147 :
ハニー♂ライダース:
▽秘密の非日常(トータルテンボス藤田×大村) -1-
「「あのさ」」楽屋を出ての長い廊下、二人の声が重なった。「「何?」」
聞き返してまた声が重なる。埒が開かずに俺の方が口を閉じた。
「あのさ朋宏、今日俺ん家来ない?嫁と子供、実家帰ってるんだけど」
「へ?マジで?ウチも二人実家帰ったんだけど」
実はさっき話かけようとしたのも、久しぶりに藤田を家に呼ぼうと思ってのことだった。
「マジ?じゃあどっちん家行く?」
「お前ん家でいいよ。俺何か作るから」
「マージーでー?朋宏の手料理超久しぶりー」
「しばらく嫁任せだったから、期待はすんなよ」
久しぶりのドキドキ感に、互いの声が弾む。昔はよく互いの家を行き来していたけれど、結婚してからはご無沙汰だったから。
「じゃあ憲右ん家行く前にスーパー寄ってこうぜ。今夜何食べたい?」
「うーん…ハンバーグ」「オッケ、じゃあ行くか」
まるで独身時代に戻ったようだ。付き合いたての恋人同士みたいに二人並んでカートを押して、
かつて通い慣れた帰り道を、スーパーの袋をぶら下げて歩いた。あの頃は当たり前だったことが、今は懐かしくて貴重な時間。
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148 :
ハニー♂ライダース:2007/05/22(火) 01:43:15 ID:e66tng9GO
秘密の非日常 -2-
「お邪魔しまーす」「おう」
一人でこの部屋に足を踏み入れたのは何ヶ月ぶりだろう。もしかしたら年単位で昔のことかもしれない。
昔立ち慣れた台所に向かい、ガサガサと夕飯の材料を並べていく。微妙に勝手の変わった台所に、奇妙な淋しさを感じた。
「朋宏ー、俺風呂沸かしとくから」「おう、よろしくー」
俺が台所に立っている間に藤田が風呂を沸かして、部屋を片付けて。あの頃と変わらない、自然に身についた役割分担。
「朋宏ー、ご飯まだー?」
「ハンバーグに火が通ったら終わり。ほらボーッとしてないで皿並べろよ」
自分以外の誰かのために、二人分の食事を作る。あの頃は毎日やっていたこと、今は全くやらなくなった。
「「いただきます」」
二人向かい合って座って、大きな口で飯を頬張る藤田を見るのも久しぶりだ。
「めっちゃ美味ぇー、やっぱ朋宏いい奥さんになれるわ」「ばーか、何言ってんだお前」
そんなやり取りに胸躍らせていたのも今は昔。互いに守るべきものを手にした今、その実現は叶わない。
「憲右、何か面白いのやってる?」
「あぁ、甲子園の総集編やってる」
「…面白いのお前だけじゃん」
大して興味を持てない内容に、テレビを諦め流しに立った。「洗い物?手伝うよ」
「いいよ、甲子園見てろって」「リアルタイムで見たからいい。手伝う」
食後並んで洗い物をするのも、かつては二人の日課だった。こうしていると、本当に昔に戻った気がする。
「あと30分くらいしたら風呂行こうな。一緒に」「はいはい」
台詞の一言一句も全く同じ。それは家族といるのとも違う、異様なまでの安心感。
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149 :
ハニー♂ライダース:2007/05/22(火) 01:50:54 ID:e66tng9GO
秘密の非日常 -3-
「うおー、アフロぺったんこー…つか、毛髪ヤバくね?」「るせーよ。まだどうにか大丈夫だ」
成人男子二人で入るには、多少狭いユニットバス。子供みたいにじゃれあって、泡まみれになって笑った。「朋宏、前向いて。向かい合っては流石に狭くて入れねーから」
「だったら二人で湯舟浸かんなきゃいいだろうが。超狭めーよ」
「何言ってんだお前。一緒入んなきゃ意味ねーだろが」
結局藤田に背中を抱かれる形で、湯舟に浸かる。肩まで沈むと、入浴剤入りのグリーンの湯が、浴槽から一気に溢れた。
「…おい憲右」「何?」
