドスンと、重い物がぶつかるような音がした。どうやら、リビングからだ。
暗い中を手探りでドアまで行ってみると、足下からうっすらと光が漏れていた。俺は寝る前に確かに電気を消したはずだが、その明かりがついているのだ。時計を見るまでもなく、今が夜明け前の暗い時間だってことは分かっていた。
この騒ぎの原因も。
俺はドアノブを握って軽く溜息をつき、薄く開いた隙間からリビングの様子を窺った。
そこには、俺の相棒がスーツを着たまま、長い手足を床に投げだして仰向けにぶっ倒れていた。
「オイ、コラ」
スリッパを履いた足で脇腹をゴンゴン蹴ってやった。どこから持って来たのか、ヤツは右手に自転車のハンドルを握っている。それでもちゃんと服は着ていた。今夜は。
「コラ、起きろ!」
ぐんにゃり伸びた胴の上にしゃがんで大声を出すと、ほんの数ミリだけ目が開いた。うっとりとした切れ長の目。その目が俺の顔を見上げて、とろけるように笑った。
「よう。ジョン・・・・」
「このバカ野郎、またやらかしやがったな」
「バカ野郎」
「ああ、バカ野郎だ。財布はあるか? 連れはどうした」
「財布はバカ野郎」
「うるさい」
俺は手早くヤツの衣服をあらため、上着の内ポケットにも尻ポケットにも財布どころか、小銭一枚残っていないのを確かめて、首を振った。
「あーあ。お前はもうカード持つな」
「カードは・・・バカ野郎」
「そうだ、お前は信じられないバカ野郎だ。いったい何度言ったらわかるんだ? 破産しても知らないぞ」
「俺はバカ野郎」
「そのとおりだよ!」
314 :
2/2:2007/09/15(土) 04:14:59 ID:utqrkirA0
まったく会話にならない。泥酔した相棒は、それでも上機嫌で、酒臭い息を吐きながらニコニコと俺を見ている。ピンク色に上気した頬と、細められた目の優しさは誰が見たって最高だ。どんな女の子でも恋せずにはいられない、コイツのとびきり魅力的な顔。
俺はなんだかションボリとして、ヤツの目の上に手を置いた。ヤツは気持ちよさそうに動かず、そのまま眠ってしまいそうに見えたが、どうせこんなでかい図体、ベッドまで引きずっていけそうにもない。吐かないならこのままここで明日の昼まで寝かせてやったほうがいい。
毛布を持って来てやろうと立ち上がりかけた時、急に腕を掴まれた。バランスを失ってよろけた俺は、あやうくヤツの上にまともに倒れ込む所だった。
「コラ、危ないだろ!」
「ジョン」
「何だ」
「ジョーーン・・・」
そのまま頭をきゅうっと抱きしめられ、赤ん坊をあやすように揺さぶられた。酔っぱらいのすることに意味なんかないのに、俺はちょっと慌ててしまった。
「離せよ。オイ」
「一緒に寝よう」
「絶対ごめんだ」
「ジョンはバカ野郎だ」
「お前に言われたかないぞ、このくそったれ! いいから離せ」
「冷たいこと言うなよ・・・・こんなに愛してるのに」
最後の一言を、ヤツは俺の耳元で囁くように言った。まるで薔薇の花びらみたいな、甘くて甘くて、風に吹かれるみたいな言い方だった。
俺は耳が燃えるかと思った。女好きのコイツに限ってそんなことがあるはずないと思いながらも、おそるおそる答えた。ヤツの顔を見るほどの勇気はとても湧かなかったが。
「俺も、愛してるよ」
そのまま1分ほども待ったが、返事はなかった。
首に回された腕をゆっくりとほどき、起き上がった時には、ヤツはもうぐっすりと眠りこんでしまっていた。半開きの唇から、くうくうと寝息が漏れている。
一瞬抱いただけで消えてしまった夢を惜しみながら俺は、その唇に、そっと触れるだけのキスをした。
「愛してるよ」
夢の中にいるヤツにもう一度だけ言ってやって、俺は毛布を取りに行った。
あの夜のことなんて、きっとヤツは覚えちゃいないだろう。
でも俺は忘れない。
あの声の響き、「愛してる」と言った切ない声の甘さを。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 正直スマンカタ
| | | | ピッ (・∀・ )
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>315 よっぱらいの名前をダリルで読んだw
姐さんありがとう。
317 :
風と木の名無しさん:2007/09/15(土) 18:18:15 ID:2DdS36xOO
>>315 姐さんは関西の人かな?
20年位前に同じ話読んだことがあるような…
自分はダリノレの片思いの話禿げ萌えで読んでたよwwww
>>317 彼等の曲でsomethings are better left unsaidってのがあるが
今思うとすごい萌えフレーズだという気持ちになった
319 :
電凹 裏×桃:2007/09/16(日) 03:56:13 ID:F2wagKVp0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| イ反面ライ夕゛ー電凹 裏×桃だモナー
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 架空今人×Mりょもあるからな
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 王道ダゴルァ!!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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だいぶいい加減な解説
量太郎…主人公の人間
良い今人(タロス)…桃(先輩)、裏(亀)、金(熊)、龍(小僧)
悪い今人…敵
良い今人が量太郎に憑依すると電凹になれるゾ!
憑依している時はそれぞれ、桃→M量太郎、裏→U量太郎等、変/身する前の人間体もあるゾ!
また今人が現れた。
さっき居たのが契約者らしいね。
で、いつものように張り切って先輩が出かけたわけだけど…
あの今人どこかで聞いたような声してるんだよねぇ。
なんっか嫌〜な声だった…なんだっけ?
「行くぜ行くぜ行くぜえええええええええ!!!」
あーあー張り切っちゃって。ほんっと先輩って戦うの好きだよねー
ま、そのおかげで僕は楽させてもらってますけど。
最近じゃ金ちゃんとか龍太も居るから、僕の担当は夜のデートと泳げない先輩の為のピンチヒッターくらいかな。
先輩って、あーんなにチンピラっぽいのに、泳げなかったり、プリンが好きだったり、犬が怖かったりするんだよね。
ちょっとかわいいでしょ?
「お?電凹か?へへへ」
ん〜?…やっぱり覚えあるぞこの声
「出たなこの野郎。楽しませろよ〜?」
確か…僕と違って下品で嫌ーなタイプの…
「もちろん楽しませてやるよ。たっぷりとな」
「言ってろ!行くぜ、へんsゲッ!!!」
思い出した!!セクハラ今人だ!!
「やっややややめろ〜〜〜〜〜〜〜〜なんだこいつは!!」
(らめえええええええええええええええええ……)
「うあああっ量太郎?!量太郎っくそっ失神しやがった!」
あーあ。
…なんか楽しそう。
「結構いい体してんじゃねーかええ?」
「くそっ量太郎の体に触るんじゃねえ!!うっ」
あれ?先輩、その程度の今人ならなんとかできるでしょ?
うろたえちゃっていつもの力出てないじゃない。かーわいい。
量太郎の体に触らせまいと必死だ。ま、感覚は共有してるからね。
先輩って暴力には果敢に向かっていけるけどこういう系にはこんなに弱くなっちゃうんだ…。
あ、捕まった。あ、シャツが…まぁ量太郎がボロボロの服で帰って来るのはよくある事だからいっか。
「ああっ!あ!ううう!おい亀!亀えっ!!」
おやおや。呼ばれちゃった。
「なぁに?先〜輩。」
「おい見てんだろっちょっと変われ!!やめろおっ」
「どうしようかなぁ〜」
「おい馬鹿言ってんじゃねぇっ量太郎がどうなってもいいのか!熊と小僧はどうした!」
「金タロスはいつものようにぐっすりだし、龍タは部屋で動物達のお世話してるみたいよ?」
「お前の得意分野だろうがエロ亀ぇ!変われーーっ」
「僕は男は勘弁だなぁ。だいたいその今人そんなに強くないはずだよ?」
あ、とうとう背後から押さえつけられちゃった。
ちょっとピンチかな?
「ふああああああああああああっ!!!いやだああああああああ!!!亀ぇっ」
あらら。ちょっと可哀そうだな。しょうがない…
「かっ亀ぇえぇええお願いっお願いっ早くぅ…」
ちょっと、それ、反則。そんな風に誘われちゃ…行かざるを得ないね。
「はいはいわかりましたよ。」
先輩に代わって量太郎の体に飛ぶと、スルリと先輩が抜けて行った。
いつもは弾き飛ばさないと出ていかない癖に。こんな時ばっかり。
「…やれやれ。…お前、僕に吊られてみる?」
「なんだ?いきなり…釣るって字間違ってないか?」
「僕、お前みたいな変態、大っきらいなんだよねェ」
こんな今人に僕が負けるはずもなく、あっけなく消滅。
ほら。弱いじゃない。まったくもう。
ミルク/ディ/ッパーに量太郎の体だけ置いてきて、伝ライナーに帰ってきた。
さて、先輩はどうしてるかな?
「ただいま」
「…おう、亀」
あらら。シュンとしちゃって。いつもは机に足のっけてお行儀悪いのに、体育座りですか。
もうちょっと早く変わってあげれば良かったかな。
いじわるしちゃってごめんね、先輩。
「…きょ、今日のは、あれだっ!」
「別にいいですよ。先輩ああいうの苦手なんでしょ」
「な、べ、べつに、」
素直じゃないなぁ。やっぱりいじめたくなっちゃうじゃない。
「あ〜んな弱い今人相手に変/身もできないなんて困っちゃうよねぇ。」
「うぐ、あ、あれはなぁ!!」
先輩の横に座る。ほんと、先輩がそうやっていい反応するからいけないんだよ?ちょっとあの今人が羨ましい気がしちゃうなぁ。
つつつと先輩に寄って、直美ちゃんに聞こえないように囁いた。
「僕が慣れさせてあげてもいいよ?」
「!ぶぁっ馬鹿野郎!!この変態亀!!あっち行けこのォ!!」
あー、かわいいなぁ。やばいなぁ。
癖になりそう。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ありがとうございました。
| | | | ピッ (・∀・ )
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すいません、ギコが言っている「王道」というのはへぼんな王道という意味です。
カプの事ではありません。よろしくどうぞ。
こんな事を書くのに連投規制にひっかかる午前4時
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
翻弄され気味な年下攻め×めがねっ子な年上受け。
直接的な描写はないですがなんかやってます。
1レス。
攻「……受さん」
受「あ……あ? 何……」
攻「外さないんですか、眼鏡」
受「ん……いい」
攻「でも邪魔でしょう」
受「だって外すと見れないじゃない……」
攻「? 何がですか」
受「君の顔」
攻「はい?」
受「君の感じてる顔を見ながらするのが面白いんじゃないか」
攻「……」
攻「……――〜〜……」
攻「没収」
受「あっ? ちょ、こら、返して」
攻「駄目です」
受「攻くーん、僕それないと何にも見えないんだけどー」
攻「駄目です」
受「ひどい……」
攻「終わったら返してあげますから」
受「鬼畜……」
攻「人聞きの悪い事を言わないで下さい」
受「……攻くん、目隠しプレイとか好きだったりする?」
攻「……」
受「あ、嘘です、ごめんなさい、やめてその沈黙やめて」
攻(いっそ本当に目隠ししてやろうかなこの人……)
受(なんだかんだ言ってSだよなこの子)
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
最初にオリジって言い忘れた
眼鏡スレ読んでたら何かが降りてきたもので
失礼しました
>>319 大好きだー!嬉しい!
桃かわいいよ桃(*´Д`)ハァハァ
>>326 眼鏡(*゚∀゚)イイ!!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
>>176 >>253 からの続きというか番外というか。しぶとく続いてごめんなさい
3レス消費します。作中では結構 時間流れてるんだと思ってください
あ。
我に返って、慌てて伸ばしかけた手を止めて、おろした。
「どした?」中原が不思議そうな目でこちらを見る。
「何でもない。」一言だけ、とても小さな声で返事して、目を逸らした。
中原はとくに問い詰めようと思わなかったのか、再び、手に持っていた本に視線を落とした。
僕と中原は、僕の部屋で、何をするでもなく、くつろいでいた。
中原は壁にもたれて座り、僕がすすめた小説を読んでいて、
僕はベッドに腰をかけて、ただぼーっとしていた。つい、先ほどまでは。
心臓の音が、うるさい。
まるで「それ」を僕に訴えかけるようにバクバクと鳴る。
横目でちらりと中原を見る。伏せ目がちに本を読んでいる。
その姿を見つめたまま、彼が今まで僕に見せた表情を思い出そうとする。
遠くから眺めていると、何に対しても面倒臭いというように、ボーっとした顔をしていて、
近くによって声をかけると、一瞬目を見開いてから、ふ、と安堵したように微笑んだ。
クラスメイトと集まって、くだらないバカ話をしてるときは、一歩退いてそれを見守るように
目を細めて笑っていたし、授業中は、体育の時間ですら眠たそうに欠伸をしていた。
ふと、彼の泣き顔が頭に浮かぶ。
いつだっただろう。長いこと一緒にいるけれど、中原が泣くことなんて滅多になかったように思う。
そう疑問に思ってから、それを一瞬で思い出せなかった自分に苦笑した。ああ、あのときか。
あれから半年はたったのだろうか。昨日のことのようにも、夢の中でのことのようにも思えた。
中原の話によると、あの病院の日、僕は勝ち誇ったような顔で笑っていたらしい。
(まあ、そのあとボロ泣きしたのだけども。)
もちろん、あのあと、中原と僕のあいだの壁がすぐに消えたわけではない。
退院してからも、中原はときどき、本当にときどきだけど、僕から避けるような動きをした。
抱いていい、と言ったからといって、そう簡単に切りかえれるものではないのだろう、
中原は僕に触れようとしなかった。何かを怯えるように、ためらい続けていた。
そんな中原の態度に腹が立ち、最初は僕から、仕掛けた。
僕が欲しいと思うのなら、我慢なんかしないでほしかった。
中原が僕にしたいと思っていることは、全部、受け止めたかった。答えたかった。
そうしなければ、また中原が壊れてしまうように思った。
だから僕は自分から中原にキスをした。中原に、最初の一歩を踏み出させるために。
最中には快楽を感じてしまうとはいえ、今でも性行為は苦手だと思う。
それでも、中原を失うことに比べたら、全然マシだ。そう感じていた。
そう、中原のために、中原のためだけに、僕は動いてきたはずだった。
なのに、何で今さっき、僕は中原に触れたくなった?
「どうしたんだ、さっきから。」中原は僕の視線に気づいていたらしい。「集中できないだろ。」
少し照れたように笑う中原の顔を、じっと見つめながら、結論を出す。
ああ、負けてしまった。
何が基準で勝ちと負けがあるのかは決めていないけれど、正直にそう思った。
ベッドから降りて、膝をたてて床に手をつき、ズリズリと中原のほうへ近づく。
「藤野?」中原は目をぱちぱちしながら、顔を覗き込んでくる。
頬が熱くなり、顔がみるみる赤くなっていくのが、自分でもわかる。
気恥ずかしい気持ちが邪魔をして、顔を下げて目をそらす。
僕は、食パンを食べるときは必ず耳から食べるし、
夏休みの宿題も毎年7月中に終わらせていた。どうせ、結果は変わらないからだ。
だから、さっさと済ませてしまえ。
目の奥が熱い。息を呑んで、ぐっとこらえる。もう泣いてなんかやるものか。
上目をつかって、もう一度中原と視線を交わせた。
僕は、他の誰でもない、自分のためだけに、中原にキスをした。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
やっとこさ正式な両思い。この2人の話は思い入れが深いせいか、
いくら吐き出してもまたネタが沸いてくるから困った。止まれ自分。
姐さんGJ!萌えたよそしてなんか切な嬉しいよ(つД`。)
>>333姐さん止まらないでいいよ。すごくいいよ
自分もこの2人がとても愛おしいんだ
336 :
万華鏡番外編:2007/09/16(日) 20:50:00 ID:B4bp+Sa+0
万華鏡番外編?です。
本編書いてて繋がりが悪くてボツにしたとこを、後日談に作り直して投下です。
会話だけなんだけどねw
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「どうした、ボーっとして。オーナーのことでも考えてんのかw」
「あ、店長。うん・・・まぁ・・・そうなんですけど・・・
オーナー・・・あんな表情(カオ)で乱れるんだ・・・と思って・・・
店長いいなぁ・・・いつもあんな綺麗なカオ視れて・・・あんなコトできて。俺は役目違うもんなぁ・・・」
「(ホントにオーナーの事考えてたのか…重症だなコイツも)
しょうがないだろ、それは。そういうキャラなんだから。
―――実はさ、始めの頃"逆"も試したことあったんだけど・・・
なんか・・・照れちゃうんだよな・・・綺麗過ぎて。ドキドキしちゃってさ。
逆にお前の方が羨ましいよ。あんな無邪気に甘えて可愛がられてさぁ・・・」
「・・・店長・・・顔赤いですよ( ̄ー ̄)」
「・・・・・・・・・オマエ1ヶ月店内掃除な」
「え〜〜〜〜〜?!(´・ω・`)」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
しかし商売やってる気配がないな、この店w
オーナー厳選会員制超高級クラブってことにでもしとくか。
>>318 遅レスの上細かくてスマンが
somethings じゃなくて Some things なんだな
something の方が萌えるのに残念!
>>337 書いた直後にCD確認して間違ったと気付いたけどスレ違い気味なのに
それでレス消費するのもと思ってほっといたんだ。訂正ありがとう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 花君 難/波*中/央
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 今日ジュノン見たから設定多少違うかも
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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こうなったら良いな〜という希望です。
サクラサク
思い出すだけで、身体が寒々しくなる。
寮の屋上は密かに中/央のお気に入りだ。たまにふっと来たくなるときがあって、昼間のことを思い出すと来たくなるのは当然だろうなと思えた。
ゲイではないと思っているのだが、その中で難/波は中/央にとって特別な存在だった。はっきり好きだと言っても良い。
難/波もそれに気がついているけれど、決定的な何かはない。寛容されているのだと勘違いしていた。あの夏の日にいつも傍に居ると言われ、それは好きだからだと思った。
泣きたいような笑みを見て、傍に居ても良いと言ってくれた気になっていた。
でも違う。やっぱり違う。中/央の好きと難/波の好きは種類が違いすぎる。触れたいと思う。しかし難/波は違う。はっきり解った。
九十番勝負が終わって冗談交じりで言った熱海でも良いじゃないと言う言葉。腕を絡めたけれど振りほどかれた。何気ない行動だったはず。いやだからこそ、悲しかった。
「諦めなきゃなぁ…」
呟くと夜風がぴゅーっと吹き抜けていった。
それから中/央はさりげなく難/波の傍から離れるようになった。花桜会も復活し、何くれと忙しい難/波はきっと気がつかないだろうと思っていた。しかし、意外な伏兵が居た。それは難/波をライバル視している天/王/寺だった。
廊下でばったり出会ったときにちょっと話があると言われた。ついていったのは間違いだったと思ったがもう遅い。
「お前、難/波を避けているな?」
「別に…避けてなんて居ません」
「難/波は鈍感だから気づいてないが、俺は気づいたぞ」
「…それだけ難/波先輩を見ているってことですよね」
「う…いやそうではない。ただ難/波を見るといつもお前が目の端にちょろちょろと映っていたのに最近ではさっぱり映らないからだな…」
しどろもどろになりながら、言い訳をする天/王/寺を見ていると本当にこの人は難/波のことが好きなんだなと思えた。でもそれも種類が違う好きだ。傍に居られなくて一番辛いのは自分なのに他人に指摘されると余計に惨めになる。
唇を噛み締めて、じぃっと天/王/寺を見つめた。ふと喋り続けていた天/王/寺が言葉を止め、静寂が降る。
「あいつは馬鹿だ」
「――え?」
「こんなに一途に思ってくれる奴が居るのに気づいてて気づかないふりしてるんだろう」
「男ですし」
「関係ない」
「…そう言って貰えるとなんだかありがたいです」
へにゃっと笑って見せると天/王/寺は幾分安心した顔をして見せた。あんな風に横暴なのに慕われる理由が解った気がした。人間的にとても温かな人間なのだろう。
鬱々としていた分、気が楽になった。久しぶりに笑顔を顔に乗せて、中/央は部屋へ戻った。
それからちょくちょく天/王/寺は中/央を構うようになった。他の寮生にも不思議に映るらしい。だが聞かれても中/央はやんわりと笑うだけ。あの夜のことは誰にも話す気にはなれない。言わば天/王/寺と自分の秘密だ。
「…気に入らないな」
「おやおや、気に入らないなんていう権利が貴方にあるとでも?」
「五月蝿いぞ、オ/ス/カー」
あまり弱点を見せない難/波が珍しく不快感を露にしている。オ/ス/カーはしてやったりとばかりに笑った。ここまできてやっと、中/央の不在に難/波が気がついた。どれほど甘えているのか一度知らしめてやったほうが良いと常々思っていた。
何しろ中/央のかんばぜは魅力的だ。本当は自分の寮に欲しいくらいだとオ/ス/カーは思う。
「貴方がいけないんですよ」
「俺かよ」
「真摯な態度には真摯な態度で対応すべきです。その点、彼は良くやったと思います。貴方に見切りをつけたんですから」
「――放っておいたとでも言いたいのか」
「違うんですか?何も言わないままで傍に置いてたのは貴方だ。結果を求めてもしょうがないのに良く我慢したと思いますけどね」
「…それは、あいつが…それで良いと…」
「だからそれが嫌になったんでしょう。彼自身が結論を出して貴方の傍に居ることを止めた。それを責める筋合いはない」
甘えていたのかと難/波は自嘲した。いつだって傍に居てくれるものだと思っていた。だけど中/央は難/波の傍から離れた。選択肢を与えているつもりで、優位に立った気分で居た。
だけど違っていた。
中/央にも選ぶ権利があることに何故気づけなかった。口の中がやけに渇く。天/王/寺が中/央の髪の毛を撫でた。あんなスキンシップ珍しいことじゃない。なのに気になる。そして天/王/寺の視線が難/波を捉えた。いかにも挑発的な視線だった。
過去形にしなければならない、と思って言った。
「好きでしたよ、難/波先輩のこと」
良く解らないが中/津から難/波の部屋に来るように伝言を伝えられて、渋々中/央は難/波の部屋へと行った。行きがけ、中/津は中/央の肩をそっと叩いて「すげぇ怒ってたぞ」と言って激励してくれた。
怒られるようなことをした覚えはない。嫌悪されていたであろう行動も慎んでいるのにどうして?と中/央は思いながらノックした。
射抜くように鋭い視線が中/央に降り注がれた。
――逃げたい。
妙な迫力に押され、椅子に座ったもののなんだか居心地が悪かった。今までそんなことを思った試はない。
「お前、俺のことどう思ってるんだ」
「へ?」
「はっきり言え」
そして言った。過去形で言ったのは多少なりとも意趣返しも込めていたことを否定しない。あっさり受け流してくれるものだと思っていた中/央の期待は裏切られた。
掴まれた手首が痛かった。物凄い力だったためか、くっきりと指の痕が残ってしまっている。
「痛…っ…」
びっくりした。何事にも執着が薄い難/波の激しさを初めて見た気がした。
投げつけられるようにベッドへ放り投げられ、起きる暇もなかった。難/波の身体が覆い被さって、唇を塞ぐ。入り込んできた舌が逃げる舌を追いかけて絡め取った。
「ん…!」
初めてのことに驚いて碌な反応も返せない。ただ傍に居たかった頃と違って、今は確かに欲望を感じていた。抱き合ってキスをして笑いあいたいと言う、明らかな欲。願い望んでいたのは自分であるのに、身体はパニックで拒否する。
「嫌だ!」
「中/央」
「こんなの…嫌です」
諦められなくなる。どうして期待させるような真似をするのか。覚えず涙が浮かんで、難/波を見上げた。さっきまで強気で押していたのに中/央の涙を見たからか、若干の焦りを滲ませていた。
「…離れようとするのを引き止めるだけなら、こんなことしないで」
きっぱり言い切ると難/波の手が優しく髪の毛を撫でた。謝罪らしい。可愛く見えるから止して欲しい。
「オ/ス/カーに言われた…甘えすぎだって」
「甘え?」
「何も言わなくてもお前は傍に居ると思ってた。でもお前にだって選ぶ権利はある。俺はお前が傍に居て欲しいと思っている。どうだ?」
「どうって!」
そんな言い方ってない。信じられない。我侭な難/波を見ていたら笑いがこみ上げてきた。爆笑する中/央に難/波は少し気を悪くしたみたいで、むっと口を尖らせた。
「――もっと、はっきり言ってくれないと」
「はっきり?言えば良いのか?」
耳朶を噛まれ、囁きを吹き込まれた。言葉は甘く歓喜を呼び起こした。自分が望んだ以上の言葉に嬉しくなった。良くは解らないけれど、一緒に居られるのならば一緒に居たい。いつか、選択するときも来る。選択肢はお互いに持っている。そんな対等な関係で居たいと思えた。
良いだけ抱き合って、キスをした。セックスをしてしまうほど準備万端ではなく、それでも幸せだった。
「良く考えたらさ、女の子連れ込めないし同じ寮内にお前みたいな奴がいるのって便利だよな」
呆れてモノが言えないとはこのことだろう。
お前は女の代わりだと言われているようなものだ。中/央は怒るべきだと思ったのに、怒れない。代わりに深く溜息を吐いた。その意味すら解っていない難/波に僅かにイラついた。
「難/波先輩のそういうところ、嫌いだと思う」
「そっかー、嫌いかぁ」
嫌いと言ったのに妙に嬉しそうな難/波を見て怪訝な表情を浮かべてしまった。意味が解らない。
「なんか、良いな」
「嫌いって言ってるのに?」
「俺のこと好きってしか言ってなかったじゃん?そんなお前が嫌いって言うのは新鮮だ」
「もう」
口では嫌いと言っても心からの言葉ではない。それをしっかり理解しているのだろう。気恥ずかしい。
離れ、立ち上がるとドアノブに手をかけた。そろそろ帰らなければ。
「中/央」
「はい」
「おやすみ。また明日な」
「おやすみなさい」
ちょっと寂しい気がしたけれど、難/波の口から明日と言う言葉が聞けて嬉しかった。幸せな気持ちで眠れる。ふわふわとした空気が取り巻いているような気がした。
終わり
349 :
サクラサク:2007/09/16(日) 22:23:06 ID:kA5lLAIt0
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| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ お目汚し失礼致しました。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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>>339 点農地とまさおGJ!そして書いてくれた神もGJ!
