ふぉおおおおおおおおおおおお!!!
熊口キター!!!遼也キター!!!!
もうGJGJGJ!
来ると思った!遼也!!
期待通りキタ!!遼也!!!
ラスト、更にテカテカしながら待ってる(*´д`)
終わってしまうことを激しく嘆いているこの私が来ましたよ!!!
新任教師にはぜひこの陵辱学園で末永くご活躍いただきたい!!
ともあれ、お疲れ様です!次回楽しみにしています。
お ね が い で す 。
新任教師タソ、続々編続きまでおねがいします。
イイヨイイヨーこのベーシックな鬼畜…大好物です。
次で終わりなんだ。もっとあってもいいくらいだよハァハァ
私もテカテカして待ってます。
GJGJ!!
職人さんウマスギス
美形の生徒達が目に浮かぶよ…ハァハァ
新任教師さんGJ!
実家帰ってるのに思わず「熊口キター!!」と絶叫してしまいました。
ちっとも長々くない、短いとすら感じるよ。
もう終わりだなんて… ・゚・(つД`)・゚・
しかし、どれほどに美人さんなんだこの先生は?
熊口がジャージーを引き上げ、後ろめたさを隠そうとするような大声でどなった。
「な、何をしてる、山根!生徒はとっくに下校する時間だぞ!!」
「俺の下校時刻違反より、先生の方がずっとヤバイと思いますけど。『若い男性教師を
レイプする学年主任』なんて、マスコミが喜びそうなネタですし。今の写真、結構綺麗に
撮れましたよ?」
「お、お前…お前は、教師を脅迫する気…」
熊口が呻いた。いかつい顔が赤くなったり青くなったり、めまぐるしく色を変えた。
対照的に山根は落ち着き払って微笑している。
「いいえ。スキャンダルは嫌いです。…でも困りますよ、熊口先生。水沢先生に関しては、
希望者が多いんで俺が調整してます。いきなり横入りしないでください」
「き…希望者だと?」
「ええ。無闇に突っ込んだら水沢先生が壊れるでしょう?ちゃんと順番を決めてるんです。
…それから、うちのクラスの川崎から、携帯を取り上げたって聞いたんですけど。返して
いただけませんか?」
熊口が言葉にならない唸りを漏らした。両手が握り拳を作って、わなわなと震えている。
殴りかかるのではないかと思い、聖史は怯えた。暴力沙汰に縁のない育ち方をしたので、
他人同士のことであっても、喧嘩となると体がすくむ。
しかし山根は平然としている。
「…くそっ」
目を逸らしたのは熊口の方だった。
さっき聖史に見せた携帯電話を床から拾い上げ、山根に向かって投げた。
「ほら、持っていけ!」
「ありがとうございます。…水沢先生、帰らないんですか?ここにまだ何か用でも?」
「か…帰る!」
はじかれたように聖史は立ち上がった。山根の横をすり抜け、教官室を飛び出した。
まだ信じられないけれど、山根が熊口から自分を助けてくれたのだ。
「それじゃ熊口先生、失礼します」
山根が馬鹿丁寧に言って、ドアを閉めるのが聞こえた。
聖史は体育館の出口まで、夢中で通路を走った。両開きのドアに飛びつく。だが開かない。
「な、なんで…!?」
「…先生。あんた、どこまでバカなんだ?」
追いついた山根の手が後ろから伸びてきて、聖史がつかんだのとは反対のドアを押した。
「うろたえるにも程があるだろ。観音開きの外から見て左は、大抵固定されてんだよ」
「あ…あぁ…」
体育館の外へ出て、聖史は大きく息を吐いた。
助かったのだと思うと、今頃になって足から力が抜けた。ぐらりと倒れかかる。
その聖史の腕を、山根がつかんだ。
「しっかり立て。面倒かけてんじゃねーよ」
聖史は山根を見上げて尋ねた。
「なぜ…君が、ここに…?」
「ん?もしかして、ヒグマとのお楽しみを邪魔したか?」
「なっ…違う!僕はそんな…!!」
「ふうん?岡島の忠告も聞かずに、ホイホイついてったくせに」
「そ、それは…」
