1.ノンジャンルのネタ発表の場です
書き込むネタはノンジャンル。
スレ違い/板違い/鯖違い/メディア違い問わず、ネタであれば何でもあり。
たとえばこんなときにどうぞ。
どこに投稿すればいいのかわからない‥‥
・ネタを作ってはみたが投稿すべき既存のスレが無い。
・投稿すべきスレがあるのかもしれないけど、よくわかんない。
・クロスオーバーのつもりなのだが各スレ住人にウザがられた。
・みんなの反応を見たうえでスレ立てるべきかどうか判断したい。
投稿すべきスレはあるが‥‥
・キャラの設定を間違えて作ったので本スレに貼れない。
・種々の理由で、投稿すると本スレが荒れそう。
・本スレに貼る前にあらかじめ他人の反応を知って推敲したい。
・本スレは終了した。でも続編を自分で立てる気がない。
ヘタレなので‥‥
・我ながらつまらないネタなので貼るのが躊躇われる。
・作り出してはみたものの途中で挫折した。誰か続きおながい!
迷ったときはこのスレに投稿してね。
ただ、本来投稿すべきと思うスレがある場合は
それがどのスレで(ヒントで充分)、しかしなぜこのスレに貼ったのか、
という簡単なコメントがあるとよい。無いとカオスすぎるからね。
ナマモノは伏せ字か当て字を推奨。
それ以外は該当スレのローカルルールに沿うか、自己判断で。
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリーAAであろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
| いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | [][] PAUSE
∧_∧ | |
┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | |
| |,, ( つ◇ | |
| ||―(_ ┐┐―|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
| || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
とりあえず用意したテンプレ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| きっと楽しんでもらえるよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
|
| ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
| ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
| ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
| ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
| ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
| ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
| ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
\___ _____________________
|/
∧_∧
_ ( ・∀・ )
|l8|と つ◎
 ̄ | | |
(__)_)
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 媒体も
| 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
| 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
\_________________________
携帯用区切りAA
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
中略
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
中略
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| じゃ、そろそろ楽しもうか。
|[][][]__\______ _________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | |/
|[][][][][][][]//|| | ∧_∧
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
|[][][][][][][][]_||/ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |
(__)_)
8 :
猿河童がらみ3:2006/01/13(金) 19:02:37 ID:LxBfKijM
そこまでいって目の前がフッと暗くなり後ろから倒れ、しりもちをついた
もちろん五空がよりかかったのもあるだろうが実際はかなり疲れていたからだろう
「っつ・・・」くらくら頭を押さえながら五条が言った。
「あ、大丈夫ですか?ちょっとお師匠様に言ってもらって休んだ方が・・・」
「いや、いい」 と言ったはいいがまだ立てないようで杖にもたれかかってる。
「我々は西を目指さなければならないんだ。こんなところで休むわけには…」
「そうだ!お師匠さんからも大分遅れちまったぞ」
五空が目の上に手をかざし遠くの法師の方を見ながら言った
八回はきっと五空をにらむと
「そもそもお前が寄りかかったからこんなことに・・・」
「はいはいわかってるって」
と言うが早いが五空は五条を軽々と担ぎ上げた。
9 :
猿河童がらみ4:2006/01/13(金) 19:04:34 ID:LxBfKijM
わっと五条は小さい叫び声を上げたがあっというまに、左肩に担ぎ上げられてしまった
「お、おい、何をする、おろせ!」と言ったが後ろ向きなので五空の背中に喋っているようなものだ
五空はわめく五条など気にもせず「これでいいんだろ」と八回に行った
八回は予想もしてなかったことなので え、いや と口をもごもごさせた。
五条はまだわめいていたがさっきので頭がくらくらして抵抗できない。
五空はわめく五条を後目に
「さっお師匠さんにおいつこうか!」
と五条を担いだままスタスタと歩き出した。
「おい!おろせっていうのが聞こえないのか馬鹿猿!」
「あ〜馬鹿って言ったなこのカッパ!」
「なんだとこの・・・・」
八回は少し呆然としていたがかつがれているままでも喧嘩している二人を見て
我に返り、あわてて二人においつこうと小走りに走った。
彼らの喧嘩は八回も交えて長く続いた。
もちろんその間も五空はずっと八回を背負っていた
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| やまなしいみなしおちなしー
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 容量考えて無くて正直スマンカッタ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )( ゚Д゚ )bΣ
| | | | ◇⊂ )( ) | /ノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂U O__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|
>>1さんほんとう有り難うございました
\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>1 スレ立て乙。
>>8 モモモモモモエ━━(*´Д`)━━!!
弱ってる河童 やせ我慢な河童 慌てる河童
全部可愛いよ
それを軽々担ぐ猿GJ!どもっちゃう豚もGJ!
何より姐さん、漏れ今空だって飛べる!
道中の様子まで垣間見えて次回まで強く生きていけそうです。
アリガトー
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
|
>>1乙ありがとう。
| 2005超英雄時間(要英訳)前半、マジカノレでブラザーな船体だって
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 赤黄でほんのり。その4話目。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ アイカワラズ投下間隔ガナガイ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
「うー…」
魔方部屋の机に座って、小さく唸った。
円卓では小姉が傷の手当をしてる。
…小兄の。
小兄は時々とんでもなく行動的になる。
それはホーカ姉ちゃんを助けるためだったり、ヒ力ノレ先生を助けるためだったり、
…俺を助けるため…だったり。
今日は小姉を助けるために、敵のど真ん中に突っ込んでった。
普段はあんなにやる気なさそうなのにさ。
「…っ」
切れた口元を消毒されて、小兄が小さく眉をしかめた。
「あ、ごめん。沁みる…?」
「いや、平気」
いつもの表情で返事した。
「シバサ、ありがとう」
「…ん」
手当て後の小姉のお礼への返事も、いつもの表情。
「うー…」
そんなやり取りを見ながら、また唸っちゃう。
なんっていうか…こう…。
イライラ? モヤモヤ? ピリピリ? クラクラ…は違うか。
ともかく、なんか変な気分。
「うーうーうー」
だから、唸る。
唸って答えがでてくるんならいくらでも唸るけど、出てこないんだろうなぁ…。
「さっきから、何ひとりで騒いでんだ」
小兄の顔が俺に向く。
やっぱりいつもの呆れ顔。
「誰のせいだと思ってんだよ!」
「? 誰のせいだよ?」
「!」
真正面から聞き返されて、言葉に詰まった。
確かになー。原因は小兄だけど、小兄のせいじゃないしなー。
ってことは、やっぱり…
「俺の、せい…?」
「…ハッ」
小兄は鼻で笑って、部屋を出て行った。
ムカつくー!!
「カイ」
ヒ力ノレ先生が寄ってきた。
俺の肩に手を乗せる。
「悩み事かい? 僕でよければ相談に乗るよ」
「ありがと先生。でもなんか…うまく言葉にできないんだ」
「文章にならなくても短い単語を並べて、誰かに聞いてもらうことで心が軽くなることもあるよ」
「そうなのかな…」
「きっとね」
見上げたら、先生はいつもの笑顔で見下ろしてた。
「ありがと先生。そのときはお願い」
「わかった」
俺の肩をポンと小さく叩いて、ヒ力ノレ先生はみんなの方へと戻っていく。
っていうか、今、俺の心は重いのかな。
そこらへんからしてよく判らない。
でも、ひとつだけ判ってることはあるんだ。
小兄の怪我、たいしたことなくてよかった。
それから三日くらいは何事もなく…というか、悩んでたことすら忘れて過ごした。
だって学校も部活もあるし、淫ヘルシアは来るし、小兄とはケンカしなくちゃいけないし。
毎日頑張ってます!
「センジン切って〜突っ走る〜♪」
お風呂で鼻歌出ちゃうくらい、頑張ってます。
…あれ?
「センジンって漢字でどう書くんだっけ?」
「ばーか」
「うわぁっ!?」
バシャーン
突然ドア越しにかけられた声に立ち上がる。
びっくりしたー!
なんで脱衣所に小兄がいるんだよ!
つーか、なんで胸隠してんだよ俺…。
「次に風呂を待ってるホーネーが眠そうなんだよ。早めに出てやれ」
それを言いに来たのか。
「わかったー」
遠ざかる気配に大きく答えて、もう一度顎先まで湯船に漬かった。
姉ちゃんたちには優しいんだからなー。
俺にももうちょっと優しく…
「…」
してくれてるところを想像してみた。
おかずくれたり、漢字教えてくれたり、おやつくれたりする小兄。
「…」
なんか、それって小兄じゃない…。
「…あがるか」
ホーカ姉ちゃん待ってるし。
本来なら俺の次だったのに、順番を変わってあげた小兄も待ってるしね。
翌日も、淫ヘルシアはやってきた。
まったくもー! 毎日毎日懲りない奴らだな!!
今日もキッチリ地底に送り返してやるぜ!
ところが、今日の奴らは一味違ってた。
言いたくないんだけど…。
この目移住人、ぶっちゃけ…強い。
地面のコンクリートをバリバリ剥がして、尖らせて飛ばしてよこすんだもん。
これじゃ近寄れない!
「うわぁ!!」
小兄も吹っ飛ばされた。
俺だって…地面に倒れてる。
「このままじゃ…」
このままじゃ…このままじゃ!!
ぎゅっとソードを握り締めた。
突破口を開かなきゃ! 俺が! 先陣切って!!
「うおおおおお!!」
目移住人へと突っ込んでいく。
「うわぁ!」
でも…だめだった…。はね返された…。
「カイ!!」
ゴロゴロと転がされる形で、皆のところまで戻された。
「馬鹿野郎! 考えもなしに突っ込むんじゃねぇ!!」
小兄が叫ぶ。
地面に膝を突いて、肩で大きく息をしてる。
その苦しそうな呼吸に合わせて、黄色のマントが揺れる。
「小兄…」
「大丈夫か?」
小兄がわずかに振り返って聞いてきた。
「…ごめん」
「んなこと言ってる場合じゃねぇだろ」
「…」
そういえば。
こんなとき、いつも小兄の背中見てるな。
「!」
それってばつまり、こんな…ヤバげな状況のとき、小兄はいつも俺の前にいるってことだ…。
「!!」
これだ! イライラの原因!!
小兄が俺を庇ってくれるからだ!
でも…なんでだ?
うれしいのに。なんでイライラなんだ?
まぁいいや。
原因が判ったんだから、次のことは次に考えよう。
小兄が俺の前にいるのが嫌なんだから、そうじゃなくすればいい。
一番手っ取り早いのは、目の前の目移住人を倒すことだ!
戦う相手がいなくなれば、小兄は誰かを庇って怪我しない。
おし! カンペキ!!
「小兄!」
立ち上がって叫んだ。
飛びたいんだ! 持ち上げて!!
「おう!」
小兄はすぐに立ち上がって、スティックを構えてくれた。
そこをめがけて飛び上がり、
「ぅおーりゃー!!」
小兄の力を借りてさらに高い空へジャンプ!
サンキュー小兄! 狙った以上に景気よく吹っ飛ばしてくれて。
「まぢまぢまぢか!!」
両腕を広げて呪文を唱える。
「赤火鳳凰!!」
真赤な炎が全身を包んだ。
そのまま目移住人めがけて飛び込む…というか、落っこちるというか。
炎の翼を広げて突っ込んだ。
今度は目移住人がゴロゴロと転がる。
俺はちゃんと格好良く着地したもんね!
「よっしゃトドメだ!」
気合を入れなおして剣を構え…
「ぢーぢーぢぢる!!」
…てると、呪文が聞こえた。
そんなに長い呪文じゃないのに背後から横、前へと声が移動していく。
「え?」
俺の眼に映るのは、やっぱり黄色の背中。
「譲れ!!」
黄色のボクサーは短く叫んで、素早く目移住人の懐へと飛び込む。
「ちょ…小…」
あーもう!
目標をなくした剣をスティックへと戻す。
あれじゃ、ダメだって言う暇も隙間もないじゃんか。
「…ま」
いっか。
そのまま左腰のホルダーに戻した。
腕組みをする。足は『やすめ』の体勢。
体重をかける足を換え、右手を顎にあててみた。
「おや〜?シバサ選手、パンチにいつものキレがありませんねー?」
わざとらしく言ってみる。
実際は、もう完全に小兄のペースなんだけどね。
いつもよりちょっと肩に力が入ってる気はするけど。
「バカ言ってんじゃねぇ!」
黄色の魔方使い・マヅイエ口ーは、そう叫んで見事なアッパー。
それが目移住人へのトドメの一撃になった。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ おそまつ。
| | | | ピッ (・∀・ ) シレッっとてんてー登場。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>1 乙!!
>>10 姐さん神だよー(´Д`*)GJ!!
豚くんも可愛いかった!
>>10 (*´Д`(*´Д`(*´Д`)ハァハアノヽアノヽア
豚カワユスw
河童…ウハァw
いつか猿がリヤルでやってくれることを期待してしまった
>10
ももももも萌え!これぞ萌え!
マリマトン!!!
>>1 スレ立て乙!
>>8 河童テラモエス(*´д`*)
実はひたすら前スレで続きが投稿されるのを待ってたw
25 :
名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/14(土) 02:11:53 ID:rTI5IKCZ
>>10 猿河童(*゚∀゚)=3ハァハァ GJです!!
馬鹿力な猿イイ!!河童(゚∀゚o彡°ツンデレツンデレ
すいませ…ageてしまった…_| ̄|○
>>19 黄もさることながら赤もかわええよー(´∀`)GJ!!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )アカキ"とナンコ"ウだよ
本スレに触発されたらしいよ
29 :
1/2:2006/01/14(土) 13:30:31 ID:OUpClGHS
特に何をされたというわけでもない。ただアカキ"が壁にもたれて座り、こちらを
見ているだけだ。だが、それだけでもう動けない。ナンコ"ウは多少どころでない気まず
さを感じてうつむいた。一層握りしめた手を膝に押し付けてやりすごそうとする。
「ナンコ"ウさん」
アカキ"の声がした。一瞬わずかに肩を震わせたのは、彼に分かってしまったろう
か。おそるおそる顔を上げかけ、それでもやはり直視することはできず、視線は口
元のあたりでたゆたう。
「さっきから黙ったままだね。久しぶりに会ったのに」
ゆっくりと、子供に言い聞かせるような調子でアカキ"は話す。一音口からこぼれ
るごとに、赤い舌がちらりと覗いた。生々しく動く様は、まるでアカキ"でない別の
何かが彼の口中にいるように思えた。
「いや、オレは・・・」
言いかけて、結局口ごもる。心に引っかかるものが、何を話そうとしていたのか
をあやふやにしてしまう。自分はただ、言い訳をしたいだけではないのか。石河に
会わせた事に対して。
「オレは会えて結構嬉しかったんだけど」
心を読まれたように言われ、ナンコ"ウはぎょっとしてアカキ"の顔を見た。声が近い。
アカキ"の体温が近い。すぐ隣にいるわけでもないのに。
「ナンコ"ウさんは嬉しくなかったの」
「そ、そんなわけあるか!」
勢い込んで言うナンコ"ウに、かえってアカキ"は驚いた表情を見せた。
「ふーん」
30 :
2/2:2006/01/14(土) 13:31:12 ID:OUpClGHS
ならさ、とアカキ"は姿勢を変えた。ナンコ"ウの前に座り込む。
「どうして黙ったままなの」
アカキ"は何もしない。責めてもいない。勝負のときのように他を圧する気配を撒
き散らしているわけでもない。ただ見ているだけだ。ナンコ"ウを。
だが、もうそれだけでナンコ"ウは指一本動かすことができない。
「それならそれでいいけど」
アカキ"は不意に肩をつかむと、一気に後ろへ体を押した。いきなりの事にナンコ"ウが
目を白黒させていると、腹の上へどっかりと座り込む。ぐぅ、とナンコ"ウは衝撃に声を
漏らした。
「迷ってるなら選べばいいだけのこと・・・。そうだろ、ナンコ"ウさん」
もはや自分は喉首に手をかけられたのだ。ナンコ"ウは声にならない声で呻いた。あの
ときもそうだった。アカキ"はいつも容赦のない選択を迫る。それに耐えられる者な
どいない。ナンコ"ウはただ圧されるだけなのだ。
「だめだ・・・。オレは、アカキ"」
アカキ"は煙草を出すと、火をつけた。銘柄は何だろうとナンコ"ウはどうでもよいこと
を思う。
「この灰が落ちるまで待ってあげるよ」
だから決
めろと、そして死んでしまえと。そう言うのか、アカキ"。
(アカキ"、お前は)
欲情しているのか、オレに。
ちらちらと蠢く舌が脳裏によみがえる。ナンコ"ウはアカキ"の視線を黙って受け止め、
そうしてあえいだ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )アリガトーゴザイマシター
ナンコ"ウはアカキ"のエロっ気に気圧されてればいいと思うよ
>>28 姐さん!GJ!!
(´Д`*)シゲル エロスギ
続きが気になる…!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| オリジ。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 昭和っぽいような。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ずるい。
よく彼は風のように学校を抜け出す。クラス一の足の速さを存分に利用していた。
僕はそれを黙って見守ることしか出来ない。彼には僕への憎悪すら映らない。
階段を上りながら、辺りを見回してもさっきと同じ景色だ。今日も抜け出した、と気づく。
彼の名前は金沢真といった。名前に逆らわないことが本望だと彼は呟いていた。
確かに、金沢が嘘をついたことは一度もなかった。
長い階段のせいで、足はすっかり棒に変わった。体力の無さを恥じる気は、今更ない。
担任の先生が、
「金沢、また逃げ出したな」
と教室に着いたばかりの僕に言う。髭を蓄えた先生は、微笑んだ。
なぜ僕に言ったのだろうと思いながら、僕はつられて顔がほころんだ。
必ず金沢は帰ってくる。そして「抜け出してました」と頭を下げるだろう。
そして後ろで記録をつける僕を見つめて笑んで帰っていく。
金沢は僕の名前すら知らない、と思った。僕の顔は覚えていても、名前までは。
僕は金沢を見ているが、金沢は遠くを見ている。
僕の顔も、夢を目指す途中で忘れてしまうだろう。そんな気がした。
はっと気づくと、先生は居なくなっていた。一人で自分の椅子に座り込む。
一人だけの教室は、いやに寒い。人の暖かさが全くないから当たり前だ。
休み時間、皆外に出て雪と遊んでいる。珍しい大雪に興奮している人ばかりだった。
しかし僕はここに居る。堅物で病弱な僕を誘う者は居なかった、ということらしい。
少し憂鬱な気分で椅子にもたれると、ガラッと後ろの戸が開いた。
「…あ、委員長」
金沢は申し訳なさそうな顔をしつつ、人差し指を唇の前につけた。
後で先生に謝りに行くから、今は黙っておいてということだ。サインのようだった。
雪のかたまりはとけきらないまま、金沢の頭に乗っていた。
土まじりの雪で、裏道を使ったことが分かる。
「俺の憧れてる画家に会えたんだよ。…疑ってる? 本当だよ」
「疑っていないよ」
金沢は微笑んで、僕の隣の席に座った。頭から落ちた雪は、手で潰されてとけ始める。
「まあ俺の名前は真だからな。…でさ、委員長」
金沢の目がじっと僕を見つめた。僕は嫌な予感に包まれ、目を逸らしてしまった。
金沢は嘘をつかない。だからこそ、真実が怖いものだと分かってしまう。
「俺はあんまり長くないんだ。分かるだろ? この手…」
僕の机の前に置かれた金沢の手は、男とは思えないほど細かった。
違う、と反射的に逃げてしまいそうになった。金沢という存在がなくなるのはあり得ない。
あってはならないことだ。
「なあ、秋一」
金沢は僕の名前を呼んだ。何かが壊れゆく音がしたように思えた。
僕が思い描いていた金沢との距離など幻想だったと、今になって気づく。
耐え切れず椅子から立ち上がろうとすると、金沢の細い手が僕の袖を引いた。
一瞬、口づけられた。さっきまで外に居た金沢の唇は雪のように冷えていた。
「俺はお前の名前を知ってたよ、ずっと前から」
これは嘘に入るのかな、と呟いて、金沢はばつが悪そうに笑んだ。
やはり金沢の言ったことは真実だった。重い病だったと先生は涙ぐんで言っていた。
僕の記憶の中には、馬鹿正直な金沢の唇の感触が残っていた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ありがとうございました
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>33 うわあ….゜.(つД`).゜.
すんごい切ない。涙でる…ツボだ…
GJ!!GJでした!!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 絶対可憐の兵×皆
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 投下初めて、うまくいくかな。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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39 :
1:2006/01/15(日) 00:44:33 ID:BUcC6/g/
「ああ、もういい加減にしてくれ」
先ほどまでけたたましく鳴っていた携帯電話を思わずベッドに放り投げてしまった。
相手は十分すぎるほどわかっている。昔の同僚だ。
こちらの仕事に回されたのはたしかに初めから自分の意思であったわけではないが
今更、古巣に帰る気は毛頭ない。
研究開発という点では協力しても、子どもたちの世話から外れるなど論外だと言っているのに、
バベルは人の話を聞かない奴等の集団である。
しつこい勧誘に、ただでさえ日ごろストレス過多の日々だというのに、負担は増えるばかりだった。
「まったく……」
三人娘の学校の授業にあわせてもぎ取ったせっかくの半休だというのに、少しは休ませて欲しいというのが
偽りなき本音であり、軽く頭を振った源はドアへと向かった。
ふと、部屋を見渡すと嫌に白が目についた。源の眉間に皺が寄る。
「あの、くそったれのボケ前白髪爺が……」
「それは僕のことかな?」
振り返った矢先、声が、耳元で。
「静かに、いいこだ」
40 :
2:2006/01/15(日) 00:45:12 ID:BUcC6/g/
突然、一瞬目の前がブラックアウトした。
「この……っぅああ!」
全身に痺れが走った。びくり、と震えた身体から一気に力が抜ける。
声が、うまくだせない。力なく座り込んでしまいそうになった身体を支えられる。
そのまま身体を後ろに押され背に壁があたる。
ーーー連絡を……。
この男が現れたことを早く知らせなければならないのに力が入らない。
それでも、と動かした手は、逆に掴まれてしまう。
「職務に忠実なのもいいけれど、今は」
だめだ。
耳元に落とされた声と同時に、源の身体は自信のコントロールを離れた。
「あっ…、っああ」
響く声は確かに自分のものであるというのに、明らかにおかしかった。
笑って、さきほどから人の服を引っぺがし身体をなでまわしている男ばかりが、視界を占める。
その顔を今すぐ殴り飛ばしてしまいたかったが、身体は全く動かなかった。
与えられる感覚は、間違いなく自分のもののようであった。そして意識も明瞭だ。
しかし、先ほどから、立つことも目の前の男を蹴ることも殴ることも、全てができなかった。
41 :
3:2006/01/15(日) 00:45:59 ID:BUcC6/g/
この状態には覚えがあった。他でもない目の前の男に、数日前経験させられた嫌な思い出だ。
その時は意識も朦朧としていたし、記憶も定かでは無いが、楽しそうに動かない身体を撫で回された
ことは覚えている。すっかり反応しきった後に放置されたことも。
ーーー後始末がどれだけ大変だったとでも。
思い返すに腹立たしく、その後数日間射撃訓練場に篭ったことも思い出せるというのに、
今は指一本動かない。
先ほど兵武に投げ捨てられた銃で、目の前の男の顔面に風穴をあけたいとどれほど思っても。
に、っと更に笑った兵武はひどく楽しそうだ。
「ひぃっっ」
思わずもれた声は情けないことこの上ないが、一切の身体の自由を奪われ、感覚のみ感じる状態では
仕方がなかった。
ーーーこのやろうっっ!!
膝頭で股間を擦り上げられ口からこぼれた声が、死ぬほど悔しかった。
「かわいいなあ、君は……いや、おもしろいと言った方がいいのかな」
寒イボの立つ発言に、内心子どもたちには到底教えられない言葉で男を罵ったが、怒りは収まらない。
「ひどいなあ、僕は君を可愛がってあげてるだけなのに」
黙れ×××。
「っあああ」
兵武の手が、ズボンの上から源のものを握った。
痛みを伴う強い刺激に、しばらく目の前がだぶる。
42 :
5:2006/01/15(日) 00:46:30 ID:BUcC6/g/
「いやあ、それにしても、前の暗示がこんなに綺麗に残っているなんて思わなかったなあ」
耳元で囁かれた声に、意図せず身体が震えた。長年の付き合いの自分の意思を無視して。
「この間は悪かったね、あんな中途半端なところで放ってしまって」
笑いながら、内股をなで上げられ足が震えた。
「ああ、もうこんなに」
自分にカオルの一割でも力があれば、確実に全身全霊でもってこの男の心臓を止めに走った台詞だ。
「今、楽にしてあげよう」
これ以上なく楽しそうに笑った男の顔が、脳裏に焼きついた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 以上!
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
脳内ストーリーの一部なので、非常にぶつ切りでスミマセン
ぎゃ、42は5でなくて4です!!
重ね重ねすみませんでした。
ゲ仁ソ でんでんの人達
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 萌えがたぎりすぎたらしいよ。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| (((( ;゚д゚)))アワワワワしながら書いたらしいよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 深夜だからテンソンもおかしいらしいよ。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) でもエロは無いんだって。
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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46 :
1/3:2006/01/15(日) 00:52:06 ID:koEzYOWh
相方は、案外弱い。
喧嘩には勝ったことがない、見た目よりも力がない。
いつだったか、瓦割りのときは俺のほうが割った枚数が多かった。
…見掛け倒しだよねって言ったら怒るかな、あいつ。
毎日毎日忙しくて、でも充実してる。
ふっと横を見ると疲れた顔して寝てる相方。
喉の調子はもう治ったのか、実は心配してる。
声変わりするところかってからかったら本気で殴られて、結構痛かった。
「だから! お前人の物勝手に食うなっつーの。」
「えー、だって美味そうなんだもんそれ、あーもう一口ちょうだい。」
「じゃあお前も同じの頼めよ…」
「いやいやいやいや、こういうのは人から貰って食べるからおいしいんだって。だからもう一口ちょーだい?」
ファミレスでネタ出しやら打合せやら。話はあっちこっちに脱線しながらとりあえず空いた腹を満たす。
横から人の頼んだものを掻っ攫っていく相方に目で訴える。「それはおれのだ」
まあ、いつも通りに見なかった事にされて、俺の鳥雑炊はほぼ全て相方の腹に消えた。
何か追加するか…あーハンバーグとか久しぶりかもしれないから頼もうかな?
「あのさ。」
「んー? 何追加すんの?」
「いやそうじゃなくて。俺達さ、もっと頑張んないと駄目だよな。」
47 :
2/3:2006/01/15(日) 00:52:51 ID:koEzYOWh
「まあ、そりゃ頑張んないと一発屋とか言われるしな。」
「うん。」
「何、お前また凹んでんの?」
「凹むって言うかさー…」
メロンクリームフロートのストローに息を吹き込んでごぼごぼ言わせながら押し黙ってしまった相方。
飽きられれば終わり、ましてやこの時間の早さ。不安でないわけじゃない。
「お前いつもそうやってうじうじしすぎるんだから、ちょっとは軽く考えればいいんじゃないかな。」
「だってさあ。」
「お前が笑ってれば、まわりも笑うんだからさ。嫌なこととか、不安なことがあったら俺に言ってくれればいいよ。」
「…そういうの、女の子に言ってあげればいいのにねー?」
「俺がモテないの知ってて言うんだなお前!」
丁度相方のところに追加されたカルボナーラを皿ごと奪って、ついでにテーブルの下のブーツを軽く蹴飛ばす。
鳥雑炊のかわりにいただきまーす。あ、これ結構美味い。
「あー! 俺のカルボナーラ!!」
「お前だって俺の鳥雑炊全部食っただろうが。」
「だからってー、あああ何でそんな一気食いするんだよバカー!」
何でって、腹が減ってたから食うに決まってる。温かい飯はなかなかありつけないし。
ロケ弁はだんだん悲しくなるんだよな、食ってると。本当は家で飯食いたいけど、そうも行かないし。
1つを得れば1つ失う、って感じだなー。昔と今の自分のまわりを見てみると。
48 :
3/3:2006/01/15(日) 00:53:33 ID:koEzYOWh
友達とかあんまりいなかったし、一人でいる方が楽しかったし。
勉強ばっかりやってぶっ倒れてみたりしたけど、こいつに出会ってからは世界が違う感じがする。
なんつーか……極彩色の世界、かな?
何をしても、何を見ても、何だか分からないけどワクワクする。
どこまでもいけそうな、どこにでもいけそうな。
こいつと出会えなかったら、俺どうなってたんだろうな?
真っ暗な社会生活送ってんじゃないかなー、わあ俺かわいそうかもしんない。
「お前が捨てられた犬のような目で見るから、一口だけ返す。」
「一口かよ…」
「俺のをたらふく食ったからだって……ほらアーン。」
「自分で食うって!」
「いいから、アーン?」
「うー…」
ちょっとした意趣返しのつもりで食べさせてやると、何も無かったようにほわんと笑う相方。
俺はお前のその笑顔に救われてるよ、何度も。ありがとう。お前に面と向かっては言えないけど。
「間接チューだな。」
「ばっ! ちょっと何言ってんのバッカじゃないの! 何してんのもーほんとバカなんじゃないの!」
多分バカだよ。お前のこと本当に好きでたまんないあたり、バカだと思うよ。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ずっと飯食って話してるだけになっちゃったorz
| | | | ピッ (・∀・ )
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姐さん禿げ萌え(*´Д`)ノシ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガトオリマスヨ
ア力ギの悪徳刑事と偽者。偽者が攻。
平山は安岡をひどく荒っぽく扱う。
しかし、それは若さから来る性急さが理由ではない。安岡が多少手荒な方を好
んでいると気づいてのことだ。歳に似合わず、抱くということを心得ている。
指が引き抜かれる感触に奥の何かが震えた。高くかかげていた腰を揺らしそう
になる。
それに気づいているのかいないのか、ご丁寧にはめていたゴム手袋を外すと、
平山は粗野な動きで安岡に押し入れた。
いくら事前に指で嫌と言うほどかき回されたとはいえ、体が裂かれるかと思う
ような痛みに変りはない。
思わず押し殺したうめき声が漏れる。噛まされた手ぬぐいに阻まれて外には出
なかったが。
痛みのためにうまく入りきらず、限界まで押し込められるのに時間がかかった。
互いに無言のまま、しばらく荒い息で体勢に慣れるのを待つ。
頃合いを見計らって、平山が腰を跳ねさせはじめた。背後の平山が、こすれる
感触にますます息を荒げさせるのを聞く。
そのたびひどい痛みが走ったが、体を押さえつけられ、その上後ろ手に拘束さ
れていては、敷布を掴んでこらえる事もできない。安岡に許されたことと言えば、
喉が潰れたような声を出すだけだった。
だらしなく開いた口からは、ひっきりなしに唾液が漏れ伝う。喉に詰まらせな
いよう、下手に飲み込まないようにするのが一苦労だ。
痛みから逃れようと口に意識が向き、それで先ほど吐き出された比良山の精の残
滓もついでに思い出す。
(若いな)
安丘は思った。
(あれだけ出したってのに、まだやれるんだからな)
そのとき、体重を支えていた肩がふと自由になった。比良山はあいた手を下に伸
ばすと、安丘の昂ぶりを握りこむ。これまでの乱暴さとは逆に、微細な手つきで
愛撫する。
苦痛の中にいきなり与えられた刺激に、背がのけぞった。たまらず身を捩じら
せると、今度は乱暴に掴まれる。
そうして何度も交互に刺激を加えられ、安丘は息も絶え絶えの内に絶頂へと
持っていかれた。ぐったりと弛緩したところで、比良山もやはり達していた。
(終わったか)
それなら拘束を解いて欲しいものだ。安丘の思いを読み取ったように、比良山は
縄を解き、手ぬぐいを外した。本人はそのまま立ち、風呂場へ姿を消す。
やりとりはない。元より情事の際に交わす言葉など、二人共持っていなかった。
手足を広げて横たわると、安丘は目を閉じた。今は只、一人で眠りたい。
しかし比良山は、やはり甘い。抱くのに相手の体のことなど考えるあの男は。手
前の都合では決して前に進めないあの男は。
だが、まあいい。今だけだ。安丘はにやり笑うと、眠りに落ちていった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )アサッパラカラナニカイテンダ
ついカッとなってやった。今は反省している。
そして伏せ忘れスマソ・・・orz 血を抜かれて埋められに行ってくる。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
セリフ&歌詞萌スレ649さんのレスから出来たものです。
649さん、勝手に拝借して申し訳ありません。
彼はいつも急ぎ足で私の傍らをすり抜けていく。
朝に、夕に、一瞬すれ違うだけの彼を意識し始めたのはいつのことだっただろう。
黒の詰め襟に身を包んだ、名も知らぬ彼を。
その日も彼は急いでいた。朝が冷え込むようになってから、
彼は以前にも増して切羽詰まった時間にここを通るようになっている。
駆け込み乗車を注意するアナウンスも意に介さず、突風のように走り去っていく彼。
――出来心だった。彼の姿をもっと見ていたい……ただ、それだけだったのだ。
彼は私のことを軽蔑しただろう。私のせいで間に合うはずの電車を逃したのだ、仕方のないことだ。
それでも、私は満足だった。彼が私のことを意識してくれた、それが何より嬉しかった。
今日の夕方、彼はまたここを通るだろう。
そのとき、私は平静でいられるだろうか。それとも、今朝のようにみっともなく縋るような真似をしてしまうのだろうか。
機械的な動作で彼の行く手を阻んで、冷静な振りをしながら。
「もう一度ふれてください」、と。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
関西圏の人間なのでイコカバージョンです。
自分がくたびれたオッサン萌なのでイコカもオッサンっぽくなってしまいました。
>>51 偽キタ(・ω・)!!
凡男 もっとがんばれ 凡男
>38
ちょ、気になるところで……!w
新刊発売したタイミングだったので萌えが二乗。
続きを心待ちにしてます
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )アカキ"×ナンコ"ウの小ネタ
アカキ"攻め。苦手な人はスルーしてね。
自分が煙草を吸っていて、アカキ"が新しい煙草を咥え、火を移してもらいたそうに近寄ってきた
ときは気をつけなければいけない。
そんなことはわかっていたはずだ。
だけど後の祭り…、また引っ掛かっちまった…、とナンコ"ウは自分の不覚を恨んだ。
「人が好いよね、ナンコ"ウさんは…」
クク…、と19歳のアカキ"が笑う。ナンコ"ウの腹の上に馬乗りになりながら、アカキ"はナンコ"ウの唇から
毟り取った煙草を灰皿に揉み消した。
ある日ふらりとやってきたアカキ"をナンコ"ウは快く迎え入れ、和やかに話をしていた。
それが急転直下、この状態。
一瞬の早業だった。煙草を咥えたアカキ"がそっと顔を寄せ、ナンコ"ウの注意が触れ合う煙草の先に注
がれた瞬間、2本の煙草はふたりの間から消えうせ、ナンコ"ウの唇はアカキ"の唇でふさがれた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
>>57 ア力ギ攻めイイヨイイヨー
本当に最近服喪とスレといいここといい最高だ!
アカギさんは先輩達とのギャンブルに勝つと自分の部屋に戻っていった。
先輩達が悔しそうに落ち込んでるから当たられないうちに僕も退室。
聞きたい事もあったし、何となくアカギさんの部屋に行った。
《コンコン》
アカギ「治か、ちょうどよかった。」
アカギさんは僕のとられた給料をくれた。
治「アカギさん、やめちゃうんですか」
アカギ「あぁ」
僕は急に何だか心細くなって、悲しい目をしていた。
そんな僕を見たアカギさんはフッと笑い、歩み寄ってきた。
アカギさんは僕を包むように壁に両手をついた。
アカギ「フーン…もしかして淋しいのか」
治「いや…その、だって…」
アカギさんの顔がすごく近い…。僕はいつの間にか心臓をバクバクいわせていた。
《バッ!》
治「わ!?」
一瞬のうちにしていつの間にかアカギさんに押し倒されてしまった。
アカギ「ククク…いちいち反応の面白い奴だ…」
治「アカギさん!?」
アカギ「…もう会う事もないだろうからな。最後にいい事教えてやるよ」
その瞬間僕の唇にアカギさんの柔らかい唇が強引に迫ってきた。
…そこからの事はよく覚えていない…
書きながら貼ってるの?
それともただの凡ミス?
時間を考えると、書きながらじゃないか?
窓開いたまま倒れたりしてないよね…?
きっと前後のAAの貼り忘れだよ。
そんなわけで以下、職人さんの投下どうぞ↓
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| マイナーだが超スタイリッシュな医者達の話。マイナースギテサイトニモノセレナイ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 初投下だったり。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
久しぶりに、叙位過労飯店にて、13号委曲と77号医委曲の面々は顔を合わせていた。
積もる話もあることだし、今日はD/r/.たちの奢りと言うことで、酒宴はかなり盛り上がっている。
グラスがぶつかり合う音、笑い声。そしていろいろな会話が飛び交っている。
そんな中、ミヒャ得るが数との隣で小さくこぼした。
「数と、聞いてほしいのだ……」
「え、どうしたの?」
酒が入っているせいか、とろんとしたアイスブルーの瞳でこちらを見つめる金髪の青年。
整った顔立ちのその頬には赤味が差していて、かなり酔っているようだ。
数とは持ち前の人の良さで、快く相談事を了承すると、自分のグラスにもビールを注いだ。
「最近、冷たいのだ」
「……誰が?」
ミヒャ得るが話し出す前に、数とはそのグラスに口を付けていた。
応答の声がそれを呑み終わってからだったので、会話に少し間が開いてしまった。
「教/授/に決まっているのだ。数と、鈍いぞ」
ミヒャ得るが、自分の言葉足らずを相手のせいにするのは日常茶飯事だ。さほど気にすることでもない。
「ふょうひゅ? いふもやふぁひいふぁふぁい」(教/授/? いつもやさしいじゃない)
「食べながら喋るのは、止めて欲しいのだ」
数とがこの店自慢の海老焼売を、口に詰め込みながらもフォローに入る。
だが、上手く喋ることが出来ずにミヒャ得るの突っ込みを買ってしまう。
結局、話している間は箸を置くことになり、文句を言いながらも、人の良い数とは結局それに従った。
「で、教/授/が冷たいって、どういうこと?」
まともに話せるようになって安心したのか、ミヒャ得るが安堵の溜息を吐く。
その時、違うテーブルから、場ウム教/授/が乾杯の音頭をとる声が聞こえて来た。
彼の集音マイクは、こういう席では機能を最小限に止めているので、多分この会話は聞かれていない……はず。
「この13号委曲に来てから、ボクは全然構ってもらってないのだ。いつもD/r/.のところに居て、ずるいのだ!」
握り拳のまま、ミヒャ得るは一息で言い切る。そしてグラスに残っていたビールをあおると、テーブルに突っ伏した。
数とはその様子を眺め、片目を閉じ、呆れながらこう言った。
「何言ってるの、シューマイ君ったら」
そうしてグラスに口を付けてから、ふぅと息を吐き出す。
「良いのだ。どうせボクは……」
一方、顔を突っ伏したまま嗚咽を漏らしているミヒャ得るの肩を叩くと、数とは慰めるように空のグラスにビールを注いでやった。
そう言った気持ちは、数とにも理解できないでもないのだ。
あの人工生命体たちについては、本当に分からないことだらけで、思い人のはずなのに、時々むしょうに憎たらしくなる時もあるほどだから。
けれど、それを嘆いても今更仕方が無い、と言うのもある。
「結局、僕らはさ」
ほろ酔いの頭で、あの人のことを考えていた。
そのまま喋り出してしまった為、その口から飛び出た言葉は、二人にとっては最も辛いものだった。
「対等にはなれないじゃない」
目を閉じると、嫌でも思い出してしまう。彼らの顔を、そして現実を。
ミヒャ得るはそれっきり黙りこんでいた。
数とも焼売を一口だけ頬張ると、箸を置いてしまう。
頬杖を突いて、ぼーっとお互いの思い人を、見るでもなく見ていた。
「そう思うと、手が出せないじゃない」
“忘れたい”
もう一度アルコールを、一気に体内に流し込む。
結局暫く経った後、二人は全く違う話題で笑い合っていた。
そして傷を舐め合うなんて言葉は嫌いだが、そう見えても仕方ないな、と同時に思った。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 終わりです。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| と言いつつ、全然終わってなくて申し訳ない。
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| | □ STOP. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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| マヅレンジャーのアフロ×バイザー(→魚)。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| バイザーの片思いにしか見えないけどねー。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ミエナイケドネー
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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点々と広がり、神々/の/谷に染み込んでゆく緑の体液をYバ一ンは屈辱的な思いで見つめていた。
あの魔/法/使/いめ。
傷口は鈍い痛みを身体に伝える。
冥/府/神の中でも無類のスピードと攻撃力を誇っていたYバ一ンは、傷を負ったことなどほとんどなかった。
それだけに、身体そのものよりも傷ついていたのはプライドだった。
だが、最もYバ一ンのプライドを傷つけたのは彼に血を流させたブレイジェノレではなかった。
視界の端にいる巨体に、Yバ一ンはそっと目を向ける。
ティ夕一ンはその大きな身体を折り曲げて、二人に分かれたクイ一ンヴァンパイ亜を
そっと地面の上に下ろしていた。
へえ、優しいんだ。
考えてみればいつも彼はそうだった。
大人しく控えめで、仮にも神であるというのに自己主張というものがなかった。
彼に力があることは皆、知っていたから、イフリ一卜などはよく手合わせを申し込んでいたが、
大抵は僅差で負けていた。
五一ゴンは、それをティ夕一ンが手を抜いていると疑っていた。
今にして思えば彼女は慧眼だった。さすがは三/賢/神の一柱だ、とYバ一ンは感心する。
目覚めてからの時間の中で、ティ夕一を相手にたわいないお喋りに興じたこともあった。
Yバ一ンは話し好きでティ夕一ンは良い聞き手だった。
いつも黙って話を聞き、それでいて聞き流すと言うことはなかった。
だが、自分の話を聞いているティ夕一ンの胸の内は、Yバ一ンには一度として判ったことはなかったし、
それを気にしたこともなかった。
何を考えてるかわからない、ちょっと変わった奴。
Yバ一ンにとってティ夕一ンはそういう認識の相手だった。
けれど夕゙ゴンは知ってたんだ、ティ夕一ンの力を。
ブレイジェノレにYバ一ンが押され始めた時、夕゙ゴンはティ夕一ンに戦いを引き継がせた。。
まだ、僕は本気を出してなかったのに。
確かにティ夕一ンは強かったし、彼を侮っていた過ちもYバ一ンは認めた。
けれど、僕よりティ夕一ンを信頼するっていうのはどういうことなんだ、夕゙ゴン。
ブレイジェノレと戦うティ夕一ンの姿が脳裏に蘇る。
強かった。
もしかしたら、僕より。
Yバ一ンの口の中で牙がギリリ、と音を立てる。
これは何だ。こんな感情には覚えがない。
これが、嫉妬というものなのか。
それから、視線を燃え上がるン・魔の魂へと向ける。
この、いずれ劣らぬ僕ら冥/府/神の中から誰を選ぶんだい、ン・魔。
できれば、彼だけは。
そんなことを考えていると、石板が光を放つ。
神/罰を執行する者が選ばれるのだ。
僕が選ばれるといい、そうYバ一ンは願った。
今すぐ地上も、ブレイジェノレの妻も子供たちも消し去ってやる。
だが、石板が選んだのはティ夕一ンだった。
一瞬、不本意そうな顔をした後、彼は地上へと向かう。
その背中をYバ一ンは面白くない思いで眺めていた。
神/罰/執/行、彼は首尾良くこなすだろうか。
Yバ一ンは晴れぬ気持ちのまま、いつの間にかティ夕一ンに思いを馳せる。
卜゙レイクのように進んで出たがるわけでもなく、卜ー卜゙のように面倒がるわけでもなく、
ティ夕一ンは自分の義務としてそれを受け入れたように見えた。
君がわからない、本当にわからない。
だが、その思考を中断するようにン・魔の魂が激しく燃え上がる。
石板に吸い込まれ、それは目的の者を求めて地上へと去った。
今、地上にいる者は誰か。
Yバ一ンはまた傷が疼いたように感じた。
君なのか。
「ン・魔の魂を追え。誰が選ばれるのかを確かめろ」
夕゙ゴンの言葉にYバ一ンと、そしてスフィン楠が地上へと向かう。
その道すがら、Yバ一ンは彼女に尋ねてみた。
「ねえ、地上へ向かったってことは、ン・魔の魂が選んだのって」
賢い彼女は間断を置かずに答える。
「おそらく、ティ夕一ンでしょう」
「何で彼が選ばれたのかな」
「ねえ、何でティ夕一ンが選ばれたんだと思う」
彼女の答えは明快かつ簡潔だった。
「ン・魔の意志です。それ以外のことは私には判りかねます」
「君にわかんないんじゃ、誰にもわからないね」
もう一つ、質問が浮かんできたがYバ一ンはそれを言葉にすることはしなかった。
それは、あまりに馬鹿馬鹿しい質問だった。
ティ夕一ンは、死ぬんだよね。
当たり前だ、とYバ一ンは自分自身に苦笑する。
彼はン・魔に命を捧げる。その身体を依/代として絶/対/神は蘇る。
ああ、僕は彼の身体を持つ絶/対/神に仕えることになるのか。
それを思うと、Yバ一ンは何故か愉快な気持ちになってきた。
いいさ、望むところだよ。
君は強い、確かに絶/対/神に相応しいだろう。
それに、優しいしね。
だが、皮肉交じりに浮かべたその考えをYバ一ンは、スフィン楠に見咎められないように
小さく頭を振って否定する。
馬鹿だな、何を考えてるんだ。ティ夕一ンの身体を使っていても、
その中はティ夕一ンじゃない、ン・魔なんだ。
ティ夕一ンはいなくなる。
イフリ一卜のように。
サイク口プスのように。
五一ゴンのように。
卜゙レイクのように。
卜一卜゙のように。
地/底/冥/府の底の底、神/々/の/谷よりも更に暗い闇の中へと消えてしまう。
何か、心の奥に引っかかるようなものを感じたがYバ一ンはそれを振り払った。
これが僕たちの目的だ。僕だって選ばれたら喜んで命を捧げた。ティ夕一ンだって、きっと受け入れる。
それに、夕゙ゴンだってきっと喜んでくれるはずだ。
Yバ一ンは気持ちを浮き立たせようとした。ようやくこれまでの犠牲が報われる。嬉しくないわけがない。
ティ夕一ンの前に出たら、拍手でもして祝ってやろう。
客車の扉を蹴り飛ばし、Yバ一ンは目的の相手を見つけた。
「ティ夕一ン、もう諦めなよ。絶対に逃がさないんだから」
こうして立ちはだかっても、Yバ一ンは今起きていることを信じがたく思っていた。
『俺は、死なない』
ティ夕一ンはン・魔のために命を捧げることを拒否した。
冥/府/神としての使命を、目的を裏切った。
『それならお前は今から敵だ!』
そう言い放ち、踊りかかったYバ一ンの攻撃をティ夕一ンは呆気ないほど簡単に食らった。
そんなものじゃないはずだろう、ン・魔が選んだ身体は。
Yバ一ンは察していた。
ティ夕一ンはこの期に及んで、手加減をしている。
裏切りに対する罪悪感か、それとも僕の負傷を知っているのか。
それとも、元より僕を侮っているのか。
怒りと共に、何故だか自分の話を黙って聞いているかつてのティ夕一ンの姿が思い出されて
Yバ一ンは苛立った。
本当に、いつもいつも何を考えてるかわからない奴だったな、お前は。
無謀にも自分に向かってくる魔/法/使/い二人をYバ一ンは軽々となぎ倒す。
「格が違うんだ。そこをどきな」
この魔/法/使/いたちは知っている。ブレイジェノレの息子と娘だ。
何故、ティ夕一ンと行動を共にしている。
それは奇妙であり、不快でもあったがどういうつもりか、もうYバ一ンに聞くつもりはなかった。
お前の命を奪って、僕の力で絶/対/神ン・魔を復活させてやる。
そうすれば夕゙ゴンだってお前より僕の方が頼りになると認めるはずだ。
ティ夕一ンの雷を弾き飛ばし、Yバ一ンは槍を構える。
何故、魔/法/使/いなんかを庇うんだい?
「甘いね」
この僕の手で永劫の暗闇の中に叩き込んでやる。僕たちを、僕を裏切ったお前に似合いの神罰だ。
だが、その時Yバ一ンは自分の身体が沈んでゆくのに気付いた。
背中の羽を動かそうとしたが、もはや半分以上身体は外へと押し出されていた。
たかが魔法使いごときの、それも天空聖者ですらない者の術に引っかかるなんて。
歯軋りしながら、抵抗する間もなくYバ一ンは車外の時空の隙間へと放り出された。
ティ夕一ンに、そして桃色の魔/法/使/いに怒りが募る。
もう、僕はこの感情を知っている。
これは、嫉妬だ。
足掻くように手を伸ばし、呪詛のように遠ざかっていく列車に向けて叫ぶ。
「逃がしはしない」
お前の身体はン・魔のものだ。
お前の命はインフェノレシアのものだ。
「必ず、お前を」
けれど、僕はン・魔のためでもなく、インフェノレシアのためでもなく、夕゙ゴンのためでもなく、
僕自身のためにお前を追ってやる。
「ティ夕一ン!」
お前は、僕のものだ。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ バイザーが粘着デムパになってスミマセン
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>71-78
GJ!!テラモエス
>>71-78 ンギャアアア来るか来るかと待ってた甲斐がありました…GJ!!GJ!!
本編でも「必ず、お前を」の後の間が凄く気になってたので、そこが大きく書いてあって嬉しい。
「お前を」の後を言わない辺り、Yバーン自身ティタ一ンに対しての思いを確信してるとみたよ。
ティターン側の心情も是非読みたいです。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| アニメ「侍チャソプルー」の琉球×眼鏡だってさ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| だらだら長くてごめんね。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※一部、ノーマルカプぽいシーンがあります。嫌いな人は注意して下さい。
見るからに値の張っていそうな寝巻きの光沢のある絹の、
その白さと、仁の肌色は拮抗している。
それが訳もなく不愉快で視線を自分の手元へ落とせば
仁と同じ寝巻きの下から、刺青を纏った自分の浅黒い腕が見えた。
もう片方の手で、手首の刺青を擦ってみる。仁の手首にある玉の腕輪が思い出された。
こんな、肌に吸い付くように滑らかな着物は落ち着かない。
こんな豪奢な部屋で、こんな良い着物を着て、なんの苦労もなく贅沢な食事をするようになって
もう10日近くになるが、無限は未だに馴れることができずにいた。
翻って、同じ部屋で同じように過ごす仁の方は、こんな暮らしにもこれといって違和感がないようだ。
女中に傅かれても怯まず、だだっ広い屋敷内で道に迷うこともなく、
茶会に呼ばれれば一通りのことを作法どおりに卒なくこなす。
蒲団の傍らに正座して、月に顔を向けて瞑想している仁の横顔を
無限は今度は視線だけで盗み見た。
―――このヤロウを、こんなに遠く感じたことはねぇ…
そんなことを思う、やけに感傷な自分の心が気に入らなくて無限は立ち上がった。
わざと足音を立てて仁の蒲団へ上がり、大の字に寝転び、仁の腿に手を置いた。
仁が顔を僅かに動かし、無限の手を見る。
無限は仁の裾の合わせ目から掌を中へ這入らせた。
仁は身を捩って逃れようとするので、素早く起き上がって腕を捕まえ、
引き寄せると同時にぐっと自らの顔を突き出す。
二人の顔が吐息が掛かるほどまで近付く。
仁はぴくりと眉を動かし、黙って無限を睨みつけている。
無限は片方の掌で仁の腿をゆっくり撫でながら、手首を掴んでいた手を放し、
仁の顔から眼鏡を取り上げた。
開放された仁の手が眼鏡を追いかけて伸ばされれば、無限はにやりと笑って眼鏡を高々と掲げ、
「壊れちゃ困ンだろ」
一つ向こうの蒲団の上へ放り投げた。仁はその放物線を眼で追って、溜息を吐く。
「…お前がこんなことをしようとしなければ、壊れる気遣いなどないものを」
口調はいかにも億劫そうだが、
腿を蹂躙する無限の掌から、仁が最早逃れようとしていないことは、無限にはよく判っている。
「スカしてんじゃねぇよ、お前だって好きなんだろ、こーゆーコトが、よ…」
言葉に被せて無限は仁の唇に噛み付く。仁は目を閉じて唇を無限に差し出した。
腿にあった手で寝巻きの帯を解き、そのまま無限は仁を蒲団へ突き倒した。
■■■■■
10日ほど前、一膳飯屋で有り金叩いて食事をしながら、
差し当たって今夜の宿をどうするかと、いつも通りの相談をしている最中、
四方から不穏な視線を感じていた。
チラリと見上げれば無論、仁も同じことに気付いているようで、風だけはそれを知らない。
店を出てから、他愛ない会話の言葉尻を捕まえて風と言い争い、
自然な流れを装って脇道へ逸れたら、途端、10人弱の侍連中に取り囲まれた。
ほぼ同時に、少し離れた所で「なんなのよアンタ達!」と、風の悲鳴。
外にも仲間がいたのなら、二手に分かれたのは失敗だったかと無限は舌打ちして、
侍どもと距離を測りつつ、仁と風の行った方へ走り出す。
すると侍のひとりが鋭く
「刃向かうと為に成らぬぞ!」
と叫んだ。言われた無限の眉が、片方だけすぅっと上がり、唇が不穏な微笑みの形に歪む。
無限のそんな表情の変化を見たとでも言うように、まだ無限の顔を見ていないはずの仁から
「余計な面倒は起こすな」
と低い声が掛かった。
見れば仁は、刀を右手一本で構え、空いた左腕で風を抱えるようにしっかり抱き寄せている。
十数名の侍にぐるりを囲まれている状況で、曲がりなりにも用心棒を頼まれている身ならば、
その雇い主である風を守るのに、仁がそういう体勢を取ることになんの理不尽もない。
頭ではその理屈を判っても、無限の心は面白くなかった。ものすごく、面白くない。
「…るッせぇんだよ、俺がどいつとどう斬り合おうと勝手だろうが!」
言うなり無限は手近な侍に踊り掛かり、それを合図に他の侍どもが一斉に3人に斬り掛って、
往来は一瞬にして修羅の巷と化した。
風の為に片手を封じられた仁の耳に、侍たちの「お嬢様!」という悲痛な叫びが聞えて来て、
仁はなんだかわからないまま、己の刀の刃を返していた。
そして無限にも
「おい、殺すな!」
と声を掛ける。その真意は自分でも判らない。
ただ、仁と風に向かって来る侍どもの目が、何かひどく切羽詰っている気がして、
「お嬢様」という呼びかけが切ない気がして、仁は彼らを殺すのが憚られたのである。
そんな勝手な感情を、無限にまで押し付けて、受け入れられるとは思っていなかったが…
「あァ!?なんだそりゃ!」
案の定文句を言った無限だったが、
しかし斬り掛かって来た侍の肩へ振り下ろそうとしていた刃を寸でのところで切り返し、
代わりに柄尻で相手の喉を突いて気絶させた。
仁も風を片腕に庇ったまま、峰打ちで応戦し続け、
ほどなく道の上には、無限と仁にのされた侍どもが屍のごとく累々と転がっていた。
今や相手方で刀を構えて立っているのは、最も年嵩の一人だけである。
するとその老侍はいきなり刀を捨てると、地面にガバと伏して3人に向かって土下座した。
無限はその顔を鉄板加工の下駄で蹴り上げようとしたが、風と仁に止められて渋々足を引っ込めた。
「話を聞こう」
という仁の言葉に促され、元いた飯屋に戻って聞いたところによると、侍の話はこうであった。
老侍は、なんたら言うお城の重役に仕えていて、その重役のお嬢様が半年前、神隠しに遭った。
重役と奥方は大層悲しんで塞ぎ込み、特に奥方は今では床に着いたきり
生死を彷徨うほどに弱りきって、精神も半ば壊れてしまっている。
近頃では怪しげな坊主や祈祷師やらを邸に呼んでお嬢様の行方を占わせることに熱中しており
インチキ坊主らに大枚を注ぎ込むありさまを見て、家中の者達はほとほと頭を痛めていた。
そんな折、家中の一人が、この城下町にやって来た風を見つけた。
風は気の毒なお嬢様に瓜二つだというのだ。
風をお嬢様に変装させて引き合わせれば、奥方の心も落ち着くのではないかと考えた彼らは
後先考えずに3人の後をつけ、襲い掛かったというのだが…
「そんなこと、ちゃんと訳を話してくれれば、あたし、協力するのに…」
風が困ったように眉を顰めて、老侍と仁、無限を交互に見る。
老侍はひたすらに頭を低くして、「どうか、どうか…」と言うばかり。
「ケッ。だーからキライなんだよ、おめーらみたいなサムライってのはよ」
老侍の支払いと思うからか、ここぞとばかり酒と食い物を注文しまくり、食べ散らかしている無限が、
魚の骨と一緒に言葉を地面に吐き捨てた。
風は慌てて「ちょっと、無限」と声を掛けるものの、
いきなり襲い掛かるという手段に打って出た老侍たちの言葉を、どこまで信じていいものか迷っている。
「…大方、風に正直に事情を話して、一緒にいるわたしたちのような得体の知れない浪人物に
ご家中の内情を知られるのを厭われたのであろう」
感情のない声で仁が言うと、図星を突かれたというように老侍の額に汗が滲んだ。
無限がもう一度「ケッ」と唾を吐く。
「しかし、生憎と我々は、武家社会のどんな事情にも、興味はない。
そちらの主君の奥方がどうなろうと、わたしの与り知るところではない」
老侍がハっと顔を上げた。風も泣きそうな顔で仁を見上げる。
無限は切れた眉をぴくりと動かし、ゆっくりと視線を移して、仁の表情を読もうとした。
仁は眼鏡の中から静かに風を見下ろし
「あとは、お前次第だ」
と言った。
結局、風はお嬢様の身代わりになることを承知して、
その代わり無限と仁の二人も、客としてお屋敷に泊まることを承知させた。
以来10日近く、宿にも風呂にも食事にも全く困らないという、
これまでの3人からしてみれば、夢のような暮らしを続けているという次第だった。
風はすっかりお嬢様らしく着飾って、奥方に付き切りで看病しているらしい。
1年前に死んだという自分の母親に、奥方を重ね合わせているのかもしれない。
心も体も弱りきっていた奥方は、風のことを本物のお嬢様とすっかり信じ込んでいるそうだ。
無限と仁はといえば、広い客間に押し込められたきり、厠と風呂以外は外の空気を碌に吸っていない。
三度三度の食事は頃合になれば勝手に運ばれて来るし、菓子や煙草も切れ目がない。
頼みもしないのに立派な着替えを用意され、欠伸のひとつもすればすぐさま蒲団が敷かれる。
酒が飲みたいと言えば、昼日中でも酒肴の支度が整えられた。
家中の者にしてみれば、
見るからに不穏な浪人者の二人に、できる限り邸の中をうろつかれたくないのだろう。
一度など、無限が調子に乗って女が欲しいと言ったら、暫くして泣きそうな顔の女中が一人、
そっと部屋の中へ入って来た。
無限がさすがに面食らっていると、不愉快そうに眉間に皺を寄せた仁がスっと女中に歩み寄り、
耳元に何事か言い聞かせ、引き取らせた。
そして無限の方を見ずに、一言
「いい加減にしろ」
と低く言った。
「あいつらァ、俺達を黙らせておく為に必死なだけだ。
いいじゃねえか、俺達のお陰でオクサマだかなんだかの命が助かるんだろ?
