「あ、ほも」と呟いた瞬間。その6

このエントリーをはてなブックマークに追加
650風と木の名無しさん
家のすぐ近くに高校があるのですが、今日は卒業式だったらしく
校門の前を通りかかった時、校庭に生徒がごった返していました。
恐らく部活やクラスごとに集まって別れを惜しんでいるのでしょう、
何だか自分も懐かしい気分になり少し立ち止まっていたところ
突如、地鳴りと共に男子生徒の大群が校門に向かって突進してきました。
慌てて道を開けて見ていると、どうやら野球部の集団の模様。
十数人の下級生が卒業生を一人担ぎ上げて、凄い勢いで校外へ。
やめろー降ろせーと暴れる卒業生も無視して走り続ける後輩達もすごく楽しそう。
面白いので暫く待っていると、学校の周りを一周して戻ってきました。
卒業生はそこで捨てるように降ろされ、下級生集団は次の標的を捕らえに校内へ戻っていったのですが。

と、その場に何故か後輩が一人残って卒業生に、大丈夫っすか?と。
床に転がって、なんだよお前らめちゃくちゃだよーと爆笑していた卒業生は
笑いながら道路に伏せて、嗚咽をあげはじめました。
後輩は卒業生の背中を撫でながら、しっかりしてくださいよーもう、と、こちらも涙目。
暫くそうやって互いの顔を見ずに泣き続けたあと、何事も無かったかのように笑って二人で校庭へ戻っていきました。

電柱の影から半泣きになってそれを眺めていた私は変質者以外の何者でもありません。