聖史の腕を放し、山根が皮肉っぽい口調で言った。
「川崎のマヌケが、ヒグマに携帯を取り上げられたって泣きついてきたんだ。もしかして
画像をネタにあんたがつかまってるかも、そう思って来てみりゃ…案の定かよ」
聖史は言葉もなくうつむいた。
「確かに、順番外のヤツがあんたを襲わないよう、ガードしてやるとは言ったけどな。
限度ってものがあるんだ。襲う気満々のヤツと、二人きりになるバカがあるか。無防備
すぎんだよ、あんたは」
普段は自分を先生と呼ぶ山根が、あんたと言っている。かなり気分を害しているらしい。
返す言葉がなかった。
自分でも、熊口から漂う雰囲気に不安は感じていたのだ。しかしまさかそんなはずはと
思ってついていった結果が、こうだった。山根が来なければ、間違いなく犯されていた
だろう。
今朝といい昼休みといい、山根にはひどい目にあわされた。
(だけど、今は…助けに来て、くれたんだ…)
黙っているのも心苦しい。口ごもりながら、聖史は呟いた。
「…や、山根、君…」
「何だよ」
「その…あ、ありがとう。助けてくれて…」
そう言った瞬間、山根の表情が変わった。
すっと目が細められ、鋭い刃物に似た気配が噴き出した。聖史が思わず後ずさったほどの、
冷ややかな雰囲気だった。
「山根、君…?」
怯えてうわずった声での問いかけに、山根がにっこりと笑う。
聖史の背筋を悪寒が走った。彼が優しげな笑顔を作った時は、ろくなことがなかった。
「先生」
山根が再び聖史の腕をつかんだ。だがさっきとは段違いの力がこもっている。
「気が変わった」
一言告げて、山根は聖史を引きずって歩き出した。
「痛い!放してくれ、腕がっ…!!…や、山根君!?」
山根がどこへ向かっているか気づいて、聖史は息をのんだ。今出てきたばかりの体育館だ。
入り口を抜け、通路を奥へ進む。
「熊口先生!」
聖史を引きずったまま、山根は大声で呼びかけて、教官室のドアを開いた。
椅子に座ってタバコを吹かしていた熊口が、ぎょっとした顔で腰を浮かせる。その熊口に
向かい、山根は聖史を突き飛ばした。投げつけたといってもいい。
「うぁ!」
「おっ…な、何だ!?」
よろめいたものの、熊口は聖史を受け止めてどうにか踏みとどまった。
山根がドアのそばに立ったまま、にこやかに言った。
「先生。進呈します。犯っちゃっていいですよ」
「な、何!?何を言っとるんだ、山根!」
熊口も驚いたようだが、聖史も耳を疑った。
「その代わり、二つ見返りをください。順番を変えてまで先生に回すんですから。…まず、
保健体育の筆記試験で、クラス全員に10点ずつの加算。どうです?」
「お前、不正をしろって言うのか!」
「何を今更…先生がさっき水沢先生にしてたことは何ですか」
黙り込んだ熊口に、山根がにんまり笑って見せた。
「…いい味ですよ、水沢先生は。今朝までヴァージンだったんですから。すごく締まって、
肉がからみつくっていうか…尺八はまだ不慣れみたいだけど、みんなで開発したんで、
感度はいいです。乳首や腿をソフトに責めたら、すぐ色っぽい顔で喘ぎ始めて…」
「やめてくれ!」
恥ずかしい自分の姿を人前で暴き立てられ、聖史は悲鳴を上げた。
背後で生唾を飲む音が聞こえた。毛むくじゃらの手が、がっしりと聖史の肩をつかむ。
聖史はもがいた。だが力では熊口にかなわない。
「もう一つは、先生にも損のない話です。水沢先生が本採用になるよう、学校に働きかけ
てください。学年主任が言えば、生徒の言葉よりずっと重みがあるでしょう?」
「…」
「水沢先生を、長く楽しみたくないですか?」
笑う山根に、熊口がかすかにためらいの残る声で答えた。
「本採用を勧めるのはいいとして…筆記試験で10点は無理だ。突然そんなにF組の平均
点が上がったら怪しまれる。だが…5点くらいなら、何とか…」