口止め料なら、貰えるだけ貰って何が悪ぃんだよ」
不貞腐れたように言って、無限はごろりと仁に背を向けて寝転んだ。
「……人の弱みに付け込むなど」
侮蔑しきった仁の声が聞こえて、無限は寝転がったまま益々頑なに丸まった。
このお屋敷に来て間もなく、風、無限、仁の三人と、
あの老侍以下数名の家の者たちとの間で話し合いが持たれた。
議題は『偽お嬢様・フウの去り際をどう演出するか』である。
まさかフウが永遠に『お嬢様』の身代わりを務める訳にもいかないし、
かといって、やっと帰って来たと思った娘が、また理由もなく突然いなくなれば
奥方の容態はいよいよ悪くなってしまうだろう。
穏便にフウがこの家を去るには、奥方になんと言って説明するか。それを考えねばならない。
討議の結果、お嬢様たるフウは『他家に嫁ぐ』という形でこの家を出ることになった。
そして、相手は、仁と決まった。
その配役は、ほとんど迷う間もなくあっという間に決められていた。
無限と仁の二者択一では、無限に婿役なんて無理だということは無限自身承知していたから、
この配役も納得せざるを得なかった。
しかし無限は、心がザワついてどうにも面白くなかった。
そんな訳で数日前、仁は奥方に「お嬢様の婿殿」として引き合わせられた。
無限は「馬子にも衣装」と笑ったが、盛装した仁は、奥方の目には立派な「婿殿」に見えたらしい。
風の看病で体も幾らか持ち直していたこともあって、その日以来奥方は
仁を俳句の会やら茶会やらに引っ張り出して「お披露目」に余念がない。
仁にとってはいい迷惑だったが、
人前に出られるほど元気になった奥方の姿に、家中の者たちは涙を浮かべて謝辞を述べるし、
風にも「あとちょっとの辛抱だから!」と両手を合わせて拝まれて、
結局ズルズルと奥方に付き合ってしまっているのだった。
縁もゆかりもない人々の真ん中に座らされ、その話題の中心にされるなど
仁にとってはどんな暴力にも勝る拷問である。
人いきれにどっと疲れて部屋へ戻れば、酒臭い無限に「よぉ、色男」などと迎えられる。
自分のいない間、この男はずっと部屋に籠って飲んだくれていたのかと思うと、
眉間に寄った皺が更に深くなりそうなものだが…不思議なことに、そうはならないのだった。
それどころか、いつもと変わらずだらしない無限の風情を見れば、
過度の疲労に強張っていた体がふっと和らぐような心地さえ感じて、仁は内心戸惑っていた。
―――なぜわたしが、この男を見て、斬ろうと思いこそすれ、安堵などしなければならぬのだ…
内心の戸惑いを無表情の中に閉じ込めて、着慣れぬ五つ紋の羽織を乱れ箱へ脱ぎ捨てる。
すると顔の脇からふうっと良い香りがした。
顔を向けると、
「おらよ」
と、無限が杯に注いだ酒を差し出している。
酒は、決して強い方ではないが、嫌いではない。しかもこの芳香からして、これは随分上等な酒だ。
疲れにも後押しされて仁は勧められるままに杯を受け取り、一息に呷った。
熱く甘い滋味が、手足の指先まで一気に回っていく気がした。思わずフゥと息を吐く。
無限は仁の手から杯を奪い、片手に提げていた銚子から自分の分を注いで飲み干し、
新しいのを注いで、再び仁の鼻先へ突き出して寄越した。
無限と一つ杯で回し飲むことに、チラリと躊躇しないでもなかったが、
今自分はとても疲れているのだ、と、
疲れすぎて昂ぶり、酒でも飲まなければ眠れそうにないのだと、
自分に言い聞かせて、杯を受け取った。
そんなふうに杯をやりとりしていたら、あっという間に銚子は空になってしまい、
無限がチッと舌打ちして次を取り上げて引き返して来ようとするから、
「もう、いい」
と声だけで無限を押し留めた。無限が不満げに眉を顰める。
「あとは、着替えてからゆっくりもらう。…飲まねば、眠れそうにない」
背を向けたまま、顔だけ振り返って仁が言うと、
無限は銚子の載った膳の前にどっかと胡坐をかいた。
寝巻きに着替えて無限の差し向かいに座るなり
「シケた面してんじゃねぇか」
嘲うようなからかうような、無限の声が聞こえる。
隅に据えた行灯だけで照らした部屋は暗く、無限の表情はよく判らない。
しかし仁には、無限がどんな顔をしているか判った。
獣めいた三白眼で、こちらの顔を上目遣いに睨んでいるに違いない。そして唇には不敵な微笑。
手酌で飲もうとしたら、無限に銚子を取り上げられた。
「ま、こんな暮らしも、あと少しの辛抱だ」
言いながら、無限は仁に酌をする。仁は見えない無限の顔に視線を向けて、杯に口をつけた。
「…お前は辛抱などしていまい。毎日食い放題の飲み放題、極楽のような暮らしではないのか」
仁が言うと、無限の表情がスっと変わったのを感じた。
今、無限の顔はさっきと違い、唇から微笑が消えている。何故だか判らないが、仁はそれを感じる。
「…冗談じゃねぇ、こんな窮屈なお邸暮らしなんざ、今すぐにでもオサラバしてぇッてんだよ」
心底不快げな、吐き捨てるような無限の言い方が、仁には少し意外だった。
まさか仁も、本気で無限が極楽気分でいるなどとは思っていない。
しかし、メシと宿の心配に追われる毎日に戻るとなれば、多少の未練は見せるかと思っていたのだ。
薄闇の中で、仁は無限の瞳の在処を探った。
ズ、と膝の前の膳が横へ滑り、代わりに無限の膝がにじり寄って来た。
仁は反射的に身を引いたが、杯を持っていた手首を捉えられて上体ごと無限に引き寄せられる。
無限は仁の空杯に半ば強引に酒を注ぎ、同時に捕まえた手首に掛かった腕輪の玉を親指で弄んだ。
無限の吐息で、仁の振り分けた前髪が揺れる。眼鏡も曇るが、この暗さの中では余り意味はない。
酒を注いだくせに、杯を持った手を無限が放さないので、仁は飲むことができない。
なんのつもりだ、と言おうとした唇を、唐突に塞がれた。
拍子に酒が杯から零れ、寝巻きの膝を濡らす。強い芳香が部屋中に充ちた。
空いている方の手で無限の胸を押し、唇を離して今度こそ「なんのつもりだ」と抗議しようとするが
無限は手首を掴んでいた手を器用に動かして杯を払い落とし、体重を掛けて仁を畳へ押し倒した。
刀で斬り合えば完全に互角だが、単純な腕力だったら、仁よりも無限に一日の長がある。
「コッチのが、酒よぐっすり寝られんだろ」
言いざま耳に舌を這わせ、裾から手を入れて来る無限に、仁は暫くは必死の抵抗を試みたが、
とうとう限界を悟って諦め、体の力を抜いた。
わたしは心底疲れているのだ、と、自分に言い聞かせながら。
大人しくなった仁を満足そうに見下ろして、無限は思う様仁の体を撫で回し始めた。
しかしその掌は、やわやわと思いの外優しい動きを見せ、中々肝心なところへ触れて来ない。
くすぐったいような、もどかしいような…そして、どこか安らぐようなその感触に身を任せ、
仁は目を閉じた。
…それが、昨夜のこと。
あのまま仁は寝入ってしまったようで、今朝、目覚めたら蒲団の中にいた。
隣の蒲団では無限が寝息を立てている。
かちゃりと手に触れるものがあり、見れば仁の眼鏡がきちんと畳まれて枕元に置かれていた。
寝巻きにはべたつく酒の汚点があって、昨夜のことが夢ではないと知らせるが、
ならば自分の体に、事に及んだ翌朝に必ず残るはずの痛みや疲れがないのは何故か。
肌に触れて確かめてみても、汚れはない。
無限が清めてくれた、という可能性もないではないが、痛みやだるさまで拭いきれるはずもない。
―――わたしは、からかわれたのか?
無限は、昨夜は本気で仁を抱くつもりはなく、
仁が眠ってしまったのを見て興を殺がれて、それきり何もせずに眠ってしまった、ということか。
―――だったらわたしは畳に放置されるのではないか。何故こうして蒲団に入って、眼鏡まで枕元に…?
考えても答えは出ない。
無限は珍しく寝相良く蒲団に収まったまま、朝の膳が運ばれて来るまで動かなかった。
明日はいよいよ風と無限の偽の祝言であり、花嫁や奥方や家中の者たちは忙しいようだが、
偽婿の仁と、祝言にはこれっぽっちも関わらない無限は暇を持て余した。
明日の祝言が終わったらそのままこの邸を旅立つことになっているので、
朝食を終えると、仁は久々に刀の手入れを始めた。
無限は壁に凭れてその様子を眺めている。
幼少の頃から鍛錬を積んだ「剣士」である仁と違い、無限の剣は体力勝負・ゴリ押し上等の無手勝流、
無限の強さに刀の切れ味はあまり関係がなく、手入れに気を遣ったこともなかった。
黙々と淀みない動きで己の刃を研ぎ、磨き、仕上げていく仁の姿に、無限の胸がチリチリ焼ける。
―――このヤロウを、こんなに遠く感じたことはねぇ…
生まれて初めて、自分と互角に斬り合った男。
他の誰にも殺させやしない、この手でその命を仕留めなければ気が済まないと決意させた男。
互いの刃を交えることで、堪らないような興奮を自分にもたらす男。
姿かたちや性格が火と油なのは最初から承知していたが、
斬ることしか生きる手段を知らず、世間並みの常識だとか幸福だとかそんなものとは一切無縁、
その意味で自分達はそっくり同じだと、無限はいつの間にか勝手に信じていた。
だからこそ、どちらかがどちらかを斬るまで、決して離れることはない…離れられないのだと。
―――けどよ、ここへ来てからのコイツときたらどうだ。
まるで生まれた時からこんな邸で生まれ育った若様みてぇじゃねぇか。
流人の島で生まれ育った無限とは別世界の住人のようだ、と。…
…そこまで考えて、無限は大きくかぶりを振って立ち上がった。
なんの前触れもなかった無限の行動に、仁が動きを止めて視線を向ける。
「ちぃっと、遊んで来らァ」
仁の顔を見ずに無限は言い、部屋を出て行った。
それきり無限は、昼を過ぎても、夕食の膳が運ばれて来ても戻らず、
仁が風呂を済ませ、明日に備えて旅支度を整え終えた頃、酒と白粉の匂いを全身に纏って帰って来た。
「…家中の誰かから金をせびって、遊び収めをしてきたか」
無限から眼を逸らし、眉根に皺を寄せて、仁は冷たく言った。
無限は無限で、遊んで来たはずなのに不機嫌極まりない顔で、ガシガシと頭を掻き回しながら、
「ああ、そうだよ。文句あっか」
頑是無い子供のように口を尖らせて応える。
そして部屋へ入るなり手拭を取ると、そのまま風呂場へ消えた。
無限が酒と白粉の匂いを湯で流して部屋へ帰ると、正座した無限が月に顔を向けて瞑想していた。
見るからに値の張っていそうな寝巻きの光沢のある絹の、
その白さと、仁の肌色は拮抗している。
無限は既に敷かれた蒲団を踏んで部屋を斜めに横切り、仁の姿を真横から見る位置にどっかと座った。
壁に凭れ膝を立てると、琉球装束と勝手の違う絹の寝巻きから浅黒い脚が腿まで剥き出しになる。
こんな、肌に吸い付くように滑らかな着物は落ち着かない。
無限が風呂から戻っても、無限の方を見ようともせず蒲団の傍らに正座して、
月に顔を向けて瞑想している仁の横顔を無限は視線だけで盗み見た。
―――このヤロウを、こんなに遠く感じたことはねぇ…
今朝に感じたことを、無限はまた思った。
昨夜、眠ってしまった仁を、自分は何故そのまま犯さなかったのか。
無限の腕の中で蕩けるように啼くくせに、瞳の奥には常に一点の鋭い光があって、
それは絶頂の瞬間にすら針のように冷たく冴えている、それが仁という男だ。
だから無限は安心して仁を抱ける。斬ることだけで生きていく自分を見失わずにいられる。
それなのに昨夜の仁は、無限に組み敷かれながら、
まるで母親の腕の中の子供のように安らかな寝息を立て始めたのだ。
無限は急に不安になった。自分と仁の関係が不意に判らなくなった。
だから、犯せなかった。
そんな理由で躊躇したという、やけに感傷な自分の心が気に入らなくて無限は立ち上がった。
わざと足音を立てて仁の蒲団へ上がり、大の字に寝転ぶ。
ほぼ真下から見上げる形になった仁の表情は、ぴくりとも動かない。
無限は伸ばした腕を動かして、仁の腿に手を置いた。
仁が顔を僅かに動かし、無限の手を見る。
無限は更に掌を進め、裾の合わせ目から中へ這入らせた。
仁は無限の眼を睨みつけ、身を捩って逃れようとしたが、
無限は素早く蒲団から起き上がると、滑り込ませた手で裾を大きく捲り上げ、
同時に仁の手首を捉えて、引き寄せると同時にぐっと自らの顔を突き出した。
二人の顔が吐息が掛かるほどまで近付く。
仁はぴくりと眉を動かし、黙って無限を睨みつけている。
無限は片方の掌で仁の腿をゆっくり撫でながら、手首を掴んでいた手を放し、
仁の顔から眼鏡を取り上げた。
開放された仁の手が眼鏡を追いかけて伸ばされれば、無限はにやりと笑って眼鏡を高々と掲げ、
「壊れちゃ困ンだろ」
一つ向こうの蒲団の上へ放り投げた。仁はその放物線を眼で追って、溜息を吐く。
「…お前がこんなことをしようとしなければ、壊れる気遣いなどないものを」
口調はいかにも億劫そうだが、
腿を蹂躙する無限の掌から、仁が最早逃れようとしていないことは、無限にはよく判っている。
「スカしてんじゃねぇよ、お前だって好きなんだろ、こーゆーコトが、よ…」
言葉に被せて無限は仁の唇に噛み付く。仁は目を閉じて唇を無限に差し出した。
腿にあった手で寝巻きの帯を解き、そのまま無限は仁を蒲団へ突き倒した。
呼吸ごと奪うようにがむしゃらに唇を吸い上げ、舌を絡め取る。
仁は応えるように舌を蠢かすくせに、声は喉の奥に押し込めて決して開放しようとしない。
腿の間を撫で回せば、手の甲に爪を立てて咎められる。
これでいい、と無限は思った。
快楽は欲しつつ情は拒む、そんな不毛な交わりが自分たちには相応しい。
唇の端から伝い落ちる雫に沿って舌を這わせ、頤や喉仏にわざときつく吸い付いていたら
「存分に、遊んできたのでは、なかったのか」
吐息の熱さを必死に隠した仁の声が聞こえた。
「…うるせぇ、ヤリ足んねぇんだからしょうがねぇだろ」
唇を喉から鎖骨、胸と段々に下へ滑らせる。内腿を引っ掻けば仁の体がビクンと跳ねた。
「こんな、ことなら、昨夜、眠ってしまわなければ、よかった…」
無限の髪を強く掴んで、その舌の動きをなんとか阻もうとしながら、仁が喘ぐように言葉を紡ぐ。
自分の頭を押さえつける仁の手を強引に引き剥がし、無限は顔を上げた。
「あ?なんだそりゃ…おめぇ昨夜、そんなヤりたかったのか?」
自然と口が笑いの形に歪む。
「馬鹿を言うな!」
間髪を入れず、厳しい否定の声。無限は再び「これでいい」と思った。調子が出てきたじゃねぇか?
「明日は、面倒な茶番を、演じなければならない、のに、今夜、こんな…ッ」
みるみる上気してくる白い頬に見蕩れながら、手の動きは緩めずに中心を掴んで刺激すると
仁の言葉はますます切れ切れになる。無限から顔を背け、眉を顰めて瞼を閉じて。
そういう拒絶の態度のいちいちが一層表情に艶を添えるという矛盾が、ゾクゾクするほど楽しい。
「昨夜ヤっちまっとけば、今夜はしないで済んだだろうってか?…ケッ!」
立ち上がったモノを握り込む掌と指に力を込め、無限は仁を追い込んだ。
蒲団の上で白い体が魚のように跳ねて、喉の奥から微かに悲鳴のような息が抜ける。
「昨夜どんなに満足してても、今夜ヤりてぇと思えば、ヤルだろうがよ、オレは…」
言葉の後尾の吐息に被せて、ぷくりと腫れた乳首を噛む。
とうとう仁の唇から「ぁッ」とはっきり嬌声が聞えた。
「な、らば、どうしてゆうべ…ッ!」
嬌声を誤魔化そうという意図か、仁が苦しい息の下から無理に言葉を吐き出す。
無限はムっとした顔で、噛んだ乳首を引っ張って更なる声を導いた。
中心を握り込んだ手の爪でその先端を乱暴に嬲り、先端から滲んだ愛液を指で掬い取る。
「うるせぇ、ゆうべは、調子が出なかったんだよッ」
八つ当たりのように吐き捨てると、滑った指を後ろへ進めた。
空いている方の手は、最初からずっと指を絡めて仁の手を強く握っている。
無限は仁を逃すまいと握る手に力を入れ、
仁は昂ぶる気持ちをせめてそこから散らそうと、握る指に無闇に力を入れる。
結局、二人の片手は主人の意に沿うてか知らず、
一寸の隙も要らぬとばかり熱烈に平を寄せ合っているのだった。
「勝手な…!!」
まだ言う仁の唇を、無限は覆いかぶさって夢中に塞ぐ。
「…ああ、勝手だ、俺ァ、いつだって…」
肌の熱さ、息の激しさ。喉の乾き、指先の震え。
「…ああ、そうだ、勝手な話だけどよ、今夜はかなり、調子が出てきたぜ…!」
探り出す指、ギラつく瞳。汗ばんだ髪、強情な唇。
「お前ばかりだ、い、いつだって…ッ」
求め合い、奪い合い、攻め入って、討ち返され。
「ァあ?てめぇだって感じてんだろうがよ」
後孔へ突き入れた指がきつく締め返されている。
無限が力ずくでそれを内側から解すと、仁の熱い内側は全力でそれを押し戻そうとする。
どこまでも意地を張る仁に、無限は内心笑みを深める。
―――そうそう、それでこそおめぇだぜ
下を嬲っていた手を引き抜き、仁の両手を完全に畳へ縫い付けると、
一旦すべての動きを止めて真上から仁を見下ろした。
もう逃げ込む死角などないのに、仁はこの期に及んで頑なに顔を背け続けている。
無限はわざと音を立てて舌なめずりし、ゆっくりと顔を近付け、頬や、耳や、首筋を舐め回した。
怯えたように逃げ回る肌をたっぷり弄んでから、白い腿を腰へ引き寄せ、
昂ぶる己を仁の解れた後ろへ押し付ける。
ひゅ、と仁の喉が鳴った。それきりクッタリと大人しくなる。覚悟を決めた合図だ。
「一遍くらい、この柔らけぇ蒲団の上でヤっとかねえと、勿体無ぇよな…」
ゆっくりゆっくり、無限は腰を進める。
「ッ、…ん……ァ………ァあ…っ…!」
どんなに殺しても殺しきれない嬌声が、仁の喉から零れ落ちる。
脚と脚を絡め、腹と腹を擦り、胸と胸を押し付け、唇で唇を吸う。
限界の至近距離まで己を突きつけ、与え合い、奪い合うように体をぶつける。
「………ッ!!」
長い突き上げの果て、仁がとうとう声にならない悲鳴を上げた。
「ッ……ぁ……は…ァ…」
同時に無限も頭が真っ白になって、腕の中にある体を盲滅法抱き締めた。
■■■■■
仁と風の偽りの「祝言」が始まる前に、無限はとっととお邸を退散した。
口止め料だの迷惑料だの滞在費だの退屈料だの、
あらゆる理由をくっつけてお邸から巻き上げた金は懐にたんまりとある。
無限は適当な酒屋を見繕って暖簾を潜ると
「あるだけどんどん持って来いや!」と景気の良い注文をした。
今頃、仁は着慣れぬ裃を着けて神妙な顔をして、綿帽子を被った風の隣に座っている。
化粧だけではない紅に頬を染めているだろう風には悪いが、
仁の首にも、顎にも、着物で見えない体中に、不自然な赤痣が花びらの如く点々と散っているのだ。
その正体を知っているのは、この世で無限と仁の二人だけ。
安い酒を呷りながら、無限は笑いが込み上げて来るのを抑えられなかった。
―――ああ、そうさ。あいつの体もあいつの命も、何もかもオレのもんなんだ。オレだけのな。
____________
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ナガカッタナ
| | | | ピッ (・∀・ )
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>>98 長かったけど気にしない!(´・ω・`)!
サムチャ萌え不足してたからかなり幸せまりがとん。
>>98GJ!萌えカプきたよー!!
眼鏡色っぽかったです、萌えた〜(*´∀`)
イヤァ〜、なんとまあ素敵な…。
GJ!
>98
GJGJGJGJGJGJGJ
104 :
木林:2006/01/19(木) 03:23:31 ID:ijpAG5tz
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| げ仁ソだよ。玄※←低オン
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 過剰な自意識萌えだよ。
| | | | \
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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105 :
木林 1/2:2006/01/19(木) 03:24:13 ID:ijpAG5tz
とてつもなく疎ましい。いっそ切ってしまおうか、とも思う。
けれどこれからも否応なしに顔をつきあわせていかなければならない。
嫌なところが目に付きすぎ、自分はそれをひとつひとつ挙げていって反省を促さないと満足できない。
しかしそれは一瞬の満足で、相手にとっても一瞬の反省に過ぎないのだろう。
自分が欠点であると思う行動は繰り返される。自分は何故わからないのかと憤慨する。
そして衝突し、適度な妥協点を見つけてその諍いを辞め、一緒に仕事に向かう。
もやもやは澱のように沈殿し、お互いの心にしこりを残していく。
なぜわからないのか。なぜわからないのか。
着地点の見つからない苛立ちを抱えたまま、それでも完璧にネタを演じきる。
彼は俺を見ている。俺の呼吸を計り、悪ふざけのような掛け合いの中に筋道を通そうとする。
俺を見ている相方の表情は絶えず微かに揺り動いている。
そのことが俺を酷く傷つけているのだということに気付き、酷い屈辱感に震えた。
屈辱は強く表面を覆い、その奥の感情を曖昧にする。
掛け合いは疾走感を持って終盤へとさしかかる。
相方は、よどみなく紡ぐ言葉に間髪入れずに反応し、咬むことの許されない長セリフに小休止をいれる。
そして俺のボケをふくらます。単純なツッコミに天然で笑いを取りながらもそのひとつひとつにケリをつけ、次につなげていく。
これ以上ない集中を強要されたときの相方から放射されるものに、ちりちりとした焦燥を感じ、気のせいであればいいと願う自分にまた傷ついた。
相方のその鋭さの意味は、曖昧な感情の奥へと沈み込んでいく。
その苦い気持ちで歪んだ顔を隠すように、深く深く、礼をした。
106 :
木林 2/2:2006/01/19(木) 03:25:23 ID:ijpAG5tz
「……すげ、ウケた。な!」
「……せやな。」
舞台袖に到着するまでの短い距離ですら我慢できなかったのか、相方は俺の手を引き、耳元で声を潜めて言った。
「アカンわ、おれ、ちょっと勃ってた。興奮のあまり。」
「うわっ!止めぇや、そうゆうの」
軽く笑い、手をふりほどいて相方を追い越す。次の舞台への出番まであと八分だ。着替えと準備のために楽屋へと急ぎながら、犯られた、と思った。
喰われたのだ。コイツに。あの舞台の上で。
「最低やお前。自己中なセックスばっかりしおって」
くそ。うっとおしい。だからエエ声で言ってやった。
玄米め。お前はそうやってずっと固まっておいたらええんや。
沈み込ませても、外から包まれるこの感じ。そうして浸食され、一杯になってしまうのだろう。
こいつがいなければ自分は崩れていくことしかできないのだ。
打算と諦念が俺にコンビの正当性を訴える。
二人でやっていくことの、前向きな理由を探す勇気を、俺はもう無くしてしまっている。
107 :
木林:2006/01/19(木) 03:26:26 ID:ijpAG5tz
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| | | | ∧_∧ 不完全燃焼ダネ
| | | | ピッ (・∀・ )
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>107
GJ!
木林萌えに目覚めそうだ……(*´Д`)
>>107 木林キタコレ!
誰か書いてくれはしないかとずっと思ってた。ありがとう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 悪魔城イ云説ラルフ×アルカードだって
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 前スレ>>598-
>>605の続き?カモ
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナガイゾゴルァ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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「外してくれ」
冷たい指先が額をかすめ、閉じた目にうすく光がさした。
半面を覆った布が除かれた。ゆっくりと瞼を開く。最初の眩しさが少しずつ薄れると、目の前にかがみ込ん
で、じっとこちらをのぞき込んでいる蒼氷色の瞳に出会った。
ラルフ・C・ベルモンドは微笑した。
褐色の男らしい顔の左半面をたてに一文字、額から目の上をよぎって頬のなかばにかけて、薄茶色の傷あとが
刻まれている。
「……痕になってしまったな」
「なに。箔がついたと思えばいいさ。目がやられなかっただけ儲けものだ」
細い指先で傷あとをたどる美しい道連れに、軽く言ってラルフは笑った。
相手の肩からわずかに力が抜けるのを確認して、安堵する。この、一見まったく無感動に見える青年のわずか
な感情表現を的確に見分けるすべを、ラルフはこの半月ばかりのうちに、急速に身につけつつあった。
◆
「わたしは一度、コンスタンティノ─プルへ戻らなくてはならないから」
と、そのときサイファは言った。
戦いは終わった。ワラキアを震撼させた魔王ドラキュラ、ヴラド・ツェペシュは、ベルモンド家の末裔ラルフ・C・ベルモンド、
東方正教会の修道女サイファ・ヴェルナンデス、たまたま城にまぎれ込んだがために怪物に変えられていた流れ者グラント・
ダナスティの三人によって倒された。
だが、その影に、魔王自身の血を分けた息子の存在があったことは、戦いに加わった三人の仲間たちしか知ら
ない事実だった。
アルカード。
ドラキュラ公の実子でありながら、父の狂気を止めるために魔の城に潜入していた彼は、その探索の途上でラルフと
行きあい、目的を同じくする者として力をあわせることとなった。
ヴァンパイアとなった父と人である母との間に生まれて、父からは闇の魔力を、母からは月にも似た美貌を受
けついだ彼は、また人間離れした剣技と、細い身体には似合わぬ強靱な体力の持ち主でもあった。ラルフの鞭術、
サイファの魔法、グラントの体術にあわせて、彼の超絶的な剣がなければドラキュラ公の殲滅は果たせなかったろう。
自らの父が滅びていく様をアルカードがどんな顔で見ていたのか、ラルフは思い出せなかった。そのとき彼は、
断末魔の魔王の爪の一撃によって左目を傷つけられ、ほとんど視力を失っていたのだ。
血にくもる視界に、混沌におかされ、巨大な怪物に変身したドラキュラが咆哮とともに崩れおちていく姿がぼんや
りと映っていた。血色の光のあふれる魔城の中に、長身の黒い人影が立っているのが見えた。
漆黒のマントに輝く銀髪が、風にあおられてはげしく乱れていたのはよく覚えている。そのあとラルフは意識を
失い、気がつくと、崩壊したドラキュラ城の外で、サイファの手による治療を受けていたのだった。
ラルフの目の治療がある程度すむまで、すでに出発したグラントを除く三人は、かつてドラキュラ城がそびえていた岩山
の麓の、黒い森の縁に野営していた。ラルフの治療の目処がついたのを見きわめて、サイファはグラントに続いてひと足先
に出立すると言った。かなり気が急いているようすだった。
「総主教はわたしが戻らないのを、心配してはいないでしょうけれど、たぶん、怖れているでしょうからね。
ヴェルナンデスの者は、昔から魔法を操る家系として、教会からは敵視されているの。わたしと、数少ないわたしの
血族が存在を許されるのは、ただ教会のために働いている間だけ。そこから一歩でも踏み出せば、たちまち悪魔
として断罪されるわ、あのドラキュラと同じように」
「ドラキュラと同じってことはないだろう。あんたは人間だ、サイファ」
「誰でもあなたのように考えるわけじゃないのよ、ラルフ・C・ベルモンド」
するどい目で彼女はラルフを射抜いた。
「特に、総主教庁の人間はね。彼らが私を見つけて送りこむことだって、かなりの冒険だったのよ。ローマ=カトリック
は東方正教会よりずっと魔法や魔術に対しては厳格だわ。わたしという〈魔女〉を抱えていることがわかれば、
ただでさえあの都市を支配下に置きたがっているカトリック勢力は、きっとそこを突いてくるはずだもの。それに」
コンスタンティノ─プルはワラキアを含む、スラヴ地方における東方正教会の本拠地である。ローマ=カトリック教会
では教皇庁にあたる総主教庁がおかれ、その首座は総主教と呼ばれて、西方ヨーロッパ地区におけるのと同じ
く、宗教的権力を握っている。
サイファはその総主教庁によって、女の身で最初にドラキュラ公への刺客として送りこまれた。魔法を受けつぐ家系で
あることを隠しながら修道女として各地を転々としていた彼女は、潜入には成功したものの、ドラキュラの魔力によ
って石に変えられ、ドラキュラ城の一隅でラルフが来るまで、ずっと幽閉されていたのだった。
「──それに、自分たちと少しでも違う者を人がどれだけ怖れるかは、あなただって、いいえ、あなたこそ、よ
くわかっていることでしょう」
うなずくしかなかった。ラルフの生まれたベルモンド家自体、魔狩人としての強大な力を伝える血筋でありながら、
まさしくその力のために人からは畏れられ、排斥されて、今にも断絶しかけているところだったのだ。
その若当主であるラルフが、ドラキュラ討伐の任を受け入れたのは、没落しつつある家名をもう一度表舞台に立たせ
るための最後の賭けだった。教会と世間から背を向けられているというなら、ヴェルナンデスもベルモンドも同じことだ。
ベルモンドの者は月夜になると、狼に変じて赤子を喰う、などと噂されたことさえある。そうした風評をはねの
け、もう一度ベルモンドの名が栄光を取りもどすには、どうしても魔王ドラキュラ討伐という、確かな証拠が必要だっ
た。
「グラントが羨ましいな」
ついため息が漏れた。城で出会った四人のうちで、なんのしがらみも持っていないのはもともと流れ者のグラン
ト・ダナスティ一人だけだ。
自称『ワラキア一身の軽い男』は、ドラキュラ城脱出の際にちゃっかり詰めこんできた金貨や宝石でポケットを膨
らませ、三度とんぼを切ってから、手を振って陽気に別れていった。今ごろはどこの旅の空なのか、ラルフにも
サイファにもわからない。
「あいつはまた気楽に軽業や、こそ泥をやってぶらぶらと旅を続けるんだろうな」
「他人を羨んでも仕方がないわ」
そっけなくサイファは言った。
「彼は彼で、生きていくべき道があるのよ。ただそれは、わたしたちのものとは違うだけ。──それで、彼
は?」
「彼?」
「アルカードよ」
ラルフは思わず振り返った。
ラルフの視線の先に、銀髪の公子は焚き火の灯りに背を向けてじっと佇んでいた。
息すらしていないかのような静けさだった。糸のような月が浮かぶ空は暗い。星の光を浴びながら、樹の幹に
片手をついて空を仰ぎ、かつて、父の城がそびえ立っていた空間を、放心したように見つめている。
「彼はいったいこのあとどうするつもりでいるの? あなたはベルモンドの領地へ帰るんでしょうけど、彼は、
自分で自分の帰る場所を壊してしまったのよ」
「俺といっしょに、ベルモンド家へ来ないかと言ってある」とラルフは答えた。
サイファは眉をひそめた。
「──なんですって?」
「なんだ、その顔は」
ややたじろぎながらラルフは言い返した。
サイファが反対するだろうことはある程度予想していた。だが、こうもあからさまに顔をしかめられるとは思って
いなかった。つい口調がきつくなった。
「何か間違ってるか? あいつだってドラキュラ討伐の功労者だ。連れて帰って悪いことはないだろう。あいつは俺
たちと一緒に、自分の実の父親と戦ってくれたんだ、そんな相手を、用がすんだからはい、さようならで行くと
ころもなしに放りだせるか」
「わかってるわよ。だけどね、ラルフ・C・ベルモンド」
「あんたまで俺をベルモンド呼ばわりするのか、サイファ」
「何を怒ってるのよ」
ラルフは黙りこんだ。
いまだにアルカードが自分のことをベルモンドと姓で呼び、徹底して名前を呼ぼうとしないことは、ラルフのひそかな苛
立ちのもととなっていた。姓で呼ぶのはサイファやグラントに対しても同じことだったので、ラルフだけが腹を立てる筋合
いはないのだが、なぜか腹が立ってたまらなかった。
だいたい、事情はともかく、今はもうともに肩を並べて戦った仲間なのだ。人を名前で呼ぶくらい当然ではな
いか。あの感情のない声でベルモンドと呼ばれるたびに、アルカードが自分を単なるベルモンドの鞭の遣い手としてしか見
ておらず、ラルフという一個人として感じていないという気にさせられて、ひどく苛つく。おそらくアルカード自身は
それを意識していないだろうこともなんとなく推察できて、それがまた腹立ちの種だった。
「あなたの考えてることはわかるわ。言いたいこともわかる」
むっつりと黙ってしまったラルフに、サイファは小さくため息をついた。
「わたしだって、アルカードをこのまま放っておきたくなんかないわよ。仲間だもの。できればちゃんとした身分
と、身の落ちつく先を捜してあげたい、でもね、ラルフ」
口を結んで横を向いているラルフに、さとすようにサイファは言った。
「忘れないで、彼は魔王の息子なのよ。彼の身体には、父親から受けついだ闇の血と、闇の魔力が眠ってる。そ
のことは、否定できない事実だわ」
「あいつは父親のようになったりはしない」
「それはそうよ。興奮しないで、聞こえるわ」
鋭く注意されて、はっと後ろを振りかえる。アルカードはさっきとまったく同じ姿勢で微動だにせず、父の城のあ
った空虚を眺めつづけていた。話どころか、そこに二人の仲間がいることすら忘れ果てているようだった。ラルフ
は低く呻って、唇を噛んだ。
「わたしたちは彼を知ってる。でも、ほかの人たちは知らない」
サイファはふたたび声を落として続けた。
「ほかの、世間のほとんどの人たちはね。
たとえわたしたちがなんと言っても、彼らは、アルカードの中の闇の血しか見ないでしょう。自分たちを虐殺し
た、悪魔の落とし子としてしか。正教会だけじゃない、カトリックだって、いいえ、カトリックこそは彼を憎むわ。わたし
みたいな〈魔女〉の比じゃない、正真正銘の魔王の息子、反キリストそのものだといって」
「……あいつは」
「アルカードは父親のようにはならない、そうね、わたしもそう思うし、信じてる。だけど、いくらわたしたちがそ
んなことを言ってみても、誰も賛成してはくれないわ。人は自分の信じたいことをしか信じないのだもの。こと
にそれが、自分たちよりずっと美しくて、強くて、永遠の生命を持っているような相手だったら」
ラルフはなにも答えなかった。
サイファはまたため息をついて、寝るわ、と口にした。
「まあ、いくら言っても無駄なんでしょうね。あなたのことだもの。どうせ、わたしどころか誰に言われたっ
て、一度決めたことを変えたりしないのなんかわかってた」
「だったらなんでいちいちわかりきったことばかり言うんだ」
「誰かが言っておいたほうがいい、と思っただけよ。たぶん、あなたがいっしょに行くのが今はいちばんいいん
でしょうね。ほかに方法もないし。わたしだって、アルカードをみすみすひとりで敵だらけの世界に投げだしたくな
んかないもの」
ラルフは苦い顔をした。
サイファはさっさと寝支度にかかり、出立のための荷物をまとめて頭の下におき、杖を手にとれるところにたてか
けた。
「……おかしいわね、ラルフ」
毛布を広げてくるまりながら、思い出したように、小さく彼女は呟いた。
「わたしたちみんな、人間のために魔王と戦ったはずなのに、──いつのまにか、人間のほうを敵みたいに考え
てる」
しばらく間をおいて、おやすみなさい、とサイファは言った。
やがて、静かな寝息が聞こえてきた。ラルフは苦い顔のまま焚き火を睨みつけ、枯れ枝を一本放りこんだ。熾火
が崩れて、火の粉が散った。
アルカードはまだ動かないまま、光に背を向けてじっと暗い虚空を見つめている。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ マタ ハミダシチャッタ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
しかも喋ってるのラルフとサイファだけだしorz
>119
GJGJ! リアルタイムで読ませて頂きますた。
ラルフの苛立ち萌え……(*´д`)
>>119 ふぉーーーっ!!(*´Д`)=3
GJ!GJ!
今後の展開が気になり過ぎる…!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 野豚をプ口デューススレから派生した明12人ネタ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| シ/ス/プ/リ入ってるけどキニスンナ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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123 :
12人の明1:2006/01/20(金) 00:22:00 ID:j7PlMRMC
ある日突然、12人もの明ができたらどうしますか?
それも……とびっきりかわいくて
とびっきり素直で
とびっきり愛らしくて
とびっきりの淋しがりや。
しかも、そのうえ……
明達はみんなみんな、とびっきり!
習字のコトが大好きなんです……
いつものように耳元で煩く鳴り続ける目覚まし時計を止める。
―なんだか妙な夢を見た。
明が12人とか何とか。
あんな素っ頓狂な奴が12人…いや、2人もいたらそれこそ悪夢だ。
悪夢はベッドの中だけで見ればいい。
俺は後5分だけ眠りにつこうと再び目を閉じる。
「しゅーじー」
―なんだよ。
「ねえ、しゅーじってば」
ーうるさいな。
「しゅーじー!!」
「……あーもうウルサイ!何だよ!」
耳の近くでこしょこしょと囁かれる声に眠りを妨げられ、嫌々起き上がる。
124 :
12人の明2:2006/01/20(金) 00:23:22 ID:j7PlMRMC
だが、声の主は見当たらない。
確か昨日は明が泊まっていて、勝手に俺の寝床に入っていたはずだけど。
部屋を出て行ったのか、はたまたさっきの夢の続きか。
「やっと起きたっちゃ」
この声は、やっぱり明か。
声のする方を振り向いたがやはり姿は見えない。
どっかに隠れてんのか?
「こーこ、此処にいるっちゃ」
また違う方の耳から声が聞こえる。
だから、どこにいるんだよ。
もう一度辺りを見渡すと、枕の側に何か、いや誰かがいる。
それがぶんぶんと手を振っていた。
何が何だか分からないまま腰を屈めて顔を近づける。
明だった。
それも15センチくらいの。
そう、ちょうど親指と中指を広げたぐらいの大きさの明が両手をぱたぱたと広げていた。
「……夢だな」
うん、そうだ夢だ。
こういうのは大概二度寝すれば解決しているもんだ。
俺は再び布団を被る。
「しゅーじー起きろー」
15センチくらいの明が3人になって枕を引っ張っている。
悪いな、夢でもお前の相手をする暇は無いんだ。
……3人?
…なんで増えてんだ?
疑問に思い再び目を開けると明は8人に増えていた。
「おはよー」
「コンコン」
「遅刻するっちゃよ」
8人の明が好き勝手にちょこちょこと動き回っている。
125 :
12人の明3:2006/01/20(金) 00:29:23 ID:j7PlMRMC
夢にしては長いような…いやいや、まさか。
「………夢、だよな?」
「ノーン、げ・ん・じ・つ」
俺の左肩からまた新しい明がぴょこんと顔を出してそう言った。
おい、また増えてないか?
恐る恐る頬っぺたをつねってみる。…痛い。確かに痛い。
「…最悪だ……」
嫌でも信じたくないがどうやらこれは夢ではないらしい。
「だーかーら、現実だってさっきから言ってるじゃん」
「そうそう」
「こういうのは諦めが肝心だっちゃ」
いや、お前が諦めてどうすんだよ。
「…なあ、お前ら一体何人いるんだよ?」
ぱっと数えてみたところ10人は超えているようだ。
好き勝手動き回る明をとっ捕まえて、一列に並べてみる。
「10、11、12…12人か……」
ミニチュア版になった明を数える度に憂鬱になる。
なんで12人もいるんだよ。どうすんだよこれから。
「しゅーじー」
端から3番目の明が俺を呼ぶ。
「なに?」
「学校、遅刻しちゃうよん?」
ああ、そういえばそんな時間か。
緊急事態とはいえ学校を休む訳にはいかない。
頭痛を抑えながらのろのろと起き上がる。
ふと机を見れば明がぞろぞろと列をなして俺の鞄に入ろうとしている所だった。
そのうち何人かは制服のポケットの中から顔を出している。
「………お前、まさか学校に行くつもりじゃないだろうな?」
「え?当然行くっちゃよ」
「学校は休んじゃいけないのよん」
明達は仲良く俺の鞄に入り込んでご丁寧に内側からチャックまで閉めている。
膨らんだ鞄を見て俺の頭痛は更に痛みを増した。
126 :
12人の明4:2006/01/20(金) 00:32:51 ID:j7PlMRMC
「習字、おはよー」
いつもの朝、いつもの教室の風景だ。
…俺の鞄とポケットの中に入ってる明を除いては。
「おはよー。あれ習字、なんか顔色悪くねえか?」
「や、ちょっと頭痛がして……っ!」
一瞬、息が止まった。
原因はズボンの右ポケットに入った明がもごもごと動いたせいだ。
正直言って男としてその位置はマズイ。大変マズイ。
「おい、顔赤いぞ?大丈夫か?」
クラスメイトが近寄ってくる。
慌てて右ポケットを抑えると、明が小さな叫び声を上げて再び動いた。
おまけに上着の胸ポケットに入っている明までつられて動き出す。
だから、その位置もやばいんだよ。さっきから変な所ばっかり触りやがって。
「…や、ほんと心配ないっ…からっ……」
俺は無理やり話を切り上げると、急いで席につく。
教室に着くなりコレだ。先が思いやられる。
明を学校に連れてきたことを激しく後悔しながら、俺は盛大にため息をついた。
「お前ら、いい加減にしろよ……」
昼休み、誰も居ない校舎裏の階段に腰掛ける。
「だって習字が急に騒ぐから〜」
「叩いたら痛いのよーん」
「習字のエッチー」
「俺なんてずっと鞄の中にいたから暇でしょうがなかったっちゃ」
「ねー、俺のメロンパンは?」
俺が千切ったメロンパンを頬張りながら、総勢12人の明達が口々に不満を述べている。
全く、この時間まで俺がどんな思いをしたと思ってんだ。
ポケットの中で動く明に息を押し殺して耐えたり、授業中うっかり喋った明の声をごまかしたり。
今までで一番昼休みが恋しかった一日だった。
127 :
12人の明5:2006/01/20(金) 00:36:59 ID:j7PlMRMC
「やっぱお前らを連れてきたのが間違いだったな」
自分の選択に後悔しながら、明のシャツに糸で番号を縫いつけてやる。
こうすれば明達を数えられるし、何しろ迷子になった時便利だ。
ちなみに明の洋服は、明の人数分きちんと縮んで小さくなっていた。
裸じゃなくて本当によかった。これだけは救いだ。
「…でも、なんでこんなことになっちゃったんだろうな……」
「うん…」
膝に乗っていた4番目の明が頷いた。
「俺、なんか悪いことしたのかなぁ」
「昨日マメチチ残したからバチが当たったのかなぁ」
「それともこないだ親父とケンカしたのがいけなかったのかなぁ」
1番と2番と9番の明が呟く。
「もし、このまま…」
11番の明が言いかけて、口を噤んだ。
さっきまでメロンパンを取り合っていた6番と8番の明もすっかり大人しくなってしまった。
他のやつらもみんな下を向いている。
―もし、このまま戻らなかったら?小さい12人のままだったら?
明はこの先どうなってしまうのだろう。
原因も分からないし、解決法なんて勿論見つかってない。
途方にくれて空を仰ぐと、嫌味なくらい晴れている空に綿菓子のような雲が浮かんでいた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 12人は多すぎです。本当にry
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
ウウ〜、可愛いじゃないのさ!
GJ!
>122-128
豚スレで宣言された時からずっと楽しみにしてました
禿萌でした、GJ!GJ!GJ!!
G J
/ / グッジョーブ!
(* ∀ )
(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄
131 :
名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/20(金) 06:03:29 ID:EodE53gX
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
| 2005超英雄時間(要英訳)前半、マジカノレでブラザーな船体だって
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 赤黄でほんのり。その5話目。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ メズラシク投下間隔短メ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
困ったな…。
うん、困った。
この家の数少ない欠点は、内緒話ができないことで。
内緒話って好きじゃないから、今まで特に不便には思わなかったんだけど。
今回だけは、兄ちゃん姉ちゃんには聞かれたくない。
「おまたせ、カイ」
暖炉をすり抜けて魔方部屋に入った瞬間、目的の相手から先に声をかけられた。
「ヒ力ノレ先生…」
他には誰もいない部屋、机に座って俺を見る先生はやっぱり『先生』の顔をしてる。
「二人だけの秘密の話がしたかったんだろう?」
机を挟んで立つ俺の瞳を覗き込むように、ちょっとだけ首を傾げて聞いてきた。
「あー…うん」
俺の返事とも言えないような返事が意外だったのか、
ヒ力ノレ先生の首がもうちょっと斜めになって、溜息と一緒に元に戻った。
「話を、聞こうか」
真面目な声で言った先生の、軽く指を組んだ手が机に置かれる。
気分はすっかり職員室への呼び出し。
「でも…」
振り返った。入り口の暖炉では、薪が小さな音をたてて燃えている。
この家は、特にこの部屋は完全オープンスペースだから…。
「大丈夫」
先生は俺の表情を読んで笑いかける。
「誰かが近づいたら鳴るようにしてあるから」
そう言って、右手のグソップフォソをちいさく振った。
「…」
でも…。
「大丈夫」
俺の視線を追ってランプと鉢植えを見た先生が、同じセリフを繰り返した。
「彼らにはちょっと眠ってもらってる。朝まで起きないよ」
そう言って、今度はウインク。
さっすがヒ力ノレ先生。やるときはやる。
「それじゃ」
わざとらしく咳払い。それじゃ、遠慮なく。
「俺、強くなりたい!」
「え?」
「強くなりたい!」
繰り返した。だって、先生、判ってないって顔してる。
「今よりも?」
「うん。今よりも」
大きく頷いた。
「…どうして?」
「え…?」
今度は、俺が判ってないって顔になったと思う。
だって、聞き返されるとは思わなかった…。
「突然、しかも僕だけにそれを伝えるってことは、何か特別な理由があるんだろう?」
「理由…」
「そう。強くなりたい理由」
ヒ力ノレ先生は穏やかに繰り返す。
理由…理由…。
あーもどかしいな!考えがうまく言葉にならない。
「…」
「…」
ガシガシと頭をかきながら考える俺を、先生は辛抱強く待ってくれる。
「…守りたいから」
しばらく考えたんだけど、言葉はこれしか思い浮かばなかった。
守りたい
これだけが心の中いっぱいになって、思考停止。
「何を?」
「え?」
「または、…誰を?」
ドキ
言い直した先生の言葉に、一瞬だけ心臓停止。
だれを――?
ゴメン先生。これだけは言えない。ごめん。
「…強い人を」
でも、この答えも嘘じゃないよ。強いよ。
「カイよりも強い人?」
「んーどうだろ?」
腕組み。
そういえば、最近本気でケンカしてないな。中学の頃の勝率ってどのくらいだったかな…?
俺のほうが強い。
そう答えるのは嘘のような気がして。
俺のほうが弱い。
そう答えるのはなんとなく嫌で。
「同じくらい…かな?」
結果、ビミョーな答えになった。
「あーでもやっぱ強いよ」
時々、絶対に敵わないって思うもん!時々、だけど。
あ、でもマキト兄ちゃんにも姉ちゃんたちにも思うか、それ…。
「ともかく!」
バン
両手で机を叩いた。
「俺は強くなりたい! 強い人を守れるように!!」
「どう強くなりたいんだい?」
さっきから先生は質問ばっかりだ。
「どうって…」
それも、答えに困る質問ばっかり。
「だから…強い人を守れるように…」
「その人の、何を守るんだい?」
「なに…って…」
「もう少し絞っていかないと」
先生はそう言って、また俺に考えさせる。
うーん…。なんだろな。
背中。
まぁ、そうなんだけどさ。背中守ったら、前がガラ空きじゃん。
俺の前にいるからあんな、嬉しいのにイライラする妙な気分になるんだもん。
正直、あんまり背中は見たくない。
守りたいのはもうちょっと大きいというか、広いモノだよなぁ。
そしたら、命?
守りたい。勿論守りたいよ、死んで欲しくなんかないよ。
でも、それを俺が守るっていうのは違う気がする。
なんっていうのかな、そう思うこと、そうすることは物凄く…失礼な気がするんだ。
そりゃ、危ないときは助けに走るよ。
でも、これに関しては同じ方向を向いてるべきでさ、俺がそっちを見てちゃいけないと思うんだよね。
俺が『守りたい』っていうのは、もっとこう…いつもずーっとさ…。
じゃあ、心?
「うっわ…」
声が出ちゃった。
そんなでっかいもの、俺がどうこうできるわけないじゃん。
「んー」
もう一度頭を掻いた。
確かに、俺は全てを守りたいわけじゃないんだよなー。そういうの必要ないしなー。
ふと。
笑顔が浮かんだ。
ちょっと馬鹿にしたような、ちょっとむかつく、いつもの笑顔。
「笑顔…かなぁ」
っていうか、何度目かの思考停止。
一度浮かんじゃったらもう他の考えが出てこないや。
「じゃあ、もうひとつ質問」
「またぁ?」
もう考えるの疲れたよ。早く強くなる方法教えてよー。
「これが最後だから」
先生はいつもの調子で笑ってる。
「どうして、その人を守りたいの?」
「え…」
その笑顔のまま繰り出された質問は…効いた。
しばらくは呼吸するのも忘れてたよ。
どうして?
どうして…だ?
どうして俺はこんなに…? え?
机の隣で寝てるランプと鉢植えを見た。
鼻ちょうちんならぬランプちょうちんが出てるけど、答えは出てこない。
机の隅の写真立てを見た。
あまり俺に向けてくれない種類の笑顔に、答えは書いてない。
Pipipipipipipi…
机に置かれていたグソップフォソが鳴る。
「うぁあ!?」
手にしていた写真立てを落としそうになって、慌ててこらえた。
これを壊したら、みんなから半殺しじゃすまないよー!!
「一旦休憩だね」
ヒ力ノレ先生も肩をすくめる。
そっと写真立てを戻して、誰が入ってくるのか見ようと振り返った。
「…あ、悪ぃ」
俺たちを見てちっとも悪びれずにそう言ったのは…一番来て欲しくなかった男。
「小兄!」
「なんだよ」
俺が睨みつけてるんで、小兄の唇が窄まる。
怒ってる…違うな。小兄のこの顔は、困ってるんだ。
「どうしたんだい、シバサ?こんな時間に」
「いや、あー、うん」
返事になってない言葉をぶつぶつ言いながら、持っていた数冊の本を棚に戻してる。
すごいなー。ちゃんとどれがどこにあったか覚えてるんだ。俺、無理。
「薬作ろうと思ったんだけどさ、取り込み中みてぇだからまたにするわ」
「薬?」
「何なに?惚れ薬かなんか?」
「ンな訳あるかバカ。傷薬だよ。どっかの赤いのが先陣切りまくってるおかげで、最近消費が激しいんだ」
「!? 俺のせいかよ!」
小兄は答えの代わりにニヤリと笑う。
あーもう、むかつく!
「あれ?」
ヒ力ノレ先生が首をかしげた。
「シバサ、傷薬程度ならもう魔方書なしでも作れるようになったはずだよね?」
「…」
あ。
小兄固まった。珍しい。
「…もうちょっと、治りの早い奴を…さ」
「そうか」
ボソリと答えた小兄に先生が微笑む。
なにそれ?小兄照れてんの?なんで?
「幸い、実験台には困らねぇし」
なんだ。小兄全然照れてないんじゃん。
それどころか…あーむかつく!
「んーじゃ、おやすみ」
右手をヒラヒラさせながらそう言って、黄色の魔方使いは入ってきたときと同じように悪びれた様子なく出て行った。
「おやすみ」
暖炉から姿が消える寸前の小兄に声をかけた先生が、俺に向き直る。
俺も先生の顔を見つめ直した。
けど…。
「…先生ごめん。また今度でいいかな」
本当ゴメン先生。自分であれだけ迫っといて。
でも、今ので思いっきり疲れちゃったよ…。
「そうだね。日を改めようか」
先生は立ち上がり、俺の肩をぽんと叩いてくれた。
「それまでひとつ宿題だよ」
「宿題?」
「そう。最後の質問の答えを見つけておくこと」
「最後の、質問…」
俺の呟きにニッコリと微笑んで、天空正者が魔方部屋を後にした。
『どうして、その人を守りたいの?』
「どうして――」
どうして、小兄を守りたいの――?
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ おそまつ。
| | | | ピッ (・∀・ ) いい加減気付けや末っ子。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>107
木林キタ!
ツンデレ河嶋モエス(*´Д`)
姐さんGJありがとう!!
>141
いつもいつもGJ!
続き楽しみにwktkしてますー!
144 :
木林:2006/01/21(土) 01:26:51 ID:RhIN9yht
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ツンデレ ガ キーワード ゲイニンデス!
「お前、俺のことが好きなんちゃうんか。」
ねちねちと俺を責める相方がいいかげんうざくて、でも気の利いた反論もできそうにないから小学生みたいなことを言った。相方は恐ろしく頭の回転が速く、しかも俺をからかうときは本領を発揮するから、へたな反論は煽るだけだと知っていたのだが。
あー、失敗したと思いながら頭を掻いて視線を落とした。あほか、とか、キモイ死ね、あたりの悪口を覚悟した。しかし相方からの言葉はない。
あれ、と思って視線だけをあげて相方を見ると、あどけない表情の相方と目があった。
「お前この世界にいる人間かホントに。小学生レベルか。くだらなすぎて言葉失ったわ。」
……途端に、しばしの沈黙など無かったかのように捲し立てられた。
あぁ、もうこんな男と顔突き合わせてんの嫌やわ、ネタ合わせも商売のうちとか思わなやってられへんわ。怖いものナシ男め。そんなことをぶつぶつ言っている。でも毒気は消えていて、もう俺を責めてはいないことがわかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ プチプチネタ デシタ!
>144
も、萌え……(*´Д`)
>>144 いやあ何て言えばいいか…
ごっつぁんです。
読み応えあってエロもきっちりあって純粋にウマーとおもたよ。
148 :
147:2006/01/21(土) 07:24:14 ID:boM0sTau
あ、しまった 侍のSSに対するレスなのにこんなところに書き込んでまった
スマソ ごめんスルーして
>>144 プチネタとは思えないほどの大きな萌え!
ごちそうさまです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )某プロスポーシナマモノ。まだ気づいてないって感じで。
あの人が帰ってきた、日本に、このチームに。
不本意だろうね、まだ向こうにいたかっただろうから。
でもあの人のことだから絶対手抜きなんかしないね。
「イメージは出来てる。」
って言ってたし、それにそんなことしたら代表とか
また海外とかなんて夢のまた夢になっちゃうわけで。
(それにサポも怖いよそんなことしたら!!)
で、俺はといえばちょっと複雑。一緒にやりたいから
このチームに入ったってのが大きいんだけどポジション的には
ライバルになっちゃうかもしあの人のせいで主将までやったチームから
落選しちゃったし。(しかもそれでその時成績悪かったじゃん。)
でもやっぱりあの人はすごいから一緒にやりたいなとも思う。
でも乗り越えなきゃいけない壁だとも思う。そりゃ選手としては
俺とあの人じゃ全然違うタイプだけどさ。
あー、なんかあの人見てるといろいろ考えちゃうっていうか
もやもやしてくるんだよね、見ていたいけど見たくないっていうか…。
なんだろうこの感情は?あんまり突き詰めない方がいいのかなぁ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )カチュウノ アノ カイシャデス
携帯が鳴る
ごく一部の人間だけにしか番号を知らせていない、プライベート用の携帯電話だ
どこから電話番号を手に入れたのか
自宅の電話も仕事用の携帯電話もマスコミからの電話が鳴りやまず、パンク状態だった
この番号も、どこかから漏れたのかもしれない
土屈シエは厳しい表情で、知らない番号からの電話の通話ボタンを押した
土屈シエ:はい、土屈シエです
里予ロ:土屈シエ社長、里予ロです
土屈シエ:なんだお前か
聞き慣れた声に、土屈シエは表情を緩める
里予ロ:大丈夫…ですか?
