突然の、豪雨。
夕立というには少し激しすぎる雨足に、適当な場所へと逃げ込んだ時には既にびしょ濡れになっていた。
「濡れたー」
「いきなりでしたからね」
同じようにびしょ濡れになったテンプレ屋が、隣で仕方ないというように苦笑する。
空が暗くなるのとほぼ同時に降り出した雨では避けようがなかった。
だからこそ、余計に理不尽な気もするのだけれど。
「こんなことなら部屋にいたほうがよかったですかね」
「そうですね・・・・でも、夕立でしょうから直やみますよ」
苦笑したまま頷いて、雲行きを窺うように空を見上げた。
濡れそぼった髪から雫が落ちるのが鬱陶しいのか、前髪を邪魔そうに掻き上げる。
雨は、まだやむ気配を見せない。
「雨、あがったようですね」
「え?ああ、本当だ・・・」
降り始めた時と同じように唐突に雨はやんでいた。
あれほどまでの勢いが嘘のような晴れ渡った空。
残光が途切れ途切れに浮かぶ雲を染め上げて、夕暮れ時の街を茜色に変えている。
「───テンさん・・・?」
不意に、隣にいるのが本当に彼なのか不安になって思わず名前を呼んだ。
それほど離れているわけでもないのに、夕闇に包まれて相手の顔がよく見えない。
「なんでしょう?」
「あ・・・いえ、なんでもないです」
返ってきた声は、当然よく知ったもので。
そんな当たり前のことに狼狽えている自分が妙に可笑しかった。
「ならいいんですが・・・・そろそろ帰りましょうか。このままでは風邪をひきますよ」
「そう、ですね」
いくら夏だとはいえ濡れたままでは確かに風邪をひきかねない。
昼間ならまだしも、風が涼しくなってきたこの時間では特に。
促されるままに濡れたアスファルトへと足を踏み出す。
ふと振り返ると、あちこちに残った水たまりが、今日、最後の光を写してきらり、と光った───
一応、テンザクのつもりです・・・。
言い訳を始めるとキリがなくなりそうなので書き逃げします。
罵倒、投石はお早めに〜
迷子殿から、簡単な冷や汁の作り方を教わった俺。
これならホットケーキも焼けない俺でも作れると、台所を覗く・・・
いつもの人が、そこにいる。
ため息をつきながら、玉葱をつんつん。
思わず、隠れてしまう俺。
誰かさんのことを考えているんだろうか?
気になる、俺。
つんつん。
つんつん。
「…あっ!そうだ!!」
突然、コーヒーを淹れ始める隊長。
ミルクを冷蔵庫から取り出す隊長。
もしや、ひょっとして。
あの人に出してあげる、カフェオレ?
グラスを持って飛び出す、隊長。
当たり前だが、隠れてたオレには気づかない。
い ま だ !
アジのヒラキを焼く俺。
キュウリを刻んで塩をふる俺。
「…いてっ!」
アジをほぐして、骨が指に刺さる罠。
そして味噌と砂糖と酢を混ぜる、俺。
それでも何とか、完成する冷や汁。
・・・いつの間にか、戻ってきている隊長。
その前には、いくつかの出来上がった冷や汁が既にある。
沢山並ぶ冷や汁に嬉しそうな、隊長。
・・・よかったな。
痛む指で、冷や汁を試食してみる俺。
ぐはぁ
ものすごい味にびびる、俺。
「冷や汁には酢は入れなくていい感じみたいです。
入れてもいいけど、入れたら変な味になるかもです。」
先に言ってくれや、迷子殿〜。
完
その人はやさしい人で、がんばる人で
一生懸命な人で
オレは飽きっぽくて、いいかげんで
てきとーで
祭りだー!!って、はしゃいで、さわいで、
ふと、振り返ると
さっきまでいっしょに遊んでたその人は
一人、働いていて
なんだか、無理している様に思えたから
無理すんなーって言うと
無理なんかしていないって笑うから
余計心配になる
だいたい無理してる奴ほど
無理してないって言うし
オレは何ができるんだろうって思うと
何もなくって、くやしくて
だから、色々考えた
あほあほ部隊としての使命を全うする!!