「それでいいでしょう。商談成立ってことにしましょう」
山根が満足げに微笑した。
「お触りと尺八は何回でも結構ですけど、本番は一発に抑えてもらえますか。裂けない
ように、入れる時は何か潤滑液を使ってください」
「そんなことぐらいわかっとる!」
「失礼しました。じゃ、ごゆっくりどうぞ」
山根がきびすを返すのと同時に、熊口が荒い息を吐いて聖史にむしゃぶりついた。
必死に抗いながら、聖史は山根に向かって叫んだ。
「なぜなんだ、どうして急にこんな…山根君!」
さっきは助けてくれたのに、なぜ突然豹変したのか、理解できなかった。
閉じていくドアの隙間から、冷笑を浮かべた顔が見えた。
「先生。俺は甘ちゃんが大嫌いなんだよ。…何が『ありがとう』だ。いつでも助けてもら
えるなんて思われちゃ、迷惑だ」
「そん、な…」
「担任だろ?教え子の成績を上げるために体を張れよ。せいぜい可愛がってもらえ」
聖史は茫然として、通路へ消える山根を見つめた。ドアが完全に閉じた。
熊口の唸り声が聞こえた。
「あのガキ、生意気な口を叩きおって…おい、水沢!」
聖史の胸倉を、熊口がつかんで引きずり起こした。ヤニ臭い息が顔にかかる。山根のペー
スで話を進められたのが、熊口には相当悔しかったらしい。
「お前の教育が行き届かんせいだぞ!!生徒の不始末は、担任が責任を取れ!…だいたい
もとはと言えば、お前がドスケベなケツで誘いやがったせいだ!」
「うぁっ!」
頬を張られた。眼鏡が飛んだ。聖史は床に倒れ込んだ。それを見下ろす熊口の目は、
ぎらつき、血走っていた。獣欲に八つ当たりの怒りが混じっている。
「脱げ」
「…っ!!」
「脱ぐんだ。全部。素っ裸になって床へ膝をつけ。…早くしろ!」
なすすべもなく、聖史は服を脱いだ。少しでもためらうと、罵声が飛んできた。
やがて、全裸でひざまずいた聖史の前に、トランクス一枚の熊口が仁王立ちになった。
「パンツを下ろして、くわえろ。…手は使うな。口だけでやれ。生徒にマワされても『何も
困ったことはない』とぬかしたお前だ。このくらい簡単だろう」
どうしようもなかった。
聖史は命じられるまま、トランクスを口でくわえた。屹立した肉棒が邪魔になったが、
少しずつ引っ張って、何とか膝のあたりまで引き下ろした。
黒光りする怒張と、濃すぎるくらい濃い剛毛が、むき出しになった。
「しゃぶるんだ。…早くしろ!」
鼻を突く異臭をこらえ、聖史は熊口をくわえた。舐め回す。
「むっ…ふん、山根のガキは、まだ不慣れらしいと言ってたが…さすがは淫乱教師だな。
なかなか上手に舌を使うじゃないか。よし。袋も舐め回せ」
聖史は、学年主任の陰部に舌を這わせた。
涙があふれた。
ドア越しに、しばらくは熊口のどなり声が聞こえていた。しかしそれもやがて止まって、
今は聖史の断続的な悲鳴と、湿った肉のぶつかり合う音だけが響いてくる。
少し離れた通路の壁にもたれて、山根遼也はそれを聞いていた。
裂けるような責め方をするなら、熊口を止めなければいけないと思ってのことだった。
けれどもその一方で、聖史がめちゃめちゃに壊されればいいとも思う。
(助けてくれてありがとう、だと…ふざけんな)
あの時自分は、聖史を助けたのではない。仕切り役として、順番を無視して横入りした
熊口を、邪魔しただけだ。
なのに礼など言われると、虫酸が走る。
(どうしようもないバカだ、あいつは)
どういう育ち方をしたら、あんな無防備な性格ができあがるのだろう。
昨日、聖史が初出勤してきた日、皆で値踏みし、こっそり輪姦計画を練った。そして帰り
際に遼也は、言ってやった。「先生が担任になってくれて嬉しいよ。歓迎する」と。
皮肉な予告のつもりだった。
なのに聖史は一瞬目をみはって、そのあと、はにかんだように微笑み、「ありがとう」と
