モララーのビデオ棚in801板10

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                    |  無機物スレに貼ろうか迷ったんだけどさ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ああ、若干スレ違いっぽいもんね
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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852/5:2005/09/09(金) 19:03:59 ID:k2/L+F/s
9/11 PM7:58 某市総合体育館

投票箱A:「…まだかな…」
投票箱B:「いくら待っても無駄だぜ。今日は雨だし、残り時間はあと2分だ」
A:「僕は信じてる。きっとあの人は来てくれる。だって係員さんが言ってたもの。
  あいつは絶対に来てくれる、って」
B:「ああ、無駄無駄。前に小耳に挟んだんだけどさ、あいつ毎回選挙ばっくれてんだってよ。
  だいたい、二十五歳過ぎて何?ニート?税金もちゃんと納めてるんだかどうだか」
A:「何か事情があるのかもしれないじゃないか!」
B:「事情って?政治に対する不信感?それとも仕事がいそがしい?
  はっ、そいつは言い訳だ。不在者投票のシステムを知らないとは言わせないぜ」
A:「君って箱(ひと)は……あっ」
B:「何だよ……あ」

係員:「……」
青年:「んだよ。間に合ったんだろ」(息を切らしつつ、雨で湿った髪をかき上げながら、はがきを差し出す)
係員:「君、髪を切って……それからその格好は……?」
青年:「面接だったんだよ。何か?俺がスーツ着てたらおかしいかよ。
    つか、さっさと仕事しろよ。上司が見てんぞ」
係員:「あ、は、はい……ええと、白線に沿って進んで」
青年:「子供じゃねえんだ、それくらい知ってる」(割り印を押したハガキを受け取り、投票用紙配布へ)

A:「ほら!僕の言った通り……ううん、係員さんの言った通り!」
B:「ふん……」

(青年、投票を終え、体育館入り口へ)
863/3:2005/09/09(金) 19:04:51 ID:k2/L+F/s
青年:「今日何時終わり?」
係員:「えっ?」
青年:「だから仕事は何時に終るかって聞いてんだよ」(声をひそめて)
係員:「あ、その、開票作業があるから、今日中は無理だと」
青年:「じゃあ、お前のアパートの前で待ってる」
係員:「……雨が降ってるのに」
青年:「そんなの知るか」
係員:「何時に終るかもわからないのに」
青年:「俺が会いに行くのが迷惑か」
係員:「……まさか」(唇を噛んで、泣き笑いの顔。メガネを外し、目元を拭う)

係員:「ありがとう」
青年:「……礼を言われるようなことじゃねえよ」

(青年、ネクタイを首から抜き取りつつ、体育館を出て行く)

課長:「知り合いかね?」
係員:「あっ、はい。古くからの……その、友人というか」
課長:「ん?具合でも悪いのかね。顔が赤いし、目も充血してるようだが」
係員:「あ、赤いですか?あれ、どうしたのかなあ」
874/5:2005/09/09(金) 19:05:45 ID:k2/L+F/s
A:「ふふ。よかった」
B:「へっ!陳腐なドラマだな」
A:「僕知ってるんだ。休憩の時にちらっと見えたんだけど、係員さんが大事そうに眺めてた写真に、
  さっきの彼が写っててさ。あの頃のままだったよ、さっきの二人。初々しいったら」
B:「くだらない」
A:「うまくいくといいなあ……ううん、きっとうまくいくよ」
B:「人の幸せを願える奴ってのはいいよな……同じ立場なのに、俺とお前はこうも違う……」
A:「B?」
B:「所詮俺達は見知らぬ奴らに突っ込まれるしか脳のない存在だろ。
  いまさらそんな崇高な精神を持ったところでどうなる?虚しいだけじゃねえか」
A:「B……」
B:「名前が書いてあるならまだいいさ。それがなんだ!白紙、白紙、白紙!いたずら書き!」
A:「白紙も意思表示のひとつだよ。僕らはそれを受け止めるんだ。
  僕らが口を開けて待っていれば、彼らの欲望を受け止めることが出来る。
  彼らが満たされる。僕の中がいっぱいになればなるだけ、みんなが幸せになれる。
  そんな気がするんだ」
B:「奇麗事はたくさんだ」
A:「B」
B:「何だよ」
A:「僕は投票箱に生まれた自分を後悔したことはない。だけど」

(二人の開票作業員が、A・Bをそれぞれ抱えていく)

A:「今君を抱きしめてやれる手がないことを、とても悲しく思う」
B:「……!」

(その後、AとBが再び出会うことはなかった)
(開票作業直前、Aの施錠部分に異常が発見された)
(正常な状態での開錠が困難なため、やむを得ず、特殊工具で施錠箇所を破壊)
(その際に本体部分も激しく損傷。Aはそのまま廃棄処分となった)
(幸い、中身の投票用紙に影響はなかった)
(Bがその事実を知ったのは、X年後の総選挙の時だった)
885/5:2005/09/09(金) 19:08:24 ID:k2/L+F/s
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 | __________  |       3/3は3/5ね。ごめん。
 | |                | |       青年×係員(幼馴染カポー)、
 | | □ STOP.       | |       投票箱A×B×Aかな、と…
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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