モララーのビデオ棚in801板6

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624三味腺屋+ハ丁堀×カザリ職人 3/7:2005/03/31(木) 19:47:15 ID:CMgcAJ20
「三味腺屋、お前ェも花見か」
「まあ、そんなとこだ。花見の席で一曲弾いてくれって頼まれてな。
 どうしても断れねえ相手だ、まあ仕方ねえ」
「へえ」
「そっちこそ男一人かよ。若えモンが寂しいね」
「五月蝿えな。こっちは仕事でそれどこじゃねえんだよ。花見に合わせた簪の注文が多いんだからな」
「それがこんなところで油売ってていいのかよ」
「息抜きだ。それに、こうして桜を眺めてると、いい細工が浮かんでくる。
 ずっと閉じこもってると頭が回らなくなンだよ」
「なるほどな」
ヒデの隣の包みに目をやりながら、ユウジは相槌を打つ。
どう見ても一人分には多い握り飯と竹筒。誰に持って来たのやら。
「お前ェこそふらふらしてちゃ拙いんじゃねえのか。姉さんたちがお待ちかねだろ」
「まだ間がある。静かに花見も悪かねえさ」
言いながら、ユウジはヒデの隣に腰を下ろした。静かに見たいなら何もここでなくてもいいのに、
とヒデは不思議そうな顔をしながらも、特に何も言わず再び幹に背を預けた。
さらさらと風に鳴る枝、そして花。ちらちらと降る花びらは時間を忘れさせるようにとめどなく舞い続ける。
言葉もなく、それでも心地良い空気の中で二人はただ花を、緑を、空を眺めた。
ふと、視線を感じてユウジは向き直った。
「何でえ」
「いや、色男ってえのは絵になるもんだなあと思ってさ」
柴犬のような表情でそんな台詞をけろっと言うヒデに、ユウジの動きが止まる
「…鳩が豆鉄砲食らった顔すんなよ」
笑ってヒデは肩の花びらを払った。
実際、過ぎるほどに整った容貌と趣味のいい着物は、桜を背負うとこの上なく目を惹いた。
女たちが騒ぐのも無理はないか、とヒデでも素直に思ったからそう言ったまでである。
「お前ェにもようやくわかったか」
「言ってやがるぜ」
くすくす笑う顔はあまりに無邪気だ。なんとか余裕を見せて返したものの、
ユウジはどうにも落ち着かなかった。
625三味腺屋+ハ丁堀×カザリ職人 4/7:2005/03/31(木) 19:48:13 ID:CMgcAJ20
先ほど一人で座り込んでいたヒデの表情が頭から離れない。
花びらに巻かれるままただぼんやりと中空を眺める目は、恐ろしいほどに澄んでいた。
黒目がちの瞳は、癖っ毛の下から上目遣いに見られるたびに違う色を見せる。
あるときは仔犬のようであり、無垢な少年のようであり、また闇夜と同化する冷たい黒でもあり。
その見慣れた黒い目が、見たことのない色を浮かべて桜に巻かれていた。
そのまま消えてしまうかもしれない。そんな馬鹿な考えが頭をよぎった。
馬鹿だとわかっていながら、声をかけていた。