答えてきた。
素直すぎる笑顔だった。
正直、むかついた。
二度と笑えないくらい、屈辱を味わわせてやる。そう思ってさんざんいたぶったのに、
まだ懲りないのだろうか。
早くすべてを諦めて立場をわきまえ、肉奴隷は肉奴隷らしく、自分から尻を差し出して
媚びればいい。
そうすれば楽になれるのに、あの教師はいつまでも、無駄な抵抗をやめない。最初の
うちは、ウブな反応が珍しくて面白かったが、あまり強情だと苛ついてくる。
(意外に芯が強いのか?…いや、それはないだろ)
遼也は苦笑した。
軽い平手打ちで悲鳴を上げて倒れ、涙を目に溜めるほど、聖史は弱々しいのだ。
(まだ初日で、環境変化についていけないだけだ。責めれば、きっとすぐ崩れる)
輪姦だけでは足りない。新たな手を打とう。
携帯を取り出し、遼也は大宮に電話した。
「武仁か。俺。…お前、確かバイブ持ってたよな?え、ローターもある?明日、両方とも
持ってきてくれ。ん?…いや、朝礼があるだろ。先生に装着してやろうと思って」
大宮が面白そうに笑うのが聞こえた。
遼也も笑った。
尻といわず乳首といわず亀頭部といわず、敏感な場所すべてをバイブとローターで責めて
やる。15分の朝礼の間、聖史が耐えて立っていられるかどうか。
「ああそうだ。面白い見物になると思う。…遅れんなよ、武仁」
通話を切った。
教官室からは、いつのまにか悲鳴が聞こえなくなっている。代わりに熊口の「服を着て
とっとと出て行け、この淫売」というどなり声が聞こえた。
約束通り、本番は一回で終わったらしい。
鉢合わせしないよう、遼也はさっさと体育館を出た。物陰に立って様子を見ていると、
やがて聖史が現れた。
よろめきながら本校舎の方へ戻っていく。時々、目元を拭っている。
「バカが」
思わず独り言がこぼれた。
だが、なぜだろう。奇妙に胸の奥が痛い。
幼い頃、大事に集めたビー玉を入れたガラス壜を、橋の上で光に透かして眺めていたら、
手がすべって川へ落としてしまったことがある。
父親に言えば、いくらでも新しいビー玉を買ってもらえることは、知っていた。
けれどそれでは代わりにならないことも、わかっていた。
引っ越していった友達がくれたのや、なかなか勝てなかった従兄から獲得したのや、母と
旅行に行った海岸で拾ったものなど、幼かった遼也にとって、特別なビー玉ばかりを詰め
た壜だった。
欄干から身を乗り出し、届くはずはないのに手を伸ばして、落ちていくガラス壜を見つ
めた時の気持ち──あの時に似た、哀しいような悔しいような、腹立たしくてわめき出し
たいような思いが、胸を満たしている。
なぜだろう。こんな気持ちはとっくに忘れたと思っていたのに。
『あの先公に、惚れたんじゃねえだろうな?』
大宮の言葉が脳裏に甦った。
(…ありえねーっての)
遼也は首を左右に振った。心を侵食する不思議な喪失感と、大宮の言葉を払い飛ばす。
そんなことが、あるはずはない。
甘ちゃんは大嫌いだ。
(くそっ。…武仁にこれ以上、おかしな勘繰りをされちゃたまんねー)
明日は、今日よりもっと手ひどく辱めてやる。自分が聖史を助けることなどあり得ないと、
思い知らせるために。
あの甘くて無防備で世間知らずな性格を、自分は許さない。認めない。徹底して傷つけ、
壊してやる──そう遼也は、自分に言い聞かせた。
「…じゃあな、先生」
小さく遠い聖史の後ろ姿に背を向けて、口の中で呟き、遼也は通用門へ歩き出した。
二人の距離が開いていく。
夜空にかかった細い月が、砕けたビー玉の反射のような、淡く頼りない光をこぼしていた。 (end)
以上です。最初2つの通し番号を間違えました…orz
応援をくださった方、本当に励みになりました。
読んでいただき、ありがとうございました。
むおおお、切ねえ…!!
