1.ノンジャンルのネタ発表の場です
書き込むネタはノンジャンル。
スレ違い/板違い/鯖違い/メディア違い問わず、ネタであれば何でもあり。
たとえばこんなときにどうぞ。
どこに投稿すればいいのかわからない‥‥
・ネタを作ってはみたが投稿すべき既存のスレが無い。
・投稿すべきスレがあるのかもしれないけど、よくわかんない。
・クロスオーバーのつもりなのだが各スレ住人にウザがられた。
・みんなの反応を見たうえでスレ立てるべきかどうか判断したい。
投稿すべきスレはあるが‥‥
・キャラの設定を間違えて作ったので本スレに貼れない。
・種々の理由で、投稿すると本スレが荒れそう。
・本スレに貼る前にあらかじめ他人の反応を知って推敲したい。
・本スレは終了した。でも続編を自分で立てる気がない。
ヘタレなので‥‥
・我ながらつまらないネタなので貼るのが躊躇われる。
・作り出してはみたものの途中で挫折した。誰か続きおながい!
迷ったときはこのスレに投稿してね。
ただ、本来投稿すべきと思うスレがある場合は
それがどのスレで(ヒントで充分)、しかしなぜこのスレに貼ったのか、
という簡単なコメントがあるとよい。無いとカオスすぎるからね。
ナマモノは伏せ字か当て字を推奨。
それ以外は該当スレのローカルルールに沿うか、自己判断で。
あぼーん
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリーAAであろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
| いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | [][] PAUSE
∧_∧ | |
┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | |
| |,, ( つ◇ | |
| ||―(_ ┐┐―|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
| || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
とりあえず用意したテンプレ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| きっと楽しんでもらえるよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
あぼーん
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
|
| ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
| ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
| ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
| ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
| ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
| ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
| ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
\___ _____________________
|/
∧_∧
_ ( ・∀・ )
|l8|と つ◎
 ̄ | | |
(__)_)
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 媒体も
| 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
| 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
\_________________________
あぼーん
携帯用区切りAA
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
中略
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
中略
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
あぼーん
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| じゃ、そろそろ楽しもうか。
|[][][]__\______ _________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | |/
|[][][][][][][]//|| | ∧_∧
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
|[][][][][][][][]_||/ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |
(__)_)
あぼーん
見えないほうがいいこともあるんだぜ
>>12についてですか…
世の中にはどうでもいいことってあるじゃないですか。
そうだね。いらんことに首は突っ込むべきではないことを学習した。
書き込んだとたん見えるんだもんよ
>>12…。
人生って難しいですね。
レスアンカーつけるなこの馬鹿が
ほんとにあぼーんされてるみたいね。
>1乙!!
>1さん禿しく乙
>1乙&前スレ646-648超GJ!
茶色かわいいよ茶色ハァハァ
25 :
風と木の名無しさん:2006/03/16(木) 15:51:17 ID:H5Di4mTC
26 :
1/5:2006/03/16(木) 16:25:16 ID:KlRFuOTv
白いシャツを肘まで捲り上げ、剥き出しの白い腕を腰にあて、帝都の平穏を守るデビルサマナーである少年、十四代目葛葉ライドウは重々しく嘆息した。
足下にはブリキのバケツがたゆたう水中に雑巾を泳がせ鎮座している。開け放した窓枠には洗濯物が翻る。探偵社とは教えられても信じえぬのどかな光景だ。
人中に紛れた悪魔の害意を防ぎ、悪しきと戦うのがライドウの使命である。
しかして現在彼のおかれた状況はその任からかけ離れているとしか言いようがない。
戦場と変わらぬするどい眼光でライドウが見据えるのは、塵ひとつなく清められた室内を居心地悪そうに眺め回す黒猫だ。
「……おい、」
低い声が磨き上げられた床上を滑りゴウトの耳朶を叩く。黒猫は三角耳をそば立て目を丸くした。愛らしいその仕草に、けれどライドウはちらと微笑むこともせず仁王立ちしている。
ゴウトは人間であったならば肩を竦めたい気分でそれを見上げる。このふてぶてしい子どもが意外と愛らしいものを好む傾向にあることを付き合ううちに知り、
ゴウトも己の外見を利用してライドウをからかっていたものだが、さて本日の怒りは深刻らしい。
27 :
2/5:2006/03/16(木) 16:27:12 ID:KlRFuOTv
切れ長の瞳をさらに細め、ライドウは顎をしゃくった。
「どこをほっつき歩いて来たんだか知らないがな、もう少し気を遣ってくれてもいいだろう」
「なんだよ、何を怒ってる?」
真実わからないゴウトはライドウの足下へ近寄ろうとする――常のように。けれど剣閃のするどさで振るわれたモップがその動きを阻んだ。
薄汚れた床拭きを眼前に突きつけられ、ゴウトは喉で低く唸る。
ライドウがモップを支えにするすると膝を折り背を曲げる。ゴウトと近しい視線の高さをつくってから、大仰に項垂れた。
28 :
3/5:2006/03/16(木) 16:28:13 ID:KlRFuOTv
「鳴海さんが帰ってくるまでに、事務所と台所と風呂と私室の掃除を終わらせなきゃならないんだよ。
洗濯物もまだあるし、師範学校の論文も提出期限が迫っている」
「お忙しいことだな書生どのは」
「小生意気なお猫さまの飯も作らないといけないしな。……まったく、仕事を増やしてくれてありがとう」
とうとう舌打ってライドウが指さしたのはゴウトの背後か。振り向いたゴウトは言い逃れを取り繕うための沈黙を選ぶ。
「まさかおまえ、私室のほうも歩き回ってくれたのか」
「……まあ、な」
「感謝の言葉もないな」
窓のひとつから始まり、鳴海の仕事机、来客用テーブル、椅子、そして床に至るまで点々と、しかし黒々と残る小さな足跡はゴウトのものに他ならない。
猫の体をここぞとばかりに生かした細い隙間にまでも残るそれを拭き清めるのはライドウなのだった。
29 :
4/5:2006/03/16(木) 16:29:07 ID:KlRFuOTv
ライドウが掃除をする間、ゴウトは邪魔扱いされるのが癪で外に逃げている。
今日もその例に漏れず散策を楽しんだ上での帰宅であったが、そういえばぬかるんだ裏通りを歩いていたかもしれない。
いっそ客観的にゴウトは思う。――これは俺も怒る。
声を凍らせたゴウトを見、ライドウはのろのろと腰を上げた。泥まみれの黒猫の首をつまんで持ち上げる。
にやり、とそれは愉しそうに唇を歪めた。
「……これはつまり、風呂に入りたいと、そういうことだな?」
「バ――馬鹿な! そんなわけがなかろう!」
猫の毛皮は水気を厭う。咄嗟にゴウトは暴れたが、所詮は猫と人間の勝負である。軍配の示す勝者は決まっている。
30 :
5/5:2006/03/16(木) 16:30:50 ID:KlRFuOTv
「おまえを綺麗にしなきゃ何もできない」
やすやすとゴウトを腕に抱き、シャツが泥に汚れるのも構わずライドウは事務所を後にする。
向かう先は、今更間取りを脳裏に描く必要もない。ゴウトは心胆から恐怖した。普段は容易くあしらってみせる子どもが、今は鬼神にすら見える。
その鬼神が淡く笑った。
「遠慮するなよ。とびきりの男前にしてやる」
逃げることも、言いくるめることも、もはや不可能だ。ゴウトは絶望とともに思い知る。
ライドウの職業意識の高さに負けた。四肢が力を失い、抵抗を諦める。
末世の断末魔のような猫の悲鳴が鳴海探偵社から響き始めるのも、時間の問題である。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )書生さんの仕事を勘違いしているよ
31 :
26-30:2006/03/16(木) 16:34:38 ID:KlRFuOTv
すみません一番最初のコピペが抜けてる…
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )前スレ
>>602-608姐さんに魅せられライドウ購入したよ
十四代目とにゃんこ
書いたつもりだったんですけどすみません。確認不足だった
とにかく前スレ姐さん萌えをありがとう!休日をライドウに費やしたよ
>>31 乙! 好みの文体で読みやすかったです
ゴウトかわいいよゴウト(*´Д`)
この後石鹸でもこもこ泡だらけにされればいいよ
>>26-30 ゴウトたんキタ━━━━(*´∀`*)━━━━!!!!
かわゆいよゴウトじゃぶじゃぶされちゃいなよゴウト
きちんとご飯作ってあげてるライドウもかわゆいよ
ああもう自分の可愛さをライドウにアピールしてればいいよゴウト
とりあえずGJ!
そしてきっかけを作ってくれた前スレの姐さんもありがとう
>>31 いいなぁ(*´∀`)
文体に萌えました
GJ!
>>26-30 前スレで三作落とした者ですが今ほど「書いて良かったーーー!」と感じた瞬間はない
超力GJだよ姐さんゴウトたん可愛いよゴウトたんハァハァ
こまめに掃除してあげる十四代目もテラカワイス
こんな上手い人の手で萌え補給してもらえるなんて幸せだー
ライドウはまだプレイ途中かな?
姐さんがラストまで楽しめるよう願ってますよ。
終盤のトンデモ展開にひっくり返るがいい! フンフン
ぬこモエス……!
37 :
昼の男夜の男:2006/03/16(木) 21:33:46 ID:y5P5cMpO
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
アカキ"とナンコ"ウさん。小ネタ。前スレ
>>493-494、
>>508-509の続き。今回で終わりです。
居間の柱時計が半の鐘を一度鳴らす。隣り合ったナンコ"ウの静まり返った寝室に大きく響き渡った。
アカキ"は一口ビールを口に含む。ナンコ"ウのまぶたが少し震えたが、やはり起きる気配はない。含んだ
ビールを飲み下すと、今度は大きくあおった。
ナンコ"ウの寝顔を眺めながら、アカキ"はまた思い出す。バーれいみでのやりとりを。
『ブレーキの壊れた生き方、俺にしろっていうのか!』
『事実してたよ、ナンコ"ウさんは』
その後、ナンコ"ウは市川戦までの数日を耐え抜いた。不安と焦燥、背中に死の張り付いた数日間。
常人の神経に耐えられるものではない。神経の緊張がどこかで切れ、行方をくらましてもおかしく
なかった。踏みとどまれたのは、大金の誘惑もあったかもしれない。しかし、絞首刑の紐が首にか
かった状態を一日、二日と長く耐え切れる人間などそういない。そして、アカキ"に己の命を預けた。
アカキ"のすることに思いをつなげた。
己の決断には心から沿うとの出来る人間。
アカキ"は静かに笑う。
(死線を超える素質はもともと持っていたのさ、ナンコ"ウさんは…)
勝負後にナンコ"ウの下した決断は、ギャンブルとは縁を切って真面目に働くことを選んだ。
ナンコ"ウは眠っている。手の届かないところにいる。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
チュウトハンパ、カツ、コジンテキナジジョウデエロカケナクテスマソ。
>37
GGGJJJ! なんだか切なくなった……!
読めて嬉しい、書いてくれて有難う。
37に切ない話のリクエストが入りました
って、ゴメン
誤爆かと思ったら
あぼーんのせいで番号ずれてた_| ̄|○
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 前スレ613-620の続き、オリジナルでオヤジの恋です。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| どうにも妄想が止まらなかった模様
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 教授視点でお送りします
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「教授、今日の飲み会も不参加ですか?」
「ああ、すまんね。君から断っておいてくれないか。」
「うるさく言う奥さんもいないくせに付き合いが悪いって、他の教授方がぼやいてますよ。断りに行くたびに愚痴を聞かされる身にもなって下さい。」
困り顔で文句を言う助手を宥めすかして、帰り支度を始める。
彼女には悪いが、この先も私に代わってその愚痴を受け止めてもらう事になりそうだ。
教授室棟の外に出ると、ヒヤリとした風が顔を撫でた。少々暖房が効きすぎた屋内と外との温度差が気持ち良い。
ここ数日、私の機嫌はすこぶる良かった。そして今日も、その原因である小さな酒店に向かって歩き始める。
他に客がいない時、こちらから意識がそれているのを見計らって近づき声をかける。
あの日以来、私はそんな意地の悪い小さな悪戯を、機会をうかがっては行っていた。
都合のいいことに、彼は一つの事に集中し始めると周りの状況に気がむかなくなるたちらしく、今のところ私の作戦は毎回成功を収めている。
驚いた彼が、立ち上がった拍子に手を机に思い切りぶつけてしまった時は、流石に申し訳ない気持ちになったのだが。
今、彼の中で、私はどれほどの存在になり得ているのだろうか。
気がそれている時に限って声をかけてくる間の悪い常連、といった所か。
それでもいい。彼に私という存在が認識されていると考えるだけで、私の心は喜びで弾む。
もしかしたら、一日に数秒でも、夕方六時過ぎに訪れる間の悪い男の事を思い出してくれているのではないか。と。
43 :
2/5:2006/03/17(金) 08:17:30 ID:jh2pp5Ra
今日もうまくいくかな、と店の戸を開けると、らっしゃい、と彼が店の奥から出てくる。
きっと彼自身では「いらっしゃい」と言っているつもりなのだろう、しかし彼の低く小さな声でははっきりと「い」まで聞こえてはこない。
そんな感じも何だか彼らしい気がして良いのだけれど、などと考えている自分に、いよいよおかしくなってきたなと苦笑する。
いつものように奥のビールコーナーへ行き、贔屓の銘柄を手に取る。
さて、と彼の気がそれるのを棚ごしにうかがうのだが、こちら側に向かって座ってじっとしている。
考え事でもしているようで、眉間に皺をよせた彼の顔は相変わらず気難しげだ。
一向に動かない彼に、残念、今日はその機会には恵まれないらしいと諦めてレジへ向かう。
「これ、お願いします。」
もしかしたらこちらに顔を向けてはいても、考え事に集中していたら私が近づいていることに気付かないかもしれない。吃驚しないかな。
そんな仄かな期待をあっさりと裏切り、彼は表情を変えることなくレジを打ち始める。
ここ連日、悪戯を成功させ、もちろん今日もそのつもりで訪れた私には、
彼の表情が変わらないのが物足りず、なんとかして自分に意識を向けさせたかった。
「今日は、寒いですね。」
44 :
3/5:2006/03/17(金) 08:20:19 ID:jh2pp5Ra
話しかけていた。あれほど色々と話題を考えては機会を逃していたのに、勢いというのは恐ろしい。
一瞬、驚いた顔で私の顔を見て、また下に目線を戻しビールを袋に入れる。
「そうですね、・・・風邪に気をつけないと。」
やや下の方に目を向けたままそう答え、お釣りを寄越す彼の低い声はやはり心地良い。
お互い健康に気をつけましょうと言って店を出て、ふわふわした気持ちのまま家につく。
持ち帰った仕事を片付け、今日買ったビールを飲みながら、ほんの数秒の会話を思い出す。
なんだ、結構簡単なことじゃないか。あれこれ話題を考えては機会を逃していた自分を思い出し、クスリと笑った。
それから私は、店に行くたび彼に話しかけるようになった。
意地悪な悪戯に彼が慌てるのを見るのも好きではあったが、やはり彼の声が、思考が自分に働きかける嬉しさには勝てない。
今日の天気、最近のニュース、お互い独り身の生活で大変ですね。会計を済ませながらポツリポツリと話す。
彼から話し掛けてくる事は無かったが、話しかければ嫌そうな顔をせずに応えてくれたし、
私が店に入ると、知り合っている相手にするような、「客」としてではなく「私」個人を認識した目をして迎えてくれた。少なくとも、私はそう感じていた。
過度な期待はしてはいけないと自分に言い聞かせながらも、
彼の目に、店主と客という関係から一歩進めた気がして、私の気は大きくなっていった。
45 :
4/5:2006/03/17(金) 08:22:40 ID:jh2pp5Ra
話しかけるようになってから一週間が過ぎ、いつものように店の戸を開く。
洗い物でもしていたのだろうか、奥から出てきた彼の手は濡れていて、少し赤くなっていた。
会計を済ませながら他愛もない世間話をする。彼は、少し困ったような、はにかむような、そんな笑い方をする。
商品を受け取りながら彼の手を見ると、私がビールを持ってくる間に手は拭いたのだろう、乾いてはいるのだがやはりまだ赤い。
ここ数日、私の話に笑顔を見せてくれるようになった彼に勢いづいていたのだろうか、気付くと私は彼の手を握っていた。
「・・・暖かくなって来たといっても、まだ水仕事は辛いでしょう、手も冷えて。」
そう言って手を包む。ゴツゴツした彼の手は、思ったほど冷えているわけではなかったが、そんな事は彼に触れてみたいがための口実だ。
バシ
払われた手にハッとして、彼の顔を見る。
先ほどの穏やかな空気とは一転して、戸惑ったような表情。違う、そんな顔をさせたかったわけじゃない。
「・・・おっと、気分を悪くしたならすまない、そろそろ失礼するよ。」
できるだけ動揺を隠して、気まずさから逃れるように店を出た。ちゃんと笑顔で言えていただろうか。
彼があんな反応をするのも当然だ。自分と同じくらいの年のオヤジに、手を握られても気持ち悪いだけだろうに。
歩きながら、さっき彼に払われた手を見つめ、あまりに大きく育っていた自分の欲望に恐ろしくなった。
そのうち、自分の気持ちを打ち明けてしまいたくなるかもしれない。
一日中彼の頭の中に私が存在することを、彼の手を握る権利を、全てを、欲してしまう日が来るかもしれない。もしかしたらもう既に。
気持ちを打ち明けたとしても、きっと叶えられないであろう自分の欲望に、泣きたいような気持ちになり空を仰ぐ。馬鹿だ。
店主と客という関係以上になった、知人、それだけで満足ではなかったのか。多くを望んではいけないと分かっていたはずだろう。
自分の小さな悪戯に驚く彼を見るだけで、彼の目に店主と客以上の親しみを見出して、それだけで満足していた頃に戻れるなら、私はそれを選ぶだろうか。
いや、戻れたとしても、結局は先延ばしにしているだけで、いつかは恋人という関係を求める時が来てしまうのだろう。
はじめは、姿を見るだけで満足だった。店に通ううちに色々な顔を見たくなった。話がしたくなった。触れたくなった。そして、今では全て欲しい。
人間は欲深い生き物だ。
そして自分のあまりに大きな欲望に気付いた瞬間に、拒絶される恐さに体が竦み、身動きが取れなくなるのだ。
今、私がこうしてウジウジと考えている事は、世の幸福な恋人達からしてみれば些細な事なのだろうか。
喉の奥が熱い。見上げた空が、滲む。
もうあの店へは行けない。彼には会えない。
部屋に帰ったらいつだったかに貰ったウィスキーを開けよう。酔って、酔って、そして全て吐き出してしまおう。この行き場のない欲望と感情全て。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 恋は人を臆病に・・・しすぎだろ。
| | | | ピッ (・∀・;) 続くと思います、長々と誠に申し訳ない。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>41
GJ!GJ!GJ!!!!今回もオヤジ禿萌え(*´∀`)
>>41 もどかしいよ、オヤジのくせにまだるっこもどかしい!
だ が そ こ が い い
GJ!続きも待ってるよ〜
>41
つっ 続きキタワァー!ヽ(*´∀`)ノ
動揺が隠せない居酒屋オヤジ禿萌エス。先が楽しみです…!!
>41
オヤジ最高!!
続いて嬉しいっす!まじイイ…!
オ・ヤ・ジ!
オ・ヤ・ジ!
この萌えをオカズにドンブリ飯だって食える!(゜∀゜*)
>>41 酒屋オヤジの視点も読みたい!次の投下も楽しみにしてます!
オヤジ最高
54 :
1/7:2006/03/17(金) 15:18:15 ID:/h71CoSr
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ナシキカホのイエモリキタソ、孝道×綿貫だよ。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 季節とか色々ごめんね。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
55 :
2/7:2006/03/17(金) 15:19:49 ID:/h71CoSr
「今宵は風流な格好をしているな」
よ、と掛軸を跨ぎ床の間に下りた孝道が、浴衣姿の綿貫を見て言った。
ぼんやりと高い月を眺めていた所に背後から声を掛けられ、
少々驚きはしたが、同時に安堵した。
「一度ぐらい袖を通さないと、浴衣に悪いかと思ったのだ」
「少し変わったな、渡貫」
「おまえの所為だろう」
それも悪くないさ、と孝道は目を細めた。
夏も終りを迎え、池に浮かぶ月も丸みを帯び、星も高い。
鳴く虫の声は風鈴の音よりも空気を涼しくさせる。
流れ込んだ温い夜風に床の間の掛軸が揺れ、カタン、と音を立てた。
手前には孝道のボートが繋がれている。
「今日は随分遅くに来たな」
「おまえが望むから来たのだが」
「偶におまえと、夜を明かしてみたいと思っていたのだ」
「珍しいことを言うものだ。ならば今日は満足だろう」
「…居るだけでは満たされないと思う事もあるのだがな」
柱に凭れだらしなく足を伸ばしている渡貫が、藤の椅子に腰掛けている孝道を見上げ、
生きているのだから仕方ないのだ、と欲情を滲ませた瞳で言う。
おまえが教えたから、身体がもうすっかり覚えてしまった、と。
孝道は何も言わずに、椅子の上に足を上げ、そこで緩く胡座をかいた。
渡貫が浴衣の裾を大きくはだけさせ、自らのそれに触れ始める。
既に欲情の様ははっきりと見てとれた。
56 :
3/7:2006/03/17(金) 15:23:13 ID:/h71CoSr
「―…っ、…ん」
「…独り遊びも楽しそうだな」
「楽しくなど、無い。お前が、…生きて居た頃の方が、ずっと」
「だが随分と良さそうに見える」
「……おまえが、居るからだろう」
熱を孕んだ吐息に混ぜ、刺激に途切れがちの言葉を告いだ。
それを言い終えると、左手を浴衣の中へ少し引き、
摘んだ袖で、乱れる吐息を隠すように口元を押さえた。
黙って自分の方を見る孝道の視線が何とも言えず、下を向く。
目を瞑ると否が応でも意識はそこに集中してしまう。
孝道の居る前で、その欲を如何にかしようと思った事など無かったが、
稀に話している時、生前の戯れを思い出す事もあった。
体温を持たない孝道に触れる事などもう叶わない。逆もまた。
こうして逢っている事が、不可思議な事なのだ。
その事を理解はしているが、何故か今日に限って如何する事も出来ず。
「…孝道」
「何だ」
「…っ、おまえに触れたい…」
「無理な話だ」
「私が、逢いたいと思えば、来ると言うのならば、触れたい、と思う時そうしてくれても良い筈だろう…?」
「…すまんな」
と、と孝道が椅子を降り、渡貫の傍に腰を下ろした。
目が潤んでいる所為だろうか、少しぼやけて見える手が頬に伸ばされてくる。
顔を傾け渡貫もその手に触れようとしたが、それが出来るかどうかを確かめる前に、止めた。
触れられない事を実感などしたくない。
そう目で言ってやると、悲しそうに笑って孝道は手を戻した。
57 :
4/7:2006/03/17(金) 15:25:59 ID:/h71CoSr
「おまえは先を弄られるのが好きだったな」
傍に聞こえる、前と変わらない孝道の声に、ぞくりとする。
そんな事は自分で良く分かっている、と言いたかったが、言葉を発するのも億劫だった。
右手はもう、滲み出る物で随分と滑らかで。
孝道の見ている前でするのは、全くの独りの時とは比べものにならないものだな、と苦々しく思った。
「もっと先を扱け。それを掬って指先で撫でる様に」
「――っ、孝道、やめてくれ、おかしくなりそうだ」
「触れているのはおまえ自身だぞ」
「…分かっている、分かっている、が…」
話す合間も刺激を止められず、絞り出すように声を発しながらも、
言われた通りに指を動かしてしまう。
目を瞑れば、孝道の手の感覚を思い出す。
オールを持つ手には固い箇所があり、決して綺麗な手では無かったが、
触れられると唇すら噛み締められず、甘ったるい声がいつも漏れていた。
当然そんな声など出したくない綿貫とは逆に、孝道はそれを聞きたがり、
意地の悪い触れ方をよくしていた。
そのような、互いに熱に浮かされた日々があった。
以前、飽きる程耳元で聞いた声の所為で、独りでしているのに、
その手にされているかの様な錯覚に陥る。
弄る指の立てる、粘性のある水音が耳についた。
「…ん、ん、っ、」
「声を堪えるな、出した方が楽になる」
「…もう、持たない、」
「…堪らない色気だな。触れられないのが少し、悔しい」
「っ、…孝道っ、もう」
「…渡貫」
「――…っ…」
58 :
5/7:2006/03/17(金) 15:28:45 ID:/h71CoSr
手で受け止め切れなかった欲の証は、浴衣に落ちた。
孝道が眉を顰め、後、柔らかな笑みを浮かべた。
行為後と明らかに分かる姿で、だらしなく脚を開いたままの渡貫の額に汗が浮かんでいる。
乱れる呼吸を整えようとしながら、白濁に濡れた手と浴衣を眺めた。
「…汚してしまった」
「良いものを見せて貰った」
「…人の見ている前でする事では無かった、…すまぬ」
「謝る事ではないだろう。生きているのだからな」
「おまえは…」
「何だ」
あの頃の様に身体が火照る事も無いのだな、と聞きたかったが、
当り前過ぎて余りに愚かな問いは飲み下した。
秋の風の様な思いに駆られる。
自分と孝道を隔てる壁は、見えないが確かに存在している。
何も言わず、其方へ行ってしまった孝道の奔放さを恨めしく思った。
59 :
6/7:2006/03/17(金) 15:29:54 ID:/h71CoSr
呼吸も元の様に静まり、力の入らない身体を何とか少し立て直し、庭を見た。
先ほど眺めていたものと然程変わりは無い。
サルスベリも其処に在り、ゴローも丸くなって眠っている。
一息吐いて視線を家の中へ戻すと、孝道が掛軸を跨ぐところだった。
「…もう帰るのか」
「ああ、帰る」
「長く居るのでは無かったか」
「今日は駄目だ。…熱くて落ち着かない」
「…おまえにも体温があるのか」
「いや、そうでは無く、芯に在る感覚と言うのだろうか」
また来る、と言い残し、音も立てずに孝道の乗ったボートは向こう側へと消えた。
その姿を眺め、そうか、死してなお変わらない事も在るものか、と考え当たる。
ならば自分にも変わらない部分が在っても良いのだ。
もう交われないおまえを昔と変わらず思うのも、そう悪い事では無いだろう。
そんな小さな呟きを、晩夏の色付く風へと静かにのせた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ごめんなさい。
| | | | ピッ (・∀・ ) 萌えすぎたんだよ、この2人には。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>60 原作を知らないけれども萌えました。
ちょっと書店を探してきますノシ
>60
同じくノシ
新たな萌えをありがとう!
>60
すごいよ……原作読んだときには考えたことなかったけど、
もうモエが止まらないです 読ませてくれてありがとう
サルスベリがどう思ってるのか気になってたまらない。
64 :
7:2006/03/18(土) 00:40:16 ID:vKK+oZ2V
投稿するスレを間違えて、前スレが終わってしまいましたOTL申し訳ない・・・
とりあえず、最後だけ。
「危ないから、近くまで送ります」
道中、彼は真摯に「病院に行った方がいいですよ」「ちゃんと栄養をとらなきゃ駄目ですよ」
などと俺に言い聞かせながら、ずっと肩を貸してくれていた。
その都度俺はうん、うん、とまるで子供が言われるようにそれに首肯しているばかりだった。
テレビを騒がしてる警官の不祥事でですっかり警官に対する不信感に凝り固まっていた俺の脳味噌にあって、
それを払拭するぐらい親切な警官のおかげで、俺は少しばかり警官が好きになれそうな気がした。
すっかり全快したそんな俺はわっさわっさとバナナを抱えて、再びあの交番を訪れたのだが、
真っ当な警官である彼は、治って良かったですねと笑ってくれただけで、バナナは受け取ってくれなかった。
探偵の職種柄、さり気なく人から情報を聞き出すことには不自由しない俺は近所の人に探りを入れた。
そうして知ったのは、子供の頃特撮ヒーローに憧れて、人の役に立ちたくて警察に入ったらしいこと。
そんな彼の自転車には仮面ライダーブラックのキーホルダーがついている。
こっそりとてつをと呼んでるのは俺の秘密だ。
交番の掲示板に貼ってある、町内の危険箇所調べた自作マップ交番の掲示板も彼の自作で、
小さい子供に人気があって、慕って交番に遊びにきた子供に防犯指導してることも知ってる。
すげーなてつを。
俺は仕事帰りにてつをを見るたびにそんな尊敬の眼差しを向けている。
てつを、俺実は正義の味方なんだ。つったら、憧れてくれるかな。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 勝手に探偵変換した。
| | | | ピッ (・∀・ )そして前スレと繋がってしまったスマソ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>65
てつをキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
いい仕事してますね、姐さん!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ア力キ゛の悪鬼→何号さん。
68 :
1/2:2006/03/18(土) 01:07:20 ID:icCR58x1
髭の893が、なにか話し続けている。
一日の労働から開放され、疲れから頭の中がかるく霧がかったようになっている今、車窓からの景観にも惹かれるものがないので、カタチだけ対応はしているが、互いの間で交わされる言葉は、先ほどから全て耳を通り抜けて、消える。
退屈だ。欠伸を噛み殺すのも、次第に難しく感じてきた。
自分の意志で従ったとはいえ、面倒なところへきてしまった。
ぼんやりとした思考が、内へ内へと沈んでゆく。
代打ちが俺のにせ者だから、どうだというのだろう。勝とうが負けようが俺には何の関わりもない。
正直言えば、俺を巻き込まないで居てくれるのなら、そのにせ者が俺の名前をカタリどう使おうとも、構わないとすら思っている。
迎えに来たのが何号さんでなければ、今頃この場にいない。
このやたらとうるさい髭893ひとりきりなら、蹴り倒してお終い。あとはきっと、べたべたと粘着されないよう、職も変えるくらいはする。
髭893の隣で、おろおろと落ち着かない様子で居る何号さんだから、昔とあまりかわっていないように見えるこの人が来たからこそ、俺もついいてきた。
それと、長い時の経過。
十分すぎるほどの時間があいだにあったから、おとなしく車に乗った。
もしも、呼び出しに来たのが、あの最後の夜、勝負の直後ならば、俺は逃げた。
当時13さいのこどもでも、利用されていることはしっかりと感じていた。
無防備に俺を信頼する何号さんが、ほんのわずかの間にとりかえしのつかないほど好きになっていたから余計に、本心ではどれだけ求めていても、心の整理が出来なかった。
69 :
2/2:2006/03/18(土) 01:09:23 ID:icCR58x1
何号さんが作為したわけではないのに…、それが、ずっと引っかかっていた。
皮膚の下に、深く潜り込んだ棘のように。いつでも、俺の胸に痛みを与えていた。
闘牌の前日、勝負が無事に済んだ暁には、俺は静かに消えるか、何号さんの目の前から逃げ去るか、そのふたつしか選ばないと決めた。
そして、追われてもいないのに、6年間ずっと馬鹿のように流離った…。
再会したところで、ろくに言葉も交わさなかったが、意識しないときには俺の目は何号さんを見る。何号さんの姿を確認して、どうしてか安心している。
二度と会えないと思った…。昔は手を伸ばすことが戸惑われたこの人が、俺のすぐ近くにいる。
諦めを選んでしまったあの日から、俺にはもっとも縁遠いとおもいこんでいた感情が蘇り、胸を占める。
「……っ!?」
目頭が熱くなりかけて、俺は吃驚した。
ここ何年と、欠伸をするか、目にゴミでも入らなければ、涙の出ることなど無かったのに…。
気を静めるつもりで煙草を取り出し、火を付ける。
俯いていた姿勢を元に戻したとき、ルームミラー越しに何号さんと視線があった。何か言いたげな目をしているように感じる。
何号さんの目を見ると、俺はすこし辛くなる。
会えてうれしいとか、懐かしいとか、そんな上っ面の感情ではなく、もっと深いものが伝わるからだ。
おそらく、何号さんは俺に対しては父親のような気持ちで居るのだろう。
俺にはあまり喜ばしくない方向の情だ。俺が何号さんから寄越して欲しかったのは、恋情や愛情。
折角機会が巡ってきたのに、誰とも深く関われないまま生きてきた俺には、それをどうやって手に入れればいいのか分からない…。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
中途半端でごめんね。
>>65 乙!
カメハメハを練習してるてつをキボンw
>70
GJ! 無邪気な悪鬼かわういyo!
>>65 ももも萌えす!!!!
続きが読みたくなる展開ですなー(*´Д`)ハァハァ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 江/戸/川/乱/歩の算/盤/が/恋/を/語/る/話から妄想
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| いい年して臆病・純情すぎる主人公に禿萌えたらしいよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 色々捏造しています
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ほんのりと同僚→主人公→女性となっております。苦手な方はスルーして下さい。
76 :
1/5:2006/03/18(土) 19:59:43 ID:vEydetyk
なんとも馬鹿馬鹿しい思いをしたあの日から、Tは自分の中でこれまでの十数日間の全てを無かったことにしようと勤めていました。
もちろん今でもS子と顔を会わせれば、彼女の快活な魅力に胸は高鳴るのですが、
自分があれこれと考えては算盤に想いをこめていた十数日に渡る焦慮に、彼女が全く気付くことなく過ごしていたことが
Tにこれ以上の働きかけをする事を許さないのでした。
「やはり俺のような気の弱い男には、恋をするなど過ぎた望みだったのだ。」
彼女が自分の気持ちに気付き、あわよくば恋人として受け入れてくれるなど、あるわけないではないか。
まだ誰も出社していない事務所で、Tは自分の隣の彼女の席を苦い顔でみつめていました。
もう算盤に秘密の暗号を打ち込むために一番に出社する必要はないのですが、
既に習慣として染み付いてしまったのか、Tは今日も一番に来てしまったのでした。
77 :
2/5:2006/03/18(土) 20:02:01 ID:vEydetyk
何をするでもなくぼんやりと窓の外を眺めていると、同僚である事務員のNが入ってきました。
Nは二十代なかほどの誠実そうな男で、周りの職員たちからも何かというと頼りにされているようでした。
進んで皆にお茶をいれてくれるNからは、なにか砂糖をたっぷり溶かしたコーヒーのような、甘い香りがします。
人を安心させるその匂いが、Tにはとても羨ましく感じられるのでした。
「やあ、おはようございます。今日も随分早いですね。」
Tが小さな恋の計画のために一番に出社するようになるまでは、彼が一番に来ていたようで
ここ十数日の間、Nと朝の事務所で二人きりになる日が続いていました。
「お早う。」
Tはいつもの喉につまったような声で挨拶を返します。
どうしておれはこう話がうまくできないのだろう、他の事務員同士は楽しげに冗談を交わしたりしているのに。
挨拶からその次に進めない自分の内気さに肩をおとしていると、珍しいことに、いつもはそこから沈黙して机についてしまうNが話しかけてきました。
「ここ最近は毎朝二人になりますね、他の職員が来るまでまだ時間があるでしょう。どうです、コーヒーでも。」
彼が話しかけてくれたことに驚き、また、自分から話しかける勇気を持たない自分に振ってきたこの機会に、彼は心中でたいそう喜びました。
もう少し社交的な男になれば、きっと、今度は面と向かって女性に想いを告げられるようになるだろう。
まずは、せめてあたりまえに同僚と話せるようにならなければ。
「あ、あぁ頂くよ。・・・どうです、最近は。」
何を話していいか分からないので、Tはとりあえず漠然とした質問をしてみるのでした。
78 :
3/5:2006/03/18(土) 20:04:15 ID:vEydetyk
あまりにもぼんやりとした問いかけに、クスクスと笑いながらNは答えます。
いつもはTと二人きりになると、お互いに押し黙ってなんとも表現し難い空気になってしまう彼の、
そんな笑顔を見てTはなんだか嬉しいような恥ずかしいような気持ちになりました。
やはりおかしな質問だっただろうか。おれに話すような「最近」などないだろうか。
Tが赤面してあれこれと考えを巡らしているのを横目で見ながら、Nは何か含むような笑い顔で話し始めました。
「そうですね、最近はある面白い悪戯を思いつきました。算盤を使うんですがね、想いを寄せる相手に暗号を残すんですよ。」
Nのその言葉に、Tはたいそう動揺しました。それは、自分がS子に向けて行っていたものと同じものだったのです。
Tの動揺する姿を気にしない様子で、Nは話を続けます。
「いいですか、文字を行と番数で表すんです。「あ」なら1行目の1番目、「さ」なら3行目の1番目といったように。
面と向かっては言えない想いを相手に送ることができる。続けていれば、もしかしたら気付いてくれる日が来るかもしれないですしね。
文字数の制限はあるでしょうが、大抵の言葉を残しておくことが出来るんですよ。例えば・・・「12 45 32 22 22 72」、「イトシキキミ」とか、ね。」
Nは意味ありげな笑みを浮かべながらコーヒーを差し出します。
Tは、その場から逃げ出してしまいたくなりました。
彼の秘密の計画は、送った相手には伝わらず、よりによって内心羨んでいる同僚に伝わってしまっていたのです。
Nはこんな回りくどい方法に想いを託そうとした自分を内心で軽蔑しているだろうか、
もうすぐ三十になろうという男が、気になる相手に想い一つ伝えられないなんて我ながら情けない。
「でも、こんな簡単な暗号に気付かないような人では駄目ですよ。私はあなたが早く出社するようになって、三日目には気付いていましたよ。」
Nは何か言っているようでしたが、恥ずかしさで頭がいっぱいになっているTの耳には入ってこないのでした。
79 :
4/5:2006/03/18(土) 20:07:07 ID:vEydetyk
やがて他の職員達が入って来て、各々の仕事につき始めました。
Tも自分の机につき、その隣には想いを寄せていたS子が座っているのですが、もうそれもTの目には入らず、あれこれと考えているのでした。
仕事に手がつかないまま一日を終え、ぼんやりとしたまま帰ろうとするTに、Nが話しかけてきました。
Tは今朝の恥ずかしさを思い出し、うつむいてしまいましたが、Nは気にする風もありません。
「お疲れ様です。今朝はおかしな話をすみませんでした。
へんな話しついでにですが・・・もし、Tさんが暗号を受け取る側だったら気付いていたと思いますか?」
優しげな笑みをうかべたまま、なんとも答えに困る質問をする男だと、Tは心の中で毒づきました。もちろんそんな事を口には出来ないのですが。
「さぁ、どうでしょうね。・・・お疲れ様です。」
恥ずかしさに顔を火照らせながら、Tは逃げるように事務所のドアを開けます。
それを止めるでもなく、Nは笑顔のまま見送るのでした。
80 :
5/5:2006/03/18(土) 20:09:14 ID:vEydetyk
その翌日、Tは久しぶりにゆっくりと出社しました。TはNと二人きりになって、どんな顔をすればいいのか分からなかったのです。
そしてTは、自分の机の上に乗っている算盤を見て、赤い顔をしながら考え込むのでした。
気付いていないふりは出来るわけがない。そもそもおれが始めたものだ。
12 45 32 22 11 51 41
自分の算盤に残された、Nからであろう暗号に、何と返事をしようか、と。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )乱/歩は萌えの宝箱やぁ〜
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
82 :
風と木の名無しさん:2006/03/18(土) 20:18:11 ID:2MUA5zwA
>81
GJ!乱/歩文体堪能しますた。確かに乱/歩は萌えの宝箱…他にもネタ思いついたら
是非よろしくお願いします!
sage忘れごめんなさい…吊ってくる
>81
元ネタ知らないけど楽しく読ませていただきました
GJ!
>>81萌えました。
あと乱歩なら、ぜひ孤/島の鬼の主人公受でサイドストーリーをお願いします
医者攻が一番ですが探偵攻でもOKですw
おっと乱/歩を伏せ忘れた。スマソ。
>>81 GJ!!
この話可愛くて好きだったんだがまさか萌える日がくるとは…
姉さん是非また乱歩もので萌えさせて下さい(´∀`*)
>85
なにをナチュラルにリクエストしとるんだお前は
乱歩は萌えの金メダルやぁ〜!!!
ミチヲ好きですミチヲ。
彦.麻.呂乙w
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 最/強/伝/説黒/沢で仲/根黒/沢
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| でもモノローグオンリー…
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ふっと目が覚めた。カーテンの隙間から朝日が差し込むがまだ部屋はまだほの暗いままだ。
枕に突っ伏したまま仲/根は枕もとの携帯をひろげた。
AM5:10
早すぎる。中途半端に目が覚めるとはついてねえぜ。
でも寝なおそうとして目を閉じてももう眠ることは出来ない。
「…」
いらだって固く目を閉じる。
「………」
何の気配もしない。いるのは仲/根一人。静か過ぎる…
目を閉じてその沈黙の中にいると、何かしこりのようなものが仲根の中をつつきまわす。
しこり…?それとも形にならないもやもやか…?
とにかくこれ以上目を閉じていることは我慢できない。目を開いてもやることはないが、
とりあえず仲根は携帯を開いた。なにかもてあそんでいればそれを感じることはないから。
まず何とはなしに着信履歴をみる。
学校の知り合いと遊び相手の名がずらりと並んでも仲/根の目は滑るだけで何も感じない。
”違う…”
そして留守番電話。だが声が流れてきた途端、仲/根は切っていた。
”違う…”
違う…お前らじゃねえ…オレは…
「兄さん」
ふいに口から漏れた。
「兄さん」
呼ぶたびに中のものが疼きだす。
たまらず画像フォルダから「兄さん」の写真を取り出した。
作業員姿の男。がっちりとした体を作業服が引き立てる。なにか指示を下しているのだろうか、
厳しいまなざしの横顔。
「はあ…兄さん」
兄さんー黒/沢の写真をみているだけでひりつくような疼きが優しい暖かさに変わっていく。
男の中の男ー思うだけで疼きがとまらない。
今頃兄さんは何しているのだろうか…話がしたい…
しかしまだ朝だ…兄さんはきっと寝ている。だけど会いたい…話がしたい…
それでも今電話すれば兄さんの声ぐらいは聞けるだろう。声だけでも聞きたい…
そう、一人のときは。
そう、一人。オレは今一人なのだ…一人きりなのだ…
気づいてしまうと疼きは再びひりつき、仲/根を締め付ける。
「兄さん…」
現場の連中は今日仕事が始まれば兄さんに会える。今日だけじゃなく明日も明後日もずっと…
いつでも話せるじゃないか…でもオレは…会えない。
オレは一人だ…兄さん…会いたいのは兄さんだけなのに…
「好きだ…兄さん…」
再び携帯の待ち受けに戻す。
AM5:43
兄さん…オレも一人だよ…
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ …萌えを叫ぶだけになっちゃった…
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
AA入れるとずれるんで略します。
(・∀・)<日曜朝バイク海苔06年度の兜・精鋭部隊その1メインコラボネタだモナ。
(・∀・)<元ネタカプは、超人絆(要英訳・主人公×蒼いカジツ)だモナ
|> PLAY
96 :
case00:2006/03/19(日) 17:52:15 ID:jwByfnpG
「谷車さんの作った麻婆豆腐が食べたいです!」
入院中の部下・蔭山。
屈託の無い少年の様な笑顔でそう答える部下に、ゼ/ク/トの精鋭部隊をしょ
って立つリーダーは麻婆豆腐を食べさせたいと、病室を後にした。
が。
「谷車さん、遅いな…」
面会時間ももうすぐ終わろうとしている。
しかし、いっこうに谷車は戻ってこなかった。
「まさか…また、ワ/ー/ムが…」
慌てて身体を起こそうとする蔭山。
だが、腕の怪我が痛み思わず顔をしかめる。
「おい?!無茶をするな!」
そこへ見舞いの品を傍らに置き、慌てて駆け寄る背広姿の青年。
長身で妙にスタイルがよく、目鼻立ちのよい美青年である。
「和樹?」
和樹、とよばれた青年は、蔭山の身体をそっと支える。
97 :
case00:2006/03/19(日) 17:54:11 ID:jwByfnpG
「さっき連絡を貰って来たんだ。全く…僕は始めからキミが部隊に入るのは…」
「あーもうその話は無し!和樹、俺と顔合わせるたんび、そればっかじゃん。
もー、一週間くらい聞き飽きた!」
「聞き飽きた、って…僕はキミが心配で!」
「ごめんごめん!俺が悪かった!」
先ほどとはうって変わって、屈託の無い表情を連発する蔭山。
和樹の心配そうな顔に、思わず素直に頭を下げる。
「?…」
しかし。
「それでさ、あれ…くまさんカステラだよね?」
「え?」
見舞いの品である包みから、甘い焼き菓子の香りが漂う。
その香りにつられ、子供の様な笑顔を和樹に向ける蔭山。
「和樹、俺が好きなの覚えてたんだ?」
「それは…そうだけど」
「ねー、食べさせて!」
「こら、甘えるんじゃない」
「俺、こんな手なのに、怪我してるのにー…」
「わかった、食べさせてあげるから」
98 :
case00:2006/03/19(日) 17:56:40 ID:jwByfnpG
和樹は苦笑しながらカステラの袋を取り出し、その一つを蔭山の口へ持って
いく。
「あーもう、和樹そーじゃなくて!」
「えっ?」
蔭山の言葉にちょっとだけ鈍る和樹だったが。
「峻…看護士さんが来ても知らないぞ」
「いーよ」
つまんだカステラを自らの口に銜える和樹。
そのまま蔭山の顔によせながら、少しずつカステラを口に移した。
そしてそれを引き金に、病室でいきなり繰り広げられる性技の数々。
衣服を脱ぎ捨てられ、白く細い身体を反らせながら、和樹の愛撫に熱い口づ
けで答える蔭山。
「かずきぃ…跡…つけないで」
「解ってるよ、峻」
ベッドに座ると、後ろから蔭山の身体を支え、白い尻にゆっくりと自らを埋
める和樹。
「んっ…!」
身体を支えながらの行為に、ベッドが激しくきしみ始める。
泣きじゃくる様な蔭山の喘ぎに答え、和樹が更に突き上げる…
99 :
case00:2006/03/19(日) 17:57:22 ID:jwByfnpG
が。
『◆●△☆※!?!?!?!?!』
訳の分からない叫びと大きな物音に、慌てて身体を離す二人。
身体を拭き衣服を整えながら、開け放たれたドアを見つめる蔭山。
「まさか…」
その頃。
泣きながら表参道を逃走する加々見。
いきなり見てはいけないものを見てしまい、かなり動揺していた。
陰のヘタレ主人公・加々見の明日はどっちだ!?
(つづ…かない)
100 :
case00:2006/03/19(日) 17:58:01 ID:jwByfnpG
□ STOP
(;´д`)<中の人が一緒だったもので、ついこんな話が…
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )コネタデス
家の近所に、小さな美容院がある。
従業員といえば、店主と従業員が一人だけの小さな店なのだが、店主の明朗と
した物言いが好きで、何となく私は何度もここに足を運んでいた。
「いらっしゃいませ」
夜。会社を終えてから私はこの店に遣ってきた。扉を潜り抜けると、洗髪台の
近くにいた店長が振り返り、こちらに数歩歩み寄って会釈をする。
「少々お待ち下さいね。間もなく準備が整いますので」
彼が笑顔と共に向けてくる台詞に頷くと、私は待合いの椅子に腰を下ろす。
店長は三十くらいと、私と同じ位の年らしいのだが、髪が短いのと茶髪で
あるせいか若く見える。笑うとさらに三歳は年齢が下がって見える。
仕事帰りの身には、彼の屈託のない笑顔が心に沁みる気がする。店長の目は
大きいのだが、笑うと糸で弧を描いたようになって、笑い皺と共に顔に愛嬌を
加える。表情も豊かで見ていて飽きない。彼を見るのが、正直数月に一度
ここに来る理由の一つになっていた。
洗髪台で髪を濡らして貰ってから、散髪の為の大きなケープを纏わせて貰い、
私は鏡の前に腰を下ろす。
私の希望を聞いてから、淀みなく動き出す彼の手とその動きが鏡に映る様を、
私は常のように感心して見つめる。
私の表情が可笑しかったのだろうか、店長が鏡越しにこちらの瞳をちらと
見遣った気がした。それが、何となく気恥ずかしくなって、私は何か言う言葉
がないかを胸に探す。
「そういえば、前から美容師さんに聞いてみたい事があったんです」
「何でしょう?」
髪から眼を離す事なく、店長が問い返す。言葉の合間を縫うように、彼の指間
から、ぱらぱらと髪の端が零れ落ちる。
「美容師と理容師の違いは何ですか?」
思いついた事をその侭口にした。途端に、彼の眉根が僅かに寄る。少しだけ
だが表情が曇ったようにみえて、私は眼を一度見開いてしまった。
「確かに、わかりにくいですよね。でも資格としては、別のものなんですよ?」
すぐに口元を引いて瞳を細める店長の顔を、私はじっと見つめた。
「そうなんですか?……『幼い頃は男性向けの整髪店が理容師、女性向けが
美容師』だなんて思ってましたよ。今はこうやって、貴方に髪を整えて貰って
いますが」
と冗談めいて言いながら口元を引くと、彼は小さく頷きを返した。
「その認識は間違い、と言い切れない所があります。私たちは整髪以外に
メイクや着付けなども行いますからね。ですが、最大の違いは顔が剃れるか
剃れないか、という所が一番大きいかと思います」
「確かに美容院で顔剃りは殆どしてくれませんね」
「しては駄目なんです。あれ、法律違反なんですよ、本当は」
笑みを籠めた台詞と共に立ち位置を変え、鋏を動かす。こうやって話をして
いる間も、着実に髪が切れていくのはさすがだと思う。
髪を指にて摘み鋏を入れながら、答える口元が僅かに緩む。切れた髪の端
が、彼の指の間を零れて落ちてゆく。
ふと自分の質問が少々気恥ずかしくなり、私は鏡の中の彼から視線を外した。
「どうもすいません。子供っぽい質問かと思ったでしょう?」
「いいえ。確かにわかりにくいですし、業務的には重なり合う部分もあります
からね。将来的には資格を一つに纏めていこうかという話もあるらしいです
し」
私の表情が可笑しかったのか、彼の言葉はいつもにもまして楽しげに感じ
られる。それに自然と頬に血を上がるのを感じながらも、私は口を休め彼を
再び観察しはじめた。
私に確認を取りながら前髪を整えていく彼の動きは、とても軽快で見ていて
飽きない。
103 :
3/4:2006/03/19(日) 20:33:14 ID:9Psc6qfH
私が店に来るのが何時も遅い所為で、もう一人の従業員に髪を切って貰った
事はないのだが、果たしてその人に整髪をして貰った時に私がここまで
楽しめるかどうかというのは疑問だ。多分、私はこの人を好ましいと思って
いる。しかし、こんなに見つめていて、失敬な態度になっていたらどう
しようか? 彼は私の視線に気がついて、内心苦笑しているのではない
だろうか? そう思うと恥ずかしくて頬からなかなか血が引かない。
そういえば彼が動作と動作の間に頬に、幾度か頬へと視線を向けた気がする。
それが気のせいでないのならば、こちらを見て浮かべている微笑のどれだけ
が、私の行為を笑うものなのだろうか。
全く、幾つなんだ自分。と、くだらないことを考え続ける自分の年齢に自分で
突っ込みを入れている間に、彼の手が止まった。
これで良いですかと、彼が椅子を廻し私の後ろ姿を手鏡で見せてくれる。
思った通りの長さになっていたので頷くと、彼がケープに付いた髪の毛を
払った。
「では髪を流しますので、移動しますね」
声に促されて立ち上がる。
洗髪台の椅子に腰を下ろすと、彼が横に移動しつつ問い掛けてきた。
「理容院に行ったことはありますか?」
子供の頃は何度か足を運んだ記憶はあるのだが。首を振る私の首に、彼が
洗髪用の小さなケープを付ける。
「理容院はうつ伏せに頭を濡らすのが普通なんですよ。最近は仰向けで髪を
濡らす洗髪台も増えてきているようですが、余り評判は良くないようだと
何処かで聞きました―――背中を倒しますね」
最後の台詞に顎を引くと、台が後ろに倒れていく。首の後ろに洗髪台の縁が
当たると、彼の手が私の頭部を持ち上げて、ちょうど良い位置に調整して
くれる。
にっこりと笑うと、彼は棚からタオルを取り出した。
「でも、私はこういう遣り方の方が好きなんです」
「何故ですか?」
悪戯っぽいように見えた彼の笑顔に、思わず問いを向けてしまう。
「何故だと思います?」
問い返されて首を捻るが、特に答えらしきものが浮かばず、私は首を振る。
彼は瞳を細めると、私に了承を得てから顔にタオルを掛けた。
いつもならば、この後は蛇口が捻られる音が続く。
が、今回は水音と温いシャワーの感触の代わりに、私の耳元へと声が向け
られた。
「何故かと、言いますとね」
気配が先程よりも近い。恐らく身を屈めて顔を近づけているのであろう相手
の、面白げな低めた声がそっと囁く。
「理容院だと、こういう事が出来ませんから」
気配が近づき口元だけタオルが捲り上げられると、湿り気のある柔い物が
唇に触れた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ;) ウエノ タイトルヲ ミスシテシマイマシタ
アウアウアー
>>101萌えたよ萌えつきたよ・・・・・
>>91 和む(´д`*)兄さん……
続編キボォォォンヌ……!
>>91 うおぉ!まさかこのカプが読めるとは!
GJです!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| アカギネタ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 南郷さんオンリーですよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
112 :
4/1:2006/03/20(月) 13:36:25 ID:izQ2Debq
出来合いの惣菜を売る店で、あきらかに一人分よりも多い買い物をする南郷に、
中年の女店主が「いい人でも出来たんじゃないのか」と言ってからかってくる。
「そんなんじゃない」と笑いながら手を振って、南郷は自然と早足になりながら
家に向かう。
古びた木造のアパートの南郷の部屋で、待っているのだ。
(……アカギ)
今頃、畳の上にじかに座って背を丸めて南郷の読み古しの通俗小説を
つまらなそうにめくっていたりするのだろう。
それとも窓際で遠くをすぎる豆腐屋の笛の音をただぼんやりと聞いているのか。
(早く帰ってやらねばならない)
自分を待っているのだと、そう思うだけで気力が充実してくる。
アカギが現れてからのたった数日間で、南郷の人生は激変した。
あの泥沼に中をあがくような閉塞感、死の予感は跡形もなく消え、
今はどんな将来を思い描くことができる。
金もある。
すべてアカギがもたらしたものだった。
113 :
4/2:2006/03/20(月) 13:37:02 ID:izQ2Debq
転がり込んできたそのたった13歳の恩人に、南郷は夢中になった。
(今度は俺が守ってやるのだ)
どのような素性の子供なのかはわからない。
その立ち居振る舞いからなんとなく卑しからぬ育ちが窺えたが、南郷は
「引き取り先のない孤児」とアカギの身の上を勝手に決め、無理やりに納得した。
南郷がこれからのことを「家を買う」とか「なにか商売を」とか、とりとめのない話を
夢中でする時、アカギは興味があるのかないのかわからない表情で
それでも南郷から目を離さずにたまに相槌をうったり、ときには笑ったりした。
「これからの計画」にアカギ自身も組み込まれていると察した時にだけ少し不思議そうな顔をする。
そういうときには歳相応の子供に見える。
他人に対して時に痛烈で辛辣な言葉さえ使い、けして警戒心を解こうとしないアカギが
自分にだけは油断している。
(あいつも俺が気に入っているんだ)
夜に枕を並べて眠るときには耳を澄ませなければわからないほどのアカギの寝息を聞き、
そこに本当にいるのかと不安になって手を伸ばし、その髪をなで、頬に触れ、唇をたどると、
その思いがけない柔らかさにおどろいて、おもわず手を引いた。
(あいつは俺が好きなんだ)
こんな日が明日もあさっても続くのだ。
胸のうちになにかが疼くようにわきあがり充満する。
二人の関係は弟と思うには曖昧だったし、友と言うには複雑すぎる。
この感情をなにと呼べばいいのか。
114 :
4/3:2006/03/20(月) 13:37:41 ID:izQ2Debq
そんな夢想にふけりながら、玄関を開け狭い土間で靴を脱ぐ。
それまでの幸福な夢を信じきっていたから、すぐには部屋の空気が冷えていることに
気がつかなかった。
「アカギ?」
まるで、最初からここには誰もいなかったかのように。
居ないとわかっても、南郷はその姿を目で探す。
「…すぐ、帰ってくるさ」
少し、出かけているだけ、だ。
腹をすかせて帰ってくるから、食事の用意をしておいてやらなければならない。
行き場所のない子供なんだから。だから、必ず帰ってくる。
(あいつも、俺が、好きなんだ。…そのはずなんだ)
115 :
4/4:2006/03/20(月) 13:38:14 ID:izQ2Debq
今はもう少年期を過ぎて青年の姿になっただろうアカギの姿を思い描く。
駅の雑踏で夜の繁華街で、いつのまにかその姿を探している。
あれから5年、まるで砂を噛むような毎日が過ぎていく。
南郷はいわゆるまともな暮らしを手に入れたが、なにかが大きく欠けていた。
夜通し街を歩いて、アカギの名を呼び、その声に涙が混じるまで探し回り、夜明けの光で
もう二度と彼が戻らないことを悟らなければならなかった朝のことを思い出す。
なにがいけなかったというのか。
ただ、無心に愛情を注いでやりたかっただけだ。
…それがいけなかったのだ、と、胸の痛みとともに思う。
彼にはそんなもの最初から必要なかった。
今頃どうしているのか。
巨万の富を得ているか。
それともギャンブルの炎に焼かれてしまったのか。
「…アカギ」
その名は誰にもとどかぬつぶやきになって、夜の空気に溶けていく。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 初投下ドキドキ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
南郷さんの純情なんか、めちゃめちゃにふみにじられちゃえばいいと思うんだ…。
>>111-116 南/郷さん…!(つД`)
なんだろう、これが不憫萌えというやつなのか…
居なくなった捨て猫を探し回るようだ・・・(ノД`)
前スレの
>>668 姐さん、
つ…続きをぜひに!!
