【801】ひろゆきの日々・3日目【テイスト】

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1風と木の名無しさん
ひろゆきの毎日を勝手に妄想して1人1行ていどの短文で
リレー小説っぽく続けてみましょう。
妄想ドリーム801テイスト展開歓迎。
荒しは無視してパス

※基本的にage進行です。(夏季・冬季・春季はこれにあらず)
※2ちゃん関連以外のナマモノは×よ♪
※あくまでこれはフィクション!ドリームです!現実を持ち込まないように!

前スレはこちら。
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/801/1028794383/

ストーリーに関係ないことを呟きたくなったらこちら
http://twech801.s2.x-beat.com/cgi/ahhan/

前スレまでの登場人物説明・語句説明・関連スレは>>2-6くらいの間のどこか。
2風と木の名無しさん:02/09/04 08:16 ID:mrN5aMrX
※※※前スレまでの主な登場人物※※※

ひろゆき 2ちゃんねる管理人。たがが外れると、エロエロの別人格ひろぽん・純情乙女ひろゆ子・攻人格「ひ」などに豹変する。
隊長   ひろゆきのことを愛している。しかし自分に懐いている弐編も捨てきれず、しばしば板ばさみに悩んでいる。
弐編   隊長を追いかけている。既に主婦と化している。
トオル  ひろゆきを一途に想っている。ひろゆき探知機のうまい棒を持つ。極端な電波受信体質。
夜勤   ひろゆきと隊長を助けたり、かと思えばひろゆきに手を出したり。。隙あらばひろゆきを手に入れようとしている。
マァブ  全日本菊本ホモ協会(別名:マァブさんを囲む会)、通称KHK会長。ひろゆきのアニャール拓を狙っている。
       配下にラーメン屋のオヤ痔やマララー犬などがいる。

特別出演:馬並(まなみ) 有料H広告URL張り付けを生業としている。隠し撮りが趣味。

※※※語句説明※※※

うまい棒=ティムポ
*=コモーン
3風と木の名無しさん:02/09/04 08:16 ID:mrN5aMrX
※※※関連スレ※※※
「【801】ひろゆきの日々【テイスト】」
http://www2.bbspink.com/801/kako/1023/10233/1023384635.html
「ひろゆき×切込隊長」
http://www2.bbspink.com/801/kako/982/982662047.html
「るんるん♪2ch801情報局」
http://www2.bbspink.com/801/kako/996/996675708.html
「るんるん♪2ch801情報局【2】」
http://www2.bbspink.com/801/kako/1008/10080/1008076761.html
「るんるん♪2ch801情報局【3】」
http://www2.bbspink.com/801/kako/1020/10209/1020954816.html
「ひろゆきやおい本が冬コミに出品されます」
http://www2.bbspink.com/801/kako/977/977900073.html
4風と木の名無しさん:02/09/04 08:28 ID:H2UabxB3
前スレまでのあらすじ

いつの間にか3人で暮らすことになった隊長・ひろゆき・弐編。
色々ごたごたはありながらも、三者三様の愛を深めていく。

そんな中KHKの陰謀をなんとか阻止した隊長とトオル。
だが、闘いは始まったばかりだ。
赤坂のマンションの窓から朝日が目にしみる。。。
5風と木の名無しさん:02/09/04 10:23 ID:qQebHzZa
やっと、ひろゆき、隊長、弐編、トオルの4人が眠りに落ちたのは、
もうお昼近くなってからだった。
6風と木の名無しさん:02/09/04 13:59 ID:btabN2Pf
そして、目を覚ました時にはもう夜だった。
7風と木の名無しさん:02/09/04 15:28 ID:MqAEMHXG
時計を見たら10時だった。
「隊長、腹減ったです〜寿司が食べたいでつ〜」
ひろゆきは叫んだ。
8風と木の名無しさん:02/09/04 15:45 ID:FzlxQzFn
「なか○で十分だ!」
隊長は言い捨て、近所のな○卯に出かけた。
トオルは家に帰って行った。
9風と木の名無しさん:02/09/04 16:20 ID:0PbAoRkx
「た・・・隊長のケチ!ハゲ!」
ひろゆきは叫ぶと、泣きながら部屋を出て行った。

「お・・・おい!ひろゆき・・・!」
(なんか関係ない一言があったぞ〜!)
10風と木の名無しさん:02/09/04 16:24 ID:1tKSQJGO
釈然としない何かを感じながらも、隊長はひろゆきを追った。
11風と木の名無しさん:02/09/04 21:28 ID:Me7Xoyvj
「待てよ、ひろゆき」隊長はひろゆきの手を掴んだ。
ひろゆきは、その手を振り払った。
「トオルタンのとこ行くでつ。トオルタンなら寿司食べさせてくれるでつ」
ひろゆきはただ、隊長を困らせたいだけだった。
隊長の愛を確かめたかったのだ。
12風と木の名無しさん:02/09/05 00:25 ID:lnZtWVYf
「・・・そうか、じゃあ、行け」
隊長はトオルの名を出され、嫉妬にまかせて心にもないことを言う。
「お前なんか、どこへでも行ってしまえ!バカチンが!!」
13風と木の名無しさん:02/09/05 00:58 ID:gAFrHZhs
予期しないことを言われたひろゆきは、言葉に詰まってしまった。
そして、次の瞬間、勢いで返した言葉は・・・
14風と木の名無しさん:02/09/05 01:18 ID:zktdIVMg
「この・・・ツ ル ッ パ ゲ !!」
一言叫ぶと、ひろゆきは隊長の手を振払い、再び走り出した。

んなにぃ〜!!俺は「ツル」っぱげではない!
そりゃ、毛は人より薄いかも知れんが、「ツル」ではないぞ!断じて!
15風と木の名無しさん:02/09/05 02:07 ID:2e+ihQ3e
「ひろゆき!取り消せーーー!!」
隊長は、更に凄い剣幕でひろゆきを追い掛けた。
16名無し:02/09/05 02:10 ID:+G1I3/5v
ハァハァ・・。

http://voo.to/manko/
17風と木の名無しさん:02/09/05 02:11 ID:2e+ihQ3e
>16=馬並も突然の展開にハァハァしながら追い掛けた。
18風と木の名無しさん:02/09/05 02:57 ID:SsX7HqZj
隊長は再び追い付き、ひろゆきを振り向かせる。
すると、その瞳には涙が光っていた。
19風と木の名無しさん:02/09/05 03:19 ID:kluRbyJd
隊長の怒りは急速にしぼんでいく。
「ひろゆき・・・」
つぶやくと、そのまま抱き締めた。
20風と木の名無しさん:02/09/05 08:07 ID:oC2UidSv
ひろゆきは隊長の腕の中で泣きじゃくる。
「この・・・バカチンが・・・」
隊長が優しく言う。
21風と木の名無しさん:02/09/05 08:53 ID:qQSiYeqW
ひ「た・・・たいちょうは俺よりお金の方が大切なんです・・・ひっく・・」
た「・・・そんなことあるわけないだろ。ひろゆきの方が大事だぞ。」
ひ「ほ・・・本当に・・・?」
た「勿論だとも。」
ひ「んじゃ、お寿司食べていい?」
た「ああ、寿司でもふぐでも好きなもの・・・」

なんだか、うまく丸め込まれたような気がする隊長であった。
22風と木の名無しさん:02/09/05 08:55 ID:qQSiYeqW
ああ、しかもひろゆきの一人称はオイラですた。。。
23風と木の名無しさん:02/09/05 09:09 ID:+41N8aOR
同年代のライバルが現れた時出現する子供返り人格「俺」のひろゆきは
ひと通り泣きやむと、弐編がまだ起き出して来ないのを確かめた。
24風と木の名無しさん:02/09/05 09:10 ID:+tUR11nE
隊長とひろゆきはマンションへ引き返し、弐編を連れて寿司屋に行った。
25風と木の名無しさん:02/09/05 09:57 ID:E5caHo1y
「へい、らっしゃい」
初めて行く寿司屋に入ると、振り向いたその店主の顔は
26風と木の名無しさん:02/09/05 10:54 ID:iffmQbes
ラーメン屋のオヤ痔だった。


彼らは双子だったのだ!!
27風と木の名無しさん:02/09/05 11:30 ID:uBvK1d7K
「あっしの顔に何かついてるかい」
驚愕する隊長の顔を、寿司屋のオヤ痔は無愛想に見る。
そして、その横のひろゆきと弐編をふと見て、好色そうな笑いを浮かべた。

双子だけに好みは同じだった。
28風と木の名無しさん:02/09/05 12:01 ID:LVr3sL8Z
「・・・いや、じゃ、忙しそうだからまた来るわ。」
隊長はイヤな予感がして、ガランとした店内を眺め、回れ右をした。
29風と木の名無しさん:02/09/05 14:03 ID:WQZcy1/A
「ええ〜!食べないんでつか!たいちょ・・・」
再びひろゆきが泣きそうな顔をする。
隊長は困りながら「違う店に行こう、な。」と囁いた。
しかし、ひろゆきはオヤ痔の顔を覚えていないのか、この店がいいとゴネる。
歩くのが面倒臭いのだった。
30風と木の名無しさん:02/09/05 17:14 ID:FY/t9hV4
頑固に動こうとしないひろゆきに、ため息をついた隊長は
「よっと」
と、ひろゆきをお姫様抱っこにした。
「た、たいちょっ。。。何するでつか!」
31風と木の名無しさん:02/09/05 18:08 ID:b6guTSPV
良スレ
32風と木の名無しさん:02/09/05 18:22 ID:eTtKwCEm
そこを通りがかった31が、二人を羨ましそうに見ている。

そんな中、隊長は自分より10キロ以上重いひろゆきを抱え、店を出た。
弐編が慌てて後に続く。
33風と木の名無しさん:02/09/05 19:08 ID:/Y62pnpk
「・・・ひろゆき・・・」
隊長が呟く。
「お前・・・太ったな・・・」
34風と木の名無しさん:02/09/05 20:44 ID:3UrQSBRg
ガーン!!
ひろゆきの頭を、鈍器が殴った。

太ったな・・・太ったな・・・太った・・・太っ・・・・ふ・・・・

隊長の声がエンドレスでこだまする。
35風と木の名無しさん:02/09/05 20:45 ID:Tc77yeSk
「がーーーん!」
ひろゆきは効果音を自分の口で言った。
36風と木の名無しさん:02/09/05 20:48 ID:IM55Az4X
間違いなくうまい棒の食べ過ぎだった。
37風と木の名無しさん:02/09/05 20:49 ID:JS4iT7Or
「ひっ・・・、ひどいでつ、隊長!!」
ひろゆきは隊長の腕から逃れると泣きながら走り去ってしまった。
38風と木の名無しさん:02/09/05 21:08 ID:iY6HyuMl
「ま・・・待て!ひろゆき!」
慌てて隊長が後を追う。
39風と木の名無しさん:02/09/05 22:23 ID:Z7diqthU
「そんなプニプニしたお前も好きだぞ〜」
後ろから隊長の声が追い討ちをかける。
(そんな言葉嬉しくないでつ!だったらいのえもんタンとか二階堂タンとかのとこに逝けばいいでつ!)

ひろゆきは無我夢中で走り続けた。
40風と木の名無しさん:02/09/05 23:42 ID:VBiVaqju
「ひろゆき?」
夢中で走っているひろゆきに、声をかけるものがあった。

家に帰ったはずのトオルだった。
トオルは一旦帰ったものの、己のうまい棒の欲求に勝つことができず、
再び導かれるままにふらふらとひろゆきの居場所に来たのであった。

トオルは、今朝のひろゆきを思い出し、頬を染めた。
あの時は4Pのドサクサにまぎれて鼻血を出す暇もなかった。

一度経験した今なら・・・二人きりでもセクースできるかもしれない・・・。
41風と木の名無しさん:02/09/06 00:03 ID:2JUn99OS
隊長に「太った」と言われたショックでひろゆきは
純情乙女ひろゆ子になっていた・・・
42風と木の名無しさん:02/09/06 01:11 ID:Yrsh35eA
「隊長がおいらのこと太ったって…。
 そんなことないでつよね?」
潤んだ目でトオルを見上げ、呟くひろゆ子。
43風と木の名無しさん:02/09/06 05:28 ID:N1wdRSvB
そんなひろゆ子に、トオルは触れることができなくなってしまった。
44風と木の名無しさん:02/09/06 06:19 ID:9zTG3WB+
そんなこんなしているうちに、隊長はひろゆきに追い付いた。
息を切らしている。
45風と木の名無しさん:02/09/06 06:44 ID:KTqsQL2v
「切込・・・」
トオルは隊長を睨んだ。
46風と木の名無しさん:02/09/06 21:31 ID:R+KGCNW6
弐編が後を追ってくる。
47風と木の名無しさん:02/09/06 22:02 ID:f3M2F3lk
「・・・お前、何ひろゆきを泣かしてんだ」
トオルが隊長に問う。
「お前には関係ないだろう。」
隊長がムッとした顔で答える。
ひろゆきはハラハラしながら二人のやりとりを見ていた。
48偽ととろ:02/09/06 22:04 ID:7/ffS/AQ
も炉画像サイトで、危険物画像が沢山だYO.
変な窓が開いたらNOで回避、画像GET

http://adult.pornparks.com/fan/
49風と木の名無しさん:02/09/06 22:05 ID:tx0KCdFo
けんかはやめて、ふたりをとめて・・・
そんなフレーズがひろゆきの脳裏をよぎった。
50風と木の名無しさん:02/09/06 22:15 ID:EFZrJmn4
しかし48=馬並は(*´Д`)ハァハァしながら二人を見守っていた。
(ああ〜、憎しみ合いながらも高まる愛情、、、いいわぁ〜vv)
51風と木の名無しさん:02/09/06 22:34 ID:XvLXWXLj
違うタイプの人を好きになってしまう、揺れる乙女心よくあるでしょう。。。

ひろゆ子はそんな昔の歌に浸っていた。
52風と木の名無しさん:02/09/06 22:41 ID:lgN1be/w
隊長とトオルはメンチを切りながら(関西弁※=ガンを飛ばす)、顔を極限まで近付けた。
53風と木の名無しさん:02/09/06 22:56 ID:O03e8hGK
そ、そんな顔近付けちゃ嫌でつ。。。

ひろゆきは嫉妬していた。
54風と木の名無しさん:02/09/06 23:02 ID:zdDhYg5r
「いやでつ〜!」
嫉妬するひろゆきは、思わずトオルの背中を突き飛ばした。
すると、トオルの唇はそのまま隊長の唇へ。。。
55偽ととろ:02/09/06 23:03 ID:7/ffS/AQ
も炉画像サイトで、危険物画像が沢山だYO.
変な窓が開いたらNOで回避、画像GET

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56風と木の名無しさん:02/09/06 23:05 ID:Q18DTPlx
きゃああああ〜〜!!
お宝よ!お宝映像よぅ〜!!!

馬並は思わず叫んだ。
57風と木の名無しさん:02/09/06 23:27 ID:Iw5B0Ziu
後を追ってきた弐編がふたりの姿を見て硬直する。
(が―ん…、トオルと隊長はじつは…。)
新たなライバルの登場(?)に愕然とする。
58風と木の名無しさん:02/09/06 23:39 ID:Yrsh35eA
「いって〜」
二人して、顔を離して口をさする。
59風と木の名無しさん:02/09/06 23:48 ID:K8Sd0rZH
強い視線を感じ、隊長が恐る恐る振り向くと、
そこには、涙に瞳を濡らしたひろゆきの顔…そして
怒りに包まれ、般若のごとき面相と化した弐編の姿が。

そして、キスの余韻にひたっているトオル。
60風と木の名無しさん:02/09/07 00:03 ID:a+OV2I/n
「かたじけない・・隊長殿。心よりの感謝を申し上げる」

「ハァ???」
開口一番のトオルの言葉に、居合わせた3人全員の頭の上に
クエスチョンマークが浮遊している。

「今の貴方のキスで、悪い魔女の呪いが解けたようです。」
61風と木の名無しさん:02/09/07 00:11 ID:8LPopUMo
「もう一回ショックを与えた方がいいかもな」
深く考えずに、隊長はトオルの頭をぐーで殴り倒した。

「…痛そうでつ」
「うわ…」
弐遍とひろゆきは顔をしかめて倒れたトオルを見下ろした。
62風と木の名無しさん:02/09/07 00:20 ID:NHg3RnEq
倒れたトオルをそのまま放って帰るわけにはいかない。
しかし、マンションに連れ帰るのもいやだ・・・。

隊長は、トオルを担ぎ、ずるずると足を引き摺らせながら、すぐ近くのホテルに入った。
63風と木の名無しさん:02/09/07 00:26 ID:NHg3RnEq
「た・・・隊長、オイラも行くです!」
「ぼ・・・僕も・・・」
ひろゆきと弐編が不安げに後を追おうとする。
しかし、隊長は二人を制すと、トオルを引き摺ってホテルの入り口に行った。

(二人を連れてこんなとこ入ると、一体どんな展開になるかわからんからな・・・)
隊長は朝の4Pを苦々しく思い出していた。
二人の内、どちらでも、トオルに渡すのはイヤだ。
64風と木の名無しさん:02/09/07 00:31 ID:bVT//uKn
隊長は、自分が前スレ858-897でされたことはすっかり忘れている。
・・・というより、記憶から無理矢理消去した、と言った方がいいだろう。
65pa:02/09/07 01:04 ID:ALMjOok2
ちんこ

http://www3.coara.or.jp/~knyacki/

しみじみ

はあ〜
66風と木の名無しさん:02/09/07 07:42 ID:URBkp3C8
65=馬並はあまりにも美味しい展開にハァハァしっぱなしだった。

トオルが目を覚ますと、ピンク色の薄暗い証明の中、ダブルベッドの上に独りで横たわっていた。
まだ意識がもうろうとする。(ここはどこだろう・・・。)

「やっと目を覚ましたか。じゃ、帰るぞ。」
隊長は立ち上がり、ドアへと歩く。
トオルは起き上がろうとするが、頭痛に苛まれて起きることができない。
隊長は仕方なしに、再びベッドの横に立った。

「・・・歩けんのか?」
ちょっと強く殴り過ぎたかな、と思い、ちょっとした罪悪感が湧いて来る。

67風と木の名無しさん:02/09/07 07:56 ID:MrzgA6FV
隊長は、手持ちぶさたになった。
ニュースでも見ようと思い、テレビをつける。
しかし、流れているのはエロビデオだけである。
「チッ」
舌打ちをしながら、チャンネルをそのままにしてリモコンを置いた。
そのチャンネルはホモチャンネルだった。

・・・朦朧とした意識のトオルの頭に、ビデオの電波が舞い降りた。
ベッドに寝転がりながら、目が座って来るトオル・・・・。

そんなことに気付くよしもない隊長は、ベッドの上のトオルの顔を覗き込んだ。
手をトオルの額にあてる。

ふいに、トオルの手が、隊長の手首を握り、そのままベッドに引き倒した。
「うぉっ!!??」
驚く隊長に構いもせず、そのまま組み敷く。

「何しやがんだ!ト・・・」
言いかける隊長の唇を塞ぐ。
舌を絡められ、隊長の脳裏に、前スレ858-897の記憶が蘇る。
背筋にピリピリとしたものが走り、全身の力が抜ける。

68風と木の名無しさん:02/09/07 08:01 ID:GZiUrMBs
その頃、ひろゆきと弐編はホテルの下で佇んでいた。
「隊長、遅いでつね・・・。」
「大丈夫かな・・・。」
「よし!ちょっと入ってみるでつ!」
ひろゆきは弐編の手を引き、ホテルの中へと入った。

小さく開いたフロントの窓枠の中にいるであろう従業員に声をかける。
「さっき入って来た男の二人連れの部屋を教えて欲しいでつ」
「おや、ひろゆきさんじゃないですか。」
中から聞き覚えのある声が。」

そこは夜勤のバイトしているホテルだった。
69風と木の名無しさん:02/09/07 08:39 ID:q0AvP/ED
「どうぞ」
それだけ言って、夜勤はひろゆきに部屋の鍵を渡した。

「ありがとうでつ!」
キーに番号が書かれてある部屋に入ってみる。
しかし、そこにはピンクの照明の中、ベッドが浮かび上がるばかりで、
隊長も、トオルの姿も見えない。
「あれ〜?夜勤さん、何か勘違いしたのかな・・・。」
ひろゆきは呟きながら、隣の弐編と顔を合わせた。

夜勤は、フロント脇に備え付けてあるモニター(防犯用)を見ながら、微かに口の端を上げる。
隊長の元へひろゆきを逝かせる気など毛頭なかった。

部屋のピンク色の照明に、ひろゆきは変な気持ちになってきた。
弐編の顔もピンクに染まり、瞳は潤んで見える。もちろん照明の所為なのだが。

「弐編タン・・・」
弐編の肩を掴み、顔を近付ける。
「な・・・何してんだよ!そんな場合じゃないだろ!」
真っ赤に怒る弐編も、殊更愛らしい。
ひろゆきはそのままベッドに押し倒した。
70風と木の名無しさん:02/09/07 08:47 ID:XHy7XFhS
弐編の抵抗も最初だけだった。
唇を吸っているうちに、手がひろゆきの背中に回る。
服を脱がせると、持ち上がったうまい棒。
「こんなになってるでつ・・・。」
ひろゆきはそれにそっと口づけた。

「ん・・・っ」
弐編の咽が鳴る。
その声がひろゆきの欲望を駆り立てる。
「弐編タン・・・」
囁きながら、弐編の腰を持ち上げた。
71風と木の名無しさん:02/09/07 09:01 ID:wYBl+GbO
電波受信状態になったトオルに、抵抗しても詮無いことは前スレ858-897でよくわかっている。
諦めにも似た気持ちが、隊長を支配する。
・・・その前に、快感が身体を支配して動けないのだが。

シャツをめくりあげられ、ファスナーを降ろされ、臍の辺りから局部に渡って舌で弄られる。
「くっ・・・」
屈辱とも快感ともつかない声が漏れる。
トオルは中から隊長のうまい棒を取り出すと、それに舌を這わせた。

(俺もそろそろ年貢の収め時か・・・)
隊長はよくわからないことを考えながらも、昇ってくる感覚に身を任せた。
72風と木の名無しさん:02/09/07 09:28 ID:5VfzlImG
「・・・ひろゆき・・・」
電波受信状態のトオルは、隊長に呼び掛ける。
「・・・だから、俺ぁ・・・ひろゆきじゃね・・・って・・・」
喘ぎながらやっと放つ言葉はトオルの耳には届かない。
手はいつの間にか、自分の下半身に降りたトオルの頭を抑えている。

そして、とうとう、トオルの口の中に、自らの精製物を吐き出した。
涙目になって肩で息をする隊長を休ませもせず、裏返しにする。

膝を立たせて、自分の目の前にある*に舌を潜らせる。

「・・・っ!!」
それまで感じたことのない・・・いや、正確には記憶の隅におしやっていた
前スレ858-897での感覚が隊長を襲う。

73風と木の名無しさん:02/09/07 12:52 ID:E2duDNHK
そのときベットの端でヤッていたひろゆきと弐編は、ある拍子にベットからずりおちた。
その衝撃でボロホテルの床に穴があいた。
「うわあぁぁぁ―――…」
下の階は隊長とトオルの部屋だった。落ちた先には隊長の*を舐めるトオルが…。
ドスンッ! 
トオル「ぐえっ!!」
74風と木の名無しさん:02/09/07 14:45 ID:96GD+9xy
天井とトオルの間には、屋根裏で隊長とトオルを撮っていた馬並が挟まっていた。
75風と木の名無しさん:02/09/07 15:02 ID:KBOUKpSD
「あ・・・たいちょ・・・」
「あ・・・」
ひろゆき、隊長、弐編の3人が気まずそうに顔を見合わせる。
天井が落ちた拍子に、テレビのリモコンにあたり、エロビデオのスイッチは切れていた。

隊長は真っ赤になり、下半身丸出しのまま、同じく下半身丸出しのひろゆきと弐編に体当たりした。
76風と木の名無しさん:02/09/07 15:27 ID:TDzsf7RB
「た・・・たいちょ、危ないでつ・・・」
ベッドの上は、天井の破片が散っている。
早く、ここからどかないと、怪我をする恐れがある。

隊長は無言で浴室に行くと、トオルの愛撫の痕を洗い流すように、自分の肌をゴシゴシとこすった。
(全く!何をしてるんだ、俺は!)

「たいちょ・・・?」
ひろゆきと弐編がガラス張りの扉をそーっと開ける。
77風と木の名無しさん:02/09/07 15:41 ID:iaB6/ggc
隊長は心配げに見る二人に気づいた。
愛しさがこみあげる。

二人を中へ手招きすると、しっかりと抱き締める。
「・・・さ、お前らもシャワー浴びちまえ。一緒に帰ろうな・・・。」

言いつつ、二人を抱かかえたまま、いつまでも顔を上げなかった。
78風と木の名無しさん:02/09/07 15:55 ID:GFYLN33B
「たいちょ・・・泣いてるんでつか・・・?」
いつまでも顔を上げない隊長に、ひろゆきは恐る恐る訊いてみる。

「この俺様が泣くわけなかろう、バカチンが〜〜!!」
隊長は顔を上げる。
シャワーを上から浴びながら、その眼は真っ赤だった。
79風と木の名無しさん:02/09/07 19:44 ID:r5ODAboS
隊長はひそかに、一度受を経験してみたいという気持ちに
なりはじめた。
80風と木の名無しさん:02/09/07 23:43 ID:KOjM4tVl
しかし、その場合でも俺が身体を預けるのはひろゆきか弐編のどちらかだ。
トオルなどではない!断じて!

そうは思っても、トオルの愛撫を思うと身体が疼くのであった。
81風と木の名無しさん:02/09/08 00:13 ID:1VkonlnK
隊長はその気持ちを打ち消すように、弐編の身体を引き寄せた。
こんな時には弐編だ。
こいつの、生まれた時からの受性に触れると、自分は元の攻性でいられる。

隊長は闇雲に弐編の体中にキスの雨を降らせた。
しかし、それを見せられているひろゆきは面白い訳はない。
82風と木の名無しさん:02/09/08 00:30 ID:JG6iI/PW
(なんでつか…。また弐編くんでつか…?)

ひろゆきの中ににふつふつと嫉妬という怒りが込上げてくる
83風と木の名無しさん:02/09/08 00:36 ID:W5tNhqU4
だが、この嫉妬は誰に向けられたものなのだろう。
隊長も弐編も好きだ。
二人と身体を合わせることは、自分にとって至上の幸福だ。

自分の、この炎々とした感情は誰に向けられているのだろう・・・。

いや、もしかしたら、寂しいのかもしれない。
自分だけが仲間はずれにされたような寂しさ・・・。
84風と木の名無しさん:02/09/08 00:43 ID:SKuLA63L
そうしている内にも、隊長はいつの間にか浴室の床に横たわり、弐編が痛くないように
自分の手を背中に差し込み、抽送を繰り返している。

上を向いている弐編の口が何かを求める。
喘ぐ弐編の姿に、ひろゆきのうまい棒もなにやら固く、大きく膨らんで来る。

ひろゆきは、それを、その弐編の紅い舌のうごめく口の中に入れた。
85風と木の名無しさん:02/09/08 00:51 ID:O2rOUyz0
寝転がり上を向いたまま、下半身から押し寄せる、隊長による波と
いきなり口を塞がれた息苦しさで、弐編は気が狂ってしまいそうだった。

それでも、本能的にひろゆきのうまい棒に舌を這わせる。
「はぅん・・・」
ひろゆきは弐編の舌使いに高められながら、目の前にある隊長の唇に舌を絡めた。
86風と木の名無しさん:02/09/08 01:12 ID:WAkURNhW
その様子を、先程の落下の衝撃でハンディカムが
壊れてしまっていることに全く気がついていない
馬並が密かに撮影していた。

まだ電波の影響が覚めていないトオルに
背後から狙われていることにも気付かずに・・・
87風と木の名無しさん:02/09/08 01:14 ID:ADt2dZ2a
隊長は、ひろゆきに応じながら、弐編をも高めていく。
抽迭を繰り返しながら、一杯になった弐編を掌で逝かせた後自らも最終段階に入る。

腰のスピードが早まり、パンパンと弐編をうつ音だけが浴室に響き渡る。
ひろゆきに口を塞がれた弐編は、持て余す欲情をその舌に放出する。

やがて、隊長の動きは止まり、脈動だけが残った。
隊長はぐったりとして、弐編から離れると、白濁色の液汁が*からどくどくと溢れる。
その感触に、弐編は未だ悶えていた。

ひろゆきは弐編の口から己のうまい棒を離し、下半身へ回り込む。
そして、その肉棒を弐編につきたてようとした。

(そうか・・・今なら・・・)
思い付き、ひろゆきを制す。
途中で止められて欲求不満のひろゆきが振り返る。

隊長は、そのうまい棒を己の*に導いてみた。
88風と木の名無しさん:02/09/08 01:19 ID:JG6iI/PW
「た・・たいちょ・・・?」
思いがけぬ隊長の行動にひろゆきは顔を上げる

その時…!
89風と木の名無しさん:02/09/08 01:36 ID:r4LcS2yE
「うわあああ!!!!」
部屋に響き渡ったのは、馬並の叫び声だった。
90風と木の名無しさん:02/09/08 01:48 ID:PEJlrCs/
馬並は自分のハンディカムが壊れていることに気付いたのだった。
「あああ〜〜、アタシのハンちゃんが〜・・・(これで5台目・・・)」

その馬並の叫び声で、トオルは電波状態から目が覚めた。
電波を発していたエロビデオも最早止まり、トオルを操るものはない。

トオルは、明かりのついている浴室のドアを開けてみた。
91風と木の名無しさん:02/09/08 01:51 ID:7XlDFO4Z
そこには、戸惑いながらも、今しも隊長の*にうまい棒を差し込もうとしているひろゆきがいた。
(他にもいたが、トオルにはひろゆきしか見えていない)
92風と木の名無しさん:02/09/08 05:58 ID:KbdgeJgO
(ひ・・・ひろゆき!!)
トオルは、頭をなにものかに殴られたような気がした。

お・・・お前は・・・
そうなのか・・・
お前は攻だったのか〜!!??
よし・・・わかった・・・
俺も覚悟を決めよう・・・
お前になら・・・お前にならこの俺の愛らしい菊門を捧げようじゃないか!!
しかし、痛くはしてくれるなよ、初めてなんだから・・・。

トオルの頭をそんな妄想が駆け巡る。
93風と木の名無しさん:02/09/08 06:33 ID:Ev90b8Q3
トオルに、そんな現場を見られて見る見る顔を赤くする隊長。

(はっ!何俺は真っ赤になってんだ!!たかがトオルだろうが!)
いや、誰でもそんな現場見られたら普通恥ずかしいです、隊長・・・。
94風と木の名無しさん:02/09/08 06:51 ID:Ipc8SGSn
「・・・何見てやがんだ。あっちに行け。」
佇むトオルに、ますます赤くなりながら隊長は言葉を投げ付ける。
95風と木の名無しさん:02/09/08 07:13 ID:sYuT78N/
目の前にはいきり立ったトオルのうまい棒が脈打っている。
96風と木の名無しさん:02/09/08 07:50 ID:tuuG6y0j
隊長は自分の上に乗せているひろゆきの身体をどけ、それにパクついた。
「うっ!」
思いもかけない隊長の攻撃に、トオルは声を上げる。

おさまらないのはひろゆきだ。
(オ・・・オイラのこのうまい棒はどうしてくれるんでつか〜!!)

ひろゆきの瞳に涙が浮かんでくる。
それに気付いた弐編が、ひろゆきの瞼に舌を這わせた。
「弐編タン・・・」
ますますひろゆきの涙は止まらなくなる。
弐編は、そんなひろゆきを母のように抱き締めた。
97風と木の名無しさん:02/09/08 08:10 ID:tuuG6y0j
隊長の挑戦的な瞳がトオルを見上げる。
普段ならムカつく視線だが、今のトオルには挑発されているようにしか見えない。
(なんだなんだ、どうしたんだ、切込の奴・・・)

自分が隊長にしたことは覚えていないながらも、普段気付かなかった、
隊長の発するフェロモンに絡め取られ、心臓がバクバクと鳴り、熱く滾った血流が
頭と、隊長に銜えられているうまい棒に立ち上ってくる。
98風と木の名無しさん:02/09/08 08:26 ID:poyC4ccJ
隊長は必死だった。
態度にこそ現れないが、これが自分を救う唯一の方法だと信じて疑わなかった。

ここでトオルを逝かせて、対等な立場に立つ。
それこそが、自分に残されたたった一つの道なのだ。

いや、自分だけが、こんなにトオルに振り回されるのは我慢ができない。
トオルにも、自分のことを忘れられないようにさせてみせる!
99風と木の名無しさん:02/09/08 11:38 ID:KPfa3M1l
しかし、それを見ているひろゆきの心の中にはもやもやとしたものが沸き上がって来る。
嫉妬にも似たその感情は、ひろゆきの奥深い部分を支配して抑えられなくなった。

弐編に抱き締められながらも、どんどんと涙は溢れる。
ひろゆきは唇を噛み、目を閉じた。
100風と木の名無しさん:02/09/08 11:41 ID:TWnttW+m
そして、弐編の腕を振り払うと、隊長の後ろから腕を回した。
「たいちょ・・・やめて下さいでつ・・・」

ひろゆきの泣き声に隊長は振り返る。
101風と木の名無しさん:02/09/08 12:30 ID:PPJVFj2q
ひろゆきの顔を見ると、隊長は自分がとても恥ずかしいことをしているような気がしてきた。
そして、ひろゆきへの罪悪感が湧いて来る。

(俺は・・・何をしてるんだ・・・)
ひろゆきを抱き締める。

「・・・すまん・・・すまんかった・・・ひろゆき・・・」
ひろゆきは何も言わない。
102風と木の名無しさん:02/09/08 12:51 ID:U94dxqbF
(隊長・・・やっぱり、隊長の腕の中は温かいでつ。。。)
103風と木の名無しさん:02/09/08 13:05 ID:Xq6XyGi/
顔を上げ、隊長の唇に触れる。
何度か、ほんの一瞬触れるだけのキスを繰り返すうちに、
段々と身体が熱くなってくる。

合わさっている胸と胸が情熱を駆り立てる。

104風と木の名無しさん:02/09/08 14:34 ID:gBbfw/aK
隊長の舌がひろゆきの唇の中に滑り込んで来る。
ひろゆきはそれを自然に迎え、絡める。

抱き合いながら、ゆっくりと浴室の床にひろゆきを横たえる。
105風と木の名無しさん:02/09/08 15:17 ID:n06XhTux
ずっとシャワーの音だけが響く中、隊長はひろゆきを優しく愛撫し続けた。
106風と木の名無しさん:02/09/08 15:52 ID:wYtXcne2
そんな二人の姿を見ながら、トオルはムラムラしてきた。
目の前には、かがんでひろゆきを吸い続ける隊長の丸出しの、お★し★り★

(いや、イカンイカン・・・俺はひろゆきだけなんだ・・・)
トオルは左右に激しく首を振る。
107風と木の名無しさん:02/09/08 16:30 ID:fJUNFrMt
弐編は、隊長とのエチーの余韻もあり、しばらく浴室のタイルの上にペタリと座り込んでいたが、
やがて隊長と一緒にひろゆきの身体を唇で弄り始めた。
「あふ〜ん・・・」
ひろゆきの口からよがり声が上がる。

その声がトオルの煩悩を刺激する。
(ああ・・・ひろゆき・・・俺は一体このうまい棒をどうすれば・・・)
108風と木の名無しさん:02/09/08 16:34 ID:1tUmdIf6
しかし、トオルは隊長の尻から視線を外すことが出来なかった。
形の良い引き締まった尻、小刻みに揺れる腰。
そして、その尻から時折ちらりと見える*。

(…まさか、俺を誘っているのか切込〜!?)
109風と木の名無しさん:02/09/08 16:44 ID:jzc7hmy4
隊長の足の隙間からは揺れるたこやきが垣間見える。
トオルは、後ろからその二つの柔らかい袋を掌に包んでみた。
一生懸命ひろゆきを舌で愛撫する隊長の身体がピクリと揺れる。
110風と木の名無しさん:02/09/08 16:45 ID:sHB1cafF
考えるよりも先に、トオルの両手が隊長の双丘に手をかける。
一瞬隊長の動きが止まったかのように思えたが、トオルはそんなことを気にせず双丘を割り、
*に舌を這わせる。
111風と木の名無しさん:02/09/08 17:05 ID:LKMZ5868
隊長は、自分の*にトオルを感じながらもなんとかひろゆきの愛撫を続けた。
しかし、トオルの舌技は、想像を絶している。

やがて、隊長の手足は震えだし、喘ぐ舌だけが、かろうじてひろゆきを弄り続けるのであった。
112風と木の名無しさん:02/09/08 17:13 ID:hq2sjrNm
ひろゆきは、隊長の愛撫が自分から離れたのを感じた。
いや、自分から物理的に離れたのではなく、隊長の愛撫に心が入っていないと感じたのだ。
自分を抱き締めながら、何かに耐えているような感じがする。

ひろゆきは、トオルが隊長を愛撫していることに気付いた。
113風と木の名無しさん:02/09/08 23:59 ID:MkM1NGYp
「トオルタンやめるでつー」ひろゆきが叫んだ。

しかしトオルは隊長の*にうまい棒を挿入しようとしていた。
隊長は次にくるであろう痛みの予感に身構えた
114風と木の名無しさん:02/09/09 00:50 ID:WxQJJ1kv
(ト・・・トオルタンに犯られるくらいなら・・・)
「オイラが犯るでつ〜!!」
ひろゆきは一声叫ぶと、身体が強張り動けなくなった隊長と身体を入れ替えた。
泣きながら、隊長の*にそそり立つうまい棒を挿入しようとする。
115風と木の名無しさん:02/09/09 01:13 ID:Ti4RGfyO
そこへ、止まらなくなったトオルのうまい棒が突入。

「あふ〜んっ!!」
ひろゆきの一際大きな声が浴室に響いた。

そう・・・トオルのうまい棒はひろゆきの*に入ってしまったのだった・・・。
116風と木の名無しさん:02/09/09 01:22 ID:Ti4RGfyO
思いもかけない場面で想いを遂げたトオルは、そのまま固まってしまった。
隊長が後ろを振り返り、呆然としている。
ひろゆきも、お湯の温もりに弛緩しているとはいえ、突然入ってきたうまい棒に
戸惑っていた。しかし、身体は勝手に反応して声が出てしまったのである。

「ひ・・・ひろゆき!!」
ひろゆきの声に、隊長は我に還り、トオルのうまい棒から引き離す。
身体が硬直しているトオルから、ひろゆきはすぐに離れた。

「・・・すまん・・・すまん、ひろゆき・・・俺の所為で・・・」
隊長がひろゆきを抱き締めて泣いている。
117風と木の名無しさん:02/09/09 01:22 ID:5QmftRpS
「抽」=「抜く」
「迭」=「するりと入れ替わる」

まさに、「抽迭」の現場であった。
(イヤ意味が違うと思うが)
118風と木の名無しさん:02/09/09 01:35 ID:swV28Vle
馬並は、浴室の隙間から一部始終を覗き、(*´Д`)ハァハァしていた。
(ああ〜!!こんないいシーンが撮れないなんて!!)
唇を噛む。
馬並の馬並なうまい棒(まなみのうまなみなうまいぼう)はおったったままである。

(この際だから、みんなやっちゃいなさ〜い!!)
そんなやけくそな馬並の電波が、呆然としているトオルを襲った。
119風と木の名無しさん:02/09/09 01:51 ID:h5+jqukP
みんな・・・やる・・・みんな・・・犯る・・・犯る・・・!!

馬並の電波がトオルの頭に響き渡る。

隊長とひろゆきが抱き合っている、ちょっと離れた所で一人でいる弐編の手首を掴んだ。
「な・・・!」
隊長がそれに気付き振り返る。
電波受信・無敵状態のトオルに、非力な弐編が抵抗できるわけはない。
声を出す前にあっという間に身体を返されて、自らの*をトオルの前に晒す。
そこへ、トオルの舌が滑り込む。
「・・・い・・・いゃ・・・」
弐編の声は、既によがり声にしか聞こえない。

隊長はトオルの肩を掴み、弐編を助けようとした。
120風と木の名無しさん:02/09/09 01:58 ID:iV1pYG/K
トオルは隊長を振り返り、そのまま押し倒した。
「うわっ!」
ゴン!
固いタイルの上に後頭部をしたたか打ち付け、頭がくらくらする。
頭を抱えてうずくまる隊長に、電波受信状態のトオルは容赦なくのしかかった。
121風と木の名無しさん:02/09/09 02:58 ID:F0L3Qxci
頭がくらくらして身体に力が入らない。
そんな隊長をトオルの妙技が襲う。

「や・・・やめるでつ〜!!」
ひろゆきと、なんとか立ち直った弐編は、力を合わせてトオルを隊長から押し退けようとする。
しかし、トオルは蚊に刺された程も感じない。
122風と木の名無しさん:02/09/09 09:17 ID:jhMxbRR+
そうこうしているうちに、トオルは動けない隊長の足を持ち上げる。
123風と木の名無しさん:02/09/09 09:48 ID:bxph9ZDY
(うひょうううう〜!オイシイ!オイシイわ!ああ!アタシのカメラが壊れてるのが悔やまれる・・・
車に替えのカメラを取りに行きたいけど、でも一瞬たりとも見逃したくないし。。。)

馬並はジレンマに陥っていた。
124風と木の名無しさん:02/09/09 10:14 ID:T2oh4ucx
ぐったりと抵抗しなくなった隊長の半勃ちのうまい棒を扱く。
隊長は両腕を顔の前で組み覆いつつも、腰をピクピクと痙攣させる。
腕の下では必死に声が出ないように唇を噛んでいる。

どんなに必死に我慢しても、頭の外部からの刺激痛と、トオルに擦られて身体の奥から
沸いてくる快感には勝てるものではない。

トオルは、いつの間にか口の中に隊長のうまい棒を入れ、敏感な部分に舌を挿れ、這わせた。
125風と木の名無しさん:02/09/09 11:33 ID:sOP2O6ss
隊長は絶対に声を出すものかと歯を食いしばる。
頭の痺れは既に取れているが、手足に違うしびれが走り、身体は動かない。

「・・・ひろゆき・・・」
トオルが隊長に呟いた。
「な・・・なんでつか、トオルたん・・・?」
隊長を愛撫したままびくともしないトオルにしがみつきながら、
ひろゆきは自分が呼ばれたと思い、答えた。
126風と木の名無しさん:02/09/09 11:54 ID:QbcqB8Mw
瞬間、トオルの動きが止まり、ひろゆきを振り返る。

腕で覆った隊長の目の端には涙が滲んでいる。
127風と木の名無しさん:02/09/09 12:55 ID:bkJ4LeSQ
「・・・ひろ・・・ゆき・・・?」
拡散していたトオルの瞳孔が絞れてくる。
しかし、瞳の奥に潜む電波の色はまだ顕である。

トオルは隊長から手を離し、ひろゆきへと迫っていった。

隊長はまだ動けないでいる。
128風と木の名無しさん:02/09/09 13:04 ID:fxZHZ+0E
隊長の目の隅に、今しもトオルに押し倒されようとしているひろゆきが映る。
(た・・・助けないと・・・)
しかし、鳴動するうまい棒と、痺れる手足で、起き上がることができない。

「・・・トオル・・・ッ!!」
やっとそれだけ言うと、起き上がりきれないままトオルの肩を必死で掴む。
トオルは隊長の方を再び振り返った。

「・・・なんだ、挿れて欲しいのか、ひろゆき」
トオルは再び錯乱した瞳に笑みを浮かべて隊長を見る。
129風と木の名無しさん:02/09/09 13:37 ID:JY+qv2wu
開き切らない瞼から覗く潤んだ瞳をトオルに向ける。
唇も半開き状態で息だけが荒い。
(くそ・・・っ)
隊長の頭に悔しさがこみ上げる。

ここまでか・・・ここまでなのか・・・。

自分が逃れると、トオルはひろゆきを襲うだろう。
力では敵わなくなっている今、自らを犠牲にして、二人を逃がすしかないのか・・・!

しかし、そんな諦めにも似た気持ちとは別の、この立ち上ってくる感覚はなんだ。
トオルの手を、唇を、舌を・・・肉棒を待ち望むような、心とは別の、そう、
カラダから沸き起こってくるこの感情は・・・。

隊長は、トオルに身体を開かれるままに、唇を噛みながら、眼を閉じた。
130風と木の名無しさん:02/09/09 14:55 ID:W9QxFHpH
(いやあああああ〜〜!!)
馬並は心の中で叫んだ。
こんないいシーンは是非ともファインダーに収めておきたい。
車まであと5分・・いや、3分あれば行って帰って来られる。

今のトオルならそのくらいもってくれるだろう。

馬並は浴室の前を離れ、急いで車に走った。
131風と木の名無しさん:02/09/09 14:58 ID:tLIq8t8E
そして、馬並からトオルに発せられていた電波が途切れた・・・。
132風と木の名無しさん:02/09/09 15:40 ID:+hUQx+GK
不意に周囲の空気が静まったのを感じ、隊長はゆっくりと瞼を開いた。
そこには呆然と隊長を見つめるトオルの姿があった。
133風と木の名無しさん:02/09/09 15:43 ID:Y4eFn7bG
トオルは目の前の光景に驚愕した。

自分のすぐ前(というか、下)には、目を閉じ顔を背けて歯を食いしばっている隊長。
そして、自分はその腰を持ち上げ、今にもうまい棒をぶち込もうとしている。
その、隊長を支えている腕を両側から抑え、一生懸命放させようとしているひろゆきと弐編・・・。

(・・・なんだ・・・なんだこれは・・・)
トオルの頭の中を色々な色彩が渦を巻く。

「・・・・・・」
呆然として動きが止まっていたトオルの口が開く。

「ン・ノオオオオオオオオオオオオオ………!!」
そして、両手で頭を抱え、力の限り叫んだ・・・。
134風と木の名無しさん:02/09/09 16:05 ID:1ivquJdl
「ト・・・トオル・・・?」
隊長はあっけに取られながら叫ぶトオルに声をかけ、ひろゆきと弐編を自分の後ろへ庇った。
まだ足腰はガクガクと震えている。

135風と木の名無しさん:02/09/09 16:12 ID:PQ4hpMHN
隊長は、二人を浴室の外へ逃がし、頭を抱えてうずくまるトオルと対峙した。
136風と木の名無しさん:02/09/09 16:45 ID:MbycxJ0V
(くそっ・・・まだ体が動かん・・・)
隊長は唇を噛む。うまい棒はまだ半分勃ったままである。
自分の身体がこんなにも脆いものだったとは。

隊長はタイルの上に片膝をたて、片足を伸ばしたまま壁に凭れ、
屈んだままのトオルを睨めつけた。

(はあはあ!トオルたんったらまだガムバッテるかすぃら〜♪)
息急き切って馬並が戻ってきた。
手には替えのハンディカム。

137風と木の名無しさん:02/09/09 16:51 ID:MDAolfvA
馬並は、浴室のドアが固く閉じられ、ひろゆきと弐編が心配そうに佇んでいるのを見ると、
屋根裏へと上った。

(あああ〜〜!!一体中では何が起こってるのかすぃら〜vvた・・・楽しみだわぁ〜!
トオルたん、ファイトよぉう〜〜!!)
138風と木の名無しさん:02/09/09 17:35 ID:24TD7DLS
またしても発信される電波。

ゆんゆん〜
139風と木の名無しさん:02/09/10 00:45 ID:QRWapZxY
「き・・・切込・・・俺は一体何をしたんだ・・・?」
「お前、全然覚えてないのか。」

ホッとしたような、なんだか悔しいような感情が湧いてくる。
こいつは、俺にしたことを、記憶の隅にでもとどめていないのだ。
140風と木の名無しさん:02/09/10 01:16 ID:+G4FTy82
(い・・・一体俺は・・・)
トオルは頭を抱えて考え込んだ。
そんなトオルを、屋根裏から発信された馬並の電波が襲う。
141風と木の名無しさん:02/09/10 01:53 ID:gNCprIkO
だが、今度はトオルの意識もしっかりしており、簡単にはその電波に支配されない。
頭の中に、馬並の電波が響き渡るのを感じる。

(な・・・なんだ、この思考は・・・切込を犯っちまえと言っている・・・
いや、言っているのではないな、そう強く念じているんだ・・・)

やっとトオルは、自分と隊長以外の第三者の意思が働いていることに気がついた。
142風と木の名無しさん:02/09/10 02:38 ID:Rdu3WtBm
トオルは天井を見上げる。
屋根裏から小さな穴を開けてカメラを向けている馬並は見つかったかと思い、ドキリとした。

しかし、トオルはすぐに隊長に視線を戻した。

その細く締まった手足には服の上から見るのよりも、筋肉がついている。
無駄な脂肪がなくくびれた腰の上方には、あばら骨が浮き上がっている。
小さな胸の突起はピンク色に染まり、冷えたのか、自己主張をしている。
反対に、うまい棒は既に縮み、それがことさらに隊長の姿を小さく見せる。

(こいつ・・・こんなに華奢だったんだ・・・)
馬並の微弱な電波も相まって、トオルの心の中にもやもやとしたものが沸き起こる。
143風と木の名無しさん:02/09/10 02:52 ID:uakeU6nk
視線を感じる。
(くそ!何見てやがんだ、こいつ)

その中には馬並の(*´Д`)ハァハァ視線も含まれているのであるが、隊長には
その視線が全てトオルから発せられたもののように感じられた。

浴室の壁に貼られてある大きな鏡に映る自分の姿に気付き、ハッとする。
シャワーに濡れた髪の毛が・・・ペタリと額にくっつき、しかも、少ないので
ところどころ地肌が見えている。

隊長の顔は、羞恥でみるみる真っ赤に染まった。
144風と木の名無しさん:02/09/10 03:21 ID:xjCLhe9N
(き・・・切込が顔を赤くしている・・・)

あんな隊長の顔は初めて見る。
視線をトオルから逸らし、何かを抑えるように歯を噛みしめてぺタンとタイルに
腰をおろしている。

トオルの眼には、隊長の頭髪は入っていなかった。
145風と木の名無しさん:02/09/10 03:31 ID:xjCLhe9N
「…そんなに(俺の頭を)ジロジロ見るんじゃねぇ…!」

(うわ、何照れてんだ、コイツ!!俺に裸見られるのが恥ずかしいのか、そうなのか!!??)
凄まじい勘違いがトオルを襲う。

座っているうちに、段々と隊長の足の痺れも取れて来た。
そろそろいいかと立ち上がってみる。
しかし、足はよろけて、倒れそうになる。

見ていたトオルは、思わず駆け寄り、それを支えた。
トオルの頭の中では、隊長は華奢で美形な受になってしまっていた。
146風と木の名無しさん:02/09/10 03:38 ID:xOosy//h
なんか……白いし、細いし……

薄いし……?
147風と木の名無しさん:02/09/10 07:46 ID:FI9lMiNM
白くて細い、隊長の身体を抱きとめるトオルの目の前には、隊長の薄い髪の毛・・・。
自分の透けた頭にトオルの鼻息を感じ、隊長はトオルを押し遣った。
「・・・放せ・・・っ!」
しかし、結局はよろけてしまい、完全に押し退けることはできない。

そんな隊長の態度に、トオルの胸はキュンとなった。
(な・・・なんだ、この鼓動は・・・。なんで切込ごときに・・・。)

馬並の怪電波は辺りを漂い続けている。
148風と木の名無しさん:02/09/10 08:22 ID:b9WGrv1P
トオルは思わず、目の前にある隊長の広い額に口づけた。

「・・・なにしやがんだ、てめえ!!」
隊長は、素っ裸の身体は隠さず、濡れそぼって赤ん坊のようになっている頭を隠した。
149風と木の名無しさん:02/09/10 08:36 ID:myAFez2Q
(なんだなんだ、一体なんなんだ!?またトオルの奴様子がおかしくなったぞ)

そんな隊長をよそに、トオルは自分の中に急速に湧いてくる情慾を抑えられなくなった。
150風と木の名無しさん:02/09/10 08:54 ID:n+/W38DE
隊長の身体を支え、抱き締める。
額に貼り付いている髪の毛を掻き上げてみる。
「俺の頭に触るんじゃねぇ!」
隊長はトオルの手を振り払った。

馬並の電波と、その隊長の嫌がる仕草に、トオルの脳内から大量のドーパミンが噴出された。
151風と木の名無しさん:02/09/10 09:36 ID:kOfbVkVb
トオルは、隊長の首筋にむしゃぶりついた。
今度は、意識がはっきりしている。自分が何をしているのかわかっている。
しかし、己の行動を止めることができない。

「何しやがんだ・・・っ!!」
隊長はトオルを押しのけようとするが、トオルはビクともしない。
隊長の身体がまだ本調子ではない所為もある。
152風と木の名無しさん:02/09/10 09:41 ID:Lm7YpmEF
中が丸見えのガラスの扉の外から、弐編とひろゆきは、湯気の中揉み合う二人に気づいた。
「ま・・・また喧嘩しているでつ!」
「なんとか、中に入らないと・・・」
しかし、浴室の鍵は固く閉ざされている。
153風と木の名無しさん:02/09/10 09:59 ID:KuPYXS1R
トオルに抱き締められながら、なんとかヨロヨロとシャワーの噴出口の下まで
移動し、思いっきり熱湯を浴びせる。
「うわっ!!」
トオルが叫び、思わず隊長から離れる。
辺りには湯気が充満し、ひろゆきと弐編には中が見えなくなった。

(きゃああああ〜〜!!何これ!!いいとこで何よ!これ!)
もちろん、屋根裏の馬並の、防水加工していない替えのハンディカムも湯気に覆われる。。。
154風と木の名無しさん:02/09/10 12:50 ID:2ZJW59qk
トオルが離れた瞬間に、隊長も熱湯を浴びてしまった。
しかも、身体が動かないので、トオルよりも長い時間熱湯にさらされる。

「熱ぅ〜〜っ!!」
思わず叫び、シャワーの下からなんとか逃れた。
155風と木の名無しさん:02/09/10 13:32 ID:YCknpdDy
熱湯を浴び、隊長の身体が真っ赤に燃え上がっている。
息は上がり、九死に一生を得た呆然とした上気した表情でどこかを見つめる。
辺りには湯気が上がり、その姿はもやを纏いこの世のものではないようだ。

トオルは白い湯気の立つ中、隊長に近付いていった。
156風と木の名無しさん:02/09/10 14:42 ID:3t2IYTqy
タイルに滴り落ちる熱湯は、辺りを熱く変えてゆく。
その中を、トオルは何かに憑かれたように歩む。

(うわ!あいつ、何このクソ熱い中を歩いて来てやがんだ!やべぇぞ!)
隊長は熱湯の向こうのちょっと冷めた地帯に、再び座り込んでいる。

さっき熱湯シャワーが直撃した右肩が、熱いのを通り越して痛い。
早くシャワーを冷水に変えて、冷やしたい。
しかし、そのすぐ横には、目の色の変わったトオルがいる。
157風と木の名無しさん:02/09/10 18:44 ID:k3Hd6FBt
赤く腫れた隊長の右肩の中心にはいつしか水膨れができている。
あまりの痛さにジンジンする。
158風と木の名無しさん:02/09/10 19:16 ID:NNnzlDWd
隊長の視線は宙を舞い、唇は虚空を求める。
トオルは、そんな隊長にどんどん引き込まれて行くのを感じていた。
159風と木の名無しさん:02/09/10 20:27 ID:8auvVY5f
熱い身体で、トオルが隊長に触れる。
160風と木の名無しさん:02/09/10 21:06 ID:rjG8RRfs
(熱湯で)熱く火照った身体に触れられ、(痛みで)身体をビクつかせる隊長。
そんな隊長を、トオルは愛おしげに抱き締めた。

トオルの指先が、膨れ上がった水脹れに触る。
「ktfs[fslr@☆bsr:+!!」
隊長が何事かわからない叫び声を上げ、のけぞる。

「・・・怖くないよ・・・」
トオルは呟き、痛みで硬直している隊長の身体に愛撫し始めるのであった。
161風と木の名無しさん:02/09/10 21:56 ID:zbtffxT3
(痛てぇ〜!痛てぇ〜!!!)
トオルに強く握られている肩が痛い。
水膨れになっていない所も、火傷のようになっている。
隊長の顔は苦痛に歪み、その痛みを耐えるのだけで精一杯だ。

自分の身体を這うトオルの熱い舌すらも、拷問でしかない。
だが、抵抗し、その舌の流れに逆らうことは、更なる痛みを生む元である。

隊長はひたすら耐えていた。
162風と木の名無しさん:02/09/10 22:21 ID:vVsKcrCl
熱さと痛さで、隊長は自分が何をされているのか、すっかりわからなくなっていた。

痛みを押し付けるトオルの舌は、段々と隊長の、お湯を浴びていない部分へと降りてくる。
赤い肌と白い肌の境目を行き来するそれは、なんともいえない刺激を与えた。
163風と木の名無しさん:02/09/10 22:59 ID:o4owA37y
それまでの痛みがいつの間にか心地よさに変わる。
隊長のうまい棒は高く持ち上がり、トオルの掌で弄ばれていた。
164風と木の名無しさん:02/09/11 01:09 ID:x7CodqYU
隊長のうまい棒にトオルの舌が触れる。
初めて、自分のされていることに気がつく。
しかし、時すでに遅く、快感は身体を蝕み、そこから逃れられなくなっていた。
165風と木の名無しさん:02/09/11 01:59 ID:PImOk6lE
熱湯は蕩々と滴り続ける。
比較的広い浴室で、換気も効いているが、充満する湯気で段々とで息苦しくなってきた。
それが更に隊長の思考力を奪う。

166風と木の名無しさん:02/09/11 02:30 ID:zPnDYNrR
上気した頬で、酸素を求めてはあはあと喘ぐ唇は、トオルにはよがっているようにしか見えない。

トオルは、隊長の勃ち上がったうまい棒を更に責める。
やがて、その唇は*をも這い始めた。
そこは既に熱い蒸気により、弛んでいる。

隊長はぼんやりとした瞳で、自分の*にトオルの舌が入っていくのを感じていた。
167風と木の名無しさん:02/09/11 08:09 ID:S/x4D0IV
トオルは隊長の足を持ち上げて、うまい棒を*に押し当てた。
「力、抜けよ」やさしく声をかける・・

うまい棒の先端が隊長の*に入り込んだ
168風と木の名無しさん:02/09/11 10:27 ID:dVSmRcUs
白い湯気の中でうごめく二人の影を天井ののぞき穴から見下ろす。
(ああ〜〜!!ああ〜〜!!)
馬並は心で叫びながら、のぞき穴から構える度に曇るハンディカムを
必死で拭きつつ、涙を流していた。
169風と木の名無しさん:02/09/11 14:02 ID:nypBdz9I
すぐに曇るハンディカムに痺れを切らし、馬並は直接覗き穴に目をあてた。
熱い蒸気が馬並の網膜・角膜・レンズ体を襲う。
170風と木の名無しさん:02/09/11 16:09 ID:PbHA1TB3
「hk@thl:z+wlj〜〜!!」

一向に視界が利かない扉の向こうからの、一際大きな叫び声に、
ひろゆきと弐編は、はっと顔を見合わせた。

と、次の瞬間
「み、水はどこぉ〜!!?こんなオイシイ時にぃ〜〜!!!」
蒸気にやられた目を押さえながら馬並が二人の脇を駆け抜けていった。

「なぁんだ〜びっくりした」
「向こうも静かになったでつね〜きっと仲直りしてるんでつ!」
すっかり納得して、安心する二人。

しかし、その時浴室の中では・・・。
171風と木の名無しさん:02/09/11 16:59 ID:Lpua7vwD
隊長は火傷の水膨れの痛みと結合部分の痛みと熱さで体力が
限界だった。(目が霞んできたぞ・・・バカチンが・・・・)

隊長の体から力が抜けて行くのを感じたトオルは、あわててうまい棒を
抜いた。「おい!切込どうした!」
・・・隊長は気を失っていた
172風と木の名無しさん:02/09/12 00:07 ID:MEn7pb/i
馬並が去ったことで正気に戻ったトオルは
失神して体に火傷している隊長を発見して仰天した。
そして2人っきりで浴室に篭っている状況にも・・・。
とにかくここを出て隊長の手当てをしないと。
トオルは急いで浴室を出ようとしたが
鍵がかかっていてすぐに出られない。
焦りながらもなんとかドアを開けてようやく外に出た。
173風と木の名無しさん:02/09/12 00:51 ID:5K9oJui1
ドアが開き、そのすぐ前で佇んでいるひろゆきと弐編に中の熱い蒸気が襲う。
「うわっ!」
思わず声を上げ、顔を覆う。

中からはトオルが汗だくで、ぐったりとした隊長を抱えて出て来た。
「た・・・たいちょう!!」
「どうしたんでつか!!??」

ふと気付き、トオルはまた浴室に取って返す。
だだ流れっぱなしのシャワーの栓を閉める。
(そうだ!水を浴びせないと!)
「博之!弐編!切込を連れて来い!」

自分がドアまで連れて行ったにも関わらず、二人に命令した。
174風と木の名無しさん:02/09/12 01:43 ID:oOYWnxvQ
二人は、隊長を抱えて再び浴室に入った。

トオルは、熱湯で熱くなったタイルに予め水を浴びせ、冷やしている。
その冷たくなったタイルの上に、肩の水脹れに当たるように隊長をうつ伏せで寝かせる。
隊長の閉まった臀部が水を浴びせられプルンとわなないた。
175風と木の名無しさん:02/09/12 03:12 ID:tEajmjHx
(冷てぇ・・・)
隊長の意識が深い底から戻って来た。
気が付けば、上からは冷水シャワー。
火傷した肩めがけて落ちてくるが、顔や頭にも霧状の水分が飛び散る。
176風と木の名無しさん:02/09/12 03:36 ID:o5ueF3C6
「たいちょ・・・」
「気がついたですか??」
ひろゆきと弐編が隊長の顔を覗く。
しばらく何も言えないでいたが、やがてポツリと呟いた。
「・・・お前らに・・・みっともないとこ見せちまったな・・・」

「そんな・・・」
「そんなことないです・・・」
二人の瞳に涙が浮かぶ。
「もっと・・・もっとみっともないとこ見せて下さい・・・」
「そうでつ・・・オイラ、そんな風に何もかも曝け出してくれると嬉しいんでつ・・」

そんな三人の様子を見て、トオルは静かに目を閉じた。
177風と木の名無しさん:02/09/12 05:12 ID:utt+DlTB
test
178風と木の名無しさん:02/09/12 08:24 ID:W9+rheC7
自分の眼とハンディカムのテスト(チェック)をしながら戻ってきた
117=馬並は、色んな意味で涙していた。

(ああ〜〜っ!もう終わっちゃってるの?!ああ〜っ!!
でも傷ついた隊長・・・、いいわねぇ〜レア画像だわ〜!!)
179風と木の名無しさん:02/09/12 08:28 ID:W9+rheC7
177を117と書き間違えた178も涙していた。
180風と木の名無しさん:02/09/12 10:25 ID:WnHlGv6n
二人が浴室で全裸で涙にくれている間に、服を着たトオルは外へ薬を買いに出かけた。
(オ○ナインってやけどに効いたっけ・・・)
181風と木の名無しさん:02/09/12 12:07 ID:lAJLoPlG
ぼんやりしながら歩く。
自分のしたことはなんとなく覚えている。
(俺は一体・・・)

自分の愛しているのはひろゆきだけのはずなのに。
前々スレの幾番かのように、求められて抱いたわけじゃない。

あいつは嫌がっていた。
それを俺が無理矢理・・・。
俺は・・・

トオルは頭を抱えながら、薬局を探していた。
182風と木の名無しさん:02/09/12 12:38 ID:zEcjEp0v
そのトオルを尾行するものがいるとは
トオル自身全く気づいていなかった。
薬局探しに夢中だったからだ。
183風と木の名無しさん:02/09/12 12:41 ID:NoYWbKPF
俺はあいつを陵辱したかったのだ・・・。

いつも取り澄ました顔をして、そして・・・
俺からひろゆきを奪ったあいつを・・・

あの余裕に溢れた顔を苦渋で満たしたかったのだ・・・
いや、苦渋・・・とも違う・・・
快感に見悶える顔を・・・
悦楽に酔いしれる顔を・・・

ひろゆきにすら見せたことのないであろう、”その”の顔を、
俺は・・・見てみたかったのだ・・・。
184風と木の名無しさん:02/09/12 13:45 ID:MXgFBdNN
隊長は、二人を浴室の外へ逃がし、頭を抱えてうずくまるトオルと対峙した。

(くそっ・・・まだ体が動かん・・・)
隊長は唇を噛む。うまい棒はまだ半分勃ったままである。
自分の身体がこんなにも脆いものだったとは。

隊長はタイルの上に片膝をたて、片足を伸ばしたまま壁に凭れ、
屈んだままのトオルを睨めつけた。

(はあはあ!トオルたんったらまだガムバッテるかすぃら〜♪)
息急き切って馬並が戻ってきた。
手には替えのハンディカム。
185風と木の名無しさん:02/09/12 13:55 ID:6yctqK1N
184での光景がトオルの脳裏に浮かび上がる。

あの時の隊長の顔を思い浮かべると自然とうまい棒は発動する。
ひろゆきしか感知しなかったうまい棒が、隊長の居場所を指し示す。
(早く・・・薬を買って帰らないと・・・)
186風と木の名無しさん:02/09/12 15:17 ID:lHLcEava
なんとか赤みの取れた隊長の背中を撫でながら、痛々しい水膨れに目をやる。
(早く、トオルたん、帰ってこないでつかね・・・)

隊長は、身体の火照りがおさまるのを感じると、立ち上がった。
水膨れはそのままに、服を着、ひろゆきと弐編にも着衣するように促す。

「ここを出るぞ」
「え、でもトオルたんが・・・」
ひろゆきは戸惑った。

頭がクラクラしていたとはいえ、なんとなく覚えている。
自分の身体を這っていたトオルの舌、指先、熱い吐息。
そして・・・

まだ下半身に残る鈍痛・・・。

どんな顔をしてあいつと会えばいいというのか。
187風と木の名無しさん:02/09/12 16:19 ID:QfcH6ojc
ふと気づく。
ひろゆきが一緒にいれば、トオルはきっと探し当ててしまうだろう…。

「じゃあ、ひろゆき」
隊長の口からは思いもかけない言葉が発せられた。
「お前、ここでトオルを待っといてやれ」

普通なら絶対に、こんな所でトオルとひろゆきが二人きりになるようにはさせないだろう。
しかし、今の隊長は、とにかくトオルから逃れたかった。まだ頭が混乱していたのかもしれない。

「え、オイラ一人で…?」
ひろゆきは驚き、戸惑う。

隊長はそれでもいいんでつか…。トオルたんとオイラだけにしても不安じゃないんでつか…。
188風と木の名無しさん:02/09/13 00:51 ID:iCrvUddd
トオルは薬局でオ○ナインを買い、再びホテルへと向かっていた。
と、突然、それまで一つの方向を指し示していたうまい棒に迷いが生じた。
(ひろゆきと切込が二手に別れた・・・)

その二人の行動にも驚きの色を見せながら、トオルはどちらへ向かうか迷った。
189風と木の名無しさん:02/09/13 01:41 ID:kHcL7g7O
(何、迷ってんだ、俺は。ひろゆきの所に決ってるじゃないか!)
190風と木の名無しさん:02/09/13 07:46 ID:UU/lPrnS
しかし、心の迷いはそのままうまい棒の迷いにつながり…。
ふらふらと頼りなげに揺れる自らのうまい棒を見つめ、トオルは途方にくれていた。
一方その頃…
191風と木の名無しさん:02/09/13 09:10 ID:mqWYymRM
馬並は隊長とひろゆき、どちらを撮影するか迷っていた・・・
「あぁ〜ん、どっちを撮り続けたらいいのかしら〜?」
192風と木の名無しさん:02/09/13 12:18 ID:Hrq2ERge
だが、俺の手に持っているのは、切込のためのオ○ナインだ。
ひろゆきの所に向かっても、ひろゆきは喜ばないだろう。


ひろゆきと合流してから隊長を追えばいいということに気づかない程に、
トオルは隊長に逢いたくなっていた。
193風と木の名無しさん:02/09/13 13:52 ID:12Y5OePx
トオルは、ひろゆきに惹かれるうまい棒の軌道を変え、隊長を追った。
194☆☆金曜だよ!!即やろうよ☆☆:02/09/13 13:53 ID:gRo25WfS
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195風と木の名無しさん:02/09/13 13:59 ID:GZuRhs3F
馬並=194はまだ迷っていた。
196風と木の名無しさん:02/09/13 14:04 ID:u+nU7Dxj
トオルがホテルから離れていくのを見て、
馬並は結局、リッチな方=隊長を追うことにした。
197風と木の名無しさん:02/09/13 14:43 ID:Q3E4/EKE
ひろゆきは、誰もいなくなったホテルでポツンとトオルを待っていた。
部屋の電話が鳴る。
「お時間です」
夜勤の声だ。ひろゆきはため息をついて、部屋を出ようとした。
198風と木の名無しさん:02/09/13 15:01 ID:gXjZ1X9s
部屋のドアを開けると、突然、複数人の黒ずくめの男達がひろゆきを取り囲んだ。
199風と木の名無しさん:02/09/13 21:06 ID:UjjIuSQF
「な、なんでつか!」
あわててドアを閉めようとするも阻止される。
一瞬の隙をつかれひろゆきの鳩尾に拳が入り込み、意識はブラックアウトした。
200風と木の名無しさん:02/09/13 23:43 ID:Zw/FGmaA
隊長はマンションに着き、玄関を閉めると、とるものも取りあえず弐編を抱き締めた。
「た・・・隊長、着替えましょうよ・・・」

いいながら、隊長のなすがままに任せる。
201風と木の名無しさん:02/09/14 00:55 ID:x8EDBM3l
弐編をソファに押し倒し、荒々しく服を脱がせる。
いつもと違う様子に弐編は戸惑った。
(どうしたんだろ、たいちょ・・・)

身体についた刻印は、一刻一刻と時間が経つにつれ、嫌でも思い起こさせる。
自分が何をされたか・・・誰に抱かれたのかを・・・。
(くそ・・・っ!)
忘れる為に、それを消し去る為に・・・。

隊長は必死だった。
202風と木の名無しさん:02/09/14 01:49 ID:PlaNaTXH
弐編は隊長の様子を不審に思いながらも、いつもと違う、情熱的な愛撫に溺れていった。
無意識に、指先が隊長の肩の水膨れに触れる。
激痛に、記憶を呼び覚まされながらも、隊長は必死で弐編を愛した。


そうして、二人がソファの上で愛しあっていると
203風と木の名無しさん:02/09/14 07:56 ID:apUP/HJo
うまい棒に導かれたトオルが、オ〇ナインを持ってやってきた。
204風と木の名無しさん:02/09/14 09:33 ID:mnZOprVO
呼び鈴が鳴る。
隊長は無視して愛撫を続けていたが、余りにもしつこいそれに、とうとう応じた。
(ちっ!)

インターホンで確認すると、トオル。
オ○ナインをインターホンのカメラの前に突き出している。
隊長は思わず( ´,_ゝ`) プと笑い、扉を開けた。
205風と木の名無しさん:02/09/14 10:27 ID:aQ0bIM0f
シャツのボタンを上から2つ外し、裾がズボンからはみ出ていることにドキリとする。

リビングに入ると、慌てて衣服を整える弐編。

トオルの頭の中をあらゆる妄想がかけめぐる。
206風と木の名無しさん:02/09/14 11:29 ID:jO7qdWCC
「・・・ひろゆきはどうしたんだ」
「え・・・」
ひろゆき・・・そうだ、ひろゆき。
ひろゆきは・・・。

トオルはそこで初めてひろゆきに思いが至った。
隊長のことで頭が一杯で、今まで気付かなかったのだ。

・・・ひろゆきの気配が徐々に離れて行っている。
207風と木の名無しさん:02/09/14 20:06 ID:RrQHzrMs
トオルはやっと我に還った。
(ひ・・・ひろゆき・・・!!)

隊長も、トオルの様子に、ひろゆきを一人きりにしたことに対して、
ようやく、自分が何をしたのかに思い至った。
208風と木の名無しさん:02/09/14 20:40 ID:5AY4Z/jt
「・・・ひろゆきは・・・どこにいるんだ・・・」
真っ青な顔で隊長が呟く。
負けない程蒼白面でトオルも隊長を見つめる。

二人は何も言わずにドアを開けた。

「隊長!!??」
驚いた弐編が叫ぶ。
「・・・お前はここにいろ・・・」
209風と木の名無しさん:02/09/15 00:44 ID:RZD1dSuD
一方、ひろゆきは──

「う…ん」
腹部が鈍く痛む。
ひろゆきは、腹を手で軽く押さえて顔をしかめた。
…自分は、一体どうしたんだろう?
霞む意識の向こうで、聞き覚えのある声が聞こえる。
自分の名前を呼んでいた。

この声は──
210風と木の名無しさん:02/09/15 09:54 ID:p9y9hDil
いのえもんさん・・・だ
211風と木の名無しさん:02/09/15 19:35 ID:RZD1dSuD
。・゚・(ノД`)・゚・。
212211:02/09/15 19:43 ID:RZD1dSuD
誤爆、スマソ
213デトロイト在宅:02/09/15 20:08 ID:BnoT3sT8
も炉画像サイトで、危険物画像が沢山だYO.
変な窓が開いたらNOで回避、画像GET!
★新作UP確認済みだ。
http://adult.pornparks.com/fan/
214風と木の名無しさん:02/09/15 20:15 ID:lhBtbwwz
215bloom:02/09/15 20:52 ID:iEU3lWi0
216風と木の名無しさん:02/09/16 02:04 ID:kpm1UhlF
その頃、211-215=馬並は
「いのえもんなんかで抜けるわけないじゃないっ」
と憤慨しつつ怒りを掲示板にぶつけていた。
217風と木の名無しさん:02/09/16 03:42 ID:qxSxzNGU
怒りに満ちた馬並から怪電波が発している。
ゆんゆんゆんゆんゆん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
218風と木の名無しさん:02/09/16 19:23 ID:fW8xc4ZC
その電波がひろゆきを捜索しているトオルに届いてしまった。
219風と木の名無しさん:02/09/16 19:27 ID:W8QrIrxK

おいおぃおぃ?気がついたらさだが>>2ゲットしちまったZE?あーあーぁぁぁぁぁー
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 《《《《《《
               /    ミ
               |⌒ ⌒  ミ
               ◯-◯  3
          /\ /\ 〈__  |
          / /\  \\_ ノ
        ())ノ__ ○二○二⌒/../
       / /||(二ニ) (___/../ 几l  ドノレノレノレノレノレノレ
   γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0
   l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) ||  (´⌒(´
__ ゝ__ノ     ̄(___) ̄  ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
俺はさだ!俺はさだ!俺はさだ!俺はさだ!俺はさだ!
俺様 IS HAGE!俺様 IS HAGE!俺様 IS HAGE!俺様 IS HAGE!