無意識のモブの時はイチャコラしてるくせに肝心の時は冷たいんだもんなぁ、南波…
351 :
暗転蠍話:2007/09/16(日) 23:04:29 ID:wB08wwxM0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| TFスレ
>>356の話題があまりに萌えたので・・・。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 暗転×蠍です。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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「……なに?」
スタッフの言葉が一瞬理解できず、思わずブラックアウ卜は間の抜けた声で聞き返した。
身の丈約十メートルはある彼の手には、人間用にあつらえられた携帯電話は小さ過ぎ、
よく落としてなくしてしまったり、握り潰してしまったりする。
そのたびにスタッフに平謝りしては、新しい物を支給してもらうのだが、あまりに頻繁に
そんなことが起こるため、いっそ給料から差し引いて欲しいと言ったこともあった。
しかし、スタッフの反応は意外なもので、彼等は軽く笑いながら「君だけじゃないから、
大丈夫だよ」と言いつつ、新しい携帯電話を差し出した。
おそらく、ほかの卜ランスフォーマー達も似たような感じなのだろう。ただ一人、人間と
ほぼ同等の背丈をした、小うるさいチビスケを除いて。
そして、つい先日もうっかり握り潰してしまい(ちなみに今回は断じて自分のせいではなく
ス夕ースクリームのせいだ、と彼は主張しているが)、新たに支給された真新しい携帯電話を
聴覚センサーから離し、彼は訝しげな表情でそれを眺める。
勿論、視覚センサーで音が聞き取れるはずもない。
ブラックアウ卜は軽く首を振り、再び聴覚センサーに小さな携帯電話を近付け、
「それは……どういう意味だ?」
と、聞く。
彼を担当しているスタッフの聞き慣れた声ではない声が、弱りきった様子で先程と同じ
言葉を繰り返す。
「だから、スコノレポノックが……」
「スコノレポノックが如何した」
自分の小さな共生体の名前に、ブラックアウ卜の声がやや硬くなる。
何時もブラックアウ卜と行動をともにしているはずの彼は、今はカタール西部の砂漠で
レノックス、エップスらと撮影の真っ最中のはずである。
CGを使わない撮影にこだわる監督の方針により、かなり派手で危険な撮影も実際に
行われている。スコノレポノック達の撮影も、その一つだ。
「……誰かに怪我でもさせたか?」
人間にとって卜ランスフォーマーとは、巨大で、頑丈で、危険極まりないしろものだ。
たとえ卜ランスフォーマー達が普通に歩いているだけであっても、人間からすれば大怪我の
元にもなりかねない。
スコノレポノックにとっては初の、主人であるブラックアウ卜不在で臨む撮影でもある。
もしかしたら、緊張して誰かを傷つけてしまったのかもしれない。
不安を滲ませたブラックアウ卜の問いに、スタッフは慌てて答える。
「え? いや、それはないよ。大丈夫。彼は頑張ってたよ。でも……」
「なんだ。早く言ってくれ」
スタッフは一瞬沈黙し、
「……スコノレポノックが、怪我――」
がぢん。
その言葉を聞いた瞬間、ブラックアウ卜の巨大な手によって、新調したばかりの携帯電話は
跡形もなく握りつぶされる。
しかし、それを後悔している暇はない。
卜ランスフォーマー用にあつらえた巨大施設から飛び出す直前に、入り口近くでバリケードの
横をちょこまかと歩いているフレソジーを蹴飛ばしそうになったが、気にせずにそのまま外へと出る。
宙へと大きく跳躍し、重力が地上へ押し戻そうとするよりも早く、彼は素早く軍用ヘリMH-53へと
卜ランスフォームした。
卜ランスフォーマーには国境もなにも関係ない。
ブラックアウ卜はカタールへと飛んだ。
「……で、怪我というのはこれのことか」
「今度からは、人の話はちゃんと最後まで聞いたほうが良いぞ」
レノックスに冷やかすように肘で足を突付かれ、ブラックアウ卜は不機嫌そうにじろりと
彼を見下ろした。
巨大テント(と言っても、ブラックアウ卜は入れないが)の中にちょこんと居座っているのは、
ブラックアウ卜の見慣れた共生体の姿で、右側のフェイスガードに少々大きめの焦げ跡を
つけているほかは、外傷らしい外傷もない。
卜ランスフォーマーにとっては、怪我とも言えない怪我だった。
「……痛むか」
一応訊ねてみると、スコノレポノックは小さく首を振る。
ブラックアウ卜が安堵の溜息を吐くと、ゆっくりと彼の足元へと近付き、問うように彼を見上げた。
レノックスがスコノレポノックの顔を覗き込み、
「なんでお前が此処に居るのか、聞きたがってる顔だよな?」
と、ブラックアウ卜を見上げて言った。
この撮影が始まる前は、人型卜ランスフォーマーよりもいっそう不気味な、蠍型のスコノレポノックを
やや警戒しているようで、打ち合わせ時もかなり仕草が硬かったのだが、どうやら今回の撮影で
すっかり打ち解けたらしい。
無口で無表情なスコノレポノックの表情を読み取るのだから、よっぽど気が合ったのだろう。
ブラックアウ卜は小さく頷くと、
「……お前が怪我をしたと、スタッフに聞いて……」
と、もごもご言い訳のように答えた。
レノックスと、傍で見ていたエップスはからからと笑いながら、
「良かったなスコノレポノック。心配してもらえたらしいぞ」
「ハリウッドからカタールまで半日足らずで飛んできたんだから、よっぽどだよな」
それはそうだが、何故か素直にそれを認めるのが気恥ずかしく、二人を踏み潰すまねをして誤魔化す。
笑いながら逃げる彼等を睨みつけ、ブラックアウ卜は再びスコノレポノックへと視線を戻すと、
「で、撮影は何時再開し――」
そこまで言った瞬間、スコノレポノックの姿が消えた。
「……あ?」
勿論消えたわけではなく、ただ単に砂に潜っただけなのだが、主人の話の途中で砂の中に
潜るとは、いったい如何したというのか。
訝しげな様子で、こんもりと盛り上がった砂山を見るが、スコノレポノックはじっと動かない。
「……おい、スコノレポノック。如何した」
返事代わりに返ってきた電気信号は、否定を意味するもの。
わけも解らず否定され、お世辞にも我慢強いとは言えない彼の機嫌は、遊園地の
ジェットコースター並みに急降下する。
「スコノレポノック、答えろ」
だんだん不穏になっていく空気に、レノックスが慌てて割って入る。
「ブラックアウ卜、スタッフが困ってたのはこれなんだ」
「……どういうことだ?」
「撮影中に動くタイミングを間違えて焦げ跡がついたんだが、あれから火薬とか爆発とか
恐がるようになったらしくて……」
……卜ランスフォーマーが火薬や爆発を恐がると。
呆れたようなブラックアウ卜に、レノックスは必死でフォローする。
「いや、ほら、実際の爆発とはちょっと違うじゃないか。それに戦いとはまた勝手が
違うだろうし、だから、」
「……もういい」
うんざりしたように手を振り、ブラックアウ卜はスコノレポノックを見下ろすと、
「スコノレポノック、撮影に戻れ。花火ごときを恐がって如何する」
しかし、返ってきたのは再び否定の返事。
ここまで平和ボケしたか、とブラックアウ卜は忌々しげに舌打ちする。
「スコノレポノック、命令だぞ」
返事はない。
「スコノレポノック。」
沈黙。
次の瞬間、ブラックアウ卜はあっさり切れた。
「スコノレポノック!」
あたり一面に響く大声で怒鳴りつけると、スコノレポノックは転がるように砂の中から飛び出し、
ブラックアウ卜を避けてレノックスの後ろに隠れる。
勿論車ほどもあるスコノレポノックが、たかが人間一人の影に隠れることなどできず、傍からすれば
完全に丸見えなのだが、それでもスコノレポノックは縋るようにレノックスを見上げた。
その様子を唖然と見、いっそう不機嫌になるブラックアウ卜と、怯えるスコノレポノックに挟まれ、
弱りきった様子でエップスを見るレノックスだが、エップスはただ肩を竦めるだけだった。
とりあえずブラックアウ卜を宥めようとレノックスが口を開きかけるが、それよりも早く
ブラックアウ卜はくるりと背を向け、足音も荒くテントとは反対のほうへと行ってしまう。
残されたレノックスとエップスは困ったように顔を見合わせ、小さくなっているスコノレポノックを見た。
撮影現場の外れで、ブラックアウ卜は一人苛々と歩き回っていた。
気に入らない。気に入らないことが多過ぎる。
殺傷能力もない爆発ごときにスコノレポノックが恐がっているのも気に入らないし、命令に
従おうとしなかったのも気に入らないし、自分に怯えていたのも気に入らないし、レノックスに
庇ってもらおうなどとしていたのも気に入らない!
がしゃん! と音を立てて砂の上に胡坐を掻いて座り込む。機器の隙間に砂が入って気持ち悪い。
こんなことさえ気に入らない。
スコノレポノックはド□ーンであり、ブラックアウ卜の共生体で、つまるところブラックアウ卜の
ものなのだ。頭から尾の先まで、すべてが。
スコノレポノックもそれを理解している。
なのに、何故今更レノックスに。この短期間によっぽど仲が良くなったと? 共生体である自分よりも?
そんなことがあるというのか? あぁ、実際に起こっているじゃないか。忌々しいことに、今、目の前で!
「……っ!」
腹立ち紛れに地面を拳で叩くと、何時の間にできたのか傍らの小さな砂山がびくりと震えた。
…………。
「……スコノレポノック」
金属を擦り合わせたような、小さな返事。続いて、肯定の電気信号。
小さな砂山が迷うように動き、それから四つの瞳がちょこんと砂から顔を出す。
「……こっちへ来い」
長い沈黙のあとに、小さく肯定の返事が返ってくる。
ゆっくりと小柄な異形の姿が砂から這い出てくると、恐る恐るブラックアウ卜に近付く。
その縋るような目に、知らずブラックアウ卜の口から大きな溜息が洩れた。
あぁ、そんな目で見るな。まったく忌々しい。
ようやく近付き終え、ブラックアウ卜の正面で小さく所在なさげに立つと、スコノレポノックは
謝罪の電気信号を発した。
それは、機械生命体でありながらただの爆発ごときに怯えたことと、わざわざブラックアウ卜に
カタールまで足を運ばせたことと、命令を無視したことに対する謝罪だ。
「……もういい。謝るな。俺も悪かった」
投げやりな様子で言うが、スコノレポノックは否定の電気信号を返した。
ブラックアウ卜はまだ怒っているから、その怒りを静めるには、いったいなにをしたら良いのか、
といった内容だった。
しかし、ブラックアウ卜はもう怒っていない。どちらかというと……拗ねている、といったほうが
正しいだろうが、どちらもその微妙なニュアンスが理解できないらしく、お互いに沈黙してしまう。
しばらくの沈黙の後、迷いに迷った様子で、スコノレポノックがブラックアウ卜に問う。
「……なんだと?」
しかし、その内容があまりにも意外で、ブラックアウ卜は思わず聞き返してしまう。
スコノレポノックはこう訊ねたのだ。自分を、嫌いになったか、と。
「……」
ブラックアウ卜の沈黙を肯定と取ったのか、スコノレポノックは俯いて小さく後ろへ下がる。
だが、ブラックアウ卜はといえば先程の問いを理解している真っ最中で、スコノレポノックの
そんな様子にも気付かず、ただじっと考え込んでしまっている。
……何故、スコノレポノックがそんなことを気にする? 嫌われたのは、恐がられたのは、
大切ではなくなったのは、自分のほうだと思っていたのに。
何故そんなことを。それはつまり。
「スコノレポノック」
先程よりも柔らかな口調で呼ばれ、スコノレポノックは小さく身体を震わせると、
ブラックアウ卜を見上げた。
「……向こうに戻るぞ」
腕と肩を少し下がらせる仕草は、合体する時の何時もの仕草だ。
お互いの疑問に答えたわけではなかったが、二人にはそれで十分だった。
嬉しげに尾を小さく振り、スコノレポノックは返事を返した。
「……なぁ、ブラックアウ卜とスコノレポノックに、きちんと説明したほうが良いんじゃないか?」
エップスの言葉に、レノックスはアイスキャンディーを齧りつつ答える。
「ブラックアウ卜はただちょっと俺にやきもち妬いただけで、スコノレポノックはブラックアウ卜に
嫌われるのが恐くて俺の後ろに隠れたんだぞって? そんなこ――」
二人の耳に砂を踏む機械的な足音が聞こえてきたのは、その時だった。
359 :
暗転蠍話:2007/09/16(日) 23:15:39 ID:wB08wwxM0
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 最初から素直にこっちにしておけば・・・。
| | | | ピッ (・∀・;) スレでは何度もお騒がせしました。ゴメンネ。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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360 :
風と木の名無しさん:2007/09/16(日) 23:22:28 ID:KVP9HlQM0
>359
ををを!GJGJ!
蠍可愛いよ蠍、暗転素直なのに素直じゃないよ。ラヴィ!
>>351-359 ありがとう!!流れてもう見れないと思ってたよ…!
依存の関係いいですなーハァハァ
クールなのにすぐ切れたり拗ねたりするブラックアウト萌え
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| すいません、便乗しました。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 障害物×熱狂で甘め?
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
某日、0:30AM。
某埠頭。
「サム、あの遠くから来るの、オプティマスじゃない?」
「ほんとだ」
暗闇にきらりと光るランプを見つけて、ミカエラは隣で夜食をとっていたサムをつついた。
休憩用にとあてがわれた椅子から立ち上がり、近づいてくるトレーラーを見遣る。それは聳え立つガスタンクの
向こうで止まり、ゆっくりとトランスフォームしてからこちらへと向かってくる。
「お疲れさま。どうしたの?」
「やあ。ちょっと様子を見に来たのだが」
「バンブルビーだったら今ボディのチェック中だよ。もう終わったと思うけど」
「そうか」
オプティマス・プライムはサム達のために屈んでいた身体を戻し、辺りを見回した。
「今は休憩中かい?」
「…」
オプティマスの問いに、サムとミカエラは困ったように顔を見合わせて、笑う。
「…んー、まあ、そんなもんかな」
「いつ再開するか、ちょっと分からないけど」
「?どういうことだ」
首をかしげるオプティマスに、髪をかきあげながらミカエラが言った。
「ご存知の通り、バリケードとのシーンなんだけど」
「ああ。バンブルビーが失敗でもしたか?」
「ううん、そうじゃなくて」
バリケードがちょっと、ね」
そう言うミカエラはなんだか楽しそうで、サムも思い出したようにくっくっと笑っている。その説明だけではよく
分からず、サム達から少し離れて周りを見ると、撮影エリアの隅の方に見知った黒い背中が見えた。ここからは
遠くて状況が把握出来ず、指をこめかみ辺りにあてセンサーを起動させようとすると、下からミカエラが叫んだ。
「ダメよ、オプティマス」
「何故だ」
「どうしてこうなったか教えてあげる。そしたら、そんな気も起こらないわ。ねえ、サム」
「そうだね。オプティマス、少し屈めるかい」
ミカエラの言葉にサムは頷いて、近づいたオプティマスの顔に台本を示した。
「今、ここ撮ってる最中なんだけどさ」
「ああ」
「バリケードのお陰で、テイク5まで行ってんの」
「…十分リハーサルがあったはずだから、それは多いな」
「まあね、で、マイケルがワンカットで撮りたいって言うから、その度に最初っからやり直しで」
「どうしたのだ、バリケードは。胃痛でも起こしているのか」
サムは笑った。
「いやあ、あの僕を脅すとこからかなり緊張はしてたみたいでね、やっぱそこも2回くらい噛んだんだけどさ、
それは正直僕らも予想の範囲内だったからいいんだけど」
「まさかねー」
「そう、まさかだよねー」
くすくすと笑いあう二人に、オプティマスはきょとんとする。
「どうしたというのだ」
「あたし達びっくりよ」
「まさかバリケードがあんな心配性だなんて」
「好きで好きでしょうがないんじゃない?」
事の詳細を知るうちに、オプティマスは頭がくらくらとした。
「…要は、バリケードがフレンジーを心配しすぎると」
「うん、まあ、そう」
この場面が5回も失敗している理由はこうだ。
まず序盤、フレンジーがバリケードのグリル部分から飛び出したところで思わずバリケードの視線が
フレンジーに行ってしまったため失敗。
その2。飛び出たフレンジーに気を取られてバンブルビーを殴り飛ばすタイミングを間違えて失敗。
さらにその余波が収まらないうちに組み合うところを逆にバンブルビーに突き飛ばされてしまい失敗。これが2回。
そしてそれにつられたのか、サムを捕まえるはずのフレンジーがうっかりサムの足を掴み損ねて転倒。
計5回。
「…」
「愛されてるよね、フレンジー」
「あたしなんかさ、フレンジーを電ドリで倒さないといけないじゃない?リハの時点で、物凄い睨まれたわよ」
「さすがにマイケルもキレてさ、さっき随分怒られてた」
悪いとは思いながら、その姿を思い出してサムは楽しそうに笑う。
バンブルビーの手に乗せてもらい、バリケードを上から見下ろすようにしてくどくどと説教する監督であるマイケルと、
それ以上小さくはならない身体を無理に小さくして、不機嫌を隠しつつ黙っているバリケード。フレンジーは
自分が悪いわけではないのだが、なんとなく離れるわけにもいかずバリケードの肩で一緒に説教を受けていた。
「で、マイケルはなんて?」
「そんな心配なら、二人でじっくり話し合ってこい、ってさ」
「話し合う?」
サムの言葉にきょとんとしたオプティマスを見て、ミカエラがひらひらと手を振った。
「それはマイケルの…っていうか、人間的比喩ってやつね。ほんとに話し合う時間なんて、一瞬でしょ」
「…?」
「溜まってるもんがあるなら、スッキリさせてきなさい、ってこと」
「ちょっと興味あるよな、トランスフォーマー同士ってどうすんのか」
「やめなさいよサム、下世話よ」
「なんだよ、じゃあミカエラは興味ないの?」
「…ないことはないけど、只でさえバリケードは怖いんだから、もしそんなんバレたら」
「まあね」
二人の会話を聞いていたオプティマスは、やれやれとため息をついた。
「人間というのは、比喩的なのか直情的なのか、いまいち見当がつかぬものだな」
「…すまん」
撮影エリアの中心からかなり離れた埠頭の先。その大きな身体に似合わない小さな声で、バリケードは呟いた。
「ったく、俺まで一緒に怒られちまったじゃねーかよ」
「すまん」
「やるべきことなんだから、しょーがねーだろ?心配してもらって、有難いけどさ」
「ああ」
フレンジーは両手を腰に当てて、怒ったようにバリケードを見上げる。
「しかもさっき聞いたけど、俺がミカエラにぶった切られるとこ、アレCGにしろって言ったんだってな」
「…」
「お前がいちばん分かってんだろ?まあ痛みがないって言えば嘘になるけど俺の関節はある程度なら自由に
なるんだから、タイミングと場所さえしっかりしてりゃ問題ないって。マイケルはああいう奴だし」
「ああ、分かってるよ。だが…」
「バリケード!」
きいんと高いフレンジーの声が響いて、バリケードはびくっとした。
「…俺だってお前が心配なんだよ」
「…」
「俺よりもっとハードだ。散々取っ組み合いやって、まだ十分若くて力の有り余ってるバンブルビーにボッコにされてよ」
細い手足でとんとんと器用にバリケードの身体を登り、肩に乗る。
「…そんなお前残して、行かなきゃいけないんだぞ、俺は。自分だけが辛い思いしてると思うな」
ちったあ我慢しろよ、と小さく呟いて、フレンジーはふいと顔を背けた。沈黙が流れる。
「…フレンジー」
「…うん」
「悪かった」
「心配性は相変わらずだな。俺は見かけよりヤワじゃないぜ」
「知ってる」
「…でも、心配してくれて…」
フレンジーはバリケードの顔の横に至近距離まで近づいた。視線が絡む。
「ありがと」
「フレンジー」
「大丈夫だからさ」
「ああ」
「バリケード」
「…フレンジー」
「ん」
「…ちょっと、充電させろ」
フレンジーが口を開こうとする前に、バリケードはフレンジーの身体を後ろから指で軽く押した。華奢なフレンジーは
それだけでバリケードの方へ倒れ、お互いの口元の金属同士が合わさってかちんと音を立てる。
「…ッ、バリケード…」
「このためにマイケルがキレながら時間くれたんだろ?」
「ち、ちょっと待っ…」
人間で言ったら胸の辺りの身体の縁を撫でられてフレンジーはびくりとした。
「馬鹿、こ、んなとこで…ッ…」
「充電させろって言ってんだろ」
「無理!今は無理!俺これから走ったり捕まえたり倒されたりすんだぞ!そんなんしたら…」
「そんなヤワじゃないんだろ?」
「ダメだったら!頼むから、今は無理!!」
「…じゃあ、終わってからならいいか」
フレンジーの必死の懇願に、バリケードは撫でる指を止めて低い声で聞いた。普段より熱のこもった声。
「次できっちり終わらせるからよ、その後なら、いいか」
「…」
「フレンジー」
「…お前ボッコにされてんじゃないの?」
「お前が充電してくれるんなら治る」
その言葉にフレンジーの身体から小さくきゅんと音が鳴った。人間で言ったら照れている仕草と似ているかも
しれない。
「…しょーがねーな」
「忘れんなよ」
「忘れやしねえよ」
「じゃあ戻ろうぜ、さっさと終わらせたい」
「ったく、ゲンキンな奴だな、誰のせいでこうなったと…」
バリケードがゆっくりと立ち上がる。その肩に乗ったまま座りなおそうとしたフレンジーが急に口をつぐんだので、
バリケードは足を止めた。
「…どうした」
「あのさ」
フレンジーがぼそりと呟く。
「…この状況って、俺ら帰りづらくね?」
「…」
軽い動揺を示すように、バリケードの瞳が動く。
「…そうかもな」
「マイケルに冷やかされんの見え見えなんだけど」
「だがここにいるわけにもいかないし、あっちも呼びには来にくいだろう、な…」
二人が迷っていると、通信センサーに送信があった。トランスフォーマー同士でなければ聞こえないし理解も
出来ない電子音だ。
「…お邪魔じゃない?」
「…バンブルビーか?」
「そうだよ。解決したかい?」
「ああ。…すまなかったな、長々と」
「大丈夫だよー。ああ、フレンジーは動けるかってマイケルが心配してるよー」
「…動けなくなるようなことしてねえよ」
「そう、ならよかったー」
「随分と仲のよいことだな」
「…オプティマスか」
「ああ。様子を見に来た」
「あんたも随分過保護だな、わざわざ来るなんざ」
「お前ほどではないよ、バリケード」
「…」
「そこからすぐ本番に入れるか?」
「あ?ああ」
「さぞ戻りづらいだろう?謝るのは後でいいから、そこから真っ直ぐ来たらどうだ。私が皆にそう伝えてやろう」
「…余計な気ばっかり回りやがる」
「何か言ったか?」
「いーや。それで頼むと言ってくれ。1分でスタンバイする」
「了解」
「…行くぞ、フレンジー」
「ああ」
1時間後、撮影終了。
バリケードは冷やかされるのを承知で全スタッフ、キャストに謝罪してまわり、にやにや笑うオプティマスを
軽く睨むと即座にトランスフォームし、マスタングの素晴らしい咆哮を辺り一面に響かせて去って行った。
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 勢いでやった。今は反省し(ry
| | | | ピッ (・∀・;) 障害物、苦労人心配性とのことなので…すいません。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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バリフレ!
なんとなくバリさんがフレンジーに甘えてるっぽい感じがイイ!
TFモノ2編もキテタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!
舞台裏GJ
そのメイキングDVDください (*´Д`)つ□
例の台詞ちゃんと噛んでるw
イイ仕事です。
PCの前で絶叫した!
びくっとするバリかわいいよバリ
しかしマイケルは究極の攻めキャラだな
生まれて初めてロボット萌えに堕ちましたよ姐さん方(*´Д`)
舞台裏萌えるなぁ。マジGJ!
うおお我慢できん、最後にもう一回観てくる!
先週で最後にしようと思ってたのに……11回目イテキマス
同じく今から13回目逝ってきまつ
今までとは違った視点でカタールのシーンが見れるぜ ヒャアイ!
>>349 姐さんGJGJ!!
素敵な小説ありがとう!
中尾→南波と見せかけて南波→中尾が素敵すぎた!!
何でかすんごい気分が良くなりましたww
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ドリフトする人たちのこーじとチャ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| にこにこで母ちゃんコント見てたら頭おかしくなったみたい
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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「……こーじ」
「んー?」
黙って本を読む後ろ姿。チャは寝転んだまま眺める。
「それ」
「ん」
「面白い?」
「うん」
庭からはケンとぶーの騒ぐ声が聞こえる。チャもいつもならそちらに混じっている
のだが、今日はそんな気分ではなかった。こーじはいつもマイペースだ。騒ぐとき
は騒ぐし、気分ではないときは黙ってにこにこしている。
チャは、この兄のようになりたかった。今の自分には落ち着きがなさすぎる。
「……こーじ」
「ん」
「俺さあ、」
言いかけてやめた。こーじが顔を上げる。
「……どした」
「なんでもないや。なんでも」
「そ」
こーじはそのまま目を伏せた。ただ、腕だけがチャに伸びてくる。
え、と見ればわしわしと髪をかき回された。
「可愛いね、お前は」
こーじは本を見つめたまま。チャはそんなこーじを見つめたまま。
ふっと笑って、茶は畳に額を押し付けた。
「……ずるいな、こーじは」
「そ?」
「ずるいよ」
なんでも分かってるみたいだ。
ふふふ、と今度は声を上げて笑うと、こーじも気味が悪いと笑った。
庭からは母親の怒鳴り声、なにか気に障ることがあったのだろう。
何故だか気分が良くて、チャは静かに目を閉じた。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ナンカゴメンナサイネ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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私の頭がどうにかなったとしか思えない
こうじすきなのは昔からだけどNE☆
映画版TF ブラ&フレ×バリ
非合意のハッキングネタ。
ほのぼの神の連続降臨にびびりつつ投下。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガオオクリシマ~ス!