>119
このスレを全部読んでみたら幸せになれると思う。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某よるのおうパラレルストーリー
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 主人公×謎の人
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ドラマしか知らずに設定や説明の一切をかなぐり捨てたナマモノまじりのいうなればクロスオーバーのいっそオリジナルです。合言葉はパラレルラーです。
謎の人の中の人は主人公の中の人と一緒にリズムを刻んでいるあの人です。
122 :
1/12:2006/03/20(月) 22:26:52 ID:CT6x2bFt
瞭介はわりと正義感の強い方だ。そして、わりと、なんていうと瞭介派のあの二人が全力で、ものすごく、だと訂正する。
酔っ払いやカラス族に絡まれているご婦人がいれば多少の無理をしてでも助けてしまうのだ。
そんな瞭介の助けてしまうところがみんな好きで、そんな瞭介の多少の無理をするところにみんな頭を抱えていた。
ただ、それは実のところ女性に片寄っている。
男なら自分でなんとかできるっしょや、と罵り合いになってようが殴り合いになってようが、大抵をスルーしてきた。彼の心の奥底にある元・暴走族の記憶がそうさせるのである。
最近は顔に傷をつけるわけにもいかなくなったし、人通りの多いところだったら警察のほうが役に立った。
自分以外に人が歩いていないような路地で、背の高いオッサンが壁に後頭部を打ち付けられてぐったりとうなだれた小柄な男を裏に運んでいく、なんていうシチュエーションでなければ。
で、なければ。
「これだけの為につけて来てんじゃねえよ、そこまでは仕事じゃねえっつうの!」
「いくら金払ってると思ってんだ、大人しく言うこと聞けよ!」
「あっ! ……ぐっ……」
ズルズル、ズルズル
123 :
2/12:2006/03/20(月) 22:27:31 ID:CT6x2bFt
だってゴンって言う前にその男の人と目があっちゃったんだもん、と瞭介はのちに言い訳する。
ほとんど夜が明ける頃だった。
瞭介は口ミオを出てからちょっと女の人と過ごしたりした仕事帰りのくたくたの体でそれを目撃したのだが、体格差が哀れだし、酸素の不足で判断力が低下しているせいもあって「ちょっと待ってください!」と止めにかからないわけには、いかない気分になったのだ。
止める前に裏に引っ込んでしまった二人を追いかけ、随分進んだところで瞭介はふとあたりを見渡してみる。
まるでドラマでチンピラがしめられるような鉄パイプの入り組んだ工事現場の隙間のようなところで、瞭介はすこし肝を冷やしたと同時に妙な使命感に駆られた。
「や、やめろ、ああっ……うっ」
ぼうっとしている場合じゃない。
うめき声に意を決し、瞭介は飛び込んだ。
「ちょっと、なにしてるんですかあ゛あ゛あ゛あ゛!」
ちょっと演技がくさいぐらいに気合の入った台詞が、途中から悲鳴に変わるのも仕方ない。
オッサン、チンチン、まるだしですやんけ! 妙にドスの効いた声が瞭介の頭の中にこだまする。
きりっとしたまま固まった瞭介にオッサンも同じぐらいに驚いたせいで、意に反して二人は熱烈に見つめあった。
その隙に、煌くような身のこなしで小柄な男が身を翻す。
バキッ
その音とともに、瞭介の視界の中心で、半裸のオッサンは鼻に強烈なパンチをくらって、倒れたのだった。
124 :
3/12:2006/03/20(月) 22:28:16 ID:CT6x2bFt
「うは、うめえ」
白いご飯をほお張って満足げに男は微笑んだ。その脇で脩と夏揮が、また面倒を持ち込みやがって、と瞭介を恨めしげにねめつける。
瞭介だって最初は食堂に連れてくるつもりはなく、お礼もそこそこに別れるつもりだったのだ。
しかし、腕をひっぱられて裏路地を抜け出たあと、お礼の言葉を遮るような腹の音を聞かされてしまっては、お人好しっていうのはなんともはや、無力なことだろう。ふたつの痛い視線に瞭介は人助けを初めて後悔した。
「いやあ、ほんと助かった! 頭やられちゃうと太刀打ちできなくてさあ」
こんな街にはそぐわない健康的な浅黒い肌にやや幼い顔。
身長が小さく瞭介が小柄だと感じたのは間違ってはいないが、明るい中でみると思いのほかガタイがよく、骨太な腕はあのオッサンの鼻からびっくりするぐらいに鼻血が出たのも不思議ではないと瞭介に思わせた。
「ゴムもなんも持ってなかったから、あのまんま突っこまれずにすんでほんとよかったわ!」
そしてやけにハンサムなキュッと下まぶたを吊り上げる笑み。不思議と引き付けられるその仕草に、周りはちょっと間違えばドキッとすらしただろう。
ただこのあけすけさによって少しも間違えることもなく、よく飯を喰いながらそんな話をできるなあ、と関心までさせてしまったが。
「なにかお礼しねえと」
「別にいいっすよ! 俺たち、こういうの慣れてますから!」
夏揮が口を尖らせながらあてつけて言う。あっそう、と男は案外あっさり引き下がった。
125 :
4/12:2006/03/20(月) 22:28:50 ID:CT6x2bFt
「あの、二丁目にお勤めなんですか? 男の人と、その……」
それから途切れた会話を、つむごうとしてしまうのは職業病といってよさそうだ。瞭介はほとんど無意識的に訊ねた。
「まあね、ゲイバーで接客やってるよ。さっきもまだ仕事中といえば仕事中だったんだんだけど」
「いや、あんなの仕事じゃないですよ……それで、なんでまたここに?」
「借りを返してもらいにね。でもなんか逆に借り作っちゃったな……しんちゃん、おかわりいーい?」
それから、馴れ馴れしくも初めてのお店で大盛り三杯の米を平らげた後に、男は思い出したように瞭介に向き直った。
「そうだ、恩人の名前ぐらい教えてくれない? そのかっこならホストだろ。宣伝しといてやるよ」
勘定を済ませた後、もったいぶったようにゆっくり振りかえるもんだから、なんだそんなことかと瞭介は答える。
「瞭介です」
「えっ、もしかして口ミオの瞭介?」
口ミオの瞭介。語呂もなかなか悪くないので、思わず顔を綻ばせて「知ってるんですか?」と瞭介は素直に喜んだ。ああ、ああ、と男はそれから何度か言葉にならない声を発しながら、じゃあそこの中途半端な金髪が夏揮で、奥のが脩だと言い当ててみせた。
「じゃあ、都合よかったな」
瞭介の喜んだ顔が困惑に変わっていくころに、男は微笑んで言った。
「俺は嵐。今度ちょっとお世話になるから、口ミオのオーナーによろしく言っといてよ!」
ピシャッと戸が閉められ、食堂が静まり返る。
たっぷり十秒は置いてから、瞭介、今度プロフィールの特技欄に被害を大きくすることって書いておけ、といったのは脩だった。
126 :
5/12:2006/03/20(月) 22:29:25 ID:CT6x2bFt
口ミオが開店する前の緊張感が瞭介は好きだった。ロッカールームから出て行った時の、上品な明かりの煌きにこれからの来客を期待するのが好きだった。
その時、隅にオーナーの姿を見つけて、知り合いみたいな口ぶりのあの男を思い出す。
「オーナー、嵐って人、知ってますか?」
訊ねた途端にオーナーの顔から余裕がなくなったのが見て取れた。それは些細な差だったが、このオーナーの状態とあれば、瞭介は只ならぬものを感じずにはいられなかった。
「先日、知り合う機会がありまして……オーナーによろしく、と」
「借りがどうのこうのって言ってました!」
いつのまにか後ろに夏揮がいて、口を挟む。はあ〜、とため息をついたオーナーが、次に頭を抱える。
「個人的な問題だ、巻き込んで悪かったな……忍び込んでいたら教えてくれ」
「来るんですか?」
二人が丸く目を見開いて声をそろえると、オーナーは黙って頷いた。っていうかゲイバーの店員との個人的な問題ってオーナーこんなところにいながらそんな趣味が、と二人は漠然とした気味悪さに密かに戦慄する。
ちなみにオーナーにそんな趣味はなく、こういう業界に長くいれば嵐の勤めているゲイバーのママと知り合ったりするだけのことで、ママの明るい語り口を肴に飲みたくなることだってあるのだった。
127 :
6/12:2006/03/20(月) 22:30:51 ID:CT6x2bFt
「あの、差し支えがなければお聞きしたいのですが、何しに来るんですか?」
「おまえ達には関係な……いや、あるな」
オーナーは手先を二人に向けて何度か払ったが、すぐに打ち止めた。
「あそこのママに貸しがあるんだ。ホストを一匹差し出すと約束しちまったんだよ」
急に周りが静まり返る。
オーナーの只ならぬ雰囲気にうまいこと自然に過ごしながらも全員が聞き耳を立てていたのだ。
「ええっ、そんなの、どうするんですか!」
「どうにかするさ……しかし、まさか引きとりに来るのがあいつだとは……」
そろそろ来るとは思っていたし、嵐でなければ適当にあしらって帰すつもりだったのに。
ママも遊んでやがる……とオーナーが小さく呟き始めたのを見て、とりあえず瞭介と夏揮はそっとしておくことにした。
時が止まったように誰もが耳をそばだてていたが、二人が離れたのをきっかけに、何事もなかったように店はまた準備で忙しいいつもの風景へと戻っていった。ただ、オカマさんに見初められないようにするにはどうすればいいのか、という言葉を飲み込んで。
オーナーのいいくちじゃ、これは本気の取引だ。
「口ミオへようこそ、ジュリエット!」
しかし始まった。ホスト達が色めきたつ。そしてめくるめく夜を繰り広げるうちに、それを忘れた。
128 :
7/12:2006/03/20(月) 22:31:47 ID:CT6x2bFt
店内の空気はすっかり籠もり、閉店を予感させる。
疲労がたまってきても瞭介は気を抜かないように気をつけた。のだが、丁度手が空いた時に、誰かに手を振られた気がして反射的に振り返し、あっと気づくまで、相手を女性だと勘違いしていたぐらいには、気が緩んでいた。
嵐が冗談めかして言う。
「来ちゃった」
ホストやスタッフが忙しく行き交う裏に回っても、ホストたちは開店前の恐怖を忘れて嵐のことをただのスタッフかなにかだと考えて通り過ぎていった。
この業界にいて、彼らは別にドラッグクイーンのような人だけがゲイバーに勤めているとは思っていないが、嵐のようなそれっぽくない男だと、周りが男だらけなだけに判別は難しかったのだ。
「本当に一人持ってくつもりなんですか?」
「ああ、話聞いたんだ。そのケのありそうな奴がいたらママに教えるつもりだけど」
冗談の延長線のような、曖昧な言い方。瞭介はオーナーとの温度差に首を傾げる。
「ね、オーナーまだ忙しい?」
「ええ、まだちょっと……来ていたことをお伝えしておきます」
「いや、俺時間あるから待ってるよ。悪いけど、どこか場所空いてない?」
129 :
8/12:2006/03/20(月) 22:33:12 ID:CT6x2bFt
瞭介がロッカールームに案内すると、ちょっと気になっていたことを打ち明けた。
「嵐さんも……あの、女性の格好で接客しているんですか?」
瞭介は遠慮なく笑われた。
「まさか! 瞭介くん、知らないんだね。観光バーでもそんな無理はしないよ」
瞭介の名前を宣伝する、と言ったのは伊達じゃない。嵐の居るゲイバーは俗にいう観光バーで、男女問わず入店でき、店員がゲイという以外は普通のスナックなどと変わらず、彼らの独特な笑いセンスを楽しむ賑やかな場だった。
そういう風に言うと、大抵女性の格好で接客する男性の方々を思い浮かべるだろうが、近頃は男性の格好をしたちょっと見目のいいゲイが席につくことだって少なくない。仕草だけが女性らしいこともあれば、嵐のようにあるがままのもいる。
「でもほとんど雑業かな。最近はママのフォロー役になっちゃってるよ」
嵐のようなガタイのいい男の女装をはっきりいって想像したくなかった瞭介はほっとした。
そんな瞭介の様子を窺うように眺めてから、嵐はにやっと笑った。
「もしかして、興味わいた? だったら、こっち来ねえ?」
えっ、とどもって瞭介があとじさると、嵐はわざと追い詰めてもう一度同じ事を言おうとした。
「瞭介だけは奪っていくなよ」
オーナーが口を挟んだ。唐突に現れたため、二人ともが驚く。
「瞭介、脩が探していたぞ」
慌ててロッカールームを後にする瞭介を見送り、オーナーを見上げると、その顔に嵐は笑いを堪えられなかった。
130 :
9/12:2006/03/20(月) 22:34:54 ID:CT6x2bFt
ふと、口ミオに嵐が来た日を数えると片手では足りない事に気づく。そして、いつのまにか口ミオに馴染んでいる嵐を思い浮かべれば、その横には瞭介がいた。
夏揮は住まいの床でくつろぎながら、雑誌なんかを読んでいる脩に話し掛けた。
「ねえ、先輩、危ないんじゃないっすか? 嵐さんに、持ってかれちゃいますよ!」
そんな風に言われるくらいに、瞭介はここのところ(女性の次に)嵐につきっきりだった。
いたって嵐は悪い奴でもなく、それらしく下ネタが好きで、それらしくもなく竹を割ったような性格がやけにホストたちに受けて、日増しに彼が手を振る相手は多くなっていた。夏揮も振り返したことがある。
だが、それは瞭介が別格のような扱いを受けていて、犠牲者は決まったと思われているふしがあるからこそ、行われている接触であった。
「ああ、危ないな……」
「ちょっと、なんでそんな冷めてるんですか! 先輩が掘られちゃったらどうすんの!」
どうしろってんだよ、つうか話が飛躍しすぎてるだろ、と脩がひと睨みする。
どっしり構えているのには理由があった。嵐のかまいっぷりが激しかろうが、瞭介がまんざらでもなさそうだろうが、女性の笑顔が口ミオにある限り、彼がそれを捨てるとは思えないのだ。彼は瞭介を信じていた。
「あの人もからかってるだけだろ」
「そうかなあ、結構お熱ですよ、嵐さん。それで、ノンケ殺しらしいし」
それはどこ情報だ、つうか話に引き抜きが関係なくなってきてるぞ、と脩は目を剥いたが、その時夏揮の携帯電話が会話を切り裂き、それに夏揮は嬉々として電話に出た。
ああ、客からか。納得したところで、脩も雑誌へと視線を下ろし、ひとまず会話は終わった。
131 :
10/12:2006/03/20(月) 22:35:30 ID:CT6x2bFt
そんな夏揮や脩の心配をよそに、今回は珍しく瞭介が嵐に会いに行っていた。
時々無性に嵐の笑顔を見たくなる気持ちの名前に瞭介はピンと来ておらず、二人きりになっても情事にもつれ込むことこそないが、彼はまんまとノンケとして狩られたようなものだった。
前にすごいことになっていた背の高いオッサンにまた絡まれながらも、どんな暴言にも耐えているそういった気丈なところが好きなのかもしれない。それにしても、オッサンは本当に口汚く嵐を罵る。
反論しようとした瞭介を無理に脇に下がらせて嵐はそれを全て聞ききった。
デートの余韻が残る帰り道が台なしだ。二人が無言で並んで歩き出した時、嵐は思わず呟いた。
「二丁目出りゃすぐあれだ……ちくしょう、飲みてえな」
二人が別れる道の手前で、瞭介ははっと立ち止まって嵐を見た。こういう人は手厚く慰めたくなってしまうのだ。
「……酒の肴なら、うちにいいのがありますよ」
なんて、誘って。
部屋に上がると、ちょっと見目のいい靴が三足なくなっていた。
アフターかな、全員いない。そう思ったとたん、やけに瞭介の気持ちが軽くなった。
嵐の分だけのタバコと安酒を買って、鮭とばをつまみながら愚痴を聞くだけのつもりでいたくせ、瞭介は安心したのだ。
しかも、思いのほか普通に始まった酒盛りにがっかりとすらしたのである。それも鮭とばに感動している嵐に素直に喜べなかったほどに。
瞭介は喉にでかかった言葉が出ずにもやもやしている、そんな自分を不思議に思っていた。
132 :
199:2006/03/20(月) 22:38:28 ID:jugAofaV
>>120 d!!早速読みなおしてみた。てつをステチ!
133 :
11/12:2006/03/20(月) 22:43:05 ID:CT6x2bFt
しばらくは世間話で時間がつぶれた。
やや酔いがまわってきようとも、嵐が自ら愚痴りはじめなかったからだ。瞭介に思わず話を切り出させてしまうほどに頑なに。嵐は気にすんな、と何度も繰り返した。
「俺らみたいのは人の数倍傷ついて、人の数倍強くなってるつもりだから」
そう言い切った顔はらしくもなく辛そうだ。ふと嵐が顔を伏せ、それにつられて瞭介が顔を覗き込む。次の瞬間には、唇を奪われた。
そうなると、二人は早い。瞭介も嵐も欲に狂ったように貪りあった。頭がちかちかするのを感じながら、瞭介は自分を押さえられずに嵐をどんと押し倒した。その時、やっと喉につっかえていた嵐が好きだという言葉が頭に溢れ出したのだ。
しかし、腰を擦りつけあっているうちに、嵐はなんとなく頭が覚めてきた。
そうだ、こいつ、いい奴だったから一発やりたかっただけの相手じゃん。嵐は驚いていた。引き抜きとかは関係なく、彼の頭の中ではもっと別の、熱っぽい思惑が支配し始めていたからだ。
こいつの記憶に今を焼き付けたい。行きずりは行きずりでも、この一度だけを深く記憶の底に刻み付けてやりたい。
そんなファンタジーなロマンスを感じておきながら、だったらアナルセックスに持ち込むしかない、と嵐は現実的に考えた。
相手はちょっと気がそれただけのノンケ。さぞかしたまげるだろう。そして真性ネコの嵐にとってローションとゴムがあればそれは容易いことだった。
「ゴムとローションある?」
息も絶え絶えに嵐が聞くと、瞭介が指差す。
それを取りに行った嵐の姿を見て、まさか突っこまれるのかと瞭介は指を差しておきながら思ったが、次には嵐が足元にうずくまってゴムをかぶせた瞭介の一物を引っ張り出してしゃぶりだしたため、それどころではなくなった。
器用にも服も脱ぎ始め、自らの尻に手を伸ばす嵐。瞭介はぎょっとしてそれを見た。一物を奥までくわえ込み、舌でやわやわと刺激しながら、ローションを手にたらし、自らのアナルを念入りに揉み解している。
しばらくして、嵐はひょいとひっくり返って言った。
「遠慮すんな……」
その言葉どおり、瞭介は嵐に覆い被さった。
嵐がぐっと息を堪える。そして瞭介が嵐にすべてを押し込み終わると、空気で膨らんだ彼の胸板にそっと頭を置いた。
その途端に胸板が激しく揺れて、呼吸を再開する。自らのやっていることはいつもと変わらないのに、明らかに女性とは違う未知の快楽に瞭介はくらくらした。
135 :
13/13:2006/03/20(月) 22:45:21 ID:CT6x2bFt
はっと目覚めた瞭介はまず時計を見た。口ミオに行くにはまだ少し早い時間だ。
「あ、起きた」
びっくうと瞭介は跳ね上がった時、何かが腹に落ちてきたのを感じて反射的に隠す。布団に埋もれながら振り返ると、そこには夏揮がいてカップラーメンをすすっていた。あっ、俺パンツ穿いてる。えっ穿かせてもらった? いや自分で穿いたな……
嵐は忽然と姿を消していた。布団の中に「借りは返ったって言っといて」と書かれた嵐の為に買ったはずのタバコの箱を置いて。
「あれ? ちょっとー、シカトっすか! ちょっとー、そういうの一番傷つくんですけど!」
夏揮を無視して、瞭介は布団の中に隠れながらタバコを眺める。そして嵐にまた会えるだろうかを考えた。
二人は双方の店も電話番号も知っているのだから、会おうと思えばごく簡単に会えた。瞭介が考えているのはそんなことではなく、恥じ入ったり嵐に悪い気がして、自分がそんな簡単に会ってもいいのかを考えていた。
そのうちに、もしかして、借りは返ったって、引き抜きの変わりに俺が……と気づいて、ささやかな失恋を体験したあとに、瞭介はふと思った。
どうしよう、今後女性に会ったとき、以前のような愛情を感じられないかもしれない!
そんなのホストじゃない、と瞭介は慌ててごそごそとやましい雑誌を出して眺めてみた。パンツ一丁で踊り出てごそごそしだした瞭介を夏揮が不審そうに見つめる。
そんな視線をものともせずに瞭介はほっと息を吐いて雑誌をしまった。ホストを続けるには十分な元気さだ。不信感を抱き始めている夏揮の視線をものともせずに安心して口ミオに行く準備を始める瞭介だった。
「貸しは返っただと? なにかあったのか、僚介」
オーナー、すいません、実は、ホストという以前の、もっと大切な何かを奪われてしまったんです……なんて僚介に言えるわけがない。
そそくさと去っていく瞭介を見送ってから、オーナーはふいに店内を見渡してみる。
そこに、嵐さん来ないの? などと本気で思いつめた顔で尋ねているホストを数人見つけて、あのノンケ殺し……とオーナーは思わずぼやいたのだった。
136 :
13/13:2006/03/20(月) 22:46:03 ID:CT6x2bFt
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| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・;) これこそ妄想だな
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長くてほんとすいません…
怒られたんで分けたらとんでもない長さになってしまった
>>116 南/郷さん 。・゚・(ノД`)・゚・。
もうすぐ再会できるから…
>>136 パラレルラー( ゚∀゚)o・゚・。
萌えますた・・イイヨイイヨー
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| なつドラ・矢ン凹でワンコ生徒×矢ンキー先生
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 再放送で萌えたので投下
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ケッコウキンチョウスルナコレ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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141 :
1/5:2006/03/21(火) 05:44:42 ID:yWCg+dVb
夜の嘉内下宿の食堂テーブルに吉盛と俺は向かい合って座っていた。現在俺はむちゃくちゃピンチな状況だ。
「透、お前なんで他のクラスのヤツとケンカなんかしたんだ」
吉盛に何度尋ねられても、俺は絶対口を割らないと心に決めていた。
「まーた謹慎だぞ…お前そんっなに牛の世話が好きなら将来牧場でもやるかぁ?」
挑発されても、何も言う気はねーぞ吉盛。
「一体どうしたんだ、全部言ってみろ」
吉盛がこういうことを言う時、いつも怒った顔はしない。
ただじっと俺を見つめて、それで吉盛自身が気付いてるかどうかはわかんねーけど、少し……ほんのちょっとだけさびしそうな顔をする。
多分マジで悲しいんだと思う。吉盛単純だから。そんでそれを見てしまうと、俺は途端に全部ゲロしそうになっちまう。洗いざらい吐いて。"ごめん"ってその頭をぎゅっと抱きしめたくなる。
(けど、今日はそうはいかねー)
俺の決意は変わらない。何言われても喋る気はねーから、ただ下を向いた。
「ったく……だいたいお前また最近ちょっとイラついてたよな」
そんなん見られてたんならなおさら何も言うわけにはいかねーし。
「言わなきゃなんも伝わんねーぞ」
……だから伝わっちゃまずいんだって。
「お前が話すまで逃がさねーからな。俺がしつこいってのはお前が一番…」
「いいよ別に」
何も話さねーって決めたのに、つい口から出ちゃったけど。
「ばーか、よくねーから俺たちこうやって話し合ってんだろ?」
いいよ別に。俺は本当にいいんだけどな、それで。
気が付いたらもう朝が来てた。俺は食堂のテーブルに突っ伏したまま寝こけてた。
あわてて身体を起こすと吉盛はいなくて、代わりに俺の肩からずるりと毛布が落ちた。
(……吉盛)
吉盛は、本当に徹夜で俺と顔を突き合わせていた。
もうここにいないところを見ると俺が寝ちまった後、自分のアパートに戻ったんだろう。
テーブルの上に目をやると、メモが置いてあった。
"透へ 今日は寮で謹慎してろ 学校終わったらまた来るから首洗って待っとけ"
「相変わらず無駄に張り切ってる字」
142 :
2/5:2006/03/21(火) 05:45:52 ID:yWCg+dVb
東京に逃亡した俺を吉盛が追っかけてきた時のことを思い出す。
あん時の俺は、本当に一人ぼっちだった。親に捨てられて。ボコられて痛くて寒くて動けなくて。
でも俺の周りにいたどんな大人も教えてくれなかった、"俺は一体どうしたらいいのか"ってのを、あの牛丼屋のタマゴサービス券だけが教えてくれたんだ。
そして二日目の夜が来た。吉盛も予告どおりに嘉内下宿に来た。
やっぱり食堂で顔を突き合わせてる俺たち。でも何故か吉盛からケンカオーラは消えていた。
「透、聞いたぞケンカの理由」
「えっ」
つい身体がブルった。マジかよ。
ムスっとした顔を作っていた吉盛の顔が、我慢できないみたいなニヤニヤ笑いに変わってく。
「……俺の悪口言ってたやつとケンカしてくれたんだって?」
(……チッ)
考えてみりゃそりゃバレるよな、ケンカには絶対相手がいるんだし。
「お前もなかなか可愛いとこ……」
「バカヤロ!アーアーうっせぇうっせぇ!」
だからニヤニヤすんじゃねぇっつの!
「勘違いすんなよ!俺はただ3−Cがバカにされたみてぇだったからっ」
俺が嫌々顔を上げると、吉盛の顔は真面目な顔に戻ってた。
「でもな、暴力は暴力だ。わかってるよな」
吉盛がまたあの顔をする。俺の負けは決まってるようなもんだ。
「うん……ごめん先生」
「よし、明日職員室来い、相手の生徒と話し合いして、それから二人仲良く謹慎の舘行きだ」
「……ハイ、じゃあそゆことで、オヤスミナサーイ……」
俺はもうこれ以上ボロが出すのが嫌だった。早々に立ち上がって自分の部屋へ帰ろうとしたけど、ちょい待て、と吉盛に襟首を掴まれた。
「なにすんだよ!」
「待て待て、まだだ」
やべぇ。
「何がだよ!もう話は終わったろ?!」
「お前がここんとこずっと機嫌悪かったのは、ケンカのせいじゃないだろ」
吉盛にぐるりと正面を向かされ、逃げられないように両肩をがっしり捕まれる。顔が迫ってくる。
143 :
3/5:2006/03/21(火) 05:46:27 ID:yWCg+dVb
「言えよ透」
「やだ」
そんな、真っ黒くて水っぽい目でじっと見んなよ。
「なにそんなにいらだってんだ」
「うっせ」
マジでうっせんだよ、ほっとけよもう!
「とお……」
柔らかい感触と、タバコの匂いがした。
擦り切れそうなぐらい胸が痛くなったのが我慢できなくて、吉盛18で禁煙したなんて嘘ばっか、とかどうでもいいこと頭ん中で唱えてた。
こんなことしたって、意味ねー。なんでこんなことやっちゃったんだろう俺。
唇が離れた後も、吉盛はしばらく呆気に取られて俺の顔を見てたっぽい。顔上げなくても気配でわかる。
俺といえば吉盛に肩を捕まれたまま、床を見てた。首から顔がマジ燃えてるかと思うぐらい熱い。
不意に吉盛の手が肩から離れた。何か話そうと息を吸う音が聞こえた。
「とお……」
「見ちゃったんだよ俺!」
「見たってなにが……」
もういいや。洗いざらい全部しゃべっちまえ。どうせ吉盛には隠しちゃおけねーんだって、そう思った。
「……岩嵜先生が倒れた後、和斗がすげー熱出した時あったじゃん」
「…おう」
「吉盛、和斗の見舞いに来てただろ。俺、和斗の下のベッド使ってっから、下から吉盛たち見てた」
「それで?」
「下から声かけようかと思ったけど、見たら先生めちゃめちゃ心細い顔して和斗のこと見ててさ……おでこに手なんか当てちゃって……なんか……邪魔できなかった」
「だってあれはほら、あれだろ、ただ熱計ってただけで」
「違うんだよ吉盛は!」
少しだけうろたえた吉盛の態度にまたいらだって、つい声が大きくなった。
「先生は和斗と一緒にいるときと俺らのときと全然違うじゃん。すげー和斗頼りにしてるって感じでさ」
いつもそうだった。先生と和斗は時々目で会話して、なんか笑いあったりするし。声のトーンだって静かで優しくなる。俺の気のせいじゃないと思う。
本当は和斗だけじゃない。クラスのみんなが吉盛を認めて、吉盛もみんなと仲良くなってって、そりゃそういうクラスってすげー楽しいし好きだけど。
けど、吉盛はみんなの吉盛なんだなぁって。いっつもヒマ見つけては職員室行って、吉盛からかって。でも吉盛に俺の気持ちなんて言えっこなかった。今だって言えねーし。
こんな風に思うのって、やっぱ最初にあんな出会い方しちゃったせいなんかな。
144 :
4/5:2006/03/21(火) 05:53:32 ID:yWCg+dVb
「……だからさ、そういうことだったの。これが俺のいらついてた理由。これで満足かよ」
俺はそれ以上何も言えなくなって、吉盛に背を向けて食堂の窓際に寄った。窓開けて外の冷たい空気を吸いたかった。
「……ッカ……」
吉盛が俺の背中で息を飲んだような、ヘンな声を出した気がしたけど、俺にはそれをいちいち気にする余裕がなかった。
「つーかごめん先生、俺今ちょっとマジでアレだから。今日はこれで勘弁してくんねーかな、明日はちゃんと学校行くから」
吉盛は少し咳払いをした後、わかった、と言った。俺は今度こそ二階へ逃げようとしたが、吉盛のバカはやめときゃいいのに背中から追い討ちをかけてくる。
「透、お前の言う通り、俺和斗のことをいつの間にか少し頼ってた。信じてるとかいっときながら、やっぱそれは頼ってる事になるんだよな」
うっせ、そんなこととっくに知ってるよ。構わず階段を登リ始めるけど、吉盛は話し掛けるのを止めようとしない。
「けどそれはなんつーか……俺教師のくせにすげーのめり込んじゃって、ある意味お前らと同じ考え方になっちゃうときがあるんだよな」
吉盛の静かな声。そうだ、和斗といるときはいつもこんな感じ。
「和斗はその辺すごく冷静だから、つい同意求めちまう。こんなことじゃまずいんだろうけどさ」
ああそうですか。和斗は大人だもんな、俺たち10代のガキと違ってさ。
「でもな、俺はお前に……」
階段を登る足が止まる。なんだよ、言って見ろよ。
「お前は、なんだその、ほら……」
そこで止まるなよ、と思うけどやっぱ続きが聞きたい。先生が俺ん事どう思ってんのか。
「お前は……俺の第一号の生徒だからさ、先生って一番初めに呼んでくれたのお前だから。それがなかったら俺教師続けられてたかわかんねーし」
……なんかすげー苦し紛れっぽい感じがするんだけど。
でも牛丼屋の横でダンボールにまみれてた吉盛のまぬけな姿を思い出すと、いつもなんかが込み上げてきそうになる。それは何度でもふとした瞬間に蘇る。
145 :
5/5:2006/03/21(火) 05:56:55 ID:yWCg+dVb
「お前が楽しそうに学校生活送ってんの見たり、俺の前で安心していねむりこいてんの見たりすると、俺はいつでも……初心を思い出すことができるんだ」
吉盛の初心なんて、どうでもいいんだっつーの!俺はただ……。
もういい加減たまんなくなって、階段を駆け上がる。それでも吉盛は下からなんだかんだと言い続けてた。
「お前が100パーの力でぶつかってきたら、いつでもお前に俺の全部をくれてやる覚悟はあるんだぞ」
とかなんとか。
なんもわかってねーな吉盛のヤロー。
(キスだってしてやったのによ)
俺はがっかりしたような、ほっとしたような気持ちで部屋のドアを閉めた。
「あれ透、お前朝牛乳なんか飲んでたっけ?」
ご飯係の鉄希としては、なんだかそういうのが気になるらしい。
「うん。これから毎日飲むから」
ふーん、と言いながら、ご飯は食う方?食わねー方?と聞くのは忘れない。
俺がほかほか湯気の立つ茶碗を受け取ってると、和斗が食堂に降りてきた。
俺はさりげなく近寄って和斗に質問する。
「和斗って身長何センチ?」
「188」
「あーそうなんだ……」
俺172センチ。吉盛は177センチ。
「じゃさ、スポーツなんかやってた?」
「空手」
「あー空手、空手ねー……」
ハードルたけーなー。マジで気合入れないと。
あと、切実に食堂の肉の日増やしてもらいたくなった。
とりあえず先生より背伸ばして、先生より脚速くなることから始めようって、そう思ったんだ。
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| | | | ∧_∧ イキオイダケデカイタ
| | | | ピッ (・∀・ )
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実は元893→矢ンキー先生←ワンコ生徒で元893←矢ンキー先生→ワンコ生徒前提。
気が多い矢ンキー先生。まだ9話までしか見てないけど後悔はしていない。
ありがとうございました。
>146
気が多い矢ンキー先生も見たいな…と言ってみるテ(ry (*´Д`)
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| キム/タクと唐/沢がドラマで共演したらという妄想からだモナー
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 勝手に作ったオリジナル作品だカラナ
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ キム×唐だゴルァ!!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ※本人とはなんの関係もありません
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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1/4
「お…前かよ!」
「空沢さんだったんすか!…やった」
そう言って木村は小さくガッツポーズをしやがった。
…冗談じゃない!
俺、空沢は去年10年連れ添った妻と別れた。
妻の居なくなったこの部屋はあまりにも広く、年甲斐もなく寂しさを覚えた。
と、共働きしていた事でもっていた経済面での事もあり、部屋をシェアする事にしたのだ。
若者でもあるまいし、シェアなどというのを決めるのには結構勇気が要ったんだ。
募集広告を雑誌に載せ、離婚までの鬱々とした日々に別れを告げ、
なんだか新しい生活が、人生が、始まるような気分で居たというのに。
やってきたのはなんと、同じ会社の後輩、木村だったのだ。
「あ、言っときますけど、知りませんでしたからね。ここがあなたの家だって事。」
正直、がっかりした。
というのも…この木村という男は、なんというか、不思議な奴で…
俺とは10歳も離れている。新人の頃俺の下に配属され、仕事を教えたのも俺、厳しくしたのも俺、
辞めろと言った事もあった。
だが木村は泣き言も言わずついてきてついには新しい部署を立ち上げるまでになった。
最近じゃ若い女子社員の間では相当人気のある仕事の出来る男だ。
もともとその整った顔立ちは新人の頃から目立っていた。
そんな男が30過ぎても結婚しないのは不思議だったが、まあ仕事が趣味なのだろうと思っていた。
が、先日謎は解けた。
その出来る男に真剣な顔で告白されたのが、40過ぎのくたびれた×一男…なんて事があったせいだ。
2/4
「無理ですよ。もう前のマンション引き払っちゃいましたから。」
40過ぎの男が「身の危険を感じる」だなんて言いたくない。
言いたくはないが、言いたくはないが感じるものはしょうがない。
すでにこの男は告白したその日にこともあろうにキスしてきやがった。
この整った顔に真剣に見つめられ、愛を告白され、そんな雰囲気の中顔を近付けられてみろ。
情けない話だが、殴れもしなかった…。悔しい。
なんでこの俺が、男に、10歳も年下の会社の後輩にっ流されなきゃならんのだっ!!
俺は×一だぞ!女性と結婚していた男だぞ!
なんでこ・の・お・れ・がっ!!!
「まあそういう事なんで。今日からよろしくお願いします。」
勝手にあがるな。
いや、こいつの家でもある事になってしまうわけだが。
なんでこんな事になったんだ?
「あー…卑怯な事はしないんで。安心して下さい」
卑怯な事ってなんだっ!!!
俺はしばらく玄関から動けなかった。
が、奴は「この部屋ですかー?」とか言いながらさっさと持ってきた荷物を片付けていた。
3/4
「いつまでむすっとしてるんですか。もう諦めて下さいよ。しょうがないでしょ?わざとじゃないんだから。」
連絡の取り合いを、メールにしたのが間違いだった。
名字だけにしたのが間違いだった。木村なんてよくある名前だ。
「空沢は珍しいだろうが。他にも数件載ってただろうが!」
「だからあなただとは思わなかったけど名前に運命感じちゃったんだからしょうがないでしょ!
…ちょうど探してた時にこの名前があったら普通そこに決めるでしょ。
…まあ正直ちょっっっとだけ期待しましたけど。でもほんとまさか空沢さんがルームメイト探すと思わないっしょ?!」
悪かったな40過ぎの×一がルームメイト探して。
ていうか運命感じたとか普通そこに決めるとか言うな!って言いたい。けど言えない。
だが何か言いたい。
なんで、なんでこんな事に。
なんでお前が。
なんで…俺の事なんか。
「〜っだいたい…」
「あーあーあーあーもういいからほらはいアーン」
「ばっお前何がアーむg」
慣れ慣れしく俺の肩を抱き、口にクラッカーを詰め込んできやがった。
今日はとりあえずお祝いって事で、とかなんとか言いながら奴が作った料理だ。
なんかクラッカーの上に色々乗ってるこじゃれた女子供が好きそうな料理と、シャンパン。
途中で買い物に出掛けたわけでは無かったから、材料は最初から持ってきていたのだ。
家主が俺だからじゃない。最初から、新しい同居人とこうするつもりで。
ほんとこの男は女性の言う所のいい男なのだろう。
顔も良ければ仕事もできて、料理までできるし気も利く。
なのに。なんで。
4/4
「うまいっしょ?」
「…まあ、うまいけど!」
「…あなた奥さんと別れてからろくなもん食べてなかったみたいだから心配だったんだよ。
あーなんかちょうどいいかも。明日から俺が料理作ります。いいですよね?」
明日から。
一緒の家に帰るって事は一緒に暮らすって事だ。
明日から。なんだか妙に生々しい違和感が身体中に駆けめぐる。
ていうかいつまで肩抱いてるんだ。
ジロリと見てやれば
「…でっけぇ目…」
おどけたように降参のポーズをしてみせ、離れた。
…馬鹿が!
ああ。
俺の新しい人生の前途は、どうやら多難のようだ。
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| | | | ∧_∧ 妄想でした。
| | | | ピッ (・∀・ )
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|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
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払×空萌えですた!姐さんできれば続きキボ-ヌ…!!(*´Д`)
>>136 うあーありがとう!
前スレで投下したけど中の人CP大好きなんだよ!
禿萌えた!!
うわぁ萌えた…
>>155姐さんGJ!GJ!グッジョオォォブ!!!
160 :
呆×突:2006/03/22(水) 02:10:41 ID:hts8JQrc
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ゲ仁ンという設定のオリジ。保宇(ボケ ×十都(ツッコミ 第4弾。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 3の続き。スタジオでの収録中。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 前スレ631・632thx!!姐さん達に捧ぐぞゴルァ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スタジオでの収録が始まった。
中堅の先輩方と大勢の若手芸人のトーク番組。
流石というべきか、時折誰かがスベることもあるけど、テンポ良く会話が進んでいく。
あるコンビが仲えぇという話が一段落した時、ふいに先輩芸人の司会役が俺らに話を振った。
「ファンシーマンの二人も、なんかめっちゃ仲えぇらしいやん?」
俺らのコンビ名。けど周りにおる奴らが口々に反応する。おもろい事言うて、0.1秒でも多く映ったろうと皆必死や。
「あぁ。よぉ聞きますねぇ。」
「そうですよー、こいつらほんまベッタベタですよ。」
「保宇さんがむっちゃ構われたがりなんですよ。」
そんなに有名なんやろか俺ら。
確かにその辺のコンビよか、付き合いも長いし、プライベートでもめちゃくちゃ仲良いけども。
おもろそーな話題を探す。あぁ、そうや。あれにしよ。この前の、楽屋でやっとったやつ。
「この前楽屋おる時、カフェラテ、コップにストロー刺すみたいなやつ、あれ僕好きで、飲んでたんですよ。」
話し出した瞬間周りの視線がぴっと一点、自分に向く。
勿論皆、話を聞いて楽しもうという気持ちもあるんやけど、
その話から、ウマいこと言うたろうと思てるのが、無意識の内にあるのを感じた。
まぁ、それが仕事やから。
「そしたらこいつが”ちょーだい”て言うて来よるから”えぇよ。”って言うたら、
”ストローも1本あれへん?”って。”そのまま俺ので飲めや”、
て言うたら、”ちゃうねん!”てワケの分からんこと言うんですよ。」
周りは相槌を打ったり頷きながら聞く。
でも何でか保宇までにこにこ頷いてる。ちょぉ、お前のこっちゃで…?
「ケータリングのカゴん中に探し始めて、そしたらそん中に何本かストロー見つけたみたいで、
そこからとってもう1本フタに差したんですよ。”何しとん。”ちゅうたら
えっらい満足げな顔で、”ちょ、見てこれ!バカップルジュース!!”目の前持って来るんですよ。」
笑いでスタジオが沸き、司会がすかさずツッコむ。
「え、アホやん!何してんの!」
良かった、ウケた。密かに安堵しつつ笑って続ける。
「”何やこれ飲みにくいわ”とか言いながら男二人で飲みましたよ顔引っ付けて!」
「えぇ、飲んだんかい!!」
そしてやっと他人事みたいに聞いてたアホが口を開く。
「普通のストローやから二人で飲むには短いんですよー。」
「問題そこちゃうで。」
思わずツッこむ。何言うかと思ったら、ボケよって。…いや、多分素やな。
「やる意味分かりませんけど、自分でも。そんなんカフェとかでカップルがやっとんの見たら、
後ろからパンパーン!て叩きたぁなりますわ、俺やったら。」
言いながら空で2発、カップルにツッこむ素振りをする。
何か言う度、周りが頷いて、笑ってくれるのが嬉しい。
「とっにかく暇やったら俺に絡んでくるんですよ。」
「だってお前にツッコんでほしいねんもん!」
小さい子供か媚びたアイドルのように頬を膨らませて唇を尖らせる。
その顔を両手で挟んで思いっきり潰してやる。不細工な顔。
「もん、やあるか!お前たまには他の芸人さんとこ絡みにいけや!」
「ちょ、俺別に後輩とかと全く遊んでないわけちゃうねんぞ!
ただちょっとした待ちの暇には行ってへんだけや!」
「行けや!ちょ、ホンマこいつどうにかして下さいよ!後輩の特にツッコミの皆、こいつと遊んだってくれ。」
司会に頼むように言い、後輩の芸人数人を見遣る。コレ、あんまり冗談ちゃうよー。
「ひどっ!」
とあいつは明らかに作りの極端に悲しそうな顔をして叫んだ。
「保宇、むっちゃ甘えたやな!十都、後輩に押し付けんな!お前の相方やろ!」
俺ら二人を含め、皆笑う。笑いながら、多分この収録後もっとしつこくちょっかいかけられて、
べたべた甘えられるわ…という予想が頭を過った。
こういうのをネタにしたら絶対そうなる。俺にウザがらせて面白がる嫌がらせっちゅうか。
で、それをまた俺が仕返しにどっかでネタにするからいたちごっこ。エンドレス。
でも、別にそれを鬱陶しいと思ってへんのは、お前ウザいと言う俺が、
相方とじゃれて遊ぶ為の口実やからなんやろう、多分。
案外甘えたで構われたがりは俺の方なんかも知れん。
165 :
呆×突:2006/03/22(水) 02:21:32 ID:hts8JQrc
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 関西弁だと、他地方の方には読みにくいかも…。
| | | | ピッ (・∀・ ;)コンビ名の訳は愛人。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>160-165
二人カワエエ(*´д`)
幸い自分は関西圏なのでちゃんと関西弁で脳内再生されとります。
つーかファンシーマンにワロタw
そんな意味が…
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| デビ様 黒ぬこさまと十四代目
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| モエすぎてドウシヨウ
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ハジメテデ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) フビトカスマヌ
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
春だから仕方がないのだ
仕様がないのだ春が来てしまったのだから
そうゴウトは何度も心で呟き、自分に言い聞かせる。
身を窶して数百年もなろうとするのに、寄り代は未だ獣の性を離さない。
常ならばこの身体は人より数倍都合の良いものだ。狭い路地や高い場所。
子供に追いかけられることも時たまあるが、それもご愛嬌。制限は充分にあるが彼の身体は自由だった。
だというのに!今だけは四つ足のわが身が恨めしい。また春が来てしまった。
頭の芯に霞がかった状態でゴウトは嘆息を漏らした。
独特の熱を冷ますには、やはりそれなりの方法があるのだが、人であった頃を思い出せば自尊心の高いゴウトが耐えられるはずもなかった。
いくら本能とはいえ、追い掛け回すのも追いかけられるのも絶対に嫌だった。
別に卑下しているわけではないが、畜生と交わるのだけは回避したい。
かといって喉の渇きを猫の身ひとつで解消できるわけでもなし、毎年毎年ゴウトは地獄のようなこの季節を耐えてきた。
耐えることは、得意だ。
だがしかし、今回ばかりは本当に辛い。
畜生あの小僧。忌々しく毒づく。
今回こんなに辛いのはこの町に猫がたくさんいるのもあるだろうが、一番大きいのはあの呪われた草だ。
ただの野草雑草だろうにあの生意気な!たしたしと卓を前足で叩く。
本人は鳴海の大切な雀卓に力いっぱい八つ当たりしているのだが、爪も出さず叩く姿は酷くあいらしい。
前足を振り上げるたび脳裏にあの揺れる穂がちらつく。
嗚呼!嗚呼!嗚呼!あの餓鬼ッ。
姿形を逆手に取るとは悪魔のようなやつだ。
気配だって完全に消せないくせに、今だって知っているのだぞ。
狸寝入りの上、草を外套の下に忍ばせていることなど。
キッと睨めば、長椅子に横たわり機会を窺っていたであろう少年が帽子のつばを下げた。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ デキゴコロでやった
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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今伏字すらないことに気が付いた
まじごめん
黒ぬこたん 萌える〜
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| うえきの犬丸×佐野だよ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 写真をテーマにした話だからな
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ハツトウカダゾ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
174 :
1/3:2006/03/22(水) 15:10:43 ID:ggzeiFRd
「へぇ〜ワンコって写真写りいいんやな。」
「小林さんが勝手に撮ったんですけど・・・・よかったら佐野君にあげますよ。」
「わーい」
夜、佐野家にて。
「・・・・」
犬丸の写真とにらめっこしている佐野。
「・・・あかん。」
・・・・何が?
「ギャグっぽくあらへん!」
そこかよ。
関西人の佐野清一郎君、ただの写真じゃ納得がいかないようで。
「もうちっと何かないとなあ・・・・・あ。」
何を思いついたのか、佐野は黒の油性ペンで犬丸の写真に文字を書き出す。
「できたー!」
佐野は不敵な笑みを浮かべ、その日の夜は過ぎていった。
175 :
2/3:2006/03/22(水) 15:11:15 ID:ggzeiFRd
―――数日後。
神様の仕事が休みのため、植木達が住む世界で散歩をしていた犬丸。
「犬のおっちゃーん。」
「あ・・・・植木君。お久しぶりです。」
「あれー?植木。」
植木や佐野とともに戦った仲間、森あいが後ろからかけてくる。
「おお、森。犬のおっちゃんに会った。」
「お久しぶりですね。」
「こんにちはー。鈴子ちゃんもいるよ。」
「犬丸さん!お元気そうでなによりですわ。」
「そうだ。なぁ、犬のおっちゃん。」
「はい?」
「昨日、佐野からこんなん送られてきたんだけど。」
「え?」
植木はポケットから薄い青色の封筒を取り出す。
犬丸に封筒を渡し、中身見てみろよ、と植木に促され、犬丸は封筒の中身を取り出す。
「・・・・写真?」
―――どこかで見覚えがある写真だ。
犬丸は裏返っていた写真を表に返してみた。
「―――!こっ、これは・・・・」
その写真は先日佐野にあげた自分の写真。
そこには“天界のスーパーアイドル”と油性ペンで書かれていた。
「“天界のスーパーアイドル”だって・・・」
「たしかに犬丸さんはそれなりにアイドルみたいですわ・・・・」
「すげーよな犬のおっちゃん!」
森は少々呆れ、鈴子は犬丸をじっと見て、植木は「すげー!」と犬丸に憧れる始末。
そして当の本人は、
「佐野くーーーん!もしもあったらお説教ですからね!」
相当怒り狂っていた。
176 :
3/3:2006/03/22(水) 15:12:12 ID:ggzeiFRd
天界にもどり、佐野の写真と油性ペンを用意する犬丸。
「こうなったら仕返しです!」
写真だけで仕返しとはかなり大人気ない。
「・・・・でも・・・なんて書けばいいのかな・・・・」
自分の写真みたいに書いてもまたやられるだけだろう。
「うーん・・・・」
しばらく悩み、
「そーだ!」
―――翌日。
佐野が銭湯帰りの道を歩いていると
「佐野〜」
「おお、植木!どないした?」
「犬のおっちゃんが昨日家に来てさ、佐野に渡してくれって、これ置いてったぞ。」
「ワンコが?」
そう言われ、佐野は植木に薄緑の封筒を渡される。
「じゃあ俺、買い物途中だから。じゃあな。」
「おっ、おお。」
植木は少し遠くのスーパーへ駆け出していった。
「なんやろ?」
封筒の中身は自分の写真。
「・・・これが何・・・」
よく見てみると、
“佐野君は僕のものです by犬丸”
―――そう、油性ペンで書いてあった。
佐野は熱い温泉に入ったときのように真っ赤になり、
「―――ワンコのどアホ・・・」
その場にしゃがみ込んだ。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 小さい頃によく写真に落書きしてたなぁ。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
お粗末さまでした。
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| 古火田最後第二話パラレルワールドだモナ。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 市×無効のつもりだがエロ要素は全く無い、らしいね。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ テカテカ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
『やったよ、兄貴』
無効島が住んでいるアパートの電話が鳴り、それを取った彼の耳朶を弟の言葉が叩いた。
開口一番、興奮しているのであろう弾んだその声は、無効島の胸を暖かくさせる。
「ああ。見てたよ」
よくやったなあと続ける彼の表情は、どことなく沈んでいた。
暗い部屋。
『世界一だ』
分かっている。幼い時分から誰よりも負けず嫌いな弟の、記者会見での笑顔が脳裏に蘇る。
思い描いた真っ直ぐな笑顔が無効島の心をぢくりと突き刺した。
『兄貴? どうしたんだよ、あんまり嬉しそうじゃないな』
「そんな事はないよ。嬉しすぎて言葉が出てこないんだ」
急にトーンを落として言った弟の問いに、無効島は苦笑を交えて誤魔化す。よくもそんな台詞が出てくるものだ。
『……そうか。なら、いいけど』
弟は無理矢理自分を納得させたらしい。そんな弟の疑問を払拭させるように、無効島は殊更に明るく笑った。
「お前は、俺の誇りだ」
『何言ってんのさ。そんな事ないって』
二人して同時に吹き出して、他愛のない会話を繰り返す。
最後にいつも通り、何かあったら俺に知らせなよと言った弟の声に、ああ、と返事をして電話を切る。
もうそろそろ時間だ。無効島は見えるはずのない時計を見上げてそう思った。
金の入った封筒と、白いカプセルの入った小瓶を握り締める。
一旦は置いた受話器をもう一度、掴みたい衝動に駆られた。助けてくれと叫びたい。だがそれは出来ない。
「……一浪。お前だけは、俺が守るよ」
その呟きは、無効島の心の奥底に沈んだ澱の様な真っ暗な部屋に、暫らく響いて消えた。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 世界杯おめでとう、市。
| | | | ピッ (・∀・ ) この後、無効島がどうなってしまうのかはご想像にお任せします。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
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早く届かないかな、寅&辰のDVDボックス。
0*9スレに投下しようとしたら先越されてしまったのでこっちにこっそり投下
お題「記憶喪失」のオリジナル短編
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
どうしてこうなったのかは詳しくはわからない。
ただ俺が知っているのは、今目の前にいるこいつが
俺のことも恋人のことも綺麗さっぱり忘れてしまったこと。
その記憶がいつ戻るかまったくわからないこと、それだけだ。
「少しは思い出した?」
「う……うーん、ごめん。ミカンより桃が好きってことは思い出したんだけど」
まったく病人に見えない記憶喪失者はそう言って照れ笑いのような表情になった。
どうして、こんなふうに笑っていられるのだろう。
あんなに好きだったあいつのことを、なにもかも忘れてしまったのに。
……俺だったら絶対に、あいつのことを忘れたりしないのに。
「……あいつ、どうしてる?」
俺の気持ちを読み取ったみたいなタイミングで言う。
「今日はバイト夕方までだから、終わったら来るってさ」
「今日もバイトかあ……」
その言葉に大人気なくカチンときた。
あいつが誰のせいで3つもバイトかけもちしてると思ってるんだ。
そう言いたかったけど、言えなかった。
「あいつ結構無茶するやつだから、無理するなってお前からも言ってやって」
俺はそう言って席を立った。
「迷惑かけて、ごめんな」
振り向くと、声の主はちょっと困ったような笑顔を浮かべていた。
「俺、頑張って全部思い出すからさ……お前のことも、あいつのことも……だから、俺のこと見捨てないでよ」
その笑顔を見ながら思った。
俺は多分、一生こいつにはかなわない。
ほんとにちょっとした話ですみません
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>180
それはあのときに助けを求められずに…というifの世界ということでいいのだろうか。
きっと飲んだ後も死にきれずに弟が助けてくれるよ!(AA略
しかしこの二人はテラモエスだ…
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| 「少しはセンパイをうまやえよ(何故か変換できない)」ネタ。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 人間的ケッカソ有(推定)投手×ツンデレ大利ーガー
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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※ナマモノチュウイ。だがしかしフィクションです。
ニワカがキャラも背景も何も訳わからず書いていますので色々スイマセン。
186 :
1/3:2006/03/22(水) 22:08:22 ID:JjqcOwjV
後輩が先輩の様子に気付いて、声を掛けた。
「あれ、どこ行くんすか」
「トイレ」
「えー、じゃあ俺も行っていいすか?連れション連れション」
「連れション言うな」
「へへへー」
誰もいないスタジアムのトイレに先輩の後から続いて入ると、後輩はこっそりポケットから白いものを出した。
さっと広げると、それはバスタオルほどの大きさになる。
後輩は後ろから静かに先輩に忍び寄ると、その布で先輩の身体をさっと包んでしまった。
「ちょ」
そのままぐるぐる巻かれてミノムシ様になった身体を掻き抱くようにして、後輩は先輩を個室のひとつに連れ込んだ。
狭い個室に二人で入ってしまうと、すぐに中からドアに鍵をかけた。
「オマエなにやってんだ」
いつもなら蹴りのひとつもケツに飛んできそうなものなのに、先輩は酒のせいで防御力が落ちてされるがままになっている。
「しーっ……誰か来てオトコ二人で個室に入ってるの外にばれたらおかしいって思われるでしょ」
「オマエがおかしいんだろ」
そう言いつつも、外界を意識して先輩の声が小さくなった。
「このまま二人っきりになれないで国に帰ることになっちゃいそうだから、拉致っちゃった」
テヘヘ、と笑う後輩の顔を見て、先輩は一気に脱力したようにドアにもたれかかった。
それにつけこむようにして、後輩が先輩をすっぽりと抱き込む。
「なんなんだよオマエはもー……」
「あーこのまま離れたくないなー……」
うまい酒を文字通り浴びるように飲み、二人の身体からは嗅ぐだけでも酔ってしまいそうな香りが放たれていた。
ミノムシを捉えた後輩の腕は次第に蠢き出し、白い布を巻かれた上から先輩のウエストから尻をゆっくりと撫で摩る。
「オマエ……マジでやめろよ……ア……ッ……!」
「そんなこといって身体、力抜けてぐにゃぐにゃじゃないすか」
興奮してるし、酒入ってるから気持ちいいでしょ。
後輩にそう耳元で囁かれ、先輩は切なくなってか細く震える溜息を吐いた。
その呼吸を吸い取るように、後輩の唇が先輩のそれを包む。
「ン……ッ……」
187 :
2/3:2006/03/22(水) 22:09:04 ID:JjqcOwjV
何度も角度を変えて、柔らかく吸い上げる。
触れ合う二人の体温で、酒の香りがますます個室に充満した。
後輩としてはこの先のことなど全く考えずにここへ連れ込んでしまったが触れ合ったが最後、止まらなくなってしまった。
「ね……二人でこのままシャワー室行きませんか……?お酒で濡れて気持ち悪いでしょ」
先輩もこうなった以上、それが純粋な連れ風呂への誘いとは思わない。
「バッカ……この後だって色々あるんだぞ」
「シャワー浴びて着替えるだけですよ……そしたらこれほどいてあげますから」
「なに言ってんだ……」
「お願い……ちょっとだけでいいから付き合ってくださいよぉ……」
後輩は先輩に頬をすり寄せてそう甘えたが、先輩の返事はにべもなかった。
「だめだ」
「なんで?もうすぐお別れなのに少しくらい……」
「だってオマエさー……気が済んじゃったらコッチに来る気なくなっちゃう……だろ……」
先輩の声が小さくなりすぎて聞こえない。
「え?なに?」
「だからさ、オマエがコッチに来たら……好きにさせてやる……かもしれない」
「……マジで?」
「うーん……」
言ってから失敗したと思ったのか、先輩のいつもの歯切れの良さはどこかへ行ってしまった。
「本当に俺の好きにさせてくれる?」
「まぁ、俺の、機嫌次第だけど」
先輩がそういってそっぽを向くと、後輩の顔が一気にだらしなく緩んだ。
「じゃあ俺来ますよ!絶対コッチ来ます!できるだけ超高速で!」
手放しで喜ぶ後輩からぶんぶんとしっぽを振る音が聞こえるようだと思い、先輩はとても愉快になった。
「コッチで待ってるから」
笑顔でそう言うと、後輩も全開の笑顔でそれに答えた。
「おめでとう先輩」
「おめでとう後輩」
二人でそうやって誉め合っていたらどうにもおかしくなって、最後には二人して声の大きさも気にせずに笑い転げた。
188 :
3/3:2006/03/22(水) 22:09:40 ID:JjqcOwjV
しばらくして、ようやくミノムシ様から解放された先輩は、自分の身体を戒めていたものをしげしげと眺めていった。
「オマエさー……この旗をこんな風に使うヤツなんて、世界中でオマエ一人だけだよきっと」
「そうかなぁ、カントクと先輩が絡んでたの見て思いついただけなんですけど……すいません」
「……まあいっか、今日は無礼講だし」
オマエばっかり抱きついてきてずるいからな。
先輩はそういうと後輩を抱きしめた。後輩も負けじと抱き返す。
余計な布ごしでない先輩の身体はとても熱くて、まだ少しだけ湿ってるなぁと、後輩は最後のその感触をじっくりと味わった。
数々の失礼な振る舞いを鷹揚に許してくれた先輩と、そういう先輩が大好きな後輩は、ただでさえご機嫌なのにさらにご機嫌になってトイレから出ていった。
例え、その後のテンションの高さに周囲の人々がちょっぴりだけ引いていたとしても、無礼講ぶっちぎりの二人には関係ないことだった。
おわり
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ アリガトウゴザイマシタ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
なんで記i者i会i見iにシャワー浴びて出てこられなかったのかネタでした。
ごめんなさいと百万回謝り倒さしてください。萌えが我慢できませんでした。
>>180 おおおGJ!