>>3 元気でいるか
>>4 街にはなれたか
>>5 友達できたか
>>6 さみしかないか
>>7 お金はあるか
>>8 今度いつ帰る
220風と木の名無しさん:02/09/16 20:01 ID:Rdf6enE/
さすが馬並の電波、トオルとは波長が合わなかったらしく
トオルはさだに変身させられてしまい、そのまま走り去ってしまった。
本当に馬並の電波を正しくゆんゆん受信したのは、実は…
221風と木の名無しさん:02/09/16 23:23 ID:oul9N6/P
電波女だった。

電波女は、隊長を髪を振り乱し隊長を追い掛けた。
あまりの恐怖に足が竦む隊長。
222風と木の名無しさん:02/09/16 23:43 ID:tJtWwhm4
そこへもうひとりの電波女(純正)が現れ、
暴れる電波女を退治すると、「邪魔したな、禿!」と言うと仕事へ帰っていった。
電波も忙しいのだ。

電波はそれて、トオルへと届く。
223222:02/09/16 23:46 ID:tJtWwhm4
馬並の電波から異常を感じ取るトオル。
224風と木の名無しさん:02/09/17 08:37 ID:a9lKrNX2
幻覚剤を飲まされていたひろゆきにいのえもんと見えたその男は、実は寿司屋のオヤ痔だった。
>>24-27
ラーメソ屋のオヤ痔の双児の兄のその男は、新しくKHK東京支部代表に選ばれ、ひろゆき奪取の任を
負っていたのだった。

薬でフラフラのひろゆきの顎を持ち上げ、ニヤリと笑う。
225風と木の名無しさん:02/09/17 13:01 ID:p5/PtY+a
「俺は兄貴と同じ失敗はしないからな・・・。おっと、こんなこと言っても
今のお前にはわからないだろうがな・・・。ふふふ・・・。」

寿司屋のオヤ痔は幻覚剤の効用で顔を紅潮させ(*´Д`)ハァハァと喘いでいるひろゆきに言う。
226風と木の名無しさん:02/09/17 14:23 ID:CRW8kyrh
しかし、やはり兄弟である。
喘ぐひろゆきを眺めていると、その口に舌をつっこんだりうまい棒をつっこんだり、
更にはもっと色んなことがしたくなる。
227風と木の名無しさん:02/09/17 15:41 ID:xl2x9XD2
寿司屋のオヤ痔の瞳がキラリと光った。
228風と木の名無しさん:02/09/17 16:28 ID:t4z0knoA
オヤ痔はひろゆきに近づき、その赤い頬を自らの掌でそっと包む。
頬の熱が触れた腕を駆け回る。
・・・・・・・・・・・・オヤ痔のスイッチが入った。
229風と木の名無しさん:02/09/18 00:37 ID:cjfrGh9w
「おい、早くひろゆきの居所まで行け」
隊長が、トオルを急かす。
しかし、隣で隊長が運転しているため、気になってトオルのうまい棒はひろゆきの
気配を真直ぐに追えない。気をゆるめると、運転席の隊長の方を向いてしまう。

馬並の電波が、すぐ近くの隊長を襲えと流れているのだ。

(くそ・・・どうなっちまったんだ、俺のうまい棒は・・・)

それでもトオルは必死でひろゆきの気配を追い続けた。
230風と木の名無しさん:02/09/18 04:01 ID:Qe7CI40s
だが、うまい棒はどうしても運転席の隊長の方を向く。
(これは・・・)

トオルは嫌な予感に胸を躍らせた。
そう・・・隊長と一発犯らないとひろゆきを追えないのだという予感に・・。
231風と木の名無しさん:02/09/18 07:29 ID:KFF91zP6
そう思った瞬間、トオルの意識は馬並の電波に支配された。
232風と木の名無しさん:02/09/18 10:58 ID:TeBKlB8v
「おい、トオル。次の交差点はどっちだ」
「あ・・ああ、右・・・」
必死でひろゆきに意識を集中する。

だが、自分のすぐ隣に、無防備に隊長がいる・・・。
233風と木の名無しさん:02/09/18 13:16 ID:Ol3kY6Lt
前方を見つめる隊長の睫毛に見とれる。

「おい!トオル!次だ!」
その低く腰椎に響く声に神経をふるわせる。

「あ・・・ああ、次は・・・」
なんとかうまい棒にかすかに感じるひろゆきの気配だけが、流れてしまいそうな
意識を取り戻させる。
234風と木の名無しさん:02/09/18 14:08 ID:dGW1Ohe4
「次は・・・」
トオルは、震えるうまい棒を抑えつけ、道を示唆した。

しかし、曲った先は袋小路。

「あ?おい、トオル、これはどういうことだ!」
トオルを振り返り睨み付ける隊長のゾクッとくる視線はトオルの最後の理性を吹き飛ばした。

ハンドルを握る隊長の手首を掴み、自分の方へ引き寄せる。
不意をつかれ、隊長はそのままトオルの腕の中にすっぽりとおさまった。

「おい!ト・・・」
235風と木の名無しさん:02/09/18 14:58 ID:Bz/cYGeb
思いきり肩を掴まれ、水膨れに、シャツ越しのトオルの指が命中する。
「くっ!!」

抱き締められ、不自然な姿勢のまま、身動きが取れない。
236風と木の名無しさん:02/09/18 15:59 ID:0VMHtGss
猫背な隊長の背中が反り返り、その頬に手を寄せ唇を奪う。
隊長はあまりの苦しさに、動く事もできない。
呼吸が苦しく、喘ぐように口を開く。

トオルの舌は隊長の口腔をゆっくりとまさぐり………
指先は下へと伸びていった。
237風と木の名無しさん:02/09/18 16:46 ID:dJ4Zmz7F
トオルの指先が隊長のうまい棒を探り当てる。
ファスナーを降ろし、取り出す頃にはそれは少し固くなっていた。

トオルは、隊長も感じていると確信し、それを引っ張り出した。

実は、二人の間のサイドブレーキにぶつかり刺激を受けていただけなのだが。
238風と木の名無しさん:02/09/19 00:45 ID:Z7UfMdUe
唇を塞がれ、反り返った背中で、息も絶え絶えな隊長のうまい棒を取り出し、
トオルはそれを擦り始めた。
(な・・・何してんだ、トオルのヤシ・・・)
冷静な心とは逆に、うまい棒はどんどんトオルの手の中で膨らむ。

やがて、隊長の息遣いは、苦しみのそれだけではなくなってきていた。
239風と木の名無しさん:02/09/19 01:38 ID:MCw2OxeV
隊長を更に自分の方へ引き寄せる。
骨と皮ばかりのその身体は、驚くほど軽い。
トオルの胸がキュンとなった。

隊長は、狭い車内を危なっかしくトオルに引っ張らる。
天井に頭をぶつけながら、どうにも逃れることができない。
240風と木の名無しさん:02/09/19 02:35 ID:ESxTVjr6
(痛てててて!)
トオルの手が隊長の薄い背中の肉を掴む。
片手はうまい棒を掴んだままだ。

隊長は、自分が苦しいのか、快いのか、一体わからなくなっていた。
241風と木の名無しさん:02/09/19 03:08 ID:4dgrIea2
既に右肩の水膨れは破れている。
シャツに傷が当って、ヒリヒリとする。

いつの間にかズボンはトオルの膝でズリ降ろされていた。
運転席からひき離され、ちょこんとトオルの膝の上に座らされる。
相変わらず、天井には頭がついている。隊長の柔らかな髪の毛が静電気で持ち上がっていた。
242風と木の名無しさん:02/09/19 10:52 ID:7VsQ+27H
狭い車内で息がつまる。
酸欠になったように血液が脳天に逆流する。

隊長は己のうまい棒を揉みしだかれながら、意識がどこかへ飛んでいくのを感じていた。
243風と木の名無しさん:02/09/19 11:30 ID:BN63+otx
肩で息をする。トオルの掌には白濁色の液体がどくどくと流れる。
トオルはそれを一舐めすると、隊長の*に塗るりとその液体をすべりこませた。

記憶が蘇る。さっきは少し入っただけだったが、今度はトオルは指で念入りに隊長の*をほぐす。
声が出そうになるのを必死でこらえ、唇を噛み締める。
244風と木の名無しさん:02/09/19 12:58 ID:/mAlNhef
(くそ・・・!なんで俺が・・・!!)
屈辱を噛み締めながらも、狭い車内で自由にならない身体は
それ以前に硬直して動かない。
声を出すまいと堪える程に、意識はそこに集中するのだ。
奥歯が折れそうな程ギリギリといっているのにトオルは気付いた。

もう片方の指を隊長の口端から差し込む。
ゆっくりと、食いしばった唇をなぞる。段々と隊長の唇が開かれる。

それと共に、身体中に行き渡った強張る神経が弛緩していく。
245風と木の名無しさん:02/09/19 14:30 ID:7Lk6u/6W
隊長の唇から震える吐息が漏れる。
トオルは、いつの間にか剥き出しになった己のうまい棒を、隊長の*に充てた。
246風と木の名無しさん:02/09/19 15:45 ID:O/qJ3Iq/
トオルの熱が自分の下半身に触れる。
さっきは意識朦朧としていたが、今ははっきりとわかる。
247風と木の名無しさん:02/09/19 16:57 ID:+uU7j4by
トオルは、隊長を抱える腕をゆっくりと沈めていった。

激痛が走る。
「・・・くぅ・・・っ!」
再び歯を食いしばる。

痛みと共に、それとは違う奇妙な感覚が、隊長の脊椎を駆け抜けて延髄まで走った。

「力、抜け」
トオルが、僅かづつ、それでも速度を緩めずに、自分のうまい棒に隊長を
溶け合わせる。

(絶対・・・!絶対・・・!)
絶対感じてやるもんか・・・。その言葉が頭の中で形作れない。
248風と木の名無しさん:02/09/20 01:18 ID:w+RFdJNn
(あいつら・・・こんな痛いの我慢してたんだなあ・・・)
ひろゆきと弐編に想いを馳せる。

・・・そのことに気付いたのはトオルの方が先だった。
優しく舌で隊長の頬を掬い、ギュッと抱き締める。

初めて隊長は自分の頬を涙がつたっていることに気付いた。
249風と木の名無しさん:02/09/20 01:34 ID:XyNShPrd
唇が頬を這うがままにまかせる。

トオルはやがて、その舌を隊長の唇に触れた。
隊長は今度は素直に唇を開き・・・トオルと舌を絡めた。

250風と木の名無しさん:02/09/20 10:56 ID:NvuSjXnU
脳髄の先がじんじんとする。
下半身から立ち上る、なんとも言えない感覚。
うまい棒に感じるのとは違う快感(?)が隊長を支配する。
トオルが動く度に、腹の奥に重い鈍痛が走る。しかしそれは苦痛ではない。
251風と木の名無しさん:02/09/20 11:39 ID:+ixWFIJE
(ああ〜!なんだか、車ががったんがったんいってる・・・。何してるのかすぃら〜。)
馬並は、必死で車窓にハンディカムを向けていたが、逆光でうまく中を撮ることができない。
252風と木の名無しさん:02/09/20 13:08 ID:PzyjJb9m
トオルが動く度に、その膝の上にいる隊長の頭が天井にぶつかる。
隊長は仕方なく、トオルの首に手を回し、ぎゅっとしがみついている。

しがみつくと、ますますトオルの体温が隊長に密着する。
隊長のうまい棒は再び張り詰めていた。
253風と木の名無しさん:02/09/20 18:56 ID:68Yd6kV3
馬並は、どうにかこうにか、車窓に1cmほどの隙間を見つけた。
(あw)

指を挟み込み、なんとか窓を降ろそうと踏ん張る。
「んなろーーーーーーーー!!!」
掛け声と共に、思いっきり下に押し下げた。
254風と木の名無しさん:02/09/20 22:51 ID:aVVyjnLT
いきなり開いた助手席の窓に、トオルの上に乗っていた隊長は驚いて飛び退る。
頭や身体がガンガン車内にぶつかるが、そんなことは構っていられない。

隊長は我に還り、運転席側に慌てて飛び移った。
そこが思わずアクセルを踏む。

「きゃああ〜〜!!」
窓に張り付いていた馬並は車から振り落とされた。

しかし、前方は行き止まりである。
255風と木の名無しさん:02/09/20 22:58 ID:Tl+aSwEb
「うわーーーーー」
トオルが叫ぶが、もはや止まらず、車は前方の建物につっこんだ。
256風と木の名無しさん:02/09/20 23:07 ID:FH1XgIyw
「うわーーーーー」
(・・・ト・・・トオルタン???)

口の中にオヤ痔のうまい棒をつっこまれ、涙目になっているひろゆきの耳に、
トオルの叫び声が届いた。
と、同時に、「どかーーーーーん」と大きな音がして、壁が揺れた。
ボロボロとコンクリートが崩れる。

「なんだ!!??」
オヤ痔が振り返り、口が自由になると、ひろゆきは思いきりトオルの名を呼んだ。
「トオルタン!!オイラここだよ!!トオルタン!!」
257風と木の名無しさん:02/09/20 23:18 ID:Mlh10LRh
そう、そこは寿司屋の路地裏だった。

壁にぶつかり、助手席のトオルは意識朦朧とした中で、ひろゆきが自分の名を呼ぶのを聞いた。
そこへ、馬並の、ビデオを撮れなかった怨念電波がゆんゆんと流れる。

額から血を流したまま、トオルは車の扉を開けた。

壁に突っ込んでいる車体を後方に押しやり、声のする方へと進む。
崩れている部分に手刀を突っ込み、壁の穴を大きく開け始めた。

隊長は、トオルのただならぬ様子に気がつき、しばらく眺めていた。
(・・・今のは・・・ひろゆきの声か・・・?)
258風と木の名無しさん:02/09/20 23:40 ID:/odf8AMN
崩れてゆく壁の中から、手が現れ、そして、懐かしいトオルの顔。
「トオルタン!!」
ひろゆきは、涙を流しながらも、歓喜の声をあげた。

そして、トオルはオヤ痔とひろゆきの前に全身を現した。
そう・・・途中で終わっておったったままのうまい棒をむき出しにして・・・。
259風と木の名無しさん:02/09/20 23:57 ID:/odf8AMN
目の前にトオルの巨根を突き出され、思わずうっとりと見つめるオヤ痔とひろゆき。
「ひろゆき!大丈夫か!」
トオルの叫びに、二人は我に還った。

「トオルタン!!」
「おっと、近寄るなよ」
オヤ痔はひろゆきの*に、例のイボ付きバイブ(LLサイズ・新規購入分)をあてがった。

バイブから、馬並の数倍の電波が放出される。
壁に当ってくらくらとしていたトオルの意識は、バイブに乗っ取られた。

オヤ痔のおどしにも怯むことなく、ずんずんと二人に向かっていく。
「お・・・おい、これが見えねぇのか!近寄ったらこいつに・・・」
オヤ痔はいいながら、バイブの先端を、ひろゆきの*に突っ込んだ。

「はう〜ん・・・」
思わずのけぞる。
(あうう・・・先端だけなのに・・・気持ちいいでつ・・・これが、全部入ったら・・・)
ひろゆきはゾクゾクとする欲望をなんとか抑えつけた。
260風と木の名無しさん:02/09/21 00:19 ID:+mKknCp3
「ひろゆき!」
遅れて隊長も車のエンジンを止め、飛び出す。
もちろん下半身は剥き出しだ。ひろゆきはポワンとした瞳でそれを見つめる。
*に伝わるバイブの振動が心地いい。

目の前にはトオルと隊長の勃ち上がったうまい棒。
ひろゆきのうまい棒も勃ち上がってきた。
261萌子:02/09/21 12:55 ID:HD9wkFm5
萌え〜(;´Д`)ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ
262bloom:02/09/21 13:03 ID:VawcY3ce
263風と木の名無しさん:02/09/21 16:02 ID:7C5DDk2j
馬並は、自分の電波とバイブの電波で化学反応を起こし、萌子=261に変身した!!
264風と木の名無しさん:02/09/21 17:01 ID:mrDtZyiG
(ひ・・・ひろゆき・・・!!)

隊長は真っ青になった。
トオルのうまい棒ですらあんなに痛いのに、あんなものが入れば、ひろゆきは壊れてしまう。

隊長が立ちすくむ間にも、電波受信状態のトオルは二人に近寄っていき、
恐怖にかられた寿司屋のオヤ痔はひろゆきの*にバイブを押し付ける。
そして、ひろゆきはますます悶える。
265風と木の名無しさん:02/09/22 00:44 ID:p+alVmny
「あ・・・あ・・・あふ〜ん・・・っ」
そんなひろゆきの姿を見ていると、ますますトオルと隊長のうまい棒はそそり立つ。
266風と木の名無しさん:02/09/22 01:26 ID:n/RBi5ki
(や・・・やめろ・・・)
隊長の心の中をぐるぐると渦が巻く。

やめろ、ひろゆきにそんなことをするな・・・。
俺のひろゆきに・・・。

ひろゆきに・・・そんなことをしていいのは・・・俺だけだ・・・!!
267風と木の名無しさん:02/09/22 01:50 ID:Ss58XZci
隊長は、ひろゆきに突っ込んで行っていた。
オヤ痔が恐怖にひきつった顔でバイブをひろゆきに押し付ける。
「・・・あぅ・・・ん」
ひろゆきの声が隊長の火をつける。

隊長は、恐怖の面持ちのオヤ痔を殴り倒し、ひろゆきをその腕に抱き締めた。
268風と木の名無しさん:02/09/22 02:24 ID:AH/CNmkv
そして、オヤ痔の持っていたバイブを奪い取り、ひろゆきの*にあてた。
「あふ〜〜ん」
269風と木の名無しさん:02/09/22 07:11 ID:lXpTLlQp
(手・・・手が止まらん・・・!)
隊長は、バイブをひろゆきの*から離すことができなかった。
それほどに、悶えるひろゆきは艶っぽかったのである。
270風と木の名無しさん:02/09/22 07:30 ID:ZT3VAhVW
だが、いくらなんでも、この大きさは入らないだろう。
隊長は、バイブをひろゆきの*から外すと、自分のうまい棒をそこに宛てがった。
271風と木の名無しさん:02/09/22 09:02 ID:oHkaS2uX
自分のうまい棒を入れようとして、あの痛みを思いだす。

(ひろゆきに・・・あんな・・・)

隊長は、ひろゆきの*にうまい棒を入れられなくなってしまった。
272風と木の名無しさん:02/09/22 10:42 ID:ipP/55tf
隊長はまだ全く気付いていないようだが、
バイブに*を刺激し続けられていたひろゆきは、
いつの間にか別人格のひろぽんになっていた…
273風と木の名無しさん:02/09/22 14:05 ID:sLQkQnma
まだ抜けきっていない幻覚剤の効用も手伝って、ひろぽんはとろんとした瞳で隊長を振り返った。
「・・・入れて・・・」
唇を紅い舌でペロリと舐める。
274風と木の名無しさん:02/09/22 16:05 ID:tbpEze+F
隊長は惹かれるように、ひろゆきの頬に手をあて、その唇を吸った。

だが、その後ろからは電波トオルがジェイソンのように迫っていた。
275風と木の名無しさん:02/09/22 18:54 ID:iTJxd6Uc
ゆんゆんゆんゆん・・・

スイッチの切れてないバイブは電波を発信し続ける。

萌子になった馬並は、ビデオを撮ることも忘れ、萌えていた。
萌え〜(;´Д`)ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ
276風と木の名無しさん:02/09/22 23:12 ID:NZZ48XdB
隊長は、ひろゆきの唇から離れ、後ろからそのなめらかな腰に手を添える。
277風と木の名無しさん:02/09/23 01:32 ID:/BlFWKRT
ひろぽんは、首を後ろに回し、隊長の唇を欲しがっていたが、
隊長のうまい棒が挿入されると、天井を仰ぎ、喘ぎ始めた。
278風と木の名無しさん:02/09/23 12:29 ID:FmJcxNwE
「はう〜ん、あう〜ん、隊長さん、いいです〜」
ひろぽんは悶えながら腰を振る。

(こいつは・・・)
隊長は、ひろゆきがひろぽんになっていることに気がついた。

燃え上がっていた隊長の心は一気に冷めた。
隊長は実はひろぽんが苦手なのである。

そんな隊長の後ろから刻一刻と迫るジェイソン・・・
279風と木の名無しさん:02/09/23 18:13 ID:bhrZP0yq
トオルの手が、動きの止まった隊長の腰に触れる。
280風と木の名無しさん:02/09/23 19:27 ID:f5LVcyOO
「うわあああ〜〜!!」
隊長は思わず飛び退いた。
281風と木の名無しさん:02/09/23 20:45 ID:z/bDjS5E
「あふ〜ん」
隊長のうまい棒が外れ、その衝撃にひろゆきが一際喘ぐ。

トオルは、隊長が飛び退いた後に残されたひろゆきの腰に手をやり、*にうまい棒を宛てがう。
282風と木の名無しさん:02/09/23 20:56 ID:EVUNDtMK
我に返った隊長は、それに気づき、トオルの挿入を阻止しようと
そのうまい棒に手を伸ばした。
283風と木の名無しさん:02/09/24 00:23 ID:TtqKmHgl
隊長はトオルのうまい棒をむんずと掴んだ。
284風と木の名無しさん:02/09/24 01:33 ID:h64UbHTq
「むおお〜」
隊長の細い指に絡まれ、電波受信無敵状態のトオルは快楽の雄叫びをあげる。
285風と木の名無しさん:02/09/24 11:34 ID:kUfadsck
(くっ!電波・・・電波か・・・?)

隊長は、さっき放り投げたバイブを探した。
そうしてトオルに後ろを向けた途端、トオルは隊長に飛びかかった!!
286風と木の名無しさん:02/09/24 13:16 ID:0Kvya3be
タックルされ、隊長はもんどりうって倒れる。
バイブは手の先、30センチほどの所に転がりゆんゆんいっている。
(・・・あれを・・・あれを止めないと・・・)
287風と木の名無しさん:02/09/24 14:08 ID:xPuPT2Dq
更にひろぽん化したひろゆきがトオルの上からのしかかった。
288風と木の名無しさん:02/09/24 15:58 ID:3LMjLrqm
そこへ、心配になって隊長の後をつけた弐編がやってきた。
携帯の他に隊長が持っているのは追尾機能のついたPHS、ドラえPHONだったのだ!

弐編は、隊長の上に重なっているひろゆきとトオルを見つけた。
「何してんだよ!お前ら!」
289コギャルとH:02/09/24 18:12 ID:WRp9xEo1
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290風と木の名無しさん:02/09/24 18:21 ID:3932U3p+
萌子になった馬並はまだ萌えていた。

弐編は、ひろゆきとトオルに突進していくと、二人を隊長の上から振り払おうとした。
しかし、ひろぽんはなんとか退かせたものの、無敵状態のトオルはビクともしない。
291風と木の名無しさん:02/09/24 20:41 ID:JN5miBXR
逆に、弐編はその手首を掴まれ、トオルの胸に引き寄せられた。
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萌子の頭の中にはどんどん新作が渦を巻く。
294風と木の名無しさん:02/09/24 21:40 ID:cYz33buk
萌子がいけない玩具を売っている間に、抱き寄せられた弐編は
トオルと視線を交わらせた。
おもむろに、周囲には点描や薔薇が散っている。
295風と木の名無しさん:02/09/24 21:57 ID:tGPt6DFV
トオルが弐編を抱き締めるために身体を浮かした拍子に、隊長の上半身はかろうじて動けるようになった。
慌てて目の前にあるバイブに手を延ばす。しかし、今一歩で届かない。

(くそ・・・こうしてる間にも弐編が・・・)
296風と木の名無しさん:02/09/25 00:37 ID:/GhOAmSn
馬並の電波とバイブの電波の相乗効果で、今のトオルは通常の3倍である。
抱き寄せられた弐編の身体はピクリとも動かない。
297風と木の名無しさん:02/09/25 02:42 ID:Q340bf5+
倒れている隊長にまたがり、足で締め付ける。弐編はすっぽりと腕の中に包み逃さない。
弐編に突き飛ばされて倒れていたひろぽんはひろゆきに還り、その様子を呆然と見ていた。
298 ◆OjY/YaoI :02/09/25 02:43 ID:gYl5lRU9
so
299風と木の名無しさん:02/09/25 11:22 ID:3EvY4Wi0
「so…」思わずひろゆきはアルファベットで言葉を発した。
「そんなことしたらダメです〜!!」
後ろからトオルにすがりつく。

もはや、誰に嫉妬しているのか、誰を救おうとしているのかわからない。
300風と木の名無しさん:02/09/25 15:54 ID:RKg/rwTG
(もう少しだ・・・)
ひろゆきがトオルにしがみついたおかげで少し身体の軽くなった隊長がバイブに手をのばす。

「・・・トオルたんは・・・トオルたんは・・・」
ひろゆきは無我夢中で叫んだ。
「オイラだけ見てくれなきゃイヤなんでつ〜〜!!」
301風と木の名無しさん :02/09/25 19:50 ID:YSXbbMPw
その瞬間、場の空気が一気に静まった。
隊長も、トオルも、弐編も、馬並でさえも。
302デトロイト在宅:02/09/25 19:55 ID:FiBBnGC1
も炉画像サイト危険物画像が沢山だYO!
<移転先発見!新作がUPされていた>
http://teen.pornparks.com/baka7/
303風と木の名無しさん:02/09/26 01:36 ID:P6nW16MP
萌子(馬並)は興奮し過ぎて精神が
デトロイトまで飛んでしまったようだ・・・

(;´Д`)ハァハァ
304風と木の名無しさん:02/09/26 02:36 ID:d/a1/lvv
隊長がバイブを掴み、そのスイッチを切った。
同時に、トオルは正気に戻った。その耳にはひろゆきの言葉が響いている。
305風と木の名無しさん:02/09/26 03:30 ID:E1jtWE2q
「ニンジンきらいでつか?」
306風と木の名無しさん:02/09/26 10:01 ID:W4jeFCkA
「ひ・・・ひろゆき・・・」

自分の発言を誤魔化そうと発した305の言葉も、最早トオルには届かなかった。
「トオルたんは、オイラだけ見てくれなきゃイヤなんでつ〜〜!!」

この発言の意図は、どこにあるのか。
トオルには一つの回答しか浮かんでこない。

自分の言葉に戸惑い、立ち尽くすひろゆきを抱き寄せた。
307風と木の名無しさん:02/09/26 12:24 ID:mpjPy8fc
308風と木の名無しさん:02/09/26 13:05 ID:RSU9vDSQ
バイブの電波が消え、馬並も萌子から元に戻った。
(はっ!あたしったら!!)
萌子になった時に放り出したハンディカムを慌てて探す。
309風と木の名無しさん:02/09/26 14:15 ID:DaDzOil6
上からトオルの重さがなくなりやっと起き上がった隊長が、
ひろゆきを抱き締めるトオルの肩を掴んだ。
310風と木の名無しさん:02/09/26 16:26 ID:D/+wUNLw
「ひろゆきから…離れろ。」

小さく・それだけ呟く。
隊長もまたひろゆきの発言の真意がわからない。
311風と木の名無しさん:02/09/26 18:05 ID:4tZgSagl
隊長の声にハッとして、ひろゆきは慌ててトオルを突き放した。
「ひろゆき・・・どうしてだ・・・?」
トオルが悲しげに見つめる。
312風と木の名無しさん:02/09/26 19:08 ID:Y3FXWe3+
「オイラ・・・オイラ・・・」
ひろゆきはトオルと隊長を交互に見つめ、ゆっくりと後ずさった。
313風と木の名無しさん:02/09/26 22:00 ID:x5GG20Mc
「ごめんなさいです・・・」
ひろゆきは誰にともなく呟き、くるりときびすを返した。

「ひろゆき!!」
トオルが後を追う。隊長も後を負おうとするが、弐編に行く手を遮られた。
「弐編、どいてくれ・・・」
ひろゆきを見つめる隊長の胸に弐編は、しかし、すがりついた。
314風と木の名無しさん:02/09/27 00:47 ID:CjyzbrJ/
「弐編・・・放してくれ」
「・・・イヤです」
弐編は潤んだ瞳で隊長を見上げる。
「ひろゆきは・・・ひろゆきは、隊長を裏切ったんです」
弐編の言葉が隊長に突き刺さる。
315風と木の名無しさん:02/09/27 00:56 ID:Y9AQ0dBb
。・゚・(ノД`)・゚・。<別れたくないょ
316風と木の名無しさん:02/09/27 01:40 ID:vG13xmdA
ひろゆきは心の中で泣きながら走った。
隊長と別れたくない・・・。でも、今の自分は・・・。

隊長を傷つけることしかできない・・・。
317風と木の名無しさん:02/09/27 02:06 ID:ye8SFupG
ひろゆきの言いたかったことは、本当は違った。
隊長が自分だけ見てくれないのが、寂しくて・・・
トオルみたいに一途に愛して欲しかった。
318風と木の名無しさん:02/09/27 02:23 ID:6qXVj7kS
けれど、弐編が隊長の傍にいる今、その願いはかなうはずも無い
いっそ他の誰かを好きになれたら…そうひろゆきは思った。
319風と木の名無しさん:02/09/27 09:57 ID:S2h403KN
ひろゆきは追い掛けてくるトオルに腕をつかまれた。
「なんで逃げるんだ」
トオルが真直ぐに見る。
320風と木の名無しさん:02/09/27 13:59 ID:jiAolz7P
「は・・・離して下さいでつ、トオルたん・・・オイラ」
トオルは何も言わずに抱き寄せ、目を逸らし言いかけるひろゆきの唇を塞ぐ。
321風と木の名無しさん:02/09/27 14:09 ID:S+nAwLPN
http://www3.airnet.ne.jp/tshimizu/index.html トップ
http://www3.airnet.ne.jp/tshimizu/photo/index2.html 写真集
http://www.nakoruru.dtdns.net/bbs/ 掲示板
電波でキモヲタ、女装コスプレイヤー
322風と木の名無しさん:02/09/27 14:28 ID:FU8T7LQH
電波から復帰した馬並は、はあはあいいながらカメラを構えた。
323風と木の名無しさん:02/09/27 16:39 ID:Pu4EUsTo
トオルの舌が絡まる。
その舌技に、ともすれば、ひろゆきは意識を飛ばしてしまいそうになる。
324風と木の名無しさん:02/09/28 00:31 ID:0yWfVLYf
(ふぁ・・・)
くらくらとする意識の中で、ひろゆきは無意識にトオルの首に手を回した。
325風と木の名無しさん:02/09/28 02:04 ID:OQMtceDb
「弐編・・・頼む・・・」
隊長はその印象的な瞳で、弐編を見つめた。
その瞳に、弐編は泣きそうになるが、隊長をしっかりと抱き留めて離さない。
326風と木の名無しさん:02/09/28 02:15 ID:WcmmMA0b
その間にも、隊長目の前で、トオルとひろゆきのめくるめく世界が繰り広げられていく。
ピンクの霞と、微妙な色の大輪の薔薇の幻があらわれ、隊長は慌てて首を振った。
(これは、悪い、夢だ・・・。)
327風と木の名無しさん:02/09/28 03:42 ID:lzVsrn8l
隊長の目が気になりながらも、トオルはひろゆきの身体を抱きしめ直す。
一連の様子を見て、弐編は隊長を心配げに見上げる。
だが、その手を離せばまたひろゆきを見つめる隊長を傍で見ていなければ
ならなくなる。
弐編は一層隊長に強く抱きついた。
328風と木の名無しさん:02/09/28 08:34 ID:E+DeLLZt
弐編を無理矢理振り払うこともできずに、隊長は抱き合うひろゆきとトオルを
悔しげに、そして、悲しげに見つめていた。
329風と木の名無しさん:02/09/28 12:26 ID:kSTB3JeZ
そして隊長の悲しい性…こんな時にも頭の中には得意のポエムが浮かんできてしまう…。
330風と木の名無しさん:02/09/28 22:41 ID:LxipdYA7

逃げられないほど残酷な
現実が僕をかきたてる
それでも君なら祈るだろう
立ち向かう心に賭けて

飛びたてるさ 僕らの強さが
遠い道のりも 苦しさも超えて
きっとゆけるさ 僕らの見えない
隠れた力を その優しさにかえて

331風と木の名無しさん:02/09/29 01:00 ID:ffFVhG+d
(隊長・・・)
トオルに唇を塞がれたひろゆきの耳に、隊長のポエムが届く。
332風と木の名無しさん:02/09/29 02:26 ID:ClrShEvo
隊長とひろゆきの脳内はシンクロしてきていた・・・

(隊長…オイラ…)
(ひろゆき…)

二人の間にはテレパシーに似た何かが通じてくる・・・
333風と木の名無しさん:02/09/29 12:41 ID:PxHvdZ3S
ひろゆきは、トオルの首に回していた腕をゆっくりとほどき、自分の胸元に
持ってきて、そのままゆっくりとトオルを突き放した。

「ひろゆき・・・」
トオルが紅潮した顔でひろゆきを見つめる。


334風と木の名無しさん:02/09/29 14:49 ID:2+2aHhQ1
再びひろゆきを抱き寄せようとするトオルを制し、ひろゆきは微笑んだ。
「トオルたん・・・オイラやっぱり・・・」
335風と木の名無しさん:02/09/29 16:23 ID:R6O0sLYj
ひろゆきはその瞳に涙を浮かべ、トンとトオルの胸を突き飛ばすと、
隊長に向かって走り出した。
336風と木の名無しさん:02/09/29 22:16 ID:nDEwBDQf
ひろゆきの目からは大粒の涙がこぼれ落ちた。
(ごめんね、トオルタソ・・・・・)
337風と木の名無しさん:02/09/29 22:52 ID:Xi5NKoN1
ひろゆきと隊長の間に、真っ赤な目をした弐編が立っている。
弐編は動けなかった。
いやいやと首を振って、隊長に縋る。
338風と木の名無しさん:02/09/29 22:58 ID:mwLoiKQF
「弐編・・・・・・すまない・・・」

隊長は小さく呟く
目は走り寄ってくるひろゆきにだけ向けられていた
339風と木の名無しさん:02/09/30 01:05 ID:RRj8f9nT
(た・・・隊長・・・)
ひろゆきは点描を飛ばしながら、隊長に向かってかけていった。
こころなしか、動きもスローモーションである。

(ひろゆき・・・ひろゆき・・・ろゆき・・き・・・)
隊長の心の中にもひろゆきがエコーしていた。
340風と木の名無しさん:02/09/30 01:43 ID:nYo9y+wR
そんな二人の間にいる二編は気のいいものではなかった

しかし弐編にしがみつかれたままの隊長とひろゆきの周りには
二人の世界が広がっている
341風と木の名無しさん:02/09/30 04:55 ID:GLY7ExbN
その時!!雰囲気もブチ壊し、居眠り暴走トラックが
馬並に向かって突っ込んで来た。
ドンガラガッシャーン!!一昔前の少女漫画の効果音が辺りに鳴り響く。
吹っ飛ばされる馬並の口からは何故か「マンセーは死語!マンセーは死語!」

そして目の前には血の海の中心に、スーパー虫の息スペシャルな馬並が横たわっていた。
342風と木の名無しさん:02/09/30 12:56 ID:80QcpczJ
暴走トラックの突っ込む音に、一瞬弐編がひるんだ。
弐編の、隊長を抱き締める力が弛んだのを見てとって、隊長は、弐編を押し遣った。
「すまん、弐編・・・」
言いながらひろゆきに向かって手を伸ばす。

(・・・ああ・・・撮らなきゃ・・・ああ・・・)
虫の息で、馬並は別の意味で(;゚∀゚)=3/ヽァ/ヽァしながらカメラを構えた。
343風と木の名無しさん:02/10/01 02:29 ID:zpCHBiwU
ひろゆきの手が隊長の手に届く。
互いにそれを手繰りよせ、抱き締めあう。
勢い、二人は一回転し、そのまま口づけた。
344風と木の名無しさん:02/10/01 07:58 ID:aIh8wiVO
そして唇を離したのち、懲りずにもう一回転した……。
345風と木の名無しさん:02/10/01 11:25 ID:IJkN3Njd
下にターンテーブルもないのに、二人はぐるぐると回り続けた。
346風と木の名無しさん:02/10/01 12:13 ID:h54K249m
(た・・・隊長、なんだか目が回るでつ・・・)
(頑張れ、ひろゆき・・・)
二人はテレパシーを交わす。
347風と木の名無しさん:02/10/01 13:46 ID:pyvQcmRn
そんな二人を見ながら、弐編は唇を噛み締めた。
348風と木の名無しさん:02/10/01 14:41 ID:F/fRKzWm
ハンケチも噛み締めた。
349風と木の名無しさん:02/10/01 18:50 ID:dO4aP0fC
(い・・・いいわあ・・・)
馬並の流血はいつの間にか止まっていた。
350風と木の名無しさん:02/10/01 23:46 ID:f2JAexxU
二人は時が経つのも忘れて回りつづけている
しかしやはり目が回るのは忘れられない。

(隊長・・・オイラ…もう・・・)

テレパシーを送る。
しかし抱きしめる腕は離さない
351風と木の名無しさん:02/10/02 01:12 ID:yOWYZ/Kr
やがて二人は回り疲れ、その場に重なり合い、倒れ込んだ。
互いに目を見交わす。その目はぐるぐると回っている。
352風と木の名無しさん:02/10/02 03:59 ID:CQzZkyqI
重なり合ったまま、起きあがれない。
構わず、隊長は、オヤ痔に脱がされたままのひろゆきの下半身を弄り始めた。
353風と木の名無しさん:02/10/02 10:26 ID:xGeaGYUX
「はう〜ん・・・」
ひろゆきの口から吐息が漏れる。
目が回り頭はくらくらとしたままで、そこに快楽が走る。
354風と木の名無しさん:02/10/02 12:14 ID:54r9axSd
回る二人を呆然と見守っていたトオルと弐編は、二人がエチーし始めたのを見て慌てて駆け寄った。
355風と木の名無しさん:02/10/02 18:20 ID:Xzy1ctg3
ひろゆきも隊長も目が回っていて正気じゃない。
そんな二人を慌てて引き離そうとするも、
356風と木の名無しさん:02/10/02 20:12 ID:Hwb4Wzwe
二人はしっかりと抱き合って離れなかった。
と、いうより目の前がぐらぐらしていたので手近なものに
しっかりと掴まっていただけなのだが。
357風と木の名無しさん:02/10/02 20:50 ID:bf6jK1tc
そう、お互い、むき出しになっていたうまい棒に・・・
358風と木の名無しさん:02/10/02 23:11 ID:JENHlRSP
(た・・・隊長・・・オイラまだ目が回ってるでつ・・)
(頑張るんだ、ひろゆき。しっかり掴まってるんだぞ!)
359風と木の名無しさん:02/10/03 06:33 ID:+DUh07o1
今となってはあれほど景気よく回り続けていた自分たちが恨めしい。
360風と木の名無しさん:02/10/03 23:48 ID:JPaPd71J
しかしこうして抱き合っていると幸せと感じられる

(隊長・・・オイラやっぱり隊長が一番でつ・・・)
361風と木の名無しさん:02/10/04 10:28 ID:rFv5oKlJ
目は回りつつも、お互いに握り合っていると、当然うまい棒は膨らむ。
362bloom:02/10/04 10:55 ID:zMAL150D
363風と木の名無しさん:02/10/04 13:49 ID:mBjoMMHJ
馬並も、なんとか流血は止まったものの、出血多量でくらくらしながら撮り続けた。
364風と木の名無しさん:02/10/04 13:50 ID:tntt8QT4
★★「西村博之」 創価学会家庭の犯罪★
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/news/1033680593/
 皆さん。
「西村博之」という人間がいるのを知っていますか。
両親は創価学会です。母親は在日朝鮮人です。
 その事から、部落差別等の件があり、一家は「反権力」に染まっています。
西村博之のバックには、
1、創価学会
2、ガル・エージェンシー(企業恐喝専門の全国にチクリ屋ネットワークを敷く探偵社)
3、層化のスパイ警察官

がついています。
以前、ヤクザが彼の家に押しかけた事がありましたね。
あのとき、やってきた刑事は「創価のスパイ警官」です。

2ちゃんねるは、利用者全てのログを探偵社に売却し、
プロバイダからもれたIP(ダイヤルアップも同様)と照合し、個人情報を収集しています。
2ちゃんねるのメールマガジン(10万人の購読者)のアドレスも同様です。
この場合単純計算で、一つの件平均2000人、一つの市町村30人程度になる訳ですが、
ガル・エージェンシーという探偵社は「全国に」数十箇所支店がありますので、
次の犯罪ターゲット探しに使っています。
慶応大学の「パラ森」事件、京都大学の「みのる」事件、そして「松原」虐待犯さらし。
有罪が確定してもいない人間をさらしている時点で完全に「悪意」がある訳ですが、
彼等は「何故」 素人2チャンネラーを装っているにも関わらず「人をさらしたり」出来るのでしょうか?

365bloom:02/10/04 13:54 ID:zMAL150D
366風と木の名無しさん:02/10/04 14:44 ID:qfd3+vDn
出血多量の馬並の脳裏に364の幻覚が見えた。
(ヤ・・・ヤヴァいのかすぃら・・・)

それでも馬並は根性で二人を撮り続けた。
367風と木の名無しさん:02/10/05 05:42 ID:rHv6lJlv
馬並「ひろゆきのバックは層化と探偵とスパイが狙っているわ〜・・・」

根性で生きる馬並だが、その幻覚はすでに意味不明であった。
368風と木の名無しさん:02/10/05 09:13 ID:bOBm8gEf
あまりに生死の境にいる馬並からまたもや電波が発せられた。
その電波がトオルを襲う。
369風と木の名無しさん:02/10/05 22:13 ID:VBOxXOQ4
電波受信無敵状態となったトオルは、下半身丸出しで倒れている二人の上からかぶさっていった。
370風と木の名無しさん:02/10/06 06:31 ID:fkaqYs2v
            ,,--―'''""`ヽ'         ̄`ヽ、
           /        ヾ  /       ~`ヽ
         /           ヽ;:  /"""ヾ   ヽ
        /        ;:;;:::''''   l /;:;;:::'''  \   i
      /        /;:;;:::'''           ヽ  ヽ
      |         |               ヽ  |
      /        ;/                ヽ ヽ
     /        ;:;:ヽ            ,,,,;;::'''''ヽ  |
     i          /  ,,,,;;:::::::::::::::      __  ヽ ヽ
     |          |  "       :::: '"ゞ'-'゛"' |  |
     |          |.  ヽ - ‐=-'''"゛ ::::::..      |. |
     |         ;:|  ☆ノ、      :::::::       | :|
      |         ヽ.   パチ    ( ,-、 ,:‐、   | |  はぁ・・・・・・ン
      |       /ヾ..                  | |
      |          |         __,-'/ヽニヽ .  |  |
..       |        `、ヽ        ヾ|  |.ン"  /  |
        |         ヽ\        |  |   /  |
        |          l   `ー-::、_    |  | ,,..'|ヽ./
        ヽ.        :人.      `ー|  l, へ'  / ヽ
        /;:;:;:;;:;:;: _/  `ー-、     / /  , \ ノ/ヽ\ー-、
           ,.-'"  \:      \   |    ̄ ̄\/ ノ
         /.     \        ~|      ー‐/ /
    ,,..-‐'''""        ヾ    ,.-''"| |         |
371風と木の名無しさん:02/10/06 17:20 ID:rqkUZ9rb
目が回りながらも、隊長の指を感じる。
そこに突然、違う感触が伝わって来る。
ひろゆきは、全く別の感覚に更に喘ぎ始めた。
372風と木の名無しさん:02/10/06 20:35 ID:dkClJUJN
>ストーリーに関係ないことを呟きたくなったらこちら
http://twech801.s2.x-beat.com/cgi/ahhan/

何かここ行けなくなっちゃったんですケド。
373風と木の名無しさん:02/10/06 20:43 ID:l4SFXpKd
もう少しで逝きそうになりながら、ひろゆきはなんとか踏み止まった。
その感覚が隊長のものではないことに、目が回りながらも気付いたからだ。

そう・・・隊長のファソスレに晒された為に、管理人がストップしているということに・・・。
374風と木の名無しさん:02/10/07 12:16 ID:mRaiRrvV
隊長も、自分の身体を這う手が、ひろゆきのものではないことに気付いた。
トオルのものでもない。
(・・・誰だ・・・)

目が回りながら、その方向に見当をつけて見据えた。
375風と木の名無しさん:02/10/07 13:18 ID:GVhvpeXV
隊長の目に入ってきたものはファルコだった。
376風と木の名無しさん:02/10/07 13:28 ID:3FOq9y+Z
ファルコはその挑戦的な瞳で、隊長の身体に手を這わせた。
ttp://kirikomi.s19.xrea.com/cgi/joyfulnote/img/31.gif
377風と木の名無しさん:02/10/08 19:10 ID:YEycIxgo
そんな4人を見ながら、弐編が心中穏やかであるはずがない。
戸惑いながらも、その中に身を投じていった。
378風と木の名無しさん:02/10/08 23:59 ID:gMdQZRWx
野獣どもの中に身を投じた生まれた時からの受の弐編が、そのまま無事であるはずがない。
379風と木の名無しさん:02/10/09 19:14 ID:c5V+46lU
いつの間にか、その中にはけんすうが混じっていた。
「に・・・弐編姫・・・(;´Д`)ハァハァ」
380風と木の名無しさん:02/10/09 20:56 ID:U+PRHDIb
「ひ・・・姫・・・(*´Д`)ハァハァ」
目を閉じたけんすうの唇が近づいてくる。弐編の背筋に冷たいものが走った。
「な・・・何しやがんだ!このバカ!!」
思わず叫ぶ。

「ヲイヲイ、ヲレの弐編に何してんだ(@w荒」
そこへ、更にややこしい奴がやってきた。
381風と木の名無しさん:02/10/09 23:55 ID:xG2gkf7W
「た・・・隊長・・・」
弐編はパニックに陥りながら、眼に涙を溜めて、隊長にすがりつこうとした。
しかし、隊長はまだ目が回っていて起きあがれない。
しかも上からはファルコが押さえつけている。
382風と木の名無しさん:02/10/10 14:16 ID:340CMegp
7人は団子のように固まってゴロゴロと移動していった。
383風と木の名無しさん:02/10/10 22:06 ID:TnG/IR+7
           /\       /i^ヽ
            ,>,-ヽ--、,,,/,,,/;;;;ノ
            / ,,-‐―、ヽヽヽ;<´   
            〔/     ))))ヾヽヽ  
            /.,,,,、、 ,ヽξ^\Ξ/     
           / ==/  .,==-   レi!
    (\_/).〔、 ,(_,、ノ( "",,ノ::: 6)       (\_/)  ))
  Σ(.;´Д`) λ:" ‐=‐^ン ...::::: |/        (;´Д`∩
    (.つ  つ λ:::::. .::.. ::...::::::/ λ        ( 二つノ
 ((  )  ) ,)  \::::::::::::::// . λ、       (_ ヽ,,ノ
    (_ィ,,__)    ̄| ̄      /~~ ̄⌒\(_イ__ノ
      |:"""| / ̄ ̄f´ ヾ、   ノ        /:"""/ 
      |   |/     \___/        /   /
384風と木の名無しさん:02/10/12 00:42 ID:v5togqVh
kittyはそのまま弐編とひろゆきを捕らえると、両手に抱えて>>383走り去ろうとした。
385風と木の名無しさん:02/10/12 16:33 ID:FwsY1umS
「ま・・・待て!kitty!」
隊長が後を追おうとするが、まだ頭がくらくらして立ち上がれない。
しかも、上からはファルコが押さえつける。

トオルは、kittyを追うか、隊長を助けるか迷っていた。
386風と木の名無しさん:02/10/12 17:11 ID:fPMbOWVA
馬並がkittyを追っていってしまったため、トオルは馬並の電波から解放されていた。
387風と木の名無しさん:02/10/14 01:00 ID:Vq9LSZK1
ファルコに組み敷かれている隊長を見て胸が痛む。
しかし、ひろゆきを助けにいかなければ・・・。
388風と木の名無しさん:02/10/14 06:56 ID:e7pzNdrQ
だが、この心のひっかかりはなんだ。
俺の好きなのはひろゆきだけのはずだ。
だが、こいつも放っておけない・・・。
389風と木の名無しさん:02/10/14 07:44 ID:OuO080EP
どうすればいいのか、トオルは己のうまい棒に問い掛けた。
kittyに抱えられたひろゆきとトオルの距離は、どんどん遠くなっていく。
それに合わせるかのように、いつの間にかトオルのうまい棒は隊長の方向を向いている。
それを見て・・・トオルは意を決した。

「切込を離せっ!!!」

トオルはファルコに掴みかかった。
390風と木の名無しさん:02/10/14 22:29 ID:buOT8apa
  ◆
( +_。+)<やめろよ、トオルー

ファルコはトオルの手首を掴んだ。
391風と木の名無しさん:02/10/14 23:45 ID:GmMosWGT
ファルコを思わず見るトオルと、ファルコの突き刺すような瞳が出会った。
二人はそのまま見つめあい動かなくなった。
392風と木の名無しさん:02/10/15 18:32 ID:2TTT6mUN
固まっている2人を横目に、隊長が立ち上がった。
だがまだ頭がくらくらする。
「ひろゆき…。」
393風と木の名無しさん:02/10/16 12:32 ID:xgwqTEyc
隊長はふらふらと壁にもたれかかりながらkittyが走り去った方向へ向かった。
しかし、既に姿は見えなくなっている。
394風と木の名無しさん:02/10/16 23:24 ID:LYf2Gfqx
「クソ・・・っ何処へ逝ったんだ!!」
舌打ちを打つ隊長。

まだファルコと見つめあっているトオルを見る
「・・・・・・あいつなら・・・」
395風と木の名無しさん:02/10/17 01:43 ID:JxpFDcJt
ファルコと見つめあっているトオルの肩をガシリと掴み、こちらを向けさせる。
真剣なまなざしの隊長に、トオルは我に還った。
396風と木の名無しさん:02/10/17 15:03 ID:8Xntu0hN
我には還ったが、トオルはその真剣な隊長の瞳を誤解した。
「切込・・・お前・・・。」

何だ、この胸の高鳴りは。
違う、こいつはひろゆきを心配してるだけ・・・いや、でももしかして切込も俺の事を・・・?
397風と木の名無しさん:02/10/17 15:39 ID:T1sfN+eg
  ◆
( +_。+)<隊長は俺のもんだよー

ファルコの言葉も耳に入らない様子で、トオルは肩を掴んでいる隊長の
手首を握り、自分の胸に抱き寄せた。
398風と木の名無しさん:02/10/17 23:03 ID:SU4fbxmJ
「おい!何しやがるトオル!?」
急の出来事に隊長も動揺する

「何勘違いしてやがる!!」
慌てて引き剥がそうとするもトオルは離れない
399風と木の名無しさん:02/10/18 02:31 ID:i6kRSXLt
ただでさえ細い隊長が、しかも、目が回っている状態でトオルに適うハズもなく
400風と木の名無しさん:02/10/18 10:03 ID:GsifdKAn
トオルに押されるままにふらふらと倒れ込んだ。
401風と木の名無しさん:02/10/18 13:12 ID:/xfigw/e
腕の中の隊長のほっそりとした体を、トオルは遠慮なく抱きしめる。
思いがけない胸の暖かさに、隊長は自分の顔が紅潮するのを感じた。
「やめてくれ・・トオ・・」
儚げなつぶやきはトオルの唇によってかき消された。

「うう・・ううん・・・」
トオルの舌技に、隊長の体の力が抜けていく。
自分の意思とは別に、うまい棒がむくむくと持ち上がっていく。
402風と木の名無しさん:02/10/18 13:42 ID:XXSfsCE4
  ◆
( +_。+)<やめろよ、トオルー

ファルコがトオルを隊長から引き剥がそうとする。
しかし、トオルはしっかりと隊長を抱き締めたまま離さない。
403風と木の名無しさん:02/10/18 14:56 ID:FJTBXaM1
トオルのうまい棒は既に隊長の方向に振り切れていた。
これをどうにかしないことには、ひろゆきを追うことができない。
404風と木の名無しさん:02/10/19 07:41 ID:O8fyw52N
トオルは隊長の剥き出しのうまい棒をさぐる。
すでにファルコの存在は、頭から消し去られていた。
405風と木の名無しさん:02/10/19 16:59 ID:FiLcajMV
寿司屋につっこむ前に最大になっていたトオルのうまい棒は、
またもやむくむくと膨らみ始めた。
先程の欲望が身体を包み込む。
406風と木の名無しさん:02/10/21 01:43 ID:I5aV1xnc
トオルのうまい棒が育っていくのを肌で感じた隊長は
先刻の出来事を思い出し、体を震わせた。
407風と木の名無しさん:02/10/21 10:42 ID:DbC3rIoU
激痛の中にたゆたう、快感ともつかぬ不思議な感覚。
恐いような、それでいて・・・。

(だ・・・ダメだ。ひろゆきが・・・)
心では思っても、隊長の身体は、トオルに抱き締められているからだけではなく、
自分の意思では動かなくなっていた。
408風と木の名無しさん:02/10/21 12:09 ID:rylhOhAD
隊長のうまい棒をさぐっていたトオルの手が*に移動し、優しくほぐし始める。
再び襲う快感に隊長は思わず声をあげる。
膝から下の力が抜け、ゆっくりと膝を折っていく隊長の体を
トオルはたくましい片腕だけで支えながら、静かに寝かせていった。

ひろゆきや弐編の前で見せる凛とした表情とは違う
甘えるような苦しんでいるような隊長の顔に
トオルは激しく心奪われ、興奮した。
409風と木の名無しさん:02/10/21 14:27 ID:iHJp+3oi
その頃kittyは、ひろゆきと弐編を抱えて走りながら、後ろを振り返った。
視線の先には、誰もいない。
隊長が追って来ない事をいぶかしがりながら、ひろゆきを降ろした。

「ヲレは弐編だけいればいいからな(@w荒」
「はっ・・・放せ・・・!」
弐編が必死でkittyの手をほどこうとする。

410風と木の名無しさん:02/10/21 16:17 ID:T2AqFASH
大分遅れてけんすうがkittyの後を追って来た。
ひっきーの彼にとっては、kittyのスピードは苦しかったが、
なんとか弐編恋しさに頑張ったのだ。

kittyがスピードを落とした為、なんとかやっと言葉を発することができるようになった。
「に・・・弐編姫・・・は...(*´Д`)ハァハァ」
411風と木の名無しさん:02/10/22 01:25 ID:FZc/RXTh
弐編を抱きかかえたkittyと、少し遅れてけんすうがその後を追うのを見ながら
ひろゆきはしばらく呆然としていた。

「・・・はっ!弐編君を助けなきゃでつ!隊長は何してるでつか!」
412風と木の名無しさん:02/10/22 03:51 ID:4/eNMCvw
ひろゆきは隊長の方向へ向かって走り始めた。
413風と木の名無しさん:02/10/22 17:24 ID:w3RzDl1A
ひろゆきが元の場所に向かって走り出した頃
隊長はトオルの熱いものを受け入れていた
「あ・・ぁぅ・・んん・・」
痛みとなんとも言えない快感が、トオルが動くたびに激しく隊長を襲う

トオルに抱かれるのはもう何度目かになるが
以前はあった屈辱感が消えているのに、隊長自身驚きを隠せなかった
(そうなのか・・俺はトオルにこうされたかったのか・・)
414風と木の名無しさん:02/10/23 14:35 ID:Vmlp60Kw
「何やってるでつか!隊長!!」
震えるひろゆきの叫び声に、隊長は我に返った。

声の方向を見ると、ひろゆきは真っ青になって立ち尽くしている。

「何・・・何してるんでつか・・・!!」
弐編タンが大変な時に・・・!!

声が続かない。
隊長とトオルたんがそんなこと・・・そんな・・・。

「・・オイラに黙って、二人でずるいでつ〜〜!!」
415風と木の名無しさん:02/10/23 23:58 ID:p1/rsn/U
と、叫んだひろゆきはひろゆ子になってしまった…

隊長とトオルの姿を見たショックで、
純情乙女ひろゆ子の方がエロエロひろぽんより
出るのが一瞬早かったのだ。
そのせいか今日のひろゆ子はちょっと大胆そうだ。
416風と木の名無しさん:02/10/24 02:42 ID:eJjrWoHU
ひろゆ子は、目をぎゅっと閉じ、トオルと隊長に向かって飛び込んでいった。
417風と木の名無しさん:02/10/24 07:05 ID:lWJ32KWj
でも純情ひろゆ子故に、トオルと隊長とどっちに飛びつこうか迷ってしまう。
ひろゆ子が迷って一瞬躊躇している間に、
それまでぼーぜんとトオルと隊長を見ていたファルコが我に返った。
ファルコは隊長をトオルから引き剥がすと、小脇に抱えて走り出した。

「ああっ!隊長をどうするんでつ!!!」
418風と木の名無しさん:02/10/24 12:09 ID:QEY/6ZGh
ファルコは弐編がkittyに連れ去られたのとは逆の方向に走って行く。

「・・・ど・・・どうしよう・・・」
ひろゆきは、どちらを追うべきか迷った。
419風と木の名無しさん:02/10/24 18:18 ID:pEvXB05W
「隊長〜!」
420風と木の名無しさん:02/10/24 18:46 ID:Ax5doOYi
ここにもありますた。
http://www.ezcoolpages.com/musume99/rika.html
421風と木の名無しさん:02/10/25 04:36 ID:bVby61yW
隊長をもぎ取られ、一人うまい棒を立たせたままのトオルも
あわててそのままひろゆ子の後を追う。
「待ってくれ。切込!ひろゆき!」

そして今までずっと陰で撮影をしていた馬並=>>420もその後を追った。
422風と木の名無しさん:02/10/27 03:18 ID:KdqNiKJ4
絶対に撮り逃さないわよぉ〜! (*´Д`)ハァハァ…

馬並はさっきまで影で盗撮しつつ温存していた体力を駆使し、
全力疾走でひろゆき達を追いかけはじめた。
423風と木の名無しさん:02/10/28 11:46 ID:0BWrmV6t
ひろゆ子は内股で走った。
424風と木の名無しさん:02/10/28 22:11 ID:X5bE9xOJ
バックに点描をちりばめて
425風と木の名無しさん:02/10/28 23:38 ID:6UbQoBkO
ちょっと薔薇とカスミ草も散らしてみた。
426風と木の名無しさん:02/10/28 23:53 ID:AAGrfb6S
可愛かった
427風と木の名無しさん:02/10/29 01:34 ID:yshan33O
ひろゆきはファルコに抱きかかえられている隊長に飛び込んで行った。
http://www.geocities.co.jp/NeverLand-Homeroom/4197/laputa_kirikomi.swf

428 :02/10/29 01:34 ID:Dm6Fm82h
429風と木の名無しさん:02/10/30 15:14 ID:eF0PO0Y0
馬並=428も一緒に飛び込んでいった
430風と木の名無しさん:02/10/30 18:15 ID:hyU9kQ5W
後から来たトオルも一緒に飛び込んでいった
431風と木の名無しさん:02/10/30 18:21 ID:7y7zh0iN
キタ━━━━━━( ゚∀゚∩)━━━━━━━!!!!!
かわいすぎてエロすぎて萌え萌え

http://www.pink1.com/
http://www.pink1.com/
432風と木の名無しさん:02/10/31 00:13 ID:xYAW8bUR
431=隊長の本音
433風と木の名無しさん:02/10/31 13:56 ID:tZH7sd1i
隊長はひろゆきかわいさのあまり、バカ力を出してファルコの腕からするりとすり抜け、
ひろゆきに手をさし伸ばした。
434風と木の名無しさん:02/11/01 00:46 ID:mgErtKmM
その途端、空気がピンク色に変色した。
すべての動きが、スローモーションになる。
隊長の指先あたりに、金色の砂のようなものがあらわれた。
それはきらきらと輝きながら、ひろゆきの方へと流れてゆく。
435風と木の名無しさん:02/11/02 01:12 ID:93Je8Ffi
(何だ!? このバックは?)
いぶかしく思いつつも、隊長はひろゆきを抱きとめた
436風と木の名無しさん:02/11/03 00:42 ID:PKLeyZlU
「隊長〜〜〜〜〜大好きでつ〜〜〜〜〜」

固く抱き合う隊長とひろゆき。

ファルコ、トオル、そして馬並みも勢いで3人で固く抱き合った。
437風と木の名無しさん:02/11/05 12:52 ID:s/xkneVs
5人は輪になった。
438風と木の名無しさん:02/11/06 20:36 ID:0o510Dk5
そしてぐるぐる回った。
回った勢いで馬並とファルコはどこかへdで逝ってしまった。

後には隊長とひろゆきとトオルが残された・・・。
439風と木の名無しさん:02/11/07 14:49 ID:bqEtnqD+
そして流れる気まずい雰囲気・・・
440bloom:02/11/07 15:45 ID:xLPTiYVe
441風と木の名無しさん:02/11/07 15:54 ID:0KvJzrpl
442風と木の名無しさん:02/11/07 15:56 ID:IKZfJhYm
あのー801板のどのスレをクリックしても
PINKTOWERに飛ぶんだが何故なんだすか?
443風と木の名無しさん:02/11/07 16:04 ID:umkFbHNx
>>442
専用ブラウザ使いなされ
444風と木の名無しさん:02/11/07 16:09 ID:Wl1gptqM
>442
書き込む前に上がってるスレくらい読もうよ。鯖負荷でread.cgiが停止してるんだよ。
2ch専用ブラウザを入れれば見られる。転送量軽減の為にも導入しれ。
詳しくは、初心者板、ソフトウェア板、批判要望板へ

445USA:02/11/07 16:10 ID:rf1FDFi+
危険 モ炉画像があっるYO。
新着『姫』・『手錠娘』・『ピンぼけ2人ぐみ』・『オリ画・熟女』が・・

http://hardcore.pornparks.com/pon/
446風と木の名無しさん:02/11/07 20:42 ID:NAcydIME
ひろゆきはあまりの気まずさに思わずキラキラしてしまった。
http://www.geocities.co.jp/NeverLand-Homeroom/4197/hiroyuki_kirakira.swf
447風と木の名無しさん:02/11/08 11:47 ID:m9PNg2dn
5人揃ったので、ちょっと変身してみた。
テーマ曲はこれで。
http://i--p.com/kitchen/yasashisa_demo.mp3
448風と木の名無しさん:02/11/08 15:48 ID:HpjfkH/k
変身したひろゆきは我に返った。
ふと思う疑問を口にする。

「隊長は・・トオルたんとおいらとどっちが好きなんでつか?」
449風と木の名無しさん:02/11/10 00:11 ID:t2RFiI18
む。もうすぐひろゆきの誕生日だ。
450風と木の名無しさん:02/11/10 01:22 ID:XNeXWvb0
隊長はふと思い出し、変身しているひろゆきを見つめた。
(そうか。なんかプレゼントしないとな・・・)
451風と木の名無しさん:02/11/11 02:34 ID:JOAadcfB
「ひろゆき、今一番欲しいものは何だ?」
隊長はストレートに聞いてみた。
452風と木の名無しさん:02/11/11 02:34 ID:8wrMs99+
453風と木の名無しさん:02/11/11 03:06 ID:OsI01Vre
「ウマイ鉾 無期限でタダ購入権」が良い。
454風と木の名無しさん:02/11/12 23:46 ID:bsZvPtH9
そう…隊長のやつね(*´Д`)ハァハァ
しぶとく復活してきた馬並はそうつぶやいた。
455風と木の名無しさん:02/11/14 01:54 ID:+qgIeC9m
ひろゆきはうまい棒と口にして恥ずかしくなってしまった。
つい顔を伏せると、目の前の隊長とトオルの下半身が・・・
456風と木の名無しさん:02/11/14 16:42 ID:lmqagcAr
(トオルたんのがおっきいでつ・・)
457風と木の名無しさん:02/11/14 17:33 ID:QTUegddB
ひろゆきはぶっちゃけ、質と量とどっちを取るべきか迷った。
458風と木の名無しさん:02/11/14 17:34 ID:EWoDcx1m
今まで純情乙女ひろゆ子だったひろゆきが
徐々にエロエロひろぽんへと変化して行く…
459風と木の名無しさん:02/11/14 22:37 ID:sinPE8RF
どっちも欲しい…
460風と木の名無しさん:02/11/14 22:52 ID:T1OmDufm
『明太子な太さも好きだけど、チョコのもどかしさもイイでつ』
『アッ・・シューは・・入らな・・・ヤメテ・・・』
461風と木の名無しさん:02/11/15 00:07 ID:VL7riCPO
ひろゆきの表情が艶めいてゆくのを見て、トオルの胸は
高鳴った。
一方隊長はひろゆきのエロエロ化を察知し、たじろいだ。
462風と木の名無しさん:02/11/15 11:14 ID:CE0nSkwH
たじろぎながら ひろゆきから、視線を外せない。

トオルにシューを入れられ、乾いた皮のザラ付く苦痛。それが彼の体内で
潤され、中が溢れ出す度、洩れる吐息と その眼差しは「助けてくれ」と
縋っているのではなく、隊長を魅堕す為に向けられた、ひろぽんの、妖艶な眼光だった。

463風と木の名無しさん:02/11/16 01:32 ID:YBLSdZdI
そんなひろぽんは今日が誕生日だ

今日限定のお祝い板
http://ooo.2ch.net/party/

801板腐女子で全力で祝いましょう
464風と木の名無しさん:02/11/16 17:41 ID:olY7VpaY
>>463
おお。背景カワイーな。
465風と木の名無しさん:02/11/16 23:24 ID:7VeRPEL/
あげ!
466風と木の名無しさん:02/11/18 01:45 ID:3N30XnPL
その同じ眼差しを、トオルにも投げかけると、トオルは
熱に浮かされた瞳でひろぽんの頤を捕らえ、ひろぽんに
深い口付けをする。

時折口漏れる ひろぽんの甘い吐息と、トオルが返した 博之を呼ぶ甘い声

    博之・・・・・・・やめろ・・・・・

    トオル・・・・・・嫌・・・だ・・・
    俺にはそんな声・・・出さなかったのに・・・・・・・・・


切込隊長は無意識ながら、挑発する博之にでは無く
博之の名を呼ぶトオルのその声に嫉妬していた。

 「 トオル! 嫌だ・・・・・・ 」
それを声にして己では気付かない位。

 その声に気付き、トオルは博之の唇を、そっと引き離した。
「 切 ・・・込 ・・・?」
467風と木の名無しさん:02/11/21 19:11 ID:tUE/CxpC
何だか面白い展開になりそうだわ…(*´Д`)ハァハァ
馬並はこの後の展開を想像し、激しく興奮した。
468風と木の名無しさん:02/11/22 01:41 ID:34DewU6V
「嫌・・・だ・・・・・・」
縋る様な眼差しをトオルに向け、自分が何を口走ったか
名前を呼び返され、一瞬思考が戻り掛ける

俺は こ奴に何を 言っ・・・・・・
しかし、口から吐いた言葉はもう戻らない 隊長の表情に自然と篭る熱は
トオルを戸惑わせるのには、十分な姿だ。

三者に訪れる僅かな沈黙。

「隊長も おいらから 好きな人 盗るの?」

それを破ったのは妖艶な目をしたままトオルの首に腕を回し、二人を見ていた
ひろぽんだった。 ひろゆきの時なら決して出ない言葉。
問われた隊長は、嫉妬からか、ひろぽんに対し少なからず
敵意を抱き、「どういう意味だ?」と問い返した

「解らないの?二編が隊長 おいらから盗った様に 貴方も
おいらから トオル盗るつもり?」

返す言葉が出ない。 それを楽しんでいるかの様にひろぽんは
トオルの腕の中で、執拗に答えを聞きたがる
469風と木の名無しさん:02/11/22 04:16 ID:34DewU6V
目の前の、ひろゆきの姿をした「ひろゆきでは無い者」から
問われた言葉は、鈍痛に切込の心へ突き刺さる。

ひろぽんがトオルにじゃれ付く度、沸き起こる靄
これを許容するトオルにも一々嫉妬している彼の神経は、限界を超え
怒り声となり、その矛先は、ひろぽんへ向けられた。

「黙れ!お前はひろゆきなんかじゃない!!トオルから離れろ!」

 クスッ「やっと気が付いたの? 隊長 おいらはひろゆきじゃ ないよ
    アイツは今 居無いよ  ねえ トオル」
 「ヒロ・・・お前・・・・・・・・・・・・」

ひろぽんに好きにさせていた、トオルの目が悲しく曇る。それは同情
に近いモノを見る様な。それを察し、ひろぽんが眉をひそめた。
「トオル?どうしたのさ?」

ひろぽんを体から静かに引き離す。

「俺はお前が好きだ・・・・けど今の ヒロじゃ 俺は切込を放っておけない」
そう言い放つと、トオルが腕ずくで隊長を抱き止めた。

「済まない・・・・」 ヒロの傍らで切込の反応を半分楽しんでいた事の
罪悪感からの謝罪だった。
470風と木の名無しさん:02/11/23 01:50 ID:X2sodWkD
身長は同じながら、自分とはまるで違う華奢な隊長の身体を
トオルが大切に抱きかかえる。

「行こう、切込…」

ひろぽんの中に封じられたひろゆきに、罪悪感が沸かない訳ではなかった。
でも今は、嫉妬にかられ己に戸惑い、今まで見た事も無い程小さく見える隊長を
トオルは受け止めてやりたかった。
471風と木の名無しさん:02/11/23 01:49 ID:dGAYuabP
身長は同じながら、自分とはまるで違う華奢な隊長の身体を
トオルが大切に抱きかかえる。

「行こう、切込…」

ひろぽんの中に封じられたひろゆきに、罪悪感が沸かない訳ではなかった。
でも今は、嫉妬にかられ己に戸惑い、今まで見た事も無い程小さく見える隊長を
トオルは受け止めてやりたかった。
472風と木の名無しさん:02/11/23 18:12 ID:OAwsmd4i
そして、見たくなかった。ひろぽんが切込を罵倒し、
何より博之(己自身を)を否定するその様を・・・・・・・・・・・・・

しかしそれはもう、始まり掛けていた。融の言葉が切っ掛けとなり、
切込が融の腕に居る事で。
ひろぽんの、精神炸裂が始まった。

『アあ・あ‘あ‘あ・・・‘あ‘あ‘あ‘あ‘あ!!ど オ し て・・・・?
嫌いだ・・・・・・俺 から・・・・・・・・・・オイ ラ・・カラ  ないで・・・・・・・

来るな!!!!! ダレモ・・・・・・おいら カラ 好きな人・・・・・・・・・
二編 モ・・・・・嫌・・・・・・・・・・盗ら  な い・・・お前は!来るな!

オマエなんか ワタ  サナイ・・・・・・・アイツの意 識にハ モドら・・・・ナイ!!
隊 長・・・・・・・・・・・・・・・・イヤ・・・・トオル     タ・・・・ス  ケテ渡さない!!」

 「始まっちまたな・・・・・・・・・クッ・・・」
融が切込を抱き締めたまま、歯軋りをする。
人格の入れ替えが始まる前に、切込と二人で、ドアを閉じてしまいたかった。

ひろぽんから紡ぎ出されるその言葉は、ずっと押し殺されていた
博之に、自分達が作った心の闇だから。 自分は良い。

そういった事が引き金で、コロコロ変る博之の人格に薄々気付いていたから。
しかし腕の中で、豹変した博之に驚愕し、しがみ付いてさえいる切込は
受け入れないだろう。元の博之に戻った時、合わせてさえ、やれば良かったのだ。

だが、精神炸裂をさせている筈のひろぽんに、融は違和感を覚えた。

473風と木の名無しさん:02/11/23 18:58 ID:OAwsmd4i
「ヒロ お前・・態とやってるのか?」

融には時折、本体の博之を無理に引き出し、そう見させている様に見えた。
そう、感じたのは瞳がひろぽんのまま、一度として変らないからだった。

「・・・・ククっやっぱり、融は解るんだね・・・・・隊長は怖がってた 
だけなのにね 隊長?」

切込は融の腕に縋ったまま、答えられなかった。融の腕へ縋る手が、怯えて尚、力が篭る。

「ヒロ!お前は何処までこの人を追い込めみゃ 気が済むんだ!!」

流石にヒロポンの、この態度だけは、博之の中のひろゆきでも、許せなかった。
そして、切込の手を引き、ドアの音騒々しく、その場を出て行った。

ー それでも・・・・・ 嫌いに ならないで   ー

二人が出て行った静寂の中に、ひろぽんの想いだけが、部屋に悲しく響いた。
474風と木の名無しさん:02/11/23 22:37 ID:9YvqtWIw
せ、精神が炸裂???
475風と木の名無しさん:02/11/23 22:55 ID:w8rdtraH
>474炸裂してどうする、炸裂して。(w
  いうなら分裂???崩壊か???
476474:02/11/23 23:34 ID:AYFVTNII
やってしまった・・・・・・精神炸裂・・・・分裂だったのに・・・・おいら・・・
精神の分裂 という事で脳内変換、おながいしまつ・・・・・・


 
477風と木の名無しさん:02/11/23 23:57 ID:P7BP8HtF
(シャイで、素直で、たまらないほど無邪気な笑顔を見せてくれたひろゆき
将来の夢を熱く語りながら、透き通るブラウンの眼差しを真っ直ぐに向けてくれたひろゆき
初めて会った時、もうこんな奴とは一生二度と出会えないだろうと思った。
震えるくらい強く惹かれた、俺が愛した、愛していた筈のひろゆき・・・
もう、そのひろゆきに、会えないのか・・・?)

隊長は混乱していた。
トオルに支えられながらよろよろと歩くのが精一杯だった。
目の前で壊れていくひろゆきを、受け入れる事は到底できなかった。
今はトオルの腕の温かさだけが救いだった。

「トオル・・」
「大丈夫だ」
不安げな隊長の言葉を遮り、真っ直ぐに前を見据えたままトオルは言った。
その力強さに少しだけ気持ちが楽になる。
「大丈夫、ひろゆきは、奴は負けねぇよ」
478風と木の名無しさん:02/11/24 03:43 ID:pc9z0iO0
「そうだよな・・」トオルに返事を返すが、頭が混乱し切っていて心元無い

このまま歩かせられないな・・・・・・そう思い、タクシーを拾う。
乗り込めば当然、運転手に行き先を告げなければならない。
今も運転手に「どちらまで?」と聞かれている。
今し方出た切込の部屋には、当然戻れない。

忘れがちになっている二編の事を今口にしても、トオルに 
二編は追えない
そして今それを話しても、返って疲労させるのは明らかだ。
(二編の事はやはり、kittyが動くのを、待つしかないか・・・)

「俺の・・部屋で構わないな?」
言うと、車をトオルの自宅へ走らせる。

走リ出す、タクシーの窓から過ぎる景色を虚ろに眺めながら、隊長は
首を小さく縦にする。

例えトオルが自分の身体が目的だけでも構わない。
トオルに今は、逃げ道に成って欲しいとさえ、彼は心の底から
そう、思っていた。そして同時に
「誰にも邪魔をされずトオルに、抱いて欲しい」と初めて強く願っていたのも、事実だった。
479風と木の名無しさん:02/11/25 02:12 ID:IsJu2UDs
トオルが部屋に帰ってきたのは、始めに確か夜勤から
呼び出され、ホテルで一人にされたあの日の夜以来、だった。

鍵でドアを開けると、トオルは切込を先に部屋へ通した。
初めて見るトオルの部屋が切込の目の中に映る。

其処は彼が想像していたのとは全く別の、逆に物が余り
置かれていない、シンプルな部屋が広がっていた。
大人しくはしているが、辺りを時折見回す切込に、
何か珍しい物でも有るか?とトオルは台所で呑気に湯を沸かしながら、
冗談交じりに切込へ聞き返した。

「いや・・何も無い部屋だなと 思って・・・」
フローリングに大型テレビとスピーカーが置かれ、横に大きめのソファーと
観葉植物が有る位で、本当に何も無いのが以外だった。
「もっとゴチャゴチャしていそうだたから・・・2チャングッズとか・・ひろゆ・・き・・」

言うだろうと思っていた言葉いいやがった・・・・・・・「ほれ」と、入れたばかりの
インスタントを切込に手渡した。
「あのな・・・・365日2ちゃんに振りまわされたくないんだぞ・・・俺だって・・ああいうのは
別の部屋借りて、そっちに閉まってあるんだってば・・・・無礼な奴だよな・・」
自分の珈琲カップを持ちながら、ドカッ!と切込の傍らに腰を落とす。

自分に関する周りの全てから、解放されたい事だって有るのだ。そういう
目的でせめてこの部屋には、余計な物は置かないでいた。これが今日、幸いするとは思わなかったが。

365日2ちゃんが可笑しいのか、自滅気味だった切込が初めて笑っていた。
何が可笑しいんだか?と明後日を見ながらトオルは手に持った珈琲を飲んだ。
480風と木の名無しさん:02/11/25 03:52 ID:IsJu2UDs
隣でクスクス笑う切込の表情は、窓から射す光に照らされ
綺麗に映っていた。余りに無防備で、トオルはカップを床へ置き、
そのまま不意に、口付けを交わした。 

今飲み出した珈琲の、ほろ苦い味がする。
隊長は急に来られ、珈琲をカップごと手から落としそうになり、
更に求めてくるトオルの唇を、静止させた。
拒まれた。と思ったトオルは、切な気に「嫌か?」と切込の顔を覗き込んだ。

その表情に切込の心拍数が跳ね上がる。瞬間、俯きながら
「違う・・・・・折角入れてくれた・・・珈琲・・・溢すだろ・・・バカチン・」
消え入りそうな言葉でそう、言い返す。
これがトオルに、クリーンヒットし、尚、彼の欲情を注いだ。
「構わないよ 飲みたいなら 後で入れてやるから・・・」

「 切込 今日だけでも 俺を 欲しがれ 」

「俺も お前の事が 欲しいから・・・・・・・・・」

そう囁いて、再び切込の唇を優しく塞ぎ込む。

「ト・・オ・・ル・・・・・・・・っ」

手を絡め、切込から カップを離すと
少し鈍い音を立て、カップは床へと静かに落ちた。




急に
481風と木の名無しさん:02/11/25 03:54 ID:IsJu2UDs
でクスクス笑う切込の表情は、窓から射す光に照らされ
綺麗に映っていた。余りに無防備で、トオルはカップを床へ置き、
そのまま不意に、口付けを交わした。 

今飲み出した珈琲の、ほろ苦い味がする。
隊長は急に来られ、珈琲をカップごと手から落としそうになり、
更に求めてくるトオルの唇を、静止させた。
拒まれた。と思ったトオルは、切な気に「嫌か?」と切込の顔を覗き込んだ。

その表情に切込の心拍数が跳ね上がる。瞬間、俯きながら
「違う・・・・・折角入れてくれた・・・珈琲・・・溢すだろ・・・バカチン・」
消え入りそうな言葉でそう、言い返す。
これがトオルに、クリーンヒットし、尚、彼の欲情を注いだ。
「構わないよ 飲みたいなら 後で入れてやるから・・・」

「 切込 今日だけでも 俺を 欲しがれ 」

「俺も お前の事が 欲しいから・・・・・・・・・」

そう囁いて、再び切込の唇を優しく塞ぎ込む。

「ト・・オ・・ル・・・・・・・・っ」

手を絡め、切込から カップを離すと
少し鈍い音を立て、カップは床へと静かに落ちた。




482風と木の名無しさん:02/11/25 05:17 ID:ReLZh23E
その頃、一人取り残されたひろゆきは、己を押さえつけているヒロポンと闘っていた。
(おいらは隊長とトオルたんに何があったかは分かってるんでつ!
でも・・・それでもおいらはどっちも傷つけたくないし、なくしたくないんでつ!!!)
(悔しい癖に 妬ましい癖に 独り占めしたいだけの癖に)
(そんな事ないでつ!!!)