全くの不意打ちだった。
人里離れた場所に呼び出され、調子が悪いと言う肩の関節をスキャンしていたオレは、
突然立ち上がった仲間に喉元を掴まれて空中に吊り上げられていた。
「ブラックアウト!?何をする、離せ…!」
浮いた足でブラックアウトの装甲を蹴飛ばして抗議する。
「…悪いな、少し遊びに付き合って貰おうと思ってな。」
「…遊びだと?」
意図が読めずにそのまま聞き返す。
一体なんの遊びで仲間の首をつるし上げると言うのだ。
そんなものはあの黄色いチビ相手にでもやればよいのに。
そして、同時にもう一つ予想外の事が起きていた。
オレの胸元のハッチの中で沈黙していたフレンジーが、極小サイズのウイルスを
オレの中に送り込んでいた…だが、ブラックアウトに気を取られ、オレはそれに気づかなかった。
「くく…すぐにわかるさ」
オレの気をそらすことに成功したブラックアウトはオレを解放した。
「ふん、やってられるか。…悪いが帰るぜ」
オレは踵を返すとトランスフォームして立ち去ろうとしたが、直前に腕を掴まれて阻止された。
「そんなに慌てなくても、悪いようにはしないさ」とブラックアウトが背後で笑う。
「…何がしたいんだ。」
「今わかるようにしてやるよ」凄んで見せたオレの言葉に応えたのはフレンジーだった。
先ほど仕込まれたウィルスが突如オレの中で活性化し、セキュリティーに小さな傷を穿つ。
フレンジーから伸びたデジタルの触手がその綻びから一気に侵入してきて、オレの感覚を司る
中枢プログラムを絡め取った。
「なっ…!?」
勿論スパークに直に干渉する程深くは無いが、かといって本来なら簡単に進入できる程浅くもない。
オレはフレンジーからのハッキングをなんとか遮断しようと集中するあまり、ブラックアウトの
足払いを避けきれずに地面に倒れ込んだ。
「クソっ、てめぇら…いい加減にしろ!」
腹が立って怒鳴り散らすとブラックアウトの馬鹿力にそのまま押さえ込まれた。
「暴れて消耗したら後が辛いぞ」ブラックアウトが頭上で笑う声がする。「大人しくしておけ」
言葉に含まれた意図に凍りついたオレに、フレンジーの触手が複雑なスキャン信号を送ってくる。
全身を走査される不快感にオレは再び抵抗する。
「そう暴れるなって。別に痛くしようって訳じゃねぇから」
「…ふざけるな!お前らだけでやればいいだろうが!」
シンプルな波長だった信号に強弱が加わり、続いて指向性が加えられる。
「ブラックアウト相手なんてつまらない」フレンジーがあっさりと言ってのけると、
「おまえが一番良い反応してくれそうだからな」ブラックアウトも呵々と笑ってオレの抗議を退けた。
「…ぅ…っ」
オレの反応をフィードバックして成長しつつ、明らかな意図を含んで送られてくる信号を、
オレは声を殺してじっと耐えていた。
「ずいぶん粘るな。」関節が軋むほど強く握ったオレの拳を撫で、からかうようにブラックアウトが言う。
「……ふん、こんな…もんに…」屈辱と怒りを無理に抑え、精一杯強がって見せる。
「誰が…」
だがそれもフレンジーが開けたセキュリティーホールから、ブラックアウトが無理やり侵入してくるまでだった。
「う…ぁッ!!」
ハッキングによる尋問術に長けたフレンジーのそれとは違い、力づくで感覚中枢をハッキングされると、
オレはたまらず悲鳴を上げた。
ショックに震えるオレを見下ろすブラックアウトの顔に獰猛そうな笑みが浮かんだ。
ブラックアウトから送られてくる乱雑な信号と、フレンジーの巧みで的確な信号の中に、
時折異質な感覚をもたらす信号が混ざる事にオレは気づいた。
表現しがたいその感覚に、神経が高ぶり自分のものとは思えない声が喉からもれる。
「は、…あぅ…ッ」
体内の深くを灼くその感覚は恐怖にも似ていて、オレはされるがままになっていた。
「なんだ、すっかり大人しくなったな。」獲物を追い詰めた時の口ぶりでブラックアウトが嘲る。
「…黙…れ……このや…ッ!」
信号が強められ、挑発に乗った事を後悔する。
抵抗をやめたオレはブラックアウトの膝の上に抱き起こされると、高出力の信号で
さらに激しく攻め立てられた。
次々に送られてくる刺激はどれもあやまたずオレの敏感な部分を刺激し、
オレはブラックアウトの肩にしがみついて耐えるのが精一杯だった。
「期待通りの良い反応だな」
「ああ」
フレンジーとブラックアウトがわざとらしく言葉を交わすのを聞きながらオレは達した。
ふてくされて黙ったままのオレを、2人が決まり悪そうに窺っている。
「ったく。」
このバカ共が…。
オレは肩をすくめて立ち上がると、自由になった体をビークルに変化させる。
ドウドウとエンジンを空ぶかししてみせると、とうとうブラックアウトが言葉を直接送信してきた。
「…スマン。」
奴にしては珍しいしおらしさに思わず心の中で笑う。
「……次は二人だけの時にしろ。」
方向転換して速度を上げたオレの背後で、巨大なヘリが舞い上がっていった。
□STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)デキゴコロナンダ…ゴメンネ
ガクブルしてたフレもこの後ちゃんと許してもらったってことで。
うわーうわー!!神!!!
ありがとうございます
>>383さん
お陰で今日眠れませんw
この流れの中申し訳ないが、誕生日だけは祝いたいので強引に投下。
流石兄弟 リバ 平安8
※地雷注意!過去の従兄者×兄者について言及あり
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ジサクジエンガオオクリシマ~ス!
真昼の熱気は既に失せたが、夕暮れの寂莫が迫っている。
ただし闇が全てを鎖すにはまだ間がある。
兄者はこの時の空を眺めるのが好きだ。
まだ弟は帰らない。だから簀子(すのこ)にいざり出て、高欄にもたれて眺めている。
弟者は外を眺める彼を見かけると不安がる。出かける自由を奪ったことの罪が胸を責めるらしい。
――出たいんじゃないのだがな
ただ、少しずつ暮れゆく空が好きなだけだ。
権門の子弟である。父は内大臣の位にあり、母は皇太后付きの女官だ。
自らも右近衛府の少将にして蔵人の職を兼ねている。
けれど彼には秘め事があった。
この時代、忌むべき存在である双つ子の弟がいる。その彼と、元服の頃から入れ替わり始め、
今ではそれまでの弟の立場でこの東北の対で暮らしている。
そして、その弟と情を通じている。他の家族や正室には持ち得ない強い愛情と執着に捕らわれている。
夕闇を背に部屋に戻った。
燭台や吊燈籠の灯を点しに来た雑仕に軽くうなづき、唐櫃(からびつ)から草子を取り出して、
それを読みながら弟を待った。
渡殿を通る足音が苛ついているように聞こえる。それでも待ちかねたその音が嬉しくて、
立ち上がって彼を迎えた。
暗い顔で入ってきた弟者は、その兄を強く抱きしめた。
明日も彼が部屋に籠ることを見越して、唇ではなくうなじに痕が残るほどくちづけた。
されるがままにそれを受け入れていた兄は、弟者の指先が単衣の胸もとに滑り込んだときに
初めてそれを止めた。
「何かあったのか?」
指先に自分の指を絡ませる。人の温もり。
陰のある微笑いをどうにか浮かべ、その指をつかむ。
「いや、大したことじゃない。今度の観月の宴だが、舞も組むことになった」
「ほう。おまえが踊るのか」
「ああ……青海波(せいがいは)だ」
「二人舞だな。相手は?」
弟者は苦虫を噛み潰すように答えた。
「………アイツだ」
その表情で兄者は悟る。従兄弟者と踊ることになったらしい。
「最初は頭中将の予定だったが主上がな」
似た顔の方が面白い、とそう決めた。
「やはり、嫌か」
「当たり前だろ!あんなやつ、むしろ亀羽目波でもぶつけてやればいい」
「それは何だ」
「知らないのか。古くからある伝承で、甲羅を背負った仙人から伝えられる必殺技だ。こう」
弟者は両手で形を作った。
「こうか」
兄者も真似をしてみる。
「そう。で、叫ぶ」
二人してしばらく練習するが、ふと我に返る。
「…むしろ、舞の練習をした方が良くはないか」
「まあな」
しかしその気にはなれないらしく、円座に腰を下ろして考え込む。その表情がかなり暗い。
その宴は舞よりも管弦の遊びが主体となる。
大半の楽器は雅楽寮(うたづかさ)で楽人たちが管理しているが、
一部の御物は校書殿にしまわれてある。
プログラムを作り終えた頃、上司にそこに行かされた。舞手の片割れとともに。
塗籠(ぬりごめ)の中は昼なお暗く、灯を点しても薄ぼんやりとしている。
そこに、世の中で最も嫌いな人物の人をくったような嘲笑いが浮かぶ。
「……楽器といえば、オマエの兄貴もいい声出したな」
体がこわばる。微かに黴臭い塗籠の空気が凍る。
「お前が仕込んだのか?すがりついてイく時が特によかった。並の楽器じゃあの音は出せねェ」
自分の表情を意地悪く観察している。反応したら負けだと思う。
相手はニヤニヤとこちらの動揺を楽しんでいる。
この男と兄者には過去がある。それが、自分を思い過ぎての行動であることを知っているが、
トラウマになりつつある。
それなのに、躯は疼く。
「勃ってるんじゃないのか」
指貫(さしぬき)の上はゆるやかな袍で覆われているため、わかるわけがない。
それでも図星を指され、そっぽを向いた。
紺地錦に包まれた漆塗りの七弦琴を取り上げ、中身を確認してそこを出る。
唐渡りの琵琶を抱えた従兄弟者は、灯を吹き消す前に「アイツに慰めてもらえ」
と馬鹿にしたように言った。
身体が灼け焦げそうなほどのジェラシー。
怒りと悲しみ、それに蔦のように絡みつく昏い感情。
そしてその深淵に潜む淫靡な影。
傷は自分を蝕み、新たな贄を欲しがる。
――彼を傷つけたい
闇から生まれる自虐と同じ色の加虐心。
――泣かせたい。傷つけたい。そして……癒してやりたい
自分の言葉や行動で生まれる涙をこの手でぬぐい、それを唇で味わいたい。
抱きしめて、全ての願いを聞いてやりたい。
その想いは棘として心の奥に沈む。
けれど横にいる彼はそれを溶かすような笑顔だ。
「少し遅いから心配だった」
弟者は不思議そうに見返す。
「最近は治安もそう悪くない」
「違う。誰かに『おまえは宮中の柱になれ』とか『俺がオマエを本当の関白にしてやる』とか
1/3ほどくどかれてるんじゃないかと」
「ねーよw」
気分が軽くなる。肩に手をやり引き寄せる。先ほど口づけた痕に触れてみる。
くすぐったそうにしている様子が年より幼く見えた。
そのくせ腕の中に閉じ込めようとすると薄く微笑い、逆に床に倒された。
下から見上げていると今度は大人の表情で、唇を近づけてくる。
目を閉じると触れられた部分が熱い。
日中は夏の名残りを留めるこの季節、日が落ちてからは急に秋の涼しさを取り戻す。
冷えた空気の中、躯だけが熱を帯びていく。
「舞のほかは何を奏するのか」
「オレは竜笛と催馬楽(さいばら)だ」
「子育てに忙しそうな人?」
「いや。歌の方だ。四、五人で歌うのだが合唱パートが合わなくてな」
遅く取った夕食の後、厚畳に転がっている。
「へえ……まさか主上も歌うのか」
「そのせいもあるがな」
歌うこと自体はお好きでいらっしゃるようではあるが、なかなかに個性的な歌唱法をおとりになる。
「持っていけ 最後に笑っちゃうのは吾のはず 衣冠束帯だからです←結論 のとこが特にひどい。
笏(しゃく)投げは揃うが」
「声は悪くもないのに、何故あのような歌になるのだろうか」
「さあ」
「おまえのソロパートは」
「君のくれた阿弥陀信仰 億千万っ 億千万っ、のとこ」
「あそこか。聞かせ所だな」
「ああ」
ちょっと得意そうな弟者は床に目をやり、投げ出されたままの草子に気づいた。
軽い問いかけの視線に兄者が答える。
「――愛のたゆたい 多武峯(とうのみね)少将の真実――メロドラマだ」
原典の『多武峯少将物語』は、文武に優れ将来を嘱望された実在の人物藤原高光が、
突然の出家をとげたことについての話である。
「兼家の異母兄弟だよな」
「うむ。彼はテンプレ攻めで、さっき『おれが全てを忘れさせてやる!』とか叫んでいた」
「はあ?」
「えーと、長男の伊尹(これまさ)が紳士攻めで、次男の兼通(かねみち)が鬼畜攻め、
三男兼家が今言ったやつで実弟の為光がヘタレ攻めだ。ちなみに正妻は天然…攻めとは言わんな」
「総受けものか」
「その体裁だが分類マニアものって感じだ。実妹がいいんだ。一見乙女系に見えるが実は女王系で
『しょせんお兄様は私の足元にひざまづくしかないのよ』と輝くような白い足を……ハアハア」
そういえばこいつ妹萌えだった、と幾分むくれながら思う。
「そいつが本命か」
「いや」
体を半分起こし、弟の耳もとに唇を近づける。
「最後は素直クールなもう一人の実弟のもとで出家」
「坊主なのか、それ」
「ああ。お山のな。南無阿弥陀 南無阿弥陀 それが坊主の口癖」
「比叡(ひえい)山はそんなことを言わない」
「天罰!天罰!天罰!天罰!」
楽しそうに歌いながら、弟に片目をつぶって見せた。
自邸に戻るとすぐに気持ちは鎮められるのに、九重(ここのえ。宮中のこと)の中ではそうもいかない。
舞や催馬楽の練習のせいで、何かと苦手な相手との接触が多い。
しかも、隙さえあれば感情を揺らすその男の人の悪さに、弟者はいつも苛ついている。
蔵人になったとき彼はもう一人前で、自分で何でも出来ると思った。
泣いたり、笑ったり、怒ったり。世の中のことはほとんど知った気になっていた。
でも本当は家族や社会に守られているただの若人だった。
本当の怒りや悲しみはそんな日常の中にはない。
それを知ったのは、あの過去の一日で未だに弟者はその日に縛られている。
宴の当日だ。
まだ日も暮れぬうちから弟者は支度に忙しい。
楽人や舞人を適切に配置したり、計画を状況にあわせて微調整したり、様々な仕事がある。
正式な行事なので殿上人が主体だが、主上の御もとの幾人かの女御が、
御簾の内から手練れの女房に楽の音を添わせたりする。
その楽器の弦を整えるためにもやたらに呼ばれる。
付き合いのある相手は無碍にも出来ない。
あの男も同じように忙しいので、構われない事だけが救いだ。
やがて満月が昇り始める。
敷かれた白砂がその光を受けて、銀の珠かと見まごうばかりの艶を見せる。
篝火はわざと控えめにさせた。今宵の主役の月の面輪をかすませぬように。
抜かりなく全ての確認をしているとき、ふと見慣れぬ舞人を見つけた。
面でその貌を覆っている。人数とプログラムを脳裏で確かめ、下位の蔵人を呼んで聞いてみる。
「舞の補いの者らしいですよ。楽人の人長が念のために連れてきたそうです」
その頃には確信していた。兄者だ。間違いない。
何とか声をかけたいが、一足ごとに呼ばれて近づけない。
謎の舞人は一人そこに佇んで、弟者を見ていた。
その肩を叩く者がある。
よりにもよって従兄弟者が彼をふり向かせる。
――そいつに触れるな!
全てを蹴散らして走り寄ろうとした瞬間、なんと主上からの直々のお召しがある。流石に断れない。
用を果たして駆け戻ったが、既に舞人の姿は消えていた。
妙なる調べがあたりに響く。
それにそつなく笛の音を合わせているが、胸のうちは嵐と変している。
いつのまにかに戻ったあの男は、こちらを見てにやり、と笑った。
瞋恚の焔。限界まで高ぶる悋気。
隈なく冴え渡る望月のもとにありながら、心は闇に満ちている。
笛を置いてその場を下がり、舞装束に改める。
盤渉調(ばんしきちょう)の曲が流れる。
清涼殿の東庭に設えた舞台に二人が上がる。
使徒の一体ぐらい倒せそうに同調して、二人の袂が翻る。
弟者は挑むように、試楽のときとはわずかに違えたタイミングで相手のミスを狙うが、
従兄弟者は少しも外さない。
むしろその緊張感が舞を引き締め、恐ろしいまでの美が生み出されている。
「鬼神にでもさらわれるのではないかと不安になるほどでしたわ」
終了した後、女房たちの下馬評が耳に入った。弟者は微かに口の端を上げた。
――オレ自身が鬼神だと気づいていないのか
舞の最中、心をよぎった一つの思念。
――問題は兄者だ
どんな甘言に惑わされたのか知らないが、アイツについて行くなんてひどすぎる。
再び心は毒に占められる。
――どうすれば彼を傷つけられる?
答えはすぐに返る。
――オレを汚せば彼は傷つく。
そのくらいの自信はある。
――それに最も効果的なのは……
催馬楽の用意が整い、呼ばれた。目の前をその男が大股に歩いていった。
月は西に傾きつつあるが、それでも有明と呼ぶにはまだ早い。
宴はいまだ果てなく続く。けれども弟者はそれに背を向け、いつもの道を牛車で下った。
秋の夜の月の冴えは、春の朧のゆかしさとは違う。
渡殿に落ちる影はその際さえ鋭く見える。
弟者は荒くそこを踏み渡って、音を立てて妻戸を開いた。
灯火は消えている。深い闇がそこに広がる。
――いないのか
目を慣らして見渡すと、部屋の柱のもとに人影がある。座り込んだまま身動き一つしない。
灯りを一つだけ点してみると、舞人の姿のまま面さえ外していない。
紐を解いてやり、面を取ろうとすると片手で押さえたまま首を横に振った。
それでもその手を捕らえ、無理に外すと水に似たものが滴った。
火影に涙が水晶のように光る。
「アイツに何かされたのか!」
勢い込んで尋ねると、再び否定のしぐさをする。
「………違う」
両肩をつかむと顔を伏せ、小さな声で答えた。
「妬いている」
驚いて見つめると涙ぐんだまま赤くなった。
憎しみで人が殺せたら。そんな思いで踊りきったのに、端から見ると息の合った二人舞に見えたらしい。
こちらも夕暮れのことを尋ねてみる。
「肩を叩かれていただろう」
「目立たず見えやすい場所を教えてくれただけだ」
体の力が抜け、目眩がする。自分の一人芝居があまりに馬鹿らしくて、その場に倒れ伏したくなる。
愛しくて、憎くて、傷つけたくて。
催馬楽を歌っているときに、横の従兄弟者に薄く視線を流したら、早速、見返してきた。
総毛立つほどの不快。しかし泣きそうな兄者の顔を思うと別の意味でぞくりとした。
どん底の関係性が、別の軸を加えてそこからみるといやに誘惑的だった。
もっと気を惹こうとした自分を止めたのは、彼のいつもの笑顔だった。
舌をそっと当てると、涙は塩の味がする。
なのに、甘美い。
それは蜜のように弟者を絡めとる。
自分しか持たない感情ではなく、彼の心にもあると知るだけで、世界はその色を完全に変える。
秋は己のみのものではない。
月の光と琴の音が、体のどこかに残っている。
それを相手に分け与えるように口づけて、彼の躯も月に蕩かす。
比翼の鳥にも連理の枝にもなりたくない。
このままの自分で、そのままの姿で愛しあいたい。
舞装束を脱がし、自分の衣を脱ぎ捨てて二人だけの海に沈む。
ゆっくりと、深く。
戸の外から、虫の声が聞こえる。
泳ぎ疲れて、身を寄せ合って、それを聞く。
そういえば生まれ月だったと思い出して、腕の力を強くする。
何も恨まない。そして望まない。抱きあうこの、相手以外は。
暁の気配が忍び寄る。
二人は黙って互いを見つめ合った。
了
途中から後夜祭になってしまった。
8/13後半はもちろんネタです。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
405 :
404:2007/09/18(火) 00:23:33 ID:2TEuw9Md0
×8/13後半は→○8/13前半部後半は
ちっとも冷静じゃない801考察スレ
>>194です。萌えのままにさわりだけ投下。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
狭く、薄暗い部屋にタイピングの音だけが響く。
その音はまだ拙く、いかにもパソコンに不慣れな者らしい。
その部屋の主であり、タイピングの音の元である彼はパソコンを食い入るように見つめ、そのまだあどけない顔をくしゃりと歪ませていた。
「俺さ、今度は801板に凸しようと思ってんだ!」
学校からの帰り道。
友人と二人で歩いていた彼は少し誇らしげに、またいたずらっぽく笑みながらそう話した。
vip。それは、彼の趣味であり居場所。
隣りにいる友人に、その存在を教えられてから彼はすっかりハマってしまったのである。…教えてくれた、その友人よりも。
彼は元から、寂しがり屋な性格だった。そして、人付き合いが苦手な方でもある。
この学校に入学してからも、彼はしばらく一人だった。
そんな彼に居場所を与えてくれたのが、友人と、vip。自分の行動に反応が返ってくる、しかもリアルタイムで!
そんな楽しみを覚えた彼は、嬉しそうに次のスレについて話し始めた。
「やっぱ、ベテランvipperとして一回は801に凸しないとな。あいつら本当は男好きなんだぜ、そのまんこに中出ししてやるよww」
通行人がいる前で、堂々と話す彼。そんな彼を友人は苦笑しながらも宥めた。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
この勢いのまままた投下にきます。中途半端でスマソ…。
>>406 乙ですー!
楽しみにしてますよ!どうか彼をめちゃくちゃに可愛がってあげてくださいw
>>406 >>1受ktkr!www
姐さんお待ちしてました。
>>1の目に触れるように、本スレにも貼って頂きたい。w
>391
ひさびさの平安流石兄弟ktkr!
相変わらずコネタが効いててたのしませていただきますた!
ご馳走様〜
劇場版の影響で今更初エウ゛ァ虹。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
劇場版の影響で今更初エウ゛ァ虹。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「僕の顔が気になる?」
天井に顔を向けたまま、彼が不意に声を発した。
横顔を見つめていた事に気付かれていたのだと悟る。
その途端、頬に熱が上った。
「あ、その…髪とか、肌とか…アルビノっていうやつなのかなって…」
「残念ながら、僕は少々色素が足りないだけさ」
遅れて視線が来た。
彼は笑っている。
「アルビノの色素欠乏は髪だけじゃなく睫や眉毛にまで及ぶ。
肌も血の色が透けるからピンク掛かって見える。
白人の赤らんだ肌を思い浮かべてごらん。
それから目。
アルビノの目は瞳孔も赤いんだ、そう、シロウサギのように。
僕のは、」
彼が動いた。
身を乗り出し、目の前に顔を寄せてくる。
「ほら、黒いだろ?」
「…うん」
唾液を飲み込むことで、辛うじて声を返すことができた。
「アルビノの個体は、神秘的な美しさを持っている」
彼は間近に迫ったままそう口にする。
微かに吐息が掛かった。
「き、君だって凄く綺麗だよ、肌も、目も」
言ってから、何を口走ってしまったのだろうと思った。
背筋に冷たい汗が伝う。
もう一度唾液を飲み込もうとしたが、口が乾いていて叶わなかった。
「ありがとう。でも僕に言わせれば、君の方こそ、だよ」
視界に入らない位置で彼の唇が笑みを形作ったのが、気配で感じられた。
「僕の目を見て。瞳に映る君自身を見るんだ」
言われた通り、彼の瞳に焦点を合わせる。
抗うことはおろか身動きすることさえ忘れている。
「どう見える?」
戸惑いと羞恥、その他諸々の感情が入り交じった己の表情が、そこにはあった。
「そのまま見ていて」
彼の手が肩に触れた。
身を竦ませ、反射的にそこを見ようとした。
「逸らしてはいけない」
言われ、息を詰める。
暗示でも掛けられたかのように、眼球さえ動かせなくなる。
彼の手が二の腕から肘、手首、甲へと辿り、また上へとなぞってゆく。
ただそれだけのことなのに、呼吸が乱れる。
小さく口を開けて喘ぐ自分が、彼の瞳に映っている。
急に焦点がぶれ、視界がぼやけた。
それも一瞬の事だった。
違和感を感じた唇に指で触れてみる。
濡れた指先を見てようやく、舐められたのだと理解した。
「人は他人の目を通して自分という存在を確かめる、なんて言ったりするね。
それはあくまでも比喩的な表現だけれど、これをその疑似体験と言えないこともない」
未だ束縛感の消えない、体。
彼の言葉が頭に入ってこない。
「僕の目を通して見た君の姿は、どうだった?」
「どう、って」
「心の機微を如実に伝える君の瞳や表情は、僕の目にはとても繊細で綺麗だと映る。
…君が思っている以上にね」
彼が微笑む。
また、身動きを忘れて見惚れた。
番号が出鱈目で申し訳ないorz
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>413 禿げた(*´д`*)ハァハァ
ちょっと貞本工ウ゛ァ読み直してくる・・・!
灯火親しむの候、如何お過ごしですか。
どうも映画スレ441です。
今回はこれにします。
映画 ロッ○・ユー!
ウィリアム×チョーサー
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
>412 GJ!
10年前に缶コーヒーペアで買って、また今年も買っちゃうくらい好きなカプだ。
映画見に行こうか迷ってたけど、見に行ってみるよ!
そして>380も乙!
