【天下】栗本@温帯【万敵】〜ここは神楽坂1丁目

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331風と木の名無しさん
ものすごくおぼろげな記憶なので、間違っているかもしれませんが、
新聞の書評欄で温帯が書いていた強姦についての発言を読んで
なんともいやな気持になったことがあります。

たしかその本は実際の強姦事件の被害者(一部加害者)についてのレポート
だったと思うのですが、まあ、いろいろ感想を書いた最後のところで彼女が
「しかし、強姦された、ということは果たしていつも絶対に不幸なことなのだろうか」
というようなことを書いていました。
フィクション作品を取り上げて、作家としてその作品の登場人物の心理を
分析しながらのものならまあ、まったくわからないわけではありませんが、
(愉快な発言ではありませんが)
対象となっているのはノン・フィクションのレポート。
実際の被害者を取り上げたものだったと思います。
百歩譲って、実際の被害者の中には、極少数ながら
強姦されたことによる傷がさほど大きくなかった(あるいは「チャンス」ととらえた)
人もいるかもしれません。
でもそれは詳細な調査と対象に対する深い人間理解があって
最後の最後にやっと許される発言ではないかと思いました。
(それでも、本人、読者からの批判の声が上がることは大いにあり得る)
でも、あのような短い書評欄の中で、唐突にこんなことを書いてしまう温帯に
「この人はご自分のヤオイ作品と現実との区別があまりついていなのでは?」
と感じて、背筋が寒くなった記憶があります。