(ひろゆき、お前が本当に欲しいのは…誰?)
483風と木の名無しさん:02/11/25 16:08 ID:y03f9xKt
ひろゆきの葛藤に純情乙女ひろゆ子と
唯一の攻人格「ひ」も加わってきた…
484風と木の名無しさん:02/11/25 17:37 ID:d9Z70BRu
純情ひろゆ子は、隊長だと言い、攻め人格「ひ」は、どちらでもなく
ひろぽんを援護する側に回った。それは「ひ」が。ひろぽんの事を決して
好き。という感情からではなく、明くまで心の部分で、馬が合うからであった。

図式的には 博之とひろゆこVSひろぽんとひ の絡み合いという事になるか。
どちらにしろ、博之側がこの二人の強い念に勝たなければ、表に出られない。

485風と木の名無しさん:02/11/26 04:56 ID:XcIr9UCf
(弐編たんはおいらより全然隊長の方が好き・・
隊長は弐編たんもトオルたんも好き・・
そしてトオルたんもおいらより隊長を取った・・
おいらだけを見ていてくれる人は・・・何処にもいない

盗ったなんて言って!違う!始めからおいらは一人だったんでつ・・
認めたくないから、ひろぽんが、ひろゆ子が、「ひ」が生まれたの?)

途方も無いくらいの孤独と寂しさがひろゆきを襲った。
瞳から涙がこぼれ落ちる。
こんな時に抱きとめてくれる人が誰も居ない。
嗚咽とともに、ひろゆきを縛っていたたくさんの人格が闇の底へ消えていく。
でもそれは、ひろゆきにとって嬉しい事でも何でもなかった。
486風と木の名無しさん:02/11/26 10:12 ID:pT14fcJd
もう一方、長い間75レス以上動きを見せずにいた、kittyと二編は
意外と穏やかに時を過ごしていた。

勢いで攫ったは良いが、好き過ぎて手出しが出来ず。かと言って
ひろゆきの尻も追う様な隊長へは、二編を渡す気は毛頭無いので
自分の部屋へ連れて来てはいたが、後は二編の好きにさせていた。

逃げようと思えば何時でも逃げられる筈なのに、二編は其処に留まっていた
襲われるのを覚悟していたが、kittyは何もして来なかった。
あのとき隊長は迷わずひろゆきを取った。 

アブノーマルかと思っていただけのkittyは逆に真摯でシャイだった。
こんな風に大切にされた事はきっと、今まで無かった様に思う。
優しさが人を引き止めさせる。
この事に、二編は気付かず、居心地の良いまま、kittyの側にいた。
487風と木の名無しさん:02/11/26 10:49 ID:pT14fcJd
『夜勤ちゃ〜ん、あの四方、何処行ったか知らないすうぃら?
見失っちゃったのヨネ〜アタすぃも こんなだし〜 ハンディカムもこんなだし
・・・・参っちゃうは〜』

血塗れで、馬並は夜勤のバーに居た。

『アナタ・・・・・病院行ったらどうです・・・・・・・・・酒入れると死にますよ・・・・』
『あたすうぃは良いのよ〜 気になさらないでって 所かすぅいら?』

『もう・・・・良いです・・・・・・・』
化物ですからね・・・・・アナタは・・・・・・私が馬鹿でした・・
クラクラしながら、馬並にペースを乱され夜勤は虚しく、シェーカを振る・・・・・
ひろゆきが今夜辺り来る予感はしていたが、まさか、馬並だったとは・・・・・・
私の感も宛てにならないな・・・・・・それでも彼が此処へ来る様な気がするのは・・
(´-`).。oO(なんでだろう・・・・・・・・・・


488風と木の名無しさん:02/11/26 11:23 ID:pT14fcJd
馬並はやはり、、容態が急変し、夜勤の店から
救急車を呼ぶ羽目になった。化物でも、体は生身の人間だ。
「まったく・・・・人騒がせな・・・・・・・当分来ないで下さい。って、来れないか」
救急車を見送ると夜勤は店へと戻るのだった。
489風と木の名無しさん:02/11/26 16:35 ID:iV2y6qsm
トオルのうまい棒は、今は切込の方だけを向いていた。
床で、ソファーで、幾度となくもつれ合う二人。
互いに満たしあい、満たされあう、切なく、激しく、狂おしい時間が過ぎてゆく。
490風と木の名無しさん:02/11/26 23:50 ID:yjyOFZFi
何度も、何度も深い口付けを交わす。
トオルの手が隊長のうまい棒を探る。
探し当てて、大切に、優しくそれを愛撫する。
隊長の口から、甘い吐息が漏れる。
素直な反応にトオルの胸にたまらない愛おしさが満ちていく。

「・・ああ・・トオル・・・・好きだよ・・」
つぶやきながら隊長の意識は、快感の渦に埋もれていった。
491風と木の名無しさん:02/11/27 07:38 ID:MVWXmZ6N
「ああ 切込 俺もお前が好きだ」トオルが囁くと、切込はそのままトオルの掌に
何度目かのポタージュを解放させた。
それをトオルが丁寧に自分の舌で絡め取る。愛し気に自分のポタージュを舐めている
トオルの表情に、自分が今本当に愛されている事を実感する。
「トオル・・・」自然と続きをせがむ。そんな隊長をトオルはベットへ移動させ、
二人は互いの性と根が尽きるまで、何時までも激しく抱き合っていた。
492風と木の名無しさん:02/11/27 12:54 ID:467EBQTB
その頃、たった一人で泣いていたひろゆきは、寂しさに耐えられずに外に出た。
泣き止んでみるととても空腹だったのもあって、コンビニに向かってとぼとぼと歩き出す。
歩きながら、隊長とトオルが今何をしているか、弐編がkittyに何をされているか
勝手に想像してどんどん鬱な気分になっていく。

・・・気が付くとコンビニに向かっていた足は、いつの間にか夜勤の店に向かっていた。
493風と木の名無しさん:02/11/27 13:01 ID:FwgS/etg
おもしろ☆
http://hkwr.com/
494風と木の名無しさん:02/11/27 16:55 ID:oFal5xfr
(夜勤いるかな・・・)
ひろゆきは何故、足が自然と夜勤の店に向いたのか今はまだ
気付いていなかった・・・
495風と木の名無しさん:02/11/27 18:35 ID:CXZ/KkeQ
救急車を見送り店に入った夜勤は、これ以上客は来ないだろうと 判断し、
看板の灯りを落とそうと、再び外へ出て、店仕舞を始め掛けていたその時。
聴き慣れた、誰かの足音を耳にした。 まさか・・・とは思いながら、足音の方を振り返ると

其処にはもう、来ない筈の博之が、立ち止まっていた。
当たらなくて良い時程、人の感は的中する・・・・・

慌てた素振を悟られない様夜勤は、何時もと同じ態度を取るのに徹した。
顔を見るなり、今にも泣き出さんばかりの博之を当然放ってはおけないので、
夜勤は、看板の灯りと「CLOSE」の札だけ店のドアに掛け、博之を中へ通す。

「貴方は・・・・以前私が貴方達にした事・・忘れたんですか・・何故此処へ?」
「判ってまつ でも・・来たかったから・・・・お酒 下さいでつ」
二日目>960からの出来事で、夜勤が、トオルと切込達が壊滅状態までに追いやった
マァブ(全日本菊本ホモ協会 別名:マァブさんを囲む会)の配下だ。という事は判っている。
切込が後に手を回し、その組織も今は、警察行きとなり事実上、夜勤は組織から外れてはいたが、
それでも、此処へ来たかったのだ。



496風と木の名無しさん:02/11/27 20:55 ID:mOM8/p3V
こちらから根掘り葉掘り聞くより、ひろゆきに自分から話して欲しい。
そんな風に思った夜勤は、プロの顔に戻って言った。
「何にします?」
「・・・何でもいいでつ。酔えるなら・・」

「ブラッディーか、ヴァージンか。今日の貴方には迷いますね・・・」
夜勤は真っ赤なカクテルを作って差し出した。
黙ってそれを受け取るひろゆき。
受け取ってもすぐには口をつけず、グラスの中の赤い液体を虚ろな瞳で眺めている。

カウンターを照らすハロゲンランプの明かりが真っ赤なグラスで反射して
酔ってもいないのにほんのり赤く染まったひろゆきの顔を見て
夜勤は改めて「ああ・・この人は、綺麗だな・・」と思った。
497風と木の名無しさん:02/11/27 20:56 ID:QXwuKZ2M
こちらから根掘り葉掘り聞くより、ひろゆきに自分から話して欲しい。
そんな風に思った夜勤は、プロの顔に戻って言った。
「何にします?」
「・・・何でもいいでつ。酔えるなら・・」

「ブラッディーか、ヴァージンか。今日の貴方には迷いますね・・・」
夜勤は真っ赤なカクテルを作って差し出した。
黙ってそれを受け取るひろゆき。
受け取ってもすぐには口をつけず、グラスの中の赤い液体を虚ろな瞳で眺めている。

カウンターを照らすハロゲンランプの明かりが真っ赤なグラスで反射して
酔ってもいないのにほんのり赤く染まったひろゆきの顔を見て
夜勤は改めて「ああ・・この人は、綺麗だな・・」と思った。
498風と木の名無しさん:02/11/27 20:56 ID:mOM8/p3V
二重スマソ
499風と木の名無しさん:02/11/27 23:00 ID:wgA/sIeh
「あの・・居てくれて 良かったです 夜勤さん」
酒が入り、人の居る安心感で博之は、ボソボソ、夜勤相手に
喋り始めた。それを黙って、夜勤は聞いていた。
時折一言二言返事が返ってくる。それが今の博之には、有難かった。

話が段々込み入るにつれ、夜勤は彼が此処へ来た意図を探っていた。
どうも、あの二人と喧嘩をしたらしく、此処へ愚痴を言いに来たらしい。
始めはそう、思っていたが

「今、何と仰いました?」
「だからね 嫌われちゃったんですよ おいら」
「誰が誰を?」
「隊長と、トオルたんに おいら 嫌われちゃいました エヘヘ・・・」
「エヘヘじゃ 無いでしょ!馬鹿な事 仰い!」
「本当・・・だもん・・・もう 一人なんだ・・・おいら・・・」
空元気でヘラヘラしていた博之の頬からは、悲しい涙が伝っていた。
500風と木の名無しさん:02/11/28 02:20 ID:+VJJuji6
 これには流石に、夜勤も慌てた。しかし、悲しい性というべきか、こういった商売と
自分の居る環境柄、博之の目的が何か。彼の性格上無意識なのだろうが、
求める物が何なのか、夜勤は察した。敢えて口にはしなかったが。

「困った方ですね 貴方は 泣かないで下さい ほら もう」
嗚咽する博之を優しく抱き締めてやると、博之は暫くして泣き止んだ。
そのまま髪を撫でながら、胸に収まっている博之に、甘く話し掛ける。

「聴いてて下さいね。。 私は今、こうやって博之さんを 腕に抱いてます
この間の一軒も踏まえ 貴方は此処へ来て下さった。 
それは 私が貴方を好きだから、此処へ来て下さったんですか? 只 誰かに
満たされたいだけで、私の所へ来られたんでしょうか? 博之さん 答えて 下さいますか?」
501風と木の名無しさん:02/11/29 01:03 ID:g4qDhf1B
「好きとかはわからないでつ。でも、誰でもいいわけじゃないづら。。。」
本人の言う通り、きっとひろゆきは、自分を好きなわけではない。
でも、憂い顔、濡れた瞳、唇・・・。
それだけで、もう十分だった。
502風と木の名無しさん:02/11/29 02:29 ID:Y3mRqCqV
その頃、精魂尽き果てるまで愛しあったトオルと隊長は
心地よい気だるさの中でベットで横たわっていた。

「トオル・・ひろゆき、どうしたかな・・」
「まだお前んちじゃねぇか?もう落ち着いてるといいんだが。」
「・・・電話してみるか。」

隊長はゆっくりと起き上がり、裸のまま自分の部屋に電話した。
しかし留守電の自分の声を聞いただけだった。
次にひろゆきの携帯にかけてみたが、「〜電波が届かない・・かかりません」と
無機質なアナウンスが流れただけだった。

「まさかあのままキレて倒れてるんじゃないだろうな・・」
「気になるな。見にいってみるか。」

二人はだるい身体にムチ打つように立ちあがった。
503風と木の名無しさん:02/11/29 03:02 ID:FB282qH9
押し倒し倒したくなるが、しかし、此処は踏みとどまる夜勤であった。
「けど、誰でも良いんですよね。貴方は」
「違う・・夜勤たん 意地悪でつ」
「意地悪とか、そういうのでは無いんです。確かに 正直
このまま貴方を 押し倒してしまいたいです」
「だったら・・・・」
ひろゆきの瞳が夜勤へ「抱いてくれと」訴える。しかし、夜勤は
ひろゆきに、笑みを向けたまま、語りかけた。

「けど・・出来ません。体だけ頂いても 私は嬉しくないです」
「それでも構わないんだ!」
「いいえ このまま抱き合えば、貴方が苦しく成るだけだ」 
「一人は・・・・・いや・・・」
「もっと 自分を大事になさい 愛している方は 私なんかじゃないでしょ」 
「寂しいのは もう・・嫌なんだ・・」
「しっかりして下さい ひろゆきさん!体だけ抱かせる様な真似させないで・・頼みますから」
そう言ってひろゆき抱き締める夜勤の腕に力が篭る。



504風と木の名無しさん:02/11/29 04:23 ID:FB282qH9
服を整えトオルと隊長は玄関へ向かう。が、やはり始終受けていた方の
隊長は、見た目に辛そうだった。そんな隊長を気使い、ベットに戻るよう
促してはみたが、隊長も、ひろゆきの事が心配だ!と言い張り、聞かない。

トオルが途中見兼ねて「具合が悪そうなら、強制的に部屋へ引き返す」
という条件付の元で隊長を連れ、そのまま車へ乗せた。
今の時間なら、道も渋滞はしないので、隊長の部屋には30分程で付く筈だ。
しかし、何か妙だ・・・・挙動不信なトオルの仕草に、傍らの隊長は、疑問を感じた。

「どうしたんだよ?トオル」
「嫌・・・変なんだけどさ・・俺のが行きたがってるの・・お前の部屋
じゃなくて この方向・・・・夜勤なんだよな・・」
「冗談だろう・・・・・」見るか?と運転しながら隊長に、ウマイ棒を見せようとする。
「いいっ・・・・良いよ・・・・バカチン・・・・・」 又・・欲しくな・・・・・顔が火照り

アワアワと、ライターに火を付け、隊長はタバコを無意味に吸出し乍
その意思を振り切る様、、隊長はひろゆきの方へ思考を追いやった。
「でも、お前が落ち着かないなら、行くしかねえな 夜勤の所」
「ああ・・無駄足に 成ってくれりゃ いいんだがな・・・」
505風と木の名無しさん:02/11/29 06:47 ID:24b7GHbt
kittyの部屋でネットをしたり、ゲームをしたり、すっかりくつろいでいた弐編だったが
流石にそろそろ隊長が気になりだした。
でも予想に反して自分に手を出してこないばかりか
面白い話をしたり、お菓子を買ってきてくれたり、
本当に可愛がってくれるkittyを置いて出ていくのも何だか悪いような気がしてできなかった。
(隊長、どうしてるかなあ?)
まさかトオルに抱かれているとは思いもよらない。

一方、kittyと弐編を追っていたけんすうは、引きこもりだけに力尽きてへたりこんでいた。
へたったまま途方にくれてなんとなくトオルの携帯に電話した。
506風と木の名無しさん:02/11/29 13:02 ID:6UlcOFpq
♪ウィーク エンダー♪の曲がトオルの携帯から不気味に鳴り響いた。
今時かい!と隊長は、懐かしいやら何やらで、番組途中の効果音、
「パラッパ! ラッパー!!」が幼心に怖かった。だの、後のエチー番組がトテーモ心待ち
だったよな等と、男なら必ずやる会話をトオルに話していた。
507風と木の名無しさん:02/11/30 02:16 ID:QQXSiMhu
車を止めて呑気に電話に出たトオルだったが、けんすうからの電話だったので驚いた。
「kittyと弐編君を追ってたんだけど・・・見失っちゃって・・・」
「何処行ったか分からねぇのか?」

「誰からだ?」
やはり呑気に横で聞いていた隊長に、トオルが電話の内容を告げる。
「行方不明っておい!!」
弐編が今頃kittyに何をされているか、想像した隊長の顔から血の気が消える。
「おいっ!分かってんのかよ!!kittyはな!変態なんだぞ!へ・ん・た・い!!
俺は弐編を探す!ひろゆきは任せた!」
隊長はそう言い残すと車を降りてしまった。
508風と木の名無しさん:02/11/30 05:49 ID:YRiT8A4e
「おい!探すったって・・無茶しやがって・・・あの馬鹿!」
フラフラな体だった筈の、切込の姿は既にもう無い。

二編の事も、そりゃ相手が相手だけに、気にはなるが。
今は、ひろゆきが、お前居なきゃ余計傷付く事、分かんねのか・・あいつは。
「何処まで 自分の首、締めるつもりだよ お前は」
目を伏せ、今はもう姿の無い、傍らのシートへそう言い放つと、
再度エンジンを吹かし、トオルは、ひろゆきの居る夜勤の店へと、車を飛ばした。
509風と木の名無しさん:02/11/30 11:26 ID:OdUwfNft
夜勤の店の前に立ったトオルは、ドアを開けるのに躊躇していた。
自分のうまい棒を信じない訳ではなかったが、ここにひろゆきが居ないでいてくれる事を願う。

意を決してドアノブに手をかけようとしたその瞬間、内側からドアが開き、
そしてそこには真っ赤に目を腫らしたひろゆきが立っていた。
「ひろゆき…。」
ひろゆきは無言のままトオルの胸に飛び込んだ。
510風と木の名無しさん:02/11/30 15:37 ID:XkcNV/+B
トオルは咄嗟にひろゆきを抱きしめる。が、次の瞬間、
ひろゆきはハッとした表情になってトオルから体を離した。
「ごめんなさいでつ・・・」
目を合わせずに、その場を離れようとするひろゆき。
511風と木の名無しさん:02/11/30 18:21 ID:n/Aqiufc
一方、切込隊長は携帯により、有りとあらゆる人脈を使い
kittyのPCが現在、2ちゃんにアクセスされている事を突き止めた。
書き込みが、「名無しさん」ではなく、コテハンだったので有る。
「野郎・・・居やがった 家か」

そのままkittyの部屋へ向かいチャイムを押すと、kittは相手の確認もせず、
あっさりドアを開けてしまった。その勢いで切込はkittyを押し切り
土足で部屋へ上がり込むと、目の中には、部屋で寛いでいる二編が居た。
「二編!!帰るぞ!!」驚いている二編の腕を掴み上げ、
乱暴に連れ帰ろうとする切込に、kittyはやはり、食って掛った。
「不法侵入者」や、「誘拐犯が!」等の聞え悪い言葉が双方より怒声で飛び交う。
状況も把握出来ず、痛がる二編の腕を掴む、切込の様子にkittyが何か、違和感を感じた。
「あっ・・?切込・・」
「何だ!!ぬっころされてえか!てめえは!!」機嫌が悪いのと、体のだるさで、
牙も剥き出しに、kittyへ、、怒りを爆発させる。kittyなんかと、今は話もしたくない。
早くトオル達と合流し、部屋で一端、落ち着きたかった。が・・・・
「おい!お前のコートそれ、トオルの・・だよな?何で?」
 
瞬間、辺りは凍った。




512風と木の名無しさん:02/12/01 03:13 ID:lkGWhD0n
トオルの方も半分凍り付いていた。「ごめんなさいでつ・・」と
ひろゆきに謝られ、そのまま夜勤の方へ身を預けに戻ってしまい、
夜勤の後ろへ隠れたまま、何も言ってくれなくなったのだ。
おまけに夜勤にも、白い目で見られている。 こいつ、見抜いてやがる・・。

しかし、引き下がる訳にはいかない。ひろゆきを、此処から連れ出さない事には、
隊長にも、申し訳が立たない。それに、夜勤がいた組織の、未だ挙がっていない
残党が此処へ押し掛けて来る可能性も有る。夜勤は現在、そういう立場に居る様で、
そういった、きな臭い話が少しでも有る以上、ここに長居するのは、色んな意味で、危険なのだ。
513風と木の名無しさん:02/12/01 03:43 ID:EK0G2ouu
弐編(隊長は・・・トオルさんと・・・??!!嘘だよね・・・?)
ひろゆき(トオルたん・・・隊長の匂いがする・・・やっぱりそうなんでつね・・・)

kittyの部屋と夜勤の店それぞれで、弐編とひろゆきは同時に言った。
弐・ひ「隊長(トオルたん)…帰ってください(でつ)…」

そして直後に、やはり同時に、隊長とトオルは、がっくりとうなだれた。
514風と木の名無しさん:02/12/01 17:00 ID:UDnc39Ij
隊長は二編から思い切り平手を喰らい、トルはひろゆきから、無言の仕返しを貰った。
罵倒された方がどれだけ真しか。トオルは帰り際夜勤から、
「ひろゆきさんも、お疲れの様ですから・・折を見て、お返し致します。
私は構いませんから」ひろゆきが、戻りたがればな。と、裏で宣戦布告も受けた。
それは隊長も同じだが、隊長の方は、二編からのものだった。

携帯が鳴る。出たのは隊長だ。
「あっ・・・トオル・・どう?」
「駄目だ・・・誤られて・・その。無視された・・夜勤も感付いてて・・すまん」
「・・そうか・・俺は平手喰らって、最低だ! って・・kitty取りやがった」
溜息が、お互いの携帯から流れた。
「・・判った・・今から・・迎えに行くから、待ってろな・・」
「ああ・・直、来いよな、待ってるから・・」心はブルーなまま、互いに、電話を切った。

515風と木の名無しさん:02/12/01 17:06 ID:UDnc39Ij
誤る→謝る。です。すみません、彼は動揺している.という事で。
516風と木の名無しさん:02/12/01 20:01 ID:kN/2hoO9
ドアが閉まると、ひろゆきは、夜勤から少し離れ、足が一歩前へ出た。
夜勤は横目でそれを見ながら、トオルとは違い、ひろゆきには,優しく接した。

「クスッ 良いのですか?彼、追いかけなくても?」
「今なら未だ、エンジン音が鳴っていませんから、ドアを開ければ追いつけます.。
手前、彼には意地悪しましたが、良いんですよ?ひろゆきさんの、好きにして」
517風と木の名無しさん:02/12/02 00:48 ID:C/1lR5B5
なんか夜勤さん男前やねー
518風と木の名無しさん:02/12/02 02:00 ID:Krj7OU3l
>517で、ひろゆきは夜勤の横顔をまじまじと見つめた。

夜勤といるとほっとする。
それは、隊長といる時のときめきや苦しさとは違う。
トオルといる時の安心感や、弐編といる時の抱き締めたい気持ちとも・・・。
519風と木の名無しさん:02/12/02 02:04 ID:vrZSuIeb
「ねっ。こうやって、慕って下さる方、私には居ますから、お行きなさい」
そう言って、夜勤は道すがらの、517を抱き寄せる。
「夜勤さん・・・おいら・・・御免!!」
「良いんです。私こそ、御免なさい。貴方に許して頂いただけで、十分ですから」
「夜勤さん、又・・此処へ寄っても、良いでつか?」
はい。と、ドアに手を掛けたひろゆきへ、夜勤は微笑み、そのまま見送る。
有難う。とひろゆきは返事を返し、トオルが出た方向へ走り出した。
ドアのベルが、カランカランと静かに鳴り渡る。

「あっ、517さん、成り行きとはいえ、すみませんでした。ああ、そんな紅い顔されて。
驚かせて、しまいましたね。お礼に キュリ ドゾ! 嘘です お礼はこちらで」
夜勤は517の腰に手を回し、そのままカーテンの奥へ消え去った。

520風と木の名無しさん:02/12/02 07:21 ID:MYYQdVV8
道に出ると、見慣れたトオルの四駆にエンジンがかかる音が聞こえた。
「待って!トオルたん!!待って下さいでつっ!!」
思わず叫びながら車の前に走り出るひろゆき。
ヘッドライトを点けたトオルは、明かりの中に浮かび上がるひろゆきの姿に
信じられないものを見たような顔をした。
(ひろゆき…何故だ?)

ひろゆきは運転席の窓に辿り付くと、ガラスを叩きながら叫んだ。
「行かないで下さいでつ!もう…おいらを一人にしないでっ!!」

もどかしげにドアを開け、トオルは飛びこんでくるひろゆきを無言で抱きしめた。
521風と木の名無しさん:02/12/02 11:46 ID:BEfvX75Z
ひろゆきは知った。あの時夜勤が517を抱き寄せた事で
夜勤の本当の気持ちを。本気で自分を想っていてくれている事を。
だが、ひろゆきは、それを利用して只困らせている。だけだという事も。

確かに、夜勤の隣は誰より暖かかった。お兄さんの様な暖かさだった。
そう、自分の気持ちは、「夜勤はお兄さん的存在」なのだ。だから
嫉妬もしなかった。それ以上は、きっと、これからも思えない。だが
本当になくしたく無い! と強く想ったのは、裏切られても、
必ず自分を迎えにきてくれる、目の中の、この人なのだ。そして、隊長。

「隊長が トオルたん好きでも、 トオルたんが隊長愛しても、
おいらはもう、逃げないでつ!だから・・嫌わ ないで・・・・」
522風と木の名無しさん:02/12/02 14:20 ID:/gu7cSmb
「誰が誰を嫌うって?」
ひろゆきを抱え上げながらトオルがつぶやく。
「おかしな事言ってんじゃねぇぞ・・・」

そのまま助手席に乗り込もうとしたひろゆきの肘がクラクションに当たり
ぷぱーとおかしな音を鳴らした。
思わず見つめあい、吹き出す二人。
久々に見るトオルの優しい笑顔に、ひろゆきはやっと自分の居場所を見つけたような気がした。

「迎えに行ってやんなきゃ・・・切込の馬鹿が待ってるからな。」
「生前は赤い文字でつ。」
「・・・・・・墓か・・ははは、はは(;;)」
今度は乾いた笑顔を浮かべながら、トオルはドアを閉め、アクセルを踏み込んだ。
523風と木の名無しさん:02/12/02 20:54 ID:kvkv0ET3
隊長は、迎えに来てもらう公園のブランコで、煙草を吹かしながら
色々考え、自己嫌悪に陥っていた。

手癖の良い方でなんか決して無い、折り紙つきの、己の節操の無さ加減。
男の事情だけで、今まで散々泣かせた過去の相手や、トオル、ひろゆき、二編の事。
そして、二編が離れて正直、楽になっている己が居る事に。

だから・・・嫌なんだ・・こういうの・・要らない事、考えるから・・トオル早く来い・・

その時、ブレーキ音が鳴り響いた。トオルの車だ。
「トオル!トオルっ!!」 それでも、安堵感で名前を叫び、車に駆け寄る。トオルが、車から降りた。
「切込、待たせて悪かったな。お詫びに、土産だ」
「みや?・・・ひろゆき!!」
先程まで、悩んでいた事も忘れ、車から降りた、ひろゆきの姿を見て安心し
そのまま抱き付き、思わず涙が溢れ出す。ひろゆきも、触れられた暖かさで泣き出した。
トオルは、宥める様に、二人を抱き締めていた。
524風と木の名無しさん:02/12/03 01:05 ID:zBsrIP1F
あぁ、暖かいです…
ひろゆきは二人の腕の中で幸せに浸っていた

(´-`).。oO(ここを詰所にさらした馬鹿がいるな…)
525風と木の名無しさん:02/12/03 01:18 ID:PMvb849e
諤諤(((゜Д゜)))振振ま・・マジでつか?
詰め所今日は行ってないけど、(ラジオは再放送今、聴き中・・)

大事に成らないうちに、そろそろ決着付けた方が良いのか?
このままでも、十分やばいぞ・・トオルは、二人を抱き締め、先の不安が過った。
526風と木の名無しさん:02/12/03 04:17 ID:i16T9fL0
そう、どちらをサイドシートへ座らせるか・・これが問題だ・・・
そんなトオルの不安も他所に、二人に合えた安心感で、ひろゆきは、とても、眠そうだった。
「眠いのか?仕方無ぇな、起こしてやるから、後ろ座れ」
「そうするでつ。隊長〜ふぁああ〜ネムい・・で つ」
そう言って、ひろゆきは、後部座席を陣取り、ぐっすり寝入ってしまった。

「って事はトオル、俺が横で構わない・・よな 何?変な顔して」
「あ・・ああ すまん、考え事してて、構わないよ それより、フラフラだぞ・・」

席の取り合い始めるんじゃないかと、心配して、損した・・隊長の体を支え
トオルは、そんな事を思った。
「取り合えず、切込、お前の部屋で良いな?帰るの」
「任せる。俺も 早く、寝たい・・か ら」
安心して押し寄せた、今までの疲労感で、トオルの腕に支えられ、隊長も
意識が遠退いて行った。トオルの腕の、暖かさの中で。
527風と木の名無しさん:02/12/03 08:27 ID:1vm5DBdC
(´-`).。oO(>>524反応薄いみたいだしこのまま放置汁)

隊長を助手席に寝かせ、シートベルトをつけてやる。
「あのな、両方一気に寝るなよな。俺運転だから寝られないだろが。
つーか、家着いたら誰が二人も抱えて降ろすんだ?」
トオルは口ではぶつくさ言いながらも、顔は優しく微笑んでいた。

車は夜の街を軽快に駆け抜ける。
街灯やクリスマスイルミネーションの灯りが、寝ている二人の顔をほんのりと照らす。
信号で止まる度にトオルはそれを眺め、その度にとても幸せな気持ちになった。
528風と木の名無しさん:02/12/03 08:29 ID:50/+jViR
「いたたた・・・」
弐編は、尻を押さえてベッドに半身になった。
隣には、まだkittyが寝ている・・・
と思ったら、目を開けていた。
「どうした?痛いか?」
「うん・・・」
弐編は、昨日のkittyとの交わりを思い出した。

凄かった。

モノも、それからテクニックも切込隊長とは比較にならなかった。
何人もの男の子や女の子を抱いてきたんだろうな、
と弐編は思った。

「ごはん、つくるね」
弐編はベッドを出た。
529風と木の名無しさん:02/12/03 08:30 ID:50/+jViR
「姫・・・」
kittyは言った。
「なに?」
弐編は振り向いた。
「裸エプロンにしてくれたまえ(@w荒

「えっち!」
弐編は顔をしかめてあかんべーをした。
530風と木の名無しさん:02/12/03 10:46 ID:ss3ajto8
隊長のマンションの駐車場に到着したトオルは、
寝ている二人を引きずりながら隊長の部屋の前まで行った。
「鍵!切込!起きろ!鍵!」
実は隊長もひろゆきもとっくに目は覚めていたのだが、
トオルの腕の温かさにもう少し甘えたくて、まだ眠いふりをしていたのだ。
仕方なく鍵を探して隊長のポケットを探る。

やっと部屋に入り、抱えてきた二人をベッドまで運んで寝かせ…と思った瞬間、
二人に同時に抱きつかれてトオル自身もベッドに沈んだ。
531風と木の名無しさん:02/12/03 11:27 ID:P8EiSf1b
「冗談だよ、怒らないで、ごめん そういう所、どうしても抜けなくて」
「クス クス クス 怒ってない けど、誰にでも 言うの?そういう事?」
kittyの素行調査みたいなものをしたくなった。

途端、お玉を持ったまま、kittyが引き返す。顔は真剣だった。
「ち・・違うよ!信じてくれないかも だけど、人を抱いたの、それでも皆無に
近いけど・・君に惚れて以来、誰とも無かったんだ・・後は、エチー本とか、雑誌の
「彼を喜ばせる愛のツボ」みたいの・・読んだりTV見たり。そういう・・店 行ったり・・ねえ」

「ごめん俺・・・・・ひどい事言ったね・・」 良いんだよ、疑われる位、姫が満足してくれたなら、
努力も無駄じゃ無かった。と嬉しそうに、kittyは、料理をしに、台所へ戻って行った。
532風と木の名無しさん:02/12/03 12:02 ID:GwHHSpgz
抱きつかれたトオルは、両手に華状態で、二人から キスの雨を貰っていた。
「おまえら・・・起きて やがったか んっ・・・ あの!な んっ」
「トオル したい 」「トオル たん 抱いて」
「したいって・・体は・・!!あ”・・その顔は・・ヒーリング使えるんだっけ・・」

隊長が妖く微笑んだ。これで何かを悟る。俺も体使えるんだ・・よな・・
「もう、分かった。ヒーリング 使えなくなるまで、覚悟しれ お前ら」
533風と木の名無しさん:02/12/03 16:05 ID:QqbD03lD
(何時から入れ替わったんだ?kittyと二編)
何時の間にか、二人で料理をしている新婚染みたkittyと二編を他所に、
トオルは、ベットの中で、隊長とひろゆきを、料理しに掛かるのだった。
534風と木の名無しさん:02/12/03 17:02 ID:50/+jViR
>>531

料理しにいったのは弐編みたいだよ
535風と木の名無しさん:02/12/03 21:28 ID:wYaljZDI
隊長とひろゆきのうまい棒を、両手で丁寧に愛撫するトオル。
寝室に二人の甘い吐息が溢れる。
ひろゆきはトオルのうまい棒に手を伸ばす。
隊長はトオルの唇を奪う。

受けの隊長を初めて目の前で見たひろゆきと、
初めて目の前で見られた隊長は、いつも以上に興奮し、快楽に溺れた。
トオルの料理はまだまだ続く…。
536風と木の名無しさん:02/12/04 02:26 ID:czTGUCmP
kittyに言われた通り、弐編は裸エプロンで朝食を作っていた。
目の前のフライパンの上で玉子とベーコンが油と一緒に踊る。
ふと弐編は背中に温度を感じる。
「ひーめーはーらーへーったーーー(@w荒」
「ああっ、ちょっとまっててよぉ。もうじきできるから」
「ヲレの朝飯はヲマエさっ!!(@w荒

そういうとkittyはガスを止めて、
弐編を軽々と抱えて再びベッドへ向かった。
537風と木の名無しさん:02/12/04 10:21 ID:sgge5oxT
「あっ んふぅうっ ハア あぁぅ ハア ん・・ぐっ と・おる
 ヴウッ ひろゆ う”はあ・・ハア 」
 
隊長の*にはトオルのウマイ棒が、口内には、
ひろゆきのウマイ棒が収まっている。

ああ、隊長 今日は凄く可愛いでつ、そんな甘えられたら おいら もう・・・
切込 そんなに 強請って もう・・・俺

初めに、部屋で抱いた先刻より感度の増している隊長の貪欲な締付と、
甘えながら、ひろゆきを愛撫する隊長の舌技で、二人はそれぞれ、想いの丈を解放した。
肩で息をしながら、隊長も 二人を受け止め、崩れ堕ちる。

三人の、淫靡な乱舞は 終わらない。


538風と木の名無しさん:02/12/04 22:10 ID:vZGrxUcK
今度はトオルのうまい棒はひろゆきの*を攻めたてる。
ぐったりした隊長はぼんやりとした眼で横たわり、目の前で繰り広げられていく
トオルとひろゆきの営みを眺めている。
「ああっ あっ んんっ!はぁっ トオ…たん…」
トオルの動きに合わせて息を吐くひろゆきを見ているうちに、
再び隊長のうまい棒はむくむくと大きく固くなっていく。
そしてたまらなくなった隊長は、ひろゆきの口に己のうまい棒を含ませた。
539風と木の名無しさん:02/12/04 23:26 ID:mzkS/42w
艶かしい酒池肉林とは、こういうのを差すのだろう。
ひろゆきを四つん這いに その頭上では
トオルは、隊長の頤を捕らえ、深いキスを交わしている。
隊長の顎から伝う 照々した液体は ひろゆきの背中へ滴り落ちる。

それぞれが 心地好い 快楽。という名の 酒に酔っている そんな
光景が 隊長の部屋で トオルの昨夜言った言葉通り 幾度となく 繰り返された。
540ひろゆ子@管 直人:02/12/05 12:04 ID:S4SFNERo
酒池肉林ですか。。。
541ひろゆ子@管 直人 :02/12/05 18:00 ID:NKEKkRiW
ちびたんですか。。。
542風と木の名無しさん:02/12/06 00:34 ID:N22KHMWG
三人の行為が終わったのは、昼も過ぎた頃だった。
「可笑しいな?切込の部屋って、隣りの声聞こえない筈だけど・・」
「どうした?」
隊長がトオルの胸板に顔を寄せ、まどろみながら そう問い掛けた。
「いや、何か人の声・・・聞こえた気がしたんだ・・しかも ひろゆきの声そっくりな」
「違うだろ?ひろゆきが 話す訳無いって 第一ここで 眠ってるし」
言葉道理、ひろゆきもトオルの胸板で、幸せそうに眠っていた。
「だから 違うんじゃないか?(キャップが無いし・・)俺・・寝るな・・」
「居る訳 無いよな・・・気のせい 気のせいごめんな 寝付いた所だったのに」
(普通にハンドルカキコする時有るから 侮れないが)ははははは・・と落ち着かないまま、
トオルも勢いで、眠る事にした。
543風と木の名無しさん:02/12/06 14:40 ID:DG5rsvS3
トオルの聞いたというその声は完全消滅間際のひろゆ子の声だった。
消滅寸前でかなり聞き取りにくい声だったが、最後にひろゆき達へ
「ひろゆき、本当によかったね。もうこれでお別れだよ。
隊長、トオル、ひろゆきを大事にしてね。守ってあげてね。」
と、お別れのメッセージを伝えにきたのだ。

言い終わったひろゆ子は、嬉しそうに、そして寂しそうに、
目に涙を浮かべながらこの世界から消えていった…
544風と木の名無しさん:02/12/06 15:24 ID:78HpTLBx
一方kittyと弐編は、昼にはもう二人で外へ散歩に出掛けていた。
kittyが手加減してくれたので、身体は左程重くはなかった。
時折手を伸ばし気使ってくれるkittyが、弐編はとても嬉しかった。
「本当に この人を 好きに成ったかも 知れないな・・・」
日溜りの中、隣りで微笑みかけるkittyの傍で、そんな事を想う弐編だった。

(こっちは良いとして詰めで、未だここ話してる香具師居るな・・)
545風と木の名無しさん:02/12/06 15:35 ID:bjmb9uYU
「ああそっか。。。」
電波受信体質だからなのだろうか、消えゆくひろゆ子、「ひ」、ひろぽんの声は
トオルにしか届かなかった。
そして、そんな儚いメッセージを受け取り、トオルはその意味を理解した。

「そうだったんだな、、、今までひろゆきを守ってくれてサンキュ。
これからは俺が守るよ。俺が一生をかけて守るよ。
それでももしも悩む事があったなら、俺がヘタレであったなら、その時はどうか。。。」

闇に融けゆくひろゆきの分身達に語りかけながら
トオルもいつしか深い眠りの中におちていった。
546風と木の名無しさん:02/12/06 15:39 ID:bjmb9uYU
(´-`).。oO(>>544放置汁…)
547風と木の名無しさん:02/12/06 21:04 ID:+dnKVsS+
その頃、鼻血による出血多量の為
救急車で病院に搬送された馬並は…
548風と木の名無しさん:02/12/06 22:02 ID:j3Qv+KEN
業者の貼付けが無ければ、復活は危うかった。
549風と木の名無しさん:02/12/06 22:05 ID:YgJC1xu1
http://www.hh.iij4u.or.jp/~stn/
女子高生パンチラ(;´Д`)ハァハァ
550風と木の名無しさん:02/12/06 23:39 ID:TQOCnT9n
略一本線を辿っていた馬並の脈が
業者出現により、段々上がっていく
それはもう、デス=メタル級な早さで。
諦めていた医師達はコレに喚起するより、恐れ慄いている。

馬並の眼が バッチリ!と開いたそして、

「アテクシのぉ〜〜ハンディカムは〜〜何処〜〜〜!!!」

拳を突上げ、雄叫びを上げながら、こうして馬並は復活したのだった。化け物め・・・
551風と木の名無しさん:02/12/07 00:46 ID:cM015+Hc
そんな化け物馬並の撮影対象その1であるひろゆきは、お腹が減ったので3人のうちで最初に目覚めた。
他の二人を揺さぶり起こす。
「隊長、トオルたん、お腹空いたでつ。何か食べたいでつ。」
残りの二人も空腹だったので起き上がったが、まともな料理を作れる人間が
一人も居ない事に気付いてため息が出る。
こういう時に弐編のありがたみを感じる3人であった。

「仕方ねぇ。何か食いに行くか。」
気だるい身体に鞭打って、もそもそと服を着る3人。

「いやァァァァァァ!!!3人一緒だわァアア!!早く始めなさいよォォォオ!!」
一瞬のうちに病院から隊長の部屋の屋根裏に到達し、ハンディカムを構える馬並であったが
残念ながらもう終わったところだった…。
552( ´_ゝ`) フーン:02/12/07 03:58 ID:5cPQNfCd
( ´_ゝ`) フーン 
553風と木の名無しさん:02/12/07 08:41 ID:NQIDKQon
ドアの閉まる音と鍵の音がし、辺りに人気の無い、静けさが漂う。

出て行ったのかすいら?ふ・・( ´_ゝ`) フーン し・・仕方ないわ。
あの子達ぅい 帰って来るの遅そうだすぅい、追っちゃおうかな?
けど、変よね?何で弐編君、居ないのかすぃら?トオルちゃんと隊長のあの雰囲気
何時の間に?って感じだけど、!ハッ こんな事考えてる場合じゃないわ!行かなきゃ!

ハンディカムを引っ提げ、馬並も後を追うが、三人は車を出した 後だった。
554風と木の名無しさん:02/12/07 11:24 ID:y85E508u
トオルの四駆に乗り込んだ3人は、何を食べようか話し合っていた。
「和食がいいな。俺釣り人だから魚食いてえ」
「いや、こういう体力使った時はやっぱ肉だろが」
「果物がいいでつ」
「ひろゆき、そりゃデザートだ」
「じゃ、おにぎり・・」
「だからもっとこう、でかい枠組みでだな・・」
「飯の話なのに理屈っぽいなぁ。。。」
「うるせぇトオル」
「怒ると禿げるぞ切込」
「毛 の 話 を ス ン ナ !!笑うなひろゆき!!」

3人は会話に夢中になっていた。
後ろを高速で憑けている馬並には気付かない。
555風と木の名無しさん:02/12/07 16:30 ID:YOHhfTZZ
肉、魚という事で ひろゆきの果物は、後でファミレス行き決定。になり
結局 行き着いたの先はそう、

 吉        野         家   だった・・・

高速も乗ったのに吉野家。大盛り玉、ネギだくのあの、
『吉野家』なのである。しかし、ここの吉野家は多彩な定食も有る方の
(松屋のような)吉野家だ。

トオルは 牛鮭定、(御飯 特盛)に、ゴボウサラダ
隊長は 丼、特盛玉に御新香と味噌汁
ひろゆきは、唐揚定食なんぞを各々頼んで、勢い良くかっ喰らっていた。

「美味いよな。イケル イケル 鮭、分厚いし」
「あそこのより、こっちのが断然煮込んで有るぞ。ここ、当たりだ!」
「唐揚 ウマーでつ〜侮れません〜遠いけど此処イイ!でつ」

吉野家も、店で味が違うようで、三人にすれば、美味い吉野家なら
高いフルコースやお洒落な店なんて、OUTof、眼中!といった様だ・・・
556風と木の名無しさん:02/12/07 17:10 ID:da8DJY4A
(´-`).。oO(アウトオブ眼中って久しぶりに聞いたな・・・)
557風と木の名無しさん:02/12/07 21:01 ID:tLTCO6iW
腹いっぱいになった3人は、ファミレスに移動してだらだらとくつろいでいた。
隊長とトオルは放ったらかしてある自分の仕事の事が、うっすら頭をよぎってはいたが、
こうして3人で居る心地よさに浸りたくてあえて忘れる事にする。
ひろゆきだけは何も考えずに、デラックスフルーツパフェをほじくっていた。

「そう言えば」
煙草をふかしながら隊長が言う。
「ひろゆきが居たの、夜勤の店なんだろ?あの野郎、まだマァヴとつるんでるんじゃないのか?」
「いや、俺が見た限りじゃそういう感じじゃなかったけどな。」
「でもお前はドアのところまでしか行ってないだろ。」
「確かにその通りだが…。」
やっぱりひろゆきだけは何も考えずに、デラックスフルーツパフェをほじくっていた。
558風と木の名無しさん:02/12/07 21:43 ID:E/1b9KqY
「けどな、ヤバそう・・っぽ かったぜ、奴 なんつーの、追われてる 
みたいな 噂通り でなきゃ、返してくれなかったと、思うんだ ひろゆき」
「ああ、アレか」
残党が何らかで夜勤を追っているらしい噂は切込も、承知していた。
デラックスフルーツパフェを穿るひろゆきの手が一瞬止まる。

「2人共 夜勤たんの悪口言っちゃ ダメでつ!」
「ひろゆき・・お前」 顔にこってり、クリームが付いている。説得力が無い。
トオルは苦笑いしながら、指で拭き取ってやり、そのまま舐め取った。
「わ〜かったから、早よ喰え!要らなきゃ 喰っちまうぞ」
「隊長ダメでつ!あああっ!うさぎ林檎 取ったでつ〜 酷いでつ〜 トオルたん」
「切込お前、・・そういう可愛い事余り 似合わねえ・・大人気ねえよ・・」
「うりゅ ひへ〜や ばぁ〜か シャリシャリ ふん、美味い」

正直、可愛いと思うトオルだが、言ってやらない。オダーした珈琲を飲みながら
二人が喧嘩を始める前に、後で夜勤には、三人で礼を言いに行くからと、
無理矢理 場を鎮めに掛かるトオルだった。
559風と木の名無しさん:02/12/08 00:54 ID:SdeRy7ic
その頃、その噂の夜勤の店には、マァブがいた。
表情一つ変えずに対峙する夜勤。
「お久しぶりですね。お元気そうで」
「オマエモナ(^_^;) ・・・ひろゆきが来てたじゃないですか、昨日」
「見てたんですか。趣味の悪い・・」
「何故あのまま返したんです?」
「貴方とは違うからですよ」
「・・・(^_^;) 今度ひろゆきが来たら、こちらに渡してもらえませんか?」
「お断りしておきましょう。今の私はKHKとは無関係ですから」
「そんな事言える立場だと思ってるんですか?」
やはり表情は変わらなかったが、夜勤の背中に一筋の汗が落ちていた。
560風と木の名無しさん:02/12/08 02:43 ID:53pbpXJY
「仕方 有りませんね」
そう言って夜勤は、服に隠し持っていた暗器(ヌンチャク)を取り出す。
周りには、勝てるかどうか定かではないが、一人で応戦して余る位の
人間が闇で張っている。背中の汗は、これによる 殺気を感じたものだった。
「おや、降参しますか? 貴方らしいじゃないですか 御利口さんです」
マァブの 卑げた笑い声が店に煩く鳴り渡る。
瞬間、夜勤の表情が変った。

「・・れが・・・誰が 降参なんか するかよ!!これ以上 
 あいつ等に手出しは もう させねえ!! 」

夜勤の怒声が合図となり、店では激しい乱闘が始まった。
561風と木の名無しさん:02/12/08 11:55 ID:WGWbvHOO
格闘は相当な腕前の夜勤ではあったが、相手のあまりの多勢無勢さに結局取り押さえられた。
肩で息をしている夜勤に、嘲笑しながらマァヴが言う。
「あなたがこないだ病院に送ったあの変な男、あいつの持ってるハンディカムには
発信機がついてるんですよ。ひろゆきの居場所はもう掴んでいます。
後はあなたを囮にして、ひろゆきを呼び出すだけです。アニャール拓は私のものですよ。」
「まだあきらめてなかったんですか…。組織はとっくに解散させられたというのに。」
「上辺はね。切込隊長は上手く手を回したつもりでしょうが、世の中そんなに甘くない。」
そこまで言うとマァヴはひろゆきの携帯に電話をかけた。

突然かかってきた番号非通知の電話に、戸惑いながらひろゆきは電話に出る。
「もしもし?」
「ひろゆきさんお久しぶり。突然ですが、夜勤さんをお預かりしています。」
「えっ?!!」
562風と木の名無しさん:02/12/08 16:52 ID:DdZ23l0c
「お預かりって。。。??? 貴方はあの時の、517たんでつか?」
ひろゆきは相手が誰か、素で判っていないらしい。
 
「ごごご 517???私を誰だと思っている!アフォか!」
「アフォとは何でつ!失礼な 非通知の癖に 生意気でつ!」
携帯にプンプン怒っているひろゆきの態度に 嫌な予感がした隊長が
ひろゆきから、貸せ!と言って、携帯を取り上げる。

「誰だ?」
「おや?隊長ですか?貴方に煮え湯を飲まされた事
忘れちゃいません まあ、丁〜度良い 貴方達も 御招待 しましょう」
「ああ?テメー 出て来やがったのか」

隊長の事はお構い無しに、マァヴは、用件だけを述べる

「ひろゆきさんは、来られますよ 一人でもね こちらに 夜勤が居ますから」
「何?」
「まあ 放っておいても、死にますがね 今の状況なら2〜3日って 所でしょうか?」

お待ちしてますよと、あの嫌な笑い声と共に電話は途絶えた。
隊長の顔が途端に焦り出す。どうしたでつか?と ひろゆきは呑気だ。
見兼ねてトオルが話し出す。

「切込?誰だ?」
「夜勤が・・・・奴に・・ 拉致られた 」
563風と木の名無しさん:02/12/08 19:45 ID:TgKzt7NC
「嘘でしょ〜〜〜夜勤ちゃんが らっ 拉致られたって!」
突然の話に、観葉植物の振りをしていた、馬並が飛び出して来た

「馬並たん 居たんでつか!」
「何処に 居たんだ?」
ひろゆきとトオルが驚いているのを他所に、電話を受けた隊長へ、馬並は
知っている限りの事情を説明した。
最初は内部崩壊させる為に組織へ入り、逆に捻じ伏せられ、あの一件で
やっと、あそこから抜けることが出来た事。それが災いして追われている事も。
隊長は、それらの事を、苦虫を噛み潰す様に、聞いている。

「隊長!だからヤバイの 今 あの子 アタシも行くから お願い! 助けて!」
「隊長!おいらも夜勤たん 助けたいでつ!こんな所に居る場合じゃ有りません」
「切込 どうする・・行くか?」
「ったりめーだ・・・俺が手順 甘かったんだ・・これで 決着付けてやる!
ついでに 夜勤にも、ひろゆきの借り 返さなきゃ ならんしな」
564風と木の名無しさん:02/12/09 10:16 ID:ZdMIY3Ub
ククククク 馬鹿な奴。早速、動き出しましたよ。電話を切ったマァヴが
動き出した受信装置のモニターを、夜勤にも見せ、マァヴが嘲笑う。

「夜勤 貴方昨日 奴らに手出しはさせない! とか仰いましたね」
 無駄なんですよ!と血塗れになっている夜勤の みぞおちへ、蹴りを喰らわす。
「ヴ・・うァ!ガハッ!! ゼエ て・・・テメエ ゼエ・・ゴフ ゴフ!」
鈍い音と共に、夜勤口から血の塊がドロドロ滴り落ちる。地面が一部血に染まる。
昨日から、大分流した血のせいで、意識は朦朧とし、走馬灯が時折、浮かんで来る。 

俺も、様・・無ぇ・・・あいつ等・・護りた かった・・・・
意識を放し掛けた瞬間、冷水が飛んだ。一瞬で現実に戻される。

「まだ、起きてて頂かないと、困りますよ〜。安心なさい 後でまとめて
寝 か せ て あげますから ひろゆき以外はね。アハハハハ!!」
マァヴは、この時、最終兵器であるトオルの恐ろしさを、未だ知らない。
565564です。すみません:02/12/09 11:07 ID:ZdMIY3Ub
夜勤口から→夜勤の口から。でおながいします。ついでにageておく
566風と木の名無しさん:02/12/09 13:17 ID:xz5uUxEh
「馬並、お前本当にあいつが追われる理由、知らねえのか?」
隊長が今度は四駆を運転し、辿った道を折り返す。
隣にひろゆき、後部にトオルと馬並が居た。
「私もわかんないの・・ごめんなさい・・ね」 
隊長は無言で舌打ちをし、トオルは、窮屈そうに「使えねえな」と
悪態を付く。折り返しているのは、思い当る居所が夜勤のバイトしていた
ホテルと、二日目の>982の近所のあの廃ビル。だったからだ。
567風と木の名無しさん:02/12/09 15:40 ID:Os8nxE3Z
赤坂の廃ビルの前に辿り付いた一行は、静かに車を降りた。
すぐにビルの中に乗り込もうとする隊長、トオル、ひろゆきだったが、馬並がそれを制止する。
「アタシが先にいって様子を見てくるワ。覗き見は得意なのよ」
そう言うと、ビルの排水パイプをつたってするすると壁を昇りだす馬並。

「・・器用な奴・・」「つーか不気味だ・・」
「そう言えば前、馬並たんがホテルの天井裏から出てきた事があったでつ」
「何処のホテルだ?」「隊長がお風呂でヤケドしたとこでつよ」「・・・・・」
隊長とトオルは>>161-167を思い出し、隊長の方だけ下を向いて赤面した。
568風と木の名無しさん:02/12/09 21:10 ID:iigpl6Fe
そう言えばあの時は、こいつの事 無理矢理 抱き掛けたっけ・・
あれから色々有って有耶無耶だけど・・ちゃんと、
アレは謝らないとな・・赤面している隊長を見詰ながら、トオルは切実に考える。
現在はひろゆきと 同じくらい大切だから・・ひろゆきと隊長を抱き寄せた。

「お前達 もし、危なくなったら、俺置いてでも 逃げ切れ 良いな」
「トオル 行き成り抱き付いたと思ったら、なっ・・何ほざいてやがる!」
「そっ そうでつ!皆で帰るんでつ!あそこに」
トオルはこの時 自分の命を張ってでも、2人を守る覚悟を決めていた。

それは、隊長と、ひろゆきも同じだった。
「お前だけ 良い格好 させるか!バカチン!!」
「おいらだって 偶には良い格好したいんでつ!トオルたんだけズルイでつ!」
だから、トオルのそれには甘えられなかった。そして、譲れない
2人の強い眼差しが、トオルの目に映る。
ぬるま湯に浸る事なんかしない奴らだから、俺は本気で惚れたのかも知れない。
隊長とひろゆきの意思を汲み取り、トオルが折れた。
「しゃーねーな 言い直すよ 何が有っても、皆で 帰ろうな」
569風と木の名無しさん:02/12/09 23:09 ID:05Ar0tbn
「おう…だがなトオル、マァブの狙いはひろゆきなんじゃないか?
こいつを連れてくのは奴の思惑通りだろ?」
確かにそうだ。以前からマァブが執拗に追いかけているのはひろゆきだ。
今回も夜勤を囮にひろゆきを呼び出している。

トオルは思案の末、ひろゆきに車で待つように言った。
「必ず夜勤は俺と切込が助け出すから。お前はエンジンふかして待ってろ。」
予想はしていたが、ついてくるなと言われて不服そうな顔をするひろゆき。

その頃マァブは、自分の真上に移動した発信機の信号を見ていた。
「天井裏から来ましたか。ネズミみたいですね。」
ハンディカムを持ってゴソゴソと移動する馬並の真下に、マァブの配下が集まる。
570風と木の名無しさん:02/12/10 00:13 ID:azLyK+k7
「ダメでつ!行きまつ!相手はプロなんでつ。こんな へなちょこドア スパナでホイホイ、
開けちゃうに決まってるでつ!硝子だって防弾じゃないし、パイプさえ有れば、バリーンとあぼーんでつ!」

へ・・へなちょこ・・俺の四駆は へなちょこなのか・・・あ あぼーん・・
トオルと隊長が絶句する。特にトオルはダメージ 大の様だ。
確かにひろゆきの言う事は、言い方には問題は有るものの、正論だ。
目の前に置いておく方が、いいのかも知れない。結局、連れて行く事になった。

下の三人がそうこうしている内に馬並は、天井下の殺気を感じ、挌闘家の表情になっていた。
「抜かった・・之に 発信機 付いてたなんてね 俺も 腹括るか」 
馬並が普段は見せない、戦闘モードに切り替わる 瞬間だった。
571風と木の名無しさん:02/12/10 00:32 ID:8FZQhdeh
廃ビルの入り口に移動した3人だったが、ビルのドアにはがっちりと鍵がかかっていた。
仕方なく裏口に回ってみたが、こちらにも鍵がかかっている。
「どうするですか?」「どうするよ?」
同時につぶやくひろゆきと隊長。

その時、戦闘モードになった馬並から、恐ろしい程の電波が発信された。
ゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅんゅん・・・・!!

・・・・・無言で繰り出されたトオルの拳が、鉄の扉をぶち破った。
572風と木の名無しさん:02/12/10 02:34 ID:Cw/Hal6I
「なっ・・何だ?一体 何が起きた!」
今居合わせている人間全員が、ビル全体に響いた怪音にそう言った。

「トオル・・」 「どうしたんでつか?トオルたん!」
トオルは何も答えない。開かれたドアを踏み付け、そのまま中へ、入ろうとする。
突然の、トオルの電波要素に隊長は思い当る節は無かったが、引っ掛かる事は有った。

「ひろゆき お前先,あのホテルで馬並が居た とか言ったよな?」
「居ましたよ 馬並たん・・天井から 落ちて来たんでつ」
「トオルが前からちょくちょく、変なのは・・きっと其れだ!あの時も・・しかし今日は
上手く行けば、俺達は 勝てる!トオルは大丈夫だ ひろゆき 行くぞ!!」
「は はいでつ!」
トオルの電波元が馬並自体に有ると、確信した隊長は、小さく策を練り
ひろゆきを連れ 勇み足で、トオルの後を付いて行った。
573風と木の名無しさん:02/12/10 03:09 ID:ag3HSEaF
廃ビルの中には、以前使われていたであろうと思われる、事務机やロッカーが
所構わず廊下に散乱し、更にドアにはいちいち鍵がかかり、コード類は剥き出しになり、
意図的なのか偶然なのか、多重バリケード状態になっていたが、
トオルはそれらの全てを、ぶん投げ蹴散らし叩き壊し引きちぎりながら、
一直線に進んでいった。
天井から割れた蛍光灯が落ちてきて頬を傷つけたが、まるで気が付かないようだった。
(トオルたん…戦車みたいでつ…)
(予想はしてたけど、これほど逝ってるなんてやべぇよトオル…)
閉まっていた防火扉を蹴り一発でぶち抜くと、トオルは無言のまま階段を昇り始めた。
慌てて後を追う、ひろゆきと切込隊長。

近づいてくる爆音の嵐に、マァヴとその部下達の間には動揺が走っていた。
その隙に少しずつ、這いながらマァヴから離れる夜勤。
天井裏で夜勤の方に、密やかに移動する馬並。
574風と木の名無しさん:02/12/10 10:50 ID:gRn5xaPW
そして、最後の防火扉を爆音と共に蹴り破り、マァヴが居る部屋のドアへ辿り付いた。
天井では、丁度夜勤と重なる良い位置で、上から馬並が降りたのと、
トオルがこのドアを拳の気合で吹き飛ばしたのは、略同時だった。

ドアの付近に固まっていた一部の人間は、悲惨な運命を辿った。
重い鉄の扉の衝撃波と、下敷きで、辺りから生死の危うそうな、呻き声も聞える。
一方残されたマァヴと、残りの配下達は、この騒音が一人の者から繰り出されていた。
という現実の恐怖に、逃げ出そうとする者さえ出た。それを馬並が阻止しに掛かる。

「ハッ 離しててくれ!!あんなの コッ 殺される!ヒッ!うああああ!」
「逃さないよ お前達には、夜勤の礼 たっぷり 返させて貰うぜ 夜勤アンタは 休んでな」
「マァヴ!お前だけは絶対に 許さない!」羽交い絞めにした配下をマァヴへ向け投げ飛ばす。
「馬並・・貴方達・・すみま せん・・」
意識を離した夜勤を隊長とひろゆきが保護しに掛かる間、馬並とトオルによる派手な大乱闘が、始まった。
575風と木の名無しさん:02/12/10 21:45 ID:O0VfMec0
夜勤を廊下まで抱え出したひろゆきと隊長は、自分のシャツをビリビリ破き、止血をし始めた。
「大丈夫か?夜勤!おいっ!!分かるか?!」頬を叩く隊長。
「うぅ・・すみません・・みっともないところをお見せして・・」
「何言ってるでつか!夜勤たんはおいらのせいで酷い目にあったんでつ!謝るのはおいらの方でつよ・・」

その頃、部屋の中では阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。
日頃覗きで鍛えた軽快な動きでマァブの配下を倒していく馬並と、
重さ数十kgもあろうかという机や棚を片手で投げながら、見境無く相手を倒していくトオル。
何度か馬並まで殴り倒されそうになって、その度に天井までdで逃げるハメになった。

一応の応急処置が終わった隊長は、部屋の中を覗き込みながら言った。
「ほぅ、残りは数人か・・・つーかトオル、どうやって止めちゃるかな。アレ」
576風と木の名無しさん:02/12/11 03:55 ID:xd7PivL1
「チョット、何なのトオルちゃん こっちまで危ないわよ・・・夜勤大丈夫?」
天上から馬並が廊下へ降り、夜勤を気に掛けながら、中の様子を見やる。
― てめーの性だろが・・この、怪電波野郎 ― と隊長は馬並みへ冷ややかに言い放つ
「あら。。隊長、気が付いたの・・感良いのね。でもね、アタシ 今戦闘意欲無くなっちゃってんのよ」
「何時もならアタシの思考止まると、元に戻ってる筈でしょ? 何なのかしら?」
そう、馬並の言う通り、戦闘モードの怪電波は、馬並みが天上へ逃げ込んだ時点で
既に消滅していた。それでもトオルの破壊行動は、過激さを増してさえいる。
普段の事をドサクサに紛れ茶を濁し、トオルの事を思考錯誤し始める馬並。
電波元がとっくに途絶えていた事に、アタフタする隊長。
転がって来る敵に「夜勤たんに何するでつ〜」と、ポカポカ止めを刺している。つもりのひろゆき
「大・・丈夫です・・よ彼は・・マァヴさえ・・押えれば 止まる 筈です・・・」
夜勤には、トオル自体が自分の強い念で自分の体を使っている様に思えた。そう、

「彼 きっと、貴方達を・・守りたい・・だけなんだと・・思い・・ます 不器用な・方・・ですから」
「そっ、それでも止まらなきゃ・・どうするの・・アンタ達?」
「おいらと、隊長で、トオルたん絶対に、止めるでつ!おいらはトオルたん信じてるでつ!」
「俺だってな、トオル信じてるぞ!止まらなきゃ俺が殴り倒してでもあいつ、止めてやる!!」
隊長とひろゆきは、夜勤の言葉を信じ、トオルのそれに賭けてみた。
577風と木の名無しさん:02/12/11 07:57 ID:7bEvZ3O5
部屋の中に飛び込んだ隊長とひろゆきが見たものは、
最後の一人となったマァヴの胸倉を掴み、今にも殴り倒そうとしているトオルの姿だった。

「やめてくださいでつトオルたんっ!!!」
「もういい!もういいんだトオルっ!!」

……抱きつかれて、己の身体に広がった二人の暖かさに、
トオルの意識は、ゆっくりと現実に戻った。
「ひろゆき…切込…」
「もう終わったでつ…トオルたん…」
「…やり過ぎだ…バカチンが…」
「俺、、、何が何だか。。。」
でも、無事な二人が傍にいるのが嬉しくて、マァヴを投げ捨てたトオルは
二人をいっぺんに、力の限り抱きしめた。
578風と木の名無しさん:02/12/11 11:14 ID:m3vh5LEt
何時もの少し、間の抜けた声のトオルだ・・
「良かった・・・戻って・・心配して・・トオル」
>573で痛みを感じていない様子のトオルに、表には出さないものの隊長は
実は、トオルの体に、ずっと不安を覚えていた。トオルに抱き寄せられた事で
その箍が今外れ、ひろゆきより先に形振り構わずトオルの腕の中で声を上げ泣き出した。
後を追う様にひろゆきも、トオルの名を何度も呼び返し、泣き出してしまった。

状況の把握出来ないトオルは「怖かったのか?ゴメンなもう、大丈夫だから」等
オロオロしながら、二人の肩を擦ってやっていた。これが余計二人を泣かせている事も知らずに。
こういう余裕が出来ているのは、トオルの投げ捨てたマァヴが、口から涎を垂らし、

トオル達の方を焦点の定まらない目で見ながら、ア・・アヒャヒャ言い出しているからだ。
マァヴマァヴは、殴られる直前のトオルが見せた眼光の凄まじさに、そのまま壊れてしまったらしい。
579風と木の名無しさん:02/12/11 14:39 ID:Slr8vLQC
「あらら、壊れちゃった・・あれじゃ、警察より、一生出られない処 送られるわね」
「その方が・・良いかも 知れません」
夜勤の肩を持ち、馬並が壊れたマァヴの無様な様子に、呆れたように言った。

それに気が付き、醜態を見られた!と、隊長は泣き止み,途端に強がりを言い出す。
「お前のせいで泣いちまったじゃねえか!クソ!良いか、俺は心配なんか誰が
するかと言いたかったんだ!!断じて心配なんか 心配なんか!!」
と強がりではなく最早、パニクッている。
「隊長 変でつ・・グスン トオルたん・・」
「分かったから、お前は心配してない。有難うな 分かったから もう、落ちけつ」

何を心配されて,何を自分の性にされているかも分からないが、
何か心配はさせていた様なので、隊長を宥めすかし、礼を言う。

泣いた烏が何とかで隊長はトオルの腕を離れ、夜勤へ喋れそうなので、
彼が追われていた,理由を聞き出しに掛かった。これにより、
後日、マァヴの後ろをを追い込む手段が変るのだ。今回はもう、同じ轍は踏めない。
この組織を、跡形も無く徹底的に追い込んでやる。隊長はそう、決めていた。
580風と木の名無しさん:02/12/11 17:04 ID:cScXazyn
いまだに一人だけ状況把握しきれていないトオルは、ひろゆきにしがみつまれたまま
キョロキョロしていたが、血まみれの夜勤と、埃だらけの馬並、逝ってるマァヴ、
そして何よりも、袖やら裾やらが破れたシャツを着ているひろゆきと隊長が気になった。
「何だか良く分からんが、服破いちまったんだな。俺のせいか・・・・。スマソ。。。」
「服、買って下さいでつ。おいらのと隊長のと、」
「ああ。勿論だ。」
「・・夜勤たんのと、馬並たんのと」
「ち ょ っ と 待 て。何で俺が夜勤と馬並の分まで買わなきゃならんのだ(汗)」
「えへへ、、、」
「まったく、しょうがねえなぁ。。。」
文句を言いつつおねだりひろゆきの可愛さに思わず顔がゆるむトオル。

隊長はそんなやり取りを背中で聞いて、ちょっとだけ「ムカッ」としていたが
(夜勤が具合悪いから聞き取りを手短に済ませるんだ)と、自分に言い聞かせて
聞こえないふりをしていた。
581風と木の名無しさん:02/12/11 21:51 ID:3FqhLQt/
「妙な所・・見せちまったが・・夜勤、率直に聞く,お前何握ってんだ?」
夜勤は隊長のストレ^−トな質問に苦笑したが、もう、巻き込んだ以上
隠しても無駄だと、追われていた理由を話してくれた。

夜勤の手中に有る物。それは、マァヴ協会に関係する顧客名簿と、
組織の重要人が書き連ねられた、名簿フロッピだった
582風と木の名無しさん:02/12/11 23:50 ID:lWhmqSEv
「これを・・私が・・・持ち出し・・から・・マァ・・・・あ、あと・・SDが残って・・・・・・」
ここまで言って、夜勤は意識を失った。
「夜勤!!」「もう無理ヨ!切込ちゃん!」
馬並は夜勤を抱え上げると、自分が病院に連れて行くと言って出ていった。

「ちっ!・・肝心のフロッピーがどこなんだか分かんなきゃ意味ねえだろ。」
「無茶言っちゃダメでつ隊長、夜勤たんはおいらの為に・・。」
「あのなひろゆき、お前の為だけでマァブと勝負してたんじゃねんだよ、夜勤はよ。
お人よしも大概にしろ馬鹿野郎が!」
「切込!」
トオルの悲しそうな制止の声に、隊長は語気を弱めた。
「スマン」
「気持ちは分かるが焦るな切込。夜勤はSDって言ってた。まだ手がかりはある。」
583風と木の名無しさん:02/12/12 02:12 ID:CfrTmczq
しかし、トオルの破壊行動により、辺りは何処も彼処も
瓦礫の山だ。この中に有ると言うのだろうか。探し出さなければ本当の壁は壊せない。

「あああああ!もう!!探してやる!探しゃ良いんだ!!見てやがれ」
やり場の無いマグマを放出させ、手当たり次第物を放り投げ,SDとやらを探し出す隊長。
しかし、何処か寂し気だった。

「隊長 あんなに怒って・・おいらが・・おいらが馬鹿だからでつか?トオルたん?」
「違うよ・・アレは ひろゆき、耳貸せ ボソ・・ベタだが、 生理だ・・笑うな・・物、飛ぶぞ」
ひろゆきは、必死で笑いを堪えている。隊長が気付いていないのが、幸いだ。

ひろゆきにはそう言ったが、実は隊長は、焼餅を焼いているのかも知れないと、トオルは
直感でそう、思った。先程からひろゆきばかり、構っている。それで、怒っていたり、口が悪いなら、納得出来た。
あいつらしいが・・もっと、甘えりゃ良いのによ・・切込の馬鹿・・

「切込 手伝うよ これ、持ち上げるから、 どいてろ」
「おっ・・おう・・」

あれ。。。腹治まってる・・そうか・・先から俺、トオルに、側に居て欲しかった だけか・・・
ひろゆき 頭ごなしに八つ当って、可哀想な事・・しちまったな・・トオルも悲しい顔、させたし。
トオルが側へ来た事で隊長は、怒りが段々治まり、切れた事を反省して、二人に素直に謝った。

「気にして無えよ もう 探すぞ」 と、ついでに頭を撫でてみたり。。。おっ!やっぱ、照れてる可愛い。
「おいらも、スーパーディスク 一緒に探すでつよ 隊長」 こうして、気を取り直し夜勤の残したSD探しが始まった。
584風と木の名無しさん:02/12/12 02:53 ID:Wfr2JwYA
(´-`).。oO(SDってSupportDESK ★の事じゃないのか?…)
585風と木の名無しさん:02/12/12 03:51 ID:jNDQ5U/G
捜索から数時間がたった。全ての部屋をくまなく捜すが、以前見つかる気配は無い。
夜があけてからでは、騒ぎになるので、その前に何とかしようと、隊長は
手を動かしつつ、夜勤の言葉を何度も思い出していた。

>582「これを・・私が・・・持ち出し・・から・・マァ・・・・あ、あと・・SDが残って・・・・」
これをの之は、このフロッピで、・・・!?ま・・・何だこの途中 ‘マァ‘って、 
「そうか!マァヴか!アイツだ!トオル!分ったマァヴだ!梃子摺らせやがってヤロー」

三人が同時に放置していた、マァヴを見る。もう、異世界の人と化したマァヴには、
三人は目に無いようだ。そして、トオルが近付くと、途端に発狂した。
「うるせー ゴルア!じっとしてろ!何だよコイツ 俺は化物かってんだ!ばーか ばーか」
マァヴを揺さ振り,服の中も念入りに調べると、MDより、少し大きめの
透明ケースに入れられた、CDが1つ、転がり落ちた。これこそ、夜勤の言っていたSDに違いない。

「取り上げてやがったのか・・チッ・・何処まで阿漕なんだかばーか ばーか 有ったぞ切込受け取れ!」
尚発狂するマァヴにトオルは同情の余地無く奴を投を飛ばし、空いた手で、隊長にSDを、放り投げた。
それを隊長が嬉しそうにキャッチする。これで、追い込める。
「隊長,良かったでつ」埃まみれでひろゆきが笑う。埃まみれな隊長も癒され、ひろゆきに微笑み返す。
「長居無用だな さてと、風呂入りに 帰るぞ」 「今度は風呂か・・風呂なのか」 「お風呂でつー」
586風と木の名無しさん:02/12/12 15:57 ID:yy9fDkal
マァヴを現場に放置したまま、トオルの四駆で隊長のマンションに戻った3人は
風呂に入るよりもまずディスクの中身を…とPCを立ち上げた。
「ウィルス駆除、一応立ち上げとけよ。」「ああ。」軽快な音を立ててドライブが動き出す。

そして、モニターに映し出されたのは…ひろゆきの満面の笑顔だった。
次から次に映し出される様々なアングルからのひろゆき。バックには松浦亜弥の「LOVE涙色」。
「…何だこれは?」「お、おいらでつ…」「うん、それは見れば分かる…」「顧客名簿は?」「さぁ?」
「俺、暴れてもいいか?」「自分の部屋が散らかるでつよ…」「まぁ落ち着け切込。」

トオルは夜勤の言葉を一つ一つ思い出し、腕組みしながら思案した。
「顧客名簿と組織図はフロッピーに入ってんだ。つー事はSDってのは肝心のブツじゃない。
フロッピーは廃ビルに居た連中は持ってなかった。だから他の場所にあるんだ。
でもマァヴが夜勤の店の家捜しをしてないとは思えない。
廃ビルに行かなかったマァヴの残党が握ってると考えるのが妥当な線だろうな。」

「トオルたん、探偵みたいでカッコいいでつ〜」「そうかー?」照れた笑顔をひろゆきに向けるトオル。
(俺もそう思ったのに…)こういう時はひろゆきの素直さが羨ましくなる隊長だった。
587風と木の名無しさん:02/12/12 16:43 ID:5dVE6uGe
「ふぁあ・・・眠くなってきた 俺、寝てもいいか?」
このところ体を酷使してきたトオルが、こう言うのも無理はなかった。
いかにも重たげなまぶたを、片手でこすっている。
「ああ・・・ベッド、使え ゆっくり寝ろよ」
「トオルたんおやすみでつ」
「ああ、サンキュ お前ら、寝てる俺に変なことするなよ。。。
二人でするのはかまわんが( ̄ー ̄)ニヤリッ」
「いいから早く寝ろ、バカチンがぁっ」
「トオルたんのいぢわるー」
見送る二人に、こう返す余裕はあったが、ベッドに倒れこむと、
じきにトオルの屋すらかな寝息が聞こえてきた。
隊長とひろゆきは、その様子を見て同時にお互いのほうを向き、微笑みあった。
588風と木の名無しさん:02/12/12 18:06 ID:+iio631U
「ひろゆき、油性マジック 持って来い」
「何するでつか?」
「良いから 早く」
隊長が何か企んでいるらしい。顔が子供の顔になっている。
ひろゆjきは、何するんでつかね?と、疑う様子も無く隊長に言われるまま
油性マジックを持ち出し、隊長へ手渡す。ひろゆきは黙って見守っている。

ー 先に寝るような奴はな、こういう運命に有るんだ ー と、トオルの髪を掻揚げ
額を出すと、隊長は 一文字、『 肉 』 と書いた。 こういう悪戯が意外と好きなようだ。

隊長はとても満足げに、良い位置だ、と踏ん反り返っている。
「うわっ。。。隊長ひどいでつ〜 トオルたん、起きたら 怒りまつよ・・でも・・可笑しいでつ〜ウププ・・」
「こういうのは、何時気が付くかが良いんじゃねえか!好きな奴程、からかいたい。ってな クスクス」
トオルは違う方向で、体に悪戯をされながら、それを知る由も無く、幸せそうに、寝息を経てていた。
589風と木の名無しさん:02/12/12 23:28 ID:sW+Njolu
「さて、風呂でも入るか。いい加減このボロ脱ぎたいしな。ひろゆきも入るだろ?」
「はいなー」
隊長を独占できるなんて、どれだけ久しぶりだろう。
服を脱いでいく隊長の、ほっそりとした身体を後ろから眺める。
同時に、疲れている筈なのにむくむくと膨らんでいくひろゆきのうまい棒。
そのまま隊長に抱きつく。

「おい・・・馬鹿・・・・」
「二人で変な事するのはいいって・・・トオルたん・・言ったでつ・・」
「馬鹿・・・」
言葉をかき消すように、口付ける二人。
590風と木の名無しさん:02/12/12 23:32 ID:Kzg/DAhq
591風と木の名無しさん:02/12/13 00:03 ID:60HF7Xk+
>>590最新情報によると、夜勤は一命をとりとめたようだ
592風と木の名無しさん:02/12/13 00:51 ID:csI2Fuw1
そして、バスルームで事を始める二人。
「たぁ・・・隊長・・あっ・・んんう」
「ひろゆき、響くから余り声 出すな・・」

言っておきながら指はひろゆきの胸の突起を弄り、唇は耳朶を優しく噛んでいる。
もう片方の手はうまい棒を、玩ばせ、立ったままの姿勢でひろゆきの*を攻め立て、
腰を柔軟に使っている。これで、 感じるな と言う方が無茶だ。
ひるゆきの感度の善い声は、何処までも止まない。

「仕方 無いな」
隊長がシャワーの放出を強め、音に声を紛れさせた。
「たいちょ・・・おいら、隊長・・に・・まだ・・ンウウ 言って・・ない・・」
「何を?」聞いてはいるが、手と腰は休ませていない。
「ずっと・・・おいら・・・寂しかった・・でつ・・でも・・今は・・幸せ・・だよ・・」

弐変を引き入れてからひろゆきに寂しくさせていた事を隊長は
この時程、後悔した事は無かった。独り占めに出来ない寂しさを
自分もトオルで少し知ってしまったから。それでも自分とトオルの側に居ると
言ってくれるひろゆきが、心から嬉しかった。

「当たり前だ・・俺も もう、誰も離さない ひろゆき、今までごめんな・・愛してるよ」
そして、あの時、別のお前達、を受け止めてやれなかった事、許して欲しい・・ひろゆき」
自分の本心にやっと触れ隊長は ひろゆきの事を、今までに無い位、愛しく抱いていた。
593風と木の名無しさん:02/12/13 02:34 ID:Wh1vKLLT
速報で入ったこちらは、夜勤の居る病院だ。

搬送された先の、輸血体制が万全で幸いにも
出血が多かった意外は、大きな怪我はなかったらしい。
夜勤が目を開ける。安静にはしていなくては成らないものの、夜勤は
酸素マスクを外し、馬並に、聞き取れるか分からない程の声で話出した。

「アンタ!何やってるのよ!駄目じゃない!」
「良いから・・ください・・フロッピ・・た・しの・・せの・・サギ・・の・・なか・・た・・ちょう・ウウ!!」」
「言わんこっちゃない!マスクしてなさい!取っちゃダメよ!昼間に隊長に言っとくから」
「話たいなら、店で又、嫌ほど聞いてあげるわよ!だから寝てな 大丈夫だからさ」

馬並は、心の中で夜勤の言葉を組み立てた。
フロッピは私の店の・・サギ?の中ね・・詐欺って何かしらね?
鳥の鷺なのかしら・・有ったかな・・そんな置物?方便で言ってるのかも?

