軽い頭痛と全身の違和感によりハジが目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。
青い壁と豪奢な調度品に四方を囲まれたその部屋には窓がなく、寝ていたベッドの上から頭を起こすとちょうど自分の体の正面に堅牢な扉があるのを確認できた。
上半身だけを起こして周りを見渡す。部屋には自分以外誰も居ないようだった。
いつも離れず付いていたはずの主人の姿すら見えない。
何故自分はこんな場所に寝ていたのか。
疑問に思うより早く、ベッドから立ち上がると正面の扉の取っ手に手を掛ける。その瞬間、何者かの声がした。
「お早う、ハジ。気分はどうですか」
声に驚いて振り返ると、目の前にあの男が立っていた。
ソロモン・ゴールドスミス。「動物園」で衝突し、一戦を交えたシュヴァリエ。
100年以上もの間忠義を尽くした主人が、この男の説いた「正義」に心を奪われそうになった苦い思いが蘇る。
あの日以来、主人に纏わりついて引き止める事しか出来ない自分の不甲斐なさに、ハジは悩まされていた。
ソロモンは柔和な笑顔を浮かべたまま、ハジを見つめている。その瞳は、あの時のような強い殺意を宿してはおらず、ただ穏やかに輝いている。
しかし、自分が彼とここにいるという事は、主人である小夜はまた以前のように彼の説得に絆されたのではないか。ハジの心は掻き乱される。
「小夜はどこだ」
焦りから語調が強くなる。ソロモンが口を開いた。
「今日は君に用があるんですよ」
返ってきたのは意外な答えだった。
言葉の意味を飲み込めずにいると、ソロモンの右手が自分の頬に触れてきた。されるがままにしていると、その手が今度は自分の唇に触れた。
「どういうことだ」
口元に充てがわれた指を左手で押しのける。
「どういうことって…どういうことでしょうね?」
心底愉快といった様子で微笑するソロモン。冷静そうに聞こえるその声は、微かにうわずっていた。
「僕たちには君が必要です。種の存族のためにね。でもそれとは別に、僕は個人的に君に興味があるんですよ」
ソロモンの右手が再び頬に翳され、首筋と髪の毛を撫で上げられた。
いつの間にか彼の左腕が自分の腰にまわされている。身をよじって逃がれようとするが、髪を強く引っ張られ、左腕で押し止められた。
屈強そうにはとても見えないこの男の腕力が自分のそれを上回ることを、ハジは知っていた。
ハジの顎を掴み上向かせると、ソロモンはハジの唇に自分の唇を合わせた。
僅かに開いた唇の隙間から、彼の舌が差し入れられる。唐突な口付けに驚き、ハジは身を硬くした。
柔らかな舌が口腔をまさぐり、唇を舐る。息をつこうと口を開けると、さらに深く唇を重ねられ、息苦しさと悩ましさから思わず吐息が漏れた。
散々ハジの舌と唇を味わってから、ソロモンはようやく唇を離した。その唇はどちらのものともつかない唾液で濡れそぼり、艶を放っている。
ずっと息を止めていたのだろう。激しい口づけをされ、呼吸を整えるのに精一杯な状態のハジを見て、ソロモンは満足げに微笑んだ。
ハジの腰を抱き止めていた左手を胸に移動させ、シャツのボタンを器用に外し始めた彼を見て、ハジはようやく事態を把握した。
はだけられたシャツの隙間から除く白い肌がほんの微かに紅潮している。
裸の胸に口づけると、そのまま胸の突起を舐った。
「…ふ…っ…」
ハジの唇から吐息の混じった喘ぎが漏れたのを、ソロモンは聞き逃さなかった。
小さな突起を舌先で押し潰すように転がしながら、空いた方の胸を片手で弄る。硬くとがって来た乳首を指先で優しく撥ねると、ハジの肩が小さく震えた。
「や…もうやめてくれ…」
ハジの腕がソロモンの肩を強く押し返してきた。ソロモンはそれを羞恥心からだと解釈し、ハジの懇願をいなして乳首への愛撫を続けた。
執拗に繰り返される刺激に、ハジは全身の力が抜けていくのを感じた。熱くなっていく体の中で、壁に押し付けられた背中だけがじんわりと冷たい。
