かまいたちの夜

家庭用ゲーム板で荒んだ心を癒しましょう






官能編(；´Д｀)ﾊｧﾊｧ

1乙！

1さんお湯です。

関連スレ

「かまいたちの夜で801」
ttp://www2.bbspink.com/801/kako/1027/10271/1027178095.html

>1さん乙です。

自分の傷口をいじる透たんｴﾛｶﾜｲｲ(;´Д｀)ﾊｧﾊｧ
評判は良くないけど、やっぱ自分は２好きだー。

官能編のﾐｯｷｰが萌えすぎてヤヴァいです
(；´Д｀)ﾊｧﾊｧ

＞１さん乙です！
漏れは官能編のﾄｼｵさんに(；´Д｀)ﾊｧﾊｧ！
ﾐｷｰ×ﾄｰﾙﾊｧﾊｧ！
今度小説投下させてくだちい・・・。（ｺｿ

女神光臨！
楽しみにしてますﾊｧﾊｧ

ヒー、書き上げたのですが、そこはかとなく
ミキー・マサオカ×トールテイストに・・・。。。
バイトの都合で、今日の８時頃投下させて頂きます〜；

遅くなりましたー・・・。すみません。
かま２で、ﾏｻｵｶ→ｶﾅｺへアプローチ、ﾐｯｷｰの殺してやる発言後、
ﾏｻｵｶの部屋での酒盛り大会、ﾄｰﾙの選択肢、
Ａ「ぼく、酔うと脱いじゃうんです。」
を選択した後だと思ってくださいでつ。
ﾐｯｷｰ出てません・・・。＿|￣|○スミマセン・・・！！
ﾏｻｵｶ×ﾄｰﾙを読んでみても良い方だけどうぞ。
他の方はｽﾙｰでお願いしまつ・・・(´Д｀;)
ではどうぞー。


「ぼく、酔うと脱いじゃうんです。」
こう言えばﾏｻｵｶさんも、ｶﾅｺちゃんも諦めてくれるだろう・・・。
そう思った矢先、
「そんなの気にしないわよ。」
「ははは、ｶﾅｺちゃんもこう言ってるんだから、いいじゃないか！」
「寧ろトール君の裸見たいわよ。なんてね、あははっ！」
「やだなあｶﾅｺちゃんてばー！」
ﾃﾞﾄﾞｰ。
だ、駄目だ・・・。
二人の空気に半ば押し切られ、
ぼくはﾏﾘを残し、ﾏｻｵｶさんの部屋へ行くことになってしまった。

やはり３人だと窮屈だったが、二人はベッドに、
ぼくは床に座りそれなりのスペースを確保できた。
ｶﾅｺちゃんはﾏｻｵｶさんの腰に手を当てており、恋人同士のようだ。
なぜかﾏｻｵｶさんは、ぼくにばかり話題を振ってきた。
「ははは、トール君はﾏﾘちゃんとあんまり進展していないのかい・・・。」
「遠距離だったからですよ！」
「ﾏﾘちゃんは可愛いからな〜、うかうかしてると取られるぞ〜。」
「い、言われなくても解ってます！」
ワインの所為か饒舌になったﾏｻｵｶさんは、ﾏﾘの事ばかり話している。
（ﾏｻｵｶさんはﾏﾘの事が好きなんだろうか・・・）
だとしたら勝ち目は・・・、いや、そんな事考えないでおこう。
ぼくにだってチャンスはあるはずだ！
「頑張るぞ！」
「ﾄｰﾙ君どうしたの？いきなり大声出して、びっくりするじゃないか！」
しまった、いつの間にか声を出していたようだ・・・。
最近こういう癖が多い・・・気を付けなければいけない。

１時間くらい経っただろうか。
「そろそろ私は失礼するわね。ﾏｻｵｶさん、ﾄｰﾙ君、楽しかったわ、ありがとう。」
ｶﾅｺちゃんがベッドから降りて、スプリングが少し揺れた。
「もう行くのかよ〜・・・。」
ﾏｻｵｶさんが拗ねたように言うと、
「ｹｲｺの調子も見てきたいし。それにﾏｻｵｶさん、ﾄｰﾙ君と居た方が楽しそうなんですもの。」
ぼく達をからかうように言うと、
ｶﾅｺちゃんは早々に部屋を出て行ってしまった。
「女性が居なくなると、ワインの味も半減するなぁ。」
ﾏｻｵｶさんが、ぼくと一緒だと面白く無いという言い方をするので、
「ぼくとだと楽しくないとでも言うんですか〜・・・。」
笑いながら軽く言うと、連られてﾏｻｵｶさんも笑ってくれた。
「閉所恐怖症なんだよ、二人になっただけで怖いくらいなんだから・・・。」
頼り無さそうな肩が、呼吸に合わせて上下した。
良く見ると指先が震えている。
「あっ、そうでしたね・・・、すみません。」
慌てて謝ると、ﾏｻｵｶさんはベッドから降りて、ぼくの近くに腰を下ろした。
「良いんだよﾄｰﾙ君。それにしても君、結局裸になんてならなかったね。」
訝しげに見られ、ぼくはしどろもどろになってしまった。
ど、どうしよう。嘘がバレそうだ・・・。
なんとかしなければ・・・。なんとか・・・。

