【陵辱】鬼畜作品を創作して19thプレイ【SM】

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1風と木の名無しさん
読みきりでもリレー小説でもいいのでここに書いて下さい。
H描写のみも可。神の降臨、お待ちしてます。

●SS書きの方への注意
・スカトロ、フィスト、切断等のハードプレイは名前欄にその旨を記入する事。
 数レスに渡る作品の場合は、その描写のあるレスすべてに、
 内容の注意書きを直前に入れて数行改行後に投下して下さい。
 (IEブラウザや専用ブラウザなど様々な環境の方がいます!)
・保管の都合上獣姦は扱わない事。(擬人化風味はオケー)
・続き物の場合、簡素な物で構わないのでシリーズ名を書き添える事。
・投下終了の場合それとわかるように明記する
・SS投下時、感想へのレス以外の雑談は名無し推奨
・二次創作、ナマモノは投下厳禁。投下主自身が書いたオリジナルのみ投下する事
・作者が許可しない限り、過去の投下作品のパロディ化は原則禁止です

●スレ住人心得
・叩きや煽りには絡まない
・肌に合わないSS、レスはスルーの方向で
・SS投下時は仮でいいからコテハンで
  (※どうしても合わない人がとばせるように)
・特殊なプレイはなるべく注意書きをいれる
  (具体的にネタバレせずとも「濃いめアリ」とか)
・住人をネタにしたSSもどきを禁止

まとめサイト ttp://red.ribbon.to/~yaoi/
まとめサイト@携帯 http://red.ribbon.to/~yaoi/i/

☆次スレは950で。立てられない方は前後の書き込みを自粛してください。
☆それ以前に容量オーバーしそうな時は490KB辺りでスレ立てをお願いします
2風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 02:05:21 ID:wo55MY790
3うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
4風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 02:13:22 ID:ZukwFxkc0
>>1さん乙!
5風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 02:18:23 ID:WCXlqNkAO
>1乙ー
6風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 08:21:30 ID:lh8QMhrYO
>>1乙です!
7風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 10:28:28 ID:EPzkfOhg0
>>1、スレ立て乙でした!
このスレも前スレと同じように良作で溢れますように。
スレまたいじゃったけど…
追憶タン、メルヘンタン、完結お疲れさま。楽しませてもらいました。
少年タン、引き続きヨロ。資料室タン、お帰りなさいまし。
他の連載作品の続きも待ってます。
8風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 13:50:00 ID:znOrRfjVO
1乙。
前スレ書けなかったのでこっちに。

メルヘンタン、スゲェ終わり方だなw
これはこれで(・∀・)イーネ!

てか資料室タン、超待ってたよ!
しばらく見ないからクレクレ踊りの予行練習してた所だw
マジでこのエロ中年が大好きだ!
9風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 17:14:43 ID:5zju+a5q0
>>1乙!

メルヘンタン乙!乙!乙!すごい萌えた。直球で萌えた。

もしかして書き手さんの意図は「漢が性別受けになる801呪いpgr」
かもしれないけど(そういう姿勢はすごく好きだw)
この数日、王子と乳兄弟の仲の進展が気になって、毎日wktkしてたよ。

また何か投下してくれるの待ってる。
10代理戦争:2006/10/29(日) 17:24:40 ID:7Wqy11zy0
投下します。
嫌い苦手興味ない方はスクロール並びにNGワード推奨です。
11代理戦争:2006/10/29(日) 17:25:26 ID:7Wqy11zy0
綺麗に磨き上げられた廊下で、組織の若者達は世間話をしていた。
世間話といっても、天気だの経済だのの話等ではもちろん無く――どこの売春宿の女がかわいかっただの、
具合が良かっただの、口での奉仕が上手かっただのと低俗極まりない会話だ。
時折行きかう、若者達より更に下位の者や清掃員などがこっそりと眉をしかめる中、
飽きもせずに性の話題を続ける彼らの神経の図太さたるや、流石最下層街の出身と言ったところか、或いは単に年齢の所為か。
ときおり意味もなく湧き上がる爆笑や手を叩く音が、まっすぐ伸びる廊下を木霊して遠くまで届く。

遠く、遠く響き渡ってようやく音が命を終える辺りの扉が開いた。
踏み出す足音は二つ。高く澄んだ優雅な足音と、少し床を引き摺るような柔らかい足音。
その足音の二重奏が、今度は若者達の方へと木霊していく。

その足音に最初に気づいたのは、誰だっただろうか。
バカ騒ぎに紛れ込んだその微かな音は、確実に若者達が姿勢を正すのを遅れさせた。
ふと、一人の青年が怯えたように向かいにいた若者の後ろを見透かした――と思った瞬間、
豚肉の塊を床に落としたような音を立てて、その若者が壁に叩きつけられた。
「ぁ、っ……!」
「通行の邪魔ですよぉ」

若者達が衝撃に引き攣る中、ひょこんと顔を出してたしなめたのは――拘束男だった。その後にはカギロイもいる。
「もっ……申し訳ありませんッ!」
正に近年稀に見る失態を犯した若者達は漣のように道の脇へと退き、道を譲った。

通り過ぎた2人は、幸いにも顔色はそう悪くない。
機嫌が良かった時で、本当に良かった――と若者達は安堵して、既に様態も危うい友人へ駆け寄った。
12代理戦争:2006/10/29(日) 17:26:07 ID:7Wqy11zy0
ばたん、と大きな音を立ててその扉が開いた時――部屋は完全な無音だった。
それで全ての様子が把握できたというのは大げさだが、
少なくともそこに幽閉されていた人物がどうなっているかはおおむね分かった。
「…………意識、薄いですね。惜しい」
何が惜しいのかと言えば、その人物が発狂せんばかりによがる様が見れないことが惜しいのだろう。
文脈からしても当たり前と言えば当たり前のことを思い浮かべながら、カギロイは鉄の枠を見下ろした。
ハダレ、といったか。齢は18と聞いている。
ぐったりと伸びた手足は汗ばみ、無機質なライトに照らされて白とオレンジと影の三色が目に眩しい。
白い器具に性感の中枢を捏ねられて肢体をくねらせる時の艶かしさが容易に想像できる。
一方で顔は涙や涎、果ては鉄の枠に擦れたのか、擦り傷から滲む血が乾いて肌を覆っていた。
そして腹を中心に、胸元まで精液で汚した姿は実に惨めで、扇情的だ。
――本当に、扇情的だ。

「……好みですかぁ?」
拘束男の声で、カギロイは顔を上げた。声音に、ありありと拗ねた様な色が滲んでいる。
ふん、と小さく笑ってカギロイが応えた。
「そうだな…発注が無ければ欲しいところだ。お前と似ているからかな」
奴隷は、何も答えなかった。小さく肩をすくめ、その代わりに次の指示を仰いだ。
「気付け代わりに、それを引き抜いてやれ。その後……そうだな、傷つけずに拡張して舞台に備える」
「舞台」
拘束男が繰り返した。聞きなれない異国の言葉を、聞こえたままに口にしたような調子で。
「彼を、舞台に上げるんですかぁ?相手は誰です?」
「お前と、私のどちらかに勝てば解放してやるという条件でやる。
 どう考えても分の悪い勝負だろうが、乗ってこないわけに行かない。
 実質の利益を考えても、没落したとはいえ――鉄壁の王者の威信に懸けても、な」
穏やかな――それを越えて優雅な微笑が、カギロイの口元の片端を吊り上げてにやりとした笑いに変わる。
つられたように、拘束男の隠された口元もきゅっと上がる。――想像するだけで、欲が熱く滾る。
13代理戦争:2006/10/29(日) 17:27:01 ID:7Wqy11zy0
地図。金。食料。壊れかけのペン。汎用性の高い布きれ。少量の医療道具。その他、諸々。
昔は破れ目一つ無く今はずだ袋にも近い鞄にそれらを詰め込み、動きやすさ重視の服を着込み、あとは
夢と希望でもあれば高層街の若者に流行の『自分探し』の旅にでもなるのだろうが、生憎そんなものは無い。
痛む身体を目的のためだけに追い遣らねばならない。例え、現実と失望が背骨を砕きそうなほど重くても。
ウスライは廃墟の街を進んでいた。
本当は早足でいきたいが、足場が悪く脇腹に響くのでゆっくりも行きたい。結局、中間を取って普通の早さに落ち着く。
固定帯で抑えられた胸部が少し苦しく、肩も動かし辛い。相変わらず、左腕が自由にならない。
出来ることなら歩きたくない。
兄の追討の命を受け、故郷を離れ都市の各層を放浪すること暫く。
その間、厳しく厭らしいと思っていた家が霞むほどの様々な目に逢い、図太くなっていたつもりだった。
しかし例の医者は『その程度の傷、歩けるんだから擦り傷と違わない。軟弱者めが』と言う。

(……あいつは、そうなんだろう。耐えられる)
ふと青年のことを思い返すが、痛みは無い。痛覚が麻痺するほどの哀しみを感じているからなのか、
――それとももう彼に関しての記憶が過去の痛みとして処理されているからなのか。
(無理矢理歩き回ることを美徳だと思わせる環境だしな。実際傷を負った所で誰が心配するわけでもない。
 だから……)

だから、自分の半ば偽りの事務的な介護になびいたのだろう。一種の策に嵌った、といったところか。
頭を撫でられると非常な安堵を得ると言うことを発見してから、その傾向は特に強まった。
最後にはなんとも初々しい口付けを仕掛けてきた。鉄壁の王者が微笑ましくみえるほどの拙さが、新鮮だった。
その唇の感触すら思い出せないのは、思い出したくないのか、忘れてしまったのか。微妙なところだ。
なんにせよ、ウスライは歩いていた。目的の為に。
14代理戦争:2006/10/29(日) 17:27:31 ID:7Wqy11zy0
「せーのっ、」
にちゃっ、という粘液質な音を立てて、エネマグラが引き抜かれた。
ローションの糸を切るために抜き出したばかりの孔の周囲に擦り付けると、意識の朦朧とした体がぴくんと動いた。
「……………………」
そのまま少し強く押し付けてぐいぐいと皺を伸ばしてやると、同じリズムでぴくんぴくんと膝がはねた。
面白くて何度もやっていると、
「ッげふっ」
「遊ぶな」
首輪を引っ張られた。

「口枷を外して起こしてくれ」
一頻り咳き込んでからなお首の辺りを擦っている拘束男に、カギロイが優しく命じる。
「ふぁい……分かりましたぁっげふ」
それに対してやや元気の無い返事を返してから、拘束男はハダレの頭の方へと向かった。
鉄の枠は、手足など拘束しなければならない場所ほど複雑に絡み合い、手も差し入れにくい。
その点、頭はそこまで厳重に固定しなければならないわけでもないので楽だ。
拘束男はハダレの顔を頭頂の方から覗き込み、横から差し入れた両手で操作し、涎まみれの枷を持ち上げる。
べとべとのそれを傍らに置いて、改めて伸ばした掌で頬を包み込み、瞼を押さえる。
「ハダレさーん、起きてくださいなー」
軽薄な声をかけながら、空ろな瞳と自分の瞳を見つめあわせ、そして――考えうるだけの邪な思いをぶつける。

「ぅ、ぁあッ!」
かなり苦しそうな声――悲鳴といってもいいそれをあげて、ハダレが起きた。
特に今日はちょっとばかりの嫉妬を覚えている。少しきついくらいの気付けなのは想像に難くない。
「ぁ……、……?」
すぐ自分の真上で微笑みかける拘束男が誰なのか――また、この場がどういう場なのか
咄嗟に思い出せないと言うように曖昧な声で呻くハダレ。
その寝起きのような様が、素直に可愛いと感じられて――拘束男は軽く口付けた。
15代理戦争:2006/10/29(日) 17:28:02 ID:7Wqy11zy0
上下逆さまで、しかも鉄の枠に無理矢理首を突っ込んでいる状態なので、やりにくいことこの上ない。
少しかさつく唇を食むように舐め、ちょびっと舌を突っ込んで、それだけで顔を上げる。
「……ん…!」
その時ハダレが異変に気付いて、目を見開いた。今度こそ覚醒したようだ。
もう暴れるほどの体力も気力も無いはずだが、先ほど主人の唇を噛み切った事を思い返せば、
ベストなタイミングで唇を離したと言えるだろう。
「おはよ。って言っても何時間もたってないけど」
「……っ…」
「声が枯れちゃってますよぉ」
拘束男は左側から回りこんで、ハダレの耳に唇を寄せた。囁く。
「そんなにヨかった?」

刹那、ハダレの左眼が睨むような微妙な様相を見せ――そして、翳された白い器具を見て、
怯えたような、ぎょっとしたような光がよぎる。幾分、素直になったようだ。
拘束男はゆっくりと身体を引いた。そして主人に語りかける。
「どうしましょー、なんか怯えられちゃいました」
「そうか……それは悪いことをしたね」
カギロイは心底申し訳なさそうな声でハダレに言った。泰然とした態度は変わらないが。
こつ、こつと高い靴音を響かせ、ゆっくりとハダレの胴へと歩み寄りながら言葉を振り掛ける。
「確かに前立腺の開発にはエネマグラは有効だが、今さっきのやり方は君には合わなかったのかもしれないな。
 入荷したばかりの素材である君は、この場所に少なからず不安を覚えているだろうしな。
 そんな場所では思う存分よがることもできなかっただろう。
 さぞ――」
と、カギロイはそこで言葉を切って立ち止まる。ちょうど、ハダレの腰の辺りの位置から身体を見下ろすように。
そして優雅で伸びやかな仕草で、長く骨張り、重労働の経験のなさそうな美しい指を伸ばす。
16代理戦争:2006/10/29(日) 17:28:57 ID:7Wqy11zy0

ゆっくりと差し伸べられた指先がハダレの腹を撫でたかと思うと、すぐに顔に差し向けられた。
口元に差し出されたそれを見て、青年が口を引き結んだ。顔を背ける。
「――さぞ、中途半端で苦しかっただろう?」
そう気遣うカギロイの表情は、完全に獲物を責め苛むことに快楽を得ている表情になっている。
差し出す指先にはハダレの放った白濁が絡みつき、独特のあの臭いを放っていた。

ハダレはその差し出された指の意図するところ――舐めろ、と言う意図は読み取れたが、従う気は無かった。
何が悲しくてせっかく出したものを再吸収しなければならないのだ。
従わなければ、また何か耐え難いことをされるのは分かっていた。だが、どうしても受け入れるのは憚られた。
じりじりと近付いてくるカギロイの人差し指と中指に絡みついた粘液を、目線だけ下げて見つめる。
出来ることなら睨みたかったが、そこまでの気力は無かった。

カギロイは全く臆することなくその指を擦り合わせながら、ハダレの唇へと近付ける。無言の催促が続く。
だが、無視する。
いよいよ強くなる青臭さに自分の物ながら眉が歪むが、唇を引き結んで狭い檻の中、精一杯顔を逆方向へ捻る。

「君のものだ。君が今さっきつけた汚れだ。君が今さっきまで玩具に弄ばれてイった時の精液だ。
 幼い頃習っただろう?後始末は自分ですること、と」
にち、と音を立てて、ついにそれが唇に擦り付けられた。
緊張した薄い肉に二本の指を滑らせ、まるで陰裂を愛撫するようになぞり上げる。
ハダレはなおも黙っていた。
軽口を叩く事も、噛み付くことも、睨むこともままならない現状で最も有効だと思われる反抗を続ける。

が、
「舐めろ」
「おごッ……!」
無理矢理唇を割られて舌の奥の奥まで指を突きこまれても黙っていられるほど、ハダレは自制を伴っていなかった。
17代理戦争:2006/10/29(日) 17:29:42 ID:7Wqy11zy0
「ぅおっ…フ…かっ、ハァッ!」
喉の奥に指を突っ込まれ、えづく感覚を何度も味あわされる。
舌の根元を越え、滑らかな粘膜に指が到達した瞬間に反射的に締まる気管と、
押し上げるように竦む胃や肺が強く痛み、涙が滲む。それでも指は出て行かない。何度も繰り返し粘膜を嬲る。
「ふぁ…は、かはッ!は、ぅ」
カギロイはハダレの舌や頬の内側の粘膜をあえて避け、あえてその場所で指を拭った。
乾きかけた粘液の残骸のかけらまで、執拗に、粘っこくなすって落とす。
つるんと滑る、弾力の強いゼリーにも似た粘膜を突付くと、青年の体が面白いように仰け反った。
「…ッ……う!…」
しかし、エネマグラに弄ばれた身体に仰け反った姿勢を維持する体力など到底残ってはいなかった。
背中が跳ね上がった次の瞬間には力尽き、ばたんと派手な音を立てて落ちる。
その衝撃で、拘束男が用意して傍に置いておいたビン入りのローションの水面がたぷんと揺れた。

「……ッ!……!…、……」
文字通り息もつかせぬ責めに、ハダレの青灰色の瞳がぐるりとして見えなくなった。
それを見て、流石にカギロイが指を抜き出す。精液に代わってさらさらとした唾液にまみれた指を、
ハダレの肌で拭き、更に拘束男の差し出したお絞りで拭き、朦朧としたハダレを見下ろす。
だが、その視線にはゆらめく何かが映っている。
冷えた地面――獲物を、自らの熱で焦がすように暖めては悶えさせ、空気を震わせる――陽炎のような、欲が。
「起きろ」
パン、と乾いた音を立てて、ハダレの頬が張られた。一度ではない。
十度でもない。その間の、何度か程。
「…………ぁ……うっ!」
その途中でハダレは目覚めたが、カギロイは容赦なく振りかぶっていた分までハダレを引っ叩いた。
特に最後の一発は容赦なく、景気のいい音が部屋中に響き渡った。
その勢いたるや、カギロイの手が僅かに火照り、痺れた程だ。
18代理戦争:2006/10/29(日) 17:30:13 ID:7Wqy11zy0
その腕を隠しながら、カギロイはハダレの頬に手を添え、視線を合わせさせた。
「分かったかい?君には抵抗する権利はあるが行使はさせない。
 抵抗した分だけ責め苦となって、君の調教に役立つだけだ」
「…………………」
「返事は?」
ハダレはぐったりと首を動かした。ぱさついた茶髪が散る。
――横の方向に。

「頭の切れる素材だと思っていたが、少し思い違いだったのかもしれないな」
一部始終をぼうっと眺めていた拘束男の耳に、ふと低い声が届いた。その調子に、はっと顔を上げる。
この(表面上は)穏やかな男がこういった低い声を出す時は、兎に角何か良くないことの前触れだ。
特に表面上は取り繕っている割に、内面は冷静ではなく、むしろ感情優先で動くこの主人は、
些細なことにもぷつんと堪忍袋の緒を切ってしまう。多分、強度は紙縒りとタメを張れる。
例えば部下の不始末に苛立っている時。
例えば拘束男に当たっている時。
そして、例えば他には――奴隷材料が、反抗した時。

「材料を檻から外してやれ」
「い……いいん、ですか?暴れるかもしれないですよぉ」
「暴れても私達の前ではどうということも無いだろう。やってやれ」

拘束男はなおも少し戸惑いつつも、素直に主人に従って動いた。
鉄枠から直接張り出した各所の枷を、拘束衣に似た衣装のポケットから取り出した鍵で一つ一つ外していく。
指錠や手枷、腿や足首や首まで巻かれたベルトの類まで全て外し終えると、
やっと檻自体の接合部を動かすことが出来る。
先ほど枷を外したいくつかの鍵よりもっと丈夫そうな鍵で檻の錠前を外すと、強固な檻がぐらりと揺れた。
ハダレの体が引っかからないように注意しながら持ち上げると、
先ほどまでハダレが暴れに暴れても解けなかった拘束が、部屋着でも脱ぐようにするんと抜けた。
19代理戦争:2006/10/29(日) 17:31:13 ID:7Wqy11zy0

拘束男はふうふう言いながらその檻を脇にどけ、綺麗に折りたたんだ。
そして主人を振り仰ぐ。
「……あの、次……」
何となく恐れおののきながら伺いを立てると、カギロイは冷たく告げた。
「……お前は、ホトケの顔も三度までと言うことわざを知っているか」
「は?はぁ……」
唐突な問いに、拘束男は一瞬惑ったように高い声を上げた。が、すぐに思い返して応えた。
「ホトケ、ってあれですよねぇ。東方発祥の古宗教の聖者で、よくわかんないけど心広いんですよね。
 その人だって失礼な事を繰り返されるといい加減ぶち切れますよっていう諺だと記憶してますけど」
小首を傾げながら告げる拘束男に、カギロイは低く、冷然とした口調で言い放った。

「私は仏ではないのでね。二度目でもう限界が来た」
へ、と間の抜けた声を上げた拘束男をよそに、カギロイはハダレのぐったりした身体を
檻をのけた台に引き上げ、後頭部を鷲掴んで叩きつけるように押し付けた。ゴン、と硬い音が響いた。
「ッ、が……」
潰れた様な声を出すハダレの上半身には構わず、カギロイはハダレの脚を押し開き、
未だ乾きかけのローションでてらてらと光る尻を自分の方へ向かせる。
カギロイが何を考えているのか考える余裕も無いハダレは、この期に及んでももがいているだけだ。
――しかも、無意識にか自分から逃れようと前方に。

それがまた腹立たしい。
カギロイはとうに痺れの切れた右手を振りかぶり――目の前の尻たぶに振り下ろした!
「ッ!」
背が跳ね上がり、肩甲骨や背骨の陰影が一瞬濃くなる。
頬を張ったときよりも数段いい音を立てて、ハダレの尻に薄赤い手形が付いた。
20代理戦争:2006/10/29(日) 17:31:55 ID:7Wqy11zy0
「逃げるな」
カギロイはもう一発尻に平手を落とすと、自分の前を寛げた。
先ほどから支配欲を強く感じていた影響か、それともハダレが奴隷に似ているからか――恐ろしいほど昂っている。
それを赤く染まった両尻のたぶの間に埋め、割れ目を擦り上げた。
ハダレの会陰から割れ目の終わりまでをぬるりと撫でると、そこで初めて正気に返ったように青年が振り返った。

――もう、何をしようとしているかは明白だった。
「……ッあ……!?」
愕然とした声を上げると、ハダレは何とか逃れようと暴れた。
意思とは逆に垂れ下がる手足で台を掴み、腰をくねらせて掴む腕を振り払おうとする。

何故流されてはいけないのか、説明しろといわれてもできないほどハダレは疲弊していた。
とにかくその行為は取り返しの付かないことなのだ、とぼんやり認識しているだけだった。
だが、行動するにはその程度の動機付けで十分だった。
ハダレは恥も外聞も無く暴れて、触れるもの全てを拒み続けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
が、すぐに体力が尽きて抵抗は終わりを次げた。
前よりもぐったりとした肢体をカギロイは抱き、罰だといわんばかりに囁く。
「ウスライの方がいいか」

「……ッス……ラィ…」
ハダレはぼんやりとした口調で、聞こえたとおりに繰り返し――はっとしたように、小さな声を上げた。
それを遮って、カギロイが哀れみを加えた声で告げた。
「そうだ。ウスライだ。君と行動していた、俺の弟だ。君は奴に入れ込んでるようだが、
 護られている途中に抱かれでもしたのかね?」
21代理戦争:2006/10/29(日) 17:32:52 ID:7Wqy11zy0
「………ぅ……」
ハダレは睨むつもりで、――しかしカギロイを力なく見つめ返す。
その視線を受けながら合点したとばかりに、カギロイは頷いて見せた。何に納得したのかは知らないが。
「別に君の趣味を否定するわけでもないし、弟を否定する訳でもない。
 立場の違いが互いを反目させていはいるが、少なくとも単独で私を――組織を相手に渡り合う能力には感服している」
にゅ、っと。尻の谷間を男の性器が舐めるように滑った。
気色の悪さにハダレが身を竦めると、服が汚れるのも構わずカギロイが身をかがめてきた。
「ただ敵を殴って倒す能力しかない男なら、私はとっくにあれを捕捉している。
 まあ、殺しでもしたら今度こそ本当の暗殺者でも仕向けられていただろうけれど。
 ――だがウスライも手を出しあぐねている。その能力ゆえに」
「………………」
カギロイの話を聞きながら――半ば聞き流しながら、ハダレはもぞりと身体を動かした。
抵抗のつもりではない。できるならとっくにしている。身じろぎは、悪寒にも似た居心地の悪さが原因だった。

耳元でぼそぼそと囁かれるのは、ウスライに初めて代理戦争の舞台で会ったときにされた事で、
目さえ瞑れば、後ろにいるカギロイはその時と至極良く似た雰囲気だと感じられた。
そして素肌に時折触れる相手の体が、酷くもどかしい刺激になるのもその時と同じだ。だが――

「状況判断能力だよ」
「……ぁ、っ…!」
後孔をぐり、と強く抉られ、ハダレは身構えた。
具体的に言うと、尻に力を込めカギロイの侵入を拒み、しかしいずれ突破される痛みに耐えるために息を吐いた。
だが、肩透かしのようにカギロイは身を引く。むしろ刺激に反応した後孔を面白がるように、何度も突く。
「自分がそこに巻き込まれていてなお、まるで外からゲーム盤を眺めるような冷静さ。
 必須なものと、護らねばならないものと、それを護るために必要なもの、そして不必要なものを
 瞬時に選別し、処理する頭の回転のよさ。 そして――そうだな……」
22代理戦争:2006/10/29(日) 17:34:15 ID:7Wqy11zy0
カギロイがふと、身体を離した。温みのある質量が離れたことで、冷気がハダレの背を這う。
つい怪訝そうな――このまま挿入はしないのではないかという、淡い期待を抱いた――目で、その姿を追うと、
手にローションと思しき液体の入ったビンを拘束男から渡されたカギロイが、にこりと微笑むのが見えた。
「ちょっとした選択だ。自由と屈服。言い換えれば、ウスライと私。
 どちらを選んだ所でどうと言うほど待遇が変化するわけでもないが、――どちらが自分に有益な存在か。選べ」
「…………」
殆ど、無意識に。
「……う、す、……らぃ…」

「そうか…………まぁ、そうだろうな。というわけでこれは無しだ」
微笑み、納得した様子でローションのビンを投げ割るカギロイ。
その音に、むしろ拘束男の方が肩を跳ね上げさせる。
それを振り返り見もせず――カギロイは、ハダレの腰骨に指をかける様に引き寄せ、
「……ぅ………うくっ…ッ…!…!!」
そうする様には慣らしていない後孔に、ずぶずぶと身を沈めていった。

先ほどまで器具で開かれていた孔は、器具の形にしか慣らされていない。ローションも渇き気味だった。
エネマグラよりも直径も、質量も上回るカギロイ自身の挿入は、ハダレにまたも酷い痛みを与えた。
初めて犯された時から全く慣れない苦痛と惨めさと無力感が、背骨を逆流してフラッシュバックのように
思い出さずともいいようなことを思い出させる。
男女を問わず、子孫を残す機械として犯されたこと。人買いに、にやにやとされながら服を剥がされた事。
代理戦争で勝ちすぎて、生意気だと路地裏に連れ込まれて輪姦された、何年か前。コモリの裏切り。
逆に、自制できずに相手を傷つけ、犯し、自尊心を踏みにじり、或いは命まで奪ったこと。
さらに連想は続き、閉じ込められていたこと、行き倒れたときのこと、衣食住全てが不足していたこと、
あらゆるネガティブな思い出が、カギロイが身体を揺さぶり上げる一回一回に伴って鮮烈によみがえる。
23代理戦争:2006/10/29(日) 17:35:04 ID:7Wqy11zy0
「ぁ……ぐぅっ…」
「痛いか。痛いだろうな。こんなに固い抱き心地は初物食い嗜好の客しか好まないだろう」
瞑った目と鼻筋の隙間を冷たい汗が伝い、カギロイを咥え込んだ部分のすぐ下、内股がぶるぶると震えた。
いつもこうだ。行為に及ぶ時は、いつも痛みに耐える事から始まり、
慣れた頃には欲に耐えることに努め、最後は虚しさに耐えることに尽力する。
耐えなくて良くなるのは、一体何時のことなのだろうか。

「……、けっ……抜け、ッぃた…!ぅ…!」
「強請られれば、ローションをつけない事もないし、セックスドラッグを用意させてもいいが?なぁ」
「ですよねぇー。ほら、お願いすればぁ?」
いつの間にかハダレの正面に回り込んだ拘束男が、台に肘をつく格好でハダレの苦悶の表情を眺めている。
「怪我しちゃうよ?明日もきっとお尻痛いしぃ。それにどうせ、あと何日もしないうちに君は折れる。
 …………そんなに我慢しなくて、いいんだよぉ?」

『耐えなくて良くなるのは、一体何時のことなのだろうか』
ハダレは、その痛みの最中に問いの答えを聞いた。

畳み掛けるように、カギロイが囁く。
「さっきの――ウスライの話が途中だったな。状況判断能力について。
 それの最たる特徴は――取捨選択だ」
ずん、と一際大きく突く。カギロイの根本まで、全てがハダレの中に在る。
その気色悪さと、背筋を駆け上る不愉快な熱に呻き、ハダレは朦朧としながらその言葉を聞いた。
「普通の人間は不必要でも『所有する』という行為を大事にする。
 いずれその不必要なものが必要になるかもしれないと、そう考えるからだ。
 しかしウスライの場合は違う。あいつは秀でたその能力で、はっきりと不要必要を見分けられる。
 そして万一先の見通しが崩れても、常人が嘆く瞬間さえ判断に費やす。場の誤った判断に後悔はしない」
24代理戦争:2006/10/29(日) 17:36:16 ID:7Wqy11zy0
「…ッ、…あ…が、どう……した…」」
ぐちゅ、と粘着質な音を立てて肉棒が引かれる。奥に残っていたローションが、垂れてきたらしい。
ほんの少し苦痛が減る。それに安堵する自分が嫌いだ。
後孔がカリを吐き出すか吐き出さないかのぎりぎりまで引き抜いてから、カギロイはまた奥まで突きこんだ。
「あっ……ぅん、」
「分からないかい?厳然たる取捨選択の末に何が起きるか?
 だから君は私達に抗うのか?」
「…っ……ぃ…?」
抽送されながら、そろそろ痛みも薄れてきた感覚に戸惑いながら、それでもハダレは疑問の様な声を上げた。
それを疑問と取ってくれたカギロイが、にやりと微笑んで告げた。
「ウスライが自分の安全と引き換えに何を捨てたのか――……
 それは、君だ」


「………………」
驚き、というほどの感覚は無かった。
助けて欲しかったのも、今助けてくれる道理があると思われるのもウスライしかいないのは事実だ。
そして、その一方で助けてもらえない道理が在るということも、知っていた。
ただ、彼と争って長いという兄という存在からその言葉を聞くことは、
自分以外の誰かがその発想を持っていることを知るのは、
――予想以上に辛かった。
25代理戦争:2006/10/29(日) 17:37:20 ID:7Wqy11zy0
自分は一体どういう表情をしているだろう。驚きというほど、驚いてはいないはずだ。
悲しみだろうか。憤怒だろうか。戸惑いか。未練たらしい、苦い表情には違いない。

「…………その表情が見たかった」
頃合的にも、快楽が勝ってきていた。望まぬ相手に、本質的には恋人に抱かれるのと同じ媚態を晒す時間帯に。
引き攣り、文字通り喘ぐような声が漏れ出ている。どこから。ハダレ自身の口から。
「どんな表情をしているか、分かるか?」
首を振った。もう駄目だ。もう……耐えられない。何に。
「絶望だ。絶望的な表情とは正にそれだ、と断言できる――そんな顔だ」


「……今日一日で結構折れちゃいましたね」
拘束男がつまらなそうに言った。新たな絶頂を迎え、腿に白濁を滴らせたハダレを抱えて。
その一方で、カギロイは身支度を整えながら微笑して拘束男に言う。
「また体が休まって、目が覚めれば直っている。
 ――そうやって何度も曲げ直しを繰り返した精神こそ、ある瞬間で完全に折れる。もう直らない」
「それが――『舞台』ですかぁ」
感慨深そうに拘束男が呟くのに、カギロイは否定も肯定もしなかった。まるで、1+1=2を唱えたように。



ウスライは、歩いていた。目的のために。
廃墟の街を背に、一歩一歩遠ざかりながら。
26代理戦争:2006/10/29(日) 17:39:25 ID:7Wqy11zy0
↑ここまでです。
27風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 17:42:19 ID:2l/FNUwCO
代理タンキター!!!
乙です!
ウスライこいウスライ!!てか早くしないとそろそろハダレが間に合わないよ(;´д`)ノ
あとちょっとで終わるの寂しいなぁ
28風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 18:40:04 ID:h5xVnh6D0
代理タン、GJGJグーーーーッジョブ!
待ってました!
終わっちゃうのは寂しいけど続きも読みたい〜ジレンマ。
29風と木の名無しさん:2006/10/29(日) 19:52:30 ID:ft5h7YGZ0
イイイヤッホウウ!!(巨大AA略
   。
    〉
  ○ノ イヤッホォォ!
 <ヽ |
 i!i/, |i!ii ガタン
 ̄ ̄ ̄ ̄
代理タンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
禿乙!
30風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 07:07:33 ID:TcoO/2GyO
代理タン乙!
続き楽しみにしてるよー
31風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 10:22:25 ID:1BWd8tg6O
1乙
メルヘン乙
追憶乙
資料乙
Y乙
代理乙
乙乙乙乙乙乙
32少年Y:2006/10/30(月) 12:08:17 ID:aIbUlGLp0
前回投下分
本文直前警告が一箇所抜けていました
申し訳ありません。

今回投下分
少年が登場します。
ご注意ください。

今回で完結です
ありがとうございました。
33少年Y1/10:2006/10/30(月) 12:09:05 ID:aIbUlGLp0
七日目。
最後の稚魚を確認し、氷の溶けきった冷水から引き上げられた頃には、もう日も沈んでいた。
低体温に震え意識を失いかけたイグレクは、厚い掌が布越しに何度も自分の肌を擦るのを感覚で得、唇が色を取り戻す時分には疲労がつれて来た睡魔に襲われ、すっかり眠りの淵に居た。
暗闇の中何度か目を覚ましたが、部屋の中はすっかり片づけられ、沈黙の中自分一人の気配しか見つけられない。
だが、深夜のこの目覚めは違った。激しい差し込みが腹部に閃いた。
息も止まらんばかりの激痛に、身体をくの字に折って呻く。
痙攣している指先で胃の辺りを触れてみるが、痛みの根源はそこではない。
それでも脂汗がじとじとと顔を濡らして止まない強烈な苦しみに、思わず胃の内容物を吐き出した。
溝に流れるそれは胃液だけであった。今日は水しか採っていない。
根源を探ろうと掌を下へ滑らすが、見つけるより早く、耐え切れずに膝を折った。
両手も床に突き、這いつくばるような格好で、ただただ痛みが引くのを待った。
きりきりと内部から責め苛む音は止まず、頭蓋骨をその振動で痛めつける。
ガンガンと頭の中で鳴る音響、耳鳴りを伴い、消え行く最後の意識でイグレクは身体を這い進めた。
冷たい石の床が、唯一の意識を引き戻す糧であった。
34少年Y2/10:2006/10/30(月) 12:10:01 ID:aIbUlGLp0
直線距離で鉄の扉を目指す。
その間何度も差し込みが襲い掛かり、最後の意識の火を消そうと仕組んだ。
べとつく汗は目の中に入り込み視界を奪う。
呼吸は死の間際のように荒く、絶え間ない全身の震えは断末魔の痙攣なのか。
永遠にも感じる時間であったが、確かに目的地までの距離は狭まっていた。
途中何度も胃が引っくり返り、内臓が配置換えを行なうような苦痛に目も意識も、行動を続けようとする気概さえも奪われかけた。
それでもやっと、伸ばした指先が金属の表面に触れた。
爪が擦れる音よりも、引きずる鎖の鳴る方が大きい。
(………声を。呼ばなくちゃ………)
口の中には苦く、粘ついた唾液が絡まっている。
喉が奥がヒリヒリと、空気を取り込んだだけでも痛んだ。
「………テッド………」
か細く空気に溶けいりそうな弱々しい声。
石壁も鉄素材の扉も、それを跳ね返すだけで、向こう側に通す許可は、到底与えそうにない。
冷たく表面を光らせているだけだ。
それでも、気配があった。
戸惑いながらも近づいて来る、重厚な足音。
イグレクの顔が安堵に緩んだ。その一瞬だけは痛みを忘れ、こう考える余裕さえもあった。
(このまま、いつもの調子で扉を開けられたら、頭蓋骨が陥没して死ぬ。
そんな最悪な位置関係だな)
しかし、用心深くゆっくりと、音を立てずに扉は開かれた。
覗き込むテッドの表情の変化を残念ながら見る事は出来ず、少年の意識は落ちていった。
35少年Y3/10:2006/10/30(月) 12:11:20 ID:aIbUlGLp0
ゆっくりと目を開ける。ぼんやりとした置灯の明るさに気付く。
そして、掌を包み込む暖かな感覚にも。
まだ中途半端な開き具合の瞼を、ゆっくりと肩から腕に沿って下らせていく。
手首の革ベルトを越えた位置に、自分の白い手は見えず、代わりに厚い日焼けした左右の手の甲が被さっているのが見えた。
煙草の香りと男らしい匂い。骨太の体躯に似合った、重厚な鼓動もそこから伝わってくる。
意図せずイグレクの焦点はそこに落ち着く。
徐々に瞳を開き、思考を取り戻していった。
身じろぎを感じ取ったのか、横を向いていたテッドが頭を戻した。
ばっちりと二人の目が合う。包みあう手の上で。
ギョッと丸くなったテッドの目、焦りながらグローブのような手を離して、あたふたと空中に浮かせる。
意図して顔をそむけ、一言こう告げた。
「脈拍は、問題ない」
イグレクは思わず吹き出しそうになった。
そんな場所で脈を取れるものか。
皮肉交じりに無知を指摘する事も出来たが、どうせなら笑いながら言ってやりたい。そう思った。
そして、笑える程に自分が、健康な状態に戻っている事を知る。
テッド越しに白衣の老人が見えた。
薬品臭い衣服から十分医者だと推測出来る。
看病人と医者は短く会話を交わす。
言葉の端からイグレクは自分の身に起きた出来事を理解した。
「………鰻の雌の卵。孵化時の毒素排出による疝痛。
薬は効いたし問題はないが………」
「用意した業者には、後で焼きを入れる」
「それが問題ではないと思うが………とにかく安静に」
「ああ」
明快なテッドの返答に何か不満なのか、老人はイグレクを覗き込み、付け加えた。
「わしの見立ても問題ないが、まぁ腹の渋りが取れるまではじっとしている事だ。
脈拍も問題なかったらしいし………」
36少年Y4/10:2006/10/30(月) 12:12:58 ID:aIbUlGLp0
堪らず、イグレクは笑った。
腹を抱え、目の端に涙を零し、その年代に相応しい明るく弾ける笑い声を、石の壁に反射させた。
問題、を連発する老人も可笑しかったが、脈拍と告げた時の、頬を膨らませ、口を尖らせたテッドの表情が何よりツボに入ったのだ。
笑い転げる少年を見、老人は満足そうに頷きながら部屋を去る。
テッドは医師の背中を押して送り出してから、振り返った。
「調教は中止する。大人しくしてろ」
少年はまだ笑いの発作の真っ只中にあった為、返事は、あはは、の三文字であった。
額に手を当て嘆息したテッドは、殊更厳しい顔を作ろうと努力する。
「痛みが、ぶり返したりしたら………呼べ」
努力は満たされず、テッドは「百戦錬磨の拷問官」の表情を残せないまま扉を閉めた。
一人残ったイグレクは、既に発作も収まり、指で目尻を拭っていた。
唇は笑みの形を未だ保っている。目には穏やかな色が灯っていた。
窓のないこの部屋の温度から判断するに、今は恐らく夕方。
決断するには時間はそれほど残されていなかったが、少年はたった今決めた。
(多分、最後の………笑いを僕にくれた………)
藁の上に丁寧に敷き詰められた布と、清潔な白い掛布。
それに包まり、イグレクは夜までの短い間をまどろみで過した。
37少年Y5/10:2006/10/30(月) 12:15:23 ID:aIbUlGLp0
静けさが降り立った。室内は既に闇が占めている。
シャツ一枚の姿で起き上がり、爪先立ちで鉄扉に寄ったイグレクは、投げる言葉の選択に迷い、挙句ノックを選んだ。
硬質な音が二度、静寂の中に響き渡る。
すぐに戸が開き、テッドが顔を覗かせた。
「どうした」
短く問うテッド。
イグレクはもじもじと指を絡ませながら、口を開く。
真正面で初めて唱える事になる、彼の名前を。
「テッド………あなたに」
小さく消え入りそうな声は聞き取れなかったのだろう。
テッドは耳を寄せようと扉を大きく開いた。
肩越しに見える検分室。明りは落とされ、テッドの他誰も居ない。
中央に位置する巨大な木製の机、検分台。
その脇に小さな丸椅子が一つ置いてある。
ついさっきまで人が座っていた形に、窪んでいる椅子の上の毛布―――それを目にした時、少年の最後の躊躇いは消えた。
天を見上げ、目を閉じ、手は組まなかったが、心で祈りを捧げる。
(迷わない、もう戻らない。
彼に全てを委ねると決めた。
ああしていつも見守っていてくれた。
呼べばすぐ来て、広い手を伸ばしてくれた。
………これ以上、何を望む事がある?
僕の未来に、もっと信頼を見せてくれる人が現れる予定があるか?
義理でも金目当てでも、義務の上でも構わない。僕を助けてくれる人物は登場するか?
………何もかも失った僕に、残されているものなんてない。
なら、最初で最後の親切なこの人を、僕は心の支えにして、生きていきたい)
38少年Y5半/10:2006/10/30(月) 12:16:42 ID:aIbUlGLp0
捧げ終えた満足に目を開き、テッドの双眸を真っ直ぐ見詰めると、イグレクはもう一度言った。
「テッド、あなたに………最初の………人になって欲しい。
僕の心の支えになって欲しい。
この先どんなに辛い状態が待ち受けているとしても、信頼の証が残っていれば、それを頼みに生きていける。
身体がどれだけ踏みにじられようとも、心は強くいられる。
どうか、最後の晩に………あなた自ら………全部、僕に教えて欲しい」
何度か詰まる箇所があった。
本音であり恥ずかしいと思う言葉は一つもないのに、何故か耳が赤く染まる。
視線は最後まで合わせられずに、腕を広げ待ち構える状態にも関らず、伏せてしまっていた。
39少年Y6/10:2006/10/30(月) 12:18:12 ID:aIbUlGLp0
返事はなかったが、イグレクの片腕はぐいと引かれ、検分室の方へと引き込まれた。
少年の背後で鉄扉が音立てて閉まった時、もう一方の腕も寄せられた。
広く厚いテッド胸の中に、イグレクの小柄な身体が収まった。
逞しい大人の腕が少年の痩せた背中に回され、強く、仕舞い込むように掻き抱いた。
うっとりと目を閉じ、上衣に頬を寄せるイグレク。
ふと気付いたように、テッドの腕が一本解かれ、少年の片頬に触れた。
温かみを帯びた指先が、戸惑いながら滑って行き、おとがいで止まった。
わずかな迷いの後、五本の指が揃って撫で、丸めた掌が優しく愛撫した。
「………あっ………」
上げた少年の声は快楽だけではなかった。溢れて湧き出る歓喜。
ずっとずっと遠い昔に感じられる、二人の出会いの日。
初の武力行使の箇所はこの顎であった。
………けれども、ここだけであった。
テッドが自発的に力と技に訴えたのは。
他は決して………彼の意思がかいま見られた事はなかった。
戸惑い、眉を顰め、救助するのが主眼のような物言いで………ずっと。
テッドは自分が傷をつけた位置を覚えていたし、今こうして謝罪するかのように抱きしめ、最初の愛撫を与えている。
イグレクは微笑んだ。嬉しさに涙までもが溢れてくる。
「まだ、痛むのか?」
手を止め尋ねるテッドに、少年は急いで首を横に振った。
「ううん………嬉しいだけ」
40少年Y6半/10:2006/10/30(月) 12:19:12 ID:aIbUlGLp0
そうか、と呟いたテッドは太い人差し指で、流れ落ちるイグレクの涙を拭い、足りないと分かると顔を寄せて舌を這わせた。
熱く湿った舌先が、無精髭のざらついた肌が、目元だけでなく顔表面に沿って行くのを、瞼を閉じたイグレクは背の芯の震えと共に感じ取る。
やがて首筋に降り、逞しい指がそれに加わる。
五本は舌を滑らす軌跡を予め撫で、片方の五本はゆるゆると少年のシャツのボタンを外して行く。
夜気の冷たさがイグレクに触れたのは一瞬。
長身を屈ませ顔を少年の胸部に真向けるテッド。
掌も指も、歯も舌もまるで別の生き物のようにうごめかせてイグレクの全身を愛撫する。
優しく上下の歯が少年の胸の先端を挟む。
背筋を逸らして小さな声を上げるイグレクを、慰めるようにその周りに舌が這わされる。
イグレクが身体を強張らせ目を閉じ、唇を結び、押し寄せる快楽の波に耐えているのは、それだけではない。
同時に動く厚みを持つ熱い掌。少年のゆるやかな腰のくびれをなぞり、臍の周りを突き、腿の上面を軽く撫でて行く。何度も往復する一連の動きは、少年の心も身体も熱い高みに昇らせるものであった。
41少年Y7/10:2006/10/30(月) 12:21:19 ID:aIbUlGLp0
「う………う、んっ」
上気し、染まる頬、零れる言葉にもやはり熱が篭っていた。
テッドの両手がやや下に、ほんの僅かな距離であるが移動した。
「あ、あ………ぁ、ふっ………」
そこは少年の最も敏感な箇所。
手練手管な愛撫に昂ぶりかけていたそこを、逞しい掌が包む。
繊細な楽器を扱い慣れぬような、無骨な手であったが、すでに気持ちが蕩ける境地にあったイグレクは、数度指が這う感覚だけで、頭の内は一色に染まった。
「………っ、あ………ぁっ」
テッドの熱い掌の中に吐き出す、己の精の白濁。
どちらも見分けがつかない程温度は高く、そして未だ優しく包まれたままだった為、イグレクの紅潮は去らない。
瞳は熱さにうるんだままだった。
弛緩しかける少年の腕を支え、テッドは検分台の表面に両手を置かせた。
胸と腹とが台と接する体勢で、イグレクは背面の全てを露わにする。
愛撫の対象は背中と、台から起こされているイグレクの首から上。
後ろから回された掌が、再び顎と首筋を中心に優しさとぬくもりを与え、やがて少年の表情は恍惚と全てを任せるものとなった。
全て心得た様子の手運びは、少年が吐き出した精を双丘のすぼまりにとうに塗りつけていた。
イグレクがそれに気付いたのは、そこに滾る昂ぶりの先端が押し付けられた時だ。
掌の温度とは比べ物にならない。
まるで別の生き物のように脈動し、炎の出ない火のように燃え盛っている。
42少年Y7半/10:2006/10/30(月) 12:22:48 ID:aIbUlGLp0
「力を抜くんだ」
テッドのアドバイスも耳に入らないのか、少年は台についた手を拳に握り、目も閉じ口も結び、背中を固くしていた。
仕方ないとばかりに、少し腰ごと踏み出すテッド。
「っあ………くぁ………っ」
苦しげな少年の呻きが漏れる。
白濁液にまみれているとは言え、すぼまりは未だ侵入を阻もうとする固い蕾であった。
テッドは少年の肩に手を伸ばす。
ほぐすように揉み、撫でると柔らかな息が零れ、少しだけ蕾は頑なさを解く。
何か考え込む様子で動きを止めるテッド。
少年は止めるなと、小さく首を振った。
テッドは己の昂ぶりを、わずかに挿れる。
首を伸ばし少年の耳の後ろから、熱く息を吹きかける。
耐えかねた少年は悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げ、またほぐれた後孔に一歩が踏み入った。
首筋、背中とイグレクの感じる部分を責め上げ、最後に顎を優しく一触れすると、水気の少ないくぐもった音を立て、テッドの全てが受け入れられた。
43少年Y8/10:2006/10/30(月) 12:24:06 ID:aIbUlGLp0
「………つ、繋がり合えたんだ、ね。僕は、テッドと………」
まだ痛みが強いのか顔を顰めて苦しそうな息で言うイグレクだが、徐々に充実感がそれを上回ったのだろう。
汗が滲む顔で、うっすらと微笑む。
「とても熱い………忘れないよ、ずっと」
黙って腰を押し進めるテッド。
少年の上げた声はもう、苦痛によるものではない。
「もし、奇跡が起こって、悪のエウロディヌス卿に神の鉄槌が下り、僕が自由の身になったら………」
どんな時でもよく回る舌だ、と思ったのか。
苦笑したテッドはふと、目の奥に光を灯らせた。
「奪われた財産を取り戻したなら………そうしたら、僕は、あなたに………」
唐突に言葉が途切れた。二人はお互いの興奮に呑まれた。
一方は包み込まれ、一方は受け入れる熱い感情を以って、高みまで昇り詰めていた。
「………そうした、ら」
野暮はやめよう。もし、の話なんて意味がない。
言葉を止めた少年の思いが、ありありと分かる。
そっとイグレクの髪を撫でるテッドの手。汗に絡まりもつれるそれを、丹念に梳いていく。
目を閉じ呟いた一言は、唱えた少年自身にしか聞こえなかっただろう。
まもなく二人の荒い呼吸に交じり、熱っぽい空気の中へ溶けた。
「………イグレク」
名を呼ばれる少年の内に熱いものが迸った。
感嘆めいた吐息と共に、イグレクは全てを受け止めた。
最初で最後である喜びも。
本当の名前を教えなかった後悔も、最初で最後。
44少年Y9/10:2006/10/30(月) 12:24:59 ID:aIbUlGLp0
教えた技巧の数を踏まえると、夜明けまでの時間は十分長かったと言える。
それでも少年にとっては、掌に溜めた水のように呆気なく去ってしまった。
日が昇ると、エウロディヌス卿の召使が数人、屈強な体躯の持ち主ばかりが、引き取りの為に訪れた。
手鎖からは解放されたが、その金属の枷を外された後の方が、心が重く感じられる。
気持ちを振り払うように少年は前を見た。
落ち着き払った瞳で、見据え続ける。
肩を小突かれ、外へ繋がる扉を一週間ぶりに潜る少年。
丸椅子に大股広げて座るテッドは、黙ってその後姿を眺めていた。
「さよなら、テッド」
足を止めず、振り返らず、少年は短く呟いた。
椅子に座る壮年男は、表情を変えず、身じろぎもしなかった。
「色々………ありがと」
最後に見せた少年の横顔、細めた目―――最後に笑顔を見せようとしたのか、それとも涙を堪えたのか―――紡ぐ言葉はそれだけで果たして満足なのか。
その答えを知る者は誰もなかった。

* * *
45少年Y10/10:2006/10/30(月) 12:26:28 ID:aIbUlGLp0
戸が閉まり、テッドは笑う。
額に手を当て、可笑しくて堪らないといった具合に。
背を反らせて腹を抱え、肩を上下に震わせる。
(礼など言って行きやがった。おめでたい奴だ)
(世間知らずのお坊ちゃまは、吊り橋効果も知らないか)
(揺れる橋の上で伸ばされる手は、親切で頼れそうに見えるだろう)
(ただし、橋を危険に揺さぶり、いたぶったのも俺の手だがな)
ピタと笑いが止んだ。広げる両手は口周りを覆い、歪む唇を隠す。
(苦痛、快楽、恥辱全部メニュー通り)
(鰻の稚魚、ありゃ全部雌だ………注文したままに)
(六日目の拷問と最終日の看病はセット品なもんでな)
(そして目隠しプレイの時のゲストは、俺が呼んだ)
(おめぇの、憎き仇、エウロ………何とか卿だ)
(これから間もなく、正体を思い出すだろうな。体臭か触感で)
(既に自分が卿の手付けで、心の支えがその手先だと分かった時)
(甘っちょろいお坊ちゃまは、絶望一色にまみれ………メニューは完了だ)
日焼けした厚い掌を退ける。口元にはもう笑いはなかった。
そこにあるのは、仕事を遣り終えたばかりの、百戦錬磨の男の顔だった。
最後にテッドは少年の名を思い出そうとした。
アルファベット一文字なのに、それは叶わなかった。
行為の間は必要に迫られ記憶を呼び起こしたが、今はもう、未練なく努力を放棄してしまえた。部下に呼びかける。
「新しい仔猫を連れて来い」
テッドは検分台に腰掛け、足を組んだ。
46風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 12:46:49 ID:PGqAc8ry0
少年さん、乙でした
最後のテッドの腹黒さが良かったよ
47風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 12:58:45 ID:jb8e42kXO
テッドすげぇ。少年は可哀想な気もするけど見事な調教っぷり(*´Д`)
乙でした
48風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 14:57:22 ID:PBJoI/dQO
テッ、テッド…
鬼畜だ
49メルヘンU 1:2006/10/30(月) 19:09:26 ID:2NqGH+oH0
むかしむかし、あるところに「たいそう具合のいい体」を持つ王子さまがいました。
十代の頃は、勇猛果敢な漢としてならしていた王子さまでしたが、
「北の魔術師」の呪(まじな)いゆえ、
成人(おとな)になった二十歳の誕生日をさかいに、
常に勃ち、常に濡れ、常に感じるご子息と、遊び女(あそびめ)のように、
ひとりでに濡れそぼる美肛を具したお人へと変わられたのでした。
金色の乱れ髪。体の火照りに潤む碧の双眸。額に浮かぶ玉の汗。
漢から麗人へ。目覚ましい変貌を遂げた王子さまに、
王子さまの乳兄弟である騎士団の長は、欲望を抑えることができずことに及びました。
(「メルヘンT」:1〜17参照)
乳兄弟である騎士は、何事につけ王子さまの良き競争相手となる、
王子さまにとって特別な存在でした。王子さまの父である王さまと、
その乳兄弟である侍従は、四十(しじゅう)を越えた今も尚、
新月の晩、お后さまに隠れ不義密通を重ねるほど深い仲で、幼い頃より
王さまは侍従の前では、飾ることも力むこともなくありのままの己をさらしてきました。
それに対して王子さまと騎士の仲は、同じ乳兄弟と云えども「親友」と呼ぶには堅く、
「好敵手」と称するのが相応(ふさわ)しいようでしたが、何にしろ王子さまは、
幼き頃より、騎士を深く深く意識していました。
その騎士に陵辱され、官能の情事を極めた王子さまは、騎士の「不道徳な振る舞い」を
責めるゆとりもなく、王子さまの美肛やご子息や顔を汚している白濁を、
肌触りのよい柔らかな布で、やさしく拭っている騎士の大きな手の平に深く感じ入り、
消え入りたいほどの「身を灼く羞恥」の中、こらえきれない艶やかな声をあげていました。
「北の魔術師」の呪(まじな)いゆえ、王子さまのご子息や美肛は常人より
過敏な反応を見せます。肌を撫でる布がもたらす激しい快楽に流されながら王子さまは、
わずかに残された「脳の奥の冷めた部分」で、消えたい、死にたいと強く思いました。
50メルヘンU 2:2006/10/30(月) 19:10:07 ID:2NqGH+oH0
いついかなる時も決して負けたくないと思っていた乳兄弟に組み敷かれた悔しさ。
あさましく濡れそぼる、男にあるまじき肛の門の秘密を知られてしまった哀しさ。
男である乳兄弟に男である自分が穿たれ、一体となったとき感じた背徳感と心地よさ。
乳兄弟に身をゆだね、心地よさを貪り、乱れに乱れた己のあさましさ。
何もかもが王子さまの心を蝕み、軋ませました。
乳兄弟の器用な指。堅い陰茎。顔で受けた熱い迸り。そのいずれもが気持ちよかった事。
こうして身動きもできない体を清められながら、もっと抱いて欲しい、
まだ抱いて欲しいと叫びたくて堪らない事。それらが、強く王子さまを荒ませました。
消えたい。死にたい。激情に駆られ舌に歯を立てかけた王子さまの自虐行為を
間一髪!食い止めた騎士は、王子さまを強く強く抱き締めました。
「…体が濡れる。火照る。力が抜ける。もう、剣さえ持てそうにない。…俺はあさましい」
虚ろな目で呟き、己の全てを恥じる王子さまを抱きしめながら、騎士は愛を告げました。
「恥じるな。ひとは感じれば濡れるものだ。俺だって火照る。みな火照る。
また剣が持ちたいなら生きろ。俺が傍にいる。俺はお前の騎士だ。
お前が癒え、己の剣で身を守れるようになるまで、いや、癒えても、
この命をかけてお前は俺が守る。俺はお前の乳兄弟だ。いつも傍にいる。
俺の前では存分に乱れろ。恥じるな。俺を欲しがれ。もっと、俺を頼ってくれ。
頼む。こんな小賢しい呪いに負けるな。笑い飛ばせ。楽しもう。俺が共に乱れてやる。
恥じるな。濡れたお前は、辱めたくなるほど美しい……」
王子さまの金色の髪を幾度も撫でながら、騎士は臭い臭い甘い言葉を紡ぎました。
そうして、うやうやしく王子さまの右手の甲に接吻をしました。
かつての好敵手に慰められ、いたわられた王子さまは、その矜持ゆえ、
乳兄弟の言葉を素直に嬉しく思う己を、どうしても認めることができませんでした。
王子さまのご子息と美肛を清める騎士の「巧みな布使い」に、為す術もなく喘ぎながら、
王子さまは、わずかに残された「脳の奥の冷めた部分」で、
先ほど甲に口づけられたとき覚えた「ときめき」を打ち消しました。
51メルヘンU 3:2006/10/30(月) 19:10:39 ID:2NqGH+oH0
南の国の大王さまの末の弟さまは、諸国行脚の旅が大好きです。
大きな黒い鍋を担ぎ、揚げ団子売りに身を窶し、あちこちまわっているこの王弟さまは、
南の国では大の男好きでも知られていました。その男遊び好きは、無遠慮な民に
「国中のめぼしい男を喰いつくしたから、他国に男あさりの旅に出たのだ」と、
噂されるほどでした。
この秋、王弟さまは「たいそう具合のいい体」を持つ王子さまの国へとやってきました。
王弟さまが売り歩いている揚げ団子は、南の国伝統の庶民的な菓子です。
小麦粉に黒砂糖とバターと卵を混ぜて拳大にまるめ、油で揚げたその菓子は、
甘いものを好まない王子さまが唯一気に入り、
幼い頃から異国より取り寄せてもらっては食していた菓子でもありました。
王弟さまの揚げ団子は、卵の黄身だけを使い、
隠し味に落花生の実をすりつぶしバター状にしたものを用いています。
揚げたてでも冷めてからでもおいしい。
王弟さまが、路上で売るそれは口こみで街中に広まり、
その評判は王子さまの耳にも届きました。
斯くして南の国の揚げ団子売りは城へ呼ばれることに相成りました。
王子さまの父である王さまは、もしや…と思っていましたが、揚げ団子売りをひとめ見て、
南の国の王弟さまだと気がつき、城の者に客人としてもてなすよう命じました。
そうして、夕餉のあと酒を酌み交わしながら、王子さまの体調が思わしくないことと、
幼い頃より王子さまが揚げ団子を好んでいたことを王弟さまに語りました。
王弟さまは、15年ほど前、父である故・大王さまに連れられこの国を訪れたとき、
いま目の前にいらっしゃる王さまによく似た、
金色の髪と碧い瞳を持つ美少年と午後のお茶をご一緒したのを思い出しました。
さぞ食べ頃に育ったに違いない。
鍵善の黒蜜のように艶やかな肌に映える、真っ白な歯をきらめかせながら、
王弟さまは、爽やかにいやらしく微笑むと、是非、病室を見舞いたいと申し出られました。

つづく
52風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 19:31:26 ID:idIZJ1eH0
メルヘンIIktkr
53風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 19:46:47 ID:vYZbVNTR0
その南国の揚げ菓子、自分も大好物なんだけど…そのお菓子でまさか…!?
wktk
54風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 20:10:38 ID:yIGbVRSIO
自分もあの南の国の揚げ菓子、大好物だ。
自分が贔屓にしてる店も、隠し味にピーナツバター使ってるよw
黒い肌の新キャラと、騎士団長のあっま〜い告白に萌えっ!
55風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 23:06:23 ID:Z/bwDq+20
>鍵善の黒蜜
自分はこっちが好きだ
56風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 23:29:45 ID:5rCz+nr60
メルヘンU

キタY⌒Y⌒(゚∀゚)キタY⌒Y⌒(。A。)キタY⌒Y⌒(゚∀゚)━━━!!!!

王子と乳兄弟ができちゃったことはまだ誰も知らないんだよね?
周囲にばれたときの羞恥プレイが楽しみだ!!
57風と木の名無しさん:2006/10/30(月) 23:53:56 ID:1BWd8tg6O
メル2おっつ
58風と木の名無しさん:2006/10/31(火) 00:04:07 ID:yIGbVRSIO
メル2たん乙!
したらば好きキャラの、
王子と黒魔術師と騎士のAAが、超カワイイw
59花鳥風月:2006/11/01(水) 04:39:20 ID:+tgrNmutO
政界のドンは、大御所と呼ばれる俳優を抱き寄せた。
「老いたな」
「互いにね」
二人とも、とうに70を越えている。陰の毛には白いものが混じり、
こうして二人全裸で寄り添っていても、もう、昔の様には、隆起しない。
一晩、一回。それがやっとだ。体力も落ちた。
夜な夜な、乱肛情事に耽っていた若き日を懐かしみながら、
ドンは、老いて渋みを纏った名優の美しい白髪を撫でた。
それから、柔らかな陰茎に手をのばす。
俳優は、ドンの皺深い手に老いた陰茎を包まれながら、
自分もドンの力のないそこに指を絡めた。
これから二人、時をかけ高めあっていく。
歳を重ねるにつれ、前戯の時間が長くなった。だが、それがいい。
二人はゆるゆると互いの老茎を扱き合う。
しめやかな空気の中、ドンと俳優はしっぽりと濡れていった。
50年前は、こんな穏やかな時間が訪れるなど思ってもみなかった……。
あの頃、若い二人は、互いを傷つけ合ってばかりいた。
続く
60風と木の名無しさん:2006/11/01(水) 11:22:07 ID:/QOyp0FE0
だが、それがいい。
すごくいいけど、こんな触りだけだなんて…!
続きを、続きを早く…ッ。
できたらもう少し量をまとめて…。
61風と木の名無しさん:2006/11/01(水) 19:22:46 ID:wPk47bCS0
花鳥風月タン乙!続き期待してるよ


しかし
>だが、それがいい。
で不覚にも某AAを思い出して吹いてしまったw
62メルヘン・花鳥風月:2006/11/01(水) 21:48:06 ID:+tgrNmutO
携帯からすみません。
PC壊れました。投下打ち切ります。
読んで下さった方、レス下さった方、多謝です!
最後に、揚げ団子を使ったプレイの場面だけ投下させて下さい。
花鳥風月は誤爆です。酔ってました……orz
スレ汚しごめんなさい。
63メルヘン 場面のみ1:2006/11/01(水) 21:50:07 ID:+tgrNmutO
王弟さまは、王子さまのそそり勃ったご子息を串に見立て、
拳大の揚げ団子を三つ通しました。○○○。
ひとつは、もそもそとした生地でご子息の包皮を擦りおろしながら、
金色の陰の毛の上に降り、もうひとつは、先に通された団子の上に乗るように
ご子息の中腹でとどまり、その上に最後の一個が重ねられました。
王子さまは巨根ではなかったので、
亀頭は最後の一個から顔を覗かせられず、揚げ団子に包まれています。
呪(まじな)いゆえ、王子さまが常日頃から漏らされている先走りめいたものを吸い、
先頭の揚げ団子の内側は、牛の乳を含んだシリアルのように、
やわやわとふやけはじめました。
64メルヘン 場面のみ2:2006/11/01(水) 21:51:39 ID:+tgrNmutO
王子さまは揚げ団子を纏ったご子息のあさましさに、耐えられませんでした。
羞恥と屈辱と自己嫌悪から舌を噛み切ろうとした刹那、
「負けるな」
はじめて体を繋げた日、乳兄弟に囁かれた言葉が胸によみがえり、
王子さまは碧い目を潤ませながらも、王弟さまを睨み据えました。
王弟さまは、王子さまの股間に出現した揚げ団子の三重の塔を、
矯めつ眇つし、白い歯をきらめかせながらほほ笑みました。
次いで、暴れる王子さまの両脚を、やすやすと抱えあげると瑞々しい美肛に、
黒檀のように堅く黒い陰茎を突き挿しました。
「アッーーー!!!」
掘り起こされ、掘り返され、掘り尽くされ、
呪(まじな)いゆえ過敏な王子さまはよがり狂いました。前も後ろもぬるぬるです。
あぁ、太いッ。熱い、溶かされるッ。あいつより……気持ちいいっっ。
摂護の腺を堅くしこった亀頭でごりごりと刺戟され、
王子さまはお尻を濡らしながら卑語を叫びました。
「ああっ、ん、っ、はぁ、華やぐ、華やぐッー!!!」
宮廷ことばでイク、クル、デル等を意味するそれに、
王弟さまは、爽やかにいやらしく笑いました。
65メルヘン 場面のみ3:2006/11/01(水) 21:53:13 ID:+tgrNmutO
王子さまは、いつだったか黒魔術師に
術をかけられたときのように、勢いよく達しました。
その噴き上げの激しさのあまり、先頭の揚げ団子がほとばしりの高波にさらわれ、
放物線を描いて宙を飛び、床に着地したあと二度跳ね、転がりました。
王弟さまは抱腹絶倒し、恥辱に震える王子さまの中から陰茎を引き抜くと、
吹き飛んだ揚げ団子の代わりに、その下の団子を亀頭まで引き上げました。
揚げ団子の生地に過敏な包皮を擦り上げられ、
感じやすい王子さまは、とめどなく美肛を濡らし、荒い息をせわしなく吐きながら、
かすれた声で喘ぎました。王弟さまは、再び、黒檀のような陰茎で
王子さまの中を満たし、ちんぐり返しで王子さまを苛めます。
そうして、白い歯が光る満面の笑顔で、
ご子息の先の揚げ団子を食べるよう王子さまの唇に押しつけました。
「お好きなのでしょう?さあ、どうぞ。召し上がれ」
以上です。

66風と木の名無しさん:2006/11/01(水) 22:32:26 ID:yBj18nQK0
メルヘンタソ乙。
PC壊れたのか…。読者としては。・゚・(ノД`)・゚・。だ。
自分が魔術師なら直る魔法をかけてやるんだがな…
直ったらまた来てね〜!
67風と木の名無しさん:2006/11/01(水) 22:34:56 ID:9nDs/rTM0
えええ〜〜〜っ!!!
PC直ったら続き投下してもらうわけには…?
うわーん、このままじゃ読み手に鬼畜プレイだよ〜。
とにかく、乙でした。本当にGJでした。
最後の揚げ団子プレイ、激烈にエロくてまさに恥辱!で良かったです。

ところで、花鳥風月の本来の投下先、知りてぇ…。
どっかの投稿サイト? 差し支えなかったらしたらばにでもヒントを…!
晒しになったらまずいし、無理にとは言いませんから。
68風と木の名無しさん:2006/11/02(木) 00:19:42 ID:L9u7ehT/0
団子──────(゚∀゚)──────!!!
PCすら逝かせるこのエロ…恐るべし。
69風と木の名無しさん:2006/11/02(木) 00:23:24 ID:j2HQNI3d0
とりあえず…前スレを消費することが先決だと思うのだが。
70風と木の名無しさん:2006/11/02(木) 00:32:52 ID:flVj7QXRO
もう随分前から容量オーバーでしてよ
71風と木の名無しさん:2006/11/02(木) 02:04:51 ID:su9GLRhgO
なぁところで『先走りめいたもの』って何。
『めいた』ってことは先走りとは別なんだよな…?
あまりに連呼されるからちょっと気になった
72風と木の名無しさん:2006/11/02(木) 02:37:04 ID:CGAy9L/40
それはほれ、「呪(まじな)いゆえ、王子さまが常日頃から漏らされている」
わけだから、24時間態勢でダラダラ出し続けてるってことで
もう「先」走りじゃなくなってるんだと思うぞ。
801穴を濡れ濡れにしてるものと同様に、
もう常人には分泌できない801汁が出てるんだ。
73風と木の名無しさん:2006/11/02(木) 05:59:21 ID:Uk7jR9jXO
74風と木の名無しさん:2006/11/02(木) 06:10:23 ID:Uk7jR9jXO
花鳥風月が激しく気になる。メルヘンと同一人物が書いてるとは思えんww
SSの世界観で文体セレクトしてるんだろうなぁ。
花鳥風月にしろ、う〜さぎうさぎにしろ1レスで雰囲気出せるのがすげぇ。
メルヘンもドドみたく三部完結だったのかな?
ラストまで読みたかった……。
75風と木の名無しさん:2006/11/02(木) 08:33:33 ID:RbEqHrP/0
団子3兄弟プレイに朝からコーヒー吹いたw

メルヘンタン、おおおおつ!そしてPC直ったら、また戻ってきてくれると嬉しい。
76風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 08:08:36 ID:DqGegMOYO
メルヘンタンがPC直っても、続き書く予定がないなら、
誰かリレーしてくれないかな……。
メルヘンタンのOKが出たら、続き買いて下さる神はおられないだろか。
77風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 12:11:35 ID:LUhYeW8f0
もう少しお待ちなさいよ
78風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 14:17:43 ID:zHBvYRjh0
PC壊れたってだけだから、話は出来上がってるかも試練。
プロットだけでももう完成してるとかもあり得る。
だったら、リレーに走るのは早計と言うもの。
てか、リレー前提で職人さんたちが何か書いてくれないかな
と言ってみるテスト。
79風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 18:49:24 ID:vmRTyadbO
代理とメルヘンまだいたのか…いつまで続くんだろうなぁ。新規さんカモン!
80風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 19:18:48 ID:DqGegMOYO
メルヘンたんは、前回が最後の投下。
ご本人が、「投下打ち切ります」って言ってるよ?
81風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 19:27:37 ID:tN2eTLzU0
確かに「一旦打ち切ります」ではないから終了かなと思うけど、
「これで終了にします」とも明記されていないし、
あれだけでは判断しかねるな。
理由がPCの故障ってとこが、また、判断に困るところだ。
メルヘンタンが携帯からでもここを見ていたら、一言
言ってあげてくれると皆が落ち着くと思うよ。
偉そうでゴメンね。
82メルヘン:2006/11/03(金) 22:23:42 ID:Kjm5AfiH0
PCアボーンを機に投下を終了します。以下、話のオチだけ。
T…ドラゴン退治等の武勇伝を持つ王子が、呪(まじな)いゆえ、
漢から麗人へ変貌を遂げる。乳兄弟である騎士、王子に萌える。

U…南の国の王弟に屈辱まみれの揚げ団子ープレイをされる。
乳兄弟である騎士に慰められる。王子と騎士、半公認の恋人同士になる。
王弟、何者かに殺される。

V…長旅に出ていた炎の竜が、最愛の恋人・風の竜が待つ谷に帰還する。
炎の竜は谷底に横たわる、首の無い風の竜を見つける。
その風の竜は、2年ほど前王子が殺めた竜だった。炎の竜の復讐開始。
南の国の王弟は、炎の竜に王子の恋人だと思われ、殺害される。

W…騎士を殺すことで最愛の者を奪われる痛みを王子に知らしめる炎の竜。
炎の竜にズタズタに犯される王子。
北の魔術師、黒魔術師の体を借り(北の魔術師に惚れた黒魔術師が体を献上)、
冥界から復活。愛した男(陛下)のガキ(王子)を救うべく濡れ場に吶喊。
バ/ス/タ/ー/ド/風の魔法バトル。

X…北の魔術師(黒魔術師)、炎の竜と相打ちに。
実は北の魔術師が本命だった陛下、北の魔術師(黒魔術師)の亡骸を抱き締める。
陛下の背中を撫でる侍従。回想シーン…3人が20代の頃の話。
身も心もぼろぼろながら、生き延びた王子、二匹のドラゴンを祀る。
自分の体に折り合いを付けながら、罪を背負って生きていく。

おしまい

83風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 22:38:06 ID:LUhYeW8f0
残念だけど設定萌え
メルヘンタソどうもマリマd
また帰って来てください
84風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 22:44:27 ID:DqGegMOYO
ラストまで読みたかったなぁ〜。
上のレスもPCから投下してるみたいだし、もう一台使えるPCあるなら、
そっちから投下続けてくれないかな?
85風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 23:03:02 ID:r71OKjuJ0
メルヘンタン ((((((;゚Д゚)))))) ヒイイィィィーーー
コメディタッチなのに、壮絶なお話だったのね。
このあら筋を知って更にすげー読みたいと思ったけど、
投下分だけでも充分に楽しんだよ。

>>84
ネットカフェとかかも知れないではないか。
自宅でないとしたら書き続けるのは難しいよ。
でも最後一行、心の底から同意だ…。
いつか、いつか…。
なんなら新しいお話でも結構です。
86風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 23:04:50 ID:OVCyclJu0
わがままいうなよ。
本人が終わりっつうてんだからさ。

…メルタン。誘いうけじゃないよな?
87風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 23:10:52 ID:Y2K3yJ+r0
誘い受けなら、最期のオチまでばらすような粗筋を
披露したりはせんだろうよ。
とにかく、メルヘンタン、お疲れ様でした。
88風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 23:18:09 ID:BsQHTrvV0
工エエェェ(´д`)ェェエエ工工
普通は打ち切りでもオチだけ聞けば何となくスッキリして気が済むものだが
こればかりは聞きたくなかったな
何この壮大な設定

ちくしょう…ちくしょおおおお AA(ry
89風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 23:21:27 ID:vmRTyadbO
終わったか…やっと
90風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 23:42:59 ID:F9ILMnet0
>>88
うんうん ・゚・(ノД`)・゚・
読むのはwktkの極致だったろうが、幾度も泣く羽目になったと思う。
まさか悲劇だったなんて…。
でも設定だけでも萌え萌えだ。
後は脳内補完して笑ったり泣いたりすることにするよ。
メルヘンタン、GJでした。
(それにしても花鳥風月は生殺しですことよ…)
91風と木の名無しさん:2006/11/03(金) 23:58:53 ID:UJF57da3O
リップサービスだと思われ
小粋な黒魔術師に乾杯
92風と木の名無しさん:2006/11/04(土) 00:09:10 ID:D7wyIC9TO
81さんに感謝するべきか、81さんを恨むべきかw
知りたくなかった。読みたかった。
荒らしじゃなくて、メルタン=ドドタン派だった自分は、
ドドタンのVを読んだとき波にさらわれたみたいに、
メルタンがコメディから悲劇に切り替わった瞬間、心をもみくちゃにされたかった。
93風と木の名無しさん:2006/11/04(土) 00:37:27 ID:r8H/o0cd0
「アッー」に爆笑した
意外とメジャーなのだろうか
94風と木の名無しさん:2006/11/04(土) 00:53:01 ID:D7wyIC9TO
「華やぐッー!」に爆笑した。
松本かっ!?www
「アッー!」「ウッー!」を最近よく見るなぁww
実際問題、発音するのって難しくない??
撥音のあと伸ばすの苦しい。「アッ、ハァー」みたいな音しかでない。
最後の「ー」は、どうすれば??
95風と木の名無しさん:2006/11/04(土) 01:18:16 ID:qenszNfw0
今更な発言に93-94が板ヒッキーなのか単に初心者なのか悩むところだ
96風と木の名無しさん:2006/11/04(土) 01:29:54 ID:D7wyIC9TO
ごめん、言葉足らずだった。
801系だと、「アッー」より、かわいく「あ…ッ」とかのが、
多かった気がするんだけど、最近、ネタも含めて
オン、オフ問わず「アッー」って叫ぶ受けをよく見るの意です。
97風と木の名無しさん:2006/11/04(土) 01:32:49 ID:+gvC6V7QO
君のレスの方が若葉っぽいよw
98八百壱陰陽師・攻の巻1/1:2006/11/04(土) 01:37:18 ID:ftgx8QmL0
『!!!!!』
なんとも形容しがたい悲鳴をあげ、鬼はどうと倒れた。
そのまま消滅するでもなく、かといって逃げることも出来ず暫く足掻いてはいたが、
やがてその姿は霞が散るようにぼやけ、一枚の札を残して跡形も無く消える。
「やれやれ……」
その札を、面倒な目にあったとばかりにため息をつきながら一人の男が拾った。
やや冷めたような印象を残す、齢二十四・五ほどの端正な顔立ちの彼は、
大きく裂け目の入ったその札を摘み、何事か口早に唱えた。そしてするりと撫でる。

瞬間、仄かな蛍光が指先を染め、札はぴたりと傷を塞いだ。
同時に、その札に刻まれた主のものと思しき名がその男のものに変わる。
つまり男は一瞬の内に他人の式神を修復した上に奪ったわけだが、
それだけ高高度の術をつかったのにも拘らず得意に振舞うこともしない。
むしろ呆れたように頬を掻きながら、その札を懐の深くに仕舞う。

その背に、おずおずと声を掛けた者がいる。
貴族の格好をしており恰幅も良いが、その態度は何処と無くおどおどとした小鹿を思い起こさせる。
その周囲にはやはり同じように、中の上程度の身なりの家人達が遠巻きに男を見詰めていた。
「……あの、陰陽師さま。鬼は全く消えたので?」
「御安心召されよ。
 私が鬼を陣に掛け、力を削ぎ、主の名を書き換え申しました。もう暴れることは出来ますまい」
ほう、と大きな安堵のため息と歓声があふれた。よほど鬼に脅かされていたらしい。
かたじけない、本当に貴方は優れている、ありがとうと頭を下げるその貴族には微笑を浮かべて応えつつ。
――陰陽師は今日の収穫の後始末を面倒くさげに考えていた。
99風と木の名無しさん:2006/11/04(土) 10:48:37 ID:5sqfDKAm0
おおっ、帰ってきた陰陽師!
今度は攻ですか。前回も性格的にはS属性ってかんじがしましたもんね。
いよいよ本領発揮ってことで期待してます
100風と木の名無しさん:2006/11/04(土) 15:42:55 ID:P1AuHPFu0
ちょっと遅くなりましたが、少年さん最高でした〜!!
テッド、良いキャラですね。こういう男、好きです。
101風と木の名無しさん:2006/11/04(土) 23:12:30 ID:e8ZVZOom0
八百壱陰陽師タン乙!
怜悧な美青年攻め萌え。
102支配者たちの部屋 1/6:2006/11/04(土) 23:46:49 ID:4fkyZLDG0
>>したらば雑談スレ126
 こうですか?分かりません!

