■■ここまでのあらすじ■■
いままで学校やバイト先の女の子にしか興味のなかった攻。
しかし、正月番組で偶然見かけた芸能人らしき美中年に一目ぼれしてしまう。
テレビの中とはいえ、同性の人間に恋をしたのは、これが初めてだった。
女の子ならスリーサイズや食べ物の好みまで熟知して付き合う攻であったが、
現実の美中年相手となると、801穴が本当にあるのかないのかも知らない程度だ。
そこで、自分の唯一の味方である愛機(パソコン)のキーを叩き、ここ「801板」の腐女子たちに
自分の惚れた絶世の美中年の名前やプロフィールを探ってもらおうと、こうしてスレッドを立てた。
当初は「21歳未満逝ってよし」等のお約束の暴言であふれかえったが、美中年マニアを自負する
数人の腐女子たちの登場により、事態は探偵ごっこの様相を見せ始めた。
彼女らの直リンクする男たちの画像と、攻の「もっと目は切れ長」「もっと頬はふっくら」などの
曖昧な反応により、探索はすすみ、ついに、攻の惚れた「麗しのおじさま」の正体はついに暴かれたのである。
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ヽ_」 ト‐=‐ァ' !
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攻が恋した相手は、こともあろうに本物のプリンスだったのだ。
「いろんな意味で勇気あるやつだとは思うが、まあ、あきらめろ」
意外すぎる結末に、多くの腐女子たちは、こんな言葉をかけるのが関の山だった。
しかし、攻はあきらめたくなかった。皇太子様のまぶしい笑顔が、皇太子様の可憐な仕草が、
脳裏に焼き付いてはなれないのだ。あのかわいらしい皇太子様を自分のものにするには、いやそれ以前に、
いとしい皇太子様に自分の想いを打ち明けるには、これからどれほどの障害を乗り越えなくてはならないのか。
攻は、一部でささやかれた「陛下の前立腺の中の人説」に一縷の望みを託すのだった。