胸への愛撫を続けながら、ハジの下腹部へと手を伸ばす。そこはすでに充分に熱くなっていた。
ハジの体がびくりと震える。彼の反応を見ようと、ソロモンは顔を上げた。
汗ばんだ額に黒髪が張り付き、表情まではよく見えないが、恐らく普段の表情のない鉄仮面のような顔とは違う、情欲に滾った彼の顔がそこにはあるのだろう。
ソロモンは微笑した。ソロモンの愛するディーヴァの寵愛を受けながら、それを拒絶しているこの男が自分の愛撫によって表情を崩すのが、堪らなく愉快だった。
服の上から性器を握ると、ハジが激しく抵抗してきた。先ほどまでは抵抗らしい抵抗ひとつ示さなかったのに、性器に触れられるのが嫌とは。
この男は主人に操を立ててでもいるのか。余りの剣幕に少し面倒になったソロモンは、ハジをベッドの上にうつ伏せに組み伏せ、ハジの衣服から抜き取った皮革製のベルトで後ろ手に縛った。
続いて、ハジのズボンと下着を剥ぎ取る。ハジはシャツ一枚の姿で手足を縛られ、ベッドに突っ伏している状態だ。
「いい格好ですよ、ハジ」
言いながらハジの隣に横たわり、耳朶を舌でなぞる。切ない喘ぎが微かに漏れた。
会陰から尻の割れ目に指を這わせる。ハジの透けそうに白い肌が紅潮している。ソロモンは軽い興奮を覚えた。
ハジの勃起した性器の先端から滲んだ透明な液体が、シーツに染みをつくっている。ペニスに軽く触れると、今度は抵抗しなかった。
先端を指で弄り、手の平全体を使って優しく扱く。先端から溢れ出した汁が、ソロモンの指の間を塗らした。
「んっ…ぅ…」
彼の意思とは無関係に喘ぎは漏れ、性器は硬さを増していく。ハジは羞恥と情けなさに絶えられそうになくなり、頭をベッドに埋め、自らの顔を覆った。
そんな彼を哀れに感じながらも嗜虐心を刺激されたソロモンはペニスへの刺激をやめ、次の行為に移る事にした。
まちがった、5じゃなくて6回分でした…訂正
肉の薄い尻を手で押し広げ、ハジの先走りで濡れた指を肛門にあてがう。
「…?」
ハジがベッドに預けていた顔を上げ、こちらを振り返った。
「じっとしてて」
ソロモンの細くしなやかな指がハジの肛門に滑り込む。ハジの体が大きく震えた。
「…は…っく…!」
ハジが苦しげに喘ぐ。ソロモンは構わず、差し入れた指を前後に動かした。
多少の痛みなら我慢できるはずだ。それは以前交えた戦闘で知っている。今回も容赦する気はなかった。
ハジの内部の肉はまだ堅く、湿った指の節が引っかかる。しばらく一方的に指をかき回していると、ハジの反応が少しずつ変化してきた。
低い呻き声を上げているのは変わらないが、時折鼻に掛かった吐息が漏れ、快感に耐えるように、手がシーツを掴む。感じているのだ。
ソロモンは微笑むと、指をゆっくりと引き抜いた。内壁がそれを逃さないとでもいうように吸い付いてくる。
「は…んんぁ…っ」
官能に目を細めているハジに再び口付けると、拘束を解いてやった。もう抵抗しないはずだ。
ハジの体を仰向けに横たえ、その上に覆いかぶさると、ソロモンはズボンのジッパーを下ろし、自身の性器を取り出した。
目の前のハジの痴態に興奮したそこは上向いている。ハジは事態を飲み込めないといった様子で、ぼんやりとソロモンの顔を見ている。
「大丈夫…ハジ、力を抜いていて」
もう一度、今度は頬に口付けると、ハジの脚を広げさせ、先ほど指を飲み込んでいた肛門にペニスをあてがった。
ベッドの上に投げ出されたハジの手に自分の手を合わせる。先端を軽くこすり付けると、ハジが吐息と共に体を震わせる。
それを合図に、ゆっくりと腰を進めた。ぬめった穴がペニスの先端を飲み込む。
「あ…あっ…嫌だ…だめだ」
かたく目を瞑ったハジが首を横に振る。ソロモンはなだめるようにハジの頬に口付け、さらにペニスを差し入れた。
まだきついハジの直腸が、ソロモンを拒むように締め上げてくる。一瞬、それだけで達しそうになるが、息をついて堪える。
上体を倒し、自身の太腿の上にハジの尻が乗る格好で重なり合う。力を入れてハジの腰を引き寄せると、ゆっくりと奥へ進めた。