夜勤を落ち着かせながら、馬並は夜勤が心配では有る物の
今日の昼には、隊長と合流する事を決めた。
594風と木の名無しさん:02/12/13 03:05 ID:kHCAAaOV
次の日、トオルは眩しい朝陽の中で目が覚めた。
隣に裸の隊長とひろゆきが、気持ち良さそうに寝ているのを見て微笑む。
二人に優しくキスをし、そっと布団をかけなおすと、シャワーでも浴びようと部屋を出た。

だがリビングに出ると、昨日のディスクが目に止まり、何となくそれが引っかかった。
PCを立ち上げて自動実行をはずし、属性をカット、ファイルを一つ一つチェックする。
「なるほどな。せこい偽装かましやがって舐めんじゃねえぞ。さて、解除させて頂きますか。」
txtファイルとなって現れたそれには、『SupportDESK』なる人物の住所と、
PASSWORD:mirvitadakiの文字が書かれていた。

その時、ひろゆきがものっそい眠そうな顔をして起きてきた。
「ふぁ・・・どうしたでつか・・トオルたん・・」
「何だ起きたのか。まだ寝てていいんだぞ。お前らは夕べ寝たの遅かったんだろうから(笑)」
「大丈夫でつー。トオルたんは意地悪でつねー。コーヒーでも入れるでつよ。」
「一人でできるか?」
「ぶー!それくらいおいら一人でできるでつ!弐編たんがやってるの、見てたでつよ。」
笑いながらひろゆきを見送るトオル。
595風と木の名無しさん:02/12/13 03:25 ID:cymDxY/z
台所に逝ったひろゆきが、密かに笑っている事をトオルは知らない。
「ププー!!! 肉、肉でつよ!肉!」
596風と木の名無しさん:02/12/13 03:27 ID:nlfR0ZjQ
しかし、そんなトオルの額には昨夜、隊長が悪戯に書いた『肉』の文字が・・

597風と木の名無しさん:02/12/13 06:41 ID:qREUH5m1
txtファイルに書いてあった住所とパスワードをメモしたトオルは、
なかなか戻って来ないひろゆきをいぶかしんだが、
やっぱり今度こそシャワーを浴びようと立ち上がった。
「ひろゆきー、コーヒー、シャワー浴びてから飲むから。」
「わ、分かったでつ・・・」
震えるひろゆきの声に多少の不信感を持ちつつも、そのまま風呂に向かう。

直後ひろゆきが聞いたものは、トオルの悲鳴だった。
「うがーーーーーー!!!!!!何だこりゃああああああああっ!!??!!」
台所で転げ回って笑い、悶絶しているひろゆき。
絶叫に隊長も起きてきたが、すぐに状況を理解して涙を流して笑った。
598風と木の名無しさん:02/12/13 12:29 ID:nlfR0ZjQ
やられた!こっ・・この綺麗な字・・そして・・こんなしょーもない事するのは(しかも油性で) 
きっ・・切込に決まっている・・く・・くっそー修学旅行じゃねぞ!・・内心、ヨロヨロに成りながら、
寝室のドアを開けると、裸体で枕に顔を埋め、布団を被り,シーツをバシバシ!叩いて
笑い転げる隊長が居た。お前か!と、真剣な表情で怒るが、隊長は一瞬
目が合うと、額に眼をやり又、ヒーヒー笑い出した。

半身は裸で下はGパン姿に真剣な表情は、普段ならとっても
男らしい魅力的な姿だが、しかし、額には 「 肉 」 なのである・・・
「お前だろがよ!やったの・・コレ!」額の文字を指で指している。

笑いのツボにがっちり囚われ、笑いが止らない。が暫くして、落ち着くと
隊長はトオルと向き合った。 裸で目は、赤くなっている。隊長のこの姿を見てか、
トオルは余り本気では怒る気がし無い・・・実はこういう冗談,自分もやる方なので、嫌いではないのだ。

「チッ、意外と早く、気が付いたか・・お早うさん・・ククククク・・」
「や〜ってくれるよ・・全く・・今時 「 肉 」 なんてよ・・こういう風に来やがったか・・・ははは・・」
「まあ・・良いがな・・切込、後で御仕置き 覚悟しやがれ。。。たんまり、苛めてやる」 軽くデコピン!
「ほう・・面白れーや・ウッ・・プププ ・・はは・・・請けて立つ!」痛えーな・・・・野郎

怪しげな会話を他所に、ひろゆきは台所でまだ、「肉でつ!!トオルたん・・肉〜〜!!」
と、キッチンを布巾でバシバシ叩き、しゃがみ込みながら悶え笑っていた。
599風と木の名無しさん:02/12/13 14:24 ID:rgwOT25S
トオルはシャワーを浴びにバスへ戻った。中から勢い良く
水の流れる音が聞える。額を念入りに洗い流すも、油性の恐ろしさは
書いた文字が薄っすら残る事だった。意識しなければ、そんなには目
立たないのだが、「あ〜あ〜消えてくれそうも無えな・・痛いし・・」
トオルは頑固に残る文字を落とす事を諦めた。湯船に浸かる。疲れていた分、至福だ。

「隊長、料理出来たんでつか?で、何でつか?それ?」
「歪だがな・・・偶には良いじゃねえか 一応玉子に野菜と醤油混ぜた奴だが・・」
本当に見た目の不味そうな物が出来上がった。

ひろゆきと台所に篭り、トオルをからかったのを反省してか、
隊長が珍しく料理していたのだ。最後の仕上げにマヨネーズをグチャグチャ
混ぜ合わせる。薄茶色に変色したそれは、隊長曰く、以外に美味いらしかった。
疑うひろゆきの口に指で味見をさせる。「本当でつ〜意外と美味しいでつよ!」
「以外は余計だっーの トオルもうそろそろ、上がるだろ? ひろゆき、珈琲どうするんだ?」
「そうでつ!入れるんでつ」
ついでに紅茶キボンヌ!と、隊長は焼けたパンと今出来た、妙な料理を皿に盛った。
600風と木の名無しさん:02/12/13 18:38 ID:9OYRpUTC
トオルが風呂から出ると、パンの焼ける良い香りと、何かを作った香ばしそうな香りが漂った。
おっ!何か作ったのか?体を拭いて服を着ながら、自然と顔が綻ぶ。

忙々とトオルがリビングへ行くと、テーブルには、珈琲,紅茶、皿には、
如何にも「男が作りました!」と自己主張している料理が置かれ有った。
「何か作ったのか・・へえ・・」 おいおい・・凄い色だぞ・・・何か。

「あっ!トオルたん 隊長が作ったんでつ〜 美味しいんでつよ!コレが!」満面の笑みで、ひろゆきが言う。
「コレが余計だ・・見た目悪いがな・・まあ、無理にとは言わんが・・」 隊長は何処となしか、照れ臭そうだ。
「喰うに決まってるぞ!」色なんかじゃ無いんだ・・切込が作ってくれただけで、感謝ですだ!俺!
頂きますと、おっかなびっくり隊長の料理に箸をのばす・・・予想外に
「美味い!・・切込 美味いよコレ 有難うな」パンに挟むともっと美味そうだと、トルが、ガッつき始めた。

隊長は,、トオルの返事に作って良かったと、表に出さないが、幸せ気分だ。
珈琲はおいらでつよ!と、ひろゆきが隣で言っている。それにも返事を返してやるトオルは、忙しそうだ。
三人、はしゃぎながら、朝御飯を楽しんで落ち着き始めた頃、部屋の電話が鳴った。隊長が取りに行く。

「もしもし、切込隊長ですが、・・何だよ、馬並か・・夜勤に何か有ったのか?」
「隊長、夜勤ちゃんは大丈夫。目覚ましたわ。 後ね、見付かってなきゃ、フロッピの場所が分ったよ!」
601風と木の名無しさん:02/12/13 19:23 ID:Cx7Naz8t
「マジか?」
「ええ。できれば会って細かい事話たいんだけどいいカシラ?盗聴なんてされてると嫌でしょ?
場所はアタシの行き着けの電気屋前でどう?」
「分かった。」

「誰でつか?」
「馬並だ。フロッピーの場所が分かったらしい。」
「でかした馬並。」
残りのコーヒーを一気に飲み干すとトオルとひろゆきは立ち上がった。
「んじゃ、行きましょー!」
バタバタと出かける支度をする3人。トオルだけが途中でPCの乗った机に寄り、
今朝のメモ書きを掴んで2人の後を追った。
602風と木の名無しさん:02/12/14 03:52 ID:tMpLUUPW
そして又トオルの車に乗り込む。馬並の指定した電気屋は、そう遠く無かったが、
後の移動を考慮した為だ。それなので、10分と掛からず、馬並と落ち合う事が出来た。
「馬並分かったんだって?」隊長がドアを開け車から出た。残りの二人も降りて来る。
「うーん、そうなんだけどね、取り合えず、夜勤ちゃんの店なのよ。在るのは
、何かの中に埋めて在るみたいでさ ソレ探せって 夜勤ちゃんが」
「アイツ又探させるか・・いいや。車乗れ!トオル後ろなっ!」
又、狭いのか・・まあ、どっちも馬並の隣りに、したく無いから良いけど。

そして、隊長が運転している車は夜勤の店へ着いた。 中は矢張り荒らされていて、
とても目的の物が在る様には思われなかった。ー本当に在るのか?コレ探した後だぜー
隊長が言う。馬並は、サギの中に在る!と言う。。。そもそもサギって何なんだ?
鳥の鷺らしき置物も無い。 そういう方便も、勉強不足で思い当たらない・・・
隊長が 思考錯誤していると、ひろゆきが二階から、嬉しそうに手に何かを持ってやって来た。
トオルが隊長へ「ひろゆきがそっち行ったぞー」と上から呼び掛けている。

「隊長〜おいらね、おいらこの子凄く欲しいでつー可愛いでつー夜勤たん くれないかな」
「ひろゆき今っ!!ーーーーーーーー!!ソレ!ウサギ。。ウサギ兎なのか!!そうなのか!!!」
「何だ・・私の店の「う」サギの中だったのね・←で埋もれて、聞き取れなかったんだーキャハハ」
603風と木の名無しさん:02/12/14 04:23 ID:gQw4vt03
「ひろゆき、そのウサギちょっと貸せ」「なんでつか?」
隊長はぬいぐるみの腹の部分に、縫い合わせたような部分があるのを見つけ、
その部分を思い切り引っ張って切り裂きにかかった。
「ああああああっ!!何するでつかっ!!痛いでつーー!!やめてくださいでつー!」
「いいからちょっと黙ってろ」
そしてウサギのぬいぐるみの中から、夜勤の言った通り、黒いフロッピーが出てきた。
「こいつか」

2階の夜勤の私室では、トオルが夜勤のPCを見ていた。
しかし既にそれは内部が破壊されていて使えないらしい。
「HDD丸ごとぶっ壊してやがる。よっぽど漏れちゃ困るデータがあったんだな」
その時、半泣きのひろゆきが駆け上がってきて、トオルの胸に飛び込んだ。
「どうした?」
「トオルたん聞いてください〜〜隊長が酷いんでつよ〜〜おいらのウサギたんをね、・・・」
604風と木の名無しさん:02/12/14 05:24 ID:72K4kKnI
「兎?・・ああっ、馬並の言ってたサギは、ウサギか」
「ひろゆき お前持ってただろ?切込に渡した? ひろゆき?」
「取ったでつーそれで、お腹破いちゃって」「有ったか?」

「酷いんでつーおいらのピーターたん 可愛そうでつー夜勤たんに貰おうと思ったのに」
「はあ?お前アレ欲しかっただけか??気が付いて持って行ったんじゃ。。。」
 無いよな・・・ひろゆきだし。あーあー泣いちまった・・ひろゆきは、おいらの
おいらのと、言いながらエグエグ泣き出してしまった。

そういえば夜勤、アレと同じのもう一つ作って無かったかな?トオルは初めに呼び出された
頃は良く、夜勤とつるんで遊んでいたりした。いわゆる悪友。だったのだが、一連の事で
お互い溝が出来てしまい、疎遠になった。トオルが夜勤を苦手だったり、夜勤が
トオルに雑な言葉で食掛ったりするのは、この辺りに有る様だ。その頃に、夜勤がああいう
物を、ちまちま作っていたのを「似合わないぜ」と生暖かくヲチしたのをトオルは思い出していた。
懐かしいよな・・あの頃は切込と散々喧嘩ばっかして、ホテルに置いて置かれて拗ねた事も
おおっと。。ひろゆきだ。今は耽ってる場合じゃねいぞ。
「ひろゆき、あの兎はな、確か夜勤が作ったんだ。買ってやれないから、もう片割れ探すか?」
「有るでつかー?」途端にひろゆきの表情が晴れ渡る。
「分からんけど、引き上げるまでだぞ!探すの 無い時は作った、あいつに言え」
605風と木の名無しさん:02/12/14 08:47 ID:RyAnfrRG
その頃、一人取り残されていたアヒャ状態のマァヴは…
606風と木の名無しさん:02/12/14 12:32 ID:js9kVdqT
精神病院に収容されていた。合掌。
607風と木の名無しさん:02/12/14 17:09 ID:RyAnfrRG
そこでネオむぎ茶と仲良くやっているようだ…
608風と木の名無しさん:02/12/14 20:18 ID:zlOvtvd0
結局トオルの言った片割れの兔は部屋が荒されて居る事も有って、見付からず、
時間切れになった。トオルに言われたものの、ひろゆきは諦めきれない様だった。
「・・・おいらの・・ピーターちゃん・・」
言うんじゃ無かったかな・・余計、がっかりさせちまったかも。項垂れるひろゆきを
見やりトオルは、軽はずみに言うんじゃ無かったと、後悔していたが、

「夜勤たん 作ってくれまつよね!良くなったら」と、トオルの言葉の最後を覚えていたらしく
ひろゆきは、ケロッとし始めた。 「病院退屈だし、良いんじゃないか?」と機嫌の直った
ひろゆきに、ホッとしながら答えてやった。下から隊長が「何やってる?」と中々降りてこない
トオルとひろゆきに業を煮やし、態々上がって呼びに来てくれた。

「行くっ ってんのに、何して・・うわ・・ひでえな・・」下より荒れている部屋に隊長が率直に言った。
「HDD事、やられてるじゃねえか・・高いんだぞ〜このPC・・こんなの使う夜勤って・・」
「ソレな・・HDD事って、相当だぜ・・政治家とかの情報でも入ってクサそうだけどな」
政治家!すぐさま、隊長の顔が反応している。隊長の得意分野だ。
「もし、名前が有ればクックック・・・干されるのが何だ!だぜ、長田町、掛かって来なさいだ!」
余り無茶はしてくれるなよと、心配するトオルを他所に喜び勇んで二人と馬並を連れ、
隊長は夜勤の店を引き払った。
609風と木の名無しさん:02/12/14 21:03 ID:EWCHbViF
車中で、トオルが切込に聞く。
「このあと、どうする?」
「俺はそろそろ仕事が気になるから・・・」
「俺だって気になるけど、これで行けるか?なぁ?(;;)」
そう、トオルのおでこには、まだうっすらと『 肉 』の文字が残っているのだった・・・
「俺は、今日はおとなしくしてるわ・・・切込、お前の部屋でフロッピー見てみるから、
とりあえずお前の部屋に戻るぞ」
そう言って、トオルは車をもと来たところへ向けた。
610風と木の名無しさん:02/12/14 22:39 ID:ayA0KqHt
馬並は隊長達と別れ、再び夜勤の病院へ戻る事にした。ひろゆきからは
何か書いた紙を手渡され、病院へ戻ると夜勤に渡した。夜勤は容態も昨日より
落ち付いた様で、喋るのは無理だがそれを受け取り、読んだ。

 夜勤たん おいらのせいで、本当に ごめんなさいでつ隊長は怒るけど
 おいらのせいだよ・・早く良くなってくださいでつ。本当にごめんです。
 あと、夜勤たんの ウサギさん隊長がやぶっちゃったでつ!酷いんでつ
 欲しかったのに ピーターたん・・フロッピは大事だけど・・悲しいでつ。
 だから、トオルたんがね、夜勤たんに良くなったら作って貰えといったでつ
 良くなったら作ってくださいでつ。おながいします。   夜勤たんへ、ひろゆき。

夜勤がひろゆきの文に笑んでいる。ー 見つけてくれたんですね 良かったー
「何か嬉しい事書いて有った?」夜勤がメモ書きを馬並に見せる。
「ああ・・ウサギね。ひろゆきちゃん欲しがってたから、アタシも念、押されたわ」

馬並が花瓶を手入れしながら、返事の返せない夜勤へ穏やかに話し掛ける。
ー トオルも変な事を一々覚えていて・・全く・・良くなったら、大きいの作ろう ー
体力的に、話す事は未だ出来ないが、夜勤はそんな事を思い、再び安眠した。
611風と木の名無しさん:02/12/15 02:10 ID:KgXvvRc/
そういえば、最近弐編タンはどうしてるのでつか?
612風と木の名無しさん:02/12/15 02:37 ID:w2dTqQ9I
ひろゆき、トオル、馬並と分かれた隊長は、
事務所に向かって歩きながら、とりあえず一段落した余裕もあってふと弐編の事を思い出した。
全く連絡をしてこないということは、よっぽどkittyの所の居心地がいいのだろう。

実際弐編はkittyにそれはそれは大切にされていたし、
また今までひろゆきと隊長を取り合い、複雑な気持ちで過ごしてばかりいたのが
独占されて愛される喜びを知ってしまった。
隊長の事を思い出さない訳ではなかったが、今のkittyとの生活に新たな居場所を感じていたし、
できればこのままkittyに甘えてしまいたい、と思っているのも事実だった。

隊長の方はと言えば、トオルの事で逆に独占できない悲しさや嫉妬の苦しさを知り、
以前のように弐編を呼び戻す事が、かえって弐編を苦しめる事になるのではと
どうしても連絡をする気になれなかった。
さらにその「連絡したくない」という気持ちの中に、これ以上トオルに誰かを近づけたくないという
甘えられる人を得た事からの無意識の防御が混ざっている事は、
いまだ、隊長自身も気がついていない。
613風と木の名無しさん:02/12/15 02:52 ID:+zBSqSSK
部屋に戻った隊長は、トオルがリビングでデーターの解析をする間に
別の部屋で放ったらかして有った、原稿等の仕事処理に追われていた.

隊長の気が散らない様、ひろゆきはトオルの居るリビングで転がって
居たが、退屈なのか、トオルに「最近弐編タンはどうしてるのでつかね? 」と話していた。
その内来るだろうと思っていたが、トオルに答えられる訳が無い。

隊長からも、あの夜に弐編が平手食らわせて宣戦布告。つまり、kittyを取った。
としか聞いていなかったし、そこからは大事の連続で、ゆっくり話をしている状況では
無かったのだ。現に今も。落ち着いたら、対峙しなくては成らないのだろうが。

「お互い余裕無かったからなー 聞いてないんだ。分からなくて ごめんな」
「かえって来ないし、連絡も無いでつから、何処か幸せに居るんでつかね?」
無邪気なひろゆきを見詰ながら、トオルは複雑な思いで、PCを相手に向き直った。
614613を書いた慌て者:02/12/15 03:01 ID:+zBSqSSK
リロードしてなかったでつ〜ごめんなさい。
という事で文章訂正。
隊長→事務所で仕事
トオル&ひろゆき→隊長の部屋で
脳内変換おながいしまつでつ〜
615風と木の名無しさん:02/12/15 07:37 ID:+zBSqSSK
そして、色々ソフトを用いながら、データーの一部プロテクトが解除され、
待っていたパスワード要求画面へ辿り付いた。朝に書いたパスワード 
『mirvitadaki』を入れる。これで!。。。?エラーが出ている。打ち間違えたと
もう一度やってみたがエラーの文字は付いたまま・・・そして全角大文字も、
「SupportDESK」もついでに放りこんだが

「何なんだ・・夜勤のヤローは!!プロテクト掛けるにも程が有るぞ!!」
「ビクウ!!! どっ・・どうしたでつのか!と・・トオルたん」
「ああ、ごめんな。昨日のパスワード入れる前に違うパス聞かれて」
優しく言いながら、傍のひろゆきへ髪を撫でてやると退屈だったのだろう、
ひろゆきに、背中を,抱き付かれてしまった。
「う〜んおいらだったらね、こういうの、好きな人の名前とか入れちゃうでつよ」
「なら、入れて。。。みるか?」背中から腕を伸ばし、取り合えずは自分の名前を
入れてみた。。画が 動かない。試しに隊長とトオルの名前も入れてみた。
「いや、ひろゆきさん。。それは、有得ませんぜ」
ムキになったひろゆきは、隊長や、弐編の誕生日を入れたが動かない。ならばと、
自分とトオルの誕生日を放りこんでみた・・らっ。 動いた!ひろゆき御手柄〜!オメ!と
トオルは嬉しそうに背中のひろゆきを胸元に引き寄せ頬にキスした。
そして、メモした本当のパスを入れると、画面から夥しい量の情報が流れ出した。
616風と木の名無しさん:02/12/15 16:27 ID:66XBEy+P
「うわーヤベエ。。。コレ、相〜当ヤバイぞ・・」

顧客名簿の方は、住所電話番号は愚か、私生活の繊細まで明記されていた。
様は、相手の新しい連れ等が書かれているのだ。
特に目ぼしい人物には★が打ってあ有り、其処には 切込の名が有った。
( )には、ひろゆき、弐編の名も有った。過去の事は良いとして、此処とは
関係の無い二人が書かれている事の意味を悟り、トオルは蒼褪めた。

「初から、調べてやがったんだ・・・マァヴは偶然ひろゆきを目に掛けてたんじゃ・・・」
夜勤も其れを分っていたからか?だから縛られてた。ってか?嘘だろ・・。

「トオルたん?どうしたでつか?ねえ?」トオルの様子に、心配した顔をする。
「なっ何でもねいぞ。ひろゆき、おながい、珈琲・・頼む」 削除するべきなのか?
疑う様子も無、く頼りにされるのが嬉しいのか、屈託無い笑顔と返事でひろゆきは
台所へ行った。その間トオルは隊長へこのデーターを手を付けずに見せるべきか、
削除すべきか大いに悩んだでいた。明日もきっと、仕事所ではない気がしながら・・・

一方隊長はそんな事も当然知らず、悶々と半ばやっつけ仕事で溜まっていた原稿、
会社の資料等に目を通し、後処理をしていた。仕事も、半分以上は済んでいる。
夕方までには全部終らせてやんぞ!俺様!と激しく気合十分、息巻きながら。
617風と木の名無しさん:02/12/15 23:53 ID:w2dTqQ9I
(つーか顧客名簿って、、、切込の投資先にマァブの息がかかってたって事か。しかも莫大な額だぞこれ。
つまり、、、マァブの組織に結果的に貢いでたって事か。
そりゃ切込が組織を潰す為に動いてくる事なんて、最初から読まれてるよなぁ・・・。
ここで周辺人物に手をかけてきたって事は、切込が投資を打ち切ったか、経営に口を出したか
もしくはマァブが更に切込を取り込もうとしたか、、、夜勤はかなり防波堤になってくれてたんだな。
さて、これを知らせたとして切込がどうなるか。
投資が大失敗だった上に、自分のせいでひろゆきが狙われた訳だからな・・・。
凹むか?奴はそんな玉じゃねえとは思うが・・・。)

「・・・・オルたん!トオルたん!コーヒー冷めちゃいまつよ?」
「おう?!・・・ああ、スマソひろゆき、サンキュ。」
「大丈夫でつか?トオルたん、さっきから変でつよ?それ、何が書いてあるんでつ?」
「いや、大した事じゃないんだ・・・。」
「・・・トオルたんの嘘はすぐ分かるでつよ・・・。
おいら何の為に居るでつか?おいらにはコーヒー入れるしかできないでつか?
トオルたんは頭いいし強いから、ついおいらも隊長も他の皆もいつもいっぱい甘えちゃうけど、
でも何でも一人で抱え込むのはやめて下さいでつ。
もうちょっと、弱いトオルたんでも、カッコいいままでつ。大好きでつ。。。」
「・・・・ひろゆき・・・・」
618風と木の名無しさん:02/12/16 02:13 ID:wP3GT8/j
あいつ達と夢で『絶対護る』って俺、約束したけど・・・許して くれるだろうか・・・
「ひろゆき 俺・・どうすりゃ良いか判らない・・こんな、へたれで・・御免な・・」
「トオルたんは、へタレじゃないでつ。おいら判ってるから」
画面に映った文字をひろゆきも理解した。声を殺して泣いているトオルをひろゆきは
暖かく包み込んでいた。約束したのに消えたひろゆき達にも抱き締められている様で、
自分を抱き締めてくれるひろゆきに、弱音を吐いてもそれは少し 許される気がした。
「隊長もおいらも、何も知らないでトオルたんに甘えるより、判ってて甘えていたいから」
ひろゆきの強い言葉でトオルはそのままのデーターを隊長へ見せる事を決意した。

何も知らない隊長が帰宅したのは結局夜遅くだった。略夜中近くだったので、ひろゆきを
寝かせてからトオルはデーターを見せる事になった。 隊長から血の気が引いている。
「・・結局・・俺の過去の所為じゃねえか・・皆巻き込んだのも俺か・・・クソ!」
隊長が壁を殴り付けた。そして、情けないと泣いていた。トオルは隊長が意外と打たれ弱いのを
分っていてひろゆきの言葉に甘え、消せなかった事を隊長を目の前にして、悔やんだ。
切込を泣す事になるだろうと予想は、していたのに。
「消すんじゃねえよ!残して正解だ・・夜勤も俺の性じゃねえか!バカだ・・よ・・
トオル・・俺・・金なんかどうでも良い・・ケリ付けて・・夜勤に・・謝り・・た・・」
胸に抱き付き、己が引いた過去のツケに悔しがり泣く隊長に、トオルは何も言えず、
切なさで唇を塞いでやる事しか、出来なかった。

619風と木の名無しさん:02/12/16 16:40 ID:MhxsGiAV
どれくらい長い時間、トオルは隊長を抱きしめているだろうか。
涙は止まったが、無言のまま自分の胸に額を押し付けている隊長に
トオルは何と声をかけたらいいのか分からなかった。
仕事を持つ者として、親友として、ひろゆきを取り合ってきたライバルとして、
そして愛する者として、ずっと傍に居て分かりあえ過ぎる相手だから、痛みが自分の胸も貫く。

静寂を破るように寝室のドアが開く音がして、ひろゆきが起きてきた。
無言でひろゆきを見るトオル。顔を上げる事ができない隊長。

「少し寝た方がいいでつ…トオルたんも、隊長も。」
ひろゆきはカーテンを開けて夜の街を眺めながら、誰に向けてでもなくぽつぽつとしゃべり出した。
「一度も失敗しない人間なんて、この世に居ないでつ。
大切なのは、同じ失敗をしないこと。失敗から、学ぶこと。……転んでも、泣かない。」
「…ひろゆき…」

(ひろゆき…この人は、何て強くて優しい人間なんだろう。
今までずっと、守ってやるって思っていた。
でも、本当は、、、ずっとこの人に守られていたんだな)
トオルと隊長は、同じ想いで窓際に立つその人を見つめた。
620風と木の名無しさん:02/12/16 23:30 ID:dbZtiwdW
ひろゆきが見詰める同じ街で、kittyと弐編は互いの空間の幸せの中
時を過ごしていた。

「姫・・帰りたい?」
「どうして?居ると・・迷惑?」
「絶対そんな事違うよ!迷惑掛けて・・引き止めてるのは
俺だよ・・君が電話見詰めて 時折寂しそうに してるから・・
御免ね・・離してやれなくて・・だから、嫌なら、君が俺を捨てて・・」

この人は何時でも自分だけ必要としていてくれる。離せないから平気で
自分を捨てろと言い放つ。そんな人を今まで俺は・・・
ひろゆきにもう・・あの人を 渡して良いのかも知れない

そう想うと、二編は泣きながら無意識に、kittyの胸元へ飛び込んでいた。
kittyは胸に飛び込んだ弐編を大切に抱き締めた。
「居る!側に居るから・・だから・・もう悲しい事 いわな・・」
「有難う・・なら、言わないよだから、泣かないで・・」

其れぞれの想いを抱く様に、街では優しい雪が 降り出していた。


621風と木の名無しさん:02/12/17 00:02 ID:+5dTFfk3
622風と木の名無しさん:02/12/17 00:44 ID:8mg6RhEl
>>621の最新情報によると、夜勤は集中治療室から一般病棟に移れる程回復したらしい
623風と木の名無しさん:02/12/17 01:27 ID:+S6Uqmzo
体を鍛えている性か夜勤は驚きの速さで一班病棟へ移されていた。

「雪・・ですね 何年振りだろう こんなに 降るのは」
振り出した雪を見ながらもう、離す事も出来る様だ
「良かったわ〜夜勤ちゃん 病棟移れて。 そうね、珍しいわよね」
「心配 させましたね・・ごめんなさい」
何、水臭いこと言ってるのと馬並は笑い飛ばしている。
「馬並、どうしてずっと、居てくれてるんですか?」
「危険でしょまだ・・奴らが動けないアンタに止め刺しに来ないとは、
 限らないじゃない? 困るのよ アタシ 夜勤ちゃん居ないと」
夜勤が青ざめた・・。居ないとここ。。困るってゾワワ〜〜

「アンタ・・何変なこと考えてんのよ・・固まらないで頂戴!アタシ試合で
確か互角でしょ。決着、何時か付けたいの!だから、変なのに倒されても
困るのよ!解る?全く下のことしか考えないんだから嫌よね〜」
「も〜貴方に・・そんな事、言われたくな〜い 寝ます おやすみなさい」

この二人、結構良いコンビの様だ。
624風と木の名無しさん:02/12/17 03:35 ID:WPqkUqy8
深夜の東京に雪はしんしんと降り積もり、それぞれの思いを包み込んでいく。

「冷えてきたな・・・もう寝よう。明日になったら、これからどうするか考えよう。」
「そうでつね。おいらはおしっこしてくるでつ。」
「・・・ひろゆき、それで起きたのか(汗)、、、早く行け。」
「ういー。。。」

トオルはそれから、自分の腕の中に話し掛ける。
「やっと笑ったな。」
「スマン・・・。」
「いいよ。つーか悔しいなぁ。結局俺はお前を笑顔にできなかったか。」
「ひろゆきの天然には誰も勝てねえよ。」
「そうだな(笑)」
二人は寝室に向かった。
今日の功労者、ひろゆきの為にベッドを温めようと思いながら。
625風と木の名無しさん:02/12/17 12:09 ID:hdVs88Ao
「トオル!朝だぞ・・起きろ!おい!起きろよ」隊長がトオルを必死で起こしている。
「ああ・・?切込〜ん〜モニャモニャ・・」寝ぼけて隊長の腕を引き寄せキスをする。
「うわう!も〜バカチン・・よせ・・・ンッ・・馬鹿!・・起きろ!」ひろゆきは隣で未だ寝ている。
「んっ?!切込!どうしたんだ?大胆な奴だなあ・・」気持ち良い感触でトオルが覚醒した。
おま・・お前が寝ぼけて・・やったんだ・・もう。 と顔を真っ赤にする隊長。

「そうか・・スマン。お早よう で、どうした?未だ6時だぞ」
朝起きの低い声でトオルが言った。
「お前、仕事が有んだろ・・バカチン 行って来い」
「良いのか?俺、有給まだ後20日位、残ってるけど・・」
「今使ったら、後でいざっ!て時に使えないだろが俺は昨日に済ませたから」
20日もまだ・・有るのか・・優秀な奴だな・・

「俺は、大丈夫・・だから。後の組織図は俺が見て置くから行け。その代わり」
「ちゃんと 此処 帰って・・来いよな・・」消え入りそうな声だった。
当たり前だ。と言ってトオルは隊長へ、笑い掛けた。身を整えるとトオルは隊長に見送られ、
隊長と寝ているひろゆきにも、キスだけは忘れず、何日か振りに仕事へ出掛けて行った。
すると暫くして、チャイムが鳴った。忘れ物かとドアを開けると、トオルが情けない表情で立っていた。
「ゆ・・雪で電車 止まりやがった・・電話したら、強制休みだ・・・・トホホだ。。切込〜」
626風と木の名無しさん:02/12/17 15:02 ID:w8gM32Mn
久し振りに積もった雪で結局、隊長の部屋に篭る羽目になったトオルは急に暇になり
昨夜のデーターを、隊長と一緒に見ていた。ひろゆきは、朝も早いので、眠ったままだ。

ー やっぱり、有るか ー 隊長の予想道理、裏で指導をしていたと思われる
政治家関係者の名が出て来たのだ。「SupportDESK」はそれを指していた。

そして、癒着献金.この四文字も頭に浮かぶ。恐らく、マァヴの組織=マァヴの会社を媒体に、
そういう事が有るのだ。裏は売りで、その金と目を付けた相手を献上すろ事の代償に、法から守られる。
だから、潜りでやっていける。その表面には法人で、隊長が投資していた会社が有るのだから.

「良くある手だが・・腐ってやがる・・結局 コレって切込?何だ?」
「汚職。癒着献金だ・・恐らく。俺が投資打ち切った会社なんかに、こいつの事務所の人間達を
つまり、私設秘書な。ゼネコン含めて、後援企業に名目上 社員扱いにして
置いておく。その給料やら一切合は、財企業持ち。形上、企業から事務所に出向扱いでだ」

「後援企業がマァヴの所で、そいつらには給料は払われず、事務所の金に成る・・・か・・物も付けて」
何処かで聞いた話の様だが、夜勤の店に有った、HDDの惨状を考えればそんな話も頷ける。
「トオル、こういう話はな、世間が放って置かないんだぜ。見てやがれ俺は、タダじゃ起きねえぞ」
627風と木の名無しさん:02/12/18 00:56 ID:Mpqlq8cf
「SupportDESK…こいつの事は知ってるのか?」
「最近幅を利かせてきた奴だ。古参ではあるんだが、近頃やけに羽振りがいいと思ったら
こういうカラクリだった訳か。俺様を舐めやがってふざけんな、滅ぼすぞ。」
「無茶はするなよ。マァブが逝ってお前が完全に手を引いた今となっちゃ、
ひろゆきを狙う道理も無いだろう。夜勤が退院してから動くんでも遅くは無いだろうが。」
「甘いぜトオル。ひろゆきがマァブからSupportDESKへの献上品になる予定だったとしたらどうする?」
「………滅ぼす。」
(トオル怖っ!!!)
「とは言ってもまだ情報が全然足りないな。この雪じゃ夜勤の病院に行くのも大変だし…。」
「まぁ、俺はとりあえずSupportDESKの周辺でも漁ってみるか。」

その時、隊長の携帯が鳴った。
「はい?」
「おはヨ〜〜〜切込ちゃん!お元気カシラ?アタシよ!切込ちゃんの愛する馬並♥」
「  逝  け  !!!  」
628風と木の名無しさん:02/12/18 09:52 ID:5ACezOkl
「クスクス冗〜談よ!怒ると 御肌に悪いのよ?隊長」
隊長をからかい、夜勤ちゃんが話せる様になったから、都合の良い時、見舞いにきなさい。
と、言うだけ言って、馬並の電話が切れた。電話に怒ったり、溜息を吐いたりしている
忙しい隊長の様子にトオルは笑いながら電話の相手を言い当てた。

「馬並か はははは」「おう!ったくアイツだけは 調子狂う・・」
電話の切れた携帯を、疲れた様に見やり、隊長は、夜勤の事もトオルに告げる。
「はやっ!予定変更でひろゆき起こして こりゃ病院か・・・着替えよう」
「夜勤喋れるなら、そうした方が良いけど、着替 える・・のか?」(´・ω・`)ショボーン
大抵トオルを目にした時は、普段着なので、髪をムースで整え、前髪を垂らし、きちりっとした、
スーツ姿。という、このスレでは結構レアなトオルの姿を隊長は かなり気に入っていたりした。
(例の肉は、ここでは書かれていないが、トオルが入った晩と朝の風呂で消えている)

「うん 髪はこのままで良いけど」窮屈だしな〜って、切込はこのままが良いのかな?
「やっぱ、面倒臭いから、このまま見舞行こう。病院だしな」やっぱ、嬉しそうだ。
昼前にはひろゆきを起こし、起こしたひろゆきからもスーツ姿は大好評で、何時に無く
隊長とひろゆきに抱き付かれながら、トオル達一行は、夜勤の入院先へ見舞に行くのだった。
629風と木の名無しさん:02/12/18 12:57 ID:TUah+FZU
ー 病院 ー

「やっぱ、お前達だけ、入れ」自分で来る事を言い出しておき乍、トオルは病室の前で
夜勤に合うのを躊躇っていた。真相が判り、いざ!となると、どの面下げて夜勤に
合えば良いか分らなくなったのだ。謝りたい気持ちは一杯なのだが。
「だめでつ!トオルたん 行くんです キュウリも買ったし!」見舞う気満々のひろゆきを他所に

隊長はトオルのその気持ちを、判らなくも無かった。自分と、こうなる以前は明らかに
二人が、見ていて、羨ましい位の悪友だったからだ。一旦裏切ったと思った奴が実は
親友のままだった。誤解で生じた溝はそう、埋まる物ではない。相手が許してくれたと
しても、心には疑った事の傷が残る。だが、この二人なら、超えるだろう。自分も夜勤の
事を謝りたいと思うから。又、皆で店で下らない事を前みたいに、言い合いたかったから。

思い切ってトオルの腕を掴み、隊長が行くぞ!と言って、ドアを開けた。決心の付かないまま
ままのトオルは呆然と突っ立ったままだ。突然開いたドアに三人が居るので、夜勤も呆然としていた。

「夜勤たん!キュウリ食べて良くなるでつよ! お見舞来ました!」
「夜勤 お前回復すんのチョッ早過ぎだ・・どーも・・来たぜ 雪の中をよ・・」
「・・・・夜勤・・・・・よっ・・ヨウ・・・」
630風と木の名無しさん:02/12/18 21:11 ID:FHtkyW9b
驚いた夜勤だったが、3人なりの挨拶にすぐに笑顔になった。
それでも体中を覆う包帯と、腕から伸びる点滴が痛々しい。
「アタシ、皆のジュースでも買ってくるワね」
「かいがいしいなぁ。馬並と夜勤ってそういう関係なのか?」
「ちょっ!ち、違いますよ!変な想像やめて下さい!」
慌てる夜勤に思わず吹き出す3人。

「具合どうだ?」「お陰様で、大分いいです。まだ動けないんですけど、痛みも随分引きましたし」
「良かったでつ〜。心配したでつよー」「飯は食ってるか?」「今日から食べられるようになりました」

楽しげに話す隊長とひろゆきの後ろで、トオルは黙って立っていた。
その表情を見た夜勤が、トオルの複雑な気持ちを悟る。
「もうね、過去の事は過去の事ですから、これからの事、考えないと。
私にも、謝らなきゃならない事、いっぱいありますし、お互いって事で、チャラにしませんか?」
してくれると、有難いなーなんて・・・」

トオルは何も言わなかった。
言葉の代わりに、穏やかな笑顔でそれに答えた。
631風と木の名無しさん:02/12/18 22:34 ID:mggspeLb
ー 有難う ー 伝えたい言葉は違う筈なのに、トオルは心から、そう思った。

それを見て隊長は、

野郎の友情とは矢張り、こういうものだ。ギクシャクしても
結局は分かり合える。そういうのが良いんじゃねえか。野郎の友情には、所詮
女、子供はすっこんでいろ!ってこった。と、満足しながら、心で薀蓄を垂れていた。

そして、ひろゆきは、来た時からうわ言の様に、キュウリ、キュウリと言っている。
「夜勤たん、キュウリ食べて でつ〜」

余りにひろゆきが、薦めるので、夜勤に流石も困っていた。
「ひろゆきさん・・私確かに、胡瓜は好きなんですが・・どう、されたんです?」
「ひろゆき・・お前は、男の友情に人が感動してる時にだなあ・・」
「感動・・してたのか・・そうか・・」踏ん反り返ってた様にしか、見えなかったとは、言えん。
「キュウリで早く良くなって、夜勤たんに、おいらのピーターたん作って貰うんでつ!」

ああ、あれですね・・・夜勤が笑う。そうしている内に、ジュースを人数分抱え乍、
馬並が戻って来た。ランダムに買って有るので、ひろゆきを先頭で残りを
皆が選んでいた。
632風と木の名無しさん:02/12/18 22:40 ID:mggspeLb
8行目>夜勤に流石も → 夜勤も流石に 
  
やっちまった!すまんです!
633風と木の名無しさん:02/12/19 01:41 ID:/op0HoBz
「へえ、 あのウサギ、夜勤が作ったのか。器用だな」
「トオルが、覚えて居なくても良い事を覚えて いるからですよ・・」
「あの時は、ひろゆきが泣くしだなあ! 似合わ無えんだよ大体、
嫌でも思い出したぜ 全く・・・正直、キモイよ なあ、切込」

「見ててアンティーク調だったから、良いんでない?センス良けりゃ。でも、
夜勤よぉ、何で、あんな中に入れて置いたんだ?」これが解らなかった。
「ひろゆきさんにしか、見つけられないと 思ったからですよ 御二人は興味
無いでしょうし、後は、馬並かな? 見付けてくれそうだった 方は」
成る程。夜勤の言葉に隊長とトオルは、妙に納得させられた。

「結局、俺の性・・だったんだよな・・中、見たけど・・夜勤 俺」
隊長が謝りかけると夜勤が、それも友情チャラです!と、笑顔を向けた。
端から二人を見ていたと思っていたが、自分を仲間として見ていて
くれる夜勤が隊長はとても、嬉しかった。やはり態度には、出ないのだが・・

「サンキユーな・・じゃあ、あれ、証拠不十分でさ、相手と時化込む写真とか、
ブツ渡してる処とかお前、持って無いかね?それが無いと、叩けないんだよ」
残念なんですが、証拠はHDDの中で、吸い取る直前に、こんな様ですから・・」
やり直しか・・・。項垂れる隊長に馬並が仁王立ちしている。
「切ちゃ〜んア・タ・シ・が・居るじゃない!盗撮、手伝うわよ!」
634風と木の名無しさん:02/12/19 03:00 ID:6kdl/Frj
「なるほど…。その手があったか。珍しくお前、役に立ちそうじゃないか。」
「失礼ねー!アタシはいつでも皆様のお役に立ってるわヨ!」
「そうでつ!ジュース買ってくれたでつ!」
「イヤァね、そんだけ?ひろゆきちゃん。」
「あ、、、後は夜勤たん助けてくれたでつ!馬並たんはいい人でつよ。」
ひろゆきは自身のエチーシーンを、過去馬並に盗撮されまくっているとは思いもしない…。

「つーか、切込、正攻法でいって大丈夫なのか?」
「こういうのは正攻法がいいんだよ。裏から手を回そうとすると潰しに来るからな。」
「だけどな、どこで盗撮したんだって突っ込まれると痛いだろうが。」
「トオルさん、俺が火消し屋と呼ばれてたのをお忘れじゃないですか?
ウヤムヤにするのは得意分野だ。かつて幾つの裁判を闇に葬った事か。」
「自分で放火して自分で消すんだもんなー。カッコ良過ぎで惚れ直しちゃいます、、、ええ(素)」
トオルが冗談で言った惚れ直しちゃうの言葉に、隊長は思わず下を向いて赤面を隠した。

盛り上がる作戦会議を眺めながら、夜勤が小さな声でひろゆきに言う。
「トオルも、切込隊長も、貴方の傍に居る方達は頭が切れ過ぎるんです。だから狙われる。」
635風と木の名無しさん:02/12/19 04:56 ID:TQIwDCrD
今隊長が、自分で火消屋と言った、マァヴはそれを利用したかったのだと
夜勤は教えた。隊長の真の利用価値は、投資家でもない其処だったと言う。

「それだけ 危ない橋、渡った方ですから」
「知ってるでつよ。でも、隊長は、隊長でつから それが危険でも、居たいでつ」

トオルと喧喧囂囂する隊長を強い眼差しで見ているひろゆきを見詰め、夜勤は
ー この人なら、大丈夫だ ーと、改めて思った。あの夜に答えは出ていた筈なのに。
やっぱり、玉砕ですね・・・諦めよう。そしてこの三人を、親友として見守ろう。

「ひろゆきさん、色々試す様な事して、すみませんでした やっぱり、勝てないな」
「又謝るでつよ〜夜勤たんは〜 ?勝てないって、何がでつか?ねーねー?」

「最後のは忘れて下さい・・・」本当は、隊長やトオルじゃなく、私が貴方を守りたかった。
言葉には出来ず、夜勤はこれからは、親友としてひろゆきを見守る事を決意した。
横で見ていた馬並が、アンタも報われないわよね〜と、夜勤に同情していた。
鈍いひろゆきは、まだ「何でつかね?」と、頭を悩ませているのだった。
636風と木の名無しさん:02/12/19 06:26 ID:+qWoK7gJ
「とりあえずはSupportDESKの居場所だな。」
一通り話しあったトオルと隊長が次の行動予定を決めた頃、廊下からいい匂いがしてきた。
「夜勤たん、お昼ご飯でつ!おいら持ってくるでつよ。いっぱい食べて早く治して
早くおいらのピーターたん作って下さいでつ」
夜勤は苦笑しながら了承する。
この素直さと明るさと正直さと、真っ直ぐな瞳には誰もが惹かれるだろう、
そして惹かれた人間達を無償で動かすだろう。
ある意味一番恐ろしい存在は、このひろゆきかもしれないと夜勤は思った。

「飯かー。そういや俺達朝から何も食ってないな。」
「話がついたなら何か食べてきたらどうですか?」
「そうするか。夜勤にインタビューは飯食ってからだな。」

そして・・・・夜勤の昼食を取りにいったひろゆきが戻って来ない事に
病室に居た全員が気がついたのは、その10分後の事だった。
637風と木の名無しさん:02/12/19 18:08 ID:TQIwDCrD
ー 気が付かなかったなんて! ー四人は思った。そして、悔やんだが。

そんな暇は後だと、後悔するより先に、直にトオルの車で夜勤を残し、
残りの全員で、ひろゆきの後を追った。10分経っているので、車はかなりの距離を
移動する事になった。トオルのウマイ棒は、ひろゆきの行く方角を正確に指し示していた。
その御蔭でひろゆきの乗せた車を運良く、発見する事が出来た。
隊長が、レーサー並みの腕前で爆走し、追い付いてしまったのだ。

「夜勤のバイトしてた・ホテルか・・奴なら ついでに、挙げてやる!
馬並、スパイクとか無えか、有れば 貸せ 後、写真とかの類忘れんなよ」
馬並は持っていなかったが、トオルが偶々サッカーに使う、スパイク針は車に積んで有った。
それを受け取る。隊長の履いている靴は、何かの時に針の埋め込める靴だった。

コレで蹴りこまれる相手はささぞ、悲惨な目に会うだろう。トオルは隊長の
残酷さを、かいま見た気がしたが、ひろゆきに手を出す輩には、同情の余地は無い。
車が止り、中に入った。気付かれない様、パーキングには入れず、少し離れた所へ
車を停め、、隊長達一行は、ホテルの中へ入り、エレベーターの階を確認すると、階段で
注意を払いながら一気に駆け上った。階は3階。此処のホテルの、最上階だった。
638風と木の名無しさん:02/12/19 19:34 ID:QscInsdP
「フッフッフッフ。。良く来たね。まあ、お掛けなさい。これがアノ子の好い子か」下がれ。と合図を出している。
「あの子?って、誰です!お前なんか、触るな!」ひろゆきを取り巻いていた人間達が退く。
「ホウ、見目より気強いのだね。 分からないかね?君の 飼主だ。寧ろ君は
囮なのだよ 私は君より、飼主に とんと、興味が有るのでね。 大人しくしていなさい」
「君に手を出せば、アノ子はどんな表情をして懇願するか、見物だよ。 フッフッフッフ」

隊長が・・・狙われてたでつか!!!そんな〜〜 来ては駄目でつ!隊長!
この、SupportDESKと思われる下衆いスケベ親父は、隊長を何をしても、手に入れたいらしい。
隊長、トオルたん、馬並たん、今回だけは、自分を助けに来ないで!と、ひろゆきは本気で思っていた。
身代わりに隊長を守ろうと思ったのだ。おいらが・・出来る事は、これ位しか・・ないでつ・・

「スケベ親父!腐った耳闊歩じって聞け!でつ!おいらなんて、やるでつ!
隊長には、手を出すな!だから、おいらなんて、好きにするが良いでつ!
後、、隊長を飼主呼ばわりするな〜〜!!!さあ、早くやっちまえ、ですううう!」

面白いと、SupportDESKと思われる人物の卑しい魔手が、ひろゆきに伸びたその時、

騒々しい音で部屋のドアが破られた。心底本気で怒らせた、
隊長、トオル、馬並の三人だ。外へ出た取巻き達はもう、壊滅している。

「ひろゆき!!そんな馬鹿な寝言!!二度とテメーの口から、ほざくんじゃ 無ぇぇぇ!!!」
「ジジイ!!其れと之は、俺のもんだ!!触んじゃねええ!絶対!許さん!!ぬっ殺す!!」
「夜勤の仇!!本当に捕らせて貰うぜ!馬並、いざ、参る!!テメーは、逝ね!!」
639風と木の名無しさん:02/12/19 22:59 ID:K5zVqE+V
♪〜おいも〜おいも〜おいもだよ〜♪

エ〜荒さんが、過去の消えない過ちスレに
出没〜 そして、『神』宣言をした模様。

♪〜おいも〜おいも〜おいもだよ〜♪

場の緊張感を破るように下で芋屋がノロノロ、通り過ぎて行った。
(荒って=Kittyだよね・・・違ったらスマン)

640風と木の名無しさん:02/12/19 23:59 ID:NStSgCZ9
そんな芋屋の間の抜けた声に、一瞬トオル達が気を取られた瞬間、全ての灯りが消え去った。
「しまった!!」
慌てて部屋に侵入するも目張りされた窓は光を遮断し、真っ暗闇で動くのもおぼつかない。
手探りでやっと照明のスイッチを探し当てたものの、入れても灯りがともらなかった。
電気室に侵入した馬並がやっと灯りを点けた時、SupportDESKと残っていた取り巻き、
そしてひろゆきの姿は、部屋から忽然とかき消えていた。
「そんな!・・・どういう事だ?!」

しばらくホテル内や駐車場をバタバタと探し回ったが、行方が分からない。
3人が元の部屋に沈痛な面持ちで集合した時、玄関前から車が急発進する音が聞こえ、
急いで玄関に駆け下りたが、すでに車の姿は無かった。
「逃げても無駄だってのにな。こっちにはトオルが居るんだぞ。」「トオルちゃん!うまい棒の出番ヨ!」
だが、トオルは無言のままだ。
「どうした?」「・・・分からねえんだ。反応しない。ひろゆきがどっち行ったのか、分からねえ・・・」
「ええっ!?」「どーすんだよっ!!」

「切込君と、後はトオル君と馬並君とか言ったかな。面白い能力があるようで。まだまだ楽しませて貰いましょう。
そう簡単にお話が終わっちゃ〜面白くないでしょう?切込君( ̄ー ̄)ニヤソ」
黒塗りの車の後部座席には、煙草をくゆらせたSupportDESKと、
電波を遮断する袋に入れられたひろゆきが、静かに眠っていた。
641風と木の名無しさん:02/12/20 02:16 ID:TPNeXITx
途方に暮れた・・今度ばかりは御手上げだと、トオルは茫然自失していた。
俺が、して来た・・過去の・・クソ!ひろゆき・・ひたすら自分を憎んでいる隊長。
どうして、一緒に付いて行ってやらなかったんだと、病院での事を悔いる馬並。
私が動けさえしていれば、一人でなんか歩かせなかったのに!と、病院では夜勤が
其々、激しい自己嫌悪に陥っていた。

こうなればもう、無駄に動いても、仕方が無い・・相手から、リアクションが無ければ
手の 打ち用が無かった・・・悔しいが、相手が相手なだけに、隊長より歳の甲で、
格段、上手なのだ。そして,隊長は,今まで人を手玉にしては、調子付いていただけの
己の甘さを、思い知っていた。小さい。自分の経験した裏で見た全てが、小さかったのだと。
そして、周りの皆に支えられ、自分の足で、今日までやっと、立っている事も。

『俺は、ずっと 心の何処かそれでも、一人だと思ってた・・でも、俺だけじゃもう・・
何も出来ない・・トオル、馬並、ひろゆきを 一緒に助けて・・欲しい 頼む・・』
初めて正直になれた。ひろゆきが、居ない事で,隊長は、今更大事な事にも気付いた。

「当たり前だ!俺も悔しいよ・・仕事捨ててでも!ひろゆきは、何が有っても取り返す!だから、
言うな・・切込、一人だ とか言うな!俺は、お前見てるから お前もひろゆきも、誰にも! 渡さない」
「アタシも居るのよ!夜勤ちゃんも居るから、そんなこと思わないでよ!隊長」馬並が泣いている。

俺がヘタレで有ったなら、どうか その時は・・未だ居てくれていれば、お前達
ひろゆきを守ってやっていて欲しい・・そのまま泣き出す隊長を抱き締め、トオルも
悔し泣きながら、攫われたひろゆきの事を、消えたひろゆき達へ、刹那に祈っていた。
642風と木の名無しさん:02/12/20 03:59 ID:Oi52hnmv
「とりあえず…帰ろう、、、馬並も一旦帰れ。」
「ウン…。アタシは病院に帰るワ。夜勤ちゃん、まだ動けないし…。」
「ああ…頼む…。」
どことなく上の空な会話をかわしながら、3人は車に乗り込む。
車内では、終始誰も一言も口をきかなかった。
特に助手席の隊長は、ひろゆきを取り戻せなかった悔しさ、自分の無力さ、
SupportDESKへの怒り、先の見えない不安、そして支えてくれる人がいる事のありがたさ…
様々な感情が複雑に絡み合って一度に心を襲い、
ずっと目を閉じて、固く口を結び、俯いたままだった。

夜勤のいる病院に寄って馬並を降ろし、隊長の部屋に戻ろうと
ギヤをバックに入れたトオルだったが、
下を向いたままの隊長から発せられた、か細い声に一瞬耳を疑った。
「……オル…抱いてくれないか……お前の…部屋で…」
643風と木の名無しさん:02/12/20 12:18 ID:TPNeXITx
ー 抱いて ー そう 言って隊長は俯き、震えていた。

そんな、捨て猫の様な隊長を、トオルは強く抱き締め、荒く唇を塞いだ。
隊長を抱き締める、トオルの指も震えていた。お互いの不安を掻き消す様に、
車中で、、長いキスが交わされる。車が出たのは、其処から暫く経った頃だった。

一応コンビニで食料を買い、トオルの部屋へ戻ると隊長は初めに来た時と
は別に、安心した様だった。トオルがコートと、手荷物を無造作にソファーへ
放り投げる。そして、隊長を壁へ押し付け、抱き締めた。

『切込 不安にさせて、御免な・・あの日にちゃんと、言ってやれなくて遅いけど
お前が好きだ 惚れてる。 だから・・お前だけでも、今度は・・きっと、守り抜く』
だから、俺の側に居ろ。とホテルで聞かせれた、敵の本当の目的に不安で

初めて隊長に、トオルは男の本音を呟いた。そういう事に
気が付く以前なら、トオルの言葉はきっと、邪魔にしかならなかったが、今はもう
違う。隊長は、トオルの胸へ抱き付き、首に腕を廻してトオルに自ら、口付けで答えた。
双方の、ひろゆきへの不安も交差させ、夜の闇は 静かに迫る。
644風と木の名無しさん:02/12/20 12:20 ID:luvy9Iu2
マジでホント!またまた新作がアップだ〜
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645風と木の名無しさん:02/12/20 20:44 ID:pWjSTKsI
唇を奪ったまま隊長の上着のファスナーを下げ、肩を露出させる。隊長は半袖だ。
何時もの事なので気にせず、胸を弄ると、隊長は何時になく甘い声を漏らしていた。

先刻までの様々な不安を抱えながら、何処かで欲しかった言葉と、不謹慎だが
朝からの、トオルの容姿に気持ちが 心事持って 行かれてしまっていた。
そんな、隊長の反応に、ひろゆきの事も有り、テンションの低かったトオルのボルテージが
途端、上がり出す。隊長から、塞がれた唇の感触が変わった。

トオルが本気に成ったのだ。トオルの瞳が堪らなく甘い。このまま、壊して欲しい。
そう想い、隊長は其れを言葉にしながら唇と、躰から来る 甘く痺れる感覚には
耐え切れず、トオルの腕に支えられ、隊長はそのまま膝を折った。
646風と木の名無しさん:02/12/20 23:11 ID:ZyUOxTtj
(*´Д`)ハァハァ
647風と木の名無しさん:02/12/21 00:04 ID:nCGsfKig
もどかしげに、片手でネクタイをはずす。
開かれたワイシャツから見える胸元に、幾つもキスマークを残す。
これ以上できないくらい、丁寧に大切に、隊長の身体を舌で愛撫していくトオル。
耳元にかかる吐息や、逞しい身体の重みと温かさに隊長の鼓動が早くなる。
既にうまい棒は熱くなっているのに、なかなか触れてくれず焦らすトオルが憎い。
体中で自分を求めてくる隊長に、心が締め付けられる程いとおしさを感じ、
思わず望み通り滅茶苦茶に壊してしまいたくなる。

やがて、トオルの指がしなやかに隊長のうまい棒に触れた。
「あぁ・・・・トオ・・ル・・・」
吐息は指の動きにあわせて、熱く熱く繰り返された・・・。
648風と木の名無しさん:02/12/21 03:03 ID:ygxumXxP
隊長をベットへ押し倒し、トオルは首筋から双丘へ指を遊ばせた。
それが何時しか舌に換わると、隊長から嫋嫋と声が漏れた。
トオルが性感帯である背筋の腰骨辺に痣を付けたのだ。

こういう愛撫が態と続けられていて、うまい棒はがっちり
根元を抑えられている。なのに空いたトオルの片方の指は、
うまい棒の先を、遊びたいまま、玩んでいた。
これでも苦しいのに未だ、挿れて貰えない。欲しいと懇願しても
我慢してろと耳元で囁かれ、したいままトオルはそれを聞き入れなかった。
隊長のシーツを握る手に、裂けそうな位、力が篭る。根元を抑える
トオルの手に、喰込む程爪を立て、隊長はもう、射かせてくれと、媚泣いた。
649風と木の名無しさん:02/12/21 04:23 ID:Oxc6R2cX
その頃ひろゆきは拉致られた先で、ゲイゲームをプレイさせられていた。
http://kodansha.cplaza.ne.jp/hiroyuki/index.html
650風と木の名無しさん:02/12/21 05:31 ID:psED2omm
「駄目でつ!こんなんじゃ!其処にあるPCでバグ修正しないと!」
「だ・・駄目かね・・・」
「甘いでつ!おいらが作ればこんなの 行け行けでつ!」
そうかね・・・頼むよ・・・しかし、何故手を出せないのか不思議だ。

SupportDESKは、ひろゆきのマイペースに呑まれ、自宅で
ひろゆきがしたいままにさせていた。手を出そうとするが、
振り返られると、瞳に気押され、躊躇してしまう。目的は切込なので、
本人が来た時に彼に手を出しても遅くは無さそうだと、ひろゆきを
連れて暫く手を出す事を諦めた。そして、息抜きとでも言おうか、
ひろゆきと会話しているだけで、癒された。年甲斐もなく、
こちらの方が何故か楽しかったのだ。

「やい!スケベ親父!マザーのデーターはどれでつ!早くしれ」
「スケベ親父は その、止してくれんかね・・・」
なら、ジジイでつよ。親父で構わないよ・・・と、タジタジだ。

 ー トオル、ひろゆきは おいら達がちゃんと、来るまで守るよ
   届いているから 心配しないで 隊長を お願い   ー

消えた筈のひろゆき達が実はひろゆきをガードしていた。祈っていたのが
通じていたのだ。願いを受けていたのはトオルに一番懐いていた
一番問題児の、ひろぽんだった。トオルと隊長に謝りたい気持ちを残したままで
消滅し切れずに居たのだ。それに残りのひろゆきも触発され、動いたのだった。
651風と木の名無しさん:02/12/21 06:21 ID:4y8yT99I
いつもであれば、ひろぽん達の想いをすぐに受け取るトオルだが
今は無理だった。隊長が、目の前にみだらな、自分だけの隊長が居るから。

やっと指の縛りから開放され、トオルの手に大量の白濁色の液体をこぼした隊長は
息をつく暇も与えられずトオルに犯されていた。
涙を流し、既に半分気が遠くなりかけながら、隊長はベッドに手をついてトオルを受け入れている。
それくらい、この日のトオルは激しかった。
もう何度も何度も隊長の中に熱いものが流し込まれ*から溢れ出していたが
トオルは隊長を攻め続け、声にならない声をあげて隊長もまた何度も逝った。

それはまるで、二人で何かを忘れようとしているかのように。
652風と木の名無しさん:02/12/21 08:04 ID:bQ+LzQDj
そして隊長は、何度目かの開放で、トオルの背中へ爪の刻印を残し
意識を手放した。トオルも同じ様に隊長を庇いながら ぐったり倒れた
息が上がり過ぎて動けないが、それでも隊長を愛しく胸元へ抱き寄せ
頬に伝う涙を唇で拭くと、トオルは目を閉じ、隊長を抱き締めたまま
明日を否定するように、静かに 眠りへ就いた。

しかし起きれば又、人には苦しい現実が待っている。転んでも泣かない。
足掻いても、前に出る事しか、形の無い明日は許してくれないのだから。
653風と木の名無しさん:02/12/21 16:46 ID:RP1ByYom
トオルが目を覚ましたのは昼も前だった。当然、出勤には間に合わない。
其 処か、無断欠勤も良い所だ。それすらトオルは今はもう、どうでも良かった。

面倒臭ぇ程、もう、考えたく・・ねえや。。。どうにでも、成りやがれだ。。。

寝返りを打つと、ベットの違和感にトオルは気付いた。腕を伸ばし
シーツを弄るが、無い・・・在る筈の隊長の感触が、其処に無かったのだ。
トオルは一気に目が覚めた。同時に、隊長の名を叫び、青褪め起き上がる。

トオルが慌ててリビングへ行くと。。。。其処には。。。隊長が。。居た。。
昨日、買ったコンビに弁当を モソモソ食べている。しかも裸体で。

途端に気が抜けたトオルは心底安心し、隊長へ抱き付き、其の場にへたり、
今にも泣き出さんばかりだった。状況の呑めない隊長は、聞えていたが
口に物を入れすぎて返事が出来ずに居ただけで、鬱に成りつつ腹は減るので
弁当を食べていただけだと、言った。序にトオルの分も食べていたと呑気だった。

「お前が無茶して 居なくなったと 俺 思っ・・良かった 切込」 
「俺は何処も行かねえよ バカチン でも、ごめんな 心配させて」 

トオルの頬へ、キスをしながら、本気で心配させていたらしいトオルの
その態度に、隊長も流石に反省していた。 そんな隊長がトオルは、
本当に愛しかった。しかし間を置いて、お互い丸裸なのに気付くと 
昨夜の情事を思い出し、顔を真っ赤に染め、二人は抱き合ったまま、暫く固まっていた。
654風と木の名無しさん:02/12/21 22:25 ID:gwnqTnEG
「か、風邪・・・ひくぞ。」「そうだな・・・。」
照れくささから視線を合わせないまま、二人はごそごそと服を着る。
隊長にトオルが自分のセーターを投げる。
「着ろ。」「え・・・俺はいいよ。いつも半袖だし。」「見てる方が寒いんだっつーの。」
うるせー馬鹿、と口では返しつつも袖を通す。
細身の隊長にはこのセーターはぶかぶかだったが、
トオルの匂いがして、トオルのぬくもりがして、どんな服よりも暖かく隊長を包んだ。
「返さねえぞ。」「やるよ(笑)」

だが、そんな二人のつかの間の幸福を切り裂くように、トオルの携帯が鳴った。
仕方なく出たトオルは、がっくりした表情をして電話を切る。
「どうした?」「会社から・・・午後からでも来てくれって。つーかやべー
いい加減出社しないと、、、これでも部下がいるんだよ(汗)」
「行けよ。俺なら大丈夫だから。頼られてるって事だ。」「うーん・・・。」
仕方なくトオルはまたスーツに着替えると、隊長も連れて駐車場に行った。
「夜勤の病院におくるから、先に事情聴取しててくれ。」「・・・分かった。」
本当は、今の隊長を一人にしたく無かったから、夜勤や馬並のいる病院に
連れていこうと思ったのだが、それは口に出しては言わなかった。
655風と木の名無しさん:02/12/21 23:31 ID:DxoUY2qc
「さて、ちょっと移動するよ、ひろゆき君」
ゲームに夢中になっていたひろゆきにSupportDESKが話かけた。
「どこ行くでつか?まだ途中なんでつが」
「ここは危険だからもっと安全な所に行くんだよ。勿論ゲームも一緒に運んであげよう」
どこが危険なんでつかね?と疑問に思うひろゆきの背後から
SupportDESKの取り巻きの一人が近づいて、口元にクロロホルムをかがせた。
ゆっくりと意識を失うひろゆき。
取り巻き達は手早く電波遮断袋に気絶したひろゆきを詰め込む。

車に乗り込んだSupportDESKはプリントアウトされた紙の束を眺めながら言った。
「馬並君・・随分身軽で家宅侵入が得意か。格闘戦術も大したものだ。
そしてトオル君、彼はもっと変わっているね。何故かひろゆき君の居場所を必ず探し当てる。
さらに、防火ドアを蹴破ったのが本当だとすると、これは相当な戦力になるよ。
切込君の周りにはいい材料が多いね。実に興味深いよ」

眠るひろゆきも乗せた黒塗りの車が向かっているのは、電波遮断加工された山荘。
勿論名義はSupportDESKのものではない。
「電波を遮断する加工を外壁に取り付けるのには随分金がかかったよ。
さて切込君。私を見つけられるかな?」
656風と木の名無しさん:02/12/21 23:47 ID:4hYhsoyp
行って来る. 必ず迎えに来るからここに居ろと、隊長に念を押し、、
廊下の壁越しで、部屋の二人に見られない様、注意を払い、トオルは
隊長の唇を軽く奪った。本当は離したく無いが、今のトオルに出来る
これが隊長への、精一杯の愛情表現だった。時間に押されながら、

本当に行って来る。と唇を離し、隊長は照れ隠しで罵倒しながら
馬鹿チ〜〜ン 早く行きやがれ!!と隊長は、トオルを見送った。アイツは
キス魔か・・・全く毎朝。。 怒ってみるが、本当は嬉しかった。中の二人はこの
今のアツアツ振りを、見ない振り。馬には蹴られたく無いと、必死に誤魔化していた。

「のっ・・・呪ってやる!!胡瓜食べて回復して 呪ってやります ええ!!」
「あっ。。あたすうぃも ふっ腹筋よ!修行が足りないのよ!ドッセイ!!」

「お前ら壊れた。。のか?ふっ 冬なのに 春だけじゃネエのか?ディーオーキュウ エヌって」
隊長が部屋へ入ると夜勤はガツガツ胡瓜を貪り、馬並は床で腹筋をしていた。
虚しい。。。隊長の白い目が、夜勤達は、とて〜も虚しかった。素に戻る。
「隊長その・・御免なさい」二人が同時に謝った。ひろゆきの事だと悟り
お前達が悪いんじゃ ねえから、と隊長は、飽くまで自分を責めていた。
「それよか、SupportDESKの事夜勤、詳しく知らねえか?アイツが・・ひろゆきが
攫われたとき、トオルのなっ・・ナニが、反応しねえで 俺が ドジ、踏んだから」
657風と木の名無しさん:02/12/22 00:54 ID:wK9HXTGr
「反応・・しなかったって、トオルの その、別名、た・・探知機くん・・ですか?」
「そうなの!何時もなら追っちゃうじゃない、ケドね部屋が暗くなった途端」
『 途絶えたんだ 』 隊長の言葉に夜勤が不味いな・・と眉をひそめ呟いた。

矢張り何か知っている様だった。頼むから!教えろ!と短気な隊長は
夜勤に大声で喰って掛る。ストッパーのトオルが居ないので、代わりに
馬並が宥めに掛かった。トオルの苦労を思うと、尊敬に値する。
夜勤は気にせず何時ものように、「落ち着いて下さい。怒っても解決しませんから」
と宥め、続きを話して聞かせた。夜勤の予想では、当たっていれば

組織図に有った、一番最下層の会社が恐らく関係していると言う。
最下層と言えば、電波遮断関係の会社だった。それがどう・・・
電波を受信しては不味い何処かの内装等に使うしか・・!トオル対策か・・・

「会社に居る訳ねえだろうから、何処に使うってんだよ!例え電波封じだとしても」
「そうですね、ホテル、スタジオ 携帯の電波も気にする処なら、パチ屋全般 ビル
カラオケ 外界を絶った、プライベートな場所。自宅はピンと来ませんし、 そういえば
アイツ、幾つか別荘 持ってましたよね?隊長その辺は貴方が、お詳しいと思うんですが」
「ああ、あのモウロクジジイ、羽振り利かせて、バブル弾けた、この時勢に呆けてやたら別荘
おっ建ててやがんだ・・この間も○秘で名前借りて建てたらしいとか、噂に聞いてるが う〜ん?」
658風と木の名無しさん:02/12/22 07:58 ID:o/950FBi
「ただね、わたしは、その会社が絡んでるんじゃないか、とは思うんですが、
病院やら、他にもその技術の需要は多いようですし、
電波関連がトオルのナニと、本当に関係あるのかも分かりません。
あくまでも、私の想像です。
だから、一概に決め付けるのは、良くないですよ。」
焦りから簡単に結論を導こうとする隊長を、夜勤が制止する。

「だな…。別荘ったってSupportDESK名義だけで、国内に十件以上あるし、
海外まで含めればもっとになるだろ。
奴の家族や秘書や愛人や地元後援会や取引先に収賄先に学閥に党職員に…
ってやってたら数百件以上になるぞ。
最近奴が名義を借りて立てたって、俺が噂で聞いた限りでも10件以上あるし
しらみ潰しに当たっても、当たってる間に転々と移動されたら終わりだ。」
SupportDESK…大物政治家の背後に控える、巨大な人間関係に、
隊長と、ついでに馬並は同時にため息をついた。

「ですからね、ここは待ってみた方が、得策だと思う訳です。
SDが何故ひろゆきさんを拉致したか。それはあなたと取引する為です。
だから、必ず向こうから連絡してきます。
いつもいつも、乗り込んで大暴れするのは、あまり利口な話ではありませんよ。
本来なら頭脳戦の方が、あなたもトオルも得意でしょう?」
うなずきながら、夜勤の冷静さに、今更ながらに感謝する隊長だった。
659風と木の名無しさん:02/12/22 08:40 ID:s7w+FXwp
椅子に凭れ思考している内に隊長はうとうとし始めた。
昨夜の躰の疲れと トオルの服の匂いの安心感。部屋の暖房の暖かさで
静かに 眠ってしまったのだ。個室だったので 馬並がソファーに移し
毛布を掛けてやった。

「寝ちゃったわ・・・可愛いのよね・・大人しいと クスクス」
「トオルが来るまでその方が安心かもしれません」
「そうね・・・感だけは良いから 突き止めたら何するか分からないものね。隊長」
「馬並今回トオルもヤバイかも 私が動けるまで止めても貴方達
行くでしょうから 馬並コレ、離さないで持っていて下さい お願いします」
夜勤が 小さい巾着のような お守りみたいな袋を馬並に手渡した。
「何コレ お守り?中にビー球みたいの入ってるけど?判ったわ 預かっておくよ」
危なくなったら隊長へ渡せと言って 夜勤は、クスクス微笑んでいた。
嵐の前の静けさの様に その日は一日空は晴れ外の気温は 穏やかだった。
660風と木の名無しさん:02/12/22 21:00 ID:k3KQqgCx
トオルが隊長を迎えに来たのは、意外と早く、夕方近くだった。
呼び出された内容が、『取引先の会社の紹介先へ』移動しろ。だったのだ。
そんな、怪しい訳の判らない条件を、トオルが舐める筈も無く、トオルは立腹し
しながら、帰って来たのだ。そしてそのまま 辞めてやる!!ゴルア!!と息巻いて。