「もっと飲まないのか？まだまだ夜は長いぞー・・・。」
そうだ！その手が有った！ﾏｻｵｶさんの台詞に感謝しつつ、
「そ、そうですよ、まだまだ序の口なんですよ！ほ、ほらもっと飲めば・・・。」
そう言うとぼくは立ち上がり、近くに有ったワインをゴクゴクと飲み干した。
３０分ほど話ていると、ぼくの体に異変が起こってきた。
視界はモヤがかかったかのように霞み、眠たくて堪らない。
心なしか息も荒く、なぜか体の奥がとても暑い。
あれ・・・フラフラする・・・。
元々お酒に弱いぼくは、
そのまま千鳥足でﾏｻｵｶさんにもたれかかってしまった。
それにしても、何だかワインに変な味がしたような・・・。
「お、おいおいﾄｰﾙ君、大丈夫かい？」
意識が朦朧として、ぼんやりしていると眠ってしまいそうだ。
体が燃えるようにただ暑くて、
ぼくは着ていたシャツを胸のあたりまで捲った。
「ﾏｻｵｶさ・・・すみませ・・・ちょっ、眠くて・・・。あ、暑い・・・。」
虚ろな意識の中、最後に見たのは、
ﾏｻｵｶさんのギラついた視線だった・・・。


序盤で出番無くなりますがﾏｻｵｶ大好きなんでつ・・・。･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･
つづく・・・かもしれないでつが多目に見てください・・・。
＿ﾄ￣|○スレ初投下失礼しました・・・！

リアルタイムｷﾀ━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━!!!!
激しく続きが読みたいでつｗ

を、かまスレ復活ですか……。
しばし日本を離れてたために、前スレで中途半端に尻切れたやつでも
再投下してみようかしらん。
何はともあれﾎｯｼｭﾎｯｼｭ

女神光臨ｷﾀ━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━!!!!
ﾏｻｵｶ×ﾄｰﾙｷﾀ━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━!!!!
(´Д｀;)つ、続き激しくキボンでつ・・・！！
ま、ﾏｻｵｶﾀﾝｷﾃｨｸだったら良いな・・・！

そして>>15女神様も投下キボン！

　

酔っ払って寝る部屋間違えたﾐｯｷｰに萌え
どうせ間違えるならﾄｵﾙの部屋に行って欲しかったｗ

ﾎｼｭついでになにか投下しようと思ったらデータが消えてますた。
引越し最中に何かやってしまったのか。。。

そして前ｽﾚで書きかけのブツがﾈｽﾞﾐｰネタだったことを思い出して…（欝
いっそサイトに載せてしまった方が……

漏れﾀﾞﾒ━━（・∀・）━━ﾆｿｹﾞｿ


とりあえず30まではﾎｼｭﾎｼｭ

ﾌｫｫｫｵｵｵｯｼｭ

保守・・・。
>>19
なんと！あのネズミーランドの方ですたか！素敵ですたー！
そ、そんな事おっしゃらずに書いて下さい・・・！･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･

うお。立ちましたか。
過去ログも読めますね。
>>19
激しく続き読みたいでつ！もう無理ですか？！

保守保守！即死防止に力を貸して下さいー！

ホッ!ホッ!(o｀Θ´)oﾎｯｼｭ

立ったばかりなのに内容が「保守」だけじゃあ、ちと空しい…
えろスレみたいになる前に、せめて何かネタが欲しいところ。
穴かま２ｱﾅｻﾞｰｻｲﾄﾞ「非時香果篇」の透ﾀﾝ萌え。
ﾏﾘをﾐｯｷｰに変換して(*´Д`*)ﾊｱﾊｱ…「僕だけが」も鬼萌え(*´Д`*)ﾊｱﾊｱ

こんな娘が肛門全開でマン汁をしたたらせて本気でバイブ昇天！美人のマン汁はエロ
いよぉ！
http://www.hamedori.net/video.html

---

61.199.55.48 , p3048-ipadfx01maru.tokyo.ocn.ne.jp ?

