【吉本】義元芸人総合【善元】【ヨシモト】

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[01]劣情

 性急にジーンズを下着ごと脱がせたものの、そこから先を徳井は急がなかった。
 痩せてさらに細くなった福田の腰を抱え、ひざだけを立てさせて床へと上体を押しつける。ゆっくり息を吐いてろや、と耳打ちすると、
福田は羞恥に消え入るようにしながらも、必死に徳井の言葉を反芻した。
「そう、おびえるなっちゅうに。取って食うわけじゃあらへんやろ」
 これからのことがらに、ガクガクと震える肌へローションを垂らすと、徳井の前で福田は両手のあいだに顔をうずめ、無茶苦茶や……
とか細い声を漏らす。もっともな言葉だった。「んー、まぁ、そうやな」
 いつもはもっと時間をかけて、福田の体からこわ張りがとけるのを待つ。えげつない性欲、と公言してはばからない徳井ではあるが、
こと福田に関しては別だった。 それはなによりも福田のことだけを愛して、慈しみたい、と常日ごろから思っているからで
、体を合わせるときは明かりも消してやるし、ベッド以外で求めたこともない、むろん福田からの積極的な奉仕を期待することもなかった。
――だが、きょうはどうしたことか、内なる自分が福田を荒々しく欲していて、福田の部屋へ上がり込むや否や、その体を床へ押し倒したのだった。
 抱きしめた体は自分よりひとまわり小さく、よく腕になじんだ。首筋に顔を寄せると風呂上がりの艶やかな香りがして、手を差し入れた短い髪は
うっすらと湿り気を帯びていた。寝巻きに着替えずにいたのは、徳井が外に誘いだすかもしれないことを考えてのことだろう、それだけでなく
福田は自分だけ先にくつろぐようなことをしない。 愛しい愛しい、相方以上の、生涯の伴侶。
 傷つけることなど絶対にしたくない、と思っているのに、今夜はどうにも収まりがつかない。
福田が欲しくてたまらない。これほど貪欲な劣情があるとは、徳井自身思わなかった。
65[email protected]:2007/05/15(火) 03:51:52 ID:A5/FcapT0
「――すまん、いまはやさしくでけへん」
 突然のことに呆気にとれている体をまさぐると、ようやく徳井がなにを求めているのか気づいたらしく、
福田は身をよじるようにして抵抗した。それとなくベッドに誘うならいざ知らず、アルコールが入っているでもない状態で
応じるのは難しいのだろう。いままで、このように強引に迫ったことはなかった。想いが通じてから二年にもなるというのに、
福田は徳井との行為にいまだ慣れずにいて、拒みはしないものの、はじまりはいつも羞恥によってかたくなだ。
 当然ともいえる福田の抵抗が、しかし逆に徳井の嗜虐心を煽り、知らず手がでてしまっていた。
 パン――と乾いた音は高かったが、それほどちからは込めてない。ただ徳井が手を上げたことに福田はびっくりして目を見開き、
自分を組み敷く男を見上げてきた。その目には、若干のおびえが見て取れた。
「これ以上、駄々こねんでくれや」
徳井の低い声を聞いて、福田はひくりと震えた。ふだんとは異なる夜がはじまるのだ、と認識したようだった。そしてそれが、福田の意にそわないことも。
「な、ええ子にしたって」
 首筋へ顔をうずめ、鎖骨を強く噛む。痛いっ……と声を上げた福田に満足して、徳井は歯形のついたそこを舐めた。薄い皮膚が、小さくわなないている。
「……なんで、こんなん……」
 視界の端に入ったテーブルの上には、いくつかの料理が見えた。近ごろ増えたピンでの仕事から帰ってくる徳井のために、
福田が用意していたものだろう。けなげなその姿に、いつもならば相好を崩して舌鼓を打つのだが、きょうはそれよりも先に福田が欲しかった。
福田の薄い体臭だけで、やたらに昂ってゆく自分を徳井は遠くのほうで自覚する。
 Tシャツをまくり上げて乳首を噛み、それだけでは足らずに一気に下肢へと手をかけた。縮こまっているそこをジーンズの上から握ってやると、
福田はいやいやと首を振った。
 
