続きを投下します。
苦手な方はスルーしてください。
「さっきやった氷。その上に出して」
福原が、面白そうに喉の奥で小さく笑うと、新たな指示を出した。
「んんっ…ぁああ!」
「ツネの汁がいっぱい掛かった氷クチに入れたら、こっちに来てしゃぶって」
「ぁぁ…! は…っああ…!」
福原の言葉に、頭の中が真っ白になる。
まだ、満たされない時間が続くのかと思うと、気が狂い出しそうだった。
「早うせんと、氷溶けるで?」
福原の言葉に、全身がぞくりと震えた。
少し離れた位置にある枕の上には、幾つかのロックアイスが常川の放った精液に塗れたまま残っている。
「手ぇ使って扱いていいから。ちゃんと氷に掛けるんや」
ロックアイスの上に掛かる白っぽい滑りが、部屋の照明を吸い込んで鈍い光を反射させている。
それだけでも十分卑猥過ぎるのに、福原は更にその上に射精して精液を掛けて見せろと言う。
「ん…っ! ぁ…」
自分が自分でなくなるような、そんな淫猥な言葉を常川は何度も口にし続けて懇願した。
けれど、それでもまだ福原を満足させることが出来ない。
次から次へと終わることなく与えられる、屈辱的で卑猥な指示。
しかし一つ一つクリアしていかなければ、常川が唯一欲しているものは一切与えられない。
このまま放置されてしまうくらいなら。そう思うと、常川は何度も出来るような気がした。
熱く乱れる息をゆっくりと整える。
そして常川は自身の後ろから指を引きぬくと、溶けかかったロックアイスが残る白い枕に手を伸ばした。
「うつ伏せオナしたときみたいにして」
「ぁう…っ、あ、ア…っ!」
「そう。足は少し開いて、そのままケツだけ持ち上げるんや」
福原に指示されるままに下半身だけ高く持ち上げる。
羞恥心という言葉は今まで曝け出してきた痴態の数々によってすっかり麻痺してはいたが、それでも本能的に思わずシーツで顔を隠そうとした。
「ちゃんとチンポの下に氷があるようにした?」
腰を持ち上げることによって出来た胸と両足の膝の間の空間には、「精液を掛けろ」と命じられたロックアイスが残る枕が置いてある。
「準備が出来たら、手ぇ使って扱いてもええから」
「ア…っ、ぁんんっ」
「全部命中させてな」
「うぁ…っ…」
最初の射精の残滓が雫となってロックアイスの上に何度か滴る。
2度目の射精を待って震えていた自身に、シーツをきつく掴んでいた両手がゆっくりと伸びた。
「はっ…ア!」
最初に手淫を封じられたせいか、まるで何かに憑り付かれたように両手の指達が淫らに蠢く。
「あぁァ…っはぁ…んんっ!」
左手は忙しなく陰茎を上下に扱き上げ、右手の指は滑る亀頭を弄り続ける。
「は…、あぅぅ…っ、あ!あ!」
持ち上がった腰全体が、まるで空腰を使うように上下左右に激しく動く。
その反動のせいで、先走りの体液がロックアイス以外の場所にも飛び散ったが、そんなことを考える余裕は、もう常川にはなかった。
欲しいものを未だに与えられない状態が続き、苦痛しかなかった常川の表情が、悦楽や恍惚としたものに変わる。
「はっ、アぅ! い…っ、イイっ!」
純粋に快楽だけを追うような手淫により、常川自身の形や質量が変わり、射精が近いことを福原にも伝える。
「ツネ、ちゃんと氷目掛けて出すんやで?」
多分、聞こえてはいても頭の中に入るかどうか…と、少し呆れた顔で思いながらも、一応は声を掛けた。
「ぁ! はぁぁ…っ! ア…」
亀頭の先端を、乱暴なくらいに弄り出す。尿道口に爪を立てて、その小さな穴を押し開くように引っ掻く。