こんなﾄｵﾙが後門前回でｶﾞﾏﾝ汁をしたたらせて本気でバイブ昇天！
外見は大人、中身は子供のｶﾞﾏﾝ汁はエロいよぉ！
ttp://kama2.to-ru.uke/itteyosi.html

つまらんことをしてしまった……
業者を見るとつい・・・

八頭身のXLに巻かれて逝ってきまつ

　　　　　　　　　　こんや　かまいたちが　あらわれる

カマ（を掘る）いたち
だったら面白いのに。

と言いつつ、前スレで着ぐるミッキーとかいきなりエロとか
色々書いていた香具師でつ。
しばらく来なかったらスレが落ちてて驚きました。
でも復活ｵﾒ。

>>27
イイ！（・∀・）でつ！お相手は脳内変換でつね！ｗ
またーり萌えトークでもしましょう。やっと即死回避できた・・・。

あああうれしい〜。復活ｵﾒ！
いまだにかま２で萌え狂っとるよﾄｵﾙたんﾊｱﾊｱ（;´Д｀）
何か１も２も萌え尽くしてしまったのでそろそろ
ＰＳ版かま１でも買ってみようとおもうのですが、
姐さん方ＰＳ版ならではのオススメスポットとかありましたら
教えてくだﾀｲ...。

>>32
ﾄｰﾙがﾏﾘの尻に敷かれてまつ

素早い回答ありがとうございまつ

尻に敷かれているのはいつもの事では？とおもいつつも
今現在ものっそ深刻なﾄｵﾙたん不足に悩まされているので
結局買ってしまいそうな悪寒でつ。

追加
金の栞後のCDドラマは必聴
ﾐｯｷｰ最高…(；´Д｀)ﾊｧﾊｧ

ﾊｧﾊｧなのか！？
ﾊｧﾊｧなのですね！？
ＣＤドラマなんてあるのか...！っつかそれだけでもう
私の心は決まりマスタ...ﾊｱﾊｱ（;´Д｀）

いや、ここはあえて、あなかま２アナザーを読破を狙っておいた方がいいのでは。
あと10日で閉鎖だぞ。

ttp://strawberry.3utilities.com/Sn/up5/upload.html?1063990040

ツールで保存したのでうpしてみるﾃｽﾄ
何故か文字を反転しないと読めない状態になってしまいますた
ブラウザの設定で背景を白にして読んでくだちい･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･

あなかま２アナザー「僕だけが」すげえ萌えた...
「？」と思う箇所もあったけど、そんな些細な事も
覆い隠さんばかりに（;´Д｀）ﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱ
１のﾐｯｷｰ×ﾄｰﾙに巨萌えな自分にはたまらんです

>>38
乙！
反転は気にならないyo
てか、本家の背景が邪魔で仕方なかったから、こっちのが良いｗ
妄想篇が好きな自分は「透明な朝」も好きだ
真理を俊夫に変換すると萌え度アップ　壊れていく透ｽｷｰ

吉里吉里で801かまいたちの夜を作ってくれるネ申が現れないものか・・・

>>41
それは・・・見たい！
分岐でエロになったりグロになったり。ｶﾌﾟも展開次第で変わるとか。
美味さひゃくばいやね。
しかし、まかーな自分は指をくわえるしか無い罠・・・ つдＴ）ｽﾞﾋﾞｰﾑ

>>38
うわーん･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･なぜか見れないでつ・・・。。
ど、どうして・・・。

落とせなかったのですか？
今外なので7時以降に再うpさせていただきまつ

あわわ、すみません落とせました！！
マシンが重くて不安定なだけですた・・・；
これからじっくり堪能させてもらいます！（・∀・）ﾉ

落とせましたか。それは良かった良かった
さて私も読まないと…

鞠（ﾟ�听）ｲﾗﾈな今日この頃
ﾄｵﾙとﾐｯｷｰで洞窟探検してほしかったYO

ﾄｼｵとﾄｵﾙで洞窟探検、もう読めないのかな・・・
とつぶやいてみるﾃｽﾄ

さっきラブテスター編やったんだけど…
お化け屋敷に入ったﾄｵﾙがかわいすぎて悶絶したw
ﾏﾘは冷たくあしらってたけど、ﾐｯｷｰなら…(；ﾟ∀ﾟ)=3ﾑｯﾊｰ

フォォー；
PS2が原因不明に壊れました。
何故なんで煙が出るのか……。
中に入りっぱなしだったかま2のディスクもパキｯと折れてます。
これはもう千ュンに売り上げ貢献しろとの思し召しでつか……。