思いもよらないカプでピクーリだけど萌えた。
これからは大爆笑再放送を違う目線で見られそうだ。耕二に萌える日が来るなんて思わなかったよ。
姐さんの作品ならチョーさんと耕二のバカ兄弟でも萌える事が出来そうだ。
木陰からそーっと手を伸ばして、ジェフが脇に置いているインク壺を取り去った。
ジェフはなんにも気がついていない。創作に没頭するといつもこうだ。ぼくが隠れてい
る木の幹にもたれて、羽ペンを手に羊皮紙と睨めっこしている。
文面を見つめたまま、ペン先をインクに浸そうとする。何度か空振りして、漸く壺が消
えていることに気がついた。その時の表情といったら、なかなかの見物だった。
「ここだよ」
ぼくはインク壺を持って木陰から姿を現した。
「ウィリアム、何だ君の仕業か。子供みたいなことするなよ。折角いい表現を思いつい
たのに、忘れちゃったじゃないか」
ぼくの手からインク壺を取り戻し、上目遣いになって文句を言う。
ぼくは彼の隣に腰を下ろした。「見せて」彼の手から羊皮紙を奪い取り、目を走らせる。
相変わらず素晴らしい・・・・のかな?彼のことを、咳唾珠を成す言葉の魔術師だとか、我が
国始まって以来の才能だとか褒めそやす人もいるそうだけど、難しすぎてぼくにはちっと
もわからない。
羊皮紙を返して、ぼくは言う。
「文章を書くのってそんなにおもしろい?ぼくはあまりおもしろいとは思わない」
なんせ平民出身だし、まともな教育も受けてこなかったからね。
「もっとおもしろいことがあるよ」
言いながら、羽ペンを持つ彼の手を取った。
「君が好きだ、ジェフ」
ジェフの真っ白な面に、さっと血の色が差した。
「だめだよ・・・・。恥ずかしいじゃないか」
だけど、ぼくの手を振りほどこうとはしない。ぼくはニヤニヤ笑ってみせた。
「よく言うよ。初めて会った時にはあんな格好で、堂々とぼくらの前に立ってたくせに」
ジェフはますます顔を赤らめて、慌てた。
「そっ、それは・・・・!それとこれとはまた別・・・・ん」
彼は最後まで言えなかった。ぼくが彼を抱き寄せ、その唇を自分ので塞いだからだ。彼
の手からペンと羊皮紙が滑り落ち、代わりにぼくの背中に回される。
一頻り互いの唇を、舌を吸いあった後、ぼくは更にからかう。
「あの時って、みんなに見られながら自分で脱いだの?それとも、寄ってたかって無理
やり脱がされちゃった?」
「もう!いいじゃないかそんなこと」
ジェフは地面に両手をついた姿勢で、怒ったようにそっぽを向く。
ぼくはジェフの胸をはだけさせた。まるで子猫の毛みたいな、ふわふわした金色の茂み
の中から薄桃色の乳首が二つ、恥ずかしそうに顔を覗かせている。
「さぁて、どっちからだ?」
羽ペンを拾って、ジェフのエッチなおっぱいを代わる代わるくすぐった。決めた。羽ペ
ンを放り出し、左のおっぱいにちゅっと吸いつく。舌先でコロコロ転がしてみる。
「あんっ」
ジェフが両手をついたまま仰け反り、いやらしい声を立てる。ぼくはジェフのもっと恥
ずかしい所をもみもみする。ぼくのそこと同じように、既に充分に固くなっている。
「う・・・・ああ、ウィリアム、気持ちいいよ」
咲き乱れる花と柔らかな若草の褥に、ジェフのひょろ長い体をそっと横たえた。小鳥の
囀りが聞こえる。ジェフのきめ細かな白い肌、濡れた乳首、ズボンの布地を持ち上げてぷ
っくり膨らんだ臍下。おかしいな、ジェフの裸なんか見慣れている(!)筈なのに、なんで
こんなにドキドキするんだろう。
ジェフ、君はまるで妖精みたいだ。
その時になって、少し戸惑った。男性とは経験がない。女の子となら多少はあるけれど。
それどころか、ジェフに会うまでは、自分が男の人を好きになるなんて思いもしなかった。
正直に、そう打ち明けた。
「そうなのかい?でも、俺は男の子もよく知ってるから大丈夫だよ」
ジェフは安心させるようにそう言って、やさしく両腕を差し伸べ、ぼくを招いた。
木洩れ日に輝く彼の金髪。細く柔らかで張りのない、その髪に指を絡ませ、顔を埋めた。
いい匂いがする。彼の額に、瞼に、頬に口づけ、耳朶や耳の外縁を舐めた。指先で乳首に
触れながら、耳の穴に舌を差し入れると、彼は深い溜め息をつき、身を震わせた。
その表情と姿態の美しさ、艶めかしさに、ぼくは目を奪われる。この類稀な美貌と艶の
中に、また類なき文学的才能が宿っているのだ。彼こそは正しく、神の器。どこかの誰か
に先に使われる前に、ぼく、ウィリアム・サッチャーがこの称号を彼に捧げよう。
青葉香る森の中の、澄んだ泉の側で、ぼくは、後に我が国の文学史上に燦然たる名を残
す文豪ジェフリー・チョーサーと、何時間も愛しあった。
勿論、その頃のぼくはそんなこと知りゃしなかった。ジェフがそんな偉い人でなくても、
口ばっかり達者なろくでなしの博打打ちでも全然構わなかった。大文学者だろうが、昼日
中っから真っ裸で街道を歩く変人だろうが関係ない。こんなこと言ったらジェフや彼を評
価する人たちは気を悪くするかも知れないけれど、ぼくにとってのジェフは、ただの愛し
い男の人に過ぎないのだから。
ジェフの薄青い目がじっとぼくを見つめて、微笑む。その色は、グレートブリテンの遥
か北西にあると聞く氷の島の神秘の海だ。そしてジェフの肌は、その島に降る雪の色。
その島は氷河で覆われているけれど、でも、火山に溢れていて、地熱で至る所に温泉が
湧き出しているという。きっとジェフも同じなんだ。
だってジェフの心の中は、全ての階級の人を見つめる温かい思いやりに満ちているもの。
享楽とユーモアを追い求め、人生を、人間を、この世を肯定しようとする情熱で燃えてい
るもの。ジェフの体の中はとても温かくて気持ちよくて、ぼくはどうかなっちゃいそうだ。
これまで入ったことのあるどの女の子の中よりもずっと固くて狭いけれど、でも、ぼくを
しっかりと包みこんでくれる。ぼくはあっ、あっと声を上げながら、ジェフの中で達した。
何度も何度も。
ジェフを抱いた、というよりも、ジェフに抱かれた、という感じだった。
いつの間にか、日も西に傾いたらしい。森の下草を吹き渡る風が、汗ばんだ肌に少し冷
たい。ぼくはジェフに腕枕をしてやりながら、彼の裸の体に自分の脱いだマントを掛けて
やった。二人とも暫く黙って草の上に横たわり、清冽な湧き水の奏でる調べに耳を澄ませ
ていた。
何気なくジェフの横顔に目を遣って、驚いた。彼の閉じた目尻に、涙が一粒光っていた
からだ。
ぼくは身を起こし、ジェフに問いかけた。
「もしかして、本当は嫌だった?」
ジェフは首を振った。
「まさか。愛してるよ、ウィリアム」
そう言って、ぼくの頭に片手を回し、小鳥が葡萄の実を啄むような甘く、細やかなキス
をくれた。
「じゃあ、どうして泣くの」
ジェフはそれには答えず、突然、こんなことを言い出した。
「俺が協力するから、立派な騎士になれよ」
「何だよそれ」
ぼくは笑ったけれど、ジェフはまじめな顔をしていた。
「そして、富と名誉と、俺なんかよりもずっと君に相応しいレディを手に入れるんだ」
「止せよ、何言ってるんだよ。ぼくの恋人は君だけさ」
ぼくは悲しくなってそう言った。その時は本当にそう思っていたから。
ジェフはやっぱり、何とも答えなかった。ただ、寂しそうに微笑み、ぼくにマントを返
して起き上がった。
「さあ、そろそろ宿に帰ろう。ローランドやワットが心配するよ」
彼の言葉や態度に戸惑いながらも、ぼくは身支度を始めた彼に呼びかけた。
「ジェフ」
「ん?」
振り向いた彼は、いつもの掴み所のない表情に戻っていた。ぼくは躊躇いがちに言った。
「あ、あの、今夜も・・・・」
ジェフはにっこり笑った。そして、
「いいよ」
と答えてくれた。
Fin.
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
おおきに!
また忘れた頃になんか放りこみます。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ちょっとだけョと後ろ後ろー、の人
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 長くてごめん、でも書いたら落ち着いたの
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ マタキチャッタノ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
たらいが落ちてきたり、家が崩れたり、そんなのは大した問題じゃない。
今一番問題なのは、目の前の怒り狂う母親と、陽が落ちようというのに未だ帰っ
てこない末の弟のことだ。
「まったくなにやってんだよあの馬鹿は!もう暗くなっちまうじゃねえか!」
何度目かの癇癪が爆発して、母親の近くにいたぶーがびくりと身を縮めた。チャの
視界の隅でこーじが肩をすくめる。
仕方ねえやな。あいつは変わってるから。
チャとしては、そんなに心配することではないのではないかと思う。なんだかんだ
言ってケンはしっかりしているのだ。こんな母親と兄弟に育てられているのだか
ら、当たり前だろう。
「……母ちゃん、俺探してくらあ」
とは言え、夜になってしまってからではさすがのケンも心細かろう。口を開くと
、何故か拳骨を落とされた。
「当たり前だろ!早く行っといで! ……お前たちもだよ!」
「へーい」
拳骨を喰らった頭を擦るチャに続いて、二人の兄もすごすごと玄関に向かう。靴を
履きながらチャは彼らを振り返った。
「あんちゃん、先に行ってら」
ぶーを引っ張りつつ、こーじが片手をあげる。
「おう。お前も迷うんじゃねえぞ」
こーじの言葉に手を振り、チャは駆け出した。
夕暮れの町並みはオレンジ色に染まって美しい。
「おーい。ケン坊やーい」
声を張るのは憚られて、少し小さめの声で弟の名前を呼ぶ。
心当たりのある公園や駄菓子屋はすべて見て回った。しかし、ケンはどこにもい
ない。
チャは溜め息を吐いて空を仰いだ。オレンジに淡い群青が混じり始めている。
長兄は少し離れた商店街まで探しに行ったようだ。次兄は10分で帰った。空腹に
耐えきれなかったのだろう。
「もしかしたら、もう帰ってるかもしんねえな……」
俺も帰っちまおうかな。呟きながらのろのろと歩く。もう自宅からはかなり離れ
ていた。
あと少し歩けば河原に出る。そこまで行って、いなかったら帰ろう。そう決めて
足を速める。
「ケン坊、母ちゃんが怒ってるぞー」
呼ぶ言葉のバリエーションもそう多くはない。ほとんど走るようにしながら弟の
姿を探す。空の色は刻一刻と暗くなってきていた。
河原に出ると、夕陽の最後の輝きが水面を照らしていた。ざっと見た感じ人影は
なくて、チャはがっくりと肩を落とす。
「なんだよ…… どこ行っちまったんだあの馬鹿は……」
橋の欄干にもたれて悪態を吐いた。
川を通ってくる風は冷たくて、この季節には多少肌寒いくらいだ。ぶるりと身体
を震わせ、
「帰ろう」
呟いた。
きっとケンももう帰っているに違いない。母親に叱られるのは彼だって嫌だろう
から。きっと「ちょっとお伺いしますけど、碇矢さんのお宅はこちらでしょ
うかね」なんていつもの台詞を言って、いつもより多めのお説教を喰らい、ちゃ
ぶ台に他の兄弟と並んでチャの帰りを待っているのだ。
よし、帰ろう。
そのとき、強い風が吹いた。くしゃみをひとつして、チャは鼻をすする。
「いっきし! ……畜生め、」
「あんちゃん?」
間抜けな声が響いた。
幻聴かと思い、チャは眉根を寄せる。
「……ケン?」
「やっぱりあんちゃんか!」
橋の下からもぞもぞと何かが這い出してきた。見覚えのあるランドセル。兄弟お
古のセーター。
「……ケン。おめえなにしてんだこんなとこで」
自分が想定していたより低い声が出た。ケンがきょとんと首を傾げる。
「あんちゃん、怒ってんのか」
「怒ってなんかないけど、おめえ、いつまでも帰ってこねえからみんな心配して
んだよ」
「あんちゃんもかい」
「……うるせえや」
なにしてたんだよ、河原なんかで。尋ねるとケンは空を見上げた。
「あのね」
チャもつられて上を向く。まだほのかにオレンジ色を残す空。
「星が、見たくなってね」
でもまだ明るかったから。暗くなるまでここで待ってたの。
「……おめえは馬鹿だなぁ」
安堵したからか、なんだか力が抜けて、チャは笑った。ケンが唇を尖らせる。
「なんだよ」
「なんでもない。おめえらしいや」
笑顔を向けてやると、ケンもつられて笑った。それにほっとして、チャは彼に手を
伸ばす。
「ほら。帰ろう」
「やーだ」
チャの予想に反して、ケンは背を向けてその場に座り込んだ。へ、と顎をつきだし
たチャを振り向いて手招きをする。
「あんちゃんもおいでよ。星、見よう」
「おめえ……」
溜め息を吐く。無理に引きずってでも帰ろうと近付くと、腕を引かれた。
「ほら。星が出てきたよ」
その指差す先を見る。明るい、一番星。
「……ほんとだ」
「きれいだろう」
明るいな。あれはうちの家族に例えるならおいらだな。得意気に言うケンの頭を
叩く。
「馬鹿」
驚いたように見上げてくる頭をもう一度叩いて、チャはケンの隣に腰を下ろした。
「うちで言ったら俺でしょうが」
「……あんちゃんじゃねえよう」
陽は沈んで、闇の色はますます濃くなってくる。それに伴い、星もひとつふたつ
と増えていった。
「おめえはあっちだろ、あのちかちかしてるやつ」
「あんちゃん、あれは飛行機だぁ」
「充分でしょ」
「ひどいよぅ。……きれいだなあ」
気がつけば、チャも星に夢中になっていた。あの色の違うのは母ちゃんだな。その
傍の光るのがこーじ。大きく瞬くあれはぶー。
二人で笑い合う。
「そんなら、その下の双子星がおいらとあんちゃんだな」
「おめえは一番星じゃなかったのかよ」
「うん、でも、みんなと離れんのは嫌だもんな」
ケンがとぼけた顔をしてみせる。こういった仕草が、この弟のしっかりしている
ところなのだ。チャはわざとその表情を無視して、河原に寝そべった。
どれくらい経ったか分からない。急にケンが立ち上がった。
「……どした」
「あんちゃん、帰ろうぜ。そろそろうちに入れてもらえなくなる」
言われてみれば、日が暮れてからだいぶ過ぎていた。ああ遅くなっちまったな、
そう思ってから青ざめる。
ミイラとりがミイラになるとは正にこのことだ。母親はきっとかんかんになって
いることだろう。
「ぼうっとしてねえで。おいら先に帰っちゃうよ?」
「やべえ!」
慌てて跳ね起き、さっさと歩き出したケンの後を追う。頭の中は母親の怒声でい
っぱいだ。なんて言い訳をしよう。いっそ言い訳なんてしないほうが賢いのかも
しれない。
そんなことばかり考えて、歩みが自然と遅くなる。
「……あんちゃんよう」
先に行くケンの呆れた声。振り向いた彼は、思い切りチャの頬をつねった。
「いででででっ」
「おいらが悪いんだから、あんたはにこにこしてりゃあいいよ。心配しなくてい
いから、早く歩いてくんな」
つねられた頬をおさえたまま、チャは前を歩く弟の背中をまじまじと眺める。
やはり、こいつは変わっている。
「あんちゃん?」
「ああ悪り」
辺りはすっかり暗くなり、どこの家からも晩御飯のいい匂いがする。ケンの腹の
虫がぐうと鳴き、気が付けば競走のように家を目指していた。
やがて見えてくる我が家に、ケンがスピードを落とす。チャも減速して、気を引き
締めた。その理由はただひとつ。
玄関先に仁王立ちする人影は、間違いなく、
「母ちゃ」
「あのー、お伺いしますけどぉ」
あまりにも普段通りの声音に言葉を遮られた。怒りのオーラを放っていた母親も
、毒気を抜かれたようにケンを見つめる。
「……は」
「碇矢さんのお宅はこちらでしょうかねぇ?」
ああ、こういうことか。本当にこの弟は馬鹿だ。
「母ちゃん、1本つけろや」
便乗すると、ケンもにやにやと笑った。
それに反比例するように、母親の顔色がどんどん赤くなる。
「……お前たちはっ! 本当に馬鹿だよ! どれだけ人様に迷惑かけてるか分か
らないのかい!」
その怒鳴り声に、縁側から二人の兄が顔を覗かせた。べえ、と舌を出してみせる
と、母親に箒の柄で殴られる。
「お前はケンを探しに行ったんだろう! 一緒に迷子になってどうするんだよ!
」
「……ごめんなさい」
「よし! 早く手を洗ってうがいでもしておいでっ」
はーい、と口の中で返事をして家に上がる。そんなチャについて行こうとしたケン
は、襟首を掴んで引き戻された。
「お前はまだだよ!」
「ほ」
がみがみと母親のお説教が響く。手を洗ってちゃぶ台につくと、兄たちが笑って
箸を並べてくれた。
「どうせケンと一緒になって馬鹿なことしてたんだろ」
「馬鹿なことじゃないよ」
「まぁ、無事で何よりだわな」
優しい兄の言葉に、恥ずかしくなって俯く。
「ごめん」
母親の説教はまだ終わらない。
後でケンに謝らなくちゃな。
長兄の拳骨を喰らった頭と、次兄につねられた尻が痛かった。
______________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ アリガトウゴザイマシタ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
改行多すぎました
途中で数字変わってごめんなさい。ごめんなさい
.
>>428 近所からカレーの匂いのしそうな、切なさGJ!
ケンとチャ、いや、みんな可愛いよ。
お植えん団2青新人×赤新人
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! ギラギラチューイ!
「田中さん、今日の午後あいてますか?なら、家に来ませんか?じゃあお待ちしています」
今朝方きた、このかなり強引な電話に「あ、あぁ」としか返せず、いつの間にか約束は取付けられていた。
菊地の部屋に来てから、もうどれくらいたったろう。窓の外はすっかり暗くなっていた。
今迄なら、ここでさよならで済んだのだが"今日"は違う。
…僕達は少し前からただの友達とは言い切れぬ特別な関係になったのだから。
あの時の事は、今思い出しても顔から火が出そうになる。
二人とも熱に浮かされた様に「好きだ」「愛してる」などと口走り、互いにどこまで深く相手に踏み込めるか意地になり
そのまま夜まで縺れ込んだ。
若さだけで突っ走る。青春の通過儀礼だと言わんばかりの夜から少し経ち、自分としてもだいぶ冷静になったと思う。
…だから今、どうして良いのかわからないのだ。
恋愛小説ならまず間違いなくクライマックスはあの夜だろう。
しかし僕達の恋愛には地続きの生活があり、クライマックスとは無縁の日常が待っている。
僕の浅い経験ではその境界線を見極めることが出来ずにいた。
…下世話な言葉で綴るなら、「セックスへの持ち込み方がわかりません。どうしたら良いでしょうか。」
これだけの話だ。
439 :
お植えん新人2/4:2007/09/20(木) 02:20:41 ID:bjYsQ05H0
あの夜以降、菊地の部屋には二度泊まった。
しかし二晩とも見事に肩透かしに終わり、ただ隣で眠っている菊地の髪を撫でるしかなかった。
豪胆でバンカラな漢を気取ればそれだけで満足と言う他にはない。
だが、心のどこかで期待が膨らんでいたのだろう。期待が萎んだ分、虚しさも大きかった。
やはり、言わなければ始まらない。
では、なんて伝えればいい?「可愛い君が欲しい」とか…駄目だ、僕には似合わない。
もっとストレートに言った方がいいだろうか。「H、しましょう」…駄目に決まってるだろう!
どんな言葉を選んでも、熱が足りない。二人の体温を上昇させるような気の利いた台詞が思いつかない。
僕が逡巡している隙に菊地が大あくびをする。
駄目だ!時間がない!早く何か言わないと、また髪の毛にしか触れられないじゃないか!
「田中さん、そろそろ寝…」
言い掛けた言葉を遮る為にガシッと肩をつかむ。
「ひゃっ、な、何でしょうか?」
「いや、今日は、しないのかな、と…」
「何を、ですか?」
「いや、その、えっ…ちな事…」
声が上ずり、掠れていく。語尾が濁り、頬が熱くなり、こんな一言しか出てこなかった自分が情けなくなる。
自然と菊地の肩を掴んでいた手からも力が抜けた。
「してもいいんですか。」
すっかり眠気の吹き飛んだ顔で、菊地が尋ねる。大きな目がこちらを見据える。
強張った体の、首だけを動かすのがやっとだった。
強い力で体を引き寄せられ、そのまま唇を重ね合わせる。
互いに飢えていたとばかりに相手の唇にむさぼりつき、縺れる様にベッドに倒れ込んだ。
僕のシャツのボタンに苦戦する菊地の手を遮り、自分からはずしてゆく。
「ごめん」
「?」
「誘うような真似してさ」
「驚きはしました、でもうれしかったです」
ボタンを全て外し終えたところで、菊地の舌が首筋を這う。
「ずっと、我慢してたんですか?」
「…そうかも知れない」
言ってくれれば良かったのに。ポツリとつぶやくのが聞こえた。
そっちこそ。思えば二人して何を遠慮してたんだか。
見れば自分のシャツのボタンにまで苦戦している。このままだと引き千切りかねないので手伝ってやろうと手を伸ばす。
「…あわてなくたって大丈夫ですよ」
「そっちこそ」
一晩なんてすぐに終わる。一分一秒惜しいのはお互い様じゃないか。
ボタンにかかる指がもたつくたびに苛立ちが募り、引き千切ってしまいたくなる。
二晩も無駄に過した事を考えれば、焦りもあるだろう。
それでもまだ暴走するに至らないのは、これから先幾らでも挽回できると信じるからだ。
最後のボタンをやっと外し、もっと先へと進むべく首筋を舐めた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
age本当にすみません。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )
何か出来たので置いときます。
初作文がエロ有りとはこれいかに
======================
自分だけを避けるような態度を取られて、チェスターに詰め寄った事が発端だったように思う。
自分が何かしたのならその理由、他の事で怒っているのならその理由をクレスは聴きたかった。
自分だけを避けるのは間違いなく前者だ。
それなのに「何でもない」の一点張りのチェスターに、クレスはしつこく迫った。
それだけの事だった。
スプリングが勢いよく跳ねる。急に引っくり返った感覚に、頭が追い付いていかない。
恐る恐る目を開くと、それまで見たこともない形相のチェスターがクレスを跨いで見下ろしていた。
幼なじみが初めて見せる冷たい顔に、クレスの血の気は見る見るうちに引いていった。
「…そんなに知りたいか?」
幼なじみが見せる、怯えきって助けを求めるような顔。
今までは守ってきたが、今は欲が顔を出していた。
口元に薄笑いを浮かべて、クレスの頭を押さえ付ける。
「何……!」
「教えてやるよ」
「痛い、やだ!」
暴れるクレスを押さえ付け、首筋に歯を立てると簡単に痕が付いた。
ライオンが獲物の喉笛に噛みついて息の根を止めるような、そんな光景に似ていた。
今まで感じたことのない種類の恐怖とその相手に、クレスの意識は遠のいてしまいそうだった。
いっそその方が良かったかもしれない。
布越しにに胸を探られ、頂点にたどり着く。
ぷくりと立ち上がるそれに、触れるか触れないかの位置を指先が這う。
やがて布越しにも小さな突起が固くなるのがわかった。
「いやだ……!」
造作もないことだった。首を振るクレスを無視して、薄い布地はビリビリと音を立てて引き裂かれた。
幼馴染みの裸など何度も見てきているが、薄明かりで見るそれは欲を煽るには十分だった。
「チェスター、やめろ…っ」
どうしてこんな事をするのだろう。
震える指先でチェスターの服の袖を掴むが、簡単に払われる。
「優しい親友」の姿は、もうどこにも無かった。
先の行為で立ち上がった突起に刺激を与えられ、思考が掻き乱される。
ぬるりとした感触が輪をなぞり、ツンと立った頂点をかすめる。
コリコリと甘噛みされた歯の隙間から濡れた舌が頂点を味わう様にねぶる。
指先が体を這う度に肌が粟立ち、抵抗すればするほど強く押さえられて逃げ場を失う。
言葉は全て吐息となってチェスターの耳を擽っていたが、その顔色が変わることはなくただ冷淡な行為を続けていた。
「こんなの、だめだ…やめよう……?アーチェ、が……っ」」
彼が好意を抱き、抱かれているであろう異性の名を口にした瞬間、表情が冷たさを増した。
「ひぁっ……!」
「今、言うなよ。何も……!」力任せに、下半身を邪魔する布地を全て破り去る。
既に立ち上がっている中心をスウッとなぞり上げると、とろりと尖端から液が滴る。
「チェス、あっ…ん!」
くちゅ、と濡れた音が耳に入る。もう抵抗しようにも力が入らなかった。
「や、はっ…あぁっ!」
今まで与えられた刺激とは比べ物にならない快楽と未だ残る恐怖に、涙がこぼれ落ちた。
グイと引き寄せられ、後ろから抱き寄せられる格好になる。
「なぁ、クレス」
熱くてたまらない頭に不釣り合いな、冷たい声が流れ込む。
「いつも何考えてヤッてんだよ」
「な……!」
うなじに肩に舌を走らせ、片手が胸を弄ぶ。数瞬動きを緩めた手に擦り付けるように腰が動く。
「男にヤられてんのに腰揺らして」
「これは……ちがう…っ!うあっ!」
最初は控え目だった音がぐちゅぐちゅと大きくなり、高みに上るにつれ上擦る声と重なる。
「言えない、か」
根元から一層強く擦ると、尖端に爪を立てる。
「いやだ、チェスター!やだよぉ……!!いやあぁ……っ」
快感の波を堪えることなどできない体は、弓なりに反ったあと、程なくしてくたりと力を失った。
「……俺は、お前のそういうカオ。」
濡れた指を舐めながら呟いた言葉は、冷たさの中に熱い芯を宿していた。
腕の中の虚ろな瞳に、心が揺れた。
446 :
↑の〆:2007/09/20(木) 06:29:11 ID:xCmwrkBn0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ナンカイロイロスミマセン
おおお乙!GJ!!!(*゚∀゚*)
向こうでも楽しみにしてたんだが、テラ仕事早すw
これが初めてとは思えんです。
次回にも期待してます。
マジGJ!
あ な た が 神 か
ぐぐぐGJ!
ただ伏せ字…伏せ字を…神…
とりあえず置いときますね
っライフボトル
>>446 神様ありがとう!思い切りビリビリやってくれてありがとう!!
・伏せ字・当て字の使用・不使用は自由です。他人に強制はできません。
グロ注意。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
美術の授業で、ビアズリーによって描かれた"サ口メ"の挿絵を見た。
血の滴る生首を受け取る女を描いた『踊り子の報酬』
女が生首を掲げ持ち口付けしようとする『最高潮』
背徳的で不気味、だが思わず見入ってしまう奇妙な魅力がある。
愛する男の首を求めた、女の姿。
「酷く倒錯的な愛だ。こういう発想はどこから来るんだろうね?」
彼が何故か少し楽しそうに言う。
それに返すべき言葉など思い付かなかった。
彼を屠ったその日の夜。
夢を見た。
彼の生首を掲げ持つ自分。
瞼を閉ざした彼の顔は、生前と変わらぬ強い存在感を放っている。
手が勝手に、彼を顔の前へと引き寄せる。
ぶつかる、と思い目を閉じた次の瞬間、唇が触れ合った。
温かく柔らかい唇が、動いた。
幾度も食まれ、やがて隙間から舌が入り込んできた。
深く重なる口。
声が漏れ鼻へと抜ける。
二人分の唾液を必死で飲み下す。
随分長くそれは続いた。
離れた時、唾液が糸を引いたのを感じた。
「運命に踊らされた君へ、僕からささやかな報酬を」
彼がすぐ傍で囁く。
閉ざしていた目を開いた。
近すぎてぼやける視界の中で、彼の目は微笑んでいた。
目が覚め、天井を見つめながら深く息を吐く。
体を起こし、ゆっくりと瞬きした。
ベッドから降りようと腰を捻じった時。
そこに、彼の生首が置かれているのに気付いた。
震える手でそれを取り上げる。
首を僅かに傾け、恭しく口付けした。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
一応これで気が済んだ。
読んでくれたアナタに感謝。
>>451 素敵すぎる!!!ネ申よ!!!
ああ、ここチェックしててよかった…(*´∀`)
>428
GJ!超GJ!!!!
全員習合の頃のケンの可愛さは異常だと常々思ってました!
どのセリフも全部あの声で再生されたし情景もありありと浮かんできたよ。
それと同時に切なさが…カァチャン(ノД`)
またコント見たくなってきた。
ちょっと兄の部屋からDVD強奪してくる!!
