耽美的
2 :
風と木の名無しさん:
そう、確かに乾いたザーメンは耽美の薫りがする。
リリィはいつも花の咲いた二階のベランダから、通りのごろつきを見ていたわ。
リリィは名の通り、透けるような白い肌と銀糸の髪を持つ清廉で妖艶な男娼よ。
あこがれのリリィ、美しいリリィ。
けぶるような瞳は愁いを帯び、花弁のような唇はどこまでも耽美なため息を落とす。
アブサンもスピリッツも、ワルサーもコルトも、彼に勝つことなんかできないわ。
彼は籠の鳥、美しい翡翠と銀で出来た作り物のカナリア
飛び立つことなんか出来ないわ
ただ彼は想うの
気だるい朝
乾いたザーメンを見て一夜の恋人を