たまらん!たまらんよ!!
>>185 萌えた!
実はwβc二次予選から待ってました
生モノで萌えたの初めてだよ
d
>>185 (*´Д`)/ヽァ/ヽァ
ヤバい、禿萌えた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 最/強/伝/説黒/沢で黒/沢/浅/井。七巻のあたり
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| でもダイアローグ中心…。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
「またか…」
もう三度目になるのに、あいつはまだ出ない。
もう十一時過ぎている…さすがに今時分は帰ってきただろう…
ため息とともに電話を元に戻し俺は床にひっくり返った。
「散々な一日だったぜ…」
午前は魔王呼ばわり、昼飯時はフライ責め、午後は小/野になぜか懐かれて…その上仕事上がりに
便所にいたら変なやつに頭殴られて…そして夜のあのしけた飲み会…あんな気まずい酒ってねぇの……
で俺を襲ったやつはわからずじまい…
なんつう波乱万丈な一日だ…!事実は漫画より奇なり…!まったくだぜ…
起き上がって机のタバコに手を伸ばしてももてあそんでいるだけだ。一服という気になれない。
あいつの方が…オレより散々だったから…
エビフライを取られて泣いているあいつ……頬を腫らして泣いていたあいつ…壊れた木魚になっちまった
あいつ…
そんなあいつを思うだけで胸が痛んでくる……なんでもっとかばってやれなかったのかな…
あいつは…オレをかばってくれた…わざわざ追いかけてきて「いじめられても生きていてよかったね」
とあんなにでかい声で言ってくれて…バカヤローと思ったけど本当は嬉しかったんだぜ…どうして
オレはあいつに優しくしてやれないのだろう…あいつが笑ってくれるだけでも良かったんだ…
たまらなくなりオレはまた電話をとった…
一回、二回、三回…もう十回だ…もう切ろうか…でも切れない。あいつが出てくれなきゃ…だめなんだ…
「用事があるったら!」
いきなりあいつの声だ。知らずにオレの口元がほころんだ。
「あ、浅/井…今日は…」
「もういいよっ!黒/沢さんなんてどうでもいいったら!僕知らないよっ!」
それだけ言うと乱暴に電話が切れてしまった。
「はあぁ…」
一瞬だけの明るさがまた雲の中に閉ざされてしまった。オレは浅/井の声を思い出していた。
すんすんとこもった鼻声だった…まだあいつ泣いているのだろう…オレは…明日どんな顔をすればいい?
力なく横たわる。暗い雲がオレの中に立ち込めてきて…ただいま降水確率80%の下り坂ってやつだ。
……電話のコール……コール!?
たまらず電話を取っていた。
「もしもし…黒/沢さん…浅/井だけど…どうしたの?」
「どうしたのって…」
「あれから電話したけど黒/沢さん出ないから…さっきはごめんね…」
オレが電話に出なかった…!?まさかと腕時計を確かめる。
…!?午前一時じゃねえか…寝過ごした!!
「さっきはごめんね…黒/沢さん何度も電話したのに出ないで、せっかく電話してくれたのに怒鳴っちゃって…」
「いいよ、今日はオレが悪かった。それだけ言いたかったんだ。」
オレはやっと言いたい事を言えた。暗雲一掃…ただいまの空は星影のワルツ…
「ほんとにぃ…?」
や、こいつ語尾が伸びておる。
「ほんとにほんと?」
疑問には断言を…
「本当にすまない!」
「ホント?」
な、なんかこいつ立ち直り妙に早い…うぬぬぬ…ならば証を示さねば…
「じゃあ、明日オレにしてほしいこと言えよ…男に二言はなし…!」
「ええええっ!?いいのっ?なんでもいいのっ!?」
歌うような叫び…こ、これは…何?なるべくならお手柔らかに…
「んーじゃーねぇ、お金!5000円!」
なっ…5000円…か、この金額は浅/井の心に妥当な値段でしょうか、堀江さん?
「んな金…」
「ゲームのお金!今日買うはずだったんだよ!それなのに…うっうっうっ…」
まずい、またすんすん聞こえてきた。そうだあいつは小/野にゲームの金を分捕られていたのだった…
それなら払おう!男に二言などなし…!家計は痛むが…
「ああ、払ってやる!で、どういうゲームするんだ…教えてくれよ…」
ちょっとオレの声音はびくついている…我ながらせこい。
「ま・あ・じゃ・ん!!ボクできるんだよ!」
そ、そうか…ピコピコする奴で麻雀できるなんて知らなかった…ついでにあいつが麻雀できるなんて…
「二人でできるようになっているんだよ!黒ちゃんもする!?」
え…オレはかもられてばかりだからご無沙汰なんです…というかあいつはオレと対戦できるのか!?
「ねえ、しようよ!黒ちゃんと遊びたーい!」
そ、そりゃいいが…
「いいでしょ、いいでしょ、明日黒ちゃんと遊びたーい!」
すっかりあいつはその気ではしゃいでいる。さっきまでの鼻声がしんじられないぞ…
「明日だよね、二人で遊ぼーね、じゃーね、黒/沢さーん」
一方的にまくし立てると電話が切れてしまった。あいつのテンションの高さにオレの眠気は吹き飛んでしまった…
とはいえ明日は浅井に金払わなきゃ…と思うとなぜか口元がほころんでしまう。なぜだ?
そりゃあ、オレはこんな浅/井がかわいくてたまらないんだ。アホな奴だが、でもオレはかわいくてたまらなくなって
しまう。ふと腕時計をみればもう二時近い。なのになんで眠くないんだ?このオレのテンションの高さはまるで
遠足の前のようだ…家に帰るまでが遠足ですっ…明日どんな思いで家に帰るやら…きっと鼻歌まじりだろうな…
ああ、眠れん!
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ マイナージャンルですな…
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
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| ゾ/ン/ビ屋れい子、豪仁←チ一ホイ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ちぃの自慰ネタらしいよ。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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眠る前の退屈は恐怖だ。
またあいつのことを考えてしまう。
前を扱くだけでは足りなく、チ一ホイはコンドームの封を切った。
豪仁はおれの名前を呼ばない。
髪の毛を掴まれて口腔を犯されたあと、
突き飛ばされてうつぶせに倒れこんだら、腰をあげろと命令がかかる。
扱いて硬度を増した豪仁のそれが触れたかと思えば一息にねじ込まれる。
肉の薄い臀部に腰骨があたる。
ドッグスタイルでがんがん突き上げられて、
前立腺への刺激こそ少ないけれど、
豪仁にされている、と意識するだけで
声は我慢できないというより、出していないと頭がおかしくなりそうだった。
泣いたみたいな声でいきそうって言うと抜いて、コンドームを外して、
おれの首を締めながら口に突っ込んで射精する。
むせてせきこんで、鼻からザーメン出ちゃってるおれを見もしないで豪仁は部屋を出て行く。
目を瞑り考えながら、一際強く自分の熱を擦りあげると、
薄いゴム越しの腸壁が無意識に指をぎゅううっと締めつけた。
のけぞると、後頭部がスプリングをきしませる。
放った精液はすべて腹に流れた。
「え、バイト探してんの?」
今日に限って二人だけで飲もうなんて言うから部屋に招いたら、
報告のような相談を持ちかけられた。
昨夜のエロい気分がまだあたまに残っているのに。
いや単なるオナニーだけど。
バイトか。何か欲しいものでもあるのかね。
「……あいつが、ケケ露が誕生日でな」
なんだよ報告でも相談でもなかったじゃん。
惚気に来たのかいこいつは。
お前がいま腰掛けているベッドで、おれはのお前ことを考えながらオナニーしたんだぜ昨日。
お前がいま腰掛けているベッドで、無理矢理やられたいと思っちゃってんだよ。
ケケ露の名前が出たことが、罪悪感とは違う、奇妙な興奮をチ一ホイに与えていた。
「へえ、なにやんの。指輪とか?」
からかうつもりで、あえて真顔で振ってみた。
あれ、え、図星?指輪買うつもりだった?
なにそれおまえ顔、真っ赤じゃん。
あーもう黙んなよ。
「……誰にも言うなよ、おまえにしか言わないからな」
お、こいつ!不器用な分際でドッキリ計画かよ!
いいなあ、やさしいな豪仁。
こんなやさしい豪仁は、おれの想像してるような、
おれが豪仁にされたいと思ってることは絶対してくれないんだろうな。
「おれのバンドのライブスタッフ、足りねぇんだけど来るか?」
やさしいふり。
秘密を共有してる、なんて嬉しい自分に吐き気がした。
ああ、おれ、気持ちわりぃな。
告白とかしないのもお前とケケ露のためだと格好つけたいけど、
結局おれのためなんだ。
ズリネタにしちゃってて悪いな、と思うけどね、好きすぎなんだお前のこと。
たまにでいいからおれとも遊んでね。
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| | | | ∧_∧ 連載当時からむらむらしていた
| | | | ピッ (・∀・ )
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>203
うえっww好きカプキタwwwww
GJ!GJ!GJ!
>>203 萌えすぎて死にそうどころかゾンビになっても萌え続けられそうです。GJ。
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| ナマモノゲ仁ソ、意志箸狭間
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ちょっと前のラジオに萌えてつい…
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ エロモナンモナシカヨ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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207 :
3/1:2006/03/23(木) 05:07:23 ID:xYbNX2Uw
「兄やんに話ある」
仕事の後、ひどく真剣な目でそう切り出された。
楽屋でいまにも叫きだしそうな相方をなんとかなだめすかして、仕事場の近所にある小さな喫茶店に入る。よく打ち合わせに使う店だ。メニューも見ずにたいして飲みたくもないコーヒーを注文する。
ウエイトレスがコーヒーをテーブルに置いてカウンターの奥に去るまで、狭間は一言も喋らなかった。
ただそのつぶらな目がもの言いたげに、幾分恨めしげに見つめてくる。
「俺達、2人で一緒に東京行くんやんか」
周囲にだれもいなくなったのを確認して、ぽつりと言う。
「……せやな」
「お互い支え合っていかなあかんやん、2人っきりのコンビやんか。普通嘘とか言わへんやん」
その緊迫した声に、不謹慎にも笑いがこみ上げる。
この年下の相方は昔から少しも変わらない。
あまりにも素直で純粋で――残酷な子供だ。
208 :
2/3:2006/03/23(木) 05:08:02 ID:xYbNX2Uw
「……隠し事とか、なんでするんや。なんで俺に黙ってたん?」
理由をつけるのは簡単だ。
相方と友達は違う。必要以上に馴れ合うべきではない。
なにもかも包み隠さずに接することなど不可能だ。疑似恋愛のような仲になってしまっては終わりだと自分は思っている。
だが、それは大人の理屈だ。子供には通用しない。
「お前がいきなり押し掛けてきたら困るから」
「なんで? 俺が来たら嫌なん?」
「嫌やないけど、困る」
そう言うと、明らかにそれとわかる程に狭間の顔が歪んだ。
「……兄やんなんか嫌いや」
狭間は拗ねたような声で言って、意志箸になにか小さなものを投げつけた。
見るとちぎった紙ナプキンのかけらだ。
何度も何度も投げつけてくる。気まぐれに遊んでほしがる猫のように。
「俺一人で何も知らんで、アホみたいやんか。近所とかなんべんも行って、なんでいっぺんも会われへんのやろなーって、ウロウロしとったんアホみたいやんか。引っ越したなら引っ越したって言ってくれたらええやんか……兄やんは俺のこと嫌いなんか……?」
もう言っていることが支離滅裂だ。ここで自分が吹き出したら確実に泣きわめいて怒るだろう。
「……大人にはいろいろ事情があるんや」
「どんな事情」
「子供には教えへん」
「子供扱いせんといてや」
――大人にはな、いろいろ我慢せなあかんことも、秘密にしたいこともあるんや。
209 :
3/3:2006/03/23(木) 05:09:27 ID:xYbNX2Uw
「……なに泣いてんねん」
「泣いてへんわボケぇ! 兄やんのアホ!」
「お前いくつやねん」
「俺の年も覚えてへんのか! なんでそんな薄情なんや! 薄情もん! ボケカスアホ!」
いまどき小学生でもこんなストレートな罵倒はしない。
「相方に向かってひどいこと言うな、お前」
「兄やんが意地悪やからや……兄やんが悪いんや……」
やれやれ、とため息をついた。
手を伸ばして頭を撫でてやる。
「せやな、俺が悪かった」
狭間は顔を上げた。
そして、嬉しそうににっこり笑った。
その表情を可愛いと――愛おしいと思うことが、いいことだとは思えなかった。
「もう、隠し事とかなしやで」
「わかった」
「仲直りしたら腹減ったわ。兄やん、ラーメン食べにいこ」
「またラーメンか。ほんま好きやな」
呆れて言うと、狭間はさらに幸せそうに目を細めた。
「でも、兄やんの方がもっと好きや」
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| | | | ∧_∧ 3/1ってなんだよ1/3だよ……
| | | | ピッ (・∀・; ) お目汚しスマソ
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>195
GJ!
マイナージャンルでも好きだよ好きだよ好きだよ…!
>206
やばい萌えた。萌え死んだ。
姐さん大好き。ありがとう!
>213
もちつけ
>206
萌えました。年下可愛いよ年下
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| またまた萌えのスレのアレから
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 今回はスレを間違えないんだからな
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ コレカラドウナルンダヤツラ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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217 :
1:2006/03/24(金) 02:31:46 ID:4/UJS95m
「………俺思うんだけどさ…」
「……あっ!」
大変慎み深い俺が、胸に秘めていた思いを打ち明けた瞬間。
彼の頬にさっと朱が差した。
彼の両の手が躊躇いがちに揺れ、あの、ともごもと口篭もって微かに俯く。
そんな言葉の節々に、若干の訛りを見つけるまでに、
俺と彼の関係は近くなったと自負している。
以前、仕事で飛んだ岩手で聞いた調子ととても似ていて、
それが彼の人柄の良さを強調しているようにも感じる。
そのお陰と言ってはなんだが、俺のイメージにおける東北人はお人良しにカテゴライズされてしまった。
そんな彼を困らせたい訳では、無かったのだけれど。
気づいた時には、声にしていた。
218 :
2:2006/03/24(金) 02:33:45 ID:4/UJS95m
「………なかったことに、してくれませんか」
困ったように、無理な笑顔を作りながら彼が持ちかけてきた提案に、
思わず俺は吹き出した。
こんなことにも馬鹿正直に答えてくれる彼は、
やっぱりお人良しなのかもしれない。
わざわざ言葉にした俺も俺だけど。
焦る内心がそうさせるのか、彼の言葉の波が激しくなる。
俺は、この訛りが嫌いじゃない。
どちらかと言うと、酷く好ましい。
「ムリだよてつをさん」
「えー…!……いや、その、俺、そういうつもりは無くて、できごころだっだがら…」
219 :
3:2006/03/24(金) 02:34:47 ID:4/UJS95m
抑えの利かなくなってる彼に、俺も抑えが利いてなくて、
普段勝手に呼んでいる名前が飛び出した。
勿論、うろたえる彼にはスルーされてしまった。
頭に入ってなかったのか、そもそもてつをなんか知らないんだろうな。
ブラックつけてるくせに。
いくつぐらいなんだろ。
俺よりは下だよな。
情報収集は、もう少しきちんとやっておけば良かった。
「かめはめ波は警官スキルにいらないと思うよやっぱり」
恥ずかしそうに、そして些かしょんぼりしたてつをがもいちど見たいので、
今度交番の前を通ったらかめはめ波を打ってあげようと思う。
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| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・;) 後悔はしていな・・・・い
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>206
ありがと〜。よかったよ〜。
>>216 和んだ(´∀`)
てつをかわいいよてつを
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| 古火田最後第二話パラレルワールドだモナ。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| スレで触発されたがエロ要素は全く無い、らしいね。
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ テカテカ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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高級ホテルのカフェで彼は座っていた。
周りには誰もおらず、ほぼ貸し切りの状態で彼は身を硬くして前にあるテーブルを見つめている。
注文したコーヒーは洒落たカップに注がれているが口を付けられた形跡は無い。
普段は穏やかな彼が、緊張して盛大な冷や汗をかいている。
何故なら――これから、彼はヒーローに会うからだ。否、会わなければならない。
ストイックなヒーローを、果たして自分が変えられるのだろうか。運良く変えられたとして、それが何だというのか。
彼は途方に暮れて一人、背中を丸めた。
首でべたつく汗を拭おうとお手拭のウエットティッシュを袋から取り出そうとした所で、自動ドアが開いた。
ぎくりと彼の動作が止まる。待ち人は遅く来る、と正月に神社で買った御神籤に書いてあったなあと彼は思った。
「お待たせしました。無効島さん、で宜しいですか?」
無効島が声の方に向き直ると、無愛想な男の隣にいるひょろりとした男がにかりと笑って握手を求めてきた。
そういう事に慣れていない無効島がスーツに擦り付けた右手を差し出すと、笑い男は両手でそれを包んで振った。
「あなたが、彼の――」
「はい、そうですが……」
開始早々に会話が途絶える。目の前で突っ立っている二人に、手振りでテーブルの向こうにある椅子を示す。
笑い男は、ああ、とたった今気が付いたように目を丸くして席に着いた。
通路側に無愛想な男が音を立てて深く座る。
無言でこちらを見やるその姿に、無効島の背筋に冷や汗が一筋流れる。
話を切り出せずにいる笑い男に細めた目を向ける。彼は、あるいはマスコミは、勘違いをしている。
その間違いを、正さなければ。
自分の顔に張り付いているものが笑顔である事を望みながら、無効島は口を開く。
「済みませんが」
「弟は、何も私に会ったから世界一になった訳じゃありません。本当に頑張ったから、世界一になれたんです」
「そ、それは、分かっています」
唐突に頭を下げた笑い男に、内心ギョッとする無効島。無愛想な男が隣の笑い男に目をやり、鼻から溜め息を吐いた。
「勝利はあなたによってもたらされた訳ではない、という事は理解しています」
けれども、感情を表に出し、チームを勝利に導いたあなたの弟さんは正しく日本の英雄なのです、と続ける笑い男のご高説は無効島の心に届かない。
それはアンタ達マスコミの都合だ。無効島は冷め切った心の奥で思った。
表情の無い人間が少年のような笑顔を見せる事で優秀な成績を修められるのなら、誰だってそうするだろう。
「馬鹿な話だ」
独り言のように、無愛想な男が呟いた。無効島はその時になってようやく、彼をしっかりと認識した。
その男は、弟によく似ていた。視線の鋭さが、言葉では表せない雰囲気が。
彼は心が凍ってしまったのかも知れない。マスコミのカメラフラッシュと押し寄せる追求で。
そう思うと、無効島は弟と彼を重ね合わせてしまった。小さな寂しさが思考を埋め尽くす。
ヒーローと呼ばれた男の孤独な心情など平凡な人間に分かるはずもないが、無効島は彼を放っておけなくなってしまった。
「私は、弟に何かをしてやれた事などありません」
無効島は彼を見据えてそう言った。
「え? ちょ、ちょっと待って下さい」
今回の話を断られるのではないかと慌てる笑い男を尻目に、彼も無効島を見る。そして――
――眉根を寄せて、くすりと笑う。
「仲田日出寿。日出だ」
「無効島です」
両者は互いに、遅い自己紹介をした。
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| | | | ∧_∧ ブッフォブッフォしてやった。
| | | | ピッ (・∀・ ) 特に後悔はしていない。
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早く見たいな、寅&辰のDVD。
書いたぞ!書いちゃったからな!投下しちゃったからな!!
>>224 優しい兄ちゃん萌えた〜ありがとう…!!
ファイナル第二話SSを生きている内に読めるとは思っていなかったよ…
ツヅキモチョットキタイシテイイ?
>>224 うほっ!棚推薦して良かった!
萌えたー萌えたよー!その後の展開が気になるw
>>224 すごい萌えキタコレ
続きが気になって眠れない・・・
ゲームキャラネタ 男x男
LOVEなしのグロありで、801では無いんですが
ここで投下は大丈夫?
>>231 男x男で801じゃないってどういうこと…?
あまりにグロいようなら、猟奇スレのうpろだは?
猟奇すれ・・・誘導サンクス
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| 古火田最後第二話パラレルワールドだモナ。
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>>224-227の続きらしいよ。そして長い。
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 230姐サン徹夜スマソ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
世界の仲田と知り合いになってから幾日か経ち、無効島は慣れない携帯電話と格闘していた。
ほぼ毎日、彼から一言だけのメールが届く。そして無効島は、今日も彼への返信を打つ。
「……あっ!」
一つの文字を入力しようとして、今まで打った文章を全部消去してしまった無効島。
はああああ、と、声を上げて盛大な溜め息を吐いて携帯を布団の上に投げ捨てる。
何故こんな事になってしまったのか。どうしても納得がいかない。
先週、無効島は仲田との交流を請われた。互いに自己紹介を交わして、その帰り際。
じゃあこれで連絡を取って下さい、と仲田の隣にいた男が無効島に携帯電話を渡してきたのだ。
「どうして俺なんだ……?」
その言葉は再度吐いた溜め息と共に、宙を漂って消える。
弟のサインを自分が書いた事が上役にバレ、ホテルの警備員をクビになってから二ヶ月と少し。
無効島の周囲は確実に変わった。
弟が明るくなったのは貴方のおかげだ、と言われた。
弟のチームが世界で一番になれば、それは弟を変えた貴方の功績でもある、とも言われた。
挙句の果てにこれだ。仲田を変えてくれと頼まれてしまったのだ。
断ればよかった。だが、だが然し。人の良い無効島には断りきれなかった。
「そもそもアイツが世界一になれたのだって、アイツ一人の力じゃあないのになあ」
ぽつりと言って、無効島は微睡む。
ピリリリリ、と、ひどく耳障りな電子音がする。
音の正体を目を閉じたままで探ると、小さな振動が手に触れた。
唸り声を微かに出して、音を出して震える物を掴むと、それの発する光が当たって瞼の毛細血管が映り視界が赤く染まった。
やっとの事で無効島は目を開く。
携帯のウインドウには“仲田日出寿”と書いてあった。
うとうとしている内にかなりの時間が経ってしまったらしい。部屋はすっかり暗くなってしまっている。
どうにか携帯を開けて、少々迷惑と言えなくもない時間帯に掛けてきた相手の電話に出る。
「はい、無効島です」
声が掠れている。口を開けて寝てしまったらしい。
何となく気恥ずかしくなりながら、無効島は部屋の灯りを点けた。
『どうも』
「ああ、仲田さん」
何かありましたか、と訊ねると彼は少しだけ口ごもり、メール届いたかなと思いまして、と言った。
「届きましたよ。少し、眠ってしまったみたいで。申し訳ない」
はにかんでそう告げる。緊張しないようにと自分に言い聞かせるが、どうしても声が硬くなってしまう。
『そうでしたか。急かしてるみたいで済いません」
「いえ。そんな事は」
無効島は自身に苦笑を漏らす。自分が子供になってしまったみたいだと思った。
『あー。後、その。敬語じゃなくていいですよ。無効島さんの方が年上ですし』
はは、と乾いた笑いを口先で吐く。世界で活躍する人間にタメ口なんて言えるもんじゃない。
否、いるか。無効島は弟の姿を思い浮かべた。弟も世界的な有名人だ。
けれどもアイツはガキの頃から一緒に暮らしていて、兄弟だからこそ気兼ねなくタメ口でいられる。
「気を付けます」
無効島は携帯に向かってペコリと頭を下げる。すると彼は少しだけ、ほんの少しだけ悪戯っぽく偉そうに言った。
『そうして下さい。って、言ってる傍から敬語ですよ』
「……あ、しまった」
親に隠し事がバレてしまった子供のように、二人は暫らく笑いあった。
ほんの数日前まで雲の上の存在だった人と笑いあっているのが胸の奥でくすぐったくて、無効島は目尻を落とす。
笑い声が囁き程度に変わったのを見計らって、ついでだろうと無効島が口を開いた。
「さっきのメールの返事ですがね」
『何です? あー、また敬語』
「ああ、そうだった。済、……まない?」
そうですよ、全く。と、彼は偽りの怒りを口調に出す。もう一度、済まないと謝ってから、
「返信。
こちらも寒いですが、最近は春らしく日に日に暖かくなってきました。
そちらはまだ寒さが続いているようですので、風邪など引きませんようにお気を付け下さい。無効島」
と、柔らかくなった声に感謝しつつ、無効島はメールの返信内容を告げた。
『ありがとうございます』
先程のふざけた口調をちょっぴり改めて背筋を伸ばした様子が浮かんでくる。
無効島の中にある、無口で無愛想でストイックなヒーロー像は瓦解して電話口の向こうにいるのは好青年の彼になった。
思いがけない感謝の言葉に、こちらこそと返そうとした所に家の電話がリンと鳴った。
誰からの電話か分からないが、夜も更けているのにかけてくるのなら世話話でもなかろう。
そう思った無効島は、ではまた明日、と異国の地にいる彼に忙しない別れを告げて、携帯を切った。
リンリン、と鳴り続ける家の電話を取ると、途端に受話器から聞き慣れた人間の声が耳をつく。
「何だ、お前か」
『ひどいな。何だはないだろ、兄貴』
さっきからずっと電話をかけっ放しだな、と無効島が苦笑するのへ、
『それより兄貴、仲田と知り合いになったって本当か?』
と、いつもの弟よりもやや厳しい声質で訊かれてしまった。
「知っていたのか」
有名人は情報が洩れるのが早いというのは知っていたが、これ程とは思わなかった無効島が驚いた声を出すと、弟は呆れて溜め息を吐く。
『あのさあ……まあ、何でもない』
歯切れの悪さに気付いてそれを追求しようとすると、勘の良い弟はこれをするりと躱してしまう。
『本人から聞いたんだよ』
「そうか」
ん? 何故、彼は弟に知らせたのだろうか。その必要性はないはずだが。
悩める無効島に、弟は更に訊ねる。
『兄貴。携帯、持ってるんだって?』
「それも聞いたのか?」
『ああ。番号、俺にも教えてくれよ』
無効島が携帯を開いて電話番号とメールアドレスを言うと、弟は分かった、じゃあまた。と言って一方的に電話を切った。
回線が切れてしまった受話器を置くと、何故か無効島に疲れがどっと湧く。
「……ああ、もう」
携帯に弟の名前で電話帳登録を済ませて、それを放り投げる。
風呂にも入らず布団に潜り込む無効島の携帯が一瞬だけ光り、着信履歴の最新に弟の名前が記されたのを、彼は知る由も無かった。
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| | | | ∧_∧ どちらとくっ付けようかな。
| | | | ピッ (・∀・ ) 神ー様ーのー言ーうー通ーり。
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
早くまとまった休日が欲しいな、寅&辰のDVD。
続き書いちゃったぞ!書いちゃったからな!萌えちゃってるんだからな!!
そして最後の“彼”が誰であるかは皆様のご想像にお任せしますからな!
>>234 ももも萌えたぁああ(*´д`*)兄に萌え弟に萌え日出に萌え100万回保存。
230姐さんじゃないけど楽しみにしてましたよー!
弟×兄だと信じてたけどゲスト(日出)×兄オチも有りなのか…
>>234 うわわわわわわ萌えたよ姐さん!
嫉妬する弟モエス!!!煽る火出モエス!!!
むしろ兄総受なんてのもどうでしょうね?
>>234 >>230ですがキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
本当に本当に楽しみにしてました!!
また!またクマが増える(´Д⊂
どうなっちゃうんだああああああ!!!
>234
うおおおおおおおおおおおお
生きていて良かった…!!!!!!!!!!!!
もう何だこの萌えは…寝られないトントンありがとう!!!!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142953557/93 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| リリカルなのは ↑の続きらしいよ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 書いてるヤツは別だな
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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「あっ」
ベッドに押し倒されたユーノは軽い衝撃にクロノを見上げる。
「ユーノ…」
次に来たのは柔らかい唇の感触。唇を軽く重ね舌先でそこをなでる。
ユーノは怖いのか目を閉じクロノのされるがままに無抵抗だった。
ちゅ、ちゅっ
舌先がユーノを刺激し始めるとユーノが「ゃぁっ」と声を上げ、その感覚に身もだえた。
ゆっくりユーノをベッドと自分の間に拘束し、より深く抵抗されないように舌が蹂躙する。
「ん…ユーノ、固くなってきた?」
「あっ」
ふくらんでいる所を上からなでるとびくっとした震えが伝わり次第にそのものの大きさが
はっきりとしてきた。
「はぁ、、ぁ…」
恥ずかしさに言葉が漏れる。
「えっ、やだっ、やっ、」
ビリビリとする刺激が伝わり口の中からかわってただでさえせっぱ詰まっているにもかかわらず
口を離れた舌はそのまま首筋をちろちろと舐めたかと思うと、耳を噛み息を吹きかける。
「ひゃっ、やっやっ、ぁあー」
「ユーノ、かわいいよ…」
ズボンの中に手を入れると下着ごしに何度か固くなった部分をなで、服をとりにかかる。
「は、恥ずかしい… やっ、」
「でもここはこんなになってる」
ふふっと笑うと。
「やぁっっっ」
下着ごと脱がされ、ユーノの下半身に隠すものはなくなった。
思わず手で隠そうとして、クロノに頭の上に押さえつけられていることを思い出す。
「かわいい…な」
ゆっくりとユーノのペ*スを観察するクロノ。
「みちゃ、ゃぁぁぁ、小さいし、やっ、はずかし…」
敏感な所が指で摘まれる。
「ひゃっ」
「まだ、隠れてるんだな… すぐ大人にしてやるから」
「!?えっ、え、え、あっ、ああっ」
クロノが舌先で敏感な内側と、まだ余っている皮の間に舌を入れた。
ユーノは信じられないといった様子で自信に被さってくるクロノの頭を抑える。
「あっ、ああっ、」
腰が逃げようと引かれるが、押さえられ動けないし、舌にはベッドがあり、びくつくたびにスプリングがユーノの腰を押し戻した。
舌が動くたびにユーノの口から声が漏れ、舌先の入った隙間が徐々に広げられていく。
「ひゃっ、だめっ!!」
ついにほとんど "大人" にされたユーノの先、クロノの舌と口から解放されると、
唾液とは違う透明な液体が先端部から自信を濡らしていった。
「ぁ、あぁ…」
「ユーノ…」
敏感な部分を露出されたユーノは強い刺激に少し涙をため、
恥ずかしそうにクロノを見た。
クロノは自らの服を脱ぐとユーノの残っていた上半身も裸にしてしまう。
「きれいだ」
「っ、そこだめっ!」
クロノはピンク色の先端を優しく舌先でつつくとやわらかく噛む。
「ああっー、やだっ、やめっ、」
「弱い?」
「嫌っ、恥ずかし、っい、やぁだあぁぁ」
両手で顔を隠すユーノの瞳から大粒の涙がこぼれる。
「あっ、ゃ、あ、い、っいいっ」
ジンジンと先端に与えられる刺激が蓄積する。
ぷちゅっ、ちゅ、くちゅ
「ユーノ…泣くなよ」
涙を流していることに気がついたクロノは充血して固くなった先端を解放すると
ユーノの涙にキスをする。
「ん、…だ、って…、そんなとこ…僕は男なんだ、から」
「そうだな…乳首で感じる、いやらしいヤツだな」
「そ、そんな…」
さらに赤面するユーノ。
「じゃあ、こっちはどうかな?」
ユーノの両足を持ち上げる。
「やだっ、そんな、恥ずかしい! あ、あ…」
ユーノの膝と肩がくっつくまで押さえつけ、恥ずかしい穴まで露わにする。
「ひくひくしてる? …そんなに早く欲しいのか?」
「ちがうう、ひゃっ! あっ、あああ!!」
クロノが右手でペ*スを弄りだし、生の刺激に本気で悲鳴を上げる。
同時に口はユーノのアナへと近づき。
「ひえっ、だめっっっ!」
軽くキスをすると舌先がユーノの汚れ一つ無いピンク色をしたアナルを刺激し始める。
「あんっ、きたないっ、そこっ、やだっ、じんじん、しっ、ひっ」
ちゅぴっ、ちゅぷ、
そして、舌先に力がくわわると、ユーノがビクリと硬直し
「なか、なかくるっ、はいって、えっ、えっ、はいっちゃ、、」
舌先は強い力で、穴を広げ内側のピンクの部分まで達する。
ユーノはただただ、悲鳴をあげ、同時にわき上がる未知なる感覚に支配されていく。
「あ、、ぁぁ。クロノ…クロノっ、」
「…ユーノ…我慢、できない…入れるぞ」
「ひゃっ、だめっ、壊れるっ、ばらばらにっ、やめてっ」
「だめっ、だ、、、、、めっ」
ひくついたアナルが力をある程度奪われると、クロノは自らのペ*スに手を添え、
その先端部をユーノに押し当てた。
クロノは体重を移動し、ユーノの唇を奪うように近づく。
必然的に年齢差もあり元々発育の良かったクロノのペ*スが体重をかけユーノの中へ押し込まれていった。
「あっ、はいっ、はいっちゃ、う゛、ううう」
唇が重なりユーノの言葉が無くなる。
まもなくぐもった悲鳴が聞こえ完全に唇を合わせた二人はその接合部を完全に密着させていた。
ユーノはクロノの体を無意識に、そして必死に抱きしめると、まもなく始まる激烈な刺激に備えていた。
しかしすでにその異物はクロノへの気持ちと共に強すぎる感覚を与え続ける。
「ちから、抜いて…」
クロノが優しくつぶやくと、ユーノは全身の無駄な力を抜く。
ちゅぷっ
「あああっ」
しかし、次の瞬間クロノがユーノから抜け出し、外気に触れたペ*スを一瞬で突き入れた。
「やっ、やさしく、しっ!!!ひっ」
ちゅっ、ぐちゅ、ぴちゅ、
テンポ良くユーノの体内を出入りするペ*スに、ユーノはただ必死に衝撃を受け止めクロノを抱きしめていた。
クロノはこちらで、その中の強烈な締め付けに歯を食いしばり耐えていた。
「ユーノ…、良すぎるっ!」
「あっ、あっ、クロノ、くろ、の す、き、」
「ユーノっ、」
次第に動きが早まり、根本まで挿入されるたび柔らかなユーノの体に衝突し、
その衝撃が一定のリズムを刻みはじめる。そして次第に早く。
「がっ、うっ、は、はげし、っ、。こわれ」
「うぅ、ナカ、いいぞ」
「ゃ…」
その中が自らと絡み切ない感覚が徐々に混み上がってくる。
ユーノはその強烈な刺激で裏側を突かれ、同じように限界に近づいている。
ぴちゅ、ぴちゅ
パンパンと激しく出し入れする音と共に限界にさらに無茶苦茶に全力で腰をぶつけ入れる。
「ぎっ、ずっ、き、っっ」
「ユーノ、っ、好きだぁぁ」
「いっああっあ!!!!!」
根本まで突き入れるとびくんとさらに一回り肥大したペ*スから大量の精液があふれ出す。
ユーノの中に放つたび背筋を駆け上がる快感。
ずん、ずん!
何度かクロノの腰が動く。
ユーノは目を大きく開け、流れる涙もかまわず、ひっひっ、と荒い呼吸を繰り返し数秒遅れてついに限界に達した。
びゅくっ!びゅっ
クロノは急激に強くなった締め付けにユーノを抱きしめる。
「アっ、っ、っ 、クロ…の…」
「ユーノ、、っ」
クロノがまもなく射精を終え、ユーノを見ると、涙を流したまま瞳を閉じ意識を手放していた。
まだ乱れた呼吸だけが聞こえていた。
ユーノの涙を指先で拭くと、自らを抜く。
「ん…っ、ぁ」
ユーノがわずかに反応した。
次第に落ち着いていく呼吸。
「ユーノ…好きだ」
そんな告白が部屋に静かに響くと、ユーノがわずかに笑顔になった気がした。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 終わったモナ。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| …
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| | □ STOP. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ……
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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これはひどい
プゲラッチョ
リリカルなのは、ってところがポイントだよな
拳王が弟をかばって死んだ所で号泣しました。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 不公平。案道がマキムラに撃たれた後。検視官×undo
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 勢い余って時間設定でっちあげなのはお目こぼしプリーズ
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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257 :
1/5:2006/03/26(日) 18:55:18 ID:kONm4glv
「カヲルちゃん、案道よろしく。私は署へ戻る。」
「了解。さすがの行平もコイツは抱えられないかー」
「馬鹿言ってないで、何かあったら頼むわよ。」
深夜。手術後、麻酔から覚めたばかりの案道を病院の通用口から
目立たない車に乗せ、マンションに着くとまだ歩けない案道を
抱きかかえて行平の部屋へ向かった(特殊任務だ)。
抱きかかえられている間、朦朧としつつも「なんか、すみません」
を連発していた案道だったが、ベッドに寝かせてやるとさすがにすぐ
眠ってしまった。
『行平、おつかれ』
到着と案道の無事を報せる意味合いのメールを行平に打ち、俺も
ソファでひと眠りすることにした。
258 :
2/5:2006/03/26(日) 18:56:04 ID:kONm4glv
明け方。
俺の後方からうなされた声がする。
「どしたー、案道君」
ベッドに近づくと、案道がひどくうなされていた。
「…!」
「おい、大丈夫か?おい、案道!」
ーー銃創は麻酔が切れたあとが一番キツいからな。
「おーい、案道ー!」
案道の頬を軽く叩いて起こしてやる。
一瞬、目の前にいるのが俺とわからなかったようだ。
呆然とした表情。潤んだ瞳。額には汗が浮かび、顔色は蒼白だ。
「ゆっ…!え…?
……見紙さん…?」
「大丈夫か?傷が痛むか?鎮痛剤を飲んだ方がいいな。あと着替えも」
そう言いながら上半身を起こしてやる。汗に濡れた背中がひどく熱い。
「…いえ…傷も痛いんですけど…
ていうかちょっと悲しい夢見ちゃっ…て…」
言い終わらないうちに、案道の目からボロボロと涙が溢れ出した。
「す…みませ…っ」
「いいよ気にするなよ。…なんなら独りにした方がいいか?」
死にかけたとはいえいきなり泣き出した案道にも驚いたが、それよりも
唇を噛み締めて嗚咽するその細い首筋や、薄い肩が震える様がひどく痛々しく、
いや、もっと何か悲痛な雰囲気すら帯びて、俺は当惑しながらも思わず、
言葉とは裏腹に案道の体をひきよせ頭をポンポンと叩いた。
体を包む熱と汗と消毒薬の匂い、と血の匂いがする。案道はされるがままに
俺の肩ですすり泣いていた。
259 :
3/5:2006/03/26(日) 18:56:49 ID:kONm4glv
「…いや…独りになる…とちょっと眠れそうにないんで…
…いてもらえると助かります…」
ひとしきり泣いた後、俺を見上げたその顔があまりに不憫に見えた。
つい俺は案道に口付けた。
「……ん」
案道は最初抵抗もせずただ受け入れていたが、状況を把握したのか身を固くした
のが伝わってきた。我に返り、唇を解放してやると案道は俺をぽかんと見つめた後、
うつむき加減で目線をさまよわせた。
「……あの見紙さん」
「泣き止んだな」
「は?」
案道が俺をまっすぐ見返す。
「ん、よし。お前を早く回復させるのも俺の特殊任務だ。まずは薬と着替えだ。
そのままじゃ風邪ひく」
そんなに泣いてちゃ俺の任務に支障が出るだろう、と適当に言い訳し、狐に
つままれた風の案道を無視して点滴を外すと、はいバンザーイと両手を挙げさせ
濡れたシャツをそっと脱がしてやる。
(…見事に接射創だな)
ガーゼを替えつつ、ついそんな分析をしてしまう。
ドリンクタイプのゼリーをひと口飲ませてから、鎮痛剤と化膿止め、
胃薬を手渡す。ミネラルウォーターを渡してやると、傷が痛むのか案道は
こわごわ首をそらせながら錠剤を嚥下しようと、汗に濡れた喉笛をごくりと
鳴らした。
260 :
4/5:2006/03/26(日) 18:57:23 ID:kONm4glv
「お前、ほんと軽いよな」
着替えとタオルを渡しながら言うと、案道は訝し気に俺を見た。
「え?」
「さっきお前を抱えた時にさ。細すぎ軽すぎ。ほんとに肉とか食わないと
傷も治りが遅いぞー。はい着せるぞバンザーイ。」
ああ、と案道が苦笑しながら両手を挙げる。その顔はいつもの案道だ。
少しほっとして、服を着せながら俺は続けた。
「にしても、夢ん中でまで行平呼んでたぞ?お前」
「え?」
「さっき、『行平』って言おうとしてたんじゃないか?目ぇ覚めた時」
「……いえ、違いますよ」
案道の顔が固まったのに気づかず、俺は点滴を準備しながらからかい
半分に続けた。
261 :
5/5:2006/03/26(日) 18:58:23 ID:kONm4glv
「ある意味愛だな、夢で〜会いましょ〜、かあ」
「あのすいません、今ちょっと思い出すとキツイんで…」
案道の声がくぐもる。しまった。
「ああ、悪かった。すまん」
慌てて顔を見ると、横を向いた案道の目がみるみる潤んでいく。
「す、みません、僕今ちょっとやたら過敏に…混乱してて…ごめんなさい」
そう言いながら手で口許を覆い、静かに涙をこらえる姿が、妙に健気にすら見えた。
一体、何の夢を?何をそんなに耐えているんだ?
「いや、悪かった。もう休め」
脳裏に浮かんだ疑問を飲み込み、俺は案道の体をそっと横たえてやった。
「…眠れそうか?案道」
案道の顔を上から覗き込み、その涙を指で拭いながら聞く。
「…頑張ります」
頑張るってなんだよ、よし目が覚めたらハンバーグ作ってやるからそれ
頑張って食え、と茶化すと、案道は涙をこぼしながら少し笑った。
「あの、泣いてた事、行平さんには…」
「わかったよ、言わないから」
ありがとうございます、と案道がつぶやく。そうして頭を撫でてやっているうち、
薬が効いてきたのか案道はすうっと眠りに落ちていった。
その子供のような寝顔を暫く見つめながら、俺は案道の涙の訳をぐるぐると考えていた。
____________
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 何この無理矢理なキッス
| | | | ピッ (・∀・;)
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
皆様予想通りの結末だーのーに何デスカこの自分の想定外の喪失感。バカバカ。
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| キム/タクと唐/沢がドラマで共演したらという妄想からだモナー
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 勝手に作ったオリジナル作品だカラナ
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
>>149-154の続き、キム×唐だゴルァ!!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ※本人とはなんの関係もありません
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1/7
「会社から近いし…めんどくさかったんだよ。引っ越しが。」
「そうなんですよねーこの辺会社から近いから住みたかったけどファミリー向けばっかりだし高いし
なんとかならないもんかなーと思ってた所に…いい物件が載ってたんですよね。。」
それが、空沢さんだなんてねー
なんて言ってしばらく黙ったと思ったら、ぶふっと吹き出しニヤニヤして俺を見てきた。
…なんで俺がこんな男と暮らさにゃならんのだ!
「でもこの家って奥さんとの思い出とかあって辛くないっすか?」
「…別に。」
「別に、だって。寂しそうな顔しちゃって」
ニヤニヤした顔が憎らしい。
だが悔しい事にこの件に関して俺は反論できないのだ。
木村はその事を知っている。
あんな事があったせいだ。
…こいつが「こういう奴」だと知ったのも、この時だった。
2/7
その頃俺は荒れていた。
妻とはもう元には戻らないと確信した日。
柄にもなく公私混同し、取引先の我が儘にイライラし、相手を怒鳴りつけてしまったのだ。
そのフォローを手伝ってくれたのが、木村だった。
木村はすでに別の部署に移っていたというのに、俺も行きますと言って来てくれた。
おかげでなんとか無事取引は続く事になったが、木村から見た俺は相当おかしかったのだと思う。
そのまま飲みに誘われ、半ば強引に連れ出された。
「空沢さんらしくないじゃないっすか。……なんかあったんすか?」
後輩にこんな話しをするわけには、と思う余裕がその時の俺にはもう、無かった。
大量に酒を浴び、相当な醜態を晒したのでは無いかと思う。
気付くとそこは見知らぬ部屋のベッドの上だった。
「気付きました?あ、ここ俺ん家なんで心配しないでください。」
ガンガンする頭を押さえ、上半身だけ起きあがるとワンルームの向こう側から木村の声がした。
見ると、パソコンに向かう木村が手を止め、立ち上がり冷蔵庫を開けていた。
パソコンの画面には奴がやっていた仕事が映し出されていた。
俺のフォローにつきあったおかげで後回しになっていた仕事だ。…持ち帰っていたのか。
いつもビシッと細身のスーツを着ている木村がTシャツとジーパンというラフな格好をしているのがなんだか妙だ。
ミネラルウォーターを取りだすと、俺に放ってきた。
俺なんか毎日水道水飲んでるのに。いちいち「いい男」な奴だ。
「すまん…迷惑かけたようだな…」
放られたミネラルウォーターを受け取る。
なんだか気恥ずかしくなってきて、そのままミネラルウォーターに視線を止める。
昨日は今日が休みな事もあり相当な飲み方をした気がする。
断片的な記憶はあるが、そのほとんどが赤面モノだ。
しかしほとんど記憶が無いなんて若い頃以来だな。
3/7
「いやー、空沢さんでもあんな風になる事あるんですね。」
気遣ってか、少し笑い混じりの声で冗談ぽく木村が言う。
情けない事にその「あんな風」を覚えていないので、ミネラルウォーターから視線が外せない。
「すまん。色々…」
「いえ。ほんと全然気にしないでください。俺から誘ったわけですし」
じんわりした。
相当厳しい事も言ってきた。辛く当たった事もあった。
だが泣き言も言わず俺を慕ってついてくるこいつを、いつしか俺は一目置くようになっていた。
新しい部署を担当する事になったのもこの男の実力だ。
仕事ができるだけじゃない、人間的に、大切なものが木村にはあった。
「久々に空沢さんと仕事できて嬉しかったです。」
「それは、俺のセリフだよ。」
お互いに見合い、笑顔がこぼれる。
…そういえば、だいぶ心が軽くなっている気がする。
「俺…昨日どんなだった?」
「聞きたいですか?多分普段の空沢さん的には死にたくなるんじゃないかと思うんですけど」
「あ、じゃあいい」
既に死にたい気分だよ。
だけどなんだか、相手が木村で良かった気がする。
こうして軽く流してくれる男で。
俺の為に仕事遅らせて、怒られ役も買って出てくれて、わざわざ絡まれ酒をしてくれて、介抱してくれた。
俺がこのベッドの真ん中に堂々と寝ていたって事は、きっとこの男は寝ていないのだろう。
俺を寝かせてから、自分の仕事の続きをやっていたのだ。
「木む…」
「俺」
俺の声をさえぎり、木村が話し出した。
4/7
「昨日も言ったんですけど。」
なんについてかの記憶が辿れず、木村を見る。
「多分覚えてないと思うんでもう一度言いますね。」
申し訳なくてまた俯く。
ミネラルウォーターのボトルに描かれた大自然の絵が、なんとなく木村に似合っていると思った。
澄んだ青空。吸い込まれるように澄んだ、青。心に暖かいその景色
「俺。空沢さんが好きです。」
大自然に落ちていた視線は、一拍置いて木村へと向かった。
木村の少しはにかんだような笑顔が目に入る。
励ましてくれているのだろうか。
不思議と心が鳴った。なんでだ、俺。
「…そうか。嬉しいよ。」
素直に、嬉しかった。
後輩にそんな事を言ってもらえるのは初めてだった。
俺の為にここまでしてくれた男の言う事だ。素直に聞ける。
俺を気遣ってくれているのだというその気持ちが嬉しかった。
その言葉が、気持ちが、荒んでいる心に染み渡る。
「ありがとう。」
この男は、こんなにいい奴だったのか。
なんだか泣きたくなった。
いい人間に巡り会えたんだなぁ。
「あ、なんか多分伝わってないんでちゃんと言います。」
「ん?」
木村はスタスタと俺の元へ向かって来て、そのままの勢いでベッドに飛び乗った。
また心が鳴る。というか、少し動揺してしまった。だからなんでだ、俺。
木村はベッドに座っていた俺の目の前まで来て正座をすると、もう一度言った。
5/7
「あなたが好きです。」
…若干、不思議な感覚が俺を襲う。
さっき、聞いたし、お礼を言ったはず…なんだが…。
「昨日、あなたの大きな目から涙が零れるのを見ました。」
瞬間、身体が熱くなる。なんという事だ。
事もあろうに俺は泣いたのか。想像以上だ。後輩の前でとんだ醜態を晒したものだ。
自分の顔が赤くなっていくのを感じて余計に恥ずかしくなった。
「泣かせたくないんです。あなたを。」
若干パニックに陥って来た。
木村が何を言っているのか、羞恥心でいっぱいでなんだかよくわからない。
ここがベッドの上で、こんな近くに、二人で居るという違和感のある状況のせいだろうか。
…さっき大きな目、とか、言ったか?
俺の心はさっきからおかしい。どうしちゃったんだ。
「俺はまだ未熟かもしれませんけど。あなたを守りたい、です。」
…この男は、何を言っているのだろう。
もはや気のせいではない気がする。
だが、そんな事があるわけが無い…はずなんだが。
だんだん形を表してきた不思議な感覚の正体を頭の中で必死に消し去る。
なんだか、なんだかこれは…
「空沢さん。俺は、あなたが好きです。」
どうしよう。まるで、愛の告白。
にしか聞こえない。
俺がおかしいのか?
6/7
「…あ、ああ。」
とりあえず何か言わないといけないと思い、出た言葉はただの相槌。
…今、何が起こっているのだろう。
俺はまだ何か夢でも見ているのだろうか。
木村が動き、ベッドがギシリと鳴る。自然と木村の方へ身体が傾く。
木村が近付く気配がして驚いて見上げるとやはりすぐ近くにはにかんだ木村の顔があった。
心臓が跳ねた。
「通じたみたいですね。…昨日は信じてくれなかったんですよ。」
通じてない。
断じて通じてない、と言いたいが、言えないのは何故だろう。
身動きも取れず、言葉も出て来ない。
はにかんでいた木村が一瞬真剣な顔をした。
お前、こんな時にそんな顔するなよ。
ただでさえその顔立ちは人目を引くくらいなんだから。
その真剣な目に、何も聞けなくなった。
星屑ロンリネス、とか、思っていたら、整った顔が近付いてきた。
言いたくないが、その時の俺は、抵抗するどころか。
多分その目に吸い込まれるように顔を近付けていた、と、思う。
触れるだけのキスに、すぐに我に返った俺は、木村を突き飛ばした。
「わ、悪い。いや、違う、違うんだ、」
「イッテェ…ていうかなんでキスさせるんすか!」
「おおお前がしてきたからだろう!」
「殴ってでも止めてくれたらしてませんよ!何自分から求めちゃってんすか!」
「求めてないっ!!!!」
「来たじゃないっすか!そんな事されたら俺だって止まりませんよ!」
7/7
ぎゃあぎゃあ言い合い、すっかり「そんな雰囲気」も壊れた事に、俺は内心ホッとしていた。
そのまま身支度をして出ていこうとした俺に向かって木村が「無かった事にとかはナシですからね。」と言ってきた。
…知るか!
なんで今こんな事になってんだかな。
あれから木村が特に何かしてくる事は無かったが、ふと二人になった時には必ず
「俺の気持ちは変わってないですからね」と言ってきた。
その度になんだかんだと逃げてかわしてきたが。
一緒の家に暮らす事になった今、二人きりで居る時間は、長い。
「今は奥さんの事で寂しくたっていいんですよ。まだ。」
「…そうだな。」
「そのうち俺が忘れさせてみせますから。」
こういう事を、平気で言う。
年上をなんだと思ってるんだ!
文句を言おうと顔をあげた途端、抱きしめられた。
「かーわいい〜空沢さん」
「ばっ…」
そしてやっぱり俺の心はなんでか知らんがあの日からこいつの一言で鳴るのだ。
ふざけるなよ。
ふざけるな!
40過ぎの×一男の身の危険は、どうやらこれからも続いてしまうようだ…。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 続ききぼんぬしてくれて
| | | | ピッ (・∀・ ) ありがとうございましたカラナ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>263 うわ、きたぁ……
萌えすぎて頭が痛くなるくらいです。G、GJ…GJ…………!!!!!!
>>256 泣けた!全米も泣いた!
うるうるundoカワイソス&カバエス
>>263 GJ!GJ!!超GJ!!!
星屑ロンリネスww
>263
放送開始はいつですか?wktk
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 詳しくないので設定には自信ないよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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277 :
下町1:2006/03/27(月) 00:14:57 ID:PS6msA+l
シャボン玉とんだ 屋根までとんだ 屋根までとんで…
「や…めえや」
松元が戯れに呟いた童謡を濱田のかすれた声が邪魔をした。
白い壁、白い布に囲まれた部屋は微かに消毒液の匂いが漂う。こじんまりとした病室。
濱田はかりてきた猫のように静かにベッドに横になっている。
その傍らには無表情な松元の姿があった。居心地が悪そうに椅子に腰掛けている。
連日の激務が祟って、とうとう相方の身体はパンクしてしまった。
生放送の最中、濱田は声を発することが出来なくなった。自分を振り向く濱田の顔がスローモーションで困惑に歪む。
松元はそのことを思い出して、背中に冷たい汗が伝うのを感じた。
「縁起の…悪い唄。うたうか?……この状況で」
濱田は困ったように息を漏らすと、突然フラリと病室を訪れた相方を仰いだ。
昼間の穏やかな日差しが降り注ぎ、どこかで子供の笑う声が聞こえてくる。
明日には手術が控えている。そんな午後。
自分のいない生放送をこの男はひとりで頑張っていると後輩から聞いた。
どれだけの迷惑をかけているか…そんなことを思い、濱田は奥歯を強く噛んだ。
なあ……。
言いかけて、その言葉を飲み込む。
278 :
下町2:2006/03/27(月) 00:16:01 ID:PS6msA+l
「明日か」
松元はボソリと言うと、窓のほうを向いた。
「ああ」
「いつ頃?」
「…多分、夕方くらい…ちゃうかな」
「……まあ…」
頑張り。
呟くように小さな息で言うと、松元は一瞬だけ濱田をみつめ、すぐにまた視線を窓に戻した。
「ああ」
何故か胸が詰まるような心地がして、濱田は頷くしか出来なかった。
松元は明らかに疲弊していた。まるでここ2、3日で何歳も年をとってしまったかのような錯覚を覚えた。
「成功…せんかったら……一生、この声や」
後ろめたさは焦りに姿を変え、濱田はめずらしく弱音をこぼした。
松元は聞いているのか、いないのか。風に揺れる緑の木の葉を見つめたまま、振り向こうとしない。
279 :
下町3:2006/03/27(月) 00:16:48 ID:PS6msA+l
松元…。
胸のなかで濱田は呼びかける。何故かこちらを向いて欲しかった。
しばらくたって、ふいに松元は振り向いた。大きな二つの目玉が自分を見つめていた。
「なあ…」
感情に突き動かされるように、濱田は口を開いた。
「もし……もし、このまま俺の声が出えへんくなっても…」
俺の相方で、いてくれるか?