456 :
TF:2007/09/22(土) 00:23:21 ID:C2HekDLqO
初めて、しかも携帯からでナンですが
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「これで何度目だ」
「お前の溜め息もな」
スキャン結果にそぐわない口の返しように、さらに眉をしかめる。
必要な処置を高速で計算しながら、目の前の黒い装甲を繊細な動きで外す。
自己再生などとうに追い付かず、内部構造にまで達した傷を黙視して、つくづく彼らの司令官の不在を感謝したくなった。
あの人の心配性と自己嫌悪につける術は、いかな名医でも持っていないのだ。
「・・・なあ」
「ご自慢の大砲から小さな缶でも飛び出る仕様に改造されたくなかったら、黙ってることだな」
手を休めずに一気にまくし立てると、患者はさすがに口を閉じた。
まったく、右も左も手のかかる連中ばかりだ!
「各センサーを切っておけ。それなりの『工事』になる」
不満げな唸り声を無視すると、手元の器具に集中を向ける。
そう、だから眼前に自分のそれより強く光る、青い双眸が迫っているのに気付くのが半瞬遅れたのだ。
「・・・!」
口元を掠めた感触に目を見開くと、当の相手はさっさと全てのセンサーを切って診療台にその漆黒の身体を沈めていた。
ジロリ、とその横顔を睨みつけるとさっそく『工事』に取り掛かる。
優秀な彼は、『たまにあるアクシデント』に手元を狂わせる事は、決してなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)イジョウ、ジサクジエンデシタ!
本気で反省してます
もうしません、お許し下さいメガトロン様・・・orz
あぁー軍医と武器カワユ(´∀`*)
激短ですが。
師匠→ウニで師匠独白。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
お前も俺と同じものになればいいのに。
寂しいと、それだけを想う。
あの日からずっと。
人とは違うとは知っていた。
でもそれは個性なんて優しいものじゃなく。
(多くの奴らの云う夜が、俺には昼に視える)
俺は狂っている。
人としてなら。
まともでないのは、辛い。
(でも俺は恵まれている)
抱き締められる体が傍に居てくれるから。
女神に似た女の乳房に触れれば人と同じ欲望を抱けた。
(傷の舐め合いだとあいつも俺も知ってはいるけど)
彼女の傷が先に塞がれば自分は又この闇に、独り。
(寂しい)
温かい血潮でこの孤独を埋めたい。
この渇きと飢えを消せたなら。
(まるでアイツらと同じ欲望)
浅ましさに笑えば彼の顔が浮かんだ。
臆病な癖に人懐っこいあの後輩。
人にも異端にも付きまとわれて。
何故。
(お前は俺を化け物だと思っているのに)
時々脅えた目で自分を見ているのを知っている。
その癖ドジを踏んだら真っ先に泣き付いて。
無邪気な狡猾さに利用されているのだとしても。
見捨てられない。
(だってお前は)
俺に触れることを厭わないから。
(化け物をそれでも抱き締めて、くれるんだろ?)
お前を護るよ。
お前が俺を見捨てない限り。
嗚呼、たとえ見捨てられても。
(結局俺は、お前のことが好きなだけだ)
狂おしい迄に。
さびしい。
どうかお前も俺と同じものに。
跳べなかったことを知ってはいるけど。
あの時の彼の顔を思い出したなら笑えた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
師匠キタ――(゚∀゚)――!!
あああ萌えた! 萌えをありがとう!
ウニ独白は割と見るけど師匠独白は初めて見た。新鮮!
炎と蜂と音楽、映画後日談のひとこま。
小説版とコミックス版設定も混合のため蜂の発声機能未回復。オマケにドン暗いorz
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
差し伸べた指は銀色の頬に僅か数インチの距離で阻まれる。
現世(うつしよ)と隠世(かくりよ)とを隔てるたった一枚の玻璃の壁。
自分たちの身体の大きさから見れば無きにも等しくそれでいて無限の距離。
ディセプティコンとの戦いが終わり、地球に留まることとなったオートボット達は
彼らに協力を約束した政府によって提供されたフーバーダムの地下、
旧セクター7の研究施設を本拠地として滞在している。
ディセプティコン達の『遺体』は海溝の底へと葬られたが、オートボットの副官のそれについてだけは
彼らの心情を慮(おもんばか)って可能な限りの修復が施され、外界環境への万一の影響を避けるために
真空状態に保たれた強化ガラスの『棺』に収められてこの地の研究棟(バンブルビーが拘束されていた部屋)
に安置されている。
黄色と黒の指先が、小柄な銀色の身体を覆うガラスをゆっくりと辿る。
スパークさえ宿っていれば今すぐにでも起きあがるであろう姿は、さながらこの星で学んだ童話の姫のようで。
ただ一つの相違は目覚めの手段などもはや絶対にないのだという厳然たる事実。
バンブルビーは穏やかに眠っているかのようなジャズの貌を見つめながら、哀しいとも愛おしいともとれる
電子音のつぶやきを漏らした。
「ここにいたのか、バンブルビー」
顔を上げて振り向いた太陽色のオートボットのアイセンサーに、彼らのリーダーである大柄な
赤と青のオートボットの姿が飛び込んできた。
ゆっくりと歩み寄ってきたオプティマス・プライムは静かに片膝をついて、ジャズの棺とバンブルビーの側に屈み込む。
いつもは穏やかなそれでいて確とした意志を宿し輝く青い瞳も、今は深い悲しみを湛えて暗く揺らいでいた。
しばらくの沈黙の後に、
「………すまない」
重く、低く、悔恨に満ちた呟きがバンブルビーの聴音機構を打った。
「すまない、ジャズ。すまない、バンブルビー。
私がほんの僅か判断を違えてさえいれば…このようなことにはならなかったはずだ。
バンブルビー……私は二度も、お前のたいせつなものを奪ってしまった」
何千年も前、オールスパークの悪用を防ぐため宇宙へと打ち上げる作戦時に危険な囮役を担ったバンブルビーは
メガトロンに捕らわれ苛烈な拷問の果てに声を失った。
その事実に接するたび、オプティマスが激しい自責の念に駆られることにはバンブルビーも気づいていた。
そして今度は、数年前只一人未知の惑星である地球に潜伏し、過酷な任務の果てようやく再会できた二人が
その翌日に永遠の別離を強いられる結果となった事が彼らのリーダーを責めさいなんでいる。
バンブルビーはオプティマスを見上げ、彼の大きな手に触れた。
穏やかな電子音とともに、己の意志をデータの形で送信する。
<司令官、ゴ自分ヲ責メテハナラナイ。貴方ハ何モ悪クナイ>
「ありがとう、バンブルビー。だがやはり、これは私の責任なのだ」
データ送信による意思疎通には感情をほとんど反映させることが出来ない。
バンブルビーはもどかしい思いで、打ちひしがれて項垂れるオプティマスを見やった。
オートボットのリーダーであり元セイバートロニアンの元首であった彼には弱腰は許されない。
常にまっすぐに立ち、死した者への哀惜とそれ以上に今生きてある者達を慰撫し激励し続けねばならない。
あの戦いの後もそうだった。
リーダーと副官という立場以前に、古くからの友人を喪った哀しみを押し殺しまずは皆を励ましていたオプティマス。
その心中はいかばかりであったことか。
<司令官、貴方ノセイデハナイノデス>
懸命に送る意志データにもオプティマスは反応しない。
どうにか己の意志を、思いを伝えるすべはないものか。
バンブルビーは立ち上がってオプティマスの正面に立った。
屈み込んでいるせいでいつもより低い位置にある彼の肩に両腕を回し、広い胸に身体を押しつける。
聴音機構に顔を可能な限り近づけて、以前人間の親友にしたように体内の回路の伝達を無理矢理ねじ曲げて
強引に歪みきった声を絞り出した。
「……おぷ…ま…お、ぷてぃ、てぃま……す」
それが、限界。それ以上の声は出なかった。
雷に打たれたかのようにオプティマスが顔を上げ、縋りつくバンブルビーを見やる。
バンブルビーはオプティマスを見つめ、肩口に顔を埋めてゆっくりと首を振った。
「バンブルビー……」
オプティマスの声が詰まる。
彼はゆっくりと手を持ち上げ、小柄な部下の背に回して抱きしめた。
声も音も信号の送信もない、しかし確実に伝わってくるもの。
「バンブルビー……ありがとう、バンブルビー……」
慈雨のごときあたたかな思いに浸りつつ、オプティマスは只ひたすらに友がその生命と引き替えに守りぬいた
愛しい仲間、かけがえのない部下に抱擁を返し続けた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
∧,,,∧
(・ω・` ) オプがへたれになっちゃってファンの皆様ゴメンナサイ
/ y/ ヽ
━(m)二フ⊂[_ノ ブシッ
(ノノノ l l l )
炎蜂キタコレ・゚・(ノД`)・゚・GJ!泣けるー
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 花君 難/波*中/央
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 初体験話
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
王道な感じの初体験です。
誰も居ないとは言え、恥ずかしくないのか。エントランスでしれっとどの部屋が良い?と聞かれて、何でも良いから早く離れたいと思った。わざと言っているに決まってる。
「じゃあここにしよ」
楽しそうな声をさせつつ、ボタンを押した。ランプが点滅する。わからないまま促されて、エレベーターに乗った。
ドアの上にある部屋番号を書いたものがやっぱり点滅していた。中に入るとそこは思っていた以上に広く、綺麗だった。
「ここのホテル、綺麗で新しくて良いんだ」
「そうなんですか?」
座ったら?と言われて大き目のソファに座った。ごくありふれたマンションの一室のようで、初めて来たこともあり感心してしまった。桜咲学園の寮は割りと緩く、寮長にさえ言っておけば外泊も自由だ。その寮長がこんなところに居るのだから、中/央は誰にも言わなくて良い。
「風呂でも溜めてこよう」
――慣れてるなぁ。
慣れているなんてもんじゃない。物凄く慣れている。こういうところに女の子と来たことが幾度もあるんだろうなと想像出来た。
この間は流石に無理だったから、今度はねと言われていた。
土曜日にデートしようと言われ、映画と食事に行った。寮の中でしか難/波を知らなかった中/央は全てが新鮮で、楽しかった。その集大成にホテルに誘われて、頷いたものに戸惑う。
浴室から湯が溜まる音が聞こえてきた。難/波は何のことはないと言いたそうな表情を浮かべて戻ってきた。
ソファに座る。中/央は意識せず、身体がびくついた。
「そんな驚かなくても」
「だって」
正直言って、ホテルに来た経験がない。そもそもこう言った経験がないのだから緊張するなと言われても仕方ない。
いつかは女の子をリードして、と想像していた。しかし生来プライドが高く、慣れてないのが露見するのが嫌で女の子と来たことなんてない。自分がリードされる立場になってしまったことも不思議に思えた。
「中/央」
呼ばれて飛んでいた意識を呼び戻す。難/波を見ると、掠め取るようなキスをされた。キスだけならあの時沢山した。心の中がふんわりとする。そのまま深いキスをされて、どうしようと混乱した。
ソファは広く、押し倒されるように寝ても平気だ。
「お湯が…」
さっきからさほど時間も経っていないのに、言い訳がましく中/央が言った。そんな中/央に難/波は「自動で止まる」とすげない答え。諦めて中/央は力を抜いた。
「ん、ん…」
しがみ付くように難/波に縋れば、手が後頭部をしっかりと支え、逃げられないようにした。見つめあいながらキスすれば幸福すぎてどうしたら良いのか戸惑う。
「お前は可愛いな」
「別に、可愛くなんてないです」
「俺が可愛いって思ってるんだから十分だろ」
ちゅ、ちゅっと鼻先や額にキスされた。音も消えた。難/波は立ち上がると、風呂に行くかと言った。
寮の風呂は狭い。一緒に入るなんてことは不可能だ。久しぶりに広い風呂に入ったので、嬉しくて中/央は足を伸ばした。
難/波が傍に置かれていた小さな袋を破って、ピンク色の液体を浴槽に注ぐ。そしてボタンを押すと、色が変化しながら泡が出てきた。どんどん泡は多くなってふわふわとしている。
「凄い。こんなの寮じゃ出来ないですよね」
「まーな」
「楽しい」
泡を顔の前に持ってきて、ふっと飛ばす。子供みたいにはしゃいで恥ずかしいが、酷く楽しいと感じられた。しかもテレビまでついていて、好きなバラエティを見ながらゆっくりと堪能した。
出てしまうのが気恥ずかしいと言うのもあった。難/波は先に出てるなと言って、シャワーで泡を落とすと出て行った。ここから先は自分で決断しろと言われているみたいだ。
ジャグジーを止め、中/央は考え込む。ここまでついてきたのは自分の意思だ。怖くなんて…多分、きっとない。
思い切って立ち上がると、シャワーを捻った。ぺったんこなスポンジを藪って水につけるとちゃんとした物へ変貌した。隅々まで丁寧に洗うのは時間稼ぎじゃなくって、難/波に不快な思いをさせないため。
大きなタオルに身を包んで、やっと一歩踏み出せた。
部屋の明かりは落とされ、難/波は既にベッドに入っていた。歩いてくる中/央を優しい目で見つめる。恥ずかしくて倒れそうになるのを必死に堪えて、同じようにベッドに入った。途端に覆い被さってくる難/波を見て、目を閉じた。
今度は最初から深いキスで、難/波の腕を掴む。
「後悔しないか?」
「…しません。だって、僕のほうが難/波先輩のことずっとずっと好きだったんですよ?」
「そうだな…有難うな、中/央」
耳もとで低く囁かれて、ぞくりとしたものが背中を走り抜けていった。
難/波の唇が中/央のあちらこちらに触れ、緩やかな快感を引き出していく。どうすれば良いのか解らなくて、為すがまま。胸元をしつこいほど弄られて、くすぐったいだけだったのに、僅かな快感が生まれた。
「あ…」
「もっと気持ち良くしてやるから」
「やだ、難/波先輩…」
足を抱えられて、難/波の眼前にそこを曝す。恥ずかしいほど反応を示すそこに難/波は躊躇いなく口付けた。根元から先端まで舌を這わせ、咥える。唇が上下に動くたびに唾液の音がして、卑猥すぎて眩暈がした。
「…や…あ、ぁっ…」
気持ち良いけれど羞恥が先に立って、ぎゅっと目を瞑った。
次の瞬間、冷やりとした感触が中/央の後ろに感じられた。こじ開けて中に入ろうとする指に違和感を覚え、ますます身体が硬くなる。
すると難/波は口で愛撫していたのを止め、中/央の隣へと這い上がってきた。耳朶を噛みながら囁く。
「嫌か?」
「や、じゃない…けど…」
そんな会話の間にも、ローションを纏った指が中を蠢いている。難/波の声を聞いてやっとちょっとだけ安心出来た。増える指は辛かったけれど、我慢出来た。
三本の指が入り込むと、後ろはすっかりぎちぎちになってしまい、目を潤ませて難/波を振り向く。目元にあやすようなキスをされて、難/波の気持ちを信じられると思った。
「…入れてイイ?」
「っ、あ…せんぱ…」
こくこくと頷く。手を伸ばしてコンドームを手にすると器用に自身に纏いつかせた。やっぱり慣れている。
そのまま後ろから貫こうとした難/波に中/央は思わず、身を捩って抵抗した。
「中/央?」
「…顔が、見えないのって…怖いから」
「でもお前初めてだろ?辛いぞ」
「良いんです」
お願いだと懇願すると難/波は渋々起き上がり、中/央の正面に回った。少しでも苦痛を和らげようと枕を腰辺りに敷く。
「痛かったら言えよ」
「はい」
額へキスをされて、力を抜いた。難/波をこの身に受け入れる不自然さをよく理解していたけれど、好きだから止められない。離れている辛さを思えば、どれほど痛くてもいいと思った。
ぐっと先端が入り込む。我が身が二つに引き裂かれると思うほどの激痛だった。
「く…っ…」
目の前が真っ赤になって、中/央はシーツを握り締めた。難/波は躊躇せず奥までゆっくりと入り込んだ。下手に途中で止めるほうがお互い辛いだけだ。
「大丈夫か…?」
締め付けられて辛いのは難/波に違いない。なのに優しい言葉をくれるから、中/央は嬉しいのか悲しいのか解らなくなって、大粒の涙をぽろぽろと零した。
「平気です」
「無理すんなって」
繋がったまま難/波が中/央の手を取った。指と指を絡めて、温もりが伝わる。もどかしくても動けない難/波に申し訳なさが一杯になった。
「先輩、動いて…」
「でも」
「嬉しいなぁって…思うんです。難/波先輩とこうすることが出来て」
「…可愛いこと言うなよ」
「幸せなんです」
笑ってみせる。難/波ははっとしたように中/央に見惚れた。こんなにも綺麗に笑う奴だっただろうか。この表情を自分が引き出したのだと思うと、優越感を覚えた。
やがて難/波がゆっくりと抜き差しを開始した。声を抑えることも出来ない。
「あ、あぁっ…」
「ごめん、痛い?」
「へ、き…んっ…ぁ…っ…」
キスしながら、難/波の手が中/央の前に伸ばされた。硬度を保っていた場所を握り、上下に擦ってやる。
「んんっ…や、気持ち良い…」
快楽を感じることに罪悪を覚えるのか知らないが、ごめんなさいと中/央はうわ言のように呟いた。もっと感じても良いくらいなのにと難/波は僅かに寂しさを感じた。
「…千/里」
「あ…っ…!」
「名前、呼んでよ」
「南先輩…」
あくまで控えめな中/央に苦笑を漏らした。まぁ、まだこれくらいで許してやろう。
腰を打ちつけながら、幾度も囁く。
「愛してるよ、千/里」
「あ、あぁっ…ダメ…も…」
「うん、イッて良いよ?
「や、やぁ…あぁっ…」
どろりとした液体が難/波の手に零された。少し遅れて難/波も欲望を解き放った。阻まれたそれが中/央の心を濡らす気がした。
いたわりの意味を込めて、軽いキスを受ける。放心状態だった中/央はふっと笑った。こんなにも幸せで良いのかとすら思った。
そっと背中に腕を回すと難/波も抱きしめ返してくれた。人前の照れ隠しは多々あれど、二人っきりのときは大丈夫だ。見上げると照れくさそうな顔をして笑う難/波の顔があって、どこまでもこの人が好きだと思えた。
「そう言えば今度修学旅行があるんですよ」
「らしいな」
「カリフォルニアだって。芦/屋に会えるかなぁ」
「そうか。あいつカリフォルニアだったな。何泊くらいだ?」
「確か六泊七日だったと…一週間くらいは寮が寂しくなりますね」
「ふぅん…」
難/波は何かを考え込んでいるようで、抱きしめたまま黙ってしまった。
「俺も行こうかな」
「え?」
「修学旅行…自腹で金払えば行けるだろ」
「それはそうでしょうけど。でも何で?芦/屋に会いたいから?」
「お前なぁ…」
真面目にそう思っている中/央に難/波はがっくりしてしまった。何も解っていない部分は可愛くもあるが、決して難/波が中/央に執着を持っていると思わない辺りが愚かでもある。
「一週間も離れてちゃ寂しいじゃないか」
「…え、えー?」
やっと意味が解ったようで、照れまくっている。芦/屋に会いたいのも確かに事実ではあるが、それ以上に中/央と離れているのは苦痛だ。
「芦/屋のことがバレたとき、庇ってやって偉かったよ」
「…芦/屋のことは大事な仲間だから」
しみじみ呟く。認めるのは困難だっただろう。しかし自分の信じた友情を貫いた中/央を褒めたかった。
「本当に、お前は自慢の恋人だ」
「僕で良いの?」
「お前じゃなくちゃ困るな…」
まだまだ不安に思っているらしい。完全に解消できるのはいつか、解ったもんじゃない。難/波はぎゅっと抱きしめて、幾度も言った。誰でもなくお前が良いのだと――…。
中/央は嬉しくて、微笑みながら目を潤ませた。想うだけで良いと思っていたあの頃には戻れまい。戻る必要はない。
自分の中に息づいていたものが咲いた。恋の花はきっときっと桜の花に似ていると思った。
終わり
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 有難う御座いました。
| | | | ピッ (・∀・ )
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
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>>482 細かいことだがアメリカ行きって6泊なら8日になるんじゃない?
何羽かわいかったよw
>>474 ネ申再降臨!!!
二人とも幸せでイイヨイイヨー!!!。・゚・(ノ∀`)・゚・。
ちなみに専スレに投稿板もあります、もしよければそちらも御覧になってください…
同じ華黄身スキーとして待ってます。
>>472 GJGJ!
まだ上映中だし、もう1回観にいこうかと思ったよ。
>>485 そうですね!すいません、よく調べずに書いてしまいました。
>>486 あ、専スレがあったんですね。
他カップリングも書こうと思っていたので、
今度からはそちらに投稿したいと思います。
教えて下さって有難う御座いました!
801スレの手洗いネタに萌えたので便乗させてください
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
バリケードは鉄の塊に挟まれてウンザリしたように息を吐いた。
スタースクリームがエイリアン船から入手した情報を基にこの地球というチンケな星に辿り着いたは良いが、メガトロン様もオールスパークも一向に見つからない。
それだけでも苛々しているというのに、今のこの状況だ!!
嬉々として地球の兵器に擬態した、戦うしか能の無いような仲間たちを尻目に、人間たちの監視を任務とするこの機械なら情報も入手しやすいだろうとパトカーにトランスフォームした。
我ながらなかなかの名案だと思った。
しかし…。
人間の愚かさをバリケードは計算していなかった。
警官という連中は平気で乗り込んで来てベタベタ体を触り、パトロールとは名ばかりのお喋りと栄養補給(毎回ドーナツとやらのカスをこぼす!!)に1日を費やす。
やっと戻って来たかと思えば、今の様に他のパトカー共と仲良く並べられるのだ。
下等な軟体動物に我が物顔で乗り回され、物言わぬおもちゃの様な機械と同じ扱いを受ける。
これも任務だと毎日自分を諫めているが、それも限界に達しそうだ。
もう一度バリケードは息を吐いた。
今日はフレンジーが報告に来る日だ。
まともな生命体と話をすれば少しは気分も晴れるだろう。
「新人の仕事だろ。頼んだぜ!」
毎日バリケードを乗り回している警官の声が響く。
実力もない癖に威張り散らすのだけは得意だ。
どこの世にも似た様なのはいる。
(あいつは力がある分まだマシか)
仲間を懐かしむとはな…自嘲気味に苦笑していると一人の男が近寄って来た。
「お疲れさま」
新人という名にふさわしい生真面目そうな顔をした若い男はそう言いながら馴々しくボンネットを叩く。
思わずトランスフォームして男の頭を握りつぶしてしまいたい衝動に駆られたバリケードだったが、ぐっと堪えて睨み付けるだけにとどまった。
男はそんな気持ちを汲み取ることなく嬉しそうに乗り込んだ。同時に助手席にバケツが置かれる。
嫌な予感がする。
案の定移動させられた場所は洗車場だった。
「随分汚れてるじゃないか。今洗ってやるからな」
スポンジを泡立てながら男は微笑む。
なんという屈辱か!こんな虫けらに体中撫で回されるとは…!
怒りのあまり震える体を固くし必死に諫める。
濡れたスポンジを押しつけられる不快な感触にこわ張りすぎた接合部がキリキリと痛みを訴えた。
(くびり殺してやる!!)
限界を超えそうなバリケードは思い付く限りの呪詛の言葉を男にぶつけた。
そんな感情とは裏腹に新人と呼ばれた男はこの仕事に誇りを持っているらしく一生懸命に作業している。
その手つきは丁寧で柔らかい。
昼間奥まで入り込んでバリケードを悩ませていた埃もきれいに拭い取られた。
バリケードの感情にわずかな変化が起きる。
(まんざらでもないな…)
緊張を解き手の動きに体を預けてみる。
するとますます痒いところに手が届くという感じで心地が良い。
「気持ちいいか?」
(ああ、ありがとう)
今自分は何と言った!?
