「あー、取られちゃった」
PCを前に、ピュアは肩を落とした。こういう企画で負けるのは負けず嫌いの自分としては悔しかった。
まぁ、今は遠足だ。そっちに専念するか。
ふと、部屋の空気が変わったことに気がついた。人の気配がする。
部屋を見回すが、誰もいない。。。。?
秋風を取り込む為にあけて置いた網戸から、黒い影が現れた。
「だ、誰だ!」
黒のタキシードにシルクハット、仮面を付け赤いマントをなびかせる男。
「かっさらいにきたよ、ピュア♥」
「か、かてもの殿?!」
それは紛れもなくかてものだった。
「俺たち結婚するんだ」
「勝手なこというな!」
怒るピュアを強引にお姫様だっこし、かてものは窓から空中に飛び出した!
と、背中からグライダーをだし、夜空を悠々と舞う。
「うぁぁぁん、おろしてぐれ〜」
「今おとすと氏ぬよ♥」
夜の闇に紛れ、愛の逃避行(強制)が始まった。。。
しかしかてものは知らなかった。
ピュア争奪戦で敗北した少年漫画の水面下で
「略奪愛♥」の企画が進んでいることを。。。