※注意※
 女王様(男)、軽い暴力、フィストファックあり。

左手首と右足を鎖でベッドに繋がれ、まともに身動きできない俺の腹に少年が跨り、
派手な嬌声を上げながら腰をくねらせている。
男のケツの穴に突っ込むなんて冗談じゃないと思っていたのに、
いや、今だって確かにそう思っている筈なのに、少年の巧みな腰使いとキツい締め付けに
俺は思わず自らも腰を動かしていた。俺の動きに少年の嬌声は高まる。
「あはっ。君も結構楽しんでるみたいじゃない。
 さっきまで、あーんなに嫌がってたって言うのにね」
そんな俺の様子を、ベッドの脇の黒い革張りのソファの上から黒髪の少年が嘲笑った。
そしてショウと名乗ったその少年の足元では、子供の腕ほどもある、どぎつい紫色の張型を
尻に銜え込んだ少年が這い蹲り、鼻を鳴らしながらショウの足の指を一本ずつ丹念に
舐めしゃぶっている。その少年はカイ、そして俺の上で腰を振る少年はミズキと呼ばれていた。
「どうさ、ミズキの具合は。
 イイでしょ。そこまで仕込むの結構時間掛かったんだよねぇ」
ショウは楽しげに笑って、カイの頭をなでている。
俺の上ではミズキの動きがますます激しくなってきていた。
限界が近いのだろう。
ひときわ高まる甘ったるい鳴き声が、そう広くない部屋の中で反響して五月蝿い。
結合部は少年と俺の先走りや汗でぬるぬるして気持ち悪かった。
俺もそろそろ限界が近づいていて、ぎりと奥歯を強く噛み締めた。
自分が男の尻の中で達してしまいそうなのだと思うと情けなくて惨めで嫌だった。
せめて目を閉じて、女とヤッている想像でもして現実逃避したかったが、
俺は少年の媚態から目を逸らすことを許されていなかった。
103支配者たちの部屋 2/6:2006/11/04(土) 23:47:52 ID:4fkyZLDG0
「……う、くっ!」
「はっ……あぁ……出てる、中で出てるよぉ……」
激しい衝動に耐えかねて、俺は少年の体内で達した。それを感じたのか、
少年もまた俺の上で身を震わせる。少年の吐き出した精液が俺の腹から胸に掛けてを汚した。
「ミズキィ。駄目でしょ、人様の上で粗相しちゃ。ちゃんと綺麗にしてあげなさいね」
「はぁ……い。んんっ……」
ソファからショウがさも愉快そうに笑いながら指示を出し、ミズキは素直に、
いや、寧ろ嬉々としてそれに従った。俺のものを銜え込んだまま屈み込み、
舌を伸ばして自分の吐き出したものを丁寧に舐め取っていく。
少年の中は絶頂の余韻からか時折ひくつき、
搾り取るようなその動きに俺のものは再び力を取り戻しつつあった。
「うふ……、また硬くなってきた……」
胸元をしつこく舐りながら、うっとりと囁かれ、俺は惨めでたまらない。
ミズキは俺の胸に顔を埋めたまま、再び腰を揺すり出した。
「あーぁあ、すっかり仲良しさんになっちゃって。妬けちゃうなぁ。ねぇ?カイ?」
ショウがそう言いながらカイに行為を中断させ、顔を上げさせる。
するとカイは俺たちの行為に当てられたのか、
巨大な張型を銜え込んだ尻をもじもじさせながらショウに縋り付いた。
「あ……ショウ、俺、も……だめ……。頼むよ、ショウ……」
憐れな様子で、ショウの陰茎に舌を伸ばそうとする少年の横っ面を、
ショウは容赦なく蹴り飛ばした。
カイは小さく悲鳴を上げて床に転がり、鼻血がぽたりと垂れて床を汚した。
「カーイ?誰が勝手に触って良いって言った?」
ショウは笑顔のまま、仰向けに転がされた少年の腹に更に二度、三度と蹴りを入れ、
そしてその陰茎を踏み躙った。憐れな少年は泣き喚きながら繰り返し許しを請うている。
けれど、その悲鳴にどこか甘さが混じっていることに俺は気づいた。
実際、踏み躙られながらもカイの陰茎は硬く勃起したままで、
許しを請うその表情はどこか陶然としていた。
「こんなにされてるってのにおっ勃てちゃって。
 ……お仕置きが必要みたいだね?カイ」
ショウはにやにやと笑みながら思案するように首を傾げた。
お仕置きに何をしてやるか考えているのだろう。
104支配者たちの部屋 3/6:2006/11/04(土) 23:48:30 ID:4fkyZLDG0
「くっ……!」
そんな二人のやり取りに興奮したらしいミズキの腰の動きが、それまでのゆっくりとしたものから
激しいものへと変わり、俺は思わず小さく呻き声を漏らした。
その声にショウがこちらに視線を向け、そして、ぽんと手を打った。
「ふふ、良い事思いついた。
せっかくだからカイのお仕置き、君にも手伝って貰っちゃおうかなぁ」
心底楽しそうなショウの表情に俺は鳥肌が立った。
こちらは鎖で戒められて身動きもままならないと言うのに一体何をさせる気なのか。
「ほら、カイ。お仕置きしてあげるから、棚からゴム手袋とローション取っておいで」
ショウが促すと、カイはそれだけで自分が何をされるのか悟ったらしく、
怯えと期待の入り混ざった表情で「ハイ」と頷き立ち上がった。
ローションは、分かる。けれどゴム手袋など何に使うというのか。とてつもなく嫌な予感がした。
「そんなに怯えなくても大丈夫だよ。お仕置きされるのはカイなんだから」
思わず眉を寄せる俺にショウが、優しくそう言ったが、安心できる筈も無い。
ミズキには今後の展開が予想できたらしく、くすくすと笑っていた。
戻ってきたカイからゴム手袋を受け取ると、ショウはそれを空いていた俺の右手に、
そっと嵌めていく。それは、ゴム手袋、と聞いて俺が想像したものとは違い、
薄手の白いぴったりと肌に張り付くタイプの手袋だった。
「ふふふ、大きな手。僕の手は前にしたけど、こんな大きな手は初めてだね、カイ。
 楽しみでしょ」
言いながらショウは手袋のはまった俺の右手を撫で、
そして、そこにたっぷりとローションを垂らした。
そこに至って、ようやく俺にも彼が何をしようとしているのか見当が付いた。
──まさか……。
105支配者たちの部屋 4/6:2006/11/04(土) 23:49:26 ID:4fkyZLDG0
※注意※
 フィストファックあり。
----------------------------------

「さあ、カイ。ベッドに上がって、こっちにお尻向けなさい」
ショウがベッドの、俺の肩の横辺りに腰掛けてカイを呼んだ。
カイは従順にそれに従いベッドに上がると俺とショウに向かって尻を差し出した。
ショウがそこに突き刺さっていた極太の張型を抜き去ると少年は小さく呻いた。
長時間張型を銜え込んでいたそこは、すっかり開き切ってしまっており、
ぽっかりと口を開けて時折ひくひくと震えていた。その様子はどこかグロテスクで気持ち悪かった。
「あ、君は指をくっ付けて、そう、嘴みたいにしてね。その方が挿れ易いから」
ショウがカイの尻にもたっぷりとローションを垂らしながら俺に言い、
俺は自分の予想が正しかったと知って逃げ出したくなった。

ショウが俺の右腕を掴み、カイの尻に押し付けた。指先が柔らかく暖かい感触に包まれ、
ぞっとした。少年の開ききった穴は驚くほど柔軟に俺の指を飲み込んでいく。
初めは順調だったが、拳の一番太い箇所が入り口を通過しようとした辺りで
抵抗がきつくなり、カイも苦痛の声を上げた。
──無理だ……こんなもの、入る訳が無い。
思わず、俺は手を引きかけたが、ショウがそれを許さなかった。
「だーいじょうぶ。
 ちゃーんと慣らしてあげさえすれば意外と入っちゃうもんなんだから」
ショウが、掴んだ俺の右腕をぐいと引き、ずぶりと、俺の掌全てが、入った。
あまりの衝撃にカイが金切り声を上げた。
──……入った。入ってしまった。まさか、こんなことが……。
まさか。あり得ない。その二つの単語が俺の頭の中を埋め尽くしていく。
半ば呆然として、俺はショウに指示されるがままに腕を動かした。指を開いたり閉じたり、
中を殴りつけるように腕を前後させたり、俺が腕を少し動かすたび、
カイはとても嬌声とは言えない、断末魔の悲鳴のような声を上げ続けた。
すぐ目の前で行われる行為に、ミズキは明らかに興奮した様子で腰を蠢かす。
右腕を少年の尻に飲み込まれて、腹の上ではまた別の少年が跨り踊っている。
あまりの異常事態に俺はおかしくなりそうだった。
106支配者たちの部屋 5/6:2006/11/04(土) 23:50:22 ID:4fkyZLDG0
※注意※
 フィストファックあり。
----------------------------------


けれど、次の瞬間、ショウの言葉に俺は我に返った。
「ふふふ。やっぱり良い身体してる。ね、”お兄さん”?
実の所、君の事は結構前から狙ってたんだ。君の弟には感謝しなくちゃ」
──弟。そうだ、弟。あいつの為に、俺は……。
「それにしても本当良いお兄さんだよねぇ。
馬鹿な弟の仕出かした不始末の肩代わりを自分から進んで引き受けるなーんてさ」
「弟はっ……!裕樹はっ、本当に無事なんだろうな?!」
不意に出された弟の名前に俺は思わず食いつき、ショウを睨み付けながら叫んだ。
するとショウがベッドの上で立ち上がり、優し気な笑顔のまま俺の顔を覗き込んだ。
「おやおやぁ?言葉遣いがなってないんじゃないのー?」
ショウはそこで一旦言葉を切り、表情を変えた。僅かに怒気を孕んだ、
その顔つきに俺の背筋を恐怖が走る。
「この!クソ犬がッ!」
「うぐっ!!」
ショウが俺の腹を容赦なく踏み付けた。
そして先程のカイと同じように繰り返し蹴りつけられる。
俺の身体が激しく動き、その俺の腕を飲み込んでいたカイが悲鳴を上げた。
俺の上では、苦痛のあまり思わず萎えてしまったものに、ミズキが不満の声を上げている。
吐き出した胃液と唾液で顔を汚し、悶えている俺に満足したのか、ショウは再び笑顔に戻った。
「心配しなくても弟くんは元気にしてるよ。……今の所は、ね」
「おねが……します。
裕、樹は……助けてやって下さい……。俺なら、なんでもしますから……」
途切れ途切れに俺が訴えると、ショウはにやにや笑って頷いた。
「もちろん。……君がちゃんと僕たちを満足させてくれたらね」
107支配者たちの部屋 6/6:2006/11/04(土) 23:51:18 ID:4fkyZLDG0
※注意※
 フィストファックあり。
----------------------------------


ショウはそれからしばらく楽し気に俺の腹を撫で回していたが、俺の苦痛が引き、
ミズキの中で再び勃ち上がり始めたのを見てとると、ミズキに背を向ける方向で、
俺の顔を跨いでしゃがみ込んだ。
ちょうど口の真上にショウの尻の穴が来て、鼻の上に柔らかい二つの袋が当たった。
「舐めて」
言いながら生暖かい肉を押し付けられ、鼻先でむわりと広がる独特の臭気に俺は吐き気がした。
けれど弟のことを思い出し、必死で舌を差し出した。
嫌悪感に耐えながら、少年の排泄口を舐めていると、そこがひくりと震えた。
続いて「入れて」と指示を出され、恐る恐る舌を差し入れると、
少年が鼻を鳴らして小さく身悶えした。
「あははっ。イイよ、その顔。
 んっ……、君みたいな人が、そうやって屈辱に耐えてる、のって、ぁ、そそる……っ」
ショウが俺の顔に尻を何度も擦り付け、俺は言われるがままに舌でそこを突き上げ、掻き回した。腰の上ではミズキが再び絶頂を迎えようとして、懸命に腰を振っている。
そして俺の拳をぶち込まれ苦しんでいた筈の少年は、いつの間にか自分から腰を動かし始めていた。
──狂っている。こいつらみんな。狂ってやがる。
気持ち悪い。吐き気がする。逃げてしまいたい。
けれど俺は弟の為にここにいるのだ。逆らうことなど出来はしない。
──ああ、俺もいっそ狂ってしまえれば良いのに。
なんて考えが頭をよぎるが、そう簡単に正気を手放してしまえる筈も無い。
彼らが満足するまでの我慢だ。それまで耐えさえすれば良いのだと、
自分に言い聞かせるが、明確な期限など無い。それがいつになるのか見当も付かない。
「ちゃんと躾けてあげなきゃならないけど……まずは、たーっぷり搾り取ってあげようね」
少年たちの喘ぎ声が、笑い声が部屋の中に響く。
宴は、まだ始まったばかりなのだ。
108風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 00:59:23 ID:qR9R5VV5O
ウヒョー(゜∀゜)キテター!

イイよ!アリだよ!
こんなの待ってたよー!!
超GJ!
109風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 01:07:51 ID:T0YUguDp0
支配者タン、おっつぅぅぅ!
悪魔チャンたちの餌食になるお兄タン、ご愁傷様…
攻めてれば気持ちイイわけではないとよくわかりますた。
110柵外の祈り1:2006/11/05(日) 01:38:35 ID:LHTlgSTQO
携帯から失礼します
改行は気をつけたつもりですが、もし見ずらい点がありましたら指摘してください。



 目を覚ますと青黒いベールが辺りを覆い尽くしていた。日の出前の薄暗さが狂宴の終了を告げている。
洞窟内のろうそくが、入り口から入り込む風によってかすかに揺れていた。
アガタはうつ伏せの姿勢で、ただ黙って風の意志に従う炎を見つめていた。涙が頬を伝う。


111風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 01:51:33 ID:LHTlgSTQO
すみません、やっぱり上手く送信でくないので、
朝になったらパソコンからもう一度やりなおします。
スレ汚しですみませんでした。
112風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 01:53:09 ID:4Vv83zGE0
こ、こんなお預けって
113柵外の祈り1:2006/11/05(日) 03:42:04 ID:8t7booRM0
すみません。もう一度……です。


  目を覚ますと青黒いベールが辺りを覆い尽くしていた。日の出前の薄暗さが狂宴の終了を告げている。
洞窟内のろうそくが、入り口から入り込む風によってかすかに揺れていた。
アガタはうつ伏せの姿勢で、ただ黙って風の意志に従う炎を見つめていた。涙が頬を伝う。
冷たい土の上に放り出された裸体は冷気を吸収し、歯を鳴らす。後ろ手に縛られた手は痺れていて感覚がない。無理な姿勢のせいで、手首どころか二の腕まで痛んだ。
下半身には異物感が残り、肛は開いたままのようだった。ぬめぬめした液体が自分の意志とは関係なく排出するのを感じ、思わず嘔吐した。
 一番醜い場所をなぶる人種に出会うとは思わなかった。アガタは嘔吐が落ち着くと、激しく嗚咽した。男が、男を抱くなどとは故郷では死罪にあたる行為だ。
「女みてえに泣いてんじゃねえ」
114柵外の祈り2:2006/11/05(日) 04:08:35 ID:LHTlgSTQO
続きを投下しようとしたら、息子が夜泣きで、しばらく中断します。
すみません、てか、なんで今日に限って夜泣きなんだよー

本当にすみません。
115風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 04:09:49 ID:WQdxZR3k0
柵外タンGJ!
寝る前にチェックして良かった
明日(今日だけど)起きるのが楽しみだよ
116風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 05:04:47 ID:kG1ZO/U2O
支配者たんパクり乙です!
オリジナル(したらば雑談126)の方が萌えww
受け達が少年だったり、キャラの名前が萎えだったり、
女王が三人じゃなくて、女王一人に、しもべ二人な所や、
弟のために自己犠牲って設定と設定を生かしキレてないのが敗因かと……。
プレイ内容は126パクってるだけだしね〜。
どうせパクるなら126の、拳を飲み込んでアナルで攻めの手首を
締め付ける所とかさりげなく、ぐっとくる所まで隈無くパクればよかったのに。
センスないね。126と支配者たんには、埋まらない差があるかも。
近々、自分が、126ベースのもっと萌える話を投下してあげるから、
参考にするといいよ!
117風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 06:09:00 ID:NQ7hrQCWO
>近々、自分が、126ベースのもっと萌える話を投下してあげるから、
>参考にするといいよ!
宣伝乙
投下時にちゃんと申告しなさいよ

>生かしキレてない
萎えた
118風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 06:23:36 ID:3EJ4A5UpO
支配者タン乙!
女王様可愛いよ女王様。こういうタイプこそ泣かせてみたくなるwww
119柵外の祈り2:2006/11/05(日) 06:36:28 ID:LHTlgSTQO
なぜかパソコンから書き込みができないので
少しずつ投下です。
すみません。



「女みてえに泣いてんじゃねえ」
洞窟の入り口から怒号がとんだ。たいまつを持った髭面の男が、アガタに近寄り膝をおろす。
大きな平たい手で、アガタの前髪を乱暴に引っ張り上げた。
男は「おー、おー、ずいぶんと美しく化粧していただいて」と低く笑った。
まだ新しい、生臭い液体が額の上をわずかに移動した。
 アガタは男の嘲りを目に捕らえ、力を振り絞り睨みつけた。
震えの止まらぬ口をかすかに開けたが言葉は出ず、荒い息だけが漏れる。

120風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 07:30:21 ID:LHTlgSTQO
ちょっ、また息子が(泣)
みなさんをイライラさせるだけなので、しばらく引きます。


本当にすみません。
121柵外の祈り3:2006/11/05(日) 08:03:41 ID:LHTlgSTQO
「運が悪かったとあきらめるんだ。
人買いが目をつけた人間は逃げられねぇ」
「……腕のいい薬師とは、盗賊の連中……」
「腕は確かだ。
陵辱が原因で炎症を起こしても、熱で倒れても、気が狂っても、ちゃんと薬を配合することができる連中だ。
堕胎手術だってする。
弟子にしてもらうにはいい師匠だぞ。
今日から優秀な師匠に弟子入りだ」
「い……いつか……ら、俺に目をつけてい…た」
「私の薬を見に来た瞬間だ。依頼人にぴったりの容姿と、」
「家族のいない……環境……」
「娼年にもってこいの人材よ」
「娼……年……。男娼のことか」男は物わかりがいい、と言わんばかりに空いた手で頭を撫でた。
アガタは込み上げる後悔の念を涙に変え、地に落とした。
122柵外の祈り4:2006/11/05(日) 08:11:12 ID:LHTlgSTQO
この地域の盗賊団が娼婦や娼年を抱え込み山を移動すると、
聞いたことがある。
故郷の族長が、西の山脈に住む盗賊はまとめて村を何カ所か襲うと話していた
 何日も略奪し、前進しつづける。
しかも前進しつづけるうちどんどん強くなっていく。
略奪と、強姦を繰り返していくからだ、と長は言っていた。
 征服するものは自己も征服する。
 男たちの肥大した自己が暗示をかけ、埋もれていた力が目覚める。
――恐ろしいものよ、人間は。長のしわがれた声が懐かしい。
「ここの地域の盗賊たちが、娼婦や娼年を抱えて移動するという噂は本当か」
アガタはかすれた声で男に尋ねた。
「南海の島まで噂は広まっていたのか……。世間は狭いな」
「なぜ、……村人を傷つけた上に女や……男を囲う」
「カンのいい村人が、襲来される前に村ごと焼き払うんだ。
そうすると、盗賊たちは奪うモノを失い戦意を喪失してしまう。
弱体化した頃を見計らい、村人が逆襲する。
団は壊滅。それじゃあ困るだろう」
「俺は……餌か……」
「違う。盗賊たちが生き生きとする為の薬だ」
男の声が急に低くなり、目つきが鋭くなった。唇をかみしめたアガタにきがついたようで、鼻をつまんできた。
 
123風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 08:13:16 ID:LHTlgSTQO
今日はここまでです。
慣れないために迷惑をかけました
124風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 08:56:33 ID:kG1ZO/U2O
息子さんの為にも、あんたはもう、
こんなネットの場末に来るのはやめなよ。
メルヘン見習って、投下打ち切りなさい、ね?
125風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 09:14:36 ID:t8usfuzZO
柵外タンおつ!
もちろん息子さん第一に考えてほしいけど、柵外たんにその気があったら続きも読みたいな
メモ帳とかに書きためてからコピペで投稿するとスムーズだよ。
126風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 09:32:24 ID:nPfTBhrFO
柵サン乙です。
イライラさせてるのは息子サンのせいではなく、あなた自身のレスの仕方の問題です。
作品が勿体ないので落ち着いて下さい。
127風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 10:19:18 ID:IAPWPRB10
そして肝心なことを。

ageるな!!空気嫁!!初心者は半年ROMれ!!

です。またのお越しをお待ちしております。
128風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 10:57:11 ID:kG1ZO/U2O
近ごろ、まともな投下が耐えて久しい。
したらばも好きキャラは、くだらん話題のループだし、
応援スレは「ダンとご主人様専用」状態だ。
つまんねぇー。
職人さん頑張れよ。書き逃げ撲滅。完結推奨。新作歓迎。
129風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 10:57:51 ID:BKv697rR0
支配者タン、GJGJ!
これは続きあるんだよね?
枯れ果てるところまで頼むよ!

柵外タンもGJ!
設定も文も好きだよ。続き超待ってる。
それと、リアルの自分のことを書くと
待ってましたとばかりに叩く連中が多いから
それやめた方がいい。あなたのために。
急がなくていいから、ゆっくり投下してね。
書き溜めてから投下してくれたらいいから。
月イチとかで何ヵ月もかけて投下し終わる人も珍しくないよ。
130風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 11:08:00 ID:kG1ZO/U2O
いいひと発見。
姐さんはやさしい心の持ち主ですね。
131風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 12:32:37 ID:yXBP3LxkO
支配者タン乙。
そうだね、自分のペースで楽しんで
投下してくれればいいと思うよ。
それぞれの状況があるんだから。
132プール授業 1/4:2006/11/05(日) 12:38:31 ID:Cv//K7Lv0
今日は坂田の大嫌いなプール授業がある。
泳ぐのが嫌いなのではない。むしろ得意だ。
中学一年から高校二年の去年まで水泳部にいたくらいだ。
部は、去年の夏の終わりに退部した。
もうプールに入るのが嫌だったからだ。
だが、授業での水泳は三年生の夏にもやってくる。
ストレッチ、それから水に浸かってパシャパシャやって、
教師の指示に従って順番に泳ぐ。
それはいい。
坂田が嫌いなのは、最後の五分間。
教師が生徒の楽しみのためにと、生徒の自由にさせる時間だ。
歓声を上げてはしゃぎ回る生徒たちの間から、
四人の男子生徒が坂田に向かって泳いだり歩いたりしてくる。
逃げたい。でも、逃げ切れないことはもう知っている。
逃げたところで、後でもっとつらい目にあわされることも知っている。
坂田はレーンの隅で四人を待った。
水の冷たさとは関係なく、体が芯から冷えている。
全身に鳥肌が立っている。
133プール授業 2/4:2006/11/05(日) 12:39:07 ID:Cv//K7Lv0
最初の一人が坂田の肩に触れた。
こみ上げる吐き気をこらえて、坂田はじっとしていた。
次の手が、坂田の脇腹に触れる。
そのすぐ後に、真後ろについた一人が太腿を撫でた。
もう一人が到着し、坂田の尻を掴む。
そこから、四人の手が遠慮呵責なしに坂田を責め苛み始めた。
水着の上から性器を握られ、扱かれる。
尻の割れ目にねじ込まれてきた指が肛門を押し上げる。
水着の裾から侵入した指が陰嚢をくすぐる。
坂田は俯いて唇を噛んで耐えた。
すぐ側で、クラスメイトたちが水を撥ね散らかして騒いでいる。
坂田が惨めな思いで耐えている時間を、クラスメイトは楽しく過ごしている。
誰か助けて。気付いて、俺をこいつらから救ってくれ。
いや駄目だ、誰も気付くな。こんな俺を見ないでくれ。
坂田をいたぶる四人は、時々水を手や脚で撥ねて笑い声を上げ、
殊更明るい声で話し続けている。
水に浸かって楽しそうに喋っている五人だと、皆が思っている。
134プール授業 3/4:2006/11/05(日) 12:40:19 ID:Cv//K7Lv0
水着がずり下ろされ、肛門に指が突き込まれた。
痛みに声を上げそうになり、坂田は奥歯を噛み締めた。
一方で、性器は扱かれ、先端をくじられて、反応してしまっている。
体内に入り込んだ指も、今は緩やかに動いて快感を紡ぎ出す。
懸命に衝動を抑え込もうとするが、慣らされた体は簡単に昂ぶっていく。
「やめてくれ…」
小声で頼んだが、誰も聞いてはくれないことなど知っていた。
愛撫の手が激しくなり、追い上げられていく。
達してしまったら?
水を濁らせてしまったら、それは誰にも見つからずに済むんだろうか?
いやだ、それだけはいやだ!
坂田はプールの縁にしがみつき、歯を食い縛った。
五分が五十分にも感じられる。
「も…許してっ…」
上擦った声で懇願するのと、教師が終了を告げる合図を出すのとが、同時だった。
135プール授業 4/4:2006/11/05(日) 12:41:08 ID:Cv//K7Lv0
四人は、すぐに離れて行く。
坂田は、慌てて水着を引き上げてはき直した。
前が完全に立ち上っているので、はきにくい。
それに、次々にプールから上がっていくクラスメイトに続くこともできない。
こんなみっともない状態の体をさらすわけにはいかない。
必死に浅い呼吸を繰り返しながら体を鎮めていると、
体育教師の怒鳴り声が飛んできた。
「坂田っ、いつまで入っている! さっさと上がらんか!」
「は、はい!」
仕方なく、坂田はプールのなるべく遠い端から上がった。
のろのろとシャワーの方に向かって歩いていくと、
列の最後尾にいた生徒たちが振り向いた。
途端に、彼らがクスクス笑い出す。
坂田の前は、まだ僅かに盛り上がったままだ。
まだ、男子生徒だったのが救いだった。
「お前、女子の水着姿見てコーフンしてんの?」
囁かれて笑われても、そこには悪意はなかった。
同じ男子として、ある種の親しみが感じられたほどだ。
だが、これがプール授業毎回となったらどうなるだろう。
そのうちに、坂田は変態だと笑い者になるのではないだろうか。
夏が終わるまでに、あと何回プール授業があっただろうか?
いやだ。
プール授業は、いやだ。
坂田は目を瞬かせた。
周りの人間は、坂田の目が赤くなっている理由を
殺菌の塩素のせいだとしか思っていないだろう。

おわり
136風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 12:56:39 ID:kG1ZO/U2O
プールたん乙です!
できれば夏場に読みたかったなww
137風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 14:14:24 ID:6JX8G3sq0
ID:kG1ZO/U2Oは本当に21歳以上か?
138養育係6:2006/11/05(日) 14:41:56 ID:uEj9R3BI0
少し、養育係について悪く言い過ぎたようです。
私はついつい言葉が過ぎてしまうことがあり、周りから時々注意されます。申し訳ありませんでした。
好きになれませんでしたが、今の私を作ったのはまぎれもなく養育係です。恩はあります。
それに、私のために熱心に動き回ってくれたことは確かです。ただ、どうにも私とかみ合いませんでした。

別邸の裏には小川が流れていました。
養育係は、体を鍛えておくように、と言って夏になると私を丸裸で遊ばせました。
あの頃は、冬になるとしょっちゅう風邪を引いていましたので、確かにその必要はあったのです。
けれど服を一切纏っていないとなんとなく不安になるものです。
私は普段覆い隠されている尻や胸のあたりをなんとなしに両手で隠して、遊んでいました。
あるいは目につかないようになるべく水の中に浸っていようとしました。
残念ながら水はガラスのように透き通っていて私の体を隠してはくれませんでした。
そんな時は、養育係は常に五十歩と離れていないところに控えていました。
加えて双眼鏡で一挙一動を観察していましたから居心地が良くありませんでした。
いつぞやは熱心に見守っているあまり口を閉じるのを忘れていたのでしょう。
ぬめぬめした唇の端から一筋のよだれをたらしていました。
職務に熱心であることは本来称揚されるべきなのでしょうけれど、気分の良くない光景でした。

また、私が風邪をひくと熱心に看病してくれました。養育係は医術の心得も相当ありました。
ただ、体の具合を確認するために私の肛門のにおいを嗅ぐのです。
この方法は養育係によると、体の調子を知る一番確実な方法なのだそうですが
ぶよぶよとした鼻が尻の狭間にわけ入り、肛門に荒い鼻息を感じるのはどうにも苦手でした。
確認はすぐにはおわらなくて、いつも砂時計の砂が2回落ちるほどの間続きました。
その間、尻を高く掲げなくてはならないのですから、ひどくくたびれました。
139養育係7:2006/11/05(日) 14:42:30 ID:uEj9R3BI0
ところで、こういったことはどうやら世間では変態的な行為だと認識されているようです。
ですが、養育係が私の身を案じてくれたことは確かですし、
何が変態的であるかという判断は難しいのではないでしょうか。
と言いますのも、世間では法律だの、常識だの、慣習だのを定規に人の為すことを評価しています。
けれど、そういった評価は、時やところによって移ろうものです。
現に、私たちの暮らしている社会ですら、昔とは様相が大きく変わりました。あらゆる価値が転倒しました。
よもやこのことはあなたも否定しますまい。
ですから、あの狭い別邸は一つの完成された社会であると考えるならば、
そこでは養育係の行ったことも変態的な行為ではないことになります。
あの時、あの場所では養育係が法であり、統治者であり、裁判官であり、全てでしたので。
そして、実際外の世界から切り離された小宇宙でした。

それに、養育係の行為が傍から見れば世間で言う変態的な行為だとしても、
養育係の意図が果たして変態的なものであったのかは当人にしかわかりません。
養育係は熱心に私の成長を手助けしてくれていました。そのことは私もわかっています。
確かに多少変わった方策を採ることはありましたが、
養育係の意図としては教育の一環であったのかもしれません。

私が養育係を好かなかったのは、変態的な行為をされたからではありません。
要は、私の趣味ではなかったのです。
あの怪異な風貌を好くことがどうしてもできなかったのです。
140養育係8:2006/11/05(日) 14:43:34 ID:uEj9R3BI0
話がいささかずれました。あのころは養育係が全てでした。私の生活は全て養育係に拠っていました。
衣食住といったことだけではなく、心の中まで養育係の支配下にありました。
養育係は何事も正直でなければならないという、確固たる信念がありました。
下着をぬらしたことを黙っていたことを養育係は深刻に受け止めたようです。
養育係は私の内面をしっかり矯正しなければならないと固く決意しました。
あるとき、計算を間違えた私に、大人の指三本分ほどの太さの棒を肛門に差し込みながら
養育係は諄々と説き聞かせました。
「坊ちゃま、人は動物ではありません。何が過ちであるのか自ら知らなければなりません。
ウサギや狐は自ら何をしているのかを知りません。しかし、人は知ることができます。
自ら知ることで人は動物と違った存在になるのです。
私が過ちを見つけてから謝っているようでは、坊ちゃまは野の獣と同じです。
これからは私が見つける前に、ご自分で過ちを犯したとわかったら、私に告げるようになさらなければいけません」
それから、養育係は尻を振ってもだえる私に禽獣に等しい知恵しかもたぬ人間がどれほど下げずまれ、
ひどい生活をする羽目になるのかをとっくり語ってくれましたので、私は震え上がって、何度も頷きました。

それからと言うもの、私は計算を間違えたり、綴りを間違えたら、自らズボンと下着を脱いで
尻を差し出さねばなりませんでした。そして、
「間違った悪い子のお尻の穴に棒を突っ込んで、罰してください」
と罰を請わなければなりませんでした。
そうすると、養育係は棒を私に差し込み、幼い性器を紐で縛り上げました。それでも足りないときは
洗濯バサミで乳首をつまみました。
141養育係9:2006/11/05(日) 14:44:53 ID:uEj9R3BI0
罰のとき抑えようもなくこみ上げてくる快感がなんであるのか、当時の私はわかっていませんでした。
養育係が私を罰するために掻き立てたなにかなのであろうと、思い込んでいました。
ただ、性器が固くなり先端から露がこぼれるのだけは、病気ではあるまいか、と怖くなりました。
しかし、これについても養育係が
「坊ちゃまの心が落ち着きを欠いている証拠です。
病気ではありませんが、大人になって心が落ち着かぬとこのようなことがまま起こります」
と丁寧に解説してくれたのでそんなものかと納得していました。
あのころの私は養育係の言葉を疑う知識も理由も持ち合わせていなかったのです。

もちろん、申し出なければならない過ちは勉強だけではありませんでした。日常全てに渡っていました。
うっかり花瓶を割ってしまったときや、ペンをなくしてしまったときも当然申し出なければなりませんでした。
いつぞやに、申し出をしなかったことが、養育係に露見してしまったときは、いつもより太い棒を入れられ、
乳首と性器の先端にはじんじんする薬を塗られて勉強部屋に半日放置されました。
体の奥底から湧き上がるえもいわれぬ快感は私の内を激しく焼きました。
熱の放出は許されることなく、のどが枯れるまで泣き叫びました。

この体験に懲りて私は養育係の目を掠めようとは思わなくなりました。
どのようなささいな過ちでも、養育係に申し出るようになりました。
なにせ、養育係は別邸の下働きを全て掌握しています。
私の行動はどこでどう見られて養育係に通告されるのかわかったものではないのです。
監視者の目を常に意識しなければならない状態でした。
また、己の行為が養育係の目からみて、過ちに当たるのかどうか、常に念頭において行動するようになりました。
こうして私は養育係の考えを外から強いられるのみならず、己の内側にも持つようになったのです。
養育係が心の中に住み着いたも同然でした。
私の思考はもはや私のものでなく養育係のものでした。私の目は養育係の目でした。
心の中まで支配下にあった、と云うのはこうしたわけがあるからなのです。
142養育係10:2006/11/05(日) 14:46:02 ID:uEj9R3BI0
ところで、養育係の与える罰は当節の基準からすれば、厳しすぎるのでしょう。
けれども、己の過ちを認めず、不正直がはびこる昨今においては、かような考えで教育に当たること自体は
おかしなことではないと思います。
こういうと、お前は養育係の呪縛の下にまだあるのだ、
ここはあの別邸ではない、それに時代はもう変わったのだとおっしゃられるでしょうか。
ですが、私は時代が変われど良きものは残すべきであると考えています。
私も年を重ね、今ではご存知のとおり息子もいます。
息子には昨今の風潮に流されず、きちんとした躾をしたいものです。

また話がそれました。どうにも私はまとまった話が苦手で、ご容赦下さい。
養育係の尽力にもかかわらず、私の過ちは減りませんでした。
あまり学問に向いていなかったのでしょう。始終、間違って、罰を受けていました。
養育係は私がいっかな向上しないのでなんとかせねばならないと、躍起になりました。
ついに学のある養育係ははるか南方の成人の儀式を書物から見つけ出しました。
雨多く、緑濃いその地では、男子は大人になる際に、成人男性の精を口や肛門に受けるのだそうです。
そうすることで、大人として変貌を遂げるのだとか。
養育係は南方の風習を私に試してみようと思い定めました。
説明を受けたとき、私は素直に養育係に感謝しました。
物覚えが悪く過ちの多い私のために、書物からあらゆる方策を探ってくれたのは事実です。
143養育係11:2006/11/05(日) 14:47:17 ID:uEj9R3BI0
儀式は月の冴えた夜に私の寝室で行われました。
秋でした。カーテンの隙間から一条の澄み切った白い光が流れ込み、養育係の顔を照らし出しました。
その顔は養育係が語って聞かせる地獄の悪鬼を思わせ、私は軽く身震いしました。
養育係は、着物の間から黒々とした性器を取り出しました。
さらに着物の隙間からは、肉が幾重にも折り重なった腹が垣間見えました。
私は正視しないようにそっと目をそらしました。
養育係の性器は太くて大きく、さらに顔を近づけるとむっとする臭気が鼻をつきました。
ですが、私がまっとうな大人になるためです。必死にこらえて、臭い肉棒を口に含みました。
「坊ちゃま、もっと舌を使って。そう。裏の筋もきちんと舐めるのです」
養育係は細かな指示を出してきます。必死に従いました。
やがて、養育係の性器は充実し、私は首尾よく口にその精を受けることができました。
苦さと生臭さに気が遠くなりかけましたが、必死でそれを嚥下しました。
144養育係12:2006/11/05(日) 14:48:30 ID:uEj9R3BI0
儀式はその晩だけでは終わりませんでした。
一晩精を受けたくらいで私の性質が変わるということなどありえませんでしたので。
私は来る晩も来る晩も、口腔に肛門に養育係の精を受けました。
どちらかと言えば、肛門で受けるほうが好きでした。
第一に臭い匂いをかがなくてすみます。
第二に口に養育係の巨大な性器は余るのですが、肛門はすでに罰のおかげで異物の挿入に慣れていましたので
存外すんなり太いものを受け入れることができました。
それに、ある一点に快楽を激しく掻き立てる箇所があって、そこを突かれると
これが大人になるための大切な儀式であることも忘れて身も世もなくよがってしまいました。
「あんっそこいいっ……もっと」
養育係は首尾一貫していましたから、このような時も正直であることを求められました。
私はどこがいいかという他にも、性器がむずむずしてたまらないことや、
乳首が固くしこってじんじんすることなどを全て詳細に養育係に告げなければなりませんでした。
正直に私が告げると、養育係は乳首をつまんでくれたり、性器をこすってくれたりしました。
私は次第に積極的に、告げるようになりました。そして儀式から幾ばくかの悦びを得ることになったのです。
そんなわけでこの儀式自体はそれほど苦痛でもありませんでした。
罰の時には許されない熱の放出が儀式のときは許されるのも、ありがたいことでした。
ただ一つだけ難がありました。精液を放出することは養育係にとって少なからず労を要すのでしょう。
吐精の際に、おうおうと奇怪な声を上げるのです。その声はどうにも慣れることができませんでした。
145養育係13:2006/11/05(日) 14:50:07 ID:uEj9R3BI0
けれど、私たちの暮らす社会があっという間に大きな変貌を遂げたように
私の小宇宙もある日、終焉を迎え、あらゆる価値が覆されました。
全ての社会とその価値は突き崩される運命にあるようです。
であるならば、一つの社会の価値を絶対として他を否定するのはおかしなことではないでしょうか。

きっかけは私が父の屋敷に呼ばれたことでした。
母亡き後、私のことはすっかり忘れていた父でしたが、健康の衰えを感じて
跡継ぎの顔を見ておこうと思った模様です。
父は私を書斎に来させ、じろじろと観察しました。視線の冷たさに私は震え上がりました。
別邸ではこのような冷たい取り扱いを受けたことはありませんでした。
私はどうしたらよいのかさっぱりわかりませんでした。
父が私にいくつかの質問を投げかけたときには舌はもつれ、膝は踊って
まともな返事は到底できないありさまでした。
う、とかあ、とはうなる私に父は大層立腹しました。
「いい年をして、なんだ。その要領をえない返事は。お前が私の血を引いているのかと思うと胸が悪くなる」
父は語気荒く私を叱り飛ばしました。
思わぬ事態に頭は混乱しました。
父に好かれているなどとは思っていませんでしたが、まさかここまで叱られるとは予想もしていないことでした。
それに別邸では毎日が予定通りに過ぎていきましたので、私はこうしたとっさの出来事には弱くなっていました。
父が怒っています。その原因は私がまともな返事ができないことにあります。
そして、まともな返事ができないということは、私が過ちを犯したということであり、過ちは直ちに認めなければいけない。
私は養育係の教えを忠実に実行しました。
ズボンと下着を脱いで、父に尻を向け
「間違った悪い子のお尻の穴に棒を突っ込んで、罰してください」
と願いました……。

父は恐ろしいものを見るように私を眺め、じりじりと後ずさりそれから机の上の呼び鈴を激しく鳴らしました。
屋敷は上へ下への大混乱になりました。
146養育係14:2006/11/05(日) 14:52:27 ID:uEj9R3BI0
その時以降、養育係とは会っていません。私は別邸から父の屋敷に移されました。
父の屋敷の者たちは養育係を口を極めてののしりました。
昨日まで、全てであったものが根こそぎ否定されたのです。私は混乱しました。
養育係は悪質な小児性愛者で、私はその犠牲になったのだというものもいます。
ですが、養育係が小児性愛的な意図を持っていたのかどうか、私は存じませんし確かめるすべもありません。
子供の躾のために食事を抜くことは今日でもあります。
こういった躾は生理的な欲求を使って子供を統制しようとしているのです。
養育係が行った躾も、食欲ではありませんが、生理的な欲求を利用した躾と言えなくもありません。
それに先刻から申し上げましたとおり、
方法には問題がありましたが、養育係の教えには認めるべきものも多いように感じられます。
正直であれ、過ちを認めよ、というのは今日においてもなお貴重な教えではありますまいか。
私がこのように言うと、
自分が悪質な小児性愛者の犠牲になったという残酷な事実を認めたくないがために
自己欺瞞をしていると責めるものもいます。私の父がそうでした。
なにが真実であるのか、いまだ私には判断がつきません。
また、養育係の風貌は全く私の好むところではありませんでしたが、
生きていくということは不快なものや好みでないものをある程度許容しなければならないということでもあります。
父の屋敷で、あるいはその後社会に出て私は何度もそれを痛感させられました。
居心地の良い己の好みのものだけが詰まった世界というものは地上のどこにもないのです。
147養育係15:2006/11/05(日) 14:53:11 ID:uEj9R3BI0
ただ養育係は私の体に激しい肉体的渇望を植えつけました。
父の屋敷に移されてまもなく、私は夜中に寝付けなくなりました。
体が、刺激を求めてうずくのです。
ついに私は父に隠れて、庭師や下働きの男たちで欲求を満たすようになりました。
それは恥ずかしながら現在まで続いていて、この屋敷に屈強な男の下働きが多いのはそういった理由もあるのです。
あの後も養育係が私についてましたら肉体的欲求を抑えるすべも学べたのかもしれませんが
ああなってしまったのでいたし方ありません。

ああ、おっしゃられていたのは私の息子の件でしたね。
この屋敷は私が主人です。私が法です。とかく言われる覚えはありません。
法は家庭に入らずでしたか。そういった言葉もありました。
あなたがお好きな社会で広まっている常識です。
それはともかく、あらゆる社会はそれぞれの法と価値を持つのです。
ここにはここの法と価値があります。
ですからこの件に関しましては、意見は無用です。


148風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 15:07:56 ID:LHTlgSTQO
ごめんなさい、息子って自分の子どもって意味じゃないんです。
詳しくはかけませんが。まだ一人身です。
半年ロムります
149風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 15:15:51 ID:kG1ZO/U2O
他人さまの投下の直後に自分語りをする意味がわからない。
養育係たん乙です。
もっと強いオチがあるとよかったけど、
このスレ受けする話だったんじゃない?
150風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 15:25:44 ID:J9CHlsEH0
養育係タン、超GJ!
自分的にはオチがないからこその淡々としたところが好きだ。
当たり前になってしまった陰惨な恐怖を感じる。
151風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 15:29:31 ID:IAPWPRB10
息子何されてんの──────(゚Д゚)──────!??
養育係タン乙でした!!
152風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 16:13:20 ID:tHvTBX8H0
うわぁぁああ怖い…この淡々とした怖さ、めちゃくちゃツボ。
養育係さん、乙でした。すごく面白かった。
153風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 19:22:23 ID:kG1ZO/U2O
絡みスレに遊びに行ったら、このスレの面倒見のいい姐さんが、
あちらの住人さんに、自分の不作法な振る舞いをわびて下さった!
感激。ここは、いいひとがいっぱいだ〜。
154風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 20:34:34 ID:RzSnpfbz0
お待ちしてました!養育係さん、この冴え冴えとした文章…!
すてきです。ありがとうございました乙です。
155風と木の名無しさん:2006/11/05(日) 21:43:43 ID:YMTNdaomO
>>153
意味不明
156風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 00:00:28 ID:NQ7hrQCWO
sageろ
ID:kG1ZO/U2Oくらいスルーしれ
157風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 00:45:10 ID:Uj1aG8ejO
なんか最近の作品はこう胸にガツンとこないっつーか面白いんだけど物足りないんだよなぁ。
へたな前フリはいらんからエロ読ませて!めちゃ鬼畜なやつ!
158風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 01:03:01 ID:w5n6i+71O
本スレ好きキャラ、93うざい。
スルーしとけよ。のこのこ出て来んな。
投下者が痛い子だと、作品に萌えた自分を恥じたくなる。
159風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 01:20:42 ID:Ygce91vp0
>158
お詫びにかこつけたサイト立ち上げの宣伝でそ
いい弗になりそうだ
ヲチスレで待ってるよw
160風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 01:39:43 ID:i+GbqOo50
>>157は、エロシーンのみでもOKってタイプだよね?
萌えシチュとか書いておけば、誰か職人さんが書いてくれるかもよ。
161風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 01:44:10 ID:xLsm+Zsr0
>>158 書き込みdクス。
おかげで嬉しい情報を得られた。
サイト立ち上げメチャメチャ楽しみだ。
162風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 02:13:35 ID:oooE7Ck7O
自分もサイトが楽しみ。
それと、養育係超乙。文うまい人はいいわね。
163風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 02:15:21 ID:w5n6i+71O
絡みスレと愚痴とチラ裏行ってきた。
ちょっとだけ、スッとした。
164とらわれの螺旋 1/6:2006/11/06(月) 03:10:30 ID:6eXIHGpf0
投下します。長い割りには今回導入のみです。
それでもよろしければ、どうぞ。

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――ずっとずっと昔に見た、遠い幻影。それにもうずっと、捕われている……。


――退屈だな。
 朝の日差しに目を灼かれ起き上がりながら気怠そうに髪を掻き上げ、流(りゅう)は心中でこっそりと呟いた。
 ズボンだけを身に着け、ベッドに腰掛ける流の足元では、何人かの男女が全裸となって呻き声を上げながら広い部屋の中に転がっている。
 その表情は苦痛と快楽と狂喜に彩られ、虚ろな目線を中空に投げかけていた。
 流はそれを見下ろしながら、ゆっくりと部屋の中を歩き回る。ベルトに挟まれた一本の乗馬ムチが、部屋の照明を反射して鈍く光った。
 流は彼等を見下ろしながら考える。自分の欲求を満たす存在を。
 こいつ等では不足している。自分の飢えは、乾きは、決して満たされることはない。
 一時の快楽もいらない。既にこいつ等では出来上がってしまっているし、こいつ等にムチをくれてよがらせたところで、既になんの楽しみもない。
165とらわれの螺旋 2/6:2006/11/06(月) 03:11:16 ID:6eXIHGpf0
 新たな犬を調教するにしろ、その過程はもう自分の中に染みついてしまっていて、これまた退屈だ。
 飼い主としての義務は果たすが、これ以上はもう要らない。
 なんでも手にはいるからこそ欲しくなる。決して自分の手に入らぬ存在が。
 もしそれがあるとすれば……。
 流は一瞬己の脳裏に浮かんだヴィジョンを、苦笑と共に振り払った。
 幼い日に奇妙な縁で出会った、一週間ほどを共に過ごした少年。
 あれからもう、十年以上経つ。再会など、叶うはずがない。
 流は部屋の隅に置いてあった煙草に火を付け、深々と吸い込んだ。ゆっくりと煙を吐き出し、窓の外を見上げる。
 外は非常によく晴れており、鳥のさえずりも心地よく聞こえてくる。こんな日に、こんな爛れた部屋にいるのも勿体ない。
 流はムチを部屋の中に放ると、シャツを羽織って部屋の外に出た。
 広い屋敷の中を歩き回り、真っ直ぐに自分の部屋を目指す。その際執事を呼んで、先程の部屋にいる犬たちの世話を命じておいた。
 そうしてから新しい服に着替え、屋敷の外へと出る。
 現代の若者に溶け込むような服を選んでいるから、共も付けずに屋敷の外へ出たところで、自分が大企業の一人息子だと気付くものはそういないだろう。それに、自分の身くらいは自分で守れる。
 ただ自分の顔を見ると間違いなく女どもが騒ぐので、申し訳程度にサングラスは身に付ける。
 流はゆっくりと、足の向くままにふらふらと歩き始めた。
166とらわれの螺旋 3/6:2006/11/06(月) 03:12:52 ID:6eXIHGpf0
 どれくらいか歩いたところで、昼になった。迷わず手近にあったファーストフード店に足を向ける。
 こんなところを見ると執事にうるさく言われそうなものだが、関係ない。どうせどんなものを食べたって、自分にとっては一緒なのだから。
 トレイを手に上の階に行こうとしたところで、階段の上から派手な物音が聞こえた。なにやら怒鳴り声も聞こえてくる。
 そして、店員や客の悲鳴。
――五月蠅い連中だな。
 流は眉を顰め、ゆっくりと階段を上っていった。
 自分はもっと気分を落ち着かせて飯が食いたいんだ。こんなところでくだらん騒ぎを引き起こす連中は……叩き潰す。
 そう思いながら階段を上っていくのにあわせるように、少しずつ物音が小さくなっていき、怒鳴り声の人数も減ってくる。
 不審に思いながら足を速め、一気に階段を上りきると、目の前で丁度、最後の一人の大柄な男が一人の少年によって打ち倒されるところだった。
 学ランを着た男の鳩尾に拳が深々と食い込み、呻き声すら立てられずに男が崩れ落ちる。
167とらわれの螺旋 4/6:2006/11/06(月) 03:13:44 ID:6eXIHGpf0
 見ると、それをなした男の周囲には似たような風体の男たちが揃って気を失って転がっている。
 あの連中は見覚えがある。確かこの辺りの都立高校の空手部員じゃなかったか。それを、たった一人で倒したというのだろうか。
 年はおそらく、自分と同じくらいの十代後半。引き締まった長身と、それに似合わぬ童顔と、柔らかい猫の毛。
 しなやかな身のこなしと、まるで野生動物のように爛々と輝く瞳は、流の目を釘付けにした。
「舜……」
 かつての幻影が脳裏に過ぎる。幼き日の記憶がフラッシュバックする。
 たった一週間を共に過ごし、すり抜けるようにして消えてしまったあの日の少年。
 目の前にいる男は、あの少年の面影をくっきりと残していた。
 その呟きが聞こえたのだろうか。ゆっくりと男が流を振り返る。サングラス越しに、目があった。
「……誰だ、アンタ」
 しかし男の返事は素っ気ないものだった。それきり興味を失ったとでも言うように、流の脇をすり抜けさっさと歩きさってしまう。
 流は思わずそれを見送りながら、湧き起こってくる笑いを堪えきれずにいた――
168とらわれの螺旋 5/5:2006/11/06(月) 03:14:34 ID:6eXIHGpf0
「舜……」
 古びた紙片を眺めながら、流はうっそりと呟いた。そこにあったのは、下手くそな字で書きつづられた幼い舜からの手紙。
 ただの画用紙にクレヨンで「りゅう、ありがと」とだけ書かれたその手紙を、流はずっと捨てることはなかった。
 舜の両親が亡くなり、舜の親戚が正式に引き取りに来るまでの一週間、舜はこの屋敷で過ごした。
 初めて来る大きな家と、知らない人間ばかりの場所で、舜は決して誰にも懐くことなくここにいた。
 ずっと野生動物のような目をしてギラギラと周囲を見渡す舜に、僅かでも近づけたのは流だけだった。
 一週間に交わすことが出来た言葉など微々たるものだったが、それでも最後の方では舜は僅かに笑みを見せた。
 そして最後の日。舜が残した、流に宛てた手紙とも言えないような手紙。その手紙は、ずっと流の心の奥の引き出しにそっとしまわれていたのだった。

――欲しい。

 舜は、変わっていなかった。あの日の野生生物のままだった。
 今度こそ、今度こそ手に入れたい。その為なら……どんな手でも使ってやる。
 美貌を笑みの形に歪め、流は紙片を眺めながら小さく肩を震わせ続けていた。
169とらわれの螺旋 :2006/11/06(月) 03:17:22 ID:6eXIHGpf0
今回は、ここまでです。
分数計算間違えて申し訳ないorz
では。
170風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 05:59:36 ID:9VF/+oufO
乙!
171風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 07:19:57 ID:6vxeCj650
螺旋タン乙です。
続きwktk

>>170
ケータイからでもsage忘れるな。
172風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 07:55:43 ID:9VF/+oufO
パソからですが。なにか。
173風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 08:10:31 ID:w5n6i+71O
とりあえず乙です。
待ってる書き手さんは投下を再開して下さらず、
また、つまらねぇー話がはじまった…orz
最初の1レスで、足元すくわれて、さらわれる様に物語の中に連れていかれる
そんな吸引力のあるエロい鬼畜話が読みたいな。
メインキャラが登場しているわりに萌えのない導入を、
だらだら書かれると、その先に期待が持てなくなる…。
キャラとストーリーに魅力がないって致命的。
誰か自分にこの話の萌えどころを教えて下さい。
174風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 08:31:01 ID:O1Z0S4MCO
(^-^).。oO(お前さんがいるから待ってるという書き手さんが敬遠してるんじゃなんて言えない…)

とケータイからカキコ。
175風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 10:56:02 ID:oooE7Ck7O
螺旋乙。超がんがれ。
>>174
まじやばい。要スルー。
176風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 12:23:52 ID:vzU/YNdp0
煽りとかじゃなくたぶんほんとの心障系やばい人なんだと思う。
ちょっとぞっとするね。
177おかまの蒲江:2006/11/06(月) 13:40:18 ID:w5n6i+71O
蒲江ですっ。浦江じゃないわよぉ。『かまえ』って読むの。
かまってちゃんの、おかまの蒲江ちゃんって覚えてちょーだい。
あたしは、28年前の4月4日、スミレの節句、おかまの日に産まれたの。
工事はしてないわ。女装は大好きだけど、男の子なあたしの身体が嫌いなわけじゃないのよ。
おちんぽが好き。おなにーが好き。あなにーは、もっと好き!
でも痛いのはいやっ。恐いのはいやっ。あたしは逃げたくてもがいたわ。
醜男にチングリ返しにされて、ワンピースがおへそまで捲れてる。
っあん、バックレースのショーツが奪われたわっ!助けて、誰か助けて。
犯されちゃうっっ。お気に入りのローズピンクのショーツが脚から引き抜かれて、
おちんぽが外気にさらされたわ。寒い。もう、霜月よ!
あたし、美容師なの。月曜日はお休みなのよ。パリジェンヌ気取って、
おしゃまなトイプードルのパフィーと公園をお散歩してたの。それだけよ。
ぶさいくな男が、拙い手つきであたしのタマタマを転がしてる。
武骨な指で膨らんだおちんぽを扱いてる。いやっ、いやっ、ちっとも気持ちよくない。
生ぬるいぜ。違う、恐いっ。恐いのよ。ゴムは?ローションは!?
まさか、あたしの先っぽからちょっぴり染み出してるおつゆに
あんたの唾を少々付けて、あたしの中に押し入る気!?
無理よっ、無茶よぉ!あたしの後孔、硬いのよっ。
あんたのおちんぽが、どんなに堅くても、こじ開けられないわ!
まず指を入れるのよ。指にコンドームをまとって、やさしくほぐしてっ。
あぁ、衝動に任せないで。やめて、やめて、慣らしてっっ!
男は息を吸い込んで、不器用にゴツゴツあたしに腰を打ち付けたわ。
「アッーーーーー!」
光が駆ける。ストロボをたかれたみたい。真っ白で眩しいの。
お尻が熱い、熱いわっ!あ、あ、痛いっ、痛い…っ。
あたし、お尻の中にもぐり込んでるこのおちんぽを愛せない……ッ。
酷い。酷いわっ。あれっ、あれれ?涙がとまらないわ?
後孔が灼ける。お尻が割れる。糞っっ!!!
終わり
178風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 15:25:30 ID:2hMZHXNwO
>177
最近ヲチるの楽しくなってきた。踊ってハニー。
179風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 16:34:25 ID:r2WOI2gT0
>>177
> あたし、美容師なの。月曜日はお休みなのよ。パリジェンヌ気取って、
> おしゃまなトイプードルのパフィーと公園をお散歩してたの。それだけよ。
  (ここdドル)
> ぶさいくな男が、拙い手つきであたしのタマタマを転がしてる。

書くなら書くで、
きちんと状況説明しろぃ
180風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 16:50:37 ID:LmSifgDZ0
だから構うなって。今一時退院してるみたいなんだからw


664 :風と木の名無しさん :2006/11/06(月) 01:58:20 ID:w5n6i+71O
鬼畜

ドドがお詫びにかこつけて、サイト立ち上げの宣伝をしやがった。
荒らしてやる。荒らしてやる。荒らしてやる。
181風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 17:35:20 ID:vP40pPgo0
>>180
吹いたww
182おかまの蒲江:2006/11/06(月) 17:51:39 ID:w5n6i+71O
教えてくれて、ありがd。
挿入→突然後ろから襲われたの。ヒールが折れたわ。
リードを離したら、パフィーは走り去っちゃった。薄情なわんこっ!
パフィーを目で追ってたら、タマタマを鷲掴みにされたわ。
ウッー!って叫びながら蹲ったら、サッカーボールみたいに
植え込みの陰に蹴り飛ばされたの。
のしかかられて恐かった。
183風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 18:02:34 ID:Uj1aG8ejO
これは…神降臨の予感…!
184風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 20:10:14 ID:Daf/PbDg0
スカーレットたん?
185風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 20:15:57 ID:O1Z0S4MCO
こういうのも電波系というのだろうか
面白ス
186風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 20:28:27 ID:SremzPdyO
吸引力のある……と言われて一瞬思い浮かんだ。

受は息子と乳首をを掃除機で吸われ、孔は宿便を取る装置で犯されている。あまりのことに苦しみ悶えたいのに、口ではバキュームFを強要され………なエロシーン。
吸引力の意味が違うのはわかっている。
187風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 21:47:19 ID:/tdPrDho0
萎えスレに来たかと思ったじゃマイカ
188風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 22:41:27 ID:w5n6i+71O
自分、荒らしかもしれない…orz
二日にわたり、ご迷惑をおかけし、
深く反省しております。なにとぞご容赦ください。
不本意ながら絡んでしまった書き手の皆さま、
お詫びの申し上げようもございません。
久しぶりの外と2chにはしゃぎすぎました。
ラーゲルに帰ります。
189風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 23:18:03 ID:MTOBJAWH0
>188
客観的に見て自分が荒らし「かもしれない」
としか思えないようならラーゲルとやらにとっとと帰ったほうがいいだろうね
「かもしれない」ではなく、ただの荒らしだからwwwww


本当に悪いと思ったら黙って去るものだ
かまって欲しそうだったからかまってやったよ
190風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 23:41:02 ID:w5n6i+71O
ありがとうございました。
本当にありがとうございます。
191風と木の名無しさん:2006/11/06(月) 23:45:25 ID:Uj1aG8ejO
>>188
いっちゃうのか…ここの住人厳しいからな…笑ってやり過ごせばいいのにさ…
192風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 00:06:24 ID:EI2JJhdd0
シャレで済むレベルなら笑ってやり過ごしますが何か。
193風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 00:10:06 ID:oTjuMnYg0
>191
去ると予告する基地外厨は、必ず戻ってくる法則
ここでかまってもらえると味をしめたようだから心配しなくても
また舞い戻ってくるだろうよ…

塚、投下者にパクリだのなんだの暴言を吐いて
風向きが悪くなると病気(?)を理由に逃走かよ
甘えすぎだ
ID:w5n6i+71Oの私生活なんざどうでもいいわけなんだが
194ひみつの検疫さん:2024/12/02(月) 18:37:30 ID:MarkedRes
汚染を除去しました。
195風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 01:53:55 ID:o6FWo8EDO
無知は罪。悪気が無いほどタチが悪いものはない。
という理由から、つまらんものは読まんとです。
主観以前の問題です。
196あさぼらけ:2006/11/07(火) 02:09:34 ID:djQ5GRhlO
前スレに投下した話の結末です。
エロなし・血の描写あり。文体変えています。


御牢番は牢の掃除をしていた。真っ昼間、この牢に居た囚人が死んだ。
朝な夕なの拷問に身体が、持たなかったのだろう。
囚人が使っていた寝床がわりの湿ったワラには、べっとりと
赤茶けた血が着いていた。
囚人は毎日、刑部省の者に杖で背を打たれていた。
裂けた肉から赤身を覗かせ、傷が癒える間もなくまた、杖を受け、
囚人の背中はいつも汚血にまみれ膿んでいた。
牢番は、「昨夜の夕げの碗に入っていた、向こうが透けて見えるほど薄い白い大根を箸でつまみ、
朝の月のようだと遠い目をして呟いていた囚人の横顔」を思い出した。
帝のお怒りをかう前は、そのご寵愛を一身に受けていただけあり、
囚人の容姿は、拷問で病み衰えても、この世の者とは思えぬほど美しかった。
それもそのはず。囚人は月の都の者だ。
けれども、いつか、いつか、と見上げていた恋しい月には帰れぬまま、
囚人は下界で朽ち果てた。            了
197風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 02:22:04 ID:QDEJxB45O
あさぼらけ乙。
前スレと同じ人なのかは、文才無しの私にはわからない。
でも、そんな詮索はどうでも良いくらい好みの文だよ。
寂寥感?救いがないのがイイヨー。
198風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 07:27:54 ID:Kdh+DIJPO
あさぼらけタン乙。
どうなるんだ?
それともこれで終了?
199風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 12:37:33 ID:xjJYu38L0


と書いてあるよ
200A dog and his lord:2006/11/07(火) 13:11:17 ID:UeIE62hP0
投下中断してすみませんでした。
長めに投下します。
明日投下分で終わりです。
201A dog and his lord 17:2006/11/07(火) 13:13:27 ID:UeIE62hP0
前々スレ>>79のつづき

散々待たされて招き入れられたトレーニングルーム。
ドアが開いた途端、耳に入ってきたのはジュンのすすり泣きだった。
いや、すすり泣きと言うより泣きがれた嗚咽、止まらないしゃくり上げか。
ジュンは、先日と同様ご主人様の上に座らされ、背後からゆったりと抱きかかえられていた。
うつむいてうなじをさらし、華奢な肩を揺らして喘いでいる。
「残念だったな、ダン」
ジュンの姿と声に気をとられて突っ立っている僕を鼻で笑うように、ご主人様が楽しげに仰る。
「ジュンはお前の口より自分の右手の方がいいそうだ」
今度は壁面の大鏡――おそらくはそこに映るジュンに視線を移されると、
ジュンはハッとして顔を上げ、右手の動きを大きくした。
「そうだ、さぼるなよ。それに鏡から目を離すんじゃない」
ジュンは泣きながらも、まっすぐ前を向き鏡の中の一点を見つめる。
その先にあるのはご主人様の目か、あるいはご主人様に貫かれながら自らの手淫に興奮する自身の姿か。
あくまで愛らしく甘えて媚びる常のジュンからは考えられない姿だ。
きっと、ジュンもご主人様を僕に奪われまいと必死なのだ。
ジュンの努力は完全に成功しているように見えた。
鏡の中で見つめ合うご主人様とジュン。もう僕などはいないと同じだ。
ならば、何のために僕はここに連れてこられたのだろう?
ご主人様とジュンの時間を、世界を見せつけられるためか。
202A dog and his lord 18:2006/11/07(火) 13:14:14 ID:UeIE62hP0
「私のために自分を磨くのだろう? いいか、顔は愛らしく、そこはいやらしく、後ろは敏感にだ」
鏡の中のジュンに向かって囁くように仰りながら、ご主人様の腰も揺れる。
「そうだ、もっと刺激しろ」
またうつむきかけたジュンの髪を掴んで顔を上げさせ、更にもう一方の手指を2本しゃぶらせる。
「んくぅっ…………、ぅ……ん」
返事よろしく甘ったるい鼻声を発し、くちゅくちゅとご主人様の指をしゃぶりながら、
ジュンは右手を加速した。目を閉じ、鼻筋を上げ、恍惚とした表情を浮かべて。
「ジュン」
なんと、ご主人様に呼ばれても気づかないほど没頭している。
「ジュン、手を離しなさい」
その態度は当然主人様に咎められた。
「その手は何のためにそこにあるんだ? あ? 
 私を楽しませるためか? それとも自分が気持ちよくなるためか?」
ジュンを相手にいつになく厳しい叱責だ。
「ぁ……」
ジュンはそろそろと右手を引っ込めるが、ご主人様は見逃してなど下さらない。
「答えなさい、何のためだ」
「……ご、主人様……に、楽しんで……頂くため……です」
「ほぉ、心にもないことを言う口だな。今の今まで私の楽しみなど微塵も頭になかったではないか」
ご主人様の大きな御手がジュンのペニスを握りしめた。
「お前の頭にあったのは、ここを気持ちよくすることだけだ」
感じてなのか怯えてなのかピクンとジュンの身体がはねる。
「イキたい、イキたい、イキたい、それしか考えていなかったんだろうが。違うか?」
仰るとおりだ。僕にもそうとしか見えなかった。ほうら、ジュンは答えられない。
「違うか?」
ご主人様が更に厳しい口調で繰り返されると、
ジュンはそれでも答えられずにただ頭を横に振りながら泣くばかり。
今日のご主人様は、いつにましてご機嫌がよろしくないのかもしれない。
いよいよ僕の出番だと思った。
僕はご主人様のお声を今か今かと待っていた。
しかし――
203A dog and his lord 19:2006/11/07(火) 13:15:10 ID:UeIE62hP0
ご主人様の怒りの矛先は、ここに控える僕ではなく直接ジュンに向けられた。
泣き続けるジュンを長椅子に転がし、脚を掴んで持ち上げた小さな尻を一気に深く貫くと、
普段の扱いからは考えられないほど激しく攻め立てられた。
キーキーとやかましくジュンが泣き叫ぶ。
「うるさい、そうして一日中泣き喚くつもりか。お前のかなぎり声はたくさんだ」
ご主人様のお言葉は、当のジュンばかりか僕までもひどく落ち込ませた。
ご主人様はジュンを泣かせることに飽きてしまわれたのだ。
同時に、久々に巡ってきた僕の出番も潰えたということだ。
ご主人様は、まるで間に合わせのようにジュンの尻を使われると、
ジュンを長椅子から退かせて、ご自分はシャワールームに行ってしまわれた。
残された負け犬二匹。
今日ばかりは、ご主人様のご不興を買ったジュンを、いい気味と嘲る気にもなれない。
執事がテキパキとジュンの身体を拭き上げ、僕たちは犬舎に戻される。
僕も、そして多分ジュンも、全く見えなくなった未来への不安におののいていた。
ジュンからご主人様を奪い取ろうと画策した僕。
そして、その僕の企みを退けようと常にない振る舞いをしたジュン。
結局僕たちは揃ってしくじったのだ。