熱い内壁の弾力のある感触が、直に伝わってくる。
「…っん…く…!」
ソロモンの性器がハジの直腸内に全て収まった。ハジが思わず声を漏らす。繋がった箇所を中心に、強い痛みと甘い疼きがハジの体全体に広がっていく。
指とは違う性器の質量に耐え切れず、ハジが大きく息をつく。ハジの呼吸に合せて、昂ぶりに絡みつく内壁が収縮する。
「…くっ…」
ソロモンの額に汗が滲む。快感に耐えながら、腰を強く引き、突き入れた。
「うああっ…!」
ハジが悲鳴に近い喘ぎをあげ、ソロモンの手を強く握り返してきた。
さらに強く粘膜を弄ると、結合部からは粘液をかき混ぜるような淫らな音がし、内壁をこすり上げるたびに、ハジが嗚咽のような声を漏らす。
ハジの腰が浮いているのを見て、ソロモンは思わず尋ねた。
「ハジ、気持ちいい…?」
既に痛みよりも快感の方が勝っているハジは、ソロモンの問いに素直に頷いた。自ら上体を起こすと、そのままソロモンの背中に腕を回してきた。
「んっ…んん」
切なげに喘ぎながら、ソロモンのペニスを締め付ける。ハジ自身も腰を揺らし、ソロモンを導いた。それに応えるように、ソロモンも一層強く腰を打ち付ける。
抽迭を繰り返しながら、ソロモンはハジの唇に唇を重ねた。舌を差し入れると、今度はハジの方からも舌を絡めてきた。お互いの唾液を貪り、舌を絡めあう。
初めは好奇心と軽い嫉妬からこの男を抱くつもりだったが、今となっては愛情に似た感情すら抱いている自分に気付いた。
それが何という感情で、どのように表現するのかは自分でも解らないが、それでもこの行為を止めることができずに居た。
自分自身の心は、彼の主人である小夜を愛している。それは動かしようもない事実だったが、体はそうではないのだろうか。それともこの男が小夜のシュヴァリエだからか。
答えが出せないまま、ソロモンはハジの内部を弄った。
「…くっ…んあ…!あっ…あっあっ」
俯いたハジの目が潤んでいる。二人の体の間で揺れているハジのペニスからは、透明な粘液が糸を引いている。二人とも限界が近そうだった。
ペニスを掴むと、ソロモンは上下にこすり上げ、刺激した。前後からの刺激に耐えられず、ハジの体がびくっと揺れた。
ソロモンを受け入れ、すっかり柔軟になったハジの内部が痙攣し、ねっとりと収縮を繰り返す。
「…あ…僕も…もう…」
突き入れながら呟くと、返事の代わりにハジが目を閉じた。理性を失いかけたソロモンが、一層深く突き入れ、内壁を強くこするように激しく出し入れする。
粘液のかき混ぜられる音が高くなる。ハジのペニスがびくんと撥ねた。ソロモンを包み込むように、ハジの内部がぎゅうっと収縮する。
「っぅ…!」
「はあぁ…!」
ハジの精液が二人の腹の上で飛び散り、互いの白い肌に糸を引いた。
それと同時に、ハジの中でソロモンが果てた。熱い液体が流れ込み、内部を満たしていく。
それを搾り取るようにハジの内部が収縮し、ソロモンは白濁を吐き出しながら、前のめりに倒れこんだ。
肩で深く息をして、もう一度ハジに口付ける。ハジは口付けに応えこそしないものの、されるがままにしていた。
「よかった…嫌がらないんだね」
ソロモンが微笑む。ハジは不思議そうにソロモンを見つめ返した。
「ねぇ、ハジ。ここは僕の別荘なんだけど、とても広い庭があるんだ。今度はそこでしよう。
芝生もよく手入れされているし、虫も来ないから。きっと気持ちいいよ。ね?」
白い肌を僅かに紅潮させ、人懐こい笑顔を浮かべて嬉しそうに言い放った。
ハジは本当に理解できないという面持ちで眉根を寄せ、ソロモンを見つめた。普段以上に不機嫌そうな顔だった。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ なんだこれ?
| | | | ピッ (・∀・ )
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
B/L/O/O/Dスレから誘導されました。テンプレ使うの忘れてた…
お目汚しすみません