思わず吹き出しそうになる。回路の中でとは言え人間と会話を交わしてしまった。
しかし、悪い気はしなかった。
むしろ地球に来て初めて充足感を感じている。
改めて男の顔を見た。汗をかきながら懸命に手を動かしている。
メガトロン様が見つかれば直ぐさまこの星の生命体は皆殺しになるだろうが、こいつだけは生かしておいてやってもいい。
あんなカス共の言うことを律儀に聞いている男だ。
良い奴隷となるだろう。
なによりこの手洗いが
(あぁ…)
気持ちいい。
突然男の手が止まった。
リラックスするために切っていた認識センサーを作動させると男は小さな缶を覗き込んでいた。缶には"WAX"と書いてあるのが見える。
「ちょっと待っててな」
トントンとテールランプ辺りを叩かれバリケードはそれに応える様に微かに体を揺らした。
すっかり綺麗になった体を滑る夜風を深く吸い込みまたゆっくり吐き出す。
さっきまで凝り固まっていた体がすっかりほぐれたようだ。
明日も汚れて帰ればまた彼が洗ってくれるだろうか。いや、あの無能共を排除すれば彼が昇級して乗ってくれるかもしれないな。
そんな都合の良いことを考えてふと笑みをこぼした時だった。
激しい閃光が目の前に放たれ、バリケードは瞬時に全センサーを限界まで開放した。
とそこにはカメラがポツリと置かれている。しかし、バリケードはその正体を知っていた。知っているからこそ状況は最悪だと気付いた。
「フ、フレンジー…」
「いやーなかなかの見物だね。デストロンともあろうものが人間に触られてニヤついてるなんて」
「お前いつからそこにいた?」
ゆっくりトランスフォームしながら話しかけて来た小さなデストロンに凄んで見せ威厳を保とうとしたが、向こうは全く怯むこと無くニヤニヤしている。
「いつだったかなぁ。お前が背中撫でられて体中ユルユルになってた頃か、いや!フロントの奥の方まで手突っ込まれて身悶えてる時だったかも。そんなに気持ち良いんなら今度俺がやってやろうか」
バンパーを撫で回す仕草にバリケードは再びいきり立ち車体を動かして軽口を叩く仲間を突き飛ばした。フレンジーはキイキイと悲鳴をあげ身をよじる。
「さっきのデータを消せ!今すぐここでだ!!!でなければ轢き潰してやる」
「わかった。わかったよ。まぁそう怒るなって。折角明るい情報持って来たんだから。中に入れてくれよ」
懲りないフレンジーを渋々招き入れ、ふとさっきの青年が気になった。
今フレンジーに引き合わせるのは厄介だ。
建物の方を伺ってみたがまだ戻って来る気配は無い。
「どうやらこの国の軍隊がメガトロン様の情報を持ってるらしい。明日侵入を試みるつもりだ」
「俺に足になれと?」
その通り!、フレンジーは目的地のデータを送り込みながら小刻みに頷いた。
「やっとこの毎日から開放されるのか」
「そういうこと。あとは何にトランスフォームするかだけど…お。いい物があるじゃないかよ」
せわしないデストロン兵は喋るのと動くのをほぼ同時に行い、バリケードが確認した時にはすでに後部座席でラジカセにトランスフォームしていた。
「頼んだぜ」
やっと実のある行動に移れる。
受け取ったデータを確認しながらバリケードは静かに体を滑らせる。
結局最初で最後の洗車になってしまったが仕方が無い。
我々の任務はメガトロン様の捜索とオールスパークの奪取。そしてサイバトロン供を殲滅した暁には…
(生き延びていろよ)
バリケードは男の顔をしっかりと回路に焼き付けて、エンジンの出力を上げた。
「データを盗むのと同時に何かを送り込んで来てる!ウイルス…と、何これ?」
「…ぱ、パトカーの写真?」
その後"ボクちゃん洗車だぁ〜いちゅき☆"と書かれたパトカーの写真はウイルスを介して全世界(言語を習得していたサイバトロンにも)に広まった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
長い上に801要素少なくてすいません。
おそまつさまでした。
>>406です。今更ですが続き書いたので投下。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「…お前な、大声でそんなこと言ってんじゃねーよ。ほら、周り皆お前を見てんじゃねーか」
「え?何お前まんこってだけで恥ずかしがっちゃうの?…もしかしてDou-tei?なーんて」
けらけらと笑う彼の頭をはたく友人。
彼はいつもこうだ。まるで言葉を覚えたばかりの幼稚園児のように、下品な単語を大声で話す。周りがいくら白い目で見ても、まったく気にしないのだ。
「…もういいや。んで、なんだっけ?801板に凸すんだっけ?」
これ以上この話題を続ける意味がないと悟ったのだろう、友人は天にむかってため息をついてから彼に問い掛けなおすと、再び彼の顔が弛んだ。
「そう!いつもは凸って言っても、みんなで行って2〜3日もしないで祭終了だろ!?だからさ、今度は俺が一人で1000までいくくらい粘ってやろうと思って!」
友人はvipperではあるが、今まで801板を見た事がない。他の板を荒らすことよりも、安価を出したりROMしたりすることが好きなのだ。
だから友人はあまり深く考えずに、楽しそうでいいんじゃね?などと適当に返し、彼はそれに嬉しそうに笑いかけたのだった。
と、いうのが一昨日の夕方の話。
今、彼は自室にてパソコンと向かい合っている。相も変わらずタイピングの音だけが響きわたる部屋で、赤くなった顔を歪めつつ画面を見つめながら。
「…ッ、なんで!!こいつらこんなんなんだよ!!!」
彼の視線の先、パソコンの画面の中には一つのスレがあった。
――【r冷静に】なぜ801が悪いのか説明する【理論的に】――
その中では、
>>1がたくさんの名無しによって遊ばれ――いや、いたぶられていた。
>>1が何度口汚なく罵っても、煽っても。名無し達はそれに煽られることなく、むしろ嬉々として
>>1を隆辱しているかのようなレスを返す。
いつものvipでのスレとは、根本的に全てがまったく違った。
「俺間違ってないよな!?この腐女子達だってホモ妄想してるだけでチンポ好きなはずなのに!!いつの間にか俺が負けてるみたいになってっし!!!」
氏ねとか馬鹿とか、そんな言葉なら他のvipper達にさんざん言われてきた。それに対する対処だって慣れたもの、だったのに。
まさか自分が801妄想の、しかも受けとしてネタになっているだなんて。
彼はもうどうしたら良いのかもわからず、目に涙をいっぱいに溜めてしまっていた。
「…もうここにはいたくねー。そろそろvipに戻る、と…ッ!?」
一旦vipに戻る、というレスをつけた直後。不意に鳴るのは傍らに置いた携帯電話。
元から登録数の少ないそれは、決まった人間にしか鳴らされない。鳴らすのは家族、そして――あの、友人だけ。液晶のディスプレイを見ると、やはりそこにはあの友人の名前が表示されていた。
「…もしもし」
『あ、今暇?』
「暇っちゃあ暇だけど。なんだよ」
『イライラすんなよ。で、801板のあのスレ、お前がたてたの?』
「――だったら?何」
今一番聞きたくなかった事を言われ、不機嫌さを隠す事も出来ずに答える彼に、友人はニヤニヤと笑いを含んだ声で、こう言った。
『…なあ、あんな事言われて、恥ずかしくなかった?』
「…俺を馬鹿にしてるわけ!?」
怒りで手が震え、涙を堪えているために声も掠れている。
あの友人が自分を、801板の名無しと同じように馬鹿にするだなんて。
信じられない。
彼は、友人と出会った時の事を思い出した。
「なぁ、ここいい?」
入学当初、まだ友達がいない彼が一人で昼食をとっていた時のこと。
彼の隣りの席に座り、人懐こい笑みを浮かべてそう話し掛けてきたのが、あの友人だった。
人見知りの彼はその時、仏頂面でそれを受け入れただけだったのだが、本当はとても嬉しかった。
なにしろ、彼は入学当初からずっと一人だったのだから。
そこで、彼と友人は色々な話をした。
出身はどこ?…俺は、ずっとこの近くに住んでる。へー、俺は生まれが函館で、最近こっち来たんだよ。…函館、って…五稜郭、とか…。
おっ、よく知ってんじゃん、新選組好き?アレだ、五稜郭は俺ん家みたいなモンだから。…変な事言うのな、面白ェ。
お、やっと笑ったな、で、名前なんていうの?
最初から馬が合ったのだろう。人見知りな彼も、すぐに打ち解けて話すことができた。
学校のこと、好きな曲や本のこと。そして、2ちゃんねるのこと。
楽しかった。友人と話すのは。
もっと仲良くなりたかった。その一心で彼はvipを始めた。
vipを見た当初はその雰囲気に馴染めなかったけれど、友人がやっていることなら楽しいのだろうと思った。他のvipperとは違って、友人は彼に冷たくしたり、嘲笑ったりすることはなかった。
そんな友人が、今、彼を笑っている。
『違うよ、お前を馬鹿になんかしてない』
電話の向こうから聞こえるのは、いつもの友人の優しい声。彼の目から一筋の涙が流れた。
「…嘘つくなよ。お前だって、こうやって名無しに馬鹿にされてる俺を、笑いにきたんだ、ろ」
涙のせいでまともに話すことができない。彼は、今悲しかった。とてもとても、悲しかった。
『違うって…、て、お前。泣いてる…?』
それは彼が、友人に笑われたから。
「もう。俺は、vipやめる。お前と話すのも」
自分友達なんかじゃなく、ただ馬鹿にされているだけの存在なんだと思ったからだ。
『なに言ってんだよ、お前…俺は!』
「俺を笑いたいなら最初からそう言えよ!!」
悲鳴が部屋に響く。彼は最早泣いていることを隠さなかった。いや、隠せなかった。
彼は今、やっと気付いたのだ。
この友人が、こんなにも好きなのだと。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
この物語はフィクションです。また続き書きに来ます。
>>503 別館かわいいよ別館www
萌えました。続き待ってます。
トランスするフォーマー、前日譚コミックより司令官×蜂。
タイガーパックス戦直後です。バンブルが喉潰された後の、うじうじ司令官。
捏造だらけな上になんかオチもないです。先に謝りますすみません(´・ω・`)
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ラチェットの必死の治療の果てにようやく意識を取り戻したバンブルビーが、最初に起こした
反応を、オプティマスは決して忘れない。
オールスパーク放出作戦の成功の代償に、バンブルビーがメガトロンに奪われたものはあまり
にも大きかった。拷問で右腕と発声モジュールを引きちぎられ、完全破壊寸前まで嬲られた彼は、
恐らくほんの一瞬でも援軍が遅れていたならば、命の源、スパークそのものをも無残に散らされ
ていたはずだ。
昏睡から目覚め、声が出ないと気づくまでの――どれほど絞り出そうとも、彼の喉から漏れる
のは声ですらない、ただの雑音だけだと悟るまでの、バンブルビーの混乱、苛立ちと恐怖、そし
て絶望を、オプティマスはただ見守ることしかできなかった。
あれほどに感情豊かでおしゃべりな、誰からも愛されている年若いオートボット。
常に人懐こくまとわりつき、年嵩の戦士たちに何とか肩を並べようと奮戦していた彼の、屈託
ない笑い声を聴かぬ日などなかったのに。
オプティマスが愛したあの声があれほどに酷い手段で奪われるなどと、いったい誰に想像でき
ただろう。
バンブルビーがオプティマスに縋り付き、震えながら他のあらゆる伝達手段を必死に探す。恐
慌のはてに、ようやく電子通信のチャンネルを開くところに辿り着いた。堰を切ったように、デ
ータ通信が一気にオプティマスへ流れ込んでくる。だが、痙攣じみた勢いで伝わってくるバンブ
ルからのデータは、混乱のあまりまともなかたちを成していなかった。通信機器そのものの故障
かと思えるほど乱れに乱れたはてに、彼からの送信はわずかな空白を挟み、ようやくたったひと
つの単語を紡いで停まった。
"OPTIMUS"
送られてきた我が名を、オプティマスは声もなくただ受け止めた。
雨が零れ落ちるように、ぽつりぽつりと単語が続く。
"OPTIMUS"
"OPTIMUS"
"OPTIMUS"
"OPTIMUS"
バンブルビーが振り絞るように、呼び続けている。出せぬ声の代わりに、データが叫んでいる。
オプティマスの名を。
「バンブルビー」
オプティマスは呻いた。
責められてもしかたのないことだ。危険な作戦を彼に命じたのは、他ならぬオプティマス自身
なのだから。
強く大きい仲間の戦士たちにははるか力及ばぬことを知りながら、この小柄なオートボットも
また、彼ら以上の勇気で危機へと自ら飛び込んでいこうとする一人だ。バンブルビーのそんな気
性も、彼がどれほどに自分を敬愛し、忠を尽くしてくれるかも、オプティマスは知っていた。た
とえ我が身に生命の危機が迫ろうと、彼の心が揺らがぬことも。
そんな彼を自分が作戦の遂行者に選んだのは、誤りだったのだろうか。
オールスパーク放出のために、時間がどうしても必要だった。もしバンブルビーがあのまま踏
みとどまらねば作戦はおそらく失敗し、ディセプティコンはオールスパークとともにすべての生
命を蹂躙し尽くしていたことだろう。
痙攣のようにオプティマスの名ばかりを呼び続けていたバンブルビーからのデータが、初めて
それ以外の文章を綴った。
"OPTIMUS I DID MY DUTY"
オプティマスは彼を見つめた。
うなだれたバンブルビーはオプティマスの腕に額を押し当てたまま、視線を合わせようとはし
ない。残された左腕だけがわずかに動き、のろのろとオプティマスへと弱々しく縋った。
"I DID"
絞り出すように、ゆっくりとバンブルビーがその言葉を伝えた。
「わかっている」
オプティマスは繰り返すしかない。若きオートボットの傷つきはてた身を、包み込むように抱
きしめる。「わかっている」
バンブルビーは純粋な戦士ではない。その彼が踏みとどまってメガトロンを引き止めるのに、
いったいどれほどの勇気を要したか。どれほどの恐怖に耐えたのか。
「わかっている、バンブルビー。よく……やってくれた」
オプティマスの声が震えた。
キューブは護られたが、そのためにバンブルビーに癒えぬ傷を刻ませてしまった。彼を救えず、
あまりにも酷い傷を与えてしまった原因は自分だ。
なのに、おまえは私を責めぬのか、とオプティマスは心の中で呟く。これほどまでに深く傷つ
けられ、声を喪ったことよりも、私への忠節などが勝るとでも。
バンブルビーが、掠れた雑音を苦しげに絞り出した。オプティマスはただ、その肩を支えてや
ることしか出来なかった。
「心配するな、バンブルビー」
オプティマスは震え続けているオートボットに囁きかけた。「必ずやおまえの声を取り戻して
みせると……その手段を見つけ出すと、私は誓うぞ。バンブルビー」
手は尽くすが、バンブルビーの声を再び聴くことは恐らく難しいだろう、と軍医が苦渋の診断
を下していることを、オプティマスはいまだバンブルビー本人には伝えていない。
バンブルビー。
当たり前のように、幾度となく呼び続けてきたその名を、オプティマスは胸の内で噛みしめる。
バンブルビーが、たとえ二度とオプティマスの名を呼べなくとも。
たとえこのままさらに何千年の時を過ごそうとも、オプティマスはバンブルビーの声を忘れま
い。彼が自分を呼ぶときのあの懐かしい声は、蓄積されたデータだけではない、もっと深いとこ
ろに――オプティマスの心に今もしっかりと刻まれている。絶対に、忘れない。
「……大丈夫だ」
オプティマスはバンブルビーに囁いた。
私にはおまえの声が聴こえている、バンブルビー。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)イジョウ、ジサクジエンデシタ!
そして遁走。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
あるアパートに、独り暮らしの男が住んでいました。
彼はある大学で警護学科の講師をしていました。
そんな彼の家の表札には最近、怪しいシールが貼られるようになりました。
白いシールだったり、黒かったり、文字や数字が書かれていたり。
自分の家に貼られていても大抵の人は気づかないこのシールですが、
彼は職業柄、シールの意味が分かってしまいました。
シールの数は日を追うごとに増えていきます。
彼は日を見計らって、仕事に休暇をとって自宅に篭もることにしました。
扉も窓も閉め、電気も消し、自分は仕事に出かけたかのように見せかけ、そっと自宅で待機します。
午前11時。がちゃがちゃ、と、玄関の方で音がしました。
居間で静かに新聞を読むなどして過ごしていた彼は、
腰のベルトに手錠を押し込み、右手に催涙スプレー、左手にバットを持って、
居間の扉の裏側に立ち、身構えました。
がちゃがちゃ、がちゃり。
鍵の開いた音と同時に、玄関の扉が開かれた音、外の騒音、そして誰かの慌ただしい靴音が聞こえてきました。
靴音からするとこそ泥は一人のようで、そして部屋の中の男の存在には全く気づいていないようです。
慌ただしい靴音はどかどかと、すぐに居間へとやってきました。
しかし扉が開かれると同時に、白い煙が猛烈な勢いでこそ泥の目を襲いました。
何も見えなくなる視界。つんと鼻にくる煙。
こそ泥は慌てました。何しろ、この部屋には自分以外居ないと思っていたのですから。
むせながらも、引き返そうとして後ろを振り返ると、その瞬間こそ泥は、後ろ頭をバットで強く殴られました。
こそ泥はその場に崩れ落ちました。
もう何が何だかわかりません。
無我夢中で這い逃げようとするこそ泥は、しかし、男に両手を奪われ、体の後ろで纏められ、がちゃりと手錠をかけられてしまいました。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!また続き書きにきます…
>>512 良い展開! 続き期待してる!
しかし次からはあらかじめ全部書いてから投下したほうがいいかも。
次の人が投下しにくいかもしれないし。
515 :
512:2007/09/26(水) 00:20:33 ID:UlaF1Y9jO
>>514 うわ、申し訳ない
中断AAつければ中断できるのかと思ってた
それが横行すると見る人大変になるよな!当たり前だ
ごめんなさい自分テラバカス
温かい言葉をありがとう 次からは全部まとめて投稿します
>>509 泣き萌え・゚・(ノД`)・゚・バンビー…
また来ちゃいました。
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└──────│彼らの日常、みたいな。
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朝、起きる。
一番早起きのケソがチャを布団から引き剥がそうとしている。
助けを求める目を無視して、未だ熟睡中のぶーを軽く蹴り飛ばしてから階下に向かう。
台所を覗くと母親が朝食の支度をしている。
便所に行ってから洗面所を経由して、母親の手伝いをする。
ちゃぶ台を出して布巾をかける。おかずを並べる。
大欠伸をするチャを引きずってケソが降りてくる。
階段を駆け上ってぶーの布団を剥がす。
二階から突き落とす。見事にローリングしながら落ちていく様子に満足する。
その後から階段を降りていけば、チャとケソが争うように味噌汁とご飯を並べている。
全員並んでいただきます。
ぶーがおかわりをしようとするのをケソが阻止する。喧嘩。母の拳。
ごちそうさま。
ランドセルを掴む。
行ってきます、家を出る。弟たちもその後を追うようについてくる。
「あんちゃん!あんちゃん! ……こうじ!」
チャに襟首を捕まえられる。
「こうじ!」
「なんだよ」
「寝間着のまんま」
指を突きつけられて自らを見下ろす。
確かに、着替えた記憶はない。
「馬っ鹿でぇ」
笑いながらぶーとチャが追い越してゆく。
すごすごと家に戻る。
ケソが笑い転げる。母は呆れ果てたのか、怒ることもせず頭を抱える。
着替える。からかいながらもケソは待っていてくれる。
彼の手をひいて学校に向かう。
それを見送りながら母親は呟く。
「だめだこりゃ」
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ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) アリガトウゴザイマシタ
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これで棚に来るのは最後にします
あとはサイトでも作るかなww
>520
カワイイ、カワイイよ…!
ローリングしながらあの階段を落ちてくるぶーを本気で見たいですww
乙でした。姐さんとはいつかネットの海で再会したい。
>>520 今まさにここが2でなかったらという心境が理解できた……!
姐さんのドリフトする人たち大好きです。
いつか広大なネット空間で会える日を楽しみにしています。
>>520 やっぱりド・リ・フいい!!
何気ない風景のヒトコマなのに、愛しいなぁ。
姐さんと、いつかネットの海の中で、お会いしたいです。
>520
姐さんのドリフ話は私に幸せをくれる・・・!
ほんわか暖かくて気持ちよくて萌える。
マジで私もネットでまたお会いしたいです。
やまだたいちのミラクル。
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└──────│ギャグです。
└───────────
貧乏球団アストロズのホームグラウンドは、当然屋根など無い。そして室内練習場も無い。
だから雨になると、殆んどの連中は自室か談話室で休息を取る。
まあ、選手層が薄いので、休みを返上して練習することも多いから丁度良いのかもしれない。
大きなテレビがあるので、なんとなく集まる談話室。
何人かメンバーが来ているなか、珍しく山田泰二が居た。壁に背に胡坐をかいて座わり、本を読んでいる。あまり皆と群れる方ではないので、こういうふうに居るのは稀である。
当然、太一もいる。太一は野球以外では誰かに引っ張られるか、弟の泰二にひっ付いて居ることが多い。
今日は泰二がなんとなく談話室の方へ足を延ばしたので、太一も一緒に付いて来たしだいだ。泰二は何か後ろからコソコソと馬鹿兄貴が付いて来ているな。と、思ったが無視しといた。
談話室には他に、酒飲みバッター岩田、助っ人外人トマス・ブラウン、器用な突っ込み担当大山、取り合えず普段は大人しい浅見。
なんというか、比較的無難なメンバーだ。それぞれに相反する個体が居ないので静かだった。
大山には二階堂が居ないし、トムには八木沼が居ない。岩田や浅見なんかは泰二かもしれないが、特に野球が絡まなければ絡む事もなかった。なので、談話室はテレビを見ながら、一言三言の会話だけで平和そのものだった。
「テレビつまんねー。」
大山は伸びをしながら呟く。トムもそれに同意だとあくびをした。浅見は特に意見することもなく皆を見回す。岩田はお酒を飲んでいるので曖昧に頷いた。
太一も一緒にテレビを見ていたので、どうだと大山が声をかけたら、鼻ちょうちんを膨らませて寝ていた。静かだと思ったら、正座したまま器用に寝ている。
大山はにやりと笑ってトムを手招きすると、太一の鼻ちょうちんを指してきししっと声を出さずに笑った。トムもにやにやと笑った。
大山が早速、鼻ちょうちんを突いて割ってみた。大きな音はしなかったが、鼻水になって垂れる。そしてまた新しい鼻ちょうちんが出るので、トムと大山は交互に割っていたら、それで鼻が詰まったらしく、大きなくしゃみをして起きた。
寝ぼけながら鼻水を垂らす太一に、大山とトムは大笑いする。鼻水が出っぱなしなのがかわいそうに思った浅見は、ちり紙を出して太一の鼻水をぬぐってあげた。
盛大なくしゃみをしたから、目が覚めたかと思えばそうでは無かった。眠い目を擦りながら立ち上がり、ふらふらと歩きだした。
どうするのかな?部屋に寝に帰るのかな?大山、トム、浅見は黙って太一の行く先見ていたら、弟の泰二の方へ向かった。
そして本を掲げている泰二の腕の脇から潜りこみ、胡坐をかいている上に丸くなった。
大山とトムは驚いた時の、よだれや鼻水を垂らした変な顔をし、浅見はわーわーっと顔を真っ赤にしながら驚いて見た。
もっと驚いたのは、泰二が気にもせず丸くなった太一の頭を、空いている手で混ぜた事だ。
三人はそれを見て思った。
大山『猫だ。』
トム『子猫だ。』
浅見『にゃんこだー!』
いつもの泰二なら「バカ兄貴!!」等と言って追い払うのに。
三人は物珍しく見ていた。
―――?、膝になんか乗ってきたな。
泰二は本に集中する頭の片隅で、中心にかかる重みを認識する。なんとなく無意識に手を出し、それを撫でると、毛が指の間をすり抜けた。
―――あー、猫か、、、。
泰二はそのまま手を動かし、毛を撫でつけた。
―――そういえば実家に居た猫も良く膝の上乗ってきたな。
そうのんびり思いながら、全身を撫でようとしたら毛が無い。
―――・・・あれ?実家?
そうだ、寮に猫など居るわけがない。なんだか視線を感じる。
泰二が本から顔をあげて周囲を見ると、三人がこちらを不思議そうに見ていた。
取り合えず泰二は、違和感のある下に視線を向け、現状を確認した。
自分の胡坐の上で、兄貴の太一がまん丸になって寝ている。
泰二は驚いた。誰もいないところならまだしも人前。恥ずかしさのあまり身体が震えた。急いで立ち上がって太一を床に転がそうとしたが、太一がもぞもぞと動き、更に丸くなった。
―――うわーーー!!
さすがの泰二も、そんな太一をかわいいと思ってしまったから始末が悪い。太一に置いてある手を簡単には離せなく、そのまま撫でたいという欲求が恥ずかしさを上回った。
しかし、人がいる。でも可愛がりたい。
泰二はもの凄く真剣な顔で動けなくなった。
ここで大山は察知する。
「いーなーいーなー♪俺も泰二の膝の上で丸くなりてぇ〜。」
大山はきししっと笑いながら泰二に駆け寄り、太一の上にダイブした。
「のわっっ、てめ!!ふざけろ!!」
泰二は大山に怒鳴った。大山はまだ寝ている太一の首に抱きつき、太一と一緒に丸くなった。
「いーじゃーん。泰二の膝の上。気持ちい〜♪」
当然、泰二が嫌がるのを承知で実行した。
「くふふっ。俺も混ぜろ〜。」
そこで今度はトムが察知して泰二に駆け寄った。これも泰二が焦ると解って実行する。
「おお!これはなかなか!」
トムは大山と太一の上に大きくうつ伏せになった。
「重いだろ!!」
泰二が足に力を入れて跳ね飛ばそうとしたが、人数が人数なのでびくともしない。
「てめ!ちっとは考えてやれよ!!」
下になっている大山が怒る。
「いーじゃねーか。なー?太一だけ可愛がられてずりーじゃん♪」
トムは笑いながら、泰二の膝の上でクロールをしはじめた。
流石に太一や大山に比べてでかいので、手足が動いていると危なくて仕方が無い。
「やめんか!!このアホ達!!」
泰二は大声を出して怒った。心底嫌な泰二だが、はたからみたら何やら3人で楽しそうである。
「いーなぁ〜、、、楽しそうだなぁ〜。」
ここで酒を飲みながら見ていた岩田がぼそりっと呟いた。聞こえて泰二は青冷める。
「俺も混ぜてくれ〜。」
酔っている岩田。勢い良く正面から泰二に抱きついた。泰二の首にぶら下がる感じで抱きついたので、岩田の身体がトムの上に傾れる。
「げぇ!!重いよ岩田さん!!」
下になったトムが苦しいと訴えた。
「ぐももっ!!」
更に下の大山が呻く。
―――視線を感じる。
泰二は早々アホ3人を追い払いたいが、あまりにも真剣な視線を感じ、思わず苦しい首をそちらにむけた。
「!!」
浅見が羨ましそうに、じっーっとこちらを見ていた。
お互い目が合う。
これが兄貴の言っていた、浅見ビームか!っと、泰二は焦った。
どんなに遠くからでも、何故か感じる浅見視線。
「・・・・・来ますか?」
泰二は絞り出すように思わず声をかけた。
浅見はそれを聞いて顔を真っ赤にして慌てて断るが、なぜか僅かににじり寄ってくる。
これ以上来たら対応できんな、っと、泰二は身体以上に頭が重くなった。
「あれあれ?何やってんだー?」
泰二が困っていたら、八木沼の声が入口から聞こえた。
見るとアストロズ一の遊び人、八木沼と、よろず相談所、平田。
「浅見まで、、、珍しいな。」
平田が泰二達の様子を見て、どこから突っ込んで良いのかとあきれ顔でぼそりっと言った。
それで気づいて、泰二は眼だけで横を見ると、何時の間にか浅見が横から首に抱きついていた。
「いったい何して遊んでんだ〜?いーなー、モテモテだな。山田泰二〜♪」
八木沼がからかう様に言うと、泰二は怒りでこめかみに幾つもの青筋を立てた。もう、恥ずかしいとかそんなものは通り越した。
「うへへっげぼっ、いーだろー泰二に可愛がってもらっている最中だ。ぐほっ。」
八木沼の質問に大山が岩田とトムの下からなんとか顔を出し、苦しそうに答えた。
嫌がらせにたいしたガッツだ。しかし、泰二の顔は変わらない。
「ほほぅ、、、トムもか?」
大山の答えに、泰二よりも八木沼の顔が少し引き攣った。
「あー?そーだよ。いーだろ?ふふふっ。」
トムは八木沼をちろりっと見ると、広げていた四肢を縮込ませて泰二の足に抱きついた。「げぇ!苦しいぞこの馬鹿外人!!」
下にいる大山が締められて声をあげる。
「・・・おいコラ、そんなのより俺の方が可愛がってやるぞ。」
八木沼の目が細まる。
「い・や・だ。泰二がいー。」
トムはぷいっと八木沼から顔を背けた。
八木沼が泰二に敵意をむき出したが、泰二の怒りは八木沼以上だ。
平田もそれが解ると、これ以上泰二で遊ぶと機嫌を損ねて大変な事になると、取り合えず上に居る岩田と浅見を退かそうと声をかけた。
「あ〜、、、岩田さん、浅見。そろそろアレなんで、退かないか?」
「嫌だー俺も泰二がいー。」
岩田が平田の誘いに、ぷほーっと酒気を吐きながら嫌だと返す。浅見も真っ赤になりながら泰二の首に更に強く抱きついた。
浅見の顔が変なふうに赤い。岩田の酒気でやられて、勢いで泰二にちょっかい出しているのだろう。
これはどうしようもないな、っと平田が頭を垂れたとき、「どわーーーっ」と言う特有の声が聞こえた。
「だめだーーー泰二のいーーは俺だーーー!!可愛がるのもおれだけーーー!!」
太一の大声が部屋中にこだましたと思ったら、泰二に乗っかっている全てを払いのけ、太一は泰二の首に抱きついた。
太一以外の一同唖然。
太一の大告白?に、泰二は今までに無いくらい顔を真っ赤にした。
この弟の泰二が顔を真っ赤にするのは、たいてい兄貴の太一に対してだけ。大変解りやすい反応に、八木沼や大山、トムは大笑いした。
「こっっっの!バカ兄貴!!!離れろ!!!」
泰二は焦って太一を引きはがそうとするが離れない。そんなこんなしていると、このまま笑い物になるのは目に見えている。
「くっそ!!」
泰二は悪態を吐き、そのまま太一を抱きあげて足早に談話室を出て行った。
「あはは、そんな格好のまま矢島さんに見つかるなよー。」
泰二の後ろ姿に、平田は軽く笑って声をかけた。
「くくくっ、アレはほら、「平田さんがー。」と同じだよな。」
同じく後姿を見ながら、八木沼が笑って言った。
自室に戻る。
幸い誰にも会わなかった。まあ、会ったところで誰に何言われようと睨み返すだけだ。
「いい加減離れろ!!このバカ兄!!」
今度は渾身の力を込めて太一を引き剥がす。引っ付き虫よろしく、べりりっと勢い良く剥がし、ころりと太一をベッドの上に投げ捨てた。そして太一の肩口を押さえ込み、勢い良く怒り出した。
「いいか!今度みんなの前で膝で丸くなったり、俺がいーーーだ、、、の、、、。」
泰二は先ほどの太一のセリフを思い出し、言葉を切って再び赤面した。
言葉に詰まった泰二に、太一はどうしたのかと心配に泰二の顔を上目使いで臨む。
それに泰二は慌てて太一から手を退け、後ろを向いた。一々この兄貴のしぐさ等に弱いこの弟、兄バカである。
―――ちくしょう!!落ち着け自分!!