腹を立てつつ、隊長の顔も、早く見たくて、相違入り混じりで、夜勤の個室のドアを開けた。
余りに早いトオルの帰路に、、夜勤と馬並は驚いている.。今日 日。
小学生でも半日否、其れより早く帰るなんて、有り得ないからだ。まして会社で。

「トオル。。早いんですね。。何でだろう(´-`).。oO」「トオルちゃん アタシも(´-`).。oO」
「んあああ!訳判んねえんだよ、まあ、聞けよ おまいら おっ、切込寝てるのか
まだ、寝ている隊長へ、ちょっかいを掛けようとするトオルを、夜勤が呆れながら止め、
トオルの、超っ早い 帰宅理由を早々と、聞き出した。トオルは不貞腐れ、夜勤へ
愚痴を兼、会社での 一部 始終を話した。そして、テンションの高いまま、
「紹介先の 『先』 」というのが引っ掛かり、、辞表で返事してやったと、未だ怒っていた。

フン、夜勤が 曰有りげな溜息を漏らした。
「辞表は。。ともかく 出すのは正解なのかも トオルお前も 危険だぞ」
ー SDが お前に目を付けたのだとしたら ー 先が何処か解らないか?と

夜勤が言った。先の、先がSDの息の掛かった会社で無ければ、良いが。
661風と木の名無しさん:02/12/23 01:56 ID:0pb/rtdJ
舐める??
662風と木の名無しさん:02/12/23 07:28 ID:ZBLDrtwS
「はぁ?俺に目をつけてどうするんだ。ただのしがない安月給リーマソだぞ?
考えられるとしたら切込の関係者つーぐらいか。」
「・・・あなたはもっと、頭が切れると思ってたんですけど」
「俺は元々馬鹿ですが(素)」

煽りあいを始めた二人の間に、馬並が割って入る。
「夜勤ちゃん、トオルちゃんはネ、廃ビルでやった事とか全然覚えてないのヨ。」
「ああ、、そうでした 忘れてた。トオル、意味不明でしょうが 聞いておいてくださいね
あなたは、人並みはずれた戦闘力を持ってます。自覚、全然無いでしょうけど あるんです
あとね、いつもなら ひろゆきさんが何処に居ても、探し出す事ができるでしょ
もしかすると SDにとっては それが商品に見えるかも。だから・・・」
そこで一旦言葉を切る夜勤。
「だから?」

「・・・だから、どうすればいいかは 自分で考えてね。
これ以上は、わたし しゃべりません。SDの事も、組織の事も、何も。ごめんなさいね。」
夜勤の真意を汲みかねて、トオルと馬並は押し黙った。
また組織に寝返るつもりなのだろうか?
でも夜勤の苦悩の表情からは、とてもそうは思えない。
病室の窓から夕焼けに染まる木々を眺めながら、夜勤は心の中でつぶやいた。
(ひろゆきさんを助けるべきはね、わたしじゃないんだよ)
663風と木の名無しさん:02/12/23 08:13 ID:j0oZTmfo
「そういえば呆け上司、詳しくは知らないが電波がどう、とか言ってやがった。
何か上から押されているみたいで、良いから黙っていけって。。そうなのか」

喋りませんったら。と、夜勤は知らん不利を始めた。
そうだ!コイツは何時も何時も全く。。もう良いテメーで何とかする。。。
それでも腐れ縁で扱い方を心得ているので、一応は自分の言いたい
事だけ夜勤に、トオルは述べていた。聞いてくれてはいるのだ。
「会社の名前はウチと取引してない所だから、詳細は俺が気に入られてる
先方へ直に聞いてくれって、臭い物に蓋する風だったから、呑めないって俺」(だと思うぞ>661)

もし、SDが圧力を掛けたのだとしたら、喧嘩をした上司の、無茶な話も納得出来た。
「クッソ!!俺は物じゃネエ!!!赤羽の暇人でも、構うかってんだ!!」

トオルが病院で腹を立てていたその頃、全身を黒で身を固めた男が、恭しく一礼し、
そして目の前の男に、こう告げた。ー SD様.御望みの品は、辞表を出したと、只今報告が ー
SDが手で、下がれとリアクションを出すと、男は直に退いた。
「やはり、サンタのプレゼントには、少々早すぎた様だね。
手荒な真似はしたくは無かったが何、もう時期、クリスマスだ」
今年は、彼らに楽しませて貰うとしよう。ひろゆき君にも、プレゼントが必要だからね。
フフフフ。と、まだ薬で無邪気に眠るひろゆきを眺め、SDは暫くほく笑んでいた。
664風と木の名無しさん:02/12/23 11:01 ID:+ENmcezx
一通りSDに罵詈雑言を吐き終ったトオルは、すっきりしたように言った。
「とりあえず…もうお前はしゃべる気無いみたいだし、家帰るわ。」
そして隊長を起こしにかかったがなかなか起きないので、仕方なく抱え上げると
簡単に挨拶をして病室を出て行った。
すぐに馬並が夜勤を問い詰める。
「ちょっと!もうしゃべらないってどーゆーコトよー!」
「……貴方のハンディカムでの盗撮、トオルの電波受信体質と破壊力、
隊長の手回し、私の居場所、全部バレてます、SupportDESKに。」
「え?」
「バレてるとしか思えない。という事はつまり、私がベラベラしゃべるって事も…」
「お見通しって訳ネ…。」
「恐らく。私は最初、前スレ>>969当たりの事情で、SupportDESKってマァヴの部下だと思ってたんです。
でも実際は奴こそが黒幕だった。そこで現場を楽しんでたんですよ奴は…舐めてました、私。」
「それでもうしゃべんないって言ったのネ…。」
「…という事にしておいて下さい(おねがい)」
「でもどうするの?これから。彼らには夜勤ちゃんの手助けが必要なんじゃないカシラ?」
夜勤は馬並の質問に直接は答えなかった。
「長期戦になりますよ。多分ね。まぁ、SupportDESKを逃しても
ひろゆきさんが帰ってくれば、それでいいのかもしれない。」
665風と木の名無しさん:02/12/23 12:17 ID:4FYnirpL
「トオルちゃんとかさらいにサ、SDの部下が乗り込んできたらどうするのヨ」「それは無いでしょうね、
SDは時間も金も余裕たっぷり持ってるし、そもそも暴力でどうこうというのはあまり好きじゃないハズです。
何でかっていうと、それじゃつまんないから。自分から仲間に投降させるか、取引に応じさせるか
どっちにしろ駆け引きしてくると思いますよ。しかも尻尾をつかませないために、小出しでね」
「だってアンタがこんなに怪我したのは誰のせいなノヨ!」「マァブは暴力好きなんです。サドだし馬鹿だから。
でもSDは違う。とにかく今度は相手の器がマァブなんかとは比べ物になんないです。
いつもみたいに乗り込んでって殴り倒してはいおしまい、とは、絶対になりません」
もうしゃべらないって言ってたのに、夜勤は気がついたら熱くなってしゃべっていた。
666風と木の名無しさん:02/12/23 16:49 ID:1UVjo90U
「聞いますよね?スケベジジイ。 だから、私が動けるまで待ってて
貰えません?ピーターちゃんだけ作って終わりも 虚しいです クスクスクス」
「誰に喋ってんのよ・・・夜勤ちゃん」
『あの辺の、壁越し かな?』その指定した所には実は、SDの部下が居た。部下は冷や汗を
かいていた。見付からずに隊長達を監視しているのだ。だから、夜勤は人の気配を読み取り、
バレているかも知れない。と言った。そして、態とベラベラ話していた様だ。
夜勤もかな〜り良い性格をしている。今更なのだが・・

隊長はトオルに抱き上げられ、気温差で目が覚めた様だ。しかし、まだ、
寝惚けていた。トオルにお姫様抱っこされているのを、夢か何かだと思っている風だった。
「ホンモノみたいだ 暖かい トオル。。!!うおぁぁぁぁぁ 降ろせ!降ろしやがれ 俺・・俺・・」
「起きたら 煩いなお前は。。」首に手、廻した癖に。。エレベーターの中で隊長は
シャウトしながらパニックで、目が醒めた。トオルは扉が開くまで降ろす気は無いようだ。降ろせという
隊長も、トオルの首にしがみ付いたまま。。扉が開くまで このまま甘えてろと、やはり、隊長の唇を塞いでいた。
一瞬だった筈なのに、隊長は恥ずかしさから、それはとても 長いキスな気がしていた。

帰ったら、PCで状況整理のやり直しだな〜俺の特異体質らしい事も切込に
聞いて、守ってやる術考えないと。。。トオルはキスの間、真剣にそれを考えていた。
トオルが車を出し、一度隊長の部屋へSDとフロッピを取りに行き、そして再び帰路へ着いた。
667風と木の名無しさん:02/12/23 20:45 ID:Yl/voVcZ
「やっぱ、汚職してやがんだろうな・・色々参ったな」トオルがPCを立ち上げ
もう一度 組織図を見直していた。その下層部に昼間条件を受け入れれば
移動させられていたで有ろう、電波遮断会社が有った。隣で隊長が口を出す。

「ゼネコンが一番厄介だ。。談合の実態とか暴けたらともかく、やっても、
最終的には、十人のうち一人しか挙げられませでした。なんて、ザラだからな
それに奴は自治体の政治家(首長)だ。脱税でも一掃暴かないと」  
隊長の目は、マスコミ関係者のそれになっていた。 夜勤の思い虚しく、
何処かで、マスコミ人としての記者の血と、裏の血が騒ぐらしい。

それを背に、トオルは複雑だった.。取引先の事が心配なのだ。といっても、
会社が心配なのではなく、自分を息子の様に贔屓にしてくれている、役員の
爺さんの事が。きっと、圧力掛けられて大変なんだろうケド・・・馬鹿息子で
御免な爺さん・・俺・・何もしてやれない。トオルの思いは、切実で複雑だった。

それを敢えて誤魔化す様、トオルは隊長に、自分の特異体質の事を聞こうと思った。
「切込、一人で盛上ってる所悪いが、俺の特異体質って。。何よ?オレに教えてたも」
668風と木の名無しさん:02/12/24 06:42 ID:TQI/OIvl
「アレか。細かい事は面倒だからはしょるが、要するにお前も多分ひろゆきみたいに、
幾つか別の人格があるんじゃないかと思う。
その内の一人・・・今のお前を仮にトオルAとするとトオルBはだな、」
「おう。」
「・・・・・・・・・」
「? 何だよ?」
「で、トオルCは人間離れした怪力を持っていて恐らく痛覚も鈍くなってる。鉄のドアなど一殴り!という訳だ。」
「Bはどこ行ったんだよ。」
「・・・イスカンダルへ。」
「(゚Д゚)ハァ?」

トオルBとは・・・かつて前スレやらで極太バイブや馬並の電波で、セクース大魔人と化したトオルの事だった。
そのトオルに、ひろゆきが、そして隊長自身も何度も襲われ犯されそうになった。
<<ずっとひろゆきと間違えられていた>>という、悲しい理由付きで。
例え違う人格のトオルでも、自分を抱く時はもう誰とも間違えて欲しくないから。
だから隊長は、トオルBについて言いたくなかった。
(ああ・・・そう言えばあの極太バイブも、元をたどればSDの組織の物だったんだ・・・
SDんトコに置いてあるとして、トオルはそこ行ったらどうなるんだ?)
勝手な妄想からの勝手な不安感にかられはじめる隊長。

「おーーーい!・・・何だよ、イスカンダル行ってるのはお前の方じゃねえか。。。」
669風と木の名無しさん:02/12/24 08:57 ID:+qpU4rWh
「お前、本当にトオルBがどんな奴か知りたいか?」
しばらくの沈思ののち、隊長が意を決したように聞く。
「ああ、もったいぶって教えてくんねーからな・・・余計知りたくなった 教えてくれるのか?」
興味しんしん顔でトオルがいう。
「ああ、わかった・・・言っても信じないだろうから、ビデオにとって見てもらうからな・・・
ちょっと用意するから、待ってろ」
「ビデオ?ああ、待ってるけどな・・・」
(そんなに、言えないほどのすごいことなのか・・・俺って一体・・・)

少し不安げな顔のトオルをよそに、隊長はビデオカメラを、ベッドが映るような位置にセットする。
カメラのリモコンを手にして戻ってくると、隊長はベッドに腰掛けていった。
「これで再現されるかわからんが・・・とりあえず試してみるぞ 信じるかどうかは、お前次第だ」
隊長がリモコンのスイッチを入れる。
ビデオカメラが、ベッドの上の隊長を映しはじめる。
トオルの目の色が、変わっていく・・・
670風と木の名無しさん:02/12/24 11:39 ID:f110OMKg
そして、隊長は目の色の変わったトオルに犯され続けていた。
トオルが不思議と間違えないで自分の名を初めて呼んだからだ。

どうも、性魔人は心底好きな相手しか、認識しない様だった。途中幾度か
ひろゆきの名も呼んだりはしていたが、「略、間違えない」というのが先に立ち、隊長は
自分で回したVの事を、切れずに放ったらかしていた。それを出来ずに犯されているのは、

何より隊長には初めてトオルに抱かれた夜の、ひろゆきの事が有ったのかも知れない。
あの時、ひろゆきを受け入れられず、隊長はそれでも心に小さなトラウマを今でも抱えていた。
あんな思いをする位なら、今度は向き合おう。そう思い、それが重なったのだ。
後は知りたかった。.何故、トオルは違うひろゆき達をあんなにも、あっさり受け止められていたのか。
そして、性魔人のトオル(B)を受け入れる事で、トオルの答えが知りたかった。しかし、其れは直に出た。

 『 それでも お前は お前だよ 俺もちゃんと、惚れてるぜ 』 とっくの答えで、だから受け止めた。

頭の中に普段のトオルの深い愛火を知った。そして自分にもそれは有る事も。だから抵抗もせず
こうして、違うトオル(B)に犯されている。そして艶かしい瞳でカメラへそう、初めて呟いた。
中のVTRは、隊長のこの言葉を最後に途絶えていた。その表情は何処までも、
普段のトオルへ手向けられ、愛しく微笑んでいた。眼差しは、この後、トオルがこれらと向き合っても、
トオルが己を責めない様、穏やかでいて涙で潤んだ艶の有る、全てを包み込む程 優しい瞳であった。
671風と木の名無しさん:02/12/24 14:03 ID:VZ2UAeGK
トオルが覚醒したのはそれから暫く後だった。
幸い、バッテリーの容量がテープ1本分しか残っておらず自然と電源が切れた。
「切込?何で・・俺お前にナニをしたんだ・・」手酷く扱われたみたいに隊長は
*から血の混ざった体液を垂らせ、気絶していた。。。もし、バッテリーが切れていなければ・・

そういえば、カメラが回り、隊長がベットへ腰掛け、「来いよ」 といった処までしかトオルには
記憶が無い。隊長の名を叫び、トオルが頬を軽く叩くと隊長は、意識朦朧としながらトオルへ言った。
「俺は・・良い・・から・・早く見 やがれ・・バカチン・・寝て・・るから・・・」
− トオル 負けるなよ ー そして、彼を励ます様な言葉を残し、隊長は再び眠った。
鈍痛な思いで状況の解らないトオルは隊長の躰の後の介護をすると、言葉に従い服を着、テープを見た。

映像から覚えているベットの隊長が、誘うように今日着せた服を魅せ脱ぎ、自分を抱き付かせ
首筋に痣を付けさせる。仰け反る様に顔を傾け、カメラ目線で、トオルの肩越しから、映像の隊長は、
画面を見ている筈のトオルへ、挑戦的だが、悟す様に話し掛けていた。
「今から 始まる事 トオル見とけよ 目反らすな、解ったか? トオル・・来な・・・」
672風と木の名無しさん:02/12/25 07:03 ID:kOneIARD
そこに写っていたのは、鬼畜と化した自分だった。
隊長の名を呼び、それを奪いつつ、同時にひろゆきの名まで発している狂った自分。
互いに求め合ったものではなく、己の欲望だけで相手を貪り食う自分。
頭の中に消し去られていた記憶が流れ込む。
前スレ>>890の隊長の必死の抵抗が、>>934のひろゆきの断末魔が、フラッシュバックのようにトオルを襲う。
そんな自分に向けられた、全てを受け入れると語る隊長の眼差し。
トオルはじっと画面を見ていた。まばたきもせずに。
映像は途切れ、既にテレビは砂嵐だけを映し出していたが、それでもトオルの瞳は画面を見たままだった。

混乱とか驚愕とか後悔とか懺悔とか自己嫌悪とか、そういう感情が噴出した訳では無かった。
同時期の一方的且つ爆発的量の情報流入と、それによる記憶の高速再構築、発生した矛盾点の解除。
思考する余地が無かった。
人には耐えられる処理能力の限界があるらしい。
目を開けたまま、トオルは気絶したも同然だった。
673風と木の名無しさん:02/12/25 08:54 ID:LGwMCK/a
トオルと隊長が最悪のイヴと、日付け越えで、クリスマスを迎えていたその頃。
kittyと弐編は、相変わらず激甘夫婦っぷりを発揮していた。それこそ、隊長が
場に居れば、大暴れしてしまうで有ろう程のクリスマスムードのアクセル全開で。

そして、ひろゆきは、「今日はクリスマスだ。ひろゆき君 何が欲しいかね?」
と上機嫌に話し掛けるSDを生暖かくオチしていた。
「スケベ親父、お前いアフォでつか?何がクリスマスでつ!日本人は先に控えてらっしゃる
晦と元旦!!コレ!そして、餅善哉!!なんでつ!その前にイヴで浮かれて、冬至も忘れてるでつ!
お風呂、柚子風呂じゃ無かったでつよ。日本の政治化ならメリケンさんの行事に浮かれてないで
庶民の意見聞いて、日本を何とかしれ!海老に黒豆、栗金団、昆布締め、鰊バンザイでつ!」
「こ。。。古風なのだね。。済まなかった」やはり、頭が上がらない。
ひろゆきは、隊長に似てきた様だが、単にトオルと隊長の傍に居られず、無理矢理連れ去られ、
変な親父と、メインイベントを過ごさなければ成ら無いのが、心底腹立たしいだけなのだが。

― トオルどうか、負けないで立ち直って。。。心配だよ。行けなくてごめんね ― 
ひろぽん達がひろゆきの傍からトオルの事を、とても心配していた。今度はトオルに
届けば良いのだが。。。

674風と木の名無しさん:02/12/25 10:57 ID:uD9zUyoJ
逃げられない程残酷な現実から逃避する様、トオルの心は固く閉ざされていた。
余りに処理しきれない出来事が起こると、脳が自己防御で先ずは、人格崩壊を防ぐ手段を取るのだ。
悲惨な事件や事故の後、忘れる事や、越える事で、普段の生活を取り戻したりするのは、
この辺りに因るものだと言う。只当事者の心が弱ければ弱い程、マァヴの様に心を壊し
廃人同然で命を守る。という、最終的な自己防御を取るが。

そんなトオルの心の中に、心配していたひろゆき否、ひろぽんの幻像が其処に居た。
「トオル、出て来てお願い」「嫌だ・・俺は もう・・」
「でも 知りたがったのはトオル 貴方だ 知らなきゃ良かったなんて、言わせない」
そして、突放すこのひろぽんは、降臨したのではなくひろぽん達の思いとリンクしてトオルの自己防御が
識意下で逃げ道として、作り出している物だった。ひろぽんはちゃんと、ひろゆきの傍に居る。
「何で誰も・・責めないんだよ!ひろゆきも切込も・・・何であの時に・・・・」
「少なくともひろゆきは嫌じゃなかったから。そして今の、隊長も」
「傷付けてる・・だけ・・じゃねえーか・・こんな・・」
「でも、貴方は夜勤の時に自分で最後はコントロールしたんだよ。二人を守ってくれた」
想いが強ければ勝てるから。だから其れを強さに変えて、負けないで。貴方なら出来るから。
と言って、トオルを抱き締めやはり、一度も責める事無く微笑みながら残像が淡く消えていった。
675風と木の名無しさん:02/12/25 11:49 ID:Rr1Lw/qT
疲れ果てて眠る隊長は、ずっと夢を見ていた。
ひろゆきの紹介で、出会ったばかりの頃のトオルの姿が見える。
軽やかに談笑していく中で、ふと飛び出したトオルの言葉に、夢の中なのにドキリとする。
『自分が凹む理由に、自分の情けなさが入ってる場合、 とことん落ち込むのが俺の悪い癖(汗)』
・・・そうか、そういやお前はそういう奴だったな・・・って・・・えっ??!!!!
「トオルっ!!!!!」
血の気が引いた表情で、隊長は飛び起きた。

部屋の片隅の椅子に、トオルは座っていた。
憔悴し、疲れきってはいたが、その瞳は穏やかだった。
「トオル・・・」
「スマン・・・・何て言ったらいいのか・・・・分からないんだ・・・」
静かにトオルに歩み寄った隊長は、精一杯の力で抱きしめる。
「これからも、ずっと一緒だ・・宜しくな・・・トオル」
既に夜は白々と明けはじめ、外では小鳥のさえずりが賑やかに響いていた。
676風と木の名無しさん:02/12/25 13:51 ID:eSe5180v
「聖夜を病院で過ごすなんて、アタシ達も不幸よネ〜」
「あなたは別に、外で過ごしても良かったのでは?」
「一人のクリスマスの方が100倍不幸だわヨ!!キー!」
馬並の叫びに苦笑しつつ、夜勤は思いをはせていた。
(トオル、あなたなら きっと大丈夫 うん)

トオルはマァブのようには壊れなかった。記憶の再封印もしなかった。ひろゆきの口癖が頭を駆ける。
出されたご飯は残さず食べる、おいらのギャグには大爆笑する、そして…転んでも、泣かない!
(負けるか!!誰にも責めてもらえない事が、自分に科された罰なのだ。
野獣のような自分も、鬼畜のような自分も、全部俺だ!逃げるな!受け止めろ!
そしてそれでも傍に居てくれる、こんな俺を愛してくれる切込とひろゆきを、全力で、命をかけてでも守れ!
それが俺の…俺ができる精一杯の罪滅ぼしなんだ…)

隊長を優しく抱きしめかえしたトオルは、小さな、しかし力強い声で言った。
「正月は…3人で迎えるんだ。いいな?」
「当たり前だ。バカチンが」
返した隊長の声も、いまだかつてないくらい、力強い声だった。
677風と木の名無しさん:02/12/25 23:30 ID:MZuHcTbV
「そうだな、三人で初詣行って、厄払いだ。もう時期、相手も動くだろうし」
「けどな、トオルが辞表出したんなら、相手 動かないんじゃ無ぇか?」
「其処なんだが。取引先の俺、可愛がってくれてた役員の上役さんに、電話
してみようか とは思うんだ。手掛かりになるかは別として。心配なんだよ何か」

と言っても、朝も未だ早く、人に電話をする様な時間帯では無かった。
二度寝するにも、隊長は起きて来たばかりで、トオルも今日はもう、
寝る気がしなかった。暇を持て余し トオルは一先ず、珈琲でも。と思った。

「切込は、紅茶だな」
「良いよ・・珈琲で・・あの時 入れ直して貰って無いから」
「覚えていなさったか。なら、煎れて来ますか。。。」

隊長は、インスタントでもトオルの入れてくれた珈琲が結構、気に入っていたのだ。
たかだか、197スレ前位の様な気もするが、思えば あれがトオルと初めて正面・・な夜だった。
そして、この部屋へ上がったのも。此処へ来ると、ひろゆきが・・居ないのも。

暫くすると、カップを二つ手に持ったトオルが戻って来た。この香りも、あの時と同じ。
『初めは、いがみ合いばっかしてたのに、嫌いな奴程、好きに成るのは、本当だな』
トオルが煎れた珈琲を飲む隊長の表情は、トオルの傍らに、とても嬉しそうだった。

そして朝の10時を過ぎた頃、トオルが動く前に取引先から部屋の電話が鳴った。
678風と木の名無しさん:02/12/26 02:16 ID:l9re3vSv
「はい、どちら様でしょう?」 「トオル坊 儂じゃよ 元気かの?」
「クソ親父!。。あの 済みません 会長 様」
「クソ親父で良い お前さん何時も言ってたじゃろうに 様とか、こそばゆい事 言いなさんな」
「でも。。私はもう、昨日に会社は、辞めましたし」
「会社じゃ無いなら尚の事じゃ 普段で結構。それに似合わぬぞ キモイしの」
「。。なら、クソ親父!何なんだ ウチの馬鹿上司の奴!昨日親父さんの所で、先の事
聞けとか抜かしたぞ!どういう事だ!!俺は親父さんの所なら構わなかった・・のに」
「ほお、どういう風の吹き回しか散々蹴ったのにの ホホホ」
「ホホホ じゃ無いですよ・・親父さん 率直だが、電波会社に何吹っ掛けられてます?」
「・・トオル坊 正直済まん・此処では話せん・・・儂も立場が無くての・・」

此処からは会って話がしたいと先方は言った。隊長も同伴でという許可を得
時間は夕方になった。電話の内容を隊長へ話すと、先方と落ち合う
その間に、夜勤にも一応相談しようという事で今日の予定が埋まった。
「所でトオル 他所の会長捕まえて何時も・・親父さんなのか・・最強だな」
「けどな。未だに俺、親父さんが、何で俺の事気に入ってるか 判らないがな・・兎に角会わないと」
679風と木の名無しさん:02/12/26 07:27 ID:mnnIWDLN
適当に食事を済ませた隊長とトオルは、夜勤の病院に行った。
「よう。」「わたし、もう何もしゃべらないって言った筈ですけど。」「俺がしゃべるから聞いてくれりゃいい。」
トオルは取引先の会長の件、そこにかかる圧力について話をした。
聞き終った夜勤は、傍らに置いてあったメモ用紙に何か書くとトオルに手渡しながら言った。
「病院から出て、わたしの姿が、見えなくなってから読んでね。」「ラブレターかよ・・・。」

しかし、言われた通り外に出てメモを見たトオルは、複雑な表情をしてそれを隊長に見せた。
「日経新聞を読め?会長さんは、命が狙われるとか、そういう危険は無い??」「どういう事だ?」
通りすがった新聞販売店で日経新聞を慌てて購入、3ページ目の小さな見出しに目が止まる。
『日本防壁(株)会社更生法を申し立て 負債総額17億・・』
「これって例のSDの電波の・・・」「野郎〜〜!足がつくと思って会社潰しやがった!!!」「え?!」
「この程度の企業でな!去年まで優良株だったとこがな!1年で17億なんて負債抱える訳ねえだろ!
別会社の負債をここに背負わせたんだ!たかが俺やトオルの件で1000人の従業員を路頭に迷わせたんだぞ!!」
「親父さん、でかい顧客を無くしたな・・・。用ってこれのことだったのか・・・。」
680風と木の名無しさん:02/12/26 09:38 ID:l9re3vSv
「そして、この負債総額の出所が一体、何処か だな・・・
とっくに手形動いてるだろうな・・・先方絡んでいなければ良いんだが・・」
「そうなると、俺には本当に出来る事なんて。。無いのに。。.親父」

新聞を寂しく見詰め、時間も良いので、トオルと隊長が約束の場所へ行くと、
呑気そうで暇そうな爺さんが鳩に餌をやっていた。この爺さんがどうもそうらしかった.。
トオルが軽く挨拶を済ませると先方はそのままで、トオルの事を先ず詫びていた。
話が込み入るに連れ、負債を出した元出の会社は、先方の身内からだそうだった。
しかも、実子の不始末だったそうだ。それを調べていると、とある政治家と吊るんでいた事
が判りそして、実はその政治家が昔の自分の親友だった事も。発覚したという。呑気そうな爺さんの
悩みは息子を取るべきか、親友を取るかで悩んだそうだ。先方が、公的処置をすれば、どちらも
救えないという事で。しかし、それよりも、トオルが一番気に掛かったのだそうだ。トオルとは関係の無い、
SDの防壁会社がトオルの勤め先へ圧力を掛けてでもトオルをこちらへ移動させろ。と言って来たと、
しかしこれは、トオルが辞表を出した事で立消えたと言う。先方はトオルに会社を辞めさせた事を
本当に申し訳無さそうにトオルに謝っていた。そして、本当の用はこれでも有ったそうだ。面と向かって謝りたかったと。

「親父さん・・・ 俺の事で迷惑掛けて、謝るのは寧ろ此方です。本当のじゃないけど、馬鹿息子で済みません・・・」
「馬鹿息子は儂の実子じゃよ、お前さんは良い子じゃよ・・本当の息子ならの・・残念じゃ」

681風と木の名無しさん:02/12/26 12:08 ID:RTifL2z0
トオルと爺さんがしみじみ話している間、PDAを取り出してずっと何やら調べていた隊長が
割り込むように爺さんに言った。
「あなたが気に病む事じゃ無いですよ。あなたの息子は取締役の一人に過ぎません。
それに、そもそもこの会社の負債そのものについても不審な点が多すぎる。
息子さんの会社が負債を抱えたのは、抱えさせられたんです。事業失敗じゃなくてね。
本社の債務と売掛金を子会社に背負わせて、架空債権を発生させて潰すなんてのは常套手段ですから。
いずれ潰すつもりでいたんですよ。今回はたまたま俺達の事があったから、更に日本防壁社側に
負債が移動しただけです。息子さんは騙されたんですよ。ですからね…」
「いや、お前の倒産物語はそれくらいでいいっての。親父さんはそれくらい分かってるよ。」
「…すまん…」
「カラクリに気付かない息子はやっぱり馬鹿なんじゃよ。
そして…昔の親友は昔の親友じゃからな。今でも親友であるとは限らんよ。
差しあたっては大口の客が潰れおったからの。うちの建て直しに忙しくなるんだが…
どうだ、トオル坊、手伝ってはくれんかね?」
「え?」
「給料はそんなはずまないがの。会長付き秘書って事でどうじゃ?」
682風と木の名無しさん:02/12/26 15:50 ID:pu7YDisS
「おめでとう。無職脱出だな。」
「つーか、、、いいんすか?(汗)」
「こっちが頼んでるんじゃよ。お前さんなら、社内の連中も文句は言わんじゃろ。
もう日本防壁も潰れたし、トオル坊を他人に取られるくらいなら、ワシが頂くわい」
振って沸いた話に、動揺しながらも嬉しいトオルと、
そのトオルを見て更に喜ぶ隊長だった。

「そっちの・・・坊のコレも、なかなか優秀そうな青年だしな」
「う・・・(汗) あの・・・これは・・・親友です(汗)」
いきなり指摘された照れから、トオルは思わず、隊長が恋人である事を否定してしまう。
当然の事ながら、隊長はちょっとガ━━(゚Д゚;)━━ン!となったが、
やはり照れから下を向いてしまった。

「では、今日のとこはこの辺でな。細かい事は、後で連絡させるから」
会長は徒歩でてくてくと去っていった。
そして後には、恨めしそうな顔をして、トオルを見つめる隊長と
「ス、スマソ(汗)、ごめん!悪かった!!」
と平謝りするトオルが残されたのだった。
683風と木の名無しさん:02/12/26 18:33 ID:Vnnv91jt
目・・目が怖い。。マジで怖い。隊長の目は当時の現役を思わせる程
怖かった。過去にコイツに勝てるのか。。とトオルが隊長に敗北感を味わった
時の頃の、当に其だった。しかし、押し切らねば。。。

ジト目でトオルを窺う隊長は、この後どういう反応が返ってくるか、トオルを困らせて
みたく成ったのだ。・・・本当は ああ言うしか、仕方が無いのを隊長は解っている。
対するトオルは真剣だった。何と、土下座をし始めたのだ。。
これは流石に隊長も慌てた。そして急いで止めに入る。
「止めろ!もう良い 怒って無ぇから、トオル!止せ」
トオルは気が済まないと言って、まだやっている。
「解ってる..解ってるから!俺が我侭なだけだから・・御免なトオル・・」

しゅんとした隊長に「お前は絶対悪く無い!」といって、俊敏にトオルが起き上がり、
隊長を抱き締めていた。隊長はそれでも腕の中でか細く「御免」と謝っていた。
余り謝る隊長にトオルは苦笑し、ケーキ買って家で仲直りするか?と胸元に聞いた。
「俺は ク リ ス マ ス は 大 嫌 い だ ・・・バカチン・・けど、酒なら 良いぞ・・」
こうして二人は、残った時間のクリスマスを少し楽しんでいた。しかも酒盛りで。
684風と木の名無しさん:02/12/26 21:17 ID:xW9VkZvw
そして、夜勤は壁越しで馬並と見張りをからかい遊んでいた。

「それでね、きっとこの辺に未だ居ますよね?山田さん」
「ええ〜成仏してないの〜小池さん」
「隣の 山田さんですったら」
「隣は小池よ。居るじゃない?この辺この辺」見張りの居る壁を馬並がなぞる。
「もうね、貴方も お帰りに成られた方が 良いんじゃないかと思うんです」
「クリスマス終っちゃうわよ〜正月まで居られてもねえ。。盆も遠いしね」
「病院は怖いんですよ〜特に聖夜なんて、自殺者上位なんで、集まるんです本当
悪霊に獲り込まれる前に、お 帰 り あ そ ば せ 摩〜訶般若〜波羅〜」
「夜勤ちゃん アンタ イッヤぁ〜ん こっわ〜ぁ〜い」下からライトを照らし、経を読み出す夜勤は大層、不気味だった。

壁から聞える経の余の不気味さに、SDの見張りは逃げて引き上げてしまった。
暫くして夜勤の経が止む。夜勤と馬並が顔を見合わせる。馬並が部屋の電気を付けた。

「行っちゃったね」「はい」「所で夜勤ちゃんアンタ、何時動くつもり?」「あら、バレてます?胡瓜が効いたみたいです」
そう、夜勤は出血多量以外で、傷は余り大した事無いのだ。胡瓜は解らないが、今も腕を伸ばしていたり。。。
「壁の幽霊さん、そろそろ限界でしょうしね それからかな?私が動くの」
幽霊さんが限界を超えたら動こうかな?と、夜勤は見張りの精神を長期戦で追い込むつもりでいた。

「だから私は当分 病人です」 トオル、隊長 もう少し、御免なさい。で無いと、貴方達の方へ見張りの矛が向く。
685風と木の名無しさん:02/12/27 11:54 ID:EO7sjVNK
トオルの部屋で酒盛りをしている隊長は
もう、酔っぱらったゾウ!x3とトオルの横でとても御機嫌さんだった。
その勢いでトオルに始終じゃれ付いて、胡坐をかく膝を枕にされている
トオルは、落ち着き酒を飲む所ではなかった。

「とおるぅ〜 もお よっぱらっ ったぞぅ」
「もお じゃ無く『もう』な。。。俺 平仮名じゃないし。。。なに?」
酒酔い人、何れも之に構う事なかれ。鉄則だが、しかし仰向けで膝から悪戯に
ネクタイを引っ張り、トオルを見ている隊長は、酔いも手伝いその仕草は
無邪気で有り、添えて色香が有った。トオルは昨夜の事も有り躊躇したが
隊長の潤みきった瞳と艶の出た唇はトオルから何かを欲していた。
その瞳に惑わされたまま トオルは、そっと 隊長の唇に指を宛行った。
686風と木の名無しさん:02/12/27 19:41 ID:ngU6ft6d
その頃、SupportDESKの山荘(他人名義だが)で好き放題やっていたひろゆきは、
SupportDESKに向けて新たな我侭を噴出させていた。
「親父〜!そろそろおいら、家に帰りたいでつ〜〜!隊長とトオルたん、待ってるでつよ」
「待ってるだろうねぇ。迎えに来るかとも思ってるんだがねぇ。
退屈させて申し訳無いから、お詫びに珍しい酒をご馳走しよう。
なかなか手に入らないし、とても美味い酒なんだよ」
「美味いんでつか?飲んでみたいでつ〜」
SupportDESKが目配せすると、取り巻きの一人が部屋から出て行き、しばらくして酒のビンを持ってきた。
ビンを受け取り、更に目配せするSupportDESK。取り巻きが全員部屋から出て行く。
「折角の美味い酒だからね。是非ひろゆき君と二人で飲みたいんだ」

グラスにそそがれた透明の液体を、ちびりと飲んだひろゆきは絶賛した。
「これはおいしいでつ〜〜〜!何ていう酒なんでつか?」
「知り合いの酒蔵の新作でね。そうだな・・・『可愛いゲスト』、とでも呼んでおこうかね」
「ふ〜〜ん。センス悪いでつね〜〜」
ぐだぐだ言いながらも、次々に注がれる酒を飲み干していくひろゆき。

そして30分後、ひろゆきはSupportDESKの胸に寄りかかって座っていた。
「目が回るでつ・・・でも何か・・・いい気持ちでつ・・・おやじ・・・あったかい・・でつ・・・ね・・」
SupportDESKは無言でひろゆきに微笑んだ。
後ろに回した手に、極太バイブを握って。
687風と木の名無しさん:02/12/27 20:51 ID:N93unBhm
SupportDESKがスイッチを入れると
ゅんゅゅん じゅっ。・。・。。。。。。。止ってしまった。

ぶっ壊れたのである。何度か電池を入れ替えるも、やはり止った。
「この欠陥品めが!」
バイブを投げ捨て、肩を戦慄かせ、持って来させた取巻きを呼び戻し、
お前には折檻だ!と称し、ひろゆきを丁寧に側のソファーへ寝かせると、
SupportDESKは因りに寄ってこちらを、別の部屋で犯し始めた。

ひろゆきの隣で ばーか と略出番の無い攻め人格「ひ」が舌を出し、笑っている。
「おいら達が居るからね、絶対手出しは、出来ないんだよ。過去みたいには いかないの クスクスクス」
「隊長とトオルさんに早く会いたいでつ。。ひろゆきの体借りて PCで2ちゃにSOS出そうかな?」
688世直し一揆:02/12/27 22:48 ID:BHmVJ+bP
<血液型A型の一般的な特徴>(見せかけの優しさ(偽善)に騙されるな!)
●とにかく気が小さい(神経質、臆病、二言目には「世間」)
●他人に異常に干渉する(しかも好戦的・ファイト満々でキモイ)
●自尊心が異常に強く、自分が馬鹿にされると怒るくせに平気で他人を馬鹿にしようとする
(ただし、相手を表面的・形式的にしか判断できず(早合点・誤解の名人)、実際にはたいてい、内面的・実質的に負けている)
●「常識、常識」と口うるさいが、実はA型の常識はピントがズレまくっている(日本の常識は世界の非常識)
●権力、強者(警察、暴走族…etc)に弱く、弱者には威張り散らす(強い者に弱く、弱い者には強い)
●あら探しだけは名人級(例え10の長所があってもほめることをせず、たった1つの短所を見つけてはけなす)
●基本的に悲観主義でマイナス思考に支配されているため、性格がうっとうしい(根暗)
●一人では何もできない(群れでしか行動できないヘタレ)
●少数派の異質、異文化を排斥する(差別主義者)
●集団によるいじめのパイオニア&天才(陰湿&陰険)
●悪口、陰口が大好き(A型が3人寄れば他人の悪口、裏表が激しい)
●他人からどう見られているか、体裁をいつも気にしている(「世間体命」、「〜みたい」とよく言う)
●自分の感情をうまく表現できず、コミュニケーション能力に乏しい(同じことを何度も言う、知障)
●表面上意気投合しているようでも、腹は各自バラバラで融通が利かず、頑固(本当は個性・アク強い)
●人を信じられず、疑い深い(自分自身裏表が激しいため、他人に対してもそう思う)
●自ら好んでストイックな生活をし、ストレスを溜めておきながら、他人に猛烈に嫉妬する(不合理な馬鹿)
●執念深く、粘着でしつこい(「一生恨みます」タイプ)
●自分に甘く他人に厳しい(自分のことは棚に上げてまず他人を責める。しかも冷酷)
●男は、女々しいあるいは女の腐ったみたいな考えのやつが多い
689風と木の名無しさん:02/12/27 23:10 ID:lRzQtMgJ
指を宛がわれた隊長は、ゆっくり唇を開きトオルの指を 舌で舐め始めた。
トオルに指から耳元の方へ、くすぐったく甘い快感が伝う。

指にあたる隊長の舌の熱が、指数を増す事に徐々に上がって行くのが判る。
其れと同調する様にトオルのうまい棒が反応して行く。トオルは隊長が
したいままにさせていると、指の擬似愛撫を続けながら、トオルのベルトに
手を伸ばしベルトを外すとトオルも、ネクタイを外していた。

すると、部屋のPCが突如動き出し、!!部屋から二人のシャウトが響いた!
「っわわわ〜〜クソ!〜〜良い所なのに・・かっ 怪現象だああああああああ!」
「止めてくれえええええええ!!俺は前も天井から血っ血があああああああ」
隊長は酔いが醒め、トオルは血天井を思い出し、パニックになっている。
「トオル俺嫌。・。・。・嫌だあああああああこっ。・。・怖ええええ〜〜」
「おっ。・。・俺も怖いけど・・俺が見て来るよ・・」
一人はもっと嫌だとトオルの後ろへしがみ付き、PCを見ると・・・

「 隊長、トオルさん おいらひろゆ子です ひろだよん ひでつ!
  ひろゆきは大丈夫だけど、早く来てね。場所は箱根の山荘だよ 」

という、メッセージが何故か 801純一板の「ひろゆきの日々テイスト3日目>688」
にレスされてあった。何かウイルスなのだろうか・・悪戯・・・
諤諤(((゜Д゜))))振振 諤諤(((゜Д゜))))振振
トオルと隊長がこのメッセージを悟るのはおよそ一時間後の事だった。
690風と木の名無しさん:02/12/27 23:38 ID:2nE1LY0n
(´-`).。oO(そんなに簡単に居場所がバレだら面白くもなんともないと思われ…)
691風と木の名無しさん:02/12/28 00:51 ID:y2I++eyf
「箱根の山荘?」「えーっとな・・・。」とガサゴソとリストのようなものを見る隊長。
「箱根にはSD絡みだと思われる別荘が3件あるな。しかも湯元、強羅、元箱根と離れてる。
車じゃないと、一軒一軒を見てまわるのは無理だな。」「分かった。」
トオルは車のキーを持つと、隊長を引き連れて駐車場に移動する。
正直、まだうまい棒が疼くが仕方ない。

一方、部下に折檻してひろゆきのいる部屋に戻ったSDは、
勝手に起動しているPCと、モニターに映し出されたスレと書き込みを見た。
酔っ払って寝ているひろゆきを、一瞬不思議そうに眺めたものの、すぐにさっきと別の部下に
移動の手筈を整えるように指示を出し、自分も服を着替えた。
次の行き先を部下に問われたSDは、不機嫌そうな声で言った。
「電話を引いてないところがあったろう。加工済みで携帯も入らない。あそこだ。」
手際よく寝ているひろゆきを抱え上げる部下達。

(まだ切込君と取引開始の挨拶もしていないんだよ。勝手に終わらせられては、面白くないな。)
そして勝手にPCを立ち上げ、書き込みをした犯人を、探し出して断罪せよ、と
部下への命令に付け加えた。その形相は鬼のようであった。
692風と木の名無しさん:02/12/28 00:59 ID:rTgyzUZI
ヒソヒソ。。。
「ひろゆ子・・違うと思うでつ!・・・」
「うん?」
「だって〜山は箱根しか知らないし〜〜エエ〜ン」

実はひろゆ子は やま=箱根 しか知らなかったのだ!!

隊長の口癖の『箱根の向こうはね〜』しか頭にインプットされておらず
「隊長達行くよ・・・」「しかし、何の山なんだろう」
かく言う残りの二人は地理をもっと知らなかった。
何故なら、ひろゆきが此処を何処だか、知らないのだから。
それらの事を慌てて悟る隊長たちは気の毒だが、ひろゆ子は
早く来てくれと、メッセージを、とにかく送りたかっただけの様だった。。。

かくして、山荘の場所は
振り出しへと、戻るので有った。
693風と木の名無しさん:02/12/28 01:30 ID:rTgyzUZI
>689=
682を送る前に呑気に風呂へ入ってしまい、お騒がせして>690-691さん
本当に御免なさいです・・(大汗)土下座で済みません。・。・。・
先に送れば良かった・・・平日のノリでいたもので・・済みません。。。
694風と木の名無しさん:02/12/28 03:23 ID:yrw+8H5b
「ったくも〜冗談じゃねぞ・・何で温泉〜」
「やっぱ、ウイルスの類かね?けど、アレはあいつ等だと思うんだ〜」

慌てて東京から箱根へ車を飛ばしたトオルと隊長だったが一晩掛けて
探し回った介も虚しく、山荘へ踏み込んでも、跡形が残らない様、
SDが鮮やかに移動した事により、手掛かりは一切掴めず、もう一度探索し直す為、
トオルと隊長は一端最終地点の、元箱根の寂びた温泉旅館へ泊まる事にした。
そして、ふって湧いた温泉に、の〜んびり浸かっている。トオルと隊長

「湯元駄目だし、強羅と・・こっちも・・・何処なんだ」
「う〜んそれは上がってから考えよ。。ヒョンな事でこうして、温泉入ってるんだし」
「あれだな。。もし、あいつ等のNGだったら、有った時、御仕置きしてやる」
「あっ、御仕置きで思い出したけど、切込さん 肉 忘れてません?( ̄ー ̄)ニヤソ」
「ああ、請けて立つ・・って・・今!?」途中で躰疼いちゃ・・い、居るけど。薮蛇だ。
695風と木の名無しさん:02/12/28 16:05 ID:YDZ9IT0a
顔を赤らめ四苦八苦している隊長にトオルは「冗談」だと言って
微笑していた。隊長は半分、その気に成っていたので、ほっとした様な、複雑だった。
「うわ・・やったな・・」
「おう」
隊長がトオル目掛けて手でお湯を噴射させ、見事に顔面に命中させた。
そして、トオルも負けていなかった。直様、やり返している。
東京で此処の所辛い事続な二人には、ちょっとした、良い気分転換には
成っている様だった。お湯の掛け合いは、どちらから共無く我に返った事で
終焉を迎えた。
『いい年して。。俺らは一体・・・』又大人しく湯に浸かる。
「トオル 変な来方だったけど、東京で悩むより、良かったな」
「NG出したあいつ等に感謝かな?実は楽しかったり。。切込 此処俺が持つよ」
隊長は不思議そうだった。が、次に出たトオルの言葉に赤面した。
「ちょっと遅いけど、俺から ク リ ス マ ス の プ レ ゼ ン ト だよ。ひろゆきには内緒な」
696風と木の名無しさん:02/12/28 16:45 ID:BugS2bB/
トオルと隊長がつかの間の休暇を楽しんでいる頃、SDとひろゆきを乗せた車は
御殿場を抜け、富士五湖方面に向かってひた走っていた。
ひろゆ子の勘の箱根は正しかったのだが、SDの動きは更に早かったという訳だ。
車内でSDに命じられ、ノートPCを立ち上げ、何やら操作し始める取り巻き。

思わぬプレゼントに身も心も上気した隊長と、その隊長を腕にぶら下げたトオルが
仲良く部屋に帰って見たものは、並んでひかれた布団と、
その上でメールが着信している事を告げている、隊長の携帯電話のLEDの点滅だった。
「何だよ…仕事だったら勘弁してくれよ…。」
折角のトオルとの小旅行を台無しにされた気がして、不服そうにメールを見た隊長の表情が変わった。
「どうした?」
隊長から電話を取り上げて、メールを読み始めるトオル。

『切込隊長殿 予ねてよりお伝えしておりました新規事業立ち上げにあたり、貴殿のご協力を賜りたく、
御検討をお願い申し上げます。詳細は別途ご連絡申し上げます。
この件における貴殿への報酬は、お預かりしている…』
「…ひろゆき!」
「や〜〜〜ろ〜〜〜〜〜っ!!!取引だぁ?!ふざけんなっ!!!!」
「落ち着け切込。つーかこの新規事業って何だ?」
「早い話が野郎の抱えた裁判の揉み消しだ。誰がやるかそんなもん!訴えられまくって滅べバカチンが!!」
「…ひろゆきはどうするんだよ…」
「う。」
とりあえずメールヘッダを確かめるトオルだったが、携帯ではどうしようも無かった。
697風と木の名無しさん:02/12/28 19:11 ID:xxtiWJ94
隊長は思い出していた。澱んだ奈落を。

貸し入れや繰り返される手形の乱発
動いている巨額の資金。株の一部流出。
証拠の隠滅工作。それらにより弱者から紡がれた細い悲鳴
それを傍で目を伏せながら、報酬だけ手にする自分。
そして、物にしか見られないクライアントからの卑しむ氷の眼差し。

その奈落から飛び出し、もう一度触れる事の出来たやっと見つけた
トオルとひろゆきの居る誰にも譲れない現在の暖かい場所。

「トオル・・俺・・」
「判ってる・・・夕方みたいな あんな目お前にさせたく舞い・・思い出すな。もう」
隊長の思っているであろう事を表情で悟り、トオルは痛たまれず隊長を
強く抱き締めていた。何処までも卑しないトオルに、隊長は本当に救われている。
初めて会った時も、そんな世界も有るんだと、笑って感心してくれていた。
「俺 あんな事・・もう、嫌なんだ・・トオル・・助けて・・くれ・・人の悲鳴はもう 聞きたく・・ない」

なんてソウルフルなスレなんだ!
699風と木の名無しさん:02/12/29 00:56 ID:62IOfouP
700風と木の名無しさん:02/12/29 02:07 ID:suptbrRU
その頃、2chを見ていたkittyが、>>698のように叫んでいた。
でもそれは8頭身モナースレだったので、弐編は>>699とつぶやいた。
kittyはちょっぴり悲しかった・・・。
701風と木の名無しさん:02/12/29 07:52 ID:mN51Jmy4
悲しかったが練習なので仕方が無い。
「姫・・ノリノリだね」
「やるならココまでしなきゃ だよ」
「なら俺も この思い届け!1さんの元へ〜〜〜!」
kittyは、冬祭りに着て行くコスプレで、八頭身をやろうとした様だ。
そういう弐編は1さんだ。
何か最強夫婦になりつつ有るようだ。好きにさせてあげよう。。。

一方、乱入してきた698&699は久し振りに2ちゃんへひろゆ子として
現れたひろゆきに2ちゃんねら-達が歓喜して、ひろゆ子降臨801板
急遽(海辺で下手すりゃ凍死)オフ会を、冬祭りの前夜祭も兼ね、徹夜は
御法度なのを承知で現地にて、ソウルフルに開いている様子を誰かがupしたモノだった。

ついでに夜勤は毎度の事ながら壁越しに馬並と『成仏しなッせ〜』等
お供え物(御菓子うまい棒各種)まで供え、小鐘を叩いている。。
見張り苛めはエスカレートしているみたいだった。
見張りを追い込むより寧ろ退屈しのぎでは無かろうか。。。
702風と木の名無しさん:02/12/29 16:59 ID:s7sLQgSJ
「と・・取り合えず今日はもう、寝よう 其れとも飲むか?」
「・・・飲む」
トオルと隊長は、飲まなければやって居られない気がした。寝てもきっと、
まぶたの奥に生々しい恐怖と不安が又駆け巡る。それならば泥酔したまま
酒の力を借りて寝てしまいたかった。

しかし、酒はそんな時程、人を酔わせてはくれない因果な物だ。
人はこれを不味い酒と呼び、それでも不味い酒を黙々と飲ん諾れる。
既に空になった空き瓶や缶が二人のあちらこちらへ、転がっていた。
時が何時なのかも分からなかったが、瓶の数が増える事は確かだった。
そんな中、隊長へ抱き付き、トオルが蚊の鳴く声で呟いた。

「切込お前 奴から連絡有っても 俺から 居なくなるなよ・・約束・・しろ」

これだけが不安だった。あの時は弁当を呑気に食べていたが今回だけは
隊長が飛び出す気がしてトオルは怖かった。どちらでも良い酒を飲みたかった
のはこの恐怖の性だった。そして、飲める限界も近かったのだ。
トオルが、隊長の肩へ体重を掛けたまま傾落ちた。

「煩せえよ 酔っ払い とっとと寝ちまいやがれ・・・おやすみ トオル ゆっくり 寝な」
『何でそっとして置いてくれ無ぇんだよ!俺は物じゃ ねえんだ』 
トオルを布団へ寝かせると、隊長は携帯を睨み、そう吐き捨て、黙々と又一人酒を浴びていた。
703風と木の名無しさん:02/12/30 03:56 ID:uXU3ne0v
飲み直してはいたが、隊長も許容量を越えていて暫くしてから隊長は
布団の上から瓶を持ったまま、トオルの背中へ倒れ込み寝入っていた。
余の布団の窮屈さと隊長の体重の息苦しさでトオルは真夜中に目が醒めた。
半分寝ながら横を見ると、隊長の顔が有り、手から落ちた酒瓶が近くに転がっていた。

「重いのは・・・コレか・・未だ飲んでたんだ・・・風邪引くぞ」
トオルは一端布団から出て隊長を抱え上げ、そのまま布団へ隊長を入れてやると
トオルも再度布団へ入り直した。すると、酔って寝ているのに無意識で隊長が
暖かさを確かめるように抱き付いて来た。
「切込・・お休み」
額に淡い口付けをして、その温もりを大事に抱き締め返しながらトオルも再び眠っていた。
そして、二人が折り返し序に、山荘の探索を洗い直したのは、翌日の昼からのことだった。
704風と木の名無しさん:02/12/30 16:04 ID:PLJyYOoW
箱根騒ぎで富士五湖方面突ッ走たSDは更にヘリへ乗り換える妙技をやって退け、
日本の国内某所の又、他人名義の山荘へ、部下達より先にひろゆきと移動をしていた。
ここはその山荘だ。何も無い場所へ移動した事により、ネットが出来ない。というので、
ひろゆきが遂に切れてむずがっていた。SDはひろゆきを宥めすかすのに、必死だった。

「ひろゆき君・・アクセサリーとやらにゲームが有るじゃないか駄目かね?」
ギロリ!
「じじい〜〜〜アンなのは触るかどうかも判らない本当の退屈しのぎでつ!
其れを合えてやれと言うのでつか?24時間・・・じじいはアフォでつか?」
「しかしだね・・叔父さんが子供の頃はそんな物は無く、竹馬や、竹蜻蛉を
作って遊んでいたから、正直、良くわからないのだよ・・済まないね(大汗」
「そんな世の中にしたのは、ジジイ達大人でつ!IT革命とか言って,おいらが
生まれた頃は既にPC有りますた!竹馬とか、逆にそっちが良く判らないでつ!」

SupportDESKは困惑していた。部下が未だ着いておらず、ひろゆきと二人だけで
ひろゆきの邪気の無い言葉に、忘れていた物が思い出され、懐かしくなる。
同時に無機質な世の中にしてしまった世の中を、ひろゆきの発言なら不思議と
SupportDESKは、心の何処かに突き刺さるのであった。普段は聞き入れないのだが。
「ならば、竹蜻蛉作って差し上げようか?」 何故こんな事を言ったか判らなかったが
ひろゆきに、電子的な物でなく、触れられる物を見せてやりたくなっていた.
ソレ、見たいでつ〜とひろゆきは、はしゃいでいる。「下手だがね・・作ってあげ様」
SupportDESKが少し、普通の親父になったのは、後にも先にも、この時だけだった。
705風と木の名無しさん:02/12/31 08:47 ID:aucB2Lxh
元箱根の方はセキュリティーが万全で、着いた時に門前払いを喰らった。
手出しが出来なかったのだ。こういう時,馬並の偉大さを痛感する。
後はそれでも入る事の出来た残りの御殿場、強羅に手掛かりを求め
元箱根を渋々諦め、二つを絞り込み、トオルと隊長は車を出している。

そしてトオル達は旅館を出た後芦ノ湖を周り、再び御殿場へと向かった。
車から見える芦ノ湖はトオル達の思いに構わず機嫌が良く、水面は
しなやかに揺れ、風雅な容姿を見せていた。気分が良ければ美辞麗句
の一つも出るだろうが、今は二人共、そんな余裕は無かった。

「馬並呼ぼうか?トオル」「そうしたいけど。今からじゃ1時間半以上掛かるぞ・・」
「セキュがガチガチって事は、きっと、あそこだったんだ・・・ひろゆき・・」
「クソ!バカチンが!人の神経逆撫でばっかしやがって・・本気でヤロー滅ぼすぞ・・・ひろゆき・・・・」
言ってはみるものの、隊長からは覇気が消えていた。それはトオルも同じだった。

時が経つにつ連れ車からは目指す山荘が、徐々にその姿を現している。
残りの二つの山荘に、SupportDESKに絡む手掛かりは、果たして有るか。
706風と木の名無しさん:02/12/31 17:23 ID:dCoduVx8
SDの作った竹蜻蛉は、多少できは悪かったがひろゆきは気に入ったようだ。
吹き抜けの広い部屋に舞う竹蜻蛉と、それを追うひろゆきを見ていたSDの心にふと良心のようなものが蘇ったが、
それは後悔や懺悔の類ではなく、何も知らなかった頃への懐古の念に近いものだった。
「おもしろいでつね〜 おいらもこういうの、作ってみたいでつ〜」
捕まえた竹蜻蛉を握りながら振り向くひろゆきの笑顔を見るたびに、SDの心中に憎悪の感情が広がっていく。
己が捨てなければならなかったものを持っている者への、何の苦労も無く生きている者への
そして、この無邪気な青年の信頼と愛情を一身に受け止めているであろう、二人の男に対する澱んだ醜い嫉妬。
それは知らぬ間にSDの心に沸いていたひろゆきへの愛情や優しさを、吹き飛ばすには充分な黒い感情だった。

散々竹蜻蛉を追い掛け回して疲れたひろゆきが、SDの座るソファーに戻ってくる。
無警戒に隣に座ったひろゆきを、強烈な力で組み伏せるSD。
驚きと恐怖で声も出ず、それでも抵抗するひろゆきと、背後から必死にSDに罵声を浴びせ
せめてもと照明や暖房を落とすひろゆ子とひとひろぽんだったが、SDの強烈な怨念と力にはどうしようもできなかった。
ジーンズを剥ぎ取られ、露になったひろゆきの*を、SDのうまい棒が貫く。
決してひろゆきが欲しかった訳では無い。
澄ました顔をして自分を否定する二人の男への復讐。
前戯も何も無いそれは、ひろゆきの涙と絶叫を生んだ。
707風と木の名無しさん:02/12/31 19:00 ID:rrH/BWT6
ひろゆきがSDに強制強姦されている丁度その頃、憎まれた矛先の
トオルと隊長は諦め半分、御殿場の山荘を家捜し、していた。

「ったく、何も無いな・・本当に只の、税金対策って感じだぜ気分の悪い」
「あっ・・・でも」
「何か見付けたか?トオル!・・・写真じゃ無いか なんだ・・」
トオルが忘れられた様に置かれて有る一つの写真立てに気を取られていた。
男が二人肩を並べて両方笑顔の古い写真に。

「コレ。親父さんじゃないかな?若いけど そうだよ」
「ああ・・けど、今があんなじゃ この写真も 不幸だよな。。?」

隊長が立てを手にすると、何か違和感が有った。何か異物が挟んであるようだ。
アイテムゲチュ!かと思い、立てを後ろから開いてみると、矢張り一枚の紙が中に
挟まれてあった。それは短いが、SupportDESKへ向けた誰かの手紙の様だった。

「何か書いて有ったか?」
「これ・・・爺さんかね? 書いたの・・・辛いな・・」

=SupportDESK殿 末まで庶民の良い政治家で有られたし 旧き良き頃の親友=

「今でも親友で有るとは限らんよ」トオルの頭に会長の言葉が過る。SDに同情は粒程無いが、寧ろ憎かった。
会長には矢張り。同情をしてしまう。隊長も同じなようで、爺さんを汲み、見なかった事にしようと、写真を元に戻し、
他に目ぼしい物も見付からず御殿場を引き上げた。そして強羅は此処より何も無く、トオルと隊長は
思った予定より早く、近場の138号線を使い、東名高速経由で東京へ戻る事になった。

そして、最悪の事態でSDから隊長の携帯が鳴ったのは、二人が厚木ICに差し掛かった その頃だった。
708風と木の名無しさん:02/12/31 21:18 ID:bA5wyoc+
♪pirurururu  pirurururu ♪ 
隊長の携帯から見覚えの無い着信番号が入った。昨夜のメールから
SDからだと二人は悟り、車内に重い緊張感が走った。切られない内に電話を受けると

「・・・ああ・・・イヤ・・!!・・くぅあ・・あ ハア!!ああっ ぁぁ ハア 
あ ゼ- あ・・う。。隊。ゼ-。ル たん ・・ハー 嫌でつう・・助け・・・んんう・・」

この声が誰か。隊長から全身の血の気が失せている。言葉が出て来ない。

「ひろゆきに 何をしてやがんだ!!!」隊長の代わりにトオルが怒鳴った。
攫われた時にひろゆきが己を人身御供にする。と言ったのが、隊長の
状態から、恒間見えたのだ。隊長は、携帯を耳に当てたまま放心していた。

「ひろゆき君は、君達が私に跪き 許しを請うまで、毎晩 抱く事にする 気に入ったのでね
好い躰だ。追って連絡差し上げる。良い返事を御待ちしているよ。それでは両者、御機嫌様」
それだけ言って、電話は途絶えた。電話は入らない筈だが、声を録り、現地へ到着した部下が
別の電波状況が良い場所で、電話をしているものだった。

放心したまま隊長は涙を流し、ひろゆきの名を何度も憑かれた様に呟いている。
トオルはそんな隊長を抱き締めてやることも出来ず、トオルは夜勤の病院へ車を飛ばしていた。
気を取り直した時の隊長の無茶が不安なのだ。歯を噛み砕く程歯を食い縛り、
ハンドルを硬く握る彼の目からも、止め処の無い、悔恨の涙が頬を伝っていた。
709風と木の名無しさん:03/01/01 03:35 ID:ST4gdU+x
トオルと隊長が夜勤の病院に辿り付いたのは、もう夜になってからだった。
既に面会時間は終了しており、開いていた救急入り口からこっそり入り込む。
病室に入ると、夜勤は眠っていたが、馬並が起きていた。
「あら、お疲れのようネ。首尾はどう?夜勤ちゃん、薬が出るんだケド飲むと眠くなるらしくて・・」
「俺はな・・・・・SD、ぶっ殺すから」「切込ちゃん・・・穏やかじゃないわネ・・どういう事よ?」
「切込・・・」「トオル止めるなよ!俺を止めるんじゃねえぞ!!」「止めねえよ・・俺も手伝う。」
「ちょっとアンタ達・・どうしたのよ?何があったのヨ?」

語りたくもなかった。でも馬並と夜勤の力が必要だった。
トオルは、ポツリポツリと言葉を選ぶように、ひろゆきと隊長の今の状況を伝えた。
その片手は、今にも病室を飛び出しそうな隊長の腕を、痣がつく程強く握り締めていた。
「夜勤ちゃん、起きて」「起きてます」
途中から聞いていたらしい夜勤が、壁の一点を見つめながら静かに言う。
「あなたを問い詰めても SDの居場所は分からないんでしょうね 腹立たしい」
言い終るとメモ用紙を取り、また何やら書き込んでトオルに渡した。
『取引に 応じてください 彼が欲しいのは あなた方の知恵と人脈と力です
応じれば SD本人じゃなくても 代理人が必ず出てきます
それでおとなしくひろゆきさんを返すとは思えませんが 尻尾くらい掴めるかも』
710風と木の名無しさん:03/01/01 16:05 ID:Cu1Na7fI
「トオル・・火消屋・・・俺 引き受ける。だがな・・最初で最後だ!」 手、離せ物凄く痛い(涙)
「不本意だが、言っただろ。お前がしたい事、俺は最後まで手伝う」 す。。済まんかった。。

「壁の幽霊さん、聞えましたか?隊長の気が 変わられない内に、貴方の飼主に、
そう御伝え願います。貴方を敢えて捕まえは致しません。 そして、消えろ」

( その調子で話してて。きっと、慌ててSDに連絡しに行くと思います。其処の見張り 
 トオル 叫ばないでね バレルから。言いたい事、此処に書きなさい)
( 見張り・・い・居やがったのか・・だから 壁に向かって・・単にキモイだけじゃ、無かったんだ・・ )

壁の向こうでは、見張りの部下が、夜勤に見破られている事に相当、動揺していた。
『何故だ・・』そして、壁の向こうから一言だが、初めて声がした。
「SDに本当の幽霊にされたく無くば、今の隊長の言葉だけ、そのまま伝えなさい
SDの本性は、意外と残酷なのを、部下である貴方達が 一番解っている筈でしょうから」
「・・・・・」当たっているのだろう、言葉の代わりに、逃げ出す足音が廊下に、鳴り響いていた。

「何で逃すんだ?」「あの人はきっと、此処の会話を、他経由で伝えるだけの 物でしか無い」
「それに、退屈に付き合ってくれた、お礼って所かしら?」 「腹は立ちますが、幽霊さん さようなら」

筆談を終えた三人の会話を他所に、隊長の眼から少しだけ、覇気が戻っていた。
「やってやる。だがな 依頼の報酬は、馬鹿高いんだぜ。幾等かひろゆき取り戻した後で、じ〜っくり 泡吹かせてやる!」
そして、夜勤と馬並は一時別行動で強羅の山荘を。トオルと隊長は トオルの部屋で、今後の策を練っていた。
711風と木の名無しさん:03/01/01 16:23 ID:Cu1Na7fI
元箱根だ。。。スマンです。夜勤&馬並は、『元箱根を探索』で、お願いします。
712風と木の名無しさん:03/01/01 18:58 ID:dcJk/YaU
「わたし達はもう少し山荘を調べてみます。朝の回診までには戻らないと。」
そんな事を言い残し、馬並と夜勤は馬並の車で元箱根に向かった。

トオルの部屋に戻ってきた隊長は、そのままトオルのPCを駆る。
「やっぱ俺のPCじゃねぇと資料足らんな…。俺んちに移動していいか?」
「ルータ繋いでマイドキュメント、Fドライブ、共有ファイルで開けてみそ。」
「? …ってこれ、俺のPCの中身じゃねぇか。こいついつの間に…。」
「( ̄ー ̄)ニヤソ」
いろいろトオルに言いたい事はあったが、ここはグッとこらえてSDの訴訟関連の資料を探す。
「恐らくだな…控訴審まで進んでるモノは今更手をつけないと思うんだよ。
火消しが絡めば騒ぎが大きくなるからな。野郎はムカツク奴だが馬鹿じゃねえ。
つまり、俺に振られるであろう物件は地裁レベルってとこだろうな。
となると…今んとこ奴が抱えてるのは、俺が掴んでる限りで3件。その内1件が引っかかるな。」
「どう引っかかるんだ?」
「内容は良くある話で、ゼネコンのでかいマンションに対する景観維持条例ぶつけと
日照権で損害賠償請求って奴なんだが、このゼネコン、SDの私設秘書が40%の株主な上に
SDの地元出身の国土交通省OBがやたら天下ってる。まぁ、詳しい事は地裁行ってみないと分からんがな。」
713風と木の名無しさん:03/01/02 01:05 ID:crNzJ7+M
「んっ・・・よせよ・・・」
PCに向かう隊長の後ろから、トオルが隊長の耳を弄り、首筋をさわさわと嬲る。
これが「肉」のお仕置のプロローグだとは、この時点での隊長には知る由もなかった。
714風と木の名無しさん:03/01/02 04:00 ID:XrgThjNC
「やめんかバカチンが!こんな時に良くそういう気分になれるな!ひろゆきがどうなってもいいのかよ!」
「・・・スマソ。」トオルは素直に悪戯を止め、(´・ω・`)ショボ-ンと座った。
彼は現実を和らげたかったのだ。あまりにも辛いから。
そして、独りで立ち向かおうとしている隊長を、支えてあげたかった。
しかし、苛立ちからトオルの真意が見えなくなっている隊長には、
トオルがただ退屈しているだけにしか見えなかった。
再びモニターに向かう隊長を、寂しそうに見つめるトオル。

その頃SDに犯されたひろゆきは、*から血を流しながら、放心状態になって倒れていた。
無意識に、かき消すような声でつぶやく。
「ト・・オル・・たん・・たい・・・ちょ・・う・・・たす・・・・け・・て・・」
ひろゆ子・ひろぽん・ひが、ひろゆきを守るように取り囲んでいた。
715風と木の名無しさん:03/01/02 06:09 ID:13RLY13+
「おいらがここからは、盾になるよ。ひろゆきには、眠って貰う」

― ひろゆき体 借りるね ― ひろぽんとひろゆきが、対峙している。
― 駄目でつ!ひろぽん おいら誰も 傷付けたく無いんでつ!―
― トオルと隊長の願いは 君を守る事 だから 寝ていて お休み ―
― 駄目でつよ!! ひろぽん おいらは、君達本当は嫌いじゃ無いでつ!だから―
― ひろゆき ありがとう ― ひろぽんは、微笑んでいた。そして、
無理矢理ひろゆきを抑え込み、ひろぽんがひろゆきの体を乗っ取った。
ひろゆきの徐々に開かれたその瞳は、艶めかしいあの、ひろぽんのそれだった。

そして、隊長はトオルのしょぼ暮れる様子が背中越しでも流石に気に成り出し チラっと
様子を窺っていた。どん底まで落ち込んでいるみたいで>675を思い出し世話が焼ける・・
と思いつつ慌ててトオルを構い始めた。トオルの言い分はこうだった。

箱根の事や、帰りに泣いた隊長を抱き締めてやれずに居た事、何も手伝えないで居る事が
隊長の支えに成っていないんじゃないかと、これらが原因でちょっかいを掛けたトオル成りの
愛情表現だったらしい事が判り、隊長は、退屈凌ぎで行われた悪戯で無い事を知ると、

落ち込むトオルを抱き締め、箱根でトオルのしてくれた気持ちが本気で嬉しかった事、
自分がずっと傍に居て欲しい。と想う人の名を呼び、隊長はその唇を塞いだ。トオルが居てくれなければ
隊長は救われて居ない。誰でも良い訳では無いのだ。夜勤や馬並は本気で気にしてくれるが、寄掛れる人ではない。
「怒って・・無いのか・・」「怒ってるなら キスし無えだろが!鈍チン!暇なら労り珈琲煎れやがれ」
「後、やらせたく無いが、SDのPC 出来たらハックして。っつたら トオル 駄目ぽかね?」

716風と木の名無しさん:03/01/02 16:25 ID:JhYXPifE
( ̄ー ̄)ニヤソ ・・・ トオルから、不敵な笑みが漏れた。トオルは隊長の言葉を
鵜呑みにした様だ。しかし本当は実行すれば、御法度だ。隊長の件は別として、
トオルが嫌な顔をしないのは、SDがそれ程トオルを怒らせた証拠でも有る。

「あのログの、ひろゆ子のIDなら割れるかも。。。私は何せ フッフッフ・・」
「今で無くて、良いんだって・・怖いよ トオル」
「夜勤があそこで、もしかしたら、何か出すかも知れないだろ。PCとか有れば」
「識別符号さえ解ればククククク 華麗な俺の手捌き見せてやるよ 切込さん」
「期待してますええ だから今は 何か飲み物プリーズな」

犯罪チックな会話が交わされている丁度その頃、夜勤と馬並は
元箱根の山荘へ来ていた。馬並みの御蔭でセキュリティーの類を粗方解除し
二人仲良く?中へ、潜伏している最中だ。中はセキュリティーを過信し過ぎてか
人の居たであろう痕跡が、所々垣間見えていた。
「きっと此処に居たんですよ ひろゆきさん・・・」「何で解るの?人が居た感じはするけどさ」
「PC置き場の傷です。細かいですが、埃とずれて置いて有るのも 最近誰かが動かした証拠」
「遍歴を消していなければ、大体の事、判る筈です 誰が触ったかね 2ちゃならきっとビンゴって訳」
「夜勤ちゃん。。所でアンタ 何で暗視スコープ持ってるの・・・武器オタ?」
「ヌンチャクも ちゃんと、有るんです ホラ 」夜勤は何処か嬉しそうだった。
717風と木の名無しさん:03/01/02 20:02 ID:Kf3dl/7T
隊長と自分の分のコーヒーを入れて戻ってきたトオルは、もう一台の自分の愛機の前に座った。
軽やかな指使いでキーを叩いていく。
やる気は充分だが、ハッキングの難しさを知るトオルだからこそ、言葉は冷静だった。
「でも、あの書き込みのリモホが分かったところで、契約ISPくらいしか分からねえけどな。
そっから先を抜くのはかなりムズいし、かえって遠回りだし、通報されると厄介だし
海外串使われて更に多段なんっつったら時間が幾らあっても足りん・・・。
SDのPCったって何機もあるだろうし、どうせ弄ってるのは部下だろうしなぁ。
奴の公式サイトも借り物か・・・契約も本人名義な訳ねえし、、、どっから攻めるかなぁ。。。」
「奴の後援企業の一つに大手家電の孫会社のシステムサービスがあるんだが、そこはどうだ?」
「システム系の企業でセキュリティ薄くちゃ仕事にならんと思うが。一番キツイだろなぁ・・・やってみるか。」

とりあえず軽いところで・・・と開きポート探りなど始めたトオルだったが、
ふと思いついたように手を止め、隊長に向けて言った。
「よく考えたら俺がオンで無理やり進入しなくても、馬並に物理的に忍び込ませて
PCにトロイ仕掛けさせりゃいいんだよ。そっちの方が楽だし確実だ。」
納得した隊長は、馬並の携帯に電話をかけた。
同時に自分の惚れた相手の、聡明さと頼もしさに改めて嬉しくなった。
718風と木の名無しさん:03/01/02 23:57 ID:10xkDsnk
「うん。わかったわ〜 トロイ の三鼠  仕掛けりゃ いっ・・良いのね・・・大汗」
「トオルも又・・・大層なものを・・・硝子管口径とか、補欠7で良いじゃない・・・」
こんなPC如きで大した情報入っていない筈なのに何故。。。侮れなくも無いかも知れないけど。
頭を抱える夜勤を隣に、馬並はトオルの電話を受けていた。

「幸い セキュ過信し過ぎて回線まだ、繋がってるからOKよ。じゃあ。隊長と宜しく やっててねぇん」
「ふうう〜 ああは言ったケド、コレってもう、犯罪の域よ・・有る意味。良いのかしら?」
「それ以上の事をSDはしてますから、許されるでしょう。でないと、割に合いませんよ トオルと隊長」

電話越しからトオル御指定の 三鼠とは、既存トロイの(改)版 で有る。
詳しく書くときっと、ヤバしいので、それだけ敢えて説明しておく。
因みに夜勤の言っているのは、その手の方面が好きな人間なら、ポピュラーな香具師だ。
ぶつくさ言いながら夜勤が念の為持ち込んだノートPCから、トオル御指定のブツを、
手際よくSDのPCへ、セキュリティーUPデートファイルとして、忍ばせた。
「 破壊 と 破滅 の 申し子 か・・・ 因果 ですね・・・ 」
送信したSDのPCを無機質な瞳で見詰め、夜勤は冷ややかにそう、呟いていた。

電話を切り終わるとトオルの隣で今度は隊長が自分で言っておきながらトオルに
見惚れ、 ぽやぁ〜ん と成っていた。電話の機微とした態度に
自らの思考と相まって、トオルを突然、意識してしまったらしい。。。
719風と木の名無しさん:03/01/03 00:26 ID:yLdc75hZ
補欠7は分かるが硝子管口径が分からん
720風と木の名無しさん:03/01/03 01:04 ID:EaXFpBXv
言って良いのだろうか。720は迷ったがブツは
オリフイス←揶揄が電気化学の電子銃(ノズルの)口穴の事なのだが。。
電子銃にすれば良かったと かな〜り後悔していた。

721風と木の名無しさん:03/01/03 02:33 ID:U2KsXrqf
ただでさえ端整な顔立ちで、あちこちで美形と評判のトオルが真剣に電話している横顔は
隊長やひろゆきでなくとも惚れ込んでしまいそうに凛々しかった。
夜勤と馬並に的確な指示を出しながらも、俺は素人ですよ(素)と謙遜しているトオル。
そんな人と二人きりで居られる幸せを噛み締める隊長。
「ん?どうした?」
自分をぼ〜っとと見つめる隊長に、トオルが不思議そうに声をかける。
「な、何でもねえよ…バカチン…」「変な奴…」
我に返り、慌てて目をそらす隊長。顔が真っ赤だ。
(ヤバイ…こいつこんなにカッコ良かったか?そりゃ顔がいいのは前から知ってたが
こんな凛々しかったか?何か…すげえ顔が熱いぞ俺。どうするよ…)
もう何度も抱かれ、この上なく大切にされているのが分かっている相手なのに、鼓動が速くなる。