「ツネ、ホンマに先っぽ弄るの好きやなぁ…」
福原の、独り言のような言葉に導かれるように、常川が絶頂を迎えた。
「あぅ…、あ、い…イク…っ、あぁぁ…ァっ!!」
高く上がった腰が、大きく突き出すように卑猥に動く。ドクドクと脈打つように自身が震える。
常川は、長く、そして大量の熱い精液をロックアイスの上に撒き散らした。
「全部掛けなあかんよ」
崩れ落ちそうになる腰を何とか両足で支えながら、福原に言われるままに最後の一滴まで搾り出すように左手で扱く。
中の残滓は名残惜しそうに糸を引きながら、常川の先端から静かに滴り落ちていった。
強すぎる快感の末の射精に、恍惚とした表情の常川はもう満足に口をきくことすら出来ない。
「ぅ…あ…ぁ、ぁ………、」
甘い吐息が途切れると、遂に常川の腰が崩れ落ちた。
精液塗れのロックアイスが乗る枕を避けるようにして、常川の体がベッドの上に沈んだ。
そんな常川の姿を、福原は椅子に腰掛けたまま笑いながら見ていた。
バスルームのバスタブに入れていた湯を止めに一度席を立った福原が戻ってくると、ベッドの上で突っ伏していた常川がゆっくりと起き上がろうとしていた。
余韻に震える体を持て余しているような怠慢に動きに、福原が喉の奥で小さく笑う。
「ツネ、無理せんでもゆっくり寝とってええよ」
福原が声を掛ける。
単純に、言葉だけを取ればとても優しい台詞だったが、今の常川には残酷な意味を含んでいた。
「……ぅ…、」
意識を手放しそうなほどの悦楽の余韻に、視界がまだぼんやりとしている。
己の意思では指先一つ動かせないと思うくらいに、体が泥のようにベッドに沈んだままの福原だったが、福原の言葉に上体を支えていた両腕が力んだ。
「…、……フ…、ク」
掠れた声で何とかその名を口にする。けれど福原は相変わらず涼しそうな表情のまま、口元だけで薄く微笑んだ。
「そんなんで大丈夫なん?」
「…、ん…」
乱れた髪のまま、常川が福原の問い掛けに何度か小さく頷いた。
そして、先ほど福原に言われた言葉に従うように、てらてらと鈍い光を反射している精液塗れのロックアイスが乗る枕を右手で掴んでゆっくりと引き寄せた。
「なんやツネ、やる気満々やな」
からかうような口調で、福原が声をかける。
それでも常川は、ぼやけた視界のまま、枕の上に視線を漂わせた。
「…たっぷり掛かったの、二つくらいクチに入れてな」
幾つかあったロックアイスは、常川自身の体温と、熱く大量の精液を二度も掛けたことによって、いずれもかなり小さくなっていた。
そんな中から、口に入れやすいと思われる二つを選び、常川は躊躇いながらも指を伸ばした。
己の精液がたっぷりと掛かった、小さなロックアイス。
口の中に入れることはもちろん、手に取ることすらなかなか出来なかった。
けれど常川は、時間をかけて、総てを振り切るように大きく深呼吸をすると、震えながらひとつずつ口に運んだ。
そんな常川を、福原は満足そうに見ていた。
「ぅ…ン、…く……っ」
椅子に腰掛けたままの福原の足の間に跪き、その中心に顔を埋める。
前をくつろげただけの状態の福原と、自身の精液まみれ全裸のままの常川。
あまりの違いに、全身が痺れるような感覚に苛まれた。
「ん…んく…っ、フ…」
溶けかけたロックアイスを舌を使い口内で左右に動かしながら、常川は福原の陰茎を奥深くまで咥え込んだ。
熱く滑る口の中で、冷たいロックアイスが刺すような快感を不規則に与える。