いつも通りネタにのって、調子にのって
落っこちて
そーいうの見て、笑って
力抜けたらいいじゃん
もしかしたら、あほすぎて
笑う気にもならないかもしれないけど
ま、てきとーで
結局オレは飽きっぽくて、いいかげんで
てきとーで
その人はやさしい人で、がんばる人で
一生懸命な人で
きっと、隣には並べないけど
ポチ的な立場ではいられるかもしれないから
そんな感じでてきとーにがんばろうかと思う
夏の午後
書こうかどうしようか迷ったけど。
怒るぞ。
ずっと、一緒に並んでがんばってきたと思ってるのに
そんな言い方すんな。
何かネタで返そうと思ったけど、マジレスでごめん。
すみません。
色々とグルグルしながら書きこんだので、
ものすごいレスになってしまいました。
レス番すら忘れてるし…(;゚Д`)
えーと、ポチとか言わずに普通にお付き合い願います>かて殿
今回の投票は面白いし、自分らも遊ばせて頂いてるんで
もし、気になさってる方がいらっしゃいましたら、申し訳ありませんでした。
ただ、どうせなら全カプ投票ままだかなぁ…と前スレなのをいいことに
呟いてみるテスト。
自分のカプじゃ投票しにくいのでヽ(`Д´)ノ
オレも色々ごめんなさい
>988ですげー動揺ってか、なんつーか
ワケわかんなくなっちまった
・・・うまく言えん
でも、>989はもう怒ってない・・・?
んと、色々よろしくお願いします
ふつつかものですが、がんがるので!!
姐さん、貴重な前スレ使ってしまってごめんなさい
992 :
1/2:02/08/17 02:24 ID:7PJjR94L
「なぁなぁ、それ手作り?」
「・・・・・・」
「すっげウマそう!」
「・・・・・・」
「俺んち男所帯だから、弁当いっつも手抜きなんだよねー」
「・・・今日は誰が弁当当番だったんですか?」
「ハイゴッグのやろーだよ」
「兄さんが当番の時はもっと悲惨みたいですけどね」
「それは言いっこなし!なし!」
「・・・一口食べます?」
「おぉっ!わりーね!」
「さっきからしきりに催促してたのは兄さんでしょ?」
「ありゃ。やっぱバレてた?」
仕方ない人ですね、と言いながらテンプレ屋は俺に手作りサンドを差し出した。
むっは〜、俺って幸せ者。
一口だけですよ、としっかり釘を差されたけど。
三戦学園の敷地はえらく広く、他校の俺がこっそり忍び込んできても目立たない場所があったりする。
で、俺は昼休みになると学校を抜け出して愛しの君の元へ馳せ参じている、という訳。
「兄さんもヒマですねぇ」
といつも感心されるけど、ただでさえ別の学校だから一緒にいる機会が少ないってのに、
テンプレ屋は生徒会の仕事で忙しいらしく、放課後でもなかなか時間が合わない。
というわけで、昼飯ぐらいはいっしょに喰いたいとわざわざフェンスを乗り越えてやって来る
俺の愛が分からないわけ〜?
こいつって普段は他人の気持ちに敏感なのに、肝心の俺の気持ちには全然鈍いんだよな。
まぁそんなところも可愛いわけだけど。
えっ、俺ってかなり重傷?
993 :
2/2:02/08/17 02:25 ID:7PJjR94L
弁当も喰い終わって、満ち足りた気持ちでごろんと寝そべる。
ここは木陰になっているから他人の目も気にならない。
ここなら好きなだけいちゃいちゃできるよな〜、と機会を窺っている俺だったりする。
よしゃ!
気付かれないようそーぉっと肩に手を伸ばす。
もうちょっとで手が届くと思った瞬間、ペチッっと手をはたかれた。
「兄さん、学内ではやめて下さいって言ってるじゃないですか」
テンプレ屋は学園内で俺が必要以上にひっつこうとするのを極端に嫌う。
こんなとこ、誰も見てないっての!