土屈シエ:ああ、迷惑をかけてすまない、お前の所にも今日捜査が入るらしい
里予ロ:そうみたいですね
土屈シエは、その落ち着き過ぎた声に嫌な予感を覚える
土屈シエ:里予ロお前、今どこから掛けているんだ?
里予ロ:沖縄のホテルです
土屈シエ:沖縄?何でまた
里予ロ:…
土屈シエ:里予ロ、お前…まさか…
土屈シエは携帯を持つ指先が冷えていくのを感じた
里予ロ:今の俺に出来るのは…これくらいですから
土屈シエ:駄目だ!お前は俺の右腕だろう?!お前が居なければ俺は…
里予ロ:社長なら大丈夫です、俺の命を利用してください、あなたに負けは似合わない
土屈シエ:里予ロ…駄目だ里予ロ!!
電話は切られ、二度と繋がる事は無かった
□ STOP ピッ ◇⊂(・A・ )イジョウ
不謹慎…
>>153 >スレ違い/板違い/鯖違い/メディア違い問わず、ネタであれば何でもあり。
>つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ネタにしても限度ってものがあると思うよ
香田スレ思い出した
・・・怖い・・・・
じゃあスルー汁
こいつ怖いわ。変。
(´_ゝ`)
あなたの体脂肪の方が異様ですよ
なんで沖縄に行ったのかが分からないや…
表現の自由を履き違えてる奴ってどこにもいるが、自分の親が殺人犯になって
自殺したとしてもそれを萌えとして吐き出せるなら正直頭おかしいから
病院行った方がいいよ。>IsVV806d
はいはい同じ穴のムジナワロスワロス
即レス乙。
お子ちゃまは早く寝ましょうね。
釣りだろ
気を取り直してネタどぞー↓↓
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
昨日放送ドラマHYO!ヘキの億→喜多沢です。
ネタバレ含みますので見てない方はスルーして下さい。
一面の白い闇。
その中を俺は必死で落下した喜多沢を探していた。
嘘だと何度も何度も繰り返しながら、ただあいつを求めていた。
共にK2を登りきると約束した。
生きたいと言った。生きて帰ると約束した。
喜多沢。
喜多沢。
どうしておまえがいないんだ。
いつからだったろう。
「億寺」
喜多沢に名前を呼ばれるといつも喉の奥が熱くなった。
いつも嬉しいのか悔しいのか分からない感情が湧きあがった。
いつだってあいつに名前を呼ばれると、あの笑顔を向けられると、
自分の全てが喜多沢に引き寄せられる感覚に支配された。
抱えきれなくなりそうな感情を持て余しながら、
けれど心のどこか片隅でそれを厭ってはいない自分を知っていた。
そして喜多沢の隣にいるのならば、パートナーでありつづけるためには、
不要な想いであることも知っていた。
だから俺はどうしても捨てられなかった感情を自分の奥底に沈めて蓋をした。
そうして何でもないような顔をして喜多沢の隣にいることを選んだ。
五年前の事故の後、俺は喜多沢に名前を呼ばれるのが辛くなった。
日の光のような笑顔を向けられるのが堪らなくなった。
自分のせいであいつの命まで危険に晒した。
それは拘るところではないと頭では理解していた。
けれど感情がついていかなかった。
二人でザイルを繋ぎ岩壁に挑む限り、危険は互いに承知の上の筈だった。
あの事故にしてもどちらが落石の被害にあってもおかしくはなかった。
あの時はたまたま自分だっただけ。それだけのこと。
そして、最悪の事態の時、その時の覚悟もできている筈だった。
俺はザイルを切られても当然だと思う。それが正しい判断だ。
けれど喜多沢はザイルを切らなかった。危険を冒してまで俺を助けた。
その事実が俺を弱くした。
臆病にした。
このままニ人でいたら、二人で登りつづけていたら、
いつか同じような場面が巡ってきたら、
その時また喜多沢は命の危険を冒すのだろうか。
俺はもう自分のリスクを喜多沢に預ける気にはなれなかった。
「あの時ザイルを切れなかった喜多沢の甘さは死と隣り合わせの世界では危険すぎる」
俺が喜多沢から離れた理由。
けどそれは本当でもあり、嘘でもある。
喜多沢。
俺は怖かった。
本当は。
命がけで俺を助けたおまえに、その行為に、
何らかの感情を見出そうとしている自分が怖かったんだ。
おまえへ抱く感情が歯止めがきかなくなりそうだった。
おまえの笑顔に仕草に勝手に期待して勝手に落胆する身勝手な自分がいた。
今までのように傍にいるだけでは我慢ができなくなった強欲な自分が、俺は怖かった。
そして、自分の抱えている叶わない想いが、喜多沢に拒絶されることが怖かったんだ。
もう一度喜多沢が俺をパートナーとして指名してくれた時。
億寺じゃなきゃだめだと言ってくれた時。
本当は嬉しかったんだ。
自分が抱えてきたものとか関係なく素直にそう思えたから、
時間を重ねて五年前よりも強くなれたと思ったから、
おまえのパートナーになれると思ったんだ。
でも違った。
俺は弱かった。何も変わってない。
女のことばかり気にしてる喜多沢に苛ついた。
集中できてなかったのは俺の方かもしれない。
猛吹雪が視界を遮る。
白く冷たい空間で自分の感覚がどんどん麻痺していくのが分かる。
喜多沢がいない。探しても探しても見つからない。
呼んでも届かない。
嘘だ。こんなの嘘だ。
上へのルートを確保して戻ってきた時、意識がない喜多沢を見て血の気が引いた。
どんな時にも感じることのなかった恐怖に全身を縛られた。
あれは失う恐怖だった。
どうして。
意識せずに漏れた言葉。
一生言うまいと思っていた想いを言葉にしてしまったのは俺の弱さだ。
どうしてあの時好きだなんて言ってしまったんだろう。
どうしてこんなに追い詰められないと言えなかったんだろう。
喜多沢。
他の女を好きでもいい。
俺を見なくてもいい。
馬鹿みたいに甘い考えでも、ずるい部分を持っててもいい。
おまえはおまえのままでいいから、だから、
頼むから居なくならないでくれ。
喜多沢。
俺を呼んでくれ。
白い悪魔が咆哮を上げる空間で俺はただ一人の名前を呼び続けていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
昨日の放映を見て萌えと勢いで書いてしまいました。
億がこんな気持だったらいいなーと妄想していました。
>172
>一生言うまいと思っていた想いを言葉にしてしまったのは俺の弱さだ。
この一文に思わず泣いてしまいました。
朝イチにこんないいもの読ませてくれてありがとう!
172
マジで泣いた…GJ
セツ茄子…奥の思い、きっとキタに伝わったよ*。・(ノД`)・。*
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| デンデン言ってる人達ゲ仁ソさんみたいだよ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 萌えすぎて30分で書いたみたいだよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
177 :
1:2006/01/23(月) 00:51:23 ID:GZSF8/+h
幾ら人前で大っぴらに可愛がってみたところで、この関係性は変わりはしない。
酷く不器用で嫉妬深い俺は、今日も耐え難い憂鬱に飲まれそうになる。
「ねぇ、怒ってんの?」
「別に怒ってねぇよ。」
最近は二人になるといつもこんな会話ばかりを繰り返している気がする。
ああいやだいやだと首を振ったところで、相方は俺の頭を両手で掴んで無理やり
に自分の方を向かせた。
「言いたいことあんならハッキリ言えよ」
「……言いたいことが見つかんねんだよ」
「何それ。」
「口に出したら、きっと俺は自分を殺したくなる気が、する。」
手を振り解いたところで何が出来るわけもなく、手持ち無沙汰の流れで
吸いたくもない煙草に火をつける。ため息と一緒に吐く煙は、二人の間に薄く
膜を作った。同じく煙草に火をつけた相方が、しばしの沈黙の後に口を開いた。
178 :
2:2006/01/23(月) 00:51:55 ID:GZSF8/+h
「女みたいなこと言いたかないけどさ」
「うん」
「口に出して言わなきゃわかんないことって、多分あると思うんだわ」
「……かもな。」
「別に何言われても怒んないから。」
「…俺、怒ってるように見えんの?」
「さっきから言ってんじゃん。」
「あー…そうだね。うん。そうだよな。」
気の無い返事は、気が無いわけではなくて、気がありすぎるからこその気の無さで…
グルグルグルグル思考が回り、もう収集が付かない。
「どーしたー、あーいーかーた!戻ってきてー」
「あのさぁ、俺すげぇ嫉妬深いんだと思うんだわ」
自分で自分の言葉に驚いた。言葉が、制御できない。口から機械仕掛けのように言葉が
零れては相方に聞き取られていく。
「…何よいきなり。」
「オマケに心が狭くて」
「はぁ」
「不器用だし」
「うん」
「ちょっと病んでる感あるし」
「そうだね」
「否定しろよ。で、ネガティブ思考だし」
「そうだね」
「だから、俺は、お前が嫌いだ」
「はぁっ!?何言ってんの!?」
179 :
3:2006/01/23(月) 00:52:36 ID:GZSF8/+h
違う。言葉そのままの意味じゃない。言葉の、意味の、再構築をしなければ。
「違う、そうじゃなくて」
「あぁ、うん良かった」
「色んな人に可愛がられるお前が、嫌いだ」
「……どういうこと?」
「色んな人の誰かが、いつかお前のこと持ってっちまう気がしてて」
「うん、もうちょっと分かり易くお願い」
「色んな人がお前を可愛がる」
「それで?」
「お前も愛想良く付いていく」
「そんな気あんまないけど…それで?」
「お前はいつか俺から逃げてくと思う」
「んー…それで?」
「だから、俺は、お前が好きだ」
「……はい?」
…口が滑ったとしか言いようが無い。何でこんなことになった?口が滑るとはこのことだ。
こんなこと言うつもりは毛頭なかったのだ。死ぬまで隠し通すつもりだったのに。勢いに
任せて相方に重荷を背負わせる気なんか、無かったのに。
相方が固まったところで、俺は正気に戻った。口を手で押さえ、逃げ出そうと立ち上がった。
椅子が派手な音を立てて倒れる。その音で相方は正気に戻ったように、俺の前に立ち塞がった。
180 :
4:2006/01/23(月) 00:54:06 ID:GZSF8/+h
「あのさぁ、言い逃げは良くないと思うなぁ…。」
「え?」
「ビックリした、壊れたかと思った」
「…若干壊れ気味ではあった、けど。」
「要は、俺を独り占めしたいってことでしょ?」
「え。あ、うん、多分」
「俺が好き?」
「うん。」
脳味噌を通さずに、するりと言葉が零れた。もうダメだという言葉がグルグルと回る。
しかし、相方の口は思いがけない形に動いた。
「なら最初っからそう言やいいのに」
「あ?」
「回りくどいことしないで、ダイレクトにそう言いなよ。」
「うん。」
「呆けた顔してないでよ。シャキっとして、ほら。」
世話焼き女房のように右手で俺の髪を撫で付け、左手で服の皺を伸ばされる。そんななすがままな俺に、
相方は唐突に抱きついてきた。予想外の展開に、一度落ち着いた思考が再度混乱しそうになる。
「心配しないでも、俺ちゃんと好きだから」
「え?」
「俺も、好きだよ」
「嘘つけ」
「嘘じゃねぇよ」
181 :
5:2006/01/23(月) 00:55:01 ID:GZSF8/+h
「話が上手すぎる。絶対嘘。」
「嘘じゃねぇって」
「そんなに物事が上手くいくはずねぇ」
「上手くいく場合もあるでしょ」
「だって……」
「俺がこうしてるってことが、答えになってない?」
「……俺男だぞ?」
「どう見てもね」
「お前も男だよな?」
「戸籍上も、生物学上も」
「じゃあ、ダメだろ」
「どうしてさ」
手は俺を掴んだままながらも、身体を離し心底俺の言葉が解せないという表情で見上げられると
俺のほうがおかしなことを言っているような気がしてしまう。また混乱に陥りそうになった俺を
見てため息一つ、相方は3歳児に語るように穏やかで丁寧な口調で諭し始めた。
「どうして好きってだけじゃダメなの?」
「普通に考えたらマズいだろ……」
「誰がダメって言うのさ。」
「世間とか、常識とか…」
「下らないと思わない?そんなん気にするのカッコ悪い」
「……恐いんだよ。」
182 :
6:2006/01/23(月) 00:55:57 ID:GZSF8/+h
「何が」
「お前にこういうこと言って逃げられんのが」
「逃げてないじゃん」
「いつか逃げる」
「いつかっていつだよ」
「……いつかは、お前…いつかだよ。」
煮え切らない俺に業を煮やしたのか、今度は相方が切れた。平手で俺の頭を思い切り引っぱたくと、
おもむろにシャツを脱ぎ始めた。長袖のラグランスリーブがまず床に落ち、その下のTシャツが…
「って、お前何してんだよ!」
「言葉で信用できねーんなら、身体で信用させてやろうかと思って」
「バカか!出来るわけねぇだろ!」
「出来ないの?」
「え、いや、出来るけど、ここじゃ出来ねぇ、ってだから!!」
更にジーンズのジッパーにかかった相方の手を強く掴んだ。その手をそのまま万歳の形に持っていき、
俺は覚悟を決めた。慎重に、でも言葉が不必要に複雑にならないように、自分の気持ちを紡ぐ。
「わかった、ごめん言い直す。もう一回。」
「はい。」
「俺は、お前が好きだ。」
「うん、俺も好きだよ」
「信用する。」
「信用したか。」
「信用した……。」
183 :
7:2006/01/23(月) 00:56:49 ID:GZSF8/+h
下らないことをうだうだ考えてた自分は、バカなのか?
壊れた言葉を再構築した後に残った破片は、酷くシンプルで。
たまにはシンプルに動いてみるのも、悪くない。
「参ったかこの野郎。で、続きはどこでする?」
「…………お前ん家で。」
悪くない、と思うくらいならバチだって当たるまい。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 毎日萌え殺されるかと思うよ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
ぎゃああ!姐さんGJ!
こんなに素敵な萌えをありが・・とう・・・(がくり
>>176 GJ!!
彼らっぽい雰囲気が良く出てて好きだー
ひゃーーーー!!GJ!!!!!
も、萌えたよ…ていうか萌えてるよ
心臓バクバクしてるよ〜〜〜!
>>176 やばいよ。何かが目覚めたよ。
今度からもうまともにテレビ見れません(・∀・)モエッ
>>176 ひさしぶりに、なんかきた(・∀・)
GJ!!!
>>176 姐さんGJGJGJ!!!
両思いだけどお互いに悩んでるっていうシチュが最高。
萌え感動し過ぎてなんか目から水が(つД`)
眼鏡の強気な誘い受けっぷりもすごいです。
GJ!すばらしい!寸止め感がたまらない>176
今バックでリピート流してて彼らの声が聞こえる
このあとは自分で妄想するよありがd
萌え爆弾て本当にあるんだな…
GJGJGJ!>174ありがとう(*´Д`)
レス番間違えて申し訳ないです。
>176さん本当にごめんなさい
>>176 GJGJGJGJGJGJGJGJGJ!!!!!
もう素直にデンデン聞けないし言えないよ…。
>176
すごい!!GJすぎるよ姐さん!!!!
やり取りがめっちゃ本人っぽくて萌え死ねる。
ツンゴカッコ良すぎるよツンゴ。
漏れもリピート見てたとこだったよ。
ゲーム盤を挟んだ二人の距離が、昨日より近く見えるよ(*´д`)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
| バンド爆竹の歌歌い×左利きギターだモナー
| 歌(美形男:圧ちゃん)、ギター(家主:居間井)
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ギターは爆竹の他にソロ活動で
| | | | \ ノレーシーってバンドをやってるぞ。
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ギャグですゴルァ!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
1/8
世間に美形と言わしめるその男は、深夜二時を回った頃、突然やってきた。
「圧ちゃん?へ?どうしたの?飲む?」
「…居間井ぃ…またお前はノレーシーをやろうとしているのか…」
全身に暗黒を背負った美形男は玄関に立つその姿すら神々しかった。
「え、てか、作曲中、…えっていうか何?」
美形男のくっきり二重の切れ長な眼は完全に据わっていた。
眼がでかすぎるその男は、三白眼丸出しで玄関に立っている。
その顔はあまりに凶悪で、あまりにも美しく、絶対的な存在感を持って其処に在った。
家主と美形男は20年以上の付き合い。家主は美形男のそんな顔には慣れていたので、
突然来た事にはびっくりしたが、顔の事はあまり気にしない。
「20日がさぁ締め切りだから、あんまり長く飲んでられないけど…まぁ別n」
「お邪魔します」
美形男は家主が話し終わるか終わらないかのタイミングで家に入り込んだ。
家主を押しのけ、リビングへと続く廊下をズカズカと歩いて行く。
「電話すりゃーよかったじゃん。なんも用意してねぇよ」
「ノレーシーの作曲に夢中だったって訳だ。。」
「そりゃあ…え、何?なんか既に酔ってんの?」
美形男はリビングのソファに座ると、片方の唇だけをクッとあげて微笑んだ。
その顔は最強に凶悪だが、家主と美形男は20年以上の付き合い。
家主は美形男のそんな顔には慣れていたので、びっくりもしないし、あまり気にしない。
「なんか持ってきた?酒は?」
美形男は上等な赤ワインと名の知れた芋焼酎、適当な値段の酒がいくつか入った袋を差し出した。
家主はそれを嬉しそうに受け取る。
2/8
家主も美形男も、無類の酒好きなのだ。
しかし家主は作曲期間中は飲酒をしない事が多い。
久々の酒に自然と気分が高揚する。
「いっぱいあるじゃん。誰か呼ぶ?」
「いや、サシで。」
「ふーん?」
家主と美形男は20年以上の付き合い。
美形男が多少おかしい言動をしても、多少おかしい行動をしても、あまり気にしない。
家主は美形男に気を許していた。
今までいろんな事があったし、今更傷付く事など何もないからだ。
しかし美形男の方はというと、傷つきやすかった。
「…居間井、圧ちゃんに言いたい事は無いか。」
「は?いきなり来んな。」
「ごめんね。…それ以外で何か無いか。」
「あん?テーブルの上どかしといて。」
いそいそと酒盛りの支度をする家主。
冷蔵庫を開けて、適当なつまみの材料を探す。
「あんまねぇな。なんか買ってくる?」
美形男はテーブルの上に広がっていた雑誌や書類、CD等を適当な場所に置いて、
除菌ティッシュで机の上を綺麗に拭いた。
「飲めればなんでもいいよ。なんかに塩っぱいもの塗ってくれれば」
「えー?とーりあえずサラダならすぐできる」
傷付きやすい美しい男は、サラダを作っている間はとりあえず邪魔はしない事にした。
3/8
机の上にはサラダの他にナスのピリ辛炒めなど、数品が並んだ。
酒盛りが好きな家主はご機嫌だ。
美形男はそんな家主をジトリと見つめた。
「なーに」
「居間井、圧ちゃんに言いたい事は無いか」
「またそれぇ?…なんかしたっけ?」
「した。」
「え、マジ?何?全っ然覚えないんだけど。」
美形男のただでさえでかい瞳が大きく見開かれる。
漫画の世界からやってきたかのような、顔の二分の一が目になった美形男は
その瞳を顔の三分の一の割合に伏せた。
「キスしていい?」
「はっ?!…ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」
家主は空気を読まずに大爆笑した。
20年以上のつきあいなので、美形男もついつられて笑ってしまった。
二人でひとしきり笑った後、美形男は家主の唇にチュッと音を立ててキスをした。
「ほんとにしやがった!!」
家主は空気を読まずに大爆笑した。
美形男も調子に乗って大爆笑した。
「居間井ちゃ〜ん、抱いてやるからこっち来いよ。」
「こっち来いとか言いながら寄ってきてんじゃねーよ。」
「お前はギュッと抱きしめてやんねーとすぐ浮気するから、懲らしめないと。」
「はぁー?!あー?!何?ノレーシーの事言ってんの?!また?!」
「まーたーじゃーなーーい」
美形男は家主を抱き寄せた。
4/8
「あー!あー!圧ちゃん!」
「浮気するな」
美形男は家主の手からコップを奪い、机に置いた。
「浮気はいいじゃん!本気じゃないんだから」
「言っても聞かないのは知ってるから止めないけどね。」
「うん。そうでしょ。」
「止めないけど、こうしてやる。」
美形男は家主の首筋を舌でなぞった。
「あー!あっはっはっひゃっ」
「もっと色っぽく。」
「やめてよ圧ちゃん」
「ノレーシーやめてよ居間井ちゃん」
「やだ」
「俺もやだ」
美形男は家主を抱きかかえ、お尻を撫で回し始めた。
「いきなりケツってハードゲイかよ」
「俺はケツフェチなんだよ」
美形男は家主のお尻が好きだった。過去、何度も触った事があった。
20年以上の付き合いだから、数え切れないほど触った事があった。
家主は相変わらず良いケツをしていたので、美形男は興奮した。
興奮したので、手をパンツinしてみた。
「何入れてんだよっ!!」
さすがに生尻を触られるのにはびっくりした家主は、ようやく抵抗した。
と言っても、抱きしめてくる美形男の胸を押し返す程度なので、
美形男は家主とは20年以上のつきあいなのに、その抵抗をあまり気にしなかった。
5/8
そしてちょっとその生尻を見てみたくなったので、家主のズボンをひっぱり、
抱き込んで背中から見下ろす形で生尻を見た。
「おかしい絶対おかしい」
家主は今度は激しく抵抗した。
美形男はのけぞるように離れる家主を追いかけて、そのままのしかかった。
「居間井、いいケツしてんなぁ。」
「ひゃっひゃっひゃっひゃっん」
家主は空気を読まずに爆笑したが、美形男の口付けによってその唇は閉じられた。
美形男も家主も瞳を閉じることは無く、お互いニヤニヤしながら見つめ合った。
美形男は家主の口内に舌をねじ込んだ。そしてその舌を絡め取ると、家主は瞳を閉じた。
美形男と家主は長い長い口付けをかわした。
先に進みたくなった美形男はようやく唇を離した。
「ホモとかヤバイ。」
家主が笑いながら呟く。
美形男も笑いながら、家主のシャツのボタンの隙間に指を差し込んだ。
「だかあらーー!!ヤバイって」
「何がヤバイのかな」
「知ってんじゃん」
「俺はお前の足がケイレンすんのが見てぇんだよ」
美形男は差し込んだ指と指で家主の乳首を激しく上下に擦った。
「あー!ひっでぇまじひでぇあっ ひゃっひゃっひゃっ」
家主の足がビクビクとケイレンする。
家主は乳首を触られるとどうしてもそうなってしまうので、止めようがないのだ。
「なんでそんなに無駄に感じやすいんだよお前は」
「しらねぇよw」
6/8
美形男は会話をしながらも指は止めなかった。
「ヤバイ。勃つw」
「勃ててんだよ。」
「なんでだよ」
「抜いてやろうと思って。」
「冗談に聞こえねぇ!」
「んふふ。」
「あーもー!やめてよ圧ちゃんほんと勃っちゃうから〜」
「勃てよ早く」
美形男はシャツから指を抜くと、家主の股間をまさぐった。
「あっ!とりあえず死んでくれない?!」
家主の二度目の激しい抵抗は、先ほど与えられていた乳首への刺激によって
腕には力が入らず、弱々しいものとなった。
「ダメだって。ダメ。圧ちゃん」
「入れないから。ね。お前の抜くだけだから。」
「何言っちゃってんの?」
「お前の勃ってるとこなんか何回か見たことあんだろうが」
「抜かれた事は無いね!w」
「ねー。初めて♥」
美形男の手がズボンの上から股間を擦る。
「やべぇ、気持ちイイ…w」
「イカしてもらいなよ。」
「あー…ん」
「あーんって言ったね今。イヤラシイ子。」
「どっちがだよ」
美形男はズボンの中へと手を滑り込ませた。
7/8
熱を持つ股間を握りこむと、家主のそれは一度大きく脈打った。
「チンコー」
「ひゃっひゃっひゃっ!ちょっとさあ!顔見ないでくれない?!」
「電気消して♥って言ってみろ」
「できればwまじで消してw」
「やぁだ♥」
「ぶっ殺すぞ」
美形男は答える変わりに満面の笑みで股間を扱き始めた。
「あっ あっ ぁっ」
「いいね。イク〜って言ってね」
「あ?」
「『圧ちゃん、イク〜ッ♥』って。」
「ほんと しんでくんない?」
「居間井ちゃん声うわずっててカワイイ」
「あ? …ぁっ……ア」
「すっごいカワイイ。入れたいぐらいカワイイ。」
美形男は扱く速度を速め、回転するようにスライドした。
「こうするのがいいんだろ?」
「んんっ……はぁ…はぁっ…」
美形男は家主がとても愛おしくなり、家主の顔中にキスをした。
美形男の手の中のそれは脈打つ回数が増え、まもなく絶頂を迎えようとしていた。
「イクんだろ居間井」
「うン…ティッシュ…」
美形男は扱く手はそのままに起き上がると、空いている方の手で素早くティッシュを数枚取り、
家主のズボンの中にあてがった。
途端、家主の精液はその中へ放たれた。
8/8
「おいっイク〜はどうした!」
「…イッタ〜」
「事後報告かよ」
股間にティッシュが張り付いた家主は、ついでだからとシャワーを浴びに行った。
もんもんとしていた美形男はその間に一度抜いた。
抜いたが、石けんの香りをさせて戻ってきた家主は魅力的だったので、
帰ってくるなり抱きしめて座らせ、酒盛りの続きをした。
「もうノレーシーしないって誓う?」
「なんで?するよ?」
「今度入れてやるからな。」
「なんでよ。やらせねーよ。ていうか無駄。」
「俺無しじゃいられない身体にしてやるんだよ!」
「無駄。ある意味もうなってるし。」
「なってんの?」
「なってなかったら20年も一緒にバンドやってねーよw」
「なってんのにそれなの?」
「そう。」
「奥深い…」
「何ソレひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」
美形男はなんとなく嬉しかったので、爆笑する家主を見て微笑んだ。
「まぁいいか…ケツ触らせろ」
「なんでだよ」
「酒のつまみだよ」
夜はもうすぐ明けようとしていた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 本人曰く、ソロ活動は所在の分かるプチ家出で、
| | | | ピッ (・∀・ ) 晩ご飯までには帰ってくるそうです。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
圧ちゃん凶悪的に可愛い…
それ以上に家主可愛い…っ!!!
萌えました。テラGJ!!!
>205
姐さんGJ! 2人のやりとりにテラワロスwww
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 悪魔城イ云説ラルフ×アルカードの三回目ダヨ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| >>111-
>>119続きだって
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ マタ ナガイゾゴルァ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◆
「とにかく、わたしは総主教にはすべてを話します」
別れ際に、サイファはそう言った。
「いいことも悪いことも、もちろんアルカードのことも、包み隠さず全部ね。下手に隠したって、あとから調べられ
るだけだもの。それなら最初から、きちんと事実を出しておいたほうがずっとまし。魔王の血族というだけで
はなから存在を許さないような相手から、アルカードのことが伝わるのは絶対に避けなきゃいけない」
「そうだな」
とラルフは答えて、サイファが荷物を背中にくくりつけるのに手を貸してやった。
「気をつけて行けよ、サイファ。道中無事でな」
「あなたこそね、ラルフ。神のご加護を。どこの神様だか知らないけど。あなた方には、わたしなんかよりずっと
たくさんの祝福が必要になるはずだから」
そうしてサイファは別れていき、その数日後に、ラルフとアルカードもまたドラキュラ城の廃墟をあとにして、ベルモンド家の荘
園のあるシュツットガルトの山岳地帯へ向けての旅路についた。
辺境のワラキアからは馬でひと月半ばかりかかる旅だ。最初はラルフの目のこともあってあまり距離ははかどらなか
ったが、傷がふさがり、包帯がとれると、めっきり進みも早くなった。黒い森を抜け、人家も多くなってくる
と、兎や鳥を狩るために足を止める必要もなくなってきた。
ただ、困ることがあった。アルカードである。
まず、目立つ。それもひどく。
やっと入った最初の村で、アルカードを一軒しかない酒場で待たせておき、ラルフは馬を手に入れるために馬飼いの
家を探しに行った。
ごうつくばりの親爺からやっと買った馬二頭を牽いてむかむかしながら戻ってみたところ、酒場はいつのまに
か、がやがや騒ぎたてる物見高い村人たちで鈴なりになっていた。
仰天して中に入ってみると、座席はがら空きで、そのまん中にアルカードが、出ていくときに座らせておいたまま
の席にぽつねんと座っている。
酒場の亭主も娘も、壁に貼りついたまま目を丸くして銀髪の公子を見つめており、先にいたらしい客も外の村
人たちに混じりあって、ぽかんと口を開いていた。
「私はなにかおかしいだろうか、ベルモンド」
からっぽの席でワインの杯を前にしたまま、アルカードが言った。
「なに?」
「皆が私を見る」
ラルフは頭をかかえたくなった。
とにかくワインの代金を払って、引きずるようにしてそこから連れだす。馬といっしょに村はずれまでむりや
り引っぱっていって、やっと息をついた。アルカードはほとんど表情を変えないが、馬といっしょにされたことには
多少の不興の念を抱いたようだった。
「おかしいところがあるなら言ってほしい。黙っていられては、わからない」
「……あのな」
どう説明していいか困る。まさか、おまえがあまり綺麗だからいけない、と言うわけにもいかない。
なにしろ、こんな田舎に女でもそうはいないような美貌の、それも、どこの大貴族の子弟かと思わせる豪奢な
身なりの貴公子が、いきなり出現したのだ。見るな、というほうが無理だろう。
「とりあえず、おまえはここで馬と待ってろ。俺は村へもどって食料と、おまえ用のローブか何か買ってくる。
いいか。ここにいろよ。動くんじゃないぞ」
「私は馬ではない」
「やかましい。待ってろと言ったら待ってろ」
アルカードは黙った。
ラルフは一人で村へとって返し、次の村までの食料と水、それに、アルカードに着せるフード付きの僧衣のような
長いローブを手に入れた。
途中でさんざん、あのお美しい若君はどこの誰か、何の用でこんなところを旅しているのかと訊かれたが、
いいかげんに生返事をするか、最後には面倒になってじろりと睨みつけるだけですませた。長身とがっしりした
体格に、半面に刻まれた深い傷あとが強烈な眼光を倍増しにしてくれたらしく、ひと睨みされた相手はたいてい
言葉もうやむやになって、そのまま口をつぐんでしまった。
村はずれへ戻ってアルカードにローブを着せると、「別に寒くはない」と抗議された。
「暑い寒いの問題じゃない。とにかく、人前ではそれを着てろ。頭も隠せ。そうだ。いいか、絶対に顔をさらす
なよ。人目の多いところでは特にだ」
「……私は、そんなにおかしいのか」
「なに?」
ラルフは思わず手を止めた。
フードをかぶせられながら、アルカードはわずかに俯き、長い睫毛を伏せていた。
「人前には顔を出せないほど、私は、どこかおかしいのか。ベルモンド」
「──アルカード」
「私は、醜いか」
「……アルカード。あのな」
あいかわらずのベルモンド呼ばわりにはかちんときたが、どうやら妙な方向に誤解しはじめているらしいのを
放っておくわけにもいかない。
ラルフはいったんおろしたフードをはねのけ、うつむいた顔を強引にあげさせた。
「おまえは別にどこもおかしくない、アルカード」
顎をつかまれて、驚いたように目を見開いているアルカードにきっぱりと言った。
「あいつらがおまえをじろじろ見るのは、おまえがあんまり綺麗だからだ。ただの田舎者なんだよ。見たことも
ないほど綺麗な貴族の若君が来たってんで、ぞろぞろ見物に来てただけだ、何もおまえに問題があるわけじゃな
い。勝手に見させておけばいいんだ、あんな奴ら。おまえは何も、気にすることはないんだ」
「ではどうして、こんなもので顔を隠させる」
そう問い返されて、ラルフは返答に窮した。
こんなところで、無駄に人目に立つのは危険だからだ、というのがまっ先に浮かんだ理由だったが、何かが
ラルフにそう答えさせるのを躊躇させた。
確かに危険は危険なのだ。下手に目立って、サイファがコンスタンティノープルへ到着する前にアルカードの身の上が人に知られ
たら、たちまち手に手に杭や十字架を振りまわした聖職者や村人に追いかけられることになるだろう。このあた
りはまだ、魔王ドラキュラの恐怖がなまなましい土地なのだ。アルカードが魔王の息子だとわかれば、のんびりした旅な
どとうていしていられなくなる。
だが、それだけではない、形にならないある感情があった。まるで珍奇な獣か何かのように、指さしてひそひ
そ言う村人たちのまん中でぽつんと座っているアルカードを見たとき、どうにもならない怒りと苛立ちがラルフの中で
噴出したのだった。
こんな奴らがこいつに対してつべこべ言う権利はないはずだ、という思いと、それ以前に、だいたいこいつら
如きがアルカードを目にすること自体気にくわない、という、理屈も何もない感情が渦を巻いて、あやうく周囲の人
間を殴り飛ばすところだったのだ。
寸前で理性が勝利を収めはしたが、不快なことに変わりはなかった。ラルフは唸り声をあげた。
「……とにかく、他人の前ではそれをかぶってろ。おまえだって、用もないのにじろじろ見られるのは嫌だろ
う。俺と二人の時には取ればいい。いいか。わかったな」
「──わかった」
あまり納得はしていないようだったが、旅の間はラルフに言われたとおりにするようにと、サイファが前もって言い
聞かせておいたらしい。
また俯いてフードをかぶろうとするので、手を伸ばしてはね上げた。
「俺と二人の時は取ればいいと言っているだろう。取ってろ、うっとうしいから」
アルカードは逆らわなかった。
二頭の馬のうち、ほっそりした青毛の牝馬をアルカードに、栗毛の去勢馬を自分のものに決める。馬具をつけ、鞍
にまたがったアルカードの柔らかな銀髪が陽を浴びてきらめくのを見て、ラルフは満足した。
くつわを並べ、額に散りかかった髪をなにげなくかき上げてやる。
この顔を目にするのも、この髪に手を触れるのも自分だけだ、と考えると、押さえきれない嬉しさがこみ上げ
てきた。その日一日、馬上でラルフはしごく上機嫌だった。
人里にはいるときにはアルカードにはローブを着せ、フードを被せることで、目立ちすぎるという点はある程度解
消できた。
しかしここでまた、別の問題があきらかになった。
二つめの問題は、金銭的価値というものにアルカードがまったく無頓着、というよりほぼ無知に近い、ということ
だった。
街道沿いに店を広げていた物売りから馬用の塩や、その他の必需品をいくつか買った時から悪い予感はしてい
た。アルカードは品物を受け取ると、さっさと品物だけを持って馬のところに行ってしまったのだ。
道中の資金を管理しているのはラルフの方だったので、それを知っての行動だと思えなくもなかったが、それに
してはあっさりしていすぎる。
その場を離れてから、品物を買ったらその分の代金を支払うものだ、と教えると、そうなのか、とラルフ以外
にはわからないようなわずかな驚きをこめて答えた。ラルフはふたたび頭をかかえたくなった。
「そうだ。いいか、ものを買ったらちゃんと金を払え。これは鉄則だ。払わない奴は泥棒と言われて追いかけら
れることになる。追いかけられるのは困るだろう、アルカード」
「それは困る」
アルカードはしごく真面目だった。
「わかった。次からは、きちんと買ったものの代金は払うことにする」
本当にわかっているのかどうかはいくらか疑問だったが、とにかく、その場はそれで済んだものとラルフは
思っていた。
しかし、済んでなどいなかったのはその次の村に足を踏みいれたときにわかった。
ラルフがいつものように、アルカードを村の広場で待たせておいて(店や酒場に連れて入らない程度の自己防衛は
もう身についていた)一人で用を済ましにでている間に、ひどく腰の曲がった老婆が、しなびた林檎を五つ
六つ篭に入れて、広場で腰かけていたアルカードによろよろと近づいてきたのだ。
「ご立派な若君。林檎はいかがでございますか。あたしの農園でとれた、新鮮な林檎でございますよ」
入っていたのは新鮮どころか、十年前に実って以来ずっと木の上でさらされていたのではないかと思われるほ
ど、しわしわの林檎だった。
アルカードは黙ってその中からひとつ取り、かわりに、マントにつけていた繊細な造りの宝石入りの金鎖を、無造
作にちぎって渡そうとした。
そこでちょうどラルフが戻ってきて、あわてて止めたからよかったようなものの、しなびた林檎ひとつのため
に、鎖一本でこの村の地所がまるまる買えるような貴重な宝をぽんと手放すところだった。老婆には銅貨を
何枚かやって追いはらい、ラルフはあらためてアルカードに向きなおった。
「何をやってるんだ、おまえは。あんなとうてい喰えそうもないような林檎ひとつに、そんなものを渡そうとす
る奴がいるか」
アルカードは蒼い目でラルフを見あげた。
「買い物をしたら代金を払えと言ったのはおまえだ」
「それはそうだが、相場ってものがあるんだよ。おまえのは行きすぎだ。見ろ、婆さん腰抜かしかけてただろう
が。だいたいあんな婆さんが宝石入りの宝物持ってたって、盗んだと思われて始末に困るのが落ちだ」
このあたりは貧しい村が多い。アルカードの金鎖の石ひとつ、上着の袖の飾りボタンひとつで、家族をまる一年養
っていけるような家がほとんどなのだ。黄金の装飾品など目にする機会は一生ないだろう。老婆が腰をぬかしか
けたのも無理はない。
返事はない。ラルフはため息をついた。
「もういいから、おまえは買い物はするな。商人が声をかけてきても無視しろ。欲しいものがあれば、言えば俺
が買ってくる。おまえに任せておいたら、領地に帰りつくころには自分で自分を身ぐるみ剥いでいることになり
かねん」
「そうなのか。難しいな、いろいろと」
そう答えて平然としている。ラルフはまたため息が出そうになった。
しかし、考えてみれば当然かもしれない。どういう幼少期を過ごしたのかはまだ訊いたことがないが、魔王の
息子に生まれて、公子として魔の城で成長し、自分以外に人間は母親しかいないような環境で、魔術と魔物に囲
まれて暮らしていれば、世間なみの常識など身につかなくてあたりまえだろう。むしろ、そんな環境で育って、
他人への思いやりや気遣いをなくしていないことのほうが驚きだ。
おそらく、母親の薫陶のたまものなのだろう。アルカードが、ふだんの冷淡な態度からは想像できないほど、弱い
ものや小さいものに対して優しい、ということを、ラルフは早くから感じとっていた。とうてい食べられそうも
ない林檎を買おうとしたのも、その現れなのだろう。代金の点ではやりすぎたが。
他人の悪意にも、あまり気づかない。というより、悪意を向けられても、それが何故なのか理解できずにとま
どっていることのほうが多い。
害意や敵意には、さすがに敏感に反応する。しかし、街のちんぴらがアルカードの、いかにも良家の子弟風の物腰
にこれ見よがしに唾を吐いてみせたり、聞こえるような大声で嫌味を並べていても、不思議そうに相手を見つめ
るだけでなんの反応も示さない。ただ単純に、なぜ相手にそんなことを言われるのか理解できないようだ。
逆に、戻ってきたラルフがちんぴらどもを追い散らしたあとで、「やはり、私は何かおかしいのか」と、前の
疑問を蒸し返してくる。ラルフは苛ついた。
「だから言ってるだろう、おまえは何もおかしくないんだ。馬鹿なのはあいつらだ。あんな馬鹿どもは放っとき
ゃいい。悪口が言えりゃあ、相手なんか誰でもいいんだ。おまえが剣でも抜いてみろ、あいつら、たちまち尻に
帆かけて逃げ出すに決まってる」
「しかし、ああいうことを言われるということは、私に何か言われるべき点があるということではないのか」
「あるか、そんなもの」言下にラルフは否定した。
「あるとすれば、おまえが奴らより綺麗で、金持ちそうに見えて、身分だって高そうに見えるからだ。おまえ
じゃなくても、おまえと同じような相手にだったら連中、誰にでも喧嘩を売るのさ。馬鹿を相手にする必要は
ない。気にするな」
アルカードはまだ何か言おうとしたが、途中で思い直したらしく、口を閉ざして、またフードを深くおろした。
なるほど、サイファが心配するわけだ、とラルフは思った。
この、人間離れした美貌と超絶的な強さを持つ貴公子は、世間的なことに関してはほぼ赤子同然、ということ
らしい。ラルフがいっしょにいなければ、まさかすぐ殺されることはないだろうが、あちこちで衝突してたちまち
追われる身になったに決まっている。
人間がどういうものかに関しても、あまり分かっていないようだ。ちんぴらどもに対する態度がいい例だろ
う。剣のひとつもひらめかすか、ラルフのように眼光ひとつで黙らせることもこの青年ならたやすいだろうに、
ひたすら、人に悪く言われるのは自分に何か問題があるからだ、と思いこんでいる。
何にそれほど引け目を感じなければならないのか、ラルフには見当がつかなかった。体内に流れる闇の血か?
身体の半分は人間ではないという思いがそうさせるのか?
しかし、たいていの人間よりあいつはよほど上等だぞ、とラルフは腹立ちまぎれに思わずにはいられなかった。
街の馬鹿者どもは言うに及ばず、これまでベルモンド家や、サイファのヴェルナンデス一族をさんざん痛めつけてきたにも
かかわらず、いったん魔王ドラキュラが現れたとなれば手のひらを返したようにすり寄ってきた教会の聖職者どもな
どと比べたら、アルカードのほうがはるかに高潔で、純粋だ。
彼は自らの父と戦って、その狂気とともに息の根を止めたのだ、なぜ誰もその勇気と、おそらくは味わったで
あろう子としての深い悲しみを察してやらないのか。
むろん、アルカードの素性をさらすことになるのでその事実を天下に示すことはできないが、人々のこんな扱いは
あまりにも不当だ、という気がしてならない。
思ったところで世間はどうにもできなくとも、せめて自分くらいは、アルカードを正当に扱ってやりたいという思
いがますますつのった。
早くベルモンドの領地に入りたい。あそこなら、彼を匿う場所もあるし、世間や人間に慣れるまでゆっくりと
過ごさせる余裕もできる。
サイファはもうコンスタンティノープルに着いただろうか、とラルフは思った。まだもう少し時間がかかるに違いない。
どう説明するにせよ、彼女ならうまくやってくれるだろう。総主教がどう出てくるかはまだわからないが、
とにかく、教会内にも味方は一人いるわけだ。
少し後ろから馬を進めているアルカードをちらりと振りかえる。
二人の時は取れと言っているのに、また彼はフードをおろしていた。垂れた布の向こうの表情は、いつもより
いっそう読みにくかった。
「アルカード」ラルフは呼びかけた。
「少し休んで、食事にしよう。あっちに川がある。馬を休ませて、ついでに俺たちも、顔でも洗ってさっぱりし
ないか」
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 箱入りアルカードタンが書きたかった。
| | | | ピッ (・∀・ ) 反省はしていない
| | | | ◇⊂ ) __
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>>218 GJ!GJ!
アクションばりばりの邂逅1話目、深く切ないフインキの2話目に続き
なんかコメディな3話目、萌えワロタwアノレタンカワイスw
世間知らずの箱入りアノレタンに振り回されっぱなしなラノレフお気の毒w
>218
無自覚な独占欲に萌えた
ゲーム知らないけどやりたくなってきた・・・。
>>218 GJ!!!!!
もうどうしたらいいかわからんくらいテラモエス
続きを楽しみにしております
悪魔土成の続きを楽しみにしてました!
ピュアな箱入りアノレカード坊ちゃま(*゚∀゚)=3-3ハアハアハアハア
男前なサイファ姐さんと頑張り屋な若干一名にテラモエス
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| __________ | | 某週刊誌の記事からから妄想したよ。
| | | | | 蛇と鼠と猫のおはなしだよ。
| | |> PLAY. | | └─────v────────────
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
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それはまさしく天啓であった。
くりくりとしたつぶらな瞳、柔らかなくせっ毛、愛らしい仕種。
一目見た瞬間、視界が爆ぜた。身体中に電撃が走り、血は煮えたぎり、心臓は破れんばかりに脈打った。
『あの…こんにちは』
そして、可憐な声を聞き花のような微笑みを目にした途端、私は天にものぼる心地になったのだ。
俗に言う、一目惚れであった。
私を見つけたつり目でも、私を手当したのっぽでもなく、私は彼に恋をした。
私は彼を溺愛した。
彼は私の欲を満たすためにあてがわれたらしかったが、そんな無体などできようはずがない。
私はただ彼を愛おしく思い、始めは怯えていた彼も次第に私に懐いてくれた。
私の住み処は、私たちの愛の巣となった。
だが、私たちの間にはあまりにも大きな障害が立ちはだかっていた。
悲しいかな、私たちはどちらも男であったのだ!
「いやいやいや。もっと深刻な問題があるだろーが」
一段高いところに寝そべり、呆れたようにこちらを見下ろしながらそう言ったのは、私をここへ連れてきたつり目の青年だ。
「なんだね。私たちの愛にけちをつけるつもりかい?」
「そーじゃねーよ。や、それもあるけど」
つり目は頬杖をつくと、横を向いてため息を吐き出した。
いけ好かない男だ。
「ならば何だと言うのだ」
「種族の違いっつーもんがあんだろ」
「今の時代、身分で物を語ろうだなんてナンセンスだよ」
「…………あーもういいや」
がりがりと頭を掻き、つり目はさっさとどこかへ行ってしまった。
ようやく訪れた安息に、私はほっと緊張を緩め、隣でりんごを噛る彼を見る。
どうやら奴も彼を好いているらしい。時折、欲望にぎらつく目で彼を見ているのだ。
いけ好かない上に油断のならない男だ。
と、私の視線に気付いたのか、彼がこちらを振り向いた。
私と目が合うと、彼はふわりと笑んだ。
あぁ、愛しい人よ。その微笑みを守るためなら、私はどんな困難にも立ち向かおう。
私はそっと、彼の小柄な身体を抱き寄せた。
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| __________ | | こういう愛もある、ということで。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )
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>>223 GJ!もしかしなくてもゴ/ハ/ンくんですか?
GJ!>>223おもしろかった。
ヌコはなぜヘビをつれてきたんだろう。
>>218 グッジョブ!なんかもうほんとごちそうさまです!(*´∀`)=3
ワロタし萌えたしもうタマランこの人達!
>>220 とりあえずPS月下(アノレタン主人公)とPS2闇のロ兄印(ラノレフ)をやるといいと思うよ!
萌え抜きでゲームとしてだけ見ても良ゲーなのでお薦め!(´∀`)
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| マヅレンジャー、アフロ×バイザー追悼。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ほんのり魚総攻め風味かもねー
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ フウミカモネー
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
神/々/の/谷には、普段の陰鬱な雰囲気とはまた違う重苦しい沈黙が広がっていた。
理由の一つは二/極/神の一柱、卜゙レイクが倒されたことであり、もう一つはその戦いにもう一柱の極/神、
スレイプ二ノレを参戦させたことによる、三/賢/神の夕゙ゴンとスフィン楠の対立だった。
「ねえ夕゙ゴン、でもさあホントに戒/律破っちゃって良かったの?」
Yバ一ンがまるで雑談でもしているような口調でさらっと話を振ると、
夕゙ゴンに横目で睨むような目線を投げつけられる。
「いや、別に僕は文句なんかないけどね。でもスフィン楠がちょっと可哀想かなって」
ねえ、と隣にいるティ夕一ンにも同意を求めるが、彼は否定も肯定もしなかった。
Yバ一ンも慣れているのか、別に気にせずに話を続ける。
「それにさあ、ン・魔の魂抱えてるっていっても、たかが天/空/聖/者でしょ?
あそこまでしておびき出すことなかったんじゃないかな」
「その天/空/聖/者の弟子と子供たちに、どれだけの冥/府/神が倒されたと思っている。
子供たちは天/空/聖/者ですらない、ただの魔/法/使/いなんだぞ」
「うーん、それ言われちゃうとねえ」
Yバ一ンが口を噤み、夕゙ゴンも次の言葉を発しなかったため、場が一瞬静まり返る。
それまで会話に加わっていなかったティ夕一ンが、ここでようやく口を開いた。
「どうした、気になることでもあるのか」
「ブレイジェノレの奴め、我ら冥/府/神は奴らに勝てない、などと戯言を」
「勝てない? 何で」
質問をしたYバ一ンには目を向けず、遠くの、別の誰かを探すような目で夕゙ゴンは答えた。
「勇気を持たぬ我らは、奴ら魔/法/使/いに勝つことはない、と」
「へえ、天/空/聖/者も冗談なんて言うんだ」
さも愉快そうにYバ一ンが笑う。
「勇気ねえ、あはは、バッカじゃないの。そう思うよね、ティ夕一ン」
しかし、今度も返事は返ってこなかった。Yバ一ンがややうんざりした声を出す。
「またダンマリ?」
そして夕゙ゴンはといえば、じっと押し黙り、完全に自分の思考にふけっている。
「あれ、そういえばスレイプ二ノレは?」
Yバ一ンの問いに、ようやくティ夕一ンから返答があった。
「知らん」
一瞬のことだった。
ティ夕一ンは、ようやく全てが終わるのだという安堵感に気を抜き、
自分にそんなものがあったのだと初めて知った温かい気持ちに浸っていた。
だが、それは不意に現れた夕゙ゴンに断ち切られた。
「あと一歩だったな。だが、追いかけっこもこれで終わりだ」
槍で腹を貫かれ、崩れ落ちた身体を踏みにじられる。
「時は来た。今こそ絶/対/神ン・魔復活の時!」
その言葉と共に、身体に槍が振り下ろされる。
だが、一瞬、その動きが鈍り、ティ夕一ンはいぶかしんだ。
同情などするわけがない、そんな男でないことはよく知っている。
そもそも自分が死ななければン・魔は転生しないのだ。
「Yバ一ンが倒されたか」
Yバ一ン。
ティ夕一ンは自分に向けられた、彼の憎しみのこもった攻撃を思い返す。
裏切る形にはなったが、ティ夕一ンにとってはかつての仲間であり、
神として生きる長い時間を過ごした同士でもあった。
積極的に戦う気にはなれなかったし、ましてや彼に倒れてほしいなどとはティ夕一ンには思えなかった。
「最後まで役に立たない奴だったな」
冷たくそう言い放つと夕゙ゴンはティ夕一ンの傷口を広げるように槍を突き立てる。
「お前のことは、それなりに買っていた」
夕゙ゴンの声が、少しずつ遠くなっていく。
「お前を失うのは残念だ。だが、お前の肉体は絶/対/神ン・魔として再び我らと共にある」
身体の中で炎が燃えているようだった。それが燃え広がり、内部から全身を舐め尽くしていく。
だが、その炎は焼き尽くすのではなく、冷たく全身を凍らせていくようだった。
力が抜けていき、ティ夕一ンの身体が冥/府/神本来の巨大な姿へと戻っていく。
見下ろす視界の先に、芳華の姿があった。
その表情はティ夕一ンには形容できないものだったが、まるでひどい痛みを与えられたような顔をしている。
隣にいる牧人も同様だった。
ホウ力。
オ二イチャン。
支えることが出来なくて、すまない。
彼らを見ているとティ夕一ンもまた、ひどい痛みを、身体の内部からン・魔に与えられているのとは違う、
静かに、奥深い何かを締め付けられるような痛みを、苦痛を感じた。
そして、視界の端に何かが激しく燃え上がったような地面の跡を認める。
あれがお前なのか、Yバ一ン。
ン・魔の魂に侵食されていくにしたがって、夕゙ゴンに刺された傷と共にYバ一ンがつけた傷も広がっていく。
だが、その痛みよりももっともっと、奥深い部分が痛む。
お前は信じないかもしれないが、俺はお前の話を聞くことが嫌いではなかった。
お前といる時間が嫌いではなかった。
お前のことが、嫌いではなかった。
薄暗い神/々/の/谷でYバ一ンの話に耳を傾けている時、ティ夕一ンはふと、このまま裁/き/の/石/板が光らず、
神/罰/執/行/神が選ばれず、ただ静かに過ごす、こんな時間が続けばいいと思うことがあった。
それは、冥/府/神としての使命を完全に否定する願いだった。
思えば、あの時から俺がこうなることは決まっていたのかもしれない。
傷痕から這い出してきたン・魔の魂がティ夕一ンの身体を覆いつくし、ティ夕一ンである部分を剥ぎ取って、
今、まさに成り代わろうとしている。
暗くなっていく視界の中、薄らと見える芳香の目に、水のようなものが湛えられているのをティ夕一ンは見た。
それは何なんだ、ホウ力。
ン・魔の魂を押さえ込もうとするが、もはやそれは抵抗にすらならなかった。
もう、俺はお前やオ二イチャンから教わることは出来ない。
だが、俺は知っている。絶/対/神ン・魔が蘇ろうとも、いずれ地/底/冥/府は滅びるだろうということを。
いつかの夕゙ゴンの言葉が、ふと脳裏に浮かぶ。
『勇気を持たぬ我らは奴ら魔/法/使/いに勝つことはない、と』
ホウ力、オ二イチャン、お前たちの父親は正しい。
俺たちには支えあう勇気がなかった。神として長い長い時を生きながら、それを知ることがなかった。
握り締め、重ねられた二人の手の感触が、食い尽くされていく肉体の最後の部分に残っていた。
温かかった、あの子犬のように。
『握手すると、友達になれるんだよ』
俺は、共に時を過ごした者たちの手がどんなものかも知らなかった。
手を伸ばしたい、と最後の意識でティ夕一ンは願う。
相手に手を差し伸べる勇気。
その手を取る勇気。
大切なものは、必要なものは、ただそれだけだったというのに。
熱い、とYバ一ンは感じていた。
業火で焼き尽くされ、もはや肉体は灰燼に帰したはずなのに、
それでも消えかかる寸前の魂が最後まで苦痛を訴える。
そして、苦痛はブレイジェノレによる炎のためだけではなかった。
夕゙ゴン、僕はそれほどバカじゃない。君が、僕を信頼してなかったことなんて気付いてた。
『信頼しているぞ、Yバ一ン』
嘘つき。
だがそれは、夕゙ゴンの冷酷さへの怒りではない。むしろ、その冷たさ、強さこそ
Yバ一ンが夕゙ゴンに惹かれていた部分だった。
君の頭の中にいるのは自分自身とン・魔だけだ。
それから。
身体を包んだ炎よりも熱い憎悪が、焼き尽くされた身体を更に苛む。
最後、Yバ一ンは夕゙ゴンの命令を無視してブレイジェノレへと立ち向かっていった。
どうしても、目の前の天/空/聖/者への憎しみを晴らさなくては気がすまなかった。
お前と、その血を引く者たちが僕から何もかも奪っていったんだ。
だが怒りに駆り立てられながら、何を奪われたのか、Yバ一ンは、はっきりと判ってはいなかった。
ただ目の前の男を、ブレイジェノレとそれに関わる全てを消し去りたかった。
たかが天/空/聖/者だと、Yバ一ンは軽んじていた。だからこそ、以前してやられた時の屈辱を忘れられなかった。
だが、その力は圧倒的だった。そんな力が神でない身の彼のどこに秘められているというのか、
Yバ一ンにはとうてい信じられなかったし、敗北など認められなかった。
『嘘だ……こんなの……信じない……!』
その言葉を最後にYバ一ンは炎に包まれた。
いったい、何で。
その答えのようなものを、かつてYバーンは聞いたような気がするのだが、思い出すことが出来なかった。
面白くない。
その時、目の前に立つ影をYバ一ンの意識は認めた。
笑いにでも来たのかい。
だが肉体を失ったYバ一ンの問いかけは声にならなかった。
そして、万が一声になっていたとしても、相手が返事をする可能性が低いことをYバ一ンは知っていた。
影が、Yバ一ンに向けて動く。それは彼にとって見覚えのない仕草だった。
何だい、それ。
返答はないままだ。
その手を取れっていうの。
Yバ一ンは消え去ろうとしている意識下で、もしもまだ肉体があったのならどうしただろう、と考え、答えを決めた。
いいよ。
失われた身体で、それでも手を伸ばそうとする。
お前を捕まえるという望みだけは、最後にこうして叶ったわけか。
完全に魂が消え、無に帰して行くからか、Yバ一ンの苦痛も薄れて消えていく。その寸前に、名を呼んだ。
ティ夕一ン。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ちょっとは追悼になったかな…
| | | | ピッ (・∀・ )
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| 最勇気おっしょさんと猿の話
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 今日の放送のあとの話だってさ
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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うれしかった。夢であっても、いや、夢だったからこそ母は私にとって美しく、
優しく、望むままの姿で現れたのだ。
静かに折り紙を続けるその白い指を、永遠に見ていたいと思った。
優しい声で、自分の名前を何回でも呼んで欲しかった。
修行が足りない。そう皆には言ったけれど、今眠るこのひと時ならば
思い出しても、罪にはならないだろう。
思うときに、母は何度でも私の心に蘇るのだから。
ハ"クから逃れ、原状達一行はその日の夜を過ごすために宿を取って
皆布団に入っている時刻だった。
原状は、横になってそれぞれに寝言を呟く仲間を見てそっと笑う。
もはやハ"クが見せた夢の事など忘れているようだ。
その様子に安心して今までそうしていたように顔を窓へと向ける。
――――あぁ、綺麗な月夜だ。明日もきっと、晴れてくれる。
原状はそう思いながら、自分の顔を月光に当てていた。と、
239 :
2/5:2006/01/24(火) 01:36:45 ID:09dxzM7K
「…おっしょさん」
「ご…っくう、どうしました。眠れないんですか」
いきなりの声かけに驚き、原状は相手の顔をマジマジと見てしまう。
対する後空も眠った様子もなく目をしっかりと見開いて原状を見ている。
そしてしばらく眉を顰めるように顔をしかめたあと、眠るものを起こさぬようにか、
小声であーとか、うーとか、唸りながら何かを言いあぐねている。
「…眠れない」
「そうでしょうね、あれだけ昼寝したんですから」
ハ"クの屋敷で一睡もできなかった後空はそのあと、また昼間に爆睡してしまったのだった。
原状もなんどか起こそうとはしたが、決して動かなかった為、
結局著八回と差五条にかわるがわる引きずられるようにして移動してきたのだ。
「いけない事です。規則正しい生活をしなくては健康な体で過ごせませんよ」
当たり前の事を呆れたように話す原状に、いつもだったら二言ほどは噛み付く後空は
なぜだかじっと俯いたままだった。
「…後空?」
「でも、眠れないし…」
拗ねたようにも聞こえる声に、とうとう原状はため息を押し出す。
「横になって、目を閉じなさい。体を横にするだけでも疲れは取れます」
「…まくらなげ」
「後空、皆眠っています」
「じゃあ、おっしょさんが折ってたやつ」
「…なんです?」
「なんか、おっしょっさんの、か、かーちゃん?…が折ってたやつ。見せて」
「これですか?」
240 :
3/5:2006/01/24(火) 01:37:26 ID:09dxzM7K
そう言って原状が懐から出したのは人を模した折り紙だった。
自分がハ"クに現実を食われたときに、夢として出てきた母はそれこそ幾つもの折り紙を作ってくれた。
しかし結局残ったのは自分が折ったこれ一つだけだったのだ。
それを後空に見せると、初めて見る折り紙に興味があったようで「こんなんなってんだー…」と
面白そうにひっくり返したり逆さにしたりしている。まるで子供だ。
と原状はほほえましい気持ちでそれを眺めていたが、後空はぴた、と動きを止めてしまう。
「ど、どうしました、後空」
「おっしょさん…なんか、まっ平らの紙になったー」
後空は折った所を一つずつ広げて見ていたのだった。そしてそれを原状が咎めるはずもないのに、
しまったという顔をして原状を見ている。
「いいんですよ、後空。もう一度折ればいいんですから」
「折って折って!どんな風にするのか見てぇー!」
「静かに!後空」
「…あい」
いつもより殊勝なその声に苦笑いを漏らし、原状は膝の上で綺麗に紙を広げて均す。
そしてゆっくりと、指を動かして紙を折りたたみ始めた。
後空は感心したり神妙な顔で覗き込んだりとひと時も目を離さない。紙を折る、僅かな音だけがそこにあった。
「…なんか、似てる」
「何がです?」
時間を忘れて集中していた原状は、また後空の言葉に驚いて顔を上げる。
驚いた原状に、後空も驚いたようで、二人で目を開いてお互いを見る。
241 :
4/5:2006/01/24(火) 01:37:58 ID:09dxzM7K
「おっしょさん、かあちゃんに、似てるな」
「親子ですからね。似ていますよ」
「鼻とか、指とか」
「そうですか。嬉しいですね」
「おっしょさん、本当はかーちゃんのとこにいたかった?」
「後空…?」
「…なんかよく、わかんねぇけどさ。あんなに嬉しそうなおっしょさん初めて見た」
原状は指を止めて、後空を見る。明日に生きる、と言って夢の中で幸せだった人たちを過酷な現実に戻した後空が。
「いいえ、…おまえも言ったでしょう。私も、明日に生きるためにここにいるのですよ。
母は私の心にいます。いつでも会えます」
「死んだやつが、心にいるのか?」
「えぇ」
「それってさ…に、んげんとかだったら、分かるのか?」
「そうですね…人間なら、誰でも心の中に愛しい人を抱いているのかもしれません」
「ふぅん」
「後空にも、いつか分かりますよ」
「そっか」
いつか分かる、と原状が言うと、後空は唇の両端を上げて笑う。
それにつられて、原状も微笑み返す。
「おっしょさんのかあちゃんて、優しいんだろ」
「えぇ、優しかったですよ」
「だろうな、おっしょさんに似てるんだもんな」
不意打ちの一言に、原状は、ぎゅうと、胸が絞られる思いだった。
自分が母に似ていると、あの白い指も細い鼻梁も。そしてその、心さえ。
242 :
5/5:2006/01/24(火) 01:38:44 ID:09dxzM7K
「うっわ!なんだよおっしょさん!泣くなって!えぇ〜!どうして!俺今おかしいこと言ったぁ?」
ぽろ、と瞳から涙が出た。しかし原状は微笑んだままだった。
「いいんです、後空。悲しいわけではありません」
「はぁ?悲しくないのに涙が出んのか?」
「えぇ、人間なら。悲しくなくても、痛くなくても、涙が出るんですよ」
涙はたった数適しか落ちなかった。頬を拭い、後空を見ると不思議そうな表情でこちらをうかがっている。
「さぁ、ほら。折り紙もおしまいですよ。もう眠りましょう」
「眠らねぇ」
「これ」
「おっしょさんが眠るまで見てる」
「後空」
原状から渡された折り紙をマジマジと見ながら、後空はそう言った。
「おっしょさんが寝てから眠る」
「私はすぐ眠りますよ」
「いいからもー!寝ていいよ!」
どうにも話がおかしな方に行っているが、こうと決めた後空がテコでも動かないと
知っている原状は諦めてその身を横たえる。
「後空、おやすみ」
「はい!」
威勢良く返事をして、後空は笑った。
そうして、原状もやはり笑った。
それは、後空が見た、母親と一緒にいた時の現状の笑顔と同じものだった。
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| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 今日初見で萌えまくった。勢いのみだが私は謝らない。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>229 うわーーーーん、姐さん泣けるよーーーー!!!