福原の熱い陰茎を口に取りみ、出し入れするように顔を前後に動かす。
そしてそこに添えていた手も淫らに動いた。
右手は顔と同じように前後に扱き、左手は陰茎の奥にある双珠を強弱をつけて弄っている。
呼吸とほぼ同時に喉の奥深くに取り込むと、そこで搾るようにしてキツく吸い込む。
舌は茎に絡めるようにして裏筋を何度もなぞり、時折軽く歯も立てて刺激を与え続けた。
質量がぐん、と増すと、今度は亀頭の部分に、口内の二つのロックアイスを集中的に押し付けた。
「…ツネはホンマに先っぽしゃぶるの好きやな…」
「……ん…ッ、んんっ…、ふ…」
「つか、フェラそのものが好きなん? それとも俺の先っぽが好きなん?」
「…っ、ふっ…ぅ」
福原のあからさまな言葉に、思わず身じろぐ。
二度目の射精で得た快感は未だ残ってはいるものの、ゆっくりと体から引いて行きつつあった。
けれど、そのかわりに「早く後ろを満たして欲しい」と言う焦りと、少しずつ蘇ってきた羞恥心に体も心も苛まれていた。
己の放った精液と味と、福原の先走りの体液の味。そして唾液や溶けてぬるい水分となったロックアイス。
そんな口内に福原の陰茎を迎え入れて懸命に奉仕している自分。
普段の自分ではとても考えなれないような、あまりに卑猥な行為に、興奮と羞恥心で頭の芯が痺れるようだった。
「…ン、…く…」
少しザラついた常川の舌と、小さいながらも鋭利な角が残る冷たいロックアイス。
対極の、二つの刺激を懸命に与え続けると、口の中で福原のそれが更に熱く大きく変化した。
熱い口内で、それより熱い福原の陰茎に擦られて、ロックアイスが溶けだす。
そしてそれら二つが殆ど原型を失った頃、福原が初めて常川に触れた。
懸命に奉仕する常川の頭に手を置いて、己のそこから離そうと少し力を込めた。
「おしゃぶり大好きで夢中になってるとこ、悪いんやけど」
「……ん、…は…ァ…、」
大きく開いた口から、唾液や色々な体液が滴り落ちる。そしてゆっくりと福原の陰茎がずるりと抜かれた。
「そろそろ、言う言葉無いか?」
福原は小さく笑うと、もう一度、懇願の言葉を強制した。
口からは福原のそれが出ていっても、両手はまだそこに添えたままの常川の顔が、恥辱と興奮で赤く染まった。
「飲みたい? それとも顔射?」
どちらでも構わないと言う福原に、常川はどちらの言葉にも首を横に振る。
「な、中に…っナカに出して…全部…っ」
両手はまだ福原の陰茎に添えられているせいか、まるでそこに縋り付き頬擦りするような仕草で、常川が懇願する。
「早…く、フク…のチンポ、いっぱい出し入れ…シテ、…奥まで…っ」
卑猥な言葉で「欲しい」と、常川は何度も言った。
福原は、期待と恥辱で震えながら懇願する常川を、満足そうに眺めた。
「ベッドはツネのイヤらしい汁でいっぱいやから、ここでしよか」
福原はそう言うと静かに立ち上がった。
そして常川を、ベッドのすぐ近くの床に組み敷いた。
「バックがいい? フツーにする? それとも上に乗る?」
何でもええよと言いながら、どんな体位が希望か、福原が常川に尋ねる。
「………ぅ…ァっ…」
流石にすぐには答えられず、常川はきつく瞼を閉じた。
卑猥な言葉は種類を問わず何度も口にしてきたが、こんなことまで言わされるとは思いもしなかったらしい。
「何? もう要らんようになった?」
見下ろす福原が、口元だけで笑う。
「ちが…っ」
早く言わなければ、今度こそ本当に放置されるかもしれない。