職人さん、乙でした!!
と、純粋に労いたい所だが、ここで終わりて
大変に辛いのですが!ぜひ続きを…!
これで終りなんて〜〜〜
もったいな杉です
ぜひぜひ続きを読みたいです!!!
しかしGJ☆乙でございました
うぉぅ〜… 切 な い orz
これで終わりかと思うとテラサミシス…。
でも新任教師タソにGJ!!
いい鬼畜っぷりだった。
続きも見てみたいけど、甘くならずに潔く終わるのがいい!GJ!
また次の作品を待ってます。
禿あがるほどに楽しませていただきました!
これで終わりだなんて、鬼畜の王道まっしぐらだ。
しかし先生、なかなか壊れそうにないな…
望み通り先生が笑わなくなった時、山根クンも笑わなくなりそうな気がス。
新任教師さんGJでした!!
助けておいて認めたくない気持ちにイライラしてやっぱり突き放す山根が切なくてよかったです!
お疲れ様でした。
でも山根と先生の続きが気になる…読みたいです…
てか朝礼玩具責めも読みたいです…
新任教師さん、素晴らしい萌えをありがとう!
個人的には実は先生はいなくなった一年生の係累で
真相を暴きに……と今後反撃してくるとか妄想してしまった
GJ!キングセツナス!新任教師さん私からのおごりだ
========================================旦~
新任教師さんよかった…おもしろかったです!
自分も朝礼玩具責めを読みたいw
つか熊口テンテーおもしろすぎるw
新任教師さんGJ
今読み返して気付いた
校内編で801getオメ!
新任教師の職人様、是非続きをお願いします…!
大好きです。
これまで萌えた小説は無いです。
全米が泣いた。と素で言いたくなったのは初めてだ ゜。+.(つДT).+゜
凄く好きなタイプのラストでした。乙&禿GJです。
>>898 「これほどまでに萌えた小説は」の打ち間違い?