それともやんちゃな13歳ﾄｰﾙにアレなナニをﾎﾟｷｯとされた御木本ｻﾝを書いた罰でせうか。

>49
最後の一行に激しく妄想心が沸き立っています。
どんなナニがどんな風にアレなのか、小一時間…（ｒｙ

ﾌｫｫｫｫｫｫｫｼｭｰｰｰ

ｺﾊﾟﾔｼ総受が読みたい
とんでもない事になってるのが読みたい

スタンダードだがﾄｵﾙたん総受が読みたい
どエラい事になっているのが読みたい

官能編ﾊｧﾊｧ

>>53
それなら探せばありそうなものだが。無いの？
自分は×ﾄｵﾙには興味がないので分からないが。ﾅｶﾏﾎｽｨｰﾖ…

ミッキー受け・・・と言って見る

ﾄｰﾙ受けといえば>15=>19姐さんの投下をひた待ちにしてみたり。
前スレのあれを読んでしまった直後、ﾈｽﾞﾐｰに行って妄想が止まらなかったっすyo。
あんな18禁（21禁）なﾈｽﾞﾐｰがあったら萌えだ。

>>55
ﾅｶｰﾏ ﾊｯｹﾝ!!

投下キボン言ってないで、自家発電も汁・・・！
書いている内に上達することだってあるさー。
へぼんを恐れるな！

という訳でコソーリ小説書こうかと思いまつ・・・。

ttp://premium.kama2.jp/anakama2as/2-3-1.html

ｶﾞｲｼｭﾂもいいところかもしれませんが一応。読んで再燃してしまったもので…。
後半のくだりはﾐｯｷｰ×ﾄｵﾙ者にはたまらん筈…ﾊｱﾊｱ

前に出ていた「あなかま」のうｐされたやつ、
再うｐしてくれる女神さまはいらっしゃいませんか〜・・・？･ﾟ･(つД`)･ﾟ･

ttp://strawberry.3utilities.com/Sn/up5/upload.html

再うpしますた
(･∀･)ﾉ□ﾄﾞｿﾞｰ

>55 >57
ﾅｶｰﾏ!!(･∀･)

>>61
ありが�d！・:*:ヽ(´▽`)ﾉ・:*:・助かりまつた！

>61
ほんとごめん｡ﾀﾞｳｿできましぇん。
なにかツールが必要なのでしょうか？
初心者ぽくてごめんね……･ﾟ･(ﾉΑ`)･ﾟ･｡

ダウンロードそのものが出来ないのですか？それともファイルを開けないのですかね？？
もし後者なら、StuffIt ExpanderというソフトをDLしてみて下され〜

ダウンそのものができません。
リンク部分をクリックするだけじゃ出来ない仕様なんでしょうか？
仕組みを理解してないだけかもしれないんですけど……
ちなみにIE+Macです。

流れてしまいそうだったので再々うpしておきまつた

ttp://strawberry.3utilities.com/Sn/up5/src/up1153.zip
64さん、これでいけるはず
このうpろだは、リンクをクリックしたあとに広告がでますよね？
広告の上をよーく見てください。
「up1153.zip」
これをクリックするとﾀﾞｳｿが始まりまつ

勘違いして的外れなこと書いてたらどうしよう…ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

>38
ﾀﾞｳｿできましたよ！ありがとうーーーーー!!!!｡･ﾟ･(ﾉ∀`)ノ ･ﾟ･
リンクの先までは行ってたんだけど、.zipの文字に気づいてなかったのだと思います。
それともSCCの設定いじくってるんで、文字字体が表示されてなかったのか。
丁寧にありがとうございます！ﾎｸﾎｸ

ここだと閉鎖後もｱﾅｻﾞｰｻｲﾄﾞ萌え話ができそうだね
これから読むもんだから
ボロボロになってくﾐｯｷｰﾓﾍ〜「氷の微笑」

週末までにはここに何か投下できたら良いなあ・・・。
ﾍﾀﾚﾎﾟﾝﾁなので、とりあえず自分にﾌﾟﾚｯｼｬｰかけてみる＆ﾎｼｭ

このスレ今日知ったもんだから、>67のやつとれませんですた…(つΑ`)

まだ公開してるけどね＞ｱﾅｻﾞｰ
管理がズサンなのか、サービスのつもりなのかﾜｶﾗﾝが
このまま閉鎖を忘れてくれるといいなー。なんて甘い事を言ってみる。

>72
本当だ…！(つ∀`)
よーしパパ、全部読みきるぞー

…それまでは閉めないで、とか言って見まつ

芸術的でセンスのよい相手。ほがらかで人当たりもよく温厚な人。
あなたを愛おしく思っているはずです。少し落ち着きがないところがある。
さっぱりしているほうがよい。よい意味での遊び好き。
食事をしながら楽しく会話できる相手。