その日、ご主人様は犬舎に近づこうともなさらなかった。
ジュンは一日中そわそわと落ち着かず、メソメソべそをかき、時に声を上げて泣き喚く。
僕はといえば、さすがに慣れた状況とはいえ、
久々に心躍った企みの頓挫にすっかり気落ちしてしまっていた。
そんな中、唯一リューだけがいつもと変わらず優雅にゆったりと過ごしているのが鼻につく。
ご主人様の関心がリューに移るのではないか、そんな予感がした。
204A dog and his lord 20:2006/11/07(火) 13:15:55 ID:UeIE62hP0
僕の勘は間違ってはいなかった。
その後2日ばかり僕たちにお呼びはなかったが、
3日目の朝、執事が犬舎から連れ出したのはやはりリューだったのだ。
そして、リューは丸3日戻って来なかった。
ご主人様は僕とジュンの醜い争いに気づいてしまわれたのだ。
そんな僕たちに嫌気がさし、穏やかなリューをお側に置いておられるのだ。
僕の中でリューへの嫉妬心が色濃く、どす黒く渦巻き始めた。
嫉妬心が生む妄想が次から次へと湧き上がってくる。
ご主人様の横にゆったりと横たわるリュー。
ゆるくウェーブのかかった金髪をなぜて頂き、優美にたわんだ背をなぜて頂き、
青い瞳をのぞき込んで、うっとりと接吻まで頂く。
リューはあの細い指でご主人様にご奉仕するのか、あるいはあの赤く艶めかしい口で……
ご主人様は、リューの綺麗な肢体がお気に入りだ。
きっと真っ白なシーツの上に横たえ、全身くまなく愛されるのだ。
いや、ご自分の上に乗せて優雅に踊り悶える様を愛でられるのかもしれない。
リューの白い肌は、ご主人様に愛されるとピンク色に染まる。
ご主人様は常々、それが一番の魅力と仰っていた。
僕は一度だけご主人様に抱かれピンクに染まるリューを目の当たりにしたことがあった。
肌をピンクに染めながらリューはうっとりと目を閉じ、赤い唇の隙間からふぅと吐息を漏らす。
その様は、美しく造られた造形が溶けていくように見えるのだ。
美しいリュー。優雅で穏やかな気性のリュー。
決してご主人様にご不快な思いなどさせないリュー。
嫉妬に燃える僕と若く血気盛んなジュンの振る舞いに嫌気のさしたご主人様は、
今、リューのような犬をお求めなのだ。
3日の間、僕は、ご主人様の腕の中でピンク色に染まっていくリューの姿を幾度も幾度も思い描き、
嫉妬と後悔に身を捩っていた。
ご主人様は、僕たちにはお姿さえ見せては下さらない。
僕の心はきしんできしんで壊れそうに痛んだ。
ジュンが隣で同じ思いを抱え苦しんでいるのだという確信がなければ、
犬舎を抜けだして屋敷中ご主人様を探しまわったかもしれない。
205風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 13:22:15 ID:OvmfW3YiO
支援
206A dog and his lord 21:2006/11/07(火) 13:22:42 ID:UeIE62hP0
しかし3日間の思いをぶつけようと待ちかまえていたリューは――
犬舎に戻ってきたリューは、一見いつもと変わらず静かに落ち着いていた。
が、何かが違った。疲れなのか、気持ちが沈んでいるのか、明らかに容色が落ちていた。
まさかご主人様は、ご不満をリューにまでぶつけられたのだろうか。
美しさを愛でるのではなく、不満をぶつけるものをお求めなら、ここに僕がいるのに。
僕を心ゆくまで折檻して憂さを晴らして下さればよいのに。
しかし、相変わらずお姿を見せて下さらないご主人様には、訴える術もない。
リューが戻ってきてからまた何日か、僕たちは揃ってお呼びもなく放置された。
ご主人様は、犬に飽きてしまわれたのでは……
僕はそんな心配さえ抱き始めていた。
もう幾日、ご主人様のお姿を拝していないだろう。
最後にお言葉を頂いてから何日経つだろう。
折檻の痛みの記憶さえ、あざと一緒に消えかけている。
しかし、これまでだって僕は見向かれず、犬舎でひたすら待つ日々を過ごしてきたのだ。
リューが明らかに気落ちし、ジュンにいたっては始終メソメソ泣き続ける中、
こんな時こそ僕が「頑丈な犬」をアピールしなければ。
その思いが僕を支えていた。
しかし、そんな支えはあっさりとへし折られた。
ご主人様は、もう頑丈な犬など必要とされていないのだ。
207A dog and his lord 21:2006/11/07(火) 13:24:21 ID:UeIE62hP0
その朝、朝の身繕いが終わろうという頃、執事がやって来た。
「リュー、ジュン、ご主人様のお食事のお相手だ」
何と呼ばれたのは2匹。僕を除いた2匹。
ご主人様は僕だけを避けられているのだ。
放心して呆然となったまま執事に連れられていく2匹を見送る。
随分と長い間、僕はそのまま身動きもできずにいた。
ハタと気が付けば、がらんとした犬舎にただ1匹。見捨てられた犬がただ1匹。
それでも微かな希望に縋って部屋の扉をじっと見つめ、開け開けと懸命に念じてみる。
しかし、何十分後か、何時間後かには、無意味な希望は僕を更に打ちのめしただけだ。
不安とか、悲しいとか、そんなレベルではない、訳のわからない激しい感情が一気にあふれ出した。
僕はご主人様に捨てられる。僕はご主人様に捨てられる。捨てられた。捨てられた。捨てられた……
「ご主人様! ご主人様! ご主人様ーーーっ!」
大声で喚きながら犬舎中暴れ回り、そして、いつしか犬舎を抜け出し部屋も抜け出して……
208A dog and his lord 23:2006/11/07(火) 13:25:11 ID:UeIE62hP0
食堂はとうに片づけられていた。
トレーニングルームは真っ暗だ。
庭に出ようとしたが、雨が降っている。
屋敷内をむやみに走り回った末、もしやと思い寝室に向かう。
まさか昼閧ゥらベッドで犬と戯れたりなさらないだろう思ったが、恐る恐るドアを開けてみた。
ドアの隙間から覗く寝室、真正面にあったのは蠢く二つの裸体。
リューとジュンだと直感した。いや、確信だった。
僕は寝室に飛び込むと、一目散にそこを目指した。
何も考えてなどいなかった。ただ悲しかった。
それをどこかにぶつけずにはいられなかっただけだ。
手近にあったものを無意識に手に取る。
後でわかったが、それはご主人様のステッキだった。
僕はそれを高く掲げた。振り下ろす先はすぐそこにある背中のどちらかだ。
「ダンッ! やめるんだっ!」
ご主人様のお声。うれしいけれど、悲しみは埋まらない。
誰かが僕の腕を掴んだ。肘を見舞って振り払う。
じゃまなんかさせない。このまま捨てられるものか。
ご主人様お気に入りの犬たちを傷つけたら、殺してやったら、
ご主人様は僕を折檻して下さるだろうか。
いや、殺されたとしても捨てられるより余程いい。
なおも腕を押さえようとする手を押し退け、僕は渾身の力を込めてステッキを振り下ろした。
振り下ろしたつもりが、すんでのところで首筋に激痛が走り、
僕はへなへなと前に倒れ込んでしまった。
意識が遠のく。
ステッキが力なく何かを打った衝撃だけは辛うじて記憶に残っていた。
209A dog and his lord:2006/11/07(火) 13:27:16 ID:UeIE62hP0
本日ここまで。
ナンバリング失敗。21が2つになってます。
210風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 13:29:56 ID:37P/brCF0
>>204
his hardと一瞬読めた。
乙。
ダンが憐れで面白かったです。
211風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 14:30:23 ID:l0XPbb720
待っていました、ダンとご主人様。
なんかもうダンのすることはすべて裏目に出て…
ストーカー的愛情は怖いけど、ダンをそんなにしたのはご主人様だからな…。
続きwktkです。
212風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 17:45:18 ID:MDRSaOIZ0
乙でした
ダンがこれからどうなるのか・・・
続き待ってます
213リレー:2006/11/07(火) 22:20:39 ID:djQ5GRhlO
日の出と共に含まされた御禁制の薬は、とっぷりと日が暮れた今もなお、
侍の股ぐらを苛んでいる。朝も早よから夜更けまで、侍は男根を屹立させ、
全裸で苦しんでいた。子種を吐き出すに足る快の感は、
確かにもたらされているのに、激情は侍の股を駆け巡るのみ。
逝きたくて逝きたくて堪らない。脂汗を滲ませながら侍は、己を慰めようと
猛りを扱いた。必死に扱いた。恥も外聞も武士の誇りも捨て、
猿の如く千擦りに耽った。けれど、弾ける事はできず、嵐は吹き荒れ、
侍の男根は前にも増して、猛り狂っていた。
羞恥と屈辱に肌を染め、侍は熱く焼ける眼から泪を流しながら、
両の手で男根を握り締め、くの字で悶え悶え膝を擦り合わせた。
ただ、子種を放ちたい。それだけが、侍の望みだった。
夜明けから日暮れまで。余りにも長い間、強いられ続けている絶頂の悦びは、
苦痛に姿を変えて久しい。限界だった。
先走りのみが、筋になって男根の頂きから流れ落ち、侍の下生えを湿らし、ふぐりを濡らした。

…みたいな感じで、エロ場面メインのリレーをしませんか??
ベースは、したらば雑談220と222です。
誇り高い侍が、801薬で220と222状態になっちゃったという設定で
書き始めてみました…orz
214風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 23:16:38 ID:0MYc29f50
>>213
お一人でどうぞ
215リレー:2006/11/07(火) 23:21:05 ID:dow71Jg10
>213の続きを勝手に続けてみる。設定は同じレスより。

侍はまだ若かった。
元服などはとうに済み、初陣の記憶も薄れる程度に歳を取ってはいたが、
街行く見目麗しい娘に見惚れたり、あらぬ疼きを抱いてしまう程度の落ち着きのなさがあった。
男女や男同士の交わりを見知り遊び方も多少慣れてはいたが、あくまで遊び程度で。
このような身を焦がす欲望も、蕩けさせられる屈辱も、満たされない切なさも、
その薬を盛った相手ほどには知らなかった。

畳の上をのた打ち回る内に、ぴしりと整えられていた着物はしわを作り、
やがて見えざる手で脱がされたように解け、やがてその身から薄皮のように剥げた。
ほぐれて具合の良くなった布の上は、いつも見につけているときとは一味違った感覚をもたらす。
敏感にさせられたあらゆる場所の皮膚を舐めるようにまつわりついて、離れない。
体の重みに引き摺られて温まった部分は安堵するような――例えて言うなら、
掌全体でなぜられているような錯覚を引き起こす。
逆に久方ぶりに皮膚に触れた冷たい衣は、引き攣るような鋭い刺激を与える。
そして時々触れる畳は硬く、ざらりとしていて、緩慢な刺激に慣れた意識をぎくりと現実に引き戻す。

涙を流しながらも取り戻した意識が、何時の間にか満ちた夜気を捕らえた。
丸窓が半ば空いていて、薄ら寒い空が覗いている。
――冬の初めの、つんと香るような満月が、自分の肌を鋭く刺すようだ。

お前まで私を憎むのか。ここまで私を高ぶらせておいて、そして高みから私を見下してせせら笑うのか。
恨み言を垂れ流しても、届かない。月まで、或いは彼まで届く力強い声は、もう侍には出せそうに無かった。
216風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 23:23:35 ID:EEvz+f690
リレーをしたいのならば、
せめて万人受けする文体で書いてくれ
217風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 23:23:42 ID:djQ5GRhlO
独りではしゃぎ過ぎました……。
スレ汚し申し訳ありません。
218風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 23:27:41 ID:1W8r4uAz0
どんまいける
219風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 23:44:06 ID:E5B5gVv50
どどんまい!
220リレー:2006/11/07(火) 23:53:53 ID:zeKOiUCT0
「お加減はいかがかな」
静かな声にハッと顔を上げれば、そこには朝から何度呪ったかわからない
従兄弟の姿があった。
「……良いと思うのか」
意に反して潤んでしまう目を、それでも精一杯にきつく歪めて、
侍は従兄弟の凛として涼やかな顔を睨みつけた。
もし刀がこの手にあれば、斬って捨てようものを!
歯噛みしたところで、物の具はもちろんのこと
下帯までを取り上げられた自分に何ができようか。
まして、梁から下がる綱に右の足首を縛められている今、
できることはまさに、睨み付けるか呪詛を吐くかくらいなのだ。
「艶っぽい声を上げて、ずいぶんと楽しんでおられると
見張りの者からは報告を受けておりますが…」
従兄弟は足音もせぬほど静かに、侍の側へと寄ってくる。
「貴様が…!」
侍が唸り声を上げてつかみかかろうとした。
従兄弟はかすかに身構える素振りを見せたが、侍の手が届くよりも先に、
侍を捕えて打ちひしぐものがあった。
「あ、ああっ、あぐ…!」
身の内から侍を捉えたそれは、立ち上ろうとした脚から力を奪い、
従兄弟に伸ばしたはずの手が股間へと向かった。
突き上げる熱に耐え兼ねて、侍は身を折り、蛇のようにのたうった。
月のように冴え冴えとした従兄弟の視線にさらされ、羞恥はまさに身を焼くほどだ。
「見るな…このような姿を見るな…!」
絞り出した声は掠れ、命じるには程遠く、懇願でしかない。
従兄弟は声もなく笑うと、侍の傍らに膝をついた。
「――ああ、苦しそうだ。それでも……ふふふ……楽しんでいると言うのは
間違いではないらしい。そうでなければこのようなことには……ね?」
従兄弟の指が、侍の手からはみ出した陰茎の先端を撫で擦る。
「やめろ、やめないかっ…!」
突き飛ばすことなどとてもかなわず、侍はただ肩を揺すって逃れようともがいた。
                  (時代小説風には書けませんでした。あとヨロ)
221風と木の名無しさん:2006/11/07(火) 23:56:42 ID:EI2JJhdd0
>>216
いや、万人受けは無理だろう。
どんな文体でもダメな奴にはダメなんだろうし。
これはこれで趣があっていいんじゃね?
222風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 00:07:40 ID:Yxv7aoSS0
だから、嫌なら読まなきゃいいだけのこと。
文句言う奴はアフォか荒らし。
相手にスンナ。
223風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 00:16:06 ID:CjOPvP2VO
¨
224風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 00:16:37 ID:/xubIMXrO
個人的に時代劇風味は大好物だから、この文体でOK。
荒らしが目を光らせてる中での投下は大変だと思うけど、がんがれ。
225風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 00:18:21 ID:CjOPvP2VO
リレー選手の皆さま乙です!
wktkしながら続き待ってます。
226風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 00:25:29 ID:hwu14wf20
むしろ投下者ごとに文体が変わっていくくらいのノリでもおもろいと思うお。
なわけで、続行ヨロ
227リレー:2006/11/08(水) 00:45:37 ID:0n8Xx9EE0
ふいに従兄弟の手が止まった。従兄弟は左手で鼻をつまんで首を振った。
その目は先刻の欲情のにじんだものではなくて、多分に嘲笑を含んでいた。
「これはしたり。脇差の手入れはなされても、自前の刃の手入れはなさっていないようだ。
皮被りでらっしゃるならなおのこと、注意されるべきであろうに。ここまでカスを溜めておられるとは」
侍は怒りのあまり一瞬だけ身を焦がす劣情を忘れた。皮の件は年来、ひそかに侍が気にしていることだった。
「皮被りのなにが悪い!それがしは、元服してよりこのかた武士としての勤めを怠ったことはない。
朝の行水、鍛錬、乾布摩擦、乗馬は元旦にも親の葬式の日にも欠かしたことはない。
お前のような柔弱な輩にとやかく言われる筋合いはない。武士の価値は皮の一枚や二枚で決まるものか!」
従兄弟は肩をすくめて、涼やかに言い放った。
「武士、武士とやかましいことだ。今は太平の世。
脇差などより、自前の剣のほうがなにかと役に立つ。その程度のこともご存じなのいか。
鋼の刃は人を切ることしかできぬが、自前の刃は人に苦痛を与えることも快を与えることも思いのままであろうに」
平素から遊女たちにもてはやされる優顔は月光を受けて冷たく輝いていた。
思えば従兄弟は、すでに禄高は侍より上だった。侍は気を飲まれて黙りこくった。従兄弟はあごを撫でてひとりごちた。
「……良く見れば尻毛の手入れも悪い。伸び放題ではないか。いま少し見栄えの良い尻はこれ以外にもある」
あまりの暴言に侍は言葉も返せずに体を震わせてた。そのうちに、従兄弟は去ってしまった。
後には相変わらず陰茎を起立させて、身悶える侍だけが残された。
侍は陰茎を必死でさすった。先端からは絶え間なくしずくがこぼれていた。
けれど、収まらないのは陰茎だけではなかった。後孔はじくじくとうずき、乳首は硬くしこっていた。
侍の腕は二本、指は五本しかない。陰茎をさすれば後孔が切なく収縮し
後孔の淵をなぞれば、乳首が痛いくらいに張り詰めた。
侍は床に寝転がると乳首を畳に擦り付けながら、陰茎を左手で慰め
後孔を右手でなぞった。
(ああ、猫の手も借りたいとはこのことでござるか……)
侍は霞む頭の中で、従兄弟を追いやったことを後悔し始めた。

その時、表の扉が開く音がした。
228風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 02:37:27 ID:ZZEPO4anO
あー、退屈・・・(´‥)
229リレー:2006/11/08(水) 11:44:11 ID:CjOPvP2VO
侍は尻を高く掲げ、畳にしこった乳首を擦りつけながら、
後ろ手に伸ばした左手の中の指で、せつなく疼く後孔の淵まわりを慰めた。
右手は皮を纏った陰茎を握り締めている。
いかに太平の世とは云え、剣術は武士の心得。
日々、木刀を振るい鍛練を欠かしたことのない侍の掌はまめだらけだ。
亀頭まで被さった皮は、侍の陰茎をやさしく包み、荒れた掌が与える刺激を
心地よいさざ波に変え、皮を通して陰茎に伝えた。
常ならば握る手に強弱をつけ、皮を遅く早く上下すれば達する。
けれど御禁制の薬で高められている今宵は、来ているのに出ない。
惨めな先走りをぽたぽた畳に落としながら、侍は熱いほとばしりを請い身を焦がした。
躰が火照る。熱い。まるでたたら場にいる様だ。円い窓から、憎い従兄によく似た月が、
冴え冴えとした光を放ちながら自慰に耽る侍を見下ろし、
その冷ややかな眼差しに、侍は己の浅ましさを深く恥じた。
けれども股間を苛む疼きには耐えられず、
侍は突き刺さるような視線を身に受けながら、一心不乱に己を慰めた。
自慰に夢中になっていた侍は襖が開いたのに気が付かなかった。
盥を持った男が座敷に入って来てはじめて、侍は男に気が付いた。
知らない男だった。
男は侍の尻の向こうに座るや否や、「確かに手入れが悪い」と嗤い、
盥の中から剃刀と石鹸を取り出した。
まず、尻の毛。次いで、仰向けにされ陰の毛。
剃毛の羞恥と泡がもたらす快感に侍はよがり狂った。
毛の始末を終えた男は、侍の皮に包まれた陰茎を手荒に剥いた。
奥御殿の姫様のように隠れていた、亀頭が剥き出しになり、外気に触れる。
「千擦りの真は、皮を剥かねば味わえん。お前の自慰は皮と戯れているだけだ」
亀頭に泡を盛られ、指の腹で擦られ侍は顔を歪めた。
皮を剥かれた瞬間の激痛と恥辱を引きずっている身に加えられた責め苦は、
侍を奈落の底に突き落とした。男の指と泡が雁のくびれを執拗にまさぐる。
「珍粕がごっそり落ちたぞ。爽快だろう?」
卑猥な言葉に侍は横に首を振りながら、羞恥と屈辱と身を灼く射精感に身悶えた。
バトンお渡しします。
230風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 12:21:29 ID:GPQVxTCO0
なんか想像以上にすごい展開になってきたな
231リレー:2006/11/08(水) 13:26:18 ID:eYt8wIIp0
武芸においては人後に落ちぬと自負する侍も、こと閨事に関しては未だ修行中と言って
差し支えがない。他者と交わるにしろ自ら慰めるにしろ、それは猛りを鎮めるために
行うものであった。抑え込もうと煽り立てようと鎮まることのない猛りは、
侍にとって、適わぬ相手に挑み続け、負け続けているようなものである。
侍の男根の先の、世に生まれたばかりの瑞々しい丸みは、恐怖に拍車をかけた。
かつて知らぬ類の疼きが腰を見舞うのだ。男の指先は、柔らかな泡を間に置いて、
そこを花びらが掠めるかのような動きでいらう。腰を押さえられただけで
動くことすらままならないのは、疲れのせいなのか、悦楽に逆らえぬからか。
睨み付けるはずの目は固く閉ざされ、最初こそ男を拒もうとした侍の指は、
今は寝具に食い込んで深い皺を作るばかりである。
「おう…おう…いかぬ、それはいかぬ…!」
言葉では拒んでも、腰は男の指に合わせて揺れる。熱い塊が体の底から
押し寄せ、侍を天空へと持ち上げる。だが、そこで弾けるはずの塊は、衰えを
知らずに膨れ上がるのだ。それをもう今日一日で侍は思い知っている。
「駄目じゃ、もう駄目じゃ! 手を放せ! もうこれ以上は無理じゃ!」
慌てて目を開き、侍はぎょっと身を竦ませた。そこに、いつの間にか従兄弟が
戻って来ていた。従兄弟だけではない、数人の武士たちも一緒である。
232リレー:2006/11/08(水) 13:27:05 ID:eYt8wIIp0
見られていたのだと知り、侍の体がいっそうの熱さで燃え上がった。
「なんのためにそれがしをこのような目に合わせる!」
恥を怒りで誤魔化そうと怒鳴ったが、従兄弟はそれにたいしては応えを寄越さず、
侍の股間に目をやって薄く笑った。
「幼子のようじゃ。まあ、貴殿にはお似合いと言えような」
かっとして怒鳴り返そうとした侍は、代わりに野太い悲鳴を上げて仰け反った。
鈴口をくじられたのだ。もがき、手を伸ばして叫ぶ。
「無理じゃ、やめてくれ、いけぬ、決していけぬのだ!」
男たちが周りに膝をつき、侍の手を、脚を、大きく広げて押さえつけた。
「いけぬからこそ楽しめる。これは男の理、遠慮めさるな」
「ぐう、ふぐううう! やめ…やめ…っ…! あぐ、あぐううう!」
蟻にたかられた芋虫のように身悶えながら、侍が人語とは言えぬ声を発した。
男たちの手が、侍の体のそこかしこに伸び、柔らかな愛撫を加え始めたのだ。

(本文が長すぎます!と叱られたので分けました。続きよろしく)
233A dog and his lord 24 :2006/11/08(水) 14:33:41 ID:u4AuV/yc0
それからどれくらい経ったのか。多分僅かの時間だったに違いない。
僕はご主人様の往復ビンタで目を覚ました。
「お前という犬はっ! バカ犬め! バカ犬め! バカ犬め!」
顔を打つ手が、平手から拳に変る。
鼻血が流れ、唇が切れ、左目も開けられなくなった。
それでも収まらないご主人様は、足下に転がったステッキを取ってそれも振るわれる。
背に、尻に、腕に、幾度も幾度もステッキが振り下ろされた。
「ジュンとリューに傷を付けていたら、どうなっていたと思うんだ。この愚か者が!」
ご主人様が僕の目の前に差し出されたのは、青あざになったご自身の左腕。
まさか、僕はご主人様に向けてステッキを――
いや、違う。ご主人様が身をもってリューとジュンを庇われたのだ。
綺麗な2匹の身体は、それほどに大事なのか。
ならば、せめて毛一筋の傷でも残してやりたかった。
見捨てられた醜いバカ犬の記憶として。
「役立たずのバカ犬の分際で!」
今度はステッキの先で脇腹を突かれる。
「この穀潰しがっ! 引き取り手もない厄介者のお前に反抗されるいわれはないぞ!」
尻と右肩に渾身の2発。僕はついにがくりと絨毯の上に突っ伏した。
「売り物に傷を付けて私を路頭に迷わせるつもりか!」
耳を叩かれ、ひどい耳鳴りが襲ってくる。
が、頭の中で木霊しているのは耳鳴りの音ではない。
234A dog and his lord 25 :2006/11/08(水) 14:34:43 ID:u4AuV/yc0
『売り物』
『路頭に迷う』
混乱した僕の頭は、その意味を解すのに更にステッキを3発も浴びなければならなかった。
「ジュンとリューは今日で最後なんだぞ!」
ジュンとリューは……
「明日の朝には引き渡さなければならないというのに、
疵物にして今更断られたらどうするんだ!」
ジュンとリューは……
「最後の日だというのに! 最後の日だというのに!」
ジュンとリューは明日売られていくのだ。
ああ、知らぬこととはいえ、僕は何ということを……
暗く沈む気持ちを奮い、僕はステッキの雨の中で身体を起こした。
座って頭を床になすりつける。
「申し訳ございません。申し訳ございません。申し訳ございません……」
口をきくお許しはなかったが、どうしてもお詫びしなければならない。
「お気の済むまで折檻して下さい。殺されても仕方ありません。存分にお打ち下さい」
僕にできる唯一の償いを申し出ると、ご主人様は快く聞き届けて下さった。
ご主人様に対し、とんでもない振る舞いをした僕を、見捨てずに償いをお許し下さった。
僕を打って打って打ちまくって……
だからまだ僕は見捨てられていない。まだご主人様の犬なのだ。
僕は感謝と敬愛を込めてご主人様を仰ぎ見た。
愛犬との最後のお別れを中断して僕を折檻して下さっているのだ。
ありがたい。ありがたい。僕は幸せな犬だ。
235A dog and his lord 26 :2006/11/08(水) 14:35:25 ID:u4AuV/yc0
ご主人様は事業に失敗され、全てを失われたのだった。
僕たちは、ご主人様の手に残った唯一の金目のものだ。
こんな時、喜んで売られていくのが犬の役目だ。
どんなに悲しくとも最後の最後にご主人様のお役に立つのが犬の役目だ。
僕だって、ちゃんと覚悟は出来ている。けれど――
真っ先に買い手が付いたのはもちろんジュンだ。
それを知らされたジュンは、泣きながら懸命に最後のご奉仕をしていたのだ。
僕に対抗していたわけではもちろんない。そんなことあるはずがなかった。
歳がネックになっていたリューは、3日間貸し出してようやく買い手が付いた。
あの3日間だ。
そして僕は、どうしても買い手が付かなかったのだという。
結局1匹だけご主人様の許に残ることになっていたのだ。

ほんの数分僕をお打ちになると、ご主人様ははぁはぁと息を乱された。
お疲れが溜まっておられるのだろうか。
ああ、よくよく拝見すれば、随分とおやつれになった。
こんな時こそ、辛いお気持ちを僕にぶつけて頂くところなのに。
なのに、僕はご主人様の一大事に気づきもせず、
自分の身勝手な欲求に夢中だったのだ。
不意に、ご主人様の手が止まった。
お疲れになったのだろう。
僕は深く頭を下げた。
ありがとうございました。もう十分でございます。
どうか、あちらにお戻りになって下さい。
僕はじっと頭を下げたまま、ベッドに戻られるご主人様を見送った。
236A dog and his lord 27:2006/11/08(水) 14:36:48 ID:u4AuV/yc0
目の前で、ご主人様と2匹の最後の宴が繰り広げられていた。
横たわったご主人様の上で、リューが優雅に踊る。
金髪を波打たせ、肌は既にピンク色に染まっている。
「あぁ……ご主人様……ご主人様……」
久々に聞くリューの声。深く滑らかなリューの声。
ご主人様の横にかがみ込んだジュンは、一生懸命何をしているのか。
もしかしたら、僕が付けてしまった左腕の痣を舐めて差し上げているのかもしれない。
ご主人様が「そそる」と仰る小ぶりな尻が揺れている。
ご主人様の手が伸びて、ジュンの頭を愛おしげになぜられた。
ジュンはたちまち泣き出した。嗚咽に背が激しく揺れる。
「かわいくない泣き方はするな」
ご主人様が仰ると、ジュンは必死に声を押し殺し、
「えっ、えっ、えっ……」としゃくり上げた。
やがて、ご主人様の上で力尽きたリューが倒れ込んでいく。
2匹をしっかりと胸に抱いて、ご主人様は長い間じっと何かを噛みしめておられた。
ご主人様と愛犬2匹の世界。
僕には決して踏み込めない世界。
僕はただ見せられるだけ。
血だらけ傷だらけになって、床に這い蹲り、冷たい嫉妬を抱えて、見ているだけ。
これが僕のポジション。
いつまでも変わらない、けれどご主人様に許されたポジション。
237A dog and his lord 28:2006/11/08(水) 14:39:14 ID:u4AuV/yc0
ゆっくりと、ゆったりと、最後の宴は過ぎていった。
2匹は、その指と舌とであらん限りのご奉仕をし、
ご主人様はお身体の続く限り2匹を愛された。
そして、その長い1日を、僕は「頑丈な犬」にふさわしく、目を逸らさずに見届けた。
明日から、僕1匹でご主人様をお慰めしなければならない。
この身体ひとつで、ご主人様の全てを受け止めるのだ。
愛らしいさも優美さも持ち合わせていない僕は、
ひたすら憂さをこの身体にぶつけて頂くしかない。
こんなことに傷ついてはいられない。
僕は「頑丈な犬」なのだ。




完結です。
1レス目sage忘れてしまいました。
申し訳ありませんでした。
238風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 15:42:53 ID:vcjUp5h40
A dog and his lord
お疲れさまでした。
ダン、ご主人様を独り占めできても立場が変わらなさそう。
それもまた幸福? 狂っちゃってる激愛にカンパイだ。

リレー
楽しんでます。
できたら、このまま後ろを使ってのリンカーンに突入せず、
いっぺん失神KOして翌日まで持ち越しをキボンヌ。
239リレー:2006/11/08(水) 16:12:31 ID:CjOPvP2VO
限界を越えている躰に快感が降り積もる。
下卑た男たちと端麗な従兄弟に弄ばれ、侍の躰は悲鳴を上げた。
両胸、腰、陰茎、後孔の淵。あらゆる秘部を、同時に責められ、侍は淫らに乱れた。
夜明けから蓄積された快感が体内を駆け巡り、逃れられない快楽に侍は喘ぐ。
複数とはいえ手で躰をまさぐられているだけの、
まだ陰湿な凌辱と呼ぶにはぬるい悪さも、薬に蝕まれている躰には堪えるらしい。
イクほどの快感を甘受しながらも、イキ果てることが出来ず、侍は激しくもがいた。
うなじや背中を舐められ肌が粟立つ。陰茎や尻を揉まれ、恥辱と快感で肢体が跳ねる。
蓄積された快感に躰を占領され、躰の反応に侍の頭はついていけない。
喘ぎ、仰け反り、快楽責めに悶えながら、侍は先走りを漏らした。
ずる剥けにされた裸の陰茎は、ますます過敏に反応し粗野な男達を喜ばす。
その敏感な陰茎を口に含まれ、先端を吸われた刹那!侍の体内に過大な快流が流れ、神の経が焼き切れた。
遠ざかる意識の中、侍は極彩色の地獄を見た。
更なる恥辱と苦痛と快楽が、この先に待っている事を侍はまだ知らない……。
続きお願いします。
240風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 20:12:00 ID:vPjhWORq0
ワンコを転売、虐待とは…
ご主人様の風上にもおけぬw

しかしながら、>>237タン乙でした!
241風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 20:16:53 ID:xIAxWHhS0
犬とご主人様、乙ですた。とても好きです。
せつない…。犬派の自分はワンコにじーんときた。
242風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 20:31:46 ID:ZfCIEgU7O
リレーいつまでやんの?
投下しにくい雰囲気作るのやめてよ。
243風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 20:35:33 ID:8xvlvbJY0
投下も出来ない奴がわめくわめくw
244風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 20:38:27 ID:ZfCIEgU7O
リレー終わったら投下しようと思ってんだけど、ぜんぜん終わる気配ないから
245風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 20:44:19 ID:PsLlBF+s0
>244
それは気にしないでガンガン投下してくれよ。
わんこタソだってそうだったジャマイカ。気にスンナ。
246風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 20:45:48 ID:7J8HvBz40
>244
投下したければすれば?
リレーでなくても連載の長い作品は間にいくつも他の作品が挟まってるよ
247初仕事1:2006/11/08(水) 20:54:11 ID:a1A2NXpv0
244さんじゃないけど、投下します。

もう1週間は超えただろう。10日かそこら。たぶん2週間にはなっていないはずだ。
なにがって?僕らがここに閉じ込められてからの話。
っていうのは少し違うか。僕らは募集に応じて集まった。でもそれは自分の意志に
よるもので、まったくのアルバイトとしてだ。
最低5日間、おとなしくこの部屋――なんの飾りも凹凸もない、白い壁の中ですごせれば、
バイト代が出る。さらにそれ以上の日数すごすことが可能なら、日当を上乗せするって話。
あちこちに隠されたカメラで、僕らは監視されている。監視というより観察、かな。
なんかの心理実験だっていう話で、最初に説明は受けてるけど、どういうプロセスをたどって
どんな結果が出ればOKなのか、いつ終了なのか、それはまったくわからない。
集められたのは僕を含めて5人。高校生くらいから、たぶんフリーターなんだろう、
20代後半とおぼしきやつらまで。つまり男ばっかり。
みんな支給された同じ白いつなぎを着てる。これがまた変な形の服で…。
顔と背丈、あと一人髪の色が違うヤツがいるけど、それ以外はみんな同じに見えてしまう。
腕時計や携帯は全部預けることになってしまって、時間すら今の僕らにはわからない。
心理実験らしいけど、ただこの部屋の中ですごすだけでいいなんて、何しろラクなのが
バイトとしては理想的だ…と思っていた。けれど1日2日で既に僕は後悔し始めていた。
いや、メンバー全員がそうじゃないかな。
だって、5人のうち1人は、最低期限の5日でさっさとリタイヤしてしまったんだから。
今やめても、バイト代はもらえる。けど、熱くもなく寒くもなく、時間の感覚もなく、食べ物は
運んでもらえる、このぬるーい状況に慣れてしまうと、あと2,3日はいけるかな、くらいに
思えて、結局ずるずる居ついてしまってる、って感じだ。
248初仕事2:2006/11/08(水) 20:54:54 ID:a1A2NXpv0
ビニールっぽい樹脂が、貼ってあるのか塗ってあるのか、ぬらーんとした色合いの
白っぽい部屋。手慰みに、パズルとかマンガとか、それっぽい物がおいてある。
それも棚なんかにに収納されてるんじゃなく、地べたに転々と放置されてる感じ。
部屋の隅に、全員が使うトイレがある。これがちゃんと個室として隔離されていなくて、
ついたてみたいに板一枚の壁が立ててあるだけ。ちょうど公衆トイレの入り口に
目隠しみたいに壁があって、両側から出入りできる、あんな感じ。
僕らはみんなその薄い壁一枚の向こうで用をたしている。まあ男どうし、慣れれば
なんとかやっていける。
必ずしなくちゃいけないのは、血圧を測ること。入り口のドアの脇に、血圧計が置いて
あって、一日一回必ず計測する。そして、排出された記録紙を壁際にある機械の口に
にゅるーっと読み込ませるんだ。僕らに決められた仕事はそれだけ。あとはただ、
おりの中のパンダさながら、のんべんだらりと過ごせばいいわけだ。
249初仕事3:2006/11/08(水) 20:55:28 ID:a1A2NXpv0
ああ、食事受け取ってる。これはさっき血圧を提出した“ヒッツレ”のだ。
FAX送るみたいに記録紙を読み込ませると、しばらくして壁の向こうでゴガン!と
音がする。古い郵便受けみたいな箱の取っ手をガン!と引くと、中にそいつ宛の
エサがはいってるってワケ。
ヒッツレっていうのは、僕が勝手につけた名前だ。本人にそう呼びかけることはない。
こいつは唇にひきつれた手術痕がある。若く見えるけど高校生くらいだろうか。
いっつも無表情で、ときどき腹筋や腕立てをしてる。無意識なんだろう、その姿勢で
マンガを眺めてたり…いや、マンガを見ながら腕立てか。どっちでもいいけど。
ああ、今日のヤツの食事はブロックだ。チーズ味かな。僕、あれのチョコ味がけっこう
好きなんだ。いいなあ。
今度は“ツメカミ”が、ガン!と音を立てて箱を引く。中身を取って手を離すと、また
ガン!という音とともに箱はひとりでに壁の向こう側へ倒れて閉まる。
不満そうだ、ツメカミ。ここ3日くらい、ゼリー飲料が続いてるからな。イライラすると、
ほらまただ、爪を噛み始めるんだよな。
いっつもつまんなそーな顔してる“ガチャメ”は、あとに置いとこう。先に僕が血圧を測り、
あの音を待つ。ああ残念。キャンディだ。カロリーは補給できるけど、これってやっぱ、
食事したって気分にならなくて味気ない。数たくさん入ってるし、始終舐めてられるから、
口さびしくなくていいけど。
ガチャメの視力が実際のところ左右で違ってるのかどうかは知らない。けど
何かを見るとき、片目だけをくっと細める顔つきを見てつけた名前だ。冷たそうなヤツ。
たぶんみんなの中では一番年上だと思う。金髪に近い茶色の髪、それでも
髪が伸びたせいで、根元に元の色が見え始めてる。
250初仕事4:2006/11/08(水) 20:56:09 ID:a1A2NXpv0
ただダラダラと過ごせばいい、だけ。確かにそうだ。けど、それが健康な人間、
ことに若い男にとってどれだけ苦痛か。
このバイトの採用担当者は最初に言った。これは厳密な調査だと。行動学の
調査で、こうした環境におかれた人間がいかなる行動を起こしていくか、というのを
カメラでずっと隠し撮りしている、という話なんだそうだ。
それが頭にあるから、最初のうちはみんな部屋にも食べ物にも不満はもらさなかった。
いわば、借りてきた猫状態ってヤツ。それが今では不満たらたら、気に入らない
食事がもたらされると壁を蹴るヤツもいる。まあ、ツメカミのことだけど。
この部屋にみんなが集められた日。僕が、手始めに自己紹介でもしようか、と
もちかけた。ところがこのツメカミが、鼻息一つで却下したんだ。
「この部屋カメラで監視されてるの、知ってんだろ」
「うん、聞いてるよ。でも、これから何日も一緒に暮らすんだし、名前くらい…」
「呼びもしねえ名前聞いて、なんの意味があるよ」
フン、と横を向いたツメカミに、他の連中も無言で従った。
「大体お前、個人情報ってやつだよ、わかってねえなあ」
バカにしたようにツメカミは言った。
「撮ったビデオ、誰かは完全にわかんねーようにしてやる、って言ってもさあ、
どこまでのことかわかんねえし。ましてや能天気に自己紹介なんて、撮ったビデオ
どこに配られるかどこで見られるかわかんねえのに、そんなこと出来るかよ!」
そう、男同士こんなふうに閉じ込められて、いつケンカになるかわからない。
もしかして、パニックを起こしてわめき散らしてしまうかもしれないし。
自分の行動すら予測できなかった。ツメカミの言うとおり、そんな行動を起こして
しまったものを記録されて、どこで晒されるかもわからないのに、最初に素性を
明かしてしまうのはバカだと思った。
251初仕事5:2006/11/08(水) 20:56:47 ID:a1A2NXpv0
「…言われてみれば、そうだね。あんたの言うとおりだ」
僕はおとなしく引き下がった。端から知らん顔のあとの二人は、壁際にもたれて
目をそらしたままだった。それが僕らの最初の会話だった。
それ以来5人の男、今は1人減って4人だけど、みんなしてそっぽ向いて、
壁際にうずくまって一日をやり過ごしてる。
「どけよ」
ツメカミが不機嫌そうな声で僕に言った。
「トイレ行くんだよ。邪魔だよナキボクロちゃん」
いくらでも脇によければ通れるのに。そっち通ればいいじゃないか、と言いたかった。
けど、僕は体をずらしてツメカミのために道をあけた。
あんたの言うとおりだ、といったんは引き下がったけど、ニックネームくらいいいじゃ
ない、と言った僕の言葉尻をひろってツメカミがつけた呼び名がナキボクロ。
他の誰も呼ばない。当のツメカミだって、こうやって僕を邪険に扱うときくらいしか、
その名を口にしない。でもわかる。僕がこうやって、心の中で彼らのことを
品定めしたりしてるのと同じように、彼らも僕をそうやってフィギュアかなんかみたいに
いじくってるに違いないんだ。
壁にもたれて、ツメカミの放尿する音を聞いている。
毎日これといった会話もなく過ごしていても、人間関係というのはオーラのように
人に与える印象だけでも形成されていくらしい。
ツメカミははっきりものを言うし、態度もでかい。怖そうに見えて、その実ちょっと幼稚な
ところがある。さっきみたいにつまんないことで突っかかるし。だから誰もあえて彼に
逆らおうという空気を作らなかった。本人の中には段々と、リーダーとしての自覚が
無駄に芽生えてるのかもしれない。迷惑な話だ。
年だけで言えば、ガチャメは僕らよりだいぶアニキっぽいし、ヒッツレは見るからに
ガキっぽい。
252初仕事6:2006/11/08(水) 20:58:29 ID:a1A2NXpv0
僕はといえば、二言目にはウゼえとツメカミに言われるくらい、頼りなく見えるらしい。
小柄でも、なよっぽくもないはずなんだけど。このホクロがよっぽど目だって、そういう
印象を作ってるんだろうか。
「あーウゼえ。お前、存在自体がウゼえ」
トイレから出て、僕の脇を通るときにツメカミは言った。小さな声だけどはっきりと、
僕に聞こえるようにだ。こういうのって、子供同士のいじめの基本だね。いや、
聞こえよがしにイヤミとか悪口言ってくのっておばさんでもよくやる手だ。前の
バイト先でも、そうやっておばさんと若い子がいがみあってた。
ああ、そうか。こういう変化を撮っていきたいってことなのかな、この“実験”は。
「あーっ!またかよっ!」
僕がひとりで勝手な考えをめぐらしていると、いきなりツメカミが怒鳴った。
「ウゼえウゼえウゼえっ!」
耳に指先を当てて、開けたり閉じたり。自分の大きな声と指で、耳をふさいでるんだ。
あの声。ここ3日くらいで聞こえるようになった怪しい声に、中でもツメカミは一番
ナーバスに反応している。
―ああっああっ―
この建物の構造はよくわからない。僕らは全員、事務所と呼ばれる別のビルの
一室から完全に目隠しをされてここにつれて来られたんだ。だから廊下とか
他の部屋がどんなふうになってるのか、知らないんだ。
―あっ……あっ!ああっあーっ!…んっうんっ…んんっ―
よがり声。あきらかにそうだった。甲高く、すこしかすれて、最初はつらそうに
聞こえるけど、そのうち段々と…
―んっんっ……んっ―
ああ。イっちゃったみたいだ。女の声…いや、男?廊下のずっと向こうから
響いてくるらしいその声は、性別さえ定かじゃない。第一、廊下がドアの向こうで
どっち向きに伸びていて、長いのかどうかさえわからないのに。
253初仕事7:2006/11/08(水) 20:59:50 ID:a1A2NXpv0
「くっそ」
ツメカミが壁をこぶしで殴る。コンクリート打ちっぱなしじゃないから、殴っても
さほど痛くなさそうだ。でもあんなに強く…ああ、そりゃ痛いよ。
どっちにそろ、腹いせに僕を殴るのだけはやめてほしいね。ほらその目。
今にもその矛先がこっちに向きそうで、イヤなんだよ。
「何見てんだよ。ああ?」
「別に、見てないよ」
「見てんだろうがよ。くそウゼえんだよお前はよ」
「そんな…僕は何も」
「僕は。ボクハボクハボクハ!僕は〜なんてなあ!女々しいんだよてめえは…!」
ああ、完全にアウトだ。何も言ってないつもりなのに、ヤツの神経を逆撫でしちゃった
らしい。今日こそ殴られる。ああ、こういうのが“実験結果”とやらになるってわけ?
僕がいよいよ首をすくめたくなったそのとき。鎌首もたげた蛇みたいになってる
ツメカミの前を、いきなり人影がさえぎった。
ウヘ、というような変な声をもらして、不意打ちをくらったツメカミがのけぞる。
声もかけずにヤツの鼻先をかすめたのは、トイレに立ったガチャメだった。
「てめ、んっだよ!」
苛立つツメカミが怒鳴り散らす。ああ、立ち上がっちゃったよ。
「あ?…ああ、わりいな」
突っかかるツメカミを全然相手にしてない。こいつ、けっこう大人。実際、年もずっと
上なんだろう。このままツメカミにこの部屋の空気を引っかき回されるばっかりじゃ困る。
ガチャメあたりに仕切ってもらいたい、と僕は密かに期待しているんだけど。


今回ここまでです。
254風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 21:07:29 ID:2JoXNylu0
初のリアルタイム!
ピリピリした雰囲気が面白いです。
力こそ正義を観察されちゃったりするのかしらー?
続き楽しみにしてます!
255リレー:2006/11/08(水) 21:52:50 ID:XnoqvZRW0
御禁制の薬は侍の夢をも侵した。
夢の中で侍はなぜか大蛸にへばりつかれ、ぬめる触手で体中を犯された。
胸の尖りを吸盤で吸われ、陰茎の先を触手の先端で突かれる。
そのたびに粘った音が響いた。尻の狭間を触手でこすられたとき、侍は狂ったように頭を振った。
逃れようと必死にもがいたが、太ももや腹に巻きついた触手は万力のようだった。
「ああっやめろ、やめぬか、ああぁぁっ」
答えはなかった。蛸の黒い目は静かに獲物の嬌態を眺めているだけだった。
静かで冷たい目は従兄弟のそれに似ていた。
256リレー:2006/11/08(水) 21:53:51 ID:XnoqvZRW0
「……四十一、四十二。襞の数は立派に上品穴です。加えて肉も多くなかなかふっくらしている。
肌の艶もよろしい。これはよき尻ですな。流石御前、お目が高い」
耳障りな声が侍の夢を打ち破った。侍は目を開けて、眩しさに瞬いた
。素裸で畳の上に敷いた白い絹布に仰向けに寝かされていた。
男が侍の両足を割り開いて、菊門を観察していた。昨晩、侍の尻を剃った男だった。
両手は別の男がしっかりと押さえている。
侍は体を動かすことができなかった。だが、仮に自由があったとしても、動かすことができたかどうか。
相変わらずだるく、股間からはえもいわれぬ疼きが沸き起こっていた。それもそのはず。
陰茎は立ち上がり、先端から露をこぼしていた。
どうにかこうにか首をひねると、片側は障子で、明るい光が部屋を満たしていた。
光は良く鍛えた筋や、滑らかな胸を余すところなく明らかにしていた。侍は、高価な細工ものよろしく鑑賞されていた。
そのことを悟ったとき、侍の体は羞恥にかっと熱くなり、陰茎は一層硬くなった。
「上等品か。善き哉。善き哉。では、男根のほうはどうだ」
甲高い声が降ってきた。声の方角を見ると、一段と高い位置に一人の男が寝そべっていた。
その傍らには従兄弟が身を低くして侍っている。
御前と呼ばれる割には男は若かった。侍と大して違わないように見えた。
何者なのだろうか。侍の見知らぬ顔だった。
「ほう。目を覚ましたか。馬で馳せるその方を見初めてより半年。
その方は余のことを知らぬだろうが、余は明けても暮れてもその方のことを考えておったぞ」
侍が何か言う前に、陰茎に定規が当てられた。
「あっ」
金の定規の冷たさに侍は尻を振ってもだえた。


嫌がることをあえてするのが鬼畜だってじっちゃんが言ってた
バトンお渡しします♥
257風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 22:55:08 ID:qH5+7hf0O
よき尻
Niceなヒップですな
リレータソ乙。続きはまだかな。
258風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 23:47:15 ID:J1CTR1jg0
ワンコタン乙!
誰もが可哀想なのだが、自分の哀れさの方向を誤解しているダンがやっぱり
一等可哀想だ。買い手がつかなかったのは、狂いっぷりがばれてるからじゃ…。

初仕事タン乙!
この4人で密室でどーにかなるんでしょうか?
ちょっと怖いけどwktkです!

リレー乙!
この雰囲気ならこうなるだろうなというのがまったく読めなくて面白い!
259リレー:2006/11/09(木) 03:53:37 ID:m/pnnFJ4O
「五寸半はありますな」
「さようか」
御前は侍の陰茎の丈を聞き、満足気に微笑んだ。
四十を超す菊座の花襞の枚数も、隆起した陰茎の丈も、
厚い胸板も割れた腹も、引き締まった腰も、
精悍な顔立ちも何もかも、侍の全てが御前を喜ばせた。
御前のにこやかな顔に、侍の従兄弟は密やかに微笑んだ。
(存外、高く売れるやもしれん)。
「お主も悪よのう。縁者であろうに」
「分家の芥など他人と同じゆえ」
妾腹である侍を一瞥し、本家を継いだ従兄弟は、さらりと御前にそう言った。
侍は「他人」という響きに心を軋ませ、従兄弟の怜悧な美貌を見つめた。
冴え冴えとした冷たい眼差しが侍に向けられる。
その眼差しは、品定めの折り、秘部に注がれた不躾な視線よりも、侍の胸を苛んだ。
けれども、胸の痛みはすぐに股間を灼く切なさにとってかわられ、
侍は猛らせた陰茎から先走りを漏らした。
一夜明けても、陰茎は萎えない。疼きは止まらない。
痛い。いきたい。苦しい。疲れた。
張りつめた陰茎。しこった乳首。押さえられている両腕。熱い腰。
突然あらわれた貴人。知らない男達。そして、冷ややかな従兄弟。
限界だった。
(昨日は、一日足りとも欠かした事のなかった乗馬も、
日課の乾布摩擦も何もできなかった)。
(恐らく今日も、俺はただいくことだけを願いながら日を過ごす……)。
叶わない吐精。見えない先。不安と絶望。快感と疲労。
疲弊しきった侍は、啜り泣きながら、いかせてくれと繰り返した。

続きお願いします。
260風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 09:18:20 ID:nfHPNMljO
初仕事タン乙、リレーも乙
(*´д`)ハァハァ
261リレー:2006/11/09(木) 16:31:24 ID:SduBmVMn0
「どうしてもと言うなら、いかせても良いのだが。いきたいのだな?」
従兄弟が、離れた場所から静かに言う。
「いきたい…もう我慢ならぬ……頼む…頼む…」
掠れた声で繰り返しながら、侍は我が身を呪った。
このような恥知らずな願いを口にする日が来るとは、思っても見なかった。
これと言うほどには誇れる手柄もなく、大層な役に任じられているわけでもないが、
武士の本領においてはいささかなりとも恥じる所なく生きてきた。
例え敵に捕らわれしたたかに打ち据えられようとも膝を折らぬ覚悟はあった。
その自分が、あろうことか人前で色狂いのように腰を揺すり、浅ましい汁を
垂れ流しながら、快楽の極みを与えてくれと乞うている。
自分が恃みにしてきたすべてのものが、ここでは何の役にも立たぬ。
どうしようもなかった。この体はもう自分の律する所にはない。
この耐え難い熱を、疼きを治めることができるのは、あの冷たい目をした従兄弟なのだ。
「頼む、いかせてくれ! 気が狂うてしまいそうじゃ!」
従兄弟が、すいと立ち上った。
従兄弟がゆっくりと近づいてくるのを、侍は必死に目で追った。
従兄弟は侍の顔の横に腰を下ろすと、懐から紙包みを取り出して開いた。
そこから泡られた丸薬を見て、侍は半狂乱で暴れ始めた。
「いやじゃ、いやじゃ、やめてくれ、いやじゃあ!」
昨日の朝に無理矢理に含まされた丸薬であった。
泣き叫ぶ侍の顔を従兄弟が押さえて鼻をつまみ、もう一人の男が顎を掴んで口を
大きく開けさせた。
喉の奥に丸薬が放り込まれ、さらに水を流し込まれて、侍は息苦しさに耐え兼ね
薬を飲み込んでしまった。
従兄弟は手を放し、見蕩れるほどの笑みを見せながら問うた。
「これでまた一日は良い気持になれるが…気を遣らぬのではいやなのだな」
侍は従兄弟を見つめながらガクガクと首を縦に振った。
「では、その願いを叶えるとしよう」
262261:2006/11/09(木) 16:42:52 ID:r9EN2EjK0
入れ忘れてました。ここでバトンをお渡しします。
それと、
× 泡られた
○ 現われた
         逝ってきます orz
263風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 16:44:33 ID:hWbsAxce0
リレー侍イイヨイイヨー
書いてる皆様乙です!
神の経とか気を遣る、和な単語チョイスも萌え
続きwktk!
264風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 18:13:55 ID:/NoQBSjEO
リレー始まってからスレの質確実に落ちたよね
265風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 18:31:19 ID:eKQF+5VnO
リレー侍イイヨー
266リレー:2006/11/09(木) 18:49:56 ID:m/pnnFJ4O
※失禁あり

丸薬を含まされ三拍後、侍はイキはじめた。
侍の鋼の様な肉体に触れている者は誰もいない。皆、ただ見ていた。
腰を跳ね上げ、びくびく躰を震わせ、体中の筋を発作的に引き攣らせ、
躰をくねらせ侍は幾度も果てた。
(中がうねるっ!?)
何を埋め込まれているわけでもない後孔を、
激しく耕されているかのような心地に、喘ぐこともできず、
侍は呻きながら、よどみきった精汁をぼとぼと放った。
溜りに溜まったそれは、美しい白絹の敷布に嫌らしい染みをつくりった。
きき分けの無い幼子が、寝転がり両脚をばたつかせ
泣き喚いているかのような格好で、身の丈六尺の若雄が、強靱な肉体を震わせ、
でかい玉を揺らしながら、繰り返しイク様に御前は下唇を舐めながら目を細め、
従兄弟は口元に酷薄そうな笑みを浮かべた。
他の男どもも、下卑た嗤い声を上げては、侍がイク度に手を打ち囃したてた。
侍は、狂った様にイキまくる陰茎を両の手で握り、押さえながら、なおイキ続け、
汗まみれになって失禁した。悶絶責めに半ば正気を失っていた侍は、
粗相をしたことに気が付けぬまま、また腰を跳ね上げ、
じわりとあたたかいものが尻に流れてきてはじめて、己の失態に気が付いた。
羞恥に顔を染めながらも、躰の内から沸き上がる執拗な快感に侍は叫んだ。
屈強な男が戯れで、丸太の様な腕を身悶えている侍に伸ばすと、
侍は躰をくねらせながら、男の太い腕にしがみつき、「いくっ、いくぅっ」と
声を発しながら続け様にいった。
気が遠くなるほどの気持ちよさに襲われ、もう、勃ってもいないのに侍はいった。
勃起や精の射を伴わないでいく、はじめての快楽に侍は脚をばたつかせ、
逞しい男の腕にしがみつきながらイキつづけた。
イキながら、侍は後孔がひくひく蠢いているとやゆする従兄弟の声を聞いた。
事実、侍の陰道はうねり、入れて欲しいと喚いている。
名も知らぬ男の腕に縋りつきながら、侍は泣き濡れた顔でよがり続けた。

バトンお渡しします。
267風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 20:16:56 ID:m/pnnFJ4O
>261さん
ごめんなさい、読み違えました……orz
侍が飲まされた丸薬は初日と同じものだったんですね。
飲んだらお尻も前も気もちくなってイク的な効用のある、 
お薬だとはやとちりしてしまいました。
前日と同じ丸薬を投与→ますます高まる快感→何らかの手段でいかされる…な、
流れだったのでは!?ぶったぎって申し訳ありません……orz
上の自分の投下、なかったことにしてください……orz
逝ってきます
268風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 20:26:00 ID:wzeAXy1A0
本当なら1個で3日くらい効果が持続するのに、
2日連続、立て続けに飲まされたので中毒症状を起こした。
問題なし。
269風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 20:30:16 ID:+9KxNTXb0
>267
読んでいて違和感とか矛盾は特に感じなかったよ
効果が完全に切れる前にさらに投与されて、劇的な効果が!
ってことでいいんじゃないの
薬物の効き目は精神的なものも結構作用するしね
見られて感度10倍w
270風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 21:10:52 ID:TZygNU890
というか、267タンのエロ描写がものすげえ自分のツボで嬉しいお。
ガチムチ男が羞恥を手放す瞬間が大好物だお。
271風と木の名無しさん:2006/11/09(木) 21:16:55 ID:1tbXy+kgO
初仕事さん乙!
密室での人間の心理…これからの展開が楽しみ
272風と木の名無しさん:2006/11/10(金) 00:30:38 ID:za9g934p0
リレー、めたくそエロくなってきた
> きき分けの無い幼子が、寝転がり両脚をばたつかせ
> 泣き喚いているかのような格好で
たまらぬ! これはたまらぬ!

初仕事タン乙
一触即発の雰囲気がいい!
ハラハラする話は大好きだ
273風と木の名無しさん:2006/11/10(金) 01:43:08 ID:T8ZGJvwvO
こういう時代背景は好きなのでつが、
メルヘンたんは4〜5回に1回くらいがイイ...
エロがグロの紙一重...たまにだから萌えるのに。
274初仕事8:2006/11/10(金) 01:43:37 ID:5qmHEZrm0
ツメカミがひるんで体勢を崩した隙に、僕はするするとあとずさっていた。
床はやわらかなフローリング。冷たくて固い板とは違う、なんといえばいいんだろう、
白っぽい合板。ケツをぺたんと下ろしたまま、手で床をかいて、つまり後ろ向きに
いざったような格好。あんまり僕がそそくさと離れたせいか、ツメカミもそれ以上何も
言って来なかった。
そう、隙を見せちゃいけないんだ。体が小さいわけでも、なよっぽいわけでもない、
けどつけ入られやすいところ。たぶん、僕にそういうところがあるんだろう。このバイトの
採用担当者にも言われたけど。けどあのときは、そこがいいって言ってもらったな。
他のメンバーもあの人に面接してもらったんだろうか。
そんなことを考えてる僕の耳に、不穏な声が忍び込んできた。
トイレの方からだ。ふっ、とも、くっ、ともつかない、吐息の合間にもれる声。さっきトイレに
向かったのは…ガチャメだ。もうけっこうな時間になるけど。
「ぅーい、マスかいてんじゃねえぞーおっさん」
えっ、そうなの?そうなのかな。でも、あのガチャメが。ちょっと意外。だってもう、20代も
後半、もしかしたら30いってんのかもなんて思って見てたのに。高校生くらいに見える
ヒッツレなら我慢できなくて、ってあるかもしれないけど。
ふぅ、はあ、と息をゆっくり吐いて整える様子が感じられる。ああ、イったんだ。ペーパーを
そっと引き出してる。それに続いて水音が鳴る。トイレットペーパーか。固形物をあまり
とらなくなった僕らには、最近ご縁のない代物だ。ツメカミなんてここ数日ゼリーだけだ、
さすがに大きい方は出てないだろう。ヤツのイライラがひどくなったのは、このゼリー飲料
攻勢が始まってからだと僕は感じてる。興奮剤でも入ってるのかね、あれ。
「スッキリしましたかー?いいですねー一人でいいことしちゃって」
トイレから出てきたガチャメに、ツメカミがだるそうに声をかける。いや、ほんとにだるい
のかも知れないな。
275初仕事9:2006/11/10(金) 01:44:55 ID:5qmHEZrm0
ここへ来て、2、3日は空腹できつかったけど、今じゃすっかり慣れて、食べることへの
執着がなくなってしまったと言っていい。気に入らないゼリーが続いてるツメカミは、
なおさら食欲が落ちてるに違いない。食ってない、寝ていない。そういうときって、男は
かえって凶暴化するって話あるよね、性的に。なにしろこんな刺激のない生活だし。
てらいもなく“処理”してきた今のガチャメに対しては、ツメカミもいろいろ複雑だろう。
あのだるそうな声が、かえって強い憎しみを含んでいそうで僕はちょっと怖くなった。
「あの…アメ、食べる?一日中同じものって、さすがに飽きるよね」
僕は自分が支給されたキャンディから一つ取り出して差し出した。受け取ってくれたら
もう何個かは追加しようと思ってた。けど、ツメカミははっきりと僕をにらみつけて言った。
「だから。そういうとこがウゼえって言ってんだよてめえはよ」
目が尖ってる。刃物みたいになって、僕を突き刺そうとしてる。ああ、もう限界なんだ。
ツメカミはきっとこのあと行動を起こす。それが暴力なのか、逃亡なのか、穏便なリタイヤ
なのか。僕には判断がつかなかったけど、彼はもう限界、確かにそう思えた。
苛立つときのくせで、またヤツは爪を噛み始めた。きっともう、噛む爪がなくなって、
周りのふやけた皮膚を噛みちぎってるに違いない。噛みちぎった皮を前歯でぎちぎちと
もてあそんで、ぺっと床に吐く。その繰り返しがここのところのツメカミの遊びだ。
「あの、アメ。食べるかな」
部屋の真ん中に陣取ってるツメカミを避けて、ガチャメとヒッツレは僕と反対側の壁際に
もたれている。昨日あたりからガチャメがいじってるのは、小さなパーツが磁石でくっつく
立体パズル。でも、何かを完成させたくてやってるようには見えないけど。
276初仕事10:2006/11/10(金) 01:45:28 ID:5qmHEZrm0
「…サンキュ」
受け取ってくれた。あ、ちょっと目だけで笑ったよこの人。僕も何気なく笑い返そうと
思ったとき、ふっと鼻を撫でていった匂い。あれ、何かつけてるんだろうか。甘くて
ちょっと苦い、どこかで知ってるような香り。僕が目を泳がせてるのを不審に思ったのか、
彼が顔を覗き込んであの目つきをした。片目だけ、くっと細めるような。
「あっ、ごめん。なんでもない」
あわてて何個かのキャンディを彼の前に落として、ヒッツレの前へ滑っていく。
今日のヒッツレはひたすらストレッチだ。胡坐のように座って足の裏同士を合わせる。
それでぺったりと前に体を倒した姿勢で何十分も、いや何時間も飽きずに漫画を眺めてる。
僕はヒッツレの膝近くにキャンディを何個かこぼすと、ちょっと目配せした。ヤツも
目を合わせて、きゅっと目元を絞っただけだった。でもそれで十分、通じる気がした。
違う食べ物で気を紛らわしてほしいと思ったけど、ツメカミには無駄なことだったみたいだ。
かえって
僕への苛立ちが増してしまっただけらしい。
それからたぶん、一晩が過ぎた。というのも、この部屋には時計もなく、時間のわかるような
変化もないから、判断のしようがないんだ。照明は煌々と点ったまま。それも天井全体が
光っているかのような間接照明だから、白い床と壁に囲まれて僕らの意識は宙に浮いた
ようにぼんやりとしてきている。逆に、とげとげしく苛立ちをあらわにしてるヤツもいるけど。
今日も変わり映えしない一日。みんなして血圧を測り、食事を受け取り、のんべんだらり。
ツメカミが、支給されたゼリーのパックをとうとう投げつけた。床をすべり、壁に当たる。
段々と、それが僕自身に見えてくる。そのうちこうやって投げつけられるんだろうか。
277初仕事11:2006/11/10(金) 01:46:17 ID:5qmHEZrm0
今日はシリアルバーを手に入れたガチャメが、シャワーへ向かった。出入り口とは別の
ドアの向こうに脱衣所とシャワー室があって、自由に使っていいことになってるんだ。
シリアルバーが床に散らばってる。ツメカミ、まさかあれを盗もうとしてる?
その視線を盗み見てた僕は、速攻で見つかって、壁際に追い詰められた。
「何見てんだよてめえっ!」
絵にかいたように胸倉を掴まれて、壁に押し付けられる。何も、と言い訳しようとしたとき。
「ああーっ!またかよ!」
あの声だ。ツメカミが僕の胸を掴んだまま、体を折り曲げて叫ぶ。昨日までより、ずっと近くで
声がする。部屋がいくつもあって、その全部を順に使って毎日毎日セックスしてるんだろうか。
「ウゼえんだよっ!ウゼエ!」
襟元をつかまれ、引きずられる。やめて、と言おうとしたけど、首がしまって声が出ない。
ついたての向こう側、トイレの中へ引きずり込まれた。
「まじでウゼエ!てめえ…」
投げ捨てるように床に転がされた。目の前に便器がそびえる。こわごわ顔を上げると、ツメカミが
つなぎの前をこじ開けてるのが見えた。次の瞬間、僕は髪をわしづかみにされ、引っ張り上げ
られる。ひぃ、という音しか出ない。助けて、やめて、と言おうとするのに、声が出ない。
「あいつも…ひとりで勝手なこと…しやがって…」
つなぎの股の裂け目から、ツメカミの怒張が覗く。やめて、やめてくれよ…声にしたいのに、
髪をつかまれたまま震えるように首を振ることしか出来ない。
「アメなんかいらねえから。これしゃぶれ。な」
熱く、生臭い塊を口に押し込まれ、僕はまるで床にころがったおもちゃのように振り回された。
やめて、助けて。声にすることは不可能だった。喉のせばまったところまで無理やり押し込まれ、
むせそうになる。堪えていると、目に涙が滲んでくる。どうしてか僕は、シャワー室にいるはずの
ガチャメに、心の中で助けを求めていた。
278初仕事12:2006/11/10(金) 01:47:12 ID:5qmHEZrm0
やめて、やめて。心の中でひたすら叫ぶ。トイレの中にカメラは向いてるんだろうか。
こんなことされてるって、誰も気づいてくれないなんてやってられない。ちゃんとカメラで
撮って下さいよ。何日も閉じ込められて、同じ食べ物しか与えられず、ワケのわからない
声を聞かされ続けると人間こうなるんです。もういいでしょ、実験終わり。助けてよ、誰か。
「っめて…」
なんとか声を出そうと体を引いた。けど、余計にひどく髪を掴まれて、僕はヤツの股に口を
押し付けられてしまった。完全に道具だ。ヤツの“処理”のための道具。そう思ったら
今度はマジに涙があふれてきた。ホントにちゃんと撮っててくれないとやりきれない。
うめき声と腹を波立たせるほどの息を吐いて、ツメカミがイった。僕は口で受け止めきれず、
顔中にそれを浴びせられた。
「へっ、いい顔。やっぱお前、こういうのが合うよ。ナキボクロちゃーん」
ガラガラ音をたててペーパーを引き出すと、ヤツは自分の体だけ拭いて、さっさと部屋に
戻った。トイレの床にへたりこんだまま、僕はしばらく呆然としていた。ほんっとにカメラ、
これ撮ってる?こんな目に合わされて、誰も見ててくれないなんて救いようがないよ。
メソメソと涙をこぼしながら、それでも流れ落ちてくれない粘液を、トイレットペーパーで
ぬぐう。口の中も、鼻の中も、ヤツの放ったものでぐちゃぐちゃだ。拭けるだけ拭いて、
ツメカミの投げ捨てていったペーパーとまとめて水に流した。
ついたての脇から部屋を覗くと、ツメカミは寝そべってゼリーを飲んでる。僕はただ唇を
噛んで耐えることしか出来なかった。脇のドアが急に開いて、ガチャメが出てきた。
つなぎのボタンを下から順に留めている。僕の泣き顔を見て感づいたのか、それとも
気配で察していたのか。黙ってドアを開けて目配せした。僕はその脇をすり抜ける。
甘苦い、ガチャメの体臭が誘うように僕の体にまとわりついて香った。

ここまでです。
279267:2006/11/10(金) 02:25:31 ID:F9vgPwrtO
>273
エロがゲイっぽいってよく言われます……orz
不快感与えてごめんなさい。それから自分、メルヘンタンではなかとです。

初仕事タン、乙です!
引き込まれました。
続きが楽しみ!!
280風と木の名無しさん:2006/11/10(金) 09:01:44 ID:pdrGLjxy0
>>267
あのエロに萌え萌えな読者も多いではないか、やめてはならぬ!