「どっか具合悪いのか?熱でもあるのか?顔真っ赤だぞ切込?」
心配したトオルが隊長の額を触ろうと手を伸ばす。
「さ、触るなぁああっ!!」
思わず飛び退る隊長に、もの凄い複雑な顔をするトオル。
「切込…」「頭冷やしてくる!!」
怒鳴るように言うと、隊長はコートを掴んでスゴイ勢いで玄関から出て行った。
あまりの勢いに止める間も無く、訳が分からないままのトオルは、所在なげに立ち尽くしていた。
722風と木の名無しさん:03/01/03 08:18 ID:XVub93IO
勝手に断りも無くPCのデーターを吸い出した事、怒っているのだろうか・・・
熱の有る奴が態々コートを羽織、外で頭を冷やす訳が無い。
隊長が飛び出しても、無茶で飛び出して居ない安心感がトオルの何処かに有り
先程も怒らせたばかりで、隊長が外へ出る要因が、この辺りしか見付からなかったのだ。
自分に見惚れて顔を茹蛸にして恥ずかしがっていた。等トオルは毛ほど思っていない。

俺は・・・俺は怒らせて何やってんだ!と自分を責めつつトオルもコートを羽織、
最近活躍しなかったうまい棒探知機で、隊長の後を追った。

「俺・・俺・・・どうして怒鳴ったんだ?ひろゆきならきっと、トオルた〜ん格好良いでつ〜
とか言って、あいつに抱き付いて頭・・撫でて貰ったり・・そのまま・・・」

今はそんな場合じゃ無ぇのに・・トオルに触れられ掛けて、初めて『恥ずかしい』と思った。
隊長から暖かい涙が頬を伝い、苦しくなる程トオルを好きだと自覚していた。
同時に、甘えられない素直じゃない自分にホトホト嫌気が刺していた。簡単に甘えて
しまうひろゆきを、羨ましく思いそして、嫉妬したり。隊長はトオルに熱い恋慕を抱いたまま
顔を伏せ、ベンチの上で膝を抱え、寒風の吹く凍った空の下、一人で泣いた。

其処へ暫くして、暖かい人の温もりと重みが、隊長の背中を覆った。トオルが見付けたのだ。
鬼さん見〜付けた。と団子になっている隊長をコートで包み込み、もう逃さないと、後ろからトオルが大事に隊長を抱き締めた。
そして、隊長の真意を知ったトオルが直後( ̄ー ̄)ニヤソ となるのはこの後だった。肉のリベンジはまだ終っていない。

切れた空気の澱みは 一切も無い冬の澄んだ天空に、星は眩しく輝いていた。
723風と木の名無しさん:03/01/03 22:17 ID:VDH5O4ie
隊長を家へ連れ帰ったトオルは、玄関先で隊長に後ろから抱き付いていた。
隊長はやはり嫌がってはいたが、先刻の様な嫌がり方ではもう、無かった。
ドアを閉めて直、トオルに隊長のデータを勝手に写した事を、耳元で謝られ
途端、吐息を吹き掛けられ、舌で耳を丁寧に絡め取られているのだ。

「トオル・・・止めろ・・俺・・・・トオル ! んぅ」
情緒不安定でトオルを思い、普段以上に躰が過敏に成っているのだ。
そして廊下の向こうには、等身大を映す鏡が置かれてあり、これも要因していた。
「なら 止めようか」 止めないけどな・・・今日やたら可愛いし。

心で思う通り トオルは隊長の耳朶を甘噛みし隊長の躰の弱点だけを的確に添う、
指先は過剰反応する隊長の躰を煽るだけ煽る。隊長が本当に触れて
欲しいであろう、二つの場所には全く触れず、それらだけを愛撫している。

トオルは、鏡越から瞳を細め、隊長を見詰めていた。答えを待っているのだ。
隊長は羞恥心で顔を紅く染め、困惑しながらも、小さく首を 横へ振った。そして
鏡越しからトオルに徐々に熟れる瞳で、トオルを見返し「意地悪だ」と言った。
小さく震え、持て余した自分の躰を押さえ込むように腕を交差させ、弱点だけの愛撫に
ずっと耐えながらトオルを待ち侘びているその瞳に心が惹かれ、トオルはこういった表情を、
もう少し見たくて、肉事件を引き合いに、隊長を意地悪してみたくなっていた。

「止めて欲しいんじゃ 無かった? なら、お前も落書の事 御免なさいは?」
724風と木の名無しさん:03/01/04 02:44 ID:Zur0OewP
悔しい。ここで素直に謝るのは非常に悔しい。だが、今の自分は身も心もトオルを求めている。
素直になれない自分も嫌だ。悔しさと恥ずかしさを懸命にこらえ、隊長はたどたどしく言葉を繋いだ。
「・・スマン・・悪かった。」
「ちゃんと謝らないと、許してやらない。」
トオルの舌が隊長のうなじを辿る。小さく声を漏らす隊長。
「あぅっ・・・ご・・・ごめ・・ごめん・・・なさい・・。」
何でこんなに惚れちまったんだよ・・・。鏡の向こうのトオルが憎い。
羞恥と、葛藤と、連続で身体を襲う快感から、思わず目を閉じた隊長の耳元に、
トオルの甘いささやきが響いた。
「好きだよ、、、」

強張っていた隊長の身体が、最後の抵抗を解いてトオルの腕の中に崩れ落ちるには
この一言だけで充分だった。
725風と木の名無しさん:03/01/04 08:45 ID:Im9LHwlL
ベットの中のトオルは何時に無く 優しすぎる程、優しく
そして、激しかった。鏡より、VTRの眼差しより、触れて
瞳に映る隊長の仕草や、トオルを見詰める隊長の潤んだ
視線がやはり、一番愛しかった。
会った初めの頃は只ムカツクだけだった筈の眼光を放つその瞳に今は
どれだけ魅入らされ、隊長を離せなくなっているか。出逢った人の中で
一番愛さないだろうと思った人を今は大切に腕に抱き、護りたいと思う程
焦がれながら、隊長を愛している。
想いは何処まで隊長に伝わっているだろう。それを体に託す様、
トオルは大事に隊長を愛し 抱いていた。
726風と木の名無しさん:03/01/04 13:04 ID:QHTezW0W
「あっ・・・はぁ・・・ん、トオルぅ・・・っ」
隊長のあえぎ声には、媚と懇願が強く現れていた。
トオルの愛撫は、隊長が登り詰める寸前で、気をそらすかのように別の箇所に移動し、
隊長になかなか絶頂を与えなかった。
頂上を覗き見てははぐらかされ、じらされ続けていた隊長の体は、火のように熱く、トオルを求めて悶えた。
727風と木の名無しさん:03/01/04 22:17 ID:7WuNo2+A
トオルに言われた訳では無いのに自然と媚態を取り
救いを求める様に隊長は、トオルのうまい棒に手を伸ばしていた。

「良いのか?口で 此処じゃなくて」 *へ指を指し入れる。
トオルの指の動きと同調しながら隊長から霰の無い声が漏れた。
「りょ・・ほ・・・・ぁ・・ぁあ ああ!・・ふぅ・・・ト オル 欲し・・んんぅ」
「俺が そんなに欲しい?」
「お前・・やる事・・んんっ 今・・日 意地・・悪・・だ・・・」

トオルは涙目で、自分を言葉に欲する隊長を、心底可愛いと思っていた。
同時に普段も之だけ素直なら。ふと考えたが、しかし其れを思い直していた。
腕に抱くと 素直だから貴重なんだ。。。だから平気で 俺を好きか?とも聞ける。
照れて、バ カ チ ン の四文字しか隊長の口から普段は出ないので。
指先で頤を捕らえ、熱に浮いた瞳でトオルは、隊長にそれを甘く問い掛けてみた。

「なら、俺の事 好き?」
「う・・・ア・・苦しい・・くら・・好き・・だ・・から・トオル・・も・・・勘弁し・・お前が・・欲しい」
728風と木の名無しさん:03/01/05 18:35 ID:QUU5Zzxq
逆らえなかった。トオルに魅入らされ、その目に縛られながら
隊長はその脚、その躰と言葉で 全てを懇願し、トオルを欲した。
プライドは最早其処にはもう、無かった。

普段なら誘いながらトオルを挑発し、欲しいまま躰の中にトオルを
貪り尽くしていたが、トオルの容姿、仕草を改めて思いやると
それすら出来ずにいる。プライドを ズタズタにされても構わないと思う程
トオルが好きな事を、トオルに抱かれる度、実感する自分が其処に居た。

「トオル・・もう・・嫌だ・・許してく・・たの・・から・・トオル・・いか・・せ!・・んんぅ!!」
「優しくしてた・・つもりだけど・・苛めたな・・御免な」
隊長の涙を唇で拭き、トオルは隊長を甘く見詰めていた。

「俺もお前が 欲しい 意地悪した分 欲しいだけ お前にあげるよ」
隊長の*から指を引き抜くと、トオルも略限界に近いうまい棒を隊長の
*へ押し入れた。お互い我慢の限界を超えていた分、
その快楽の反動は凄まじく、二人の躰は溶け出す程に熱かった。
729風と木の名無しさん:03/01/05 21:13 ID:piePGHt0
「其れは本当かね?切込が条件を・・」
「はい。夜勤を張らせていた者より 連絡事項で只今」

「夜勤・・あの裏切り者か・・運の良い奴だ。あの病院は 私と反対派に有る
者が所有しておるから 張らせるしか下手な手出しが出来なかったが・・
退院すればアレも手懐け、部下に欲しい所だ。マァヴを廃にした程の男 是非 飼って見たい・・・」
消すには惜しい。顔も 綺麗な様だしな。SDが部下の報告書に目を通し、
嫌な微笑を見せていた。只一部間違え、マァヴの事はSDに報告されているらしい。
あそこでマァヴを廃にしたのはCの、最終兵器の様なトオルなのだが。

隊長には翌朝連絡を取る様、指示を出しSDは部下を下がらせた。

「クソジジイ!隊長が折れたって・・・」
SDはあの日以来、片時もひろゆき(ひろぽん)を側から離そうとしない風だった。
犯しはしない代わり、狂った様にひろゆきを手元に置きたがっていた。
「そうだ。やっと、切込君が私の前に跪くんだよ 勿論 トオル君と一緒にだ
そして二人共 トオル君に大層可愛がられているそうだね。大いに楽しみだ」
730風と木の名無しさん:03/01/06 10:02 ID:7pJc7AhI
その頃車で移動した馬並と夜勤は、神奈川県内の隊長が語っていたシステムサービス会社の前に居た。
「本社じゃないけど、ココでいいのかしら?」
「サーバーはここにあるから いいんですよ」
トロイ「三鼠」入りノートPCを背中にくくりつけた馬並が、セコムをものともせずにビルに侵入していく。
まるで馬並がウィルスそのものだよと、見ていた夜勤は思った。

別室に管理者が数人宿直しているようだが、24時間照明が灯る鯖部屋は無人だった。
無機質な機械音だけが響いている。
慎重に監視カメラの死角を辿りながら、メインで管理に使われているらしいPCに辿り付く。
(んも〜こういうのは先に言ってよね。それでCD-ROMくらい用意しといてちょーだいトオルちゃん・・
面倒だったらありゃしないじゃない・・てゆかこれLinuxも対応なのかしら??お願いだから認識してくれよ・・)
机の下から手を伸ばし、器用にPCを立ち上げ、作業を始める馬並。

数十分後、入ったのと全然違うところから帰ってきた馬並の、首尾上場といった笑顔を見て、
やっぱりこいつはウィルスそのものだと、夜勤はあきれながら車のエンジンを入れた。
731風と木の名無しさん:03/01/06 11:49 ID:6h3cjo/D
「切込」
「ん?何」
「俺お前に謝って無い事 もう一つ有る・・」
ベットの中でまどろみながらトオルは>568の事をずっと切り出せずにいた。
「ホテルでお前無理強いした事 申し訳無く思ってる・・でも、本気だったんだ・・」
「・・・・トオル・・良いよ・・もう 確かに半分は嫌だったけど、半分は嫌じゃ
・・無かった・・お前が覚えてないのが・・悔しかったり したから・・」

そしてトオルに こうされたいと 随分前にも、何処かで思ったのも、事実だから。
だからもう良い。。隊長はその時から既にトオルに魅入らされていたのかもしれない
事に気付き、謝るトオルの唇を愛し気に塞いだ。
トオルもそれに答える様に隊長の唇を優しく塞ぎ返していた。
お互いの瞳を見詰め合い、微笑みながら唇は静かに離された。
唇を離すと隊長がトオルの胸板へ顔を埋め、そのまま静かに寝入ってしまった。
732風と木の名無しさん:03/01/06 13:12 ID:TFa2UARC
隊長の寝顔をしばらく愛しげに眺め、自分もウトウトとし出したトオルだったが
机に置いてあった隊長の携帯のLEDが、
メール着信を知らせて光っているのに気が付いた。(馬並かな?終わったか?)
ずっと受け続け、疲れて寝入ったばかりの隊長を起こさぬように、手を伸ばして携帯を見る。
だが画面に浮かび上がった文字列は、馬並からのものでは無かった。
『…先日依頼致しました新規事業の件ですが、詳細なお打ち合わせを致したく、
貴殿のご都合の宜しい時に下記の場所においで下さいませ…』
(SDの部下か…。切込、本当に嫌がってたっけな…つーか、いつでもいいのか?これ)

トオルはしばらく思案した後、やはり隊長を起こさぬように、
静かにベッドを出て、服を着た。
いずれにしても切込はSDと対峙する事になるだろう。
その前に、探りを入れに行っておくのも、悪くないかもしれない。
そんな考えから、呼び出された場所を隊長が寝ている間に、偵察してこようと思ったのだ。
(ちらっと場所だけ見たら、すぐ帰って来るからな)
ぐっすり寝ている隊長の額に、軽くキスをして出かけるトオル。

だが、次の朝、馬並からの電話で隊長が起こされた時、そこにはトオルの姿は無かった。
733風と木の名無しさん:03/01/06 21:11 ID:+6bD1AEj
又。。切込 怒らせちまうだろうな−あいつには 離れるな!なんて。。
言って 泣く・・かな。 俺・・馬鹿 だよな。。。。。

トオルは指定現場の外だけウロチョロしていれば良いものを、序に中へ足を踏み入れ
見付かった勢いで大暴れし、SDの部下に呆気なく捕らえられてしまったので有る。
取り押さえたSDの部下は、トオルの事を訝しんでいた。

『誰だ?報告書に、鉄のドアを拳でぶち壊したなんて嘘を報告したのは!
実の所、夜勤ではないのか!この男弱、すぎる!!こんな使えなそうな
間抜た奴が我が隊の重力戦力になる筈が無い!SD様に報告し直せ!』
この部下はどうもトオル《C》が入れられるらしいSD部隊の上の者の様だった。

「間抜けで悪う御座いました・・私は何せ素人ですから!!ケッ ばーか ばーか!」
こいつ等・・否,SD達は俺が切込が教えてくれたCに成った時を知らねえのか。。
電波対策はうまい棒のみでって、訳か。なら俺がひろぽんが言った最後は
自分で俺をコントロールした、ってのを、とっとと俺がマスターしちまえば。。。操られた振りして
切込助けてやれる?ホテルの時も誰か(きっと、馬並だろうが・・)
念を送ってるの判ったし、あの時は少しだけど、抵抗出来てた筈だ俺! そしてマァヴの
時は二人を命がけで助けたいと思ってた!!イチかバチか やってみるか・・( ̄ー ̄)ニヤソ ・・・ 
ひろゆきも、待ってろな・・俺には生涯掛けて絶対二人を護らなきゃいかん枷が、有るんだ!!

トオルは己に着せた罰を再度思い起こし、一端敵の罠へ、自ら嵌る事を堅く決意した。
734風と木の名無しさん:03/01/07 02:01 ID:LNnqFV8d
トオルが捕まった・・・この情報は速報となってSDに伝えられた。
「驚異的な破壊力は見られなかった・・・か。恐らく破壊力を<使わなかった>の間違いだろう。
何故切込君ではなく、トオル君が来たのか。何か考えがあるのかもしれん。
見たままを報告してくるとは、相変わらず暴力好きの人間は頭が馬鹿で困るな。」
忠実な部下である彼らだったが、SDにとっては弾除けの使い捨てに過ぎなかった。
そしてそういう意味で、破壊工作と頭脳を併せ持つトオルは、SDにとって魅力的人材の一つであった。

「一度話をしてみたい。下に下りる。ゲストを頼むよ。」
そうSDが言うと、連絡にきた取り巻きはひろゆきにクロロホルムをかがせ、例の袋に押し込める。
SDは袋と共に車に乗り、電話の通じるところまで山を降り、車内から電話をかけた。

「SD様からお電話だ。出ろ。」トオルに工作部隊の一人が命令する。
「縛られてて受話器持てないんすけど(汗)」仕方なく耳に受話器を当ててやる男。
「・・始めましてだね、トオル君。噂はかねがね聞いているよ。ご訪問有難う。」
「そりゃどうも。お宅は客の扱いが素晴らしいんで感動しちゃいました、、、ええ。。。」
SDとトオルの舌戦が火蓋を切った。
735風と木の名無しさん:03/01/07 07:30 ID:mATv/WfE
「お茶も出さなかったのか。申し訳無いね。」
「いえいえー。気使わなくていいっすよー。毒でも入ってたらたまりませんから(笑)」
「君もキツイな(ワラ ところで今日は何故来たのかね?切込君に連絡した筈なんだが。」
「奴はちょっと体調が悪くて。俺は代わりです。」
「そうか。だが切込君への依頼は直でやりたいのだがね。」
「俺は信頼に値しませんか。よくそんな人間を自分の会社に転職させようとしましたねえ。。。」
「君が信頼できない訳じゃないよ。私は切込君に発注したいだけなんだよ。」
「ですから俺は代理人だと言ってる筈ですが。」
「君には別の仕事をお願いしたいんだがね。」
「何だか分かりませんが、どうせろくでもないだろうから、先にお断りしときます。」
「代理人しかやらんと言う訳か。」
「俺、切込専属なんすよ(素)」
「もったいないね。トオル君ならもっと社会の役に立つ仕事もできるだろうに。」
「貴方の役に立つの間違いじゃないんすか?つーか、どっちにしろ社会の役に立つつもりも無いんで。」
「君はもう少し頭のいい人間だと思っていたんだが。」
「今頃気が付いたんですか?話にならない馬鹿@トオルって、有名っすよ。」
「そうか・・・もう少し、うちでゆっくりしていきたまえ。それでじっくり考えるといいだろう。
切込君には別途連絡させてもらおう。代理人を信頼しない訳じゃないんだがね。では。」

SDはトオルの更なる反論を許さず電話を切った。
ちょっと言い過ぎたかなぁ(汗)と、内心冷や汗もののトオルだったが、
このままひろゆきが捕まっているところに、連れて行かれれば・・・とも考えていた。
736風と木の名無しさん:03/01/07 09:16 ID:kjgDkod0
誰かの両手が隊長の首筋に触れ 指をゆっくり食い込ませ 隊長の首を締めている
その細く白い首を締める当人の頬からは涙が伝っていた。隊長はされるまま微笑んでいた。
そして最後に「愛してる」とも告げ。。。
「・・オル・・」

♪pirurururu  pirurururu ♪ 

んっぁぁ・んっ?んあ?夢・・苦しく無かったぞ・・しかし嫌な あれ?電話。。。。!!
「もしもし!・・・ナンダ馬並か・・終った?手間掛けさせたな」
「隊長 朝から気怠そうね。未だ寝呆けてらっしゃる? SDだと思ったんでしょう?」
「旦那に終った事伝えて下さるかしら?起きていたら 夜勤ちゃんが話がしたいって」
「だ・・旦那!!トオルは・・・・?便所にでも 行ったか?」

「トオルちゃん居ないのかしら?隊長呼びまくってるわよ ホラ」
トオルに嫌味を垂れたい様子の夜勤が携帯の向こうの様子を察し、「あの直情馬鹿!!」
本当に無鉄砲なのはどちらかイザ!となると何を仕出かすか解らないのは
隊長ではなく、長年悪友だったトオルである事を夜勤は思い出していた。
そして、トオルが失踪した事に気が付き、呆然と電話越しで隊長は、混乱した様子を見せていた。
「隊長!今から其方へ向かいます!貴方にまで無茶されたら 何もかも無駄になる。
お願いだから其処の部屋で、じっとしていて下さい。行きますから!!」
朝の検査も聴診器で診るだけになっているので病院より、トオルの部屋へ車を飛ばす夜勤だった。

737風と木の名無しさん:03/01/07 10:57 ID:kjgDkod0
「行きますからって、良いの病院」
「どちらにしろ、退院伸ばしたいだけの様ですから病院は」
「おまけに個室だしね。。夜勤ちゃん」
病院より、隊長が夜勤はとても心配だった。
「傍に弐編君が居らっしゃれば、まだ気も持つかも知れませんが
今の隊長が孤独を全て背負えると思えないんです。それにね」
誰かが居てくれると、案外救われるんですよ。夜勤が馬並へ初めて微笑み掛けていた。

一方隊長は、トオルと居たこの部屋で服も着ないで床へ へたり込み、
トオルの残像を部屋に映し出していた。初めに隊長を放って置けないと言って
ここへ連れて来てくれた時のトオルの表情。自分の部屋で「肉」と書いた時の
トオルの寝顔や馬鹿騒ぎした時の事、そしてトオルが自分を抱く時だけに見せる
逆らえない程 甘い瞳・・・
「トオル。。。の馬鹿チン・・帰って・・来やがれ・・俺 何処にも行け無ぇ・・」
居場所を急に無くした様に、それでもトオルの部屋から動くのは嫌で隊長は
夜勤に言われたから動けずに居るのでは無く、トオルを想い泣いて部屋に佇んで居た。
738風と木の名無しさん:03/01/08 06:21 ID:RCEOEOIv
トオルのマンションに夜勤と馬並が駆けつけた時、隊長はまだトランクス一枚だけの姿だった。
夜勤は黙って傍にあった服を隊長の肩にかけ、
馬並も黙って台所に行くと、暖かいコーヒーを入れて隊長に手渡した。
人の存在はこれほどありがたいものなんだと、隊長は改めて思った。

しばらく経ち落ち着いた隊長は、夜勤に自分の携帯を差し出した。
SDの部下からのメールを見た夜勤が言う。
「…ここに行ったのは確かでしょうね そして何かがあった…
何故一人で しかも黙って先に行ったんでしょう? 
隊長さんを呼び出してるのに…心当り あります?」
「いや…分からねえ。考えられるのは、俺を行かせるとややこしい事になると思ったのかもな」
「トオル一人で もっとややこしい事になってるし ホント、馬鹿ですね…」
「……馬鹿って言うな!」
「…あら、ごめんなさい (こわいこわい)」

SD側から次の連絡が無い以上、今こちらができるのはその場所に行ってみる事しか無いだろう。
夜勤の提案で3人は馬並の車に乗り込んだ。
そして指定場所の傍に、停められているトオルの四駆を見つけた。
739風と木の名無しさん:03/01/08 07:34 ID:E+WgbexQ
「トオル!」
隊長が駆出し、トオルの愛車へ擦り寄り、縋る様に隊長が抱き着いていた。
それは傍で見ていて、可哀想な位、悲しい光景だった。
「隊長・・・」
「何も知りませんって顔して、人を泣かせる愛し方しか知らない
本当にアイツは・・・馬鹿なんだから・・ひろゆきさんの時も隊長の事も・・全く」
トオルが居れば、説教垂れたそうな夜勤だったが、
隊長には聞えて居ないながらトオルの愚痴を言うのを止めた。「馬鹿って言うな!」
と反論して来た、隊長の表情が刺さったのだ。車にへ張り付く隊長を宥めすかし、
トオルが捕まったで有ろうビルの中へ、慎重に突入するも結局、中は蛻の殻だった。
そして、手に負えない程泣き崩れるのかと心配していた隊長は二人の予想に反した
態度を取っていた。肩を戦慄かせ、眼光を鋭くさせ、壊れそうに弱い言葉を先程まで
発していたその口から吐いて出たモノは。
「あの!ク ソ ガ キ がぁ 勝手な事ばっかしやがって!!逢ったら必ず 殴り倒してやる!!」
「夜勤 馬並!テメーら絶対これ以上 ドジ踏むんじゃ無ぇぞ!!踏んでも
 一人じゃ、見てやれん!!トオルとひろゆきだけで勘弁しやがれ!!クソ!!」
「はっ!!はい!!」隊長の凄まじい覇気に気押され、固まりながら声を上擦らせ
只、返事をする事しか出来無い、夜勤と馬並がそこに居た。
740風と木の名無しさん:03/01/08 11:55 ID:0LVnBfuV
隊長にクソガキと罵倒されていたトオルは今、体を拘束されたまま
車に乗せられ高速で移動し、元箱根のあの、山荘へ拉致されていた。
其処には夜勤と馬並が見逃していた、隠し部屋が有りその部屋は
とある水族館で実際使用されている、分厚く頑丈なアクリル張りの部屋だった。
このアクリルは、何百トン以上の水量が入れられても水圧で決して割れることの無い
ある程度の地震にも堪えうる事の出来る、画期的な優れものなのだが、そのアクリル
越しの向こうからは、SDでは無くSDの傍に居た取り巻きが、トオルの様子を伺っていた。

俺は水族館の甚平鮫じゃねえぞ!!ったく。。何なんだ。。たかがこんな部屋如きで馬鹿みたいな
分厚い硝子、張りやがって。防弾硝子じゃいかんのかよ。。腐った金持ちのやる事は基地外か?
切込み見習えってんだ!!吉野家と缶紅茶(レモン)で嬉しそうにしてんだぞ!!誰がこんな所に戦車持ち込むってんだ?
トオルの見た目には、戦車かバズ−カでもぶち込まない限り、崩せない壁の様に見えていた。

「そろそろ自力で縄を解いてはどうだ?君は諸共、そのアクリルをも壊せる筈だ」
壁の何処からか、スピ−カ−越しで声が聞こえた。しかも無茶苦茶な事をトオルにリクエストしている。
「大汗・・・馬鹿でつか?解ける訳無ぇだろ!俺は忍でも削除忍だってーんだ!!」
「君が動かない限り、其処から出られないと思い給え。後は部下が君の世話をする」
スピーカーから声が途絶え、トオルは大汗で慌てている。「ちょっと待!!!」
おいおい。。マジかよ。。。水族館仕様ぶっ壊せとか、無茶だぜ。。どうしよう。。



741風と木の名無しさん:03/01/08 16:58 ID:1p6bPVuG
どうしよう。。。と困惑するトオルの背後から、聞き慣れない音がし始める。
この上なく嫌な予感がしたトオルは、振り向かないままに音の正体を考える。
(えーっと、ここって元箱根だよな、、、元箱根と言えば、芦ノ湖だよな、、、
芦ノ湖と言えば湖だ、、、湖と言えばすげえ量の水だよな、、、
そしてここは水族館仕様になってるんだな。。。うえええええ・・・)
恐る恐る振り返ったトオルが見たものは、彼が「これだけは絶対嫌だ」と考えていた、正に予想通りの光景であった。
「あ、アホかぁああああああああ!!!!殺す気かぁあああああああああっ!!!!!!」

その頃、SDとトオルと、もうどっちに対して怒ってるんだか分からないくらい怒り狂い
手当たり次第にSD関連の場所を爆撃しそうになっていた隊長を
何とかなだめすかした馬並と夜勤は、トオルの行き先について思案していた。
「でも隠れ家なんて、幾らでも持ってるんでしょ?検討つかないワ・・」
「恐らく、ひろゆきさんとトオルを合流させる事はないかと。SDは用心深い男です。だから・・」
そこまで言った夜勤は、いきなり胸倉を掴まれた。
鬼気迫る顔で隊長が夜勤に迫る。
「・・吐け、夜勤。この期に及んでまだ黙秘を続けると、てめぇも滅ぼすぞ。立てねえぐらいにな!」
(怖い、怖すぎ隊長・・((((゚Д゚))))ガクガクブルブル・・)
「・・予想 あくまでも、予想。馬並の言う通り、ホントにたくさん行き先あるんですってば」
「い い か ら 吐 け。洗 い ざ ら い 吐 け。」
「多分、考えられるのは こないだの箱根の3件と房総に1件、あと日光に1件・・
都内からすぐ移動できるのは この辺だけ・・だけど こういうのは 隊長さんの方が
把握してるんじゃないかと思うけど・・って痛たたたたた!!」
本当にそれだけなんだな!隊長は夜勤をねじ上げながら叫んだ。
742風と木の名無しさん:03/01/08 21:34 ID:puqmrPX7
「安心しろ、決して殺しはしない。其でも貴様は SD様のゲストだからな」
今度はスピーカから 一度聴いた声が聞えていた。

「テメーは!!ビルに居た 俺様を間抜け呼ばわりしてた香具師か!!」
「ほう、耳は良いのだな 間抜けだけかと 思っていたが」
水音と、水位を気にしつつ、隊長と対を張る程の眼光で、スピーカーを
睨みつけているトオル。トオルに構う様子も無く、事務的にあの時の工作員が、
トオルの置かれた『これから起きる事』の状況内容をマイクで淡淡と、説明していた。

「水位は凡そ2時間単位で約14.5CM程上がって行く。水を吸った縄はそう簡単には解けない」
「そして、水位の停止位置は、貴様の丁度、顎辺りだ。之を貴様が回避出来れば このゲームは終了だ」
「ゲ−ムって!!人を何だと思っていやがる!!しかも 貴様 なんて、ゲストに対して吐く言葉かよ!!」
「要は、貴様が先程の方の条件をクリアー出来すれば 其処から、解放されるのだ。まあ期待は しないがな」

トオルが一方的なゲームとやらに巻き込まれている その頃。リベンジを掛け、我武者羅に
箱根の三軒を目指し、合鍵で 隊長がトオルの車を爆走させていた。
「た た 隊長 〜 〜う わ わ ! ! 駄目なんです〜 絶叫マシーン 止めて〜〜」
「キ ャ ア ア ア!〜〜 ウゴ! 痛ってぇ〜〜〜隊長 痛いってばぁ」
「煩っせ! バカチン ちゃんと 乗ってろ!ドアなんて 外れや しねえやな!!」
「黄色暴走!!赤勝負!!知ら無えのかよ!!行っくぞ〜〜うぁら〜〜〜〜!!」
F1の『TURUTH』をバックに、隊長が箱根へ着くまで、その狂気のエンジン音は、決して止む事は無かった。
743風と木の名無しさん:03/01/08 22:44 ID:zEIzurQh
激走、爆ー走、チーム2ちゃんねる〜♪
激走、爆ー走、チーム2ちゃんねる〜♪
激走、爆ー走、チーム2ちゃんねる〜♪
激走、爆ー走、チーム2ちゃんねる〜♪



744風と木の名無しさん:03/01/09 02:15 ID:wTl2zIwZ
「ちょっと切込ちゃん!!箱根行って居なかったらどうするのヨー!!!」
「箱根に居なきゃ房総を見に行くまでだ!ダメなら日光!」
「全部回るつもり??!!無茶よ!!その間に移動されたらどーーすんのヨー!」
「まわったとこ片っ端から火つけてやらぁ!そうすりゃ隠れ家の数減るべ?」
「それって犯罪だってば!!」
「もし捕まってたら 最初にトオルが焼け死ぬと思うけど・・・。」
この夜勤のつぶやきで、隊長は一気にブレーキをかけ車を止めた。
シートベルトが胸に食い込み、悲鳴を上げる馬並と夜勤。

「ああぁん?!今トオルが死ぬとか言ったな夜勤さんよ・・・。」
「言葉のアヤですってば・・・落ち着いて(汗 ホント、とにかく落ち着いてってば(汗」
「アンタはいつもそうやって、てめぇだけが知ってる風のしゃあしゃあとした顔でいやがるけどな、
俺が落ち着いたらトオルが帰ってくるんですか?ひろゆきはどうなんですか?」
「でも、ワタシに絡んでも、帰ってこないと思うけど・・・。」
「アンタホントにひろゆきとトオル、助ける気あんのかよ?!ちょこちょこ小出しにしやがって!!」
「精一杯、協力してるつもりですよ。でもできないコトもあるし、何もかも知ってる訳じゃないってだけです。」
こんなところで激しく仲間割れを始める隊長と夜勤、それをハラハラと見ているしかない馬並。
745風と木の名無しさん:03/01/09 09:03 ID:863JMfKy
夜勤の言い分は最もで、馬並も盗撮さへ除けば、
今まで礼を言い尽くせない位 自分達の為に動いてくれている。今日も
心配して、病院を抜け出し二人とも部屋へ駆け付けてくれた。そして、現在も。
まだ退院も禄にしていない夜勤を、爆走車に乗せて、撒くし立てた。。。

夜勤がトオルを、馬鹿だとか、死ぬ!・・とか・・・言うから・・居れば確かに
そうだし、悪友だから、馬鹿だと言っても可笑しくは無い筈なんだ。。だけど
トオルと急に離された分、悪口言われるのは、我儘だろうけど、許せないんだ・・
挙句、トオルが嫌がってた表情で俺も、ブチ切れてるし・・・俺 何をやって。。

車を一端止めた事で隊長は、幾分か冷静さを取り戻し、夜勤へ仲間割れ
した事を素直に謝っていた。驚いたのは 夜勤と馬並で、夜勤も穏やかに隊長へ侘びていた。

「大人気 無かったです 私の方こそ、トオルの事言い過ぎました 隊長 御免なさい」
「そうよ、仲間割れしてる場合じゃ無いわよ 其れこそ SDの思う壺じゃない 喧嘩は無し」
「だな・・・」「御尤もです・・」 車内で友情握手が交わされ、馬並はホッと笑顔で息を吐いていた。
「隊長けれど、何故 箱根に矛が向いているんですか?日光 房総 箱根へ
下った方が、ルート的にも楽かも知れないんですが。怒らないで下さいね 意見ですから」
「もう、怒んねえよ・・怒っても 泣いても あいつ等 帰らないし・・只居る様な
気がするだけ・・俺らはあそこで 嫌な煮え湯飲まされて帰って来たから 先に確かめたいんだ」
746風と木の名無しさん:03/01/09 11:11 ID:HFhkkhHh
トオルは座った状態で、足と腕を椅子に縛り付けられていた。すでに膝までぬれている。
必死でもがき、拘束を解こうと努力するものの、縄は虚しく手首に食い込んでいくばかりだった。
(やべー!超やべー!冗談じゃねえぞ俺は引田天功かよ。。。
殺さないとか言ってるけど、死んでもしょうがねえとも思ってるだろなー。
このまま死んでも芦ノ湖に投げとけば検死したってただの溺死だもんなー。ちきしょー!)

その頃、SDからトオルの監視役に電話が入っていた。
「どうかね?彼は」「今のところ変わった様子はありません」
「そうか。瀕死の状態にならんと、発動せんのかもしれんな。死なない程度にと言ったが
死ぬ直前に、に変更しておこう。駄目なら駄目だったで、残念だが仕方ない」「了解いたしました」
人の予感は当たって欲しくない時ほど良く当たる・・・。

真冬の湖の水はすでに足の感覚を奪うほど冷たい。水死する前に凍死しそうだ。
何もできない自分にほとほと嫌気が差し、情けなさに涙がにじんでくる。
(俺、自分が一番嫌いだし、どうせドキュソだし、死ぬのはどうでもいいんだ、、、
でも、守ってやれなかったな、あいつら・・・。スマソ、ホント、ごめん。。。)
747風と木の名無しさん:03/01/09 13:19 ID:f8S0ed7S
「SD様、宜しいので?御言葉ですが、仮に彼に、力が無いにせよ、PCを操る能力は
 彼には正直、我々のどれも及びません・・ですから 死なせるのは 如何かと」
「其れ程 なのかね・・」
部下がSDへ、トオルの2ちゃでの削除人としてのスキル表等を見せていた。
「これらは相当の知識 ,技量を要するのだとか。彼はこれらを略、御一人でこなされて おられます」
「これらを何故 早く出さん!馬鹿者!!うう〜む」
SDに個々は忠義有れど、SDと部下内は今一、連携は取れて居ない様だ。

隣でひろゆき(ひろぽん)がトオルの事を察知し、青褪めている。
ひろゆきを戻せば念を送れるが、又SDにひろゆきは強姦されるだろう。
ひろゆきを押さえ込むのに、他が頑張っているので、トオルには今、アクセス出来ない。。。
実は トオルへホイホイ、念を送っていた訳では無いのだ。其れを出来ない今
SDが、トオルのPCのスキルを買い、死んでも仕方無いを、『やはり死んで貰っては困る』
に思考を変換させる、必要が有った。SDは、ひろゆきのPCスキルは目の前で見ている。ならば。。

「ジジイ・・トオルたん舐めないで、PCを操るテクは おいらなんか足元にも 及ばないでつから!
後トオルたんやおいらに 何 か 有れば 隊長は 絶対 動かないのも 忘れないで下さいでつ・・」

嘘を吐けないひろゆきが 真剣に言ったので、SDはふと、考え直した。助けてくれと懇願しないのも
SDは気に入った様で、「君が足元に及ばない・・ほう」指で合図を出し、密かに何かを告げた。
『彼が気絶した時点で終了させる様 変更させ給へ 切込君が動かないのは 大いに困る!アレを死なせるな!』

芸が身を助けたのだ。トオルは、自分の特技が、命を救っている事を、未だ知らない。縄抜けは関節外しの現在は略途絶えた
実際の実技だが、それを知る由も無いトオルが無駄に動いた腕からは、徐々に縄が喰い込、擦れて血が 薄く滲み出していた。
748風と木の名無しさん:03/01/09 14:30 ID:SCuc5CqJ
そして、隊長達は門前払いされた、夜勤達が入った元箱根山荘付近へ着いていた。
強羅御殿場を飛ばしたのは、それ以前に隊長が元箱根に胸騒ぎがして仕方無かったのだ。

時間はもう、昼を回り、相変わらず瞳に映る芦ノ湖は機嫌が良かった。
「芦ノ湖 綺麗よね〜」
SDの関係者が居ると不味いので、一端湖周辺に車を停め 後は徒歩で
山荘を目指す事に成ったのだ。
「今湖がどうとか・・・」トオルと来た時も、見る余裕は無かったが、確かに

芦ノ湖は馬並の言葉に叶っていた。 こういうの。。トオルとちゃんと、見たかったな。
SDの事が無きゃ、此処あいつのプレゼント だったんだよな・・見るのは辛かったが
足で歩くと見惚れてしまう。振り切る様に隊長が動こうとした時、夜勤が妙な事に気が
付いていた。先程から一点を腕組で見詰めたまま眉間を寄せている。

「どうしたよ・・夜勤 人面魚かアッシーでも居たか?」 黙って一点を、夜勤が指した。
「隊長、彼其処の 渦・・変じゃないですか・・・?湖で 渦なんて 出来ますかね?山荘も・・近い」
「波の影響じゃない・・って 今 風・・無いわね・・・鳴門じゃないしね、此処しかし、大きな渦ね 一つだけ」
「眠いのかよ?芦ノ湖だぜ・・此処は・・・突き落としてやろうか?馬並 目が 醒めるぞ・・・しかし、何だ有りゃ?」
749風と木の名無しさん:03/01/09 23:55 ID:H7KQZZYY
どうせ死ぬなら、も一度 腕に
切込 抱きたかったな・・・ひろゆきにも キス・・したかった・・・
寒いし・・辛いし・・もう・・死にたい・・・

トオルは自殺の三原則を唱え始めていた。
所謂 寒い ひもじい 独りは辛いよ もう死にたい。の縁起でも無い例のアレだ。
二時間事に増える水位は膝まで来ていて、座高を、単純計算したとしても
10時間でタイムリミットだろう。内の4時間はとうに過ぎていた。6時間も このまま

なら、一掃  真水に浸った手も感覚は もう無く、頬を伝う
嫌った筈の、自分の涙だけが、とても暖かかった。
隊長やひろゆきの居る 暖かい場所 馬鹿チンでも良いから・・

『こんな男で 御免・・俺・・強くなんか 無ぇよ・・』 

あいつの 声 もう一度、聴きたい・・
目の奥に、腰に手を当て、踏ん反り返る隊長の残像を映し、
ひろゆきの優しい笑顔を思いながら トオルはその涙を、流し続けていた。
750風と木の名無しさん:03/01/10 01:25 ID:f9ck7uxd
「アタシ見たことあんのよねー、こんな光景」
芦ノ湖に描かれた謎の渦を見つめたまま、馬並が首を捻る。
「どこでだったっけ?よく見るのよ…」
「よく?そ、そうか…?」
馬並の言葉に、隊長も記憶の片隅を引っ繰り返してはみるものの…心当たりはない。
夜勤はさっきから押し黙ったまま、やはり何事か思案しているようだった。
「…ここでこうしていても何も進まん。行こう、」
隊長は芦ノ湖に背を向け、夜勤もそれに続いた。
と、
「……あっ!わかったわ!トイレよ!!」
751風と木の名無しさん:03/01/10 01:48 ID:ELJO48gv
(はあぁぁあ?なんじゃあそりゃあーーー!!)
大声でツッコミ入れたいところをグッと堪えた隊長は、
しかし容赦無く馬並の後頭部をタコ殴りにしてやった。
(いっ…たぁ!何すんのよぉ!)
(うるへーこの馬鹿チンが!どぉーこがトイレだよ!)
(トイレが嫌なら洗面台のボウルでもいいわよっ!)
突如、隣で始まった凄まじいバトルを尻目に、夜勤が呟く。
「トイレ…洗面台…そうか、そうですよ隊長!風や潮流の渦なら、普通は洗濯機のように見えるはず、」
再度、夜勤は芦ノ湖の渦を睨み付ける。
「でもあれは…違う、違う…」
752風と木の名無しさん:03/01/10 02:40 ID:nOHrjEYF
「・・どこかに、水を取り入れている 吸引でできる渦・・・」「取り入れてる?何に使うのヨ?そんな水」
「魚の養殖でもやってるのか?それとも冷却用とか」
「この当たりには養殖場も工場も大規模農場もありません。どこに引いてるんでしょう?」
不審な思いは抱きつつも、まさか家の中に巨大水槽が作られているとは
普通の人間にはとても思いつくような事では無い。
>>740のトオルではないが、正に腐った金持ちのやる事は基地外じみているのだ。

10分強の山道を終え、件の山荘が見えてきた頃、3人の耳に妙な音が聞こえてきた。
それは確かに山荘の敷地内から聞こえ、中で何かが行われている事を示していた。
いきり立つ隊長を制止しながら夜勤が言う。
「無理はしないで、決して欲張らないでくださいね。SDや部下に逃げられても、トオルさんさえ助けられれば
それで充分な成果です。今完全にSDを怒らせると、今度はひろゆきさんが危ないです」
「分かった。」「あのね、あのモーターみたいなうるさいの、止めてみたらどうカシラ?
そしたらアタシ達が中に入らなくても、相手が出てくると思うんだケド」
馬並は敷地内にある巨大なモノを指差した。それは吸水ポンプだった。
753風と木の名無しさん:03/01/10 03:57 ID:8eiTjibW
「便所の水とかに使ってんのか?」「便所や風呂 タダで沸かすの?セッコ〜イ」
「なら、アレだ 魚飼ってんだよ。水族館がするだろ、海の水汲み上げるの。
 だから、どこかに水槽とか有るんだ きっと。贅沢だよな 淀屋染みてて趣味悪ぅ〜」
「淀屋って、元禄時代だかで、商人の身でビードロ天井&家中にビードロ床
張って 金魚と鯉飼って、御上に打ち首にされた人ね?淀屋橋は残ってたよね」
「ああ、屋敷は跡地だけな、石碑残ってたよ。箱根の向こうだから 詳しく知らんが」
「その贅沢なお魚。シーラとか ワシントン条約の巨大白アロワナだったり〜」

夜勤が、水槽と『贅沢なお魚』に反応している。中に入り事実を知るまで
三人は、贅沢なお魚が、実はトオルだ。という事を、全く気付いていなかった。

「でも、夜勤ちゃん私達PCで手一杯で判らなかったけど、そんな部屋有った?」
「きっと、有るんです〜お魚さん待っててね。出してあげるから〜」
「何に入れて持って・・帰るつもりかい?」駄目だ・・夜勤、壊れた・・目が逝っちまってる。
「もう!夜勤ちゃん・・やるわよ!!魚なんかで ドジ 踏まないでよ!」
「判ってます!其れと之は別ですから やりますか・・隊長は 見張っていて下さい」
馬並と夜勤が持ち寄った 破壊工作道具一式で、ポンプを止めに掛かる作業は始まった。
754風と木の名無しさん:03/01/10 05:29 ID:gsLKgH9N
水は既に腰を埋めるまで到達していた。少し前までは寒さで身体が震えていたが、
既にそれも収まり、下半身で冷やされた血液が全身を覆い、著しく体温が落ち始めていた。
トオルはじっと目を閉じていた。もう動けなかった。
少しずつ、少しずつ、思考が止まっていくのが、自分でも分かる。
(・・・静かになったな。俺、死んだのかな・・・何も分からねえや。でも・・・もう・・・いい・・・)
トオルがついに意識を手放した時、水が、止まった。

「どういう事だ?!」トオルを見張っていたSDの部下が、慌てて別の部下に指示をする。
数人の男が裏口から駆け出し、吸水ポンプに向けて走っていく。
「来たぞ!」見張っていた隊長が小さく叫んだ。
「ここはアタシに任せて!切込ちゃんと夜勤ちゃんは中へ!」
馬並は持っていたスパナを握り締めて立ち上がる。侵入を試みる隊長と夜勤。
戦闘モードになった馬並からはいつもの電波が発信されたのだが、
残念な事に衰弱し気絶したトオルには、それは届かないようであった・・・。
755風と木の名無しさん:03/01/10 09:14 ID:IDR+us7s
届かない代わりに、トオルが、意識を放す直前の混沌と
現実かの境界で、BとCの最近まで知らなかた自分と対峙していた。
そして、トオルは罵倒出来る全ての言葉でこの自分達を罵っていた。

「お前ら何なんだよ!!俺は俺だけで十分なんだ!!
テーメらの性で俺は!!狙われるし、特にひろゆきと切込犯しやがった方
どっちだ!!絶対許さない!!俺はあんな事望んじゃいなかったんだ!!」

B「ほーっ 御大様はそういう事仰る訳だ。本当に」C「話に成らねえ馬鹿だぜ」
二人は心の中では話せる様で、しかもトオル譲りに口も性格も略、似ていた。

B「俺だけで十分と仰いましたが、誰だよ?死にてえとか抜かしたの」
C「此処へ来る前に、俺達押さえ込むんじゃ無かったのか?早くやれよ。出来ない癖に」
困惑するトオルを無視し、Bのトオルが自分達の存在理由をトオルへ浴びせた。
B「俺達何なんだ?決まってる。テメーの欲望がそのまま電波借りて表に生まれたのが俺らさ」
「Cは判る気もするが、Bのなんて、俺は望んじゃ居ねえぞ!!ふざけんな!!」
756風と木の名無しさん:03/01/10 10:14 ID:G5FvaztQ
「・・思っただろ?二人を抱く前は お前ずっと、ひろゆき自分のモノにしてえ とか、
切込に, 抱いてプライド、ズタズタな表情させたい。ひろゆきには見せない顔させたい って
あの澄ました顔 快楽の餌食にしたい。ってな。望んだじゃないか。テメーで忘れてやがんのか?」

「・・・・あれは・・」 確かに>183に思った・・けど・・あれは 愛情とかそういうの未だ、切込には無かったから・・
「認めてるじゃ無ぇか・・御大さんよ。だがな、ひろゆきの想いが強かったからアレだけど、切込にも有ったんだぜ」
「えっ?何だよ ソレ?」
B「うまい棒が向いただろ?アレは俺が 司ってんの」 
C「護りたいとか、護衛する方のは当然、俺さね」

BC「だから、御大が しっかりしなきゃ、俺らは暴走するんだ・・俺らも ちゃんと、二人を愛してる
  御大のテメーがちゃんと受け入れなきゃ、俺らは唯の狂気なだけだからな・・
  御大が消えれば俺らは消滅して、テメーも二人を抱き締めてやる事すら・・二度と出来ないんだぞ!
  甘ったれて簡単に諦めんなよ!想いが強ければ 俺らに勝てるぜ」
 
 『自分の涙は暖かかっただろ?』頼むよ。。。世話の焼ける 御大のトオルさん(苦笑)じゃあな・・・( ̄ー ̄)ニヤソ

気紛れだったのか、二人は あの不敵な笑みで消え、現実のトオルは椅子に縛られ、縄が喰い込んだ腕からは鮮血を流し、
腰まで服はずぶ濡れで、部下の連携と、連絡の悪さで、隊長達がトオルを見付けるまで、彼は其処へ気絶したままだった。
757風と木の名無しさん:03/01/10 14:57 ID:ss/GTSea
庭に面した窓から無人のリビングに侵入した隊長と夜勤は、どちらに進もうか思案していた。
「ワタシ達、夕べ来た時に全ての部屋を見た筈だけど 大量の水が必要そうな部屋なんて無かった。
物理的にも大量の水を上層階に汲み上げるのは非効率ですし、恐らく、地下に何かあるかと」
「入り口は分かるか?」
「分からない…どこかに 隠し通路があると思うんですけど」
夜勤が必死に間取りを思い出している間にも、裏庭から悲鳴が聞こえてくる。馬並が頑張っているようだ。
「よし、ポンプに近いところから調べよう。裏だな。」
まだSDの取り巻きが家内に居る危険を省みず、暗闇の廊下をそろそろと進む2人。
キッチン、ダイニング、応接間と順に調べ、豪勢な正面玄関の横の、グランドピアノを置いた部屋に入る。
どうせ一度も使ってねえんだろな、と一瞥をくれた隊長がふと横を見て、楽譜の並んだ本棚の位置が
絨毯の色あせと合っていない事に気が付いた。本棚に歩み寄る隊長。
後に夜勤が続こうとしたその時、部屋のドアが大きく開かれ、いきなり照明がついた。
「誰だ!!!」「行って下さい!隊長さん!ここは私に任せて!早く!!!」
流れ込む取り巻き達。立ちふさがる夜勤。細身の隊長が全身全霊をかけて、巨大な本棚にぶつかる。
「どけっ!!この野郎っっ!!!」
758風と木の名無しさん:03/01/10 16:01 ID:X4tqnYja
隊長が、全身全霊を込めたタックルを何度か、巨大本棚へぶつけて居る内に
本棚が隊長が入り込める程の隙間が開いていた。屋敷自体は強羅や御殿場の方が
広かったので、大人数は外も部屋も、居ないだろうが・・「夜勤!!」
「行きなさい!!気が散る!!これ位の人数なら大丈夫。一人でいけますから」
この先に何が在るのか そして、何が居るのかも解らないが、隊長は開いた道を進むしか無かった。

「行って来る!夜勤、今回はくたばんじゃ無ぇぞ!!面倒見ないからな!!捨て置くぞ」
意を決したのか、隊長は中へ突き進んでいった。夜勤の背後から隊長の罵声のエールが、段々小さく鳴って行く。
「貴方たち、之で全員でしょうか?」
「だとすれば何だ?お前・・夜勤か?」こいつは、トオルにマイクで話していた奴だ。
「貴方とお会いした事なんて無いんですが?始めまして。私が夜勤ですクスクスクス」
「舐めているのか!!こいつは私が相手をする!他は奴を追え!」
「冗談でしょ?貴方だけじゃトレーニングにも成らないじゃないですか
 全員 御相手させて頂きますよ 其方から 御遠慮無く どうぞ」

微笑む夜勤の間合いは 既に隙が一切無く、仕掛けられても下手に動けず、
場に固まったままの取り巻き達。そして、一端張った陣を崩せない夜勤。
双方による、蛇と蛙の長い睨み合いが始まった。

759風と木の名無しさん:03/01/10 17:24 ID:T8s75NDs
本棚の後ろの壁に開いた隙間の先は、真っ暗な階段だった。手探りでそれを下る。
そしてもう随分降りたような気がした頃、目の前にふいに空間が開けた。

天井まで届くような巨大な水槽。湖から直接流し込まれた水は、約1mの深さになって
藻やゴミを浮かべ青臭い臭いを放ち、分厚いアクリルの壁は冷たく光を屈折させていた。
あたりには誰もおらず、受水口から水が滴る音だけが聞こえてくる。
数個の薄暗い白熱電球の光だけに照らされたその光景を、隊長は瞬時に理解できなかった。

(何だ・・・これ?・・・水槽??何でこんなものが・・・)
ゆっくりと近づいた隊長は、透明の壁に手をつき、歪む中の様子をぼんやりと伺う。
(何かある・・・。何だ・・・あれ?)
隊長の目の焦点が合った時そこに見えたものは、椅子に括りつけられ、頭を垂れ、
澱む水の中に浮かんだ、愛しい人の姿だった。

「!!!!! トオルゥーーーーーーーーッッ!!!!!!!!」
760風と木の名無しさん:03/01/10 22:57 ID:/uKBR0vF
「トオル !! トオル !!起きやがれ!!頼むから!!死んで無ぇよな!!トオルーーーーー!!」
隊長が、狂わんばかりにトオルの名を叫び、有るだけの力で水槽を叩いていた。
水に浸かるトオルは頭がもう、下がり切らない程、下がり切っていた。
「トオルの!!馬鹿チンがあああぁ!!トオルこんなの!!!絶対!!嫌だああああ」

切込の声がする・・・馬鹿チンか・・はは・・叶うなら 愛してる にすりゃ良かったな。
識以下で、トオルが、隊長の声を拾っていた。又 泣いてるのかな?泣き声聞こえる・・

実際なら完全防音で層を叩く振動も、隊長の声もトオルには全く聞こえないのだが、トオルは電波等を
受信し易いので、隊長の思いを無意識に拾ったのだった、拾ったトオルはこれを
現実と思っていなかった。
層の向こうの隊長は、泣き崩れ、拳で指の骨が、砕けんばかりに水槽を叩いている。
「トオルゥ・・・起きろ・・・起きなきゃ・・もう、抱かせてやらない・・・
だから!!早く起きやがれえええええええええ!!トオルゥゥゥゥイーーーーー!!」


761風と木の名無しさん:03/01/10 23:09 ID:/uKBR0vF
隊長の最後、ウをイって一文字だけ・・・マジで 済まんです。
ミスってギャグな事に・・・あのイはもう、!と言う事で・・・
762風と木の名無しさん:03/01/11 00:58 ID:9j9rxoqj
その時、隊長のポケットから、何かが落ちて床を転がった。
>>659で夜勤が馬並に渡した巾着が、ポケットから半分顔を覗かせている。
隊長の余りのドライビングテクに恐怖した馬並が、車中で暴れているとき、
それはいつのまにか隊長のポケットへ転がり込んでいたのだ。
コロコロ…と床を転がるガラス玉。
それにはうっすらと「忍」の文字が浮かんでいた。
そして、ガラス玉は隊長の微弱な電波に感応し、自ら光を放ち始めるーーーー。
763風と木の名無しさん:03/01/11 01:25 ID:8XgeYzvg
「…トオ、ル…うぅ……、」
隊長がその名を呼ぶたび、光を脈動させ、輝きを増していくガラス玉。
まるでそれは、隊長の思いに呼応しているようだった。

(もしかして、、俺の出番っすか?んじゃ、いっちょ暴れてきますかー。。。)
そして湖水に沈むトオルの中で、トオルC(忍)が覚醒を始めた。
764風と木の名無しさん:03/01/11 01:37 ID:4rv3AsVZ
トオルを呼ぶ隊長の叫び声は、部屋の夜勤にも聞こえていた。
トオルって・・・この下に!!不味い。だとしたらもう 引っ張れない・・
「マァヴの時はドジしましたが、私もう、ドジ出来ないんで 御免なさいね」

夜勤が胸から出した、片手に収まる或る飛び道具を右手で構えた。
「おっ・・・おい!! 貴様 ひっ卑怯だぞ!!素手でちゃんと、勝負しろ!!」
「嫌です」その声はとても、無機質で冷ややかだった。
そして、躊躇わず夜勤は、黒い鉄の、飛び道具の引き金を一気に引いた。
>>>ズギュワーーーーーーーーーンン!!>>>>>
「タバスコ銃です。クスッ 悪く思わないで下さい。貴方が一番 厄介そうだから、之も差し上げます」
夜勤の持っていたのは一見本物そっくりな、電子音付き水鉄砲で、中には言葉通り、赤いタバスコが入っていた。
「あっあ”あ”あ”あ”あ”目っ 目がああ”ああ”あああ”ーーーー」
持っていた瓶の中のタバスコ全てを、転げ回る工作員のリーダーの目に掛け、
鳩尾へ一発。拳を入れ、相手が伸びると、夜勤は残りの部下達を伸しに掛かった。

マァヴの所の方が バキ!!! 強かった グキ!!! のかな?ジャララ」
手応え無いな・・と、得意武器のヌンチャク(三節棍)が見事に夜勤に操られ
相手を絡め取っている。後5人か・・馬並の方は終ったかな?
隊長の所 『セイ!!』 行ってあげて ガキュ!!欲しいんだけど・・『ハーアア!!ヤッ!!』

夜勤の心配を背に、巨大本棚の隙間から色の付いた閃光が、夕暮れの部屋に、眩い光を織り成していた。
「この・・光は・・・!!始まった」夜勤が閃光の意味を悟り
「後はトオル 貴方次第 負けないでね」と敵を伸しつつ、トオルにエールを送る 夜勤だった

765風と木の名無しさん:03/01/11 02:20 ID:md+KoGbk
「俺のせいだ…トオルがこんな目にあってんのは、俺の……
苦しいよな…、冷たい、よな、トオル…ごめんな、ごめんな……
俺、なんにも出来ねぇよ…助けてやれねぇよぉ……」
アクリル壁に打ち付けて真っ赤に腫れた隊長の手。
うなだれた彼は、そのままガクンと膝を折り、床に座り込んだ。
ふと、傍らで光っているモノに気付く。
「?…なんだ、コレ……」
震える指先でそれを拾い上げたその刹那、

メキッ…、メリ、メリ…バキィッッ!!

「え、あ?っ何…うっわ……、」
突如、目の前の水の壁が雪崩となって、屈んだ隊長を押し流した。
766風と木の名無しさん:03/01/11 02:32 ID:xO8O4U/B
(バーカ、アタシ相手にアンタ達じゃ、話になんないのよぉ…)
馬並は壁にもたれて座っていた。辺りには数人、
傷つき意識を失った部下達が転がっている。
(とはいえ…、今回はアタシも無理しちゃったかしら…)
その時、地下から轟音と振動が、馬並の元に届いた。
(何か始まったわね…)
馬並は立ち上がったが、一歩踏み出すとその場に倒れた。
(あは…、やっぱ駄目みたーい。あと頼むわよ、夜勤ちゃん、切込ちゃん…
二人を頼んだわよ、トオルちゃん、しっかりね……)
767風と木の名無しさん:03/01/11 06:51 ID:DRPyPa6b
湖水の直撃を受けた隊長は、なんとか体勢を直し床に伏していた。
バキッ…、バキ…、バシャッ…
見上げるとそこには、素手で分厚いアクリル板を破壊し、
今まさに悠然と歩み出ようとしているずぶ濡れの姿があった。
「この…っ馬鹿チンが……!」
嬉しさで顔貌を綻ばせた隊長は、ふらつきながら立ち上がりトオルの元へ歩み寄る。
「お前っ…、無事、なのか…?トオ…、」
そして後先もなく、愛しい人の腕の中へと飛び込んでいた。
トオルは無言のまま隊長を抱き寄せると、だがその冷たい掌は隊長の首へ伸ばされる。
「トオ…、ル……」
768風と木の名無しさん:03/01/11 08:02 ID:m9f59byo
「ト・・」
夢の中のアレってこれかよ・・・そうだよな、実際
お前は責めずに いてくれたけど、
水槽破壊出来たって事は、こいつ C の トオルなんだ・・
俺がトオルだったら、絶対責めてるぜ・・・
何で俺が巻き込まれなきゃならないんだ!とかって・・・
恨むよな・・普通・・・仕方・・無ぇよな・・

少ししか俺水 被ってなかったけど、あんな所に どれだけ居たんだろう・・
なのに こっちでしか 見てるしか 無かったんだ・・・荒むよな・・
「トオル・・・御免な・・寒かったよな・・辛いよな・・・・助けてやれずに 御免」
ゆっくり首を締めるそのトオルの冷えた手に隊長の涙が、落ちていた。

俺は・・・俺は何をして・・!!夢で俺が俺の分身みたいのが、言ってた
暴走は。之だったのか!!止めろぉぉぉ俺!!否、もう一人の俺
忍ううううううう!!切込に〜〜〜おいたすると!!!あぼーん しちまうぞ!!
御大の俺の言う事、聞きやがれ!!ゴルァ!!!

トオルが今回は自分が何をしているのか、やっと見えていた。忍を押さえ込み
隊長を助ける事が、今のトオルには、出来そうな気がしていた。
769風と木の名無しさん:03/01/11 08:27 ID:zd0ALKLn
湖水で冷え、白くなったその手は、静かにその締め付けを強くしていく。
隊長は無抵抗だった。不思議と驚愕も恐怖も湧かなかった。
「トオル・・・」
目を閉じる隊長。殺されようとしているのに、感謝の気持ちが渦巻くのは何故だろう。
そしてそれは、誰に向けての、何に向けての感謝なのか。
「好きだよ、トオル。愛してる・・・。」

封印され虚ろなトオルの網膜に、隊長の唇のかすかな動きが焼きつく。
「ス・キ・ダ・ヨ、ト・オ・ル、ア・イ・シ・テ・ル・・・・」
助けにきてくれて有難うと伝えたかった。勝手に出て行ってすまなかったと伝えたかった。
自分もお前を愛していると伝えたかった。そして、今その手段を持たない自分が心の底から憎かった。
苦悩の念は冷え切った体の奥から温かい涙を生み出し、それはトオルを拘束している
自己防衛から生まれた忍と言う名の氷の枷を、ゆるやかに溶かしていった。
「・・・・切・・・込・・・・」

隊長の腕の中に崩れ落ちるトオル。受け止める隊長。
死人のように冷えきった身体を全身で包み、紫に変色した唇に口付け、
その呼吸の少なさに気付き、震えながら隊長は叫んだ。
「死ぬなトオル!!頼むから死ぬな!!!俺を・・俺を一人にすんなぁああ!!」
770風と木の名無しさん:03/01/11 09:17 ID:cCPeQyx3
(んで、俺と換わって、ここからどうするんだっつうに、、)
忍が感情もなく飄々と喋りだす。
『うるせぇぞ、、>忍
この手はなー、アイツの首を絞めるためにあるんじゃねぇ!
アイツの涙を拭いてやる為にあるんです(素)』
トオルの言葉に、忍は少なからず驚いたようだ。
(つうか、、拭いてやれてないじゃん)
『あ。。。(汗)
(話にならない馬鹿決定だな>トオル)
そうして忍は、不敵な笑みを浮かべてこう言った。
(了解っすー。力、貸すですよ。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ

トオルは、固く閉ざした瞼を静かに開けたーーーー。
771風と木の名無しさん:03/01/11 10:26 ID:/4rMGVuW
「さぁ 貴方が最後の 一人になっちゃいました、」
夜勤が、タバスコ爆撃を食らって動けないリーダーの元へ近寄る。
「いかがですか わたし特製の“TOMATO”は?」
「くっ、来るな!(((;゚Д゚)))ヒィー
寄るなぁ!大体なにがトマトだよ!タバスコだろうが〜」
「赤く染まるから トマト なんですよー」
妙に落ち着いた、迫力のある声で、夜勤が笑う。
「貴方の知ってること 喋ってもらいますよ、
それから 親分さんにも 連絡取れるでしょ?」
隊長がトオルさえなんとか出来れば、この男を使って次の手をーーー夜勤はそう考えていた。
772風と木の名無しさん:03/01/11 11:11 ID:QUvy3/1A
トオルの瞼が薄っすらと開いた事に、隊長が気がついた。
「! トオル!トオル!大丈夫か?俺だ!分かるか?!」「・・切込・・・医者・・頼む・・・」
忍はこれだけ肩代わりすると、トオルの精神の暗闇に消え去った。
幾ら尋常でない力を発揮する時もあるとはいえ、トオルは元々普通の人間だ。
氷点に近い温度の水に長時間浸かっていた人間が、今まで生きていた事の方が奇跡に近い。
トオルの身体が限りなく衰弱しており、命にかかわる状態である事は事実であった。
「あ、そうか、そうだな、すまん、急いで連れてくからな!死ぬなよ!」
隊長は慎重にトオルを担ぎ上げると、元来た暗い階段を登り始めた。

ピアノ室に這い上がった隊長は、夜勤が一人の男を縛り上げているのを見た。
「あ、無事だったんですね。良かった」「良くねえ!医者だ!急いで医者に連れてかないとやべぇ!」
真っ白な顔でぐったりしているトオルと、ずぶ濡れの隊長を見て、夜勤は地下で何が行われていたのか悟った。
「分かりました、急ぎましょう。馬並も気になるし。」
縛った取り巻きに最後のタバスコをぶっかけながら、捨て台詞を吐く夜勤。
「残念ですが、今日は追求しないでおいてあげます。あなたを一緒に連れていって
どこに入院したか いちいち告げ口されるのはごめんですし。
でもSDに伝えなさい。これであなたは、完全に切込隊長を敵にまわしましたって」
トオルを隊長と一緒に支えながら部屋から出て行きざまに、夜勤はもう一言付け加えた。
「あとね、水攻めなんてファンタジー、あなたには似合わないよって、これも伝えてね」
773風と木の名無しさん:03/01/11 11:45 ID:GNO13vk6
夜勤と隊長が、トオルを抱えて裏庭に行くと、馬並が倒れていた。
「我が軍は 被害甚大…」
今度はトオルは隊長にあずけ、夜勤は馬並をかかえて坂を下りる。
やっと、湖畔に止めた車にたどりつき、運転席に座り、
カーナビを見ながら、近くの病院をチェックしていく夜勤。
(下手なとこ 入れちゃうとSDの息がかかってたりして マズイし あまり遠いのも…
小田原にワタシが入ってたとこの系列があるね ここなら 大丈夫かな)
肋骨を折ったらしい馬並は、シートベルト無しで少し倒した助手席へ、
後部では隊長が、己の体温で必死にトオルを温めていた。車を走らせる夜勤。

夜勤は、運転しながら考えていた。
(…解離性人格障害…おそらくはひろゆきさんも トオルも そうなんだろうな
根本的発生原因は「自己防衛」 
複数の人格間での交流は 無いのが普通だけど
彼らの場合は ちょっと共通認識があるような… 
いずれにしても 病気だよ 不安定な状態なのに
それを使いこなそうなんて SDって 馬鹿じゃないのかしら 
できればね 統合してあげれるといいんだけど 疲れるなぁ ふぅ…)
774風と木の名無しさん:03/01/11 16:29 ID:WFP20U2n
しかし、其れは本人にしか出来ない事も夜勤は知っていた。

足りない心を埋める事を出来るのは 隊長でもない、二人の自分自身の問題・・・
誰も 何もしてやる事の出来ない 当人が向き合わなければ
隠れた力も 深く辛い傷も、自分で換えなければ 解決しないであろう、
一番厄介な 誰にも有る、自分だけの問題・・・

トオルも ひろゆきさんも、越えてくれれば 良いのだけれど・・・
残酷に、見守る事しか、出来ないんです。唯 こうして・・・

夜勤が、夜勤成りに思考を巡らせ、彼是考えていた時隊長から
弱い口調だったが、例の怪しげな硝子球の質問が飛んで来た。
「夜勤さあ・・あの珠っころ 何?」
「あれですか、アレは 水晶ですよ。山から採って来た本物を 珠に加工したものです」
「お守りのつもりだったんですが、水晶の力は想う願いを増殖させて、
何時かは それを 叶えるんだそうです。迷信でしょうけど、実際 石は
神秘めいてますから 何か役に立てばと思ったんです。真さかトオルで使うことに成るとは。。。」

夜勤はあの珠っころを、ひろゆき奪還時の対SD戦で使うかもと、馬並へ渡したらしい。

「俺も 珠っころ 使えんのかな・・実は俺さ やり方にかなり問題有る ヒーリング持ってるし・・
問題無く あの力 今使えたら トオルと馬並の体 少しは楽に成るんじゃ無いかと・・どうなんだろうか?」
775風と木の名無しさん:03/01/11 17:37 ID:U8O5JS0G
「さあ、石は タロットと同じで 気紛れですから・・何とも
 石が 隊長 気に入っていれば、或は 可能かと・・・波長は合う様ですし」
「た・・・隊長アタシ良いから・・使うなら トオルちゃんに 全部使って・・・」
「お前 何言ってんだ!!」
「いいのよ。。アタシ 業者の貼り付けで復活可能だから」
>548での事を馬並は言っていた。
「煩い!!んなもん当てに出来ねえよ」
「皆デタラメな体 ばっかりなんだから・・・・」
「何を抜かす・・・胡瓜で復活した癖に・・・決めた!!出鱈目序に俺はやる!!」

出鱈目でも何でも、トオルの体温を少しでも戻せれば・・・頼むから 俺に発動しやがれ 珠っころ!!
776風と木の名無しさん:03/01/11 22:41 ID:ATR7MVoJ
しかし、珠は発動しなかった。気紛れでか、使って直にパワー不足
で使われる事を 拒絶しているのかは、解らなかったが。
隊長の想いが足りていない。とかそういう以前では無く。

生き死には それこそ本人の気力・・・
隊長・・・涙で奇跡が起きるのは、アニメやニ次元、映画の世界だけ。
辛いけれど、生命の事は本人に 任せるしか・・・
其れが 逃れられない、人が背負う 冷酷な現実。

『命をあげるなんて、現実には 誰にも出来ないから・・・ トオル 自分で頑張って』

思う夜勤からは、涙が伝っていた。後部座席の隊長は
泣きじゃくり、トオルを片時も離さず、病院へ車が着くまで

トオルの凍て付き 血に染まる傷付いた両手を、服の中 
胸の地肌の体温で、大事に 温め続けていた。
そして初めて『神』とか言う者にも、心に縋りながら。
しかし『人を地肌で一部でも暖める』これが一番
後に功を成す事を、隊長は気付いていなかった。
777風と木の名無しさん:03/01/12 00:04 ID:rATLZ9Ny
ひろゆきも違う自分 抱え込んで どんな想いでいたんだろう・・
俺が復活して、又隣にいる こいつ等・・暴走させたら・・・

特にBの・・お前・・美補だよな・・・
そうですが 何か?。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ 言ったな・・・

トオル御大が、溜息を吐いている。お前達に聞きたいんだけど、
自分に問答する馬鹿ついで。このまま あぼーんも 絶対嫌だし。

忍 「生きる気に成った?」 美「やる気 出たか?」
「生きる気は 満々だっ つーの!切込泣かせたし 髪撫でてやらないと
いかんし、ひろゆきも 絶対泣くし俺が 聞きたいのはだなあ」
忍&美「俺らとひろゆき達の事か?」 「そう・・」

御大はやっぱり 世話が焼ける・・・トオルに 二人が呆れていた。

忍&美「仕方無い・・ヒントを授けよう・・俺達 御大がきちんと受け入れろ。
 そうすりゃ解るだろうさ まあ、名前言ったし、それだけで成果だぜ 俺らも このままは 嫌だから」
トオルさん 今日初めて俺らの名前 言ってくれてサンキュ!!( ̄ー ̄)ニヤリッ

忍&美『早く戻らないと 切込にボコられるぜ 短気だから バカチン ってな』

「解ってる っーの ばーか ばーか 何か両手暖かいし、頑張れる気がするよ 俺もサンキュ!!( ̄ー ̄)ニヤリッ 」
精神世界からトオルが完全に戻った時、車中で トオルの体の体温が 少し回復していた。
778風と木の名無しさん:03/01/12 02:59 ID:+J29JoiF
夜勤と対峙した、工作員のリーダーは報告を部下任せでdずらをかましていた。
「失敗だと!!先頭の者は どうした!!」
「はっ それが・・・あの方は・・・」
「逃げたか・・で、トオル君は勿論居るんだろうな?彼の報告のみ 素晴らしかった」
連絡を押し付けられた部下は『素人に負けました』とは言えず、隊長達が何時の間にかトオルを奪還し、
それから消息を絶った とSDに一部嘘の報告していた。それを聞かされたSDは、大層 立腹していた。

「後,水攻めなんてファンタジー、あなたには似合わないと 夜勤からのメッセージも・・」
「お前は馬鹿者か!!もう宜しい!!」今の者と 逃げた先頭の者を 断罪せよ!!