今日やった四柱推命の結果に「あなたが潜在的に求めている相手の特徴」が書かれていたのでコピペしてみますた
これってﾐｯｷｰのことだよね！？（あなたを〜はともかく）
ﾐｯｷｰに萌えるのは運命だったということか…(；´Д｀)ﾊｧﾊｧ

>>74
かま１オカルト編のライターﾐｯｷｰか、かま２ﾐｯｷｰの感じだね。
「あなた」を「ﾄｵﾙタン」に変換してしまった…ｽﾏｿ
ﾐｯｷｰからは逃れられない運命だった、って考えると更に萌え
＞少し落ち着きがないところがある。
をいをい落ち着けよ、30男がよ。と言いつつもｶﾜｲｲｗ

は・・・初めてカキコします・・・
じ、実はﾄｼｵ受けなのですが・・・お仲間いらっしゃいますか？

∩(　´Α｀)＜　ミッキー受けなら一人いらっしゃいます

ﾄｼｵ受けはわりと多くいるんじゃないの？
ﾐｯｷｰ×ﾄｼｵってﾐｯｷｰ×ﾄｵﾙと同じくらい定番かと思ってたけど？
ひょっとして>>76が求めているのは「ﾄｼｵ総受け」？
・・・・・・・・・・・・(;´Д｀)ﾊｧﾊｧ

だ、だれもいない？
やっぱし過疎化が・・・・・・・・・・＿|￣|○ ﾓｳｽｸﾞ ｶﾏ1ﾉ ｷｾﾂﾅﾉﾆ…

(;´Д｀）いる・・・いるんだよぅ
でも、仕事のおかげで原稿が進まず、ここに何も投下できないんだよぅ。

ｽﾏｿ、漏れウソついてばっかりだ・・・何度投下宣言をしたんだろう（´・ω・｀）

保守しつつSS待ってまつ

規制が出ててカキコ出来ませんでした。
>>78
ﾄｼｵ受けって結構あるんでしょうか？？
ﾄｼｵ総受け・・・あるなら見てみたいです。
・・・・・・(;´Д｀)ハァハァ

自分が今まで見た（読んだ）のでは
ﾐｯｷｰ×ﾄｵﾙが一番多くて、次にﾐｯｷｰ×ﾄｼｵ、その次がﾄｼｵ×ﾄｵﾙだけど。
何の基準にもならないと思いますが。ｽﾐﾏｾﾝ
それにしても、かま夜サイトって少ない・・・・
801だと尚更少ない・・・・・
あっても更新しない・・・・・

教えて下さってありがとうございます。
かま夜サイト・・・少ないですよね・・・寂しい・・・

　

「良いね、ﾏﾘ。私たちと一緒に帰ろう。」
「嫌よ、おじさん。絶対に帰らないわ！」
「ﾏﾘ！」
ﾏﾘは屋敷を飛び出していく。
追いかけようとしたぼくをｺﾊﾞﾔｼさんが止める。
「君の気持ちは分かるが……ここは私が行こう。」
「……はい。」
こういう時、ぼくは自分がとても情けなくなる。
久しぶりに会えたﾏﾘとはすれ違ってばかりで、昔と同じだ。
ﾏﾘはぼくみたいに臆病じゃない、すごく強い女性でぼくなんか必要ないんだ。
肩を落として二階へ上がった。
左に折れて歩いていく。
――トン
「うわぁあああ！」

「そんなに驚かなくても良いだろう、ﾄｵﾙ君。」
「み…ﾐｷﾓﾄさぁん……？」
あの大きな蜘蛛を見た後だ……まさか、と思わない方がおかしい。
いや、それともぼくが怯えているだけなんだろうか。
「帰るんだって？」
「えぇ……今、ｺﾊﾞﾔｼさんがﾏﾘを説得してます。」
「彼女だってもう子供じゃない、好きにさせてやれば良いのに。」
「そんな！こんな危険な、何が起こるかわからない所にﾏﾘを置いておけない！」
ぼくがそう言うと、ﾐｷﾓﾄさんはクックックと肩を揺らして笑った。
「そうか。」
「そうですよ！」
子供にするようにぼくのあたまをポンポンと撫でていた手が急に力を持ち、
グイとﾐｷﾓﾄさんの胸にぼくを押し付けた。
「あ、蜘蛛……」
「え…うわ……あぁあああああ！」