初仕事タン乙乙乙!
いよいよいかがわしい苛めが始まるのだな。
ナキボクロタン、いい子だけど苛められ役オーラ出まくりですな。
281261:2006/11/10(金) 09:52:02 ID:uXvoB9z10
>>266タン
薬に関しては、「そろそろ薬効が切れるんじゃ…と思って
追加してみただけで、その後どうなるか考えて書いたわけでもないよ。
束、それは次の人が考えることだから、自分は何も考えてなかったww
(取り敢えず放出&リンカーンに向けて進めればいいと思ってた程度)
266タンが流れを切ってるとも感じないし、何も疑問を持たずに読んだ。
どうせリレーなんだから、全体の流れさえ把握してあれば、
前の人がどうする気かとかは、あまり気にしすぎなくていいと思うよ。
282風と木の名無しさん:2006/11/10(金) 10:51:27 ID:q6IfJAx90
>>280
自分は、精神的に弱そうなツメカミがヤられてしまうと
さらに楽しくなるような気がいたしました。
283リレー:2006/11/10(金) 11:26:49 ID:lK99Q+RW0
「何とも凄まじい。死にはせんかと心配になるわ」
御前が喉の奥で笑った。
従兄弟が芝居がかった仕草でかぶりを振る。
「ご冗談を。この薬は精を強めるのです。
まだまだ、これからいくらでも吐き出します。
新たに飲ませずとも明日一日ほどは持ったでしょうが、
これがいきたいとうるさく駄々を捏ねますもので、
甘やかしてやっただけのことでございます」
「ふふふ、わかっていてしたことか。むごい奴じゃのう」
「それだけではありませぬ。こうすれば尻が解れます。
痛い思いをせずに済むのですから、これも喜ぶことでしょう」
侍は薄れかけた意識の端でその会話を捉えていた。
これほどまでに苦しんで、まだ終わらないと言うのか。
大丈夫なわけがない。
このままでは間違いなく自分は死ぬ。
それも、誉れを踏みにじられ惨めに汚れて。
叫びすぎてカラカラに乾いた喉から、助けてくれと
言葉を絞り出そうとした時、従兄弟の声が響いた。
「こちらに連れてこい」
侍が縋り付いていた男が、侍を引き立てようとする。
侍は赤ん坊のようにいやいやと首を振り、腰を落として拒んだが、
もう一人の男が反対側から侍の肩を掴み、
侍は御前の前に引き摺られて行った。
「尻を向けろ」
従兄弟の言葉に、男たちが侍の体を押さえつけて、
御前の目の前にその尻を高く掲げさせた。

お次よろしく。
284風と木の名無しさん:2006/11/10(金) 13:52:22 ID:iifoK4D20
自己紹介板のピョン吉。
ゲイかも知れない男に告白したゲイ。
ライトVIPPERなテラモエス野郎なんだぜ?
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/4322/
285リレー:2006/11/10(金) 18:05:04 ID:F9vgPwrtO
犬の様に畳に這わされ、御前の御手ずから、尻に丁字油を受けながら、
侍はぐっと身をよじり、尻の向こうの従兄弟を見ようとした。
従兄弟は、侍の縋る様な眼差しと振り返った首のつっぱりを、
冷ややかに見つめ、侍の後孔に注がれ、吸い込まれていく丁字油に、
じっと視線をこらした。どくどくと注がれる油を受けながら、
身悶える侍の脳裏に、まばゆいばかりの明るさで
美しい小川が、その光る水面(みなも)が、よみがえる。
それは、三つ年上の本家の兄(あに)さまが、分家のそれも妾腹の仔侍と、
ただ一度だけ遊んでくれた遠い日の出来事。
川辺で教わったのは、笹舟のつくり方。
笹の葉が、兄さまの器用な指先でくるりと舟に化けたときの驚きを、
長じた今も侍は覚えている。
笹の舟が川に浮き、さらさらと流れていった瞬間の
胸の高鳴りは、忘れられそうもない。
なのに今、大事な思い出が、丁字油のぬめりの中に沈んでいく。
そうして、萎れてていた陰茎は、侍を嘲笑うかの様に、
とろとろと注がれる油に興奮し、頭をもたげ、じわじわと反り返った。
侍は擦れた声で従兄弟の名を叫び、救いを求めた。
だが、その叫びは真昼の光の中に消えてゆく。
餓えていた後孔に与えられたぬめりの心地よさに、体を波打たせ、
再び勃ち上がったその先端に淫らな露を結びながら、侍は苦悶し畳を掻き毟った。

続きよろしくです。
286風と木の名無しさん:2006/11/10(金) 18:15:36 ID:k3P2+tTG0
ぎゃー可哀想になってきたよー
って最初から可哀想なんだけど
287風と木の名無しさん:2006/11/10(金) 22:08:13 ID:4NTT3oqh0
(*゚∀゚)=3ハァハァ
288風と木の名無しさん:2006/11/10(金) 22:12:30 ID:h/sqq7v6O
>>287
IDがNTT
289風と木の名無しさん:2006/11/10(金) 22:26:18 ID:ITQkjsvWO
リレー侍スキー
290風と木の名無しさん:2006/11/11(土) 01:27:16 ID:KaV3mmf7O
初仕事さん、これからの展開を思うとワクテカが止まりません!伏線ウマー!
応援してます!
291とらわれの螺旋 1/5 :2006/11/11(土) 03:58:36 ID:RcnJiOun0
投下します。今回も導入のみとなっています。それでも良ければ。

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――翌日、学校を終えて。
 流は事前に情報を集め、舜がよく来るという繁華街へと来ていた。
 ゲーセンやファーストフード店などを見て回り、舜がいないかを確認する。
 今日は来ていないのだろうか。それなら、とりあえず今日は帰るしか……。
 そう、流が思い始めたその時、前方から激しい悲鳴と物音が聞こえてきた。
 舜だ。その予感に走り始める。程なくして、その現場に到着した。そして、予感が当たったことを知る。
 一対五。そんな人数であったことは、そいつの足元に転がっている連中を見れば分かる。
 なのに舜は、呼吸一つ乱していない。その様子を見ながら、流は小さく肩を震わせた。
「舜!」
 声を張り上げ、名前を呼ぶ。ピクリと舜の肩が揺れ、こちらを向いた。
「アンタ昨日の……」
 驚いた様子でこちらを見る舜の方に、ゆっくりと足を進ませていく。近くで見ればよく分かった。
「間違いないようだな、舜」
 そう言うと、舜は大きな目を幾度か瞬かせた。
「アンタ、何で俺の名前知ってるんだ?」
 何故だと? 舜は自分のことなど忘れてしまったというのだろうか。俺は片時も、忘れなかったというのに。
「俺を忘れたか。俺の名は……流だ」
 名前を言う寸前、舌が硬直した。忘れられていたら、という想いが胸に過ぎる。
 祈るような気持ちで、拳を握った。
 そして、どうやらその心配は杞憂だったらしい。
「流……? まさか、本当にあの、流なのか……?」
 再会を喜ぶ気持ちが、舜の表情に湧いてくるように流には見えた。だがしかし、祖のみに纏った警戒が緩む様子はない。
292とらわれの螺旋 2/5 :2006/11/11(土) 03:59:38 ID:RcnJiOun0
 本当にこいつは変わらないなと、流はしみじみと考えていた。
 流は握った拳を舜に向けて差し出し、腰を落として身構える。それを見て舜は、幾度も瞬きをした。
「なんだよ流。その構えはよ」
「お手合わせ願おう」
 そう告げると、舜は再び驚いたようだった。
「……なんでアンタとそんなことしなくちゃいけねーんだよ。別に俺は、アンタと喧嘩する理由なんてないぜ」
 呆れたようにそう言う舜に向かい、流は何も言わずに殴りかかった。しかし舜はそれ予測していたらしくひらりと避けて見せ、流の拳はむなしく空を掻くのみだった。
 しかしそんなことは分かっていた。流は口の端をニヤリと引き上げると、再び舜と対峙した。
「さあ、お前もかかってこい」
「……俺が新参だからとか言うわけのわからねー理由でしょっちゅう殴りかかられるけどよー、一体、お前までなんなんだよ」
 舜は呆れたような顔をしたが、やがて拳を握り、身構えた。流はそれを見て、精神がざわめくのを感じる。
 ……こいつは、強いな。目を見れば分かる。だが……負ける気はしない。
 舜の拳をギリギリで避け、こちらも蹴りを繰り出す。それも紙一重で避けられ、鋭い突きが来る。敢えて掌で受け止め、膝を跳ね上げた。肘でのブロック。そこから、額が飛んできた。
――ゴッ!
 一瞬、視界がぶれた。しかし意識を失うのを堪え、こちらも額を叩き付ける。
「……くっ!」
 舜は怯んだ様子を見せたが、それでも諦めることなく肩で反撃してきた。それも同じく肩でガードし、空いた脇腹に拳を突き入れる。それは、打点をずらされた。
293とらわれの螺旋 3/5 :2006/11/11(土) 04:00:16 ID:RcnJiOun0
「……つええ」
 舜の呟きが聞こえたが、流は攻撃の手を休めることはない。
 一旦距離を空け、大きく顔面めがけて足を振り上げる。それは片腕で防御されたが、構わず力任せに振り抜いた。
「うあっ!」
 舜がバランスを崩し、大きな隙が出来る。流がそれを、見逃すことはなかった。
 一瞬にして懐に飛び込み、腕を取り、投げ飛ばす。背中から地面に叩き付けられ、舜の顔が歪む。
「うあ……クソ……」
 藻掻いて起き上がろうとする身体に、足を踏み降ろす。薄い笑みを浮かべ、舜を見下ろした。
「寝てろ」
 いっそ優しいほどの声音で囁いて、顎を蹴り上げる。舜が意識を失ったのを確認し、流は携帯を取り出して迎えを呼んだ。

――会いたかったぞ………舜。


294とらわれの螺旋 4/5 :2006/11/11(土) 04:01:19 ID:RcnJiOun0


――とても広大な屋敷の片隅で。
 流は舜が膝を抱え、蹲るのをじっと見下ろしていた。
 一週間後に親戚が迎えに来るから、それまでうちで面倒を見ることになった。
 流の父親は、舜を連れてきたときそんな説明をしていた。どうしてそうなったかはよく分からないが、なんでも舜の父親は流の父親の部下だったらしい。
 それで、僅かな間だけでも面倒を見てやるという話になったそうだ。
 仲良くしてやれと流はいわれたが、正直どうすればいいのかなんてよく分からない。ただ、この舜という少年に興味はあった。
 両親を亡くしたばかりだというのに泣く様子もなく、殆ど何も口にせずにじっとこうして蹲っている、まだ幼い少年。その目はギラギラと光り、まるで手負いの獣のように、辺りをずっと警戒していた。
 ……泣けばいいのに。
 どうして堪えたりするんだろう。自分の感情を抑えることなく、哀しいなら哀しいと叫んで、泣けばいいのに。
「……なけばいいのに。どうしてがまんするの? くるしくないの? こわれちゃうよ、ねえ」
295とらわれの螺旋 5/5 :2006/11/11(土) 04:03:22 ID:RcnJiOun0
 壊れて欲しくないのに。このままじゃ、危ないのに。
 そう告げると、舜が顔を上げた。その頬に流は、そっと手を伸ばす。
「くるしいときは、ないてもいいんだよ」
 そう囁くと、舜の目に涙が滲んだ。もう少しで、表面張力が限界を超えてあふれ出すだろう。流はそう思った。
 しかし流の予想とは違い、舜は乱暴に目を拭うと、ホンの小さく、微かに微笑んだのだった。
「……だいじょうぶ、だから」
 今にも消え入りそうな声に、流はこれ以上何も言えなくなってしまった。そっと舜の部屋を出て、戸を閉める。
 流は閉まった戸の向こうにいるであろう舜を思い、困惑げにこう呟いた。

「ぼく、えがおがみたかったんだっけ……」



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今回ここまでです。
初仕事さん、今後の展開にwktkしています!
どうなるのか、凄いドキドキです。
そしてリレーの皆さん乙です。楽しんで読んでます。
296風と木の名無しさん:2006/11/11(土) 09:37:22 ID:DeaiaUzT0
螺旋タンおつ!
きれいでやさしい気持ちがなぜこうなった。
続きwktkだ!
297初仕事13:2006/11/11(土) 12:40:46 ID:RfkoMnO80
シャワー室は一人で入るのが精一杯の広さだ。湯船が恋しい。普段、湯船につかる
ことなんてあまりないのに、今はなんとなく、お湯の中でゆったりしたい気分だ。
顔中になすりつけられたツメカミの匂いが、狭い部屋にこもった湯気に運ばれて充満
していくみたいな気がした。早く洗いたい。おえ、とえづくと、僕は大急ぎでつなぎを
脱ぎ捨てた。
このつなぎ、ホントに変な形してる。襟元からずーっとスナップボタンで、足首までが
開くようになってるんだ。両足の内側が全部ボタン。だから、ばばばっと引っ張って
外せば、魚の開きみたいに全開に出来るはず。まあ、着るときは脚の部分は閉じたまま、
普通のズボンみたいに穿いてるけど。
すぽっと脱いで、クローゼットの中に放り投げる。洗濯物を下に置く、っていうか放り込む
ようになってて、新しいタオルとつなぎが上の棚に補充される。
この奥の壁は隣の部屋と繋がってる。けど鍵がかかってるから脱走は無理。と言っても、
やめたいって願い出ればすぐ解放してもらえるから、誰も無理に逃げ出そうとは思わない
だろうね。事実、5日で出てったヤツがいるんだし。
湯の感触が心地いい。こうやってさっきまでガチャメも浴びてたんだな、と今までに思いも
しなかったことを考える。ここで唯一、ひとりきりになれる空間が嬉しい。そっぽ向いて、
動物園の動物みたいにすごすのにすっかり慣れたと思ってたけど、やっぱりちょっと
辛くなってきた。一人になれるって結構大事なことなんだな。
そこまで思ってから、ふと疑問がわいた。ガチャメ、何もわざわざあんな目立つやり方
しなくても、シャワーのときに済ませればよかったんじゃないか?
僕だって、ちょっと…と思ったらシャワーの時に処理してる。それともガチャメくらいの
年になると、ここに閉じこもってから今まで我慢出来ちゃってたってこと? シャワー室
でもやってる上に、あえてあんな目立つことしたっていうんなら…まさか、挑発してる?
誰を。そうだよ、揉め事起こしてなんになるんだよ。なに考えてるんだ、僕は。
298初仕事14:2006/11/11(土) 12:41:34 ID:RfkoMnO80
シャワーから出ると、至極ご機嫌なツメカミの姿が目に入った。アイツ、ガチャメと
エサを交換したんだな。シリアルバーの包装が脇に散らばってる。まったくアイツ
だけだよ、あんなにごみだらけにするのは。
ここはさすがに、掃除の人は入ってこない。一応閉鎖空間ってことで、監禁生活
なんだから。消耗品の補充はあっても、ごみやなんかは自分達で排出しなくちゃ
ならない。なのにアイツときたら、指の皮はぺっぺやるし、食べカスはほったらかし。
こういうヤツを一人混ぜ込んでおいて、トラブルになるのを観察してるんだろうか。
でも。ここまでして居座るのは、金ほしさなんだよな。そう思ったらなんだか、あの
ツメカミですら哀れに思えてきた。あんなにイライラしててもリタイヤしない。僕を
はけ口に苛めながらゼリーだけの毎日に耐えて、出て行かない。きっとすごく
困ってるんだ…。まずい、こういうところが悪いんだ。すぐほだされるって言うか、
なし崩しになってしまうところ。そこがいいって、あの採用の人は言ってくれたけど。
一体どういう意味なんだろう。
定位置に座り込むと、ガチャメの手元に目がいった。僕が壁を背に腰を下ろすと、
ほぼ正面になる所に彼が座ってる。銀色の小さなパーツを、指先でいじっている。
磁石でくっつく小さなパズル。氷のかけらみたいに光るそれを、少しずつ上へと
積み上げて塔のように伸ばしている。氷の城。時折、ちゃら、と崩れ落ちるのを
僕は思わず目で追う。ふと気づくと、手はそのままに彼の目が僕をじっととらえて
いた。気づかないうちに見つめられてた。僕は目を瞬いて逸らす。なんだよ、
これじゃ好きな子に見とれてぼーっとしてたヤツみたいじゃないか。
ごまかそうとヒッツレに目をやれば、ヤツは早々と寝てた。横になって、軽く曲げた
脚の間に両手を挟みこんでる。こっちに尻を向けてるから、股の間からちょろっと
手の先が覗いててなんだかマヌケでかわいい。そうそう、アイツがストレッチとか
やってると、脚のボタンの隙間から中が見えないかとちょっと気になるんだよな。
なんせ下着なんて着けてないから、見えちゃったら結構気まずい。僕より三つ四つ
年下らしく見えるヤツは、そういうとこが無防備で、ちょっと気になったりする。
299初仕事15:2006/11/11(土) 12:42:39 ID:RfkoMnO80
体を揺すられて目が覚めた。いつのまにか寝入ってたんだ。
「おい。おい、ホクロ」
まずい、ツメカミだ。なんだか声を殺してる。みんな寝てるってことだろう。
ぼんやり考えてると、唐突に股のボタンをばりばりと開かれた。
「なっ!」
「うるせえよ。黙ってろ」
「なにっ…ちょ、やめてよっ」
ツメカミの手をなぎはらおうと滅茶苦茶にもがいた。チッ、と舌打ちすると、ヤツは
僕の上に馬乗りになって、顔をグーで殴った。痛い…痛いってこれは、さすがに。
「いが…」
「だから言ってんだろ、静かにしろって」
そう言うとツメカミは、全身で僕の上にのしかかってきた。顔のすぐそばで囁く。
「お前さあ、あれだろ。ホモだろ」
反射的に僕はヤツをキッとにらみつけた。殴られた口元が痛くて手を当てたまま。
「何言っ…」
「なあ、ケツ貸せよ。お前さ、ヤラれ慣れてんだろ。今日の顔見てわかったぞ」
僕は滅茶苦茶に首を振る。何言ってんだよコイツ。なんだよヤラれ慣れてるって。
「とーぼけんなよ。なあ、たまってんだよ。口だけじゃ足りねえ、マジで」
すり寄るような声で言いながら、ボタンの間を割って入った手が僕の尻を撫で
まわしてくる。
「や…め…っ、やだっ!いやだっ」
「ここんとこ、使えんだろ? 男でもさあ…なあ、女よりイイって言うじゃん」
「やーめーろっ!」
ヤツの手が腿に滑り込んで、下からざらざらと撫で上げていく。指先が荒れてる。
あれだけ噛みちぎってれば当然だろうな。這いのぼる手が、段々と指先に力を
入れて、僕の割れ目に沿ってくる。
「やめろって!やめろ!やだ!」
300初仕事16:2006/11/11(土) 12:43:28 ID:RfkoMnO80
もがく僕の腰を、ツメカミはがっちりと抱え込んで離さない。ああ、中途半端な抵抗は
きっと火に油なんだろうな。かと言って抵抗しないわけにはいかないし。
「さっき洗ったばっかだもんなあ。キレーじゃん。舐めてやってもいいくらいだぜ」
そんなこと言いながらヤツは僕の後ろに指を突き立てた。うねうねと入り口でうごめかせ
てから、ぐっと力を込めてねじ込んでくる。
「やーめっ…い、あ…だっ」
つかみどころのない床に爪を立てて、僕は叫んだ。ちょっとだけガチャメに目をやる。
壁の方を向いて寝てる。もっと声を上げれば起きて助けてくれるだろうか。それとも…
「叫べば?お客さん増えるぜ。見られてるとこでヤラれるのもいいんじゃね?」
そうだよな。助けてくれるとは限らない。一瞬、力が抜けた僕の体を、ツメカミは
やすやすと引っ張り寄せる。
「そうそう、素直になんなよ。優しくしてやるからさ」
自分の前を開いて、トイレのときみたいにアレを引っ張り出す。無理だよ。固くなった
ものを無理やり突きたててくる。無理だってそんなの、入るわけない。
「いっ…あっ、やめ…!やめろぉっ」
「じっとしろよ、入んねえ…ほら、ぜってー気持ちいいから」
「わけわかんな…痛い!痛いよっ」
ツメカミがまた、チッと派手な舌打ちをする。僕は息を荒げて床に這いつくばる。
どうにかして、這って逃げようと床をかく。そのとき、じっと刺すような視線に気づいた。
ヒッツレが目を開けてこっちを見てる。眠っていた姿勢のまま、首をこっちに向けて、
じっと見据えている。
「よぉ。それ、取ってよ」
ツメカミが腕を伸ばして、手招きするようにした。ヒッツレの近くの壁際に、ゼリーが一個
落っこちてる。今日受け取ったときにツメカミが投げつけて滑っていったあれだ。
何するつもりだろう。ヒッツレ、やめて。助けてよ僕を。けれど彼に呼びかけるための名前も
なくて、僕は拒絶するように首を振り続けることしかできない。
301初仕事17:2006/11/11(土) 12:44:30 ID:RfkoMnO80
(えっ)
僕は目を疑った。体を少し起こして、ヒッツレがゼリーを手にした。それをツメカミに向かって
滑らせたんだ。
「なんでっ!」
ツメカミはひゅー、と口を鳴らすと、手にしたゼリーの容器を軽く上げて見せた。けれどもう
ヒッツレはその姿を見ていなかった。
「ほーら。お客さんからのプレゼント。な? 言ったろ。助けてなんてもらえねーの」
楽しそうに言う。これまでにないご機嫌な声だった。
「やめてって…ホント、やめ…」
弱弱しく言っても、なんの効果もなかった。ぶじゅじゅじゅ、と品のない音を立てて
ゼリーが吐き出される。僕の体の中心に。ツメカミの手がそれを塗り広げてるのが分かる。
自分の体にもぬりつけてるんだろう。楽しそうに搾り出すその手が、徐々に高く掲げられて
いくのが目の端に映った。
押し付けられた熱い塊が、徐々に僕の体を割っていく。信じられない力で割り込んでくる。
痛い。熱い。なんでこんなことになってるんだろう。僕は首を振り続ける。床に着いた指先が
がりがりと板を掻く。やめて、やめて、無意識に泣き声をもらしていた。時折力任せに腰を
引っ張られ、そのたびにぐっとツメカミが深くめりこんでくる。
「ああっ」
「お…すげえ…これ、ちょっとすげえぞ、ホクロちゃーん」
「やめ…ああっ…あぅ」
情けない僕自身の声を遠くのものみたいに聞きながら、僕は床に崩れ落ちた。いつの間にか
頬が濡れていた。痛い。熱い。助けてよ。何気なく見上げた先に、今度はガチャメの目があった。
彼もただ、じっと見ているだけ。僕は濡れた頬を手にこすり付けるようにして、反対を向いた。


ここまでです。
302風と木の名無しさん:2006/11/11(土) 12:53:07 ID:Gnu7uPjh0
初仕事タンもえぇぇ(゜∀゜*)
乙です!
303風と木の名無しさん:2006/11/11(土) 13:32:21 ID:c66c111i0
初仕事タン、グーッジョブ!
ホクロタン、やっぱり苛められ要員だよね?
採用者の「だがそれがいい」はこう言う意味だよな!
仕事はこれからだー イイヨーイイヨー
304風と木の名無しさん:2006/11/11(土) 14:40:03 ID:GjMG4Cf80
もう充分と踏んだものか、御前が指をぬぷりと引き抜いた。名残惜しげに菊座が
ひくつく。侍は懸命に尻に力を込めたが、たった1日で男を迎え入れるための
門と化したそこは、蠢くのをやめなかった。
背中を超えて、御前がふふふ、ふふふと笑う声が聞こえて来る。油にまみれた
御前の手が、侍の引き締まった尻肉を掴んだ。揉み解せば、菊座が誘いに
乗るように収縮しては口を開く。熱で緩くなった油が流れて落ちるのは、
まるで待ちかねて涎を垂らしているかのようだ。
「欲しいか…それほどに男が欲しいか。馬上に凛として風を受けていたのは
どこの誰であったか…。このような浅ましい…淫楽に溺れるような…」
呪詛のように、低い声が響く。首筋に鳥肌が立てた侍が肩越しに振り返ると、
御前が侍の方へと屈み込んで来るのが目に入った。侍の体が無意識に前へと
のめる。それを引き戻し、御前は侍の尻に頬擦りをした。
「なッ…! おやめ下され!」
羞恥よりは嫌悪の情に襲われ、侍は尻を振りたてた。だが御前はどろりと
蕩けた目をして、固い尻肉に頬を擦りつける。
「苦しゅうない…待たせはせぬ……今すぐにくれてやろう……」
目の前の菊座を指先で愛撫しながら、御前は囁いた。
「ご存分に…」
従兄弟の声が聞こえたのと、御前が体を起こしたのとは、同時だった。

バトンタッチ!
305リレー:2006/11/11(土) 16:58:05 ID:ORLlbBuQO
御前は思う。
美しいものよりもっと美しいものがあるとすれば、
それは美しいものが荒廃した姿だ。

武士よりもっと武士らしいものがあるとすれば、
それは武士であろうとする愚直な姿だ。
馬にまたがり颯爽と駆ける若武者はとても美しかった。
全身で武士であることを謳歌していた。
あの者は、例えどんなに禄高が上がっても輿よりも馬を好む。
輿の中から駆けゆく侍を見ながら御前には直感で、それがわかった。
太平の世にあって、武士らしさを失わぬ武士から、
武士の一分を奪ってみたい。
高潔な男が、淫らに喘ぎ悶える様はさぞ美しかろう。
御前は心からそう思った。財にものを言わせ、侍の縁者に手引きをさせ、
この場を持てた事に御前は満足気な笑みを浮かべた。
初堀りの前に、御前は侍を押さえている男どもに命じ侍を仰向けにした。
むつきを替えられる赤子のような姿で、侍は押さえ付けられた。
御前は、天を仰ぎ凛と勃つ侍の陰茎を指先ではじくと、そっと顔を寄せた。
そこに御前の口があることをわからせるかのように、はぁ〜っと息を吐きかける。
侍は御前の息の熱さによがり狂い、先走りをやさしく舐めとられ、
びくびく快感に身をくねらせた。と、同時に、いまかいまかと
御前の訪れを首を長くして待ちわびていた、とろとろの菊座は、
はやくたっぷりと掘られたいとばかりに激しくひくついた。
御前に前をしゃぶり倒され、ふぐりを舐めあげられ、
快感で侍の脚ががくがく震えだす様を、従兄は冷ややかに見つめた。
御前は、侍の割れた腹筋を撫でながら、侍の感じる顔と、
必死に目を閉じて快感に耐えようとする顔を堪能すると、
再び侍を四つん這いにさせた。侍の菊座は口の端(はた)から涎を垂らしながら、
強烈に突き上げられるその瞬間を待っている。

バトンタッチします。
306リレー:2006/11/11(土) 18:39:17 ID:c66c111i0
御前が豪奢な着物の裾を割った。
差し込んだ手に解かれた下帯が足下にとぐろを巻く。
垣間見える御前の男根は既に醜悪なほどに膨れ上がり、赤黒い先端は
ぬめぬめと照り光っていた。
御前が侍の腰に自らの腰を押し当てる。
「ああ!」
侍の口から悲鳴が迸った。
その悲鳴には憤怒と恐怖と絶望と――そして明らかに期待とが、交じっていた。
だが御前はその業物を一息に刺し貫きはしなかった。
切っ先を菊座に押し当て、侍の様子を覗う。
「ご勘弁を! どうか、どうか、ごめん下されましょう!」
侍は必死に畳を掻いて逃れようと暴れ、切羽詰まった嘆願が口から吐き出したが、
下の口は我知らず開いて、まだかまだかと己を塞ぐものを欲していた。
御前は、侍の身と心とが引き裂かれる様を目に焼き付けながら、ぐいと腰を進めた。
「あああ―――!」
眦が避けるほどに目を見開き、侍が絶叫する。
身の内にずるずると入り込んでくる大蛇が食らおうとしているものが何か、
侍は知っている。
明るい朝の光が射し込む部屋で、侍が守り続けてきたものが崩れ始めていた。

とりあえず破裂させときました。
あとはよろしく。
307風と木の名無しさん:2006/11/11(土) 19:08:24 ID:d23ay3Zf0
螺旋のカポーどっちも強いのが萌え
ヤンチャ受け萌え萌え
少年らしい誇り高さを踏みにじられる姿ミタス
308風と木の名無しさん:2006/11/11(土) 20:44:40 ID:PBaFrMSeO
リレータン乙
309リレー:2006/11/11(土) 23:07:47 ID:CMbrnENe0
「ああっ、ああっ!あああああっ!」
止めてくれ、抜いてくれと心中では言葉になるが、それが侍の口から出ることはない。
鎌首をもたげ舌をちらつかせながら、大蛇がずるりずるりと奥を目指すかのような不気味さに、
ただただ叫び声を上げることしかできない。
「ふぅ、初花というになんとも具合良く我を飲み込むものだ」
ゆっくりと潜り込む感触を味わう心づもりであろうか、御前は決して急ぐでもなく一息に突き入れることもしなかった。
一寸進めては五分戻し、また一寸。
執拗に出入りを繰り返す大蛇に侍の心はおぞましさにそそけだち、だが孔は進んでくれば開き、引いていけば絡みつく。
その己の身体の厭わしさが更に侍を打ち据える。
「ご容赦、を……後生にござ……」
うまく息が吸えず、胸を激しく上下させて浅い呼吸を繰り返しながらようよう言葉を発するが、御前はそれにこの場には酷く
不似合いな穏やかな笑みを浮かべた。
「早く欲しいということかな?なんともいじらしいことを申すものよ」
違うと否定しようとした瞬間、それが叶わなかったのは御前の腰に今まで以上の力が込められ、侍がもっとも恐れていた
最奥までの進入を果たされてしまったゆえだった。
叫び声すら上げられず、侍は口を大きく開けて身体を強ばらせた。侍の意識も身体も、一瞬うつつから解離したかのようであった。
最後まで貫ききった瞬間の、焦点の合わぬその目に御前は魅入られる。
侍に最初に訪れた絶望の色。
これから様々な色合いの絶望を見せてくれるだろう侍の、その最初を目にすることができたことに、まず満足を覚えた御前は
深々と埋めていた蛇を一端引き抜いた。
「持て」
ただ一言だったが控えていた者にはそれで通じた。
差し出されたものを手に、今し方己の蛇で開いたばかりの菊座をじっくりとのぞき込む。
「みだらで愛らしいこの花の、開花の証を残しておいてやろうぞ」
言いながら御前は手にしていたもの、この日のために誂えさせた上質の絹布を菊座に優しげに押し当てた。
絹布は蛇が付けた傷から滲むものを吸い取り、うっすらと淡い紅の花のようになる。
その出来に御前は満足げな息をつくと、さてと蛇を再び菊座に押し当てた。
「さて、では心ゆくまでこの花を愛でてやるとしよう」


おあとよろしく
310風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 00:44:01 ID:4Z0nlsGvO
リレー終われ早く終われつまんないつまんないつまんないんだよよよよよよ
311風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 00:51:56 ID:XbAZAv8P0
>310
自分も最初そう思ってたけど
じっくり読んでると禿萌えになったよ。
どうしても無理なら別作品の投下もあるしそっちで楽しみなよ
312風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 01:02:07 ID:3vOxxk0KO
>>310
どんだけこのスレに張り付いてんの?怖い。
313風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 01:10:51 ID:ti2B1fRI0
>310
嫌ならNGワードにすればいいだけ
>311の言うとおり他の投下作品もある
314上京:2006/11/12(日) 01:11:06 ID:GuDxwLFZO
四つん這いになっている二十歳そこそこの青年の腰を後ろから掴み、激しく揺さ振りながら喚き立てる。
「小さい頃はあんなに素直で可愛かったのにいつからこんなにグレたんだ!答えろ!」
青年が首を横に振るのを満足気に眺めながら、引き締まった尻に皺だらけのごつごつした掌を重ねた。
ゆっくりと腿や脇腹に手を伸ばして撫で回し滑らかな肌の感触を貧る。
「…っ……おおぉ…」
ギャグをくわえているために声にならない呻き声を上げて、嫌がり身体を捩りながら身悶えする青年に貪欲な支配欲を掻き立てられる。
腰を振る度に、弾力のある尻が自身の弛んだ下腹部に叩かれ、ピタンピタンと肉感的な音を響かせた。
「じいちゃんはオマエが嫌いだからこんな事してる訳じゃないぞ……オ、オマエは…オマエが…なんでじいちゃんを避けるんだ…これはじいちゃんからの……お仕置きだ」
青年の股間をまさぐると硬く勃った性器を確認出来た。
先走りでぬめりを帯びている。指先で扱くと青年が耐え切れずに腰を揺らした。
「…この……淫乱めぇ」
あまりの興奮に動悸が激しくなり息が上がる。
「こんなにしやがってこの淫売!オマエなんかこうしてやる!」
体内への放出を開始した。


315上京:2006/11/12(日) 01:12:47 ID:GuDxwLFZO
心身共に満足しきった老人がにこやかに退出して来た。
「満足された様ですね」
「もう言うことなし」
右手でピースを作ってニッコリ笑いながらの老人の返答に、自分も薄ら笑いを返す。
「確か同じくらいのお孫さんがいらっしゃるんですよね」
いま老人が出て来た部屋のドアを指差しながら尋ねる。
−コレ尋くのは何回目だっけ−
以前にも尋いている事だが尋かれた本人はすっかり忘れている。
「そう。一年前に東京の大学に入ってね、一人暮らししてるんだ」
「へぇ、大学に入って一人で上京。それはそれはしっかりした優秀な自慢のお孫さんですね」
水を向けてやると、案の定簡単に釣られて来た。
「いやぁ〜東京に行ってからは忙しいって休みにも帰って来やしないんだ。だからいつも電話寄越す度に『帰ってこい』ってしつこく言ってたら、最近は電話もかけて寄越さないんだな。さみしいもんだなぁ、年寄りってのは」
まぁそれだけ特定の孫に執着する祖父では嫌がられるのも無理ないだろうな。
そんな事は……と、苦笑いしながら次の予約確認に入る。
「いやぁ、毎回思うんだがね、もう少し何とかならないかね?こっちも年金と貯金とで、後は息子夫婦からお小遣いをせびる立場だからさ」
−またそれか−
このシステムと料金設定の説明をこの話題の度に繰り返す。
−それならわざわざ孫に似たヤツなんて買わないで孫とヤればいいのに−
以前冗談でそう言ったら、可愛い孫にそんな非道い真似が出来るかと烈火の如くに怒っていた。


老人が帰り際に振り返り「今度来た時には美味い明太子を買ってきてあげるよ」と恵比寿の様な笑い顔をして口を開いた。
何回もの口約束に、一体、ケチなのか気前がいいのか計り兼ねながら、青年に報酬を渡しに部屋に入った。

316上京:2006/11/12(日) 01:14:07 ID:GuDxwLFZO
−−スカ有り−−


ベッドから起き上がるとアイマスクとギャグを毟り取り絨毯に叩き付けた。
「………ちくしょう」
涙が頬を伝う。
興味本位で見つけた怪しげなサイトの、一晩で10万の文字に惹かれて契約した。
そして自身の祖父と同年代の老人に弄ばれて筆舌尽くしがたい屈辱を味わった。
引き抜かれたモノが放ったのは、白濁だけではなかった。
尻から腿を伝う水っぽい黄味がかった液体…。
あまりのショックにその場で意識を失った。

シャワーで身体を洗い流し身支度を整えると、枕元に置いてあった現金の封筒を掴み、ごみ箱に捨てた。
あの老人に関わる物全てが汚らわしかった。
「…ジイちゃん」
ふと、地元の…電話をする度に『オマエに会いたい、顔をみたい、寂しいから帰ってこい』と言うのが欝陶しく、また自分を見る目に怪しげな熱情を感じて避けていた…祖父に無性に逢いたくなった。
幼い頃からオマエが一番可愛いと、蝶よ花よと接してくれた祖父。
一時期でも身内をあんな変態と同類に見てしまった自分を恥じた。

−今度の連休は実家に帰ろう。そして肩でも揉んでジイちゃん孝行してあげよう−

帰る途中で博多行きの航空券を購入した。



317風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 03:46:17 ID:sUoEwfkz0
に、似たヤツじゃなくて・・・(((( ;゚Д゚)))
318風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 05:59:42 ID:87ee8KTcO
リレー侍は私のなかでは
全裸だが何故か白足袋だけは履いて居る。
319風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 08:38:15 ID:lWQYC4ZhO
藁他
320風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 09:31:00 ID:v8hs02AH0
>上京
孫に会ったジイちゃん、箍が外れたりして。
(最初「自慰ちゃん」と出たよう)
321リレー:2006/11/12(日) 11:18:54 ID:ZTrNphxHO
御前の大蛇は、侍の後孔に再び潜り込んだ。
とろとろの陰道をがんがん突かれ、
侍は、全身を駆け巡り、体を突き抜ける快感に絶叫した。
男と絡み合っているありえなさ。
従兄弟らの前で辱められている恥ずかしさ、口惜しさ。
その全てが、奥を擦られる初めての快感に犯されてゆく。
御前は、その若さからは信じられぬほど老獪な責め師だった。
御前が腰を引く度、侍は不随意に尻を突き出し追い縋り、御前を喜ばす。
御前は引き抜いた分だけ突き刺し、腰を振り侍を掘り上げた。
陰道を満たしている絶望の圧迫に侍は呻き、びくびく身をくねらせた。
昨日から刺戟を蓄積された躰は、与えられる快感に過敏な反応を見せる。
従兄弟は侍の歪む顔を見やり、冷ややかに嗤った。
控えていた男どもは侍の痴態に見入った。股間を膨らませている者もいる。
侍は身をよじりながら最初の絶頂を迎え、
土佐の沖の鯨の様に白濁をほとばしらせた。
その量、勢い、飛距離、後ろだけで達した事実を、
有りの儘に告げる従兄弟の冷淡な声は、
御前の大蛇以上に侍の身を内から蝕んだ。
悶え喘ぎ畳を掻き毟る侍を後ろから責め上げながら、御前は両手を
侍の前にまわし、左右の乳首を親指と人差し指の先で摘んだ。
御禁制の薬ゆえ、侍の乳首は亀頭の如く感じる淫らなものになり下がっていた。
亀頭責めに等しい乳首責めに、侍は声を洩らし泣いた。
従兄弟は、先程御前が押隈をした絹布を見やり、
其処に写し取られた生々しい蹤に形のよい眉を潜めた。
ただ独り、昨日、侍を剃毛した男だけが、従兄弟の僅かな表情の揺れに気が付く。
だが男は分をわきまえ、何も言いはしなかった。

続きお願いします。
322リレー:2006/11/12(日) 12:37:24 ID:xkQhDhUf0
侍の手が縋るものを求めるように伸ばされ、畳に落ちる。
落ちた手があたかも指し示すように従兄弟に向けられていた。
その大きな肉刺だらけの手に、だが、従兄弟は一つまみにできそうなほど
小さかったそれを思い出した。
河原の土手を登ろうとして脚を滑らせた小さな子供が、咄嗟に伸ばした丸い手。
自分が掴んで引き上げてやった、暖かく柔かい手。
従兄弟は、「無様な」と頭の中で言葉を拵えた。
変わらずにいられる気楽さも、頑是無い幼子の無垢を丈夫の誇りにと変じた
幸福も、この男はいっかな知らぬ。
それが故に、このような醜態をさらす羽目になったのだ。
知らず浮かぶ「覚えたか」という言葉を、従兄弟は聞かずに沈めた。
獣のように吠えて侍が二度目の精を放つ。
昨日まではただむず痒かったに過ぎぬ陰道は、今朝無理に足された薬のせいで、
己を犯すものを待ちわび悦び、爪の先にまで悦楽を供する源へと変化していた。
侍の体は御前を求めてくねり踊り、教えられもせぬ動きで御前を共に高みへ
上らせようと絡みつき、締めつけ、絞り上げた。
侍の腰を砕かんばかりに腰を打ちつける御前と、御前の極みが近づくのを
察しているのか喚きながら畳に額を摩りつける侍とを、
従兄弟は瞬くことすら忘れて見守った。

よろしく。
323リレー:2006/11/12(日) 14:47:34 ID:i39pftov0
「ひとーつ」
誰の声かは分からぬが数を数える声に合わせて、御前の蛇が奥を突く。
その動きに押し出されるように侍の陰茎から雫が畳へ落ち、ぱたりと音を立てた。
「ふたーつ」
またぱたりと音がする。侍の足の間からだけではない音の出所は、顔の辺りだろうか。
気を遣りそれでもいっかな鎮まらぬ拷問のごとき快楽の大波は、侍の意識を夢幻の境地にさらっていく。
突かれるたび、侍の脳裏に昨日まで当たり前だった己の姿が浮かび上がった。
道場で友と打ち合う高揚感、庭先で早朝の空気を吸い込みながら乾布摩擦をする清々しさ、
馬で駆けるときの風の心地よさに覚える喜び。
それらが、生臭くどろりとした白濁に塗りつぶされ、粉々に砕け散って暗闇の中へ消えていく。
もういくつ数え上げられたのか侍には分からない。
ただ、愚直なまでに守り続けてきた矜持が次々と打ち砕かれ踏みにじられ、手の中からこぼれ落ちるのを
見ているだけだ。
「では、参るぞ」
ああ、とうとうこの腹の中までもおぞましい蛇の毒に侵されるのだ。蛇が毒を吐かんと鎌首をもたげ、
くわっと口を開ける姿が見えたような気がした。
「それぃっ!」
毒が、毒が注がれる。熱く濁った、みだらな毒が。精が奥を叩く。二度、そして三度。
それでも終わることなく、それにつられて侍も何度目かの気を遣った。
口から漏れるのは悲痛な叫びだけではもはやなく、あえかな響きを滲ませ、足の指が畳を掻くさまは
おなごの如しと囃し立てる声が上がる。
だが、薬の効能未ださめやらぬ陰茎は隆々と立ったままだ。
御前の蛇もまたその勢いが衰えることはないが、御前はゆっくりと腰を引き再び絹布を手にした。
「さきほどのは開花の証。──こたびは満開の証を写し取ってやろう」
傷から滲んだ血が、突かれてふっくらと膨れあがった孔の入り口を彩っている。先ほどと同じように念入りに
絹布を押し当て、写し取ったそれを周囲の者に広げて見せた。
「初々しい紅梅が、ゆかしい風情の牡丹に変わりおったわ」
喉の奥を震わせる御前に、周囲の者もお見事と追従した。
「次はどのように変化するであろうな。なんとも楽しみな孔よ」
ぐぐっと蛇が牡丹の中に分け入ってくる。それに上がる声に拒絶の色はもうない。

バトンお渡しします。
324リレー:2006/11/12(日) 16:52:27 ID:ZTrNphxHO
心得のある者が、三味線を手に唄いはじめた。
さァさァ 照らせや牡丹灯籠 三千世界を照らしませ
咲き定まりて 唐獅子誘う八重牡丹
散り果つるまで 照らしませ
さァさァ 誘えや誘え誘いませ
唐獅子誘う 八重牡丹
想ひや君に届かむか

男どもの取る手拍子にあわせ、舞の名手でもある御前は踊る様に侍を穿った。
裸身をよじらせ助けを求める侍を、その虚しい抵抗を従兄弟はただ見続けた。
筋肉がちぎれんばかりに、力いっぱいからだを捻り、
逃れ様ともがいている上半身と、御前の肉蛇に吸い付き離れない淫らな下半身。
御禁制の薬によって歪められた体が蠢く有様は、見る者を追わせた。
厭わしい快感に嬌声をあげ、身悶えながら、侍は従兄弟の名を呼んだ。
繰り返し、繰り返し呼んだ。
だが、擦れた声は三味線と唄い手の声に消され、従兄弟には届かなかった。

咲きしより 散り果つるまで 唐獅子誘え 八重牡丹
想ひや君に届かむか

都々逸を遠くに聞きながら、侍は夢に逃げた。
葉風そよ吹く川沿いの土手、転げた仔侍。差し伸ばされた手。
手とり足とり、教えてくれた笹舟のつくり方。
覚えたか?と笑いかけてくれた兄様。
小川に浮かべた緑の小舟を追って走った事。指に残った笹の薫り。
侍は、もはや失われて帰ってこないいっさいのものを思った。
御前はといえば三度果て、引き抜いた蛇を懐紙で拭わせながら、
満ち足りた心で、侍の感じてやまない乳首(にゅうとう)を弄んでいる。
そうして何を思ったか、居合わせた男どもに問い掛けた。
「牡丹を愛でたい唐獅子どもはおらぬか?名乗り出よ」

続きお願いします。
325風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 17:46:00 ID:XCIQdADw0
水をさすようで申し訳ないが、
詩句の類を引用する時はなるべく 検索よけ をお願いしたい
詩、謡の一部で検索する人って多いから。

なにごともなかったかのように続きドゾー
326風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 18:13:13 ID:ZTrNphxHO
私が勝手に書いたエセ都々逸ですが、
三千 世界、牡丹 灯籠など検索でヒットしやすいワードや、
某有名草紙の名句を、不用意に用いてしまいました。
申し訳ありません。
327リレー:2006/11/12(日) 18:50:08 ID:AfbacsHC0
赤く腫れた孔から白い液が垂れている。
毟り取った無花果のようなそれを見て、男たちはごくりと唾を飲んだ。
一拍、お互いに顔を覗いあったが、すぐに、一際体の大きい男が前に進み出た。
その股座を見れば、既に袴を押し上げんばかりの勢いで欲が顕となっており、
飢えた犬のように餌を待ちかねていたことが知れた。
侍は未だ畳を擦り切らんばかりに身悶えていたが、男が衣を乱してのしかかってくると
呻き声を上げて這いずった。脚をもがれた虫のように這う侍を、男は難なく捕え
ずるりと引き戻す。男が仰のけた侍の腰を抱える一方で、一人の男が侍の腕を押さえ
胸に赤く色づいた実を啜った。それを見た別の男が、侍の今一つの実を指先で掻いた。
天下の柱のようにそそり立つ侍の一物が、またぶるりと震える。
声もなく首を振り哀訴する侍に、男たちは獣欲を滾らせた。
みっしりと肉の付いた侍の体に幾人もの男が取りついている様は、見る者によっては
滑稽ですらあったろう。だが、この場においては、衆道に食指を動かしたことのない
男でさえもが、侍の肉を味わいたいと舌なめずりしていた。それほどまでに、
薬に乱された侍の姿態は艶やかだったのである。
侍の尻孔に己の膨れ上がった棒をあてがい、男が一思いに体を落とした。
それに押し出されるように侍の喉から掠れた叫びが上がり、男根からは新たに
精がしぶいて侍自身の腹を濡らした。
男は眉根を寄せ、しばらくは動かなかったが、やがて肺を空にするかのような
大きな溜息を吐くと、侍の内股をごつい指で撫で上げた。
「お主、これからは武芸の鍛練なぞ一切要らぬな。
尻奉公だけで召し抱えてもらえるであろうよ」
わっと笑い声が上がる。
睨み返すこともできない侍の目に、涙が浮いた。

はいお次ー。
328風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 19:10:54 ID:jUXjXpeVO
尻奉公wwwwエロス
329風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 21:09:41 ID:Yj3tfqQ10
いかん……リレー侍萌え……_r ̄|○
330風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 21:43:07 ID:+dhz8Pjd0
勃ってるマジ勃ってる
331風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 23:04:37 ID:8thWJdUA0
       ○
       ノ|)
  _r ̄|○ <し

        ○ノ
     ○ ノ|
  _r ̄|  <し

         Σ○
     ○ ノ/ヽ
  _r ̄|   />

        ヽ○ノ   ○」
          レ     「/
       />  />

          Oノ
          ノ\_・'ヽO.
           └ _ノ ヽ
               〉
332初仕事18:2006/11/12(日) 23:13:09 ID:fv/n/eoU0
泣き叫びたかった。ぎゃあぎゃあわめいて、せめて辛さを紛らわしたかった。けど、あの
ヒッツレの態度を見て、それもできなくなった。僕がわめき散らせば、今度はガチャメが目を
覚ますだろう。彼にじっと見られながらツメカミに犯されるなんて考えたくない。なんでだか、
自分でも理由のわからない感情のために、ただ切れるほど唇を噛み締めて痛みに耐えた。
最初は興奮気味にひゃあひゃあ声を上げて、ついでに僕をけなすようにからかいながら弄んで
いたツメカミも、今は息を荒げて必死だ。僕の腰をつかんでる手もじっとりと汗ばんでいる。
わがままに突き上げてくる痛みと戦いながら、僕はただひたすらガチャメが目を覚まさない
ことを願っていた。なぜだかはわからない。きっと、ヒッツレみたいな態度をとる人間が
もう一人この部屋の中に増えることには耐えられない、そんな気持ちだったんだと思う。
だけど。結局見てたんだ、あの人も。僕は逸らした目で白い壁をただ凝視していた。
「う…はっはぁっ…あーっあーっ」
派手なよがり声を上げて、ツメカミがイった。感触はよくわからないけど、たぶんヤツの
放ったものは全部僕の体の中だ。気持ち悪い。耐えられない気持ち悪さだ。それはヤツに
腹の中まで汚されたって気持ち悪さ。こんな爪噛んで部屋をごみだらけにするような頭の
足りないヤツに犯られたっていう悔しさ。不甲斐ない自分への不快感でもあった。
「ふへー…よかったぜーホクロぉ。お前すげ…」
僕はヤツの言葉が終わらないうちに、腕をぶんと振り回した。見もせずに振った腕がヤツの
胸を強打したらしい。うっ、と声が聞こえたけど、僕は顔も上げなかった。さらにひどい目に
あわされるかも知れない、そう思ったけど、一発くらい殴らずにいられなかったんだ。
「んだよ、普通ぶってんじゃねえよ、このホモが」
腰から下が動かない。ヤツに全体重で押さえ込まれていたから、体全体がじんじんと痺れた
みたいになってる。でも、すぐに洗いたい。あんなヤツに体の中に吐き出されたもの、一刻も
早く流してしまいたい。僕は鼻をすすり、頬をこすった。立ち上がることは出来なかったけど、
ひざをついて、なんとか地べたを這いずりながらシャワー室へ向かった。
333初仕事19:2006/11/12(日) 23:16:02 ID:fv/n/eoU0
ドアを閉めると一人きりの静けさが待っていた。漂っていた水の粒子が体にまとわりついてくる。
泣くまい、と思っても嗚咽が胸の底から上がってくる。こんなことで泣きたくない。何があっても
この仕事に参加したら最後、文句は言わないって最初に契約してるじゃないか。なんだよ、こんな
ことくらいで! けれど、口をきつく結んでも涙が頬を伝う。そんな自分が余計に悔しい。
頬をごしごしと袖でぬぐっていると、突然ドアが開いた。またツメカミが、と瞬時に体をこわばらせ
振り向いた。見上げると、予想に反してそこに立っていたのはガチャメだった。
ドアを後ろ手に閉めると、じっと僕の背後に立っている。黙ったまま、ただ立っている。
「シャワー…使いたいの? 悪いけど、僕、先に…」
見てたんだろう、僕が犯られるところ。声を聞いて、盗み見て、笑ってたんだろう。もしかして、
あんたもここで僕を犯りたいとか? そうだとしたら思い切りあざ笑ってやろう。男ってしょうが
ないね、こういう状況に置かれると年も何も関係なくケダモノ化するんだね、って。
「あっ…」
やっぱり。ガチャメは僕の両脇に腕を差し入れると、抱きかかえるようにして立ち上がらせた。
足に力が入らない。がくり、と膝が折れるのを、彼はまたかかえるようにして支えてくる。
「やめ…てよ。立てない、よ」
不本意だけど、しがみつくようになってしまう。あ、この匂い。ガチャメの体臭がまた僕の鼻の
奥を撫でる。甘くてちょっと苦味があって、少しだけ紅茶みたいな香りがまじってる。何もつけて
ないはずなのに、こんな匂いのする人っているんだな。ちょっとだけ僕は気が抜けたようになる。
「なんだよ…っ」
傷ついてる自分を、さらに犯りたがってる男に気を許すなんて、僕はどこまで間抜けなんだ。
だからあの人にも言われるんだよ。そういうとこがあるから、って。きっとこういうことなんだ、
僕を採用してくれた人が言ったのは。この部屋の揉めごとの種は、実は僕なんだってことか。
334初仕事20:2006/11/12(日) 23:17:54 ID:fv/n/eoU0
「転ぶぞ。立てないならつかまれ」
低い声。目の前にある喉仏がゆっくりと上下する。見上げるとあごの裏側の髭が少し伸びてる。
髪は派手に染めてるけど、やっぱり髭は点々と黒い。ちょっとそれに触れてみたいような気が
してしまう。小さい頃、お父さんにじりじりされたことが思い出されて…あーあ、僕は相当
弱ってるんだな。
「離せよっ」
意地になって突き放そうとする。けれど、彼を振りほどくことは出来なかった。
「見て、たんだろっ、なんだよっなんでこんな…追っかけて来てまで、僕を…」
腕ごと抱えられたまま、僕は精一杯の声で言った。
「助ければ、良かったのか?」
穏やかな声で彼が言う。見上げると、じっと目を見つめてくる。
「あそこで、オレが助けに出てってやれば良かったのか?」
じっと、吸い込まれそうなほど長いこと、彼の目の奥底を見つめていた。違う、そうじゃない。
これは実験だから。行動を起こして、結果を出して、それを記録に残してもらう。それが今の
僕らの務めなんだ。どんな結果にいきつけばOKが出るのかは見当もつかない。けど、何も
なしじゃ話は終わらないんだ。だから…たぶん、これでいい。これでいいんだ。
「洗ってやるから」
「…え」
少しだけ抱きしめるように彼が腕に力をこめる。なんだかすがりたいような気分になって、
僕はつい体を彼にあずけてしまう。
「中に出されたんだろ。洗ってやるから脱げ」
「えっ、な…あっ!」
突然、脚の内側のスナップボタンをばりばりと外された。警戒した僕は咄嗟に彼の胸を手で突いた。
「やめろっ!いやだ!」
335初仕事21:2006/11/12(日) 23:20:37 ID:fv/n/eoU0
一瞬彼の動きが止まった。と思うと、僕は軽々と脇の下から抱えられて、引きずるようにシャワーの
下へと運ばれた。有無を言わさぬ手際で、彼はボタンをばりばりと外していく。脚の震えに耐えながら、
僕は壁に手をついて体を支える。腰から下が真っ裸にされてしまった。魚の開きになったつなぎの
下部分を彼は僕の腹の上にぎゅっと結びつける。
「突き出せ。…もっとだ」
僕の腰に手をまわして彼がささやく。低くて穏やかな声。湿気に運ばれた体臭がやんわりと
僕を包みこむ。
「あっや…」
ツメカミにいたぶられたそこへ、彼の指が忍び込む。そっと撫でたと思うと、急に力を
込めて、ぐ、ぐ、と奥へ進める。
「やだ…やだよ…」
体を起こして逃げようとすると、彼の手がまた引き寄せる。挑発するように突き出せと、
その手は無言で教えている。割れ目がすっかり彼の目の前に開ききるように突き出させられて、
そこへ指をねじ込まれたまま、僕はがくがく揺れる膝に必死で力を込めていた。
「きばってみろ。自分で吐き出すんだ」
うん、と下腹に力を込める。それと一緒に彼の指が僕の入り口を引っ張るようにしてこじ開ける。
「ん、あ…あっ」
ぴり、と痛みが走る。ツメカミが乱暴にしたせいで、たぶん切れてるんだろう。あれだけ
痛かったら当然だ。
「力抜くな。きばれ」
んっ、と腹に力を入れると、ぶちゅ、びゅ、と下品な音を立てて粘液が吐き出される。恥ずかしい。
ガチャメにじっとそこを見つめられてる。指でこじ開けられ、ひっぱって中を覗かれてる。
「ちょっと切れたな。痛むか」
僕は意味もなく首を振る。恥ずかしくて恥ずかしくて、返事なんていい加減なものだ。
もう一度きばれ、と言われながら、僕は何度も何度もツメカミの残滓を吐き出した。そのたび
いやらしい音をたてながら。そして、きっと間抜けな下の口がぷわぷわと開くのをガチャメに
じっと見つめられながら。
336初仕事22:2006/11/12(日) 23:21:31 ID:fv/n/eoU0
彼の指がぐっと奥につっこまれた。はぅ、と声を上げる僕にお構いなしに、彼は中をぐちゃぐちゃ
かきまわしてくる。もう立っていられない、僕の脚は限界の震えをもよおしている。
「もうちょっとあるな。ここに屈め。シャワーで洗ってやる」
ガチャメがそう言って僕の肩をそっと押した。けれどこれ以上、こんな恥ずかしい扱いには
耐えられそうになかった。
「もう、いいよっ。出てってよ!」
目を逸らしたまま叫んでいた。八つ当たりかもしれない。処理を手伝ってくれてるガチャメに、
僕はツメカミへの怒りと、自分への苛立ちを全部ぶつけてるんだ。
「もう…もう、いい。いいからっ」
やっぱり目を見ては言えなかった。僕の気持ちを知ってか、ガチャメはまた僕の脇に腕を差し
入れると、ぐっと床にねじふせるようにした。バランスを崩して、僕はしゃがむ格好になった。
また、ぴりっと痛みが走り、僕は小さな悲鳴を漏らした。
「膝をつけ。こうして突き出して…もっとだ。ちゃんと突き出せ。それじゃ洗えない」
壁に手をつき、床にひざまづいた。うんと腰を突き出せとガチャメは言う。ツメカミに嬲られて体中
痛いのに、この姿勢はきつい。彼は手馴れたふうにシャワーヘッドをひねって外すと、湯を出した。
「あ…あ…」
温かい湯が中に満たされる。けれど彼は不満そうに息を吐いた。
「手、床につけ。もっと高く上げろ、湯が入らん」
腕をつかまれ、床につかされた。もう僕は抵抗する気も起きなかった。頬を床にこすりつけるほど
低くして、高々と上げた尻に、ガチャメの視線と湯がたっぷりと注がれる。
恥ずかしい。少し痛い。温かい。体の中に湯が満たされていく。
「きばれ。湯、噴き出してみろ」
尻を上に向けたまま、僕はまた下腹に力を込めた。温かい感触があふれ出るのがわかる。力を込めて
みたが、それはじゅぶじゅぶと力なくあふれ出た。たぶんそれにはツメカミの出したものが混じってる。
337初仕事23:2006/11/12(日) 23:22:17 ID:fv/n/eoU0
「もう一回だ。さっきよりいっぱいに入れるぞ」
腹の中がだんだんと膨らんでくるのがわかる。ああ、温かい。ガチャメの手が肌の上を滑っていく。
もっと触ってほしい気がする。ツメカミにあんな目に遭わされたっていうのに、僕っていう人間は
一体頭の中どうなってるんだろう。ああ、きつい。湯で腹の中がパンパンに張ってくる。このまま
入れ続けたら、僕の腸は破裂してしまうんじゃないか。
「いっぱいだ。思い切り噴き出せ。上手に出来たら終わりだ」
褒められたい。この人に、上手に出来たって言われたい。どういうわけだか、そんな思いに頭の中を
占められてる。腹が本当にぱんぱんに膨れてる。これを全部噴き出せば、ツメカミにされたことも
全部きれいに出て行ってくれるんだろうか。僕は思い切り気張った。びしゃー、とさっきより
勢いのある音を立てて湯が噴き出した。それは僕にもわかった。
「…上手だぞ。いっぱい出たな」
低い声で言いながらガチャメの手が僕の尻を撫でてくる。力を入れ続けたせいか、視界はまだ
ぼんやりとしている。けれどだんだんと、シャワーの音がはっきりと耳に響いてきた。ガチャメの
顔が目の前に見える。その手が、僕の襟元のボタンにかけられた。
「シャワー浴びろ」
急に僕は正気に戻った。見られたくない、いう気持ちがどっと堰を切ってあふれ出した。
「出てけよ!」
彼が手をかけた襟元を引っつかんで取り戻すと、払いのけるように腕を振った。僕に合わせて
屈んでいた彼はバランスを崩し、床に手をついた。荒い息を整えるように、僕はそっぽを向いた
まま黙っていた。
338初仕事24:2006/11/12(日) 23:23:19 ID:fv/n/eoU0
彼が黙って出て行くのが背中越しにわかった。悪いことした。けど…見られたくなかったんだ。
僕の先端は、たらたらと粘液を吐き出している。彼の指に反応して我慢できずに、まるで犬が涎を
たらすみたいに。
「なんで…なんでだよっ」
僕はぎゅっとその付け根を掴んだ。きつく掴んで、いやらしい欲を押さえ込もうとした。けれどそれは
逆効果だった。誰の手も借りられない今、僕の体は僕自身の手を待っていた。きつく握り締めた手を
ゆっくりと緩める。そっと滑らせて先端までを撫で上げると、さっき彼に触れられたところが順に
鳥肌を立てていく。脇の下、背中、腹、腰、そして…。
指をねじ込みながら耳元で言われた声が、すぐさまよみがえってくる。きばれ、と言われて恥ずかしい
音をたてたことが。水音を立てて湯を噴き出す姿をじっと見られたことも。
尻にホースをあてがわれ、まるでおもちゃみたいに湯を出し入れされながら、僕は前からもいやらしい
液を分泌していた。彼の指を待って。彼の声に反応して。
(ばかじゃないのか僕は!)
欲望のままに男の自分を犯したツメカミを蔑んでいるくせに、排泄する姿をガチャメに見られながら、
もっと下卑た欲望を吐き出しているんだ。
「…いやだっ…こんなのっいやだぁっ…あ…あ…」
下劣な僕自身の手に犯されながら、これ以上ないほどの快感に震えながら、僕は精を吐き出した。

ここまでです。
339風と木の名無しさん:2006/11/12(日) 23:55:30 ID:QIIbrHCN0
初仕事タン、乙です!
ゴカーン、無視、心の侵食…
三者三様にホクロタンをいたぶってるのがイイ!
やっぱホクロタンはイジメがいあるな〜ww
340とらわれの螺旋 1/3:2006/11/13(月) 09:26:28 ID:BJPDa2rhO
投下します。今回短めです。次回から少し本格的な鬼畜……かな。

-------------------------------------------------------------------------------

 流の性質の異常さが現れ始めたのは、流が小三の頃だった。
 誰ともあまり口を利かず、殊更に視線を合わせることもなく、常に集団から外れるような位置に流はいた。
 頭が良すぎる故か、流は他の誰とも交わることを良しとしなかった。それは異端ではあったが、異常ではない。
 きっかけは、クラスメート。
 その日の休み時間はいつも以上に騒がしく、特に男子が大きな声を上げてはしゃいでいた。女子が注意しても聞き入れる様子もなく騒ぎ続け、皆は呆れた様子でそれを見ていた。
 流はそんな中で一人、教室の隅で静かに本を読んでいた。
 そんな流に注目する者は誰もおらず、流を視界に入れるものがいたとしても、いつも通り我関せずを決め込んでいるのだと思うだけだった。
――ガタッ。
 故に流が立ち上がったことに気付く者は誰もおらず、ただ大声ではしゃぐ男子たちを眺めるだけだった。
「……ねえ」
 不意に現れ、騒ぐ男子につかつかと詰め寄っていく流を、誰も止められるものはなかった。
――パァン!!
 騒いでいた男子の頬を張り飛ばし、床に転がして、流はその姿を冷めた視線で見下ろした。
341とらわれの螺旋 2/3:2006/11/13(月) 09:28:19 ID:BJPDa2rhO
 張り飛ばされた男子も、その周りにいた児童たちも、呆気にとられた様子で流を見ている。
 一体、何を。
 そんな空気の中、流はもう一人の男子に向かい再度掌を振り下ろした。
「……ねえ」
 冷ややかな声が、空気を震わせる。その声の響きに、周囲の温度が下がった。
「うるさいよ、ねえ」
 特に声が高かった方の男子の襟首を掴んで引き上げ、再度掌を振り下ろす。何度も、何度も。
「どうしてしずかにしないの。どうしてうるさくするの。ねえ、だまってよ。……黙れ」
 幾度も幾度も掌を振り下ろし、既に言葉も出ない相手をなおも打ち続ける。
「も、もうやめろよ!そいつ、しんじまう!」
 止めようとした児童さえも振り払い、ただひたすらに相手の頬をひっぱたく。それは呼ばれてきた先生が飛んできて、流を背後から羽交い締めにするまで続いた。
 結局、この事は流の親が権力者だと言うことでもみ消されたが、児童たちの記憶には色濃く残り、以降誰も流の前で騒いだりするものはなかった。
 その後、一人の女子は震えながらこう語っていたという。

「あのね、流君、笑ってたの……薄く、だけど……笑ってたの……」


342とらわれの螺旋 3/3:2006/11/13(月) 09:31:21 ID:BJPDa2rhO


――流は、ベッドの上に寝かせた舜を見下ろし口元にうっすらと笑みを浮かべた。
 自分を止める者は誰も居ない。今は存分に、この獲物を愛でてやれる。
 舜はまだ目を覚まさないが、それも時間の問題だろう。さらさらと柔らかいややクセの強い髪に手を伸ばし、指先でそっと梳く。
 胸が高鳴る。この感情はなんだろう。
 期待か、興奮か、喜びか。その全てであり、どれでもない。
 差し出した掌に、落ちてくる雫を幻視する。そしてそれは、いつでも掌をすり抜けてしまうのだ。
 もう、逃がさない。決して誰にも、渡さない。
 鎖をかけて、閉じ込めて、決して外になんか出してやらない。お前は、俺のものだ。

 流はベッドの上に乗り上げると、舜の全身に覆い被さった。
 舜の背は高い。流自身も180あるが、それと殆ど変わらないだろう。鍛え抜かれた腹筋に、服の上から掌を這わせる。
 舜の顔の上にかがみ込み、その唇に深く深く口付けた……。


------------------------------------------------------------------------

今回ここまで。
規制中につき、携帯からの書き込みになります。
343風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 10:27:23 ID:tzMwhQsiO
初仕事タン、乙乙乙。
キャラが立ってて面白い!
ナキボクロがかわいいよ〜。続きが楽しみっ。
ガチャメってもしかしてワキガ!?ww

リレー侍も乙です。
大好きだ。今までいろんなリレーもの読んだけど、
こんなに萌えるのは、はじめて!
ここの姐さん方は、まじ凄い。
上手いしエロいし、仕事が速い!!
344風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 18:32:36 ID:LTmMbdsbO
初仕事さん乙です!すごい話に引き込まれる〜
345風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 18:39:49 ID:tzMwhQsiO
↑お義理の乙コールっぽいwww
346風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 18:43:07 ID:6c3rma9YO
初仕事さん乙!
実は初投下時から萌え&燃えてたよ。
面白い。
映画にもなった実在の牢獄人体実験みたいだ
今後の展開にwktk
347風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 18:45:42 ID:tzMwhQsiO
ごめんなさい!
一瞬、螺旋さんへの乙かと思っちゃったです。
初仕事タン宛に決まってるよねwww
348風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 18:48:17 ID:tzMwhQsiO
347は、344タンへのレスです。
349風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 19:00:04 ID:tzMwhQsiO
規制中にわざわざ携帯から投下して下さった、
書き手さんへ感謝の乙をお願いしまーす!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
350風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 19:14:40 ID:2t9xNqq90
ID:tzMwhQsiO、落ち着いて半年ROMれ。痛々しくてカワイソス
351風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 19:25:28 ID:m99S5GeRO
螺旋さん、時事ネタだと思って避けてましたが
改めて最初から読み返してみて関係性にちょっと期待です
352風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 21:01:54 ID:tzMwhQsiO
「ちょっと期待」ってあたりがリアルでいい!
「ちょっと」しか「期待」されてない螺旋さん、
したらば雑談は読んだ??あたたか〜いメッセージがイッパイだよ!
353風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 21:23:56 ID:m99S5GeRO
>>352
螺旋さん宛てのコメント
354初仕事25:2006/11/13(月) 21:33:54 ID:0u41dzcc0
スカ要素あり


誰かが水を流す音で目が覚めた。丸一晩、眠っていたように感じる。けどきっと一時間か
そこらのことだろう。そういうことはよくある。疲れきって、僕はまるで穴の中に頭から
落ち込むようにして眠ってしまったんだ。
シャワー室から戻ったあと、いつもの位置に陣取るのはやめた。壁際の定位置に座って
まっすぐ目を上げるとガチャメが見えるから。もう彼を見たくなかった。というより、
彼に見せた自分の姿を思い出したくなかったんだ。
横の壁に移動したけど、ついたて壁の裏の便器が丸見えなんだ。まるでトイレ中に
へたり込んでいるみたいで悲しくなる。
「ぐっすりだったなー。寂しかったぜホクロちゃん」
いきなり髪をつかまれ、ぐいと上を向かされた。
うぇ、げぇっと思わずうめき声をもらす。トイレから出てきたツメカミが、僕の口に自分の
ものをねじこんできたんだ。放ったばかりの汚物の匂いが尿道の中から染み出してくる。
きっとこのままならその残滓も僕の舌の上に押し出されてくるだろう。僕は必死でツメカミの
脚に腕を突っ張った。
「ぐ…あ、め…っ!」
「なに言ってんだよ。起きるの待っててやったんだぜー。早く舐めてくれよ」
首を振って逃げようとすると、じれたのか、頬を力いっぱい張られた。髪をまた掴まれて、
頭をひっぱり上げられる。思わず、ひっ、と声が漏れる。
「ちゃんと舐めて濡らせよ、痛えんだろ入れるとき」
そう言いながらまた無理やりねじこんでくる。ツメカミの言葉に、僕は目を見開いて訴えた。
いやだ、やめて、やめて。もうあんなことはいやだ。
「ほら、てめえのためだろ。ちゃんと舐め…っんだよ、もっとちゅぱちゅぱ言わせろよなあー」
「…ぅ…ぐ」
まだ寝起きのぼんやりした頭で、わけもわからぬ内にこんな目に遭わされてる。みじめだった。
髪が抜けそうなほどさんざん頭を振り回されて、今度は床に投げつけられる。同時に、股の
ボタンがばりばりと音を立てて外される
355初仕事26:2006/11/13(月) 21:35:04 ID:0u41dzcc0
「やめ…っ」
とっさに体を起こそうとするが、ゆっくりとしか動けない。なんでこんなに体に力が入らない
んだろう。のそり、と動いたところをいきなり蹴り上げられた。悲鳴を上げて、僕はうずくまる。
蹴られたわき腹を押さえてうめく。丸まった僕の体をまたツメカミが抱え上げて、硬くなった
ものを突き立ててくる。
「痛い…から。無理だよ。ほんと痛い…痛いん…だよ」
半分泣き声で懇願する僕の声などヤツの耳には届くはずもない。少しずつ角度を変えながら、
硬く張りつめたものを無理やり押し込んでくる。
「ちっ、入んねえよ。おめーが動くからよぉ」
不意に立ち上がると、ヤツはガチャメの足元に歩み寄り、転がっていたゼリーを拾った。
シリアルバーと交換したヤツだ。飲まなかったんだな、ガチャメ。そっと目をやると、
彼もこっちを見てる。
また、そうやって見てるんだあんたは。立てた膝の上に腕を力なく置いて、その指先は銀色の
かけらをもてあそんでいる。シャラシャラと指からこぼれたパズルのかけらがその足元に
星のようにまかれていく。
「おっし、これこれ」
ゼリーを手に、嬉々としてツメカミが戻ってきた。悪だくみを隠し切れない子供みたいに、
眉をひくひく上げている。本当に無邪気に意地悪そうな顔してる。
僕は力を振り絞って、立ち上がろうともがいた。床の上で膝がすべる。手をついてなんとか
立ち上がったけど、その脚に思い切り足払いを食わされた。ズダン、と鈍い音を立てて僕は
横向きに転がる。無防備にあいた腹を、またツメカミに蹴られる。痛い。息が苦しい。呻きながら
仰向いて、また横を向く。腹を押さえてのたうっても、苦しさはなかなか僕を解放してくれない。
ほとんどあらわにされていた下半身を、改めてツメカミに剥かれる。残っていたボタンもバリリ、
と音を立ててはずされ、裾から無造作にめくりあげられてしまった。ツメカミの手は意地悪く、
もっともっとというようにつなぎをめくりあげていく。僕は背中も半分ほどまで裸にされてしまう。
「いいねえ。中途半端に着てんのもスケベっぽいよな」
嬉しそうに言いながら、易々と腰を抱えて引き寄せる。なんで力が出ないんだ。もう少しまともに
抵抗したい。少しくらいは…。
356初仕事27:2006/11/13(月) 21:36:10 ID:0u41dzcc0
「ああっ!」
ツメカミが僕の腰をがっちりと抱え込み、座り込んだ。さっき手にしたゼリーの吸い口を僕の体に
ねじ込んでくる。
「いやだっいやだっ!」
床をかいてなんとか前へ逃れようとする。けど、腰をがっしりと横抱きにホールドしている
ツメカミの力にはかなわなかった。まるで奥の奥まで覗き込みたいように顔を近づけてくる。
ヤツの熱い鼻息がかかる。
「さ、たっぷり入れてやったからな。これですべり良くなんだろ」
ゼリーのパックを脇に投げ捨てると、僕の背後に立つ。さっきより強引な力でねじ込んできた。
「いっ…あーっ…」
歯を食いしばって耐える。辛い。けど、これでいいんだろう。人間こうなると、こういう行動に
出るってことで。ちゃんと撮ってるかなあ、カメラ。
「あっあっ…んんっ」
ほんとうに身勝手なヤツだと思う。力任せにねじこんでおいて、あとは無茶苦茶に突き上げて
くる。僕の様子なんて微塵も見てないんだ。こんなに辛くて、あぶら汗かいてるのに。
「あっ、はーっ!はぁっ…はああ」
やっとイった。前と同じ派手なよがり声を上げて、前と同じように全部僕の中にヤツは放った。
悔しい。なんでまたこんな目に遭わされるんだろう。特別小さいわけでも、ひ弱なわけでも
ないじゃないか。なんで僕だけが。ゆっくりと目を上げる。やっぱりガチャメがじっと見てる。
僕はぎっと視線を強めて彼を睨みつけた。犯れよ。あんたも突っ込めばいいじゃないか。
洗ってやる、なんて、あんなまだるっこしいことしてないで、ここで指つっこんでかき回して、
僕によがり声を上げさせて、ツメカミみたいにあんたも吐き出せばいいじゃないか。
見るな。黙ってそんなふうに、僕を見るな。僕が犯られてるとこを。
もう体の中に力は残っていなかった。犯られて、寝て、起きぬけにまた犯られて。
指一本も動かしたくなかった。こうして部屋の真ん中に、つなぎをめくり上げられてツメカミの
体液まみれになって転がってれば、次のお客さんが来るかもね。ねえ? そこで盗み見してる
ヒッツレさんも。犯ればいいんだよ。順番にさ。僕のこと、どろどろに汚していけばいいんだよ。
なのに、なんで黙って見てるんだよ。
357初仕事28:2006/11/13(月) 21:37:06 ID:0u41dzcc0
この実験が、どんな結果に着地すればOKが出るのか、やっぱりわからない。けど僕は
ちょっと不思議な感覚にとらわれ始めていた。めちゃくちゃになればいいのにな、って。
僕はこうして犯られてる。犯られ続ける。そして僕だけじゃなく、みんな極限まで行って、
人としての姿を失うくらいひどいことになればいいのになって。
それがどんな姿かは分からない。自分自身の思いなのに、実のところどうなってほしいと
思ってるのかさえ、想像がつかない。殺しあうなんてとんでもないし、殴りあうのだって
いやだ。けど、うんとひどい目に遭えばいいのに、なんて思う。僕も含めてね。
ここまで汚されたら、もっともっとひどい目に遭わせて。泣き叫ぶまで。僕の体を二つに
裂いて、悲鳴も上げられないくらいひどい目に。そうしたら…そうしたらもっと、気持ちが
いいような気がしてきたんだ。僕、頭おかしいかもね。でも考えるだけなら勝手だろう。
そうだ、そう言えばそんなこと言われたよ、面接のときに。
キミはちょっと変わってる、目の前の穏やかな快楽は選ばない性質なんだな…ってよく
意味わかんないけど、こういうことなのかな。
今まで自分ではそんなこと考えもしなかった。でも、そうだね。さすが人をたくさん見て
きてる人は違う。僕の本性見抜いてたってわけだ、あの人。
けどやっぱり、今の僕にはそんなカオスな状況、さっぱり呼び込めそうにない。
だってツメカミひとりにこんなに踏みにじられて、立つことさえ出来ないんだから。
眠くなってきた。頭がぼんやりする。このまま寝たら、次に起きるときはまた、ツメカミの
処理に付き合わされるんだろうな。破滅の夢にとらわれながら、重くなるまぶたに抗えず、
僕は眠りに落ちていく。


ここまでです。
358風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 21:57:21 ID:vXsGEsyJ0
やべえ、めちゃくちゃ面白い。
おとなしいけど、泣きボクロちゃんの破滅的な性格が素敵だ。
展開が読めん
359風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 22:32:29 ID:dHoCtfCf0
初仕事タン乙です!
泣きぼくろタンがただの可哀想な子じゃないのがすごくイイ!
ガチャメが萌ゆる。優しい人じゃなさそうなのになぜだ。
一体何の実験なのか、すごく気になる。
次の投下も楽しみに待ってるよ〜。
360風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 23:11:13 ID:8LMLCe0L0
初仕事タン、乙!
泣きボクロちゃんがどう化けていくか楽しみになってる。

螺旋タン、携帯から乙です!
喧嘩強い受けタンがどう調教されてしまうのかこれからの展開にwktk。
携帯だと大変でしょうが、心から待ってる。
361風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 23:24:06 ID:tzMwhQsiO
螺旋さん、「心から待ってる」人が、
ひとりだけどいて良かったね!
362風と木の名無しさん:2006/11/13(月) 23:29:21 ID:nsBhYMaw0
螺旋タン、初仕事タン、乙
豊作だ(*´Д`)ハァハァ
363リレー:2006/11/13(月) 23:31:16 ID:HkcG5z/M0
「御前さまの見事な一番槍の後をいただく栄誉を賜ったのだ。
 いかに尻奉公の叶う名器であっても、あっけなくもっていかれるでないぞ」
胸の赤い実を摘みながら言う男の言葉に、刺しはしても腰を動かすことのなかった男は
我慢の気配を漂わせながらも、おうと答える。
「御前さまに無様なところをお目にかけるわけにはいかぬからのう。
 だが……」
ぐぅと喉が鳴った。
「おう!いかぬ、いかぬ。なんと貪欲な孔か。早く突いてこいと絡みついてくるわい。
 初掘りを済ませたばかりとは思えぬ」
御前の老獪な責めに花開かせられた孔と襞は、新たな肉杭を心ゆくまで味わいたいと言わんばかりに
その形や硬さを確かめるように絡みつき奥へと誘い込む。すると、みるみるうちに男の大きな体に
玉のような汗が浮かび、肌が赤らんでいった。
 ここにいたって我慢の限界が来たか、男はおうと野太い声を上げながらがっしりとした腰を馬のごとく振り出した。
 突きだけでなく、えぐり、回しと緩急自在であった御前の責めに比べて、ただ前後に動くだけの単調なものだが、
御前より幾分太く硬い肉が目新しいのか、孔は食い尽くすかのような勢いで絡みついていく。
 太い首も顔も真っ赤に染め上げて突き続けていた男だが、孔の技にとうとう堪えきれなくなった。
「おおぅ、出る、出るっ!」
びゅっびゅっと、まるで水鉄砲のような勢いで奥に精を叩きつけ、男はがっくりとうなだれた。
どうしたどうした、早いのではないかと周囲の下卑た笑い声が上がる中、男はずるりと腰を引くと、
そのまま御前に向かって平伏した。
「栄えある二番槍を仰せつかりながらのこの仕儀。
 面目次第もござりませぬ。
 さすが、一番槍で三度も勝ちを上げられた御前さまにございます。
 それがしのごとき未熟者、御前さまの足下にもおよびませなんだ」
男の言葉に一層機嫌を良くした風の御前を横目に、従兄はちらりと侍に目を向けた。
侍の口が小さく動いていた。
 何度も、何度も。

 あにさま、と。


お次ドゾー
364風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 00:59:46 ID:gqdYcy++O
初仕事さん乙
自分も気になってたけど、あの映画は知ってるのかな?元にしてる?
映画も主人公が美男だったらこうなっていたかも…と思ったけど、
実際はまじでこういうことがあったかも知れないよね。
365風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 01:16:34 ID:U4i2Vi7Q0
>>364
つか、映画自体それっぽいヤオヤオしさが漂ってたような気がするww
366風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 01:36:45 ID:5Okq0M6V0
自分は初仕事みてキューブ思い出した
ちと違うか
367風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 04:38:35 ID:2nnz2b8QO
なんで誰もリレー侍に乙しないの??
萌えてるのは私だけ!?
もともとしたらば雑談のリクエストからはじまったネタ&リレーなのに、
スレ住人全員でほぼスルーって薄情過ぎ。
書き手さんに、もっと燃料投下しようよ!