こんなにも熱く熟れきった体では、自慰を何度繰り返しても、決して満足することはないだろう。
「…フク…っ、は…? ぁ…」
「俺?」
逆に問い掛けられて、福原は少し悩むような仕草を見せた。
「…別に何でもええよ。俺はツネの肉バイヴみたいなもんやし、ツネが好きなように俺のチンポ使ってイけばいいやん」
「ぅあ…っ、ちが…うっ」
「上に乗るか? したらツネ、自分の好きなように好きなだけ動けるし」
「ゃ…ァあ…ン」
福原の言葉に、身震いした。
そんな自由を今頃になって与えられたら、それこそ気絶するまで自分は福原の上に跨り、それを好きな様に貪り続けるだろう。
「…まぁ、それされたら俺の腹の上、ツネの汁まみれになるな…」
少し呆れたような顔でそう言うと、福原は何か思い付いたのか、常川の体をうつ伏せにした。
「汁まみれはご遠慮願おうかなぁ」
バックにしよか。そう言うと脚を開かせ腰を持ち上げるように指示した。
「床やったら、好きなだけ出してもええやろ」
福原はそう言うと、常川に早く腰を上げるようにもう一度促した。
「今度はロックアイスも何もあらへんから、好きなところに好きなだけ射精してもええで」
「…っんん…は、」
ゆっくりと躊躇うように上がった常川の腰に、福原の手が初めて触れた。
「ア…、あぅ…っ」
熱い常川の体とはかなり温度差があるのか、福原の手は冷たいと思えるほどだ。
そんな両手が常川の腰を強く引き寄せて十分に慣らされてとろとろになった入り口に、自身を軽く押し当てた。
「あっ! ぁああ! チンポ…っイイ!…んんっ」
恥かしさからか、両腕で顔を隠し床に爪を立てて耐えていた常川の全身が、悦びで震えた。
ずっとずっと欲しかったものが、ようやく与えられる。
押し当てられたそこは、期待と悦びで卑猥に、そして貪欲に蠢いた。
前を見れば触れてもいない常川の先端からは、悦びの証が床に滴り落ち、腰を振るたびに辺りに飛び散った。
「なんやツネ、入り口に先っぽが触れただけでイケそうやないか?」
そこは小さな開閉を繰り返しながら、自ら腰を福原のそれに押し付けて奥へ奥へと取り込もうと、卑猥に蠢いた。
「は…っ、あゥ…あ、は…んっ」
取り込む動作によってゆっくりと入ってくる福原自身の圧倒的な質量と熱さに、入り口だけでなくその中まで蕩けるような快感を得た。
「はは…、『下のおクチ』とはよう言うたもんや。ホンマ喰われそう…」
早く取り込もうとする常川の中の動きを、時々敢えて邪魔をするようにギリギリまで自身を引き抜き、焦らす。
「あぅ! は…っア!あっ」
まるで逃げる獲物を追うように、常川の腰が無意識のうちに福原のそれを取り込もうと卑猥に動いた。
顔を隠していた腕は何時の間にか外れ、右手の指は己の陰茎に絡ませ何度も扱き、亀頭を少し乱暴なくらいに弄っている。
そして左手は、乳首を摘んだり押し潰したりして、そこからも強い快感を得ていた。
「あぁ! はっ…んんっ」
腰はもっとはっきりと福原を得ようといっそう淫らに動き、取り込むごとに逃がすまいと更にきつく締め上げた。
「あン…っ、あ、あぁ! はァ…あァ!」
内壁が福原の熱い脈打ちさえも敏感に感じ取り、ドクドクと脈を打つごとに常川は喘いだ。
「ツネ、まだ全部入っとらんのにそんな位置で締め付けたら、これ以上奥には入らへんて」
呆れるように小さく笑いながらそう言うと、福原は快感に打ち震える常川の腰の奥目掛けてグイ、と押し付けた。そして腰を軽く叩いた。