耳元で囁かれたその単語に、ぼくは目の前にいたﾐｷﾓﾄさんにしがみついた。
今度こそ殺される。
食い殺されるか、毒で殺されるか、それとも……
「あっはっはっは……冗談だよ。」
「ふぇ……？」
「本当に君は怖がりだなぁ。」
ﾐｷﾓﾄさんは髭に囲まれた口をニヤリと曲げて笑っている。
「冗談だよ。」
「だ……騙したんですか！？」
「単なるジョークだよ。いやあ、君は本当にからかい甲斐がある。」
快活に笑うその男が突如憎たらしく思えてくる。
「こういう時に、そういう冗談にならないことを言うなんて……最低だ！」
「そこまで怒ることはないだろう？
なあに、今度また蜘蛛が出たら僕が君を守ってあげるよ。」
「そういう事を言ってるんじゃない！」
怒りで顔が熱くなってくる。
ﾐｷﾓﾄさんが、こういう人だとは思わなかった。
「失礼します、帰り支度がありますので。」
ﾐｷﾓﾄさんを押し退けて、横を通り過ぎた。
カーブになっている通路を歩く。

1……2……3……4部屋目。
ぼくの部屋だ。
恐る恐る後ろを振り返ると、カーブの影になってﾐｷﾓﾄさんの姿は見えない。
もしかするともう部屋の中に入ってしまったのかもしれない。
……誰もいない。
そう思った途端急に背中がゾクゾクしてくる。
もしも今、またあの蜘蛛に襲われたら？
ぼくは武器になるものは何も持っていない。
たいまつも……、武器や防具になるものもない。
そっと音をたてないようにドアを開ける。
電気はつけたままだったようだ。
戸口に立って慎重に部屋中を見渡す。
まだ昼だというのに陰気なその部屋には蜘蛛はおろか、
どんな生き物の気配も感じられない。
ふぅ、と息を吐いてぼくは鞄の中に出して間もない物を詰め始めた。
大した量じゃない。
作業はすぐに終わって手持ち無沙汰になる。
ベッドに横になって天井を見る。
やることがなくなると、微かな物音にさえ過敏に反応してしまう。
微かな家鳴りの音が、ぼくの寿命を縮めてしまいそうだ。
ｺﾊﾞﾔｼさんはもうﾏﾘを連れて戻っただろうか。
もしかしてﾏﾘはどこかに行ってしまったのではないか。
それともまたあの蜘蛛に遭遇してしまったとか……。
体が大きく震えて、自分を両手で抱きしめた。
ガサ……
すぐ傍で聞こえた物音にぼくはすぐに顔を上げなかった。
そこにいる『何か』の気配を感じてしまったからだ。
よく確認したはずだった。
まさか……。

「……ッ！！」
声も出ない。
恐る恐る顔を上げたぼくの視界には、予想通り……大きな蜘蛛がいた。
部屋の真ん中の床にどっしりと構えたその姿は気味が悪い。
八つの赤く光る単眼がぼくを見ているに違いなかった。
ドアは閉まったまま、この部屋には窓もない。
どこに潜んでいたのだろう。
今にも飛び掛らんと、じりじりと間合いを詰めてくる。
――コンコンッ
一瞬、心臓が止まった。
「ﾄｵﾙ君、いるかい？」
それは紛れもなく、ﾐｷﾓﾄさんの声だった。
「さっきは悪かった。僕が不謹慎だったよ、すまない。」
助けを求めようとした。
けれどぼくは金縛りにあったように動けない。
「ﾄｵﾙ君、いないのかい？」
再度ノックが聞こえる。
喉の奥でヒュゥと妙な音がした。
「ﾄｵﾙ君……入るよ？」
「だ……」
鍵はわざとかけていなかった……何かあったらすぐに逃げられるようにと。