予想もつかない展開&エピソードに引き込まれる!
侍がもっとのたうちまわって、心と体に決して癒えない傷を負うといいな!
続きwktk!!
368風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 06:52:36 ID:qhsirOz10
本気で言ってるにしてももっとテンション下げて書き込んでな
369風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 07:18:27 ID:fplrhIXL0
下手な応援はアンチ活動とも取れるから自重すべし。
370風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 13:49:46 ID:DhJ9kBkQO
痛々しい応援だな…リアルかアンチか半年ROMっても空気読めないチュプか…3年ROMれ。
371風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 14:06:07 ID:QYXyBco8O
アンチつーか、早朝からチラ裏・絡み・したらばを爆撃してるただの荒らしなので
スルースルー
372風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 17:40:33 ID:nAQOKRiMO
初心者じゃないことは確かだな
373風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 17:54:25 ID:aVkBhOfyO
これら皆荒らし一人でやってると思ってんの?何人もいるんだよわらわらとね。
374風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 19:07:13 ID:7rVrrD4R0
昨日・今日と他スレにまで出張してる荒らしは一人だけどね
375風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 19:30:02 ID:aVkBhOfyO
実際問題荒らしはいなくならないし、いなくさせられないし、共存していくしかないと思います
376風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 19:47:14 ID:7rVrrD4R0
なんで急に口調変わってんの?
家族の携帯借りたんならまだいいけど、友達の携帯を強奪したとかじゃないだろうね
377風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 19:56:01 ID:aVkBhOfyO
ヒント:多重人格
378風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 20:06:48 ID:nT/coK+o0
>377
クラウザーさんか。
379喰う!:2006/11/14(火) 20:16:33 ID:2nnz2b8QO
受けは泣き叫ぶ攻めを押し倒し全裸にし、
攻めの裏筋に電マを当て、勃起を強制するとまたがった。
挿入しながら乳首を舐め、唾液でたっぷりと濡らし、
右を舌で左を指先で転がすと、攻めは股を震わせて感じた。
後孔で搾りあげながら双頭を撫でると、乳首の弱い攻めは、
先走りをだらだら漏らし、受けの襞をぬらぬらと濡らした。
「漏らしてんじゃねえよ!」
受けは固めた拳で攻めの形のよい鼻を殴り、臀部に力を込め、
攻めの陰茎をぎりぎりと締め付けた。
「あぁあああっ!」
余りの痛みに体をひきつらせ泣き叫ぶ攻めの、
感じやすい乳首を弄び、苦痛の上に快感を付与しながら、
受けは豪快に笑い、より深く速く腰を動かし、攻めの陰茎を激しく吸引した。
そうして、嫌がる攻めの頬を両手ではさみ深い口付けを強いる。
受けの唾液を飲まされ、うねる舌に犯される口内。
臭く汚らしい受けの孔に咥え込まれ、離してもらうない陰茎。
いまいましいほど感じてしまう淫らな乳首。
嫌悪感と快感に揉まれながら、攻めは喘ぎ、美しい顔を歪めた。
受けは、腰を振る速度をあげながら、淫壁で攻めの亀頭を擦り上げた。
「とっとと逝けよ遅漏!」
攻めの両頬を平手で繰り返し打ちながら、受けはキラキラと汗を飛ばし、
嬉々として攻めを見下ろした。

おしまい
380風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 20:19:16 ID:aVkBhOfyO
>>379
乙乙乙!これぞ鬼畜!!
愛がなくて最高!!
381風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 20:30:36 ID:2nnz2b8QO
自分が読みたい話を、もうひとりの自分に書いもらった。
でも、なんか違うよ。物足りない。
恋愛とかなくてハードで鬼畜で、攻めが酷い目にあう長い話が読みたいです。
382風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 20:34:14 ID:0O3DIGIL0
ID:tzMwhQsiOもか
383風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 20:34:28 ID:aVkBhOfyO
>>381
いや、違う。
恋愛なしのハードで鬼畜なやつで
受けがメチャクチャに心も体も壊されるやつが最強。
384風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 20:41:06 ID:2nnz2b8QO
確かに!鬼畜な受けが身も心もぼろぼろになると萌える。
攻めを食い荒らしていた受けが、
逆転、転落&廃人っていいな!
385風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 20:47:53 ID:aVkBhOfyO
>>384
でしょ!でしょ!
廃人になっても犯され続けるの。うわごと言いながら突っ込まれて、
もう自分でも理由がわからず涙してみたりして。
386風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 21:01:06 ID:2nnz2b8QO
うわごと言いながら、よがり狂って、
後ろは、がばかばで、足腰たたなくて、体がたがた!
攻めのティンポがないと生きていけなくなるといいよ。
自信に満ち溢れていた受けが、惨めで哀れな男さんになるのって萌え。
387風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 21:18:36 ID:aVkBhOfyO
足腰たたないけどティンポはギンギンに勃ってて、でもそこには一切触れず、先走りたれ流し状態で
うわごとがうるさいという理由で上のお口にティンポ突っ込まれて下のお口に極太バイブ突っ込まれてたら大満足。
388風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 21:25:05 ID:2nnz2b8QO
それ最高!
それ大好物だ。泣き濡れながら上と下に咥わえる受け!
勃ちっぱなしで前はぬらぬら、後ろとろとろ。
今にも剥がれ落ちそうな声で喘ぎながら、どんどん堕ちてけばいいよ。
389風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 21:36:30 ID:aVkBhOfyO
我慢できずに自分で扱こうとして手を伸ばすも、攻めに無理矢理手を拘束されてイケない受け。
ヒクヒク震える先端を軽くいかない程度になぞって、淫乱など言葉で激しく罵倒した後ティクビを強くひねり潰して一気に射精。
390風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 21:38:23 ID:qvr1WyHJO
ここで雑談しないでくださーい。
391風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 21:41:41 ID:aVkBhOfyO
これは一つの作品ですが何か
392風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 22:04:46 ID:2nnz2b8QO
タイトル
379:喰う!
381:違う!
383:受け!
384:確かに!
385:犯す!
386:狂う!
387:勃つ!
388:咥える!
389:射す!
390:叱る!
393風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 22:05:15 ID:nAQOKRiMO
スルー汁
394風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 22:18:14 ID:QjTQOohZ0
>>393
ごめん!
キチガイ降臨記念っつーことでスルーできない!
395リレー:2006/11/14(火) 22:58:03 ID:YgUV8Ll50
男の果てるのが早すぎて遂情の叶わなかった侍の陰茎は、いく刺激を待ちわびて露を止めどなく
溢れさせ、悶える身体に合わせて揺れている。
ああいけぬ、これではいけぬ、足りない足りない。
もっともっと胸を舐めてくれ、竿をしごいてくれ、熱い杭で埋めてくれ、奥を擦り上げてくれ!
快楽にぼやけた頭の半分で侍は新たな肉の杭を求めた。陰茎や乳首を嬲る手を待ちわびた。
魚の口のように開け閉めする後孔の動きに、ごくりと唾を飲んだ男が次はわしじゃと進み出たものの
気がせいてなかなかほどけぬ下帯に舌打ちしている間に、別の男が割り込んてくる。
「次はわしの番と言うたではないか!」
「もたもたしているうぬが悪いのよ」
言いざま素早く後孔に、先の二人よりいささか見劣りする一物を潜り込ませる。
「あう……んああああ」
「ふん、そなたの物が不満らしいぞ」
割り込まれた男が憎まれ口を叩くのを、鼻で笑いながら太いだけが芸ではないぞと答え
腰をくねらせて後孔のあちらこちらを突いた。
手は侍の竿をしっかと握り、擦っては亀頭に爪を立て、侍の口から更なるあえぎを引き出す。
その技に溺れながらも、正気の残る頭の半分で従兄に助けを求める侍だったが
当の本人は、さきほど口の動きから読み取った言葉に内心で舌打ちした。

"あにさま"だと?
一体どこの誰のことだ。男同士の交わりのほんのさわり、せいぜい竿の擦り合いくらいしか
知らぬはずだが、どこぞに操を立てる念兄でもおるというのか。
偉そうな口を叩いておきながら、いずれその尻に男を咥えるつもりだったということか。
危ないところだった、初菊を御前に献上する約束だったのだからな。
どこの誰とも知れぬ者に開かれた後では、こうも高くは売れなんだろうて。
誰かは知らぬが、後生大事に手を付けずにいてくれたことには感謝するぞ。

侍の心を知らぬ従兄は、居もしない相手に向かってそう毒づいた。
何故こうまで腹立たしく思うのか、その理由を深く考えることを無意識に避けて。

続きお願いします
396風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 23:13:29 ID:brsPdHdoO
待ってたよ。リレータン乙
397風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 23:30:24 ID:aVkBhOfyO
うわ、リレーまた始めやがった。こっちも負けじといい作品投下しなきゃな!!
398リレー:2006/11/14(火) 23:36:57 ID:nPUGp4Qu0
御前は脇息に身をもたせかけて、繰り広げられる狂宴を眺めていた。
障子越しの光が、侍の臀部をあますところなく明らかにしていた。
侍は夏になると褌姿で水練をするのを常としていた。
そのため臀部にはくっきりと丁字の後がついていた。
日に焼けていない部分は思いのほか白い。
そして、陰毛を剃られているために、唐土渡来の白玉のように滑らかで艶やかだった。
だが、白玉と異なり、深い快楽のためにほんのりと紅色に染まっている。
そこに赤黒い怒張が出入りしているさまは、たとえようもなく卑猥だった。
御前はしきりに頷いた。
「やはり、男はよい。特に身体を鍛えて己の力を頼みとしている男は格別よ。
己の頼みとしていたものを打ち砕かれると、たやすく堕ちてきよる。
そして、最後には尻を振るだけの愛しき人形となる。ほんに楽しみなことよの」
侍の口があにさま、あにさまと無力な言葉を紡いでる。
御前はすぐにそれに気がつくと、傍らに侍る従兄弟に語りかけた。
「その方は、加わらぬのか」
「は……」
従兄弟の返事は気もそぞろだった。
従兄弟は、男たちに犯されている侍から目が離せなかった。
今、侍は膝に抱きかかえられて後ろから犯されながら、陰茎を別の男にしゃぶられていた。
瞳は焦点を失い、口からは一筋のよだれが流れ落ちていた。
従兄弟の知る凛々しい若武者はもはやどこにもいなかった。
御前は従兄弟の様子を眺めて、ふふふと哂った。
「身内の媚肉は遊里の者とはまた異なった味わいがあろうに」
御前の目が怪しく光った。
従兄弟の煩悶、侍の哀願を御前は全て了承しているのかもしれなかった。
全てを飲み込んだ上で、御前は愉しんでいるのかもしれなかった。

お次お願いします
399風と木の名無しさん:2006/11/14(火) 23:38:57 ID:0FcgldpA0
リレー大好きだ!
いつも続ききてるかwktkしてます。
あにさまはどうするんだろ・・
400風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 00:27:25 ID:UMxgnuId0
従兄弟が向けた視線の先には、侍の開いたばかりの花を慈しむ男どものまぐわいがあった。

「我にしか出来ぬ乗り様を、御覧じろ」
侍の尻を穿つ、先ほど一物を貶された男は、小兵ではあったが騎馬の名手であった。
目線で促し、侍の陰茎を自由にさせ、ぐっと両腕を後ろへ引き寄せたかと思うと、
軽やかに背を落として、まるで馬に乗り上げるが如く、後背から侍の尻を叩き、嘶かせた。
「うっうぐ……グァッ……っああっっ」
ぐらりと体は揺れて、その隙を逃さず、細身ながらも腹側へと叩き込む。
侍は雄叫びを上げてからは肩から畳に突っ伏し、ひゅーひゅーと喉元より呼気を吐いた。
尻はあらゆる角度で突き上げられ、その度に両脚の間から垂れ下がる陰茎は、
先ほどよりの尺八のせいで全身が濡れて滴り、だが先端からは明らかに滑りの違う透明な液が滴った。
「やや、これは中々の名馬であります。ほれ、このように」
侍の両腕を咎人の縛りのように背に束ね、引いて、背を反らさせ、ぐっと落とし込むように
小刻みに細身の突きを刻む。
腰だけを掲げられ、鍛えられた背中の肉がぐっと反り返る。
その曲線は紛れもなく歴戦の軍馬であった。
稚児や小姓のあえやかな骨や肉とは違う、逞しき鎧の武士。
だが今はその体はうっすらと朱に染まり、震え、受け入れる内部の腑は怪しく蠢いて、誘う。
何より、畳へと垂れていた侍の男根は、先端を真っ赤に膨らませて、ゆっくりとその角度を変え、
田の字が分かるほど張り詰めた下腹部に、ぴたりと重なっていた。
後ろより、突き入れる動きに合わせて、侍の陰茎は僅かに腹を叩いて、鈴の口は解放を求めて
ぱくぱくと開いて、白濁と混じった液を垂れ零す。
「前を弄らずとも、啼いてみせましょう」
初鞍に恵まれたものなれば、手柄は誰ぞと、囃し立てる男達の狂乱を余所に、
御前と従兄弟だけは静かに、だが質の違う熱さを纏い、侍を注視する。
体勢が変わり、侍の表情は伺えぬ。
震え、突きの度に前にずり上がる肩が、逆らうかのように横に振られる首や、顎が、侍の最後の矜持で
あったか。
だが、本人も気づいていないのであろう、僅かだが迎合する腰の振れが、御前の先ほどの予兆を
何より顕していた。

そのすべてを、従兄弟は凝視した。
401風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 00:28:59 ID:UMxgnuId0
行が入らなかった。ソマソ。
続きよろしくです。
402風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 00:53:07 ID:IgeaztSc0
リレー最高っす。皆さん文章がうめえ。萌える。
403風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 01:19:25 ID:FrOBspDGO
程なくして侍は後ろの刺戟だけで達した。侍の口は快感と苦痛で半開きだ。
その口の端から伝う涎を舌で舐めとる男。
飛び付くように侍にのしかかる、先程、順を抜かされた男。
鯉のように鈴口をぱくつかせている前をしゃぶる男。
亀頭のように過敏な乳首を摘む男。三味線を手に唄う男。手を叩く男。
誰もが、もっこりと股間を膨らませていた。
座敷で其処を猛らせていないのはただひとり。侍の従兄だけだった。
御前は、にたりと嗤うと従兄に侍を抱くよう命じた。
「近しい者同士が交わる様を見せてたもれ」
御前は、従兄の股間に優美な手を伸ばすと、指をひらめかせ、
息を潜めていた其処を揉みしだいた。
「っ、うぅ、はぁ」
御前の巧みな指使いに煽られ、眠っていた唐獅子が目を覚ます。
冷艶な従兄の冷なる部分が、艶に押されゆく様に御前は微笑み、
右の手で従兄の唐獅子を撫でながら、ねっとりと囁いた。
「梅に鶯。牡丹に唐獅子。どうもこの唐獅子は、あの牡丹に気があるようじゃ」「ご冗談を」
やんわりと御前の手を制しながら、従兄は苛立った。
腰のあたりにボッと火が着いている。熱い。
目の前では、過ぎた快楽に狂いはじめた侍が、うわごとのように、
あにさま、あにさまと繰り返していた。
再度それを耳にした瞬間、烈火が従兄の記憶の中の仔侍をめらめらと飲み込んだ。
憤りは大火となって、遠い日の笹舟を焼き尽くしてゆく。

御前は、意を決した従兄の手が袴の帯にかかる様にほくそ笑んだ。

続きお願いします。
404風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 01:22:25 ID:FrOBspDGO
↑リレーです。
書き忘れました……orz
ごめんなさい。
405風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 03:09:07 ID:aTbAHTUQ0
あにさまキターー!
乙です
続きwktk
406風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 04:13:34 ID:8qyUlIdTO
(´д`;)ハァハァ
続きを…
407テュランの筏1/8:2006/11/15(水) 12:07:40 ID:CkVkdxcC0
投下します。
---------------

「私が、君たちを助けたんだ」
恩きせがましく、白いスーツの男は言った。
「だから、この『船』の長は私だ。皆、私の指示にしたがっていただきたい」
腕を広げ、衆人をかき抱く神像のようなしぐさを取る男に、僕たちは白けた目をむける。
船、とはよくいったものだ。
ただの巨大な板。かろうじてマストがついて、海に浮かんでいるだけの「いかだ」。
乗っていた客船が沈没し、気がついたらここにいた。
あたり四方はずっとずっと海がつづいている。陸なんてどこにも見えやしない。
座礁した船の残骸や、他の救命艇が見えないかと視線をめぐらせたが、それらしいものはない。
もしかして生き残りは、ここにいる四人だけなのだろうか………
不安を、頭を振って追い出し、改めていかだの中に目をむける。
白いスーツと対比するような真っ黒で巨大なトランクを手元に引きよせる、男。
歳は二十代後半から三十といった所だろうか。
黒く強い眉と瞳と自己主張の激しい黒髪が、スーツの白さを引き立てているようだ。
左手首の銀色の腕時計も合わせて洗練されている。
流暢な日本語から、僕と同国で間違いはないだろう。
408テュランの筏2/8:2006/11/15(水) 12:08:30 ID:CkVkdxcC0
そして彼の「指示」とやらにしたがわなければならない、僕のほかに二人の少年。
一人は、さっきから睨みつける表情を崩さない金髪の少年だ。瞳は空のように冴えたブルー。
唇をかみしめ、拳を握っている。
もう一人は、赤毛のオリエンタルな雰囲気をまとう少年。
まだ現状に意識が追いついていないのか、呆然とした目の色をたたえている。
僕が一通り見まわした直後、その指示はくだされた。
「では君たち、服を脱ぎたまえ」

僕は目を丸くした。日本人だとの認識は間違えで、実はどこか異国の人で、異国の言語を使ったのだと………思いたかった。
男は誰も指示にしたがわないのを見て、眉をひそめる。
「そこの、日本人の君。翻訳して伝えてくれないかね、今の命令を」
「あ、えと、智士です。僕は新郷智士」
なに、自己紹介をしているのだろうと、僕はまぬけな気分に陥った。
「そうか、私は藤吾だ」藤吾は顎をしゃくる。「智士君、したがってくれたまえ」
「え、えと………」
英語で伝わるだろうか。ジェスチャーでも分かるだろうけど、その内容は………僕の聞き間違えではないのか?
409テュランの筏3/8:2006/11/15(水) 12:09:10 ID:CkVkdxcC0
「聞こえてる。日本人のおっさん」
僕は横をむく。金髪の少年だった。フーセンガムをふくらませ、ポケットに手を入れて、ふてぶてしい態度だ。
「だがなんで、俺たちがあんたにしたがわなくちゃならない?」
ペッと吐きだすガムの残滓が、水柱を立てて海に落ちた。
「服を脱げだって? 誰がそんな事するかよ。船長ごっこは一人でやってな」
まくし終えた少年は、藤吾に背をむけ、いかだの端に座りこんだ。
巨大な面積をもついかだは、それくらいで傾いたりはしない。
藤吾は目を細め、左手を持ちあげる。
なにをするのかと見守っていると、時計盤の脇のネジを押し、しばらく盤面を注視しつづけ、それからおもむろに口を開いた。
「大西洋まっただ中だが、赤道からは離れている。吹く季節風も冬のものだ。
日焼けの心配はいらない。日差しが強いときは、そこの防水タープにくるまっていればいい」
白いスーツの指先が示す、緑色の巨大なカバーを、僕はただ呆然と見つづけた。
今のは、したがわない僕らを、納得させるための説明だったのだろうか?
だとしたら、あまりに外れている。空気を読めていやしない。
日焼けがいやで、脱がないとでも思っているのかこの同国人は。
410テュランの筏4/8:2006/11/15(水) 12:10:08 ID:CkVkdxcC0
ぽかんとあいた口がふさがらないまま、僕は金髪少年の横にしゃがみこんだ。
彼はこちらを見もしない。端正な横顔で、水平線に視線をやっている。
「………十四日間だ」藤吾の声が潮騒にまじる。
「偏西風と、それから潮流の関係で、このいかだは一日三十キロ南下し、五キロほど西に流される。
夜中に十キロ程度押し戻される。東経三十五度の諸島までの距離が約百五十キロ。
助けられるのは二週間後で間違いない」
時計を見ながら語る藤吾の弁に、僕はどう判断していいやら迷った。
身ひとつで、このいかだの上で気付いて………食料もなにもなく、二週間というのは絶望的な数字なのだろう。
けれど、いまいちピンとこなかった。
他に舶影も見えないが、大きな客船の沈没だ。
今ごろ海上自衛隊が出動し、マスコミのヘリもあちこちに飛んでいるはず。
こんな訳のわからない「船長」にしたがう必要もなく、すぐに助けが来ると思っていた。
僕は生来ののんき者なのかもしれない。
隣で彫りの深い横顔を見せる少年は、そんな甘い考えをうち砕くような、厳しい眼をしていたから………
411テュランの筏5/8:2006/11/15(水) 12:10:56 ID:CkVkdxcC0
金髪の少年はクリフと言った。赤髪の少年は宰楊玲と言うらしい。
らしい、と言うのも、彼の日本語はかたことで、ほとんど聞き取れなかったからだ。
今や僕たち三人は、藤吾の陣取るいかだの隅の、対称の位置で身を寄せ合っていた。
周りの景色は、ちっとも変わっていない。
高い冬の太陽が、すこしずつ位置をずらしていく。
陽光の角度で、海の色が変わっていくのが、唯一の時間を知るすべだった。
ほんとうに、身につけている物以外、何もなかったのだ。
感覚的には、半日ほどだったと思う。
暑くもないのに額をぬぐった直後に、その軽やかな音は起こった。
キュ、プシュンと、プラスチックの部品をちぎる。
タプンと豊かなひびきが耳に届き、僕は思わず身を乗り出す。
僕より大きく乗り出したのは、楊玲だった。
見ると、対角線上で座る藤吾が、プラスチックのボトルを傾け、うっとりするくらい透明な液体を、自分の喉に流しこんでいるところだった。
二人分の視線を感じとったのだろう。藤吾はトランクに手を差しいれ、未開封のボトルを手に乗せた。水音を立てて、見せつけるように揺らす。
催眠術にかかった被験者のように、楊玲はふらふらと近づいて行く。
412テュランの筏6/8:2006/11/15(水) 12:11:52 ID:CkVkdxcC0
「………水………」
僕の知らない東洋の言葉で、うつろに呟いている。
「水」の単語だけ聞きとれたが、そんなの、聞かなくたって分かっていた。
遠いけれども、しかし暑さはたしかに感じる太陽。
強く、濃い潮風。半日ちかくそれにさらされ、喉はからからだった。
楊玲が瀕死の舞台役者のように両腕を伸ばす。藤吾はボトルを頭上高くに差しあげた。
「命令にしたがえ。服を脱げ」
たぶん、打ちひしがれていた彼は、誰よりも心身の消耗が激しかったのだろう。
それに僕は楊玲を止める権利も、義務もない。
ボタンを外すのももどかしいのか、引きちぎらんばかりの勢いで、楊玲は上衣を脱ぎさった。
折れてしまいそうなほどに細い腰、ほとんど日焼けしていない肌、お香なのか、オリエンタルな匂いをまとった上半身が露わになる。
おそらく楊玲は、ボトル一本のために全てをさらす気でいただろう。
すでに右手はベルトにかかっていた。
だが、藤吾は脱ぎ捨てた上衣を拾いあげると、ペットボトルを差し出した。
両手で受けとり、大きく見開いた楊玲は、同じ単語を繰り返す。
その晴れ晴れとした顔からして、お礼の言葉なのだろう。
413テュランの筏7/8:2006/11/15(水) 12:12:38 ID:CkVkdxcC0
服を脱がせる命令を出した奴に、よく言うよ………と僕は憎憎しく思っていたが、それも楊玲が喉を鳴らして水を飲みはじめるまでだった。
ピンク色の唇が、水にひたって瑞々しく輝いている。
傾けた中身はみるみると、生気をもってうごめく喉に吸いこまれていく。
端からこぼれおちる水滴が、喉につたい落ち、軌跡をなにより美しくみがきあげた。
肌がよみがえったようにツヤツヤとしている。
ああ………と僕は言葉にならない感嘆を、生唾にしてのみこんだ。
それは苦く、塩の味しかしなかった。
日が沈むころ、僕は負けた。「上半身だけなら………」と譲歩を決めてしまったのが、敗北の最大の原因だった。
それでも薄青い水の容器を手にしたとき、震えんばかりの喜びを味わった。
量は五百ミリリットル。日本製でコンビニにも売っている、なじみあるメーカーだった。
キャップは未開封だったし、僕はよく分からない警戒をするよりも、とっととこの喉をうるおしてやりたかった。
414テュランの筏8/8:2006/11/15(水) 12:13:29 ID:CkVkdxcC0
傾ける。スポンジ状態になった身体は、たちまちその三分の二を空にしていた。
胃袋が突然の水圧にたぷんと鳴るくらいだった。
それでもからからに乾いた末端には届いていないような気がする。
それだけ僕は渇いていた。
が、全身全霊をこめて僕は容器をもとに戻した。鉄の意思が必要だった。
隅々まで水分はいきとどかず、喉の細胞はとくに文句を張りあげる。
「半分以上、飲んじゃったけど、君も………」
飲み口をぬぐいながら、僕はしわがれた声で言った。ああ、まだ足りない。
「いらね」
クリフは水平線に沈む夕陽から、視線をそらさず答える。
心のどこかで待ちわびていた返事に、僕は残りの水を一気にむさぼった。
415風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 12:24:34 ID:5TKVKIPA0
これまた喉が渇くような遭難が…(;´Д`)ハァハァ

ジュース片手に禿しく乙!
416風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 12:34:22 ID:eFacDYdq0
も、もしやもしや、、、と思いつつ
おもしろすーーーーー人体生理に訴えまくる「渇き」とはこれまた禿萌えな。
ろーどおぶふらい展開も希望しつつ続きwktk!
417風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 13:09:43 ID:vhMLdC8a0
筏タン乙!
これからどうなるか楽しみです。
418風と木の名無しさん:2006/11/15(水) 20:38:43 ID:KLTV0FcuO
リレー&筏乙乙
419初仕事29:2006/11/16(木) 01:29:09 ID:ePZ3TYgd0
ガゴン!という激しい音で目が覚めた。倒れこんで見る景色。視界を誰かの足が通り過ぎる。
ツメカミがうれしそうにゼリーを手にしていた。
前に食事を受け取ってからもう一日たったのだろうか。いや、食事を受け取るのは別に
一日一回と決まっているわけではないけど。これは単に僕らが無事で生きています、食欲も
ありますって意思表示なだけだから。なにしろ時間の感覚がなくなっていた。普通に暮らして
いたって、時計もなく、ぼんやり白い壁に囲まれているんだから、ぼけてくるのは当然だ。
その上僕はツメカミに痛めつけられて、気を失うように寝入ってしまうのを繰り返しているから。
僕も取りにいかなくちゃな。この部屋にいて、これだけが最初に決められてる務めなんだから。
一応お金貰うバイトの立場だしね。
這うようにして、ドア際にある血圧計を目指した。本当なら前に置かれた椅子に座るはずが、
今はとてもそこに乗れそうにない。地べたにへたったままテーブルの上に手を伸ばし、血圧計に
手をかけた。カターン、とけたたましい音を立てて機械が落ちた。血圧計本体はかろうじて
椅子にひっかかって止まった。けれど短いケーブルで繋がれたプリンターは、その命綱を
失って床へ転がった。
拾わなくちゃなあ…。何秒くらいだろう、僕はぼんやりとかわいそうなプリンターを見つめて
いた。横から手が伸びて、プリンタを掴む。その手は、そこに座って血圧を測るはずの椅子の
上に血圧計をまっすぐ置くと、プリンタを繋いでくれた。
「ありがと…」
僕はその手の主―ヒッツレに礼を言った。ヤツは少しも表情を変えずに、黙って座り込んだ。
もぞもぞと袖を引き抜いて、ベルトを巻く。ほんとにこれで正常に測れてるもんなんだろうか。
まあ、そもそも最初っからいい加減なもんだけど。僕らが欲しいのはエサを取り出すための
紙っぺら、雇い主が欲しがってるのは僕らがちゃんと生きてる証。
壁にもたれてじっと見ているヒッツレの目を見る。普通に暮らしてたら、すごくぶしつけで
失礼な視線だ。けど、おりの中で同居してるような僕らには、それこそが会話にほかならない。
この視線だけで通じ合う、気持ちのリズムみたいなものが出来上がってる。
420初仕事30:2006/11/16(木) 01:31:53 ID:ePZ3TYgd0
じっと見合っていると、怒りでも不快感でもない、かといって馴れ合ってくるでもないヒッツレ
の、体温みたいなものが体を包んでくるような気がするんだ。
この目。そういえばどこかで見た目だ。いつからか、ヒッツレと目が合うたびそう思ってた。
きついけど、もっと向こうを見透かしているような目。少し寂しそうで、かといって慰めを
待っているわけでもなさそうな。誰だろう、タレントかな。少し切れ長の目、あごは細く、
不満を噛み締めているような口元、ちょっと幼い顔。まだ、ヤツの声を聞いたことがない。
プリンタから紙が排出される。ビッとちぎると同時にヒッツレが立ち上がり、機械を両手で
持ち上げた。きちんと、落っことす前の位置に戻してくれる。
「ありがと…」
ヤツの足元にへたり込んだまま、礼を言う。瞬きだけで、いいよとヤツが言った気がした。
僕の手からそっと記録紙を抜き取ると、ヒッツレはそれを壁の口に差し込んだ。
しばらくしてガン、と音がする。受け口には僕のほうが少し近い。いざって行って、開いた。
目に飛び込んできたのは、赤。キャンディの赤い色。いちごか、チェリーか。いや、そんな
愛らしいものとは違う。含みのある、少し深い赤。ぶどうかな、ワインかもしれない。
それを見たときなぜか僕は、終わりだ、と思った血のような赤。何かたくらみを思わせるような赤。
反射的に思ったから、なぜかは説明できない。でも、今まで届けられてた少し黄色がかった白い
キャンディとは明らかに違う。ライチみたいなあの味とも、きっと違ってるんだろう。味よりも、
この深い赤は僕に最後って意味を示してる気がする。破滅の色。もう、おしまいが近づいてるんだ。
何もかもの、おしまいが。
ちょっとだけ、僕は苦笑いした。何がおしまいだよ。そんな妄想、みじめさが増幅するだけだ。
僕はここでさらにツメカミにいたぶられ、犯されて、傷だらけになって、ぼろきれみたいに
なるまで暮らすんだよ。僕は笑うかわりに、フン、と鼻を鳴らした。
421初仕事31:2006/11/16(木) 01:34:22 ID:ePZ3TYgd0
力の入らない手で、キャンディの包みをガサガサいわせながら開ける。いくつか掴んでヒッツレに
滑らせた。じっと見つめてくるその目元が、すこし切なそうにゆれた気がした。何を考えてる? 
いくら見つめても、ヤツの思いは少しも読めない。でも要らなくはないよね。食べてよヒッツレ。
僕からの、ささやかなプレゼントだ。破滅の夢のおすそわけ。
袋の口をぎゅっと掴んで、ハイハイをする。そうしないと進めない。もたもたと手足を運ぶ。
がさがさとセロハンの袋が鳴る。
ガチャメの近くで僕は少し躊躇したけど、やっぱり立ち止まって袋の中に手を差し入れた。
二個、三個…ガチャメに向かって床をすべらせる。あんたにも分けてあげるよ、僕の狂気のかけら。
こういう仕事ってないかな、商品名を考えるような仕事。今の僕に考えさせたら、世界一いい
ネーミングをひねり出してあげられるのにな。
心の中の混沌とは裏腹に、実際の僕は不甲斐ないの一言に尽きた。赤ん坊にさえ追い越されるよ、
こんなハイハイじゃ。つなぎの下半分は全開のまま、胸までめくり上げられた名残で、左右に
開けっ放しだ。のそのそ這いながら、背後にツメカミの気配を察している。ヤツは僕より先に
血圧を測り、またゼリーを手にしていた。飲みもしないゼリーのパックを両手に抱えて、
嬉々としていた顔。きっと思いついたばかりの次の悪戯にわくわくしてたんだろう。そして、
その相手は僕だ。もっとひどい目に遭わされて、悲鳴を上げさせられるのは、他ならぬ僕。
ゼリーのパックを床に投げ出す音がした。そう思った途端、僕は悲鳴を上げていた。
「ぎゃぁっ」
突然脚の間に痛みが走った。痛み? いや、なんと言うんだろう。抜ける!かな。ちぎれる!かも。
「こーんなフリフリしちゃって、遊んで下さいって言ってんだよなあ」
むき出しのままの脚の付け根。そりゃ、後ろから見てれば手も出したくなるね。僕の脚の付け根に
生る卑猥な実。ガキの目には、思わずひっぱりたくなる代物だったろう。力任せに握って、その
根元から引きちぎるつもりなのか、むやみにひっぱるんだ。僕は悲鳴をあげながらのたうつ。
422初仕事32:2006/11/16(木) 01:39:29 ID:ePZ3TYgd0
脚の間を通して後ろ向きにひっぱられるのって、かなり辛い。痛いっていうんじゃないんだよ、
もうじっとしてられないって言うか、世も末だって感じ。ちぎれる、ちぎれる!
ぱっとその手が離れる。急に解放されて、僕は息を荒げて体を丸める。でもこの姿勢、後ろにいる
ツメカミから見れば、かえってそこがあらわになってそそるかもしれない。
「突っ込んで欲しいなら早くいいなよ、ホクロちゃーん」
たぶん丸見えになってる僕の中心に、ツメカミが平手打ちを浴びせる。その音は、皮膚がぶつかる
ものだけではない、濡れたような響きを含んでいる。きっとツメカミの手には、ヤツ自身が僕の
中に吐き出した体液がへばりついたにちがいない。
ちょうど、血圧計から出た記録紙をヒッツレが手にとったところだった。ツメカミは大またで
近づくと、一言もなくすいっとその紙を取り上げる。腕の影から盗み見ると、ヒッツレがそんな
ツメカミをじっと目で追っていた。いつものように、無表情のまま。
「おーもしろいこと考えたー」
ツメカミが歌うように言う。ご機嫌だな。いやな予感しかわいてこないよ。
ヤツは、ヒッツレの手から奪い取った薄い記録紙をちゅるちゅると撚って、こよりのようにしている。
「なあ、これどうすると思う?」
壁際に戻ったヒッツレが、僕の渡したキャンディを口に入れるのが見えた。記録紙を取り上げられ
たんだ、引き換えに出てくるはずのエサにはありつけなかったらしい。赤いアメの怪しい色が、
ヒッツレの舌を染めていくんだな。想像したら、身震いが背を走っていく気がした。
「ぎゃあっ!」
乱暴に脚を開かされた僕は、絶叫していた。ツメカミが、僕の先端に硬いこよりを突き合わせて
きたんだ。
「痛い!いやだぁっ!いた…!」
めちゃくちゃに暴れる。また殴られるんだろうな。でもこれは痛いよツメカミ。ひどいって。
あんまりだ。
「やめてよっ!痛いっ痛いっ」
423初仕事33:2006/11/16(木) 01:40:21 ID:ePZ3TYgd0
ツメカミはかなり嬉しそうに、ひゃっひゃと声を上げて笑っている。細いこよりだけど、ほんの
少しも僕の中には入ってこない。わざとそうしてるのか、それともやっぱり入らないものなのか、
先端でちくちくと抜き差ししている。
「痛え?なあ、すげえ痛え?」
「痛いっ…痛いっ…痛いよっ、いた…」
大きな声を出すと余計に痛みがひどくなりそうで、僕はそろそろと声を絞った。床を手で打ち、
脚を突っ張る。暴れるとかえって怪我をさせられそうで、どこにも力を入れられない。
「ぎゃああー!」
まっすぐにツメカミが差し込んできた。ぐっと尖った感触が、僕の一番やわらかいはずの粘膜を
こそげて進む。
「すげえ、入った。入ったぞホクロ。痛え? なあっ」
ハッ、ハッ、と浅く息を逃しながら、僕は耐えた。痛い。そこから血が噴き出しそうなほど熱い。
手も足も、指先を床に吸い付かせるようにしてもがく。けれど、余分な痛みが怖くて、体を大きく
動かすことは出来ない。
「ぐあっ…! な、に、すんだよ…っ!」
いきなりツメカミが横へ飛んだ。飛んだんじゃない。飛ばされたんだ。
僕の脚の間にいたはずのヤツは、離れたところに転がっている。なんだろう、何が起こった?
見上げると、代わりに僕の脚の間に立っていたのは、ヒッツレだった。
なんだろう。相変わらず冷静な顔だけど、目の下あたりがほんの少し上気したように見える。
ただ興奮してるだけなのか? カラリ、とヒッツレの口の中が鳴る。ああ、僕のあげたキャンディだ。
今までのより大粒だったから、まだ口に残ってたんだな。
「てめ…なんだよ!」
不意打ちで転がされたのが、よほど腹立たしかったんだろう。ツメカミの顔は真っ赤だ。怒りと
苛立ちとで目がつりあがってる。床にダンっと手をついて立ち上がると、ほぼ同時に突きを打った。

ここまでです。
424風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 04:35:36 ID:rizc9I8K0
痛ぇ―――!!!! (*´Д`)ハァハァ
425リレー:2006/11/16(木) 08:08:34 ID:WvGeZKspO
能面の方がまだ雄弁に感情を語るだろう。何を考えているか読み取れない表情で、
従兄弟は侍に歩み寄ると男どもから侍を取り上げた。
半狂いの侍は従兄弟に焦点を合わせることなく、あにさま、あにさま、と
音の無い声で繰り返している。従兄弟は侍の両脚の間に腰をおろし、
股をおっぴろげた。よどんだ白濁が侍の尻の狭間から腿に伝い、流れ落ちてゆく。
従兄弟は侍の奥を濡らしている分を掻き出すべく、
ほっそりとした長い指を三本侍の菊座に突き刺した。中を開き指を蠢かす度、
侍はぬめったものを吐き出し、襞から下垂らせながら、
陰道をひくつかせて従兄弟の指に吸い付いた。あにさま、あにさま、と
繰り返しながら侍は丸出しの尻で従兄弟の指をねぶる。
自分の右の指と濡れそぼった侍の孔が立てる粘ついた音を聞きながら、
従兄弟は左の指先で、そこだけ日に焼けていない丁字の白抜きをなぞり、掌で撫でた。
御前や他の男どもの名残をあらかた掻き出した従兄弟は、指を引き抜き
熱い塊をぐずぐずの襞に押しあて、亀頭を潜り込ませると無言で貫いた。
中心を猛らせ先端をしとどに濡らしながら、もはや誰に何をされているのか
頭で追えなくなっていた侍は、中を犯す太さと熱さにあ、あ、と息をつまらせた。
突き上げられ、揺らされ、切ない疼痛に悶える侍の、半開きの口から涎が伝う。
うるみきった眼からは、涙が溢れ紅潮した頬を濡らす。
従兄弟が侍の痴態を見おろし、何を思い腰を振っているかまでは、
さすがの御前もわからない。わらないが御前は、
優美な男が軍馬のような武士を穿っている絵的な面白さを、
血の繋がりのある者同士が交わっている生々しさを、心から楽しんでいた。

バトンお渡しします。
426風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 09:11:13 ID:7fJf0JngO
初仕事タンGJ
リレー侍GJ
(;´Д`)ハァハァハァハァ
427テュランの筏1/6:2006/11/16(木) 12:05:19 ID:tityRqBT0
二日目
床になにかを叩きつける音で、僕は目覚めた。
防水タープにくるまった身を起こし、音のほうを見る。
クリフが忌々しさを隠しもせず、上着を藤吾の目の前に投げ捨てたのだ。
態度はでかいが、クリフの体躯は華奢と呼べるものだった。
筋肉がつきにくい体質なのだろうか、全体的にすらりと締まっている。
腰まわりの造けいは、そのまま彫刻の題材にしても構わないくらい整っている。
「水だ」
言い放つクリフに、藤吾はうやうやしく水を差しだした。
嫌味がふくまれた動作である事は、その表情を見ていれば分かる。
奪い取り、クリフは足音荒く、いかだの隅へと戻ってきた。
彼の分のタープは………ほとんど使われていないままだった。
夜中に何度か、横で寝苦しそうにしているクリフに、僕は気付いていた。
その原因が………喉の渇きである事も。
もっと強く勧めて、分ければ良かっただろうか。
そんな罪悪感を抱いた僕の視線を感じたのだろう。
クリフは振りかえり、舌打ち一つすると、乱暴にひねって開けたボトルを一口で飲み干した。
428テュランの筏2/6:2006/11/16(木) 12:06:10 ID:tityRqBT0
「では今日は下を脱いでもらおうか」
藤吾はその言葉を鞭とし、トランクから取り出した品を飴とした。
水のボトルと、それから黄色いパッケージのブロック型食料だ。
楊玲は、多少はプライドとかそう言ったものを取り戻していたのだろうが………それでも昼前に脱落した。
言ったら悪いけど、たぶん彼は節度とか節制とか、そういった部分が抜け落ちている。
楊玲は育ちきったばかりの下半身を露わにして、せわしなく開封した固形食品をほおばった。
粉と甘い香りがまじってあたりに広がる。
それを嗅いだとき、僕の胃袋はみじめに鳴ったし、傾けるボトルを見たときには、やはり喉がざわついた。
クリフはずっと藤吾にも楊玲にも背を向けたままだった。
藤吾は………にやついた笑いを隠そうともせず、楊玲の足の間をただただ直視する。
それを見ていると、僕はまだしばらくは我慢できそうな気がしたものだった。
429テュランの筏3/6:2006/11/16(木) 12:07:14 ID:tityRqBT0
空腹と渇きをごまかすため、僕は色々考え事をした。
四方の景色はまったく変化が現れず、どこまでも海と空。
見ているだけで気が狂ってしまいそうだったから。
最初はクリフに話しかけてみたが、彼はつっけんどんだし、
僕が一方的にしゃべりつづけて、喉が渇くだけのオチだった。
だから、頭の中でめぐらせるのがいい。
藤吾の黒いトランクを、今回はテーマにしてみた。
水と食料のほかに、何が入っているのだろう。大きさは軽自動車のボンネット部分くらいある。
ペットボトル数ダースと、固形食糧を詰めこんでも、まだ余裕はありそうだ。
脱ぎ捨てた僕らの上着を、ていねいに畳んでしまいこんだのも、このトランク。
何を考えているのだろう、持ち主ともども。
傷一つない革の表面は、陽光を浴びてギラギラと輝いている。
それはまるで、楊玲の全裸を凝視した藤吾の瞳の色にも似て………僕は思考を中断した。
430テュランの筏4/6:2006/11/16(木) 12:08:16 ID:tityRqBT0
日が沈んだが、昼間中太陽に温められた海の水は、ぬるいままだった。
喉が渇きすぎて、感覚がおかしくなってしまったのかもしれない。
タープの上に横たわり、海水にひたす手は、ちっとも渇きに喘ぐ身体を癒さない。
僕の身体が、海の水の塩気だけ抜きとって、真水を吸いこむスポンジだったらなぁ、と考えるあたり、すでに朦朧としていたのかもしれない。
月のない夜だった。いかだの上に明かりはなく、なびく帆の影も、闇にまぎれて判別できないほどだ。
胃袋が鳴りそうになり、僕はうつぶせになり、腹をおしつけた。
聞いてしまったら、きっとくじける。
渇ききって唾液もわかない口の中は、それでも楊玲が食べていた甘い香りを記憶していた。
最後に食べたのは客船の夕食。
内容は何だったっけ………もう、記憶もあやしい。
脳からも水分が消しとんでいるのだろう。
と、横で身動きする気配があった。クリフだ。
すでにいかだの端に固まっているのは僕と彼だけだった。
431テュランの筏5/6:2006/11/16(木) 12:09:16 ID:tityRqBT0
楊玲はいかだの中央、マストのそばで安らかに寝息をたてている。
赤毛の少年の居場所が、黒いトランクの脇になるまで時間はかかるまい。
僕とクリフは別に話し合ったわけでもなかったが、そう確信していた。
起きだしたクリフは海に向かって立つ。
まもなく放尿の音があたりに響いた。
僕は起こしかけた身を、ふたたび横たえる。
何の感情が僕をとらえ、動かしたのか。よく分からなかった。
もしクリフが、僕より先に二つ目の「命令」にしたがったなら………
たぶん、僕は間をおかず、嬉々として下の服を脱ぎ去るだろう。
けど、おそらく僕はクリフの「プライド」とか「誇り」に勝つ事は出来ないだろう。
弱弱しく胃が鳴った。吐きだす息には、水気がまったくなかった。

時間的に、真夜中前だと思う。つまり、まだ二日目。
僕の決心は、二十四時間を越えられなかったのだ。
海に落ちないよう、足元に注意を払いながら、藤吾の前へ立つ。
トランクに肘をのせ、その上に頭部をもたせている男に、僕は残りの衣服を全部差しだした。
受け取った藤吾がそれをしまうまでの間、引き換えの食料と水を取りだすまでの時間が、何と長く感じられたことか。
432テュランの筏6/6:2006/11/16(木) 12:13:09 ID:tityRqBT0
ボトルと、てのひらサイズのパックを胸に抱えると、もう前を隠す事は出来ない。
それでも姿勢をくずさず、背筋をまっすぐに、恥じ入っているところなんて、まったくないとばかりに僕は堂々と歩いた。
自分のタープに戻るまでの間、鋭く執拗な視線が追いつづけたが、闇夜だ、真っ暗だ、見えるわけがない、と自分に言い聞かせる。
そう。明日になって日が昇り、誰の目にもさらされる状態になってしまったら、行動に出ない、いや出せないだろう。僕の事だから。
しかし厳しい日差しを、長い長い昼間を、今夜の状態の続行ですごすのは………とうてい無理に思えた。
自分の事は自分がよく分かっている。
僕は、だめな奴なんだ。心が弱すぎるんだ。
泣きたいのか叱りたいのか、困惑した気分を抱えたまま、僕はタープの上にあぐらをかき、こわばった胃袋を溶かし、ひび割れた喉をうるおした。
意思を総動員したおかげで、今度は半分をボトルに残す事が出来た。
固形食糧も、パックの半分は手つかずのままだ。
二つの品をタープの奥にしまいこみながら、ちょっとだけ僕にも誉められた部分があるじゃないか、と誇らしい気分になった。
433風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 12:48:32 ID:P3xGcCeg0
筏タン乙!
クリフはどうするんだろう・・・
434風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 13:17:42 ID:67IAAdgeO
侍タン乙
435風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 14:27:49 ID:JJ8p2ztH0
筏タンGJ。
喉が乾いてお腹がすいてきました。
436風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 19:13:33 ID:llymx+2WO
初仕事タン&筏タン&リレー職人さん達GJ!

初仕事タンも筏タンも先が読めねぇ…。
こーゆー設定・展開考えられるってすげぇなぁ。

続き超待ってる!
437風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 22:05:47 ID:D0lXCxcc0
リレーのことで、ちょい質問というか相談です
自分、オチまで書いてしまったんだけど書いた分量はせいぜい5レスくらいにおさまる程度な上に
まだまだ読みたい書きたい人もいると思うので、分岐エンディングみたいな形で投下してもよかですか?
438風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 22:11:36 ID:7dBcq8FP0
ROMですが。
>437さん よか1 ノシ
439風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 22:17:21 ID:EWFW9fpD0
>437
You投下しちゃいなよ
ノシ2
440初仕事34:2006/11/16(木) 22:41:56 ID:ePZ3TYgd0
拳がヒッツレの顔を直撃した。と思ったが、当たらない。空を切り飛んできた拳をヒッツレは
ふわりと横にかわして、逆にツメカミの腹を突く。そして逆の手でほとんど同時に喉を突いた。
静止。腹と喉を突いたヒッツレと、突かれたツメカミが動きを止める。喉を捕らえられたまま、
ツメカミは目を見開いている。どれくらいそうしていたんだろう。1秒、2秒…いや、秒にも
満たない間か。きっと一瞬のことだったに違いないけど、すべての音が遠ざかって、世界が
止まったように僕には思えた。
ヒッツレがツメカミの喉元に押し当てた手をひねるようにして一気に倒した。どうっと重い音が
床を伝ってくる。さっきまで威勢よく立っていたヤツが、支えのない人形みたいに倒された。
本当に見事なほどあっけなく。グハァッと濁った音を立ててツメカミが咳き込む。ヒッツレが、
倒れて咳き込んでるツメカミの手首を軽く持ったと思うと、それをくい、と回した。ただ回した
だけに見えたのに、ツメカミは悲壮な声を上げて、手首をひねられた方へ易々体を裏返される。
相当痛いらしい。なんでだろう、ヒッツレは片手でかるく持ってるだけにしか見えないのに。
「いええっ…!でえ!」
痛い、とまともに言えないらしい。手首ひとつで体を裏返されて、しっかりホールドされて
しまった。わき腹に一発蹴りを入れられると、とたんにツメカミはおとなしくなった。
というより、声も出せなくなった、と言った方がいいか。かなり苦しいんだろうな。
ヒッツレは、ひねった腕をツメカミの背中にぴったりとつけて押さえつけている。背後にまわり、
膝立ちになってその体ににじりよっていく。ふと僕のほうへ視線を向けるとさっと手を差し出した。
なに、と僕は目で聞く。するとヒッツレはチャッ、と音がしそうな振りで人差し指を出した。
その先をたどると、ツメカミが投げ散らかしたゼリーのパックが転がっている。ああ、これね。
僕は這いずって手を伸ばし、それをヒッツレに向かって滑らせた。
441初仕事35:2006/11/16(木) 22:42:45 ID:ePZ3TYgd0
ヤツの頬がかすかに上がった気がした。笑ったよね、今。よかった、お礼になったかな。
ねじ伏せたツメカミの脚の間に陣取って、ヒッツレはアイツのボタンをばりばりと外していく。
ツメカミが僕にやったように、ゼリーを絞りだしながらパックを高々と掲げていく。
「やっめ…ゴホッ…っざけんなよてめえっ!」
頬を床におしつけられていながらも、ツメカミは叫ぶ。けれど。
両手の親指でツメカミの尻の肉ひだを無理やり押し開くと、ヒッツレは躊躇なく硬くなった
ものを押し込んだ。喉が裂けるような声でツメカミが叫ぶ。ヒッツレ、かわいい顔に似ず
信じられないほどデカい。先端から根元までひたすら太く、しかも反り返っている。
ああ、ツメカミ、かわいそうに。それは痛いよね。だってヒッツレは少しも止めずにぐいぐい
突っ込んでいくんだ。尻にかけていた手をまたツメカミの手首に戻すと、その両腕をひっぱる。
うわ、ひどい。背をそり返されて、両腕を後ろにひっぱられて。穴、裂けてるんだろうな。
きっと血が噴き出してる。ガン、ガン、と音がしそうな勢いで突き上げていくヒッツレ。
思いやりのかけらもないね、若いからきっとたまってたんだろうな。ツメカミ、よだれが
垂れてるよ。腰も反り返らされて苦しそうだな。え、今度は引き抜き始めたよヒッツレ。
すごい太さのそれを、ヤツはずるずると引っぱり出す。3分の2ほど飲み込まれていたそれは、
ツメカミの腸液だろうか、ねばりのある艶をまとって、さらにそこへ赤い彩をそえて―これは
まあ、ツメカミの流した血の色だけど、べたべたになって姿を現す。なんていやらしいんだろう。
あんなあどけない、愛想のない顔の下でこんな張り詰めた形のべたべたが脈打ってるなんて。
ツメカミを見下ろしているヒッツレの表情は相変わらずだ。冷静な目、少し上気した頬、すねた
ような口元。ああ思い出した。映画で見たアイツだ。敵方に一人で立ち向かう、特殊部隊の青年。
あの目に似ている。やっとひらめいた、っていうささやかな喜びにほくそ笑んだ僕に気づいたのか、
ヒッツレはちらとこっちに目を向けた。僕はにこりとしてやる。ヤツはまたかすかに頬を上げ、
そして視線をツメカミに落とすとまた一気に怒張を突きこんだ。
442初仕事36:2006/11/16(木) 22:43:23 ID:ePZ3TYgd0
「いっぎゃあー!」
裂けたな。たぶんびりびりと。狭い入り口はヒッツレのサイズに合わせるため、限界を超えて
押し開かれてる。四方に向かって裂け目が走ったはずだ。ああ、痛いねツメカミ。考えただけで、
僕も痛いよ。あんたに突っ込まれて僕も痛かった。今もぴりぴりしてる。でもぴりぴりどころ
じゃないね、痛いねツメカミ。考えただけで興奮してくるよ。
僕は無意識に息をつめていたのか、胸がどきどきと鳴っていた。そっと呼吸を整えながら、
自分の体に目を向ける。うなだれた先端に、ツメカミに入れられたこよりが突き刺さってる。
痛てて。思い出したら急に痛くなってきた。指をかけて引き抜こうとするけど、もう触れるか
どうかという時点で信じられない痛さだ。考えられない。これを引っこ抜くなんて。1センチ
くらいは入ってるんだろうか。そんなに深くはないかな。でもここは体の中でも一番痛い場所
のはず。手を触れることを考えただけでも、無理っぽい。
僕は深くため息をついた。このまま寝ちゃおうかな。隣で絶叫しながらあうあう泣いてるツメ
カミの声を子守唄にして。ひさびさに気分よく寝られそうだけど。コン、と頭を床に下ろした。
天井が見える。ああ、やっぱり天井も白いんだ、この部屋って。いつ終わりが来るのかな、
この実験は。ツメカミはカオスの中にいるみたいだけど、なんだか僕はかえってつまらなく
なった。ツメカミにいたぶられて泣いてる僕は、みんなに見られて、いわばこの部屋の主役
だったのに。なんだかつまらないなあ。そう考えると、今まさにヒッツレの精液注ぎ込まれて、
床によだれと涙の池を描いてるツメカミが羨ましくなる。痛いね、ツメカミ。かわいそうに。
でも、それは本来、僕の姿だったんだよ。
443初仕事37:2006/11/16(木) 22:44:05 ID:ePZ3TYgd0
「ああ…ああ…あああー…」
ツメカミが泣いてる。ヒッツレが体を離すと、ヤツの腰は力なく床に倒れこんだ。きっと
ヒッツレのサイズに無理やり広げられて、ヤツのうしろの穴はパカンと開きっぱなしに
なってるだろう。その大きさを受け入れるのに耐え切れず、裂けて血を流しながら。
見てやりたい。ヤツの間抜けな口を覗き込んで、腸壁を見てやりたい。でも、本当にそう
したら僕は、悔しくて仕方なくなってしまいそうだ。そんな醜い姿をさらして、泣いて、
わめいて、そしてみんなに見つめられて。きっとカメラでもしっかり撮られて、その向こうの
人たちにも嗤われた挙句、録画されたものを世の中のあちこちで回し見られるんだ。
ツメカミが羨ましくてたまらない。許せない、僕がその立場だったのに!
ツメカミの醜態をあれこれ想像するうちに、体の中が熱くなってきていた。知らぬうちに
僕の中心は硬さを増している。
「った…た」
痛い。これ、早く抜かないと。傷がついてそこからばい菌がはいったりしたら…なんて、
勃たせていながらそんな子供みたいなことを考える自分がおかしくて、僕はまた無意識に
頬を緩ませていたらしい。ふと、視界を人影がさえぎった。
「余裕だな。ヤツが犯られて満足か」
ガチャメが僕の目の前にいた。その向こうに、もうつなぎも脱ぎ捨てて、ツメカミの血と
なんかの汚れにまみれたものをだらんと提げたヒッツレがうろついている。勃ってなくても
デカいな。ツメカミは…床にへばりついてひぃひぃ言ってるだけ。
ガチャメが僕の体に手を伸ばしてくる。ああ、この匂い。胸の奥まで忍び込んで、僕を
しびれさせる。僕がもてあましていたこよりを彼はふいっ、と抜いてしまった。
444初仕事38:2006/11/16(木) 22:44:41 ID:ePZ3TYgd0
「…あっ…た」
沁みるように痛い。根元をぎゅっと掴んで、僕は痛みに耐える。でもそうすると、かえって
まずいことになるっていうのは経験済みだ。案の定、僕は徐々に硬さをもち始めるそこを、
ガチャメの目にさらすことになった。
「なんだ。あんなことされて歓んでんのか」
しゃべるたび、彼の口がカロン、と鳴る。あのキャンディ食べたんだな。その目が少し
潤んでいるように見える。なんだ、この人も近くで見るとけっこう若いじゃないか。
目つきの悪さと中途半端な髪の色が、くたびれてるように見せてただけか。
「あんただって…」
うん? と訊くように彼が眉を寄せる。
「犯ればいいじゃないか。僕のこと…」
俯いていた顔を、僕は徐々に上げる。そうだよ、次にあんたの目を捉えるときは、
もう逃がさないって決めてたんだ。
「僕ん中に突っ込みたいだろ? それとも、アイツの出したものにまみれるのは
いやだって? アハァ、シャワーでよく洗わないとさわれないケッペキさんなのか。
しょうがないねえ」
そう言って僕は上目遣いでにやりとしてやった。彼の口がまた、カロンと鳴る。
445初仕事39:2006/11/16(木) 22:46:22 ID:ePZ3TYgd0
その口に僕は指を差し入れて、赤い玉を取り出した。それを自分の口に入れて、
一緒に指をしゃぶる。彼が僕の手を掴み、濡れた指を口に含んだ。
「…名前、教えてよ」
指をしゃぶられながら僕は言った。
「…そんなもん」
「教えてよ、呼び名だけでもいいから」
もうそのときには、彼の手が僕のつなぎをバリバリと音を立てて脱がせ始めていた。
僕も彼のつなぎのボタンを外し、胸に手を滑らせる。左の肩口にタトゥーがあった。
梵字。なんて読むのかはわからない。こんなもん彫って、愚かなヤツ。不思議と、
この人の匂いがここから発せられているように思えて、僕はその字に舌を押し付けた。
「名前なんて、必要ないだろ」
「だって、名無しのままじゃ…抱かれにくい」
僕は文字を彫り込んだ肌をきつく吸う。彼は僕の脚に手をかける。
「なら、カーンでいい」
「…カーン?」
僕の問いかけには答えず、彼は体を重ねてくる。

ここまでです。 >437さんお先にすみません。
446風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 23:13:25 ID:iju5D8HjO
初仕事タン キタ━━(゚∀゚)━━!!!!
乙です!!
まさかツメカミがやられるとは……巨根ヒッツレ萌えす(;´Д`)ハァハァ


>>437
全然よかですよ!ノシ3
投下楽しみにしてます!
447リレー 分岐エンディング437 1/5:2006/11/16(木) 23:33:27 ID:D0lXCxcc0
では投下させていただきます。




"あれは生真面目に過ぎるが、それが返って良きところでもあるか"
遠い日、侍とたった一日だが子供らしく遊んだ日から幾日か過ぎた頃か。
父が分家の叔父に向かって侍をそう褒めそやしていたのを耳にした。
そのときは、滅多に褒め言葉などかけてもらえない我が身を思い、僅かばかりの嫉妬を覚えたものだが、
笹舟を作る自分の手元を必死にのぞき込んでいた子供の姿に、さもあらんと納得した。
したが次の言葉に、その時淡く抱いていた仔侍への好意のようなものが跡形もなく消え失せてしまった。
褒められるどころか、頭でっかちで小賢しさばかりが目立つ、かわいげがないと散々な言われよう。
それでもそれだけならば我慢もできたが、続いた父の言葉に血の気が引いた。

"あれを引き取ることも考えねばならぬかもしれんな"

一瞬それはどういう意味だと呆け、次には嫌な考えに捕らわれた。
廃嫡。
自分を廃嫡し、あの子供を跡取りとするつもりなのでは。
でなくば分家の妾の子を引き取るなどと言い出すわけもない。
だが待て、自分に何か落ち度があっての上ならばまだしも、瑕疵なくして簡単に廃嫡などできるはずもないと
思い直した。
しかし、次の瞬間には心の臟が凍り付くような冷え冷えとした怒りに支配されることとなる。
ふと襖の陰から見た父の手首の辺りにある痣。今まで気づきもしなかった物だが、その形に見覚えがあった。
出来上がった笹舟を嬉しそうに受け取った子侍の手首にも、同じところに同じ形の痣が確かにあった。
ただの分家の妾の子ならば、自分を廃嫡してあの仔侍を新たな跡取りにすることなど容易ではない。
だが、痣の意味するところが自分の考え通りであるならば。

父はやりかねぬ。

その瞬間、自分の心は未来永劫溶けることのない氷の檻に捕らわれることとなった。
448リレー 分岐エンディング437 2/5:2006/11/16(木) 23:34:36 ID:D0lXCxcc0
今こうして、勃起した一物を埋めてはならぬ孔に埋めても、何の感慨も従兄の胸にはない。
ないと思っている。
あの日、心の臟を凍り付かせた日から、従兄にとっては全てが己の栄達を求めるための手段に過ぎないのだ。
突き上げるほどに一物が膨れあがるのに反して、心はますます凍り、顔からは表情が削げ落ちていく。
機械的と表したいような動きは、まるで責めるためのからくり人形かと見まごうような不気味な様子だった。
その身体が一端離れたかと思うと、四つん這いにしていた侍の身体を仰向けにさせ、再び一物を口を開けて
いる孔に突き刺し、そのまま身体を倒した。
そして、その人形のような顔を侍の耳元に寄せる。御前からは見えぬ側で何を囁いたのかは知らぬが、次の瞬間
侍の目がかっと見開かれ、だけでなくぽっかりと開けた口から、まるで血を吐くような叫びが上がった。
「あああああ─────っ」

熱い……、痛い……、膝が肩が辛い……、動かしてもいないのにどうして身体がこんなに揺れているのだろう。
ゆっくり休みたいのに。せめて身体を仰向けにさせてはくれないだろうか。
ああ、なんだか回りがうるさい。何を言っているんだ?休みたい、眠りたいのだ。寝かせてくれ。
……やっと、仰向けになれた。
何だろう、あれは。木目のように見えるから天井だろうか。でも、ずいぶん歪んだ木目だ。
我が家の天井はこんなに歪んでいたか?
……誰かいる?
誰かが目の前にいるようだ。誰だろう。確かめたいのに、その人も顔が歪んでいる。
ふ、おかしい。何故か分からぬが妙におかしくてならぬ。
なに?
今、なんと言った?
449リレー 分岐エンディング437 3/5:2006/11/16(木) 23:35:49 ID:D0lXCxcc0
「あああああ─────っ」
現からほとんど離れかけていた侍の心がその一言で一気に引き戻され、それが、それでもぎりぎりのところで
踏みとどまっていた侍の精神に強烈な一撃を与えた。そして、皮肉にもそれがもっとも強い快楽となって侍を襲う。
陰茎からはとめどなく精を吹き出す。ごぼりとまるで川の底か水が湧くかのように。
従兄の一物を締め上げ絡みつき舐め上げる、精を搾り取らんとばかりに。
馬のように身体をのたうたせ、手足を童のようにばたつかせ、従兄が渾身の力で押さえようとしても、激しい痙攣は
鎮まらない。
従兄も、先ほどまでの緩みが嘘のような締め具合に表情を崩され、ここにいたって顔を紅潮させた。
そして侍にとどめをさそうというのか、出すぞと一言。
「い…………いやだぁぁぁっ!!」

血のような赤が見える。狂気のような黄が、目を射抜くような冷たい青が、裁きのような厳しい白が。
極彩色の光が飛んでいる……。
目が回る。立っているのか寝ているのか、わからぬ。
ここはどこだ?
ああ、うしろは崖だ。手招いている。底の見えぬ、唯一光のない谷底が呼んでいる。
この光は嫌だ、目が痛い、頭が痛い。訳が分からなくなる。
闇の中に行けば、ゆっくり休めるだろうか。そうだそうしよう。

侍は、襲いかかる色の乱舞に背を向け、まるで鳥が飛ぶように谷底へ向かってその身体を踊らせた。

ああ、なんといい心地か……。

ごぼっと音を立てて最後の精を吐き終えると、侍の身体がごとりと音を立てて、畳の上に転がった。
それは人とは思われぬ、糸の切れた人形が転がったような倒れ方だった。
その異様さに周囲が静まりかえる中、ただ一人御前はうむと頷き、にたりと笑った。
「人形の仕上げ、見事」
450リレー 分岐エンディング437 4/5:2006/11/16(木) 23:37:09 ID:D0lXCxcc0



昇進の挨拶にと訪問を願い出たところ、指定されたのは別邸だった。
いささか気が進まぬ思いがしたが、今更なにを気後れするものかと、奮い立たせてそこへ向かうと
案内されたのは屋敷の最奥、お気に入りの人形と戯れている最中のところであった。
「奉行が褒めておったぞ、なかなかに優秀な人材だと。
わしも紹介した甲斐があったというものだ」
人形の孔に赤黒い怒張を抜き差ししながら、御前は上機嫌で声をかけてきた。
それに平伏しながら、従兄はかつての雄々しい面影をすっかりと失った侍に目を向けた。
ご禁制の薬、荒淫、そして従兄の言葉が作り上げた、抱かれるための生き人形。
言葉を忘れ物思う術を失い、自らのことまでを忘れ果てた人形。
鍛えることのなくなった身体からは、すっかりと筋肉が落ちて身が細り、鬢はほつれ、
御前の手管に翻弄されてやつれ果てている。
だが、童が物をねだるように愛撫をねだるさまは、怖気を震うほどに美しいと思わされた。
「んー、んー」
「どうした?もっと突いて欲しいのか。欲張るでないぞ、よい子にしておれば、もっと
気持ちようしてやるほどに」
「ん」
だらしなく開けた口から涎を垂らしながら、嬉しげに笑ってみせる。
何のためらいも憂いもなく、快楽に素直に浸るそのさまに、従兄は失礼いたしますると腰を上げた。
引き留めようとした御前が身体を離しかけたのが不満なのか、あーと抗議の声を上げた侍を
御前がなだめている内に、従兄はそそくさと別邸を後にする。
451リレー 分岐エンディング437 5/5:2006/11/16(木) 23:39:23 ID:D0lXCxcc0
別邸の裏には、小さなせせらぎほどの川がある。その畔に立った従兄だが、彼の胸に去来するものはなにもない。
風が吹き抜ければただからからと音を立てそうなほどに、からっぽだった。
何かを見たいわけではなく、だがそこを離れがたく立ちつくしていた従兄の目にふと止まったものがある。
淀みに生えた丈高い草に引っかかっているそれ。
無意識に従兄の手がそれに伸び、流れから拾い上げてみる。
最初は何かは分からなかった。
だが、気づいた。
「──笹舟」
舟らしい形にすらなっていないが、それは間違いなく笹舟だった。
五つ六つの童の方がもう少し上手に作れるだろう、不格好な笹舟。
その川は別邸の庭にある池から流れ出る水が作っている。
ならばこれを流したのが誰か、自ずと知れた。

「──下手くそめ、教えてやったではないか……」

凍り付いた心にぴしりとひびが入ったような気がしたが、従兄はそれを無視した。
取り戻せぬものを求めることのむなしさと、ただ愚かなだけの意地で、従兄は広がろうとする亀裂を
凍り付かせた。
ただ、これくらいならいいだろうと手にした笹舟を折り直し、元の流れに戻してやる。
さらさらと流れていく舟を見送り、従兄はけして振り返ることなく去っていった。



以上です。
452風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 23:53:40 ID:BACc7RjqO
分岐侍タソ、禿萌えだ…!!受けが壊れる過程がもう最高! 乙!大好き!
453風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 23:54:59 ID:+qOmf9l20
侍GJGJ!!!切ない終わり方にテラモエです!
人形になった侍の描写にもぞくぞくきました!
454風と木の名無しさん:2006/11/16(木) 23:55:16 ID:6iQsHosi0
バッドエンディング乙!
鬱展開も(・∀・)イイ!!
455風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 00:04:46 ID:XJ+Qgi2Q0
うおおお、泣ける。リレー乙です。
456風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 00:33:57 ID:TO1XI06z0
笹舟がこんなに重要になるとは思って無かったよ…
お互いの思いのすれ違いがさっくり書かれてて凄く素敵でした。
最後に兄様は何を言ったのだろう。
含みの在るエンドにGJです。
457風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 00:34:22 ID:AEpxHt3aO
侍437たん乙です!
こんなぞくぞくくるラストを先に書かれたら、
他のリレー職人さん苦しいねw
でも違うエンディングも見たい!
職人さん方、ハードル高いかもだけど宜しくお願い致します!!
458風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 10:23:09 ID:WaPrGZKW0
>>456
「ボク達、リアル兄弟なんだよ☆」じゃね。
459テュランの筏1/8:2006/11/17(金) 12:03:58 ID:FeKqKjGS0
三日目
「これを十分間、つければいい」
藤吾が取りだしたのは、二つのクリップを紐で結んだ、奇妙な品だった。
遠まきに「船長」の命令を待つ僕たちは、楊玲が一番近い位置で、僕はタープを引きずった奇妙な格好で、何故かクリフも前の方に進みでていた。
手持ちのものをすべて吐きださせ、その後一体何を命令するのか、純粋な好奇心だろうか。
三人三様に疑問を顔にしていたのだろう。
藤吾はもっとも近くにいた楊玲を指さし、つけ加えた。
「ここに」と、人差し指は今にも楊玲の胸の先端に触れそうだった。
「はさむ。初めてだから、刺激は強くしないように………努力は、しよう」
反対の手にもつ小さなリモコンを握ると、クリップがブルブルと震えだした。
楊玲は怯えたように後ずさりし、端に行き当たっても、目を大きく見開いたままだった。
小さく舌打ちして、肩をすくめて離れていくのはクリフ。
僕は彼の為に道をあけ、それからじわじわと入りこんでくる恐怖を自覚した。
………あれを、胸につける、だって………?
文房具屋に売っているような金属のあれを………痛いに決まってるじゃないか。
それどころか潰してしまわないか? 最悪の場合切………
恐ろしくなってきたので、想像は途中で打ち切った。
藤吾に背を向け、いつもの対称位置の角へと戻ってくる。
クリフはいつもの場所で、水平線を見つめつづけていた。
空を横切るものはなく、海を行く影も、なにも変化のない風景。
飽きないのだろうか、彼は。不思議に思いながら、横に座った。
460テュランの筏2/8:2006/11/17(金) 12:05:01 ID:FeKqKjGS0
「いい天気だね」
返事はない。
「今日は暑くなりそうだね」
現に、水平線上にその全貌を出した太陽は、いつもより黄色く、まぶしく海面を照らしていた。
その跳ねかえりで輝くクリフの唇は、結ばれたままだった。
言葉は通じるのに、コミュニケーションが取れないとは、どういう事だろう。
これじゃ、せっかく取って置いた水も、渡すチャンスがない。
ギラつき、頂天に向かいつつある燃えさかる陽光は、もう構うのやめて、自分で全部食べちゃおうかな、と僕を誘惑した。
「お前、一日目のペットボトル、どうした?」
去りかける僕の背に、声がかかった。
おそらく、クリフからの質問は、これがはじめてだろう。
嬉しさに振り返る僕は、間もなく顔を赤く染めた。
一日目と言うからには………彼は知っているのだ。
僕が服を全部手放して、欲に負けて、二日目のを手に入れた事を。
いや、タープなんかずるずる引きずっているし、それで一目瞭然だろうけど。
対して、ジーンズに包まれたスラリとした足を組むクリフは、まさしく「孤高」だ。
彼は欲望に負けない。だらしない僕たちの、その倍も誇り高いのだ。
怖気つき、指をモジモジ絡ませる僕に、痺れを切らしたのだろうか。
クリフは手を突いて振り向き、こっちを睨んだ。空よりも澄んだ青い瞳で。
僕はビクリと震え、その拍子にまいていたタープを落っことした。
何とも気まずい沈黙の時間がおりた。
461テュランの筏3/8:2006/11/17(金) 12:06:06 ID:FeKqKjGS0
「悪ぃ………」口を開いたのはクリフだった。
「見てない、というか、見えてないから。
海に落ちたときコンタクトなくして、それからずっとやぶ睨み状態なんだ」
なるほど、彼の視線が強いのは、焦点を合わせようと努力した結果なのか。
僕は納得し、前を隠すのも忘れた。
「それに、薄ぼんやりとだけど、お前のは標準だと思うぜ、年頃の平均値って奴。別に隠す必要ないだろ。この暑さじゃ、蒸れるぜ」
「ち、違う」僕はすぐに訂正した。
「そんな、コンプレックスのように決めつけないでよ。
そんな理由で隠してた訳じゃないんだから!」
思わず大声になった僕を、珍しいものを見るように、目を丸くするクリフ。
「日本の少年の、思春期の悩み定番かと思ってた。
じゃ、お前何で隠してるんだよ。堂々としてろよ」
「それは………」
言いよどむ。欲に負けた自分が悔しいから。
それを知られたくなかったから。
結局自分の自信のなさを隠す、という点では同じではあるまいか。
「お前の意思で決めたんだろ? なら堂々としてろよ。
誰もお前を笑う奴なんか―――少なくとも、俺はしないから」
クリフは破顔した。首筋で切りそろえられた金髪が、背に太陽をうけてキラキラ輝く。
白く並んだ歯の、ちょっと長い八重歯がチャーミングで、僕は胸がコトンと鳴った音を聞いた。
462テュランの筏4/8:2006/11/17(金) 12:07:17 ID:FeKqKjGS0
僕の名前を覚えてもらうまでの紆余曲折は省く。
午前中たっぷり発声訓練して、納得できる「智士」を教えこんだつもりだ。
そして、たっぷりの遠回りの末、当初の質問に戻った。
「えーと、ペットボトルは捨てちゃったけど」
とたんに、ゴツンと拳固がやって来た。
「お前、じゃない、智士。何考えてるんだよ。普通に考えて、海汚すなよ。
ガムていどなら分解するけど、石油製品は海底につもるだけだぞ。
それに、サバイバル的に考えて、手紙を流すのに使うとか、雨が降った時に溜めるとか、ちっとは頭を働かせろよ!」
クリフはすっかり憤慨していた。そして彼の言う事はもっともだったので、僕は後頭部を抱えて涙目になりながらも、うなづいた。
頬を膨らませていたクリフは苦い顔をし、それからしぶしぶといった様子で、手を伸ばした。
僕の前髪からつむじにかけて、白くて優しい手の平が何度か往復した。
えへへ、とゲンキンに微笑む僕に、クリフは呟いた。
「まぁ、この辺の気候じゃスコールはありえない。
飲料用の天の恵みは望めないな」
どこか暗い調子に、僕の笑顔もみるみる萎んでいく。
その瞬間、飛び込んで来たのは喘ぎ声だった。
僕は肩をビクリとさせ、振り返った。クリフも眉をひそめて視線をやる。
音のみなもとは、藤吾のところだった。
黒いトランクの横で、立ちひざ状態になっているのは楊玲。
胸をみだらに突きだして、背中を欲情的に反らしている。
胸の先端には、銀色の鈍い光が輝いている。
463テュランの筏5/8:2006/11/17(金) 12:08:32 ID:FeKqKjGS0
右と左をつなぐ紐が、揺れて止まらないのは、上半身を反らす楊玲の動きの為か、それともリモコンを楽しげに操る、藤吾が与える刺激によるものか。
東洋の言葉で、歓声とも苦悶ともつかない声がとびだし、海上に響き渡る。
あまりに激しく肩が上下し、せわしく息を吐きだすので、さすがのいかだのギシギシと歪んでいる。
クリップを外そうと身をよじるのか、それとも彼の恍惚とした顔が示すとおりに、背筋を走る感情の奴隷となっている為か………いつまでも声と軋みは止まなかった。
「テュランが………」
憎憎しげにクリフ呟く単語を僕がたずねても、彼はただ唇を噛みしめるだけだった。

