hey!〜祭りのあとも萌え〜七
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――季節は春。
今をいそぐとばかりに、あちこちで薄紅色の花びらが咲きほこっている。
桜を見たことがある人が日本にどれだけいるだろう。
592武将も窓の外に咲く桜を見ていた。
窓の外の空気は、少し湿っているように思う。今晩は雨だろうか。
そう思った途端に、天気予報を調べてみて、今晩から雨である事を確認する。
そうやってすぐに確認せずにいられない自分に苦笑いが浮かぶ。
雨と風で桜は散るだろう。鑑賞できる期間は随分短い。
仕事と関係ない事を考えてしまうのは、疲れているせいだろうか。
仕事を終えた後の満足感と、それでも力が足りなかった自分自身への
無力感とを同時に感じていた。もっと出来たのではないか。もっともっと。
「おつかれさま」
考え事をしていたせいか、突然かかった声に驚く。
姿が見えないと思っていたはむねこ武将が、気づくと部屋の中にいた。
彼がいつ来ていつ帰っているのかは、自分ですら分からない。
ただ、そこにいる事だけを材料にして答えとするしかない。
「色々とありがとございます」
この言葉は言うべきであろうか。
本当の所は悩んだ。言うべきか悩んだ。
言うべきか言わないべきか。
言葉としてはたいして珍しい言葉であるわけではない。
ただ、今、この時、この人に自分が言う事に意味がある。
伝えきれずに後悔するよりも言って後悔する方がいい。
時々考える。言葉だけで伝える事は無理なのだろうか。
きっとすべては無理だろう。それくらいの自覚はある。
それでも、少しでも伝わるものがあればいい。
そして、きっと伝わる相手だと信じている。
きっと、その言葉を受け入れてくれると信じている。
今をいそぐとばかりに、あちこちで薄紅色の花びらが咲きほこっている。
桜を見たことがある人が日本にどれだけいるだろう。
592武将も窓の外に咲く桜を見ていた。
窓の外の空気は、少し湿っているように思う。今晩は雨だろうか。
そう思った途端に、天気予報を調べてみて、今晩から雨である事を確認する。
そうやってすぐに確認せずにいられない自分に苦笑いが浮かぶ。
雨と風で桜は散るだろう。鑑賞できる期間は随分短い。
仕事と関係ない事を考えてしまうのは、疲れているせいだろうか。
仕事を終えた後の満足感と、それでも力が足りなかった自分自身への
無力感とを同時に感じていた。もっと出来たのではないか。もっともっと。
「おつかれさま」
考え事をしていたせいか、突然かかった声に驚く。
姿が見えないと思っていたはむねこ武将が、気づくと部屋の中にいた。
彼がいつ来ていつ帰っているのかは、自分ですら分からない。
ただ、そこにいる事だけを材料にして答えとするしかない。
「色々とありがとございます」
この言葉は言うべきであろうか。
本当の所は悩んだ。言うべきか悩んだ。
言うべきか言わないべきか。
言葉としてはたいして珍しい言葉であるわけではない。
ただ、今、この時、この人に自分が言う事に意味がある。
伝えきれずに後悔するよりも言って後悔する方がいい。
時々考える。言葉だけで伝える事は無理なのだろうか。
きっとすべては無理だろう。それくらいの自覚はある。
それでも、少しでも伝わるものがあればいい。
そして、きっと伝わる相手だと信じている。
きっと、その言葉を受け入れてくれると信じている。
「どういたしまして」
さらりと投げかけてくる言葉に肩から力が抜けた。
自分では、認めたくないが、どうやら、ほんのわずかだが、緊張があったらしい。
そのわずかな緊張すら融けるのが自分でも分かった。
こういう所が適わないと思う。適うと思ったことがほんの一瞬でもあったわけではないが。
「はむねこは性格が悪いに一票」
「キングオブピュアな人の方が性格悪いと思うわけですが。
『なんのことかわっかんないなー』とか答えた方が良かったわけですか？
どちらにしても当方負けっぱなしで適いませんが」
「キングオブピュアで悪かったなー(笑)」
なんとなく甘えてみる。
「悪くないですよ。適わないと言ってるだけですのに。
『ばかぴゅあ』と言った方が良かったわけですか？」
「ばかぴゅあというのは初めて言われた気がしますが」
「初めてですか。それは、うっかり失礼」
「その通りだなあ、と思うので言い返しません」
「大切な、初めてのばかぴゅあをうっかり奪ってしまって反省しきり。
お詫びと言ってはなんですが。どうぞご自由に言いたい事をどうぞ」
「自分は言われても言い返さない方向で」
なんとなく甘やかされてみる。
「はむねこは優しいに一票」
「それがいいですね。優しい方向で」
「本当に優しいと思うわけですが…」
「いいですね。貴殿に優しい方向で」
大事にされていると言ったら、うぬぼれが過ぎるだろうか。
そばにいてくれる事が答えだと思うと言ったら考えすぎだと笑われるだろうか。
さらりと投げかけてくる言葉に肩から力が抜けた。