『切込・・お前達はどうしても 私に逆らう気で居るのか!!私を完全に敵に回した?
其れはどちらか 何れ君の躰で思い知るが 良かろう・・・トオル君、それまで養生してい給え
成果の報告は・・・見せて戴いたよ。君は、矢張り 頭脳と力を兼ね備えた 本当に素晴らしい 化物だ』
横でトオルを庇った側近のあの秘書が、SDに嫌厭で、悲しそうな表情を見せた事を、怒り狂うSDは微塵も気付いていなかった。

一方 忽然と行方を眩ませた、あのリーダーは執拗に、夜勤に執着していた。
「マァヴ様の仇で在り、卑怯だが 俺を始めて負かせた裏切り者の 夜勤め!!
必ずお前を見付け出し、お前と 真っ向勝負してやる!!だから 俺は もう 戻れない・・」
779風と木の名無しさん:03/01/12 03:04 ID:epj1NCDp
先の話だが、このやりとりを、トオルは後で全く覚えていなかった。
虚構?夢?幻?或いは誰かの願望?ただ、精神世界でのご都合主義を、現実は冷たく見つめているだけ。
奇跡はたまに起きるが故に価値がある。だから人の願いは、いつも打ち砕かれる。それを知って人はうなだれる。
人の心はいまだ完全に解明されていない。だからこそ、今は現実と立ち向かわねば。

夜勤は片手で潤んだ目をこすりながら思考を続ける。
最近、ひろゆきもトオルも隊長も、そして自分も、簡単に泣き過ぎだと思う。
特に隊長は、トオルに愛される事を知って、異常に涙もろくなった。これは危険だ。
夜勤は隊長の心に芽生えた、「依存」の感情を危惧していた。
(隊長さん トオルはあなたを愛する事はできるけれど あなたを背負える程強くない
だから、どうかしっかり 自分の足で立っていてね)
そして、そういう意味では隊長よりひろゆきの方が強い人間なのだと、夜勤は改めて気付いた。

(トオルとひろゆきさんには、落ち着いたら良い心療内科を紹介しよう
分裂した人格の統合は、主軸となる人格を中心に調整を図る事によって行われる
確か精神科医のカウンセリングで この手助けができた思う
これが上手くいったら、彼らはもっと強くなれる…
…その分、ワタシの入る隙間も なくなってしまうけれど でも それでいいんだろうな…)
780風と木の名無しさん:03/01/12 03:05 ID:epj1NCDp
リロードしてなかった…
>>779一行目の「この」は、>>777のことですだ…スマソ
781風と木の名無しさん:03/01/12 08:28 ID:bPs+EO6u
小田原の病院へ着くと,トオルは、集中治療室へ
馬並は一班手術を各々受けていた。
手術が終った医師の話では馬並は肋骨を折った以外
至って大した事は無いが、トオルの方は・・・・3日が山場だと医師は言っていた。
夜勤に依存では無いかと危ぶまれていた隊長は、もう、泣いてはいなかった。

本来刹那主義の様な隊長なので、出鱈目に頼っても神頼みでも所詮
トオル次第だと、気が付いたのだ。生きる奴は生きて、死ぬ奴は・・死ぬ
今まで見て来た人の死の経験上漠然と、それしか出て来なかったのだ。

「夜勤 俺 実は冷たいよな?駄目なら 人はやっぱ 死ぬんだ・・うん」
「弱い魚は死ぬしか有りませんが、3日有るじゃ有りませんか トオルは・・」
「しかし、簡単にくたばる様な奴を愛した覚え 俺は無いんだがな・・・3日か・・」
「トオルが目を覚ますまで 俺ら帰るか・・・」「えっ???」
「だって、俺 家族じゃ無ぇし・・病院って、その辺 妙にシビアじゃん 今も家族は?とかってさ」
「シビアなのは貴方なんじゃ・・・」
「俺はPC略トーシローだぞ、あいつ寝てる間に 木馬でデーター抜き出してやる」
「トオル待ってる暇有るなら、俺はお前を動かす。俺はこう見えて 多忙なんだ!帰るぞ」
強いのか、情緒不安定の裏返しなのか 混乱する夜勤を引き摺り、隊長は病院を後にした。
782風と木の名無しさん:03/01/12 17:50 ID:JT7wQgGk
後にはしたが 車は出しておらず、車中
隊長のおねだりしたハッキングに、トオルがとても嬉しそうにしていたのを
思い出していた。

『PCの 俺の 華麗な手捌き お前に 見せてやるよ』

 あいつ何も 出来ない。って落ち込んで PCで唯一 浮上出来たんだよな。
それを夜勤にやらせらトオル 拗ねる・・よな。。。ネチネチと。。。

ー トオル お前には 俺の頼んだ 重要任務 山程 有んだ 誰かに渡したく無きゃ
  3日経ったら 必ず起きて来いよな ちゃんと家で 俺 待っててやるからさ −

「夜勤、振り回して済まんが、木馬やっぱ トオルが起きてからに するよ」
「隊長?」
「一人でもう、大丈夫だからさ、お前 馬並の所行くなら 好きにしな
後、今朝から 妙な所ばっか見られて何だが・・頼む 忘れ や が れ 」
隊長は 心配する夜勤へ 苦笑しながら そう言っていた。
783風と木の名無しさん:03/01/13 02:26 ID:q3D1jYry
「忘れてません?ワタシ、まだ入院患者です。病院に帰らないと。それに、ワタシ何も見てないですよ」
そっか、とつぶやいて隊長はトオルの車のエンジンをかけ、帰路に着く。
途中最初にトオルが呼び出された場所に寄り、放置していた馬並の車に夜勤が乗り換える。
「無理、しないでね。できる限りの協力、しますから」
「おう」

夜勤の運転する馬並の車を見送り、久々に自宅に戻った隊長は
PCに向かい、今までの情報を整理するのと同時に、SD周辺の情報をひっくり返し始めた。
今、動ける人間が自分一人となってしまった以上、迂闊に攻め込んだりするのは馬鹿の極みだ。
そもそもトオルがああなったのも、夜勤が再三言っていた、
「欲張るな・暴れるな・依頼を受けて取引しろ」という忠告を聞かなかったトオルが悪い。
悔しいが今は受身になって、SDからの連絡を待つのが一番得策。
少しでも有利な条件で取引できるよう、情報は集めておこう。
そんな考えの元に、PCのキーを叩くと同時に、まとめた情報のバックアップCDを作成していく隊長。
・・奴が依頼してくるとすれば、どう考えても>>712のマンションの民事だ。後の2つは放っといても勝てる。
これの火消しを受ける事にしてひろゆきを取り返し、話をややこしくして最終的に高裁に持ち込ませられれば・・
784風と木の名無しさん:03/01/13 06:50 ID:jOi3eEyt
告訴する相手側は、純粋に
「日が当たらない!!どうしてくれる!」だとか
「見れた景色が!!夏の花火が!!」とか、
本当に小下らない理由なんだ。そういう意味、自称 
『良識有る一般人』ってのが実は何にしろ、DQNより、ずっとタチ悪い・・・・

実際、昔から路地裏なんかの元からそういった条件で暮らしてる人が
洗濯乾かないか?ったらそうじゃないし、本当は生活出来ない程の事じゃない。
嫌な話 前者が当然の如く勝訴した時賠償金が手に入れば 後は回りに
何が立とうが大人しいもんだからな・・
「お前ら!!花火は!鳩の旋回は!!」ってところだが・・・・・

不正に経ててんだろうから、建物監査が入った時、芋蔓に出るボロは
公共工事の発注の落札に問題有るか、建築の工事費削り欠陥物件建てた挙句
その金無い無いポッケしてるだろうな・・
ざっと、一部 受託収賄 贈賄罪。建築法違反。独占禁止法。斡旋収賄。
はあ〜 こいつらを 切り込まにゃならんとは・・・・・トホホだ・・俺様・・・・

資料を作成しながら、トオルの愛機を前に溜息を吐き そのまま寝てしまう隊長だった。
785風と木の名無しさん:03/01/13 07:07 ID:jOi3eEyt
トオルのじゃねえ・・・自分の愛機だ・済まない・・・トホホ
786風と木の名無しさん:03/01/13 14:44 ID:CJavl5Nw
隊長達一行がそれぞれの眠りについた頃、SDは動き出していた。
まずはひろゆきを連れて再度の移動をし、更に東京から離れる事にする。
そして、トオルと馬並が収容された病院を調べ、そこに手を出せない事を知ると
やはり最大のネックは夜勤であると判断し、何とかこれを拘束できないだろうかと考え始めた。

ひろゆき、いやひろぽんは、今度は気絶はさせられていないものの、縛られて無理やり袋に押し込められていた。
(トオルたん・・・夜勤たんも隊長もみんな危ないでつ・・元はと言えばおいらのせいで・・
おいらがここに居なけりゃ、何とかなるかも・・・)
「おいジジイ!おしっこ!おしっこしたいでつ!!!」
「何?我慢できんのかね?」
「できないでつ!今すぐおしっこしたいでつ!降ろしてくれないと車ん中でするでつ!!」
呆れ顔で仕方なくSDは部下に命じて車を止め、ロープで縛ったままひろゆきを外に出した。
「早くしてこい」と言う、ロープの端を持った部下にひろゆきが言う。
「両手縛られてちゃできないでつ。おいらのうまい棒、持ってくださいでつ」
部下は「できるか!」と怒鳴りながら、ひろゆきの片手だけロープを解いた。
がさごそと道端の背の高い草むらに入っていくひろゆき。中々出てこない。
「まだか?早くしろ!」
「うんこでつ!うんこもしてるでつ!いっぱい出るでつ!」
ひろぽんだからこそできる下品攻撃。
叫びながらひろゆきは、開いた片手で捨てられたガラスの破片を拾い、必死にロープを切ろうとしていた。
787風と木の名無しさん:03/01/13 16:14 ID:B+esaqXL
ー ひろぽん 力使えば? −
ー おまいは・・駄目でつ・・陣が崩れまつ・・ ー
ー だって・・・ −

ー おいら達 トオルたんの 願で 今だけ動けてまつ
  だけど、忍たん 美捕たんもトオルたんと眠ってる今・・・・
 変に使ったら消滅するのは、ひろゆ子も 分ってる 筈でつよ! ー

トオルに念を送り、トオルが受信出来ているはどうも、トオル側の二人と関係している様だが、
これも相当力を消費するみたいで、加えてひろゆきが強姦された時に使った力と 現在
ひろゆきを押さえるのに使っている力を除いては、余分な力がもう、残されていない状況に
三人は陥っていた。
 
そして残された最後の力は・・・・二人共ひろぽんの 現実の力で逃れてくれる事を
もう、祈るしか無かった。これが一番力を使わずに済む方法だから。

そして、ひろぽんは、硝子で手首を傷付けつつ、何とか 縄を切る事が出来ていた。
部下達が躊躇しつつ、様子を見に行くと、場には血痕の着いた切られた縄と、
其れを切ったやはり、血痕の着いた硝子だけが其の場に佇んでいた。
「しまった!!! 捜せええええ!!!!何をしても探し出せ!!殺されるぞ!!」

茂みから脱出をしょうと走り出した時、腕を掴んだ者が居た。しかし、一行に捕らえる気配が無く
「離せ!誰でつ〜〜??? アレ・・・・・・貴方は・・・SDの」 顔を見ると其れはSDの 秘書だった・・。
「暫く大人しく 話さないで 大丈夫 私は 貴方の見方です。私は今のSDには もう 付いて 行けません」
788風と木の名無しさん:03/01/13 17:08 ID:mQVnsVIC
信じて良いのだろうか・・ひろゆきなら思うだろうが、しかし
この子はひろぽん。元は実態の無い者なので、心の善悪は
察知出来た。『 嘘を言っていない 』
つい先程も、トオルを殺すなと、助け船を出したのも、何故か この人だ・・。
そして、SDが気付かない間 何かとひろゆきの世話をしてくれていたのも。

敵と入れ違う形で道を辿り、追手と逆に逃げ切った所で安全を確認すると、
秘書は口を開き、状況と、自分の心境を 切実に話してくれていた。

「貴方も お分かりでしょうが、私はSD直属の私設秘書です。
今はこの時点で 元に 成りましたがね・・・」
「どうして・・・」
「昔はあんな方では無かった・・それが、権力を貪る内、今のように」
「そして、貴方・・貴方達を目に掛けた頃には手が付けられず 私は見ているだけで
何時かは目を覚まし、美政に戻られるのを 願っていましたが、それも もう」
「人を 人とも思わない・・何故そうなられたのか 解りませんが・・其れにも 疲れました」

「けど、それじゃ、貴方が危険でつ!戻ってくださいでつ!今ならまだ!!」
「良いのです 貴方を見ていると 自分で そうしたいと 思いましたので 貴方は不思議な方だ」

『貴方は 無償で人の心を 動かせる 』 秘書は 何時か夜勤が思った略 同じ事を 思っていた。
789風と木の名無しさん:03/01/13 17:28 ID:4MXExviI
「この道を真っ直ぐに行くと、信越線の線路に出ます。線路沿いに行くと駅がある筈。
ちょっと距離はありますが、頑張ってください。」
「でも…」
「行って下さい。私なら大丈夫。これでもSDの側近だったんですよ(w」
穏やかに笑うと、その人は電車代だ、と言って、ひろゆきの手に1万円札を握らせ、
自分の着ていたジャケットをひろゆきの肩にかけた。

「あの…名前だけでも…」
「Itadakiです。これでも妻子が居たりします。守るモノがあるから、今すぐにご一緒はできませんが、
いつか、どこかで、あなたとあなたの大切な人達と、お会いできるといいですね。」
「…有難うでつ。必ず会おうでつ!おいら、Itadakiさんに会えるの、楽しみにしてるでつ!」
ひろゆきは、いやひろぽんは、振り返らずに走り出した。
(夜勤、あなたが何故組織を出て行ったか、やっと分かったよ。今更で恥ずかしいが)
Itadakiはひろゆきの姿が見えなくなるまで、ずっと見送っていた。
そしてその姿が闇に溶け込むと、自分も静かにその場を去った。
790風と木の名無しさん:03/01/13 18:46 ID:gKiYgHK7
ひろぽんは、長野の妙高高原に居た様で、信越線から、東京行の夜行経由で
それが遠回りでも 隊長とトオルの待つ 東京の地を目指していた。
新幹線を使いたいが、今の時間、とつくに終電になっている。新幹線の終電は早いのだ。
列車が到着するのは翌朝の早朝。きっと隊長は 起きているだろう。
エチーさえしなければ、一番乗りでシャキ シャキ起きている人だ。
とにかく、SDの動きを隊長や皆に伝えなければ!!
翌朝 電話をすればきっと、爆走してdで迎えに来てくれる。

『 隊長に逢ったら ひろゆきと 直に代わるでつ 』

夜行列車で闇の外を眺めながら、ポケットの中に手を入れ
お釣りは きっと逢えるから、使わず残しておこう
 「必ずItadakiさんへ 返すんだ」
そして、何より 『 早く二人に逢いたい 』 と思う ひろぽん(ひろゆき以下 全員)だった。


そして翌朝 列車が東京へ到着し、ひろぽんから連絡を受け
隊長が、歓喜しながら ひろゆきを迎えに 爆走ですっ飛んで来たのは、朝の8時位の頃だった。
791風と木の名無しさん:03/01/13 19:30 ID:E6qQJtAk
東北本線の普通列車が、上野駅のホームにひろゆきを降ろす。
その列車が折り返し出発し、次の次の列車が滑り込んだ頃、
ホームのベンチでぽつんと座るひろゆきは、列車から降りた他の乗客の
波に逆らうように、自分に向かって歩いてくる人に気がついた。
その人は、とても良く知っている人だった。
その人は、これ以上できないくらい、暖かい眼差しでひろゆきを見つめていた。

その瞬間にひろぽんは黙って意識の奥に消え、今までの事を夢うつつに
感じていたひろゆきは、それが本物の隊長である事を知った。
無我夢中で駆け出した。ホームを急ぐ通勤客にぶつかったが、気が付かなかった。
そのまま胸に飛び込む。
誰よりも良く知っている体温と匂い。細い、でも力強い腕の感触。

「おかえり。ひろゆき。」

ひろゆきは泣いた。今までで一番、嬉しい涙だった。
792風と木の名無しさん:03/01/13 21:01 ID:ikOko99w
「隊長・・たいちょぉ た・・ただ・・までつ・・」
「おいおい・・泣くなよ・・人が沢山 みてるだろ?」

最近 涙脆かった隊長は、笑顔でいた。
本当に久し振りにひろゆきを腕に抱いた事で、俺まで泣いたら 致仕方無いと
そして、トオルが居るから安心して甘え過ぎて泣けていた事も痛感する隊長だった。

ー トオルに甘え過ぎで、あいつ,重荷だったんじゃ・・ 俺も弐編の事 重かったし ー

俺もトオルもきっと系統は同じなんだ・・愛してやれても 背負え無い。
そんな奴が同じ人をとても好きで 帰って来てくれた この人は
駄目な俺らの傍に微笑んで居てくれる・・ひろゆき 有難う トオルと同じくらい 惚れてるよ。

人が見ているだろう。と言いながら、人目も憚らずに隊長は、ひろゆきの額へ、
お帰りのキスをしていた。そして、早くSDの所に迎えに行けずに謝りながら。

「でも、隊長は こうやって、おいらを 迎えに 来てくれたでつ〜それだけで 良いんでつよ」 
「ひろゆき・・お前は・・ありがとう 戻って来てくれて 嬉しいよ 愛してる」
「おいらも隊長 愛してるでつよ 後はトオルたん 二人で迎えにいくでつ」 
「ありゃ 寝坊介だから 起こさないと、やっぱ 駄目か?」
「はいな!世話焼けまつから 二人とも〜 おいらが居なきゃ 駄目 駄目でつ〜」
「何を言ってる 俺は 世話焼けんぞ!!お前という奴は〜」

ひろゆきを擽りながら、駅のホームではしゃぐ二人に、朝の日の輝きは眩しく光っていた。
793風と木の名無しさん:03/01/13 21:43 ID:mvSyWHZ3
当然の事であったが、SDは激怒の感情の中にいた。
ひろゆきを取り逃がしたばかりか、側近であったItadakiまで失踪。
ここにきてSDは、3大腹心であった夜勤、マァヴ、Itadakiを全て失う事になったのだ。
犬のように忠実な部下は掃いて捨てる程いるが、SDの代わりに指揮をとり
任せる事ができるような人間は、この3人をおいていなかった。
今更ながらに己の周りの人材不足を嘆くSD。
切込隊長との取引を目前にして、人質を失ったのも大きすぎる。
大幅な計画変更を余儀なくされたのは、致し方無い事であった。

「何にしろどうしても、あの民事には切込君に動いてもらわんと困る。
来年は衆院選なのだよ。私の名に泥が付くような事があっては困るのだ。」
SDが口に出したのはここまでだった。聞いていた部下も鵜呑みにした。
しかし内心で吐き出していたのは、こんな醜い言葉だった。
−どこまで私を馬鹿にするんだ若造が!!!生意気なガキどもには一度思い知らせてやらんとな!−

次のSDの言葉を聞いた部下達は、一瞬どよめいた。
「トオル君の次の就職先・・・悪いが今年いっぱいで、廃業して頂こう。
もちろん、切込君の返答次第だがな。」
794風と木の名無しさん:03/01/14 09:13 ID:txA3owOi
クリスマスも、正月も明けて、隊長の誕生日も 過ぎてしまったけれど、
よく考えればこの話的にはまだ6日位で、直にひろゆきから、隊長は

『隊長 遅いけど 誕生日 おめでとうでつ〜』の言葉を貰っていた。
「そうか・・そういう世間のイベント、全部SDに邪魔されて、そんな事後回しだったな・・」
「おいら、何も買えなかったでつ・・隊長何が良いでつか?」
「馬っ鹿だなあ〜 帰って来たじゃないか。其れで 十分俺は 貰ったよ 本当に嬉しいんだ ひろゆき 有難う」
「後はトオルたんに やっぱり 言わせないとでつ〜 隊長今日でトオルたん 2日目でつ」
「お前も居れば 起きるかね?」
「トオルたん、何時も隊長とおいら迎えに来てくれるから,
今度はおいらがトオルたん隊長と一緒に 迎えに行く 番でつよ」

トオル、ひろゆき帰って来たぜ。逢いに行くから お前を 迎えにそっちへ行くよ。
一度繋いだ手はもう、二度と 離したくないから、今度は 俺に 『おはよう』 言わせやがれ。
795風と木の名無しさん:03/01/14 12:30 ID:LI6vj+hD
そして隊長はひろゆきを連れ、小田原の病院へ向かった。
途中馬並の病室へ寄ると、隠れて出て来たひろゆきに馬並は大変驚き、とても歓喜してくれていた。

「ひろゆきちゃん!!抜け出して・・来たのね!動けないけど お帰りなさい 良かったよ〜」
「えへへ〜でつ〜」
「トオルちゃんの所は・・・・そうか・・集中治療室だから・・家族以外 面会謝絶・・・」
「そうなんだよな・・着たのは良いが・・どうしたもんか・・そういえば 夜勤に連絡してなかった」
「考えてる間に 電話してあげて。此処 携帯窓開ければ使えるから」
「そうか・・うん」
隊長が夜勤へ連絡すると、電話越しの夜勤は取り乱し、何時ものクールな彼では無かった。
「うううう 嘘でしょ???ほおっ本当なんですヵ???嘘だと のの呪いますよ〜〜〜〜〜ええ」
「お前朝から呪うって・・信じなきゃ声 聞かせてやるよ 
ひろゆき 夜勤が おまえの 可愛い〜ラブコール 欲しいってさ」」
「夜ぁ〜〜〜勤た〜〜〜ん ピーターたんはまだでつか〜 ピーターたんとても 愛してるでつ〜」
「ひ!!ひろゆきさぁ〜〜〜ん(滝涙)有りますよ。ええ,有りますとも 私行きますから 待ってて下ちぃね」
でも、ピーターさんなのね・・愛してるの・・良いけどね。ひろゆきさ〜ん お帰りなさい。

携帯を挟み 顔を寄せ合う二人は、とても幸せそうで、久し振りに見た何時もの光景が
いかに暖かかったか,馬並は改めて実感させられていた。そして同時に
二人を包み込む空いたもう一つの空間に 馬並は微笑み思いを馳ていた。

『此処にトオルちゃん居れば もっと 嬉しいんだけど。心から二人を護るのは やっぱり 貴方なの』

「そうだ、隊長 ひろゆきちゃんを 弟だとか言って、強引に入っちゃえば?意外とズサンだから病院 その辺」
796風と木の名無しさん:03/01/14 19:48 ID:uqjExCgb
「そうか。ひろゆき じゃあ、お前トオルの弟だ」
「ぷぅ〜〜弟でつか〜 仕方ないでつね〜〜」

馬並へ又暫くしたら寄るからと言って、隊長とひろゆきはトオルの眠る
集中治療室の病室へ向かった。馬並の言ったとおり、病院は意外と適当で
家族だと言うと、面会謝絶な割に通り掛の看護婦は あっさり中へ入る事を許可してくれた。

見習っぽくて ラッキーだったな。隊長は思いながら、謝絶札とトオルの名の有る
その扉を引き、ひろゆきが 長く引かれたカーテンを開けると そのベットには
顔に少し血色の戻ったトオルが静かに眠っていた。隊長が恐る恐るトオルの手を握る。

『良かった・・・昨日より暖かい 冷たいままなら どうし様かと思って 本当は 俺 昨日
 病院居るのが 怖かったんだ・・・でも、ひろゆき 帰って来たから トオル ひろゆきだよ』

隊長が握る手の上に、ひろゆきが両手で二人の手を包む形でひろゆきは 
本当に 久し振りにもう一人の自分が愛する人の手に触れた。冷えた感じはするが、
それでも、隊長と同じ位暖かい手な事には 変わりなかった。
隊長の時と同じで その手の感触に矢張り嬉しい涙が溢れて来る。
本当に帰ってきたんだ。トオルたんと隊長と皆がいる場所へ。だから トオルたんお願い。

『トオルたん おいら帰ったでつ 側に居るよ トオルたん早く起きておいらに お帰りのキスして 下さいです』
797風と木の名無しさん:03/01/14 19:57 ID:/zObzCuQ
しばらくすると、重症患者がずらりと並ぶICUの中を、担当医師が巡回してきた。
弟だ、と言うと、医師はトオルの症状を説明してくれた。
隊長とひろゆきは深刻な顔をしてそれを聞いた。

「お兄さんは重い低体温症です。でも命に別条は無いところまで回復してますよ。
運ばれてきた時には瞳孔は開いてはいなかったですが、あと2〜3℃体温が下がっていたら、
覚醒が難しいくらいの昏睡状態になってたでしょうね…。
保温しながら連れてきてくれたのが良かったと思います。
今は体外循環による復温処置というのをしています。
これが取れれば、一般病棟に移れますよ。」

トオルの身体から、マリオネットのようにたくさんの管が伸びている。
心電図・酸素・点滴、そして腕から機械に向かって、赤い血が滾々と流れる太い管が伸びる。
「早く、こんなの全部、取れるといいでつ…。」
「そうだな。」
イ`、トオル。二人は心の底からそう願った。
798風と木の名無しさん:03/01/14 21:56 ID:bEgBdZNo
「よろしく、お願いします」医者に挨拶をして、ICUを出た二人は、馬並の病室に戻った。
骨折だけの馬並も個室ではなかったので、三人は小声で今後の事を話した。
「ひろゆき、SDは俺らをどんな風に言ってた?」
「えっと、、トオルたんは何か、凄い能力があるから部下にするんだって・・・。
あとは、、、夜勤たんは、捕まえるとか言ってたでつよ。おいらがいると、
そういうのやるみたいだから、逃げなきゃって思ったでつ」
ひろゆきの解説は、夜勤については間違っていたが、
隊長と馬並は概ねの状況を把握した。
「こっちの予想通りか。夜勤は退院してからがヤバイな。だから元気なのに退院しないのか」
「眠る時くらい、安心して寝たいって、夜勤ちゃん言ってたっけ」
「つか、ひろゆきは交換条件だっただけだし、俺も組織への加入までは要求されてない。
夜勤は情報持ちだからウザイだけだろ?狙われ度じゃトオルが一番深刻だ」
「そうネ・・退院したのを見計らって・・その前にも何か仕掛けてくるかも・・」
そもそも、SDとのごたごたを起こしているきっかけは自分だ。
(俺って奴ぁ、本当の馬鹿野郎だよ・・・)隊長は改めて、内心で自分を罵った。
799風と木の名無しさん:03/01/14 22:03 ID:8VO2JcEr
「うふ。うふ。」
ひろゆきとトオルが大富豪をしている
隊長は負けて 隣で河豚になり 悔しい勢いで
ひろゆきを応援している
しかし「革命! 俺の勝ち〜」
ひろゆきの手元に2を2枚残し トオルが 大富豪で勝利した。
「う〜〜〜 トオルたん〜〜も一回やるでつ!!」
「そうだ!こういうのは だなあ 俺様が勝つと 決まっているんだ!リベンジだ」
「敗者のお願い?どうするんだっけ〜?」
「くっそ〜!! ひろゆき〜〜」 「悔しいでつ〜隊長〜〜」
隊長&ひろゆき 「もう 一 回 お 願 い し ま す 。。。この通り〜〜トオル様〜〜」
「うふ。うふ。」。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ

こういうの きっと幸せっていうんだな。。生きてるのって幸せね。何か俺 凄く嬉しい。俺 居るから
今の二人に逢えて、生きてるの楽しい。アレ?何でだろう 抱き締めて二人にキス 出来ないや。。。
夢。。。なのかな? 夢なら早く起きて本当の 暖かい場所に早く。。カ エ リ タ イ。。。
 
 寒いトコロは モ ウ イ ヤ ダ。。 独りは もう    イヤ     コンナ所で 
俺は死にたく無ぇぇぇぇぇぇ!!夢なら もう、 醒めてくれぇぇぇ!!!!俺はテメーの為に生きるんだぁぁぁ!!

空ろいだ夢の中 トオルは 本心から 自分の為に生きようと、初めて必死で 頑張っていた。
800風と木の名無しさん:03/01/14 23:10 ID:O4K67a+l
トオルが必死で生きようと頑張っていたその頃

日課の昼寝を終えると夜勤は、ピーターちゃんを渡しに
ひろゆきの元へ行かねばと 寝惚け眼で眼鏡を探っていた。
「ええっと 何処だったかな?」
「夜勤!!やっと見つけたぞ!!」
「眼鏡。・。・めが ふぁああああ〜 薬がまだ 眠い。・。・」
「見つけたぞ!!」
「あら?眼鏡見付けて下さったんでしょうか?有難う 御座います」
「??????」
「何を言っている!俺はお前を見付けたんだ!!」
「クスクス なんてね!御久し振りです 見付かっちゃいましたね 鬼さんに」
「鬼だと!やっぱり 舐めてる!」

執拗に夜勤に執着していた馬鹿っぽそうなあのリーダーが夜勤の居所を突き止め
二言目には 勝負だ!!と抜かしていた。その勢いで躓いて 夜勤のベットへ倒れ込み
リーダーはそのまま夜勤の胸倉へ顔を激突させていた。
「私。。何で どうでも良い方にばかり こうして 好かれるんでしょうね?T∇T 
ピーターちゃん ひろゆきさんに 渡しに行きたいのに〜〜もう!頭 撫でてみたり」
801風と木の名無しさん:03/01/15 02:12 ID:1krBH67w
俺は本当の馬鹿野郎だ・・隊長は己を罵りながら、本音を探ってもいた。

発端となったマァヴの店で無節操に買いをした。ひろゆきを好きになった途端 弐編に手を出した。
そしてその弐編が重いのは、家庭的過ぎたから苦手だと言って 早くに離してやれずにいた。
ひろゆきにも本当に沢山 悲しい思いをさせた。

トオルの事も最初は躰だけで良かった筈なのに 自分の気持ちに 
気付きさえ しなければ、トオルをあんな姿にさせずに 済んだ。

ICで死人みたいな患者の横で泣いてる家族や、出ても良さそうな
患者を尻目に 気分が悪い・・と本当は 光景を見たく無い。
忍に首を締め付けられた時 抵抗しなかったのは それを心の何処か蒼く願っていた。
トオルへ生きろ!!と偉そうに言うが、今其れを自分は否定する。本当は俺が・・

全てに本音を隠す自分を 隊長は 己を殺したいと思う程、怨み辛んだ。そして憎んでいた。
しかし、それでも何を変えても、 トオルとひろゆきを 好きな事だけが 唯一裏の無い 優しい真実で
そう思った時 隊長は 己の弱いそれら全てを受け止め 強さに換えていた。

『俺は 俺を 滅ぼしてやりてえが、SDだけは絶対 許さない 最後に奴を全て潰す
だから!今は へこ垂れてる 場合じゃ無ぇ!!本当の命取りになるって事 忘れたんか!俺!!』
802風と木の名無しさん:03/01/15 03:06 ID:Dj35VlHA
「そういえばひろゆきちゃん、アナタよく簡単に逃げ出せたワネ」
「いやぁ、おいらもどうやって逃げたのか、あんまり良く覚えてないんでつが、、
んでも、助けてくれた人がいるでつよ。」
「へぇ。誰だ?」
「確か、、、Itadakiさんって人だったでつ。お金も借りたから、返さなきゃでつ。」
「Itadaki?なんか聞いた事あるような・・」
それは>>615で使った、夜勤のフロッピーのパスワードの一部だったのだが、
隊長もひろゆきも、それを思い出せなかった。

トオルは後は医者に任せるしかないし、馬並も動ける状態ではないし、
SDの関連資料の取りまとめが残っていたので、隊長は一旦自宅に戻る事に決めた。
夜勤の病院に寄ろうかとも考えたが、夕べの脱出劇で一睡もしていない
ひろゆきの眠気が限界だった。
馬並に挨拶をして、駐車場に移動する隊長とひろゆき。

「トオルたんの車でつね・・」
「ああ。」
後部に積まれたトオル愛用の釣竿が、寂しく光っている。
主の戻りを、この四駆も待ち望んでいるように、隊長には見えた。
803風と木の名無しさん:03/01/15 11:14 ID:tRrPPaIZ
車中、ひろゆきは隊長の傍らで直に寝入っていた。車に残るトオルの匂いと
隊長が側に居て心から安心して眠ったのだ。その寝顔を見ている隊長は
本当に嬉しそうだった。今日の夜が明ければトオルもきっと起きてくれる。信じているから

「明日はひろゆきに トオルが キスしてやって欲しい」 
だから隊長はひろゆきの唇にキス 出来なかった。
正月ムードも消えた 無機質な本来の街。後 数時間もすれば沈みきる太陽。
それらは窓に 只 景色としてだけ、一瞬に消えて行った。

そして隊長は車中SDの次に来そうな手を在るだけ思考していた。
トオルのやれる事は先ずPC そして最終兵器のトオル 後は なんだぁその、う・・うまい棒探知機・・・
SDは一体トオルに何を壊させたい?そして何をハックさせたい?探知機は置いておいて、
俺が扱う物件か?マルサ・・・・の情報?消したい程・・有るだろうな黒帳簿のデーター
多分秘書辺りが詳しそうだが、裏切らない限り期待出来ないし。
後は・・嫌な予感が トオルの会長の爺さんにする。否、寧ろ息子だけの方が不思議な位だ。
「写真と現在のSDが 違うなら・・・やりかねない 奴は・・・」
最悪其れを覆す方法も 手を打った方が得策かも知れん。

隊長の感の鋭さは群を抜いている。隊長は信号が変わるまでに、この思考を全て張り巡らせていた。
黄色暴走赤勝負!!帰りはそれを 一切しない 隊長だった。
804風と木の名無しさん:03/01/15 19:10 ID:IqoxHumQ
自宅マンションの駐車場にトオルの車を停めた隊長は
ぐっすり眠るひろゆきを起こすのが忍びなく、抱きかかえて部屋に戻った。
ひろゆきが、少し痩せたような気がする。苦労かけてごめんな。
ベッドにひろゆきを寝かせると、隊長はPCに向かった。

しばらく作業をし、一段落したので茶でも入れるかと立ち上がったところ、インターホンが鳴る音がした。
モニターを覗くとクロネコヤマトの兄さんが爽やかに立っていた。
小さいくせにやけに重い荷物を受け取る。差出人は・・・SD!!
念の為差出人住所を調べてみたが、それは使われていないであろう議員宿舎のものであった。

爆発物とかじゃねぇだろうなーと恐る恐る箱を開くと、そこには様々な書類が入っていた。
例のマンションが建っている地区の町内会会員名簿、町内会員達の個人情報、
景観条例制定を推進した市議の個人情報etc・・・・。
(ココまで自分で情報集められるなら、自分で潰せばいいだろがバカチンが。
そんなに俺に擦り付けたいのか、来年は衆員選だからな!腐ってやがる
つか、もう俺は依頼を受ける必要は無い訳なんだが・・)

箱の底に、一枚の紙が入っているのに目が止まる。
「先日依頼致しました用件に関する資料をお送り致します。尚報酬は以下の通りに変更させて頂きます。
『○○銀行の(株)M社に対する支援全面撤退及びM社清算事業立ち上げに対する、中止の働きかけ』
(・・・・ちょっと待て・・・M社ってトオルのあの爺さんとこの最大顧客だろ?
そこへの支援撤退って要は銀行がM社の手形を落とさないって事で・・・
それじゃ爺さんとこも連鎖倒産だろ!中止への働きかけって、潰そうとしてるのもSDだろが!!
メチャクチャやってんじゃねぇぞ・・ふざけんな!)
805風と木の名無しさん:03/01/15 23:10 ID:vdv3k0vY
隊長の感は矢張り当たっていて、SDに神経を尽く逆撫でされる隊長は
怒りの沸点に達していた。其れを羽根に隊長は 対策を考えていた。

とにかく、最終的に爺さんが、法廷で、会社整理の申し立て時にどんでん返し起こすか
発行済み株握ってる大元に第三者割当増資の実施で反撃喰らわすか しねえと・・
大元はこれ、確かSDの関連会社なんじゃ?だから、会長さん物凄く
肩身 狭そうで・・・実行すればどちらも厄介だが、救う手立て 無いよりマシだ。
          
「S D ・・・ 最後に ・・ 滅 べ 」 

それが 俺達の 手にする 馬鹿高い 報 酬 

冷酷な唇で言い放つ隊長の その眼の奥には、過去に消した あの光が蘇っていた。
806風と木の名無しさん:03/01/16 04:39 ID:+qLJBLP5
夜中から、土砂降りの雨が煩い位 窓に 鳴打っていた。
余に煩いその音に気付いて隊長は、窓のカーテンを開け外を見ていた。

「最近降らなかったから 凄まじいな・・土砂降り じゃないか」

明けて今日で3日か・・・嫌な天気だな・・・嵐に なるのかも・・
トオル・・起きてくれるかね・・
医者は3日が山場だと言った。今日か今日の夜中までには目を醒まさないと・・
トオルは・・・・
それ以上隊長はもう、考えたく無かった。否、思考が拒絶して、止るのだ。
ひろゆきは身も心も余程疲れていたのだろう。泥の様に眠り一向に起きる気配は無かった。

きっと怖かった筈だろうに、ひろゆきはそれを口にせず涙の代わりに始終微笑んでいた。
隊長は逆に其れが不憫に思えて成らなかった。
「今、辛いと泣けば、俺は己を責めるから きっと、泣けないんだ・・・」
辛い思いばかりさせて、俺は ひろゆきとトオルから 優しさを 貰うだけ貰って

俺は 何もしてやれて無い・・・人を護って愛する事がどれだけ大変か
もっと早くに 気が付けば二人に辛い思いさせずに済んだのに・・・
だから今度は 本気で二人を護りたい。もう、悲しくさせたく無ぇから これ以上。

隊長の涙を代わりに流すよう、外では土砂降りの雨が、何時までも止む事を知らなかった。
807風と木の名無しさん:03/01/16 12:49 ID:V4iAKPNX
「あのね・・帰って頂けません?私 今日こそ 馬並の病院行きたいんですよ」
「煩い・・・勝負・・しろ」
夜勤はあれからリーダを食ったのだろうか?何処か大人しい。

「土砂降りか・・今日で3日 因果だな・・」
トオル最近、水に好かれているんでしょうか?晴れれば良いのだけれど
「帰れない理由 御有りなんですか?SDに命令・・されたのではなく」
自分を執拗に追回し、部屋から出手行かないリーダに夜勤は微笑んでいた。
「SDなんかもう、関係ない!俺は・・・マァヴ様の・・だから」

奴の事は私ではないのに・・思いつつ真実を知ればきっとコイツはトオルを
狙うだろう。それならば・・・勘違いさせたまま利用しよう。済まないとは思うが
使えるものは何でも使う。夜勤はこのスレの本来持つ気質を思い切り利用していた。

「貴方マァヴの事 好いてらっしゃったんですね しかしあいつ サドだったでしょ?」
「御前が裏切るからだ!!裏切らなければ あの方は本当に こんな俺らでも
人を人だと思って下さっていた。SDなんかよりは ずっと遥かに・・・」

夜勤は余深くは、関ろうとしていなかったので、以外だと、思わざるを得なかった。
余計な事は省き、組織の内情だけ知れば良かったのだ。だから目の前に居る
自分に付き纏う・・・・・名も知らないこの、リーダーの存在すら,知らずにいた
「お名前何て 仰るんです?」 「俺が勝てば・・・教えてやる」
808風と木の名無しさん:03/01/16 22:11 ID:IJ/RCUB9
昨日の土砂降りは,一向に止む気配は無く、風も強かった。

隊長は朝から余り元気では無かった。医者の言った山場の最後、3日目の今日。
トオルの容態が急変して、最悪の状態に成ったら・・
やはり、不安で仕方無かったのだ。これに輪を掛け外は夜中と同じ土砂降り・・・
気が滅入る。ひろゆきも 同じな様で、余り はしゃいではいなかった。

「トオルたん 今日 起きて くれまつよね?」
「医者は命に別状は無いって言ったが、目を醒まさなきゃ・・・
あのセリフも 見舞う方考慮した単に 気休めみたいな所が 有るからな・・・・出掛けるか」

隊長とひろゆきは、今日は泊まり覚悟で病院へ向かった。
部屋から追い出されても 院内には、居たかった。病院で医師から
山場を告げられた 家族や恋人なら、誰もが一度は遭遇するあの状況。
歓迎したくない出来れば遭遇したく無い状況だが、自分達が居て
眠ったままでも 心が安心出来るなら、トオルに安心させてやりたかった。だが、

『4日目はもう、待たねえぞ.・・・俺は 短気なんだから 今日しかもう待ってやらない』
『本当に弱いトオルだんなんて おいらは嫌いでつ、だから 今日は必ず起きて 下さいでつ』
信じているからこそ、今度はトオルを突き放す思いで、隊長とひろゆきは 病院へ向った。
その夕方から土砂降る雨は嵐に成り、外では 季節外れの雷鳴が暗空に鳴り響いていた。
809風と木の名無しさん:03/01/17 01:21 ID:GdKl986T
病院へ着いた隊長とひろゆきは真っ先にトオルの居る病室へ向かった。
手を消毒し、あのダサい保育園カラーの割烹着を渋々着、
トオルの様子を見ると,トオルは血色だけは略、戻っていた。手も昨日より断然暖かい
しかし、昏睡は続いたままで、トオルは目覚める様子は無かった。

ICに居れる時間は制限は一応有るものの、中に入れば2時間以上平気で居座る見舞い客も居る。
隊長達は今日だけは其れをしていた。途中,担当医に 
「もう、起きても 良い筈なのに・・・目覚める気配が一向に無いんです」
と怪訝されたからだ。
「トオル・・俺・・絶対に嫌だからな・・お前一生 寝てるつもりかよ・・・待た無いぞ おい!」
「トオルたん・・・やっぱり 撤回するよ おいら弱くても 嫌いじゃ無いでつ〜 起きて!!」


810風と木の名無しさん:03/01/17 03:45 ID:mh+T6LXM
トオルの葛藤は>799からずっと続ていて諦めて眠っていた訳では無かった。
何処へ消えているのか、忍も美補も居ない。

誰の力も借りれ無い。
先見た夢、夢じゃなくするんだ!
寒いとか小下らない事言っていられない。

体を張ってまで美補の事教えてくれた切込の優しい強い眼差し
忘れた訳じゃない。
ひろゆきの
出された御飯は残さず食べる!転んでも泣かない 忘れていない。

俺は俺が嫌いだけれど、
美補は今まで探知機してくれていた。これだけは何時も
俺に感謝してる。忍もマァヴの時2人を無傷で居させてきれた。これも俺に
感謝ですだ。って事は俺、言う程自分が 嫌いじゃ、ないのかも知れない・・・

俺は俺が居なきゃ2人を愛してやれないんだ
本当は何も出来なく無いんだ。しなかっただけで、
2人を誰にも 絶対渡したく無いから、俺がやれる事 見付けてするから

切 込 ひ ろ ゆ き  お ま え た ち の 許 へ 俺 は 還 る  。 

811風と木の名無しさん:03/01/17 05:35 ID:ee51Bvpa
再び担当医師が、数名の看護師を引き連れて戻ってきた。
トオルの腕を取り、手首で脈を測りながら時計を見たままでひろゆきに話かける。
「お兄さん、もう体温については問題無いですね。復温処置はいらないから外します。普通の病棟に移りましょう。」
医師に指示された看護師達が、てきぱきとトオルの体から心電計の電極と酸素チューブ、輸血チューブを外す。
病院で支給された飾り気の無いパジャマを着た、人形のようなトオルを
掛け声とともにストレッチャーに乗せかえる看護師達。
ひろゆきが医師に尋ねる。
「ト・・あ、お兄ちゃんはいつ目が覚めまつか?」
「昏睡が覚めないのは多分軽い循環障害だと思うんですよねぇ・・詳しくはまだ分からないんですが。
低体温症は脳細胞が保護されるんで、脳に何らかの障害があってって事は考えにくいんですよ。
とりあえず点滴と一緒に血液循環が良くなる薬を入れます。それで良くならなければ、もう一度CTかけましょう。」

ガラガラと引かれたストレッチャーは、点滴棒とともにICUの2階上の個室に運び込まれた。
また心電計の電極と酸素チューブが、手際よくトオルに取り付けられる。
「じゃああと宜しくお願いしますね。心電図は見てますので。何かあったら知らせて下さいね。」
淡々と作業する看護師達を、隊長とひろゆきは虚しく見つめていた。隊長がつぶやく。
「まるで物じゃねぇか。」
「お医者さんも看護師さんも、他にいっぱい患者さん持ってまつ。トオルたんより具合悪い人
さっきの部屋にいっぱい居たでつ。仕方ないでつ。」
ひろゆきはそう言って隊長をなだめ、トオルの手をぎゅっと握った。
812山崎渉:03/01/17 11:15 ID:Y4ZVc+f+
(^^;
813風と木の名無しさん:03/01/17 12:08 ID:V7GFwabG
隊長も病院や福祉に対する患者側を見舞う立場としての
不満を覚えながらトオルの手を握っていた。

しかし、よくよく見てみると硝子越しでは受付で見られるような呑気
看護婦の姿は誰一人居ない。トオルより重症で家族も居てもう、
自分が誰か判別出来ない程半目を見開く患者に、
「判る?判りますか?判るね!」と必死で家族を教え、
諦めの言葉を出さないで、「昨日より手が動いています」と項垂れる家族を励まし
中も心電図が導かれたオホシックグラフを真剣な眼差しで書き留める看護婦の姿が
先ほど居たICCには有った。今もそれは同じで。

ひろゆきの言葉と、目に映る状況で隊長は少し落ち着き そして反省をしていた。
「そうだよな・・大体トオルが目醒まさないのが如何ので、
向こうも身を削って働いてんだ・・・適当に文句 言われちゃ、たまんないよな・・・」

そして、トオルの手を強く握り、『起きなきゃ 俺も ひろゆきも もう、抱かせない!!』 と刹那に祈る 隊長
ひろゆき以下 『繋いだ手を目覚めて握り返して!!貴方のこの手で抱き締めて!!』と強く願う うひろゆき。

二人の願いと祈りが同時に溶け合う瞬間、外では季節外れに狂った冬の稲妻が落雷し、
その雷鳴と地響きが、辺り一体に轟ろいていた。部屋では閃光が薄暗い部屋に在る影を
映し出し、雨音が一層激しくなり、それら全ても鳴り止んで、辺りに 穏やかな静寂が戻った時。

覚 醒 した トオルの 瞳が ゆっくり 開かれていた。 
814風と木の名無しさん:03/01/18 00:22 ID:SlYrCwPk
『あれれ?トオルたんは弱すぎでつねぇ』
掲示板に書き込まれるひろゆきの勝利宣言。
『くそー!博之め、卑怯な手ばっか使いやがって(;´д⊂』
トオルの指先がキーボードを滑る。
『トオル、諦めろ。ネトゲ浸けのひろゆきに勝つなんざ、無理』
と、これは隊長。
ネトゲの天才ひろゆきには、さすがのトオルも足元に及ばない。
恒例の深夜のネトゲ実況、もう一回戦、もう一回戦…時間がどんどん過ぎてゆく。
『こんなスキルも何もない奴に、サーバいじってはぶっ壊すしかしない奴に、
なんで俺が、、、(;;)』
815風と木の名無しさん:03/01/18 00:24 ID:fvuq8k8t
『PCスキルとゲーム戦略は別なんでつねぇ。
トオルたん、もっと修業するでつよん。うふうふ。。。』
『 合 掌 。』
こんなに下らなくて、穏やかな、優しい瞬間があったこと。
仲間が居て、馬鹿やって、そして朝を迎えたこと。────
そうだよな、もう一回みんなでネトゲやりてぇなぁ。。。
もっと強くなって博之に勝たないと。って、、あれ、博之お前なんでここにいるんだ?
切込まで、そんな心配そうな顔して、、
そんなに二人に見つめられたら、照れちゃいますよ。。。(素)
816風と木の名無しさん:03/01/18 03:52 ID:+2vSb5u/
「あ・・・ああ・・トオ・・トオル!!トオル!!トオル!!」
「ト・・トオル・・・たん トオルたん!!トオル!!たあーーーん!!」

えっと、俺・・まだ夢見てる のかな?博之はSDの所に居る筈で
先生、トオルの目が開きました?俺・・・・!!俺!!
生きてんのか!!話せるのかな?だったら 泣き虫の二人に 言ってやらなくちゃ。

「もう、かな・・くて・・・良いよ」

「隊長!!トオルたん 何か・・言ってるでつ!!」
「何だ・・・何・・はな・・して」

二人は本当に嬉涙を流していた。
トオルの方は 悲しくさせて、御免。のつもりらしいが
二人が握る手に少しずつ力が加わって行くのが判る。

酸素マスクを隊長が少しずらすと
『もう 泣かなくて 良いよ』消え入りそうだったが
トオルから、そう言ってるのが判った。

それを鸚鵡返しで隊長が博之へ伝え
『泣かないから 泣かないでつから』
うんうん。。。頷きながら隊長と博之は目をゴシゴシ擦っていた。

817風と木の名無しさん:03/01/18 05:10 ID:VkWzI190
そしてトオルは手でギュウギュウと、先程から隊長とひろゆきに何か、言って欲しそうにしていた。
顔も早く言って〜のおねだり顔に成っている。其れを隊長もひろゆきも悟り、

『愛してるに決まってるでつ〜 トオルたん 愛してまつよ』
素直に満面の笑顔を見せながらトオルの言って欲しがる言葉をトオルへ告げていた。

トオルはとても嬉しそうで、そのまま隊長へも 切込早く早く
と手でおねだりしていたが、隊長は、『起きるの遅いから言ってやらない』
と笑顔で意地悪をしていた。しかしトオルが瞳で「切込愛してるは〜聞きたいの」
と告げている。その眼差しは隊長が逆らえないあの時の瞳で・・
起きてもトオルはトオルなんだよな・・・
全く 一度言い出したら 聞かねぇんだから コイツはよ・・・
「分ったからその瞳 勘弁してくれ・・」弱いんだ・・・
「良いか、耳闊歩じって聞け・・スペシャルな奴を言ってやる、
一度しか言わないんだからな!聞けよ言うぞ!」
トオルは期待してます。ええ、ええ。の顔をしていたが、
隊長の次の言葉に???と成っていた。

『Дорогой любимый мой Я люблю тебя 』
 ダ ラ ゴ イ リュ ビームイ  モイ  リュブリュー チビャー

込さん。。。ナニ?ソレ?何語??俺 分らないけど・・・・言ってくれたの???
「隊長何言ってるのでつか?顔は真っ赤でつが???」「言ったんだ!馬鹿チン」

大切な 愛しい人 愛しているよ。ってな・・・恥ずかしくて 面と向かって言えるか!!

818風と木の名無しさん:03/01/18 10:02 ID:O8Wa+7Zf
《 ダ ラ ゴ イ  リュ ビームイ  モイ  ヤー   リュブリュー チビャー 》

『ヤー』 が抜けていた・・・・序に トオル氏の 『切込さん』も・・・訂正・・・スマン

819風と木の名無しさん:03/01/18 18:33 ID:mzEYlSNB
時に表情は、言葉より感情をストレートに映し出す。
トオルは隊長の言葉も解さなかったし、単語がすっこ抜けてしまったことも気付かなかったけれど、
ご当人の紅潮した顔はトオルを充分に幸せな気分にさせた。
「博之、切込、、愛してる」
相変わらず弱々しい枯れた声で、満足そうにトオルは頷いた。

っコイツ…やっぱムカツクうぅヽ(`Д´)ノ

トオルの飾り気のなさに暴れたくなる隊長であったが、
隣ではひろゆきがこれまた素直に喜んでいる。

ったく、お前はいい男だよ……。

悔しいけれど、やはり幸せな隊長だった。
820風と木の名無しさん:03/01/18 21:54 ID:FyaoDers
トオルがまだ目覚めた事を知らず、三人が、とても言い尽くせない程、幸せ全開に浸る
そんな頃、同じ院内では馬並が、雨上がりの晴れた夜空を眺め 少し、感傷に耽っていた。

「あ〜あ 本当にもう、参っちゃ〜わ 」

一人ってこ〜んな 退屈だった かすぅいら?
最近 夜勤ちゃんにくっ付いてばっかだったから、
何か 誰か居ないのっつて結構、寂しいのね〜
駄目ね〜湿っぽくて・・だから 病院 嫌いなのよ・・・

おや、嵐 治まったのね。、嘘みたいに 空 綺麗・・・・

感傷と言っても外を見ていると馬並の本来持つ楽観的な
前向き気質も有り、自然と消える位のもので、馬並は
『落ち込んでも仕方無いのよね〜』と空の星を見ながら微笑んでいたその時、

ドア越にで、タガタ少し物音がした。途端に馬並の表情が真剣なものに変わる。
病院の巡回にしては時間もずれていて 妙だ。一班室なので、下手に大声が出せない。

ドアが開き、矢張り自分へ近寄る足音がし、馬並は周りを起こさない程の声で
とカーテン越しから近付く相手へ、『誰だ?』と告げたが相手は、拡声器の様な物で
『大人しくしろ・・・』と言っていた。場の空気が馬並の周りだけ途端、高まる。
821風と木の名無しさん:03/01/18 22:33 ID:O5V2QUAq
そして。音をさせず、カーテンがジワジワと開かれ、闇に染まった人物の
腕が伸び、馬並の口が塞がれた。

動けない馬並が緊張MAXで堅く目を瞑り、
『私 此処までなのおおおお??いやああああああ!!SD卑怯過ぎよおお〜〜!!』
と心で叫んだ。。。が、力は何故か加わっておらず、黒ロホルムを嗅がせるあの
ガーゼも手には無く、変り 相手のしている、薄革の黒い手袋の革の香りが鼻腔を突いた。

『んっ?変ね。。。押さえ付ける気配全く・・無い。素人か?
恐る恐る目を薄く開けると、これらをやらかした張本人は、

『馬並、大人しく しろ 夜中ですから シーッ 来ちゃいました クスクス 今晩わ』 
指の代わりに拡声器を右手で唇へ宛て、左で馬並の口を塞ぎ、
お茶目にウインクする・・・夜勤だった・・・

「あんたねえええええ!!普通に来なさいよ!!何なの病人からかうの絶対良くないんだから!!」

馬並は言いたかったが他の病人も居るので其れは出来なく、目で夜勤へ文句を垂れていた。
『夜勤ちゃああ〜〜ん』 御免なさいを言う夜勤は楽しそうだった。そして、
『一緒にいるなら、少しでも落ち着く人の所の方が良いですからね』 とも思っていて、
実は夜勤リーダーに付き纏われ過ぎ、嫌気が刺し 四人の顔を見る序
彼に一服?否きっと昼まで起きない程度 薬を盛り、入院先から 一時、逃げて来たのだ。

『 皆さんも お騒がせして、御免 なさい トオル 起きたかな? 』


822風と木の名無しさん:03/01/18 22:39 ID:O5V2QUAq
うわう、拡声器じゃない、『変声器』 だ。。。済みません。。。
823風と木の名無しさん:03/01/19 10:17 ID:49Gyy0UB
トオルが目を醒まし、駆け付けた医者と看護婦は大変歓喜し、喜んでくれていた。

「トオルさん 良く 頑張って下さいました。私達はあくまで体内の現状維持を
手助けするだけで最後はやはり、御本人なんです。これだけは医療に携わる者で
有りながら、現実はどうも出来ない 本当に 良く頑張ってくれた 医者として 嬉しく思います」

全ての命が救える訳ではない。生命に対峙しすぎて感覚が麻痺している医者、看護婦でも
この事だけは嫌と言う程判っている。だjから患者がの家族に事務的だと冷たく思われても
迅速に対応するしかない。そして、患者の容態が救われた時、初めて本当の笑顔で
患者、家族と向き合う事が、やっと出来るのだ。

腹を立て、文句を言っていた隊長も、博之と 『有難う御座います』 を、何度も繰り返していた。

「目を醒まされましたから、後は完全に、体力が戻れば 後は退院出来ますよ
トオルさん 頑張りやさんの様ですから一月もすれば 十分家に帰れると思います」

「一ヶ月か。良かったな トオル」 
「良かったでつ」
一ヶ月も。。。トホホだ。。。トオルは起きたからもう、帰りたいよ〜 と不満タラタラそうだった。
しかし、とっとと意地で体力回復させて、2人を安心させてあげるんだ!とも励みにしていた。

ひろゆきは、2月といえば、チョコレートでつ!おいら、隊長とトオルたんにあげるでつよ!
勉強しなきゃ。弐編君居たら教えて貰えるけど、自分で頑張るでつ!と今から例の行事を心配し
隊長も、やらなきゃ、拗ねるよな・・・悔しいが。。退院祝いにも、なるしな。。と諦め半分 あのブツを渡す事を決めていた。
824風と木の名無しさん:03/01/19 21:48 ID:bcumskFe
トオルが目を醒ます直前での、SDのアジト(秘密基地、他人名義山荘)では、

「DS様 例の 残りの 断罪人ですが」
「居所が 判ったのかね?」
「はい 」
「何処だ?」
「其れが 夜勤を追っているらしく、本日 夜勤の病院へ
前の者を向かわせた所 部屋には奴だけが、居たそうです」

壁の幽霊は夜勤の忠告も聞かず、まだ組織に居るようだ。

「今もかね?」 「その様です 如何致しましょう?」
「褒美に目が眩んでいるとすれば、暫く様子を見て 
泳がせておけ しかし・・・裏切る様なら撤回はせん!言葉通り 其れを 実行し給え ご苦労だった」

部下を下がらせたSDは 相変わらず不機嫌で、労う言葉も社交辞令で、当然、本心は違った。

『 全く・・一々こんな事も言わなければ 成らんとは・・・使い捨ての部下は 之なので困る 』

夜勤、何時まで退院しないつもりか?手出しが出来ないと 思われているなら、仕方が無い
『権力の使い方』というものを、 君に、教えて 差し上げよう・・・
私の山荘へ、許可も無く 黙って 不法進入 してくれたのだからな!!そして、SDは部下を呼び・・

「断罪人が 夜勤を押さえられないと判断した場合、直ちに県警へ 手を回せ!!」 新たな指令を下していた。
825風と木の名無しさん:03/01/20 04:45 ID:PRFpPbXR
「一ヶ月あれば、退院できるでつか?」
「そうですね〜、体温を戻すのに>>797で体外循環ていうのをしてますんでね、
肝臓とか腎臓とか血管とかにかなり負担かかってるんですよ。
これから不整脈が出る可能性もあるし、熱が出たりするかもしれないので、
そしたら抗生剤入れたり処置した方がいいですし。
そういう後遺症が収まったら、退院してもらっていいんですけどね〜。
当分動けないと思うんで、うち完全介護だけど、ご家族の方泊り込んでもらってもいいですよ。
簡易ベッドの手配とか、ナースに言って下さい。」
それから医師は、少し不安げなトオルの顔を見て笑顔で言った。
「ちょっとね、まだしばらく苦しいかもしれないけど、絶対治るから頑張ってね!」

医師と看護師が部屋を出て行った後、ひろゆきと隊長は相談を始める。
「どうするでつか?隊長。おいらトオルたんの傍に居たいでつ〜。」
隊長だってもちろんトオルの傍に居たい。どんな世話でもしてあげたい。
だが>>804-805の、SDの依頼と報酬の件が頭にひっかかる。
今SDと連絡を絶てば、トオルの会社に何をされるか分からない。少しだけ、無邪気なひろゆきに嫉妬する。

隊長が頭を抱えた時、病室のドアが軽くノックされ、良く知っている顔がのぞいた。
夜勤だった。
826風と木の名無しさん:03/01/20 10:22 ID:vkTpupz4
『 トオル!起きたのか!良かった 』
顔を覗かせた夜勤の第一声が「博之さん」でないのがトオルと隊長はとても驚いたが、
その後は 『博之さ〜ん』 だったので、2人は 苦笑していた。

夜勤の顔を見ると博之は嬉しそうに「夜勤たぁ〜ん」と夜勤へ懐きに行った。
懐きに行ったのは、嬉しいのも勿論有るが目的は・・・ピーターちゃんだ。
博之の瞳がキラキラ とても輝いている。しかし、手に持っている様子が無く不信そうだったが
馬並の部屋に置いて有る事を知ると途端トオルと隊長へ博之が『取りに行かせろ』 と瞳に訴えていた。
隊長は呆れ顔で、苦笑するトオルの言いたい言葉と、自分も言いたい言葉を代弁しながら
博之へ「兎の縫ぐるみ」を取りに行く事を、快く承諾していた。

「夜勤 済まないが 少しだけ 博之 頼む」
「少しなんて ゆっくり させて頂きますよ 隊長」 トオルとお話色々有るでしょうから
「夜勤・・・」 「向こうにココア有りますから 博之さん 部屋の外で飲むでしょう?行きましょうか?」
夜勤はピーターちゃんとココアを入れに 嬉しがる博之を連れ馬並の部屋へ、一端 戻って行った。

ドアが閉まり 部屋では残った トオルと隊長の 二人だけの 静寂が訪れた。

伝えたい事 謝りたい事はお互い有る筈なのに、瞳しか見つめられず
隊長はトオルの博之が握っていた手を握り締め、トオルは隊長が握ってくれていた
空いた手で、隊長の抱える気持ちを悟る様、髪を優しく 撫でていた。
827風と木の名無しさん:03/01/20 22:31 ID:2V87ZLqI
何故博之がSDの元から脱出 出来たのか、トオルは不思議で仕方無いけれど、
トオルは 甘えて手を握っていない隊長が、とても気掛かりで仕方無かった。

あの日の夜に抜け出さずに居たら、隊長を もう少し俺の事 独り占め
させてあげられていたのに とか 誕生日祝いを言ってやれていない事を悔やみ
そして、先刻からの隊長の苦悶の表情から、SDが又何か 隊長へ 
『自分絡みで嫌な 問題を吹っ掛けている』 のでは無いかと。 此方をとても 危惧していた。

隊長は トオルに髪を撫でられながら、トオルへ会社や会長の事を伝えるべきか心底
悩んでいた。退院すれば、色恋沙汰に肝心な時 多少 鈍くても、トオルはそう言う事は必ず見透かす。
きっと今も 『何か』は感付いているかも知れない。退院すれば、PCで又データーを抜き取り
自分が>618で怒った様に 『何故今 教えなかった!!』と本気でトオルは怒るだろう。
しかし、トオルの今の事を考えたら・・博之は呑気だし・・俺・・・どうすりゃ 良いんだ・・
『今度は会社が潰れるぞ』 なんて・・・・どうしたら クソ!!
828風と木の名無しさん:03/01/21 02:59 ID:TdcPqKtL
ポーカーフェイスを装いながらも、少し瞳をそらした態度から、
トオルは隊長の葛藤を垣間見た。
(こいつは言わない男なんだ。そういうプライドを持った人間なんだ。)
隊長の手を弱々しいながらも握り返すと、ぽつぽつと、確かめるように言う。
「お前の、、好きにしてくれ、、、お前が、、選んだなら、、俺は、、、どっちでも、、大丈夫だ。」
そして全幅の信頼を寄せて、隊長を見つめた。
(どんなトラブルが起こっても、切込とひろゆきと3人一緒なら
必ず乗り越えられるって俺は知ってる。だから何も怖くない。)

しばしの沈黙の後、意を決した隊長はトオルに事の次第を話し始めた。
病人にショックを与えてはいけないと、できるだけ穏やかな言い回しを使ったが、
やはり突きつけられた現実は残酷なものだった。
トオルは黙って聞いていた。ある程度予想していた事だった。それがショックを和らげた。
「分かった、、サンキュ、切込、、、、まず、、俺達の、、敵を、、、はっきり、、しとかないとな、、」
何言ってるんだ?敵はSDに決まってる・・・と言いかけて、隊長はトオルの自分をみつめる
優しいまなざしに気が付いた。そうか、そうだな。こいつ何でもお見通しだ。

隊長が激しく自分を責めている。それをトオルは知っていた。
でも、本当に責めるべき相手を間違えて欲しくなかった。
(切込、お前はなんにも、わるくない)
829風と木の名無しさん:03/01/21 13:19 ID:i9j1Cpgq
「トオル・・・」
トオルのくれるこの眼差しに、俺は何時も、どれ程救われているだろう。
それにちゃんと応えてやる為にも、俺は自分を責める癖・・少し 直そう・・・

『其れ位 判っとるわ バカチン』 素直には・・・成れねえ・・・けどな・・・
「だからだなあ、俺様がトオルの所に泊まりで世話してやれない事の方が
絶対多いかも知れんが、良いか、お前、拗ねるなよ。お前直、拗ねんだから」
「拗ね、、ない、、よ」 
切込の、口が悪いのは照れの裏返し。

ポーカーフェイスを気取り、手は離さず口の悪い、捻くれた隊長だったが、
目はトオルに『御免』を何度も言ってるを気が付いて、居なかった。
トオルは、うん。うん。幸せを噛み締め 微笑ましく、隊長の頭を撫でていた。
830風と木の名無しさん:03/01/21 14:28 ID:T0+kqYut
一方、博之は、集い場所で夜勤から何時作ったのか、特大ピーターちゃんとココアを頂いていた。
しかし、兎を抱き締める博之の表情が少し曇る。

「おいら、とても幸せでつ。皆が居るこの暖かい場所が、こんなに大切だった事帰ってきて、今更思ったんでつ」
「なのに・・おいらが幸せだと、トオルたんも、隊長も、夜勤たんも馬並たんも・・・」
「博之さん!私は それに皆さんも、貴方が居ない方が、とても不幸でした。 突然何を仰るのかと思ったら・・」
「夜勤たん・・怒ってまつか?」
「怒っては いませんが、最後は仰らないで下さいね 其の方が、皆も悲しいし 立ち直れません」
「だけどでつ・・・」

「大体ね、貴方にそう言う事を思わせる、御二人が先ずいけないですし、私達もいけないんです
そして、こうなる 結果を作ったのは、私達が自ら引いた ド ジ が、最大の原因なんです。
そんな事で貴方が気に病む必要なんて微塵も無い。 寧ろ、お前達が早く助けに来ないから
自分で帰って来てやったぞゴルア!!っくらいの強さで、居て下さって良いんです 貴方は」

『 もっと 自分の事 大切にして下さい 』 
夜勤の最後の言葉で、博之は縫ぐるみを受け取った時の笑顔を戻していた。
「何時もおいら 夜勤たんに怒られまつね 二回目でつ〜 言われたの 悲しい事もう、言わないでつ」
「病院は、考えないで良い事まで考えさせますから 、きっと気の迷いです。ココア 冷めますよ」 
「夜勤たん 何時も何時も 有難うでつ おいら、やっぱり皆の居るこの帰れる場所が 一番大好きでつ〜」
831風と木の名無しさん:03/01/21 19:13 ID:pRx51OrP
「切込・・・」トオルが、髪を撫でていた手を下ろし、指で手招きした。
「なんだ?」隊長は訝しげに顔を寄せる。
その耳元に口を寄せ、トオルがこう囁いた。
「キス、して」
832風と木の名無しさん:03/01/21 22:50 ID:8h7X01rb
「キス・・・してくれって・・・病人だぞ・・・・」

点滴の管、心電図の電極、酸素チューブも、トオルは取れていない所か3日間昏睡し
そこから起きたのもつい、先程だ。本当は体を休め、再び安眠していなければ
ならない状態で、トオルはキスをして欲しいと言い・・・
起きたから抱き付いて、そりゃ、抱き締めたい・・・そして・・抱いて・・・欲しい・・とは、思うが・・

「せめて、お前 点滴だけに成るまで・・・」 トオルは嫌だと言い、聞かない。
トオルは『キス魔』だからな・・・言い出したら聞かないし・・・起きてもキス魔かよと
隊長は呆れつつ、それでも 蚊の鳴く声で、顔を染め、器具に触れないよう注意して、

「起きてくれて、本当に良かった トオル お早う 惚れてるぜ」
「切込・、本、、当に、御 免・・そして、、有 難う 惚れてるよ」

今までの不安と、トオルが覚醒した喜びを口にしながら隊長は、トオルの唇を気持ち事
とても優しく塞いでいた。>749や>769の時、想った願いが再び今、生きて実現させる
事の出来た喜びに、トオルは心から感謝をし、隊長に唇を奪って貰っていた。
833風と木の名無しさん:03/01/22 03:17 ID:L00keapn
長いような、短いような二人の甘いキスが終わった頃、ひろゆきが夜勤を従えて部屋に戻ってきた。
「お、ウサギ貰えたのか。良かったなひろゆき。」
今キスしていたのを悟られるのを隠すように、あわてて口を開く隊長。
「うん、夜勤たんにココアも奢ってもらったでつよー。ありがとうでつ。」
「いえいえ。これくらいしか できなくて」
見ているトオルは微笑んでいる。何気ないやりとりが、今はとても心地よい。

それから隊長はひろゆきを自分の隣に座らせると、ゆっくりと話し始めた。
「お前はここに泊り込んでトオルの面倒をみろ。ベッドの手配、やっといてやるから。
寝たきりトオルに飽きたら馬並もいるし、夜勤は実は元気だから東京の病院に電話して呼び出せ。
俺もできるだけ来るが、これからちょっと忙しくなる。だから頼む、ひろゆき。」
「・・・いいでつけど・・・隊長、仕事が忙しくなるでつか?」
「うん・・まぁ、そんなとこだ。」
ひろゆきは隊長が何かを隠している事は悟った。でも、それ以上は聞かなかった。
話し終わった隊長は席を立った。トオルの手をもう一度握って、小さくつぶやく。
「じゃあな。行って来る。」
トオルは隊長の手を握り返し、それに答えた。
834風と木の名無しさん:03/01/22 07:18 ID:8bdXtq2q
あれから早くも2日が過ぎ、博之はトオルの病院へ泊り込み隊長は自分の部屋に篭り
六法全書を片手にSDの土地問題と爺さんの会社問題を両方片付けるべく資料と奮闘していた。

建築法第五十六条、第九十一条関係
一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域
高さが十メートルを超える建築物 三時間(道の区域内にあつては、二時間)
別表第三 前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限

「こんな 可愛いもんじゃないだろうな・・・」

区分所有法だと六条@
区分所有者は建物の保存に有害な行為其の他建物の管理又は使用に関し
区分所有者の共同の利益に反する行為をしては成らない。
しかし、奴等土地収用法の時点で埃出てんだろうから、やる気し無ぇな・・

初めはSDに喜ばせて最後に爺さんが救われれば俺は満足な訳だから、
トオルも好きにしろと言ったし、M社と連携倒産する前のギリの月で
爺さんの会社が第三者割当増資の実施させて残るか最悪j会社整理申し立て時
どんでん返し起こさないと不味いんだ・・が、裏書が誰でとか、手形の種類やら関係者の同意やら
様は商法第381〜403条に嵌って、銀行と地裁に納得させられれば。良いんだ。
巧く行けば今度はトオル、博之皆の仇、取ってやれる。だから今日も見舞い行けなくても、頑張れ俺様!!
835風と木の名無しさん:03/01/22 13:26 ID:4l5M2DVM
昼の射光が窓にさす穏やかな日溜り、トオルはあれから疲れて再度眠り
起きて今日、体調も優れていたので、博之が帰って来た謎を聞いていた。

「おいら、良く覚えてないんでつよ。薄い幕越しからずっと見てた感じで」

それって・・トオルは感で誰かが身代わりをしていたのでは?と思った。
自分の中に忍と美補が在る様に博之にはひろぽん、ひろゆ子、ひ が
在り。そして、ひろぽんは前に話掛けても来ていたので、きっと・・・
トオルは敢えて、それを博之には言わずに居た。しかし、そうなら
『 お前達 本当に有難う 』 ひろぽん達へトオルは心で何度も御礼を言っていた。

「嫌な事だから、忘れて、、良いんだ・・だから 幕なんだよ、、きっと」
「そうでつのかな?で、おいら結局一人じゃ無かったんでつ」
「???」 
「縄は切れたから、この切り傷なんだと思うんでつが、駅まで見送ってくれた人が、居たんでつ」
「助けてく、、れた人が、、居たのか・・・」
『Itadakiさんって、とても親切で、もう、SDが信用出来ないからって』 
『?何処かで・・・・ひろゆきも・・・・い・・・・・・・!!!』
>615でトオルが夜勤プロテクトに悩まされ、博之が自分達のBDを入れた後放り込んだパスワードを
隊長は忘れても、トオルは忘れる訳が無い。メモまで取っていたのだから・・ トオルは思い出し、表情が焦り出す。
『Itadaki!!・・!!mirv itadaki !!SupportDESK!!・・・パスワードの!!』
836風と木の名無しさん:03/01/23 03:21 ID:EOsnpkUV
罠かもしれない・・と思ったが、トオルは博之の説明で考えを直していた。
「Itadakiさんは、トオルたんの事も 庇ってくれてたでつよ・・」
「ジジイはトオル・・たんがっ!・・死んでも・・・仕方無いって・・・言った時に
PCのスキルは 部下全員誰も敵わない から 助けろって・・殺すなって・・」

あのクソジジイ!!んな事言っていやがったのか!!
残念でしたケッ!!俺はこうして生きています〜だっ!!
しかし俺のスキルに敵わないって事は、PCのスキル 否PC自体の管理は
ガタガタって事だよな・・・Linuxもロクに、知らなかったり・・
俺が退院したら、三匹の鼠ちゃん 火付けて暴れさせてやりますか。。。
『火達磨の鼠が暴れるとdでもない場所から火が上がる ってね( ̄ー ̄)ニヤソ ・・・』
トオルは丸で地上げ屋の様な事を思いつつ、SDに仕返しを目論むのだった。

一方 膨大な資料と闘っている最中の隊長はと言えば、
「独禁法の三条後段が、入札談合の之だな。。。疲れた〜 ひろゆき〜!!茶・・・」
居ないん・・だったな・・没頭してると感じなかったが・・・
一人だとこの家・・・静かで 無駄に こんな広かったか?
空いた空間の自分しか居ない部屋の広さに少し、j感傷を覚えていた。
837風と木の名無しさん:03/01/23 12:34 ID:T7gFlAYw
隊長が部屋の広さに感傷している頃、夜勤の病院では
《ふう・・・何なんでしょう・・・客人 増えてるじゃないですか・・》
『幽霊さん貴方まだ 居たんですね・・忠告したのに・・』
「幽霊???いっ・・・・居るのか!何処??何処だ??」
リーダの壁の後ろを指差し、『 ア ナ  タ ノ ウ シ ロ  』 見えません?

悲鳴を上げるリーダーをからかい、夜勤がクスクス笑っている。
しかし、壁際の客人が何故戻ってきたのか、意図が判らない。
見張っている間も彼は余り、組織が好きそうにも思えなかったが・・・
だから立ち去る最後に言葉を発したのだろうと思っていたのに。単に馬鹿なだけか?
「私今回 彼方の御相手する程 暇では無いんです 其方へ伺いますよ」
「おっ!!おい!!一人に 一人にす・・するな・・」

夜勤が散散、経を挙げていた壁の向こうへ初めて向かった。勿論、暗器持参で
物理以外は弱いらしいリーダも逃げ腰で夜勤に付いていた。
そして、見えない客人と初めて対峙し、向こうは見付かって良かったのか、
攻撃をする気配も、逃げる気配も見受けられなかった。何が目的か増々判らない夜勤。
しかしリーダが 『お前Itadakiさん側の 見張りの部下じゃないか!俺は』
『知っている 元、SD工作部隊リーダー そして 元マァヴ直属の、特攻隊リーダだな』
「元って、貴方矢張り・・」「俺の事は良いんだ!!俺の首 撥ねにでも・・来たか・・チッ」
「確かにお前には断罪の令が下っている。しかし、私は夜勤どうしても、彼方に聞きたい事が有って来た」
『あの時何故、私を助けた?』 幽霊は情報を掴む為、組織へ戻り、そして今夜勤へあの時の借りを返しに来たようだ。
838風と木の名無しさん:03/01/24 06:29 ID:LBMUui4Z
「敵だが人で在る事に、変りは無い」
「それだけで?」
「忠実だから物扱いなんて、ふざけてるでしょ?」

下らない権力で 無闇に断って 良い命なんて、何処にも無い。だから憎くても見逃した。
そして再び場に戻るので有れば、其れは当人の其れが居場所なのだから
例えそれは間違っていたとしても、それ以上、関与はしない。

夜勤が思考していると、Itadakiの部下は『借りを返す』と言い、>825のSDの企みを夜勤へ告げていた。
「言い換えれば、小僧が夜勤氏に執着していれば、捕まえる気が有ると、私はそのまま
報告する。これで、切込氏が仕事を全て片付けて下さるまでは、少なからず 持つだろう?」
「貴方は・・その後どう・・されるんです・・・」
「私はItadaki様の部下だ。SDの部下では・・・無いからな」 

Itadaki様 貴方がが夜勤氏を嫌う理由が今やっと、判りました。
危険だと知って、敵を包み込む強さと暖かさを、この人は持っている。

相手を見守る様に瞳を細め、笑顔の表情を崩さない、敵から好感されている夜勤の心中実は・・・

Itadakiさん、貴方の部下とこのリーダー 大いに使わせて頂きます。勿論お会いした時は
貴方もね。県警なんて私、御免被ります。御回りさんは ワンちゃんだけで十分です。
だった。この夜勤の笑顔に、騙されている事を、この二人が気付くのは一体、何時の事やら。
839風と木の名無しさん:03/01/24 07:28 ID:kRgPMMtF
日が暮れる頃になって、トオルは口数が少なくなった。
少し体調が良かったので、無理して起きて話していたせいだろうか、医者の予想通り熱が出たのだ。
解熱剤を注射してもらったが、夜になっても一向に熱が下がらない。
ひろゆきは額の汗を拭いたり、氷枕をもらってきたり、かいがいしく世話をしていたが
苦しそうに息をするトオルを見て、隊長に連絡しようかどうか迷った。
(どうしよう、、、隊長は忙しいんでつよね、、でもトオルたん、苦しそうでつ、、
先生は大丈夫って言ったけど、、、このまま死んじゃうなんてこと、ないでつよね、、)
実際は命に別状はないのだが、心配のあまり嫌な考えになってくるひろゆき。

その頃隊長は、資料の整理が一段落ついて、一人でコーヒーを入れて飲んでいた。
(どっちにしろ初公判までの時間がねぇ。原告ゆすって告訴取り下げさせて一旦SDを喜ばせて時間稼ぐか。
その間に爺さんにこっちの資料渡してM社の手形対策してもらって、
それが済んだらこっちの資料を別名で原告に送って、SDが逃げられん告訴させてやる。
見てろよSD。俺を本気で怒らせたんだからな、滅べ。)
自分のシナリオに満足して空のカップを手に立ち上がると、携帯が鳴った。
公衆?こんな時間に?・・・不審に思いつつ出てみると、小田原の病院のひろゆきからだった。
840風と木の名無しさん:03/01/24 13:52 ID:fwda7/Sf
掛けて来た、電話越しのひろゆきのの様子が可笑しい。隊長を何度も繰り返し、半分泣きそうになっている。
そして宥めながら隊長はトオルの現状をひろゆきから聞き出していた。「やっぱり熱・・出したか」

医者も後に熱が出るとは宣言はしていた。熱が出るのは生きている証拠だ。
どうせ、トオルがキスをしてくれとせがんだ時の様に寝ないで調子付いて起きていたに違い無い。
それに便乗してひろゆきも、はしゃいで制止せず、トオルを起していたのだろう・・・
隊長は丁度、息抜きもしたかったのと、病院へは行きいのと合間って
トオルの車を爆走させ、電話を切ると直に隊長は小田原の病院へと向かった。

隊長が小田原へ着き、項垂れるひろゆきと魘されるトオルを見た時、呆れ顔で発した言葉は
『起きて2日目でこれか・・・』 で有った。そして、トオルが始終起きていたで有ろう事を隊長が指摘し、睨んでいる。
トオルは、駆け付けてくれ真剣に怒ってくれる隊長へ熱に浮かされ、潤んだ目で、『面目無いです・・御免なさい』 を言っていた。

隊長がトオルに充てたタオルを外し、額に手をやり暫くし、
「多少高いがこれ位じゃ死にゃせん ひろゆき お前馬並の所行って落ち着いて来い お前無理だ」
「隊長?」 「タオルは熱いし、氷溶け切ってる・・心配しすぎて、気が付いて無かったろ?」
「あっ・・・・・ごめん・・なさいでつ」
「だから少し、馬並に 息抜き させて貰って来い 後は俺がするから」 「はい・・でつ・・・」
ひろゆきの落胆振りを見兼ねた隊長は、息抜きをしに、馬並の部屋へ行く事をひろゆきへ促していた。

「さてと、トオルさん 俺はひろゆきみたいに、甘やかさんぞ〜 そのつもりで熱、下げて貰う。 だから、安心して 寝な」
841風と木の名無しさん:03/01/25 08:48 ID:798SHsJx
隊長が、温まったタオルを新しい氷水で冷やし、水枕も中を換えトオルに
宛がうとトオルは心地良さそうに憂い、暫くすると寝息を立てていた。
甘やかさないと言っていた隊長の表情はとても穏やかで、トオルは
それを見て安心し、眠ったのだ。

トオルが覚醒した時の様な嵐は無く空は星が輝いている。
束の間の久し振りの二人だけの静寂。会話の変りに隊長が時換える
トオルの額のタオルを水に浸す時の、水と氷の音だけが唯一部屋の物音だった。


842風と木の名無しさん:03/01/25 13:11 ID:JiV+faZv
隊長が暫くそうしていると、一時間程で博之が戻って来た。
息抜きに成ったのだろう、表情から険しさが抜けている。
トオルの穏やかな寝顔に博之も安堵し、隊長へ取り乱した事を謝っていた。
「おいらが騒いで隊長呼んだの・・・御免なさいでつ・・お仕事 大変だって・・」
「そうだな・・昔の俺なら、酷い事言ったかも知れんが、ひろゆき」

『呼んでくれて 本当に 有難う』 隊長はひろゆきへ、心から礼を言っていた。

病院が用意してくれた冷却シートは使わず、仕事で余り寝ていないだろう筈の隊長は実に
タオルを換えている。そんな隊長を見ながらひろゆきは、自分が熱を出した時の事を思い出していた。

あの頃は弐編が居て、略世話は彼がしていてくれたけれど、弐編が寝ると、現在の様に
『これ位じゃ死にゃせん 俺が居んだから、熱なんて下がるに決まってる。だから 寝ろ』
言い方はぶっきらぼうでも、していた行動はあの時と同じで、トオルへ手向ける穏やかな表情も、そうだった。

ー 本当は隊長だって心配なんでつ 隊長は酷い人なんかじゃ無いでつよ
 優しいんだって おいらもトオルたんも ちゃんと 知っているから ー

ひろゆきが屈託の無い笑顔で隊長へ手伝いたいと言った。今度は隊長も微笑み、快くそれを承諾した。
「なら 水、頼むよ氷とな。けど、タオルは 俺が・・帰るまで トオルに するからな」
「はいな!寝たきりトオルたんに飽きたら替われって隊長言ったから、おいら隊長と替わるでつ〜」
「う・・うん・・でなきゃ・・直ぐ・・拗ねるからな・・トオルは・・」
843風と木の名無しさん:03/01/26 06:42 ID:zfua9uYa
ひろゆきはパタパタと走り出し、ナースステーションに追加の氷を取りにいった。
「病院で走るなバカチン」
小声で怒る隊長だがその口調は優しい。

ベッドで眠るトオルに視線を落とす。病人なのに惹かれてしまう。
(髪ボサボサで顔色最悪なくせに、まだカッコいいのかこいつは)
隊長は少し悔しく思ったが、惹かれるままにトオルの唇に自分の唇を重ねた。
早く起きろ、トオル、トオル、俺とひろゆきのトオル。

少し経って、ひろゆきが氷といっしょに、水差しを持って部屋に帰ってきた。
「看護師さんが貸してくれたでつよ。トオルたん、起きたら喉渇いてるだろうから
湯冷ましとかポカリスエットとかなら飲んでもいいでつって」
良く見るとひろゆきのシャツのポケットに、ポカリスエットの缶がねじ込まれている。
「もう買ってきたのか」と笑う隊長。何だか久しぶりに笑った気がする。

ひろゆきが居ると笑顔になれる。誰もを和ます力がある。
隊長は今度はひろゆきをそっと、でも力強く抱きしめて、愛しげにキスをした。
844風と木の名無しさん:03/01/26 08:48 ID:g3YwrtFH

「トオルたんと間接キスでつね」
845風と木の名無しさん:03/01/26 17:20 ID:FCfbwSW+
「先の・・・見て・・た・・のか・・」
「はいな〜 目撃したでつ〜 照れなくって 良いでつよ〜 隊長?」

= 隊長も おいらから 好きな人 取るの? =

隊長の頭の中にひろぽんから責められた時のあの言葉が蘇る。
しかしひろぽんの時の様なあの時の、本気で責めるひろゆきの瞳と
今の瞳が違う。無邪気な態度と無邪気な瞳。邪気の欠片も無いそれは、
子供が時折見せる残酷な純粋さと価し、時に痛切に人を傷付ける。

少しでもそう、心の何処かに思われるのなら、罵倒された方がどれだけ真しか・・・
隊長は、夜勤の所へひろゆきを迎えに行った時にトオルが心に思った事と
同じ事を思わずには、居られなかった。

何時も天秤に掛ける事でしか人を愛せないで居る、それが俺の 報いなのか?

