【ある おとうとの いちにち】
がっこうからかえると りびんぐから おふくろのどなりごえ
おふくろが あにきを しかってる
あにきは ふてくされて そっぽむいてる
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どうも あにきが だれかを おもいっきり なぐりつけたらしい
「ぼうりょくを ふるうなんて さいていなのよ!」と おふくろ
「あいつが ぼくのことを やせっぽちのちびだなんていうから わるいんだ!」と あにき
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おれは あにきのほうがただしいとおもった
でもそういったら おふくろ こわいかおで「へやにかえってなさい」
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おれは あにきのへやまえで ずっとまってた
あにきが へやにかえってきたのは だいぶおそくなってから
どうやら おやじにまで おこられたみたいだった
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おれは こえをかけようとしたんだけど あにきはこっちをみようともしないで
へやのなかに はいっていってしまった
まっかなめをしてて よくみたら うでもあしも あざとばんそうこうだらけだった
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かぎのしまるおとがした どあごしにこえをかけても へんじがない
なんどなまえをよんでも どあをあけてくれない おれは あにきのみかたなのにな
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へやのなかからきこえる ちいさななきごえ
おれはどうしていいかわからなくて かべにもたれてすわりこんでた
そのうち どあのむこうがしずかになった もう ねてしまったのかもしれない
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かみさま どうかあにきのせを もうすこしのばしてあげてください
それがだめなら おれをはやく いちにんまえにしてください
あるおとうとの ながいながい いちにちのおわり