萌えたけど、すっごい萌えたけど
それ以上にめっちゃ切ない・・・・・
アフロくん・・・・・・・゚・(つД`)・゚・
>>237 うわあ、ははははは禿萌え…!!凄い萌え…!!
そしてなんかちょっと泣けてきたよ…。
母親とか心とか、その辺の概念よくわかってないけど、とにかくおっしょさんが悲しいと
悲しいし嬉しいと嬉しいんだね猿…。ひたすらGJです(*´Д`)
>237
謝らなくていいYO!gjgj!!
私も昨日やっとまともに見て不覚にも萌えまくった。
見事に彼らの声・ビズアルで脳内上映されました。
お蔭で補完できた。良質な萌えを有難う。
きゅーんとしたよ。後空かわいいよ後空
>>237 GJ…!!。・゚・(ノД`)・゚・。
読みながらあの2人の口調まんまで脳内再生されたよ…!!
猿かわいいよ猿。おっしょさん素敵だよおっしょさん。
いいもの読ませてもらいました、乙でした!
248 :
247:2006/01/24(火) 02:54:09 ID:NHFpaX+g
ちんたら書いてたら内容が被ってしまった…
>246姐さん、申し訳ないorz
>>229-236 前回のアフロ×バイザーと同じ人かな?そうでなくても、有り難う!貴方の文に涙が出ました。
すれ違いだった2人が元の空気に戻ったよ。
Yバーンの先にはいつもTターンが黙って待ってる、もうそんな空気。
Tターン側の気持ちも補完されてて良かった、ほんと良かった。
しかも最後の最後は泣かずにいられませんでした
握手したら友達になれるんだ…! 。・゚・(ノД`)・゚・。
捨てアド晒して話がしたい位だよもう!感謝してます!本当にありがとう!
アフロ×バイザー愛が止まらない!描くよ
>229さん>249さん
自分も仲間に入れてください!
こないだの放送で萌えてるんだかヘコんでるんだか
解らないくらい動揺してたんだけど229さんのおかげで救われた気分です。
本当にこれ放送されてたんじゃないかな…!とすら思います。
月並みな感想しか言えないけれど有難うございます!!!!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 利簿ーンの野球少年と風紀委員長。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 今週号見た勢いダケ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ダケ!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
253 :
1/7:2006/01/24(火) 16:37:11 ID:btxlmYVK
「そんなの知らないよ。寝てたから」
「ハハハハ、ありえねー!今日、試合だって言ったじゃん!
来てねーならわかるけどよー、何で学校来てんのに寝てんだよ!?」
けらけらと笑う君。泥の付いたユニフォームが、眩しい。
「活躍できたの」
「あったりまえじゃん!大勝利!オレ、ホームラン打ったんだぜ!」
「へえ」
気のない素振り。
君は、無理やり僕の居場所へ割って入ってきた侵入者。
あんなに傷つけて痛めつけてやったのに、それでも僕から目を逸らさないで、
いつも笑って手を振って、駆け寄ってくる君。
──覚悟の無い人は境界線からこっちへは入ってこないでください。
254 :
2/7:2006/01/24(火) 16:38:09 ID:btxlmYVK
「おまえの反応つまんねー。……あ!そっか、生で見てねーからだな。
うん、そーに決まってらー!なぁ、今度の試合はちゃんと見ろよ?」
勝手な解釈で納得すると、次もホームラン打つからさ、と君は白い歯を見せる。
どうして君はそうやって笑うのかな。
痛みしか与えていない僕に、
対抗意識も嫌悪も見せず、媚でもないその笑顔は何なのかな。
「何か勘違いしているみたいだけど」
「っへ?何?」
「僕は風紀委員の仕事を片付けに来ただけだ」
「嘘つけ、寝てただけだろ!」
「…うるさい」
「ハハハ、やっぱおまえっておもしれー!」
「そんなに黙らせられたいの」
「わっ、トンファーはナシナシ!」
わざとらしくトンファーを避ける振りをする君に、僕は振るう気もない武器を構える。
255 :
3/7:2006/01/24(火) 16:40:46 ID:btxlmYVK
僕は知っている。
君が以前、この場所へ日に何度も何度も訪れていた事。
この場所は君が来る前から、ずっと僕の居場所でもあったから。
『一年坊主が屋上のフェンスから落ちたそうです。
フェンスが傷んでいた事が原因の事故らしいですが』
──違う。
僕は知っている。あれは事故なんかじゃない。
君の中身はそんな単純な物じゃない。
256 :
4/7:2006/01/24(火) 16:42:32 ID:btxlmYVK
「ヒバ、リ?」
不安げな瞳。僕が黙ると、いつもそう。
「野球部の勝利と、ついでに君のホームラン。報告は確かに聞いた。
もう用は済んだだろ。それとも何かまだある?」
「……」
誰にでも笑うくせに、本気で突き放そうとすると、
そうやって君の瞳は完全に色を失くす。
──覚悟の無い人は境界線からこっちへは入ってこないでください。
──覚悟を持ったなら、こっちへ来て、全部受け止めてください。
「…冗談だよ。僕の側に居たいなら、居れば」
「なんだよその言い草ー…っ」
何も言わずに抱き締めた。
ユニフォーム姿の君に触れるつもりは無かったんだ。
鎧をまとっているからこそ、
儚げで繊細な君の中身がいつもよりずっと浮き彫りになって、
僕の嗜虐心と内にある警戒心を刺激して止まない。
君をどうしてしまうか分からない。
257 :
5/7:2006/01/24(火) 16:46:12 ID:btxlmYVK
君の唇が僕の髪に降りる。
僕は抵抗しない。
君の指が僕の髪をぎこちなく梳く。
精一杯僕を促す君の動き。
僕はそれを一つ一つしっかり受け止め、
やにわに顔を上げると切なげな君の頬にようやく口付けた。
「雲 雀…」
「何」
「好きだぜ」
返事の代わりに唇で応える。君の瞳の色が揺らぐ。
そこに映っているのは僕だけ。
キスの意味なんて知らない。ただ君とこうしていると暖かい。
258 :
6/7:2006/01/24(火) 16:49:13 ID:btxlmYVK
「君って変わってるよね」
「うわ、お前には言われたくねー!」
君を抱き締めるのが好き。
君の広い胸で、長い腕で強く抱き締められるのも、好き。
君の本当の笑顔が好き。
君を困らせるのが好き。
君のずれた所もイラつくけれど好き。
君の唇の熱さも、時に理由も無く僕を求める強引さも本当は好き。
君の全部が好き。
そんな事絶対に口にはしないけれど。
259 :
7/7:2006/01/24(火) 16:51:13 ID:btxlmYVK
「ホームランのごほうび」と言い訳を作ってから、
もうひとつキスを追加する。本当は、理由なんて無い。
「…委員会の仕事、そろそろ手をつけないと」
「そーだったな。わりー、忙しーとこ邪魔して。そろそろ帰るわ」
「お疲れ様」
「うん、会ってくれてありがと。またな!」
君の笑顔がいつもの色に戻っている事をしっかり確認してから、
未練なんて無いかの様に、振り返りもせず君を見送る。
『…委員長』
「待たせたね。今から行くよ」
制服の襟元を軽く整え、声の主を振り返る。タイミングの良さには敢えて目を瞑って──。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ これダケかよ!
| | | | ピッ (・∀・;)
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>260
元ネタ知らんけどなんかスキダ。モエス。
>>196 かなり遅くなりましたが、姐さんGJGJGJ!!
二人とも可愛らしくて萌えました(*´Д`)
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・;)ハツトウコウデドキドキダヨ・・・
ゲ仁ンであるロ/ザ/ンの須賀×氏です。氏視点。マイナー・・・
注、ギャグです。須賀さんがえらいことになってます。
収録終わり、楽屋にて。
独特のまったり感に包まれながら、机の上のぬるくなった烏龍茶を飲む。
そして携帯のディスプレイをチェック。
着信は・・・無いか。何か寂しいもんやなぁ。
ため息をついて読みかけの雑誌を捲った所で、俺は背後から不穏なオーラを感じた。
恐る恐る振りかえればそこには…
「氏、おつかれー」
やはりそうだ。可愛い顔(俺はそうとは思えんけど)して悪魔、須賀ちゃんだ。
笑顔で俺に話し掛けてるけど、あのう、目笑ってませんよ。
というかどうやって音も無く楽屋に入って来たんですか。
疑問が膨らむ中、とりあえず挨拶を返す。
「おぅお疲れさん」
「うん。まぁ、そんなことはええんやけど」
…何やこの不吉な予感。
何故か心搏数が上がる自分に、大丈夫や(何が、かは知らん)と自己暗示をかける。
因みに、この自己暗示が効いたことは全く無い。
「何やねん?」
「いやなぁ…お前ってピンク似合うんやなぁ思うて」
言われてふと自分の服を見る。
須賀の言う通り、俺は淡いピンク色のニットを着ていた。
衣装さんが用意してくれた服である。
俺的にもっとインテリ系の、スラっとした服を望んどるんやけど。
「はぁ。ありがと…」
「ホンマ似合う。俺のこの手で脱がしたいわぁ」
リバイバル上映万歳!!と叫びながら、
ふと、現ジャンルの飛翔再生キャラたちを、この有名な物語の登場人物たちに当てはめていました。
スレではくのはすれ違いだし、サイトではくにはちょっとネタがコア過ぎるような…
失礼ながらここでこっそり上映させていただきます。
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| | > PLAY. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
須賀が俺の口先だけのお礼を遮って言った言葉は、俺の全身の鳥肌をたたすのに十分やった。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!
顔が強張る。多分今の俺の顔はとてつもなくブッサイクだろう。
…じょっ冗談やんな!あぁ、そうだ。そうに違いない。
よしツッコもう、いつもの様に。
ガンバレ俺ガンバレ俺。京大卒の威厳を見せろ!(?)
「なっ何言うてんねん!」
「何て、思ったこと。その首元が開いてんのが余計にムラムラするわぁ」
何か企んでいる、悪魔のような笑み。
というよりも、『悪魔のような』ではなく、目の前に居るのは悪魔なんや。
青くなっていく(多分なってる)俺の顔。
俺はこの場から逃げ出したくなった。…いや、逃げ出そうとした。
しかし見えない力(魔術か!?)によって体が動かない。
「氏ー、無駄な抵抗はお前らしくないで?」
今俺に自由というものはない、と遠まわしに伝える言葉の直後、
無理やり床の畳に押し倒され、首元に噛み付かれた。
「うおぉっちょっココどこやと!」
「わー、キスマークも服と似とる色するわー。お前はピンクちゃんやね」
俺の制止の声などに力は無く、まったく無視である。
あー・・・この人、いや悪魔は、ココで最後までするんでしょうか。
先のことを考えて、本日何度目か分からないためいきをつく俺に、
須賀はさっきとは違う、心からの完璧な笑顔を見せた。
誰か助けてくれー!!
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )・・・オソマツサマデシタ
ごごごごごめんなさい・・・・・!!!
明らかな豚ぎりリロミスorz
姉さん、気にせず投下してください…!!
申し訳ありませんでした・・・!
268 :
263:2006/01/25(水) 01:27:14 ID:L7I9csH0
こっこちらこそすみません!!
お気になさらずに・・・!
>>268 姉さん本当スイマセン…orz
では、自分のビデオ再び上映させていただきます。
ジャンルは
>>264の通りで、飛翔再生キャラによる映画パロディです。
カップリングは耶麻比婆、津名利簿。
ちょっと色々無理がありますが、思いついたらどうしても吐き出したくなってしまいました。
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| | > PLAY. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
271 :
1/3:2006/01/25(水) 02:04:13 ID:1JeUIuNT
日本の裏世界で名を知られる、美貌の殺し屋雲/雀/恭/弥。
彼は身勝手で傲慢かつ、冷血非情な男だが、その魔性の魅力で数多くの男達を虜にしていた。
そんな彼が、ある日一目見た男の虜になってしまった。男の名はリ/ボ/ー/ン。イタリアの裏世界で名をとどろかせる最強の殺し屋だった。
イタリアの、ボンゴレファミリーの後継者候補を探して日本に来た、という彼に雲/雀は名乗りを上げるが、リ/ボ/ー/ンは雲/雀には目もくれず、悪評ばかりが目立つ未熟な殺し屋沢/田/綱/吉を候補者にすえ、イタリアに帰ってしまう。
絶望にくれ、苛立つ雲/雀の元に、一人の男が現れる。
その名を山/本/武。
ちょうど若くしてボン/ゴレファミリーの幹部になった男として、山本はイタリアのマフィア界でその名を知られはじめていた。
彼は雲/雀をイタリアへと誘い、雲/雀はそれに応じてついていく。
無論、リ/ボー/ンを追うために。
誰の瞳にも魅力的に映る反面、気ままでつかみ所のない男、山/本は、一見対照的なようで雲/雀とよく似ていた。
二人は多くの人に囲まれながらも、実は孤独を友とする男だったのである。
似たもの同士の二人はやがて惹かれあいながらも反発する。
272 :
1/3:2006/01/25(水) 02:06:30 ID:1JeUIuNT
そんな頃、マフィア間の大規模な抗争が勃発。
イタリアに来てから結局どこのファミリーにも属さなかった雲/雀は自分の身を守るため、各地のファミリーを転々とし、裏切りを重ねるように。
当然、彼の信用はがた落ち。
いつ雲/雀が殺されてもおかしくない状況にまでなったところで、山/本は彼に声をかける。
「自分のファミリーに入らないか?」
雲/雀は今でもリボーンのことが忘れられず、どこのファミリーにも属せずにいたのだが、迷った末その誘いに応じる。
ボン/ゴレの一員となった雲/雀は、やがて山/本と付き合うように。
しかし、マフィア間の抗争が収まり平和になり始めると同時に、二人の仲には不穏な影が忍び寄る。
平和な暮らしの中で、雲/雀は再び、今度は同じファミリーとなったリボ/ーンへの思いを募らせはじめていた。
ある日雲/雀はついに、沢/田を殺して僕を跡継ぎにしてくれ、とリボ/ーンに迫る。
即座に制裁を加えられ、雲/雀は三日三晩生死の境を彷徨う。
その間、命を狙われたみにもかかわらず沢/田は雲/雀の手を握り、懇親な看病を続ける。
「こんなやつ、放っておけ」
「何を言うんだ、そんな事出来ないよ!死なないで、雲/雀さん…!」
ベッドで聞いた沢/田の声に、何故自分がリ/ボー/ンに跡継ぎには選ばれなかったのかを悟る雲/雀。
沢/田の優しさも強さも雲/雀には無いものだった。
同時に雲/雀は、山/本が看病にこないことにショックを受け、傷がいえッドから立ち上がれるようになるとすぐに山/本の姿を探す。
273 :
3/3:2006/01/25(水) 02:08:07 ID:1JeUIuNT
しかし見つけた山/本は雲/雀の元から去ろうとしているところだった。
「どこに行くの、山/本」
「俺の故郷だ。あんたは知らないよ」
「僕も連れて行ってくれ」
「駄目だ。あんたは結局俺を好きにはならなかったんだ。もう俺は疲れたよ。あんたのことを忘れて、ひっそりと生きたいんだ」
「君に置いていかれたら、僕はどうしたらいいんだ」
「残念だが先輩、もう俺の知ったこっちゃない」
山/本はいっこうに雲/雀の哀願を聞き入れようとはしない。
そのとき雲/雀は自分が山/本が好きだったとようやく気付くのだが、時既に遅く、山/本は雲/雀の元を去っていく。
悲しみに暮れる雲/雀の脳裏に、ある風景が蘇る。
それは、幼少期から少年期までを過ごした、雲/雀の故郷、並/盛の記憶だった。
「(そうだ、並/盛!並/盛へ帰ろう!…並/盛に帰って、草/壁に会って、それから、これからのことを考えよう!…大丈夫、明日にはまた明日の風が吹くんだから!!)」
元ねたはかの名作映画(小説)「風/と/共/に/去/り/ぬ」です。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ムチャトハチッテイル・・・ケドハキダシタカッタンダ・・・・
| | | | ピッ (´Д`;)
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
ありがとうございました。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| O田H朗の短編「イテモタッテモ」 その後
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 今時の編集×ルポライターらしいよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ マイナートカイウレベルジャナイ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ;)
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
276 :
1/4:2006/01/25(水) 03:34:12 ID:p947cHjE
イワムラさんは心配性だ。
初めて見たときはいかにもカタブツそうな人だなあと思ったものだが、
最近では真面目を通り越してビョーキでは無いかと思うくらい心配性が酷かった。
実際後から聞いた話だと、精神科にもかかっていたという話だ。
強迫神経症、とか言うらしい。よく分からないが。
「タバコの火は消したたか」「コンセントは抜いたか」などと仕事の打ち合わせ中に言い出して、
酷いときなど取材相手を放り出して家にすっ飛んで帰ってしまう事もあったそうだ。
挙句の果てに彼の取材したホームレスのワイセツ事件が重なったときなど、
いっそ入院させたほうがいいんじゃないかと思うほどやつれていたものだ。
それが。
「…すごいですねえ」
俺は心からの感嘆を込めてそう言った。
今日はルポライターとその担当編集者が喫茶店で打ち合わせという至って普通の絵面だった。
俺が見ている今日付けのスポーツ新聞にはデカデカと「ルポライター、病院不正を暴く!」と書いてあるが、
ライターであるイワムラさんが記事を書いた訳では無い。
不正を働いた病院院長の車を追跡し、医療廃棄物の不正投棄を暴いた正義のルポライター、
といった趣旨の記事の中で、彼は英雄扱いだった。
277 :
2/4:2006/01/25(水) 03:34:45 ID:p947cHjE
その前にも、ワイセツホームレスを追求したら麻薬の売人だったことで新聞にいい意味で取り沙汰されたばかりのイワムラさんは、
しかし渋いような不機嫌なような微妙な表情でコーヒーをすすっていた。
「ホラ、これとかすごいですよ!『今時珍しい謙虚な若者である。自分の手柄を誇示せず…』」
「キノシタ君、わかった、わかったからもうソレしまってくれ」
恥ずかしそうにイワムラさんが言った。もっと堂々としてりゃーいいのに、何でそんな隠したがるのか。
しぶしぶ新聞を畳みながら、俺はそういえば、とあの話を切り出してやった。
「そうだイワムラさん、あれってどうなったんです?」
「アレ?」
「ほら、しばらく前まで酷かったじゃないスか。何か家が燃えるとかタコ足配線とか、挙句連載の人事僕に任せるとか…」
ああ、とイワムラさんは少し明るい顔をした。
眉間のしわが無くなると年より若く見える。
ここしばらくあんな顔見てなかったもんな、とぼんやり思うと、イワムラさんは口元を緩めてタバコに火をつけた。
「アレな。まあ、改善したよ」
「え?治ったんですか?」
ふう、と慣れた動作で紫煙を吐き出す。
第一印象で禁煙家と決め付けていたが、彼はかなりのヘビースモーカーなのだ。
余談だが、神経質そうな外見と仕事のマメさに反して、部屋は散らかり放題という話も聞いた。
「治ったって言うか、まあ、今は下宿なんだけど」
「げ」
下宿ぅ――思わず声が裏返った。
「うん。学生みたいでオツだろ。賄い付きだぜ」
「ファ、ファックスあります?」
「ああ。やっぱりゲラ郵送じゃあ時間かかるしな」
「そ、そりゃあいいですけど」
278 :
3/4:2006/01/25(水) 03:35:27 ID:p947cHjE
何だって今更、と思った事を正直に口にしてみた。
「やっぱな、タバコの火の不始末が心配で、家空けたく無いんだよな」
「そ、それ本当に症状治ったんですか?ビョーイン行ったって聞きまし…あ」
言ってしまってからしまった、と思った。
本人に聞いた訳じゃなくて他人伝いに聞いたのだし、
第一この意外に野心家のルポライターは自分の弱みが人に知られてるなんて絶対嫌がるだろうし。
「あ、あの」
「ああ、行った行った」
ところが彼は、意に反して楽しそうにさえ見える表情でタバコをもみ消してみせたのだ。
「行って良かったよ。何かスッキリしたし」
それに、と続けて、彼は何かを思い出し笑いするように肩を揺らした。
「うん、その医者がさ――ああ、彼は名医だよ」
楽しそうに笑う顔を見たのは久しぶりで、それはもちろん喜ばしいことなのだけど。
なんだか俺は、少しだけ――その医者に複雑な感情を覚えた。
この人は最近いつでも神経質そうに眉を顰めていて、
ああその、眉間の皺が消えたらこの人もっと可愛いのになあ――と俺は漠然と考えていたのに。
そんな、ぽっと出の精神科医なんかにほだされやがって。
「ん、キノシタ君?どうかしたのか」
「…別に何でも、無いッスけど」
「そろそろ取材の時間だから、帰っていいかな」
279 :
4/4:2006/01/25(水) 03:37:16 ID:p947cHjE
腕時計を確認して席を立った彼の、伝票をとった右腕を思わず掴んでいた。
「あっ、あの」
振り返ったイワムラさんの眉間に皺は無かった。
俺より5つ年上のイワムラさんは、屈託無く笑えば20代にも見える。
無性に腹が立った。
「どうかしたのか?」
「…イワムラさん、俺のお願い2つ聞いてくださいよ」
イワムラさんは目を丸くして俺を見ていた。
「1つめ。取材熱心なのはこっちとしても助かりますけど、あんまり危ない事に首突っ込まないでください」
「だって君、それじゃあジャーナリストとして――」
「2つめ」
俺は彼の手を引いたまま、ぐいと身を乗り出した。
向こうで若いウェイトレスが何事かとこちらを警戒しているのが分かった。
かまうか。こっちはもっと大事な話なんだ。
俺は一つ息を吸い込んで、イワムラさんの目を覗き込んだ。
「下宿はやめて、俺と同棲しましょう」
絶句したイワムラさんの目が、もっと丸くなる。
本気です、と本人に聞こえないように口の中でもごもご言ってから、イワムラさんの手から伝票を奪い取って俺は席を立った。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 編集の年下勢い攻めがいいよ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
281 :
sage:2006/01/25(水) 14:45:59 ID:8pHMqQ3w
凄くほのぼのしていい感じ!
でも本当に12人は大変だな・・・
間違ってあげてしまった。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 極東板、陛下スレより「北の大国大統領×侍従たん」
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 師弟愛萌えで勢いだけ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ 初投稿だゴラア
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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高級感の溢れるホテルの一室。
男はシャワー室から出ると、大きくため息をついた。
どこでもかしこでも、全てに警戒心を抱きながら過ごしている自分がいる。
このホテルは一級国の一流ホテルでセキリュティも完璧だ。
そう頭では理解していても、彼の本能に染み付いた警戒精神は途切れることを知らない。
それは男が受けてきた厳しい訓練の賜物。軍人からありとあらゆる過酷な状況を乗り切って、国のトップにまで上り詰めたのだ。・・・そう、ありとあらゆる手を使って、だ。
ソファに座り込み、柄にもなく自嘲する。これは後悔か?否、そんなものはしない、できない。自分は割り切ったはずだ。悪役になってでも、祖国の繁栄に尽くすのだと。
軽く頭を振り、水でも飲もうと立ち上がった瞬間、ドアベルが鳴った。瞬間的に顔はこわばり、体は警戒の姿勢をとる。
「・・・誰だ?」
ドア越しに問う。もう時間も遅い、ボーイが来たわけではないだろう。
「夜分すみません、師匠。僕です。」
男は、体から一気に力が抜けていくのを感じた。
ドアを開ければそこに居たのは想像どうりの青年。
少しよれたスーツに身を包んだ、痩せ型の彼は男の姿を見るなりはにかんだように微笑む。眼鏡の奥に覗く瞳は聡明だが柔和そのもので、誰が見ても文系の若手役人だ。
しかし彼は確かに文官の役人であるが、裏の顔は自衛隊三軍で三佐待遇を持つ、この国の陛下のかなり特別な侍従者であり、強大な力をもつ陰陽師でもあった。
「君か。こんな夜分にどうしたのかね?」
「はあ、本当はもう少し早めに伺おうと思っていたのですが・・・仕事が長引きまして。」
へらっと笑う彼の姿は随分と幼く見える。確か今年で二十五歳と言っていたが、下手をすれば十代の少年だ。日本人はみなそうだと言うが、彼の場合は格別そう思う。
「まあ、立ち話もなんだ。入りなさい。」
「はい、お邪魔します。」
「本来なら酒でも出すべきなのだろうがね。あいにく何もなくてすまないな。」
「いえ、師匠がお酒嫌いなのは知ってますから。」
「飲めないわけではないのだがな、君もそんなに強くないから、ちょうどいい。」
ロシアンティーを飲みながら他愛もない話をする。知らず知らずのうちに男の表情は緩み、自然な笑みを浮かべていた。
この他国の青年は自分のことを師匠と呼ぶ。
数年前にシベリアでトレーニングをしていた自分につき合わせてくれと申し込んできた日本人。
物好きなやつもいるものだ、とその時は呆れたものだったがその後何度も過酷な訓練を行うたびに、彼は日本からやってきて自分に同行した。
「そういえば・・・」
男は思い出したように呟いた。
「君が私の訓練に付き合っていたのは、君の本意ではなかったそうだね?」
「え?はあ、僕はどうにも周りのヒンシュクを買いやすいものですから・・・」
つまり、彼に腹を立てた周りの人間が、彼を極限の地へと追いやっていたのだという。
「あの訓練はおのれから覚悟を決めて行っても、厳しいものだ。ましてや強制されてやらされていたのなら・・・苦しかったろうに。よく耐えられたものだな。」
「はい、最初は掛け値なしに死ぬかと思いましたし・・・物凄く辛かったです。でも、やはり自分がどんどん鍛えられていくのがわかって、嬉しかったですし。これでまた陛下のお役に立てると感じましたから。」
「陛下の、ね。」
自分でも驚くほど、気分が曇ったのがわかった。もちろん表にはおくびも出さないが。
は陛下のために生きている。これは彼の願いであり、誇りだ。
あの魅力的過ぎる笑顔を持つ、幼い女帝のためならば、彼はためらいなく命を投げ打つだろう。彼女はそんなことを望みはしないだろうが。
それを考えるとどうにも気分が落ち着かない。そして、考えてしまう。彼が自分の国の人間だったならば、と。
それならば彼をいつでも手元においておける。彼は自分の優秀な右腕になるであろう。今は何ヶ月かに一回などという会う機会も格段に増す。
「それに・・・」
彼の言葉の続きでふと我に返る。
「それに・・・何かね?」
自分らしくもない、と思いながら続きを促す。
「・・・師匠がすぐ側にいてくれましたから。訓練中はずっと一緒に居られますから・・・」
辛くないです、と彼は頬を少し染めながら笑った。
・・・年甲斐もなく彼をソファに押し付けると、性急に口付けた。
ほんのり赤かった頬がさらに赤くなる。口を割り開いて巧みに舌を動かせば、細いがしっかりと鍛えられた体がびくりと震えた。
「っはあ・・・あ・・・師匠・・・」
「・・・明日は仕事かね?」
「いえ・・・師匠が来日されていると、聞いていましたから・・・休暇を取ってあります。」
「ならば来るのは明日でもよかっただろう?わざわざこんな夜中に来たのは・・・これを望んでいたからかね?」
「なっ・・・違いますよ!」
「そうか、ならば今夜はキスだけにしておくか?」
「・・・・・・師匠の意地悪。」
「私の性格の悪さは今に始まったことではあるまい。」
そうはいいながらも、すでに手は彼の服を脱がしにかかっている。彼はまだすねた表情のままだが、幾分もたたぬうちに素直になるにちがいない。
なんだかんだいっても、この関係は悪くない。
そんなふうな楽観的な考えも、自分らしくないとは思うが、目の前の彼にはこのうえなく似合っているような気がした。
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| | | | ピッ (・∀・ )
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以上です。お目汚し失礼しました。
あと、
>>287 最初の「彼」がコピーの失敗で抜けてます。すみません。
>>275 ちょっと遅レスだけど、「プールの中」(要英訳)キター!
小説を読み返して萌えを確認したくなったよ。
>>263 GJ!GJ!好きなカポーだから禿萌えしたよ!(*´∀`)ハァハァ…
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| ムゲンダイに溺れて萌えっぱなしだモナー
| A彦&S吾で受け攻め不明
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 書いてある内容はほとんど
| | | | \ 実際にあったことばかり。
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 妄想少な目だゴルァ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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293 :
1/12:2006/01/26(木) 00:07:03 ID:YOB9X0aI
S吾SIDE
良し元芸人同士ばかりなんやかんやでコンビやピン芸人10組以上も集まって
ワイワイ飲み会をしている時だった
オレはあまり酔うこともなく
どんどん悪酔いをしていろんな人に絡んでくる先輩芸人の様子を
内心ビクビクしながらうかがっていた。
上下関係の厳しいこの世界は、売れていようといまいと先に入った方が先輩
「兄さん」「師匠」とまで行かなくとも、先輩の言うことは絶対だ。
高笑いと罵声がどんどん広がってこっちに押し寄せてくる
ふざけ合っている声に愚痴や非難が混じってくる
旗色が悪くなったのは明らかだが、オレたちに逃げることは許されなかった。
「おい!お前ら脱げ!素っ裸で『ブユー伝』やれ」
先輩芸人の一人が言った。
オレらの数年先輩で、NエスC出身の一時期はけっこう売れてたコンビの片割れだ
でも今はオレたちの露出をはるか下回っている・・・
相方の目を見たら、あいつも全然酔っていない風だった。
「いくか?」
「お・・・おう!」
上着を脱ぎ、シャツをまくり上げて首から抜く
そしてズボンに手をかけた時
思い出したくない光景がオレの脳裏にフラッシュバックした。
294 :
2/12:2006/01/26(木) 00:08:11 ID:YOB9X0aI
それは初夏のこと、高校時代の放課後
もうすぐプール開きということで、プールを洗って水を張ることになった。
まだ少し肌寒い信州の6月
オレは背中にイヤな予感を感じながらプールサイドに立った
「おいツンゴ、プールに大きな緋鯉が泳いでいるぜ!誰かが放したんじゃねえのか?
お前捕まえて来いよ。いい値で売れるぜ」
「そんなの居ないよ」
オレは次に来る状況を脳裏に描きながら級友たちを見た
「居るって!いいから覗いて見ろよ!真っ赤な鯉だぜ!」
「居ないって」
そのままプールサイドを離れることも出来た
先生を呼びに行く事だって出来た
だけどオレに残された選択肢は一つ
騙されたフリをしてプールを覗くこと
だってそれがオレのここでの「役割」だから。
295 :
3/12:2006/01/26(木) 00:09:42 ID:YOB9X0aI
オレは別に孤独じゃなかった
クラスで孤立することも無く、登校拒否もせず
成績もまあ、トップクラスだった
女の子の友達もけっこう居た
だけどオレは人気者なんかじゃあない
オレは一部・・・いや大部分の級友たちのオモチャだった
オレよりもドン臭い、いじめられそうな級友は他に何人も居た
だけどターゲットはオレ。いつもオレ。
なぜならオレは打たれ強いから。
いじめで死ぬことも、教師に言いつけてPTAで問題になることもない
オレをいじめても何も起こらない
科学の実験中に火のそばにいるオレに発火性の薬物を投げつけても
アルコールランプをそのまま投げつけても
オレは「ひゃああ」と大げさにリアクションして転がって逃げるだけ
そして曖昧な笑顔で「カンベンしてくださいよ〜」と言うだけ
それでみんなは笑ってくれる
いや、優越感に浸って満足するだけだ
成績のいい、顔のいい、けっこうモテるオレ
それを妬むヤツやに抗う腕力の無いオレは
そうやってヤツらの娯楽になって切り抜けるしかなかった。
296 :
4/12:2006/01/26(木) 00:11:37 ID:YOB9X0aI
みんなと離れ、そういういじめから逃げまくることは出来なくはない。
だけどオレにはそんな強い心は無い。
人並みに高校の行事に参加し、思い出を作り
みんなと並んで卒業アルバムに写真を残したかった。
大学に行ったらこの町をきっと出る。
だけどこの町を捨てることなんか出来ない。大切な思い出のある町
これから一生どこに行っても帰ってくることの出来る町で居て欲しい
だからオレはみんなに合わせて、ワルフザケの餌食にもなる
度を越すそれらは、傍目には耐えられないいじめに見えるかも知れないけど
オレは平気だ。みんなが笑ってくれるんだ
それが嘲笑で有っても侮蔑であっても
オレはそれでここに居場所が出来るんだから・・
プールを覗き込んだオレの後頭部を誰かがつかんだ
同時に足払いをかけられ体が宙に浮いた
ザッパーン!
冷たい汚い水の中に沈みながら、オレは一瞬息を止めた
ここはもう別世界。静かで冷たいオレしか居ない世界
空気を求めて水面に浮かんだら、そこはまた元の世界
みんなの笑い声と怒号がオレを待ってる
このままもう、浮かび上がるのはよそうかとふと思った
沈んでいく体・・・プールの底は水草がいっぱいで
この世とは思えない、静まり返った死の世界だ
それがオレを呼んでいる・・・
297 :
5/12:2006/01/26(木) 00:13:02 ID:YOB9X0aI
A彦SIDE
「早く脱げよ!良し元イチの売れっ子芸人さんよ!」
そんな声がオレたちを取り巻く
相方は動きが止まったまま顔面が蒼白だ。
オレも心臓がバクバクしている。
酒に酔った勢いとはいえ、野蛮で野卑で淫猥な空気に満ちた状況
オレたちに逃げ道なんか無い。
オレは耳を塞ぎたい気分だった
あの時のように、心を閉ざしてしまいたい
誰の言葉も聞かず、何も見ず
そして自分を中を誰かに見せることもなく
クールにふるまう・・・というより空気のように気配さえ消して
全く関わり合いを持たずに過ごしたあの教室
そして春が過ぎ夏が来て秋になっても
オレはどんな思い出も胸に刻みはしなかった
級友たちの顔は誰一人覚えていない。オレの顔もまた
誰からも覚えられずに終わっていった3年・・・そしてまた3年
なぜオレはあんなに頑なだったんだろう
なぜオレはあの時誰も見つけられなかったんだろう
この相方みたいな存在を・・・級友たちの中に。
298 :
6/12:2006/01/26(木) 00:15:42 ID:YOB9X0aI
修学旅行を途中でバックレた。
そう言ったらカッコイイが本当はいたたまれなかった。
グループごとに行動し、仲良く観光地を散策する
笑顔でつむぐ思い出作り
オレは少し人数が少なかった大人しめのグループの中に入れられた
それでもオレ以外は互いに言葉を交わし、いろいろと楽しげな計画を立てていた
オレは「テキトーに決めていいよ」と言ったきり難しい本に目を落とした
その中に心を沈めると教室の喧騒も、観光地の風と光も感じない
たった一人で違う世界に閉じこもる。ここが京都だろうと世界の果てだろうと。
ふと、ものすごい寂寥感に襲われて、奈良公園のベンチを立ち上がった。
「オレちょっと行くとこあるから。宿には夜帰るから」
そう一人に伝えてオレは公園を後にした。
奈良を離れて電車で高●へ
あっという間に電車はその町に着いた。
299 :
7/12:2006/01/26(木) 00:16:43 ID:YOB9X0aI
「小せえなあ」
オレはため息をついた。
駅からすごく離れていたはずの小学校
広々とした商店街も、遊びまくった公園も
何もかもミニチュアみたいに狭かった。小さかった。
そしてオレが小学校4年くらいの時必死で登っていた神社の大木は
今なら足をヒョイとかけて1分以内に登れそうだった。
オレの体重を支えられるかわかんないくらいその木は細かった。
「こんな町・・・ずっと住んでいたら何も変わらなかっただろうな」
当たり前のように少しずつ成長して行ったら、
町もいきなり小さくはならなかったろう。
そしてこの町の言葉はオレの体にしみついて
一生何の違和感もなくしゃべって来れただろう
大学に入ってこの町を離れても
その言葉はオレの誇りになっていただろう
今のオレにはそれは無い
小さい頃からずっと一緒だった友達も居ない
この町に有ったはずのキラキラした思い出も消えてしまった
今のオレには何も無い
300 :
8/12:2006/01/26(木) 00:17:54 ID:YOB9X0aI
完全な孤独に何年も耐えてきたはずのオレの心は
その時急に折れそうに歪んだ
ぐっとこらえて町を見下ろすと
いつか嗅いだ懐かしい風の香りが鼻孔に入って来た
山口にもあった。千葉にもあった
こんなありふれた神社はどこにでもあった。
だけどオレの思い出はここにしか見つからなかった。
生まれた町の・・・小さなノスタルジーの香り。
ここに居続けられたら・・・みんなと居られたら・・・
ここの言葉を忘れたりしなかったら・・・
301 :
9/12:2006/01/26(木) 00:20:22 ID:YOB9X0aI
相方がはじめてオレに声をかけてきた時
人なつこい笑顔が言葉より先にオレの心に届いた
大学では誰もオレの事を知らない
だから今までの自分を捨てて、明るく楽しく青春しようと思ってたのに
長年硬く凝り固まった心はなかなか開くことは出来なかった
サークルに合コン
派手な服を着てもヒゲを伸ばしても
やっぱりオレはオレでしか無かった
お笑い芸人のラジオ番組をウォークマンで繰り返し聞く
クククと一人で笑ってみても
ネタを書いてみたノートを繰り返し読んでも
誰ともこの楽しさを共有出来なかった
だけど・・・オレはバイト先ではじめてお笑い好きなコイツに出会った
コイツは誰にでも調子よく合わせることが出来るヤツみたいだから
本当はオレの好きなものにそんなに興味は無かったのかも知れない
だけどアイツは笑ってくれた。オレのネタに「これいいよ!」と目を輝かせてくれた
信じられないことだったけど、信じたいと思った
あの人なつこい笑顔と甲高い笑い声
ただのチャラ男に見えるけど、オレの事気遣ってくれていた
もういいや、甘えちまえ!
オレはこいつをオレに徹底的につき合わせることに決めた。
たとえ迷惑でも知るもんか!オレはコイツが気に入ったんだから。
302 :
10/12:2006/01/26(木) 00:22:05 ID:YOB9X0aI
二人で入ったお笑いの道。
いくらつきあいのいいヤツでも、せっかく良い学校を出たアイツに
オレのドロップアウトにつきあえとは言いにくかった。
だけど楽しすぎたから
二人で作った思い出が輝きすぎたから
オレは永遠にこの時間を手放したくないと感じた
「一生一緒に居てくれや」
そんなクサいセリフは無かったけど
相方は笑顔でNSCの入学願書をもらって来てくれた。
303 :
11/12:2006/01/26(木) 00:32:13 ID:YOB9X0aI
二人で一緒に居たいから
二人で笑っていたいから
どこまで行けるかわからないけど
あいつの手を取って逃げるように走って来た
あいつと居ると今まで誰に対しても無関心だったオレの心が
スポンジのように喜びを吸い取って膨らんで来る
幸せすぎて 稽古の辛さなんか感じなかった
幸せすぎて ネタは次から次へと沸いてきた
「面白いよそれ!天才だよアッチャソ!」
無邪気に笑いコケるあいつがオレに勇気を与えてくれた
たった一人のオレの親友
そして一生手放したくないオレの相方
この感動を心から味わうためだけに
オレは今までずっと目をつぶってきたんだ
偽りの友情とか
ウソッパチな青春とか
クラスメイトや学校行事なんて今この瞬間の充実感に比べたら
みんなみんな糞食らえ!薄っぺらな思い出なんて願い下げだ!!
304 :
12/12:2006/01/26(木) 00:36:21 ID:YOB9X0aI
さあどうする!?相方はパンツに手をかけ固まっている。
おれだってすごく震えてきた。でもイヤじゃない
ここは中学高校時代にすごく嫌で避けてきた「人間付き合い」のルツボだ
だけどここに居るみんなは全員「おワラい」が好きで
そのためにいろんなものを捨ててものすごい努力をして
のし上がったり、食らいついたりしてきた尊敬すべき猛者ばかりだ
「行っか!」
オレは相方に叫んだ
「よおーし!」
相方が顔を上げた
オレは恥とプライドをシャツやパンツと一緒に脱ぎ捨てる
相方も堂々と一糸まとわぬ姿で仁王立ちになる
周りのヤツらの視線は相方の真っ白い肌に集中しているが
オレは一歩前に飛び出て言った
「オレのデンセツベストテン!」
相方の体からみんなの視線を逸らすように
いつもより滑稽な動きで腰を振ってポーズをとる
ヤンヤと喝采が上がる手拍子と歌声が響く
「イミはないけれど ムシャクシャしたから」
踊っている時に相方と目が合った
お互い、出会うべくして出会った運命の絆を感じてる
そうだろ?相方
こんなオタンチンな出来事でも、笑って話せるネタになる
お前と一緒ならなんだって出来る
もっといい眺めを見に行こうぜ
あの神社の木に登るよりずっとずっと高いところに
世界を見下ろせるところまでつっ走っていこうぜ!
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| | | | ピッ (・∀・ ) >176姐さんの足元にも及ばないお目汚しダ
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>>292 GJGJGJ!!姐さんもう泣いた!!
これが現実にあった出来事って言うのが
信じられない…ツンゴもアチャーンも苦労してきたんだね。・゚・(ノД`)・゚・。
二人の絆の強さを改めて感じました。
感動で前が見えないよ…!!!
>>292 萌えと燃えがいっしょにキタ!
GJっす!
>>292 姐さんGJ!
2人の過去がリアルにセツナス…(ノД`)
やっぱり惹かれ逢うべくして逢った2人なのだな(*´д`)
泣かせやがってチキショーめ!チューさせろ!
運命ってあるものなのね・・・
GJです!ありがとう!
>>292 運命的過ぎて姐さんもご本尊もスゴス。
北の大地のバラエティー番組ネタ。
文中のS=赤平、O=江別です。
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
312 :
1/2:2006/01/26(木) 09:36:37 ID:tiWPOxqE
Sがパーソナリティを務めるラジオ番組の収録中。ゲストとしてOが出演した。
「僕が忙しすぎる、って事務所に抗議して下さるファンの方がいらっしゃるんです」
冗談交じりにOが話す。
「ああ」
「自分のやりたい仕事を選んでいると仕事量が増えてしまって・・・。決して事務
所や社長が僕に仕事を強制しているワケではないんですよ」
「よく言ってくれました!」
収録後もスタジオを占領して、二人で無駄話に興じている。
「余計なこと言わないでほしいなあ」
「何のことですか?」
「世間では、社員を酷使する悪徳社長ってことになってるんだからさ」
おどけた口調だったが、目は笑っていない。
「またそうやって、一人だけ悪役になろうとする」
Sの過剰な露悪趣味も手伝って、『傲慢で横暴な社長』と『振り回される社員』
というイメージがファンの間で定着しつつある。悪乗りだとは思いつつも、その
イメージ作りにせっせと荷担していたOとしては、弁護の声を上げたくなった次
第だった。『傲慢で横暴』なSの肩は、実はとても華奢なことをOは知っている。
中央での仕事が増えている自分の存在がSの重荷になっているのなら、その荷物
をも自分が持ちたい。強く願う。
313 :
2/2:2006/01/26(木) 09:40:04 ID:tiWPOxqE
番組の女性アシスタントが挨拶をしてスタジオを出て行く。
Oはそっと話題を切り出した。東京滞在中も電話連絡はしているが、やはり面と
向かって話したい内容だ。
「そう言えば例の件、どうなりました?来週の週刊誌に載るって」
「うん、ちょっとね・・・」
Sにしては珍しく歯切れの悪い返事だった。
無理もない、とOは心の中でつぶやく。Sの女性関係の多彩さはOも承知しているし、
つまらない嫉心を抱いたこともない。ただ、Sは異性との交際を仕事には持ちこまない、
というけじめはきっちりとつけていた。根も葉もない噂でも悔しさが募っているであ
ろうことは想像に難くない。そんなSが部下との、それも同性との情事に溺れる自分自
身とどう折り合いをつけたのか。いつか聞いてみたいが、はぐらかされるだろう。
雑談を交わしながら、Oは今宵の過ごし方を問うサインを送る。爪先でのSの靴を三回蹴る。
蹴り返されれば、誘いに応じる用意がある。
蹴り返されなければ、拒絶。
一瞬、会話が途切れた後、Sは笑いながら言う。
「O君もスキャンダルには気をつけてよ。ウチのエースなんだからさ」
それが返答だった。
スタジオのドアが開き、スタッフが退室を促す。立ち上がりながらSが尋ねた。
「ところでクリスマスの予定は?」
「僕のスケジュールを切ってるのは社長じゃないですか。ご存知ですよね、仕事ですよ」
呆れ顔で答えたOだった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ひひひひみつのサインテラモエス…_| ̄|○
>>292 姐さんGJ!
萌えともに感動が押し寄せる話だよ・・・
ご本尊、運命の人と出逢えてテラウラヤマシス
>>314 萌え死にしそうだよ、姐さん…!GJGJ_ト ̄|○ノシ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 立て続けにごめんなさい。武/勇/伝/なお方たち。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 王道とは逆なシ/ンア/ツ。セクス描写はありますがぬるいです。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「へー、結構肌キレイなの」
一層白い、華奢な指を辿ると。
撫でる感触はぬるくて、か細い、千切れてしまいそうな体の、肩にかけた腕の伸びかけた爪がめり込んだ。
(…ああ、守っていこうって決めたのに。)
駄目、首筋を愛撫する舌にほんの少し息を荒くして、シ/ンゴ/の体をまたきつく抱きしめた。
狭いと思っていた背中が、こんなにも広く感じるなんて。
「…気づいてなかったのかよ?」
こんな受け答えなんかできる余裕も生まれたくらい、もう随分慣れた。
嘗め回す舌の感触も、尖らせて身体に吸い付く唇の堅さ、も。
「あぁ、拗ねてんの?気づいてくれなかったー、って。」
「…いやっ。」
少し余裕がなくなって、シン/ゴの肩を抱く指先にまた力が入ってゆく。
「アツ.ヒコ、いたい。」
いつもどおりの笑みが、目に見える。
ひとつ違うことは眼鏡が外れているということ。
「…ごめん。」
爪のカタの付いた肩から腕を下ろして、腕以外はシン/ゴに身体を預けた。
「こわいの?」
前言撤回。余裕があるといっていたものに、身体が、指が、震える。
強がりを言いたくて、強ばった喉を何とかして、今吐き出せる言葉だけ、シ/ンゴに返した。
「…あ、怖く、ない」
「うそだ」
何もかも見透かしたように彼が言って、
「やめる?」
(―――っ、ひきょうもの)
やめるつもりなんて、毛頭ない癖して。肯定の言葉言えないの知ってる癖して。
分かっているだろうけど否定の言葉を返すと。
彼はもうそろそろ行くからね。とさっきと同じはずの笑顔を返した。
「もぉいいか」
シ/ンゴの顔が近づいて、取り敢えず口吻に付き合っていると、入るそこに痛みが上がる。
「く、ぁ…う」
いつまで経っても慣れない痛みに呻いて、手をグーに握って、だけど掌に爪が食い込む痛みはそのとき気になっていなかった。
「好きだよ、」
この言葉に溺れる。惑う。
安っぽいけれど、いつわりでさえ、この言葉で安心が生まれるから。
そしてなっがい、まどろっこしいキス。
「…これが最後のキスになんのかな」
「さあ」
違う、ともそうだとも言わない、曖昧に答える声に悩む。
他の男、や自分よりは少し高いだろう声に、
(―――いまだけ、は。
溺れさせて)。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ごめんなさい、上の4は間違いで、3でした。色々とごめんなさい。
| | | | ピッ (・∀・;)
| | | | ◇⊂ ) __
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>318 は・・・禿げしく萌エス!!!(*´д`*)
自分はアツシン派で正直リバなんて有り得ないと思っていましたが・・・
姐さんのシンアツまじ萌えましたwハァハァ
ご馳走様です・・・w
>>318 シ、シンアツキタワァ(*´д`*)
アチャソ受はマイナーなのか、なかなかないから
飢えてた所にまさかの投下トンクス!
待望のシンアツ!!!!!!!
ゴッツァンですッ!!!!!!!
うまうまー
>>318 マイナーキター(´∀`***)ゴチになりました
同士がいないと思っていただけに投下ウレフィス
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 某武/勇伝のア/ツシンだモナ
| ただヤッてるだけで前後も何もないんだ゙ナ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 作者は最近オ/リラジのファンになったばかり
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 宣言した以上は投下だゴルァ
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
328 :
1/4:2006/01/27(金) 03:03:27 ID:vY5G72MH
「じゃあ、俺帰るわ」
相方の方を見もせずに適当に手を振って、敦彦は部屋を出ようとした。
ぎゅ、と服の裾を掴んでくる手に動きが止まる。
敦彦は不思議そうな顔で振り向いた。
慎吾が服を掴んだまま、俯いて立っている。
顔を覗き込むと、彼は切なげに目を強く瞑っていた。
──抱いてほしいなら、素直に言や良いのに。
慎吾はいつもちゃんと口に出さずにねだる。
敦彦はふ、と微笑むと震えている慎吾の手をそっと包んだ。
329 :
2/4:2006/01/27(金) 03:04:16 ID:vY5G72MH
部屋の明かりを消すと、窓から漏れる月明かりの中に慎吾の白い身体が浮かび上がる。
敦彦は上着だけを素早く脱ぎ捨てると、ベッドに横たわる慎吾に覆いかぶさった。
ベッドがギシ、と軋んで2人分の重みを受け止める。
慎吾の顔を挟むように手を突いて見下ろすと、慎吾は恥ずかしそうに敦彦から目を逸らした。
敦彦は小さく笑うと、片手をベッドに突いてもう片方の手で慎吾の身体に触れた。
慎吾の肌理細やかな肌を堪能するようにゆっくりと撫でていく。
くすぐったさと気持ちよさの混じったような感覚に、慎吾は身体を引き攣らせた。
指先で擽るように優しい刺激を与えると、慎吾の口からくぐもったような声が漏れる。
全身に鳥肌が立ち、更にその上を撫でていくと、我慢できずに身を捩らせた。
「そんなに緊張するなよ」
笑いの混じった声で敦彦が声を掛ける。
──いつまで経っても慣れないんだから。
敦彦は慎吾の胸に顔を近づけると、赤く尖った飾りをぺろりと舐めた。
330 :
3/4:2006/01/27(金) 03:04:50 ID:vY5G72MH
「んっ・・・」
慎吾の身体がびくりと震える。
敦彦は舌を動かしながら、空いている手でもう片方の突起を捏ねた。
頬を赤く染めて懇願するようにこちらを見つめてくる慎吾を見ると、
ますます意地悪してやりたい気持ちになる。
手を伸ばして、腿の辺りをさらりと撫でた。
陶器のように白くて滑らかな肌が、敦彦の手を冷たく受け入れる。
冷気に晒された肌を温めるように執拗に撫でていると、
慎吾は我慢出来ないとでも言うように膝をすり合わせた。
早く触れてほしい。
慎吾が求めているのを分かっていながら、敦彦の手は憎らしいほどにじわじわと動いた。
「くぅっ・・・!」
慎吾の口から悲鳴が漏れる。シーツの端を強く握って耐えていると、
敦彦が漸く脚の付け根を擽り始めた。
「んんぁっ・・・はぁっ」
形をなぞるように慎吾自身を辿っていき、先端を擦る。
感じる部分を丁寧に扱いてやると、慎吾は鼻にかかった声を上げながら白い身体を跳ねさせた。
331 :
4/4:2006/01/27(金) 03:05:37 ID:vY5G72MH
「お前ホント綺麗な身体してるよな」
自身を擦る手を動かしたまま、指で円を書くように臍の辺りをなぞる。
シーツを握り締めている手を外させると、口元へ持って行って敏感な手首を舐めた。
「毛も生えてねえし。女みたいだな」
自身の先端から零れてきた液を塗り込めるように、指の腹でねちねちと擦る。
慎吾は腕で目を隠しながら熱い吐息を吐いた。
「ッ・・・ぅあっ」
ちゅ、と鎖骨の辺りをきつく吸われる。
敦彦が顔を上げると、慎吾の白い肌にははっきりと自分の付けた痕が残っていた。
赤くなった箇所にそっと触れると、慎吾が小さく呻く。
「ココ、感じるんだよな」
敦彦はニヤリと笑って、慎吾の感じる場所に次々と所有の証を刻んでいった。
「痕付けんな・・・ッ・・て──」
潤んだ瞳で、慎吾は敦彦を睨み付けた。
自身は既に硬く立ち上がり、目にはうっすらと涙が溜まっている。
──そんな顔で言われたって、逆効果なのにな。
敦彦は吐息で乾いた慎吾の唇を舐めると、そのまま深く口付けた。
初めは弱々しく抵抗していた慎吾も、いつの間にかそれに応えるように敦彦の肩に手を伸ばす。
月明かりが、2人を優しく包んでいた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ さようなら、姐さん。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>327姐さん東洋スレで宣言してた人かい!?
