*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart6

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「先輩、また振られたんすか」
携帯電話の待ち受け画面に映る女性の笑顔を悲しげに見つめる、新堂の姿が目に入った。
坂本は速めた足でその横に近づいて、彼の脇に腰掛ける。
突然後輩に声を掛けられた新堂は、普段どおりの人のよさそうな顔をほんの少し苦々しげに顰めて、言葉を返す。
「うん。なんか、な、『貴方は、私より仕事のつきあいが大事なんでしょ』って」
「はぁ」
適当にやる気のない相槌を打つと、新堂は浅く溜息を吐いて頭に手をやった。
耳に掛かった髪をくりくりと弄びながら、何か嫌な事でも思い出すかのように目を細くする。
「つーか、さ、疑問なんだけど」
「はい?」
先を促すように小首を傾げれば、彼は至極不思議そうに尋ねた。
「仕事が大切なのは当然だろ。仕事しなきゃ、デート代どころか生活費だって出せないわけだし。
『私と仕事とどっちが大切なの』なんて聞かれたって、答えようがないだろう」
……エリートの割りに、こういうことに関しては駄目な人だなぁ。
どうにも恋愛慣れしてないって言うか、良くも悪くも仕事バカで生真面目って言うか。
まあ、そこが、職場の同僚や後輩達に好かれてる一因なんだろうけど。
坂本は心中でそう思いながら、まだ悩んだ顔のままの新堂に顔を近づけた。
「先輩。多分先輩って、恋愛に向いてない体質なんですよ」
「そんな事はないぞ」
「その自信はどっから来るんですか」