泰二は自問自答しだした。
―――だから、あれは、俺がいーとかソレで、その、そんなんじゃ無くて、、、。
―――・・・あーだから、ダメだろ!!ソレは!!兄貴だぞ!!
―――可愛がるとか、、、兄貴で、近親なんとかじゃねーか!!
否定しつつも、なんとか結論に達する。
―――・・・双子、、、だよな?で、自分と同じ遺伝子で、、、。
―――えーっと、双子で、自分としてるならオナニーと一緒か?OKか?
ちょっと混乱しているようです。
「兄貴!!」
真面目な顔で泰二は太一を振り返った。が、すぴーーーーっ、と軽快な音がベッドから響いていた。太一は鼻を鳴らして気持ちよさそうに寝ていた。
「・・・・・クソ兄貴〜、、、。」
自分の一大決心を、何時ものごとく覆す兄、太一。
さすがに寝ている人間にアレやソレは何なので、怒る矛先、寝ている人にするのはただ一つ!泰二は油性サインペンを取り出し、太一の額にお約束を書いておいた。
―――にく。
起き上がり、いの一番に八木沼や大山、二階堂にからかわれる太一。
寝ている間におかしな話だと、太一は泰二を睨むが、そんなのは当然だと、泰二は太一を無視した。
でも太一は、無視されても無下にされてもメゲナイ。
弟のいー所を解っているのは自分だけだと思っている。
そして、兄として弟は可愛がるモノだとも思っている。
「だめだーーー泰二のいーー(所を解っているの)は俺だ(け)ーーー!!(弟を)可愛がるのも(兄の)おれだけーーー!!」
弟、泰二の兄バカ以上に、太一の方が弟バカのようです。
おしまい
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|│ロ stop. │|
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ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) サイト ツクリタイナー。
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
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>>535 GJGJ!兄弟カワユス
ぬこみたいに弟のヒザで丸くなる兄たまらんのう
弟頑張れ、超頑張れ
オリジナルで受の独白
やまなし おちなし いみなしの見本
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
お前が本当に好きなのは俺じゃないことなんて知っている。
でも、俺は、そんなことはどうでもいい。
俺はお前の恋愛感情なんかに興味は無い。
何故なら俺は、モラルの崩壊したセックスフリークの尻軽な奴だからだ。
お前もソレを知っているから、俺を抱くのにも遠慮が無い。
お前の好きなアイツには決してぶつけられないような醜い欲望で俺を抉り突き立てて
快楽に蕩けた締りのない顔をして俺の上にドロドロの欲望をぶちまける。
ハッ!何て締りの無い顔。そのマヌケ面に俺は笑って、ああ、本気でこんな男を好きでなくてよかった、
遊びでよかった、と心の底から思うんだ。
そして、こんなスケベ面をして発情期の雄犬のように涎を垂らしながら腰を振る情け無い男をあざ笑う。
どれだけ笑っても問題ない。
この男は俺を見ていないから、俺が笑っているのにも気付かない。
この男は俺を抱いている間中、手出しも出来ない大切な相手のことを考えている。
俺を抱きながら、どこか夢見がちな虚ろな目をして大切な相手に想いをはせる。
その瞳が俺を映すことなど無い。
俺は本当の本当に全然気にしないんだが、汚せない、手が出せないと繰り返すほど大切な相手を妄想
しながら他の穴に突っ込んで腰を振ってるお前を相手が知ったらどう思うんだろうな?
それだけで十分汚されてる気分になるんじゃねぇのか?
まぁ、男の頭の中なんて擦れ違うだけの女さえ丸裸にするぐらい、どうしようもないスケベ心でいっぱいだから
今更そんなこと指摘しても仕方ないんだけどな。
それにしても、そんなに想う相手なら、いっそのこと襲ってしまえばいいのに。
そう提案した俺に、そんな酷いことは出来ない、そう言って少しだけ笑うお前の顔は道徳なんかを重んじる人間と
同じ目をしていて俺は密かに吐きそうになる。
おいおいおいおいおいおい、それはお前のキャラじゃないだろう?何イイ子ぶってるんだ?
お前は突っ込める穴なら何だっていいはずだろう?
それを忘れて「アイツが大切なんだ」とクスリでラリったみたいな蕩けた目をして呟くお前に俺は嘲るのを通り越し
寒気すら覚える。
ばかな奴、情けない腰抜け。
ああ、本当にこんな馬鹿な男を好きにならなくて良かった。
男を見る目があって良かった、本当に良かった。
俺はそう思っている。心底そう思っているんだ。
なのに、お前は、自惚れやすくナルシストのお前は、ある日突然申し訳無さそうな顔を
して、
「お前の事は友達だと思ってるけど、恋愛対象じゃないんだ。ごめんな」
等と謝ってきた。
まるで俺がお前を好きだから抱かれたのだと勘違いして、申し訳無さそうに懺悔するように謝罪してきた。
あれは今思い出しても腹が立つ。
何様のつもりだ?俺がお前なんか好きだと思ってるのか?寝言は寝てるときだけ言えよ
言いたい事を言った俺にお前は真顔で好きでもない奴に抱かれて平気なのか?と聞いてきた。
それなら好きでもない男を抱いているお前は何なんだ?
そうは思ったが、馬鹿を相手にむきになっても仕方が無いので、好きなところもあるからな、と笑ってみせた。
え?マジで?お前、俺のどこが好き?!
恋愛対象に無いと断言した相手に好きなところがあると言われて嬉しそうな顔をするお前。
正直、その思考回路がどうなっているのか俺には分からない。
どこが?どこが?どこが好きなんだよ?急かすように詰め寄られて俺は真面目な顔をして答えてやる
そうだな、ペニスの形は好きだな。
ちょうどいい具合に俺の良いスポットを擦り上げる節張った先端がお前の一番好きなところだよ、そう言ってやると
お前は分かりやすく眉間に皺を寄せる
そして、淫乱な奴め、と吐き捨てたお前が同時に洩らした吐息に含まれた安堵に俺は気付いている
安心しただろう?
こんな淫乱相手なら、何の責任感もいだかず抱けると、ホッとしただろう?
なぁ?アイツがお前にとって理想の恋人なら俺は理想のダッチワイフだろ?
好きなだけ突っ込めて、何の責任も無く使い捨てても問題ない具合のいい都合のいいダッチワイフ。
それでいい。
それでいいんだ。
どうせお前が俺に向ける感情は、きっとくだらないから、俺はそんなもの一生欲しくないんだ
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
イイ(・∀・)!
>>539 神です
本当にありがとうございました&ごちそうさまでした
そろそろ新スレの季節か?
え?まだ455KBだったのに!?
早くね?
次スレも立たないうちに500KB行くときもあるからな・・。
埋め
まだだいぶ余裕ない?
もう向こう使われちゃってるけども、こっち使い切っちゃわない?
それとも、ここから感想&交流スレにするか?
使い切ったほうがいいと思うけど、誘導貼るタイミングがむずかしい…
使い切るに一票
と思って投下したいんだけど
ネタが今出て来ないんだ……
できればこっちのほうに投下したいのが一本あるんだけど、なかなか仕上がらない…
恐ろしく亀だけど
>>21 萌えた! くーの見る目が変わったよ
亀でも何でもいいからどんどん語っちゃえ
558 :
助っ人団・0:2007/10/09(火) 01:45:06 ID:VZSfL9tB0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 飛翔で大絶壁連載中の助っ人団ス
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 眼鏡の人×ゴーグルの人です
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
559 :
助っ人団・1:2007/10/09(火) 01:48:53 ID:VZSfL9tB0
男二人の部屋は、何となく居心地がよくない。と、佑助は部室隅に設けられた一畳畳の上で寝そべりながら考えた。
珍しく平穏で、恐ろしく暇な放課後だった。
紅一点をつとめるはずの一愛は、自称舎弟に引っ張られてとっくに帰ってしまっていた。女の子がいると場が華やぐ、
というが、なるほど確かに鬼姫などというふざけた異名を持つ元ヤンキー、そのお付きの元暴力女(ファッションセンスは
少し古め)がいないだけで、良くも悪くも室内はこんなに静まり返ってしまうものだった。
おまけに依頼と名のつく騒動もない。
一応の活動時間中ともなれば仮にも部活動の仮にも部長がサボって部室を空けるわけにもいかず、結局のところ
和義とともに暇な時間をだらだらと殺していく以外、佑助にできることは何も無かった。
ぐだぐだとだらしない佑助はさておいて、和義は佑助ほどには退屈を感じていないようだった。パソコン一台さえあれば
これ以上何かを望む必要はない、といったところか。
かれが何をしているかなんて他の人間にはおおよそ見当もつかないが、まあそれはどうでもいいことにすることにしよう。
そんなこんなで、いつもは賑やかなはずの助っ人団部室内には、何ともいえない妙な沈黙が漂っていた。
以下が、佑助と和義のやりとりである。……誰がなんと言おうと、やりとりなのである。
「……」「……」
「……」「……」
とうとう痺れを切らしたのは、当然と言うか何と言うか、やはり佑助のほうだった。面倒くさそうに上半身だけを起こし、
井草の編み後がくっきりついてしまった腕を伸ばして、犬猫のようにだらしなく伸びをして、そして、
「……だああぁぁ! いつまで『……』続けるつもりだ! 無駄に行数稼いでも何の得にもなんねーんだよ!」
ようやく叫んだ。
が、動かざること山の如し、スルーすること風の如しの和義の前では、そんな叫びひとつでは何の力も発揮されない。
『……』
「お前それいい加減やめろって! せめてなんとか言えよ、なんとか!」
『ナントカ』
「そーいうことを言ってるんじゃねー……っていうか、それは古すぎてやべーって」
ダメだこりゃ。である。
560 :
助っ人団・2:2007/10/09(火) 01:50:20 ID:VZSfL9tB0
『……さっきからうるさいが、何か用でもあるのか?』
しばらく黙り込んでいた後、唐突に和義は口を開いた。目線は相変わらずディスプレイに向けられている。
「用って……別にそういうわけでもねーけど」
でも暇なんだよーっと言って、佑助は畳の上で寝返りをうとうとして背中を窓際の壁にぶつけた。
和義は視界の端に移るそ光景を見て、馬鹿な奴めという気持ちを、悪意はなくそして表情にも出さずに思う。
『じゃあ邪魔しないでくれないか。今いいところなんだ』
「何がだよ」
『いやぁ、祭りスレが炎上中で。これがなかなか面白い』
「……まさかそれお前じゃねーだろうな」
心外なことを言われたのがちょっと癪で、和義は寝そべる佑助をからかい半分に睨みつけてやった。
『冗談がきついぞ。俺はそんな面倒くさいことはしない』
和義は、再び秒単位で動き続ける文字の羅列へと視線を移す。
そしてまた、しばらく沈黙が続いた。
和義もいよいよ掲示板を眺めるのに飽きが来て、パソコンの画面から目を離し、カバンの中に潜ませていた文庫本を
読みふけっている。そしてますますだらしのない格好に磨きのかかった佑助は、またもや和義を退屈しのぎの相手に選んだ。
「……ねーお前さ、……たまには喋ったら?」
『だが断る』
即答。
「パソコンでカタカタやってる方がぜってー面倒くせえと思うけど」
『俺のタイピング力は53万です』
即答その2。
「……カラオケでも行かね?」
『くどい』
止めにもう一度、即答。
こんな調子である。
561 :
助っ人団・2:2007/10/09(火) 01:53:16 ID:VZSfL9tB0
「スイッチお前喋れ」はもはや定番と化した会話に困ったときのお約束だったが、やはりというか何と言うか、にべも無い
返事が即答で返されるだけで、結局会話を成り立たせる火種にはなりそうもなかった。
こうして会話にもならない言葉のやりとりは、これ異常ないほどにだらけていく。
「あー……暇」
『……』
「だからもうそれやめろって、KB食うばっかでいいこと一つもねえんだから」
『・・・・・・』
「もっとタチわりぃよ! やめろっつってんの俺は!」
『・・・・・・・・・・・・』
「だあーもういい加減にしろってだからそれ! そもそも俺『……』ってなんて発音してんの俺!?」
『てんてんてんてんてんてん、じゃないのか?』
「あああああやめてやめて、ゲシュタルトが崩壊するから!」
「……なーおい暇だよ構えよ」
しかし佑助も懲りない奴だ、と和義は考える。あれだけ騒ぎ立てていればもうそれで十分暇つぶしになっていだろうに、
それに気づかないとはまったく見上げたものだ。
『面倒くさい』
「スーイーッチー」
このまま無視し続けたところで余計面倒なことになるのはおおよそ予想がつくので、和義はこのうるさく吠え立てる
犬もどきを黙らせてしまうことにした。
『いい加減にしないと、』
「しないと何だっつーのー」
和義はおもむろにパソコン前の指定席を立って、へにゃりと寝そべる佑助の脇に腰掛けて、
「うぎゃっ」
そのからだに覆いかぶさった。
「え、あれ。あの、もしもし、スイッ、チ、くん?」
あれよあれよという間に帽子とゴーグルが外されてぼさぼさの猫っ毛に指が触れて、その時点でようやく佑助は我に帰る。
「あの、ちょ、大人しくするからやめません?」
無言の瞳がまっすぐに自分だけに向けられていて、佑助は少しだけ焦った。
「あれ……もしかして、スイッチ入っちゃった? あだ名がスイッチだけに?」
その眼には、先程までのお調子者の雰囲気はどこにもない。
「分かった、分かりましたよ。お手上げ」
いつも帽子を被っているおかげで触れられるのに慣れていない髪の毛は、ひと房ふた房と指に絡められるだけで
くすぐったさを訴えてきて、その感触に佑助は思わず首をすくめた。
それを合図にして、和義は自分のちょうど眼下にある唇を舌で、つつとなぞる。
シャツのボタンを一つ一つ外していく間も、黒のアンダーをたくし上げる間も、佑助はされるまま和義に身をまかせた。
だらしなく穿いたズボンに手をかけても、佑助は少しからだをひねるばかりで大した抵抗を見せない。
こういう風に組み敷いたとき、佑助はいつも最初こそ騒いでみせるが、決して暴れようとはしなかった。
――自分はこんなにもかれに受け入れられている。
そんな気がして、和義はそれがとても嬉しい。けれど、もちろん本人にその旨を伝える気などはさらさらない。
「あ。あ、ちょっと、ちょっとタンマ」
シャツのボタンは全て外され、アンダーはめくれたまま、ズボンもほとんど脱げかかっている、と、そんな状態で佑助は
突然「待った」をかけた。
何がどうしたという目線を受けて、佑助はドアを指差す。「鍵、かけないとまずいんじゃね?」
佑助の指示に従い部室のドアに鍵をかけ、和義はさっさと次の行動に移ることにした。
再び畳台の上に腰掛ける。まだ寝そべったままの佑助に、改めて覆いかぶさる。もう一度唇を軽くなめあげて、そしてすぐに
顔を離した。何度やっても恥ずかしいものは恥ずかしいから、と、佑助は表情を見られないよう、和義に抱きつくようにして
肩の向こうにさっさと顔を預けてしまう。
これだけくっついているのではもっと恥ずかしいんじゃないかと和義としては思うのだが、本人にそれを伝える気は絶対に無い。
和義としては密着度の高いこの体勢の方がありがたいからだ。
はじめは指を入れるだけであんなに嫌がっていたくせに、と和義は思う。
すでにほぐされたそこにはすでに熱く昂ぶったものが割り入っていて、ゆるゆると腰を動かすたびにびくびくと肩が揺れる。
「っふ、ぅ」
慣れてきたとはいえ、やはり完全に息を殺すのは難しい。佑助は与えられる強い刺激から逃げ出そうとでもするように肩を
ひねって吐息をもらした。
寄せては返す衝動に、足指の先が引き連れたように動く。もう限界が近い。
「あ、あ、う、あ――……っ」
ああもう駄目だ、と思った途端、眼前が急にチカチカとまぶしくなって、何かが爆ぜるような錯覚を覚えて、そこで佑助の意識は
ぷつんと途切れた。
開け放たれた窓から吹き込む風が冷たくて、佑助は目を覚ました。
とんだ暇つぶしになってしまったが、まあそういうこともあるだろうと思っておくことにする。そうにでもしないと、色々な
割り切れなくなって、とても面倒だからだ。
着乱されたり脱ぎ散らかされたりした衣服類はちゃんと着付けられていて、下半身は違和感こそあれきれいに
始末されていて、そういうところばかり無駄に律儀な和義が何だかおかしかった。おかしくて、誰もいない部屋の中で、
一人笑ってしまった。
そう。部室内にいるのは、佑助ただ一人だった。
やけに静かで、花壇で鳴いている虫たちの声ばかりが響いていた。
和義の姿はどこにもない。普段こういう場合、かれは佑助が目を覚ますまで必ずすぐ横で待ってくれていたので、
そうでないことに佑助は軽い違和感を覚えた。
だるい足腰を無理やり立たせて、机の上の携帯電話を手にとって見る。かれのことだからメールの一通でも入れて
いるのではないかと思ったが、こちらも予想に反して着信はゼロ。
代わりに、机の上にメモが残されていた。
手書きの伝言。
佑助には、それが何故かすごく嬉しいものに思えた。
喋らなかろうが笑わなかろうが、ちょっとした目線だとか、癖の強い文字だとか、そういう「声」以外のところで、笛吹
和義という男はこんなにも表情豊かで生き生きとしている。
例えば、達する直前にだけこらえきれないで一瞬だけ喉を鳴らすこととか、そしてそのときに悪い夢から覚めたばかりの
子が親にしがみつくように強く抱きしめてくる腕の力とか。
そして、佑助はそういうすべてを持った和義という男をとても好ましく思っている。
ノートの切れ端を丁寧に畳んでズボンのポケットに突っ込み、かれは思い切り赤面した後、こらえきれず笑みをこぼした。
565 :
助っ人団:2007/10/09(火) 02:04:10 ID:VZSfL9tB0
____________
| __________ |
| | | |
| | □打ち切りSTOP!!. | |
| | | | ∧_∧ 間違い多くてすみませんです。
| | | | ピッ (・∀・ ) 腐女子の皆、オラにちょっとだけ
| | | | ◇⊂ ) __ アンケを分けてくれ!
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>565 助っ人団男子、何気に二人とも男前設定なんだなぁと
思っていたところでしたw
GJ!!!
助っ人団の5パートとおしまいパートの間に、これを入れるのを忘れてしまってました。
ほんとーに申し訳ない(;D)rz
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「どうしても欠かせない用ができたから先に帰る、目が覚めるまで傍にいてやれなくてすまない」というようなことが
そこには書かれていた。他にも乱暴にしたことを詫びる言葉や体を気遣う言葉がいくつか書き連ねられていて、
ボールペンで書かれたその文字は乱雑でとても読みづらかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
元ネタがなくはないけどほぼオリジナル。元いじめられっ子×元いじめっ子。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
スノージーウィンクルの嫌うもの。
無能な者、終業より早く帰ろうとする者、情けが深い者。
『あああ、それ、それボクの本だよ! 返して!』
『あー? トムがなんか言ってんぞー?』
『うっせぇな、返してほしけりゃ取ってこいよ、そらっ』
『ナイッシュー。見事なウォーターハザード』
『お、もう飯の時間だ。じゃーなぁ、貧乏人のスノージーウィンクル!』
頭を強く叩かれた。一瞬のことでぐらりとする。
「就業中に居眠りかい? ノックス・ロジャー君。さすがに週末だからお疲れのようだね」
どうやら俺は寝ていたらしい。声の方を見上げるとそこには件の男が居た。
スノージーウィンクル・トーマス。貧しい家の出だったが一生懸命勉強し、ウォール街最大手の銀行で、若くして人事部長に就いている。
顔の造形も立ち居振る舞いも一流の中の一流、不必要と判断したものは残酷にも切り捨てる、ウォール街に敵なしと言われている男。
俺はこの男の秘書だ。
「私はいつも言っているね。就業規則は守りなさい、と」
「はい…」
「時間は守らなければいけない。それは子供の頃、君が私に教えてくれたことだよ?」
ああ、教えた。確かに教えた。
こいつが学校に遅れてくるように、こいつの家の前に数々の罠を仕掛け、少しでも遅刻しようものなら罰と称して散々いじめた。
ちっぽけなこいつを川に投げ込んだり、足を踏んづけたり、ボールをぶつけたり。
それがどうして。
「あぁ、そうか。君はもう忘れているのかもしれないね。何しろ私のことも覚えていなかったのだから」
ハイスクールに行く為に街を離れてから、こいつのことなんてすっかり忘れていた。
風の噂でトーマスというやり手の男がウォール街を牛耳ろうとしていると聞いてから、在学中から何度も足しげく通った。
そして卒業と同時にトーマスは俺を秘書に採用したのだ。
あの時は嬉しかった。俺の人生はもう安泰だと思った。あわよくばトーマスを陥れてしまおうかとすら思っていた。
「驚いたよ。君が私に頭を下げて、秘書にしてくれと頼むのだから」
俺だって驚いた。こいつがあのグズでチビなスノージーウィンクルだと知っていたら、頭なんて下げるつもりはなかったんだ。
「それどころか、ねぇ」
笑いを含んだ声に肩を震わせる。
「あんなことまでしてくれるなんて」
あの頃、俺は必死だった。在学中からここ一筋で、ここを落としてから就職先を探すなんてことはできなかった。
俺はどうしても金持ちになりたかった。そんなに珍しい願望じゃない。金が欲しいと思うのはそんなにおかしい欲望じゃないはずだ。
だから、トーマスがゲイではないかという話を耳にして、いてもたってもいられなくなったんだ。
「君は今、黙って聞いているけれど、心の中じゃ私を憎らしいと思っているだろう?」
俺は何も言わない。否定も肯定も必要ない。こいつが白と言えばなんでも白なのだ。
「いいぜ、もっと憎め。ずっとそうされてきたんだ、昔からな」
こいつはヒートアップすると口調が変わる。そうなると俺はもう俺ではなくなる。
ただ、こいつを憎んでいる、昔のいじめっ子が馬鹿になって帰ってきただけという、チンケな存在としてしか扱われない。
髪の毛を強く掴まれた。一応セットしてきたのに、グシャグシャに荒らされる。
「ロジャー! テメェが一番許せねぇ! いずれ人生ブチ壊して社会的に抹殺してやるよ!」
耳元で怒鳴られると耳が痛い。目も開けていられない。恐ろしい形相で俺に迫るスノージーウィンクルを見たくないからだ。
運良く、いや運悪く、終業の鐘がなった。グレムリンのような甲高い声で笑って俺を床に押し倒す。
犯される。これがスノージーウィンクルが行う、俺への復讐なのだ。抵抗が無駄なことは分かっている。
目を開けて手を伸ばした。目尻に指先が触れると、引き寄せられてキスをされる。吸ってるんだか吸われてるんだか分からない。
スノージーウィンクルが嫌うもの。
無能な者。
俺だ。
終業より早く帰ろうとする者。
やれ結婚記念日だ子供の誕生日だって帰ろうとする、俺だ。
情けが深い者。
散々ひどい目に遭わされ、罵られ、それでもなぜか離れようとしない、俺だ。
スノージーウィンクルの嫌うものは、
嫌いすぎて手放せないもの。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
実はウォール街のこととかあんまり詳しく知りません
>>565 萌え死んだ
ほんと打ち切りだけはなってほしくないよね
>>565 スイッチの手書きメモ萌える
頑張ってアンケ出すぞー
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 主人公と旧パートナー(受け攻め不明)
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 尺が足りるかな…尺だけに
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
銃声が止み、最後の薬莢がカランと音を立てて落ちたのを合図に、パ一卜リッジは隊員達とともに制圧現場へと足を踏み入れた。
倒れ伏す違反者達の中心で息を乱すことなく佇むただ一人の人物。
リ/ブ/リ/ア最強のグ/ラ/マ/卜/ン・ク/ラ/リ/ッ/ク。
いつもなら任務は終わったとばかりに現場を立ち去るのだが、銃を手にしてじっと足元を見つめたまま動かない。
パ一卜リッジが近づいていくと、銃だと思っていた物は注射器だった。プレス卜ンは無造作にそれを首に押し当て、中の薬品を注入した。
まだ投薬の時間ではないのに。パ一卜リッジは時計を見て訝しんだ。
「どうかしたのか?」
「私には……欠陥があるのかもしれない……」
「欠陥? 病気という意味か?」
ほんの少し頬が赤くなっているが、それはここが寒いせいだろう。具合が悪いようには見えない。
プレス卜ンは視線を落としてコートの裾を開いた。
「ああ……」
そこは、服の上からでも形がわかる程に硬直していた。パ一卜リッジは思わず笑みを浮かべそうになって、頬を引き締めた。
「これは病気ではない。何も心配はいらない」
「ここが……こんなふうになるのは生殖行為の時だけではないのか? 私は性的興奮など感じていない。もしかしたらプ口ジウムが効かなくなっているのかもしれない。こんなことでは――」
「落ち着け、プレス卜ン――外へ行こう」
パ一卜リッジはコートを閉じさせ、動揺するパートナーと共に外に出た。
ネ一ダ一には闇が多い。その闇に潜むネズミ共を捜し出し、駆除するのがファ一ザ一に仕える者の仕事だ。
その闇のひとつに辿り着いた時には、薬の効果もあってプレス卜ンは平静さを取り戻していた。
しかし体に起こった変化には効き目はないようだった。
道すがら、パ一卜リッジは「何も心配はいらない」ということを説明した。プレス卜ンは生真面目な生徒のように真剣な表情で頷いていた。
彼は戦闘能力と同じぐらいに頭脳も優秀だ。しかし悲しいことに――「自分の意思」で「考える」ということができない。
「本当に……病気ではないのだな」
「そうだ。体に溜まった不要な物は排出すればいい。それだけのことだ」
プレス卜ンは頷いて瓦礫に腰掛け、コートの前を開いた。そしてベルトを外し、冷たい外気に火照った部分を晒した。剥き出しになったそそり立つ若い陰茎を目にして、パ一卜リッジの心に罪悪感がのしかかる。
自分は一体何をしようとしているのだろうか――何も知らない子どもに。
暫しの逡巡の後、パ一卜リッジは革手袋を外して性器に触れた。
ビクリと体が震える。他人に触れられたことのない部分に触れられて不快なのか、手の冷たさに反応しただけなのか。プレス卜ンの顔を見るが、何の感情も窺えない。
パ一卜リッジも感情を閉め出して「排出」させることに集中する。
感情を抑えた状態でここを擦られるのはどんな感覚なのだろう。薬を止めて久しいパ一卜リッジには非常に興味深い問題だった。時折プレス卜ンの表情を覗き見るが、ただ手の動きを追うだけで、むしろ観察しているようにも見える。その上、あまり変化が見られない。
パ一卜リッジはおもむろに膝をつき、そこに顔を寄せた。キレイに剥けた先端を口に含もうとすると、プレス卜ンは反射的に立ち上がった。
「何を……!?」
「時間を無駄にはできない。こうすると早く済む」
「そう、か……」
プレス卜ンは大人しく座りなおした。
処分されたEC-IOの中にはポルノも多くあり、こういった描写ももちろんある。
何も不審に思わないということは、それを彼は見ていなかったのだろうか。パ一卜リッジは同僚のモノを舐め上げながら思った。
風に乗って焦げた匂いが漂ってくる。炎での浄化が始まっているようだ。
車は置いてきたままだ。あまり長い間外しているとそれこそ不審に思われる。
あの時、自分はなぜ放っておけと言わなかったのだ。小便でもすれば自然に治まっただろうに。
それとも自分が「下手」だということなのか――
パ一卜リッジは焦れて目を上げた。同僚の行為を見下ろしていたプレス卜ンと目が合い、ハッと見開かれる。
感情を悟られたか――パ一卜リッジがそっと目を逸らした瞬間、その時がきた。
「ん、グ……ッ!」
パ一卜リッジは受け止めきれずに咽せて吐き出す。苦しさに何度も咳き込んでいると、目の前に清潔なハンカチが差し出された。顔を上げるといつの間にか服を整えたプレス卜ンが立っていた。さっきの行為を微塵も感じさせない、このハンカチ同様清潔な顔で。
いっそ憎らしいぐらいに。
パ一卜リッジは黙ってハンカチを受け取り、口元を拭った。
「……治まったか?」
現場に戻りながら訊くと、プレス卜ンは頷いた。そしてふと立ち止まり、首を傾げて尋ねた。
「パ一卜リッジ、君もあんなふうになるのか?」
パ一卜リッジは今、自分がどんな表情をしているか恐ろしくて振り返ることができなかった。
「さあ……どうかな……」
その時、運良く腕時計のアラームが鳴った。この時程プ口ジウムの存在をありがたく思ったことはなかった。
「何だって?」
「……そんな時もあった」
そう言った時には、もう何も感じなかった。
後に残ったのは口の中の苦みだけだった。
____________
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| | | | ピッ (・∀・ )
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>>574 まさかこの二人の話が読めるとは思わなかった!パテさんにためらいなく咥えられちゃうとかタマラン
あああ、あの世界の雰囲気が伝わってくるよ。超GJ!