言いかけた言葉を盗むように、温かい感触が濱田の唇を掠めていった。
数秒遅れて、さっきのは、松元の唇だったと濱田は気づいた。
不思議と、気持ち悪いという印象はなかった。ただ呆然としていた。
「なんの…真似や」
濱田は先ほどと同じように、顔を窓辺に向けてしまった相方の後頭部に向かって呟いた。
しわがれた自分の声も動揺したように上ずっていた。
「…まじないやん」
「…何を言うとん」
「白雪姫、知らんのか」
「……アホか」
コンビの悲しい性で、松元の言葉の意味を瞬時に理解した濱田は、呆れたように、照れくさそうに吐き捨てた。
俺はお姫さんかい。
しばらくぶりに、濱田は笑ったような気がした。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 好きエピソードを勝手に脚色w
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
弱気なだーモエ。
>>280 自分も「俺の相方でいてくれるか」のエピは、昔から大好きです。
濱田がどんな気持ちで末元に言ったのかと思うと泣ける。
萌えますた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| wβcに萌えまくった勢いでやっちまったよ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ナマニクハムハム。ナマモノチューイ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 虚塵と加茂目の
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 同級生A
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
285 :
1/6:2006/03/27(月) 10:26:31 ID:TF7rLIU1
眼下に広がるまばらな夜景を見て息を吐き出した。
興奮の熱風が過ぎ去り、浴びるように飲んだ歓喜の美酒に
足元を取られながらようやく部屋に戻ったところだった。
ほんの数ヶ月前に2度味わったシャンパンファイトとは
かかった時間も、人数も、本数も今回とは比べ物に
ならないくらい多かったはずなのに、体中に残るこの甘みの
違いはいったい何だと言うのだろう。
金色に鈍く光る小さなメダルが、彼のほほをこの上なく緩ませる。
「メッキ剥いたらチョコ出て来るんちがいますか」
生意気な彼の後輩がそう言って笑ったように、確かにメダルは
安物作りに見えた。
しかしそれはとてつもない重さを持っている。
世界一。
そしてなにより喜怒哀楽すべて含め、1ヶ月を共に戦い抜いた
メンバーとの誇りの証でもあった。
286 :
2/6:2006/03/27(月) 10:27:41 ID:TF7rLIU1
その証を慈しむように親指でなぞっているところに、大きな音を立てて
2度ドアが鳴らされた。
すでに深夜を越えて明け方と言ってもいい時間帯である。
ノックとは言えない乱暴すぎる音に驚いて顔をあげた拍子に、
くにゃりと地面が廻った。アルコールはまだ彼の体を駆け回っている。
ぐっと眉間に力を入れて立ち上がると、完全に酔っ払った声で
焦れた様にドアの外から彼の名前を呼ぶ声が聞こえた。
あいつか。
苦笑交じりに酔っ払いなりの早さでドアを開けると、首からメダルを下げ、
満面の笑みをたたえた男が覆いかぶさってきた。
「二人きりになりに来ましたー!」
あっという間もなく押し倒される。
嵐のようなキスの合間を縫ってぎりぎり手の届いた扉を閉め、息継ぎの間に
抗議をあげる。
「ちょっ…!お前アホか!」
「ええやん。減るもんでなし」
反論のために息を吸い込んだが、あまりに嬉しそうに笑っているのを見て、
つられて笑ってしまった。こうなってしまってはもう向こうのペースだった。
だがしかし彼はそれが嫌いでない。結局のところ、二人きりになるために
部屋を訪れてくれたのは嬉しいのだ。
「……ええか」
「ええんよ」
互いの顔を見合って微笑み、ゆっくり顔を近づけて唇を重ね合った。
287 :
3/6:2006/03/27(月) 10:28:43 ID:TF7rLIU1
扉のところで床に座ったまま二人、向かい合って抱きしめあう。
「あぁこうしてんのが一番ええわ」
男があまりに蕩けた口調で言うので彼は嬉しくなって、男にしては
柔らかい頬に軽く唇をつける。
「んなぁ」
「んん?」
「メジャー行きたなったやろ」
アルコールに澱んだ頭が一瞬クリアになった気がした。
が、ほんの一瞬だけだった。彼は鼻から息を出しながら、
「もうずっとやって。自分かてそやろ」
「今シーズンおわたら行けるんかな」
「去年もそんな話したな」
男は大きなため息と共に彼の首筋に顔をうずめた。
彼とて同じ思いである。
ともにチームを力量的にも精神的にも支えるエース。
利権も絡み、メジャー挑戦させてください、はいどうぞ、と行く話しではない。
お互い球団とはすでに何度も席を設け話をしている。その上で
今シーズンもまた同じユニフォームを着ることを承諾している。
嫌なのではない。チームもチームメイトも自分の大事な場所である。
288 :
4/6:2006/03/27(月) 10:29:40 ID:TF7rLIU1
それでも。
それでもやはり本場の風を浴び、本場のマウンドに立ち、
世界の選手に投げ勝った自分の気持ちを抑えることはできなかった。
「背中、押された気ィがしたんや」
男の国際戦負けなしのテンポのよい投球は彼自身胸躍らせながら見ていた。
「せやな、お前なら…」
「待ってるって、言われた気もした」
はっとした。
そう言ってうな垂れる男を見て、背中を押したものが投げ勝った自信と
ともに、あの人の言動からでもあることに気づいた。
言わずと知れた世界的名プレーヤー。世界記録を打ちたて
今なお進化を続ける希代の名選手。
「…何で行かれへんのや。はよ行きとうて仕方ないわ」
男が言った言葉はメジャーへの希望なのか、あの人への憧れなのか、
それとも−−−−
そう思いついてしまった瞬間、腹の底から突き上げてきた眩暈にも
似た感覚を彼は抑えることが出来なかった。
気が付いたときには男を突き飛ばし、マウントポジションを取って上から
むちゃくちゃに唇を奪っていた。舌をねじ込み、口腔を蹂躙する。
抗っても許さない。
289 :
5/6:2006/03/27(月) 10:31:05 ID:TF7rLIU1
力ずくで押さえつけ、体を弄った。
最初は半ば本気で抵抗していた男も、やがて艶やかな声を出し始めた。
ほんのり目の縁を赤くした男を見て、彼はさっきとは違う感情が付き上がって
きたのを感じたが、男がそのままズルズルと扉のところまで後退したのを
見て思いとどまった。
「お前さっき俺のことアホや言うたけど、お前がアホやわ」
見ると男は耳まで赤くしている。
男が怒りの表情なのとは裏腹に、彼はそんな男を見てぼんやりと
かわいい、と思っていた。
「わかりやすすぎるで、ほんま」
一瞬にして、今度は彼が赤くなった。
−−−−−ばれていた。
好きで、好きでたまらないという感情も、醜く汚いどろどろとした嫉妬も。
男は横着にもしりを床につけたまま彼の近くまでやってきた。
そしてふにゃり、と表情を崩し、彼の頭を自分の胸に引き寄せた。
「あぁ〜。もうなんでわからんかな。俺こんなにお前の事好きなのに」
「しらんわ、アホ。いちゃいちゃしくさりおって」
「憧れと好きを混同するほど、俺、アホの子ちゃうで」
だって、と大の男が口にするには余りに幼い言葉を彼は飲み込んだ。
290 :
6/6:2006/03/27(月) 10:32:05 ID:TF7rLIU1
「ええか、何度でも言うで。俺が好きなんはお前だけや」
そう言って珍しく真摯な表情で男は彼の瞳を覗き込んできた。
「ほんで、お前が好きなんも俺だけや。せやろ」
「……せや」
「ほんならそれで全部や。機嫌直せ。せっかく二人なんやし」
と言ってぱかっと笑うと、きゅっと抱きついてきた。
「やっぱこうしてんのが一番や〜」
アホか。
声にならないまま、彼は喉を震わせた。
これで全部。それでいいのかもしれない。
「痛い」
「何がや」
彼は男をぐっと押し戻した。変に痛むおなかの辺りを見てみると、
男が首から下げていた金色のメダルが静かに光をたたえていた。
2人はそれをみて軽く笑った後、仲直りのキスをするために顔を
近づけて行った。
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ もう萌えすぎちゃったんだよこの二人に。
| | | | ピッ (・∀・ ) 滋味で悪かった。でも反省はしない。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
初投下、初801…。('A`)ウバァ
大阪弁も京都弁もわかりませんorz
あと本人風呂具にうpされてたけど、メダル決して安物ではありませんでした…orz
ちょwwwwwwww滋味言うなwwww
テラエロモエスハァハァ
>284
GJ!!大変ご馳走様でした。
アホの子カワユス
初めてビデオ棚覗いたがまさか払×唐があるとは夢にも思わなかった!
>>263 ネ申、続きを気長に待っている!!!!!!!!!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 歪/み/の/国/の/ア/リ/スのアリス(男体化)×チェシャ猫です。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| やっちまったんだぜ…。ちなみに四章。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ アリスの本名は明夫だよ!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
296 :
1/4:2006/03/27(月) 16:56:09 ID:ymUlaX9N
『ななな何すんだ、アリス!おまえ、俺を投げる気か!?』
『うるさい!邪魔するな!!俺はチェシャ猫を助けるんだ!!』
目の前に並んだ二本の土管を前に、俺はついさっきの出来事を頭の中で反芻していた。
溜め息を一つ吐き、黙って俺の後ろに立っていた猫に話し掛ける。
「なあ、本当にもう大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ、アリス」
何度尋ねてもこの返事しか返ってこない。
確かに血はもう流れていないようだけれど、赤く染まったローブが目に入る度に胸の辺りがちくちくと痛む。
頭に待ち針を刺された絆創膏親父もこんな風な痛みを感じたんだろうか、って違う、そうじゃなくて。
―あの時、俺を助けたせいで猫はバラの蔓に捕まってしまったのに自分には何も出来なかった。
ただヒステリーみたいに泣き喚いて。
ただ我武者羅に花瓶やケーキ皿や帽子屋を引っ掴んで蔓に投げつけるだけ。
まあ、結果的にはぶん投げた帽子屋が持っていたポットのお湯のお陰で助かったんだけど。
…でも、それは単純に運が良かっただけだ。
もしポットの中身が水だったら今頃どうなっていたんだろう、とか考えるとぞっとする。
297 :
2/4:2006/03/27(月) 16:57:25 ID:ymUlaX9N
この歪んだ世界で俺の味方はチェシャ猫だけだ。
だから、俺が守らなきゃ。
それにいつまでもこの細っこい猫に守られてばかりなのも、男としてどうかと思うし…。
「チェシャ猫」
「なんだい、アリス」
もう一度猫に話し掛けた。
今度はさっきみたいに不安そうな色を見せず、もっとこう、漢の威厳と余裕みたいなのをなるべく醸し出しながら。
「もし次に何かあったら、今度は俺がおまえを守るから」
「それはよくないよ、アリス」
「もう俺のせいで猫が傷つくのは見たくないし―」
「猫はアリスを守るものだよ。守られるのはおかしいよ」
…予想通りというか、やっぱり手強い。
精一杯の告白めいた言葉を遮られて俺は軽く落ち込んだ。
でも、ここで食い下がるわけにはいかない。
「でもほら、俺だって一応男だし」
「アリス。僕らのアリス」
ああ、駄目だ。
最高に嫌な予感がする。
「猫にも迷惑かけてばっかりだと悪いし…」
「シロウサギを追いかけよう」
ほら、やっぱり。
…人の話聞いてねえよ…。
298 :
3/4:2006/03/27(月) 16:59:23 ID:ymUlaX9N
「あっ、じゃあこうしよう!」
俺の発言を無視し始めたチェシャ猫に、咄嗟に思いついた解決策を話した。
「猫が俺を守って、俺を守ってる猫を俺が守ればいいんだ!」
…思いついた時は『この孔明に策がございますよ』って気分だったのに、
言葉に出した途端にその孔明の策は幼稚園児の屁理屈並に色褪せて感じた。
我ながら、いくらなんでもアホ過ぎる。
恐る恐る猫の顔を覗き込む。
相変わらずフードの奥の表情を読み取ることは出来なかった。
「……」
猫はまるで悩むように沈黙してしまった。
その長い沈黙に、むしろ待っているこちらが居た堪れなくなってくる。
「…あ、あのー」
俺はついに羞恥心と居心地の悪さに耐え切れなくなった。
「今のはなかったことに…」
「僕らのアリス。君が望むなら」
「え?」
一瞬、我が耳を疑った。
「それはどういう…」
確認を取ろうとしても、チェシャ猫はいつものようににんまりと笑うだけ。
でも、それだけで十分だった。
思わず小躍りしそうになる身体をなんとか押さえつけ、先に進むための土管に手を掛ける。
ネムリネズミに教えて貰った通り、まるで血のように赤い土管を。
299 :
4/4:2006/03/27(月) 17:00:20 ID:ymUlaX9N
土管の中を覗き込む。
中は暗く、出口の向こう側に何があるのかは分からない。
ただ一つ言えるのは、今まで以上に奇妙なモノたちがいるだろうということだけだ。
そう思うと途端に気が重くなってきた。
でも、たとえ何があっても、今度は俺が守るんだ。
赤い土管に手を掛けたまま、後ろを振り返る。
これで三度目だ。
いつものようににんまりと笑っている猫は、いつもの言葉を繰り返す。
「僕らのアリス。シロウサギを―」
さっきの仕返しと言わんばかりに、今度は俺の言葉が猫の言葉を遮った。
「シロウサギを追いかけよう?」
この追いかけっこが終わるまで、俺が君を守るから
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ まあ、結局守れないわけですが。
| | | | ピッ (・∀・ ) 正直すまんかった。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>300 テラGJ!
まさかアリスで801が見れるとは思わなかった。
チェシャ猫モエス
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| 悪魔土成ドラキュラ ラルフ×アルカード10回目だよ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 新婚旅行前編ですyo
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 前スレ>>433-
>>443ノツヅキデスゴルァ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
木立を抜けると、しだいに前が明るくなってきた。小鳥の声が聞こえる。木漏れ日が大きさを増し、前を行く
連れの銀髪の上で、金貨をばらまいたように輝いていた。
「そら、あそこだ。もう見えてきた」
ラルフ・C・ベルモンドは声をかけた。
「朝早かったからな。着いたらすぐ食事にしよう、とりあえず、一通りのものはそろってるはずだ」
アルカードは肩越しに振りかえると、ちらりと笑みを見せてまたまっすぐ前を向いた。
彼には珍しく、いくらか上の空のようだった。行く手にしだいに近くなってくる明るい野原の風景に、すっか
り気を取られているらしい。並足だった馬が、いつのまにかだく足の速さになっている。苦笑して、ラルフは自分
も追いつくために、馬に拍車をいれた。
木立が切れた。五月の午後の陽光が、さっとあふれてなだれ落ちた。
木立の出口でアルカードは馬を止め、目の前に広がった緑の草原と、鏡のような小さな泉の風景に、またたきも
せずに見入っていた。
「昔はこのあたりの森番が住んでた小屋なんだが」
かたわらに馬を止めて、ラルフは言った。
「ベルモンド家が逼塞してしまったので、森を管理するものもいなくなってな。地所はまだうちのものだが、今の
ところは誰も使う者がない。親父が生きていたころはよく、喧嘩しては家を飛び出して、ここで隠れてふくれて
いた」
木立のなかにぽつんと開けた、箱庭のように小さな野原だった。
静かな水音をたてる泉の水面に水泡の波紋がゆれ、澄んだ水面にまばゆい陽光が踊る。
水はいくつかの小さなせせらぎになって、木立の中へと流れ込んでいた。水辺には緑の牧草がいちめんに
広がり、そこここに、白い雪玉のような花をゆらめかせている。
「森番がいたころはここで羊を飼ってたらしいが、今じゃほぼ放りっぱなしだ。まあ、小屋だけは俺が時々隠れ
場所に使っていたんで、寝起きするのに不自由はないと思うが」
「あれはクローバーか?」
アルカードは、ラルフの話などほとんど耳に入っていないようだった。
今日はいつものラルフのお下がりではなく、身に合わせて新しく仕立てさせたビロードの胴着と、軽い乗馬靴を
身につけている。黒いビロードに赤い絹で切り込みを入れ、共布で下衣と縁なしの帽子をそろえた姿は、どこから
見ても立派な貴公子ぶりだった。同じく黒ビロードの短いケープに銀髪がふさやかにかかり、帽子の飾りの白い
絹房がその上に垂れかかって、まるで一幅の絵のようだ。
「近くでよく見てみたい。行って、触ってみてもいいか」
「好きにしろよ。クローバー、見たことないのか?」
「本の挿絵で見たことはある。本物ははじめてだ」
「そうか。ほら、行け」
苦笑して、ラルフはアルカードの背を軽く押してやった。
大きく目を見開いたまま、彼は馬を下り、吸いよせられるように白い花の咲く野原に向かっていく。
目が輝いていた。やはり、屋敷にこもりがちな生活は、アルカードにとっても窮屈ではあったのだろう。今朝早く
に屋敷を離れてから、アルカードの表情が目に見えてやわらかくなるのがはっきり感じられて、ラルフは安堵していた。
やはり、あまり家人とは顔を合わさせないようにしていたとはいえ、多くの親しくはない人間と近くにいさ
せられるというのは、人慣れしない彼にとってはかなりの緊張を強いるものだったらしい。とにかくそれだけで
も、遠乗りに連れだす意義はあったわけだ、と言い訳めいてラルフは自分に呟いた。
放りっぱなしの馬の手綱を押さえて様子を見ていると、さざ波の寄せる水辺に、おそるおそるというほど慎重
な足取りで近寄っていく。ゆっくりと膝をついてかがみ込み、鼻をすりつけんばかりにして、ちかぢかと白い
丸い花に顔を近づけた。
とたん、葉陰に隠れていた蜂がぶんと飛びたち、驚いたように身を引いた。
ラルフは笑いを抑えるのに苦労した。アルカードは飛び去る蜂を大きな目をして見送ると、また身をかがめて、熱心
に観察のつづきをはじめた。
しばらくは好きにさせておこう。ラルフはアルカードの馬といっしょに自分の馬も連れて森番のものだった小屋に入
り、中の様子をざっと点検した。
一年近く何の手入れもしていなかったが、壁も屋根もしっかりしているし、扉や窓にもがたつきはない。
床は土間だが、長年の間に踏みならされて、漆喰で塗ったようになめらかになっている。かまどは灰が
たまったままなので掃除が必要だろうが、薪さえ拾ってくれば、外で石を積んで火を焚くことにしても問題は
ないだろう。
ベッドはないが、納屋の戸を開けると、家畜用の切り藁と干し草の山がたっぷりと積まれていた。これを
積みかさねて毛布でもかければ、マットレスの代わりには十分だ。
ひとまず馬を馬小屋に入れて水と干し草をまぐさ桶に盛ってやり、外へ出ると、アルカードはまだ泉のそばに
いた。
帽子がずり落ちて、踵のそばに投げ出されたままになっている。指先に一輪のクローバーの花をつまんだ
まま、銀髪を乱し、子供のようにぺたりと腰を落として、アルカードは、放心したように泉の上の五月の光を
眺めていた。
近づいてきたラルフの気配を感じたのか、こちらに視線を向ける。蒼い瞳にはまだ、夢を見ているような遠い色
があった。
「……美しい、場所だ」
ささやくように彼は言った。
「連れてきてくれて、嬉しい。礼を言う、ラルフ」
「──そうか」
あまりにまっすぐな視線に、ラルフはまたずきりと胸がえぐられるのを感じてさりげなく視線をそらした。
もし死後の浄福の地が本当にあったとして、それは、教会の坊主どもがしたり顔で説く栄光につつまれた神
と雀のように飛びまわる天使といった騒々しい場所ではなく、たった今の、この場所、泉が湧き、風が梢をわた
り、せせらぎの音と小鳥の声が聞こえる、この場所に違いないという気がした。そしてそばには彼が、小さな白
い花を手にした美しい青年が、緑の野に座り、澄んだ瞳で笑っている。
自分が、ひどく場違いな闖入者のように思えた。エデンの園に侵入したはいいものの、そこで見つけたものの
あまりの美しさと無垢にとまどっている、蛇だ。
あの夜の、昏い夢の断片が脳裏をよぎる。闇の中で蠢いていた白い肢体と、目の前で微笑んでいるこの銀髪の
麗人とを同列に考えること自体、自分が下劣な人間である証拠のような気がしてならなかった。
魔物のしわざだというのは言い訳にならないことを、ラルフはとうに悟っていた。
ある程度は誇張し、ゆがめられていたにしても、あれは確かにラルフ自身の心の底から引き出された願望であり、
欲望なのだ。魔物はそれに少し手を加えて、かたちにして見せつけたにすぎない。
男としての自分が、アルカードに対して欲望を抱いていることはもはや否定しようもない。ただそれを、どう表現
して、どう彼に伝えればいいのかということになると、ラルフはとほうに暮れるしかなかった。
もともと、そんな駆け引きなどにこれまで興味など持ったこともない身だ。加えて、相手は自分と同じく男
で、しかも、アルカードと来ている。
思えばその箱入りぶりと世間知らずには、旅の途中からさんざん苦労させられてきた。こうして今でも、
ありふれたクローバーひとつに熱心に見入るようでは、それもまるで改善されていないと思うべきだろう。
自分に向けられる視線の意味もわかっていないようだったあの始末では、ましてや、人間の色事に関すること
などとうてい理解できまい。しかも互いに男であることを考えると、余計に。
考えていると目の前が暗くなってきた。人の気も知らずにアルカードは膝の上にクローバーの花を置き、鞠のよう
に寄りあつまった小さな花弁の一つ一つをほぐして並べて、熱心に数を数えはじめている。
「ちょっとその辺で薪を集めてくる」
いたたまれなくなってラルフはその場を離れた。
「すぐ戻ってくるから、そこで待ってろよ。いいな」
アルカードは夢中でクローバーを調べつつ、こくりと頭を頷かせただけだった。
剣の練習をしようと言いだしたのは、アルカードからだった。
クローバーに対する知的好奇心を満足させてしまうと、今度は身体が動かしたくなったらしい。やはり一日
部屋に腰をおろして古書をめくる毎日は、いくら好きでもどこかに鬱屈する部分があったらしい。ラルフが捜して
きた薪の中から適当な枝を見つけ出し、削りをかけて手際よく二本の木剣を作りあげる。
「本当にやるのか?」
ラルフとしては弱気な発言だった。いつもなら、自信満々で勝負を口にするのはラルフのほうだっただろうが、胸の
中に口に出せないもやもやを抱えていてはつい腰が引けるようにもなってしまう。
「おまえらしくもない言いぐさだな。剣が使えないわけでもなかろうに」
自分の木剣を軽く一振りして、アルカードはけげんそうな顔をした。
「それとも、鞭を使うか? 持ってきているのだろう」
「……いや。剣でいい。そうだな、久しぶりに、剣の試合も悪くはないか」
思いきり汗を流せば、このもやもやも洗い流せるかもしれない。ラルフは投げわたされた剣を受け取り、アルカード
と相対して、構えをとった。
すぐにわかったのは、たとえ擬闘とはいえアルカードの剣技にみじんの手抜きもないということだった。初めて
会ったときの、あの頭上から崩れおちるシャンデリアを一刀のもとに両断した恐ろしいばかりの剣の冴えは、
たとえ得物が木でできていようとまったく変わらず、むしろ、厳しさを増しているように思われた。
ほんの少しのラルフの意識の乱れをついて、すさまじく鋭い突きが飛んでくる。あやうくはね除け、距離を詰め
ようとしても滑るように後退されて、逆に、思いもよらぬ方向から、今度は胴へ横殴りの一撃が来る。
木のぶつかりあう音と、荒い息づかいが静かな森の空気を乱した。荒い息はほとんどラルフのものだった。アルカード
はほとんど呼吸すら乱すことなく、蒼い瞳をひたりと据えて、重さを持たない影のようにラルフを翻弄する。
やけになったラルフが無謀な打ち込みを入れようとした隙を、アルカードは見逃さなかった。短い気合いとともに、
下からほとんど目にも止まらぬ速さで刃を切り上げる。
もし真剣だったとしたら、同時に首まで持っていかれていたろう。腕が折れたかと思うほどの衝撃を受けて、
ラルフはのけぞって腰を落とした。
手を離れた木剣が高々と宙を飛び、どこかの茂みに飛びこんでがさりと音を立てた。ラルフは身を起こそうとした
が、とたん、鼻先に尖った木剣の先をつきつけられて、再度のけぞった。
「参った」
苦笑して、ラルフは両手をあげた。
「やはり、剣ではおまえにはかなわないな。完敗だ」
「──何を考えている、ベルモンド」
アルカードは、ラルフの言葉など聞いてはいなかった。
凍るような瞳が、ラルフを貫かんばかりの強さで光っていた。手にした剣がもし鋼だったとしても、今のアルカード
の目ほど鋭くはなかったろう。
「ベルモンドはよせと言ったろう。それに、何を、とは、どういう意味だ。俺は何も」
「嘘をつけ」
きっぱりとアルカードは言った。
「何も思うところのないものが、あんな無様な戦い方をするはずがない。ドラキュラ城で見せていた身のこなし
はどこへ行った。たとえ、武器が鞭から剣へ変わっても、気の持ち方に変わりはないはずだ、それに」
「それに、なんだ」
一瞬口ごもったアルカードに、ついラルフは尋ねた。
「私の目を、見ようとしない」
しばらく間をおいて、ぽつりとアルカードは応えた。
我にもなく、ラルフはうろたえた。自分では変わりなく接しているつもりでも、聡いアルカードには通用していなか
ったということか。
確かに、戦闘中に相手から目をそらすようなことをしていれば、戦いにならないのはあたりまえだ。それを
わかっていて、アルカードは剣での勝負をラルフに挑んできたのだ。ラルフの気の乱れを確かめ、また、ラルフ自身にも自覚
させるために。
「前にも言ったはずだ、ベルモンド」
こちらを見つめるアルカードの蒼い瞳に、ふたたび不安の色がまじりはじめているのを見てとって、ラルフはうろたえた。
「私に何か悪いところがあるなら言ってほしい、黙っていられてはわからない、と。
屋敷を出たときからずっとそうだった。笑って話していても、おまえは私の目を見ない。のぞき込もうとする
と、ふと視線をそらす。なぜだ。私は、何かしたか。言いたいことがあるなら、言ってくれ。頼むから」
耐えきれなくなったように、声が震えた。長い睫毛がつと降りて、揺れる瞳を隠した。
「……私に何も言わずに、目をそらすのだけは──やめてくれ」
──ああ、畜生。
どうやら、覚悟を決めるしかないようだった。
ラルフは大きくため息をつくと、わかったよ、と呟いた。
「言う。言うから、起こしてくれ。どこかで脚をひっかけたらしい。力がはいらん」
片手をアルカードにむかって差し出す。アルカードはラルフの真意をはかるように少し目を細めてそれを見たが、やがて
木剣を置くと、そろそろと身をかがめてラルフの手をつかもうとした。
もう少しで指が触れようという瞬間、ラルフはいきなり腕をのばしてアルカードの手首を捉えて思いきり引いた。
不意打ちをくらったアルカードはよろめき、倒れこむようにラルフの胸に収まった。
「ラルフ!」
しっかりと両腕で抱きこまれて、怒ったようにアルカードはもがいた。
「私はふざけているのではない。どういうつもりだ? ちゃんと話をしろと、言って」
急に言葉がとだえた。
唇をふさがれて、アルカードは大きく目を見開いていた。
またたきもしない、その吸いこまれそうに蒼い瞳の奥深くを見つめながら、ラルフはそっとその小さな頭に手を
伸ばし、銀髪に指を通した。
重ねた唇から、アルカードの体温と、その身体のおののきがじかに伝わってきた。角度を変え、驚きのあまり
開いたままの唇からすべり込ませた舌をそっとかすめると、腕の中でアルカードがびくりと身を縮めるのがわかった。
視線は一度もはずさないまま、ラルフはゆっくりと唇を離した。アルカードはまだなにが起こったのかもわからない
ようすで、茫然と目を見開いている。
「……嫌か?」
「え?」
まばたいて、アルカードはようやくラルフの顔に視線をもどした。また目をそらしてしまいそうになったが、なんとか
こらえる。
「俺に、こういうことをされるのは嫌か、と訊いている」
質問の意味がよく理解できていないようだった。アルカードはこぼれんばかりの目をしたまましばらく黙っていた
が、やがてうつむいて、囁くように答えた。
「嫌なら、今、ここでこうしてじっとしてはいない」
「そ、そうか」
それなら少なくとも、まだ嫌がられてはいないわけだ。
喉にからむものを咳払いで追いはらって、かすれがちな声でラルフはつづけた。
「……もっと、してもいいか?」
アルカードは問いかけるようにラルフを見あげた。
欲望と焦燥がじわじわとラルフの中でわき上がり、同時に、どうしようもない羞恥心と恐怖感が立ちあがってき
た。エデンの蛇のことがまた頭をかすめた。
まるで初めて女に接した時のようだ。いや、その時でさえ、ラルフにはまだ余裕があった。今は余裕など、どこを
捜してもかけらもない。
アルカードが欲しい、だが、無理やり奪って傷つけたくはない。この綺麗なものを自分が汚すかもしれないと
考えただけでもぞっとするが、その半面、あの夢の中のように、思うさま嬲りつくしてすっかり自分のものに
したい、無垢な肌に自分の所有の烙印を押して、永久にどこかに閉じこめてしまいたいという凶暴な欲求が
腹の底で身じろぎする。
「する、とは、何をだ?」
暖かな息が頬をかすめて、ラルフは全身が粟立つような感じを味わった。
「その、もっとキスしたり……身体に触ったりとか……色々なことを、だ」
説明させるなこの馬鹿が、と八つ当たり気味に考えた。
アルカードはひたすら大きな目をしてこちらを見あげている。ラルフにとってはいたたまれないほどの沈黙が、しばし
続いた。
「──そういうことは、男女の間でするものだ、と聞いている」
やっとアルカードが口を開いた。
ああそうか、それくらいは知っててくれて助かった、と自棄になってラルフは思う。
「ラルフは、男だ」
「そうだな」
「……私も、男だ」
「わかってる」
「その上、なかば人間ではない」
「それも、知ってる」
だんだんひどく間の抜けた会話をしている気分になってきた。
「ラルフは、それでもいいのか?」
ぐっと顔が近くなって、鼻先が触れるほどアルカードが間近にいた。かぐわしい吐息が再び頬をかすめ、ラルフは
ほとんど気の遠くなりそうな思いを味わった。
「おまえなら、いくらでもほかの、ちゃんとした人間の女性が受け入れてくれるだろう。
私は、男だ。しかも、なかば人間ではない。
それでも、ラルフは私がいいのか? ──女性ではなく、人間ですらない、私が?」
「それがな、アルカード」
肩に手を回し、強く抱き寄せる。細い身体はあっさりと両腕に収まった。
銀髪に見え隠れする貝殻のような白い耳朶に、声を落として囁く。
「俺はどうやら、おまえでなければ駄目らしいよ」
アルカードはかすかに身を震わせた。
もうそれ以上の言葉は見つからなかった。ラルフはやわらかな髪に顔を埋め、荒れ狂う欲望と恐怖心を抑えつけ
ようとしたが、うまくいかなかった。今すぐに目の前の獲物を喰らってしまいたい、すぐに、今すぐにと、
吠え猛る自分の中の獣を呪った。
「なら……それな、ら」
胸の中から、かぼそい声がした。はっとして、ラルフは腕をゆるめた。
「それなら、私も、ラルフがいい」
アルカードが顔をあげていた。白い頬がうすく上気し、髪からのぞいた耳が桜草の色に染まっていた。
だが、瞳の色に揺らぎはなかった。しっかりとラルフを見据え、ラルフの目を、心を、貫きとおすように蒼く美しく
澄みとおっていた。
「私も、ラルフがいい。他の者には、さわられたくない。
──ラルフでなければ、嫌だ」
もはや、声も出なかった。ラルフは全身の力をこめて、アルカードを抱きしめた。
細い指が強くラルフの腕を握りしめる。いきなりきつく抱き寄せられて、アルカードが小さな呻き声を立てる。
その声にさえ、煽られた。アルカードを抱きしめたまま、もつれるようにその場に身を倒す。白い花が咲く緑の野
に、長い銀髪が波のように広がる。
「目を閉じろよ」
この期に及んでもまだ大きく目を開いているアルカードに、ラルフは笑った。
アルカードは一度まばたいて、おとなしく、長い睫毛をそっと落とした。
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| | □ STOP. | |
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| | | | ピッ (・∀・ ) スンドメゴメス エチーハ マタアシタ
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ちょ…なにこの可愛いいきもの…!!
アルカード、テラカワイス(´Д`*)ハァハァ
GJでした、続き楽しみに待ってます!!
アルカドに萌えた
リャルフに変わって抱きしめたい
姉さん、続きを楽しみにしてます
>>315 あああ お預けですか(*´Д`*)
明日までいい子にしてまってます!
>>315 き、キタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!!!!!
アノレタンカワユス!テラカワユス(*´Д`)ハァハァ
良かったね、ラノレフ!おめでとう、ラノレフ!
>>279 大好きなエピソードを膨らませてくれてありがとう。
萌え萌え…。
>>315 どうしたらいいかわかりません(*´Д`)ハァハァ ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
ラルフもアルカドもどっちもいい(*´Д`)
萌えすぎて目が冴えちゃったよ
とんでもなく亀だが
>>91GJ超GJ。やばい。まじでやばい。萌えた。ありがとう
>>315 ぜ、前スレから続き待ってました…!GJ…!
また明日までワクテカで待ってます!
そろそろ続き来ないかしらwktkと思って棚開いたらktkr
光の速さで保存しました。次回楽しみス。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 悪魔土成ドラキュラ ラルフ×アルカード11回目だよ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 新婚旅行後半ですyo
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ >>302-
>>315ノツヅキデスゴルァ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
黒い胴着の留め金を一つずつ丁寧にはずしていく。下の白いシャツの前を開くと、まばゆいほど白い裸体が
白日の下にさらされた。瑕ひとつないなめらかな肌は、指にまつわる絹地よりもまだしなやかで、温かい。
口づけようと身を倒すと、アルカードが、あ、とわずかに身を固くした。怖がられたのかと一瞬思ったが、自分が
まだ上着を着たままだったのに気づいた。留め金の金属が、素肌に直接当たってそれが冷たかったらしい。
「外してくれるか?」
やさしく問いかけると、閉じていた目をぱちりと開いて、こちらを見あげる。
小さく頷いて、おずおずと手を伸ばした。留め金をいじる指先はかすかに震えていて、まるでやり方を覚えた
ばかりの幼児のそれのようにおぼつかない。
ベルトが落ち、金属の装具がガチャリと音を立てて転がった。うながされて、アルカードはそのままラルフのシャツ
のボタンも外していった。古さも深さもさまざまな、たくさんの傷痕の刻まれた素肌に触れて、息を呑む。ラルフ
は苦笑した。
「まったく、ひどいもんだな。おまえの身体とは大違いだ」
「だが、これはおまえがこれまで、一度も負けずに戦ってきた証だ」
体温の低い手のひらが、いとおしむように傷痕を撫でる。ひやりとした羽根のような感触に、ラルフは急激に
身体に熱がこもるのを覚えた。
「私はおまえが美しいと思う、ラルフ。──この傷も、なにもかもみな含めて、おまえは、とても美しい」
ラルフは何も言わずに、もう一度強くアルカードを抱いて、唇をあわせた。一度ぴくりと身を引いたアルカードは、今度
は、ためらいがちに少しずつ唇を開いていった。すべり込んできたラルフの舌につたない動きで応えようとし、
濡れた小さな舌をからめ返そうとする。
だがすぐに、ラルフの与えるものに呑みこまれていってしまって、ようやく唇が離れたときには、霞のかかった
ような目をして息を切らせていた。ラルフは乱れた前髪をかき上げてやり、かすかに汗ばんだ額に唇を触れた。
ほとんどの衣服はもう脱ぎ散らされて、あたりの野原に散乱している。細い首筋や、なだらかな白い胸や、
あらゆるところに唇を触れながら、ラルフは唯一残ったアルカードの下衣に手をかけた。
「あ、それは──」
驚いたように止めようとするアルカードの声は、すぐにかすれた喘ぎに押し殺されてしまう。ぴたりとしたビロードの細い足通しにすべり込んだラルフの大きな手は、両足のあいだのアルカードの性の徴をすっぽりと包みこんでいた。
細い腰を、引き締まった臀を両手でたどりつつ、最後の一枚が取り去られる。今やその裸身のすべてが、ラルフ
の前にさらされていた。
大理石の像が生命を持ったような肢体だった。ミルクの上に二滴の血を落としたように色づいた乳首に、誘
われるように唇をよせる。かたく尖ったそこを舌でかすめると、甘えるような、怨ずるような声がかすかに
漏れた。
「あ、あ、ラルフ……」
し、となだめるように舌を鳴らして、そこに吸い付き、わざとのように歯をかすめる。もう片方にも手を
伸ばし、荒い指の腹でざらりとこすり上げると、はっきりとアルカードの身体がそりかえるのがわかった。
手を離してもっと下の方へすべらせていく。髪と同じ、あわい銀の勃ちあがりかけているものをもう一度、
今度は強めに握りこむと、とぎれとぎれの抗議の声があがった。
「ラルフ、駄目だ、そんなところは──」
しかし、抗議もすぐに有無を言わさぬ口づけと愛撫で塞がれてしまう。すでに首をもたげかけていたアルカード
のそれは、固い指先にたくみにこすり上げられてすぐに大きく張りつめた。濡れた感触とその熱がラルフを満足
させる。アルカードはびくびくと身をひきつらせながら、おそらくは初めてなのだろうその感覚に、歯を食いしば
っていた。
「あ、あ、ラルフ、私は、私はおかしい──」
「おかしくなんぞない。黙って、俺にしっかりつかまってろ」
必死に脚を閉じようとするアルカードをあさつりと抑えつけて、いよいよ追い上げていく。やがて、押し殺した
悲鳴をもらして、アルカードは屈した。
「今まで、自分でやったことはなかったのか?」
手のひらに吐き出された白い残滓を見て、ラルフは尋ねた。アルカードはまだ呼吸も整わないまま、肩で息をしつつ
焦点のあわない瞳でぼんやりとラルフを見あげた。
「……自分、で……?」
「──いや。いい。忘れろ」
まあ、そんなところだろう。手首に垂れた白い滴を舐め取ると、もう一度細い腰を抱え直す。
ぐったりとしたアルカードには、すでに抵抗する気力も残っていないようだった。両足を割り、引き締まった臀の
あいだに、アルカード自身のもので濡れた指をそろりと差し入れる。
「ラルフ、何……」
力の入らない腕で押しのけようとするが、もう止められなかった。濡れた指を、白い身体のもっとも奥まった
部分に押し当てる。
指先に軽く力をこめると、かぼそい声があがった。今度ははっきりと、恐怖と苦痛をうったえていた。
「ラルフ、ラルフ、何を──」
「……嫌か?」
アルカードはびくりと動きを止めてラルフを見た。ラルフはいったん手を止めて、その蒼い瞳をもう一度ちかぢかと
のぞき込んだ。
「ここから先は、もうたぶん止めてはやれない。怖いなら、いまここでやめろと言ってくれ。その通りにする。
俺は、おまえの意に反してまで、先を続ける気はないんだ」
本能はその逆のことを叫び立てていたが、ラルフは断固としてその声を抑えつけた。アルカードを怯えさせたり、
傷つけたりするなら自分の欲求不満くらい軽いものだと、そう感じていた。
アルカードはしばらくうつむいて、かすかに身を震わせていたが、いきなり両手を伸ばして、ラルフの首に強く
しがみついてきた。身体はまだ震えている、しかし、両腕にこもった力は、その意志をはっきりと示していた。
「後悔、しないな」
頷きが、動きだけで伝わってきた。ラルフは濡らした指をもう一度、ゆっくりとその先に進めた。
節の高い指が出入りするたび、ひくりと背中がひきつる。殺しきれない呻き声が喉の奥からもれるのが聞こえ
た。顔はきつく肩に押しつけられて見えないが、異物を入れられて中をさぐられる異様な感覚にアルカードが必死に
耐えていることは全身から伝わってきた。
あ、と声がもれた。ラルフの指が、ある一点をかすめた瞬間、アルカードの身体にそれまでとは違う戦きが走った。
「ラ、ラルフ、そこ、は」
その先は、言葉にならなかった。つづけてまたそこを掻かれ、擦られると、呻きははっきりと甘い色を帯び
た。ラルフの背中に爪が食い込んだ。
「ラ、ラルフ、嫌だ、そこは」
「黙って、しっかりつかまってろ」
いったん力をうしなっていたアルカードのものがまた熱を帯びはじめていた。腹に触れるそれに目くるめくような
感覚を味わいながら、ラルフはラルフは指を一本から二本へ、三本へと増やしていった。
もはやアルカードには、声を殺すような余裕は与えられていなかった。中でラルフの指が動くたびに身をよじり、
必死に唇を噛みしめつつも、かすれた喘ぎをもらすことを抑えられずにいる。
「あ、ラルフ……?」
とつぜん指が引き抜かれ、肩で息をしながら、不思議そうにアルカードはラルフを見あげようとした。
その両足が持ちあげられ、さっきまで弄られていた場所に、何か遙かに質量のある熱いものが押し当てられる
のを感じて、身を固くする。
「力を抜け、アルカード。──言っておくが、辛いぞ」
ラルフは細い腰に両手を回し、膝の上に抱きあげるようにして、ゆっくりと腰を進めていった。
かぼそい悲鳴が、アルカードの口をもれた。強引にその唇をふさぎ、聞きたくはない悲鳴を封じる。
指とは比較にならない大きさのものが身体を割って侵入する痛みに、腕のなかの身体が撃たれた獣のようにも
がくのを、欲望と罪悪感の、そしてどうしようもない征服欲の入りまじった気持ちで感じる。
うなじに口づけ、耳を噛み、背筋をさすって、少しでも身体をゆるませてやろうとした。二の腕にすがった手
がわなわなと震えている。わずかに見える横顔は、蒼白だった。
「辛いか」
訊くと、かすかにかぶりを振る。虚勢なことは見ればわかった。アルカードは震える自分の声に裏切られるのを怖
れるように、ラルフの頭をかかえ込み、視線をさえぎった。
「いい、から、早く──先、を」
荒い呼吸の下から、かすれた囁きが聞こえた。
「私は、大丈夫だ、から」
波のようにこみ上げてきたいとおしさがラルフを圧倒した。
青ざめた頬をとらえ、乱れた息をもらす唇にかすめるように口づけると、ラルフは再び恋人を地面に横たえた。
白い花の咲く緑の野原に。投げ出された両手にしっかりと指を絡めて、広げた白い両足の間に、腰を進める。
ひゅう、と喉が鳴った。押し殺された悲鳴のかけらが暴れてでもいるように、アルカードの身体がきつく反り返る。
両手が砕けそうなほどに固く握りかえされた。その痛みをすらここちよく感じながら、ラルフは奥へとわけ入って
いき、やがて、腰と腰とをひたりとあわせて、アルカードの上にじっと横たわった。
「わかるか、アルカード。おまえの中に、俺が、いる」
アルカードはうすく目を開けて覆いかぶさるラルフを見あげた。絞り出された涙が目尻をぬらしてゆっくり流れ落ちていく。
「こんなに、深く、繋がってる──一つに、なってる。なあ。感じるか、アルカード」
「わか──る。感じ、る」
荒い息のあいまに、アルカードは囁いた。
「もっと、抱いて、いてくれ──しっかりと。離さないで、欲しい。もっと、強く──強、く」
ラルフはそれ以上なにも言わず、目尻の涙を舌でぬぐってやると、地面に押しつけていた手をとって背中に
回させ、胸と胸とを重ねた。絶えだえな喘ぎと、早い鼓動が直接たがいの肌に伝わる。両手で細い腰をつかんで、
動き始める。
わずかに動きのたびに息をのみ、懸命に声を殺していたアルカードが、腕の中で少しずつ蕩けていった。苦痛と恐怖
で身をすくめてしまった前を擦ってやり、首筋やうなじに口づけを重ねて、緊張をほぐしてやりながら抜き差しを
くり返す。
やがて、痛みをこらえる呻きの中に、甘い色が混じりはじめた。ラルフの指にこすり上げられたものは重なった
下腹に触れるほどに存在を主張している。ラルフはよりしっかりと細い身体を抱え直すと、力をこめてアルカードを
貫きとおした。
高い声があがった。もはや、声を殺すだけの余力も、アルカードにはないようだった。意志をはなれて暴走する身体
と感覚に翻弄されて、嵐の中で必死に舟板にしがみつく溺れた者のように、夢中でラルフにすがりついてくる。
背中を掻くアルカードの爪の感触が快びをいっそう高めた。いとしい、という言葉を、ラルフは初めて心の底から理解
した。力のかぎりアルカードを抱きしめ、思うさま腰を叩きつける。もう手加減している余裕も、その必要も
なかった。狭くてやわらかな、熱い肉がラルフをぴったりと包み込み、からみついていた。
アルカードがあ、と声を漏らし、ゆれ動く腰の間に熱いものが飛び散った。一瞬、痛いほどにきつく締めつけられ
て、小さく声をあげてラルフも放った。
気の遠くなるような歓びと、永遠と思えるほどの絶頂感が続いた。余韻に身を震わせながら、ラルフはアルカードの上
に崩れるように身を伏せた。
しばらくはそのまま、だたがいの体温と鼓動を感じながら、身じろぎもせずに横たわっていた。まだ身体は
繋がったままで、アルカードは荒い息をつき、ほのかに紅く染まった目尻に涙の筋を残していた。
「……すまんな。無理を、させた」
ようやく起き上がって、ラルフはそっとアルカードの髪をかき上げてやった。
最初はもっと加減するつもりだったのだが、いざ始めてしまうと、そんな計算はもろくも吹き飛んだ。この
美しいものが、アルカードが欲しい、ただそれだけしか考えられなくなり、最後には、自分の快楽しか追求して
いなかったことを思い出して、ラルフは消えてなくなりたいような思いを味わった。
「ラル……、フ」
呟いた声はひくく掠れていた。アルカードはけだるげに手を上げて、ラルフの頬にそっと手のひらを添えた。
「聞いて、欲しい、ラルフ。私の」
一度こくりと喉を鳴らして、アルカードは言った。
「私の──本当の、名前を」
ラルフはまばたいて、たった今自分のものにしたばかりの美しい恋人の顔を見つめた。
「私の名前は、アドリアン・ファーレンハイツ──ツェペシュ」
アルカードは言った。
「生まれた時、父と母がつけてくれた。父にそむくと決めたときに、この名を捨てた」
何かに耐えるように、長い睫毛が伏せられた。
「今はもう──おまえだけしか、知らない」
「……アドリアン」
ラルフは言った。
アルカードの肩がびくりと跳ねた。
「アドリアン、アドリアン、アドリアン──アドリアン」
あ、とアルカードの喉が鳴った。
白い身体が、飛びこむように胸にすがりついてきた。ラルフはしっかりとその背を抱きしめ、髪を梳き、耳もとに
何度もその名を、アドリアンという名を、吹きこんだ。肩が熱い滴で濡れた。抑えたすすり泣きが、腕の中から聞こえた。
「泣くな。もう泣くな、アドリアン」
やさしく髪を撫でてやりながら、ラルフは囁いた。
「俺がいる。俺がいつでもここにいて、おまえの名前を呼んでやる。もうひとりにはならない、俺が、けっして
そんなことはさせない。俺がおまえの還る場所になる、だから、もう泣くな。泣くな、アドリアン。泣くな」
すすり泣く声がひときわ高くなった。髪をはらって顔をあげさせ、唇をかさねると、がむしゃらに舌をからめて
きた。唇は涙の塩からい味がした。
暗い森はもうない。迷子の子供は帰り道を見つけた。泣きじゃくりながら、ようやく抱きとめてくれた相手に、
子供が必死にすがりつく。ラルフもそれに激しく応え、再び下腹部に熱が集まるのを感じながら、ゆっくりともう一
度、唯一の恋人を押し倒していった。
____________
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ コンカイデ イチオウ ヒトクギリ
| | | | ピッ (・∀・ )
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|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
★おしらせ★
えー、話が当初の予定をこえてかなり長くなってきましたので、
現状では棚スレの域を超えるということで、
この先は別場所に移動することにいたします。
詳細は悪魔城本スレにて討議しておりますので、興味のある方は
本スレをご参照くださいまし。
お手数ですがよろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。
>337
おぉぉぉぉー!!!!
GJ-!!どこまでもついていきまっせ姐さん!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 大正悪魔召喚師、黒マントと黒ヌコだよ。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 棚見てソフト買ったよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ハツトウカデキンチョウスル
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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>>337 共に参ります!!
って本スレどこ?から私の旅は始まるのですね
自力で見つける、これこそ801乙女のたしなみ
342 :
1/2:2006/03/29(水) 00:20:41 ID:FgP1jXdZ
いつでも足早な少年は、前方から子供達がやってくるのを認めると歩みを緩めた。
目敏い下町の子供らは、少年とその足元の黒い生き物に気付くとこちらに向かって走り出す。
「猫だ!」
とっさに黒猫は身を硬くし、周囲にすばやく視線を飛ばす。土塀も板塀もポストもない。
他に子供らの手の届かぬ高さのある場所は――
とん、と身軽に跳び上がり、少年の肩口、黒い外套に溶け合うように身を寄せる。
「ねえねえ猫さわらせてよ」「その子抱っこさせて?」「遊ぼうよ猫おろしてよー」
背の高い少年を取り囲み、子供らが口々に言い立てる。
「悪いな。この猫は触られるのも撫でられるのも抱かれるのも嫌いなんだ」
困ったような笑みを浮かべて少年は不満げな子供達を宥めると、肩に猫を載せたまま歩き出す。
「流石の業斗童子も子供には手を焼くんだな」
「…突拍子もない行動をするから即座に対応できないだけだ」
「帝都に来て間もない頃は凄かったな」
くつくつと少年が笑う。
343 :
2/2:2006/03/29(水) 00:22:01 ID:FgP1jXdZ
絶間なく人で賑わう街中で、いつでも少年の後ろをついて歩く黒猫は子供達の好奇心の的だった。
慣れぬ人込みの中で子供に掴まり、容赦なく可愛がられ疲労困憊していた姿を思い出す。
この猫の姿をしたお目付け役は、人より遥かに永い時を過ごしているのにも関わらず、
どうしたことかふとした拍子に幼い子供らに捕まってしまうのだ。
「目的はわかるのに行動が突飛だから結果的に相手の思う壺に嵌ってしまうだけだ」
忌々しそうに呟くとちろりと間近な白い顔を睨む。
少年は素知らぬ風に黒猫の毛皮に頬を寄せる。
「お前も子供だ」
尻尾でぺしゃりと頬を打つと、抱きとめようと伸ばされた少年の手をするりとかわし、
すとりと地面に下り立った黒猫は目を眇めてそう言った。
「わざと歩を緩めただろう」
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ スレ汚し失礼しますた。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
わかった、買うよ >大正悪魔
今ので駄目押し食らった気分だー
>340
「お前も子供だ」に激しく痺れた!ハァハァ(*´Д`)
>>340 GJGJGJ!!!!!
あーやっぱりもう我慢できない。
つ■ <すいませんこれください
大作続きの後ってチャレンジャーだな・・・
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ナマモノ・ゲイ人・駄作嫌いはスルー推奨。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| なかよしこんびのお宅×漁師らしいよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ハツカキダッテケケケ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
350 :
起:2006/03/29(水) 03:43:02 ID:0L7tA8OT
アクションも大きくはない彼の認知度はどんなものか、という企画が上がったのだ。
結果は散々なもので、最初は暢気に構えていた本人も他メンバーも、少しづつあせりの色を映していった。
最後に一般人に彼を見つけてもらって、場は喜んだと言うより、「ほっとした」の方が正しいかもしれない。
芸人として致命的な、デリケートな問題である。不機嫌になるのも無理はない。
収録後半くらいから、ほとんど口を開かない彼の傍を離れることも出来ず、ハマはただただそこにいた。
いつも番組を仕切っている某が、「ハマさん、お願いしますよ」と耳打ちしてきた。が、自分に何が出来るというのだろう。
むっつりと黙り込んで、掛けたままいつものミネラルウォータを転がす彼を見て、
ちょっと顔を出しに来た後輩たちはソソクサと逃げていった。無理もない、とハマは思う。
いつもより遠くに掛けた蟻のが、酷く悲しかった。
「・・・なぁ、」
静かだった彼がやっと声を発した。少しほっとしつつも身構える。
「何?」
「何で俺やったん?」
「・・・何が?」
「お前、何で俺のこと誘ったん?まだツレおったやないか」
ハマは立ち上がって蟻のの傍らに立った。見上げてくる蟻のの瞳は傷付いていて、自虐していたことを窺わせた。
「何でて、」
「俺よりおもろい奴おったやん。アイツで良かったんちゃう。
何で俺やったんや?」
351 :
承:2006/03/29(水) 03:44:20 ID:0L7tA8OT
とろとろと流れてきた言葉を聞いて、少し驚く。今まで、そんなことを考えているのは薄々感付いていたが、
本人が口にするとは思っていなかったから。
「やって俺、お前おもろいと思ったんやもん」
八つ当たり半分、本気半分。
でも、どこまでも昏い本音だから、きちんと受け止めなければ。
「アイツの方が目立って、キャラもあったやんか」
「そうかも知らんけど、俺はお前が良かったの」
「アイツとの方がもっと上行けたわ」
「そんなんないて」
「あるわい」
言葉を重ねる毎に、彼の言葉は吐き捨てられていく。
思いを言葉に費やすのは向いていない。ハマは苦さを噛み殺して、それでも言葉を紡いだ。
「あったかも知れんけど、俺はお前以外と行く上なんか興味ない。
お前とやからここまで来れたんやから」
「お前やったら誰とでも行けるやろ」
「そんなん意味ないて。俺はどこにおってもお前と一緒がええ」
352 :
転:2006/03/29(水) 03:45:34 ID:0L7tA8OT
ぐ、とハマを睨むと、蟻のは椅子を蹴って立ち上がった。
見返してくるハマの両腕を掴むと、乱暴に引き上げて口唇に噛み付く。
僅かな抵抗を殺して喉の奥まで犯していく。ハマが噎せるとどんと突き放した。
「こんなんされてもか!」
「痛くも痒くもないわいっ」
怒鳴り返されて、それもちょっとーーーーという思いが過ぎって。
「他にどんな凄い奴おっても、俺の相方はお前やないとアカンのじゃーーーっ!!」
世にも恥ずかしい絶叫を、そのそばで聞いた。
今まで何とか冷静であろうとしたハマが乱れて、我に返った自分を蟻のは自覚する。
大声を出して息を切らすハマが、泣きそうなのを堪えているのにやっと気付く。
そういえば、このコドモは。
撮りの最中から、ずっとこんな顔をしてなかったか?
企画の時、普段文句を言わないハマが、難色を示していたのを覚えている。
ひょっとして、今回のことを一番気にしているのは。
比較的素直に涙を流す彼が、それに耐えているのは。
353 :
結:2006/03/29(水) 03:46:18 ID:0L7tA8OT
ーーーゴメン」
「謝んな」
声を落ち着けて、短くハマは言った。
「このことで、お前が俺に謝らなアカンことなんか何もあらへん。
やから、謝んな」
そうは言うけど。でも。
「八つ当たりして、スマンかった」
「ーーーええよ」
ハマが何とか笑顔を作った。釣られて蟻のも笑う。
これからもずっと一緒なんや?
アタリマエや。
お互いに少し照れて、またちょっと笑った。
354 :
をち:2006/03/29(水) 03:47:50 ID:0L7tA8OT
「ーーー何や口痛い」
「あ、ちょっと血ぃ出てる。悪かったなぁ」
「何でお前が謝るんーーー」
彼が気付いて顔を赤くするのは、あと少し先の別の話。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オイオイ、何年前ノ話ナンダヨ?
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
でも多分またする。
ゴメソ、起のアタマにコレ足して下さい・・・
つ
相方の機嫌が酷く悪い。
彼はいつもにこにこと穏やかで、喜怒哀楽をあまり表に出さない。
もう十何年の永い付き合いなのに、それを察するのも難しいこともある。
そんな蟻のが、機嫌の悪さを隠せていない。
理由は解っていた。今日の撮りのせいだ。
番組の他レギュラーメンバーに比べて、大声を出すこともなければ、
アクションも大きくはない彼の認知度はどんなものか、という企画が上がったのだ。
>>349 姐さんGJ超GJ!!萌えで死ぬかと思ったよ。
次も期待してますワクテカ
>>349 ヤター!!
マイ最萌えコンビキター!!
>349
十二分に萌えた…姐さんマリガトン!!
>>349 ワァーイ!!!
萌えすぎてゾクゾクした。
姐さんGJ!
