客の下半身に手を伸ばして、ペニスを探り当てた。まったくのシオシオだ。
やりたくないんだろうな。俺もそうだけどさ。仕方ないよな、
ここに来ちゃった以上は、最後まで付き合ってもらう。
下着ごとスラックスを脱がせて、取り出したペニスを口に含んだ。
丁寧に奉仕しているうちに、なんとか勃ち上がってくる。
客をまたいで、俺はそのペニスをゆっくり自分の中に沈めていった。
体を揺らし、相手が一番気持ち良くなるはずの動きで追い上げた。
客が、腕で顔を覆っている。
あいつの悲鳴が聞こえない、初めての静かなセックス。
だけど別の悲鳴が聞こえてくる。音のない悲鳴が。
これからは俺、この悲鳴を聞きながら仕事するんだろうな。
だからあんたも、俺をおぼえて帰れよ。
明日も、明後日も、明々後日も、俺はあんたを思い出すんだ。
あんたも一生俺を思い出し続けろよ。
なあ、あんた。
俺が死んだら、死んだ後なら、助けに来てくれる?