「さっきから当たってんだけど」「えー、何がぁ?」
「何がじゃねーよ。もうちょっと我慢出来ねーのか。せめて…風呂出るまでとかよ」
「無ー理ー。朋宏見てたらムラムラしてきちゃったから」
背中を向けているから顔は見えないけれど、きっと藤田はある意味いい顔で笑っているんだろう。
「だって朋宏に触るの久しぶりなんだもん。我慢しろったって無理だって」
そう言うと藤田は、俺のうなじの少し下辺りを音を立てて吸い上げた。
「いいじゃん今日くらい。恋人同士に戻ったってさ」
首だけ後ろに向けた極めて不自然な体勢で、懐かしい藤田のキスを受ける。舌を絡め合いながら、藤田の指は湯の中で俺の胸の突起を摘んでいた。
「あっ…ふ…っ」口の端から唾液と共に声が漏れる。
「朋宏結婚してから男となんかエッチしてないでしょ?感度めちゃめちゃいいじゃん」
「…たりめーだろ…元々お前以外の男に抱かれたことなんてねーよ…」
藤田の左手は相変わらず胸を弄びながら、いつの間にか右手は下腹部に伸びていた。
「ほら、まだ触ってないのにすげー勃ってる。俺のことばっか言えねーじゃん」
わざと焦らすように先端を擦り、そのたび俺の身体が弾かれるのを見て楽しんでいる。言いたくはないが、本当に悪趣味。
150 :
ハニー♂ライダース:2007/05/22(火) 01:54:12 ID:e66tng9GO
秘密の非日常 -4-
「やっ…憲右…ちゃんと触って…」「焦んなって朋宏。そうだ、先に一回イッとくか?」
藤田の大きな手が俺の肉棒を握る。そのまま何度かスライドさせられると、俺はその刺激に耐え切れず白い欲望を吐き出した。
ドロリとした白濁が、澄んだグリーンの湯に浮かんでくる。スローモーションのような映像に、一層恥ずかしさが増した。
「風呂でヤんのって、事後処理が楽でいいよなー」
藤田が洗面器でその白濁を掬い取り、排水溝に流す。「さてと、俺も気持ち良くなりてーな」
そう言うと藤田は勢いよく洗面器を投げ捨てた。ガツンというプラスチック音が、数倍に増幅されて浴室中に響く。
「く…うぁぁぁ…」「マジ朋宏のココって締まりいいわぁ。指折れそう」
湯の中で大分解れてはいたものの、かなりの長期間使っていなかった秘孔は圧迫感と異物感に悲鳴を上げた。
「本当、こんな狭いのによく入るよな。俺の息子さん」
最初は1本だった指が徐々に増やされ、3本くらいが体内でうごめいている。
「ほら段々解れてきた。凄い濡れてんの、自分でも分かる?」
「…んぁ…憲右ぇ…もう…」「…オッケェ」
ヌルリ、一気に指が引き抜かれる。そしてその代わりに藤田の硬く反り立ったモノが、俺の身体を突き上げた。
「あぁっ…憲右ぇ…」「朋宏息吐いて、マジ締め付けキツイ…」
久しく忘れていた、懐かしい痛みと快感。「憲右ぇ…や…気持ちいい…」
「そうかそうか。お前はホント可愛いな」
151 :
ハニー♂ライダース:2007/05/22(火) 02:01:04 ID:e66tng9GO
秘密の非日常 -5-
「…も駄目…イキそう…」「まだ早ぇーって。もうちょい我慢しろよ」
「無理だって…あ…出るっ…」ついさっき絶頂を迎えたばかりなのに、恥ずかしいほど感じすぎる身体が次の絶頂へと突き進む。
「イかして憲右、もう我慢出来ね…」「しょうがねぇなぁ…」ドクン、大きな鼓動が聞こえた。
再びスローモーションで浮かび上がる白濁。そして、肚に感じる熱。
「…お前…出し過ぎじゃね…?」掠れる声を絞り出すと、「お互い様だろ…」同じように掠れた声が返ってきた。
そのまま目を閉じ、またどちらからともなくキスをする。明日からはまた友人同士、触れることなど適わない。
その感触を惜しむように、俺たちはいつまでも舌を絡めていた。
何時もと違う、今日こそが非日常。非日常にしか適わない、君と僕の秘め事――。END
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