ガチャリと音がしてゆっくりと扉が開かれる。
「ﾄｵﾙく……」
「だめだ、入っちゃ駄目だ！」
「え……」
蜘蛛はガサリと音をたてて体の向きを変えると一瞬身を屈めた。
「うわああああああああッ！」
ぼくは無我夢中で後ろに手を伸ばした――何かが手に当たる。
それが何なのか確認する前に振りかぶった。
何かがぶちっと音をたてて、白いものが宙を舞う。
次の瞬間ﾐｷﾓﾄさん目掛けて飛び掛っていた蜘蛛の胴体の真ん中に、
蜀台を模したライトスタンドが突き刺さっていた。
飛び散った電球の破片が頬を掠めていく。
生暖かい血と、ドブ色の蜘蛛の体液と、混ざった匂いが気持ち悪い。
「……ん……ﾄｵﾙ君！」
「あ……ぁ」
蜀台から強張った手をﾐｷﾓﾄさんがゆっくりと放してくれた。
腰が抜けたのか、ﾐｷﾓﾄさんに抱えられてやっと立ち上がった。
「済まなかった。」
消え入りそうな声で言われてぼくは顔を上げた。
けれどﾐｷﾓﾄさんの顔は見えない。
ぼくの肩に額を押し付けて、ﾐｷﾓﾄさんは何度も謝っていた。
「もう、いいです……大丈夫ですから。」
そう言うとﾐｷﾓﾄさんはやっと体を放してくれた。
どういう経緯があっても、ﾐｷﾓﾄさんが来なければぼくはたぶん蜘蛛に殺されてた。
咄嗟だったけれど、蜘蛛の意識がﾐｷﾓﾄさんに向いていなければ、
ぼくは蜘蛛に反撃しようという事すら考えられなかったに違いない。
それに今は傍にいてくれる人がいる……その事がぼく自身を安心させていた。

ﾐｷﾓﾄさんに言われてぼくは荷物を持ち、部屋を出た。
ﾐｷﾓﾄさんは持っていたらしい掃除用のモップを片手に廊下を歩いていく。
恐ろしく静かだ、まるで誰もいないかのように
一応、皆の部屋をノックして回ったけれど、誰も返事をしない。
キヨさんの姿も見えない。
どこかに出かけてしまったのかもしれない。
もしかすると……いや、もう考えないようにしよう。
あと数時間もすれば迎えの船が来て、この島を離れるんだから。
結局ﾐｷﾓﾄさんの部屋のベッドに二人並んで座った。
念のためぼくはﾐｷﾓﾄさんが持っていたモップを、
ﾐｷﾓﾄさんはカメラ用のアルミ製一脚を手にじっとしていた。
どれだけ時間が経っただろう。
ﾐｷﾓﾄさんはもう何度目か、腕時計を確認して苛々と靴を鳴らしている。
「ﾄｵﾙ君、やっぱり君は帰ってしまうのかい？」
「……はい。」
「そうか……。」
こんな事態になっても、まだそんなことを言うﾐｷﾓﾄさんに僕は苛立っていた。
誰だって、好き好んで危険な所にいたいとは思わないはずだ。
「なあ、ﾄｵﾙ君。ひとつ聞いて良いかな。」
「何です？」
思わず声が冷たくなってしまった、けれどそれは仕方ない。
僕はこの島に残りたいというﾐｷﾓﾄさんがまったく理解できないのだから。
「君は、彼女と……付き合っているのかい？」

「……そんなこと、あなたに関係ないでしょう！」
一瞬何を言われたのかわからなくて、ぼくは言葉に詰まった。
こんな時に一体何を言い出すんだ、この人は。
無神経だと腹を立てて、ふとその言葉の意味を考えた。
なぜぼくがﾏﾘと付き合っているのかどうかを知りたいのだろう。
傍から見ていればわかるんじゃないだろうか……特に察しの良いﾐｷﾓﾄさんなら。
疑いの眼差しでぼくはﾐｷﾓﾄさんを見た。
けれども意外なほど真摯なそれに、ぼくは胃が痛くなるのを感じた。
そう、傍から見ていればわかるに違いない――ぼくはﾏﾘと付き合っていると
言えるほどの関係じゃないって。
「わかっているんでしょう……」
俯いてそう言うと、ﾐｷﾓﾄさんが頷いたのがわかった。
「わかっているから聞くんだ。君がどう思っているのか。」
「……ぼくは、ﾏﾘにとってただの男友達、だと思いますよ。残念ですけど。」
「そうか。」
ﾐｷﾓﾄさんはそう言うと一脚を握る両手に力を込めて、おもむろに顔を上げた。
「君たちが付き合っていないなら、僕が付け入る隙もあるってわけだ？」
「……そうかもしれませんね。」
やっぱり。
ﾐｷﾓﾄさんの答えはなんとなくわかっていた。
僕への宣戦布告なんだ。
弱っちょろくて、臆病な僕なんかにﾏﾘは似合わないって、そう思ってるんだ。
「それじゃあ、堂々と言わせてもらおう。」
胃が痛い。
頭も痛い、ガンガンする。