ひっそり萌えていたのに最終回で爆発。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 先日までやってた某ホストドラマ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 主人公派参謀×No.2だな
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ キャラがつかめん。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
364 :
1/4:2006/03/29(水) 18:06:25 ID:yL45bYs3
目が覚めると、隣に見知らぬ女が寝ていた。
虚を突かれたままで瞬きする。違う。今の文はあんなに短いのに間違いが三箇所もある。
目が覚めると、隣に「見知った」「男」が「起きて」横になっていた。
「気づいたか。」
あまりにあっさりそれだけ言って起き上がった男に廉は眉を寄せたまま顔を向ける。
「秀……。」
状況が掴めずにあたりを見渡す。間違いなくここは俺の部屋だ。でも記憶が途切れている。
「誠也じゃなくて悪かったな。」
いつもの自嘲癖を含んだその言い方にどきりとする。
「な。」
「名前、呼んでた。」
顔に血が集まるのがわかった。寝言?聞かれたのだという羞恥と馬鹿馬鹿しさで苛ついた。
「…そんなんじゃない、俺はただ――」
敬愛していただけだ。慕っていただけだ。そんな風にからかわれるような関係じゃない。
言い返そうとして言葉が出ずにいると額に手を伸ばされてどきりとした。
365 :
2/4:2006/03/29(水) 18:08:03 ID:yL45bYs3
「熱は下がったみたいだな。」
熱。一拍遅れてその言葉を飲み込む。それでアルコールがまわったのか。
駆けだしの頃はとにかく、ここ最近酒で意識をとばしたことなど無かった。
そこは納得したものの相変わらず現状が理解できず廉は秀に顔を向けた。
「どうして、お前が。ここに。」
「就業間際ににお前がロッカー前で倒れて、お前の派閥は若手以外ほとんどアフターはいってて、
運べるのが俺しかいなかった。以上。」
部屋の鍵はロッカー物色して見つけさせてもらった、悪く思うな。
ぼんやりそれを耳に通しながら、ようやく一つ二つ記憶が甦ってきた。
そういえば誰かに肩を貸されて部屋に上がりこんだような。
ある程度服脱がされたような。(事実スーツとネクタイはハンガーにかかっている)
「いいのか?よその派閥の部屋なんかにいて。」
「うちのトップは融通きくんでね。」
皮肉ばかり言うくせに。面倒見がいいというか、貧乏くじ体質というか。
廉は片方の口角だけで鈍く苦笑し、ベッドサイドのグラスと錠剤の入っていたチップを見て動きを止めた。
366 :
3/4:2006/03/29(水) 18:09:23 ID:yL45bYs3
――どんなに探っても、薬を飲んだ覚えは、ない。
唇を舌でぬぐって廉は眉を寄せた。俺は今何を考えてる。
もやもやしたまま無意識に煙草に手を伸ばすと、上から押さえつけられた。
顔を上げる。
「病人がそんなもの吸うな。治りが遅れる。」
言いながら秀は手を離してスーツに袖を通した。
シャツはくたくたで、その様子を見ると風呂にも入ってないのだろう。
「今日は休め。お客様にうつされたら困る。」
秀はじゃあなと言って踵を返し、踏み出そうとして止まった。
その行動に疑問を覚えた廉はしばらくその原因が自分ということに気づかなかった。
右手が勝手にその上着の裾を掴んでいた。
367 :
4/4:2006/03/29(水) 18:11:09 ID:yL45bYs3
互いに顔を見合わせたまましばらく、廉は慌てて手を離した。
「そのままの格好で店に出る気か?シャワー、貸してやるから。使えよ。」
視線をそらせてどうにかそれだけ言うと、廉は再びベッドに倒れた。寝返りをうって顔を隠す。
「タオルとか勝手に使え。服も着るなら着ろ。礼がわりに貸してやる。」
もっともサイズあわねーかもしれないけど、と不貞腐れるように言ったとき、ぐるりと身体が反転した。
目の前にはその整った顔がどアップで。
キスだ、と気づいたのは、既に唇が離れる頃だった。
「口寂しかったんだろ?」
呆然としてその顔を凝視する。
煙草のことを言っているのだ、としばらくしてようやく合点がいった。
「病気の時くらい素直になれ。」
秀はそこで初めて笑うと振り向きざまに手を振って出て行った。
「…しんっじ、らんねー。」
頭まで布団を引き寄せ、廉は唇を噛んだ。
今となってはキスの一つや二つ、なんの価値も無い。けど。
違う。蓮は目をかたく閉じて自分で自分の頭を軽く叩いた。
身体が火照っている気がするのは触れるだけの口づけなんかじゃなく、熱のせいだ。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 本編で接点無かっただろうが。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
録画を見て再び萌えが高ぶってやった。反省はしていない。
しかも最後の最後で伏せそびれてるorz
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 昨日やっていたドラマ(?)より
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 設定だけ借りて、オリキャラでやってるよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 完全ギャグ。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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371 :
1/4:2006/03/29(水) 19:21:17 ID:s1zywYxq
「たららららん、たららららん♪」
いつ聞いても薄気味悪さを感じるメロディーを、テレビに合わせて口ずさみながら
アキラは身体を起こして伸びをした。
三時間以上もある番組を見るとさすがにちょっと疲れる。
でも今回はおもしろかったなーと一人で満足していると、携帯がなった。
『ユウヤ』
気の弱い、でも優しい親友からの着信だ。
もしかしてこれ見て怖くなったとか?
そうだったら何てからかってやろう。添い寝してやろうか、とか良いかもしれない。
「はいはーい」
「アッ…アキラ!!助けて!」
尋常ではない親友の声にアキラは眉を顰める。
「どうした?」
「いま家に帰ったんだけど、知らない奴が部屋にいるんだって…!!
見たことないオッサンで、一言も喋んないし、全身真っ黒の服だし、こえーよぉぉ」
自然とテレビに目が行く。
「その、オッサンてさ、黒いフード付きのケープみたいなの着てる、ちょっと丸っこい感じだったり?」
「うん、マジでそんな感じ?なんでわかんの?」
血の気が引いていく、というのをアキラは初めて身体で理解した。
「いっイ.マ.キ.ヨさんだぁぁぁ!!!」
372 :
2/4:2006/03/29(水) 19:21:57 ID:s1zywYxq
とりあえず何もするな!話しかけるな!触るな!
とだけ言い残して電話を切ってから数十分後。
アキラはユウヤの家の前に到着していた。
「アキラぁ…」
余程怖かったのか、ユウヤは自分の家の前に所在なさげに立っていて
アキラを見つけると全速力で駆け寄ってきた。
あっ、実家のポチにそっくりだ…。
アキラはこっそりそんなことを考えながら、ユウヤを宥めつつ部屋に入った。
「で、どこにいるんだよそのオッサン」
「そこ。…ポテチ食ってる」
ユウヤが指差す先には、やはりアキラには何も見えない。
少し残念に思いながらアキラは部屋の真ん中にあるローテーブルの前に座った。
ユウタはその向かい側に座る。
「あのな、多分お前…つかれてるんだよ」
言いにくそうに言葉を濁すと、ユウヤは悲しそうに目を伏せた。
「やっぱり、そうかな…俺もちょっと思ったんだよ。最近忙しかったし…」
「そうじゃなくて、こういう字の『憑かれてる』な」
テーブルにその字をなぞると、理解できたのかユウヤの顔が青ざめていく。
彼が卒倒しないうちにとアキラは慌てて言葉を繋ぐ。
「イ.マ.キ.ヨさん、あ、これがお前に憑いてるのの名前なんだけど、
イ.マ.キ.ヨさんっていうのは幸せを呼ぶ妖怪っていうか、神なんだって」
「……うん」
ユウヤの顔が少し明るくなる。よかった。
373 :
3/4:2006/03/29(水) 19:22:57 ID:s1zywYxq
「でも、イ.マ.キ.ヨさんと暮らすには守らなきゃいけないことが4つある」
さっき見たばかりのドラマの台詞を繰り返しながら、アキラは近くにあったチラシとペンを手に取る。
「1、イ.マ.キ.ヨさんを無理やり追い出さない」
言いながらそれをチラシの裏に書いていく。
「2、イ.マ.キ.ヨさんを傷つけない。
3、イ.マ.キ.ヨさんの前で引越しの話をしない。
4、イ.マ.キ.ヨさんに謝らない。
いいか、これ絶対守れよ」
ユウヤの表情がまた悲愴なものに戻っていた。
「俺…じゃあ、このイ.マ.キ.ヨさんが出て行く気になるまでずっと同棲してなきゃいけないのか」
悲痛な視線のその先には、多分黒いフードのオッサンがいるはずだ。
「でも、守ってれば幸せになれんだし」
「無理だよ…存在感ありすぎ!」
確かに。テレビのあの狭い画面の中でも十分すぎるぐらい存在感があった。
俺は絶対勘弁だとアキラは思う。
「やっぱり…俺、追い出す!」
「やめろやめろやめろ」
慌てて膝立ちになってユウヤの肩を掴む。
「無理だよ、そのうち絶対発狂する俺!アキラは俺が発狂してもいいのか!」
「バカ!さっき言ったの破ったら、松.潤はイ.マ.キ.ヨさん増殖させちゃって
最終的に自分もイ.マ.キ.ヨさんになっちゃったんだよ!!」
「えぇぇぇ!!!じゃあどうすれば良いんだよ…」
ユウヤの目が次第に潤んでいく。
あ、ヤバイ、これは泣くな。
そう思った瞬間、アキラは信じられないことを口走っていた。
「俺も住む!」
「え?」
「お前が好きだ!」
「え?」
374 :
4/4:2006/03/29(水) 19:23:36 ID:s1zywYxq
音って何だっけ、と思うような沈黙。
それを破ったのはユウヤだった。
「…もう1回」
「…どっち?」
「…後者で」
「……お前が、好きだ…?」
「何で疑問系なんだよ」
「もういいよ!とにかく俺、ここ住むから!」
また暫く見つめあう。
どちらからともなく笑みが漏れた。
「ありがとう」
ユウヤが囁く。
それに吸い寄せられるように、アキラは顔を近づけた。
あともう少し…
「…」
あれ、
「うわぁぁぁぁ!!!」
「え、なに?!なに?!!」
キス寸前のところで突き飛ばされたユウヤが尻餅をつきながら目を丸くする。
その背後を指差しながらアキラはぷるぷる震えていた。
「いっイ.マ.キ.ヨさんだぁぁぁ!!!」
それから数ヵ月後。
「だめ、イ.マ.キ.ヨさんが見てる…」
「見せつけてやろうぜ」
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| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 勢いでやった。反省はして(ry
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
376 :
風と木の名無しさん:2006/03/29(水) 19:27:08 ID:wRzFuieA
最後でクソワロタwww
sage忘れた。ごめん。昨日はキモカワイおっさんに萌えてたことを告白する。
>>370 何このイ/マ/見てオチww最高www
萌え有り笑い有りで面白かったです
>>363 萌エス萌エス(*´Д`)
是非ともまた!!
>>363 萌 え た 。
全部見たくせに1話もビデオ残してない自分てば負け組。
>121
今さらながらパラレルラー(*゚∀゚*)
あれか、嵐っていうと、同窓会か!ちょっと涙が こ ぼ れ た 。
>>370 こう来たかーっ!wwwww
姐さん最高だよ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|
>>363 某ホストドラマ続き
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|
| | | | \ だから接点ないっての
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ そしてキャラがつかめん
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ほぼ連投だけど今日からしばらくパソコン触れなくなるんで許してくださいorz
386 :
1/4:2006/03/30(木) 17:50:41 ID:REXo9w64
そもそも、ただちょっとからかうだけだったのだ、と思う。
どんなに年増でも、好みじゃなくても、早い話不細工でも、キスくらい頼まれれば断れないのがこの職業。
だからたとえ同性だろうが、その整った、しかもどちらかというと女性めいた顔に
口づけるのはそこまでの抵抗でなかった。本当に口移しで薬が飲ませられるのか、という好奇心もあったし。
そういうプロセスがあったから、二回目のキスだって特に思い入れは無かったのだ。
なかった、はずだった。
「もう大丈夫なんスか?」
ふと客が途切れた合間に、いつものペースで飲んでいた廉を気遣うように大雅が言った。
「ああ。心配かけたな。平気だ。ロスがちょっと痛いけどな。」
言いながら廉は煙草に手を伸ばす。一瞬だけその指が躊躇したのに、大雅は気づかなかった。
387 :
2/4:2006/03/30(木) 17:51:51 ID:REXo9w64
ネクタイを弛めながらロッカーへ向かう。偶然の神様というのは嫌がらせが上手い、と廉は思った。
そこに居たのは秀だけだった。ドアの音に気づいて彼は廉に顔を向ける。
なにか言わなくては、と思い「あ、」と意味の無い声を出す頃にはその顔は再びロッカーに向いていた。
別にあれから初めて顔を合わせたわけではない。けれど今までも特にアプローチは無く、
完全になかったことにされている。というか奴はかけらも気にしていないのだろう。
意味も無く苛々して、ああそう、と乾いた笑みをもらしながら廉は自分のロッカーをあけた。
ゴン、という鈍い音に秀は振り返る。
「なにやってんの?」
普通この状況を見て言わねぇだろそういうこと。廉の苛々は更に募った。
なかなか開かなかったロッカーの戸が勢いよく開きすぎて額にぶつかったのだ。
「…お前本当に大丈夫か?まだ本調子じゃないんだろ?」
秀はそう言って羞恥と脱力と苛立ちとで戸に手をかけたまま動けないでいる廉の肩に手をかけた。
388 :
3/4:2006/03/30(木) 17:52:54 ID:REXo9w64
ぐい、と顔を見合す形にさせられて、心の準備が出来ていなかった廉は目の行き所に戸惑う。
見詰め合うのは気まずく、ずらした視線が、意識せずともその唇に向かう。それに気づいて慌てて逸らす。
その一部始終を見ていた秀は耐えかねたように息を吐き出した。
「そんな顔するな、したくなるだろ。」
は、と廉は口を開いて固まった。
「お前、何のために俺がわざわざあの後ずっと話題に出さなかったと思ってるんだ!」
自分から言うか!?
「俺だってまさかお前に欲情するなんて思ってもない。」
っていうか口には出さずともお前はずっと態度で語ってるんだ、とまでは言わなかった。
なんで天下のロミオのナンバー2がキス一つでそこまで動揺するんだよ、と思った時には身体が動いていた。
ちょっと待て、何をしている俺。頼む拒絶しろ。ちょっとでも押し返されれば俺は我にかえる。
ちょっと待て、何をしてるんだ俺。蹴りの一つでも入れるべきだろ。なんで眼を閉じてるんだ。
もうただの冗談じゃ済まなくなっていた。唇だけじゃ足りなくて、気づけば腕が伸びている。
とても『ごみをとってました』じゃごまかせない。
389 :
4/4:2006/03/30(木) 17:53:44 ID:REXo9w64
顔をずらして、息を吸って、上手くまわらない頭をどうにか回転させ、秀は抱いた廉の耳元に言った。
「いいか、3秒たったら互いに離れる。3秒だ。」
「あ、ああ。」
よく考えれば自分からやっといてなんだその言い草はとか色々あったが、
さまざまな感情ごちゃ混ぜで心臓がバクバクいっている状態ではでてこなかった。
ゆっくりと息を吐きながら廉は目を閉じる。
1、2、3。
……。
「なん…で、離れないんだよ。」
「こっちの台詞だ馬鹿野郎。」
言葉と裏腹に廉は秀の上着をぎゅっと掴んだ。身体が離れるのを拒んでいる。
少しだけ体を離して廉は秀を見上げた。その顔に秀は息をつめる。反則、だろ。
これが無意識だとしたら相当性質が悪い。ナンバー2は伊達じゃない、と言うべきか。
今度はどちらともなく口づけた。そしてそれは触れるだけじゃなく。
あ、くそ、上手い。鈍る意識の奥で、誰かが来たら、と一瞬思ったけれど、それはすぐに沈んだ。
もう熱のせいにすることは出来なかった。
____________
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 勢いでやった。今では反省しているorz
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
そして前回の1が直しそびれてくどい表現になっているのは
生温い目でスルーしてやってくれ・・・。
>>385 はは禿萌えたorz
脳内でなんの滞りもなく再生された。やべ、エロいよ…。
姐さん続き!最終回のビデオ見ながらおとなしく待ってるから
どうか続きをプリーズ!
>>385 姐さんが帰ってきたらまた続き書いてくれるってオレ信じて(ry
…すんませんすんません予想外に萌えすぎて凄い動揺してます
>>385 とめどない萌えを有難う…( *´Д`)
>370
カップル成立、ちゃんと約束を護ったおかげかな?
ふたりともお幸せにw
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某走召人王求団ドラマ版の7&1
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 第六王求前半丸太特訓の後
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 捏造しまくりだゴルァ!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
396 :
1/2:2006/03/31(金) 01:23:45 ID:lAa3t2yK
日が沈む頃には王求一の背中は赤黒く腫れ上がっていた。
縄を解かれ、崩れそうな体を精一杯こらえる王求一を、王求八が背負い宿舎に戻った。
「湯沸かせ、湯。あと布もいっかな」
「王求一さんをお任せしてもよろしいですか」
頭をさげる王求三郎の肩を王求七はかるく叩いた。
熱い湯で布を絞り、王求七は布団に横たわる王求一の背にそっとあてた。
「っん」
王求一の息をのむ声が王求七の耳をかすめた。
手を止めて王求一を伺うと、枕にうずめた顔を振り、なんでもねえ続けろと促す。
背中にたまった血をていねいに拭い、一面にひろがる傷に王求七は唇をかんだ。
「背中、どんなだ?」
「…大したことねえ、よくある打ち身にすり傷。王求三郎のヤツうまくぶつけやがったな」
王求七は手が赤くなるのも構わず熱い湯に取り替え、新しい布で王求一の傷をもう一度拭き清めた。
「こんな傷ぐらい、この王求七に任せろっての。
一座にいた頃はこんなの日常茶飯ごと、そのたんびに医者に行くわけにもいかねえし、慣れたもんだぜ」
とりとめもなく王求七は言葉をつなぎ、薬箱をあさって消毒薬と軟膏を選んだ。
王求七が傷を探るたびに、反射的に王求一の肩が震え、枕を抱えた両手が強く握りしめられる。
布を裂き、練った薬を塗りつけ傷口にあてる。
冷たい感触に、びくりっと背筋がうねり、堪えきれないうめき声が漏れた。
397 :
2/2:2006/03/31(金) 01:24:44 ID:lAa3t2yK
「王求一、包帯巻くから背中あげろ」
王求七は湿布を絆創膏で止め、手早く包帯を巻いた。
「済んだぞ」
王求一の返事はない。
王求七は前にまわり、額に張り付いた髪をかきあげた。いつもはまっすぐに人を見る目が固く閉ざされている。
「お前なぁ我慢強いのもいいが、痛ェなら素直に痛ェって言っちまってもいいんだぜ」
「…そうじゃねえ」
思いつめたように王求一が顔を上げ、荒い息で叫んだ。
「擽ったいんだ!」
「え?」
「触られちまうとダメなんだ、背中とか脇とか。野球やってるときは気にならねぇのに。
さっきから痛ぇのより擽ってぇのが先にきちまって…クソ!」
王求一の茶色の目が王求七をにらんだ。
「てめぇの指が触りまくるから!」
「情けねぇな!」
王求七は声を張り上げた。気が抜けると同時に、理由のない怒りがわき上がる。
「ガキみたいな弱み引きずってんじゃねぇよ。軟弱すぎてヘソが茶ぁ沸かしちまうぜ!」
「何を大声を出しているのです」
王求三郎が静かに入ってきた。その後に王求八の巨体がのっそりと続く。
振り向こうとした王求七に慌てて王求一が「言うなよ」と小声で訴えた。
「俺だってどうにかしてぇんだ、こみっともねぇ」
そっぽを向いて呟いた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 後半始まる前にうpしたかった
| | | | ピッ (・∀・;) 後悔はしていな…い
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 昨日のOAのイキオイで上げた小ネタです。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| リーダーってのは出銭番組のMCなんだってサ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「リーダー、水買ーてきて」
「ハーイ」
「リーダー、おにぎり食いたいわ」
「ハイハイ」
「リーダー、コレ捨てといて」
「ハイよ」
「リーダー、この本隣にーーー」
「・・・・・・」
「リーダー?」
「オマエ、リーダーゆうてゴマカして、俺をエエように使てへんか?」
「気のせえちゃう?そんなことないで」
「ウソや。俺、絶対パシらされてる」
「そォか?じゃ、これからちゃんとお礼しよか」
「お礼?」
「ジュース買うて来る度にチュウ3回とか」
「・・・そんなん嫌や」
「んで、断ったらチュウ1回」
「・・・」
「リーダー、水買ーてきて」
「・・・行ってきまーす」
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 台詞だけで進めていくのに
| | | | ピッ (・∀・;) 自分は向いてないとやっと気づいた。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
|>PLAY ピッ◇ ⊂ (・∀・ )ジサクジエンガシツレイシマス。
フジ竜版方針演技の復帰+徐禍と、?×対抗棒前提の復帰×対抗棒です。
セクロスがあるので注意。
本文も全部当て字になってます
403 :
1/6:2006/03/31(金) 21:53:10 ID:HxLlRbS6
ゆっくりと伸ばす腕は月夜の灯りに照らされる。
此処のところ人目に晒され続けた筈だが今は彼が二つに別れていた頃と同じように隠されていた。
よく考えればほんの一瞬前までの居場所とも違う気がする上に――彼の目の前には融合した姿そのものがある。
「は…?」
策士と呼ばれ軍師をしていた対抗棒とて不測の事態には判断がにぶるもの。
目を大きく開けて本体である復帰を見つめる。
正反対に復帰は表情を変えずにただ対抗棒を見つめた。
「…何故このようなことになっておるのだ?」
不思議と少しばかりの嫌な予感を感じて。そう示すように、頭を抱えながら目を細めて対抗棒が聞くと、復帰は簡単だと笑みを浮かべた。
「わしが望み実行したのだよ。最初の人とは便利なものよのうっ!!」
名付けて最初の人パワーだ、と楽しそうに笑いながら言う。
そのせいか――
「――しょうもないことをー!!」
――と、叫ぶその発言は少し正しいようにも見える。
痛いことが出来たと屈みながら頭を抱える対抗棒に復帰は妖艶な笑みを浮かべた。
「対抗棒よ…」
何処か改まったような声が響く。
ゆっくりと顔を上げ見せる瞳は翠の色を強く鮮やかに見せた。
その瞳に映るのは間近まで迫った復帰の姿。
よく似た顔だからか不気味とは思うが何故か逃げることを対抗棒はしなかった。
寧ろ、それは何処か不可能に近かった。
404 :
2/6:2006/03/31(金) 21:55:57 ID:HxLlRbS6
ゆっくりと伸びた細めの腕とは対照的に大きく見える常に填めていた手袋を外した手がゆっくりと頬を撫で、ゆっくりと口付けた。
「なっ…!?」
不測の事態に対して対抗棒は直ぐに身を引き顔を赤らめる。
「何をするのだ!!」
意図が読めないと眉を寄せる幼さの残る顔を見て、復帰の表情が楽しげな笑みとなった。
「所詮夢と変わらぬ現状でだ。別段構わぬではないか…――それとも、拒まねばならぬほどに恋焦がれる相手がおるか?」
そう問う人は酷く意地悪気に口の端を吊り上げる。
融合していたのだ。
感情も記憶もお互い知り尽している。故に――解りきった質問だった。
それに対抗棒は答えない。
ただきつくにらみつけ歯を軋ませるだけで、それ以上の抵抗も辞められた。
――お互いを知り尽しているのならば、その理由が解らぬ訳ではない。
ただ、理解はしたくないと思うだけであるのだし――何よりも。
「おぬしが望むことをすれば気が晴れるか?」
「いいや…解らぬ。ただ、したいと思うだけだ」
――逃げられるとは思わない。
その反応に重く溜め息を吐きながら軽く口付けを仕返した。
「汚したくば汚すが良い。元よりおぬし自身であろう」
離してすぐ、間近の距離でそう告げた。
それに薄く笑みを浮かべると復帰の手はゆっくりと首筋を這い、そのまま対抗棒に負担を掛けない様に押し倒した。
405 :
3/6:2006/03/31(金) 21:57:44 ID:HxLlRbS6
「――だが、最後まではせぬように!!自分のモノが入ってくるなど想像しただけでおぞましい」
倒されたまま両腕を抱き震えてみせた。
その様子におかしいと笑いながら目を細めた後にまた一度口付ける。
忍ぶように動き出した舌が対抗棒の唇を舐めあげればそれに呼応するように擽ったそうに眉を寄せた。
押し入るように対抗棒の唇の間を割って進む舌は直ぐに口内を傍若無人に動き回り、流石は己のことと賞賛に値するほど敏感な所を舐め回す。
「…っ…は」
次第に詰まったように篭った声が小さく漏れ始める。
胸板を上下に動かすのが息苦しさを。うっすらと潤んだ瞳が僅かな快楽を象徴して。けれどそれに構わず復帰は長く口付けを続けながらゆっくりと橙色の道服を押し上げ齢80は過ぎたはずであるのにいまだ未成熟なその細めの躯を外気へと晒した。
ひやりとした風に身震いをしながら対抗棒は目を瞑る。
次に感じる快感を身構えて。
「――…っん」
親指で強く擦るように胸の頭につく突起を触られるとピクリと背が跳ねた。
眉間に皺が寄る様子も実に菅能的な表情で、それを確かめようとゆっくりと銀の絹糸を作りながら顔を離す復帰に対して恥ずかしさから顔を反らす。
が、それを許さぬように強く突起を擦りながら笑った。
「顔を見せんか。己の犯された顔を見られるなど二度とない機会ではないか」
少し意地悪気にそう告げると手付かずのもう一つの突起に唇を落とし、赤子のように吸い付いた。
406 :
4/6:2006/03/31(金) 22:00:37 ID:HxLlRbS6
「い…、っあ…!!」
復帰の申し出を拒絶するように首を振るとそれへお仕置きするように性急にその突起をこねくり回す。
上半身だけの愛撫はやはり少しもの足りずに対抗棒は軽く足を擦らせた。
それに本人は気付かずとも復帰は気付いてズボンと共に男たる象徴を覆うものを引きずり脱がす。
露になるのは隠されていたものそのもの。
男たる証。
「――…わしよりも小さいのう」
「ほっとけ!!」
ソレから目を反らさずに見つめる復帰に身を軽く起こし体を向けて勢い良く突っ込む。もちろん瞳を開いたまま、余計なお世話だと付け足して。
もちろんそんな好機を復帰が逃す筈もなく、突起への愛撫と共に自身へと触れた。
「うあっ!!」
瞬時対抗棒の体は弓なりにそる。漏れた声には強く快楽を示す甘い響きが混じる。
崩れるよう床に向かう背中を止めるように肘を床へと突き体を支える――が、それの無理な体勢が快楽に圧される躯を更に追い詰めていくことになる。
「く…んっ…」
ぶるぶると震える腕は快楽を象徴するかのように対抗棒の自身を扱うのと呼応した。
次第に高まり張り詰めるこの時に、それでもなお顔を見せまいと横へ反らしながら俯く。
体を許してもせめて、と。折れることない心が魅せる気丈な顔と、小さく開く唇から漏れる甘い声に閉ざされた翠の瞳。
407 :
5/6:2006/03/31(金) 22:04:19 ID:HxLlRbS6
幼く見える普段とは違い何処か妖艶な雰囲気に復帰とて息を飲む。
これが本当に一緒の顔なのかと思ってしまう程に。
「や、…くっ…はっ、ん…」
その何処か理性を失わない姿をほんの少し羨ましいと感じたのは紛れもなく復帰の本心。
それを振り払うように強く速めに対抗棒を追い上げていく。
「崩してしまえ――」
「ひぃ、あ…くあぁ…!!」
――理性を、と。
またそれだけではない感情を持ち合わせながら、速く扱ったその幼き自身から白濁した欲が吐き出された。
何処か納得いかないものの、せめて――と。
復帰は対抗棒を抱き寄せその鎖骨に証を咲かせた―……。
緩やかに揺れる肩が情事に疲労を感じていたのだと知らせる。
ゆっくりと瞼を上げ露になった翠の瞳が復帰を見つめた。
「満足か?」
「…いや」
問われて復帰は首を横に振る。
408 :
6/6:2006/03/31(金) 22:06:21 ID:HxLlRbS6
であろうな。と対抗棒は小さく苦笑いしてみせた。
どう望みどんな考えでしていたか対抗棒はそれこそ復帰にすら解らないことまでわかっていたが、それに応えては駄目であると思っていた。
何より嫌だったし納得も出来ないと思ったのだ。
「長々と生きとって何故気付かぬかのう」
不満気にぽつりと呟いた言葉に復帰は眉を寄せた。何が、と。
「思い違いも甚だしいぞ」
そう言いながら体が薄れていくのを悟る。ようやく時間だと対抗棒は笑って見せた。
「おぬしは崑崙を守ったではないか。誰でもない自分の意思で」
徐禍を守れはしなかったが――そう付け足しながら目を瞑るのは罪悪感から。それにて完全にその場から消えていった。
残ったのは黒き影の小さな人が一人きり。
その顔は酷く間の抜けた顔をしていた。
守りたかったものを守れた幼い魂を恨めしく嫉妬しながら羨ましいと思っていた。
復帰が復帰として意思を持っていた時、守りたいものを守れずに破壊されるのを見過ごし、あの悲しい同郷の人をも助けられずに。
なんて無能なのかと少し卑屈なことを思っていたが――
口を結ぶ。
その顔には小さな笑みが浮かべられていた。
□ STOP ピッ◇ ⊂ (・∀・ )イジョウジサクジエンヲオトドケシマシタ
対抗棒の本命の有無や誰かはセルフでお願いします。
勢いでやった。たぶん反省はして(ry
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ア力ギの闇に降り立った天才×昭和の怪物。
なぜか結婚してます。ふざけてて済みません。
411 :
1/3:2006/04/02(日) 00:34:48 ID:/FsHogEw
もうもうと立ち上る湯気の白い薄幕に隠れ、肩どころか鼻先まで湯船に沈んだ鷲頭ぃゎぉが紅葉のように顔を赤くして、また同じ言葉を繰り返す。
「一緒には寝ないっ…!
絶対」
可愛い可愛い俺のぃゎぉは、おそろしく頑固で、操縦が難しい。だが、それも楽しい。
湯をかき分け、俺が距離を詰めると、あわあわしながら湯船から飛び出す。
俺のことを恐れている節は、以前からはっきりみてとれたけれど、今は微妙な位置にある。
本気で逃げない。
距離を取っては、自分の言葉に俺がどんな反応をあらわすのか様子を見ている。
いい年して、まるで女学生のように純情だから…。どれだけ手が掛かっても、ぃゎぉは憎めない。
愛すべき俺の仔猫チャン。
「どうして?
ああ、緊張で腹でも壊したか?」
俺もお返しとばかりにいじわるしてみる。
あいにくぃゎぉは緊張などで体調を壊すほどにデリケートではない。俺としては少しつまらないけれども、事実だから仕方ない。
内輪でひらいた結婚式でも平然そのもので、始終泣き濡れていた吉丘のほうが印象に残っているくらいだ。
「冗談ではない…!腹など壊すものか…!
このわしが、おまえ如きにストレスを受けるわけがないっ…!」
412 :
2/3:2006/04/02(日) 00:35:50 ID:/FsHogEw
足元がおぼつかないのか、床にへたりと踞みこむと、ぃゎぉは否定の意での首を振った。その後は案の定、キュートな小動物のように俺に噛みついてくる。
普段は血の気がおそろしく引いてるように見える顔も体も、今の興奮状態と入浴のお陰で、つやつやの健康色になって、輝くようにきれいになっている。そのうえ、水滴をしたたらせた裸体はとても美味しそうだ。
どう料理してやろうか…。
「なにその格好は?あんた処女のクセに大胆だよな…。
オレのこと誘ってるのかよ?」
ふっ、と鼻先で笑ってから、俺はぃゎぉの全身を舐め回すように眺める。
無論、笑ったのもねちっこい視線も、わざと。全て、狙ってのこと。
挑発に挑発を重ね、引き返せないところへと追いつめ、ゆっくりじっくりぃゎぉを味わう。
最高じゃないか。博打を打っているときよりも気持ちがいい。
血が騒ぐ。
「うぐぐっ…!」
仔猫が唸る。
恥ずかしそうに身を縮めても、タオル一枚持つでもなし。育ちがいいから、基本的に対応がおおらか。はっきり言えば、とろい。
ただただ、半泣きの目で静かに俺を見る。
俺だけを見つめる。
413 :
3/3:2006/04/02(日) 00:36:53 ID:/FsHogEw
この目がいけない。俺を狂わせるのは、ぃゎぉのこの目。
「…ふぅ」
俺も湯船から上がり、ちいさく丸まったぃゎぉの側に跪く。こんなところで座り込んでいるくらいならば、早く浴室から出てしまえばいいのに、本当に仕方のない俺の仔猫チャン。俺のお姫サマ。俺の大事な大事な奥さん。
湯冷めしかかっている掌をすくい上げ、柔らかく握る。俺は唇を寄せ、ちゅっ…ちゅっ…とそこにかるく触れた。
「ひっ…!」
びくっ、とぃゎぉの体が震えあがった。顔色の方も、赤くなったり青くなったりなかなか忙しそうだ。
「折角の初夜じゃない…。
優しくしてやるから…さ」
俺はにっこりと笑って、今度はぃゎぉの唇に触れる。当然、舌を入れ、口付けた。
うん。…悪くない。
思う存分、俺の気が済むまで口付けを繰り返していたら…、
「死んじゃう…死んじゃう…」
と、どこかで聞いたような言葉の後、消え入るような吐息をもらし、ぃゎぉの体が力を失った。
「え?
…ええっ?」
死にこそしなかったが、ぃゎぉはその晩から熱を出して、初夜どころではなくなった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お昼に牛丼食ってたらいきなり降りてきた。今はちょっと反省してる。
ぅゎ ぃゎぉ ヵヮィィ
ぃゎぉ ヵヮィィょ ぃゎぉ
>>414 タイムリーな萌えをありがとう‥っ!
優しいお姉さん‥っ!
ツヅキキタイシテモイイ‥?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| オリジナルの高校生モノです。エロはなし
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| コーコーヤキューに萌え過ぎたらしいよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ モデル校は作者の脳内にのみあるので気にしないよーに
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
419 :
1/8:2006/04/02(日) 04:06:06 ID:SHQxHjQE
「おうい、飲んでるっ?」
「…ジュースだよ」
分かってるよ、と白けもせずへらへらした笑顔のまま答えて、トイレから戻ってきたタツは
俺の隣に座った。
母さんが俺たち用に部屋まで持ってきてくれた夕飯も、さすがにそろそろなくなりかけてる。
飯の全滅よりも先に、来ていた他の二人は家へ帰った。へとへとな俺たちの体を考えれば、当たり前だ。
甲子園からここまで帰るだけでも、長旅だった。移動中は試合終了直後の疲れから皆口数も少なく、
その重い空気は今日の結果と相まって、故郷に到着するまでどんよりと俺たちの頭上を覆ったままだった。
負けた。
ただの事実なのに。その一言を口にするのが、怖いみたいに。
特に俺に対しては、皆そんな感じだった。
『負けちゃったな』
そんな風に今日の試合を話してみたい、なんて漠然と思っていた俺の口も、自然と閉じられた。
けれどその沈黙だけで解散しきれないやつらが他にも3人いて、俺の母さんが「今日はお料理するわ」
なんて気前よく言ったがために、夜遅くに着いたにもかかわらず俺の部屋で飯を食っていたのだ。
俺の家に呼んでおいてなんだけど、正直こいつらはバカだと思う。
420 :
1/8:2006/04/02(日) 04:06:49 ID:SHQxHjQE
そして中でも極めつけのバカだけが俺の部屋に居残ってテレビゲームをしている。
「お前、疲れてんだから、そろそろ帰ったら」
時刻はもうとっくに真夜中といっていい。
「うぇー。疲れた仲間をこの時間に追い出す?」
「泊まってく気か?試合当日の晩に?」
「親にはお前んち行くって連絡したもん。別に泊まったって」
「寝る気あんの」
「目ぇ冴えちって」
ミスってプレーヤー殺されたタツが、リセットを押しながら言う。
目が冴えているのは俺もだろう。でも体は鉛のように重い。こういう時に「鉛のよう」なんて
言うんだろうな、と実感が沸くくらいに。
無言でゲームを再開するタツの横で、もう一口ジュースを飲む。暖房をつけていても、むき出しの床に
座るのは冷たい。甲子園は――
「熱かったな」
急にタツが口を開く。
心を読まれたようで、思わずびくっとした。
「……何が」
「今日の試合」
「ボロ負けじゃねえか」
「それでもさ」
ぼうっと見ていた画面がポーズに切り替わる。
「いつも冷たいお前が、今日は、熱かった」
横を向くと、笑顔のタツの顔が、意外なほど近かった。
421 :
3/8:2006/04/02(日) 04:08:03 ID:SHQxHjQE
いつも、俺が冷たい?
訊くと、いい意味で、と慌ててフォローされた。
「ピッチャーは冷静じゃないと」
「今日は、冷静じゃなかったって?」
自分で言って、背中に氷を押し当てられたような感触が走った。
今日、だ。太陽が沈む前。
遠く離れた地のマウンドで、
俺が放った球が、
打たれていった。
「今日のお前はさ、」
何度も試合を経験したって、打たれるたびに心が揺れる。
球筋がそれたか。気が焦ったか。読みきられたか。
何が悪かったのか。
なぜ俺の球が、あんな遠くへ落ちるのかと。
「いつもより、無表情だった」
熱くなってるとそうなる、とタツは笑う。
こいつは、いつだって笑う。
バッターボックスのタツは、剛速球を空振りしても、監督から怒鳴り声が飛んでも、どんな局面でも
笑っている。
次はどんな球で来るのかと、相手のピッチングを楽しみにしているように。
わくわくしている子供そのものの顔で、バットを構える。
422 :
4/8:2006/04/02(日) 04:08:57 ID:SHQxHjQE
「…熱くなってたつもりなんて、ねえよ」
「そりゃそうだろ。俺しか知らないもん、その癖も」
「…お前は、笑ってるとき、熱くなってんの」
「俺はいつも熱いよ」
タツはおもむろに立ち上がった。そして、お前と野球してるときは、と付け足した。
「だってお前の投球見てると、燃えるんだ」
何て答えていいのか分からない。
「タツは…なんでいつも、笑ってんの」
「ムカツク?」
冗談めかした返事に下から見上げると、顔をそらすようにタツはベッドの方に向きを変えた。
声の調子とは裏腹に、珍しく真顔が一瞬チラリと見えた気がして、驚いた。
「タツ、」
「監督とか、みんなに言われる。ヘラヘラしてんじゃねえぞって」
「ちが、俺は」
ピンチの打順が回ってきても。ツースリーで追い込まれても。
そして、俺が失点してベンチに帰ってきたときも。
絶対、こいつは笑顔で迎えてくれる。
いつからか、それが自然で、そう信じるようになってて、
それはある意味で俺の信仰ともいえた。
「楽しいから笑ってんだよ。ほとんどそれだけ。強い奴って楽しい。ピンチも楽しい。お前だったら
分かるよね?それに、ピンチで笑わないでどうすんだよ」
423 :
5/8:2006/04/02(日) 04:11:51 ID:SHQxHjQE
俺が、投げれるのは。
投げるからには、失敗するかもしれない。でも。
打たれても、大丈夫。そう信じられるのは。
一人で守ってるわけじゃない。外野も、内野も支えてくれる。
サードに転がれば、タツが。
きっちり抑えて、俺に、笑顔を向けてくれるはずだから。
もし点を取られても、その笑顔は変わることがなくて。
次の回で、俺たちが取り返してやるから。そう言ってくれる。
そう信じているからこそで。
「ピンチで、それでも最後には勝利掴んでる自分たち想像して笑えないで、どうすんだよって」
最後には、勝利。
窮地に立たされた打者が、それを信じて。とりあえずでも塁へ出て、イメージへの確信を仲間に
与えるために。それは――
願い、だ。
「誰かを責めたって、始まらない。試合中は、そう思ってたんだ」
負けが確定したその瞬間でさえも、泣き崩れた後輩を励ますために、タツは笑顔を引っ込める
暇がなかった。『もう行くぞ、大丈夫夏がある』
やっぱり、こいつの笑顔が、願いそのものなんだ。
歪むことのなかった笑顔を思い出した瞬間、向けられている背に、今見えないタツの表情に、不安になった。
タツは俺のベッドに勝手に飛び込んだ。
「おいタツ、」
424 :
6/8:2006/04/02(日) 04:18:57 ID:SHQxHjQE
俺を責めたいなら、今責めてくれれば。
それでもいいから、こいつの価値を伝えたい。俺は突っ伏したタツの方に身を乗り出した。
お前にどれだけ救われたか。俺も、皆も。いや――俺が。
今伝えたい。
「…ごめんな、守れなくて」
思ったより大きい声が出た。言った瞬間に、涙が出そうになった。
本当は帰り道、バスの中で、大声で叫びたかったんだ。
「…ッ、お前は絶好調だったじゃんか!」
ばっと顔を上げたタツは、そう叫んで唇をかみ締めた。
――こんな顔、するのかよ。
薄く涙が滲んだ目に、何と言っていいか分からなくなる。心臓が早い。
「タツ…」
「お前は思わなかったのかよ、うちの守備とか、あいつらボロボロ落として!お前がどんなに
綺麗に投げても」
取り乱したところなんて、見たことなかったのに。
思わずタツの肩を押さえて、宥めるように見つめる。つられて泣きそうだった。そんなことできない。
いつも、顔をしかめた俺を救ってくれる側だったんだ。
「タツ、俺はみんなが一緒に頑張って練習してきたのを見てるし、」
「でもお前が一番練習してただろ!」
タツへ伸ばした俺の手が、きつく掴まれる。
「俺は知ってる。お前はなるべくしてうちのエースピッチャーだった。なのに今日のあいつら」
「やめろってタツ!」
「だって今日のお前――」
俺の手をとったまま、タツは急に体を起こした。
「ほんとに、綺麗だった」
タツは真面目な顔をしていた。でもその目は、あの笑顔の目。敵の次の球を期待してる目で。
まっすぐな興味と尊敬が、俺の目に直接注がれている。
一瞬、何も考えられなくなる。
痙攣したように唇が一度震えた。
425 :
7/8:2006/04/02(日) 04:19:55 ID:SHQxHjQE
本当は、
「…俺、調子良かったよな?」
それでも守りきれなかったとしても。
「…もち。うちのエースの、ベストコンディションだった」
本当は、それを誰かに認めてほしかった。
負けた。その結果の後では、とても口に出して言えることじゃなかったのに。
一度開いてしまった俺の口は、訥々と愚痴のように言葉をこぼし始めた。
「相手の打線、覚悟はしてたけど凄かったよな」
「うん」
タツはそっと相槌を打ってくるだけ。
「コントロールはいつもより決まってるとは思ったけど、それだけじゃ防げなくて」
「うん」
「打線も、うちがふがいないわけじゃないのに」
「相手のピッチャーも凄かったしね」
「守りは、」
「…うん」
…うん。
あそこで落とすかなあって、一回だけ、思った。
正直に言ってみた。
「うっそ、一回だけかよ、優しすぎだろお前!俺四回は思った」
「いやだって基本は俺が打たれなきゃいい話で」
「ありえねー…真面目すぎ!」
「そんなボロクソに言うなよ…」
ついたしなめるように言ってしまうと、不貞腐れたように
「分かってるよ、俺だって。あいつらが頑張ってたことくらい」
それからタツは、やっと笑った。
珍しく苦笑いだった。
「ただ」
「ただ?」
「ユウが、めっちゃ頑張ってた分、悔しいなぁって」
タツの手が伸びてきて、俺の目を擦る。
426 :
8/8:2006/04/02(日) 04:20:51 ID:SHQxHjQE
いつのまに。
「泣くなって」
「泣いてねーよ!なんでお前が俺の分悔しがってんだよ」
一度自覚したせいか、ぼろぼろと零れ出す。
「それはお前」
「何だよ!」
「…もっかい言おうか?」
結構さっき、思い返せば恥ずかしかったよな、とタツが視線をそらす。
「は?」
「はい、前向いて」
頬を手で挟まれて、ぐいっとタツの方を向かされる。
「今日投げてたお前、ほんとに綺麗だった」
今度は、いつもの満面の笑みで、言われた。
フォームの話だろうか。そう思っておこう。
でないと、なんか、あれ?何だろ?でもなんか、とにかくアレな感じ。
よくわかんないけど、俺がもたないカンジ。
「…気持ちわりーよ」
「わりーなぁ、うん。本音って気持ちわりーんだよきっとみんな」
「バーカ」
タツの手を振り切って、不自然に突然、床の皿を片付けてみたり。今日やっぱ泊まってく、と今更
俺の背に言うタツに枕を叩きつけて、それから、二人分ジュースをついだ。
夏は、負けない。
投げる俺を、お前が見ててくれるから。
今日は祝杯にはならなかったけど。この乾杯で誓おうか。
振り向くと笑顔があった。俺は、つられて笑うと、グラスを上げてみせた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 長くてごめんね。ホントハエロクシタカッタノニ…
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>418
うーわーたまんねーGJ!
萌えたっていうか、燃えたっていうか、キュンときたよ。
たいへんおいしゅうございました。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某コーシーCMネタ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 久々に見たら萌えてしまい勢いで書いた
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
430 :
1/2:2006/04/02(日) 13:53:08 ID:WFn/Wfz2
確かここの話をしたのは、二週間前に二人で飲んでいたときだったと思う。
「ハワイにすごく星が綺麗な場所があるんですよ。地球一って言われるくらいの…」
そんなふうに、ほろ酔いのふわふわした気分に任せて自分の趣味をうっとおしいくらい喋った。
彼はそれを楽しそうに聞いてくれて、そう、それでこう言ったんだ。
「じゃあ行こうよ!再来週の連休、予定ないって言ってたよね?」
あまりに現実味のない誘いで最初は戸惑っていたんだけれど、あの無邪気な笑顔で
「連れて行ってよ」なんて言うものだから、僕は結局頷くしかなかった。
「ほんとに来ちゃった…」
たどり着いた山頂でぽつりと呟くと、彼は不思議そうに首を傾げてみせる。
こういう唐突な旅行に慣れているんだろう。やっぱり芸能人は豪快だな、と妙に感心してしまった。
辺りはもう薄暗くなっており、天には無数の星が輝いている。
「やっぱり本物はすごいなあ」
それを純粋に美しいと思う反面、こういうのが作りたいんだけどなあと再現率の限界にため息が漏れた。
「大衡さんのプラネタリウムもすごい」
首が痛くなりそうなくらい上を向いていた彼が、唐突に言う。
彼はいつもこうだ。いつもいつも、タイミングが良すぎる。いつも嬉しくなることをさらりと
言ってしまう。だから僕は…
ずるい、な。そんな思いを込めて呟く。
「柄沢さんも、すごい」
「何が?」
431 :
2/2:2006/04/02(日) 13:54:02 ID:WFn/Wfz2
あっけらかんとした声音で聞き返してくる彼を見て、胸がぎゅっとなった。ずっと、僕の心を
奪うものは空にしかないと思っていたのに。
「…なにがだろう」
答えた僕はきっと泣き笑いみたいな顔だったに違いない。見られたくなくて顔を逸らした。
手元のコーヒーに視線を落とすと、そこにも星が揺れている。飲むのがもったいなくて
僕は小さく映し出された宇宙に星座を探した。
突然、髪を梳かれる感触がして隣にいつ彼を見る。すると彼は困ったような顔で笑って
僕のこめかみにそっと口付けた。
「え…」
「俺なりに解釈してみたんだけど」
間違ってた?と恐る恐る尋ねてくる。たったこれだけのことで早鐘のように打つ鼓動が
恨めしくて、でもしょうがない、彼がずるいだけなんだ、そう思う。
僕は彼以外の誰にも聞こえないように小さく答えた。
「せいかい、です」
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ エロなし…つかゆるゆるでゴメス
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>432
うわっ萌えた!なにそのかわいらしい人達!
もうCM普通に見れないよー!
オリジナル 長編の一端
|>ピッ ◇⊂(・∀・)
コンビモノラシイヨ
電話を切って時計を見ると、既に今日が昨日になっていた。窓を叩き付ける雨は土砂降りのまま、やむ気配を見せずにいる。
宵の口、依頼人が震えた声で第一報を寄越してきたのが、コトの始まり。仲介してやった護衛の仕事中、守るべき少女ともども奴が消えて約6時間。
その間、私の携帯にかかってきた電話は、依頼人から2本と警察から1本、そして、名乗らぬ内に何者かの罵声と細い悲鳴を残して途切れた1本、それだけだ。
今し方の連絡は、知己の警察官から。監禁先から逃げてきた少女を保護したという。
ただし、奴の安否は、いまだ判らない。
彼女から聞き出した現状を手短に伝え、警察官は慌ただしく電話を切った。恐らく、上司に呼ばれたのだろう。用済みの携帯電話をワイシャツの胸ポケットに収め、最悪の事態は免れたかと安堵する私の脳裏をされどその時、通話の最後に残された言葉がよぎった。
…あなたは、そこで待っていて下さい…
何故、彼はあんな事を言い残したのだろうか。
奴と私の間には、ビジネスライクな繋がりしか存在しない。
自他ともに認める遊び人から見れば、冗談一つ通じない男などつまらないであろうし、私から見ても奴は下らない人間だ。
436 :
2/7:2006/04/02(日) 17:52:04 ID:MFRAiO8K
偶然巡り会い、たまたま5年以上取引している、私営のボディガードと仲介人。
こちらの都合でものを言うなら、依頼人が満足し、適宜な報酬さえ頂ければ、請けた仕事が原因で奴が死のうと狂おうと、知った事ではない。
代わりは…私からの連絡を待つ者は、いくらでもいるのだから。
第一、泥酔状態で一度上がり込んだだけの所を選ぶ理由もないだろう。
お互い、必要としているのは、プロとしての手腕のみ、それ以外に期待する事など、何ひとつ…
警察官の見当違いを鼻で笑ったまさにその時、雨とは違う水音が、微かに聞こえた。降りしきる単調な雑音にうんざりし、カーテンを閉ざして尚も止まぬそれは、密かに、確かに、こちらへ近付いて来る。マンションの廊下など、誰が通っても不思議ではない。
当然の答えに行き着いて、なのに私の耳は、記憶する靴音と僅かでも似ていないか、滑稽なほど必死に聞き分けている。
酷く頼りない足取りは、はたして私の部屋の前とおぼしき位置で、止まった。
鉄扉が軋む音に施錠忘れを思い出して、振り返った刹那、多量の水を含んだ気配が無断で玄関へ踏み込み、上目遣いで私を見やる。
437 :
3/7:2006/04/02(日) 17:53:30 ID:MFRAiO8K
よぉ…壁に寄りかかった姿勢で片手を挙げ、奴が笑んだ。
カシミアの黒いコートとフルオーダーのスーツを泥と血で汚し、ずぶ濡れた姿は、がっしりとした体躯を一回り小さく見せる。用意していたバスタオルを引っ掴み駆け寄ると、息も絶え絶えな声が、ごめんね、と呟いた。「ここしか、思いつかなくって、さ」
頭から被って乱雑にかきむしるタオルの下、殴打されたらしい口許と、乱れほつれる前髪、そして鈍く陰った瞳が垣間見える。
「色男が台無しだな」「でも、水も滴るいい男、だろ?」
先ほど知己から聞かされた事が本当なら、口を利くのはおろか、まともに歩くのさえ、困難な筈だ。
「連絡があった。彼女は無事だ」
安堵の溜息をつく奴からタオルを受け取り、ついでに肩を貸そうとしたが、大丈夫だと拒まれる。
意地と虚勢だけは人一倍らしい。
「悪いけど、水一杯だけ貰える?飲んだら、すぐ消えるから」
奴は少女と一緒に捕まり、監禁され、どうにか逃げだした。
しかし…
コートを脱ぎもせず、洗面所へ向かおうとしたその腕を引き止め、口調だけは冷静に問い掛ける。
「お前、クスリを打たれたそうだな」
「…知って、たんだ」次の瞬間、前触れもなく奴の体が、崩れ落ちた。
438 :
4/7:2006/04/02(日) 17:55:16 ID:MFRAiO8K
咄嗟に支えようとして、されど頭一つ高い背中は存外と重く、もろともに膝をつく。
じっとり濡れた布が張り付く気色悪さより、凭れかかる体の冷たさに身震いし、うなだれた顔を覗き込めば、瞼を閉ざしたまま、大丈夫だからと弱くかぶりを振られた。
説得力のない反応を無視して楽な姿勢をとらせようとしても、冷えきった両手で私の胸を突っ撥ねる。
「お前に迷惑かけたくないんだ!」
険しい表情で怒声を張り上げ、しかしそれが気力の限界だったらしく、今度こそ奴は床へ昏倒した。
最初から肩を預けていれば、無様な処を見せずにすんだものを…冷蔵庫へミネラルウォーターを取りに行きながら奴を笑って、追い出すどころか匿ってしまった自分をも笑う。
これは、慈悲ではなく恩を売っているだけ。後々、私の立場を有利にし、奴が逆らえないようにする…ただ、それだけ為に。
「打たれてから、どれくらい経つ?」
重たげな衣擦れに後ろを振り返ると、背中を丸めた寝姿がこちらを向いていた。
「…5時間かな。自白剤だったみたい」
空ろな眼差しに一瞬、禁断症状を危ぶんだが、思考回路は正常らしく、私の言葉を正確にとらえ、返している。「なにを聞かれた?」
439 :
5/7:2006/04/02(日) 17:56:44 ID:MFRAiO8K
答えてないから、覚えてない…プロとして当然のいらえに当たり前だとうなずき、ボトルを手に引き返す。
仕事柄、その手のクスリには耐性があると、日頃から豪語してきた男の事、明日になれば、何食わぬ顔で出て行くに違いない。
と、奴の利き手が億劫そうにコートの内側を探り、ほどなく銀色のピルケースを取り出した。
中から転がり出たのは、小さなカプセル。
市販品と思えぬどぎつい赤を数粒掌に落とし、最後の頼みと囁く声が、背筋と脳で冷たく反響する。
「大概のものは解毒してくれるんだけど、遅効性でね」
手近にあったソファに上体をもたせかけた途端、頭部が再び前のめりに脱力した。
「今回は、ちょっと頑張り過ぎちゃったかもなぁ…クスリが抜けるまで、ココが保ってくれればいいんだけど…」
正直言って、賭けだよ…言いざま、震えの酷い指でこめかみを示し、薬を口へ運ぶ。
「俺が水を飲んだら、なんでもいい、手足をキツく縛って、鍵のかかる部屋に放り込んでくれ。いいか、静かになるまで絶対に開けるなよ」
奴が死のうが狂おうが…私の常套句は、現実のものとなった。
440 :
6/7:2006/04/02(日) 17:58:33 ID:MFRAiO8K
「遺言は、あるか?」
片膝をつき、せめてもと尋ねかければ、荒い呼吸が笑いに歪む。
「やっと、お前の慌てふためく様が見られた」
苦鳴を漏らしながら顎を上げ、己の右手を眺めた眼差しは、しかし恋人を相手するかのように優しかった。
「さっき、心臓が凄い音、立ててた。俺のこと、少しは気にしてくれていたの?」
言われて初めて、身の内を震わせる鼓動に気付く。
耳奥を強く打つ血脈は、いつから理性と冷徹を忘れたのか…。
勝手な解釈を招くと判っていながら沈黙し、見つめ返したその時、奴の瞳が不意に生気を取り戻した。
「お前とは、もっと遊びたかった…な」
酔い潰れた奴を抱えて歩いた、いつかの夜道が、初めて会ってから今日までの下らない記憶が、脳裏をよぎる。好きな酒、嫌いな食べ物、悪いクセ。
いつの間に知られていた、私の癖。
色褪せない、思い出。「ろくでもない人生だったけど、お前のいた時間は楽しかった」
知己の言葉がどこからきたものなのか、やっと解った。
奴の代わりは、どこにもいない。
441 :
7/7:2006/04/02(日) 18:00:04 ID:MFRAiO8K
言葉が途切れたと同時に再び、奴の瞳が暗く濁り、全身を小刻みに震わせ始める。
いよいよ、禁断症状へ陥ったようだ。
薬が口腔で溶け出す前に水を渡し、言われた通り拘束すれば、面倒は終わる。
が、差し出された手が触れる直前、私は奴からボトルを引き離した。待てども与えられぬ水に痺れを切らしたか、奴の下顎が微かに上向く。
あとは、とても簡単だった。
ボトルを傾け、二口三口含みとどめた水を奴の唇へ注ぎこむ。
喉が嚥下するのを待って、肩へ置いた腕に体重をかければ、気力も体力も尽きた体は、いとも易く私に従った。離した唇が、馬鹿と動いたのを無視し、背中を抱き締める。
クスリのもたらす悪夢が、奴と私をなにものに変えるのか、興味があった。
「狂うなら、ここで狂え。だが…死ぬのは許さん」
ベタだったかな…
□ピッ ◇⊂(・ω・`) ナガナガスマソ
>>429 GJ!カタチにならなかった萌えがカタチになった気分です。
良いストーリーありがとう!やっぱ萌えるわあのCM
>>429 某コーシーのCM!まさか萌えてる人がいようとは!GJGJ!
大衡さんって素人さんなんだけどなかなかステキデスヨネ?!
>>442 萌えました。
続きあり?展開が気になる・・・・。
>>418 ゴッジョブ!!まさに青春
胸にグッときますた!!
モデルさんは脳内でコソーリ当てはめておきます。
エロモ コソーリ キタイ…
>414
死んじゃう死んじゃうするぃゎぉヵゎぃぃょぃゎぉ
続ききぼん。
>429-432
GJ!!
可愛らしいやりとりに(*´д`)ハァハァ
ラストの一言が愛らしい!ゴチになりました!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| またアカギかよ!