やけに長い十分間だった。僕の感覚ではそれ以上がすぎていた。
クリフとの会話はそのまま途切れ、盛り返す事はなかった。
僕はさりげなく、取っておいた水と食料を出して、すすめた。
「智士が手に入れたものだ。自分で食べろ」
初日のつっぱね方からすれば、大した進歩であるが、拒否は拒否だ。
僕はクリフが癇癪を起こすまで、すすめ続けた。が、彼の意思は変わらない。
464テュランの筏6/8:2006/11/17(金) 12:12:04 ID:FeKqKjGS0
クリフをこんなに頑迷にしたのも、日差しの強さと、
それから藤吾の訳の分からない思惑があったからかもしれない。
昼間はほんとうに辛かった。
楊玲の喘ぎ声、つられてギシギシ鳴るいかだ。
どこにも逃げ場はなかった。
防水性完璧のタープで日よけをする気にもなれず、
薄い胸をさらし、太陽を見あげて溜息ついた時だ。
「使え」
声がし、何かが手元に落ちた。トランクの閉まる音がする。
声で分かったし、いかだ上で物流のすべてをになっているのは、彼だけだ。
拾いあげると、それは日よけ止めクリームだった。
こんなものより、もっと切実に欲しいものがあるのに………。
僕は愚痴つぶやきながらも、それをぬった。ここでは何より物は貴重だ。
それに僕は日焼けすると、肌が真っ赤になり、ピリピリ痛みをともなうタイプだったから。
クリフに渡そうとしたが、彼は短く悪態をつき、受け取りもしなかった。
465テュランの筏7/8:2006/11/17(金) 12:13:12 ID:FeKqKjGS0
日が沈んだ。僕はタープを頭からすっぽりかぶって、その中でボトルを傾けた。
昼間の熱気と、それから弾んだおしゃべりで、喉はからからだった。
けれど、一口にとどめた。
口内に含んだ水を、細胞に行き渡らせ、分泌された唾液で生暖かくなるまで我慢して我慢して、それからやっと飲み込んだ。
残った量を見て胸をはり、僕は日々日々意思が鍛えられているのを誇らしく思った。
しかし、こんな場所で………と疑問をいだくと、それもすぐ萎んだ。
それより今はクリフだ。昼間も気になったけど、彼の唇は乾いてひび割れていた。
昨日の朝飲んで、それきりのはずだ。
聞こえている寝息は断続的で、辛そうに思えた。
僕はクリフの脇にかがみこむ。
左頬をいかだの床に接し、枕にした左腕は、白い手の平がしどけなく開いている。
人の気配がおおいかぶさっても、クリフは起きる様子もない。
466テュランの筏8/8:2006/11/17(金) 12:14:26 ID:FeKqKjGS0
安心してボトルの飲み口を、彼の唇にあてた………がうまくいかない。
横向きで気管に入る心配はないと分かっていたが、
米より、金より貴重な水を、一滴でも失ってたまるか、
そんな気持ちが僕に働いたのかもしれない。
こぼさず、うるおす。それはこの容器では無理だ。
そう悟った僕は、指先を水にひたし、クリフの唇をなぞった。
指をすべらせた部分が、新鮮なさくらんぼのような色につやめく。
僕はうれしくなって、したたる水を何度も何度も彼の唇に運んだ。
落ちた水滴が、クリフの舌に届き、ピンク色したそれがうごめくように飲み込むのを確認して、僕は立ち去った。
ボトルの底にはもう、小指の爪ていどの量しか残っていなかった。
僕は気にしなかった。
「おやすみ、クリフ」
467風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 12:26:08 ID:c7IjGSB+0
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!
これから何されるのか楽しみ!乙!
468風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 15:47:24 ID:b4ef1atz0
テュランでぐぐってみた。wktkだ!
469風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 17:01:14 ID:AEpxHt3aO
テュランってティラノサウルスとかの
ティラン(暴君)のラテン語読み??
クレフが暴君になって、日本人のオッサンを掘ってくれないかな!
470風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 17:31:15 ID:o7ymhjPzO
つーか、こうリアルで面白い作品読むと「鬼畜萌え!」よりも
「そんな変態、三人で力合わせてボコッてやれ!トランクを奪い取れ!」という気になってしまうww
471風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 17:36:45 ID:AEpxHt3aO
同意!
少年よ大志を抱けって気分。
You達やっちゃいなよ。
三人で力を合わせれば大人の男ひとりぐらい、まわせるってww
472風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 17:51:33 ID:gkUVxIisO
今、リレー読み終えた。乙。良かったよ!
473風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 18:51:55 ID:UuMRrbHsO
リレー侍分岐ED乙。
そして別バージョンもハゲしく読みたいので
お待ちしています
474リレー:2006/11/17(金) 19:48:17 ID:F8I1wHh/0
 幾人もの男を快楽地獄に落としては楽しんできた御前だが
まだ叶わぬ望みがあった。
 我が意のままになる艶やかな抱き人形を作ることだ。
 この男こそ仕立ててみたいと思う者は多くいた。実行に
移したこともあるが、みな壊れる前に進んで肉杭を銜え、
媚びへつらうただの淫売になり下がっただけだ。
 淫売なだけならばまだしも、床勤めで出世を狙う者まで
でる始末。
 そうなると興味も面白味も失せ、適当な金を握らせて
放り出す。
 中には恨んで強請ってくる愚か者もいたが、御前にとっては
そのような輩を、芥を捨てるごとく始末することに何の痛痒も
感じない。
 数年来の念願をかなえられず、不満を囲っていた中、見つけた
この侍ならば念願の抱き人形を作れるのではと、御前は期待に
胸を高鳴らせていた。
 身分は低からず高からず。
 係累はいるが、妾の子であり家族とは疎遠気味で妻も子もない。
 勤める役も低いゆえ、同輩に騒がれる恐れもなし。
 そして、何よりの強みといえば、侍にとっては本家筋の縁戚のものが
手引きを買って出てくれたこと。
 策略に長けたこの男ならば、外に秘密を漏らすことなく目的を
果たせると夢想して、御前は目の前の絡み合いに再び股間を
膨らませていた。
475風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 20:04:33 ID:TqYmITRtO
別EDキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
476風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 20:28:38 ID:KBMJ+X9W0
リレーキテター!!!!
激しく乙です。続き頼みます。
477風と木の名無しさん:2006/11/17(金) 20:48:50 ID:9we6vOkQ0
リレー
分岐ED、乙!乙!
別バージョン、GJGJ!
478リレー:2006/11/18(土) 00:14:06 ID:TumftH8sO
なまじ体力のある侍は、疲れを覚えながらも、精根尽き果て臥すに至らず、
白く澱むものを吐き続けながら、汗をかき息を乱していた。
痛みと快感が飽和し、ただただ体が燃えるように熱い。
半狂いの侍はもう、己が犯されている事すら、わからなかった。
御禁制の薬で頭の奥をも蝕まれた侍には、
後孔を灼く熱く大きな塊が魂のように思えた。
己が孕んでいるのは力の源。失いたくはない。抜かれたくはない。
侍はその一心で、締まりの良さが売りの陰間のような力強さで、
下の口を窄め、従兄弟の猛りをむさぼった。
丈夫な体を持ち、百俵に満たない禄を喰み、
誉められもせず、苦にもされず生きてきた侍が、
じわりじわりと、抱き人形に姿を変えてゆく。
頭の中は灼熱のマラでいっぱいだ。
侍の痴態に御前はにたりと嗤い、膨らんだ御前自身を軽く揉んだ。
従兄弟は「誰に抱かれているかもわからず」喘ぎ、
虚空を見つめながら、下の口で従兄弟の屹立をしゃぶりあげる侍に眉を寄せた。
己が何を口走っているかわかっていないであろう侍が、
声にならない声で、あにさま、あにさまと唱えるのも従兄弟の苛立ちを誘う。
飲みすぎた翌朝のようなむかつきを覚えながら、
従兄弟が一際深く侍の後孔を抉った刹那!
「そなたの事であろう?」
聡い御前が、さらりとそう言った。

続きお願いします。
479風と木の名無しさん:2006/11/18(土) 00:36:02 ID:p4Ix0JW0O
リレー乙!
何か切ない…(うДT)
480風と木の名無しさん:2006/11/18(土) 00:48:56 ID:de80CMhQ0
リレー超GJ!禿萌え!
侍の哀れさがいとおしくなってきた。
481テュランの筏1/12:2006/11/18(土) 12:07:14 ID:A6MrKfG80
四日目
「今日は、二十分耐えてもらおう」
藤吾に顔向けているのは楊玲だけだった。
しかしその声は背を向けている僕にも届く。
だんだんと、ルールが飲み込めてきたような気がする。
「船長」の要求は、日々日々過酷になっていくのだ。
服の時だけは例外で、僕たちは選ぶ権利を持っていた。
けどもう身一つの今は、エスカレートする彼の命令を受け入れるか、受け入れないかの選択肢しかない。
キリンの、首を伸ばす実験のようなものだ。
高い木の枝葉を餌にして、それは毎日十センチずつ上へあがっていく。
毎日、律儀に食べていれば、一日に伸ばす首は十センチで済む。
けど我慢して食べない日の翌日は、二十センチ伸ばす苦しみを味あわなければならない。
明日は三十になるか、それとも木の枝が針になるような道具を、藤吾は黒いトランクから取り出すかもしれないのだ。
どのみち、心は後悔にしばられるだけだ。
僕は残り少ない水と食料を考え、不安をぬぐえないまま、クリフの隣にしゃがみこんだ。
わずかだが彼の顔色はよくなっている。押しつぶされそうないかだの生活で、こうして彼が元気にしているのを見るのだけが、僕のうるおいだった。
482テュランの筏2/12:2006/11/18(土) 12:08:00 ID:A6MrKfG80
「テュランめ………」
水平線から目をそらさず、クリフは唇を歪めていた。
藤吾の命令が聞こえていたのは、たずねずとも明らかだった。
「昨日も言ってたよね。それって何て意味」
クリフは僕を振り向きもせず答えた。
「暴君」
その時、日も昇りきらない海上に、楊玲の喘ぎ声が響き渡りはじめた。

僕たちは声に押し出されるように小さく、いかだの端で身を縮めた。
クリフが話し始めた時、もう話題は変わっていた。
「………あいつ、楊玲の事だけどさ」
「うん」
僕はあいまいに返事した。
楊玲に対する僕の感情は、色々複雑だったから。
「智士は、楊玲の言葉、分かるか?」
「ううん、全然だめ。母国語はお手上げ、日本語は単語で聞きとるていど」
「筆談は、どうだ?」
クリフは海水に指をひたし、乾いた緑色のタープにアルファベットを記した。
483テュランの筏3/12:2006/11/18(土) 12:09:19 ID:A6MrKfG80
「あ、それなら。漢字つづって、何とか意思疎通出来るかな………」
「俺、会話は出来るけど、読み書きの方は全滅だから」
クリフが肩をすくめるのを、僕がからかう一連のじゃれあいの後、会話は再開した。
「でも、どうして楊玲に? 何を話せばいいんだろう」
「何でもいい………とにかく、あのままじゃあいつ、心が壊れる」
「そうかな」
僕は疑問だった。
彼は自分の欲望に忠実に、暴君にしたがっているだけだ。
飢えて渇いた僕たちより少なくとも身体は満足しているはずだ。
心も………あの声を聞けば、どう思うかは言うまでもない。
僕にとって楊玲は戒めの存在でもあったし、また同時にうらやましい存在でもあったのだ。
「智士、お前だったら、突然連れて来られて、こんな場所で恥辱的な行為をせまられて………それで周りにいる誰とも、言葉が通じない。
そんな状態に、耐えられるか?」
僕は黙りこんだ。クリフの言う事はもっともだった。
僕はたぶん、楊玲のさみしさなんて、考えてもみなかった。
「分かった………」
答えながらも、僕は心にもやもやした気分がわきあがるのを、抑えきれなかった。
484テュランの筏4/12:2006/11/18(土) 12:10:48 ID:A6MrKfG80
結論から言うと、僕はベストをつくした。けどだめだった。
喘ぎ声と、いかだの軋みが止んでから、しばらくして、僕は楊玲のいる辺りに向かった。
徐々に、藤吾の方へ近づいているとは言え、赤毛の少年はまだ中間地点、マストの下にいた。
僕は歩み寄る。たぶん、ここで第一の過ちをおかした。
痛々しいであろう胸の跡を見ないように、視線を上に固定していたのだ。
異国の人間に、上段構えに近づいて来られ、パニックになるな、と言うのが無理だ。
楊玲は手に入れたばかりの水と食べ物を抱え、威嚇めいたうなり声をあげる。
「あの」
二、三言強い調子の見知らぬ単語が、楊玲の口から飛び出した。
「大丈夫?」
彼は胸に二品抱えたまま、座ったままで後ずさりした。
僕はクリフの案を思い出し、筆談を試みようと床をさした。
が、考えてみればいかだのど真ん中だ。
端まで何歩か歩かなくてはならない。海水をひたした指さえも乾く、この暑さで。
考えた挙句、自分の舌でしめらす事にした。
セレクトした漢字は「友」だったが、二画目の途中で文字はうすれた。
しめらし方が足りなかったのだ。
思いきり不審な視線で見あげ、楊玲はさらに一歩下がった。
ここまでだろう、と僕は思った。
今はこれ以上強引に出ても、いい結果は生まない。
「何かあったら、力になるから」
僕はそれだけ告げ、クリフの元へ戻った。
485テュランの筏5/12:2006/11/18(土) 12:12:15 ID:A6MrKfG80
「タイミングが、悪かったんだと思う」
反省点を口にして座りこむ僕に、クリフは何も言わなかった。
黙って手を伸ばし、僕の髪を撫でる。
「食べている時で、しかもこんな状態で、僕は略奪人か強盗かって感じで、見られても仕方ないっ………」
心に思った事を話すうちに、何故かボロボロと涙がこぼれおちた。
「僕たちは、楊玲の身体を満たすものを何もあげられないっ………
でも、言葉は通じなくても、心は伝えたいと思ってるのに………」
なんで、自分がこんなに泣いたのか、後になってもよく分からなかった。
頭に乗ったクリフの手の平が、温かくて優しかったからかもしれない。
そして反面教師にしている楊玲の姿が、いつか自分に重なる時が来るのを想像して、恐ろしくなったのかもしれない。
「こんな、こんな状態っ………」
クリフは何も言わず、つむじと前髪の間で、手の平を往復させた。
僕はただただ貴重な水分を流しつづけた。
486風と木の名無しさん:2006/11/18(土) 12:12:53 ID:kMANStIFO
待ってましたよ…御前のその一言待ってました。GJデス!
487テュランの筏6/12:2006/11/18(土) 12:14:11 ID:A6MrKfG80
最悪の事態になった。
ボトルに残ったわずかな量では、僕の渇きは満たなかった。
中途半端に水を与えられた細胞が、おかわりを催促して、激しく暴れる。
それでも意思を総動員して半分残し、眠るクリフの唇をひたした。
指先を数度すべらせただけでは、昨夜のようなつやは戻ってこなかった。
僕は空のボトルを閉め、タープの中にしまった。
手つかずの食料パック半分が残っているが、こんなに口がパサパサの状態では、とても喉を通らないのは分かりきっていた。
水。ただそれしか考えられない僕の頭に、嫌味たらしく波音が入りこむ。
明日になったら………過酷さを増した責めが待っている。
キリンは死にものぐるいで首を伸ばさなくちゃならなくなる。
頭上に浮かぶ細い月は、雲ひとつない夜空で、間もなく頂天にのぼろうとしていた。
薄闇を透かして、見る。黒くどんよりとたたずむトランクを。
あの中には僕のすべてを癒すものが入っているというのに、
こんなに近いのに、どうして手に入らないのだろう。
そんな事をぼんやり考えながら、僕は足音立てずに歩き出した。
いかだは広い面積をもつが、それでも二桁も歩かない内に、辿りついてしまった。
トランクの上に右腕の肘をつけ、頭をもたせていた藤吾が目を開く。
488テュランの筏7/12:2006/11/18(土) 12:15:21 ID:A6MrKfG80
………いつか、自分に重なる時? 今すぐ切羽詰っているのに、何をのんきな事を………
過去の自分を自嘲しながら、僕は小さくささやいた。
「水を」
「まだ五日目には入っていない」藤吾は時計を見ながら言った。「二十分だ」
差しだされたクリップを震える手で受け取り、僕はぎゅっと目を閉じた。
「智士君、だっけか。君は意思が弱そうだからこれを使ったほうがいい」
ジャラリと音がして、僕の手の平に冷たい感触のものが追加された。
薄い月の光をあびて、鈍く輝く手錠だ。
「な、なにを、なんで………」
「二十分間。途中で故意でも自然にでも外れたら、最初からカウントし直す」
左手首の時計を見せびらかすように、藤吾は続けた。
「彼、楊玲君だったっけ? 彼は三回外した。今日は二回」
藤吾の指さす先には、タープにくるまって眠る楊玲の姿があった。
僕の背筋を冷たいものが通りすぎていった。
………楊玲の声がやけに長く感じられたのは、気のせいではなかったのだ。
「後ろ手に拘束するのが、おすすめだ。
前では心理的枷にしか働かない」
「っ………こんなもの、いらない」
僕は手錠を投げた。床から拾いあげた藤吾は、丁寧に埃を払い、トランクにしまう動作を見せかけ、途中で止める。
上衣の前ポケットにそれを落としこみ、僕の上半身に視線をそそいだ。
「カウントはこちらでしよう。では、見せてくれ」
489テュランの筏8/12:2006/11/18(土) 12:16:15 ID:A6MrKfG80
僕の心にあったのは「朝になる前に」「誰かが起きる前に」済ませてしまいたい。
それだけだった。
急かすものがなければ、僕はただ手を震わせ、恐ろしい凶器を胸にはさむなんて出来ないまま、夜を明かしてしまっただろう。
闇の中で目を透かす。自分の胸にぷくりと浮きでた桜色の突起を見下ろす。
左手で周辺を押さえながら、右手でクリップを開き、ゆっくりと近づけていく。
鋭利で冷たい金属の感覚が、敏感な先端の上下を包み………こまずに噛みついた。
「っ、ひぃ!」
全部の神経が左胸に集ったような痛みだった。
左手はもはや支えていられず、右手は噛みきられる苦悶に暴れた。
紐でつながったクリップのもう一片はだらりと下がり、左胸に食いこむそれのおもりとなった。
「い………っ、っく」
身をよじったせいか、それとも両手が胸のあたりをかきむしったためか、軽い金属の音を立てて、床に落ちた。
「まだカウントもはじまっていない」
藤吾は短く呟き、拾いあげたそれを僕に手渡した。
僕は手の平で鈍く輝くクリップを、たった今噛みついてきた凶器を、海に投げ捨てたい衝動にかられた。
想像の中で僕はなんども投球フォームをとり、闇の海のはるか遠くに投げてやった。
あわてふためく藤吾を見て、溜飲を下げた。
けれど現実の僕は、震える手で、右でもない左でもないと迷いながら、
忌まわしいクリップを敏感な突起に噛みつかせる位置を探っていた。
490テュランの筏9/12:2006/11/18(土) 12:17:26 ID:A6MrKfG80
二度目は、手がこわばりすぎた。
突起の表皮だけを噛んでしまい、すぐに外れてしまった。じんわりと内出血するような痛みだけが残った。
三度目は、目をつぶっていたのがまずかった。
肌色の皮膚部分まではさんでしまい、痛みはそれほど強くなかったものの、藤吾にいらだちの舌打ちをさせてしまった。
彼はポケットの手錠を取り出しながら近づいてくる。
怯えてしまい、逃げるなんて思いつかなかった。
藤吾は僕の両腕をとり、背中でひとまとめにする。
肩の関節に鈍い痛みが走り、僕は悲鳴をあげた。
が、そんなの意にも介さずカシャン、カシャンと手錠の機能が発動する音が響いた。
手馴れた様子で藤吾はそのまま、胸のクリップをあやまたず、しっかりと噛みつかせる。
右と左の胸に一度に痛覚が集中し、目の裏で何かがはじけた。
「っ………くぁ、ああっ」
自分では暴れようとする意思はないが、勝手に胴体が左右に揺れる。
両胸の突起をつなぐ紐がぶらぶらと合わせて揺れた。
腕にも無意識に力がこもっているのだろう。
鎖がガチャガチャと鳴り響き、手首が鉄の輪にすれて痛かった。
「カウントを開始する」
トランクに腰かけた藤吾は、時計の盤面を眺めたあと、別のポケットから小さな機体を取りだした。
胸への責めに喘ぎを押し殺す僕は、それが何だが悟り、大きく目を見開いた。
楊玲の声を大きくも小さくも調整した………刺激を与える、リモコンだ。
491テュランの筏10/12:2006/11/18(土) 12:19:25 ID:A6MrKfG80
「ぃ、や………」
やめてと叫ぼうとした僕は、その行為がまったく意味ない事に気付いた。
訴えて、やめる相手ではない。
そして、大声出して皆が起きだしてしまったら、今まで声を殺していた意味も、深夜を選んだ意味もなくなる。
奥歯を噛みしめた。同時に藤吾の指先がうごめいた。
「っぅ、あ、………っ」
上下に挟まれた内側で、舌のような感覚が這った。
生暖かく全身がぶつぶつに覆われ、どこかぬめっているもの。
桜色の小山のふもとからてっぺんにかけて、同時に、舐め、はさみこまれる。
その瞬間は噛みつかれる痛みも忘れた。
ただただ背筋を震わせる、怖気悪さだけが立った。
しかし、何より恐ろしいのは、それが規則的にくりかえされる事だ。
「あ、っ………っううっ」
藤吾が指の位置を変える。とたん、振動がくわわり、なぶる動きが変化した。
取り囲んだぶつぶつがランダムに、間をおかずに位置を変え、軽く触れて去っていく。
微弱といえば微弱であるが、先端、厚みと覚悟も出来ない責め方に、僕は歯をくいしばるのがやっとだった。
僕はさっきから気付いていた。
視界の端、マストのそばで盛り上がっている楊玲のタープ。
規則正しい動きがなくなった。寝息もとぎれた。
彼は、目を覚ましてしまったのだ。
492テュランの筏11/12:2006/11/18(土) 12:21:37 ID:A6MrKfG80
恥辱が僕を襲う。耳まで真っ赤にそまった。
胸をつきだし、背中を反らして声を噛みしめる………昼間の彼のように。
声を聞かれているのだと思うと、身体中の血が一点に集中した。
それは、自分でも信じ難かったが、下半身の方へだった。
「五分経過だ」
なにもかもが悪夢だった。にぶい流れの泥沼に落ちこんで、足の踏み場もなく、手にふれるものすべてが、ドロドロとくずれおち、悪臭をはなつ。
だが決して、意識は失えなかった。
493テュランの筏12/12:2006/11/18(土) 12:22:42 ID:A6MrKfG80
決して思い出したくない二十分が終った。
手錠が外されたが、両腕はこわばっていた。
頭をあげる事が出来ない僕の前に、無造作におかれたペットボトルと、ブロッククッキーの箱。
涙が、こみあげる。
みじめだった。ほかに言葉がいらないほど、みじめだった。
しびれが抜けるのを待って、クリップを外して床に叩きつけ、手に入れた品を胸に抱く。
すでに、涙を止めようとする努力はやめていた。
しゃくりあげながら、僕は黒いトランクに背を向け、もっとも離れた場所へ戻った。
涙で失われた水分を補給し、新しい食品はしまって、前の残りをたいらげた。
鼻につく甘味が、また涙をボロボロと落とさせた。
ボトル残り三分の二のところで、最後の一口をふくみ、味わってから飲み下した。
鼻をすすり、クリフの脇にかがみこむ。ボトルを傾ける。
僕はなんどもしゃくりあげながら、彼の唇をうるおした。
494風と木の名無しさん:2006/11/18(土) 13:59:06 ID:s8W4caUv0
リレーは孤島たんが頑張ってたから面白かったのはみんなこのスレの人は
気づいてるよね。で、孤島たん、さっさと結末書いてマンセーもらって
去っちゃった。これでリレーはつまんなくなっちゃった。

さて、リレーで孤島たんをまってた皆で孤島さんの新作をまちましょうか。
孤島たん、サイトつくってもここが好きよね? マンセーたくさんくるから。
495風と木の名無しさん:2006/11/18(土) 14:27:02 ID:l9b1RJj3O
筏タン乙
リレーのマルチEDは面白い試みだと思う。
ともかく投下者さん方乙
496風と木の名無しさん:2006/11/18(土) 14:44:11 ID:TumftH8sO
筏タン乙です!
続き楽しみ。頑張れクリフ!!
藤吾が凌辱されたら、嬉しいなww
リレーのマルチED、自分も面白いと思う。
リレーにも参加させてもらってるけど、
それとは別に437タンみたく
分岐バージョンも書きたくなったよ!
497風と木の名無しさん:2006/11/18(土) 15:32:57 ID:de80CMhQ0
>>496
ぜひ書いてくれ。>分岐ED
マルチEDは大歓迎!
498テュランの筏1/7:2006/11/18(土) 17:02:32 ID:9Dk/AZ7d0
五日目
黒いトランクを開けかけた「テュラン」は、ふと思いついたようにその手をとめた。
「今日もこれにしよう。四十分だ」
その声を、僕はタープにくるまったまま聞いていた。
昨夜の屈辱を思い出し、涙がこぼれそうになった。
いったいどこまでいたぶれば気が済むのか。
じんじんと胸の芯が痛んだ。物理的なものだけじゃ、なかったはずだ。
頭上では、今日もうんざりするほど揺れるかげろうをまとった、太陽が昇っていた。
まだ朝方だというのに、昼間の熱気を予想させる蒸し暑さだった。

楊玲の喘ぎ声は、今日もいかだを揺らした。
風に乗って耳に届くたびに、僕は肩がびくついたし、背筋をこわばらせたし、唇を噛んだ。
クリフの前で、全くポーカーフェイスはできていなかっただろう。
言葉数少なく、僕とクリフはいかだの上を掃除していた。
ここ数日晴れ間が多く、頑丈な板を組んだ床は、塩がこびりついていたのだ。
辺りの海は波も激しくなく、風も少ない。
それでもしみこんだ海水や、水浴びした時のしたたった海水が蒸発し、いかだ上を塩まみれにしていたのだ。
499テュランの筏2/7:2006/11/18(土) 17:03:20 ID:9Dk/AZ7d0
マストにかかっていたホウキを取り、クリフと交代に掃いていく。
僕たちは、僕たちの陣地―――いかだをマスト中心に斜めに切った半分―――を、藤吾にも黒いトランクにも背を向けたまま、清める。
ホウキと床がすれる音が広がると、とたんに白い粉が目の前をおおった。
さすがに五日間、海水にひたっていただけあり、ものすごい塩の量だった。
生臭い塩が鼻につく。潮風も急に、息苦しいものに感じられた。
顔をしかめる。
舞いあがる粉から顔をそむけ、海面のさわやかな風を肺にいれようとしたが、そこはあいにく風下だった。
すでに占領されている。生臭い塩にも、楊玲の喘ぎ声にも。
くらり、と頭の奥で濃い闇がかかった。
吐き気がする。胸がむかむかする。
「おい、智士。顔色悪いぞ」
クリフの声がした。それはとても遠く感じられた。
意識が遠ざかる。いけない、クリフに返事をしなくちゃ。
なんともない、ちょっとめまいがしただけ、だって。
声を出そうと深呼吸した。しかし肺を占めるのは、濃い潮風だけだ。
容赦なく内部の水分を奪う、塩が入りこんでくる。
生臭い、生々しい、喘ぎ声………。
500テュランの筏3/7:2006/11/18(土) 17:03:59 ID:9Dk/AZ7d0
鎖骨のやや上がズキンと痛みを発した。喉の後ろが妙に熱くなる。
舌がこわばって、正座の直後のようなしびれ初めの状態になっている。
………まずい、と僕は思った。発作の兆候だった。
もう何年も出てなかったのに、喘息。
吸入器なんて、客船にも持ちこまなかったし………いや、いや大丈夫だ。
落ち着いて、姿勢を楽にして、腹式呼吸をとれば………
だが、浮かべる事何一つ実行に移せないまま、僕は咳の発作に襲われた。
「智士?」
クリフがホウキを投げ捨て近づいてくる。
それより早く、僕は床にくずおれた。
止まらない。頬の後ろの筋肉をひきつらせ、喉がひりひりと赤くなるまでからまった呼吸をしつづける。
その呼吸も弱弱しく、断末魔のような木枯らしのようなヒューとか細いものだった。
目がうるむ。ぼやけた景色はまもなく、目の後ろではじけた赤い閃光で一色に染まり、僕は呼吸困難の苦しみの中で意識を失った。
501テュランの筏4/7:2006/11/18(土) 17:05:14 ID:9Dk/AZ7d0
………ぬるいうるおいが、喉を下っていった。
それは口をぬらすていどの、ほんのわずかな量で、何度も何度も繰り返された。
胃袋に到達する前に、それはからからに乾いた喉で、吸収されてなくなってしまう。
もっと、欲しいのに。思うが、じれったいほどに、わずかな水が注ぎこまれるだけだ。
まるでスプーンで池の水を汲みだそうとするようだ。
僕はねだるように、次にあてがわれた注ぎ口を、唇で包みこんだ。
吸いつくすように、ちゅうちゅうと音を立ててねぶる。
注ぎ口はとても熱く、びっくりしたように震えもした。
それでも赤ん坊をあやすように、僕の気がすむまで、されるがままになっていた。
口の筋肉が疲れてしまい、それを解放する。
今度は、やや間があってから、注ぎ口があてられた。
僕は舌をうごめかせて、再びむさぼる。
先端の味らいが、甘味を感じ取った。
何日ぶりだろうか。
舌の奥をぴりっと刺激する、すっぱさをともなって、ずっと僕の身体に欠けていた栄養素を、満たしてくれる。
うっとりと、全身が弛緩するほど、感動に包まれる。
鼻がオレンジの香りをかぎとり、僕は五感を取り戻していった。
注がれる果汁を決して逃さないよう、舌を絡め、唇をすぼめながら、両腕を何かを求めてさまよわせ、絶え間ない潮騒を耳にとらえ、最後にゆっくりと目が開いていった。
502テュランの筏5/7:2006/11/18(土) 17:06:06 ID:9Dk/AZ7d0
………鼻のすぐ先に、クリフの顔があった。
僕は開いたばかりのまぶたを酷使し、さらに大きく見開いた。
頭を………動かして自分が何をしたかったのは不明だが、身動きならなかった。
頭の下は柔らかく、そして耳の後ろはしっかりと包みこまれ、支えられている。
あ、と短く呟き、僕は「注ぎ口」を解放した。同時にクリフの顔が遠ざかった。
「今、口の中にあるものを、飲みこんでから身を起こせ。気管に入るから」
耳の後ろを支えた感覚が消えうせた。
僕は忠告通り、頬にたまった唾液をも喉にくだしてから、ゆっくりと上半身を起こす。
「僕………」
呟いた言葉は、まだかすかにかすれていた。
クリフはオレンジ色のラベルがついた、ガラス瓶を差しだした。
「アミノフィリン合剤は、さすがにもっていなかった。
症状は軽度だから、糖分とビタミンの補給で大丈夫らしい………飲んでおけ」
まだ僕の頭はぼんやりしていたのだろう。
押しつけられたそれを、傾け、半分ほど一気に飲み干してから、やっと思考が回転しはじめた。
「え、って、クリフ、これ?」
腰をひねって振り返る………そんな事、しなければよかったのだ。
僕は、あんなに辛そうなクリフの表情は見た事がなかった。
そして………見たくなかった。
503テュランの筏6/7:2006/11/18(土) 17:06:55 ID:9Dk/AZ7d0
日焼け途中なのか、白い肌に薄いピンク色が浮きかけているクリフは、上半身も下半身もすべて夕日の下にさらけだしていた。
しげみの薄い股間、そこを隠すように下りている両手には、短い鎖の枷が。
そこから上へ視線をはわせる勇気は、僕にはなかった。
床に置いてある、開封途中のペットボトル、手のつけられていない食品、僕の手にあるオレンジ飲料。
答えは明らかだった。
「ッ、あ、くぁ………っ」
クリフが短く叫んで、背を反らせた。
ビクンビクンと身体中の関節が跳ねている。
まだぼんやりしている視界の端に、そこだけくっきりと映った人物。
リモコンを持つ藤吾。
薄笑いを浮かべ、スイッチを次々切りかえる藤吾。
視線は獲物をいたぶる、肉食動物のようだった。
「や、やめろっ………まだっ」
苦しそうに発するクリフの口からは、同時に熱い息も漏れていた。
胸の先端の、銀の鈍い光が、夕日に照らされるより早く、僕は誇り高い彼に、命を救ってくれた彼に報いらなければならない………身をひるがえして、タープの中にくるまった。
504テュランの筏7/7:2006/11/18(土) 17:08:04 ID:9Dk/AZ7d0
緑色の内部に身体を丸め、耳をふさいだ。目も閉じた。
それでも、甲高い声はシートを通して鼓膜を震わせた。
いかだの軋む音は、決しておだやかな波のせいではなかった。
握ったこぶしを噛みしめると、ハラハラと涙がこぼれてきた。
自分の発する嗚咽が、すべての聴覚を遮断してくれないかと期待したが、蛇口をひねったように、涙はただ無機質に流れ落ちるだけだった。
目の後ろと鼻の奥をぬける熱いものを感じとりながら、僕は呪った。
すべてのものを。
海の上を漂ういかだ。それを支配する暴君。なすがままにされる乗客。
沈没した客船。穏やかな死を迎えた故人。
マスコミか自衛隊に救われ、今ごろ生還談を語っているであろう人々。
なんで、なんで僕たちだけが、こんな理不尽な目に遭わなくちゃならないんだ………。
テュランの筏に乗らなければならない、何か咎でもあるというのか………。
神様なんていやしない………いるならば、僕はその存在すら呪ってやる。
緑色のタープが、涙の海と化しても、それでも僕はあらゆるものに対して、呪いの言葉をはきつづけた。
505風と木の名無しさん:2006/11/18(土) 18:51:04 ID:GPU4Gtt/O
乙乙!激しくGJ!
とうとうクリフが……(ノД`*)これをきっかけに堕ちて逝けばいいよ。
506リレー 分岐エンディング506:2006/11/18(土) 19:03:15 ID:TumftH8sO
478から分岐

御前の言葉に従兄弟の腰の動きがぴたりと止まった。
夕焼け、笹舟、小川のせせらぎ。
仔侍に「あにさま」と呼ばれた遠い日が従兄弟の脳裏をよぎった。
「あにさま」
虚ろだった半狂いの侍の目が、従兄弟の小袖にそそがれ、
奇しくもそこに染め抜かれていた笹舟紋様を見つめる。
「あにさま」
弱々しく伸ばされた指の先が、小袖の中の笹舟に触れたとき、
従兄弟は言葉を亡くし、侍の後孔から
いつのまにか萎えていたそれを抜こうと腰を引いた。
抜かないでくれとばかりに、下の口を窄める侍を突き飛ばし、
しんなりとした一物を引き抜くと
誰もが呆気に取られる中、従兄弟は韋駄天のように駆け、廁へ飛び込んだ。
飲み明かした朝のように胸がむかつく。
口からもののけを産めそうな吐き気に襲われ、従兄弟は嘔吐しようとした。
誰かが口から手を突っ込み、はらわたをたぐり寄せている。
そんな気がしたが、従兄弟の口からは何も出てこなかった。
なぜこうも酷い気分になるのか従兄弟は、わからなかった。
分家の妾腹の男など、御前から話を持ちかけられるまで、散りや芥に等しかった。
ただ一度だけ川辺で遊んだ幼き日は遠い昔。
思い出と呼ぶより、「おぼろげながら覚えている出来事」に過ぎないのに。
従兄弟は、自分が冷艶と称されている事を知っている。
そうでありたいと思い、そのように振る舞ってきた。
その自分が身内をひとり、狂わすことに、こんなにも吐き気を覚える事が解せず、
従兄弟は廁にしゃがみ続けた。
507リレー 分岐エンディング506:2006/11/18(土) 19:05:12 ID:TumftH8sO
御前は、座敷を出ていった従兄弟の弱さを嗤い、侍を引き寄せると、
三枚目の絹布を手にし、愉しげに侍の後孔に押し当てた。
「一枚目は初々しい小梅。二枚目は咲き誇る牡丹。これは何に見えるや?」
絹布を広げ一座を見渡したた御前に、侍を剃毛した男が言った。
「落椿(おちつばき)に見えまする」
枝についていた時と、そう変わらぬ姿で、地面に転がっている赤い椿を
男は絹布に見た。御前は満足気に、にこにこと笑い、三枚の絹布で
従兄弟と交わした約定より、やや多い金子を包むと自分が座していた場所に置き、
従兄弟が廁から戻るその前に、侍を連れ、供の者を従え去って行った。
戻ってきた従兄弟は誰も居ない座敷に息を飲んだ。
金子と侍の後孔を押隈した絹布が目に飛び込んでくる。
気が付いたとき、従兄弟は絹布に顔を埋めていた。
鼻と口を押しつけ、其処に侍の匂いを探したが何も嗅ぎ取れない。
其処に残された、生々しいあとをまじまじと見つめながら、
従兄弟は絹布を握り締め啜り泣いた。所縁(ゆかり)ある者を売るには、従兄弟は柔(やわ)過ぎた。
御前は心に永久凍土を持っている。
だが、従兄弟のそれは薄氷(うすらい)だ。
「あにさま」の響きに容易(たやす)く溶ける薄氷(うすらい)だ。

仕立て上げた抱き人形で遊びながら、御前は思う。
人は蛇の道に踏みいるべからず。鬼に成りきれぬ者は、人らしく生きるべし。

以上です
508風と木の名無しさん:2006/11/18(土) 21:30:19 ID:kMANStIFO
クリフ格好良すぎ。筏タン、投下中に邪魔してゴメンナサイ...リロッタノデワザトジャナイデス。。
分岐ED乙です。過去スレの箱庭思い出した。文章綺麗で萌ッス。
509風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 00:14:00 ID:NHbXpIcSO
>>508
リロったけどわざとじゃない、の意味がよくわからない
支援のつもりだったってこと?
筏タンの投下は名前欄みれば全何レス予定なのかわかるんだし
リロ忘れか支援以外で投下中にレス挟む理由が思いつかないんだけど

運悪く邪魔しちゃうこともあるだろうけど
キチンとリロって明らかにまだ投下中だとわかる状態なのに
支援目的以外でレス入れるのは控えてホスィ…と思った
細かいこと言ってゴメン
510風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 05:36:37 ID:rOzODeEG0
>>506 乙!
やっぱりバッドEDなのか…OTL
尻拓の絹布で金子を包ませる姐さんの感性が好きだw
511とらわれの螺旋 1/6 :2006/11/19(日) 12:33:05 ID:BBsRGb4v0
投下します。今回過去編のみです。ムチあり。
子どもがムチを持つのが嫌という方、スルーして下さい。

----------------------------------------------------------------------------------------

――流が同級生を殴り、傷を負わせた夜。
 流の父親はその話を聞いても特に表情を変えることなく、流に「弱いもの虐めをしてはいけないよ」と言っただけだった。
 流自身も後悔を押し殺すように「はい」と答えただけであり、以後この事を誰も口にするものはなかった。
 しかし流にとって父親の台詞は絶対も同然である。もう二度とは繰り返すまいと誓いを立て、拳を他者に向けることを良しとはしなかった。
 元々護身術のために軽く格闘技は習っていたのだが、それに集中することにより流は心身を鍛えようとした。

 こうして同じ事をしないようにしてはいたのだが……流はまたやってしまった。
 それは流が少六に上がった後のことである。試合の最中、ルール違反をした相手に殴りかかり、徹底的に再起不能になるまで殴り続けた。
 審判は勿論、周囲のものも必死になって止めたのだが流はそれらをことごとく振り払ったのだ。
 その間流の口元は喜悦に歪み、最早当初の目的など忘れ去っているようだった。
 いくら腕が立つとはいえまだ12歳の少年に、大人たちは本気で震え上がったという。

 試合相手はあの時と同じく病院送りになり、その晩流は父親に呼び出された。
「……流、またやってしまったのだね、弱いもの虐めをしてはいけないと言ったのに」
「はい……」
 とても穏やかで優しい父親のことを、流は心の底から尊敬していた。
 滅多に怒ることはなく、声も決して荒らげること無い父親を落胆させたくはないと、今まで努力していたのだ。
 しかしこれでは……自分が情けない。
「いいかい流、弱いもの虐めをしてはいけないよ。ルール違反をしたらからと言って、それを罰するのは良いが、やり過ぎも良くない。それではただの暴力でしかない」
512とらわれの螺旋 2/6 :2006/11/19(日) 12:33:49 ID:BBsRGb4v0
 言って父親は、流の顔を正面から覗き込んだ。
「流、答えなさい。相手を殴っているとき、どんな気分だった?どう思った?さあ」
「それは……」
 言って良いのだろうか、この事を。だが父親は常に正直を美徳としている。黙っているのは、罪悪感があった。
「……気持ち良かったです」
 相手が反則をしてまで自分に勝とうとしたことに腹を立て、思わずルールも無視して殴りかかった。だがしかし、殴られて痛みに顔を歪める相手を見た瞬間、頭がすうっと冷えた。
 泣き叫ぶ顔が見たいと、本能が囁く。流はそれに逆らうことなく、拳を繰り出した。
 拳が肉を穿つ音も、殴られたことにより泣き言を漏らす相手の声も、全てが快感だった。
 それに我を忘れ、流は相手を痛めつけたのだ。
「……俺は」
 言いかけた流の頭に、父親の掌がポンと置かれる。顔を上げると、優しげな目が自分を見下ろしていた。
「正直によく言った。だが……それではいけない。それではただの暴力でしかない。そんな本能に負けてはいけない。支配しなくては」
「支配……」
「付いてきなさい」
 流の父親は、そう言って流に背を向けた。流も慌てて、後を追い掛ける。
「私達は、何物にも支配されてはいけない。全てを支配し、コントロールする。ましてや自分を見失うなど、あってはならないことだ」
 流の父親はそう言いながら、この屋敷のもっとも奥まった部屋へと来た。ここは、確か絶対に立ち入ってはいけないと言われている。
 中に入って辺りを見渡すと奇妙な形をした器具があちこちにあり、中でも流の目を引いたのは、囚人を磔にするような台だった。
 冷たい石造りの部屋の中で、それは確かな存在感を持ってそこにあった。
「ここは……」
「仕置き部屋だ」
513とらわれの螺旋 3/6 :2006/11/19(日) 12:34:34 ID:BBsRGb4v0
 言って父親は、ムチを手に取り鋭く振るった。ヒュン、とムチが空気を切り裂く音が、当たりに響く。
「いいかい、流。ルールを守れぬもの、過ちを犯したものは処罰されなければならない。しかしそれは、やりすぎればただの暴力だ。暴力と躾を、取り違えてはいけないよ」
「はい……」
 答えながら流は身震いした。それでは自分も仕置きを受けなければならないのだろうか。あのムチを、受けなくてはならないのだろうか。
「いや違う、お前は……躾をする側だ」
 父親がそう言うと同時に、部屋にあるもう一方のドアが開いた。
 見るとまだ若い男が、全裸に向かれ、両腕を後ろ手に拘束された状態で引きずられるようにして歩いてくる。あれは確か、最近入った給仕じゃなかったか。今日……食器を下げようとしてうっかり取り落としてしまっていた。
 その男を連れてきた執事は手慣れた様子で先程の台に男を拘束すると、恭しく頭を下げて出て行った。
 その姿に、流は己の気分が高揚するのを感じていた。口に猿轡を噛まされた男は、不安そうに震えながらこちらを見詰めている。
 その手に流の父親がムチを握らせた。革の感触に、背筋がゾクリとするのを感じる。
「振り下ろしなさい、真っ直ぐに」
「え……」
 思わず流が躊躇すると、流の父親は、流のその手をそっと包み込んだ。
「今日、彼は私達の目の前で過ちを犯した。それは、罰せられなければならないことなんだよ。そしてこれは……暴力じゃない」
「躾……」
「そうだ、だから、さあ振り下ろしなさい彼に」
「はい……」
 心臓が痛いくらい鼓動が早くなる。目の前に迫ってきた快感に、酔いそうだ。
 きっ、と目の前にいる男を見上げ、その肩口めがけてムチを振り下ろした。
「光栄に思いなさい。我が息子の、最初のムチを受けられることを」
514とらわれの螺旋 4/6 :2006/11/19(日) 12:35:23 ID:BBsRGb4v0

――パシーン!

「ぐうっ!」
 ムチの痛みに男が顔を歪める。その表情に、頭がすうっと冷え、心臓の鼓動が跳ね上がるのが分かった。
 今度は横に、真っ直ぐ振るう。鮮やかな痕が、直線に男の胸に刻まれた。次にやや角度を変え、再度横方向に。歪なクロスが、男の胸に浮き上がる。
 後はもう、夢中だった。ムチを振るたび、男の体が左右に揺れる。恐怖と苦痛、怯えに歪むその顔を、もっと見たい。
 ゾクゾクした。自分より背も高く、年齢も上な男が自分の意のままになる。それはたまらない、快感だった。
――もっと。
 そう思ってムチを頭上に振り上げたとき、その手首をがっしりと掴まれた。まるで万力のような力で締め付け、離さない。
「……つっ」
 思わず手に握ったムチを、取り落としてしまった。すかさずそれを、父親が取り上げる。
「いけないな、流。またやりすぎてしまいそうになっただろう。それではただの暴力だ。暴力は……私達に相応しくない」
「はい……」
「ただ力任せに振るだけではダメだ。もっとムチの使い方を学べ。さて……」
 言って父親は男に近づくと、ムチの柄で男の顎を持ち上げ、猿轡を外した。
「どんな気分だ? 私の息子のムチを受けたのは」
「あ……うあ……」
 怯えのためか答えられない男の顎をぐいと掴み、その目を覗き込む。
「私は君に言ったはずだ。『君は正直者かね?』と。君はそれに頷いたのだから、答えなければならないよ。言いなさい」
「い……痛かった……です」
 男の頬を涙が伝う。それを目にして、流の背を電撃が走った。ゆっくりと、流の中に眠っていた怪物が目を覚ます。
 しかし今は、ぐっと押さえ込むときだ。拳を握り締め、男の顔を見上げる。それが一瞬、かつて出会った少年に重なった。
515とらわれの螺旋 5/5 :2006/11/19(日) 12:36:44 ID:BBsRGb4v0
「痛かっただけかね? 自分よりもずっと幼くて、体格も劣る相手に痛めつけられたんだ。屈辱は感じなかったのか? 一切」
 流の父親の言葉に男は答えるのを躊躇したようだが、やがてゆっくりと頷いた。
「はい……」
「そうだ、それで良い。良いかな、君は今日だけじゃない。これまでにも何回か、似たようなことをしているだろう。もう二度と、過ちは犯してはならない。これはその、戒めだ」
「はい……」
 男が頷くのを確認し、父親はムチを構え直した。
「よろしい。ここからは私の仕事だ。流、お前はもう部屋に戻りなさい」
「はい、分かりました」
 父親の言葉に頷き、退出する。
 真っ直ぐに自分の部屋に向かうと、ベッドに倒れ込んだ。
 奇妙な興奮が、身体中を包んでいる。今までにないくらい、快感だった。
 身体が熱い。特に、下半身が痛いくらい脈打っている。
 わけも分からぬままとにかく熱を吐き出そうとそこに触れた。
 ジンジンと痺れる頭の中で、脳裏に浮かんだ幻影を追う。
「舜……」
 無意識の呟きが、空気中に溶けて消えた。


-----------------------------------------------------------------------------------


今回ここまで。
また、分数計算間違えたorz
516風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 12:42:00 ID:cvOCdJSxO
乙乙!
流がムチ打たれる側じゃないってことは、まさか親父さんが自ら…!?
とか先走りしちゃったよorz
517風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 13:33:26 ID:nnJy7Ew0O
螺旋たん萌えーっ!
鞭いいねぇ〜。ぞくぞくしたよ。
流タンもお父様も格好よすぎ!
今回、舜タンの出番がなかったのが寂しかったけど、
鞭ふるってる流タンの過去話読めたから大満足!
もしかしたら、もう来てくれないんじゃって思ってたから、
続きが読めて本当に嬉しい。雰囲気あるし、キャラも、ストーリーも超好み!
文才ってある人にはあるんだなぁ…。オンでもオフでも、
こんな心惹かれる話は、読んだことがないよ!!
続きwktk!

518風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 18:40:20 ID:tiY5AtZMO
>>509
は?誰アンタw 生理中かノイローゼ?
519風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 19:33:23 ID:ElCu4Qw80
螺旋タン乙です!!
お父さんもドSなのかww
パパンの給仕調教も気になるよ(*´Д`)ハァハァ
続きwktkしながら待ってます!
520リレー 分岐エンディング520 1/2:2006/11/19(日) 21:52:12 ID:E9bpbYOU0
ハピEDで書いてみた
478から分岐

「お目覚めですか」
かけられた声に、はいと答えて居住まいを正すとこの寺の住職が顔を見せた。
「旅に耐えられる程度には回復したとはいえ、まだ完全に本調子とも言えない
のですから、どうか十分にお体を労られますよう」
今日まで親身になって世話をしてくれた住職に、礼の言葉と共に深々と頭を下げる。
そして、迎えを待つべく出立の支度を急いだ。
最近になってようやく取り乱すことなく思い起こせるようになった、あの忌まわしい出来事。
意地も誇りも、路傍の草のごとく無惨に踏みにじられ、あまりの辛さに意識を飛ばしていた
侍が気づいたときには、既にこの寺に身を置かれ、一体何があったのかとしばらくは混乱の
中にいた。
親切に接してくれた住職のことも当初は信じられず、手負いの獣が近づくものを威嚇する
ように神経を尖らせていた中、事情を明かしてくれたのは自分を地獄に落とした張本人だった。
あのとき、御前の屋敷に捕り方が踏み込んできたのだと。
以前から内偵が進められていた御前の不正の証拠が集まり、ご禁制の薬を始めとした品々の密貿易、
横領などのあまたの罪状で、現在、御前と一味は厳しい詮議を受けているという。
御前がおまえ目的で自分に近づいてきたのは偶然だが、隠密として御前の調べを進めるためには懐に
潜り込むのが最も早く、そのためにおまえを巻き込むのは断腸の思いだった、だが、おまえが自分を
恨むのは当然のこと、自分のことはおまえの好きなようにしてくれと頭を下げる従兄に、侍は混乱した。
役目上仕方なくと言われても、はいそうですかと簡単に納得できるほどの、生やさしい目にあわされた
のではない。
泣き叫んで従兄を打ち据え、顔も見たくないと背を向けた。
絶対に許さないとかたくなに殻に閉じこもっていた侍だが、それを破ったのもまた従兄。
多忙な役目の合間を縫って、この山深い寺まで足繁く通って侍の様子を伺い、都度に住職に頭を下げて
いたという。
そうして一月二月と経つうち、侍の硬い心はほぐれ、従兄とようやく平静に向き合えるようになった。
心の内を明かし合い、二人きりでしばらく旅をしないかと誘われたのを嬉しく思い、その夜、身体を
繋いだ。
521リレー 分岐エンディング520 2/2:2006/11/19(日) 21:53:41 ID:E9bpbYOU0
『無理はするな』『嫌ならば嫌と言ってくれ』『お前の良いようにしてやりたいのだ』
ただただ侍の心を、身体を気遣ういたわりに満ちた交わり。
従兄の楔ははち切れんばかりであったのに、繋がろうとせず身体を引こうとした従兄を誘ったのは侍だった。
飲み込んだ従兄の楔が愛おしく、奥へ到達した瞬間には自らを弾けさせてしまった。
あまりのことにうろたえる侍を宥め、始めはゆっくりと動いていたが、我慢できなくなったのか、強く
突き上げて来る従兄の背にすがりつき、堪えきれずに声を上げた。
すれ違った日々を埋めるかのように、一時も離れずに腰を揺すった。
楔を食いちぎらんばかりに締め上げたかと思うと、やわやわと舐め上げる。従兄の最初の精を奥深くで
受け止めると、回した手で背に爪を立てて達した。
その後はあまり記憶がないが、何度か身体を離そうとした従兄に、抜かないでくれと取りすがって、
一晩中繋がったままでいたことだけは覚えている。

それを思い起こして、侍は頬を染めた。
そこへかけられた従兄が来たと告げる声に、慌てて顔を取り繕って外へ出る。
ここにいる間、決して絶やさぬ優しげな笑みを向ける従兄と並び、住職に今日までの礼を述べると、二人は
肩を並べて寺の下を流れる川へ向かった。
「まだ無理は禁物だからな。隣の宿場町までは船で川伝いに下ろう。」
肩に手を回されたが、一瞬従兄の顔が曇ったのを侍は見逃さなかった。
それなりに体力がついたとは言え、以前の鍛え上げられた身体からは比べものにならぬほど、侍はやせ細り、
筋肉が戻ることもなかった。
従兄は知らぬことだが、医術にも通じているという住職から元のような頑丈な身体を取り戻すのは、おそらく
無理と言われている。
あの地獄の仕打ちの中、含まされたご禁制の薬が侍の身体を壊してしまったのだろう。
だが、そのことを従兄に告げる気はない。引き替えにかけがえのないものを手にすることが出来たのだから。
殊更に明るい声で、侍はどんな町だろうか、楽しみだと答えた。

あにさまと共に居られるのなら、他には何も要りません。

以上です
522風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 22:24:48 ID:u8Akw1vY0
あぁ…こんなほのぼのな終わりもまたイイ…。きゅんとする。
523風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 23:13:47 ID:ieuYLOpc0
>>520
乙です
ハッピーエンドも(・∀・)イイ!
524風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 23:15:07 ID:e9gIDv5F0
ほんまや。
あの鬼畜な世界が浄化されちまっている‥、ぽわ〜ん。
525風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 23:25:37 ID:v+7PwQI60
いろんなENDが見られるのもリレーならではで嬉スィ
526風と木の名無しさん:2006/11/19(日) 23:33:21 ID:XVU1PovV0
新たな別EDキテター!!
>>520
乙でした。ハッピーエンドみたかったので嬉しかったです。

またリレーの続きまってます。
527リレー 分岐エンディング527:2006/11/20(月) 00:53:32 ID:cwhzHyksO
478から分岐

「そなたのことであろう?」
…まで読んで俺は、エロが濃ゆいなと思った。山田氏らしい。
山田氏は、弱小腐兄サークル・ヴィッパーの字書きで、俺は絵描きだ。
もうすぐ、冬コミ。印刷所さんの締切がせまっている。
だがしかし、俺は侍を犯す従兄弟の表情を描きあぐねていた。
山田氏曰く、「侍は武人、従兄弟は凡人、御前は変人」らしい。
わかるようで、わからない。俺的には、従兄弟は気がつこうとしていないだけで、
絶対、侍が好きだと思うのだが。違うのか!?
俺は従兄弟の目元にアセロラティアーズを描き込みたい気分なのだが……。
「山田氏、ラストはどうなるのだ?」
尋ねた俺に山田氏は言った。
「侍も御前も従兄弟も死ぬ」
「何故だ!?死亡フラグなど立っていないではないか」
「大火だよ。後に明暦の大火と呼ばれる大火事で、
江戸の町は突如、炎に包まれる」
「巻き込まれるのか!?」
「そうだ。御前はとっとと逃げ出すが、お気に入りの人形を見捨てられず引き返し、
侍を連れ出そうとする。御前と侍の上に落ちてくる炎に包まれた梁。
二人をかばう従兄弟。従兄弟の命と引き替えに、座敷から脱出するも、
外は火の海。煙に巻かれ御前も侍もあぼんだ」
絶句した俺に、山田氏は付け加えた。
「ラストに、大きな笹舟に乗って談笑しながら、
三途の川を渡っている三人の絵をキボンヌ」

おしまい
528風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 01:09:17 ID:rgRQZKpFO
不覚にも>>527にちとワロタ
529風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 01:13:12 ID:268IHI6B0
>527
そのエンディングはあり。ふつーにありー!
530風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 02:16:11 ID:Cy2oZ6U30
>>527
不覚にも字書きと絵描きの二人に萌えたw

もしよければこいつらで何か書いてくれ。
不細工なキモオタピザ腐兄同士がなりゆきでセクロス、みたいなのキボン
俺、なんで山田氏とこんなことしてんだ?とか思いながら
自分の作品の萌えキャラとやってる妄想に逃避したりして。
愛は無い方がいい。できればリバで。
531風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 05:21:45 ID:pRomD9Ji0
>>530
そこまで言うならお前が書けば?
532風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 12:02:22 ID:Hq19lMusO
むしろ字書き×絵描きで愛ありありと妄想した
533テュランの筏1/10:2006/11/20(月) 12:07:50 ID:u+fwal6N0
前回投下分、薬品名伏せ忘れていました。
深くおわびもうしあげます。

-----------------
六日目
ここは奇妙な「国」だ。
白いスーツの男が支配する。
海風にさらされても、陽光を受けつづけても、決して朽ちる事なく、太陽をはねかえす純白の輝き。
隣にたたずむ黒いトランクと共に。
そして国民は全裸ですごす。たった三人。
それでも多数決の主義をとるならば、圧倒的多数は僕たちのはずなのに。
異物は、藤吾であるはずなのに。
しかし彼は君臨しつづけた。
この十メートル四方のいかだを手中におさめるテュランとして。
534テュランの筏2/10:2006/11/20(月) 12:08:37 ID:u+fwal6N0
「今日はこれだ。身体を縛る。一時間耐えろ」
トランクから取りだし、僕たちに見せつけるのは、黒色をしたひも状のものだった。
楊玲は藤吾のすぐ目の前で、小首をかしげている。
僕は、近づいてよく見る気にもなれなかった。
クリフは背を向け、水平線を眺めつづけている。
タープにくるまったまま僕は眠ってしまい、あれからクリフと口をきいていなかった。
「材質は革。塩水につけてから使用する。
また、命令の有効時間は日が出ている間………」
最後まで聞かず、僕はクリフの脇に座りこんだ。
535テュランの筏3/10:2006/11/20(月) 12:09:27 ID:u+fwal6N0
「………あの、きのうは、ありがとう」
僕は最後までとまどったまま、お礼の言葉を告げた。
クリフが………彼の意思でないにしろ、屈して、誇りを曲げた忌まわしい記憶を、果たしてよみがえらせてよいものか。悩みつづけた。
けれど、言わずにはいられなかった。
沈黙がおりる。波頭がいかだに当たって、砕ける音だけがしばらく続いた。
「………いや」
クリフが口をひらきながら、ゆっくりと僕に顔向けた。
細めた目が開かれ、空色をした瞳がやわらいだ。相好がくずれる。
「俺、知ってたから。智士、ありがと、な」
夜中の件だと、僕はすぐに気付いた。
確かに眠りながら、口に水を注がれて、目が覚めない人間はいないだろう。
ちょっとあたふたしながら、僕はそのお礼と笑顔を受けとった。
色々思い出して、頬まで真っ赤になったが、それは藤吾の前で、悔しさと恥ずかしさから起こるものとは、まったく違った。
僕はクリフに微笑み返す。
その一瞬だけは、飽き飽きした潮風も、退屈しきった変わらない景色も忘れていた。
536テュランの筏4/10:2006/11/20(月) 12:10:43 ID:u+fwal6N0
と、その空気にわりこむように、物が落ちる音が響いた。
袋に包まれたガーゼみたいなものと、それからスプレーだ。
とりあげラベルを見ると、喉用、ビタミン剤配合と書いてある。
「智士君、君にだ。健康には留意したまえ」
顔をあげるまでもなく、声の主は決まっている。
このいかだ上で物流をになっているのは、何もかもを持ちながら、必要なものは分け与えない、テュランだけだ。
ガーゼ状のものは、マスクだった。
次の掃除のときには、確かにつけた方がいいかもしれない。
とにかく海水に遮断された、この小さな世界で物は貴重だった。
僕はクリフの視線を気にしながら、それをタープの奥へおしこんだ。
クリフは、海の向こうを眺めたまま、身じろぎもしなかった。
青い瞳は、その濃さを深めていた。何事か、考えこむように………
537テュランの筏5/10:2006/11/20(月) 12:12:07 ID:u+fwal6N0
僕とクリフは、他愛ない会話をした。
途中で、以前の話題を思いだし、クリフはエコロジストなのか、それとも海洋冒険家なのか、と聞いてみた。
だいぶ前、ペットボトルを投げ捨てた件で、怒られた時の話だ。
僕はあれ以来、ボトルも空き箱も瓶も、なにもかもとっておいた。
瓶は………オレンジジュースのだ。
半分しか残っていなかったが、僕は本来の持ち主であるクリフに返そうとした。
彼は「夜中に水もらった分の、お礼だ」と決して受け取ろうとしなかった。
僕が指にひたして、彼に与えた量は、重厚なガラスの容器内の、三分の一にも満たないだろうに。
クリフの意思が頑迷なのは、僕がいちばんよく知っていた。
この借りは、いつか別の形で返すよ。
僕がそう言うと、クリフは律義だな、と笑っていた。
それでクリフが僕の二択に、答えを出そうと口を開いた。
「俺は、まだ学生の身だけど、親父が、冒険者って奴で………」
その時だった。警報にも似た、神経をギクリとさせるような悲鳴がとどろいたのは。
あまりのすさまじさに、僕は肩を震わせた。クリフも顔をあげた。
周りは海と空ばかり。声の主はいかだの住人………楊玲だった。
彼はマストにつながれていた。
誰よりも長く陽光にさらしているその肌は、まだ陶磁器のような白さをたたえ………今は身体のあちこちを黒い革ひもが苛んでいた。
538テュランの筏6/10:2006/11/20(月) 12:13:06 ID:u+fwal6N0
両手は後ろ手にくくられ、正座の形で、マストに背をおしつけている。
苦悶の呻きが、また響いた。
叫びが静まると、いかだと、それからマストと、この国をつかさどるすべてが、ギシギシと軋んでいるのが分かった。
楊玲が、逃れようと身をよじるのに合わせて、マストと床は揺れた。
悲鳴と、それから軋みに隠れて、さいしょは聞こえなかった。
肌に食いこみ、骨をも断とうとする、革ひもの縮む小さな音………。
「楊玲!」
僕は叫びながら近づき、彼を見下ろして愕然とした。
寄りあい、絡み、結ばれる黒い革のひもは、楊玲の全身を包みこんでいる。
首にも肩にも腕にも、腹と足と、それから………見るだけでこちらが痛みを想像して、縮みあがってしまう………ペニスの根元にも、巻きついている。
吐き気をもよおし、思わず顔をそむけた僕の耳に、ギリギリと乾いて縮みゆく革の音が届いた。
楊玲はなおいっそう、苦しげな声をあげた。
「………楊玲………」
「触れるな。触れたらカウントをとり直す」
冷酷な声が、トランクの上から飛んだ。
539テュランの筏7/10:2006/11/20(月) 12:14:06 ID:u+fwal6N0
僕は伸ばしかけた手を止め、うなだれながら歯を噛んだ。
肩を叩かれる。クリフが目を伏せ、横に首を振る。
悔しくて、悔しくて、どうすればいいか分からなかった。
目に熱いものがこみあげ、楊玲を見ていられず、背を向けた。
鼻先が胸板にふれ、僕はそのまま顔をうずめた。
暖かな手が、何度も何度も僕の髪をなでた。

一時間は凪のようにすぎていった。
革ひもが切断される音が聞こえたとき、やっと僕も何かから解放されたようだった。
対角線上で、トランクがゆっくりと開かれた。
本当に車のボンネットを開けているような風景だった。
「よく耐えた。今日は好きなものを選ばせてやろう」
藤吾の声につづいて、楊玲が歓喜の声をあげた。
540テュランの筏8/10:2006/11/20(月) 12:15:10 ID:u+fwal6N0
さっきまでふらふらして、顔色も悪かったのに。
肌のあちこちに痣を残しながらも、ゲンキンな奴だ。
僕はもう、楊玲を嘲りたいのか、救いたいのかも、分からなくなっていた。
見たこともない容器と箱を抱え、楊玲はそのままその場で、開封しはじめた。
黒いトランクに背をもたせ、藤吾のそばで。
………ああ、そうだろうな。僕たちは何も与えてやれない。
心なんて無形なものしか。
そして彼は僕を強盗か、盗人のように思っている。
このいかだの上で、必要なものを与えてくれるのは、藤吾だけなのだ。
ぼんやりとそんな考えが、頭に浮かぶ。
ゆっくりと、太陽が水平線の向こうへ、沈んでいこうとしていた。
541テュランの筏9/10:2006/11/20(月) 12:16:20 ID:u+fwal6N0
夜半すぎだろうか。
僕とクリフは明日に不安を残す「節制した食事」を終え、タープにくるまって横たわっていた。
雲が出てきたため、月はかくれ、星もみえず、薄暗かった。
「さわるなッ!」
怒号が響いた。いかだ全体がドォン、とたてに揺れた。
僕はタープの中で目を見開き、クリフはバッと身を起こした。
バシ、バシッと暴力的な音が闇を渡り、同じ回数だけ悲鳴があがった。
聞きなれない単語は、楊玲の母国語に違いない。
最後に、キャンとぶたれた子犬のような声があがり、ごろごろと転がった楊玲は、床に背をうちつけ、止まった。
唾を吐く音。雲のあいまから差しこんだ月の光が、藤吾の左腕を照らした。
銀色の盤面が反射し、作った拳を震わせるシルエットを見せている。
まもなく月は雲に隠れた。
フン、と鼻息一つが響き、中肉中背の人影はトランクの上に戻っていく。
ギシ、と鞄が軋んだ。
542テュランの筏10/10:2006/11/20(月) 12:17:14 ID:u+fwal6N0
そしてすすり泣きの声が、しだいに大きくなっていった。
僕は楊玲のタープをとって、彼を後ろから包みこんだ。
楊玲はもうしゃくりあげるばかりで、何の反応も見せない。
背中をさすって肩を押すと、僕がうながす方向へ、足を運んだ。
いかだは、初日と同じ。一人と、それから対抗する三人の状態に戻った。
僕は楊玲の背といわず肩も頬もなでつづけた。
まもなく泣き声はおさまり、寝息に代わった。
厳しい瞳で夜空を見上げたクリフは、そのままの表情で僕に視線をうつした。
「二つ、頼みがあるんだけど、いいか?」
僕は楊玲をなでる手を止めずに、何、とだけ聞いた。
「ティランの、アイデンティティーを奪う」
クリフの瞳は、夜の海で北極星の役割をはたすかのように、輝いていた………
543風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 13:24:50 ID:AtLMO4LYO
乙乙!まだ一週間以上あるが、皆大丈夫なんだろうか(;´д`)
いや、大丈夫でなくていいんだけど
544字書き×絵描き 1/2 ED激甘not鬼畜:2006/11/20(月) 15:38:45 ID:cwhzHyksO
締切前、人は可笑しくなる。山田氏も然り。
「どうせ俺たちは生涯童貞だ。電車男には成れん。キモオタ同士馴れ合おうではないか」
原稿が!締切が!と叫ぶ俺を山田氏は押し倒した。正気か!?
ジャージとブリーフを引きおろされながら、俺は頬に傷のある人斬りの様におろ〜っ?と叫んでいた。
山田氏に見つめられ、ア ム ロがはじめてシ ャ アに出逢ったときの様にドキドキした。
シ ー タのおさげを掴むム ス カの様に髪を捕まれ、フェラを強要され、
イ ク ミに撃たれた昴 治の様な気分になった。
通販で手に入れたのか、俺なんかには不似合いな
名前もわからない何かのハーブのいい香りのするローションで、
世の受けの清廉な801穴とは似ても似付かない
糞汚い肛門を字書きの指で潤され虚しくなった。
俺はPCを高速で叩く山田氏の指が好きだ。
山田氏の指はキーを叩くためにある。醜いキモオタの醜い体の中の最も醜い箇所に触れてはいけない。
文豪の指が腐ってしまうではないか!字書きはサ ン ジの様に己の手を大事にするべきだ。
545字書き×絵描き 2/2:2006/11/20(月) 15:40:43 ID:cwhzHyksO
「やめるのだ、山田氏!」
俺は藻掻き、口に含まされていた山田氏のご子息をリバースするや否や叫んだ。
だが山田氏は淫らな音を立てながら俺の後孔に指を出し入れし、前立腺をダブルクリックした。
体の力がぬける。らめぇ〜な状態になる。早まるな山田氏!山田氏はいつかきっとエ ル メ スに出逢える。
自虐的になるな。俺などで童貞を散らすな!いつか出逢えるどなたかの為に、その童貞を保つのだ!!
俺は泣きながら懇願した。山田氏は俺が喚くたびローションを足し、俺は自分の描く受けよりしとどに濡れた。
正直、気持ち良かった。だが良ければ良い程、いたたまれなかった。
俺がリバースしたバイブを山田氏は下の口に入れ、何を思ったか上の穴に山田氏の口を押しあてた。
コ ロ 助がハ イ ス タがガ ガ ガSPが歌をうたい出す!
♪ディスイズマイ ファースト・キス チュウ
キス ウィズユウ-!!
馬鹿だ。山田氏は馬鹿だっ!俺などに施していいものではなかろう!?両手で上の穴を押さえて俺は泣いた。
下の口の中でウィンウィンとバイブが回っている。俺の御粗末な息子は、いっちょまえに勃っている。
本当は山田氏に触れて欲しい。山田氏の書く攻めみたいに手荒くてもいい。扱いて欲しかった。
バイブよりも山田氏が欲しかった。産まれてはじめて咥えたティムポは癖になりそうで、
山田氏になら咽喉を穿たれてもいいと思えた。
たが、同じオタでも俺はまるでイケてないけど、山田氏は違う。違うのだ。
山田氏の書く原稿を誰より先に読める事。山田氏のキャラを絵にして動かす事。
もう俺は、本当にもう、それだけで充分だから。山田氏が会場を回り本を買い漁たいとき、
スペースで留守番兼売り子をしていたい。そういう俺でいたいのだ。
バイブがゆっくりと抜かれ、山田氏が俺の糞汚い肛門を貫いた。
山田氏のティムポにホイミかケアルを唱えてやりたい。締切前の危ういテンションが山田氏から正気を奪っている。
山田氏の堕天が哀しくて、夢見そうにきもちいい腰使いがもったいなくて、
どこかに居るはずの山田氏のエ ル メ スに申し分けがたたなくて、ダラダラ先走りを下垂らせながら
乙女受けの様に泣きだしてしまった不気味な俺に、山田氏はシンシ”で言った。
「『笑えばいいと思う』ぞ」

おしまい
546風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 15:55:16 ID:Hq19lMusO
筏さん、乙!
クリフの謀反を期待(*´Д`)