ったくシャイなんだから。
そんなこんなを考えていた俺はかなり恨みがましい目つきになっていたらしい。
テンプレ屋が小さく溜息をつくのが聞こえた。
「今度は兄さんの分も作ってきますから、捨てられた子犬のような目で見ないで下さい」
まっ、マジ〜!
感激で頭がクラクラしてきた!
「俺、幸せ〜」
思わず抱きついた俺の頭に強烈な一発をお見舞いされたけど、これも愛情表現ってことで。
その日は一日中顔がニヤニヤと緩みっぱなしで、周りにかなり怪しまれた俺だった。
「フライパンの熱さは、こんなもんかな」
そう言いながら、かてものはホットケーキの生地をフライパンに流し込んだ。
ジュ〜という音と共に、ホットケーキの甘い匂いが辺りに漂う。
日差しも強くなってきた季節。
三戦学園の家庭科調理室では、食い物部隊の面々が集まっていた。
食い物部隊と言っても、人数は少なく
活動規模もそんなには大きくないのが現状なのだが。
その食い物部隊の一員、かてものはひたすらホットケーキを焼いていた。
『一番おいしいホットケーキを作るんだ』
そう心に決めて、今日もフライパンとにらめっこを続ける。
食い物部隊というプライドもあるのかもしれなかったが。
徐々に焼けてくるホットケーキ。
表面に泡が出てきたら、ひっくり返し時である。
「よっ・・・と」
うまい具合にひっくり返すと、焼けた面はこんがり狐色。
鼻をくすぐるいい匂いも、より一層強まってきた。
コンロの火を少し弱めにして、かてものは焼き加減を調節する。
「今度こそ、おいしくできますように〜」
にこにこと笑いながら、ホットケーキを見るかてもの。
ホットケーキは次第に膨らみ始め、ふわふわと厚みを増してきた。
「おーい、かてもの殿ー、
生徒会に持っていく差し入れできたかー?」
ふいに冷や汁を作っていた迷子、倉曹掾らがかてものに声を掛けた。
「もうちょいで完成ー。あと一枚できたらオッケーだよー」
かてものはそう返事をし、焼きあがったホットケーキを皿に移す。
「まだ時間かかりそうだなー」
「ごめん、先に行ってていいよ」
「じゃ、俺達先に行ってるからなー。
ゆっくりでいいから、後で来いよー」
かてものを一人残し、食い物部隊は生徒会への差し入れを持って調理室を出て行く。
残ったかてものは、フライパンに油を引きなおし火力を上げた。
「ふう、これで完成っと・・・」
ようやく焼きあがったホットケーキを皿に乗せ、かてものは調理室を後にする。
「生徒会室は、こっちの方が近道かな・・・」
焼きたてのホットケーキが冷めないように、足早に廊下を歩くかてもの。
ほわほわといい匂いを漂わせながら、生徒会室へと進んでいく。
そして廊下の突き当たりにある階段にさしかかった時、聞き覚えのある声がした。
「又も礼儀を慎みて 上を敬い上よりは
下を愛して一筋に 和諧を旨と心せよ・・・」
「うんこ殿、何してるんですか?」
階段の所に座っていたのは、三戦うんこ。
軍人勅諭を諳んじて、一休みしていた模様である。
「かてもの殿か。・・・いや、次の戦に向けてちょっとなー」
「次の戦・・・、ほのぼの学園とだよね。
俺達、食い物部隊が適う相手なのかなぁ?」
「ウチの学園も大変だよなぁ、対戦相手が全部曲者でやんの」
「また、他人事みたいに・・・。
うんこ殿も、三戦学園の一員なんだよ。
それに今度は、食い物部隊が主役なのに・・・」
かてものは呆れた風に溜息をつき、三戦うんこを睨み付ける。
「主役だから、頑張るんだろ?