581 :
風と木の名無しさん:2007/10/11(木) 00:35:14 ID:+63JQIip0
埋め立て支援age
「いらっしゃい」
開け放ったドアの向こうには、着慣れない服に憮然とする彼がいた。
「ふうん、けっこう似合うね」
頭の先から爪先まで視線を這わすと、居心地悪そうに肩をすくめる。
「落ちつかねえ。ここまで来るのも、死ぬほど恥ずかしかった」
なんでスーツなんだよ、とスンシンはお世辞にもきれいに締まってるとは言いがたいネクタイを引っ張った。
事件が起きたのは、その日の放課後の事だった。
ゾンビーズの部室に、突然聖和の制服が飛び込んできた。
「あれ、はるかちゃん?」
ヤマシタが息を切らせる少女を見て驚いたような声を上げる。
「こ、こんにちは、突然すみません、あの」
挨拶もそこそこに彼女は切り出した。
「お父さんを助けて下さい!」
その言葉にいち早く反応したのは、ドアから一番遠い、窓際に掛けていたスソシソだった。
「おっさんがどうした」
次の瞬間にはハルカの前に屈み込んでいる高速移動に、思わず皆ちょっとたじろぐ。あの件から
二ヶ月になるが、スンシンの中で「おっさん」は、まだずっとずっと特別のままらしい。
ハルカの話によると、鈴木が朝の電車の中で、痴漢に間違われて警察に連れて行かれたのだと言う。
「お父さんじゃないんです。お父さん、絶対そんなことしません。濡れ衣なんです」
「うんまあ、そうだろうね」
あの真面目が背広着て歩いている彼に限ってそんな事はありえないだろうとミナカタが頷いた。
「でも、相手の人は絶対お父さんだって言い張るし。でも、目撃した人も証明してくれる人もいないんです」
相互の言い分は平行線を辿り、頑として否定を続ける鈴木はまだ解放されないのだとハルカは目をうるませた。
「朝何時の電車?」
ミナカタの目が、きらりと目を光った。
「よかったね」
頭の上から降ってきた声に、ちらりとスンシンが視線を流した。彼の視線の先にある警察署の建物は、もう夕暮れの中に落ちている。
同じ時間帯にその電車に乗っていた聖和の女子数人の証言で、鈴木の無罪は証明された。もちろん、彼女達の説得に一役買ったのは国境なきプレイボーイのアギーだ。
「声、かければいいのに」
「…ヤボだろ」
ハルカと腕を組んで帰っていく後姿に、ぽつりと呟く。その後姿を見つめる目のいろは、今までスンシンが見せた事のないものだった。
「スンシンは、本当に鈴木さんが大事なんだね」
何気ない口調でそう言ったアギーを、はっとスンシンが振り返る。言い返そうとして開けかけた口を閉じて、スンシンはもう一度スズキの背中を見て、そして目を反らした。
二人に背を向けたスンシンに、アギーははい、と紙袋を押し付けた。
「じゃ、報酬の件よろしく。家で待ってるから」
今回アギーに依頼に行ったのはスンシンだが、彼は基本的に小銭しか持ち合わせていない。デートを一件潰すんだからとアギーが提示した条件を、僅かの迷いの後スンシンは呑んだ。
「なんだこれ」
「着て来て。これも、報酬のうち」
じゃあ家で待ってるね、と後ろ手に手を振る。なんだこれ、と呆れたような呟きが、背後に落ちたのにアギーはくすりと笑った。
「ママさんは」
「友達と旅行中」
慣れた家の中に上がりながら、スンシンが静かなダイニングを見て尋ねる。
「…ふうん。でさ、何でこんな服なんだよ」
別れ際、アギーがスンシンに渡したのはドレススーツだった。
「スンシンに着せてみたかったんだ。どっちかと言うと、脱がせたかったのが大きいんだけどね」
俗に言う下心というやつだね、とアギーが無邪気に微笑む。
「シュミわりぃな」
「そう?よく似合ってるけど」
このこは自分の容姿に、本当に頓着がないなあとアギーはつくづく思う。そのきれいな顔がどれだけの衆目を集めて、醸し出す雰囲気がどれだけのあらゆる感情を刺激するかまるでわかっていない。
「
「入って」
アギーの部屋のドアをくぐったスンシンが、かすかに肩を強張らせたのが、後ろから見て取れた。普段ゾンビーズはアギーの自室には上がらず、ダイニングで遊んでいる。だから、この部屋の面積に対
して大きすぎるベッドをスンシンが目の当たりにしたのは始めてだ。
この名簿の聖和の女子に裏を取ってきてくれと、やってきたのはスンシンだった。いつも依頼にやってくるのは参謀長官ミナカタなので珍しいなとは思ったが、渦中のの人の名前を聞いて納得した。
『いいよ、やったげても。でも、今日俺大事なデートだったんだよね。いつもみたいにパン一個とかキスじゃ、ちょっと割に合わないなあ』
『じゃあ、何ならいんだよ。金なら今はマジでねーぞ。待ってくれんなら何とかすっけど』
『ツケは許さない主義なんだよね、俺。じゃあさ、スンシンでいいよ』
『は?』
『スンシンの身体で払ってくれたらいーよ。今夜、スンシンを俺にちょうだい』
『…本気か』
『スンシンに関しては、俺はいつでも本気だよ?』
いくばくかの逡巡ののち、彼は無言で頷いた。意外に思いつつも、「スズキさん」の為なら何も厭わないんだなとアギーは感心した。
「スンシン」
手を置いた肩が、ぴくりと跳ねた。おそるおそる、という普段の彼には似つかわしくない仕草でスンシンがアギーを振り返る。
「約束通り、君を貰うよ」
返事を聞く前に、半開きの唇を塞ぐ。自分にしては、荒々しいキスだとスンシンの唇をむさぼりながらアギーは思う。俗に言う、ジェラシーってやつ?なんてね。
舌を何度も吸い上げたところで、かくりとスンシンの膝が砕けた。力の抜けた身体を、アギーが抱えあげてそのままベッドに背中から押し倒す。
「、ん、っ」
キスを解かれて、やっと息を継いだのも束の間、すぐにアギーの唇がまた息を奪う。苦しいと、胸元を叩いていた手がキスの濃さに力を失っていく。ぎゅっと握り締められていた指先は、キスの終わりには、ただアギーのシャツにすがりつくのみになっていた。
「…怖い?」
常の強気な彼とはまるで別人の、どこか怯えた目で自分を見上げてくるスンシンの頬を、アギーがやさしく撫でる。
「…怖い、っつうか」
目を伏せて、呟いた。長い睫が目元に濃く影を落として、ひどく艶っぽい。
「痛てえの?」
潤んだ目で、まるで注射を怖がる子供のように尋ねてくるスンシンに、たまらずアギーは吹き出した。む、とスンシンが口を尖らせるが、そんな仕草もかわいいだけだ。
「うん、そうだね、多分どうしても痛いと思う」
ここ使うからね、と服の上からその場所に指を這わす。びくり、とスンシンが身をすくませた。
「でも、それよりずっとずっと、気持ちよくしたげるよ」
耳元に囁きと共にキスを落とすと、またスンシンの身体がかすかに震えた。
アギーは、とても優しく、優しくスンシンを愛した。
時間をかけて、指と唇でスンシンを丁寧にほどいていく。しなやかな筋肉に覆われたスンシンの身体は、想像ていたよりもずっと敏感だった。身体中にキスの雨を降らされただけで、スンシンはもうぐずぐずとアギー
の腕の中で融けかけてしまっている。
女の子の身体は最高だ。優しくてあったかくて、幸せな気分にしてくれる。スンシンの身体は、抱き慣れたそれらとは全然違う。硬いし、勿論彼女たちほど抱き心地もよくない。傷
のたくさんつけられた肌は、抱きしめると幸福感というよりも切ない気持ちで満たされる。
でも、不思議に手を離し難い魔力のようなものがある。もっと強く抱き締めたい。もっと、その肌を吸って、傷が見えなくなるくらい跡をつけてやりたい。
ーーー全部自分のものに、したい。
「あっ、、そこっ」
腹の傷跡に舌を這わせた時、噛み締めていた唇をスンシンが解いた。
「痛いの?」
滑らかな腹部に、白く刻まれてる傷にアギーは優しく口付ける。びく、とスンシンの腰が跳ねた。
「いたく、ね、けど…っ」
「感じるんだ?」
「…ハッズカシーこというなっ、バカアギッ」
「気持ちいいくせに」
きつく吸い上げると、スンシンが反らした喉を鳴らした。アギーが唇を下へと伝い落としていく。細い腰にひっかかったままのズボンを引きずり下ろすと、スンシンが焦ったように上体を起こした。
「ちょっ、待っ」
「なんで?ここからが一番気持ちいいとこだよ?」
脚の間から見上げるスンシンの顔は、泣きそうに歪んでいる。
こんな表情をさせたのは自分が初めてな筈だ、とぞくぞくとアギーの背筋を快感にも似た感覚が駆け上る。
はだけたシャツの下で大きく上下する胸や、怯えを含んで潤んだ目のなんて色っぽいこと。
「気持ちよくしたげるって、約束したでしょ」
本能に抗えずに頭をもたげている彼を、柔らかく揉んでやる。ひく、と引きつった背がまたそのままベッドに沈んだ。
「え、っ」
ねっとりと熱いものに覆われて、スンシンが一瞬間の抜けた声を上げた。
「な、っ…!ばかっ、はなっ、」
咥えられた事に気付いて、驚いてアギーの頭を押し返そうとする。が、自慰も滅多にしないスンシンに、唇と舌の刺激はあまりに強烈すぎた。そこが脳天に直結したみたいに頭の芯がびりびりする。
「う、ば、も…出る、からッ…」
それでも、せめてもの抵抗とばかりにぐしゃぐしゃとアギーの癖毛を掻き回した。
「出していいよ、飲んであげるから」
「そな、や、だ、って、っ…ん、あ、ああッ!」
じゅっ、とアギーの厚い唇がスンシンをきつく吸い上げる。
腰を大きく震わせて、スンシンはアギーの口の中に吐精した。
長くなったんで一旦切ります。
>>586 このカプが読めるとは!
最高です!
続きをわっくてかでお待ちしてます。
>>586 読めると思ってなかったからパソの前で禿マスタ。
続き超wktkしながら待ってますノシ
そんなに長くなかった、ゴメソ
「痛い?」
「…わかん、ねえ…、あ、」
身体の中で、アギーがまた大きくなったのに、スンシンが眉をひそめた。でも漏らされる吐息はひどく甘くて、感じているのが痛みだけではない事を証明してくれている。
「おま、ムスコでかすぎ…」
挿れるまでも一苦労だったのに、まだ中で育つつもりらしいそれにスンシンが毒づく。
「スンシンの身体がセクシーだからいけないんだよ」
項にキスを落とすと、バカ、人のせいにすんなとスンシンがくすぐったげに肩をすくめた。
「だって、キミの身体って本当にエロティックなんだもん。背中も、なんかすごくイイ」
肩甲骨の下を吸い上げて、うっとりとアギーは微笑った。
「羽根とか生えてそう」
「…頭大丈夫か、お前」
慣れてきたのか、軽口を叩く余裕がスンシンに出てきた。貫かれている背中ごしに、きろりとアギーを振り返る。
「全然オッケーでクリアだよ。たまにね、キミの背中に翼が見えるんだ、俺」
「目、大丈夫か」
天使のような子だなあと、初めて会った時に思った。この世のものじゃないみたいにきれいで、まっすぐできっぱりとしていて、不思議な潔癖さを持っていて。人と距離を置きながらもでも、どこか寂しげで。何に
も頓着も執着もなくて、知らないうちにどこか遠くへ行ってしまいそうだと。
でもスンシンは変わった。「彼」に出会ってから。
「最近はね、見えないけど」
「彼」を知ってから、スンシンは地上に足をつけるようになったと思う。前よりも自分たちに近くなったと感じる反面、「彼」を想うスンシンは、遠い。
「…そろそろいいよね?」
らしくなく、なんだか凶暴な思いが込み上げて来て、アギーはスンシンの腰を掴んだ。
「え、あ、待っ…あ!」
少し乱暴に注挿されて、スンシンが悲鳴を上げる。この想いのままに彼を攻め立てたい気持ちもあったが、最初の約束を違える訳には行かないとアギーは腰の動きを緩めた。怯えさせたくないし、第一ここで失敗したら次につ
なげないかもしれないではないか。
彼のペースに合わせて腰を動かし、時折前を愛撫してやるとスンシンの息にまた甘いものが混ざり始めた。背中に覆いかぶさって、アギーはスンシンの顔を覗き込んだ。
「ね、名前、呼んで」
ね、名前、呼んで」
「…ア、ギー…?」
シーツにうっとりと頬をすりつけながら、掠れた声でスンシンが呟く。見上げてくるとろりとした眼差しに、アギーの喉が鳴る。
「そっちじゃなくて、本名の方。たまには呼んでみてよ」
「…サトウ?」
「そっちじゃなくてえ」
苗字を呼ばれて、さしものアギーも脱力しそうになった。多分、自分の名前を忘れているのだろうけど。
「…お前、名前、なんだっけ」
「ケンだよ。ケ、ン」
案の定の答えを返してきたスンシンに、苦笑しながらアギーが答える。
「ケン…」
赤く染まって、戦慄く唇から落とされたその声に、アギーの中で何かが弾けた。
軽い気持ちで言っただけなのに、名前をこの顔にこの声に呼ばれることが、こんなにも自分を狂わせるなんて。
もう堪える事などは出来ず、暴走する欲望のままに彼を攻め立てる。喘ぐように何度も名前を呼ばれて、頭も身体もどうしようもなく熱くなっていく。自分も夢中になって彼を呼んだ。
「スンシン、愛してるよ、スンシン」
キミの心が、たとえ彼にしかなくても。たとえ、自分の名前を呼ぶくちびるが、心の中では違う名前を繰り返しているとしても。
「愛してる、愛してるよ…」
この身体は、今だけは自分のもの。
届かない想いを込めた言葉と共に、アギーはスンシンの中に熱をぶちまけた。
びくびくっと震えたしなやかな身体が、がくりとシーツの海に沈む。その背中の上に自分も倒れこみながら、アギーはぎゅっとスンシンを抱きしめた。
右眉の赤く染まった傷跡に、そっと口付ける。スンシンの指がゆっくりと上がって、自分を包み込むアギーの腕にすがった。
「…サンキュ」
家の近くでスンシンはアギーの車から降りた。一人で帰れると言われたが、アギーはほぼむりやりスンシンを車に乗せた。本人は無自覚だが、行為の余韻はスンシンの全身にべったりと張り付いており、とても一人歩きなどさせられる状態ではなかったのである。
「ここでいいの?」
「コンビニ寄ってく」
コンビニ好きだよねー、とアギーが呟く。じゃあ、と行きかけて、スンシンがアギーを振り返った。
「ありがとな」
「ん?」
「おっさん、助けてくれて」
改まって礼を言うスンシンに、その想いの深さを感じてアギーは内心で溜息をついた。
そんなに駄目押ししなくたって、いいじゃない。
「ギブアンドテイク。ちゃんと報酬貰ったしね?」
ちょいちょい、と唇をつつくと、スンシンの頬が紅く染まる。この反応を見ると、まだ自分にも見込みはあるかもしれないなとアギーは思う。めちゃくちゃ感じまくってたし乱れてたし、それなりによさそうだったし。
何せ、俺はスンシンの『はじめての男』だしね?
「じゃ、また明日」
「おう」
ちらりと返された流し目も、以前よりずっと色っぽいし。
そんな考えを柔和な笑顔の下に隠して、アギーはスンシンに手を振った。
ゴメン計算間違えた
いろいろ至らないですが初FDFなんでご容赦をorz
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| 某スレ
>>466執筆の間のお茶濁し…というか…
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 寸止めでスマソと先に言いたい…
| | | | \
| | |> PLAY.. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ サキニイウナヨ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚;)
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
「へぇへぇ、ひへひへ」
さくらんぼを頬張っていたメフィストU世が、ふいに真/吾を呼んだ。
「なに?」
振り向いた先には、これでもかとばかりに舌を差し出したメフィストU世。いきなりあっかんべーなど見せられた真/吾はむっとしたが、その赤い舌の上に乗っているものに気付くと肩にこめた力を抜いた。
「器用なこと、するねぇ」
「えへへー」
舌の上に張り付いたそれをつまみ上げ、U世はひらひら手を揺らす。さくらんぼのヘタを舌で結んだそれは、真/吾の視線を一身に受けていた。
「なんかさ、アレらしいぜ」
「どれ?」
「コレが出来るヤツは、キスが上手らしいぜ」
ずるん。
唐突な話の流れに、真/吾は文字通りずっこけた。つまりこの悪魔は、そんな事をわざわざ自慢する為にこのさくらんぼのヘタを結んで見せたのだ。
「……あ、タイム」
「あん?」
一通り自慢して満足した悪魔は、ヘタをぽい、と種が捨てられている器に投げ入れる。透明なガラス鉢の中に消えたそれを目で追って、真/吾は少々意地悪な質問を投げかけた。
「ホントに口の中で結んだ?」
「結んだって」
「じゃーやって見せて」
即座に返ってきた言葉に予定通りの言葉を投げ返し、真/吾はさくらんぼを摘みあげて実を口に含む。ぷちん、と小さな音を立ててヘタを切り離し、やや不機嫌な面持ちの悪魔の前へと差し出した。
「よーしいいぜ。見てろよ」
メフィストU世は真/吾の手から直接それを口に含んだ。驚いた真/吾が小さく声を上げるのに笑みを浮かべ、口をもごもごと動かす。
「……」
「……」
そして。
「ふえ」
ぺろん、と伸ばされた舌先には、やはりきっちり結ばれたヘタがちょんと乗っている。またも自慢げに笑う悪魔に、真/吾は何とも面白くない。
「むー」
さくらんぼを取り上げて、口に含む。実は美味しく頂いて、種だけを器に捨てた。
「おーおー、頑張れ頑張れ」
「むー!」
ヘタ結びに挑戦し始める真/吾を、悪魔は明らかに気の抜けた様子で応援する。これで出来なければとんでもなく笑われてしまうと、真/吾は必死に口を動かすが……思うようにいかない。
「コツ教えてやろうか?」
「む」
「あっそ」
差し伸べられた手を取る気にもなれず、ぶすっと膨れたまま口をもごもごさせ続ける。が、時間をかければ必ず出来るものでもないわけで。
「できたー?」
しかもこんな、わざわざ煽ってくる迷惑な悪魔を前に、冷静に作業を続けられるわけもなくて。
「あーもー!」
ぺ。
不恰好にしなびたヘタを吐き出し、真/吾はさくらんぼの器を悪魔の方へと押しやった。
「あら」
「ふんだ、どーせ僕はキスがへたっぴですよーだ」
結ぶどころか、ヘタをふにゃふにゃにしただけに終わってしまった真/吾はすっかりへそを曲げて、ぷいとそっぽを向いた。
「教えてやろうか?」
「いらないよっ!」
下手に出た言葉も、端々に混じる笑いが耳について素直に受け入れられない。このまま事が進めば、恐らく自分は引き下がるタイミングを完全に見失ってしまう。そうなれば、後はもう意地が砕けるまで延々と相手を突っぱねるという、何とも不毛な時間へと突入せざるを得ない。
何とかしたいのに、曲がったへそが言うことをきかない。そんな自分にさえ腹が立って、悪循環が始まりそうになった、その時。
「悪/魔くん、なあ悪/魔くん」
真/吾を呼ぶ声。嫌々ながらに目だけで振り向けば、さくらんぼを口に銜えたメフィストU世が顔をずいと近付けてきている。彼が口にしているさくらんぼはヘタで2つが繋がっていて、その一方を口に含み、もう一方を揺らしてそれを指差している。
「……」
食べろ、と言っているらしい。どうやら、ご機嫌取りのつもりでもあるらしい。
真っ先に頭に浮かんだのは、膨れっ面のまま文句を言って返すことだったが、そうしてしまってはもう大喧嘩は避けられない。第一、自分が勝手に駄々をこねているだけなのだという事を思い出し、真/吾は少し肩を落とした。
「んー」
ずずいと顔を突きつけ、悪魔はゆらゆらと赤い果実を揺らす。瑞々しいそれを手で取ろうとすると、ふいと顔を背けられた。
「……」
口で、と言いたいらしい。自ら自分の口を塞いだ、この悪魔は。
「んーんー」
またも顔が寄せられる。ずずいん、と近づいてきた顔と果実に、真/吾は諦めて口を開いた。
「あー……むゆ!?」
果実を、果実だけを口に含んだはずだった。のに。
「うー!!」
ご機嫌取りに見えたそれは、よりにもよって巧妙な罠だった。さくらんぼサイズに開かれた口を、二つの果実ごとぱくんと食べてしまった悪魔は、にたにたと笑いながら真/吾の体に両手を絡みつかせる。
しまった、と思った時には既に遅く、真/吾の体は悪魔にすっかり捕まってしまっていた。
「んん!」
放して、と言おうにも口は塞がれている。二つの果実はヘタごと互いの口を行き来し、やがて固いヘタだけがポロリと取れてどちらかの口からか解らぬまま床へと落ちた。
残された果実は甘い味を振りまきながら、逃げ惑う舌と捕らえようとする舌に弄ばれ潰れ、ひしゃげて芳醇な香りと瑞々しい果汁を口内にばら撒く。
「んゅー」
突き放そうと上げた手はそのまま捕らえられ、指が絡み合って逃げられない。蹴り飛ばしてやろうかと思った足には相手のそれが絡みついて微動だに出来ない。
顔を背けて逃げようにも、執拗に追ってくる舌と唇からは逃れられず、それは真/吾が白旗を上げるまで延々と続いた。
「んぅ……」
何がどうしてそうなったのか、真/吾はいつの間にやら悪魔に組み敷かれていた。角度を変え深さを変えて繰り返され続く口付けに、次第に脳が犯され始める。積もり積もった危機感が薄れ、朝霧が晴れていくように消え果れば、もう真/吾に勝ち目はない。
「ふぁ……っ」
散々弄んだ舌を開放し、悪魔はそっと貌を離すと悪戯な笑みを浮かべる。対する真/吾は、それに対し怒りをぶつける事も、文句を言うことももう叶わない。
唇と共に開放された四肢を床に投げ出したまま、悪魔が悠然とした動きで赤い蝶ネクタイを解くのを眺めているほか無かった。
「悪/魔くんがヘタ結べるようになるまで、いっくらでも練習に付き合ってやるよ♪」
当然、サービス付きで。と付け加えて笑い、汚れひとつ無い純白の手袋をするりと外す。何が始まるのかなどイヤという程に教え込まれた真/吾は、せめてそれくらいはとばかりに開け放たれたままのドアに視線を飛ばした。
「んー?ああ、ハイハイ」
「ハイは1回でいいの……」
いそいそとドアを閉めに行く悪魔の背中を眺めて、真/吾は気付かれないように舌を突き出してみた。
真/吾が上手にヘタを結べるようになったかどうかは、また別の話。
598 :
某スレ466:
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ お邪魔様ですた。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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