字×絵めちゃ笑った
鬼畜スレだけどハピエンドになってほしい二人w
続き読みたいな
547字書き×絵描き 訂正:2006/11/20(月) 15:55:28 ID:cwhzHyksO
2に誤記がありました。ごめんなさい。
×俺がリバースしたバイブを山田氏は下の口に入れ
○山田氏はバイブを俺の下の口に入れ
……です。宜しくお願い致します。
548風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 16:39:26 ID:uAYqYKQcO
字×絵GJでした
物凄い笑い萌えた
549風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 18:17:45 ID:UYdqEV5IO
最近神作品が少ないのでageる
550リレー:2006/11/20(月) 22:40:46 ID:pCuh2OsF0
さほどの大声だったわけではない。
ないが、その一言に周囲の騒ぎがぴたりと止まった。
だけでなく、言葉を向けられた従兄の身体も、ぜんまいの切れた人形のように
深々と侍を貫いた姿勢のまま、動きを止める。
(さあ、いかがする?)
内心を露わにせぬよう自制していた従兄が、徐々に感情を揺らしはじめて
いることは気づいている。
後悔し始めたか、ならばどうする。
最前まではこちら側にあった従兄の心情が、侍の方へも、振り子のように
揺れている気配を感じ取り、それをより強く侍側に押すような言葉をかける
ことで従兄がどう出るかを、御前は見極めようとした。
すると──。
侍より幾分細めの身でありながら、従兄はその重たい身体を抱え上げ、
どっかりとあぐらをかいた膝の上に、侍を乗せた。
両の腿を掴み、御前に向かって侍の足を大きく開いてみせる。
御前の目に、さきほどよりも太さを増した従兄の肉が、侍の腫れ上がった
孔に深々と突き刺さっている様が披露された。
そして、そのまま侍の身体を持ち上げては落とし、自身の腰も突き上げてみせる。
肉のぶつかる音、流し続ける汁が孔に垂れて、肉が出入りするたびに立てる
にちゃりという音。
肉が引き出されるとまとわりついていく襞。
南天の実のごとくに赤くふくれた乳首、侍の口からこぼれるあえぎ。
その肩越しからのぞく、興奮の色も露わに赤らんだ従兄の顔。
腿から離した手を侍の首に回し、後ろを向かせるとその唇に食いつき
舌をねじ込み、上も下も隙間なく繋がってみせる。
獣のように荒い息を吐きながら繰り広げられるまぐわいに、御前の杭もまた
完全に勃起した。

お次よろしく。
551風と木の名無しさん:2006/11/20(月) 23:38:28 ID:Cy2oZ6U30
>>544 萌えた!
リバ希望だったけど、これはこれで禿萌え!
愛情に関しては、>>544 のサジ加減でベスト!
恋愛感情はないけど同人的にはネ申だと思ってるのがまさに理想だ。
そして、もてないキモオタ同士で書いてくれて感謝!
この滑稽で哀れで痛々しい姿がいとおしい。
この後、締切が過ぎて山田氏が正気に戻るのも戻らないのも、
どっちも面白そうだ。続きキボンヌ

>>550 (・∀・)イイ!!
552風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 00:17:32 ID:TqFqb8DnO
なんか痛々しいレスだな。ただ乙って言っとけばいいのに。
くわしく乙内容書きたいならしたらば行けばいいのに。
553風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 00:49:59 ID:FAv4GadrO
>>544
元ネタ知らんくても楽しめた。上手くまとまった読みやすい文体、好み。
リレー乙。濃いのもイイヨー
554リレー:2006/11/21(火) 01:08:12 ID:G8rXBKWEO
従兄は感情的になっていた。感情的になると人は見えていたものさえ見えなくなる。
「あにさま」の響きに、自らの感情の複雑さに気付き、
何かを見出だしかけていた従兄は、御前の一言に感情を揺さ振られ、大事な何かを再び見失った。
哀しいときに泣き、おかしいときに笑う健康さが、心のあたりまえではないのだ。
哀しくて笑い、可笑しくて泣くこともあろう。人とはそういうものだと御前は思っている。
(……面白いのう!)
侍を突き上げ、御前を挑発する従兄の心内をその表情や、
侍を穿つ腰の動きから探りつつ、御前は勃ちあがった自身に指を絡めた。
まぐわい合う侍と従兄を眺めながら、御前は左の手を竿に添え右の手で亀頭を
ぐりぐり擦り続ける。あ、あ、と隠微な声を意識的にげながら、御前は自身を高め、
熱い刺戟に酔った。差向いの侍は従兄に抱え上げられ、長い長い口付けを交わしながら結合している。
御前は下唇を舐め舐め、侍の痴態を見やり、従兄の何とも書き表わしがたい表情を伺った。
そうして御前は手の動きを速め、意図的に侍よりも従兄よりも早々と高みに上り詰めると立ち上がり、
小用を足す時の如く両の手で自身を持った。
狙いは、互いの口を吸い合っている重ね合わされた唇だ。
それ!と御前が放った白濁は、ぴしゃりと二人の口元を打ち、
半狂いの侍は、口の周りで粘っている御前のそれを、無意識に舐め取った。
手の甲で己の口元を拭っていた従兄は、御前の子種を舌で絡め取っている侍を
下から激しく激しく突き上げた。従兄の荒らぶる様は、御前をたいそう悦ばせた。

続きお願いします!
555風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 03:48:11 ID:SwrnE9hg0
侍が口をぱくぱくと動かしている。 あにさまと呼んでいるのかも知れない。
従兄弟は、それに気を取られることをやめた。何も見ぬと、もうずっと前に決めたのだ。
笹舟で遊んでやった日から数えて何年の後であったか。久しぶりに会った侍は
見違えるようなもののふにと育っていた。それでも、侍が笑顔を向けてきた時、
従兄弟はあの遠い日を思い出した。小川のさらさらと流れる音、水面のきらめき、
笹の青臭い匂い。 かける言葉をすら忘れた従兄弟に、若侍が、懐から取り出したものを差し出した。
「覚えておられるか」
それは小さな笹舟であった。あの幼かった日、何度教えてやっても笹舟を上手く作れなかった子供は、
負けん気の強そうな眉を寄せて目を潤ませた。
「武士の子がこのようなことで泣いてどうする」
たしなめると、袖でぐいぐいと目をぬぐっていた。取り分けて形よく出来上がった笹舟をひとつ
土産にとくれてやると、子供は頬を染めて「ありがとうござりまする」と目を輝かせた。
「大事にいたします」
そう言って小さな船を両手で包む子供に、従兄弟は笑い出した。
「すぐに枯れてしまうぞ。自分で作れるようにならねば。作れるであろう? 覚えたか?」
「はい。次にお会いする時までにきっと、上手に作れるようになってみせまする」
子供は誓うようにそう言ったのだった。
従兄弟が人を愛しいと思ったのは、それが初めてであった。
長じて再び相見えた子供は、見上げるほどの大男となりながらも幼い頃と変わらぬ笑顔で、こう言った。
「約束のとおりに、上手く作れるようになりましたぞ」
従兄弟も笑い返した。決して許さぬと心の内で呪詛を吐きながら。
自分が何も捨ていないように相手も何も捨ててはおらぬと信じている侍を、
捨てるしかなかったものを憎まねば生きていけぬ人間もいることを知らぬ、知ろうともせぬ侍を、
従兄弟は許すことはできなかった。

続きよろしく。
556リレー:2006/11/21(火) 10:32:42 ID:1sdVfbCi0
(分家の妾腹の分際で……余計者の分際で……)
上下より侍の身体の奥深く攻め入りながら、従兄弟がそこに叩き付ける心の罵声は
むしろ己を誤魔化すための意図的な悪態にすぎなかった。
(枝葉の分際が、惣領の某に対し「あにさま」だと?
百姓女の腹から出でし下郎が当家の名を名乗るもおこがましいわ。
武士を気取って武芸三昧、可笑しうてかなわぬ。
いまのこの姿がその方には似合いじゃ)
縋り付いてくる舌と後孔の柔肉に、それを許さぬとばかり荒々しくかき回し擦り上げる。
(迷惑千万な侍の心などさっさと捨てて、その身体御前に差し上げるがよい。
当家に百姓の武芸などいらぬゆえ、遠慮は要らぬ。
さあ、早う壊れてしまえ)
髻を掴んで頭を傾がせ、汁まみれの口元、熱に潤んだ目に従兄弟は険しい視線を走らせた。
哀れは感じない。斯様な感情など断じて抱きはしない。
温湯の中でのうのうと生きてきた人間など一捻りで握りつぶしてくれよう。
またも何かを口走ろうとする唇に再び食らいつき、深く深く犯しながら、従兄弟は念じた。
ついに元結が切れたか、木偶のごとく揺らされる侍の背に、ざんばら髪が乱れ落ちる。
辱めを受ける落武者の屍のごとき画に御前は目を細めた。
(中々に趣深き二羽の小鳥よの。血は水よりも濃いとはよくぞ言うたもの。
さてさて、共々に我が手中に収めるもまた一興)

続きお願いします
557風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 12:10:37 ID:FmWlHJL40
うぉ、もう頭に矢の刺さった落ち武者ヅラしか思い浮かばないw
558リレー:2006/11/21(火) 12:14:08 ID:G8rXBKWEO
御前は侍の出生の秘密を侍や従兄以上に知っている。
侍の母は農民、真の父は従兄の父。従兄は異母兄であって従兄ではない。
従兄の母は、悋気な気質であった。水戸の副将軍の縁者でもある奥方に、
常に気を使い心を砕いてきた従兄の父が、農民と身分違いの恋をし、
愛した村娘が命と引き替えに産み落とした赤子を、引き取るに引き取れなかった事。
長兄思いの末弟が、己が妾に産ませた子と偽り最愛の兄の子を引き取った事。大切に育て上げた事。
従兄の父が家督を継ぐ者として従兄に厳しく接してきた事。
心を通わせ合えない奥方によくにた相貌の我が子に、従兄の父はつれなかった事。
幼い時分より、父に認められたい一念で、従兄が精進を重ねてきた事。
侍は何も知らず、叔父を父だと信じている事。
おそらく従兄は、事の全てを何処からか耳に入れてしまっている事。
御前は何もかも知っている。調べつくし、知ったからこそ強く侍を欲した。
まず侍、次いで芋蔓式に従兄、否、その兄。
何もかも計画通りだった。半狂いの侍。静かに狂っていく従兄。粋狂な御前。
正午。光、眩しき刻なれど、座敷には深い闇が靄(もや)の如く立ちこめていた。

続きお願いします。
559風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 12:29:29 ID:DNZoCciGO
まだ枝葉を広げるのかよ…
続くのは全然桶なんだが、ダラダラ感が案にゅい
560風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 12:49:06 ID:aF6PrT0n0
筏タンまだかな
続き気になるよーー
561テュランの筏1/11:2006/11/21(火) 17:02:37 ID:DtqZIHK30
七日目 午前
「今日は、二時間耐えてもらおう」
トランクから新しい黒い革のひもを取りだすテュラン、いや藤吾。
彼がいかだの君主としていられるのも、今日限りだ。
僕は、楊玲と共にゆっくり進みでた。
藤吾の唇が「二人か」と言葉にせず、ゆっくり動いた。
右手がトランクをさぐり、二人分のひもを取りだした。
いったい、どれだけ用意してあるのだろう。僕は苦々しく歯を噛んだ。
「マストのところへ。おたがいに背を向けて、立て」
片手でトランクのふたをおさえ、藤吾は命令した。

一応は楊玲にも説明はしてあった。
けど、どこまで理解しているか。
藤吾がトランクから離れる今回の「責め」。
たぶん他にチャンスはない、とクリフは言っていた。
昨夜、僕たちはタープにくるまって、声をひそめて密談し、計画を立てた。
562テュランの筏2/11:2006/11/21(火) 17:03:18 ID:DtqZIHK30
「二人縛るにはかなり時間がかかる。
あいつも用心しているだろうけど、うまく気を引けば、隙はうまれる。
トランクをこっちのものにしてしまえば、テュランはアイデンティティーを失う。
もう、俺たちに何も強制する事は出来ない」
「うん、分かった。僕も、それしかないと思う。
で、僕はどうすればいい?」
「智士は、百メートルどのくらいで駆ける?」
「う、ん………八秒くらいかなぁ」
「そりゃ、すごい。じゃ、俺がおとりで決まりだな」
「………ゴメン、五十メートルで、だった」
おやくそくのボケをかまし、丸くしていたクリフの目は、ためいきと一緒に細められた。
「おとりは智士にまかせる。
お前の喉を考えると、疾走も、かけひきも、頼むのは不安だからな」
どこか遠くを見るようだったクリフの視線は、ふとまじめな思考に入った。
「つらいと、思う。がまん出来るか………?」
「がまんするよ」
心配そうなクリフに、僕は元気にうなづく。
そこへ楊玲の寝言めいた声が割ってはいった。
「何が、あったんだろうな」
規則正しく上下する、楊玲のタープを見ながら問うクリフに、僕は分からないとだけ答えた。
密談はおひらきとなり、結局僕は楊玲に何が起こったのか、聞く機会をもたなかった。
563テュランの筏3/11:2006/11/21(火) 17:03:59 ID:DtqZIHK30
楊玲の呻き声で、僕は回想からひきもどされた。
藤吾はなれた手つきで、ギリギリと楊玲を縛りあげている。
黒い革ひもが、楊玲の白い肌に、幾何学的なもようを作る。
革の表面がこすれあって立てる嫌な音は、僕の舌の裏に苦いものを作った。
音と、苦しげな声。僕の足は自然に震えてきた。
背を向けているので、何をしているかは具体的には分からない。
でも短くあげる楊玲の声、「じっとしてろ」「力を抜け」など指示する藤吾の指示は、僕を脅かすのには十分だった。
ガクガクと震えが全身に来て、立っていられなくなる。
それでも、クリフを見ると、勇気がわいた。
いつもの端じゃなく、マストの方へじりじりと歩幅をつめている。
真剣な目は、つねに藤吾の行動を見守っている。隙を、探して。
彼は成功させようとしている。テュランの専制政治を終わらせようとしている。
僕は彼に協力する。がまんすると宣言もした。
まだ手が自由なうちに、と頬をパシンとはたいた。

「これを」
と藤吾は差しだしかけた革製の首輪を、すぐにひっこめた。
「………喉への刺激はやめておくか」
僕はほっとしたが、それでも彼の手の上には、まだ色々な革のひもが乗っている。
564テュランの筏4/11:2006/11/21(火) 17:05:02 ID:DtqZIHK30
「かわりに、ほかの部分の刺激を増してやろう」
薄く唇をゆがめて笑う藤吾に、僕は思わず「結構です」と叫びそうになった。
藤吾は指先でひもを絡め、結び、にやにやと笑みを作っている。
僕はただひたすら、視線をそらしてがまんした。
嫌だとか、拒否を口にしたら、彼は別の道具を出そうと、トランクの存在を思い出してしまうかもしれない。
それだけは、だめだ。僕はおとりだ。藤吾の気を引きつづけなければならない。
黙って、したがった。
ベストの輪郭、そんな感じの革ひもを、両腕をとおして上半身に着せられた。
肩と脇の下と二の腕と胸の上下と、胸の先端にかかるひもと………基本は格子型だった。
臍のやや上で、ひもを結ばれると、ギュッと上半身が締められた。
声は殺したものの、苦悶にゆがむ顔はどうにもならなかった。
そのまま後ろ手にしばられ、マストに結ばれる。
次は………これまたブリーフの輪郭というべき革のひもを、僕ははいた。
片足ずつ革のあいだに差しいれる。
二本の革が重なった感触、それが尻の間を割って、ペニスのところで二つに分かれ、そのままウエストの部分にのびている。
藤吾は細かく指を動かし、ふくざつな結び方をほどこした。
最後に結び目がひっぱられると、革は割れめに痛いほど食いこんだ。
「ぅ、っく………くっ」
すでに額には脂汗がにじみでていた。
強いひざしで流れる汗に、緊張からでる汗も、もしかしたら日焼け止めクリームすらも、水分として革に認識され、すでに縮みはじめているのかもしれない。
565テュランの筏5/11:2006/11/21(火) 17:06:09 ID:DtqZIHK30
それでも、目はしっかりとクリフの動きを追っていた。
いかだの上にはさえぎるものは何もない。
藤吾の意識がそれた瞬間、すこしずつ、すこしずつ歩を進めていくしかないのだ。
その努力は、今のところ報われていた。
もう一息。ラストスパートをかければ、トランクに手が届く。
今まで僕たちを苦しみつづけた、テュランのパートナー。アイデンティティー。
「正座しろ」
僕は祈るような気持ちで、したがった。
藤吾は僕の片足を床からもちあげ、左の脛と腿をまとめて結んだ。
まだ何メートルも残っている方の端を、僕のペニスへと近づけてくる。
………あれで、根元を結ぶのだ。まきつけるんだ………
昨日の楊玲を思い出し、僕の身体は震えた。
でも、クリスは作戦を進めている………
藤吾の意識は、こちらに完全に集中している………
がまん、する。気を、そらさせる。
「お願い、です。あまり、キツクしないで、下さい」
その時の僕は、「懇願」部門があれば、アカデミー賞も受賞出来ただろう。
それくらいの名演技だった。完全に藤吾の興味をひきつけた。
サディストらしい光を目にらんらんとした宿し、僕の大事な部分に、革のひもをまきはじめた。
ふれる、さわる、持ちあげる、異物感が根元から包みこむ………
おぞましい一連を、僕は目を固く閉じ、ただひたすら祈って、待った。
救いの声を。
566テュランの筏6/11:2006/11/21(火) 17:11:37 ID:DtqZIHK30
「そこまでだ、日本人のおっさん」
雨上がりの灰色空に、光が差しこむかのようだった。
クリフの堂々とした声は、きっぱりと専制政治の終焉を宣言する。
「二人の拘束を解け。トランクは奪った。もう、俺たちはあんたの言いなりにはならない」
目を開きながら、僕の顔は歓喜を作り出していっただろう。
クリフは黒いトランクを両足でふみつけ、用心深い目を藤吾に向けていた。
藤吾が、くっ、と小さな声をもらした。
僕はそれが後悔の叫びだと信じて疑わなかったので、まったく身構えが出来ていなかった。
「っ、あッ!?」
僕のペニスに激痛が走った。
声は殺せなかったし、苦痛の顔も隠せなかったし、身をよじるのを回避できなかった。
全身が包まれた革の中で、ギシギシと歪んだ。
藤吾は、まったくクリフの声が聞こえないかのように、僕の拘束をつづけていた。
「やめろ、と言っている藤吾。俺の声が聞こえないか? これ以上二人に手を出すな。
これからは俺が責任もって、平等な配給をするが………あんたの態度しだいでは、平等にならない。分かるよな?」
クリフはたんたんとした声で、説明と、それからかけひきを行う。
藤吾は残った革端を、僕の右腿と脛に結びつけてから、手をはたき、立ちあがった。
彼はまだ、自信と余裕を残した顔で、薄い笑いを浮かべていた。
「藤吾、あんたが二人を解くんだ。これは、俺の命令だ」
辛抱強く、クリフは言いつづける。しかしいっこうに藤吾はしたがう様子を見せない。
「………今日、あんたに配る水が、なくなるぞ?」
567テュランの筏7/11:2006/11/21(火) 17:12:12 ID:DtqZIHK30
その脅しに、藤吾は背広をはだけて見せた。僕の位置からでも、それは見えた。
内側のポケットに収まっている、ペットボトル、食品、サプリメント類。
藤吾は、用意周到だった。
いや、きっとこうした念の入れようがあったからこそ、トランクから離れた場所での「責め」を思いついたのだろう。
予想外の状態に、クリフは息をのんだ、が、それでもかけひきは諦めない。
「それだけじゃ、あと一週間はとてももたないだろう。
俺の命令をきけ。二人を解けば、それ以上は何もさせない。水も食料も配給する」
クリフの言う事はもっともだった。
たぶん、頭の回転がにぶい僕じゃ、こうは言い負かせなかったかもしれない。
やっぱりクリフがかけひき役で正解だったんだ。
だが、藤吾の態度はそれでもゆるがなかった。
ポケットに手を入れ、光る小さな何かを取り出した。
彼は手の平でそれをもてあそぶ。空中に放られる金属の………鍵。
僕の目は驚愕にみひらかれ、表情はこわばったまま、凍った。
「何を、持っている? ………無駄なまねはよせ、藤吾。
………智士、そいつは何を手にしているんだ?」
視線をこらしても、小さいそれは見えないのだろう。
コンタクトを失ったクリフには。訊ねてくるのは当然だった。
それに返事するのは、どれほど恐ろしい事だっただろうか。
渇いた口の中が、ねばついたものにおおわれて、うまく言葉が紡げない。
喉からしぼりだすそれは、自覚はしなかったが、悲鳴めいたものだっただろう。
「か、鍵………鍵だよっ………」
クリフの動きが止まった。
568テュランの筏8/11:2006/11/21(火) 17:12:49 ID:DtqZIHK30
トランクの上でみじろぎ一つせず、青色の瞳が、すうっと音を立てて色を失った。
くっ、と藤吾の口から音がもれた。今度は、分かった。笑い声だと。
「………っ、くそっ!」
クリフはあまり長い時間をおかずに、トランクから飛びおりた。
トランクは藤吾のものだった。ずっと、さっきも、今でも、これからも。
このまま永久に自分のものにはならないトランクに、一秒も長くいつづけ、持ち主の機嫌を損ねるのは、明らかに危険だった。
ここは、テュランのいかだなのだから。
クリフの頭は、すばやく未来の予想まで立て、そして結論を出したのだろう。
このままトランクを人質としても………持久戦になるだけだと。
僕らは食料のつまったトランクを開けるすべがない。
そして、ずっと飢え、渇いたままだった。
それに対して、藤吾は自由になる水と食料を保持している。
少しずつならば、一週間は無理でも、二、三日もつだろう。
僕たちは、負ける。開かないトランクを前に、すきっ腹を抱えつづけ、何日か後には藤吾に頭を下げ、鍵を外してくださいと頼む他ないのだ。
暴君の政治は、ゆるがなかった。
クーデターは失敗したのだ。この十メートル四方の小さな国の。
そして、逃げ場はない。
569テュランの筏9/11:2006/11/21(火) 17:13:53 ID:DtqZIHK30
「君には、ペナルティを与える」
あっさりとクリフの腕をとらえ、藤吾は冷酷に宣言した。
クリフは暴れたが、後ろに両腕をひねられ、痛みに顔をゆがめて呻いただけだった。
金属の音がひびき、クリフは後ろ手に手錠をかけられる。
そして引きずられて、いかだの端へとつれて行かれた。
「クリフ!」
僕はわめいた。マストも折れよといわんばかりに身をよじった。
しかし革のひもは、しっかりと僕の身体を拘束しつづけた。
ふと藤吾が振り向いた。僕の声に反応してなのは、間違いない。
忘れてた、と言った顔で彼は足元に落ちていた空ボトルを拾い、海の水をくんだ。
何だろう、といぶかしく思うのもつかの間、満ちた海水はマストに向かってぶちまけられた。
僕と楊玲は、頭上からふりかかる水に、小さく悲鳴をあげた。
海水は髪からぽたぽたと垂れて、背筋をつたい、胸をぬらし、腕を流れていった。
ああ………僕は縛られたペニスがしなびるほどの、恐怖で心がしめつけられた。
革ひもが、海水を吸いこんでいく………
頭上では、太陽がますます燃えさかって、頂天へと向かっている。
どれだけ暑くなるか。それ以上に、どれだけ乾燥するか。
僕の身体は、ガタガタ震えて、止まらなかった。
「やめろっ!」
クリフの叫び声。彼はうつぶせの状態で押さえつけられている。
背中には藤吾が馬乗りになっていた。
そして………クリフの上半身はいかだの外、海の上へと乗りだしている。
何が起こるのか………僕はもう、すべての思考を放棄してしまいたかった。
570テュランの筏10/11:2006/11/21(火) 17:14:50 ID:DtqZIHK30
「二時間だ」藤吾は腕時計を見ながら宣告した。
「クリフ君、君の共犯者が、一度も声をあげずに耐える事を祈るんだな」
冷たい視線で、藤吾はマストに縛られた僕たちを見た。
「君たちが声をあげたら、その分だけ彼の頭を海にしずめる」
僕は見開き絶句し………そして頭の中が真っ白になった。
「俺の独断だっ、智士たちは関係ない!」
クリフがもがいてわめくが、藤吾は無視した。
僕はもう、いまさら何も変わらないと諦めていた。
ただ、クリフのために、声だけは殺そうと誓う。
だけど………本当に残酷なのは、責めなどでは、なかった。
「ああ、そうだ」
思い出したように、藤吾はポケットを探り、手の平にのせた。さっきの、鍵だ。
僕たち全員に見えるように回してから、唐突に、藤吾はそれを海に放る。
チャポンと水音がひびいた。
「!?」
クリフは眉をひそめ、僕は誓いも忘れて、さっそく叫びそうになった。
見間違えるわけがない。それは、藤吾のトランクの鍵………。
僕の視線はゆっくりと、たたずむ黒いトランクに向かった。
表面をたどっていく。あるべきものを探して、鍵とついになる存在を求めて。
571テュランの筏11/11:2006/11/21(火) 17:18:18 ID:DtqZIHK30
しかし………見つからなかった。
そのトランクには、鍵穴など、なかったのだ。
「………クリフ!」
僕の叫びには、悲痛さと絶望と、それからあと何が含まれていたのだろう。
とにかく負、マイナス要素のすべてがあった。
不自由な体勢で、クリフは僕の方を見ようと、身じろぎした。
藤吾が狂ったように笑いだした。
太陽のように黄色く、まっすぐ空に吸いこまれていく笑い。
彼は無造作にトランクに手をおき、小細工ひとつなしでふたを………開けてみせた。
僕は見た。クリフの瞳が、ガラスのように幾千ものかけらに砕けるのを。
トランクは………最初から鍵などかかっていなかった。
施錠の機能もなかったのだ。
クーデターで得たものは、大きな絶望と、それからとりかえしのつかない後悔。
藤吾の笑い声は、太陽すらも揺らして、海上に響き渡った………。
572風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 17:52:33 ID:nrhfvmdh0
クリフ壊れちゃったのか! 実はそうならないかな〜とwktkしてた。
壊れ萌え。
573風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 18:09:55 ID:XzkUsiXp0
つーか突き落とせばいいじゃん
574風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 20:21:28 ID:m/c1IY2fO
ぬぉぉぉぉぉぉぉ!!!(`Д´)

そうだ!そうだ!
こんな奴突き落としてしまえー!
智士タン達はどうなっちまうんだー!?
てゆーか藤吾はなんでそんな用意周到なんだー!?

すげぇ結末が気になるぞー!

テュランタンGJ!
575風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 20:26:08 ID:m/c1IY2fO
ちょっと勢いで書いてしまった。
ちょっと後悔してる。スマソ(・ω・`)
576風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 21:10:12 ID:HVmFeobW0
たかがそれだけで壊れるのか…
いやー、楽しみにしてただけに落胆がでかいわ
577リレー:2006/11/21(火) 22:52:54 ID:S5Sx+9zK0
御前と従兄、そして侍。三者からそれぞれに立ち上る、おどろおどろしい狂気にあてられたか
周囲の者どもが口の中でぼそぼそと言い訳をしながら、一人二人と座敷を出て行く。
それを黙って見送った御前は、傍らに控えていた男に向かって目配せした。
聡い男はそれだけで御前の意図を察し、出て行った者たちを「始末」しに行った。
もうあの者たちに用はないと御前は心の内で笑った。
この世に稀なる一対の生き人形が手に入れば、新たな獲物を求める必要はない。
よしんば求めることになろうとも、手足代わりに使える雑魚などいくらでも取り替えがきくのだからと。

ふと気づくと、座位の形で絡み合っていた二人は今度は仰向けになっていた。
従兄の足が侍の腿を広げ、繋がった部分がよりいっそう露わになり、従兄は侍の孔の縁に指をかけ
広げて見せている。
「御前さま、さあご存分に」
にたりと笑う従兄に、御前もまた口の端を引き上げる。
侍に傾こうする心を憎悪が引き戻したことで、より残虐な責めを科したくなったか。
御前は笑いながら頷くと、侍の足の間に腰を落とし、従兄の一物に自らのものを添えて力を入れた。
緩みきったとはいえ、女陰とは違う。いや、女陰でも一物を二本同時に含むなどなかなか出来ることではない。
だが御前と従兄はゆっくりと、それぞれの一物を交互に出し入れさせながら、少しずつ奥へと進んでいく。
「ひぃ……ぎっ……」
初掘り以上の締め付けに一瞬頭がくらりとして、一物が太さを増した。息を荒げ、もっとと腰を前に出す。
みしみしと孔は音を立てるが裂ける気配はない。従兄が引けば御前が進み、御前が止まれば従兄が後を追う。
にちゃにちゃと二本の肉が擦れ合いながら奥へ届いた瞬間。
「……ぎゃあぁぁぁっ」
断末魔のごとき叫びを上げて、侍の身体がけいれんし始めた。それが二人の一物に得も言われぬ快感をもたらし
ひいと泣く声が、突き上げのたびに上がる。
いまだ明るい座敷の中、二匹の鬼が哀れな獲物を存分に味わい尽くそうと腰を振り続けていた。

バトンタッチ!
578風と木の名無しさん:2006/11/21(火) 23:20:44 ID:TqFqb8DnO
リレーつまらんage
579リレー:2006/11/22(水) 00:27:23 ID:Kgrr6EkeO
御前はよく懐いた猫が飼い主の足元に擦り寄り甘える様に、従兄のものに自身を擦りつけた。
「ん、あ…ッ」
互いのものが中で擦れ合う刺戟に従兄は甘い声をあげた。
御前は従兄の喘ぎとも吐息ともつかない声に満面の笑みを浮かべる。
二つの熱い塊がもたらす痛みに息を詰まらせている侍を労ることなく、御前は腰を動かした。
従兄は侍の締め付けのきつさと、御前の猛りとの触れ合いに頬を上気させ深く感じ入った。
御前と従兄は、目と目で会話を交わしながら腰を進め、
いまにも張り裂けそうな侍の中で鴦(おしどり)の様に寄り添った。
御前のそれにぴたりと自身を重ね、御前の脈打つ熱さに従兄は酔う。
異母弟を売り、情を捨てた果てに待っていた、御前との赤裸々な触れ合いは、
いつも心を張り詰めて生きてきた従兄を癒した。
欲しかったのは、金子でもなく、父母の情愛でもなければ、
小憎たらしい異母弟の狂った姿でも、笑顔でもない。
まがまがしい道を共に歩んでくれる人が欲しかった。仄暗い悦びをわかちあえる人が欲しかった。
それは同じ孔の情人(むじな)。
従兄は侍の孔の中で、御前と互いを炙り合いながら、潤んだ瞳で御前を見つめた。
御前は従兄を冷たく突き放す日を思い描きながら、
いまは、従兄を見つめ共に侍を掘る悦びを噛み締めた。
(余と人形遊びをしてくれる男は、滅多におらぬでな)。

めでたしめでたし

リレー締めてしまいました。勝手にごめんなさい……orz
580風と木の名無しさん:2006/11/22(水) 00:33:52 ID:BvFSs3h00
>>579
GJ
リレーは終わらせ所が難しいから、最後を書く人は勇気が必要だよね。
最初にED書いた人も分岐という形で残したわけだし。
皆さん有難うございました。
581風と木の名無しさん:2006/11/22(水) 00:44:31 ID:Lgb0gqw1O
クリフタンは壊れちゃったの?
絶望した、くらいだと思ってたんだが…(´・ω・`)

再下剋上の成功を祈る!
582リレー 577から分岐ED 1/3:2006/11/22(水) 00:44:30 ID:m+1CzzIy0
帰宅したこの屋敷の主人を出迎えた男は、あれらはどうしているという問いに申し訳ございませぬと
平伏した。
「まだ戯れの最中にございます。あれが中々離れようとしませんで」
「頃合いを見て、引き離しておけと申しつけておいたろうが」
「申し訳ございません。ですが引き離すと暴れて手に負えませぬ」
「猿ぐつわをかまして縄で括っておけばよい。
 あれの身体を壊されでもしたらいかがする。接待が目前なのだぞ」
主人は、留守を任せたはずの男の不手際に舌打ちをすると、大股で奥へと向かった。
聞こえてきた獣のようなあえぎ声に顔をしかめ、乱暴に襖を開け放つと、二人の男が絡み合っていた。
いや、絡み合っているというのは正しくはない。
一人は四つんばいの格好で尻を後ろの男に預けているが、興味なさげなつまらなそうな顔で手に持ったものを
いじくり回して遊んでいる。
対して、後ろの男は萎えることのない陰茎を飽きずに出し入れさせ、腰を振り続けている。
その顔はだらしなく緩み、口元から涎を垂らし、あうあうと薄気味の悪い声を上げたり、ひひひと笑ったり。
後ろの男の見苦しい姿に主人は苛立ち、その身体を思い切り蹴り上げた。
「がっ!」
吹き飛んだ拍子に床の間の柱に頭をぶつけて一瞬大人しくなった男を、屈強な家来たちが素早く拘束していく。
彼らが主人の供をして出かけていたために、この男を押さえられる者がいなかったのだから仕方がないと
思いながらも、苛立ちがおさまらない。
「元通り座敷牢に放り込んでおけ。大声で騒ぐようなら眠らせてしまうのだ」
「はぁぁっ!──ぎ、ぎぃぃ!」
まともな言葉も話せぬ様子の男が楽しみを取り上げられて暴れるのを、手慣れた様子で家来たちは
更に奥にある座敷牢へと引きずっていった。
ため息をついて主人が振り返ると、残された方の男は主人の顔を見て嬉しそうに笑った。

「あにさま」
583リレー 577から分岐ED 2/3:2006/11/22(水) 00:45:58 ID:m+1CzzIy0
御前と従兄の責めに侍が狂った後、従兄はこの屋敷に居を置いて、御前の命ずるがままに侍を抱き
また御前に抱かれた。
その合間に密かに隠し持っていた例のご禁制の薬を御前に盛った。粒を砕いて粉にしたものをごく
少量水に溶いて下帯にしみこませておいたのだ。
陰茎の粘膜から吸収された薬は徐々に蓄積され、御前の身体を、特に頭を蝕んだ。
物の分別が付きにくくなった頃合いに、従兄は御前の養子となり、完全に狂ったところで当主が
病に伏したという名目で家督相続の手続きをした。
あの老獪な御前相手にこのはかりごとがうまく行くだろうかと肝を冷やしていたが、侍がよほど
気に入ったのだろう、警戒されることなく企みを成就させることができた。
周囲への根回しを終えるまでは、怪しまれぬために御前を生かしておかねばならなかったが、近くある
大目付の接待が成功すれば、もう用はない。
やっとお荷物を片付けられるとほっとして、機嫌良く従兄は侍の身体を膝に乗せて頭を撫でてやった。
「よい子にしておったか?」
はいと、幼子のようなたどたどしい口調で答える侍に、従兄は愛おしげに目を細めた。
狂い果て、侍への憎悪を駆り立てる物を全て失った姿は、従兄の胸から憎悪を消し去り、愛しさだけを
残した。何の思惑も下心もなく、あにさまあにさまと慕ってくる侍を、犬猫を愛らしく思うような
心持ちで従兄は愛でている。
そして、接待の席の何よりの餌となるこの身体を愛でている。
狂ったことで抱かれることを喜ぶようになった侍を、従兄は上役たちにたびたび抱かせていた。
あの責めの中で身に覚えさせられた手管は、彼らを満足させ、従兄の役に立っている。
584リレー 577から分岐ED 3/3:2006/11/22(水) 00:47:19 ID:m+1CzzIy0
侍の噂を聞きつけて賞味したいと漏らした相手。
これがうまくいけば、今後は安泰だとほくそ笑みながら、頭に置いていた手を胸に滑らせた。
それに気持ちよさそうな顔をしながら、侍は従兄に尋ねる。
「今度の『お仕事』がうまくできたら、またご褒美をくださりますか?」
「なんだ、相手の方が気持ちよいことをしてくれるというにまだ足りぬのか?}
「だって……」
子供のように口を尖らせて、纏っていた襦袢の袖をいじりながら、侍は呟いた。
「あにさまにしていただく方が気持ちがよいから……」
「可愛いことを。──分かっておる、いつものように『お仕事』をきちんとできたら、好きなだけ
褒美をやろう」
言いながら従兄は侍の身体を横たえると、下帯を解き、勃ちあがった陰茎を侍の後孔に咥えさせた。
「あ……ああ……あにさま……気持ちいい」
かつて御前と呼ばれた男に突かれていた時とは違い、足を従兄の腰に絡ませて侍は熱心に腰を振る。
もっと突いてくださいとねだる声に、従兄は陰茎を膨らませ、口を吸い合い、侍の欲しがるだけ
突いてやる。

負けた鬼が牢の奥から叫ぶ声を聞きながら、勝った鬼と狂った人形はいつまでも交わり続けていた。
585風と木の名無しさん:2006/11/22(水) 00:49:17 ID:m+1CzzIy0
リローは大事だよー orz
スンマソン
586風と木の名無しさん:2006/11/22(水) 01:07:46 ID:52l2cs7DO
>>582
いいんだよ。終わり萌えればすべて良し。
下克上ばんじゃーい∩(・ω・)∩
587風と木の名無しさん:2006/11/22(水) 01:27:51 ID:BZWF/3dX0
ホント、下克上いいねー。
ついでに堕ちた御前についても読みたいなぁ。
588リレー 477から分岐ED 1:2006/11/22(水) 03:04:24 ID:0J0aSIgt0
淫らな宴は終わり、侍は次の宴に備えるべく静かな部屋に寝かされていた。
「夕餉を持ってきた」
従兄は膳を枕元においた。応えはなかった。
夕闇が迫っていた。闇は潮のように床を壁を侵食していく。
それは、あたかも侍を飲み込もうとしているかのようだった。従兄は微かに身震いした。
従兄は、行灯の火をつけた。
暖色の光の中に、侍の顔が浮かび上がった。
侍はただ荒い息をして、天井をうつろな目で眺めているだけだった。
その瞳には灯火も従兄も夕餉も映っていなかった。
従兄はことさら声を大きくして、再び語りかけた。
「腹をすかせているのだろう」
やはり、応えはなかった。
昨夜、従兄のののしりに対抗して、勇ましく怒鳴っていたのが嘘のようだった。
一夜にして何もかもが変わってしまった。
奇妙に艶やかな唇がかすかに動いて言葉を紡いだ。従兄は侍の口元に耳を近づけて必死に聞き取ろうとした。
「あにさま、あにさま……」
従兄は眉をひそめた。ある一時から侍はこの言葉しか口にしなくなった。
そして、今もまた。
589リレー 477から分岐ED 2:2006/11/22(水) 03:05:02 ID:0J0aSIgt0
従兄の脳裏にほんの数日前の会話が蘇った。
宴の行われた部屋で、従兄は御前にひれ伏してた。御前は寝そべって、従兄を見下ろしてた。
「あれは、一昔前に生まれていたら良かったような男です。
色気もなければ、気の利いた話もできぬ。
身体の具合も、稚児のようなわけには参りますまい。
はたして、御前の御楽しみの役に立ちましょうか。
たってのご所望とあらば、喜んで用立てますが、
あてが外れましても私目をお恨み下さいますな」
従兄を御前は笑った。
「人はたやすく変わるものよ。現にその方も、出世と金の匂いをかぎつけたら
あっさり身内を売る気になったではないか。
金や権力のあるほうに人はあっさりなびく。昨日の友も敵となる。
いかようにも方策はある。己が思うておるほど人は強くないによってな。
だからこそ、己を強いと思うている者、正しいと思うている者は壊しがいがあるのだが」
従兄は、あにさま、あにさまと壊れたように繰り返す侍を見て思った。御前は正しかった。
590リレー 477から分岐ED 3:2006/11/22(水) 03:05:33 ID:0J0aSIgt0
従兄は御前の言う様に侍が変わるとは考えていなかった。
幼いころから、侍を知っていた。
それゆえ、あの堅強さは御前ごときの手管でどうになるものではないと思っていたのだ。
御前はあれのことを詳しく知らぬ、一番わかっているのは自分だと、腹の底であざ笑っていたのだった。
たくらみに乗ったのは、軽い気持ちだった。いけ好かなかった分家筋に恥をかかせてその矜持をへし折る。
ついでに自分は出世と金を手に入れる。それ以上のことは考えていなかった。
「私だ、わかるか、私だ、私だ」
従兄は布団の上から侍にのしかかると、襟首をつかんで揺さぶった。
「あにさま、あにさま」
侍の口の端から一筋のよだれがこぼれていた。
「あにさまとやらに会いたいのか、会えば、元に戻るのか」
宴のさなか、侍を御前に強いられて犯したときの感情が蘇ってきた。
目を背けたくなるほど憎らしくて、けれど目を離すことができなかった。
従兄は失ったものの大きさと、その意味を初めて悟った。
いや、いまだ完全に失われたと判断するには早い。たった一夜のことではないか。
まだ、望みはあるはずだった。従兄は、掛け布団をはぐと、侍の身体を背に担いだ。
自分より大きくて重い肉体の重みに、従兄はよろけた。肩がきしんだ。
だが、従兄は歯を食いしばってこらえた。この重みは罪の重みだった。
彼が耐えなければならないものだった。従兄はよろめきながら、一歩を踏み出した。
591リレー 477から分岐ED 4:2006/11/22(水) 03:06:11 ID:0J0aSIgt0
従兄は二歩目を踏み出せなかった。
「どこへ行く」
部屋の入り口に御前が立っていた。後ろには男たちが控えていた。
従兄は舌打ちした。見通されていた。
「そこを通せ」
「その方には、金と出世を、そして我には人形を。そういった約束ではなかったかな。
その方がどこへ赴こうと勝手だが、人形は置いていくがよい」
不思議に御前の地位と権力が恐ろしくなかった。
従兄は昼間までひれ伏していた相手に傲然と言い放った。
「知らぬ、通せ。人はたやすく変わると言ったのは、他ならぬ御前ではないか。
私もたやすくかわっただけのことだ」
従兄にとっていまや大切なものは背中の重みのみだった。
「変わり果てた姿に憐憫を催したか。あるいは、恋情に初めて気がついたか。つまらぬ」
「つまらなくても結構。私は、己の過ちに気がついた。気がついたならばそれを正すまでのこと」
従兄は侍の身体を床に下ろした。そして、腰の剣を抜いた。
「通さぬというならば」
従兄は剣を振りかざした。
592リレー 477から分岐ED 5:2006/11/22(水) 03:07:28 ID:0J0aSIgt0
瞬きするほどの間もなかった。御前が剣を抜いた。
従兄の剣が御前を掠める前に、御前の剣は銀色の弧を描いて、従兄の肩を切り裂いた。
どうっと音がして、従兄の身体は床に崩れ落ちた。男たちが色めきたった。
「御前!」
「静まれ」
「しかし、この男は役人であります。行方が知れなくなれば騒ぎになりましょう」
「黙れ」
御前はゆっくりと剣の血のりを従兄のはかまでぬぐった。
その口からきしんだ声が漏れた。
「母が、生きておれば、天下はことごとく我のものであった。
これしきは、些細なことあったはずであった」
それは呪詛のようだった。男たちは沈黙した。
そして、なにか恐ろしいものを眺めるように御前を見やった。

御前は床に転がる侍に歩み寄った。
「あにさま、あにさま」
侍は今しがたなにが起きたのかもわからずに、天井を見上げて呼び続けていた。
御前は笑った。あにさまが誰であるのか、御前にはわかっていた。
593リレー 477から分岐ED 5:2006/11/22(水) 03:09:02 ID:0J0aSIgt0
477ではありません、577でした。
ごめんなさい。
「痛くて声も出ねーか!!あ!?泣き叫べ、オラ。犯り甲斐ねーだろ!!」
「……っぐ!!うあぁ、あ!!」
鋭く突かれ、堪えていた声を洩らしてしまった。
「あっ、あ…」
ビチャ、と破れた襞が音を立てる。
血のぬめりを纏いDQNは、奥へ奥へと入ってきた。ハァハァ‥喘ぎながら、
こんなDQNに犯されている自分を嗤った。
痛みに耐えながら、こんなDQNが好きで好きでたまらない自分を嗤った。
乱暴につかまれた髪がごっそり抜けた。悪いのはあんたじゃない。
薬の副作用のせいだから、引かないで……。
全裸にされるよりも、薬臭い体を嗅がれる方が、
禿げてあがってゆく頭を見られる方が、恥ずかしかった。
たぶんこれが、最後の外泊。
さよならDQNな筒井筒。今夜は会いに来てくれてありがとう。
あんまり、おばちゃんを悲しませちゃいけないよ。

END
595風と木の名無しさん:2006/11/23(木) 07:56:06 ID:49FKrCreO
×禿げてあがってゆく
〇禿げあがってゆく
596風と木の名無しさん:2006/11/23(木) 09:33:18 ID:8VJtp0vn0
あんた誤字多過ぎ
597風と木の名無しさん:2006/11/23(木) 15:38:43 ID:9kI9rTDWO
>>594
あんた神だよ!!
たまんねぇ輝いてるよ!!
お漏らしあり

父の死後、駄目な二代目である私は有能な専務に甘えていた。
我が社の参謀だった専務に他社に行くと告げられた晩、私は行かないでくれと土下座した。
「社長が後ろだけでいって見せて下さったら、考えます」
容易い事の様に思えた。専務からの申し出を受諾し私はスーツを脱いだ。
「ソックスはそのままで」
全裸にソックスで私は専務に押し倒された。キングサイズのダブルベッドが二人の中年男の重みで軋む。
専務に左右の足首を掴まれた瞬間、恐怖を感じた。おかしい。
専務には、はじめてだと伝えたが20年前、私は後ろを使って派手に遊んでいた。
20年のブランクは大きいが、怖気づくほど柔な私ではない。私は積極的に脚を開き高く高く持ち上げた。
昔は平気だった体勢が腰にくる。20年のブランクと老いに不安がよぎった瞬間!
専務はコンドームを纏った右の中指と人差し指を、情け容赦なく私の後ろに突き刺した。
「っ、んあっ」
コンドームのぬめりだけを借りた強引な挿入に体が悲鳴を上げた。全身がこわばる。
痛い。怖い。無理だ。私は恥も外聞もなく専務に慣らしてくれ、優しくしてくれと懇願した。
媚びる様に「頼む。はじめてなんだ」と口にしたとたん頬をぶたれた。
「嘘つきですね。私は学生時代、夜の街であなたに声を掛けられた事がありますよ」
覚えていなかった。専務は指を激しく出し入れしながら、これくらい余裕でしょう?と嗤う。
20年前の放蕩が嘘の様に、私の体は竦みガタガタ震えた。悔しさゆえ必死で余裕の振りをした。
脚を高く掲げかつての様に優雅に開こうとしたが、硬くなった体は昔ほど言う事をきいてくれない。
肌が粟だつ。専務の猛りが堪らなく恐ろしかった。
20年のブランクと老いは、私から、あの頃の自信と強さを奪い、
たかが指の挿入に生娘の様に、痛い痛いと叫ばせた。
二本だった指が三本に増やされたとき、私は激痛に泣き喚き、恐ろしさの余り失禁した。
チョロチョロと漏らしながら、私は居たたまれず顔を覆った。
「まあ、いいでしょう。一応、後ろだけでいきましたしね」
不意に専務のやさしい声が聴こえ、ふわふわのタオルで股間を拭われた。
「置いていけますか。こんな駄目なひとを」
私はぼろぼろ泣きながら、苦笑する専務に抱きついた。

おしまい
599風と木の名無しさん:2006/11/23(木) 20:45:21 ID:9kI9rTDWO
>>598
またまた神GJ!!
可愛いなぁ…terinkoビンビンだぜ。
600風と木の名無しさん:2006/11/23(木) 21:43:11 ID:72iqMVvoO
遅ればせながらリレー乙。
方々には、またなんか書いて欲しいお
601テンペスト:2006/11/23(木) 22:11:48 ID:49FKrCreO
9とは不思議に気が合った。自業自得で誰もに距離を置かれている自分に、
9だけが声をかけてくれた。自分の言葉に9が返事を返してくれるのが、ただただ嬉しかった。
言葉のキャッチボールというのをはじめて体感した。
9は確かに居て、自分を構ってくれる。でも誰も信じてくれなかった。
二人で話しているのに一人二役を演じているのだと言われた。
自分はいっぱい嘘をついているけれど、9のことは本当だ。9はいる。
9のことを考えているときは、大概のことに耐えられた。
昼と夜がつまらなくても、フェラで顎が疲れていても、
がばがばのアナルから腸液か何かを漏らしていても、
9を思うと、あしたも頑張ろうって気分になれるのだ。
短調で沈んだ気分を長調が引き上げる。そんな風に9が自分をあげてくれる。
9がいればきっとテンペストだって起こせる。二人ならテンペストになれる。
ラーゲル、ラーゲル、テンペスト。

ばいばい
602風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 00:17:29 ID:oZR56GT0O
もう丸二日、まともな投下がない……orz
職人さん方を切にお待ち申しあげております!
603風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 01:15:05 ID:TJQD5OeZO
>>601
いるよ9は確かにいるよ。一人じゃない、二人で語り合ったあの時間をお互い決して忘れないだろう。
周りが認めなくとも、信じあう気持ちがあれば乗り越えてゆけるだろう。
鬼畜スレに幸あれ。
604風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 01:49:02 ID:s/DRv/6q0
>>594 >>598 >>601
自分は9じゃないし単なる読み手だけど、面白かった。
こんなテンペストwなら大歓迎だ。もっと読みたい。
605風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 02:15:33 ID:31jwLuQuO
ID:49FKrCreOさんよ〜
同じIDで投下マダ〜?
あ、携帯だから出来ないんだっけwww
またあなたの作品が読みたい人間のためにトリップ付けてよ
他の人の作品じゃない、あなたの作品だって分かるようにさ
606風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 07:48:21 ID:P59XFq3iO
>605
荒らしか?ここは作品を投下するところだから
そーいうのは脳内でやってくれ。
投下も出来ない屑野郎め。
607風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 08:22:17 ID:sithvSfe0
末尾が0でsageもせずに挙句に罵りの言葉。
ダメです、あなたの言葉に重みはありません。

自由に作品を投下するスレではありますが空気を読む必要はあります。
608風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 10:54:05 ID:ZHiG5sqB0
もう携帯からの書き込みは一律禁止でいいよ
厨大杉
609風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 11:06:01 ID:i0T7+NMaO
>>608
まじでそうしてほしい。
まあ2の都合上それは無理なわけだが…
携帯だけあぼんできる機能ってないのかね
610風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 11:07:33 ID:i0T7+NMaO
なんて言ってる私がまず末尾0なわけだがww
スマソ、出先から覗いてるもんだから…
611隣家の兄弟 1/7:2006/11/24(金) 12:15:45 ID:9Itol8o/0
「そう………後、一年も。うん、分かった元気でね」
「ヨーロッパ滞在、一年延長。うちにも、昨日、速達メールで、届いた」
冬彦は聞こえないふりをして、黙って受話器を置いた。
フックがかかる音と共に、遠い海外との両親の絆はとぎれた。
応接間にいるのは、衣服を纏う事を許されずに佇む冬彦と、そして隣家の志水暁だけだった。
ソファに体育座りし、背をだらしなく丸めて、暁は小さな機器をいじっている。
派手で卑猥な色をしたそれが何かは、冬彦がよく分かっている。
今現在、冬彦の中に咥えられている………バイブレーターのリモコンだった。
幼少時は昆虫や小魚類などを「解剖」しては、目に危険な光を灯らせていた暁。
もっぱら今の興味は、コイルやプラスチックの部品。
機械油にまみれた手で、朝も昼も分厚いメガネの奥から、ボサボサ髪をかきかき、研究に励むのだ。
冬彦を苦しめるために。
「また、よろしく。お隣さん。山咲、冬彦君。一年間、といわず、今後とも………」
飄々と挨拶する暁に、冬彦は憎憎しげな瞳を向けた。
誰が、お前なんかにっ! そう怒鳴ってやりたい気持ちを堪える。
冬彦の内では淫靡な振動を伴って、性具は動きつづけていた。
電話の間リモコンをもてあそばれはしなかったが、これからたっぷりと暁はいたぶるだろう。
口答えでもすれば、それこそ嬉々とした様子を隠さずに。
612隣家の兄弟 2/7:2006/11/24(金) 12:16:24 ID:9Itol8o/0
唇を結ぶ冬彦の耳に、パチンと止める音が届いた。
スイッチの一つを指で押しこみながら、暁は小さく「できた」と紡ぐ。
言葉が空気を渡るか、渡らないかの内に、バイブレーターの動きは変化した。
単調な振動だったものに、先端の首がくねくねとうごめく刺激が加わる。
微弱さに耐えつづけてきた冬彦は、唐突にかき回され、たまらず背を反らした。
「ぅ、うぁっ………」
顔を歪め、棒立ちになる冬彦を、にやにやと眺めながら暁はリモコンを離れた机上に置いた。
「冬彦君が、かわいそう、だから、小声で、説明、します」
「………なに? 聞こえないっ………ぁああっ」
怒鳴り返した冬彦を叱るかのように、内をいたぶる動きは、強く、早まった。
ビクン、ビクンと大きく身体が震え、最奥から広がる熱の存在を、嫌でも自覚しなければならなかった。
「音声に、反応する装置、取り付け、完了。声紋パターン、つまり、声の主は、こだわらず、人の声なら、勝手に、高めます。刺激」
一単語ごとに区切る暁の声が、徐々に冬彦をなぶる動きを強めていった。
体内の熱が伝わり、人肌にぬくまった性具は、まるで白く濁った暁の舌が、直接そこを責めているようで………冬彦は嫌悪感に身震いした。
だが、その憎しみも、冬彦の身体を小刻みに揺らして止まない道具によって。
背をかけのぼる微弱な電気によって。
目を閉じても迫ってくる、意識を染める白いもやによって。薄れさせられる。
身体が意思のままにならない。空いた口の端から、だらしなく流れ出す唾液。
膝を床につき、刺激から逃れようとする、尻をつきあげたみだらな体勢。
「あ、そうだ」
思い出した暁が、手を打つ音の方が、よっぽど大きかった。
それでもどんな小さな声にも反応し、バイブレーターはうなりを増した。
613隣家の兄弟 3/7:2006/11/24(金) 12:17:19 ID:9Itol8o/0
「ッ、ァアアア!」
耐え切れず、胸を突き上げた冬彦は、喘ぎ、そして、ぐったりと上半身を床に倒した。
自分の喘ぎ声が、最も刺激を高めてしまった事は、言うまでもなく冬彦自身が知っていた。
「進夜兄が、今日で引退、柔道部。明日、ささやかながら、三人で、夕食会、開こうかと。山咲家の会場。一年、延長の、お付き合い、親睦も兼ねて。材料、台所、見て来ます」
説明的な暁の内容を、冬彦はほとんど聞いていなかった。いや、聞けなかった。
振動の上に回転も加わり、くねる先端は、冬彦の内壁を縦横無尽に蹂躙した。
全身の動きは………おそらく改造によって、基準値以上に手を加えられているのだろう。
冬彦は責めたてる性具から逃れようと身をよじるが、採寸の上に特注されたそれは、喘ぎに震えながら行なう筋肉の収縮程度では、外れなかった。
もちろん周到な暁は、すでに冬彦の両手首をコードで縛っていた。
口元によだれの白い跡を残し、目に涙を浮べながら冬彦は懇願する。
「………っ、抜いて………外して行って………」
「聞こえ、ません」
意地悪く言う暁の、メガネが白く光った。
「これ………お願い、外して………もう、だめ………ッ、アア、ッ、ク、アッ」
身をよじり、次々背を渡って訪れる波に耐えながら、冬彦は必死で言葉を紡いだ。
「十分間、沈黙。それで、動きは、ストップします。とは言え、電源は、点いたまま。音声認識は、健在。意味は、理解………? してますね。
じゃ、見てきます。野菜室に、レタスは、あった、でしょうか」
「―――ッ!」
涙と殺した喘ぎで言葉にならない声。
白くにじんでぼやけた視界の中、暁の姿は廊下に消えた。
残ったのは音も立てずに、うごめきつづける性具と、それに責め立てられる冬彦だけだった。
614隣家の兄弟 4/7:2006/11/24(金) 12:18:10 ID:9Itol8o/0
冬彦の両親と、隣人の志水家の両親の転勤先は、ヨーロッパの同じ地方だった。
これ幸いと、隣家協力の心得を教え込み、冬彦と、志水家の兄弟は、日本に残された。
半年前の事だ。
冬彦はせいぜい、夕食のおかずを交換したり、台風が来た時協力体制を取ったり、その程度だと思っていた。
幼少時は竹馬の友と言わんばかりにベッタリだったが、今はそれぞれ学校生活に忙しい。
柔道部の主将である進夜は、夜遅く帰宅する、玄関の引き戸の音で、存在が確認できるほどだった。
手先の器用な暁は、たびたび手作りの菓子やら、作りすぎた鍋料理を持って来た。
幼い頃は、「解剖」済みの昆虫を無理やり渡され、嫌な記憶ばかりだった。
それでも、料理の出来は、舌鼓を打つほど素晴らしいものであった。
いつしか、鍋を手に訪れる暁の姿は天使にも見えていた。野菜炒めも満足に作れない冬彦にとっては。
だから、テレビの調子がおかしい時、気安く頼んでしまった。
玄関先で済ましていた暁への態度を、家へあげるまでに許してしまった。
それが、間違えだった。
背を向けテレビの説明をしている間に、冬彦は意識を失った。
改造スタンガンによるものだと、後で分かった。
615隣家の兄弟 5/7:2006/11/24(金) 12:19:05 ID:9Itol8o/0
気がつけば衣服を全て剥がれ、屈辱的な体位で縛られていた。
「記念、撮影」と暁は写真を撮っていた。そして脅されるままに、陵辱された。
二度目は、写真と引き換えに、身体をあけ渡した。
しかし終わりではなかった。
腸内と口内に白濁液の粘りを残した冬彦が見たのは、応接間の時計の裏、机の下、ソファの合間から隠しカメラを回収する、暁の姿だったのだ。
新しいスナップを満足そうに眺め、暁は永久的な脅迫を突きつけた。
冬彦は悪しき連鎖を断ち切ろうとしたが、無駄だった。
カメラは毎回位置を変え、応接間以外に場所を移すと、暁の腕時計に仕込まれたものや、制服のボタンに隠されたカメラが、シャッターをきった。
総計の写真が何枚になるかなど、冬彦は考えたくもなかった。
ただもう言いなりになる日々の中で、唯一の希望は両親が戻ってくる事だった。
だがそれも、今日奪われた。一年、後、一年も耐えつづけなくてはならないのだ。
その前に自分は壊れてしまうだろう、と自虐的に考える冬彦は、弱い自身を良く知っていた。
616隣家の兄弟 6/7:2006/11/24(金) 12:24:42 ID:9Itol8o/0
「明日、午前中に、買物。午後から、調理。進夜兄は、昼過ぎまで、部の追い出し会。………レタスを、もう、一つ」
メモをとりながら、暁が戻って来る。うつろな表情のまま、冬彦は身を起こした。
苦悶の汗でじっとりしている身体は、毛の深い絨毯では吸い取られず、未だ冬彦の全身を扇情的にぬらしていた。
応接間の扉を閉めた暁は、口を閉ざし、黙ってリモコンの電源を切り、拘束を解いた。
それは別に、冬彦の救いでも何でもなかった。
いや、苦しみの時間の開幕を告げるも同義であった。
暁は冬彦の背後に歩み寄り、無造作に後孔をふさぐバイブレーターを抜き去った。
「………っ………ふ、ぁぁ」
腹部を違和感でふさぐ硬い異物が抜き去られ、安堵に冬彦は声をあげた。
「大分、慣れたというもの。尻穴の形で、分かる。快楽、覚えてきた。後孔ひくつき方で、見える。冬彦君、君、淫乱」
「………な、なっ!」
薄い笑いを浮かべながら、恥辱的な言葉を投げかける暁。
責め具から解き放たれた冬彦は、今こそ反抗しようと振り返る。
だが、勢いのよさは、制服の下衣のファスナーを下げ、暁がたぎるペニスを出した所で、失われた。
「手の平と、膝と、床に、突いて」
命令は下され、四つんばいになりながら、冬彦は歯を噛みしめた。
逆らえば、写真をばらまく。
もう何十枚、いや何百枚にものぼっている。二者の暗黙の了解だった。
617隣家の兄弟 7/7:2006/11/24(金) 12:25:40 ID:9Itol8o/0
「ぐ、っっ………ん」
すぼまりを割り、入ってくる熱いペニスの感覚は、何度犯されても慣れない。
筋肉が限界まで伸ばされる苦痛に、冬彦はうめいた。額には脂汗が浮いている。
苦悶を意に介す様子はなく、暁は腰を動かし、深く押し入れる。
油ぎった手で、冬彦の尻を触り、裏腿をさする。
嫌悪感に、冬彦の首筋に、ぞわぞわと鳥肌が立った。
けれど、決して苦しむ顔は見せない。顔の表皮直前で止める。それが冬彦に残された最後の矜持であった。
そして、快楽と恍惚の演技を見せれば、暁の責めはすぐに終るのだと、半年に渡る経験で、冬彦は得ていた。
くぐもった音を聞き、熱を持った生き物に内壁を蹂躙される感覚を、作った喘ぎで流しながら………冬彦は一つの決意をしていた。
もう、耐えられない。こんな日々がつづくのは。
相談しよう。暁の兄、進夜に。
冬彦の言う事に、真剣に耳を傾けてくれそうな、唯一の人物でもあった。
進夜なら、きっと何とかしてくれる。
幼い頃、暁に虫の死骸を突きつけられ、泣いていた冬彦を助けてくれた。
暁を叱りとばし、冬彦の頭をなでて、泣くなよと言ってくれた進夜。
今でも、暁の事を考え憂鬱な顔をしている朝など、ジョギング中の姿で、声をかけてくれる。
頼もしい、隣家の逞しい兄貴。
明日、彼に話して―――全て終わりにしてやる………っ!
冬彦が唇を強く結ぶのと同時に、内に熱いほとばしりが起こった。
618風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 13:50:05 ID:5dLyNGz50
>冬彦の両親と、隣人の志水家の両親の転勤先は、ヨーロッパの同じ地方だった。
>これ幸いと、隣家協力の心得を教え込み、冬彦と、志水家の兄弟は、日本に残された

ヘヴォンテンプレ設定キターッ!!!!
携帯サイトでやったほうがいいって。
619風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 14:31:25 ID:4NFxEld60
うわー、更に墓穴掘りそうな楽しい予感が。
兄弟攻めですかねー、わくわく。
620風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 15:20:11 ID:4NFxEld60
柔道部だから押さえ込み上手そうだなぁ。
二輪希望。
621風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 16:17:08 ID:TJQD5OeZO
携帯のみ閲覧可能ならいいのに…
622風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 16:25:54 ID:Nsm4FvPv0
なんか暁が甘党の某探偵のイメージで思い浮かんで不快だった…
こんな作品にあの子をイメージするなんてorz
少しも萌えない
623風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 16:43:45 ID:v8xateEL0
兄が弟以上にキティクだといいのに…!
続き楽しみにしてます。
624ラスト・テンペスト:2006/11/24(金) 18:05:44 ID:oZR56GT0O
恋人に某掲示板を荒らしてる事を知られてしまった。
「末尾が0なうえ、sageる事も出来ねえのか?何だよ、この罵詈雑言。最低だな」
見下げられ、ぶたれ、自分で裸になれと言われた。
自分はどちらかと言えば性器を見られるのが好きだ。
命じられると積極的に脱いでしまう。いつもなら、恋人は裸の自分を馬鹿にして嗤ってくれる。
嗤ってもらえると嬉しい。けれど、きょうは脱いだのに、知らんぷりをされた。
リアクションをもらえないとむなしい。
「『私は露出症の荒らしです』。『私のやっている事は迷惑行為です』と言え」
はっきりと言葉にして突き付けられると居心地が悪い。直面化なんてしたくない。
「言え。認めろ」
表情ひとつ変えず、ただじっと見つめられるとつらい。
反応が無いと見られているという快感がわかない。
「言え。言わんと棄てるぞ」
冷たく言い放たれ、慌てて自分は言った。棄てられたくはない。
恋人は言い終えた自分を蹴り上げると、荒らされたスレ住人に代わって俺がお仕置きをしてやると微笑んだ。
二度と思い出したくない夜だった。本当に自分は駄目なごくつぶしだと思い知らされた。
言えと強いられ言った。
「末尾0の単発は全部、自分です。悪ふざけが過ぎました。いっぱい嘘をつきました」
だから、自分が書いた物は全部デリートされてもいい。だけど1つだけ残してほしいSSがある。
リレーに水を差したくて破天荒な分岐EDを投下した。また荒らし認定を受けると思いきや、
思いもよらない、はじめての乙にとまどった。
リクエストをくれたのはたぶん9。
9を萌えさせたくて、9に喜んで欲しくて、喰う!のときのやりとりを思い出しながら、
9の為に二人のキモオタの続きを書きました。だから9からのレスが凄く嬉しかった!
あれは、9(たぶん)と自分の、
互いの顔も名前も知らない、しょーもない二匹のテンペストの電波の交流から生まれたSSです。
何度ロム専に戻ると決めても戻れなかった。だけど今度こそ戻れると思う。
姿を慎みます。

625風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 18:20:31 ID:P59XFq3iO
貴女は本物のテンペストじゃない
626風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 18:23:32 ID:TJQD5OeZO
>>624
涙で前が見えない。嗚咽がこみあげる。
あぁ…もう行ってしまうのか、ついに戻る時間がきたんだね。
俺も嘘をつきすぎた。神との会話が本当に本当に楽しくて、邪魔されたくなくて色々暴言を吐いた。
例えSSやあの日の会話が消されても、ずっと忘れないから。俺の心に生き続けるから。
顔も知らない神をこんなに近くに感じる。膨大な掲示板で奇跡的に出会えた神に多大なる幸運が訪れますように…。
627風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 18:24:38 ID:5zzx7Cqr0
>624
素朴な疑問なんだけど
スレに来てる暇があったら頭のお医者さんに行かないの?