スマソ、妙に気になってしまった…
読み終えて数時間たつのに余韻が消えない…
見事に自分のツボにドンピシャだったんだなあと。なにこの喪失感。( ゚д゚)ボー…
新任教師さん乙!これで終わりとは・・・夏ですし、
林間学校とか補修とかプールとか、キャンプでバーベキューとか
いろいろあるわけで・・・もっと、ヤらないか。
山根くんビギンズなんてのも見てみたいです。
>902タン
漢字違ってるよー
補修→補習
林間学校→輪姦学校
アレ?なんか違うかな
>>692 結局、4時間目には間に合わなかった。
後始末に手間取った河野は息を切らせて教室へ飛び込み、眼光鋭くこちらを睨みつける教師に
苦しい言い訳をでっち上げた。
具合が悪くて保健室で休養を取っていたか、トイレに行っていたか何かしら
弁解したような気がするが、はっきりとは覚えていない。
それ以上は追求されなかったから、河野のとっさの言い訳は通用したらしい。
そのまま何食わぬ顔で授業に参加したはいいが、その時間の初めにちょうど
新章へ進んでいた上、すでに公式や計算方法などを解説し終わっていたため、
河野はひとり教科書と黒板を交互に睨みながら難解な公式と格闘していた。
時折教師がふらりと近づいてきて気まぐれにアドバイスを与えたが、
やはりそれだけでは完全には理解できなかった。
他の教科はむしろ人並み以上に成績のいい河野でも、数学だけは苦手分野だった。
解説を余すところなくじっくりと聞き込んでも正しく問題を解けるかどうか
わからないというのに、その解説すら聞き逃しては、もはやどうにも手がつけられない。
何故もっと早く戻ってこれなかったのかと歯噛みしながら、河野は目の前に寝そべる真っ白なノートをじっと眺めた。
結局苦々しい表情でノートを睨みつけたまま、4時間目の授業は終了した。
申し訳程度のパンで昼食を終え、河野は早速抜けていた間の授業のノート写しに取り掛かった。
話によると、3時間目は英語の単元テストだったようだ。
欠席者は後日違う問題で追試との事らしい。
しばらくシャープペンシルをノートの上で走らせ、河野はノート写しを終えた。
ノートを持ち主に返し、息つく間もなく数学の教科書を開く。
教科書に詳しく書かれている解説をじっくりと読み込み、それを自分なりにノートにまとめてみる。
まだ完全には理解しきれていないが、何となくこの公式の意味するところは
汲み取れた。
もう少し問題をやってみて、解説をよく読んでみてもいよいよ理解できなかったら、
その時は先生に教えてもらおう。
問題集に載っていた例問をノートに書き写しながら、河野はふと、ふくらはぎに
かすかに感じる微弱な振動に気がついた。
机の横にぶら下げていた鞄が脚に触れ、振動を伝えている。
あわてて鞄を開け、振動している携帯をつかみ上げると、河野は通話ボタンを押すのも
もどかしく携帯を耳に押し当てた。
相手の名前の表示を見るまでもなく、河野は電話の向こうにいるのが誰か知っていた。
「宮澤さん」
名を呼ぶと、電話の向こうで、低く喉で笑う声がかすかに聞こえた。
「おーう、河野ォ」
妙に間延びした低い声を聞いて、河野は眉根を寄せた。
宮澤が怒っている。
―――――でも何故?全く身に覚えがない。
身に覚えも何も、先ほど一緒に授業を抜けて体を重ねたばかりなのだ。
河野は黙り込み、宮澤の次の言葉を待った。
「3年D組の、籠山真砂子って知ってる?……知ってるよな、もちろん。
そいつが、おまえと付き合いたいんだとさ」
馬鹿にしているような口調で吐き捨てられた言葉に、河野は眉間のしわを深くした。
前歯で下唇を噛み締めながら、搾り出すような声で尋ねる。
「……なんで宮澤さんが」
「いきなり直接告るのは気が引けるから、おれからてめぇに伝えてくれって言われたんだよ」
刺々しい口調と声音が鼓膜に突き刺さるようだ。
河野は苦々しい表情を浮かべ、耳元に押し当てた携帯を持つ手をわずかに震わせた。
「返事。どうすんだよ。なあ」
言うまでもないことだ。誰よりも宮澤がわかっているはず。