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| またナンゴウさんだよ!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
451 :
1/6:2006/04/03(月) 19:41:47 ID:lrUsr4Qd
違う違う、そうじゃないんだ、と南郷は心で叫びながらアカギの後を追っている。
(そんなつもりじゃなかったんだ。)
先に「お前を連れてくるように頼まれている」と、そう言わなければならなかった。
なにかやっかいなことになると容易く想像できたはずなのに、南郷がそうしなかったのは
周りの目をはばかってというよりも、6年ぶりの再会に有頂天になりすぎたせいだ。
あの玩具工場を訪ねた時には、どれほど自分がその身を案じていたか恨み言の一つも
言ってやりたい気でいたが、彼が無事でいたという安堵、自分を覚えていてくれたという喜びで
なにもかも吹き飛んでしまった。
「どうしたの、南郷さん」
まるで年月の空白なんかなかったかのように話しかけてくるアカギの声で、すべてが報われた気がした。
思っていたよりずっと背が伸びていて体つきにも精悍さが加わり、どこから見てももう一人前の男だ。
それでもやはり、見間違えようもないあのアカギだった。
…会いたかった。
ずっとその声が聞きたかった。
それだけで十分だった。
452 :
2/6:2006/04/03(月) 19:43:08 ID:lrUsr4Qd
そんなふうだったから、ばかばかしいことに石川に道をふさがれるその時まで
アカギを訪ねた用件を本当にまったく失念していたのだ。
自分がヤクザに頼まれてアカギを呼び出すという役目を負っていたということを。
そういうことか、というアカギの醒めた声に
「会って話をするだけでいいっていうから…」
しどろもどろに言い訳がましいことを口にしたが、アカギはもう南郷を見ようとしない。
それまで確かにあった、アカギと南郷の間のなにか通じ合うような空気は霧散していた。
そしてようやく悟った。
自分はアカギを嵌めたのだと。
もしも小遣い銭でももらって囮になったのだと思われているなら、せめてその誤解だけでも解きたい。
川田組に居る間は南郷はただおろおろとその成り行きを見守るばかりで、そんなことを言い出す間もなかった。
組を出て繁華街を抜け、アカギに追いついたのは湿った水路の臭いのする裏道にさしかかったところだった。
「アカギ!」
南郷は夢中でアカギの腕を取っていた。
あれほど切望していたはずの再会が、どうしてこんなことになったのか…。
すまなかった誤解なんだと一気にまくしたてながら、だんだん涙声になっていく自分の情けなさに
南郷はまた泣いた。
453 :
3/6:2006/04/03(月) 19:43:42 ID:lrUsr4Qd
「南郷さん、あんた本当にしょうがないね…」
やっと顔をあげてアカギを見て、驚いた。きっとあの目で冷たくあしらわれるものと覚悟していた。
それなのに、アカギは笑っている。
その声はむしろ柔らかい。
「それはもう、いいんだ。言わなくても。」
わかってる、とアカギは言った。
「俺の居場所だけ聞き出したら後はあんな連中ほっておけばいいのに、なにを律儀に。」
言われてみればその通りで、居場所を知らせてもらったと妙に恩を感じて断りきれず、
アカギを連れてくる約束をしてしまったのは、いかにも愚かだった。
義理立てしてやらなくてはならないような相手ではないとわかっていても、南郷にはその狡さがない。
「困った人だな、南郷さんは。」
なにか反論したかったが、言葉が出なかった。
今度は安堵のあまりぽろぽろと涙が落ちる。
「なんだよ、わかってるって…だって、お前…!」
あれからずっと背中で拒絶されていた。だからこんなに不安になったのだ。
「南郷さん、もうこれからは誰が訪ねてきても俺のことなんか知らないって言いなよ。」
その言葉にうつむいた南郷の気配を察して、アカギは「そうじゃなくて」と言った。
「俺に関わっちゃいけない、と言ってるんだ。」
454 :
4/6:2006/04/03(月) 19:44:39 ID:lrUsr4Qd
けして冷たい言い方ではなかったが、南郷はアカギが煙草に火をつける仕草を見ながら
ああやっぱりそうなのか、と思った。
今夜ここで別れてしまったらきっともう二度と会えないのだ。
アカギはそういうつもりでいるのだろう。
「なんでだろうね。俺が……た人は皆……。」
独り言のようにつぶやかれた言葉はほとんど南郷には聞き取れなかった。
「まぁいいか。」
アカギはその独り言の最後に「俺のせいってばかりでもないしな」とつけたして、苦笑した。
若くして才能に恵まれ、願って叶わぬことなどなにもないように思えるのに
どうしてそんな暗い笑い方を身につけたのか。南郷には知りようもない。
「南郷さんは、俺と関わってもまともだった最初の人。」
「最初?」
「…もしかしたら、最後かもね」
アカギはまた笑った。
「だから、もう俺と関わっちゃいけない。」
南郷にはアカギの言っている意味はわからなかったが、それでもなにか悲しいことを
口にしているのだということは理解できた。
455 :
5/6:2006/04/03(月) 19:46:02 ID:lrUsr4Qd
「…お前は…お…」
南郷はなにか言いたかった。けれど、言えることはなにもない。
自分とアカギはなにもかも違いすぎると自覚がある。
自分はアカギの傍に居たいと願うことさえ許されない、脆弱な凡人だ。
彼の求めるものなどなにひとつ持ち合わせてもいない。
関わるなと言われてしまえば、アカギが自分を遠ざけようとするのに抗う術はないのだ。
アカギという人間は一言で言うなら天才なのだろうと思う。
それも異能の天才。この世に誰一人自分に似た人間のいない人間。孤高。孤独。
「俺は独りが好きなんだ。地獄の底まで独りで行くさ。」
指先から伝わる体温で、いつのまにか南郷は自分がアカギの腕のその肘の下のあたりを
また掴んでしまっているのに気づいたが、アカギが振りほどこうともしないのに甘えてそのままにした。
唐突に、南郷はしゃべりはじめた。
「死ぬときに、好きな人が手を握っていると、天国に行けるんだ」
子供のころに、無学で信仰もなかった母親から寝物語に聞いた話をこんな時に思い出すのは
我ながらおかしいと南郷も思ったが、話すのをやめたらきっとまた泣いてしまう。
「だから、お前は地獄になんか行かない。お前はこれからきっと、お前のことをすごく好きなってくれる人に
会って、死ぬときにはその人が手を握ってくれる。だから、地獄には行かない。行かないんだ。」
(ああ、だめだ…)
こらえきれずにぽろぽろと涙が零れ落ちた。
456 :
6/6:2006/04/03(月) 19:46:39 ID:lrUsr4Qd
息遣いさえこんなに近くに感じられるのに、アカギが遠い。
「じゃあ、俺がこの先なにをしでかしても全部チャラか。」
「そうだ、全部チャラだ。ナシになって、天国へ行けるんだ。だから、絶対そういう人を、
探さなくちゃいけないんだ。」
それが自分ではないという悔しさと、バカな話にアカギはきっとあきれているだろうという恥ずかしさで
南郷は顔を上げられなかった。
独りで生きてくれるなと、そう伝えたいのに、うまく言葉がみつからない。
「いいね、それ。」
アカギの声は笑ってはいなかった。
「南郷さんがそう言うなら、きっとそうだ。」
そう言って南郷に背を向ける。静かに指がほどかれる。
これでもう二度と会えないと、お互いにそう思っている。
それでも「また会おう」と約束する。
この世のどこかにアカギの熱に引きずられもせず押しつぶされもしない
そんな強い人間がきっといて、いつか必ず出会ってくれと南郷は祈る。
あの潔癖すぎる魂が自分の選んだ生き方に疲れきってしまわぬうちにと。
遠い未来か近い将来かはわからないが、いずれはアカギにも必ず訪れる死の床で、
どうかその手をとってやり、その時アカギはすべてに満たされて、どうか笑っていてくれと。
これから先の自分の人生の、すべての幸運を賭けて、そう願う。
夜の闇に消えていこうとするアカギの背に最後に呼びかけた南郷の声にもアカギは振り返らなかった。
けれども遠い街灯に照らされて、手をあげて応えるのが確かに見えた。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ポエマースイッチ入っててごめんね…っ!
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
長いのをざっくり切ったらこうなったっ…!
死ねば助かるのに的に無理やり投下するよ。反省しないっ!
>>457 GJGJGJ!!!!!
禿げる程萌えた‥っ!
ありがとう‥っ!優しいお姉さん‥っ!
>>450-457 ゴゴゴゴゴゴチでした!!!1!!
今から叫びスレ逝ってくる!!!11!
>>450 …なんて物を投下してくれるのさ…涙でディスプレイが見えない…。
>>450 ・・・っ姐さんグッジョーブ!!
切ないわ萌えるわ泣けるわでもう胸がいっぱい・・・!
>>450 GJ!
・゚・(つД`)・゚・
うぅ、モニタが霞んで見えないや。
>450
萌えたというより泣けた!
>>450 最後のくだりは反則だぜ・゚・(ノД`)・゚・。
GJ!
>450
「潔癖すぎる魂」という表現にとても同意。
アカギという人間が持つ魅力と、必然的にできてしまう他人との大きな壁をずばり言い表していると思います。尊敬!
それを理解はできるものの自分にはどうしようもない南郷さんの悲哀が涙…。
老アカギの最後を思うと涙が グスン
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
コンビ生活OAひとり前夜祭ってコトでひとつ(もう当日だが)。
ちょっと昨晩のは強烈だった・・・
「お、久しぶり相方君」
「あ、ホンマに久しぶりや」
「いきなりやけどV見たで。ばっしばっしケツ叩かれてたん」
「あれなぁ・・・痛かったわ。まだ痛いんやで、細かい傷がたくさんあってな」
「ほうほう」
「直後に飛行機で何十時間も座って余計・・・って何笑とん?」
「傷がたくさんあるんやーって」
「うん、まだ直ってない」
「ちょお、見して見して」
「何でやねん。何でオマエにケツ見せなアカンねん」
「あ、アカン?じゃ触らして」
「だから何でやねん。今さっきまだ痛いんやって、イターーーーっ!!」
「痛い?」
「痛い!触んなやっ」
「痛い?痛い?」
「エエ顔すんな!触んなって!ーーーもおぉっ」
「あーエエモン見れたわ。コレだけで今日来た甲斐もあるっちゅうもんやね」
「オマエ、最悪・・・」
「まぁ、海に潜る前で良かったんちゃう?俺はそれもオモロイと思うけどな」
「オマエはそやろな・・・」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
オチなしぶっち切れはすみません・・・
うーわ、当日ですらないや・・・
もう吊ってきまし。
>>450 朝から泣かせやがるっ・・・!
ゴチでした、youサイト作っちゃいなyo!
>>467 ありがとうありがとう萌えたよ!!
エエ顔するドSに禿げた。明日も楽しみですね。
>467
そうか今日は前夜か!!ありがとうモエと共にボルテージあがってキタァァァ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ライドウのニート×十四代目です。
セクロス注意!まさにヤマなし・オチなし・イミなしというお話。
本スレ見てて浮かんだ脱衣麻雀ネタです…。
はあ、とライドウは溜め息を吐いた。
目の前には得意げににやついた笑みを浮かべる男。常ならばきっちりと着込んでいるベストを脱ぎ、タイを緩めて釦を二、三個外している。
打って変わって自分は下着一枚の姿だ。やや見下すような鳴海の視線と合わないように、手に取った牌へ目をやった。
どうにも嫌な予感がする。が、今はこれしか切れる牌がない。ライドウはもう一度溜め息を吐くと、その牌を苛立ち混じりに場へと捨てた。
「はいはい!ロン!」
明るい声と共に手が伸びて来て、思わず身構えてしまう。鳴海の長い指は牌をつまみ、自牌の隣りに並べてから綺麗に倒した。
――国士無双。まただ、と半ば諦めに似た気分でそれを見る。
「さ、最後だぜ」
さらりと簡単に言う鳴海の表情は変わらない。寧ろ更に楽しそうな様子ですらあった。
三度溜め息を吐いたライドウは、静かに席を立つと素早く身に纏う最後の一枚を脱ぎ捨てる。羞恥など最早不要。全てを曝け出して鳴海の前へ移動した。
「君に恥じらいってのは無いのか?」
呆れたような鳴海の台詞に、ライドウは鼻で笑う。
「今更僕が恥ずかしがっても何も変わらないでしょう」
物好きな、と冷たく言い放つライドウの言葉は、堂々とした態度と相俟って居る。
「まあ良いか」
続く言葉は敢えて飲み込み、浮かべて居た薄い笑みへ僅かに苦い物を含ませた鳴海は、少年の細腰に手を伸ばした。
引き寄せる腕の為すが儘にしたライドウは、鳩尾の下辺りに唇を寄せる鳴海の肩に手を置く。見下ろしても頭頂しか視界には入らず、いつも行為の始まりは鳴海の表情を伺い知る事が出来なかった。
けれどそれで良い、とライドウは思う。この人がどんな事を考え、どんな思いを抱いているのかなど自分には関係無い。
腹の上を彷徨っていた唇が下方へ滑る。ほぼ同時に腰を引き寄せる腕に力が篭り、背後でじゃら、と音がした。
この後の行動は大体読める。…と言うより、いつも同じと言えば良いのか。
「…鳴海さんは余程これがお好きな様ですね」
優男な外見からは想像できない程、この男は腕力がある。軽々と雀卓に身体を上げられ、股の間に顔を埋めようとする鳴海に向かってライドウが思わず呟いた。
その言葉に対する鳴海の返答は、常より厭らしさを増した笑いだけ。一瞥する様な視線はライドウに冷笑を齎す。
だがそれも一瞬だけ。薄い唇と熱い口腔に中心を捉えられると、ライドウは訪れる快楽へと意識を霧散させた。
鳴海が吹っ掛けてきた賭け麻雀。賭けの対象が金銭から変わったのが何時だったのかライドウは明確に覚えて居ないが、事の始まりだけは鮮明に思い出せる。
これもまた、鳴海の発言だったからだ。負ける度に服を脱がせ、肌に触れ…大抵ライドウが負ける事の方が多い為、鳴海の要求は段々増していった。
くぐもった水音が耳元に届き、ライドウは急激に意識を引き戻される。無意識の内に癖のある鳴海の髪に指を絡ませている事に気付いて内心で苦笑していると、鳴海はそんな少年の心を読んだかの如く
に膨張した中心へ歯を立てた。
与えられた刺激は強く、やや低めの呻き声と共に小さく肩が跳ねる。追い詰められる様な手と舌と唇の動きに、ライドウは湧き上がる射精感に息を詰めた。
訪れた絶頂にきつく目を閉じて身体を小刻みに震わせる。ややあって通り過ぎた感覚に大きく息を吐き同時に視線を落とせば、口元を拭いながら見上げてくる鳴海と目が合った。
「何度言えば良いんですか」
「あ、やっぱり怒った?悪ぃ悪ぃ、ついな」
軽い調子で笑い、立ち上がる鳴海を冷ややかな視線で見つめる。初めて行為に及んだ際、吐き出した精液を飲まれた時は流石に焦りを見せてしまった。だが、それ以来何度言っても変わらない鳴海の
行動には既に諦めの境地に達していた筈なのに、つい口をついて出てしまう。
「まあまあ、良いじゃねーの」
抽斗の中から小さな瓶を持ってきた鳴海は椅子に座ると、スラックスを下着毎脱ぎ捨ててライドウの身体を抱え自らの膝の上に乗せる。下半身を密着させる位置で座らせるのは、相当溜まっている証拠
でもある。
「こんな事をしなくても、貴方だったらもう少し建設的な吐き出し方があるでしょうに」
「俺はライドウが良いんだから良いんだよ」
両腕を背中に回し、まるで抱き締めているような体勢で肩越しに視線を落として鳴海は小瓶から香油を手に取った。
また、顔は見えない。尻の隙間へ香油を掬った指が滑り、自分でも滅多に触る事の無い場所へ入り込む。良く慣らさないとね、と言う鳴海の低い囁きに、一度過ぎ去った快楽は再びライドウの元へ舞い戻ってきた。
肌に触れる綿のシャツは高価な分質は良いが、糊の効いた硬い襟元が擦れて痛い。しかし体内に入ってくる指が動くたびにそれすらも快感の元凶となり、自慰で得られるだけの物しか知らなかったライドウを翻弄する。
十四代目を継ぐという、この世に生を受けたときから背負った使命の中で得られなかった人肌の温もりに眩暈がする。
指が引き抜かれ、間髪入れずに指よりも太く熱いものが捩じ込まれて息を飲んだ。数える程しか受け入れた事は無いが、回数を重ねても慣れる事が出来ない。
「…痛い?」
「当たり前でしょう、こんな事に何の意味が…っ」
全部を言い切る前に掴まれていた腰を落とされた為、更に深く体内に入り込んできて言葉を失った。突き上げられる衝撃に、ライドウは僅かに背を逸らし、不安定な身体を支える様に鳴海の背に手を伸ばしてシャツを掴む。
「もうちょっと善がってくれたら嬉しいんだけど」
「何、馬鹿な事…っ、貴方みたいに、突っ込まれて悦ぶ癖は有りませんから」
「酷ぇなあ」
苦笑に似た鳴海の笑い声が首元を這う唇から零れる。抱えた気持ちは兎も角、教え込まれた快楽を覚えてしまった身体は、首筋に触れた熱い吐息に感じて素直に震えた。
気付いた鳴海が隙を逃さず更に突き上げれば、ライドウは苦しげに眉を顰めながらも腰を揺らめかせる。はち切れんばかりに猛っているライドウの中心は動くたびに擦られ、仕舞いには自らの指を絡めだした。
すると、不意に背を支えていた鳴海の手に力が入った。まるで手が入った隙間を埋めるかのようなその動きに、呆気に取られたライドウの動きが止まる。
「…どう、したんですか」
荒い息で問いかけても鳴海からの返答は無く、ライドウはそっと挟まれた手を引き抜いてシャツを掴もうとする。が、濡れた自分の手に気付き、力なくだらりと垂らした。
瞬間、再び激しく突き上げられる。その変動に不意打ちを食らったライドウがあっさり絶頂を迎えれば、鳴海も自身を引き抜いて射精した。
「何でもないよ」
不意に掛けられた鳴海の声が先程の問いかけに対する返答だと、ライドウが気付くまでに数秒の時間を要した。
外套を取った手が止まり、暫しライドウの視線が鳴海に注がれる。その間、漂う無音の空気はどちらからも破られる事はなかった。
否、ライドウは破ろうとしたが、開きかけた唇を閉じると外套を着込んで踵を返した。相談しに来いよ、という鳴海の明るい声を背後に受けて扉を開き、外に出ていく。
それは十四代目を引き継ぎ、ここに送り込まれた日から繰り返されている日常。快楽に溺れる行為は、その中で偶に訪れる非日常に過ぎない。
だからこそ、何故、などと言う愚問を発しそうになった自分に嘲笑する。
彼が何を思おうと自分には関係無い。
――そう自分に言い聞かせて、ライドウは歩みだした。
□ STOP ピッ ◇⊂(・ω・` )お目汚しスマソ…。
しかも途中で改行失敗しましたorz初投稿なので緊張してますw
笑い飛ばしてください。
ニートのばかばか!エロス!(*´Д`)
雀卓!雀卓!!(*゚д゚=3
ごっそーさまです!でもニートもやや受っぽいのも気になります!
超GJ!!!ニートエロいよニート!
ニートキタ―――!!!
素敵っす!!ごちそうさまでした!!!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某スレにモエを垂れ流しただけじゃ足りなかった
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 殆どオリジナルになっちゃってるよ!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナガクテ スマナイ・・・
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
西の空が鮮やかなオレンジから濃い紫に変わり始めていた。大海にせり出す形で設置された空軍基地
からは、地平線に形を潜めていく太陽の様が目の当たりに出来る。
日没はもうすぐだった。
「お、戻ってきた戻ってきた!」
「どこにっ?」
そんな中、隣で上がった声に山岸は眼鏡の奥の目を限界まで細めた。光を失いかけた空の中からたっ
た一体の戦闘機を探す作業は、山岸にとって非常に困難なものだった。
「ほら、あっちあっち。はは、ふらふらしてる」
ずいと身を乗り出した山岸に、最初に声を発した男――洋は笑いながら空の一点を指した。だが、それ
でも機体を見つけ出すことは出来ない。やがて黒点のようにその姿を確認出来るようになった頃には、
狭い滑走路のあちらこちらで声が上がっていた。それは笑いと喝采と、少しの安堵に包まれたものだっ
た……が、山岸は周囲の反応とは逆に声を失った。
「……」
すごいことになっている。
それが、徐々に近付いてくる機体を見て抱いた感想である。
山岸が見ている目の前で、ふらふらと辛うじて空にその身を維持していた戦闘機は、五度、その体勢を
崩した。それに目を見張るまもなく、一度は半分海に突っ込んだ。水面に投げられた石のように跳ね上がっ
た機体に、周囲で笑いが起こる。当人には聞こえるはずもない揶揄もちらほらと聞こえてくる。
だが一人、山岸だけは顔面から血の気を失いふらりと地に膝を付いた。
「……これだから……これだから、空軍なんて来たくなかったんだ……」
ぽつりと呟いた声は、誰の耳に届くことも無く雲一つ無い空に溶けた。
非常に危なかしいながらにも何とか滑走路に戦闘機が降り立つと、避難していたメンテナンスたちが
わらわらとその周囲に集った。この機体の帰還方法は実に様々で、滑走路に降り立つ寸前に海に
落ちてみたり、また広々とした場所ではなくわざわざ狙い澄ましたように倉庫に突っ込んでみたり、
果てはぽっかりと海に浮かぶ空軍基地を通り抜けて陸軍本部を破壊して止まったりもする。
お陰で彼が戻ってくる時は、その機体が完全に停止するまで誰も近づけないのだ。
幸い今回は無事着地した戦闘機は、遠目で見ている時よりも一層酷い有様だった。横っ腹はへこみ、
翼は曲がり、命とも言えるエンジン部分からは嫌な煙が上がっている。
「……」
愕然とその姿を眺めていた山岸の視界の先で何度か鈍い音がしたと同時に、満身創痍の戦闘機の
中から小さな塊が転がり落ちた。空に姿を見せただけで周囲に笑いを喝采を運んだ機体の、操縦者その人
だ。
「おー、ザジ! お疲れ!」
膝を折る山岸の隣で、洋が明るい声を放った。操縦者が転がり落ちてきた事実に動転する気配は
微塵も無い。いつものことだった。洋の声に応えるように、転がり落ちた操縦者は跳ね上がるようにして
立ち上がる。これもいつものことだ。
山岸は彼の――ザジの酷く負傷した姿を見たことがない。たとえ戦闘機の翼を折ろうと、エンジンを大破
させようと、その中身として共に在ったはずのザジの傷は何故かいつも舐めておけば治る程度の軽いもの
だった。非常に悪運の強い男なのだ。
だからこそ、毎度毎度無茶な飛行をすることが出来るのだろう。
「おう、早いな洋!」
「お前が遅すぎんだよ。日没までにはお家に帰ることってママに教わらなかったのか?」
「あー、教わった気もするけど……守ったことねえわ」
洋との応酬に声を上げて笑いながら、ザジは駆け寄ってきていたメンテナンスにゴーグルと上着を押し
付けている。その足がこちらに向かってきたところで、漸くザジの視線が跪く山岸に移った。
「お、どうした山岸ィ。眼鏡でも落としたか?」
「……落としていない」
そんなわけはない、と、ザジ自身も分かっているであろうことにわざわざ真面目に返答をしてしまうのは、
山岸の悪い癖だった。案の定ザジはからりと笑い、狭い操縦席に押し込めていた身体を存分に伸ばした。
やはり今回も、怪我をしている様子はどこにも見当たらなかった。腕にも、足にも、身体にも。頬に多少の
擦り傷はあったが、負傷と呼ぶにもおこがましい程ささやかなものだ。
それに密かに安堵しながらも素直に表情に出すことは出来ず、山岸は軽く眉間に皺を寄せながら立ち
上がった。
言わなければならないことがあるのだ。例え当人が聞こうとしなかったところで、言わずにはいられない
ことがあるのだ。
「……ザジ、もう十八回目になるけどな、」
「山岸ィ、カトリーヌは今日も良い女だったぞー。お前は本当、床上手だな!」
「……」
口を開くと同時に言葉を被せてきたザジに、山岸は一層眉間の皺を深くした。一応は褒め言葉である。
だが、それに単純に喜ぶ心などとうの昔に枯れ果てていた。
「……良い女だと思うなら、もう少し真摯に接してやれ。毎回毎回これじゃ、愛しのカトリーヌがスクラップ
になる日も近」
「女に紳士なのはアルだけで十分だろ。それよりシャワー浴びてえ。シャワー室空いてる?」
「空いてるだろうけど、水温機ぶっ壊れてっから水しか出ねえぞ」
「またかよ! ……まあ良いや、行ってこよ」
「シンシ違いだ。大体お前は……て、おい! ザジ!」
話を聞く気がまるでない。ひらりと後ろ手で手を振って去って行くザジに、山岸は眩暈を覚えた。精魂込
めて手入れした戦闘機を毎回ボロボロにされ、それなのに小言の一つもまともに聞いてはもらえない。
「……だから俺は、空軍なんて来たくなかったんだ」
ここは何と理不尽なところだろう、と。すっかり人気の無くなった滑走路で山岸は憎憎しげに吐き捨てた。
+++
一つの作戦を終えると、その翌日は二日酔いになるまで飲みなさい。
そんな規則があるのかと疑いたくなるほど、空軍の人間は作戦後に飲んだ。理性を保って自室に戻る
者の方が少なく、殆どは度の強い物が揃っていることだけが取柄の酒場で朝を迎える。それは今夜も
例外ではなく、薄汚く狭い酒場の中はむさ苦しい男でごった返していた。
そんな中、カウンタの隅で山岸は力いっぱい派手な音を立ててジョッキを下ろした。
「大体! 俺は! そもそも! 何でこんな所にいるんだ! 空、空軍なんて! 空軍なんて!」
水温機は一週間に五日は「故障中」の札が下げられていて。食事は不味く。便所は汚く。ベッドは固い。
それどころか、軍にとっての要であるはずの倉庫のシャッター開閉すらままならず、時に数人の手を借り
て手動で上げなければならない。
おまけに、トップの人間からして破天荒な所為か秩序というものがない。
「汚いし! 臭いし! 固いし!」
「汚くて臭いのは拙いけど、硬いのは良いと思うけどな……ていうか、山岸。飲みすぎだぞ」
弱いくせに、と。
誰にと宛てるでもなく毒づく山岸の隣で、アルは頼まれてもいない相槌を打ちながらグラスを傾けた。
この恐ろしく堅物な同僚は、一つの作戦が終わるたび……いや、空軍大将でありエースパイロットでも
ある男が空から帰還するたび、酒場で浴びるように飲んでは癇癪を起こす。
どうしてザジはいつもああなのだ。大将の癖に真っ先に空へと飛び出し、戻ってくるのは一番最後という
のは一体どういうことか。あんな男がトップだから、いつまで経っても空軍は「はみ出しものの吹き溜まり」
などと言われ続けるのだ。
そもそも己は、こんな所に来たくはなかったのだ、と。
総じて見ると同じ事を繰り返しているだけの愚痴は毎度明け方まで続き、翌日は二日酔いの頭を抱えて
この世の終わりのような顔をしながらエースパイロットが限界まで痛めつけてきた専用機の整備に取り掛
かる。いつものことだった。
「……アル」
きっと今日も同じだろう。
そう判断して曖昧な相槌を返しながら自身の酒量を調整していたアルは、不意に山岸に名を呼ばれ顔を
上げた。見ると、ジョッキを抱え込むようにしてカウンタに身体を預けた山岸と視線が絡んだ。見つめてくる
その目は、既に虚ろだ。
「ん?」
「……俺、辞表を出そうと思う」
ぽつりと呟かれたその言葉に、アルは内心ぎょっとしながらも辛うじて瞬き一つの反応に留めた。だが、
表に出さずとも驚いていることに変わりは無い。軍自体や大将に対しての愚痴ならば今まで散々聞かされ
てきたが、辞表という言葉が彼の口から飛び出したのは初めてのことだったのだ。
「また急にどうしたんだ」
極力冷静にと自身に課しながら、アルはなんでもないことのように問いかけた。その言葉に、山岸は
ゆるりと目を閉じた。火照った身体を冷やすように、抱え込んだジョッキに頬を寄せている。
「別に急じゃない。本当はずっと……もうずっと前から考えていたことだ」
「……」
「元々俺は、空軍じゃなくて海軍に入りたかったんだ。でも泳げないから海軍では使えないって言われた。
本当ならそのときに、大人しく田舎に帰っていれば良かったんだ。親父の仕事を手伝って、畑でも耕し
ながら日々を平穏に暮らす……俺にはきっと、その方が似合ってる」
「……そうかな? オレは、お前は畑よりも戦闘機の方が似合うと思うけど」
「そんなわけない」
ぽつりぽつりと零される山岸の言葉の隙に挟んだ相槌は、思いの他強い口調で否定された。虚ろな瞳は
相変わらずだったが、その奥に見えるちらりとした光は素面そのもののように見える。軽く咎めるように
山岸はアルを睨んだが、だがその力はまたすぐに光を失った。
「そんなわけない……アイツも、ザジもきっとそう思ってる。だからこそ、ああやって嫌がらせみたいに毎度
毎度ボロボロになって帰ってくるんだろう」
お前はここには相応しくないと。だから、さっさと故郷に帰って平和に暮らせと。
それを知らしめるために、あの男は一切の抗議を受け入れることもせずに毎回無茶をして帰ってくるの
だろう、と。
「きっと裏で賭けでもしてるんだ。俺がいつ辞めるか、て」
「それはまた、随分突飛な発想だな」
「何が突飛なものか。乱痴気騒ぎと悪乗りをさせれば、ここらの連中の右に出られる奴なんて居ない」
「……」
至極真面目に言い放った山岸の言葉に、アルは思わず苦笑した。酷い言われようだとは思うが、即座に
否定することが出来ないのもまた事実だった。
大将であるザジを筆頭に、空軍の連中には「軍に身を置いているのだ」と態度に出して示す者が殆ど
居ない。翌日に作戦が控えていなければ夜通し飲み、街へ繰り出して女を抱き、浮かれはしゃいで道端で
眠る。
そんな連中を目の当たりにして、和と秩序と仲間意識に重きを置く海軍に憧れていた山岸が驚かなかっ
たわけがない。そしてまた、認められないのも。
「……それは、もう決めたことなのか?」
にやついていては、真面目な同僚は気を悪くするだろう。そう思い、アルは緩みそうになる口角を叱咤し
ながら短く問うた。
「ああ」
うすぼんやりとした表情をしながらもしっかりと頷く反応は、予想できていたものだ。
「ザジはこの中で……いや、多分この世の中で誰よりも一番、お前を必要としていると言っても?」
「そんなわけない。俺が居なくなればきっと、清々したと思うはずだ」
「頑なだな」
「事実を言っているだけだ」
堪えきれずにふと笑みを漏らしたアルに、やはり山岸は僅かに眉根を寄せた。
はみ出しものの吹き溜まりと言われる空軍の中で、アルは周囲と少しだけ匂いが違う。乱痴気騒ぎを
否定するわけではないが、それに混じって同じように騒ぐこともしない。そんなところに親近感を覚え、
声をかけるようになり、いつしか酒の場で愚痴を零すようになったのだ。
アルは、空軍という集団に馴染むことの出来ない山岸にとって唯一の心の拠り所だった。
それなのに、真面目に話しているのに、何故笑ったりするのかと。
「悪い。別にお前を馬鹿にしているわけじゃない」
「……そうは思えない」
謝罪してくる割に、その目は未だ笑みを刷いている。山岸はアルからつんと顔を背けると、そのまま
カウンタに突っ伏した。
目を閉じると、つい今しがた見たアルの微笑が瞼の奥で破天荒なエースパイロットのものへと変わった。
あんな風に無邪気に笑う目の奥に、無邪気だからこその残酷さがある。それに負けまいと今まで虚勢を
張ってきたが、アルに、愚痴ではなく弱音を吐いたことによってその堤防は脆く崩れた。
きっともう、向けられてくる笑顔を挑むような心持で見つめ返すことは出来ないだろう。
「……結構、重症みたいだな」
「既に末期だ」
ぽつりと呟かれたアルの言葉に、山岸は顔を上げぬまままたぽつりと返した。
+++
鮮やかな水色の中に、白い塊がいくつか浮かんでいる。その日は快晴と呼ぶに相応しく、心地の良い日
だった。
前回の作戦から、一ヶ月と少し。今日で漸く、この軍でありながらもスラムのような場所から離れることが
出来る、と。窓から差し込む光に目を細め、山岸は小さな溜息を吐いた。
前回の作戦のあった夜、田舎へ帰ると告げた山岸にアルが言った言葉は、山岸を引き止める類のもの
ではなかった。
ただ、次の作戦まで待て、と。
その真意は山岸には理解できないものだったが、それでも曖昧に頷かずにはいられなかった。アルは、
ここへ来て出来た唯一の友人だ。その彼の言葉に首を振り、半ば仲違いしたような心持で飛び出すことは
出来ない。
たった一月程度の時間を耐えるだけで今後も友人としてやっていくことが出来るなら容易いものだった。
「さて……」
ぽつりと吐き、山岸は一つ伸びをした。たとえ今日の夜には出て行く事になるとはいえ、己の仕事を
さぼるわけにはいかない。
パイロットの使用する戦闘機の最終チェックを――特にあの男のものは、その直前まで念入りに見て
おかなければならない。そうでなければ、襤褸雑巾のようになることも出来ずに大破する恐れがあるからだ。
「今日のデートは……」
一人呟いて、山岸ははっとして己の口許を掌で覆った。自身で口走った言葉に驚いていた。
戦闘機に女の名前を付け、作戦をデートと呼ぶ。
それはあの男の常套句だ。いつもはそんな言い方は止めろと眉を顰めていたはずの己が、まさか同じ
ように呟いてしまうとは。
「……気が緩んでるな」
拳をこめかみに押し付けて自身を叱咤すると、山岸は唇を引き締めてドアノブに手をかけた。しかし。
「……あれ?」
扉を開く体勢のまま、山岸はふと頭を捻った。鍵が掛かっているわけではない。ノブを捻ることは出来て
いる。だのに、扉が開かないのだ。
何度かノブを捻り直し、体重をかけて押してみたところでぴくりともしない。がちゃがちゃと雑音めいた
音が部屋の中に響き、山岸は再度頭を捻った。
「何で開かないんだ」
先刻、ルームメイトが出て行くときは普通に開いていたはずだ。その証拠に、ルームメイトの姿は
今ここには無い。
大体、鍵は部屋の内側に取り付けられているのだから、その内側から開くことが出来ないというのは
道理的におかしい。普通ならば、開かぬわけがないのだ。
「……おい、誰か居るのか?」
軽く扉を叩き、山岸は外へ向けて問いかけた。
鍵が内側に取り付けられた部屋で、内側から扉を開けないというのなら……扉の前に何かしら重いもの
が置かれているか故意に誰かが押さえているとしか思えない。そして、扉がぴくりともしない程に重いもの
など思いつかなかった山岸は、外で誰かが悪戯をしているのだとうと判断した。
「おい、開けろよ。悪ふざけしている場合じゃないだろ」
この場合、あからさまに動揺した姿を見せてしまっては、悪戯をしている誰かを喜ばせるだけだ。そう考え、
山岸は極力平穏さを失わぬよう再び外に声をかけた。だが外からの返答はなかった。
「おい、こう見えても結構忙しいんだ。開けろ」
今度は少し強く扉を叩いてみたが、それでも外からの反応は無い。
しんと静まり返った部屋の中で、いるかどうかも分からない人間に声をかけるのは妙に気恥ずかしく、
山岸は誰も居ないと分かっていながらも周囲を気にしながらまた扉を叩いた。
しかし、山岸が周囲を気にしていられる時間もあまり長くはなかった。
押しても引いても開かぬ扉と格闘し、目に見えぬ悪戯者に屈しまいと動揺を表に出さずにいられるのにも、
限界があった。最終チェックをする時間はとうに過ぎ、既にミーティングすら終わってしまいそうな時間に
差し掛かっている。抑え込んでいたフラストレーションはピークに達していた。
「大体、何だって誰も呼びに来ないんだ!」
憎憎しげに吐き捨て、山岸は舌を打った。
いつもならば真っ先に倉庫に顔を出し、せっせと戦闘機の整備に取り掛かっている自分の姿がなけれ
ば……普通ならば誰か一人でも変だと思うのではないか。どうしていないのだろうという話になり、
その中でもせめて一人くらいは呼びに行ってみようと言い出すものが居ても良いのではないのか。
それなのに、パイロットが空へと飛び出して行こうという時間になっても、誰一人やって来る気配も無い。
「……俺は居ても居なくても一緒、てことなんだな……?」
酷く自虐的な言葉を零した瞬間、脳の奥で何かが切れる音がした。
途端に山岸は眦を吊り上げ、叩くというよりは殴りつけるようにして激しく扉を殴打した。
「ふざけるな畜生! 子供じみた悪戯なんかするな! そんなことしなくても……ご希望通り辞めてやるさ!」
口汚く罵る言葉が、一体誰に向けて吐き出されているものなのか。それは山岸自身にも分からなかった。
鼻の奥が痛い。涙が出そうだった。
「わざわざ嫌がらせなんてしなくても、今日限り出て行ってやる……!」
一際強く拳を叩きつける音が、静かな部屋の中に響いた。
それと同時に、かちゃりと、小さな音を立てて扉が開かれた。押しても引いても叩いても殴ってもぴくりと
もしなかった扉が、まるで山岸のその言葉を待っていたとでもいうようにして開いたのだ。
漸く言ったか。その言葉をどれだけ待ち侘びたと思っている。いい加減気付けよ。
お前など要らない。
「辞めるなよ」
だが、開いた扉の向こうからかけられてきた言葉は、山岸の想像とは真逆のものだった。
「……洋?」
姿を現した男に、山岸は一瞬思考を固まらせ、それでもぽつりと男の名を呼んだ。洋はきまりの悪い顔
をしながらも、一度山岸を睨み、それからすぐに視線を逸らした。手に長い鉄パイプを持っている。扉を
塞いでいた道具だろう。
「お前さあ、悩み事とかあるんなら言えよ。ちゃんとさ」
口に出してもらわなければ気付けないんだから、と。
洋は一度逸らした視線を戻しながら、そう山岸を叱った。ついでのように、軽く握られた拳が胸元に押し
付けられる。それらを受け止めながら、だが山岸は未だ言葉を発することが出来なかった。
想像もしていなかった男が扉の前にいて、また想像もしていなかった言葉を投げかけてきている。
それを視覚が、聴覚が理解していても、頭が理解しきれていなかった。
「ああもう、ほら。いくぞ!」
間の抜けた顔で固まる山岸に痺れを切らし、洋は山岸の腕を掴んだ。ぐいと引っ張られると、勝手に
足が踏み出す。洋に山岸の反応を待つ気はないらしく、自然と足が動いたことを切欠にそのまま駆け出し
た。
「おい、ちょ……行くってどこに!」
漸く我を取り戻した山岸が洋に問いかけた時には、既に二人とも全力で駆けている状態だった。
「どこって、外に決まってんだろ! 俺だって出撃しねーといけねーの! もう時間がないの!」
「なら何でわざわざ嫌がらせに来たりするんだよ!」
怒鳴られたのにむっとして反射的に怒鳴り返すと、洋は一瞬目を丸くさせ、それからまた拗ねたように
視線を逸らした。
「知らねーよ。優秀なエンジニア逃がしたくなかったら、暫く部屋に閉じ込めとけって言われたんだよ!」
「誰にっ?」
「アルに!」
「!」
洋の口から飛び出した名前に、山岸は目を瞠った。また想像もしていなかった名前だ。
「アルが……何で」
「知らねーよ! 分かるのは、お前が辞めるとか何とか言い出した所為で俺が使いっぱにさせられたって
ことくらいだ! てめ、今は時間がないから仕方ないけどな……戻ったら覚悟しとけよ」
じろりと睨みつけてくる洋の視線に、山岸は思わず瞬いた。本気で怒っている顔だ。初めて見るその表情に、
怯えるよりも先に驚いた。
それが自分が辞めると聞いたから、使いっ走りにさせられたことに対してなのかは分からなかったが、
兎に角彼が本気で怒った姿を見たのは初めてのことだったのだ。
二人揃って外に飛び出すと、既に半分ほどのパイロットが空に発った後だったらしく……狭い滑走路に
残っている人数は少なかった。その中からアルの姿を見つけ出すと、洋は眦を吊り上げて口を開いた。
「アル! てめーも覚えてろよ! 今夜の飲み代はお前らの奢りだからな!」
そう吐き捨てると、洋は掴んでいた山岸の腕をアルに押し付けるようにして離し、そのまま滑走路へと
駆け抜けて行った。尾を引く捨て台詞に、アルが肩を震わせて笑っている。山岸には、一体何が起こっ
ているのか分からなかった。
「アル、これは一体何事なんだ……?」
控えていたメンテナンスからゴーグルを受け取り戦闘機に乗り込んで行く洋の姿を見守りながら、山岸は
呆然とアルに問うた。
何故今日に限って、こんなわけの分からないことを起こすのか。辞めると決意し、その最後となる日に。
山岸の問いかけに、アルは再び微笑し軽く頭を振った。
「まあ黙って待って……ああ、意外と早かったな」
「?」
言葉の後半は、自分に向けられたものではない。呟き笑うアルに、山岸は頭を捻った。
だが、アルが指差した方角に顔を向け、瞠目した。
「何だ……?」
戦闘機が一機、こちらに向かって飛んできている。皆が海に向けて離れて行く中、一機だけ滑走路に
向けて近付いてきている。その不自然さに驚かずにはいられなかったが……滑走路に降り立った機体から
飛び出してきたパイロットに、山岸は再度目を瞠った。
「……ザジ」
「無理! 無理無理無理無理無理! 何か気持ちわりー!」
山岸が呆然と見守る前で、ザジはゴーグルをひったくるように外しながら一人頭を振った。恐らく今日も、
いつもと変わらず真っ先に空へと飛び出して行ったはずだ。そして彼は大体、一度出ると日が沈むまでは
戻ってこない。それが、何故。
「もう整備終わって無くても良いから、メアリで行くわ。山岸は? まだ腹下してんのか?」
近付いてきたメンテナンスに問いかけるザジに、山岸はぎょっとしてアルを見た。その視線に気付いた
アルは、優雅にというよりはどこか妖艶に微笑んで片目を瞑った。
「ザジに言ったんだ。腹下して便所の住人になっている山岸から伝言です。生憎カトリーヌもメアリも
マドンナも整備が終わっていないので、今日は別の機体で行って下さい……精魂込めて整備しておき
ました、て」
「は?」
アルの言葉にまた驚いて滑走路に目を向けると、確かにザジの乗って戻ってきた機体は彼の専用機
三体のいずれでもなかった。一度で起こす損傷が激しいため、ザジは三体の専用機を持ちそれらを順に
使いまわしているのだ。しかし。
「……俺、あんな機体、触ったこともないぞ」
呆然と呟き、山岸は滑走路に止まる戦闘機に瞬きを繰り返した。ザジの痛めつけてきた機体を修理する
のは容易いことではなく、一度取り掛かると中々終わらない。お陰で山岸は、殆どザジの専用機専用の
整備士のような状態になっており、他の戦闘機には殆どまともに触ったこともないのだ。
だから、精魂込めて整備しておきました、と告げたアルの言葉はおかしい。
「そう、おかしいよな」
途切れ途切れに疑問を口にした山岸に、アルは笑って頷いた。
「オレは、代わりに山岸が別の機体を整備しておいた、とも言った。だからザジは、あれはお前が整備した
と信じて乗り込んで行ったんだ」
「……」
「それなのに、こんなに早く戻ってきた……この意味、分かるか?」
含み笑いの問いかけに、分かる、と即答することは出来なかった。
未だ脳内は混乱し、巧く考えを纏めることが出来ないのだ。
アルはわざわざ己を部屋に閉じ込め時間稼ぎをし、己が整備していない機体を整備したと偽って男を
空に送り込んだ。だが男は、一時間も待たずに帰還した。
恐らく、気付いたのだ。
滑走路の片隅では、こちらに気付く様子もないザジが数人のメンテナンスと共にわっせわっせと倉庫の
シャッターを持ち上げている。彼の専用機の一体である、メアリが収納されている倉庫だ。今日使う予定
ではない機体だったため、わざわざ昨夜のうちにシャッターの壊れた場所と入れ替えておいた。
そのことを思い出し、山岸ははっとして飛び上がった。
「ザジ! 違う! 今日はメアリじゃない、マドンナだ!」
慌てて駆け出した山岸の背中を、アルの笑う声が追った。
それに何かしらの言葉をかけようにも巧い言葉が思いつかず……山岸は声を振り切るようにして倉庫へ
と走った。
「おう山岸! 腹の具合は治まったのか?」
「え、あ、まあ……」
この意味が分かるか、と。
そう訊ねてきたアルの言葉の意味は、既にもう分かっている。その奥に隠れる本意も。頬が熱かった。
身体中の血液が眉間に集まってくるような感覚に、山岸は眩暈を覚えた。
「メアリはまだ整備が終わっていない。連れて行くなら、マドンナを」
「え、マドンナもまだだって聞いたけど……」
山岸の指示に、ザジは小首を傾げて見せた。そんな反応に、山岸は苦々しい思いで頭を振った。
「……伝達ミスだ。マドンナはもう終わってる」
成り行きとはいえ、アルの吐いた嘘に便乗することに抵抗があった。嘘を吐くのは好きではないのだ。
だがそのお陰で心の奥を覆っていた霧が晴れつつあることも事実だった。
一概に否定することも出来ない嘘に、山岸は戸惑いを隠すように別の倉庫を指差した。
「大体俺が、お前のデートの日に、女を用意し損ねるとでも?」
問いかけた山岸の言葉に、ザジは目を丸くさせた。山岸がこういった物言いをするのは非常に珍しい。
だが驚いたもの一瞬らしく、ザジはすぐに口角を持ち上げ不敵に笑った。
「流石は床上手。言うことが違うねえ」
「ふん。馬鹿言ってないで、さっさと行け」
「はーい」
短く命じた山岸の言葉に、ザジはまたにこりと笑って駆け出した。その背中を見送り、山岸は深い溜息を
落とした。
恐らく今日も、彼は今にも海に落ちそうになりながら戻ってくるのだろう。
それが、己に対しての嫌がらせで無いことは分かった。ザジは頭ではなく身体で、山岸の手を覚えて
いるのだ。そしてそれを必要としているらしいことも理解した。何せ、一度出て行けば夜まで戻ってくる
ことの無い男が、戻ってきたのだ。この事実に揺るぎは無い。だが。
「……だったら、もう少し丁寧に扱ってくれても良いんじゃないか……?」
「だから、それは逆だ」
独り言のつもりで呟いた言葉に返答があり、山岸は驚いて背後を振り返った。見ると、いつの間にか
近付いていたアルがひっそりと笑っていた。
「アイツは、お前が整備したと分かっているから、あれだけ無茶するんだ」
「そんな馬鹿な」
「馬鹿だからわざわざ戻ってきたんだろう? さっきの機体じゃ、思う存分無茶できないからな」
「……」
無茶をするために、お前の手の入った機体に好んで乗り込むのだと。
そう告げたアルに、山岸は渋面を作った。その理屈では、いつまで経っても己の心に平穏は訪れない
ではないか。
そんな山岸の心中に気付いたのか、アルは軽く肩を竦めて見せた。
「まあ、それが運命かもな。けど……まだ辞めるとか言わないように、もう一つ駄目押しをしておこうか」
「?」
「一度、軍事会議の後で、お前の話が出たことがあったらしい。泳げもしないのに、海軍に入りたいって
何度も入隊試験を受けていた男が居た、て」
アルの言葉に、山岸は「あ」と小さく呟いた。身に覚えがないわけがない。入隊試験を受けたのは既に
一桁では足りず、最後の方では「また来たのか」と試験官に呆れられたくらいなのだ。
「変わってるよな、泳げないのに海に出たいなんて。とか、そんな風な話をしている中で、ザジは一人頭を
捻っていたらしいぞ」
「……どうして」
「海軍は山岸の何が気に入らないんだろうな。オレだって、空を飛ぶことなんか出来ないけど空軍にいる。
それにそもそも、泳げる泳げないは関係なく、アイツの乗る船ならば沈むはずが無いのに」
「!」
「この意味、分かるな?」
ゆったりと微笑むアルに、山岸はやはり言葉を返すことが出来なかった。過剰評価だ。思わずそう呟いて
しまいたくなるほど、アルの告げた言葉は甘かった。泳げぬ劣等感を追い流すように、抱いていた卑屈さを
叩き潰すように、雲間から差し込む一筋の光のように。
甘い言葉に脳が蕩けそうになり、山岸は片掌で顔面を覆った。頬が熱い。他人から信頼され、必要とされ
る感覚というのは、こんなにも心地好いのかと。
「山岸ィ!」
遠くから名を呼んでくる声に、山岸とアルは同時に顔を上げた。既に操縦席に乗り込んだザジが、身を乗り
出してこちらに手を振っている。それに手を振り返すべきかどうかと悩んでいる間に、ザジの手が止まった。
そして、振られていたその手はそのまま真っ直ぐアルの胸へと向けられた。
「アル! てめーは今夜お仕置きな! 伝達ミスの罪は重い。今夜の飲み代はお前の奢りってことで、
よろしくねん」
恐らくそう言って笑ったのだろう。言葉尻で分かるザジの表情に、山岸は僅かに肩を落とした。
洋にせよザジにせよ、何故彼らはああもあっけらかんと「夜」の話をするのだろうか?
無事に戻ってこられるという保障などどこにもないというのに、彼らは極当然のように自分が再びここに
戻ってこられると信じているようだ。
もしそんな確信の一端を自分が担えているとするならば……辞めるだなどと言い出せるわけがないでは
ないか。
「じゃあ、いってきまーす!」
そう告げてひょこりと操縦席に姿を消したザジに、山岸は反射的に言葉を返した。
「気をつけて!」
それに対する応えは、差し出された手が後ろ手に振られることによって返された。
澄み渡る空に消えていく機体を眺めながら、山岸は少しだけ笑った。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 軍のことなど何も知らないのにやった。
| | | | ピッ (・∀・ ) 今は反省している。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
いざ落としてみると本当に長かった。ごめんなさい。
でも楽しかった。ありがとう。
>>504 元ネタが何かわからないけど、面白かった。3回読んだ。エンジニア可愛い。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )素敵なパーマのゲ仁ソさんがいるコンビの話らしいよ。
どうにも萌えが止まらなくなったんだって。
「おい、大丈夫か」
ネタが終わって楽屋に戻った瞬間方木同が急にへたりこんだ。今は休憩だから第二幕までまだ時間はあるが、体調が悪いならなんとかしなくては。なんとかなるならば…ま、無理かもな。
「おい」
「…」
「どうした?」
だが返事には答えず、立ち上がれるようになったのかもくもくと次の衣装に着替え始めやがる。黒のワイシャツ、黒のパンツ。全部俺が選んだ。似合っている、当たり前だ。いや、そんなこと考えてる場合じゃない。
「おいっ」
「…なに」
「なにって…おま、大丈夫なのかよ。急に座り込んだりして…ってすごい汗だな!」
「ちょっとほっといて」
いつもとはまったく違う雰囲気で俺は焦る。なんでだ?舞台が始まる前まではテンション高かったじゃないか。
「そういうわけにいかないだろ。具合が悪いなら薬飲むとか冷えピタ貼るとかホカロン貼るとか、」
最悪公演中止になるかもしれない。
「場合によっては無理させるわけにはいかない」
なんか大変な病気だったらどうするんだ。俺もどうするんだろ?
腹でも痛いのか体を丸めてこっちをじーっと見つめてきた。睨まれてんのか?
「さっきの…」
「ん?」
「一番最後のネタの時にさ…」
だが彼はそれ以上言うのをやめてしまった。なんだよ、言い出したら最後まで言えよー。
えーとたしか最後は限大方木同概論………
まさか!
「お前まさか」
「言わないで」
「なんで早く」
「いいから出てって」
「早くトイレ行ってこい!」
「歩けねぇよ!」
タってるのに立てない…ってくだらない事言ってる場合じゃない。どうりで前屈みになってるわけだ。さっき俺はネタでこいつの急所を思いっきり触った、しかも二回も。触ったなんてかわいいもんじゃないな…、まさぐったな。どうりで動けないわけだ。さぞかし辛かっただろう。
絶対動いてはいけないネタだから腰を引くことさえ許されない。自分で作っといて言うのもなんだが悪いことをしてしまった。同じ男として同情する。それに匹敵する尊敬も。
「あー…ごめん」
こいつよく耐えたな…
「…いいから出てってよ」
成功してよかった…
「や、あの、調子に乗ってすまんかった」
「力が強すぎんだよ…」
「ごめんっ」
よく見ればすぐに気付いたはずだ。顔は赤いし変にもじもじしてるし。あー、心配して損した。
「早く出てって」
言われなくても行きますよ。だが俺はあることに気付いた。
「なぁ、お前もう着替えちゃったよな。どうすんだよ黒い服なんだから」
「あっ…どうしよ、って木庭椰子さんには関係ないだろ。早く出てってよ!」
全部脱ぐのか?あ、俺まだ着替えてない。それなら…
「俺がやってやるよ」
…ん?
おおおお俺今何て言った?え?どういう意味?俺はなにをするって?…まじで!?
確かにホモ疑惑もあったけど実際は普通に女が好きだしでもこいつかわいいし中性的ってかなんていうかあんまり男っぽくないし…いや違う違う違う!えーと、えーと…、
「えっ、い、いや結構です…」
だよな…。そりゃ遠慮するよな。「いいからいいから。俺まだ着替えてないし手伝ってやるよ」
だからなんでこんな事言ってんだよ!
「い、いや、まじでいいよ。ほんとに」
そうだよ、俺はそんな事したくなんて…いや違う。これは仕方がない事なんだ。責任をとろうとしてるんだ。そうに違いない。
「ほら…、いいから力抜け」
言いながら彼を楽屋に備え付けてある洗面台に無理やり座らせた。壁際だからこれでもう逃げられない。
「やめろよ!」
「大丈夫だから」
いつも使っているイイ声でなるべく響くように、彼の耳元で囁く。
「よく頑張ったな…」
ギリギリだったのだろう、彼の体から力が抜けた。
「すまん、俺のせいで」
腰も抜けたらしく俺に体重を預けてくる。かわいいな…っておい!俺!しっかりしろ!抵抗する力もないらしく、おとなしくされるがままの彼を見ながら考える。
そりゃそうか、30分近く身動きもしないで我慢してたんだからな…。ほんとすげぇなこいつ…。いや、変な意味じゃなくて、その…、芸人根性というかなんというか。誰に言い訳してんだ?まぁいいや。
なるべく衣装を汚さないようにゆっくりジッパーをさげ、下着の中に手をいれる。
手が冷たかったのかビクッとしたこいつに俺までちょっとびびる。そんな自分がなんだか笑える。なんで俺が余裕なくなってんだ。しかもこいつ衣装着ちゃうし。馬鹿だな。くそっ、かわいいな…。呆れを通り越して笑えてくるよばーか。
「…何笑ってんの」
そんな目で睨まれたって怖くもなんともねーよ。
「かわいいなぁと思ってさ」
…。
って言っちゃってるよ!ばかはおれだよ!聞き流して欲しくてぎこちなく手を動かした。
何かに操られてるみたいに自分で自分を制御出来ない。やめろという自分とこいつに触りたい自分がすごい勢いで戦っていて俺にはどうしようも出来ないんだ。
「すまない」
思わずもう一度彼に謝ったら、俺の手はやりたいように動き出す。そっと彼のを下着にいれた手で包みこんで軽く上下に扱く。
「…っ………」
「我慢すんな」
「…っ……っく」
「おい」
「…っ…でも…木庭やっ……さんっ…汚れっ……るっ…」
「…」
こんな状況ですら俺を気遣うおうとするこいつに愛しさがつのる。駄目だ、俺お前が…
「いいから、大丈夫だから」
そう耳元で深く囁いて手の動きをさらに早める。イくなら俺の声でイッてくれよ。これはエゴか?いや、責任か?いいや、もう境界線なんて重要じゃない。俺はこの感情に気づいてはいけなかった。でもお前だけはどうか気づかないでくれ。
そして小さな声をあげ方木同が達した。
射精直後でまだ思考が追いつかないままの彼を目に焼き付けながら、テキパキと始末を始める。手を洗い体を拭いてやって服を整えれば、数分前の方木同となんら変わりない。その事に少し寂しさを覚えながらこう言えばいい。
「俺のせいでつらい思いをさせて悪かった。二度とこんな思いはさせない。ほら、しっかりしろ。次のコント頑張ろうぜ。」
たいした事じゃなかった。ちょっと濃いめの友情の延長。時間がたてばなかった事になる。そんな風に思わせてやればいい。今ならまだ元の中華麺図に戻れる、この仕事をやめない限りずっと一緒にいられる。
それでも、
けして伝えないと自分に誓うから、好きでいてもいいかなぁ?
…だから俺は誰に言ってるんだろうな。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )あまり知識がないので細かい所は適当でスマソ。
本公園が早く見たい…
>513
GJ!!
麺図好きだから、嬉しい!