GJGJGJ!!!禿萌えた!!!!
言葉少なめの甘い甘い夜
「だめ・・・お月様が見てる」なんちて
挿入されてもだえてトコロテンいっちゃうツンゴも見たいよ〜
でも名前は伏せてくれお願い。
東洋モノばかり連投されてて他の姐さんに申し訳ないけど
毎日生配信で燃料マンタンなもんで許して下さい
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 本日の夢の内容だって。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| これじゃただの変人だよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ご本尊がこんな状態だったんだって。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
335 :
風と木の名無しさん:2006/01/27(金) 04:57:28 ID:x1z9HhPb
自分達のしていることが過ちであると、分かっている。
1日完全に開いた真昼間から、馬鹿みたいに絡み合って、溶け合って。
男同士なのに。
「あ、ああっ……ん」
「きもちい?」
触れる手の熱さが全てを忘れさせる。
するりと、遠ざかって思わず追いかける。
…これでまた。
「欲しい?」
普段よりも押し殺して、殆ど音を伴わない声で問いかけられる。
わざと耳元に緩く吐き出すように。
「ちゃんと言えよ。お前の体なんだから、な」
握り込まれて、一瞬息が止まる。ばらばらに柔らかく指を動かされて、首筋に噛み付かれる。
ああ、本当に間違えてる。
「ぅあっ、ちょ…っ……」
「なに?」
するならはやくしてほしいのに。
この状態で体が離れてくなんて信じられない、のに。
「は…ぁ」
「ちゃんと言って。どうしてほしい?」
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ どんだけ断片的なのよ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
ageちゃってごめんなさいorz
>>215に禿同意。
棚
>>327-332,333
何だこの厨。オリラジそんなにしらんが、前二つが良作だっただけに('A`)ウヘァ
天麩羅とかなんとか以前に、ほんま名前変えただけやろみたいな。
あんな厨小説久々にみた。
>>338 ピンポイント誤爆乙。でも少しだけ同意しとくよ。
>>328-331 とりあえず伏字くらいはしておいてくれないか?
あくまで自己判断だけど、本名そのまま使うのは危険だと思う
新/選/組のシン/パチ×ヘイ/スケ。歴史パロなんで半ナマそして死ネタです…
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「ヘイ…スケ…」
雨の中、言葉を失い、一人佇む。
サノスケを含む他の隊/士たちは、シンパチとヘイスケの傍に近寄る事すら出来なかった。
「……………」
もう物言わぬ姿となった彼の顔は、二人共に過ごした日々と少しも変わらない。
燐として、端正に整い、しかし少年の様に純粋。
「お前を…守って、やれなかった…
お前だけでも、帰ってきてほしかった…新/選/組に、…俺の許に…」
彼の骸は答えない。
しかし、シンパチの耳には確かに、彼の声が聞こえた。
(シンパっちゃん)
(シンパっちゃんは悪くないよ…)
(だから…泣かないで?)
(オレ…シンパっちゃんと一緒にいられて、愛してもらえて、嬉しかったんだから)
(来世で逢おう。そして今度こそ…ずっと二人でいようね)
シンパチの目から、泪が零れた。
泪は雨と混じり、ぽたぽたとヘイスケの骸に落ちる。
「……来世で逢えたら…今度こそ守ってやるからな…」
泪は雨と共に流れるのに任せ、シンパチは精一杯、愛しい彼に微笑んだ。
油/小/路は、泪雨に濡れていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
文章が拙いのはお許しください…。
>343
なんか知らんがセツナス。
新/選/組!は萌えの宝庫だったよ。
もう温泉掘り当てたような、萌えだらけさについていけないくらい。
>>340 禿同ノシ
おかげで本スレにも晒された有様だし…
伏せても伏せなくても、ここに投下されたものが本スレに晒される
ってのは最近結構ある
ナマモノは特に気つけた方がいんじゃね
348 :
風と木の名無しさん:2006/01/28(土) 11:45:01 ID:ExifPDUL
黙れナマアンチ
ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリーAAであろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 蛇東京のボーカル×キーボードなんだって
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 作者は最近ボーカルが可愛くて仕方ないらしいよ!!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ リバでもOKだぜ!!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | 俺ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
351 :
3/1:2006/01/28(土) 15:36:15 ID:P/17mN0+
「好きって言えよ。」
「どうしたの、急に。」
夕イ千くんの部屋で
一緒にソファに座ってサッカーのDVD見てたら
突然、こんな事。
どうしたんだろう、
こんな事初めてで。
「いいから好きって言えってば。」
「好きだよ?」
俺が困ったように笑いながらそう言うと、
夕イ千くんは一瞬、ただでさえ普段から大きい目を
もっと見開いて俺に抱きついてきて。
「もっと。」
「好き。」
「もっと言ってよ。」
「大好きだよ、夕イ千くん。」
ぎゅうぎゅう抱きしめてくる夕イ千くんの
くるくる髪が跳ねる、可愛い頭を
答える様に、優しく優しく撫ぜた。
352 :
3/2:2006/01/28(土) 15:37:35 ID:P/17mN0+
俺が聞くと、
夕イ千君は目を伏せて
ホントにちいさい声でそう言った。
そう言われると、
俺はなんだかすごく胸が苦しくなって
「不安にしてごめんね。」
そう、夕イ千くんに謝った。
すると夕イ千くんは、少し困った表情を浮かべて
いつもよりもちょっと低い声で呟いた。
「…もっとぎゅっと抱きしめろよ。」
「はい。」
リクエストにお答えして
腕の力をぎゅっと強める。
ごめんなさいの意味もこめて。
353 :
3/3:2006/01/28(土) 15:38:18 ID:P/17mN0+
「十ガセぇ。」
「はい?」
「好きなんだよ…バカ野郎…。」
夕イ千くんの声は泣いてるみたいだったけど
俺は気付かないふりをして、
ただひたすら夕イ千くんを抱きしめた。
どんなに夕イ千くんを愛しても
夕イ千くんを不安にさせてしまう自分に
腹が立って仕方なかった。
おわり
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ キーボードたんが口悪くてすみません…
| | | | ピッ (・∀・;) ボーカルたんが足りない子みたいですみまry
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
355 :
下町:2006/01/28(土) 15:55:01 ID:FVqmbXrZ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 下町(2号)だよ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 前スレからの続きだよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
車の中だけが自分の自由になる時間、それは同世代ならきっと皆そうなのだろう。
だけれども、それだけじゃいやだと望んではいけなかったのだろうか。
濱田はベッドに転がりながら、自分のわがままを思う。
今では人に合わせた顔を色々と使い分ける。鬼、先輩、大御所、中堅、夫、父、司会者、俳優、まだまだたくさんある。
しかもそれらは松元のように自然に出来たものではなく、自分で努力して作り上げたものだ。様子を伺い、相手の求めているものを知り、それに合わせて自分を作る。
素でいる時間をもっと欲しいと望むのは贅沢だったのか。
松元が引っ越そうとしていた部屋をそのままにしてほしいと言ったのはだいぶ前のことだ。彼は特に反応しなかった。だけどうれしかった。秘密基地を手に入れたんだ。
あくまでも松元の持ち物である認識は捨てていなかったけれど、でも好き勝手にした。いろんなものを持ち込んだ。
馬鹿みたいに騒いで、笑って、泣いて、叫んで、一人で遊んだ。
松元も、自分のいない間に来ているらしい。どんどん物が増えていった。ドン・キホーテで売っていそうなおもちゃ、
トレーニング器具、マッサージチェア、ルービックキューブ、あとまだたくさんあったような気がする。
そして、ある日ほとんど物がなくなった。
あまりに増えすぎたので松元が処分したらしかった。
秘密基地を壊されて腹が立った。けれど秘密基地とはそういうものだ。また新たに作り直せばいい。
不思議と、二人で物を選ぶことはなかった。
その昔、野球盤ゲームが欲しかった。うんと大きい奴。
確か餓鬼かなにかでしゃべってしまったらしい。欲しいと。それで気がついたときには部屋にあった。
想像していたのより小さかったけれど、とてもうれしかった。
この部屋は、自分の思い通りに動いていく。
枕を抱きしめる。昔のようにもっともっと悪ふざけがしたい。何かを壊したい。でもそれはなかなか叶わないから、この部屋で遊ぶ。
でもそうしょっちゅうは来れない。スケジュールが許さないし、第一ここは松元のものなのだから。
もうすぐ彼がくるだろう。背筋に少しずつ力が入っていく。
どうして、こうもお互い思うとおりに動かないのだろうか。
部屋が開く。足音がする。松元が、近づいてくる。
「おえ」
無視する。まだ遠すぎる。
「おいって、なあ」
松元がベッドに腰掛けた。はずみで体が少し揺れる。
濱田が目を開けた。
「お前も寝りいや」
枕に頬を押し付けて濱田が言う。細目で見上げた松元は大きく、でも疲れきったようにみえた。
「シャワーとか着替えとか…、待て」
面倒そうに松元が呟く。
「そんなん後でええやん。寝っ転がりぃ」
抱きしめてる枕をぱんぱんと叩く。
「それ俺の枕やん」
ため息をつく松元に仕方ないと枕をセッティングし、布団をめくりあげてベッドをぱんぱん叩く。
もう一度ため息をつき、松元が入ってきた。
右横に体温を感じるのは心地よい。
松元は縮こまっている。緊張しているのだろう。それはお互い様だ。作り上げてきた関係があまりに微妙で壊れそうで、
でも失くせないものだから、危ない橋を渡ってでも二人の時間を作る。
そして自分自身を信じられないから、相手を受け入れることも拒絶することもできない。どうしようもないコンビだと、濱田は思った。
359 :
350:2006/01/28(土) 15:59:23 ID:P/17mN0+
抜けてるところ八件…
松元を抱きしめる。坊主頭をなで回し、頬ずりをする。
松元は反応しない。何かほかの事を考えているのだろう。それでもいい。今必要なのは松元の温度だ。
ざらざらとして気持ちいい。
「なあ」
松元の声がくぐもって聞こえる。お構いなしに濱田は頭を触り続ける。
「写真、どこにやった」
昔から隠し撮りされていた二人の逢瀬の写真のことだろう。そんなことはどうでもいい。
「捨てたよ」
「どうやって?」
「燃やした」
「どこで?」
「家の庭」
松元が体を離した。濱田の目を見る。
「ビデオは?」
「一緒に燃やした」
松元がため息をつく。目を伏せる。
伸びたまつ毛、きれいな頭、濱田はうらやましくなる。
松元は自由に、好き勝手に生きているようで、色々なものに縛られている。もしかしたらそれは自分より大きいのかもしれない。
だけれども、とてもうらやましくなる。
どうして神は俺に才能をくれなかったのだろうか。
そうすれば少しでも松元の荷を背負うことができる。でも自分にできることは松元を理解し彼の描くものをフォローすることで、
そのために努力して、彼のために自分を変えて、それじゃあまりにも、報われない。
松元の目に、自分はどう映っているのだろうか。
「なあ」
松元は枕元にあった濱田のたばこを勝手にとり、火をつけた。
「そんな奴、おらんかったんやろ」
煙を吐く。松元の口から漏れる自分の匂い。
「お前を脅した奴なんか、おらんかったんやろ」
濱田は自分の枕に顔をうずめた。
「あの音声な、相手の声を消したにしては不自然すぎるんやって」
「ふぅん」
聞きたくない。聞きたくない。
「ビデオテープ、あんなに俺に見せたがってたのに、どうしてお前、処分したん?」
「そんなん俺の勝手やん」
松元のたばこを奪い取る。灰皿でもみ消し、頭をつかむ。
濱田は松元を正面から見据える。
自分の殺気が松元を怯えさせることはない。必死ににらみつけても、無表情に、平然と、松元は濱田を見返すだけだ。
まるでこうなることが分かっていたかのように、松元は濱田の手を頭から離す。
にらんだまま、濱田は抵抗もできずにいた。
「泣くな」
松元のまつ毛が下りる。目が、優しくなる。
涙が勝手にシーツに落ちる。こうやって松元の前で泣くのはいつ以来だろうか。ずいぶん前のことのようでしょっちゅうな気もする。
ここ以外でどこで泣いたらええんじゃ。
「ビデオデッキ処分したの、よう覚えとったなあ」
松元の指が涙を拭う。濱田に触れようとした手が、少しだけ震えていたようにみえた。
「でもやっぱり、アホの子やのー」
鼻で笑い、何を思い出したか松元は本気で笑い出した。げらげら笑うのにつられて、濱田も泣きながら笑う。
涙のせいで鼻が痛い。松元の顔も歪んで見える。だけど、やっぱり松元は笑っていてほしい。こうやって自分の隣で、
どんなささいなことでもいいから笑っていてほしい。
そのために生きているのだから。
「どこで録音したん、あれ」
「…車の中」
また大笑いする松元の頭を濱田は思い切りはたいた。
「ようあんな機械操作できたな」
「あれ俺の愛用の奴よ」
「え、嘘マジで。俺思いっきり壊してもた」
「えー、ありえへんやろそれー。せっかくの音声ラブレターやん」
松元も、もしかしたら泣いていたかもしれない。でもそんなことはどうでもいい。こうやって一緒に笑っていさえすればもうどうでもいい。
「でもほんまにあんな奴おったらいややなあ。この現場もばっちり見られとるで」
松元はだんだん饒舌になる。まるで何かをごまかすかのようにしゃべっているように感じた。
「で、公表されてみぃ、気持ち悪がられること請け合いよ」
濱田はこの現場が隠しカメラで撮られているのを想像した。
オッサン二人がベッドに至近距離で泣きながら笑っているのだ。もし他人事だったらどんなリアクションを取るのだろう。
でもこうやって泣いている自分も、笑っている松元も、真実なのだから仕方ない、そう濱田は思った。
「そしたら仕事出来んくなるよなぁ」
何かふっきれた気がして濱田は笑う。
そうやって、自分が大事にしているものが壊れればいい。手の中に抱えているもの全て失くしてしまっても、
松元はとなりにいてくれるのだろうか。
「そんときは二人で漫才やったらええやん」
「は?」
「テレビに出られなくなっても、二人でおったら、漫才でどうにかやっていけるやろ」
売れなくて認められなくて、でもがむしゃらに前に前に進もうとしていたあの頃のように、また二人でいることができるのだろうか。
まぁ最悪劇場に出られなくなることはないやろ、犯罪でもせん限り。松元のその言葉を受け止めながら、
自分が望んでいたのはこれだったのではないかと濱田は考える。
何もないところから、二人で漫才をやる。
「まあレギュラー持ってるうちは無理やけどな」
本当は何もかも捨てて昔に戻りたい。周りにどんな目を向けられても松元と一緒に笑いあえたらいい。だけど、それでも、捨てられない。抱えこんだ色々なもの、それらを全て壊して多くの人を困らせたりはできない。
そんなに自分は強くない。
「そうやな」
濱田は精一杯の笑顔で答えた。
自分で自分の首を絞めるような生き方、互いにそんなふうにしか出来ないのだから、たまにはこうやって泣くくらいいいじゃないか。
いつまでこんな生活が続くのだろう。売れなくなるまで、どちらかがギブアップするまで、倒れるまで、未だに先は見えない。
こうやって笑いあえる日が少しでも長く続けばいいと、濱田は思った。
「…漫才、したいのになぁ」
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ これで3部作終了です。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
366 :
350:2006/01/28(土) 16:04:33 ID:P/17mN0+
ごめんなさい、途中で、しかも作品投稿されてる途中に書き込んでしまった…
本当にごめんなさい…
>>351と
>>352の間に
「どうしたの?」
「わかんないけど、不安になった。」
というセリフが本当は入ります…
ご迷惑おかけしまして失礼しました!
>>355さん本当にごめんなさい!
リボーンの骸犬で書かせていただきます。
二人ともホモじゃないのに、犬の勘違い・先走りのせいで…というかんじです。
***********
「昔は、男の主人のために男の部下が奉仕するのって当然の仕事だったんだって。」
何気なく言ったのだろうが、柿Pのそのセリフは犬に衝撃を与えた。
食べかけていたスナック菓子の袋がぼとりと床に落ち、何枚ものポテトチップが床に散らばった。
その様子を気にいらなそうに見つめる柿Pをよそに、犬はちっさなミクロ脳みそを回転させた。
奉仕。俺にもできる。
俺が奉仕することで主人・骸さまが喜ぶのなら、なんでもしようと思った。
アナルセックスというのは経験したことがないが…『あの』百戦錬磨の骸さまならなんでもこなすに違いない。
何かを決心したようにぎゅっと唇を結び、犬は夜を待った。
皆が眠りに落ちる、夜を。
〔骸さんはきっと、よろこんでくれる…〕
全てを捧げる覚悟の俺に、骸さんはきっと感激するに違いない。
今以上に、心から、部下の俺を愛してくれるかもしれない。
そう思うと不安より期待のほうが大きくなった。
**深夜**
普段、夕飯を済ませるとすぐに寝付く犬にとって、夜更かしは想像以上に辛いものであった。
しかし、うとうとと眠りに落ちそうになるたびに、骸に褒められている自分の姿を想像しては瞬きを繰り返し、
なんとか深夜二時まで起きていることができたのだ。
「んん…よしっ」
眠気をはらうように頬をニ、三度叩いて、いつも骸の寝ている部屋に向かった。
廃墟は荒れ果て、どの窓ガラスも穴だらけだ。
冬の夜風に身をさらしながらゆっくりと、尊敬する主人の寝床を目指す。
柿PやMMが目を覚まさないよう、慎重に慎重に歩く自分は、スパイみたいでかっこいいと思った。
「むくろさん、」
錆びついたドア越しにそっと呼ぶ。
何度かちいさい声で名前を呼ぶと、骸はすぐに気付いたようで、犬を招き入れた。
「どうしたんですか、犬?」
「えっと、え、と」
覚悟は決めていたはずなのに、骸を目にすると戸惑ってしまう。
男の目からみても端整な顔立ちが、きれいな眼が、犬の一挙一動を捕らえていた。
「おれ、」
「なんです?」
「だ、だいて、くらさいっ」
「…え?」
しまった、『好きにしてください』だったかなと一瞬思ったが、もうあとは骸にまかせることにした。
自分はいわれるままに尽くそう。
そしたら、骸さんは、よろこんでほめてくれる。
緊張で流れた汗が、犬の額に粒を作った。
つづく
>367姐さんありがとうGJGJGJ!!!
イヌ可愛い!続きも待ってる!
でもお願いだからちゃんとテンプレ読んでここのルールに従ってやってくれ
名前とか伏せ字にして最初と最後にモナー入れて
作品に通し番号も(何枚中何枚目か)わかるよう入れてくれ
どうかここの住人に迷惑かけないでやってくれ
どこの板行ってもそこのルールわかるまでロムってくれ
あとコテハンもなるべくやめた方がいいとオモ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 再生のビデオを再生、なんちゃって
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 再生続きでスマソ。スレで約束した副委員長x委員長だぞ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ヒサビサノ トウコウダゾ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
371 :
草ひば:1:2006/01/28(土) 19:17:31 ID:N+R2MRp1
「今更だけど」
静かな応接室でペンを走らせていたが彼がふとその手を止め、呟いた。ファイルを整理していた手を止めれば、漆黒の少し長い前髪がサラリと流れて、同じ色を宿した双眸が自分を捕らえた。
「君はどうして風紀委員になったの」
中学に入って3年目になる。それは彼の下について過ごした年月に等しい。本当に、今更だ。そう思いはしたが、口にも、表情にも出さなかった。
「委員長がいらしたからです」
ふうんと気のない返事を返して、それきり興味を失ったかのように彼は再び書類へと目を落とした。返した言葉は、それ以上でも以下でもなく、嘘偽りのないものだった。
372 :
草ひば:2:2006/01/28(土) 19:21:34 ID:N+R2MRp1
出会いは入学式にまで遡る。容姿も素行も、とにかく初めから異彩を放っていた雲雀の存在に圧倒的な存在感を感じながらも「良いところ出のお坊ちゃんの我侭放題」としか認識しなかった。
痛い目に逢わせて社会というものの厳しさを教えてやろうと近づいて、気がつけば地面に伸されていたのは自分の方だった。しかも、律儀に救急車まで呼ばれて。
そして初めての敗北にリベンジの機会を誓い、彼を追って風紀委員会に入った。そこでまた、彼の暴君振りが明らかになるのだ。
迎えた委員会初日。風紀委員会の面子は、誰がどう見ても不良の集まりだった。毒をもって毒を制すというべきだろうか。
その中でも、ひとり凛とした透明な空気を纏う雲雀は異質な存在だった。特別背が高いというわけでもなく、どちらかといえば色白で華奢で、いかにも女性に人気のありそうな容貌の彼を、その場に居た自分以外の全員は軽視するか、あるいは眼中になかったと思う。
そんな彼が、委員長選任の段になり、突如として「実力で決めよう」と提案した。そして彼は当時使っていた教室を一面の血の海に変え、一年生にして委員長の座に就任したのだった。
しかし、ただ役職に就いただけでなく、実際に彼は良く働いた。恐喝や暴力の大義名分に使われていた風紀委員の肩書きは正しい意味で施行され、「風紀委員長、雲雀恭弥」の名前だけで充分に畏怖される対象となった。
373 :
草ヒバ:3:2006/01/28(土) 19:23:04 ID:N+R2MRp1
「ああ、首を傾ければコレが邪魔にならないのか」
ぽすぽす、と、緊張感の欠片もない音を立てて、彼が長く伸びたリーゼントの先端を叩く。
そして納得して気が済んだのか、自分でドアを開けると、学ランの裾を翻しながらするりと部屋を後にした。
「委員長!」
弾かれたように廊下へと転がり出ると、下校時刻を過ぎた静かな廊下を歩き出している彼の背中へと呼びかける。自分の声が、校舎中に響いた。
今の自分には、彼が与えてくれたチャンスに答える事は、まだ、できないけれど。
「俺、受験勉強、頑張りますから……!」
来年も、その先も、彼が許してくれる限り、その傍らに居られるように。
生まれて初めての拳を使わない戦いは、まだ始まったばかり。
>>369 伏せ字ていっても、チンポやペニスなんて単語出てないじゃん…
あんま愚痴愚痴言ったら書く人なくなるからやめて、本気で。
おまいの書き口調イヤミすぎ
姐さん、気にせず続きお待ちしてます!!
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 御粗末さまで御座いました。
| | | | ピッ (・∀・ ) スレ
>>442さんの疑問を考えた結果モナー
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>374 369じゃないけどリ/ボ/ー/ンとかのことじゃないの?伏字って。
原作知らないから作中の中の言葉は伏字かどうかも知らないけど。
とりあえずどこがイヤミなのかと子一時間。
377 :
367:2006/01/28(土) 19:48:21 ID:/suh54wY
つい初項に目を通さず投下してしまいまして…先走りチャソでごめん。
>>370「俺、受験勉強、頑張りますから……!」
萌えました
>376
801スレでもイタタなので、本人の自演の可能性大
割り込んじゃった姐さんすみません
草ひば禿萌えた分だけ、なんか申し訳ないよ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ツヅキサイセイシマス…
いま抱いてくださいって、言いましたか、犬。
骸は混乱していた。
別に自分はホモとかゲイじゃないし、困る。
犬はそういう趣味があったのだろうかとも思ったが、学校でかわいらしい風貌の女の子をみつけては
「かわいいれすよねあの子」なんて話していたことをみると…あれはカモフラージュなのだろうか?
断わろうと思ったが、たぶん拒否された犬はわめき立てるだろう。
どうしようか…
真っ暗闇のなかで迷う骸を差し置き、犬は次々と衣類を脱ぎはじめていた。
暖房もなく、穴だらけの窓ガラス。
体温の高そうな犬も当然寒いのだろう、白い息を吐き、下着一枚のかっこうで肩を震わせた。
「うう…さむい」
「冬ですからね…。…犬、服着てください、ね」
逆なでしないように比較的穏やかに言う。が、
「だめれす!」
「…何がですか…」
単純な犬のことだ、妙な雑誌の影響かもしれない。
困り果てた骸をよそに犬はとうとう下着を脱ぎかけた。
「ちょっと、脱がないでください、犬」
「なんでれすか!服着たままじゃヤれないれしょ!」
ムキになってそう言う犬の、いまにも脱げてしまいそうな下着を抑えにかかる。
ふと触れた腕はものすごく冷たくて、この子は一体なにをしたいのだろうと不思議におもった。
相手がノーマルだからとかホモだからとか、そんなの考えなかった。
自分を捧げる=敬意を示す→骸さんよろこぶ
としか考えなかった犬は、頑なに拒否する骸のきもちがわからなかった。
すぐ褒めてくれるとおもったのに、ぜんぜん褒めてくれないし。
暖房ないからすっげさむいし。
半べそをかく犬に、骸はふしぎそうな視線を投げかけていた。
「…犬」
「なんれすか、」
「僕がどうすれば、満足してくれますか」
ショックだった。
満足させてあげたい俺が、満足させてもらう立場になってる?
でも、このくらいで引き下がるわけにはいかない。
セックスってのはねームードだけじゃなく、テクニックで満足させるものよ、とMMが言っていたのを思い出す。
「おれに、しゃぶらせてくらさい!」
「…」
凍りついた空気も、いまの犬は感じなかった。
しゃぶりたい、ですって
クラリとめまいが襲い、いっそ倒れてしまおうかなと思ったが、このまま倒れて起きたときには…
何をされているか分からない。
ああもう早く切り上げてしまおうとジッパーを下ろし、力なく萎縮したそれを放り出した。
ベッドに腰かけたまま脚を開いて犬に見せ付けるようにする。
部下が何を考えているのかは全く分からないが…半ばヤケでもあった。
すると犬は嬉しそうに〔骸にはそう見えた〕両足に頭を分け入らせ、無遠慮に僕自身を口に含んだ。
(…犬)
躊躇なく男のそれを咥える犬の姿は、骸を驚かせる
フェラチオ、といえば聞こえはいいが犬の愛撫はあまりにも乱暴で、
いままでそんなふうに女を抱いてきたのかと疑心するくらいだった。
「…ちゅ、ちゅっ」
「…。」
(痛い)
犬の口輪が僕のそれを上下するたびに前歯がごつごつと擦れる。
ちらりと盗み見ると、歯に擦られた部分はうっすらと赤くなっていた。
(うーん…)
仲間であり部下である男、しかも自分より幾分筋肉のついた男に愛撫されても。
痛んだ髪がちらちらと視界を横切り、すこし苦笑いをうかべてしまった。
でも、こんな一生懸命に愛撫してくれているのに不能というのもね…犬に気の毒な気がする。
誰と行為に及んでいるなど気に止めず、刺激にだけ集中しようと決めた。
(しかし…痛い)
「犬、もう少し舌を絡めてもらえますか」
「!んぁい!〔はい〕」
僕の注文をうれしそうに聞きつけ、犬はよりはげしく舌を絡めた。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・)キョウハコレダケ…
383 :
草ひば:2006/01/28(土) 21:04:22 ID:X1R4Y0Ca
374で、話飛ばしてコピペしてしまいましたorz
2レス分くらいになってしまい、補足も変なので再送します
すみません…
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )サイセイ エラー。マキモドシ&サイソウ シマス!
384 :
草ひば:1:2006/01/28(土) 21:05:40 ID:X1R4Y0Ca
「今更だけど」
静かな応接室でペンを走らせていたが彼がふとその手を止め、呟いた。ファイルを整理していた手を止めれば、漆黒の少し長い前髪がサラリと流れて、同じ色を宿した双眸が自分を捕らえた。
「君はどうして風紀委員になったの」
中学に入って3年目になる。それは彼の下について過ごした年月に等しい。本当に、今更だ。そう思いはしたが、口にも、表情にも出さなかった。
「委員長がいらしたからです」
ふうんと気のない返事を返して、それきり興味を失ったかのように彼は再び書類へと目を落とした。返した言葉は、それ以上でも以下でもなく、嘘偽りのないものだった。
385 :
草ひば:2:2006/01/28(土) 21:06:14 ID:X1R4Y0Ca
出会いは入学式にまで遡る。容姿も素行も、とにかく初めから異彩を放っていた雲雀の存在に圧倒的な存在感を感じながらも「良いところ出のお坊ちゃんの我侭放題」としか認識しなかった。
痛い目に逢わせて社会というものの厳しさを教えてやろうと近づいて、気がつけば地面に伸されていたのは自分の方だった。しかも、律儀に救急車まで呼ばれて。
そして初めての敗北にリベンジの機会を誓い、彼を追って風紀委員会に入った。そこでまた、彼の暴君振りが明らかになるのだ。
迎えた委員会初日。風紀委員会の面子は、誰がどう見ても不良の集まりだった。毒をもって毒を制すというべきだろうか。
その中でも、ひとり凛とした透明な空気を纏う雲雀は異質な存在だった。特別背が高いというわけでもなく、どちらかといえば色白で華奢で、いかにも女性に人気のありそうな容貌の彼を、その場に居た自分以外の全員は軽視するか、あるいは眼中になかったと思う。
そんな彼が、委員長選任の段になり、突如として「実力で決めよう」と提案した。そして彼は当時使っていた教室を一面の血の海に変え、一年生にして委員長の座に就任したのだった。
しかし、ただ役職に就いただけでなく、実際に彼は良く働いた。恐喝や暴力の大義名分に使われていた風紀委員の肩書きは正しい意味で施行され、「風紀委員長、雲雀恭弥」の名前だけで充分に畏怖される対象となった。
386 :
草ヒバ:3:2006/01/28(土) 21:07:59 ID:X1R4Y0Ca
自分とは、格が違う。何もかもが。日を追う毎にその差は歴然とするばかりで、嫉妬も羨望も諦めも、やがては純粋な尊敬の念へと変わっていった。
せめて、彼の力になれる存在になりたい。そう思うようになった自分を知っているのだろうか。やがて彼は自分を副委員長に就任させ、実質上の側近として扱うようになった。
傍に仕え、共に過ごす時間が増える中で、ふとした瞬間に見せる表情や、屋上で昼寝をしながら口ずさむ歌声や。自分だけが知る「雲雀恭弥」が増えて行く度、更なる欲求や独占欲や、言葉に出来ない感情が静かに自分を蝕んでいった。
敵対心から始まった彼へと向かう感情は、嫉妬や諦め、尊敬を経て、また別のものへと変化しつつあった。
けれど、これだけは知られてはいけない。知られては、傍に居られない。だから頑なに彼を求めず、ただひたすらに、彼に付き従った。
卒業までの時間はあとわずかだ。彼の進路は知らないが、学力の差ならば学年の一番上と下との差がある。同じ高校には到底、行けはしない。残された数ヶ月を彼の一番の部下として過ごせるならば、それで良かった。
「ああ、それから、もうひとつ不思議な事があったんだ」
仕事を終えたらしい彼が、デスク周りを片付けながら言った。自分もファイルを収納し、棚を閉めて二人分の学生鞄を手にする。
腕章の付いた学ランを肩から羽織りながら近づいてきた彼のためにドアを開けると、綺麗な白い手が伸びてきて、開けたばかりの扉を再び閉ざした。
「委員長?」
「黙って」
学ランの胸元を掴まれ、引き寄せられる。少し傾けた小さな顔がツイと寄せられて、唇に柔らかく、温かな感触が触れた。触れ合う直前に伏せられた睫毛が、美しい鳥の羽ばたきを連想させた。
387 :
草ヒバ:4:2006/01/28(土) 21:09:05 ID:X1R4Y0Ca
「ああ、首を傾ければコレが邪魔にならないのか」
ぽすぽす、と、緊張感の欠片もない音を立てて、彼が長く伸びたリーゼントの先端を叩く。
そして納得して気が済んだのか、自分でドアを開けると、学ランの裾を翻しながらするりと部屋を後にした。
「委員長!」
弾かれたように廊下へと転がり出ると、下校時刻を過ぎた静かな廊下を歩き出している彼の背中へと呼びかける。自分の声が、校舎中に響いた。
今の自分には、彼が与えてくれたチャンスに答える事は、まだ、できないけれど。
「俺、受験勉強、頑張りますから……!」
来年も、その先も、彼が許してくれる限り、その傍らに居られるように。
生まれて初めての拳を使わない戦いは、まだ始まったばかり。
388 :
くさひば:2006/01/28(土) 21:09:55 ID:X1R4Y0Ca
□ STOP ピッ ◇⊂(;∀; )イジョウ、ジサクジエンデシタ! ホンマ スンマセン
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| DVD発売に触発。迷走する低音
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 気林萌え吐き出し。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ プギャー
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
390 :
1/5:2006/01/29(日) 01:02:26 ID:qtgv3asb
俺の相方に対する感情は、俺の好きな映画監督の作品を見た後の気分に似ている。
監督の作品の特徴である淡いブルー。
そんな綺麗なものじゃないが、彼の周りには、ひんやりと薄淋しい孤独の青色がある。
一人で死んでいくことを悟っている故の孤独。
俺は思考が死に向かいやすい。不吉なものを好み、彼岸を夢想する。
しかし彼は言う。「俺は死ぬ気がしない」と。
彼は俺よりも死というものに触れてきたのに、生命力に溢れている。
かと思えば無鉄砲で、自分の命を省みないところがある。本当はいつ死んでもいいと思っているのではないか、と思わずにはいられない。
そんなひずみが、強い引力を放っているのかもしれない。こんなにも引かれて止まないのは。
しかし、同時に、大嫌いでもある。時に憎しみに近い感情すら抱く。育ちが悪いせいで人間ができていない。そう彼に言うこともある。
素性について言われることを、彼は怒らない。だからついサディスティックになる。
言った後は自己嫌悪と、コイツは俺のことを気にもかけていないのではないかという苛立ちに何度も苛まれる。
しかしお互いに挑発し合うような行為を繰り返してしまう。
彼に対する感情は両極端だ。振り巾が大きく、だから非常に疲れる。
分析してラベルを貼って分類して。それでいいじゃないか、という声がする。
それができないのは相方という関係性の為か。
他人ではないせいで考えざるを得ない。コイツのことを頭から追い出せたら、俺はきっと楽になれる。
それこそ、死ぬよりもずっと。
391 :
2/5:2006/01/29(日) 01:03:50 ID:qtgv3asb
「コイツね、もしやと思ってたけどホンマにホモなんですわ。」
全国放送のネタ番組、しかも生放送でのアドリブに観客から黄色い歓声が飛んだ。
「お前、何言うねん、生放送やぞ」「いやね、この機会にカミングアウトせなアカンと」
「なんでやねん!もうええわ!」「ありがとうございましたー」
相方は強引にネタを終わらせた。俺は半ば呆然として頭を下げる。
尺は?……大丈夫だ。
カメラの無いところで、相方は「ちゃんとやろうや」と言った。
「やっとるやんけ!うけたやん。」
「うけたけど。だったら、あのネタでちゃんと漫才作ろ。お前はネタ師やんか」
「アドリブ多いのお前やんけ。上からモノ言うなや!」
アドリブに対応しきれなくてネタを早めに切り上げることになったのはお前の技量不足だろう、という不満もあった。
しかしそれよりも、自分がアドリブでネタの流れをぶちぎってしまったショックが大きかった。
何の脈絡もないセリフだった。だからああして終わらせるしかなかったのだろう。
「……なんやねん、お前、おかしいで。疲れてんのか」
「疲れさせてんのはお前やんけ」
「……そーゆう切り返しが、そもそもおかしいねんて。」
ため息混じりの相方の言葉から逃げるようにして、楽屋へ急いだ。
392 :
3/5:2006/01/29(日) 01:04:39 ID:qtgv3asb
怪我の功名と言うべきか。新ネタはホモネタにすることになった。
しかも、筋だけを決めてアドリブで全編を押し通すという実験的な試み。
「祭りみたいなイベントとはいえ、ようやるな。」
そんな意見も当然あった。端正なネタ師にあるまじき暴挙ととるか、革新的ととるかは、今日の成果が証明してくれるだろう。
「僕たち二人で頑張ってるわけですけれども」
「はい、そうですね」
「でもコンビっていうても、決して仲良いわけでもなくてね」
「まぁいうたら、最悪ですもんね、僕らなんかは」
「いや、ホンマになんでこんなに憎いのかと」
「憎いんかい、言い過ぎちゃいますか」
「一日中、お前のこと呪ってますよ。『多邑死ね!多邑死ね!』いうて。」
「怖いし暗いわ!」
「もうね、どんだけお前のこと考えてるのかと。もうこれは恋なんちゃうかと。ちょっとお前突っ込んでーや。」
「気持ち悪いわ!そんな芸風ちゃうやろ!」
4分弱のアドリブは、大いにウケた。
若い女性になぜかホモネタはうけるというが、笑い声は確かに若い女性のものばかりで、舞台袖にいる他の芸人達は苦い顔をしていた。
だれも一様に「これは芸じゃない」という表情をしている。
そんなことは俺らも解っていた。
393 :
4/5:2006/01/29(日) 01:05:27 ID:qtgv3asb
ネタ合わせ、漫才の稽古の時間は確かに十分にとれなくなっている。
しかしそれは何の言い訳にもならない。
「この前の、あのイベントの漫才、おれはアリやと思う。」
出演前15分、通用口の長椅子に並んで座って煙草をふかしていると、隣の相方がぽつりと言った。
「あんとき、お前のこと笑わせたろって必死やった。客のこと忘れて。」
「それはプロとしてどうなん」
まぁお互い様やな、と思いながら煙草を揉み消した。
「あのネタ、もうちょっと詰めたら、またやれるかな」
「…良い線行くんちゃうかな」
「そっか?」
そういって嬉しそうに笑った。実を言うと俺もかなり気に入っていた。
通算打率の低い相方だが、アドリブとなると時にホームランをかっ飛ばすことがある。天然は得や。
そんな、偶然に助けられたネタではあったけれども。
出演を告げる声がする。それを聞いて二人でスタジオへ向かう。
「でもな、おれはお前のネタが好きやで。」
本番へのカウントダウンの最中に、耳元へ相方の言葉が滑り込んだ。
394 :
5/5:2006/01/29(日) 01:06:09 ID:qtgv3asb
漫才をやる時間は二人きりですからね。
なにかのときに相方が言ったセリフが胸を去来する。
俺は、そうは思わない。
俺は孤独を好み、彼の周りにはいつも青い孤独が見える。
二人、ではなく、ひとり ひとりの人間である、俺とお前がいるだけだ。
でも、あのアドリブ漫才の時間だけ、相方のこころに触れられた気がしていた。その時間だけ、孤独を忘れた。
ほんとうの意味で、二人になれる空間は、確かに舞台の上でしかないのかも知れない。
「これからも俺のこと支えてくれな。」
「なにゆうてんの、支えられてんのは俺の方やー」
「どんだけキモチワルイ二人組みやねん」
「愛してるで。これからも仲良く、割り切っていこうな。」
「割り切るってなんやねん!」
ホモネタ漫才の稽古で、お互いに吹き出さないようにセリフが言えるようになるまで20回。
滑らかにセリフが出ることで、リアルな掛け合いになる。
回を重ねるごとに、現実味が自分の中から消えていく。だからこそ、堂々と言うことが出来る。真実味を響かせることすらも。
「これがみんなネタならええのに。」
新ネタ披露のホームの劇場、舞台袖。
俺のこぼした言葉に、相方は変な顔をした。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ イジョウデス
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>395
GJ!
気林はあんまり詳しくないけどものすごく萌えました(*´Д`)
>395
GJ! GJ! GJ! GJ! GJ!
萌すぎて声がでないです。
>>365 下町待ってました。乙です。
また可愛いお話を書いて下さいね。
>>390 すごい、萌えた!ほんとに皮縞こういうこと思ってそう!
もうやめようと思ったのにまたDVD再生してしまったよ……
>>389 資格試験前だから我慢してたのにDVD見たくなったじゃないかw
GJ!
>>390 コンビ自体は2,3回ネタを見たことあるくらいでよく知らないけど、萌えた。
言葉の使い方がうまいね。
>390
激しくGJ!!
姐さん、感動したであります!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 悪魔城イ云説ラルフ×アルカードの四回目デス
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| >>208-
>>218の続きで。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 今回で一区切り、と思ったらナガスギタ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◆
その日、珍しく、アルカードは強情だった。
「なにも困ることはないだろう」
困っているのはこっちだ、とラルフは胸の中で思った。
「今度の街は今までのちっぽけな村とはわけが違う。このあたり一帯の交易の中心になっている大きな街だ。
おまえみたいな身なりをした者くらい大勢歩いている。かえって目立たなくてすむくらいだ。なぜ嫌なんだ?」
返事がない。
アルカードはうつむいたまま、自分の馬のふさふさしたたてがみを上の空のようすで撫でている。
いつもよりいっそう、その横顔が白いように見えるのは錯覚だろうか。最近習い性になってきたため息を、
ラルフはまたこっそりついた。
村落の多い山里を抜けて、大街道に合流する最初の都市だった。あと馬で半刻も行けば、このあたりではほぼ
最大と言えるカルンスタイン伯の城塞都市にたどり着く。
ワラキアが魔王ドラキュラの支配によって魔の跳梁する場所となってからは、この街がほぼ魔界と人界の境目のように
なっていた。
ここからワラキア側の少し大きな集落はほとんど全滅して、今は復興に必死だ。しかしカルンスタイン伯の都市は伯の
手勢による懸命の防衛もあって、かなりの程度までにぎわいを保っているらしい。魔王ドラキュラ打倒の噂が拡が
って、一時は逃げ出していた商人たちも戻ってきているそうだ。今夜は久しぶりにまともな宿を取って湯を使
い、食事もし、暖かい寝床で眠れると、ラルフは内心楽しみにしていたのである。
「おまえ、最近あまり寝ていないだろう」
アルカードの肩が小さくはねた。
「俺が気づいていないと思うなよ。ここ二、三日は特に、ほとんど朝まで一睡もしてないはずだ。どこか身体の
調子でも悪いのか?」
やはり返事は帰ってこなかった。アルカードは顔をそむけて、黒馬のつやつやした首に頬を埋めた。アルカードになつ
いている牝馬は、やわらかい鼻先を甘えるように主人の肩先にすりつけて、目をしばたたいた。
「調子が悪いならなおのこと、街へ行ってきちんとした食事をして、寝床をとったほうがいい。おまえはだいた
い食わなさすぎる。小鳥のほうがまだ食うくらいだ。いいから黙っていっしょに来い。サイファも俺の言うこと
は聞けと言ってたんだろうが」
「街へは……行かない」
細い声だった。だが、意志ははっきりしていた。
「私はここで待っている。街へは入らない。気に入らなければ、そのまま置いていってくれてかまわない。
ただ、街へは行かない。私は、ここにいる」
駄目だこれは、とラルフは思った。
理屈もなにもあったものではない。どんなに説得しても、街は嫌だ、行かない、の一点張りで、しまいには気
に入らなければ置いていけ、と来た。
そんなことはできないくらい分かれ、阿呆が、とむかむかしながら内心呟く。
置いて行けだと? 一人で放っておいたらたちまち自分で自分を身ぐるみ剥ぐような世間知らずが、よくまあ
偉そうに言えたものだ。
この数日、ただでさえ言葉の少ないアルカードが、日を追うごとにますます無口になっていくのを、ラルフはずっと
気にかけていた。普段でもあまり喋らない口が、ほとんど「ああ」と「いや」の二語しか発さなくなり、話し
かけても、つついて気づかせるまでぼうっと宙を仰いでいることのほうが多い。
抜けるような白い肌がだんだん血の気をなくしているようなのも気がかりだった。最近では白いのを通り越し
て、蒼白くさえ見えることがある。頬のあたりにわずかなやつれの影が出ているようなのは、気にするあまりの
錯覚だろうか。
それに加えて、ここ数日は夜もほとんど眠っていないようだ。体内の魔の血がそうさせるのかもしれないが、
いくらなんでも半分は人間で、生きている以上、いつかどこかで休んでおかなければ体力が保たないのは当然だ
ろう。ましてや、血のつながった父親との、あれだけの戦いをくぐり抜けてきた直後では。
「それならせめて理由を言え、理由を。なんで行きたくないんだ。今まで村に入るときは、そんなことは一度も
言ったことがないだろうに」
「……理由など、言う必要はない」
アルカードは完全にラルフに背を向けてしまっていた。
「おまえは行きたければ行けばいい、ベルモンド。──私は、行かない」
とどめの『ベルモンド』呼ばわりで、最後の我慢の糸が音をたてて切れた。
「ああ、そうかよ」
乱暴に吐き捨てて、ラルフは踵を返した。
「それじゃ勝手にしろ。俺は行く。おまえはここで気がすむまでいつまでも待っていればいい。好きにしろ。俺
はもう知らん」
アルカードは黙って立ちつくすばかりだった。
腹立ちまぎれに馬に飛び乗り、腹を蹴る。蹄を鳴らして街道へ出ていく自分の背中を、黙って追いかける蒼氷
色のまなざしをラルフはずっと意識していた。
振り返らないようにするには、相当の努力が必要だった。
夕暮れ近くなって、ようやく街の門が見えてきた。
ともすれば馬の向きを変えたがる自分の手を叱りとばしながら、荷車や徒歩の、または馬に乗った自分と同じ
ような旅行者、馬車を連ねた隊商などに混じって大門をくぐる。
魔王が滅した今でさえ、夜の外は安全な場所ではないのだ。まだ生き残っている魔物の残党が夜闇にまぎれて
人間を襲うのに加えて、盗賊や追いはぎも横行している。日没後は門はかたく閉ざされ、出るのはともかく、入
ることはまず許されない。もしアルカードが気を変えて追いかけてきたとしても、中には入れてもらえないことになる。
──まあ、あいつなら……
人間の追いはぎやそこらあたりの妖物にやられはしないだろう、と強いて思うことにした。なにしろすべての
魔の上に君臨する王を、その手で倒した腕前の持ち主なのだ。多少身体の調子が悪くとも、そんな小物に遅れを
とるような男ではない。
そこでまた自分が『心配』していることに気づき、ラルフはむかっ腹を立てた。
脳裏をちらちらする白い小さな顔をむりやり振り払って、広場に面した一軒の料理屋に入る。宿屋も兼業して
いるその店はけっこう繁盛しているらしく、一歩はいると、料理の温かな湯気とエールの匂いがふわりと顔を包んだ。
「へい、旦那、いらっしゃい」
店の亭主が前掛けで手を拭きながらやってきた。
「お食事で? それとも、お泊まりですかい?」
ひとまず食事をすることにして、料理とエールを一杯頼んだ。
注文を受けた亭主が厨房へ景気よく料理をと怒鳴る。ラルフはなんとなく手持ちぶさたな気分で、ぴかぴかの
テーブルに肘をつき、あたりを見回した。
席のほとんどは人で埋まっていた。ドラキュラが死んだという情報は、ラルフたちが思うよりも早く、遠くまで
拡がっていったらしい。今こそ稼ぎ時と見たのか、異国風の身なりの商人らしい男たちがいくつもテーブル
についてひそひそと商談をかわしている。大きく胸の開いた女を侍らせて、宵の口から真っ赤な顔をしている
ものもいる。陽気な笑い声や話し声、女の嬌声などがにぎやかに飛びかう。
妙な違和感があった。
あの闇の城、ドラキュラ城であったことを考えると、この喧噪はまるで嘘のようだ。魔物の襲撃があったころはこ
こも火の消えたようだったのかもしれないが、今では、それでさえいい稼ぎにしようとしている人間たちが
うじゃうじゃ集まっている。
こいつらは知らないんだ、とラルフは思った。
ドラキュラ城での戦い、サイファやラルフ、グラント、そしてアルカードが、あそこで何をし、どれだけ傷つき、
苦しみ、恐怖と悲しみに耐えて勝利したか。
知らせようとは思わないし、知ってほしいとも思わない。だが、何も知らずに赤い顔で馬鹿笑いしている
太った商人たちを見ていると、わけもなく気分が悪くなってきた。
こいつらは女を抱いて、酒を飲んで笑っていられるのに、なぜドラキュラを倒したあの美しい青年は、ひとりで
夜の闇に置き捨てられなければならないのか。父を殺した傷を胸にかかえ、戦いの疲れも癒えない身体で、
孤独と沈黙の中、俯いたまま。
食事が来た。この店の看板料理らしい、鶏肉を赤いパプリカで煮込んだものだ。
ひと匙すくって口に運ぶ。熱い肉汁と、スパイスの香りが口に広がった。
パンを割き、スープに浸して口に運ぶ。エールを飲む。肉を噛む。またパンを割く。
そんなことをしばらくくり返したあとで、ラルフは、目の前の皿の中身がまったく減っていないことに気が
ついた。エールのジョッキもいつのまにか泡が消えかけたまま放置され、ばらばらになったパンくずが手元に
散乱している。
>390
気林モエス(*´д`*)ハァハァ
イイヨーこういう空気がイイヨーwwww
そばを通りすぎた亭主が妙な顔をした。
「どうなさいました、旦那。うちの料理はお口に合いませんかい」
「いや……」
料理は確かに申し分のない味だった。エールも濃くて旨いし、パンも焼きたてだ。
それなのに、どうしても食べる気にならなかった。空腹なのに、喉を通らない。追いはらっても追いはらって
も、まぶたの裏に浮かびあがる白い美貌がある。
ずっと背中を追ってきた蒼氷色の視線が、今さらのようにずきりと胸を刺した。
もう大門は閉まっている。もし彼が思い直して追いかけてきていたとしても、門の外で立ち往生していること
だろう。
あの青年がそう簡単に気を変えるようなことがあるとは思えないが、やはり、引きずってでも無理やり連れて
くるのだったとラルフは悔やんだ。あたりの喧噪に無性に腹が立った。アルカードが外でひとりでいるのに、なぜ
おまえらはそんなに馬鹿みたいに愉しそうなんだと怒鳴りつけそうになる。
理屈も何もないのは俺の方だな、とラルフは苦い思いで考えた。
客たちに罪があるわけではない、彼らは何も知らないのだから。ただ、アルカードが払った犠牲のおかげでこう
していられることに、彼らがあまりに無関心でいることが──
いや、認めよう、とラルフは思った。
俺はあの白い、美しい顔が隣にないことが、物足りなくてたまらないのだ。
ほとんど喋らない、喋ってもたまに相槌をうつだけの相手だが、ちょっとしたことで氷の青の瞳がわずかに
和むのを見るとき、また形のいい唇の端がかすかに上がるのを見るとき、どれほど胸が躍るかラルフは今まで意識
していなかった。
彼がそばにいない今、それがどれだけ大きなことだったかわかる。手をつけられないまま冷めかけている料理
も、アルカードがいたなら、今ごろはあっという間にからになっていたろう。彼はいつものようにひとかけらのパン
とチーズと、少しばかりのワインしか欲しがらないかもしれないが、ラルフが気持ちよく大量の食事を片づけて
いくのはたいてい喜んだ。ほかの人間にはまずわからない程度の、わずかな声や瞳の変化で。
街へ行かない、とアルカードが言ったとき、なぜあれほど腹が立ったのかも今はわかった。この大きな街で、旨い
料理や目新しい品、たくさんの人や大きな建物を見せたとき、アルカードがどんな顔をするのか、それが見てみたか
った。最近、やつれた顔でうち沈んでいる様子の彼を、少しでも元気づけてやりたかったのだ。
それをすげなく断られたので、腹を立てた。
言うならばつまり、八つ当たりだ。
(子供か、俺は)
ラルフはパンくずだらけの食卓に目を落としてもうひとつため息をつき、心を決めた。
やはり、今からでもアルカードの所に戻ろう。
どうせ、こんな気分でひとりで宿をとっても、眠れるわけがない。それより、いつものように焚き火のそば
で、固い地面に毛布を敷いても、そばにあの銀髪がきらめくのを見ているほうがずっとゆっくり休めるはずだ。
「あれ、旦那、お宿はどうなさるんで」
食事代を置いて席を立とうとするラルフに、亭主がまつわりついた。てっきりこのまま泊まるものだと思って
いたらしく、あわてた顔ですっとんで来て、
「今ごろからお出かけで? なんでしたら、先にお部屋のほうをご用意させていただきますが」
「いや、部屋はいい。少し用を思い出した。食事は旨かった、代金はそこに置くからな」
「いやいやいや、旦那」
亭主は大げさに両手を振って、
「どんなご用か存じませんけどね、今夜お泊まりになるんでしたら、早い目にお部屋を取っとかれたほうがよう
がすぜ。なんせこのごろ、カルンスタインは新しい聖なる巡礼地になるかもしれねえってんで、そりゃあ大勢のお客が
来るようになってますんでね。夜遅くなってからまたお宿を探そうなんて、無理な相談で。今でしたらこちら
で、正面の広場を見渡せる最上のお部屋をご用意できるんですがね」
「巡礼地?」
ラルフは眉をひそめた。
「このへんで新しい聖人が出たか、それとも何か奇跡でもあったっていうのか」
「あれ、旦那はご存じなかったんですかい」
亭主の方が目を丸くした。
「それ、あれですよ。街の中心の広場で。新しい記念碑が建ってるでしょうが」
わざわざラルフを戸口まで引っぱっていって、指ししめした。人々が行き交う街の目抜き通りの中心に、まだ
できたばかりらしい、石の色も新しい十字架型の碑が建っている。
亭主は背伸びをしてラルフの耳に口を近づけ、声をひそめた。
「実はありゃあね、旦那、三年前、魔王ドラキュラの妃の魔女が退治されたあとなんで」
「……なんだと?」
ラルフは愕然とした。
魔王ドラキュラの妃。魔女。人間の、妻。
それはつまり、アルカードの──
「あ、もう何も害はねえ場所なんですよ」
ラルフの顔色が変わったのを、恐怖と勘違いしたらしい。亭主は意気揚々と胸を張り、
「なんたって、教会の方々が何度もお祈りと聖水でお清めなすったし、ああして聖なる十字架も立ててございま
すんでね。それに、あのドラキュラももう退治されたってこってすし、なんにも危険なことなんかございませんとも。
このごろじゃ、恐ろしい魔女が神の御力で打ち倒された場所だってんで、有り難がってお参りする方も増えて
まさ。悪魔のまどわしを打ち砕く力がいただけるって」
ちょっと十字を切って、いい気持ちそうに亭主は喋りまくった。
「なんせその魔女と来たら、やさしい顔して病人のいる家をあちこち回っちゃ、薬と騙して、毒を呑ませて殺し
たってことでね。もし告発されてなかったら、カルンスタインの人間全部が毒で死んでたかもしれねえって話ですぜ。
それでまた、恐ろしいじゃありませんか、なんと魔女めときたら、魔王の間に子供まで産んでたって噂で。
魔女自身はえらく別嬪だったそうですが、まあ悪魔の息子じゃどっちにしろ、二目と見られねえような化け物に
違いねえで──あ、旦那?」
喋りつづける亭主を無視して、ラルフは大股に祈念碑に近づいた。
大人の腰ほどの高さの石の台座に、真新しい青銅製の十字架が据えられて、道行く人々を高いところから見お
ろしている。台座には同じ青銅製の銘板がはめ込まれ、文字が刻まれていた。
『魔王ドラキュラの妻にして呪われし魔女、エリザベート・ファーレンハイツ
ここにて神の裁きを受け、浄化の火に灼かる』
つづけてラテン語で二行、
『イト高キ神ノ正義ハ
カクテスベテノモノノ上ニ働カン』
ラルフは無言で拳を振りあげ、銘板の上に叩きつけた。
すさまじい音がして、銅板が少しへこんだ。周囲の人々が驚いたように振り返った。店の亭主が悲鳴をあげ、
あたふたと走り寄ろうとした。
「だだ旦那、いったい何をなさるんで!?」
「どけ!」
怒鳴ったラルフの顔に何を見たのか、亭主はひっと喉を鳴らして一歩下がった。
ラルフはもうそれ以上かまわず、店の表に繋いであった馬の綱を解くのももどかしく飛び乗って、すっかり
暮れた街の通りを、まっしぐらに駆けだした。
大門の門番はラルフの形相を見るやいなや扉を開けた。止めでもしたら殺されると即座に悟ったのだろう。ほと
んど邪魔もされずにラルフはくぐったばかりの門を出て、夜の街道を、蹄の音を鳴らしながら疾走した。
(畜生)
なんで言わなかった、と胸の中でラルフは叫んだ。
あそこは母親が死んだ場所だ、殺された、人間の手で生きたまま火に投げ込まれた場所だ、だから行きたくな
いと、ただそう言ってくれていればすむことではないか。
それとも、口にすることすらできないほど辛い記憶なのか。そうかもしれない。この数日、アルカードが眠って
いなかったのも、顔色が悪くなる一方だったのも当然だ。彼にとってはカルンスタインへ近づく足の一歩一歩が、思い
出したくない過去の悪夢への旅路だったのだろうから。
母親が人間だというのは聞いていたが、それ以外のことはアルカードはまったく口にしていなかった。三年前に殺
された、魔王の妻。それはドラキュラが、それまでの沈黙を破って突然、人間たちへの攻撃を開始した時期と一致する。
あるいは、とラルフは雷光のように悟った。
最初にことを起こしたのは、人間のほうではなかったのか。
人間の女性を娶り、子供まで成すほどに魔王が妻を愛していたなら、それを奪われた怒りが、殺害者である
人間に向かなかったはずがない。
三年前、ドラキュラの手勢である魔物たちは、まったく突然に人間たちを殺しはじめたと考えられていた。だが、
理由はここにあったのだ。妻を殺されたことへの、復讐。
愛。魔王と呼ばれる者に、愛することができたのだろうか。おそらくできたのだ、配下の魔物たちにも人間へ
の攻撃を手控えさせ、ひっそりと城に引きこもったまま、ありきたりの父親と同じように、妻と子供と静かに暮
らすことを選ぶほどに。
だからこそその愛と、おそらくは幸福を奪われたとき、ドラキュラ、ヴラド・ツェペシュは狂ったのだ。心を失い、真の
魔王となって、混沌の中に呑みこまれていった。
そしてその息子は父にそむき、剣をとって、父を殺すための旅に出た。
「──畜生!」
今度は声に出してラルフは罵った。
なぜ言わなかった、アルカード。俺が信用できなかったか。母親を殺した人間の、その仲間である、俺が。
心臓がちぎれそうに痛んだ。それが激しい運動のためなのか、それとも、あの美しい青年と自分との間に横た
わる広く暗い深淵をあらためて思い知らされたためかは、ラルフにはわからなかった。
無性に怒り、苛立ち、誰かを殴りつけたくてたまらなかった。ことに、自分自身を。アルカードの苦しみの真の意
味に気づいてやれなかった、気づいてやれないまま八つ当たりをぶつけて勝手に置き去りにしたラルフ自身を、
こっぴどく痛めつけてやりたい。
遠くにちらりと炎が揺れた。
「アルカード!」
街道脇の草地に、ちらちらと炎が燃えている。昼間、アルカードと別れたあたりだ。焚き火が今にも消えそうに、
灰の奥で震えている。木に繋がれた馬の影が見えた。
「アルカード、俺だ。ラルフだ……」
馬を下りかけて、異様な雰囲気にラルフはぎくりと足を止めた。
消えかけた焚き火が、不安な黄色い光で木立を照らし出していた。黒い人影がひとつ、木にもたれるように
してぐったりと頭を垂れている。銀髪がかすかに光を反射した。
「……アルカード?」
垂れたままの銀の髪はぴくりともしない。
もやもやとした黒い煙のようなものが、その全身を覆って蠢いている。
ラルフは腰の鞭をつかんだ。
馬が怯えたように叫び声をあげた。
アルカードの肩のあたりにぼこりと盛り上がりができ、血のような赤い光が閃いた。節くれだった腕が伸び、蝙蝠
のようなよじれた翼がはためいた。
手のひらほどの小さな魔物が、醜い顔をゆがめ、耳まで裂けた口を開いて、ラルフに向かってしゅーっと牙を剥いた。
ラルフの鞭が一閃した。一撃で小魔は悲鳴をあげて飛び散り、同時に、アルカードの全身を覆っていた黒い煙が
どっと飛びたった。
羽虫か蝙蝠ほどの大きさしかない、小さな魔物の群体だった。雲霞のような群れはぴいぴいぎゃあぎゃあ鳴き
わめきながら夜の奥へと逃げ去っていった。アルカードは、そのままぐったりと地面にくずおれた。
「アルカード!」
鞭を戻して、抱き起こす。がくりと顔が仰向いた。青ざめた顔に、脂汗がびっしりと浮いている。呼吸は
浅く、早かった。乱れた銀髪が、ぬれた額に貼りついている。
「しっかりしろ、アルカード。俺だ、ラルフだ、もう心配ない。目を開けろ」
揺さぶりながら軽く頬を叩く。アルカードはうめき声を上げ、苦しげに眉間にしわを寄せた。手をあげ、何かを押
しのけるような仕草をする。
まぶたが開く。まだ焦点の合わない瞳が一瞬宙をさまよい、自分の上にひたと据えられた瞬間、ラルフは背筋に
冷たいものが走るのを覚えた。
(黄金の目)
──魔物の、眸。
瞬間、すさまじい力で手を払われた。
『私に触れるな、人間!』
鋭い声がほとばしった。
ラルフは本能的に鞭に手を伸ばしかけ、寸前で止めた。
目の前にいる青年を愕然と見つめる。それは昨日まで自分の連れだった蒼氷の目の青年と同じ顔をした、
何か、別の生き物だった。
爛々と燃える黄金の瞳は闇の中ですらまばゆいほどだ。白い顔は人のものではない憤怒と力で炎のように
輝き、開いた唇からは、真珠めいた細い牙が覗いている。
魔王の子、ドラキュラの息子、闇の公子。
まさにその名にふさわしい者が、そこにいた。
だが、それはほんのつかの間のことだった。荒い呼吸に揺れながらラルフを睨みつけていた黄金の目は、しだい
に光を消し、もとの蒼い瞳に戻っていった。全身からあふれ出す魔力の気配が潮の引くように薄れ、身体も
一回り小さくなったように思えた。
アルカードは茫然とラルフを見あげた。
「……ベルモンド」
「アルカード。大丈夫か」
ラルフは鞭から手をもぎ離して、もう一度アルカードに手を差しのべた。
「一人にして悪かった。魔物どもはもう逃げていったから、心配ない。こっちへ──」
アルカードは一瞬その手を見つめ、顔をそむけて身をひるがえした。
「アルカード? どこへ行く! アルカード!」
追いかけたラルフの手は空を切り、見るまに闇にその姿は溶けていった。ガサガサと鳴りひびく足音だけが、
彼の気持ちの乱れを伝えてくる。
「アルカード!」
顔をそむける瞬間に、ラルフは見たのだ。アルカードの、それまでずっと被っていた氷の仮面がひび割れて、彼の、
本当の顔が覗くのを。
暗い森の中で帰る道を見失ってしまった、幼い子供の顔。
「アルカード……!」
深まる夜の闇に、ラルフの呼び声がむなしく谺した。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )アト モウイッカイクライデ ヒトクギリ!