河野は首を振り、「お断りしてください」と電話口に呟いた。
続く沈黙。
ぞっとするような沈黙――――
ふと、宮澤の吐き捨てるような嘲笑が漏れ聞こえた。
「てめぇと籠山じゃ、オンナがふたり乳繰り合ってるようにしか見えないな」
「宮澤さん……ぼくは」
「うるせぇ。おれが喋ってる時に口挟むな。―――――河野」
どんどん声のトーンが低くなる。
河野はぞっとする思いで目をかたく閉じた。
「はい」
「放課後――――すぐおれの家来い。今日も泊まれ」
有無を言わせぬ調子で命令し、宮澤は低い笑い声を漏らした。
「ケツ穴にチンポ突っ込まれてよがるカマ野郎が、オンナと―――ねぇ」
「宮澤さん」
何か言う前に、ぶつりと唐突に通話が切られた。
呆然と携帯を眺めていた河野は、やがてカチリと音を立てて携帯を二つ折りに閉じた。
強張った唇が堪えようもなく震えるのを感じる。
籠山真砂子。
電話で話している最中は思い出せなかったが、確か、全学年合同学習の時に
同じ班だった3年生だ。
風貌までははっきりとは思い出せないが―――――
河野は痛みを覚えるほど唇を強く噛み締め、机の上で拳を握った。
いずれはばれていたかもしれない。
宮澤に伝言を頼んでいずとも、宮澤と籠山は同じ学年の3年生だ。
クラスこそ違えど、教室も隣同士とかなり近い。
それでも、まさか宮澤に伝言を頼むとは。
昼休み。楽しげに騒いでいる周囲をよそに河野は人知れず己の不運を嘆き、この後に待つ
手ひどい仕打ちを考えてぞっと背筋を凍らせた。
一日の終了を告げるチャイムが鳴り響き、クラス担任が教室を出て行くと、
周囲の生徒達は待ってましたとばかりに帰り支度を始めた。
鞄を抱えてさっさと教室を出て行く生徒達をよそに、河野はのろのろと机の中の教科書類を
鞄の中に詰めていた。
頭の中では、持てる知恵をフル稼働して、なんとか宮澤の家に行かずに済む方法を考えていた。
宮澤の怒りを買わず、なおかつ自然な、なにか――――言い訳は――――
全身から冷や汗が吹き出し、背中をつるりと伝う嫌な感触を伝えた。
やがて教室に残っているのは教室掃除班と河野だけになり、いつまでもぼうっと
立ち尽くしている河野のそばを邪魔そうに箒で掃いていく生徒を目にして、
河野は鞄を抱えて教室を出て行った。
逃れる術はない。
河野は携帯を取り出し、見慣れた家の番号を表示した。
通話ボタンを押し、耳に押し当てる。
数回のコール音の後、母が出た。
「もしもし」
「お母さん?今日も先輩の家に泊まるから。晩御飯いらない」
早口に用件を伝えると、電話口の向こうで怪訝そうに顔をしかめる母の気配が感じられた。
「まあ、そう。ご迷惑になってないの?ここのところ、ほとんどお邪魔してるじゃない」
「うん……たぶん大丈夫」
「わかった。ちゃんとご飯食べなさいよ。悪い事しちゃダメよ」
小さな子供に言い聞かせるような口調に苦笑しながら、河野は電話を切った。
悪い事、か。
おそらく母は、飲酒や喫煙の類の"悪い事"を指しているんだろう。
その点ではたぶん、心配するに及ばない。
宮澤は飲酒もするし喫煙もするが、河野は 宮澤に強要される時以外はめったにしない。
母の心配は的が外れている。
河野は重い足取りで廊下を歩いていった。
夏の夜さん、投下d!続き待ってて良かったー ヽ(゚∀゚)ノ
結局抗えない河野に萌え。次の展開もワクテカで待ってます。
910 :
898:2005/07/18(月) 13:06:38 ID:qCftIaiy
>>900タソ
そうです。
焦りすぎた…orz
携帯からスマソ
ふと思ったんだが最近、
絵職人さまの光臨ってあったっけ?
しばらく見てない希ガス・・・
アラヤダ!二箇所も直されちゃって。レトロな安ビデオ臭の漂う
変換にワロタ。でも私の方こそ、
駅構内で発車
液口内で発射
とかいう激安な変換が頭をよぎってちょっと苗。
山根君達に頭やられたわ。
夏の夜さんがこのあとジェットコースター級の萌えに
突き落としてくれるのを期待してワクワク。