*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart9

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思えば、思春期を経たあたりから、毎年12月はメールを待っていた気がする。
『今年もお前と過ごすことになりそう…』という文面と、泣き顔の絵文字のメール。
それは中学高校と一緒だったアイツからのメールで、大学が別になっても、
社会人でお互いいい年になっても、一年もかかさず続いている。
彼女ができないアイツと、アイツ以外特に友達がいない俺。
アイツは記憶を無くすまで、俺は昼間まで酔い潰れてしまうまで、酒を呑んで
騒ぐのが恒例のイベントだ。
しかし、今年はそのメールに答える気はなかった。
『残念ながら、今年は一緒に過ごせない』
何度も文面を読み直して、意味がきちんと伝わるかを考えて、彼に送った。
すぐにメールが返ってきた。
『マジで?! 誰かと過ごすのか!』
相変わらず打つのが早い。
予想していた答えに、すぐに返事を打つ。
『そうだ』
そう送った後、しばらく返事が来なかった。
何だ、けっこうあっさり諦めるんだな、と思った。
ホッとした気持ちと、残念な気持ちが半分ずつ。あと理由のつかない胸の痛みが少し。
しかし、もっと早くこうするべきだったのをやらなかった俺が悪いのだ。
ふいに携帯電話が震えた。電話だ。
着信画面を見た。…あいつだ。思わずテーブルの上に置いてしまう。
10回以上コールしたと思ったら、留守番電話に切り替わった。

『お前、毎年クリスマスの夜は、酔いつぶれて俺にキスしてるの覚えてないな!
 ぶちこわしてやる! 誰かとのクリスマスなんて、ぶちこわしてやるからな!
 覚えてろこの野郎!』