「桜の木の下には…死体が埋まってるって言うの、知ってるか?」
枝の先を見つめたままま、ふとヒデが口を開いた。
ユウジは見透かされたかと内心どきりとしたが、そ知らぬ顔で返す。
「ずいぶんと物騒な話だよな。この桜色は、死体の血を吸った色だってんだろ?」
「血を吸って、こんな綺麗な色になるのかな」
花びらをひとつ手に取って見つめる目は、さっきの遠い目だった。
「そんなこと考えてたのか、一人でよ」
ユウジのからかうような口調に、僅かにヒデは笑う。
「でもまあ、夜桜を見てるとあながち嘘じゃねえのかもしれねえと思うぜ」
「夜桜、か…」
夜桜見物の時間も過ぎた、誰の気配もない漆黒の夜。その闇を切り裂くように咲く夜桜は、
昼とはまったく違った顔を見せる。人々が愛してやまない可憐かつ勇壮な姿が偽りだというように、
妖しく、いっそ凶悪なその美しさを見せつける。
何かの制御が外れてしまったような、恐怖さえ感じる夜桜に、訳もなく戦慄を覚えたことがある。
根元に埋まる死体からすべての血を啜り、いつかは真紅に染まるのだろうか。
「俺たちはどんなに血を吸っても、桜にはなれねえんだな…」
微かな呟きは、花のさざめく音に紛れそうなほど小さかった。
「ヒデ…」
「あ、いや、何でもねえ。忘れてくれ。俺もう行くわ」
自分でも意図せずに口から出たらしく、ヒデは慌てたように立ち上がる。脚から花びらがさらさら零れ落ちた。
「待て」
咄嗟に手を掴んでいた。ヒデが目を丸くしてユウジを見る。
「何だよ」
掴んでからしまった、とは思った。だが掴んだならもう仕方がない。
626三味腺屋+ハ丁堀×カザリ職人 5/7:2005/03/31(木) 19:51:41 ID:CMgcAJ20
立ち上がりかけの不安定な姿勢から、思い切り腕を引かれたら倒れるしかない。
力強い両腕が後ろからヒデを捕らえる。その力にヒデは反射的に身構えた。
だが、すぐに詰めた息を吐いた。
「おい──」
「黙ってろ」
「誰か来たら!」
「誰も来ねえんだろ?」
いつもの飄々とした口調。そこにわずかな違和感がある。ユウジにしては珍しい。
気づけば片方の肩がむき出しにされていて、密着した体温をより高く感じた。
ヒデはその素早さに呆れつつも感心した。
「昼間ッから盛ってんじゃねえよ。どうせこの後よりどりみどりなんだろうが」
「お前ェがいい」
低く囁かれ不覚にもぞくりと腰が疼いた。肩に熱い舌と唇が繰り返し触れ軽く食んでいく。
噛まれてるわけでもないのに、そこがじりじり灼けるようだ。
喉を逸らし、乱れた息が漏れた。
腹掛けの結び目が解ける音が妙に大きく聞こえる。胸が空気に晒されて一瞬ひやりとした後に
熱い手がすかさず差し込まれた。繊細な撥さばきも、人ひとり吊り上げる怪力も、
同じこの手が生み出している。その手が今は明らかな劣情をもって肌の上をすべっていく。
不意にヒデの身体がくるりと反転させられ、桜の幹を背にユウジと向き合う形になった。
いつも目元涼しい男に真っすぐ見据えられ、その奥に篭った静かな熾火を垣間見て
欲情してもいい男は決まるものだなと考えているうちに、あっさり唇を塞がれた。
「…っは…」
いつもながらこいつは上手い。黙っていれば腰砕けにされそうな愛撫が背中に腰に、気づけば太腿に与えられる。
満開の桜の下で男二人が昼間から絡み合ってるなんて、笑い話にもならない。
が、頭のどこかで悪くないかと考えていることにもヒデは気づいていた。
深く浅く、巧みな接吻けが首筋へ移動し、胸まで降りて執拗に往復する。
脚からきわどいところを通り、帯に手が掛かった。

「…ここまでだ」
「…畜生」
627三味腺屋+ハ丁堀×カザリ職人 6/7:2005/03/31(木) 19:53:56 ID:CMgcAJ20
長い指がユウジの手にそっとかかる。ただ添えられただけの手に、ユウジは潔く身を起こした。
晒された肌の上にも桜が落ちて、紅潮した身体をなまめかしく際立たせる。
無意識に目を逸らしているうちにヒデはさっさと身支度を整え、既にいつもの様子と変わらない。
施される愛撫のままに喘いだ顔も、降り止まぬ桜に捕らわれかけていた瞳も、微塵の名残もない。
夜桜のようだ、とユウジは気障ったらしいことを考えた。
自覚があるのかないのか、自分を惹きつけてやまないあの目は、ときに思いがけない色を見せて
こちらを動揺させる。少年のような容貌に隠された姿は、まだ他に幾つあるのだろう。
「さて、行くか」
ユウジは三味を手に立ち上がった。少しばかり遅れたかもしれない。急いだほうがよさそうだ。
「三味腺トチっても俺のせいじゃねえからな」
「俺はそんな間抜けじゃねえよ」
思わせぶりな言いざまにユウジはやれやれと肩をすくめた。まったく熟練の遊女よりタチが悪い。
ひらひらと手を振って、広い背中が生垣の向こうへ消える。やがて足音も聞こえなくなった。
「真っ昼間に大の男を押し倒す奴のどこが間抜けじゃねえんだよ」
ひっそり呟いた声は、桜だけが聞いていた。


