hey!〜祭りのあとも萌え〜六

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 朝、まだ風が冷たく、起きてすぐに窓を開けるのを躊躇われる。
自分だけならば、このまま惰眠をむさぶるだろう。
「…あ」
小さな呟きに飯抜けは目を覚ました。
デスクトップの前の定位置に、いつものように592武将は座っている。
ぬくぬくの毛布と布団の未練を捨てて、飯抜け武将は592武将に近づく。
彼はそれに気づかず、真剣な様子でマウスを動かしている。
モニターの中には、いつものように2chブラウザのかちゅーしゃと、
MSNメッセンジャーの窓とUDが立ち上がっている。
どうやら592武将は、また徹夜したらしい。
溜め息をひとつ落とす。
昨日、確かに592武将は今日は早く寝ると言った筈だった。
何度も繰り返してきたことだが、それが守られる事は少ない。

「あのさ」
「あ。起きてたんだ」
「あのさ」
繰り返す言葉に592武将は少し身を引いた。
この状況から来るものが何か592武将には想像がつくだろう。
そして想像がつく故に、飯抜け武将が起き出す前にパソコンの電源を切ろうと思っていた筈だ。
そんな風に彼の心の動きまでも分かってしまうようになったことは、いいことなのか悪いことなのか。
9882/2:03/02/28 05:51 ID:8PUV9cw7
「あのさ」
「うー」
飯抜け武将が何か言い出す前になんとか言い訳をしようと考えたのか、
592武将が意味の掴めない言葉を繰り返す。
どんな言い訳を彼は考えているのだろうか。
一人でうめく592武将を見て、朝起きた時にほんの少しの怒りが消えて、
逆に言い訳を待つ気持ちになってくる。
別に徹夜したわけではなく、起きたのが夜中だった。
昨日は普通に寝たから、少しくらい今日寝不足でもいいのだとか。
今、大切な作業をしているからどうしても、切れなかったんだとか。
ネットの時間を飯抜け武将に決めてもらう必要はないんだとか。
何か言い出すかと少し待つが反応もなく、このまま待てば「飯抜けが意地悪するんです」などと
言い出しかねないと思うとそれも厄介かな。
そういう思考が意地悪だと言われる所以なのかと思いながらも、飯抜け武将は口を開く。
「あのさ。寝た方がいいよ」
「…うん」
飯抜け武将がぽつりと投げ出した言葉に、592武将は小さく頷いた。
以前はもっと言い訳も意見もあった。
少しずつ繰り返される日々に、少しずつ重ねる時間に、言葉を重ねる事がなくても相手の考えが分かるような気になってきた。距離が近くなったような気も遠くなった気がして、それがいいことか悪いことか時々不安になる。
いいことのような気もして、悪いことのような気がする。
だけど、疲れた人に「寝ろ」と言った時に相手が素直に頷く関係は悪くないかな。
そう思えた。
989おまけ:03/02/28 05:53 ID:8PUV9cw7
「飯抜け武将が心配するからもう寝る」などとレスしたら、
このモニターのむこうの人達はどんな反応するだろうか。
ふと、そんないたづら心が浮かんできた。
それを実行したらどうなるのだろう。
モニターのむこうよりも先に飯抜けが怒るだろうか、泣くだろうか。
 そう思いながら、姐さんのスレを更新した。
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964 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:03/02/27 04:12 ID:0RoLOvuH
>>962
あのー。揚げていいんですか?
楊雄じゃないかとw

965 名前:無名武将@飯抜け ◆QzmSb.CrRI [sage] 投稿日:03/02/27 07:34 ID:1wVrcOvH
>>964
揚げたら旨い!かもしれません。
。・゚・(ノД`)・゚・。
くっそー楊雄殿ってちゃんと登録したのになあ。

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 また、泣いている。
飯抜けのレスを見た途端、自分でも笑いが収まらなくなる。
我ながら悪趣味だと思いながらも、飯抜けが何かぼけている
姿を見せたり・゚・(ノД`)・゚・たりする姿を見せるとほっとする。
誰もまだレスしていない事を確認する。
自分でも抑えられない気持ちとともに、うきうきと飯抜けへの
つっこみレスを書き進める。
短いレスがいいな。どんな言葉を投げかけようか。