基地はえてして自分は正常だと思い込んでるらしいけど
628風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 18:31:10 ID:TJQD5OeZO
>>627
もう行く必要はない。ここから旅立つと言っているんだから。
本物の神かそうでないかは自身の心に聞いてみればいい。
629風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 23:04:55 ID:OGWcLYoEO
兄弟、乙!続き楽しみにしてます!
630風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 23:14:42 ID:XYg68deM0
携帯厨はsageを知らんのかね?
631風と木の名無しさん:2006/11/24(金) 23:44:14 ID:OGWcLYoEO
知りません
632風と木の名無しさん:2006/11/25(土) 10:03:45 ID:1pPbN7H+0
正直でよろしい
633風と木の名無しさん:2006/11/25(土) 11:19:39 ID:evkrYb46O
投下まだかな〜。
634隣家の兄弟 1/8:2006/11/25(土) 12:17:40 ID:UR8AAeEP0
暁は、遠回りして学校に寄ろうと言い出した。
土曜日の午前中。冬彦を連れて買出しに行き、その帰り道の事だった。
どうせ、逆らうすべはない。
冬彦の内には、昨日とは違う種類の、バイブレーターが咥え込まれていた。
スーパーでさんざんいたぶられ、店員の前で、居並ぶレジの列で、喘ぎ声をあげさせただけでは気が済まず、さらに笑いものにしたいのだろうか。
冬彦は屈辱とともに眉をひそめ………そして、したがう他なかった。
第二土曜日で休校にあたる。
どうせ誰も居ないと思っていた冬彦は、校門が近づくにつれて聞こえる、大音響のカラオケに、ハッと気付いた。
柔道部の追い出し会は、構内で行なわれているのだ。そこに進夜も居る。
こんな状態でっ………冬彦が青褪めた時だった。
「ッ………ァ、アッ」
淫靡な微動に耐えて歩いていた冬彦は、唐突にブルンと訪れた縦揺れに、我慢できず声をあげ、その場に座り込んだ。
まるで冬彦の心内を見透かしたかのように、チラと一瞥くれた暁は、先立って歩いていく。
涙目になりながらも、背を抜ける波が過ぎ去るのを待ち、冬彦は後を追った。
予想通り、向かう先は柔道場であった。一年生らしい部員が顔をのぞかせる。
「兄さん、いる?」
暁がみなまで言わず、酒臭い息を吐く先輩が現れ、この突然の来客二人を中へ引きずり込んだ。
通常なら退学処分ものであるが、炭酸メイン、アルコール一パーセント未満のこの飲み物は、顧問により差し入れされたものらしい。
635隣家の兄弟 2/8:2006/11/25(土) 12:18:41 ID:UR8AAeEP0
部員一同はとっくに出来上がっていた。暁はと言えば、特に兄と話すでもなく、座の端に座り、ちびちびと缶飲料をあおっている。
冬彦は壁に背をつけ、暁の背後で居心地の悪さを隠しもせず、道場を見渡していた。
早く、帰りたいのに………その気持ちだけが、冬彦を支配した。
いつリモコンが強に変えられるかも分からず、自然、冬彦の視線は強まり、暁を監視した。
それを辛気くさいと見たのだろう。部員に囲まれ中心位置にいた進夜が声をかける。
彼も例外なく赤ら顔であり、酔っ払っているのは間違いなかった。
「おお冬彦。みなの衆これが俺の頼みを断りつづけて三年。柔道部入部を拒否した山崎冬彦君だ」
腕を掴まれ引っ張り出された冬彦に、好奇の視線が集る。
赤面する冬彦は―――もちろん、視線によってではない―――声もでず、ただもじもじと俯いた。
周囲は勝手に盛り上がっている。内容はほとんど聞いていなかったが、恐ろしい言葉が飛び出た。
「主将、演舞、演舞」
おぉーと賛同の声が上がり、気付けばギャラリー一同後ずさり、技のための場所を空けていた。
冬彦と、そして進夜の二人を残して。
「えっ………」
絶句する冬彦の対面で、進夜はポリポリとごつい頬をかき、呟いた。
「まぁ初心者だしおとすトコまではしないから………床に座ってもらえると助かる」
えっ、ともう一度。瞳孔が最大に見開くまで見張った後、冬彦は助けを求めて見渡した。
「ん、ぁ………っ」
救いの手はなく、代わりに暁の無慈悲な指がリモコンを操作した。
振動が二、三度変化すると、冬彦は立っていられず、床に腰を落とした。
当然それを演舞了承の合図と見て、進夜は床に冬彦を組み敷いた体勢になった。
636隣家の兄弟 3/8:2006/11/25(土) 12:19:38 ID:UR8AAeEP0
「いーかよく見てろよ。この状態で首の後ろに腕を絡めてから襟元を掴む」
解説通りに太い腕が冬彦の首に回され、セーターの襟をつかんだ。
「っん………む、っ………」
骨太な腕は、それだけで冬彦の喉を圧迫し、衣服ごと締められ意識に白いもやがかかる。
「この時相手の背はやや浮かせた状態にする。そうすると締めの効果が現れやすい」
首に回った腕に力がこもると、冬彦の上半身は少し浮いた。気管が潰され、ますます呼吸が困難となる。
冬彦は血の気を失った唇から、苦しいと訴えたつもりだった。
が、それは声にならなかった。
次の瞬間、大きな異変が冬彦を襲った所為もある。
ブィーンと小さな音が響いた。聞こえたのは冬彦だけだろう。
だが頬を紅潮させ、一瞬息が苦しいのを忘れさせるだけの衝撃はあった。
すっぽり飲み込んでいるバイブレーター。今日使っているものは防音効果がないものだ。
スーパーでは、客の喧騒や店内で掛かっている音楽があった。
けれど、道場のカラオケは終わり、部員は静まり固唾をのんで見守っている。
………き、聞こえたらどうするんだっ! 朦朧とする意識の中に、憤然とつかみかかりたい気持ちは十分すぎるほどあった。
だが身じろぎも出来ずに固められており、進夜はさらに、絡めた腕とは逆の方を、クロス型になるように床に勢いよく突いた。
「ぁ、ぐ、ぅぅうっ」
床を強く叩く振動に、冬彦の身体は震え、最奥まで突き刺さっている性具の震えと絡み合って、得も知れぬ感覚を導き出した。
ふさがれている呼吸の苦しさと妙に交じりあい、全身にゾクゾクとする気配が走った。
637隣家の兄弟 3/8:2006/11/25(土) 12:20:21 ID:UR8AAeEP0
「こっちの腕は支えにしてもいい。他の部分で体勢を保てるならばもう一方の襟を締め上げるのもいい」
反対側の襟も強くつかまれ、くぅ、と小さく呻き声をあげ、苦痛と刺激を受け止める以外の冬彦の意識は、全て消えた。
震えている。みだらに、やかましく体内に飲み込まれたバイブレーターは振動しつづけている。そして自分の身体もさらなる刺激を求めて揺れている。
………冬彦の頭にはぼんやりと、そんな考えが浮かんでいた。
苦しみに喘いで、顔を歪めていた冬彦の表情は、次第に恍惚とし、目の色が蕩けていった。
酸素を求めて吐く泡か、それとも押し寄せる波のような快楽を耐えられないよだれであるのか、口の端は白く光っている。
振動の音が聞こえたら………そんな不安もとっくに失念し、腰を振る動作が、逃れようとするもがきに見えなくても構わない、とまでに至った。
熱っぽい吐息に交じって、喘ぎ声も漏れている。それも、もう気にならなかった。
幸いながら、解説を締める進夜の土間声が響いてそれを掻き消したが。
「相手の力が弱ったらしめたもの。こう状態を浮かせてその下に腕を入れて押さえつけると抵抗できない」
抱えられた頭部に引きずられ、少し浮きあげさせられると、進夜は空いた腕を伸ばし、冬彦の両手を背の後ろに回した。
「ヒ、ゥ………ァ、アァッ!」
冬彦は悶えた。関節をねじられる痛みにではない。意図せぬところに走った刺激のためだ。
固定されている上半身は跳ねた。胸をかすめて抜けていった太い腕に、感度が最高になっていた冬彦の乳首は押しつぶされ、力強く倒されたのだ。
絶え間ない刺激に染まり立っていたそれは、セーター越しに遠慮なくもてあそばれ、冬彦が味わった事のない快楽を突いていた。
638隣家の兄弟 5/8:2006/11/25(土) 12:21:17 ID:UR8AAeEP0
口の端からゴポゴポとこぼし、顎までたれてしとどに濡らしてしまっている。
吐く息は荒く、熱気がこもり、顔全体に湿り気を落としていた。
そして既に勃ち上がりかけているペニスも、衣服に染みを作る寸前まで、先ばしりの汁があふれていた。
誰も気付かない。白い意識一色に浸食されている冬彦自身も。
「んでここで相手の体躯を四十五度。床に向かって倒すようにすれば完………」
「さっすが、志水スペシャ………」
演舞の完了を、冬彦は最後まで聞けなかった。
快楽と窒息の限界まで味わった脳は、もう刺激は結構とばかりにあっさり意識を手放したからだ。

冬彦が気付いたのは、進夜の背中だった。
ゆっさゆっさと揺れる広い背中に、おんぶされているのだ。
周囲の景色から、自宅の近くだと分かる。
慌てて下りようとする冬彦に、進夜は首だけ振り返って言った。
「悪かったなぁ………冬彦。俺が悪い。全面的に悪い。
酔っていたなんて責任のなすりつけだ。俺が全部悪かった。すまんなぁ………」
ただひたすらにしょぼくれた様子で、謝罪の言葉だけを口にする進夜。
酔いは冷めているようだった。
639隣家の兄弟 6/8:2006/11/25(土) 12:23:19 ID:UR8AAeEP0
下腹部の異物感は消えていた。進夜の見えない位置で、暁が、首を横に振る。
多分、介抱時に「秘密」はばれていない、と言いたいのだろう。今さらな感があった。
とっくに進夜を許していた冬彦は、間もなくそれを打ち明け、相談するつもりでいるのだから。

男三人の食事が終ったのは、七時を回った頃だった。
暁は土曜のこの時間、民放の某講座の視聴のため和室に閉じこもる。
CMの時にふらりと台所に立ち寄るが、それも好物のココアを先に差し入れすれば、十分防げた。
流しでもたもたと洗い仕事をする進夜に………相談を持ちかけるのはその時しかない。
冬彦は手早くお湯を沸かし、ポットとココアの缶を盆に乗せ、和室に入った。
説明図が映し出される画面から、めずらしく暁は視線を外す。
唇を固く結び、冬彦は乱暴に盆を置き、顔を見ないようにすぐ立つ。
もっぱら「お前の悪事もここまでだ」と小気味よく沸く嬉しさを、隠すためであったが。
「ずいぶん、長い、お付き合い、ですね。冬彦君、とは」
襖にかかった冬彦の手が、その言葉にピクリと止まった。怒りのためだ。
何を言っているのか、この期に及んで。幼少時の記憶を思い出させて、人情に訴える?
馬鹿馬鹿しい。回想しても抱くのは、憎しみだけだ―――冬彦は薄く笑って目を閉じる。
「本当に長かった。新興住宅地で同じ頃引っ越してきて、はや十六年。長かった」
独り言のように呟き、答えを待たずに廊下に出た冬彦は、ピシャリと襖を閉じた。
「十六年。それだけ、傍にいて。気付かなかった、ですか。冬彦君………」
コタツに入って襖の向うに呼びかける暁は、肩を竦め、やがて画面に顔を戻した。
640隣家の兄弟 7/8:2006/11/25(土) 12:24:28 ID:UR8AAeEP0
真実を打ち明けると、進夜は強張った顔のまま、食器を落とした。
不器用な彼は、すでに数枚の皿を割ってはいたが。
エプロンを投げ捨て、真剣な表情で、顎に手をあて考え込む。
返してもらった写真を、証拠として出すまでもなく、冬彦の弁を信じているようだった。
深い兄弟の溝を、それは長い間考え、悲痛な面持ちで、進夜はしぼり出す。
「もっと詳しい話を聞きたい。俺の家に行こう」
血縁よりも自分の言葉を重く見てもらえた嬉しさに、躍り上がらん勢いで、思わずよろける冬彦を、進夜は頑丈な腕で受け止め、そのまま肩を抱くようにして、そっと山咲家を辞す。
寒寒とした志水家に、進夜は明かりを灯しながら上がっていく。
冬彦は逞しい腕の中でその行動を見守りつづけたが………ふと眉をひそめる。
「進夜の部屋って、二階じゃなかった?」
「重要な話をする。なのに鍵のかからない自室という訳にもいかないだろ」
奥まった廊下の先に、書斎だろうか。分厚い樫の木の扉があった。
隣人とは言え、冬彦が一度も立ち入った事のない場所だった。少しだけ怯む。
「どうした」
「うん、重々しい、入りにくい職員室の扉みたいだなぁ、って」
「そうか。そういうお前の顔を見るために連れてきたようなものだからな」
背の高い進夜の顔ははるか頭上にあり、え、と問い、冬彦が覗き込むその前に、進夜は背中を突き飛ばしていた。
ものすごい力につんのめりながら、冬彦は部屋に足を踏み入れる。
サァ、と顔から血の気が引く音と同時に、氷が背中に詰められたかのようだった。
641隣家の兄弟 8/8:2006/11/25(土) 12:25:33 ID:UR8AAeEP0
壁と言わず、本棚と言わず一面と止められている写真。
その全ては、冬彦の苦悶の表情であった。暁が隠し撮りをして、何百枚にものぼる―――
絶句し、倒れそうになる冬彦の双肩を、進夜は折れそうなほどに強く掴み、耳元に囁いた。
「俺ちっとも酔ってなんかいなかった。全部承知の上で寝技にもちこんだ。冬彦。お前知っていたか?」
衝撃のあまりの大きさに、冬彦の聴覚は既に働いていなかったのかもしれない。
うつろに開いた口、紙のように真っ白な紙で、こめかみを押さえ、いやいやと頭を振るだけだ。
「幼い頃、兄さんに、命令されてた。解剖した、虫の死骸、渡すの。理由は『冬彦の嫌がる顔が見たいから』だって。そして、今は」
いつの間にか現れた暁は、後ろ手に頑丈な扉を閉め、兄の後ろに控えている。
「苦しむ顔がいいんだ。気道をふさいだ今日の顔はなかなか良かった。俺勃ちかけていたかもしれないいや勃ってたな。うん。暁に命令して撮らせた顔はだんだん苦悶が少なくなってな。俺も暇が出来たしこれから加わろうと思ってな。手始めに精神的なものを打ち砕いてから」
ガチャンと施錠音。重々しいその響きを、冬彦は意識の端で耳にする。
耐えて、耐え抜いてきた日々。
心を守るために張った薄いガラスの防護壁が、パリンと砕ける感覚と共に、冬彦はへなへなとその場にくずおれた。
「これから、一年よろしく。お隣さん」
兄弟の声がハモった。

642風と木の名無しさん:2006/11/25(土) 12:26:04 ID:k8GkqAkKO
また隣家か…
643風と木の名無しさん:2006/11/25(土) 13:49:02 ID:bXkkPfW20
兄弟GJ!
受が完璧に不幸なENDって萌えるよー
644風と木の名無しさん:2006/11/25(土) 14:21:05 ID:MuwL48xW0
根本的に語彙力が欠如してる気がする
それが表現力のなさに直結してる
だから目がすべるし、何が起きて、
キャラが何を思っているかが伝わってこない
比ゆ表現が陳腐で読むに耐えない

文法的に間違っていなくても、文構造がくどいので読みにくい

まぁ、でも投下してご本人が楽しんでいればそれでいいんじゃない
ここは読み手のためだけのスレではないし
自分がへたなのはご本人が一番良くわかってるだろうしね
645風と木の名無しさん:2006/11/25(土) 15:09:18 ID:nvGMLfCRO
ここはいつから批評スレになったんだ?
646風と木の名無しさん:2006/11/25(土) 16:37:50 ID:QZiB7Lhx0
うおお隣家タン待っていたよ。GJ
647風と木の名無しさん:2006/11/25(土) 21:28:21 ID:6ItdmSKf0
隣家さん、乙!
これからキティクな日々が待っている冬彦タソの絶望っぷりに萌え。

801とは、801フィルターと801魂で萌えるものだ。
648風と木の名無しさん:2006/11/25(土) 22:50:10 ID:2K/Vef5r0
隣家GJって褒めてるけど、4が抜けてますよ、ねー、抜けてるよね。
あー不完全燃焼〜、やだやだ頼むよー。
649風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 00:07:36 ID:YX7yjqpP0
3が双子
650風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 00:10:35 ID:dSUdQsX7O
3がふたつあるから、我慢しなさい。
隣家タン、乙です。
弟の本心が明らかにならないところに萌えた。
先を想像したくなるよ
651代理戦争:2006/11/26(日) 04:59:41 ID:smxrZaZ70
投下します。
特に特殊な嗜好を含むプレイはありませんが、
代理そのものがダメな人はNGワード推奨です。
652代理戦争:2006/11/26(日) 05:01:52 ID:smxrZaZ70
「……ッ…う…ふぅっ……」
何も見えない。何も聞こえない。何処も動かせない。何も話せない。
当たり前だ。目隠しをされ、ヘッドホンを付けられ、拘束され、喘がされているからだ。

最早これで何日目なのか分からない――寝ても冷めても責め立てられているというよりは、
気絶するまで責められ、起きたら早々に調教開始といった具合で、
寝るか食うか善がるかの生活だったので日付など気にしていても仕方なかったし、
あの2人組も日程を特に組んでいる様子も無かったからだ。
気を失った後の重く苦しい眠りから目が覚めた時に押し込められている独房には、窓も時計も勿論無い。
しかもその後朦朧としているうちに連れ出され、策をめぐらせる前に責め立てられるものだから、
ひょっとしたら意図的に時の感覚を奪っているのかもしれない。

ここまで思考を進められただけでも称賛ものだ。
今日は目が覚めるなり目隠しヘッドホン拘束を施されて何処かに連れ出され、
移動中は何もされずにいたために、いつもよりほんの少し頭を働かせられる。
それに次第に後の孔に何かを挿入される刺激を苦痛と感じなくなってきた。
痛みに慣れてしまったとも言えるが、それより『順調に拡張が進んでいる』のだとあの2人組が言っていた。

恐ろしいことに、磨耗した神経はそれを聞いても激昂も悲観も感じなかった。
ろくな運動もしなかったために衰えた感じのある手足を眺めても、嫌悪していた自失の瞬間が訪れても、
上下の口を尊大な態度の男に犯されても、その様子を拘束服の男に眺められ揶揄されても、
諦観に似た重いものが呑み込んだ白濁と共に喉を降りていくのを感じるだけだ。
忘れてしまったわけではない。壊れたわけでもない。
ただ、代理戦争に関わったものとして潔く――
諦めただけだ。
653代理戦争:2006/11/26(日) 05:03:56 ID:smxrZaZ70
「それにしても埃っぽいなここは。上中流の会場とは大違いだ」
カギロイはまるで目の前の埃を含んだ空気を除けようとするかのように、掌を振った。
実際、そんなことで埃が払えよう筈も無いが。
だがその狭く、どこか黴臭い殺風景な小部屋――控え室は、
どう見ても普段カギロイの過ごす空間とは似ても似つかない。息を吸うだけで自分が汚れるような気がする。
居心地の悪さと、会場の管理の悪いスタッフ、そして会場を仕切る女主人にため息が止まらなかった。が、
「ンッ……んぅ…」
「ああ、悪かったね。少し考え事をしていたものだから」
鼻にかかった呻き声を――ある程度の意図を持った声を――聞いて、カギロイは意識をそちらに向けた。

そちら、とはカギロイが立っている下前方だった。
脚の下に付いているゴム片が磨り減っているのかガタガタと揺れて落ち着かない長椅子の上に、
跪くようにして全身を乗せた痩せ気味の青年が、拘束された身体を捻るようにしてカギロイのほうを見上げている。
「…………」
親指と人差し指で作った輪より一回り大きい球に穴を沢山開けた口枷を噛まされ、
透明な涎が球に開いた穴や唇の端から垂れて酷く情けない顔をしている。
一方で呼吸が苦しいのか、息が咽喉の奥やその上に引っかかって意図しない声を生み、
それが快感に押し出された喘ぎ声と交じり合い、えもいわれぬ淫らな効果音となってカギロイの耳を刺激する。
元々どちらかといえば険のある目つきだった左眼は、浮かべた涙で――そして『異』に増幅された性欲の所為で、
どろんと濁りきっていた。――それが、その鋭さの欠片も見えない視線が、またそそるのだが。

カギロイは傍に控えていた拘束男に目配せして、ヘッドホンを外させた。その上で、呟く。
「……で、どうして欲しい?ハダレ」
優しさすら感じさせる声音で呟きながら、尻から腰の辺りに指を立てる。
すると上の口の代弁だと言うように、後孔がカギロイをきゅうっと締め付けた。
654代理戦争:2006/11/26(日) 05:06:08 ID:smxrZaZ70

「言わなければ分からないだろう……ほら」
カギロイはじっとこちらを見つめたまま動かないハダレの腰を押さえると、
じっくりと時間を掛けて後孔の中の腫れたしこりを擦り上げた。
「っ!……ぅ…ぅう…」
カギロイが動き始めた瞬間、後ろ手に縛られて殆ど動かせない肩がびくんと跳ね上がった。
ほんの、ほんの少しずつ引っ掛かるようにカギロイが奥へ進むと、跳ね上げた肩はそのままに背筋がぐっと沈んだ。
体が柔らかいせいか、男が今まで調教してきたどの代理戦争の敗者よりも、深く、しなやかに反り返る背中には、
薄っすらと鞭打たれたような蚯蚓腫れが何本も走っている。
軽く爪を立てるようにしてそれを端から端までなぞると、限界に見えた背中の反りが更に深くなる。
そしてふっくらとした前立腺を過ぎる瞬間には、しゃっくり上げるような声と共にその背中がばねが外れた様に元に戻った。

「……ッ…っ……」
涸れかけた小さな悲鳴が、何度も何度もハダレの口元から滴った。
欲しいのに焦らされ、焦らされ、焦らされつくして、轡越しにも欲求を口にすることが出来ない。
既に恥を気に出来る段階は通り越していた。快楽が大好きな体が、声にならない悲鳴を上げてせっつく。

その時、長椅子を奇妙に揺らし奏でながら悶えるハダレにちょっかいを出しながら傍観していた拘束男が、動いた。
「……ほら、外してあげるから……言いなよ」
「〜〜〜〜ッ、ぁ……」
涎でべとべとのハダレの頭を胸に抱えるようにして、拘束男が口枷のベルトに手を掛ける。
後頭部に食い込むほど固く締められた留め具を外そうと、
そろそろ根本が元の暗い茶色に染まり始めた茶髪にそっと指を差し入れた。
乱暴にして髪を巻き込まないように、皮膚を傷つけないようにゆっくりと緩め、
「……ッ……っ、ふぁは……ッ!」
655代理戦争:2006/11/26(日) 05:08:44 ID:smxrZaZ70
ぴく、とハダレが痙攣する。大量の透明な涎と共に、蛍光色のボールが転がり落ちた。
それを拾い上げながら、拘束男は落ち着かせるようにハダレの頭を優しく撫でた。
「ああ、髪の毛抜けちゃったかな?大丈夫?…………って……」
ふと、怪訝な表情になる拘束男。
ひょい、と指を伸ばして「それ」を拭い、ハダレの目の前に突きつける。

「あーぁ、まーた頭撫でられてイっちゃったんだぁ?えっちぃ」
やや薄めの白濁の絡みつく人差し指と親指を擦り合わせながら、歌うような滑らかな口調でからかう。
達したばかりでヒクつく身体を緩慢に責められ、苦悶するハダレの口元にその指を運び、
唾液とそれを混ぜ合わせるように――さながら、水彩絵の具のように――、拘束男が唇を弄ぶ。
「こういう子にはまたお仕置きですよねぇ?ご主人様ぁ」
同意を求める甘えた声に、カギロイは口を開きかけ――


「残念ながらお時間なんですがね」
唐突に割って入った女の声に、拘束男が渋い顔をする。
女――この戦場を仕切る、例の女主人が不機嫌さを精一杯隠した奇妙な表情で、戸口のところに立っていた。
組織の幹部クラスが来るということで、いつもよりほんの少しいい衣装を見に纏ってはいたが、
その胸の内――自分の店を汚される不愉快さ――を相手によって隠すか否か変えない気風はいつもどおりだった。
「お客さんももう待ちくたびれてなさるし、こんな小汚い控え室でがたがたやらないで、
 早々に舞台に上がりなすったらどうかしら」
656代理戦争:2006/11/26(日) 05:14:18 ID:smxrZaZ70
その遠慮の無い言葉に、拘束男の雰囲気がすっと尖る。が、
「そうだね。分かった。わざわざ足を運ばせてすまない」
殺気が満ちないうちにカギロイがやんわりと返事を返した。ついでに、
「彼の最後の『舞台』の前だと思うと、こちらも落ち着かなくてね。ついつい長く遊んでしまった」
ずるりと自身を引き抜き、さっと身体を脇によける。
すると、カギロイのために死角になっていた長椅子の一部が女主人の視界に入った。
その上にたった今まで弄ばれていた性奴もどきの姿を認め、彼女は静かに無表情を凍らせた。

その表情の変化を心地よく思いながら、カギロイはさっと素早く身支度を整えた。
長椅子の端に掛けていた上着を取り上げ、肩に掛けながら拘束男に指示を出す。
「『ハダレ』の身体を清めてから、服を着せてやれ。眼帯も取り替えろ。
 視覚と聴覚を塞いだら、合図を待て」
「はーい」
拘束男が拗ねたような声で返事をするのを聞き届けてから、カギロイは女主人の脇をすり抜けて廊下へ出た。
女主人は彼を引き止めることも、咎めることも無かった。

廊下の突き当たりに、光の漏れる厚い扉がある。その向こうからは――歓声が聞こえた。


肌に触れる布地の感覚が、嫌に久しぶりのような気がした。
感触からして、捕らえられる以前に身に着けていた服と同じ類の物のようだ。だが、確認は出来ない。
視覚と聴覚をまたも奪われ、手首を体の前で拘束され、どこかに一人で立たされていて状況が把握できない。
このまま拘束を振り解けないことも無いだろうが、疲弊した神経がそうするなと叫んでいた。余計なことはするなと。
だがそれ以上に――異様なほど肌に馴染んだ、『空気』としか言いようの無いものをハダレは感じていた。
657代理戦争:2006/11/26(日) 05:16:20 ID:smxrZaZ70
皮膚を炙るような激しい熱情と、濛々と立ち上る熱気。びりびりと肌を振るわせる殺気立った空気。
一方で冷え切って、第三者の立ち入る隙の一片も無い冷たいフィールド。
温度差が体中の血液を巻き込み、胸を突き上げるような興奮に変わって――

「……………………!」

ここは、何処だ?


唐突に、視界が晴れた。同時に目の奥を突き刺すような痛みが襲ってきて、思わず顔を手で覆い――
「!?」
両手が自由なことに驚き、薄っすらと瞼を開けて両手を見下ろす。
眩いライトに視界が濁り、殆ど色の識別が出来ない。だが、両手をつなぎとめるものは何も無いのは分かる。
信じられない思いでゆっくりと両手を握る。
足元に視線を落とし、何も動きを妨げるものが無いことに呆気に取られる。
思わず口元に触れ、感触で分かっているはずなのに口枷を探す。無い。
肩から肘までを撫でながらもう一度視線を落とすと、自分が以前と同じ服を着せられていることに気が付く。

そこまで全身を確認してから、ゆっくりと周囲を見回す。そして愕然とする。
自分の居る位置だけがスポットライトのようなもので照らされている所為で、周囲は暗く、確認しづらい。
だが、明らかに自分の周囲を何百人もの興奮した人間が取り囲んでいる。
そして彼らよりも一段高い『舞台』――否、リングに自分は身をおいていた。

改めて押し寄せてきた懐かしい歓声と大音量のBGMに半ば呆然としながら、
ハダレは疑いようの無い事実に気が付いていた。

ここは、戦場だ。
658代理戦争:2006/11/26(日) 05:18:47 ID:smxrZaZ70
「気分はどう?」
掛けられた声に、びくっとと振り返る。そこには、目隠しとヘッドホンを手にした拘束男がいた。
数日間のおぞましい記憶の所為で、思わず一歩二歩と後ずさって距離を開ける。
拘束男はハダレからたった今取り去ったと思しきそれらをリングの下にぽんと放り投げると、眩しそうに笑った。
「懐かしい?」
ハダレは返答をせずに――わざと避けたのではなく、まだ返答できるほど状況がつかめていなかったのだ――、
辺りをぐるりと見回した。心臓がどくどくと激しく脈打っていた。
一度凍りかけたような心臓が跳ね上がるたびに、吐き気のような痛みがこみ上げてくる。
右を見ると、総立ちになった観客から罵声とも応援とも付かない歓声が浴びせられた。左も同じ。
正面には、暗い観客席を奥から仄暗く照らすようにバーが営業していた。動き回る人々で一杯の店。
そして自分のほぼ真後ろには、控え室からの廊下とこの空間を結ぶ――あるいは隔てるあのドアがあった。
余りに――間違いがなさ過ぎる。眩暈がする。

「……で、どーすんの?」
半ば悟りながら、しかし皮肉る気も、いわんや怒ったり怒鳴ったりする気力もなくぼんやりとハダレは尋ねた。
尋ねられた拘束男は薄っすらと目を細めた笑いを消さず、そっとハダレに近寄った。一歩、二歩。
そして、カギロイ――リングの下の、周囲から少し距離を置いた特等席についている主人を背に、立ち止まる。
ぴたりと止めた足をそろえてから、拘束男は唇を開いた。
「選ぶんだよぉ。俺か、ご主人様か。
 君がどっちかに勝てれば解放するって条件でご主人様はこの代理戦争を組んだんだ。
 ……まぁ別にぃ?見知ったお客さんとか、店のヒトに無様な姿を見せたくなければ辞めたって良いんだけど……」

たっぷりと余裕を含んだ妖しい口調で、拘束男が簡単にルールを説明した。
拘束男か、カギロイ。どちらか、ハダレ自身が勝てると踏んだ方と一戦交える。
武器はなし。『異』は使用可。致死は反則。
ハダレが勝てば自由の身に、負ければ観衆の面前でレイプショーかつ就職先が性奴に決定。
なんとも分かりやすいルールだ。
659代理戦争:2006/11/26(日) 05:21:09 ID:smxrZaZ70
↑ごめんなさい、これは2つ先(これを含め)です。申し訳ない。

――ハダレが解放の件を抜きにしても、元王者の威信をかけて断れない事も含め。
「……勝手なこったな……」
調教開始前のように元気に、自信たっぷりに皮肉ることは出来なかったが、
ハダレは流石に呆れてため息を漏らした。もう抵抗などしていないのに、今度はわざとその道を開く陰険さに。
その抑揚の少ない反応に、拘束男が小さく肩を震わせた。苦笑しながら、
「まぁね。所詮君は敗者だから。
 …………で、止めるの?それとも……」

ぱん、と。
破裂するような乾いた音が一発、戦場に確かに響く。まるで、銃火器が発明されたばかりの頃の戦場のように。
決して大きくも、人を威嚇する響きも含まないそれが、何故か――ざわついていた会場を一瞬黙らせた。
「誰がやめるっつった」
さわさわと漣が押し寄せるように戻ってくるざわめきの中、低く唸るような声が意思を告げる。
拘束男は覆面の下から覗く青灰色の瞳をほんのすこし瞼で覆って、眩しそうにハダレを見た。
少し肉が減り、骨張ったように見える拳をもう片掌に打ち付けたまま、こちらを睨むハダレ。足元に、解けた眼帯。
その両眼には先ほど控え室で陵辱されていた時の濁りは影を潜め、
スポットライトの光の下で掲げたナイフのような、鋭く美しく、引き込まれるような魅力的な力強さをたたえていた。

そっちもいいかもとうっとりと見つめる拘束男にむけて、ハダレは口を開いた。
そして唇を動かす前に拳を解き、片方の掌を天井に向けたまま肩の高さまで差し上げ――指先を蠢かせた。
くいくいと、二回ほど手前に指先を引いて誘う。
「リベンジ。――あんたが、オレの最後の戦場を飾る相手だ」

拘束男は少し驚いたように目を瞬かせた。が、すぐに満面の笑みを浮かべて、主人を一瞬振り返る。
なにやら確認でも取ったのか、一度だけこくんと頷くと、またハダレのほうに向き直った。
向き直った拘束男は身体を解すように何度か伸びをした。こきこきと関節を慣らすと、満足そうに告げた。
「最後の代理戦争が負け戦なんて――かわいそうに」
660代理戦争:2006/11/26(日) 05:23:15 ID:smxrZaZ70
ハダレが不愉快さを露に目を吊り上げる。それと同時に――
「ッ!」
殆ど一瞬で踏み込んできた拘束男の腕が目前に迫り、ハダレは交差させた両腕でそれを受け止める。
ずしんと重い一撃が、弱った膝を伝わってリングの床へと吸収される。苦悶の一瞬。
だが、
「っぁあ!」
追撃される前にその腕を捻って払い、絡まった腕をかいくぐって肘を突き入れた。鮮やかな一撃が拘束男の脇腹を貫く。

おおおおっ……!

観衆が軽い驚きにざわめく。まさか手負いのハダレからこんな技が決まると思わなかったのだろう。
そのざわめきを懐かしく思い、肘から薄い皮膚の下のあらゆる組織が衝撃に揺さぶられる響きを感じながら、
ハダレは恍惚を覚えていた。今まですっかり忘れていて、つい一月前まで当たり前だったその興奮を。
相手を倒さなければこちらが倒される。負ける。死ぬ。
強迫観念にも似た一種の言い訳を唱えながら、ハダレは追撃をかけた。

一撃ごとに、砕け、拉げ、潰れるのに似た音がする。
――似ているだけで、無論本当にはそんなに壊滅的なことにはなっていないけれど。
もう十数回は殴っただろう。蹴っただろう。打っただろう。
だが止まらない。抑圧されていた支配欲が一気にあふれ出し、ハダレ自身ももう収まりが付かない。
それに敵はあの拘束男で、どうしても負けるわけに行かないとなれば、別にどうもしなくてもいい気さえした。
カギロイが慌てるほどに拘束男をぐちゃぐちゃに殴り倒して悠々と去れば、
少しはこの陵辱されつくした心と身体を癒せるだろうという幻想が、ハダレの脳内を駆け巡っていた。

ウスライは、来ない。自分しか、信じられない。裏切られたというには、浅すぎる関係。
――胸を突くような痛みが、ハダレの拳を振り上げさせた。
661代理戦争:2006/11/26(日) 05:25:31 ID:smxrZaZ70
馬乗りになって、拳を血に染めること三十回は過ぎただろう――と、言う時だった。
流石にハダレも息を切らし、汗が全身を湿らせていた。全身が軋む。額には前髪が張り付き、うっとおしかった。
拳をとめ、衝撃に痺れる右手でそれを払おうとした――その時。

ぎり、とその手首を握り締める白い腕があった。

はっとして振り払おうとするが、吸い付くような奇妙な強さで握られたその腕は、くっついたように離れない。
「何……」
焦燥に駆られて見下ろすと、そこには拘束男が未だ横たわっている。
血まみれで、緩んだ覆面の間から薄っすらと――笑みを浮かべて。
「ッ……!?」
「甘ぁい」
思わず腰を浮かせたハダレに、拘束男はその腕を握り締めたまま捻って横へ払う!
「っ、がッ!」
だん、と音を立てるほどにはだれは激しく床に打ち付けられた。弱った筋肉が衝撃にすくみ上がる。
慌てて身体を起こそうとすると、
「ぅうッ!ぁ!」
素早く起き上がった拘束男に腰を蹴られ、背を踏まれた。肺が無理矢理圧迫されて、空気を出してしまう。
呼吸が乱れる。自分のリズムが崩れ、拘束男のそれに同調してしまう。――逃げられない!
苦し紛れに床を引っかくように前へ逃げようとすると、あっさりと片腕を引き剥がされた。そして、
「ッ!!」
「はい、終了〜」
後ろへ捻り上げられ、肩と肘を同時に極められる。身じろぎすると、頭の中で警鐘が鳴る様な痛みが走り抜ける。
662代理戦争:2006/11/26(日) 05:27:33 ID:smxrZaZ70
「……く……くそぉっ………!」
余りに短い時間の間に致命的なことが連続して起こり、
『異』を孕んだハダレの精神は冷静に判断するどころではなかった。往生際悪くもがき、痛みに沈黙する。
そんなハダレの様子を見下ろしながら、拘束男はふう、と一息ついていた。
あれだけハダレに殴られ、蹴られ、ダメージが皆無かと聞かれればそれは嘘だ。実際、額と唇が切れて血が出ている。
だが、元々完全ではない『異』の上、その本質も扱い方も学んでいないハダレを――しかも怪我と調教の所為で、
ここ一月余りはろくすっぽ身体も動かしていないハダレの拳など、仔猫に引っかかれたようなものだ。
余裕な様子で、掴んだ腕の骨張って細い感触を楽しみ――

その顔が歪む。覆面が、殴られた衝撃と血の滑りでずれて来ていた。視界が塞がれ、邪魔なことこの上ない。
顔面を伝う血を拭うついでに、それを取って観客席の方へ放る。
と、観客の一部から歓声が上がった。拘束男の顔の造作が、カギロイの性奴として納得できるほど魅力的だったからだ。

万人受けする絶世の美形ではないものの、綺麗に閉じた目尻は優しげで落ち着いていて、
鼻梁がすっと通り、頬は白く滑らかで、血を舐め取る赤い舌が覗く唇は少しだけ厚めで、艶かしい。
虐めたり壊したり、または人形のように自由にして楽しむ性奴ではなく、
理知的な言動と、主人に寄せる絶対の信頼を持ち合わせ、セックスの楽しみ方を知っている、高度で可愛らしい奴隷。
奴隷趣味のあるなしに関わらず、一度はどきりとさせられる存在。それが――カギロイの作る、性奴。

だが、拘束男はそんな歓声に興味は無かった。
今すべき事はハダレとの勝負を決めてしまうことだったし、それによって与えられる主人からの褒美と
歓声を比べた所で、腐りかけの残飯と高級コース料理程の差があったからだ。
拘束男は後ろからハダレの耳に唇を寄せて――囁く。
「ゴメンナサイはぁ?」
663代理戦争:2006/11/26(日) 05:29:39 ID:smxrZaZ70
「ッざけんじゃねぇ、誰が――ッ!」
久方ぶりの興奮に目が覚めたのか、それともこれは『異』の欲に飲まれているときの地なのか。
調教前のように激しく噛み付くハダレに、拘束男は間髪入れずに腕を引っ張った。ハダレの声が一瞬くぐもる。
その隙を狙って――拘束男は、ハダレのベルトに手をかけた。
「!?く、そっ………ッ!」
ハダレが違和感を感じた時には、ずるっと身体を傾けられるような感覚がして、ベルトが抜き取られていた。
抵抗しようと全身に力を込めた時には、下着と一緒くたにジーンズが腿の半ばまで押し下げられていた。
実際に脚をばたつかせた頃には――
「ン、ぁあ!ひ……ゃ、め…」
拘束男の指が下肢の間に潜り込んで、何かを後孔に押し込まれていた。
ぴりっとした刺激が周囲の皮膚を噛み、ハダレは罵声を呻き声に変えた。
「……痛ッて……ぃ、な、に…入れ……」
「んー、ローション。塊になってて、体温で溶けるやつ。戦場でちんたら慣らしてられないしぃ」
「なっ……」
ハダレが血相を変える。そして周囲を素早く見回し、
「……………………………!退けっ!退けよ!!」
好色な『視線』――そしてそこに含まれた、下卑た欲望の数々に耐え切れずに、絶叫する。
一瞬味わった勝利に程近い興奮に忘れかけていたようだが、しかし、
ハダレが『謝罪』を拒絶して負けを認めない以上、ここではタコ殴りにされようと、犯されようと仕方が無い。
「嫌なら謝ればいーじゃなーい。ほらぁ」
「ぃ、や、だぁ……ッあ…!…」
聞き分けの無い生徒を諭すようにあっさりと告げる拘束男を睨みつけようとした瞬間、
体内に押し込まれた塊が熱でとろりと溶ける感覚がハダレの身体をぎくりと強張らせた。
それに続いて、潤滑剤と化した塊が後孔の圧力でゆっくりと出口まで下っていくなんとも言いがたい刺激に、
もっと長く続くはずだった罵詈雑言が、口から出る前に呻き声に変わる。
出すまいと力を込めると逆効果なのか、最初よりは圧迫感の減った塊がつるんと下って――
「ぁ……っ、ぅ………ぁ、ああ!?あ、や」
664代理戦争:2006/11/26(日) 05:31:46 ID:smxrZaZ70
太くて熱くて、そのくせ生々しい何かに一気にそれを奥まで押し返され、呻き声が更に悲鳴に化ける。
滑るように奥まで入り込んだそれは、その様子と見合わない苦しみをハダレに与えた。気持ち悪い。息苦しい。
「……う…ぅっ……」
ハダレは苦しみを誤魔化す様に――最早、逃れようとはせずに――、額を床に擦りつけ、身体を屈めた。
その耳元に向かって、
「……ッ…いきなり…俺の、入れても、全然中固くない……最初とは、ぜぇんぜん違う……
 気持ちいいよぉ、……ハダレぇ」
少し上ずった蕩けるような声音で拘束男は囁いた。自分が抱かれているかのように、甘い声音で。
ちょっと滑りを加えただけなのに、いい具合にきゅうきゅうと肉棒を絞り上げるハダレの中は、実際とても心地良い。
拘束男はハダレに快楽を与えることで更なる締め付けを得ようと、ゆっくりと突き上げを始めた。
「……ゃだ…っが、あっ!あ…あ、あぁ!」
それに対してハダレは嫌悪するように、ますます額を擦り付けた。

実際、カギロイによる熾烈で甘美な調教を受けたハダレは、見違えるような変化を遂げていた。
外観はストレスによる食欲の減退で余り良くはなっていないが感度や性技の習得具合は上々で、
特に後孔の拡張具合は早急な挿入にも耐え、かつ程好い締付けを味わえるという絶妙さに仕上がっている。
精神の方さえ折れれば、身体はすぐに出荷しても申し分ない状態――逆に言えば、
体がどれほど快楽を望んでも、何時までもしぶとく理性を取り戻してしまうという厄介なことにはなっているが、
この代理戦争仕立ての公開調教を乗り越えた奴隷材料など、かつて存在しない。
事実上、この段階がハダレの調教の最後の山場といっても過言ではなかった。

その所為か。
カギロイは自分の最愛の奴隷とそれと雰囲気を良く似せた奴隷材料がリングの上で絡み合うのを、
常に無い熱い視線で見つめていた。
――もしもいつも程度に冷めた眼差しでいられたら、もう少し何かが違っていたかもしれなかったが、
それは誰しもが与り知らない事である。
665代理戦争:2006/11/26(日) 05:33:48 ID:smxrZaZ70
「あっ、ぁう、ん!…んんッ、…そ、……そこ、ぁ!」
一方の舞台では、拘束男の性器の大きさに馴染んできたハダレが、調教の成果どおりに快楽に悶えていた。
丁度イイところを捏ね上げられているのか、しきりにそこ、そこ、と鳴きながら訴える。
既に拘束男はハダレの腕を解放していたが、脱力した身体は腰を高く上げて脚を広げ、攻め手の成すがままだ。
ハダレは相変わらず額を床に付けたままで揺さぶられている。
おそらく、その姿勢のまま目を開けば、見えるはずだ。
――自分と同じ、若い雄の肉棒に一杯に広げられ突き上げられいやらしいローションの涎を垂らす後ろの孔と、
なだらかに割れた腹筋に粘液で快楽の証を描く自身と、紅く染まって拘束男を欲している全身が。
「……あれだけ、怒鳴ってたのに…ん……現金なんだからぁ……。
 分かったでしょ、……ぅ…自分が、気持ちイイの、……大好きなのさぁ」
「……ぁ…!……うぁ……ひゃ…ぁっ…あーッ…!」
そう囁かれながら、何処ともいえぬ全身を――鎖骨、両方の乳首、臍、足の付け根の窪み、背中、尻、そして肉棒、
各所をじっくりと撫で回されると、もう声にならない欲望そのものが咽喉を駆け上がって口から漏れ出た。

――堕ちる。

「ッ、ああああッ!ぁあ、ああぁ!……ぁ、…ぁあ……っひゃ………ぁ…」
咽喉を引き裂いて飛び出た悲鳴につられる様に、ハダレは白濁をぶちまけた。
包み込んでいた拘束男の指から溢れ出るようにとろりと零れ落ちたそれは、
ついさっきまで控え室でも犯されていたものとは思えないほど濃く、粘っこかった。
「……ん、んん……ッ!」
拘束男も、絶頂の締め付けに誘われるように達してハダレの中に存分に射精する。
「……っ、…………ぃ…、……」
たっぷりと注がれた精液が、ハダレの中に残っていたローションと絡み合って奇妙なマーブル模様を描く。

それが、拘束男が出て行った後の少し開き加減の後孔からつぅーっと垂れた。まるで、誘うように。
もっと欲しいと、強請るように。
――何時もは歓喜で一体となる会場が、矛先をリングに向けた尖った興奮で沸き立った。
その様子を観察していた拘束男が、やおらハダレの前髪を掴んで顔を上げさせた。
666代理戦争:2006/11/26(日) 05:36:04 ID:smxrZaZ70
おおおおぉぉぉぉぉぉぉ…………と、ざわめく様な薄い歓声が広がる。
ハダレの浮かべた蕩けるような快楽の余韻と、微かな嫌悪と、大いなる歓喜の後の気だるげな表情が、会場の欲をそそった。
が、拘束男の狙いはそんなところにはなかった。
静かに、しかし確かに、彼はハダレの耳元に言葉を注ぎ込む。

「君の右眼は今何を見てるかなぁ……ほらぁ、ちゃんと視て。一番前のあのモヒカンの人、凄く君を軽蔑してる。
 あんなに強かったのに……って。だけどよぉく視ると、君のいやらしい様子ばっかり思い出してるでしょ……
 その後ろのおじさんは、ぁあ、もう君を犯したいしか考えてないねぇ。
 隣のグループは……って、あーあ、普通の眼で見てもわかる。完全に勃てちゃって……
 わかってるかなぁ?全部、今君に向けられてる『本当の気持ち』なんだよ……?」
「……………………………ぃ」
ひくん、とハダレの表情が揺れた。
その右の眼――視線を合わせる事で心の奥底まで視る『異』が、この世の欲の掃き溜めを全て受け入れる。
持ち合わせさえしなければ永遠に味わうことのなかった、他人の感情がそのまま流れ込んでくる嘔吐感と異物感。
――止めて。視せないで。
「…………ひ…ッ……」
「汚いよねぇ、醜いよねぇ?厭らしいよねぇ?――ほら、顔を背けちゃダメ。全部視て」
思わず背けかけた顔を、前髪を掴みなおされて元に戻される。
――気持ち悪い。酷い。
「君が舞台で犯されている間、誰か助けてくれた?誰か、こんな事止めようなんて言ってたかなぁ?
 ……だぁれも、居なかった。皆興奮して、好き勝手なこと思って、いやらしい妄想しちゃって、
 結局助けてくれるどころか、皆今こうして君を犯したいとか考えちゃってる」
――誰も、助けてくれなかった。気持ち悪い。悲しい。
「もう良いんだよ、頑張らなくて。君が幾ら抵抗しても、誰も喜ばない。…………受け入れれば、楽になれる」
667代理戦争:2006/11/26(日) 05:38:12 ID:smxrZaZ70
「…………」
首を振った気がする。横に二度。二度という数に意味はないけれど。
だが、もう引き返せない気がする。
罵詈雑言や淫猥な事を言葉という一種の緩衝材に変えることなく迎え入れた心が、悲鳴を上げていた。
そして一方で、楽になれるという言葉がやけに魅力的に脳に届いた。

「――――――――――――、ハダレ」
何を言われたのか、分からなかった。誰に言われたのか、分からなかった。ただ、最後に愛しそうに名前を呼ばれた。
それでよかった。
彼は壊れた。

ハダレと拘束男の絡みが一段楽した所で、カギロイはその席を離れていた。向かうはリングの上。
最後に『異』を使って精神的打撃を与えている間は、ハダレを攻めて観客を満足させることは出来ない。
ほんの少しだが、ただ待たせておくだけでは不自然な程度の間が必要だった。
カギロイは簡単な挨拶――ハダレを注文主以外に売り出すつもりがないという事も含め――で時間を稼ぐつもりだ。
それでも間が持たないようなら、適当に拘束男をいたぶっておこう。
ちょうど、2人の絡みを見ていて興奮が胸に溜まっていた頃だ。適度にサディスティックな趣向を凝らせば、
観客にとっていい見世物になるだろう。適当だが、順当な計画だ。

カギロイはゆっくりとリングに上がる小さな階段に足をかけた。
一歩一歩、登るごとに胸に満足感や充実感がふつふつと湧き上がり、天井の眩しいライトに照らされ昇華して行く。
途中で、彼の最愛の奴隷がこちらを見てにこりと笑った。――上手く行ったらしい。それを見て微笑み返す。
戦場にそぐわない優雅な足取りと高い靴音を響かせながら、カギロイは舞台に立った。
この代理戦争の仕掛け人であるということに眩暈のするような支配感を覚えながら、ゆっくりと口を開く。と――
『!?』

全員が騒然となった。会場が暗転したのだ。
668代理戦争:2006/11/26(日) 05:42:27 ID:smxrZaZ70
が、すぐに復旧する。……いや、復旧というにもおこがましい、ただの演出だ。
リング上は再び目映いほどの明るさで、満遍なく照らされて――

カギロイは眉をひそめた。リング上に、一箇所だけ暗転した時の闇を置き去りにしたような空間がある。
戦場の広さと照明の明滅で一瞬眩んだ眼には、それが何だか分からなかった。
だが――その闇が口を利いた。平坦で、抑揚の無いながらしっかりと芯のある声音が、馴染みこそしないが忘れられない。
それでカギロイはそれが『誰』であるか把握した。


「彼を返して頂きに参りました――兄上」

「……ウスライ……」
カギロイの瞼がひくんと上がった。舞台の下に群がる男達には分からないほどの動きだったが。
正直なところ、彼は意表を突かれていた。
まさかあのウスライが――自分の保身の為には何者をも切り捨てて来た男が――この場に戻ってこようとは。
特に、ここは戦場だ。この場で無理矢理ハダレを拉致しようにも、舞台の周囲は人で埋め尽くされていて無理だ。
更に場の雰囲気的に、青年の堕落する様子を見ていたいという方向で合致している。
決して行儀のいいとは言えない彼らの前で、そんな事をすればどうなるか――
分からないほど、弟は盲目的になっているのか。ハダレのために。

「お前も人の子だね、ウスライ。
 十日と少し過ごしただけのこの男のために、今まで必死に守ってきた己の身をむざむざ危険に晒すか。
 恋でもしたのか?それとも最早手放せないほどに具合が良かったのかい?」
マイクを受け取る前だったので、会話は舞台の上から漏れ出るほどの大きさではない。
だが、逆に歓声にかき消されるほどの小ささでもない。しっかりと、ウスライに届いているはずだ。
しかし、揶揄にウスライは全く反応しない。
669代理戦争:2006/11/26(日) 05:44:30 ID:smxrZaZ70
「だんまりか。兄に図星を突かれて言い返せないというわけでもないだろうにね。
 ああ、そういえば、彼も随分必死だったようだ」
ちらりと一瞬だけ視線を倒れたままのハダレに遣って指示語の指す先を示してから、
「お前を随分慕っていたよ、彼は。具体的な言葉にはしなかったが、内心では相当にね。
 ――まぁ、それも私がお前の本性を教えてやる前までだったが」
今度は、ウスライの瞼がひくりと動いた。同時に、その手が黒い例の袋を強く握りなおす。

――まだ、だんまりか。ならば……と、カギロイが口を開いた時だった。それより早く、ウスライが言葉を発した。
「単刀直入に、再度申し上げましょう。ハダレという青年を返して頂きたい」

「駄目だ」
カギロイの切り返しはあっさりとしていた。
「彼は一度といわず、今さっきも代理戦争で敗北した。彼の身分は今誰にも保証されていない。
 言い換えれば、彼は存在しないも同然なのだよ。存在しないものの権利を、誰が認めるというのだい?」
優雅に掌を返す仕草を自然に行いながら、カギロイは言葉を続ける。
「それに、だ。彼は既に調教の大部分の過程を施した、大切な性奴の材料だ。
 引き取り手も最初から決まっている。今更替えなど効く訳が無い。彼の値段を知っているか?
 お前があの辺境の田舎では手にすることの一生ない額だ。 そんなものを、おいそれと返すことが出来ると思うのかね?」
当然の――人として、様々なものが欠落しているが、当然の答えをカギロイが口にする。が、その上で、畳み掛ける。

「思いません。しかし此方とて退くに退かれぬのです。――我が東方士族そのものより下された命令ですので」
「なに……?」
カギロイは思わず掠れた様な声で疑問を唱えていた。訳が――分からない。
「はい。文字通りの意味です。我が東方士族そのものが、彼の……ハダレの保護を命じました」
カギロイはハダレを振り返った。眉をひそめながら、
「彼の素性が一通り調べた。彼がそんな深い縁で国と関わっているはずはない。
 それに、彼は彼の血族の『異』だ。これこそ、逆に言えば何の関わりも無い証拠だ……何を考えて…………」
670代理戦争:2006/11/26(日) 05:46:35 ID:smxrZaZ70
「ハダレには……我が東方士族と、ある意味で私よりも深いつながりが在ります」
混乱するカギロイを透明な視線で見つめながら、ウスライは告げた。呟くような、弱い声音で。
カギロイが多分に訝しげな視線を向ける。おそらく、続きの言葉を予想することは彼には出来ないだろう。
それを普段なら多少勝ち誇りでもするが、今はそんな気分ではない。
――出来ることなら、知らないでいたかった。彼が持っていないものを、ハダレが持っていたなど。
「彼は……ハダレは、…………東方士族筆頭、つまり私達宗家の『異』の保持者です」

後から思い返せば、これ程カギロイがみっともなく顔を強張らせて愕いた様など見たことが無かった。
まるで幽霊にでも逢ったかのような、奇妙に笑える表情を浮かべ、呆然と呟く。
「…………………何……だと?馬鹿な事を……」





↑ここまでです。
671風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 06:04:36 ID:YX7yjqpP0
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!
どんでん返しktkr
代理タン禿乙!!
ラストwktkして待ってる!
672上京作者:2006/11/26(日) 09:22:48 ID:lDBPsq1iO
管理人さん宛でよろしいでしょうか。
したらばにも書きましたが上京は
末尾0作品
なので栞とまとめの対象にしないようお願いします。
673風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 10:41:29 ID:zN9P0lFMO
ハァハァハァハァ(*´д`*)
代理タン乙!
ラスト楽しみに待ってる!
674風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 10:49:31 ID:62q9nexSO
代理タンGJ!ハダレ墜ちたハダレハァハァ
本当に次でラストか…物凄く寂しいけどオチも気になる…!
675風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 11:06:50 ID:k+fFWoj8O
代理タソ待ってたー!!
676風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 12:30:45 ID:xuE9ArTFO
またまた長い代理様の登場か。相変わらず長いですね。いつ終わるのでしょうか。
677風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 12:38:43 ID:cqvVDmhE0
>676
スレのある限り続くんでね?
話をまとめて終わらせる能力がなさそうだからさ
678風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 12:40:20 ID:8tyLRd4AO
代理タン待ってたよ!
調教直後でも戦うハダレ(*´д`)ハァハァ そしてウスライktkr
終わってしまうのもったいないけど次回も楽しみにしてます!
679風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 13:30:47 ID:laq7E5HuO
孤島&ドドの祭を見ていてもたってもいられなかったんだろうね…
残念だけど両者の作品の半分にも及ばないよ。
少しも面白くない。
とっととラスト投下して消えてくれ
680風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 13:50:24 ID:vALBn9nYO
孤島&ドドの祭り??
何をいまさら。前々スレの話なんか持ち出して必死にww
代理たん乙です!
ラスト楽しみに待ってます!!
681風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 14:06:48 ID:xuE9ArTFO
代理=代理乙信者。
自作自演とはまさにこのことだな。
682風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 15:26:56 ID:vGWj3x2+O
何をそんなに粘着して全ての人気作品叩きまくる必要があるんだかわからん…(´・ω・`)
嫌いならスルーしとけば良いし…本当に解らない
683風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 15:30:32 ID:OTH5wgqN0
>>682
嫉妬だろ。これに尽きる
684風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 15:49:04 ID:u0HPk2bc0
代理は自分も早く終わらせて出て行って欲しいが

>682
自分以外の作品に人気が出るのが嫌なんでしょ
したらばの書き込みを見て気持ち悪くなった
リレーに参加した書き手さんまで貶めて、
人間として最低だ
ラーゲルが叩かれるのは文章に下劣な人間性がにじみ出てるからだと思う
685風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 16:14:54 ID:vALBn9nYO
携帯から短めのSS投下するのはNGでしょうか?
したらばで、栞の件&携帯からの投下の件の決着がつくまで、
待ってから投下した方がいいでしょうか??
アドバイスお願いします。
686風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 16:38:51 ID:UbucqnY00
>651
代理タン 禿乙!
やっぱりハダレは戦ってるときがカッコイイね。
リング上で犯されてるところまでオトコマエで、惚れ直した。

でも壊れちゃったのか(´・ω・`)
とにかく続き楽しみ。期待してる!
687風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 16:57:28 ID:UbucqnY00
>685
個人的には、構わないと思うけど。
仮に荒らしの作品でも、作品は作品だし。
長ければサイト作れと言い、
短かければ禁止するというのは、馬鹿みたいだ。
688風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 17:04:40 ID:/CKvtSzA0
>685
気にせず投下すればいいと思う
もともと気軽に投下するスレだったと思うけど
いつから携帯はダメやら短いとダメやら言われるようになったんだろう
689風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 18:00:44 ID:OQpgPWaa0
正直短い方が気楽でエエ
690風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 19:44:01 ID:dSUdQsX7O
長い作品とはまた別の楽しみなので、是非。
691風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 19:46:57 ID:gyZcqhBA0
>>672
118@まとめです。
管理人さん宛というのが、まとめサイトの、ということだと思いましたので。

上京作者さんのIDは今も投下当時も末尾が全角ゼロです。
>末尾0作品
とおっしゃる意味がよく分かりません。
ID末尾が0(全角ゼロ)か0(半角ゼロ)かの違いは、
パソコンからの投下か、携帯からの投下の違いだと聞いています。

現在、118@まとめ本人は、作品別まとめの登録や更新は停止しています。
118@まとめ本人の希望としてはしおりは風と木の名無しさん以外の、
>>1
>・続き物の場合、簡素な物で構わないのでシリーズ名を書き添える事。
これの抜粋と考えていますので、出来れば対象とさせていただきたいです。
>末尾0作品なので
とおっしゃる前提も良く分からないので。

ただ、理由はどうあれ、どうしてもとおっしゃるなら無理にはしません。

これまで管理作業の一つとしてしおり作成を楽しみになっていたのですが、
見ている方々もスレの全部目を通すのは大変なので、
しおりを楽しみにしているのではと思っています。
考え直してみてはいただけないでしょうか。
692風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 21:17:34 ID:vALBn9nYO
アドバイスありがとうございます。
投下します!
693閉店ガラガラ:2006/11/26(日) 21:22:26 ID:vALBn9nYO
鈴木さんは同じ芸能事務所の先輩俳優だ。
歳は同じだが、おむつのCMでデビューし、子役からのしあがってきた鈴木さんの芸暦は25年。
僕とは20年の開きがある。仕事で共演したこともなく、僕の感覚では雲の上の人だ。
突然、僕らが趣味で音楽活動をしていた事に目を付けた事務所の幹部から、
鈴木さんとデュオを組んでみないかと言われ、僕は戸惑った。
25歳を越えアイドルめいた事などしたくない。趣味は趣味だし、僕は今は演技に集中したかった。
だが鈴木さんが乗り気だった事もあり、話はデュオ結成の方向で進んだ。
レコード会社がなかなか決まらなかったり、ポピュラー・ミュージックをつくりたい僕と
スピーカーの奥のそんな誰も聴いてないよという様なところまで拘る鈴木さんとが、
ぶつかったり、どちらも音づくりは好きだけれど、詞を書くのは苦手な事が判明したりと、
トラブル続きではあったけれど、僕らはなんとかデビューした。
俳優専門のうちの事務所は、音楽番組の制作サイドに伝手がなく、
なかなかテレビ等には出られなかったが、鈴木さんが主演を努めた映画の監督が、
僕らのプロモのメガホンをとって下さり、それが話題になった。
694閉店ガラガラ:2006/11/26(日) 21:23:47 ID:vALBn9nYO
いつか映画に呼んで貰いたいと常日頃思っていた、憧れの監督がプロモを撮ってくださった!
それだけで僕はデュオを組んで良かったと思えた。けれど、プロモが話題になったのは、
カンヌで賞をとった事のある監督のネームバリューだけでなく、
鈴木さんと僕のキスシーンがあったのも大きかったらしい。
事務所の戦略で僕と鈴木さんはプライベートでも仲が良い事になっている。
ジャケット撮影の際は並んで立つのではなく、寄り添えと指示され、
女性誌の取材等では、そこはかとなく互いに気がある事を滲ませろと言われた。
その様に装い演じきった方が、女の子に注目してもらえるのだそうだ。
プロモの撮影でも僕らは絡まされた。鈴木さんと僕は恋人同士を演じ、背の低い僕は
長身の鈴木さんに伸び上がってキスをした。僕らのデビュー曲はラブソングではなく人生の応援歌だ。
困難に立ち向かうこと、諦めずに頑張ることを歌っている。
監督は「マイノリティーのためのキャンドル」をテーマに、
プロモでは、男×男の恋に焦点を当てたのだと言っていた。
役に成り切っていたから、鈴木さんも僕も、ためらいなく互いの唇を吸えたのだと思う。
素面では恥ずかしくて無理だった。
695閉店ガラガラ:2006/11/26(日) 21:25:06 ID:vALBn9nYO
鈴木さんと僕は、互いの携帯のアドレスも知らないし、
プライベートで食事をしたこともないが、音楽活動におけるパートナーとしては、
まあ、うまくやっていた。雑誌の取材の際は口下手な僕にかわって、鈴木さんが喋ってくれたし、
レコーディング中、鈴木さんがエンジニアさんや、
サポートのミュージシャン方にきれた時は僕がフォローした。
一緒に仕事をする上での礼儀だと思い、鈴木さんの過去の出演作にはすべて目を通した。
かわいい赤ちゃんだった鈴木さんが、絶世の美少年に進化し、
男前の演技派俳優に化けてゆく様に僕はぞくっとした。
数日後、僕のドラマの撮影現場に鈴木さんが遊びに来たとき、僕は本当にびっくりした。
その日は僕の誕生日で撮影後、スタッフさんや共演者の皆さんがお祝いをしてくれていた。
隣のスタジオで撮影していたという鈴木さんが、花束を抱えてあらわれたとき、
スタッフさんが本当に仲がいいんですねぇ〜と繰り返していたけれど、
気が動転していた僕は、首を横に振りながらただただ、どぎまぎしてしまった。
帰りしなこれから二人で呑まないかと誘われ、
断る理由はなかったのだけれど、僕は極度の緊張のあまり、また首を横に振ってしまった。
明らかに気を悪くした鈴木さんに、強引にタクシーに連れ込まれ、
鈴木さんのマンションで一夜をともにしてしまった事を
僕は正直はやく忘れたい。鈴木さんが熱燗をつけてくれ、近々ライブをしたいね。なんて語りながら呑んだ。
そろそろ、と、おいとましようとした時、僕は押し倒された。
みぞおちに鈴木さんの拳を受け、気づいた時はベッドの上。服は着ていなかった。
以前、僕は映画でゲイ(ネコ)の青年役をやったことがあり、
役作りの際、男同士の性交のイロハやもろもろの事を二丁目の方に教えて頂いた事がある。
鈴木さんの視線が僕の中心に注がれているのを見た瞬間、口淫されるのだとわかった。
逃げようとした体を押さえつけられ、僕は中心を含まれた。
696閉店ガラガラ:2006/11/26(日) 21:26:35 ID:vALBn9nYO
先端をしゃぶられ、自分でするときも夢中になって擦ってしまう裏筋を舌先でくすぐられる。
事務所の先輩だと言うことも忘れて、僕は鈴木さんを罵った。
罵りながら何でこんなめに合わされているのか考えようとした。けれど駄目だった。
たまらなくて一度いってしまった僕のものを、ローション代わりに亀頭になすりつけ、
鈴木さんは掌を窪ませ、僕の張った先端を、くるくるくるくる摩擦した。
痛かった。いって直ぐの敏感なそこに与えられた激しい責めに僕は悶絶した。
先がひりひりする。熱い不快感に僕は高校生の頃受けたいじめを思い出した。
女子の前でパンツを奪われたこと。放課後、ローションまみれにされ、吐精するまでスポンジで前を擦られたこと。
惨めさと辛かった日々が胸によみがえり、僕は痛みに呻きながら必死で暴れた。
誕生日にこんな陰湿な事をされるほど、鈴木さんに疎まれていたのも物悲しかった。
両腿が痙攣する。体の震えが止まらない。僕は精を噴き上げながら泣いた。
一夜明け、亀頭を責め立てられ、鈴木さんへの恐怖で体を強ばらせていた僕に、
鈴木さんは、告白するのを忘れていたと微笑んだ。
次は最後までしような。と抱き締められたけれど次はない。
陳腐過ぎるよ。笑えない。僕は鈴木さんに対してシャッターをおろした。

おしまい
697風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 21:39:13 ID:xuE9ArTFO
タイトルが某芸人を思い出させるので却下
698風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 22:44:26 ID:TLzxDfXX0
棚で見た気がするんだが…
699風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 23:05:36 ID:Co8xQJ+L0
>698
棚のどの板が教えて欲しい
700風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 23:12:43 ID:vALBn9nYO
>698
気になったので棚を見てきました。
現行スレではないのでしょうか??
類似作品のタイトルのヒントを教えて下さい。
芸能ものですが、特にモデルは想定していません。
オリジナル作品として投下したので、
暗にパクリと評されるほどオリジナリティに欠けているかと思うと情けないです。
701風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 23:23:58 ID:vALBn9nYO
自虐的に乙!!
いろいろせつなくなったので、自作自演……orz
702風と木の名無しさん:2006/11/26(日) 23:38:21 ID:vALBn9nYO
お行儀よく投下しても、
どうみても荒らしな一行レスしか戴けないんです。
いつかと同じです。
再トライします。
703風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 00:06:16 ID:ZRXDWQLr0
閉店さん、乙
自分は、こういう雰囲気好きだけどな。

704風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 00:16:41 ID:9Qb0S/5g0
閉店さん、GJ!
自分は面白かったよ
もっと長く読みたいくらい
705上京作者:2006/11/27(月) 00:36:18 ID:avCHfJXnO
>691
まとめ様、返事ありがとうございます。

私は携帯電話からの投下者でしたが、最近のしたらばのあの流れにうんざりしてあの様な書き込みをしました。
0と0は私の覚え違いだったようです。
混乱させてしまって申し訳ありませんでした。
投下した上京についてですが、お気持ちはありがたいのですが、当初の希望を通したいのが本音です。
お手数をおかけして申し訳ありませんが、このスレを立ち去る者としての最後の願いを聞き入れていただける様お願いします。
706風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 00:45:06 ID:WoZ65jU00
読んでくれた人に対してそれはないと思う。>荒しな一行
言われてることにはそれなりの根拠があるんじゃない?
書くこと、投下すること自体が楽しい、
激しい萌えに襲われて投下せずにいられない、
いや絶対これ萌えるから読んでよまじで万人ウケじゃないけど、
このあたりの魂どれかを持ってれば、乙コールがどんなだろうと
このスレの醍醐味をあじわえると思うんだけど。ただうまくなって
誉めちぎられたい、ていうなら批評スレで鍛えてもらえば?
707風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 00:48:56 ID:pblSpbhlO
ガラガラはもういいから次の投下カモーン
708風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 00:54:32 ID:9Qb0S/5g0
>697>698のレスはびっくりしたけどなー。
698にいたってはソースもはっきりしないし
荒らしに近いかも
709風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 01:00:30 ID:Kc+VGoEx0
>706
同意
長文キャラ萌え感想をもらえるような投下をお前はしてるのかと
したらばではリレーに参加した人たちに対して
失礼な言動をしていたよね

ラーゲルは、文章は破綻してない
スカーレットでも風邪とともに去りぬを意識した名前の付け方をしたり
テンペスト(嵐)と名乗ったり
字×絵ではいろんな作品を詰め込んだりしてる
知識だか教養もあるいはここの住民の大半よりあるのかもしれない

でも、これだけ色々知ってる賢いアテクシが投下したものなんだから絶賛されるでしょ
と思っていたら大いなる勘違い
住人や他の投下者を見下したり、人からマンセーされたいがために投下しているから
嫌な感じが文章に出てる
だから叩かれるんじゃない
上の方で品性が下劣と言われていたけど、そのとおりだと思うよ
710まとめ様へ:2006/11/27(月) 01:28:35 ID:IKGfg9xWO
上京さん同様、自分もまとめサイトへの掲載を辞退させて下さい。
お手数をおかけしますが、宜しくお願い致します。
投下作品は以下の末尾0SSSです。
177 182 196 213 229 239 259 266 285 305 321 324
379 403 425 478 507 527 554 558 579 594 598 601
624 693〜696 以上です。
これを最後にスレを去ります。
いずれも、皆様に不快感のみを与える作品でしたので、鬼畜スレの為にも、
お手数をおかけしますが、削除の程、宜しくお願い致します。
711風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 07:37:30 ID:RcKxyJrdO
死んでしまえ
712風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 12:04:35 ID:pblSpbhlO
死ねなんて簡単に言うもんじゃあないよ
713風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 12:31:48 ID:1omhQEu50
>710
うせろ

>これを最後にスレを去ります。

必ず実行しろよ
ラーゲルみたいに戻ってくるな
714648:2006/11/27(月) 19:23:51 ID:sPiL/kXz0
亀ですが
>>649 >>650
ホントだ、3が双子だ。
あばれちゃったのは、「口の端からゴポゴポ」する前に
なんか具体的な行為があるんじゃないかと思ちゃったからなのだ。
715風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 22:40:19 ID:zgKM39+Z0
リレーもので辞退されると
話が繋がらなくない?>>709迷惑だな
716風と木の名無しさん:2006/11/27(月) 23:20:25 ID:E8VmNmhM0
>715
ご自慢の作品を否定されたラーゲルが勝手にファビョっただけだろ
叩かれた原因を作ったのはそもそもラーゲル

塚、そんなにリレーを残したい?
717風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 00:02:20 ID:VZU7aFZX0
あれ?なんで新すれ立ってるの?
しかも19thで……
718風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 00:05:03 ID:ukfodbiz0
118@まとめです。

>>705
返信ありがとうございました。
ID番号について誤解があったのはこちらでした。
申し訳ありませんでした。

>>710
>上京さん同様
とありますので、削除というのはしおりからという意味でしょうか。
それともdatからのレス削除をおっしゃっているのでしょうか。
もう来られないとおっしゃっていますが、出来れば何の削除を
要望されているか、教えていただけないでしょうか。
719風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 00:09:46 ID:9wsOm2/I0
>717
しかも今議論してるテンプレ改正案を全く無視してるよね。
どういうつもりなんだろう。荒しか?
720まとめ様へ:2006/11/28(火) 00:16:35 ID:bDxRVMCdO
しおりもレス削除もお願い致します。
言葉足らずで申し訳ありませんでした。
お手数をおかけしますが、宜しくお願い致します。
721リレー参加者:2006/11/28(火) 00:17:14 ID:l2D3VqWg0
118@様

したらばで、リレーのまとめしおりへの掲載をお断りしているものです。

>datからのレス削除
ということが可能なのでしょうか?

もし可能なのでしたら、お手数ですが、
私の投下分である
>227、>225、>226、>398 
は削除していただけませんでしょうか。

あつかましいお願いで本当に申し訳ありません。
それが不可能な場合であっても、
しおりや、まとめへの掲載はどのような形でもお断りしたいと思っております。
722リレー参加者:2006/11/28(火) 00:21:00 ID:l2D3VqWg0
118@まとめ様 でした
HNを間違えてすみません。
723風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 00:27:01 ID:ukfodbiz0
118@まとめです。

>>705
>>720
>>721
了解しました。
これまで、ソースコードの付いたレスを削除したことは有りますが、
特定レスの削除等の恣意的な編集はやりたくないので、
118@まとめによる、まとめサイトは18thまでとし、19thも含めて、
今後は更新はしません。

まとめサイトに関し、苦痛を感じ不愉快な思いをされた方々には
時間を取らせ申し訳ありませんでした。
724リレー参加者:2006/11/28(火) 00:36:10 ID:l2D3VqWg0
>723
わがままを申し上げて、すみませんでした。

まとめサイトには今まで本当にお世話になってきました。
私は苦痛や不愉快な思いをしたことはありませんでした。
更新停止は残念です。
翻意していただけないでしょうか。
725風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 00:36:55 ID:9wsOm2/I0

726風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 00:38:01 ID:9wsOm2/I0
>>725
寝ぼけて変なレスしちゃった。
こんな切羽詰った時に申し訳ない。orz
727風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 01:02:41 ID:/3/NsFSUO
嵐に負けたのね…
728風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 01:06:41 ID:H3/ygPkU0
まとめもしおりも知らずに投下したわけでもないと思うんだけどね。
729風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 01:12:50 ID:aX9YmeVw0
荒らしが始めたリレーだって他に参加者がいたわけだし
楽しんでいた人がいたのも事実
盛り上がっていたときにはほとんど否定的なレスも付いていなかった
この板で荒らしが立てたスレでも良スレに化けることがあるのと同じで
最後に「荒らしでした〜」とぶちまけたって「それが何か?リレーは
もはやお前のモノじゃないんだよ残念だったな」と
鼻先で笑い飛ばせばよかったんだよ
もう遅いけど
730風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 01:24:22 ID:7vZ9JTOG0
>1の心得上二行を守れなかった結果だな。
731715:2006/11/28(火) 02:47:42 ID:H383qtVE0
>>716
残したいとかじゃなくて
保管された時、魔王みたいに
繋がってるならいいんだけど、目立って抜けるなら
書き手じゃない方なので
見てて「何だこりゃ?途中は何処?」って思うだろうな。と思ったんで
732風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 02:57:49 ID:H3/ygPkU0
消してなかったことにしようって言う方がオカシイと思うけどな。
733風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 03:17:03 ID:9X/3+4YZ0
訊くだけ訊いておいて要望に応えてやらないのなんて鬼畜プレイの王道ですよ。

てなワケでまとめに挿入ないで〜のお願いは却下だ!
恥というならとことん晒し者になってもらおうか。
734風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 03:27:49 ID:bb1FQtNJ0
>733
一応著作権法上の問題が生じるしね
投下者が載せるなといったら、
まとめの人がそれに従わないと著作権法違反ではある

塚、まとめの人が要望を受け入れると決定しているそばから
733みたいな不満をいう人が出てくるようでは、
たしかにまとめサイトは更新停止になってもしかたないorz
735風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 03:47:56 ID:P+6b/xI60
投下するとき投下したものの著作権は2chに属するとかにOKだしたりしなかったっけ?
736風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 03:56:03 ID:H383qtVE0
スクリプトでもつけていない限り
2ちゃんで著作の自己主張されても
正直、アフォかと思う・・・
737風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 05:35:53 ID:Z9c7pm15O
リレーって宣言が最初にあるんだから
他の人の手も入る共同の作品になってくるって分かってた訳なのにな

まとめはともかく
スレの流れとして(百歩譲ってしおりリンクせずとも)
datには残しておくのが筋なんじゃなかろうか
まとめさんも今までウイルスコード以外はdatに残して下さってたんだし

いやなんつか要望に色々と無理があるよな…
738風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 10:52:09 ID:aCe3tcke0
>735
それをいいだすと、まとめサイト自体が微妙な存在になるがな

作品を残せというのは結局読み手のわがままだと思う
読み手=名無しの書き込みがスレを荒れた状態にしたんだし
739風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 11:07:22 ID:fQFkglaBO
議論長い
740風と木の名無しさん:2006/11/28(火) 14:31:23 ID:/2IAUnFk0
つーかしたらばで話せよ
何のためのしたらばだ
741風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 00:08:31 ID:fGVxyyKYO
あーしたらばで話してても埒があかん!!誰か何とかしてくれ!!
742風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 00:14:30 ID:h0s4NV/4O
どうでもいいけど、受けがイジメられまくる鬼畜作品読みたい。…といってもこんな空気の中、投下して下さる勇気のある方はいないよな。OTl
743風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 00:28:35 ID:WJmsif58O
したらばはID出ないから、多数意見なのか一人の大きな声なのか
大まかな判別がつかん。まとめ役も毎回違ってくるし
ここの残りレス内で話し合いしたらどうかと思うんだが…
744風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 00:40:25 ID:fGVxyyKYO
したいのはやまやまだが、議論はしたらばでってしゃしゃりでてくるやつが絶対出てくる。
745風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 01:15:21 ID:1NfcY/sJ0
>>743
したらばの10/17日位からID出るじゃん
746風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 02:26:01 ID:dnYrsGJ90
初仕事氏は読ませるねェ、ほんとに。続きまだかな?
747風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 03:24:09 ID:aH2Msr8l0
その続きをクレクレする為の次スレ議論だろ。

>>745
IDが一定してないから信用できんのよ。
一日同じだったり一回ごとに違ったりする。
748風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 16:31:05 ID:ByMoG/1C0
8スレあたりまでまとめやってた者ですが、久々に通りすがったのでレス。

まとめに入れないで、という個々の要望を実践していくのは実際かなり無理があるよ。
作業もキツイし、要望を出した人が作者本人かどうかも確認できないわけだから。
以前それで多少トラブッたりもしました。
ちらっと見てみたけど現まとめサイトの管理人さんは本当に丁寧によくやってるなあと思う。

まとめサイトには載らなかったとしても2ちゃんのdat倉庫にはどのみち残るんだから
投稿する人はそれはわきまえておかないと。
749風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 17:36:50 ID:fGVxyyKYO
本スレは平和とか言われていたので絡みにきたよ〜☆ミャハ
750風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 18:25:39 ID:PwUPwqr9O
本スレは平和とか言われていたので絡みにきたよ〜☆ミャハ
751風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 19:40:18 ID:fGVxyyKYO
ねぇーねぇー次スレたてないのぉ?
752風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 19:46:53 ID:ZYHwmh8c0
立ってなかったっけ
753風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 19:50:12 ID:yeDBTED80
まとめサイトに入れられたくない理由がわからん。
まとめサイトがあるスレに来て投下して、何言ってんだ?
洒落怖スレですらそんな奴見たことないぞ。
754風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 21:12:57 ID:e+hUBG6P0
>>748
まとめに入れないでって言わざるを得なかった理由はあると思う。

したらばの方で、携帯からの投下作品はまとめに入れるな、
他の作品と一緒にするな、一緒にされたら素晴らしい神作品が汚れる。
ってレスがついて、削除しろって意見の流れになった。

こういう一見良識的でも、荒らしにスルーできていない、
他人任せ、まとめサイト依存の読み手がいるから、
書き手がうんざりしたんだろう。荒らし以上に質が悪い。

本当に気の毒だと思う。
まとめサイトは携帯版もあるし、>>1だって、様々な環境の方がいますってあるのにね。
755風と木の名無しさん:2006/11/29(水) 21:37:47 ID:ce7buZp/0
せっかく神スレなのに

大丈夫か??
756風と木の名無しさん:2006/11/30(木) 00:22:32 ID:bkcQlz1G0
>>749
> >>748
> まとめに入れないでって言わざるを得なかった理由はあると思う。
> したらばの方で、携帯からの投下作品はまとめに入れるな、
> 他の作品と一緒にするな、一緒にされたら素晴らしい神作品が汚れる。
> ってレスがついて、削除しろって意見の流れになった。
命令はしてないし、結論も出ていないはずだろ?
> こういう一見良識的でも、荒らしにスルーできていない、
> 他人任せ、まとめサイト依存の読み手がいるから、
> 書き手がうんざりしたんだろう。荒らし以上に質が悪い。
> 本当に気の毒だと思う。
確信も無いのに自己解釈で相手を一方的に悪者にすんな。
悪意なら兎も角人の好意を逆手にとって荒らしの元凶の責任を
押し付けるのは
筋違いじゃないか。
こんなBBSなんかに発表した時点である程度SSは自分の手を離れたんだよ。
見ないで下さいというのはお願いは出来ても強制はできないと思わないか?
757風と木の名無しさん:2006/11/30(木) 02:51:36 ID:MqWLTWAO0
最後の2行同意
758風と木の名無しさん:2006/11/30(木) 18:37:25 ID:zf6VoKmC0
>>748
削除してくれって人はスレが落ちれば
残らないと思っているのだろうけど
ググって出てこないだけで
2ちゃんの倉庫には2年前くらいのなら
他所のスレのSSも、きっちり残っているもんな
続いていたスレなら次スレのURL一つだけで芋蔓に倉庫へ行けるし
その辺分かってなくて投稿したのか?って、本当思う
759風と木の名無しさん:2006/11/30(木) 19:50:01 ID:EiPWR3Y1O
つかあれは書き手側からの三行半だろ。
ログが残るとか何とか以前の問題で。
760風と木の名無しさん
そして、スレは終わってしまった。