それからしばらくして、木戸がきしむ音が反対側から聞こえた。くたびれた茶の羽織がのっそりと現れる。
「よう。遅かったじゃねえか」
「花見客の整理に手間取っちまった。交代時間なんざ守られやしねえ」
「へへへ、ご苦労さんですね旦那」
差し出した竹筒の茶を呷り、モンドはぐっと両腕を伸ばす。
「あいかわらず空き家か」
「ああ、そのまんまみてえだ」
この家の桜のことはモンドから教えられた。見廻りをさぼってそぞろ歩きの際に茶をご馳走になったらしい。
一人で住んでいた物腰柔らかな老人は、名のある家の隠居と思われる品性を感じさせる人物だった。
よいカザリ職人を探しているという老人にモンドはヒデを引き合わせ、彼は生まれたばかりの孫娘の簪を注文した。
だが、それを受け取ることなく老人は世を去った。不治の病を患っていたと聞かされたのは葬儀の晩だった
「あれからふた月か。ご隠居もどっかで花見してるかな」
「ちっこい孫の傍だろうよ。なにせ見えねえんだから好きなだけ引っついていられる」
「はは、そりゃいいや」
628三味腺屋+ハ丁堀×カザリ職人 7/7:2005/03/31(木) 19:54:51 ID:CMgcAJ20
「やっぱりお役目なしで見るもんだな、桜は」
握り飯を手に上機嫌なモンドに、ヒデも倣って一口齧った…ところで、そっと視線を落とす。
モンドの右手がヒデの腰をがっちりと捕らえている。
「……何だよ」
「この見事な桜の下で、随分と粋な花見じゃねえか。なあヒデよ?」
顔は前を向いたままの空々しい口調が、何を言いたいのかは明白だ。
「…出歯亀してたんじゃねえか」
ヒデはばつが悪そうにそっぽを向いた。右手がだんだん嫌な動きをし始めたのは放っておくことにした。
「どうせ感づいてたに決まってやがる。いい度胸だぜあの三味腺屋」
怒る方向が違うとため息が出るが、それでもこんな顔が見られてなんだか面白い。
嬉しいのかもしれない。
「おう、ヒデ」
「今度は何だよ」
振り向きざま唇に噛み付かれた。握り飯に詰めた梅干の酸味を舌に感じる。
珍しく余裕のない接吻けにヒデの呼吸が上がる。背中にしがみつく手に少々嗜虐的な気分を味わいながら、
モンドはわざと荒々しく貪った。
「何だよ…」
目元を染め掠れ声のヒデが、困ったように眉を寄せモンドを見上げる。
「今夜は夜桜見物だ」
「…仕事しろよ」
続けて低い声が耳元に届く。
「逃がしゃしねえぞ、覚悟しとけ」
「おっさんが無理してんじゃねえや」

呆れたように返す声は、それでもどこか楽しげだった。
629風と木の名無しさん:2005/03/31(木) 19:56:03 ID:CMgcAJ20
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ 停止        | |
 | |                | |           ∧_∧  
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )ダンナ ナニシテンダヨ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
なんかカザリ職が黒い…
630風と木の名無しさん:2005/03/31(木) 21:25:39 ID:AuelHZ3m
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
禿萌えです。姉さん。
631風と木の名無しさん:2005/03/31(木) 22:18:42 ID:/+vqVVuQ
同じく禿萌え!!!
イ士事人料払ってないのにイ士事人キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ ! ! !
632風と木の名無しさん:2005/03/31(木) 22:38:00 ID:If60/0a+
>>621-629
ヒデたん(;´Д`)ハァハァGJ!
633風と木の名無しさん:皇紀2665/04/01(金) 00:20:28 ID:apRJJInN
なんか三味腺屋が不憫に思えてきた。
634「フキゲンナジーソ」 カシタ×キョージュ:皇紀2665/04/01(金) 08:25:24 ID:dFRganj6
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  げちゅくドラマ「腐気元なジ―ソ」月券田×三並腹
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  どうにもこうにも纏まらん
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ グダグダデスガナ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