66[email protected]:2007/05/15(火) 03:55:11 ID:A5/FcapT0
 それを構わずジーンズごと下着をずり下ろし、くるっと福田の姿勢を入れ替える。徳井が体を開きやすいように
四ツ這いにさせると、福田は逃れようとして前へでる。それを、腰をつかんで引き戻してから、徳井は福田の固く
閉じたままの奥への入口に、いきなり指を突き立てた。「――ッ!」 声にならない声を上げ、福田は硬直する。
「ええ子にしとらんと、ここ、裂けてまうで」
 徳井は爪先でそこを割り開いた。ヒッヒッ……と短い呼吸をくりかえす福田は、恐ろしいことをさらりと言った徳井の言葉に息を飲んで、
そろそろと元の姿勢に戻った。それでも顔を上げてはいられないようで、突っ伏すように顔を伏せて泣きはじめた。
 徳井はバッグからローションを取りだした。福田の尻の上から、腿が濡れるほどに垂らして、割り開いた小さな口へもそれを飲み込ませた。
 自身の前をくつろげる。徳井の股間はすでにいきり勃っており、グロテスクないろをしていた。屹立すると、口腔には収まり切らないほどの
大きさを見せるそれを、薄い尻へと押しつける。ぬちゃぬちゃと音を立て双丘のあいだを動くと、それだけで福田は背を震わせて悲鳴を上げた。
……徳井の質量を知っているからこそ、福田は恐怖でいっぱいなのだ。
「声、殺すなよ。殺すと、おまえが辛いで」
「……っ、ひァ――…!」
ぐぐーっと徳井は福田のなかへ沈み込んだ。ローションのおかげで抵抗はないが、福田のほうは慣らす準備がなかったものだから、
どうしたって体が異物感にすくむようで、無意識にだろう体が前へ前へと逃げてゆく。
 徳井はそれを許さなかった。根元まで深々と埋めて、ゆったりと引き抜く。福田の白い尻に、赤黒い雄の肉が幾度も飲み込まれた。
67[email protected]:2007/05/15(火) 03:56:49 ID:A5/FcapT0
「福、福、サイコーや……」
 たぶんもう、徳井の声は福田に届いていないだろう。ろくに息も吸えないでいる福田を置いて、徳井は自分だけ勝手にのぼり詰めた。
好きなだけ動いて、好きなだけ貪り、そうして福田のなかへブチまける。
 福田はそれを感じて、弱々しくだがまた上へと逃げようとした。ぐっと引き戻し、徳井は最後の一滴までそそぎ込む。
「いやや……いやや……」
 いつもはコンドームをつけているから、福田が徳井の熱を直接感じることはない、だがきょうはそんな気づかいもできないまま抱いてしまったから、
初めての衝撃に福田は何度もかぶりを振った。自分のなかにある、萎えぬままの雄々しい男の熱や、流れ込んでくる精液におびえているのだろう。
 それをかわいそうだとは思ったが、徳井はまだ福田を離す気になれなかった。脳裏に素早くあすの日程を思い浮かべ、昼からの出番であることを確認する。
「ごめんな福、あした、ちょっと辛い思いさせるな」
 抱き合った翌日の福田は、足もとが少しおぼつかないことがある。本来であれば無理な行為をしているのだから当然なのだろうが、腰から下が
とにかくだるくなるのだ、と、いつであったか漏らしていた。むろん徳井はそれをフォローして、収録中に体を使うようなことはすべて引き受けるし、
鎮痛剤なども用意して福田を気づかうが、――もしかしたらあすはそれだけでは済まないかもしれない。
「もう抜いて……、お願いやから、もう……」
「それがでけへんねん。――ほんまにごめんな」
 上体を倒して福田の背へ胸を乗せ、やさしく髪を撫でてやる。こわ張りをほぐすように体をまさぐってみたが、福田はただただ震えるだけだった。
ごめんな、ごめんな……とくりかえし耳元で囁いて、それでも徳井は福田を離せない。あふれかえるほどに福田を濡らしてみたい、と思う。
 
68[email protected]:2007/05/15(火) 04:03:57 ID:A5/FcapT0
徳井は体を起こして福田の尻をつかみ、ふたたび腰を使いはじめた。一度吐きだせば落ち着くかと思った欲情は、まったく
衰えないでいる。むしろ、もっともっと、と福田を求めた。ローションだけでなく、徳井の精液も混じったそこは充分な潤いを持ったが、
福田自身の緊張をとけないせいでか、きつすぎるほどの締めつけがある。特に入口のあたりが強くて、食いちぎられるのではないか、
と思うほどだ。福田に欲望を飲み込ませるたび、こめかみのあたりが白くキリキリとし、徳井の感じているものも過ぎる快楽のように思えた。
二度目の放埒を終えても、徳井は満足できなかった。もっと欲しい、福田の泣いた顔が見たい。――徳井は一度自身引き抜いた。
ほっとしたように床へ崩れ落ちた福田は大きくしゃくりを上げて泣いていて、自分の体を抱きしめて小さく丸まった。くしゃり、と髪を撫でながら、唇を求める。
顔を隠す両手をどけてキスをしたが、福田の唇はわななき、涙に濡れてしょっぱかった。
「……ひどいやんかぁ……」 ようやく絞りだされた声も震えている。
「……ん、ほんまにごめんな。自分でもあかんって分かってるんやけど、とまらんねん。――だからもうちょい、つき合うて」
「え……?」
 丸まったままの福田の体を、徳井はひょいとかかえ上げた。そのままとなりの寝室に入り、ベッドへ寝かせる。状況がつかめないでいる
福田を見下ろすと、いまさらながら徳井は上着を脱いだ。
「え、え、……まだ、するん……?」
「うん、――ごめんな」


>続
69[email protected]:2007/05/15(火) 04:04:58 ID:A5/FcapT0
■初めての徳福です。のっけからエロなのは仕様です。基本的にエロしか欲しいと思いません。
でもそれは、ある程度の文章力があってこそ成り立つものだと思っています。
最低限として、金をだしても読みたいと思える文章の質にプラスして、エロが欲しいのです。毎日精進してます。

■お試しでプチコピー本にしました(5/13C.City大阪にて)。お笑いジャンルでもないのに、わざわざもらいに
きてくださった方に感謝致します。別ジャンルでイベントの主催なんぞをやっておりますので、しばらくお笑いで
スペースが取れませんが、ちょぼちょぼやってゆきますので、よろしくお願いします。

■関東在住なため、リアル情報に疎いです。「こんな素敵ネタがあったよ!」等教えてくださると、小説に反映して厚みが
増すかと思いますので、気が向いたときにでもお願いします。エセ関西弁も、ご教授賜りたく……。

つーわけで関西弁教えてくれな!