「ア、あ!あぅぅ…っ!」
狭いうえに絡み付く内壁を抉るように入り込んできた福原の熱さと硬さと質量に導かれて、常川の右手の中で更に卑猥に形を変えたそれが更に大きくなり、弾けた。
「はぁ…っ、は、ぁぁぁ…あ、…う…」
自慰のみで得た快感とは比べ物にならないくらいの悦楽の中で、常川は恍惚とした表情で意識を失いかけた。
ひくひくと、今までにないほど震える常川の体から力が抜けかける。
「満足した?」
今にも崩れ落ちそうな常川の腰を支えながら、福原が問い掛けた。
「…や、…まだっ…」
「3回も出して、まだ足りへん?」
「うっ…ぁ…」
福原の煽るような言葉に、常川がまた大きく身震いする。
「3回とも大量の汁やったのに、ツネは元気やなぁ」
そう言うと、福原は抜けかけた自身を更に引いて、辛うじて亀頭が入り口に引っかかるまで抜いた。
「イヤ、や…っ、うぁ…っ!」
「やから、そんなに締め付けんなって。入らへんやろ」
「ぅ…あっ、は…」
自身を握っていた右手から力が抜けて、そこから離れ落ちる。
落ちた先の床は、3度目の射精でいくつもの白く滑る水溜りを作っていた。
「ほ…欲し…っ、チンポ欲し…ぃ…もっと…!」
掠れた声で、何度も哀願する。
「フクも…ちゃんとイッ、て…っ。全部出し、て…ぁ…っ」
恍惚とした顔で、再び福原を求める。
亀頭のみを呑み込んだ入り口は強弱をつけて締め上げ、福原にも快感を与えようと無意識に蠢いた。
「せやったら、ちゃんと足腰に力入れなあかんて」
福原は懸命に喰い止め様とする常川の中から完全に自身を抜き取った。
「あ! あぁっ! やァ…っ!」
狂ったように首を左右に振り乱し、抜かれた感触に身震いする。
「フ…フクっ…、イヤ…っ」
常川に何度も名を呼ばれた福原は、ゆっくりとその場から立ち上がるとベッドの上に手を伸ばした。
枕の上の、少し小さくなった常川の精液に塗れたロックアイスを、一つ摘む。
「欲張りのツネは、俺のだけじゃ足りんようやからな」
コレ、先に入れたるわ、と言うと、摘んだロックアイスを今まで自身を収めていたそこに押し当てた。
「うぁ、ぁああっ! あっ!アぁ…っ」
「大分溶けかけとるし、角はあらへんから痛ない筈や」
熱い福原の陰茎とは対極のような、冷たいロックアイスが宛がわれ、中に入ってくる。
「や、やめ…っ、イヤ…! フク…っ」
今まで積極的に福原の陰茎を追い求めて動いていた腰が、初めて逃げ惑うように揺れる。
「大丈夫。これ入れたら、ちゃんと俺のも食わせたる」
福原は笑いながら中に収めたロックアイスを奥に入れようと、人差し指と中指で更に押し込んだ。
「あぅ…っ、はぁぁっ、ア!」
指ではコレ以上入らないところまで押すと、今度は内壁を掻き乱すように動かしながらずるりと引き抜く。
「ひっ…、んぁ…っあ!」
熟れきった熱い中に冷たいロックアイスが残っている感覚に、常川が身悶える。
汗と精液に塗れた体が痙攣するように震え、そして善がった。
萎えていた自身も、また息を吹き返し始めた。
「ツネはホンマにエロいな。ロックアイスだけでもイケそうやなんて…なぁ?」
福原の言葉に、一瞬、体の震えがぴたりと止まる。
もしかしたら、また「お預け」の状態にされるのかと思うと、快感とは違う震えに襲われた。
「フク…っ、イヤやっ…それ…出し、てっ! フク…!」
常川が、泣きながら赦しを乞う。
「大丈夫。心配せんでもちゃんと入れたる」
笑い声が混じった言葉を背中で受け止めても、まだ震えは止まらなかった。