突発的にモエがやってきたので書いてみましたが、
このドラマ前回と最終回しか見ていないのでキャラが全く掴めていません・・・
あと「カエル」が出てくるので苦手な方はスルー
635「フキゲンナジーソ」 1/6:皇紀2665/04/01(金) 08:26:38 ID:dFRganj6
今、俺の部屋に月券田がいる。
話がある、とアポも無しにいきなり家にやってきた。
全くもって無礼なやつだ。お茶なんか出さないからな。
「で、一体何のようだ?俺はお前と違って忙しいんだ。
貴重な時間を提供してあげているんだから、それなりの用件なんだろうな」
"あげている"の部分を妙に強調して喋る三並腹に、月券田は思わず苦笑した。
「相変わらずのキャラですね。まあ、俺にとっては大事な用ですよ。
 貴方はどうかわかりませんけど」
物珍しそうに部屋の中を見回しながら、間の伸びた喋り方をするこの男。

こいつといると・・・イライラする。

「早く本題に入ってくれないか」 
「・・・彼女、一緒に行かないんですって?」
話はやはりイニ子のことか。
青居イニ子。俺の婚約者だ。
俺は仕事でしばらくの間オーストラリアに行くことになった。
そこに一緒に来て欲しいと頼んだが、彼女は研究の道を選んだ。
仕方がない。彼女にも目指す道があるのだから。黙って送り出すのが男というものだ。

・・・でも本当は、本当はついてきて欲しい。俺だけのものでいて欲しい。
636「フキゲンナジーソ」 2/6:皇紀2665/04/01(金) 08:27:46 ID:dFRganj6
そんなこと口が裂けても言えないがな。特にこいつには。
だから俺は努めて冷静に答えてやった。
「ああ、彼女がそう決めた。彼女の人生だからな」
「ふーん」
こいつの眼は全てを見透かしているような、そんな眼をしている。
俺はこの男が嫌いだ。
何よりこいつは、イニ子のことを狙っている。発情している。雄、だ。

「俺のいない間にイニ子に手を出そうなんて考えるなよ」
「どうしよっかなあ。俺、彼女のこと気に入ってますから」
「やめておけ。言っておくがお前の手に負える女じゃないぞ、あいつは」
「それはあんたも同じでしょ?」
「お前よりは幸せにする自信はあるね」
「まあ、それはどうでもいいんですけど」
どうでもいいのかよ!
お前の話はこのことではないのか・・・?
637「フキゲンナジーソ」 3/6:皇紀2665/04/01(金) 08:28:37 ID:dFRganj6
眉を顰めて不愉快そうな顔をしてみせる三並腹に、
気づかないのか気にならないのか何故か勝田は口元に笑みを浮かべる。
「俺、最近気になる人がいるんですよ」
「おお、それは良かったじゃないか。その彼女と遺伝子を残せばいい」
「彼女って言うか、彼・・・なんですけどね」
意味ありげな視線を寄こされ思わず眼を逸らした。
・・・嫌な予感がする。逃げたほうがいい気がする。そうだ、逃げよう!
素早く立ち上がろうとした俺の肩をあいつの両手が押さえ込んだ。
「何す・・・」
「まだ話は終わってませんよ」
息のかかる距離で覗き込まれると、自分の体が熱くなっていくのがわかった。

「しかもですね。そいつがまた、すっげえ最低なやつなんですよ。
 データを改竄するし、それがバレても平気な顔で学者してるし、
 挙句の果てに浮気がばれると遺伝子のせいにしたり」