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>419 待ってましたー!!
。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン アノレターーーン!!うっうっ…
続きが気になって眠れない…(つд`)
>>419 うわーん!GJGJGJ!!
気になるよー!物凄く気になるよー!!
>>419 うぉぉ、つ、続きがー
アルたんどうなるのっ!?うわぁぁぁん
すごいよ姐さん。
アヤミタンの絵が自然と浮かぶよ!
ラルアルもへ。続きがめっさ気になる〜〜。
>419
姐さんGJGJ!!
アルたん……。・゚・(ノД`)・゚・。
続き待ってます!
うおおお419姐さんGJ…!
続き気になる!ていうか読めて幸せ!
>>419 つ、続き…続き待ってます。GJ!!!!
>>419 待ってました!いつも楽しみにしてます
アルたんが心配だよおぉ
本当にコジマ女史のカラーで世界が浮かぶよ!
つ、続き!続きが読みたくてウズウズします!(∩д`)+。アルタン…
>>150 禿亀だけど自チ仏キタコレ!!!
気づいて、その後…なんかもお待ちしております姐さん!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・;) ポエミースギテ、デンパスギテ・・・・。
キスのあとの一瞬の仕草に、好きだ、なんて思ってしまう。一旦そんな風に思ってしまうと、
あなたに対する思いが止まらなくなって、こうしてまたキスをねだってしまう。
大好きで仕方が無くて、本当に理性すら振り払ってあなた自身をねだってしまう。
触れたとしても、本当には触れられないのに。そうと分かっていても、ただあなたを抱きしめて、
あなたの心をねだりたいと切に願った。
高すぎる壁の存在を憎むこともあるけれど、それくらいあなたが好きなんだといつか強く伝えたい。
そのしなやかな手が好きで、触れた先から熱を帯びてしまうような気さえした。
馬鹿な考えに気付かれては困るから慌てて離すけれど、そんな瞬間すらもあなたの瞳は穏やかで、
全部知っているんじゃないかなんて疑ってしまうくらいだ。
だけど、それすらも《好き》の一因になってしまうのだから、感情と言うものは、やはりとても難しい。
傍にいられるだけで十分なはずなのに。それ以上を求めて、こんな関係になってしまって、
結局重ねられるものは全て重ねて、最終的には愛を確かめ合うことだけに没頭する。
その果てには何があるんだろうなんて、ぼんやりと考えつつ眠る日もある。
好きだよ。そう言うたびに優しく笑うから、何度だって好きだよと言う。
今の私のどんな行動にも、深くあなたが関わっていて、この不思議な感情が関わっていて、
少し前までの世界が別物みたいに見えるくらいだ。
時には愛さえあれば良いって、それさえあれば生きていけるって思うくらいに、あなたが好きだよ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ) うちの攻めは受けが大好きなんだとだけ言いたかった。
>431
いい……(*´д`)
攻めのあったかさがいい…
スープとかコーヒーのCMみたいなフレーズが好きだ
………
絡みスレより転載
423 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2006/01/30(月) 23:42:54 ID:+Wm11gLZ
ビデオ棚 主にナマネタ投下する人の大半
何でああも空気読めない駄作を落とすのか
いやもちろんナマネタでもいい話書く人もいる、いるけど
現スレの350、蛇東京ネタ書いた阿呆
少しでも萌えると思ってるんだったら勘違いも甚だしい
頼むからサイトでもなんでもいいから他所でやってくれ
2ちゃんで落とすようなネタじゃねえからマジで
何の為の絡みスレなんだか。
1レスも感想ない時点で当人も気づくだろうに……。
まさに空気嫁
ここは自己満足のオナニー場であると同時に
厳しい修行の場でもあるんだな
読む方にとっても苦痛に耐える修行
スルーする苦行
>>389 遅レスですがGJ!最後切ない…。
革縞の思考がリアルっぽい。すごい萌えました!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジコマンゾクゲ仁ソトウカシマース
基盤は得碁だけど好きな人に当てはめても
浴槽の中。
ふう、と溜め息を付き備え付けの時計を見ると午後3時を回っていた。
もうすぐ仕事。人々のご機嫌をうかがいに出なければならない。
なーんて。
まだ売れない、おもしろくもないコンビ。毎日ネタ詰めて、合わせて、ネタ詰めての繰り返し。
そんな日々には飽きも来る。
早く逢いたい。けどそんな素振りなんて一生見せたくない。
わざと遅く顔出して、あくまでもダルーい感じ丸出しの先輩ってツラ。
そうでもしないとただ無駄に高いだけのプライドが土壁みたいに壊れそうで
リーンリーンリーン
思考を遮るように電話のベルが鳴った。
こんな時間に電話寄越すなんて相方か…あいつか。
とりあえずバスタオルを腰に巻いて急いで受話器を上げた。
「はい、もしもし」
「ああ、はようせんと打ち合わせ始まるで。」
「…分かった。」
「あと煙草買って来て。」
「はぁ?」
一言だけ吐き捨てるとこっちから電話を切った。
誰に向かって買うて来てゆうとんねん。
むかつく。マジで。
違う銘柄カートンで買って高い金請求したろ。
劇場に行く理由なんて仕事以外でもええんとちゃいますか?
例えば、最愛の人の顔見に行くとか。
□ STOP ピッ ◇⊂(;∀; )ショウジンシマス
ありがとうございました
445 :
堪忍具:2006/01/31(火) 18:02:47 ID:akTOKLQ4
ゲイニソ
____________
| __________ |
| | | |
| | |> PLAY. | |
| | | | ∧_∧ 堪忍具ファソの皆様へ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
「よう」
「お、なんや」
ベッドの上の男は跳ねるように雑誌を伏せた。
「ちょ、久しぶりに来といて、連絡入れろや」
「のんきに週刊誌なんざ見て」
ドアを開けた相方は、テレビで見るそのままの不機嫌な顔だった。
仲縞は無菌室から一般病棟に戻ったばかりだった。
毛糸の帽子に、パジャマは大分布が余っている。
透明なカーテンに遮られて、さわれもしなかった数ヶ月。
久しぶりに同じ空間を共有して、声の響きも違って聞こえた。
「イス、これ座れや」
ベッドから半身出して、ケケ山の反対側にある丸イスに腕を伸ばす。
それを見て慌てた。
「無理するなよ」
「お。優しいな」
仲縞の一言に思わず口篭ったが、今は仕事ではないと思い直す。
どうも、久しぶりだからかスタンスが定まらない。
用意されたイスに大人しく腰掛けると、ぽつぽつと近況報告をした。
「あっちのPさんが、お前復帰したら早速出してくれるって言ってたで」
「ホンマか? 嬉しいなぁ」
こけた頬を上げて素直に喜ぶ。
「俺が戻っても、『お前誰や』言われたりしてな」
仲縞は冗談のように一笑に付したが、ケケ山は押し黙ってしまった。
“堪忍具”が戻った時、どうなるのか不安がある。
入院当初心配していたお笑いブームも、今になってみるとだらだら続きすぎた感があって。
再び舞台に立つ頃、世間は相方を迎え入れてくれるのだろうか。
本当に待っていてくれるのだろうか。
一人で四苦八苦したこの一年。
長いようで、流されたらあっという間だったのに。
447 :
2/3:2006/01/31(火) 18:07:04 ID:akTOKLQ4
「ケケ山、お前だって進んでネタにしてたやろー」
「営業行くと客はお前のネタ求めてくるんや。お前でおもろい話なんてないのに」
「ヒドイな」
「ピンで放り込まれて、どれだけ大変かお前知らんやろ」
「何や、悪い…」
「悪いなんて言うならこんなややこしい病気に罹るなよ」
「ああ…」
「仲縞! 仲縞!て一生分お前の名前呼んだわ!」
喧嘩腰なのはネタなのか本心なのか自分でもわからない。
仲縞は眩しそうに、少し微笑みながら、頷いていた。
448 :
3/3:2006/01/31(火) 18:08:11 ID:akTOKLQ4
「ケケ山……てるね」
「…あ?」
仲縞の声が小さくて、不機嫌な相槌を返した。
「お前言うたやろ。『がんばれじゃなくて、ケケ山がんばってるねと言ってください』て」
「ああ…」
確かに一昨年言った。それから『がんばってるね』という励ましの手紙がどっと訪れた。
信じられないほど大量の手紙と、大量の掲示板の書き込みがあった。
コンビの存続が危ぶまれ、不安で不安で堪らなかった時に。
「だから俺も言うたんやないか。ケケ山がんばってるね」
「…相方が言うことないやろが…」
「お前が頑張ってるの、一番知ってるのは俺やで?」
一人で四苦八苦したこの一年。長いようで、流されたらあっという間だったのに。
「当たり前だろ…誰のせいや」
ある時は舞台で、ある時は地方で、ある時は同じアパートで。
こんなにも当たり前の距離を、十何年も過ごしてきたのに。
透明なカーテンで仕切られた数ヶ月。それはきっと、本当に長かった。
丸イスの上で、少し体をずらし、初めて向かい合う。
「…ホンマ触っても大丈夫なんか」
「いや、それは構わんて…」
「そうか…」
そして二人は何十回目かのキスを交わす。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 師匠はアダモちゃん
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
なぜか名前欄が文字化けしてトリップになってます。
トリップ関係ありません。
>>450 すばらしいお(*´Д`)博多弁ちょと抜けててそこもモエス…
アダモちゃんテラナツカシスwwwww
新しい萌をありがとう
>>450 うわぁ
目から汁が…ネ申ですマジで。
モットヨミタイヨ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| *9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart5 より
|
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1135442141/319 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 遅くなった上に微妙に趣旨がずれたのでこちらで
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
最近やけに耳鳴りがするようになって、金縛りにもあうようになって、ついに体調を崩して仕事を
休んだ日のことだった。
「おーい。聞こえますかー?」
布団のなかでぬくぬくと丸くなる僕を、突然誰かが呼ぶ。
それは愛する奥さんの声……ではなくて、もっと懐かしい、ずっと耳にすることのなかった、
彼の声だった。そして体を起こせば、長い間見ることもなかった笑顔が、にんまりと僕を見つめている。
「……は?」
僕は驚いて、間抜けに口をぽかんと開けた。
そりゃそうだ。そいつはもうずっと前に死んでいるんだから。
「お前、」
開いた口がふさがらない、というのは今のような状態を言うんだろう。僕は口をパクパクさせながら、
目の前の、何だか半透明の男に向かって呼びかけた。
「久しぶり……って言っても、俺はずっと近くにいたんだけど」
奴は口を開いた。さいごに聞いたときと、全く変わりのない声だった。
「死んでからずっとね、お前の守護霊してたの。だって放っとけなかったから」
あっけらかんと言ってのけた彼の言葉を、僕は不思議と疑おうとは思わなかった。
へらへら笑っているこいつは、六年前に交通事故で死んだ、僕の、恋人……と言おうか、まあそんな感じの
奴だった。
本気で好きになった奴だった。生まれて初めて、一生添い遂げる覚悟をした奴だった。同じ性別だったのは
何かの間違いなんじゃないか、とか真剣に考えてしまうくらい、そしてそんなことどうでもいいと思える
くらい、愛していた奴だった。
そして六年前、僕はそんな人の死に目にも会えずに嘆き悲しんだ。後追いを考えたこともあった。
今となってはもう、随分遠いむかしのように思える。
「でも、もう大丈夫そうだね。よかった」
「ああ……聞いてよ、もうすぐ子どもが生まれるんだ。来年の夏だって」
「知ってるよ。奥さん、いい人もらったね。ちょい悔しい」
そう言って笑った目は何だか寂しそうで、僕は今よりもずっと若かった頃のことを思い出して、
少し悲しくなる。
今、僕は十二分に幸せだ。去年籍を入れたばかりの僕の妻は本当によくできた人で、すぐに後ろ向きに
なる僕に、文句一つ言わずそっと寄り添ってくれた。結婚して一緒に暮らすようになっても、前と
何も変わらない優しい瞳で駄目な僕を励ましてくれる。
だけど、こいつ以外の誰かを愛する日が来るなんて、考えもしなかった。
「……お前のこと、何も忘れたわけじゃないんだ」
「うん。それも、知ってるよ」
ぎゅっと抱き締められる。突然だった。
体温も鼓動も何も感じないけれど、確かに温かい。ずっと失くしていたぬくもりだった。
「あのね、俺、今度生まれ変わるんだ」
「……え?」
言葉に詰まって、僕は黙り込む。
「だから今度こそ、さよならなんだ」
「……そうか」
「ごめんね、さいごまで何もしてあげられなくて」
「いいよ。そんなん気にするなよ」
嘘じゃなかった。そんなことはどうでも良かった。抱き締めていてくれればいい。せめて、今だけは。
前に別れたときは、だって、名前を呼ぶことすらできなかったんだから。
数年前に置き忘れてきた感情が、いっときだけ僕を支配していく。もう二度と戻れないあの頃が、とても
愛しかった。
「どうしてもちゃんと挨拶したかったんだけどさ、お前鈍いんだもん。いくら叫んでもちっとも聞こえて
ないしさ」
背中まで回していた腕を今は僕の肩に置いて、いたずらっぽく奴は笑う。最近立て続けに怒っていた
ホラー現象が僕の頭をよぎった。
「……あれはお前か」
「うん。悪いね」
悪いねと言って笑った顔は、ちっとも「悪いね」なんて思っていなさそうだった。
「そろそろ、いかなくちゃ」
「……うん」
「奥さん大事にしろよ。子どもも大事にしろよ」
「分かってるよ」
「元気でやれよ。うんと長生きしろ」
「うん。お前も、元気でな」
「幽霊にそれは無いでしょ」
「あ、それもそうか」
「まー次に生まれてくるときはさ、元気によぼよぼになるまで生きてやる。そんで、お前にも会いにいくよ」
「待ってる」
「うん、待ってて。……じゃあね。バイバイ」
さいごの「バイバイ」は、もうほとんど聞き取れなかった。
かすかに残った抱き締められる感覚が、本当にあたたかだった。
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| | | | ∧_∧ 場所借り失礼
| | | | ピッ (・∀・ )
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>>453 GJ!GJ!!
枯れた心に潤いをありがとう!!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )鬼畜攻めのネタです。受け視点で。
「くそっ……アイツ、俺が抵抗できないからって好き勝手にやりやがって」
痛む腰にベッドから起き上がる事も出来ないまま、俺は一人毒づいた。
「ッ……」
「声殺すな、って言ってるのが分かんないの?」
口の中に無理矢理指を突っ込まれる。
開いた口から自分の鼻に掛かったような声が漏れ、俺は顔を背けた。
「噛めば良いじゃん」
アイツが冷たく笑う。指で口腔を好き勝手にかき回されて、むせ返った。
俺がアイツを傷つける事なんて、出来ない。
それを知りながら、アイツはわざと意地悪を言う。
「あーあ、つまんないの。抵抗しないならもっと酷い事しちゃうよ?」
どんなに肌を噛まれても、爪を立てられても。
アイツの白い体に魅入られた俺は、それに触れる事さえ出来ないんだ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・:)スマソorz
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 現実子供(英訳)メガネ×ピンゲイニン510らしいよ。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 需要無いとは思うけど、萌えてるから投下してみるよ。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ エチーの後のお話だよ。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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過去という言葉自体に元の意味以上の意味は無い。
かこ・過去・カコ・KAKO…字面の上での表記は様々でも。
そこに新たな意味を付随させるのは、過去を大切にする人間。
更にややこしいことには現在と過去は往々にして仲が悪い。
仲が悪い二つの事象をなだめすかし紡いでいくのが、愛だとするならば。
…現実は、かくも厳しいものなのです。
「…あーあー、もうこんな痕つけて…わっかいなぁお前は…」
下半身にスウェットだけ身につけた510さんが、髪を掻き毟りつつ
ぼやいている。僕は雑然としたキッチンでコーヒーを淹れながら
情事の後とは自分でも思えないほど静かな気持ちで、それを聞いた。
「そうしといたら他の奴とは出来ひんでしょ?男でも女でも。」
「お前にこんだけ絞り取られたら他の奴となんかできひんわ。」
出来る。例え身体がついていかなくても、心さえついていけば性行為
そのものは成立する。所謂安物のエロ本に書かれている<心と身体は別物>と
いうヤツだ。…とは内心で思ったが、それを口に出すのは止めておいた。
それを口に出したら僕の思った<他の奴>が誰なのか浮き彫りになってしまう
気がしたからだ。どれだけ小心者だと笑われても構わない。
やっと手に入れた宝物なのに、自分から手放すきっかけを作るのは馬鹿げている。
「まぁ、510さんも歳ですからね。」
「ちゃうわ。お前が若すぎんねん」
「えー?ほなその若造のでアンアン言ってる510さんも若いですね。」
「…お前なー…考え方と言葉使い完全にオッサンやで…」
ひどく顔を赤らめながらコーヒーを受け取る彼は死ぬほど可愛く
―三十路を過ぎた、しかも同性に使う言葉ではないと重々承知しているが―
僕は手を伸ばし、ぐしゃぐしゃに乱れた髪をそっと撫で付け整えてみた。
すると、はっと一瞬だけ目を見開くその仕草。
彼は今、僕の手に誰かの手を重ねている。
けれども僕は、それにわざと気づかないフリをする。
問い詰めてみたところで、無言で去られるだけだと肉体の実年齢より
精神が老成した僕は知っている。
「……苦労すんねんで。楽屋で着替える時とか。」
「…見せ付けたったらええのに。」
腹部に噛み跡、シャツの襟元から見えるか見えないかギリギリの
所にキスマーク。首筋のようなわかり易い所に痕跡を残さないのは、
関係の露呈を恐れているわけではない。僕は今の仕事を失うことに
なっても一向に構わない。失礼な物言いになるのを承知で言えば、
僕には学がある。しかも歳も若い。多くの可能性を持っているのは
明らかに僕の方だ。しかし、彼の事を思うと沈黙せざるを得ない。
彼が最も輝けるのは今の仕事しかないのだ。ベッドの上での彼を
愛しているのは勿論だが、俺は仕事の上で彼を尊敬している。
「アホ、んなことできるか。」
「…それは、俺と関係してることを知られたくないのかそれとも
510さんともあろうものがセックスなんて俗な事をしてるって
ことを知られるのがイヤなのか。」
「………野洲田?」
「え?あー…気にしないで下さい。あ、でも510さんが悪いんですよ。
何や、そのー…あれや。可愛い返しするから。」
再び真っ赤になった彼の頬を両手で包み、軽いキスをそこかしこに
降らせる。頭の中で冷たい思考の塊がカチンと音を立てたのには、
気づかないフリをして。
「やめ、くすぐったいて。」
「くすぐったいってことは、感じてるってことですか?」
「冷静な顔してアホな事言うな、お前…」
「アホで結構です。若いってのは、熱いモンらしいですから」
「…お前は、何にそんな熱くなってんの?」
「510さんの全部。」
「…何や、そんなに俺の身体ええのかー?」
そらとぼけた顔に、お得意の皮肉めいた問いかけ。大人ぶった言葉選び。
全てを見透かしてそれすら愛しいと思っている僕を510さんは知るまい。
「…過去以外、全部僕にくれたらいいんですけどねぇ。」
馴れ合った者同志にしか通じない問いに対してにすら、聞こえるか聞こえない
ほどの声量で答えるのは、きっと彼を失うのが怖い所為。
老成してると自覚はしていても、根っこまでは枯れてはいないらしい。
「あ?聞こえへんかった。何?」
「ならいいです。」
「何やねん、気になるやん。」
「まだ、言いません。」
「……まぁええけど。」
「あー、コーヒー冷めてまいましたね。温めなおしてきます。」
「…おぅ。」
「その間に二回戦の準備しといて下さい。」
「二回戦て……ほんまお前オッサンやな…」
彼が<誰か>の手を思い出さなくなることは、恐らく無い。
けれども、過去という言葉自体に元の意味以上の意味は無い。
問題は過去じゃなく、未来を如何に作っていくかということだと、言ってみる。
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| | | | ∧_∧ 何あの萌えブログ。
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>>460 リアルタイムで初めて遭遇した!!
需要ならありますよーノシ
何か切ない感じが好きです。GJ!!
確かにあのブログはモエ多すぎてふざけてるw
(*´∀`)モエス
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| 正月の警察ドラマ第二夜。弟×兄だモナ。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 時間軸がバラバラだ。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 今二月だモナ。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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470 :
弟×兄 1:2006/02/01(水) 12:08:48 ID:nALdeAxp
断片的に残る懐かしい記憶、その中でも特に大切で愛しい記憶がある。
眩しい夕日に染め上げられた住宅街の一画、どこからともなく漂ってくる夕飯の匂いに一人、また一人と原っぱから姿を消していく。
そして残されたのは二人だけ。
「一郎、そろそろ帰ろうか?」
「えー、まだやろうよー」
俺の幼い我が儘に兄は優しい笑顔を浮かべた。
「母さんにまた怒られるぞ」
「大丈夫だよ」
俺は兄の忠告にも怯まず声を上げた。
兄はそんな俺を見て今度は苦笑いを浮かべ、手の中にあった白球をなげてくれた。
『ポス』と小気味よい音をたててグローブに収まる。
「もうちょっとだけだぞ」
「うん!」
「ほら、お前の番だ!」
夕日のオレンジ色に溶け込んでしまいそうな兄に向かって俺は懸命にボールを投げる。
あの頃はそれが俺の全てだった。
夕日とグローブとボール、そして兄。
永遠に続けばいいと、今でも過去に願う事がある。
471 :
弟×兄 2:2006/02/01(水) 12:12:57 ID:nALdeAxp
帰国早々マスコミに囲まれても、今まで築き上げてきたマスコミ嫌いという看板を利用して
まともに返事を返すこともなく一心不乱に用意されたホテルの部屋に逃げ込んだ。
逃げ込んだ部屋に既に人の気配があると知ると、俺は小走りに部屋の中へ駆け込んだ。
「ただいま」
「一郎・・・」
制服姿でソファに座っていた兄貴は俺の姿を見つけるなり、スグ立ち上がって俺の元へと駆け寄った。
久しぶりに見た兄貴はどうにか笑顔を貼り付けてはいるが
その表情は彼の疲れきった心情を滲ませて、痛々しい。
「兄貴」
俺はたまらず兄の体を引き寄せ抱きしめた。
腕の中に収まった兄貴の体は以前よりも細くて今にも折れてしまいそうだった。
それでも俺は腕に込める力を緩めることができず、背後で扉が閉じる音を聞くと
そのまま兄に口付けた。
角度を変えて、深く口付けをつづけると次第に兄の体はカクカクと震えだし
必死になって俺の背中に両手を回した。
「一、郎・・・」
「会いたかった」
「帰ってきたばかりで、大丈夫なのか?」
「兄貴が目の前にいるのに触れられない方が辛い」
そうやって自分でも笑えるくらい熱っぽい声で呟くと、兄貴は何も言わなくなって
俺の腕の中に体を預けてくれた。
「俺も、会いたかったよ」
仕事中にもかかわらず、こうして俺を求めてくれるのだと思うと、
その些細な一言に体中の血が沸騰するのがわかった。
ぐらぐらと体中に煮えたぎった血が巡った頭の中で、俺はいつまでたっても成長をしない
幼すぎる自分の姿に嘲りを覚えた。
472 :
弟×兄 3:2006/02/01(水) 12:16:13 ID:nALdeAxp
年の離れた腹違いの兄。
優しくて控えめで、詰めが甘くて、誰よりも俺を思ってくれる人。
子供の頃はそんな兄が好きで好きで仕方が無かった。
特に兄とするキャッチボールが楽しかった。
兄に少しでも近づきたくて、俺は野球を始めた。
それがいつからか、俺の兄に対する愛情は兄弟愛や家族愛の枠を超えた物に変わっていた。
自覚したのは、偶然見かけた兄の自慰。
俺が12歳の頃、兄は既に警察官としての道を歩き始めていた。
長い研修期間を終え、実家に帰ってきた兄に俺はべったりで、
兄はそんな俺に疲れた顔も見せず俺の傍にいてくれた。
だからその夜、俺は兄の傍に少しでも居たくて自分の枕を持って兄の部屋に向かった。
そして兄の部屋のドアをノックしようとする前に、隙間から毀れる部屋灯りに既にドアが開いている事に気づいた。
きっと兄は閉めたつもりなのだろうが、どうやらドアの金具の掛が甘かったらしい。
俺は兄を驚かせてやろうとそっと隙間から部屋の様子を覗き込んだ。
「・・・っ、ぁ・・・っ・・・」
「・・・・・・・・・・・」
12歳の俺は既に兄が何をしているのか、理解できるだけの知識を持っていた。
俺はその光景から目が離せなくて、兄が果てるまでただ見つめていた。
「はぁっ・・・はっ・・・はぁ・・・」
ティッシュの中に精液を吐き出した兄はそのままティッシュを捨ててベッドに横たわった。
真っ赤に蒸気した顔は、疲れと眠気で虚ろな瞳が今にも伏せられそう。
俺はそのまま自分の部屋へ戻った。
兄が落ち着くのを待っても兄はそのまま眠ってしまうだろうし
何せ、自分自身が興奮してしまって兄の顔をまともに見る事ができそうになかった。
「・・・・・・あ・・・・・・」
自分の部屋にたどり着き、ドアをしっかり閉めると俺はほっと息をついた。
そして自分の体の異変に気づく。
「勃ってる・・・」
それが一番最初だった。
473 :
弟×兄 4:2006/02/01(水) 12:16:58 ID:nALdeAxp
「・・・・・・っ」
急激な眩暈を夢の中で覚え俺は息を飲み両眼を開いた。全身を冷汗とも脂汗ともつかないとにかく嫌な汗が伝っている。
部屋の中にある時計に目を向けても真夜中に支配されたこの場所では時間の確認など無理な話だった。
深く呼吸をして意識を取り戻し電話の子機を探した。
黄緑色に灯った数字の明かりを頼りに日本の国番号と目的の電話番号を押していく。
聞きなれたコール音が数回、ブツっという鈍い音が聞こえると一気に心が解れていくのがわかった。
『はい、もしもし』
「兄貴、俺だよ」
『一郎か?どうしたんだこんな時間に?』
「あれ、迷惑だった?」
『そうじゃないさ、こっちはいいんだ。でもお前は、随分遅い時間じゃないのか?』
とにかく自分よりも他人を気遣う兄らしい言葉だ。
俺は自然と笑みを零していた。
「いいんだよ、今目がさめたんだ」
『そうか、どうしたんだ?怖い夢でも見たのか?』
「兄貴、俺の事まだ子供だって思ってる?」
『そ、そうじゃないけど・・・じゃあどうしたんだ?』
「兄貴の声が聞きたくなって」
『・・・・・・』
俺のあけすけな言葉に兄貴は言葉を詰まらせた。
控えめな兄はとにかくこんな風にハッキリと好意を見せると言葉を詰まらせる。
しかもそれが兄と弟の間にあるべき好意ではないだけに、尚更。
474 :
弟×兄 5:2006/02/01(水) 12:19:36 ID:nALdeAxp
「なぁ、そっちで何か変わった事ある?」
『変わった事か・・・母さんたちは相変わらず元気だし、俺は独り身だし』
兄は数年前結婚をした。婿養子に行ったのだ。
何でも相手は随分な資産家らしく、相手の家族は兄に後継ぎとなる事を強く望んだらしい。
しかし警察官という職業に兄は誇りを持っていた。
兄は穏やかでも、一番大切な部分だけは譲らない強い一面がある。
警察官としての誇りはその大切な部分であり、ソレがキッカケで兄は離婚した。
『・・・あぁ、でも・・・・・・』
「何?」
『・・・いや・・・あの、な・・・』
歯切れの悪い兄の言葉に俺は眉を顰めた。
兄は悩みや苦しみをギリギリまで独りで抱え込む。
歯切れの悪い口調はそんな悩みを抱えている証だ。
「兄貴何があったんだよ?」
『・・・・・・・・』
「兄貴頼むから言ってくれよ、このままじゃ気になってまともに野球もできない」
『・・・・・・・・俺、警察官辞めたんだ』
ぽつりと投げられた台詞に俺は固まった。
止めた?
あんなにも誇りを持っていた警察官を?
幸せな家庭すらも捨てて選んだ道を?
何故?
疑問符は山ほど頭に浮かぶ。
きっと目の前に兄がいれば俺は掴みかかっていたに違いない。
475 :
弟×兄 6:2006/02/01(水) 12:20:45 ID:nALdeAxp
『・・・一郎?』
「・・・・・・・なんでだよ?なんで辞めたんだ!!」
『・・・・・・それは・・・』
「兄貴は警察官っていう仕事に誇りをもってたろ!?だから離婚までして!!」
『・・・・・・・』
「それが何で、どうしたんだ?何があったんだよ兄貴!!」
深夜だということも忘れて俺は声を荒げた。
『一郎・・・ごめん』
「謝らなくていいっ!理由を教えて欲しいんだ!!」
『・・・・・・自業、自得・・・だよ』
「どういう意味だ?ハッキリしないんなら俺今すぐ日本に帰るよ」
『そんな無茶な・・・』
「無茶じゃない。それが駄目なら今教えてくれ」
『・・・・・・・それは・・・』
兄が語りだした物語に俺の頭の先から冷えていくのを感じていた。
476 :
弟×兄 7:2006/02/01(水) 12:21:40 ID:nALdeAxp
「兄貴」
「一郎・・・」
とうとう手にかけた。
けれど心は予想以上に穏やかだ。
きっと兄を苦しめる人間を消すことができたからだろう。
後悔や良心が痛むことなど無く、清清しい気さえする。
どこか軽い足取りで俺は自分の部屋に戻った。
「やったのか・・・」
「あぁ、死んだよ」
俺は静かに答えると、兄は曖昧な表情を浮かべた。
安堵や絶望、後悔、期待、複雑だった。
「・・・・・・・・・・・・」
「兄貴が後悔することは無いよ。俺が全部やったんだ」
「でもお前にそんな事をさせたのは、俺だ!俺なんだ・・・」
その痛ましげな表情に俺は固まった。
兄を助けたいと思っていたのに、今俺が兄を苦しめている。
「一郎・・・」
「・・・兄貴は何も悪くない。悪いのは全部、全部あいつだ」
「・・・・・・」
「俺はな、兄貴。兄貴以上に大切な物なんてないんだ。野球よりも何よりも」
ソファで肩を落とす兄の傍によって俺は囁いた。
兄は両手で自分の顔を覆った。
泣いているのだろうか?肩が震えている。
「兄貴泣くなよ・・・」
「・・・泣いてなんかないさ」
顔を覆っていた手を兄は緩慢な動作で降ろして行く。
そして俺のほうを振り向いて、精一杯の笑顔を見せた。
477 :
弟×兄 8:2006/02/01(水) 12:22:16 ID:nALdeAxp
「俺は最低だ・・・」
「兄貴」
俺がやった事が兄の一生の傷になるのかと、背筋が凍る。
そんなことは無いのだと、気にすることはないのだと言い聞かせたくて
俺は兄の肩を強く抱いた。
「お前に、こんな事をさせて・・・」
「・・・・・兄貴」
「俺は嬉しくて仕方が無いよ、お前の一番が俺だって思うと」
「・・・・・・・・・」
「結局俺の一番もお前なんだよ」
兄はそう言って自嘲気味に笑う。
俺は予想外の台詞に、言葉が出てこない。
「警察官としての誇りも、幸せな家庭も・・・何もかもお前には敵わなかった」
「・・・・・・」
「俺は最低だよ」
俺はどうしようもなくて、言葉が出てこないからそのまま兄貴を強く抱きしめた。
最低なのはお互い様だ。
人を殺めて、一番大切な人をこんなにも苦しめて。
それでも、兄貴の台詞に俺は高揚して、歓喜している。
「兄貴、もういい。それだけで、いいんだ」
「一郎」
夕日とグローブとボール、そして兄。
子供の頃はそれが俺の全てだった。
でも今は、兄だけが俺の全て。兄にとってもきっと。
それだけで全てが救われた気がした。
今から歩き出す道が地獄に繋がっているとしても、それだけで。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 暗くてスマソだモナ。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| でもラブラブだモナ。
| | | | \
| | |> STOP | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ オヤジモエ。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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>>450 萌え泣いた
一年療養、ってことはもう帰ってきていい頃なのにな…セツナス
「なぁ、キスしよーか」
「な、やだよ。何でおまえと」
「ははっそーだよなぁ」
「そーだよ、何だよ。気持ちわりぃなぁ」
「いやーわりーわりー」
そーなんだよなぁ
お前には美人な奥さんがいるし可愛らしい子供さんだっているし
俺とそんなことしてる場合じゃないんだもんなぁ
俺はしたいんだけどなぁ
セックスとかキスとかお前としたいって思っちゃうんだよ
気持ちわりぃかなぁ
気持ちわりぃだろうな
「おい、なにしてんだ行くぞー」
「お、おう」
「おまえめがね、めがねわすれてんぞ」
「お、やべーさんきゅー」
でもまぁいいか
おまえの隣は居心地がいいんだよ
もうきっと変なこと言わないしなんもしないからさ
「なんか今日お前気持ちわりぃよ、かおわらってんぞ」
「うるせーな、なんもねぇよ」
ずっと一緒にいてくれるかい
STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ
すみません最初囲い忘れ…夏が好きなオ笑イゲ仁ンさんでした。
>469
GJ!ドラマ見られなかったのが悔しいよ。本当に萌えをありがとう。
>>469 キタァァァァァァ(゜∀゜)ァァ( ゜∀)ァァ( ゜)ァァ( )ァァ(` )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ
もう姐さんGJGJ!!
せつなすぎる・・・でも萌える。
>469
GJ!!!!!!!ネ申キター!!!!
ありがとうありがとうありがとう…
今でも萌えている私にはものすごい投下です、もう萌え死ぬ…!
>469
感動再び・・・!!
>480
ケケさん…セツナス
すいませんちょっと呟かせてください
前々スレに投下されてたド/ク/オ/ク/エスト
いまさら読んで泣きますた
……続き読みたいす(ノД`)
自分もド/ク/オひっそり待ってる。
魔王とどう絡むのか見たいんじゃ――!!
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| カップリング以前の、おっさんネタだモナー
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| モデルは居るけど、別人だからな
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ニューアルバム
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 発売記念だゴルァ!!
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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1/2
「師匠、お仕事してくださいね…締め切り、明日ですよ〜」
師匠のおでこに一筋の血管が浮き出る。
すぐに機嫌を損ねるこの人は、だけど天才だった。
締め切りを破った事など無いのだ。
だけど、気分転換の好きな人だから、僕はいつもヒヤヒヤする。
師匠は作品を産み出す時は壁の四隅に向かってジッとしている。
そこで突然「降りてくる」のをひたすら待っているのだ。
その角で何も浮かばなければ、次の角に行く。
ハプニングは大歓迎。ハプニングから生まれたものは意外性があるから。
師匠は、天才だった。
「どこ行くんです」
「風呂。」
「さっき入ったじゃないですか〜ふやけちゃいますよ!」
「ウ ル サ イ 。」
師匠はお風呂が好き。
一番手近な気分転換として、詰まると一日何度も入ったりする。
好きな入浴剤を入れて、好きな香りの中で、ガキデカを読んだり、落語を聞いたり。
少しだけ気の晴れた師匠はまた仕事に取りかかる。
師匠は働き者だ。
気分転換はするけど、休むことはほとんどない。
2/2
…なんて考えていたのに、どうも師匠は仕事じゃなくて遊びを始めたようだ。
一番手近な遊び場、ネットへ。
師匠はネカマで遊ぶのが好きだ。
ちやほやされて、満足そうだ。
「師匠、僕そろそろ帰りますけど、仕事ちゃんとやってくださいね。」
「帰れ帰れ。一人にしてくれ」
「なんです、それ。」
だけど寂しそうな口調で言うものだから、もう少し居る事にする。
「師匠、今日はなんてハンドルなんですか?」
「マッハの船」
「そんなんでなんで相手は女性だと思うんですかね…」
師匠は楽しそうだ。
師匠が楽しそうなのは、なんだか嬉しくなる。
「師匠、本当にそろそろ仕事に戻って下さいよ?もしくは、明日にして、寝て下さい。」
「やだやだ、まだ寝たくない」
「子どもみたいに駄々こねないで下さいよ」
「帰っちまえ」
「帰りますけどね。まあ、大丈夫だとは思いますけど。」
また明日来ます、そう言って師匠の家をあとにした。
だけど明日行ったらきっと作品はできている。
そんな人だ。僕の師匠は。
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ おそまつでした。
| | | | ピッ (・∀・ )
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|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>492
マッハの船ワロタw
知らんカップルのようだけどほのぼの萌えしたス。
>492
わがままマイペースおっさん萌え…
も、もしかしてこのお話の二人は(メル欄)ですか…?
>490
うわーアルバム明日密林から届くよ〜。
おっさん相変わらず女王でなにより。
/ wVヽ) 美川べるの「ストレンジ・プラス」と
ゝソ・∀・)、 お面リャイダーしもんマンのコラボネタだ脳髄グシャー
./,, ノ へヽ し しもんマン!?
ノ,,.|;゚Д゚ノ)
/ wVヽ) あっ間違えちゃった★
ゝソ・∀・)、 ストプラと魔.法.戦.隊.マ.ジ.レ.ン.ジャーのコラボネタだよ!
./,, ノ へヽ どうやって間違えるんだよ! ていうか、え、
ノ,,.|;゚Д゚ノ)そ コラボとかどうやって
/ wVヽ) ストーリーじゃなくネタだから全て会話文でも大・丈・夫!! さいせーい
ゝソ・∀・)、つ◇ピ(R.AI.N) |>PLAY
./,, ノ へヽ ……
ノ,,.|;゚Д゚ノ)
「今日も一日依頼も無し、っと」
「何だよつっまんねーなぁ、こう、俺様のブリリアンスを最大限に駆使させるような事件は起こらんもんかねェ……
例えば弟のホクロが一度に爆発するような」
「そういう直接的なことを俺を見ながら言わないでよ兄さん」
「もしくは何者かが恒の乳首にヘア○ォーラ○フで長毛を植えるような」
「だからそういう!! まさに無駄毛じゃないか!!!」
「……それらはお前のブリリアンスを最大限に駆使させる事件なのか巧美」
「じゃあ私はもう失礼するわね」
「へーい」
「俺もそろそろ帰ろうかなー」
「お疲れさまですー」
「あら?」
「どうした美羽、頭部をおっぱいプリンにされた倒狂プリンでも立ってたか」
「兄さんそんな非現実的な!」
「まだ女装した護衛ズが立ってたって言われた方が現実味があるぞ……」
「正宗当たり」
「………………」
「(ちょっと兄さん、何か言ってあげなよ)」
「(あぁ!? 嫌だよ、なんか下手にいじれない雰囲気じゃねぇか!
ていうかこのミラクル美少年俺様の目前で女装たァいい度胸だ)」
「(取り敢えず何か喋ってくれないかしら)」
「(あれ? この格好……)」
「「……こッ、恒例!!」」
「(喋った!!!)」
「今年もやってまいりました突発ボーナス査定!
今回あんたたちは用意された衣装を装着し、
現在絶賛放映中☆魔.法.戦.隊.マ.ジ.レ.ン.ジャーになるのよ!」「なるのよ!」
「な、なんだって――!? ΩΩΩΩ」
「五.色の魔.法使いに扮したあんたたちは、
果たしてイ.ンフェ.ルシ.ア(美国本社)のン・.マ様(美国社長)のとこまでたどり着けるかしらー!?
勿論道のりにはたくさんのトラップが用意してあるんだからー!」「あ、あるんだからー!」
「(なぁおい、アレなんで香織はあとから語尾のみ繰り返してんだ?)」
「(そういうキャラなんだよ、米良がナ.イ、香織がメ.アっつって)」
「(それなんてエロg)」
「「 聞 け 」」
「はい」
「日暮れまでに着けばクリア!
今回は制限時間が短いから、せいぜい頑張ることねー!」「ことねー!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
エクスカリビャーしおり
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(*゚∀゚)
( ゚Д゚) /ヽ/ヽ (゚Д゚;)
/\ヽー──〉────// )
〉 \ / 〈 ここまで目覚めた
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「――しかし、突っ込み難い格好してたわね」
「いい年した男二人がホットパンツにオーバーニーのパンクスに、
ミニスカパニエでスパイラルツインテールのゴスロリか……こういう萌えも有りなのかな……」
「まったく恥ずかしくねぇのかねーあんな格好してよ」
「巧美お前が言うな」
「何でわざわざマ.ジレ.ンなんだ、雅史がハマってんのか?」
「ねぇ兄さん、二人の立ち去った後に涙が点々と」
「お、結構サイズごとに衣装あんじゃねーか」
「聞きやしねぇ」
「はいはい俺グリーンがいいでーす!!」
「えーと、俺は――」
「恒ちゃんにレッドあげるよ、その代わり俺のことは正宗兄ちゃんって呼ぶんだぞ」
「えっ……やったぁ! でも正宗さ……兄ちゃん、いいんですかレッドじゃなくて?」
「何言ってるんだ恒ちゃん、確かにグリーンと言えば戦.隊の中でも突出した地味ポジション――
だがしかし! 近年グリーンは一癖も二癖もある、レギュラー敵幹部並に美味しい色なんだよ!
特に前年度のグリーンなんてアンドロイド美少女とかショタ猫異星人との交流が」
「貴方の心にユメミノレクスリ☆ オズたん登・場――――――!!!」
「まァた全体重かけて降ってきやがったこの先生はよォォ――――!!!」
「いよーう」
「おう、ドロシーも一緒か」
「正宗がきっかり五センチ床にめりこんだ!! どんな高さから降ってきたのよ先生!」
「ウフフフフちょっと死にかけたときのト.ド.ロキ気分……☆」
「オイオイ僕がオト.ロ.シとは失礼なよっこいしょ」
「ちょっ、言いながら兄さんまで抱えないでくださいオズ先生!」
「だ、大丈夫、鍛えてますから……」
「兄ちゃんさっきから番組が違うよ!」
。゚・+.゚。゚・+.゚…ズキュ――ン……゚・+.゚。゚・+.゚
『え……なにこの「兄ちゃん」呼びのときめき……
やばいって俺! ボォイズラブでしかも身内ネタはやばいって!
でも立った!? フラグ立っちゃっtt
「はいはいオニイチャンはそろそろ床から這い上がってくださいねー」
「所長、襟のとこ締め上げてるから正宗の顔色がグリーンになってるわ」
「大体なんでオズ先生まで衣装着てるんですか! 勝手に!」
「何を言う、だいたい僕の名字からして、ちょっと伏せるべき?ってくらいこの場に相応しいんだよ!?
しかもイエローの特技が薬造りときた!」
「あっ、そうか……」
「でも着るのはシャ.イ.ンのジャケットなのね」
「恒ちゃんにちい兄★って呼ばれるのも捨てがたかったんだけれどね……
ここは一転していけないセンセイポジションでいかせてもらうよ!」
「うわぁー、普段と変わってねぇー」
「まぁ、言いたいだけニャので気が済むまで相手してやってください」
「ドロシーちゃんは魔.法.猫なんだ、可愛いー」
「よっと、いまいち胸がきついわねこれ」
「フホホホホ、桃色美羽ちゃんバージョンアップ☆ってか」
「うわムカつく、その乾いた言い方がムカつくわ……!!」
「まあ実際ピンクの中の人は五人の内では最年長なわけdwせdrftgyふじこlp;@」
「うふふお兄ちゃん、いくら美羽ちゃんでも許さないゾ☆」
「あれ、兄さん絶対ピンクにいくと思ったのに」
「何言ってんだ恒、癒.しを.与え.る慈.愛.の色・ブルーだぞ!?
地上に舞い降りた最後の天使★巧美様にこれ以上適した色があるか言ってみろこのザ・もずく頭!!!」
「言わない! 慈.愛の.色は弟にザ・もずく頭とか言わない!! 大体俺もずく頭じゃないし!」
「うっさい、俺のことはちい姉って呼べ!!」
「そうだぞ巧美、大体もずく頭ってのはあの狗堂みたいなのを言うんだ」
「そう、私みたいなってオイオイ」
「ノリツッコミしながらオッサン出たァ――――!!!」
「ふふ……闇に生まれて闇に帰す、魔.導.騎s」
「ンおォ――前が ウ ル ザ ア ド ――――ォォォォ!? てめぇなんかエロザードで充分だっつの!」
「だからエロ系のあだ名を付けるな!」
「うーん、いくらあの生ける肉布団こと美国社長でも、最要注意人物の狗堂を起用するはずがなゴフゥ」
「ああっ、何故か偶然オズ先生の頭の上にどこからか降ってきたハイヒールが!」
「離れていても僕は君達のことを見守ってるよ……ずっとずっと、永遠にね……」
「先生ー! それが言いたかっただけですか先生ー!!」
「大体なんでお前までンな格好してんだよ!」
「え、だって晩冬を過ごす巧美を観察しようと乗り込んできたらみんなそんな格好してるから、
仲間はずれはやだなって」
「ノリかよ!!!」
「観察とかマジキモスwwwwwっうぇwwwwwwww」
「兄さん目が遠いよ! あとそれどうやって発音してるの!」
「っしゃ――!! 上等だエロガッパ! 美国探偵事務所の門をくぐった輩は全ての望みを捨てる運命なんだよ!!
望み通りギッタンギッタンにしたらァ――!!!」
/ wVヽ) 後編に続く! ミューズ再臨を暫し待て地上の民!!
ゝソ・∀・)、つ◇ピ [][]PAUSE
./,, ノ へヽ えぇー!
ノ,,.|;゚Д゚ノ)
551 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2006/02/03(金) 03:36:29 ID:CQBRj4ec
棚494
純粋に疑問なんだが、敢えて伏せられている元ネタをメル欄でとは言えいちいち
晒すのが何でなんだろう。
555 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2006/02/03(金) 04:00:53 ID:8njVs/tp
>551
同意。分かる人は分かるし、分からない人は分からない。それでいいと思うんだが。
つかあの書き方がウザイ。文字でどもるな。
またお前か市ね
?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 林間の熱海・罰の妄想らしいよ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
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509 :
下町1:2006/02/04(土) 02:37:28 ID:6IUUNkkS
熱海とは良く言ったもので……
松元はロケバスの窓から一望できる相模湾の青い海面をみてため息をついた。
「あかんやん…あれ絶対冷たいって…あかんって…」
独り言のように呟くと、「では準備整ったんで、そろそろ…」のスタッフの声に仕方がなく頷いた。
チラリとバスの一番奥の座席を確認する。
濱田はふて腐れたように、窓にほおづえをつき、眉間に皺を寄せていた。
「さっぶう…」
外に出たとたんに頬を撫でた海風に松元は肩を縮こませた。ダウンジャケットの前を手繰り寄せその場に小さく地団駄をふむ。
「今、何度くらいなん?あの、水温って」
後ろに立つディレクターは松元の問いに無情な返事をよこす。
「えー……」
冗談抜きの恐ろしい温度に、松元は口を覆って驚く素振りをすると目を瞬いた。
「死ぬんちゃうかな…」
ちょっと身体動かしとこ。
松元は小さく呟くと、波打ち際に向かって歩き出した。少ししゃがみ込んで、寄ってきた波に人さし指をくぐらせる。
途端にその冷たい感触に気持ちを萎えさせると、がっくりと肩を落とした。
しばらくそのまま波を見つめていると、いつのまにか後ろにマネージャーが立っていた。
「もう本番いけそうなんか?」
松元はゆっくりと振り返ると、ボソボソと喋った。
「いや、ちょっとまだ…カメラの準備に手間取ってるみたいで」
「……」
松元はゆっくりとロケバスの方を指差した。
「なんです?」
「あのー…あれ。濱田。準備してんのか。あいつ」
「あーはい。みたいですよ」
「あいつ、大丈夫なんかいな。風邪気味みたいやったけど…いけるって?」
そう呟く松元の問いに、「だったら御自分で聞いてみたらどうすか?」とマネージャーは心の中で思いつつ困ったように笑った。
510 :
下町2:2006/02/04(土) 02:39:13 ID:6IUUNkkS
「濱田さんも、松元さんの心配してましたよ」
「ふーん…あっ、そう」
「じゃあ、準備でき次第、スタッフの方が声をかけると思うんで」
「おう」
そそくさと去っていくマネージャーの背中をチラリと振り返ると、松元は所在なさげに波打ち際を歩き出した。
しばらく歩くと、視線の先に不機嫌なオーラを漂わせた男がしゃがみ込んでいた。
松元の気配に気付いたようだが、濱田は振り返らず海をみつめたままだった。
「船に乗せられて、あっこらへんまで連れてかれるらしいで」
濱田はそう言うと、遠くの海岸線を指差した。
「ここで俺らがゴネたらおもろいやろなぁ…」
松元の平坦な声に、濱田は鼻を鳴らすように小さく笑った。
「思いっきりな」
「ああ」
「ゴネ倒すねや」
「……どうでもええわ」
会話が途切れたのが合図のように、濱田は立ち上がると歩き出した。
どうも二人きりの空間に5分も慣れないらしい。
511 :
下町3:2006/02/04(土) 02:39:55 ID:6IUUNkkS
松元はその背中に向かって小さく呟いた。
「お前、これ分かってて卵変えたんやろ?」
「……知らん」
「俺の阿呆にそこまでつき合わんでもええで、今回みたいのは……」
「それは、俺の勝手やろ」
濱田の素っ気無い言葉に、松元は小さく息を吐いた。
この男は照れていると必ず語尾が乱暴になるのだ。
照れている。
相方の背中に、松元はそっと笑った。
「つき合い良いのは感心やで」
「あっそう」
妙に濱田が素直なので松元は照れ隠しのように素頓狂な言葉を口にした。
「おまえなー……、俺が抱かせろ言うたら抱かれるやろ」
「別にええけど」
「え?」
濱田の返事に、松元は裏返ったような声をあげた。
その時、遠くからスタッフの声が響いた。
「スイマセン!!準備できました!よろしくお願いしますー!」
松元は大袈裟に驚くと、声の方へ振り向いた。
気付けば、濱田は小さく肩を震わせていた。
走ってやってきたマネージャーに、愉快そうに呟いた。
「おい、ここにゆでダコおるで」
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ おひさしぶりです。
| | | | ピッ (・∀・ )
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>512 乙!相変わらず、ヒトシの可愛い小悪魔ニョロよ〜な濱田ですね!
波に流されそうで怖がってのばした濱田の手を、
とっさに松元がつかんだままギュッと握りしめていた、あの林間映像が二倍に楽しめますわ。
また書いて下さい。
>>460 マジ萌えです。
大人っぽい雰囲気の2人、ヲツです師匠!!
>512
ギガ萌えた。
二人の互いへの気遣いだとか、駆け引きめいたやりとりが最高。
オチのつけかたもカワユスw
>>512 姐さん!待ってたよ〜!!