「隊長?」
「博之・・・・俺達と居て・・・お前・・・本当に 幸せか?今更だが・・もう一度 お前の本心 聞きたいんだ・・」
隊長は、一度蘇った不安に救いを求め、ひろゆきを離さないまま 細く其れを訊ねていた。
846風と木の名無しさん:03/01/26 21:06 ID:KNLR7Zl/
ひろゆきはその屈託の無い笑顔のまま、隊長にそっと唇をよせた。

「えへへ、これはおいらからでつ。今度隊長がトオルたんにちゅーしたら
 おいらの間接キスになるでつね〜」
847風と木の名無しさん:03/01/26 23:38 ID:BYwyCy1/
「はぐらかすな・・・博之・・・俺は」 「はぐらかして無いでつよ 隊長」
「俺は・・・何時も天秤に」

掛けているのは おいらも同じでつ。隊長はこの一言でひろゆきも同じで居る事
そしてひろゆきの方が自分よりも判っていて、強い事にも改めて気付かされていた。

「おいらは〜 隊長とトオルたんが 隊長はおいらとトオルたん トオルたんは」
「俺と・・ひろゆき・・・・」 
「だから こうして三人で 居るでつよ〜 隊長は嫌でつか?不幸・・なのでつのか?」
隊長はひろゆきのその言葉を即座に強く否定していた。

「確かに、二人に妬く事はしても、其れをどちらが邪魔だとか
其れで不幸だとか思った事は、俺は一度だって無いんだ!」
「だから おいらは帰って来たでつよ 夜勤たんの時も この前も 」 
「ひろゆき」

隊長は悩み過ぎでつ〜優しい笑顔を向ける博之に隊長は謝る言葉の
代わりにもう一度強く、博之の唇を今度は本気で奪い返していた。

そして暫らく経ってから水分を求め自然と目を醒ましたトオルには、有無を言わさず
ひろゆきが買った、愛のポカリスエット 隊長からイオンサプライな口移しが待っていた。
848風と木の名無しさん:03/01/27 06:44 ID:74pVkPp0
暖かい隊長の唇から注がれる冷たい液体。少しずつそれを飲むトオル。
「サンキュ、、、切込・・・。」
「ひろゆきにも礼を言え。買ってきたんだから。」
「そうか・・・サンキュ、ひろゆき。」
「えへへ、、」

喉の渇きが治まったトオルは、もうすっかり熱が下がったようだった。
トオルの額に手を当て、それを確認してから隊長が話し出す。
「つか、ちょっと体調がいいからって、調子に乗るから熱なんか出んだよ。
こうやったらこうなるって、想像すりゃ分かんだろ。アホかお前は。
ちったぁ自分の体がどういう状態か考えろ馬鹿野郎が。」
「隊長、さっきまでと全然違うでつ。トオルたん、まだ具合悪いんでつから、、」
「いいから言わせろ。大体な、いつまでこんなとこで寝たきりオヤジやってるつもりなんだ?
寝てても起きててもお前が馬鹿なのは変わらねぇんだから、
こんなとこで寝てると金ばっかかかるんだから早く起きろ。
お前のせいで俺が今、どんだけ糞忙しい事になってるか分かってんのか?
とっとと退院して、俺やひろゆきや夜勤や馬並に菓子折りの一つでも買ってきて頭下げやがれ。」
「・・・すまそ(;;)」
「・・・隊長、言いすぎでつ〜酷いでつ〜(泣」
「いいんだよ、こいつはこれぐらい言わねぇと分かんねぇんだから。」

トオルは気が付いた。悪態をついて責める事で、隊長は自分を救ってくれている事に。
誰にも責められない事が、何より一番辛い事だと、隊長も知っているのだと。
849風と木の名無しさん:03/01/27 13:18 ID:gBdRL0tl
人と触れ合う事は実はとても難しい。特に優しさの愛情は。
トオルはそんな思いを馳せていた。

ひろゆきは二人にとって居ない事でお互いズタズタになる程大きな存在
切込は最初は敵同然な今はもう 本気で惚れ込んだ掛替えの無い恋人。

どちらも大切過ぎて許容だけしかして来なかった。
特に隊長には出逢った初めが初めなだけに、喧嘩やそういう事になると
又元に戻るんじゃ無いかと、此れが先立ち失うのが怖くて、何も言えなかった。

だが、トオルのそれらを見透かす様に隊長は 『愛するだけが愛じゃない!』
と強い眼差しで其れをトオルにぶつけている。そんな隊長もトオルを失うのが恐怖なのだ。

しかしトオルにはもう、間違えないで自分達を見ていて欲しいんだ!と思いを託し、本気で怒る
そんな隊長にトオルは、心から救われ感謝し、許容するだけの優しさを、改めて反省していた。

『切込、、有難う、、ひろゆき、、切込はちゃんと、、優しいよ、、』

うっ!・・・蒼白い癖に 紫な癖に ボサボサで 寝たきりの癖にだなあ!・・
見透かしてやがる・・悔しいよなぁ・・・ 『だ〜から!テメーは寝ちまえよ!とっととよ!』 
今度は二人でお前に おやすみのキス して やんだから・・躰休めて寝やがれ。。。全く
850風と木の名無しさん:03/01/27 22:56 ID:iDwJW6Wl
そんなトオルの発熱騒ぎから早くも二週間が経ち、

途中トオルの発熱も、微熱を軽く繰り返してはいたが、隊長に叱咤されて以来
トオルは大人しく寝入り、ひろゆきもオロオロせず、迅速に対処していたのが
幸いして、トオルの体力の方も徐々に戻りつつ有り、トオルの蒼白かった顔色からは
赤みが差し、言葉も 『、、』 が抜け、酸素チューブが取れていた。

一方、隊長の方は相変わらず忙しく、自分の仕事の合間を縫っては
対、SD戦へ向け、上辺に出すSDの資料と、その水面下の裏資料を、
作成する日々が続いていた。
それでも週に一度は、トオルとひろゆきが、ちゃんと言う事聞いているか
『監視だ』と言って、小田原まで顔は見せに行っている。勿論、泊り込みで。

そして、パスワードで有り、博之に脱出の手助けをしたtadakの事を
隊長が鮮明に思い出すのは、資料の製作途中、
自分の現状を念の為に説明しておこうと掛けて来た、夜勤の電話からだった。
851風と木の名無しさん:03/01/28 01:43 ID:UCl1gqXZ
手段が目的に擦り変わるからねえ・・
そして、この辺考え出すと所詮思うことは時々の偽善でしか無い・・
って虚しさがあたしゃ込み上げて来るから、余り考えたく無いのが正直な所ね。

で萌え話なんだけど『 鎌田行進曲 』 良くないかすぅいら?
銀ちゃんと安さん萌えよ!萌え萌えなのよ!見た人居るかしら?
我儘銀ちゃん へ垂れ攻めで、安さんも駄目受けで、
駄目駄目同士、男の愛が有って良いのよ。〜主題歌の
キネマの天地が流れるだけでもう、クラクラよ〜。

確か『キネマの天地』ベースで、
つかこうへいさんが作った映画だから、テンポは良いの。
只、続編の原作小説だと、冒頭から銀ちゃん死んじゃってるケド・・・映画も
原作もどちらも良いから邦画にしちゃ、超、お勧めなのよ!おすぎデシタ!

852風と木の名無しさん:03/01/28 02:52 ID:vhK4WDb2
『悪戯か・・滅ぼす・・・』

電話を取るなり隊長は思ったが、夜勤の後ろに誰か居るらしく、小声で私です。
と夜勤が言うので、又お前はだなあ!!と電話越しで怒鳴り掛けていたが
鎌田の銀ちゃんとヤスがっ、て事は私の『後ろに誰か』がやっぱ、居るんだ。
だから夜勤は、電話掛けて来るなり挙動不信で、誤爆と思われる妙な851口調なんだ・・

『夜勤!!又、張られてるのか!!しかも 二人?』
『隊長、お察し下さいますか〜 ビンゴです!』
「ビンゴじゃ無ぇだろ・・SD今度は何企んで・・チッ」

「お魚捕まえに行った時(隊長御免なさい 遠回しにしか言えません)土足でしたから
御山の大将が犬の御巡りさん使って私捕まえたいんだそうです。
其れを教えて下さったのは、フロッピーのパスワードの此方の病院に居た部下さんです」
「もう一人は?」「ピアノの部屋に居た敵さん」
「ああ、お前さんがあのタバスコで伸した間抜けか?」 「はい」
この間に隊長は、夜勤の言葉を組み直していた。
「じゃあ、あれだ、大体判ったが、お前タバスコ野郎と、SDの、、もう一つの・・・・
パスって・・mirvitadaki?んっ?夜勤、あの奴の大元 itadakさん とか、、言わないか?」

「そうですが、隊長、如何されました?」
ヂスプレイを確認しながら隊長が焦っている。
ずっと引っ掛かっていたが、mirvが無いので今一、ピンと来なかったのだ。
「そいつ、博之を逃がしてくれた奴だ!!itadakはSDの部下の事だったのか!!」
853風と木の名無しさん:03/01/28 13:35 ID:hJxW/gPy
「しかし、なんで秘書が?」
「隊長、込み行って居られなければ、外出ませんか?」
「付けて来ないのか?」
「何とでも 成りますから」

何とかねえ。隊長はその『何とか』を敢えて聞かず、夜勤だしと、納得するのだった。
そして隊長と夜勤は散歩がてら、乃木坂の乃木公園で落合う事になった。
先に来ていたのは夜勤で、隊長は少し遅れ、懐かれた道すがらの猫を御供に従えている。

「遅れたか。。。お前の性だぞ 流離い猫〜」
「ン”〜ナ〜ウ」 猫は隊長へ  チガウモン とでも言っている様だった。
「構いません クスクス 隊長 可愛い」

えっ?夜勤が途中の言葉を抜かし可愛いと不意に言うので、猫なのか自分なのか一瞬、混乱する隊長。
夜勤と改まって二人だけで話すのに成れない性か、来たは良いが変に意識し、妙に落ち着かない。
救いなのは足元の、話せるなら毒舌そうな猫で、隊長は何処かへ行かない様、
誰かに似ているような、そのフサフサした白い流離い猫を、両腕で大切に抱き上げていた。
854風と木の名無しさん:03/01/28 17:55 ID:SsNeJDTg
流離い猫は、隊長を気に入っているのか膝に乗せると、動こうとはしなかった。
夜勤は、猫が矢張り興味らしく猫の頭をかい繰り回し、可愛いを連発している。
それにより隊長から、妙な緊張感は解けていた。そして普段と変わらず夜勤と対峙し、話が込み入る。

「私の方は何とか成りますが、隊長が秘書に余り気掛かりなら、ひろゆきさんは何と?」
「あいつ、名前しか言わないから、ピンと来なくて、御蔭で俺は、2週間気が付かなかったんだぞ」
「ひろゆきさん・・らしいですね・・」
「かと言って、繊細 話してないから、ひろゆき怒る訳にも行かないし、まあ、トオルにも
言って有るんだろけど、あいつの体調の事が有って、其れ所の騒ぎじゃ 無かったから」

「私の方にも、連絡は一切無いですから判断に困ります」
『そうなんだよ、敵か味方か判り兼ねるの、厄介だな・・・』
「信じ切って土壇場で寝返られると、痛処か今度は全員、本当に潰され兼ねません」
「だな・・・流離い猫〜 お前は俺の味方だよな〜 おっ!」 流離い猫がウニャーンと一鳴きし、隊長にキスをし、顔を舐めた。
「私もそうですよ〜隊長」 「分かってますよ 夜勤さん イツモ カンシャデスダ!」 

猫の両手を持ち、猫招きで腹話術を真似ながら隊長は、流離い猫と一緒に、夜勤へお辞儀をしていた。
「そういうこと言うと、この猫さん誰かさんに似てますね。。。」 
やっぱ・・・トオルかね?・・ゴハンマダ?と呑気に鳴く猫を見ながら『そうです( ̄ー ̄)ニヤリッ 』
と猫は返事をしていると隊長は思った、途端 隊長の頬から仄かに紅が差していた。
855風と木の名無しさん:03/01/29 12:57 ID:zYHWLfAy
(トオル・・・・・)
早く元気になって、退院して、抱きしめたい。そして、抱いて欲しい・・・・・
今までは忙しくすごしていたので忘れていたが、
トオルがSDの一派に拉致されて以来、そういうことは何もなかった。
愛される事を覚えてまもない隊長の体は、トオルの愛撫を思い出して疼いた。
夜勤の目の前である事を意識し、止めようとするが、かえって顔の赤さが増しただけで、
体の火照りは止む気配を見せなかった。
856風と木の名無しさん:03/01/29 13:18 ID:34XYiQ10
一方、トオルとひろゆきは体力回復の為、リハビリをしていた。
体を動かさない反動は結構体が結構萎えるものらしい。
「怠い節々が怠っり〜〜〜(大汗」
「トオルたん自分で歩けるから他の人より元気でつ!」
「まあな・・・怠いとか言っちゃ・・いかんな」

本当にお茶を飲むのも10分以上コップに手を伸ばせないでいる
人なんて、ザラに居た。怪我もしていないし、水に浸らされて
こんな事態に成った以外、生死を確かに彷徨ったが、末期の癌だとか、奇病だとかの
本当に直らない病気ではないのだ。何年も移転しながら病院に居る病気じゃない。

切り込みも『何時まで寝ていやがる!とっとと起きやがれ、退院しろ、金喰い虫』
と言ってくれていた。そう、言い換えれば極潰しにしか成っていない。
トオルもこれは痛い程身に染みている様で、『極潰しだよな・・俺』と呟いていた。
もう、「怠い」という愚痴は零さず、トオルはリハビリに真剣に実が入る。
その様子を、通りすがった医師達が様子を見ながら真剣な様にトオルの事を褒めていた。
「先生褒めちゃだめでつ!お兄ちゃん褒めると天狗になるでつよ」 「ひろゆきは酷いな」
「いえいえ、頑張っていると他の人の励みに意外と成るんですよ。しかし天狗は困りますが」
検査も問題い無いので、回復は早いだろうと言い残し、医師は笑顔で仕事へ戻って行った。
857風と木の名無しさん:03/01/29 13:45 ID:oiu8VbEA
隊長の瞳が潤んで行く。
《流離い猫抱いてるからいけないんだ・・でも・・・離せねえよ・・》
猫を抱き締める腕に力が篭る。

隊長の不穏な動きに夜勤も気が付き、暫らく様子を見ていた。
そして、少し意地悪してみたくなった。
「その猫さん可愛い 飼いたいな」
「えっ・・・嫌だ!」
隊長は夜勤がトオルの事を実は好きなのか!!
と勘違いした。冷静に考えれば夜勤の性格だ『からかわれている』
という事に直に気が付く筈なの・・だが・・現在の隊長にその余裕は無い。
躰が疼いて仕方は無いし、夜勤は変な事を言い出すし、猫はトオルと重なるしで、
隊長は『こいつと一緒にもう、帰りたい』と心は泣きたくなりそうだった。
858風と木の名無しさん:03/01/29 14:17 ID:Xdb62XTL
 零さず 流離い って何て読むの?調べてみても出て来ない・・馬鹿でスマソ・・
 http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search.cgi?MT=&sw=2
859風と木の名無しさん:03/01/29 15:26 ID:CqTbVs+x
(´-`).。oO(>>858私も分からんから安心汁…)

切なげな表情で猫を膝に抱き、それを撫でている隊長の横顔を夜勤はじっと眺める。
(なるほどね この人、こういう時いい顔するんだなー 
最初はアレだけわるくち言ってたトオルが、惚れこむのも分かるかも…
手を出したら、トオル怒るかしら?怒るよねきっと、)
夜勤は別に本気で隊長に手を出そうと思った訳ではない。
悪友であるトオルが惚れた男に、改めて興味を持っただけなのだ。
そして、切込隊長の名に相応しく、鋭利な刃物のように冷たく一人で立っていた男が
愛され抱かれた事で、優しい光を放つようになった事に驚いていた。
(切っ先の丸いナイフも、それはそれで魅力あるね…トオル お手柄…)

「あ〜あ、毛だらけだ。」
隊長の黒いコートに猫の白い毛がたくさんついている。それを払おうとした時、
ポケットに入れた携帯が鳴った。嫌な予感から緩慢な動作で電話に出る隊長。
「もしもし、私だよ。なかなか連絡をくれないので待ち侘びてね。例の件だが、準備はできたかね?」
「やっぱアンタか。ああ、いつでもいいぞ。初公判まで時間ねぇし、とっととやるか?」
「頼もしいね、切込君。時期はお任せしよう。良い結果を待ってるよ。」
860風と木の名無しさん:03/01/29 21:21 ID:Zc3ISgps
「はいよ・・・」どちらにとって良い結果かは知らんがな。
電話を切ると全く不愉快だと隊長は、愚痴を ※こぼしていた。
先程までの躰の火照りはSDからの電話により、一気に萎えた様だ。
有る意味、助かった様な。隊長はとても複雑な心境だった。

そのモヤを膝の上に乗る猫にぶつける隊長。
「※さすらい猫、お前何時まで乗ってんだ?毛だらけだっ!て言ってんだ」
「猫さん 少しだけ こちらへ居らっしゃいませんか?」
来なさい。猫は夜勤の目に逆らえないのか、隊長から渋々夜勤の膝へ移動していた。
猫が今度は夜勤へ、ゴハン!ゴハン!とせがんでいる。
その間に隊長は服に付いた、毛玉を払い落していた。鳴き止まない猫の声が

隊長には、『嫌だよう』と言っている風に思えて成らない。大の猫好き人間が
猫の鳴き声を、一端自分の都合の良い方へ解釈し出すと留まる所を知らないのだ。
まあ、何も猫に限った事では無いが。しかし夜勤は、猫がお腹を空かせて居るのでは?
と口に指を持って行っていた。差し出された夜勤の指を、必死でガジガジ噛んでいる猫。
「この猫さんやっぱり お腹空いている様ですよ 隊長」 
「そっか・・さすらい猫 お前、家に来な。一晩くらいなら置いてやるよ それは餌じゃないぞ」
「チガウノ?」途端に指を離し、隊長の元へ戻る猫。心底懐いたらしい。
そして隊長はそのまま猫を連れ夜勤と別れ、歩きで家へと戻って行った。(因みに※が857の読み仮名です。。。すまぬ>AII)
861風と木の名無しさん:03/01/29 21:33 ID:sRtFLCg8
「それにしても、野暮なことをわざわざ言いやがる嫌な野郎だぜ」
隊長は独り事にしては大きな声でつぶやいた。

にゃあぁぁん、と鳴いて隊長の腕の中の猫がしなやかに身体を捻り
アスファルトの上に飛び出した。猫は見る間に小さくなっていく。

「…所詮、野良猫は野良猫なのか…」
862風と木の名無しさん:03/01/30 03:39 ID:9MkDvieh
だが、仲間が迎えに来たのだろう、見えないが 猫が数匹鳴いていた。
それに呼応する様に見えなくなったあの猫も、ニャーニャー鳴いている。
それを背で聞く隊長は、野良猫にも、ちゃんと居場所は在るのだと、少し安心していた。

「勝手に連れて行こうとして 悪かったな もう、逢わないだろうが、元気でな」

すると同時に訪れた孤独の虚しさ。それを振り切る様に、何時動いても構わないと言う
SDの表シナリオを、何時動かすか、隊長は思考するのだが、

『昼間だっつーのによ!あいつ等に逢いに行く 暇も無えのかよ!・・俺は・・側に・・居たい・・のに』

一度はSDの電話で治まったものの、隊長が、二人に触れたい。抱き締めて欲しい と思う瞬間
満たされず、持て余した本能は再び目を覚ましていた。それを今どうする事も出来ない隊長は
無意識に、その切ない声のまま、トオルへ、電話を掛けていた。
863風と木の名無しさん:03/01/30 04:56 ID:Ajnn2SOp
寂しさから無意識にトオルの携帯に電話する。『おかけになった電話は 電波の届かない・・・』
当然の事ながら流れるアナウンスで我に返る。そうか、奴は病院だったな・・・。
抑揚の無いアナウンスがトオルと自分との距離を酷く感じさせ、隊長はため息をついて電話を切った。
病院にかければトオルを電話口に呼び出してはくれるだろう。
だが、きっとトオルは今リハビリの真っ最中だ。検査もあるかもしれない。
「やる事やれって事か・・・。」
しばらく俯いていた隊長は、顔を上げ、真っ直ぐに前を見据えた。
その瞳からはさっきまでの不安げな色が消え、いつもの刺すような視線に戻っていた。

自宅に戻った隊長は、いくつかの封筒を持ってまたすぐに家を出た。何故か手袋をして。
それを最寄のポストに投函すると、携帯を取り出してメールを打ち始める。
『発送完了』
更に郵便局から書留で一通の封書を送る。
封筒の宛先は件のマンションの町内会メンバー達、メールの宛先はSDが使うフリーメアド、
そして書留の宛先はトオルの会社の会長。
(これで訴訟は取り下げだ。まず間違いなくな。俺のやる事はやったぞ。
報酬、ちゃんと頂こうじゃねぇか。ビタ一文まからねぇぞ、枯れるまでふんだくってやる)
864風と木の名無しさん:03/01/30 11:07 ID:QBtHmomg
そして、隊長が町内会メンバー達へ送った資料の内容は
長年に渡り、自治体の闇で行われている『高校野球賭博』を痛く突いた内容のものだった。
特に町会長宛てには、『町会費の横領』を突いた手紙も一緒に同封されていた。

要は、法を並べても一般人で細かく言っても解さないので、手っ取り早く脅しの様だが
ストレートに、隊長は、自治体がしている悪さを利用して

訴訟を取り下げなければ、此方も敗訴の見返りは別件で
一同と繋がりの有る暴力団とのノミ行為を暴露し、
関係者一同を法的に処置させて頂く所存にあるが宜しいか?
それが嫌なら良い返事を御待ちしておりますよ。と言った、

完全に関係者の逃げ道を塞いだ内容を送ったのだ。これを送られた
会議に居合わせたメンバー達は慌てている処の騒ぎでは治まらなかった。、
たかが日照権如きで勝訴した時の賠償金も微々たるものだ。その見返りは、自分達が先にも行う高校野球賭博の暴露。
暴力団と僅かに繋がりの有る事も確かで、特に会長は会費の事が何を変えても頭が痛い。
仮に『こんな事で相手に脅されました』などと警察にでも駆け込めば、逆に自主する自殺行為そのものだ。認めなくても
会合に集ったメンバー達や、場に居ない住人達には通用しない。近所の苛めは、恐ろしいのだ。
各々に動揺の走る中、良識の有る一般人達は、前科者だけは御免だと、暫らく慎重な話し合いの結果

半ば泣き寝入り同然、全員一致の末 次の第二次訴訟を取り下る方向へ、話は纏まっていた。
865風と木の名無しさん:03/01/30 12:29 ID:XIBdjrpI
扉を叩くドアの音。
40過ぎ程の男が送られて来た書留郵便を片手に
相手の返答も聞かず中へ入る。

「お前かい?何じゃ?」
「こんな物が匿名で裏の宛ても書かず、送られて来ました」
「どれ?貸しなさい」
「御読みに成られるので?」
「悪い事も読む事をせんと、為には成らんそ。れが例え、悪戯じゃったとしてもじゃ」

暇だしの。そう言って隊長が送った封筒の中身を空ける。暫らくは驚いていたが、
内容で『謎の誰か』は会長は察したようだ。こんな事を親切に教えてくれるのは
きっと『あの子達じゃろう』爺さんは悟った。伊達に歳は喰っていない。
坊は今、入院しておるからあの時隣に居た、聡明そうなあの別嬪さんかの?
儂にとっては多少、残酷だが・・しかし危ない橋を渡ってなさるのか、中々面白い事を考える。
さて、儂はどちらを取るとするかの。餓鬼道に陥った奴の儂の最後の手向けは、後か先か。
「・・諸行無常じゃ・・・」
「会長?」失うのは何時まで経っても儚いのぅ。会長は、送られた隊長の資料にそう呟き、溜息を吐いていた。
866風と木の名無しさん:03/01/31 04:29 ID:Iw31zqVQ
一段落した隊長は、小田原の病院に戻った。
トオルに今のところの経緯と今後の予定を話す。
「つー訳で訴訟取り下げはほぼ確実で、俺の仕事は一応終わった。
だが、これでSDが素直に引き下がるとは思えねぇ。M社の話はこのまま強行すんだろ。
爺さんにはM社清算の件は連絡しといたから、金策だの自分のとこの手形買い上げだのしてくれる筈だ。
連鎖倒産するかどうかは、申し訳無いが爺さんの手腕にかかってるんだが・・・。
夜勤の話じゃ奴の最終目的は、俺とお前の組織への取り込みなんで、
お前の会社からは一旦手を引くかもしれんが、まぁ多分また何かふっかけてくるだろう。
だから例の町内会会長を炊きつけて、ほとぼりが冷めた頃刑事告訴させてやろうかなーと。
んで、奴の収賄の噂は>>784で掴んでるんだが、証拠が足んなくてな。手詰まり中。」
詳細な報告をじっと聞いていたトオルは、すまなそうに言った。
「悪いなぁ。切込・・・。」
「悪いと思ってんならとっとと退院してお前も働け。」

その時、開いたドアから馬並が顔を覗かせた。
「ハァ〜イお元気?」
「何だお前、退院したのか?」
「そうなのヨ〜。まだギプスはついてるんだケドもうすっかり良くなってるし。」
「トオルたんだって、もうすぐ退院できるでつよ。もうご飯も食べれるし、点滴しかしてないでつ。」
「トオルちゃんが退院したらお祝いパーティーしなきゃネ!
それで、これから夜勤ちゃんとこ顔出すつもりなんだケド、何か伝言あるかしら?」
「・・・夜勤のそばに2人、謎のお庭番がいるから、奴らに挨拶しといてくれ。」
「??いいケド・・・壁の幽霊さんとは違うのかしら?」
867風と木の名無しさん:03/01/31 09:26 ID:v7qZpdRu
「そうだよ。で、増えたもう一匹が私念で離れないらしくて、夜勤相当、困ってるぜ」
それが原因で、見舞いに来れない事を夜勤は気に病んで居たと、隊長が
馬並に教えると、『何だと!!夜勤ちゃんは私しか倒しちゃイケナイのよおおおお!!』
新参者なんて、玩具にしてやんだから!!冗談じゃない!と言って夜勤の病院へすっdで行った。

ギブスはしている筈なのに、普段と同じ騒がしさに、残された三人は爆笑の渦に飲み込まれている。
特に隊長は、病院へ来た事でかなり癒されていた。
腹が痛く成る程笑う事、隊長にはどれ程振りだっただろうか。乃木公園に居た時の
帰り道で感じた、トオルとの隔たれた距離は今はもう、一切感じ無い。だから笑顔で笑える。
昼間腕に抱き上げた、野良猫にも居場所は在った様に、二人の在る場所が矢張り自分の居場所なのだ。
だから隊長は改めて、『守りたい』と思っていた。
笑っている二人揃った笑顔を見るのは本当に久し振りで、ベットから起きているトオルは
不意に二人を抱き寄せ、二人に向かって心が思うまま『愛しているよ』と告げていた。

そして、その頃
『SD様 切込氏が』
『分かって居る。メールに送信完了と届いていたよ』
『氏の報酬の方はどの様に?』『何れは下る部下に、報酬は必要かね?』下がれ
部下を下げたSDは、隊長へは報酬を払う気は毛頭無い様だった。それを隊長が判断した時
この事も計算に入れた隊長の報復の恐ろしさを、SDは一切思考せず、寧ろ侮っていた。

868風と木の名無しさん:03/02/01 22:14 ID:0asRAzpT
小田原から戻った馬並へ夜勤が目で、『この子何とかして〜』 と馬並に訴えていた。
 馬並が夜勤を見やりそして、妖しく微笑む。 困った夜勤ちゃん少し可愛い。分かったよ。
「何だ!!お前は!!」「私はね、夜勤ちゃんの・・・」

その無言の微笑に、元リーダーが固まる所か、夜勤も一瞬、凍り付いていた。
キモイが、何故か魅力は有る。おかま姐さん独特のあの 惹き込まれる、妖しさが。
リーダが馬並へ、夜勤のなんなんだ。。。なんなんだと、ひるんでいる。

「お友達 兼、 互いに、勝負仇よね?夜勤ちゃん」 この言葉に夜勤は安心したのか、笑顔で、馬並へ返答をした。
「はい。 私にとって とても・・大切な ねっ 」 
しかし馴れ合う二人を目の前に、リーダーは不服の様だ。勝負は俺とするんだ!と言って聞かない。

「仕方の無い坊やだね〜 アンタ そんなに勝負挑みたいなら、大会で勝負なさい。でなきゃ
この人はね、普段場違いに挑まれる勝負は、絶対、やら無いの!」 「馬並だって、そうじゃないですか・・」
「で・・出ればちゃんと 勝負するのか?」 
「まあ。あそこでタバスコなんて、使えませんから。。。ねえ」 それまで私の所に居座るつもりかしら・・(大汗)嫌だな〜
「夜勤ちゃん 言っておくけど、強いよ。出るんなら私の道場貸してあげるから、アンタはそこで、寝泊りしな」
「夜勤ちゃんが、逃げないって分かれば良いんでしょ?」 「良いのか!だったら俺はやる!お前に連れて行かれてやる!」

居座られ、夜勤の疲労が限界に近しいのを、隊長の話と、最近の夜勤の行動で馬並は悟り、
自分が預かると遠巻きに夜勤へ、助け舟を出した。夜勤が嬉しそうに馬並をとても拝んでいる。
≪馬並ちゃん お礼は、コルドンブルー カルヴァドス バランタイン30 三本タダです 感謝 感謝 ≫
869風と木の名無しさん:03/02/02 08:05 ID:Ua87NVTc
数日後、東京地裁に出向いた隊長は、例のマンション訴訟が取り下げられた事を知った。
だが、SD側からはあれ以来一向に連絡が無い。
(俺が自分でこうやって見に来なきゃ、ばっくれたまま次の要求するつもりだったんだろうな。
さて、町内会使って次の勝負は半年後くらいか。それまでくだらねぇ事されなきゃいいんだが。)

考え事をしながら日比谷公園で煙草を吸っていた隊長の携帯が鳴る。
「もしもし?」「隊長でつか?トオルたんが大変でつよ!」
「どうしたっ?!何があった?!!!」「急いで車で病院来てくださいでつ!」
「だから何があっ」
Tu-Tu-・・・。質問にひろゆきが答える前に電話が切れた。
とめどもなく嫌な予想がうずまき、霞ヶ関の駅に向かって全力で走り出す。
今日ほど千代田線がのろいと感じた事は無い。赤坂で電車を飛び降りるとさらに走って自宅に帰り、
もの凄い勢いでトオルの車に飛び乗ると、そのままアクセルを踏み込んだ。

そして、転がるように小田原の病院に駆け込んだ隊長が見たものは・・・
私服に着替え、ひろゆきの退院手続きを待ちながら病院のロビーに立っている
自分とほとんど同じ身長で、でも自分より何倍もがっしりした体格の・・・大切な人の姿だった。
870風と木の名無しさん:03/02/02 08:32 ID:IFsJKc6F
SDや、夜勤達が各々の場所で各自、自分の周りと対峙しているその頃
一週間後の退院予想より早く、トオルの正式な退院が、明後日と決まった。
医師が去ると、先程トオルが抱き付いて来た代わり、大はしゃぎで、今度はトオルへ二人が抱き付き返していた。

「明後日か!!トオル〜〜〜おめ!!俺 一段落したから居てやれる!」
「帰れるでつ〜〜〜〜 トオルた〜〜ん」
「うん。うん。切込 俺の性で ずっと一人にさせて 御免な ひろゆきも、俺の為にずっと御免」
「おいらも 全然帰らなかった・・でつ・・御免なさいでつ 隊長〜 トオルたんはおいらには、謝らなくて良いんでつよ」
「広かった部屋が又狭くなる・・か、謝るならもっと早くに帰って来やがれ、、お前達 待ってたぜ」
「切込〜」「隊長〜」トオルとひろゆきが、隊長を、とても愛し気に抱き締める。
抱き締められている隊長は、照れながら『お前ら 懐くんじゃ無ぇ!!』
と悪態を吐くその口とは対照に、隊長の表情は穏やかな、本当にとても幸せそうな 表情だった。

871風と木の名無しさん:03/02/02 08:39 ID:IFsJKc6F
リロードしていなかったでつ・・大汗・・このまま退院で・・・おながいしまつ〜〜

872風と木の名無しさん:03/02/02 10:26 ID:FyJ6T8ZK
(´-`).。oO(んじゃ<<870-871は脳内あぼーんということで。乙でし)

隊長は黙ったままその場に立ち尽くしていた。待ち遠しかったこの日を迎えた今
いざというと身体も言葉も自由にならない。
873風と木の名無しさん:03/02/02 21:03 ID:gle9RmbN
= 切込、騙す様な事して 御免 待ってたんだ =

優しい笑顔を向け、トオルは隊長へそう、言っていた。
待って居たのは隊長。本気で心配したんだと達の悪い冗談を
罵倒し、トオルに侘びさせなければ成らないのは隊長。

なのに、トオルは隊長に笑顔を手向け、それを言う。

『トオル お前・・ずるい・・・俺はお前に何も言え無ぇじゃねえか!トオル!!』
隊長がトオルの懐へ抱き付いている。その傍には博之が、射した日を浴び、
トオルと隊長を、見守る様に立っている。

それぞれが、手へ戻したかった 瞳に在る 現実。
残りのSD銭から一時だけ切り離された様な この日は、
三人にとり、穏やかでいて、とても幸せな 一日だった。

874風と木の名無しさん:03/02/03 02:35 ID:6XKZ7NCN
現在ひろゆきと夜勤がリアルタイムでバトル中。
875風と木の名無しさん:03/02/03 03:10 ID:szID1ElY
夜勤「僕の肛門も閉鎖されそうです」
876風と木の名無しさん:03/02/03 11:26 ID:vgYFIEs6
トオル達一行は
夜勤達へ会うのは後日で、そのまま隊長の部屋へ帰っていた。
一応思い当る場所を探し回るも、夜勤が捕まらなかったのだ・・・
馬並曰く、何処かに羽根を伸ばしに行ったとかで、馬並も携帯でしか手が空かなく、
仕方が無しに馬並伝で、トオルの退院報告のみと成った。

扉を閉めると隊長が、トオルとひろゆきに、途端に抱き付かれている。
一ヶ月近くそういう事と無縁に成っていた隊長は、二人の眼差しに耐え切れない様で
顔を染め瞼を硬く閉ざし あれだけ待ち望んでいた自らの欲望に初めて恐怖を抱いていた。
抱き付かれているだけなのに高鳴る鼓動。トオルの愛撫を想い出すだけで、
途端、火照り出す 自己制御の効かない、貪欲な躰。
何故今まで『壊して欲しい』とか『抱いくれ』を平気で言えたのか、
離されていた一ヶ月は、『好きだ』すら言えない恥ずかしさも、隊長へ与えていた。

それを解きほぐす様にトオルが、隊長へ甘く囁いていた。

『 切込 もう 怖く ないよ 』 
877風と木の名無しさん:03/02/03 12:49 ID:wOL8MycR
「う・・うるさ・・玄関なんかで、懐くんじゃ無ぇよ・・・お前ら・・」
潤む瞳で睨んでも全く説得力が無い。
「だったら奥なら、良いでつか?」
ひろゆきまで、隊長を抱きたいつもりらしい。
「もう!煩せんだ!! 茶くらい煎れろ!!」
二人を振り切り靴を脱ぎ捨て、ドカドカ部屋へ篭ってしまう隊長。

残された二人はたじろぎもせず、トオルは頭を掻いて
「こりゃ 口説き落とすの梃子摺るな・・・」と言っている。
「意地っ張りなんでつから〜隊長は」ひろゆきも、苦笑している。
「仕方無い、御望み通り 御茶でも煎れますか・・」

どうでも良い事は分かって居るが、閉まる岩戸を開けるには、それしかもう、方法が無い。
珈琲で良いのか迷ったが、トオルの部屋ではそちらが良いと言っていたのでトオルは
珈琲を煎れ、岩戸と化した篭り部屋の戸を叩いていた。後に引けなく成った隊長が
暫らくして鍵だけ開けると、トオルは無遠慮に部屋へ入り込み 何も言わず
伐の悪そうな隊長へ、珈琲を差し出していた。隊長は、それを素直に受け取っている。
「冷めてんぞ」「お前が早く、開けないからだよ・・・ひろゆき呼ぶぞ?」 
「!・・トオル 待っ・・」 「切・・込・・」
トオルがひろゆきを呼ぼうとした瞬間、服を掴み少しの間、止める様に隊長は自らトオルの唇を塞いでいた。
878風と木の名無しさん:03/02/03 20:24 ID:hJbL7OiI
冷えかけた珈琲とカップが床に散らばって逝く。結構丈夫なものらしく、
カップはそのまま転がった。
879風と木の名無しさん:03/02/03 21:46 ID:LKq5JCEj
今までの不安を、全てぶつける様に隊長はトオルにキスをしていた。
トオルも謝りたい事だらけなのに隊長にキスをされると
言葉がもう、何も出て来なかった。

そして、当たり前にしていたキスがこの時程、心掻き立つ事は、お互い無かった。
何かが起きた事で、その重さを知り、大切さを、二人は改めてそれを思い知った。
トオルを抱き締める隊長の指先が震えている。
トオルもそれは同じで、今更でも、初めて隊長を腕へ抱き締めた時以上に
トオルは、とても大切な程優しく隊長を腕へ抱き、隊長の唇に力強く呼応していた。


「おいらがずっと病院でトオルたん独り占めしちゃったから、
隊長 今度は隊長にトオルたん 少し返すでつ 2人とも 愛してるでつよ」

トオルの煎れてくれた激甘カフェオーレを飲みながら、ひろゆきは幸せ気分でピーターちゃん相手に
リビングにて、一人そんな事を呟いていた。 後で2人に 抱いて貰おうと、思いながら。
880風と木の名無しさん:03/02/03 22:43 ID:OmZoNJzR
トオルに優しくうながされ、ベッドに座る隊長。すぐ隣に座るトオル。
お互いがもどかしげに再度唇を求め、そのまま柔らかいベッドに沈む。
長い長いキスの間に、隊長の鼓動はこれ以上ないくらい速く、
そしてうまい棒も熱く固くなっていたが、トオルは唇への愛撫をやめようとしない。
あがらう隊長の腕を、病み上がりの身体とは思えない力で組み伏せるトオル。

またこの前みたいに、苦しいほど焦らされるのだろうか?
そう考えれば考えるほどに、かえって隊長の身体は燃え上がり、顔は羞恥にゆがむ。
そんな隊長の唇と透明な液体をつながらせたままのトオルの唇が、深いキスと言葉をかわるがわる繰り返す。
「切込・・・好きだよ・・・好きだ・・・大好きだ・・・愛してる・・・」
しばらくぶりのたまらない快感と、しばらくぶりだからこそ素直に求められないもどかしさで、
隊長は頭がおかしくなりそうで、ぎゅっと目を閉じ、身体をこわばらせていた。
881風と木の名無しさん:03/02/04 01:50 ID:uRwL0/hw
目を硬く閉じ、体を強張らせ 怯える隊長にトオルは切なさを感じていた。
今まで抱いた中で今日程トオルの目に儚く映る隊長は無かった。
意地悪しても、奔放なまでにトオルを受け入れる隊長しかトオルは知らない。
「切込 俺の事 怖い ?」
トオルが切ない声で、隊長へ訊ねていた。隊長は途端、緊張が解け、トオルへ違う!
と強く否定していた。そして、理性を振り切れずに居るのが嫌だと トオルへ告げ。

それを聞かされたトオルは、何時もの様に全てを自分にさらけ出して欲しいと願った。
そして、一番躰が素直な、隊長のうまい棒を口へ含め、舌で、先端を玩び、絡め
優しく愛撫し、隊長の躰の奥に繋がれた、貪欲なその本能を、呼び醒まそうとしていた。
「んん・・っつ!トオル!!ああっ・・・ハア・うっ・トオル!! トオルーー!ハア あっ!」
「切込・・何も考えられない位・・俺だけ そうして 感じれば良いよ」
もう 何処へも行かない。誓う言葉を立てながらトオルは隊長を愛しく、愛撫し続けた。
882通りすがり:03/02/04 11:50 ID:bwHox42y
久しぶりに隊長×ひろゆきが見たい・・・
883風と木の名無しさん:03/02/04 13:39 ID:f1yjrqgK
隊長が、顔を埋めるトオルの頭に手を押し当て、
トオルにとても切ない表情を向けている。
このまま昇らせて解放してやろうと思ったが、トオルはしなかた。
「! トオル・・いっ・・」
高めて欲しいと言いたい隊長にトオルはそのまま
嫌だと逆手に取り、うまい棒から手を離し、
そこから上半身、首筋 隊長の耳元までを唇で辿り
焦らされ、睨む隊長の唇へ、トオルは自分の指を宛がった。

未然に終った箱根騒ぎの晩に見せたあの、隊長の恍惚な表情を。
トオルは、もう一度見たくなったのだ。
隊長は、躊躇した戸惑いを少し浮かべたが、求められる喜びは
愛を告げる言葉の何より相手を愛しくさせる。それが、指でさえ。

擬似愛撫を受け入れる隊長の顔から
トオルの見たいと思った表情が徐々に表れ出すと、隊長の擬似の愛撫は
その指から、何時しかトオルのうまい棒へと、真の愛撫に変わっていた。
884風と木の名無しさん:03/02/04 20:43 ID:sHvBwkmM
「トオルたん…がんばってるでつね…」

カフェオレをすっかり飲み干したひろゆきがウサギのぬいぐるみ相手に
大人しくしている訳がない。耳を欹て、ドアを細め、中の様子を伺っていた。
最初は乱入するタイミングを図っての行為だったが、いつしか気分はすっかり
馬並になっていた。

「おいらはこっそり見てるでつよ〜
 のぞきみもなかなかごきげんでつ くせになるでつ〜」うまい棒も元気になっていた。
885風と木の名無しさん:03/02/04 21:21 ID:DTYQ7atX
トオルのうまい棒を丁寧に舌で指で絡め獲る隊長。
その度にトオルの頭を、擽ったく甘い感覚が伝っている。
「・・切・・込 ・・・」
「トオル・・・んっトオルウ・・・」

余に切ない声で隊長がずっと、掌に在るトオルを躰の中に欲しがっていた。
「もう欲しい?」
「もうじゃ・・な・・ずっと 欲しかっ・・んっうあ!トオル!ああっ」

トオルが隊長の*へうまい棒を挿れると、隊長から熱く濡れた声が
唇に溢れ出していた。お互い溶け合うほどの躰の熱さに、腕に在る本当の喜びを感じる。
そして、それを感じたいと想う、大切な人がこの2人には もう一人居る。

「トオル・・・ひろ・・ゆき・・呼んで・・・」 
「良い・・のか・・」       
「ドア・・開い・・てん・・フッ・・・あっ・・・あ”あ”あ」 
「うん。ひろ ゆき・・入って・・おいで・・」 

ドア越しで、2人をスクープしていた居たひろゆきが
瞳を潤ませ、申し訳無そうな表情で呼んだ2人に、素直に顔を覗かせていた。
「ば・・・ばれてたでつ・・・エヘヘ 隊長・・トオルたん・・・好きでつ おいらも 抱いて・・」
886風と木の名無しさん:03/02/04 23:09 ID:m3cAjRCI
トオルたんには 隊長みたいに 愛して欲しい・・・
隊長には・・トオルたんに見せてる表情を おいらにも 見せて欲しいでつ・・・
887風と木の名無しさん:03/02/05 03:06 ID:rg/IIjAg
ひろゆきはベッドに走り寄りながら、服を脱いでいく。
その間にもトオルに攻めたてられている隊長の喘ぎ声を塞ぐように、その唇を奪い、舌を絡ませるひろゆき。
隊長は自分の身体を襲うあまりの快感に気が狂いそうだった。

意識を飛ばしかけ、トオルを受け入れたまま白濁色の液体を溢れさせる。
それをひろゆきが丁寧に舌で絡め取る。
体勢を変えたひろゆきのうまい棒が、隊長の目の前にそそり立つ。
今逝ったばかりだというのに、貪欲にそれを口にふくませる隊長。
突然下半身を襲った快感に、ひろゆきはたまらずに切ない声をあげた。
そんな二人の醜態を見てますます興奮したトオルも、仰向けの隊長の足を自分の肩まで掲げ、
己のうまい棒でじっくりと隊長の身体を堪能している。
ひろゆきのうまい棒をふくんだ隊長の口から、自分の腰の動きに合わせて甘い吐息が漏れるのを聞く度に
トオルはたまらなくいとおしい気持ちになった。

そして三人とも久々の快楽に、夜がふけるまで、自我が吹き飛ぶほどに浸った。
888風と木の名無しさん:03/02/05 09:33 ID:anVE65iH
今度はひろゆきが、トオルに抱かれている。

トオルはひろゆきには最初から一途に恋慕していたのが
尾を引き、何時も優しく壊さない様、とても大切に抱いてしまう。
今日はそれが嫌だと、隊長と同じ事をして 壊して欲しいと、トオルへ懇願していた。
トオルは躊躇したが、ひろゆきの瞳の奥の魔性には勝てず、トオルはそれを受け入れていた。
そして、隊長もひろゆきの乱れた表情に魅せられ、
昇らせない様駆け引きをしながら、トオルと二人、とても丁寧にひろゆきを愛撫していた。

それぞれの、違う快感がひろゆきを襲う。どちらが巧いとかではなく
対を張る情熱で、本気に成る二人にひろゆきが平気でいられる筈も無く、
ひろぽんの力を借りず、ひろゆきのままで、妖艶に変わり行くその様は
トオルと隊長の中にある、『幼い恋人』という概念を、全て打ち払うには、十分だった。

ひろゆきはもう、何をされているのかも判らない程 トオルと隊長の快楽だけを欲した。
焦らされ、煽られ 翻弄され 待ち侘びながら *へ 交互に挿れられる、トオルと隊長の うまい棒。
その二人の白濁液を躰に満たせ、ひろゆきは 恍惚な表情でトオルと隊長の腕に、崩れ堕ちた。
889風と木の名無しさん:03/02/05 21:56 ID:jQc3vjG7
トオル達が淫靡な官能の世界に没頭している これはその、4時間前

夜勤は、羽根を伸ばしに 遠路遥々 胡瓜踊りを踊る為、北海道はすすき野歓楽街まで来ていた。
馬並の連絡を受け、雪祭りの準備が進められる大道理公園で、トオルの退院を知り、
大歓喜していると、また新な着信音が鳴った。
見た事の無い番号だったが、応対すると それは驚いた事に 逃亡中のitadakiからだった。
夜勤がitadakiへ、部下とリーダーの事を知らせるとitadakiは、気掛かりなのか、二人を、とても心配した様だった。

「本当は 君や 皆さんの前へ 行きたいのは山々だが・・・」
「御察しは致します しかし、切込隊長が仕事を終えても 状況は変わりません
 だから貴方は姿を現さず、こうして 私に電話を下さった。 違いますか?」
「君は 相変わらず手厳しいが・・・そう・・だな・・」
「切込隊長は、火を消す事は出来ても 闇の黒い権力までは消せ無い 勿論、私も」
『それをする事が唯一出来るのは itadak 貴方だけ・・何の為の 
規正法なんでしょう?地検や国税査察官って何でしたっけ?法自体 お飾りですか?』

夜勤は 辛くても 裏切るなら最後までSDを裏切れ。そう言っていた。
これに感化されたのか、itadakiは、押さえる全てのデーターを匿名で暴く事を夜勤へ告げ、電話を切った。

「政治家は 国民の為に有るんです その逆なんて、私は 真っ平御免」
890風と木の名無しさん:03/02/06 03:27 ID:l+YwS/cm
「隊長」
「・・フウ・・グッ・・・・っんあ・・」
「切込・・・」
ひろゆきが、隊長の*へうまい棒を挿れている。
トオルは、うまい棒を隊長の口へ含ませ
掌に隊長のうまい棒を指で丁寧に絡めていた。

二日目の>92でひろゆきが隊長を抱くのは、未遂に終っている。
トオルしか知らない隊長は、うまい棒を含ませるトオルの瞳を見ながら
涙を流し、トオルに罪悪感を覚えていた『ひろゆきに抱かれ 浮気をしている』
そんな、抱えなくても良い罪悪感を。

しかし、 トオルもひろゆきも、そんな事は欠片にも、思っていない
隊長が満たされ、その取り乱した表情に、魅了させられてさえ居れば、
それだけで求められる事の 幸せ、嬉しさを トオルとひろゆきは十分、実感出来た。

「そんなに 悲しい 瞳 お前はしなくて 良いん・・だよ・・切込・・素直に 欲 し が れ 」
「隊長 もっと 感じて・・おいらを 強請・・って・・こんなに 熱いのに」
891風と木の名無しさん:03/02/06 08:04 ID:FFOIDx6J
快楽に誘う男たちの呟きで、ようやく隊長の動揺が収まったかのように見えた。

隊長ははっきりと自分の気持ちを自覚したのだった。
― トオルを愛してる・・・ トオルにだけ愛されたい ― と。

この世で、唯ひとりに愛し愛されること。意外にも隊長は貞淑であった。
892風と木の名無しさん:03/02/06 09:40 ID:dQ1a274u
余に悲しい涙を流す隊長に、トオルも居を汲んだのか、
隊長の唇からうまい棒を抜き、ひろゆきを止めに入った。

本当に嫌なのだろう、隊長は解放された唇からは壊れた様に
トオルの名だけ小さく連呼し、助けてくれと咽び泣いていた。
ひろゆきはトオルの腕へ抱きすくめられ泣く隊長へ
何度も侘びを入れていた。
トオルも何度も隊長へ侘びを入れ、胸に振るえて縋るく隊長を
とても愛しく、そしてひろゆきに少しでも隊長を預けた事を心底、悔いながら、
隊長を宥め、トオルは力強く大切に、ずっと隊長をその胸に抱き締めていた。

「嫌だったんだ・・俺・・トオル・・ひ・・ろ・ゆ・き・・だけど・・ひろゆき 嫌いじゃ無・・愛して・・」
「隊長・・おいら・・おいら・・・隊長に酷い事・・そんなつもりじゃ・・無かったのに・・隊長」
「うん。 分かってる。 切込 もう、大丈夫だよ・・・二人とも御免 俺もちゃんと、お前たち 愛してる」

それでも、お互いがとても大切な想いは同じで、嫌いに成れる筈がない。
二人を腕に抱き締め、再びトオルは大切な何かを垣間見た。隊長もひろゆきも。
こうして切なく苦い、優しい夜は、やがて 眩しい朝へと変わり行くのだった。
893風と木の名無しさん:03/02/06 19:14 ID:4W7mv3g5
キッチンで、カシャカシャ何かを泡立てる音がする。弐編だ
テーブルには、ナポレオンコニャック グレナデンシロップ
スポンジを作る、生地の材料等が置かれて有る。

イベント事の一切に幸薄い隊長達とは違い、弐編は
迫り来るあの、14日の為に本番の試作を作っていた。

勿論今はKittyは不在。居ない間に軽い試作を作り
これを今夜の、デザートに持ち込む気でいるのだ。

焼き上がるスポンジが、辺りに甘い芳香を漂わせている。
暫らくして生地が冷めると弐編は生地に、惜し気無くコニャックを
びっしょり浸らせ、片方の生地にはグレナデンを軽く塗り、
泡だて器で混ぜたチョコを間に挟み、何層か積み重ね

出来たお菓子に自称 『仏蘭西の誘惑』とか言う、とても
ヘボンな名前を付けていた。しかし弐編は、これを見詰めながら
孵って来た時のKittyを思い浮かべ、その表情はとても嬉しそうで、幸せそうだった。
894風と木の名無しさん:03/02/06 21:46 ID:OOagVGQO
そしてあれから3日経ち、
もう誰も愛せない位、トオルを愛し、惚れている事を己の中に
見出してしまった隊長は、それが、新たな悩みに成っていた。

ひろゆきに何処となく冷たい・・避けている様な隊長の様子が
心配で、トオルは寝かせていた三鼠を起す序にひろゆきには
内緒で暫らくの間、『仕事で、どちらも出張』 という大層な名目で
隊長を、トオルの部屋へ連れ出していた。そうしないと
隊長のPCではやる事が限られる、最大のネックも有るからだったが。

そして ひろゆきは、一人にさせていると危険なので、北海道から
孵って来た、夜勤の所へ遊びに行かせてある。
本当は察しているのか、ひろゆきが、ならばと、自ら言い出したからだ。

長い時間、部屋ではトオルと隊長の間に、かなりの重い沈黙が訪れていた。
しかし、それはトオルがPCの作業に入った事で、破られる事に成る。
頼んだよと態々PC相手にディスプレイにさり気無いキスをし、
悦に浸っているトオルは冷静に見ると間抜けだが、隊長には何処か格好良かった。
それを打ち消す様に、隊長が悪態を吐き始める。

「本当の馬鹿ちんかね?お前って野郎はよ!」 
「酷いなあ・・もっと 今からする事に相応しく 危険な男と 呼んでくれ 切込さん ( ̄ー ̄)ニヤリッ 」
895風と木の名無しさん:03/02/07 08:07 ID:YHE0K2mJ
そういいながら傍らの隊長の軽く尻をはたいた。
途端に隊長はトオルを意識し、身体が強張る。
この反応が可愛くもあるのだが、今現在の二人の力関係はトオルに分が有り過ぎる。


「…隊長は変わったでつ…」

夜勤のところでゲームにも飽きたひろゆきは明後日の方向を向いたまま呟いた。
おやおや、と夜勤は思った。

「どうしたんです?藪から棒に」

先日の公園で猫相手に見せた隊長の表情や態度を思い浮かべ、
その時受けた印象から想像したことを夜勤は口にした。
ひろゆきは遠くをみつめるように更に言葉を重ねた。

「おいらじゃ、イヤだって…トオルたんみたいに 隊長を愛したいのに…」
「ひろゆきさん、何かあったんですか?」

ひろゆきは>>890-892であった事を掻い摘んでぽつりと夜勤に話してみた。
そんなところでしたか、と夜勤は起こった事柄に深く納得し、
隊長の変貌は実のところあまり良い変化ではないことも察した。
896風と木の名無しさん:03/02/07 11:23 ID:1rwc2FDe
「恋は盲目とは良く言ったものです。しかし隊長のは、慕う愛が盲目過ぎです
最も一ヶ月ひろゆきさん達と離れていて、リバウンドでトオルに甘えたい
というのが 有るのかも知れません。がっあの二人にどうやって目を覚まして頂くか」

夜勤は本当は、元から彫れた相手に、愛情が奥深いのはきっと、隊長だという事を知っていた。
その対象がコロコロ変わるだけで、しかしトオルが抱いた事でそれは打ち止まった。
与える側が与えられる方へ変わると同じ立場に有る、元は自分が惜しみ無く、与えていた
その人でさえ見え無くなるのは、受けた側の無意識の自然な防御なのだろう。しかし
抱いてしまうかも知れない危険の計算も入れずひろゆきを夜勤の所へ自ら行きたいと
言わせたあの二人に夜勤はとうとう、堪忍袋の尾が切れていた。

『ひろゆきさん 御嫌でしょが、貴方は私に抱かれた事にしません?』
「夜勤たん???何を言っているのでつのか!!」
「あの二人を試す良い機会です。それでひろゆきさんに対する本心が出てくる筈。特に隊長のね」
「夜勤たんもの凄く鬼でつ 良いでつ おいらやるでつ!」
「恋愛なんて、本当は泥沼で、逃げ場は何処にも無い事、あの二人に覚えて頂きましょ」
「おいらは隊長とトオルたん信じてる。逃げないでつ 何が有っても」

897風と木の名無しさん:03/02/07 22:36 ID:Km8leO7F
「ところで、」

はい、なんでつか?とひろゆきが首を傾げて返事した。
そのひろゆきのふっくらした頬に夜勤は利き手を添えて言葉を繋げた。

「あんまり 私を過信しないで下さいね。
 いいですか?私はそんなに善人でもないのですよ。そのこと決して忘れないで下さいね」

手を添えたまま夜勤はにんまり微笑んだ。
898風と木の名無しさん:03/02/08 00:12 ID:B5jlYHzu
ゆっくりと夜勤の顔が近ずく、動けないひろゆき、
唇が重なる、夜勤の舌が何かを探すように動く、その動きに
意識が遠くなりそうになる。
「や、、夜勤たん、、」
その声に反応するように、舌の動きが激しくなる。
899風と木の名無しさん:03/02/08 06:19 ID:MIn/MSZG
>518のあの時思った感情が、
夜勤に対し蘇って来る。

嫌う所か夜勤のキスに安心してさえいる。
答えも夜勤は『お兄さん』な存在の筈なのに、ひろゆきは 
そうでは無い様な気がして。唇を奪う夜勤へひろゆきが夜勤の首へ両腕を回し
自らも舌を絡め出した。夜勤は驚いた。抵抗しない上に腕を回しキスに応えてさえいる
本当は、キスだけして少し ひろゆきを困らせるつもりで居たが・・・

= もう、押さえられそうも無いや これ以上、善い人で いられない =

腕に崩れるひろゆきを前に夜勤は意を決したかの如くそのままベットで
ひろゆきを組み伏し そしてひろゆきを、とても熱く抱いていた。

900風と木の名無しさん:03/02/08 07:14 ID:qgcCXJHc
ひろゆきの胸が期待に高鳴る。
殊の外、夜勤の手が、絡んだ舌が暖かかったからかもしれない。
このまま身を委ねてしまいそうだった。しかし…

「だ・だめ、だめでつ、夜勤たん。ふりだけ、ふりだけだって・・・逝ったでつ!!」
在るだけの力を込めて夜勤の上半身を押し戻した。ひろゆきは(;´Д`)ハアハアして少し涙目になっていた。

冷たい目をしていた夜勤がもとの柔和な表情に戻った。
ほんの数秒黙ったままひろゆきを見つめる。

「ほら、もう忘れたんですか?」

あの笑顔で、今度は親愛を込めてひろゆきを抱きすくめた。
背中に回された夜勤の手はやはり暖かい。やんわりと体温が伝わってくる。
それは心が冷たいからですよ、と答えられたような気がするひろゆきだった。
901風と木の名無しさん:03/02/08 21:36 ID:uyWM3/tN
夜勤がとうとうブチ切れた事など、露ほど知らず、トオルは三鼠を起していた。隊長は傍らで固まりながら見ている。

只 これは、バックグラウンドのプロセスとして、リモートマシンで作動していることが必要な為
トオルはバックドアを開き、クライアントから送信される メッセージを待機。
その後リモートで指定した指示を実行し、バックドアが開かれると、トオルの遠隔操作が始まった。

解き放たれた、三鼠達は暴れ出すと、攻撃先のコンピューターの多くの
ファイアーウォールを、いとも容易く突破し、火達磨と成った鼠達は、
感染したコンピューターが貯めていた パスワード、あらゆる活動コピーを、
攻撃者のトオルへ電子メールの送信を可能にしていた。

その過程を見詰める トオルの眼差しは、隊長が今まで見て来た、どのトオルよりも
真剣で、頼もしかった。『馬鹿返上だぜ』 と隊長が、トオルに淡い思いを馳せていたその束の間、

「ファイアー突破すりゃ オッケーオッケー!!三つ子 ●● おめ〜〜!!」
三鼠をMッキーと言うトオルに隊長は やっぱ、バカチンだよ・・と 少しガッカリしていたのだが、

「防火壁って何だよ?」
俺らみたいなのを侵入防ぐ為のセキュだよ 外部ネットワークと接続したLANに
外部アクセス規制すんのに置くんだけど、鯖丸ごと壁になってセキュ担当したり
ルーターに障壁設置して、構築すんの。今まで これ突破する猛者は無かったんだ」
「そっか。トオル 有難う・・」 
「お前に 何もしてやれて無いから 礼なんて良いよ ? 切込 ?どうした」
902風と木の名無しさん:03/02/09 15:37 ID:trvd4f0u
夜勤はひろゆきのうまい棒を愛撫する。
ひろゆきは隊長とトオルに罪悪感を感じながらも身をゆだねた。
夜勤のうまい棒も変化を見せていた。
「ひろゆきさん、少し力抜いてもらえますか」
903風と木の名無しさん:03/02/09 21:28 ID:4Z5RYNS7
夜勤の目は本気だ。トオルのそれとも、隊長のそれとも違う・・・
唯一人 自分だけを見詰め、手向けられる瞳。ひろゆきは、

弐編が何故帰らないか。ようやくその答えを、見い出していた。
隊長もそうなのだろう。そういう事には何故か疎いトオルだけが、気付かないだけで、

それを見付けた時トオルは、一体どちらを愛するのか・・・
だからひろゆきは、慣れない自分だけの瞳が怖かった。
夜勤は、自分で「私は冷たい」と言うが、ひろゆきは知っている。
その夜勤の冷たさが 本当は誰より、一番暖かい事を。
そう、思うと、ひろゆきの体から徐々に緊張が解けていた。

「夜勤・・た・・あっ・・夜・・き・・夜勤たぁん」
夜勤が甘えた様なひろゆきの自分を呼ぶ切ない声に
たまらない愛しさと、体の緩和を感じると、夜勤は今まで焦がれ止まずにいた、
ひろゆきへ、とても優しくそのうまい棒を、*に丁寧に挿れていた。


そしてその頃、トオルと一緒に三鼠を見ていた隊長は 暫らく沈黙の後
今のトオルに抱く 自分の正直な苦しい想いを、トオルへ、全て打ち明けていた。
904風と木の名無しさん:03/02/09 23:23 ID:1Z0E8A0i
隊長がひろゆきを避けるようになったのは、もちろん嫌いになったわけではない。
ひろゆきの前で醜態を曝したことが情けなくも恥ずかしかったからだ。
今まで好奇心や成り行きで己の*へ導いたこともあったが、あの夜、身体とは裏腹に
心がひろゆきを拒否してしまった。
与える事は出来ても、受け入れることが出来なかったヘタレな自分自身が信じられなかった。
みっともないくらい泣いて許しを乞い、開放されるまで慟哭した。
だが正直な話、ひろゆきが身体から離れた瞬間、気持ちが落ち着いてきたのだった。

そんな風に お前が俺を 変えてしまった
トオルに出会ってから 俺はどれだけ 泣いただろうか
吐き気がするほど トオル、お前を 愛している

心から絞り出された隊長の苦しい想いが切々と続く。トオルは黙って聞いていた。
905風と木の名無しさん:03/02/10 01:03 ID:ineZNxbp
「ひろゆきさん…」
久しぶりに心から満たされた気分で、ひろゆきは開放感を味わっていた。
夜勤はひろゆきの広い額にかかる髪をなでながら話し掛けてくる。

「どう抱いても傷つくのは分かっています。すみませんでしたね」
「…夜勤たん、そんな、おいら …(よかったでつ)」
「私は、ほんとうは、貴方を傷つけたくなかった」
夜勤はひろゆきの手を取ると、自分の口元に寄せ、そっと甲に口付けた。
それは信じていいのでつか?とのひろゆきの問いに、夜勤はにっこりと微笑む。

「さて、既成事実が、できちゃいましたね」
ひろゆきの瞳を見据えて、さらりと言う夜勤にひろゆきもなんだか笑ってしまった。
二人の笑い声が室内に響く。それも、とても、楽しそうに。
906風と木の名無しさん:03/02/10 13:43 ID:MaHiooDL
隊長が想いの丈をトオルへブチ撒け、それを聞いていたトオルは
隊長にそこまで惚れられて居た事に正直驚いていた。
いや、愛情が深いのは隊長だ。という事はトオルも判っているが。

「覚えているか?言ったよな・・お前 俺に」
『甘いな ひろゆきは 誰にも やらんよ って』
トオルのその言葉に隊長はハッ!としていた。
今のお前にそれが無い。そう言われた気がした。

トオルも出来るなら本当は誰か一人だけを愛してやりたいと想う
愛されたいとも。しかし、自分達には ひろゆきが居る。

ひろゆきが心から愛する本当の誰かを見付けなければ
それまでひろゆきを離す気等、どちらも毛頭無い。
トオルが隊長を腕に抱かず、逆に叱咤した事で
隊長の眼に、思い起した様な本来の強さが徐々に戻っていた。
907風と木の名無しさん:03/02/10 18:16 ID:ciisEhcF
隊長はトオルの目を見据えたまま、正面切って睨んできた。
その目つきは嫌な野郎だとトオルが初対面で受けた隊長そのものだった。

あのー、ちょっと…怖いんですけど、切り込みサン?
トオルは内心ガクガクブルブルであった。

「…あのなー、俺は、お前のこと受け入れたけどさ、
お前は、どうよ?」

いきなり隊長が切り込んできた。どうよと言われてもトオルはどうしようもできない。
隊長の切り込みは更に続く。遠慮もなしに。

「 お  前  は  『受』  で  き  ん  の  ?  」

908風と木の名無しさん:03/02/10 21:07 ID:VMLaUK4d
「・・・考えた事もない。」
トオルは正直に答えた。
「考えてみたらどうよ?」
「・・・・・・。ゾッとする。」
「・・・そうか。」
「相手がお前やひろゆきだとしても想像するとダメだな。俺、根っから男なんだと思う。
何つーかこう、生理的にダメだ。萎える。つーかお前、俺を抱きたいのか?」
「いや、そういう訳じゃねえよ。」

隊長はひろゆきの事はもちろん大切に思っている。
傷つける者がいれば許さないつもりだし、願いは何でも叶えてあげたい。抱きたいとも思う。
だが、トオルの事となると話が別だった。
正直、ひろゆきがトオルのそばにいるとかなり嫉妬する。トオルを独占したい。
トオルがひろゆきも愛しているのを知っているだけに、トオルの口から「ひろゆき」の単語が出るのが辛い。
トオルの事が好きだと自覚してから、日に日に強くなる自分の中の独占欲と、
それによって『ひろゆきがこのまま夜勤のものになってしまえばいい』と思ってしまう事、
だから、抱きたくはないがトオルを抱けば、自分だけのものになるかも、と考えてしまった事、
一瞬でもそう思った自分に、隊長は驚きと戸惑いと、そして恐怖を隠せなかった。
(ヤバイよな・・・俺)
909風と木の名無しさん:03/02/11 02:03 ID:7MjPI+k1

「俺も、『受』やんの、ヤなわけよ。
 ・・・お前だから やってんだ。判れよ。」

 お前だからやってると、その行為が持つ意味を少しでも理解して欲しかった。
トオルが、俺もお前ならいいよ、と言葉だけでも同意してくれればよかった。
肩を寄せ、抱きしめてくれなくても、それだけで心強くなれたかもしれない。

なのに、目の前の朴念仁はそんな気持ちを汲んでくれそうもないと隊長は思った。
910風と木の名無しさん:03/02/11 04:44 ID:9nvIxFgH
ため息をつきながら、小さな声で隊長は言った。
「いいんだ…どうせ人の気持ちなんていつか変わるんだ。
お前が永遠に俺を好きでいてくれるかなんて分からんしな…。期待した俺が馬鹿なんだろ。」

自虐的な台詞を聞いていたトオルが隊長の肩を掴む。隊長の瞳を覗き込むように、その透き通ったブラウンの瞳で見つめる。
「…永遠でなければ、許せない?」
隊長は瞳を反らすことができなかった。いつも魅せられるトオルの瞳。卑怯だと思う。
「人は変わる、確かに。だから永遠にお前が好きだなんて嘘は、俺は言わない。
だがな、今俺がお前が好きで、大切に思う気持ちは嘘じゃない。それも信じられないか?」
隊長は首をふった。
「いいか?お前は俺の好きな人である前に、相棒であり親友であり尊敬できる人間であるんだよ。
もし恋愛感情が無くなる事があっても、お前が俺にとって特別な存在である事は変わらない。
分かるか?切込は俺にとって、特別な存在なんだよ。」

隊長は目を閉じた。震えていた。
「…一番特別か?俺が一番か?トオル…」
隊長の本音を聞いたトオルが、苦しげな顔になる。困り果てたトオルの声に途端に我に返る。
「すまん…変な事言って。」
「いや、我慢するな。俺が悪い。」

『お前は悪くない。俺だって同じ事をしてたじゃないか。』
この言葉を隊長は言えなかった。言えない代わりに、肩を掴む手を振り切ってトオルの胸に抱きついた。
911風と木の名無しさん:03/02/11 04:48 ID:WPfzLKfe
やきもきしている隊長だっが実はトオル嫌がりながらも思考はしていて
《切込があれだけひろゆきを嫌がった訳、受ければ少しは判るかしら・・・
前に ひろゆきなら 俺の可愛い菊門捧げ様じゃないかとも思ったし・・・》

と血迷ったのか、そんな事を想っていた。最もそれには、訳が有るのだが
その訳とは、隊長が偶にしてくれる擬似愛撫の時に伝うあの、甘い痺れが
堪らなく好きで、受けてみればその先はどうなのかとまあ、こうだ。
そして、一度隊長に「抱きたいのか?」と訊いてしまった手前も有り。
《否とは言ったが切込本当は俺抱きたいんだ・・きつい目が言ってる・・偶には良いかも》

『なら・・抱く?俺の事・・けど挿れて嫌だと思ったら止めてくれな。
 お前がひろゆき避けた様に俺はお前絶対に・・避けたくないからそれだけ頼むっす ええ。』



912風と木の名無しさん:03/02/11 05:59 ID:GLpJkGHV
(リロードしていなかった・・大汗911脳内アボーンお願いします。。)

「切込」
天秤に架けた時その天秤が見えるなら、今はどちらが重いだろう
見えても其れに架ける事事態が本当は許される事では無い。
最初にうまい棒が向いた時点ではっきりしてやれずここまで来てしまった事を
トオルは後悔していた。 諦めた恋をさせる為、隊長を愛した訳では無かったのに。
ひろゆきを最初に想わなければきっと、逢った初めが ひろゆきや、夜勤でも無く、
隊長だったなら出会う順番が違うだけで、今はどちらが一番かすら言ってやれずに居る。
だが、惹かれて止まない漆黒の闇の瞳。それを手向ける隊長を放って置けない。
『俺は切込を放って置けない!!』あの時にひろゆきへ吐いた言葉とトオルが今

想った言葉が重なっていた。忍が初めに暴れた時胸へ飛び込み、最初に泣いたのも
意外と隊長で、トオルの中にこれまで有った隊長の面影が堰を切り出すと、隊長に対する
愛情が一気に込上げていた。
『切込!!』

913風と木の名無しさん:03/02/11 09:34 ID:GpKpR3ZQ
抱きしめてきた腕に力が込められるのが分かる。
汚れ切ってる自分を真摯に受け止めてくれるトオル。
そのお前のやさしさが今の俺には辛いんだ…と隊長の心に再び葛藤が湧く。

半端な同情しやがって・・・
二編やひろゆきに長いこと哀しい思いをさせた、自分への罰だな
914風と木の名無しさん
隊長を抱きしめたままトオルがささやく。
「すまない」
謝るなよ、お前が謝れば謝るほど俺は苦しいんだよ。
一番愛する人の胸に抱かれているのに、隊長は胸を掻きむしられる思いだった。

その頃、夜勤のところに居たひろゆきも迷っていた。
隊長とトオルのところに帰れば、二人から大切にされるのは分かっている。
だが、夜勤との既成事実を伝えたらどうなるだろう。
トオルはともかく、隊長はもう自分を愛さないかもしれない。
それでもいい、と少しは思うが、でもあれだけ愛され愛した隊長が自分から離れていくのは
ひろゆきにとって恐怖でもあった。