「早く…っ、あぅ…ッ!」
常川の希望通り、再び自身を入り口に押し当てる。
「あ! あぁっ!」
待ち焦がれた、熱く硬く質量のあるそれを常川は嬉々として迎え入れた。
「ホンマ、俺のチンポ美味しそうに呑み込むわ…」
体位上、福原にしか結合する部分を見ることは出来ない。
けれどそう言われて、常川は羞恥心も忘れて更に締め上げながら奥へと取り込む動きをさせた。
「最初に塗りこんだローション、出入りするたびに溢れ出しとる…」
「…っ、ぁアア!」
ぐい、と締め付ける入り口を振り切るように押し込むと、福原の先端にロックアイスが当たった。
「はぁっ…、あうぅ…」
「やっぱ中に入れて正解やったわ。先は冷たくて気持ちいいし、ツネの中は熱くて蕩けそうやし」
「あぁんっ…、ん…っ」
「ツネはおしゃぶりも上手いけど、下のおクチもホンマ上手いわ」
更に奥へと進ませる。ロックアイスを先頭に、冷たいそれと熱い福原の陰茎が同時に内壁を刺激して、常川の腰が淫猥に揺れた。
「あっ、あぅ! ああっ…はぁ…んんっ」
最も感じる部分に、ロックアイスが辿り着く。
「ここ?」
常川の反応に福原が一度腰を進ませるのを中止した。
そして、そこをロックアイスと自身の亀頭で何度も突き上げ始めた。
「あぁっ、あ、あ、アァ…っ! イイっ…! そこ…!」
余りの快感に、緩んだ口元から唾液が零れ落ちる。
「どうする? もっとグリグリする? それとも…出し入れして欲しい?」
「あぅ…ぅっ、はぁ…っ!」
「俺はツネの肉バイヴやからな、ツネの悦いように動いたるよ」
腰を支えながら、揶揄するように福原が言う。
「っ…突い…て、もっとぉ…っ! フクのチンポで…っ! あぅ…っ」
常川の言葉に、前立腺と思われるそのポイントに自身の先を合わせて何度も強弱をつけて突き上げる。
「ア、ア、ああぁっ!」
常川の陰茎は彼の手が無くとも完全に勃ち上がり、また悦びの証を滴らせている。
福原はそこを何度も擦り抉るように動かすと、一旦ギリギリまで引き抜き、そしてロックアイス共々力強く突き上げた。
「うああぁっ! あぁっ、はぁ…!」
最奥まで、全てを収める。
「はは…、勢い良過ぎたなぁ。ローション溢れて垂れ流しや」
不規則に前後左右に動かし、突き上げながら、福原が笑う。
「あ!アァ! んぁ…っ、ぁ…、イイっ! コレ…イイ…っ!」
意識の殆どを快感に支配されながらも、常川は本能的に福原の動きに合わせ自らも腰を使い、全身で貪るように快感を得た。
「あ、ゃあ…っ、はっ!あぅ!」
福原の射精が近いことを、内壁が感じ取る。
溶けて消えたロックアイスの代わり、最奥の位置にある福原のそれが更に形を変え、熱さが増した。
「フク…っ、イって…! 中に…」
福原の射精を促すように、中がぴったりと福原の陰茎全体に吸い付き、更に締め上げる。
「全部中に…っ! 奥に…! あぅぅ…っ」
常川も開放が近いのか、自身も更に容量を増した。
そしてそこに右手を伸ばし、根元を中心にきつく握り締めた。
「一緒…に…っ、ぁああっ!」
タイミングを合わせたいのだろう、先端からは精液を零しているが常川は懸命に我慢し、そして福原を導こうと、受け入れているそこに集中した。
「…っ、」
福原が、初めて快感を得たような声を、僅かに漏らす。
「フク…っあ、アァっ、で…でる…ぅ! イク…っ!」
耐えきれず、今までで一番の強さで中の福原の陰茎全体をグイグイと締め上げた。
