25 :
風と木の名無しさん:
試合が終わったその夜、コウキはまだ眠っていなかった。
東京のホテルの部屋で一人、ずっと彼を待っているのだ。
顔の痣をさすりながら小さくつぶやく。
「えらいこっちゃで。」
コウキの顔にはいつものあのふてぶてしい表情はなかった。
試合でダウンした時の、あの、少年のような無垢な顔が戻っていた。
コウキはこれからの事を想像して小さく震え、
もうすぐ彼が入って来るであろうホテルのドアに目をやった。
この試合、八百長の代償として支払う物は金ではなかった。
ランダエタは今までの対戦相手のように発展途上国の人間ではない。
八百長の対価として求めてきたのは他ならぬコウキの貞操だった。
彼はその肉欲を満たすためだけにリングに上がっているとんでもない変態だったのだ。
ガウンを着てベッドの端に腰を下ろしたコウキが頭を抱えていると、
約束の時間ちょうどに約束の回数ドアがノックされた。
「あいとるで。」
コウキが弱々しくそう言うと満面の笑みのランダエタが圧倒的威圧感を持ってドアを開け放った。
「ホントウノ シアイハ コレカラ デスヨ 。」
みたいな感じ
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