これからもどんどんお願いしますよっ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 悪魔城ラルフ×アルカード五回目だよ
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| >>403-
>>419の続きで。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ コンカイデイチド ヒトクギリ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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◆
「──おい」
茂みの奥で、何かがかすかに身じろぎする気配がした。
「いいか。選択肢は三つある」
と、ラルフは言葉を続けた。
「一つ。自分の足で立って、俺といっしょに歩いて火のそばに戻ること。二つ。俺にかつがれて火のそばへ戻る
こと。粉袋みたいにな。三つ。俺に襟首つかまれて引きずられて火のそばへ戻ること。言っておくが例外は認め
ん。十数えるだけ待ってやるから、その間に好きなのを選べ、わかったか。一つ。二つ。三つ」
「……放っておいてくれ」
細い声がした。
「例外は認めんと言ったぞ。ついでに言えば拒否もなしだ。今ので三つばかり数えそこなった。七つ。八つ。九つ」
十、と数えてラルフが茂みの向こうに手を伸ばしたとたん、がさっと音がして、長身の人影が立ちあがった。
木々の間から漏れる月光がきらきらと銀髪の上に踊る。
「よし。立ったな。あとは歩くだけだ。こっちへ来い。ほら」
立っただけで、あとは動こうとしないアルカードを、腕をつかんで無理に茂みから引っぱり出す。アルカードは少しよ
ろめいて、倒れそうになりながら出てきた。
そのまま腕をつかんで引っぱっていく。アルカードはまるで人形のようだった。あそこまで逃げて、隠れただけで
すべての力を使い果たしたとでも言うように、されるがままにぎくしゃくとあとをついてくる。
まさにその通りなんだろうな、とラルフは苦く思った。
普段通りのアルカードなら、夜の森でラルフを撒くことくらい児戯に等しいはずだ。本気でラルフから逃げるつもりな
ら、ラルフがむなしくあちらの木陰こちらの窪みと探しまわっているうちに、痕跡すら残さず姿を消してしまって
いただろう。
おそらく自分でも、どうして、どこへ、どうやって行くのかなどわかっていなかったに違いない。踏み荒らさ
れた茂みと折れた小枝、乱暴にかき分けられた灌木のあとは、夜でさえラルフが追いかけるには十分な足跡だった。
夢中で逃げるだけ逃げて、跡が残るどうかなどと思いすら及ばなかったのだろう。そして隠れた、狼に追われた
兎のように。茂みの奥に息をひそめて。
アルカードが遠くへ行っていなかったことを、ラルフは、まだ望みがある証拠だと思いたかった。彼はまだ、本当に
ラルフから、人間から逃げるつもりにはなっていない。
たとえ混乱してとりあえず近くの物影に隠れただけだとしても、乱れた足跡や、折れた枝を追って、誰かが探
しに来てくれることを、心のどこかで期待していてほしかった。暗闇に呑まれようとする背中に、自分がかけた
呼び声がしっかり耳に届いていたことを、ラルフは信じていたかった。
焚き火が見えてきた。馬が鼻を鳴らす音がする。
「座れ」
アルカードは座った。まるで糸を切られた人形のように、すとんと。
ラルフは馬の荷を探り、毛布を出してアルカードの上に放った。
「それを身体に巻け。冷え切ってるだろうが。熱でも出たら厄介だぞ」
動かない。
焦れて、ラルフは自分で毛布を取ってアルカードを頭からぐるぐる巻きにした。予備の毛布も取りだして、もう一枚
かぶせる。
されるがままに、アルカードは黙ってうなだれていた。
焚き火に枝を放りこみ、火をかき立てる。小さくなっていた炎が勢いを取りもどし、大きく立ちあがって燃え
はじめた。荷を探ってワインの革袋を取りだし、半分ほど残っているのを確かめて、突きだした。
「飲め。本当はもう少し強い奴が欲しいが、今はとにかくこれしかない」
やはり、アルカードは動かなかった。
ため息をついて、ラルフは手を下ろした。革袋を脇へ置く。
「──あの、街で」
低い声で言った。
「街で、広場に記念碑が建てられているのを見た」
アルカードの肩が、それとわかるほど大きくびくりと跳ねた。
「なんで言わなかった。あそこが……その、場所だと」
母親が人間の手で焼き殺された場所だと、なぜ言ってくれなかった。
やり場のない怒りと苦い思いを噛みしめながら、ラルフは続けた。
「俺が、信用できなかったか」
「違う!」
とつぜん、アルカードは声をあげた。
ラルフが驚くほどの激しい声だった。もう一度「違う」と小さく呟いてから、アルカードはゆっくりと手をあげて、
額を覆った。何重にも巻かれた毛布の下で、その身体はしだいに小さく、若く、幼くさえなっていくようだった。
「どう……していいのか、わからなかった」
言葉の使い方を忘れてしまったかのように、アルカードの声はか細かった。
唇が細かく震え、一つ言葉を形づくるにも苦労している。白い顔はまだ青ざめて、焚き火も、毛布も、彼を凍
らせる闇を追いはらう役にはたっていないようだった。
「ただ──恐ろしかった。だから、逃げた。どこへ行くつもりだったか、覚えていない──おそらく、何も考え
ていなかった、のだと思う」
ラルフは黙ってアルカードが先を続けるのを待った。
「──この数日、おまえの顔を見ることすら怖かった」
長い間をおいてから、ぽつりとアルカードは言った。
「眠れば、夢を見た。あの日の夢を。おまえと目を合わせたら、そのことを読み取られるのではと思って、恐ろ
しくて、顔すら上げられなかった」
むきになってラルフは言った。
「なぜ、そんなことが怖いんだ。あれはおまえが悪いんじゃない、あれは人間が」
人間がまずことを起こしたのだと、ラルフはほぼ確信していた。息子をこれほどまっすぐに育てた母親が、魔女
などであったはずがない。
店の亭主も、『魔女は薬だと称して毒を』と言っていた。おそらくアルカードの母親は、本当に貧しい人々に薬を
配って歩いていたのだろう。それを嫉んだ者か誰かが、当局に密告したのだ。薬草の知識を持っている昔ながら
の賢女が、高い金をとる医者から妬まれて魔女扱いされるのは、よく聞く話だ。
「……夢を、見る」
アルカードは小さくかぶりを振った。
「普段ならば、遠ざけておける。だが、あの場所に近づくにつれて、自分でも制御できなくなってきた。私の心
の揺れを感じて、小魔たちが集まってくる……森から……私のところに、夢を運びに」
「だから、それはおまえのせいじゃないと言っているだろう」
苛々とラルフは口をはさんだ。
「だいたい、あんな雑魚を振り払えないくらい弱っていたんだったら、なんでそこまで行く前に俺に言わないん
だ。あんな奴ら、おまえなら剣を抜くまでもなく消しとばして」
「あの者たちを責めないでやってくれ」
はじめてアルカードは目をあげてラルフを見た。必死の顔色だった。
「あれらはただ、私を慰めようとして集まってきていただけだ。ごく下級の、小さな者たちだ、子供のような理
解力しか持っていない。母を殺した者たちが罰せられるところを見せれば、私が喜ぶと単純に信じている」
ラルフは言葉を失った。
ではあれは、アルカードを襲っていたのではなく、慕ってそばにまつわりついていただけだというのか。妖魔たちが?
だが、それも当然のことかもしれない。アルカードは魔王の息子なのだ。魔を統べる者の子ならば、彼らにとって
は主も同然だろう。主が苦しんでいると知れば、忠実なしもべたちが心配して集まるのは当然のことではないか。
なんてこった、と胸の中でラルフは毒づいた。
結局、アルカードを心配してくれたのは妖魔たちのほうだったというわけか。人間が彼の母親を殺し、その事を誇
り顔に記念碑まで建てている間に、闇に置き捨てられた本当に気遣われるべき者のそばにいたのが、あんな羽虫
のような魔だったとは。
「一匹一匹はごく弱い、害のない者たちだ。人に夢を見せるのがせいぜいの力しか持たない。だが、あれらはし
ょせん妖魔なのだ、血を好む。
──少しでも眠れば、彼らが夢に忍び入ってくる」
額に手をあてて、アルカードは低く呻いた。
「手に手に、人間の首や、血まみれの手足や、眼球や内臓を捧げて。
『公子サマヨロコブ? ヨロコブ?』と口々にさえずりながら、嬉しげに、人間を引き裂いてみせる。あの日、
母を灼いた炎のまわりにいた人間たちを、一人ずつ。じっくりといたぶりながら、念入りに」
唇が震え、白くなるほど噛みしめられた。
何か言ってやりたい、言わなければと痛切にラルフは感じた。
だが、いくら頭を探っても、言うべき言葉は見つからなかった。もどかしさばかりが喉の奥で膨らんで暴れ
た。かたく膝を抱え、小さく丸くなったアルカードは、そのままそこで解けて消えてしまいそうに見えた。
「たまら、ないのは」
と、アルカードはようやく言った。
「私の中にも、確実に彼らと同じものが流れていることだ。血を好む、闇の血脈。母の子であると同じように、
私は、父の子でもある。
見ただろう。先刻の、私の顔を」
「あれは──」
「あれが、私だ」
消え入りそうな声で、だが、はっきりとアルカードは言った。
「父から受け継いだ、私の闇の顔だ。
彼らが夜ごと差し出すものに嫌悪を感じながら、確実にそれを悦んでいる者が、私の中にはいる。気がつけ
ば、彼らに混じって血をすすり、肉を引き裂く行為に酔いしれていることもある。目覚めれば夢にすぎないが、
それでも、感触は残る。あの感触と──匂いと──血の、味」
ひろげた手のひらにアルカードは目を落とした。夢の中の血が、まだその白い指を染めているのではないかと怖れ
るように。
「本当は、あれこそが真の私なのかもしれない」
もれたのは、もはやラルフに向けられた返答ではなかった。アルカードは死刑宣告のようにその言葉を、自分自身に
向かって告げていた。
「いつも怖かった。人が私の顔を見るたびに、あの顔が、闇の私の顔が覗いているのではないかと考えると、い
つも、恐ろしくてならなかった。
ドラキュラ城が崩壊したとき、私は、自分も死ぬものだと思っていた。私の命は父と同じように、あの闇の城に繋
がれていて、城が消えれば、私の命も消えるのだと。
だが、そうではなかった。理由もわからないまま、私は生き残ってしまった」
白い指が固く握りしめられた。細い爪が手のひらに、棘のように食い込んだ。
「呪われた血と父殺しの罪を負って、私にはもう成すべき事も、進むべき道もない。
私は、生きているべきではなかった。おまえの目を傷つけたその一撃で、父はおまえではなく、私を殺してく
れればよかったのだ。そうすれば今ごろは、きっと──」
その言葉をさえぎるように、ラルフが動いた。
アルカードの頭からかぶせていた毛布を有無を言わさずはぎとると、彼を腕にかかえ、抱きこむようにしてごろり
と寝転がった。
二人分の身体をくるみこむように、毛布を巻きつける。アルカードはラルフの胸に顔を埋めるような恰好になった。
「なんだ。何をする」
「やかましい」
歯をむいてラルフは唸った。
「寝ていないからそんなつまらんことをうだうだ考えるようになるんだ。しばらくこうしててやるから、今日は
もう黙っておとなしく寝ろ。見ろ、ちっとも暖まってないだろうが。氷柱(つらら)みたいな身体しやがって」
冷たさについても細さについても、とラルフはこっそり思った。
重ね着したマントや上着であまり気づかなかったが、腕の中のアルカードは予想外に細かった。ラルフは確かに大柄
な方だが、それでも、華奢な肩が両腕の輪にすっぽり収まってしまう。冷え切った身体は氷の塊のようで、ひっ
きりなしにこまかく震えている。
「……革の匂いがする」
胸の中からアルカードがくぐもった声を出した。
「悪かったな。鞭を扱うんで染みついてるんだ。臭けりゃ我慢しろ」
「いや。臭くはない。気が落ちつく」
長い睫毛がふと降りた。
「──温かい」
ラルフは黙って細い背にまわした腕に力をこめた。
言うべき言葉が見つからないなら、態度で示してやればいい。もともとラルフは口がうまくはない。
この世には、妖魔以外にもおまえを心配しているものがいること。
そばにいて、気にかけているものがいるということ、ただ、おまえが生きていてくれて嬉しいと感じるものが
いることを、示してやれればそれでいい。
「ベルモンド」
またベルモンドか、とラルフは思った。「なんだ」
「私は、人か」
アルカードは言った。
「それとも、魔か」
息がかかるほどの間近から、蒼い瞳が見つめていた。
焚き火の光を映しているのか、虹彩がわずかに金の輝きを帯びていた。
「そんなもの、どっちだっていい」
言って、ラルフは銀髪の小さな頭を強く胸に押しつけた。
「人でも魔でも、そんなことは俺には関係ない。おまえは、おまえだ。アルカードだ。
おまえがおまえでさえあれば、どっちだろうと俺はかまわない。俺は、おまえがドラキュラ城といっしょに消えな
くて良かったと思うし、今、ここにいてくれて嬉しいと、心底思っている。おまえの命の代わりなら、片目くら
いは安いものだ。それも、目はなくさずに傷あと一つですんだ。この際、ドラキュラには感謝してもいいくらいだ」
「……戯れ言を」
アルカードは少し笑ったようだった。
小さく身じろいで、ラルフの腕にもぐり込む。降ったばかりの雪のような銀髪が、さらりと動いて頬を撫でた。
腕枕をしてやって、ラルフは、焚き火の向こうの闇に目をやった。
ちかちかといくつかの赤い光が、まばたきするように光っている。
来てみろ、来られるものなら、と挑戦的にラルフは呟いた。
その夢とやらを俺にも見せてみろ。俺はその中へまっすぐ入っていって、このぼんやり者の腕をつかんで引っ
ぱり出してやる。
さっきのように、肩にかついでも、襟首をつかんでも、悪夢の中から連れだして、しっかりしろと頬を叩いてやる。
それでも、俺のそばからアルカードを連れ去ることができるというなら、やってみるがいい。容赦はしない。
赤い光は徐々に数を減らし、やがて見えなくなった。
アルカードはラルフの胸に頭をもたせかけて、いつの間にか、静かな寝息を立てていた。
◆
翌朝は晴れた空が広がった。
「ここから、西へ迂回しよう」
手際よく馬に荷物をくくりつけながら、ラルフは言った。
「少し遠回りになるが、道はそれほど悪くないし、人里もある。街から出てきた隊商もよく通る道だ。出会った
商人から食料と酒を買おう、それから馬の塩もまた少し要るな。こいつらだってよく頑張ってくれているから」
栗毛の首をなでてやると、馬は鼻を鳴らして頭をはね上げ、蹄を鳴らしてみせた。
「……私は、ここで待っていてもかまわないのだが」
昨夜ひと晩よく眠ったおかげか、アルカードはかなり顔色が良くなっていた。黒い牝馬のそばに立って、いささか
手持ちぶさたそうにしている。
「なに? 馬鹿げたことを言うな」
振り向いて、ラルフはぎろりと目を剥いた。
「今からまた俺にあそこへ行って、またここまで戻れっていうのか? お断りだな。だいたいそんなもの時間の
無駄だ。いざとなれば食料くらい、森に入って何日か狩りをすればどうにでもなる。これまでもそうしてきただ
ろうが」
「しかし、ベルモンド──」
「待て。それだ」
ラルフはぴたりとアルカードに指をつきつけた。
「俺の名はラルフだと、何度言ったら呑みこめるんだ? 次にベルモンドと言ったらひっぱたくぞ。いいか、俺の名は
ラルフだ。ラ-ル-フだ。言えないわけがないだろう、言ってみろ、ほら、ラルフ。ラ-ル-フ」
「……ラ、ルフ」
「もう一度」
「ラル、フ」
「もう一度だ」
「──ラルフ……」
「よし。見ろ、やればできるだろうが」
ラルフはさっさと馬を牽いて街道に上がっていった。
「もう一ぺんでも俺をベルモンド呼ばわりしてみろ、本当にぶん殴るぞ。手加減なしだ。金輪際返事もして
やらん。これからはずっとラルフと呼べ、わかったか」
「わかった」
「ラルフだ」
「ラルフ」
「よし」
満足して、ラルフは美しい連れに手を差しのべた。
「さ、行くぞ、アルカード。なにをぐずぐずしてる? ベルモンドの領地まではまだまだ距離があるんだからな」
アルカードは差し出された手に、ふと、まぶしげに目を細めた。
肩越しにちらりと振りかえる。焚き火のあとが残った草地のむこうで、森は、裡に闇を抱えて、ただひっそり
と静まりかえっている。
暖かな陽光がさんさんと降りそそいでいた。
「ああ、行こう。──ラルフ」
青空の色をほほえむ瞳に宿して、アルカードはラルフの手を取った。
どこかで羽ばたく音がした。
馬を並べて街道を去っていくふたりの旅人の背中を、森のもっとも深い闇から、赤い小さなひとつ眼が、きろ
りとまたたいて見送っていた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 悪魔城新スレバンジャーイ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
…またはみ出したorz
>>530 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!! 寝ずに待ってて良かった!GJ!
ベノレモンド→ラノレフ ステップアップおめでとう!心からおめでとう!
えらい難儀な道でしたね本当におめでとう二人とも(つ∀`)
幸せになってくださいゆっくりと…
>530
リアルで読ませていただきました!
も、萌えた……!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 若手ゲ仁ソヘイセー野武士拳の話です。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 某番組のトークで禿げ萌えたみたいだよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ キャラもクソも無いほどに初萌えなんだって…。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
534 :
1:2006/02/05(日) 01:09:46 ID:PAYUVF75
「…こういうのって、形式とかマナーとかあんじゃねぇの?」
「言葉のチョイスがおかしいよ」
「何だ、スタイル?」
「亀甲縛りくらいしか思いつかないけど」
「片足吊りとかね。って、それにしても滅茶苦茶だよ。コレ」
「いや、俺SMには興味ないんだよねぇ」
「…なら何で俺縛られてんの?」
「あー、何だろね、興味本位?」
「興味本位で縛んなよ」
「興味本位で縛られんなよ」
ネタ合わせの為に訪れた相方の部屋に、赤いSM仕様のロープ
なんかが転がっていたのが悪いのだ。事前に聞いていたとはいえ、
実際に目の当たりにすると奇妙な昂ぶりを抑えられなくなった。
土下座する勢いで頼み込んで、渋る相方を説き伏せて縛らせて
もらったのが今から20分前。何をするわけでもなく、ただただ
ぼんやりと拘束された相方を見つめるばかり。
535 :
2:2006/02/05(日) 01:10:45 ID:PAYUVF75
「何かされっかと思ったんだけどさ、何もしないの?」
「してほしいの?」
「…俺ノーマルだから。」
「うん、俺もノーマルなんじゃないかな。」
「語尾を濁すなよ語尾を」
「でもさぁ、俺いつかお前のこと殺したいんだよね」
「……あれな。見たよ」
「これってお前のこと愛しちゃってるってことなのかね?」
「…この状態でそうだよつったら、俺確実にヤられるよね?」
「あ、そっか。そうだな。」
「勘弁してよー俺ヤるの好きだけどヤられんのヤだよー」
「…ヤんねぇよ。」
ヤるつもりなら、最初から力ずくで襲い掛かっている。とは思えど
口には出さなかった。相方がド変態なのは熟知しているが、
自ら未体験の新しい扉を開いてやる気力も度胸もない。
536 :
3:2006/02/05(日) 01:11:26 ID:PAYUVF75
「つか、腕痛くなってきた」
「我慢できない?」
「我慢しても何にもいいことねぇだろ」
「まぁねぇ」
「相方緊縛してどうすんだって話だし」
「ほどくの?」
「何ほどきたくねぇみたいになってんだよ」
「何となく、綺麗かなーと思って」
「……お前は俺以上の変態か?」
「お前には勝てないよ。」
このまま見ていたいような思いにも駆られたが、それは無かった
ことにして俺は相方を拘束していたロープを解いた。ぶすっと
不貞腐れる相方を尻目に俺は取りとめも無く思考を巡らす。
本音とも言えなくは無い、ぼんやりとした思いを。
537 :
4:2006/02/05(日) 01:12:46 ID:PAYUVF75
〈…いつかきっと、俺はお前を本当に殺してしまう気がする。
でも、その時までは一緒に隣でバカなことをしてくれないか。
俺はお前を愛とか恋とか色々なモノを超越して想っているから。〉
全ての意を込めて、俺は相方をこう呼ぶ。
「天才」…と。
「…おい、ボーっとしてんなよ。ネタ合わせすんぞ」
「へ?…あ、あぁ、そうだ。ネタ合わせだ」
「…お前は俺を縛る為に今日ウチに来たの?」
「…違うな。」
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ カワイコチャンを縛りたいよ。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>533 姐さん!!!萌えた!!自分もあの番組で信氏拳(なぜかこんな変換に)を初めて見たんですが
「赤いロープ30m」が実際読めるとは思いませんでした!!GJGJGJGJ!!!!!!
カワイイよねあのど変態。そして縛るのがあの超天然チャン
相方の媚態にうっかりオシッコ漏らしそうになるんじゃないかな
ジェントルと信氏好村の2人きりシチュエーションも萌えるよね〜
>530
アルカードー!!
思わずさけんでしまいそうです。ラルフさんにはこれからもがんがん
攻めの愛情を注いで欲しい・・・。
ちっさ魔物の勘違い愛も切なくて好き。
>530
待ってました。
革の匂いに落ち着いたり妖魔に「とれるもんならとってみろ」
みたいな挑戦したり萌えすぎて息切れしました。
>229
超亀だけど禿萌え!GJ!
>530
テラモエス
お前らブスブス言い過ぎ^^;
確かに決して美人じゃないけど
545 :
544:2006/02/05(日) 14:37:53 ID:MwrexoO4
すみません。他板の誤爆です
スルーお願いします。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) <BLゲー咎狗の血 ケイスケ×アキラ
547 :
1/4:2006/02/05(日) 19:59:42 ID:I8AI2EkK
「アキラ。おはよう。そろそろ起きない?」
遠くから雀の声とともにケイスケの声が聞こえてきた。アキラが目を開くと、眩しい朝日が
部屋に射し込んでいた。
「ああ…」
しわくちゃになった毛布と薄い布団の間で、アキラは起きあがって周りを見回した。
いつもより少し遅い朝だが、たしか、今日は日曜で仕事は休みだ。
アキラの目覚めは悪い方ではないが、今朝は身体も頭も重かった。
台所に、その原因であるケイスケの背中が見えた。朝食用のパンを焼いているらしい。
アキラは目覚めきらない頭を振って、洗面所に向かった。
顔を洗っているうちに、だんだんと昨夜、と言うよりは今朝の出来事が蘇ってきた。
アキラが目覚めたのはケイスケの手で服を半分くらい脱がされた時だった。
時間は分からないが、外はまだ暗く思えた。
予想外の状況に驚いて、一瞬で覚醒したアキラは、ケイスケを止めようとしてから、
その尋常でない様子にも驚いた。まるでひどい苦痛に苛まれているかのような顔でアキラの身体を辿っている。
上手い言葉が出てこないまま、結局アキラはケイスケを受け入れた。
今までにもケイスケが前触れもなく体を求めてきた事は何度もあったが、今朝はあまりにも強引だった。
しかも眠っているアキラに縋るように求めながら、最後に失神させるほど自制を無くしたケイスケは
初めてだった。いつもより激しく突き上げながら、アキラの雄を手で握って射精を止め、苦しさにアキラが
泣き声を上げても悲鳴を上げても一層ひどく責め立てるばかりだった。
最後に声も出なくなったアキラは、解放と共に気を失ってしまった。どのくらい経ってからか、
目覚めてみると、ケイスケは涙をこぼしながらアキラを抱き締めていた。そしてアキラが目を開いたのを
見ると今度は泣き笑いをしながら顔を何度も優しくなでてきた。理由を聴く気力も戻らないまま、
精根尽き果てたアキラは、再び気を失うように眠りに就いた。
548 :
2/4:2006/02/05(日) 20:00:13 ID:I8AI2EkK
今、鏡を覗き込むと、どとこなく疲れきった顔をした自分が映っている。着た覚えのない服は
ケイスケが着せてくれたのだろう。襟を少しずらすと、首から胸にかけて点々と鬱血が出来ている。
眉をひそめて部屋に戻ると、ケイスケが皿を持ってテーブルに向かっているところだった。
「今朝はサンドイッチ作ったから、コーヒー頼むよアキラ」
といつもどおりの声音で言った。しかし、アキラと直接視線を合わせることを避けている。
アキラは、ケイスケが過去の記憶に苦しむのを見ても何も聞かないことにしていたが、
さすがに今朝のケイスケの荒れ様は気にかかった。いつもの慚愧の念に苦しむのとはまた違う苦痛を
彼から感じていた。それでも口下手なアキラは上手く聞くことが出来ず、言葉を探しながら着替え、
黙って2人のマグカップにコーヒーを入れた。
テーブルには簡単なサンドウィッチとサラダが並んでいる。
「ごめん。今朝はあんまり作れなくて」
すまなそうに皿を持ってきたケイスケの分のコーヒーが入ったカップを押しやり
「いや…」
とアキラは言った。食欲があまりなかったのでちょうど良い。
しばらく二人で向き合って黙々と食べながら、お互いがなんとなく空気を伺っている。
あらかた食べ終わったところでケイスケが思い詰めたように切り出した。
「今朝は…ごめん」
アキラはコーヒーを飲みながら、ケイスケに目を向けたが、しばらく答えなかった。
許さないのではなく理由が知りたかったが、聞いていいものかどうかためらいがあった。
ケイスケは黙っているアキラをどう受け取ったのか、あからさまに落ち込んだ様子になった。
549 :
3/4:2006/02/05(日) 20:01:08 ID:I8AI2EkK
「…怒ってるわけじゃない」
アキラは言葉を探しながら言った。
「驚いただけだ」
「そ、そうだよね…驚くよね。あの、アキラの寝顔見てたらつい…」
ケイスケの無理のある言い訳に、アキラは半ばあきれ果てて言った。
「俺の寝顔を見るたびにそれなら…今日から別々に寝る」
「え!ダメだよ!今朝はたまたまで、いつもそうじゃないから…!」
「……」
「あはは…」
アキラにじろりと見つめられ、ケイスケは肩をすくめてぽつりと言った。
「夢で…アキラが…………死んじゃう夢を見たんだ」
アキラは黙ったまま目で先を促した。
「夢なんだけどすごくリアルっていうか…それで俺ビックリして飛び起きたんだけど…
起きたらアキラはちゃんと隣にいるし…」
「それで、ああなるのか」
ケイスケが文字通り真っ赤になった。
「…その気になった時はせめて俺の意見も聞いてからにしてくれ 」
幼なじみとしてずっと一緒にいたアキラに秘かな恋慕を育てていたケイスケは、想いが叶った途端、
それまでに溜めていた気持ちを一度に全て差し出して来た。それは尽きることなく彼のうちにあるらしく、
一緒に生きていくことを決めた今でさえ、アキラを戸惑わせた。
以前、その想いが暴走してアキラを壊してしまいかけた事があるだけに、悪い夢を見てしまうのだろう。
ケイスケは辛そうな笑顔で言った。
「もうしないよ…。今朝はびっくりして飛び起きたら、アキラが隣にいたから…嬉しくって…ちゃんと生きてるって…」
「だからってやりすぎだ馬鹿」
「…それは本当に、ごめん…」
いつもならアキラの身体を第一に考えているケイスケが、アキラがあられもなく泣きわめいても
手加減をしないと言うのは相当追いつめられていたと言うことだとアキラは考えていたが、
いくら思い詰めていても、自分の意志を無視することだけは許すわけにはいかなかった。
550 :
4/4:2006/02/05(日) 20:02:41 ID:I8AI2EkK
「それで?俺が生きていたから泣いていたのか」
「え」
「その…俺が…気がついた後で…」
気を失ったアキラを抱きしめて泣いていたのは、嬉し泣きには見えなかった。
どちらかと言えば苦痛に満ちた泣き方だったことがアキラには気になっていた。
ケイスケは消え入りそうな声で言った。
「あれは…またやっちゃったのかと思って…」
「また?」
「…夢の中のアキラ…は、俺が……」
まるで大きな物が喉に支えているように言いにくそうに躊躇ってから、ケイスケは言った。
「俺が…殺したんだ」
「…」
「それで、俺…アキラが気を失った時に…ああ、せっかく生きていたアキラを、
また殺してしまったのかって…」
夢と現実がごっちゃになって錯乱していたということらしい。アキラはふうーっとため息をつき、
自分のコーヒーを飲んでしまうと、咳払いした。
「とにかく」
ケイスケが顔を上げた。
「今度は俺をちゃんと起こしてからやれ」
「う、うん」
「それから、夢の中でも何度も俺を殺すなよ」
「うん…」
「俺は生きてる」
「…うん…うん…良かった」
ケイスケはコーヒーを見つめていたが、慌てて袖口を目に押し当てた。
アキラは黙って、不器用にケイスケの髪を撫ででやった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )<お粗末様でした
552 :
天才×眼鏡:2006/02/05(日) 20:07:34 ID:HhU9NdqN
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) <数年前ドラマ化された小説
英語の予習が終わって時計を見たら、時計の針はいつの間にか明日になっていた。
明日――いや、今日だ――は日直だし、もう寝よう。
そう考えていたら、滅多にならない着メロが流れた。
ミツヒロ専用の着メロ。
「はい」
『あ、おさむ?』
「そうだけど、今何時だと思ってんの?」
『えーっわからない』
「午前一時七分。俺、明日学校もあるんだけど?」
『んー。なぁ、話しよう』
普段のミツヒロはどちらかというと、テンションが低い。
だけど、電話の向こうのミツヒロのテンションは明らかにおかしい。
テンションが振り切れている。
おまけにこんな時間に電話掛けてくるほど非常識じゃない筈。
これは……
553 :
天才×眼鏡:2006/02/05(日) 20:08:08 ID:HhU9NdqN
「ミツヒロ、もしかしなくても酔っ払い?」
『あぁん? 何言ってんの? そんな筈ないだろ』
「何処で飲んでるの? 部屋? 外?」
『寮でーす♪』
「……ミツヒロ、一応未成年なんだから」
『お前のせいだよ』
けらけらと笑うミツヒロ。
酔っ払い決定。そう思って電話を切ろうとしたら、すっと素面の声で言われて手を止める。
一秒前までのテンションが嘘のように真面目な声。
というより演技だったのかもしれない。
「おれのせい?」
『そうだよ。何で俺にキスなんかしたんだよ』
もごもごと問い詰めて来るミツヒロ。
あ、あれのことか。
554 :
天才×眼鏡:2006/02/05(日) 20:08:51 ID:HhU9NdqN
昨日も、いつものように松籟館に顔を出したら、ミツヒロしかいなかった。
ミツヒロ曰く、夕飯の買出しに行こうとしたヨシクニに、カンジが欲しいものがあるからって付いて行って、
更に「ぼくも行きます」ってイワツキまで付いて行ったらしい。
当てが外れて帰ろうとした俺に、ミツヒロは意地悪そうな笑顔を浮かべ、どっさりと洗濯物を渡してきた。
一通りたたみ終わって、ノドかわいたーって言ったら、ミツヒロは苦笑して部屋を出て行った。
呆れたのかなって少しだけ不安になってたらミツヒロはジュースを持って戻ってきた。
「ほら、やる」
ミツヒロの部屋で二人きり。
ジュースを飲みながら、ぽつぽつとお喋りして。
それから、珍しく子供っぽい表情で足が痺れて動けないと言ったミツヒロを引き上げるついでに唇を掠め取った。
ミツヒロは何が起こったのか分からないって顔で俺のことを凝視した。
「ご馳走様。ポカリありがと」
って笑顔で言ったら、ミツヒロは機械的に頷いてふらふらと部屋を出て行っちゃって。
俺もそのまま、自分の家に帰ったんだ。
555 :
天才×眼鏡:2006/02/05(日) 20:09:21 ID:HhU9NdqN
「好きだからじゃ、駄目?」
『何カワイコぶってんだよ! 俺はお前なんて、嫌い』
「俺は好きだけど?」
しっかり者に見えて案外脆いミツヒロのことを俺は好きだよ。
強い感情を隠してさらりと言うとミツヒロはそれに気が付いていないのか、あっさり流してくださった。
『好きになる奴が被るし』
「そんなことないよ」
『そんなことあるよ』
「ないって」
『ずっと隠してたけど俺はヨシクニが好きなんだよ』
「知ってた」
あんたがヨシクニを見ていたように、俺もあんたの事、ずっと見てたんだよ。
俺はただあんたのことを見ていたんだ。
556 :
天才×眼鏡:2006/02/05(日) 20:10:01 ID:HhU9NdqN
『ヨシクニはお前が好きなんだよ』
「そうなの?」
『そうだよ』
「ミツヒロが俺と付き合ってくれないんならヨシクニと付き合おうかな」
ヨシクニはミツヒロの次に好きだから。
きれいだし、見ていて飽きないし、俺なんかよりずっとずっと良い子だから。
それにミツヒロの想い人だしね。そう言ったらミツヒロはむっとしたように黙り込んだ。
怒ったのかな。
『お前ってほんっとうに最悪。最低。裏と表じゃ大違い』
「ミツヒロほどじゃない」
『ヤッパリお前なんか嫌いだ』
「じゃぁ、ミツヒロはどうすれば俺のこと好きになってくれる?」
『ばっかじゃねぇの?! 俺がお前の事を好きになるなんて絶対あり得ない』
きっぱりはっきり言い切りましたね……。
でもさ。諦めきれないんだよ。
557 :
天才×眼鏡:2006/02/05(日) 20:10:38 ID:HhU9NdqN
「ミツヒロ……」
『名前で呼ぶな』
「俺が好きなのはあんただよ」
『知ってる』
「なんか、不毛な会話だね」
だけど楽しいよ。
そういう風に言外に匂わせて言うとミツヒロが電話口の向こうで笑った気がした。
『そうだな。もう寝る。おやすみ』
「え?! ちょっ、ミツヒロ? あんた、自分から掛けてきたくせに何切ろうとしてんの」
『いいんだよ。また明日な』
「……うん。おやすみ」
おやすみ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )<お粗末様でした
>557
タイトルを見てまさか…と思ったら!思わず奇声を上げました。
そのカプ大好きです!眼鏡萌え〜(*´Д`)
>557
元ネタ知らないけども何だか萌えた
>557
うわ〜ドラマも原作も大好きだよ!懐かしい!
眼鏡萌えたよ、ありがとう(*´∀`)
>551
最近原作読み直したばっかりだから禿萌え!GJ!
>557
萌えた…!元ネタのヒントキボン
>>496-503 AA込みで萌エス!!!
テンポいいしオールキャラだしで
クドー好きなおねえちゃんは嬉しい限りだ(*´Д`)ハァハァ
>563
メル欄
自分はヨシク二×カンヅにもえてたなー。
>>557 まさかここでそのネタを見るとは……っ!
GJ
567 :
スペア:2006/02/08(水) 23:01:12 ID:ueri3K42
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) <年下→年上でお送りします
568 :
スペア:2006/02/08(水) 23:02:36 ID:ueri3K42
(たとえスペアでしかなくても)
(東河くんが武装解除できる場所を作ってあげたいんだ)
新曲のプロモーションが落ち着いて、自由な時間が増えた。
だから椿は前よりも積極的に東河にお誘いのメールやら電話をするようにしていた。
で、とうとうその努力が実って本日椿家に東河さんお泊まりの運びとなったわけであります、まる。
椿の部屋に客用の布団を持ってきて敷く。
くだらないことも真面目な話もゴッチャに喋くり倒しているうちにテンションが上がってきた。
おまけに湯上りの東河は文句なしに色っぽく、椿はドキドキしっ放しで、それを誤魔化すためにもよく喋った。
喋っているうちに落ち着いたのはいいが、それで調子に乗って、東河を怖がらせようと怪談話をしているうちに
自分まで怖くなって落ち着かないでいると、東河が椿の布団に潜り込んでくる。
お揃いのシャンプーの香りに、じわりと伝わってくる東河の温もりに、耳元で聞こえる息遣いに一時は落ち着いていた椿の鼓動が激しくなる。
「東河くん、熱いよ」
「ええやんか。くっついて寝かせてぇな。怖い話するから悪いねん」
ぎゅーっと甘えるように背中からしがみついてくる東河。
更に追い討ちを掛けるようにポツリと本当に怖そうに呟くものだから、椿は嬉しいやらドキドキするやら
取り乱しそうになる自分がムカツクやらパニックに陥りそうになる。
569 :
スペア:2006/02/08(水) 23:03:16 ID:ueri3K42
「つばきぃ、こっち向きや」
東河がしがみついたまま囁く。それがあまりに弱弱しい響きなのと、吐息がかかって首筋がくすぐったかったから、
(赤くなっているであろう顔を見せたくなかったのだが仕方なく)振り返ると眉をハの字にして情けない顔をした東河がいた。
思わず吹き出すと東河は逆切れして意味なくわめく。
「東河くんの弱虫ー」
「怖いもんは怖いんじゃ。ごちゃごちゃ抜かすとこうや!」
ついに逆切れした東河が椿に技を掛ける。勿論やられっ放しでいる筈もなく椿は反撃に出る。
場数としては圧倒的に椿のほうが多く踏んでいるから(おまけに若い分体力がある)、結局椿の圧勝で時ならぬ場外乱闘は幕を閉じた。
しばらくぜぇぜぇと息を整えていたが二人目が合うと同時に噴き出す。
「風呂入った意味ないね」
「ほんまにね。にしても、こうやって遊ぶのも久し振りやなぁ」
「そうだねーって言うか、いつも俺から誘ってばっかじゃん。たまには東河くんからも誘ってよ」
雑誌とかラジオとかで東河が他のひとと遊んだ話を呼んだり聞いたりするたびに凄い寂しかった。
ちょっと前ならそのポジションは自分だったのにとか思ったりその人を逆恨みしそう。
嫉妬ってカッコワルイ上に見っとも無いのに。椿が悶々としている隣で東河は澄ましきった顔でこう言った。
「うん、まぁ、おいおい」
「おいおいって何? ひでぇ」
わざとらしくのけぞると東河が機嫌良さそうに伸びをする。背骨がパキって鳴ると東河は照れたように笑う。
東河の素の笑顔は営業用の笑顔ほど大げさでもくどくもなくて、むしろあっさりしている。かわりに空気がほわってなる。
そんな東河の笑顔を見るだけで椿は溜まっていた毒素がスーッと浄化されていくような気がしていた。
でもってその笑顔が自分だけに向けられると嬉しすぎて自然に頬が緩んでくる。
「東河くんってさ手、キレーだよね」
椿が手を掴んで指を弄ると東河は「何や、もー。お前それよう言うよなー」とか言いながら握り返してきた。
570 :
スペア:2006/02/08(水) 23:03:50 ID:ueri3K42
(東河くんの手って本当に綺麗)
(女の子みたいな手だとは思わないけど指も手の甲も手のひらも全部が羨ましくなるくらいすらっとしていて、綺麗)
(触り心地も最高に気持ち良くて、繋ぎたくなる。キスしたくなる)
(そんなことを考えただけでドキドキしだす心臓)
(うるさい。こんなポンコツ止まっちゃえ。いや、止まるな)。
ぐるぐるまわる椿の思考に追い討ちを掛けるように東河が握っていた手を撫でる。
「椿の手も綺麗やん。すべすべしてて瑞々し」
「うわっ、今の言い方オッサンクサッ!」
「オッサン言うな! 椿、おにいちゃんは悲しい」
受けて突っ込んで泣き真似をする東河に椿は複雑な表情を浮かべる。
なんでいつまでたっても子供扱いなんだろう。
「あのね、東河くん。言っておくけど、俺も、もう完・璧に、パー・フェ・ク・ツに、社会人なんですよ。下手すれば子供がいたっておかしくない年なんだよ!」
椿は子供を宥める口調を作り、なおかつ言葉の一つ一つを強調するように言うと、ぐっと胸をそらす。
「だから」
「だから?」
「辛くなったら肩を貸すからさ、今は笑っていてよ」
それだけ言うと椿は目を閉じた。
(〜の為には イコール自分の為に)
(アナタノタメニイキテイクコト)
(それが俺の幸せだって言ったら東河くんは鼻で笑っちゃうかもね)
571 :
スペア:2006/02/08(水) 23:04:37 ID:ueri3K42
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )<突発的な萌えに襲われて書いた。後悔はしてない。
|>PLAY ピッ ◇⊂ (・∀・ ) ジサクジエンガ オオクリシマース!
何回かシリーズになった某医療ドラマの第2シリーズネタで研修医→指導医だって(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
引き出しの奥底にあったサントラに触発されて書いたらしいよ(*´・ω・)(・ω・`*)ヘー
指導医がちょっと弱めだって。(*´・д・)(・д・`*)エー
好きです。
神童先生のことが好きなんです。
初めて先生を見たときからずっと、ずっと憧れてて…。
少し頼りない薄茶の瞳が訴えかける。真っすぐ、ただ真っすぐに。
幼さと純粋さを持ち合わせたこの男がこんなことを言いだすとは思わなかった。
自分が、まだ彼を子供だと思い込みたかったのだろうか。
神童は自分が何度もカルテの同じ所を読んでいることに気付き、軽く目を伏せるとそれを閉じた。
内容が全く頭に入ってこない。
あの時の答えは間違ってなんかいない。あのままでよかったはずなんだ。
「神童先生、隣いいですか?」
ひんやりとした空気に包まれた屋上に、今日は少しばかり大人びたような気のする教え子が近づいてきた。
神童は拒絶しない。それが了承の合図だと知っている屋倍は神童の近くの金網に寄り掛かって、しばらく薄曇りの空に溶けていく煙草の煙を見つめていた。
ふいに、屋倍は神童の表情へと視線を移した。何処か寂しそうな、遠くを見るような瞳。
神童の過去を屋倍は知らない。そのことに触れないことも、暗黙のルールだった。
体をずらすと金網がカシャンと音を立てる。音を立てる度に少しだけ神童が視線を向けるのが嬉しくて、何度か繰り返していると煙草を水の入った缶に入れて、微笑ましそうにゆっくりと煙を吐き出した。
「どうしたんだ。いきなりこんな所に来たかと思えば…」
「神童先生は、俺のことどう思います?」
さっきまでの幼い仕草は影を潜め、薄茶色の瞳がじっと神童を見つめていた。
少しずつ、距離が近くなる。
「神童先生、俺は神童先生が好きなんです。」
少し俯き気味におそるおそる神童の右手に手を延ばし、ぎゅっと握り締めると意を決したように顔を上げた。
「俺じゃ…ダメですか?」
薄茶色の瞳が不安げに揺れる。
時間が止まってしまったような錯覚に陥ると同時に、神童は声を出すことを忘れてしまったかのように唇を微かに動かすだけで言葉にならなかった。
早く答えないと…
俺も、お前のことが好きだって…
「俺は…」
こんなに愛しく思えるじゃないか
何を迷う必要があるんだ…
「俺は…お前のことを愛することはできない。」
神童の口をついて出たのは拒絶の言葉だった。
様々な思いが、言葉が、本心に逆らった言葉を紡いだ神童の中で交錯していく。
「お前はまだ幼い。経験の差から出る憧れを恋愛感情と勘違いしているだけだ。」
「違います!!俺は…」
「屋倍!」
二度目は、強い拒絶。屋倍の言葉を強引に遮り、神童は決まり悪そうに視線を屋倍から逸らした。
「……一人にしてくれ。」
三度目の拒絶を訴えた直後、神童は微かに震えていた。
まるで涙を堪えるように、何かに怯えるように。
屋倍が握っていた手を離すと同時に、逃げるように進藤は屋上を飛び出した。
走って、走って、気が付くと資料室の中に一人で立ち尽くしていた。
俺は…あいつから逃げたのか…?
息が乱れている。否定しようとしても無駄にさえ思える問いを自分の中に何度も何度も繰り返す。
自分がどういう状況下に置かれているか認識し、鍵を後ろ手にかけると、神童はぺたんとその場に座り込んでしまった。
相手を思ってついたと思った嘘は、自分が傷つきたくなかったからついただけだった。
本当は寂しくて、誰かに縋りたくて仕方がないのに人と関わりを持つことが怖い。
あの時、屋倍を受け入れて腕の中に抱かれていれば何か変わっただろうか。
いや、きっと変わりはしないだろう。
相手の純粋さに付け込んで、屋倍を傷つけてしまうのではないか。
ひどく恋愛に臆病になっているな…。
神童は自嘲気味に一度ゆっくりと息を吐くとカルテを閉じ、資料室の鍵を開けて一階への階段を降りていった。
□ STOP ピッ ◇⊂ (・∀・ ) イジョウ、ジサクジエンデシタ!
何かポエミーな進藤タソでスマソ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|
>>389-395の迷走する低音 続き。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 気林萌え吐き出し。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 出来心でした。
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
580 :
1/5:2006/02/09(木) 12:21:53 ID:xcn9CiKI
「お前、俺のこと好きって言えや。」
「好きちゃうわ!嫌いじゃ、そんな、お前みたいなモン」
「認めろや。ええやん、認めれば。」
「ええことなんかあらへんやん。気まずいだけやろ」
「あっそう」
「あっそうって、何や、なんで残念そうやねん。」
改良版ホモネタの稽古を一通りやり終えた俺達は、二人してひっくり返った。
あまりの手応えのなさに目眩がしたからだ。
「なんやー!おもろいのか?これは」
「…感情がテーマのネタやから。俺ら、どっちも感情に疎いからな」
分析してみるものの、それは改良に繋がるものではなく。
互いに空気の読めないコンビという事実を再確認するだけにとどまった。
相方の多邑は上半身だけ起きあがると頬を掻いた。これは困ったときの癖である。
「稽古やるたびに、どんどん笑えなくなってる気がすんねん」
それはどのネタにも言えることだったが、今回は特にその感覚が酷かった。
漫才の最中、思わず口を突いて出た「多邑はホモ」というアドリブ発言が予想外にウケたことから、
先日のイベントあわせの新ネタとしてホモネタを一本作った。
しかし、このネタは笑わせどころが把握できず、なかなか詰めることが出来ないでいる。
ウケることはウケるのだ。だからこそ、このネタを自分たちのモノにしたい。
しかし、一度披露しただけで、すでにこのネタは自分たちの手に余っていた。
581 :
2/5:2006/02/09(木) 12:23:14 ID:xcn9CiKI
そのイベントがあった劇場の稽古場で、俺と相方は頭を悩ませていた。
「キスでもする?最後」
「いやそれは反則やろ。絶対笑うに決まってるもん、相方にキスなんか」
ある意味鉄板である相方同士のキスはもはや伝統的な芸であるともいえる。
コンビ同士という気色の悪さが笑いに繋がるという、摩訶不思議な現象だ。
そしてそれは、小中学生が下ネタを連呼して笑うレベルに等しいと俺は考えている。
漫才という、言葉のおもしろさで笑いを取りたい俺としては、漫才中のキスは邪道というものである。
だが、相方に言わせれば、何が何でもドカンという笑いが欲しいらしい。
俺はその安直さが気に入らなかった。
「でも、このネタでキスって自然な流れやろ。ええやん、キスしよ、キス」
「えぇー…?キス?」
確かに笑えるところではある。しかしやはり反発心が勝って消極的な答えになる。
そんな俺の態度に焦れた多邑はすこし声が大きくなった。
どうしようか、と立ち上がり、俺は腕を組みながら視線を彷徨わせた。
そもそも、俺らみたいな地味なコンビがキスしても引かれるだけちゃうかという疑問もある。
なまじ相方ホモ説にリアリティーがあるだけに。
キスなんかして引かれたら、ダダスベリするよりも遥かに大怪我である。
「キスしよーや!ええやん、キス!キッス!」
多邑がアホな大声でそう言った瞬間、稽古場にコントの衣装を着た後輩が入ってきた。
後輩は女子プロレスラーの衣装を着ていた。そのおぞましい女装の後輩は、
同じくおぞましい多邑の発言に固まっていた。
世の中に笑いの神がいるとしたら、今この場所に降りているに違いない。
しかし誰もこの喜劇に気づかない。それが残念なことだ。
音も立てずに去っていく後輩を見送りながら、ぼんやりとそんなことを思った。
582 :
3/5:2006/02/09(木) 12:25:05 ID:xcn9CiKI
漫才をしている自分の目が恐ろしく泳いでいることに気が付いたのは、今日のライブの映像を確認しているときだった。
今日のライブ中、相方は一瞬ネタが抜けた状態に陥った。それに気付いて俺も一瞬白くなった。それを確認したかったのだが。
「…うわー。かなわんなぁ…。」
時間にして1秒か2秒だった。
相方は次の流れにもっていく言葉をなかなか思い出せずにいて、ツッコミだかボケだか解らない発言をしている。
それを自分は見ているのだが、尋常じゃない目の泳ぎ方をしていた。
そんな自分の映像を見てため息を付いた。
相方のフォローをしなければという義務感は仕事中常にある。
最近では無視してかまわないようなのは無視しているが、これは職業病のようなものだ。
しかし今日のような時はなかなかフォローが出来ない。
俺もまだまだやな、と思ったところで、あわてて打ち消す。
まだまだなのは俺じゃなくコイツやんけ。
椅子にもたれて、ため息を付いた。
なんで俺ばかりがこんなに心を砕いて、相方のことを見てやらねばならないのか。
なんだか『私ばっかり好きでズルイ』という少女漫画的発言で恐縮だが、そうとしか表現できない感覚に襲われたのである。
「どんだけ多邑のこと考えてんねん」
ぼやくように口にした言葉に、『人間は、自らが尽くした人を好きになる』という格言を思いだして、酷く嫌な気分になった。
583 :
4/5:2006/02/09(木) 12:25:53 ID:xcn9CiKI
「お前俺のこと愛してんのか、あーいーかーたー!」
「うるさいし怖いわ!お前のテンション」
「お前はアレやな、愛に方と書いて愛方や」
「何やねんそれ、怖いわ」
稽古場で今日もネタを合わせ、詰めていく。
少女漫画的シチュエーションをコンビで再現、というコント的なネタを追加した。
当初はホモネタだったはずが、コンビ間の愛憎劇になってしまった気がする。
しかしまぁ、これで大体の型が出来た、と言って良いだろう。
「ええやん!」
一通りのネタ合わせが終わった後で、相方は嬉しそうに言った。
「今度の舞台、このネタやろーや。」
「せやな。」
ネタとは言え、何度も相方に好きだ好きだと言うのは何だか釈然としなかった。
「なぁ、多邑。好きって言うてみ?」
稽古後のだらりとした空気のままで言ってみた。すると案の定相方は笑った。
「ハハッ。いやもう、いいでしょ。そのネタは」
「俺が好きやー言うても拒否されんのはキツいで。」
煙草に火をつける。相方はなおも笑い「いやだって、ネタだし」と言った。
「ほんと、やってて気持ちええけど、ネタだし」
そんな少し性格の悪いことを、相方は笑いながら言った。
584 :
4/5:2006/02/09(木) 12:26:46 ID:xcn9CiKI
「…そんで浮気疑惑を乗り越えて、再び愛情を確認するんやな。」
「やー、たしかによくありますね。」
「俺はお前を!一生!離さない!離さないぞ!」
「そんなテンションちゃうやろ!?」
「……ここでキスやんけー!」
「はぁ?!まま、確かに少女漫画の山場はキスですけども!」
「お前は!俺がキスしてくれー言わなできひんのか!口に出さな、アカンのか!」
ホームの劇場の舞台での新ネタ披露は、勢いとテンションで攻めることにしていた。
だからだろう、相方は俺のセリフに応えた。
おもむろに俺の腰をひきよせ、体を密着させると、熱いキスをかましてくれたのである。
笑いがとれたのかどうかはわからない。ただ、もの凄いどよめきと歓声が聞こえた。
「もうええわ」の声に条件反射のように頭を下げると、逃げるように舞台袖に向かった。
「……俺はキスするとか、言うてないやんけ!アホか!」
早足で楽屋に向かいながら、振り返らずに相方に毒突いた。
そうしながら、相方が何も言わないことを強く念じていた。
もし俺の顔が赤いことを指摘したら本気で殺してやる。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 最後は5/5デシタ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
よく考えると夢マッチで漫才中にキスしてるコンビがいましたね…or2
>>584 もうお前らさっさと付き合っちゃえよ(*´Д`)ハァハァ
いつも萌えをありがとう。GJ!
>585
GJ!GJ!!GJ!!!
毛根死滅する勢いで禿げ萌えました…。
悔いはないよ…姐さんありがとう!!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| heyスレがなくなったから出せる少年くんネタ
__________ \ _/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄| 少年所属のGくんとMくんで、Gくん視点のイチャイチャ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ Mクン受ダゾ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
590 :
1/9:2006/02/09(木) 15:14:45 ID:cu63PltH
『なんでこんなことになっちゃってんだろ……』
ひんやりした床の上。もつれるように抱き合い、夢中で唇を貪りながらも
頭の片隅で冷静な俺がそう疑問を投げる。
ほんの何分か前まで、俺と彼はただの友人だった。
あ、いや。正確に言えば、俺は彼のことを“親友”だと思っていた。
彼が俺をどう思っていたかはわからないけど、少なくともこんな風に
舌を絡めて息もつけないほど熱烈なキスをするような仲じゃなかったことだけは確かだ。
全く想像もしていなかった事態に混乱しまくっている俺を
彼は少し潤んだ眼で熱っぽく見上げてくる。
いつも飄飄としている彼が初めて見せるその表情に、思わず見蕩れていると
彼の濡れた唇が小さく動いた。
「いいんだよ…君の好きにしても……」
瞬間、俺の思考回路は盛大に吹っ飛んだ。
*******************
その日、俺はいつものように彼の部屋に遊びに来ていた。
彼は描き上げなきゃならない絵があるとかで、俺が来てからもPCに向かいっ放しだったが
他愛ない話をしつつ彼の作業を眺めているだけでも、俺には楽しい時間だった。
作業の見物中は、彼の真横が俺の指定席。
ちょっと手を広げればぶつかる近さだし、彼の絵描き仲間だという人から聞いた話では
「彼は難しいところがあるから、人が見ている前では描きたがらない」らしいので
我ながら邪魔なんじゃないかと思うんだけど、彼から文句を言われたことは一度もなかった。
『もしかして俺って、Mさんにとって特別な存在?』なんて聞いてみたいけど
空気扱いされている可能性も否定できないので、心の中で自惚れるだけにしておく。
591 :
2/9:2006/02/09(木) 15:15:34 ID:cu63PltH
真っ白だった画面に、次々と鮮やかな色が塗られていった。
時々彼が「この色、どうかね」なんて聞いてくるので
専門的なことは全くわからないなりに、自分の思うままを素直に答える。
こういう時、彼は大抵俺の意見通りにしてくれるので、答え甲斐があった。
『もしかして俺って、頼りになるアドバイザー?』なんて聞いてみたいけど
単にどーでもいい部分を考えるのが面倒くさいだけという可能性も否定できないので
心の中で自惚れるだけにしておく。
でもまあ、たとえ空気扱いだとしても面倒くさいだけだとしても、それはそれで構わない。
俺は彼の絵が大好きだから、彼のすぐ傍で描くとこを見ていられるのが何よりも嬉しかった。
「うーん。こんなもんですかね」
タブレットのペンを静かに置き、彼が小さく伸びをする。
「おっ!これで完成?」
「うん、まあ」
「いい!すごくいい!」
俺は『いい!』と思ったところを全部並べ上げて感想を言うが
彼はモニターを見つめたまま「そう」と返事するだけ。
こういうとこ、彼はクールって言うか、すごく淡白だ。
どんなに褒めちぎっても、特に反応がない。
少しくらい照れたり嬉しそうにしてくれたっていいのにさ。
まあ、彼は普段から飄飄としてて
大きく表情を変えることなんてあんまり無いんだけど……。
俺はモニターを眺めている彼の横顔をじっと見つめた。
眼鏡のフレームの向こうに見える切れ長の眼は、憎らしくなるくらい理知的で
白い肌や通った鼻筋と相まって、彼を大人びて見せている。
『子供っぽい』とか『どんぐりまなこ』とか言われる俺とは正反対だから
俺にとって彼の眼はコンプレックスの対象だった。
592 :
3/9:2006/02/09(木) 15:16:30 ID:cu63PltH
でもある日、俺を見る彼の眼が時々優しげに細められているのに気付いてから
俺は嬉しくて彼の眼ばかり見るようになった。
ま、『優しげに細められてる』んじゃなくて『小馬鹿にした眼差し』なのかもしれないけど
それでも俺は、その眼に見つめられるのが大好きだった。
「―――― 何?」
彼の眼が、すぐ間近で俺の視線を捉える。
あ、やべ。つい彼の顔を凝視しちゃってたか……。
モニターも見ずに自分の顔ばかり見つめられては、彼が不審に思うのも無理はない。
「あ……ご、ごめん」
「どうかした?」
理知的に光る眼が真っ直ぐに俺を見つめる。
まさか正直に「ちょっと見蕩れてました」なんて言うわけにもいかず
俺はへらへらと笑いながら「なんでもないなんでもない」と誤魔化し
彼から顔を逸らして立ち上がろうとした。その瞬間――――
「わっ…!」
思いっきり腕を引っ張られ、よろめいた俺は彼の方に倒れ込む。
「い、いててて……!ちょっとMさん!いきなり何すんだよ!危ないだろっ!」
ぶつけた腕を抑えつつ顔を上げると、彼の顔が驚くほどすぐ目の前に迫っていた。
咄嗟に言葉が出ない俺の前で、彼がゆっくりと眼鏡を外す。
「な、なに…」と言いかけた瞬間、唇に何か柔らかなものが触れた。
――――へ……?
593 :
4/9:2006/02/09(木) 15:17:17 ID:cu63PltH
…………。
……………………??
………………………………?!?!
「○×△☆$※@♯¶〆∞¥〜〜?!?!」
『キスされた』と気付いた時には、既に彼の唇は離れていた。
反射的に感触の残る唇を手で覆い、立ち上がって後ろに飛び退く。
「なっなななななななななななななにすっ…!」
……動揺しすぎて思いっきり舌噛んだ。
そんな俺を見てくすりと笑いながら、彼がゆっくりと近付いて来る。
俺は無意識のうちに後退っていたが、すぐに壁際まで追い詰められてしまった。
「―――― 気付いてないの?」
俺の両肩に彼の指がかかり、俺を見上げる眼が妖しく輝く。
「M……さん……?」
「今まで、自分がどんな眼で俺を見ていたのか…」
「な…に…言って……」
「俺は気付いてたよ。ずっと前からね……」
そう言って、彼が俺の胸に体を預けてきた。
艶やかな黒髪がふわりと揺れて、微かに漂う彼の香りが鼻をくすぐる。
「俺とこうしたかったんでしょう?」
「えっ…!ちっ、ちがっ…!」
「いつもあんなに恋しそうな眼で、俺を見てたくせに?」
594 :
5/9:2006/02/09(木) 15:19:43 ID:cu63PltH
「ちっ違う!俺はそんなっ…!」
「俺のこと…好きじゃないの?」
「そっそれはっ…!えっと…その、す、好きだけどっ!
でも前にも言ったけど、そーいう好きじゃなくって、その…友達っていうかっ」
「嘘つき」
彼の指が今度は俺の頬を捉える。
ぐいっと強く引き寄せられ、再び唇を求められた。
さっきのような触れるだけのキスではなく、深く絡みつく挑発的なキス。
挿し入れられた彼の舌が、俺の口内を容赦なく犯していく。
思わずその舌に応えそうになって、はっと我に返った。
「―――― やっ…めろよっ……!」
何とか彼の体を引き剥がした俺は、ずるずると床に座り込む。
手の甲で唇をグイッと拭い、壁にもたれかかって天井を仰いだ。
……なんなんだよ…なんで彼はこんなことを……?
なにがなんだか、さっぱりわかんねー……。
「驚いた?」
俺の前にしゃがみ込んだ彼が、顔を覗き込んできた。
「当り前…」
文句を言いかけて、思わず言葉に詰まる。
俺を見つめる彼の眼が、とても優しげに細められていた。
彼が時々しか見せない、俺の大好きな優しい眼。
その眼に魅せられて動けなくなった俺の耳元で、彼がそっと囁く。
595 :
6/9:2006/02/09(木) 15:20:52 ID:cu63PltH
「俺は…ずっと君とこうしたかった……」
彼の手が俺の頬をそっと撫でる。その手に導かれるように
気が付けば俺は、彼を抱きしめ床に押し倒していた。
彼は少しも動じることなく、うっすらと微笑みを浮かべて、されるがままになっている。
しばらく見つめ合った後、どちらからともなく引き合うように唇が重なった。
彼が俺の首に腕を回し、より激しく唇を求めてくる。
それに応えて舌を挿し入れると、彼は待ち望んでいたかのようにすぐ舌を絡めてきた。
その舌を捉えて吸い上げ、深く深く口づける。
室内に響く濡れたキスの音にも煽られ、俺は夢中で彼の唇を貪った。
『なんでこんなことになっちゃってんだろ……』と
頭の片隅で冷静な俺が疑問を投げるが、思考回路はショート寸前で歯止めがかからない。
彼の身体から力が抜けたところで、ようやく唇を離す。
しどけなく開いた彼の唇から、甘い吐息が零れ出た。
彼が少し潤んだ眼で熱っぽく俺を見上げてくる。
いつも飄飄としている彼が初めて見せるその表情に、思わず見蕩れていると
彼の濡れた唇が小さく動いた。
「いいんだよ…君の好きにしても……」
瞬間、俺の思考回路は盛大に吹っ飛んだ。
やばい……。こんな彼、今まで見たことない。
なんだよ。なんでこんなに色っぽくって可愛いんだよ……!