支援

扉の外で何か音がしたような気がする。
気のせいかな。
「ﾄｵﾙ君……僕は」
言わなくてもわかってるから、放って置いて欲しい。
どうせﾏﾘもぼくみたいな奴より、ﾐｷﾓﾄさんみたいに強くて頼りになる、
大人の男の方が良いに決まってる。
「僕は君が好きだ、ﾄｵﾙ君！」
体を締め付けるゴツイ感触はなんだろう。
それにやけに男臭い……別に嫌な匂いじゃないんだけど。
「ﾄｵﾙ！！」
障害物の向こうに、大きな音をたてて扉を開けたﾏﾘがいた。
仁王立ちする彼女を見てようやく、今の自分の状態を思い出した。
「やっぱりﾐｷﾓﾄさん、ﾄｵﾙを狙ってたのね！」
「戻ってきたのかい、もう少しゆっくりしてくれば良かったのに。」
ﾐｷﾓﾄさんを睨んでいたﾏﾘは右手をぐいっと僕に差し出してきた。
「さあ、ﾄｵﾙ帰るわよ！」
「え、帰るって……」
「この男にﾄｵﾙを諦めさせようと思ったけれど、こう出られたんじゃね。
さ、ﾄｵﾙ帰るわよ……そんなクマみたいな男なんか放って置いて！」
「は……クマ？」
確かにクマに見えないこともないけれど。
「キャンキャンわめく女はみっともないな。ﾄｵﾙ君、彼女みたいなタイプは
君には合わない。僕みたいに包容力のあるタイプがオススメだよ。」
「あぁら、私みたいにグイグイ引っ張っていく女の方がﾄｵﾙには合ってるわ。
そうよね、ﾄｵﾙ！返事なさい！」
「は……はい？」
どうも僕を置いて話は展開しているらしい。

「フッ、迫力でﾄｵﾙ君を納得させようなんて卑怯じゃないか？」
「貴方も随分と自分を過大評価なさってるんじゃなくて？」
今にも切れそうな緊張の糸がピィンと張り詰めている。
「こうなったら、仕方がないな。」
「仕方ないわね。」
「力で勝負！うぉおおおおお！」
「望むところ！きぃぇえええええ！」
一体何がどうなっているのか。
ぼくだけ状況を理解できないまま、二人は目にも止まらぬ速さで技を繰り出している。
……ぼくは、ただ呆然と見守るしかなかった。

（昔の血が騒ぐ　ﾐｷﾓﾄVSﾏﾘ篇へ…続かない）

>>97
グッジョブ！
最後のマリに禿げワラ

長々とすみませんでした。
ﾈｽﾞﾐｰﾈﾀが進まないので、ひょっこりでてきた物を投下しておきます。
ﾐｷﾓﾄ×ﾄｵﾙでも、ﾄｵﾙ×ﾐｷﾓﾄでも、ﾏﾘ×ﾄｵﾙでも、ﾏﾘ×ﾐｷﾓﾄでもいける
イリアスに見せかけた拙文でつ。

>95ﾀｿ、支援ｻﾝｸｽ！

イリアスってなんだー、シリアスだーヽ(`Д´)ノ

>95=98ﾀｿ
藁っていただけて何よりです。

最高。リアルタイムで投下を見るのは初めてだけどオチがこう来るとは思わんかった。

いまさらかま２最初からやり直してるけどトオルたんは非常に萌える。
でも少年のイメージなので作中で青年と表現されるとちと違和感が。

ﾏﾘの「ぴゅでおぉぉぉぉぉう！」が思い出されて禿藁
>99ﾀｿ、モツカレです＆ごちそうさまですた(´∀｀)。

ドゥフフフフ。
変な笑いしか出てきません>99ﾀﾝ
大変おいしゅうございました。

職人さんグッショブです！(´∀｀)ｂ
オチ最高ですた！

フォシュー

出張中にネ申が！
漏れ、ウッカリ三つ巴で萌えちゃったyo！

何か〜と思って書いてたけど、とんでもない萌え神さま降臨で恥ずかしくて出せないよ。
もうちょっと気分が落ち着いたらｳﾌﾟしてもいいかな。

>>107
( *ﾟ∀ﾟ)=3　アプキボンでつ！

>>107
期待してるyo

>108-109　ｱﾘｶﾞﾄﾝ!!
連休中に推敲して、来週くらいにできたらｳﾌﾟしまつ！

大昔にスーファミでしかやった事なくて、タイトル見て初めてここ来たけど
よく判ってないのにﾐｷﾓﾄ×ﾄｵﾙで萌えた、萌えたよ。ｽﾊﾞﾗｽｨ。
冬のﾊﾗｼﾏ終わったらゲームやるよ!やり直すよ!!

下がりすぎてるので、あげまつ〜。

あげ