そんな「最低な男」の話を嬉しそうに話すお前は何者なんだ。

いや、それよりも
「・・・いまの、どこかできいたことがあるはなしだ。
 というかおれのことのようにきこえるんだが・・・」
つまり、こいつのきになるあいてって・・・おれ・・・おれか?
どういうことだ?わけがわからない。
ぜんぶひらがなだ。かんじへんかんができない。ああ、いまおれのみになにがおこっている?
638「フキゲンナジーソ」 4/6:皇紀2665/04/01(金) 08:29:37 ID:dFRganj6
「あ、わかりました?」
「ああ、わかりたくなかったが。・・・おい、この手は何だ?」
気がつくとシャツのボタンは外され、何故かこの男の手が俺の胸を触っている。
「どういうつもりだ?」
「とりあえず、求愛行動・・・?」
「待て。俺は雌じゃない、お前と同じ雄だ。それに―」
「えーと、もしかして俺のこと嫌い?」
「嫌いというか・・・」
そういう次元の話ではない。
それに俺がまだ喋っていたんだ。人の話は最後まで聞きなさい。
「大体お前こそ俺のことが憎かったんじゃないのか?
 今日の昼にそう聞いたぞ、俺の耳は。今日の昼だぞ、昼。
 それが何故夜になったら俺のことが好きになってるんだ?」
「んー、なんでだろ?」
「・・・・・・」
「それよりもさ、明日オーストラリアに行くんでしょ?最後の夜、俺に下さいよ」
「なっ・・・」
「いいじゃないですか。最後だし」
「・・・さっきからお前の言っていることはまるで道理に合っていない。
 それに最後と言うが、俺は秋になったら日本に帰ってくる」
「俺のために帰ってきてくれるなんて嬉しいなあ」
「違う!お前の脳はどんな構造をしているんだ?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おい、手の位置がおかしくないか?」
「そう?」
「あるべきところに帰りなさい」
「んー、でもあんたのココ反応してるよ?」
「・・・・・・刺激されれば反応する、それだけのことだ。相手が誰であろうと関係ない」
「ホントに?」
関係ない・・・ハズだ。
確かにこの世界には「遺伝子では説明できない何か」 がある。
しかし今の状況がそうだとは思えない、思いたくない。
639「フキゲンナジーソ」 5/6:皇紀2665/04/01(金) 08:30:39 ID:dFRganj6
「俺がお前に発情するとは思えん」
「俺はしてますけどね、あんたに」
「俺はボノボじゃないぞ!」  (注・ボノボとは同性同士でやっちゃうサルです)
「ボノボってなんすか?まあ、とりあえず試してみるということで、ね」
そう言うと勝田は三並原のズボンのベルトに手をかけた。
首筋をなぞるように愛撫しながら器用にベルトを外しズボンを脱がせる。
「もう・・・やめろ」
この場から逃げ出したい。なのに体が動かない。何故なんだ。
まさに蛇ににらまれたカエル・・・俺はカエルか?
嫌だ、カエルは嫌だ。両手両足を虫ピンで刺され、メスで腹を切られるんだ。