>>504 同じく、元ネタが分からないけど激萌させて頂いた
男たち可愛いよ男たち
元ネタが知りとうございます
スマンがナンバリングしてくれると嬉しい
上の二つにだろ。
ナンバリングないと読むにしろスルーするにしろやりづらいよ。
大した手間じゃないと思うし、ナンバリングはしてほすぃ。
520 :
513:2006/04/07(金) 22:58:43 ID:ZTL6OsLy
申し訳ない。
以降気をつけます。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| オリジナル?というかただの妄想モナ。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ネタの垂れ流しだね。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
禿げスレに貼ろうか迷ったんですが、エロのみのネタでもなく
個人的に好きな人物設定とかしてるので、こちらに投下させていただきます。
特に物語になっている訳でも、人物に名前がついてる訳でもない。ホントにただの突発的な妄想です(;´Д`)
受けは純粋・健気な少年〜青年で、とあるきっかけで攻めと出会う。
攻めは受けとは正反対の女好き・浮気性。しかもちょいナルシスト。
攻めに出会ってから受けは心底攻めに惚れてしまい、
気まぐれな攻めに毎夜身体がもたなくなるまでセクースさせられる。
しかし攻めは「あくまでお前の身体目当て」と受けに公言。
受けは初めショックをうけるが、それでもじっと何も言わず攻めに抱かれる。
攻めは調子こいて毎晩受けに無理やりフェラさせたり
時には他の男を呼んで3pさせたりする(これにはさすがの受けも泣く)
他にも攻めがおもしろ半分で玩具を使ったりして、受けはもうボロボロ。
「よく我慢できるな」と笑いながら攻めが言う。
受けは痛々しくも微笑みながら「攻めが好きだからいいよ」と答える。
また攻めは調子に乗って
「そうだよな、お前はこういう事をされるのが幸せなんだ。お前はマゾで、俺に依存してるんだ。それでいい」などと言ってのける。
受けはまた何も言わず、ひたすら攻めに「好き」と言いながら抱かれる。
泣きながら抱かれる受けを見ても、攻めなんとも思わない。
だがある日、突然攻めは受けと離れて生活しなくてはならなくなり、1年ほど受けには会えなくなる。
受けは絶対に離れたくないと言うが、攻めが「うっとおしい」の一言で突き放してしまう。
どうせ自分には向こうでも女なんてたくさん作れるし、受けなんて居てもいなくても同じだ、と攻めは考えていた。
身体だけの短い付き合いだったな、と攻めはさっさと離れて行ってしまう。
しかし、その晩から攻めはどんなに女を抱いても眠れなくなってしまった。
男に慣れたからなのかと思い、男娼も相手にするが、ただ疲れるだけ。
たまに眠れると夢に出てくるのは無邪気な受けの笑顔と「好き」という言葉。
あまりの事に攻めは動揺しながら「違う、俺はあんな淫乱なだけの奴なんか・・・」と思うが、
そのうちようやく「依存していたのは俺の方だったのか・・・」と気付く。
そして1年後。
攻めは帰ってくると真っ先に受けのところへ向かい、受けを見つけた瞬間に堂々と
「今すぐに俺と一緒に来い」と無理やり受けを連れ出そうとする。
だが受けは首をふって「嫌だ!」と反抗し続ける。
「逆らうのか」と攻めが凄むと、受けは多少ビクつきながらも反論する。
「攻めが、ちゃんと俺に会いに来た理由を言ってくれなきゃ嫌だ」
攻めは驚き、気が動転するも、ゆっくりと
「お前が好きだ、抱きたい」とまっすぐ受けの目を見て言う。
その後はセクースの間中、今までした事のない優しいキスや愛撫の嵐。
攻めが「愛してる」と一言言うと、受けは「もっとたくさん言ってよ」と要求。
こんな感じで最後はラブラブでハッピーエンドでお願いします。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 10分で書き上げたモナ・・・。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| よっぽど飢えてるんだね。イキオイッテオソロシイ・・・
| | | | \
| | |> STOP. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
本当に勢いだけで書いた。
こういう設定でマイジャンルの話を書きたかったけど、
あんまり設定に無理があったのでここで吐き出させていただきました・・・スキーリした!
525 :
484:2006/04/08(土) 00:04:40 ID:UOw1S+s9
>>524 次に吐き出すときは
ナンバリングしてくれ
「何番目/総レス数」じゃなくて、「何番目」だけでいいから、
投下の際にナンバリングしてくれると、萌えるし、読みやすいし
ありがたい。
いつも萌えを投下してくれる神、保管庫管理人さんありがとう!
528 :
中途:2006/04/08(土) 00:42:18 ID:ZCuGoPL5
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
某幼馴染ゲイニン、ボケ&ツッコミ。激しく捏造。
滑らないはずの話で滑ったというボケの話を本スレで
見て以来萌えが止まらず…。初投下させていただきます。
529 :
中途 1/2:2006/04/08(土) 00:43:25 ID:ZCuGoPL5
「あー…俺才能無いんかなあ…」
緑色っぽい色をしたタバコの箱を右手の人差し指で軽く
叩きながら得意は落ち込んでいた。
理由は簡単、スベらない話をする筈の場所で
激しくスベってしまったのだ。
いくら憧れの人が仕切る場所だったとはいえ…
あの下ネタはまずかったのかもしれない。
しかし、彼が愛する常人には理解し難い
エロスの世界に人々を巻き込む為には
下話が一番有効なのである。
「お、また落ちこんどるな。」
急に楽屋の扉が開いて輝く笑顔が覗いた。
得意の相方、副打の笑顔は何時も輝いている。
勿論自前の油のお陰である。
「うっさい、テカテカ。」
タバコの箱を机の上に放り出し得意は毒づく。
「ほっとけ変態。」
軽い悪態の付き合いはどんどんエスカレートしていく。
「なんやと、このおっぱい星人が!」
「おっぱい星人〜?ああ、そうですよ。
俺はおっぱい星人やで!
でもお前よりましやぞ!お前なんか女の子やったら
オールラウンドで守備範囲やんけ!この見境無しが!」
「見境無しなんやない!俺はフェミニストなんじゃ!」
「何がフェミニストじゃ!
ニューハーフの乳揉むんがフェミニストか?!」
「俺が変態やったらお前はド変態じゃ!
何が飯嶋○子にあそこ箸でつままれたいじゃ!」
530 :
中途 2/2:2006/04/08(土) 00:44:29 ID:ZCuGoPL5
二人の距離はグングン詰まって行き、しまいには
顔を突き合わせての大喧嘩に発展していく。
「このエロネタ大王が!!」
「このアル中がぁ!!」
不意に得意の左手が副打の右頬を打った。
「あ…スマン。」
憑き物が落ちた様に得意は左手を胸前に構えて
オロオロする。
「いや、俺も悪かったから…。
ま、元気になって良かったわ。
ほれ、はよ行こうや。お客さん待っとるで。」
副打の顔がパアッと後光がさすような笑顔になり、
右手が得意の前に差し出される。
その笑顔が何処か気恥ずかしく見えて得意はまた
毒づいた。
「お前…やっぱりテカテカやな。」
「おう、お前はやっぱり変態やな。」
二人の左手と右手がゆっくりと重なってしっかりと
お互いの手を握り合う。
「なぁ、今年こそ頂点行こな。」
得意がぽつりと呟く。
「大丈夫やって、俺らやったら。」
副打が握ったままの手に力を込める。
(もう…俺…スベらんから…ずっと一緒に行こな…)
胸の中だけで呟いて得意は副打の手を離し、
相方の背中を押す。
暗闇の先にある光へと向かって。
531 :
中途:2006/04/08(土) 00:45:44 ID:ZCuGoPL5
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
何かベタベタな落ちに…。萌えを吐き出させて下さりありがとうございました。
533 :
遊戯王:2006/04/08(土) 12:25:40 ID:yajxgkXT
(* >ω<)=3ヘックション!
Σ(゚Д゚) <モクバどうした!?風邪か!?
(*T^T)ズルズル <兄サマぁ・・・
□⊂('ー' ) <薬飲めよ
ヽ(*´∀`)ノ <うん!
勝手に続きかきまーす遊戯王^^
「ああっ兄サマに風邪うつしちゃった><」
「フッ・・・いいんだモクバ・・・お前の風邪なら・・・」
「にいさまあああぁぁぁぁぁっ」
>>523-524 内容のヘタレさについては何も言わんから
せめて基本の様式くらい守った上で投下してくれ
しかしその3〜5行の文章の前後にAA貼って
3レス使われてもどうなんだっつー気も。
>>535の言ってる「基本の様式」ってAAで囲むことなの?
でもテンプレの
>>5には
>別に義務ではないけどね。
って書いてるよ。
き、緊張しながら投下…とっぽいさんに対する凡夫の独白と天才への憧れといったところ
以下2レス消費
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
人伝に聞いた噂だ。当時際少年雀ゴロだともてはやされてきた俺よりも年下の、しかも格上の少年が居る、と。
その噂を聞いたのも6年前が最初で最後のハズだった。今、目の前に居る「安岡」という男に会うまでは。
会って最初にヤツは「警察だ」と言った。未成年の頃は博打で凌いできた身だ、逆らわない方がいいと下手に出ていた俺に安岡が持ちかけた話というのは
他人の、会ったこともない男、暗にどこかで憧れの念さえ抱いていた「アカギ」の名を騙っての詐欺紛いの代打ちの仕事だった。
本物のアカギのお目にかかることが出来るかもしれない、という淡い期待の下、俺は二つ返事で事を引き受けた。
言われたとおり、聞いていたとおりの変則的な打ち筋を取り繕うこと数日、念願叶い石川という男が本物の「アカギ」を連れてきたという。
「アカギ」を見た俄かには信じられなかった。俺は贋者というのを承知の上で騙っているのだから「俺こそ本物」だとは言わないが、
そいつはその贋者の俺の更に贋者、のような風体だった。
噂どおりの白い髪、細身な体つき。しかし身にまとっていた服はお粗末などこだかの職場の作業服だった。
これなら安岡さんが見立てたこのふざけた服装の方がましだ、とも思えた。
そう思い安岡さんの方に目をやると、どこかその顔は青褪めている。ばかばかしい。
アンタは本物のアカギを知ってるんじゃなかったのかよ、と心の内で毒づいたがアカギが口を開くとそれも覆される。
「久しぶりじゃない、安岡さん。」
そういわれると益々青くなる安岡さんの顔色。短い間だが暫くマネジメントされているとわかる、
この人も相変わらず、そう相変わらず---、
「相変わらずとっぽいな、することが。ねえ、安岡さん」
そう目を細めて言うアカギという男に、俺は惹かれていった。もし本物なら…
その切なる願いはその後のシャンテン数を当てるという「芸」をやっていくことで証明された。
そこに居る彼が、彼こそがアカギ。俺が6年間その影を探しつづけた男。闇に舞い降りた天才、アカギしげる。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
チュウトハンパ、カツ、コジンテキナジジョウデエロカケナクテスマソ。 …つか801ですらない。
スペースおかりしやした。
>>535-540 漏れも使い方違ってたらスマソ
>541
アカギにあこがれる幸雄…!!
萌えた、GJ…!
>485-503
激しく萌えさせてもらいました。
元ネタも知って、もう一度読み直して一粒で何度でも味わえる。
いいモノ読ましていただきました。この萌えで来週からまた頑張れるわ。
投下してくださった作者様、どうもありがとう!!
保管サイトにつながらないんだけど、
引っ越しされたんだっけ?
普通に見れたよ。
ナル荷亜国物語の兄弟に萌えたので投下。
弟×兄なのか兄×弟なのか自分でもよくわからない。
多分兄が受け。
ナル荷アで大人になった二人の話です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )シ ヤマモオチモイミモナイヨ
みかげ石でできた階段を昇り、四つの王笏が象られた象牙の扉を押すと、黄金色の
光がピ−夕ーの瞳を刺した。ケア・パラべルの城でも最上階にある図書室には、東の
海から照り返す夕陽が満ちあふれ、そこここが淡く輝いている。そんななかでピ−
夕ーの弟であり、ここナル二アではピ−夕ーに次ぐ二の王でもあるエドマソドは、光
を避けるように書棚の影に立ち、それに寄り掛かるような姿勢で本を読んでいた。そ
れを見てピ−夕ーは思わず微笑んだ。−−予想通りだった。
「エドマソド、我が弟よ。世の終わりまでそなたがいる場所は変わらないであろうな
−−この図書室だ」
ピ−夕ーが軽く両腕を開きながら歩み寄り、そう呼び掛けると、黒髪の弟はやっと視
線を上げて微笑み返した。
「兄上、あなたがここにいらっしゃるのは珍しい。何かあったのでしょうか」
「そなたに判断を仰ぎたい裁判がある。正義の君よ」
ピ−夕ーがそう言いながら弟が持っている本の表紙を覗こうとすると、エドマソドは
さりげなく本を閉じ、肩を竦めてみせた。
「私にできることでしたら何なりと。ピ−夕ー、ナル二ア一の王」
エドマソドはいつもこうだった。自分の感情をあらわにせず、常に兄妹の意見に辛
抱強く耳を傾け、冷静で確かな答えを返してくれる。年下ながら分別のある弟を、ピ
−夕ーは今日も頼もしく感じながらも、心の内を明かしてくれないことを寂しくも思った。
考えてみれば、この弟に年下らしく甘えられたことなど、もう長い間ない。エドマソド
は寡黙なほど思慮深く、めったに自分の意見を口にしてくれない。
「−−何を読んでいたのだ?」 森で起きた裁判の話をする前に、何とはなくピ−夕
ーが聞くと、エドマソドは弓形の眉を片方だけ上げ、首を降って見せた。
「何も。まつりごととはほとんど関係のないことです」
「だが、書物の喜びとはそういうものだ。この兄にそれを分け与えてくれぬのか?」
ピ−夕ーが半ば強引に背表紙を押し上げ、題名を見せるように促すと、エドマソド
は珍しく動揺したような表情の後で、背表紙に並ぶ文字列を見せてくれた。−−『人
間と彼らの世界についての神話』。ピ−夕ーはそれを見て、少なからず動揺した。エ
ドマソドは叱られる前の子供のように、目を伏せてじっとしている。
「…これはまた、興味深いな。人間が人間についての神話の本を読むとは」
暫くしてから、低く、絞り出すような、しかし無理矢理笑いを含んだ声でピ−夕ーは呟き、
エドマソドが持っている本の背表紙を指で弾いた。エドマソドは黒い瞳をちらりと上
げたかと思うと、またすぐに伏せて見せる。頬に長いまつげの影が映されるのを見な
がら、ピ−夕ーは次の言葉を考えていた。
ピ−夕ーや彼の兄妹が、このナル二アに来たのはもう随分前のことだった。余りにも
前のことなので、彼ら自身にもはっきりと思
い出せないほどだ。確かその頃には、末っ子のル−シィは、膝小僧が見えるほど短いドレ
スを着ていたし、例えばエドマソドも半ズボンを履いていた。ずっと昔、彼らがナル二アでは
ない世界で暮らしていた頃。だがいつのまにか彼らは成長し、頼もしの君だとか正義の君だと
かいう呼び名を冠され、誰もが認める名君になっていたのだった。ここ、ナル二アの国で。
目の前にいる弟は鬚まで生やし、非の打ちどころのない騎士に見える。彼はナル二ア
ではピ−夕ーに匹敵するほどの剣の名手であり、またそれと同時に書物を愛する厳格な
知性の持ち主でもある。エドマソドは兄妹のうちでも最もピ−夕ーに忠誠心が強かったし、
また彼の人柄から言ってそれは不思議なことではなかった。−−しかし−−ピ−夕ーは弟
が後ろめたそうに表紙の文字を隠す本を、ぼんやりと見つめながら思った。しかし、エド
マソドは、初めからこうだったろうか?つまり、彼らがこの世界に来た頃から。
「確かに、我々はまごうことなき人間です。しかし、我々は人間とは、どんなものなのか、
十分に知っているでしょうか?」
ぽつりと、沈黙のなかでエドマソドが呟く。ピ−夕ーが驚いてまじまじとその顔を見
つめると、エドマソドは耐えかねたように顔を背け、横顔を見せた。苦し気なその表情
もまた意外に思いながら、ピ−夕ーは言った。
「人間とはアダムの息子とイブの娘、つまり我々のことだ。そうではないか?」
「ええ、そうです。でも、それだけでは十分とは言えません」
エドマソドがはっきりとそう答え、心を決めたように彼自身の瞳と持っていた本の表紙を
ピ−夕ーに向けて見せた。挑発するように。
「我々がどこから来て、どこへ行くのか。ナル二アの他の生き物とどう違うのか、兄上は
知りたいと思いませぬか?」
真直ぐに見つめてくるエドマソドの瞳はどこまでも黒く、真摯で、夜の闇のように憂いを
帯びている。弟のこんな側面に気付いたのは初めてだったので、ピ−夕ーは戸惑いながらも
誠実に答えた。
「我々はそもそもナル二アに生まれた者ではない」
「ええ、私達はナル二アの者ではありません!ピ−夕ー、覚えていますか?我々は
別の世界から来ました。あなたはそれを覚えているのですか?」
悲痛と言ってもいい声でエドマソドは叫び、それからすぐに我に帰ったのかまた目を
伏せてみせる。図書室に敷き詰められた冷たい石が夕陽を浴びてきらきらと輝き、
ナル二アの特別な絹糸で織られた二人の装束も輝く。ピ−夕ーは不意に自分の弟が美し
いことに気付き、それと同時に彼らが昔いた世界についてもぼんやりと思い出した。
「もちろん覚えているとも…ずっと昔…あそこにも争いがあった…私達は逃げてきた…
あの場所から…。あの国…あれはなんという国だっただろう…。…私達の故郷」
口にする内に、ピ−夕ーの胸にはさざなみのように過去の記憶の断片が押し寄せて来た。
以前いた世界の食べ物、嗅いだ花の香り。しかしその記憶は曖昧で、実感を持って思い
出すことはできない。確かに事実なのに、すべてが夢のようにすら感じて、それを驚い
ていると、エドマソドは堪り兼ねたように言った。
「私にもその名は思い出せません!私達のいたあの国の名前。私達と一緒に暮らしてい
た人たちの−−あの愛おしい人たちの名前!何も思い出せない−−ときどき、疑わしくな
るのです。私達が人の子だということすら。だって、私達自身にすら、人とは何なのか、
もう既にわからなくなっているのですから!ピ−夕ー、あなたは何故そんなに落ち着いて
いられるのです?自分達のいた世界を、思い出せなくなっているのに」
一息に言うと、エドマソドは唇を引き結び、それからふいと目を逸らし、持っていた本を
でたらめに書棚に押し込んだ。ピ−夕ーは唖然としてそんな弟を見ていた。彼ら四兄妹がナ
ル二アの王座についてもう随分長いことになるが、エドマソドがこう感情的になるのを見た
ことは、めったになかったのだ。 ピ−夕ーはしばらく弟の張り詰めた横顔を見ていたが、
それからため息を吐いて言った。
「…確かに、私達は過去にいた世界について、だいぶん忘れてしまったようだ。私に
も思い出せない。そう、私達は、以前ここではない世界にいた。王でも女王でもなく、
ただの、…ただの子供として。−−だが今の私には、私達がどうしてここに来たのか
すらも思い出せない」
そしてそのことを不思議にすら思わない。そこまで言おうとして、何故だかそれは
憚られて、ピ−夕ーは口を噤んだ。エドマソドはちらりと視線を上げ、すがるように見
つめてきた。
「本当に思い出せませんか?」
「本当に思い出せない。…そしてそれでいいのだろうという気さえするのだ」
ピ−夕ーが威厳を持って答えると、エドマソドは失望と崇拝が入り交じった表情を浮
かべて見せた。
「…ええ、私もそんな気がするのです」
「ではそれでいいのだ。それがアスランの思し召しなのだろう」
ピ−夕ーが弟の肩を摩るようにして言い聞かせると、エドマソドは困ったような顔を
してから、少し笑った。「…そうでしょうか」
「元の世界に帰りたいのか?弟よ」 ピ−夕ーは優しく弟に問いかけた。何故か不意に、
いつもは正義の君として崇められ、ナル二ア一の知性と分別を持つと評されるエドマソドが、
頼り無い一人の少年のように見えた。こんな気持ちには確かに覚えがある。そう感じながら、
怯えたようなエドマソドの肩を抱いていると、間近にいる弟はふと顔を上げて、至近距離で
ピ−夕ーの瞳を見つめてきた。それは恐ろしいほど真直ぐで、切実な思いを込めた瞳だった。
エドマソドは細い声で呟いた。
「私にはもうそれすらもわかりません。ただ、…何か、恐ろしいような、寂しい心持ちが
するのです。特に、こんな夕暮れ時に。自分が消えていくような…」
そこまで言って、エドマソドは白い整った並びの歯で薄い唇を噛んだ。ピ−夕ーはそれ
をぼんやりと見つめていた。自分の弟は確かに美しいのだとも実感したし、それなの
に妃をめとっていないことを今さらに口惜しくも感じた。尤も、ピ−夕ー自身も妻を
迎えていなかったが、彼の弟が素晴らしい女性をめとっていないこと、それをことさ
ら理不尽なように感じた。
「大丈夫だ。どうなろうと、そなたは消えていかない。永遠に私達と一緒にいるだろう」
宥めるように答えると、エドマソドはきつい瞳で見返して来た。
「その証は?そうと実証できることはあるのですか?」
「そなたは理屈くさいな。…ただ信じればよいと言うに」
思わず笑ってピ−夕ーがエドマソドの鼻を摘むと、エドマソドは罰悪気な表情で口籠った。
「信じるのは苦手です。…おそらく、私は永遠にあなたやル−シィのようにはなれないでしょう」
すいません、予定よ長くなりそうです
そう、確かに、理に聡いその性質のせいで、エドマソドは受難に直面したことがあった。彼一人
がクリスマスの贈り物を持たないのも、ナル二アの王座に就く四人のなかでただ一人、
どことなく影を背負っているのも、彼のその性質のせいだ。ピ−夕ーは扱いずらい弟を不憫に
思いながらも、何と返せばいいのかわからず、言葉を探していた。
その時だった。エドマソドがあの黒い瞳を不意に上げて、薄い唇を寄せてきたのは。形
の良い唇がピ−夕ーの金色の睫を掠め、白いまぶたに押し付けられ、広い額に寄せら
れ、それから柔らかい唇に擦り付けるように重ねられる。若草の香りのようなエドマ
ソドの吐息を感じながら、ピ−夕ーは驚いていた。
暫くして、キスが終わると、ピ−夕ーは慎重に聞いた。
「驚いたな。今のは…どういうつもりなんだ?」 俯いていたエドマソドがくすりと笑った。
「キスだよ、ピ−夕ー。やあ、お互い、昔のような口調に戻っているな」
そう言われてピ−夕ーは、確かに自分と弟の口調が、さっきまでとは違う、しかし
どこか懐かしい、気心が知れたものになっているのを感じた。
こんな口調で話した頃もあった。曖昧なそんな記憶を辿っていると、エドマソドの唇
がまたピ−夕ーのそれに舞い戻り、彼の細い指がエドマソドの柔らかい金髪を掻き上
げ、なぞるように項へと下りて、ついには胸元まで落ちていく。エドマソドは驚きを
感じ、しかし弟の指先に宿った火のような官能を、抵抗もなく受け入れていた。
「…あの人たち…そう、パパとママが、寝る前によくしてくれた。唇をこめかみに押
し付けるみたいなキス。…ママからはいつもはいいにおいがした。僕らはいつもいが
みあっていた。僕は年上のピ−夕ーが妬ましくて、うっとうしくてたまらなかった。
…覚えてる?ピ−夕ー?」
冷たい石の上で、服を脱ぎあいながら、エドマソドが囁くように問う。夕暮れの光は
少しずつ弱まり、その代わりに夜が押し寄せ、エドマソドの白い肌も闇を受け入れて藍色
に染まる。ピ−夕ーは自分自身すら気付かなかった欲望を暴かれながら、素直に頷いた。
「…覚えてる。どうして忘れていたんだろう?違う、忘れていたわけじゃない。エド。
…違う。でも、忘れてしまうところだった。…すべて…」
元いた世界も。自分達のことも。ピ−夕ーには信じられなかった。自分達がいまナル
二アにいることと同じように、自分達は昔、まったく異なる世界にいたことが。そこに
はもの言うけものもいなかったし、自分達はなんの功しも成し遂げられない子供だった。
自分達を保護してくれる存在がいて、それでいながら現実に怯えていた。そんなことを
ほとんど忘れていたことに驚きを覚えたし、エドマソドの指先や唇によって、明瞭に
記憶が蘇ることにも驚いた。
ピ−夕ーにはわかった。エドマソドは、ピ−夕ーに過去を思い出してほしいのと同時に、
自分自身もそれを思い出したいのだ。だからこそこんなことをするのだ。
「僕は君を、君たちを裏切った。それがこの国に来て、最初にしたこと。忘れられっこない」
行為の終わりに、エドマソドが薄墨のような瞳を閉じて、静かに呟いた。ピ−夕ーはそれを
聞いて、まじまじと彼の弟を見つめた。理性と法で自らを律した、ナル二ア一の裁判官。常に
落ち着いて物事に相対するエドマソドが、急に幼く見えた。ピ−夕ーは弟を、ナル二アでな
い世界にいた頃、よくそうしたように、きつく抱き締め、年上らしく言った。ものも
のしいほどの声音、けれどかつてのような幼い口調で。
「それでも、エド。君は僕の弟だ。ナル二アでも。ナル二アでない世界でも。ス−ザン
やル−シィにとっても、君はいつだって兄妹だよ。そうじゃないか?」
そう言ってエドマソドの黒髪を撫でると、彼の弟は恐る恐る視線を上げた。いたずらを
して、それがばれた後に、怒られることに怯えたような少年の表情。ピ−夕ーは遥かかなたの
過去を久方ぶりに思い出し、喉元に込み上げてくる笑いを噛み殺した。そう、結局のところ、
ナル二アであろうとどこであろうと、エドマソドは彼のかわいい弟なのだ。それはどう
なっても変わらないだろう。エドマソドが自分達兄弟を、アスランを裏切った時ですら
そうだったのだから。
「ときどき、僕がここにいるということが不思議になる。ピ−夕ー。…罰が当たる
かもしれないけど」
拗ねたように言う弟の額にキスをし、ピ−夕ーは服を着ながら上半身を起こした。
窓の外のナル二アの夜は輝き、咲き乱れる花々の香りは城の中にまで漂ってくる。お
とぎ話のように美しい国。そう、ここは本当におとぎのなかの国なのかもしれない。
自分達は未だ、かつて異世界でそうであったような子供なのかもしれない。 だが、
だからといってナル二アの価値は損なわれないだろう。ここで過ごした夢のような時
間の意味も消えない。ピ−夕ーとエドマソドが、兄弟だという事実も変わらない。そ
れでいいではないか? ピ−夕ーは身なりを整え、しゃんと立ち上がると、さっき
までとは違う、ナル二ア一の王に相応しい威厳を持って答えた。エドマソドはまだ装束
も着ないまま、そんな兄を見上げている。
「ここはナル二ア。気高きアスラソの統べる国。そなたは我が弟。ナル二ア一の知性と
分別を備えた、正義の君。固き絆によって我らは四つの王座を守ってきた。それ以上に
どんな真実があろう?」
そう答え、弟に手を差し伸べると、エドマソドは戸惑ったような表情のあと、その手を
握ってきた。ピ−夕ーは微笑み、エドマソドもはにかんで見せると、呟いた。ええ兄上、
いつまでも、いつまでも、この幸せな夢が続かんことを。私はそれを願います。
終
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・;)改行ちょっとおかしいかも…
お目汚しすまんです
>547
ナチュラルに押し倒されてる兄がたまらん……GJ!です姐さん。
原作読んでた時には何とも思っていなかったのに、あの映画で
今や兄弟萌えが大変な事になっている私には最高のビデオでしたよ。
>557
乙。そして了解。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )イチオウナマモノ ホボオリジ デハドゾー!
彼は久しぶりに古巣のユ二フォームに身を包み、白いボールを投げ込んでいる。
周りにいるのは懐かしい顔に立場の変わった親友、そして新しい仲間。
変わったのか変わっていないのか、ともかく「相変わらず」という言葉が似合う明るく厳しい雰囲気。
そんな中ふとよぎるのは、彼がここに戻った事を知ったある人物の言葉。
自分を…自分達をよく知る、恩師とも言える人物であり、彼を自分のチームに呼ぼうとしていた人物。
その人物が、彼と親友の仲を皮肉って言った言葉。
『あいつらはホモみたいな関係やから』
本来ならもっと怒ってもいいはずだ、メジャ一にいた頃なら他チームの監督がそんな発言をしたならば
自分だけでなくチーム全体の問題になり、名誉毀損として法廷に持っていかれてもおかしくない。
もちろん、チームの考えで下手に反論すればイメージが悪くなると結論が出たのかも知れない。
ただ、彼自身の内部で思いもかけない考えが浮かんできたのだ。
もしかすると、その関係を望んでいたのかも知れない。
信頼しあったバッテリー、苦しい時も楽しい時も共にあった親友に、それ以外の関係を求めて
いたのかも知れない、そして今も求めているのかも知れない……
「まさか」
思わず口に出して呟く。
「何が『まさか』なんや?」
と、耳慣れた声が背後から話しかける。
「フルさん…いえ、何でもありません監督」
「これ付けてる時は『フルさん』でええよ、今からお前の球を受けようと思ってね」
マスクの奥のメガネの、その奥にある瞳は野球する友人を見る目だった。
彼は、これでいいんだと思った。
親友に望まれて同じチームでプレー出来る、それに何の不満があるのだろう。
これ以上の望みがあるとすれば、それは親友と共に勝利の栄光を勝ち取る事だけだ。
抱き合うとすれば、それは栄光の日に喜びを分かち合うためだ…そうだ、きっとそうだ。
そう思い、彼はボールを投げた。
終
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 映画化もしたホラーゲームの2。 三→永。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 微妙にネタバレかも。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
561 :
1/2:2006/04/10(月) 00:10:11 ID:qV3/pA3E
一人前にしてやらんとな、と、その子供っぽい顔を見た時から思っていた。
別に長井に限ったことではない。
新入りを鍛え、育て、一人前の自衛官にする。それが上官の仕事であり、本分だった。
厳しすぎるとか人間味がないという評価は、むしろ望むところだった。
まして成績優秀な長井のこと。甘やかして駄目にするより、厳しく鍛えてやりたかった。
三澤の考えは、まだペーペーの長井の理解を得ることはできなかった。
長井は三澤ではなく、置田に懐いた。
子犬のように置田の後をついて回り、実家から届いたという野菜をどっさり抱えて置田の部屋の扉を叩く長井を見て、愉快な気分にはなれなかった。
むしろ不愉快に感じていると、気付いたのはいつだったか。
そういえば、と三澤は考える。
長井が自分の前で笑ったことはあっただろうか。
否。
思い浮かぶのは、緊張した顔、泥で汚れて疲弊した顔、涙でぐしょぐしょに濡れた顔、怒りの顔、憎悪の顔。
笑い顔を思い浮かべれば、それはいつも自分の方を向いてはいない。他の誰かに笑いかける横顔だ。
562 :
2/2:2006/04/10(月) 00:13:43 ID:qV3/pA3E
「なーがいくん」
三澤は、暗闇に浮かぶ長井の幻影に呼びかける。
「いっしょにあそびましょー」
廃墟の壁にぶつかり、響き、消えた声と共に、長井の顔も見えなくなった。
なーがいくん、あーそびましょ。
銃に弾丸をこめながら、今度は口の中で呟いた。
なぁ長井。
一緒に行こうぜ。
あちら側もこちら側もどうでもいいが、お前のことだけはどうでもよくねぇんだよ。
暗闇の中に小さく響いた足音に向けて、三澤は銃を構えた。
もう諦めろ、俺と一緒に来い。
怖い思いをさんざんしただろう。もうそんな必要はない。ここには恐怖も悲しみもない。
色々話したいことがある。いや、こっちに来れば話さなくてもきっとわかる。
そうすれば、お前はきっと俺にも笑いかけるに違いない。
ライトの光が視界を焼いた。
忌まわしい光の中、三澤の目に映ったのは、憎悪に歪んだ表情ではなく、欲しくてたまらなかった明るい笑顔だった。
三澤は笑みを浮かべたまま一歩踏み出し、引鉄にかけた指に力を込めた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ エロも何もなくてスマソ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
あの台詞といい執着の仕方といい、恋にしか見えないよ三佐。
>>563 最萌えカプキターーーーーー!
GJー!!!!!
何回も読みましたよ。
>あちら側も〜
禿萌えた……
>>559 GJGJGJGJ!!
強くてかわいいひとたちだよほんとに…
568 :
風と木の名無しさん:2006/04/10(月) 07:28:51 ID:5XKvQKfc
禿が来たのであげw
>>563 あの面特に怖くてどうしようかと思ってたけど
おかげで萌えることができたよ…ありがとう!
>559
萌えすぎて禿げました
ナマモノゲ仁ン、針金69の針金×69です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )モエノキモチノママカイタラコウナッタ。イマハムラムラシテル
収録が押しているとか何とかで、ポッカリ空いた一時間。
マネージャー命令で、俺は毛布を持たされ、楽屋に押し込まれた。
外出禁止です。おしゃべりも禁止です。ブログも更新せんといてください。
携帯は預かります。今は、少しでも、睡眠とってください。
そんな必死なマネージャーに負けて、俺は真っ暗な楽屋で、毛布をかぶった。
そう言われても、眠れるもんやないねんけどな…。
でも、マネージャーが俺を心配してる気持ちは分かるので、俺は大人しく
天井を見ていた。
最近、睡眠をしていないのは、周りにはっきりバレていた。
確かに、朝5時起きの日でも、4時ぐらいまでブログ更新してるし。
そのわりに、新幹線でも楽屋でも、人がおるところばっかりおるし。
目の下のクマがハッキリしていて、タダでさえ悪い人相が、さらに悪く
なってるし。眉間のシワも深くなってるし。言われてみれば、バレない方が
おかしいっちゃおかしいのかもしれない。
でも、悪いけれど、眠りたくないねん。
言ってしまえば、睡眠欲に負けてしまう自分が怖い。
最近、食事もサラダばかりにして、食欲を抑えている。
克己、と言ってしまえば格好良いけれど、要は、自分が本当にできる人間
なのかを、確かめたいんや。
574 :
2/3:2006/04/11(火) 00:14:38 ID:aKbt31Ez
ツラツラと、ここ数日、一人になるたびに考えることを繰り返していると、
楽屋のドアが開いた。「寝てる?」と、囁くように、声が低く響く。
「起きてる…」
俺も、自然と低い声になった。
明るい廊下の光が、逆行になって、アイツの顔が見えない。
「何やねん、お前…どうかしたんか?」
「起きんでええよ。ただ、お前、眠ってへんのちゃうんかなって」
ちょっと苦笑を含んだ声で、アイツは答えると、のっそり部屋に入ってきた。
ドアが閉じて、部屋がまた真っ暗になる。
アイツが、寝ている俺の隣に来たのが分かった。
俺は動揺しないように気をつけながら、「何やねん」と問いかける。
すると、アイツは長い体をのばしながら、俺の横に寝そべった。
こちらに体を向けて、毛布の上から、俺の体をポンポンと叩く。
「やめぇや、気色悪い」
「硬い体やなぁ。お前、やせたんちゃう?」
「今、体絞っとんねん…」
575 :
3/3:2006/04/11(火) 00:15:28 ID:aKbt31Ez
暗闇で、お互い囁きながら喋る会話は、ちょっと気色悪かった。
しかし、俺はそれを打ち切ることも、相方の手をはねのけることも出来なかった。
お前、どういうつもりやねん。そう叫ぶことも出来ず、しばらく黙り込む。
アイツは、俺の体をポンポンと優しく叩きながら、こう呟いた。
「俺の子供もなぁ。最近、なかなか寝ぇへんねん」
「はぁ?」
「そういう時、こうやって心臓の鼓動にあわせて、体叩いてやったら、
コテーンと眠るんや。騙されたと思って、俺に任せてみ?
嘘みたいに眠れると思うで」
「…アホか。幼児と一緒にすんなや…」
しかし、その手のぬくもりに、心地よさを感じている自分は、否定できなかった。
もう30歳越えたオッサンが、オッサンに寝かされる。
こんな馬鹿げた状況なのに、拒絶できない自分。
俺が勝ちたいのは、妻も子供もおる人間に、懸想する自分なんやけれど。
睡眠欲にも、食欲にも勝てるのに、どうしたら勝てるんやろな。
いっそこのまま……
ポンポンと優しく叩かれる感触に、ふいに泣きそうになって、俺は毛布をかぶって
寝たふりをした。収録がはじまったら、またいつもの状態に戻らなアカン。
克己や。俺。頼むで。ホンマ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>573
モエタ…姐さんありがとう
>>573 数年ぶりに針69に萌えました…
ありがとうございます
>>573 朝から萌えますた。
針金に癒される69に泣ける。
>573
萌えた(*´д`*)
どうしよう夢幻火曜日がまともに見られないw
「えーちゃんえーちゃん特製ミルク飲んでっ」
「てぺ・・・おいしいよ・・・」
「えーちゃあああん」
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )萎えスレ223-233の姐様方に捧げますモエ。
永瀬くんは変わってる。
今日も子牛を英語でビーフベイベーって言ったりして。
それじゃあ牛肉赤ちゃんだよ…。
国文は、はぁ、と溜め息を一つ吐いて隣で目を瞑っている永瀬を睨んだ。
楽屋には国文と永瀬の二人しかいない。
山久地と松丘は先程5人でやったジューじゃんで負けたのでジュースの買出しに行っている。
ヘッドフォンをして聴いている音楽は、多分ボクの知らないバンドの。
目の前にある揉み上げが妙に気になって、つい見つめてしまっていたら楽屋のドアが開いた。
入るでー、と暢気な声が聞こえて、リーダァが入ってくる。
その声に反応して永瀬の瞼が上がる。
後ろを振り返る永瀬と国文の目が一瞬重なり合い、お互いにキョトンとして視線が離れた。
「リーダァ!」
大声を出して笑顔になる。何だか大型犬みたいだ。
「ん? どしたん?」
リーダァも釣られて笑みを零す。
国文はそんなリーダァの子供を相手にしてるみたいな笑顔がつまらないなあと思う。
「何だかおじいちゃんみたい」
呟きを聞かれてしまったのか、リーダァは国文に向き合った。
リーダァの関心が国文に行ってしまい、永瀬は笑顔を引っ込めて唇を尖がらせた。
「俺、リーダァの胸に刺さりたい!」
唐突にそう言って、永瀬はリーダァに突進する。
「はあ? 何言うとんのやぁ永瀬くんってうわ苦しいやん放しい」
国文に気を取られていたリーダァは反応が遅れて永瀬に抱きつかれてしまった。
「刺さりたいってダツかよ」
沖縄あたりに生息する魚を思い浮かべて、小さく鼻で笑う。今度ばかりはリーダァの耳には入らなかったらしい。
騒動を良い事に、国文は手に持っていた雑誌に目を戻した。
抱きつく永瀬から逃れようとリーダァは顔を押し返して抵抗している。
大雑把なスキンシップの取り方をする二人のお陰でマンガの展開が頭に入ってこない。
「リーダァ人肌!」
「当ったり前やがな! 生きとるんやから!」
放せ、ヤダ放さない、と体力のないリーダァには不利な攻防が続く。
やがて当然くたくたになったリーダァが大きなわんこにぐりぐり抱き竦められた。
永瀬の気が済むまでぐりぐりされっぱなしだったリーダァは、ようやく自由の身になったと思ったらふらふら出て行ってしまった。
何の用事で来たのか結局分からずじまい。
パタンとドアが閉まると、永瀬は国文を振り返りそれはもうきらっきらした目でこう告げた。
「どうしよう多市くん! 俺の目、リーダァがいっぱい!」
多分リーダァしか見えてないよ、みたいな?
永瀬の行動が気を散らせて、折角の感動のシーンが台無しになってしまった。
「あー、もう!」
イライラが最高潮。
国文は目の前で目を輝かせているちょっと彫りの深い顔をした青年の頬を揉み上げごと掴んで思い切り抓る。
抓られて涙目になった永瀬に抓られて、国文は真っ赤になって降参のタイミングが計れないでいる。
「痛い、痛いよ多市くん」
「じゃあやめろよ」
「ヤダ! だって先にやってきたの多市くんじゃん!」
ぐにぐにぐにぐに。痛い痛い痛い。
「はいそこまでー」
果たして抓りっこ勝者決定戦は、両者の頭が第三者に叩かれて終わった。
二人が一斉に頭を叩いた手の主を見上げると、そこには松丘が呆れた笑顔で立っている。
後ろには、山久地が肩を竦めていた。
松丘の左手にはビニール袋がぶら下がっている。今日のジュースは松丘の奢りらしい。
そして山久地の右手には、首根っこを掴まれてしょぼくれているリーダァがいた。
「何だよリーダァ。しょっぱい顔して」
「何でなんやろなぁ。自分でも分からんわぁ」
おじいちゃんの顔をしたリーダァは首を傾げて国文の疑問に疑問を返して項垂れる。
永瀬はそんなリーダァを救出に向かう。
「ダメだよ山久地くん! リーダァ猫じゃないんだから!」
果敢に取り戻そうと手を伸ばすが、リーダァはもう少しで捕まりそうな所で長瀬の手をすり抜けた。
「ほ〜れほれ」
山久地は悪戯っ子の笑顔で永瀬をからかう。
リーダァを右に左に振って遊ぶ山久地。遊ばれている永瀬。オモチャにされているリーダァ。
「ちょ、オモチャやないで、遊びなや!」
リーダァが講義する。
けれども振り子の両端でいちいち決めポーズをとっているのだから説得力がない。
「はいはいはい。終了終了!」
松丘が山久地の手からリーダァを放して、ビニール袋から全員に缶ジュースを行き渡らせる。
リーダァは、ありがとなぁと松丘に頭を下げて缶を受け取った。
すると永瀬が「そっちのが良い!」とリーダァの腕を掴んで駄々を捏ねた。
「そんなんどっちでも一緒やがな」
リーダァは永瀬の我侭に呆れて眉を顰めている。
「ちーがーうー! そっちのが美味しそう!」
同じ会社の出した、同じ名前の缶ジュース。全く同じ物の味が違うとはこれ如何に。
永瀬は子供のように、リーダァへとお願い光線を発している。
「いーじゃん、リーダァ。交換してやれば?」
松丘が手を振ってアドバイスする。
リーダァも根負けした様子で「はいはい。交換な、こーかん」と永瀬の缶を手にした。
「わあい!」
はしゃぐ永瀬を脇に除け、山久地が乾杯の音頭をとる。
「松丘くんの奢りに感謝してカンパーイ!」
メンバーが思い思いの場所に座る。
缶を手にした永瀬は、国文の隣に腰を下ろすと一転して肩を落として溜め息を吐いた。
「何でだろうな、俺こんなにも刺されてる。」
シリアスな表情は多分、自分ばっかりがリーダァの事を好きだって事を言いたいんだろう。
そんな事、オレが知るか。バーカ。
国文は永瀬の豹変っぷりにムカついてそっぽを向き、焦げパンよろしくヤサグレた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)あれ? ヅラ装備させ忘れた!関西弁分からない!
……以上、脳内設定でお送りしました。
>584
ちょっ…今まで全くそんな目で見てなかったのに萌えた!
リーダァヘタレすぎててかわいいよ!おじいちゃん!
>584
スッゴい好物です。本当にありがと―!
>560-563
元ネタ知らないけど、ものすごく萌えた。
三澤の執着に惹かれる。
もし宜しかったら、元ネタをお教えください。
>587
560-563は「S/I/R/E/N/2」ですね。
興味が沸きましたらホラーゲームスレにもおいでませ。
>>564 おじいちゃんって言うな!w
とか言いつつそんなリィダアが大好きだw
禿げた
いや剥げ萌えたw
是非ヅラも装備させてもっと目をいっぱいにしてやってくださいw
590 :
589:2006/04/11(火) 23:36:13 ID:/zHzqFSO
>588
レス、さんくすです。
新しい境地へ旅立ってみるとします…
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )オリジナル最近流行のソフトで小ネタ
ねむれない夜に、ひまを潰す
ぼくの成分解析結果 :
ぼくの71%は欲望で出来ています。
ぼくの24%はビタミンで出来ています。
ぼくの2%はスライムで出来ています。
ぼくの2%は砂糖で出来ています。
ぼくの1%は怨念で出来ています。
よくわからない結果に脱力、まあ欲望の部分は当たっているかも。
あなたへの欲望で満ちた僕にとって、あなたの笑顔は栄養
思いはどろどろに溶けてきっと甘い
鈍感なあなたをたまに恨めしく思う
あなたの成分解析結果 :
あなたの68%は見栄で出来ています。
あなたの20%は大人の都合で出来ています。
あなたの11%は覚悟で出来ています。
あなたの1%は白インクで出来ています。
身なりをきちんと、少し癖毛なのを一生懸命撫で付ける
人前でベタベタするなと怒る
かと思うと突然甘えてくる、きっと僕は彼の掌の上で転がされている
好きになっちまったもんは仕方ないよな、と世間の目を笑い飛ばす
白インク・・・いや、なんでもない
気付くともう朝一のニュースが始まる時間
なんだか馬鹿馬鹿しい気持ちになって、画面を閉じた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )スッキリ
>>592 成分解析ネタ、あちこちで見かけてもイマイチぴんと来なかったんだが
初めてそのネタで萌えたよ!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ナマモノ ヒギュア 東/北高のセンパイ→ニホンのエース
可愛い後輩。
お前は俺の一つ下の可愛い後輩。
幼い顔とユーモアたっぷりのお前は、誰からも愛された。みんなお前が好きだった。
そして、お前はスケートの女神にも愛された。お前は俺を超え、俺達を置いてたった一人で世界に飛び出した。
そんなお前を誇りに思う。
俺はもう、お前には追いつけない。
遥か彼方に、お前は一人駆けて行った。
誇りに思う。
お前を凄いと思う。
同じスケーターとしてお前の才能を羨ましく思う。
だけどその反面、お前が憎い。
才能の差を見せ付けられる度に、俺はお前に嫉妬する。
お前が表彰台に立つ度に、タイトルを手にする度に、高度な技を決める度に俺はお前に嫉妬する。
俺が手にする事のないものを、お前が手にする度に俺はお前を憎く思う。
可愛い後輩。お前は俺の可愛い後輩。
お前が好きだよ。
だけど、
その想いと同じ重さでお前を憎んでいるよ。
きっとお前は、俺のこの気持ちに気づかない。
だけど、それでいい。
お前は気づかないままでいて、俺のそばで笑っていてくれ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・)世代交代してもいつまでもこの二人が好きなのさ。
>>594 もしかして、女王と同世代の目欄の人たち?
この二人は萌える(*´∀`*)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ゲーム戦国バサラの忍と主だモナ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| スレの姐さんたちにインスパイヤーされちゃったよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ H要素皆無だよ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「調子、悪いんじゃないの?」
昼の鍛錬を終えて、体を清めながら納得いかなそうに眉を顰めてる旦那に
わざと、今までどおりのすっとぼけた口調で声をかけてやったら
旦那は面白いように予想通り、目を瞠ってうろたえた。
ああもう、オレ、旦那のそういう素直なトコ大好きだよ。
「さ…ッ、い、ぞう…」
とびっきりぎこちなくオレの名前を呼ぶ旦那を、
手招きして縁側に座らせて、団子と渋茶を差し出す。
旦那はまた、目を丸くしてオレを見返した。
「ハイハイ、オレ様は真田忍軍副頭目、
今じゃ元頭目の猿飛佐助の後を継いだ、霧隠才蔵ですよ」
まんまるな旦那の目を見据えてそう言ってやったら、
旦那の表情がみるみる子供のように拗ねた。
ホント、あんたは戦場で槍振るってる時以外は、まだまだコドモだよねぇ。
「旦那の好みは、今は亡き猿飛佐助から言伝てられておりますれば…ドンピシャでしょ?」
慇懃無礼…のつもりだったのに、
気がつけば殊更丁寧な手つきで旦那に勧めてる自分に苦笑した。
オレは、口先ではわざと意地悪な言い方をしてるくせに、
せっかく用意したこの団子、旦那に食べて欲しくてしょうがないんだ。
「…っ、う……、たしかに、これは、それがしの好物のみたらし団子である…」
旦那が必要以上に武張って応えるのが、おかしくてたまんない。
「今は亡き猿飛佐助殿は、まったく旦那の好みを良くご存知でしたなぁ」
空を見上げて呟いてみるオレの声色は、この上なく白々しい。
その白々しさに、生来潔癖な旦那はとうとう腹を立てちまったらしい。
「どっ、どの口でそのようなことを言うのだ貴様は!!この幸村の気も知らずッ…」
空を見上げてた顔を引き寄せられ、
あっという間に左右の頬っぺたをギリギリと抓り上げられていた。
…あー、忍びとしての今後の為に自己弁護しとくけど、抓られたのはわざとだからね?
真田の旦那が気を収められるように、わざと逃げないで犠牲になったんだよ、オレ。
「痛ってぇ!ちょ、やめてよ旦那!
いつも佐助に言われてたでしょ!?感情任せに部下に乱暴したら、上司失格だって!!」
「貴様が悪いのだ貴様が!主たるこの幸村を良いように嬲りおって…ッ」
言いながら抓る指先の力は益々強くなってきて、でも、
旦那の顔はいつの間にか、泣きそうに歪んできた。
もう、ほんと、しょうがないなぁあんたって人は…。
オレはどうにか自分の顔から旦那の手を外し、そのまま引き寄せて旦那の体をしっかり抱いてやった。
すぐに痛いくらいしがみ付いてくる旦那が、ホント、愛しくてたまんねぇよ。
武田軍天下統一の大願を成就したその日、
オレは旦那と大将の呆れるほど暑苦しい殴り愛を眺めながら
背後に忍び寄って来た気配に溜息をついていた。
やれやれ、やっぱり来たか、かすがちゃん。
ウチの大将が天下取ったってことは、
オレの後にいるこのくのいちが切ないくらい愛しちまってるあの上杉の大将は、
天下をモノにできなかったってことだ。
けど、上杉の大将の力を認め、敵ながら天晴れって常日頃言ってたウチの大将は
上杉の大将を殺さなかった。もちろん、上杉の大将が可愛がってたこの「美しき剣」も。
「お前の情けなど…ッ!」とかなんとか、すんげぇ形相で悔しがってたけど
当の上杉の大将が、ウチの大将に向かって神妙に頭下げたもんだから、
かすがもそれ以上は何も言えなくなって、風切ってどっかに飛んでっちまって、
それっきり姿見てなかったんだけど。
「…ま、やっと戦わなくて良い世の中になったんだし、これからは忍び同士仲良く…」
鬼みたいな(いや、美人だけどさ)形相を覚悟して、わざとにこやかに振り返ってやったら、
あーらやだ、すんげぇ色っぽい微笑みなんか浮かべちゃってさ、このくのいちってば。
逆に怖ぇっての。冗談キツいぜ。…殺気、ぜんぜん隠せてねぇってのに。
オレに向かって微笑みかけたまま、かすがは誘うような手つきで
その惚れ惚れするようなボン・キュ・ボンの体を撫で回して見せた。
あーあー、目の毒。
ていうか目の保養。
うん、判ってても油断しちゃうよねこれは、まさに女の武器だわ。
だからそんなきわどいカッコで戦ってたのかあんた。
そしてかすがは徐に短銃を取り出し、オレに銃口を向けた。
その短銃どっから持って来たんだよ?慣れない獲物使うと手ぇ傷めるぜ?
…ま、どうでもいいか、そんなこと。
もちろんオレ様、超優秀な忍びだからさ、逃げるのは簡単だったんだ。
でも、瞬間、目の前にいるのがもし、真田の旦那だったら…
なんて、余計なこと考えちまったんだよな。
お館様の為、あの方の為、って言いながら自分の命を粗末にしたがるかすがと旦那は、
よく似てると思うことが戦場で何度もあった。
もしウチの大将が天下取り逃がして、でも大将も旦那も命は助けられたとしたら。
その時旦那はどうするんだろう。
大将の天下の為に捧げてきたあの炎みたいな情熱を、どこにぶつけようとするんだろう?
目の前にいるこのくのいちも、そういう気持ちを持て余してオレのところへ来たんじゃないのか。
ほら、オレってなんていうか、八つ当たりしやすいだろ?自分で言ってて悲しいけど。
で、まあ、自分でもお人よしかなぁって呆れたけどさ、
オレ、撃たれたフリしてやったんだよね。
勿論、弾は避けたけど、撃たれたフリして
屋根の上からひゅーっと落っこちて見せた訳よ、かすがの目の前で。
かすがだって優秀な忍びだ、実際は当たってないことくらいちゃんとわかっただろうし
これが本物の戦場だったら、追って来てトドメ刺すなりしたんだろうけど
何しろただの八つ当たりだから、かすがもそこまではしなかった。
白い鳥に掴まって飛び去って行くかすがの形の良い尻を見送りながら、
オレは忍びらしく音もなく着地した。
そして旦那に突き飛ばされてみっともなく転がった。
「さッ、佐助!何事だ今の音は!?銃声ではなかったか、何があった佐助ぇ!!」
突き飛ばしたオレの胸倉を掴んで更に揺さ振る旦那をどうにか宥めて
「上杉のところの忍びが友達になった記念に新しい武器を自慢しに来てくれた」と
ものすごくいい加減な嘘で誤魔化したら、旦那はあっさり信じてくれた。
でも、そこから話が妙な雲行きになってしまった。
顎に手を添えて、何やら思案顔でオレと旦那を見てた大将が、いきなり
「うむ、佐助、そのまま死んでみせぃ!」
とか、言い出した。
いやー、オレ忍びですから、そりゃ主の主に死ねと言われりゃ死ねますけど…
「何を仰るのでござりまするかお館様!佐助はそれがしの大切な忍、
此度の戦にても功労高く、褒めてやりこそすれ、死ねとは何んたる御無体!
お館様のお言葉とも思えませぬ!!」
あらら、嬉しいじゃないの、旦那、オレの為に大将に楯突いてくれるんだ?
「ふはははは!案ずるな幸村、これも戦の謀じゃ!」
大将はいつも通り豪快に笑いながら、旦那を殴り飛ばした。
「なっ、それはどういうことでござりまするかお館さまぁ!」
って、問い返しながら、旦那も大将を殴り返す。
大将の謀っていうのはつまり、こういうことだった。
武田が天下を統一したとはいえ、まだ各地に敵の残党は残っていて、
世の中から戦が完全になくなるのはもう少し先のことだ。
大将も旦那も、まだまだこれからも戦場へ出て戦わなければならないだろう。
旦那と一緒になって戦場を駆け巡る戦忍であるオレは、
忍でありながらそれなりに名も顔も知られてしまっていて
そういう意味では(オレが言うのは口幅ったいけど)武将みたいなもんだ。
そのオレが、大将が天下統一を果たした矢先に慢心して
敵の忍の残党に無様に殺されたという噂が広まれば、
武田軍は弱っていると踏んで戦を仕掛けてくる連中が必ず出てくるだろう。
つまりは猿飛佐助の死という囮を使って、
武田に敵対する残党狩りをしようということなのだった。
以上のことを、大将は旦那を殴り殴り説明してくれた。
「さすがでござりまするお館さまぁ!
御無体などと申し、それがしこそが無礼千万、お許し下されぁ!」
と、旦那も大将を殴り返しながら感激していた。
なんでここで殴り合う必要があるのか、オレにはきっと永遠に判らないんだろうな、と
オレはちょっと遠い目をして思った。
とにかく。
そんな訳で今オレは
『死んだ佐助に代わって真田忍軍の長を務めることになった霧隠才蔵』
として暮らしてる。
顔も声も姿も才蔵にしてるんだけど、
旦那の前でだけ、ちょっと佐助の声に戻ったりしてるのは、大将には内緒。
本当は死んだフリしてる間は、実際、真田の邸から離れてるつもりだったんだけど
真田の旦那がどうしても首を縦に振ってくれなかった。
「佐助が死んだ、佐助が死んだと、皆口々に言うものだから、
嘘と判っていても恐ろしくなるのだそれがしは!
佐助は死んでおらぬ!生きてそれがしの傍におる!
それを信じさせろ、この身から離れること許さぬ、佐助ッ!!」
なんて言って抱きつかれて、着物の襟ぐっしょりになるほど泣かれたらさ、
どこにも行ける訳がないよな。
鍛錬を終えたばかりの汗臭い、体温の高い旦那の体を抱き締め、背中をさすってやりながら
そんなことを思い出していたら、
「…今は亡き、などと、それがしの前で二度と口にするな」
オレの肩に顔を押し付けたまま、オレにしか聞こえない小さい声で旦那が言った。
「言葉なんかどうでもいいだろ、オレはちゃんとここにいるんだぜ?」
オレも、旦那にしか聞こえない声で囁く。
「それでも言うな!人の言葉には、言霊というものがあるのだ。
繰り返して言えばいつか本当になってしまうかもしれぬ。…二度と、言うな」
オレの背中に回った旦那の腕に、また力が籠った。
オレは我慢できなくて、旦那の耳にそっとくちづけた。
旦那の耳が、顔も襟足も、肌の見えてる所全部がみるみる真っ赤になったけど
それでも旦那はオレから離れなかった。いや、オレを放さなかった。
オレだって放すつもりはない。
抱き寄せて、頬ずりして、こめかみにも口づけて、背中を撫でて、思い切り甘えさせる。
「…でもさ、オレ、忍だよ?旦那の為に死ねるんなら、これ以上嬉しいことないんだけど」
「まだ言うか!」
オレにしがみついたまま旦那はガバっと顔を上げた。
ねぇ、鼻がぶつかるくらいの距離だよ、誘ってんの?
「それがしの為に死ぬなど許さぬ!それがしの為に生きると何故言えぬ!?」
誘われるままに唇奪っちゃおうかと思ったオレを、旦那の真剣な瞳が思い留まらせた。
「…ははは、忍に向かって、それ言っちゃう?」
辛うじて、オレは笑えた。でもなんて情けねぇ笑い方だろう。
「言うぞ、何度でも言うぞ、それがしの為に生きよ、さッ…」
すけ、って、語尾はまたオレだけにしか聞こえない小さい声に戻って、旦那は言った。
参ったねこりゃ。
すっげぇ殺し文句言われちゃったんだけど、この人自覚してねぇんだろうなぁ…
「旦那の為に生きる…か。今までは結果的に、そうして来たんだけどねぇ」
「では、これからもそうすれば良いだけのことではないか」
「んー、でもさ、もうじき、忍の要らない世の中が来るだろ。戦のない世の中が。
大将は、その為に天下取ってくれた」
「うむ。お館様は、まこと大業を果たされた」
「…そしたらもう、オレ、旦那の傍にいる必要なくなっちゃわない?」
声が震えそうになるのをどうにか押さえつけて、オレは旦那の耳に囁きかけた。
そう、戦のない世の中はたしかに良い。素晴らしい。
でも、戦場でしか生きる術を知らない忍は、これからどうすればいいっていうんだ?