俺は今回、縁の下の力持ちになるからなー」
「縁の下の力持ちはありがたいけど、俺なんかの料理でいいのかな・・・」
「心配すんな、かてもの殿を見てた奴は理解してるぜー。
かてもの殿が、どんだけ料理を頑張ったか。
祭り要員で、事務的になりがちな生徒会を賑やかしたか。全部なー」
そう言うと、三戦うんこはかてものを見やった。
「それ、冷めちまうぜ。差し入れなんだろ?」
はっと気がついた様に、かてものは階段を上ろうとした。
が、一歩踏み出した所で留まると、ぼそっと呟いた。
「・・・うんこ殿は見ててくれたんだ・・・」
「俺だけじゃないぜー、ニラ殿も、生徒会のみんなも
かてもの殿の頑張りを見てたんだぜー。
・・・だから、しっかりしろよ」
その言葉は、かてものにとって重要な言葉となっていた。
自分一人が空回って、あほな事ばかりしていると思い込んでいたのに、
ちゃんと見てる人がいた。
それだけでも、今のかてものには充分な意味を持つ言葉だった。
「・・・ありがとう、うんこ殿!」
かてものは勢いよく、階段を駆け上がり
生徒会室へと足を進める。
その背後からは、こんな歌が聞こえていた。
「砲工歩騎の兵強く 連戦連勝せしこそは
百難冒して輸送する 兵糧輜重の賜物ぞ
忘るな一日遅れなば 一日たゆとう兵力を」
―終わり―
益岡徹「俺のことが嫌いっていう奴はいるか!」
返答はない。
益岡徹「俺のことが嫌いっていう奴はいるか!」
返答はない。
益岡徹「俺のことが嫌いっていう奴はいるか!」
ニラレバ「ここにいるぞー!」
――抱擁――
999 :
1/2:02/08/18 03:58 ID:+0iyGj2A
蝉の声も途絶えた夕刻。
あがりはじめた花火の音が祭のざわめきに被さるようにして聞こえる。
「たま殿はどれにします?」
「え?」
ニラレバの言葉に七色玉葱は少し驚いたように聞き返した。
喧噪に気を取られていたのか、何を聞かれたのかわからなかったようだ。
「かき氷、食べませんか?」
立ち並んだ夜店の一角。
色鮮やかなシロップが並ぶ店先で、ニラレバが楽しそうにメニューを指さしている。
「ああ、ニラ殿は?」
「俺はブルーハワイにしますー」
「では、イチゴで」
「はい」
一際目を引く青いシロップがかけられたかき氷を嬉しそうに受け取るニラレバに、七色玉葱の口元へ笑みが浮かぶ。
無邪気に喜ぶ様子が微笑ましい。
笑みに気づいたニラレバが不思議そうに首を傾げるのに何でもないと首を振って、渡されたかき氷をひとさじすくう。
鮮やかな氷は、どこか懐かしい味がした。
夜になって人が増え始めた沿道を2人並んでゆっくりと歩く。
手にしたままの氷を落とさないように気を使いながら、屋台をひやかして。
境内にたどり着くころには食べきれなかった氷がすっかり色水と化していた。
1000 :
2/2:02/08/18 03:59 ID:+0iyGj2A
「あ、氷溶けちゃいましたね。・・・・もったいない」
「暑いから、仕方ないよ」
「そうですけど・・・・やっぱり、もったいないです」
本当に残念そうなその様子に七色玉葱が苦笑する。
「次は溶ける前に食べるようにすればいいから」
「そうですね〜」
頷きながらも、ニラレバは器から目を離さない。
頭では仕方ないと思っていても、感情がついてこないようだ。
苦笑を深くした七色玉葱が再度口を開こうとした、その時。
不意に、空が明るく染まった。
「あ、花火!」
「もう、こんな時間か」
先程までは音ばかり聞こえていた打ち上げ花火が本格的に始まったのか、次々と夜空に大輪の花を咲かせては消えていく。
場所が悪いのか、そのいくつかは建物に遮られて見えなかったけれども。
「ここからじゃ、全部は見えませんね」
「もう少し近くまで行ってみようか?」
「でも、ここの方が静かですし・・・」
「ニラ殿の好きなように」
真剣に悩むニラレバへ笑いながら告げて、七色玉葱が視線を空へと移す。
花火はまだ始まったばかりのようだ。
今年最後の夏祭り。
過ぎゆく夏を惜しむかのようにはしゃぐ子ども達の声が遠く聞こえた───
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