「・・・何か変なこと考えてませんか?」
「ハ!・・・そういうお前こそ変なことをするのはやめろ」
「あんたこそ集中してもらえません?」
「何にだ?」
「変なことに、ですよ」
640「フキゲンナジーソ」 6/6:皇紀2665/04/01(金) 08:33:03 ID:dFRganj6
「男同士の交尾って、生物学的にどうなんでしょうね?」
「・・・・・・」
「まあ俺にはどうでもいいことだけど。気持ちよくなれればそれでいいと思いません?」
「・・・思わん。はやくどけ」
「抵抗されると燃えるタイプなんですよ」
耳元で囁きながら、三並腹の下肢に伸ばしていた手に少し力を込めた。
「な、あっ・・・や・・・めろっ・・・」
「言っときますけど、俺が悪いんじゃないですよ。
 俺の遺伝子がそうさせているんだから。遺伝子のせいですよ?
 あ、もしかしたらあんたから発生されるフェロモンのせいじゃないかなあ」
難しいことはわからないんですけどね、
と眼を細めながら愉しそうに笑うこいつを殴らなかったのは、
それはひとえに俺が「大人」だったからで。
そして、今の状況が・・・思いのほか・・・不快ではなかったからだ。
いささか不本意ではあるが。
それに、自分がこんなふざけた生物に惹かれはじめているのは遺伝子のせいだ。
遺伝子が悪い。俺は断じて悪くない。
そう結論付けた三並原は本能に従って月券田の背中に腕を回した。
641「フキゲンナジーソ」:皇紀2665/04/01(金) 08:34:53 ID:dFRganj6
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧  オロオロしながら書いた
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )   今は再放送を待っている。
 | |                | |       ◇⊂    ) __  多分ないだろうけど。
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
642風と木の名無しさん:皇紀2665/04/01(金) 15:23:02 ID:mBA29xoS
もももも萌えた!GJです!教授カワエエ…
643風と木の名無しさん:皇紀2665/04/01(金) 18:18:41 ID:hW3C51Ky
おぉぉおお…ジーンで萌えが読めるとは…!!
GJ!!!!
最終回のもやもやが一気に萌えに転換されたよ!
644風と木の名無しさん:腐女子暦801/04/02(土) 01:53:37 ID:4KipJNTI
萌えた!凄い!
可愛らしいですなキ/ョ/ー/ジ/ュ!!
ちょっとしか見たこと無いが萌えた(*´Д`)
645風と木の名無しさん:腐女子暦801/04/02(土) 05:00:22 ID:CRK4zAzW
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某珈琲cmのリッチ兄弟モナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  体育科教師弟×技術科教師兄
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 需要あるのか?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
6461/3:腐女子暦801/04/02(土) 05:01:14 ID:CRK4zAzW
「ホラ、サバの味噌煮っていうのはこうやって作るんだよ」
「あー、一緒に煮るの」
グツグツと鍋の中で似えるのは、甘辛く味付けされたサバの味噌煮。
お世辞にも広くは無い台所でそれを満足げに見つめるのは、一見してそのスジの方かと勘違いしそうな雰囲気の男と
その男の背後に立つ、背が高くて長髪のちょっとつかみ所の無さそうな不思議な風貌をした男。
彼等は、近所では仲良しで有名な「リッチ(要日本語訳)兄弟」である。

そして何故今彼等がサバの味噌煮の前でこんな会話を交わしているかというと
以前弟、(背の高い長髪の男の方)が兄のためにサバの味噌煮を作ったのだが
それが茹でたサバに味噌をかけるという、味噌煮というヒントまでをも
豪快に無視した一品を作ったのだ。
兄は可愛い弟のためどうにか完食はしたものの、もう一度あれは食べたくは無い。
そういう訳で今夜は兄が正しいサバの味噌煮を弟に披露していたのだ。

「味見てみろ」
「・・・・・・・あ、美味しい」
「今度作ってくれるときは、こうやれよ」
「うん、分かった」
兄に味見に使った小皿を返しながら、弟はニコニコと笑って頷いた。
その笑顔と「美味しい」の言葉に兄は満足して、あと少し味を染み込ませるためには煮込んでおくかと兄は一息つく。
「兄ちゃん」
「っ、と、何だよ」
「いや、今ある喜びをかみ締めてるの」
「は?」
6472/3:腐女子暦801/04/02(土) 05:02:11 ID:CRK4zAzW
突然背後に立っていた弟から抱きしめられ、兄は困惑の表情を浮かべる。
けれど弟はそんな事お構いなしに、自分よりも小柄な兄の体を抱きしめて兄の温度を感じていた。
「子供の頃から、兄ちゃんこうやって飯作ってくれたよね」
「そりゃ、母ちゃんは仕事で忙しいし、俺とお前の二人きりだったら俺が作ることになるだろ、普通」
「うん、あの時はあの時で凄い嬉しかった」

まだ子供の頃は兄のほうが弟よりも背が高く、弟はじっと台所に立つ兄の背中を眺めていた。
時折食器を出せとか、調味料を取ってくれと言われると
自分のことを忘れていないという事と、大好きな兄が構ってくれるという事に物凄い喜びを感じていたものだ。