だからいっそ、旦那の為に戦場で果てることができたら、俺は本当に本望なんだ。
オレはかなり真剣に、そんな悲壮でカッコいいことを考えてたんだけど、
真田の旦那はあっさりと、オレのカッコつけを台無しにしてくれた。
「何を寝惚けたことを言うておるのだ。
それがしの手合わせの相手だの、それがしの遠駆けの共だの、
それがしの着替えの手伝いだの、それがしの髪結いだの、
それがしの弁当作りだの、それがしの好物の団子屋への使いだの
戦場へ出ずとも、いくらでも仕事はあろうが」
「は………」
オレ様としたことが、真田の旦那の文字通り目の前で、
多分すっげぇ間抜け面を晒してしまった。
旦那はオレから目を反らそうともしないで、相変わらず鼻がくっつく距離にいる。
かなり長い間、そのまま見詰め合った後、オレは
「……なにそれ」
とだけ言うのがやっとだった。
「何、とはなんだ。いつもさす、…お前がしていることだろう」
「そりゃそうだけど…」
「太平の世になろうとも、この幸村は鍛錬も怠らぬし、団子も食うぞ」
「あー…それってさぁ、『毎朝お前の作った味噌汁が飲みたい』みたいなこと?」
「味噌汁を作ったことはあったか?朝餉作りはさすがにお前の仕事ではなかろうが。
しかし、そうだな。忍として働く必要がなくなるのなら、
お前の作る朝餉も食うてみたいな」
なんて言って、この真田の旦那に、目の前でにっこり笑われてごらん?
もうなんにも言い返す気力なくなるって。
だからオレはもうなんにも言わず、もう一度旦那の体を思い切り抱き締めた。
オレが笑ったんで、旦那も安心したみたいで、また痛いくらい強く抱き返してくれる。
「わかりましたよ…。戦があってもなくても、せいぜい旦那の好きにコキ使ってやって頂戴」
「コキ使うとは人聞きの悪い。頼りにしておるのではないか」
「はいはい、なんとでも言って」
背中に回した手であやすようにぽんぽん叩いてやったら、
子ども扱いするなって言いながら、益々オレの首に顔を摺り寄せて来た。
ああ、そう。これからもずっとこうやって、この人を甘えさせてやるのがオレ様の仕事ってか?
すげぇな、これって最高の褒美じゃねぇか。
これじゃあ、どんなに働かされても文句言えねぇや。
「…それとな、さすけ」
ちょっとだけ体を起こし、オレの耳に口をくっ付けて、不意に旦那が囁いた。
うっわ、不意打ちやめてよ、オレだって旦那ほどじゃないけど、耳弱いんだってば。
「二人きりの時だけは、佐助と呼ばせろ」
「は?」
「才蔵、才蔵、と呼び慣れるよう修練しておるのだがな、どうにも口に馴染まぬのだ。
日に幾度かは佐助と声に出さぬと体の調子がおかしい」
おいおい、何言い出すんだよこの人は。
「良いであろう?ほかに人のおらぬ時だけだ」
「いや、でもさ、万が一よその忍にでも聞かれたら、大将の策が」
「忍が忍んでおるかおらぬかくらい、佐助が探れば良かろう。
いかぬ時には目で知らせろ。おらぬ時だけ良いと言え」
「ほんと忍使い荒いよね…」
「ええい!何が気に入らぬ!二人きりの時くらい良いではないか!!」
痺れを切らした旦那が、思いっきり誤解を招きそうなことを大声で言い出した。
「良いではないかって、それ、大将の命に背くようなもんなんだぞ、わかってんのかよ?」
「だから!だから二人きりの時だけだ!!ほかの誰にも聞かれぬ!聞かせはせぬ!!」
戦バカに付き合うのは構わないけど、ただのバカとやり合うのはさすがに御免だ。
オレはこの言い合いがいい加減虚しくなって、両手を上げて降参した。
「…はいはい。判りましたよまったく…」
苦笑するオレの胸倉を、旦那が素早く掴んできた。
譲歩してやったのに殴られるんじゃ割に合わないので、旦那の顔を睨んでやったら
「離れるな。今は才蔵としか呼べぬのだから、せめて体を堪能させろ」
子供がお気に入りの人形を抱くように抱き寄せられて、
また、ものすごいことを言ってくれた。
「…はいはい、思う存分堪能してやって頂戴よ」
オレは三度旦那の背中へ腕を回し、今度こそ全面降伏しちまった。
____________
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 小安ボイスデ読ンデネ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| アニメ「ノエイン」からイサミ×ユウ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 話の都合上ちょこっと男女ネタがあるよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ アリガチナネタ…
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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※知らない人向け歪んだキャラ紹介(正しい紹介→www.noein.jp/about/chara.html)
後藤ユウ(消6):本編ヒロインで、無意識に嗜虐心を煽るのが上手いツンデレM。
ただし本編後半になるまでデレ姿を見せるのはイサミとバロン(ハルカのペットの犬)のみ。
(一人称は「僕」と「俺」の両方使うけど、イサミとの区別のため「僕」オンリー)
藤原イサミ(消6):「ありえねぇ」が口癖の、1話から最終話までユウのことが好きすぎる幼馴染。
ユウのこと以外では鈍感。両親は数年前に事故?で死亡。工校生の兄と年の近い妹がいる。
上乃木ハルカ(消6):本編主人公にして作中最強の攻。♀なのが惜しい。
608 :
1/13:2006/04/13(木) 22:28:44 ID:Lm2m+00/
また、夢を見てる。
あの夏の日の夢――。
――ウ――――ユ――。
……誰かが、ずっと僕のことを呼んでいる。
――ユ――ウ――――。
……ああ、そうだ、この声は……。
――――――――ユウ。
「ハルカ……?」
ユウは薄く瞼を開き、ぼぅっとしたままベッドの上から部屋の中を見回した。
窓から見える山とハルカの家、サッカーボール、本棚、参考書とノートが開いたままの勉強机。
……やっぱり、ここは自分の部屋だ。
「せっかくハルカの夢を見れたのに……」と呟きながら少し長めの髪を
片手でくしゃくしゃとかき回し、ようやく体を起こす。……が、
「……あれ?」
何かがいつもとは違う。
もう一度部屋を見回しても、昨夜と違うのは部屋の明かりが電光から朝日に代わったぐらいで
おかしい所は……いや、明らかにおかしい箇所がある!
「うっ、うわぁぁぁっっ!?!?」
609 :
2/13:2006/04/13(木) 22:30:53 ID:Lm2m+00/
ピンポーン……ピンポーン……
チャイムのボタンから指を離し、イサミはドアの前で首をかしげた。
いつもならすぐにユウの母が出てくるのに、今日は一向に出てくる気配がない。
「出かけてんのかな?」
もう一度ボタンを押そうとした時、カチャリとドアの鍵が外れる音がした。
「おっはよーございまーす! ユウいますか?」
「イサミ……悪いけど、今日は帰ってくれないか?」
ドアの隙間から聞こえるユウの声は、暗い。どこまでも暗い。
こういう時のユウを放っておくと、さらにドツボに落ちていくのだ。
「な〜に言ってんだよ!? もう朝なんだから明るくいこーぜっ!」
ことさら明るい声を出し、イサミはドアを勢いよく開いた。
「……なんでお前パジャマなんだ? もう9時過ぎてるぞ?」
「ほっといてくれよ……」
何故かパジャマのズボンの上にバスタオルを巻いたユウは、軽く口唇を尖らせた。
母に似たのか、きっちりした性格のユウが9時を過ぎても着替えていないのはかなり珍しい。
それに、バスタオルの謎もある。
610 :
3/13:2006/04/13(木) 22:31:42 ID:Lm2m+00/
「おばさんはどこいったんだ? いくら夏休みったって、
あのおばさんが9時過ぎまで寝かせてくれるなんてありえねーし」
「……母さんは、父さんに着替えを届けに行ってる。一緒に行こうって言われたけど断った」
「おじさん、仕事忙しくてあんま帰れてないんだっけ?
そんじゃ久しぶりの夫婦水入らずってやつか。いいことしたじゃん!」
「…………れないし……」
「ん?」
俯くユウの口元に耳を寄せる。
「……僕、病気かもしれないし……」
「ありえねぇ! 何だよそれ!? どっか痛いのか!?」
肩を掴んでガクガク揺さぶっても、ユウはただ揺らされるままになっている。
「今イサミに掴まれてる肩が痛い……」
「冗談言えるならまだ大丈夫! 病気ってどんな症状なんだ?
俺でよければ相談に乗るぞ!!」
肩を掴む手の暖かさと力強さに、ユウはようやくイサミと目を合わせた。
「……ここだと外の人に話が聞こえ」「んならさっさとお前の部屋に行こーぜ!」
イサミは靴を脱ぎ散らかし、ユウの腕を引いて階段を駆け上った。
611 :
4/13:2006/04/13(木) 22:32:46 ID:Lm2m+00/
ベッドに腰を落ち着け、イサミは目の前に立ち尽くすユウの顔を見上げた。
「で? どんな症状なんだよ。俺じゃわかんねーとは思うけどさ」
「…………」
何故かユウは窓のカーテンを閉め、改めてイサミの前に立った。
そのまま無言で腰に巻いたバスタオルを外す。
「え、ちょっ……」
「こんなの、今までなったことないし……何かの病気なんだよ……」
涙声で体を振るわせるユウを前に、イサミは笑いを堪えるのに全神経を集中させた。
「えっと……なぁ、ユウ。お前、雪恵ちゃんの授業聞いてなかったりする?」
「雪恵先生の? ……時々、後ろの席の誰かさんが邪魔するけど、ちゃんと聞いてるよ」
話が逸れないうちに、その誰かさんは答えのヒントを出してみる。
「じゃぁ、性教育の話もちゃんと聞いてただろ?」
「せっ……!! いっ、いきなり何だよ!? 僕は真剣なんだぞ!」
「な〜んだ、ちゃんとは聞いてなかったのか。ま、性教育なんて受験とは関係ねーか」
「話を逸らすなよ! 答えを知ってるならちゃんと言えよっ!」
「あ〜っと……」
イサミはポリポリと頭をかき、(もうちょっとからかいたかったな〜)と思いながら正解を告げた。
「それ、俗に言う『朝勃ち』ってやつ」
「あさだち?」
怒りで顔を赤くしていたユウの動きが止まる。
612 :
5/13:2006/04/13(木) 22:33:32 ID:Lm2m+00/
「さっき初めてっつったよな。まさかユウが朝勃ちも精通も知らないなんてな〜」
「せいつう……」
「まっ、これでお前も一人前の男になったってわけだ! おめっとさん!」
「いちにんまえ………………ッッ!?!?!?」
ようやく復活したユウはさらに顔を赤くして、手にしたバスタオルで前を隠してしゃがみこんだ。
そんな姿に、イサミはさらに追い討ちをかける。
「顔、トマトみたいに真っ赤だぞ。ありえね〜!」
「うううるさいうるさいっ!!」
「んで、朝勃ちのきっかけは何の夢だった? やっぱ美人のおねーさま? それとも……」
「うるさいったら!! イサミには関係ないっ!」
イサミはニヤニヤと笑みを浮かべつつ、立ち上がってユウの肩をポンと叩いた。
「分かった。俺は関係ないなら、その後始末、俺がやんなくてもいいよな?」
「あとしまつ?」
再び動きが止まるユウ。
「そ、後始末。いくら夫婦水入らずっつっても、そのうちおばさん帰ってくるだろ?」
「母さんが……」
「大事な一人息子が朝勃ちしてましたーなんて知ったら、おばさん何て言うだろうな〜」
「うぅ……」
再び涙目になって俯く姿を見て、イサミは悪戯心をさらにくすぐられるのを自覚する。
が、それを抑えて胸をたたいて見せた。
「だいじょぶ、俺に任せろ!」
ユウは無言のまま、小さく頷いた。
613 :
6/13:2006/04/13(木) 22:34:54 ID:Lm2m+00/
「じゃ、さっそく下脱げ」
ティッシュボックスをユウのすぐ脇に置きながら、イサミは声をかける。
「えぇぇっ!? なっ、なんでだよっ!」
「バッカだな〜。おばさんが帰ってくる前に洗濯して乾かさなきゃバレちまうだろ」
「あ、そっか……」
ユウはようやく立ち上がり、イサミに背を向けてズボンに手をかけた……が、
カーテンの、窓の向こうにあるモノを思い出し、固く目を閉じて深呼吸をすると
イサミの側を向いてズボンとブリーフを一気に下ろした。
そして、目をつぶったまま脱ぎ捨てたそれらをイサミに突き出す。
「俺が洗うのかよ。ありえねぇ……」
「イサミが任せろって言ったんだろ」
「はいはい、分かりました。洗濯機勝手に使うからな。
お前は夢の内容でも思い出してなよ。はっきり覚えてんならその方が早いし」
イサミはわざとらしくため息をつき、洗濯物を片手に部屋を出た。
そのまま勝手知ったる人の家とばかりに風呂場に移動し、素材や色落ちしないことを確認してから
洗濯機にズボンとブリーフ、洗剤を放り込んでスイッチを押す。
「なんで俺、ユウのあんなとこ見て……ありえねぇ……」
洗濯槽に水がたまっていくのを、イサミはぼうっと立ち尽くしながら呟いた。
614 :
7/13:2006/04/13(木) 22:35:57 ID:Lm2m+00/
脱水も終わり、乾燥機のスイッチを入れても、イサミはすぐにユウの部屋には戻らなかった。
いくら親友でも、さすがにオナニーしているところは見られたくないだろうし――以前兄に見つかった時は
散々からかわれた――、もし見てしまったら……。
(……って、何アホなこと考えてんだ!? ありえねぇ!)
頭を振るって妄想を打ち消し、キッチンへ行き水を一杯飲んで一息つく。
テーブルの上にあった新聞を眺めてもう少し時間をつぶす。掛け時計を見上げて、
「……30分はたったし、さすがにもう済んだよなぁ」
と一人ごちると、新聞を丁寧に畳み直し、自身の頬を軽くはたいて気合を入れ
わざと足音を立てながら階段を上った。ユウの部屋に入る前、念のためドアをノックしてみる。
「ユウ? 終わったか?」
「……遅いよ、イサミ……」
「ん?」
キッチンにいる間も玄関や電話には気をつけていたつもりだったが、
まさか裏の勝手口からユウの母が帰ってきたのだろうか。
イサミは恐る恐るドアを開き、中を覗き込む。
「……あ、ありえねぇっ!」
615 :
8/13:2006/04/13(木) 22:36:48 ID:Lm2m+00/
そこには怒りと恥ずかしさで顔を赤くしたユウが、パジャマシャツ1枚のままベッド脇で正座していた。
シャツの裾の具合から、ユウが全く触ってないのは明らかだ。
「後始末、お前がやるって言ったろ?」
目じりに涙を浮かべてイサミをじっと見上げる。
「えっ、えー、っと……」
「任せろ、って言ったろ?」
「あ、ありえねぇっ! お前、マジで知らねーのか!?」
「知るも知らないもないよっ! 授業じゃどうすればいいかまで教えてくれなかったじゃないか!」
「そーじゃなくって、ジョーシキとしてさぁ! ほら、エッチな本読んだりとか……」
「母さんがそんな本買うのも読むのも許してくれるわけないだろ!」
「そりゃそうだけど……」
「なら、ちゃんと責任取って、……方法、ちゃんと教えてくれよ……」
耳まで真っ赤にして俯くユウを前に、イサミは先程まで浮かんでいた妄想をつい思い出してしまう。
……本当に、俺が、ユウのを、触れる?
「…………分かったよ」
「イサミ?」
「俺が責任取る。けど、後で文句言うなよ?」
616 :
9/13:2006/04/13(木) 22:37:34 ID:Lm2m+00/
ドアを静かに閉め、ティッシュボックスを拾って大きく足を広げてベッドに座る。
「ほら、ここに座れよ」
足の間をポンポンと軽く叩いてユウを呼んでみると、背筋をピンと伸ばして座る。
(ユウって強情だけど、一度覚悟を決めると最後までやり通すんだよなぁ……)
「座ったよ。この後はどうするんだ?」
「あ、えっと、そんな気ぃ張らなくていいよ。目ぇ閉じてリラックスリラックス」
「うん、分かった」
顔をちらりと覗き込み、目を閉じたことを確認するとイサミはシャツの上から張り詰めたそれをつつく。
「うわっ!? な、何すんだよっ!?」
ビクンと体を跳ねさせ、慌ててユウは振り返った。
「何って、後始末だよ。こん中にあるヤツを出さなきゃ元に戻らねーの」
「触るなら触るって先に言ってよ!」
「悪ぃ悪ぃ。じゃ、も一度目ぇつぶって、今朝見た夢のこと思い出してみ」
「うん……」
今度はシャツと太股の隙間に手を差し入れ、軽く握ってみる。
やはり体をビクリとさせるが、今度は振り返らなかった。
(……やっぱり、違う……)
サッカー部の合宿に行った時、チームメイトと風呂場で見せ合ったりしたが、
その時は陰毛のあるなしをはやしたてるぐらいで、特に感慨は受けなかった。
以前兄に見つかった際にはプロレスの寝技を何種類もかけられつつ触られたりもしたが、
反撃して握ってみた時はなんだか気持ち悪いとしか思えなかった。
しかし、ユウのモノを見ても、触ってみても、それらとはまるで逆の思いしか湧かないのだ。
(ありえねぇ。俺、どっかおかしくなっちまったのかな)
「イサミぃ……」
「うわっ!? な、なんだよ!?」
どこか甘く聞こえるユウの声に、イサミは我に返った。
「握るだけでいいのか? それぐらい僕にだって……」
「ち、違う違う! こっからな、こうやって手を動かすんだ」
「っ!」
ユウの体が大きく跳ねる。
「こうしてると、そのうちスッキリするんだぜ」
「んっ……! イサ、ミ、何か変っ! お前……っん! 嘘ついてるだろっ!?」
「ついてないついてない」
「僕、初めてなん……っ! バカにっ、して……るぅっ!」
次第に息を荒げるユウのうなじに目をやると、後ろ髪の間から見えるうなじが朱に染まっている。
無意識に逃げ腰になっているのを左腕でがっしりと腰を抑え、右手を根元に這わせた。
「ほら、ここを指でいじると、もっと気持ちイイだろ?」
「やっ……! あ、ぁ……っ!」
「ゼンリツセンってヤツだとありえねぇぐらいらしいぜ? ま、初心者にはまだ早いか」
「バカにす……んっ、なぁっ!」
本当はイサミ自身も前立腺のある場所は知らないが、自分のほうが先に知識を得たんだという
妙なプライドからつい口走ってしまう。……分かっていたら、手を出したかもしれない。
「なぁ、ユウ? コレ、気持ちイイ?」
イサミの問いかけに、ユウは何度も首を横に振った。
「ぁぅっ! 気持……くないっ!」
「答えてくんなきゃ出さしてやんねーぞ?」
腰を抱えていた左手を足の付け根に移動させてさらに刺激を与え、右手の親指で先端を塞ぐ。
「ぁっ……イサ……ッ……ばかぁっ!」
「強情はってねーで素直になれって」
「……ふぅっ! ん、んっ……ぃ、よ……」
「何か言ったか〜? 言いたいことは大きい声で」
「気持、ちっ! イイって言っ……っ!」
涙声の叫びを聞いて、イサミはようやく右手を開放する。
「よく出来ました。ほら、もうイッていいぞ」
「イ、イサ……ッッ! イサミぃっ!!」
一際大きく体を揺らし、ユウはイサミの手の内に初めての幼い精を吐き出した。
4円
619 :
10/15:2006/04/13(木) 22:40:11 ID:Lm2m+00/
自分が出した時とは違い、右手にあるユウの精液を見ても、やっぱり気持ち悪いとは思えない。
そのまま右手を持ち上げ……。
「っ!? イサミ、何舐めてんだよっ!?」
床に横たわっていたユウが慌てて身を起こす。
「ん〜、……なんか変な味ぃ」
「そっ、それっ! おしっこの通るとこと同じとこから出たんだろ!?」
「そーだっけ? でも成分は違うらしーぞ」
「ホントかよ……」
口唇を尖らせたユウの視線がつぅっと下がる。
「ん? 何だよユウ」
「イサミ、それ……」
ユウの指差した先には、ズボンの下からその存在を主張している……。
「あっ、ありえねぇぇっ!!!」
慌てて股間を押さえて背中を向け、恐る恐る両手の下を確認する。
「……マジ、ありえねぇ……」
自分ひとりでする時よりもずっと短い時間でこうなったのは、ユウの興奮が伝わったからだろうか。
それとも、ユウを好きなように弄べたから? ……ユウを、一時的に自分の物にできたから?
でも、あれだけじゃ手に入れたことにはならな――
「イサミ」
「ぅわぁっっ!! なっ、何だよユウッ!?」
先程までとうって変わって意地の悪い笑みを浮かべて、ユウはイサミの背中に抱きついた。
「フクシュウしたいから、それ、僕がしてやるよ」
「……なぁ、それって勉強のほうの復習だよな? 怖いほうの復讐じゃないよな?」
首に回された腕の滑らかさにどぎまぎしつつ、イサミは冷や汗を流す。
「さぁ、どっちかな? ほら、イサミもズボン脱げよっ!」
「んぎゃっ! 変にのしかかるなっ! 背骨折れる!」
「ならこっち向けよ。さっきはずっと目を閉じてたから実物はどうなのか確かめたいし」
「待てって! せめて窓開けてちょっと換気しようぜ」
「それは絶対ダメだッ!! いいから脱げっ!」
620 :
11/15:2006/04/13(木) 22:41:23 ID:Lm2m+00/
「ありえねぇっ! ……ホントに、ユウがしてくれんの?」
「やるって言ったろ! 往生際が悪いぞ!」
このままだとズボン以外も脱がされそうな勢いと迫力に負け、しぶしぶユウに向き直ると下着ごとズボンを下ろした。
(ほんッと、ユウって強情だし、決めたことは最後までやり通すよなぁ……)
「………………へぇ。イサミ、もう生えてるんだ……」
「そ、そんな目で見るなよ。お前にだってすぐ生えるよ!」
「僕のより大きいし……」
「気のせいだって! それより、するのか? しねーのか!?」
「はいはい、今やりますよ」
ユウはふてくされた顔でイサミのモノを軽く握り、ゆっくりとこすり始めた、
「……あれ? なんかうまくいかないなぁ」
自分でする時には味わえない柔らかい手の感触と与えられる刺激のもどかしさ、
何よりそれらを与えるのがユウだという事実の前に、イサミはすでに暴発寸前だった。
(けど、こんなチャンス、今後ぜってーありえねぇもん! ぜってー我慢してやるっ!)
「えっと、さっきイサミがしてくれた時は、この辺が……」
「うわぁぁぁっっ! ありえねぇぇっっっ!!」
ユウに握られるのはいい(本当は良くないが)。研究熱心なのもいい(絶対良くないが)。
(だからって、根元をいじるのに顔を近づけるなんてありえねぇっ! いっ、息がくすぐってぇ!)
「なぁ、イサミが気持ちよくなるとこってここ? それともこっち?」
「ちょっ、待てっ! 待ってくれっ!!」
「やだ」
そう言って、さらに顔を近づけてくる。ユウの前髪がかすかに股間をくすぐり……
(あー……も、だめ…………)
621 :
12/15:2006/04/13(木) 22:41:55 ID:Lm2m+00/
「……ミ、……サミ!」
「ん、ん?」
肩を強く揺さぶられてイサミは我に返った。数秒ほど自失していただろうか。
「ひどいよイサミ! 出るなら出るってちゃんと言えよ!」
「え、何が……あぁぁっっ!?!? あああありえねぇぇっっ!!!」
イサミの目の前には、頬から顎にかけて白濁液を滴らせているユウがいた。
何度目をこすってみても、自分の頬をつねってみても、手を伸ばせば届くそこにいる。
(ありえねぇありえねぇっ! まっ、まさかユウに、が……がん……)
「ごめんっっ!!!」
「え?」
イサミはベッドから飛び降り、ユウの足元で土下座する。
「責任とるとか何とか言っといて、こんなことしちまうなんて……」
「そ、そんなに怒ってはないよ。ただ、目に入りそうになったからさ」
「ホント?」
ちらりとユウを見上げてみるが……どうやら、言葉ほど怒っていないのは本当らしい。
「……初心者ってバカにしたのは、まだちょっとムカついてるけど」
「だって、実際初心者じゃん」
「なんだとっ!」
「あ゙ーっ!! ぎゔぎゔ(ギブギブ!)」
両頬を思いきり引っ張られ、イサミは必死にタップした。
「もう初心者なんて言わないって約束するか!?」
「すう!(する!)」
「誰にも言わないって約束するか!?」
「あはいあえあ゙お゙!(当たり前だろ!)」
「……もしまたなったら、手伝ってくれるか?」
「うぅ!(うん!) ……え?」
「なら、今日は許してやる……よっ!」
指を放した直後にバチンとイサミの両頬を叩き、ユウは「約束だからなっ!」と言い置いて部屋を出ていった。
真っ赤に腫れた頬をさすり、イサミは首をかしげた。
「手伝う、って……え、まさか、洗濯のこと、だよな?」
顔を洗い、パジャマから着替え、ようやく人心地ついたユウは、すっかり忘れていたことを思い出した。
「そういえば、今日はなんでうちに来たんだっけ?」
「あ、俺も忘れてた」
カーテンと窓を開け放ち、イサミはズボンのポケットから小さなストラップを三つ取り出した。
「これ、幸運のひよこ」
「ひよこ……って、黄色いのは一羽だけじゃん」
「黄色いのは向井にやるやつ。上乃木と長谷部も持ってるからお揃いにしたいんだって。
んで、ついでに俺達の分も作ろうとしてたんだけど、黄色の刺しゅう糸が終わったみてーでさ。
黒いのと茶色いのと、どっちがいい?」
「ん〜……」
黒いほうは、ひよこのわりにほっそりとしていて、カラスの雛にも見える。
茶色いほうは丸々としていて、まるでフクロウのようだ。
「……じゃぁ、茶色のほうにするよ。まん丸で可愛いし」
イサミからストラップを受け取り、自分の携帯に取り付けた。
イサミも黒いひよこのついたストラップを付ける。
「不恰好だけどフミコの手作りだからな。大事にしろよ?」
「うん。サンキュ。………………ミ、……りがと」
「ん? 何か言ったか?」
ユウは軽く俯き、少し口をもごつかせると顔を上げて微笑んだ。
「……フミコちゃんに、ありがとうって伝えといてくれよ」
「分かった。んじゃ、俺帰るな」
「うん。またな」
623 :
14/14:2006/04/13(木) 22:44:26 ID:Lm2m+00/
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 長杉マジスマソ
| | | | ピッ (´Д` )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
どっかの個人サイト時空で似たような話があったらスマソ
本当は15年後(もしくは5年後)エチー中に「こんなことがあったよなぁ」的オチに
しようかとも思ったけどすでに本文テラナガスなのでカット
現代・ラクリマ過去・シャングリラ過去のどれでも適応可…の、つもりorz
少しでも「ノエイン」に興味を持ってもらえたらイイナ!orz
>596
キャラ絵しか見た事なかったけど旦那のかわいさに萌えた…GJ!
>>596 萌えたよ。
忍、リストラされてないといいね。
>>595 はい、その通りです。
気づいて下さってありがとうございました。
>>607-623 乙!萌えた!
勉強できるのにこういうことには疎いユウかわいいよ(´Д`*)
よかったら楽リマ時空のふたりもきぼんむ!
>>596 禿萌えしました。ゲームいつかきっとやるよ!
>596
萌え…!!
禿げ萌えしたよ…グッジョブ!!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) オリジナル。 ほのぼの触手ネタです。
「ただいまー」
僕はそう言って家のドアを開けた。
居間の床に置いた大きめのクッションの上には、少しくすんだベージュ色の
ぶにゃぶにゃした塊が乗っかっている。
僕の帰宅に気付いたその塊は、クッションの上からぼよんと回転するように床に落ちて、
転がるような、這って来るような、とにかく塊なりの最高速度で足元に寄ってきた。
「ただいま、良い子にしていた?」
そう言って僕は塊を撫でる。
塊はプルプルと震えて、僕が手を置いた周囲から鉛筆ほどの太さの触手をいくつも伸ばすと、
手の甲をトントンと叩いた。
体色もベージュ色から赤みを帯びて、サーモンピンクになっている。
嬉しい時の塊の反応だ。
そのまま放っておくと、いつまでも飽きずに叩き続けるので適当な所で手を離す。
触手は名残惜しそうに縋ったが、すぐに諦めて引っ込んだ。
「暖かくなってきて良かったね。おまえ寒がりだから」
その言葉に反応して塊はくいっと体を持ち上げて返事をした。
こいつとの出会いは一年近く前になる。
その頃僕は大学一年で、親元から離れて初めての一人暮らしを満喫していた。
仕送りと、バイトで金銭的には問題ない。
とはいっても僕の通っている大学は、いわゆるお坊ちゃん大学で
彼らから見たら、車やブランド物ひとつ持っていない僕は、場違いに見えているだろう。
もっと良いところに行けるのにと担任は言っていたが、どうしても講義を受けたい教授がこの大学にいて、
奨学制度と、残りの学費は出世払いをするからと言って親を説き伏せ、通う事を許してもらった。
住居は大学からは少し遠いけれど、郊外の一軒家を借りている。
何でそんな所をと親は呆れたが、築年数が経っていて便の良いところに部屋を借りるより安い事と、
壁一枚向こうには他人がいる不自由さが嫌だったからだ。
なによりここは静かだ。
隣家まで数分の距離。隣が多少うるさくても我慢できるし。
小さな家だけど、とても居心地がいい。
学校にも慣れてきた6月の事だった。
その日は午後の授業が休講でバイトもなかったから、早めに帰って家でのんびりしようと思った。
家の近くは緑が多い。ケヤキや桜、柳、ブナ、楠木。他にもいろいろ。
今は他所の家のアジサイが盛りで、青紫やピンクの花をこんもりと重たそうにつけている。
梅雨に入ってカエルの鳴き声が良く聞こえた。
あと少しするとこれが蝉の大合唱にかわるだろう。
そうやって家へと帰る道を歩いていると、前方にいつも見る大きな桜の木が見えてきた。
桜の木はかなり樹齢を重ねたものみたいで、その家の塀から太い幹が半分飛び出たように生えている。
幹には洞が開いていて、ネコくらいなら入れそうな大きさだ。
僕はその桜の木が好きだった。
時々マナーの悪い人がその洞にゴミを入れていくことがあるから、
そのたびに僕はそれを取り除いて捨てた。
だからその時も、誰かがゴミを捨てたんじゃないかと思ったんだ。
それはなにか茶色い、シイタケとかが乾燥してシワシワになったようなものだった。
大きさは握りこぶしくらい。
触ると中はまだ水分がありそうだけど、表面はかさかさになっている。
僕はおそるそる指でつついてみた。
見た目より弾力がある。ぎゅっと押してみるとへこんで、またふにゃ〜っと戻ってくる。
暫く考えて一度家に戻った後、ビニール袋と裏庭にあったシャベルを持って、僕はその塊を持ち帰った。
持ち帰った塊には乾いた泥がついていたのでちょっと洗ってみた。
こぶしくらいのがさがさしていた塊が水を吸って少し柔らかくなったように見える。
……ふやけた?
僕が驚いてじっと見ていると塊はモゾッと動いた。
生き物…なんだろうか。多分そうなんだろう…な。
僕はその塊を再びシャベルですくうと、庭に捨ててあった古い水槽の中に入れた。
餌は分からないので、とりあえず水を一緒に入れておく。
変な生き物じゃなければいいな…。
翌日僕は大学の図書館で、きのう拾った変な生き物の事を調べてみた。
「……粘菌の一種なのかな?」
いちばん似ているなと思ったのはそれだ。
とりあえず粘菌だとしたら水分と温度があればいいかな。
土とか朽木も入れたほうがいいのだろうか。
場所は家の北側の軒下においているから大丈夫だろう。
僕は塊を暫く育ててみようと思った。
その塊を拾ってから数日が経った。
相変わらずそれは水槽の中で時々動くくらいだけど、
僕が入れている水を吸収して最初の頃より一回り大きくなっている。
色も薄くなってきて、なんだか薄茶色の水饅頭みたいになった。
そんなある日目が覚めると。
「え、雨!」
夜のうちに降り出したらしい。窓の外は薄暗く、かなり激しく降っているようだ。
僕は慌てて外に出してある水槽を見に行った。
「うわ、水没してるよ」
水槽の中は雨水で満たされ、塊はその中にぷっかりと浮かんでいる。
水を吸いすぎたせいかすっかりふやけて、ベージュ色の柔らかいゼラチンみたいになっていた。
「あ〜あ、死んじゃったかなあ」
水槽の水をあけて暫く様子を見てみる。そのとき、
「あれ、まだ生きている」
塊はにゅっと上に伸びて、ぺちょんと元に戻った。
「どうしよう、ふやけているみたいだし、日に当てて乾燥させた方が…」
その言葉に反応したように、塊は再び体を上に伸ばすと、いやいやをするように左右に揺れた。
「………」
紫煙
いや、今のは気のせいだろう。でも……。
「………乾かそうかな」
再び塊はいやいやをする。
「……言葉…わかるの?」
僕は塊に話しかけてみた。
普段だったらこんな事はしないだろう。
一人だったのと、目の前で起きた信じられない出来事のせいだ。
塊はさっきよりぐいっと体全体を伸ばしてくる。
そのまま暫くプルプルと震えながら立って(?)いたけど、力尽きたようにくたっと倒れてしまった。
「なんか…変なの」
宇宙生物かなとも思ったけど、なんだか弱そうだ。
そんな調子で僕とこの変な生き物の同居がはじまった。
塊は僕の言葉を理解しているようで、普段は大人しくしている。
ゲームのスライムみたいだなと思い、はぐれメタルの名前から取って「グレさん」と命名してみた。
夕飯と風呂を終えて、僕はリビングの床に直に座って本を読んでいた。
グレさんは僕の周りをうろうろしたり、僕の足に腕を伸ばして絡みついたりしている。
「なに、グレさん。いま本読んでいるからだめだよ」
僕は本から顔を上げずにそういった。甘やかしすぎはよくない。
グレさんは腕を引っ込めて20分位は大人しくしていたけど、再び僕の足に腕を巻きつけてきた。
「こら、駄目だっていったろ」
だけどグレさんは我慢の限界に達していたらしく、僕の言葉を無視して腕を伸ばした。
スウェットのすそから細い触手を伸ばし、そろそろと這い上がってくる。
「ちょ…!駄目だって!」
そんな言葉に構わずグレさんは触手の本数を増やして内腿を撫で回し、下着の中に入ってこようとした。
僕は本を投げ出して慌てて股間を押さえると、行き場をなくした触手が足の付け根を這い回り刺激する。
「なんでそう我慢がきかないんだよ、もう!」
別の太い腕が伸びてきて僕の手を外した。どうしよう、このままじゃ。
「あ…っ」
手が離れたとたん細い触手は下着の中にすべり込み僕の性器に絡みつく。
別の腕がスウェットをずり下げ、そこからも触手は侵入してきた。
「ん…んっ…あっ」
すそから入ってきた触手はいったん戻り、別の腕を伸ばして脱がされた腰を撫で回す。
ひざまで下ろされたスウェットを触手はさらに引っ張り、僕の片足を抜いた。
「あ!…駄目っ!……あ…」
足に絡んだ触手に、強引に足を大きく開かれた。
グレさんには目がないけど、それでもこんな恥ずかしい格好をさせられている事に顔が熱くなる。
こいつ、最初のうちは小さくて、力も弱かったくせに!
僕とこういう事をするようになってから、グレさんは大きく、力も強くなっていった。
グレさんは興奮しているようで、色がどんどん赤みを帯びていく。こうなるともう止まらないだろう。
それにもう…、グレさんの這い回る感触で僕も勃ち上がってしまって。
僕は諦めて、グレさんとの遊び兼食事に付き合うことにした。
「ん…うっ……あ、いい…」
様々な太さの触手が僕の体を這い回る。
服の中にもぐりこんだ触手は乳首を探り当てて、先端をこねるように押し付けて刺激してきた。
触手の表面に細かいイボ状の突起が浮かび出てきて、それに感じてしまう。
「…ああ、もう…っ」
僕の足の間をひときわ太い触手が這い回っている。
それは足の付け根やペニス、袋を擦り、僕のお尻の穴をつつきはじめて、
その感触に僕は体を震わせた。
触手は体全体から滑る体液をにじませて体中をぬらぬらと濡らしていき、僕の皮膚は敏感になっていく。
胸を這っていた触手の一本が口元に伸びてきた。
それは目の前でみるみる太くなり、先端の形が変わる。
側面から小豆粒ほどの沢山のイボとシワができ、先端の途中が少しくびれてきた。
興奮のため赤黒くなったその触手の形は、まるで勃起した男性器のようだ。
「…ん…む」
口いっぱいに入れられたそれに、舌を這わせていく。
足元を這っていたもう一本も同様の形に変化していて、先端を少しずつ入れたり出したりしながら、
お尻の穴を広げようとして動いていた。
しつこく何度も擦られた穴の周りは、粘液でぬるぬるしていて、
押し付けられる刺激にヒクついているのが自分でも分かった。
「んー、んんっ…ん……」
口に触手を押し込まれているせいで喋る事が出来ない。
ああ…もう、早く…。
いじられて溶けた場所に太い触手が潜り込んでくる。
体をのけ反らしながら、僕は穴を犯されるその感触を貪った。
「っふ…ん、ん!」
中に入った触手の突起で内壁を擦りあげられ、蠕動するようにうねり、かき回される快感に頭がしびれる。
いい、気持ちいい…。もっと奥までぐちゃぐちゃにして欲しい。
僕は夢中で腰を動かしながら、口の中のものをしゃぶり続けた。
床に転がり、まるで赤ん坊がおしめを換えられるようなポーズを取らされながら、
僕はグレさんの触手に犯され続ける。
もしいま誰かが来て、この光景を見られてしまったら……。
口に挿入されていた触手が引き抜かれ、そのまま顔にこすり付けられた。
「グレさん…もっと、下の方のを、硬く…して。…それから、…あ、奥に強く…っ」
僕はあられもない、いやらしい要求を口にして喘ぐ。
もっととねだる僕の言葉に、中で蠢いているグレさんの触手が硬度を増して、更に奥を突きあげはじめた。
「ひ…!あっ…あ、いいっ!すごい……くふ…っ」
お尻に挿入された触手の先のイボが大きくなり、それが更に僕の肉壁をうねうねと擦っていく。
抽送が早まったと思うと、ねっとりと緩慢なうねりにしてみたり、
僕がいきそうになると、グレさんはその度に意地悪く動きを変える。
張り詰めたペニスはもう我慢できない状態になっていていたけど、
その根元には細い触手が巻きつき精液がこぼれないようにされていた。
「ァ…は……お願い…、一回、出させて……っ!」
懇願をするけど僕の中の触手の動きは止まらない。
「2回でも…、さ…3回でもつきあうから…っ!いま出したい……んっ!」
根元を押さえている触手が伸びて、鈴口をチロチロといじり始める。
腰がビクンと跳ね上がって一際大きな声が口から出た。外に聞こえたかもしれない。
触手が指ほどの太さに変わり、茎や先端を擦るのと同時に、尻を激しく突き上げられた。
「………!…んっ!!」
触手を銜え込んだ穴が収縮を繰り返し、僕は体を震わせながら断続的に精液を吐き出した。
ぶるっと体が震えて力が抜ける。
「う…ふう……」
陶然となりながらも、僕のそこはまだ触手を銜えたまま緩く動いていた。
グレさんは達した僕の体を起こして、今度は四つんばいのポーズをとらせる。
中に入ったままの触手は少し細くなり、そのままゆっくりと出し入れを始めた。
「あ…あ、まだ…ちょっと待っ…て、……はっ」
いったばかりの体は敏感になっていて、触るだけの緩い愛撫でも気が狂いそうになる。
快感でとがった乳首を舐めるように触手が動いて、その他にも体中を細い触手たちが這い回っている。
「2回でもって…言ったけど、少しは…休ませてよ……あ…」
穴の中の触手がまた太く、硬く変化してきた。
ペニスに絡み付いていた触手は、糸のように細くなって僕の尿道に侵入してくる。
その強烈な刺激に腰を高く突き出しながら、すすり泣くような声を上げてしまう。
実際泣いていた。涙がこぼれて、口からはだらしなく涎をたらしながら、与えられる快楽に僕は溺れていた。
「く…ふっ……ん、あっ、あ、ぁ…」
体中を滑る触手に絡めとられながら、僕はまるで盛りのついた犬みたいに腰を振り続けた。
「結局おまえ、3回も…」
本日2度目の湯船に浸かりながら僕はグレさんに向かって言う。
グレさんはたらいの中にすっぽり収まって、触手を出したり引っ込めたりしていた。
お湯に浸かっているのと満腹のせいで、ツヤツヤでサーモンピンク色になっている。ご機嫌だ。
グレさんが細い腕を伸ばして、湯船から出ている僕の腕を取って撫で始めた。
「もう3回やったから駄目。言う事きかないとシャンプーかけるよ」
その言葉にグレさんは慌てて触手を引っ込めて縮こまった。
「はあ…、女の子ともまだなのに…。こんなんなっちゃって、どうすんだよ自分」
グレさんは再び腕を伸ばして、僕の手をトントンとたたいて体をぶんぶんと振りまくる。
まるで、大丈夫、まかせてって言っているみたいだ。
「……彼女が出来るまで…責任取れ、ばか」
そう言って僕はグレさんの手を握った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ) バター犬ならぬバター触手だなこりゃ
萌えた・・・妙にホノボノしてるのも
(・∀・)イイヨイイヨー
>630
グレさんエロ可愛いよグレさん( ;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア
>630
触手モノにたった今開眼しますた。
グレさんかわいいよグレさん
触手ペット物大好物w
グレさんGJ!!!! 触手イイ!! 最高のうねうねさんでした…!
グレさん1こください。
つI
グレさんカワユス
ぷるぷるイイヨイイヨー
>>623 乙! 超GJだよ! 楽リマ時空オチも想像して萌えた。
ちょっとショタに開眼してしまいそうだ
グレさん可愛い。
ペットにさん付けの主人公もイイ。
面白かったです、ありがとうございました。
>>606 GJ!
禿萌えたよ
こんぺいとう3粒あげるよ!
シャンプー嫌いなグレさん萌え。
グレさんにシャンプーかけたらどうなるんだろう。
触手にほのぼの萌えする日がくるとは思わなんだ。
長生きはするもんじゃのう(-人-)
>653
分裂して、その内一体が凶悪な触手になるんだよ
シャンプー責めに怒涛の反撃編が読みたいw
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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>>385ホストドラマ習練続き
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ネット繋がるの待ってるうちに長くなった
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| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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658 :
1/4:2006/04/15(土) 01:21:55 ID:SByNKboO
「しゅ、」
名を呼ぼうとして、止められた。音がしそうな勢いで頭を押しこまれ、舌を噛みそうになる。
その背にまわっていた腕は自然と外れた。
「なにす、」
「どうしたんですか?」
現役No.1の登場だった。
「ちょっとくらっときたんだと。」
「大丈夫ですか、水とか・・・。」
お人好しはこいつもだった。というよりここのところ派閥はあってないようなものだ。
「最近廉さん無理しすぎじゃないですか?」
「誰のせいだ、誰の。」
廉は毒づき秀から離れた。今度はあまりにあっさりだった。亮助は出ていく廉の背中を眼で追った。
視線を戻したとき、秀は何事も無かったかのようにミネラルウォーターを口にしていた。
その裏に動揺を押し殺して。なにを思っている。なにを気にしてる。
ただの気の迷いだ。勘違いだ。
659 :
2/4:2006/04/15(土) 01:24:35 ID:SByNKboO
「ねぇ、廉。誰のコト考えてるの?」
赤い唇がそう言ったとき、流石の廉も動揺を隠せなかった。彼女は常連の一人だった。
「よくなかった?」
「ごまかさないの。私のこと全然見てないもの。そういう廉も、好きだけど。」
そう言う表情は、嫉妬というよりむしろ楽しそうだった。
「でも、こういう時くらい目の前の女に構ってよ。」
頭のいい女で助かった、と思うのと同時に、イラついた。今度秀を見たら、絶対ぶん殴ってやろうと心に刻んだ。
が、それは結局、未遂に終わる。
秀が廉を避けているのは誰の目に見ても明らかだった。
二日目から、廉も秀を避けだした。それもあまりに露骨だった。
「またなんかあったんスかね。」菜月が首を横に向ける。
「だろうねぇ。どうよ、亮ちゃん。」謹四郎がそれに倣う。
「そうなんじゃないですか?」亮助は気の無い返事をした。その目は秀を見据えていた。
660 :
3/4:2006/04/15(土) 01:26:16 ID:SByNKboO
廉は秀を避けながらも、常に彼を気にしていた。それは多分秀も同じだった。
次に会った時にどういう態度に出るかに、これから先がかかっていたからだ。
だから正確に言えば避けていたというよりは、遠ざけていたと言ったほうが正しい。
答えが出る前に、それも第三者とともに鉢合わせしては困るのだ。
なにも無かったことにして自然に振舞うか、無視するか、どういうつもりだと問い詰めるのか。
どれも上手くいかない気がした。
それでもいつまでも逃げ回っているわけにはいかない。
奪還劇の影響もあってか、あの一件以来、二人はセットで呼ばれ、同じテーブルにつくことが多かった。
今はたまたまそれを逃れていたが時間の問題だ。
夜が終わりロッカーへ向かおうとしたとき、廉は秀がトイレに向かうのを目の端に見つけた。チャンス。
まだどうするかは決めていなかったが、多分今後自然に二人きりになれる可能性は皆無に近い。
さっさと終わらせたかった。これ以上揺さぶられているのは、何より癪に障った。
けれど、そこにいたのは、秀だけではなかった。
亮助が、いた。
秀の唇を、奪って。
>>630 萌えますた…(;´Д`)'`ァ'`ァ
続編が出来たらば是非うpしてくd(ry
662 :
4/4:2006/04/15(土) 01:28:47 ID:SByNKboO
驚いたまま硬直していた秀は廉に気づいて更に目を見開いた。
対して廉は、驚くほど冷静な自分に気づいていた。身体の回りで、温度が下がっていく気がする。
亮助はそれをちらりと見ると、何も言わずに出て言った。
「ああ、そういうこと。」
どういうことだ、とは返せなかった。なにかに亀裂が走ったのがはっきりとわかった。
「別にどうでもいいけど、まわりを巻き込むな。くだらない。」
廉は椅子に座ると、がん、と机を蹴るように足を置き、咥えた煙草に火をつけた。
空気は険悪という以外のなにものでもない重さだった。実際その日は雨が降っていて、湿気で重かった。
紫煙が場を満たすほどの沈黙の後、秀が口を開いた。
「ああ、そうだ。」うつむいていた秀は顔を上げた。真っすぐに廉を見据える。
「嘘だよ。」
「嘘だ。」
もう終わりにしよう、という顔だった。怪訝そうに廉は秀の顔を見た。
「お前を連れ帰ったのは本当は俺じゃない。誠也だ。」
雨の音が大きくなった気がした。
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| | | | ∧_∧ 上手くもねーのに引きなんて使ってんじゃねーよ
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今更ながらと思いつつできるだけ早く続き書きますorz
そして更に今更だけど一応設定は最終回後。
>>657 リロってなかった…orz
割り込みすみません('A`)
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| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
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銀と金の銀森のまったりらぶ(?。
妄想し杉で恐縮ですが、場所おかりします。
美しい調度品の並ぶ、豪奢な広い部屋。
そこに備えられた、すこし腰掛けただけで、
体が沈み込むようなベッドの上に、二人の男が会話していた。
「この…賭けに負けたら、俺は死にます。…銀さんには…絶対に、迷惑はかけませんから…俺」
そう言って、銀二から受け取った刃物をぐっと握る森田。
「…お前なら、その言葉に嘘はないだろうな」
静かに瞳を閉じて、ふぅっと煙を吐き出す銀二。
「はい…でも俺は負けません、勝ちますから。…それじゃ銀さん、俺、ちょっと気分入れ替えてきますから、また後で…」
森田は不敵に笑って見せると、腰を上げた。銀二の持ち出してきた爆弾の威力に、森田も酔いが覚めたのだ。
「…ああ、行って来い…」
銀二はその後姿を見送りながら、煙草を灰皿に押し付けた。
「…死ぬ、か…」
シャワールームに消えて行った、森田の言葉を反芻する銀二。
そんなことはさせたくないが、万一負ければ、その性格を思えば、有言実行するだろう。
「…あいつらしいがな…」
刃物を握る森田の手が汗ばんでいたことを、銀二が見逃すはずがない。
「…あいつの運と俺の策で…そんなことさせやしないさ…絶対にな…」
新しい煙草に火を点しつつ、煙を吐き出しつつ、銀二は一人呟く。
「(かちゃ)…?あれ、銀さん、まだ居たんですか?」
シャワーを浴び終えた森田が、タオル一枚身体に巻いただけで、寝室に戻ってきた。
「よう…早かったな、居ちゃまずいか?」
銀二は煙草を捻りながら応える。
「あ、どっか行けとか、そういう意味じゃなくて…ただもう飯は食ったのかな、とか…」
慌てて、言い繕うとする森田。
「まぁいい、座れ…」
そんな様子に微笑むと、水を滴らせたままの森田を、呼ぶ銀二。
「え?あ、はい、わかりまし…っ!!(ドサッ)!!な、なにをしてるんですか?銀さんっ?!」
手招きされ、駆け寄った森田が、突然、大声を出した。
>658
ちょ、マジ何これ!萌えすぎる。
需要ありまくりなので、つ、続きを・・・・・・。
「…なにしてるって…わざわざ言わなくてもわかるだろう?」
にやりと、意地悪く笑う銀二。…その言葉どおり、説明するまでもなく、状態ははっきりしている。
森田はいきなり腕を掴まれ、バランスを崩し、その柔らかなベッドに、身体を押し倒されていた…当然銀二によって、だ。
「あ、いや…わかってますけど……なんでっていうか…どうするっていうか…」
この展開は、森田にとって、まったくの予想外のことだったのだろう。
激しい動揺の余りか、どんな場所でも肝を据えている森田が、うまく話せなくなっている。
「…森田、さっき、お前は一回死んだよな?…だったらこれくらいで、じたばたするんじゃねぇ…」
銀二はそう言って、自分を見上げる森田の顔を覗き込む。
「そ、それはそうですが…でも…ぎ、銀さん…この状況は…」
どう見ても襲われているようにしか見えません…と、聞き取れないくらいの小声で呟く森田。
「…それがわかってりゃ上等…説明も何もない。というか、俺はお前がそのつもりで、シャワーに行ったのかと思ったぐらいだが…」
銀二はからかう様に笑う。
「なっ…そ、そんなハズな…ん……っ」
黙ってろ、と言うように、銀二の唇が森田のそれをしっかりと塞いでしまった。
「…んっ…っ…」
喘ぎながらも、銀二の肩をキツく掴む森田。
「…森田…」
手にこめられた力の強さに、銀二は唇を離し、その瞳を見つめ、名を呼ぶ。
「…銀さ…ん…俺は…っ…」
全身の自由を奪われ、苦しそうにしているものの、決して嫌がっている表情ではない。ただ、戸惑っているのだろう、今この瞬間を。
「…なぁ森田。いつか言ってたな…いい女一人抱いてねぇと…それで死ねるかってな。俺は自分でいい男なんて言えねぇが…お前が抱かれとくのも悪くねぇじゃねぇか…死ぬ前に、な」
その顔を見て、銀二も腹を決めたようだ。
「……ぎんさん……」
そしてまた森田も、気付いていた…自分が銀二に、心酔していることに。
もはや、その気持ちに気付かないフリなど、出来ないことに…。
「…お前は何も心配するな…俺に任せておけばいい…」
銀二は安心させるように笑って見せると、濡れた森田の首筋に軽く歯を立てる。
…長く、やっと捕らえた獲物に喰らいつくように。
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| | | | ∧_∧ コレカラサキハヒトリデミルヨ…ツマラナカッタシ
| | | | ピッ (・∀・ )
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場所、ありがとうございましたっ…!
_/ ̄>◯ 先生!萌えすぎて腰が立ちません!>665姐さん、GGGJJJ!!!
投下予告を聞いて飛んで来ました‥っ!
>>665さん‥優しいお姉さん有り難う‥っ!
672 :
667:2006/04/15(土) 09:28:55 ID:9rDhKCa3
割り込んでゴメンorz
>665
最後の一行にこらえきれず叫んだ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 大正二十年の悪魔召還師のお話モナ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ぬこの独白。拾一話ネタバレなんで未クリアの姐さん気をつけて!
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ゼンゼン ヤオイジャナイヨ…
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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業斗童子は目を見開いた。
否、自分の身体はとうに砕け散っている。
魂だけの存在となって漂っているだけであった。
長い長い間不安定な時代を彷徨ってきたが、宇宙を見るのは初めてだった。
あの青いうつくしい星が自分達の地球なのであろうか。
太陽の光を受けて燦然と輝くその姿を見て、
暗い未来などあるはずないではないかとゴウトは独りごちた。
大丈夫だ。
この星は大丈夫だよ、ライドウ。
あの、澄んだ黒い眼をした若者の事を思う。
あの眼とこの星は、同じ未来を見据えているのだ。
おまえは葛葉の中でもとびきり不器用で、真直ぐで、優しかった。
迷わず進め、とゴウトは遠い先に居るライドウに念じた。
猫の身体はこれ以上ない屈辱的な戒めのはずであったのに、
今はライドウの膝の上に帰りたいと思う。
記憶の中のライドウは笑いながら、自分の背を撫でている。
願えるならば、あのあたたかな陽射しの中にもう一度帰りたい。
「思えば、俺は幸せだったのだろうな」
猫の身体も悪くはなかった。ライドウよ。
身体が滅びた今、今はただ時間の流れに全てを沿わす他はない。
何度も何度もそれを繰り返してきて磨り減った自分の魂も、
ただひたすら次が来るのを待っている。
その中でゴウトは、自分の名を継いだ若者の幸せを祈り、
出来るならば次も猫の身体が良いなと思った。
____________
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| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ ) 初投下なのに暗いよ
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まあこの後あっさり復活しちゃうんだけどね…
本スレの314姐さんのセツナスレスに我慢できず投下してしまったよ…!
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| 胃龍出演中の土反ロ→W@TのT
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| W@TのW×T前提です
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
―ああ、今日はだめか。
俺はこっそりため息をついた。
せっかくうまいラーメン食わせてやろうと思ってたのに。
左手に握られる、黒いギターケース。
小柄な彼が持っていると、なんだか大きく見える。
彼がこれを現場に持ってきたということは、
撮影が終わったらヤツと会うということだ。
仕事かプライベートかは分からないが。
スタジオの隅から、控えめなギターの音が響く。
かわいらしい顔に、少し大人びた表情を浮かべて。
同じコード進行を何回か繰り返して、彼は携帯を取り出した。
どこかへ電話をし、少し表情を曇らせた後、
隅に積まれた機材の上に開いたままの携帯を置くと、
携帯に向かって先ほどのコードを鳴らす。
「古池さん、お願いします」
「はい!」
携帯を閉じていつものように返事をし、セットへ向かう彼を見送って、
俺は残された携帯を手に取った。
隠してしまおうか。
それとも壊してしまおうか。
軽い打ち合わせだったらしく、彼はすでにスタッフと談笑している。
「おい、・・・撤平」
「はい?」
「これ、こんなとこ置いといたら、邪魔になるぞ」
「あ、すみません、ありがとうございます」
彼があわてて駆け寄ってきた。
携帯を渡すと、ふと彼が見つめているのに気づいた。
「どうした?」
「土反ロさん今日はワッツって言わないんですね」
「まあな、ここにいる時はワッツじゃねえかなと思って」
「何を今更言ってるんですか、てゆうか、W@Tです」
「お前が言ったんだろ」
「あ、そうか」
口元に手をあてて、彼が笑う。
「でも土反ロさん」
「なんだ?」
「僕、ここにいる時は伊集院ですから」
「言ってろ」
笑っている彼の頭を軽くはたいた。
俺の隣で、彼が彼であることは少ないのかもしれない。
「おう、今日あがったらヒマか?」
「あー、ちょっと今日は用事があって・・・」
「なんだよ、せっかくうまいラーメン屋連れてってやろうと思ったのに」
「うわー、ラーメンですか」
「そう、めちゃくちゃうまいぞ」
「うーん、でも今日はダメなんです。また今度誘ってください」
「さあ、今度があるかどうかわかんねえな」
「そんなあ、お願いしますよ」
笑顔で手を合わせ、下から覗き込んでくる。
「さあね、またなワッツ」
「W@Tです」
もう一度彼の頭をはたいて、スタジオを出た。
「おつかれっしたー」
後ろから追いかけてくる彼の声に、背中を向けたまま手を上げて答えた。
仕事だって言えばいいのに、バカだなあいつは。
どうせ断られること分かってたのに、バカだな俺は。
俺はまた、ため息をついた。
| __________ |
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| | | | ∧_∧ 各種番宣での2人に萌えました
| | | | ピッ (・∀・ )
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
497KBゆえ挑戦
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリーAAであろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
| いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
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| | [][] PAUSE
∧_∧ | |
┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | |
| |,, ( つ◇ | |
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| || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |
685 :
http://music5.2ch.net/test/read.cgi/musicjf/1144899352/1:2006/04/15(土) 16:22:35 ID:ppioUWyt
687 :
http://music5.2ch.net/test/read.cgi/musicjf/1144899352/1:
∧_∧ ∧_∧
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三(⌒), ノ⊃ (
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