どうしよう。彼をめちゃくちゃにしちゃいたい。
もっともっと彼を乱して、快感に溺れる彼を――俺を求めて狂う彼を見たい!
――――いや待て。落ち着け。落ち着くんだ俺。
いきなりそんながっついちゃ駄目だって。
最初はあくまでも優しくソフトにまろやかに。
うん。そうだよ。ここはちょっと余裕を見せとかないと。そう、余裕余裕余裕余裕……。
596 :
7/9:2006/02/09(木) 15:21:47 ID:cu63PltH
――――そう頭の中で念じながら、彼のシャツにゆっくり手をかけたが
愛おしそうに俺を見上げてくる彼を前に、余裕なんかあるはずもない。
思わずボタンごと引き千切る勢いでこじ開けそうになったのを
ぎりぎりの所で堪え、優しく優しく…と一つずつボタンを外して彼の白い肌を露わにした。
細い首筋を指でなぞり、羽で触れるように柔らかく口づける。
唇にしっとりと吸い付く肌を味わいつつ、首筋から鎖骨へと唇を這わせた。
彼がぴくんと小さく震え、白い肌がほんのり紅く染まる。
その反応を楽しみながら、彼の首筋に顎に唇に頬に耳に、いくつもキスを落としていった。
「Mさん……」
自分のものとは思えない、欲情した男の声。
彼の薄い胸に唇を寄せ、ジーンズに手をかけようとした時だった。
♪ チャラララララ ラ〜ララ〜 チャララララララ〜
部屋中に軽快な着メロが鳴り響く。
思わず動きを止めた俺の下から素早く抜け出て、彼は机の上の携帯を取った。
着信画面を見て、ふっと軽く笑みをもらす。
「もしもし。……ああ、悪い。……いや、今行くところ。……うん、じゃ」
短く電話を切った後、彼は何事もなかったかのようにボタンを留め、身支度を始めた。
手早く身を整えて眼鏡をかけ、いつものポーカーフェースを呆然としている俺に向ける。
「ちょっと出掛けてくる」
「へ……??」
「俺が戻るまでここで待っていてもいいよ。
もし帰るなら、合鍵を置いておくから戸締りして帰って」
淡々とそう告げながら、彼はドアの脇に置いてあった小振りのボストンバックを手にした。
そしてドアを開け、肩越しに俺を振り返って柔らかく微笑む。
597 :
8/9:2006/02/09(木) 15:22:44 ID:cu63PltH
「なかなか良かったよ。じゃ」
俺は固まったまま、彼が去った後のドアを呆然と見つめる。
あまりに何もかもが目まぐるしくて、頭の中がぐちゃぐちゃだった。
はは……ははははは……ははははははははは……。
……なんかもう笑うしかないってこれ…。
なんだよ。一体なんだったんだよ今のは。
てか何、あの彼の変わりっぷり。あの可愛くて色っぽい彼はどこに消えちゃったわけ?
大体、この状況で出掛けるかな普通。自分の方から誘ったくせにさ。
なんて高度な放置プレイなんだよ。意地悪すぎるってMさん……。
――――ああ…駄目だ……。なんか涙出そう……。
めちゃめちゃ可哀相だよ俺。今世界で一番可哀相なのは俺かもしれない。
神様と、彼を呼び出した人のバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ。
……いいやもう。これ以上考えるのはやめよう。悲しくなるだけだし。
彼の口振りだと、すぐに帰ってくるような感じだったじゃないか。
待ってていいとも言ってたし、ここは『果報は寝て待て』の言葉通り昼寝でもして待って
彼が帰ってきたらゆっくり続きを楽しめばいいよ。
うん。そうだ。そうしよう。
――――と、無理矢理なポジティブシンキングで己を奮い立たせ
俺はその場からようやく立ち上がることが出来た。
何か飲み物でも貰おうとキッチンに向かい、冷蔵庫からペットボトルを取り出した時
脇に掛けられていたカレンダーに目が留まった。
今日の所に赤い字で何か書いてある。
『 PM4:30 改札待ち合わせ』
壁の時計に目を移すと、針は5時5分前を指していた。
……あれ…?
さっきの電話、急な呼び出しだと思ってたけど、元々決まってた予定だったのか?
でも彼は約束があるなんて一言も言ってなかったぞ?
598 :
9/9:2006/02/09(木) 15:23:31 ID:cu63PltH
第一約束の時間が迫ってるのに俺とあんなことを……。
――――次の瞬間。ある考えに思い至って、身体に冷たいものが走る。
彼はあえて待ち合わせ場所に行かなかった。
約束の4時半を過ぎても彼が来なければ、待ち合わせ相手が電話をしてくるだろう。
彼はそれを見越した上で、わざと約束時間に俺と…………。
「うわああああああああああああああああっっ!!」
雄叫びを上げながら大慌てで携帯を取り、彼に電話する。
♪ プルルルルル プルルルルル プルルルルル プルルルルル ガチャッ
「もしもっ…」
『ただいま 電話に出ることが出来ません』
長いコール音の後に聞こえてきたのは、冷たい機械音声。
あんにゃろう…出やがらねえっ!
……やられた。騙された。っていうか嵌められたっ!
持って行き場のない怒りと興奮とやるせなさで、体が震える。
『――――伝言をどうぞ ピーッ♪』
俺は腹の底から湧き上がってくる感情を携帯に向かって思いっきりぶつけた。
「バカヤロォォォォォォォ!!ふざけやがって!この最低ヤローッ!
許さねえ……絶っっっっ対に許さねえぞっ!帰ってきたら、泣こうが喚こうが
やってやってやりまくってやるっっ!!覚悟しろよコンチクショォォォォォ!」
――――その夜、夕食もとらず彼の帰りを待って待ってひたすら待ち続けていた俺の所に
彼からのメールが届いたのは、そろそろ日付も変わろうかという時間だった。
『言うの忘れてたけど、明日親戚の結婚式なんで実家に帰ってきた。
せっかくだから1週間位いるつもりなんで、そっちの戸締まりヨロシク。じゃ(≧∇≦)ノシ 』
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ Gクンゴメンネ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
そろそろ新スレ?
今447KBだ>うちのかちゅで
まだいけるっしょ
480超えたぐらいでいいんじゃないの
>589
元ネタは全くわからんが萌えたよグッジョブ
>599
びびびびびびっくりした!
まさか今になってこれを読めるとは
姐さん嬉しいよ姐さんつД`)
ありがとうありがとうありがとう
・・・でもM君受だったのか
二重にびっくりしたよ
しかしお預けウマー
>589
同じく元ネタわかんないけど禿萌えた
攻めかわいいよ攻め(*´Д`)
美川べるの「ストレンジ・プラス」と
魔フォー戰隊のコラボネタ後編だぞファッキンライト!
/ wVヽ) 始まって三分で「―― 一年後 ――」とかじゃないから
ゝソ・∀・)、 安心してね!
./,, ノ へヽ ギリギリなネタはおやめなさい!!!
ノ,,.|;゚Д゚ノ)そ
/ wVヽ) なになに、巧美様の活躍が待ちきれない? 困ったさんだなァもう、さいせーい
ゝソ・∀・)、つ◇ピ |>PLAY
./,, ノ へヽ …そもそも何が目的のコラボだったっけ……
ノ,,.|;゚Д゚ノ)
--------------------------------------------------------------------------------
「待ってよ兄さん、一人足りない! イエローがいないよ!」
「どうしてもっていうなら、このフィギュアに頑張って祈れば人間になるかもしれないぞ(一巻参照)」
「正宗兄ちゃん、また懐かしいネタを!」
「その小娘が動き出すくらいならこれで充分じゃヴォケー!!」
「北海道名物ニポポ人形――――!!!」
「頑張って祈れば人間になるかも」
「恐ェよ!!」
「いやどっちみち動き出すならニポポも美少女もどっこいどっこいだと思うわ」
「さすがにそろそろファンの人に怒られるよ! 特にイエローの!
ニポポ人形ってこんなん(
ttp://images.google.co.jp/images?hl=ja&c2coff=1&rls=GGLD,GGLD:2005-08,GGLD:ja&q=%E3%83%8B%E3%83%9D%E3%83%9D%E4%BA%BA%E5%BD%A2&lr=&sa=N&tab=wi)だよ!?」
「鼻の辺りとかそっくりじゃね!?」
「失礼極まりねェ!!!」
「お前等私の存在を露骨に忘れやがって! 闇の覇王となって貴様等を暗黒へ葬ってやる!
ウ―ザ・ド―ザ・ウノレ・ザンガ!!!」
「うわああなんか装甲変わったー!」
「巨大化はできないとこがニャんともはや」
「ははは、ドロシーたんは達観してるなぁ」
「ちょっ、いきなり巨大変身は違うでしょー!?
まずギリギリまでレッドを追いつめてから、丸腰のレッドに紳士的に「武器を取れ」って言って、そのうちに」
「黙れオタク」
「兄さんそんな直接的な!」
「え、俺じゃねぇよイエローだよ? 『そうだニポポ、老け顔もずくは黙るニポポ』ほらほら」
「もずくって言った! またもずくって言ったよね!」
「るっせぇ! こっちも巨大化すんぞ!」
「説明しよう、マジレソジャ―ではレッド以外の四人がライオンに、レッドが火の鳥に変身し、
その二体が合体することによって伝説の魔ネ申が生まれるのだ!!」
「楽しそうね正宗……(懲りもせず)」
「これ凄いんだぞ! 玩具ではライオンが自走して合体するんdいたいいいたいいたい!
巧美、ブレイズの束を根元で捻るのは地味に痛いから!」
「行くぞ、マ―ジ・ジノレマ・ゴノレ・ゴゴ―ノレ!!!」
「凄い! 四人が魔シ去陣の中にとりこまれて、巨大なライオ…ン……? の姿 に゙ッ 」
「おお、武装体勢のレオ様が兄やんの顔面にみっちりと」
「レオ様の生尻を顔面のみで受け止めてつま先立ちでいられるとは、恒ちゃんも流石レッドだ」
「言ってる間に兄やんの全身がプルプルしてきましたニャ」
「はっはっは、そんな状態でこの私に勝てると思っ
……あれ? うそ、プルプルしながらこっち来る? 腕羽ばたいてる?
うわあああああキモい!! 何だあの物体!!!」
「マ―ジ・ジノレマ・ゴノレ・ジンガジン!! どうだこれこそ伝説合ネ申マァジレジェェェェェェエンド!!!」
「絶対違わァァァァ!!!」
「あぁ……兄やんの突っ込みでレオ様が発射され、美しい軌道を描きニャがらオッサンの顔に――」
「モルスァ!!!」
「(合体解除)どォーだ、見たか俺等の勇気!」
「弟の首をレオ様の生尻で折りながら勇気とかどの口が仰るか――!!」
「ちょっと来んなよお前、狗堂と間接キッスしたじゃねぇか、えーんがちょー」
「う、うわぁぁぁん! 弟と間接キッスなんて……弟となんてっ……!!!」
「あら、逃げだしたわ」
「沈む夕日に消えるウノレカイザ―って、六話ラストかよ……」
「ちょっ、なんだその反応! こっちだよ! 傷ついたのはこっちの方だよ! お――い!!」
「恒……好きな人じゃなきゃ、キスなんてできないんだよ……?」
「ということは、君は彼のことを好きになった、違うかい?」
「ぐあああムカつく! ステレオでお送りされる原作に沿ったネタがムカつく!」
「まぁなんにせよ、これで一件落着だな!」
「うん、満点だ! 本日の授業はここまで☆」
「うちらはなにもしてませんがニャ」
「ん、日没……? 私達なんか忘れてない?」
◆
「……放置とかさぁ、マ―ジでひどくなーい?」
「……ひどくなーい?」
◆
「結局魔法使いらしいこと何もせずに終わっちゃったなぁ」
「ん? 恒はレッドらしく頑張ったじゃないか」
「兄さん……」
「恒ならきっと、このまま十二年経てば立派な『魔法使い』になれるよ……!」
「って、え? 十二年? 三十歳にならないとなれないの?
ねえ兄さん、よく分からないけどちょっと周りの反応が引っかかるんだけど!! ねぇ!」
「俺のこたァちい姉って呼べっつっただろうがこのマキシマムザ老け顔!!!」
「ちい姉はそんなこと言わないー!!」
♯EX.1
「なあ、これ貰って帰っていいかな? アクセもついてるし! オフィで買うと高いんだよねー」
「正宗さん不思議と似合いますよねグリーン……」
「流石僕の生徒だ」
「先生そろそろキャラから離れてください」
『確かに似合うニポポ』
「――え? 今誰か……」
♯EX.2
「なんか、今回所長の正宗への突っ込みが特に激しかった気がするのね」
「はァん? 気のせいだっつの!
強いて言うならあいつが得意分野に張り切りボーイだったせいだよ!!」
「オズ先生も原作沿いのネタ繰り返してたじゃないの……」
「(ちょいちょい)美羽姉さん美羽姉さん」
「ん? どうしたのドロシー」
「巧美兄やんはちょっと正宗兄やんが羨ましかったのでは」
「え、……あー、そうか、恒ちゃんに『正宗兄ちゃん』って呼ばれ通しだったもんねぇ」
「ちょっとそこ! 何か勝手なこと仰ってると空中美少年チョップかますぞ!!」
「はいはい、何でもないですよー」
--------------------------------------------------------------------------------
/ wVヽ) マンドゥラは奈々ちゃんかな
ゝソ・∀・)、つ◇ピ □STOP
./,, ノ へヽ ボーナス査定はどうなったの――!!!
ノ,,.|;゚Д゚ノ)
>605
禿しくGJ!
ベラーにあるまじき戦隊モノに疎い者ですが
気持ち良く笑わせていただきました!
>605
GJ!
読んでて、絵がありありと浮かんできたyo!
そして、見事な弟虐待っぷりだったよ!立派な『魔法使い』って酷すぎwww
>>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!アカキ"誘い受け、南剛ヘタレ攻め。苦手な方はスルーしてね。
*
*
以前世話になった知人に、代打ちの仲介を頼まれ、南剛はアカキ"にコンタクトをとった。
『麻雀?いいよ。』
アカキ"はすんなり承知為てくれた。
『宿はとっておいた。』と先方は言っていたが…。
(しかし………別に部屋が一緒なのは問題ないが…何故、寝床まで…)
部屋自体は十分な広さで、設備にも不便はない。しかし、寝具がひとつだけなのだ。
(一緒に寝ろと…?)
「…南剛さん」
「…はひっ」
後ろから声をかけられ、思わず悲鳴のような音が漏れる。
「どうしたの?」
振り返ると、風呂あがりのアカキ"。
タオルを巻いて腰のあたりだけを隠している。
ダウンライトに浮かびあがった、陶器の様な肌は、上気してしっとりと濡れている。
(う…ヤバ)
急に恥ずかしくなり、南剛は目をそらした。「か…っかぜ……、風邪ひくぞっ」
「着替え、どこにあるかわからなくて」
一瞬、獲物をもてあそぶような笑みが口端に刻まれたのは、気のせいだろうか?
「脱衣所に無かったか?…持ってくるよ。」
「ありがと」
(分かりやすいところに置いたはずなんだが、気付かなかったかな…)
「アカキ"、ほら」
浴衣をアカキ"に渡す。
アカキ"は雑に浴衣をはおり、ベッドに転がった。
大きく開いた袷から素肌が覗いている。仰向けで、足を投げ出したアカキ"の姿が必要以上に妖艶に映る。
(……う…)
青くなったり、赤くなったり、南剛は忙しい。一方、アカキ"は南剛の苦悶など気付かないような顔をしている。
「いいね。こういうの修学旅行みたいで」
「ああ、そうかもな」
「用事が済んだら、遊びに行こうよ。このあたり観光地だし。」
年相応な無垢な笑顔でアカキ"が言った。そこに、何時ものような計算高さは見えない。
(…アカキ"でもこんな顔するんだな…。普通の…ガキみたいな…)「…ね?」
「う…あ、ああ。終わったらな。」
「…約束だよ。」
ベッドから少し体を起こして、細く繊細な指が差し出された。はだけた胸元や内腿がより強調され、自然に目がいってしまう。
「…指切り。」
「あっ…ああ。」
南剛は慌てて視線を外した。関節のはった武骨な指を不器用に絡め、指切りをする。
「指切りげんまん嘘ついたら、はりせんぼんのーます。」
指から伝わる温もりが、鼓動を早くさせる。指先から恥ずかしい思いが伝わってしまいそうだ。
(…くぅっ…はやく終わってくれ〜)
「指、切った。」
南剛のこわばった指をほどいて、アカキ"は嬉しそうな顔をしている南剛は指切りの態勢のまま固まっている。
「…どうしたの?南剛さん…。他に予定があった?」
南剛は、沸き上がる甘酸っぱい感情に捕われて身動きが取れないでいる。
「南剛さん?」
「う…ああ…いや、な。大丈夫だ。ない、予定は、特に…」
「そう?ならいい。」
(…心臓が飛び出しそうになる。目が合っただけで、全部見透かされてるみたいだ。)
「欲しい?」
ベッドの端に腰掛け、南剛を悪戯っぽく見つめながら秘密の言葉を言うようにアカキ"はそっと囁いた。
余りに唐突な台詞に、南剛の思考回路はショートしそうになる。
「……!?」
「…あげるよ。」
「あ、ぁあ?あげるってっだっ…だけど、ほらあれ、なんだ、その。だから、な…いらないわけではないが…でもな、倫理とゆーものが」
「…倫理?」
焦りまくる南剛を不思議そうに見つめるアカキ"の手には、綺麗な色の小さな包み…。
「あ・め。南剛さん疲れてるみたいだから。」
(――…飴っ?何を俺はテンパってたんだー!!子供相手にっ…男相手にっ……)
「…………」
激しい自己嫌悪にさいなまれながら、南剛は飴を貰った。
「あ、南剛さん。それ開けにくい包装なんだ。開けてあげる。」
「ああ、頼む。」
普通の飴の包みでそれほど開けにくいようには見えないが、南剛は素直に開封を任せた。
(……飴……まだガキだもんな。俺が悪いんだよな…変な脳内変換して…変態か?俺は変態なのか?)
「…南剛さん、はい」
「…。ありが…」
呼ばれて顔をあげると同時に、甘い香りが唇を塞いだ。
(―――?)
甘さを伴いながら、舌が、口腔内を侵していく。
(…――?!)
アカキ"は名残惜しそうに唇を離し、ボーゼンとする南剛を、悪戯っぽい上目使いで見つめた。
「ご馳走さま。」
「だっ……っ、アカキ"っお前っ」
(と、いうかご馳走になったのは俺では…?)
「苺味。」
「なななななんでっっこっこんなっ」
「南剛さん、ちょっと変だったから…仕掛けてみたんだ……。フフ…、分かりやすい南剛さん。」
「そんなのっ…野郎相手に…っ」
アカキ"は南剛の腰にしっかりと腕を回している。南剛はアカキ"をふりほどけない。
「嘘つきだね。南剛さん。バレバレだよ…」
「そ…そんな…つもりじゃ…」
「ねぇ…南剛さん…、」
「ア、アカキ"…」
熱っぽい声で、乞うように南剛の指を浴衣の袷に誘導する。
「―――…っ」
南剛の指先が生地の上から触れた。それだけで、アカキ"の身体が小さく跳ねる。
「…あっ…悪ぃ…」
「…大丈夫…触って…もっと…」
薄い生地の下に熱く脈打つものがある。
「…それ…握って」
言われるままに、やんわりと握り込む。
「…っ………」
「…こ、こうか?」
「…く…ッ…」
唇を軽く咬んで、アカキ"が頷く。
戸惑いながらも、南剛はゆっくりとアカキ"の身体に快感を刻んでいく。
感じることに抵抗があるのか、アカキ"は必死に声を咬み殺している。
反応を見ながら、南剛は更にアカキ"を追い詰める。
「んッ………」
「ここか?」
「ッ…―ぁ……なん、か…――ッ」
「…イきそうか?」
「ッ…い、く?…何?………ァッ……ッ」
「出せ、我慢しなくていいから」
「んっ……――ッ」
2、3度、身体を強く震わせて、アカキ"は白濁を吐き出した。トロリとした粘液が南剛の手から溢れた。
「…大丈夫か?」
「――、ん………へいき…」
汚してごめん…。さっき、南剛を試した余裕は何処へいってしまったのか。恥ずかしそうに目を伏せたアカキ"の顔は耳まで赤く染まっている。
「…なんだ?初めてか?」
余りに初々しい反応を南剛がからかうつもりでカマをかけた。
「…………」
アカキ"はますます赤くなり、うつ向いてしまった。
「………マジか?…わ…悪かった……なんていうか…その…あ、なんだ…責任って言うのか……?大事に…する…つもりだから…な……」
「ぷっ」
うつ向いていたアカキ"が吹き出した。
「南剛さんらしいや…。それ、プロポーズ?」
「う…茶化すなっ。俺だってまさかお前にこんな台詞を言う日が来るとは……」
「後悔してる?撤回してもいいよ。今日の事は忘れて。」
「ばかっ、忘れるかっ。一生憶えててやるからなっ。毎晩オカズにしてやるっ。」
「実物が居るのに?」
「…年を考えろっ餓鬼。あと6年は手は出さん!」
「じゃあ、俺は6年間誘惑し続けるね。」
「………6年か……なんか、我慢する自信なくなってきた…。」
「…弱っ…。あ、コレ返しておくね。"南剛さんの部屋の鍵"」
「え?俺の…?」
「さっき、廊下で落としたでしょ?その時すり替えた鍵。」
「…すり替え…?」
「変だと思わなかった?ダブルの部屋。その鍵の部屋はツイン。」
「アカキ"、お前っ……。俺がどれだけ焦ったと…」
「それに、明日の麻雀もナシ。」
「は…?それは、もしかして…」
「フフ、あたり。以上、自作自演でした。」*
*
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
切るところ失敗してしまいました。ごめんなさい。お粗末様でした。
せりふだらけ
しげるが、飴・・・っ!
620 :
木林 1/3:2006/02/11(土) 02:08:26 ID:3irdD4AX
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )木林 玄米レディオshow風味
(オープニングトーク)
永遠を誓い合った夫婦にも別れが来るし、当然、コンビにも別れが来るでしょうね。
ぼくは終わりのないものは怖いから、そういう考えのほうが心強いです。
(〜〜オープニング曲〜〜)
さあ、はじまりました!愛と貧困の玄米レディオshow、第一回目!
今回みたいに、貧乏芸人としてとりあげてもらえるのは、とてもありがたいですね。
生き様でも人柄でも、なんでも武器にしていきたいから。
ぼくが小学生の時に母親が亡くなって、父が荒れましてね。
借金とかするようになって。
それで、中学生くらいやったかな、家がなくなりました。
父親は行方不明です。
それからは、友達の家を転々としたり、公園に寝泊まりしたりの生活で。
いつも同じ服を着てる乞食とか言われたりね。
今、ちょっと壊れたような服の買い方してますけど、そのときの反動かもしれませんね。
でも、友達の家の人の好意や、兄弟もいたから、生きてこれました。
笑えない状況でしたけど、笑わないうちに死んでくのは嫌やなと思って、お笑い目指して。
兄のおかげで養成学校に入れたし、そこで相方にあって、今があります。
ぼくの人生ほど、人の好意に支えられてるのって、あんまり無いですよね。
621 :
木林 2/3:2006/02/11(土) 02:08:59 ID:3irdD4AX
コンビっていいもんでね。相方ってね、絶対的な味方なんですよ。
相方がいるから、ぼくはひとりじゃないわけです。
家族の一員には絶対ならへんけど、ぼくの、一番近しい人間。それがいつも隣にいる。
これだけ心強いことないじゃないですか。
ぼくは肉親の縁は薄かったかも知れんけど、相方がすごいんでね。
ぼくには欠けてるところがやっぱすごくあるけど、それをみんな相方は持ってるし。
それでプラマイゼロなんちゃうかな。
でも相方は生命力弱そうでね。心配ですよ。
自分に近い人間がいなくなるのはもう嫌ですわ、さすがに。
この間、なんですか、バウムテスト?木を描く心理テストでね、相方は枯れ木を描きましたからね。びっくりしたというか、怖かったですよ。
木とかってアタマから枯れていきますけど。
気が狂ったりとかもして欲しくないですよね。
ぼくが支えてやりたいんですけどね……やりたいとは思うんですけどね。
相方ほど気がつかえへんし、気が利かんし、ダメですね。
ほんとに、足引っ張ったりとかしてしまったり。
舞台以外ではボケとツッコミが完全に逆転するんですけど、結構ぼくが素で間違ったのをツッコミでおもしろくしてくれたりして。
そういうフォローとかしてくれるんですよ。
だから相方は、おもしろいことも言うし、ぼくのフォローもしてくれるしで、人の何倍もアタマ使ってますから。
そら、疲れますよねー…。
622 :
木林 3/3:2006/02/11(土) 02:09:28 ID:3irdD4AX
ぼくの相方は、ぼくに与えられた、たったひとりの人だと思うんです。
だからぼくは生きていけるわけだから。
もう取り返せないような欠けたところを埋めてくれるから。
たったひとりの人っていうのは、コンビが解消されても、ぼくは相方のことをずっとそう思っていくやろうなって。
そういう位置に、相方のことを置いてしまっているのでね、なんや迷惑かもしれんけど。
ずっと一緒に走って、これから先、一緒に走れなくなったとしても、その思い出があれば、強くいられるやないですか。
なんや、うまく言えん。
相方なら、もっとうまく説明できるんでしょうけど。
(〜〜曲紹介〜〜)
えー…(笑)なんと今日は!ゲストが来てくれてます!
いや、おかしいって!ぼくのピンのラジオのはずやったやろ。なんで来んねん!
お前、ちょっと遠慮しろや!(笑)
え?さっきの解散の話?(笑)お前聞いてたん?うわー、恥ずいわ!
だから、まぁ、解散ていうのは、全然後ろ向きな選択肢じゃないよ、とね。
そういうことが言いたかっただけですけど、何や、ネガティブでしたね。
もちろん、ずっと一緒にいたいですよ。惚れてますし。
いつか最高のパートナーとして隣に立っていたいですね。
……えぇと、だから、なんや。
お前そんな泣くなや。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ ラジオ風味ネタ デシタ!
しんみり萌え(*´Д`)
泣く皮縞カワエエ
ここのおかげで木林に注目するようになってしまったよ
泣かすなよ、このやろう(つд`゚) 玄米かわいいよ玄米。
実況スレに貼られる「〜と言いつつ、下はこんなことになってますつハァハァ」
のAAみたいな状態になっちまったじゃないかYO
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
| 耐えてたのが昨日のムゲンダイに萌えてとうとう噴火
| S悟のモノローグ形式で
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 書いてある内容の半分以上は
| | | | \ ウソッパチだモナー。
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ やや三角関係?ゴルァ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||
626 :
1/10:2006/02/12(日) 05:33:37 ID:aRoK6ivv
結成して初めての一人仕事の一日を終え
くたくたになって家にたどり着く。
大勢でシェアするはずの家にはまだおれ一人しかいない。
今夜もすごく寂しく怖い夜になりそうだ。
だけど今夜はちょっと暖かい気分
相方に「今日はなんとか一人でやったよ。心配いらないから早く元気になれよ」ってメールを送った。
返事が返ってくるまで携帯を握りしめてベッドに入る。
眠れない・・・相方は何て返事をしてくるだろう。
メールで「ありがとう。明日は行けそうだ」とか打って来るかな?
それとも電話がかかってくるだろうか?
アイカタの・・・アッチャソの声が聞きたい。
もう24時間以上聞いてない。
こんなこと・・・コンビになってから有っただろうか?
いやムゲン大が始まるまでは1日2日の休みは有ったから
会わない日だって何日か有ったはずなのに
思い出せない・・・一人で一日過ごす日などんなだったか
思い出せない・・・あの声と笑顔がそばに居ない日がどんなだったか
思い出すのはただ、初めて会った日
そして一緒に駆け抜けてきた日々・・・
627 :
2/10:2006/02/12(日) 05:35:13 ID:aRoK6ivv
あいつはスカしたケイ大生だった。
おれが先に入った自動車保険会社の電話受付のバイトで出会ったんだが
無愛想な雰囲気で、挨拶しても怖い感じで何にもしゃべらず
休憩時間にもなんかウォークマンで一人聴いていたりする・・・
おれは沈黙が苦手だし、一緒に仕事する仲間とは仲良くやりたかったんで
努めてあいつに声をかけるようにした。
1日目は「昼食った?何か食べに行かない?」
返事は「いや・・・もう食ったから」
2日目は「何かサークル入ってる?オレテニスサークルにいるんだけど」
返事は「別に・・・興味ないから」
3日目は「・・・何聴いてるの?音楽?」
あいつは・・・昨日と一昨日みたいに一瞬迷惑そうな顔をしたが
その時、急に表情が変わって「プッ」と吹き出したんだ
「何?なんで笑ってるの?」
今度はおれが不機嫌になった。人が気ィ使って話しかけてやってるのに
その小馬鹿にしたような態度は何なの?
「聴くか?」
あいつは耳に付けていたイヤホンを2個ともおれに差し出した
おれはその時初めてみた・・・あいつの、いたずらっ子みたいな目が気になったんで
何かイタズラされるんじゃないかとドキドキしながらそれをつけて耳をすませた。
『・・・だからさあ、おまえシツコイっちゅーねん!』
「なにこれ?ラジオ?」
「あははははははははは!!!」
驚くおれの顔に飛び込んできたのは見たことも無い笑顔だった。
そして止まらない笑い声が響き渡った。
628 :
3/10:2006/02/12(日) 05:40:41 ID:aRoK6ivv
それからおれとあいつの物語が始まった。
あいつはおれに膨大な量の情報とそれに関する考察や意見などを押し付ける
ほとんど『お笑い』に関することばかり。
おれは勉強するときは音楽を聴いていたし、TVのお笑い番組は見ても芸人の名前なんかよく憶えていない
ワリとフツーのチャラい大学生ライフを送っていただけだったのに
みるみるおれはあいつに染められてしまった。
だけどそれが心から楽しかった。
誰も近寄れないような大きな犬を手なずけてしまったような満足感に似ていたけど
気が付くと自分も今までの友達を放ったらかしであいつとつるんでいる。
バイトの時もバイトの無い日も昼夜問わずにバカ話と悪ふざけに明け暮れる
まるで小学校の頃のバカ男子に戻ったような毎日・・・
そして大学4年になり、就職時期が近づいた。
おれは一応単位は取れたが、ハメを外し過ぎたあいつはどうやら来春の卒業はムリだ。
うつむいてため息をついているあいつにおれは言った。
「アッチャン、もう一年頑張りゃ卒業出来るから」
「・・・・・・ツンゴ・・・・お前先に就職・・・しろ・・・な」
おれのリクルートスーツ姿を憂鬱そうに見上げるあいつ。
「え?こないだのあれ、本気じゃなかったの?」
おれはあいつの顔をにらみつけて言った。
「あれって・・・ああ、あれか・・・マジだと思ってたのか?」
「思ってたよ!だっていっぱいネタ考えたじゃない!誰に見せるわけでも無いのに一生懸命練習しただろ?
何度も何度もアッチャンに怒鳴られながら、おれがやっと完璧に出来た時、二人でエヌエスシー行こうって決めたじゃない!?」
「あれは・・・ノリだよ・・・単なる・・・青春の思い出ってヤツ?」
「何言ってんだよ!あれが遊び?あれが思い出作り?何それ、本気で言ってるの!?」
「だってツンゴお前・・・その格好・・・」
あいつの言葉をさえぎるように、おれはカバンから出した白い封筒を突きつけた。
「貰ってきたんだ、入学願書!」
あいつは目を丸くして大口を開け言葉を失くしていた。
「一緒に行こう!おれ決めた!お前についてく!」
それからおれたちは周りじゅうにあきれられながら親を説得し、大学を卒業する条件でエヌエスシー入学を許してもらった。
だけど難関はそこだけじゃあなかったんだ・・・
629 :
4/10:2006/02/12(日) 05:43:41 ID:aRoK6ivv
おれは大学時代ずっと付き合っていた彼女にエヌエスシーに行くと言った。
彼女は信じられないというような顔をして言った。
「あの男と?なんで?なんでせっかく大学卒業出来るのにちゃんと就職しないでそんなところ行くの?
本気でお笑い芸人になれるだなんて思ってるの!?」
「思ってるよ・・・本気でなりたいんだ。応援して欲しいんだ・・・」
「変よ!本当にあの男のせいであなたは変になったわ。ばかみたいな夢を見て・・・いい加減目を覚ましなさいよ!」
おれはあいつを家に呼んで彼女に会わせた。あいつの理路整然とした言葉で彼女を納得させて欲しくて・・・
あいつの厳しかった親も、それで説き伏せたというのだから。
しかしあいつはいきなりおれの部屋の壁に正拳突きを食らわせた。
壁に開いた大穴、血まみれになった右手、青ざめる彼女。
「これがオレたちの本気だ。この手で天下をつかむ覚悟なんだ」
彼女はその日「もうあなたにはついて行けない。あの人と一緒にいるあなたとは!」って言って出て行き
それっきりもう会ってくれなくなってしまった。
こうなったのは・・・あいつのせい?いや・・・彼女を説得できずにあいつを連れてきてしまったおれのせいだ。
だけどあんな酷い態度見せ付けられたら・・・正直おれも引いた。
だけどあいつの血だらけの拳を見たら何か熱いものがこみ上げて来て・・・
おれは彼女を追いかけずにあいつの手をつかんでしまった。
オレのためにこんなに痛い思いをしているアイカタを・・・残しておけないから。
その後、おれはけっこう長いこと彼女のことをひきずってしまっていた。
だけど新生活の忙しさと疲れで少しずつだけど傷は癒えていった。
あいつの拳の傷が治っていくように・・・おれはそのまま彼女を忘れられると思った。
だけどある日、おれは自分でもどうしようも無いほど落ち込んで揺れていた。
それというのも、風の便りに彼女がまだ、おれが戻ってくるのを待っていると聞いたから。
新しい男と付き合うこともしないで・・・
おれの脳裏に彼女の面影とあいつの顔が交互に浮かんではおれを苦しめた。
630 :
5/10:2006/02/12(日) 05:46:38 ID:aRoK6ivv
いつだってメチャクチャだ、あいつの人生は。
勉強しまくるためにベッド壊してイスに体縛り付けて勉強して目を回したとか
中学高校と一人も友達が居なくても、必要と思わなかったこととか
高校の頃の一番楽しかった思い出が、町で一番高いビルの屋上に登って見た夕日だとか
わかんない・・・こんな変なヤツと一緒に、この先の人生ずっとやっていけるのか・・・
だから今回はちょっと・・・おれが落ち込んでたっていいじゃあないか。
だってアッチャソにはまだ、彼女がいるんだもの。
アッチャソのせいでおれは別れたってのに、自分だけ彼女がいるなんて・・・ずるい。
そんな言い訳でズルズルとネタ合わせをサボッて家に引きこもっていた夏休みのある日
あいつは血まみれになってうちに来た。
「な!どうしたんだよアッチャソ!交通事故にでも遭ったの!?」
額からポタポタ落ちる血が服にも顔にも付いている
顔面はまるで人体模型のように半分だけ赤くすりむけて血がにじんでいる。
「別れてきた・・・女と」
あいつは玄関先でそれだけ言うとクルリと向きを変えて外に出て行った。
「待って!アッチャソ!どういう事それ!?」
おれは裸足のまま表に飛び出して行った。
どんどん階段を下りていくあいつを必死で追って両肩をつかんだ。
あいつはおれを振り切ろうとしたがおれは離さなかった。
631 :
6/10:2006/02/12(日) 05:49:59 ID:aRoK6ivv
「ちゃんと話せよ」
そう言ってあいつをこっち向かせようとした時!
「あっ!」
階段を踏み外したのはあいつが先、そしておれも一緒に転がるように落ちて・・・
二人で階段の下に折り重なるように倒れてしまった。
「いて・・・あ、肩外した」
おれはプランと垂れ下がる右腕を左手で支えた。
「マジか?よく外れるな・・・大丈夫か」
あいつが言った。
「そっちこそ・・・そんなケガして・・・どうしたの?いいから手当てしようよ・・・うちで」
互いにケガの手当てをしながらみんな聞いた。
あいつの彼女が合コンに行って、それをコンクリートの壁に激突しながら責めたそうだ。
「なんでそんな事すんの?引くだろ?そんなコトしたら絶対嫌われるだろ?」
あいつはまっすぐとおれの目を見て答えた。
「そうだよ、ハッキリ嫌われるためにやるんだよ」
おれはやっとわかった。あいつのやさしさが。
引きずっていることは、お互いにとって不幸な事だ。
彼女が迷っているなら断ち切ってあげなくちゃ・・・胸の痛みも、キズの痛みも
いつかは必ず消えて無くなるものだから。
おれは・・・それが出来ないからこんなに苦しく、そしてアイカタにも迷惑をかけてしまった。
ごめんアッチャン・・・おれ、もういい格好なんかしてないで、恥かいても嫌われても頑張っていくよ。
そしてお前だけを信じて前に進むよ・・・
632 :
7/10:2006/02/12(日) 05:59:09 ID:aRoK6ivv
ある日、ムゲン大の楽屋でマネージャーが言った。
「ここの日とここの日、空けときます。アール1に出ていただくんでネタ考えといて下さい」
アール-1?そうか、漫才コンビはエム-1に出るんだけど
今度はピンでネタをやるアール-1にみんなバラになって出るんだな・・・
知っている他の芸人たちがこの話題でさざめき立っている。
みんな自分で応募するんだと思ってたけど、事務所の意向というのも有るんだろうな。
「わかりました。考えときます」
おれがそう言おうと思った時、かぶるようにアイカタが言った。
「おれは出ません。すみませんがそういうことでお願いします」
「え?何?」
マネージャーはすごく驚いたみたいで、オロオロした様子で言った。
「あのね・・・君ら、まだ仕事選べる立場とちゃうねんよ。わかる?会社のエライさんがやりーて言うたはるんよ」
急に大阪弁になるマネージャー。情に訴えるときはいつもこうだ。
「いえ、ムリですから。コンビの新作のネタも考えなきゃならないし、毎日の生放送のトークも考えなきゃならないし・・・」
アイカタは強い口調で言う。
「それにおれ、ピンで仕事は考えられませんから。」
おれは驚いた。すました顔であっさりと、しかし強い意志を持って言ってのけたアイカタ。
それに比べ何も考えてないおれ・・・
「困るやけどねそれは・・・ヨシモト的にすごくねえ・・・」
マネージャーは本当に困った顔をしていた。
おれは一瞬アイカタと同じに断ろうとしたが、ある考えがひらめいた。
「おれ、やります。一人で出ます。いいでしょ?アッチャン」
「・・・いいけど」
「おれ、アイカタに比べて時間的に余裕あるから・・・だから・・・」
「わかった。ツンゴだけでも引き受けてくれたら助かるよ」
マネージャーはなんとかそれでオッケーしてくれた。
633 :
8/10:2006/02/12(日) 06:03:16 ID:aRoK6ivv
それからオレの戦いが始まった。
生まれて初めて、一人でネタを考えて一人で練習するという経験。
それは想像以上にヘヴィなルーティンワークだった。
いつもこんなに大変なことをアイカタは考えているのか・・・
おれは仕事の合間を見つけては秘密の特訓にいそしんだ。
そしてある日・・・干シャンが居なくなったムゲンダイの楽屋でおれはアイカタに声をかけた。
「今夜ネタ合わせ無いだろ?ちょっとつきあってくれる?」
「・・・いいけど」
二人で来たのはいつも振り付けの練習などに使うTV局の楽屋だった。
「ちょっとお借りしま〜す」
収録日では無いので今日は空いている事を確認済み。
おれはバッグから衣装を取り出して着替えた。
真っ赤なレオタードとオレンジのタイツ。
首にはピンクのスカーフを巻いた。
「見てくれ・・・アール-1のネタなんだ」
「ああ、いいよ。見せてくれ」
アイカタは鏡の前に立ったおれから少し離れた所にイスを置いて座った。
「ワンツーワンツー!ハイ!ハイ!ハイ!」
脚を高く上げ両手で拍子を取りながらエアロビクスのリズムで踊るおれ
「ハイ!ポーズ!ハイ!ハイ!ワンツー」
決めポーズの合間にネタを入れながら激しく踊る。
アッチャソは最初この格好を見て笑ったがネタが始まると真剣な顔で見ていた。
が、途中でモーレツにゲラゲラ笑い出した。
「可笑しいよツンゴ!サイコーだよ!このネタ!イケルよ!!」
全てを踊りきって息を切らしながら礼をするおれ
「ありがとう・・・どうだった?」
「スゴイよツンゴ!お前にこんな才能が有ったなんて!これでアール-1は獲れるぞ!間違いない!」
だけどおれは首を横に振って言った。
「いや・・・出ないよ。これはアッチャソに見てもらう為だけにやったんだ」
「・・・?なんだって?」
634 :
9/10:2006/02/12(日) 06:10:41 ID:aRoK6ivv
アイカタは不思議な顔をした。
「・・・おれ、いつもアッチャソだけにネタ作りから振り付けまでやらせちゃって・・・その辛さわかってなかった。
それで今回は一生懸命一人でやってみたんだ。だけど出ない・・・アール-1には」
「なんで?スッゲー面白いのに!」
アイカタは叫んだ。
「だって、おれら二人でお笑いやってくって誓ったもんな。絶対ピンでやったりはしないよおれ!」
おれは笑いながら言い放った。
だが、アイカタは不安な表情で言う。
「だって・・・出るって予定に入ってるんだろ?今更ドタキャンなんて」
「いや、ネタが出来ないうえ一人が怖くてビビッてやめたことにするよ。恥かくし会社やお客さんに迷惑かけるけど」
「でも・・・そこまでして・・・せっかくいいもの作ったのに」
アイカタの目が本当に残念そうだった。おれはそれだけで満足だ。
「いいんだ。おれアッチャソに見せるためだけにこれやったんだ。悔いなんか無いよ」
翌日マネージャーに言ったら、おれのキャンセルはマネージャーへの連絡ミスという話にしておけと言われた。
そしてムゲンダイでさんざん「うっかりミス」「口だけ」「ビビり」などといろいろいじられたが
なんとか騒ぎは鎮火し、おれの「武勇伝」は二人だけの秘密となった。
「お前・・・おれがアール-1断って立場悪くなるのをかばって・・・一人で引き受けた上でドタキャンしたんだろ?」
アイカタはそう聞いてきたけどおれは笑って「そんなワケないじゃん!」と言った。
635 :
10/10:2006/02/12(日) 06:14:17 ID:aRoK6ivv
アイカタが風邪で倒れて、たった一人で生放送の舞台に立ったときは
二人で高さ10mの鉄骨ブランコの橋を渡らされた時より不安だった。
だけどおれはおれのやるべきことをちゃんとやらなきゃ
あいつのために、おれを信頼してここまで連れてきてくれたあいつのために
おれはおれにしか出来ないことだと信じて仕事をやり遂げる。
アイカタの代わりなんか要らない。あいつの代わりなんか居ない。
おれと一緒にこれからに人生を走ってくれるのはあいつだけだ。
あの冷たい目が細くやさしい一本の線に変わった瞬間
もしかしたら、おれは恋をしたのかも知れない。
男とか女とかそんなものを超えた「引力」を感じる。
痛いケツバットも、臭い青汁もなんのその
おれたちはどんどん乗り越えていい眺めの場所に行くんだ。
そのためにはどんなに敵を作ったって平気だ・・・あいつがいれば。
おれは今、アイカタと生きる人生にもう何の迷いも無い。
さあさあ!カメラの前でキスだってするよ。興奮しすぎて鼻水出ちゃったけど
こんなのは乗り越えなければならない山だと思っている。
でも本当は・・・二人きりでしておきたかったな
初キッスくらいは。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ ) あれだけ萌えをいただいて濡れ場のひとつも描けぬとは
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
>>636 姐さんGJ&d!萌えとともに目汁が・・・
>636
ヤバイ切な萌エス(*´Д`)
>>636 GJGJ!(*´д`*)萌える
636姐さんはアチャソとツンゴのことすごくよくみてるね、とってもリアルに感じれますた
ごちそうさまです
>>363今まで感想は一人胸で暖めておこうと、
書き込みしたことはなかったけれど、言わせてくれ。
>>363よ、禿げ萌えた!!!
特に最後の一文…色んな穴から水が出たよ!!!ありがとう!!!!
642 :
風と木の名無しさん:2006/02/13(月) 01:16:34 ID:7lpFXklb
↑アンカー間違えちゃった(´・ω・`)
ハズカシハズカシ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )某学生芸人ネタ
村.上.春.樹風スレを狙って書いてみたけど、どうにもならなくなったネタ
自分的にもったいないから投下。
644 :
1/3:2006/02/13(月) 02:01:18 ID:vE3W2mzp
学年末になってレポートやらテストやらの締め切りが立て続けに来た。
通常は楽な学生生活ではあるが、この時期だけはさすがにキツイ。
どこかに覚醒印は落ちてはいないだろうか。
時価主義会計の審議監査とか、企業実効性確保手段についての与党の見解云々。ホッブスがどうしただの、コンフィデンスがこうしただの。
コピーの束や英字新聞、教科書をめくりながら、適当にキーワードを拾って章立てを決める。あとは何処かで読んだような文章を切り張りすればいい。
レポートいうのはひどく創造的だ。
長年の習慣というか訓練のおかけで、ノートに向かうと快楽物質が分泌されるのを感じる。
頭を使い、考えることで、世界は明確になり、生きているという強烈な実感を得る。
そんな無双覚醒した状態で、俺は本当に勉強が好きだったな、と思う。
645 :
2/3:2006/02/13(月) 02:02:40 ID:vE3W2mzp
皆賛同してくれないが、俺は勉強が趣味である。
長時間座り込んで集中力を要するという点においては囲碁も同じであるはずだが、趣味として広く認められている囲碁と違い、この趣味は風当たりが強い。
何故、勉強という趣味は成立しないのだろうか。
俺が「趣味は勉強だった」というと、皆は「不幸な青春を送ったかわいそうな人」という表情をする。
しかし実のところ、俺はそうは思っていない。学問は事実至上なり、だ。
ふと思いついて、英字新聞の引用文にこっそりと意味不明の文章を付け加えた。
「しかし吸収合併はなかなかにサディズムを刺激する表現であるという認識に至ることを否めない。」
おそろしくくだらないこの悪巧みに笑いを抑えることができなくて、おもむろに立ち上がって烈しく踊り出した。
ちぎれんばかりにアタマを振り、肩を前後に揺らし、足で強く地面をける。
そんなふうに気違いじみて体を動かすことに、酷く愉快を感じていた。
646 :
3/3:2006/02/13(月) 02:04:11 ID:vE3W2mzp
多少の疲労と目眩を感じてその動きを止め、口の端をつり上げて「フ、フフ…」と少しだけ笑った。
喉の奥に鉄の味がする。それが非常に愉快だ。
ここで俺の口から血が流れ出したら、とても面白いのではないだろうか。
そうだ、強く唇をかんでみよう。
「……あっちゃん何やってんの……」
物音がしないから気が付かなかった。いつからいたのだろう。
振り返るとそこには、木の枝にぶら下がった豚の死骸のような顔色の、俺の天使がいた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )狙イスギテ笑エナイヨネ!
姐さんたちのオリラヅ萌えです。
自分では書けませんが…
自分が何を目指して書いていたのかが思い出せません。
orz
480超えた
649 :
風と木の名無しさん:2006/02/13(月) 09:41:08 ID:E8J72Qhu
押忍!
自分立ててみます
乙!アリガd!
>651
乙!
そして>647
すっごく好きだ…
>647
私の想像するアッチャソ像とほぼ一緒で禿げました!!
>>647 アチャ-ソの心象風景はブッ飛びすぎて筆舌に尽くしがたいと思っていたが
よくここまで描けたものだと感心してます
おれの天使萌え!!!!!
>647
オリラジにはそれほど興味はありませんでしたが、禿げ萌えです。素晴らしい。
アッチャソには是非ともこう言う方であって欲しい。
>>643-
>>647 禿萌えた(;´Д`)
ごちです!!!
きんもーっ☆
>>658 ハイハイ。
だったら、今すぐ帰ってくださいね。
此処は、おまいさんみたいなおこちゃまが来るとこじゃない。
660 :
風と木の名無しさん:2006/02/13(月) 22:43:24 ID:MmsDBih1
スルーしろ
しまったあげちゃったorz
ゴメン
>>659 いいんじゃない?
こっちの人もいろんな所行って迷惑かけてるみたいし
只今490KB
投下する方はお気をつけて。
665 :
663:2006/02/14(火) 00:06:01 ID:Pg04mH/z
まだ書ける?
667 :
57の続き:2006/02/18(土) 02:44:06 ID:wQLYlFqY
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )アカキ"×ナンコ"ウの小ネタ。埋め投下。
アカキ"攻め。苦手な方はスルーしてね。
13歳のアカキ"にも同じ手で不意をつかれ、押し倒されて求められた。あの時もナンコ"ウは煙草を吸
っていた。アカキ"はちゃぶ台に置かれた煙草の箱に手を伸ばし、1本取り出してゆっくりと口に
咥えた。未成年を理由に咎める気はナンコ"ウにはなかった。アカキ"の仕草があまりに自然だったから
だ。アカキ"は年齢こそガキだが、身体から発する気がそれを裏切っていた。
煙草に指を沿え、アカキ"がナンコ"ウを見る。その瞳は鋭さを湛えて濡れている。火が欲しいのだろう
と察し、投げて寄越してやろうと、ナンコ"ウはライターを探した。だが、確かにちゃぶ台の上に置い
たはずのライターが煙のように消えている。アカキ"はナンコ"ウに近づく…。
「こらっ…! アカキ"…!」
アカキ"は遠慮もなくナンコ"ウのシャツのボタンを外していく。ナンコ"ウの両腕はアカキ"の膝で押さえつけ
られて動けない。力ではナンコ"ウのほうが上だが、組み伏せる技ではアカキ"に分があった。『素人、
筋者関係なく突っ込んでいく物騒な辻斬りとして知られていました。腕は立つ、格段に…』とい
う石川の言葉をナンコ"ウは思い出す。撥ね付けようにも完全に封じられていて身体を動かすことがで
きない。拒む気になれば拒めた6年前とは違う。
「お、おまえ、こういうことは女とやらんか!」
ナンコ"ウは叫んだが、アカキ"の手は止まらない。ついにナンコ"ウのシャツの前を大きく広げてたくましい
胸を外気に晒した。
「ナンコ"ウさんだってそこらの女に負けないくらい巨乳じゃない」
心底愉快そうに笑って、発達した胸筋を撫でさする。頂を指に挟まれ、刺激にナンコ"ウが顔をしかめ
る。
「嫌なの? その割りに簡単に押し倒されちゃって…、無防備すぎるよ、ナンコ"ウさん。前に俺に犯
られたことあるのに…、警戒しないなんてさ。今回は犯られないなんてどうして考えるかね」
「そりゃ…その…、おまえは…、男っぷりだって上がったし、女に不自由してないだろうから…」
「そんな理由? じゃ、なんで13のガキの俺にあっさり許したのさ?」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )続く!
追記:ナンコ"ウさんスレに感謝!
>>667 これはいい巨乳ですねwwww
続きも楽しみにしてる
>>667 巨乳吹いたwwwGJw
続きにwktk
南郷さんのエロ小説まだー?
南郷と聞いて北郷、本郷が出てきてしまう。
>672-673
ヽ(゚∀゚)人(゚∀゚)人(゚∀゚)ノサラニ ナカーマ
コマンダレブーの人も忘れないで下さい
>>667 南郷さんのおっぱい!おっぱい!
_ ∩
( ゚∀゚)彡
( ⊂彡
| |
し⌒J
続き期待してます。
>672-674
ヽ(゚∀゚)人(゚∀゚)人(゚∀゚)人(゚∀゚)ノ
ハカセ!過去のハカセも!!
>>672-674,676
ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノまぜてー!
正義と悪に別れた兄弟萌え
まだいける?
いけるかも。
いや、いけない
いっちまえよvv
後6KB
ああ、いっちゃう
こ、これ以上されたら…っ
まだ大丈夫だろ?
えっ…ま、待って…っ
もう我慢できない!
もう我慢できない!
もう少しだろ
我慢しろよ
や、や…だめっ
だめぽ
俺の言うことがきけないのか?ん?・・・我慢しろよ・・いいな?
むりぽ
そっ・・・言ってる、お・・・前がっ・・・がっ・・・まんっできなっい・・・んだっ・・・ろ
何?この流れ?
(・∀・)ニヤニヤ
ああっ、そ、そんな…み、見ない…でっ
495KBはさすがに超微妙だなw
投下しちゃってもいいんだろうけど途中で途切れそうだからお勧めは出来ない。
途切れそうに投下
「・・・・・・手」
「へ?」
「アンタって意外と綺麗な手してるんだな」
さっきから俺の手を取って何をやっているのかと思えば、
虎は唐突にそんなことを言った。
真顔でこんな小恥ずかしいことを言える奴は、
イタリア人とお前くらいなもんだよ。
いや、男にそれもいい年した親父にこんな台詞を吐く奴ぁ世界でこいつだけだろう。
んーナンバーワンよりオンリーワン。
ってそんなことはどうでもいいですね。
目の前の男は俺の手を握ったまま、
妙に熱い、いやなんかもう暑苦しい視線を送ってくる。
ああ、そうか、そうですね。返事ですね。
会話は言葉のキャッチボールですからね。
いえ、こう見えてもワタクシ咄家ですよ?
言葉のプロですよ。
気の聞いた言葉の一つ二つ・・・・・・なんて返せばいいんだ。
「あ、アレだよ!いや、つーかお前の手のほうが、ね。
ほら指とか長いし、骨ばってるけどゴツくないしね。
きっ綺麗な手だ、と、おも・・・う・・・よ?」
って声裏返して何言ってんのよ俺。
・・・・・・・いや、今のは俺じゃない。
俺の中の違う誰かだ!!
男同士で指が綺麗だとか、手が綺麗だとか・・・
恥恥恥赤面恥恥恥赤面赤面・・・・・・・・・・・・・・・・・
うわあああああああ。
穴があったら入りたいけど、どう見てもここは俺ン家です。
畳に穴は開けられませんよ。
せめても抵抗にと、ちっちゃく小さく体育座りする。
顔を膝に埋めて―――
「ぐはぅ!」
首根っこ掴むのやめて下さいよ。
そんな俺の抗議なんざ、こいつの耳には届いちゃいねえんだろうなあ。
虎は俺の身体を引き寄せて荒っぽく抱き締めてくる。
「すっげー可愛い、アンタ」
だからそういうこと言うなよ。
俺、慣れてないんだからさあ。
更に赤面する顔を隠すように深く顔をうずめると、
背中に廻された虎の腕に一層力が篭った。
そんでもって、この俺の恥ずかしい気持ちも知らずに囁くんだ。
「好きだ」
「・・・・・・・・・・・・俺もだよ」
俺を捕らえて離さないその大きくて暖かい手が、
そしてその持ち主が、好き。
・・・・・・なんだよな、多分。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )何この乙女
イタリア人吹いたwwT座り萌えた
乙女丼もいいね…!!
イタリア人ツボったw
まだイケそう?
もうちょっといける?
そんなにイキたいのなら好きなだけいけ・・・その代わり泣いても許さないから・・・・・
それは……で、でも、い、きた、い……っ
オラオラオラオラァッ!!とっとといっちまいなっ!!!!
いけない・・・
うぁ……っ、も、もう、イク……っ
やめてぇ…、もうやめてぇぇ…っ
本当にやめていいのかい?辛くなるのは君なんだよ…
やだ…もう少し…あと2KBだけ…2KBだけ欲しい…
もう…、入らないよぉ…っ
くっ…あ!……っ!!
はぁ、はぁ・・・っもうすこしだよ・・・
あーっ!
……イッた…?
まんだだよ(・∀・)
まだイカせないよ
もっと楽しませてよ…
ってくらい粘るなこのスレw
まだイってなかったのかw
何を言う、まだこれからがお楽しみなんじゃないか…
くっ…そ…!も…無理だっ…てんだろ…!変態…!
なあ、いつまでここにいるつもりだよ。
もう次の部屋決まったんだろ。
荷物運んだのいつだと思ってんだよ二週間も前だぞ
知り合いにも住所変わったって連絡したんだろ。
なのになんで当たり前みたいにこっち来てんだよ。
ただいまじゃねぇよ、ただいまじゃ。
自分ち帰れよ。
こら冷蔵庫開けんな!勝手にビール冷やすな!
夕飯?まだだけど…
って勝手に作り始めんなよ!人の話聞けよ!
…またその話かよ。
行かねぇって言ってんだろ。
悪かったなボロアパートで、そんな心配されたくねぇよ。
みんな大事なモンなんだよ、捨てられるかよ。
オレは寝る場所さえありゃいいの。
だいたい、そこに転がり込んで来てたのはどこの誰だよ。
お前の所為でいらない人生経験増えまくりだよ。
笑ってんじゃねぇよ、ちっとも良かねぇよ。
……これ、食ったら帰れよ。
んな顔しても泊めねぇぞ。
もうオレ一人寝るのでいっぱいいっぱい、定員オーバーだ。
だから、帰れ。解ったらもう来んな。
住人×スレ、みたいな。流れ止めてスイマセン、出来心です。