「今は違うのか?」
「うん、今はこうして抱きしめられるんだもん」

子供の頃だったらこうはいかない、胸に兄の体をすっぽり収めるなんて。
「兄ちゃん好き」
「・・・・っ・・・・何だよ突然」
「照れた?」
「照れてねーよ、知ってるってそんな事」
「じゃ、兄ちゃんは?」
「に、兄ちゃんだって・・・・・・お前の、事」
兄は顔を真っ赤にして言葉を詰まらせる。
弟が今自分に向けていった好きは、明らかに兄弟間で使われる純粋に家族としての好きではない。
もっと違う衝動や欲求がからんだ好きだ。
さっきよりも弟は抱きしめる力を強めて、兄が耳元が敏感なのを知っていて
わざと口元をあにの耳に近づけて喋ってくる。
「兄ちゃん好き」
「っっ・・・・・」
思わず顔を俯かせてしまう。目に映るのは鍋の中で煮詰まっていくサバの味噌煮。
ああ、火を止めなければと思うけれどどうにもこうにも、体に力が入らない。
「俺も、好き・・・・・だよ」
兄が観念したように呟けば、弟はにっこりと笑う。
6483/3:腐女子暦801/04/02(土) 05:02:42 ID:CRK4zAzW
兄は昔から弟には甘くて、普段は兄に従順な弟ながら
押すところではどんどん押してくる弟に、兄は勝てたためしがない。

「ちょ、お前、今こんなところで」
「大丈夫、ガスはちゃんと消すから」
「そうじゃなくて」
「いいじゃない、母ちゃんなら友達と温泉旅行だし、明日は土曜でしょ?俺達二人しか居ないんだから」
ね?
耳を甘噛みされて、そのまま頬に口付けられる。
自分よりもはるかに背の高い体育科の教師である弟に、力の入らない体で兄はロクな抵抗が出来るわけも無く
気が付けば、不本意ながらも体を弟にゆだねる形となっていた。
「先に兄ちゃん食べさせてね」
「っ、馬鹿野郎が」
「いいじゃない、何でも食べたいときが食べ時なんだよ」
「そ・・・・・・・・・」

んなこと誰が言った
そう続けられるはずの言葉は、重ねられた弟の唇でせき止められた。
もうこれ以上何かを考えるのは無駄な事、ただ弟に全て流されようと
兄は観念して両瞼を伏せる。
そんな兄の様子に弟は満足して、コンロの火を止めたのだった。

サバの味噌煮が二人の胃に収まったのは、それから三時間後の事。
649風と木の名無しさん:腐女子暦801/04/02(土) 05:03:42 ID:CRK4zAzW

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  エプロンネタだと、だらだらになるから省略だモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  夢見すぎたろ。
 | |                | |            \
 | | |> STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ クサッテルナ。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スイマセン、二人して何だか乙女。
650風と木の名無しさん:腐女子暦801/04/02(土) 06:10:20 ID:P3jPf0hw
やばい。なんてことしてくれたんだ。

萌えるじゃないか、リッチ兄弟でくるとは…やられたよ。
GJ!
651風と木の名無しさん:2005/04/02(土) 09:49:47 ID:e/z8xkoi
さすがにリッチ兄弟で来るとはおもわなカターヨ
652風と木の名無しさん:2005/04/02(土) 09:54:15 ID:CH9QnwE4
リッチ兄弟禿げ萌え…!
GJでした!
653風と木の名無しさん:2005/04/02(土) 11:20:43 ID:r5IO0Rpk
>>621-629
仕事人キタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
待ってました。そして、待ってた甲斐がありますた…!
GJ!!!
654風と木の名無しさん:2005/04/02(土) 12:39:53 ID:bIb/3GQw
リッチ兄弟…すげぇ萌えた…真っ昼間っから萌えた…

今度から邪な目でCM視ちゃうよ〜(*´Д`)…ハァハァ
655風と木の名無しさん:2005/04/02(土) 13:36:13 ID:YBeHxKhf
リッチ兄弟!
今CMやってたから見入ってしまったジャマイカ
酒屋のオサーンの「応援してるぜ」が今迄と違う意味で聞こえるよ…
656風と木の名無しさん:2005/04/02(土) 21:26:12 ID:AjzEhBV4
初心者の質問と思って笑って聞いて欲しい。
携帯からの場合AAはどうすれば?
657風と木の名無しさん:2005/04/02(土) 21:34:52 ID:BuN8xXLr
見る分には我慢するしかないのでは…?
投稿なら|>PLAY ピッ(AA略)でいんじゃない?
658風と木の名無しさん:2005/04/02(土) 21:44:43 ID:AjzEhBV4
成程、アリガd
659風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 00:25:04 ID:ZiHBDYz+
>656
こんなのどうだろ。ジエンのセリフは適当に書いた。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

