ttp://114090.jp/~absin/YENiRAKI/ 『あえて言おう!カスであると!』鼻クソ小説九こめ(ノンスタ石田×井上)
※イキリ さんが 眼鏡 かけてるのは 実話らしい。
水面から意識が覚醒するとき、それは見た夢の続きのように理解できない空想が脳に広がる。
それは自らのものなのにまったく自らの手を離れ、あらぬ方向に肥大しているのだ。
薄い布団の硬い感触と溶けて一体と化していた時から覚醒し、辛うじて人間の体のまま冷えた
眼鏡を探る。わざとらしいが決してわざとではない大きな瞬きを10つくらい繰り返して、フレームから耳の
フチにプラスチックの易い感触に感じた。かけた眼鏡は鼻当てが最も冷たく、薄い鼻筋の上辺に震えた感触を
生み出した。 目覚めは不完全だった。手の位置が前度の動作から動かないままズ、ズ、と沈む。深層に落ちるようだ。
眼鏡は引き上がった。顔の右半身が布団に接触し、上を向いたツルが耳を軽く塞ぎかけていた。レンズは
繭山を少し上がり、わずかな誤差で裸眼となった。ほぞを噛む。思想する。狂ったそれはいつまでも自らに
そぐわないとしても、いつまでも続けてしまうから不思議であり、不可解でもある。