握り締めていても堪えられなかった常川の陰茎がぶるりと震えて、次の瞬間、限界まで膨らんだ亀頭の先端が全てを吐き出した。
「イク…っ! イッちゃう…ぅあっ、はぁぁ…っ!」
常川は、脳の奥まで痺れた。
「ぁ…ぁ、ぁっ…はあァァ…ん、はぁ…ん、んっ」
福原の陰茎全てを呑み込み、その熱さや硬さ、そして質量や律動の全てを内壁全体で味わい尽くした。
その証の快感が全身に広がり、蕩けるような甘美な刺激に犯されながら至福とも言える射精の真っ最中。
「あ、ァァ・・っ、……っ?!」
ずるり、と福原のそれが強い力で引き抜き始めた。
本能的に、それこそ喰い千切らんばかりの強さで引き止めようと入り口が反応した。
けれど福原はそれを振り切るように、掴んでいた常川の腰に力を入れて押し退けた。
「ゃ…っ、はぁっ…あぁぁっ!」
逃げていく福原の陰茎を止められなかった常川の腰が、大きく戦慄く。
「やっ…ぁ、イヤや…っ!」
抜いた瞬間、反り返った福原のそれから、初めて、熱い精液が迸った。
そしてそれを背中でしか受け止められなかった常川は、言葉にならない悲鳴を上げて崩れ落ちていった。
ドクドクと、福原の熱い精液が中出しされる事を切望していた常川の腰が、満たされきれない半端な快感に震える。
「…ぅ…ぅ、っ…ぁ、は…」
欲しかったものは、結局半分しか与えられなかった。しかも一番欲しかったものが、与えられなかった。
一度も逆らわず、全て言われるまま従ってきたのに。
いつもそうだった。
福原とは、もう何度も体を重ねてきたが、一度も「抱き合う」というセックスをしたことはない。
いつも、殆ど服の乱れのない福原に、全裸で精液に塗れた自分が奉仕し、彼の目を楽しませて劣情を煽る。
そして最後にやっと福原の陰茎を迎え入れて…。
けれど一度も、福原は常川の中で全てを吐き出したことはない。
殆ど飛んでしまった意識の中で、常川は途切れ途切れに喘ぎながら、泣いた。
「…う…ぁ…、はぁ…ンっ…」
そんな常川を尻目に、福原はサイドボードに手を伸ばした。
そしてその上にあるティッシュボックスから何枚かそれを抜き取ると、自身の後始末を手短に済ませ、満足そうに立ち上がった。
「…悦ったで、ツネ」
自身が放った精液に塗れた常川の背中に、話し掛ける。
「風呂、どないする?」
「…ぅ…ぁ」
指一本すら自分では動かせないほど、全身が重く、そして気だるさに苛まれている常川が、僅かに顔を横に振って自分の意思を福原に伝える。
「そお? 今やったら一緒に入ってもええかなって思っとったんやけど」
「…、」
嘘か本当か、もちろん常川には分からない。
けれど今まで一度もそんなことをした記憶はないと、途切れる意識の中で常川はぼんやりと考えていた。
「まぁええよ。ほな、風邪引かんように、程々にな」
福原はそう言うと一度バスルームに入り、その中から大判のバスタオルを持ち出して、ぐったりと突っ伏す常川にそっと掛けてやった。
そしてもう一度「ホンマ悦かったわ」と言うと、静かに部屋を後にした。
ぱたり、とドアの閉まる音を耳が拾うと、自身と福原の精液、そして汗で汚れたまま、常川は完全に意識を手放した。
せめて夢の中だけでも、彼に愛されたいと思いながら。
<終>
終わりました。
>33>34さんのご指摘有り難うございます。
続きをどこに投下するか迷ったのですが、続き物という事で
こちらにさせていただきました。以後、投下には十分気をつけます。
気分を悪くされた方には謝罪します。申し訳ありませんでした。