中略

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

中略

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

−−−−−−−−−−−−−−

あと、そろそろ要領がヤバイので次スレ立てた方がいいと思う。
自分はホスト規制で無理。
660風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 00:48:13 ID:3d/5jt0h
じゃー一滴マース
661風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 00:48:18 ID:2pyuSVGM
姐さん方!保管庫の過去の戦士達の土産も
たまには目を通してやってくんなせい
662風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 00:55:27 ID:SbMNvQQq
保管庫って何処に?
最近始めたばかりで、スマソ
663660:2005/04/03(日) 00:58:19 ID:M2yE4R64
一滴ました。
モララーのビデオ棚in801板7
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1112457104/

意味の無い名前を入れてみたり
>>659さんの携帯用AA案を最後に入れてみたり
ヽ(`Д´)ノ<ヨケイナコトスンナ!! だったらゴメソ
664風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 01:10:20 ID:2pyuSVGM
>662

>1
665風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 01:19:50 ID:SbMNvQQq
携帯からだとAA省略になってて分からんのだよ…orz
666風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 01:29:24 ID:oCS9q/Ru
>>663
乙!
667風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 02:37:05 ID:sNq+MzSf
>>665
ピッ
|> START



ピッ
□STOP

があればいいんじゃないのかな?
AAは強制ではないし、ようは始めと終わりがはっきりしていればよしじゃないかとオモ。
668風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 02:54:02 ID:ZiHBDYz+
>>667
>665は保管庫の話でしょ?

>663
埋めついでにこっちで乙!
669風と木の名無しさん:2005/04/03(日) 11:43:25 ID:L/96eDak
>>621-629
初投下から姐さんのストーカーしてて良かった…。
すげぇよ、なんて理想通りの展開!
(*´Д`)ハァハァしながらイイコで待ってるから、
ぜひこの続きを投下してはいただけまいか…。
670風と木の名無しさん:2005/04/04(月) 00:54:37 ID:G33bS4lp
生まれて始めてのビデオ棚への作品投下。
ぶっちゃけ緊張…

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  出典はマジックアカデミー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  暗い展開だから苦手な人は気をつけて| |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
671風と木の名無しさん:2005/04/04(月) 00:56:38 ID:G33bS4lp
コイツは俺の事なんて見てない。
コイツは俺に抱かれながらもアイツの事を
考えている…。



>交喙(タイガ→セリオス→レオン)<



「な、セリオス」
「…」
「起きとんのやろ?」
「…ああ」
「なんで返事くれへんの」
理由はわかってる。
わかってる筈なのに。
「もう疲れたんだ…少し休ませてくれ」
はぐらかされた。
まあ、コイツが素直に言うとは
思っていなかったけれど。
「レオンの事考えてたんか?」
「…っ」
ぴくん、とこわばった肩が
言葉の代わりに答えをくれる。
672風と木の名無しさん:2005/04/04(月) 00:57:13 ID:G33bS4lp
「なぁ、なんでそんなにアイツがええの、
俺の方がいっぱい愛してやれるのに。
アイツはお前の気持ちにちっとも気付かない。
お前を優しく抱きしめたりしない。
なのに…なんで?」
「…仕方ないじゃないか…」
「仕方ないって、何やそれ」
「…今は、こんな話したくない」
今きっと、コイツの頭の中は
レオンに対する罪悪感でいっぱいなんだろう。
罪悪感を感じながら、
それでも俺の「体」を求める。
いや、きっと俺じゃなくてもいいんだ。
受けとめてくれるならカイルにでも、
フランシス先生にでも体を委ねるんだろう。
苦しい…
苦しい…
一番好きな人に、決して振り向いてもらえない。
コイツも、辛いんだろう。
俺と同じなんだ。
愛してくれないとわかってる筈の相手を
「好きだから」という理由だけでずっと思いつづける。
どんなに自分を傷付けても。
673風と木の名無しさん
っちゅぷ…
ちゃぷっ…
じゅ、るっ…
水音と荒い息だけが薄ぐらい部屋に響く。
俺のモノを咥えたセリオスの顔は、
まるで腐肉でも食む様だった。
眉間にしわを寄せ、不機嫌そうに。
それでも吸いつづける。
決して俺と眼をあわせようとせずに。