自分では、認めたくないが、どうやら、ほんのわずかだが、緊張があったらしい。
そのわずかな緊張すら融けるのが自分でも分かった。
こういう所が適わないと思う。適うと思ったことがほんの一瞬でもあったわけではないが。
「はむねこは性格が悪いに一票」
「キングオブピュアな人の方が性格悪いと思うわけですが。
『なんのことかわっかんないなー』とか答えた方が良かったわけですか？
どちらにしても当方負けっぱなしで適いませんが」
「キングオブピュアで悪かったなー(笑)」
なんとなく甘えてみる。
「悪くないですよ。適わないと言ってるだけですのに。
『ばかぴゅあ』と言った方が良かったわけですか？」
「ばかぴゅあというのは初めて言われた気がしますが」
「初めてですか。それは、うっかり失礼」
「その通りだなあ、と思うので言い返しません」
「大切な、初めてのばかぴゅあをうっかり奪ってしまって反省しきり。
お詫びと言ってはなんですが。どうぞご自由に言いたい事をどうぞ」
「自分は言われても言い返さない方向で」
なんとなく甘やかされてみる。
「はむねこは優しいに一票」
「それがいいですね。優しい方向で」
「本当に優しいと思うわけですが…」
「いいですね。貴殿に優しい方向で」
大事にされていると言ったら、うぬぼれが過ぎるだろうか。
そばにいてくれる事が答えだと思うと言ったら考えすぎだと笑われるだろうか。
「桜ですか」
考えに耽って黙り込んでいた事に気づく
慌てて顔をあげて、はむねこ武将の視線の先を見る。
窓の外の桜。多分、今晩の雨で散ってしまうであろう花。
「今晩は雨のようですね。そうなると、明日は無理かなあ」
「葉桜も粋かな。花だけが桜の人生でもないわけで」
「ああ。そうですね」
「まあ。こっそり抜けだして、当方はちゃっかり花見を愉しんでいたりしたわけですが」
あっさりと抜け出していたことを告白してくる相手に、ようやく自分の顔に笑顔が浮かぶ。
自分の笑顔を見て、むこうの視線が優しくなったように感じるのは気のせいだろうか。
咲き誇る時も、散り際の桜吹雪も、散った後も、それを楽しむ力が自分にあるといい。
晴れた日も雨の日も曇りの日も、それを愉しむ力が自分にあるといい。
昨日も今日も明日も、自分として立つことが出来る力が自分にあるといい。
ふと、少し湿った空気の時分は花の香りがほんのわずかばかり膨らむ事を思い出した。
そうやって、良い事も悪いこともあるがままに楽しめるといい。
目の前の人に、今思った事を話してみると、彼はおかしそうに笑ったが、否定的な言葉は
その口からは漏れなかった。
出来ると思って笑ったのか。
出来ないと思って笑ったのか。
あるいは、どちらでもないかもしれない。
結論を出す事は多分自分には出来ない。
先刻まで疲れていた自分が少し癒された事だけで充分だと思った。
風が強くなってきたのを感じて窓を閉める。この様子だと天気予報通り今晩は雨だろう。
花にあらしのたとえもあるが、花もあらしも悪くない。
今の瞬間だけは、確実にそう思う。
考えに耽って黙り込んでいた事に気づく
慌てて顔をあげて、はむねこ武将の視線の先を見る。
窓の外の桜。多分、今晩の雨で散ってしまうであろう花。
「今晩は雨のようですね。そうなると、明日は無理かなあ」
「葉桜も粋かな。花だけが桜の人生でもないわけで」
「ああ。そうですね」
「まあ。こっそり抜けだして、当方はちゃっかり花見を愉しんでいたりしたわけですが」
あっさりと抜け出していたことを告白してくる相手に、ようやく自分の顔に笑顔が浮かぶ。
自分の笑顔を見て、むこうの視線が優しくなったように感じるのは気のせいだろうか。
咲き誇る時も、散り際の桜吹雪も、散った後も、それを楽しむ力が自分にあるといい。
晴れた日も雨の日も曇りの日も、それを愉しむ力が自分にあるといい。
昨日も今日も明日も、自分として立つことが出来る力が自分にあるといい。
ふと、少し湿った空気の時分は花の香りがほんのわずかばかり膨らむ事を思い出した。
そうやって、良い事も悪いこともあるがままに楽しめるといい。
目の前の人に、今思った事を話してみると、彼はおかしそうに笑ったが、否定的な言葉は
その口からは漏れなかった。
出来ると思って笑ったのか。
出来ないと思って笑ったのか。
あるいは、どちらでもないかもしれない。
結論を出す事は多分自分には出来ない。
先刻まで疲れていた自分が少し癒された事だけで充分だと思った。
風が強くなってきたのを感じて窓を閉める。この様子だと天気予報通り今晩は雨だろう。
花にあらしのたとえもあるが、花もあらしも悪くない。
今の瞬間だけは、確実にそう思う。
くいもん部隊のスレあたりから妄想を駆り立てた結果、
ほんとおおおおおおおおおおおおおおおおに、ピュアが誰？？？って感じになりました…。
しかしながら、せっかくなので、ハズイまま投下しました。
ほんとおおおおおおおおおおおおおおおおに、ピュアが誰？？？って感じになりました…。
しかしながら、せっかくなので、ハズイまま投下しました。